以下、添付図面を参照しながら、本発明の第1の実施形態〜第4の実施形態について説明し、本発明の理解に供する。また、以下の各実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
[第1の実施形態]
まず、図1〜図51を参照しつつ、本発明の第1の実施形態に係る遊技機10について説明する。
[遊技機10の概略構成]
ここで、図1は遊技機10の外観斜視図、図2及び図3は遊技機10の展開図、図4は遊技機10の遊技盤31の正面図である。以下、本実施形態で使用する前後左右及び上下の表現は、図1〜図3に示されている前後方向D1、上下方向D2、及び左右方向D3により定義されるものとする。
図1〜図3に示すように、遊技機10は、前面枠11、内枠12、裏パックユニット13、及び外枠14を備えるパチンコ遊技機であり、遊技ホールの島設備(不図示)に外枠14が固定されることにより遊技ホールに設置される。なお、本実施形態では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を例に挙げて説明するが、例えば回胴式遊技機(スロットマシン)、アレンジボール遊技機、じやん球遊技機のような他の遊技機にも本発明が適用可能である。
[前面枠11の構成]
前面枠11は、外枠14で左端部が回動可能に支持されることにより外枠14に対して開閉可能である。また、内枠12は、前面枠11で左端部が回動可能に支持されることにより前面枠11に対して開閉可能である。さらに、裏パックユニット13は、内枠12で左端部が回動可能に支持されることにより内枠12に対して開閉可能である。
前面枠11は、操作ボタン20、発射ハンドル22、上皿23、下皿24、パネル25、スピーカ26、及び電飾部27などを備える。
操作ボタン20は、上皿23の前方に設けられている。操作ボタン20は、押下操作の有無に応じて、後述の音声ランプ制御装置5に対する入力信号を切り換える操作スイッチ20a(図5参照)を備える。これにより、音声ランプ制御装置5では、操作ボタン20の操作状態(操作あり及び操作なし)を判断することが可能である。この操作ボタン20は、大当たり抽選での抽選結果を遊技者に明示する変動遊技で実行される変動遊技演出における予め定められた特定期間での遊技者による操作ボタン20に対する操作を契機として実行される操作ボタン演出などを実行させるために操作される。
なお、操作ボタン20の設置位置は、上皿23の前方に限らず、遊技者が操作可能な位置であれば前面枠11の任意の位置であってよい。また、操作ボタン20は、一つに限らず二つ以上であってもよい。
また、操作ボタン20に代えて、タッチキーを表示し、そのタッチキーの遊技者による操作を受け付けるタッチパネルが設けられることも考えられる。また、操作ボタン20は、ジョグダイヤルを備えたものであってもよい。これらの場合には、変動遊技演出においてタッチパネル又はパネル25に対する遊技者の操作が操作ボタン演出などに反映されることになる。
発射ハンドル22は、遊技者が遊技球を発射させるために操作する回転式ハンドルである。遊技機10では、遊技者による発射ハンドル22の回転操作量に応じた強さで後述の遊技球発射機構32から遊技球が発射されることにより基本的な遊技が行われる。遊技機10では、遊技者により発射ハンドル22が操作されている状況では、0.6secに1個の遊技球が遊技領域に向けて発射されるように遊技球発射機構32が駆動制御される。
上皿23は、パネル25の下方に配置されており、後述の払出機構130の払出装置132から払い出された遊技球を貯留し、貯留されている遊技球を1列に整列させた状態で遊技球発射機構32に導くために用いられる。また、下皿24は、上皿23のさらに下方に設けられており、上皿23で余剰となった遊技球を貯留するために用いられる。
パネル25は、遊技者が遊技機10の前方から内枠12の遊技盤31を視認することのできる無色透明又は有色透明のガラス又は合成樹脂である。スピーカ26は、前面枠11の上端部の左右に設けられた一対のスピーカであり、音声を出力する音声出力演出を実行する。なお、スピーカ26の設置位置は、前面枠11の上端部に限らない。また、電飾部27は、表示ランプ、LEDなどの光源を内蔵しており、点灯色、点灯又は消灯などの点滅態様によりランプ演出を実行する。
[内枠12の構成]
図2及び図3に示すように、内枠12は、遊技盤31、遊技球発射機構32、及び制御ユニット33を備える。なお、図2では図示の簡略化のために遊技盤31の盤面上の記載を省略している。
制御ユニット33は、メイン制御ユニット331及びサブ制御ユニット332を有する。なお、遊技機10では、メイン制御ユニット331からサブ制御ユニット332の一方向に、制御内容を指示するためのコマンド(制御信号)が送信される。メイン制御ユニット331及びサブ制御ユニット332の詳細については後段で詳述する。
図4に示すように、遊技盤31には、内レール311、外レール312、一般入賞口313、第1入賞口314、第2入賞口315、可変入賞口316、スルーゲート317、アウト口318、可変表示ユニット34及びメイン表示部37が設けられている。
内レール311及び外レール312は、遊技球発射機構32から発射された遊技球を遊技盤31の盤面上の遊技領域に向けて送り出すための搬送路である。そして、内レール311及び外レール312から発射された後、一般入賞口313、第1入賞口314、第2入賞口315又は可変入賞口316に入球しなかった遊技球はアウト口318から排出される。
ここで、遊技球発射機構32は、図2に示すように、発射レール321、球送り装置322、及びソレノイド323を備える。発射レール321は、遊技球発射機構32から遊技盤31の内レール311及び外レール312に向けて形成されており、遊技球発射機構32から発射される遊技球を内レール311及び外レール312に導くものである。球送り装置322は、ソレノイドなどの駆動手段を有しており、上皿23に貯留されている遊技球を1球ずつ発射レール321上に供給する。ソレノイド323は、発射レール321上に供給された遊技球を内レール311及び外レール312に向けて発射させる駆動手段である。そして、遊技機10では、遊技者による発射ハンドル22の操作に応じてソレノイド323が駆動制御され、遊技球が遊技球発射機構32から遊技盤31に発射される。なお、遊技球発射機構32は、ソレノイド323に代えてモーターなどの他の駆動手段を用いて遊技球を発射させる機構であってもよい。
図4の説明に戻り、一般入賞口313、第1入賞口314、第2入賞口315、可変入賞口316、及びアウト口318には、遊技盤31を前後方向に貫通する開口部が形成されている。そして、遊技盤31の背面側には、一般入賞口313、第1入賞口314、第2入賞口315、及び可変入賞口316各々に対応して、遊技球の入球を個別に検出可能な入球センサ313a,314a,315a,316a(図5参照)が設けられている。また、一般入賞口313、第1入賞口314、第2入賞口315、可変入賞口316、及びアウト口318の開口部を通過した遊技球は、遊技盤31の背面側に集められることで後述のアウト玉センサ35(図5参照)によって検出される。また、スルーゲート317は、遊技球が通過し得るゲートであり、スルーゲート317を通過する遊技球を個別に検出可能な入球センサ317a(図5参照)を有する。遊技盤31では、遊技盤31に送り出された遊技球が遊技盤31の右側を通過する場合、即ち右打ちしている場合に遊技球がスルーゲート317を通過する可能性がある。
入球センサ313a〜317a及びアウト玉センサ35(図5参照)はメイン制御ユニット331に電気的に接続されており、入球センサ313a〜317a及びアウト玉センサ35の検出結果はメイン制御ユニット331に入力される。メイン制御ユニット331(MPU41)は、入球センサ313a〜317aでの検出結果に応じて払出制御装置7に遊技球の払い出しを行わせるコマンドを送信する。以下、入球センサ313a〜317aにより遊技球の入球が検出されることを入賞と称することがある。また、メイン制御ユニット331(MPU41)は、アウト玉センサ35での検出結果に基づいてアウト玉数をカウントする。ここでカウントされるアウト玉数は、遊技球発射機構32によって遊技盤31に打ち出された発射遊技球数と一致する。なお、入球センサ313a〜317a及びアウト玉センサ35は、例えば電磁誘導型の近接センサであるが、他の検出手法により遊技球の入球を個別に検知することが可能な任意のセンサであってもよい。
また、第2入賞口315には、遊技球の第2入賞口315への入球の制限の有無を切り換える電動役物315bが設けられている。電動役物315bは、遊技盤31の背面側に設けられたソレノイドなどの駆動手段によって開閉される。そして、遊技盤31では、電動役物315bが開くことにより第2入賞口315への遊技球の入球が可能となり、電動役物315bが閉じることにより第2入賞口315への遊技球の入球が制限される。
さらに、可変入賞口316には、遊技球の可変入賞口316への入球の制限の有無を切り換える開閉扉316bが設けられている。開閉扉316bは、遊技盤31の背面側に設けられたソレノイドなどの駆動手段によって開閉される。そして、遊技盤31では、開閉扉316bが開くことにより可変入賞口316への遊技球の入球が可能となり、開閉扉316bが閉じることにより可変入賞口316への遊技球の入球が制限される。
遊技機10では、第1入賞口314又は第2入賞口315への遊技球の入球が入球センサ314a又は入球センサ315aによって検出されると、メイン制御ユニット331により大当たり抽選が行われる。そして、メイン制御ユニット331は、大当たり抽選での抽選結果に従ってメイン表示部37の表示を制御する。また、メイン制御ユニット331による抽選結果は、サブ制御ユニット332に送信され、サブ制御ユニット332は、抽選結果に従って可変表示ユニット34の表示などを制御する。
また、遊技機10では、一般入賞口313、第1入賞口314、第2入賞口315、及び可変入賞口316への遊技球の入球が、入球センサ313a〜316aによって検出されると、予め設定された数の賞球が払い出される。例えば、一般入賞口313に入球した場合の賞球数は10個、第1入賞口314又は第2入賞口315に入球した場合の賞球数は3個、可変入賞口316に入球した場合の賞球数は13個である。特に、遊技機10では、メイン制御ユニット331で行われた抽選結果が大当たりである場合に大当たり遊技状態(特別遊技状態)に移行し、可変入賞口316が開放される後述のラウンド遊技(単位遊技)が所定回数(例えば5回、16回)繰り返されることにより、多量の賞球の払い出しが期待できる。
また、第1入賞口314又は第2入賞口315に遊技球が入賞すると、大当たり抽選が実行される。そして、抽選結果が当選である場合は通常遊技状態よりも有利な予め定められた大当たり遊技状態に移行する。なお、本実施形態では、大当たり遊技状態には、5R大当たり遊技状態(5R通常大当たり遊技状態及び5R確変大当たり遊技状態)、及び16R確変大当たり遊技状態が含まれる。5R大当たり遊技状態は、所定時間が経過するまで、又は可変入賞口316に所定数(例えば9)以上の遊技球が入賞するまで可変入賞口316が開放されるラウンド遊技(単位遊技)が5回行われる開閉実行モードを含む遊技状態である。16R確変大当たり遊技状態は、ラウンド遊技(単位遊技)が16回行われる開閉実行モードを含む遊技状態であり、5R大当たり遊技状態よりも多量の賞球の払い出しが期待でき、5R大当たり遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態である。
可変表示ユニット34は、遊技盤31の略中央部に形成されている開口31Aを通して視認可能に配置された液晶ディスプレイなどの図柄表示部341を有している。この図柄表示部341は、静止画又は動画を表示するものであり、図柄表示部341の表示内容は、サブ制御ユニット332によって制御される。具体的に、図柄表示部341では、第1入賞口314又は第2入賞口315への入球に応じてメイン制御ユニット331により行われる大当たり抽選での抽選結果に応じた図柄変動表示及び変動遊技演出表示のような種々の表示が行われる。なお、図柄表示部341は、本発明の画像表示手段の一例である。また、図柄表示部341は、ドットマトリクスディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイなどであってもよく、液晶ディスプレイ又はプラズマディスプレイと、有機ELディスプレイとを組み合わせたものであってもよい。
例えば、図柄表示部341における図柄変動表示は、例えば「1」〜「9」の数字が付された複数種類の主図柄が縦方向、横方向、斜め方向などに順にスクロールすることにより行われる。なお、主図柄の間には他の文字又は図柄などの副図柄が表示されてもよい。また、本実施形態では、副図柄はなく、主図柄の種類が「1」〜「9」の9種類である。
遊技機10では、変動遊技において、図柄表示部341における図柄変動表示の開始から予め設定されている変動表示時間の経過後に、全ての主図柄の変動が停止するように図柄変動表示が実行される。より具体的に、図柄変動表示では、まず予め設定されている変動方向(例えば横方向、縦方向など)に沿って主図柄が全て変動し、複数の主図柄の変動が順に停止する。そして、全てのラインにおける主図柄の変動が停止して所定時間が経過すると、当該図柄変動表示が終了する。
図柄表示部341における図柄変動表示が終了すると、図柄表示部341では、1又は複数の有効ラインに主図柄が並んだ状態が表示されることになる。このとき、主図柄の停止状態が、メイン制御ユニット331による大当たり抽選での抽選結果を明示又は示唆することになる。例えば、抽選結果が「5R確変大当たり」、「16R確変大当たり」又は「5R通常大当たり」である場合には、同じ図柄の主図柄が有効ラインで並んだ状態が表示され、大当たりであることが明示される。また、大当たり種別については、有効ラインにおける主図柄の組み合わせによって明示される場合もあるが、必ずしも明示される訳ではない。具体的には、例えば、抽選結果が「16R確変大当たり」の場合には、主図柄のうち16R確変大当たりを示す図柄組み合わせとして設定された、例えば「777」の図柄組み合わせが有効ラインで並んだ状態が表示されるか、「777」以外の同じ図柄の組み合わせが有効ラインで並んだ状態が表示される。また、抽選結果が「5R確変大当たり」の場合には、主図柄のうち予め5R確変大当たりを示す図柄組み合わせとして設定された、例えば「333」などの図柄組み合わせが有効ラインで並んだ状態が表示されるか、「777」や「333」などの16R確変大当たり又は5R確変大当たりを示す図柄の組み合わせ以外の同じ図柄の組み合わせが有効ラインで並んだ状態が表示される。また、抽選結果が「5R通常大当たり」の場合には、主図柄のうち予め通常大当たりを示す図柄組み合わせとして設定された、例えば「222」や「444」などの確変大当たりを示す図柄の組み合わせ以外の同じ図柄の組み合わせが有効ラインで並んだ状態が表示される。また、抽選結果が「外れ」の場合には、異なる主図柄の組み合わせが有効ラインで並んだ状態(例えば「323」又は「723」など)が表示される。
また、図柄表示部341には、変動遊技において主図柄の変動表示と共に、大当たり抽選での抽選結果が大当たりであることの期待度を示唆する変動遊技演出が表示される。なお、抽選結果が「16R確変大当たり」の場合に16R確変大当たりを示す主図柄の組み合わせ以外の大当たり図柄組み合わせが有効ラインに並んだ状態が表示された場合には、変動遊技演出として、5R確変大当たり又は5R通常大当たりであることを示唆する示唆演出が実行される。この場合、大当たり遊技演出において、当該変動遊技に対する抽選結果が16R確変大当たりであることを明示する昇格演出が実行される。同様に、抽選結果が「5R確変大当たり」の場合に確変大当たりを示す主図柄の組み合わせ以外の大当たり図柄組み合わせが有効ラインに並んだ状態が表示された場合には、変動遊技演出として、5R通常大当たりであることを示唆する示唆演出が実行される。この場合、大当たり遊技演出において、当該変動遊技に対する抽選結果が5R確変大当たりであることを明示する昇格演出などが実行される。
さらに、図柄表示部341には、遊技状態が大当たり遊技状態に移行した場合、オープニング演出、開閉実行モード演出及びエンディング演出を含む大当たり遊技演出が表示される。
図柄表示部341の正面側の左側領域には、液晶ディスプレイなどのサブ画像表示部38が設けられている。このサブ画像表示部38では、変動遊技や大当たり遊技において図柄表示部341と共に遊技演出が実行される。また、サブ画像表示部38では、変動遊技や大当たり遊技における出玉性能に関する情報(性能情報)を遊技者に示唆する演出が実行される。性能情報の詳細は後述するが、この性能情報には、例えば遊技設定値、単位大当たり抽選回数情報、ベース情報、連続役物比率情報、役物比率情報、などが含まれる。なお、サブ画像表示部38は、ドットマトリクスディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイなどであってもよく、液晶ディスプレイ又はプラズマディスプレイと、有機ELディスプレイとを組み合わせたものであってもよい。
また、遊技盤31には、磁石センサや電波センサ(共に不図示)を設けることも考えられる。磁石センサは、例えば第1入賞口314や可変入賞口316の周辺に設けられる。磁石センサは、メイン制御ユニットに電気的に接続され、磁石センサの検知結果はメイン制御ユニット331に入力される。これにより、磁石を用いて不正に第1入賞口314や可変入賞口316に遊技球を誘導させようとする行為が行われた場合に、その不正行為を検知することが可能である。一方、電波センサは、例えば第1入賞口314や第2入賞口315の周辺に設けられる。電波センサは、メイン制御ユニット331に電気的に接続されており、電波センサの検知結果はメイン制御ユニット331に入力される。これにより、不正に入球センサ314a,315aに電波を入力して遊技球の入球を誤検知させる行為が行われた場合に、その不正行為を検知することが可能である。なお、電波センサは、例えば50MHz〜3GHzの電波を検知可能である。
メイン表示部37では、遊技盤31の右上部に配置されたLED対371、2つの7セグメント表示器372,373及びLED群374を備える。LED対371は、スルーゲート317への入賞をトリガとして、メイン制御ユニット331における電動役物315bを開放するか否かの抽選の結果が点灯及び消灯の組み合わせ(点灯パターン)によって表示される。7セグメント表示器372では、第1入賞口314への入賞をトリガとして図柄の変動表示が行われ、メイン制御ユニット331における大当たり抽選での抽選結果に応じた図柄が停止表示される。7セグメント表示器373では、第2入賞口315への入賞をトリガとして図柄の変動表示が行われ、メイン制御ユニット331における大当たり抽選での抽選結果に応じた図柄が停止表示される。LED群374では、第1入賞口314及び第2入賞口315への入賞により生じた変動表示の保留数N及び保留数Mが複数のLEDの点灯パターンによって表示される。
[裏パックユニット13]
図3に示すように、裏パックユニット13は、払出機構130及び周辺制御ユニット140を備える。
払出機構130は、遊技ホールの島設備(不図示)から供給される球技球を貯留するタンク131と、タンク131から上皿23に向けて遊技球を払い出す払出装置132とを備える。なお、上皿23の遊技球が飽和している場合、払出装置132から払い出される遊技球は下皿24に払い出される。
図5に示すように、周辺制御ユニット140は、払出制御装置7、発射制御装置8、及び電源制御装置9を備える。払出制御装置7は、払出装置132による遊技球の払出玉数などを制御する。発射制御装置8は、発射ハンドル22の操作に応じて遊技球発射機構32を制御する。電源制御装置9は、遊技機10が接続された島設備(不図示)から供給される電力を所定の電圧レベルに変換し、遊技機10内に設けられた制御装置及び駆動手段に供給する。
[遊技機10のシステム構成]
次に、図5〜図12を参照しつつ、遊技機10のシステム構成について説明する。
[メイン制御ユニット331]
図5に示すように、メイン制御ユニット331は、遊技機10における遊技の主たる制御を実行する主制御装置4を備える。主制御装置4は、予め設定された大当たり遊技状態への移行の抽選として、大当たり抽選を実行する。主制御装置4は、MPU41、入出力I/F42及び性能情報表示装置4Aを備える。
MPU41は、1チップマイコンとして構成された演算装置であり、本発明の主制御手段の一例である。また、MPU41には、ROM411及びRAM412が内蔵されている。MPU41は、ROM411などに記憶されている制御プログラムに従って処理を実行する。また、主制御装置4で実行される処理の一部又は全部は電子回路によって実行されてもよい。
入出力I/F42は、主制御装置4に信号を入力し、主制御装置4から制御信号を出力する入出力インターフェースである。また、入出力I/F42には、入球センサ313a〜317a、アウト玉センサ35、及びメイン表示部37などが接続されている。そして、MPU41は、入球センサ313a〜317aからの検出信号に基づいて一般入賞口313、第1入賞口314、第2入賞口315、可変入賞口316、及びスルーゲート317への入球の有無を判断する。また、MPU41は、アウト玉センサ35からの検出信号に基づいてアウト玉数(発射玉数)をカウントする。さらに、入出力I/F42には、音声ランプ制御装置5、払出制御装置7、発射制御装置8、及び電源制御装置9などが接続されている。
そして、MPU41は、音声ランプ制御装置5に、変動パターンコマンド、第1保留コマンド、第2保留コマンド、シフトコマンド、大当たり開始コマンド、ラウンド遊技開始コマンド、エンディング開始コマンド、大当たり遊技終了コマンド、遊技設定値変更コマンド、単位大当たり抽選回数更新コマンドなどのコマンドを出力する。
変動パターンコマンドは、変動表示時間及び大当たり抽選での抽選結果を音声ランプ制御装置5に通知するコマンドであり、大当たり抽選での抽選結果が大当たりである場合には大当たり種別に関する情報を含む。変動パターンコマンドは、メイン表示部37による図柄変動表示を開始する際に、後述の保留格納エリア412bに記憶されている情報に基づいて、後述の図19の変動開始処理でのステップS1605において設定される。なお、変動パターンコマンドは、変動表示時間のみを音声ランプ制御装置5に通知するコマンドであってもよい。この場合、大当たり抽選での抽選結果や大当たり種別を音声ランプ制御装置5に通知するコマンドは、変動パターンコマンドとは別のコマンドとして設定される。
第1保留コマンド及び第2保留コマンドは、後述の保留格納エリア412bに記憶されている保留数N又は保留数Mが増加する際に、増加した保留に対する大当たり抽選での抽選結果、変動パターン、及び保留数N又は保留数Mを音声ランプ制御装置5に通知するコマンドである。第1保留コマンド及び第2保留コマンドは、保留数N又は保留数Mの増加があった場合に、後述の保留格納エリア412bに記憶されている情報に基づいて設定される(後述の図15の第1保留コマンド設定処理のステップS1207又はステップS1209)。
シフトコマンドは、保留数N又は保留数Mが減少する場合に、第1保留エリアREA1〜第4保留エリアREA4又は第1保留エリアREB1〜第4保留エリアREB4での大当たり抽選での抽選結果を示す当否情報がシフトしたことを音声ランプ制御装置5に通知するコマンドである。シフトコマンドは、後述の図18のデータ設定処理でのステップS1508において設定される。
大当たり遊技開始コマンドは、大当たり遊技が開始すること、即ち遊技状態が大当たり遊技状態に移行することを音声ランプ制御装置5に通知するコマンドであり、大当たり遊技状態に移行する際に、後述の図16のメイン処理での遊技状態移行処理において設定される。また、大当たり遊技開始コマンドは、大当たり遊技が開始することを音声ランプ制御装置5に通知するコマンドであるため、音声ランプ制御装置5では大当たり遊技開始コマンドを受信することで、大当たり遊技が開始されることだけでなく、オープニングが開始されることも把握できる。但し、大当たり開始コマンドとは別にオープニング開始コマンドを設定し、オープニング開始コマンドによって音声ランプ制御装置5にオープニングが開始されることを把握させるようにしてもよい。
ラウンド遊技開始コマンドは、大当たり遊技における開閉実行モードにおいて、各ラウンド遊技を開始すること、及び当該ラウンド遊技が何ラウンド目であるかを示すラウンド数情報を音声ランプ制御装置5に通知するコマンドであり、後述の図16のメイン処理での大当たり遊技制御処理において設定される。なお、音声ランプ制御装置5では、ラウンド遊技開始コマンドによってオープニングが終了し、開閉実行モードが開始されることを把握できるが、ラウンド遊技開始コマンドとは別にオープニングの終了時にオープニング終了コマンドを設定し、又は開閉実行モードが開始時に開閉実行モード開始コマンドを設定するようにしてもよい。また、ラウンド遊技開始コマンドとは別に、ラウンド遊技開始時に、これから開始されるラウンド遊技のラウンド数を示すコマンドを設定し、そのコマンドを音声ランプ制御装置5に送信するようにしてもよい。
大当たり遊技終了コマンドは、大当たり遊技が終了することを音声ランプ制御装置5に通知するコマンドであり、後述の図16のメイン処理での大当たり遊技制御処理において設定される。
遊技設定値変更コマンドは、遊技設定値が変更されたこと、及び変更後の遊技設定値を音声ランプ制御装置5に通知するコマンドであり、後述の図20の遊技設定値変更処理でのステップS1710において設定される。
単位大当たり抽選回数更新コマンドは、通常遊技状態(低確率モードであって高頻度サポートモードではない状態)における一定数のマイナス差玉当たり(例えばマイナス250玉当たり)の、第1入賞口314への入賞を契機としてメイン表示部37の7セグメント表示器372の図柄変動表示が実行された回数(大当たり抽選を受けた回数)を音声ランプ制御装置5に通知するコマンドであり、後述の図21の特定性能情報更新処理でのステップS1805において更新される。
なお、前述のコマンド以外のコマンドが主制御装置4から音声ランプ制御装置5に出力されることがあるがそれらの説明は省略する。
また、主制御装置4には、MPU41に動作クロックを供給する手段として、発振回路及び分周回路なども搭載される。発振回路は、予め定められた所定周波数のクロック信号を出力し、分周回路は、発振回路から出力されるクロック信号の周波数を変更してMPU41に入力する。具体的に、MPU41によって実行される後述の主タイマ割込処理の実行周期は、分周回路から出力されるクロック信号によって定まる。
本実施形態では、分周回路からMPU41に、予め設定された間隔(例えば4msec)でクロック信号が供給され、MPU41が、クロック信号の立ち上がり(又は立下り)が発生するごとに後述の主タイマ割込処理を起動して実行するものとする。なお、発振回路及び分周回路は、サブ制御ユニット332及び周辺制御ユニット140にも必要に応じて搭載され、サブ制御ユニット332及び周辺制御ユニット140における制御主体の動作クロックを供給する。また、メイン制御ユニット331からサブ制御ユニット332及び周辺制御ユニット140にクロック信号が供給されてもよい。
ROM411は、制御プログラム及びパラメータ情報が予め記憶された不揮発性の記憶部である。RAM412は、種々の情報の読み書きが可能な揮発性の記憶部であり、MPU41によって実行される処理の一次記憶領域(作業領域)として使用される。例えば、RAM412は、音声ランプ制御装置5などに送信されるコマンドの設定などに用いられる。なお、RAM412は不揮発性の記憶部であってもよい。
ここで、図6を参照しつつ、遊技機10の主制御装置4のMPU41が大当たり抽選などを行うための記憶領域について説明する。具体的には、MPU41は、RAM412の抽選用カウンタ412a、保留格納エリア412b及び電役保留エリア412cに格納されるカウンタ情報を用いて、大当たり抽選及び変動表示時間の設定などを実行する。
抽選用カウンタ412aには、大当たり当選の抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、大当たり種別を判断する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、外れ種別を判断する際に使用するリーチ乱数カウンタC3とが含まれる。また、抽選用カウンタ412aには、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCIN1と、メイン表示部37及び図柄表示部341における変動表示時間を決定する変動種別カウンタCS1とが含まれる。さらに、抽選用カウンタ412aには、第2入賞口315の電動役物315bを電役開放状態とするか否かの抽選に使用する普通当たり乱数カウンタC4と、普通当たり乱数カウンタC4の初期値設定に使用する普通当たり初期値カウンタCIN2とが含まれる。以下、これらの複数種類のカウンタをまとめて説明する場合は単にカウンタと略称する。
そして、カウンタC1〜C4,CIN1,CIN2,CS1は、MPU41によって短時間間隔で前回値に1が加算され、予め設定された最大値に達した後に0に戻るループカウンタとして用いられる。カウンタC1〜C4,CIN1,CIN2,CS1には更新後の値が記録され、大当たり抽選及び変動表示時間の設定などの際にMPU41によって参照される。
保留格納エリア412bは、第1保留格納エリアREA、第2保留格納エリアREB、及び実行エリアAEを備える。第1保留格納エリアREAは、第1保留エリアREA1、第2保留エリアREA2、第3保留エリアREA3、第4保留エリアREA4、及び保留数記憶エリアNAAを含む。以下、第1保留格納エリアREAに記憶されている各値に基づいて大当たり抽選が行われ、7セグメント表示器372が変動表示及び停止表示する変動遊技の種別を第1特別図柄遊技と称することがある。第2保留格納エリアREBは、第1保留エリアREB1、第2保留エリアREB2、第3保留エリアREB3、第4保留エリアREB4、及び保留数記憶エリアNABを含む。以下、第2保留格納エリアREBに記憶されている各値に基づいて大当たり抽選が行われ、7セグメント表示器373が変動表示及び停止表示する変動遊技の種別を第2特別図柄遊技と称することがある。
そして、第1入賞口314に遊技球が入球した場合には、RAM412に格納されている大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、及び変動種別カウンタCS1に対応する情報が大当たり抽選で用いられる当否情報として取得され、第1保留格納エリアREAの第1保留エリアREA1〜第4保留エリアREA4のいずれかに格納される。また、第2入賞口315に遊技球が入球した場合には、RAM412に格納されている大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、及び変動種別カウンタCS1に対応する情報が大当たり抽選で用いられる当否情報として取得され、第2保留格納エリアREBの第1保留エリアREB1〜第4保留エリアREB4のいずれかに格納される。当否情報の取得処理は、制御プログラムに従った処理を実行することにより、本発明の判定手段として機能するMPU41によって実行される。なお、第1保留格納エリアREA及び第2保留格納エリアREBごとに対応して、抽選用カウンタ412a(大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、及び変動種別カウンタCS1など)が個別に設けられてもよい。
このように、遊技機10では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、及びリーチ乱数カウンタC3に加えて、変動種別カウンタCS1が第1保留格納エリアREAの第1保留エリアREA1〜第4保留エリアREA4及び第2保留格納エリアREBの第1保留エリアREB1〜第4保留エリアREB4のいずれかに格納される。
そのため、第1保留エリアREA1〜第4保留エリアREA4及び第2保留格納エリアREBの第1保留エリアREB1〜第4保留エリアREB4に格納されている当否情報に基づいて実行される変動遊技に対する大当たり抽選の抽選結果に加えて、図柄表示部341で表示される図柄変動表示の変動パターン(変動表示時間)を事前に判断することが可能である。
具体的に、第1入賞口314に遊技球が入球した場合、当否情報は、第1保留エリアREA1、第2保留エリアREA2、第3保留エリアREA3、第4保留エリアREA4の優先順位で空いている領域に格納される。保留数記憶エリアNAAには、第1保留エリアREA1〜第4保留エリアREA4のうち当否情報が記憶されている数が保留数Nとして格納される。
また、第2入賞口315に遊技球が入球した場合、当否情報は、第1保留エリアREB1、第2保留エリアREB2、第3保留エリアREB3、第4保留エリアREB4の優先順位で空いている領域に格納される。保留数記憶エリアNABには、第1保留エリアREB1〜第4保留エリアREB4のうち当否情報が記憶されている数が保留数Mとして格納される。
即ち、遊技機10では、第1保留エリアREA1〜第4保留エリアREA4、及び第1保留エリアREB1〜第4保留エリアREB4の最大保留数に対応する合計8つの記憶領域により、第1入賞口314及び第2入賞口315への入賞履歴としての当否情報をそれぞれ最大4つまで保留することが可能である。
なお、第1入賞口314及び第2入賞口315に共通して最大保留数が8つの保留用エリアが設けられていることも他の実施形態として考えられ、この場合でも合わせて最大8つまで入賞履歴としての当否情報を保留することが可能である。当否情報の記憶処理は、制御プログラムに従った処理を実行することによりMPU41によって実行される。
実行エリアAEは、メイン表示部37及び図柄表示部341における図柄変動表示が開始される際に、第1保留格納エリアREAの第1保留エリアREA1又は第2保留格納エリアREBの第1保留エリアREB1に格納された当否情報を移動させるために用いられる記憶領域である。具体的には、第2保留格納エリアREBの第1保留エリアREB1の当否情報が優先して実行エリアAEに移動され、第2保留格納エリアREBの第1保留エリアREB1に当否情報が存在せず保留数記憶エリアNABが0である場合に、第1保留格納エリアREAの第1保留エリアREA1の当否情報が実行エリアAEに移動される。
なお、第1保留格納エリアREAの保留数記憶エリアNAAに記憶されている保留数Mと第2保留格納エリアREBの保留数記憶エリアNABに記憶されているにおける保留数Nとの差が2以上である場合には、数が多い方の保留用エリアの値が優先して実行エリアAEに移動されることも他の実施形態として考えられる。また、第1保留格納エリアREAの第1保留エリアREA1及び第2保留格納エリアREBの第1保留エリアREB1の当否情報が交互に実行エリアAEに移動されることも他の実施形態として考えられる。
そして、MPU41は、1回の変動遊技の開始に際して、実行エリアAEに当否情報として記憶されている数値情報に基づいて大当たり抽選などを行う。このとき、第1保留格納エリアREAの第1保留エリアREA1が実行エリアAEに移動された場合には、第2保留エリアREA2に格納された当否情報は第1保留エリアREA1にシフトし、第3保留エリアREA3に格納された当否情報は第2保留エリアREA2にシフトし、第4保留エリアREA4に格納された当否情報は第3保留エリアREA3にシフトする。
同じく、第2保留格納エリアREBの第1保留エリアREB1が実行エリアAEに移動された場合には、第2保留エリアREB2に格納された当否情報は第1保留エリアREB1にシフトし、第3保留エリアREB3に格納された当否情報は第2保留エリアREB2にシフトし、第4保留エリアREB4に格納された当否情報は第3保留エリアREB3にシフトする。
大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜637の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後に0に戻される。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCIN1の値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCIN1は、大当たり乱数カウンタC1と同様の範囲内(0〜738)で更新されるループカウンタである。大当たり乱数カウンタC1は、定期的に更新され、遊技球が第1入賞口314又は第2入賞口315に入賞したタイミングで保留格納エリア412bに格納される。
大当たり当選となる乱数の値は、ROM411における当否テーブル記憶エリアに記憶された当否テーブルにより、低確率モード及び確変遊技状態である高確率モードに対応して2種類設定されている。ここで、図7(A)は低確率モードに対応する低確率モード当否テーブル、図7(B)は高確率モードに対応する高確率モード当否テーブルの一例を示す図である。
図7(A)及び図7(B)に示す例では、低確率モード当否テーブル及び高確率モード当否テーブルとして、それぞれ大当たり抽選での抽選結果が大当たりとなる確率(大当たり確率)が遊技設定値に応じて異なる複数の当否テーブルが設けられている。低確率モード当否テーブル及び高確率モード当否テーブルは、4段階の遊技設定値1から4に対応してそれぞれ4つの当否テーブルを含む。遊技設定値4、遊技設定値3、遊技設定値2及び遊技設定値1の順に、大当たり抽選での抽選結果が大当たりとなる大当たり確率が高く遊技者に有利となる。
遊技設定値1では、0〜65535の65536個の乱数値のうち、大当たり抽選での抽選結果が大当たりとなる乱数値の数は、低確率モード当否テーブルについては206個(0〜205)、高確率モード当否テーブルについては824個(0〜823)である。つまり、遊技設定値1では、低確率モードの大当たり確率が約1/318.1(206/65536)であり、高確率モードの大当たり確率が低確率モードの約4倍である約1/79.5(824/65536)である。
遊技設定値2では、0〜65535の65536個の乱数値のうち、大当たり抽選での抽選結果が大当たりとなる乱数値の数は、低確率モード当否テーブルについては213個(0〜212)、高確率モード当否テーブルについては852個(0〜851)である。つまり、遊技設定値2では、低確率モードの大当たり確率が約1/307.7(213/65536)であり、高確率モードの大当たり確率が低確率モードの約4倍である約1/76.9(852/65536)である。
遊技設定値3では、0〜65535の65536個の乱数値のうち、大当たり抽選での抽選結果が大当たりとなる乱数値の数は、低確率モード当否テーブルについては220個(0〜219)、高確率モード当否テーブルについては880個(0〜879)である。つまり、遊技設定値3では、低確率モードの大当たり確率が約1/297.9(220/65536)であり、高確率モードの大当たり確率が低確率モードの約4倍である約1/74.5(880/65536)である。
遊技設定値4では、0〜65535の65536個の乱数値のうち、大当たり抽選での抽選結果が大当たりとなる乱数値の数は、低確率モード当否テーブルについては227個(0〜226)、高確率モード当否テーブルについては908個(0〜907)である。つまり、遊技設定値4では、低確率モードの大当たり確率が約1/288.7(227/65536)であり、高確率モードの大当たり確率が低確率モードの約4倍である約1/72.2(908/65536)である。
なお、大当たり乱数カウンタC1の値がこれらの大当たり当選となる乱数値以外である場合には大当たり抽選での抽選結果が外れとなる。
ここで、低確率モード当否テーブル及び高確率モード当否テーブルでは、同一遊技設定値どうしの大当たり抽選での抽選結果が大当たりとなる乱数が共通するが、大当たりとなる乱数が共通していないことも考えられる。また、大当たり当選となる乱数は、連続した値でなく、一部又は全部が離散した値であってもよい。
また、低確率モード当否テーブル及び高確率モード当否テーブルは、4段階の遊技設定に応じて4つずつ設けられているが、各モードの当否テーブルは少なくとも1つあればよい。つまり、遊技設定は4段階に限定されない。また、低確率モード当否テーブルを複数段階の遊技設定に対応させて複数設ける一方、高確率モード当否テーブルを1つ設けることも考えられる。即ち、低確率モードに対して複数段階の設定を設け、高確率モードに対しては段階的な遊技設定を設けず、大当たり確率を一様とすることも考えられる。もちろん、低確率モードでの大当たり確率を一様とし、高確率モードに対して複数段階の遊技設定を設けてもよい。
大当たり種別カウンタC2は、0〜19の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後に0に戻される。大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が第1入賞口314又は第2入賞口315に入賞したタイミングで保留格納エリア412bに格納される。遊技機10では、ROM411における振分テーブル記憶エリアに記憶された振分テーブルにより、確変大当たり及び通常大当たりの2種類の大当たり種別ごとに対応する大当たり種別カウンタC2の値が設定されている。
ここで、図7(C)は振分テーブルの一例を示す図である。図7(C)に示す例では、変動遊技の種別が第1入賞口314への入賞を契機とする第1特別図柄遊技である場合、5R確変大当たりとなる乱数の数は0〜9の10個であり、16R確変大当たりとなる乱数の数は10〜14の5個であり、5R通常大当たりとなる乱数の数は15〜19の5個である。一方、変動遊技の種別が第2入賞口315への入賞を契機とする第2特別図柄遊技である場合、5R確変大当たりとなる乱数の数は0〜4の5個であり、16R確変大当たりとなる乱数の数は5〜14の10個であり、5R通常大当たりとなる乱数の数は15〜19の5個である。即ち、遊技機10は、第1特別図柄遊技及び第2特別図柄遊技における確変大当たりの確率が同じである、いわゆるループ確変機である。また、遊技機10では、第1特別図柄に比べて第2特別図柄遊技における16R確変大当たりの確率が高く設定されている。即ち、確変遊技状態(高確率モードかつ高頻度サポートモード)では、時短遊技状態(低確率モードかつ高頻度サポートモード)や通常遊技状態(低確率モードかつ非高頻度サポートモード)に比べて、大当たり抽選での抽選結果が大当たりとなった場合の遊技球の獲得期待値が高く設定されている。
なお、本実施形態では、入賞により第1特別図柄遊技を実行する契機となる第1入賞口314、及び入賞により第2特別図柄遊技を実行する契機となる第2入賞口315ごとに個別の振分テーブルが設定されており、遊技球が第1入賞口314及び第2入賞口315のいずれに入賞したかに応じて大当たり種別の振り分け確率が異なるが、第1特別図柄遊技と第2特別図柄遊技とで大当たり種別の振り分け確率が同一であることも考えられる。また、遊技機10は、ループ確変機に限らず、いわゆるST機、V−ST機、一種二種混合機などとして構成することも考えられる。
そして、MPU41は、実行エリアAEに記憶されている大当たり乱数カウンタC1及び大当たり種別カウンタC2の値に基づいて、大当たり抽選での抽選結果が「5R確変大当たり」、「16R確変大当たり」、「5R通常大当たり」、及び「外れ」のいずれであるかを判定する。
ここで、大当たり抽選での抽選結果が5R確変大当たり又は5R通常大当たりの場合は、大当たり遊技において可変入賞口316が開放されるラウンド遊技が5回繰り返される開閉実行モードが実行される。また、大当たり抽選での抽選結果が16R確変大当たりの場合は、大当たり遊技においてラウンド遊技が16回繰り返される開閉実行モードが実行される。
5R確変大当たり又は16R確変大当たりの場合には、大当たり遊技の終了後に大当たりの当選確率が高い高確率モードかつ電動役物315bの開放確率が高い高頻度サポートモードである確変遊技状態に移行する。そして、本実施形態では、確変遊技状態は、MPU41によって大当たり抽選での抽選結果が「5R確変大当たり」、「16R確変大当たり」又は「5R通常大当たり」であると判定されるまで継続する。
一方、5R通常大当たりの場合には、大当たり遊技の終了後に大当たりの当選確率が低い低確率モードかつ電動役物315bの開放確率が高い高頻度サポートモードである時短遊技状態に移行する。そして、本実施形態では、時短遊技状態(低確率モードかつ高頻度サポートモード)は、例えば50回、100回などの予め設定された規定回数の大当たりの抽選での抽選結果を遊技者に報知するまで継続し、又は規定回数の経過前に大当たりの抽選での抽選結果が大当たりであることを遊技者にした場合に終了する。
ところで、遊技機10をループ確変機ではなく、ST機やV−ST機として構成する場合、確変大当たり時における大当たり遊技の終了後に、予め設定された規定回数(例えば50回、100回)の大当たり抽選が確変遊技状態(高確率モードかつ高頻度サポートモード)で実行され、規定回数が経過するまでに大当たり抽選での抽選結果が大当たりとならない場合に、通常遊技状態(低確率モードかつ非高頻度サポートモード)に移行し、高頻度サポートモードが終了する。また、変動遊技において確変遊技状態から時短遊技状態や通常遊技状態への転落抽選を行うことも他の実施形態として考えられる。なお、大当たり抽選での抽選結果が外れの場合には、大当たり遊技状態及び時短遊技状態へは移行されない。本実施形態では、遊技機10が5R確変大当たり、16R確変大当たり及び5R通常大当たりの3種類の大当たり種別を有する場合を例に挙げて説明するが、これに限らず、例えば2ラウンド確変大当たり、2ラウンド通常大当たり、16R通常大当たりなどの他の大当たり種別を有することも考えられる。
また、リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後に0に戻される。リーチ乱数カウンタC3は、定期的に更新され、遊技球が第1入賞口314又は第2入賞口315に入賞したタイミングで保留格納エリア412bに格納される。
遊技機10では、リーチ乱数カウンタC3によって、大当たり抽選での抽選結果が外れである場合に図柄表示部341で表示される変動表示の停止結果の種別が選択される。具体的には、ROM411における外れ種別テーブル記憶エリアに記憶された外れ種別テーブルにより、リーチが発生した後に最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する前後外れリーチ、同じくリーチが発生した後に最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する前後外れ以外リーチ、及びリーチが発生しない完全外れの3種類の外れ種別ごとに対応するリーチ乱数カウンタC3の値が設定されている。
ここで、図7(D)は外れ種別テーブルの一例を示す図である。図7(D)に示す例では、前後外れリーチとなる乱数の値は0〜8であり、前後外れ以外リーチとなる乱数の値は9〜38であり、完全外れとなる乱数の値は39〜238である。なお、MPU41は、5R確変大当たり、16R確変大当たり又は5R通常大当たりに当選する変動遊技、即ち開閉実行モードに移行する変動遊技においては、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なくリーチ発生と判断する。
ここに、リーチとは、図柄表示部341における図柄の変動表示が開始されてから図柄が停止表示されるまでの間に、大当たりに当選したことを示す主図柄の図柄組み合わせになりやすい状態が示される変動状態である。一例において、図柄表示部341における有効ライン上の3つの停止位置のうち2つの停止位置に同一の図柄が停止表示され、残りの1つの停止位置に対応する表示図柄が変動する状態である。また、図柄表示部341におけるリーチの変動状態中には、所定のキャラクタなどの動画が表示されて期待度を示唆するストーリー演出処理や、遊技者による操作ボタン20に対する操作が演出に反映される遊技者参加型の操作演出処理などが実行される。なお、これらの演出処理の実行中には図柄表示部341における変動表示が非表示となること、縮小又は拡大して表示されることも考えられる。
電動役物開放カウンタC4は、例えば、0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後に0に戻される。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート317に遊技球が入賞したタイミングでRAM412における電役保留エリア412cに格納される。そして、所定のタイミングにおいて、電役保留エリア412cに格納された電動役物開放カウンタC4の値によって電動役物315bを所定時間だけ開放状態にするか否かの抽選が行われる。例えば、電動役物開放カウンタC4が0〜199である場合に当選、電動役物開放カウンタC4が200〜250である場合に外れであることが考えられる。
変動種別カウンタCS1は、例えば0〜199の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後に0に戻される。具体的に、変動種別カウンタCS1は、大当たり抽選での抽選結果に応じて、図柄表示部341で表示される図柄変動表示の変動パターン種別(変動表示時間)を決定するものである。このように、変動パターン種別が決定されることで、音声ランプ制御装置5では、高速変動演出(基本演出、非リーチ演出)、ノーマルリーチ演出、スーパーリーチ演出、スペシャルリーチ演出などの大まかな変動遊技演出種別が、変動パターン種別(変動表示時間)に応じて決定される。変動種別カウンタCS1は、MPU41により後述するメイン処理が1回実行されるごとに1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。また、変動種別カウンタCS1の値は、遊技球が第1入賞口314又は第2入賞口315に入賞したタイミングで保留格納エリア412bに格納される。
そして、MPU41は、変動種別カウンタCS1と予め設定された変動テーブルとに基づいて変動表示時間を示す変動パターンを決定する。具体的に、MPU41は、ROM411の変動テーブル記憶エリアに予め記憶されている通常大当たり変動テーブル、確変大当たり変動テーブル、又は外れ変動テーブルを参照しつつ変動パターンの種別を特定する。なお、これらの変動テーブルは、低確率モード及び高確率モードごとに個別に設けられてもよい。また、確変大当たり変動テーブルは、5R確変大当たり及び16R確変大当たりのそれぞれに対して個別に設けられてもよい。
ここで、図8(A)、図8(B)及び図8(C)は、通常大当たり変動テーブル、確変大当たり変動テーブル及び外れ変動テーブルの一例を示す図である。図8(A)、図8(B)及び図8(C)に示すように、通常大当たり変動テーブル、確変大当たり変動テーブル及び外れ変動テーブルでは、変動種別カウンタCS1の値に応じて変動パターンが予め対応付けられている。そして、MPU41は、大当たり抽選での抽選結果が「5R通常大当たり」である場合は通常大当たり変動テーブル、抽選結果が「5R確変大当たり」又は「16R確変大当たり」である場合は確変大当たり変動テーブル、抽選結果が「外れ」である場合は外れ変動テーブルをそれぞれ参照し、変動パターンの種別を特定する。
より具体的に、図8(A)及び図8(B)に示すように、通常大当たり変動テーブル及び確変大当たり変動テーブルでは、変動種別カウンタCS1の値に応じて変動パターン「01」〜「03」のいずれかが選択される。ここに、変動パターン「01」が選択された場合、音声ランプ制御装置5では変動種別(演出パターン種別)として変動表示時間が30sであるノーマルリーチ演出パターンが決定され、図柄表示部341においてノーマルリーチ演出パターンが実行される。ノーマルリーチ演出パターンは、変動遊技演出における最終の個別演出種別がノーマルリーチ演出となる演出パターンである。また、変動パターン「02」が選択された場合、音声ランプ制御装置5では変動種別(演出パターン種別)として変動表示時間が60sであるスーパーリーチ演出パターンが決定され、図柄表示部341においてスーパーリーチ演出パターンが実行される。スーパーリーチ演出パターンは、変動遊技演出における最終の個別演出種別がスーパーリーチ演出となる演出パターンである。さらに、変動パターン「03」が選択された場合、音声ランプ制御装置5では変動種別(演出パターン)として変動表示時間が最も長い90sであるスペシャルリーチ演出パターンが決定され、図柄表示部341においてスペシャルリーチ演出パターンが実行される。スペシャルリーチ演出パターンは、変動遊技演出における最終の個別演出種別がスペシャルリーチ演出となる演出パターンである。
図8(C)に示すように、外れ変動テーブルでは、リーチ乱数カウンタC3の値によって決定される外れ時の停止種別(前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れ)ごとに、変動種別カウンタCS1と変動パターンとの対応関係が定められている。より具体的に、外れ時の停止種別が前後外れリーチ又は前後外れ以外リーチである場合には、変動種別カウンタCS1の値に応じて変動パターン「01」〜「03」のいずれかが選択される。一方、外れ時の停止種別が完全外れである場合には、変動種別カウンタCS1の値に応じて変動パターン「04」又は「05」のいずれかが選択される。なお、変動パターン「04」が選択された場合、音声ランプ制御装置5では変動種別(演出パターン種別)として変動表示時間が7sであるリーチなし演出パターン(非リーチ演出パターン)が決定され、図柄表示部341において非リーチ演出パターンが実行される(図27参照)。また、変動パターン「05」が選択された場合、音声ランプ制御装置5では変動種別(演出パターン種別)として変動表示時間が10sであるリーチなし演出パターン(非リーチ演出パターン)が決定され、図柄表示部341において非リーチ演出パターンが実行される。
例えば、遊技機10では、変動パターン「04」に対応する外れ時の変動表示として、キャラクタ、メッセージなどが表示される予告演出などを伴うことなく変動表示が外れ図柄で停止する外れパターンの変動表示が実行される。また、遊技機10では、変動パターン「05」に対応する外れ時の変動表示として、キャラクタ、メッセージなどが表示される予告演出などを伴って変動表示が外れ図柄で停止する外れパターンの変動表示が実行される。また、変動パターン「05」に対応する外れ時の変動表示の際には、遊技者による操作ボタン20の操作が反映される遊技者参加型の操作演出が予告演出として実行されることもある。
なお、変動パターンの種別は、図8(A)、図8(B)及び図8(C)に示す例には限定されない。また、確変大当たり変動テーブルは、5R確変大当たり及び16R確変大当たりのそれぞれに対して個別に設けられてもよい。
例えば、遊技機10では、変動パターン「01」に対応するノーマルリーチ演出パターンにおいて実行されるノーマルリーチ演出として、キャラクタ、ストーリーなどが異なる複数種類のノーマルリーチ演出が用意されており、その中から選択されたいずれかのノーマルリーチ演出が実行される。
同じく、遊技機10では、変動パターン「02」に対応するスーパーリーチ演出パターンにおいて実行されるスーパーリーチ演出として、キャラクタ、ストーリーなどが異なる複数種類のスーパーリーチ演出が用意されており、その中から選択されたいずれかのスーパーリーチ演出が実行される。スーパーリーチ演出は、ノーマルリーチ演出よりも変動時間が長いリーチ演出であり、ノーマルリーチ演出よりも大当たり抽選での抽選結果が大当たりである確率(期待度)が高く、スペシャルリーチ演出よりも大当たり当選している確率(期待度)が低いことを遊技者に示唆する際に実行される。
さらに、遊技機10では、変動パターン「03」に対応するスペシャルリーチ演出パターンにおいて実行されるスペシャルリーチ演出として、キャラクタ及びストーリーなどが異なる複数種類のスペシャルリーチ演出が用意されており、その中から選択されたいずれかのスペシャルリーチ演出が実行される。スペシャルリーチ演出は、ノーマルリーチ演出よりも変動時間が長いリーチ演出であって、例えばノーマルリーチ演出又はスーパーリーチ演出から発展する演出である。スペシャルリーチ演出は、ノーマルリーチ演出やスペシャルリーチ演出よりも大当たり当選している確率(期待度)が高いことを遊技者に示唆する際に実行される。
なお、変動パターンに対応する演出パターンには、遊技者による操作ボタン20に対する操作状況が演出に反映される操作演出、例えば単発操作が演出に反映される単発操作演出、遊技者による操作ボタン20の連打操作が演出に反映される連打操作演出、遊技者による操作ボタン20の長押し操作が演出に反映される長押し操作演出などの遊技者参加型の操作演出が含まれることがある。
そして、MPU41は、メイン表示部37の7セグメント表示器372,373及び図柄表示部341による変動表示時間を示す変動パターンを特定すると、その変動パターン及び大当たり抽選での抽選結果を示す変動パターンコマンドを音声ランプ制御装置5に入力する。具体的に、MPU41は、抽選結果が「5R通常大当たり」である場合は、変動パターン「01」〜「03」の前に5R通常大当たりである旨を示す「A」を付した変動パターンコマンド「A01」〜「A03」のいずれかを出力する。また、MPU41は、抽選結果が「5R確変大当たり」である場合は、変動パターン「01」〜「03」の前に5R確変大当たりである旨を示す「B」を付した変動パターンコマンド「B01」〜「B03」のいずれかを出力する。さらに、MPU41は、抽選結果が「16R確変大当たり」である場合は、変動パターン「01」〜「03」の前に16R確変大当たりである旨を示す「C」を付した変動パターンコマンド「C01」〜「C03」のいずれかを出力する。また、MPU41は、抽選結果が「外れ」である場合は、変動パターン「01」〜「05」の前に外れである旨を示す「D」を付した変動パターンコマンド「D01」〜「D05」のいずれかを出力する。これにより、音声ランプ制御装置5は、変動パターンコマンドに基づいて、変動パターン(変動表示時間)及び抽選結果を判断することが可能であり、その変動パターン及び抽選結果に基づいて、図柄表示部341で表示される変動種別及び演出種別などの変動態様の詳細を決定する。そして、音声ランプ制御装置5は、決定した変動態様の詳細に基づいて図柄表示部341に変動表示を実行させ、スピーカ26から変動表示に合わせて音声を再生し、電飾部27を点灯、点滅又は消灯させる。
このように、遊技機10では、主制御装置4のMPU41は、図柄表示部341における変動表示について、変動種別カウンタCS1及び変動テーブルに基づいて変動パターン(変動表示時間)を決定する簡易な処理を実行することになる。そのため、遊技機10のMPU41が8ビットマイコンで構成される場合であっても、そのMPU41により安定して大当たり抽選を実行することができる。また、実際に図柄表示部341に表示される変動態様の詳細は音声ランプ制御装置5で決定されるため、その変動態様としては多種多様な変動態様を選択的に実行することが可能である。
ここで、図9は、図1に示す遊技機の主制御装置4のMPU41におけるRAM412に設定される遊技情報格納エリア412dの一例を示すブロック図である。遊技情報格納エリア412dには、遊技履歴、出玉性能などに関する遊技情報が格納されている。本実施形態では、遊技情報格納エリア412dには、遊技情報として、「アウト玉数」、「一般入賞口払出玉数」、「第1入賞口払出玉数」、「第2入賞口払出玉数」、「可変入賞口払出玉数」、「遊技設定値」、「ベース情報」、「連続役物比率情報」、「役物比率情報」、「累積大当たり抽選回数」、「単位大当たり抽選動回数」、「大当たり回数」、及び「連続外れ回数」が格納されている。これらの遊技情報のうち、「遊技設定値」、「ベース情報」、「連続役物比率情報」、「役物比率情報」、及び「単位大当たり抽選動回数」が出玉性能に関する遊技情報(性能情報)に該当する。
「アウト玉数」は、通常遊技状態(低確率モードであって高頻度サポートモードではない状態)において遊技盤31に発射された遊技球数の積算値である。この「アウト玉数」は、後述の図13の主タイマ割込処理でのステップS1001のセンサ検出処理においてアウト玉センサ35によって検出されるアウト玉をカウントした値として格納される。
