JP6876067B2 - 神経調節のための技術 - Google Patents

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Description

本明細書に開示される主題は、全体として、リンパ系および免疫関連組織の神経調節、特に、神経調節に応答して生理学的応答を示差的に刺激または調節する技術に関し、および特定の実施形態では、この応答を使用して神経調節の有効性を評価する。
神経調節は、様々な臨床的状態を治療するために使用されてきた。例えば、脊髄に沿った様々な位置での電気刺激は、慢性的な背中の痛みを治療するために使用されてきた。このような治療は、組織に印加する電気エネルギーを周期的に発生させ、特定の神経線維を活性化させる移植可能な装置によって実施されてもよく、その結果痛みの感覚を低下させることができる。脊髄刺激の場合、刺激電極は硬膜外腔に配置されるのが一般的であるが、パルス発生器は電極から幾分離れて、例えば腹部または臀部の領域に配置され、導線を介して電極に接続されてもよい。他の実施態様では、深部脳刺激を用いて、脳の特定の領域を刺激して運動障害を治療し、刺激位置を神経画像によって誘導することができる。このような中枢神経系刺激は、一般に、局所神経または脳細胞機能を標的とする。
末梢神経調節は、中枢神経系のより大きな構造を標的とすることよりも比較的困難であり得る。末梢神経が外側に伸びると、神経束のサイズは減少する。加えて、小さな末梢神経線維は周囲の組織の比較的大きな部分を制御することができ、神経調節のためのこのような神経の位置決めおよび標的化を比較的困難にする。しかしながら、末梢神経系は体内の多くの異なる臓器構造を神経支配し、特定の末梢神経を標的とすることが望ましいことがある。
米国特許出願第2013178829号明細書
一実施形態では、適応免疫系神経反射を調節するために、例えば、十分なエネルギーをニューロンに送達するように配置された電極を介して、1または複数のエネルギーパルスを被験体のニューロンに印加する工程を含み、免疫/リンパ系の一部にわたって協奏的免疫応答をもたらす神経調節の方法が提供される。
例示的な実施形態では、適応免疫系神経反射を刺激するのに十分なエネルギーをニューロンに送達するように配置された電極を介して、1または複数のエネルギーパルスを被験体のニューロンに印加する工程を含み、局所リンパ構造を通る免疫細胞の移動または流れがリンパ系全体にわたって協奏的様式で差次的に調節される、神経調節の方法が提供される。
別の実施形態では、適応免疫系神経反射を調節するのに十分なエネルギーをニューロンに送達するように配置された電極を介して、1または複数のエネルギーパルスを被験体のニューロンに印加する工程を含み、局所リンパ構造内の免疫細胞の運命および/または表現型が、リンパ系全体にわたって協奏的様式で差次的に調節される、神経調節の方法が提供される。
別の実施形態では、適応免疫系神経反射を調節するのに十分なエネルギーをニューロンに送達するように配置された電極を介して、1または複数のエネルギーパルスを被験体のニューロンに印加する工程を含み、局所リンパ構造内またはそこから出る免疫細胞のサイトカイン分泌プロファイルが、リンパ系全体にわたって協奏的様式で差次的に調節される、神経調節の方法が提供される。
別の実施形態では、適応免疫系神経反射を調節するのに十分なエネルギーをニューロンに送達するように配置された電極を介して、1または複数のエネルギーパルスを被験体のニューロンに印加する工程を含み、局所リンパ構造内またはそこから出る免疫細胞のチェックポイント分子の発現が、リンパ系全体にわたって協奏的様式で差次的に調節される、神経調節の方法が提供される。
例示的な実施形態では、適応免疫系神経反射の調節が、1または複数のエネルギーパルスに応答したリンパ組織(またはリンパ液)中の1または複数の神経伝達物質または神経ペプチドの差次的変化により、全身リンパ組織機能に対する局所リンパ組織の免疫機能を調節する。
例示的な実施形態では、1または複数のエネルギーパルスを被験体のニューロンに印加して、1または複数のエネルギーパルスの印加に応答してリンパ組織を神経により調節するのに十分なエネルギーをニューロンに送達する工程を含む、適応免疫反射の神経調節の方法が提供される。
例示的な実施形態では、対側リンパ組織の適応免疫または自然免疫の機能を調節するのに十分なエネルギーをニューロンに送達するように配置された電極を介して、1または複数のエネルギーパルスを被験体のニューロンに印加する工程を含み、対側リンパ組織または対側リンパ液中の1または複数の神経伝達物質または神経ペプチドの濃度またはレベルが、1または複数のエネルギーパルスに応答して差次的に変化する、適応免疫反射の神経調節の方法が提供される。
別の実施形態では、リンパ組織の免疫機能を調節するのに十分なエネルギーをニューロンに送達するように配置された電極を介して、1または複数のエネルギーパルスを被験体のニューロンに印加する工程を含み、リンパ組織またはリンパ液中のノルエピネフリンまたはエピネフリンの濃度が、0.5V〜10Vの範囲のエネルギーで印加される1または複数のエネルギーパルスに応答して、刺激前のベースラインと比較して少なくとも100%増加する、適応免疫反射の神経調節の方法が提供される。
別の実施形態では、リンパ組織の免疫機能を調節するのに十分なエネルギーをニューロンに送達するように配置された電極を介して、1または複数のエネルギーパルスを被験体のニューロンに印加する工程を含み、リンパ組織またはリンパ液中のサブスタンスPの濃度またはレベルが、0.5V〜10Vの範囲のエネルギーで印加される1または複数のエネルギーパルスに応答して、刺激前のベースラインと比較して少なくとも50%増加する、適応免疫反射の神経調節の方法が提供される。
別の実施形態では、リンパ組織の免疫機能を調節するのに十分なエネルギーをニューロンに送達するように配置された電極を介して、1または複数のエネルギーパルスを被験体のニューロンに印加する工程を含み、リンパ組織またはリンパ液中の血管作用性小腸ペプチドの濃度またはレベルが、0.5V〜10Vの範囲のエネルギーで印加される1または複数のエネルギーパルスに応答して、刺激前のベースラインと比較して少なくとも50%増加する、適応免疫反射の神経調節の方法が提供される。
別の実施形態では、リンパ組織の免疫機能を調節するのに十分なエネルギーをニューロンに送達するように配置された電極を介して、1または複数のエネルギーパルスを被験体のニューロンに印加する工程を含み、リンパ組織またはリンパ液中の神経ペプチドYの濃度またはレベルが、0.5V〜10Vの範囲のエネルギーで印加される1または複数のエネルギーパルスに応答して、刺激前のベースラインと比較して少なくとも100%増加する、適応免疫反射の神経調節の方法が提供される。
別の実施形態では、電極がリンパ組織を神経支配するニューロンを刺激できる位置で、被験体のリンパ組織の上または近くに電極を配置する工程、前記電極を介して1または複数のエネルギーパルスを前記組織に印加して、前記ニューロンを刺激して前記リンパ組織のリンパ機能または免疫機能を調節する工程、前記リンパ機能または前記免疫機能に関連する特性に基づいて、複数のエネルギーパルスを印加後の被験体内の前記リンパ機能または前記免疫機能の状態を評価する工程、ならびに前記状態に基づいて、前記複数のエネルギーパルスのうちの少なくとも1つのパラメータを修正する工程、を含む神経調節の方法が提供される。
別の実施形態では、閉ループ神経調節のための方法が提供される。この方法は、1または複数のエネルギーパルスを組織に印加して、ニューロンを刺激してリンパ組織のリンパ機能または免疫機能を調節する工程と、前記複数のエネルギーパルスを印加した後に前記被験体内のリンパ機能または免疫機能の状態を評価する工程とを含む。
別の実施形態では、閉ループ神経調節のための方法が提供される。この方法は、電極を介して1または複数のエネルギーパルスを、リンパ組織を神経支配するニューロンに印加するようにパルス発生器を制御し、複数のエネルギーパルスの少なくとも1つの、1または複数のパラメータに従って前記リンパ組織のリンパ機能を調節する工程、前記リンパ組織の状態または機能に関する情報を受信する工程、ならびに前記情報に基づいて前記1または複数のパラメータを変更する工程を含む。
別の実施形態では、リンパ組織の活性を刺激するエネルギーパルスを電極に送達するための動作モードを選択する1または複数のユーザ入力を受信する工程、前記1または複数のエネルギーパルスを、前記動作モードに応じてパルス発生器から前記電極に送達して、前記リンパ組織の刺激された活性を引き起こす工程、前記リンパ組織の刺激された活性に関連する1または複数の入力を受信する工程、ならびに前記入力に基づいて動作モードを変更する工程を含む、神経調節の方法が提供される。
別の実施形態では、神経調節のための方法が提供される。この方法は、電極がリンパ組織を神経支配するニューロンを刺激できる位置に電極を配置する工程、前記電極を介して1または複数のエネルギーパルスを前記組織に印加して、前記ニューロンを刺激して前記リンパ組織のリンパ機能を調節する工程、複数のエネルギーパルスの印加後のリンパ組織のサイズを、ベースラインサイズと比較して評価する工程、ならびに複数のエネルギーパルスの少なくとも1つのパラメータを、前記リンパ組織のサイズに基づき修正する工程、を含む。
別の実施形態では、リンパ組織を神経により調節するのに十分なエネルギーをニューロンに送達するように配置された電極を介して、1または複数のエネルギーパルスを被験体のニューロンに印加し、前記1または複数のエネルギーパルスの印加に応答してリンパ組織またはリンパ液からの細胞の出入りを促進する工程を含む、適応免疫反射の神経調節の方法が提供される。
別の実施形態では、リンパ組織に入る神経を調節するために1または複数のエネルギーパルスを被験体のニューロンに印加し、この印加により、調節前の対照と比較して被験体の組織または血中の1または複数の内因性オピオイドレベルが増加する、神経調節の方法が提供される。
本開示のこれらの、ならびに他の特徴、態様および利点は、添付の図面を参照しつつ以下の詳細な説明を読めば、よりよく理解されよう。添付の図面では、図面の全体にわたって、類似する符号は類似する部分を表す。
図1Aは、中枢および末梢神経系およびリンパ系の概略的なオーバーレイである(画像は、二次リンパ構造およびリンパ管を示すが、系は、脾臓などの一次リンパ器官も含む)。 図1Bは、リンパ系とCNSとの間の末梢神経上に位置する電気刺激または神経調節の部位候補を示す。 図1Cは、二次リンパ組織(すなわち、リンパ節)の神経支配候補の概略図である。 図2Aは、遠心性ニューロンの神経出力を制御する求心性ニューロン、および適応免疫プロセスを調節するための特定の局所リンパ節区画を神経支配する遠心性ニューロンを含む、リンパ系内に存在し得る最も単純なタイプの適応免疫反射の1つの概略図である; 図2Bは、リンパ系からのリンパ球の移出を伴う適応免疫プロセスの一例を示す図であり、このプロセスはリンパ節内のリンパ球スクリーニングのタイミングを制御する) 図3は、複数のレベルの脊柱またはリンパ系を横断することができ、複数のリンパ節にわたるリンパ球移出の協調的調節を可能にする、中枢に投射する求心性ニューロンを介した、適応免疫反射内に存在し得る適応免疫制御のさらなるレベルを示す図である。 図4は、複数のレベルの脊柱のリンパ系を横断することができ、対側のリンパ構造の差次的調節、例えば、炎症/抗原摂動の部位においてリンパ球移出を減少させるが、他の遠隔リンパ領域においてリンパ節からリンパ球を動員することを可能にする、中枢に投射する求心性ニューロンを介した適応免疫反射内に存在し得る適応免疫制御のさらなるレベルを示す図である。 図5は、初期の炎症/抗原摂動によって引き起こされる神経シグナルの時限付き離脱を可能にし、抑制性シグナルが、リンパ節環境の内部または外部の初期応答を引き起こす同じ神経からの求心性シグナル伝達によるものであり得る、遠心性ニューロンの自己抑制を発揮し得る抑制性ニューロンを介した適応免疫反射内に存在し得る適応免疫制御のさらなるレベルを示す図である。 図6は、1つのニューロンが、抑制性介在ニューロンを介して、遠心性ニューロンと第2の遠心性ニューロンとの両方にシナプス結合することによって遠心性ニューロンの相互抑制を発揮でき、異なるリンパ区画内で免疫活性の差次的調節を可能にする、例えば、リンパ節の異なる部分ヘの神経出力を減少させるように作用する、適応免疫反射内に存在し得る適応免疫制御のさらなるレベルを示す図である。 図7は、遠心性ニューロンからのシグナル伝達が抑制性介在ニューロンを介して自己抑制ループにフィードバックされ得、適応免疫摂動のタイミングおよび/または大きさの自己制御を可能にする、適応免疫反射内に存在し得る適応免疫制御のさらなるレベルを示す図である。 図8は、適応免疫反射のための様々なメカニズムが、CNSまたは脊柱との直接相互作用なしに、局所リンパネットワークにわたってどのように制御を発揮し得るかを示す図である。 図9は、適応免疫反射内に存在し得る適応免疫制御のさらなるレベルを示す図である。