JP6909379B2 - イメージングノイズ低減システムおよび方法 - Google Patents

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Description

[関連出願の相互参照]
本特許出願は、2017年1月30日に出願され、その内容は参照によりその全体が本開示に組み込まれる仮米国特許出願第62 / 452,326号に関連し、その優先権を主張する。
本発明は、国立衛生研究所によって授与された助成金番号GM1 19785および国防高等研究計画局によって授与された助成金番号HR0011−62−3−6230の下で政府の支援を受けてなされた。政府は本発明に一定の権利を有する。
本出願は、撮像装置に関し、特に、相補型金属酸化物半導体(CMOS)、電荷結合素子(CCD)、電子増倍CCD(EMCCD)、およびアレイセンサーを含む他の撮像装置に関する。
このセクションは、本開示のより良い理解を促進するのに役立ち得る態様を紹介する。したがって、これらの記述はこの観点から読まれるべきであり、従来技術であるかまたはそうでないかについての承認として理解されるべきではない。
科学的相補型金属酸化物半導体(Scientific complementary metal−oxide semiconductor /sCMOS)カメラは、生物科学で急速に人気を集めている。sCMOSセンサーは、電荷結合素子(CCD)や電子増倍CCD(EMCCD)などの従来の検出器に比べて、イメージング速度、感度、視野を大幅に向上させる。これらの2つのクラスのセンサーの主な違いには、光子−電気変換プロセスから各センサー(つまりピクセル)によって生成される電荷がどのように取り扱かわれるかが含まれる。CCDおよびEMCCDでは、各センサーで蓄積された電荷がセンサーのアレイ全体に転送されるが、sCMOSおよびCMOSアレイでは一般に、いくつかのトランジスタがアナログ信号を前増幅(事前増幅/予備増幅/pre-amplify)し、前増幅されたアナログに関連するアナログ信号をデジタル信号(ADC)に変換する。一方の技術の他方に対するいくつかの利点には、CCDベースの技術が高品質の低ノイズ画像を生成できる一方で、CMOSベースの技術がノイズの影響を受けやすいことが含まれる。CMOSベースの技術では、一部の領域が事前増幅されたADCトランジスタで占められているため、単位面積あたりのセンサーに当たる光子の数が少なくなる。CCDベースの技術は、より高い電力を消費する(2桁の大きさまで)。CMOSベースのセンサーはさまざまな半導体製造施設で製造できるが、CCDベースの技術はより成熟している。
CMOSベースの技術では、CMOSセンサがピクセル依存ノイズを導入するため、各ピクセルは、主にオフセット、ゲイン、および分散という独自のノイズ統計を有する。修正されずに残されると、このsCMOS固有のノイズは、イメージングアーティファクト(人工的画像)を発生させ、定量化と視覚化のバイアスを生じる。各ピクセルでこのノイズを特徴付け、単分子局在(single-molecule localization)の尤度関数にノイズ統計を組み込むために、一連のアルゴリズムが開発された。ただし、これらのアルゴリズムは、単一粒子追跡や単一分子スイッチングナノスコピーなどの点オブジェクトを含む画像でのみ機能する。通常の顕微鏡画像またはその他の任意の形状の一般的な画像で機能する一般的なアルゴリズムは存在しない。
したがって、CCDおよびCMOSベースの技術の両方について任意の構造を含む顕微鏡画像からのノイズを劇的に低減するアルゴリズムおよびシステムに対する満たされていないニーズがある。
カメラ画像のノイズを低減するシステムが開示されている。システムは、1つ以上のプロセッサと、プロセッサに動作可能に結合された電子検出器を備えたカメラを含み、プロセッサはカメラ画像のノイズを低減するように構成され、プロセッサは複数のピクセルからのピクセルデータを表すカメラから入力画像データを受信し、ゲインとオフセットの所定のマップに基づいて各ピクセルの電圧オフセットとゲインを考慮してピクセルデータを変更することにより、ピクセルデータを事前補正し(又は、ゲインとオフセットの所定のマップに基づいて各ピクセルの電圧オフセットとゲインを修正してピクセルデータを変更することにより、ピクセルデータを事前補正し/又は、ゲインとオフセットの所定のマップに基づいて各ピクセルの電圧オフセットとゲインを修正するためにピクセルデータを変更することによりピクセルデータを事前補正し)コスト関数を最小化することにより出力画像の推定を取得し、前記推定された画像を他の推定および出力された画像セグメントに出力およびステッチ(又は、つなぎ合わせ/stitch)し、ステッチされた推定された画像を含むノイズ低減画像を出力するように構成される。
一実施形態によれば、上記システムにおいて、出力画像を推定するステップは、
A−前記セグメントに対してノイズマスクを取得し、
B−反復セグメント画像の離散フーリエ変換(DFT)を取得し、
C−前記ノイズマスクを前記セグメントの前記DFTに適用することにより、前記セグメントのノイズの寄与を取得し、
D−ピクセル値に基づいて前記セグメントのために負の対数尤度関数を計算し(ただし、前記負の対数尤度関数は、前記反復セグメント画像と初期セグメント画像間の統計を用いた負の類似度(尤度)の尺度を表す)、
E−前記負の対数尤度関数に前記ノイズの寄与を加えることにより、コスト関数を計算し、
F−ピクセル値を調整し、それによって新しい反復セグメント画像を取得し、反復最小化プロセスでステップB〜Eを繰り返すことにより、コスト関数を最小化し、
G−前記コスト関数が最小化されたときにノイズが低減されたセグメント画像を出力することを含む
一実施形態によれば、上記システムにおいて、ノイズマスクはカメラの光学伝達関数(OTF)に基づいている。
一実施形態によれば、上記システムにおいて、ノイズマスクは、以下によって表されるハイパスレイズドコサインフィルタ(又は、はいパスコサインロールオフフィルター/high-pass raised cosine filter)に基づく。
Figure 0006909379
ただし、kr=√(k +k )であり、Mはノイズマスクであり、βおよびTはNAおよびγに基づく調整可能なパラメータであり、NAは開口数を表し、λは検出波長を表す。2つのタイプのOTFマスクが考えられる。第1のマスクは、β=1およびT=λ/5.6NAとするOTF加重マスク(OTF重み付けマスク)である。他方のマスクは、β=0.2およびT=(1−β)λ/4ΝΑとするOTFノイズオンリーマスク(ノイズのみマスク/noise-only mask)である。
一実施形態によれば、上記システムにおいて、前記ハイパスレイズドコサインフィルタは、β=1およびT=λ/5.6NAで表されるOTF加重マスクに基づいている。
一実施形態によれば、上記システムにおいて、前記ハイパスレイズドコサインフィルタは、β=0.2およびT=(1−β)λ/4ΝΑで表されるOTFノイズオンリーマスクに基づいている。
一実施形態によれば、上記システムにおいて、前記ハイパスレイズドコサインフィルタは、以下によって表される調整可能なOTFマスクに基づいている。
Figure 0006909379
ただし、幅wは10−6から2で調整でき、高さhは0から1で調整可能である。
一実施形態によれば、上記システムにおいて、前記ハイパスレイズドコサインフィルタは、幅および高さの少なくとも2つのパラメータに基づく調整可能なOTFマスクに基づいている。
一実施形態によれば、上記システムにおいて、前記幅は10−6から2NA/λで変化することができ、前記高さは0.7から1で変化することができる。
一実施形態によれば、上記システムにおいて、前記ハイパスレイズドコサインフィルタは、ユーザ定義マスクに基づいている。
一実施形態によれば、上記システムにおいて、前記ゲインおよびオフセットの所定のマップは、カメラ製造業者によって提供されるか、または前記複数のピクセルのそれぞれを特徴付けることによって取得される。
一実施形態によれば、上記のシステムでは、前記事前補正は、以下によって実行される。
Figure 0006909379
ただし、Diは、事前補正されたピクセルデータi、Aiは未補正のピクセル、Oiはピクセルiのオフセット、giはピクセルiのゲインを表す。
一実施形態によれば、上記のシステムでは、LxL画像の前記DFTが以下によって表される。
Figure 0006909379
ただし、x=mΔx、y=nΔy、kx=p/LΔx、ky=q/LΔy、m、n、p、qは1ずつ増加するインデックス、p、q∈[−L/2,L/2−1]であり、ΔχとΔは2次元での画像のピクセルサイズを表す。
一実施形態によれば、上記のシステムにおいて、Δχが実質的にΔyと同じである。
一実施形態によれば、上記のシステムでは、ノイズの寄与は次のように表される。
Figure 0006909379
一実施形態によれば、上記システムにおいて、尤度関数は以下によって表される。
Figure 0006909379
ただし、iはピクセルインデックス、Nは画像のピクセル数、γiはキャリブレーション量である。
一実施形態によれば、上記システムにおいて、 γiがσi/giであり、σi及びgiは、それぞれピクセルiの分散とゲインである。
一実施形態によれば、上記のシステムでは、負の対数尤度関数は次のように表される。
Figure 0006909379
ただし、Diは、
Figure 0006909379
で表される事前補正されたピクセルデータであり、Aiは未補正ピクセルを表し、Oiはピクセルiのオフセットを表し、giはピクセルiのゲインを表す。
一実施形態によれば、上記システムにおいて、前記入力画像の前記セグメント化は、1xlから前記カメラの検出器の最大サイズまでのサイズのセグメントに基づいている。
一実施形態によれば、上記のシステムでは、カメラにより追加されるノイズは最大約80%低減される。
カメラ画像からノイズを低減する方法も開示されている。この方法は、
複数のピクセルからのピクセルデータを表す電子検出器を有するカメラからの入力画像データを受信し、
入力画像データを複数のセグメントにセグメント化し、複数のセグメントのそれぞれについて、
初期セグメント画像を確立し、
ゲインとオフセットの所定のマップに基づいて各ピクセルの電圧オフセットとゲインを考慮してピクセルデータを変更することにより、ピクセルデータを事前補正し(又は、ゲインとオフセットの所定のマップに基づいて各ピクセルの電圧オフセットとゲインを修正してピクセルデータを変更することにより、ピクセルデータを事前補正し/又は、ゲインとオフセットの所定のマップに基づいて各ピクセルの電圧オフセットとゲインを修正するためにピクセルデータを変更することによりピクセルデータを事前補正し)、
コスト関数を最小化することにより出力画像の推定を取得し、前記推定された画像を他の推定及び出力された画像セグメントに出力およびステッチし、
前記ステッチされた推定された画像を含むノイズ低減画像を出力することを含む。
一実施形態によれば、上記の方法において、出力画像を推定するステップは以下を含む。A−前記セグメントに対してノイズマスクを取得し、
B−反復セグメント画像の離散フーリエ変換(DFT)を取得し、
C−前記ノイズマスクを前記セグメントの前記DFTに適用することにより、前記セグメントのノイズの寄与を取得し、
D−ピクセル値に基づいて前記セグメントのために負の対数尤度関数を計算し(ただし、負の対数尤度関数は、前記反復セグメント画像と初期セグメント画像間の負の類似度(尤度)尺度を表す)、
E−前記負の対数尤度関数に前記ノイズの寄与を加えることにより、コスト関数を計算し、
F−ピクセル値を調整し、それによって新しい反復セグメント画像を取得し、反復最小化プロセスでステップB〜Eを繰り返すことにより、コスト関数を最小化し、
G−前記コスト関数が最小化されたときにノイズが低減されたセグメント画像を出力すること
一実施形態によれば、上記の方法では、ノイズマスクはカメラの光学伝達関数(OTF)に基づいている。
一実施形態によれば、上記の方法において、ノイズマスクは、以下によって表されるハイパスレイズドコサインフィルタに基づく。
Figure 0006909379
ただし、kr=√(k +k )であり、Mはノイズマスクであり、βおよびTはNAおよびγに基づく調整可能なパラメータであり、NAは開口数を表し、λは検出波長を表す。
一実施形態によれば、上記の方法では、 前記ハイパスレイズドコサインフィルタは、β=1およびT=λ/5.6NAで表されるOTF加重マスクに基づいている。
一実施形態によれば、上記の方法では、前記ハイパスレイズドコサインフィルタは、β=0.2およびT=(1−β)λ/4ΝΑで表されるOTFノイズオンリーマスクに基づいている。
一実施形態によれば、上記の方法では、ハイパスレイズドコサインフィルタは、以下によって表される調整可能なOTFマスクに基づいている。