「一般入賞口払出玉数」は、通常遊技状態(低確率モードであって高頻度サポートモードではない状態)において一般入賞口313への入賞に対して払い出される遊技球の積算値である。この「一般入賞口払出玉数」は、通常遊技状態において入球センサ313aによって一般入賞口313への入賞が検出された場合に、後述の図16のメイン処理でのステップS1303の賞球コマンド設定処理において一般入賞口313への入賞に応じた賞球数の払い出しを払出制御装置7に行わせるための賞球コマンドを設定する際に、今回の入賞による払出玉数を加算した値に更新する。
「第1入賞口払出玉数」は、通常遊技状態(低確率モードであって高頻度サポートモードではない状態)において第1入賞口314への入賞に対して払い出される遊技球の積算値である。この「第1入賞口払出玉数」は、通常遊技状態において入球センサ314aによって第1入賞口314への入賞が検出された場合に、後述の図16のメイン処理でのステップS1303の賞球コマンド設定処理において第1入賞口314への入賞に応じた賞球数の払い出しを払出制御装置7に行わせるための賞球コマンドを設定する際に、今回の入賞による払出玉数を加算した値に更新する。
「第2入賞口払出玉数」は、時短遊技状態(低確率モードであって高頻度サポートモードである状態)において第2入賞口315への入賞に対して払い出される遊技球の積算値である。この「第2入賞口払出玉数」は、時短遊技状態において入球センサ315aによって第2入賞口315への入賞が検出された場合に、後述の図16のメイン処理でのステップS1303の賞球コマンド設定処理において第2入賞口315への入賞に応じた賞球数の払い出しを払出制御装置7に行わせるための賞球コマンドを設定する際に、今回の入賞による払出玉数を加算した値に更新する。
「可変入賞口払出玉数」は、大当たり遊技状態(高確率モードであって高頻度サポートモードである状態)において可変入賞口316への入賞に対して払い出される遊技球の積算値である。この「可変入賞口払出玉数」は、大当たり遊技状態において入球センサ316aによって可変入賞口316への入賞が検出された場合に、後述の図16のメイン処理でのステップS1303の賞球コマンド設定処理において可変入賞口316への入賞に応じた賞球数の払い出しを払出制御装置7に行わせるための賞球コマンドを設定する際に、今回の入賞による払出玉数を加算した値に更新する。
なお、「アウト玉数」、「一般入賞口払出玉数」、「第1入賞口払出玉数」、「第2入賞口払出玉数」及び「可変入賞口払出玉数」は、後述の図21の特定性能情報更新処理において、「アウト玉数」が60000玉に達した場合(ステップS1806:Yes)、0玉にクリアされる(ステップS1810)。
「遊技設定値」は、大当たり抽選(当否判定)で用いる低確率モード当否テーブル(図7(A)参照)及び高確率モード当否テーブル(図7(B)参照)を選択するためのものである。換言すれば、「遊技設定値」は、低確率モード及び高確率モードでの大当たり確率を規定する。本実施形態では、後述のように4段階の遊技設定(大当たり確率の異なる4種類の低確率モード当否テーブル(図7(A)参照)及び高確率モード当否テーブル(図7(B)参照))が準備されている。「遊技設定値」は、後述の図20の遊技設定値変更処理において更新される。
「ベース情報」は、通常遊技状態(低確率モードであって高頻度サポートモードではない状態)における払戻率(出玉率)である「ベース」に関する情報であり、この「ベース」は通常遊技状態における「アウト玉数」に対する「一般入賞口払出玉数」と「第1入賞口払出玉数」との合算払出玉数の比率である。「ベース」を数式で表すと、「ベース」=100×(「一般入賞口払出玉数」+「第1入賞口払出玉数」)/「アウト玉数」である。「ベース情報」は、現状ベースBL、前回6万玉ベースB1及び前々回6万玉ベースB2に関する情報含む。ここで、前回6万玉ベースB1及び前々回6万玉ベースB2は、後述の図21の特定性能情報更新処理においてアウト玉数が60000玉に達するごとに更新される(ステップS1807及びS1808)。具体的には、直近のアウト玉数が60000玉に到達したときの「ベース」は前回6万玉ベースB1として、もう一つ前のアウト玉数が60000玉に到達したときの「ベース」は前々回6万玉ベースB2として、それぞれRAM412の遊技情報格納エリアの「ベース情報」として保存される。また、アウト玉数のカウンタ値が60000玉に到達するまでは現状ベースBLとして演算され(ステップS1803)、現状ベースBLがRAM412の遊技情報格納エリアの「ベース情報」として保存される。
なお、本実施形態では、「ベース情報」が「現状ベースBL」、「前回6万玉ベースB1」及び「前々回6万玉ベースB2」を含んでおり、過去2回分の6万玉ベースが履歴として残されているが、過去3回分以上の6万玉ベースを履歴として残すようにしてもよい。また、「ベース情報」として、遊技機10が遊技ホールに設置されてから現在に至るまの累積ベースを含ませてもよい。
「連続役物比率情報」は、賞球の払い出しがある全ての入賞口(一般入賞口313、第1入賞口314、第2入賞口315及び可変入賞口316)への入賞による総払出玉数において、可変入賞口払出玉数が占める比率である「連続役物比率」に関する情報である。「連続役物比率」を数式で表すと、「連続役物比率」=100×「可変入賞口払出玉数」/「総払出玉数」である。「連続役物比率情報」は、例えば後述の図21の特定性能情報更新処理において更新される。本実施形態では、「連続役物比率情報」は、遊技機10が遊技ホールに設置されてからの現在に至るまでの累積連続役物比率として記憶される。なお、「連続役物比率情報」は、一定期間(例えば一定数の大当たり回数(例えば100回)に対するもの、通常遊技状態での一定数の大当たり抽選(例えば1000回)が実行されるまでの期間、アウト玉数が一定数(例えば6万玉)に達するまでの期間)に対する連続役物比率であってもよい。もちろん、「連続役物比率情報」は、累積連続役物比率と、一定数期間での連続役物比率との両方を含んでいてもよい。
「役物比率情報」は、賞球の払い出しがある全ての入賞口(一般入賞口313、第1入賞口314、第2入賞口315及び可変入賞口316)への入賞による総払出玉数において、第2入賞口払出玉数と可変入賞口払出玉数との合算払出玉数が占める比率である「役物比率」に関する情報である。「役物比率」を数式で表すと、「役物比率」=100×(「第2入賞口払出玉数」+「可変入賞口払出玉数」)/「総払出玉数」である。「役物比率情報」は、例えば後述の図21の特定性能情報更新処理において更新される。本実施形態では、「役物比率情報」は、遊技機10が遊技ホールに設置されてからの現在に至るまでの累積役物比率として記憶される。なお、「役物比率情報」は、一定期間(例えば一定数の大当たり回数(例えば100回)に対するもの、通常遊技状態での一定数の大当たり抽選(例えば1000回)が実行されるまでの期間、アウト玉数が一定数(例えば6万玉)に達するまでの期間)に対する役物比率であってもよい。もちろん、「連続役物比率情報」は、累積役物比率と、一定数期間での役物比率との両方を含んでいてもよい。
「累積大当たり抽選回数」は、遊技ホールの営業開始前に遊技機10の起動が開始されてから現在に至るまでに、通常遊技状態(低確率モードであって高頻度サポートモードではない状態)において大当たり抽選を行った回数である。換言すれば、「累積大当たり抽選回数」は、通常遊技状態における第1入賞口314への入賞を契機としてメイン表示部37の7セグメント表示器372の図柄変動表示が実行された累積変動表示回数でもある。「累積大当たり抽選回数」は、後述の図19の変動開始処理でのステップS1606でメイン表示部37の図柄変動表示を開始させるごとに1ずつ加算される。また、「累積大当たり抽選回数」は、遊技機10の主電源のオフによってRAM412の遊技情報格納エリア412dからクリアされる。
「単位大当たり抽選回数」は、通常遊技状態(低確率モードであって高頻度サポートモードではない状態)における一定数のマイナス差玉当たりの、第1入賞口314への入賞を契機として大当たり抽選を受けた回数(メイン表示部37の7セグメント表示器372の図柄変動表示が実行された回数)である。本実施形態では、一定数は「250玉」であり、差玉は「アウト玉数」から「一般入賞口払出玉数」及び「第1入賞口払出玉数」を差し引いた玉数である。つまり、「単位大当たり抽選回数」は、遊技ホールで1000円に対して250玉の貸玉を受ける場合、1000円平均の7セグメント表示器372の図柄変動表示回数(大当たり抽選を受けた回数)である。なお、「単位大当たり抽選回数」は、通常遊技状態における一定数の「アウト玉数」当たりの大当たり抽選を受けた回数であってもよい。「単位大当たり抽選回数」は、後述の図21の特定性能情報更新処理でのステップS1805において更新される。本実施形態では、「単位大当たり抽選回数」は、遊技機10が遊技ホールに設置されてからの現在に至るまでの累積単位大当たり抽選回数として記憶される。なお、「単位大当たり抽選回数」は、一定期間(例えば一定数の大当たり回数(例えば100回)に対するもの、通常遊技状態での一定数の大当たり抽選(例えば1000回)が実行されるまでの期間、アウト玉数が一定数(例えば6万玉)に達するまでの期間)に対するものであってもよい。もちろん、「単位大当たり抽選回数」として、累積単位大当たり抽選回数と、一定数期間での単位大当たり抽選回数との両方を遊技情報として記憶してもよい。
「大当たり回数」は、遊技ホールの営業開始前に遊技機10の起動が開始されてから現在に至るまでに行った大当たり抽選での抽選結果が大当たりとなった回数である。「大当たり回数」は、後述の図16のメイン処理でのステップS1306で実行される遊技状態移行処理において、遊技状態を大当たり遊技状態に移行させるごとに1ずつ加算される。また、「大当たり回数」は、遊技機10の主電源のオフによってRAM412の遊技情報格納エリア412dからクリアされる。
「連続外れ回数」は、通常遊技状態(低確率モードであって高頻度サポートモードではない状態)において大当たり抽選での抽選結果が連続して外れとなった回数であり、抽選結果が大当たりである場合に0回にクリアされる。「連続外れ回数」は、後述の図19の変動開始処理でのステップS1606でメイン表示部37の図柄変動表示を開始させる場合に、ステップS1603での低確率モード当否テーブルに基づく当否判定の結果が外れであれば1ずつ加算され、当否判定の結果が大当たりである場合に0回にクリアされる。本実施形態では、「連続外れ回数」は、遊技機10の主電源のオフによってRAM412の遊技情報格納エリア412dからクリアされる。もちろん、「連続外れ回数」は、遊技機10の主電源のオフによって遊技情報格納エリア412dからクリアされないようにしてもよい。
図5の説明に戻り、性能情報表示装置4Aは、RAM412に設定される遊技情報格納エリア412dに遊技情報(性能情報)として格納される「ベース情報」及び「遊技設定値」を表示するものである。性能情報表示装置4Aは、性能表示モニタ43、性能表示スイッチ44、遊技設定値表示部45、設定値変更操作部46及びROM47を備える。ここで、図10は、性能情報表示装置4Aの一例を模式的に示す図である。
図10に示すように、性能表示モニタ43は、遊技機10での「ベース情報」を表示するものであり、内枠12を展開した状態において、視認可能な位置に設けられている(図3参照)。性能表示モニタ43は、複数(本実施形態では4つ)の7セグメント表示器431〜434により構成されており、4ケタ7セグと称されるものである。なお、性能表示モニタ43は、主制御装置4に設けることが好ましいが、メイン制御ユニット331における主制御装置4以外の装置に設けられてもよく、メイン制御ユニット331以外の遊技の他の構成要素に設けられてもよい。また、メイン表示部37の2つの7セグメント表示器372,373を利用して「ベース情報」を表示させることも考えられる。
7セグメント表示器431〜434は、「0」〜「9」の数字、及び「A」〜「F」のアルファベットを表示可能である。なお、7セグメント表示器431〜434では、アルファベットの「B」を表示する場合に数字の「8」と区別するためにドットが点灯されて「8.」と表示され、アルファベットの「D」を表示する場合に数字の「0」と区別するためにドットが点灯されて「0.」と表示される。また、「A」〜「F」のアルファベットのいずれのアルファベットを表示する場合においも、アルファベットであることを明示するめにドットを点灯させることも考えられる。
性能表示モニタ43は、4つの7セグメント表示器431〜434のうちの左2つの7セグメント表示器431,432が「ベース種別」が略記号で表示される識別セグであり、右2つの7セグメント表示器433,434がMPU41によって演算されるベース値(%)が表示される比率セグである。例えば、現状ベースBLが31%であるある場合には、識別セグである左2つの7セグメント表示器431,432において現状ベースBLの略記号である「BL」が「8.」、「L」として表示され、比率セグである右2つの7セグメント表示器433,434においてベース値である「31」が「3」、「1」として表示される。つまり、4つの7セグメント表示器431〜434では、左から順に、「8.」、「L」、「3」、「1」と表示される。
性能表示スイッチ44は、押下操作によって性能表示モニタ43(4つの7セグメント表示器431〜434)の電源のオンオフを一括して切り替えるものであり、内枠12を展開した状態において操作容易な位置に設けられる(図3参照)。図示した例では、性能表示スイッチ44の上半部が押下されることで電源がオンにされ、下半部が押下されることで電源がオフにされる。性能表示スイッチ44に対して電源をオンにする操作が行われると、4つの7セグメント表示器431〜434に通電され、性能表示モニタ43でのベース情報の表示が可能にされる。一方、性能表示スイッチ44に対して電源をオフにする操作が行われると、4つの7セグメント表示器431〜434への通電が遮断され、性能表示モニタ43でのベース情報が非表示にされる。なお、性能表示スイッチ44は、主制御装置4以外に設けられてもよい。
ここで、図11は、性能表示モニタ43での表示例である。図11(A)に示すように、性能表示スイッチ44がオフである場合、7セグメント表示器431〜434が消灯状態であるため、ベース情報が非表示状態とされる。図11(B)〜図11(D)に示すように、性能表示スイッチ44がオンにされると、性能表示スイッチ44がオフにされない限り、「ベース情報」として、現状ベースBL→前回6万玉ベースB1→前々回6万玉ベースB2→現状ベースBLに順にループして、各ベースが一定時間ごとに繰り返し表示される。図11(B)に示す例では現状ベースBLが28%であることを示し、図11(C)に示す例では前回6万玉ベースB1が34%であることを示し、図11(D)に示す例では前々回6万玉ベースB2が32%であることを示している。一方、図11(A)に示すように、性能表示スイッチ44がオフされた場合、7セグメント表示器431〜434が消灯され、性能表示モニタ43でのベース情報が非表示とされる。
なお、性能表示モニタ43に「ベース情報」を表示させるのに必要なプログラム、例えば現状ベースBL、前回6万玉ベースB1及び前々回6万玉ベースB2を演算するプログラム、性能表示モニタ43に現状ベースBL、前回6万玉ベースB1及び前々回6万玉ベースB2を一定時間ごとに順に表示させるプログラムなどは、主制御装置4にMPU41のROM412とは別に設けられるROM47に格納される。これにより、MPU41のROM411の負荷を軽減できる。但し、MPU41のROM411に容量的な余裕がある場合には、ROM411に性能表示モニタ43に「ベース情報」を表示させるのに必要なプログラムを格納してもよい。また、主制御装置4にとは別に設けられるROMなどの記憶手段に性能表示モニタ43に「ベース情報」を表示させるのに必要なプログラムを格納してもよい。
また、性能表示モニタ43では、「ベース情報」に代えて、又は「ベース情報」に加えて、「連続役物比率情報」や「役物比率情報」などの遊技情報格納エリア412dに格納された他の性能情報を表示させてもよい。
また、性能表示モニタ43は、7セグメント表示器に限らず、ドットマトリクスディスプレイ、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどの他の形態の表示器により構成されてもよい。
図10の説明に戻り、遊技設定値表示部45は、大当たり抽選で参照する低確率モード当否テーブル(図7(A)参照)及び高確率モード当否テーブル(図7(B)参照)を選択するための上述の遊技設定値を表示するものであり、7セグメント表示器によって構成されている。なお、遊技設定値表示部45は、7セグメント表示器に限らず、ドットマトリクスディスプレイ、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどの他の形態の表示器により構成されてもよく、性能表示モニタ43を利用して遊技設定値を表示するようにしてもよい。
設定値変更操作部46は、押下操作によって7セグメント表示器の電源のオンオフを切り替え、7セグメント表示器の電源がオンである場合に回転操作されることによって遊技設定値の変更を可能にする。設定値変更操作部46は、例えば押下操作によってオンオフされる接点式スイッチとしての機能と、回転操作(所定角度の回転)によって接点が切り替えられるロータリースイッチとしての機能とを有する。ここで、図12は、主制御装置の遊技設定値表示部45での表示例を示す図である。
図12(A)に示すように、遊技設定値表示部45が消灯状態である場合に設定値変更操作部46に対する押下操作がなされると、7セグメント表示器が通電されることで遊技設定値表示部45に数字が表示される。このときに表示される数字は、RAM412の遊技情報格納エリア412dに格納された遊技設定値であり、現在の遊技設定値を示している。図示した例では、遊技設定値は「1」である。一方、遊技設定値表示部45が点灯状態である場合に設定値変更操作部46に対する押下操作がなされると、7セグメント表示器への通電が遮断されることで遊技設定値表示部45が消灯状態となる。
図12(B)に示すように、遊技設定値表示部45が点灯状態である場合に設定値変更操作部46に対する回転操作がなされると、遊技設定値表示部45に表示される数字が変更される。図示した例では、遊技設定値表示部45が右回転されることで遊技設定値表示部45に表示される数字が大きくなり、遊技設定値表示部45が左回転されることで遊技設定値表示部45に表示される数字が小さくなる。そして、遊技設定値表示部45が回転されることで遊技設定値表示部45に表示される数字が変更された場合、変更後の数字が遊技設定値としてRAM412の遊技情報格納エリア412dに保存される。そのため、目的とする遊技設定値に対応する数字を遊技設定値表示部45に表示させた状態で設定値変更操作部46を押下して7セグメント表示器の電源がオフにされた場合、電源がオフされる直前に表示されていた数字が遊技設定値として決定される。これにより、MPU41は、RAM412の遊技情報格納エリア412dに保存された遊技設定値に応じて選択される低確率モード当否テーブル(図7(A)参照)又は高確率モード当否テーブル(図7(B)参照)に基づいて大当たり抽選を行うことができる。
なお、遊技設定値を変更する方法は、設定値変更操作部46を回転させてから遊技設定値表示部45の電源をオフにする方法には限らない。例えば、設定値変更操作部46を回転させてから操作ボタン20(図1参照)を押下することで遊技設定値を決定する方法、操作ボタン20(図1参照)を連打又は長押しすることで遊技設定値表示部45に表示される数字を変更させてから遊技設定値表示部45の電源をオフにする方法、主制御装置4などに設けられる鍵穴に鍵を差し込んで鍵を回転させることで遊技設定値表示部45に表示される数字を変更させてから鍵を抜く方法などであってもよい。
[サブ制御ユニット332]
図5に示すように、サブ制御ユニット332は、音声ランプ制御装置5及び表示制御装置6を備えており、主制御ユニット331から入力される制御信号に基づいて図柄表示部341における図柄変動表示及び演出表示を実行する。
[音声ランプ制御装置5]
音声ランプ制御装置5は、MPU51及び入出力I/F52などを備える。MPU51は、1チップマイコンとして構成された演算装置である。また、MPU51には、ROM511及びRAM512が内蔵されている。
ROM511は、制御プログラム及びパラメータ情報が予め記憶された不揮発性の記憶部である。また、ROM511には、変動遊技演出、大当たり遊技演出などで使用される音声、ランプ点滅パターンなどの情報も記憶されている。RAM512は、種々の情報の読み書きが可能な揮発性の記憶部であり、MPU51によって実行される処理の一次記憶領域(作業領域)として使用される。なお、RAM512は、不揮発性の記憶部であってもよい。
音声ランプ制御装置5は、ROM511に記憶されている制御プログラムに従った処理をMPU51によって実行することにより、主制御装置4から入力されるコマンド(制御信号)に基づいて、表示制御装置6にコマンド(制御信号)を入力し、図柄表示部341の表示を制御する。また、音声ランプ制御装置5は、図柄表示部341の表示に合わせてスピーカ26からの再生音声出力及び電飾部27の点滅態様も制御する。例えば、MPU51は、後述の変動遊技演出及び大当たり遊技演出を実行する場合に、図柄表示部341での画像表示、スピーカ26からの再生音声出力及び電飾部27の点滅態様を制御する。
入出力I/F52は、音声ランプ制御装置5に信号を入力し、音声ランプ制御装置5から制御信号を出力する入出力インターフェースである。具体的に、入出力I/F52には、主制御装置4及び表示制御装置6が接続されている。そして、主制御装置4から音声ランプ制御装置5には、変動パターンコマンド、第1保留コマンド、第2保留コマンド、シフトコマンドなどのコマンドが入力される。また、音声ランプ制御装置5は、表示制御装置6に表示変動パターンコマンドなどを出力する。なお、表示制御装置6が、主制御装置4からのコマンドを受信し、そのコマンドを音声ランプ制御装置5に入力する構成も他の実施形態として考えられる。また、サブ制御ユニット332が、音声ランプ制御装置5及び表示制御装置6の両方の機能を有する一つの制御装置を備える構成も他の実施形態として考えられる。
また、入出力I/F52には、スピーカ26及び電飾部27が接続されている。そして、音声ランプ制御装置5では、MPU51が、主制御装置4から入力されるコマンドに基づいて、スピーカ26から出力される音声、電飾部27の点滅態様などを制御することが可能である。また、入出力I/F52には、操作スイッチ20aが接続されている。これにより、MPU51は、操作ボタン20に対して操作が行われたことを検出し、それの検出結果に基づいて、図柄表示部341で実行される画像遊技演出、スピーカ26から音声が出力される音声出力演出、電飾部27の点滅態様によるランプ演出などを制御することも可能である。
MPU51は、主制御装置4から入力される変動パターンコマンド、第1保留コマンド、第2保留コマンド、シフトコマンドなどのコマンドに基づいて所定の演算処理を実行する。
具体的に、MPU51は、変動パターンコマンドが入力された場合に、変動パターンコマンドに基づいて変動パターン(主図柄の停止図柄組み合わせ(図32(A)参照)、変動表示時間、変動種別(図32(B)参照))、及び演出パターン種別(図33(A)〜図33(C)参照)を決定し、その変動パターンに対応する表示変動パターンコマンドを表示制御装置6に送信し(図31のコマンド判定処理でのステップS23057参照)、図柄表示部341における図柄変動表示を開始させる。このとき、図柄表示部341では、変動パターンコマンドが外れを示す場合には外れに対応する主図柄の組み合わせが表示される。また、MPU51は、変動パターンコマンドが入力された場合、サブ画像表示部38に出玉性能を示唆する出玉性能示唆画像を表示させる出玉性能示唆画像表示処理が実行される。
[表示制御装置6]
表示制御装置6は、音声ランプ制御装置5から入力されるコマンド(制御信号)に基づいて図柄表示部341の表示を制御する。具体的に、表示制御装置6は、音声ランプ制御装置5から入力される表示変動パターンコマンドなどに基づいて図柄表示部341の表示を制御することにより図柄変動表示及び演出表示を実行する。
表示制御装置6は、MPU61及び入出力I/F62などを備え、入出力I/F62には音声ランプ制御装置5及び図柄表示部341が接続されている。なお、音声ランプ制御装置5及び表示制御装置6の間は双方向通信可能であってよい。
MPU61は、1チップマイコンとして構成された演算装置であり、MPU61には、ROM611及びRAM612が内蔵されている。また、表示制御装置6には、時間を計時するタイマ回路、割込を受け付ける割込回路などの他の回路も内蔵されている。MPU61は、ROM611などに記憶されている制御プログラムに従って処理を実行する。また、表示制御装置6で実行される処理の一部又は全部は電子回路によって実行されてもよい。
ROM611には、制御プログラムの他、図柄表示部341の図柄変動表示で用いられる主図柄などの変動図柄、予告演出画像、リーチ演出画像、大当たり演出画像、外れ演出画像などの画像が複数種類記憶されている。なお、図柄表示部341に表示される画像には静止画及び動画が含まれる。また、ROM611には、変動表示パターンコマンドごとに対応する表示スケジュールが記憶されている。具体的に、表示スケジュールには、使用する画像の種類や表示タイミングの他、変動図柄の変動表示時間も含まれる。そして、表示制御装置6では、MPU61が、変動表示パターンコマンドに対応する表示スケジュールに従って画像を図柄表示部341に表示させることにより図柄変動表示及び演出表示が実現される。
RAM612は、種々の情報の読み書きが可能な揮発性の記憶部であり、MPU61によって実行される処理の一次記憶領域(作業領域)として使用される。なお、RAM612は不揮発性の記憶部であってもよい。
[払出制御装置7]
払出制御装置7には、MPU71及び入出力I/F72などが搭載されている。MPU71は、1チップマイコンとして構成された演算装置である。また、MPU71には、ROM711及びRAM712が内蔵されている。
ROM711は、制御プログラム及びパラメータ情報が予め記憶された不揮発性の記憶部である。また、RAM712は、種々の情報の読み書きが可能な揮発性の記憶部であり、MPU71によって実行される処理の一次記憶領域(作業領域)として使用される。なお、RAM712は不揮発性の記憶部であってもよい。
入出力I/F72は、払出制御装置7に信号を入力し、払出制御装置7から制御信号を出力する入出力インターフェースである。具体的に、入出力I/F72には、払出装置132及び球貸装置100が接続されている。
払出装置132は、前述したように、タンク131から上皿23に向けて遊技球を払い出すものであり、遊技球の払出の有無を切り換える球止部材を駆動させるモーターなどの駆動部132aと、払い出される遊技球を個別に検出する払出センサ132bとを備える。払出制御装置7は、払出センサ132bによる検出結果に基づいて駆動部132aを制御することにより任意の数の遊技球を払い出す。また、払出制御装置7には、状態復帰スイッチ73が設けられている。状態復帰スイッチ73は、例えば、払出装置132の球詰まりなどの払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。
球貸装置100は、遊技機10と併せて島設備に設置される。そして、球貸装置100は、遊技機10の前面枠11に設けられている不図示の球貸操作装置の操作に応じて、球貸装置100に挿入されているカードなどの記録媒体に記憶されている金額の範囲内で予め設定された金額に相当する数の遊技球を払い出して遊技者に貸し出すことが可能である。具体的には、球貸装置100から払出制御装置7に、所定数の遊技球を払い出す旨の制御信号が入力されることにより、MPU71により払出装置132が制御されて所定数の遊技球が払い出される。なお、記録媒体はカードに限らず、例えばICチップを内蔵するコイン型、スティック型の記憶媒体であってもよい。また、球貸装置100は、現金の挿入によりその現金に応じた所定数の遊技球を貸し出すことが可能なものであってもよい。
[発射制御装置8]
発射制御装置8は、遊技球発射機構32の駆動を制御する発射制御IC81を備える。具体的に、発射制御IC81は、発射ハンドル22が回転操作されている間、遊技球発射機構32の球送り装置322を駆動させることにより、上皿23に貯留されている遊技球を発射レール321上に供給させる。そして、発射制御IC81は、発射ハンドル22の操作量を検出し、その操作量に応じて遊技球発射機構32のソレノイド323を駆動させることにより、発射レール321上の遊技球を遊技盤31に向けて発射させる。このとき、発射制御IC81は、予め設定された周期(例えば0.6sec)でON/OFFが切り替わるクロック信号を駆動信号として球送り装置322及びソレノイド323を駆動させる。これにより、遊技機10では、0.6secごとに1個の遊技球が遊技領域に向けて発射される。
また、発射ハンドル22には、遊技者による回転操作量を検出するための可変抵抗が設けられており、発射ハンドル22の回転操作量に応じて電圧が発射制御IC81に入力される。これにより、発射制御IC81は、発射ハンドル22の回転操作量に応じて入力される電圧値に基づいて、発射ハンドル22の回転操作量が多いほど遊技球発射機構32からの遊技球の発射強度が強くなるようにソレノイド323への印加電圧を調整する。
さらに、発射ハンドル22には、遊技者が発射ハンドル22に触れていることを検出するためのタッチセンサ21a、及び遊技者が任意に遊技球の発射を停止させるための操作を行う球止めスイッチ21bが設けられている。発射制御IC81は、タッチセンサ21a及び球止めスイッチ21bを用いて、タッチセンサ21aにより遊技者が発射ハンドル22に触れていないことを検出した場合、又は球止めスイッチ21bが遊技者によって操作されていることを検出した場合に、遊技球発射機構32による遊技球の発射を停止させる。これにより、例えば発射ハンドル22が回転操作された状態で固定され、遊技者が発射ハンドル22に触れていない状況における遊技が防止される。また、遊技者は、発射ハンドル22を回転操作したまま親指などで球止めスイッチ21bを任意のタイミングで操作することにより、球技球の発射を停止させることができる。
[電源制御装置9]
電源制御装置9は、種々のセンサ、駆動部などを駆動するための+12V電圧、制御装置で使用されるロジック用の+5V電圧などを生成する。そして、電源制御装置9は、生成した+12V又は+5Vの電圧を、主制御装置4、音声ランプ制御装置5、表示制御装置6、払出制御装置7、発射制御装置8などに供給する。
なお、電源制御装置9には、遊技機10の電源をON/OFFするための電源スイッチ90、遊技機10を初期状態に戻す際に操作されるRAM消去スイッチ91が設けられている。遊技機10は、RAM消去スイッチ91がONの状態で電源スイッチ90が操作されて電源が投入された場合に初期化される。
また、電源制御装置9には、電源設備から供給される電力により充電される充電手段としてコンデンサ及び二次電池が設けられている。これにより、遊技機10では、電源設備からの電力供給が遮断された場合でも、制御装置に設けられたRAMの情報が、前記コンデンサから放電される電力によって所定期間保持される。また、遊技機10では、電源設備からの電力供給が遮断された場合でも、制御装置が、二次電池から放電される電力により所定期間の間は駆動可能である。
さらに、電源制御装置9は、電力供給が遮断されたと判断した場合に、主制御装置4、音声ランプ制御装置5、払出制御装置7などに停電信号を入力する。例えば、電源制御装置9は、電源設備から供給される電力に基づいて予め設定された24Vの直流電圧を出力する場合、その直流電圧が予め設定された22V未満に達した場合に停電状態であると判断する。なお、主制御装置4、音声ランプ制御装置5、払出制御装置7などは、電源制御装置9から停電信号を受信すると、実行中の制御を中断して所定のNMI割込処理を実行する。
[主制御装置4の処理]
次に、図13〜図26を参照しつつ、主制御装置4のMPU41によって実行される処理について説明する。具体的に、遊技機10において、MPU41は、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理、立ち上げ処理後に実行されるメイン処理、定期的に起動される主タイマ割込処理、停電時に実行されるNMI割込処理などを実行する。なお、本実施形態では、立ち上げ処理、NMI割込処理などについては説明を省略し、主タイマ割込処理及びメイン処理について説明する。
[主制御装置4の主タイマ割込処理]
ここで、図13は、主制御装置4のMPU41により実行される主タイマ割込処理の手順の一例を説明するためのフローチャートである。主タイマ割込処理は、例えば2msecごとに実行される。以下、図13を参照しつつ、主タイマ割込処理を説明する。
<ステップS1001>
図13に示すように、ステップS1001では、MPU41は、主制御装置4に接続されているセンサなどの検出状態を判断するセンサ検出処理を実行する。例えば、入球センサ313a〜317a、アウト玉センサ35などの検出状態を判断する。このとき、MPU41は、入球センサ313a〜317aのいずれかへの遊技球の入球が検出された場合には、その情報を入賞検知情報としてRAM412に保存する。また、MPU41は、アウト玉センサ35によってアウト玉が検出された場合には、RAM412の遊技情報格納エリア412dに記憶されたアウト玉数に1加算して遊技情報格納エリア412dのアウト玉数を更新する。なお、遊技情報格納エリア412dのアウト玉数は、60000玉に達することで前回6万玉ベースB1が演算された場合に0玉にクリアされる(図21の特定性能情報更新処理でのステップS1810参照)。
<ステップS1002>
次に、ステップS1002では、MPU41は、乱数初期値カウンタCIN1,CIN2の更新を実行する。具体的には、MPU41は、乱数初期値カウンタCIN1,CIN2でのカウンタ値に1を加算し、そのカウンタ値が最大値に達した場合は当該カウンタ値を0にクリアする。
<ステップS1003>
続いて、ステップS1003では、MPU41は、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、及び普通当たり乱数カウンタC4の更新を実行する。具体的には、MPU41は、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、及び普通当たり乱数カウンタC4でのカウンタ値にそれぞれ1を加算し、それらのカウンタ値が最大値に達した場合は当該カウンタ値を0にクリアする。
<ステップS1004及びS1005>
その後、MPU41は、第1入賞口314又は第2入賞口315への入賞に伴う始動入賞処理を実行し(ステップS1004)、発射制御処理を実行する(ステップS1005)。なお、始動入賞処理の詳細は、図14を参照して後述する。
一方、発射制御処理は、遊技者が発射ハンドル22に触れていることがタッチセンサ21aにより検出されており、発射を停止させるための球止めスイッチ21bが操作されていないことを条件に、遊技球の発射を有効にする処理である。また、発射制御処理は、遊技者が発射ハンドル22に触れていないことがタッチセンサ21aにより検出されている場合、又は球止めスイッチ21bが操作されている場合には、遊技球の発射を無効にする処理である。MPU41は、遊技球の発射が有効である場合に、発射制御装置8に対して遊技球の発射指示をする。
<ステップS1006>
ステップS1006では、MPU41は、電役保留エリア412cに格納されている普通当たり乱数カウンタC4に基づいて第2入賞口315の電動役物315bを電役開放状態とするか否かを抽選するスルーゲート処理を実行する。具体的に、スルーゲート処理では、まずMPU41が、高頻度サポートモードフラグに基づいて現在の遊技モードが高頻度サポートモードであるか否かを判断する。そして、MPU41は、高頻度サポートモードでない場合には、普通当たり乱数カウンタC4が0〜29である場合に普通図柄当選であると判断し、普通当たり乱数カウンタC4が30〜249である場合に外れであると判断する。また、MPU41は、高頻度サポートモードの場合には、普通当たり乱数カウンタC4が0〜199である場合に普通図柄当選であると判断し、普通当たり乱数カウンタC4が200〜249である場合に外れであると判断する。そして、MPU41は、スルーゲート処理において普通図柄当選であると判断した場合には、電動役物315bが予め定められた所定時間だけ開放状態にする。これにより、電動役物315bが並設された遊技盤31の右上方の第2入賞口315への入賞が可能になる。
[始動入賞処理]
ここで、図14は、図13の主タイマ割込処理におけるステップS1004でMPU41により実行される始動入賞処理の手順の一例を示すフローチャートである。以下、図14を参照しつつ、始動入賞処理を説明する。
<ステップS1101>
図14に示すように、ステップS1101では、MPU41は、第1入賞口314に対する入賞があったか否かを判断する。ここで、MPU41は、第1入賞口314にたいする入賞があったと判断すると(ステップS1101:Yes)、処理をステップS1102に移行し、第1入賞口314に対する入賞がなかったと判断すると(ステップS1101:No)、処理をステップS1106に移行する。
<ステップS1102及びS1103>
ステップS1102では、MPU41は、RAM412の保留数記憶エリアNAAに記憶されている保留数Nが最大保留数(本実施形態では4)であるか否かを判断する。ここで、MPU41は、保留数Nが最大保留数であれば(ステップS1102:Yes)、処理をステップS1106に移行する。一方、MPU41は、保留数Nが最大保留数でなければ(ステップS1102:No)、保留数Nに1を加算する(ステップS1103)。
<ステップS1104>
ステップS1104では、MPU41は、図13のステップS1003で更新される大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3と、後述のメイン処理で更新される変動種別カウンタCS1(図16のステップS1302及びS1313)とのカウンタ値を取得し、そのカウンタ値をRAM412における保留格納エリア412bの第1保留格納エリアREAの第1保留エリアREA1〜第4保留エリアREA4のうち最初の空き保留エリアに格納する。
<ステップS1105>
ステップS1105では、MPU41は、ステップS1104で取得された第1保留に対する当否情報が後述の変動開始処理(図17のS1408、図19)における大当たりの当否の判定対象となる前に当否情報の内容を確認し、この確認結果に基づいて第1保留コマンドをRAM412に設定する第1保留コマンド設定処理を実行する。なお、第1保留コマンド設定処理の詳細は、図15を参照して後述する。
<ステップS1106>
ステップS1106では、MPU41は、第2入賞口315に対する入賞があったか否かを判断する。ここで、MPU41は、第2入賞口315に対する入賞があったと判断すると(ステップS1106:Yes)、処理をステップS1107に移行し、第2入賞口315に対する入賞がなかったと判断すると(ステップS1106:No)、当該始動入賞処理を終了し、処理を図13のステップS1005に移行する。
<ステップS1107及びS1108>
ステップS1107では、MPU41は、RAM412の保留数記憶エリアNABに記憶されている保留数Mが最大保留数(本実施形態では4)であるか否かを判断する。ここで、MPU41は、保留数Mが最大保留数であれば(ステップS1107:Yes)、当該始動入賞処理を終了し、処理を図13のステップS1005に移行する。一方、MPU41は、保留数Mが最大保留数でなければ(ステップS1107:No)、保留数Mに1を加算する(ステップS1108)。
<ステップS1109>
ステップS1109では、MPU41は、図13のステップS1003で更新される大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3と、後述のメイン処理で更新される変動種別カウンタCS1(図16のステップS1302及びS1313)とのカウンタ値を取得し、そのカウンタ値をRAM412における保留格納エリア412bの第2保留格納エリアREBの第1保留エリアREB1〜第4保留エリアREB4のうち最初の空き保留エリアに格納する。
<ステップS1110>
ステップS1110では、MPU41は、ステップS1109で取得された第2保留に対する当否情報が後述の変動開始処理(図17のS1408、図19)における大当たりの当否の判定対象となる前に、前記当否情報の内容を確認し、この確認結果に基づいて第2保留コマンドをRAM412に設定する第2保留コマンド設定処理を実行する。ここで、第2保留コマンド設定処理は、図15を参照して後述する第1保留コマンド設定処理と同様であるため、詳細な説明は省略する。なお、第2保留コマンド設定処理は、図15の第1保留コマンド設定処理において、「第1保留コマンド」を「第2保留コマンド」、「保留数N」を「保留数M」と読み替えればよい。
[第1保留コマンド設定処理]
ここで、図15は、図14の始動入賞処理におけるステップS1105でMPU41により実行される第1保留コマンド設定処理の手順を示すフローチャートである。なお、第1保留コマンドには、当該コマンドが第1保留コマンドである旨を示す情報と、第1保留コマンドの種別(大当たり種別又は外れ)、変動パターン及び保留数Nなどの情報とが含まれる。以下、図15を参照しつつ、第1保留コマンド設定処理を説明する。
<ステップS1201>
図15に示すように、MPU41は、第1保留格納エリアREAの保留数記憶エリアNAAから保留数Nを読み出すと共に、それぞれの第1保留に対応する大当たり乱数カウンタC1の値をRAM412から読み出す(ステップS1201)。
<ステップS1202>
ステップS1202では、MPU41は、高確率モードであるか否かを判断し、高確率モードである場合は(ステップS1202:Yes)、処理をステップS1203に移行し、高確率モードでない場合は(ステップS1202:No)、処理をステップS1204に移行する。例えば、MPU41は、高確率モードであるか否かを、後述のメイン処理における遊技状態移行処理(図16のステップS1306)において高確率モードへの移行時にオンに設定され、高確率モードから大当たり遊技状態などの他の遊技状態への移行時にオフに設定される高確率モードフラグに基づいて判断する。
<ステップS1203及びS1204>
ステップS1203では、MPU41は、後述の図20の遊技設定値変更処理におけるステップS1712で遊技設定値に応じて保存される高確率モード当否テーブル(図7(B)参照)を読み出し、その高確率モード当否テーブルに基づいて、ステップS1201で読み出された大当たり乱数カウンタC1のカウンタ値が大当たり当選に対応する値であるか否かの当否判定を実行する。一方、ステップS1204では、MPU41は、後述の図20の遊技設定値変更処理におけるステップS1712で遊技設定値に応じて保存される低確率モード当否テーブル(図7(A)参照)を読み出し、その低確率モード当否テーブルに基づいて、ステップS1201で読み出された大当たり乱数カウンタC1のカウンタ値が大当たり当選に対応する値であるか否かの当否判定を実行する。
なお、ステップS1203及びS1204では、後述の図20の遊技設定値変更処理におけるステップS1712で遊技設定値に応じて保存される高確率モード当否テーブル又は低確率モード当否テーブルに基づいて当否判定が実行されるが、ステップS1203又はS1204において、後述の図20の遊技設定値変更処理におけるステップS1710で保存される遊技設定値を読み出した上で、その遊技設定値に応じた高確率モード当否テーブル又は低確率モード当否テーブルを逐一選択して当否判定を行ってもよい。
<ステップS1205>
ステップS1205では、MPU41は、大当たり乱数カウンタC1のカウンタ値が大当たり当選に対応する値であるか否かを判断する。ここで、MPU41は、大当たり乱数カウンタC1から読み出されたカウンタ値が大当たり当選に対応する値であると判断した場合は(ステップS1205:Yes)、処理をステップS1206に移行し、大当たり乱数カウンタC1から読み出されたカウンタ値が大当たり当選に対応する値でないと判断した場合は(ステップS1205:No)、処理をステップS1208に移行する。
<ステップS1206>
ステップS1206では、MPU41は、RAM412から大当たり種別カウンタC2及び変動種別カウンタCS1のカウンタ値を読み出す。例えば、図14の始動入賞処理におけるステップS1104で当否情報が第3保留格納エリアRE3に格納された場合には、その第3保留格納エリアRE3に格納された当否情報に含まれる大当たり種別カウンタC2及び変動種別カウンタCS1のカウンタ値が読み出される。なお、第1保留格納エリアRE1〜第4保留格納エリアRE4のうち図14の始動入賞処理におけるステップS1104で当否情報が格納された保留エリアは、保留数記憶エリアNAに記憶されている保留数Nの値によって判断可能である。
<ステップS1207>
ステップS1207では、MPU41は、大当たり種別カウンタC2、変動種別カウンタCS1及び保留数Nを第1保留コマンドに設定する。このように、第1保留コマンドに、ステップS1201で読み出された保留数Nが含まれるため、第1保留コマンドを受信する音声ランプ制御装置5のMPU51は、第1保留コマンドに含まれる保留数Nを参照することにより、当該第1保留コマンドが第1保留格納エリアRE1〜第4保留格納エリアRE4のいずれに格納された当否情報に対応するものであるかを認識することが可能である。
<ステップS1208及びS1209>
ステップS1208では、MPU41は、RAM412から変動種別カウンタCS1のカウンタ値を読み出す。次いで、MPU41は、大当たり抽選での抽選結果が外れであることを示す情報、変動種別カウンタCS1及び保留数Nを第1保留コマンドに設定する(ステップS1209)。
なお、当該第1保留コマンド設定処理でオンに設定される第1保留コマンドは、RAM412に記憶されており、主制御装置4のMPU41によって実行される後述の図16のメイン処理のステップS1301において他のコマンドと共に音声ランプ制御装置5に送信された後に消去される。さらに、ここで説明した第1保留コマンドの内容は一例に過ぎず、音声ランプ制御装置5において前記保留コマンドと同様の内容を把握することが可能であれば、ここで説明するものに限らない。例えば、第1保留コマンドの一部又は全部の情報が他のコマンドに含まれることも考えられる。
[主制御装置4のメイン処理]
次に、図16を参照しつつ、主制御装置4のMPU41によって実行されるメイン処理について説明する。メイン処理では変動遊技及び大当たり遊技の進行に対する主要な制御処理が実行される。メイン処理では、ステップS1301〜S1310の処理が、例えば4msec周期の定期処理として実行され、ステップS1311〜S1313のカウンタ更新処理がステップS1301〜S1310の処理の終了後から次周期までの残余時間で実行される。
<ステップS1301>
図16に示すように、ステップS1301では、MPU41は、図13の主タイマ割込処理又は前回のメイン処理で設定されたコマンドなどの出力データをサブ制御ユニット332や周辺制御ユニット140などの制御装置に送信する外部出力処理を実行する。例えば、RAM412において変動パターンコマンド、第1保留コマンド、第2保留コマンド、シフトコマンド、大当たり開始コマンド、ラウンド遊技開始コマンド、エンディング開始コマンド、遊技設定値変更コマンド、単位大当たり抽選回数更新コマンドなどのコマンドが設定されている場合には、音声ランプ制御装置5にそのコマンドを送信する。また、当該メイン処理での後述のステップS1303の賞球コマンド設定処理においてRAM412に賞球コマンドが設定されている場合には、その賞球コマンドを払出制御装置7に対して送信する。
<ステップS1302>
ステップS1302では、MPU41は、変動種別カウンタCS1の値を更新する。具体的には、MPU41は、変動種別カウンタCS1でのカウンタ値に1を加算し、そのカウンタ値が最大値に達した場合は当該カウンタ値を0にクリアする。
<ステップS1303>
ステップS1303では、MPU41は、払出制御装置7及びサブ制御ユニット332に出力する賞球コマンドをRAM412に設定する。具体的に、MPU41は、RAM412に記憶されている入賞検知情報に基づいて、一般入賞口313、可変入賞口316などに入賞が発生したか否かを判断する。そして、入賞が発生している場合は、その入賞に応じて払い出す賞球数を示す賞球コマンドをRAM412に設定する。このとき、MPU41は、通常遊技状態(低確率モードであって高頻度サポートモードでない状態)では、一般入賞口313又は第1入賞口314に入賞が発生している場合に、RAM412の遊技情報格納エリア412dに格納される一般入賞口払出玉数又は第1入賞口払出玉数を、今回の入賞による払出玉数を加算した値に更新する。また、MPU41は、時短遊技状態(低確率モードであって高頻度サポートモードである状態)又は確変遊技状態(高確率モードであって高頻度サポートモードである状態)では、第2入賞口315に入賞が発生している場合に、RAM412の遊技情報格納エリア412dに格納される第2入賞口払出玉数を、今回の入賞による払出玉数を加算した値に更新する。さらに、MPU41は、大当たり遊技状態では、可変入賞口316に入賞が発生している場合に、RAM412の遊技情報格納エリア412dに格納される可変入賞口払出玉数を、今回の入賞による払出玉数を加算した値に更新する。
<ステップS1304>
ステップS1304では、MPU41は、変動遊技における遊技を制御するための変動遊技制御処理を実行する。なお、変動遊技制御処理の詳細については図17を参照して後述するが、変動遊技制御処理では、前述の大当たり抽選が実行され、図柄表示部341による図柄変動表示に必要な変動パターンコマンドが設定される。このとき、MPU41は、図13の主タイマ割込処理のステップS1003で更新される大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、並びに本処理のステップS1302及びステップS1313で更新される変動種別カウンタCS1の各値に基づいて、大当たり抽選の抽選結果及び変動表示時間を示す変動パターンコマンドをRAM412に設定する。
<ステップS1305>
ステップS1305では、MPU41は、大当たり遊技における遊技の進行を制御するための大当たり遊技制御処理を実行する。大当たり遊技制御処理では、オープニング、開閉実行モード及びエンディングからなる大当たり遊技に対する制御処理が実行される。開閉実行モードでは、MPU41は、可変入賞口316が開放されるラウンド遊技を、開閉扉316bの開閉動作を制御することで、当該大当たり遊技への移行の契機となった大当たり抽選の結果(大当たり種別)に応じた数だけ実行する。例えば、MPU41は、大当たり種別が5R通常大当たり及び5R確変大当たりである場合にはラウンド遊技を5回実行し、大当たり種別が16R確変大当たりである場合にはラウンド遊技を16回実行する。また、大当たり遊技制御処理では、開閉実行モードにおいて各ラウンド遊技を開始する場合にラウンド遊技開始コマンドをRAM412に設定し、エンディングを開始する場合にエンディング開始コマンドをRAM412に設定する。
<ステップS1306>
ステップS1306では、MPU41は、後述の図19の変動開始処理におけるステップS1602又はS1603での大当たり抽選の抽選結果に基づいて、遊技状態を移行させるための遊技状態移行処理を実行する。遊技状態移行処理では、MPU41は、所定の条件を満たす場合に遊技状態を、開閉実行モードが実行される大当たり遊技状態、高確率モードかつ高頻度サポートモードである確変遊技状態、低確率モードかつ高頻度サポートモードである時短遊技状態、低確率モードで高頻度サポートモードではない通常遊技状態などに移行させる。
例えば、MPU41は、大当たり抽選での抽選結果が大当たりである場合、当該抽選結果を報知する変動遊技の終了後に遊技状態を大当たり遊技状態に移行させる。このとき、MPU41は、RAM412に記憶された大当たり遊技状態フラグをオンに設定する。また、MPU41は、大当たり遊技が終了した場合、当該大当たり遊技を実行する契機となった大当たり抽選での抽選結果に応じて、遊技状態を大当たり遊技状態から所定の遊技状態に移行させる。本実施形態では、MPU41は、大当たり抽選での抽選結果が5R確変大当たり又は16R確変大当たりである場合に、大当たり遊技の終了後に確変遊技状態に移行させ、大当たり抽選での抽選結果が5R通常大当たりである場合に、大当たり遊技の終了後に時短遊技状態に移行させる。また、時短遊技状態において規定回数の大当たり抽選に対す抽選結果の報知が終了した場合に、当該変動遊技の終了後に遊技状態を通常遊技状態に移行させる。
また、MPU41は、遊技状態の移行を移行させた場合、移行前の遊技状態に対するフラグをオフに設定する一方で、移行後の遊技状態に対するフラグをオンに設定する。例えば、MPU41は、大当たり遊技状態から確変遊技状態への遊技状態の移行があった場合に大当たり遊技フラグをオフに設定する一方で高確率モードフラグをオンに設定する。一方、確変遊技状態から大当たり遊技状態への遊技状態の移行があった場合に高確率モードフラグをオフに設定する一方で大当たり遊技フラグをオンに設定する。
さらに、MPU41は、遊技状態を大当たり遊技状態に移行させる場合、大当り遊技開始コマンドをRAM412に設定すると共に、RAM412に設定される遊技情報格納エリア412dに保存された「大当たり回数」に1加算する。
<ステップS1307>
ステップS1307では、MPU41は、メイン表示部37の表示制御処理を実行する。この表示制御処理により、メイン表示部37における7セグメント表示器372,373で、変動パターンコマンドに対応する変動表示時間の間だけ図柄変動表示が実行され、その図柄変動表示は抽選結果を示す図柄で停止表示さることになる。また、表示制御処理により、メイン表示部37におけるLED対371で、予め定められた普通図柄変動表示時間の間だけ各LEDランプが点滅され、普通図柄当選の有無を一対のLEDランプの点灯及び消灯の組み合わせである点灯パターンによって示すことになる。なお、普通図柄当選の場合には第2入賞口315に付随する電動役物315bが所定時間だけ開放される。
<ステップS1308>
ステップS1308では、MPU41は、遊技設定値変更処理を実行する。この遊技設定値変更処理では、設定値変更操作部46に対する操作に応じて遊技設定値の表示若しくは非表示、又は遊技情報格納エリア412dに格納された遊技設定値の変更を制御する処理が実行される。なお、遊技設定値変更処理の詳細は、図20を参照して後述する。
また、本実施形態では、遊技設定値変更処理がメイン処理において実行されるが、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理、又は立ち上げ処理後から遊技球の打ち出しが開始されるまでの間に限定して実行されることも考えられる。これにより、遊技者により遊技が開始されて以降は、次回の電源投入がなされるまでは遊技設定値の変更が行えないため、遊技ホールの営業時間内で遊技設定値の変更がなされることを防止できる。
<ステップS1309>
ステップS1309では、MPU41は、遊技情報のうちの特定性能情報更新処理を実行する。本実施形態では、特定性能情報として、ベース情報、単位大当たり抽選回数、連続役物比率及び役物比率が更新される。なお、特定性能情報更新処理の詳細は、図21及び図22を参照して後述する。
<ステップS1310>
ステップS1310では、MPU41は、性能表示モニタ43の表示制御処理を実行する。この性能表示モニタ43の表示制御処理では、ステップS1309で更新されるベース情報を性能表示モニタ43に表示させる処理が実行される。なお、性能表示モニタ43の表示制御処理の詳細は、図23〜図26を参照して後述する。
<ステップS1311>
ステップS1311では、MPU41は、次のメイン処理の実行タイミングが到来したか否か、即ち今回のメイン処理の開始から所定時間(本実施形態では4msec)が経過したか否かを判断する。ここで、MPU41は、次のメイン処理の実行タイミングが到来したと判断すると(ステップS1311:Yes)、処理をステップS1301に移行させ、前述したS1301以降の各処理を実行する。一方、MPU41は、次のメイン処理の実行タイミングが到来していないと判断すると(ステップS1311:No)、次のメイン処理の実行タイミングが到来するまでの間、即ち次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間の間は、次のメイン処理の実行タイミングが到来したと判断するまで(ステップS1311:Yes)、ステップS1311、ステップS1312及びステップS1313を繰り返し実行する。
<ステップS1312>
ステップS1312では、MPU41は、乱数初期値カウンタCIN1,CIN2を更新する。具体的には、MPU41は、乱数初期値カウンタCIN1,CIN2でのカウンタ値に1を加算し、そのカウンタ値が最大値に達した場合には当該カウンタ値を0にクリアする。
<ステップS1313>
ステップS1313では、MPU41は、変動種別カウンタCS1を更新する。具体的には、変動種別カウンタCS1でのカウンタ値に1を加算し、それらのカウンタ値が最大値に達した場合には当該カウンタ値を0にクリアする。そして、MPU41は、変動種別カウンタCS1を更新した後、処理をステップS1311に戻す。
[変動遊技制御処理]
ここで、図17は、図16のメイン処理でのステップS1304において実行される変動遊技制御処理の手順の一例を示すフローチャートである。以下、図17を参照しつつ、変動遊技制御処理を説明する。
<ステップS1401>
図17に示すように、ステップS1401では、MPU41は、遊技機10が大当たり遊技中であるか否かを判断し、大当たり遊技中である場合は(ステップS1401:Yes)、当該変動遊技制御処理を終了し、大当たり遊技中でない場合は(ステップS1401:No)、処理をステップS1402に移行する。大当たり遊技の実行の有無は、例えば図16のメイン処理でのステップS1306の遊技状態移行処理において、大当たり遊技状態への移行時にオンに設定され、大当たり遊技状態から他の遊技状態への移行時にオフに設定される大当たり遊技フラグに基づいて判断される。
<ステップS1402>
ステップS1402では、MPU41は、図柄変動表示中であるか否かを判断し、図柄変動表示中である場合は(ステップS1402:Yes)、処理をステップS1403に移行させ、図柄変動表示中でない場合は(ステップS1402:No)、処理をステップS1406に移行させる。例えば、図柄変動表示中であるか否かは、後述の図19の変動開始処理でのステップS1606の変動表示開始時にオンに設定され、変動表示時間が経過した場合に(ステップS1403:Yes)、当該変動遊技制御処理のステップS1405でオフに設定される変動表示中フラグに基づいて判断される。
<ステップS1403>
ステップS1403では、MPU41は、図柄変動表示の開始から変動表示時間が経過したか否かを判断し、変動表示時間が経過したと判断した場合は(ステップS1403:Yes)、処理をステップS1404に移行し、変動表示時間が経過していないと判断した場合は(ステップS1403:No)、当該変動遊技制御処理を終了する。
<ステップS1404及びS1405>
変動表示時間が経過した場合(ステップS1403:Yes)、MPU41は、メイン表示部37の7セグメント表示器372,373において、当該変動遊技に対応する大当たり抽選の結果に応じた図柄を停止表示させ(ステップS1404)、変動表示中フラグがオフに設定する(ステップS1405)。
<ステップS1406>
図柄変動表示中でない場合は(ステップS1402:No)、MPU41は、保留格納エリア412bの保留数記憶エリアNAAに記憶されている保留数N、保留数記憶エリアNABに記憶されている保留数Mの両方が0であるか否かを判断する(ステップS1406)。ここで、MPU41は、保留数N及び保留数Mの両方が0である場合(ステップS1406:Yes)、当該変動遊技制御処理を終了する。一方、MPU41は、保留数N及び保留数Mのいずれか一方が0でない場合は(ステップS1406:No)、処理をステップS1407に移行する。
<ステップS1407>
ステップS1407では、MPU41は、保留格納エリア412bに記憶されている当否情報のデータについてデータ設定処理を実行する。MPU41は、ステップS1407の処理を終了した場合、処理をステップS1408に移行する。なお、データ設定処理の詳細は図18を参照して後述する。
<ステップS1408>
