JP6895280B2 - 膜部材およびその製造方法 - Google Patents

膜部材およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6895280B2
JP6895280B2 JP2017047882A JP2017047882A JP6895280B2 JP 6895280 B2 JP6895280 B2 JP 6895280B2 JP 2017047882 A JP2017047882 A JP 2017047882A JP 2017047882 A JP2017047882 A JP 2017047882A JP 6895280 B2 JP6895280 B2 JP 6895280B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
fiber
film member
resin portion
fibers
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017047882A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018149748A (ja
Inventor
陽子 徳野
陽子 徳野
高橋 宏昌
宏昌 高橋
恵美子 石田
恵美子 石田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP2017047882A priority Critical patent/JP6895280B2/ja
Publication of JP2018149748A publication Critical patent/JP2018149748A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6895280B2 publication Critical patent/JP6895280B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Reinforced Plastic Materials (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Artificial Filaments (AREA)
  • Prostheses (AREA)

Description

本発明の実施形態は、膜部材およびその製造方法に関する。
複数の繊維が膜状に絡み合って構成された膜部材がある。この膜部材については、強度が高いことが望ましい。
特開2005−200779号公報
本発明が解決しようとする課題は、強度を向上できる膜部材およびその製造方法を提供することである。
実施形態に係る膜部材は、複数の繊維からなる繊維部と、前記繊維同士の間隙に充填された第1樹脂部と、を備える。前記膜部材は、アスカーゴム硬度計C型により測定される硬度が50以下である。
実施形態に係る膜部材の一例を表す断面図である。 実施形態に係る膜部材の他の一例を表す断面図である。 実施形態に係る膜部材の製造方法を表す工程斜視図である。 (a)は、実施形態に係る膜部材の平面写真である。(b)は、参考例に係る膜部材の平面写真である。 実施形態に係る膜部材の断面写真である。 実施形態に係る膜部材が用いられる把持ツールを表す斜視断面図である。 実施形態に係る膜部材から構成される把持部を表す斜視断面図である。 実施形態に係る膜部材が用いられる把持ツールの把持方法を表す断面図である。 実施形態に係る膜部材が用いられる生体用プロテーゼを表す平面図および側面図である。
以下に、本発明の各実施形態について図面を参照しつつ説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
また、本願明細書と各図において、既に説明したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は、実施形態に係る膜部材100の一例を表す断面図である。
実施形態に係る膜部材100は、第1繊維部111および第1樹脂部121を備える。
第1繊維部111は、複数の繊維Fからなり、複数の繊維Fが膜状に絡み合って構成されている。第1樹脂部121は、これらの繊維F同士の間隙に充填されている。複数の繊維Fは、例えば、不特定の方向に延びている。または、複数の繊維Fが、特定の方向に延びていても良い。あるいは、複数の繊維Fの一部が1つの方向に延び、複数の繊維Fの他の一部が他の方向に延びていても良い。
繊維Fは、例えば、ポリエステル、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ビニロン、エポキシ樹脂、ウレア樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリカーボネート、ナイロン、アラミド、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、酢酸セルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフッ化ビニリデン、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、ポリフェニルスルホン、およびポリエーテルスルホンなどを含む高分子材料およびこれらの誘導体からなる群より選択された少なくとも1つを含む。
