以下、本実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。本明細書における課題及び実施例は一例であり、本願の権利範囲を限定するものではない。特に、記載の表現が異なっていたとしても技術的に同等であれば、異なる表現であっても本願の技術を適用可能であり、権利範囲を限定するものではない。そして、各実施の形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
また、本明細書で使用している用語や記載した技術的内容は、3GPPなど通信に関する規格として仕様書や寄書に記載された用語や技術的内容が適宜用いられてもよい。このような仕様書としては、例えば、上述した3GPP TR 36.801 V14.0.0(2017−03)がある。
[第1の実施の形態]
<無線通信システムの構成例>
図1は、第1の実施の形態における無線通信システム10の構成例を表す図である。
無線通信システム10は、基地局装置(以下、「基地局」と称する場合がある。)100−1,100−2と、端末装置(以下、「端末」と称する場合がある。)200−1〜200−3を備える。また、無線通信システム10は、AMF300、UPF(User Plane Function)400、SMF(Session Management Function)500、PCF(Policy Control Function)600、AUSF/UDM(Authentication Server Function/User Data Management)700を備える。
基地局100−1,100−2は、例えば、端末200−1〜200−3と無線通信を行う無線通信装置である。基地局100−1,100−2は、自局のサービス提供可能範囲(又はセル範囲)に在圏する端末200−1〜200−3と無線通信を行って、通話サービスやWeb閲覧サービスなど、種々のサービスを提供する。
端末200−1〜200−3は、例えば、フィーチャーフォン、スマートフォン、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、ゲーム装置などの無線通信装置である。端末200−1〜200−3は、基地局100−1,100−2のサービス提供可能範囲で様々なサービスの提供を受けることが可能である。
なお、図1において、基地局100−1は3つのサービス提供可能範囲(又はセル範囲)、基地局100−2は1つのサービス提供範囲を有する例を表している。そして、端末200−1〜200−3は、基地局100−1の各サービス提供可能範囲でサービスの提供を受けている例を表している。なお、図1では、端末200−3が、基地局100−1から基地局100−2へハンドオーバする例を表している。
AMF300は、例えば、端末200−1〜200−3の接続と移動を管理する制御装置である。
UPF400は、例えば、データNW(Network)と基地局100−1,100−2との間でユーザデータを交換する。ユーザデータのことを、例えば、U−planeと称する場合がある。UPF400は、U−Planeに関する機能を実行する。
SMF500は、例えば、端末200−1〜200−3に対してセッション管理とIP(Internet Protocol)アドレスの割り当てを行う。
PCF600は、例えば、移動性のポリシーやセッション制御を決定する。
AUSF/UDM700は、例えば、端末200−1〜200−3の加入者データや端末200−1〜200−3の認証データを蓄積する。
図1に示すように、例えば、AMF300、UPF400、SMF500、PCF600、及びAUSF/UDM700により1つのNW Slice800−1が形成される。また、他のAMF、UPF、SMF、PCF、及びAUSF/UDMにより、1つのNW Slice800−2が形成される。同様に、NW Slice800−3,…が形成される。
NW Sliceは、例えば、例えば、エンドツーエンドでの要求に対して最適な解決策を提供するオペレータによって作成されたネットワークのことである。また、NW Sliceは、例えば、基地局100−1が端末200−1にサービスを提供する際に基地局100−1が接続しているネットワークを表している。或いは、NW Sliceは、例えば、基地局100−1が端末200−1にサービスを提供する際に、基地局100−1がどのようなノード(又は機能部)と接続しているかをネットワーク単位で表したものである。
1つの基地局100−1に対して、複数のNW Slice800−1,800−2,…が形成可能である。
この場合、例えば、基地局100−1が自局のサービス提供可能範囲で、端末200−1,200−2に異なるサービスを提供しているときを考える。この場合、端末200−1にサービスを提供する際のNW Slice800−1と、端末200−2にサービスを提供する際のNW Slice800−2とは異なっていてもよい。
また、各基地局100−1,100−2は、各々NW Sliceを形成してもよい。従って、基地局100−1で形成されたNW Slice800−1,800−2,…と、基地局100−2で形成されたNW Sliceとは異なっていてもよい。
他方、NW Slice800−1,800−2,…は、複数の基地局100−1,100−2で共通に使用されてもよい。例えば、図1の例では、NW Slice800−1は、2つの基地局100−1,100−2において共通に使用される。すなわち、あるNW Slice800−1は複数の基地局100−1,100−2で共通に使用され、他のNW Slice800−2,…は、基地局100−1で利用され、基地局100−2では利用されない、場合でもよい。
なお、各NW Slice800−1,800−2,…間においては、AMF300からAUSF/UDM700のすべてのノードが異なっていてもよいし、少なくとも1つのノードが異なっていてもよい。例えば、SMF500とPCF600、及びAUSF/UDM700は、NW Slice800−1,800−2,…全てにおいて共通であってもよい。この場合、UPF400やAMF300が、NW Slice800−1,800−2,…毎に異なるものとなる。
無線通信システム10においては、NW Slice800−1,800−2,…により、例えば、CN(Core Network)(又はNGC(Next Generation Core))が形成される。また、基地局100−1,100−2,…により、RAN(Radio Access Network)(又はNew RAN)が形成される。
図1の例では、2台の基地局100−1,100−2の例を表しているが、3台以上あってもよい。また、各基地局100−1,100−2,…が形成するセル範囲も1又は複数あってもよい。さらに、端末200−1〜200−3も、一台でもよいし、2台以上あってもよい。
なお、以下では、基地局100−1,100−2,…を、例えば、基地局100と称する場合がある。5Gにおいては、基地局100を、例えば、gNBと称する場合がある。また、端末200−1〜200−3を、例えば、端末200と称する場合がある。さらに、「NW Slice」のことを、例えば、「Slice」と称する場合がある。
また、本実施の形態においては、ハンドオーバの種別として、Xnハンドオーバ(Xn−based HO)とNG(Next Generation)ハンドオーバ(NG−based HO)がある。
Xnハンドオーバは、同一AMF300配下の基地局100間において端末200が接続を切り替えるハンドオーバである。Xnハンドオーバは、例えば、X2ハンドオーバに相当する。一方、NGハンドオーバは、例えば、接続元の基地局100−1と接続先の基地局100−2とが異なるAMF配下となっており、端末200がAMF300を跨いで基地局100の接続先を切り替えるハンドオーバである。NGハンドオーバは、例えば、S1ハンドオーバに相当する。
<基地局、端末、AMFの構成例>
図2は、基地局100−1、端末200、AMF300の各構成例を表す図である。なお、基地局100−1は、他の基地局100−2,…と同一構成となっているため、図2では、基地局100−1の構成例を表している。
基地局100−1は、端末制御部110、Mobility制御部(又はモビリティ制御部、或いは移動制御部)120、NW Slice管理制御処理部(又はネットワークスライス管理制御処理部)130、Slice情報テーブル140を備える。また、基地局100−1は、無線処理部150、NG−IF(Next Generation Interface)処理部160、Xn−IF処理部170を備える。なお、NW Slice管理制御処理部130は、情報要求部131と情報受信部132を備える。
端末制御部110は、データや制御情報に関する処理を行う。例えば、端末制御部110は、以下の処理を行う。
すなわち、端末制御部110は、無線処理部150からベースバンド信号を受け取ると、受け取ったベースバンド信号に対して復調処理などを施して、端末200から送信されたデータや制御情報などを抽出する。端末制御部110は、抽出したデータや制御情報を、その内容や送信先に応じて、Mobility制御部120や、NG−IF処理部160、又はXn−IF処理部170へ出力する。また、端末制御部110は、NW Slice管理制御処理部130やNG−IF処理部160、又はXn−IF処理部170からデータや制御情報などを受け取ると、受け取ったデータや制御情報などに対して変調処理などを施して、ベースバンド信号へ変換し、変換後のベースバンド信号を無線処理部150へ出力する。
Mobility制御部120は、ハンドオーバに関する処理を制御する。例えば、Mobility制御部120は、以下の処理を行う。
すなわち、Mobility制御部120は、端末制御部110から制御情報を受け取ると、ハンドオーバに関する制御情報を生成し、生成した制御情報を、送信先に応じて、NG−IF処理部160やXn−IF処理部170へ出力する。また、Mobility制御部120は、NG−IF処理部160やXn−IF処理部170から制御情報を受信すると、端末200へ送信する制御情報を生成する。Mobility制御部120は、生成した制御情報を、端末制御部110へ出力する。
なお、Mobility制御部120は、端末制御部110から受け取った制御情報のうち、Measurement Reportを受け取ると、受け取ったMeasurement ReportをNW Slice管理制御処理部130へ出力する。
NW Slice管理制御処理部(以下、「Slice管理制御処理部」と称する場合がある。)130は、Sliceの管理及び制御に関する処理を行う。例えば、Slice管理制御処理部130は、以下の処理を行う。
すなわち、Slice管理制御処理部130は、情報受信部132を介して、Mobility制御部120からMeasurement Reportを受け取ると、NW Slice(ネットワークスライス)構成情報(以下、「Slice構成情報」と称する場合がある。)を生成する。Slice構成情報は、例えば、基地局100−1が端末200へサービスを提供する際に基地局100−1が接続しているネットワークの構成を示す情報である。その詳細は動作例で説明する。Slice管理制御処理部130は、生成したSlice構成情報を、情報要求部131とXn−IF処理部170とを介して、基地局100−2へ送信する。
また、Slice管理制御処理部130は、Xn−IF処理部170と情報受信部132とを介して、基地局100−2から送信されたSlice構成情報を受信する場合もある。この場合、Slice管理制御処理部130は、NW Slice構成確認応答(以下、「Slice構成確認応答」と称する場合がある。)を生成する。Slice構成確認応答情報は、例えば、Slice構成情報に対する応答情報である。詳細は動作例で説明する。Slice管理制御処理部130は、生成したSlice構成確認応答情報を、情報要求部131とXn−IF処理部170とを介して、基地局100−2へ送信する。
なお、Slice管理制御処理部130における処理の詳細は、動作例で説明する。
Slice情報テーブル140は、基地局100−1におけるSliceに関する情報を記憶する。Sliceに関する情報は、Slice管理制御処理部130により適宜読み出されたり、Slice管理制御処理部130により新たに生成されて適宜Slice情報テーブル140に記憶されたりする。Slice情報テーブル140に記憶されたSliceに関する情報は、例えば、Slice管理制御処理部130においてSlice構成情報やSlice構成確認応答を生成する際に適宜利用される。
無線処理部150は、無線信号に関する処理を行う。例えば、無線処理部150は以下の処理を行う。すなわち、無線処理部150は、端末200から送信された無線信号に対して周波数変換処理などを施すことで、ベースバンド帯域のベースバンド信号へ変換し、変換後のベースバンド信号を、端末制御部110へ出力する。また、無線処理部150は、端末制御部110から出力されたベースバンド信号を受け取り、受け取ったベースバンド信号に対して周波数変換処理を施し、無線帯域の無線信号へ変換する。無線処理部150は、変換後の無線信号を端末200へ送信する。
