JP6898862B2 - 放射線増感剤として作用する多剤複合薬 - Google Patents

放射線増感剤として作用する多剤複合薬 Download PDF

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Description

関連出願の相互参照
本出願は、2015年6月12日に出願された米国仮特許出願第61/175,166号の優先権を主張し、その全内容が参照により本明細書に組み込まれる。
政府支援に関する陳述
本発明は、国立衛生研究所によって与えられたAI101157に基づき政府の支援によってなされた。米国政府は、本発明に一定の権利を有する。
分野
本技術は一般に、肺がんの、薬物及び放射線療法の組み合わせ治療に関するものであり、肺がん細胞の増殖及び腫瘍成長の阻害に有用である。
概要
本技術は、多剤化学療法と放射線療法との組み合わせを用いた肺がん及び他のがんの治療方法を提供する。驚くべきことに、パクリタキセル、17−アリルアミノ−17−ジメトキシ−ゲルダナマイシン(17−AAG)、及び/またはラパマイシンの多剤併用を含むミセルが、インビボで肺がん細胞の強力な放射線増感剤であることが見出された。このミセルは、ポリ(エチレングリコール)−ブロック−ポリ(乳酸)(PEG−b−PLA)を含み、このような疎水性抗がん剤を可溶化するのに非常に有効である。扁平上皮細胞がん、腺がん、及び大細胞がんのような非小細胞肺がんを含む、様々な肺がんを本方法によって治療することができる。さらに、脳腫瘍及び食道がんを、本方法を用いて治療することができる。
特に、本方法は、抗がん剤の多剤複合薬の有効量を含むミセル組成物と併用して、有効量の放射線を肺がん細胞、脳腫瘍細胞、または食道がん細胞に投与することを含む。このミセルは、ポリ(エチレングリコール)−ブロック−ポリ(乳酸)を含み、パクリタキセル、17−AAG、及びラパマイシンのうちの2つまたは3つを含み得る。これらのミセルは、同じポリマー及びパクリタキセル単独から調製されたミセルと比較して、改善したがん細胞の放射線増感作用を提供する。特定の実施形態では、ミセル組成物は、約2:2:1〜約5:1:1の質量比のパクリタキセル、17−AAG、及びラパマイシンを含み得る。例えば、ミセル組成物は、約2〜80mg/kgのパクリタキセル、2〜80mg/kgの17−AAG、及び1〜40mg/kgのラパマイシンの、2:2:1質量比を有し得る。いくつかの実施形態では、ミセル組成物は、約5重量%〜約40重量%の、パクリタキセル、ならびに17−AAG及びラパマイシンの一方または両方の、薬物負荷を含む。本発明の方法のミセルは、ポリ(エチレングリコール)ブロックが約1,500g/mol〜約30,000g/molの分子量を有し得、ポリ(乳酸)ブロックが約1,500〜約30,000g/molの分子量を有し得る、PEG−b−PLAを含む。
本方法において、放射線及びミセル組成物は、肺がん細胞(または脳腫瘍細胞もしくは食道がん細胞)に連続的に、同時に、または別々に投与することができる。放射線療法は、例えば、約1〜約8Gy/日の線量で、及び/または約1日〜約5日間の期間にわたって投与され得る。本方法はまた、インビボまたはインビトロでのがん細胞への投与を含み、インビボ投与は、対象、例えばヒト対象の肺がん細胞(または脳腫瘍細胞もしくは食道がん細胞)に対するものであり得る。生理食塩水またはグルコース溶液などの水性担体を含むミセル組成物は、肺がん、脳腫瘍、または食道がんを有する対象に静脈内または腹腔内投与することができる。したがって、いくつかの態様では、本方法は、パクリタキセル、17−AAG、及び/またはラパマイシンを含むミセル組成物と併用して有効量の放射線を、肺がん、脳腫瘍、または食道がんを有する対象に投与することを含む。
[本発明1001]
有効量の放射線を、有効量のパクリタキセルと17−AAG及びラパマイシンの一方または両方とを含むミセル組成物と併用して、肺がん細胞、脳腫瘍細胞、または食道がん細胞に投与することを含む治療方法であって、前記ミセルがポリ(エチレングリコール)−ブロック−ポリ(乳酸)(PEG−b−PLA)を含む、方法。
[本発明1002]
前記放射線及び前記ミセル組成物が、連続的に、同時に、または別々に前記がん細胞に投与される、本発明1001の方法。
[本発明1003]
前記放射線が、前記ミセルと連続的に、同時に、または別々に1日〜5日間にわたって投与される、本発明1001または1002の方法。
[本発明1004]
放射線が、1Gy/日〜8Gy/日の線量で投与される、本発明1001〜1003のいずれかの方法。
[本発明1005]
前記ミセル中のパクリタキセル、17−AAG、及びラパマイシンの薬物負荷が、約5重量%〜約40重量%である、本発明1001〜1004のいずれかの方法。
[本発明1006]
前記PEG−b−PLAが、約1,500〜約30,000g/molの分子量を有するポリ(エチレングリコール)−ブロックと、約1,500〜約30,000g/molの分子量を有するポリ(乳酸)ブロックとを含む、本発明1001〜1005のいずれかの方法。
[本発明1007]
前記ミセル組成物が、約2:2:1〜約5:1:1の質量比のパクリタキセル、17−AAG、及びラパマイシンを含む、本発明1001〜1006のいずれかの方法。
[本発明1008]
前記ミセル組成物が、約2:2:1の質量比のパクリタキセル、17−AAG、及びラパマイシンを含む、本発明1001〜1007のいずれかの方法。
[本発明1009]
放射線及び前記ミセル組成物が、インビトロで肺がん細胞、脳腫瘍細胞、または食道がん細胞に投与される、本発明1001〜1008のいずれかの方法。
[本発明1010]
前記肺がん細胞、脳腫瘍細胞、または食道がん細胞が対象内に存在する、本発明1001〜1009のいずれかの方法。
[本発明1011]
前記対象がヒトである、本発明1011の方法。
[本発明1012]
前記ミセル組成物が、水性担体を含み、かつ、前記対象に静脈内投与または腹腔内投与される、本発明1011または1012の方法。
[本発明1013]
前記水性担体が生理食塩水または炭水化物水溶液を含む、本発明1013の方法。
[本発明1014]
前記肺がん細胞が非小細胞肺がん細胞である、本発明1001〜1013のいずれかの方法。
[本発明1015]
前記非小細胞肺がん細胞が、腺がん細胞、扁平上皮がん細胞、または肺大細胞がん細胞である、本発明1014の方法。
[本発明1016]
前記肺がん細胞が小細胞肺がん細胞である、本発明1001〜1013のいずれかの方法。
[本発明1017]
前記ミセル組成物が、有効量の、パクリタキセル、17−AAG、及びラパマイシンを含む、本発明1001〜1016のいずれかの方法。
[本発明1018]
前記ミセル組成物が、有効量のパクリタキセル及びラパマイシンを含む、本発明1001〜1016のいずれかの方法。
[本発明1019]
前記ミセル組成物が、有効量のパクリタキセル及び17−AAGを含む、本発明1001〜1016のいずれかの方法。
[本発明1020]
有効量の放射線、ならびに、パクリタキセルと17−AAG及びラパマイシンの一方または両方とを含む有効量のミセル組成物を、肺がん、脳腫瘍、または食道がんを有する対象に投与することを含む治療方法であって、前記ミセル組成物が、ポリ(エチレングリコール)−ブロック−ポリ(乳酸)ポリマーである、方法。
上記の概要は例示的なものに過ぎず、決して限定することを意図するものではない。上記の例示的な態様、実施形態、及び特徴に加えて、さらなる態様、実施形態、及び特徴が、以下の図面及び詳細な説明を参照することによって明らかになるであろう。
薬物であるパクリタキセル(PTX)、17−AAG、及び/またはラパマイシン(RAP)を含有する1、2、または3薬物負荷ミセルと、放射線処置(XRT)とで処置したA549非小細胞肺がん腺がん(A549細胞)の生存率を示す、インビトロクローン原性アッセイの結果を示す。 放射線(XRT)線量(0〜8Gy)の関数としての、薬物であるパクリタキセル(PTX)、17−AAG、及び/またはラパマイシン(RAP)を含有する1、2、または3薬物負荷ミセルで処理したA549細胞の生存率を示す、インビトロクローン原性アッセイの結果を示す。 時間(日数)の関数としての相対的腫瘍体積の増加率で示す、照射(XRT)有り及び無しでの、パクリタキセル負荷ミセル組成物で処置したA549細胞接種マウスのインビボ抗がん剤有効性を示す。 時間(日数)の関数としての相対的体重の増加率として示す、照射(XRT)有り及び無しでの、(60mg/kg)のパクリタキセル負荷ミセル組成物またはビヒクル(105mg/kgのPEG−b−PLAミセル組成物のみ)で処置したA549細胞接種マウスのインビボ薬物毒性作用を示す。 時間(日数)の関数としての相対的腫瘍体積の増加率を示す、照射(XRT)有り及び無しでの、高用量(60/60/30mg/kg)のパクリタキセル/17−AAG/ラパマイシン負荷ミセル組成物(トリオリムス(Triolimus))またはビヒクル(105mg/kgでのPEG−b−PLAミセル組成物のみ)で処置したA549細胞接種マウスのインビボ抗がん剤有効性を示す。 時間(日数)の関数としてのマウスの相対的体重の増加率を示す、照射(XRT)の有り及び無しでの高用量(60/60/30mg/kg)のパクリタキセル/17−AAG/ラパマイシン負荷ミセル組成物(トリオリムス)またはビヒクル(105mg/kgでのPEG−b−PLAミセル組成物のみ)で処置したA549細胞接種マウスのインビボ薬物毒性作用を示す。 時間(日数)の関数としての相対的腫瘍体積の増加率を示す、照射(XRT)有り及び無しでの、低用量(15/15/7.5mg/kg)のパクリタキセル/17−AAG/ラパマイシン負荷ミセル組成物(トリオリムス)またはビヒクル(105mg/kgでのPEG−b−PLAミセル組成物のみ)で処置したA549細胞接種マウスのインビボ抗がん剤有効性を示す。 時間(日数)の関数としてのマウスの相対的体重の増加率を示す、照射(XRT)の有り及び無しでの低用量(15/15/7.5mg/kg)のパクリタキセル/17−AAG/ラパマイシン負荷ミセル組成物(トリオリムス)またはビヒクル(105mg/kgでのPEG−b−PLAミセル組成物のみ)で処置したA549細胞接種マウスのインビボ薬物毒性作用を示す。 時間(日数)の関数としての相対的腫瘍体積の増加率を示す、照射(XRT)有り及び無しでの、(60/60mg/kg)のパクリタキセル(PTX)/17−AAG負荷ミセル組成物またはビヒクル(105mg/kgでのPEG−b−PLAミセル組成物のみ)で処置したA549細胞接種マウスのインビボ抗がん剤有効性を示す。 