この場合、局所反射からのシグナル伝達は、脳幹およびより高レベルの脳領域を通って延びる経路に直接的に連絡することができる; 図10は、適応免疫反射によって影響され得るリンパ組織内の多くの領域の例、および各領域で神経調節によって調節され得る特異的適応免疫プロセスを示す図である。 図11は、様々なリンパ排出領域の例を示す図であり、特定のリンパ節が体の特定の領域の排出を担当している。 図12は、適応免疫反射を差次的に刺激する能力にアクセスするために使用される実験プロセスを示す図である。 図13は、刺激された脚および対側/非刺激脚の摘出された膝窩リンパ節の画像を示す図である。 図14は、刺激膝窩リンパ節対非刺激膝窩リンパ節の重量の比較結果を示す図である。 図15Aは、異なる電圧で刺激後の膝窩リンパ節(刺激脚)におけるエピネフリン濃度を示す図である。 図15Bは、異なる電圧で刺激後のリンパ液中のエピネフリン濃度を示す図である。 図16Aは、異なる電圧で刺激後の膝窩リンパ節におけるノルエピネフリン濃度を示す図である。 図16Bは、異なる電圧で刺激後のリンパ液中のノルエピネフリン濃度を示す図である。 図17Aは、異なる電圧で刺激後の膝窩リンパ節におけるドーパミン濃度を示す図である。 図17Bは、異なる電圧で刺激後のリンパ液中のドーパミン濃度を示す図である。 図18Aは、異なる電圧で刺激後の膝窩リンパ節における神経ペプチドYの濃度を示す図である。 図18Bは、異なる電圧で刺激後のリンパ液中の神経ペプチドYの濃度を示す図である。 図19Aは、異なる電圧で刺激後の膝窩リンパ節におけるサブスタンスPの濃度を示す図である。 図19Bは、異なる電圧で刺激後のリンパ液中のサブスタンスPの濃度を示す図である。 図20Aは、異なる電圧で刺激後の膝窩リンパ節における血管作用性小腸ペプチドの濃度を示す図である。 図20Bは、異なる電圧で刺激後のリンパ液中の血管作用性小腸ペプチドの濃度を示す図である。 図21は、同じ被験体の刺激リンパ節と非刺激対側リンパ節とのアドレナリン濃度の比較を示す図である。 図22は、同じ被験体の刺激リンパ節と非刺激対側リンパ節とのドーパミン濃度の比較を示す図である。 図23Aは、無傷の神経を有する刺激リンパ節、切断された神経を有する刺激リンパ節、および対照についての、リンパ組織におけるエピネフリン濃度を示す図である。 図23Bは、無傷の神経を有する刺激リンパ節、切断された神経を有する刺激リンパ節、および対照についての、リンパ組織におけるノルエピネフリン濃度を示す図である。 図23Cは、無傷の神経を有する刺激リンパ節、切断された神経を有する刺激リンパ節、および対照についての、リンパ組織におけるドーパミン濃度を示す図である。 図23Dは、無傷の神経を有する刺激リンパ節、切断された神経を有する刺激リンパ節、および対照についての、リンパ組織における神経ペプチドYの濃度を示す図である。 図23Eは、無傷の神経を有する刺激リンパ節、切断された神経を有する刺激リンパ節、および対照についての、リンパ組織におけるサブスタンスPの濃度を示す図である。 図23Fは、無傷の神経を有する刺激リンパ節、切断された神経を有する刺激リンパ節、および対照についての、リンパ組織における血管作用性小腸ペプチドの濃度を示す図である。 図24Aは、異なる刺激周波数(印加電圧は0.5Vに保持)で直接刺激されたリンパ節におけるエピネフリン濃度を示す図である。 図24Bは、異なる刺激周波数(印加電圧は0.5Vに保持)で直接刺激されたリンパ節におけるノルエピネフリン濃度を示す図である。 図24Cは、異なる刺激周波数(印加電圧は0.5Vに保持)で直接刺激されたリンパ節におけるドーパミン濃度を示す図である。 図24Dは、異なる刺激周波数(印加電圧は0.5Vに保持)でリンパ節を直接刺激した後に採取されたリンパ液中のエピネフリン濃度を示す図である。 図24Eは、異なる刺激周波数(印加電圧は0.5Vに保持)でリンパ節を直接刺激した後に採取されたリンパ液中のノルエピネフリン濃度を示す図である。 図24Fは、異なる刺激周波数(印加電圧は0.5Vに保持)でリンパ節を直接刺激した後に採取されたリンパ液中のドーパミン濃度を示す図である。 図25Aは、異なる刺激周波数(印加電圧は0.5Vに保持)で直接刺激されたリンパ節における神経ペプチドYの濃度を示す図である。 図25Bは、異なる刺激周波数(印加電圧は0.5Vに保持)で直接刺激されたリンパ節におけるサブスタンスPの濃度を示す図である。 図25Cは、異なる刺激周波数(印加電圧は0.5Vに保持)で直接刺激されたリンパ節における血管作用性小腸ペプチドの濃度を示す図である。 図25Dは、異なる刺激周波数(印加電圧は0.5Vに保持)でリンパ節を直接刺激した後に採取されたリンパ液中の神経ペプチドYの濃度を示す図である。 図25Eは、異なる刺激周波数(印加電圧は0.5Vに保持)でリンパ節を直接刺激した後に採取されたリンパ液中のサブスタンスPの濃度を示す図である。 図25Fは、異なる刺激周波数(印加電圧は0.5Vに保持)でリンパ節を直接刺激した後に採取されたリンパ液中の血管作用性小腸ペプチドの濃度を示す図である。 図26は、解剖および単一細胞懸濁液への解離後の、刺激された動物、擬似動物、およびナイーブな動物から切除されたリンパ節内の免疫細胞の数を示す比較パネルである。 図27は、図26と同じ被験体について採取したリンパ液または血液中の免疫細胞数/マイクロリットルを示す比較パネルである。 図28は、図26および図27と同じ被験体について様々な一次免疫器官からの解離した試料の免疫細胞数/マイクロリットルを示す比較パネルである。 図29は、電極と神経との間のギャップが軸索のサブセットのみの発火をもたらす、電極配置に基づく差次的刺激のシミュレーション結果を示す図である。 図30は、図29の同じ被験体/実験についての、肝臓におけるリンパ球取り込みについてのシミュレーション結果および実験結果を示す図である。 図31は、図29の同じ被験体/実験についての脾臓におけるリンパ球取り込みのシミュレーション結果および実験結果を示す図である。 図32は、本開示の実施形態に従った、神経上に配置された電極を使用する神経調節システムの概略図である。 図33は、本開示の実施形態に従った図32のシステムのブロック図である。 図34は、本開示の実施形態に従った神経調節およびモニタリング技術のフロー図である。 図35は、本開示の実施形態に従った免疫調節のための神経調節系の概略図である。 図36は、可視化のために色素で標識された刺激膝窩リンパ節の画像である。 図37は、刺激前の刺激膝窩リンパ節の超音波画像およびリンパ節の埋め込まれた長さの測定値である。 図38は、刺激後の刺激膝窩リンパ節の超音波画像およびリンパ節の埋め込まれた長さの測定値である。 図39は、ベータエンドルフィンを蛍光検出するための競合アッセイの較正プロットである。 図40は、非刺激対照と比較した、刺激被験体についてのアッセイ結果を示すグラフである。
1つまたは複数の特定の実施形態について、以下で説明する。これらの実施形態の簡潔な説明を提供するために、実際の実装のすべての特徴が本明細書で説明されているわけではない。エンジニアリングまたは設計プロジェクトのような実際の実装の開発においては、開発者の特定の目的を達成するために、例えばシステム関連および事業関連の制約条件への対応など実装に特有の決定を数多くしなければならないし、また、これらの制約条件は実装ごとに異なる可能性があることを理解されたい。さらに、このような開発作業は複雑で時間がかかるかもしれないが、にもかかわらず、この開示の利益を得る当業者にとっては、設計、製作、および製造の日常的な仕事であることを理解されたい。
本明細書に示されている例または図解は、決して、それらと共に利用されている任意の1または複数の用語に制限される、限定される、またはその定義を表すと見なすべきではない。代わりに、これらの例または図解は、様々な特定の実施形態に関して記載されているものと見なされるべきであり、単なる例示として見なされるべきである。当業者であれば、これらの例または図解と共に利用されている任意の1または複数の用語が、明細書のその場所または他の場所に示されていても、または示されていなくてもよい他の実施形態を包含し、このような実施形態はすべて、その1または複数の用語範囲内に包含されることが意図されることを理解すると思われる。このような非限定的な例および図解を示す言語は、「例えば(for example)」、「例えば(for instance)」、「など(such as)」、「例えば(e.g.)」、「含む」および「一実施形態では」を含むが、これらに限定されない。
本技術は、リンパ組織および周囲組織において細胞または組織に基づく生理学的効果の活性化を引き起こすための、適応免疫反射の差次的神経調節に関する。例えば、免疫細胞は、神経によって放出される神経伝達物質/神経ペプチド(活動電位および生体電気活性に応答して放出される)のような化学的刺激に応答することが知られている。しかし、プロトタイプのサイトカインおよび炎症性のシグナル伝達と比較して、これらの刺激が免疫機能を調節する程度は不明のままである。さらに、これらの神経‐免疫シグナルが最も影響を及ぼし得る位置および組織微小環境は知られていない。リンパ組織における神経支配の大まかな解剖学的構造は公知であるが、これらの神経が免疫細胞および組織機能において果たす機能的役割は決定されていない。リンパ管を神経支配する末梢神経のバルクペーシング、および電気刺激は、血管における血管収縮/血管拡張を想起させるようにリンパ流を変化させることが示されている。しかしながら、リンパ系およびリンパ組織/器官(B細胞およびT細胞関連活性に関与する皮質および傍皮質領域を含む)内の免疫細胞に対する神経伝達物質および神経ペプチドの機能的帰結は決定されていない。最も重要なことに、神経系が複数のリンパ組織/器官を神経支配する神経ネットワークを介して適応免疫応答を統合する能力、またはこの効果を差次的に調節する研究者の能力は示されていない。
迷走神経刺激は、コリン作動性抗炎症経路を興奮させるために使用されている。この経路では、迷走神経の遠心性アームが腹腔神経節を神経支配し、そこで脾神経が脾臓に投射する。この脾臓投射が脾臓内のアセチルコリンを放出し、アセチルコリンはマクロファージ(および他のサイトカイン産生細胞)上のニコチン性AChRと相互作用する。この相互作用は、脾臓におけるTNF(および他の炎症促進性サイトカイン)産生を阻害し、自然免疫系の調節を通じて全身性抗炎症応答を生じる。
しかしながら、免疫系は複雑であり、神経反射は自然免疫に関連する分子の全身的な発現より多くを調節すると考えられる。リンパ節およびリンパ組織は、神経免疫調節の研究のための主要な生理学的標的である。リンパ組織は、適応免疫に対する制御の主要部位であり、抗原提示細胞(例えば、樹状細胞)は抗原活性化に際してリンパにホーミングし、ナイーブリンパ球は炎症の間にリンパにホーミングする。これら2つのメカニズムは、ナイーブリンパ球がその同族抗原と相互作用する機会を劇的に増加させる働きをする。これらの細胞移動またはホーミングプロセスは、以下のいずれかにおける変化、免疫細胞表現型(すなわち、血管内異物侵入および血管外遊出に関連するタンパク質の上方制御)、リンパ節の入口におけるリンパ管または血管内皮に関連する表現型(すなわち、免疫細胞−内皮相互作用または内皮層透過性に関連する表面タンパク質)、またはリンパ節出口でのリンパ内皮に関連する表現型、を介して活性化され得る。これらの細胞ホーミングプロセスはまた、リンパ液のバルク流を調節することによって改変することができる。実際、免疫生物学における残りの未解決の問題の1つは、まさに、いくつかの記憶細胞が、局所組織環境にのみ存在する(そして最も近い記憶細胞から数メートル離れているかもしれない)抗原に対してどのように劇的かつ迅速な応答を開始するかである。
免疫細胞の移動に加えて、リンパ区画の微小環境は、同族抗原の結合および活性化の際の細胞運命に関連する。一般に、「炎症関連」タンパク質およびシグナル伝達分子が豊富な微小環境は、活性化リンパ球または免疫細胞を「エフェクター表現型」に駆動する。エフェクター細胞は、典型的には、「感染症または外来侵入者との戦い」に関連するタンパク質を発現する。一例として、エフェクターT細胞は、B細胞の成熟またはマクロファージの活性化を誘導することができる細胞傷害性T細胞またはTヘルパー細胞を含む。一般に、「抗炎症性」タンパク質およびシグナル伝達分子が豊富な微小環境は「サプレッサー表現型」を産生する。サプレッサー細胞は、典型的には、「能動免疫応答の抑制」に関連するタンパク質を発現する。一例として、抑制性T細胞は、「自己抗原」に対する過度の免疫反応の減少(すなわち、免疫寛容の維持)を助ける制御性T細胞である。これらの例は、動的リンパ微小環境の状態に依存する免疫細胞(および支持細胞)表現型のほんの少数を表す。