ステップS1408では、MPU41は、当否情報に基づく変動表示を図柄表示部341に実行させるための変動開始処理を実行し、当該変動遊技制御処理を終了する。なお、変動開始処理の詳細は、図19を参照して後述する。
[データ設定処理]
ここで、図18は、図17のステップS1407においてMPU41によって実行されるデータ設定処理の手順の一例を示すフローチャートである。以下、図18を参照しつつ、データ設定処理を説明する。
<ステップS1501>
図18に示すように、ステップS1501では、MPU41は、第2特別図柄遊技に対応する保留数Mが0であるか否かを判断し、保留数Mが0である場合(ステップS1501:Yes)、処理をステップS1502に移行する。一方、MPU41は、保留数Mが0でない場合(ステップS1501:No)、処理をステップS1505に移行する。
<ステップS1502〜S1504>
保留数Mが0である場合(ステップS1501:Yes)、MPU41は、保留数記憶エリアNAAに記憶されている保留数Nを1減算し(ステップS1502)、第1保留エリアREA1から実行エリアAEに当否情報を移動させる(ステップS1503)。続いて、MPU41は、第2保留エリアREA2〜第4保留エリアREA4の当否情報を1つずつシフトさせる(ステップS1504)。具体的に、ステップS1504では、第2保留エリアREA2の当否情報を第1保留エリアREA1に移動させ、第3保留エリアREA3の当否情報を第2保留エリアREA2に移動させ、第4保留エリアREA4の当否情報を第3保留エリアREA3に移動させる。MPU41は、ステップS1504の処理が終了した場合、処理をステップS1508に移行する。
<ステップS1505〜S1507>
ステップS1505は、保留数Mが0である場合に移行するが(ステップS1501:No)、ステップS1501は、図17のステップS1406において保留数M及び保留数Nの両方又は一方が0でない場合に移行する(ステップS1406:No)。そのため、MPU41は、保留数Mが0である場合(ステップS1501:No)、保留数Nが0でないと判断できるため、ステップS1505〜S1507の処理を実行する。
具体的には、MPU41は、保留数記憶エリアNABに記憶されている保留数Mを1減算し(ステップS1505)、第1保留エリアREB1から実行エリアAEに当否情報を移動させる(ステップS1506)。続いて、MPU41は、第2保留エリアREB2〜第4保留エリアREB4の当否情報を1つずつシフトさせる(ステップS1507)。具体的に、ステップS1507では、第2保留エリアREB2の当否情報を第1保留エリアREB1に移動させ、第3保留エリアREB3の当否情報を第2保留エリアREB2に移動させ、第4保留エリアREB4の当否情報を第3保留エリアREB3に移動させる。MPU41は、ステップS1507の処理が終了した場合、処理をステップS1508に移行する。
<ステップS1508>
ステップS1508では、MPU41は、第1保留エリアREA1〜第4保留エリアREA4又は第1保留エリアREB1〜第4保留エリアREB4の当否情報がシフトした旨を示すシフトコマンドをRAM412に設定する。そして、このステップS1508で設定されたシフトコマンドは、MPU41により実行される次回のメイン処理(図16参照)のステップS1301の外部出力処理で音声ランプ制御装置5に送信される。これにより、図柄表示部341に表示される保留図柄の表示数などが変更されることになる。ステップS1508の処理が終了した場合、MPU41は、当該データ設定処理を終了し、処理を図17のステップS1408に移行する。
[変動開始処理]
ここで、図19は、図17のステップS1408においてMPU41によって実行される変動開始処理の手順の一例を示すフローチャートである。以下、図19を参照しつつ、変動開始処理を説明する。
<ステップS1601>
図19に示すように、ステップS1601では、MPU41は、遊技状態が高確率モードである否かを判断する。高確率モードであるか否かは、例えば図16のメイン処理でのステップS1306の遊技状態移行処理でオンに設定される高確率モードフラグがオンに設定されているか否かに基づいて判断される。MPU41は、遊技状態が高確率モードである場合(ステップS1601:Yes)、処理をステップS1602に移行し、遊技状態が高確率モードでない場合(ステップS1601:No)、即ち遊技状態が低確率モードである場合、処理をステップS1603に移行する。
<ステップS1602及びS1603>
ステップS1602では、MPU41は、後述の図20の遊技設定値変更処理におけるステップS1712で遊技設定値に応じて保存される高確率モード当否テーブル(図7(B)参照)に基づいて、保留格納エリア412bの実行エリアAEに格納された当否情報に数値情報として含まれる大当たり乱数カウンタC1のカウンタ値が大当たり当選に対応する値であるか否かの当否判定を行う。一方、ステップS1603では、MPU41は、後述の図20の遊技設定値変更処理におけるステップS1712で遊技設定値に応じて保存される低確率モード当否テーブル(図7(A)参照)に基づいて、保留格納エリア412bの実行エリアAEに格納された当否情報に数値情報として含まれる大当たり乱数カウンタC1のカウンタ値が大当たり当選に対応する値であるか否かの当否判定を行う。
なお、ステップS1602及びS1603では、後述の図20の遊技設定値変更処理におけるステップS1712で遊技設定値に応じて保存される高確率モード当否テーブル又は低確率モード当否テーブルに基づいて当否判定が実行されるが、ステップS1602及びS1603において、後述の図20の遊技設定値変更処理におけるステップS1710で保存される遊技設定値を読み出した上で、その遊技設定値に応じた高確率モード当否テーブル又は低確率モード当否テーブルを逐一選択して当否判定を行ってもよい。
<ステップS1604>
ステップS1604では、MPU41は、当該変動遊技の変動パターンに対応するメイン表示部37の7セグメント表示器372,373の変動表示時間を変動表示時間カウンタに設定する。具体的に、MPU41は、ステップS1602又はS1603での当否判定の結果が通常大当たりである場合には、変動種別カウンタCS1と通常大当たり変動テーブル(図8(A)参照)とに基づいて変動パターンを特定する。また、MPU41は、ステップS1602又はS1603での当否判定の結果が確変大当たりである場合には、変動種別カウンタCS1と確変大当たり変動テーブル(図8(B)参照)とに基づいて変動パターンを特定する。さらに、MPU41は、ステップS1602又はS1603での当否判定の結果が外れである場合には、変動種別カウンタCS1と外れ変動テーブル(図8(C)参照)とに基づいて変動パターンを特定する。
<ステップS1605>
ステップS1605では、MPU41は、当該変動遊技に対する大当たり抽選での抽選結果とステップS1604で特定された変動パターンとを含む変動パターンコマンドをRAM412に設定する。これにより、MPU41により実行される次回のメイン処理(図16参照)のステップS1301では、変動パターンコマンドが音声ランプ制御装置5に送信され、音声ランプ制御装置5は、変動パターンコマンドに基づいて図柄表示部341による図柄変動表示などを実行する。
なお、前述したように、MPU41は、抽選結果が「通常大当たり」である場合、変動パターン「01」〜「03」に5R通常大当たりである旨を示す「A」を付した「A01」〜「A03」のいずれかを変動パターンコマンドとしてRAM412に設定する。また、MPU41は、抽選結果が「5R確変大当たり」である場合、変動パターン「01」〜「03」に5R確変大当たりである旨を示す「B」を付した「B01」〜「B03」のいずれかを変動パターンコマンドとしてRAM412に設定する。さらに、MPU41は、抽選結果が「16R確変大当たり」である場合、変動パターン「01」〜「03」に16R確変大当たりである旨を示す「C」を付した「C01」〜「C03」のいずれかを変動パターンコマンドとしてRAM412に設定する。また、MPU41は、抽選結果が「外れ」である場合、変動パターン「01」〜「08」に外れである旨を示す「D」を付した「D01」〜「D08」のいずれかを変動パターンコマンドとしてRAM412に設定する。また、MPU41は、抽選結果が「外れ」である場合、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ及び完全外れのいずれであるかの情報を変動パターンコマンドに含ませる。
<ステップS1606>
ステップS1606では、MPU41は、メイン表示部37の図柄変動表示を開始させ、当該変動開始処理を終了する。なお、MPU41は、メイン表示部37の図柄変動表示を開始させた場合、変動表示中フラグをオンに設定する。この変動表示中フラグは、図17の変動遊技処理におけるステップS1402において、メイン表示部37の図柄変動表示中であるか否かを判断するために参照される。また、MPU41は、メイン表示部37の図柄変動表示を開始させた場合、RAM412に設定される遊技情報格納エリア412dに保存された「累積大当たり抽選回数」に1加算する。さらに、MPU41は、ステップS1603での低確率モード当否テーブルに基づく当否判定の結果が外れである場合、遊技情報格納エリア412dに保存された「連続外れ回数」に1加算し、当否結果が大当たりである場合に「連続外れ回数」を0回にクリアする。
[遊技設定値変更処理]
ここで、図20は、図16のメイン処理のステップS1308で実行される遊技設定値変更処理の手順の一例を示すフローチャートである。以下、図20を参照しつつ、遊技設定値変更処理を説明する。
<ステップS1701>
図20に示すように、ステップS1701では、MPU41は、図柄変動表示中であるか否かを判断し、図柄変動表示中である場合は(ステップS1701:Yes)、当該遊技設定値変更処理を終了し、図柄変動表示中でない場合は(ステップS1701:No)、処理をステップS1702に移行させる。例えば、図柄変動表示中であるか否かは、図19の変動開始処理でのステップS1606においてオンに設定される変動表示中フラグに基づいて判断される。
<ステップS1702>
図柄変動表示中でない場合は(ステップS1701:No)、MPU41は、大当たり遊技状態であるか否かを判断し(ステップS1702)、大当たり遊技状態である場合は(ステップS1702:Yes)、当該遊技設定値変更処理を終了し、大当たり遊技状態でない場合は(ステップS1702:No)、処理をステップS1703に移行させる。例えば、大当たり遊技であるか否かは、図16のメイン処理でのステップS1306の遊技状態移行処理においてオンに設定される大当たり遊技状態フラグに基づいて判断される。
<ステップS1703>
図柄変動表示中及び大当たり遊技状態のいずれでもない場合(ステップS1701及びS1702で共にNo)、MPU41は、遊技設定値表示部45の電源がオフからオンに切り替えられたか否か(ステップS1703)、即ち設定値変更操作部46に対して遊技設定値表示部45の電源をオンにする操作がなされたか否かを判断する。つまり、本実施形態では、図柄変動表示中である場合(ステップS1701:Yes)や大当たり遊技状態である場合(ステップS1702:Yes)、遊技設定値の表示が行われず、遊技設定値の変更も行えない。ここで、MPU41は、遊技設定値表示部45の電源がオフからオンに切り替えられた場合(ステップS1703:Yes)、処理をステップS1704に移行し、遊技設定値表示部45の電源がオフからオンに切り替えられていない場合(ステップS1703:No)、処理をステップS1707に移行する。
<ステップS1704〜S1706>
遊技設定値表示部45の電源がオフからオンに切り替えられた場合(ステップS1703:Yes)、MPU41は、後述のステップS1710でRAM412の遊技情報格納エリア412dに保存される遊技設定値を読み出し(ステップS1704)、読み出した遊技設定値を示す数字を遊技設定値表示部45に表示させる(ステップS1705)。これにより、現在の遊技設定値を確認することができる。そして、MPU41は、遊技設定値表示部45に遊技設定値が表示されていることを示す設定値表示中フラグをオンに設定し(ステップS1706)、当該遊技設定値変更処理を終了する。
<ステップS1707>
遊技設定値表示部45の電源がオフからオンに切り替えられていない場合(ステップS1703:No)、MPU41は、設定値表示中フラグがオンに設定されているか否かを判断する(ステップS1707)。設定値表示中フラグは、上述のように遊技設定値表示部45に遊技設定値が表示されていることを示すものであり、ステップS1706でオンに設定される。MPU41は、設定値表示中フラグがオンに設定されている場合(ステップS1707:Yes)、処理をステップS1708に移行し、設定値表示中フラグがオフに設定されている場合(ステップS1707:No)、即ち遊技設定値表示部45が消灯状態で電源がオンにされない場合、当該遊技設定値変更処理を終了する。
<ステップS1708>
設定値表示中フラグがオンに設定されている場合(ステップS1707:Yes)、MPU41は、設定値変更操作部46が所定角度回転されたか否かを判断する(ステップS1708)。即ち、MPU41は、遊技設定値を変更する回転操作がなされたか否かを判断する。MPU41は、設定値変更操作部46が所定角度回転された場合(ステップS1708:Yes)、処理をステップS1709に移行し、設定値変更操作部46が回転されていない場合(ステップS1708:No)、処理をステップS1711に移行する。
<ステップS1709>
設定値変更操作部46が所定角度回転された場合(ステップS1708:Yes)、MPU41は、遊技設定値表示部45での表示を変更する処理を実行する(ステップS1709)。例えば、MPU41は、設定値変更操作部46が右方向に所定角度回転された場合に回転前に遊技設定値表示部45で表示されている数字よりも1つ大きい数字を表示させ、これとは逆に、設定値変更操作部46が左方向に所定角度回転された場合に回転前に遊技設定値表示部45で表示されている数字よりも1つ小さい数字を表示させる。
なお、回転前に遊技設定値表示部45で表示されている数字が「4」である場合に右方向に設定値変更操作部46が所定角度回転された場合には遊技設定値表示部45に表示される数字が「1」に変更され、回転前に遊技設定値表示部45で表示されている数字が「1」である場合に左方向に設定値変更操作部46が所定角度回転された場合、遊技設定値表示部45に表示される数字が「4」に変更される。また、遊技設定値表示部45で表示されている数字が「4」である場合に、それ以上右方向に回転しないようにし、遊技設定値表示部45で表示されている数字が「1」である場合に、それ以上左方向に回転しないようにしてもよい。
<ステップS1710>
ステップS1710では、MPU41は、遊技設定値表示部45に表示中の数字を遊技設定値としてRAM412の遊技情報格納エリア412dの遊技設定値に上書き保存し、当該遊技設定値変更処理を終了する。これにより、設定値変更操作部46の電源がオンからオフに切り替えられた場合に電源がオフにされる直前にRAM412に保存されている遊技設定値が有効な遊技設定値として最終的にRAM412の遊技情報格納エリア412dに保存される。そのため、設定値変更操作部46が回転させることによって遊技設定値表示部45に表示される数字を変更することで、RAM412に保存される遊技設定値が変更される。そして、目的とする遊技設定値に対応する数字が遊技設定値表示部45に表示された状態で遊技設定値表示部45の電源をオフにすることで遊技設定値を確定させることができる。
<ステップS1711>
設定値変更操作部46が所定角度回転されていない場合(ステップS1708:No)、MPU41は、遊技設定値表示部45の電源がオンからオフに切り替えられたか否か(ステップS1711)、即ち設定値変更操作部46に対して遊技設定値表示部45の電源をオフにする操作がなされたか否かを判断する。MPU41は、遊技設定値表示部45の電源がオンからオフに切り替えられた場合(ステップS1711:Yes)、処理をステップS1712に移行し、遊技設定値表示部45の電源がオンからオフに切り替えられていない場合(ステップS1711:No)、当該遊技設定値変更処理を終了する。なお、遊技設定値表示部45の電源がオンからオフに切り替えられた場合(ステップS1711:Yes)、遊技設定値表示部45では、7セグメント表示器への通電が遮断されることで遊技設定値を示す数字が消灯され、上述のように遊技設定値が確定される。
<ステップS1712及びS1713>
遊技設定値表示部45の電源がオンからオフに切り替えられた場合(ステップS1711:Yes)、MPU41は、ステップS1710でRAM412の遊技情報格納エリア412dに保存された遊技設定値に応じた低確率モード当否テーブル(図7(A)参照)及び高確率モード当否テーブル(図7(B)参照)を選択してRAM412に保存する(ステップS1712)。そして、MPU41は、設定値表示中フラグをオフに設定し、当該遊技設定値変更処理を終了する。
ここで、ステップS1712では、RAM412の遊技情報格納エリア412dに保存された遊技設定値に応じた低確率モード当否テーブル(図7(A)参照)及び高確率モード当否テーブル(図7(B)参照)が選択される。つまり、低確率モード当否テーブルと高確率モード当否テーブルとで同一遊技設定値の当否テーブルが選択されるため、遊技設定値の変更操作が容易である。但し、低確率モードでの遊技設定値と高確率モードでの遊技設定値とを個別に変更可能としてもよい。この場合、例えば低確率モードの遊技設定値を「1」とし、高確率モードの遊技設定値を「4」とするなどように、低確率モードと高確率モードとで異なる段階(数値)の遊技設定値とすることが可能になる。
[性能情報更新処理]
ここで、図21は、図16のメイン処理で実行される特定性能情報更新処理の手順の一例を示すフローチャートである。図22は、図21の特定性能情報更新処理で更新されるベース情報の一例を示す図である。以下、図21及び図22を参照しつつ特定性能情報更新処理を説明する。
<ステップS1801〜S1803>
図21に示すように、MPU41は、RAM412の遊技情報格納エリア412dに保存された各種払出玉数の読み出しを行い(ステップS1801)、さらにRAM412の遊技情報格納エリア412dに保存されたアウト玉数の読み出しを行う(ステップS1802)。ここで、各種払出玉数は、ベース情報など更新に必要な払出玉数であり、一般入賞口払出玉数、第1入賞口払出玉数、第2入賞口払出玉数及び可変入賞口払出玉数が該当する。そして、MPU41は、読み出した一般入賞口払出玉数、第1入賞口払出玉数、及びアウト玉数に基づいて現状ベースBLを算出し、RAM412の遊技情報格納エリア412dに保存されたベース情報の現状ベースBLを上書き更新する(ステップS1803)(図22(A)参照)。なお、現状ベースBL(%)は、100×(一般入賞口払出玉数+第1入賞口払出玉数)/アウト玉数として計算される。
<ステップS1804及びS1805>
MPU41は、RAM412の遊技情報格納エリア412dに保存された累積大当たり抽選回数(累積変動表示回数)を読み出し(ステップS1804)、RAM412の遊技情報格納エリア412dに保存されている単位大当たり抽選回数を更新する(ステップS1805)。単位大当たり抽選回数は、通常遊技状態でのマイナス差玉250玉となるまで7セグメント表示器372の図柄変動表示回数(大当たり抽選を受けた回数)として計算される。具体的には、単位大当たり抽選回数=「累積大当たり抽選回数」/((「アウト玉数」−「一般入賞口払出玉数」−「第1入賞口払出玉数」)/250玉)として計算される。本実施形態では、「単位大当たり抽選回数」は、遊技機10が遊技ホールに設置されてからの現在に至るまでの累積単位大当たり抽選回数として算出される。
<ステップS1806>
ステップS1806では、MPU41は、ステップS1802で読み出したアウト玉数が60000玉に達しているか否かを判断し、アウト玉数が60000玉に達している場合(ステップS1806:Yes)、処理をステップS1807に移行し、アウト玉数が60000玉に達していない場合(ステップS1806:No)、当該特定性能情報更新処理を終了する。
<ステップS1807〜S1810>
アウト玉数が60000玉に達している場合(ステップS1806:Yes)、MPU41は、RAM412の遊技情報格納エリア412dに保存されているベース情報を更新する(ステップS1807)。具体的には、図22(A)及び図22(B)に示すように、MPU41は、ベース情報において、前回6万玉ベースB1を前々回6万玉ベースにシフトさせ(ステップS1807)、ステップS1803で更新された現状ベースBLを前回6万玉ベースB1にシフトさせ(ステップS1808)、現状ベースBLを0にクリアする(ステップS1809)。そして、MPU41は、RAM412の遊技情報格納エリア412dにおける各種払出玉数及びアウト玉数を0玉にクリアし(ステップS1810)、当該特定性能情報更新処理を終了する。
[性能表示モニタの表示制御処理]
ここで、図23〜図26は、図16のメイン処理のステップS1310で実行される性能表示モニタ43の表示制御処理の手順の一例を示すフローチャートである。以下、図23〜図26を参照しつつ、性能表示モニタ43の表示制御処理を説明する。
<ステップS1901>
図23に示すように、ステップS1901では、MPU41は、BL表示中フラグがオンに設定されているか否かを判断する。ここで、BL表示中フラグは、性能表示モニタ43において現状ベースBLが表示されていることを示すフラグであり、後述のステップS1906又は図26のステップS1930でオンに設定される。MPU41は、BL表示中フラグがオンに設定されている場合(ステップS1901:Yes)、処理を図24のステップS1908に移行し、BL表示中フラグがオフに設定されている場合(ステップS1901:No)、処理をステップS1902に移行する。
<ステップS1902>
BL表示中フラグがオフに設定されている場合(ステップS1901:No)、MPU41は、B1表示中フラグがオンに設定されているか否かを判断する(ステップS1902)。ここで、B1表示中フラグは、性能表示モニタ43において前回6万玉ベースB1が表示されていることを示すフラグであり、後述の図24のステップS1912でオンに設定される。MPU41は、B1表示中フラグがオンに設定されている場合(ステップS1902:Yes)、処理を図25のステップS1918に移行し、B1表示中フラグがオフに設定されている場合(ステップS1902:No)、処理をステップS1903に移行する。
<ステップS1903>
B1表示中フラグがオフに設定されている場合(ステップS1902:No)、MPU41は、B2表示中フラグがオンに設定されているか否かを判断する(ステップS1903)。ここで、B2表示中フラグは、性能表示モニタ43において前々回6万玉ベースB2が表示されていることを示すフラグであり、後述の図25のステップS1921でオンに設定される。MPU41は、B2表示中フラグがオンに設定されている場合(ステップS1903:Yes)、処理を図26のステップS1926に移行し、B2表示中フラグがオフに設定されている場合(ステップS1903:No)、処理をステップS1904に移行する。
<ステップS1904>
B2表示中フラグがオフに設定されている場合(ステップS1903:No)、MPU41は、性能表示スイッチ44がオフからオンに切り替えられたか否かを判断する(ステップS1904)。性能表示スイッチ44がオフからオンに切り替えられた場合(ステップS1904:Yes)、処理をステップS1905に移行し、性能表示スイッチ44がオフからオンに切り替えられていない場合(ステップS1904:No)、当該表示制御処理を終了する。
<ステップS1905〜S1907>
性能表示スイッチ44がオフからオンに切り替えられた場合(ステップS1904:Yes)、MPU41は、RAM412の遊技情報格納エリア412dに保存されたベース情報に含まれる現状ベースBLを性能表示モニタ43に表示させる(ステップS1905)。例えば、RAM412の遊技情報格納エリア412dに保存されたベース情報が図22(A)に示す例である場合には現状ベースBLが29%であることを示す「8.」、「L」、「2」、「9」が性能表示モニタ43を構成する4つの7セグメント表示器431〜434に表示され、ベース情報が図22(B)に示す例である場合には現状ベースBLが0%であることを示す「8.」、「L」、「0」、「0」が性能表示モニタ43を構成する4つの7セグメント表示器431〜434に表示される。そして、MPU41は、BL表示中フラグをオンに設定し(ステップS1906)、現状ベースBLを性能表示モニタ43に一定時間表示させるためのBL表示時間カウンタをセットし(ステップS1907)、当該表示制御処理を終了する。
<ステップS1908及びS1909>
BL表示中フラグがオンに設定されている場合(ステップS1901:Yes)、図24に示すように、MPU41は、図23のステップS1907でセットされるBL表示時間カウンタの値を1減算し(ステップS1908)、減算後のBL表示時間カウンタの値が0であるか否かを判断する(ステップS1909)。MPU41は、減算後のBL表示時間カウンタの値が0である場合(ステップS1909:Yes)、処理をステップS1910に移行し、減算後のBL表示時間カウンタの値が0でない場合(ステップS1909:No)、処理をステップS1913に移行する。
<ステップS1910〜S1913>
減算後のBL表示時間カウンタの値が0である場合(ステップS1909:Yes)、MPU41は、BL表示中フラグをオフに設定し(ステップS1910)、RAM412の遊技情報格納エリア412dに保存されたベース情報に含まれる前回6万玉ベースB1を性能表示モニタ43に表示させる(ステップS1911)。例えば、RAM412の遊技情報格納エリア412dに保存されたベース情報が図22(A)に示す例である場合には前回6万玉ベースB1が33%であることを示す「8.」、「1」、「3」、「3」が性能表示モニタ43を構成する4つの7セグメント表示器431〜434に表示され、ベース情報が図22(B)に示す例である場合には前回6万玉ベースB1が29%であることを示す「8.」、「1」、「2」、「9」が性能表示モニタ43を構成する4つの7セグメント表示器431〜434に表示される。そして、MPU41は、B1表示中フラグをオンに設定し(ステップS1912)、前回6万玉ベースB1を性能表示モニタ43に一定時間表示させるためのB1表示時間カウンタをセットし(ステップS1913)、当該表示制御処理を終了する。
<ステップS1914>
減算後のBL表示時間カウンタの値が0でない場合(ステップS1909:No)、MPU41は、性能表示スイッチ44がオンからオフに切り替えられたか否かを判断する(ステップS1914)。性能表示スイッチ44がオンからオフに切り替えられた場合(ステップS1914:Yes)、処理をステップS1915に移行し、性能表示スイッチ44がオンからオフに切り替えられていない場合(ステップS1914:No)、当該表示制御処理を終了する。なお、性能表示スイッチ44がオンからオフに切り替えられた場合(ステップS1914:Yes)、性能表示モニタ43では、7セグメント表示器431〜434への通電が遮断されることで現状ベースBLを示すアルファベット及び数字が消灯される。
<ステップS1915及びS1916>
性能表示スイッチ44がオンからオフに切り替えられた場合(ステップS1914:Yes)、MPU41は、BL表示中フラグをオフに設定し(ステップS1915)、BL表示時間カウンタの値を0にクリアし(ステップS1916)、当該表示制御処理を終了する。
<ステップS1917及びS1918>
B1表示中フラグがオンに設定されている場合(ステップS1902:Yes)、図25に示すように、MPU41は、図24のステップS1913でセットされるB1表示時間カウンタの値を1減算し(ステップS1917)、減算後のB1表示時間カウンタの値が0であるか否かを判断する(ステップS1918)。MPU41は、減算後のB1表示時間カウンタの値が0である場合(ステップS1918:Yes)、処理をステップS1919に移行し、減算後のB1表示時間カウンタの値が0でない場合(ステップS1918:No)、処理をステップS1923に移行する。
<ステップS1919〜S1922>
減算後のB1表示時間カウンタの値が0である場合(ステップS1918:Yes)、MPU41は、B1表示中フラグをオフに設定し(ステップS1919)、RAM412の遊技情報格納エリア412dに保存されたベース情報に含まれる前々回6万玉ベースB2を性能表示モニタ43に表示させる(ステップS1920)。例えば、RAM412の遊技情報格納エリア412dに保存されたベース情報が図22(A)に示す例である場合には前々回6万玉ベースB2が32%であることを示す「8.」、「2」、「3」、「2」が性能表示モニタ43を構成する4つの7セグメント表示器431〜434に表示され、ベース情報が図22(B)に示す例である場合には前々回6万玉ベースB2が33%であることを示す「8.」、「2」、「3」、「3」が性能表示モニタ43を構成する4つの7セグメント表示器431〜434に表示される。そして、MPU41は、B2表示中フラグをオンに設定し(ステップS1921)、前々回6万玉ベースB2を性能表示モニタ43に表示させる一定時間に対応させたB2表示時間カウンタをセットし(ステップS1922)、当該表示制御処理を終了する。
<ステップS1923>
減算後のB1表示時間カウンタの値が0でない場合(ステップS1918:No)、MPU41は、性能表示スイッチ44がオンからオフに切り替えられたか否かを判断する(ステップS1923)。性能表示スイッチ44がオンからオフに切り替えられた場合(ステップS1923:Yes)、処理をステップS1924に移行し、性能表示スイッチ44がオンからオフに切り替えられていない場合(ステップS1923:No)、当該表示制御処理を終了する。なお、性能表示スイッチ44がオンからオフに切り替えられた場合(ステップS1923:Yes)、性能表示モニタ43では、7セグメント表示器431〜434への通電が遮断されることで前回6万玉ベースB1を示すアルファベット及び数字が消灯される。
<ステップS1924及びS1925>
性能表示スイッチ44がオンからオフに切り替えられた場合(ステップS1923:Yes)、MPU41は、B1表示中フラグをオフに設定し(ステップS1924)、B1表示時間カウンタの値を0にクリアし(ステップS1925)、当該表示制御処理を終了する。
<ステップS1926及びS1927>
B2表示中フラグがオンに設定されている場合(ステップS1903:Yes)、図26に示すように、MPU41は、図25のステップS1922でセットされるB2表示時間カウンタの値を1減算し(ステップS1926)、減算後のB2表示時間カウンタの値が0であるか否かを判断する(ステップS1927)。MPU41は、減算後のB2表示時間カウンタの値が0である場合(ステップS1927:Yes)、処理をステップS1928に移行し、減算後のB2表示時間カウンタの値が0でない場合(ステップS1927:No)、処理をステップS1932に移行する。
<ステップS1928〜S1931>
減算後のB2表示時間カウンタの値が0である場合(ステップS1927:Yes)、MPU41は、B2表示中フラグをオフに設定し(ステップS1928)、RAM412の遊技情報格納エリア412dに保存されたベース情報に含まれる現状ベースBLを性能表示モニタ43に表示させる(ステップS1929)。例えば、RAM412の遊技情報格納エリア412dに保存されたベース情報が図22(A)に示す例である場合には現状ベースBLが29%であることを示す「8.」、「L」、「2」、「9」が性能表示モニタ43を構成する4つの7セグメント表示器431〜434に表示され、ベース情報が図22(B)に示す例である場合には現状ベースBLが0%であることを示す「8.」、「L」、「0」、「0」が性能表示モニタ43を構成する4つの7セグメント表示器431〜434に表示される。そして、MPU41は、BL表示中フラグをオンに設定し(ステップS1930)、現状ベースBLを性能表示モニタ43に一定時間表示させるためのBL表示時間カウンタをセットし(ステップS1931)、当該表示制御処理を終了する。
<ステップS1932>
減算後のB2表示時間カウンタの値が0でない場合(ステップS1927:No)、MPU41は、性能表示スイッチ44がオンからオフに切り替えられたか否かを判断する(ステップS1932)。性能表示スイッチ44がオンからオフに切り替えられた場合(ステップS1932:Yes)、処理をステップS1933に移行し、性能表示スイッチ44がオンからオフに切り替えられていない場合(ステップS1932:No)、当該表示制御処理を終了する。なお、性能表示スイッチ44がオンからオフに切り替えられた場合(ステップS1932:Yes)、性能表示モニタ43では、7セグメント表示器431〜434への通電が遮断されることで前々回6万玉ベースB2を示すアルファベット及び数字が消灯される。
<ステップS1933及びS1934>
性能表示スイッチ44がオンからオフに切り替えられた場合(ステップS1932:Yes)、MPU41は、B2表示中フラグをオフに設定し(ステップS1933)、B2表示時間カウンタの値を0にクリアし(ステップS1934)、当該表示制御処理を終了する。
[音声ランプ制御装置5の処理]
次に、図27〜図51を参照しつつ、音声ランプ制御装置5でMPU51によって実行される処理について説明する。
なお、本実施形態で音声ランプ制御装置5のMPU51が実行する処理の一部又は全部が、表示制御装置6のMPU61によって実行されることも他の実施形態として考えられる。また、音声ランプ制御装置5では、MPU51が、スピーカ26及び電飾部27の制御処理、音声ランプ制御装置5の立ち上げ時の立ち上げ処理、停電時のNMI割込処理なども実行するが、それらの処理については説明を省略する。
[音声ランプ制御装置5の副タイマ割込処理]
ここで、図27は、音声ランプ制御装置5のMPU51によって実行される副タイマ割込処理の手順の一例を示すフローチャートである。MPU51は、例えば副タイマ割込処理を1msec周期の定期処理として実行する。
図27に示すように、MPU51は、副タイマ割込処理において、操作検出処理(ステップS2001)、操作検出パターン判定処理(ステップS2002)、カウンタ更新処理(ステップS2003)、コマンド判定処理(ステップS2004)、変動遊技演出処理(ステップS2005)、及び大当たり遊技演出処理(ステップS2006)を実行する。
[操作検出処理]
ここで、図28は、図27の副タイマ割込処理における操作検出処理(ステップS2001)の手順の一例を示すフローチャートである。操作検出処理では、操作ボタン20の操作状態を検出し、過去3回分の操作履歴を順次更新するための処理を実行する。遊技機10では、MPU51によって操作検出処理が実行されることにより、副タイマ割込処理の割込周期に対応した予め定められた間隔(本実施形態では1msec間隔)で操作ボタン20の操作の有無が判断されることになる。
<ステップS2101〜S2103>
図28に示すように、ステップS2101では、MPU51は、第2操作検出フラグの設定を第1操作検出フラグにシフト(上書き)させる。また、ステップS2102では、MPU51は、第3操作検出フラグの設定を第2操作検出フラグにシフト(上書き)させる。その後、ステップS2103では、MPU51は、操作スイッチ20aにより検出される操作ボタン20の操作状態を第3操作検出フラグに設定(上書き)し、当該操作検出処理は終了する。
このように、操作検出処理では、ステップS2101〜S2103の処理が実行されることにより、操作ボタン20の操作履歴として1msec間隔の直近の3回分の操作状態が第1操作検出フラグ〜第3操作検出フラグとしてRAM512に記憶される。具体的に、第3操作検出フラグとして直近の操作状態が記憶され、第2操作検出フラグとして一つ前の操作状態が記憶され、第1操作検出フラグとして二つ前の操作状態が記憶される。
[操作検出パターン判定処理]
ここで、図29は、図27の副タイマ割込処理における操作検出パターン判定処理(ステップS2002)の手順の一例を示すフローチャートである。操作検出パターン判定処理では、第1操作検出フラグ、第2操作検出フラグ及び第3操作検出フラグに基づいて判定される操作ボタン20の操作履歴から操作ボタン20に対する操作状態を判定するための操作パターンフラグを設定する。操作パターンフラグは第1〜第3操作パターンフラグからなり、第1〜第3操作パターンフラグのオン及びオフの組み合わせによって操作ボタン20の操作状態を判定できる。例えば、図30に示すように、第1操作パターンフラグのみがオンに設定されている場合には、操作ボタン20に対する操作が継続されていると判定できる。また、第2操作パターンフラグのみがオンに設定されている場合には、操作ボタン20に対する操作が開始されたと判定できる。また、第3操作パターンフラグのみがオンに設定されている場合には、操作ボタン20に対する操作が終了したと判定できる。そして、第1〜第3操作パターンフラグの全てがオフに設定されている場合には、操作ボタン20に対する操作がなされていないと判定できる。
<ステップS2201>
図29に示すように、ステップS2201では、MPU51は、3回前の操作ボタン20の操作状態を示す第1操作検出フラグがオンに設定されているか否かを判断する。ここで、MPU51は、第1操作検出フラグがオンである場合(ステップS2201:Yes)、処理をステップS2202に移行し、第1操作検出フラグがオフである場合(ステップS2201:No)、処理をステップS2205に移行する。
<ステップS2202>
ステップS2202では、MPU51は、2回前の操作ボタン20の操作状態を示す第2操作検出フラグがオンに設定されているか否かを判断する。ここで、MPU51は、第2操作検出フラグがオンである場合(ステップS2202:Yes)、処理をステップS2203に移行し、第2操作検出フラグがオフである場合(ステップS2202:No)、処理をステップS2208に移行する。
<ステップS2203>
ステップS2203では、MPU51は、直近の操作ボタン20の操作状態を示す第3操作検出フラグがオンに設定されているか否かを判断する。ここで、MPU51は、第3操作検出フラグがオンである場合(ステップS2203:Yes)、処理をステップS2204に移行し、第3操作検出フラグがオフである場合(ステップS2203:No)、処理をステップS2210に移行する。
<ステップS2204>
ステップS2204では、MPU51は、第1操作パターンフラグをオン、第2操作パターンフラグ及び第3操作パターンフラグをオフに設定し、当該操作検出パターン判定処理を終了する。即ち、MPU51は、操作ボタン20の3回分の操作状態として「オン」、「オン」、「オン」の操作パターンが発生した場合に、操作ボタン20の操作状態が継続していると判断できるため、第1操作パターンフラグをオンに設定し、第2操作パターンフラグ及び第3操作パターンフラグをオフに設定する(図30参照)。そして、第1操作パターンフラグは、操作ボタン20の操作状態が継続しているか否かを判断するための指標として利用される。
<ステップS2205>
MPU51は、ステップS2201において第1操作検出フラグがオフであると判断した場合(ステップS2201:No)、2回前の操作ボタン20の操作状態を示す第2操作検出フラグがオンであるか否かを判断する(ステップS2205)。ここで、MPU51は、第2操作検出フラグがオンである場合(ステップS2205:Yes)、処理をステップS2206に移行し、第2操作検出フラグがオフである場合(ステップS2205:No)、処理をステップS2210に移行する。
<ステップS2206>
ステップS2206では、MPU51は、直近の操作ボタン20の操作状態を示す第3操作検出フラグがオンであるか否かを判断する。ここで、MPU51は、第3操作検出フラグがオンである場合(ステップS2206:Yes)、処理をステップS2207に移行し、第3操作検出フラグがオフである場合(ステップS2206:No)、処理をステップS2210に移行する。
<ステップS2207>
ステップS2207では、MPU51は、第2操作パターンフラグをオン、第1操作パターンフラグ及び第3操作パターンフラグをオフに設定し、当該操作検出パターン判定処理を終了する。即ち、MPU51は、操作ボタン20の3回分の操作状態として「オフ」、「オン」、「オン」の操作パターンが発生した場合に、操作ボタン20が非操作状態から操作状態に変化した(操作が開始された)と判断できるため、第2操作パターンフラグをオンに設定し、第1操作パターンフラグ及び第3操作パターンフラグをオフに設定する(図30参照)。そして、第2操作パターンフラグは、操作ボタン20が非操作状態から操作状態に変化したか否かを(操作ボタン20の操作が開始されたか否か)を判断するための指標として利用される。このように、第2操作パターンフラグを用いて、操作ボタン20が非操作状態から操作状態に変化したか否かを判断すれば、操作ボタン20の3回分の操作状態が反映されるため、電波又は静電気などのノイズに起因する操作ボタン20の操作開始の誤検出が防止され、遊技者が意図しないタイミングで操作ボタン20の操作開始が演出表示に反映されることが防止される。
<ステップS2208>
MPU51は、ステップS2202において第2操作検出フラグがオフであると判断した場合(ステップS2202:No)、直近の操作ボタン20の操作状態を示す第3操作検出フラグがオンであるか否かを判断する(ステップS2208)。ここで、MPU51は、第3操作検出フラグがオンである場合(ステップS2208:Yes)、処理をステップS2210に移行し、第2操作検出フラグがオフである場合(ステップS2208:No)、処理をステップS2209に移行する。
<ステップS2209>
ステップS2209では、MPU51は、第3操作パターンフラグをオン、第1操作パターンフラグ及び第2操作パターンフラグをオフに設定し、当該操作検出パターン判定処理を終了する。即ち、MPU51は、操作ボタン20の3回分の操作状態として「オン」、「オフ」、「オフ」の操作パターンが発生した場合に、操作ボタン20が操作状態から非操作状態に変化した(操作が終了した)と判断できるため、第3操作パターンフラグをオンに設定し、第1操作パターンフラグ及び第2操作パターンフラグをオフに設定する(図30参照)。そして、第3操作パターンフラグは、操作ボタン20が操作状態から非操作状態に変化したか否かを(操作ボタン20の操作が終了したか否か)を判断するための指標として利用される。このように、第3操作パターンフラグを用いて、操作ボタン20が操作状態から非操作状態に変化したか否かを判断すれば、操作ボタン20の3回分の操作状態が反映されるため、電波又は静電気などのノイズに起因する操作ボタン20の操作開始の誤検出が防止され、遊技者が意図しないタイミングで操作ボタン20の操作終了が演出表示に反映されることが防止される。
<ステップS2210>
ステップS2210では、MPU51は、第1操作パターンフラグ、第2操作パターンフラグ及び第3操作パターンフラグをオフに設定し、当該操作検出パターン判定処理を終了する。即ち、MPU51は、操作ボタン20の3回分の操作状態として「オフ」、「オフ」、「オフ」など上記以外の操作パターンが発生した場合に、第1〜第3操作パターンフラグの全てをオフに設定する(図30参照)。なお、MPU51は、第1〜第3操作パターンフラグの全てがオフの場合、操作ボタン20が非操作状態であると判定する。
[カウンタ更新処理]
ここで、図27の説明に戻り、カウンタ更新処理(ステップS2003)では、MPU51は、第1停止図柄種別カウンタ、演出パターン種別カウンタ、変動表示カウンタなどの更新を実行する。具体的には、MPU51は、第1停止図柄種別カウンタ及び演出種別カウンタでのカウンタ値に1を加算し、そのカウンタ値が最大値に達した場合は当該カウンタ値を0にクリアする。ここで更新される第1停止図柄種別カウンタは、主制御装置4から受信する変動パターンコマンドに基づいて最初に停止される主図柄の種別を決定するために使用される。例えば、第1停止図柄種別カウンタは0〜99の間でループするループカウンタである。また、演出パターン種別カウンタは、主制御装置4から受信する変動パターンコマンドに基づいて演出種別(演出パターン)を決定するために使用される。例えば、演出種別カウンタは0〜109の間でループするループカウンタである。一方、MPU51は、変動表示カウンタを1減算する。この変動表示カウンタは、図柄表示部341の変動表示時間を計時するためのものであり、変動表示カウンタでのカウンタ値は残り変動表示時間が0になる場合に0になるように設定される。従って、変動表示カウンタのカウンタ値に基づいて、残りの変動表示時間、変動中であること、図柄表示部341の変動表示が終了したことなどを把握できる。また、MPU51は、キャラクタ種別カウンタでのカウンタ値に1を加算し、そのカウンタ値が最大値に達した場合は当該カウンタ値を0にクリアする。ここで更新されるキャラクタ種別カウンタは、遊技設定値を示唆するキャラクタ種別を決定するために使用される。例えば、キャラクタ種別カウンタは0〜114の間でループするループカウンタである。また、MPU51は、キャラクタ態様種別カウンタでのカウンタ値に1を加算し、そのカウンタ値が最大値に達した場合は当該カウンタ値を0にクリアする。ここで更新されるキャラクタ態様種別カウンタは、単位大当たり抽選回数を示唆するキャラクタ態様種別を決定するために使用される。例えば、キャラクタ態様種別カウンタは0〜119の間でループするループカウンタである。また、MPU51は、オープニング基本演出種別カウンタでのカウンタ値に1を加算し、そのカウンタ値が最大値に達した場合は当該カウンタ値を0にクリアする。ここで更新されるオープニング基本演出種別カウンタは、大当たり遊技のオープニングでの基本演出種別を決定するために使用される。例えば、オープニング基本演出種別カウンタは0〜99の間でループするループカウンタである。また、MPU51は、オープニング用ランク示唆画像種別カウンタでのカウンタ値に1を加算し、そのカウンタ値が最大値に達した場合は当該カウンタ値を0にクリアする。ここで更新されるオープニング用ランク示唆演出種別カウンタは、大当たり遊技のオープニングでの基本演出と共に実行される単位大当たり抽選回数のランクを示唆するランク示唆画像種別を決定するために使用される。例えば、オープニング用ランク示唆画像種別カウンタは0〜104の間でループするループカウンタである。また、MPU51は、エンディング基本演出種別カウンタでのカウンタ値に1を加算し、そのカウンタ値が最大値に達した場合は当該カウンタ値を0にクリアする。ここで更新されるエンディング基本演出種別カウンタは、大当たり遊技のエンディングでの基本演出種別を決定するために使用される。例えば、エンディング基本演出種別カウンタは0〜109の間でループするループカウンタである。また、MPU51は、エンディング用ランク示唆画像種別カウンタでのカウンタ値に1を加算し、そのカウンタ値が最大値に達した場合は当該カウンタ値を0にクリアする。ここで更新されるエンディング用ランク示唆演出種別カウンタは、大当たり遊技のエンディングでの基本演出と共に実行される単位大当たり抽選回数のランクを示唆するランク示唆画像種別を決定するために使用される。例えば、エンディング用ランク示唆画像種別カウンタは0〜74の間でループするループカウンタである。また、MPU51は、開閉実行モード演出シナリオ種別でのカウンタ値に1を加算し、そのカウンタ値が最大値に達した場合は当該カウンタ値を0にクリアする。ここで更新される開閉実行モード演出シナリオ種別は、大当たり遊技の開閉実行モードでの演出シナリオ種別を決定するために使用される。例えば、開閉実行モード演出シナリオ種別カウンタは0〜79の間でループするループカウンタである。また、MPU51は、ラウンド遊技キャラクタ種別カウンタでのカウンタ値に1を加算し、そのカウンタ値が最大値に達した場合は当該カウンタ値を0にクリアする。ここで更新されるラウンド遊技キャラクタ種別カウンタは、大当たり遊技のラウンド遊技でのキャラクタ種別を決定するために使用される。例えば、ラウンド遊技キャラクタ種別カウンタは0〜49の間でループするループカウンタである。また、MPU51は、ラウンド遊技用ランク示唆画像種別カウンタでのカウンタ値に1を加算し、そのカウンタ値が最大値に達した場合は当該カウンタ値を0にクリアする。ここで更新されるラウンド遊技用ランク示唆演出種別カウンタは、大当たり遊技のラウンド遊技演出と共に実行される単位大当たり抽選回数のランクを示唆するランク示唆画像種別を決定するために使用される。例えば、ラウンド遊技用ランク示唆画像種別カウンタは0〜89の間でループするループカウンタである。
[コマンド判定処理]
コマンド判定処理(ステップS2004)では、主制御装置4から受信するコマンドを判定し、そのコマンドに対応する処理を実行する。ここで、図31は、図27の副タイマ割込処理でのステップS2004で実行されるコマンド判定処理の手順の一例を示すフローチャートである。
<ステップS2301>
図27に示すように、ステップS2301では、MPU51は、主制御装置4からコマンドを受信したか否かを判断する。ここで、MPU51は、コマンドを受信した場合(ステップS2301:Yes)、処理をステップS2302に移行する。一方、MPU51は、コマンドを受信していない場合(ステップS2301:No)、当該コマンド判定処理を終了する。なお、主制御装置4から受信したコマンドは、RAM512の未処理コマンド記憶エリアに格納され、MPU51は、未処理コマンド記憶エリアを参照することによりコマンドの受信の有無を判断する。なお、未処理コマンド記憶エリアに記憶されているコマンドは、ステップS2301でコマンドを受信したと判断され、処理の対象となった場合に未処理コマンド記憶エリアから消去され、例えば処理作業用記憶エリアに記憶される。
<ステップS2302>
ステップS2302では、MPU51は、受信したコマンドが変動パターンコマンドであるか否かを判断する。ここで、MPU51は、変動パターンコマンドである場合(ステップS2302:Yes)、処理をステップS2303に移行し、コマンドが変動パターンコマンドでない場合(ステップS2302:No)、処理をステップS2307に移行する。
<ステップS2303>
ステップS2303では、MPU51は、主制御装置4から受信した変動パターンコマンドに基づいて変動パターン(主図柄の停止図柄組み合わせ及び演出種別(演出パターン))を決定する。具体的に、MPU51は、変動パターンコマンドと、予めROM511に記憶されている第1停止図柄選択テーブル(図32(A)参照)、変動種別テーブル(図32(B)参照)及び演出種別テーブル(図33(A)〜図33(C)参照)と、RAM512に記憶されている演出種別カウンタの値とに基づいて変動パターンを決定する。また、MPU51は、変動パターンコマンドに大当たり種別に関する情報が含まれている場合、大当たり種別に応じた大当たりフラグをオンに設定する。具体的には、MPU51は、大当たり種別が5R通常大当たりである場合に5R通常大当たりフラグをオンに設定し、大当たり種別が5R確変大当たりである場合に5R確変大当たりフラグをオンに設定し、大当たり種別が16R確変大当たりである場合に16R確変大当たりフラグをオンに設定する。
主図柄の停止図柄組み合わせは、第1停止図柄、第2停止図柄及び最終停止図柄からなる。第1停止図柄は、図柄表示部341において最初に停止表示される主図柄であり、第2停止図柄は、2番目に停止表示される主図柄であり、最終停止図柄は、最後に停止表示される図柄である。演出種別テーブルには、ノーマルリーチに対応するノーマルリーチ演出パターンテーブル(図33(A)参照)、スーパーリーチに対応するスーパーリーチ演出パターンテーブル(図33(B)参照)、スペシャルリーチに対応するスペシャルリーチ演出パターンテーブル(図33(C)参照)が含まれる。
ここに、図32(A)は、第1停止図柄選択テーブルの一例を示す図である。図32(A)に示すように、第1停止図柄選択テーブルでは、図柄表示部341において最初に停止表示させる主図柄(第1停止図柄)が定められている。なお、図32(A)は、主図柄が「1」〜「9」であり、「333」が確変大当たり(5R確変大当たり及び16R確変大当たりのいずれか)であることを示す図柄組み合わせ、「777」が16R確変大当たりであることを示す図柄組み合わせ、「333」及び「777」以外のゾロ目が5R通常大当たり、5R確変大当たり及び16R確変大当たりのいずれかであることを示す図柄組み合わせであることを前提としている。
抽選結果が「5R通常大当たり」には、第1停止図柄として「3」及び「7」の振り分けはなく、「3」及び「7」以外の主図柄から予め定められた確率で第1停止図柄決定される。即ち、抽選結果が「5R通常大当たり」の場合、5R確変大当たり又は16R確変大当たり(確変大当たり)であることを示す「333」又は「777」の図柄組み合わせが停止表示されることはない。
また、抽選結果が「5R確変大当たり」には、第1停止図柄として「7」の振り分けはなく、「7」以外の主図柄から予め定められた確率で第1停止図柄決定される。即ち、抽選結果が「5R確変大当たり」の場合、16R確変大当たりであることを示す「777」の図柄組み合わせが停止表示されることはない。一方、抽選結果が「5R確変大当たり」の場合であっても、5R確変大当たりであることを示す「333」の図柄組み合わせ以外のゾロ目の図柄組み合わせが停止表示され得る。即ち、抽選結果が「5R確変大当たり」の場合であっても、主図柄の停止表示結果が5R通常大当たりを示唆する「333」の図柄組み合わせ以外のゾロ目の図柄組み合わせが停止表示され得る。そして、抽選結果が「5R確変大当たり」である場合に、第1停止図柄として「7」を除く「3」以外の主図柄が決定された場合、MPU51は大当たり遊技において5R確変大当たりであることを明示する5R確変昇格演出を実行させる。
さらに、抽選結果が「16確変大当たり」には、「1」〜「9」の全ての主図柄に対する振り分けがあり、「1」〜「9」の主図柄から予め定められた確率で第1停止図柄決定される。即ち、抽選結果が「16R確変大当たり」の場合であっても、16R確変大当たりであることを示す「777」の図柄組み合わせ以外のゾロ目の図柄組み合わせが停止表示され得る。即ち、抽選結果が「16R確変大当たり」の場合であっても、主図柄の停止表示結果が5R確変大当たり又は5R通常大当たりを示唆する「777」の図柄組み合わせ以外のゾロ目の図柄組み合わせが停止表示され得る。そして、抽選結果が「16R確変大当たり」である場合に、第1停止図柄として「7」が決定された場合、MPU51は大当たり遊技において16R確変大当たりであることを明示する16R昇格演出を実行させる。
そして、MPU51は、抽選結果が大当たりである場合に第1停止図柄を決定すると、第2停止図柄及び最終停止図柄を先に決定した第1停止図柄と同じ図柄に決定する。これにより、当該遊技回に図柄表示部341の有効ラインに停止表示される停止図柄組み合わせが決定される。
一方、抽選結果が「外れ」には、「1」〜「9」の全ての主図柄に対する振り分けがあり、「1」〜「9」の主図柄から予め定められた確率で第1停止図柄決定される。そして、MPU51は、抽選結果が「外れ」である場合に第1停止図柄を決定すると、外れ種別テーブル(図7(D))に基づいて選択された外れ種別、及び先に決定した第1停止図柄に基づいて第2停止図柄を決定する。例えば、前記外れ種別が前後外れリーチである場合、第2停止図柄が第1停止図柄と同じ図柄に決定され、最終停止図柄が第1停止図柄の前後の図柄に決定される。また、前記外れ種別が前後外れ以外リーチである場合、第2停止図柄が第1停止図柄と同じ図柄に決定され、最終停止図柄が第1停止図柄及び第1停止図柄の前後の図柄とは異なる図柄に決定される。また、前記外れ種別が完全外れである場合、第2停止図柄が第1停止図柄とは異なる図柄に決定され、最終停止図柄が第1停止図柄及び第2停止図柄とは無関係に決定される。なお、主図柄の停止図柄組み合わせは、表示制御装置6において決定してもよく、第1停止図柄のみを音声ランプ制御装置5において決定し、第2停止図柄及び最終停止図柄を表示制御装置6において決定してもよい。
また、図32(B)は、変動種別テーブルの一例を示す図である。図32(B)に示すように、変動種別テーブルでは、変動パターンコマンドに対応する変動表示時間及び変動種別(演出パターン)の内容が定められている。例えば、抽選結果が「通常大当たり」であり変動パターンが「01」である変動パターンコマンド「A01」には、変動表示時間「30s」及び変動種別「ノーマルリーチ演出パターン」が対応付けられている。また、抽選結果が「5R確変大当たり」であり変動パターンが「02」である変動パターンコマンド「B02」には、変動表示時間「60s」及び変動種別「スーパーリーチ演出パターン」が対応付けられており、抽選結果が「16R確変大当たり」であり変動パターンが「03」である変動パターンコマンド「C03」には変動表示時間「90s」及び変動種別「スペシャルリーチ演出パターン」が対応付けられている。さらに、抽選結果が「外れ」であり変動パターンが「04」である変動パターンコマンド「D04」には、変動表示時間「7s」及び変動種別「非リーチ演出パターン」が対応付けられており、抽選結果が「外れ」であり変動パターンが「05」である変動パターンコマンド「D05」には、変動表示時間「10s」及び変動種別「非リーチ演出パターン」が対応付けられている。
さらに、図33(A)〜図33(C)は、演出パターン種別テーブルの一例を示す図である。演出パターン種別テーブルは、変動種別(演出パターン)ごとに設定されている。具体的に、図33(A)は変動遊技演出における最終の個別演出種別がノーマルリーチ演出である場合に参照されるノーマルリーチ演出パターン種別テーブルであり、図33(B)は変動遊技演出における最終の個別演出種別がスーパーリーチ演出である場合に参照されるスーパーリーチ演出パターンテーブルであり、図33(C)は変動遊技演出における最終の個別演出種別がスペシャルリーチ演出である場合に参照されるスペシャルリーチ演出パターンテーブルである。
なお、本実施の形態では、変動種別各々に対応する演出種別が5種類である場合を例に挙げて説明するが、演出種別は6種類以上であってよい。また、図33では、変動種別がリーチなしの場合の演出種別テーブルは省略している。
図33(A)に示すノーマルリーチ演出パターン種別テーブルでは、抽選結果(5R通常大当たり、5R確変大当たり、16R確変大当たり、及び外れ)に応じて、演出パターン種別カウンタのカウンタ値に対応する演出パターン種別として「演出パターンX1」〜「演出パターンX5」が定められている。そして、MPU51は、変動種別(演出パターン)がノーマルリーチ演出パターンであると判断した場合には、演出パターン種別カウンタのカウンタ値に対応する演出パターン種別を抽選結果に応じてノーマルリーチ演出パターン種別テーブルから選択する。ここで、ノーマルリーチ演出パターン種別テーブルに含まれる演出パターンX1〜演出パターンX3は、例えば主図柄が高速変動する高速変動演出の終了後に主図柄がリーチ状態となるノーマルリーチ演出が実行される演出であり、最終の個別演出種別がノーマルリーチ演出となる演出である。
また、図33(B)に示すスーパーリーチ演出パターンテーブルでは、抽選結果に応じて演出パターン種別カウンタのカウンタ値に対応する演出パターン種別として「演出パターンY1」〜「演出パターンY5」が定められている。そして、MPU51は、変動種別(演出パターン)がスーパーリーチ演出パターンであると判断した場合には、演出パターン種別カウンタのカウンタ値に対応する演出パターン種別を抽選結果に応じてスーパーリーチ演出パターンテーブルから選択する。ここで、スーパーリーチ演出パターンテーブルに含まれる演出パターンY1〜演出パターンY3は、例えば高速変動演出の終了後にノーマルリーチ演出が実行され、さらに最終の個別演出種別としてノーマルリーチ演出よりも大当たり期待度の高く、ノーマルリーチ演出よりも演出実行時間の長いスーパーリーチ演出に発展する演出である。なお、スーパーリーチ演出パターンテーブルは、ノーマルリーチ演出を経由することなく、高速変動演出の終了後にスーパーリーチ演出に発展するスーパーリーチ演出パターン演出を含んでいてもよい。