Figure 0006909379
ただし、幅wは10−6から2で調整でき、高さhは0から1で調整可能である。
一実施形態によれば、上記の方法において、前記ハイパスレイズドコサインフィルタは、幅および高さの少なくとも2つのパラメータに基づく調整可能なOTFマスクに基づく調整可能なマスクに基づく。
一実施形態によれば、上記の方法において、前記幅は10−6から2NA/λで変化することができ、前記高さは0.7から1で変化することができる。
一実施形態によれば、上記の方法では、前記ハイパスレイズドコサインフィルタは、ユーザ定義マスクに基づいている。
一実施形態によれば、上記の方法では、前記ゲインおよびオフセットの所定のマップは、カメラ製造業者によって提供されるか、または前記複数のピクセルのそれぞれを特徴付けることによって取得される。
一実施形態によれば、上記の方法において、事前補正は以下によって実行される。
Figure 0006909379
ただし、Diは、事前補正されたピクセルデータi、Aiは未補正のピクセル、Oiはピクセルiのオフセット、giはピクセルiのゲインを表す。
一実施形態によれば、上記の方法において、LxL画像のDFTは以下によって表される。
Figure 0006909379
ただし、x=mΔx、y=nΔy、kx=p/LΔx、ky=q/LΔy、m、n、p、qは1ずつ増加するインデックス、p、q∈[−L/2,L/2−1]であり、ΔχとΔyは2次元での画像のピクセルサイズを表す。
一実施形態によれば、上記の方法において、Δχが実質的にΔyと同じである。
一実施形態によれば、上記の方法では、ノイズの寄与は次のように表される。
Figure 0006909379
一実施形態によれば、上記の方法では、尤度関数は以下によって表される。
Figure 0006909379
ただし、iはピクセルインデックス、Nは画像のピクセル数、γiはキャリブレーション量である。
一実施形態によれば、上記の方法において、γiがσi/giであり、σi及びgiは、それぞれピクセルiの分散とゲインである。
一実施形態によれば、上記の方法では、負の対数尤度関数は次のように表される。
Figure 0006909379
ただし、Diは、
Figure 0006909379
で表される事前補正されたピクセルデータであり、Aiは未補正ピクセルを表し、Oiはピクセルiのオフセットを表し、giはピクセルiのゲインを表す。
一実施形態によれば、上記の方法では、前記入力画像の前記セグメント化は、1x1から前記カメラの検出器の最大サイズまでのサイズのセグメントに基づいている。
一実施形態によれば、上記の方法において、カメラにより付加されたノイズは最大約80%低減される。
図1Aを参照すると、未加工の科学的な相補型金属酸化物半導体(sCMOS)画像とフーリエ空間のその成分が示され、左パネルに任意の画像が示され、右パネルに光学伝達関数(OTF)境界が示され、その中にノイズと信号の両方が存在し、その外側はノイズのみが存在する。
図1Bは、図1Aのノイズ補正画像を示す画像である。
図2Aは、400を超えるsCMOSフレームの時間標準偏差(STD)マップである(ゲインとオフセットによって事前補正されている)。マップのスケールは、有効光子数の単位で最小(STDが2.3、黒)から最大(STDが12.3)である。
図2Bは、400を越えるsCMOSカメラフレームのノイズ補正(本明細書ではNCSとも言う)の時間的STDマップである。
図2Cは、図2Aおよび2Bからの領域iおよびiiの拡大図(左パネル、左上がiで左下がii)および分散が大きいピクセルはノイズ低減後に効果的に削除されたさらに拡大された画像(右パネル)である。
図2Dは、50フレーム以上のトリミングされた領域iおよびiiから選択されたピクセルのピクセル強度トレースである。
図3Aおよび3Bは、tdEosでタグ付けされたCOS−7細胞の末端結合タンパク質3を従来の広視野蛍光顕微鏡で撮像したときの低光子レベルでのノイズ補正前後のピクセル変動比較である。図3Aを参照すると、ゲインおよびオフセットが事前補正された単一のsCMOSフレームが、10msの露光時間および時点t=0sでの比較目的のために提供されている。図3Bを参照すると、sCMOSフレームからの図3Aの選択された領域の時系列が、sCMOSノイズの大幅な低減を示す対応するノイズ低減フレームとともに提供され、一方で、基礎となる信号は維持されている。
図4A、4B、および4Cは、それぞれ、本開示によるノイズ低減アルゴリズム(本開示では典型的にNCSと呼ばれる)のステップを提供する概略フローチャートおよび別のフローチャートである。図4Bを参照すると、入力画像の個々のセグメントのコスト関数を最小化することにより、推定に基づいてノイズ低減画像を生成する方法のフローチャートが示されている。図4Cを参照すると、図4Bに示された推定のステップを示す別のフローチャートが示されている。
図5A、5B、および5Cは、2種類のOTFマスクに関連付けられたデータである。図5Aは、従来の広視野蛍光顕微鏡で撮像されたtdEosでタグ付けされたCOS−7細胞のペルオキシソーム膜タンパク質のフレームのセットである。図5Aは、400以上のsCMOSフレームの時間標準偏差マップ、OTF加重マスクおよびノイズオンリーマスクを備えたNCSフレーム(それぞれ左パネル、中央パネル、および右パネル)を示す。
図5Bは、図5Aと同様のsCMOSのシーケンスの平均及びNCSフレーム、並びに、実空間(上パネル)及びフーリエ空間(下パネル)における対応する振幅である。図5Cは、sCMOSおよびNCSフレーム(OTF加重マスクおよびノイズオンリーマスクでのNCSフレーム)からのフーリエ空間での径平均振幅と正規化周波数のグラフを提供する。
図6Aおよび6Bは、フーリエ空間におけるシミュレーションデータと実験データの両方の比較に関連するデータを表す。イチジク。図6Aは、COS−7細胞におけるEB3−tdEosの従来の蛍光画像のsCMOSフレームとNCSフレームの比較である。図6Bは、理想的なsCMOSフレームとシミュレートされた微小管画像のNCSフレームの比較である。
図7A、7B、7C、および7Dは、実験データとシミュレーションデータの両方を使用した解像度比較に関連するデータである。図7Aは、sCMOSカメラからの100nm黄緑色蛍光ビーズ画像およびNCS補正画像に関連する実験データを示している。図7Bは、各ビーズ画像の垂直次元にわたって平均化することにより生成され、それらの幅、σsCMOSおよびσNCSを抽出するガウス関数で適合された強度プロファイルの正規化強度対ピクセル数グラフを示す。図7Cは、シミュレーションパラメータに基づいたシミュレーションデータを示している。図7Dは、シミュレートされたデータの強度プロファイルの正規化強度対ピクセル数のグラフを示している。
図8A、8B、8C、8D、8E、および8Fは、データシミュレーション手順の図である。64x64ピクセルの微小管のsCMOSフレームをシミュレートするために、バイナリ画像のピクセルサイズが与えられたピクセルの8倍小さいワーム様チェーンモデル(WLCモデル/worm-like chain model)を使用してシミュレートされた座標からバイナリ(512x512)画像8Aが生成された。続いて、バイナリ画像は図8Bに示される正規化されたPSFで畳み込まれた。そして、図8Cに示すように、Snormとして示される64×64の画像を生成するために8でビニングされた。Snorm画像は、図8Dに示されるように、与えられた強度iが乗算され、与えられた背景bgが加えられて、理想的な画像Sidealが生成された。次いで、理想的な画像は、図8Eに示されるように、ポアソンノイズでコラプションされてSPoissonを形成する。次に、SPoissonイメージは、sCMOSゲインマップgが乗算され、各ピクセルのガウスノイズG(0、σr)が加えられる(各ピクセルは、平均がゼロで分散はσr(σrは各ピクセルで異なる)に等しいガウス分布から抽出されたランダムな値である。)次に、図8Fに示すように、オフセットマップoが加えられた。
図9A、9B、および9Cは、シミュレートされたデータの対数尤度比(LLR)の比較を示す。図9Aは、ノイズなし(理想)、読み出しおよびポアソンノイズ(sCMOS)、ノイズ補正後(NCS)、およびポアソンノイズのみ(ポアソン)(最も左のパネル、左のパネル、右のパネル、および最も右のパネル、それぞれ)の条件下でのシミュレートされた微細管の画像である。図9Bは、図9Aの各画像の対数尤度比マップである。図9Cは、sCMOS、NCS、およびポアソンの条件下での図9Bの個々のピクセルのLLRのヒストグラムである。
図10は、本開示のアルゴリズムで使用されるセグメント化スキームの図を示す。
図11Aは、幅が10−6〜2、単位がNA/λ、高さが0.7〜1の様々な調整可能なOTFマスクを示している。
図11Bは、OTFマスクの径平均対正規化周波数のグラフであり、異なるOTFマスクの径平均プロットを示す。
図11Cは、ゼロに等しい幅を有するOTF加重マスクを示し、高さは検出器のサンプリングレートに依存する。
図11Dは、2に等しい幅(ΝΑ/λ単位)を持つノイズオンリーOTFマスクであり、高さは検出器のサンプリングレートにも依存する。
図12A、12B、および12Cは、本開示による、検出器の様々なサンプリングレートでのNCS結果の比較を表す。図12Aは、様々なサンプリングレートで撮像されたシミュレートされたビーズのフーリエ空間における振幅を示している。OTF半径は、2NA/λ(赤い円)に等しい定数である。OTF加重マスク(グラデーションオーバーレイ)で重みが大きいピクセルの数は、サンプリングレートとともに減少する。図12Bは、様々なサンプリングレートでのOTFマスクの径平均プロットである。サンプリングレートが低下するにつれ、OTFマスクはより中央で切り捨てられる(トランケートされる/truncated)。図12Cは、様々なサンプリングレートでのsCMOSフレームとそれに対応するNCSフレームを示している。
図13は、様々なα値でのNCS結果の比較を示す画像のセットである。
図14A、14B、14C、および14Dは、sCMOSフレーム、NCSフレーム、1ピクセルに等しいシグマを持つ2DガウスカーネルによってぼかされたsCMOSフレームおよびOTF半径に等しいカットオフ周波数を持つローパスフィルタ後のsCMOSフレームそれぞれの比較に基づく本開示のアルゴリズムに基づくノイズ低減と比較したローパスフィルタに関連するデータを示す。
図15Aおよび15Bは、NCS結果と3つのセグメンテーションサイズおよび2つの反復数との比較に関連するデータを示している。図15Aは、100のsCMOSフレームの時間STDマップである。イチジク。図15Bは、さまざまな条件での100のNCSフレームの時間STDマップである。
図16は、アルゴリズムの結果(理想的なノイズのないイメージと比較)、未処理のsCMOSデータ(理想的なノイズのないイメージと比較)、および理想的なカメラ(理想的なノイズのないイメージと比較)のトータルの測定された対数尤度比の比較グラフである。Y軸は、3つのケースすべてについて1000回の試行のヒストグラムカウントを表す。従って、カメラにより追加されたノイズは最大約80%削減される。
図17は、一実施形態による例示的な撮像システムの構成要素を示す図である。
本開示の原理の理解を促進する目的で、図面に示された実施形態を参照し、特定の言語を使用してこれを説明する。それにもかかわらず、それにより、本開示の範囲の限定が意図されないことが理解されるであろう。
本開示において、用語「約」は、値または範囲のある程度の変動度、例えば、述べられた値または述べられた範囲の限界の10%以内、5%以内、または1%以内を許容する。
本開示において、「実質的に」という用語は、値または範囲の変動度、例えば、述べられた値または述べられた範囲の限界の90%以内、95%以内、または99%以内を許容し得る。
本明細書では、電荷結合素子(CCD)および相補型金属酸化膜半導体(CMOS)ベースの技術の両方の任意の構造を含む顕微鏡画像からノイズを劇的に低減する新しいアルゴリズムおよびシステムを説明する。この新しい方法とシステムは、さまざまな顕微鏡分野のピクセル依存ノイズを補正して、画質を劇的に改善する。
科学的相補型金属酸化膜半導体(sCMOS/scientific complementary metal-oxide semiconductor)カメラで記録された画像は、主に2種類のノイズ、すなわち、光の量子性に起因するポアソンノイズと、カメラの読み出しプロセス中に導入される読み出しノイズを含む。
無視できる有効読み出しノイズを有するが、顕著な電子増倍ノイズを有する電子増倍電荷結合デバイス(EMCCD/electron-multiplying charged-coupled device)カメラと比較して、科学的CMOS(sCMOS)カメラは、ピクセルに依存するカメラ統計を特徴とする(各ピクセルには独自のオフセット、分散(バリアンス/variance)およびゲインがある)。これは主に、EMCDCDカメラでは、各ピクセルは同じ読み出しユニットを使用して連続的に処理されるのに対し、各ピクセルの独立した読み出しユニットによるものである。