リンパ節(およびリンパ関連組織)は、ニューロンによって神経支配される。初期の研究では、種々の神経伝達物質および神経ペプチド受容体に対して陽性に染色されるニューロンを含む、リンパ区画内の幅広いニューロンサブタイプが明らかにされた。さらに、リンパ節は、特定の組織構造に区画化された異なる免疫機能を有するように構築されている。高内皮細静脈などの障壁組織は、リンパ組織からの免疫細胞の出入り速度を調節するように機能する。傍皮質および皮質の領域はT細胞を保持し、一方、濾胞中心はB細胞を保持する。支持細胞は、「ゾーン」間の細胞移動を可能にする線維構造、およびリンパ球機能および輸送をさらに調節し得る常在性抗原提示細胞を含む。ナイーブリンパ球および細胞は、組織からリンパ系および循環器系を通って循環する間にこれらの領域を定期的に横切る。活性化された細胞は、(周囲の細胞に由来する)移動シグナルに応答し、1つのリンパ区画から次のリンパ区画に移動してその機能を完了する。一例として、濾胞領域内で活性化および増殖するB細胞は、辺縁帯(リンパのT細胞およびB細胞に富む領域の間)に移動する。辺縁帯において、B細胞は、形質細胞(すなわち、抗体産生細胞)への完全な成熟に必要なシグナルを提供するTヘルパー細胞と相互作用し得る。成熟した形質細胞は、その後、輸出リンパ管および髄洞構造に移動し、循環中に分泌される抗体を産生し始める。これらの構造の神経支配は公知であるが、これらの局所リンパ微小環境における神経シグナル伝達の機能的意義の理解はほとんどない。神経伝達物質および神経ペプチド受容体は、リンパ節構造/区画内の非常に特異的な位置に存在することが示されているが、これらの受容体が、情報を中継して中枢神経系に戻すように機能することは確かではない(すなわち、受容体は単に、局所免疫調節因子として(サイトカインのように)作用する、特定の条件下での神経伝達物質/神経ペプチドの局所放出のために機能し得る)。それにもかかわらず、機能的な神経反射回路(すなわち、リンパ区画間の速い/局所的反射および/またはリンパ区画と中枢神経系との間の遅い/グローバル回路)の存在は、神経免疫相互作用の研究および治療応用に多大な影響を及ぼす。
今日まで、いくつかの研究は、典型的には神経伝達物質または神経ペプチドとして分類される分子のインビボ注入が局所免疫活性を調節し得ることを示している。例えば、ノルエピネフリンは、リンパ系からのリンパ球移動を変化させると考えられ、VIPは、T細胞における調節機能/表現型を誘導すると考えられている。しかしながら、これらの機能的帰結は、未だ直接的な神経刺激(放出プロフィールおよび濃度が神経の位置およびシナプス活性によって制御される)を介して示されており、むしろ高濃度の神経シグナル伝達分子を全身注射することによって免疫調節が示される。したがって、これらの免疫プロセスの局所調節における神経活性の重要性は未だ不明なままである。さらに重要なのは、調査は、大規模または全身スケールで神経シグナル伝達分子の濃度を変えることに依存しているため、局所神経反射が免疫調節に(リンパ組織間の長距離神経シグナル伝達を介して)協奏的または協調的応答を提供し得るかどうかは不明である。したがって、求心性および遠心性のニューロンのウェブが、リンパ管構造全体にわたる局所的な免疫障害に対する長距離の協奏的応答の機序を提供する可能性が依然として残っている。これらの神経反射は、いくつかの長さスケールにわたって免疫活性を調節し、特定の差次的刺激によって治療的に活用され得る。
脊髄運動系は、免疫組織またはリンパ組織内に存在し得る様々な神経反射を仮説化および試験するための良好な類似性を表す。脊髄運動系内の神経反射回路は、筋肉の力および長さのCNSによる効率的測定を可能にする(したがって、所望の摂動に対して正しい運動応答を提供する)。筋紡錘内の感覚ニューロンまたは求心性ニューロンは、アルファ運動ニューロンの活動を興奮させることができる。ゴルジ腱求心路は、アルファ運動ニューロンの活動を(脊柱内の介在ニューロンを介して)抑制することができる。さらに、ガンマ運動ニューロンは、筋紡錘自体の長さを制御することができ、したがって紡錘求心路の感受性を設定することができる。これらの神経反射は、膝の腱の標準的なハンマータップ反射の制御を担っており、膝の腱を叩くことによって筋感覚求心路の伸びを引き起こし、(摂動に対する反対の屈筋/伸筋応答を担当する抑制性脊柱介在ニューロンにより)脚の伸筋および屈筋のそれぞれ協奏的な興奮/弛緩を引き起こす。神経シナプスはリンパ組織内に存在し、神経シグナル伝達分子は免疫活性を変えるようであることから、免疫およびリンパ組織の神経−免疫調節に関連する同様の(しかし未知の)反射が存在する可能性があると仮定することができる。さらに、この回路を理解することにより、リンパ/免疫組織ネットワークにわたる適応免疫応答の差次的調節を認めることができる。
運動ニューロンの類似性に従えば、皮質ニューロンは、標準的な筋反射に応答する運動ニューロンを直接変化させ得ることも公知である。この場合、(ストレッチが起こる前に)筋肉の伸張または摂動に対抗することについて積極的に考えると、ストレッチに対する筋肉応答の潜伏時間が変化する。これは、第2の運動反射経路の存在に起因している。上で論じた脊柱反射は「短潜時応答経路」と呼ばれ、皮質神経活性に依存するこの他の反射は「長潜時応答経路」と呼ばれる。長潜時経路に関連する(筋紡錘からの)求心性の入力は、脊髄後索核および視床においてさらなる介在ニューロンを通過しなければならず、したがって、脊髄反射と比較して遅れた応答(または潜時)を伴う反射を提供する。これらの2つの経路の結果は、筋伸長の摂動に関連した短潜時の「不随意応答」と長期の「自発的応答」の両方の存在である。この場合もまた、神経シナプスはリンパ組織内に存在し、神経シグナル伝達分子は免疫活性を変えるようであることから、免疫およびリンパ組織の神経−免疫調節にわたる制御を提供する、同様の(しかし未知の)皮質反射または神経経路が存在する可能性があると仮定することができる。さらに、この回路を理解するにより、リンパ/免疫組織ネットワークにわたる適応免疫応答の差次的調節、および皮質制御に関するさらなる情報(「免疫記憶」または特定の炎症性または抗原摂動事象について皮質に保存される情報など)を認めることができる。
現在の知見のいずれも、局所免疫摂動/傷害に対して協奏的適応免疫応答を行う神経系の能力を実証していない。コリン作動性抗炎症経路などの全身性神経免疫反射が発見され、適用されている。しかし、これらの経路は、自然免疫応答の全体的/全身的制御と関係があり、体内の免疫およびリンパ組織の広範なシステムにわたって協奏的適応免疫応答を開始するための機序ではない。このような局所適応免疫反射の発見と適用は、基礎科学と翻訳医学の両方に深い意味を持つであろう。
考察したように、リンパ節は、それぞれが異なる免疫機能を有する異なる免疫細胞サブタイプを含む別個の区画に分離されたコンパクトな免疫組織である。さらに、これらの区画は、異なるタイプのニューロンによって神経支配される。しかし、免疫細胞状態の機能的変化を引き出すために必要な神経シグナル(活動電位周波数、刺激強度)は不明である。ある種の神経支配されたリンパ節区画は、樹状細胞が移動し、活性化のために抗原を細胞に提示するT細胞によって支配される領域を含む。神経支配は血管にも続き、そのいくつかは、末梢組織からの免疫細胞の移動/進入の制御を担っている。例えば、血流中のリンパ球は、高内皮細静脈(HEV)を介してリンパ節に入ることができる。さらに、リンパ球およびリンパ液がリンパ節に出入りする速度がリンパ節の体積に影響を及ぼす。リンパ節内では、支持細胞および組織は、自己抗原に応答する免疫細胞の調節、および免疫細胞寛容の維持において役割を果たす。リンパ節内の他の微小環境は、特定の同族抗原によって一旦活性化された免疫細胞の表現型に影響を及ぼし、例えばリンパ節の出口血管内の内皮細胞は抗体を血流に放出する活性化形質細胞のためのアンカー位置および微小環境を提供する。さらなる効果として、リンパ節およびリンパ系は、上流組織の間質液から生じるリンパ液を輸送し、濾過し、排出する機能を果たす。例えば、リンパ節の輸出リンパ液のタンパク質組成は、典型的には、その輸入リンパ液よりも高いことが知られている。リンパ節の輸入リンパ管および輸出リンパ管の流量は調節され、リンパ管の平滑筋細胞の収縮(0.6〜10拍/分)、リンパ管構造およびリンパ節の外壁を取り囲むリンパ平滑筋の収縮(0.5〜1拍/分)をも伴う。リンパ組織の神経調節は、排出速度および/または排液中の細胞集団を変化させることができる。リンパ組織内で生じるこれらの(および他の)適応免疫プロセスは、感染、炎症性/自己免疫性の疾患、アレルギー、および腫瘍または異物(移植(トランスプラントおよびインプラント))に対する免疫応答を含む多数の疾患に関連する。開示された技術の一実施形態では、リンパ組織の上流、隣接する、またはその内側の特定の神経を局所刺激すると、1)標的リンパ組織内の下流の免疫調節、および2)適応免疫反射経路を介した隣接リンパ組織における統合され、調和した免疫調節、をもたらす。本明細書では、適応免疫反射の刺激に基づくリンパ系ネットワークにわたる差次的免疫調節のための技術が提供される。
本明細書で提供されるように、神経調節または被験体の神経による調節は、内部エネルギー源または移植エネルギー源または被験体の外部のエネルギー源であり得る導入されたエネルギー源を介して、ニューロンまたは神経にエネルギーを印加することを指す。エネルギー源は、1または複数の電極を介して神経に印加される電気または他のエネルギーパルスを生成するパルス発生器であってもよい。神経調節(すなわち、神経による調節)には、神経刺激、または神経もしくは神経機能を活性化または増加させるエネルギーの印加が含まれ得る。神経調節はまた、神経または神経機能を遮断または減少させるエネルギーの印加を含み得る。神経調節は、追加のまたは代替の技術によって達成され得ることを理解されたい。しかし、本開示の文脈では、神経調節は、少なくとも、エネルギーパルスの印加が所望の位置でニューロンまたは神経を調節するように配置された1または複数の電極を介したエネルギーの印加により達成される。特定の実施形態では、電極は、リンパ組織内、リンパ組織を神経支配する神経の近傍(例えば、その上または近くに)、または印加されるエネルギーがニューロン、または神経を経皮的に活性化する場所の被験体の皮膚(または粘膜組織)の外面上に配置することができる。
この目的のために、開示された神経調節技術を用いて、適応免疫反射を局所的または差次的に調節することができる。図1Aは、中枢神経系、末梢神経系およびリンパ系の概略図またはオーバーレイである。神経経路における適応免疫応答は、神経シグナル伝達を介した広範なリンパ系全体にわたる適応免疫応答の協奏的または統合された調節を容易にする。適応免疫応答の神経調節は、適応免疫応答を周囲組織とは異なる免疫応答または帰結を達成するように調節することができる、特定のリンパ組織(または図1Bに示されるリンパ節)を神経支配する任意の神経において実施され得る。刺激は、感覚/求心性神経線維および/または遠心性/エフェクター神経線維の刺激を含み得る。調節部位は、提供される免疫応答および/またはリンパ応答を調節する任意の適切な神経位置であり得る。
図1Bは、リンパ節環境の神経支配について知られているものの概略図である。リンパ節構造内の異なる場所において、異なる神経型(交感神経ニューロンまたはカテコールアミンニューロンおよび神経ペプチドニューロンを含む)が観察されている。これらの神経は、図1Cに示すリンパ節を(血管に続く)先端で神経支配し、傍皮質、濾胞間(interfolicular)領域および髄洞を含むリンパ節の異なる領域で終結する。これらの神経はリンパ管に沿って移動し、リンパ系内のリンパ節をつなぐ血液およびリンパ管を同様に神経支配する。
特定の実施形態において、神経調節は、適応免疫反射を調節する。適応免疫反射は、炎症または抗原の存在によって誘発される求心性ニューロン活動のために、リンパ節からのリンパ球移出の停止を伴い得る。リンパ節におけるリンパ球の増加は、抗原スクリーニングを増加させることができる。図2Aは、適応免疫反射のための可能性のある1つの経路の概略図を示す。この単純な経路の例では、リンパ組織または周囲組織中の求心性ニューロン、例えば感覚ニューロンは、リンパ節構造内の特定の位置を神経支配する遠心性ニューロンと通信する。一例として、これは、リンパ節からのリンパ球移出のゲーティングを担当する髄質および濾胞間領域内の内皮であり得る。求心性ニューロン(炎症性分子または抗原によって調節される)からのシグナル伝達は、この遠心性ニューロンの発火に影響を及ぼし、(例えば、浸透性を変化させることによって、または出口洞様に影響を与えることによって、内皮障壁を通る移出速度またはリンパ球を調節することができる)神経伝達物質または神経ペプチドの局所濃度を変化させる。図2Bは、リンパ球が障壁を超えられるように内皮障壁の透過性を変化させる経路の概略図である。このような適応免疫反射は、感染に際してリンパ球移出の急速な減少を可能にするために重要であり、リンパ区画への抗原提示細胞の移動による抗原のスクリーニングを急速に増加させることができる。
図3は、(炎症または抗原の存在をシグナル伝達する)求心性ニューロンが中枢神経系の中および上へと続く、適応免疫反射のための別の例示的な神経経路を表す。この場合、その神経からの神経シグナル伝達は、複数の遠心性ニューロンへのシグナル伝達によって、協調的なまたは統合された適応免疫応答を提供し、ネットワークを介して複数のリンパ節またはリンパ組織を神経支配するように作用し得る。一例として、リンパ系の全区域にわたるリンパ節からのリンパ球移出は、単一の局所摂動または刺激、例えば局所的な炎症または感染事象の存在のために減少し得る。適応免疫反射への求心性神経入力は、脊柱を上昇移動して、リンパ領域全体にわたる免疫反射を協調させることができ、例えば、足の刺激は、脚全体のリンパ球移出を変えることができる。
