JP6873675B2 - 軸方向に燃料を多段化するためのスロット型噴射器 - Google Patents

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Description

本明細書に開示される主題は、ガスタービンに関し、より詳細には、ガスタービンにおいて軸方向に燃料を多段化するための噴射器に関する。
ガスタービンエンジンでは、可燃材料(例えば空気と混合される燃料)は燃焼器で燃焼されて、高エネルギー燃焼流体を生成する。燃焼流体は、移行ダクトを通してタービンに送られ、タービンでは、燃焼流体が、タービンブレードと空気力学的に相互作用して、それらを回転させる。タービンは、タービンの回転ブレードが圧縮機を駆動するように、1つまたは複数のシャフトによって圧縮機に連結され得る。タービンは、発電して、負荷または何らかの他の用途に電力を供給するために使用することができる。
ガスタービンエンジンの排出物(例えば、NOX排出物)は、燃焼中の可燃材料の消費を増やし、より完全な燃焼反応をもたらすことによって低減され得る。燃焼流体が移行ダクトを通過する際、燃焼流体に追加的な可燃材料を噴射すること(すなわち「軸方向に燃料を多段化すること」)は、燃焼流体の温度およびエネルギーを高め、燃料をより理想的に消費することにつながり、したがって、排出物(例えばNOX排出物)を低減することができる。
次に、図を参照すると、図1は、ターボエンジンシステム(例えばガスタービンエンジン10)の実施形態のブロック図である。ガスタービンエンジン10は、ガスタービンエンジン10を駆動するのに、液体燃料及び又は気体燃料を使用する場合がある。燃料は、天然ガス、液化天然ガス(LNG)、合成ガス、関連石油ガス、メタン、エタン、ブタンプロパン、バイオガス、消化ガス、埋立ガス、石炭坑内ガス、ガソリン、ディーゼル、ナフサ、灯油、メタノール、バイオ燃料、又はそれらの組合せなどの、任意の適切なガス状又は液状の燃料であってもよい。燃料は、1つ又は複数の燃料供給部12から燃焼器区分14に送られることができる。燃料は、燃焼器区分14の1つ又は複数の点で、空気などの酸化剤と混合され得る。酸化剤と燃料の混合物は、燃焼器区分14の1つ又は複数の燃焼器16(例えば燃焼器缶)の中で燃焼し、それによって、高温の加圧燃焼ガスを作成する。
いくつかの実施形態では、ガスタービンエンジン10は、シャフト18の周囲に配置された燃焼器16を含むことができる。各燃焼器16は、燃焼ガスを、1つまたは複数の段22を有し得るタービン20の中に向けて、排気出口24の方へ送ることができる。各段22は、シャフト18に連結された、それぞれのロータホイールに連結された一組のブレードを含むことができる。燃焼ガスがタービンブレードを回転させるにつれて、シャフト18は、回転して圧縮機26を駆動する。最終的に、ガスタービンエンジン10は、排気出口24から排気ガスを排出する。
圧縮機26の1つまたは複数の段28は、酸化剤取入口30からの酸化剤(例えば空気)を圧縮する。1つまたは複数の段28は、シャフト18に連結されることができる。各段28は、回転して圧力を上げて圧縮酸化剤を提供するブレードを含む。圧縮機26の中のブレードが回転するにつれて、酸化剤は、酸化剤供給部32から引き出される。
圧縮機26から放出される圧縮された酸化剤は、燃料と混合するために、燃焼器区分14の中の1つまたは複数の燃焼器16の中に送られる。例えば、燃焼器区分14の燃料ノズルは、燃料と圧縮酸化剤を燃焼に適切な割合で燃焼器16の中に噴射することができる。例えば、適切な燃焼は、排出物を最小限にして、燃料を実質的に完全に燃焼させることができる。
シャフト18はさらに、航空機のプロペラまたは動力プラント内の発電器などの可動負荷または据置負荷であり得る負荷34に連結され得る。負荷34は、ガスタービンエンジン10の回転性出力によって給電を受けることができる任意の適切な装置を含み得る。