または、例えば、繊維Fは、コラーゲン、アテロコラーゲン、エラスチン、ケラチン、ラミニン、ゼラチン、フィブロネクチン、ビトロネクチン、フィブリノーゲン、キチン、ヘパリン、セルロース、グリコーゲン、デンプン、ヒアルロン酸、アルギン酸、ヘパラン硫酸、ヘパリン、キトサン、絹、ポリグリコール酸、ポリグラクチン910、ポリジオキサン、ポリグリカプシン、ポリアクリロニトリル、ポリジメチルシロキサン、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルペンテン、メタクリル酸、アクリル酸、メタクリル酸メチル、アクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸フェニルエチル、メタクリル酸2-ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヘキサフルオロプロピル、メタクリル酸トリストリメチルシロキシシリルプロピル、N,N-ジメチルアクリルアミド、モノメタクリル酸グリセロール、N-ビニルピロリドン、ビニルアルコール、モノメタクリル酸グリセロール、2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、シロキサニエルスチレン、ポリスルホン、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、ナイロン、ポリウレタン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレングリコール、ポリアミノ酸およびポリ乳酸などからなる生体親和材料の群より選択された少なくとも1つを含んでいても良い。
第1樹脂部121の材料は、例えば、繊維Fの材料と同じである。または、第1樹脂部121の材料は、繊維Fの材料と異なっていても良い。第1樹脂部121の材料が繊維Fの材料と異なる場合、第1樹脂部121は、例えば、シリコーン(有機ポリシロキサン)、ポリイソプレン、ブタジエン・スチレン共重合体、クロロスルホン化ポリエチレン、ポリブタジエン、エチレン・プロピレン・共重合体、アクリル酸エステル共重合体、パーフルオロプロペン・フッ化ビニリデン共重合体およびポリウレタンなどからなる高分子材料の群より選択された少なくとも1つを含む。
実施形態に係る膜部材100は、図1に表した例に限定されず、以下で説明するように種々の変形が可能である。
図2は、実施形態に係る膜部材の他の一例を表す断面図である。
図2(a)に表した膜部材101は、第2樹脂部122をさらに備える点で、膜部材100と異なる。第2樹脂部122は、第1繊維部111中に設けられておらず、第1繊維部111および第1樹脂部121は、第2樹脂部122の上に配されている。第2樹脂部122は、例えば、第1樹脂部121と同じ材料を含み、第1樹脂部121と一体に設けられる。
第2樹脂部122の厚みは、例えば、第1繊維部111および第1樹脂部121の厚みよりも大きい。なお、ここでは、厚みとは、膜部材の面内方向に対して垂直な方向における寸法を意味する。膜部材101では、第1繊維部111および第1樹脂部121と、第2樹脂部122と、が重ね合わされた方向(第1方向)における寸法が、厚みに相当する。
図2(b)に表した膜部材102は、第3樹脂部123をさらに備える点で、膜部材101と異なる。第3樹脂部123は、第1繊維部111中には設けられておらず、第1繊維部111および第1樹脂部121は、第2樹脂部122と第3樹脂部123との間に配されている。第3樹脂部123は、例えば、第1樹脂部121と同じ材料を含み、第1樹脂部121および第2樹脂部122と一体に設けられる。
図2(c)に表した膜部材103は、第2繊維部112および第4樹脂部124をさらに備える点で、膜部材101と異なる。第2繊維部112は、第1繊維部111と同様に複数の繊維Fを含む。第2繊維部112の繊維F同士の間隙には、第4樹脂部124が充填されている。第2樹脂部122は、第1繊維部111と第2繊維部112との間に配されている。第2樹脂部122は、例えば、第1樹脂部121および第4樹脂部124と一体に設けられる。
ここで、実施形態に係る膜部材100の製造方法の一例について説明する。
図3は、実施形態に係る膜部材100の製造工程を表す工程斜視図である。
まず、作製される膜部材100の形状に沿った1組の型M1およびM2を用意する。型M1およびM2の形状は、作製される膜部材100の形状に応じて適宜変更することができる。ここでは、平坦な略正方形の膜部材100を作製する場合について説明する。
用意した型の一方の表面に、第1繊維部111を形成する。第1繊維部111は、例えば、図3(a)に表すエレクトロスピニング装置150を用いたエレクトロスピニング法により形成される。
エレクトロスピニング装置150は、図3(a)に表すように、基台151、タンク152、紡糸口153、および電源154を備える。
基台151は、例えばアース電位に接続され、基台151の上には、型M1およびM2の一方(本実施形態では型M1)が配される。タンク152には、第1繊維部111(繊維F)を形成する繊維材料が貯蔵されており、タンク152の先端に紡糸口153が設けられている。また、タンク152は、電源154と接続されている。
電源154によってタンク152に電圧が印加されることで、基台151と紡糸口153との間に電位差が生じ、電界が発生する。この状態で、タンク152に貯蔵された繊維材料を紡糸口153から押し出す。紡糸口153から押し出された繊維材料は、溶媒が蒸発して固化しつつ基台151上の型M1の上に堆積し、第1繊維部111が形成される。
次に、図3(b)に表すように、用意した型の他方(本実施形態では型M2)に、第1樹脂部121を構成する高分子材料を含む樹脂材料RMを配する。このとき、樹脂材料RMは、硬化されていない状態、例えば、液状またはゲル状である。続いて、型M1とM2同士を嵌合させ、押圧する。このとき、樹脂材料RMが、第1繊維部111の繊維F同士の間隙に含浸・充填される。