したがって、sCMOSカメラのピクセルは、予想される入射光子(フォトン)がなくても、「フリッカー」しているように見え、このノイズのレベルはピクセル間で1−2ADUから1000−2000ADUで大きく変化する(ADUは、アナログ ツー デジタル ユニットの略であり、カメラからの出力カウントである)。このノイズは画質を大幅に低下させ、特に蛍光顕微鏡検査、天文学、ハイパースペクトル検出など、低光子数の効率的な検出を必要とする用途では、sCMOSカメラを使用した定量的研究を困難にする。
ノイズ補正におけるCMOSベースの撮像デバイスの一分類である科学的CMOS(sCMOS)の基本的な課題は、2つの変数のうちの1つの推定である(変数の合計が既知);sCMOSカメラからの各ピクセルは、それぞれポアソン分布とガウス分布に従う光電子及び読み出しノイズによって与えられる2つの変数の合計を表すデジタルカウントを生じさせる。光電子ベースのノイズ(ショットノイズまたはポアソンノイズとも呼ばれる)は、センサーに到達する少数の個々の光子の量子効果に関連している。読み出しノイズは、前述の事前増幅およびアナログデジタル変換(ADC)中に生成される電子ノイズに関連している。ポイントエミッターの検出の場合、光電子は例えばガウス関数としてモデル化される回折限界スポットを形成する。ピクセル依存ノイズの場合、最尤推定器(maximum-likelihood estimator)は理論的限界で正確に分子中心を抽出できる。ただし、任意の構造では、単一エミッタの仮定は失われる。
本開示による一般化されたノイズ補正アルゴリズムは、光学伝達関数(OTF)を使用する。OTFは、イメージングシステム(画像システム/画像化システム)がさまざまな空間周波数をどのように処理するかを指定する。顕微鏡の開口数と検出波長によって規定されるOTFのサポートは、顕微鏡システムの周波数応答限界を支配する。サンプルからの光信号は周波数限界(制限)内にのみ存在し、一方、ノイズからの寄与のみがこの限界外に存在する。この周波数限界の例が図1Aに示されている。図1Aを参照すると、生のsCMOS画像とそのフーリエ空間のコンポーネントが示されている。ここで、左のパネルには任意の画像が示され、右のパネルにはOTF境界(OTF boundary)が示されており、その境界内にはノイズ及び信号の両方が存在し、境界外にはノイズのみ(ノイズオンリー/Noise-only)が存在する。左パネルの挿入画像(填め込み画像)は、読み出しノイズの分散マップ(vmap)を示している。フーリエ空間の画像には、ノイズと信号の両方からの寄与(Signal + noise contri.)が含まれる。分散マップのマップは、2.8〜2,000カメラカウント2乗(アナログ−デジタルユニット(ADU))で線形にスケーリングする。独立の読み出しノイズを仮定すると、本開示によるアルゴリズムは、ノイズの寄与を最小化し、画像推定の尤度を最大化して、読み出しノイズに埋もれた基礎となる信号を回復する。この変化は図1Bに見られる。図1Bを参照すると、図1Aのノイズ補正画像を示す画像が示されている。本開示によるアルゴリズムは、最初に、実際のシステムの有効カットオフ周波数の控えめな推定を表す理論的なOTF周辺(境界)の外側または近くのフーリエ空間における画像のノイズの寄与を抽出する。次に、sCMOSノイズモデル−ピクセルごとの複数の読み出し単位を有するセンサーのピクセル依存のオフセット、ゲイン、分散を含む)に基づいて、画像全体の尤度関数が計算される。フーリエ空間におけるノイズの寄与と負の対数尤度の合計を最小化することにより、ノイズ補正された画像が生成され(その例は図1Bに示されている)、復元されたイメージではピクセル依存のノイズはほとんど検出できない。
図2A〜2Dでは、従来の広視野蛍光顕微鏡でtdEosでタグ付けされたCOS−7細胞におけるペルオキシソーム膜タンパク質の蛍光顕微鏡画像の時間変動を示す例示的な画像のセットが提供される。具体的には、図2A(時間STDマップ−sCMOSフレーム)は、400以上のsCMOSフレームの時間標準偏差(STD)(ゲインおよびオフセットにより事前補正された)マップを示している。マップのスケールは、有効光子数の単位で最小(STDが2.3、黒)から最大(STDが12.3)である。図2B(時間STDマップ−NCSフレーム)を参照すると、sCMOSカメラフレームの400を超えるノイズ補正(本明細書ではNCSとして代替的に特定される)の時間STD(一時的STD)マップが示されている。図2C(sCMOS、アルゴリズム)を参照すると、図2Aおよび2Bの領域iおよびiiの拡大図(左パネル、iは左上およびiiは左下)およびさらに拡大した画像(右パネル)は、ノイズの低減後に分散の大きいピクセルが効果的に除去されることを示す(以下で説明)。図2Dを参照すると、50フレームを超えるトリミングされた(クロップされた/cropped)領域iおよびiiからの選択されたピクセルのピクセル強度トレースが示されている。読み出しノイズが高いピクセル(ピクセル1および3)では、ノイズの低減後、値の変動が大幅に減少するが、読み出しノイズが低いピクセル(ピクセル2および4)では、ピクセル値の変動はほぼ同じままである。ノイズ補正の前後で、読み出しノイズが高い場合と低い場合の両方で、平均のピクセル値(pixel value)はほぼ同じままである。
図3Aおよび3Bを参照すると、tdEosでタグ付けされたCOS−7細胞の末端結合タンパク質3を従来の広視野蛍光顕微鏡で撮像したときの低光子レベルでのノイズ補正前後のピクセル変動比較が提供されている。図3Aを参照すると、ゲインおよびオフセットについて事前補正された単一のsCMOSフレームが、10msの露光時間および時点t=0sで比較目的のために提供されている。図3Bを参照すると、sCMOSフレームからの図3Aの選択された領域の時系列が、基礎となる信号は維持しつつsCMOSノイズの大幅な低減を示す対応するノイズ低減フレームとともに提供されている。
図4Aおよび4Bを参照すると、それぞれ、本開示によるノイズ低減アルゴリズム(本開示では典型的にNCSと呼ばれる)のステップを提供する概略図およびフローチャートが示されている。一般に、本開示のアルゴリズムは以下の機能を実行する:
1)各ピクセルの事前に特徴付けられた値(一部のCMOSカメラメーカーは現在これらのパラメータマップを提供している)を使用してオフセットとゲインを補正し、事前補正されたイメージDを取得する。その際、アルゴリズムはDの中の非正値のすべてのピクセルを10−6などの小さいを非ゼロ値に割り当てる。(又は、アルゴリズムにより、Dの中の非正値のすべてのピクセルは、10−6などの小さいを非ゼロ値に割り当てられる)。
2)入力画像をM×Mピクセルのサブ画像にセグメント化(分割)する。Mは任意の正の整数であり得る。一実施形態によれば、Mの値は約1から約256の間である。
3)以下で与えられるコスト関数fを最小化することにより推定値を取得する:
f=LLS+ασΝ、
ここで、LLSは単純化された負の対数尤度(negative LL)を表し、
σΝは、それぞれOTF周辺(境界)の近くと外側のノイズの寄与を表し、Mと目的のノイズ補正強度に基づいて変更できる値を有し得る経験的な重み係数である。汎用の準ニュートンルーチンを使用してfを最小化できる。推定の初期値は、セグメントの値に設定される。
4)各セグメントについて、ステップ3を反復する。すべてのセグメントは独立しているため、グラフィック処理装置(GPU)、中央処理装置(CPU)、または特定用途向け集積回路(ASIC)を介して並列処理できる。通常、回帰は約20回の反復内で収束する。
これらのステップのそれぞれは、ここでより詳細に説明される。
1)事前補正
ピクセル依存のゲインおよびオフセットマップは、センサーのタイプおよびそれらの工場内較正プロセスに応じて、研究室で特徴付けられるか、製造業者から取得される。これらのマップを持つことにより、上記の反復プロセス内の計算の数が削減される。簡単にするために、単一のゲインマップと分散マップがsCMOSアレイに関連付けられていることを理解されたい。この概念は、複数の増幅器(アレイ増幅器など)を有する複数のセンサーに拡張できる。sCMOSカメラから取得した画像Aには、N個のピクセルが含まれている。ピクセル依存のカメラオフセット及びゲインは、oとgで示される。ここで、oiおよびgiは、ピクセルiの特定の値を示す。ピクセルiのパラメータDiは、以下の式に基づいて計算される。
Figure 0006909379
結果として生じる画像Dは、以下に記載される反復プロセスにおいて後に使用される。
2)画像のノイズ低減
回折限界(回折制限)撮像システムは、それより高い周波数の信号を収集できない基本的なカットオフ周波数を持っている。カットオフ周波数は、画像システムの検出波長(λ)と開口数(NA)によって定義される。このカットオフ周波数は、画像のノイズ部分を抽出するために使用される。顕微鏡画像の2Dフーリエ変換では、回折限界システムからの信号は、画像システムの光学伝達関数(OTF)によって定義される円形領域にのみ含まれる。OTFは、画像システムの瞳孔関数の自己相関である。理想的な画像システムの場合、瞳孔半径はΝΑ/λであるため、OTF半径はこの量の2倍の2NA/λである。LxL(Lは偶数の正の整数)ピクセルの画像μが与えられると、その2D離散フーリエ変換は
Figure 0006909379
ここで、μ^(本翻訳文では、「μ」の上に「^」が付された記号を「μ^」で代用する。)は2D画像の離散フーリエ変換、
x=mAx、
y=nAy、
kx=p/LΔx、
ky=q/LΔy、
m、n、p、qは1ずつ増加し、
p、q∈[−L/2、L/2−1]、ΔχおよびΔyは、2次元の画像のピクセルサイズを表し、一般にΔχ=Ayである。OTFマスクイメージ(kx、ky)は、以下で説明するように、レイズドコサインフィルターから生成され、ノイズの寄与は次から計算できる。
Figure 0006909379
3)OTFマスクでのレイズトコサインフィルターの実施
ハイパスレイズドコサインフィルタを使用して、ノイズ補正(NCS)アルゴリズムでのノイズの寄与を計算するためのOTFマスクを生成する。ハイパスレイズドコサインフィルタを使用すると、ユーザはマスク境界のシャープネスとフィルター処理の度合いを調整できる。OTFマスクは以下から生成される:
Figure 0006909379
ここで、kr=√(k +k )である。2種類のOTFマスクが考慮される。最初のマスクはOTF加重マスクと呼ばれ、β=1およびT=λ/5.6NAである。もう1つは、ノイズオンリーマスク(ノイズのみマスク)と呼ばれ、β=0.2およびT=(1−β)4ΝΑである。OTF加重マスクは、ノイズ補正に関して最高のパフォーマンスを提供する。しかし、それは少量の信号情報を犠牲にし、解像度のわずかな低下(約2−5nmの低下)をもたらすが−以下で説明する図7A〜7Dを参照−、ノイズオンリーマスクの場合、信号部分はそのまま残されるが、ノイズ補正効率も低下する。一実施形態では、理論上のカットオフ周波数に基づくOTF加重マスクがOTFマスクとして使用される。本開示によるシステムにより、ユーザは、上述の2つの事前作成されたOTFマスクと、ユーザが定義する別の2種類の調整可能なOTFマスク(調整可能なOTFマスクおよび以下でさらに説明するユーザ定義OTFマスク)から選択することができる。
図5A、5B、および5Cを参照すると、これら2つのタイプのOTFマスクに関連するデータが提供されている。特に、図5Aを参照すると、tdEosでタグ付けされたCOS−7細胞のペルオキシソーム膜タンパク質は、従来の広視野蛍光顕微鏡で画像化された。図5Aは、400以上のsCMOSフレームの時間標準偏差マップ、OTF加重マスクおよびノイズオンリーマスクを備えたNCSフレーム(それぞれ左パネル、中央パネル、および右パネル)を示す。スケールは、有効光子数の単位で最小(STDが2.3、暗い)から最大(STDが12.3、白)までである。図5Bを参照すると、図5Aと同様のNCSフレーム及びsCMOSのシーケンスの平均、並びに、フーリエ空間におけるそれらの対応する振幅が提供されている。再度sCMOSフレーム、OTF加重マスクでのNCSフレーム及びノイズオンリーマスクでのNCSフレーム(それぞれ左パネル、中央パネル、右パネル)に対し、平均画像は、sCMOS及びNCSフレームの公平な比較のために、ピクセル依存ノイズをキャンセルするために使用された。図5Cは、sCMOSおよびNCSフレーム(OTF加重マスクおよびノイズオンリーマスクでのNCSフレーム)からのフーリエ空間での振幅の径平均(動径平均/radial average)と正規化周波数のグラフを提供する。