図2は、例示的な燃焼器16の概略図である。燃焼器は、一次燃料供給部12からの燃料が、圧縮機26からの空気と混合される先端部50を有する。燃料/空気混合物は、第1の燃焼帯52で燃焼される。次いで、流体は、燃焼器16を流下して、第2の燃焼帯56を含む移行ダクト54に入る。移行ダクト54は、1つ又は複数の軸平面に、移行ダクト54の周囲で円周方向に分散された複数の軸方向燃料多段化(AFS:axial fuel staging)噴射器58を含むことができる(噴射器58は、図2では2つの平面に位置する)。しかしながら、AFSは、燃焼器ライナと移行ダクトの組合せ、又は一体型燃焼器にも適用することができる。AFS噴射器は、二次燃料源60からの第2の燃料を噴射し、第2の燃料を圧縮空気源61(例えば圧縮機26)からの圧縮空気と混合し、混合物を、主流方向62を概ね横断する方向に噴射する。第2の燃料と空気の混合物は、第2の燃焼帯56で燃焼することができる。いくつかの実施形態では、二次燃料は、二次燃料供給部60から提供することができ、この場合には、二次的単一の又は複数の燃料は、一次燃料(例えば、天然ガス、液化天然ガス(LNG)などの任意の適切なガス状又は液状燃料、合成ガス、関連石油ガス、メタン、エタン、ブタンプロパン、バイオガス、消化ガス、埋立ガス、石炭坑内ガス、ガソリン、ディーゼル、ナフサ、灯油、メタノール、バイオ燃料、又はそれらの組合せ)より高い揮発性を有していてもよい。いくつかの実施形態では、二次燃料は、一次燃料と同じであってもよく、一次燃料供給部12から提供されてもよい。第2の燃料/空気混合物を移行ダクト54(ならびに先端部50)の中で噴射することは、特定の排出物(例えばNOX排出物)を低減することができるより完全な燃焼を促進するのに役立つ。
図3は、AFS噴射器58が移行ダクト54の周囲で円周方向40に配置されている、移行ダクト54の斜視断面図を示す。このような噴射器58は、同一出願人による米国特許出願第13/233,127号に記載されるものと同じであっても、または類似していてもよく、同出願の開示を参考文献として本明細書に援用する。図3からわかるように、AFS噴射器58は、それらが、(円周方向40に)幅広というより、軸方向36に長いことから、「スロット型」である。圧縮機26からの圧縮空気は、各AFS噴射器58の中に通される。次いで、各AFS噴射器58は、二次燃料をオリフィスから圧縮空気の流路の中に噴射する。スロット型AFS噴射器58は、逆流領域または冷却スリーブを通って燃焼器16を取り囲む圧縮機放出容積の中に半径方向38に延びている。AFS噴射器58は、軸方向36にも延びており、これは、移行ダクト54を通る主流路62に実質的と揃っている。AFS噴射器58は、さらに円周方向40にも延びている。
軸方向に燃料を多段化するための前述の噴射器システムは、ある程度の利点を持っているが、ガスタービンエンジン内で可燃材料の消費をさらに増やして排出物を低減するために、軸方向に燃料を多段化するためのハードウェアおよび技術をさらに開発することが望ましい。このような目的に、本開示は取り組む。
米国特許第9010120号公報
本来の特許請求の範囲に相応する特定の実施形態を、以下に要約する。これらの実施形態は、特許請求の範囲を制限することは意図されておらず、むしろ、これらの実施形態は、請求される主題の可能な形態の概要を提示することが意図されているに過ぎない。実際に、特許請求の範囲は、以下に述べる実施形態と類似していてもよい、または異なっていてもよいさまざまな形態を包含し得る。
1つの実施形態では、ガスタービン用の軸方向燃料多段化噴射器は、本体を含む。本体は、上流端部および下流端部を含む。本体は、圧縮空気が中を通って、圧縮空気源からガスタービン燃焼器の移行ダクトに流れる一次圧縮空気流路を画定する。本体は、その内部面上に配置された複数の出口を含む。複数の出口の各出口は、二次燃料源と流体連通しており、二次燃料路を画定する第1の壁を含む二次燃料導管を含む。二次圧縮空気導管は、圧縮空気源と流体連通しており、実質的な共軸環状配置で第1の壁周りに配置された第2の壁を含み、第1の壁および第2の壁は、二次圧縮空気流路を画定する。各出口は、二次燃料と圧縮空気を、一次圧縮空気流路を横断する方向で一次圧縮空気流路の中に噴射して、燃料と空気の混合物を形成するように構成される。