NG−IF処理部160は、NGインタフェースに関する処理を行う。例えば、NG−IF処理部160は、以下の処理を行う。
すなわち、NG−IF処理部160は、端末制御部110から、データなどを受け取ると、受け取ったデータなどを含むNGインタフェースのパケットデータ(以下、「パケット」と称する場合がある。)を生成する。NG−IF処理部160は、生成したパケットをUPF400へ送信する。また、NG−IF処理部160は、UPF400からNGインタフェースのパケットを受信すると、受信したパケットからデータなどを抽出し、抽出したデータなどを端末制御部110へ出力する。さらに、NG−IF処理部160は、Mobility制御部120やSlice管理制御処理部130から制御情報などを受け取ると、受け取った制御情報などを含むNGインタフェースのパケットを生成し、生成したパケットをAMF300へ送信する。さらに、NG−IF処理部160は、AMF300からNGインタフェースのパケットを受信すると、受信したパケットから制御情報などを抽出し、抽出した制御情報などをMobility制御部120やSlice管理制御処理部130へ出力する。
Xn−IF処理部170は、Xnインタフェースに関する処理を行う。例えば、Xn−IF処理部170は、以下の処理を行う。
すなわち、Xn−IF処理部170は、端末制御部110からデータなどを受け取ると、受け取ったデータを含むXnインタフェースのパケットに変換し、変換後のパケットを基地局100−2へ送信する。また、Xn−IF処理部170は、基地局100−2からXnインタフェースのパケットを受信すると、受信したパケットからデータなどを抽出し、抽出したデータなどを端末制御部110へ出力する。さらに、Xn−IF処理部170は、Mobility制御部120やSlice管理制御処理部130から制御情報などを受け取ると、受け取った制御情報などを含むXnインタフェースのパケットを生成し、生成したパケットを基地局100−2へ送信する。さらに、Xn−IF処理部170は、基地局100−2からXnインタフェースのパケットを受信すると、受信したパケットから制御情報などを抽出し、抽出した制御情報などをMobility制御部120やSlice管理制御処理部130へ出力する。
端末200は、無線処理部210、信号処理部220、NW Slice管理制御処理部(以下、「Slice管理制御処理部」と称する場合がある。)230、及びSlice情報テーブル240を備える。
無線処理部210は、基地局100−1との間で無線信号を送受信する。無線処理部210は、例えば、以下の処理を行う。すなわち、無線処理部210は、基地局100−1から送信された無線信号を受信し、受信した無線信号に対して周波数変換処理などを施して、ベースバンド信号へ変換する。無線処理部210は、変換後のベースバンド信号を信号処理部220へ出力する。また、無線処理部210は、信号処理部220からベースバンド信号を受け取り、受け取ったベースバンド信号に対して周波数変換処理を施して無線信号へ変換する。無線処理部210は、変換後の無線信号を基地局100−1へ送信する。
信号処理部220は、ベースバンド信号に対する処理を行う。例えば、信号処理部220は以下の処理を行う。すなわち、信号処理部220は、無線処理部210から受け取ったベースバンド信号に対して復調処理などを施して、基地局100−1から送信されたデータや制御情報などを抽出する。信号処理部220は、抽出した制御情報などを、Slice管理制御処理部230へ出力する。また、信号処理部220は、Slice管理制御処理部230から制御情報などを受け取ると、受け取った制御情報などに対して変調処理などを施して、ベースバンド信号へ変換し、変換後のベースバンド信号を無線処理部210へ出力する。
Slice管理制御処理部230は、例えば、Sliceに関する制御情報などを基地局100−1との間で送受信する。Slice管理制御処理部230は、例えば、以下の処理を行う。すなわち、Slice管理制御処理部230は、信号処理部220から制御情報を受け取ると、例えば、制御情報からSliceに関する情報を抽出し、抽出したSliceに関する情報をSlice情報テーブル240に記憶する。Sliceに関する情報としては、例えば、Slice ID(Identification)がある。また、Slice管理制御処理部230は、Slice情報テーブル240からSliceに関する情報を読み出して、制御情報として信号処理部220へ出力する。
AMF300は、NG−IF処理部310、Mobility制御処理部320、NW Slice管理制御処理部(以下、「Slice管理制御処理部」と称する場合がある。)330、及びSlice情報テーブル340を備える。
NG−IF処理部310は、基地局100−1,100−2との間でNGインタフェースのパケットを送受信する。例えば、NG−IF処理部310は以下の処理を行う。
すなわち、NG−IF処理部310は、基地局100−1,100−2からNGインタフェースのパケットを受信すると、受信したパケットから制御情報などを抽出し、抽出した制御情報などをMobility制御処理部320へ出力する。また、NG−IF処理部310は、Mobility制御処理部320から、制御情報などを受け取ると、受け取った制御情報などを含むNGインタフェースのパケットを生成し、生成したパケットを基地局100−1,100−2へ送信する。
Mobility制御処理部320は、NG−IF処理部310からハンドオーバに関する制御情報を受け取ると、受け取った制御情報に対する処理を行い、基地局100−1,100−2へ送信する制御情報を生成する。NG−IF処理部310は、生成した制御情報をNG−IF処理部310へ出力する。なお、Mobility制御処理部320は、NG−IF処理部310から受け取ったSliceに関する制御情報をSlice管理制御処理部330へ出力する。また、Mobility制御処理部320は、Slice管理制御処理部330から受け取ったSliceに関する制御情報をNG−IF処理部310へ出力する。
Slice管理制御処理部330は、Mobility制御処理部320からSliceに関する制御情報を受け取ると、制御情報に対する処理を行う。このような処理の例としては、各基地局100−1,100−2に対してSliceを生成する処理や、Sliceに関する制御情報を生成する処理などがある。Slice管理制御処理部330は、生成したSliceに関する情報をSlice情報テーブル340に記憶する。また、Slice管理制御処理部330は、例えば、Slice情報テーブル340に記憶されたSliceに関する情報を読み出すなどすることで、Sliceに関する制御情報を生成する。Slice管理制御処理部330は、生成したSliceに関する情報をMobility制御処理部320へ出力する。
Slice情報テーブル340は、例えば、AMF300に接続された全基地局100−1,100−2のSliceに関する情報を記憶する。Slice情報テーブル340に記憶されたSliceに関する情報は、Slice管理制御処理部330により、適宜読み出されたり、書き込まれたりすることが可能である。
<基地局、端末、AMFのハードウェア構成例>
図3は、基地局100と端末200のハードウェア構成例を表す図である。
基地局100は、アンテナ181、RF(Radio Frequency)回路182、無線信号処理回路183、CPU(Central Processing Unit)184、CPU用メモリ185、NWIF(Network Interface)186、ストレージ187を備える。
CPU184は、CPU用メモリ185に記憶されたプログラムを読み出して実行することで、端末制御部110、Mobility制御部120、Slice管理制御処理部130の各機能を実行することが可能である。CPU184は、例えば、端末制御部110、Mobility制御部120、及びSlice管理制御処理部130に対応する。
また、アンテナ181、RF回路182は、例えば、無線処理部150に対応する。この場合、RF回路182は、周波数変換処理などを行う。
さらに、無線信号処理回路183は、例えば、端末制御部110に対応する。無線信号処理回路183は、変調処理や復調処理などを行う。
さらに、NWIF186は、例えば、NG−IF処理部160とXn−IF処理部170に対応する。さらに、ストレージ187は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)などの記憶媒体であり、この記憶媒体にSlice情報テーブル140が記憶される。
端末200は、アンテナ251、RF回路252、無線信号処理回路253、CPU254、CPU用メモリ255、及びストレージ256を備える。
CPU254は、CPU用メモリ255に記憶されたプログラムを読み出して実行することで、Slice管理制御処理部230の機能を実行する。CPU254は、例えば、Slice管理制御処理部230に対応する。
また、アンテナ251とRF回路252は、例えば、無線処理部210に対応する。さらに、無線信号処理回路253は、例えば、信号処理部220に対応する。さらに、ストレージ256は、例えば、HDDなどの記憶媒体であり、このような記憶媒体にSlice情報テーブル140が記憶される。
図4は、AMF300のハードウェア構成例を表す図である。AMF300は、CPU350、CPU用メモリ351、NWIF352、及びストレージ353を備える。
CPU350は、CPU用メモリ351に記憶されたプログラムを読み出して実行することで、Mobility制御処理部320とSlice管理制御処理部330の機能を実行する。CPU350は、例えば、Mobility制御処理部320とSlice管理制御処理部330に対応する。
また、NWIF352は、例えば、NG−IF処理部310に対応する。さらに、ストレージ353は、例えば、HDDなどの記憶媒体であって、このような記憶媒体に、Slice情報テーブル340が記憶される。
なお、CPU184,254,350に代えて、MPU(Micro Processing Unit)やDSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)などのプロセッサやコントローラであってもよい。
<動作例>
次に動作例について説明する。動作例は、シーケンス例1からシーケンス例6まである。以下、この順番で動作例を説明する。
なお、シーケンス例1からシーケンス例4、及びシーケンス例6は、例えば、図1において、端末200−3が基地局100−1から基地局100−2へハンドオーバする例について説明する。シーケンス例5は、Dual Connectively(以下、「DC」と称する場合がある。)の例であり、プライマリ基地局100−1に接続した端末200−3がセカンダリ基地局100−2を追加する例である。
以下では、端末200−3を、端末200として説明する場合がある。
<1.シーケンス例1>
図5は、シーケンス例1のシーケンス例を表す図である。なお、図5において、UE200は端末200である。また、Target gNB100−2は、端末200のハンドオーバ先となるターゲット基地局100−2である。さらに、Source gNB100−1は、端末200のハンドオーバ元のソース基地局100−1である。
端末200は、ソース基地局100−1との間の無線区間における無線品質を測定し、測定した無線品質を含むMeasurement Reportをソース基地局100−1へ送信する(S10)。例えば、端末200のSlice管理制御処理部230は、無線処理部210で受信する無線信号の受信電力を測定し、その測定値を無線品質として含むMeasurement Reportを生成し、ソース基地局100−1へ送信する。この場合、Slice管理制御処理部230は、例えば、CQI(Channel Quality Indicator)やCSI(Channel State Information)、SNR(Signal to Noise Ratio)、SINR(Signal to Interference plus Noise Ratio)などを、無線品質としてもよい。
ソース基地局100−1は、Measurement Reportを受信すると、 NWSlice構成確認要求(又はネットワークスライス構成確認要求。以下、「Slice構成確認要求」と称する場合がある。)をターゲット基地局100−2へ送信する(S11)。この処理では、ソース基地局100−1は、例えば、端末200にサービスを提供している際のSliceに関する情報をターゲット基地局100−2へ送信することで、ターゲット基地局100−2においてこのSlice構成で対応可能か否かを確認できるようにしている。