図4は、(炎症または抗原の存在をシグナル伝達する)求心性ニューロンが中枢神経系の中および上へと続く、適応免疫反射のための別の例示的な神経経路を表す。この場合、その神経からの神経シグナル伝達は、リンパ系内の異なる位置で反対の適応免疫帰結を提供するように作用し得る。一例として、局所炎症または抗原傷害を取り囲むリンパ系内のリンパ球移出は、(リンパ節内の迅速または増加したリンパ球スクリーニングを可能にするために)減少し得るが、リンパ系の遠隔部分におけるリンパ球移出は、リンパ球を感染領域に動員するために増加し得る。図に示すように、このタイプの作用は、リンパ系の1つの部分においてエフェクターニューロンを興奮させるが、他の/遠隔領域を神経支配する遠心性ニューロンを抑制する、介在ニューロンを介して引き起こされ得る。
図5は、(炎症または抗原の存在をシグナル伝達する)求心性ニューロンが抑制性ニューロンを興奮させ、適応免疫反射における遠心性神経の活性を低下させる、適応免疫反射のための別の例示的な神経経路を表す。この自己抑制は、図2Aに記載される単純な神経経路と併せて利用され、フィードバックまたは反対の神経シグナルを提供して、初期免疫帰結(例としてリンパ球移出を使用して示される)を相殺することができる。図に示すように、求心性シグナル伝達は、リンパ組織または周囲組織のいずれかの組織活性から生じる(したがって、様々な段階で適応免疫応答に関する情報を伝達する)。長い炎症応答またはリンパ節環境の局所的な変化(すなわち、同族抗原認識およびリンパ球増殖)の後、異なる求心性/感覚ニューロンが複シナプス反射(dissynaptic reflex)を形成し、抑制性ニューロンが初期応答を停止し、再度リンパ節からのリンパ球移出を可能にする。これにより、初期応答に対するフィードバック制御機序が可能になる。
図6は、(炎症または抗原の存在をシグナル伝達する)求心性ニューロンが2つの異なる遠心性ニューロンに関連する神経経路を興奮させる、適応免疫反射のための別の例示的な神経経路を表す。抑制性ニューロンが求心性神経と遠心性経路のうちの1つとの間に存在し、リンパ組織/節内の異なる位置での適応免疫応答および/または差次的神経調節の相互抑制を可能にする。片側抑制性ニューロンを介した相互抑制反射は、リンパ節の異なる部分への神経出力を低下させるように作用し得る。例えば、図6において、遠心性1はリンパ球移出を減少させるように作用し、一方遠心性2は濾胞または胚中心における神経伝達物質レベルを低下させ、かくして同種抗原認識時により多くのエフェクター免疫細胞表現型を促進する。
図7は、遠心性神経シグナル伝達が抑制性ニューロンにフィードバックされ、神経発火中の自己抑制を可能にする、適応免疫反射のための別の例示的な神経経路を表す。反射経路のこの構成は、遠心性神経発火がリンパ組織/節における神経シグナルの持続時間および/または大きさを制限するためにそれ自体にフィードバックする自己調節を可能にする。脊柱内の特別な抑制細胞は、発火しているちょうど同じ遠心性ニューロンを抑制し、自己調節を提供することができる。例えば、リンパ球移出の初期減少は、抑制性ニューロンからの負のフィードバックによりしばらく後に停止する。
図8は、神経経路が末梢神経系内に完全に含まれている(かつ脊柱またはCNS内のニューロンを含まない)適応免疫反射のための別の例示的な神経経路を表す。これらのニューロンは、リンパ組織または周囲組織に関連する興奮性および/または抑制性ニューロンと関連していてもよく、リンパ管と一緒に移動する神経によって連結されていてもよい。神経のこのネットワークは、上記の反射(すなわち、相互作用、自律性、交差性、協調的、および周期的反射回路)に寄与し、末梢リンパ組織を取り囲む神経ネットワーク内でのみ通信する。求心性/遠心性ニューロンのネットワークは、リンパ組織およびリンパ管内で直接シナプス結合し、リンパ特異的経路に沿って隣接リンパ節間の神経シグナル伝達を可能にする。
図9は、神経経路が、(より高レベルの脳幹または皮質経路を有するニューロンを含む)CNS全体にわたって投射する、適応免疫反射のための別の例示的な神経経路を表す。このタイプのロングループ反射は、中枢神経シグナル伝達を介して局所適応免疫反射の一部を抑制することができる。例えば、図に表すように、脳幹またはより高レベルの神経節ニューロンへの全身性炎症のシグナルは、図4に記載されている交差動員反射を抑制するようにシグナル伝達することができる。これは、標準的な状態の間は局所感染へ向かって移動する、離れたリンパ組織からのリンパ球の動員を可能にするが、体が全身の感染または損傷と戦っているときにはこの動員を排除する。適応免疫反射へのより高レベルのCNS入力のさらなる効果は、特異的な炎症性または抗原性刺激に対する応答の協調および統合への「免疫記憶」または皮質の参加を提供することである。図に示すように、損傷記憶は、ロングループ適応免疫反射の結果である全身性炎症を表すシグナルによって媒介され得る。より高レベルの反射は、応答部分の抑制を可能にすることができる。より長い皮質またはCNSのループは、全身性生理学的状態の局所免疫反射の協調を促進することができる。例えば、慢性または全身性の炎症をシグナル伝達する皮質またはCNSのループは、交差動員反射を抑制することができる。本明細書で提供されるように、神経調節は全身性炎症を治療するためのこのような局所抑制をもたらすことができ、または以前に抑制された局所応答を動員するために使用することができる。
図10は、リンパ組織/リンパ節構造内の異なる場所内の神経終末が、どのようにして適応免疫系に対して劇的に異なる効果を有し得るかを示す。高内皮血管における神経支配は、血液からリンパ区画へのリンパ球の流入の神経調節を可能にすることができ、例えば、神経調節は、使用される刺激または遮断周波数に応じて移出または移入を促進することができる。皮膜および皮質内の神経は、抗原提示細胞の移入またはリンパ液を濾過する網状細胞ネットワークの浸透性を支配するプロセスの神経調節を可能にすることができる。濾胞領域の神経支配は、B細胞ホーミング、抗原提示細胞とのB細胞相互作用、または活性化時のB細胞表現型の調節を可能にすることができる。深部皮質ユニット内の神経は、T細胞ホーミング、抗原提示細胞とのT細胞相互作用、または活性化時のT細胞表現型の調節を可能にすることができる。濾胞間領域の神経支配は、活性化B細胞が抗体産生形質細胞へ成熟する際のT細胞関与を含む、T細胞/B細胞相互作用の調節を可能にすることができる。髄質領域内の神経は、リンパ節からのリンパ球および/または抗原提示細胞移出の神経調節、および/またはこの領域内の細胞(アンカー形質細胞など)の表現型を調節することができる。
図11は、複数組織の排出セグメントへのリンパ系の公知の分割を示す。適応免疫反射の特定の部分の神経調節は、リンパ系の局所領域内の適応免疫プロセスの特異的調節を可能にすることができる。
図12は、本発明の一実施形態における適応免疫反射の差次的刺激または調節を調べるために使用される標準的な実験方法を示す。色素が最初に被験体の足肉球に注入され、色素が注入された脚のリンパ系内に広がった。この色素は、リンパ節(リンパ節は刺激実験でそれ自体解剖されなかった)および選択されたリンパ節を神経支配する神経の両方の視覚化を可能にした。一実施形態において、右膝窩リンパ節を直接刺激のために選択し、坐骨神経をこのリンパ節の真上の刺激部位として選択した。双極絶縁電極をこの部位(神経の各側に1つの極)の坐骨神経の周りに配置し、2つの電極に接触するリード線に取り付けられた電源および関数発生器を用いて刺激を達成した。刺激の5分後、局所リンパ節を解剖し(他の節および組織区画と共に)、リンパ管を介してリンパ液を採取し、大静脈から採血した。取り出された組織を処理し、神経伝達物質濃度(HPLCまたはElisaを用いて分析)、神経ペプチド濃度(Elisaを用いて分析)、または全体的および特異的免疫細胞数(血液分析装置の細部を挿入;単一細胞懸濁液へのさらなる処理の後)のいずれかについて分析した。これらの実験の対照には、ナイーブ(刺激なし)、擬似(電極挿入があるが刺激はない)、および神経切除(刺激前にリンパ節を神経支配する神経を切除)の対照が含まれていた。
リンパ組織
本技術は、免疫細胞および/またはリンパ系の構造の刺激を含む。本明細書に開示するように、刺激は、細胞蓄積、排出、細胞増殖などのリンパ系の機能に影響を及ぼし得る。リンパ系は、リンパ器官、体全体に広がり、流れおよび排出を提供するリンパ管、ならびにリンパ系内で輸送されるリンパ液を含む。リンパ管は、免疫細胞を他の組織からリンパ節ならびに脾臓および胸腺のようなリンパ器官に輸送する。リンパ管は、リンパ液および細胞を運び、体内の組織に広がる管のネットワークである。主要なリンパ器官には、胸腺および骨髄が含まれる。脾臓、リンパ節、パイエル板、およびアクセサリーリンパ組織(扁桃および虫垂を含む)は、二次リンパ器官である。これらの器官は、循環するBリンパ球およびTリンパ球ならびに例えばマクロファージ、樹状細胞および好酸球を含む他の免疫細胞を支持する結合組織の足場で構成されている。微生物が身体に侵入するか、または身体が他の抗原に遭遇すると、抗原は典型的には組織からリンパ液に輸送される。リンパ液は、リンパ管で局所リンパ節に運ばれる。リンパ節では、マクロファージおよび樹状細胞が抗原を貪食し、抗原を処理し、その後、抗原をリンパ球に提示し、抗体を産生し始めるか、または将来再び抗原を認識する記憶細胞として働くことができる。したがって、リンパ液およびリンパ組織は、抗体および免疫細胞を含む。リンパ組織は、皮質(例えば、主にBリンパ球の占める領域、濾胞を含む)、傍皮質(例えば、主にTリンパ球の占める領域)、およびマクロファージの占める領域により多くの場合取り囲まれているリンパ洞を含む、十分に定義された構成要素からなる。
リンパ節は、リンパ管を介して運ばれるリンパ液のためのフィルタとして作用し、リンパ管を介して運ばれる細菌およびウイルスを収集および破壊するリンパ球の内部区画を含む。リンパ節はまた、リンパ球および抗体を産生する。身体が感染と戦っているとき、これらのリンパ球は急速に増殖し、リンパ節の特徴的な腫脹を生じる。およそ2,500億の異なるリンパ球が毎日各リンパ節に移動する。リンパ液は、右リンパ管(右上半身からのリンパ用)および胸管(身体の残りの部分用)が末端となる大きなリンパ管に徐々に輸送される。これらの管は、肩の近くの左右の鎖骨下静脈において循環系に排出される。リンパ管のネットワークに沿って、リンパ小節、パイエル板、扁桃、リンパ節、胸腺および脾臓を含む一連の様々なリンパ組織および器官がある。リンパ節は、硬い皮膜内に多くのリンパ小節を包み込み、血管およびリンパ管が供給されている。リンパ節は、リンパ管によってそれらに送達されたリンパ液を濾過する。したがって、リンパ節は、リンパ節が位置するリンパ毛細血管床からのリンパ排出を濾過する。
リンパ節の集積は、様々な解剖学的領域に見出され、本発明の方法は、これらのリンパ領域の1または複数の局在化神経調節のために使用することができる。例えば、リンパ節の集積は、腋の下(腋窩リンパ節)、鼠径部(鼠径リンパ節)、首(頸部リンパ節)、胸部(胸筋リンパ節)、および腹部(腸骨リンパ節)に見られる。他のリンパ系集積としては、限定するものではないが、膝窩リンパ節、傍胸骨リンパ節、外側大動脈リンパ節、傍大動脈リンパ節、オトガイ下リンパ節、耳下腺リンパ節、顎下リンパ節、肋間リンパ節、横隔膜リンパ節、膵リンパ節、乳糜槽、腰部リンパ節、仙骨リンパ節、閉鎖リンパ節、腸間膜リンパ節、結腸間膜リンパ節、胃リンパ節、肝リンパ節および脾リンパ節が挙げられる。開示された技術は、これらのリンパ領域の任意の1または複数を神経支配する神経の直接的神経調節のために使用することができる。
神経調節
ヒトの神経系は、脳および脊髄の中枢および体の様々な神経の末梢に見られる神経細胞またはニューロンの複雑なネットワークである。ニューロンは、細胞体、樹状突起、および軸索、ならびにシナプスを含み、神経伝達物質が放出される軸索末端を有する。神経は、身体の特定の部分に作用するニューロン群である。神経は、数百のニューロンから数十万のニューロンを含むことができる。神経は、多くの場合、求心性ニューロンと遠心性ニューロンの両方を含む。求心性ニューロンはシグナルを中枢神経系に戻し、遠心性ニューロンはシグナルを抹消に運ぶ。ある位置にある神経細胞体の群は、神経節として知られている。電気シグナルは、ニューロンおよび神経を介して伝導される。ニューロンは、他の神経とのシナプス(接続)で神経伝達物質を放出し、電気シグナルの継続および調節を可能にする。末梢では、シナプス伝達はしばしば神経節で起こる。
ニューロンの電気シグナルは活動電位として知られている。活動電位は、細胞膜を横切る電位差がある閾値を超えると開始される。この活動電位は、その後、ニューロンの長さ方向に伝搬される。神経の活動電位は複雑であり、その中の個々のニューロンの活動電位の合計を表す。有髄ニューロン(および神経)は、ランヴィエの絞輪を除いて跳躍的に電気を伝導する。この跳躍的伝導がなければ、電気シグナルの伝搬はかなり遅くなる(例えば、無髄の場合は2m/秒、有髄神経の場合は200m/秒)。