なお、型M1とM2を嵌合して押圧する圧力や、加熱温度、樹脂材料の硬度などを制御することにより、第1樹脂部121に対する第1繊維部111の埋まり具合を調整し、第1繊維部111が第1樹脂部121に全て埋まった状態と、第1繊維部121の表面が第1樹脂部121表面に露出している状態と、第1繊維部121の一部が第1樹脂部121に埋まり、他部は樹脂材料RMが含浸・充填されない状態と、を作り分けることも可能である。
その後、型M1およびM2を加熱し樹脂材料RMを硬化させる。なお、樹脂材料RMによっては、紫外光などを照射することで硬化させることも可能であり、硬化の方法は適宜変更可能である。
以上の工程により、第1繊維部111の繊維F同士の間隙に第1樹脂部121が設けられた膜部材100が作製される。なお、樹脂材料RMを硬化させる際に、熱によって第1繊維部111(繊維F)が溶けたり、軟化して形状が崩れたりすることを防ぐために、第1繊維部111(繊維F)の融点は、第1樹脂部121の融点およびガラス転移点よりも高いことが望ましい。
また、上述した製造工程において、第1繊維部111の厚みに対して多量の樹脂材料RMを配することで、図2(a)に表した第2樹脂部122を備える膜部材101を作製することが可能である。または、一方の型M2に第1繊維部111を予め形成し、その上に多量の樹脂材料RMを配し、第2繊維部112が形成された他方の型M1と嵌合させることで、図2(c)に表した膜部材103を作製することも可能である。
または、型M1および型M2の一方の面の上に、第1繊維部111および樹脂材料RMを配し、型M1および型M2を嵌合させても良い。あるいは、型M1および型M2の一方の面の上に、第1繊維部111および樹脂材料RMを配し、他方の面の上に、第2繊維部112および樹脂材料RMを配して型M1および型M2を嵌合させても良い。また、第1繊維部111および第2繊維部112の堆積の前に、樹脂材料RMが配されても良い。
すなわち、本実施形態に係る膜部材の製造方法は、型M1(第1型)および型M2(第2型)の互いに対向する第1面および第2面に対して、第1面および第2面の少なくとも一方に、複数の繊維Fを含む繊維部を堆積させる工程と、第1面および第2面の少なくとも一方に、樹脂材料RMが配される工程と、を備えていれば良い。いずれの方法においても、繊維部および樹脂材料RMを配した後に型M1および型M2を嵌合させ、繊維F同士の間隙に樹脂材料RMを含浸させて硬化させることで、本実施形態に係る膜部材を製造することが可能である。
図4(a)は、実施形態に係る膜部材100の平面写真である。図4(b)は、参考例に係る膜部材100aの平面写真である。
図5は、実施形態に係る膜部材100の断面写真である。
図4および図5では、第1繊維部111の繊維Fが、相対的に白く表示されている。
図4(a)の写真から、膜部材100では、繊維F同士の間隙に、第1樹脂部121が充填されていることが分かる。図4(b)に表される参考例に係る膜部材100aは、第1繊維部111のみを備え、第1樹脂部121を備えていない。図4(b)の写真から、第1樹脂部121を備えていない膜部材100aでは、繊維F同士の間に多くの空隙が存在することが分かる。
また、膜部材100の表面には、第1繊維部111の一部が露出していても良い。図5の写真には、面内方向に沿う表面の1つにおいて、第1繊維部111の一部が露出した膜部材100が表されている。あるいは、膜部材100の表面に、第1繊維部111の配置に倣った形状が現れるように、第1樹脂部121の一部が第1繊維部111を薄く被覆していても良い。
ここで、本実施形態に係る発明の効果について説明する。
まず、参考例に係る膜部材100aの課題について説明する。図4(b)を参照して説明したように、参考例に係る膜部材100aは、第1繊維部111のみを備え、第1樹脂部121を備えていない。参考例に係る膜部材100aの場合、引張応力が加えられると、第1繊維部111が大きく延伸するが、比較的小さい引張応力で膜部材100aが破断してしまう。第1繊維部111の厚みを大きくすることで、膜部材100aの引張強度を向上させることができるが、その場合膜部材100aの厚みが大きくなってしまうため、製造コストが高くなる場合がある。
これに対して、本実施形態に係る膜部材100は、第1繊維部111に加えて、繊維F同士の間隙に充填された第1樹脂部121を備える。このような構成によれば、同じ厚みの膜部材100aに比べて、膜部材100の引張強度を高めることができる。また、第1樹脂部121は、高分子材料を含むため、繊維F同士の間隙に無機物質が充填される場合に比べて、第1繊維部111の伸縮性、凹凸形状、形状追従性等の特性を大きく損なうことなく膜部材100の引張強度を高めることができる。
すなわち、本実施形態によれば、膜部材100の可撓性や伸縮性、表面粘着性、形状追従性の低下を抑えつつ、膜部材100の引張強度を向上させることが可能となる。
また、本実施形態に係る膜部材100では、第1繊維部111の空隙が、第1樹脂部121によって充填されるため、膜部材100を気体や液体が透過し難くなる。従って、本実施形態によれば、さらに、膜部材100に気密性および水密性を付与することができる。
複数の繊維Fの少なくとも一部の直径は、例えば、0.05μm以上10μm以下であることが望ましい。より望ましくは、複数の繊維Fの平均直径が、0.05μm以上10μm以下である。複数の繊維Fの平均直径は、例えば、膜部材100の表面または断面を電子顕微鏡等で観察し、確認された繊維Fの中からランダムに100本を抽出し、これらの繊維Fの直径を平均することで求められる。