図6Aおよび6Bを参照すると、フーリエ空間での実験データとシミュレーションデータの比較が提供されている。400フレームにわたる平均化された実験画像を使用して、そのフーリエ空間振幅の明確な画像を提供するために、ピクセル依存ノイズをキャンセルした。図6Aを参照すると、COS−7細胞におけるEB3−tdEosの従来の蛍光画像のsCMOSフレームとNCSフレームの比較が提供されている。実空間画像は、400以上のsCMOSフレームの平均化によって得られ、フーリエ空間の画像は実空間画像のフーリエ変換の振幅部分である。NCSフレームの場合、フーリエ空間振幅の径平均は、OTFカットオフ周波数(2ΝΑ/λ)の後に大幅に減少する。我々は、フーリエ空間画像の明確な視覚化を促進するために、平均化された画像を使用してピクセルごとのsCMOSノイズをキャンセルした。図6Bを参照すると、シミュレートされた微小管画像の理想的、sCMOS及びNCSフレームの比較が提供されている。実空間画像は、理想的なケース(ノイズなし)、sCMOSフレーム、ノイズ補正画像を含むシミュレーションデータの単一フレームであり、下段はフーリエ空間でのそれらの振幅を示す。NCS後のフーリエ空間画像の振幅は、半径外側で低下し、その値は、理想的な画像と比較して、周波数範囲全体にわたってより高いままである。バーは、有効光子カウントを示す。
図7A、7B、7Cおよび7Dを参照すると、実験データとシミュレーションデータの両方を使用した解像度比較に関連するデータが示されている。特に、図7Aを参照すると、sCMOSカメラからの100nm黄緑色蛍光ビーズ画像およびNCS補正画像に関連する実験データが提供されている。sCMOSフレームとNCSフレームの公正な比較のためにsCMOSフレームの読み出しノイズをキャンセルするために、両方のケースで画像を200フレームにわたって平均した。強度プロファイルは、各ビーズ画像の垂直次元(垂直方向)で平均化することにより生成され、ガウス関数でフィッティング(fit)され、図7Bに提供される正規化強度対ピクセル数のグラフに示されるそれらの幅であるσsCMOSおよびσNCSが抽出された。図7Cを参照すると、以下で説明するシミュレーションパラメータに関連するシミュレーションデータが提供されている。このパラメータに基づいてシミュレートされたビーズ画像は以下で議論される。シミュレートされたビーズ画像は、sCMOSおよびNCSフレームからお20フレームにわたって平均された。実験データとシミュレーションデータの両方から、σNCSはσsCMOSよりわずかに大きく、5.5nmと4nmの解像度の低下をもたらし、回折限界の約250nmと比較して、わずかな低下は無視できる可能性がある。
シミュレートされたデータでは、微小管をシミュレートするために虫様連鎖モデル(WLCモデル/worm-like chain model)を使用した。WLCモデルは、x、y座標のセットを生成する。これらの座標に基づいて、1つ以上のポイントがピクセル内にある場合はピクセル値が1に設定され、そうでない場合はピクセル値がゼロに設定されるバイナリイメージを生成する。バイナリイメージのピクセルサイズははるかに細かく、通常は出力画像のピクセルサイズ(100nm)の8倍小さい。次に、画像は、12.5nmのピクセルサイズでNA=1.4、λ=700nmのパラメータに基づいて生成されたPSF画像で畳み込まれまる。すべてのピクセル値の合計が1に等しくなるようにPSF画像が正規化される。結果の画像は、ピクセルサイズが12.5nmの回折限界微小管画像である。その後、画像は8でビニングされ(binned)、Snormとして示される100nmのピクセルサイズを有する画像が生成される。強度I=100、および背景bg=10が与えられると、回折限界システムからの理想的な画像は以下から生成される:
Figure 0006909379
次に、画像はSPoissonとして示されるポアソンノイズでコラプション(破損)される。ゲインマップg、分散マップσr、およびオフセットマップoを指定すると、sCMOSカメラの最終画像は次から生成される。
Figure 0006909379
ここで、G(0、σr)は、ゼロに等しい平均とσrでの対応する値に等しい分散を有するガウス分布からランダム変数のイメージを生成する。図8(図8A、8B、8C、8D、8E、および8F)を参照すると、データシミュレーション手順の図が示されている。64x64ピクセルの微小管のsCMOSフレームをシミュレートするために、バイナリ画像のピクセルサイズが与えられたピクセルの8倍小さいWLCモデルを使用してシミュレートされた座標からバイナリ(512x512)画像8Aが生成された。続いて、図8Bに示されるように、バイナリ画像は正規化されたPSFで畳み込まれる。そして、図8Cに示すように、Snormとして示される64×64の画像を生成するために8でビニングされる。Snorm画像は、図8Dに示されるように、与えられた強度iが乗算され、与えられた背景bgが加えられて、理想的な画像Sideaiを生成する。次いで、理想的な画像は、図8Eに示されるように、ポアソンノイズでコラプションされてSPoissonを形成する。次に、SPoissonイメージは、sCMOSゲインマップgが乗算され、各ピクセルのガウスノイズG(0、σ2)が加えられる(各ピクセルは、ゼロに等しい平均とσr(σrは各ピクセルで異なる)に等しい分散を有するガウス分布から抽出されたランダムな値である。)次に、図8Fに示すように、オフセットマップoが加えられる。結果のイメージは、SsCMOSと称されるシミュレートされたsCMOSフレームである。
画像のノイズ部分を抽出するための理論的なカットオフ周波数を使用することができる(このカットオフ値は、理想的な画像システムに基づいて導かれるカットオフ値である)が、実際の画像システムに対しては、システムおよびサンプルにより誘発される収差(aberrations)のために、実効的カットオフ周波数は2NA/λより小さくなり得る。したがって、本開示のアルゴリズムにより、ユーザは次のオプションから選択することができる:OTF加重マスク(デフォルト)、ノイズのみのOTFマスク、調整可能なOTFマスクおよびユーザ定義のOTFマスク。調整可能なOTFマスクは下記に基づく。
Figure 0006909379
ここで、幅wは10−6から2に、高さhは0から1に調整できる。調整可能なOTFマスクには、幅wと高さhの2つのユーザ入力が必要である。これら2つのユーザ入力は、図11A、11B、11Cおよび11Dを参照して示される。特に、図11Aを参照すると、幅が10−6から2であり(単位がNA/λ)、高さが0.7〜1である様々な調整可能なOTFマスクが示される。幅はゼロより大きい必要がある。図11Bを参照すると、OTFマスクの径平均対正規化周波数のグラフが提供され、OTFマスクの異なる選択肢の径平均プロットを示している。図11Cを参照すると、幅がゼロに等しく、高さは検出器のサンプリングレートに依存するOTF加重マスクが示されている。検出器のさまざまなサンプリングレートでのNCS結果の比較は、以下で説明する図12A−12Cに提供されている。これは、OTFマスクのデフォルトおよび推奨オプションである。図11Dを参照すると、幅が2(NA/λの単位)に等しいノイズのみOTFマスクが示されており、高さはやはり検出器のサンプリングレートに依存している。
ナイキストサンプリングレート(Nyquist sampling rate)に基づくと、画像のピクセルサイズは、システム解像度の半分以下になるように選択されることが多い。システムの解像度は、当業者に知られているレイリー基準、0.61λ/NAによって特徴付けることができる。我々は、検出器のサンプリングレートを、レイリー基準を画像のピクセルサイズで除算した値として定義する(たとえば、2は最小ナイキストサンプリングレートである)。我々は、さまざまなサンプリングレートでNCSアルゴリズムのパフォーマンス(特性/性能)を調査した。NCSアルゴリズムは、1.4〜2.9の幅広いサンプリングレートを許容することが判明した。ただし、補正力は2.0未満のサンプリングレートから徐々に低下し始める。これは、サンプリングレートが2.0未満の場合、(図12A−12Cに示すように)OTF境界はほとんどフーリエ空間の画像境界の外側にあり、主に画像のノイズ部分から考慮されるピクセルが少なくなり、その結果、コスト関数におけるノイズの寄与の割合が減少し、これにより、図13に示されるようにα値が減少するのと同様の効果がもたらされる。図13を参照すると、様々なα値でのNCS結果の比較を示す画像のセットが提供されている。コスト関数では、係数にノイズの寄与部分が乗算される。α=0の場合、コスト関数は既に最小であるため、NCSアルゴリズムは元の画像に影響を与えず、結果のNCSフレームはsCMOSフレームと同じである。α値が増加すると、ノイズ補正能力も増加する。ただし、α値が大きすぎる場合、NCSアルゴリズムはノイズの寄与を強調しすぎて、解像度が低下する。Aは10−6〜10の範囲であり得る。1.4などの有意に低サンプリングレートでは(図12A〜12Cに示されるように)、OTF加重マスクの高さは〜0.2まで減少し、NTSアルゴリズムにおける最適化性能を大幅に制限する。さらに、1.73未満のサンプリングレートの場合、OTF境界の外側にピクセルが存在しないため、この場合、ノイズオンリーマスクではなくOTF加重マスクを使用することが推奨され、これは、後者はノイズの寄与を提供せず、コスト関数が最小化できなくなるためである。全体的に、効率的なノイズ補正を行うには、サンプリングレートを2より大きくすることが推奨される。
上述のように、図12A、12B、および12Cを参照すると、検出器の様々なサンプリングレートでのNCS結果の比較が提供されている。検出器のサンプリングレートは、レイリー基準を画像のピクセルサイズで割ったものと定義され(たとえば、2が最小ナイキストレートである)、レイリー基準は0.61λ/NAである。特に、図12Aでは、様々なサンプリングレートで撮像されたシミュレートされたビーズのフーリエ空間の振幅が示されている。OTF半径は、2NA/λ(赤い円)に等しい定数である。OTF加重マスクで重みが大きいピクセルの数(グラデーションのオーバーレイ/重ね合わせ)は、サンプリングレートとともに減少する。図12Bでは、様々なサンプリングレートでのOTFマスクの径平均プロットが提供されている。サンプリングレートが減少すると、OTFマスクはより中央でトランケートされる(切り捨てられる)。図12Cでは、様々なサンプリングレートでのsCMOSフレームと対応するNCSフレームが示されている。図12Cは、NCSアルゴリズムが2のサンプリングレートまで良好に機能し、2の後に徐々に減少することを示している。
上記2つのユーザ入力(径wおよび高さh)は、OTFマスクの形状を変化させる。上級ユーザ向けには、ユーザ定義のOTFマスクのオプションは追加の柔軟性を提供し、ユーザが生成したOTFマスクでの収差システムの補正パフォーマンスがさらに向上する。
本開示のアルゴリズムの場合、完全なOTF関数ではなく、アルゴリズムは、有効カットオフ周波数(OTF境界)の推定のみを必要とする。OTF境界を推定する方法を以下に説明する。まばらに分布したビーズの高い対雑音信号(高い信号/雑音)画像から始めて、このカットオフ周波数は次の手順で推定できる。
(1)sCMOSカメラからの静止画像シーケンスの平均画像を計算する。
(2)フーリエ変換のモジュラス(又は、係数/modulus)(複素フーリエ係数の絶対値)を計算する。
(3)(2)から得られた画像の対数の径平均を計算する。
(4)縮小するウィンドウを使用して、径平均曲線を滑らかにし(たとえば、ウィンドウ内の標準偏差を計算し)、滑らかな曲線の転換点からカットオフ周波数を見つける。
一実施形態に従って収差システムのOTF境界の正確な推定を得るために、約40nmから約100nmの直径と、1μmあたり1〜3ビーズの密度の目的の生体サンプルの放射スペクトルに一致するスペクトルを有する焦点での蛍光ビーズを撮像することができる。
上述のような本開示の一態様に従う回折限界を有する最適化された顕微鏡システムの場合、中心から縁部にかけて増加する勾配を有するOTF加重マスクを使用することができる。OTF加重マスクとノイズオンリーマスクとの間の比較は、図5A−5Cに関して上述されている。これらの図を調べると、上記のように、OTF加重マスクが画像の解像度を維持しながらノイズをより効果的に補正していることがわかる。
(4)画像の負の対数尤度
上記のように、sCMOSカメラ上の単一ピクセルからのピクセル読み出し(単位:ADU)は、それぞれポアソン分布とガウス分布に従う2つのランダム変数の合計としてモデル化される。したがって、ピクセル読み出しの確率(確かさ)は、ポアソン分布とガウス分布の畳み込みとして記述できる。畳み込みに必要な無限和の計算の複雑さを軽減するために、この確率関数の分析的近似が適用される。したがって、推定画像μと画像Dの間の尤度は以下から計算される。