図6(A)は、Slice構成確認要求を含むパケットの構成例、図6(B)はSlice構成確認要求に含まれる情報要素の例をそれぞれ表す図である。
Slice構成確認要求は、Xnインタフェースを利用して送信される。図6(A)はXnインタフェースのパケットの構成例を表している。Xnインタフェースで制御情報を送信するパケットは、ネットワーク層はIP、トランスポート層はSCTP(Stream Control Transmission Protocol)となっている。従って、この場合、IPパケットのペイロード領域にSCTPパケットが含まれ、SCTPのチャンク領域にSlice構成確認要求が含まれる構成となる。Slice構成確認要求は、例えば、制御情報である。
なお、基地局100−1,100−2とAMF300との間は、Xnインタフェースとは異なるXGインタフェースであるが、図6(A)と同一のパケット構成で制御情報が送信される。
図6(B)に示すように、Slice構成確認要求には、「UE_SAP(Service Access Point)_ID」、「AMF_SAP_ID」、及び「Slice構成情報」を含む。
「UE_SAP_ID」は、例えば、基地局100−1,100−2で管理する端末200の識別情報である。また、「AMF_SAP_ID」は、例えば、AMF300で管理する端末200の識別情報である。「UE_SAP_ID」と「AMF_SAP_ID」は、例えば、端末200が基地局100−1と接続する際に、基地局100−1やAMF300でそれぞれ生成される識別情報である。
「Slice構成情報」は、上述したように、例えば、ソース基地局100−1が端末200へサービスを提供する際にソース基地局100−1が接続しているネットワークの構成を示す。「Slice構成情報」に含まれる情報の具体例としては、例えば、「Slice条件」、「サービス」、「通信条件」、「伝送条件」がある。
「Slice条件」としては、例えば、「Slice ID」や「AMFの識別情報」などがある。
「Slice ID」は、例えば、Sliceを他のSliceと識別(又はネットワークの構成を他のネットワークの構成と識別)する識別情報である。ソース基地局100−1がターゲット基地局100−2へSlice IDを通知することで、ターゲット基地局100−2では、ソース基地局100−1が端末200に対してサービスを提供する際のSliceを特定することが可能となる。
「AMFの識別情報」は、例えば、ソース基地局100−1が接続するAMF300の識別情報を表す。ソース基地局100−1がターゲット基地局100−2へAMF300の識別情報を通知することで、ターゲット基地局100−2は、AMF300にアクセスして、AMF300が管理するソース基地局100−1のSliceに関する情報を取得することが可能となる。
「サービス」は、例えば、ソース基地局100−1が端末200に提供するサービスを表す。サービスの通知により、例えば、ターゲット基地局100−2は、ソース基地局100−1が端末200に提供するサービスを確認することが可能となる。「サービス」の具体例としては、例えば、低遅延、高信頼、高セキュリティ、IoTなど、各サービスに対応する識別情報などでもよい。
「通信条件」は、例えば、スループットに関する条件である。「通信条件」は、例えば、ソース基地局100−1が端末200にサービスを提供する際のスループットであってもよい。通信条件の通知により、例えば、ターゲット基地局100−2は、どのようなスループットで端末200に対してサービスを提供するかを確認することができる。
「伝送条件」は、例えば、伝送に関する条件である。「伝送条件」は、例えば、ソース基地局100−1が端末200にサービスを提供する際に、遅延は何ms以内である、CRC(Cyclic Redundancy Check)エラーはいくつまでなど、伝送に関する条件である。伝送条件の通知により、例えば、ターゲット基地局100−2は、端末200に対してどのような伝送条件でサービスを提供するのかを確認することができる。なお、通信条件と伝送条件とを区別しなくてもよい。
「Slice構成情報」に含まれるこれらの情報や条件などによって、例えば、ターゲット基地局100−2は、ソース基地局100−1が端末200にサービスを提供する際のSliceを特定することができる。また、ターゲット基地局100−2は、例えば、端末200にサービスを提供するに際の通信条件と伝送条件を確認することが可能である。
「Slice構成情報」は、例えば、ソース基地局100−1が端末200に対してサービスを提供する際にソース基地局100−1が接続するネットワークの構成を表している。また、「Slice構成情報」は、例えば、ソース基地局100−1が端末200に対してサービスを提供する際にソース基地局100−1はどのような通信条件又は伝送条件でサービスを提供するのかを表している。
なお、「Slice構成情報」には、Slice条件、サービス、通信条件、伝送条件のうち、少なくともいずれか1つが含まれる。
例えば、基地局100−1では、以下の処理を行う。すなわち、Slice管理制御処理部130は、Mobility制御部120からMeasurement Reportを受け取ると、端末200に提供しているSliceに関する情報を、Slice情報テーブル140から読み出す。そして、Slice管理制御処理部130は、Sliceに関する情報を含む「Slice構成情報」を生成する。さらに、Slice管理制御処理部130は、端末200に対応する「UE_SAP_ID」と「AMF_SAP_ID」とをSlice情報テーブル140から読み出す。Slice管理制御処理部130は、「Slice構成情報」、「UE_SAP_ID」、及び「AMF_SAP_ID」を含むSlice構成確認要求を生成する。Slice管理制御処理部130は、生成したSlice構成確認要求を、情報要求部131とXn−IF処理部170を介して、ターゲット基地局100−2へ送信する。この際、Xn−IF処理部170では、図6(A)に示すパケットデータを生成して、ターゲット基地局100−2へ送信する。
図5に戻り、ターゲット基地局100−2は、Slice構成確認要求を受信すると、要求Sliceを確認する(S12)。ターゲット基地局100−2では、Slice構成確認要求に含まれるSlice構成情報に基づいて、自局はそのようなサービスを提供することが可能なSliceをサポートしているか否か、或いは、そのようなSliceを受け入れることが可能な否か、などを判定する。
例えば、ターゲット基地局100−2は、以下の処理を行う。すなわち、Slice管理制御処理部130は、Xn−IF処理部170と情報受信部132を介して、Slice構成確認要求を受信すると、Slice構成確認要求の「Slice構成情報」を抽出する。そして、Slice管理制御処理部130は、「Slice構成情報」に含まれる情報や条件に基づいて、Sliceを受け入れることができるか否かを判定する。なお、シーケンス例1では、ターゲット基地局100−2は、そのようなSliceを受け入れる、と判定するものとする。
次に、ターゲット基地局100−2は、Sliceの受入れ可否を含むNW Slice構成確認応答(ネットワークスライス構成確認応答。以下、「Slice構成確認応答」と称する場合がある。)を、ソース基地局100−1へ送信する(S13)。
図7は、Slice構成確認応答に含まれる情報要素の例を表す図である。Slice構成確認応答は、Slice構成確認要求と同様に、「UE_SAP_ID」と「AMF_SAP_ID」を含む。また、Slice構成確認応答は、「要求Slice構成判定結果」、「代替Slice構成」、及び「NewCreate」を含む。
「要求Slice構成判定結果」は、例えば、ターゲット基地局100−2において受入れ可否の判定結果(例えば、「受入れ可」や「受入れ不可」など)が含まれる。
「代替Slice構成」は、例えば、ターゲット基地局100−2において受入れ不可の場合、代替となるSlice構成に関する情報(又は代替スライス構成情報)が含まれる。具体的には、例えば、代替となるSlice構成とSliceIDが含まれる。「代替Slice構成」が含まれる場合の動作例は、シーケンス例2で説明する。
「NewCreate」は、例えば、新Slice作成情報(新スライス作成情報)が含まれる。新Slice作成情報としては、Slice構成情報(S11)に含まれるSlice構成に対して、ターゲット基地局100−2において新たなSliceを作成するか否かを示す情報がある。ターゲット基地局100−2では、Slice構成確認要求を受信した時点では、Slice構成情報に含まれるSliceをサポートしていないが、そのような新しいSliceを作成する場合、「NewCreate」に、新たなSliceを作成する旨を示す情報が挿入される。また、新Slice作成情報としては、例えば、新たなSlice構成に関する情報でもよい。新たなSlice構成に関する情報により、例えば、ターゲット基地局100−2が提示する新たなSliceはどのようなSlice構成であるのかが特定可能となる。ターゲット基地局100−2が新たなSliceを提示する場合の動作例は、シーケンス例3及び4で説明する。
例えば、ターゲット基地局100−2は、以下の処理を行う。すなわち、Slice管理制御処理部130は、Sliceの受入れ可否の判定を行うと、その判定結果を、「要求Slice構成判定結果」に含める。本シーケンス例1では、「要求Slice構成判定結果」には、「受入れ可」を示す情報が含まれる。また、Slice管理制御処理部130は、Slice構成確認要求に含まれる「UE_SAP_ID」と「AMF_SAP_ID」を、Slice構成確認応答の「UE_SAP_ID」と「AMF_SAP_ID」とする。そして、Slice管理制御処理部130は、「要求Slice構成判定結果」、「UE_SAP_ID」、及び「AMF_SAP_ID」を含むSlice構成確認応答を生成する。Slice管理制御処理部130は、生成したSlice構成確認応答を、情報要求部131、Xn−IF処理部170を介して、ソース基地局100−1へ送信する。この際、Xn−IF処理部170は、図6(A)に示すパケットを生成してソース基地局100−1へ送信する。この場合、図6(A)に示す「Slice構成確認要求」に代えて、「Slice構成確認応答」とすればよい。
図5に戻り、ソース基地局100−1は、Slice構成確認応答を受信すると、判定処理を行う(S14)。判定処理としては、例えば、ターゲット基地局100−2により示された代替Slice構成を、ソース基地局100−1が受け入れるか否かの判定がある。このような判定処理の詳細はシーケンス例2で説明する。また、判定処理としては、例えば、ターゲット基地局100−2により「NewCreate」が示された場合、ソース基地局100−1は「NewCreate」を受け入れるか否かの判定がある。このような判定処理の詳細はシーケンス例3で説明する。本シーケンス例1では、受入れ可否の判定としては、受け入れ可能と判定するものとする。例えば、ソース基地局100−1のSlice管理制御処理部130では、Xn−IF処理部170などを介して受信したSlice構成確認応答の「要求Slice構成判定結果」が「受入れ可」であることを確認し、受入れ可能と判定する。Slice管理制御処理部130は、その判定結果を、情報要求部131を介してMobility制御部120へ出力する。
次に、ソース基地局100−1は、HO Requestをターゲット基地局100−2へ送信する(S15)。例えば、ソース基地局100−1のMobility制御部120は、Slice管理制御処理部130から受入れ可能の判定結果を受け取ると、HO Requestを生成し、生成したHO Requestを、無線処理部150を介して、端末200へ送信する。なお、図5に示すハンドオーバは、Xnハンドオーバのため、ソース基地局100−1は、ターゲット基地局100−2へ直接ハンドオーバ要求を送信している。
以降の処理は、主として、ソース基地局100−1とターゲット基地局100−2との間で、Xnハンドオーバのシーケンスが実行される(S16からS21)。例えば、ソース基地局100−1のMobility制御部120と、ターゲット基地局100−2のMobility制御部120との間で、ハンドオーバに関する情報(或いはメッセージ)が送受信される。具体的には、以下となる。
すなわち、ターゲット基地局100−2は、HO Requestを受信すると、その応答情報であるHO Request ACK(Acknowledgement)をソース基地局100−1へ送信する(S16)。
次に、ソース基地局100−1は、HO Commandを端末200へ送信し、ハンドオーバの実行を端末200へ指示する(S17)。HO Commandは、例えば、端末200に対する、ターゲット基地局100−2への接続指示を表す。その後、ソース基地局100−1、ターゲット基地局100−2、端末200との間で、Xnハンドオーバに関する処理が実行される(S18)。