時間(日数)の関数としてのマウスの相対的体重の増加率を示す、照射(XRT)有り及び無しでの、(60/60mg/kg)のパクリタキセル(PTX)/17−AAG負荷ミセル組成物またはビヒクル(105mg/kgでのPEG−b−PLAミセル組成物のみ)で処置したA549細胞接種マウスのインビボ薬物毒性作用を示す。 時間(日数)の関数としての相対的腫瘍体積の増加率を示す、照射(XRT)有り及び無しでの、(60/30mg/kg)のパクリタキセル(PTX)/ラパマイシン(RAP)負荷ミセル組成物またはビヒクル(105mg/kgでのPEG−b−PLAミセル組成物のみ)で処置したA549細胞接種マウスのインビボ抗がん剤有効性を示す。 時間(日数)の関数としてのマウスの相対的体重の増加率を示す、照射(XRT)有り及び無しでの、(60/30mg/kg)のパクリタキセル(PTX)/ラパマイシン(RAP)負荷ミセル組成物またはビヒクル(105mg/kgでのPEG−b−PLAミセル組成物のみ)で処置したA549細胞接種マウスのインビボ薬物毒性作用を示す。 時間(日数)の関数としての相対的腫瘍体積の増加率を示す、照射(XRT)有り及び無しでの、(60/30mg/kg)17−AAG/ラパマイシン(RAP)負荷ミセル組成物またはビヒクル(105mg/kgでのPEG−b−PLAミセル組成物のみ)で処置したA549細胞接種マウスのインビボ抗がん剤有効性を示す。 時間(日数)の関数としてのマウスの相対的体重の増加率を示す、照射(XRT)有り及び無しでの、(60/30mg/kg)17−AAG/ラパマイシン(RAP)負荷ミセル組成物またはビヒクル(105mg/kgでのPEG−b−PLAミセル組成物のみ)で処置したA549細胞接種マウスのインビボ薬物毒性作用を示す。 1nM、2nM、及び3nMのトリオリムス薬物負荷ミセルで処理したA549細胞の生存率を示す、インビトロクローン原性アッセイの結果を示す。 放射線(XRT)線量(0〜8Gy)の関数として、1nM及び2nMのトリオリムス薬物負荷ミセルで処理したまたは無処理のA549細胞の生存率を示す、インビトロクローン原性アッセイの結果を示す。 (60mg/kg)PTX、(60/60mg/kg)P/17、(60/30mg/kg)P/R、(60/30mg/kg)17/R負荷ミセル組成物、またはビヒクル(105mg/kgでのPEG−b−PLAミセルのみ)で処置したA549細胞接種マウスの腫瘍壊死を示す。 (PTX/17−AAG/RAP:2.4/2.4/1.2mg/kg)低TRIO、(PTX/17−AAG/RAP:12/12/6mg/kg)中TRIO、及び(PTX/17−AAG/RAP:60/60/30mg/kg)高TRIO負荷ミセル組成物またはビヒクル(105mg/kgでのPEG−b−PLAミセルのみ)で処置したA549細胞接種マウスの腫瘍壊死を示す。 1日目に(PTX/17−AAG/RAP:60/60/30mg/kg)TRIO負荷ミセル組成物での処置及び1日目に安楽死させた(TRIO 1日目)、1日目にTRIO負荷ミセル組成物での処置、3Gyで5日間分割照射(XRT)及び6日目に安楽死させた(TRIO+XRT)、1日目にTRIO負荷ミセル組成物での処置、照射無し、及び6日目に安楽死させた(TRIO 6日目)、ビヒクル(105mg/kgでのPEG−b−PLAミセルのみ)、またはビヒクル+XRTで処置したA549細胞接種マウスの腫瘍壊死を示す。 (60mg/kg)PTX、(60/60mg/kg)P/17、(60/30mg/kg)P/R、(60/30mg/kg)17/R負荷ミセル組成物、またはビヒクル(105mg/kgでのPEG−b−PLAミセルのみ)で処理したA549細胞接種マウスのKi−67増殖指数を示す。 (PTX/17−AAG/RAP:2.4/2.4/1.2mg/kg)低TRIO、(PTX/17−AAG/RAP:12/12/6mg/kg)中TRIO、及び(PTX/17−AAG/RAP:60/60/30mg/kg)高TRIO負荷ミセル組成物またはビヒクル(105mg/kgでのPEG−b−PLAミセルのみ)で処置したA549細胞接種マウスのKi−67増殖指数を示す。 1日目に(PTX/17−AAG/RAP:60/60/30mg/kg)TRIO負荷ミセル組成物での処置及び1日目に安楽死させた(TRIO 1日目)、1日目にTRIO負荷ミセル組成物での処置、3Gyで5日間分割照射(XRT)及び6日目に安楽死させた(TRIO+XRT)、1日目にTRIO負荷ミセル組成物での処置、照射無し、及び6日目に安楽死させた(TRIO 6日目)、ビヒクル(105mg/kgでのPEG−b−PLAミセルのみ)、またはビヒクル+XRTで処置したA549細胞接種マウスのKi−67増殖指数を示す。 (60mg/kg)PTX、(60/60mg/kg)P/17、(60/30mg/kg)P/R、(60/30mg/kg)17/R負荷ミセル組成物またはビヒクル(105mg/kgでのPEG−b−PLAミセルのみ)で処置したA549細胞接種マウスのアポトーシスの測定値としての切断型カスパーゼ3のレベルを示す。 (PTX/17−AAG/RAP:2.4/2.4/1.2mg/kg)低TRIO、(PTX/17−AAG/RAP:12/12/6mg/kg)中TRIO、及び(PTX/17−AAG/RAP:60/60/30mg/kg)高TRIO負荷ミセル組成物またはビヒクル(105mg/kgでのPEG−b−PLAミセルのみ)で処置したA549細胞接種マウスのアポトーシスの測定値としての切断型カスパーゼ3のレベルを示す。 1日目に(PTX/17−AAG/RAP:60/60/30mg/kg)TRIO負荷ミセル組成物での処置及び1日目に安楽死させた(TRIO 1日目)、1日目にTRIO負荷ミセル組成物での処置、3Gyで5日間分割照射(XRT)及び6日目に安楽死させた(TRIO+XRT)、1日目にTRIO負荷ミセル組成物での処置、照射無し、及び6日目に安楽死させた(TRIO 6日目)、ビヒクル(105mg/kgでのPEG−b−PLAミセルのみ)、またはビヒクル+XRTで処置したA549細胞接種マウスのアポトーシスの測定値としての切断型カスパーゼ3のレベルを示す。
詳細な説明
以下の詳細な説明では、本明細書の一部を形成する添付の図面を参照する。図面において、類似の記号は、文脈が他に指示しない限り、典型的には同様の構成要素を特定する。詳細な説明、図面、及び特許請求の範囲に記載された例示的な実施形態は、限定を意味するものではない。本明細書に提示される主題の趣旨または範囲から逸脱することなく、他の実施形態が利用されてもよく、他の変更が行われてもよい。
個々の刊行物、特許出願、発行された特許、または他の文書が、その全体の参照により本明細書に組み入れられることが具体的かつ個別に示されているように、本明細書中で言及されたすべての刊行物、特許出願、発行された特許、及び他の文書は、参照により本明細書に組み込まれる。参照により組み込まれる本文に含まれる定義は、本開示における定義と矛盾する範囲で除外される。
本技術は、特定のタイプのミセルによって送達される放射線療法と抗がん剤の多剤組み合わせを併用する驚くべき効果を利用する、肺がん、脳腫瘍、または食道がんを治療する新しい方法を提供する。ポリ(エチレングリコール)−ブロック−ポリ(乳酸)(PEG−b−PLA)は、水難溶性薬物には有利であるが、これに限定されないミセル多剤送達系を形成する。例えば、PEG−b−PLAは、肺がん治療において、パクリタキセル、17−AAG、及びラパマイシンのうちの2つ及び3つの薬物の組み合わせ(例えば、3つの薬物すべてを含むトリオリムスまたはTRIO)を安全に送達することができる。パクリタキセル、17−AAG、及び/またはラパマイシンの組み合わせと放射線療法との併用は、併用放射線療法及びパクリタキセル単独のミセル送達よりも大きな抗がん効果をもたらすことが今や発見されている。放射線療法と併用する、パクリタキセル、17−AAG、及びラパマイシンのような特定の組み合わせは、腫瘍成長を遅くするだけでなく、それらを一緒に停止または逆転させることができる。
したがって、本技術は、パクリタキセル、17−AAG、及びラパマイシンの有効量を含むミセル組成物と併用して、有効量の放射線療法を投与することを含む、肺がんを治療する方法または肺がん細胞の増殖を阻害する方法を提供し、このミセル組成物は、ポリ(エチレングリコール)−ブロック−ポリ(乳酸)を含む。いくつかの実施形態では、本方法は、扁平上皮がん、腺がん、及び肺大細胞がんを含むがこれらに限定されない非小細胞肺がん細胞を治療することを含む。他の実施形態では、本方法は、小細胞肺がんを治療することを含む。
ラパマイシン、パクリタキセル、及び/または17−AAGの1、2及び3薬製剤は、例えばUS8,858,965(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載のPEG−b−PLAのような両親媒性ジブロックポリマーを用いて調製することができる。理論に縛られることは望まないが、ポリマーの疎水性ポリ(乳酸)ブロックが各ミセルの内部に向いており、ポリマーの親水性ポリ(エチレングリコール)ブロックが各ミセルの外側に向いていると考えられる。本明細書に記載の薬物は、薬物がミセルによって可溶化され、それによって薬物送達系を形成するように、ミセルと非共有結合的に連関している。例えば、本明細書中に記載される薬物は、ミセルによってカプセル化され、及び/またはミセル膜の中及び/または上に存在し得る。
本方法では、ミセルを形成するPEG−b−PLAの各ポリマーブロックは、得られたポリマーが水溶液中でミセルを形成することができる限り、ある範囲の分子量を包含することができる。例えば、ポリ(エチレングリコール)ブロックの分子量は約1,500〜約30,000g/molであってよく、ポリ(乳酸)ブロックの分子量は約1,500〜約30,000g/molであることができる。ポリ(エチレングリコール)ブロックの適切な分子量は、約1,500、約2,000、約3,000、約4,000、約5,000、約6,000、約8,000、約10,000、約12,000、約14,000、約20,000、約25,000、または約30,000g/mol、または上記の値の任意の2つの間の範囲内及びそれを含む範囲である。ポリ(乳酸)ブロックの適切な分子量には、約1,500、約2,000、約3,000、約4,000、約5,000、約6,000、約7,000、約10,000、約12,000、約14,000、約20,000、約25,000または約30,000g/mol、または上記の値の任意の2つの間の範囲内及びそれを含む範囲である。本技術のいくつかの実施形態では、ポリ(エチレングリコール)ブロックの分子量は約4,000〜約10,000g/molであってよく、ポリ(乳酸)ブロックの分子量は約2,000〜約5,000g/molであってよい。特定の実施形態では、ポリ(エチレングリコール)ブロックの分子量は約10,000〜約14,000g/molであってよく、ポリ(乳酸)ブロックの分子量は約5,000〜約7,000g/molであってよい。PEG−b−PLAの分子量の適切な組み合わせの例には、約2,000〜2,000(2K〜2K)、約3K〜5K、約5K〜3K、約5K〜6K、約6K〜5K、約6K〜6K、約8K〜4K、約4K〜7K、約7K〜3K、約3K〜7K、約12K〜6K、及び/または約6K〜7K g/molが挙げられるがこれらに限定されない。