Figure 0006909379
ここで、iはピクセルインデックス、Nは画像のピクセル数、γiはキャリブレーション量であり、σi/giに等しく、σi及びgiは、sCMOSカメラのピクセルiの分散とゲインである(これは単一または複数の分散およびゲインマップから生成され得る)。
本開示のアルゴリズムは、ピクセルごとに複数の有効な読み出しユニットを有するセンサー(例えば、特定のCMOSセンサーのデュアルカラム増幅器)と互換性がある。このアルゴリズムは、ADUレベルに依存するゲインと分散を考慮した単一のマップまたは複数のマップから生成されたゲインと分散マップ(単数または複数)の入力を許容する。ソフトウェアまたはハードウェアにおいて、各ピクセルの信号レベル(ADU)に基づいて複数のゲインおよび分散マップを使用するためのサンプルコードが提供される。このコードは、ADUでのN(N>1)の信号レベルのセットを各ADUレベルの対応するゲインと分散マップとともに提供することをユーザに求める。たとえば、0〜1500ADUおよび1500−Max ADU(ユーザ定義、カメラメーカーから入手)の信号レベルのデュアルアンプセンサーの場合、コードは2セットの対応するゲインと分散マップを取り込む。各入力sCMOSフレームについて、コードはADUカウントに従って各ピクセルのために使用する適切なゲインと分散を決定する。入力sCMOSフレームのスタックと同じサイズを有する結果として得られるゲインおよび分散のスタックは、本開示のアルゴリズムの入力として使用される。時間に非依存のノイズの振る舞いを仮定すると、本開示のアルゴリズムは、単一のゲインおよび分散マップを使用するのと同じ方法で実行される。ほとんどの場合、低光子レベル(たとえば、フレームあたりピクセルあたり<750光子)での単一のゲインおよび分散マップは、一般に、本開示のアルゴリズムが概ね効果的である低光での研究(例えば、生細胞蛍光イメージングおよびライトシート顕微鏡(light sheet microscopy))に適用できる。
本開示のアルゴリズムにおける尤度関数の計算は、隣接するフレーム間のピクセル値に相関がないと仮定する。このような相関の場合、アルゴリズムは、コスト関数を変更することにより、この追加情報を組み込むように適合され得る。これを実現するには、ノイズとその確率密度関数の相関挙動を正確に理解する必要がある。現在の単一フレームベースの操作を複数のフレームを使用したグローバル最適化に拡張することにより、開発したアルゴリズムのさらなる強化を実現できる。
最適化のために、対数尤度関数の負(マイナス)が使用され、スターリングの近似では、次の関係が得られる。
Figure 0006909379
Dとγは定数であるため、目的関数ではそれらは省略される。上記の関係は、次のように還元される。
Figure 0006909379
ここで、LLsは単純化された負の対数尤度関数を示す。μは読み出し前の光電子の推定値であるため、非負である。したがって、各反復中のμi≧0を確保するため、Dの非正値を持つピクセルを10−6に設定することにより、Diが0より大きくなるように制約される。
本開示のアルゴリズムの性能は、対数尤度比が以下から得られる対数尤度比試験に基づくシミュレートされたデータの理想的な画像と異なる種類のノイズ及びノイズ低減後の画像を有する画像を比較することにより調べられた:
Figure 0006909379
ここで、uはノイズのない理想的な画像を表し、
Xは、推定画像、理想的な画像、読み出し及びポアソンノイズを含む画像、またはポアソンノイズのみを含む画像のいずれかである。
図9A、9B、および9Cを参照すると、シミュレートされたデータの対数尤度比(LLR)の比較が提供されている。特に、図9Aを参照すると、ノイズなし(理想)、読み出しおよびポアソンノイズ(sCMOS)、ノイズ補正後(NCS)、およびポアソンノイズのみ(ポアソン)の条件下でシミュレートされた微小管画像が表示されている(最も左のパネル、左のパネル、右のパネル、および最も右のパネル)。ピクセル依存ノイズは、ノイズ補正アルゴリズムを使用して効果的に除去される。バーは、有効光子数を示す。図9Bを参照すると、図9Aの各画像の対数尤度比マップが示されている。理想的なケースでは、LLRは各ピクセルについてゼロである。ピクセルLLRは、ノイズ低減後に大幅に低減され、補正中に組み込まれた追加の顕微鏡情報により、ポアソンの場合よりもわずかに小さくなる。図9Cを参照すると、sCMOS、NCS、およびポアソンの条件下での図9Bの個々のピクセルのLLRのヒストグラムが示されている。
LLR値が小さいほど、画像Xは理想画像uに近くなる。LLR(対数尤度比)の値は、ノイズ低減後に大幅に低減し、補正中に組み込まれる上記で説明した追加の顕微鏡情報により、ポアソンノイズ制限画像の値よりもわずかに小さくなる−セクション2:画像のノイズ低減を参照。
(5)画像のセグメンテーション(セグメント化)
sCMOSノイズ補正アルゴリズムでは、変数の数は画像内のピクセルの数に等しい。256x256ピクセルの画像の場合、合計65536個の変数の最適化は計算負荷が高い。計算時間を短縮するために、各画像はそれぞれM×Mピクセルを含む小さなサブ画像にセグメント化(分割)され、そのため、これらのサブ画像はCPUまたはGPUを介して並列処理できる。
図10を参照すると、本開示のアルゴリズムで使用されるセグメント化スキームの図が提供されている。左パネルに、一般的なセグメンテーションの手法が表示される。入力sCMOSフレームは小さなサブ画像にセグメント化され、並列化されたノイズ補正アルゴリズムに送られる。次に、処理されたセグメントが結合されて、全体のNCSフレームが形成される。右パネルでは、画像境界での高速フーリエ変換アーティファクトを回避するための各セグメントの詳細な前処理手順が示されている。
セグメンテーションサイズは、本開示のアルゴリズムにおける調整可能なパラメータである。
我々は、NCSアルゴリズムと一般的なノイズ低減に使用されるローパスフィルタとの違いを実証した。ローパスフィルタは、画像をシャープな2Dガウスで畳み込むか、フーリエ空間でローパスフィルタを乗算することで生成される。最初の方法では、1ピクセルのシグマを有するガウスぼかしカーネルを実装し、2番目の方法では、カットオフ周波数がOTF半径,2NA/λに等しいローパスフィルタを使用した。我々は、両方のローパスフィルタがsCMOSノイズの補正に失敗したことを確認した(NCSアルゴリズムとローパスフィルタの比較のために一連の画像が提供されている図14A〜14Dを参照)。ローパスフィルタとNCSアルゴリズムの基本的な違いを説明するために、シミュレートされたビーズのデータはシミュレートされた高分散マップ(3000−6000ADU)を使用している。図14A、14B、14C、および14Dを参照すると、sCMOSフレーム、NCSフレーム、1ピクセルに等しいシグマを持つ2DガウスカーネルによってぼかされたsCMOSフレーム、およびOTF半径に等しいカットオフ周波数を持つローパスフィルタ後のsCMOSフレームがそれぞれ提供される。各画像の切り出し(cutout)の領域は、より大きいボックス上の領域の2xズーム(2倍に拡大したもの)である。ガウスぼかしとOTFフィルターの両方がsCMOSノイズ(小さなボックスと矢印)を効果的に除去できないのに対し、NCSアルゴリズムはsCMOSノイズの変動を大幅に低減できることが示されている。さらに、ガウスぼかし法は元の画像の解像度も減少させる(長円)。ローパスフィルタは、高読み出しノイズピクセルを補正するのではなく、高読み出しノイズピクセルをぼやけたスポットに置き換える。さらに、ローパスフィルタを使用すると、画像解像度の大幅な低下が観察され(ガウスぼかし)、フィルターされた画像のリンギングのアーティファクト(ギブス現象)も現れる。対照的に、NCSアルゴリズムは画像解像度を変更せずに維持しながらsCMOSノイズを効果的に低減できることが見出され得た。
本開示のアルゴリズムの計算速度は、セグメント化および並列処理により著しく向上させることができる。3.4 GHz CPUで動作する6コアでのさまざまなセグメンテーションサイズと反復数の下での本開示のアルゴリズムのパフォーマンスを調査した。テストされた条件(下の表を参照)では、セグメント化サイズが大きくなるにつれ、そして予想どおり、反復回数が増えるにつれて速度が低下することがわかった。したがって、できるだけ少ない反復を使用することが推奨される。ただし、反復回数が少ないと、特に読み出し分散が比較的大きい場合に、ノイズ補正のパフォーマンス(性能)が低下する。一実施形態によれば、少なくとも約10回の反復が実行される。別の実施形態によれば、デフォルトの反復回数は約15に設定される。
Figure 0006909379
図15(図15Aおよび15B)を参照すると、3つのセグメンテーションサイズおよび2つの反復回数でのNCSの結果の比較が提供されている。シミュレートされたビーズのデータは、シミュレートされた高分散マップ(3000〜6000ADU)を使用している。時間標準偏差(STD)マップは、100のsCMOSフレームとNCSフレームから生成される。スケールは、最小(STDが1.5、黒)から最大(STDが6、白)までである。特に図15Aを参照すると、100のsCMOSフレームの時間的STDマップが示されている。これは、多くの高読み出しノイズピクセル(STD>6)を示している。図15Bを参照すると、様々な条件での100のNCSフレームの時間的STDマップが示されている。ノイズ補正のパフォーマンスは、セグメントサイズが大きくなると徐々に向上し、反復回数が増えると急速に向上することがわる。ただし、高読み出しノイズピクセルのほとんどは、5回の反復後に除去される。
本開示のアルゴリズムのノイズ補正性能は、セグメンテーションサイズとともにゆっくりと増加するが、8×8未満のセグメンテーションサイズでは、コスト関数は数回の反復で局所的最小値を達成することがわかった。
セグメンテーションによるエッジ効果を除去するために、各セグメントはエッジ上でパディング(pad)されて(M+2)×(M+2)画像を形成する。パディングされたピクセルは次のように生成される。
1)元の画像に対して非エッジのピクセルの場合、それは、元の画像の隣接するピクセルでパディングされる。
2)元の画像に対してエッジのピクセルの場合、それは、それ自体でパディングされる。この変更は、フーリエ変換によるエッジ効果を回避するためのものである。パディングされた画像は、ノイズ低減アルゴリズムにおいてDとして使用される。最終出力画像では、パディングされたエッジは破棄される。この変更を実行することにより、最終画像のエッジピクセルを除き、エッジ効果が除去される。
図16は、アルゴリズムの結果(理想的なノイズのないイメージと比較)、生のsCMOSデータ(理想的なノイズのないイメージと比較)、および理想的なカメラ(理想的なノイズのないイメージと比較)の合計測定対数尤度比の比較グラフである。Y軸は、3つのケースすべての1000回の試行のヒストグラムカウントを表す。sCMOSのLLRの分布は、理想的なカメラの場合(ポアソン)からかなり離れているのに対し、アルゴリズム(NCS)の結果は、理想的なカメラに近づいている。これは、アルゴリズムのパフォーマンス(性能)がsCMOSセンサーを理想的なケース(ポアソン)に近づけることを示している。図16は、最大約80%のカメラ付加ノイズのノイズ低減について示している。
図17は、データを分析し、本明細書で説明される他の分析を実行するための例示的な撮像システム101のコンポーネント、および関連するコンポーネントを示す図である。システム101は、プロセッサ186、周辺システム120、ユーザインターフェースシステム130、およびデータストレージシステム140を含む。周辺システム120、ユーザインターフェースシステム130、およびデータストレージシステム140は、プロセッサ186に通信可能に接続される。プロセッサ186は、以下で説明するように、例えばインターネットまたは専用線などのネットワーク150(破線で示す)に通信可能に接続することができる。イメージング(画像化)用のsCMOSカメラまたは他のデータまたは画像処理デバイス、および本明細書の他のデバイスは、それぞれ1つまたは複数のプロセッサ186または1つまたは複数のシステム120、130、140を含むことができ、それぞれ1つまたは複数のネットワークに接続することができる。本明細書で説明するプロセッサ186および他の処理デバイスは、それぞれ1つまたは複数のマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブル論理デバイス(PLD)、プログラマブル論理アレイ(PLA)、プログラマブルアレイ論理デバイス(PAL)、またはデジタルシグナルプロセッサ(DSP)を含むことができる。
プロセッサ186は、本明細書で説明される様々な態様のプロセスを実施することができる。プロセッサ186および関連するコンポーネントは、例えば、sCMOS撮像を実施し、sCMOSカメラから受信したデータを処理するプロセスを実行することができる。