さらに、図33(C)に示すスペシャルリーチ演出パターンテーブルでは、抽選結果に応じて演出パターン種別カウンタのカウンタ値に対応する演出パターン種別として「演出パターンZ1」〜「演出パターンZ5」が定められている。そして、MPU51は、変動種別(演出パターン)がスペシャルリーチ演出パターンであると判断した場合には、演出パターン種別カウンタのカウンタ値に対応する演出パターン種別を抽選結果に応じてスペシャルリーチ演出パターンテーブルから選択する。ここで、スペシャルリーチ演出パターンテーブルに含まれる演出パターンZ1〜演出パターンZ3は、例えば高速変動演出の終了後にノーマルリーチ演出及びスーパーリーチ演出が実行され、さらに最終の個別演出種別としてノーマルリーチ演出やスーパーリーチ演出よりも大当たり期待度の高く、ノーマルリーチ演出よりも演出実行時間の長いスペシャルリーチ演出に発展する演出である。なお、スペシャルリーチ演出パターンテーブルは、ノーマルリーチ演出及びスーパーリーチ演出の少なくとも一方を経由することなく、高速変動演出又はノーマルリーチ演出の終了後などにスペシャルリーチ演出に発展するスペシャルリーチ演出パターンを含んでいてもよい。
そして、MPU51は、変動パターンコマンド、変動種別テーブル、演出種別テーブル及び演出種別カウンタに基づいて決定される主図柄の停止図柄組み合わせ、及び変動種別(演出パターン種別)を示す表示変動パターンコマンドをRAM512に設定する。
<ステップS2304>
図31の説明に戻り、ステップS2304では、MPU51は、出玉性能を示唆する出玉性能示唆画像をサブ画像表示部38に表示させる出玉性能示唆画像表示処理を実行する。出玉性能示唆画像表示処理では、特定の条件を満たす場合に遊技設定値に応じて選択されるキャラクタが単位大当たり抽選回数に応じて選択される態様の出玉性能示唆画像をサブ画像表示部38に表示させる。なお、出玉性能示唆処理の詳細は図34を参照して後述する。
<ステップS2305>
ステップS2305では、MPU51は、変動パターンコマンドに対応する変動表示時間を変動表示カウンタに設定する。変動表示時間は、変動パターンコマンドに含まれる変動パターン情報に応じて判断される。そして、変動表示カウンタは、図27のカウンタ更新処理(ステップS2003)で1ずつ減算され、MPU51は、変動表示カウンタに基づいて、図柄変動表示中であるか否か、変動表示時間の残り時間などを判断することが可能である。例えば、MPU51は、変動表示カウンタが0になった場合に図柄変動表示の終了と判断することが可能である。
<ステップS2306>
ステップS2306では、MPU51は、図柄表示部341における主図柄の停止図柄組み合わせ、変動種別(演出パターン種別)及び出玉性能示唆画像の内容を特定するための表示変動パターンコマンドを表示制御装置6に出力し、当該コマンド判定処理を終了させる。表示変動パターンコマンドは、ステップS2303で決定された主図柄の停止図柄組み合わせ、変動種別(演出パターン種別)及び出玉性能示唆画像を識別するための情報である。一方、表示制御装置6のROM611には、表示変動パターンコマンド各々に対応する主図柄の変動画像及び演出画像などが記憶されている。これにより、表示制御装置6では、MPU61が、表示変動パターンコマンドに対応する主図柄の停止図柄組み合わせ、変動種別及び演出種別に応じて図柄表示部341における変動表示及び演出表示を実行する。
具体的に、図柄表示部341では、表示制御装置6のMPU61は、予め設定されている変動表示時間が経過するまでの間に複数の主図柄(例えば3つ)の変動表示を実行し、複数の主図柄の変動が順に停止表示させる。主図柄の変動表示中には、表示変動パターンコマンドによって特定される変動種別(演出パターン種別)の内容に対応する各種の演出が図柄表示部341、スピーカ26、電飾部27などで実行される。一方、サブ画像表示部38では、特定の条件が満たされる場合に出玉性能示唆画像が表示される。
<ステップS2307>
ステップS2307では、MPU51は、受信したコマンドが大当たり遊技開始コマンドであるか否かを判断する。大当たり遊技開始コマンドは、大当り遊技を開始することを示すコマンドであり、上述のように主制御装置4のMPU41によって大当り遊技の開始時に大当り遊技実行フラグをオンに設定した場合に設定される。ここで、MPU51は、受信したコマンドが大当たり遊技開始コマンドである場合(ステップS2307:Yes)、処理をステップS2308に移行し、受信したコマンドが大当たり遊技開始コマンドでない場合(ステップS2307:No)、処理をステップS2310に移行する。
<ステップS2308>
大当たり遊技開始コマンドを受信した場合、MPU51は、大当たり遊技演出決定処理を実行する(ステップS2308)。大当たり遊技演出決定処理は、遊技状態が大当たり遊技状態に移行した場合に図柄表示部341などで実行される演出を決定する処理である。なお、大当たり遊技演出決定処理の詳細は図40を参照して後述する。
<ステップS2309>
ステップS2309では、MPU51は、大当たり遊技演出開始フラグをオンに設定する。大当たり遊技演出開始フラグは、大当たり遊技演出(オープニング演出)を開始させるフラグであり、後述の図51の大当たり遊技演出処理において、オープニング演出開始処理を実行するか否かを判断する場合に参照される(ステップS2601)。
<ステップS2310>
ステップS2310では、MPU51は、受信したコマンドがラウンド遊技開始コマンドであるか否かを判断する。ラウンド遊技開始コマンドは、大当たり遊技における開閉実行モードにおいて、各ラウンド遊技を開始すること、及び当該ラウンド遊技が何ラウンド目であるかを示すコマンドであり、図16のメイン処理での大当たり遊技制御処理において設定される。ここで、MPU51は、受信したコマンドがラウンド遊技開始コマンドである場合(ステップS2310:Yes)、処理をステップS2311に移行し、受信したコマンドがラウンド遊技開始コマンドでない場合(ステップS2310:No)、処理をステップS2313に移行する。
<ステップS2311及びS2312>
ステップS2311では、MPU51は、ラウンド遊技演出開始フラグをオンに設定する。ラウンド遊技演出開始フラグは、後述の図51の大当たり遊技演出処理において、ラウンド遊技演出開始処理を実行するか否かを判断する場合に参照される(ステップS2604)。そして、MPU51は、ラウンド遊技開始コマンドに含まれる当該ラウンド遊技が何ラウンド目であるかを示すラウンド数情報に基づいて、開始されるラウンド遊技のラウンド数をラウンド数情報としてRAM512に記憶させる(ステップS2312)。
<ステップS2313>
ステップS2313では、MPU51は、受信したコマンドがエンディング開始コマンドであるか否かを判断する。エンディング開始コマンドは、大当たり遊技におけるエンディングを開始することを示すコマンドであり、図16のメイン処理での大当たり遊技制御処理において設定される。ここで、MPU51は、受信したコマンドがエンディング開始コマンドである場合(ステップS2313:Yes)、処理をステップS2314に移行し、受信したコマンドがエンディング開始コマンドでない場合(ステップS2312:No)、処理をステップS2315に移行する。
<ステップS2314>
ステップS2314では、MPU51は、エンディング開始演出フラグをオンに設定する。エンディング演出開始フラグは、後述の図51の大当たり遊技演出処理において、エンディング演出処理を実行するか否かを判断する場合に参照される(ステップS2609)。
<ステップS2315>
ステップS2315では、MPU51は、受信したコマンドが大当たり遊技終了コマンドであるか否かを判断する。大当たり遊技終了コマンドは、大当り遊技を終了することを示すコマンドであり、図16のメイン処理での大当たり遊技制御処理において設定される。ここで、MPU51は、受信したコマンドが大当たり遊技終了コマンドである場合(ステップS2315:Yes)、処理をステップS2316に移行し、受信したコマンドが大当たり遊技終了コマンドでない場合(ステップS2315:No)、処理をステップS2317に移行する。
<ステップS2316>
ステップS2316では、MPU51は、大当たり遊技演出終了フラグをオンに設定する。大当たり遊技演出終了フラグは、大当り遊技演出(エンディング演出)を終了させるフラグであり、後述の図51の大当たり遊技演出処理において、大当たり遊技演出においてエンディング演出終了処理を実行するか否かを判断する場合に参照される(ステップS2612)。
<ステップS2317>
ステップS2317では、MPU51は、受信したコマンドが遊技設定値変更コマンドであるか否かを判断する。遊技設定値変更コマンドは、遊技設定値が変更されたこと、及び変更後の遊技設定値を音声ランプ制御装置5に通知するコマンドであり、図20の遊技設定値変更処理でのステップS1710において設定される。ここで、MPU51は、受信したコマンドが遊技設定値変更コマンドである場合(ステップS2317:Yes)、処理をステップS2318に移行し、受信したコマンドが遊技設定値変更コマンドでない場合(ステップS2317:No)、処理をステップS2319に移行する。
<ステップS2318>
ステップS2318では、MPU51は、RAM512に記憶されている遊技設定値を遊技設定値変更コマンドに含まれる変更後の遊技設定値に変更して記憶する。なお、RAM512に記憶された遊技設定値は、後述の図34の出玉性能示唆画像表示処理でのステップS2404で読み出され、遊技設定値を示唆するキャラクタ種別を選択するために参照される。
<ステップS2319>
ステップS2319では、MPU51は、受信したコマンドが単位大当たり抽選回数更新コマンドであるか否かを判断する。単位大当たり抽選回数更新コマンドは、通常遊技状態(低確率モードであって高頻度サポートモードではない状態)における一定数のマイナス差玉当たり(例えばマイナス250玉当たり)の、第1入賞口314への入賞を契機としてメイン表示部37の7セグメント表示器372の図柄変動表示が実行された回数(大当たり抽選を受けた回数)を音声ランプ制御装置5に通知するコマンドであり、図21の特定性能情報更新処理でのステップS1805において更新される。ここで、MPU51は、受信したコマンドが単位大当たり抽選回数更新コマンドである場合(ステップS2319:Yes)、処理をステップS2320に移行し、受信したコマンドが単位大当たり抽選回数更新コマンドでない場合(ステップS2319:No)、処理をステップS2321に移行する。
<ステップS2320>
ステップS2320では、MPU51は、RAM512に記憶されている単位大当たり抽選回数を単位大当たり抽選回数更新コマンドに含まれる単位大当たり抽選回数に更新する。なお、RAM512に記憶された単位大当たり抽選回数は、後述の図34の出玉性能示唆画像表示処理でのステップS2407で読み出され、単位大当たり抽選回数のランクを示唆するキャラクタ態様の種別を選択するために参照される。
<ステップS2321>
ステップS2321では、MPU51は、主制御装置4から受信したその他のコマンドに基づく処理を実行した後、当該コマンド判定処理を終了させる。
[出玉性能示唆画像表示処理]
図31のコマンド判定処理のステップS2304で実行される出玉性能示唆画像表示処理では、特定の条件を満たす場合に遊技設定値に応じて選択される遊技設定値示唆キャラクタが単位大当たり抽選回数に応じて選択されるキャラクタ態様で出玉性能示唆画像としてサブ画像表示部38に表示させる。本実施形態では、変動遊技状態で出玉性能表示画像が表示されるための特定の条件は、所定回数(例えば1000回)の大当たり抽選(変動遊技)が実行されることである。前記特定の条件としては、他の条件であってもよく、その詳細については適宜説明する。また、本実施形態では遊技設定値及び単位大当たり抽選回数に応じて出玉性能示唆画像が表示されるが、これらの性能情報のうちの一方又は双方に代えて、他の性能情報(ベース情報、連続役物比率情報、役物比率情報など)に基づいて出玉性能示唆画像が表示されるようにしてもよい。ここで、図34は、出玉性能示唆画像表示処理の手順の一例を示すフローチャートである。以下、図34を参照して出玉性能示唆画像表示処理の手順の一例を説明する。
<ステップS2401及びS2402>
図34に示すように、MPU51は、後述のステップS2403で1000にセットされる大当たり抽選カウンタの値を1減算し(ステップS2401)、減算後の大当たり抽選カウンタの値が0であるか否かを判断する(ステップS2402)。つまり、ステップS2402では、大当たり抽選回数が1000回に達したか否かが判断される。MPU51は、減算後の大当たり抽選カウンタの値が0である場合(ステップS2402:Yes)、処理をステップS2403に移行し、減算後の大当たり抽選カウンタの値が0でない場合(ステップS2402:No)、処理をステップS2411に移行する。
<ステップS2403〜S2405>
減算後の大当たり抽選カウンタの値が0である場合(ステップS2402:Yes)、MPU51は、大当たり抽選カウンタの値を1000にセットする。そして、MPU51は、RAM512に記憶されている遊技設定値を取得し(ステップS2404)、その遊技設定値に応じてキャラクタ種別を選択する(ステップS2405)。つまり、大当たり抽選での抽選結果が報知される変動遊技状態では、大当たり抽選回数(変動遊技回数)が1000回に到達することを特定の条件とし、出玉性能示唆画像が表示される。なお、変動遊技において出玉性能示唆画像が表示される特定の条件は、大当たり抽選回数(変動遊技回数)が1000回に到達することに限らず、他の条件であってもよい。例えば、大当たり抽選回数(変動遊技回数)が1000回以外の所定回数に達すること、大当たり回数が所定回数に達すること、大当たり抽選での抽選結果が連続して所定回数外れであること、変動遊技演出として特定の演出が実行されることを特定の条件とすること、出玉性能示唆画像を表示させるか否かの抽選を行い当該抽選に当選することなども考えられる。
ここで、図35は遊技設定値を示唆する遊技設定値示唆キャラクタ種別の一例を示す図である。図36は遊技設定値示唆キャラクタを選択するための遊技設定値示唆キャラクタ選択テーブルの一例を図である。
図35に示すように、遊技設定値示唆キャラクタ種別としては、男性キャラクタ(以下「サム」)、女性キャラクタA(以下「マリン」)、女性キャラクタB(以下「ワリン」)、女性キャラクタC(以下「ウリン」)、海洋生物キャラクタA(以下「ジュゴン」)及び海洋生物キャラクタB(以下「サメ」)が含まれる。「サム」は遊技設定値が4であることを示唆するキャラクタである。「マリン」は遊技設定値が3であることを示唆するキャラクタである。「ワリン」は遊技設定値が2であることを示唆するキャラクタである。「ウリン」は遊技設定値が1であることを示唆するキャラクタである。「ジュゴン」は遊技設定値が偶数(2又は4)であることを示唆するキャラクタである。「サメ」は遊技設定値が奇数(1又は3)であることを示唆するキャラクタである。この点については、図36に示される遊技設定値示唆キャラクタ選択テーブルからも明らかである。
具体的には、図36に示すように、遊技設定値示唆キャラクタ選択テーブルでは、遊技設定値が4の場合、「サム」が最も選択され易く、次いで「ジュゴン」が選択され易く、これらのキャラクタに比べて他のキャラクタは選択され難い。遊技設定値が3の場合、「マリン」が最も選択され易く、次いで「サメ」が選択され易く、これらのキャラクタに比べて他のキャラクタは選択され難い。遊技設定値が2の場合、「ワリン」が最も選択され易く、次いで「ジュゴン」が選択され易く、これらのキャラクタに比べて他のキャラクタは選択され難い。遊技設定値が1の場合、「ウリン」が最も選択され易く、次いで「サメ」が選択され易く、これらのキャラクタに比べて他のキャラクタは選択され難い。
このように、「サム」は遊技設定値が4の場合に選択され易く、遊技設定値が4であることを示唆するキャラクタとなっており、「マリン」は遊技設定値が3の場合に選択され易く、遊技設定値が3であることを示唆するキャラクタとなっており、「ワリン」は遊技設定値が2の場合に選択され易く、遊技設定値が2であることを示唆するキャラクタとなっており、「ウリン」は遊技設定値が1の場合に選択され易く、遊技設定値が1であることを示唆するキャラクタとなっている。また、「ジュゴン」は、遊技設定値が2又は4の場合に、遊技設定値が1又は3の場合に比べて選択され易く、遊技設定値が2又は4(偶数)であることを示唆するキャラクタとなっている。また、「サメ」は、遊技設定値が1又は3の場合に、遊技設定値が2又は4の場合に比べて選択され易く、遊技設定値が1又は3(奇数)であることを示唆するキャラクタとなっている。
<ステップS2406>
図34の説明に戻り、MPU51は、選択された遊技設定値示唆キャラクタが「ジュゴン」又は「サメ」であるか否かを判断する(ステップS2406)。即ち、選択された遊技設定値示唆キャラクタが男性キャラクタ及び女性キャラクタA〜Cであるか否かを判断する。遊技設定値示唆キャラクタが「ジュゴン」又は「サメ」である場合(ステップS2406:Yes)、処理をステップS2409に移行し、遊技設定値示唆キャラクタが「ジュゴン」又は「サメ」でない場合(ステップS2406:No)、処理をステップS2407に移行する。
<ステップS2407及びS2408>
遊技設定値示唆キャラクタが「ジュゴン」又は「サメ」でない場合(ステップS2406:No)、MPU51は、RAM512に記憶されている単位大当たり抽選回数を取得し(ステップS2407)、その単位大当たり抽選回数(ランク)に応じて遊技設定値示唆キャラクタの態様種別を選択する(ステップS2408)。つまり、遊技設定値示唆キャラクタが「ジュゴン」及び「サメ」以外である場合、遊技設定値示唆キャラクタの態様によって単位大当たり抽選回数(ランク)を示唆する。なお、遊技設定値示唆キャラクタが「ジュゴン」及び「サメ」である場合にも、遊技設定値示唆キャラクタの態様によって単位大当たり抽選回数(ランク)を示唆するようにしてもよい。
ここで、図37及び図38は、遊技設定値示唆キャラクタの態様を選択するためのキャラクタ態様選択テーブルの一例を図である。キャラクタ態様選択テーブルは、単位大当たり抽選回数のランクごと規定されている。本実施形態では、単位大当たり抽選回数が25回以上の場合は「ランクS」、単位大当たり抽選回数が20回以上25回未満の場合は「ランクA」、単位大当たり抽選回数が15回以上20回未満の場合は「ランクB」、単位大当たり抽選回数が10回以上15回未満の場合は「ランクC」、又は単位大当たり抽選回数が10回未満の場合は「ランクD」に分類され、それぞれのランクごとにキャラクタ態様選択テーブルが規定されている。
また、各キャラクタ態様選択テーブルでは、遊技設定値示唆キャラクタごとにキャラクタ態様が規定されており、遊技設定値示唆キャラクタ種別によって、ランクを示唆する態様が異なる。例えば、「サム」の場合、体形によって単位大当たり抽選回数のランクを示唆する。具体的には、超マッチョ体形であることで「ランクS」であること、マッチョ体形(図35参照)であることで「ランクA」であること、細マッチョ体形であることで「ランクB」であること、ガリ体形であることで「ランクB」であること、ガリガリ体形(図39(A)参照)であることで「ランクC」であることをそれぞれ示唆する。
また、「マリン」の場合、衣装によって単位大当たり抽選回数のランクを示唆する。具体的には、衣装が着物であることで「ランクS」であること、衣装がサンタであることで「ランクA」であること、衣装がハッピであることで「ランクB」であること、衣装がビキニ(図35参照)であることで「ランクB」であること、衣装がタンクトップであることで「ランクC」であることをそれぞれ示唆する。
また、「ワリン」及び「ウリン」の場合は、姿勢やポーズなどによって単位大当たり抽選回数のランクを示唆する。「ワリン」の場合にはウインク、指笛、三角座り(図35参照)、直立姿勢及び俯き姿勢の順にランクが高いことを示唆する。「ウリン」の場合にはVサイン、ガッツポーズ、OKサイン(図35参照)、グッドサイン及びバイバイの順にランクが高いことを示唆する。
図37(A)に示すように、単位大当たり抽選回数が「ランクS」(単位大当たり抽選回数が25回以上)の場合、「サム」では超マッチョ体形が最も選択され易い一方で他の体形が選択され難く、「マリン」では着物の衣装が最も選択され易い一方で他の衣装が選択され難く、「ワリン」ではウインクが最も選択され易い一方で他の姿勢やポーズが選択され難く、「ウリン」ではVサインが最も選択され易い一方で他のポーズが選択され難い。つまり、「サム」では超マッチョ体形であることで、「マリン」では衣装が着物であることで、「ワリン」ではウインクをしていることで、「ウリン」ではVサインをしていることで、単位大当たり抽選回数が「ランクS」であることを示唆する。
図37(B)に示すように、単位大当たり抽選回数が「ランクA」(単位大当たり抽選回数が20回以上25回未満)の場合、「サム」ではマッチョ体形が最も選択され易い一方で他の体形が選択され難く、「マリン」ではサンタの衣装が最も選択され易い一方で他の衣装が選択され難く、「ワリン」では指笛が最も選択され易い一方で他の姿勢やポーズが選択され難く、「ウリン」ではガッツポーズが最も選択され易い一方で他のポーズが選択され難い。つまり、「サム」ではマッチョ体形であることで、「マリン」では衣装がサンタであることで、「ワリン」では指笛を吹くポーズであることで、「ウリン」ではガッツポーズをしていることで、単位大当たり抽選回数が「ランクA」であることを示唆する。
図37(C)に示すように、単位大当たり抽選回数が「ランクB」(単位大当たり抽選回数が15回以上20回未満)の場合、「サム」では細マッチョ体形が最も選択され易い一方で他の体形が選択され難く、「マリン」ではハッピの衣装が最も選択され易い一方で他の衣装が選択され難く、「ワリン」では三角座りが最も選択され易い一方で他の姿勢やポーズが選択され難く、「ウリン」ではOKサインが最も選択され易い一方で他のポーズが選択され難い。つまり、「サム」では細マッチョ体形であることで、「マリン」では衣装がハッピであることで、「ワリン」では三角座りをしていることで、「ウリン」ではOKサインのポーズをしていることで、単位大当たり抽選回数が「ランクB」であることを示唆する。
図38(A)に示すように、単位大当たり抽選回数が「ランクC」(単位大当たり抽選回数が10回以上15回未満)の場合、「サム」ではガリ体形が最も選択され易い一方で他の体形が選択され難く、「マリン」ではビキニの衣装が最も選択され易い一方で他の衣装が選択され難く、「ワリン」では直立姿勢が最も選択され易い一方で他の姿勢やポーズが選択され難く、「ウリン」ではグッドサインが最も選択され易い一方で他のポーズが選択され難い。つまり、「サム」ではガリ体形であることで、「マリン」では衣装がビキニであることで、「ワリン」では直立姿勢であることで、「ウリン」ではグッドサインをしていることで、単位大当たり抽選回数が「ランクC」であることを示唆する。
図38(B)に示すように、単位大当たり抽選回数が「ランクD」(単位大当たり抽選回数が10回未満)の場合、「サム」ではガリガリ体形が最も選択され易い一方で他の体形が選択され難く、「マリン」ではタンクトップの衣装が最も選択され易い一方で他の衣装が選択され難く、「ワリン」では俯き姿勢が最も選択され易い一方で他の姿勢やポーズが選択され難く、「ウリン」ではバイバイが最も選択され易い一方で他のポーズが選択され難い。つまり、「サム」ではガリガリ体形であることで、「マリン」では衣装がタンクトップであることで、「ワリン」では俯き姿勢をしていることで、「ウリン」ではバイバイのポーズをしていることで、単位大当たり抽選回数が「ランクD」であることを示唆する。
<ステップS2409及びS2410>
図34の説明に戻り、MPU51は、サブ画像表示部38に出玉性能示唆画像を表示させる(ステップS2409)。具体的には、ステップS2405で選択された遊技設定値示唆キャラクタが「ジュゴン」又は「サメ」以外である場合には(ステップS2406:No)、出玉性能示唆画像としてステップS2405で選択された遊技設定値示唆キャラクタをステップS2408において選択された態様でサブ画像表示部38に表示させる。一方、ステップS2405で選択された遊技設定値示唆キャラクタが「ジュゴン」又は「サメ」である場合には(ステップS2406:Yes)、出玉性能示唆画像として図35に示す態様で「ジュゴン」又は「サメ」をサブ画像表示部38に表示させる。そして、MPU51は、出玉性能示唆画像がサブ画像表示部38に表示されていることを示す示唆画像表示中フラグをオンに設定し(ステップS2410)、当該出玉性能示唆画像表示処理を終了する。
ここで、図39は、変動遊技における出玉性能示唆画像の一例を示す図。図39(A)に示す出玉性能示唆画像では、ガリガリ体形の「サム」が表示されており、遊技設定値が4で単位大当たり抽選回数が「ランクD」であることが示唆されている。また、図39(B)に示す出玉性能示唆画像では、OKサインのポーズの「ウリン」が表示されており、遊技設定値が1で単位大当たり抽選回数が「ランクC」であることが示唆されている。
本実施形態では、変動遊技において出玉性能を示唆する出玉性能示唆画像が表示され得ることで、サブ画像表示部38に表示される出玉性能示唆画像を確認させるために遊技者に対して遊技に集中させることができると共に、サブ画像表示部38に表示される出玉性能示唆画像によって出玉性能を推測して楽しむことができる。これにより、遊技の興趣が向上される。
また、本実施形態では、出玉性能示唆画像は、遊技設定値と単位大当たり抽選回数とを示唆するものとして表示される。ここで、遊技設定値は、大当たり抽選での抽選結果が大当たりとなる確率(大当たり確率)を規定するものである。そのため、大当たり確率に基づいて出玉性能が評価されることで、遊技機の出玉性能がより適切に反映された指標に基づいて出玉性能を示唆することが可能になる。また、単位大当たり回数は、差玉数が所定玉数のマイナス(例えば250玉のマイナス)に達するまで又は遊技球の発射玉数(アウト玉数)が特定玉数に達するまでに、第1入賞口314への遊技球の入球を契機として移行判定が行われる回数である。つまり、単位大当たり抽選回数は、通常遊技状態(低確率モードで時短モードではない状態)での大当たり抽選の受け易さを示す指標であり、大当たり抽選の結果が大当たりとなるまでに必要な遊技球数(通常遊技状態での差玉)に影響を与える。そのため、単位大当たり抽選回数を含む複数の性能情報に基づいて出玉性能が評価されることで、通常遊技状態での差玉を反映させた評価が可能になるため、遊技機の出玉性能がより適切に反映された指標に基づいて出玉性能を示唆することが可能になる。
遊技設定値及び単位大当たり抽選回数のうちの一方又は双方に代えて、ベース、連続役物比率又は役物比率に基づいて出玉性能を示唆するようにしてもよい。
ここで、ベースは、上述のように通常遊技状態(低確率モードであって高頻度サポートモードではない状態)における払戻率(出玉率)であり、即ち通常遊技状態における「アウト玉数」に対する「一般入賞口払出玉数」と「第1入賞口払出玉数」との合算払出玉数の比率である。そのため、ベースに基づいて出玉性能を示唆することで、通常遊技状態での大当たり抽選での抽選結果が大当たりとなるまでに必要な遊技球数(通常遊技状態での差玉)に影響を与える。そのため、ベースを含む複数の性能情報に基づいて出玉性能が評価されることで、遊技機10の出玉性能がより適切に反映された指標に基づいて出玉性能を示唆することが可能になる。
また、連続役物比率は、上述のように賞球の払い出しがある全ての入賞口(一般入賞口313、第1入賞口314、第2入賞口315及び可変入賞口316)への入賞による総払出玉数において、可変入賞口払出玉数が占める比率である。つまり、連続役物比率は、大当たり抽選での抽選結果が大当たりとなる頻度(大当たり遊技状態の滞在比率)、及び可変入賞口316への入賞のし易さ(大当たり遊技状態での出玉率)を示す指標である。そのため、連続役物比率を含む複数の性能情報に基づいて出玉性能が評価されることで、大当たり遊技状態での出玉性能が反映されるため、出玉性能をより適切に示唆することが可能になる。
また、役物比率は、上述のように賞球の払い出しがある全ての入賞口(一般入賞口313、第1入賞口314、第2入賞口315及び可変入賞口316)への入賞による総払出玉数において、第2入賞口払出玉数と可変入賞口払出玉数との合算払出玉数が占める比率である。つまり、役物比率は、大当たり抽選での抽選結果が大当たりとなる頻度(大当たり遊技状態の滞在比率)、時短遊技状態(低確率モードかつ高頻度サポートモード)の滞在比率、及び可変入賞口316及び第2入賞口315への入賞のし易さ(大当たり遊技状態での出玉率)を示す指標である。そのため、役物比率を含む複数の性能情報に基づいて出玉性能が評価されることで、大当たり遊技状態及び時短遊技状態での出玉性能が反映されるため、出玉性能をより適切に示唆することが可能になる。
さらに、前述の出玉性能(遊技設定値、単位大当たり抽選回数、ベース、連続役物比率又は役物比率)に加えて、又はこれらの出玉性能の一つに代えて、出玉性能として出玉期待値を示唆するようにしてもよい。ここで、出玉期待値は、例えば一定数の遊技球(例えば6万玉)を打ち出した場合の発射遊技球合計数(総アウト玉数)に対して期待される出玉数(払出遊技球数)の割合である。出玉期待値は、発射遊技球合計数(総アウト玉数)と期待される出玉数(払出遊技球数)とが同数の場合に100%であり、期待される出玉数(払出遊技球数)のほうが多い場合に100%超であり、期待される出玉数(払出遊技球数)のほうが少ない場合に100%未満となる。つまり、出玉期待値が100%を超える場合に遊技者に有利であり、その数値が高いほど出玉性能が高い。一方、出玉期待値が100%を下回る場合に遊技者に不利であり、その数値が低いほど出玉性能に低い。
また、期待される出玉数(払出遊技球数)は、通常遊技状態(低確率モードかつ非高頻度サポートモード)、時短遊技状態(低確率モードかつ高頻度サポートモード)、確変遊技状態(高確率モードかつ高頻度サポートモード)及び大当たり遊技状態の理論比率と、それぞれの遊技状態での理論出玉数から演算できる。ここで、各遊技状態の理論比率は、例えば遊技設定値(低確率モード及び高確率モードでの大当たり確率(図7(A)及び図7(B)参照))、大当り種別の振分率(図7(C)参照)、単位大当たり抽選回数、役物比率などに基づいて算出される。また、通常遊技状態で期待される出玉数(払出遊技球数)は、例えば単位大当たり抽選回数、ベースなどに基づいて算出される。通常遊技状態以外(時短遊技状態、確変遊技状態及び大当たり遊技状態)で期待される出玉数(払出遊技球数)は、例えば初当たりに対する理論平均連荘回数、大当り種別の振分率(図7(C)参照)、各大当たり種別での理論差玉数、連続役物比率、役物比率などに基づいて算出される。
また、出玉期待値は、ボーダーラインに対する充足率として評価してもよい。ここで、ボーダーラインは、出玉期待値を100%とするために、単位金額(例えば1000円)当たりの貸玉に対して必要とされる大当たり抽選回数であり、このボーダーラインは大当たり抽選確率通りに大当たり抽選での抽選結果が大当たりとなると仮定して演算される。つまり、ボーダーラインは、理論確率通りに大当たりに当選する場合に差玉が±0になる単位金額(例えば1000円)当たりの大当たり抽選回数である。また、ボーダーラインの演算方法は、種々提案されているが、例えばボーダーラインは、1000円での貸玉数/(大当たり遊技での平均出玉数/トータル確率)として計算できる。ここで、1000円当たりの貸玉数は一般に250玉である。また、大当たり遊技での平均出玉数は、大当たり遊技のラウンド遊技数が理論値通りに振り分けられた場合の1回の大当たり遊技当たりの出玉数である。また、トータル確率は、高確率モードと低確率モードとに理論値通りに振り分けられた場合の平均大当たり当選確率である。そして、ボーダーラインに対する充足率は、単位大当たり抽選回数とボーダーラインとの比率として演算される。このボーダーラインの充足率は、100%を超えると、その値が大きいほど遊技者に有利であり、100%未満であると、その値が小さいほど遊技者に不利である。例えば、単位大当たり抽選回数が18回であり、ボーダーラインが20回である場合、ボーダーラインに対する充足率は90%であり、遊技者に不利である。
このように、出玉期待値(ボーダーラインを含む)により出玉性能が評価されることで、釘の状態や遊技盤31の表面性状を考慮した出玉性能を評価できるため、出玉性能をより適切に示唆することが可能になる。
また、複数の出玉性能のうちの3以上の出玉性能を示唆する場合、性質の異なる指標を組み合わせて出玉性能を示唆することが好ましい。例えば、大当たり確率に関する遊技設定値と、各入賞口313〜316に関する単位大当たり抽選回数(又はベース、連続役物比率、役物比率)と、大当たり確率と各入賞口313〜316とに関する出玉期待値と、を組み合わせて出玉性能を示唆することが好ましい。例えば、本実施形態のようにキャラクタによって遊技設定値を示唆し、キャラクタの態様によって単に大当たり抽選回数などを示唆する場合に、出玉期待値についてもキャラクタの態様によって出玉性能を示唆することが好ましい。つまり、3以上の出玉性能を示唆する場合、複数のキャラクタなどで個別に3以上の出玉性能を示唆するよりも、1つのキャラクタ(示唆対象)によって3以上の出玉性能を示唆することが好ましい。
<ステップS2411>
図34の説明に戻り、大当たり抽選カウンタの値が0でない場合(ステップS2402:No)、MPU51は、ステップS2410でオンに設定される示唆画像表示中フラグがオンに設定されているか否かを判断する(ステップS2411)。MPU51は、示唆画像表示中フラグがオンに設定されている場合(ステップS2411:Yes)、処理をステップS2412に移行し、示唆画像表示中フラグがオフに設定されている場合(ステップS2411:No)、当該出玉性能示唆画像表示処理を終了する。
<ステップS2412及びS2413>
示唆画像表示中フラグがオンに設定されている場合(ステップS2411:Yes)、MPU51は、サブ画像表示部38に表示されている出玉性能示唆画像を非表示すると共に(ステップS2412)、示唆画像表示中フラグをオフに設定し(ステップS2413)、当該出玉性能示唆画像表示処理を終了する。
なお、本実施形態では、変動パターンコマンドを受信した場合に実行される出玉性能示唆画像表示処理において、変動遊技回数が1000回に達するごとに当該変動遊技の開始から出玉性能示唆画像がサブ画像表示部38に表示され、次回の変動遊技が開始される場合に出玉性能示唆画像が非表示される例を説明した。つまり、サブ画像表示部38は、出玉性能示唆画像を表示するための画像表示部として利用されている。そのため、図柄表示部341において大当たり抽選での抽選結果を報知する変動遊技演出が実行される一方で、サブ画像表示部38において出玉性能示唆画像が表示されることで、遊技者が出玉性能示唆画像が大当たり抽選での抽選結果が大当たりであることの期待度を示唆する演出であると勘違いすることを防止できる。
また、本実施し形態では、変動遊技回数が1000回に達した場合に、少なくとも当該変動遊技の開始から終了までの間、サブ画像表示部38で出玉性能示唆画像が継続して表示される場合を説明したが、必ずしも当該変動遊技の開始から終了まで継続して表示する必要はない。例えば、演出パターンとしてスーパーリーチ演出パターンやスペシャルリーチ演出パターンが選択されている場合には、変動開始からノーマルリーチ演出に発展するまでの基本演出(非リーチ演出)が実行されている間(変動開始から基本演出の終了までの間)、又は変動開始からスーパーリーチ演出に発展するまでの間(変動開始からノーマルリーチ演出の終了までの間)に限定して出玉性能示唆画像をサブ画像表示部38に表示させてもよい。この場合、スーパーリーチ演出やスペシャルリーチ演出が実行されている間は、サブ画像表示部38において図柄表示部341と共に変動遊技演出を実行させることができる。なお、スーパーリーチ演出やスペシャルリーチ演出の実行中にサブ画像表示部38で変動遊技演出を実行させる場合、出玉性能示唆画像の上層として変動遊技演出の画像を表示させてもよいし、出玉性能示唆画像を非表示とした上で変動遊技演出の画像を表示させてもよい。また、出玉性能示唆画像がサブ画像表示部38に表示される当該変動遊技において、サブ画像表示部38で期待度の高い演出などが実行される演出パターンが選択されている場合、サブ画像表示部38での出玉性能示唆画像の表示を当該変動遊技の次回以降の変動遊技に持ち越して実行されるようにしてもよい。
[大当たり遊技演出決定処理]
図31のコマンド判定処理のステップS2308で実行される大当たり遊技演出決定処理では、大当たり遊技において実行されるオープニング演出、エンディング演出、開閉実行モード演出が決定される。ここで、図40は、大当たり遊技演出決定処理の手順の一例を示すフローチャートである。
<ステップS2501>
図40に示すように、ステップS2501では、MPU51は、大当たり遊技を開始してから開閉実行モードを開始するまでの間に実行されるオープニング演出を決定するオープニング演出決定処理が実行される。オープニング演出決定処理では、大当たり遊技が開始されることを示すオープニング基本演出と共に、単位大当たり抽選回数のランクを示唆するランク示唆画像が決定され得る。
オープニング基本演出は、遊技設定値ごとに規定されたオープニング基本演出選択テーブルに基づいて、オープニング(OP)基本演出種別カウンタの値に応じて決定される。オープニング基本演出では、変動遊技演出において出玉性能示唆画像を表示する場合と同様に、遊技設定値示唆キャラクタが表示され得る。なお、遊技設定値示唆キャラクタ種別及び各遊技設定値示唆キャラクタが示唆する遊技設定値は、変動遊技演出での遊技設定値示唆キャラクタと同様である。但し、本実施形態では、遊技設定値示唆キャラクタ種別として、遊技設定値が偶数であることを示唆する「ジュゴン」、及び遊技設定値が奇数であることを示唆する「サメ」は含まれておらず、遊技設定値示唆キャラクタ種別は遊技設定値が4であることを示唆する「サム」、遊技設定値が3であることを示唆する「マリン」、遊技設定値が2であることを示唆する「ワリン」及び遊技設定値が1であることを示唆する「ウリン」の4種類である。
ここで、図41は、オープニング演出決定処理で参照されるオープニング基本演出選択テーブルの一例を示す図である。
図41に示すように、オープニング基本演出選択テーブルでは、オープニング基本演出として、遊技設定値が1〜4のいずれである場合でも「示唆なし」が最も選択され易い。ここで、「示唆なし」は、オープニング基本演出として、遊技設定値を示唆する4種類の遊技設定値示唆キャラクタが表示される演出とは別の演出(遊技設定値示唆キャラクタが表示されない演出)が実行されることを意味する。つまり、変動遊技状態では単位大当たり抽選回数が1000回に到達することを特定の条件として出玉性能示唆演出が実行されるが、大当り遊技のオープニングでは、オープニング基本演出選択テーブル基づく抽選に当選することを特定の条件として出玉性能示唆演出が実行される。そして、オープニング基本演出選択テーブルでは、「示唆なし」が最も選択され易く設定されていることで、大当たり遊技において遊技設定値が遊技者に簡易に認識されることが防止される。これにより、遊技設定値が遊技者に不利な低設定値である場合に、短時間で遊技者が他の遊技機10に移動してしまうことを抑制できる。そして、遊技設定値が遊技者に有利な高設定値であるほど(大当たり当選確率が高いほど)、「示唆なし」が選択されやすい。つまり、遊技設定値が高設定値であるほど、遊技設定値示唆キャラクタが表示され難い。これにより、遊技設定値が高設定値であることを認識し難くし、遊技者に遊技設定値が高設定値であることの期待感を維持させつつ遊技を進行させることが可能になる。
なお、オープニング基本演出選択テーブルとしては、「示唆なし」の振り分けがないテーブルを採用することでオープニング演出において必ず性能情報表示画像が表示されるようにしてもよく、各遊技設定値で「示唆なし」が選択される確率が同一のテーブルを採用してもよい。
また、遊技設定値が4の場合には「示唆なし」に次いで「サム」が選択され易く、「サム」に比べて他のキャラクタは選択され難く、遊技設定値が3の場合には「示唆なし」に次いで「マリン」が選択され易く、「マリン」に比べて他のキャラクタは選択され難く、遊技設定値が2の場合には「示唆なし」に次いで「ワリン」が選択され易く、「ワリン」に比べて他のキャラクタは選択され難く、遊技設定値が1の場合には「示唆なし」に次いで「ウリン」が選択され易く、「ウリン」に比べて他のキャラクタは選択され難い。
このように、遊技設定値示唆キャラクタに関して、「サム」は遊技設定値が4の場合に選択され易く遊技設定値が4であることを示唆するキャラクタとなっている。また、「サム」は、遊技設定値1では振り分けがない(選択されない)ことから、オープニング演出で「サム」が表示された時点で遊技設定値1が否定され、遊技設定値2以上が確定する。その意味において、オープニング演出での「サム」は遊技設定値が2以上であることが確定するキャラクタである。
また、「マリン」は遊技設定値が3の場合に選択され易く遊技設定値が3であることを示唆するキャラクタとなっており、「ワリン」は遊技設定値が2の場合に選択され易く遊技設定値が2であることを示唆するキャラクタとなっており、「ウリン」は遊技設定値が1の場合に選択され易く遊技設定値が1であることを示唆するキャラクタとなっている。そして、遊技設定値が高設定値であるほど、当該遊技設定値であることを示唆する遊技設定値示唆キャラクタが選択される確率が低くなっている。具体的には、遊技設定値が4である場合の「サム」の選択率は10/100であり、遊技設定値が3である場合の「マリン」の選択率は15/100であり、遊技設定値が2である場合の「ワリン」の選択率は20/100であり、遊技設定値が1である場合の「ウリン」の選択率は25/100である。このように、遊技設定値が高設定値である場合、高設定値であることを示唆するキャラクタがオープニング演出で表示され難い。これにより、オープニング演出において、遊技設定値が高設定値である場合に遊技設定値が低設定値であることを示唆するキャラクタが表示されたとしても直ちに遊技設定値が低設定値であることが判断し難くされている。その結果、遊技者に遊技設定値が高設定値であることの期待感を維持させつつ遊技を進行させることが可能になる。
なお、オープニング基本演出選択テーブルとしては、当該遊技設定値であることを示唆する遊技設定値示唆キャラクタが選択される確率が各遊技設定値で同一であるテーブルを採用してもよい。
一方、ランク示唆画像は、単位大当たり抽選回数のランクごとに規定された単位大当たり抽選回数示唆画像選択テーブルに基づいて、ランク示唆画像種別カウンタの値に応じて決定される。ここで、図42はランク示唆画像種別の一例を示す図であり、図43はオープニング用単位大当たり抽選回数示唆画像選択テーブルの一例を示す図である。
図42に示すように、ランク示唆画像としては、複数の態様のクジラ(以下「クジラッキー」)の画像を含む。具体的には、ランク示唆画像としては、「寿クジラッキー」、「GOLDクジラッキー」、「GOOクジラッキー」、「ノーマルクジラッキー」、「BADクジラッキー」及び「BLACKクジラッキー」の6種類の画像を含む。「寿クジラッキー」は、単位大当たり抽選回数が「ランクS」(25回以上)であることを明示する画像である。「GOLDクジラッキー」は、単位大当たり抽選回数が「ランクS」であることを示唆する画像である。「GOOクジラッキー」は、単位大当たり抽選回数が「ランクA」(20回以上25回未満)であることを示唆する画像である。「ノーマルクジラッキー」は、単位大当たり抽選回数が「ランクB」(15回以上20回未満)であることを示唆する画像である。「BADクジラッキー」は、単位大当たり抽選回数が「ランクC」(10回以上15回未満)であることを示唆する画像である。「BLACKクジラッキー」は、単位大当たり抽選回数が「ランクD」(10回未満)であることを示唆する画像である。
図43に示すように、オープニング用単位大当たり抽選回数示唆画像選択テーブルでは、単位大当たり抽選回数のランクごとに、オープニング用ランク示唆画像種別カウンタに応じてランク示唆画像が規定されている。この単位大当たり抽選回数示唆画像選択テーブルでは、単位大当たり抽選回数が「ランクS」である場合、「GOLDクジラッキー」が最も選択され易く、他の態様のクジラッキーは選択され難い。単位大当たり抽選回数が「ランクA」である場合、「GOOクジラッキー」が最も選択され易く、他の態様のクジラッキーは選択され難い。単位大当たり抽選回数が「ランクB」である場合、「ノーマルクジラッキー」が最も選択され易く、他の態様のクジラッキーは選択され難い。単位大当たり抽選回数が「ランクC」である場合、「BADクジラッキー」が最も選択され易く、他の態様のクジラッキーは選択され難い。単位大当たり抽選回数が「ランクD」である場合、「BKACKクジラッキー」が最も選択され易く、他の態様のクジラッキーは選択され難い。また、「寿クジラッキー」は、単位大当たり抽選回数が「ランクS」である場合にのみ振り分けがある。
このように、「寿クジラッキー」は単位大当たり抽選回数が「ランクS」である場合にのみ選択され、「ランクS」であることを明示するランク示唆画像となっている。「GOLDクジラッキー」は単位大当たり抽選回数が「ランクS」の場合に選択され易く、「ランクS」であることを示唆するランク示唆画像となっている。「GOOクジラッキー」は単位大当たり抽選回数が「ランクA」の場合に選択され易く、「ランクA」であることを示唆するランク示唆画像となっている。「ノーマルクジラッキー」は単位大当たり抽選回数が「ランクB」の場合に選択され易く、「ランクB」であることを示唆するランク示唆画像となっている。「BADクジラッキー」は単位大当たり抽選回数が「ランクC」の場合に選択され易く、「ランクC」であることを示唆するランク示唆画像となっている。「BLACKクジラッキー」は単位大当たり抽選回数が「ランクD」の場合に選択され易く、「ランクD」であることを示唆するランク示唆画像となっている。
ここで、図44は、大当たり遊技でのオープニング画面の一例を示す図である。図44(A)に示すオープニング画面では、オープニング基本演出として遊技設定値示唆キャラクタとして「サム」が表示されることで遊技設定値が4であることが示唆され、ランク示唆画像として「寿クジラッキー」が表示されることで単位大当たり抽選回数が「ランクS」であることが確定する。また、図44(B)に示すオープニング画面では、オープニング基本演出として遊技設定値示唆キャラクタとして「ワリン」が表示されることで遊技設定値が2であることが示唆され、ランク示唆画像として「BLACKクジラッキー」が表示されることで単位大当たり抽選回数が「ランクD」であることが示唆されている。
<ステップS2502>
図40の説明に戻り、ステップS2502では、MPU51は、開閉実行モードの終了後から大当たり遊技が終了するまでの間に実行されるエンディング演出を決定するエンディング演出決定処理が実行される。エンディング演出決定処理では、大当たり遊技が終了されることを示すエンディング基本演出と共に、単位大当たり抽選回数のランクを示唆するランク示唆画像が決定される。なお、エンディング演出でのランク示唆画像の決定処理は、上述のステップS2502のオープニング演出決定処理と同様にして実行される。
ここで、図45(A)はエンディング演出決定処理で使用されるエンディング基本演出選択テーブルの一例を示す図であり、図45(B)はエンディング演出用単位大当たり抽選回数示唆画像選択テーブルの一例を示す図である。
図45(A)に示すように、変動遊技状態では単位大当たり抽選回数が1000回に到達することを特定の条件として出玉性能示唆演出が実行されるが、エンディング演出決定処理では、大当り遊技のオープニングと同様に、エンディング基本演出選択テーブル基づく抽選に当選することを特定の条件として出玉性能示唆演出が実行される。そして、オープニング基本演出選択テーブルでは、エンディング基本演出としては、遊技設定値が1〜4のいずれである場合でも「示唆なし」が最も選択され易い。ここで、「示唆なし」は、オープニング基本演出と同様に、遊技設定値を示唆する4種類の遊技設定値示唆キャラクタが表示される演出とは別の演出(遊技設定値示唆キャラクタが表示されない演出)が実行されることを意味する。このように「示唆なし」が最も選択され易いことで、大当たり遊技において遊技設定値が遊技者に簡易に認識されることが防止される。これにより、遊技設定値が遊技者に不利な低設定値である場合に、短時間で遊技者が他の遊技機10に移動してしまうことを抑制できる。そして、遊技設定値が遊技者に有利な高設定値であるほど(大当たり当選確率が高いほど)、「示唆なし」が選択されやすい。つまり、遊技設定値が高設定値であるほど、遊技設定値示唆キャラクタが表示され難い。これにより、遊技設定値が高設定値であることを認識し難くし、遊技者に遊技設定値が高設定値であることの期待感を維持させつつ遊技を進行させることが可能になる。
なお、エンディング基本演出選択テーブルとしては、「示唆なし」の振り分けがないテーブルを採用することでエンディング演出において必ず性能情報表示画像が表示されるようにしてもよく、各遊技設定値で「示唆なし」が選択される確率が同一のテーブルを採用してもよい。
また、遊技設定値が4の場合には「示唆なし」に次いで「サム」が選択され易く、「サム」に比べて他のキャラクタは選択され難く、遊技設定値が3の場合には「示唆なし」に次いで「マリン」が選択され易く、「マリン」に比べて他のキャラクタは選択され難く、遊技設定値が2の場合には「示唆なし」に次いで「ワリン」が選択され易く、「ワリン」に比べて他のキャラクタは選択され難く、遊技設定値が1の場合には「示唆なし」に次いで「ウリン」が選択され易く、「ウリン」に比べて他のキャラクタは選択され難い。また、遊技設定値が4である場合にのみ「全員」の振り分けがある。この「全員」が選択された場合は、エンディング画面において遊技設定値示唆キャラクタの全員が表示される。
このように、遊技設定値示唆キャラクタに関して、「サム」は遊技設定値が4の場合に選択され易く遊技設定値が4であることを示唆するキャラクタとなっている。また、「サム」は、遊技設定値1では振り分けがない(選択されない)ことから、エンディング演出で「サム」が表示された時点で遊技設定値1が否定され、遊技設定値2以上が確定する。その意味において、エンディング演出での「サム」は遊技設定値が2以上であることが確定するキャラクタである。
また、「マリン」は遊技設定値が3の場合に選択され易く遊技設定値が3であることを示唆するキャラクタとなっており、「ワリン」は遊技設定値が2の場合に選択され易く遊技設定値が2であることを示唆するキャラクタとなっており、「ウリン」は遊技設定値が1の場合に選択され易く遊技設定値が1であることを示唆するキャラクタとなっている。そして、遊技設定値が高設定値であるほど、当該遊技設定値であることを示唆する遊技設定値示唆キャラクタが選択される確率が低くなっている。具体的には、遊技設定値が4である場合の「サム」の選択率は15/110であり、遊技設定値が3である場合の「マリン」の選択率は20/110であり、遊技設定値が2である場合の「ワリン」の選択率は25/110であり、遊技設定値が1である場合の「ウリン」の選択率は30/110である。このように、遊技設定値が高設定値である場合、高設定値であることを示唆するキャラクタがエンディング演出で表示され難い。これにより、エンディング演出において、遊技設定値が高設定値である場合に遊技設定値が低設定値であることを示唆するキャラクタが表示されたとしても直ちに遊技設定値が低設定値であることが判断し難くされている。その結果、遊技者に遊技設定値が高設定値であることの期待感を維持させつつ遊技を進行させることが可能になる。
なお、エンディング基本演出選択テーブルとしては、当該遊技設定値であることを示唆する遊技設定値示唆キャラクタが選択される確率が各遊技設定値で同一であるテーブルを採用してもよい。
図45(B)に示すように、エンディング演出用単位大当たり抽選回数示唆画像選択テーブルでは、単位大当たり抽選回数のランクごとに、エンディング用ランク示唆画像種別カウンタに応じてランク示唆画像が規定されている。この単位大当たり抽選回数示唆画像選択テーブルでは、単位大当たり抽選回数が「ランクS」である場合に「GOLDクジラッキー」が最も選択され易く、単位大当たり抽選回数が「ランクA」である場合に「GOOクジラッキー」が最も選択され易く、単位大当たり抽選回数が「ランクB」である場合に「ノーマルクジラッキー」が最も選択され易く、単位大当たり抽選回数が「ランクC」である場合に「BADクジラッキー」が最も選択され易く、単位大当たり抽選回数が「ランクD」である場合に「BKACKクジラッキー」が最も選択され易い。また、「寿クジラッキー」は、単位大当たり抽選回数が「ランクS」である場合にのみ振り分けがある。
このように、エンディング演出用単位大当たり抽選回数示唆画像選択テーブルでは、オープニング演出用単位大当たり抽選回数示唆画像選択テーブルと同様に、「寿クジラッキー」は単位大当たり抽選回数が「ランクS」であることを明示し、「GOLDクジラッキー」は単位大当たり抽選回数が「ランクS」であることを示唆し、「GOOクジラッキー」は単位大当たり抽選回数が「ランクA」であることを示唆し、「ノーマルクジラッキー」は単位大当たり抽選回数が「ランクB」であることを示唆し、「BADクジラッキー」は単位大当たり抽選回数が「ランクC」であることを示唆し、「BLACKクジラッキー」は単位大当たり抽選回数が「ランクD」であることを示唆するランク示唆画像となっている。
ここで、図46は、大当たり遊技でのエンディング画面の一例を示す図である。図46(A)に示すエンディング画面では、エンディング基本演出として遊技設定値示唆キャラクタとして「全員」が表示されることで遊技設定値が4であることが明示され、ランク示唆画像として「ノーマルクジラッキー」が表示されることで単位大当たり抽選回数が「ランクB」であることが示唆されている。図46(B)に示すエンディング画面では、エンディング基本演出として遊技設定値示唆キャラクタとして「マリン」が表示されることで遊技設定値が3であることが示唆され、ランク示唆画像として「GOOクジラッキー」が表示されることで単位大当たり抽選回数が「ランクA」であることが示唆されている。
<ステップS2503>
図40の説明に戻り、ステップS2503では、MPU51は、開閉実行モードで実行される開閉実行モード演出シナリオを決定する。開閉実行モード演出シナリオは、開閉実行モードの各ラウンド遊技で実行されるラウンド遊技演出の組み合わせを規定するものである。本実施形態では、演出シナリオは、後述の開閉実行モード演出シナリオテーブル(図47及び図48参照)に基づいて決定される。また、開閉実行モード演出シナリオには、所定のラウンド遊技において性能情報表示画像を図柄表示部341に表示させる演出シナリオが含まれる。そして、開閉実行モード演出シナリオとして出玉性能示唆画像が表示される演出シナリオが決定された場合には、遊技設定値及び単位大当たり抽選回数に応じて、後述のラウンド遊技キャラクタ選択テーブル(図49(A)参照)及びラウンド遊技用単位大当たり抽選回数示唆画像選択テーブル(図49(B)参照)に基づいて、該当ラウンドで表示される出玉性能示唆画像が決定される。
ここで、図47及び図48は、開閉実行モード演出決定処理において使用される開閉実行モード演出シナリオ選択テーブルの一例を示す図である。具体的には、図47(A)は、大当たり抽選での抽選結果が5R通常大当たりの場合に開閉実行モード演出決定処理において使用される5R通常大当たり開閉実行モード演出シナリオ選択テーブルであり、図47(B)は、大当たり抽選での抽選結果が5R確変大当たりの場合に開閉実行モード演出決定処理において使用される5R確変大当たり開閉実行モード演出シナリオ選択テーブルである。図48は、大当たり抽選での抽選結果が16R確変大当たりの場合に開閉実行モード演出決定処理において使用される16R確変大当たり開閉実行モード演出シナリオ選択テーブルである。
図47(A)に示すように、5R通常大当たり開閉実行モード演出シナリオ選択テーブルは、大当たり抽選での抽選結果が5R通常大当たりである場合に、大当たり遊技での開閉実行モードで実行される演出シナリオを規定する。この5R通常大当たり開閉実行モード演出シナリオ選択テーブルでは、演出シナリオ種別カウンタの値に応じて演出シナリオが決定される。ここで、5R通常大当たり開閉実行モード演出シナリオ選択テーブルでの「○」は出玉性能示唆画像が表示されるラウンド遊技を示している。具体的には、演出シナリオ種別カウンタの値が0〜4では1ラウンドで出玉性能示唆画像が表示される演出シナリオが決定され、演出シナリオ種別カウンタの値が5〜9では2ラウンドで出玉性能示唆画像が表示される演出シナリオが決定され、演出シナリオ種別カウンタの値が10〜14では3ラウンドで出玉性能示唆画像が表示される演出シナリオが決定され、演出シナリオ種別カウンタの値が15〜19では4ラウンドで出玉性能示唆画像が表示される演出シナリオが決定され、演出シナリオ種別カウンタの値が20〜24では5ラウンドで出玉性能示唆画像が表示される演出シナリオが決定される。なお、演出シナリオ種別カウンタの値が25〜79では出玉性能示唆画像が表示されない演出シナリオが決定される。つまり、5R通常大当たり遊技の開閉実行モードでは、抽選により選択される演出シナリオが出玉性能示唆画像が表示されるラウンド遊技を有するものである場合に、当該ラウンド遊技において出玉性能示唆画像が表示される。即ち、5R通常大当たり遊技の開閉実行モードでは、抽選により出玉性能示唆画像が表示されるか否かが決定される。
図47(B)に示すように、5R確変大当たり開閉実行モード演出シナリオ選択テーブルは、大当たり抽選での抽選結果が5R確変大当たりである場合に、大当たり遊技での開閉実行モードで実行される演出シナリオを規定する。この5R確変大当たり開閉実行モード演出シナリオ選択テーブルでは、演出シナリオ種別カウンタの値に応じて演出シナリオが決定される。ここで、5R確変大当たり開閉実行モード演出シナリオ選択テーブルでの「○」は出玉性能示唆画像が表示されるラウンド遊技を示している。具体的には、演出シナリオ種別カウンタの値が0〜4又は25〜29では1ラウンドで出玉性能示唆画像が表示される演出シナリオが決定され、演出シナリオ種別カウンタの値が5〜9又は30〜34では2ラウンドで出玉性能示唆画像が表示される演出シナリオが決定され、演出シナリオ種別カウンタの値が10〜14又は35〜39では3ラウンドで出玉性能示唆画像が表示される演出シナリオが決定され、演出シナリオ種別カウンタの値が15〜19又は40〜44では4ラウンドで出玉性能示唆画像が表示される演出シナリオが決定され、演出シナリオ種別カウンタの値が20〜24又は45〜49では5ラウンドで出玉性能示唆画像が表示される演出シナリオが決定される。なお、演出シナリオ種別カウンタの値が50〜79では出玉性能示唆画像が表示されない演出シナリオが決定される。つまり、5R確変大当たり遊技の開閉実行モードでは、抽選により選択される演出シナリオが出玉性能示唆画像が表示されるラウンド遊技を有するものである場合に、当該ラウンド遊技において出玉性能示唆画像が表示される。即ち、5R確変大当たり遊技の開閉実行モードでは、抽選により出玉性能示唆画像が表示されるか否かが決定される。
図47(A)と図47(B)とを比較すれば分かるように、5R確変大当たりの場合に、5R通常大当たりに比べて出玉性能示唆画像が表示される確率が高い。これにより、5R確変大当たりである場合に、確変大当たりであることの安堵感からラウンド遊技演出に注目しない遊技者に対してラウンド遊技演出に注目させる可能になる。なお、5R確変大当たりの場合に、5R確変大当たりに比べて出玉性能示唆画像が表示される確率を低くしてもよく、5R通常大当たりと同じ確率としてもよい。