本発明の方法において使用されるミセルの複合薬物負荷は、ミセルの重量に対して約5重量%〜約50重量%(すなわち、重量%は(薬物の合計重量)/(ポリマーの重量)×100に等しい)であり得る。そのような複合薬物負荷の例には、約5重量%、約10重量%、約15重量%、約20重量%、約25重量%、約30重量%、約35重量%、約40重量%、約45重量%、約50重量%、または上記の個々の値のいずれかの間の範囲及びそれを含む範囲である。したがって、いくつかの実施形態では、組み合わせた薬物負荷は約5重量%〜約40重量%、約5重量%〜約30重量%、約10重量%〜約40重量%、約10重量%〜約30重量%、約10重量%〜約20重量%、または約20重量%〜約40重量%である。
上記の複合薬物負荷を条件として、各個々の薬物についてのミセル中の薬物負荷は、ミセルの重量に対して約1重量%〜約25重量%であってよい。各薬物の薬物負荷はまた、ミセルの重量に対して、約4重量%〜約24重量%、または約5重量%〜約20重量%、または約6重量%〜約15重量%であってよい。個々の薬物負荷の例は、約1重量%、約2重量%、約3重量%、約4重量%、約5重量%、約6重量%、約8重量%、約10重量%、約15重量%、約20重量%、約21重量%、約22重量%、約23重量%、約24重量%または約25重量%、または上記の値の任意の2つの間の範囲内及びそれを含む範囲である。
ミセル中の薬物の重量比は変化してもよく、本開示及び特定のがん、使用される薬物の性質、ミセルのタイプ及びサイズ、患者の体重、年齢及び状態ならびに当技術分野で知られている他の関連パラメータを考慮して、当業者によって日常的に調整され得る。例えば、ミセル中の2つの薬物(例えば、パクリタキセル/ラパマイシン、パクリタキセル/17−AAG、及びラパマイシン/17−AAG)の重量比は、約20:1〜約1:20であり得る。適切な2つの薬物比は、約20:1、約15:1、約10:1、約5:1、約3:1、約2:1、約1:1、約1:2、約1:3、約1:5、約1:10、約1:15、約1:20、または上記の比の任意の2つの間の範囲内及びそれを含む範囲である。同様に、本方法におけるミセル中の3つの薬物(例えば、パクリタキセル、17−AAG、及びラパマイシン)の重量比は、薬物のいずれかが他の成分のいずれかの10倍までの重量比を有するように変化し得る。PEG−b−PLAミセル中のパクリタキセル、17−AAG、及びラパマイシンの適切な3薬物比の例には、約1:1:10、約1:1:5、約1:2:2、約2:1:2、約2:2:1、約3:2:1、約3:1:2、約2:1:3、約1:5:1、約1:10:1、約5:1:1、約1:1:1、約1:1:10または上記の比の任意の範囲内またはそれを含む範囲である。いくつかの実施形態において、パクリタキセル、17−AAG、及びラパマイシンの重量比は、約2:2:1〜約5:1:1である。
ミセル組成物を介して肺がん、脳腫瘍、または食道がんを有する対象に投与される薬物(例えば、パクリタキセル、17−AAG、及びラパマイシン)のそれぞれの量は、約1mg/kg(薬物重量/対象重量)〜約100mg/kg、または約2mg/kg〜約80mg/kgであり得る。薬物は、上記のミセル薬物負荷比に従った量で送達され得る。例えば、2:2:1の薬物負荷比では、ミセル組成物を調製し、約2〜約80mg/kgのパクリタキセル、約2〜約80mg/kgの17−AAG、及び約1〜約40mg/kgのラパマイシンを所定の比率で送達することができる。いくつかの実施形態において、約40〜約80mg/kgのパクリタキセル、約40〜約80mg/kgの17−AAG、及び約20〜約40mg/kgのラパマイシンを対象に投与することができる。2:2:1の質量比を有する送達される薬物の適切な量の例には、これらに限定することはないが、約2/2/1mg/kgのパクリタキセル/17−AAG/ラパマイシン、約15/15/7.5mg/kgのパクリタキセル/17−AAG/ラパマイシン、約30/30/15mg/kgのパクリタキセル/17−AAG/ラパマイシン、約50/50/25gm/kgのパクリタキセル/17−AAG/ラパマイシン、約60/60/30mg/kgのパクリタキセル/17−AAG/ラパマイシン、または約70/70/35mg/kgのパクリタキセル/17−AAG/ラパマイシンが挙げられる。
薬物は、個々のPEG−PLAミセルに一緒に組み込まれ、それにより、多剤ミセル(MDM)を形成することができる。あるいは、薬物を個々にPEG−PLAミセルに組み込むことにより、単剤ミセル(SDM)を形成することができる。次いで、異なる薬物を含む単剤ミセルを組み合わせて、単剤ミセル複合薬(SDMDC)組成物を提供することができ、ミセルを単一の水性ビヒクル中で組み合わせて、治療薬物送達製剤を提供することができる。
ミセル組成物は、水性ビヒクルを含むことができ、薬物の濃度は、水性ビヒクルの体積に対して、約0.4mg/mL〜約25mg/mL、約0.6mg/mL〜約20mg/mL、または約1mg/mL〜約15mg/mLである。封入された薬物は、水性環境と接触した場合、約1mg/mL〜約10mg/mLの水溶解度を有することができる。
ミセル組成物は、エタノール、ジメチルスルホキシド、ヒマシ油及びヒマシ油誘導体を含むがこれらに限定されない製薬上許容される有機溶媒を実質的に含まないことができる。例えば、ミセル組成物は、約2重量%未満、約1重量%未満、約0.5重量%未満、または約0.1重量%未満で、エタノール、ジメチルスルホキシド、ヒマシ油及びヒマシ油誘導体を含むがこれらに限定されない、有機溶媒を単独または組み合わせて含むことができる。
本方法において、放射線及びミセル組成物は、肺がん細胞、脳腫瘍細胞、または食道がん細胞に連続的に、同時に、または別々に投与され得る。例えば、放射線療法は、パクリタキセル、17−AAG、及び/またはラパマイシンを含むミセル組成物で細胞を前処理した後、肺がん細胞、脳腫瘍細胞、または食道がん細胞に投与することができる。放射線療法はまた、パクリタキセル、17−AAG、及び/またはラパマイシン負荷ミセルの投与前に、肺がん細胞、脳腫瘍細胞、または食道がん細胞に投与することもできる。さらに、本発明の方法は、パクリタキセル、17−AAG、及び/またはラパマイシン負荷ミセルの投与と同時に、すなわち同時にまたは重複して、放射線療法を投与することを含むこともできる。本技術の方法はまた、ミセル組成物すなわち、パクリタキセル、17−AAG、及び/またはラパマイシン負荷ミセルの投与とは別に、例えばこのミセル組成物の投与前または投与後の数日間または数週間の間に、肺がん細胞、脳腫瘍細胞、または食道がん細胞に放射線療法を投与することを含めることができる。
本方法は、ミセルを用いた多剤複合薬の送達と併用して放射線療法を用いる。本方法のいくつかの態様では、有効量の放射線療法を肺がん細胞、脳腫瘍細胞、または食道がん細胞に約1単位(グレイ)/日(Gy/日)〜約8Gy/日の範囲の線量で投与することができる。特定の実施形態では、9〜10Gy/日のより高い線量を用いることができる。放射線療法の線量はまた、約1Gy/日〜約5Gy/日または約1Gy/日〜約3Gy/日の範囲で変化し得る。適切な放射線療法の線量の例には、約1、2、3、4、5、6、7、及び8Gy/日または本明細書に記載の個々の値の間の範囲またはそれを含むが、これらに限定されない。本発明の方法における有効量の放射線及び/または薬物負荷ミセル組成物の特定の量は、対象の、疾患の状態、対象の年齢、体重、一般的健康状態、性別及び食事、投与間隔、投与経路、排泄速度、及び薬物の組み合わせに依存して調整できる。有効量を含有する上記の投与形態のいずれも、日常的な実験の範囲内であり、したがって、本技術の範囲内にある。
いくつかの実施形態では、本発明の方法は、約1日〜約5日間にわたって、肺がん細胞、脳腫瘍細胞、または食道がん細胞に放射線療法を、ミセル組成物の投与と重複してまたは順次、与えることを含むことができる。例えば、放射線療法は、パクリタキセル、17−AAG、及び/またはラパマイシンの有効量を含むミセル組成物での前処置後、約1日〜約5日間、肺がん細胞、脳腫瘍細胞、または食道がん細胞に投与することができる。放射線療法の適切な期間の例には、約1日または約1日〜約2、3、4、または約5日間が含まれるが、これらに限定されない。本発明の方法はまた、パクリタキセル、17−AAG、及び/またはラパマイシン負荷ミセルの投与と同時にまたはそれとは別々に、肺がん細胞、脳腫瘍細胞、または食道がん細胞に放射線療法をある期間にわたって投与することを含むことができる。例えば、放射線療法は、薬物負荷ミセルと同時に、肺がん細胞、脳腫瘍細胞、または食道がん細胞に投与することができる。
いくつかの実施形態では、ミセル組成物と併用して複数ラウンドの放射線量を投与することができる。例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、またはさらに10ラウンドの放射線/ミセル組成物用量を、数日間または数週間または数ヶ月間の各ラウンドの間に投与することができる。いくつかの実施形態において、ラウンドの放射線/ミセル組成物は、4、5、6、7、8、9、または10日間の間隔で投与され、他の実施形態では、ラウンドは、1、2、3、4、5、6、7、または8週間の間隔で、または1、2、3、4、5、または6ヶ月間隔であってもよい。ラウンド数及び各ラウンド間の間隔の選択は、当技術分野の技術範囲及び日常的な実験の範囲内であり、したがって、本技術の範囲内にある。
いくつかの態様では、本発明の方法は、本明細書に記載のミセル組成物と併用する有効量の放射線療法の肺がん細胞、脳腫瘍細胞、または食道がん細胞へのインビトロ投与を含むことができる。例えば、本発明の方法は、実験室培養物または当業者に知られている任意の同様のインビトロ細胞増殖手法から採取した肺がん細胞、脳腫瘍細胞、または食道がん細胞に、有効量の放射線療法をパクリタキセル、17−AAG、及び/またはラパマイシン負荷したミセルを併用して投与することを含むことができる。さらに、有効量の放射線療法は、薬物負荷ミセルと併用して本明細書に記載された線量範囲のいずれかで、連続的に、同時、または別々に、肺がん細胞、脳腫瘍細胞、または食道がん細胞にインビトロで投与することができる。