次に、ターゲット基地局100−2は、Path Switch RequestをAMF300へ送信し、端末200との接続をターゲット基地局100−2へ切り替えることを要求する(S19)。AMF300は、その応答情報である、Path Switch Request Ackを、ターゲット基地局100−2へ送信する(S20)。
そして、ターゲット基地局100−2は、UE Context Releaseをソース基地局100−1へ送信し(S21)、一連のハンドオーバシーケンスを終了する。
図8は、ソース基地局100−1における動作例を表すフローチャートである。
ソース基地局100−1は、処理を開始し(S30)、ターゲット基地局100−2から送信されたMeasurement Reportを受信すると(S31)、Slice構成確認要求を、ターゲット基地局100−2へ送信する(S32)。
次に、ソース基地局100−1は、ターゲット基地局100−2から送信されたSlice構成確認応答を受信し(S33)、判定処理を行う(S34)。本シーケンス例1では、ソース基地局100−1は、例えば、Slice構成確認応答に基づいて、受け入れる、と判定したため、判定処理は「OK」となる。なお、判定処理が「NG(No Good)」の場合については、シーケンス例2で説明する。
ソース基地局100−1は、受入れ可、と判定すると(S34で「OK」)、Handover Requestをターゲット基地局100−2へ送信する(S35)。Handover Requestは、例えば、ソース基地局100−1がターゲット基地局100−2に対して、端末200の接続先をターゲット基地局100−2へ切り替えることを要求する切替え要求である。
以降、ソース基地局100−1は、Xnハンドオーバの処理を実行し(S36)、一連の処理を終了する(S37)。
図9は、ターゲット基地局100−2における動作例を表すフローチャートである。
ターゲット基地局100−2は、処理を開始すると(S50)、ソース基地局100−1から送信されたSlice構成確認要求を受信する(S51)。
次に、ターゲット基地局100−2は、Slice構成確認要求に示されたSliceの受入れ可否を判別し、その判別結果を含むSlice構成確認応答を生成し、ソース基地局100−1へ送信する(S52)。
次に、ターゲット基地局100−2は、ソース基地局100−1から送信されたHandover Requestを受信し(S53)、Xnハンドオーバの処理を継続する(S54)。ターゲット基地局100−2は、Xnハンドオーバの処理を終了すると、一連の処理を終了する(S55)。
このように、シーケンス例1では、ソース基地局100−1では、Measurement Reportを受信すると、Slice構成情報(を含むSlice構成確認要求)をターゲット基地局100−2へ送信している(S11)。ターゲット基地局100−2も、Slice構成情報に応答して、Slice構成確認応答をソース基地局100−1へ送信している。これにより、例えば、ソース基地局100−1では、端末200に提供するサービスをサポートするSliceを、ターゲット基地局100−2でもサポートしているか否かを確認することが可能となる。この確認により、ソース基地局100−1では、ターゲット基地局100−2でもサポートしていると判定すると、HO Requestをターゲット基地局100−2へ送信する。従って、端末200はハンドオーバにより接続先を切り替えても、ターゲット基地局100−2でも、ソース基地局100−1と同じSliceをサポートしているため、継続したサービスの提供を、ターゲット基地局100−2から受けることが可能となる。
<2.シーケンス例2>
次に、シーケンス例2について説明する。シーケンス例2は、Slice構成確認要求を受信したターゲット基地局100−2が、Slice構成確認応答として、代替Slice構成を応答する場合の例である。
図10は、シーケンス例2のシーケンス例を表す図である。シーケンス例2もシーケンス例1と同様に、端末200がソース基地局100−1からターゲット基地局100−2へハンドオーバする例である。シーケンス例1の図5と同一の処理は、同一の符号が付されている。
図10に示すように、Slice構成確認要求(S11)を受信したターゲット基地局100−2は、Slice構成情報を確認する(S60)。
そして、ターゲット基地局100−2は、例えば、代替となるSlice構成を決定し、代替Slice構成に関する情報を含むSlice構成確認応答を、ソース基地局100−1へ送信する(S61)。
例えば、ソース基地局100−1は、Slice構成情報として、Slice ID=2と、ある通信条件と伝送条件とが示されたとする。この場合、ターゲット基地局100−2では、SliceID=2のSliceをサポートしていないが、そのような通信条件と伝送条件を満たすSliceID=3をサポートしているとき、Slice ID=3のSliceを代替Sliceとすることができる。
例えば、ターゲット基地局100−2は、以下の処理を行う。すなわち、Slice管理制御処理部130は、ソース基地局100−1から受信したSlice構成確認要求に含まれるSlice構成情報を確認する。そして、Slice管理制御処理部130は、Slice構成情報に含まれるSlice IDと同一のIDを有するSliceがSlice情報テーブル140に記憶されているか否かを確認する。このような確認により、例えば、ターゲット基地局100−2は、受入れ可否を判別してもよい。Slice管理制御処理部130は、Slice情報テーブル140に、同一のSlice IDを有するSliceに関する情報が記憶されていないとき、Slice構成情報に含まれる通信条件と伝送条件を満たすSliceがSlice情報テーブル140に記憶されているか否かを確認する。Slice管理制御処理部130は、そのようなSliceがSlice情報テーブル140に記憶されているときは、そのSliceに関する情報を読み出して、その情報を「代替Slice構成」とするSlice構成確認応答を生成する。Slice管理制御処理部130は、生成したSlice構成確認応答を、ソース基地局100−1へ送信する。ただし、この場合、ターゲット基地局100−2としては、代替Slice構成を示さればよいため、「要求Slice構成判定結果」は、「受入れ可」でもよいし、「受入れ不可」でもよい。
図10に戻り、ソース基地局100−1は、Slice構成確認応答を受信すると、判定処理を行う(S62)。ここでの判定処理は、ターゲット基地局100−2が提示した代替Sliceの受入れ可否である。例えば、ソース基地局100−1は、ターゲット基地局100−2が提示した代替Sliceは、端末200に対してサービスを提供できるか否かを判定する。
例えば、ソース基地局100−1は、以下の処理を行う。すなわち、Slice管理制御処理部130は、ターゲット基地局100−2からSlice構成確認応答を受信すると、Slice構成確認応答に含まれる「要求Slice構成判定結果」と「代替Slice構成」とを確認する。そして、Slice管理制御処理部130は、「代替Slice」に含まれる代替Sliceに関する情報がSlice情報テーブル140に記憶されているか否かを確認する。さらに、Slice管理制御処理部130は、代替Sliceに関する情報がSlice情報テーブル140に記憶されている場合、その情報に基づいて、その代替Sliceが、Slice構成確認要求(S11)に含めた通信条件と伝送条件を満足するか否か、を確認する。Slice管理制御処理部130は、代替Sliceに関する情報がSlice情報テーブル140に記憶され、かつ、代替Sliceで通信条件と伝送条件を満たすとき、端末200に対してサービスを継続できる、すなわち、代替Sliceを受け入れる、と判定する。一方、Slice管理制御処理部130は、代替Sliceに関する情報がSlice情報テーブル140に記憶されていない、或いは、代替Sliceで通信条件と伝送条件を満たさないとき、端末200に対してサービスを継続できない、すなわち、代替Sliceを受けることができない、と判定する。
ソース基地局100−1は、判定処理の結果、代替Sliceを受け入れることができないと判定したとき(S62でNG)、Handover RequiredをAMF300へ送信する(S63)。Handover Requiredは、例えば、ソース基地局100−1が端末200の接続先を切り替えることを要求する切替え要求である。
例えば、ソース基地局100−1では以下の処理を行う。すなわち、Slice管理制御処理部130は、代替Sliceを受入れることができないと判定すると、その判定結果を、情報要求部131を介して、Mobility制御部120へ出力する。Mobility制御部120は、その判定結果を受け取ると、内部メモリに記憶された情報に基づいて、ハンドオーバ先の基地局となる基地局を決定し、更に、その基地局が他のAMF配下であることを確認し、XGハンドオーバを行うことを決定する。そして、Mobility制御部120は、Handover Requiredを生成し、NG−IF処理部160を介してAMF300へ送信する。
そして、AMF300は、他のAMFや、他のターゲット基地局との間で、NGハンドオーバに関する手順を実行する(S64)。このような処理は、例えば、AMF300のSlice管理制御処理部330において行われる。
一方、ソース基地局100−1は、判定処理の結果、代替Sliceを受入れることができると判定したとき(S62でYes)、Handover Requestをターゲット基地局100−2へ送信する。
例えば、ソース基地局100−1は、以下の処理を行う。すなわち、Slice管理制御処理部130は、代替Sliceを受け入れる、と判定すると、その判定結果を、Mobility制御部120へ出力する。Mobility制御部120は、その判定結果を受けて、Xnハンドオーバを行うことを決定し、Handover Requestを端末200へ送信する。
以降の処理(S16〜S21)は、シーケンス例1と同一である。
図8は、シーケンス例2における、ソース基地局100−1の動作例を表すフローチャートである。この場合、ソース基地局100−1では、判定処理(S34)として、ターゲット基地局100−2が示した代替Sliceを受け入れるか否かを判定する。
ソース基地局100−1は、代替Sliceを受け入れることができないと判定したとき(S34でNG)、Handover RequiredをAMF300へ送信し(S39)、NGハンドオーバを行う(S40)。そして、ソース基地局100−1は、一連の処理を終了する(S37)。
一方、ソース基地局100−1は、代替Sliceを受け入れると判定したとき(S34でOK)、Handover Requestをターゲット基地局100−2へ送信し、Xnハンドオーバを行う(S36)。そして、ソース基地局100−1は、一連の処理を終了する(S37)。
図9は、シーケンス例2における、ターゲット基地局100−2の動作例を表すフローチャートである。この場合、ターゲット基地局100−2では、Slice構成確認要求を受信すると(S51)、代替Sliceに関する情報を含むSlice構成確認応答を生成し、ソース基地局100−1へ送信する(S52)。以降の処理は、シーケンス例1と同一である。
このように、シーケンス例2では、例えば、ターゲット基地局100−2は、ソース基地局100−1でサポートしているSliceをサポートしていないと判定すると(S60)、代替Sliceをソース基地局100−1に送信している(S61)。そして、ソース基地局100−1は、代替Sliceは、端末200に提供しているサービスに対応するSliceと異なるものの、サービスを継続できると判定すると(S62でOK)、代替Sliceを受け入れて、Handover Requestをターゲット基地局100−2へ送信している(S15)。従って、ソース基地局100−1とターゲット基地局100−2では、端末200へサービスを提供する際のSliceが異なるものの、継続したサービスを提供することが可能となる。
<3.シーケンス例3>
次に、シーケンス例3について説明する。シーケンス例3は、Slice構成確認要求を受信したターゲット基地局100−2が、Slice構成確認応答として、「NewCreate」を応答した場合の例である。
図11は、シーケンス例3のシーケンス例を表す図である。
図11に示すように、Slice構成確認要求(S11)を受信したターゲット基地局100−2は、Slice構成情報を確認する(S70)。そして、ターゲット基地局100−2は、例えば、Slice構成情報に示されたSliceではなく、新たなSliceを作成することを決定すると、新たなSliceに関する情報を含むSlice構成確認応答(例えば図7)を、ソース基地局100−1へ送信する(S71)。