図48に示すように、16R確変大当たり開閉実行モード演出シナリオ選択テーブルは、大当たり抽選での抽選結果が16R確変大当たりである場合に、大当たり遊技での開閉実行モードで実行される演出シナリオを規定する。この16R確変大当たり開閉実行モード演出シナリオ選択テーブルでは、演出シナリオ種別カウンタの値に応じて演出シナリオが決定される。ここで、16R確変大当たり開閉実行モード演出シナリオ選択テーブルでの「○」は出玉性能示唆画像が表示されるラウンド遊技を示している。具体的には、演出シナリオ種別カウンタの値が0〜4では1ラウンドで出玉性能示唆画像が表示される演出シナリオが決定され、演出シナリオ種別カウンタの値が5〜9では2ラウンドで出玉性能示唆画像が表示される演出シナリオが決定され、演出シナリオ種別カウンタの値が10〜14では3ラウンドで出玉性能示唆画像が表示される演出シナリオが決定され、演出シナリオ種別カウンタの値が15〜19では4ラウンドで出玉性能示唆画像が表示される演出シナリオが決定され、演出シナリオ種別カウンタの値が20〜24では5ラウンドで出玉性能示唆画像が表示される演出シナリオが決定され、演出シナリオ種別カウンタの値が25〜29では6ラウンドで出玉性能示唆画像が表示される演出シナリオが決定され、演出シナリオ種別カウンタの値が30〜34では7ラウンドで出玉性能示唆画像が表示される演出シナリオが決定され、演出シナリオ種別カウンタの値が35〜39では8ラウンドで出玉性能示唆画像が表示される演出シナリオが決定され、演出シナリオ種別カウンタの値が40〜44では9ラウンドで出玉性能示唆画像が表示される演出シナリオが決定され、演出シナリオ種別カウンタの値が45〜49では10ラウンドで出玉性能示唆画像が表示される演出シナリオが決定され、演出シナリオ種別カウンタの値が50〜54では11ラウンドで出玉性能示唆画像が表示される演出シナリオが決定され、演出シナリオ種別カウンタの値が55〜59では12ラウンドで出玉性能示唆画像が表示される演出シナリオが決定され、演出シナリオ種別カウンタの値が60〜64では13ラウンドで出玉性能示唆画像が表示される演出シナリオが決定され、演出シナリオ種別カウンタの値が65〜69では14ラウンドで出玉性能示唆画像が表示される演出シナリオが決定され、演出シナリオ種別カウンタの値が70〜74では15ラウンドで出玉性能示唆画像が表示される演出シナリオが決定され、演出シナリオ種別カウンタの値が75〜79では16ラウンドで出玉性能示唆画像が表示される演出シナリオが決定される。
16R確変大当たり開閉実行モード演出シナリオ選択テーブルでは、1R〜16Rのラウンド遊技のいずれかにおいて、必ず出玉性能示唆画像が表示される。これにより、確変大当たりであることの安堵感からラウンド遊技演出に注目しない遊技者に対してラウンド遊技演出に注目させる可能になる。なお、16R確変大当たりの場合に、5R通常大当たり及び5R確変大当たりの場合と同様に、出玉性能示唆画像が表示されない演出シナリオが決定されるようにしてもよい。
ここで、図49(A)は開閉実行モード演出決定処理において出玉性能示唆画像が表示される演出シナリオが選択された場合に使用されるラウンド遊技キャラクタ選択テーブルの一例を示す図であり、図49(B)は開閉実行モード演出決定処理において出玉性能示唆画像が表示される演出シナリオが選択された場合に使用されるラウンド遊技演出用単位大当たり抽選回数示唆画像選択テーブルの一例を示す図である。
図49(A)に示すように、ラウンド遊技キャラクタ選択テーブルでは、遊技設定値が4の場合に「サム」が最も選択され易く、遊技設定値が3の場合に「マリン」が最も選択され易く、遊技設定値が2の場合に「ワリン」が最も選択され易く、遊技設定値が1の場合に「ウリン」が最も選択され易い。このように、ラウンド遊技演出においても、オープニング演出及びエンディング演出と同様に、「サム」は遊技設定値が4であることを示唆し、「マリン」は遊技設定値が3であることを示唆し、「ワリン」は遊技設定値が2であることを示唆すし、「ウリン」は遊技設定値が1であることを示唆するキャラクタとなっている。
図49(B)に示すように、ラウンド遊技演出用単位大当たり抽選回数示唆画像選択テーブルでは、単位大当たり抽選回数のランクごとに、ラウンド遊技用ランク示唆画像種別カウンタに応じてランク示唆画像が規定されている。この単位大当たり抽選回数示唆画像選択テーブルでは、単位大当たり抽選回数が「ランクS」である場合に「GOLDクジラッキー」が最も選択され易く、単位大当たり抽選回数が「ランクA」である場合に「GOOクジラッキー」が最も選択され易く、単位大当たり抽選回数が「ランクB」である場合に「ノーマルクジラッキー」が最も選択され易く、単位大当たり抽選回数が「ランクC」である場合に「BADクジラッキー」が最も選択され易く、「BKACKクジラッキー」が最も選択され易い。また、「寿クジラッキー」は、単位大当たり抽選回数が「ランクS」である場合にのみ振り分けがある。
このように、ラウンド遊技演出用単位大当たり抽選回数示唆画像選択テーブルでは、オープニング演出用単位大当たり抽選回数示唆画像選択テーブル及びエンディング演出用単位大当たり抽選回数示唆画像選択テーブルと同様に、「寿クジラッキー」は単位大当たり抽選回数が「ランクS」であることを明示し、「GOLDクジラッキー」は単位大当たり抽選回数が「ランクS」であることを示唆し、「GOOクジラッキー」は単位大当たり抽選回数が「ランクA」であることを示唆し、「ノーマルクジラッキー」は単位大当たり抽選回数が「ランクB」であることを示唆し、「BADクジラッキー」は単位大当たり抽選回数が「ランクC」であることを示唆し、「BLACKクジラッキー」は単位大当たり抽選回数が「ランクD」であることを示唆するランク示唆画像となっている。
ここで、図50は、大当たり遊技でのラウンド遊技画面の一例を示す図である。図50(A)に示すラウンド遊技画面では、開閉実行モード演出シナリオとして、5ラウンド目のラウンド遊技において出玉性能示唆画像が表示されるシナリオが選択され、遊技設定値示唆キャラクタとして「マリン」が表示されることで遊技設定値が3であることが示唆され、ランク示唆画像として「GOLDクジラッキー」が表示されることで単位大当たり抽選回数が「ランクS」であることが示唆されている。また、図46(B)に示すラウンド遊技画面では、開閉実行モード演出シナリオとして、2ラウンド目のラウンド遊技において出玉性能示唆画像が表示されるシナリオが選択され、遊技設定値示唆キャラクタとして「サム」が表示されることで遊技設定値が4であることが示唆され、ランク示唆画像として「寿クジラッキー」が表示されることで単位大当たり抽選回数が「ランクS」であることが明示されている。
<ステップS2504>
図40の説明に戻り、ステップS2504では、MPU51は、ステップS2501〜S2503で決定された大当たり遊技演出をRAM512に記憶させる。具体的には、MPU51は、ステップS2501で決定されたオープニング基本演出種別、ステップS2502で決定されたエンディング基本演出種別、及びステップS2503で決定された開閉実行モード演出シナリオ種別をRAM512に記憶させ、必要に応じてオープニング、開閉実行モード又はエンディングでサブ画像表示部38に表示させる出玉性能示唆画像種別を記憶する。これにより、大当たり遊技において、スピーカ26によって音声出力演出が実行され、電飾部27によってランプ演出が実行される。
<ステップS2505>
ステップS2505では、MPU51は、ステップS2501〜S2503で決定された大当たり遊技演出の内容を示す大当たり遊技演出コマンドを表示制御装置6に送信する。具体的には、MPU51は、ステップS2501で決定されたオープニング基本演出種別、必要に応じてオープニング演出で実行される出玉性能示唆画像の内容、ステップS2502で決定されたエンディング基本演出種別、必要に応じてオープニング演出で実行される出玉性能示唆画像の内容と実行ラウンド数、及びステップS2503で決定された開閉実行モード演出シナリオ種別、必要に応じてオープニング演出で実行される出玉性能示唆画像の内容を表示制御装置6に送信する。これにより、大当たり遊技において、図柄表示部341によって出玉性能示唆画像を含む画像演出が実行される。
本実施形態では、大当たり遊技において出玉性能を示唆する出玉性能示唆画像が表示され得ることで、サブ画像表示部38に表示される出玉性能示唆画像を確認させるために遊技者に対して大当たり遊技に集中させることができると共に、サブ画像表示部38に表示される出玉性能示唆画像によって出玉性能を推測して楽しむことができる。これにより、遊技の興趣が向上される。
また、大当たり遊技では、オープニング、開閉実行モード及びエンディングのいずれにおいても、出玉性能示唆画像がサブ画像表示部38に表示され得る。そのため、大当たり遊技の開始から終了までの間、大当たり遊技演出に着目させることが可能になる。このように、遊技者に大当たり遊技演出に着目させることで、遊技者に軽視されやすい大当たり遊技演出に関して、大当たり遊技演出の良さを遊技者に伝えることが可能になる。
なお、大当たり遊技では、オープニング、開閉実行モード及びエンディングのいずれにおいても、出玉性能示唆画像がサブ画像表示部38に表示され得るが、オープニング、開閉実行モード及びエンディングのうちのいずれかのみで出玉性能示唆画像がサブ画像表示部38に表示されるようにしてもよい。
また、大当たり遊技において出玉性能を示唆する場合、変動遊技の場合と同様に、遊技設定値及び単位大当たり抽選回数のうちの一方又は双方に代えて、ベース、連続役物比率、役物比率、出玉期待値、ボーダーライン充足率に基づいて出玉性能を示唆するようにしてもよい。即ち、大当たり遊技において示唆される出玉性能は、遊技設定値と単位大当たり抽選回数との組み合わせには限定されない。
[変動遊技演出処理]
図27の説明に戻り、副タイマ割込み処理の変動遊技演出処理(ステップS2005)では、大当たり抽選での抽選結果を報知する変動遊技において、変動パターンコマンドを受信した場合に図31のコマンド判定処理のステップS2303で決定される演出パターンに即した変動遊技演出が図柄表示部341、スピーカ26、電飾部27などで実行され、ステップS2304で決定される出玉性能示唆画像がサブ画像表示部38で実行される。
[大当たり遊技演出処理]
大当たり遊技演出処理では、図40の大当たり遊技演出決定処理において決定されたオープニング演出、エンディング演出及び開閉実行モード演出が実行される。ここで、図51は、大当たり遊技演出処理の手順の一例を示すフローチャートである。
<ステップS2601>
図51に示すように、ステップS2601では、MPU51は、図31のコマンド判定処理におけるステップS2309でオンに設定される大当たり遊技演出開始フラグがオンに設定されているか否かを判断し、大当たり遊技演出開始フラグがオンの場合(ステップS2601:Yes)、処理をステップS2602に移行し、大当たり遊技演出開始フラグがオフの場合(ステップS2601:No)、処理をステップS2604に移行する。
<ステップS2602及びS2603>
大当たり遊技演出開始フラグがオンの場合(ステップS2601:Yes)、MPU51は、大当たり遊技演出開始フラグをオフに設定すると共に(ステップS2602)、オープニング演出開始処理を実行し(ステップS2603)、当該大当たり遊技演出処理を終了する。オープニング演出開始処理では、MPU51は、図40の大当たり遊技演出決定処理でのステップS2501で決定されたオープニング演出をスピーカ26及び電飾部27において実行させると共に、表示制御装置6に対してオープニング演出としての画像演出を図柄表示部341に開始させるオープニング演出開始コマンドを送信する。これにより、図柄表示部341では、オープニング基本演出に対応する画像が表示され、出玉性能示唆画像が表示されることが決定されている場合には図柄表示部341に出玉性能示唆画像が表示される。
<ステップS2604>
ステップS2604では、MPU51は、図31のコマンド判定処理でのステップS2311でオンに設定されるラウンド遊技演出開始フラグがオンに設定されているか否かを判断し、ラウンド遊技演出開始フラグがオンの場合(ステップS2604:Yes)、処理をステップS2605に移行し、開閉実行モード開始フラグがオフの場合(ステップS2604:No)、処理をステップS2607に移行する。
<ステップS2605及びS2606>
ラウンド遊技演出開始フラグがオンの場合(ステップS2604:Yes)、MPU51は、ラウンド遊技演出開始フラグをオフに設定すると共に(ステップS2605)、ラウンド遊技演出開始処理を実行し(ステップS2606)、当該大当たり遊技演出処理を終了する。ラウンド遊技演出開始処理では、MPU51は、図40の大当たり遊技演出決定処理でのステップS2503で決定された開閉実行モード演出シナリオにおける該当するラウンドでのラウンド遊技演出をスピーカ26及び電飾部27において実行させると共に、表示制御装置6に対して該当ラウンドでのラウンド遊技演出としての画像演出を図柄表示部341に開始させるラウンド遊技開始コマンドを送信する。このラウンド遊技開始コマンドには、当該ラウンド数を示すラウンド数情報が含まれる。これにより、図柄表示部341では、オープニング基本演出に対応する画像が表示され、出玉性能示唆画像が表示されることが決定されている場合には図柄表示部341に出玉性能示唆画像が表示される。
<ステップS2607>
ステップS2607では、MPU51は、図31のコマンド判定処理におけるステップS2314でオンに設定されるエンディング開始フラグがオンに設定されているか否かを判断し、エンディング開始フラグがオンの場合(ステップS2607:Yes)、処理をステップS2608に移行し、エンディング開始フラグがオフの場合(ステップS2607:No)、処理をステップS2610に移行する。
<ステップS2608及びS2609>
エンディング開始フラグがオンの場合(ステップS2607:Yes)、MPU51は、エンディング開始フラグをオフに設定すると共に(ステップS2608)、エンディング演出開始処理を実行し(ステップS2609)、当該大当たり遊技演出処理を終了する。エンディング演出開始処理では、MPU51は、図40の大当たり遊技演出決定処理でのステップS2502で決定されたオープニング演出をスピーカ26及び電飾部27において実行させると共に、表示制御装置6に対してエンディング演出としての画像演出を図柄表示部341に開始させるエンディング演出開始コマンドを送信する。これにより、図柄表示部341では、エンディング基本演出に対応する画像が表示され、出玉性能示唆画像が表示されることが決定されている場合には図柄表示部341に出玉性能示唆画像が表示される。
<ステップS2610>
ステップS2610では、MPU51は、図31のコマンド判定処理におけるステップS2316でオンに設定される大当たり遊技演出終了フラグがオンに設定されているか否かを判断し、大当たり遊技演出終了フラグがオンの場合(ステップS2610:Yes)、処理をステップS2611に移行し、大当たり遊技演出終了フラグがオフの場合(ステップS2610:No)、当該大当たり遊技演出処理を終了する。
<ステップS2611及びS2612>
大当たり遊技演出終了フラグがオンの場合(ステップS2610:Yes)、MPU51は、大当たり遊技演出終了フラグをオフに設定すると共に(ステップS2611)、エンディング演出終了処理を実行し(ステップS2612)、当該大当たり遊技演出処理を終了する。
ところで、遊技者は、個々の理由に基づいて遊技機を選択し、その遊技機において遊技を行う。そして、遊技者が遊技機を選択する場合の一つの基準として、遊技機の出玉性能が挙げられる。この出玉性能は、第1始動入賞口や一般入賞口への入賞のし易さ、即ち大当たり抽選を受けることができる頻度や出玉率の影響を受ける。一方、第1始動入賞口や一般入賞口への入賞のし易さは、遊技機の物理的な状態、例えば遊技盤に打設された釘の状態、遊技盤の表面性状などの影響を受ける。ここで、遊技盤に打設された釘は、出荷段階で遊技機間において個体差がある。加えて、釘の状態は経年変化し、この経年変化の程度についても遊技機間で個体差が存在する。また、遊技盤の表面性状についても、遊技機間で出荷段階や経年変化に個体差が存在する。そのため、同時期に製造されて同一ホールに同時期に設置された同種の遊技機間でも、第1始動入賞口や一般入賞口への入賞のし易さなどが異なる。このような遊技機の物理的な状態は外部から確認できるため、遊技者は遊技機の物理的な状態を確認することで出玉性能を確認し、出玉性能が高いと推測される遊技機を選択して遊技を行うことが可能である。
一方、遊技機としては、複数段階の大当たり確率(遊技設定値)から遊技ホール側が大当たり確率を設定できる遊技機がある。このような遊技機では、第1始動入賞口や一般入賞口への入賞のし易さに基づく出玉性能が低い場合であっても、大当たり確率が高く設定されている場合には大当たり遊技による出玉が多いことでトータルとしての出玉性能が高い場合がある。これとは逆に、第1始動入賞口や一般入賞口への入賞のし易さに基づく出玉性能が高い場合であっても、大当たり確率が低く設定されている場合には大当たり遊技による出玉が少ないことでトータルとしての出玉性能が低い場合がある。また、遊技ホール側は、遊技設定値を高くする一方で第1始動入賞口や一般入賞口に遊技球が入賞し難いように釘調整がなされる可能性もある。そのため、複数段階の大当たり確率(遊技設定値)から遊技ホール側が大当たり確率を設定できる遊技機では、遊技機の物理的な状態は外部から確認するだけでは、遊技者にとって有利な出玉性能を有する遊技機であるかは判断できない。
また、大当たり確率(遊技設定値)は、少ない試行回数では収束し難く、実際の大当り確率よりも高い確率で大当たりに当選することがある反面、実際の大当り確率よりも低い確率で大当たりに当選することもある。また、第1入賞口などへの遊技球の入賞のし易さも、短時間の遊技では収束し難くバラツキが発生する。その結果、出玉性能が高いにも拘らず短時間で見切りを付けて他の遊技機に移動し、これとは逆に、出玉性能が低いにも拘らず長時間遊技を継続してしまうことが起こり得る。
これに対して、本実施形態に係る遊技機10では、変動遊技や大当たり遊技において、出玉性能を示唆する出玉性能示唆画像がサブ画像表示部38に表示され得る。ここで、出玉性能示唆画像は、大当たり確率や遊技機10の物理的な状態を含めた複数の指標に基づいて選択されるものである。そのため、遊技者は、サブ画像表示部38に表示される出玉性能示唆画像を確認することで、大当たり確率や遊技機10の物理的な状態を含めた複数の指標に基づいて遊技機10の出玉性能を推測でき、また複数の指標ごとに個別に出玉性能を判断できる。これにより、遊技者は、遊技機10の出玉性能を推測することを楽しむことができるため、遊技の興趣が向上される。
また、出玉性能を基準として遊技機10を選択する遊技者にとっては、出玉性能が高いにも拘らず短時間で見切りを付けて他の遊技機に移動してしまうことや、出玉性能が低いにも拘らず長時間遊技を継続してしまうことを抑制できる。
なお、本実施形態では、変動遊技における出玉性能示唆画像の表示がサブ画像表示部38において実行されているが、変動遊技における出玉性能示唆画像の表示を図柄表示部341において実行してもよい。この場合、変動遊技演出の視認を阻害しないように、例えば図柄表示部341の右下隅部(図52参照)などの図柄表示部341の隅部に出玉性能示唆画像を表示させるのが好ましい。また、出玉性能示唆画像は、キャラクタ種別とキャラクタ態様種別とによって性能情報が示唆されるものには限定されない。例えば。図52に示すように、キャラクタ態様とセリフとの組み合わせなどによって性能情報が示唆されるようにしてもよい。なお、図52に示す例では、セリフによって遊技設定値などの第1性能情報が示唆され、キャラクタ態様によって単位大当たり抽選回数のランクなどの第1性能情報とは異なる第2性能情報が示唆される。また、図柄表示部341にセリフを表示することに加えて又は代えて、スピーカ26によるボイス演出で出玉性能が示唆されるようにしてもよい。
本実施形態では、出玉性能示唆画像によって複数の出玉情報(遊技設定値及び単位大当たり抽選回数)に基づく出玉性能が同時に示唆されているが、出玉性能示唆画像は、それぞれの性能情報(出玉性能)に対応させた複数の画像を含んでいてもよい。この場合、図柄表示部341に複数の出玉性能示唆画像を表示させてもよいし、サブ画像表示部38に複数の出玉性能示唆画像を表示させてもよいし、図53に示すように図柄表示部341及びサブ画像表示部38の双方に出玉性能示唆画像を表示させてもよい。このように、性能情報(出玉性能)に対応させた複数の画像によって出玉性能が示唆されることで、複数の出玉性能と個別に推測することが容易になる。そのため、遊技者が遊技機を選択する上で重要視する出玉性能に応じて遊技の継続又は中止を判断することが容易になる。
なお、図53に示す例では、サブ画像表示部38に遊技設定値などの第1出玉性能を示唆する第1出玉性能示唆画像が表示され、図柄表示部341の右下隅部に単位大当たり抽選回数のランクなどの第1性能情報となる第2出玉性能を示唆する第2出玉性能示唆画像が重複したタイミングで表示される。サブ画像表示部38で第1出玉性能示唆画像が表示され、図柄表示部341で第2出玉性能示唆画像が表示されることで、図柄表示部341及びサブ画像表示部38の双方に遊技者を着目させることができる。これにより、遊技演出に関心が低い遊技者に対して遊技演出に注目させる機会が付与され、遊技演出の面白みを遊技者に伝えることができる。また、第1出玉性能示唆画像と第2出玉性能示唆画像とが重複したタイミングで表示されることで、遊技者は、第1出玉性能示唆画像及び第2出玉性能示唆画像を同時期に確認できるため、2種類の出玉性能に基づいて簡易に出玉性能を判断可能である。
また、ラウンド遊技演出では、人物キャラクタによって遊技設定値が示唆され、特定のキャラクタの態様によって単位大当たり抽選回数のランクが示唆されていたが、図54に示すようにラウンド遊技演出においてキャラクタ紹介画像を表示させ、紹介されるキャラクタ種別によって遊技設定値などの第1性能情報が示唆され、キャラクタ紹介画像の枠色などによって単位大当たり抽選回数のランクなどの第1性能情報とは異なる第2性能情報が示唆されるようにしてもよい。また、キャラクタ紹介画像の枠柄、背景色などによって第2性能情報が示唆されるようにしてもよい。
また、本実施形態では、変動遊技及び大当たり遊技の双方で出玉性能示唆画像が表示され得るが、変動遊技及び大当たり遊技のうちの一方の遊技で出玉性能示唆画像を表示させてもよく、また変動遊技及び大当たり遊技の一方若しくは双方の遊技に加えて又は代えて客待ち待機状態(変動表示の保留がなく遊技球を発射していない状態)において出玉性能示唆画像を表示させてもよい。例えば、客待ち待機状態では、操作ボタン20に所定の操作(長押し操作や連打操作)が行われること、十字キー(不図示)にコマンドが入力されることを条件に出玉性能示唆画像が表示されるようにすることも考えられる。
また、変動遊技においては、上述のように特定の条件が満たされる場合に出玉性能示唆画像が表示されるが、この場合の特定の条件としては、例えば発射遊技球数が一定数に達すること、変動遊技の開始直後や終了直前などのタイミングで操作ボタン20に対する操作が行われること、特定の演出が実行されることなどが考えられる。この場合の特定の演出は、大当たり抽選での抽選結果を示唆する演出であると遊技者が勘違いしない演出であることが好ましく、例えば遊技者に左打ち又は右打ちを要求する演出などが考えられる。また、特定の演出は、操作ボタン20に対する操作を要求する演出などの演出であってもよい。特定の条件が満たされる場合に出玉性能示唆演出が実行されることで、遊技者は、出玉性能示唆演出が実行されるタイミングを予期することが可能になる。これにより、遊技者は、出玉性能示唆演出が実行されるタイミングを予期しつつ、そのタイミングの到来を楽しみにして遊技を進行することが可能になるため、遊技の興趣が向上される。
また、大当たり遊技では、オープニング、開閉実行モード及びエンディングの少なくとも一つで出玉性能示唆画像を表示させればよく、また開閉実行モードでは、ラウンド遊技に加えて又は代えて、ラウンド遊技間のインターバルで出玉性能示唆画像を表示するようにしてもよい。
また、出玉性能の示唆は、画像演出によるものに加えて又は代えて、スピーカ26による音声出力演出や電飾部27によるランプ演出により実行することも考えられる。例えば、大当たり遊技で出力される楽曲(BGM)の種別によって出玉性能を示唆してもよい。また、大当たり遊技の途中で楽曲(BGM)を変化させることで出玉性能を示唆してもよい。楽曲(BGM)の変化により出玉性能を示唆する場合、遊技者が図柄表示部341やサブ画像表示部38を確認していない状態であっても、遊技者はスピーカ26から出力される楽曲(BGM)に基づいて出玉性能を推測することが可能になる。また、出玉性能示唆演出が楽曲変化演出であることで、楽曲(BGM)に無関心な遊技者に対しても、出玉性能を推測するためにスピーカ26から出力される楽曲(BGM)に着目させ、楽曲(BGM)を楽しませることが可能になる。
また、楽曲(BGM)の変化によって出玉性能を示唆する場合、変化前の楽曲と変化後の楽曲との組み合わせによって出玉性能を示唆してもよい。例えば、変化前の楽曲種別によって遊技設定値などの出玉性能を示唆し、変化後の楽曲種別によって単位大当たり抽選回数などを他の出玉情報を示唆することが考えられる。変化前の楽曲と変化後の楽曲との組み合わせによって出玉性能が示唆される場合、遊技者は、楽曲変化が発生するか否かだけでなく、変化する前後の楽曲の組み合わせに基づいて出玉性能を推測することが可能になる。これにより、楽曲に無関心な遊技者に対しても、スピーカ26から出力される楽曲により着目させることが可能になる。
また、楽曲(BGM)の変化によって出玉性能を示唆する場合、楽曲が変化されるタイミング(例えば開閉実行モードのラウンド)によって出玉性能を示唆してもよい。具体的には、遊技設定値に対応するラウンド遊技(例えば遊技設定値が4の場合には4ラウンド)において他のラウンド遊技に比べて高確率でBGMが変化されるようにしてもよい。また、遊技設定値が奇数(1又は3)である場合に偶数ラウンドに比べて奇数ラウンドにおいて高確率でBGMが変化されるようにし、遊技設定値が偶数(2又は4)である場合に奇数ラウンドに比べて偶数ラウンドにおいて高確率でBGMが変化されるようにしてもよい。楽曲(BGM)の変化によって出玉性能を示唆する場合、楽曲変化が発生したラウンド遊技が何ラウンド目であるかによって出玉性能を推測可能である。そのため、遊技者は、スピーカ26から出力される楽曲変化が発生するか否かだけでなく、楽曲変化が発生するラウンド数によって出玉性能を推測することが可能になる。これにより、楽曲に無関心な遊技者に対しても、スピーカ26から出力される楽曲により着目させることができ、また楽曲変化が発生したラウンド遊技が何ラウンド目であるかを確認させるために図柄表示部341などの表示部にも着目させることが可能になる。その結果、遊技者にラウンド遊技演出を視認させる機会を付与することができ、ラウンド遊技演出の面白みを遊技者に伝えることが可能になる。
なお、楽曲(BGM)の変化によって出玉性能を示唆する場合、変化前の楽曲と変化後の楽曲との組み合わせと、楽曲が変化されるタイミングとの双方によって出玉性能を示唆することも考えられる。
[他の実施形態]
以下、本発明に係る遊技機10の他の実施形態について説明する。また、下記の他の実施形態において、前述の第1の実施形態で説明した遊技機10と同様の構成、及び処理手順と同様のステップについては説明を省略する。なお、前述の第1の実施形態及び下記の他の実施形態の各構成及び各処理機能を取捨選択して任意に組み合わせることも可能である。
[第2の実施形態]
前述の第1の実施形態では、大当たり遊技の開閉実行モードにおいて、出玉性能示唆画像が表示される開閉実行モード演出シナリオを含む開閉実行モード演出シナリオ選択テーブルに基づいて開閉実行モードでの演出シナリオが決定される場合について説明した。つまり、開閉実行モードのラウンド遊技において出玉性能示唆画像が表示されるか否かが選択される演出シナリオに依存する場合について説明した。
一方、本実施形態は、ラウンド遊技において上限数(本実施形態では「9」)を超える遊技球が可変入賞口316に入賞された場合(いわゆるオーバー入賞が発生した場合)、開閉実行モードのラウンド遊技において出玉性能示唆画像が表示される点で前述の第1の実施形態とは異なる。また、本実施形態では、大当たり遊技演出決定処理の開閉実行モード演出決定処理(図40のステップS2503参照)において、出玉性能示唆画像が表示される開閉実行モード演出シナリオを含まない開閉実行モード演出シナリオ選択テーブルに基づいて開閉実行モードでの演出シナリオが決定される点でも前述の第1の実施形態とは異なる。
以下、本実施形態に係る遊技機を前述の第1の実施形態に係る遊技機10との相違点を中心に図55〜図59を参照して説明する。
[コマンド判定処理]
ここで、図55及び図56は本実施形態に係る遊技機の音声ランプ制御装置5で実行されるコマンド判定処理の手順の一例を示すフローチャートである。図55及び図56に示すように、本実施形態のコマンド判定処理では、前述の第1の実施形態でのコマンド判定処理において、ラウンド遊技終了コマンド及び可変入賞口入賞コマンドを受信したか否かを判断する処理が追加されている。
<ステップS2701及びS2702>
図55に示すように、MPU51は、受信したコマンドが変動パターンコマンド、大当たり遊技開始コマンド及びラウンド遊技終了コマンドのいずれでもない場合(ステップS2302、S2307及びS2310のいずれもNo)、ラウンド遊技終了コマンドを受信したか否かを判断する(ステップS2701)。なお、ラウンド遊技終了コマンドは、例えば図16のメイン処理でのステップS1305の大当たり遊技制御処理において、ラウンド遊技を終了させる際に設定され、図16のメイン処理でのステップS1301の外部出力処理において音声ランプ制御装置5に送信される。
MPU51は、ラウンド遊技終了コマンドを受信した場合に(ステップS2701:Yes)、ラウンド遊技演出終了フラグをオンに設定する(ステップS2702)。ラウンド遊技演出終了フラグは、後述の図57の大当たり遊技演出処理のステップS2803において参照される。また、ラウンド遊技終了コマンドを受信していない場合に(ステップS2701:No)、処理を図56のステップS2312に移行する。
<ステップS2703及びS2704>
MPU51は、ラウンド遊技終了コマンドを受信していない場合に(ステップS2701:Yes)、図56に示すように、受信したコマンドがエンディング開始コマンド、大当たり遊技終了コマンド、遊技設定値変更コマンド及び単位大当たり抽選回数更新コマンドのいずれでもない場合(ステップS2313、S2315、S2317及びS2319のいずれもNo)、可変入賞口入賞コマンドを受信したか否かを判断する(ステップS2703)。なお、可変入賞口入賞コマンドは、例えば図16のメイン処理でのステップS1303において可変入賞口316に入賞が発生している場合に賞球コマンドを設定する際に賞球コマンドと共にRAM412に設定され、図16のメイン処理でのステップS1301の外部出力処理において音声ランプ制御装置5に送信されるフラグである。
MPU51は、可変入賞口入賞コマンドを受信した場合に(ステップS2703:Yes)、可変入賞口入賞フラグをオンに設定し(ステップS2704)、当該コマンド判定処理を終了する。可変入賞口入賞フラグは、後述の図59の出玉性能示唆画像表示処理のステップS3001において参照される。
[大当たり遊技演出処理]
本実施形態の大当たり遊技演出処理では、ラウンド遊技演出開始処理の内容が前述の第1の実施形態と異なる。これに伴い、本実施形態の大当たり遊技演出処理では、出玉性能示唆画像表示処理が追加され、ラウンド遊技演出開始処理及び出玉性能示唆画像表示処理の実行に必要な処理(ステップ)が追加されている。ここで、図57は、音声ランプ制御装置5で実行される大当たり遊技演出処理の手順の一例を示すフローチャートである。
<ステップS2801及びS2802>
図57に示すように、本実施形態の大当たり遊技演出処理では、ラウンド遊技演出開始フラグがオンに設定されていることを条件に(ステップS2604:Yes)、ラウンド遊技演出開始処理が実行されると共に(ステップS2801)、ラウンド遊技実行中フラグがオンに設定される(ステップS2802)。なお、ラウンド遊技演出開始処理の詳細は、図58を参照して後述する。また、ラウンド遊技実行中フラグは、ラウンド遊技が実行中であることを示すフラグであり、ステップS2803において出玉性能示唆画像表示処理を実行するか否かを判断するために参照される。
<ステップS2803及びS2804>
ステップS2803では、MPU51は、ステップS2802でオンに設定されるラウンド遊技実行中フラグがオンに設定されているか否かを判断する。MPU51は、ラウンド遊技実行中フラグがオンに設定されている場合(ステップS2803:Yes)、出玉性能示唆画像表示処理を実行し(ステップS2804)、当該大当たり遊技演出処理する。出玉性能示唆画像表示処理では、出玉性能示唆画像をサブ画像表示部38に表示させると判断される場合に、出玉性能示唆画像をサブ画像表示部38に表示させるための処理が実行される。つまり、本実施形態では、ラウンド遊技の実行中に出玉性能示唆画像を表示させるかを判断し、ラウンド遊技において出玉性能示唆画像がサブ画像表示部38に表示される。なお、出玉性能示唆画像表示処理の詳細は、図59を参照して後述する。
<ステップS2805〜S2807>
ステップS2805では、MPU51は、図55のコマンド判定処理のステップS2702でオンに設定されるラウンド遊技演出終了フラグがオンに設定されているか否かを判断する。MPU51は、ラウンド遊技演出終了フラグがオンに設定されている場合(ステップS2805:Yes)、ラウンド遊技が実行されていることを示すラウンド遊技実行中フラグをオフに設定すると共に(ステップS2806)、ラウンド遊技演出終了フラグをオフに設定し(ステップS2807)、当該大当たり遊技演出処理を終了する。一方、MPU51は、ラウンド遊技終了フラグがオフに設定されている場合(ステップS2805:No)、処理を2607に移行する。
[ラウンド遊技演出開始処理]
図57の大当たり遊技演出処理でのステップS2801で実行されるラウンド遊技演出開始処理では、ラウンド遊技演出を開始させる処理が実行される。ここで、図58は、図57の大当たり遊技演出処理で実行されるラウンド遊技演出開始処理の手順の一例を示すフローチャートである。
<ステップS2901>
図58に示すように、ステップS2901では、MPU51は、示唆画像表示中フラグがオンに設定されているか否かを判断する。示唆画像表示中フラグは、ラウンド遊技において図柄表示部341に出玉性能示唆画像を表示させるためのフラグであり、後述の図59の出玉性能示唆画像表示処理のステップS3008においてオンに設定される。MPU51は、示唆画像表示中フラグがオンに設定されている場合(ステップS2901:Yes)、処理をステップS2902に移行し、出玉性能示唆画像表示中フラグがオフに設定されている場合(ステップS2901:No)、処理をステップS2904に移行する。
<ステップS2802及びS2803>
MPU51は、示唆画像表示中フラグがオンに設定されている場合(ステップS2901:Yes)、後述の図59の出玉性能示唆画像表示処理のステップS3007でRAM512に記憶される出玉性能示唆画像の内容を読み出し(ステップS2902)、RAM512から出玉性能示唆画像の内容を消去する(ステップS2903)。
<ステップS2804>
ステップS2804では、MPU51は、ラウンド遊技開始コマンドを表示制御装置6に送信する。ラウンド遊技開始コマンドは、図柄表示部341にラウンド遊技演出の画像演出を実行させるコマンドである。また、示唆画像表示中フラグがオンに設定されている場合(ステップS2901:Yes)、ラウンド遊技開始コマンドには出玉性能示唆画像種別に関する情報が含まれる。これにより、ラウンド遊技において、出玉性能示唆画像が表示される。
[出玉性能示唆画像表示処理]
図57の大当たり遊技演出処理でのステップS2804で実行される出玉性能示唆画像表示処理では、開閉実行モードでの出玉性能示唆画像の表示の有無や画像種別が決定される。ここで、図59は、図57の大当たり遊技演出処理で実行される出玉性能示唆画像表示処理の手順の一例を示すフローチャートである。
<ステップS3001>
図59に示すように、ステップS3001では、MPU51は、図56のコマンド判定処理でのステップS2704でオンに設定される可変入賞口入賞フラグがオンに設定されているか否かを判断する。MPU51は、可変入賞口入賞フラグがオンに設定されている場合(ステップS3001:Yes)、処理をステップS3002に移行し、可変入賞口入賞フラグがオフに設定されている場合(ステップS3001:No)、当該出玉性能示唆画像表示処理を終了する。
<ステップS3002及びS3003>
可変入賞口入賞フラグがオンに設定されている場合(ステップS3001:Yes)、MPU51は、入賞カウンタの値に1を加算すると共に(ステップS3002)、可変入賞口入賞フラグをオフに設定する(ステップS3003)。つまり、MPU51は、可変入賞口316に入賞した遊技球数をカウントする。
<ステップS3004>
ステップS3004では、MPU51は、入賞カウンタの値(可変入賞口316への入球数)が上限数を超えているか否かを判断する。なお、「上限数」とは、所定時間(最大開放時間)が経過する前に可変入賞口316が閉鎖される入賞遊技球数と同数に設定され、本実施形態では「上限数」は例えば「9」である。即ち、MPU51は、可変入賞口316に上限数を超える遊技球が入球するオーバー入賞が発生したか否かを判断する。ここで、MPU51は、入賞カウンタの値が上限数を超えている場合(ステップS3004:Yes)、処理をステップS3005に移行し、入賞カウンタの値が上限数を超えていない場合(ステップS3004:No)、当該出玉性能示唆画像表示処理を終了する。
<ステップS3005>
入賞カウンタの値が上限数を超えている場合(ステップS3004:Yes)、MPU51は、当該ラウンド遊技が開閉実行モードにおける最終ラウンドであるか否かを判断する(ステップS3005)。MPU51は、当該ラウンド遊技が最終ラウンドである場合(ステップS3005:Yes)、当該出玉性能示唆画像表示処理を終了する。即ち、開閉実行モードにおける最終ラウンドでオーバー入賞があった場合には出玉性能示唆画像が表示されない。一方、MPU51は、当該ラウンド遊技が最終ラウンドでない場合(ステップS3005:No)、出玉性能示唆画像を決定すると共に(ステップS3006)、出玉性能示唆画像の内容をRAM512に記憶させる(ステップS3007)。そして、MPU51は、出玉性能示唆画像表示中フラグをオンに設定し(ステップS3008)、当該出玉性能示唆画像表示処理を終了する。即ち、MPU51は、開閉実行モードのラウンド遊技(最終ラウンドを除く)でオーバー入賞が発生した場合、出玉性能示唆画像表示中フラグをオンに設定することで、オーバー入賞が発生したラウンド遊技の次のラウンド遊技において出玉性能示唆画像を表示させる。
ところで、大当たり遊技におけるラウンド遊技間のインターバルにおいて打ち出し遊技球数を節約するために、インターバルでの遊技球の打ち出しを停止する、いわゆる止め打ちという技法がある。このような止め打ちを行う場合、遊技者は、ラウンド遊技において可変入賞口316に入賞される遊技球数をカウントしつつ遊技球の打ち出し及び打ち出し停止を繰り返し行う。そのため、遊技者は、ラウンド遊技において図柄表示部341やサブ画像表示部38を殆ど確認することなく、可変入賞口316を注視することになる。
これに対して、本実施形態では、開閉実行モードのラウンド遊技(最終ラウンドを除く)でオーバー入賞が発生した場合、オーバー入賞が発生したラウンド遊技の次のラウンド遊技において出玉性能示唆画像が表示される。そのため、止め打ちを行う遊技者に対して、オーバー入賞を発生させるための余分な遊技球を打ち出させることが可能になり、またラウンド遊技において図柄表示部341に着目させることが可能になる。特に、止め打ちを行う遊技者は、遊技機10を選択する基準として出玉性能を重視する傾向が強いため、図柄表示部341やサブ画像表示部38に着目させるために、オーバー入賞で出玉性能示唆画像をサブ画像表示部38(又は図柄表示部341若しくはサブ画像表示部38と図柄表示部341の双方)に表示させることの意義は大きい。
また、可変入賞口316に対するオーバー入賞があったラウンド遊技の次のラウンド遊技で出玉性能示唆演出が実行される場合、オーバー入賞から短時間で性能示唆演出が実行される。そのため、遊技者は、性能示唆演出が実行されるタイミングを把握しやすく、性能示唆演出の確認を失念してしまうことを防止できる。
なお、本実施形態では、開閉実行モードの最終ラウンドにおいてオーバー入賞があった場合には出玉性能示唆画像が表示されないが、最終ラウンドにおいてオーバー入賞があった場合にエンディングにおいて出玉性能示唆画像が表示されるようにしてもよい。この場合、最終のラウンド遊技でオーバー入賞があった場合に出玉性能示唆演出が実行されないという不都合の発生を防止できる。
また、本実施形態では、適用可能な範囲において、前述の第1の実施形態における設計変更事項と同様な設計変更が可能である。
[第3の実施形態]
前述の第1の実施形態では、変動遊技において、遊技設定値に応じて選択される遊技設定値示唆キャラクタ選択テーブル(図36参照)に基づいて出玉性能示唆画像のキャラクタが選択され(図34のステップS2404及びS2405参照)、単位大当たり抽選回数のランクに応じて選択されるキャラクタ態様選択テーブル(図37及び図38参照)に基づいて、キャラクタの態様が決定される場合について説明した(図34のステップS2407及びS2408参照)。
一方、本実施形態は、変動遊技において、遊技設定値及び単位大当たり抽選回数のランクをそれぞれポイント化し、これらのポイントを合計した合算ポイントに応じて選択されるテーブルに基づいて出玉性能示唆画像が決定され、その出玉性能示唆画像がサブ画像表示部38に表示される点で前述の第1の実施形態とは異なる。なお、以下において、参照図面を含め、「合算ポイント」を「合算Pt」と表記する場合がある。
以下、本実施形態に係る遊技機を前述の第1の実施形態に係る遊技機10との相違点を中心に図60〜図62を参照して説明する。
[出玉性能示唆画像表示処理]
ここで、図60は本実施形態に係る遊技機の音声ランプ制御装置で実行される出玉性能示唆画像表示処理の手順の一例を示すフローチャートである。
<ステップS3101>
図60に示すように、出玉性能示唆画像表示処理では、変動パターンコマンドを受信した場合に大当たり抽選カウンタの値が「0」である場合(ステップS2402:Yes)、即ち大当たり抽選回数が1000回に達した場合に、RAM512に記憶された遊技設定値及び単位大当たり抽選回数を取得し(ステップS2404及びS2406)、合算ポイント(合算Pt)を演算する(ステップS3101)。具体的には、MPU51は、遊技設定値に応じて設定される加算ポイントと、単位大当たり抽選回数に応じた設定される加算ポイントとを合算することで合算ポイントを演算する。
ここで、図61(A)及び図61(B)は出玉性能示唆画像表示処理で使用されるポイントテーブルの一例を示す図である。
図61(A)に示すように、設定ポイントテーブルは、遊技設定値に応じて加算ポイントを規定する。設定ポイントテーブルでは、遊技設定値が4の場合に加算ポイントが4ポイント、遊技設定値が3の場合に加算ポイントが3ポイント、遊技設定値が2の場合に加算ポイントが2ポイント、遊技設定値が1の場合に加算ポイントが1ポイントである。つまり、遊技設定値の加算ポイントは、遊技設定値が高いほど高く設定されており、ポイントが高いほど出玉性能が高いことを示している。
図61(B)に示すように、抽選回数ポイントテーブルは、単位大当たり抽選回数(ランク)に応じて加算ポイントを規定する。抽選回数ポイントテーブルでは、単位大当たり抽選回数が25回以上(ランクS)の場合に加算ポイントが5ポイント、単位大当たり抽選回数が20回以上25回未満(ランクA)の場合に加算ポイントが4ポイント、単位大当たり抽選回数が15回以上20回未満(ランクB)の場合に加算ポイントが3ポイント、単位大当たり抽選回数が10回以上15回未満(ランクC)の場合に加算ポイントが2ポイント、単位大当たり抽選回数が10回未満(ランクD)の場合に加算ポイントが1ポイントである。つまり、単位大当たり抽選回数(ランク)の加算ポイントは、単位大当たり抽選回数が多いほど(ランクが高いほど)高く設定されており、ポイントが高いほど出玉性能が高いことを示している。
上述のように、図61(A)に示す設定ポイントテーブルでは遊技設定値が高いほど加算ポイントが高く設定され、図61(B)に示す抽選回数ポイントテーブルでは単位大当たり抽選回数が多いほど(ランクが高いほど)加算ポイントが高く設定されている。そのため、遊技設定値及び単位大当たり抽選回数を指標とする合算ポイントが高いほど出玉性能が高いことを示している。つまり、合算ポイントは、遊技機10の出玉性能と相関性を有する指標である。例えば、遊技設定値が1で単位大当たり抽選回数が13回であれば、遊技設定値の加算ポイントが1ポイントであり、単位大当たり抽選回数の加算ポイントが2ポイントであるため、合算ポイントが3ポイント(1ポイント+2ポイント)となり、出玉性能が低いことを示している。また、遊技設定値が3で単位大当たり抽選回数が27回であれば、合算ポイントが8ポイント(3ポイント+5ポイント)となり、出玉性能が高いことを示している。
なお、本実施形態では、変動開始コマンドを受信した場合に大当たり抽選回数が1000回に達したと判断される場合に合算ポイントが演算されるが、合算ポイントを演算するタイミングは他のタイミングであってもよい。例えば、変動開始コマンドを受信するたびに合算ポイントを演算するようにしてもよい。
<ステップS3102>
ステップS3102では、MPU51は、ステップS3101で演算された合算ポイントを示唆する出玉性能示唆画像としてのキャラクタ画像(合算ポイント示唆キャラクタ画像)を選択し、選択されたキャラクタ画像をサブ画像表示部38に表示させる(ステップS2408)。なお、本実施形態では、大当たり抽選回数が1000回に達したと判断される場合に出玉性能示唆画像が表示されるが、この出玉性能示唆画像は、大当たり抽選回数が1000回に達した変動遊技においてのみ表示されるようにしてもよいし、例えば複数の変動遊技に跨って表示されるようにしてもよいし、大当たり遊技においても継続して表示されるようにしてもよい。
ここで、図62は出玉性能示唆画像表示処理で参照される合算ポイント示唆キャラクタ選択テーブルの一例を示す図である。
図62に示すように、合算ポイント示唆キャラクタ選択テーブルでは、合算ポイント(合算Pt)が「8」又は「9」の場合、「サム」が最も選択され易く、他のキャラクタは選択され難い。合算ポイント(合算Pt)が「6」又は「7」の場合、「マリン」が最も選択され易く、他のキャラクタは選択され難い。合算ポイント(合算Pt)が「4」又は「5」の場合、「ワリン」が最も選択され易く、他のキャラクタは選択され難い。合算ポイント(合算Pt)が「2」又は「3」の場合、「ウリン」が最も選択され易く、他のキャラクタは選択され難い。
このように、「サム」は合算ポイント(合算Pt)が「8」又は「9」の場合に選択され易く、合算ポイント(合算Pt)が高いこと(出玉性能が高いこと)を示唆するキャラクタとなっており、「マリン」は合算ポイント(合算Pt)が「6」又は「7」の場合に選択され易く、合算ポイント(合算Pt)が比較的に高いこと(出玉性能が比較的に高いこと)を示唆するキャラクタとなっており、「ワリン」は合算ポイント(合算Pt)が「4」又は「5」の場合に選択され易く、合算ポイント(合算Pt)が比較的に低いこと(出玉性能が比較的に低いこと)を示唆するキャラクタとなっており、「ウリン」は合算ポイント(合算Pt)が「2」又は「3」の場合に選択され易く、合算ポイント(合算Pt)が低いこと(出玉性能が低いこと)を示唆するキャラクタとなっている。
ところで、前述の第1の実施形態では、遊技設定値及び単位大当たり抽選回数の2つの性能情報のそれぞれに対して準備されたテーブルを用いて出玉性能示唆画像が決定される。
これに対して、本実施形態では、遊技設定値及び単位大当たり抽選回数をそれぞれポイント化して合算ポイントとして出玉性能が評価されるため、1つのテーブルによって出玉性能示唆画像が決定される。そのため、本実施形態では、前述の第1の実施形態に比べて、テーブルを記憶するために必要なROM511の記憶容量が低減され、演算処理手順の簡略化が可能になる。
なお、本実施形態では、変動遊技において合算ポイント(出玉性能)に基づいて出玉性能示唆画像が表示されていたが、大当たり遊技において合算ポイント(出玉性能)に基づいて出玉性能示唆画像が表示されるようにしてもよい。
また、本実施形態では、遊技設定値に基づく加算ポイントと、単位大当たり抽選回数に基づく加算ポイントとの合計ポイントを出玉性能を示す指標として用いていたが、遊技設定値と単位大当たり抽選回数との組み合わせ以外の2以上の性能情報の組み合わせに基づいて出玉性能に相関させた指標を設定し、その指標に基づいて出玉性能を示唆することも考えられる。
また、遊技設定値に基づく加算ポイントと、単位大当たり抽選回数に基づく加算ポイントとを加算することに代えて、これらのポイントの減算し、乗じ又は除して出玉性能に相関させた指標を設定し、又は所定の数式に基づいて出玉性能に相関させた指標を設定し、得られる指標に基づいて出玉性能を示唆することも考えられる。
また、遊技設定値などの第1性能情報、及び第1性能情報以外の第2性能情報のうちの一方の性能情報をポイント化し、他方の性能情報を示す数値と合算した指標に基づいて出玉性能を示唆することも考えられる。
また、本実施形態では、適用可能な範囲において、前述の第1の実施形態における設計変更事項と同様な設計変更が可能である。
また、前述の第2の実施形態において出玉性能示唆画像を決定する場合に、本実施形態における出玉性能示唆画像表示処理での出玉性能示唆画像(キャラクタ画像)の選択方法を採用することもできる。
[第4の実施形態]
前述の第3の実施形態では、遊技設定値及び単位大当たり抽選回数のランクのそれぞれポイント化し、これらのポイントを合計した合算ポイント(出玉性能)に応じて選択されるテーブルに基づいて出玉性能示唆画像が決定される場合について説明した(図60のステップS3101及びS3102参照)。
一方、本実施形態は、遊技機10の出玉性能を出玉期待値として演算し、出玉期待値に基づいて性能情報が示唆される点で前述の第3の実施形態とは異なる。
以下、本実施形態に係る遊技機を前述の第1の実施形態に係る遊技機10との相違点を中心に図63及び図64を参照して説明する。
[出玉性能示唆画像表示処理]
ここで、図63は本実施形態に係る遊技機の音声ランプ制御装置で実行される出玉性能示唆画像表示処理の手順の一例を示すフローチャートである。
<ステップS3201>
図63に示すように、出玉性能示唆画像表示処理では、変動パターンコマンドを受信した場合に大当たり抽選カウンタの値が「0」である場合(ステップS2402:Yes)、即ち大当たり抽選回数が1000回に達した場合に、出玉期待値を演算する(ステップS3201)。
上述のように、出玉期待値は、例えば一定数の遊技球(例えば6万玉)を打ち出した場合の発射遊技球合計数(総アウト玉数)に対して期待される出玉数(払出遊技球数)の割合である。出玉期待値は、発射遊技球合計数(総アウト玉数)と期待される出玉数(払出遊技球数)とが同数の場合に100%であり、期待される出玉数(払出遊技球数)のほうが多い場合に100%超であり、期待される出玉数(払出遊技球数)のほうが少ない場合に100%未満となる。つまり、出玉期待値が100%を超える場合に遊技者に有利であり、その数値が高いほど出玉性能が高い。一方、出玉期待値が100%を下回る場合に遊技者に不利であり、その数値が低いほど出玉性能に低い。
また、期待される出玉数(払出遊技球数)は、通常遊技状態(低確率モードかつ非高頻度サポートモード)、時短遊技状態(低確率モードかつ高頻度サポートモード)、確変遊技状態(高確率モードかつ高頻度サポートモード)及び大当たり遊技状態の理論比率と、それぞれの遊技状態での理論出玉数から演算できる。ここで、各遊技状態の理論比率は、例えば遊技設定値(低確率モード及び高確率モードでの大当たり確率(図7(A)及び図7(B)参照))、大当り種別の振分率(図7(C)参照)、単位大当たり抽選回数、役物比率などに基づいて算出される。また、通常遊技状態で期待される出玉数(払出遊技球数)は、例えば単位大当たり抽選回数、ベースなどに基づいて算出される。通常遊技状態以外(時短遊技状態、確変遊技状態及び大当たり遊技状態)で期待される出玉数(払出遊技球数)は、例えば初当たりに対する理論平均連荘回数、大当り種別の振分率(図7(C)参照)、各大当たり種別での理論差玉数、連続役物比率、役物比率などに基づいて算出される。
また、出玉期待値は、ボーダーラインに対する充足率として評価してもよい。ここで、ボーダーラインは、出玉期待値を100%とするために、単位金額(例えば1000円)当たりの貸玉に対して必要とされる大当たり抽選回数であり、このボーダーラインは大当たり抽選確率通りに大当たり抽選での抽選結果が大当たりとなると仮定して演算される。つまり、ボーダーラインは、理論確率通りに大当たりに当選する場合に差玉が±0になる単位金額(例えば1000円)当たりの大当たり抽選回数である。また、ボーダーラインの演算方法は、種々提案されているが、例えばボーダーラインは、1000円での貸玉数/(大当たり遊技での平均出玉数/トータル確率)として計算できる。ここで、1000円当たりの貸玉数は一般に250玉である。また、大当たり遊技での平均出玉数は、大当たり遊技のラウンド遊技数が理論値通りに振り分けられた場合の1回の大当たり遊技当たりの出玉数である。また、トータル確率は、高確率モードと低確率モードとに理論値通りに振り分けられた場合の平均大当たり当選確率である。そして、ボーダーラインに対する充足率は、単位大当たり抽選回数とボーダーラインとの比率として演算される。このボーダーラインの充足率は、100%を超えると、その値が大きいほど遊技者に有利であり、100%未満であると、その値が小さいほど遊技者に不利である。例えば、単位大当たり抽選回数が18回であり、ボーダーラインが20回である場合、ボーダーラインに対する充足率は90%であり、遊技者に不利である。
<ステップS3202>
ステップS3202では、MPU51は、ステップS3201で演算された出玉期待値を示唆する出玉性能示唆画像としてのキャラクタ画像(出玉期待値示唆キャラクタ画像)を選択し、選択されたキャラクタ画像をサブ画像表示部38に表示させる(ステップS2408)。
ここで、図64(A)は出玉性能示唆画像表示処理で参照される出玉期待値示唆キャラクタ選択テーブルの一例を示す図、図64(B)は出玉期待値のタンクを示す期待値ランク対応テーブルの一例を示す図である。
である。
図64(A)に示すように、出玉期待値示唆キャラクタ選択テーブルでは、出玉期待値ランクごとに、期待値示唆演出選択テーブルに応じて出玉期待値示唆キャラクタ種別が規定されている。ここで、出玉期待値ランクは、出玉期待値の大小を示す指標であり、図64(B)に示すように、出玉期待値が115%以上である場合が「ランクS」、出玉期待値が105%以上115%未満である場合が「ランクA」、出玉期待値が95%以上105%未満である場合が「ランクB」、出玉期待値が85%以上95%未満である場合が「ランクC」、出玉期待値が85%未満である場合が「ランクD」として規定されている。つまり、出玉期待値ランクでは、「ランクS」、「ランクA」、「ランクB」、「ランクC」及び「ランクD」の順に出玉期待値が高く(出玉性能が高く)、先の順で遊技者に有利である。
図64(A)の説明に戻り、出玉期待値示唆キャラクタ選択テーブルでは、出玉期待値ランクが「ランクS」である場合、「GOLDクジラッキー」が最も選択され易く、他の態様のクジラッキーは選択され難い。出玉期待値ランクが「ランクA」である場合、「GOOクジラッキー」が最も選択され易く、他の態様のクジラッキーは選択され難い。出玉期待値ランクが「ランクB」である場合、「ノーマルクジラッキー」が最も選択され易く、他の態様のクジラッキーは選択され難い。出玉期待値ランクが「ランクC」である場合、「BADクジラッキー」が最も選択され易く、他の態様のクジラッキーは選択され難い。出玉期待値ランクが「ランクD」である場合、「BKACKクジラッキー」が最も選択され易く、他の態様のクジラッキーは選択され難い。また、「寿クジラッキー」は、出玉期待値ランクが「ランクS」である場合にのみ振り分けがある。
このように、「寿クジラッキー」は出玉期待値ランクが「ランクS」である場合にのみ選択され、「ランクS」であることを明示する出玉期待値示唆画像となっている。「GOLDクジラッキー」は出玉期待値ランクが「ランクS」の場合に選択され易く、「ランクS」であることを示唆する出玉期待値示唆画像となっている。「GOOクジラッキー」は出玉期待値ランクが「ランクA」の場合に選択され易く、「ランクA」であることを示唆する出玉期待値示唆画像となっている。「ノーマルクジラッキー」は出玉期待値ランクが「ランクB」の場合に選択され易く、「ランクB」であることを示唆する出玉期待値示唆画像となっている。「BADクジラッキー」は出玉期待値ランクが「ランクC」の場合に選択され易く、「ランクC」であることを示唆する出玉期待値示唆画像となっている。「BLACKクジラッキー」は出玉期待値ランクが「ランクD」の場合に選択され易く、「ランクD」であることを示唆する出玉期待値示唆画像となっている。
ところで、前述の第3の実施形態では、遊技設定値及び単位大当たり抽選回数の2つの性能情報に基づいて出玉性能示唆画像が表示される。そのため、前述の第3の実施形態では、演算処理が簡易であるという利点がある。一方、遊技設定値は大当たり確率を反映した指標であり、大当たり種別の振分との相関性がない。また、単位大当たり抽選回数は、通常遊技状態(低確率モードかつ非高頻度サポートモード)での大当たり抽選回数の大小に関するものであり、通常遊技状態以外の遊技状態での出玉との相関性がない。そのため、前述の第3の実施形態では、大当たり遊技状態での出玉数(差玉数)、初当たりに対する平均連荘回数、時短遊技状態や確変遊技状態での出玉数(差玉数)などが考慮されておらず、簡易な手法としての利点はあるものの、遊技機10の出玉性能が適切に反映されるものではない。
これに対して、本実施形態では、通常遊技状態以外の遊技状態も含めたトータルでの出玉期待値に基づいて出玉性能が評価され、その出玉性能が示唆される。そのため、本実施形態では、遊技機10の出玉性能が適切に反映される性能情報に基づいて出玉性能を遊技者に示唆することが可能になる。
なお、本実施形態では、変動遊技において出玉期待値(出玉性能)に基づいて出玉性能示唆画像が表示されていたが、大当たり遊技において出玉期待値に基づいて出玉性能示唆画像が表示されるようにしてもよい。
また、本実施形態では、適用可能な範囲において、前述の第1の実施形態における設計変更事項と同様な設計変更が可能である。
また、前述の第2の実施形態において出玉性能示唆画像を決定する場合に、本実施形態における出玉性能示唆画像表示処理での出玉性能示唆画像(キャラクタ画像)の選択方法を採用することもできる。
[第5の実施形態]
前述の第1の実施形態では、サブ画像表示部38において出玉性能が示唆される場合について説明した。
一方、本実施形態は、特殊メイン表示部において遊技設定値が表示され、特殊メイン表示部の正面側に配置される滞留ボックスの下動によって遊技設定値が視認可能となる点において前述の第1の実施形態とは異なる。
以下、本実施形態に係る遊技機を前述の第1の実施形態に係る遊技機10との相違点を中心に図65〜図78を参照して説明する。
ここで、図65は本実施形態に係る遊技機10の遊技盤31の一例を示す正面図であり、図66は図65に示す遊技機10の要部を拡大して示す正面図である。
図65及び図66に示すように、本実施形態に係る遊技機10では、遊技盤31における図柄表示部341の右側にクルーン装置36(振分装置の一例)、滞留ボックス39(視認制限手段)、排出口319、及び特殊メイン表示部37a(性能情報表示手段)が設けられている。
また、図67はクルーン装置36の一例を示す斜視図、図68(A)は図67のX1−X1切断線に沿う断面図、図68(B)は図67のX2−X2切断線に沿う断面図である。
図67及び図68に示すように、クルーン装置36は、遊技盤31の右側領域に打ち出された遊技球を、後述の通常入球口367及び特殊アウト玉口363のいずれかに振り分けるものである。このクルーン装置36は、底壁361及びこの底壁361を囲む円環状の周壁362を有する皿状である。底壁361は、平面視円形であり、高位底部361aと、低位底部361bと、高位底部361aと低位底部361bとの間に設けられた左下がりの傾斜部361cとを有する。
高位底部361aは、底壁361の右側部分を構成し、右下がりに傾斜している。高位底部361aには、特殊アウト玉口363(特殊排出口)を有する特殊アウト玉通路364が設けられている。この特殊アウト玉通路364は、傾斜部361cの右縁に隣接し、高位底部361aの前後方向D1の中央部において、上下方向D2に延びるように設けられている。この特殊アウト玉通路364は、後述のように特殊アウト玉口363を介して入球した遊技球99を滞留ボックス39に導くためのものであり、遊技球99の直径より大きな内径を有する円筒状に形成されている。そして、特殊アウト玉口363に入球した遊技球99は、各種入賞口313〜316に入球することはなく、スルーゲート317を通過することもない。そのため、特殊アウト玉口363に入球した遊技球99は、各種入賞口313〜316に入球やスルーゲート317の通過が見込めなくなった時点、例えば特殊アウト玉口363を通過した時点、又は特殊アウト玉通路364に導入された時点でアウト玉として取り扱われる。