いくつかの態様では、本発明の方法は、インビボで、肺がん細胞、脳腫瘍細胞、または食道がん細胞に、薬物負荷ミセル組成物と併用して有効量の放射線療法を投与することを含む。いくつかの実施形態において、肺がん細胞、脳腫瘍細胞、または食道がん細胞は、対象、例えばヒトまたは動物対象(例えば、マウス、ラット、イヌ、ネコ、ブタ、ウマ、ウシ、サルなど)中に存在する。特定の実施形態では、ミセル組成物は水性担体を含み、かつ対象に静脈内投与または腹腔内投与される。
水性担体は、生理食塩水または炭水化物水溶液を含んでいてよい。水性担体は、生理食塩水または炭水化物水溶液、例えば、0.9%NaCl溶液または5%糖水溶液を含み得る。糖水溶液は、例えば、デキストロースまたはグルコースであり得る。水性担体はまた、水溶性塩例えばNaClの、任意の滅菌水溶液であってもよい。水溶液はまた、等張であり得る。水溶液は、適切に緩衝されていてもよい。本明細書に記載の水溶液は、静脈内、筋肉内、皮下、腹腔内、及び腫瘍内注射に適し得る。適切な滅菌水性媒体を購入することができ、または当業者に周知の標準的な技術によって調製することができる。
いくつかの態様では、本発明の方法は、薬物パクリタキセル、17−AAG、及び/またはラパマイシンを含有するPEG−b−PLAミセル組成物と併用して、肺がん、脳腫瘍、または食道がんを有する対象に有効量の放射線療法を投与することを含む。
定義
以下の用語は、以下で定義されて、全体を通じて使用される。
「及び/または」という用語は、項目のいずれか1つ、項目の任意の組み合わせ、またはこの用語が関連するすべての項目を意味する。
本明細書で使用されるように、「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「1つの(one)」などの単数の冠詞は、単数形または複数形を指すものとする。したがって、この記述は、請求項の要素の列挙または「否定的」制限の使用に関連して、「単独で」、「唯一の」などのような排他的な用語を使用するための前提として役立つことを意図している。
用語「約」は、指定された値の±10%までの変動を指すことができる。例えば、「約50」は、いくつかの実施形態では45%〜55%の変動を有することができる。他の実施形態において、「約」は、±1%、±2%、または±5%の変動を意味し得る。本明細書中で他に示されない限り、「約」という用語は、個々の成分、組成物または実施形態の機能に関して同等である列挙された範囲に最も近い値、例えば重量パーセントを含むことが意図される。さらに、本明細書で他に示されない限り、列挙された範囲(例えば、重量百分率)は、範囲内の各特定の値、整数、小数、または同一性を含む。
本発明の文脈内での「治療する」または「治療」は、障害または疾患に関連する症状の全部または一部の緩和、またはこれらの症状の進行または悪化の遅延または停止を意味する。治療の非限定的な例としては、本明細書に記載の1つ以上の化合物または組成物の有効量または治療有効量を投与により受けた後に、例えば、これらに限定するものではないが、対象が、腫瘍サイズの縮小(例えば、腫瘍体積の減少)、罹患率及び死亡率の低下、またはそれに関連する生活の質の改善などの、肺がんの1つ以上の徴候及び症状の、観察可能及び/または測定可能な減少、または消失を示す場合に、対象は肺がんを成功裏に治療できる。ヒトを含む哺乳動物の、本明細書で定義される治療は、哺乳動物の状態を直接的または間接的に改善する目的で、医療的援助を受けることである。治療は、典型的には、本明細書に記載されるような有効量の薬物負荷ミセル組成物の投与を指す。
有効量の薬物負荷ミセル組成物の「投与」には、例えば、非経口投与または局所投与が含まれる。非経口は、例えば、静脈内などの注入、注射によるものであり得、患者は、哺乳動物、例えばヒトであり得る。非経口または全身投与には、皮下、静脈内、腹腔内、及び筋肉内注射が含まれるが、これらに限定されない。注射用投与形態または本発明の方法は、一般に、本明細書に記載の水性懸濁液などの水性懸濁液を含むが、これに限定されない。局所投与には、一般に、粉末、スプレー、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、溶液及びパッチが含まれるが、これらに限定されない。例えば、エアロゾルスプレーは、薬物負荷ミセル、オレイン酸、トリクロロモノフルオロメタン、ジクロロジフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、及び標準の計量投与エアゾルディスペンサーを用いて調製することができる。投与すると、ミセルは完全なままで循環し、個々のポリマー鎖に解離し、活性剤を放出し(拡散またはミセル組成解離のいずれかによって)、組織(例えば、腫瘍)に分配し、及び/または腎クリアランスを受ける。これらの事象のスケジュールは、特異的で予測することはできず、これらの事象は、パクリタキセル、ラパマイシンまたは17−AAGなどの活性薬物の抗腫瘍活性に有意に影響を及ぼす。
「有効量」は、所望の効果を生じるために必要とされる化合物、組成物または治療(例えば、放射線療法)の量を指す。したがって、治療の文脈における本技術の化合物または組成物の「治療上有効な量」は、障害または疾患に関連する症状を全体的にまたは部分的に緩和するか、これらの症状のさらなる進行または悪化を遅らせるまたは止める。予防の文脈において、治療有効量は、疾患または障害を発症するリスクのある対象における疾患または障害を予防するまたは予防法を提供する。特定の障害または疾患を治療するための本明細書に記載の化合物の治療有効量を決定することは、本開示を考慮すると十分に当業者の範囲内にある。肺がんの場合、化合物または組成物の有効量は、肺がん細胞の数を減少でき、腫瘍のサイズを縮小でき、腫瘍成長をある程度阻害でき及び/または障害に関連する1つ以上の症状をある程度緩和でき、末梢器官へのがん細胞の浸潤を阻害でき(すなわち、ある程度遅延させ、好ましくは停止させる)、腫瘍転移を阻害できる(すなわち、ある程度遅延させ、好ましくは停止させる)。腫瘍休眠または微小転移巣の治療のためには、化合物または組成物の治療的有効量は、微小転移巣の数または増殖を減少させることができ、休眠している腫瘍の増殖を低減または予防でき、または(例えば、手術、放射線療法、または化学療法などの抗がん療法を使用する)治療または除去後の腫瘍の再発を低減または予防できる。化合物または組成物が既存のがん細胞の増殖を防止及び/または死滅させることができる範囲で、それは細胞増殖抑制性及び/または細胞傷害性であり得る。がん治療のためには、インビボでの有効性は、例えば、生存期間、無病生存期間(DFS)、病期進行までの時間(TTP)、無増悪生存期間(PFS)、奏効率(RR)、応答の持続時間、寛解の時間、及び/または生活の質を評価することによって測定することができる。有効量は、無病生存期間(DFS)を改善でき、全生存期間(OS)を改善でき、再発の可能性を低下させ得、再発までの時間を延長でき、遠隔再発(すなわち、原発部位以外の再発)までの時間を延長でき、がんを治癒でき、がんの症状を改善でき(例えば、がん特異的調査を用いて測定される)、二次原発がんの出現を減少させ得ることなどを可能にする。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される放射線及び1つまたは複数の薬物の有効量は、相乗的であり、例えば、それらは相加効果以上の効果を有するか、またはいずれかの薬物単独では生成できない効果を生じる。
用語「がん」及び「がん性」は、典型的には調節されていない細胞増殖を特徴とする動物細胞における生理学的状態を指し、または記載する。この定義には、良性及び悪性のがんならびに休眠腫瘍または微小転移が含まれる。がんの例には、がん腫、リンパ腫、芽腫、肉腫及び白血病が含まれるが、これらに限定されない。このようながんのより具体的な例には、小細胞肺がん及び非小細胞肺がんのような肺がんならびに脳腫瘍及び食道がんが含まれる。
本方法における「肺がん」または「肺がん細胞」という用語には、3つの主な型及び肺がんの対応するサブタイプが含まれるが、これらに限定されない。肺がんのタイプ及びサブタイプの例には、非小細胞肺がん(扁平上皮細胞がん、腺がん及び大細胞がんを含む)、小細胞肺がん(エン麦細胞がんを含む)及び肺カルチノイド腫瘍が含まれるが、これらに限定されない。
「転移」という用語は、原発部位から身体の他の場所へのがんの広がりを指す。がん細胞は、原発腫瘍から逸脱し、リンパ系及び血管に浸透し、リンパ系または血流を循環し、リンパまたは血管を出て、体内の他の正常組織に付着して増殖することによって転移し得る。転移は局所的または遠隔的であり得る。新しい部位では、細胞が再生し、血液供給を確立し、増殖して二次腫瘍、すなわち転移性腫瘍を形成することができる。腫瘍細胞内の刺激性及び阻害性の両方の分子経路がこの挙動を調節し、遠隔部位における腫瘍細胞と宿主細胞との間の相互作用もまた重要である。
「微小転移」という用語は、原発腫瘍から身体の他の部分に広がっている少数の細胞を指す。微小転移は、スクリーニングまたは診断検査において検出されてもされなくてもよい。
「腫瘍」という用語は、悪性または良性のすべての新生物細胞成長及び増殖、ならびにすべての前がん性及びがん性の細胞及び組織を指す。
新生物、腫瘍成長、または腫瘍もしくはがん細胞増殖の文脈における「阻害する」または「阻害」または「阻害すること」という用語。例えば、阻害には、原発腫瘍または二次腫瘍の出現の遅延、原発または二次腫瘍の発生の遅延、原発または二次腫瘍の発生の減少、疾患の二次的影響の鈍化または低下、腫瘍成長の停止、腫瘍の退行などが含まれ得るが、これらに限定されない。極端な場合、完全な阻害は、予防、化学予防、腫瘍退縮、または完全な腫瘍退行と呼ぶことができる。阻害は、治療の非存在下で生じるであろう進行に関して、約10%、約25%、約50%、約75%、または約90%阻害であり得る。
「対象」または「患者」という用語は、哺乳動物、例えばネコ、イヌ、げっ歯類または霊長類を指す。典型的には、対象はヒトであり、好ましくは肺がんのようながんを有するか有すると疑われるヒトである。用語「対象」及び「患者」は、交換可能に使用することができる。
当業者には理解されるように、任意の及びすべての目的のために、特に書面による説明を提供する観点から、本明細書に開示されるすべての範囲は、その可能な部分範囲及び部分範囲の組み合わせをも包含する。任意の列挙された範囲は、同じ範囲が少なくとも同等の半分、3分の1、4分の1、5分の1、10分の1などに分解されることを十分に記述し、可能にすることを容易に認識することができる。非限定的な例として、本明細書で説明する各範囲は、下方3分の1、中間3分の1及び上方3分の1などに容易に分解することができる。当業者には理解されるように、「〜まで」、「少なくとも」、「より大きい」、及び「より小さい」などのすべての用語は、列挙された数字を含み、上述したように部分的な範囲に分割することができる範囲を指す。最後に、当業者には理解されるように、範囲は各個々のメンバーを含む。したがって、例えば、1〜3個の原子を有する基は、1、2、または3個の原子を有する基を指す。同様に、1〜5個の原子を有する基は、1、2、3、4、または5個の原子を有する基などを指す。