例えば、ターゲット基地局100−2は、Slice構成情報として、Slice ID=3が示され、ある通信条件と伝送条件が示されたとする。そして、ターゲット基地局100−2では、SliceID=3のSliceをサポートしていないとする。このような場合、ターゲット基地局100−2では、Slice ID=3のSliceを新たに作成することを決定し、新たなSliceをソース基地局100−1へ提示する。ソース基地局100−1では、例えば、ターゲット基地局100−2から提示されたSliceで、端末200に対してサービスを継続することが可能であれば、そのSliceを受け入れて、Xnハンドオーバを実行することが可能となる。
例えば、ターゲット基地局100−2は、以下の処理を行う。すなわち、Slice管理制御処理部130は、ソース基地局100−1からSlice構成確認要求を受信すると、Slice構成確認要求に含まれるSlice構成情報を確認する。そして、Slice管理制御処理部130は、Slice構成情報に含まれるSlice IDと同一のIDを有するSliceがSlice情報テーブル140に記憶されているか否かを確認する。Slice管理制御処理部130は、Slice情報テーブル140に、同一のSlice IDを有するSliceに関する情報が記憶されていないとき、Slice構成情報に含まれる通信条件と伝送条件を満たすSliceがSlice情報テーブル140に記憶されているか否かを確認する。Slice管理制御処理部130は、そのようなSliceがSlice情報テーブル140に記憶されていないことを確認すると、そのような通信条件と伝送条件を満たす新たなSliceを決定する。そして、Slice管理制御処理部130は、新たにSliceを作成すること、及び新たなSliceに関する情報を、「NewCreate」に含むSlice構成確認応答を生成する(例えば図7)。そして、Slice管理制御処理部130は、生成したSlice構成確認応答を、Xn−IF処理部170などを介して、ソース基地局100−1へ送信する。この場合も、ターゲット基地局100−2としては、新たなSliceを示さればよいため、「要求Slice構成判定結果」は、「受入れ可」でもよいし、「受入れ不可」でもよい。
ソース基地局100−1は、Slice構成確認応答を受信すると、判定処理を行う(S72)。ここでの判定処理は、ターゲット基地局100−2により示された、新たなSliceの受入れ可否である。例えば、ソース基地局100−1は、「NewCreate」に含まれる新たなSliceで端末200に対するサービスの提供を継続できるか、などを判定する。例えば、ソース基地局100−1では以下の処理を行う。
すなわち、ソース基地局100−1のSlice管理制御処理部130は、ターゲット基地局100−2からSlice構成確認応答を受信すると、Slice構成確認応答に含まれる「要求Slice構成判定結果」と「NewCreate」とを確認する。そして、Slice管理制御処理部130は、「NewCreate」に含まれる新たなSliceに関する情報がSlice情報テーブル140に記憶されているか否かを確認する。さらに、Slice管理制御処理部130は、新たなSliceに関する情報がSlice情報テーブル140に記憶されている場合、その情報に基づいて、その新たなSliceは、Slice構成確認要求(S11)に含めた通信条件と伝送条件を満足するか否か、を確認する。Slice管理制御処理部130は、新たなSliceに関する情報がSlice情報テーブル140に記憶され、かつ、そのSliceで通信条件と伝送条件を満たすとき、端末200に対してサービスを継続できる、すなわち、新たなSliceを受け入れる、と判定する。一方、Slice管理制御処理部130は、新たなSliceに関する情報がSlice情報テーブル140に記憶されていない、或いは、記憶されていても、通信条件と伝送条件を満たさないとき、サービスを継続できない、すなわち、新たなSliceは受け入れることはできない、と判定する。
ソース基地局100−1は、新たなSliceを受け入れることができないと判定したとき(S72でNG)、Handover RequiredをAMF300へ送信する(S63)。この場合は、ソース基地局100−1は、ターゲット基地局100−2が提示した新たなSliceでは、端末200に対するサービスを継続できないと判定して、他のターゲット基地局100−3をハンドオーバ先として決定する。この場合、他のターゲット基地局100−3は、AMF300配下ではなく、他のAMF配下の基地局であるため、ソース基地局100−1は、XGハンドオーバを行うことを決定する。
例えば、ソース基地局100−1では、以下の処理を行う。すなわち、Slice管理制御処理部130は、新たなSliceを受けることができないと判定するとその判定結果をMobility制御部120へ出力する。Mobility制御部120は、その判定結果を受けて、シーケンス例2と同様に、XGハンドオーバを行うことを決定する。
そして、AMF300は、他のAMF及び他のターゲット基地局との間で、NGハンドオーバに関する手順を実行する(S64)。
一方、ソース基地局100−1は、判定処理の結果、新たなSliceを受入れることができると判定したとき(S72でYes)、New Slice作成依頼をターゲット基地局100−2へ送信する(S73)。ソース基地局100−1は、ターゲット基地局100−2が提示した新たなSliceを受け入れ、新たなSliceを作成するよう、ターゲット基地局100−2に依頼している。New Slice作成依頼は、例えば、ソース基地局100−1が新たなSliceの作成をターゲット基地局100−2へ依頼する作成依頼情報である。
図12(A)は、New Slice作成依頼の情報要素の例を表す図である。New Slice作成依頼は、「Slice構成情報」、「UE_SAP_ID」、及び「AMF_SAP_ID」を含む。
「Slice構成情報」に含まれる情報自体は、例えば、Slice構成確認要求(例えば図6(A))と同じである。Slice条件としては、例えば、新たなSliceを特定するSlice IDであってもよい。また、通信条件と伝送条件は、そのような新たなSliceを実行するための通信条件と伝送条件でもよいし、Slice構成確認要求(S11)に含まれる条件と同じ条件であってもよい。なお、New Slice作成依頼は、例えば、Xnインタフェース(例えば図6(A))により送信される。
例えば、ソース基地局100−1は、以下の処理を行う。すなわち、Slice管理制御処理部130は、新たなSliceを受け入れると判定したとき、Slice構成確認応答(S71)から新たなSliceに関する情報を読み出し、その情報に対応するSliceに関する情報を、Slice情報テーブル140から読み出す。Slice管理制御処理部130は、Slice情報テーブル140から読み出したSliceに関する情報を含む「Slice構成情報」を生成する。また、Slice管理制御処理部130は、Slice構成確認要求(S11)を送信する際に、Slice情報テーブル140に記憶した「UE_SAP_ID」と「AMF_SAP_ID」とを読み出す。そして、Slice管理制御処理部130は、「Slice構成情報」、「UE_SAP_ID」、及び「AMF_SAP_ID」を含むNew Slice作成依頼を生成する。Slice管理制御処理部130は、生成したNew Slice作成依頼を、Xn−IF処理部170を介してターゲット基地局100−2へ送信する。
図10に戻り、ターゲット基地局100−2は、New Slice作成依頼を受信すると、New Slice作成依頼を、AMF300へ送信する(S74)。
図12(B)は、ターゲット基地局100−2からAMF300へ送信される、New Slice作成依頼の情報要素の例を表す図である。New Slice作成依頼は、「Slice構成情報」と「UE_SAP_ID」を含む。「Slice構成情報」と「UE_SAP_ID」は、ソース基地局100−1がターゲット基地局100−2へ送信するNew Slice作成依頼に含まれる「Slice構成情報」と「UE_SAP_ID」(例えば図12(A))と同一である。なお、New Slice作成依頼は、例えば、NGインタフェース(例えば図6(A))により送信される。
例えば、ターゲット基地局100−2は、以下の処理を行う。すなわち、Slice管理制御処理部130は、Xn−IF処理部170を介して、New Slice作成依頼を受信すると、「AMF_SAP_ID」を取り除いたNew Slice作成依頼を生成する。Slice管理制御処理部130は、NG−IF処理部160を介して、生成したNew Slice作成依頼をAMF300へ送信する。なお、NG−IF処理部160は、例えば、図6(A)に示す「Slice構成確認要求」に代えて、「New Slice作成依頼」とするパケットをAMF300へ送信する。
図11に戻り、AMF300は、New Slice作成依頼を受信すると、New Slice作成依頼で依頼された新たなSliceを作成し、New Slice作成完了通知(又は作成完了通知)を、ターゲット基地局100−2へ送信する(S75)。New Slice作成完了通知は、例えば、AMF300において新たなSliceが作成されたか否かを示す情報が含まれる。
図13(A)は、New Slice作成完了通知に含まれる情報要素の例を表す図である。New Slice作成完了通知は、「Result」と「Slice ID」を含む。
「Result」は、例えば、AMF300が新たなSliceを作成できた場合には「OK」、作成できなかった場合には「NG」が含まれる。
「Slice ID」は、例えば、AMF300が新たなSliceを作成した場合、作成したSliceの識別情報を表す。
例えば、AMF300は、以下の処理を行う。すなわち、Slice管理制御処理部330は、NG−IF処理部310とMobility制御処理部320を介して、New Slice作成依頼を受信すると、ターゲット基地局100−2に対して、「Slice構成情報」により示された新たなSliceを作成する。Slice管理制御処理部330は、ターゲット基地局100−2に対して新たなSliceを作成すると、そのSliceに関する情報をSlice情報テーブル340に記憶する。そして、Slice管理制御処理部330は、作成結果や作成した場合のSlice IDを含むNew Slice作成完了通知を生成する。Slice管理制御処理部330は、新たなSliceを作成できなかった場合は、作成結果として「NG」を含むNew Slice作成完了通知を生成する。Slice管理制御処理部330は、生成したNew Slice完了通知を、NG−IF処理部310などを介して、ターゲット基地局100−2へ送信する。なお、NG−IF処理部310は、例えば、図6(A)に示す「Slice構成確認要求」に代えて、「New Slice作成完了通知」とするパケットをAMF300へ送信する。
図11に戻り、次に、ターゲット基地局100−2は、New Slice作成完了通知(又は作成完了通知)をソース基地局100−1へ送信する(S76)。
図13(B)は、ターゲット基地局100−2からソース基地局100−1へ送信される、New Slice作成完了通知の情報要素の例を表す図である。このNew Slice作成完了通知には、「Result」が含まれる。「Result」は、例えば、AMF300において新たなSliceが作成されたか(OK)、作成されていないか(NG)を示す情報が含まれる。
例えば、ターゲット基地局100−2では以下の処理を行う。すなわち、Slice管理制御処理部130は、NG−IF処理部160を介して、New Slice作成完了通知を受信すると、New Slice作成完了通知から「Slice ID」を取り除いたNew Slice作成完了通知を生成する。Slice管理制御処理部130は、作成したNew Slice作成完了通知を、Xn−IF処理部170などを介して、ソース基地局100−1へ送信する。なお、Xn−IF処理部170は、例えば、図6(A)に示す「Slice構成確認要求」に代えて、「New Slice作成完了通知」とするパケットをソース基地局100−1へ送信する。
ソース基地局100−1は、New Slice作成完了通知を受信すると、HO Requestをターゲット基地局100−2へ送信し、Xnハンドオーバを実行する(S15〜S21)。