プロセッサ186は、例えば、中央処理装置(CPU)、マイクロコントローラ(MCU)、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、メインフレームコンピュータ、携帯情報端末、デジタルカメラ、携帯電話、スマートフォン、または電気、磁気、光学、生物学的コンポーネントなどで実装されているかどうかにかかわらず、データの処理、データの管理、またはデータの処理のためのその他のデバイスなど、データを自動的に操作するための1つ以上のデバイスでよく、あるいは、そのような1つ以上のデバイスを含むことができる。
「通信可能に接続された」という語句は、デバイスまたはプロセッサ間でデータを通信するための有線または無線の任意のタイプの接続を含む。これらのデバイスまたはプロセッサは、物理的に近接しているかどうかに関係なく配置でき。例えば、周辺システム120、ユーザインターフェースシステム130、およびデータストレージシステム140などのサブシステムは、プロセッサ186とは別個に示されているが、プロセッサ186内に完全にまたは部分的に具現化または統合することができる。一例では、プロセッサ186は、オンチップバスを介して、システム120、130、または140の機能を実装する1つ以上のコアに接続された中央処理装置を含むASICを含む。
周辺システム120は、プロセッサ186にデジタルコンテンツ記録を提供するか、またはプロセッサ186から受信した信号または他の命令に応じてアクションをとるように構成または適合される1つ以上のデバイスを含むか、通信可能に接続することができる。周辺システム120は、撮像装置(sCMOSカメラを含む)、信号プロセッサおよびコンバータ、または他のデータプロセッサを含むことができる。プロセッサ186は、周辺システム120内のデバイスからデジタルコンテンツ記録を受信すると、データストレージシステム140にそのようなデジタルコンテンツ記録を保存することができる。
プロセッサ186は、周辺システム120を介して、画像システムのサブシステムを制御することができる。例えば、プロセッサ186は、関心対象の画像化を指示することができる。プロセッサ186は、画像化されたオブジェクトのデータを受け取り、処理することができる。
ユーザインターフェースシステム130は、ユーザ138とプロセッサ186またはシステム101の他のコンポーネントとの間で、いずれかの方向または両方向に情報を伝達することができる。ユーザインターフェースシステム130は、マウス、キーボード、(例えば、ネットワークまたはヌルモデムケーブルを介して接続される)別のコンピュータ、データがプロセッサ186に入力される任意のデバイスまたはデバイスの組み合わせを含むことができる。ユーザインターフェースシステム130は、ディスプレイデバイス、プロセッサアクセス可能メモリ、またはデータがプロセッサ186によって出力される任意のデバイスまたはデバイスの組み合わせも含むことができる。ユーザインターフェースシステム130およびデータストレージシステム140は、プロセッサアクセス可能メモリを共有することができる。
様々な態様において、プロセッサ186は、ネットワークリンク116(破線で示される)を介してネットワーク150に結合される通信インターフェース115を含むか、それに接続される。例えば、通信インターフェース115は、統合サービスデジタルネットワーク(ISDN)端末、電話回線を介してデータを通信するためのアダプターまたはモデム、ローカルエリアネットワーク(LAN)、たとえばイーサネット(登録商標)LAN、またはワイドエリアネットワーク(WAN)を介してデータを通信するためのネットワークインターフェイス、または、無線リンク(WIFIまたはGSM(登録商標)(モバイル通信用グローバルシステム)など)を介してデータを通信する無線を含むことができる。通信インターフェース115は、ネットワークリンク116を介して様々なタイプの情報を表すデジタルまたはアナログデータストリームをネットワーク150に運ぶ電気、電磁または光信号を送受信できる。ネットワークリンク116は、スイッチ、ゲートウェイ、ハブ、ルーター、またはその他のネットワークデバイスを介してネットワーク150に接続できる。
様々な態様において、システム101は、例えばネットワーク150を介して、システム101と同じタイプのコンポーネントを含むことができるがそれと同一である必要のない他のデータ処理システム(図示せず)と通信できる。システム101および図示されていない他のシステムは、ネットワーク150を介して通信可能に接続されている。システム101および図示されていない他のシステムは、コンピュータプログラム命令を実行して、本明細書に記載のsCMOS画像化を実行することができる。
プロセッサ186は、ネットワーク150、ネットワークリンク116、および通信インターフェース115を介して、メッセージを送信し、プログラムコードを含むデータを受信することができる。例えば、サーバは、アプリケーションプログラム(例えば、JAVA(登録商標)アプレット)のために要求されたコードを接続されているサーバに接続された有形の不揮発性コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記録し得る。サーバは、媒体からコードを取得し、ネットワーク150を介して通信インターフェース115に送信することができる。受信したコードは、受信時にプロセッサ186により実行されるか、後の実行のためにデータ記憶システム140に格納される。
データ記憶システム140は、情報を記憶するように構成または適合された1つまたは複数のプロセッサアクセス可能メモリを含むか、それに通信可能に接続することができる。メモリは、たとえば、シャーシ内にまたは分散システムの一部として存在できる。「プロセッサアクセス可能メモリ」という語句は、プロセッサ186がデータを転送できる(たとえば、周辺システム120のコンポーネントを使用して)任意のデータストレージデバイスを含むことを意図している。プロセッサでアクセス可能なメモリには、揮発性または不揮発性、取り外し可能または固定、または電子、磁気、光学、化学、機械、またはその他の1つ以上のデータストレージデバイスを含み得る。例示的なプロセッサアクセス可能メモリは、これらに限定されないが、レジスタ、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、テープ、バーコード、コンパクトディスク、DVD、読み取り専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(EPROM、EEPROM、またはフラッシュ)、およびランダムアクセスメモリ(RAM)を含む。データ記憶システム140内のプロセッサアクセス可能メモリの1つは、有形の非一時的コンピュータ可読記憶媒体、すなわち、プロセッサ186に提供可能な命令を記憶することに関与する非一時的デバイスまたは製品であり得る。
一例では、データ記憶システム140は、コードメモリ141、例えば、RAM、および、例えば、ハードドライブなどの有形のコンピュータ可読回転記憶装置または媒体であるディスク143を含む。この例では、コンピュータプログラム命令は、ディスク143からコードメモリ141に読み込まれる。プロセッサ186は、コードメモリ141にロードされたコンピュータプログラム命令の1つ以上のシーケンスを実行し、その結果、本明細書で説明するプロセスステップを実行する。
このようにして、プロセッサ186はコンピュータで実行されるプロセスを実行する。例えば、本明細書に記載の方法のステップ、本明細書のブロック図のブロック、およびそれらの組み合わせは、コンピュータプログラム命令によって実装することができる。コードメモリ141は、データも保存できる。
本明細書で説明される様々な態様は、システムまたは方法として実施され得る。したがって、本明細書のさまざまな態様は、完全にハードウェアの態様、完全にソフトウェアの態様(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)、またはソフトウェアとハードウェアの態様を組み合わせた態様の形をとることができる。ここでは、これらの態様は、「サービス」、「回路」、「サーキット」、「モジュール」、または「システム」と一般的に呼ぶ。
さらに、本明細書の様々な態様は、コンピュータ可読媒体、例えば有形の非一時的コンピュータ記憶媒体または通信媒体に格納されたコンピュータ可読プログラムコード(「プログラムコード」)を含むコンピュータプログラム製品として具現化され得る。コンピュータ記憶媒体には、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、またはその他の永続的または補助的なコンピュータ記憶媒体などの有形の記憶ユニット、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール又は他のデータなどの情報を記憶するための任意の方法または技術で実装されるリムーバブルおよび非リムーバブルのコンピュータ記憶媒体を含めることができる。コンピュータ記憶媒体は、そのような製品において従来公知のように、例えばCD−ROMをプレスするか、フラッシュメモリに電子的にデータを書き込むことにより製造することができる。コンピュータ記憶媒体とは対照的に、通信媒体は、コンピュータ読み取り可能な命令、データ構造、プログラムモジュール、または搬送波または他の送信メカニズムなどの変調データ信号の他のデータを具体化し得る。本明細書で定義されるように、「コンピュータ記憶媒体」は通信媒体を含まない。つまり、コンピュータ記憶媒体には、変調されたデータ信号、搬送波、または伝搬信号自体のみからなる通信媒体は含まれない。
プログラムコードは、プロセッサ186(および場合によっては他のプロセッサ)にロードできるコンピュータプログラム命令を含むことができ、プロセッサ486にロードすると、本明細書の様々な態様の機能、動作、または動作ステップをプロセッサ186(または他のプロセッサ)に実行させる。本明細書で説明する様々な態様の動作を実行するためのプログラムコードは、1つまたは複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述でき、実行のためにディスク143からコードメモリ141にロードできる。プログラムコードは、例えば、全部をプロセッサ186上で、部分的にプロセッサ186上で、部分的にネットワーク150に接続されたリモートコンピュータ上で、または全部をリモートコンピュータ上で実行させ得る。
本開示は、本明細書に記載の態様の組み合わせを含む。「特定の態様」(または「実施形態」または「バージョン」)などへの言及は、本発明の少なくとも1つの態様に存在する特徴を指す。「ある側面」(または「実施形態」)または「特定の側面」などへの別個の言及は、必ずしも同じ側面または複数の側面を指すとは限らない。ただし、特に明記しない限り、このような側面は相互に排他的ではない。「方法」または「方法(複数)」などを指す際に単数形または複数形を使用することは限定的ではない。本開示では、特に明記しない限り、「または」という言葉を非排他的な意味で使用する。
本開示では、様々なプロセスがプロセッサで実行されることが示されている。これらは汎用プロセッサまたは特定のアプリケーション集積回路であり得ることを理解されたい。また、ここで説明したプロセスは、フィールドプログラマブルゲートアレイで実装できることも理解されたい。これらのプロセスは、これらのさまざまなハードウェアソリューションでリアルタイムで実行または計算され、ビデオ処理または静止画像に使用できる。特定用途向け集積回路の場合、プロセスは、当業者に知られている様々なトポロジーに基づいて分割することができる。次に、これらのさまざまな特定用途向け集積回路が互いに通信して、ここで説明するプロセス全体を実行する。あるいは、2つ以上のフィールドプログラマブルゲートアレイをインターフェースして、本明細書で説明するプロセスを実行することができる。さらに代替として、汎用プロセッサ、フィールドプログラマブルゲートアレイ、および特定用途向け集積回路の組み合わせを利用して、本明細書で説明するプロセスのステップを実行することができる。
また、sCMOSをカメラプラットフォームとして説明したが、本明細書に記載の技術は、当業者に知られている様々な他のプラットフォームに適用できることも理解されたい。例えば、本明細書で説明される技術およびプロセスは、電荷結合素子プラットフォームに適用され得る。読み出しノイズは、sCMOSカメラと比較して、電荷結合素子プラットフォームでは相違しうる、同じ技術を適用して、電荷結合素子カメラのノイズを低減できる。同様に、他のカメラプラットフォームも本開示の範囲内にある。加えて、本開示全体にわたって顕微鏡法が議論されてきたが、本開示は、望遠カメラなどの他の領域にも適用されることを理解されたい。