パクリタキセル(PTXまたはP)は、既知の化学療法薬である。本明細書の製剤においてパクリタキセルと交換され得るパクリタキセル誘導体には、ドセタキセル及び他の既知の誘導体が含まれる。
17−アリルアミノ−17−デメトキシ−ゲルダナマイシン(17−AAGまたは17)は、周知の天然物ゲルダナマイシンの誘導体である。ゲルダナマイシンは、生産生物、Streptomyces hygroscopicus var.geldanus NRRL 3602を培養することによって得ることができる。米国特許第4,261,989号(Sasaki et al.)に記載されるように、化合物17−AAGは、ゲルダナマイシンとアリルアミンとの反応により、半合成的にゲルダナマイシンから製造され、この開示は参照により本明細書に組み込まれる。
放射線増感剤は、放射線療法に対するがん細胞の感受性を高める化合物または組成物である。
シロリムスとしても知られるラパマイシン(RAPまたはR)は、免疫抑制薬及び既知のmTor阻害剤である。mTOR複合体1(mTORC1)は、タンパク質合成及び血管新生を制御する様々なプロセスを制御することによって細胞増殖を駆動する。mTORC1の上流のシグナル伝達経路には、ホスファチジルイノシトール3−キナーゼ(PI3K/Akt)経路が含まれ、多くのがんにおいて調節不全になることが多い。例えば、肺がんの60〜70%がPI3K/Akt/mTORC1経路活性化を有する。本明細書の製剤においてラパマイシンと交換され得るラパマイシン誘導体には、デフォロリムス、テムシロリムス、エベロリムス、及びCCI−779が含まれる。
「ミセル」という用語は、形成された溶液中の分子またはイオンと平衡状態で存在するコロイド状の寸法の粒子を指す。一般に、ミセルの例は、水溶液中で球状に凝集する脂質様分子を含むが、これに限定されない。溶液中のミセル形成は、表面活性分子またはイオンが凝集してミセルを形成するミセル化と呼ばれるプロセスによって生じる。例えば、ミセルは、両親媒性分子またはポリマーから形成することができる。本発明の方法は、カプセル化することができる親油性コアを含む両親媒性ポリマーから形成されたコア−シェル構造であるミセルを含む。例えば、ポリ(エチレングリコール)−ブロック−ポリ(乳酸)は、ミセルを形成する一種の両親媒性ブロックコポリマーである。
本技術のミセル組成物は、薬物で、例えば、パクリタキセル、17−AAG、及び/またはラパマイシンで負荷された本明細書で定義したミセルを含む組成物である。組成物は、水、生理食塩水、炭水化物水溶液などを含む水性担体を含むことができる。
用語「PEG−PLA」または「PEG−b−PLA」は、ポリ(エチレングリコール)−ブロック−ポリ(乳酸)を意味する。ポリ(エチレングリコール)(PEG)またはポリ(エチレンオキシド)、ブロックは、エチレンオキシドの重合によって調製されたエチレンオキシドのポリマー(またはオリゴマー)である。PEGは、約300g/mol〜約10,000,000g/molの分子量で市販されている。商業的、化学的、及び生物学的なものを含む、PEGの多くの用途がある。PEGの用途の1つの例は、PEGが両親媒性コポリマーの親水性ブロックとして使用されてミセル及び他のタイプの人工小胞を作製する化学的及び生物学的薬物の研究である。ポリ(乳酸)(PLA)ブロックは、(D−乳酸)、(L−乳酸)、(D、L−乳酸)、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができる。PLAは、種々の周知の合成製剤を有する乳酸のポリエステルである。PLAは、しばしば、ミセル及び他のタイプの人工小胞を作製するための両親媒性コポリマーの疎水性ブロックとして役立つ。様々な形態のPEG及びPLAが市販されているか、またはそれらは当業者に周知の方法に従って調製することができる。
用語「薬物負荷」は、ミセルによる、パクリタキセル、17−AAG、及び/またはラパマイシン、または本明細書に記載の誘導体の薬物及び/または薬物の組み合わせをカプセル化する能力を指す。多剤ミセルの薬物負荷は、単剤ミセルの薬物負荷能力に近似し、等しく、またはそれを上回ることができる。
本発明の方法における「放射線療法」、「放射線」または「照射」という用語は、その能力を制限するために細胞に十分な損傷を誘発して、正常に機能する能力を制限し、または細胞を完全に破壊することができる、指向性X線、ガンマ線、ベータ線または荷電粒子の使用を意味する。例えば、高線量のX線を用いてがんを治療することができる。放射線療法の投与は、外的または内的であり得る。例えば、体外照射療法は、X線照射療法(XRT)を投与するために、Precision X−RAD 320(Precision X−Ray、North Branford、CT)などの高エネルギー線でがん細胞を標的にする機械によって投与することができる。治療の線量及び持続時間を決定するための多くの方法が当技術分野で知られていることが理解されるであろう。典型的な治療は1回投与として与えられ、典型的な線量は1日あたり約1〜200単位(グレイ)の範囲である。例えば、肺がんを有する対象は、約1〜約8Gy/日で約1日〜約5日間照射することができる。
「化学療法薬(chemotherapeutic agent)」、「化学療法剤(chemotherapy agent)」、「化学療法薬剤(chemotherapy drug)」または「化学療法的薬剤(chemotherapeutic drug)」という用語は、転移もしくは新生物の増殖を低減、予防、緩和、制限、及び/または遅延させる薬物、または新生物または他の機構の壊死またはアポトーシスによって直接新生物細胞を死滅させる薬物、または他の方法で薬学的に有効な量で使用して、新生物疾患を有する対象における転移もしくは新生物の増殖を低減、予防、緩和、制限及び/または遅延させることができる薬物を指す。化学療法薬には、がんの治療に有用な化学化合物が含まれる。化学療法薬の例としては、タキソール及びパクリタキセルが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書の実施例は、本技術の利点を説明し、本技術を使用して当業者をさらに補助するために提供される。実施例は、添付の特許請求の範囲によって規定される本技術の範囲を限定するものと決して解釈されるべきではない。実施例は、本明細書に記載の本技術の変形、態様または態様のいずれかを含むことができ、または取り込むことができる。本明細書に記載された変形形態、態様または態様はまた、本技術の任意のまたはすべての変形形態、態様または態様の変形形態をさらに含むかまたは組み込むことができる。
材料
この一般的手法のための材料には、Advanced Polymer Materials Inc.(Montreal、CAN)から購入した、分子量4000g/molのポリ(エチレングリコール)(PEG)及び分子量2200g/molのポリ(乳酸)(PLA)を有するポリ(エチレングリコール)−ブロック−ポリ(D,L−乳酸)(PEG−b−PLA)を含む。抗がん剤パクリタキセル(PTX)、17−アリルアミノ−17−デメトキシ−ゲルダナマイシン(17−AAG)、及びラパマイシン(RAP)は、LC Laboratories(Woburn、MA)から購入した。A549非小細胞肺がん腺がん(A549細胞)はATCC(Manassas、VA)から購入した。クリスタルバイオレットはSigma−Aldrich(St.Louis、MO)から購入した。他のすべての試薬は、Thermo Fisher Scientific Inc.(Fairlawn,NJ)から入手し、分析等級であった。6〜8週齢のメス無胸腺ヌードマウスは、Harlan Laboratories(Madison、WI)から購入した。
一般的手法
1:薬物負荷PEG−b−PLAミセルの調製と特性評価
PEG−b−PLAを伴う抗がん剤PTX、17−AAG、及びRAPの1つ、2つまたは3つを、適切な水混和性溶媒、例えば、tert−ブチルアルコールまたはアセトニトリルに、所望であれば、ミキシング及び/または超音波処理して、溶解した。溶媒を、例えば、凍結乾燥によって除去して、薬物負荷したミセルを得た。薬物負荷ミセルは、水性担体、例えば生理食塩水を用いて再水和され、そして例えば濾過及び/または遠心分離によって単離され得る。
Zetasizer Nano−ZS(Malvern Instruments、UK)を用いて、固定角173°で25℃での薬物負荷PEG−b−PLAミセルのZ平均直径及び多分散指数(PDI)を測定した。測定前に、薬物負荷PEG−b−PLAミセルを生理食塩水で50倍に希釈した。
PEG−b−PLAミセルの薬物含量を、逆相Shimadzu Prominence HPLCシステム(Shimadzu、Japan)によって定量化した。10μLの薬物負荷PEG−b−PLAミセル溶液を990μLのアセトニトリルに溶解した。溶解した溶液10μLを流速1.0mL/分、実行時間20分及び40℃のカラムオーブン温度で、Zorbax RX−C8分析カラム(4.6mm×250mm、粒径5μm、Agilent)に注入した。PTX、17−AAG、及びRAPの分離は、均一濃度条件下で55%のアセトニトリル及び0.1%のリン酸及び1%メタノールを含有する45%の水からなる移動相によって達成した。PTX、17−AAG、及びRAPは、それぞれ227、333、及び279nmで検出された。PTX、17−AAG、及びRAPの保持時間は、それぞれ3分、4分、及び11分であった。
2:A549細胞培養
A549細胞を、10%ウシ胎仔血清及び1%ペニシリン/ストレプトマイシンを補充したRPMI 1640培地で培養した。A549細胞を加湿インキュベーター内で37℃、5%COの雰囲気下で維持した。
3:インビトロクローン原性アッセイ