繊維Fが微細に形成される場合、繊維Fを構成する高分子材料の配向性が特定の方向に揃い易くなる。このため、各繊維Fの引張強度を高め、この結果、膜部材100の引張強度を高めることが可能となる。
また、膜部材100の表面には、図5の写真に表されるように、第1繊維部111の一部が露出していることが望ましい。膜部材100の表面に第1繊維部111の一部が露出していることで、第1繊維部111の伸縮性、凹凸形状、形状追従性等の特性の損失を抑えることができる。また、第1繊維部111の一部が露出していることで、第1繊維部111を構成する高分子材料の配向性や結晶性に基づく特性を高めることも可能となる。
以上で説明した実施形態に係る膜部材は、可撓性や伸縮性、粘着性、形状追従性を要し、引張強度の向上が望まれる種々の構成に適用することができる。
以下では、実施形態に係る各膜部材の応用例について説明する。
(応用例1)
図6は、実施形態に係る膜部材が用いられる把持ツール1を表す斜視断面図である。
図6に表した把持ツール1は、可撓性を有する把持部10を備える。この把持部10が、実施形態に係る膜部材100によって構成されている。
把持部10の内部には、例えばマイクロビーズやシリコン樹脂ビーズ、ガラスビーズなどからなる粉粒体15が設けられている。把持部10は、把持対象のワークに接触する第1部分11と、第1部分11の上に設けられた第2部分12と、を有する。粉粒体15は、第1部分11と第2部分12との間の第1空間SP1に設けられている。
第1部分11の外周および第2部分12の外周は、保持部20によって保持されている。これにより第1空間SP1が、外部の空間と隔てられる。保持部20は、例えば円環状を呈している。保持部20によって把持部10の外周のみが保持されることで、把持部10は、保持部20の内側において上下方向に変形することができる。
一例として、保持部20は、第1フランジ21および第2フランジ22を有する。第1フランジ21は、第1部分11の外周下面に当接し、第2フランジ22は、第2部分12の外周上面に当接する。第1フランジ21と第2フランジ22を、ネジ等の締結具25によって締結することで、把持部10が保持される。
図7は、実施形態に係る膜部材100から構成される把持部10を表す斜視断面図である。
なお、図7では、把持部10の第1部分11と第2部分12が、分離して表されている。
図7に表すように、第1部分11は、凹部11rおよび凸部11pを有する。凹部11rは、上方に向けて窪んでおり、把持部10の中心側に設けられている。凸部11pは、下方に向けて突出しており、凹部11rの周りに設けられている。
凹部11rは第2部分12と接し、凸部11pは第2部分12と上下方向において離間している。凹部11rは、第2部分12と、例えば、接着剤や熱圧着により接着される。図5および図7に例示した把持ツール1では、第1空間SP1は、凸部11pと第2部分12との間に形成される。
第1部分11の下方には、凹部11rおよび凸部11pによって囲まれた第2空間SP2が形成される。具体的には、第2空間SP2の上方が凹部11rによって覆われており、第2空間SP2の側方が凸部11pによって囲まれている。第2空間SP2の下方は開けている。後述するように、把持対象のワークが第2空間SP2の下方に位置することで、第2空間SP2が外部空間に対して塞がれる。
図6および図7に表すように、把持部10は、第1ポート31および第2ポート32をさらに有する。第1ポート31は、第1空間SP1と連通している。第2ポート32は、第1部分11の凹部11rおよび第2部分12を貫通し、第2空間SP2と連通している。第1ポート31には、第1空間SP1を減圧するための第1配管41が接続される。第2ポート32には、第2空間SP2を減圧するための第2配管42が接続される。
図8は、実施形態に係る膜部材100が用いられる把持ツール1の把持方法を表す断面図である。
図8では、把持対象のワークWが、三角形が3個連接した断面を有する場合を例示している。
まず、把持部10とワークWの位置合わせを行う。把持部10とワークWの位置合わせが完了すると、図8(a)に表すように、把持部10をワークWに向かって降下させる。
把持部10は可撓性を有する。このため、把持部10がワークWに接触すると、図8(b)に表すように、第1部分11の凸部11pが、ワークWを包み込むように外方に押し広げられる。また、このとき、開けていた第2空間SP2が、ワークWによって塞がれる。
次に、把持部10の降下を停止させ、図8(c)に表すように、第1ポート31および第1配管41を通して第1空間SP1を減圧する。第1空間SP1は、例えば0.1気圧程度に減圧される。このとき、第1空間SP1の粉粒体15が凝集して固化する。これにより、ワークWを包み込むように密着している把持部10の形状が固定され、ワークWを把持する力が生じる。
次に、図8(d)に表すように、第2ポート32および第2配管42を通して第2空間SP2を減圧する。第2空間SP2は、例えば0.1気圧程度に減圧される。これにより、ワークWが、第2空間SP2に向けて吸着され、把持力がさらに高められる。
その後、ワークWを把持する把持ツール1を上昇させ、把持ツール1を水平方向に移動させる。ワークWを所望の位置まで搬送した後は、第1空間SP1および第2空間SP2を大気開放することで、把持力が無くなり、ワークWが把持ツール1から放れる。以上の方法により、把持対象のワークWを、所望の位置まで搬送することができる。
上述したように、把持ツール1は、把持部10をワークWに接触させ、内部の粉粒体を凝集させてワークWを搬送する。このため、把持部10には内部および外部から大きな応力が加わる。この把持部10に、実施形態に係る膜部材100を用いることで、把持部10の強度を向上させ、把持部10の破断を生じ難くすることが可能となる。