当業者は、上記の特定の実施形態に対して多数の修正を行うことができることを認識するであろう。実施法は、説明されている特定の制限に限定されるべきではない。他の実装も可能である。
下記は、本願の出願当初に記載の発明である。
<請求項1>
カメラ画像のノイズを低減するシステムであって、
1つ以上のプロセッサと、
プロセッサに動作可能に結合された電子検出器を備えたカメラを有し、
プロセッサはカメラ画像のノイズを減らすように構成されており、
前記プロセッサは、
複数のピクセルからのピクセルデータを表すカメラからの入力画像データを受信し、
前記入力画像データを複数のセグメントにセグメント化し、複数のセグメントのそれぞれについて、
初期セグメント画像を確立し、
ゲインとオフセットの所定のマップに基づいて各ピクセルの電圧オフセットとゲインを修正するためにピクセルデータを変更することによりピクセルデータを事前補正し、
コスト関数を最小化することにより出力画像の推定を取得し、前記推定された画像を他の推定および出力された画像セグメントに出力およびステッチし、
ステッチされた推定された画像を含むノイズ低減画像を出力するよう構成された、
システム。
<請求項2>
出力画像を推定するステップが、
A−前記セグメントに対してノイズマスクを取得し、
B−反復セグメント画像の離散フーリエ変換(DFT)を取得し、
C−前記ノイズマスクを前記セグメントの前記DFTに適用することにより、前記セグメントのノイズの寄与を取得し、
D−ピクセル値に基づいて前記セグメントのために負の対数尤度関数を計算し(ただし、前記負の対数尤度関数は、前記反復セグメント画像と初期セグメント画像間の統計を用いた負の類似度(尤度)の尺度を表す)、
E−前記負の対数尤度関数に前記ノイズの寄与を加えることにより、コスト関数を計算し、
F−ピクセル値を調整し、それによって新しい反復セグメント画像を取得し、反復最小化プロセスでステップB〜Eを繰り返すことにより、コスト関数を最小化し、
G−前記コスト関数が最小化されたときにノイズが低減されたセグメント画像を出力することを含む、請求項1に記載のシステム。
<請求項3>
前記ノイズマスクは、前記カメラの光学伝達関数(OTF)に基づく、請求項2に記載のシステム。
<請求項4>
前記ノイズマスクは、以下によって表されるハイパスレイズドコサインフィルタに基づく、請求項3に記載のシステム。
<数28>
Figure 0006909379
ただし、kr=√(k +k )であり、Mはノイズマスクであり、βおよびTはNAおよびγに基づく調整可能なパラメータであり、NAは開口数を表し、λは検出波長を表す。
<請求項5>
前記ハイパスレイズドコサインフィルタは、β=1およびT=λ/5.6NAで表されるOTF加重マスクに基づいている、請求項4に記載のシステム。
<請求項6>
前記ハイパスレイズドコサインフィルタは、β=0.2およびT=(1−β)λ/4ΝΑで表されるOTFノイズオンリーマスクに基づいている、請求項4に記載のシステム。
<請求項7>
前記ハイパスレイズドコサインフィルタは、以下によって表される調整可能なOTFマスクに基づく、請求項4に記載のシステム。
<数29>
Figure 0006909379
ただし、幅wは10−6から2で調整でき、高さhは0から1で調整可能である。
<請求項8>
前記ハイパスレイズドコサインフィルタは、幅および高さの少なくとも2つのパラメータに基づく調整可能なOTFマスクに基づく、請求項4に記載のシステム。
<請求項9>
前記幅は10−6から2NA/λで変化することができ、前記高さは0から1で変化することができる、請求項7に記載のシステム。
<請求項10>
前記ハイパスレイズドコサインフィルタは、ユーザ定義マスクに基づく、請求項4に記載のシステム。
<請求項11>
前記ゲインおよびオフセットの所定のマップは、カメラ製造業者によって提供されるか、または前記複数のピクセルのそれぞれを特徴付けることによって取得される、請求項1に記載のシステム。
<請求項12>
前記事前補正は、以下によって実行される請求項1に記載のシステム。
<数30>
Figure 0006909379
ただし、Diは、事前補正されたピクセルデータi、Aiは未補正のピクセル、Oiはピクセルiのオフセット、giはピクセルiのゲインを表す。
<請求項13>
LxL画像の前記DFTが以下によって表される、請求項4に記載のシステム。
<数31>
Figure 0006909379
ただし、x=mΔx、y=nΔy、kx=p/LΔx、ky=q/LΔy、m、n、p、qは1ずつ増加するインデックス、p、q∈[−L/2,L/2−1]であり、ΔχとΔyは2次元での画像のピクセルサイズを表す。
<請求項14>
Δχが実質的にΔyと同じである、請求項13記載のシステム。
<請求項15>
前記ノイズの寄与は、以下によって表される、請求項13に記載のシステム。
<数32>
Figure 0006909379
<請求項16>
尤度関数が以下によって表される、請求項15に記載のシステム。
<数33>
Figure 0006909379
ただし、iはピクセルインデックス、Nは画像のピクセル数、γiはキャリブレーション量である。
<請求項17>
γiがσi/giであり、σi及びgiは、それぞれピクセルiの分散とゲインである、請求項16に記載のシステム。
<請求項18>
前記負の対数尤度関数は、以下によって表される、請求項17に記載のシステム。
<数34>
Figure 0006909379
ただし、Diは、
<数35>
Figure 0006909379
で表される事前補正されたピクセルデータであり、Aiは未補正ピクセルを表し、Oiはピクセルiのオフセットを表し、giはピクセルiのゲインを表す。
<請求項19>
前記入力画像の前記セグメント化は、1xlから前記カメラの検出器の最大サイズまでのサイズのセグメントに基づいている、請求項18に記載のシステム。
<請求項20>
カメラにより付加されたノイズが約80%まで低減される、請求項18に記載のシステム。
<請求項21>
カメラ画像からノイズを減少させる方法であって、
複数のピクセルからのピクセルデータを表す電子検出器を有するカメラからの入力画像データを受信し、
入力画像データを複数のセグメントにセグメント化し、複数のセグメントのそれぞれについて、
初期セグメント画像を確立し、
ゲインとオフセットの所定のマップに基づいて各ピクセルの電圧オフセットとゲインを修正するためにピクセルデータを変更することによりピクセルデータを事前補正し、
コスト関数を最小化することにより出力画像の推定を取得し、前記推定された画像を他の推定及び出力された画像セグメントに出力およびステッチし、
前記ステッチされた推定された画像を含むノイズ低減画像を出力することを含む、方法。
<請求項22>
出力画像を推定するステップが、
A−前記セグメントに対してノイズマスクを取得し、
B−反復セグメント画像の離散フーリエ変換(DFT)を取得し、
C−前記ノイズマスクを前記セグメントの前記DFTに適用することにより、前記セグメントのノイズの寄与を取得し、
D−ピクセル値に基づいて前記セグメントのために負の対数尤度関数を計算し(ただし、負の対数尤度関数は、前記反復セグメント画像と初期セグメント画像間の負の類似度(尤度)尺度を表す)、
E−前記負の対数尤度関数に前記ノイズの寄与を加えることにより、コスト関数を計算し、
F−ピクセル値を調整し、それによって新しい反復セグメント画像を取得し、反復最小化プロセスでステップB〜Eを繰り返すことにより、コスト関数を最小化し、
G−前記コスト関数が最小化されたときにノイズが低減されたセグメント画像を出力することを含む、請求項21に記載の方法。
<請求項23>
前記ノイズマスクは、前記カメラの光学伝達関数(OTF)に基づく、請求項22に記載の方法。
<請求項24>
前記ノイズマスクは、以下によって表されるハイパスレイズドコサインフィルタに基づく、請求項23に記載の方法。
<数36>
Figure 0006909379
ただし、kr=√(k +k )であり、Mはノイズマスクであり、βおよびTはNAおよびγに基づく調整可能なパラメータであり、NAは開口数を表し、λは検出波長を表す。
<請求項25>
前記ハイパスレイズドコサインフィルタは、β=1およびT=λ/5.6NAで表されるOTF加重マスクに基づいている、請求項24に記載の方法。
<請求項26>
前記ハイパスレイズドコサインフィルタは、β=0.2およびT=(1−β)λ/4ΝΑで表されるOTFノイズオンリーマスクに基づいている、請求項24に記載の方法。
<請求項27>
前記ハイパスレイズドコサインフィルタは、以下によって表される調整可能なOTFマスクに基づく、請求項4に記載のシステム。
<数37>
Figure 0006909379
ただし、幅wは10−6から2で調整でき、高さhは0から1で調整可能である。
<請求項28>
前記ハイパスレイズドコサインフィルタは、幅および高さの少なくとも2つのパラメータに基づく調整可能なOTFマスクに基づく、請求項24に記載の方法。
<請求項29>
前記幅は10−6から2NA/λで変化することができ、前記高さは0から1で変化することができる、請求項28に記載の方法。
<請求項30>
前記ハイパスレイズドコサインフィルタは、ユーザ定義マスクに基づく、請求項24に記載の方法。
<請求項31>
前記ゲインおよびオフセットの所定のマップは、カメラ製造業者によって提供されるか、または前記複数のピクセルのそれぞれを特徴付けることによって取得される、請求項21に記載の方法。
<請求項32>
前記事前補正は、以下によって実行される請求項21に記載のシステム。
<数38>
Figure 0006909379
ただし、Diは、事前補正されたピクセルデータi、Aiは未補正のピクセル、Oiはピクセルiのオフセット、giはピクセルiのゲインを表す。
<請求項33>
LxL画像の前記DFTが以下によって表される、請求項4に記載のシステム。
<数39>
Figure 0006909379
ただし、x=mΔx、y=nΔy、kx=p/LΔx、ky=q/LΔy、m、n、p、qは1ずつ増加するインデックス、p、q∈[−L/2,L/2−1]であり、ΔχとΔyは2次元での画像のピクセルサイズを表す。
<請求項34>
Δχが実質的にΔyと同じである、請求項33に記載の方法。
<請求項35>
前記ノイズの寄与は、以下によって表される、請求項33に記載のシステム。
<数40>
Figure 0006909379
<請求項36>
尤度関数が以下によって表される、請求項35に記載の方法。
<数41>
Figure 0006909379
ただし、iはピクセルインデックス、Nは画像のピクセル数、γiはキャリブレーション量である。
<請求項37>
γiがσi/giであり、σi及びgiは、それぞれピクセルiの分散とゲインである、請求項36に記載の方法。
<請求項38>
前記負の対数尤度関数は、以下によって表される、請求項37に記載の方法。
<数42>
Figure 0006909379
ただし、Diは、
<数43>
Figure 0006909379
で表される事前補正されたピクセルデータであり、Aiは未補正ピクセルを表し、Oiはピクセルiのオフセットを表し、giはピクセルiのゲインを表す。
<請求項39>
前記入力画像の前記セグメント化は、1xlから前記カメラの検出器の最大サイズまでのサイズのセグメントに基づいている、請求項38に記載の方法。
<請求項40>
カメラにより付加されたノイズが約80%まで低減される、請求項38に記載の方法。

Claims (41)

  1. カメラ画像のノイズを低減するシステムであって、
    1つ以上のプロセッサと、
    プロセッサに動作可能に結合された電子検出器を備えたカメラを含む撮像システムを有し、
    プロセッサはカメラ画像のノイズを減らすように構成されており、
    前記プロセッサは、
    複数のピクセルからのピクセルデータを表すカメラからの光の量子性に起因するポアソンノイズを有する入力画像データを受信するステップであって、各ピクセルは関連するピクセルで生じたガウスノイズと関連付けられており、前記カメラは周波数ドメインにおいて境界を規定する光学伝達関数(OTF)を規定し、前記境界の内側にはノイズ及び信号の両方が存在し、前記境界の外側にはノイズのみが存在し、前記ノイズはポアソンノイズ及びガウスノイズである、該ステップと、
    前記入力画像データを複数のセグメントにセグメント化し、複数のセグメントのそれぞれについて、
    初期セグメント画像を確立し、
    ゲインとオフセットの所定のマップに基づいて各ピクセルの電圧オフセットとゲインを修正するためにピクセルデータを変更することによりピクセルデータを事前補正し、
    前記境界の外側のノイズを減少させることでコスト関数を最小化することにより出力画像の推定を取得し、前記推定された画像を他の推定および出力された画像セグメントに出力およびステッチし、