例えば、ソース基地局100−1は、以下の処理を行う。すなわち、Slice管理制御処理部130は、Xn−IF処理部170などを介して、New Slice作成完了通知を受信すると、「Result」を確認し、「OK」の場合は、AMF300において新たなSliceが作成されたことを確認する。この場合、Slice管理制御処理部130は、新たなSliceが作成されたことをMobility制御部120へ通知し、Mobility制御部120はその通知を受けて、HO Requestを端末200へ送信し、Xnハンドオーバに関する処理を行う。一方、Slice管理制御処理部130は、「Rsult」が「NG」の場合、新たなSliceが作成されなかったことをMobility制御部120へ通知する。Mobility制御部120はその通知を受けて、以後、ハンドオーバに関する処理を行わないようにする。
図14は、ソース基地局100−1における動作例を表すフローチャートである。この場合、ソース基地局100−1は、Slice構成確認応答を受信すると、「NewCreate」が含まれていることを確認し(S81)、ターゲット基地局100−2が提示した新たなSliceを受け入れるか否かを判定する(S82)。
ソース基地局100−1は、新たなSliceを受入れるとき(S82でOK)、New Slice作成依頼(例えば図12(A))をターゲット基地局100−2へ送信する(S83)。
次に、ソース基地局100−1は、ターゲット基地局100−2からNew Slice完了通知(例えば図13(B))を受信し(S84)、新たなSliceが作成されたときは、Handover Requestをターゲット基地局100−2へ送信する(S85)。ソース基地局100−1は、以後、Xnハンドオーバを実行し(S36)、一連の処理を終了する(S85)。
一方、ソース基地局100−1は、ターゲット基地局100−2が提示した新たなSliceを受け入れない、と判定したとき(S82でNG)、AMF300へ、Handover Requiredを送信する。そして、ソース基地局100−1は、NGハンドオーバを実行し(S40)、一連の処理を終了する(S85)。
図15は、ターゲット基地局100−2における動作例を表すフローチャートである。この場合、ターゲット基地局100−2は、Slice構成確認要求を受信すると(S51)、新たなSliceに関する情報(「NewCreate」)を含む、Slice構成確認応答を送信する(S91)。
次に、ターゲット基地局100−2は、ソース基地局100−1から、New Slice作成依頼(例えば図12(A))を受信し(S92)、AMF300へ、New Slice作成依頼(例えば、図12(B))を送信する(S93)。
次に、ターゲット基地局100−2は、AMF300から、New Slice作成完了通知(例えば図13(A))を受信し(S94)、New Slice作成完了通知(例えば図13(B))を、ソース基地局100−1へ送信する(S95)。
その後、ターゲット基地局100−2は、ソース基地局100−1から、Handover Requestを受信すると、Xnハンドオーバの処理を実行し、一連の処理を終了する(S53〜S54,S96)。
このようにシーケンス例3では、例えば、ターゲット基地局100−2は、ソース基地局100−1でサポートしているSliceをサポートしていないと判定すると(S70)、新たなSliceをソース基地局100−1へ提示する(S71)。そして、ソース基地局100−1は、新たなSliceで、端末200に提供しているサービスを継続できると判定すると(S72でOK)、新たなSliceを受け入れて、Handover Requestをターゲット基地局100−2へ送信している(S15)。従って、ターゲット基地局100−2では、新たなSliceで、ソース基地局100−1が端末200に提供したサービスを継続して提供することができる。
<4.シーケンス例4>
次に、シーケンス例4について説明する。シーケンス例4は、シーケンス例3と同様に、新たなSliceを作成する例である。ただし、シーケンス例4では、複数のターゲット基地局100−2,…に対して、新たなSliceを作成させ、ソース基地局100−1は、複数のSliceの中から、ハンドオーバ先の基地局を決定する例である。
図16は、シーケンス例4のシーケンス例を表す図である。シーケンス例4もシーケンス例3と同様に、ターゲット基地局100−2は、Slice構成確認要求を受信すると(S11)、新たなSliceに関する情報を含むSlice構成確認応答をソース基地局100−1へ送信する(S70,S71)。
そして、ソース基地局100−1は、シーケンス例3と同様に、ターゲット基地局100−2が提示したSliceについて受入れ可否を判定する(S72)。判定の具体例は、シーケンス例3と同様である。ソース基地局100−1は、新たなSliceを受け入れないと判定すると(S72でNG)、Handover RequiredをAMF300へ送信し、XGハンドオーバを実行する(S63,S64)。
一方、ソース基地局100−1は、新たなSliceを受け入れると判定すると(S72でOK)、New Slice作成要求を生成し、生成したNew Slice作成要求(又は作成要求)をAMF300へ送信する(S90)。本シーケンス例4では、ソース基地局100−1は、AMF300へ、ターゲット基地局100−2が提示した新たなSliceの作成を要求する。例えば、AMF300では、配下の基地局100−1〜100−3に関する情報を保持し、基地局100−1に隣接する基地局100−2,100−3は、どの基地局かを把握している。従って、ソース基地局100−1は、AMF300へNew Slice作成要求を送信することで、例えば、AMF300において、隣接基地局100−2,100−2に対して新たなSliceを作成することが期待できる。
図17(A)は、New Slice作成要求に含まれる情報要素の例を表す図である。New Slice作成要求に含まれる情報要素は、例えば、シーケンス例3において、ソース基地局100−1がターゲット基地局100−2へ送信するNew Slice作成依頼(例えば図12(A))と同一である。New Slice作成要求に含まれる「Slice構成情報」は、例えば、新たなSliceを特定するSlice IDや、新たなSliceで通信を行うための通信条件や伝送条件などが含まれる。図17(A)に示すように、「Slice構成情報」は、Slice条件、サービス、通信条件、伝送条件の少なくともいずれか1つが含まれる。なお、New Slice作成要求は、例えば、NGインタフェース(例えば図6(A))により送信される。
例えば、ソース基地局100−1のSlice管理制御処理部130は、新たなSliceを受け入れる、と判定したとき、New Slice作成依頼を生成する。そして、Slice管理制御処理部130は、生成したNew Slice作成依頼を、NG−IF処理部160を介してAMF300へ送信する。なお、NG−IF処理部160では、例えば、図6(A)に示す「Slice構成確認要求」に代えて、「New Slice作成依頼」とするパケットを送信する。
図16に戻り、AMF300は、New Slice作成要求を受信すると、ターゲット基地局100−2,100−3へ、New Slice作成依頼を送信する(S91,S93)。
なお、AMF300は、New Slice作成要求(S90)を受信すると、複数の基地局100−2,100−3に対して、New Slice作成要求で指示された新たなSliceを作成する。この場合、複数の基地局100−2,100−3では、新たなSliceの作成に関して、リソースを確保するなど、各基地局100−2,100−3で行われる処理がある。そのような処理を行わせるために、AMF300は、複数の基地局100−2,100−3に対して、New Slice作成依頼を送信している(S91,S93)。
図17(A)は、New Slice作成依頼に含まれる情報要素の例を表す図である。このNew Slice作成依頼に含まれる情報要素は、例えば、ソース基地局100−1がAMF300へ送信するNew Slice作成要求に含まれる情報要素と同一である。AMF300は、New Slice作成要求を受信し、新たなSliceを作成すると、受信したNew Slice作成要求を、New Slice作成依頼として、そのまま転送してもよい。
例えば、AMF300は、以下の処理を行う。すなわち、Slice管理制御処理部330は、New Slice作成要求を受信すると、ソース基地局100−1に隣接する複数の基地局100−2,100−3を選択する。Slice管理制御処理部330は、選択した複数の基地局100−2,100−3に対して、New Slice作成要求の「Slice構成情報」に含まれるSlice条件などに基づいて、新たなSliceを作成する。Slice管理制御処理部330は、作成したSliceに関する情報をSlice情報テーブル340に記憶する。そして、Slice管理制御処理部330は、選択した複数の基地局100−2,100−3へ、受信したNew Slice作成要求(S90)を、New Slice作成依頼として、Xn−IF処理部170などを介して転送(又は送信)する。
なお、Slice管理制御処理部330は、このように、New Slice作成要求を受信すると、複数の基地局100−2,100−3へ、New Slice作成要求を並列に送信してもよい。又は、図16に示すように、Slice管理制御処理部330は、基地局100−2へ、New Slice作成依頼を送信し、その応答であるNew Slice作成完了通知を受信すると、次の基地局100−3へ、New Slice作成依頼を順次送信するようにしてもよい。
図16に戻り、ターゲット基地局100−2,100−3は、New Slice作成依頼を受信すると、New Slice作成依頼で依頼された新たなSliceの作成に関する処理を行い、New Slice作成完了通知を応答する(S92,S94)。上述したように、新たなSlice作成自体は、例えば、AMF300で行われるが、その作成に関して、基地局100−2,100−3で行われる処理は、基地局100−2,100−3で行うようにしている。
図17(B)は、New Slice作成完了通知に含まれる情報要素の例を表す図である。New Slice作成完了通知は、例えば、シーケンス例3のNew Slice完了通知(図11のS75,図12(A))と同一の情報要素が含まれる。New Slice作成完了通知は、例えば、各基地局100−2,100−3において、新たなSliceの作成完了の有無を示す情報が含まれる。
例えば、基地局100−2は、以下の処理を行う。すなわち、Slice管理制御処理部130は、Xn−IF処理部170などを介して、New Slice作成依頼を受信すると、新たなSliceのリソースを確保するなどの処理を行う。そして、Slice管理制御処理部130は、そのような処理を行うことができたときは、「OK」、更に、新たなSliceのSlice IDを含むNew Slice作成完了通知を生成する。一方、Slice管理制御処理部130は、新たなSliceを実行するための処理を行うことができなかったときは「NG」を含むNew Slice作成完了通知を生成する。Slice管理制御処理部130は、生成したNew Slice作成完了通知を、Xn−IF処理部170を介して、ソース基地局100−1へ送信する。基地局100−3においても同様の処理を行う。
図16に戻り、AMF300は、複数の基地局100−2,100−3からNew Slice作成完了通知を受信すると、New Slice作成完了通知をまとめて、New Slice作成完了通知を生成し、生成したNew Slice完了通知を、ソース基地局100−1へ送信する(S95)。
図18は、New Slice作成完了通知の情報要素の例である。New Slice作成完了通知には、「Result」、「T−gNB Lists」、基地局100−2,100−3毎に、「T−gNB Information」と「Slice Information」が含まれる。
「Result」は、例えば、AMF300と複数の基地局100−2,100−3で新たなSliceを作成できたか否かを示す。例えば、複数の基地局100−2,100−3に対して、1つでも新たなSliceを作成できたときは、「OK」となり、全ての基地局100−2,100−3に対して新たなSliceを作成することができなかったときは、「NG」となる。
例えば、新たなSliceを作成することができた基地局100−2,100−3毎に、「T−gNB Information」と「Slice Information」が作成される。
「T−gNB Information」は、例えば、新たなSliceを作成することができた基地局100−2,100−3を特定する情報が含まれる。そのような情報の例としては、基地局100−2,100−3のIPアドレス、NB ID(Node B ID)、ECGI(E-EUTRAN Cell Global ID)、CGI(Cell Global ID)がある。
「Slice Information」は、例えば、Sliceの条件が判定可能な情報、或いは、Sliceに関する情報が含まれる。そのような情報の例としては、Slice構成情報(例えば図6(B))がある。