また、把持部10は、ワークWに接触した際にワークWの形状に倣って変形するため、可撓性および伸縮性を有することが望ましい。さらに、把持部10は、ワークWに接触した際にワークWとの接着性を向上させるため、粘着性を有することがより望ましい。この点についても、実施形態に係る膜部材100は、伸縮性および粘着性の低下を抑制しつつ、引張強度を向上させるように構成されているため、把持部10に好適に用いられる。
さらに、把持部10には、図2(a)に表した膜部材101がより好適に用いられる。膜部材101を把持部10に用いる場合、第2樹脂部122がワークWと接触し、第1繊維部111が粉粒体15側に位置するように、膜部材101が設けられることが望ましい。第2樹脂部122は繊維Fを含んでいないため、ワークWに接触した際に、ワークWの形状に倣って変形し易く、ワークWとの接着性も良い。
ワークWとの摩擦によって第2樹脂部122にき裂が生じ、き裂が進展していった場合には、このき裂の進展を第1繊維部111で遅めることができる。従って、把持部10に膜部材101を設けることで、把持部10にき裂が生じてから破断するまでの時間(以下、き裂進展時間という)を延ばすことができる。把持部10が破断すると、内部の粉粒体が散乱するため、把持部10の修復だけでなく、把持ツール1の周囲の清掃にも長い時間を要する。き裂進展時間が延びることで、把持部10のき裂を発見した後に、把持部10の修復や把持ツール1の使用停止などが行い易くなり、把持部10にき裂が生じた際の作業効率の低下を抑制することができる。
また、第1繊維部111の単位体積あたりの引張強度は、第1樹脂部121および第2樹脂部122の単位体積あたりの引張強度よりも高い。これは、第1繊維部111が微細かつ比表面積の高い繊維Fの集合体であり、高い伸縮性を有するためである。従って、第1樹脂部121および第2樹脂部122にき裂が生じ、把持部10の気密性が破られた場合でも、第1繊維部111は破断せず、内部の粉粒体15が第1繊維部111によって支持される。
従って、図2(a)に表した膜部材101を把持部10に用いることで、把持部10のき裂進展時間を延ばすとともに、把持部10にき裂が生じた際の破断を抑制し、粉粒体15の散乱を防ぐことが可能となる。
加えて、第1樹脂部121および第2樹脂部122にき裂が生じると、第1繊維部111の繊維F同士の空隙を通して、膜部材100を気体が通るようになる。従って、粉粒体15を第1繊維部111によって支持して散乱を防ぎつつ、把持部10の気密性が破られたことを、第1空間SP1に接続された圧力計や流量計で検知することができ、より迅速な把持部10の修復等が可能となる。
なお、実施形態に係る膜部材を把持部10に用いる場合、膜部材の硬度は50以下であり、膜部材の厚みは、20μm以上500mm以下であることが望ましい。膜部材の硬度を50以下にすることで、把持部10がワークWの形状に倣って変形し易くなり、把持ツール1の把持力を向上させることができる。なお、この硬度は、アスカーゴム硬度計C型(SRIS 0101 C型)を用いて測定した場合の数値である。
(応用例2)
図9は、実施形態に係る膜部材100が用いられる生体用プロテーゼ5を表す。
図9(a)は、プロテーゼ5を表す平面図であり、図9(b)は、プロテーゼ5を表す側面図である。
ここでは、乳房用のプロテーゼ5に実施形態に係る膜部材100を適用した例について説明する。図9に表すプロテーゼ5は、例えば、乳癌等に対する外科手術により乳腺や周辺が除去された際、その除去箇所に挿入されて使用される。
プロテーゼ5は、湾曲した前面51と、ほぼ平坦な後面52と、を有する。前面51と後面52との間のプロテーゼ5の内部は、シリコーンゲルまたは生理食塩水などで満たされている。プロテーゼ5の直径や厚み、具体的な形状等は、用途や目的に応じて適宜変更することができる。
プロテーゼ5は、例えば、人体に挿入された後、後面52が人体の組織と接着されて固定される。このため、胸筋等の筋肉の運動に応じて、プロテーゼ5に力が加わり、プロテーゼ5の変位および変形が生じる。プロテーゼ5に力が加えられた際、プロテーゼ5にき裂が生じて破断すると、内部のゲルまたは液体が人体内部で漏れてしまうため、プロテーゼ5の強度は高いことが望ましい。
ここで、本実施形態によれば、膜部材100の伸縮性の低下を抑制しつつ、膜部材100の引張強度を向上させることができる。また、本実施形態によれば、膜部材100の気密性および水密性を高めることも可能である。従って、本実施形態に係る膜部材100は、伸縮性、可撓性、および水密性を要するプロテーゼ5にも好適に用いることができる。
プロテーゼ5は、前面51および後面52の両方が膜部材100により構成されていることが望ましい。ただし、前面51および後面52のいずれか、前面51の少なくとも一部のみ、または後面52の少なくとも一部のみが、膜部材100により構成されていても良い。
また、ここでは、乳房用のプロテーゼに実施形態に係る膜部材100を適用する場合について説明したが、この他に、鼻や、顎、眉間などに挿入されるプロテーゼに実施形態に係る膜部材100を適用することも可能である。
以上、本発明のいくつかの実施形態を例示したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。これら実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。
1 把持ツール、 5 プロテーゼ、 10 把持部、 11 第1部分、 12 第2部分、 15 粉粒体、 20 保持部、 51 前面、 52 後面、 100〜103 膜部材、 111 第1繊維部、 112 第2繊維部、 121 第1樹脂部、 122 第2樹脂部、 123 第3樹脂部、 F 繊維