特殊アウト玉口363は、特殊アウト玉通路364の上部開口であり、高位底部361aにおいて開放している。また、特殊アウト玉口363は、高位底部361aから上方に突出する阻害壁365(阻害手段)によって囲まれている。この阻害壁365は、特殊アウト玉口363への遊技球99の入球を阻害して遊技球の入球を困難とするものであり、大阻害壁365aと小阻害壁365bとを含む。
大阻害壁365aは、特殊アウト玉口363の周辺部の右半部に設けられている。つまり、大阻害壁365aは、周壁362に近く傾斜部361cから遠い部分に設けられており、特殊アウト玉口363の右半部側からの遊技球99の入球を阻害する。また、大阻害壁365aの高さ寸法は、遊技球99の半径よりも大きく設定されている。そのため、特殊アウト玉口363に対しては、大阻害壁365a側からの遊技球99の入球が期待できない。
一方、小阻害壁365bは、特殊アウト玉口363の周辺部の左半部に設けられている。つまり、小阻害壁365bは、周壁362に遠く傾斜部361cに近い遠い部分に設けられ、特殊アウト玉口363の左半部側からの遊技球99の入球を阻害する。また、小阻害壁365bの高さ寸法は、遊技球99の半径よりも小さく設定されている。そのため、特殊アウト玉口363に対しては、大阻害壁365a側(特殊アウト玉口363の右半部側)からの遊技球99に比べて、小阻害壁365b側(特殊アウト玉口363の左半部側)からの遊技球99の入球が期待できる。
低位底部361bは、底壁361の左側部分を構成し、中央に向けて低位となるように傾斜している。低位底部361bには、通常入球口367を有する通常通路368が設けられている。この通常通路368は、傾斜部361cの左縁に隣接した位置において、低位底部361bにおける周壁362に沿った部分を除いて、上下方向D2に延びるように設けられている。この通常通路368は、通常入球口367を介して入球した遊技球99を遊技盤31の右下方に導くためのものであり、特殊アウト玉口363よりも大きな開口面積を有する半円筒状に形成されている。また、通常通路368の下端部には、通常通路368を通過する遊技球99を一定位置から放出する誘導部材369が連結されている。この誘導部材369は、上部側に比べて下部側の断面積が小さく、誘導部材369の下部が遊技球99の直径よりも若干大きな内径を有する円筒状に形成されている。
このようなクルーン装置36では、遊技盤31の右側領域に打ち出された遊技球99が周壁362に沿って底壁361上を移動する。これにより、クルーン装置36において遊技球99の流下が遅延される。そして、底壁361上を移動する遊技球99の大部分は、例えば運動エネルギーが小さくなることで、またクルーン装置36の周壁362や阻害壁365、他の遊技球99と衝突するなどして、通常入球口367に入球する。通常入球口367に入球した遊技球99は、通常通路368及び誘導部材369を移動して一定位置から放出される。そして、一定位置から放出された遊技球99は、第2入賞口315及び可変入賞口316に入球可能であり、またスルーゲート317を通過可能である。
一方、底壁361上を移動する遊技球99の一部(例えば0.01%〜1%)は、通常入球口367の周縁などで移動方向が変更され、他の遊技球99との衝突などにより特殊アウト玉口363の小阻害壁365bに向けて移動し、小阻害壁365bを乗り越えて特殊アウト玉口363に入球する。特殊アウト玉口363に入球した遊技球99は、特殊アウト玉通路364を移動して滞留ボックス39に向けて放出される。
なお、本実施形態では、特殊アウト玉口363が底壁361の高位底部361aに設けられ、通常入球口367が特殊アウト玉口363に比べて開口面積が大きく、特殊アウト玉口363が阻害壁365に囲まれていることから、特殊アウト玉口363は通常入球口367に比べて著しく遊技球99が入球し難くされているが、これらのうちの全部又は一部に代えて又は加えて、他の手段によって特殊アウト玉口363に遊技球99が入球し難くすることも考えられる。例えば、特殊アウト玉口363の周辺部に遊技球99と反発する磁力又は電磁力を発生させること、特殊アウト玉口363の周辺部においてエアーを噴出させることでエアーカーテンを形成すること、特殊アウト玉口363への入球を阻害する障害物(阻害壁365とは異なる形態)を配置することなどが考えられる。
ここで、図69(A)は滞留ボックス39が上限位置にある場合の滞留ボックス39及びその周辺を示す正面図、図69(B)は図69(A)の縦断面図、図69(C)は図69(A)のX3−X3切断線に沿う断面図である。また、図70(A)は滞留ボックス39が下限位置にある場合の滞留ボックス39及びその周辺を示す図69(B)に相当する断面図、図70(B)は滞留ボックス39が下限位置にある場合の滞留ボックス39及びその周辺を示す図69(C)に相当する断面図であり、図70(C)は滞留ボックス39が上限位置と下限位置との中間位置にある場合の滞留ボックス39及びその周辺を示す図69(B)に相当する断面図、図70(D)は滞留ボックス39が中間位置にある場合の滞留ボックス39及びその周辺を示す図69(C)に相当する断面図である。
図69及び図70に示すように、滞留ボックス39は、クルーン装置36の特殊アウト玉口363に入球した遊技球99を受け入れ、その遊技球99を所定条件が満たされるまでの間、内部に滞留させるものである。なお、本実施形態において前記所定条件は、滞留ボックス39が後述の下限位置(図70(A)及び図70(B)参照)に下動されてから一定時間経過することである。滞留ボックス39は、遊技球99の受け入れを許容する上部開口391を有する。この滞留ボックス39は、前壁392a、後壁392b、左側壁392c、右側壁392d及び底壁392eを有し、これらの壁392a〜392eによって一定数の遊技球99を滞留させる滞留空間393が規定されている。また、滞留ボックス39は、全体が不透明(例えば黒色、白色)に形成されており、これによって滞留ボックス39の背面側が視認不能又は視認困難とされている。
そして、滞留ボックス39は、特殊メイン表示部37aの正面全体を覆う上限位置(図69参照)と、特殊メイン表示部37aよりも全体が下方に位置する下限位置(図70(A)及び図70(B)参照)との間で上下方向D2に移動可能である。図71に示すように、滞留ボックス39は、音声ランプ制御装置5のMPU51に接続されたモーター39aによって駆動される。具体的には、滞留ボックス39は、例えばMPU51によってモーター39aが正回転されることで下動され、MPU51によってモーター39aが逆回転されることで上動される。なお、モーター39aは、例えばステッピングモーターであり、モーター39aに入力される駆動パルス数を制御することで滞留ボックス39が所定位置で可能とされる。
図70(C)及び図70(D)に示すように、滞留ボックス39は、上限位置と下限位置との間に設定される複数の中間位置で停止可能である。複数の中間位置に滞留ボックス39が位置する場合、特殊メイン表示部37aの一部が視認可能であり、滞留ボックス39の開口部394が遊技盤31の排出口319とは連通しない。つまり、滞留ボックス39が中間位置にある場合には、滞留ボックス39の遊技球99が外部に排出されることなく滞留ボックス39に滞留する。なお、本実施形態では、後述するように滞留ボックス39が下動レベル1〜3に対応する3つの中間位置(図73及び図74参照)で停止可能である。下動レベル1の中間位置では特殊メイン表示部37aのセグメントAの点灯又は消灯が判断可能であり、下動レベル2の中間位置では特殊メイン表示部37aのセグメントB及びFの点灯又は消灯が判断可能であり、下動レベル3の中間位置では特殊メイン表示部37aのセグメントGの点灯又は消灯が判断可能である。なお中間位置は、下動レベル1〜3に対応する位置に加えて、又は下動レベル1〜3に対応する位置の少なくとも1つに代えて、例えば特殊メイン表示部37aのセグメントC及びEの点灯又は消灯が判断可能な位置、特殊メイン表示部37aのセグメントDの点灯又は消灯が判断可能な位置などに設定してもよい。そして、各中間位置において特殊メイン表示部37aを視認できる範囲が異なり、滞留ボックス39が下限位置に近づくにしたがって特殊メイン表示部37aが視認できる範囲が大きくなる。また、滞留ボックス39の位置は、内部に滞留された遊技球数(滞留遊技球数)に応じて決定され、滞留遊技球数が多いほど下方に位置する(図74(C)参照)。この点については、図73及び図74を参照して後述する。
なお、滞留ボックス39は、必ずしも全体が不透明である必要はなく、前壁392a又は後壁392bの少なくとも一方が不透明であればよい。また、滞留ボックス39は、上限位置にある場合に特殊メイン表示部37aが視認不能又は困難とされる範囲での透明性が許容される。
また、滞留ボックス39の後壁392bの下部には、開口部394が形成されている。図70(C)及び図70(D)に示すように、開口部394は、滞留ボックス39が下限位置にある場合に遊技盤31を貫通する排出口319と連通する。これにより、滞留ボックス39が下限位置まで下動された場合に、滞留ボックス39の遊技球99が開口部394及び排出口319を介して遊技盤31の背面側に排出される。また、滞留ボックス39の底壁392eは、その上面が後方側に向かうほど低位となるように傾斜している。これにより、開口部394と排出口319とが連通された場合に、滞留ボックス39の遊技球99が開口部394及び排出口319を介して遊技盤31の背面側に排出されることが促進される。
また、滞留ボックス39の左側壁392cには、上部開口391の近傍に特殊アウト玉センサ35aが設けられている。この特殊アウト玉センサ35aは、滞留ボックス39に遊技球99が入球されたことを検知するものであり、例えば反射型の光学式センサである。もちろん、特殊アウト玉センサ35aとしては透過型の光学式センサ、電磁誘導型の近接センサなどの他の形式の公知のセンサを使用することもできる。また、特殊アウト玉センサ35aは、クルーン装置36の特殊アウト玉通路364に設けてもよい。
図71に示すように、特殊アウト玉センサ35aは、主制御装置4のMPU41に接続されており、MPU41によって特殊アウト玉センサ35aからの出力がモニタリングされることで、MPU41が滞留ボックス39に遊技球99が入球されたか否かを判断する。また、MPU41は、滞留ボックス39に遊技球99が入球された場合、特殊アウト玉検知コマンドを設定し、この特殊アウト玉検知コマンドを図16のメイン処理でのステップS1301の外部出力処理において音声ランプ制御装置5に送信する。一方、音声ランプ制御装置5は、特殊アウト玉検知コマンドを受信した場合、MPU51によってモーター39aの制御することで、滞留ボックス39を下動させる滞留ボックス下動処理を実行する(図76及び図77参照)。また、MPU51は、滞留ボックス39が下限位置に移動された場合、一定時間の経過後に滞留ボックス39を上限位置に復帰させる。この点の詳細については図78の滞留ボックス復帰処理において後述する。
なお、特殊アウト玉センサ35aは、音声ランプ制御装置5に接続されていてもよい。この場合、主制御装置4のMPU41では特殊アウト玉検知コマンドが設定されないが、音声ランプ制御装置5では、特殊アウト玉センサ35aからの出力に基づいて滞留ボックスを可動させる。
ここで、図72(A)は特殊メイン表示部37aの一例を示す正面図、図72(B)は特殊メイン表示部37aの表示例を示す図である。
図72(A)に示すように、特殊メイン表示部37aは、いわゆる7セグメント表示器により構成されており、7つのセグメントA〜G及びドットポイントDPからなる。各セグメントA〜G及びドットポイントDPは、個別に点灯及び消灯可能である。図72(B)に示すように、特殊メイン表示部37aは、主制御装置4のRAM412に記憶された遊技設定値を表示するものである。特殊メイン表示部37aには、遊技機10の主電源がオンされることで実行される初期化処理又は起動処理において、MPU41によってRAM412に記憶された遊技設定値が読み出され、その遊技設定値に対応した数値が表示される。具体的には、特殊メイン表示部37aには、遊技設定値が1の場合にはセグメントB及びCが点灯されることで数字の1が表示され、遊技設定値が2の場合にはセグメントA、B、D、E及びGが点灯されることで数字の2が表示され、遊技設定値が3の場合にはセグメントA〜D及びGが点灯されることで数字の3が表示され、遊技設定値が4の場合にはセグメントB、C、F及びGが点灯されることで数字の4が表示され、遊技設定値が5の場合にはセグメントA、C、D、F及びGが点灯されることで数字の5が表示され、遊技設定値が6の場合にはセグメントA、C〜Gが点灯されることで数字の6が表示される。
なお、特殊メイン表示部37aでは、初期化処理又は起動処理において遊技設定値が表示されてからは、主電源がオフにされるまで継続して遊技設定値が表示される。また、遊技設定値に変更があった場合、特殊メイン表示部37aには変更後の遊技設定値が表示される。例えば、図20の遊技設定値変更処理のステップS1709において変更後の遊技設定値を遊技設定値表示部45に表示させる際に特殊メイン表示部37aに変更後の遊技設定値を表示させることが考えられる。また、特殊メイン表示部37aは、少なくとも1から6の数字を表示できればよく、例えばドットマトリクスディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイなどの7セグメント表示器以外の表示器であってもよい。
ここで、図73(A)〜図73(C)、図74(A)及び図74(B)は各下動レベルでの特殊メイン表示部37aの視認状態を模式的に示す図である。なお、これらの図では、滞留ボックス39は、特殊メイン表示部37aの正面に位置する部分のみが示されている。
図73及び図74に示すように、滞留ボックス39の下動レベルは、下動レベル0〜4の5段階である。また、滞留ボックス39の下動レベルが高いほど(下動レベルの数字が大きいほど)、滞留ボックス39が下方に位置し、特殊メイン表示部37aを視認可能な領域が大きくなる。
具体的には、図73(A)に示すように、下動レベル0では、滞留ボックス39が上限位置にあり、特殊メイン表示部37aの正面側の全てが滞留ボックス39によって覆われ、特殊メイン表示部37aの全部が視認できない状態である。つまり、下動レベル0では、遊技設定値を全く判断できない。
図73(B)に示すように、下動レベル1では、特殊メイン表示部37aのセグメントAの一部(上半部)が視認可能である。つまり、下動レベル1では、セグメントAの点灯及び消灯を確認可能である。そして、下動レベル1では、セグメントAが点灯している場合に遊技設定値が2、3、5及び6のいずれかであると判断でき、セグメントAが消灯している場合に遊技設定値が1及び4のいずれかであると判断できる。換言すれば、下動レベル1では、セグメントAの点灯又は消灯によって、遊技設定値1及び4のいずれであるか、遊技設定値が2、3、5及び6のいずれかであるかを判断できる。
図73(C)に示すように、下動レベル2では、特殊メイン表示部37aのセグメントAの全部が視認可能であり、セグメントB及びFの一部(上半部)が視認可能である。つまり、下動レベル2では、セグメントAの点灯及び消灯に加え、セグメントB及びFの点灯及び消灯を確認可能である。そして、下動レベル2では、セグメントBが点灯しセグメントA及びFが消灯している場合に遊技設定値が1であると判断でき、セグメントB及びFが点灯しセグメントAが消灯している場合に遊技設定値が4であると判断できる。また、セグメントA及びBが点灯しセグメントFが消灯している場合に遊技設定値が2又は3のいずれかであると判断でき、セグメントA及びFが点灯しセグメントBが消灯している場合に遊技設定値が5又は6であると判断できる。換言すれば、下動レベル2では、セグメントA、B及びFのそれぞれの点灯及び消灯の組み合わせによって、遊技設定値1であるか、遊技設定値が4であるか、遊技設定値が2及び3のいずれであるか、遊技設定値5及び6のいずれかであるかを判断できる。
図74(A)に示すように、下動レベル3では、特殊メイン表示部37aのセグメントA、B及びFの全部が視認可能であり、セグメントGの一部(上半部)が視認可能である。つまり、下動レベル3では、セグメントA、B及びFの点灯及び消灯に加え、セグメントGの点灯及び消灯を確認可能である。そして、下動レベル3では、セグメントBが点灯しセグメントA、F及びGが消灯している場合に遊技設定値が1であると判断でき、セグメントB、F及びGが点灯しセグメントAが消灯している場合に遊技設定値が4であると判断できる。また、セグメントA、B及びGが点灯しセグメントFが消灯している場合に遊技設定値が2又は3のいずれかであると判断でき、セグメントA、F及びGが点灯しセグメントBが消灯している場合に遊技設定値が5又は6であると判断できる。換言すれば、下動レベル3では、セグメントA、B、F及びGのそれぞれの点灯及び消灯の組み合わせによって、遊技設定値1であるか、遊技設定値が4であるか、遊技設定値が2及び3のいずれであるか、遊技設定値5及び6のいずれかであるかを判断できる。
図74(B)に示すように、下動レベル5では、滞留ボックス39が下限位置にあり、特殊メイン表示部37aの7つのセグメントA〜Gの全部が視認可能である。つまり、下動レベル0では、遊技設定値を明確に確認できる。
ここで、図74(C)は、滞留ボックス39の滞留遊技球数と滞留ボックス39の下動レベルとの関係を示す図である。図74(C)に示すように、滞留ボックス39の下動レベルは、滞留ボックス39に滞留する遊技球数(滞留遊技球数)に応じて決定される。具体的には、滞留ボックス39の下動レベルは、滞留遊技球数が0個の場合に滞留ボックス39が上限位置にある0であり、滞留遊技球数が1個の場合に1であり、滞留遊技球数が2個の場合に2であり、滞留遊技球数が3個の場合に3であり、滞留遊技球数が4個の場合に滞留ボックス39が下限位置にある4である。なお、上述のように滞留ボックス39が下限位置にある場合に滞留ボックス39に滞留する遊技球が外部に排出されるために滞留ボックス39の滞留遊技球数が0となるが、この場合には滞留ボックス39が下限位置に移動されてから一定時間後に滞留ボックス39が上限位置に移動される。
次に、滞留ボックス39の上限位置から下限位置への下動及び下限位置から上限位置への復帰に際して音声ランプ制御装置5のMPU51によって実行される処理について、図75から図78を参照して説明する。
[副タイマ割込処理]
ここで、図75は、本実施形態に係る遊技機で実行される副タイマ割込処理の手順の一例を示すフローチャートである。本実施形態の副タイマ割込処理では、前述の第1の実施形態の副タイマ割込処理(図27参照)と同様に、操作検出処理(ステップS2001)、操作検出パターン判定処理(ステップS2002)、カウンタ更新処理(ステップS2003)、コマンド判定処理(ステップS3301)、変動遊技演出処理(ステップS2005)、及び大当たり遊技演出処理(ステップS2006)が実行される。但し、本実施形態のコマンド判定処理(ステップS3301)は、前述の第1の実施形態のコマンド判定処理(図31参照)は一部のステップが異なる。また、本実施形態の副タイマ割込処理では、前述の第1の実施形態の副タイマ割込処理(図27参照)とは異なり、滞留ボックス復帰処理が実行される(ステップS3302)。
[コマンド判定処理]
ここで、図76は、図75の副タイマ割込処理で実行されるコマンド判定処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図76に示すように、本実施形態のコマンド判定処理では、MPU51は、コマンドを受信した場合に(ステップS2301:Yes)、受信したコマンドが変動パターンコマンド、大当たり遊技開始コマンド、及びラウンド遊技開始コマンドのいずれでもない場合(ステップS2302、S2307及びS2310共にNo)、受信したコマンドが特殊アウト玉検知コマンドであるか否かが判断される(ステップS3401)。特殊アウト玉検知コマンドは、上述のように特殊アウト玉センサ35aによって滞留ボックス39に遊技球99が入球されたことが検知された場合に設定されるコマンドであり、図16のメイン処理でのステップS1301の外部出力処理において音声ランプ制御装置5に送信される。
MPU51は、受信したコマンドが特殊アウト玉検知コマンドである場合(ステップS3401:Yes)、滞留ボックス下動処理を実行する(ステップS3402)。
[滞留ボックス下動処理]
滞留ボックス下動処理では、滞留ボックス39に滞留する遊技球数に応じた下動レベル(図74(C)参照)に対応する位置に滞留ボックス39が下動される処理が実行される。ここで、図77は、図76のコマンド判定処理で実行される滞留ボックス下動処理の手順の一例を示すフローチャートである。
<ステップS3501>
図77に示すように、MPU51は、後述のステップS3505で加算される下動レベルカウンタの値が0であるか否かを判断する。ここで、MPU51は、下動レベルカウンタの値が0である場合(ステップS3501:Yes)、処理をステップS3502に移行し、下動レベルカウンタの値が0でない場合(ステップS3501:No)、処理をステップS3504に移行する。
<ステップS3502>
下動レベルカウンタの値が0である場合(ステップS3501:Yes)、MPU51は、滞留ボックス復帰カウンタを所定値にセットする。ここで、滞留ボックス復帰カウンタは、滞留ボックス39を下動させた場合に下動レベル0に対応する上限位置に復帰させるタイミングを判定するためのカウンタであり、後述の図78の滞留ボックス復帰処理でのステップS3603で参照される。なお、滞留ボックス復帰カウンタの値は、滞留ボックス39の下動が開始されてから上限位置(下動レベル0)に復帰させるまでの所定時間(例えば1秒〜60秒)に対応する値に設定される。
<ステップS3503>
ステップS3503では、MPU51は、滞留ボックス復帰待機フラグをオンに設定する。ここで、滞留ボックス復帰待機フラグは、滞留ボックス39を下動させた場合に上限位置(下動レベル0)への復帰の待機中であることを示すフラグであり、後述の図78の滞留ボックス復帰処理でのステップS3601で参照される。
<ステップS3504>
ステップS3504では、MPU51は、下動レベルカウンタの値が4であるか否かを判断する。即ち、MPU51は、滞留ボックス39が下限位置に下動されているか否かを判断し、滞留ボックス39をさらに下動させるかを判断する。MPU51は、下動レベルカウンタの値が4である場合(ステップS3504:Yes)、当該滞留ボックス下動処理を終了し、下動レベルカウンタの値が4でない場合(ステップS3504:No)、処理をステップS3505に移行する。
<ステップS3505及びS3506>
下動レベルカウンタの値が4でない場合(ステップS3504:No)、又は滞留ボックス復帰待機フラグをオンにした場合(ステップS3503)、MPU51は、滞留ボックス39の位置に示す下動レベルカウンタの値に1加算し(ステップS3505)、加算後の下動レベルカウンタの値に対応する下動レベルに応じた位置に滞留ボックス39を下動させる(ステップS3506)。即ち、MPU51は、モーター39a(図71参照)に入力させる駆動パルスを制御することで特殊アウト玉検知コマンドを受信する前の下動レベルよりも一つ上の下動レベルに対応する位置に滞留ボックス39を下動させる。例えば、下動レベルから0から1に変更される場合には、滞留ボックス39は、特殊メイン表示部37aの正面全体を被覆する上限位置(図73(A)参照)から、特殊メイン表示部37aのセグメントAの上半部が露出する位置(図73(B)参照)に下動される。また、滞留ボックス39は、下動レベルが1から2に変更される場合には図73(B)に示す位置から図73(C)に示す中間位置に下動され、下動レベルが2から3に変更される場合には図73(C)に示す中間位置から図74(A)に示す位置に下動され、下動レベルが3から4に変更される場合には図74(A)に示す中間位置から図74(B)に示す下限位置に下動される。下動レベルが0から1に変更される場合には、特殊メイン表示部37aのセグメントAが点灯している場合に遊技設定値が2、3、5及び6のいずれかであると推測でき、セグメントAが消灯している場合に遊技設定値が1及び4のいずれかであると推測できる。そして、下動レベルが1から3に変更される場合に、下動レベルに応じて視認可能になるセグメントの点灯又は消灯によって、推測される遊技設定値の数が段階的に減っていき、遊技設定値を徐々に絞り込みことができる。そして、下動レベル4では、特殊メイン表示部37aの7つのセグメントA〜Gの全てが視認可能であるために遊技設定値を認識することができる。これにより、遊技者は、特殊アウト玉の数(特殊メイン表示部37aの視認可能なセグメント数)に応じて遊技設定値を段階的に推測し、特殊アウト玉の数が多いほど推測の精度を段階的に向上させることが可能になるため、遊技設定値の推測の過程を楽しむことができる。
このように、本実施形態に係る遊技機10では、滞留ボックス39を下方向に移動させるという簡易な方法によって、特殊メイン表示部37aに表示される遊技設定値の一部又は全部が視認可能な状態を実現できる。
また、特殊アウト玉口363に遊技球が入球されるたびに滞留ボックス39が段階的に下動されるため、特殊メイン表示部37aに表示される遊技設定値の視認可能領域が徐々に拡大される。これにより、特殊メイン表示部37aに表示される遊技設定値が徐々に明らかになるため、遊技設定値が把握可能になるまでの間、遊技設定値を推測して楽しむことができる。これにより、遊技設定値が把握できるまで遊技を継続することのモチベーションを向上させることができ、遊技の興趣が向上される。
[滞留ボックス復帰処理]
滞留ボックス復帰処理では、滞留ボックス39が下限位置(下動レベル4)に下動されてから一定時間経過後に滞留ボックス39を上限位置(下動レベル0)に復帰させる処理が実行される。ここで、図78は、図75の副タイマ割込処理で実行される滞留ボックス復帰処理の手順の一例を示すフローチャートである。
<ステップS3601>
図78に示すように、ステップS3601では、MPU51は、図77の滞留ボックス下動処理でのステップS3505でオンに設定される滞留ボックス復帰待機フラグがオンに設定されているか否かを判断する。MPU51は、滞留ボックス復帰待機フラグがオンに設定されている場合(ステップS3601:Yes)、処理をステップS3602に移行し、滞留ボックス復帰待機フラグがオフに設定されている場合(ステップS3601:No)、当該滞留ボックス復帰処理を終了する。
<ステップS3602及びS3603>
滞留ボックス復帰待機フラグがオンに設定されている場合(ステップS3601:Yes)、MPU51は、図77の滞留ボックス下動処理でのステップS3504でセットされる滞留ボックス復帰カウンタの値から1減算し(ステップS3602)、減算後の滞留ボックス復帰カウンタの値が0であるか否かを判断する(ステップS3603)。即ち、MPU51は、滞留ボックス39が下限位置に下動されてから一定時間が経過したか否かを判断する。MPU51は、減算後の滞留ボックス復帰カウンタの値が0である場合(ステップS3603:Yes)、処理をステップS3604に移行し、減算後の滞留ボックス復帰カウンタの値が0でない場合(ステップS3603:No)、当該滞留ボックス復帰処理を終了する。
<ステップS3604〜S3606>
減算後の滞留ボックス復帰カウンタの値が0である場合(ステップS3603:Yes)、MPU51は、モーター39aに入力させるに駆動パルスを制御することで滞留ボックス39を下限位置から上限位置に復帰させる(ステップS3604)。これにより、特殊メイン表示部37aの全体が表示される時間が一定時間に規制されるため、遊技設定値が視認可能な状態で長時間放置されることを防止できる。これにより、遊技を行っていない遊技者に遊技設定値が把握されることを抑制できる。そして、MPU51は、下動レベルカウンタの値を0に設定すると共に(ステップS3605)、滞留ボックス復帰待機フラグをオフに設定し(ステップS3606)、当該滞留ボックス復帰処理を終了する。
ところで、前述の第1の実施形態に係る遊技機では、図柄表示部341やサブ画像表示部38によって遊技設定値が示唆又は明示される。しかしながら、前述の第1の実施形態では、演出の一環として遊技設定値が示唆又は明示されるために遊技性に乏しい。特に、大当たり遊技では、図柄表示部341などで大当たり遊技演出が実行されるものの、大当たり遊技演出に興味のない遊技者からずれば、大当たり遊技は大当たり種別に応じた数のラウンド遊技を消化するものであり、遊技性に乏しい。
これに対して、本実施形態に係る遊技機10では、大当たり遊技などの右打ち時において、入球困難なクルーン装置36の特殊アウト玉口363への遊技球99の入球によって段階的に滞留ボックス39が下動し、特殊メイン表示部37aに表示された遊技設定値が徐々に確認できる。そのため、大当たり遊技などの右打ち時においてクルーン装置36での遊技球99が特殊アウト玉口363に入球するかに注目して遊技を楽しむことができる。また、特殊アウト玉口363に遊技球99が入球した場合には、特殊メイン表示部37aに表示された遊技設定値が徐々に明らかになるため、その過程において遊技設定値を推測して楽しむことができる。これにより、遊技設定値が確認できるまで遊技を継続することのモチベーションを向上させることができ、遊技の興趣が向上される。
なお、本実施形態では、クルーン装置36の特殊アウト玉口363への遊技球99の入球(滞留ボックス39での遊技球99の検知)によって滞留ボックス39が上限位置から下限位置に向けて段階的に下動していたが、特殊アウト玉口363への遊技球99の入球によって滞留ボックス39が上限位置から下限位置に一気に下動するようにしてもよい。このように、特殊アウト玉口363に遊技球が入球されることで滞留ボックス39が、遊技設定値を視認不能又は視認困難な上限位置から、遊技設定値の全体を視認可能な下限位置に移動される。そのため、特殊アウト玉口363に遊技球が入球された場合に即座に遊技設定値が視認可能とされるという遊技性が付与されるため、遊技の興趣が向上される。
また、特殊アウト玉口363に遊技球99が1個入球するごとに滞留ボックス39が下動するが、特殊アウト玉口363に遊技球99が複数個入球するごとに滞留ボックス39を段階的に又は一気に下動させるようにしてもよい。また、滞留ボックス39は、下動することで、視認領域が拡大されるが、上動することで視認領域が拡大されるようにしてもよいし、左方向、右方向、斜め方向などに移動することで視認領域が拡大されるようにしてもよい。
また、滞留ボックス39に滞留する遊技球99の重みにより滞留ボックス39が下動されるようにしてもよい。この場合、例えば滞留ボックス39をコイルバネなどの付勢手段(視認状態制御手段)によって上方に付勢することが考えられる。そうすれば、滞留ボックス39は、内部に滞留する遊技球数に応じて段階的に下動させ、また滞留ボックス39の遊技球が排出されることで滞留ボックス39が上動させることができる。
また、本実施形態では、遊技盤31の右側領域に打ち出された遊技球99が特殊アウト玉口363に入球することを契機として滞留ボックス39が下動されることで特殊メイン表示部37aに表示された遊技設定値が視認可能とされるが、遊技盤31の左側領域に打ち出された遊技球99が特殊アウト玉口363に入球することを契機として滞留ボックス39が移動されることで特殊メイン表示部37aに表示された遊技設定値が視認可能とされるようにしてもよい。この場合、特殊メイン表示部37a、クルーン装置36、滞留ボックス39などは、遊技盤31の左側領域又は中央領域に配置される。
また、本実施形態では、クルーン装置36によって遊技球99が通常入球口367又は特殊アウト玉口363に振り分けられていたが、他の構成の振分装置を適用することもできる。
また、本実施形態では、特殊アウト玉口363への遊技球99の入球を契機として特殊メイン表示部37aに表示された遊技設定値の視認が可能にされるが、他の特定の条件を満たすことで特殊メイン表示部37aに表示された遊技設定値を視認可能となるようにしてもよい。他の特定の条件としては、例えば大当たり抽選回数が所定回数に達すること、大当たり抽選での抽選結果が連続して所定回数外れとなること、大当たり抽選での抽選結果が所定回数大当たりとなること、発射遊技球数の合計数が一定数以上になること、差玉が所定数以上プラスになること、差玉が所定数以上マイナスになることなど挙げられる。例示した特定の条件が満たされる場合に特殊メイン表示部37aに表示された遊技設定値の少なくとも一部が視認可能とされることで、遊技者は、遊技設定値の少なくとも一部が視認可能とされるタイミングを予期することが可能になる。これにより、遊技者は、遊技設定値が表示されるタイミングを予期しつつ、そのタイミングの到来を楽しみにして遊技を進行することが可能になるため、遊技の興趣が向上される。
また、他の条件を満たすことで特殊メイン表示部37aに表示された遊技設定値を視認可能にする場合、滞留ボックス39に代えて、不透明な板状部材を特殊メイン表示部37aの正面位置と特殊メイン表示部37aの下方位置又は上方位置との間で下動させることで、特殊メイン表示部37aに表示された遊技設定値が視認不能又は視認困難な状態と視認可能な状態とを変化させるようにしてもよい。
また、特殊メイン表示部37aでは、遊技設定値の他の出玉性能を明示するようにしてもよい。例えば、特殊メイン表示部37aでの遊技設定値に対応する数値の表示色、前記数値の点滅パターンなどによって単位大当たり抽選回数、ベース、連続役物比率、役物比率などの少なくとも1つの入賞口に基づく出玉性能を明示するようにしてもよい。この場合、前記他の出玉性能を複数にランク分けし(例えば図37及び図38参照)、当該ランクを明示することが考えられる。このように、出玉性能を示す指標として、遊技設定値に加え、遊技設定値以外の出玉性能が特殊メイン表示部37aに表示されることで、特殊アウト玉口363への遊技球99の入球などの特定の条件が満たされる場合に、遊技設定値に加えて他の出玉性能を推測又は把握可能となる。これにより、遊技性が向上し、遊技を継続して行うことの動機付けを与えることができる。
本実施形態では、主制御装置4のMPU41によって制御される特殊メイン表示部37aに遊技設定値が表示される場合について説明したが、遊技設定値は音声ランプ制御装置5によって表示器に表示させてもよい。この場合の表示器としては、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、ドットマトリクスディスプレイなどを採用できる。そして、特定の条件が満たされる当該表示器に遊技設定値を段階的に又は一気に表示させることも考えられる。
本実施形態では、遊技設定値に代えて又は加えて、特殊メイン表示部37aに他の性能情報、例えば入賞口313〜316に基づく出玉性能を示す性能情報の一部又は全部を表示するようにしてもよい。入賞口313〜316に基づく出玉性能を示す性能情報が特殊メイン表示部37aに表示されることで、遊技者は、例えば遊技機10の製造時の個体差や経年変化などによる遊技機間での入賞口313〜316に対する入賞性能のバラツキが反映された出玉性能を推測又は認識することが可能になる。これにより、遊技者は、入賞口313〜316に基づく出玉性能を推測して楽しみ、また入賞口313〜316に基づく出玉性能が把握できる場合にはその性能情報に基づいて遊技中の遊技機10での遊技を継続するかを判断する機会が付与される。
ここで、入賞口313〜316に基づく出玉性能を示す性能情報としては、単位大当たり抽選回数情報、ベース情報、連続役物比率情報、役物比率情報などが挙げられる。
単位大当たり抽選回数は、通常遊技状態(低確率モードで高頻度サポートモードではない状態)での大当たり抽選の受け易さを示す指標であるため、単位大当たり抽選回数情報の一部又は全部が特殊メイン表示部37aに表示されることで、大当たり抽選の受け易さを知り得ることが可能になる。これにより、遊技者は、単位大当たり抽選回数を推測して楽しみ、また単位大当たり抽選回数が把握できる場合にはその単位大当たり抽選回数に基づいて遊技中の遊技機での遊技を継続するかを判断する機会が付与される。
ベース情報は、第1入賞口314及び一般入賞口313への入賞のし易さを示す指標であるため、ベース情報の一部又は全部が特殊メイン表示部37aに表示されることで、第1入賞口314及び一般入賞口313への入賞のし易さを知り得ることが可能になる。これにより、遊技者は、ベースを推測して楽しみ、またベースが把握できる場合にはそのベースに基づいて遊技中の遊技機での遊技を継続するかを判断する機会が付与される。
連続役物比率情報は、大当たり抽選での抽選結果が大当たり遊技状態に移行させるものとなる頻度(大当たり遊技状態の滞在比率)、及び可変入賞口316への入賞のし易さ(特別遊技状態での出玉率)を示す指標である。そのため、遊技者は、連続役物比率に関する情報の一部又は全部が表示されることで、連続役物比率を推測又は認識可能であるため、大当たり抽選での抽選結果が大当たり遊技状態に移行させるものとなる頻度、及び可変入賞口316への入賞のし易さを知り得ることが可能になる。これにより、遊技者は、連続役物比率を推測して楽しみ、また連続役物比率が把握できる場合にはその連続役物比率に基づいて遊技中の遊技機での遊技を継続するかを判断する機会が付与される。
役物比率情報は、大当たり抽選での抽選結果が大当たり遊技状態に移行させるものとなる頻度(大当たり遊技状態の滞在比率)、電動役物315bのサポートを受ける高頻度サポートモードの滞在比率、及び可変入賞口316及び第2入賞口315への入賞のし易さ(大当たり遊技状態での出玉率)を示す指標である。そのため、遊技者は、役物比率に関する情報の一部又は全部が表示されることで、役物比率を推測又は認識可能であるため、大当たり抽選での抽選結果が大当たり遊技状態に移行させるものとなる頻度、電動役物315bのサポートを受ける高頻度サポートモードの滞在比率、及び可変入賞口316及び第2入賞口315への入賞のし易さを知り得ることが可能になる。これにより、遊技者は、役物比率を推測して楽しみ、また役物比率が把握できる場合にはその役物比率に基づいて遊技中の遊技機での遊技を継続するかを判断する機会が付与される。
[第6の実施形態]
前述の第5の実施形態では、特殊メイン表示部37aにおいて遊技設定値が表示され、特殊メイン表示部37aの正面側に配置される滞留ボックス39の下動によって遊技設定値が視認可能とされる場合について説明した。
一方、本実施形態は、遊技設定値が表示される特殊メイン表示部の正面側に透光性モニタが配置され、透光性モニタの全体での可視光透過率を変化させることで遊技設定値の視認性が変化される点において前述の第5の実施形態とは異なる。
以下、本実施形態に係る遊技機を前述の第5の実施形態に係る遊技機10との相違点を中心に図79〜図85を参照して説明する。
ここで、図79は本実施形態に係る遊技機のクルーン装置及びその周辺の一例を示す正面図、図80は図79のX4−X4切断線に沿う断面図、図81(A)は特殊メイン表示部37a及び透光性モニタ39Aの一例を示す斜視図である。
図79及び図80に示すように、本実施形態に係る遊技機10では、前述の第5の実施形態と同様に、遊技盤31における図柄表示部341の右側にクルーン装置36、排出口319、及び特殊メイン表示部37aが設けられている。但し、本実施形態では、前述の第5の実施形態での滞留ボックス39が設けられておらず、この滞留ボックス39に代えて、透光性モニタ39A(透光性表示装置)が設けられている。
クルーン装置36は、前述の第5の実施形態のクルーン装置36と同様な構成であるが、特殊アウト玉通路364に誘導部材370が連結されている。この誘導部材370は、特殊アウト玉通路364に導入された遊技球99を遊技盤31の背面側に誘導するものであり、排出口319にも連結されている。
透光性モニタ39Aは、モニタ全体での可視光透過率が低く背面側を視認不能又は視認困難な低透過率状態(遮光状態)と、モニタ全体での可視光透過率が高く背面側を視認可能な高透過率状態(透明状態)との間で可視光透過率を変化させることが可能である。なお、透光性モニタ39Aは、例えば黒色、白色などの単一色を表示させることで遮光状態とされる。また、透光性モニタ39Aは、遮光状態と透明状態との間の複数の中間的な可視光透過率である半透明状態を実現可能である。透光性モニタ39Aは、例えば透明状態を実現可能な有機ELディスプレイ、液晶ディスプレイなどの透明フラットディスプレイであり、モニタ電極に対する印加電圧、各ドットに対する電圧印加の有無などを調整することで、モニタ全体での可視光透過率を変化させることが可能である。そして、図81(A)に示すように、透光性モニタ39Aは、特殊メイン表示部37aの正面に固定的に配置されている。そのため、透光性モニタ39Aでの可視光透過率を選択することで、特殊メイン表示部37aの表示内容を視認不能又は視認困難な状態と視認可能な状態とを選択することができ、さらには視認可能な状態での視認性の程度(視認レベル)を調整することができる。
ここで、図81(B)は透光性モニタ39Aの視認レベルと特殊メイン表示部37aの視認状態との関係の一例を示す図である。なお、視認レベルは、透光性モニタ39Aの背後の視認性を示す指標であり、透光性モニタ39Aの可視光透過率と相関する。
図81(B)に示すように、透光性モニタ39Aの視認レベルは、0〜4の5段階である。また、透光性モニタ39Aの視認レベルが高いほど(視認レベルの数字が大きいほど)、透光性モニタ39Aの可視光透過率が高く、特殊メイン表示部37aを視認性が高くなる。そして、視認レベル0では、透光性モニタ39Aの可視光透過率が低く透光性モニタ39Aの背後が視認できない状態であるため、特殊メイン表示部37aでの表示内容は全く確認できない。一方、視認レベル4では、透光性モニタ39Aの可視光透過率が高く透光性モニタ39Aの背後が完全に視認できる状態であるため、特殊メイン表示部37aでの表示内容を問題無く確認できる。
ここで、図81(C)は、特殊アウト玉カウント数と透光性モニタの視認レベルとの関係を示す図である。なお、特殊アウト玉カウント数は、クルーン装置36の特殊アウト玉口363に入球された遊技球99のカウント数である。この特殊アウト玉カウント数は、特殊アウト玉センサ35aでの検知結果に基づいてカウントされるが、カウント数が4となった場合に0にクリアされる。
図81(C)に示すように、透光性モニタ39Aの視認レベルは、特殊アウト玉センサ35aでの検知結果に基づいてカウントされる特殊アウト玉カウント数に応じて決定される。具体的には、透光性モニタ39Aの視認レベルは、特殊アウト玉カウント数が0個の場合に透光性モニタ39Aの背後が視認不能又は視認困難な0であり、特殊アウト玉カウント数が1個の場合に1であり、特殊アウト玉カウント数が2個の場合に2であり、特殊アウト玉カウント数が3個の場合に3であり、特殊アウト玉カウント数が4個の場合に透光性モニタ39Aの背後が完全に視認可能な4である。
なお、透光性モニタ39Aの視認レベルが透光性モニタ39Aの背後が完全に視認可能な4となった場合、特殊アウト玉口363への次の遊技球99の入球を待たず、視認レベルが4となってから一定時間後に、透光性モニタ39Aの背後が視認不能又は視認困難な0とされる。
次に、透光性モニタ39Aの視認レベル(可視光透過率)の変化させるに際して音声ランプ制御装置5のMPU51によって実行される処理について、図82から図85を参照して説明する。
[副タイマ割込処理]
ここで、図82は、本実施形態に係る遊技機で実行される副タイマ割込処理の手順の一例を示すフローチャートである。本実施形態の副タイマ割込処理では、前述の第5の実施形態の副タイマ割込処理(図75参照)と同様に、操作検出処理(ステップS2001)、操作検出パターン判定処理(ステップS2002)、カウンタ更新処理(ステップS2003)、コマンド判定処理(ステップS3701)、変動遊技演出処理(ステップS2005)、及び大当たり遊技演出処理(ステップS2006)が実行される。但し、本実施形態のコマンド判定処理(ステップS3301)は、前述の第5の実施形態のコマンド判定処理(図31参照)は一部のステップが異なる。また、本実施形態の副タイマ割込処理では、前述の第5の実施形態の副タイマ割込処理(図75参照)の滞留ボックス復帰処理に代えて、遮光制御処理が実行される(ステップS3702)。
[コマンド判定処理]
ここで、図83は、図82の副タイマ割込処理で実行されるコマンド判定処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図83に示すように、本実施形態のコマンド判定処理では、MPU51は、コマンドを受信した場合に(ステップS2301:Yes)、受信したコマンドが変動パターンコマンド、大当たり遊技開始コマンド、及びラウンド遊技開始コマンドのいずれでもない場合(ステップS2302、S2307及びS2310共にNo)、受信したコマンドが特殊アウト玉検知コマンドであるか否かが判断される(ステップS3801)。特殊アウト玉検知コマンドは、特殊アウト玉センサ35aによって特殊アウト玉口363に遊技球99が入球されたことが検知された場合に設定されるコマンドであり、図16のメイン処理でのステップS1301の外部出力処理において音声ランプ制御装置5に送信される。
MPU51は、受信したコマンドが特殊アウト玉検知コマンドである場合(ステップS3801:Yes)、視認制御処理を実行する(ステップS3802)。
[視認制御処理]
視認制御処理では、特殊アウト玉カウント数に応じた視認レベル(図81(C)参照)となるように透光性モニタ39Aの可視光透過率を制御する処理が実行される。ここで、図84は、図83のコマンド判定処理で実行される視認制御処理の手順の一例を示すフローチャートである。
<ステップS3901及びS3902>
図84に示すように、MPU51は、特殊アウト玉カウンタの値に1加算し(ステップS3901)、加算後の特殊アウト玉カウンタの値に対応する視認レベルに応じて、透光性モニタ39Aの可視光透過率を制御する(ステップS3902)。即ち、MPU51は、透光性モニタ39Aに印加する電圧値などを制御することで特殊アウト玉検知コマンドを受信する前の視認レベルよりも一つ上の視認レベルに対応する可視光透過率に調整する(図81(B)参照)。
<ステップS3903>
ステップS3903では、MPU51は、特殊アウト玉カウンタの値が4であるか否かを判断する。即ち、MPU51は、透光性モニタ39Aの可視光透過率が透光性モニタ39Aの背後を完全に視認できる最大透明度であるか否かを判断する。MPU51は、視認レベルカウンタの値が4である場合(ステップS3903:Yes)、処理をステップS3904に移行し、視認レベルカウンタの値が4でない場合(ステップS3903:No)、当該視認制御処理を終了する。
<ステップS3904>
視認レベルカウンタの値が4である場合(ステップS3903:Yes)、MPU51は、遮光開始カウンタを所定値にセットする(ステップS3904)。ここで、遮光開始カウンタは、透光性モニタ39Aの背後を完全に視認可能な視認レベル4(透明状態)に対応する可視光透過率から、透光性モニタ39Aの背後を完全に視認不能又は視認困難な視認レベル0(遮光状態)に対応する可視光透過率に変化させるタイミングを判定するためのカウンタであり、後述の図85の遮光制御処理でのステップS4003で参照される。なお、遮光開始カウンタの値は、透光性モニタ39Aの視認レベルが4とされてから視認レベル0に復帰させるまでの一定時間(例えば1秒〜60秒)に対応する値に設定される。
<ステップS3905>
ステップS3905では、MPU51は、遮光開始待機フラグをオンに設定し、当該視認制御処理を終了する。ここで、遮光開始待機フラグは、透光性モニタ39Aの視認レベルを0に変化させることへの待機中であることを示すフラグであり、後述の図85の遮光処理でのステップS4001で参照される。
[遮光制御処理]
遮光制御処理では、透光性モニタ39Aの視認レベルが4にされてから一定時間経過後に視認レベルを0にする処理が実行される。ここで、図85は、図82の副タイマ割込処理で実行される遮光制御処理の手順の一例を示すフローチャートである。
<ステップS4001>
図85に示すように、ステップS4001では、MPU51は、後述の図84の視認制御処理でのステップS3905でオンに設定される遮光開始待機フラグがオンに設定されているか否かを判断する。MPU51は、遮光開始待機フラグがオンに設定されている場合(ステップS4001:Yes)、処理をステップS4002に移行し、遮光開始待機フラグがオフに設定されている場合(ステップS4001:No)、当該滞留ボックス復帰処理を終了する。
<ステップS4002及びS4003>
遮光開始待機フラグがオンに設定されている場合(ステップS4001:Yes)、MPU51は、図84の視認制御処理でのステップS3904でセットされる遮光開始カウンタの値から1減算し(ステップS4002)、減算後の遮光開始カウンタの値が0であるか否かを判断する(ステップS4003)。即ち、MPU51は、透光性モニタ39Aの視認レベルが4とされてから一定時間が経過したか否かを判断する。MPU51は、減算後の遮光開始カウンタの値が0である場合(ステップS4003:Yes)、処理をステップS4004に移行し、減算後の遮光開始カウンタの値が0でない場合(ステップS4003:No)、当該遮光制御処理を終了する。
<ステップS4004〜S4006>
減算後の遮光開始カウンタの値が0である場合(ステップS4003:Yes)、MPU51は、透光性モニタ39Aに印加する電圧値のレベルなどを制御することで透光性モニタ39Aを遮光状態である視認レベル0に相当する可視光透過率にする(ステップS4004)。これにより、特殊メイン表示部37aの全体が完全に視認される時間が一定時間に規制されるため、遊技設定値が視認可能な状態で長時間放置されることを防止できる。そして、MPU51は、特殊アウト玉カウンタの値を0に設定すると共に(ステップS4005)、遮光開始待機フラグをオフに設定し(ステップS4006)、当該滞留ボックス復帰処理を終了する。
ところで、前述の第5の実施形態に係る遊技機10では、大当たり遊技などの右打ち時において、入球困難なクルーン装置36の特殊アウト玉口363への遊技球99の入球によって段階的に滞留ボックス39が下動し、特殊メイン表示部37aに表示された遊技設定値が徐々に確認できる。
これに対して、実施形態に係る遊技機10では、前述の第5の実施形態での滞留ボックス39に代えて、遊技設定値が表示される特殊メイン表示部の正面側に透光性モニタ39Aが配置され、透光性モニタ39Aの全体での可視光透過率を変化させることで遊技設定値の視認性が変化される。また、透光性モニタ39Aの全体での可視光透過率は、大当たり遊技などの右打ち時において、入球困難なクルーン装置36の特殊アウト玉口363への遊技球99の入球によって段階的に変化される。そのため、前述の第5の実施形態と同様に、大当たり遊技などの右打ち時においてクルーン装置36での遊技球99が特殊アウト玉口363に入球するかに注目して遊技を楽しむことができる。また、特殊アウト玉口363に遊技球99が入球した場合には、特殊メイン表示部37aに表示された遊技設定値が徐々に明らかになるため、その過程において遊技設定値を推測して楽しむことができる。これにより、遊技設定値が確認できるまで遊技を継続することのモチベーションを向上させることができ、遊技の興趣が向上される。
なお、本実施形態では、透光性モニタ39Aの全体での可視光透過率を調整することで視認レベルを調整していたが、特殊メイン表示部37aでの各セグメントの表示色に応じて、透光性モニタ39Aの全体での表示色を調整することで視認レベルを調整することも考えられる。
また、透光性モニタ39Aでの可視光透過率を部分的に変化させることで、遮光状態から透明状態との間で段階的に視認レベルを調整することも考えられる。例えば、図86(A)〜図86(D)に示すように、透光性モニタ39Aの全体での可視光透過率が低い状態(遮光状態)から、可視光透過率が高い透明領域を段階的に増大させていき、最終的には透光性モニタ39Aの全体が透明となるようにすることもできる。
なお、図86(A)の例は透光性モニタ39Aの上部側から下部側に向けて段階的に透明領域が増大するパターンであり、図86(B)の例は図86(A)のパターンとは逆に、透光性モニタ39Aの下部側から上部側に向けて段階的に透明領域が増大するパターンである。また、図86(C)の例は透光性モニタ39Aの右部側から左部側に向けて段階的に透明領域が増大するパターンであり、図示していないが、透光性モニタ39Aの左部側から右部側に向けて段階的に透明領域が増大するパターンも考えられる。また、図86(D)の例は透光性モニタ39Aの左上隅部側から対角側の右下隅部側に向けて段階的に透明領域が増大するパターンであり、図示していないが、透光性モニタ39Aの他の隅部側から対角の隅部側に向けて段階的に透明領域が増大するパターンも考えられる。
このように、特殊アウト玉口363への遊技球99の入球によって段階的に透明領域を増大させる場合においても、特殊メイン表示部37aに表示される遊技設定値が徐々に明らかになるため、その過程において遊技設定値を推測して楽しむことができる。これにより、遊技設定値が把握できるまで遊技を継続することのモチベーションを向上させることができ、遊技の興趣が向上される。
また、透光性モニタ39Aでの可視光透過率にグラデーションを持たせつつ全体としての可視光透過率を大きくしていくことで、遮光状態と透明状態との間で視認レベルを変化させることも考えられる。
また、本実施形態では、透光性モニタ39Aを遮光状態から透明状態に変化させる間で、特定の条件が満たされるたびに予め設定される複数の領域を所定の順序で透明領域とすることも考えられる。前記複数の領域は、例えば図87(A)に示すように、特殊メイン表示部37aにおける各セグメントA〜Gに対応する部分に設定することが考えられる。具体的には、各セグメントA〜Gの中央部を透明領域とすることが可能な領域A〜領域Gに設定し、特定の条件が満たされるたびに各領域A〜Gのいずれかかが透明領域とされることで各セグメントの点灯の有無が判断できるようにすることも考えられる。ここで、図87(B)は、特定の条件が満たされるたびに領域A〜Gをこの順序で透明領域に変化させる場合の例である。このように、透光性モニタ39Aを遮光状態から透明状態に変化させる間で、領域A〜Gを透過領域とすることで、段階的に遊技設定値を推測することが可能になる。
なお、領域A〜Gを透過領域とする順序は図87(B)に示す順序には限定されず、適宜設定すればよく、例えば遊技設定値に応じて決定してもよいし、遊技設定値以外の他の要素(例えば遊技設定値以外のベースなどの出玉性能)に応じて決定してもよいし、抽選により決定してもよい。また、特定の条件が満たされる場合に領域A〜Gのうちの1つの領域に限らず、2以上の領域を透明領域としてもよい。また、透光性モニタ39Aを遮光状態から透明状態に変化させる間で領域A〜Gの全てを透過領域とする必要はなく、一部の領域を順に透過領域とすることも考えられる。この場合、前記一部の領域を透過領域とする順序についても、先に説明した場合と同様に、遊技設定値などに応じて適宜決定すればよい。また、前記複数の領域は、特殊メイン表示部37aにおける各セグメントA〜Gに対応する領域A〜領域Gに限らず、各セグメントA〜G以外の部分の正面側に設定してもよい。この場合、遊技設定値を把握できるまでの段階数を多くできると共に、特定の条件が満たされる場合に領域A〜領域G及びそれ以外の領域いずれが透明領域とされるかを楽しむことができる。
また、本実施形態では、透光性モニタ39Aを遮光状態から透明状態に段階的に変化させているが、遮光状態から透明状態に一気に変化させるようにしてもよい。
また、本実施形態においても、特殊メイン表示部37aでの遊技設定値に対応する数値の表示色、前記数値の点滅パターンなどによって単位大当たり抽選回数、ベース、連続役物比率、役物比率などの少なくとも1つの入賞口に基づく出玉性能を明示するようにしてもよい。
[第7の実施形態]
前述の第5の実施形態では、特殊メイン表示部37aにおいて遊技設定値が表示され、特殊メイン表示部37aの正面側に配置される滞留ボックス39が上限位置にある場合に遊技設定値が視認不能又は困難とされ、滞留ボックス39が上限位置から下限位置に段階的に下動されることで、遊技設定値の一部又は全部が視認可能とされる場合について説明した。また、前述の第5の実施形態では、滞留ボックス39の下動が開始されてから所定時間経過後に滞留ボックス39が上限位置に復帰される場合について説明した。
一方、本実施形態では、主電源を投入した後に実行される滞留ボックスの動作チェック及び大当たり遊技中の滞留ボックスの駆動時に、特殊メイン表示部の正面側に配置される滞留ボックスに駆動異常が発生しているか否かを判断し、駆動異常が発生している場合に異常処理が実行される点において前述の第5の実施形態とは異なる。
以下、本実施形態に係る遊技機を前述の第5の実施形態に係る遊技機10との相違点を中心に図88〜図96を参照して説明する。
ここで、図88は本実施形態に係る遊技機の要部を拡大して示す正面図、図89は図88のX5−X5切断線に沿う断面図、図90は強制排出部材が作動位置にある場合の図89に相当する断面図、図91は遊技機における滞留ボックス及び特殊メイン表示部を含む領域の断面図である。
図88〜図91に示すように、本実施形態に係る遊技機10は、基本的な構成が前述の第5の実施形態と同様であるが、クルーン装置36の特殊アウト玉口363に入球して特殊アウト玉通路364から排出される遊技球99(特殊アウト玉)を滞留ボックス39に滞留させることなく、遊技盤31の背面側に排出可能である。そのため、滞留ボックス39に遊技球99が滞留されることが望ましくない状況、例えば滞留ボックス39を駆動させるためのモーター39aの故障や、モーター39aの駆動力を滞留ボックス39に伝達する駆動機構などの故障により滞留ボックス39が下動レベル4まで下動されない可能性のある状況において、滞留ボックス39に遊技球99が滞留されることを防止できる。これにより、滞留ボックス39から遊技球99が溢れ出し、又は特殊アウト玉通路364に遊技球99が滞留してしまうことを防止できる。
遊技機10は、強制排出部材319B、上限位置検知センサ40A、下限位置検知センサ40B及び透光性モニタ39Aを備える。また、クルーン装置36の特殊アウト玉通路364の下端部における背面側には切欠319Aが設けられ、遊技盤31における特殊メイン表示部37aの上方には強制排出口319Cが設けられている。切欠319A及び強制排出口319Cは、クルーン装置36の特殊アウト玉通路364を遊技盤31に排出するための空間を規定する。また、遊技盤31の背面側には、強制排出口319Cを通過した遊技球99をアウト玉センサ35によって検出可能な位置に導く排出路319Dが設けられている。
強制排出部材319Bは、ソレノイドなどの駆動手段(不図示)によって待機位置(図89参照)と作動位置(図90参照)との間で前後方向D1に移動可能である。図89に示すように、待機位置では、強制排出部材319Bが特殊アウト玉通路364と滞留ボックス39との間に存在せず、クルーン装置36の特殊アウト玉口363に入球して特殊アウト玉通路364から排出される遊技球99(特殊アウト玉)が滞留ボックス39に入球可能である。通常、強制排出部材319Bは待機位置にある。一方、図89に示すように、作動位置では、強制排出部材319Bが特殊アウト玉通路364と滞留ボックス39との間に存在し、特殊アウト玉通路364から排出される遊技球99(特殊アウト玉)を遊技盤31の背面側に排出可能とすると共に、特殊アウト玉が滞留ボックス39に入球されることを制限する。強制排出部材319Bは、滞留ボックス39の駆動異常がある場合に作動位置に移動される。そして、強制排出部材319Bによって滞留ボックス39への入球が制限された遊技球99は、切欠319A及び強制排出口319Cを介して遊技盤31の背面側に強制排出される。
なお、強制排出部材319Bは、前後方向D1に移動可能な構成に限らず、他の構成を採用することができる。例えば、強制排出部材319Bは、強制排出口319Cを閉鎖する閉鎖位置と強制排出口319Cを開放する閉鎖位置との間で移動可能であり、強制排出部材319Bが開放位置にある場合に特殊アウト玉通路364と滞留ボックス39との間に存在する構成も考えられる。