    ステッチされた推定された画像を含むノイズ低減画像を出力するステップを実行するよう構成された、
    システム。
  2. 出力画像を推定するステップが、
    A−前記セグメントに対してノイズマスクを取得し、
    B−反復セグメント画像の離散フーリエ変換(DFT)を取得し、
    C−前記ノイズマスクを前記セグメントの前記DFTに適用することにより、前記セグメントのノイズの寄与を取得し、
    D−ピクセル値に基づいて前記セグメントのために負の対数尤度関数を計算し(ただし、前記負の対数尤度関数は、前記反復セグメント画像と初期セグメント画像間の統計を用いた負の類似度(尤度)の尺度を表す)、
    E−前記負の対数尤度関数に前記ノイズの寄与を加えることにより、コスト関数を計算し、
    F−ピクセル値を調整し、それによって新しい反復セグメント画像を取得し、反復最小化プロセスでステップB〜Eを繰り返すことにより、コスト関数を最小化し、
    G−前記コスト関数が最小化されたときにノイズが低減されたセグメント画像を出力することを含む、請求項1に記載のシステム。
  3. 前記ノイズマスクは、前記カメラの前記光学伝達関数(OTF)に基づく、請求項2に記載のシステム。
  4. 前記ノイズマスクは、以下によって表されるハイパスレイズドコサインフィルタに基づく、請求項3に記載のシステム。
    Figure 0006909379
    ただし、kr=√(k +k )であり、Mはノイズマスクであり、βおよびTはNAおよびγに基づく調整可能なパラメータであり、NAは開口数を表し、λは検出波長を表す。
  5. 前記ハイパスレイズドコサインフィルタは、β=1およびT=λ/5.6NAで表されるOTF加重マスクに基づいている、請求項4に記載のシステム。
  6. 前記ハイパスレイズドコサインフィルタは、β=0.2およびT=(1−β)λ/4ΝΑで表されるOTFノイズオンリーマスクに基づいている、請求項4に記載のシステム。
  7. 前記ハイパスレイズドコサインフィルタは、以下によって表される調整可能なOTFマスクに基づく、請求項4に記載のシステム。
    Figure 0006909379
    ただし、幅wは10−6から2で調整でき、高さhは0から1で調整可能である。
  8. 前記ハイパスレイズドコサインフィルタは、幅および高さの少なくとも2つのパラメータに基づく調整可能なOTFマスクに基づく、請求項4に記載のシステム。
  9. 前記幅は10−6から2NA/λで変化することができ、前記高さは0から1で変化することができる、請求項7に記載のシステム。
  10. 前記ハイパスレイズドコサインフィルタは、ユーザ定義マスクに基づく、請求項4に記載のシステム。
  11. 前記ゲインおよびオフセットの所定のマップは、カメラ製造業者によって提供されるか、または前記複数のピクセルのそれぞれを特徴付けることによって取得される、請求項1に記載のシステム。
  12. 前記事前補正は、以下によって実行される請求項1に記載のシステム。
    Figure 0006909379
    ただし、Diは、事前補正されたピクセルデータi、Aiは未補正のピクセル、Oiはピクセルiのオフセット、giはピクセルiのゲインを表す。
  13. LxL画像の前記DFTが以下によって表される、請求項4に記載のシステム。
    Figure 0006909379
    ただし、x=mΔx、y=nΔy、kx=p/LΔx、ky=q/LΔy、m、n、p、qは1ずつ増加するインデックス、p、q∈[−L/2,L/2−1]であり、ΔχとΔyは2次元での画像のピクセルサイズを表す。
  14. Δχが実質的にΔyと同じである、請求項13記載のシステム。
  15. 前記ノイズの寄与は、以下によって表される、請求項13に記載のシステム。
    Figure 0006909379
  16. 尤度関数が以下によって表される、請求項15に記載のシステム。
    Figure 0006909379
    ただし、iはピクセルインデックス、Nは画像のピクセル数、γiはキャリブレーション量である。
  17. γiがσi/giであり、σi及びgiは、それぞれピクセルiの分散とゲインである、請求項16に記載のシステム。
  18. 前記負の対数尤度関数は、以下によって表される、請求項17に記載のシステム。
    Figure 0006909379
    ただし、Diは、
    Figure 0006909379
    で表される事前補正されたピクセルデータであり、Aiは未補正ピクセルを表し、Oiはピクセルiのオフセットを表し、giはピクセルiのゲインを表す。
  19. 前記入力画像の前記セグメント化は、1xlから前記カメラの検出器の最大サイズまでのサイズのセグメントに基づいている、請求項18に記載のシステム。
  20. カメラにより付加されたノイズが約80%まで低減される、請求項18に記載のシステム。
  21. カメラ画像からノイズを減少させる方法であって、
    複数のピクセルからのピクセルデータを表すカメラからの光の量子性に起因するポアソンノイズを有する入力画像データを受信するステップであって、各ピクセルは関連するピクセルで生じたガウスノイズと関連付けられており、前記カメラは周波数ドメインにおいて境界を規定する光学伝達関数(OTF)を規定し、前記境界の内側にはノイズ及び信号の両方が存在し、前記境界の外側にはノイズのみが存在し、前記ノイズはポアソンノイズ及びガウスノイズである、該ステップと、
    入力画像データを複数のセグメントにセグメント化し、複数のセグメントのそれぞれについて、
    初期セグメント画像を確立し、
    ゲインとオフセットの所定のマップに基づいて各ピクセルの電圧オフセットとゲインを修正するためにピクセルデータを変更することによりピクセルデータを事前補正し、
    前記境界の外側のノイズを減少させることでコスト関数を最小化することにより出力画像の推定を取得し、前記推定された画像を他の推定及び出力された画像セグメントに出力およびステッチし、
    前記ステッチされた推定された画像を含むノイズ低減画像を出力するステップを含む、方法。
  22. 出力画像を推定するステップが、
    A−前記セグメントに対してノイズマスクを取得し、
    B−反復セグメント画像の離散フーリエ変換(DFT)を取得し、
    C−前記ノイズマスクを前記セグメントの前記DFTに適用することにより、前記セグメントのノイズの寄与を取得し、
    D−ピクセル値に基づいて前記セグメントのために負の対数尤度関数を計算し(ただし、負の対数尤度関数は、前記反復セグメント画像と初期セグメント画像間の負の類似度(尤度)尺度を表す)、
    E−前記負の対数尤度関数に前記ノイズの寄与を加えることにより、コスト関数を計算し、
    F−ピクセル値を調整し、それによって新しい反復セグメント画像を取得し、反復最小化プロセスでステップB〜Eを繰り返すことにより、コスト関数を最小化し、
    G−前記コスト関数が最小化されたときにノイズが低減されたセグメント画像を出力することを含む、請求項21に記載の方法。
  23. 前記ノイズマスクは、前記カメラの前記光学伝達関数(OTF)に基づく、請求項22に記載の方法。
  24. 前記ノイズマスクは、以下によって表されるハイパスレイズドコサインフィルタに基づく、請求項23に記載の方法。
    Figure 0006909379
    ただし、kr=√(k +k )であり、Mはノイズマスクであり、βおよびTはNAおよびγに基づく調整可能なパラメータであり、NAは開口数を表し、λは検出波長を表す。
  25. 前記ハイパスレイズドコサインフィルタは、β=1およびT=λ/5.6NAで表されるOTF加重マスクに基づいている、請求項24に記載の方法。
  26. 前記ハイパスレイズドコサインフィルタは、β=0.2およびT=(1−β)λ/4ΝΑで表されるOTFノイズオンリーマスクに基づいている、請求項24に記載の方法。
  27. 前記ハイパスレイズドコサインフィルタは、以下によって表される調整可能なOTFマスクに基づく、請求項4に記載のシステム。
    Figure 0006909379
    ただし、幅wは10−6から2で調整でき、高さhは0から1で調整可能である。
  28. 前記ハイパスレイズドコサインフィルタは、幅および高さの少なくとも2つのパラメータに基づく調整可能なOTFマスクに基づく、請求項24に記載の方法。
  29. 前記幅は10−6から2NA/λで変化することができ、前記高さは0から1で変化することができる、請求項28に記載の方法。
  30. 前記ハイパスレイズドコサインフィルタは、ユーザ定義マスクに基づく、請求項24に記載の方法。
  31. 前記ゲインおよびオフセットの所定のマップは、カメラ製造業者によって提供されるか、または前記複数のピクセルのそれぞれを特徴付けることによって取得される、請求項21に記載の方法。
  32. 前記事前補正は、以下によって実行される請求項21に記載のシステム。
    Figure 0006909379
    ただし、Diは、事前補正されたピクセルデータi、Aiは未補正のピクセル、Oiはピクセルiのオフセット、giはピクセルiのゲインを表す。
  33. LxL画像の前記DFTが以下によって表される、請求項4に記載のシステム。
    Figure 0006909379
    ただし、x=mΔx、y=nΔy、kx=p/LΔx、ky=q/LΔy、m、n、p、qは1ずつ増加するインデックス、p、q∈[−L/2,L/2−1]であり、ΔχとΔyは2次元での画像のピクセルサイズを表す。
  34. Δχが実質的にΔyと同じである、請求項33に記載の方法。
  35. 前記ノイズの寄与は、以下によって表される、請求項33に記載のシステム。
    Figure 0006909379
  36. 尤度関数が以下によって表される、請求項35に記載の方法。
    Figure 0006909379
    ただし、iはピクセルインデックス、Nは画像のピクセル数、γiはキャリブレーション量である。
  37. γiがσi/giであり、σi及びgiは、それぞれピクセルiの分散とゲインである、請求項36に記載の方法。
  38. 前記負の対数尤度関数は、以下によって表される、請求項37に記載の方法。
    Figure 0006909379
    ただし、Diは、
    Figure 0006909379
    で表される事前補正されたピクセルデータであり、Aiは未補正ピクセルを表し、Oiはピクセルiのオフセットを表し、giはピクセルiのゲインを表す。
  39. 前記入力画像の前記セグメント化は、1xlから前記カメラの検出器の最大サイズまでのサイズのセグメントに基づいている、請求項38に記載の方法。
  40. カメラにより付加されたノイズが約80%まで低減される、請求項38に記載の方法。
  41. カメラ画像のノイズを低減するシステムであって、
    1つ以上のプロセッサと、
    プロセッサに動作可能に結合された電子検出器を備えたカメラを有し、
    プロセッサはカメラ画像のノイズを減らすように構成されており、
    前記プロセッサは、
    複数のピクセルからのピクセルデータを表すカメラからの入力画像データを受信し、
    前記入力画像データを複数のセグメントにセグメント化し、複数のセグメントのそれぞれについて、
    初期セグメント画像を確立し、
    ゲインとオフセットの所定のマップに基づいて各ピクセルの電圧オフセットとゲインを修正するためにピクセルデータを変更することによりピクセルデータを事前補正し、
    コスト関数を最小化することにより出力画像の推定を取得し、前記推定された画像を他の推定および出力された画像セグメントに出力およびステッチし、
    ステッチされた推定された画像を含むノイズ低減画像を出力するよう構成され、
    出力画像を推定するステップが、
    A−前記セグメントに対してノイズマスクを取得し、
    B−反復セグメント画像の離散フーリエ変換(DFT)を取得し、
    C−前記ノイズマスクを前記セグメントの前記DFTに適用することにより、前記セグメントのノイズの寄与を取得し、
    D−ピクセル値に基づいて前記セグメントのために負の対数尤度関数を計算し(ただし、前記負の対数尤度関数は、前記反復セグメント画像と初期セグメント画像間の統計を用いた負の類似度(尤度)の尺度を表す)、
    E−前記負の対数尤度関数に前記ノイズの寄与を加えることにより、コスト関数を計算し、
    F−ピクセル値を調整し、それによって新しい反復セグメント画像を取得し、反復最小化プロセスでステップB〜Eを繰り返すことにより、コスト関数を最小化し、
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