Claims (9)

  1. 複数の繊維からなる繊維部と、
    前記繊維同士の間隙に充填された第1樹脂部と、
    を備え、アスカーゴム硬度計C型により測定される硬度が50以下である膜部材。
  2. 前記複数の繊維の少なくとも一部の直径は、0.05μm以上10μm以下である請求項1記載の膜部材。
  3. 前記繊維部に含まれる材料は、前記第1樹脂部に含まれる材料と異なる請求項1または2に記載の膜部材。
  4. 前記繊維部に含まれる材料の融点は、前記第1樹脂部に含まれる材料の融点よりも高い請求項1〜3のいずれか1つに記載の膜部材。
  5. 表面に前記繊維部の一部が露出した請求項1〜4のいずれか1つに記載の膜部材。
  6. 第2樹脂部をさらに備え、
    前記繊維部および前記第1樹脂部は、前記第2樹脂部の上に配され、
    前記第1樹脂部は、前記第2樹脂部と一体に設けられた請求項1〜5のいずれか1つに記載の膜部材。
  7. 前記繊維部および前記第1樹脂部と、前記第2樹脂部と、は第1方向において重ね合わされ、
    前記第2樹脂部の前記第1方向における厚みは、前記第1樹脂部の前記第1方向における厚みよりも大きい請求項6記載の膜部材。
  8. 前記第1方向における厚みが、20μm以上500mm以下である請求項7記載の膜部材。
  9. 第1面を有する第1型と、前記第1型と嵌合し前記第1面と対向する第2面を有する第2型と、に対して、前記第1面および前記第2面の少なくとも一方の上に複数の繊維を堆積させる工程と、
    前記第1面および前記第2面の少なくとも一方の上に高分子材料を含む樹脂材料を配する工程と、
    前記第1型と前記第2型を嵌合させて前記繊維同士の間隙に前記樹脂材料を含浸させ、前記樹脂材料を硬化させる工程と、
    を備えた、アスカーゴム硬度計C型により測定される硬度が50以下である膜部材の製造方法。
JP2017047882A 2017-03-13 2017-03-13 膜部材およびその製造方法 Active JP6895280B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017047882A JP6895280B2 (ja) 2017-03-13 2017-03-13 膜部材およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017047882A JP6895280B2 (ja) 2017-03-13 2017-03-13 膜部材およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018149748A JP2018149748A (ja) 2018-09-27
JP6895280B2 true JP6895280B2 (ja) 2021-06-30