上限位置検知センサ40A及び下限位置検知センサ40Bは、滞留ボックス39の位置を検出するために利用される。これらの上限位置検知センサ40A及び下限位置検知センサ40Bは、例えば反射型センサ、照度センサなどの光学式センサであり、音声ランプ制御装置5の入出力I/F52に接続されている。そのため、上限位置検知センサ40A及び下限位置検知センサ40Bの出力は、MPU51によってモリタリング可能である。なお、上限位置検知センサ40A及び下限位置検知センサ40Bは、主制御装置4の入出力I/F42に接続されていてもよい。この場合、上限位置検知センサ40A及び下限位置検知センサ40Bからの出力に応じたコマンドが主制御装置4から音声ランプ制御装置5に送信されることで、音声ランプ制御装置5において滞留ボックス39の位置が把握される。
図91(A)〜図91(C)に示すように、上限位置検知センサ40Aは、特殊メイン表示部37aの上方に設けられ、滞留ボックス39が下動レベル0である場合に滞留ボックス39の存在を検知でき、滞留ボックス39が下動レベル1〜4である場合に滞留ボックス39の存在を検知できない。一方、下限位置検知センサ40Bは、排出口319の下方に設けられ、滞留ボックス39が下動レベル4である場合に滞留ボックス39の存在を検知でき、滞留ボックス39が下動レベル0〜3である場合に滞留ボックス39の存在を検知できない。具体的には、図92(A)に示すように、上限位置検知センサ40Aは、正常に作動している場合には、下動レベル0の場合にハイレベル信号(H)を出力する一方で下動レベル1〜4の場合にローレベル信号(L)を出力する。また、下限位置検知センサ40Bは、正常に作動している場合には、下動レベル4の場合にハイレベル信号(H)を出力する一方で下動レベル0〜3の場合にローレベル信号(L)を出力する。そのため、図92(B)に示すように、上限位置検知センサ40A及び下限位置検知センサ40Bが正常に作動している場合には、これらの検知センサ40A,40Bから出力される信号の出力レベルの組み合わせは、下動レベル0ではHL、下動レベル1〜3ではLL、下動レベル4ではLHとなる。
図88〜図91に示すように、透光性モニタ39Aは、特殊メイン表示部37aの正面側に配置され、特殊メイン表示部37aに表示される遊技設定値に対応する数字の視認性を制御する。透光性モニタ39Aは、前述の第6の実施形態の透光性モニタ39Aと同様なものであり、MPU51によって制御されることで可視光透過率が変化される。これにより、特殊メイン表示部37aは、透光性モニタ39Aでの可視光透過率が高く表示内容が視認可能な状態と、透光性モニタ39Aでの可視光透過率が低く表示内容が視認不能又は困難な状態との間で視認性が制御される。具体的には、図92(C)に示すように、透光性モニタ39Aは、滞留ボックス39が正常に駆動される場合に特殊メイン表示部37aでの表示内容が視認可能な通常状態とされ、滞留ボックス39に駆動異常が発生している場合に特殊メイン表示部37aでの表示内容が視認不能又は困難な視認制限状態とされる。
ここで、滞留ボックス39が正常に駆動されない場合とは、下動レベルカウンタの値によって把握される下動レベルと、上限位置検知センサ40A及び下限位置検知センサ40Bによって把握される下動レベルとの間に相違があることを意味する。例えば、モーター39aや駆動機構の不具合によって滞留ボックス39が上下動されない場合、滞留ボックス39が上下動されるが下動レベルカウンタの値と検知センサ40A,40Bとの間が相違している場合は、滞留ボックス39が正常に駆動されない場合に該当する。そして、本実施形態では、以下に説明するように、遊技機10の主電源がオンにされた場合に実行される立ち上げ処理及び大当たり遊技中において、音声ランプ制御装置5によって滞留ボックスの動作チェックが実行される。また、滞留ボックス39の動作チェックは、立ち上げ処理及び大当たり遊技以外に、例えば遊技機10での遊技球99の打ち出しが停止されて一定時間経過後することで図柄表示部341などにおいてデモ演出が実行されている場合、予め定められる所定時刻に図柄表示図341などにおいてRTC(リアルタイムクロック)演出が実行されている場合など、滞留ボックス39を移動させても遊技者が違和感を覚えないタイミングで実行してもよい。
なお、透光性モニタ39Aに代えて、他の手段によって特殊メイン表示部37aに表示される遊技設定値に対応する数字を視認不能又は困難とすることも考えられる。例えば、滞留ボックス39とは別の可動部材によって、特殊メイン表示部37aを隠してもよく、特殊メイン表示部37aを移動可能に構成し、特殊メイン表示部37aを滞留ボックス39の背面側などに移動させることで特殊メイン表示部37aを視認不能又は困難な位置に退避させるようにしてもよい。また、特殊メイン表示部37aの電源をオフにすることで遊技設定値を把握できないようにすることも考えられる。その他、透光性モニタ39Aに代えて、光学的作用によって特殊メイン表示部37aを視認不能又は困難とすることも考えられる。例えば、特殊メイン表示部37aの正面側に導光部材や拡散部材などの光学部材を配置すると共にこの光学部材に光源からの光を投入することで特殊メイン表示部37aを視認不能又は困難とすることも考えられる。これとは逆に、光源を点灯させて光学部材に光源からの光を投入することで特殊メイン表示部37aを視認可能とする一方で、光源を消灯させることで特殊メイン表示部37aを視認不能又は困難とすることも考えられる。
[音声ランプ制御装置5の処理]
次に、図93〜図96を参照しつつ、音声ランプ制御装置5でMPU51によって実行される処理について説明する。本実施形態における音声ランプ制御装置5での処理は、基本的に前述の第1の実施形態と同様であるが、本実施形態では滞留ボックス39の駆動状態をチェックする処理が実行される。具体的には、例えば遊技機10の主電源をオンにした場合に実行される立ち上げ処理において滞留ボックス動作チェック処理が実行され、滞留ボックス下動処理において滞留ボックス39を下動させる場合、及び滞留ボックス復帰処理において滞留ボックス39を上動させる場合に滞留ボックス39の駆動状態に異常がないかの動作チェックが実行される。
[滞留ボックス動作チェック処理]
滞留ボックス動作チェック処理では、上限位置検知センサ40A及び下限位置検知センサ40Bが正常に作動していることを条件に、滞留ボックス39が正常に動作しているか否かが上限位置検知センサ40A及び下限位置検知センサ40Bを利用してチェックされる。つまり、滞留ボックス動作チェック処理は、上限位置検知センサ40A及び下限位置検知センサ40Bに異常がないかの動作チェック後に実行される。なお、上限位置検知センサ40A及び下限位置検知センサ40Bの動作チェックは、例えば上限位置検知センサ40A及び下限位置検知センサ40Bのそれぞれの近傍に配置される動作チェック用の光源を点滅させ、又は可動体を移動させ、そのときの検知センサ40A,40Bの出力レベルに基づいて行われる。ここで、図93は、本実施形態に係る遊技機10の音声ランプ制御装置5の立ち上げ処理で実行される滞留ボックス動作チェック処理の手順の一例を示すフローチャートである。
<ステップS4101〜S4105>
図93に示すように、MPU51は、滞留ボックス39を下動レベル4(下限位置)まで移動させ(ステップS4101)、所定時間の経過後に(ステップS4102:Yes)、滞留ボックス39を上限位置に復帰させる(ステップS4103)。ここで、滞留ボックス39を下限位置に移動させてから所定時間後に上限位置に復帰させるのは、遊技機10の主電源をオンにした場合に滞留ボックス39に遊技球99が残存している可能性があるからである。つまり、例えば大当たり遊技中に遊技機10の主電源がオフにされた場合、滞留ボックス39に遊技球99が滞留されたままで下動レベル0〜3で滞留ボックス39が停止している可能性がある。そのため、滞留ボックス39を下限位置に移動させてから所定時間後に上限位置に復帰させることで、滞留ボックス39の内部に遊技球99が存在しない状態を達成できると共に、滞留ボックス39を下動レベル0である上限位置に待機させることができる。また、滞留ボックス39を下動レベル4である下限位置に停止させる所定時間は、滞留ボックス39に滞留された遊技球99を排出するのに必要な時間に設定され、例えば2〜10秒程度である。
そして、MPU51は、滞留ボックス39を下動レベル0に復帰させた場合(ステップS4103)、下動レベルカウンタの値を0にセットし(ステップS4104)、上限位置検知センサ40A及び下限位置検知センサ40Bの出力レベルを取得し、これらの検知センサ40A,40Bの出力レベルの組み合わせを下動レベル0に対するものとして記憶する(ステップS4105)。
<ステップS4106〜S4109>
次いで、MPU51は、下動レベル4に滞留ボックス39が下動されるまで(ステップS4109:Yes)、滞留ボックス39を下動レベル1〜4まで段階的に移動させ(ステップS4106)、滞留ボックス39を下動させるたびに下動レベルカウンタの値に1を加算すると共に(ステップS4107)、各下動レベルにおいて検知センサ40A,40Bの出力レベルの組み合わせを記憶する(ステップS4108)。
<ステップS4110〜S4116>
MPU51は、下動レベルカウンタの値が0〜4の全てで、出力レベルの組み合わせが滞留ボックス39が正常に作動している場合の組み合わせ(図92(B)参照)であるか否かを判断する(ステップS4110〜4114)。そして、下動レベルカウンタの値が0〜4の全てで、出力レベルの組み合わせが正常に作動している場合の組み合わせに対応している場合(ステップS4110〜4114の全てでYes)、滞留ボックス39が正常に駆動されていると判断できるため、滞留ボックス39を下動レベル0である上限位置に復帰させ(ステップS4115)、下動レベルカウンタの値を0にセットし(ステップS4116)、当該滞留ボックス動作チェック処理を終了する。
一方、MPU51は、下動レベルカウンタの値が0〜4のいずれかでの出力レベルの組み合わせが正常に作動している場合の組み合わせに対応していない場合(ステップS4110〜4114のいずれかでNo)、滞留ボックス39の駆動状態に異常があると判断できるため、エラー処理を実行し(ステップS4117)、当該滞留ボックス動作チェック処理を終了する。ここで、滞留ボックス39の駆動状態に異常がある場合の原因としては、例えば滞留ボックス39を上下動させるためのモーター39aや駆動系の異常、モーター39aや駆動系が正常である場合には下動レベルカウンタの値と検知センサ40A,40Bで検知される下動レベルとの不整合が考えられる。なお、エラー処理については、図94を参照して以下において詳細に説明する。
[エラー処理]
エラー処理では、滞留ボックス39の駆動状態の異常態様に応じた異常処理が実行される。ここで、図94は、図93の滞留ボックス動作チェック処理で実行されるエラー処理の手順の一例を示すフローチャートである。
<ステップS4201>
図94に示すように、MPU51は、下動レベルカウンタの値が0〜4の全てでの検知センサ40A,40Bの出力の組み合わせがLHであるか否かを判断する(ステップS4201)。即ち、MPU51は、下動レベルカウンタの値とは無関係に検知センサ40A,40Bの出力の組み合わせが常にLHであるか否かを判断する。MPU51は、下動レベルカウンタの値が0〜4の全てでの検知センサ40A,40Bの出力の組み合わせがLHである場合(ステップS4201:Yes)、下動レベルカウンタの値とは無関係に検知センサ40A,40Bの出力の組み合わせが常にLHであり、滞留ボックス39が下動レベル4である下限位置で固定されて移動しない駆動異常が発生していると判断されるため、ステップS4202の第1駆動異常処理に処理を移行する。一方、MPU51は、下動レベルカウンタの値が0〜4のいずれかでの検知センサ40A,40Bの出力の組み合わせがLHでない場合(ステップS4201:No)、処理をステップS4203に移行する。
<ステップS4202>
MPU51は、下動レベルカウンタの値が0〜4の全てでの検知センサ40A,40Bの出力の組み合わせがLHである場合(ステップS4201:Yes)、第1駆動異常処理を実行し(ステップS4202)、当該エラー処理を終了する。ここで、滞留ボックス39が下動レベル4である下限位置で固定されて移動しない駆動異常が発生している場合、特殊メイン表示部37aの表示内容が常時視認可能な状態となっている。そのため、第1駆動異常処理では、MPU51は、特殊メイン表示部37aの正面側に配置される透光性モニタ39Aを、特殊メイン表示部37aでの表示内容が視認可能な通常状態から特殊メイン表示部37aでの表示内容が視認不能又は困難な視認制限状態に切り替える(図92(C)参照)。これにより、滞留ボックス39が下動レベル4である下限位置から移動しない場合であっても、特殊メイン表示部37aでの表示内容(遊技設定値)の視認が不能又は困難とされる。そのため、滞留ボックス39が下動レベル4である下限位置で移動しなくなった場合に、クルーン装置36の特殊アウト玉口363に遊技球99が入球していないにも関わらず、特殊メイン表示部37aでの表示内容が常時視認可能となって遊技設定値が遊技者に認識されてしまうことを防止できる。
また、MPU51は、第1駆動異常処理では、滞留ボックス39が移動しないことを報知するようにしてもよい。この場合、例えば、図柄表示部341に滞留ボックス39の駆動異常が発生していることを示す画像を表示し、スピーカ26から滞留ボックス39の駆動異常が発生していることを示す音声を出力することで、滞留ボックス39の駆動異常が発生していることを報知することが考えられる。これにより、遊技ホール側は、滞留ボックス39の駆動異常が発生していることを知り得ることができる。
また、滞留ボックス39以外の他の要素に異常がないことを条件に、遊技ホール側によって遊技者による遊技が可能な客待ち状態に移行させるか、遊技者による遊技を不能とするかを選択させるようにすることも考えられる。例えば、図柄表示部341に対して、滞留ボックス39の駆動異常が発生していることを示す画像に加えて、客待ち状態に移行させるか否かを選択する画像を表示し、上皿23などに設けられる操作ボタン20や十字キー(不図示)によって遊技ホール側で客待ち状態に移行させるか否かを選択できるようにすることが考えられる。これにより、滞留ボックス39の駆動異常以外の異常がなく、遊技を実行することに問題が無い場合には、遊技機10を遊技者に使用させるか否かの判断を遊技ホール側に委ねることが可能になる。
そして、遊技ホール側が客待ち状態を選択した場合に、第6の実施形態の技術を適用し、クルーン装置36の特殊アウト玉口363への遊技球99の入球数(特殊アウト玉数)に応じて透光性モニタ39Aの可視光透過率を選択することで、特殊メイン表示部37aの表示内容の視認性を変化させるようにしてもよい。例えば、強制排出口319Cの近傍などに近接センサなどの遊技球99を検出するセンサを設け、このセンサの出力に基づいて透光性モニタ39Aの可視光透過率を変化させることで特殊メイン表示部37aの視認性を変化させるようにしてもよい。この場合、滞留ボックス39が下動レベル4である下限位置で移動しなくなった場合であっても、遊技設定値の推測又は認識可能な遊技性を遊技機10に付与できる。また、透光性モニタ39Aに代えて、他の手段によって特殊メイン表示部37aに表示される遊技設定値に対応する数字を視認不能又は困難とする場合においても同様に、前記他の手段によって特殊メイン表示部37aの視認性を変化させるようにしてもよい。
<ステップS4203>
下動レベルカウンタの値が0〜4のいずれかでの検知センサ40A,40Bの出力の組み合わせがLHでない場合(ステップS4201:No)、MPU51は、下動レベルカウンタの値が0〜4の全てでの検知センサ40A,40Bの出力の組み合わせがHLであるか否かを判断する(ステップS4203)。即ち、MPU51は、下動レベルカウンタの値とは無関係に検知センサ40A,40Bの出力の組み合わせが常にHLであるか否かを判断する。MPU51は、下動レベルカウンタの値が0〜4の全てでの検知センサ40A,40Bの出力の組み合わせがHLである場合(ステップS4203:Yes)、下動レベルカウンタの値とは無関係に検知センサ40A,40Bの出力の組み合わせが常にHLであり、滞留ボックス39が下動レベル0である上限位置で固定されて移動しない駆動異常が発生していると判断されるため、ステップS4204の第2駆動異常処理に処理を移行する。一方、MPU51は、下動レベルカウンタの値が0〜4のいずれかでの検知センサ40A,40Bの出力の組み合わせがHLでない場合(ステップS4203:No)、処理をステップS4205に移行する。
<ステップS4204>
下動レベルカウンタの値が0〜4の全てでの検知センサ40A,40Bの出力の組み合わせがHLである場合(ステップS4203:Yes)、MPU51は、第2駆動異常処理を実行し(ステップS4204)、当該エラー処理を終了する。ここで、滞留ボックス39が下動レベル0である上限位置で固定されて移動しない駆動異常が発生している場合、滞留ボックス39に遊技球99が導入された場合に滞留ボックス39の遊技球99を排出することができない。そのため、第2駆動異常処理では、MPU51は、強制排出部材319Bを待機位置(図89参照)から作動位置(図90参照)に移動させる。これにより、強制排出部材319Bが特殊アウト玉通路364と滞留ボックス39との間に存在する。そのため、大当たり遊技においてクルーン装置36の特殊アウト玉口363に入球して排出路319Dから放出される遊技球99(特殊アウト玉)は、強制排出部材319Bによって滞留ボックス39への入球が制限される。そして、強制排出部材319Bによって滞留ボックス39への入球が制限された遊技球99は、強制排出部材319B、強制排出口319C及び排出路319Dを介して遊技盤31の背面側に強制排出される。その結果、特殊アウト玉口363に入球した遊技球99が滞留ボックス39に入球されることが防止される。これにより、滞留ボックス39に容量以上の遊技球99が滞留されることが防止されると共に、滞留ボックス39から遊技球99が溢れ出すことを防止でき、またクルーン装置36の特殊アウト玉通路364に玉詰まりが発生することを防止できる。そのため、滞留ボックス39が下動レベル0である上限位置で固定されて移動しない駆動異常が発生している場合であっても、遊技機10において通常通りに遊技を実行することが可能になる。
また、第2駆動異常処理では、第1駆動処理の場合と同様に、滞留ボックス39が移動しないことを報知するようにしてもよい。この場合にも、第1駆動処理の場合と同様に、遊技ホール側で客待ち状態に移行させるかを選択できるようにしてもよい。
<ステップS4205>
下動レベルカウンタの値が0〜4のいずれかでの検知センサ40A,40Bの出力の組み合わせがLHでもHLでもない場合(ステップS4201及びS4203で共にNo)、下動レベル0〜4の全てでの検知センサ40A,40Bの出力の組み合わせがLLであるか否かを判断する(ステップS4205)。即ち、MPU51は、下動レベル0〜4とは無関係に検知センサ40A,40Bの出力の組み合わせが常にLLであるか否かを判断する。MPU51は、下動レベル0〜4の全てでの検知センサ40A,40Bの出力の組み合わせがLLである場合(ステップS4205:Yes)、下動レベル0〜4とは無関係に検知センサ40A,40Bの出力の組み合わせが常にLLであり、滞留ボックス39が下動レベル1〜3のいずれかに対応する位置で固定されて移動しない駆動異常が発生していると判断されるため、ステップS4206の第3駆動異常処理に処理を移行する。一方、MPU51は、下動レベル0〜4のいずれかで検知センサ40A,40Bの出力の組み合わせがLLでない場合(ステップS4205:No)、下動レベルカウンタの値に基づく下動レベルと、検知センサ40A,40Bに基づく下動レベルとが異なるリンク異常が発生していると判断されるため、ステップS4207のリンク異常処理に処理を移行する。
<ステップS4206>
下動レベルカウンタの値が0〜4のいずれかでの検知センサ40A,40Bの出力の組み合わせがLLである場合(ステップS4205:Yes)、MPU51は、第3駆動異常処理を実行し(ステップS4206)、当該エラー処理を終了する。ここで、滞留ボックス39が下動レベル1〜3のいずれかに対応する位置で固定されて移動しない駆動異常が発生している場合、特殊メイン表示部37aの表示内容の一部が常時視認可能な状態となっていると共に、滞留ボックス39に遊技球99が導入された場合に滞留ボックス39の遊技球99を排出することができない。そのため、第3駆動異常処理では、MPU51は、第1駆動異常処理と同様な処理に加えて、第2駆動異常処理と同様な処理を実行する。具体的には、MPU51は、特殊メイン表示部37aの正面側に配置される透光性モニタ39Aを、特殊メイン表示部37aでの表示内容が視認可能な通常状態から特殊メイン表示部37aでの表示内容が視認不能又は困難な視認制限状態に切り替えると共に(図92(C)参照)、強制排出部材319Bを待機位置(図89参照)から作動位置(図90参照)に移動させる。これにより、滞留ボックス39が下動レベル1〜3のいずれかで移動しない場合であっても、特殊メイン表示部37aでの表示内容(遊技設定値)の視認が不能又は困難とされる。また、大当たり遊技においてクルーン装置36の特殊アウト玉口363に入球して排出路319Dから放出される遊技球99(特殊アウト玉)を遊技盤31の背面側に強制排出し、滞留ボックス39に遊技球が滞留されることを防止できる。
<ステップS4207>
下動レベルカウンタの値が0〜4のいずれかでの検知センサ40A,40Bの出力の組み合わせがLHでもHLでもLLでない場合(ステップS4201、S4203及びS4205の全てでNo)、MPU51は、リンク異常処理を実行し(ステップS4207)、当該エラー処理を終了する。ここで、下動レベルカウンタの値に基づく下動レベルと、検知センサ40A,40Bに基づく下動レベルとが異なるリンク異常が発生している場合(滞留ボックス39が移動しない場合を除く)、滞留ボックス39を正常に作動させることができない。そのため、リンク異常処理では、MPU51は、検知センサ40A,40Bでの検知結果に基づく下動レベルの位置に滞留ボックス39を移動させる。例えば、検知センサ40A,40Bから出力レベルの組み合わせがHLである場合、滞留ボックス39を下動レベル0の上限位置に移動させる。また、下動レベルカウンタの値に基づく下動レベルと、検知センサ40A,40Bでの検知結果に基づく下動レベルとのリンクを整合させる処理を実行した場合、再び滞留ボックス動作チェック処理を実行し、リンクが整合しているか確認することが好ましい。そして、再度の滞留ボックス動作チェック処理によってもリンクが整合していないと判断される場合、滞留ボックス39が一部の下動レベルの位置に移動できない状況である可能性があるため、リンク異常が解消しないことを報知するようにしてもよい。この場合にも、遊技ホール側で客待ち状態に移行させるかを選択できるようにしてもよい。また、リンク異常が解消しない場合、第3駆動異常処理を実行するようにしてもよい。
ところで、滞留ボックス39の上下動により特殊メイン表示部37aの視認性を変化させる場合、例えば滞留ボックス39に接続されるモーター39aや駆動系の異常によって滞留ボックス39の駆動異常が発生することが想定される。この場合、下動レベル0で滞留ボックス39の移動が停止している場合には、滞留ボックス39の内部の遊技球を排出できない。下動レベル4で滞留ボックス39の移動が停止している場合には、特殊メイン表示部37aの全部が視認可能なままとなるために遊技設定値を把握されてしまう。下動レベル1〜3で滞留ボックス39の移動が停止している場合には、特殊メイン表示部37aの一部が視認可能なままとなるばかりか、滞留ボックス39の内部の遊技球を排出できない。
これに対して、本実施形態では、遊技機10の主電源をオンにした場合に滞留ボックス39の駆動異常が発生しているか否かの動作チェック処理が実行される。そして、滞留ボックス39の駆動異常が発生している場合には、滞留ボックス39の駆動が停止している位置(下動レベル)などに応じた異常処理が実行される。具体的には、下動レベル0で滞留ボックス39の移動が停止している場合には、強制排出部材319Bを作動させて特殊アウト玉を遊技盤31の背面側に強制排出可能にすることで滞留ボックス39に遊技球99が入らないようにされる。また、下動レベル4で滞留ボックス39の移動が停止している場合には、透光性モニタ39Aの可視光透過率を低くすることで特殊メイン表示部37aを視認不能又は困難とされる。下動レベル1〜3で滞留ボックス39の移動が停止している場合には、強制排出部材319Bを作動させると共に透光性モニタ39Aの可視光透過率を低くする。これにより、滞留ボックス39の内部の遊技球を排出できないという不具合の発生を防止できると共に、特殊メイン表示部37aの全部又は一部が視認可能なままとなることを防止できる。その結果、滞留ボックス39の駆動異常が発生している場合であっても、遊技機10での遊技の実行が可能になる。
[滞留ボックス下動処理]
本実施形態の滞留ボックス下動処理では、前述の第5の実施形態と同様に、滞留ボックス39に滞留する遊技球数に応じた下動レベル(図74(C)参照)に対応する位置に滞留ボックス39が下動される処理が実行される。また、本実施形態では、滞留ボックス39を下動させる前に下動レベルカウンタの値に基づく下動レベルと、検知センサ40A,40Bに基づく下動レベルとの整合が確認され、整合が取れていない場合に第3駆動異常処理が実行される。ここで、図95は、図76のコマンド判定処理で実行される滞留ボックス下動処理の手順の一例を示すフローチャートである。
<ステップS4301〜S4304>
図95に示すように、本実施形態の滞留ボックス下動処理では、MPU51は、まず上限位置検知センサ40A及び下限位置検知センサ40Bの出力レベルの組み合わせを取得する(ステップS4301)。そして、MPU51は、下動レベルカウンタの値が0である場合に(ステップS3501:Yes)、検知センサ40A,40Bの出力レベルの組み合わせがHLでない場合(ステップS4302:Yes)、前述のエラー処理で実行される第3駆動異常処理を実行する(ステップS4303)。また、MPU51は、下動レベルカウンタの値が4でない場合(ステップS3504:No)、即ち下動レベルカウンタの値が1〜3である場合に、検知センサ40A,40Bの出力レベルの組み合わせがLLでない場合(ステップS4304:Yes)、第3駆動異常処理を実行する(ステップS4303)。即ち、MPU51は、下動レベルカウンタの値に基づく下動レベルと、検知センサ40A,40Bの出力レベルの組み合わせに基づく下動レベルとが整合していない場合、第3駆動異常処理を実行する。つまり、下動レベルカウンタの値に基づく下動レベルと、検知センサ40A,40Bの出力レベルの組み合わせに基づく下動レベルとが整合していない理由が、滞留ボックスが移動しないのか、単に整合がとれていないだけかを判断できず、また滞留ボックス39が移動していない場合に、どの下動レベルで滞留ボックス39が停止しているか判断できないため、如何なる駆動異常にも対応できるように第3駆動異常処理を実行する。
なお、下動レベルカウンタの値に基づく下動レベルと、検知センサ40A,40Bの出力レベルの組み合わせに基づく下動レベルとが整合しているかの判断は、滞留ボックス39を下動させる前に限らず、滞留ボックス39を下動させた後に行ってもよく、また滞留ボックス39を下動させる前及び後の両方で行ってもよい。
[滞留ボックス復帰処理]
本実施形態の滞留ボックス復帰処理では、滞留ボックス39が下限位置(下動レベル4)に下動されてから一定時間経過後に滞留ボックス39を上限位置(下動レベル0)に復帰させる処理が実行される。また、本実施形態では、滞留ボックス39を復帰させる前と復帰させた後に下動レベルカウンタの値に基づく下動レベルと、検知センサ40A,40Bに基づく下動レベルとの整合が確認され、整合が取れていない場合に第3駆動異常処理が実行される。ここで、図96は、図75の副タイマ割込処理で実行される滞留ボックス復帰処理の手順の一例を示すフローチャートである。
<ステップS4401〜S4404>
図96に示すように、本実施形態の滞留ボックス復帰処理では、MPU51は、滞留ボックス39の復帰タイミングである場合(ステップS3601及びS3603でYes)、上限位置検知センサ40A及び下限位置検知センサ40Bの出力レベルの組み合わせを取得する(ステップS4401)。そして、MPU51は、検知センサ40A,40Bの出力レベルの組み合わせがLHであるか否かを判断する(ステップS4402)。即ち、MPU51は、滞留ボックス39を下動レベル4から下動レベル0に復帰させる直前に、下動レベルカウンタの値に基づく下動レベルと、検知センサ40A,40Bの出力レベルの組み合わせに基づく下動レベルとが整合しているか判断する。また、MPU51は、滞留ボックス39を下動レベル0に復帰させた場合(ステップS3604)、検知センサ40A,40Bの出力レベルの組み合わせがHLであるか否かを判断する(ステップS4403)。そして、MPU51は、滞留ボックス39を復帰させるタイミング又は滞留ボックス39を復帰させた直後で、下動レベルカウンタの値に基づく下動レベルと、検知センサ40A,40Bの出力レベルの組み合わせに基づく下動レベルとが整合していない場合(ステップS4402又はS4403でNo)、第3駆動異常処理を実行する(ステップS4304)。
なお、下動レベルカウンタの値に基づく下動レベルと、検知センサ40A,40Bの出力レベルの組み合わせに基づく下動レベルとが整合しているかの判断は、滞留ボックス39を復帰(上動)させる前及び後の両方に限らず、滞留ボックス39を復帰させる前後のうちの一方のみで行ってもよい。
上述のように、滞留ボックス39の上下動により特殊メイン表示部37aの視認性を変化させる場合、例えば滞留ボックス39に接続されるモーター39aや駆動系の異常によって滞留ボックス39の駆動異常が発生することが想定される。そして、本実施形態では、遊技機10の主電源をオンにした後に実行される動作チェックによって滞留ボックス39に駆動異常がないか判断される。この動作チェックにおいて駆動異常がないと判断される場合であっても、遊技中に滞留ボックス39に駆動異常が発生することが想定される。
これに対して、実施形態では、遊技中に滞留ボックス39を下動させる場合、及び滞留ボックス39を復帰(上動)させる場合に滞留ボックス39に駆動異常がないか判断され、駆動異常がある場合に駆動異常処理が実行される。これにより、遊技中で滞留ボックス39に駆動異常が発生した場合であっても遊技を継続することができる。特に、滞留ボックス39は、大当たり遊技において上下動されるものであるため、滞留ボックス39の駆動異常時に遊技を継続できることの意義は大きい。
なお、本実施形態では、適用可能な範囲において、前述の第5の実施形態における設計変更事項と同様な設計変更が可能である。
[発明の概要]
以下、上述の各実施形態から抽出される発明の概要について付記する。なお、各付記と各実施形態との対応関係の理解に供するために便宜上符号などを付して説明することがあるが、当該付記に係る発明はその符号を付した具体的構成に限定されるものではない。また、以下で説明する各構成及び各処理機能を取捨選択して任意に組み合わせることも可能である。
[付記A1]
出玉性能を示す指標となる性能情報(遊技設定値、単位大当たり抽選回数、ベース、連続役物比率、役物比率など)を記憶する記憶手段(412)と、
前記記憶手段(412)に記憶された前記性能情報が表示される性能情報表示手段(37a)と、
前記性能情報表示手段(37a)に前記性能情報を表示させる性能情報表示制御手段(41)と、
前記性能情報表示手段(37a)に表示される前記性能情報を視認不能又は視認困難とする視認制限手段(39,39A)と、
特定の条件が満たされる場合に前記視認制限手段(39,39A)を制御し、前記性能情報表示手段(37a)に表示される前記性能情報の少なくとも一部を視認可能にする視認状態制御手段(51)と、
を備えることを特徴とする遊技機。
付記A1に係る遊技機では、特定の条件が満たされる場合に性能情報表示手段に表示される性能情報の少なくとも一部が視認可能とされる。そのため、性能情報表示手段に表示される性能情報の一部が視認可能である場合には、視認可能な部分に基づいて遊技中の遊技機の出玉性能を推測して楽しむことができる。また、性能情報表示手段に表示される性能情報の全部が視認可能である場合には遊技中の遊技機の出玉性能を把握することができる。そのため、遊技中の遊技機の出玉性能を推測又は把握可能であることで遊技性が向上し、遊技を継続して行うことの動機付けを与えることができる。
[付記A2]
判定条件の成立に基づいて、遊技者に有利な特別遊技が実行される特別遊技状態(大当たり遊技状態)に移行させるか否かの移行判定を行う移行判定手段(41)と、
前記移行判定手段(41)による前記移行判定において前記特別遊技状態に移行させると判定される有利判定確率を、互いに異なる複数の有利判定確率の中から設定可能な有利判定確率設定手段(41)と、
をさらに備え、
前記性能情報は、前記有利判定確率設定手段(41)によって設定される前記有利判定確率に関する情報(遊技設定値)を含むことを特徴とする付記A1に記載の遊技機。
付記A2に係る遊技機では、性能情報が遊技機の出玉性能に大きな影響を与える有利判定確率に関する情報を含む。そのため、有利判定確率に関する情報に基づいて出玉性能が評価されることで、遊技機の出玉性能がより適切に反映された指標に基づいて出玉性能を示唆することが可能になる。また、有利判定確率に関する情報の一部又は全部が性能情報表示手段に表示されることで、遊技者は有利判定確率を推測して楽しみ、また有利判定確率が把握できる場合にはその有利判定確率に基づいて当該遊技機での遊技を継続するかを判断する機会が付与される。
[付記A3]
遊技球の入球に基づいて入賞口種別に応じた一定数の遊技球の払い出しを行わせる複数の入賞口(313〜316)をさらに備え、
前記性能情報は、前記複数の入賞口(313〜316)のうちの少なくとも一つの入賞口に基づく出玉性能を示す情報を含むことを特徴とする付記A1又は付記A2に記載の遊技機。
付記A3に係る遊技機では、複数の入賞口のうちの少なくとも一つの入賞口に基づく出玉性能を示す性能情報を含む。そのため、遊技者は、入賞口に基づく出玉性能を示す性能情報の一部又は全部が性能情報表示手段に表示されることで、遊技者は、例えば遊技機の製造時の個体差や経年変化などによる遊技機間での入賞口に対する入賞性能のバラツキが反映された出玉性能を推測又は認識することが可能になる。これにより、遊技者は、入賞口に基づく出玉性能を推測して楽しみ、また入賞口に基づく出玉性能が把握できる場合にはその性能情報に基づいて遊技中の遊技機での遊技を継続するかを判断する機会が付与される。
[付記A4]
前記複数の入賞口(313〜316)は、遊技球の入球によって前記移行判定手段(41)による前記移行判定を行う契機を与える第1入賞口(314)を含み、
差玉数が所定玉数のマイナスに達するまで、又は遊技盤(31)への遊技球の発射玉数が特定玉数に達するまでに、前記第1入賞口(314)への遊技球の入球を契機として前記移行判定手段(41)によって前記移行判定を行った単位判定回数を演算する単位判定回数演算手段(41)をさらに備え、
前記性能情報は、前記単位判定回数演算手段(41)によって演算される前記単位判定回数に関する情報を含むことを特徴とする付記A3に記載の遊技機。
付記A4に係る遊技機では、性能情報が単位判定回数に関する性能情報を含む。ここで、単位判定回数は、差玉数が所定玉数のマイナスに達するまで又は遊技球の発射玉数が特定玉数に達するまでに、第1入賞口への遊技球の入球を契機として移行判定が行われる回数である。つまり、単位判定回数は、通常遊技状態(低確率モードで時短モードではない状態)での移行判定の受け易さを示す指標である。そのため、遊技者は、単位判定回数に関する情報の一部又は全部が表示されることで、単位判定回数に関する情報を推測又は認識可能であるため、移行判定の受け易さを知り得ることが可能になる。これにより、遊技者は、単位判定回数を推測して楽しみ、また単位判定回数が把握できる場合にはその単位判定回数に基づいて遊技中の遊技機での遊技を継続するかを判断する機会が付与される。
[付記A5]
前記複数の入賞口(313〜316)は、遊技球の入球に基づいて所定数の遊技球の払い出しを行わせ、遊技球の入球によって前記移行判定手段(41)による前記移行判定を行う契機を与える第1入賞口(314)と、遊技球の入球に基づいて特定数の遊技球の払い出しを行わせ、前記第1入賞口とは機能が異なる一般入賞口(313)と、を含み、
遊技盤(31)への遊技球の発射玉数に対する、前記第1入賞口(314)への遊技球の入球に対する遊技球の払出玉数と前記一般入賞口(313)への遊技球の入球に対する遊技球の払出玉数との合算払出玉数の比率である出玉率(ベース)を演算する出玉率演算手段(41)をさらに備え、
前記性能情報は、前記出玉率演算手段(41)によって演算される前記出玉率に関する情報を含むことを特徴とする付記A3に記載の遊技機。
付記A5に係る遊技機では、性能情報が出玉率に関する情報を含む。ここで、出玉率は、発射玉数に対する第1入賞口と一般入賞口との合算払出玉数の比率である。つまり、出玉率は、第1入賞口及び一般入賞口への入賞のし易さを示す指標である。そのため、遊技者は、性能情報が出玉率に関する情報の一部又は全部が表示されることで、出玉率を推測又は認識可能であるため、第1入賞口及び一般入賞口への入賞のし易さを知り得ることが可能になる。これにより、遊技者は、出玉率を推測して楽しみ、また出玉率が把握できる場合にはその出玉率に基づいて遊技中の遊技機での遊技を継続するかを判断する機会が付与される。
[付記A6]
前記複数の入賞口(313〜316)は、前記特別遊技状態において遊技球の入球が可能な可変入賞口(316)を含み、
前記複数の入賞口(313〜316)への遊技球の入球に対する遊技球の払出玉数の合算数である総払出玉数において、前記可変入賞口(316)への遊技球の入球に対する払出玉数が占める比率である連続役物比率を演算する連続役物比率演算手段(41)をさらに備え、
前記性能情報は、前記連続役物比率演算手段(41)によって演算される前記連続役物比率に関する情報を含むことを特徴とする付記A3に記載の遊技機。
付記A6に係る遊技機では、性能情報が連続役物比率に関する情報を含む。ここで、連続役物比率は、複数の入賞口への遊技球の入球に対する遊技球の払出玉数の合算数である総払出玉数において、可変入賞口への遊技球の入球に対する払出玉数が占める比率である。つまり、連続役物比率は、移行判定の結果が特別遊技に移行させるものとなる頻度(特別遊技状態の滞在比率)、及び可変入賞口への入賞のし易さ(特別遊技状態での出玉率)を示す指標である。そのため、遊技者は、連続役物比率に関する情報の一部又は全部が表示されることで、連続役物比率を推測又は認識可能であるため、移行判定の結果が特別遊技に移行させるものとなる頻度(特別遊技状態の滞在比率)、及び可変入賞口への入賞のし易さを知り得ることが可能になる。これにより、遊技者は、連続役物比率を推測して楽しみ、また連続役物比率が把握できる場合にはその連続役物比率に基づいて遊技中の遊技機での遊技を継続するかを判断する機会が付与される。
[付記A7]
前記複数の入賞口(313〜316)は、遊技球の入球によって前記移行判定手段(41)による前記移行判定を行う契機を与える第1入賞口(314)と、電動役物のサポートによって遊技球が入球可能であり、遊技球の入球によって前記移行判定手段(41)による前記移行判定を行う契機を与える第2入賞口(315)と、前記特別遊技状態において遊技球の入球が可能な可変入賞口(316)と、を含み、
前記複数の入賞口(313〜316)への遊技球の入球に対する遊技球の払出玉数の合算数である総払出玉数において、前記可変入賞口(316)への遊技球の入球に対する払出玉数と、前記第2入賞口(315)への遊技球の入球に対する払出玉数との合算払出玉数が占める比率である役物比率を演算する役物比率演算手段(41)と、
をさらに備え、
前記性能情報は、前記役物比率演算手段(41)によって演算される前記役物比率に関する情報を含むことを特徴とする付記A3に記載の遊技機。
付記A7に係る遊技機では、性能情報が役物比率に関する情報を含む。ここで、役物比率は、複数の入賞口への遊技球の入球に対する遊技球の払出玉数の合算数である総払出玉数において、可変入賞口及び第2入賞口への遊技球の入球に対する払出玉数が占める比率である。つまり、役物比率は、移行判定の結果が特別遊技に移行させるものとなる頻度(特別遊技状態の滞在比率)、電動役物のサポートを受けるサポート遊技状態(時短遊技状態)の滞在比率、及び可変入賞口及び第2入賞口への入賞のし易さ(特別遊技状態での出玉率)を示す指標である。そのため、遊技者は、役物比率に関する情報の一部又は全部が表示されることで、役物比率を推測又は認識可能であるため、移行判定の結果が特別遊技に移行させるものとなる頻度(特別遊技状態の滞在比率)、電動役物のサポートを受けるサポート遊技状態(時短遊技状態)の滞在比率、及び可変入賞口及び第2入賞口への入賞のし易さ(特別遊技状態での出玉率)を知り得ることが可能になる。これにより、遊技者は、役物比率を推測して楽しみ、また役物比率が把握できる場合にはその役物比率に基づいて遊技中の遊技機での遊技を継続するかを判断する機会が付与される。
[付記A8]
前記視認制限手段(39)は、前記性能情報表示手段(37a)に表示される前記性能情報を視認不能又は視認困難な第1位置(上限位置)と、前記性能情報表示手段(37a)に表示される前記性能情報の全体を視認可能な第2位置(下限位置)との間で移動可能であり、
前記視認状態制御手段(51)は、前記特定の条件が満たされる場合に前記視認制限手段(39)を前記第1位置から前記第2位置に向けた所定方向(下方向)に移動させることを特徴とする付記A1から付記A7のいずれかに記載の遊技機。
付記A8に係る遊技機では、前記視認制限手段を所定方向に移動させるという簡易な方法によって、性能情報表示手段に表示される性能情報の一部又は全部が視認可能な状態を実現できる。
[付記A9]
前記視認制限手段(39)は、前記特定条件が複数回満たされる場合に前記第1位置から前記第2位置に移動され、
前記視認状態制御手段(51)は、前記視認制限手段(39)が前記第1位置から前記第2位置に移動されるまでの間、前記特定の条件が満たされるたびに前記視認制限手段(39)を前記所定方向に段階的に移動させることを特徴とする付記A8に記載の遊技機。
付記A9に係る遊技機では、特定の条件が満たされるたびに視認制限手段が所定方向に段階的に移動されるため、性能情報表示手段に表示される性能情報の視認可能領域が徐々に拡大される。これにより、性能情報表示手段に表示される性能情報が徐々に明らかになるため、性能情報が把握可能になるまでの間、性能情報を推測して楽しむことができる。これにより、性能情報が把握できるまで遊技を継続することのモチベーションを向上させることができ、遊技の興趣が向上される。
[付記A10]
前記視認状態制御手段(51)は、前記特定の条件が満たされる場合に、前記第1位置と前記第2位置との間に設定される少なくとも1つの中間位置に前記視認制限手段(39)を停止させることが可能であり、
前記中間位置は、前記性能情報の一部が視認可能であり、同一種別の前記性能情報(例えば遊技設定値)として設定される複数の内容(例えば遊技設定値1〜6)のうちの2以上の内容(例えば遊技設定値2、3、5及び6)の区別が不能又は困難な位置(例えば下動レベル1の中間位置)に設定されることを特徴とする付記A9に記載の遊技機。
付記A10に係る遊技機では、特定の条件が満たされることで視認制限手段が所定方向に移動されると、性能情報の一部が視認可能となるが、2以上の内容の区別が不能又困難である。そのため、特定の条件が満たされることで性能情報の内容が認識可能になるまでに、複数の内容からより少ない数に絞り込んで推測することが可能になる。これにより、遊技者は、特定の条件が複数回満たされることで、性能情報を段階的に推測し、推測の精度を段階的に向上させることが可能になるため、このような性能情報の推測の過程を楽しむことができる。
[付記A11]
前記視認状態制御手段(51)は、前記特定の条件が満たされる場合に前記視認制限手段(39)を前記第1位置から前記第2位置に移動させることを特徴とする付記A8に記載の遊技機。
付記A11に係る遊技機では、特定の条件が満たされる場合に視認制限手段が、性能情報を視認不能又は視認困難な第1位置から、性能情報の全体を視認可能な第2位置に移動される。そのため、特定条件が満たされる場合に即座に性能情報が視認可能とされるという遊技性が付与されるため、遊技の興趣が向上される。
[付記A12]
前記視認状態制御手段(51)は、前記視認制限手段(39)が前記第1位置から移動が開始されてから所定時間経過後に前記視認制限手段(39)を前記第1位置に移動させることを特徴とする付記A8から付記A11のいずれかに記載の遊技機。
付記A12に係る遊技機では、第1位置から移動が開始されてから所定時間経過に視認制限手段が性能情報を視認不能又は視認困難な第1位置に復帰される。そのため、性能情報の一部又は全部を視認可能な位置に視認制限手段が長時間存在することを防止できるため、性能情報を推測又は把握可能な状態で長時間放置されることを防止できる。これにより、遊技を行っていない遊技者に性能情報が推測又は把握されることを抑制できる。
[付記A13]
遊技球が流下する遊技領域が設定される遊技盤(31)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球の入球によって賞球が払い出される複数の入賞口(313〜316)と、
前記複数の入賞口(313〜316)に入球されなかった遊技球を前記遊技盤の背面側に排出する排出口(318)と、
前記複数の入賞口(313〜316)のうちの少なくとも1つの入賞口よりも前記遊技領域の上方に設けられ、遊技球を前記遊技盤の背面側に排出させるための特殊排出口(363)と、
をさらに備え、
前記特定の条件は、前記特殊排出口(363)に遊技球が入球されることであることを特徴とする付記A1から付記A12のいずれかに記載の遊技機。
付記A13に係る遊技機では、特殊排出口に遊技球が入球されることで視認制限手段が所定方向に移動され、性能情報の視認可能領域が拡大される。そのため、移行判定手段での移行判定の結果だけでなく、特殊排出口に遊技球が入球されるかに着目して遊技を楽しむことができるために遊技の興趣が向上される。
[付記A14]
前記視認制限手段(39)は、前記特殊排出口(363)に入球された遊技球を収容可能であり、前記視認状態制御手段(51)によって前記第2位置に移動された場合に収容した遊技球を排出可能であることを特徴とする付記A13に記載の遊技機。
付記A14に係る遊技機では、視認制限手段が第2位置に移動されることを契機として視認制限手段の遊技球が排出される。そのため、視認制限手段の遊技球が溢れ出ることを防止できる。
[付記A15]
前記少なくとも1つの入賞口(313〜316)は、前記特別遊技において遊技球の入球が可能な可変入賞口(316)を含み、
前記可変入賞口(316)に入球した遊技球が入球可能な位置に誘導する通常入球口(387)と、前記特殊排出口(363)とのいずれかに遊技球を振り分ける振分装置(36)をさらに備えることを特徴とする付記A13又は付記A14に記載の遊技機。
付記A15に係る遊技機では、可変入賞口への遊技球の入球が可能な特別遊技において、振分装置によって通常入球口と特殊排出口とに遊技球が振り分けられる。つまり、少なくとも特別遊技において、性能情報の視認状態を変化させる特殊排出口への遊技球の入球が可能である。そのため、特別遊技において性能情報を推測又は把握する機会が付与されるため、無機的に遊技が進行されがちな特別遊技に性能情報の推測又は把握するという楽しみを付与できる。
[付記A16]
前記複数の入賞口(313〜316)は、遊技球の入球によって前記移行判定手段(41)による前記移行判定を行う契機を付与する第1入賞口(314)を含み、
前記第1入賞口(314)は、前記遊技盤(31)の左側領域に打ち出された遊技球が入球可能であり、
前記可変入賞口(316)は、前記遊技盤(31)の右側領域に打ち出された遊技球が入球可能であり、
前記振分装置(36)は、前記右側領域に発射された遊技球を前記通常入球口(387)及び前記特殊排出口(363)のいずれかに振り分けることを特徴とする付記A15に記載の遊技機。
付記A16に係る遊技機では、遊技盤の左側領域に発射された遊技球が第1入賞口に入球可能であるため、特別遊技への移行判定を受けるためには、いわゆる左打ちを行う必要がある。一方、遊技盤の右側領域に発射された遊技球が可変入賞口に入球可能であるため、特別遊技では、いわゆる右打ちを行う必要がある。そして、遊技球の入球による性能情報の視認状態の変化が見込める特殊排出口を備える振分装置は、遊技盤の右側領域に打ち出された遊技球を特殊排出口に振分可能である。そのため、特別遊技への移行判定を受けるための遊技においては性能情報の視認状態が変化せず、特別遊技において性能情報の視認状態が変化し得る。このように、特別遊技などの右打ち時に性能情報の視認状態が変化し得るため、性能情報を推測又は把握することに興味を有する遊技者に対して、移行判定の結果が特別遊技に移行させるものとなるまで遊技を継続させるモチベーションを付与することができる。
[付記A17]
前記特殊排出口(363)は、前記通常入球口(387)に比べて入球困難であることを特徴とする付記A13から付記A16のいずれかに記載の遊技機。
[付記A18]
前記特殊排出口(363)は、前記通常入球口(387)よりも上方に設けられていることを特徴とする付記A17に記載の遊技機。
[付記A19]
前記特殊排出口(363)は、前記通常入球口(387)よりも開口面積が小さいことを特徴とする付記A17又は付記A18に記載の遊技機。
[付記A20]
前記振分装置(36)は、前記特殊排出口(363)への遊技球の入球を阻害する阻害手段(365)を有することを特徴とする付記A17から付記A19のいずれかに記載の遊技機。
[付記A21]
前記阻害手段(365)は、前記特殊排出口(363)を囲む壁部であることを特徴とする付記A20に記載の遊技機。
付記A17から付記A21に係る遊技機では、通常入球口に比べて特殊排出口への遊技球の入球が困難であるため、性能情報の把握が容易ではない。そのため、出玉性能が低い場合、例えば有利判定確率が低い場合に、有利判定確率が低いことが遊技者に容易に把握されることで、早期に遊技機10での遊技が中止されることを抑制できる。
[付記A22]
前記視認制限手段(39A)は、前記視認状態制御手段(51)による制御によって前記性能情報表示手段(37a)での前記性能情報の視認状態を変化させることを特徴とする付記A1から付記A7のいずれかに記載の遊技機。
付記A22に係る遊技機では、視認制限手段が視認状態制御手段によって制御されることで性能情報表示手段の視認状態が変化される。そのため、性能情報の視認状態を変化させるという簡易な方法によって、性能情報表示手段に表示される性能情報の一部又は全部が視認可能な状態を実現できる。
[付記A23]
前記視認制限手段(39A)は、前記視認状態制御手段(51)による制御によって遮光性が変化可能な透光性表示装置であることを特徴とする付記A22に記載の遊技機。
付記A23に係る遊技機では、透光性表示装置の遮光性が変化されることで性能情報表示手段に表示される性能情報の視認性が変化される。例えば、透光性表示装置の一部又は全部の遮光性が低くされることで、性能情報表示手段に表示される性能情報の視認性が向上される。そのため、透光性表示装置の遮光性を変化させるという簡易な方法によって、性能情報表示手段に表示される性能情報の一部又は全部が視認可能な状態を実現できる。
[付記A24]
前記視認状態制御手段(51)は、
前記特定の条件が複数回満たされる場合に、前記性能情報表示手段(37a)に表示される前記性能情報を視認不能又は視認困難な第1状態(視認レベル0)から、前記性能情報表示手段(37a)に表示される前記性能情報の全体を視認可能な第2状態(視認レベル4)に前記性能情報の視認状態を変化させ、
前記視認制限手段(39)が前記第1状態から前記第2状態とされるまでの間、前記特定の条件が満たされるたびに前記透光性表示装置(39A)における視認可能な領域を段階的に拡大させることを特徴とする付記A23に記載の遊技機。
付記A24に係る遊技機では、特定の条件が満たされるたびに透光性表示装置における透明領域が段階的に拡大されるため、性能情報表示手段に表示される性能情報の視認可能領域が徐々に拡大される。これにより、性能情報表示手段に表示される性能情報が徐々に明らかになるため、その過程において性能情報を推測して楽しむことができる。これにより、性能情報が確認できるまで遊技を継続することのモチベーションを向上させることができ、遊技の興趣が向上される。
[付記A25]
前記透光性表示装置(39A)は、所定順序で前記性能情報の一部を視認可能にする複数の領域を有し、
前記視認状態制御手段(51)は、前記特定の条件が満たされるたびに前記複数の領域のうちの1つ以上の領域において前記性能情報の一部を視認可能とすることを特徴とする付記A24に記載の遊技機。
[付記A26]
前記複数の領域は、前記透光性表示装置(39A)において離散的に配置されていることを特徴とする付記A25に記載の遊技機。
[付記A27]
前記性能情報表示手段(37a)は、複数の発光可能領域を有し、
前記複数の領域は、前記複数の発光可能領域に対応して設けられていることを特徴とする付記A25又は付記A26に記載の遊技機。
付記A25から付記A27に係る遊技機では、特定の条件が満たされるたびに透光性表示装置に複数の領域のうちの1以上の領域において性能情報の一部が視認可能とされるため、性能情報表示手段に表示される性能情報の徐々に視認可能となる。これにより、性能情報表示手段に表示される性能情報が徐々に明らかになるため、性能情報が把握可能になるまでの間、性能情報を推測して楽しむことができる。これにより、性能情報が確認できるまで遊技を継続することのモチベーションを向上させることができ、遊技の興趣が向上される。
[付記A28]
前記視認状態制御手段(51)は、前記特定の条件が満たされる場合に、前記透光性表示装置(39A)を、前記性能情報表示手段(37a)に表示される前記性能情報を視認不能又は視認困難な第1状態(視認レベル0)から、前記性能情報表示手段(37a)に表示される前記性能情報の全体を視認可能な第2状態(視認レベル4)に変化させることを特徴とする付記A22に記載の遊技機。
付記A28に係る遊技機では、特定の条件が満たされる場合に透光性表示装置が、性能情報を視認不能又は視認困難な遮光状態から、性能情報の全体を視認可能な透明状態に変化される。そのため、特定条件が満たされる場合に即座に性能情報が視認可能とされるという遊技性が付与されるため、遊技の興趣が向上される。
[付記A29]
前記視認状態制御手段(51)は、前記視認制限手段(39)が前記第1位置から移動が開始されてから所定時間経過後に前記視認制限手段(39)を前記第1位置に移動させることを特徴とする付記A22から付記A28のいずれかに記載の遊技機。
付記A29に係る遊技機では、第1位置から移動が開始されてから所定時間経過に視認制限手段が性能情報を視認不能又は視認困難な第1位置に復帰される。そのため、性能情報の一部又は全部を視認可能な位置に視認制限手段が長時間存在することを防止できるため、性能情報を推測又は把握可能な状態で長時間放置されることを防止できる。これにより、遊技を行っていない遊技者に性能情報が推測又は把握されることを抑制できる。
[付記A30]
前記性能情報表示手段(37a)は、複数の発光可能領域を有し、
前記性能情報表示手段(37a)には、前記特定の条件が満たされる場合に前記複数の発光可能領域の発光色又は点滅パターンによって前記特定性能情報が表示されることを特徴とする付記A22から付記A29のいずれかに記載の遊技機。
付記A30に係る遊技機では、性能情報表示手段の発光可能領域の発光色又は点滅パターンによって簡易に特定性能情報を明示可能である。
[付記A31]
判定条件の成立に基づいて、遊技者に有利な特別遊技が実行される特別遊技状態(大当たり遊技状態)に移行させるか否かの移行判定を行う移行判定手段(41)をさらに備え、
前記特定の条件は、
前記移行判定手段(41)によって前記移行判定が行われた回数が所定回数に達すること、
前記移行判定の結果が所定回数連続して前記特別遊技状態に移行させるものでないこと、
前記特別遊技状態に移行させるものとの前記移行判定の結果が所定回数に達すること、
遊技盤(31)の遊技領域に発射された遊技球の合計数が一定数に達すること、又は
前記遊技盤(31)の遊技領域に発射された遊技球の合計数と、前記複数の入賞口(313〜316)への遊技球の入球による合計払出玉数との差玉数が所定数を超えることを特徴とする付記A1から付記A30のいずれかに記載の遊技機。
付記A31に係る遊技機では、特定の条件が満たされる場合に性能情報表示手段に性能情報が表示されるため、遊技者は、性能情報表示手段に性能情報が表示されるタイミングを予期することが可能になる。これにより、遊技者は、性能情報が表示されるタイミングを予期しつつ、そのタイミングの到来を楽しみにして遊技を進行することが可能になるため、遊技の興趣が向上される。
[付記B1]
遊技球が流下する遊技領域が設定される遊技盤(31)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球の入球によって賞球が払い出される複数の入賞口(313〜316)と、
前記複数の入賞口(313〜316)に入球されなかった遊技球を前記遊技盤の背面側に排出する排出口(318)と、
前記複数の入賞口(313〜316)のうちの少なくとも1つの入賞口よりも前記遊技領域の上方に設けられ、遊技球を前記遊技盤の背面側に排出する特殊排出口(363)と、
出玉性能を示す指標となる性能情報(遊技設定値、単位大当たり抽選回数、ベース、連続役物比率、役物比率など)を記憶する記憶手段(412)と、
前記記憶手段(412)に記憶された前記性能情報が表示される性能情報表示手段(37a)と、
前記性能情報表示手段(37a)に前記性能情報を表示させる性能情報表示制御手段(41)と、
前記性能情報表示手段(37a)に表示される前記性能情報を視認不能又は視認困難とする視認制限手段(39,39A)と、
前記特殊排出口(363)への遊技球の入球に基づいて前記視認制限手段(39,39A)を制御し、前記性能情報表示手段(37a)に表示される前記性能情報の少なくとも一部を視認可能にする視認状態制御手段(51)と、
を備えることを特徴とする遊技機。
付記B1に係る遊技機では、特定の条件が満たされる場合に性能情報表示手段に表示される性能情報の少なくとも一部が視認可能とされる。そのため、性能情報表示手段に表示される性能情報の一部が視認可能である場合には、視認可能な部分に基づいて性能情報を推測して楽しむことができる。また、性能情報表示手段に表示される性能情報の全部が視認可能である場合には性能情報を把握することができる。そのため、性能情報を推測又は把握可能であることで遊技性が向上し、遊技を継続して行うことの動機付けを与えることができる。
また、付記B1に係る遊技機では、特殊排出口に遊技球が入球されることで性能情報の少なくとも一部を視認可能とされる。そのため、特殊排出口に遊技球が入球されるかに着目して遊技を楽しむことができるために遊技の興趣が向上される。
[付記B2]
判定条件の成立に基づいて、遊技者に有利な特別遊技が実行される特別遊技状態(大当たり遊技状態)に移行させるか否かの移行判定を行う移行判定手段(41)と、
前記移行判定手段(41)による前記移行判定において前記特別遊技状態に移行させると判定される有利判定確率を、互いに異なる複数の有利判定確率の中から設定可能な有利判定確率設定手段(41)と、
をさらに備え、
前記性能情報は、前記有利判定確率設定手段(41)によって設定される前記有利判定確率に関する情報(遊技設定値)を含むことを特徴とする付記B1に記載の遊技機。
付記B2に係る遊技機では、性能情報が遊技機の出玉性能に大きな影響を与える有利判定確率に関する情報を含む。そのため、有利判定確率に関する情報に基づいて出玉性能が評価されることで、遊技機の出玉性能がより適切に反映された指標に基づいて出玉性能を示唆することが可能になる。また、有利判定確率に関する情報の一部又は全部が性能情報表示手段に表示されることで、遊技者は有利判定確率を推測して楽しみ、また有利判定確率が把握できる場合にはその有利判定確率に基づいて当該遊技機での遊技を継続するかを判断する機会が付与される。
[付記B3]
遊技球の入球に基づいて入賞口種別に応じた一定数の遊技球の払い出しを行わせる複数の入賞口(313〜316)をさらに備え、
前記性能情報は、前記複数の入賞口(313〜316)のうちの少なくとも一つの入賞口に基づく出玉性能を示す情報を含むことを特徴とする付記B1又は付記B2に記載の遊技機。