本明細書で提供されるシステムは、様々な刺激パラメータに従ってエネルギーパルスを提供することができる。例えば、刺激パラメータは、連続的なものから間欠的なものまで様々な刺激時間パターンを含むことができる。エネルギーは、シグナルオン時間の間、特定の周波数(例えば、0.5Hz〜30KHz、またはある実施形態では、0.5Hz〜200Hz)で一定期間送達される。シグナルオン時間に続いて、エネルギー送達なしの時間が続き、これはシグナルオフ時間と呼ばれる。神経調節パターンは、パルス幅(単一パルスの持続時間)と周波数(隣接パルス間の間隔)との様々な組み合わせを含むことができる。神経調節パターンは、経験的証拠に基づいて、例えば、以前に治療された患者からの患者データに基づいて決定されてもよく、および/または特定の患者のためにカスタマイズされてもよい。例えば、調節パターンは、治療が成功した臨床状態と類似の臨床状態を有する患者にとって成功すると決定されたパターンに基づいて選択されてもよい。調節パターンは、調節の下流の影響(例えば、神経ペプチドまたは神経伝達物質の濃度または本明細書で提供される他の特性)の成功した調節および/または追跡を決定するために、患者における神経活性の記録に基づいて選択されてもよい。
治療期間は、わずか数分から数時間も続くことがある。特定の刺激パターンを用いた治療期間は、1時間続くことがある。神経調節のためのパルス生成は、パルス発生器を使用して達成される。パルス発生器は、従来のマイクロプロセッサおよび他の標準電気部品を使用することができる。刺激パラメータはまた、周波数、持続時間、パルス形状、電流、または電圧パラメータを含むことができる。この実施形態のパルス発生器は、約0.5Hzから30KHzの範囲の周波数、約10から1000マイクロ秒のパルス幅、および約0.1ミリアンペアから20ミリアンペアの間の一定の電流でパルスまたはエネルギーシグナルを発生することができる。パルス発生器は、電流振幅の勾配のある、または傾斜した立ち上がりを生成することができる。別の実施形態では、パルス発生器は、0.5V〜10Vの範囲の定電圧を生成する電圧発生器である。特定の実施形態では、パルス発生器は、外部コントローラおよび/またはモニタと通信することができる。
神経の双極刺激は、複数の電極アセンブリを用いて達成することができ、一方の電極は正のノードとして機能し、他方の電極は負のノードとして機能する。このようにして、神経活性化は、主に一方向(片側)、例えば遠心性、または中枢神経系から離れる方向に向けることができる。単極刺激も行うことができる。本明細書で使用されるように、単極性刺激は、リード線上に単一の電極を含み、埋め込まれたパルス発生器自体または接地電極は、本質的にリード線電極から離れた第2の電極として機能する。単極刺激では、リード線上の電極と遠隔電極とを電気的に結合するためにより大きなエネルギー場が生成される。これは、神経に対して「大まかな近接」だけで配置された単一の電極による神経刺激の成功を可能にし、双極刺激に必要な「きわめて近接」よりも電極と神経の間の分離が著しく大きくなる可能性があることを意味する。電極と神経との間の許容可能な距離の大きさは、必然的に、遠隔電極と電対するためにオペレータがリード線電極を用いて生成するエネルギー場の実際の大きさに依存する。
本明細書で提供される技術は、1または複数のリンパ組織の刺激を含み得る。さらに、リンパ組織が複数の神経によって神経支配される限り、刺激は1または複数の神経を伴ってもよい。例えば、電極は、複数の神経に影響を及ぼす組織領域内でエネルギーを送達するように配置されてもよい。
リンパ節の神経支配
治療結果を生み出すために神経経路を調節する技術が本明細書において提供される。調節は、神経/神経経路の直接的な電気刺激(すなわち、電極を有する埋め込み刺激装置)を介して、または非侵襲的手段(すなわち、身体の外側から神経にエネルギーを通過させることによる活動電位または神経活性の誘発、これは、磁場、外部電場、または超音波を含むいくつかの形態であってもよい)を介して起こすことができる。リンパ節への神経経路もまた、これらの刺激技術を用いて調節することができる。すなわち、刺激は、リンパ組織内でも、またはその近隣でもないが、リンパ組織への、またはリンパ組織からの神経経路の一部である上流または下流の神経部位を標的とすることができる。
リンパ組織は、感覚神経および運動神経を含む末梢神経系の神経によって神経支配され得る。このような神経は、腺、心筋および平滑筋にシグナルを運び、交感神経系および副交感神経系にさらに分けることができる自律神経系の神経を含み得る。アドレナリン作動性神経線維は、神経伝達物質、例えば、アドレナリン(エピネフリン)、ノルアドレナリン、またはドーパミンを放出する。これらの神経伝達物質はシナプスにおいて放出され、これは1つの神経細胞の軸索と別の神経細胞の樹状突起(または非神経細胞との接合点/シナプス)との間の接合点である。交感神経のノルアドレナリン作動性神経線維は、特定のリンパ組織を神経支配し、一般に、結節領域またはBリンパ球領域ではなく、Tリンパ球および形質細胞のゾーンに向けられる。例えば、胸腺において、ノルアドレナリン作動性線維は、血管周囲の神経束および神経叢の中に入る。脾臓では、ノルアドレナリン作動性線維は血管系に入り、中心動脈および関連する動脈周囲リンパ鞘に沿って主に白脾髄に分布する。繊維は中央動脈周囲の緻密な叢から分岐し、柔組織に移動し、リンパ球および他の細胞型の領域で終わる。リンパ節では、ノルアドレナリン作動性線維は門に入り、脈管構造に沿って、そして皮膜下神経叢内を移動し、リンパ球の中で終わる傍皮質および皮質領域で柔組織に分枝する。腸、球形嚢、およびパイエル板では、ノルアドレナリン作動性線維は漿膜表面に進入し、筋肉内面に沿って縦方向に移動し、放射状に結節間叢になり、胸腺依存性ゾーンを直接突き抜け、リンパ球、腸クロム親和性細胞、および腹腔内領域の形質細胞に豊富に分岐する。骨髄では、ノルアドレナリン作動性線維は血管に入り、骨髄内でそれらの血管上に深く分布し、骨髄の物質にまばらに枝分かれする。見出され得る他のタイプの神経線維としては、ペプチド作動性線維が挙げられる。神経調節の効果は、刺激される神経線維のタイプによって影響を受け得る。
リンパ組織刺激の治療有用性
多くの疾患は、免疫系シグナル伝達の欠陥によって引き起こされるか、または悪化する。これらには、自己免疫疾患(免疫細胞が自己抗原に対して活性化される)、炎症性疾患(免疫細胞が慢性的に破壊状態または活性状態に保持される)、および癌(腫瘍が、異常細胞または癌細胞を攻撃する免疫系の能力を排除する防御免疫細胞プロファイルを発揮する)が含まれる。これらのプロセスの多くの制御点はリンパ節に存在する。循環する免疫細胞は、しばしばリンパ節に進入し(受動的に、または能動的/標的化された過程を介して)、周囲の組織および血液とは異なるシグナル/コマンドを受け取る。他の免疫細胞(および支持細胞)はリンパ節に常在し、血流中にシグナルを絶えず分泌して、リンパ区画の外側の細胞に影響を及ぼす。上記のように、これらの免疫細胞集団のいずれかの神経刺激および制御は、多くの疾患を治療するために使用することができる。シナプス後の交感神経ニューロンの電気的活性化は、カテコールアミン(エピネフリン、ノルエピネフリン、ドーパミン)の放出をもたらす。ペプチド作動性ニューロンはまた、NPY、サブスタンスP、VIPなどのペプチドベースの神経伝達物質を放出することができる。副交感神経線維は、アセチルコリンのような他の神経伝達物質を放出することができる。本明細書で提供されるように、神経調節技術は、本明細書で提供される疾患または状態の1つを有する被験体を治療するために使用可能である。しかし、これらの実施例は非限定的であり、この技術を使用して、免疫機能の改変を必要とする任意の被験体を治療可能であることを理解すべきである。
本明細書で提供されるように、リンパ組織の神経調節は、免疫調節および/またはリンパ組織の活性または機能の変化をもたらし得る。特定の治療結果は遮断効果と関連しているが、他の治療結果はリンパ活性の増加と関連していると思われることを理解されたい。特定の実施形態では、リンパ節の神経調節は、対側のリンパ節と比較してリンパ節の局所的拡大をもたらす。拡大または肥大は、外リンパ管における筋肉細胞の緊張の変化、リンパ節周辺のリンパ管の長期動員および再組織化、および/または重要な障壁組織(リンパ節内の高内皮細静脈(HEV)など)における分子変化、例えば重要な輸送タンパク質(アクアポリン(水/液体輸送)またはCCL21/CXCL13分泌(細胞ケモカイン)など)の改変に関連すると思われる。この変化は、細胞密度、細胞数、および拡大を含む全体的なリンパ節組織環境の劇的なシフトをもたらし得る。さらに、リンパ節の活性化は、局所活性化を拡大または増幅してリンパ系を全身的に活性化する活性化連鎖をもたらし得る。すなわち、局所刺激は、リンパ系の下流および上流の活性化をもたらし得る。したがって、局所神経調節を使用して、全身性免疫応答を活性化することができる。このような活性化は、免疫応答の不全または低下に関連する状態を有する被験体にとって有益であり得る。このような活性化はまた、病原体との戦いに対する身体自体の応答を高めることができる。したがって、神経調節を使用して、リンパ液流の改変、リンパ組織内外への免疫細胞輸送、免疫細胞表現型または局所免疫応答の改変、および/またはリンパ組織内外への抗原輸送を達成することができる。局所刺激は、リンパ液または免疫細胞動員の組織特異的または位置特異的な増加を可能にし得る。
リンパ組織の神経調節を使用して、リンパ構造によって産生される免疫細胞の集団を変化させることができる。一実施形態では、リンパ節の神経調節により、リンパ液中を循環するリンパ球の集団の増加をもたらすことができる。リンパ節の神経調節は、1型(炎症促進性)サイトカイン(例えばIL−12、TNF−α、IFN−γ、IL−2、TNF−β)および2型(抗炎症性)サイトカイン(例えば、IL−4、IL−10、IL−13、IL−6)の局所濃度プロファイルを調節する。このような調節は、リンパ系器官の神経からのノルエピネフリンの放出およびT細胞のβアドレナリン受容体へのその対応する結合を介して起こり得る。一実施形態では、リンパ節の神経調節は、リンパ液上を循環するB細胞またはT細胞の増減、またはリンパ組織に動員されたB細胞もしくはT細胞または樹状細胞の増減をもたらし得る。したがって、リンパ組織の神経調節は、細胞移動パターンの機会をもたらす可能性がある。このような移動パターンは、インビボ生物発光イメージングを用いて観察することができる。
被験体の状態を使用して、神経調節のために適切な1または複数のリンパ構造を選択することができる。例えば、後頭部、耳介、頸部、腋窩または肘窩のリンパ節は、特定の病原体に応答して拡大する傾向があり、一方、鼠径、肺、縦隔、腹腔内の節などの他のリンパ節は、癌腫またはリンパ腫に関連する病理を有する傾向がより強いと思われる。
別の実施形態では、神経調節を使用して、リンパ排出または流れに影響を与えることができる。例えば、特定のパラメータを用いた刺激は、局所的および/または全身的なリンパ排出を増加させることがあり、それは免疫応答の消散を高める可能性がある。一実施形態では、神経調節は、創傷の部位から離れた病原体の排出を増強し、感染と戦うためにさらなる免疫細胞を動員することによって、創傷治癒を強化することができる。下流リンパ管の神経調節を介して腫瘍または病変組織における間質液流の調節を使用して、標的送達および薬剤の局在化濃度を改善することもできる。さらに別の実施形態では、遮断周波数(例えば、1000Hz以上)または電圧で神経調節を使用して、リンパ組織へのニューロン入力を減少させることができる。
排出の増加はまた、リンパ浮腫のようなリンパ循環障害を有する被験体に四肢の腫脹の減少などの利益を提供し得る。リンパ流は、初期のリンパ毛細管、リンパ管の一方向弁、ならびにリンパ管およびリンパ管構造の平滑筋細胞の収縮を制御する神経およびホルモンの部位における間質液圧によって調節される。神経調節は、リンパ流を増加させる自律的調節応答を増幅する神経伝達物質の放出に加えて、局所筋収縮応答を活性化することができる。癌のある被験体では、リンパ排出/流速の減少、またはリンパ系内の細胞輸送は、転移の可能性を減少させるのに役立ち得る。このような遮断パラメータは、活性化電圧または活性化周波数に対して比較的高い刺激電圧または周波数を含むことができる。
リンパ組織機能の評価
開示の技術は、リンパ機能評価のために使用することができる。開示の技術は、リンパの状態または機能の直接評価を使用することができる。例えば、リンパ排出の増加を必要とする被験体では、このような排出を、刺激の前、間および/または後にモニタリングして、選択されたパラメータが十分に増加したかどうかを判定することができる。したがって、リンパ排出は、リンパ排出を決定する1または複数のインビボ技術によって評価することができる。一実施形態では、外因性造影剤は、リンパ組織に直接的に、または皮内注射によって間接的に投与される。例えば、ガドリニウム系造影剤を使用することができる。所望の臨床転帰に応じて、局所的または全身的な流れのいずれにも対処することができる。例えば、MRリンパ管造影法を用いて四肢のリンパ排出を評価することができる。しかし、MR画像化は、埋め込み型電極を有する被験体の場合には困難であり得る。