このようにNew Slice作成完了通知には、例えば、どの基地局100−2,100−3において新たなSliceが作成されたか、更に、作成された場合、作成されたSliceに関する情報が含まれる。
例えば、AMF300は、以下の処理を行う。すなわち、Slice管理制御処理部330は、各基地局100−2,100−3からNew Slice作成完了通知を受信すると、New Slice作成完了通知の「Result」を確認する。Slice管理制御処理部330は、新たなSliceを作成できたときは、その基地局100−1の新たなSliceに関する情報を、Slice情報テーブル340から読み出す。Slice管理制御処理部330は、読み出した新たなSliceに関する情報を「Slice Information」とする。また、Slice管理制御処理部330は、New Slice作成完了通知を含むパケットの送信元アドレスを、NG−IF処理部310から受け取る。NG−IF処理部310は、送信元アドレスに対応する基地局100−2,100−3の識別情報を内部メモリなどがから読み出し、この識別情報を「T−gNB Information」とする。Slice管理制御処理部330は、確認結果、「Slice Information」、及び「T−gNB Information」を含むNew Slice作成完了通知を生成する。Slice管理制御処理部330は、生成したNew Slice作成完了通知を、NG−IF処理部310などを介して、ソース基地局100−1へ送信する。なお、NG−IF処理部310は、例えば、図6(A)に示す「Slice構成確認要求」に代えて、「New Slice作成完了通知」とするパケットをソース基地局100−1へ送信する。
図16に戻り、ソース基地局100−1は、New Slice作成完了通知を受信すると、HO Requestをターゲット基地局100−2へ送信し、Xnハンドオーバの処理を実行する(S15〜S21)。
例えば、ソース基地局100−1は、以下の処理を行う。すなわち、Slice管理制御処理部130は、Xn−IF処理部170などを介して、New Slice作成完了通知を受信する。Slice管理制御処理部130は、「Slice Information」と「T−gNB Information」に基づいて、複数の基地局100−2,100−3のうち、ハンドオーバ先となるターゲット基地局100−2を決定する。Slice管理制御処理部130は、ターゲット基地局100−2に対してXnハンドオーバを行うことを決定し、その旨をMobility制御部120へ出力する。Mobility制御部120は、その通知に従って、ターゲット基地局100−2との間でXnハンドオーバに関する処理を実行する。
図14は、ソース基地局100−1における動作例を表すフローチャートである。ソース基地局100−1は、シーケンス例3と同様に、判定処理を行う(S82)。
ソース基地局100−1は、判定処理において、ターゲット基地局100−2が提示した新たなSliceを受け入れることを判定したとき(S82でOK)、New Slice作成要求(例えば図17(A))を生成し、生成したNew Slice作成依頼を、AMF300へ送信する(S83)。
次に、ソース基地局100−1は、New Slice作成完了通知(例えば、図18)をAMF300から受信し(S84)、ハンドオーバ先を決定すると、ターゲット基地局100−2へ、Handover Requestを送信する(S35)。以降の処理はシーケンス例3と同様である。
一方、判定処理の結果、ソース基地局100−1が新たなSliceを受け入れない判定を行うと(S82でNG)、Handover RequiredをAMF300へ送信し、シーケンス例3と同様の処理を行う(S39〜S40)。
図19は、ターゲット基地局100−2における動作例を表すフローチャートである。この場合、ターゲット基地局100−2は、新たなSliceに関する情報を含むSlice構成確認応答(例えば、図7)を送信後(S91)、AMF300から、New Slice作成依頼(例えば、図17(A))を受信する(S101)。
そして、ターゲット基地局100−2は、新たなSliceの作成に関する処理を行い(S102)、New Slice作成完了通知(例えば、図17(B))をAMF300へ送信する(S103)。
その後、ターゲット基地局100−2は、Handover Requestをソース基地局100−1から受信し(S53)、Xnハンドオーバの処理を行う(S54,S104)。
図20は、AMF300における動作例を表すフローチャートである。
AMF300は、処理を開始すると(S110)、New Slice作成要求(例えば、図17(A))を受信し、New Slice作成依頼(例えば、図17(A))を、複数の基地局100−2,100−3へ送信する(S112)。
次に、AMF300は、複数の基地局100−2,100−3から、New Slice作成完了通知(例えば、図17(B))を受信する(S113)。
次に、AMF300は、新たなSliceについて基地局毎にまとめたNew Slice作成完了通知(例えば、図18)を、ソース基地局100−1へ送信する(S114)。
そして、AMF300は、一連の処理を終了する(S115)。
このようにシーケンス例4では、AMF300において、基地局100−2において提示された新たなSliceを複数の基地局100−2,100−3に対して作成する(S90,S91,S93)。そして、ソース基地局100−1ではその中から、最適なSliceをサポートする基地局100−2をハンドオーバ先として決定することができる(S95)。従って、ターゲット基地局100−2は、端末200に対して継続したサービスを提供することができる。
<5.シーケンス例5>
シーケンス例5は、DCの例である。DCとは、例えば、端末200が異なる基地局間で複数の周波数を同時に用いて無線通信を行う通信方式である。
図21は、端末200がDCを利用して基地局100−1,100−2と無線通信を行っている例を表す図である。例えば、端末200が、複数の基地局100−1,100−2と無線通信可能な範囲に在圏する場合に、端末200は、DCを利用することが可能である。例えば、端末200が最初に接続した基地局100−1をプライマリ(Primary)基地局、端末200がその後に追加する基地局100−2をセカンダリ(Secondary)基地局、とそれぞれ称する場合がある。
図22は、シーケンス例5のシーケンス例を表す図である。
端末200は、Measurement Reportを、プライマリ基地局100−1へ送信する(S10)。Measurement Reportは、例えば、シーケンス例1からシーケンス例4と同様に、端末200が測定した測定結果であって、端末200と各基地局100−1,100−2との間の無線区間における無線品質の測定結果が含まれる。
プライマリ基地局100−1は、Measurement Reportを受信すると、シーケンス例1と同様に、Slice構成確認要求を、セカンダリ基地局100−2へ送信する(S11)。Slice構成確認要求は、シーケンス例1と同様に、図6(B)に示す情報要素が含まれる。
なお、Measurement Reportには、セカンダリ基地局100−2に対する無線品質の測定結果が含まれるため、プライマリ基地局100−1は、測定対象となったセカンダリ基地局100−2の識別情報を取得することが可能で、この識別情報に基づいて、Slice構成確認要求を、セカンダリ基地局100−2へ送信可能である。Slice構成確認要求に対する処理は、シーケンス例1(例えば図5のS11)と同様に、Slice管理制御処理部130で行われる。
図22に戻り、セカンダリ基地局100−2は、Slice構成確認要求を受信すると、要求Sliceの受入れ可否を判定し(S12)、Slice構成確認応答を、プライマリ基地局100−1へ送信する(S13)。Slice構成確認応答も、シーケンス例1と同様に、図7に示す情報要素が含まれる。
なお、図22の例では、セカンダリ基地局100−2は、シーケンス例1と同様に、受入れ可と判定して、「要求Slice構成判定結果」に受入れ可の情報を含むSlice構成確認応答を送信している。Slice構成確認応答に対する処理は、シーケンス例1(例えば図5のS12とS13)と同様に、Slice管理制御処理部130で行われる。
プライマリ基地局100−1は、Slice構成確認応答を受信すると、シーケンス例1と同様に判定処理を行う(S14)。この場合も、プライマリ基地局100−1は、シーケンス例1と同様に、セカンダリ基地局100−2はSliceを受入れ可と判定する。
そして、プライマリ基地局100−1は、セカンダリ基地局100−2に対して、SgNB Addition Requestを送信する(S131)。SgNB Addition Requestは、例えば、基地局100−2に対して、端末200の接続先として基地局100−2を追加することを要求する追加要求である。
例えば、プライマリ基地局100−1では以下の処理を行う。すなわち、Slice管理制御処理部130は、Xn−IF処理部170などを介して、セカンダリ基地局100−2からSlice構成確認応答を受信し、Slice構成確認応答に基づいて受入れ可と判定すると、判定結果を、Mobility制御部120へ出力する。Mobility制御部120は、判定結果を受けて、SgNB Addition Requestを生成し、セカンダリ基地局100−2へ向けて送信する。
以後、プライマリ基地局100−1とセカンダリ基地局100−2、端末200、及びAMF300は、Secondary gNB Addition Procedure(S132〜S134)を実行し、基地局100−2をセカンダリ基地局100−2として追加する。そして、端末200は、プライマリ基地局100−1とセカンダリ基地局100−2との間で複数の周波数を利用して同時に無線通信を行って、データなどを送受信する。
なお、図22に示す例においても、セカンダリ基地局100−2は、シーケンス例2と同様に、「代替Slice構成」に代替のSliceの情報を挿入したSlice構成確認応答を送信してもよい。この場合、図10に示すシーケンス例が実行される。ただし、図10において、Xnハンドオーバの処理(S15〜S21)に代えて、Secondary gNB Addition Procedure(S132〜S134)が行われる。なお、プライマリ基地局100−1は、端末200へ、RRC connection reconfiguration completeを送信している(S133)。このメッセージは、例えば、端末200に対する、セカンダリ基地局100−2への接続指示を表している。
また、セカンダリ基地局100−2は、シーケンス例3やシーケンス例4と同様に、「NewCreate」に新たなSliceに関する情報を挿入したSlice構成確認応答を送信してもよい。この場合、図11や図16に示すシーケンス例が実行される。ただし、Xnハンドオーバの処理(S15〜S21)に代えて、Secondary gNB Addition Procedure(S132〜S134)が行われる。
図23は、プライマリ基地局100−1の動作例を表すフローチャートである。
プライマリ基地局100−1は、Measurement Reportを受信すると(S31)、Slice構成確認要求をセカンダリ基地局100−2へ送信する(S32)。そして、プライマリ基地局100−1は、Slice構成確認応答をセカンダリ基地局100−2から受信する(S33)。
プライマリ基地局100−1は、判定処理の結果、セカンダリ基地局100−2がSliceを受け入れ可能と判定すると(S34でOK)、SgNB Addition Requestをセカンダリ基地局100−2へ送信する(S141)。以後、プライマリ基地局100−1は、Secondary gNB Addition Procedureを実行し(S142)、一連の処理を終了する(S142)。
一方、プライマリ基地局100−1は、判定処理の結果、セカンダリ基地局100−2がSliceを受け入れ不可、と判定すると(S34でNG)、基地局100−2をセカンダリ基地局として追加することなく(S144)、一連の処理を終了する(S143)。この場合は、例えば、Slice管理制御処理部130は、Slice構成確認応答に基づいて、受入れ不可、と判定すると、その判定結果を、Mobility制御部120へ出力する。Mobility制御部120は、その判定結果を受けて、以後、基地局100−2をセカンダリ基地局として追加する処理を行わない。
図24は、セカンダリ基地局100−2の動作例を表すフローチャートである。
セカンダリ基地局100−2は、シーケンス例1と同様に、Slice構成確認要求を、プライマリ基地局100−1から受信すると(S51)、Slice構成確認応答を生成し、生成したSlice構成確認応答を、プライマリ基地局100−1へ送信する(S52)。