クローン原性アッセイ法では、137Cs照射器(JL Shepherd Model 109 Irradiator、JL Shepherd&Associates、CA)を用いて、30Gyの照射によりA549細胞の支持細胞層を調製した。支持細胞層及び非照射A549細胞を、6ウェルプレート上に合計2500細胞/ウェルで播種した。播種後、細胞を一晩インキュベートした。次いで、A549細胞を1、2、または3薬物負荷ミセルで1〜3nMにて前処理した。その後、細胞を0〜8Gyの電離放射線(XRT)に供した。放射線処置の7日後、A549細胞培地を1回リフレッシュし、さらに3日間インキュベートした。インキュベーション期間後、培地を除去し、A549細胞をリン酸緩衝食塩水で洗浄した。次いで、0.5%クリスタルバイオレット/メタノール溶液でA549細胞を37℃で15分間染色し、50個の凝集細胞のカットオフを用いてコロニー数を計数した。コロニー形成率(PE)は(コロニー数)/(接種した非照射細胞数)として計算した。A549細胞のクローン原性生存は、(PE/無処置のPE)として定義した。生存率(SF)は、各処置の(PE)/(0GyでのPE)として計算した。線形二次方程式:SF=exp(αD+βD)を用いてフィッティング曲線をSFに適用し、式中、DはFranken NAP、Rodermond HM、Stap J、Haveman J、Bree Cv.Clonogenic assay of cells in vitro.Nat Protoc.2006;1(5):2315−9.doi:10.1038/nprot.2006.339.の手法による照射線量であった。カーブフィッティングの式から、各処置群の細胞の50%を殺滅させるために必要な放射線量を計算し、薬物を伴わない50%細胞殺滅をもたらす放射線量/薬物を伴う50%細胞殺滅をもたらす放射線量として定義される増感剤増強比(SER)を評価した。
4:照射有りまたは無しでの薬物負荷PEG−b−PLAミセルのインビボ抗がん有効性
インビボ薬物負荷ミセル有効性手法のために、A549細胞を、トリプシン処理後のサブコンフルエントな培養物から採取した。マウスを1.5%イソフルラン/酸素で麻酔し、この状態を1%イソフルラン/酸素で維持した。次いで、マウスに、腰背部右側にA549細胞を皮下接種した(100μL、2×10細胞/動物)。腫瘍体積は、0.5×a×bとして計算され、腫瘍のより大きい直径として「a」、腫瘍のより小さい直径として「b」が用いられた。約150mmの腫瘍体積に達した後、マウスを以下のように14群(n=4)に無作為化した:1.60mg/kgでのPTXと放射線(PTX+XRT)。2.60mg/kgでのPTX。3.PTX/17−AAG(60/60mg/kg)と放射線(P/17+XRT)。4.PTX/17−AAG(60/60mg/kg)(P/17)。5.PTX/RAP(60/30mg/kg)と放射線(P/R+XRT)。6.PTX/RAP(60/30mg/kg)(P/R)。7.17−AAG/RAP(60/30mg/kg)と放射線(17/R+XRT)。8.17−AAG/RAP(60/30mg/kg)(17/R)。9.高用量トリオリムス(60/60/30mg/kgのPTX/17−AAG/RAP)と放射線(高TRIO+XRT)。10.高用量トリオリムス(60/60/30mg/kgのPTX/17−AAG/RAP)(高TRIO)。11.中用量トリオリムス(15/15/7.5mg/kgのPTX/17−AAG/RAP)と放射線(中TRIO+XRT)。12.中用量のトリオリムス(15/15/7.5mg/kgのPTX/17−AAG/RAP)(中TRIO)。13.ビヒクル(105mg/kgの空のPEG−b−PLAミセル)とXRT(ビヒクル+XRT)。14.ビヒクル(105mg/kgの空のPEG−b−PLAミセル)(ビヒクル)。各用量について、200μL/マウス体重20gを麻酔したヌードマウスに静脈内投与した。薬物負荷ミセルと放射線処置を組み合わせた群では、放射線照射前にA549細胞接種マウス(A549マウス)を薬物負荷PEG−b−PLAミセルで処置し、次いでこのA549マウスを5日間3Gy/日の放射線にかけた。A549マウスの体重及び腫瘍の直径を、ポータブルスケール及びデジタルキャリパー(Fisher Scientific、Pittsburgh、PA)によってそれぞれ記録した。この研究のために使用したすべてのマウスは、腫瘍体積が最初の腫瘍体積から400%に達した、または85日目に達したときに安楽死させた。すべての動物実験はUW−Madison’s Institutional Animal Care及びUse Committeeによって承認され、施設及びNIHガイダンスに従って実施された。
5:血液学的、組織学的、及び免疫組織化学的分析
PTX(60mg/kg)、P/17(60/60mg/kg)、P/R(60/30mg/kg)、17/R(60/30mg/kg)、高TRIO(PTX/17−AAG/RAP:60/60/30mg/kg)、中TRIO(PTX/17−AAG/RAP:12/12/6mg/kg)、低TRIO(PTX/17−AAG/RAP:2.4/2.4/1.2mg/kg)、及びビヒクル対照(PEG−PLAのみ:105mg/kg)を、A549腫瘍を有するメス無胸腺ヌードマウスに静脈注射した。注射の24時間後に動物を安楽死させた。トリオリムスの後にXRT処置群を評価するために、高TRIOを1日目に静脈注射し、続いて3Gyを5日間で分割照射した。6日目に、動物を安楽死させた(TRIO+XRT群)。対照群は、ビヒクル注入後のXRT処置を受けた(ビヒクル+XRT群)。
安楽死させる直前に、リチウムヘパリン及びKEDTA被覆管の両方で全血を採取した。リチウムヘパリン被覆管の全血を3,000rpmで5分間遠心分離して、包括的生化学的検査の血漿を分離した。KEDTA被覆管の全血を完全血球算定(CBC)に使用した。CBC及び包括的生化学的検査は、ウィスコンシン州マディソンのウィスコンシン大学の獣医学部の臨床病理学研究所によって実施された。
腫瘍及び正常組織を、10%中性緩衝ホルマリン中で24時間固定し、勾配したエチルアルコールで脱水し、パラフィン包埋し、5μmで切断し、帯電ガラススライド上に載せた。心臓、肺、肝臓、腎臓、脾臓、及び脳を含む腫瘍及び正常組織のH&E染色切片を、標準的な手法に従って調製した。組織壊死は、全腫瘍面積のパーセントとして光学顕微鏡検査によって評価した。正常組織切片を、処置を知らない観察者による臓器毒性の形態学的証拠について評価した。Roche Ventana Medical System Discovery XT Automatedプラットフォーム上で、DaVinci抗体希釈液及びCat−Hematoxylinを除く独自のVentana−Roche試薬(Biocare Medical)を使用して、Ki−67、切断型カスパーゼ−3、Akt、ホスホ−Akt及びHsp70に対する免疫染色を実施した。スライドを脱パラフィンし、約44分間CC1緩衝液(EDTA緩衝液)を用いて「細胞コンディショニング」の形態で熱誘起エピトープ回収を行った。Ki−67検出のために、次いで、スライドを抗ヒトKi−67抗体(ウサギモノクローナル、US Biological)と、1:100、28分間37℃でインキュベートし、すすぎ、OmniMap抗ウサギHRPと共に12分間インキュベートした。切断型カスパーゼ−3については、スライドを抗ヒト切断型カスパーゼ−3抗体(ウサギポリクローナル、Cell Signaling Technology)と1:400、28分間37℃でインキュベートし、すすぎ、OmniMap抗ウサギHRPと共に12分間インキュベートした。Aktについては、スライドを抗ヒトAkt抗体(ウサギモノクローナル、Cell Signaling Technology)と、1:400、16分間37℃でインキュベートし、すすぎ、OmniMap抗ウサギHRPと共に8分間インキュベートした。ホスホ−Aktについては、スライドを抗ヒトリン酸−Akt抗体(ウサギモノクローナル、Cell Signaling Technology)と、1:50、4時間20℃でインキュベートし、すすぎ、UltraMap抗ウサギHRPと共に12分間インキュベートした。HSP70については、スライドをHSP70抗体(マウスモノクローナル、Abcam)と、1:3200、28分間37℃でインキュベートし、すすぎ、UltraMap抗マウスHRPと共に12分間インキュベートした。次いで、スライドをすすぎ、ChromoDAB検出試薬と共にインキュベートし、再びすすぎ、蒸留水で1:5に希釈したBiocare MedicalのCat−Hematoxylinで対比染色した。免疫組織化学的染色は、以下のように評価した:Ki−67列挙(enumeration)では、ImmunoRatioソフトウェア[22]を用いて、複製腫瘍1つ当たり4つの代表的な400X領域を定量した。複製物1つにつき4回の測定の平均が取られた。切断型カスパーゼについては、陽性細胞を、光学顕微鏡を用いて4つの代表的な400×生存腫瘍領域において手動で計数し、複製物1つごとに平均4回の測定を行った。細胞質Akt、pAKT及びHSP70免疫反応性を、光学顕微鏡法により半定量的に陰性(1%未満の細胞陽性)、限局性(1〜25%の細胞陽性)またはびまん性(25%を超える細胞陽性)と及び染色の強さに基づいて弱い、中程度、強いと評価した。すべての形態学的及び免疫組織化学的評価は、処置群を知らない病理学者によって行われた。
6:統計分析
スチューデントt検定を用いて統計解析を行った。両側のp値が0.05未満であれば、差異は統計的に有意であるとみなされた。
実施例1:パクリタキセル、17−AAG、及び/またはラパマイシン負荷PEG−b−PLAミセルの調製及び特性評価
薬物負荷PEG−b−PLAミセルは、一般的手法1で上記した凍結乾燥法により調製した。簡単に説明すると、6mgのPTX及び17−AAG、3mgのRAP、及び105mgのPEG−b−PLAをシリンダー状のガラス管中で、60℃で予熱したtert−ブチルアルコール1mLに溶解し、60℃で予熱した蒸留水1mLを激しく攪拌しながら急速に添加する。その後、混合溶液をドライアイスで凍結し、凍結乾燥機で−20℃、100μBar(9.87×10−4atm)で3日間凍結乾燥した。1薬物(PTXのみ)及び2薬物(PTX/17−AAG、PTX/RAP、及び17−AAG/RAP)負荷PEG−b−PLAミセルも同様に調製した。凍結乾燥した試料を使用するまで冷凍庫に保存した。使用時に、1.0mLの生理食塩水を添加して、薬物負荷PEG−b−PLAミセルを再水和させ、続いて13,000rpmで5分間遠心分離し、0.2μmシリンジフィルターで濾過して残渣を除去し、滅菌した。表1は、ミセルのサイズ、多分散性(PDI)及び薬物負荷を示す。PTX単剤または多剤を可溶化するPEG−b−PLAミセルは、内容物に関係なく、平均Z−直径が約35nmで、PDIは0.12であった。薬物負荷はわずかに粒径を増加させ、PDIを減少させた。PEG−b−PLAミセルに負荷されたすべての薬物は、多剤製剤でさえ、高い水溶解性を有していた。PTX単剤負荷ミセルは、生理食塩水での再水和の6時間後に沈殿したが、トリオリムス及び2薬物負荷ミセルは、再構成後24時間まで室温で沈殿しなかった。
(表1)薬物負荷PEG−b−PLAミセルのサイズ及びPD1
Figure 0006898862
実施例2:インビトロでのA549細胞に対する放射線有りでの1、2、及び3薬物負荷ミセルの有効性