Family

ID=63681184

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017047882A Active JP6895280B2 (ja) 2017-03-13 2017-03-13 膜部材およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6895280B2 (ja)

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9011747B2 (en) * 2011-06-16 2015-04-21 Toray Industries, Inc. Method for manufacturing fiber-reinforced plastic
WO2014103658A1 (ja) * 2012-12-26 2014-07-03 東レ株式会社 繊維強化樹脂シート、一体化成形品およびそれらの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018149748A (ja) 2018-09-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6808635B2 (ja) 改良された機械的特性のための、硬化性追従材料を挿入することによる、付加製造技術で製造された複数の部分のスティッチング
CA3007753C (en) Microstructure for transdermal absorption and method for manufacturing same
CA2686444C (fr) Procede pour la realisation d'un objet hemocompatible de configuration complexe et objet ainsi obtenu
US11583381B2 (en) Device having a structured coating for adhering to other surfaces
US20140107779A1 (en) Silicon Breast Implant Which Minimizes Stress Concentration And Method For Manufacturing Same
NL2021001B1 (en) Pipe end protector
JP2010530479A5 (ja)
JP6901095B2 (ja) 把持器具および把持器具を製造する方法
JP2020529344A (ja) 医療用装置の積層造形のためのシステム及び方法
US11027474B2 (en) Fluidic systems, devices and methods for inducing anisotropy in polymeric materials
JP6895280B2 (ja) 膜部材およびその製造方法
JP6486402B2 (ja) 把持ツール、把持システム、および把持部の製造方法
CN104644293B (zh) 一种血管支架的压握方法及压握结构
EP2198803B1 (fr) Préforme en forme de grille en matériau composite pour une plaque base de prothèse et procédé de fabrication de la grille
EP2290138A3 (en) Multifilament fibre, and method and device for forming an open fibre gauze
US8227018B2 (en) Dental post
WO2018168025A1 (ja) 把持ツール、把持システム、および把持部の製造方法
KR102199708B1 (ko) 생분해성 나노 니들 어레이 및 이의 제조방법
CN110347293A (zh) 触控装置的贴合制程
CN117916359A (zh) 巨囊化装置
Polyzois et al. Peel testing of bond between PDMS prosthetic elastomers and cpTi: A Weibull analysis approach
CN111278474A (zh) 用于引入人体的生物相容性复合材料
CN202342527U (zh) 一种可载药的纤维多孔钛微球
CN106267350A (zh) 一种富血小板纤维蛋白膜的制备方法
GB2552835A (en) Method and apparatus for making a layer of material to be applied a leading edge of a wind turbine blade

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190918

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20201027

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20201030

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201221

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210507

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210607

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6895280

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151