第2の実施形態では、ガスタービンエンジンは、圧縮機および燃焼器を含む。圧縮機は、空気を圧縮するように構成される。燃焼器は、圧縮機から圧縮空気を受け取り、一次燃料源から一次燃料を受け取り、圧縮空気と一次燃料との混合物を燃焼して、結果的に燃焼流体が生じるように構成される。燃焼器は、移行ダクトと、軸方向燃料多段化噴射器とを含む。移行ダクトは、燃焼器をタービンに流体連結し、燃焼流体をタービンの方へ送るように構成される。軸方向燃料多段化噴射器は、移行ダクトに連結されており、本体と、本体の内部面上に配置される複数の出口とを含む。本体は、圧縮空気が中を通って、圧縮空気源からガスタービン燃焼器の移行ダクトへ流れる一次圧縮空気流路を画定する。複数の出口の各出口は、二次燃料源と流体連通しており、二次燃料路を画定する第1の壁を含む二次燃料導管を含む。二次圧縮空気導管は、圧縮空気源と流体連通しており、実質的な共軸環状配置で第1の壁周りに配置された第2の壁を含み、第1の壁および第2の壁は、二次圧縮空気流路を画定する。各出口は、二次燃料と圧縮空気を、一次圧縮空気流路を横断する方向で一次圧縮空気流路の中に噴射して、燃料と空気の混合物を形成するように構成される。
第3の実施形態では、軸方向に燃料を多段化する(AFS)方法は、二次燃料源から二次燃料流を受け取ることと、圧縮空気源から一次圧縮空気流を受け取ることと、二次圧縮空気流を一次圧縮空気流から逸らすことと、二次圧縮空気流を実質的な共軸環状配置で二次燃料流周りに送ることと、二次燃料流と二次圧縮空気流を、オリフィスの共軸環状配置を通して一次圧縮空気流を実質的に横断する方向で一次圧縮空気流の中に噴射して、燃料と空気の混合物を形成することと、燃料と空気の混合物をガスタービンエンジンの燃焼器の中に送ることとを含む。
図面の全体にわたって類似の符号が類似の部分を表している添付図面を参照して以下の詳細説明を読めば、本発明についての前述および他の特徴、態様、および利点は、よりよく理解されるであろう。
ガスタービンエンジンの実施形態のブロック図である。 本開示の態様による燃焼器の1つの実施形態の概略図である。 軸方向燃料多段化(AFS)噴射器が、本開示の態様による移行ダクトの周囲で円周方向に配置されている、移行ダクトの斜視断面図である。 本開示の態様による共軸環状出口AFS噴射器の1つの実施形態の斜視図である。 本開示の態様による、線V−Vに沿った、図4の共軸環状出口AFS噴射器の1つの実施形態の概略断面図である。 本開示の態様によるAFS噴射器の2つの共軸環状出口の1つの実施形態の斜視断面図である。 本開示の態様による共軸環状出口の1つの実施形態の断面図である。 本開示の態様による軸方向燃料多段化工程の1つの実施形態の流れ図である。
以下1つまたは複数の特定の実施形態を説明する。これらの実施形態を簡潔に説明するために、実際の実施態様の全ての特徴を、本明細書に記載しているわけではない。何らかの工学的プロジェクトまたは設計プロジェクトにおいて、何らかのそのような実際の実施態様を開発するに当たって、ある実施態様と別の実施とでは変わり得る、システム関連および事業関連の制約条件の順守などの、開発者の特定の目的を達成するために、実施態様に特有の決定を多数下さなければならないことを理解されたい。そのうえ、このような開発作業は、複雑で時間のかかるものであるかもしれないが、それでもやはり、本開示の恩恵を受ける当業者にとって、設計、製作、および製造のルーチン的な事業であることを理解されたい。