付記B3に係る遊技機では、複数の入賞口のうちの少なくとも一つの入賞口に基づく出玉性能を示す性能情報を含む。そのため、遊技者は、入賞口に基づく出玉性能を示す性能情報の一部又は全部が性能情報表示手段に表示されることで、遊技者は、例えば遊技機の製造時の個体差や経年変化などによる遊技機間での入賞口に対する入賞性能のバラツキが反映された出玉性能を推測又は認識することが可能になる。これにより、遊技者は、入賞口に基づく出玉性能を推測して楽しみ、また入賞口に基づく出玉性能が把握できる場合にはその性能情報に基づいて遊技中の遊技機での遊技を継続するかを判断する機会が付与される。
[付記B4]
前記複数の入賞口(313〜316)は、遊技球の入球によって前記移行判定手段(41)による前記移行判定を行う契機を与える第1入賞口(314)を含み、
差玉数が所定玉数のマイナスに達するまで、又は遊技盤(31)への遊技球の発射玉数が特定玉数に達するまでに、前記第1入賞口(314)への遊技球の入球を契機として前記移行判定手段(41)によって前記移行判定を行った単位判定回数を演算する単位判定回数演算手段(41)をさらに備え、
前記性能情報は、前記単位判定回数演算手段(41)によって演算される前記単位判定回数に関する情報を含むことを特徴とする付記B3に記載の遊技機。
付記B4に係る遊技機では、性能情報が単位判定回数に関する性能情報を含む。ここで、単位判定回数は、差玉数が所定玉数のマイナスに達するまで又は遊技球の発射玉数が特定玉数に達するまでに、第1入賞口への遊技球の入球を契機として移行判定が行われる回数である。つまり、単位判定回数は、通常遊技状態(低確率モードで高頻度サポートモードではない状態)での移行判定の受け易さを示す指標である。そのため、遊技者は、単位判定回数に関する情報の一部又は全部が表示されることで、単位判定回数に関する情報を推測又は認識可能であるため、移行判定の受け易さを知り得ることが可能になる。これにより、遊技者は、単位判定回数を推測して楽しみ、また単位判定回数が把握できる場合にはその単位判定回数に基づいて遊技中の遊技機での遊技を継続するかを判断する機会が付与される。
[付記B5]
前記複数の入賞口(313〜316)は、遊技球の入球に基づいて所定数の遊技球の払い出しを行わせ、遊技球の入球によって前記移行判定手段(41)による前記移行判定を行う契機を与える第1入賞口(314)と、遊技球の入球に基づいて特定数の遊技球の払い出しを行わせ、前記第1入賞口とは機能が異なる一般入賞口(313)と、を含み、
遊技盤(31)への遊技球の発射玉数に対する、前記第1入賞口(314)への遊技球の入球に対する遊技球の払出玉数と前記一般入賞口(313)への遊技球の入球に対する遊技球の払出玉数との合算払出玉数の比率である出玉率(ベース)を演算する出玉率演算手段(41)をさらに備え、
前記性能情報は、前記出玉率演算手段(41)によって演算される前記出玉率に関する情報を含むことを特徴とする付記B3に記載の遊技機。
付記B5に係る遊技機では、性能情報が出玉率に関する情報を含む。ここで、出玉率は、発射玉数に対する第1入賞口と一般入賞口との合算払出玉数の比率である。つまり、出玉率は、第1入賞口及び一般入賞口への入賞のし易さを示す指標である。そのため、遊技者は、性能情報が出玉率に関する情報の一部又は全部が表示されることで、出玉率を推測又は認識可能であるため、第1入賞口及び一般入賞口への入賞のし易さを知り得ることが可能になる。これにより、遊技者は、出玉率を推測して楽しみ、また出玉率が把握できる場合にはその出玉率に基づいて遊技中の遊技機での遊技を継続するかを判断する機会が付与される。
[付記B6]
前記複数の入賞口(313〜316)は、前記特別遊技状態において遊技球の入球が可能な可変入賞口(316)を含み、
前記複数の入賞口(313〜316)への遊技球の入球に対する遊技球の払出玉数の合算数である総払出玉数において、前記可変入賞口(316)への遊技球の入球に対する払出玉数が占める比率である連続役物比率を演算する連続役物比率演算手段(41)をさらに備え、
前記性能情報は、前記連続役物比率演算手段(41)によって演算される前記連続役物比率に関する情報を含むことを特徴とする付記B3に記載の遊技機。
付記B6に係る遊技機では、性能情報が連続役物比率に関する情報を含む。ここで、連続役物比率は、複数の入賞口への遊技球の入球に対する遊技球の払出玉数の合算数である総払出玉数において、可変入賞口への遊技球の入球に対する払出玉数が占める比率である。つまり、連続役物比率は、移行判定の結果が特別遊技に移行させるものとなる頻度(特別遊技状態の滞在比率)、及び可変入賞口への入賞のし易さ(特別遊技状態での出玉率)を示す指標である。そのため、遊技者は、連続役物比率に関する情報の一部又は全部が表示されることで、連続役物比率を推測又は認識可能であるため、移行判定の結果が特別遊技に移行させるものとなる頻度(特別遊技状態の滞在比率)、及び可変入賞口への入賞のし易さを知り得ることが可能になる。これにより、遊技者は、連続役物比率を推測して楽しみ、また連続役物比率が把握できる場合にはその連続役物比率に基づいて遊技中の遊技機での遊技を継続するかを判断する機会が付与される。
[付記B7]
前記複数の入賞口(313〜316)は、遊技球の入球によって前記移行判定手段(41)による前記移行判定を行う契機を与える第1入賞口(314)と、電動役物のサポートによって遊技球が入球可能であり、遊技球の入球によって前記移行判定手段(41)による前記移行判定を行う契機を与える第2入賞口(315)と、前記特別遊技状態において遊技球の入球が可能な可変入賞口(316)と、を含み、
前記複数の入賞口(313〜316)への遊技球の入球に対する遊技球の払出玉数の合算数である総払出玉数において、前記可変入賞口(316)への遊技球の入球に対する払出玉数と、前記第2入賞口(315)への遊技球の入球に対する払出玉数との合算払出玉数が占める比率である役物比率を演算する役物比率演算手段(41)と、
をさらに備え、
前記性能情報は、前記役物比率演算手段(41)によって演算される前記役物比率に関する情報を含むことを特徴とする付記B3に記載の遊技機。
付記B7に係る遊技機では、性能情報が役物比率に関する情報を含む。ここで、役物比率は、複数の入賞口への遊技球の入球に対する遊技球の払出玉数の合算数である総払出玉数において、可変入賞口及び第2入賞口への遊技球の入球に対する払出玉数が占める比率である。つまり、役物比率は、移行判定の結果が特別遊技に移行させるものとなる頻度(特別遊技状態の滞在比率)、電動役物のサポートを受けるサポート遊技状態(時短遊技状態)の滞在比率、及び可変入賞口及び第2入賞口への入賞のし易さ(特別遊技状態での出玉率)を示す指標である。そのため、遊技者は、役物比率に関する情報の一部又は全部が表示されることで、役物比率を推測又は認識可能であるため、移行判定の結果が特別遊技に移行させるものとなる頻度(特別遊技状態の滞在比率)、電動役物のサポートを受けるサポート遊技状態(時短遊技状態)の滞在比率、及び可変入賞口及び第2入賞口への入賞のし易さ(特別遊技状態での出玉率)を知り得ることが可能になる。これにより、遊技者は、役物比率を推測して楽しみ、また役物比率が把握できる場合にはその役物比率に基づいて遊技中の遊技機での遊技を継続するかを判断する機会が付与される。
[付記B8]
前記少なくとも1つの入賞口(313〜316)は、前記特別遊技において遊技球の入球が可能な可変入賞口(316)を含み、
前記可変入賞口(316)に遊技球が入球可能な位置に誘導する通常入球口(387)と、前記特殊排出口(363)とのいずれかに遊技球を振り分ける振分装置(36)をさらに備えることを特徴とする付記B1から付記B7に記載の遊技機。
付記B8に係る遊技機では、可変入賞口への遊技球の入球が可能な特別遊技において、振分装置によって通常入球口と特殊排出口とに遊技球が振り分けられる。つまり、少なくとも特別遊技において、性能情報の視認状態を変化させる特殊排出口への遊技球の入球が可能である。そのため、特別遊技において性能情報を推測又は把握する機会が付与されるため、無機的に遊技が進行されがちな特別遊技に性能情報の推測又は把握するという楽しみを付与できる。
[付記B9]
判定条件の成立に基づいて、遊技者に有利な特別遊技が実行される特別遊技状態(大当たり遊技状態)に移行させるか否かの移行判定を行う移行判定手段(41)をさらに備え、
前記複数の入賞口(313〜316)は、遊技球の入球によって前記移行判定手段(41)による前記移行判定を行う契機を付与する第1入賞口(314)を含み、
前記第1入賞口(314)は、前記遊技盤(31)の左側領域に打ち出された遊技球が入球可能であり、
前記可変入賞口(316)は、前記遊技盤(31)の右側領域に打ち出された遊技球が入球可能であり、
前記振分装置(36)は、前記右側領域に発射された遊技球を前記通常入球口(387)及び前記特殊排出口(363)のいずれかに振り分けることを特徴とする付記B8に記載の遊技機。
付記B9に係る遊技機では、遊技盤の左側領域に発射された遊技球が第1入賞口に入球可能であるため、特別遊技への移行判定を受けるためには、いわゆる左打ちを行う必要がある。一方、遊技盤の右側領域に発射された遊技球が可変入賞口に入球可能であるため、特別遊技では、いわゆる右打ちを行う必要がある。そして、遊技球の入球による性能情報の視認状態の変化が見込める特殊排出口を備える振分装置は、遊技盤の右側領域に打ち出された遊技球を特殊排出口に振分可能である。そのため、特別遊技への移行判定を受けるための遊技においては性能情報の視認状態が変化せず、特別遊技において性能情報の視認状態が変化し得る。このように、特別遊技などの右打ち時に性能情報の視認状態が変化し得るため、性能情報を推測又は把握することに興味を有する遊技者に対して、移行判定の結果が特別遊技に移行させるものとなるまで遊技を継続させるモチベーションを付与することができる。
[付記B10]
前記特殊排出口(363)は、前記通常入球口(387)に比べて入球困難であることを特徴とする付記B8又は付記B9に記載の遊技機。
[付記B11]
前記特殊排出口(363)は、前記通常入球口(387)よりも上方に設けられていることを特徴とする付記B10に記載の遊技機。
[付記B12]
前記特殊排出口(363)は、前記通常入球口(387)よりも開口面積が小さいことを特徴とする付記B10又は付記B11に記載の遊技機。
[付記B13]
前記振分装置(36)は、前記特殊排出口(363)への遊技球の入球を阻害する阻害手段(365)を有することを特徴とする付記B10から付記B12のいずれかに記載の遊技機。
[付記B14]
前記阻害手段(365)は、前記特殊排出口(363)を囲む壁部であることを特徴とする付記B13に記載の遊技機。
付記B10から付記B14に係る遊技機では、通常入球口に比べて特殊排出口への遊技球の入球が困難であるため、性能情報の把握が容易ではない。そのため、例えば有利判定確率が低い場合に、有利判定確率が低いことが遊技者に容易に把握されることで、早期に遊技機10での遊技が中止されることを抑制できる。
[付記C1]
出玉性能を示す指標となる性能情報(遊技設定値、単位大当たり抽選回数、ベース、連続役物比率、役物比率など)を記憶する記憶手段(412)と、
前記記憶手段(412)に記憶された前記性能情報が表示される性能情報表示手段(37a)と、
前記性能情報表示手段(37a)に前記性能情報を表示させる性能情報表示制御手段(41)と、
前記性能情報表示手段(37a)に表示される前記性能情報を視認不能又は視認困難とする視認制限手段(39,39A)と、
特定の条件が満たされる場合に前記視認制限手段(39,39A)を制御し、前記性能情報表示手段(37a)に表示される前記性能情報の少なくとも一部を視認可能にする視認状態制御手段(51)と、
を備え、
前記視認制限手段(39A)は、前記視認状態制御手段(51)による制御によって前記性能情報表示手段(37a)での前記性能情報の視認状態を変化させることを特徴とする遊技機。
付記C1に係る遊技機では、特定の条件が満たされる場合に性能情報表示手段に表示される性能情報の少なくとも一部が視認可能とされる。そのため、性能情報表示手段に表示される性能情報の一部が視認可能である場合には、視認可能な部分に基づいて遊技中の遊技機の出玉性能を推測して楽しむことができる。また、性能情報表示手段に表示される性能情報の全部が視認可能である場合には遊技中の遊技機の出玉性能を把握することができる。そのため、遊技中の遊技機の出玉性能を推測又は把握可能であることで遊技性が向上し、遊技を継続して行うことの動機付けを与えることができる。
また、付記C1に係る遊技機では、視認制限手段が視認状態制御手段によって制御されることで性能情報表示手段の視認状態が変化される。そのため、性能情報の視認状態を変化させるという簡易な方法によって、性能情報表示手段に表示される性能情報の一部又は全部が視認可能な状態を実現できる。
[付記C2]
前記視認状態制御手段(51)は、
前記特定の条件が複数回満たされる場合に、前記性能情報表示手段(37a)に表示される前記性能情報を視認不能又は視認困難な第1状態(視認レベル0)から、前記性能情報表示手段(37a)に表示される前記性能情報の全体を視認可能な第2状態(視認レベル4)に前記性能情報の視認状態を変化させ、
前記視認制限手段(39)が前記第1状態から前記第2状態とされるまでの間、前記特定の条件が満たされるたびに前記透光性表示装置(39A)における視認可能な領域を段階的に拡大させることを特徴とする付記C1に記載の遊技機。
付記C2に係る遊技機では、特定の条件が満たされるたびに透光性表示装置における透明領域が段階的に拡大されるため、性能情報表示手段に表示される性能情報の視認可能領域が徐々に拡大される。これにより、性能情報表示手段に表示される性能情報が徐々に明らかになるため、その過程において性能情報を推測して楽しむことができる。これにより、性能情報が確認できるまで遊技を継続することのモチベーションを向上させることができ、遊技の興趣が向上される。
[付記C3]
前記視認制限手段(39A)は、前記視認状態制御手段(51)による制御によって遮光性が変化可能な透光性表示装置であることを特徴とする付記C1又は付記C2に記載の遊技機。
付記C3に係る遊技機では、透光性表示装置の遮光性が変化されることで性能情報表示手段に表示される性能情報の視認性が変化される。例えば、透光性表示装置の一部又は全部の遮光性が低くされることで、性能情報表示手段に表示される性能情報の視認性が向上される。そのため、透光性表示装置の遮光性を変化させるという簡易な方法によって、性能情報表示手段に表示される性能情報の一部又は全部が視認可能な状態を実現できる。
[付記C4]
前記透光性表示装置(39A)は、所定順序で前記性能情報の一部を視認可能にする複数の領域を有し、
前記視認状態制御手段(51)は、前記特定の条件が満たされるたびに前記複数の領域のうちの1つ以上の領域において前記性能情報の一部を視認可能とすることを特徴とする付記C3に記載の遊技機。
[付記C5]
前記複数の領域は、前記透光性表示装置(39A)において離散的に配置されていることを特徴とする付記C4に記載の遊技機。
[付記C6]
前記性能情報表示手段(37a)は、複数の発光可能領域を有し、
前記複数の領域は、前記複数の発光可能領域に対応して設けられていることを特徴とする付記C4又は付記C5に記載の遊技機。
付記C4から付記C6に係る遊技機では、特定の条件が満たされるたびに透光性表示装置に複数の領域のうちの1以上の領域において性能情報の一部が視認可能とされるため、性能情報表示手段に表示される性能情報の徐々に視認可能となる。これにより、性能情報表示手段に表示される性能情報が徐々に明らかになるため、性能情報が把握可能になるまでの間、性能情報を推測して楽しむことができる。これにより、性能情報が確認できるまで遊技を継続することのモチベーションを向上させることができ、遊技の興趣が向上される。
[付記C7]
前記視認状態制御手段(51)は、前記特定の条件が満たされる場合に、前記透光性表示装置(39A)を、前記性能情報表示手段(37a)に表示される前記性能情報を視認不能又は視認困難な第1状態(視認レベル0)から、前記性能情報表示手段(37a)に表示される前記性能情報の全体を視認可能な第2状態(視認レベル4)に変化させることを特徴とする付記C1に記載の遊技機。
付記C7に係る遊技機では、特定の条件が満たされる場合に透光性表示装置が、性能情報を視認不能又は視認困難な遮光状態から、性能情報の全体を視認可能な透明状態に変化される。そのため、特定条件が満たされる場合に即座に性能情報が視認可能とされるという遊技性が付与されるため、遊技の興趣が向上される。
[付記C8]
前記視認状態制御手段(51)は、前記視認制限手段(39)が前記第1位置から移動が開始されてから所定時間経過後に前記視認制限手段(39)を前記第1位置に移動させることを特徴とする付記C1から付記C7のいずれかに記載の遊技機。
付記C8に係る遊技機では、第1位置から移動が開始されてから所定時間経過に視認制限手段が性能情報を視認不能又は視認困難な第1位置に復帰される。そのため、性能情報の一部又は全部を視認可能な位置に視認制限手段が長時間存在することを防止できるため、性能情報を推測又は把握可能な状態で長時間放置されることを防止できる。これにより、遊技を行っていない遊技者に性能情報が推測又は把握されることを抑制できる。
[付記C9]
前記性能情報表示手段(37a)は、複数の発光可能領域を有し、
前記性能情報表示手段(37a)には、前記特定の条件が満たされる場合に前記複数の発光可能領域の発光色又は点滅パターンによって前記特定性能情報が表示されることを特徴とする付記C1から付記C8のいずれかに記載の遊技機。
付記C9に係る遊技機では、性能情報表示手段の発光可能領域の発光色又は点滅パターンによって簡易に特定性能情報を明示可能である。
[付記C10]
判定条件の成立に基づいて、遊技者に有利な特別遊技が実行される特別遊技状態(大当たり遊技状態)に移行させるか否かの移行判定を行う移行判定手段(41)と、
前記移行判定手段(41)による前記移行判定において前記特別遊技状態に移行させると判定される有利判定確率を、互いに異なる複数の有利判定確率の中から設定可能な有利判定確率設定手段(41)と、
をさらに備え、
前記性能情報は、前記有利判定確率設定手段(41)によって設定される前記有利判定確率に関する情報(遊技設定値)を含むことを特徴とする付記C1から付記C9のいずれかに記載の遊技機。
付記C10に係る遊技機では、性能情報が遊技機の出玉性能に大きな影響を与える有利判定確率に関する情報を含む。そのため、有利判定確率に関する情報に基づいて出玉性能が評価されることで、遊技機の出玉性能がより適切に反映された指標に基づいて出玉性能を示唆することが可能になる。また、有利判定確率に関する情報の一部又は全部が性能情報表示手段に表示されることで、遊技者は有利判定確率を推測して楽しみ、また有利判定確率が把握できる場合にはその有利判定確率に基づいて当該遊技機での遊技を継続するかを判断する機会が付与される。
[付記C11]
遊技球の入球に基づいて入賞口種別に応じた一定数の遊技球の払い出しを行わせる複数の入賞口(313〜316)をさらに備え、
前記性能情報は、前記複数の入賞口(313〜316)のうちの少なくとも一つの入賞口に基づく出玉性能を示す情報を含むことを特徴とする付記C1から付記C10のいずれかに記載の遊技機。
付記C11に係る遊技機では、複数の入賞口のうちの少なくとも一つの入賞口に基づく出玉性能を示す性能情報を含む。そのため、遊技者は、入賞口に基づく出玉性能を示す性能情報の一部又は全部が性能情報表示手段に表示されることで、遊技者は、例えば遊技機の製造時の個体差や経年変化などによる遊技機間での入賞口に対する入賞性能のバラツキが反映された出玉性能を推測又は認識することが可能になる。これにより、遊技者は、入賞口に基づく出玉性能を推測して楽しみ、また入賞口に基づく出玉性能が把握できる場合にはその性能情報に基づいて遊技中の遊技機での遊技を継続するかを判断する機会が付与される。
[付記C12]
前記複数の入賞口(313〜316)は、遊技球の入球によって前記移行判定手段(41)による前記移行判定を行う契機を与える第1入賞口(314)を含み、
差玉数が所定玉数のマイナスに達するまで、又は遊技盤(31)への遊技球の発射玉数が特定玉数に達するまでに、前記第1入賞口(314)への遊技球の入球を契機として前記移行判定手段(41)によって前記移行判定を行った単位判定回数を演算する単位判定回数演算手段(41)をさらに備え、
前記性能情報は、前記単位判定回数演算手段(41)によって演算される前記単位判定回数に関する情報を含むことを特徴とする付記C11に記載の遊技機。
付記C12に係る遊技機では、性能情報が単位判定回数に関する性能情報を含む。ここで、単位判定回数は、差玉数が所定玉数のマイナスに達するまで又は遊技球の発射玉数が特定玉数に達するまでに、第1入賞口への遊技球の入球を契機として移行判定が行われる回数である。つまり、単位判定回数は、通常遊技状態(低確率モードで時短モードではない状態)での移行判定の受け易さを示す指標である。そのため、遊技者は、単位判定回数に関する情報の一部又は全部が表示されることで、単位判定回数に関する情報を推測又は認識可能であるため、移行判定の受け易さを知り得ることが可能になる。これにより、遊技者は、単位判定回数を推測して楽しみ、また単位判定回数が把握できる場合にはその単位判定回数に基づいて遊技中の遊技機での遊技を継続するかを判断する機会が付与される。
[付記C13]
前記複数の入賞口(313〜316)は、遊技球の入球に基づいて所定数の遊技球の払い出しを行わせ、遊技球の入球によって前記移行判定手段(41)による前記移行判定を行う契機を与える第1入賞口(314)と、遊技球の入球に基づいて特定数の遊技球の払い出しを行わせ、前記第1入賞口とは機能が異なる一般入賞口(313)と、を含み、
遊技盤(31)への遊技球の発射玉数に対する、前記第1入賞口(314)への遊技球の入球に対する遊技球の払出玉数と前記一般入賞口(313)への遊技球の入球に対する遊技球の払出玉数との合算払出玉数の比率である出玉率(ベース)を演算する出玉率演算手段(41)をさらに備え、
前記性能情報は、前記出玉率演算手段(41)によって演算される前記出玉率に関する情報を含むことを特徴とする付記C11に記載の遊技機。
付記C13に係る遊技機では、性能情報が出玉率に関する情報を含む。ここで、出玉率は、発射玉数に対する第1入賞口と一般入賞口との合算払出玉数の比率である。つまり、出玉率は、第1入賞口及び一般入賞口への入賞のし易さを示す指標である。そのため、遊技者は、性能情報が出玉率に関する情報の一部又は全部が表示されることで、出玉率を推測又は認識可能であるため、第1入賞口及び一般入賞口への入賞のし易さを知り得ることが可能になる。これにより、遊技者は、出玉率を推測して楽しみ、また出玉率が把握できる場合にはその出玉率に基づいて遊技中の遊技機での遊技を継続するかを判断する機会が付与される。
[付記C14]
前記複数の入賞口(313〜316)は、前記特別遊技状態において遊技球の入球が可能な可変入賞口(316)を含み、
前記複数の入賞口(313〜316)への遊技球の入球に対する遊技球の払出玉数の合算数である総払出玉数において、前記可変入賞口(316)への遊技球の入球に対する払出玉数が占める比率である連続役物比率を演算する連続役物比率演算手段(41)をさらに備え、
前記性能情報は、前記連続役物比率演算手段(41)によって演算される前記連続役物比率に関する情報を含むことを特徴とする付記C11に記載の遊技機。
付記C14に係る遊技機では、性能情報が連続役物比率に関する情報を含む。ここで、連続役物比率は、複数の入賞口への遊技球の入球に対する遊技球の払出玉数の合算数である総払出玉数において、可変入賞口への遊技球の入球に対する払出玉数が占める比率である。つまり、連続役物比率は、移行判定の結果が特別遊技に移行させるものとなる頻度(特別遊技状態の滞在比率)、及び可変入賞口への入賞のし易さ(特別遊技状態での出玉率)を示す指標である。そのため、遊技者は、連続役物比率に関する情報の一部又は全部が表示されることで、連続役物比率を推測又は認識可能であるため、移行判定の結果が特別遊技に移行させるものとなる頻度(特別遊技状態の滞在比率)、及び可変入賞口への入賞のし易さを知り得ることが可能になる。これにより、遊技者は、連続役物比率を推測して楽しみ、また連続役物比率が把握できる場合にはその連続役物比率に基づいて遊技中の遊技機での遊技を継続するかを判断する機会が付与される。
[付記C15]
前記複数の入賞口(313〜316)は、遊技球の入球によって前記移行判定手段(41)による前記移行判定を行う契機を与える第1入賞口(314)と、電動役物のサポートによって遊技球が入球可能であり、遊技球の入球によって前記移行判定手段(41)による前記移行判定を行う契機を与える第2入賞口(315)と、前記特別遊技状態において遊技球の入球が可能な可変入賞口(316)と、を含み、
前記複数の入賞口(313〜316)への遊技球の入球に対する遊技球の払出玉数の合算数である総払出玉数において、前記可変入賞口(316)への遊技球の入球に対する払出玉数と、前記第2入賞口(315)への遊技球の入球に対する払出玉数との合算払出玉数が占める比率である役物比率を演算する役物比率演算手段(41)と、
をさらに備え、
前記性能情報は、前記役物比率演算手段(41)によって演算される前記役物比率に関する情報を含むことを特徴とする付記C11に記載の遊技機。
付記C15に係る遊技機では、性能情報が役物比率に関する情報を含む。ここで、役物比率は、複数の入賞口への遊技球の入球に対する遊技球の払出玉数の合算数である総払出玉数において、可変入賞口及び第2入賞口への遊技球の入球に対する払出玉数が占める比率である。つまり、役物比率は、移行判定の結果が特別遊技に移行させるものとなる頻度(特別遊技状態の滞在比率)、電動役物のサポートを受けるサポート遊技状態(時短遊技状態)の滞在比率、及び可変入賞口及び第2入賞口への入賞のし易さ(特別遊技状態での出玉率)を示す指標である。そのため、遊技者は、役物比率に関する情報の一部又は全部が表示されることで、役物比率を推測又は認識可能であるため、移行判定の結果が特別遊技に移行させるものとなる頻度(特別遊技状態の滞在比率)、電動役物のサポートを受けるサポート遊技状態(時短遊技状態)の滞在比率、及び可変入賞口及び第2入賞口への入賞のし易さ(特別遊技状態での出玉率)を知り得ることが可能になる。これにより、遊技者は、役物比率を推測して楽しみ、また役物比率が把握できる場合にはその役物比率に基づいて遊技中の遊技機での遊技を継続するかを判断する機会が付与される。
[付記D1]
出玉性能を示す指標となる性能情報(遊技設定値、単位大当たり抽選回数、ベース、連続役物比率、役物比率など)を記憶する記憶手段(412)と、
前記記憶手段(412)に記憶された前記性能情報が表示される性能情報表示手段(37a)と、
前記性能情報表示手段(37a)に前記性能情報を表示させる性能情報表示制御手段(41)と、
前記性能情報表示手段(37a)に表示される前記性能情報を視認不能又は視認困難とする視認制限手段(39)と、
特定の条件が満たされる場合に前記視認制限手段(39)を制御し、前記性能情報表示手段(37a)に表示される前記性能情報の少なくとも一部を視認可能にする視認状態制御手段(51)と、
前記性能情報表示手段(37a)に表示される前記性能情報の視認状態が、目的とする前記性能情報の視認状態となっているかを判断する異常判断手段(51)と、
を備えることを特徴とする遊技機。
[付記D2]
前記異常判断手段(51)によって前記性能情報の視認状態に異常が発生していると判断される場合に、前記異常に対する対応処理を実行する対応処理実行手段(51)をさらに備えることを特徴とする付記D2に記載の遊技機。
付記D1及び付記D2に係る遊技機では、性能情報表示手段に表示される性能情報の視認状態が、目的とする性能情報の視認状態となっているかを判断することができる。これにより、性能情報の視認状態が目的とするものと異なっている場合に対応が可能になる。
[付記D3]
前記視認制限手段(39A)は、前記視認状態制御手段(51)による制御によって視認性が変化可能あり、前記視認制限手段(39)とは異なる強制視認制限手段(39A)と、
前記強制視認制限手段(39A)での視認性を制御する強制視認状態制御手段(51)と、
をさらに備え、
前記視認制限手段(39)は、前記性能情報表示手段(37a)に表示される前記性能情報を視認不能又は視認困難な第1位置(上限位置)と、前記性能情報表示手段(37a)に表示される前記性能情報の全体を視認可能な第2位置(下限位置)との間で移動可能であり、
前記異常判断手段(51)は、前記視認制限手段(39)が前記第2位置に移動不能であることを判断可能であり、
前記対応処理実行手段(51)は、前記異常判定手段(51)によって前記視認制限手段(39)が前記第2位置に移動不能であると判断される場合に、前記性能情報表示手段(37a)での前記性能情報の視認不能又は困難となるように前記強制視認制限手段(39A)を制御することを特徴とする付記D2に記載の遊技機。
付記D3に係る遊技機では、性能情報表示手段での前記性能情報の視認不能又は困難な第2位置に視認制限手段が移動不能である場合に、強制視認制限手段によって性能情報表示手段での性能情報の視認不能又は困難とすることができる。これにより、性能情報表示手段での性能情報の一部又は全部が視認可能である状態が維持されることを防止できる。そのため、特定の条件を満たしていないにも関わらず、性能情報表示手段での性能情報の一部又は全部が視認可能となって遊技者に性能情報が推測又は認識されてしまうことを防止できる。
[付記D4]
前記強制視認制限手段(39A)は、前記強制視認状態制御手段(51)による制御によって可視光透過率が変化可能であることを特徴とする付記D3に記載の遊技機。
付記D4に係る遊技機では、強制視認状態制御手段の可視光透過率を変化させることで性能情報表示手段での性能情報の視認性を変化させることができる。これにより、簡易な構成及び制御によって、性能情報表示手段での性能情報の一部又は全部が視認可能である状態が維持されることを防止できる。
[付記D5]
前記強制視認制限手段(39A)は、前記強制視認状態制御手段(51)による制御によって前記性能情報表示手段(37a)を覆う位置に移動可能であることを特徴とする付記D3に記載の遊技機。
付記D5に係る遊技機では、強制視認状態制御手段によって性能情報表示手段が覆われる位置に移動させることで性能情報表示手段での性能情報の視認性を変化させることができる。これにより、簡易な構成及び制御によって、性能情報表示手段での性能情報の一部又は全部が視認可能である状態が維持されることを防止できる。
[付記D6]
前記強制視認制限手段(39A)は、前記強制視認状態制御手段(51)により制御される光源と、前記光源から出射される光が入射され、当該入射光を拡散又は導光可能な光学部材と、を備えることを特徴とする付記D3に記載の遊技機。
付記D6に係る遊技機では、光源を点灯又は消灯させることで性能情報表示手段での性能情報の視認性を変化させることができる。これにより、簡易な構成及び制御によって、性能情報表示手段での性能情報の一部又は全部が視認可能である状態が維持されることを防止できる。
[付記D7]
前記強制視認状態制御手段(51)は、前記異常判断手段(51)によって前記性能情報の視認状態に異常が発生していると判断される場合に、前記特定の条件が満たされる場合に前記強制視認制限手段(39A)を制御し、前記性能情報表示手段(37a)に表示される前記性能情報の少なくとも一部を視認可能にすることを特徴とする付記D3から付記D6のいずれかに記載の遊技機。
付記D7に係る遊技機では、性能情報の視認状態に異常が発生している場合に強制視認制限手段が制御されることで、性能情報表示手段に表示される性能情報の少なくとも一部を視認可能とされる。つまり、視認制限手段の駆動異常などの発生時には、視認制限手段に代えて強制視認制限手段によって性能情報の視認性が変化される。これにより、視認制限手段によって性能情報の視認性を変化させることができない場合であっても、強制視認制限手段によって性能情報の視認性が変化させることができる。
[付記D8]
前記視認制限手段(39)は、前記性能情報表示手段(37a)に表示される前記性能情報を視認不能又は視認困難な第1位置(上限位置)と、前記性能情報表示手段(37a)に表示される前記性能情報の全体を視認可能な第2位置(下限位置)との間で移動可能であり、
前記性能情報表示手段(37a)は、少なくとも前記視認制限手段(39)が前記第2位置にある場合に前記視認制限手段(39)に隠れる位置に移動可能であり、
前記異常判断手段(51)は、前記視認制限手段(39)が前記第2位置に移動不能であることを判断可能であり、
前記対応処理実行手段(51)は、前記異常判定手段(51)によって前記視認制限手段(39)が前記第2位置に移動不能であると判断される場合に、前記性能情報表示手段(37a)を前記視認制限手段(39)に隠れる位置に移動させることを特徴とする付記D3に記載の遊技機。
付記D8に係る遊技機では、性能情報表示手段を移動させることで性能情報表示手段での性能情報の視認性を変化させることができる。これにより、簡易な構成及び制御によって、性能情報表示手段での性能情報の一部又は全部が視認可能である状態が維持されることを防止できる。
[付記D9]
前記異常判断手段(51)は、前記視認制限手段(39A)が前記第2位置にあることを検知可能な検知手段(40A)を含み、
前記異常判断手段(51)は、前記視認状態制御手段(51)によって前記視認制限手段(39)を前記第2位置に移動させる制御がされた場合に前記検知手段(40A)によって前記視認制限手段(39A)が前記第2位置にあることが検知されない場合、前記視認制限手段(39)が前記第2位置に移動不能であると判断することを特徴とする付記D3から付記D8のいずれかに記載の遊技機。
付記D9に係る遊技機では、検知手段によって視認制限手段が第2位置に移動不能であるかを判断できる。これにより、簡易な構成及び制御によって視認制限手段に異常があるかを検知できる。
[付記D10]
前記異常判断手段(51)は、当該遊技機の主電源がオンにされてから遊技開始が可能になるまでの間に、前記視認制限手段(39)に異常が発生していないかを判断することを特徴とする付記D1から付記D9のいずれかに記載の遊技機。
付記D10に係る遊技機では、当該遊技機の主電源がオンにされてから遊技開始が可能になるまでの間に、視認制限手段に異常が発生していないかが判断される。これにより、視認制限手段に異常が発生している状態で遊技開始が可能な状態とされることを防止できる。また、視認制限手段に異常が発生している場合に異常に対する対応が可能になる。
[付記D11]
前記異常判断手段(51)は、遊技開始が可能とされてから、前記視認制限手段(39)に異常が発生していないかを判断することを特徴とする付記D1から付記D10のいずれかに記載の遊技機。
付記D11に係る遊技機では、遊技開始とされてから視認制限手段に異常が発生していないかが判断される。これにより、遊技開始が可能とされた後に視認制限手段に異常が発生した場合であっても視認制限手段の異常を発見でき、異常に対する対応が可能になる。
[付記D12]
前記異常判断手段(51)が前記性能情報表示手段(37a)に表示される前記性能情報の視認状態が、目的とする前記性能情報の視認状態となっていないと判断した場合に異常が発生していることを報知する報知手段(341,26)をさらに備えることを特徴とする付記D1から付記D11のいずれかに記載の遊技機。
付記D12に係る遊技機では、性能情報の視認状態が目的とするものでない場合に異常が発生していることが報知される。これにより、遊技ホール側は、視認制限手段に異常が発生していることを知り得ることができ、異常に対する対応が可能になる。
[付記D13]
前記異常判断手段(51)が前記性能情報表示手段(37a)に表示される前記性能情報の視認状態が、目的とする前記性能情報の視認状態となっていないと判断した場合に、遊技の実行を可能とするかを選択可能とする選択手段(341,20)をさらに備えることを特徴とする付記D1から付記D12のいずれかに記載の遊技機。
付記D13に係る遊技機では、性能情報の視認状態が目的とするものでない場合に遊技の実行を可能とするかが選択可能とされる。これにより、視認制限手段以外の異常がなく、遊技を実行することに問題が無い場合には、遊技機を遊技者に使用させるか否かの判断を遊技ホール側に委ねることが可能になる。
[付記D14]
判定条件の成立に基づいて、遊技者に有利な特別遊技が実行される特別遊技状態(大当たり遊技状態)に移行させるか否かの移行判定を行う移行判定手段(41)と、
前記移行判定手段(41)による前記移行判定において前記特別遊技状態に移行させると判定される有利判定確率を、互いに異なる複数の有利判定確率の中から設定可能な有利判定確率設定手段(41)と、
をさらに備え、
前記性能情報は、前記有利判定確率設定手段(41)によって設定される前記有利判定確率に関する情報(遊技設定値)を含むことを特徴とする付記D1から付記D13に記載の遊技機。
付記D14に係る遊技機では、性能情報が遊技機の出玉性能に大きな影響を与える有利判定確率に関する情報を含む。そのため、有利判定確率に関する情報に基づいて出玉性能が評価されることで、遊技機の出玉性能がより適切に反映された指標に基づいて出玉性能を示唆することが可能になる。また、有利判定確率に関する情報の一部又は全部が性能情報表示手段に表示されることで、遊技者は有利判定確率を推測して楽しみ、また有利判定確率が把握できる場合にはその有利判定確率に基づいて当該遊技機での遊技を継続するかを判断する機会が付与される。
[付記D15]
遊技球の入球に基づいて入賞口種別に応じた一定数の遊技球の払い出しを行わせる複数の入賞口(313〜316)をさらに備え、
前記性能情報は、前記複数の入賞口(313〜316)のうちの少なくとも一つの入賞口に基づく出玉性能を示す情報を含むことを特徴とする付記D1から付記D14のいずれかに記載の遊技機。
付記D15に係る遊技機では、複数の入賞口のうちの少なくとも一つの入賞口に基づく出玉性能を示す性能情報を含む。そのため、遊技者は、入賞口に基づく出玉性能を示す性能情報の一部又は全部が性能情報表示手段に表示されることで、遊技者は、例えば遊技機の製造時の個体差や経年変化などによる遊技機間での入賞口に対する入賞性能のバラツキが反映された出玉性能を推測又は認識することが可能になる。これにより、遊技者は、入賞口に基づく出玉性能を推測して楽しみ、また入賞口に基づく出玉性能が把握できる場合にはその性能情報に基づいて遊技中の遊技機での遊技を継続するかを判断する機会が付与される。
[付記D16]
前記複数の入賞口(313〜316)は、遊技球の入球によって前記移行判定手段(41)による前記移行判定を行う契機を与える第1入賞口(314)を含み、
差玉数が所定玉数のマイナスに達するまで、又は遊技盤(31)への遊技球の発射玉数が特定玉数に達するまでに、前記第1入賞口(314)への遊技球の入球を契機として前記移行判定手段(41)によって前記移行判定を行った単位判定回数を演算する単位判定回数演算手段(41)をさらに備え、
前記性能情報は、前記単位判定回数演算手段(41)によって演算される前記単位判定回数に関する情報を含むことを特徴とする付記D15に記載の遊技機。
付記D16に係る遊技機では、性能情報が単位判定回数に関する性能情報を含む。ここで、単位判定回数は、差玉数が所定玉数のマイナスに達するまで又は遊技球の発射玉数が特定玉数に達するまでに、第1入賞口への遊技球の入球を契機として移行判定が行われる回数である。つまり、単位判定回数は、通常遊技状態(低確率モードで時短モードではない状態)での移行判定の受け易さを示す指標である。そのため、遊技者は、単位判定回数に関する情報の一部又は全部が表示されることで、単位判定回数に関する情報を推測又は認識可能であるため、移行判定の受け易さを知り得ることが可能になる。これにより、遊技者は、単位判定回数を推測して楽しみ、また単位判定回数が把握できる場合にはその単位判定回数に基づいて遊技中の遊技機での遊技を継続するかを判断する機会が付与される。
[付記D17]
前記複数の入賞口(313〜316)は、遊技球の入球に基づいて所定数の遊技球の払い出しを行わせ、遊技球の入球によって前記移行判定手段(41)による前記移行判定を行う契機を与える第1入賞口(314)と、遊技球の入球に基づいて特定数の遊技球の払い出しを行わせ、前記第1入賞口とは機能が異なる一般入賞口(313)と、を含み、
遊技盤(31)への遊技球の発射玉数に対する、前記第1入賞口(314)への遊技球の入球に対する遊技球の払出玉数と前記一般入賞口(313)への遊技球の入球に対する遊技球の払出玉数との合算払出玉数の比率である出玉率(ベース)を演算する出玉率演算手段(41)をさらに備え、
前記性能情報は、前記出玉率演算手段(41)によって演算される前記出玉率に関する情報を含むことを特徴とする付記D15に記載の遊技機。
付記D17に係る遊技機では、性能情報が出玉率に関する情報を含む。ここで、出玉率は、発射玉数に対する第1入賞口と一般入賞口との合算払出玉数の比率である。つまり、出玉率は、第1入賞口及び一般入賞口への入賞のし易さを示す指標である。そのため、遊技者は、性能情報が出玉率に関する情報の一部又は全部が表示されることで、出玉率を推測又は認識可能であるため、第1入賞口及び一般入賞口への入賞のし易さを知り得ることが可能になる。これにより、遊技者は、出玉率を推測して楽しみ、また出玉率が把握できる場合にはその出玉率に基づいて遊技中の遊技機での遊技を継続するかを判断する機会が付与される。
[付記D18]
前記複数の入賞口(313〜316)は、前記特別遊技状態において遊技球の入球が可能な可変入賞口(316)を含み、
前記複数の入賞口(313〜316)への遊技球の入球に対する遊技球の払出玉数の合算数である総払出玉数において、前記可変入賞口(316)への遊技球の入球に対する払出玉数が占める比率である連続役物比率を演算する連続役物比率演算手段(41)をさらに備え、
前記性能情報は、前記連続役物比率演算手段(41)によって演算される前記連続役物比率に関する情報を含むことを特徴とする付記D15に記載の遊技機。
付記D18に係る遊技機では、性能情報が連続役物比率に関する情報を含む。ここで、連続役物比率は、複数の入賞口への遊技球の入球に対する遊技球の払出玉数の合算数である総払出玉数において、可変入賞口への遊技球の入球に対する払出玉数が占める比率である。つまり、連続役物比率は、移行判定の結果が特別遊技に移行させるものとなる頻度(特別遊技状態の滞在比率)、及び可変入賞口への入賞のし易さ(特別遊技状態での出玉率)を示す指標である。そのため、遊技者は、連続役物比率に関する情報の一部又は全部が表示されることで、連続役物比率を推測又は認識可能であるため、移行判定の結果が特別遊技に移行させるものとなる頻度(特別遊技状態の滞在比率)、及び可変入賞口への入賞のし易さを知り得ることが可能になる。これにより、遊技者は、連続役物比率を推測して楽しみ、また連続役物比率が把握できる場合にはその連続役物比率に基づいて遊技中の遊技機での遊技を継続するかを判断する機会が付与される。
[付記D19]
前記複数の入賞口(313〜316)は、遊技球の入球によって前記移行判定手段(41)による前記移行判定を行う契機を与える第1入賞口(314)と、電動役物のサポートによって遊技球が入球可能であり、遊技球の入球によって前記移行判定手段(41)による前記移行判定を行う契機を与える第2入賞口(315)と、前記特別遊技状態において遊技球の入球が可能な可変入賞口(316)と、を含み、
前記複数の入賞口(313〜316)への遊技球の入球に対する遊技球の払出玉数の合算数である総払出玉数において、前記可変入賞口(316)への遊技球の入球に対する払出玉数と、前記第2入賞口(315)への遊技球の入球に対する払出玉数との合算払出玉数が占める比率である役物比率を演算する役物比率演算手段(41)と、
をさらに備え、
前記性能情報は、前記役物比率演算手段(41)によって演算される前記役物比率に関する情報を含むことを特徴とする付記D15に記載の遊技機。
付記D19に係る遊技機では、性能情報が役物比率に関する情報を含む。ここで、役物比率は、複数の入賞口への遊技球の入球に対する遊技球の払出玉数の合算数である総払出玉数において、可変入賞口及び第2入賞口への遊技球の入球に対する払出玉数が占める比率である。つまり、役物比率は、移行判定の結果が特別遊技に移行させるものとなる頻度(特別遊技状態の滞在比率)、電動役物のサポートを受けるサポート遊技状態(時短遊技状態)の滞在比率、及び可変入賞口及び第2入賞口への入賞のし易さ(特別遊技状態での出玉率)を示す指標である。そのため、遊技者は、役物比率に関する情報の一部又は全部が表示されることで、役物比率を推測又は認識可能であるため、移行判定の結果が特別遊技に移行させるものとなる頻度(特別遊技状態の滞在比率)、電動役物のサポートを受けるサポート遊技状態(時短遊技状態)の滞在比率、及び可変入賞口及び第2入賞口への入賞のし易さ(特別遊技状態での出玉率)を知り得ることが可能になる。これにより、遊技者は、役物比率を推測して楽しみ、また役物比率が把握できる場合にはその役物比率に基づいて遊技中の遊技機での遊技を継続するかを判断する機会が付与される。
[付記E1]
遊技球が流下する遊技領域が設定される遊技盤(31)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球の入球によって賞球が払い出される複数の入賞口(313〜316)と、
前記複数の入賞口(313〜316)に入球されなかった遊技球を前記遊技盤の背面側に排出する排出口(318)と、
前記複数の入賞口(313〜316)のうちの少なくとも1つの入賞口よりも前記遊技領域の上方に設けられ、遊技球を前記遊技盤の背面側に排出させるための特殊排出口(363)と、
出玉性能を示す指標となる性能情報(遊技設定値、単位大当たり抽選回数、ベース、連続役物比率、役物比率など)を記憶する記憶手段(412)と、
前記記憶手段(412)に記憶された前記性能情報が表示される性能情報表示手段(37a)と、
前記性能情報表示手段(37a)に前記性能情報を表示させる性能情報表示制御手段(41)と、
前記性能情報表示手段(37a)に表示される前記性能情報を視認不能又は視認困難とし、前記特殊排出口(363)に入球した遊技球を収容可能な視認制限手段(39)と、
前記視認制限手段(39)に遊技球が入球されることを条件に前記視認制限手段(39)を制御し、前記性能情報表示手段(37a)に表示される前記性能情報の少なくとも一部を視認可能にする視認状態制御手段(51)と、
前記性能情報表示手段(37a)に表示される前記性能情報の視認状態が、目的とする前記性能情報の視認状態となっているかを判断する異常判断手段(51)と、
前記特殊排出口(363)に入球された遊技球の前記視認制限手段(39)への入球を許容する第1状態と、前記特殊排出口(363)に入球された遊技球の前記視認制限手段(39)への入球を制限する第2状態との間で切り替え可能な切替手段(319B)と、
前記異常判定手段(51)によって前記性能情報の視認状態が目的とする視認状態となっていないと判断される場合に、前記切替手段(319B)を前記第2状態に制御する前記切替制御手段(51)と、
を備えることを特徴とする遊技機。
[付記E2]
前記視認制限手段(39)は、前記視認状態制御手段(51)によって前記第2位置に移動された場合に収容した遊技球を排出可能であることを特徴とする付記E1に記載の遊技機。
付記E1及び付記E2に係る遊技機では、性能情報の視認状態が目的とする視認状態となっていないと判断される場合に、切替手段が第2状態とされることで視認制限手段への遊技球の入球が制限される。これにより、視認制限手段に遊技球が入球されることにより生じる不都合を防止できる。例えば、視認制限手段が第2位置に移動されることを契機として視認制限手段の遊技球が排出される場合に、視認制限手段が遊技球の排出が可能な第2位置に移動できない場合、視認制限手段に遊技球が入球されることが防止される。これにより、視認制限手段に容量以上の遊技球が滞留されることが防止されると共に、視認制限手段から遊技球が溢れ出すことを防止できる。そのため、視認制限手段が第1位置から移動されない駆動異常が発生している場合であっても、遊技機において通常通りに遊技を実行することが可能になる。
[付記E3]
前記切替手段(319B)は、前記特殊排出口(363)に入球された遊技球の前記視認制限手段(39)への入球を許容する第3位置(待機位置)と、前記特殊排出口(363)に入球された遊技球の前記視認制限手段(39)への入球を制限する第4位置(作動位置)との間で移動可能であり、
前記切替制御手段(51)は、前記異常判定手段(51)によって前記視認制限手段(39)が前記第2位置にないと判断される場合に、前記切替手段(319B)を前記第3位置から前記第4位置に移動させることを特徴とする付記E1又は付記E2に記載の遊技機。
付記E3に係る遊技機では、切替手段を第3位置から第4位置に移動させることで特殊排出口に入球された遊技球の視認制限手段への入球を制限できる。これにより、簡易な構成及び制御によって、視認制限手段に異常が発生している場合に視認制限手段への遊技球の入球を制限できる。
[付記E4]
前記異常判断手段(51)は、前記視認制限手段(39A)が前記第2位置にあることを検知可能な検知手段(40B)を含み、
前記異常判断手段(51)は、前記視認状態制御手段(51)によって前記視認制限手段(39)を前記第2位置に移動させる制御がされた場合に前記検知手段(40B)によって前記視認制限手段(39A)が前記第2位置にあることが検知されない場合、前記視認制限手段(39)が前記第2位置にないと判断することを特徴とする付記E1から付記E3のいずれかに記載の遊技機。
付記E4に係る遊技機では、検知手段によって視認制限手段が第2位置にないことを判断できる。これにより、簡易な構成及び制御によって視認制限手段に異常があるかを検知できる。
[付記E5]
前記異常判断手段(51)は、当該遊技機の主電源がオンにされてから遊技開始が可能になるまでの間に、前記視認制限手段(39)に異常が発生していないかを判断することを特徴とする付記E1から付記E4のいずれかに記載の遊技機。
付記E5に係る遊技機では、当該遊技機の主電源がオンにされてから遊技開始が可能になるまでの間に、視認制限手段に異常が発生していないかが判断される。これにより、視認制限手段に異常が発生している状態で遊技開始が可能な状態とされることを防止できる。また、視認制限手段に異常が発生している場合に異常に対する対応が可能になる。
[付記E6]
前記異常判断手段(51)は、遊技開始とされてから、前記視認制限手段(39)に異常が発生していないかを判断することを特徴とする付記E1から付記E5のいずれかに記載の遊技機。
付記E6に係る遊技機では、遊技開始とされてから視認制限手段に異常が発生していないかが判断される。これにより、遊技開始が可能とされた後に視認制限手段に異常が発生した場合であっても視認制限手段の異常を発見でき、異常に対する対応が可能になる。
[付記E7]
前記異常判断手段(51)が前記性能情報表示手段(37a)に表示される前記性能情報の視認状態が、目的とする前記性能情報の視認状態となっていないと判断した場合に異常が発生していることを報知する報知手段(341,26)をさらに備えることを特徴とする付記E1から付記E6のいずれかに記載の遊技機。
付記E7に係る遊技機では、性能情報の視認状態が目的とするものでない場合に異常が発生していることが報知される。これにより、遊技ホール側は、視認制限手段に異常が発生していることを知り得ることができ、異常に対する対応が可能になる。
[付記E8]
前記異常判断手段(51)が前記性能情報表示手段(37a)に表示される前記性能情報の視認状態が、目的とする前記性能情報の視認状態となっていないと判断した場合に、遊技の実行を可能とするかを選択可能とする選択手段(341,20)をさらに備えることを特徴とする付記E1から付記E7のいずれかに記載の遊技機。
付記E8に係る遊技機では、性能情報の視認状態が目的とするものでない場合に遊技の実行を可能とするかが選択可能とされる。これにより、視認制限手段以外の異常がなく、遊技を実行することに問題が無い場合には、遊技機を遊技者に使用させるか否かの判断を遊技ホール側に委ねることが可能になる。
[付記E9]
判定条件の成立に基づいて、遊技者に有利な特別遊技が実行される特別遊技状態(大当たり遊技状態)に移行させるか否かの移行判定を行う移行判定手段(41)と、
前記移行判定手段(41)による前記移行判定において前記特別遊技状態に移行させると判定される有利判定確率を、互いに異なる複数の有利判定確率の中から設定可能な有利判定確率設定手段(41)と、
をさらに備え、
前記性能情報は、前記有利判定確率設定手段(41)によって設定される前記有利判定確率に関する情報(遊技設定値)を含むことを特徴とする付記E1から付記E8のいずれかに記載の遊技機。
付記E9に係る遊技機では、性能情報が遊技機の出玉性能に大きな影響を与える有利判定確率に関する情報を含む。そのため、有利判定確率に関する情報に基づいて出玉性能が評価されることで、遊技機の出玉性能がより適切に反映された指標に基づいて出玉性能を示唆することが可能になる。また、有利判定確率に関する情報の一部又は全部が性能情報表示手段に表示されることで、遊技者は有利判定確率を推測して楽しみ、また有利判定確率が把握できる場合にはその有利判定確率に基づいて当該遊技機での遊技を継続するかを判断する機会が付与される。
[付記E10]
遊技球の入球に基づいて入賞口種別に応じた一定数の遊技球の払い出しを行わせる複数の入賞口(313〜316)をさらに備え、
前記性能情報は、前記複数の入賞口(313〜316)のうちの少なくとも一つの入賞口に基づく出玉性能を示す情報を含むことを特徴とする付記E1から付記E9のいずれかに記載の遊技機。
付記E10に係る遊技機では、複数の入賞口のうちの少なくとも一つの入賞口に基づく出玉性能を示す性能情報を含む。そのため、遊技者は、入賞口に基づく出玉性能を示す性能情報の一部又は全部が性能情報表示手段に表示されることで、遊技者は、例えば遊技機の製造時の個体差や経年変化などによる遊技機間での入賞口に対する入賞性能のバラツキが反映された出玉性能を推測又は認識することが可能になる。これにより、遊技者は、入賞口に基づく出玉性能を推測して楽しみ、また入賞口に基づく出玉性能が把握できる場合にはその性能情報に基づいて遊技中の遊技機での遊技を継続するかを判断する機会が付与される。
[付記E11]
前記複数の入賞口(313〜316)は、遊技球の入球によって前記移行判定手段(41)による前記移行判定を行う契機を与える第1入賞口(314)を含み、
差玉数が所定玉数のマイナスに達するまで、又は遊技盤(31)への遊技球の発射玉数が特定玉数に達するまでに、前記第1入賞口(314)への遊技球の入球を契機として前記移行判定手段(41)によって前記移行判定を行った単位判定回数を演算する単位判定回数演算手段(41)をさらに備え、
前記性能情報は、前記単位判定回数演算手段(41)によって演算される前記単位判定回数に関する情報を含むことを特徴とする付記E10に記載の遊技機。
付記E11に係る遊技機では、性能情報が単位判定回数に関する性能情報を含む。ここで、単位判定回数は、差玉数が所定玉数のマイナスに達するまで又は遊技球の発射玉数が特定玉数に達するまでに、第1入賞口への遊技球の入球を契機として移行判定が行われる回数である。つまり、単位判定回数は、通常遊技状態(低確率モードで時短モードではない状態)での移行判定の受け易さを示す指標である。そのため、遊技者は、単位判定回数に関する情報の一部又は全部が表示されることで、単位判定回数に関する情報を推測又は認識可能であるため、移行判定の受け易さを知り得ることが可能になる。これにより、遊技者は、単位判定回数を推測して楽しみ、また単位判定回数が把握できる場合にはその単位判定回数に基づいて遊技中の遊技機での遊技を継続するかを判断する機会が付与される。
[付記E12]
前記複数の入賞口(313〜316)は、遊技球の入球に基づいて所定数の遊技球の払い出しを行わせ、遊技球の入球によって前記移行判定手段(41)による前記移行判定を行う契機を与える第1入賞口(314)と、遊技球の入球に基づいて特定数の遊技球の払い出しを行わせ、前記第1入賞口とは機能が異なる一般入賞口(313)と、を含み、
遊技盤(31)への遊技球の発射玉数に対する、前記第1入賞口(314)への遊技球の入球に対する遊技球の払出玉数と前記一般入賞口(313)への遊技球の入球に対する遊技球の払出玉数との合算払出玉数の比率である出玉率(ベース)を演算する出玉率演算手段(41)をさらに備え、
前記性能情報は、前記出玉率演算手段(41)によって演算される前記出玉率に関する情報を含むことを特徴とする付記E10に記載の遊技機。
付記E12に係る遊技機では、性能情報が出玉率に関する情報を含む。ここで、出玉率は、発射玉数に対する第1入賞口と一般入賞口との合算払出玉数の比率である。つまり、出玉率は、第1入賞口及び一般入賞口への入賞のし易さを示す指標である。そのため、遊技者は、性能情報が出玉率に関する情報の一部又は全部が表示されることで、出玉率を推測又は認識可能であるため、第1入賞口及び一般入賞口への入賞のし易さを知り得ることが可能になる。これにより、遊技者は、出玉率を推測して楽しみ、また出玉率が把握できる場合にはその出玉率に基づいて遊技中の遊技機での遊技を継続するかを判断する機会が付与される。
[付記E13]
前記複数の入賞口(313〜316)は、前記特別遊技状態において遊技球の入球が可能な可変入賞口(316)を含み、
前記複数の入賞口(313〜316)への遊技球の入球に対する遊技球の払出玉数の合算数である総払出玉数において、前記可変入賞口(316)への遊技球の入球に対する払出玉数が占める比率である連続役物比率を演算する連続役物比率演算手段(41)をさらに備え、
前記性能情報は、前記連続役物比率演算手段(41)によって演算される前記連続役物比率に関する情報を含むことを特徴とする付記E10に記載の遊技機。
付記E13に係る遊技機では、性能情報が連続役物比率に関する情報を含む。ここで、連続役物比率は、複数の入賞口への遊技球の入球に対する遊技球の払出玉数の合算数である総払出玉数において、可変入賞口への遊技球の入球に対する払出玉数が占める比率である。つまり、連続役物比率は、移行判定の結果が特別遊技に移行させるものとなる頻度(特別遊技状態の滞在比率)、及び可変入賞口への入賞のし易さ(特別遊技状態での出玉率)を示す指標である。そのため、遊技者は、連続役物比率に関する情報の一部又は全部が表示されることで、連続役物比率を推測又は認識可能であるため、移行判定の結果が特別遊技に移行させるものとなる頻度(特別遊技状態の滞在比率)、及び可変入賞口への入賞のし易さを知り得ることが可能になる。これにより、遊技者は、連続役物比率を推測して楽しみ、また連続役物比率が把握できる場合にはその連続役物比率に基づいて遊技中の遊技機での遊技を継続するかを判断する機会が付与される。
[付記E14]
前記複数の入賞口(313〜316)は、遊技球の入球によって前記移行判定手段(41)による前記移行判定を行う契機を与える第1入賞口(314)と、電動役物のサポートによって遊技球が入球可能であり、遊技球の入球によって前記移行判定手段(41)による前記移行判定を行う契機を与える第2入賞口(315)と、前記特別遊技状態において遊技球の入球が可能な可変入賞口(316)と、を含み、
前記複数の入賞口(313〜316)への遊技球の入球に対する遊技球の払出玉数の合算数である総払出玉数において、前記可変入賞口(316)への遊技球の入球に対する払出玉数と、前記第2入賞口(315)への遊技球の入球に対する払出玉数との合算払出玉数が占める比率である役物比率を演算する役物比率演算手段(41)と、
をさらに備え、
前記性能情報は、前記役物比率演算手段(41)によって演算される前記役物比率に関する情報を含むことを特徴とする付記E10に記載の遊技機。
付記E14に係る遊技機では、性能情報が役物比率に関する情報を含む。ここで、役物比率は、複数の入賞口への遊技球の入球に対する遊技球の払出玉数の合算数である総払出玉数において、可変入賞口及び第2入賞口への遊技球の入球に対する払出玉数が占める比率である。つまり、役物比率は、移行判定の結果が特別遊技に移行させるものとなる頻度(特別遊技状態の滞在比率)、電動役物のサポートを受けるサポート遊技状態(時短遊技状態)の滞在比率、及び可変入賞口及び第2入賞口への入賞のし易さ(特別遊技状態での出玉率)を示す指標である。そのため、遊技者は、役物比率に関する情報の一部又は全部が表示されることで、役物比率を推測又は認識可能であるため、移行判定の結果が特別遊技に移行させるものとなる頻度(特別遊技状態の滞在比率)、電動役物のサポートを受けるサポート遊技状態(時短遊技状態)の滞在比率、及び可変入賞口及び第2入賞口への入賞のし易さ(特別遊技状態での出玉率)を知り得ることが可能になる。これにより、遊技者は、役物比率を推測して楽しみ、また役物比率が把握できる場合にはその役物比率に基づいて遊技中の遊技機での遊技を継続するかを判断する機会が付与される。