一般的手法3の後、A549細胞を1〜3nMでの薬物負荷ミセルPTX/17−AAG/RAP(トリオリムス)、または2nMでのPTX、PTX/17−AAG、PTX/RAP、もしくは17−AAG/RAPで前処理した。特性評価を上記のように行った。
A549細胞のクローン原性生存に対するトリオリムスの効果を図15に示す。トリオリムスの阻害効果は用量依存的であり(1nM:0.92±0.13、2nM:0.51±0.07)、3nMのトリオリムスに曝露した後、A549細胞は生存しなかった。トリオリムスは、2nMという低い濃度でさえも、クローン原性生存を効果的に阻害した。
放射線増感に対するトリオリムスの効果を図16に示す。クローン原性生存の結果と同様に、トリオリムスの放射線増感効果は用量依存的であった。興味深いことに、トリオリムスは、2Gyの放射線と組み合わせると、1nMという低さでも有意な放射線増感効果を示した。この効果は、2nMで増加した(1及び2nMでのSER値:それぞれ1.58及び2.23)。これらの結果は、トリオリムスが強力な放射線増感剤であることを示唆している。
放射線(XRT)と共に薬物負荷ミセルとで処理されたA549細胞は、1、2、及び3薬物負荷ミセルに対して有効な抗がん活性を示した。A549細胞のクローン原性生存に及ぼす複合製剤の影響を、固定濃度2nMで単剤(PTX)及び二剤P/17、P/R及び17/R負荷PEG−b−PLAミセル及びTRIOを用いて評価した(図1)。興味深いことに、クローン原性生存を阻害した最も有効な複合製剤は、P/Rで、PTX、TRIO、P/17、及び17/Rが続き、それぞれ以下のクローン原性生存率であった:0.10±0.06、0.16±0.15、0.51±0.07、0.60±0.11、及び1.04±0.09。放射線増感研究においても同様の傾向が観察された(図2)。A549細胞は、8Gyの電離放射線によるP/R処理に特に感受性であった。しかし、SER値が最も強い放射線増感効果はPTX(3.34)、続いて、P/R(2.95)、TRIO(2.23)、P/17(1.62)、及び17/R(1.44)で処理することにより得られたことを明らかにした(表2)。興味深いことに、各製剤中のRAPのモル比が同様であっても、PTXの放射線増感が17−AAGよりも高いことを示唆しているにもかかわらず、P/Rの組み合わせのSER値はP/17よりも2倍超であった。トリオリムス及びP/17を比較すると、トリオリムス中のPTX及び17−AAGへのRAPの添加は、PTX及び17−AAGモル比のわずかな減少にもかかわらず、放射線増感効力を大幅に高めた。トリオリムスにおいて、これらの3薬物の放射線増感効果は、インビトロで相乗効果を達成するようである。
(表2)2nMの濃度における薬物のモル比、及び各ミセルのSER値
Figure 0006898862
実施例3〜8:インビボでのA549細胞に対する放射線有りまたは無しでの1、2、及び3薬物負荷ミセルの有効性
実施例3〜8はすべてインビボ薬物負荷ミセル有効性のための一般的手法4に従い、マウスは腰背部右側にA549細胞(100μL、細胞2×10個/動物)を皮下接種した。腫瘍サイズ150mmを有するA549細胞(A549マウス)を接種したマウスに、60mg/kgのPTX負荷ミセル(実施例3)、60/60/30mg/kg PTX/17−AAG/RAP負荷ミセル(「高TRIO」)(実施例4)、15/15/7.5mg/kg PTX/17−AAG/RAP負荷ミセル(「中TRIO」)(実施例5)、60/60mg/kg PTX/17−AAG負荷ミセル(実施例6)、60/30mg/kg PTX/RAP負荷ミセル(実施例7)及び60/30mg/kg 17−AAG/RAP負荷ミセル(実施例8)を、200μL/20gマウス体重の用量で静脈内に投与した。A549マウスを、200μL/20gマウス体重で非薬物負荷ミセル(ビヒクル、105mg/kgのPEG−b−PLAミセルのみ)でも処置した。一般的手法4に従って、種々の薬物負荷ミセルまたはビヒクルで処置したA549マウスに、5日間の3Gy/日放射線(XRT)照射を行った。XRTと共に種々の薬物負荷ミセルで、種々の薬物負荷ミセルのみで、XRTと共にビヒクルで、またはビヒクルのみで処置したA549マウスの特性評価を、一般的手法4に従って実施した。
実施例3:インビボでのA549細胞に対する放射線有り及び無しでのパクリタキセル負荷ミセルの有効性−(60mg/kg PTX負荷ミセル)
図3は、時間(日数)の関数としてのA549細胞増殖速度の割合を示す。ビヒクル対照群と比較して、放射線のみ及びPTXのみは、腫瘍成長をわずかに阻害した。XRTと共にPTX負荷ミセルで処理されたA549マウスは、腫瘍成長速度の適度な低下を示した。研究したすべてのA549マウスの体重を一般的手法4に従って記録し、図4に示すように時間(日数)の関数としてプロットした。XRTと共にPTX負荷ミセル、PTX負荷ミセルのみ、XRTと共にビヒクル及びビヒクルのみで処置したA549マウスの体重は、相対体重増加率にほとんど影響を示さなかった。薬物負荷ミセルで処理されたA549マウスの体重の減少は、高用量薬物治療法の毒性と相関する。図4に示すPTX負荷ミセル処理A549マウスの相対的体重の適度な増加は、XRTの有無にかかわらず、低い薬物毒性を示唆している。
実施例4:インビボでのA549細胞に対する放射線有り及び無しでの高用量のパクリタキセル/17−AAG/ラパマイシン負荷ミセルの有効性− 60/60/30mg/kg PTX/17−AAG/RAP負荷ミセル(高TRIO)
図5は、XRTと共に高TRIOで処置したA549マウスが、90日間にわたる腫瘍成長速度の大幅な低下及び170日後の完全な腫瘍退行を有することを示す。しかしながら、高TRIOのみで処理したA549マウスまたはXRTと共にビヒクルで処置したA549マウスは、ビヒクルのみの腫瘍成長速度と比較して、腫瘍成長速度の控えめな低下を示した。XRTと共に高TRIOで処置したA549マウスについての結果は、実施例3で議論したXRTを伴うPTX負荷ミセルで処置したA549マウス及び、実施例2で議論したインビトロA549肺がん細胞抗がん効果、と比較して予想外であった。この腫瘍抑制は最大24週間持続し、その間に局所再発は観察されなかった。したがって、高TRIOはインビボで強力な放射線増感剤であることが確認された。さらに、図6は、XRTと共に高TRIOで、高TRIOのみで、XRTと共にビヒクルで、またはビヒクルのみで処置したA549マウスにおける低薬物毒性を示す。図6は、すべての高TRIOまたはビヒクル処置A549マウスについての時間の関数として測定したA549マウスにおける相対的体重の増加率を示す。
実施例5:インビボでのA549細胞に対する放射線有りまたは無しでの中用量のパクリタキセル/17−AAG/ラパマイシン負荷ミセルの有効性− 15/15/7.5mg/kg PTX/17−AAG/RAP負荷ミセル(中TRIO)
図7は、XRTと共に中TRIOで処置したA549マウスは、ビヒクルのみの腫瘍成長速度と比較して、90日間にわたる腫瘍成長速度の中程度の低下を有することを示した。中TRIOのみでまたはXRTと共にビヒクルで処置したA549マウスは、ビヒクルのみの腫瘍成長速度と比較して、腫瘍成長速度の低下をほとんど示さなかった。さらに、図8はXRTと共に中TRIOで、中TRIOのみで、XRTと共にビヒクルで、またはビヒクルのみで処置したA549マウスにおける低薬物毒性を示す。図8は、すべての中TRIOまたはビヒクルで処置したA549マウスについて、時間(日数)の関数として測定したA549マウスの相対的体重の増加率を示し、相対的体重増加率の有意な減少はなかった。
実施例6:インビボでのA549細胞に対する放射線有り及び無しでのパクリタキセル/17−AAG負荷ミセルの有効性− 60/60mg/kg PTX/17−AAG負荷ミセル(P/17)
図9は、XRTと共にPTX/17−AAG負荷ミセル(P/17+XRT)で処置したA549マウスは、90日間にわたる腫瘍成長速度のわずかな低下を示したが、その放射線増感効果はPTXと放射線の組み合わせよりも少なかった。P/17のみで、またはXRTと共にビヒクルで処置したA549マウスは、ビヒクルのみの腫瘍成長速度と比較して、腫瘍成長速度の低下をほとんど示さなかった。さらに、図10は、P/17+XRTで、P/17のみで、XRTと共にビヒクルで、またはビヒクルのみで処置したA549マウスにおける低薬物毒性を示す。図10は、すべてのP/17でまたはビヒクルで処置したA549マウスについての時間(日数)の関数として測定したA549マウスの相対的体重の増加率を示し、相対的体重増加率の有意な減少はなかった。
実施例7:インビボでのA549細胞に対する放射線有り及び無しでのパクリタキセル/ラパマイシン負荷ミセルの有効性− 60/30mg/kg PTX/RAP負荷ミセル(P/R)
図11は、XRTと共にP/R(P/R+XRT)で、またはP/Rのみで処置したA549マウスが、ビヒクルのみの腫瘍成長速度と比較して最初の30日間で腫瘍成長速度の有意な低下を示したことを示す。XRTと共にビヒクルで処理したA549マウスは、ビヒクルのみの腫瘍成長速度と比較して、腫瘍成長速度の低下をほとんど示さなかった。P/R+XRTはP/17+XRTよりも強力であった。しかし、PTX+XRTと比較して、P/R+XRTは腫瘍成長遅延を延長しなかった。さらに、図12は、P/R+XRTで、P/Rのみで、XRTと共にビヒクルでまたはビヒクルのみで処置したA549マウスにおける低薬物毒性を示す。図12は、すべてのP/R負荷ミセルまたはビヒクル処置A549マウスについての時間(日数)の関数として測定したA549マウスの相対的体重の増加率を示し、相対的体重増加率の有意な減少はなかった
実施例8:インビボでのA549細胞に対する放射線有り及び無しでの17−AAG/ラパマイシン負荷ミセルの有効性− 60/30mg/kg 17−AAG/RAP負荷ミセル(17/R)
図13は、他の単剤処置、二剤併用処置、及びトリオリムス処置よりも放射線感受性が低いことを示すインビトロ研究結果にもかかわらず、XRTと共に17−AAG/RAP負荷ミセル(17/R+XRT)で処理したA549マウスが腫瘍成長を劇的に阻害したことを示す(図2、表2)。17−AAG/RAP負荷ミセルのみでまたはXRTと共にビヒクルで処理したA549マウスは、ビヒクルのみの腫瘍成長速度と比較して、腫瘍成長速度の有意な低下を示さなかった。さらに、図14は、17/R+XRTで、17/Rのみで、XRT共にビヒクルで、及びビヒクルのみで処置したA549マウスにおける低薬物毒性を示す。図14は、すべての17−AAG/RAP負荷ミセルでまたはビヒクルで処置したA549マウスについての時間(日数)の関数として測定したA549マウスの相対的体重の増加率を示し、相対的な体重増加率の有意な減少はなかった。