別の実施形態では、蛍光微小リンパ管造影法(FML)を使用してリンパ排出を評価することもできる。FMLは、蛍光色素、デキストランに結合したFITC(FITC−デキストラン)の皮内投与、およびビデオ蛍光顕微鏡技術を用いて高解像度画像を取得する。別の実施形態では、量子ドット光学リンパ画像化を、インビボリンパ画像化およびリンパ流評価のために使用することができる。さらに別の実施形態では、画像化は、LYVE−1、Prox−1、ポドプラニンおよびVEGFR3などのリンパ特異的マーカーを標的とする色素または指示薬を含み得る。
評価技術からの画像は、自動評価または手動評価のためのシステムによって受信することができる。画像データに基づいて、刺激パラメータを修正することもできる。一実施形態では、評価パラメータは、刺激リンパ組織のサイズまたは推定体積の相対的変化である。例えば、画像データがリンパ節サイズの閾値を超える増加(例えば、非刺激状態と比較して少なくとも25%または50%の推定体積の増加)を示す場合、刺激は成功と見なすことができ、パラメータは修正しなくても、または所望の結果を達成する最低のエネルギーに後退させてもよい。さらに、サイズの増加は、所定の時間窓内(例えば、調節開始後5〜10分以内)で評価され得る。同様に、安定したバイタルサインおよび他の健康指標の存在下でリンパ排出が増加した場合、刺激周波数または電圧を、所望の結果、例えば所望のリンパ排出上昇の維持を達成する最低エネルギーに後退させてもよい。他の実施形態では、リンパ排出またはサイズの変化は、局所的な神経伝達物質濃度のマーカーとして利用され、表現型調節神経伝達物質への局所免疫(免疫相互作用)細胞の曝露についての代理マーカー、および免疫機能に対する予測効果の効率的なマーカーとして使用される。
追加的または代替的に、システムは、リンパ組織またはリンパ液中の神経伝達物質または細胞の存在または濃度を評価することができる。リンパ液または組織は、細針吸引によって採取することができ、神経伝達物質(例えば、ペプチド伝達物質、カテコールアミン)の存在またはレベルの評価は、任意の適切な技術によって行うことができる。神経調節によって局所免疫細胞から分泌され得る、炎症分子およびサイトカイン(すなわち、TNF−αまたはIL6)を含む二次シグナル伝達分子の分析も有用であり得る。
別の実施形態では、リンパ節またはリンパ組織における細胞のタイプおよび/または数の変化は、リンパ組織機能の指標であり得る。細胞集団は、フローサイトメトリーなどのエクスビボ技術によって評価することができる。別の例では、リンパ球集団を、内在性コントラストを用いたインビボレーザー走査型共焦点顕微鏡法(IVCM)によって評価することができる。リンパ節拡大がリンパ節への細胞進入によって媒介される場合には、細胞集団における相対的増加もこのような細胞進入の指標となり得る。リンパ節における細胞の動員および移動は、リンパ節のサイズ変化を測定することによって評価され、サイズは、超音波検査法、断面CTまたはMRIを用いて評価することができる。これらの画像解析は、リンパ節構造における神経調節誘発変化を捕らえるための形態学的基準を含むことができる。前述のように、造影MRIを使用することができる。造影剤は動的に使用することができ、造影剤の動きの動態の増減が、神経調節に関連する微小循環の変化(血液/リンパ体積、微小血管透過性、またはリンパ組織内の細胞外空間の体積分率の増加など)を表すことができる。ナノ粒子造影MRIはまた、リンパ組織の神経調節を評価する方法を提供することができる。例えば、フェルモクストラン−10はリンパ組織に進入し、マクロファージに結合し、T2およびT2*強調画像(画像特性が細胞密度および組織サイズに依存する)でシグナル強度が低下することが知られている。PETは、リンパ組織に対する神経調節効果の分析に使用することができ、F−FDG取り込みが、神経刺激によって影響を受ける、免疫細胞におけるグルコース利用の増加を示し得る。静脈(全リンパ節)または皮下(局所リンパ節)投与後に動物のリンパ節を視覚化するために近年使用されてきた近赤外蛍光プローブを含む他のより新しい画像化剤が、神経刺激誘発性のリンパ節変化の分析に有用であり得る。
実施例
動物の被験体に対して直接刺激を行い、リンパ節組織およびこのリンパ節から排出されたリンパ液の両方からの(刺激ありおよびなしの)神経伝達物質および3種の神経ペプチドから刺激データを収集した。図13は、刺激後の右(刺激された)脚および左(刺激されていない脚)の膝窩リンパ節を示す。刺激リンパ節(8)は、「非刺激」リンパ節(6)と比較して各被験体においてより大きく見えた。さらに、刺激リンパ節は、図14に示すように、非刺激リンパ節と比較して全体として重量が増加することが示された。
図14は、膝窩リンパ節の刺激後の、異なる刺激電圧にわたった様々な被験体群についての刺激リンパ節対非刺激リンパ節の比較結果を示す。各被験体について、刺激後に刺激膝窩リンパ節および非刺激対側のリンパ節を除去し、それぞれ個々の被験体についてリンパ節の重量比を測定した。対照において、刺激リンパ節および非刺激リンパ節の重量は同様であり、比は1であった。特定の刺激電圧(0.5V、2V、5V、および7V)では、刺激リンパ節は、非刺激リンパ節の重量のほぼ2倍であった。さらに高い電圧(10V)では、その効果は観察されなかった。観察された刺激リンパ節の肥大は、リンパ組織の細胞外空間へのリンパ液流の増加、または刺激リンパ節における免疫細胞動員による細胞充実度の増加など、リンパ活性の増加と関連している可能性がある。
刺激後のリンパ節およびリンパ液の両方における種々の神経伝達物質の放出に対する神経調節の効果を調べるために、N=5〜8の処置群で試験を行った。図15Aは、異なる電圧で刺激後の膝窩リンパ節におけるエピネフリンの濃度を示し、図15Bは、異なる電圧で刺激後のリンパ液中のエピネフリンの濃度を示す。特定の刺激電圧(0.5V、2V、5V、および7V)では有意な増加が観察されたが、高電圧(10V)では効果があまりはっきりしなかった。例えば、0.5Vでの刺激は、リンパ節およびリンパ液の両方におけるエピネフリン濃度が20倍以上増加した。
図16Aは、異なる電圧で刺激後の膝窩リンパ節におけるノルエピネフリンの濃度を示し、図16Bは、異なる電圧で刺激後のリンパ液中のノルエピネフリンの濃度を示す。ノルエピネフリンについては、刺激に応答して同様の放出の増加が観察された。観測された試料に基づいて、より高い(10V)刺激電圧で効果は降下した。
図17Aは、異なる電圧で刺激後の膝窩リンパ節におけるドーパミン濃度を示し、図17Bは、異なる電圧で刺激後のリンパ液中のドーパミン濃度を示す。全体的に、ドーパミンは逆の傾向(印加電圧が高いほどレベルが高い)を示し、印加電圧の大部分において、ドーパミン濃度は対照と有意に異ならなかった。
ペプチド伝達物質に対する神経調節の効果もまた観察された。図18Aは、異なる電圧で刺激後の膝窩リンパ節における神経ペプチドYの濃度を示し、図18Bは、異なる電圧で刺激後のリンパ液中の神経ペプチドYの濃度を示す。図19Aは、異なる電圧で刺激後の膝窩リンパ節におけるサブスタンスPの濃度を示し、図19Bは、異なる電圧で刺激後のリンパ液中のサブスタンスPの濃度を示す。サブスタンスPはリンパ節において有意な増加を示さなかったが、特定の刺激電圧ではリンパ液中で対照と比較してわずかに上昇した。図20Aは、異なる電圧で刺激後の膝窩リンパ節における血管作用性小腸ペプチドの濃度を示し、図20Bは、異なる電圧で刺激後のリンパ液中の血管作用性小腸ペプチドの濃度を示す。極端な周波数(すなわち、30kHz)の刺激は、いくつかの神経伝達物質/神経ペプチドの放出を遮断したように見えることに留意すべきである。
図21は、同じ被験体の刺激リンパ節と非刺激(または対側左膝窩)リンパ節とのアドレナリン濃度の比較を示す図である。観察された1つの結果は、刺激が対側の刺激効果を生じると思われることである。例えば、試験した特定の電圧(0.5V、2V、5V、および7V)では、対側のリンパ節が刺激され、アドレナリンを対照より有意に多く放出した。これは、上流および/または下流の接続が可能であることを指摘している。例えば、局所リンパ活性の増加を引き起こす刺激は、リンパ系を循環して対側リンパ節を活性化するシグナル(例えば、神経伝達物質)の放出をもたらすことができる。このような活性化はまた、中枢神経系または末梢神経系の活性化を提供することができ、これは、次いで神経接続または反射を介して局所活性化効果をさらに増幅するように働くことができる。図22は、同じ被験体の刺激リンパ節と非刺激対側リンパ節とのドーパミン濃度の比較を示す図である。ドーパミンについては、対側効果は、刺激リンパ節で観察されるように、対照に対してほとんど変化しなかった。これらの初期の結果は、刺激側と対側の間の接続手段を明らかにしていないが、刺激側と対側のリンパ間のサイズの示差的増加が、神経伝達物質の測定によって説明できない(示差効果が観察できない)ことに留意すべきである。リンパ機能に寄与する神経鎖活性化の効果を調べるために、一連の対照研究を行って、無傷の神経および無傷と比較する切断神経に対する刺激、非刺激対照について調べた。リンパ節への直接的な神経経路を介して神経シグナル伝達を完了できない切断神経は、無傷の神経の実験のための対照として提供した。
図23A〜図23Fは、無傷の神経を有する刺激リンパ節、切断された神経を有する刺激リンパ節、および対照についての、リンパ組織における様々な神経伝達物質の濃度を示す。エピネフリン(図23A)およびノルエピネフリン(図23B)について、無傷の神経は、対照および切断神経の両方と比較して有意に多くの神経伝達物質放出を示した。ドーパミンレベル(図23C)は、対照および切断神経に関して対照において上昇した。その効果は、神経ペプチドYでは低い程度で観察された(図23D)。サブスタンスPのレベルは唯一の反対の効果を示し(図23E)、切断神経についてレベルが最も高く、これは外傷媒介性の放出の結果であり得る。VIPレベルはこれらのサンプル間で比較的変化しなかった(図23F)。概して、これらの結果は、リンパ節神経伝達物質および/または神経ペプチド濃度の変化が、神経経路の興奮/刺激に起因し得ることを実証している。
リンパ活性に対する刺激電圧の効果を調べることに加えて、様々な刺激周波数も試験した。図24A〜図24Fは、異なる刺激周波数によるリンパ組織における種々のカテコールアミン神経伝達物質の濃度を示す。最大の効果は、エピネフリン(図24Aリンパ節、図24Dリンパ液)およびノルエピネフリン(図24Bリンパ節、図24Eリンパ液)で見られ、対照と比較して最大の変化を有し、両方のリンパ組織およびリンパ節の両方におけるピーク濃度は、20Hzでの刺激後に観察された。ノルエピネフリンでは、20Hzでの刺激は、他の周波数と比較して、放出の有意な増加を生じると思われた。3種の被験神経伝達物質については、30KHzでの刺激は、神経伝達物質放出の欠如と関連しているようであった。ドーパミンの結果を図24C(リンパ節)および図24F(リンパ液)に示す。図25A〜図25Fは、異なる刺激周波数によるリンパ組織における種々のペプチド神経伝達物質の濃度を示す。神経ペプチドYの結果を図25A(リンパ節)および25D(リンパ液)に示し、サブスタンスPの結果を図25B(リンパ節)および25E(リンパ液)、および血管作用性小腸ペプチドの結果を図25C(リンパ節)および25F(リンパ液)に示す。結果は、特定の神経伝達物質または神経ペプチドがリンパ節区画に放出される周波数を示唆している。
神経刺激に関連する神経伝達物質および神経ペプチドの測定に加えて、リンパ節(および周囲の組織/器官)内の総細胞数を、適応免疫機能の初期測定として測定した(すなわち、免疫細胞の動員またはリンパ組織における抗原スクリーニングの増加の捕捉)。図26は、直接刺激リンパ節、対側(「非刺激」または間接的刺激リンパ節)および遠隔リンパ節(腕の腋窩リンパ節)からの細胞数結果の比較パネルを示し、図27は、被験体のリンパ組織および血液についての細胞数結果の比較パネルを示し、図28は、被験体の脾臓、胸腺および肝臓における細胞数結果の比較パネルを示す。図26〜図28に示される結果の刺激パラメータは、この場合もまた、0.5V、20Hzで5分間(パルス幅200μs)であった。総白血球数(WBC)を、白血球集団の各サブセットである好中球(NE)、リンパ球(LV)、単球(MO)、および好塩基球(BA)についての具体的細胞数と共に測定した。図26〜図28に示す結果では、すべてのグラフの一番左側のバーはナイーブな対照被験体を表し、すべてのグラフの真ん中のバーは擬似被験体(電極埋め込みであるが刺激はない)を表し、すべてのグラフの一番右のバーは刺激された被験体を表す。リンパ球数は、直接刺激されたリンパ節内でわずか5分間の刺激後に劇的に増加したが、他の細胞型には変化がなかった。これは、短い時間枠内の神経調節を介してリンパ節内のリンパ球を捕捉または迅速に動員するためのリンパ球特異的機序を裏付ける。さらに、単球のような抗原提示細胞は、5分間の刺激期間内に細胞数の増加を示さなかった(これは、主に周囲組織内に見られるが、血中では見られない細胞が、刺激誘発動員に応答しないか、または応答にはより長い刺激/実験時間を必要とするかのいずれかであることを示唆している)。対照的に、対側(または間接的に刺激されたリンパ節)では全く反対の効果が観察された。すなわち、全血球サブタイプの数は、反対側のリンパ節内で劇的に減少した。興味深いことに、カテコールアミンと神経ペプチドのレベルは、直接的および間接的に刺激されたリンパ節では劇的に異なってはいない。しかし、リンパ節全体の濃度を測定する方法は、局所濃度(すなわち、特定のリンパ節領域または区画を神経支配する神経終末の周り)の差異を考慮していない。遠位の腋窩リンパ節では、刺激被験体と対照との間で、どの細胞型でも数に統計的な変化はなかった。これは、神経伝達物質/神経ペプチドレベルの全身的または全体的変化が、2つの膝窩リンパ節における免疫細胞移動/動員(すなわち、適応免疫機能)の差次的調節に関与しないことを示唆する。この初期データは、図4に示すような交差神経反射を示す。