本開示のさまざまな実施形態の要素を紹介するとき、冠詞「1つの(a)」、「1つの(an)」、「その(the)」、「前記(said)」は、1つまたは複数の要素があることを意味することが意図される。「備えること(comprising)」「含むこと(including)」、および「有すること(having)」という用語は、包括的であり、列挙された要素以外に追加的な要素があり得ることを意味することが意図される。さらに、以下の考察におけるどのような数値例も、非限定的であることが意図されており、したがって、追加的な数値、値域、および割合が、開示される実施形態の範囲に含まれる。
可燃材料は、ガスタービンエンジンの燃焼器の中で燃焼されて、高エネルギーの燃焼流体を形成し、この燃焼流体は、移行ダクトを通ってタービンに送られる。タービンでは、燃焼流体は、空気力学的にブレードと相互作用して、タービンのブレードを回転させる。燃焼流体が移行ダクトを通って移動する際に、それらに追加的な可燃材料を噴射する(すなわち、軸方向に燃料の多段化する)ことによって、より完全な燃焼反応を実現することができ、結果的に、大部分の可燃材料が消費され、かつ排出物が低減され得る。共軸環状配置の燃料と圧縮空気を、先端部から移行ダクトへ向かう圧縮空気の流れの中に噴射することによって、燃料は、より高い運動量を有するようになり、結果的に、噴射が、スロット型ダクトを通って一次圧縮空気の中へよりうまく進入するようになる。このことにより、ひいては、燃料が圧縮空気と完全に混合することが可能になる。このように軸方向に多段化された燃料と空気の混合物は、移行ダクト内で燃焼流体に到達すると、より完全に混合される。
図4は、共軸環状AFS噴射器70の斜視断面図を示す。共軸環状AFS噴射器70は、半径方向38に移行ダクト54の壁まで延びる。共軸環状AFS噴射器70は、外に面する部分72及び本体74を備える。外に面する部分72は、燃焼器16の縦軸に関して外に向いている。本体74は、軸方向36に延びる長さ76を有し、これは、移行ダクト54を通る主流路62に実質的に揃っている。さらに、本体74は、深さ78を有する。共軸環状AFS噴射器70は、一次圧縮空気流路82を画定する内部面80を有することができる。外に面する部分72は、二次燃料及び圧縮空気を一次圧縮空気流路82の中に噴射するための共軸環状AFS噴射器70の上流端部に配置された噴射システム84を含む。図4に示すように、噴射システム84は、共軸環状AFS噴射器70の内部面80上に配置されたいくつかの出口86を含み得る。出口86は、共軸環状AFS噴射器70の前方側部88及び後方側部90の一方又は両方に配置され得る。共軸環状AFS噴射器70のそれぞれの側部88、90上に配置された任意の数の出口86が存在し得る。例えば、可能な実施形態は、それぞれの側部88、90上に、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、又は別の個数の出口86を有することができる。いくつかの実施形態では、共軸環状AFS噴射器70の深さ78に沿って配置された出口86が、さらに存在し得る。各出口86は、二次燃料オリフィス92と、共軸環状式で二次燃料オリフィス92の周囲に配置された二次圧縮空気オリフィス94とを含み得る。圧縮空気が、一次圧縮空気流路82に沿って、半径方向38に共軸環状AFS噴射器70の内部を通って流れる際に、出口86は、二次燃料(例えば二次燃料オリフィス92から)及び圧縮空気(例えば二次圧縮空気オリフィス94から)を、圧縮空気流路82を概ね横断する方向で一次圧縮空気流82の中に噴射する。共軸環状配置の出口86から噴射される圧縮空気及び二次燃料は、結果的に、二次燃料及び圧縮空気のより完全な混合をもたらすことが判明した。図5〜図7に関してさらに詳細に検討するように、出口86は、圧縮空気及び二次燃料を共軸環状式で一次圧縮空気流路82の中に噴射するように構成され得る。
図5は、本開示による、図4の線V−Vから見た、共軸環状オリフィスAFS噴射器70の断面概略図である。AFS噴射器70の中の2つの共軸環状出口86の斜視断面図を、図6に示す。