実施例9:腫瘍成長の組織学的及び免疫組織化学的分析
一般的手法5に従って、腫瘍成長の組織学的及び免疫組織化学的分析を行った。腫瘍壊死のパーセンテージを図17〜19に示す。単剤及び2薬物処置群では、壊死の量はPTX、P/R、及び17/Rの間で類似していた。これらの3つの処置と比較して、P/17処置群では比較的少ない壊死が観察された(図17)。壊死率は、トリオリムス群(TRIO)において薬物濃度の増加と共に減少した(図18)。TRIO(TRIO+XRT)への放射線の添加は壊死の量を増加させなかった(図19)。壊死はトリオリムス処置群で増強され、6日間持続した。壊死のレベルは、TRIO 6日目とTRIO+XRTとで同様であり、壊死の誘発はトリオリムス投与によって引き起こされることを示唆している。
単剤、2薬物、及びトリオリムス処置群のKi−67増殖指数を図20〜22に示す。PTX及びP/17処置は腫瘍成長を増強した(図20)。P/R及び17/R処置の両方は、ビヒクル処置と同様にKi−67指数を導いた(図20)。トリオリムス処置群の結果は、より低い薬物濃度がより効果的な抗増殖効果を発揮することを示している(図21)。ビヒクル+XRT処置群からKi−67指数の劇的な低下が観察された(図22)。TRIO群は1日目に抗増殖効果を誘導しなかったが、しかし、6日目のKi−67値は比較的低かった(図22)。したがって、高用量トリオリムス(高TRIO)治療の抗増殖効果は即時ではなく、時間の経過と共に起こるようである。TRIO+XRT群において最も低いKi−67値が観察され(図22)、トリオリムスと放射線の組み合わせが腫瘍細胞増殖を強力に阻害することを示した。
理論に拘束されることは望まないが、これらの所見は、トリオリムスと放射線との組み合わせが、薬物治療単独での良好な腫瘍壊死及び放射線単独による好ましい抗増殖効果をもたらすと考えられることを示唆する。この前治療的二重性は、高TRIOプラス放射線のインビボ有効性を裏付けている可能性がある。
アポトーシスの尺度としての切断型カスパーゼ3のレベルを図23〜25に示す。最も大きな切断型カスパーゼ3レベルがP/R処置群で観察された(図23)。トリオリムス(図24)及びTRIO+XRT処理(図25)は、切断型カスパーゼ3のレベルをわずかに増大させたが、これらの効果はP/R処理の効果よりもはるかに少なかった。
AKT、リン酸化AKT(pAKT)、及びHSP70に対する免疫組織化学染色を、適切な対照を用いて行った。結果は、処置群間でわずかに異なっており、タンパク質発現の個体差が定性的免疫組織化学の解像度よりも低い可能性があることを示唆している。ビヒクル群及びPTX、低TRIO、中TRIO、高TRIO、TRIO+XRT、及びTRIOの6日目の腫瘍において、AKTの中程度のびまん性発現が見られた(表3)。興味深いことに、P/17、P/R、及び17/Rにおいて、AKT発現は、ほとんどが弱かった。pAKTの発現は、17/R群では本質的に陰性であり、有意な個体差無しに他の処置群では可変的な限局性が見られた。HSP70は、すべての群において強い拡散免疫染色を示した(データは示さず)。
(表3)処置群におけるAKT及びpAKTの発現(陽性/総症例)
Figure 0006898862
Mod=中程度。
実施例10:薬物毒性の血液学的、代謝的、及び組織学的分析
一般的手法5に従って、薬物毒性の血液学的、代謝的、及び組織学的分析を行った。マウスの心臓、肺、肝臓、脾臓、腎臓及び脳の組織学的切片を光学顕微鏡下で検査し、臓器毒性を形態学的に評価した。ほとんどの組織は、病理学的に有意な異常を示さなかった。6匹の動物の肺には、非常に限局性の軽度のリンパ球間質性炎症があった(ビヒクル群で2つ、中TRIO群で1つ、低TRIO群で2つ、P/17群で1つ)。23匹の動物は、ビヒクル群の6匹の動物及びビヒクル+XRT群の2匹を含み、最小の非特異的な周辺慢性炎症を示した。これらの変化は意義不明であるが、それらが最小限であり、多数の対照動物に存在するとすれば、処置に関連する可能性は低い。
ビヒクル、PTX、2薬複合製剤、TRIO、及びTRIO+XRTによる投薬後の包括的な代謝及び血液学的分析を表4に要約する。PTX処置は、白血球数を有意に減少させた。統計学的に有意なヘモグロビンの減少が中TRIO群で観察された。低TRIO及びP/R処置群では、統計的に有意な白血球数の減少が観察された。さらに、P/R処置群でも赤血球数の統計的に有意な低下が観察された。TRIO+XRT及びビヒクル+XRT群では、統計的に有意な白血球数の減少が見られた。しかし、この効果は、6日目のTRIO群ではもはや明らかではなかった。これは、白血球数の顕著な減少が放射線によって引き起こされた可能性が高いことを示唆している。赤血球への影響は、赤血球数、ヘモグロビン、及びヘマトクリットの統計的に有意な低下がビヒクル+XRT処置群で観察されたため、主に放射線によるものと考えられる。赤血球数、ヘモグロビン及びヘマトクリットのわずかな減少もTRIO+XRT処置群で観察され、放射線の悪影響はトリオリムスと組み合わせることによって増加しなかったことが示された。血漿電解質、クレアチニン及び血液尿素窒素の測定によって腎機能を評価した。P/17及び17/Rを除くほとんどすべての処置群は、尿素窒素の統計的に有意な増加を示した。クレアチニン値の有意差は、いずれの処置群においても観察されなかった。また、電解質レベルのいくつかは、薬物またはXRT処置後、P/17処置群と17/R処置群との両方でのナトリウムレベル及びP/R処置群でのクロライドレベルで統計的に増加した。これらの結果は、薬物及び/またはXRT治療が腎機能をわずかに混乱させるか、またはわずかな脱水をもたらし得ることを示唆している。
(表4)薬物処置及び放射線処置したマウスの血液学的分析
Figure 0006898862
*:ビヒクル群と有意差がある(P<0.005)
**:ビヒクル群と有意差がある(P<0.01)
***:ビヒクル群と有意差がある(P<0.05)
RBC:赤血球数、HGB:ヘモグロビン、HCT:ヘマトクリット、WBC:白血球数
肝機能は、グルコース、総タンパク質、アルブミン、グロブリン、AST、ALT、アルカリホスファターゼ及び総ビリルビンレベルを測定することによって評価した。いずれの群においても、グルコース、アルブミン、ALT、またはアルカリホスファターゼレベルにおいて有意差は観察されなかった。総ビリルビンは各試料において検出できなかった。しかし、高TRIO、低TRIO、及びTRIO+XRT処置群の総タンパク質レベル、TRIO+XRT処置群のグロブリンレベル、ならびに高TRIO及び中TRIO処置群のASTレベルは有意に増加した。したがって、XRT処置の有無にかかわらず、トリオリムスは肝機能に影響を与える可能性があると考えられる。
中TRIO、PTX、P/R、ビヒクル+XRT、及びTRIO6日目処置群の総COレベル、及びTRIO6日目処置群のアニオンギャップの有意差も認められ、潜在的に肺機能の変化が示唆された。
一般に、トリオリムスの生体化学反応への変更は、PTXのみ及び2薬物処置群に匹敵した。6日目にTRIO群を試験することにより生体化学反応及び完全な血球数の変化は短い期間であることが明らかとなり、CO、アニオンギャップ及び尿素窒素を除くすべての値は、ビヒクル処置群の値と有意差がなかった。

Claims (14)

  1. 2:2:1〜5:1:1の質量比を有するパクリタキセル、17−AAG、及びラパマイシンの有効量、または2:1〜5:1の質量比を有する17−AAG及びラパマイシンの有効量を含むミセル組成物であって、該ミセル組成物は、有効量の放射線と併用して投与されるように用いられ、かつ該ミセル組成物と該放射線は、非小細胞肺がん細胞を含む肺がん細胞に投与されるように用いられ、
    パクリタキセルの有効量は約40mg/kg〜約80mg/kgであり、17−AAGの有効量は約40mg/kg〜約80mg/kgであり、ラパマイシンの有効量は約20mg/kg〜約40mg/kgであり;
    該ミセル組成物はポリ(エチレングリコール)−ブロック−ポリ(乳酸)(PEG−b−PLA)をさらに含み;かつ
    放射線が、1Gy/日〜8Gy/日の間の線量で1〜5日間にわたって投与される、
    ミセル組成物。
  2. 前記放射線及び前記ミセル組成物が、連続的に、同時に、または別々に前記がん細胞に投与されるように用いられる、請求項1に記載のミセル組成物。
  3. 前記放射線が、2Gy/日〜4Gy/日の間の線量で約5日間にわたって投与される、請求項1〜2のいずれか1項に記載のミセル組成物。
  4. 前記ミセル組成物中のパクリタキセル、17−AAG、及びラパマイシンの薬物負荷が、約5重量%〜約40重量%である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のミセル組成物。
  5. 前記PEG−b−PLAが、約1,500〜約30,000g/molの分子量を有するポリ(エチレングリコール)−ブロックと、約1,500〜約30,000g/molの分子量を有するポリ(乳酸)ブロックとを含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載のミセル組成物。
  6. 前記肺がん細胞が対象内に存在する、請求項1〜のいずれか1項に記載のミセル組成物。
  7. 前記対象がヒトである、請求項に記載のミセル組成物。
  8. 前記ミセル組成物が、水性担体を含み、かつ、前記対象に静脈内投与または腹腔内投与されるように用いられる、請求項またはに記載のミセル組成物。
  9. 前記水性担体が生理食塩水または炭水化物水溶液を含む、請求項に記載のミセル組成物。
  10. 前記ミセル組成物が、有効量のパクリタキセル、17−AAG、及びラパマイシンを含む、請求項1〜のいずれか1項に記載のミセル組成物。
  11. パクリタキセル、17−AAG、及びラパマイシンが2:2:1の質量比を有する、請求項10に記載のミセル組成物。
  12. パクリタキセルの有効量が約50mg/kg〜約70mg/kgであり、17−AAGの有効量が約50mg/kg〜約70mg/kgであり、ラパマイシンの有効量が約25mg/kg〜約35mg/kgである、請求項10または11に記載のミセル組成物。
  13. 前記ミセル組成物が、有効量の17−AAG及びラパマイシンを含む、請求項1〜のいずれか1項に記載のミセル組成物。
  14. 17−AAG及びラパマイシンが2:1の質量比を有し、17−AAGの有効量が約50mg/kg〜約70mg/kgであり、ラパマイシンの有効量が約25mg/kg〜約35mg/kgである、請求項13に記載のミセル組成物。
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