そして、セカンダリ基地局100−2は、プライマリ基地局100−1から、SgNB Addition Requestを受信し(S151)、以後、Secondary gNB Addition Procedureを実行し(S152)、一連の処理を終了する(S153)。
このようにシーケンス例5においても、プライマリ基地局100−1では、Measurement Reportを受信すると、Slice構成情報(を含むSlice構成確認要求)をセカンダリ基地局100−2へ送信している(S11)。セカンダリ基地局100−2も、Slice構成情報に応答して、Slice構成確認応答をプライマリ基地局100−1へ送信している。これにより、例えば、プライマリ基地局100−1では、端末200に提供するサービスをサポートするSliceを、セカンダリ基地局100−2でもサポートしているか否かを確認することが可能となる。この確認により、プライマリ基地局100−1は、セカンダリ基地局100−2でもSliceをサポートしていると判定すると、追加要求をセカンダリ基地局100−2へ送信する。従って、端末200はDCにより接続先を追加しても、セカンダリ基地局100−2でも、プライマリ基地局100−1と同じSliceをサポートしているため、継続したサービスの提供を、セカンダリ基地局100−2から受けることが可能となる。
<6.シーケンス例6>
次に、シーケンス例6について説明する。シーケンス例6は、ハンドオーバの例であり、HO RequestにSlice構成情報を含めて送信する例である。
図25は、シーケンス例6のシーケンス例を表す図である。
ソース基地局100−1は、Measurement Reportを受信すると(S10)、Slice構成情報を含むHO Requestを生成し、生成したHO Requestをターゲット基地局100−2へ送信する(S160)。
図26は、HO Requestに含まれる情報要素の例を表す図である。図26に示すように、HO Requestに含まれる情報要素の一つとして、「Slice構成情報」が含まれる。「Slice構成情報」は、例えば、シーケンス例1において、Slice構成確認要求(例えば図6(B))に含まれる「Slice構成情報」と同一である。
例えば、ソース基地局100−1は、以下の処理を行う。すなわち、Slice管理制御処理部130は、Mobility制御部120からHandover Reportを受け取ると、Slice情報テーブル140からSlice構成に関する情報を読み出し、これをSlice構成情報として、Mobility制御部120へ出力する。Mobility制御部120は、Slice構成情報を受け取ると、Slice構成情報を含むHO Requestを生成する。Measurement Reportには、ハンドオーバ先の基地局100−2の識別情報も含まれるため、Mobility制御部120は、この識別情報を利用して、生成したHO Requestを、Xn−IF処理部170を介して、ターゲット基地局100−2へ送信する。
図25に戻り、ターゲット基地局100−2は、HO Requestを受信すると、HO RequestからSlice構成情報を抽出して、端末200にサービスを提供する際に要求されるSliceを確認する(S12)。
そして、ターゲット基地局100−2は、受入れ可否を判定し、その結果を含むHO Request ACKを生成し、ソース基地局100−1へ送信する(S13)。
図27は、HO Request ACKに含まれる情報要素の例を表す図である。図27に示されるように、HO Request ACKには、「要求Slice構成判定結果」、「代替Slice構成」、及び「NewCreate」が含まれる。「要求Slice構成判定結果」、「代替Slice構成」、及び「NewCreate」は、例えば、シーケンス例1において、Slice構成確認応答(例えば図7)に含まれる「要求Slice構成判定結果」、「代替Slice構成」、及び「NewCreate」と同一である。この場合、シーケンス例1と同様に、「代替Slice構成」と「NewCreate」はいずれか一方がHO Request ACKに含まれてもよいし、双方とも含まれてもよい。
例えば、ターゲット基地局100−2は、以下の処理を行う。すなわち、Slice管理制御処理部130は、Xn−IF処理部170などを介して、HO Requestを受信すると、HO RequestからSlice構成情報を抽出し、受入れ可否を判定する。判定は、シーケンス例1と同一でもよい。Slice管理制御処理部130は、その判定結果(「要求Slice構成判定結果」)を含むHO Request ACKを生成する。このとき、Slice管理制御処理部130は、代替となるSlice構成があればそのSlice構成の情報(「代替Slice構成」)をSlice情報テーブル140から読み出し、その情報をHO Request ACKに含めるようにする。また、このとき、Slice管理制御処理部130は、新たなSlice構成を提示する場合はそのSlice構成に関する情報(「NewCreate」)をHO Request ACKに含める。Slice管理制御処理部130は、生成したHO Request ACKをXn−IF処理部170を介してソース基地局100−1へ送信する。
なお、端末200に関する識別情報について、図26と図27の例では、「MME US S1AP ID」、「eNB UE S1AP ID」と記載しているが、これらのIDに代えて、それぞれ「AMF_DAP_ID」や「UE_SAP_ID」としてもよい。
図25に戻り、ソース基地局100−1は、HO Request ACKを受信すると、受入れ可否の判定を行い(S14)、以降は、シーケンス例1と同一の処理が行われる(S17〜S21,S63〜S64)。
例えば、ソース基地局100−1のSlice管理制御処理部130は、HO Request ACKを受信すると、HO Request ACKから、「要求Slice構成判定結果」を抽出し、これに基づいて、シーケンス例1と同一の判定処理を行う。また、Slice管理制御処理部130は、HO Request ACKから、「代替Slice構成」を抽出し、これに基づいて、シーケンス例2と同一の判定処理を行ってもよい。さらに、Slice管理制御処理部130は、HO Request ACKから、「NewCreate」を抽出し、これに基づいて、シーケンス例3,4と同一の判定処理を行ってもよい。
図28は、ソース基地局100−1の動作例を表すフローチャートである。
ソース基地局100−1は、Measurement Reportを受信すると(S31)、Slice構成情報を含むHandover Requestを生成し、ターゲット基地局100−2へ送信する(S171)。
次に、ソース基地局100−1は、Handover Request ACKを受信すると(S172)、判定処理を行う(S34)。
ソース基地局100−1は、受入れ可と判定すると(S34でOK)、Handover Commandを端末200へ送信し、以後、Xnハンドオーバを行う(S174〜S175)。一方、ソース基地局100−1は、受入れ不可と判定すると(S34でNG)、Handover RequiredをAMF300へ送信し、NGハンドオーバを行う(S39〜S40,S175)。
図29は、ターゲット基地局100−2の動作例を表すフローチャートである。
ターゲット基地局100−2は、処理を開始すると(S180)、Slice構成情報を含むHO Requestを受信して(S181)、受入れ可否の判定を行う。ターゲット基地局100−2は、その判定結果を含むHandover Request ACKを生成し、ソース基地局100−1へ送信する(S182)。そして、ターゲット基地局100−2は、以後、Xnハンドオーバを実行する(S183〜S184)。
このようにシーケンス例6においても、ソース基地局100−1は、Measurement Reportを受信すると、Slice構成確認要求により、例えば、端末200にサービスを提供することができるSliceに関する情報を送信する(S11)。そして、ソース基地局100−1は、そのSliceでターゲット基地局100−2が受け入れ可能なことを確認すると(S12〜S14)、Handover Requestをターゲット基地局100−2へ送信する(S15)。従って、ソース基地局100−1は、端末200に対してサービスの継続が可能なSliceをサポートしているターゲット基地局100−2に対して、Handover Requestを送信している。そのため、ターゲット基地局100−2は端末200に対して、継続したサービスを提供できる。
[その他の実施の形態]
次に、その他の実施の形態について説明する。
上述した実施の形態で、Slice構成確認要求(例えば図6(B))やSlice構成確認応答(例えば図7)では、端末200を識別する情報として、「UE_DAP_ID」と「AMF_SAP_ID」の2つの例があることを説明した。例えば、端末200を識別する情報としては、いずれか1つでもよい。このことは、例えば、New Slice作成依頼(例えば図12(A)や図17(A))、New Slice作成要求(例えば図17(A))、HO Request(例えば図26)、Handover Request ACK(例えば図27)につても同様である。
また、上述した実施の形態で、Slice構成確認応答には「代替Slice構成」と「NewCreate」が含まれる例について説明した。Slice構成確認応答は、「代替Slice構成」と「NewCreate」のいずれか1つが含まれてもよい。「代替Slice」が含まれる例として、シーケンス例2、「New Create」が含まれる例として、シーケンス例3とシーケンス例4を説明した。例えば、Slice構成確認応答に「代替Slice」と「NewCreate」の双方が含まれて、シーケンス例2とシーケンス例3の組み合わせや、シーケンス例2とシーケンス例4の組み合わせが実施されてもよい。
図30は、無線通信システム10の構成例を表す図である。
無線通信システム10は、第1及び第2の基地局装置100−1,100−2と端末装置200とを備える。第1及び第2の基地局装置100−1,100−2は、例えば、第1の実施の形態における基地局100−1,100−2にそれぞれ対応する。
第1の基地局装置100−1は、無線処理部150と第1のネットワークスライス管理制御処理部130−1を備える。第1のネットワークスライス管理制御処理部130−1は、例えば、第1の実施の形態における、ソース基地局(又はプライマリ基地局)100−1のSlice管理制御処理部130に対応する。
無線処理部150は、端末装置200で測定された第1の基地局装置100−1と端末装置200との間の無線品質の測定結果を含む情報を端末装置200から受信する。
第1のネットワークスライス管理制御処理部130−1は、測定結果を含む情報を受信したとき、ネットワークスライス構成情報を第2の基地局装置100−2へ送信する。ネットワークスライス構成情報は、第1の基地局装置100−1が端末装置200へサービスを提供する際に第1の基地局装置100−1が接続しているネットワークの構成を示す情報である。ネットワークスライス構成情報は、例えば、第1の実施の形態におけるSlice構成情報に対応する。
第2の基地局装置100−2は、第2のネットワークスライス管理制御処理部130−2を備える。第2のネットワークスライス管理制御処理部130−2は、例えば、第1の実施の形態における、ターゲット基地局(又はセカンダリ基地局)100−2のSlice管理制御処理部130に対応する。
第2のネットワークスライス管理制御処理部130−2は、ネットワークスライス構成情報を受信すると、ネットワーク構成を第2の基地局装置100−2が受け入れるか否かを示すネットワークスライス構成確認応答を第1の基地局装置100−1へ送信する。
このように、本実施の形態では、第1の基地局装置100−1は、測定結果を受信すると、ネットワークスライス構成情報を第2の基地局装置100−2へ送信する。そして、第1の基地局装置100−1は、第2の基地局装置100−2からネットワークスライス構成確認応答を受信することで、第2の基地局装置100−2がそのネットワーク構成を受入れ可能か否かを確認できる。これにより、例えば、第1の基地局装置100−1は、第1の基地局装置100−1と同様に第2の基地局装置100−2が端末200に対して継続したサービスを提供できるか否かを確認することが可能となる。よって、第1の基地局装置100−1は、サービスを継続して提供できることを確認すると、第2の基地局装置100−2に対して、ハンドオーバ要求を送信したり、セカンダリ基地局として追加要求を送信したりすることが可能となる。これにより、無線通信システム10は、端末200に対して、継続したサービスを提供することが可能となる。