さらに、リンパ液中の細胞数は、(直接的刺激リンパ節におけるリンパ球数の増加にもかかわらず)劇的に増加した。これは、適応免疫反射の神経調節の対側的または間接的効果が、リンパ系の多数のリンパ節にわたって反対の応答を生じ、(局所刺激リンパ節への動員とは対照的に)多数の隣接リンパ節からの免疫細胞の反対の「放出」を引き起こしたことを示唆する。しかし、この場合もまた、この効果が、5分の刺激時間内に血液区画に到達することは示されなかった。
図28は、特定の細胞型が肝臓、脾臓、および胸腺から動員または放出されるにつれて、神経ネットワークおよびシグナル伝達が他の一次免疫組織/器官に拡張された可能性があることを示す。興味深いことに、単球は、適応免疫反射の刺激により肝臓内に優先的に捕捉されたようであり、好中球および好塩基球は脾臓に優先的に動員されたようであり、リンパ球もまた肝臓によって放出され循環中に戻されたと思われる。これは、この場合もまた、適応免疫系の異なる部分(すなわち、抗原提示対同族抗原スクリーニング)、および適応免疫系および自然免疫系および細胞型の間の差次的調節を示す。
図29は、電極配置に基づく軸索の部分的発火または完全発火の結果を示す。直接および対側のデータセットの一番左のバーは対照を表し、中央のバーは直接神経上の通常の電極配置を表し、一番右のバーは、ギャップのある、または(直接接触と比較して)より距離がある電極配置を表す。実験では、(配置のために神経を完全に外科的に露出する代わりに)皮膚の小さな切開部を介して電極を挿入して配置した。1つの実験では、神経を挟んで電極を挿入した(完全な外科的配置と同様)。別の実験では、(電極と神経との間に追加のギャップを設けて)電極を神経の片側に配置した。対照は以前の実験と同様に実施した。前の実験と同じ刺激パラメータ(すなわち、0.5V、20Hz、パルス幅200μs)を使用して、神経を挟んで配置された電極は、期待される応答をもたらした(すなわち、直接刺激リンパ節における細胞数の増加および対側における減少)。しかしながら、電極と神経との間に追加のギャップを設けて電極を配置すると、直接応答は観察されたが、対側の応答は観察されなかった。これは、直接および対側の応答を制御する神経経路(例えば、遠心性および求心性神経経路)が、身体全体の免疫機能の差次的制御を可能にし得るという証拠である。この場合、神経を挟んで(および神経に対して直接的に)電極が神経束内のすべての軸索を発火するが、片側に(およびギャップを設けて)配置された電極は、それらの軸索の一部/サブセットのみを発火し得る。
図30および図31は、肝臓および脾臓の両方が、本明細書で提供される神経調節データに示されるように、リンパ球を動員(「排出」せず)することも期待されることを示す。すなわち、本明細書で提供される肝臓および脾臓からのリンパ球の移出は、以前に発表されたデータに基づいて予想外の結果である。本明細書中に示されるような神経調節への応答として媒介される肝臓および脾臓のリンパ球移出は、対側リンパ節における効果を抑制する(図9に示されるような)ロングループ反射の結果、または適応免疫反射を誘発するために必要な神経学的入力を模倣する伝統的な抗原注入の失敗であると思われる。
開示の神経調節技術は、神経調節システムと併せて使用することができる。図32は、リンパ組織を神経支配する神経の刺激などの、神経調節のためのシステム10の概略図である。図示のシステムは、1または複数のリード線を介してパルス発生器14に結合された埋め込み電極アセンブリ12を含む。電極アセンブリ12は、リード線を介してエネルギーパルスを受信するように構成され、これは電極配置部位において臨床効果をもたらす。特定の実施形態では、パルス発生器14は、生体適合性部位(例えば、腹部)に埋め込まれてもよく、1または複数のリード線は、電極アセンブリ12とパルス発生器14を内部で結合する。特定の実施形態では、電極アセンブリ12および/またはパルス発生器14は、例えばパルス発生器14に命令を提供するコントローラ16と無線で通信することができる。他の実施形態では、パルス発生器14は外部装置であってもよく、例えば、経皮的または非侵襲的手段でエネルギーを印加するように動作してもよく、ある実施形態ではコントローラ16内に組み込まれてもよい。パルス発生器14が埋め込まれる実施形態では、埋め込み部位は、1または複数のリード線による引っ張りを低減するように選択されてもよい。所望の部位にエネルギーパルスを印加するように配置されると、システム10は、所望の臨床効果を達成するために神経調節を開始することができる。刺激には、リンパ組織を神経支配する少なくとも1つのニューロンの刺激が含まれる。刺激は、感覚および/または遠心性/エフェクター神経線維の刺激を含み得る。
ある実施形態では、システム10は、コントローラ16に結合され、調節目標が達成されたかどうかを示すプロキシ特性を評価する評価装置20を含むことができる。例えば、調節は局所リンパ組織または機能の変化、例えば組織構造変化、排出増加などをもたらし得る。調節はまた、免疫機能変化、例えば、リンパ組織による化合物の存在または濃度の変化における免疫細胞集団の変化などをもたらし得る。この評価に基づいて、コントローラ16の調節パラメータを改変することができる。例えば、成功した調節がリンパ節サイズの増加に関連する場合、その際に、手順の開始に対して所定の時間枠内(例えば、5分、30分)でサイズ増加が観察されなければ、周波数または電圧または他のパラメータの増加が必要と思われ、次いでパルス発生器14のエネルギーパルスを規定するためにオペレータがこれらの増加をコントローラ16に提供することができる。
図33は、システム10の特定の構成要素のブロック図である。本明細書で提供されるように、神経調節のためのシステム10は、被験体の組織または神経へ印加するためのエネルギーパルスを発生させるように適合されたパルス発生器14を含み得る。パルス発生器14は、埋め込み可能であってもよいし、コントローラ16のような外部装置に組み込まれてもよい。コントローラ16は、システム10を制御するためのプロセッサ30を含む。ソフトウェアコードまたは命令は、プロセッサ30による実行のためにコントローラ16のメモリ32に記憶され、装置の様々な構成要素を制御する。コントローラ16および/またはパルス発生器14は、1または複数のリード線33を介して電極アセンブリ12に接続されてもよい。
コントローラ16はまた、臨床医が選択入力または刺激パラメータを1または複数の刺激プログラムに提供して、被験体の(1または複数の)障害の治療および/またはモニタリングを可能にするように適合された、入力/出力回路34およびディスプレイ36を有するユーザ・インターフェイスを含む。各刺激プログラムは、パルス振幅、パルス幅、パルス周波数などを含む刺激パラメータの1または複数のセットを含むことができる。パルス発生器14は、コントローラ装置16からの制御シグナルに応答してその内部パラメータを修正し、リード線33を介して被験体に伝達されるエネルギーパルスの刺激特性を変化させる。定電流、定電圧、多重独立電流または電圧源などを含む、任意の適切なタイプのパルス発生回路を使用することができる。印加されるエネルギーは、電流振幅およびパルス幅持続時間の関数である。
一実施形態では、メモリ32は、オペレータによって選択可能な異なる動作モードを記憶する。例えば、記憶された動作モードは、特定の治療および/またはモニタリング部位に関連する一連の刺激パラメータを実行するための命令を含むことができる。異なる部位は、異なる関連する刺激パラメータを有することができる。オペレータにモードを手動入力させるのではなく、コントローラ16は、選択に基づいて適切な命令を実行するように構成することができる。別の実施形態では、メモリ32は、異なるタイプの治療および/またはモニタリングのための動作モードを記憶する。例えば、リンパ組織機能の活性化は、神経出力および/またはリンパ組織機能を抑制または遮断することに関連する刺激電圧または周波数範囲とは異なる刺激電圧または周波数範囲と関連し得る。特定の例では、遮断周波数は少なくとも1kHzの範囲にあり、活性化周波数は1kHz未満である。
別の実施形態では、メモリ32は、所望の結果を達成するために刺激パラメータの調整または修正を可能にする較正または設定モードを記憶する。一実施例では、刺激は、より低いエネルギーパラメータ(例えば、0.5Vまたは0.5Hz)で開始し、自動的にまたはオペレータ入力の受信時に段階的に増加する。このようにして、オペレータは、刺激パラメータが変更されているときに刺激効果を観察することができる。
コントローラ16はまた、リンパ機能に関連する入力を、刺激パラメータの選択に対する入力として受信するように構成されてもよい。例えば、画像化モダリティがリンパ流を評価するために使用される場合、コントローラ16は、計算された流量値を受信するように構成されてもよい。流量値が閾値を上回るか下回るかに基づいて、刺激パラメータを修正することができる。別の実施例では、コントローラ16は、刺激の結果として放出された分子、例えば、ペプチドまたはカテコールアミンの濃度を評価するように構成された1または複数のセンサからの入力を受信することができる。感知された濃度に基づいて、刺激パラメータを修正することができる。
別の実施形態では、成功した刺激パラメータセットを、コントローラ16によって記憶することができる。このようにして、被験体固有のパラメータを決定することができる。さらに、このようなパラメータの有効性は、経時的に評価することができる。特定のパラメータセットの経時的有効性が低い場合、被験体は活性化された経路に対して無感覚となっている可能性がある。
図示された実施例では、超音波装置20Aは、リンパ組織の画像データを取得することができる音響プローブ42を含み、サイズの変化を評価する。超音波装置20Aは、音響プローブ42を制御し、取得された画像データを分析する制御回路を含むことができる。超音波装置20Aは、ディスプレイ44、メモリ46、および入出力装置48などの追加のハードウェア構成要素を含むことができる。図示の実施例は超音波画像装置20Aであるが、評価装置20は、他のタイプの画像装置(例えば、侵襲的または非侵襲的)、または磁気共鳴画像法などの他のタイプの撮像技術を含むことができる。さらに、評価装置20は、非侵襲的な光学センサおよびモニタリング装置を含むことができる。さらに別の実施例では、評価装置20は、調節の前後で患者から試料を受け取り、1または複数の細胞集団の変化が神経調節の結果として生じたかどうかを決定するフローサイトメータであってもよい。
図34は、免疫組織を刺激するための方法50の流れ図である。この方法では、工程52において、電極を目的のリンパ組織上もしくは付近、または神経付近に配置し、パルス発生器は、電極を介して組織に複数のエネルギーパルスを印加し、ニューロンを刺激して、工程54においてリンパ組織のリンパ機能または免疫機能を調節する。次に、刺激の効果が工程56で評価される。例えば、リンパまたは免疫の機能または状態の1または複数の直接的または間接的な評価を使用することができる。評価されたリンパ機能または免疫機能に基づいて、1または複数のエネルギーパルスの調節パラメータを工程58で修正して、所望の臨床結果を達成することができる。追加的または代替的に、刺激された神経自体の機能または状態を、調節パラメータの有効性を決定するための基準として使用することもできる。
調節の成功は、組織構造サイズ(例えば、リンパ節サイズ)の増加または放出された分子の濃度の変化(例えば、神経調節前のベースライン濃度に対する)などの測定された臨床転帰を介して評価することができる。一実施形態では、調節の成功は、閾値を超える濃度上昇、例えば、ベースラインに対して濃度の50%、100%、200%、400%、1000%を超える上昇を伴い得る。遮断治療の場合、評価は、目的の分子の少なくとも10%、20%、30%、50%、または75%の低下など、分子の経時的な濃度低下の追跡を伴い得る。さらに、特定の被験体について、遮断治療の成功は、分子を増加させる傾向のある他の臨床事象との関係において、特定の分子の比較的安定した濃度維持を伴い得る。つまり、遮断の成功は、潜在的な増加の可能性を遮断することであり得る。増加または減少は、治療の開始から例えば5分以内、30分以内の特定の時間窓内で測定することができる。特定の実施形態では、神経調節が成功したと判定された場合、神経調節の変更は、エネルギーパルスの印加を停止するための命令である。別の実施形態では、神経調節の1つのパラメータは、神経調節が成功しない場合に変更される。例えば、調節パラメータの変化は調節周波数の増加であってよく、例えば、10〜100Hzの周波数の段階的な増加および神経調節の成功が達成されるまでの所望の特性の評価である。別の実施形態では、パルス幅を変更することができる。他の実施形態では、2つ以上のパラメータを一緒に変更してもよい。複数のパラメータの変更後に神経調節が成功しない場合、電極の位置を変更してもよい。
一実施形態では、刺激の前後に評価を行い、刺激の結果としてのリンパ機能の変化を評価することができる。評価されたリンパ機能特性の状態において所望の変化が閾値を上回るか下回る場合、調節パラメータの適切な修正を行うことができる。例えば、閾値に対する特性の変化が、リンパ組織の活性化の成功に関連する場合、神経調節中に印加されるエネルギーを、所望の結果を支持する最小レベルに戻すことができる。閾値に対する特性の変化がリンパ組織の不十分な活性化に関連する場合、調節電圧または周波数、パルス形状、刺激パターンおよび/または刺激位置などの特定の調節パラメータを変更することができる。代わりに、特定の所望の臨床転帰が活性化の遮断に関連し得ることも理解されるべきである。このような実施形態では、神経および/またはリンパの機能低下の評価が、調節パラメータの維持と関連し、望ましくないレベルのリンパ活性が持続する場合、調節パラメータを修正することができる。
さらに、評価された特性または条件は、任意の適切な技術によって分析され得る値または指標(例えば、流速、濃度、細胞集団)であり得る。例えば、閾値を超える相対変化を使用して、調節パラメータが修正されているかどうかを判定することができる。
図35は、体内の様々なリンパ組織の位置の概要であり、免疫構造の神経刺激の効果を示している。次に、効果を評価して、刺激の1または複数のパラメータを調整することができる。本明細書において論じるように、刺激は、1または複数の評価技術によって評価することができる。図36は、色素で標識した、刺激された膝窩リンパ節70の画像である。このような標識は、調節の前、間および/または後のインビボのサイズ変化評価に使用することができる。
一実施形態では、超音波画像化を使用してリンパ節のサイズを評価する。図37は、電極埋め込みおよび神経調節の前の被験体の(上記のように)直接刺激された膝窩リンパ節の超音波画像を示す。超音波システムのインターフェイスを用いて測定されたリンパ節のサイズ(0.17cm)は、図7で切除された非刺激リンパ節のサイズとよく一致する。サイジングは、リンパ構造に関連する膝窩脂肪パッド内の超音波コントラストの変化を概説することによって行った。図38は、上記の5分間の刺激(すなわち、20Hz、0.5V、200μs)後の同じ膝窩リンパ節の画像および測定値を示す。刺激後のサイズは0.3cmに増加した。このデータは、リンパおよび免疫の調節に関与する神経伝達物質の放出が、非侵襲的画像化技術を用いてモニタリングすることができる、組織構造に対する明確かつ測定可能な効果を有することを実証している。
図39は、実験結果を較正するために使用された公知のベータエンドルフィン標準に関連する蛍光シグナルのプロットである。シグナル強度(y軸)対標準濃度(x軸)のプロットは、競合アッセイによる結果を示す。したがって、蛍光シグナルが低いほど、高いベータエンドルフィン濃度と関連する。図40は、リンパ刺激が、刺激された被験体の脾臓の間質液または血液中で測定されるベータエンドルフィンの増加を駆動することを示す、動物研究の結果のグラフである。一実施形態では、刺激は、間質液または血液試料中で検出可能な、免疫細胞貯蔵からのβエンドルフィンの放出を引き起こす。刺激された試料はより低い蛍光シグナルと関連し、より高いベータエンドルフィン濃度を示した。したがって、刺激の有効性の評価は、ベータエンドルフィンなどの免疫活性の代理マーカーの血中濃度測定によって行うことができる。さらに、本明細書において提供されるように、神経調節は、内因性オピオイド濃度の増加、ひいては疼痛緩和治療利益と関連し得る。
本開示の技術的効果は、異なる局所的な生理学的または免疫学的変化を生じる神経調節を介した、適応免疫反射経路の刺激を含む。例えば、開示の技術は、薬物療法などの別の方法では全身性技術を介して標的化することが困難な、リンパ組織の刺激を可能にする。加えて、開示の技術は、リンパ障害に罹患している患者、癌患者、免疫調節を必要とする患者などを含む、様々な臨床状態を有する被験体を治療するために使用することができる。この技術は、支持療法ツールとして利用することもできる。例えば、リンパ組織の神経調節および細胞の局所動員を利用して、細胞ベースの療法(例えば、DCベースの癌免疫療法)のために患者に注入された細胞を局在化すること、または化学療法中の原発腫瘍からの転移拡大を制限することができる。適応免疫系に対するより標的化された効果は、神経刺激シグナルのさらなる局在化(すなわち、局所リンパ標的により近い電極の配置)、神経経路の求心性成分対遠心性成分の差次的興奮、および/または刺激電極の上流に遮断刺激(すなわち、高周波刺激)を加えることによる興奮性シグナル強度の遮断によって達成することができる。
上記の特定の実施形態は例示として示されたものであり、これらの実施形態は様々な修正および代替形態の影響を受けやすいことを理解されたい。特許請求の範囲は、開示された特定の形態に限定されるものではなく、むしろ、本開示の精神および範囲内に入るすべての修正、等価物、および代替物を包含することが意図されていることをさらに理解するべきである。
1 遠心性
2 遠心性
10 システム
12 電極アセンブリ
14 パルス発生器
16 コントローラ、コントローラ装置
20 評価装置
20A 超音波装置、超音波画像装置
30 プロセッサ
32 メモリ
33 リード線
34 入力/出力回路
36 ディスプレイ
42 音響プローブ
44 ディスプレイ
46 メモリ
48 入出力装置
52 工程
54 工程
56 工程
58 工程
70 膝窩リンパ節

Claims (19)

  1. リンパ組織の神経調節のためのシステムであって、
    1または複数のエネルギーパルスを被験体のニューロンに印加するように構成され、前記1または複数のエネルギーパルスの印加に応答してリンパ組織を神経により調節するために十分なエネルギーを前記ニューロンに送達する電極アセンブリ(12)と、
    前記1または複数のエネルギーパルスを発生するように構成されたパルス発生器(14)と、
    前記パルス発生器(14)に、刺激パラメータに従って前記1または複数のエネルギーパルスを発生させて、前記リンパ組織を神経により調節させるように構成されたコントローラ(16)と、
    前記リンパ組織の画像データを取得し、前記画像データに基づいて前記ニューロンに印加された前記エネルギーの結果として前記リンパ組織の特徴の変化を識別するように構成された非侵襲的評価装置とを含み、
    前記コントローラ(16)が、前記特徴の前記識別された変化に基づいて前記刺激パラメータを変更するように構成されており、
    前記非侵襲的評価装置が、前記画像データを取得するように構成された非侵襲的な超音波装置である、
    システム(10)。
  2. 前記1または複数のエネルギーパルスの前記刺激パラメータが、前記被験体の免疫機能が神経により調節されて前記リンパ組織内の細胞集団における細胞数の増加、対側リンパ組織内の細胞集団における細胞数の減少、またはその両方をもたらすように選択される、請求項1に記載のシステム(10)。
  3. 前記リンパ組織がリンパ節である、請求項1に記載のシステム(10)。
  4. 前記電極アセンブリ(12)が、前記ニューロンと直接接触して配置されるように適合されている、請求項1に記載のシステム(10)。
  5. 前記刺激パラメータが、前記電極アセンブリ(12)に0.5V〜10Vの範囲のエネルギーを有する1または複数のエネルギーパルスを印加させ、前記非侵襲的評価装置が、前記画像データに基づいて前記リンパ組織のサイズの増加を識別するように構成されている、請求項1に記載のシステム(10)。
  6. 前記被験体が、自己免疫疾患の診断を有する被験体である、請求項1に記載のシステム(10)。
  7. 前記被験体が、組織腫脹の症状、組織の液体含有量を改変する必要性、抗原、感染、外来細胞または宿主細胞の局所的封じ込めの必要性、局所免疫細胞動員の必要性、特異的免疫細胞の局所的除去の必要性、リンパ組織および周囲組織内の免疫細胞の表現型、活性もしくは免疫応答の改変の必要性、またはリンパ組織および周囲組織内の細胞の表現型、活性もしくは免疫応答の改変の必要性、の1または複数を有する、請求項1に記載のシステム(10)。
  8. 前記神経調節の結果としての前記免疫機能の変化が、前記1または複数のエネルギーパルスの印加から30分以内に前記被験体において検出可能である、請求項1に記載のシステム(10)。
  9. 神経調節のシステムであって、
    1または複数のエネルギーパルスを被験体のニューロンに印加するように構成され、リンパ組織の免疫機能を、前記リンパ組織またはリンパ液中のノルエピネフリンまたはエピネフリンの濃度が、0.5V〜10Vの範囲のエネルギーで印加される1または複数のエネルギーパルスに応答して、刺激前のベースラインと比較して少なくとも100%増加するように調節するために十分なエネルギーを前記ニューロンに送達する電極と、
    前記1または複数のエネルギーパルスを発生させるように構成されたコントローラ(16)と、
    前記ニューロンへの前記エネルギーの送達中または送達後の前記リンパ組織の画像データを取得するように構成された非侵襲的評価装置とを含み、
    前記コントローラが、前記画像データに基づいて前記エネルギーパルスの1または複数のパラメータを変更するように構成されている、
    システム(10)。
  10. 前記被験体が、組織腫脹の症状、組織の液体含有量を改変する必要性、抗原、感染、外来細胞または宿主細胞の局所的封じ込めの必要性、局所免疫細胞動員の必要性、特異的免疫細胞の局所的除去の必要性、リンパ組織および周囲組織内の免疫細胞の表現型、活性もしくは免疫応答の改変の必要性、またはリンパ組織および周囲組織内の細胞の表現型、活性もしくは免疫応答の改変の必要性、の1または複数を有する、請求項に記載のシステム(10)。
  11. 前記1または複数のエネルギーパルスが、神経伝達物質または神経ペプチドの放出に関連する刺激パラメータに従って印加される、請求項に記載のシステム(10)。
  12. 前記濃度の増加が、リンパ組織試料において測定されたものである、請求項に記載のシステム(10)。
  13. 閉ループ神経調節のシステムであって、
    1または複数のエネルギーパルスを、リンパ組織を神経支配するニューロンに印加し、前記1または複数のエネルギーパルスのうちの少なくとも1つの1または複数の刺激パラメータに従って前記リンパ組織のリンパ機能を調節するように構成されたパルス発生器(14)と、
    前記リンパ組織のサイズに関連する情報を受け取るように構成された非侵襲的評価装置であって、前記非侵襲的評価装置が、画像データを取得するように構成された音響プローブを含む非侵襲的超音波装置であり、前記サイズに関連する前記情報が前記画像データに基づいている、非侵襲的評価装置と、
    前記パルス発生器(14)を制御して、前記1または複数の刺激パラメータに従って前記1または複数のエネルギーパルスを印加し、前記情報に基づいて前記1または複数の刺激パラメータを変化させるように構成されたコントローラ(16)と、
    を含むシステム(10)。
  14. 前記コントローラ(16)が、前記情報に基づいて前記1または複数のエネルギーパルスの周波数を変更するように構成された、請求項13に記載のシステム(10)。
  15. 前記コントローラ(16)が、前記情報に基づいて前記1または複数のエネルギーパルスの電圧を変更するように構成された、請求項13に記載のシステム(10)。
  16. 前記画像データが、直接刺激されたリンパ節の画像データであり、前記サイズに関連する前記情報が、前記画像データに基づいて判定されたベースラインの非刺激状態に対して、前記直接刺激されたリンパ節の推定体積の少なくとも25%の増加である、請求項13に記載のシステム。
  17. 前記非侵襲的評価装置が、前記画像データを取得するように構成された非侵襲的プローブを含む超音波画像装置であり、前記コントローラが、前記画像データに基づく前記リンパ組織構造のサイズ変化の判定に基づいて前記エネルギーパルスの前記1または複数のパラメータを変更するように構成されている、請求項9に記載のシステム。
  18. 前記サイズ変化の前記判定が、ベースラインの非刺激状態に対する前記構造の推定体積の増加であり、前記サイズ変化が閾値よりも大きいと判定されると、前記コントローラが、前記印加されたエネルギーをより低いレベルに減少させるように構成されている、請求項17に記載のシステム。
  19. 前記刺激パラメータが、前記電極アセンブリに約20Hzのエネルギーを有する前記1または複数のエネルギーパルスを印加させる、請求項1に記載のシステム。
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