図5に示すように、二次燃料源からの二次燃料は、二次の燃料マニホルド110を通って、二次燃料流路114を画定する二次燃料導管112の中に引き出される。一次圧縮空気流路82は、噴射器70の上流端部116から、移行ダクト54と接触している、噴射器70の下流端部118まで通る。一部の一次圧縮空気流は、二次圧縮空気マニホルド120から、二次燃料導管112と同心である(半径方向外側で囲んでいる)実質的に楕円形の二次圧縮空気導管122に送られる。二次燃料及び圧縮空気が、共軸環状流れとして、一次圧縮空気流路82の方向を横断する方向で一次圧縮空気流路82の中に噴射されるように、二次圧縮空気流路124は、共軸環状式(管の中に管のある組立体として説明することができる)の二次燃料流路114周りに送られる。二次燃料導管112及び二次圧縮空気導管122は共に、一次圧縮空気流路82と流体連通する二次圧縮空気流路124を画定する。
いくつかの共軸環状出口86は、共軸環状AFS噴射器70の長さおよび深さに沿って位置し、共軸環状の二次燃料/空気流を導入するための複数の噴射点を提供することができる。図5は、共軸環状AFS噴射器70の前方側部88、後方側部90のそれぞれの上の単一の出口86を示しているが、前方側部88および後方側部90の一方または両方は、複数の出口86と、圧縮空気および二次燃料をそれぞれの導管112、122に配送するように構成された、マニホルド110、120に流体連結されたそれぞれの導管112、122とを含むことができることを理解されたい。各出口86は、図6および図7に示すように、二次燃料導管112および二次圧縮空気導管122を含む、管の中に管のある組立体によって形成される。圧縮空気流路82の中に二次燃料および圧縮空気を噴射することは、二次燃料と圧縮空気とを混合することと、二次燃料の運動量を上昇させ、それによって、よりうまく進入させて圧縮空気と混合することとを改善するのに役立つ。
図7は、図6の線VII−VIIに沿った、共軸環状出口86の断面図である。二次燃料は、二次燃料導管112の中の二次燃料流路114を通って流れる。二次燃料導管は、内径150および外径152を備えた第1の壁148を有する。図示する例示的な実施形態では、第1の壁148の内径150は、約2.667mm(0.105インチ)であり、第1の壁148の外径は、約3.175mm(0.125インチ)であるが、他の寸法であってもよい。圧縮空気は、二次圧縮空気導管122を通る二次圧縮空気流路124を通って流れる。二次圧縮空気導管122は、内径158および外径160を備えた第2の壁156を有する。図示する例示的な実施形態では、第2の壁156の内径158は、約4.445mm(0.175インチ)であり、第2の壁156の外径160は、約4.953mm(0.195インチ)であるが、他の寸法であってもよい。描写するように、二次圧縮空気流路124が、実質的に共軸環状の、いくつかの実施形態では同軸の装置の中で、二次燃料流路114の周囲に配置されていることに留意されたい。
図8は、軸方向燃料多段化工程200の1つの実施形態の流れ図である。ブロック202では、二次燃料流が、二次燃料源から受け取られる。二次燃料は、天然ガス、液化天然ガス(LNG)、合成ガス、関連石油ガス、メタン、エタン、ブタンプロパン、バイオガス、消化ガス、埋立ガス、石炭坑内ガス、ガソリン、ディーゼル、ナフサ、灯油、メタノール、バイオ燃料又はそれらの組合せなどの任意の適切なガス状又は液状の燃料であってもよい。あるいは、二次燃料は、一次燃料供給部から受け取られてもよく、したがって、同じ種類の燃料であってもよい。二次燃料流は、二次燃料マニホルド110によって受け取られることができ、1つ又は複数の二次燃料導管112に配送され得る。ブロック204では、一次圧縮空気流が、圧縮空気源から受け取られることができる。圧縮空気流は、圧縮機26から直接に、又は他の圧縮空気源から来てもよい。
ブロック206では、二次圧縮空気流は、一次圧縮空気流82から逸らされ、二次圧縮空気マニホルド120を通って、1つ又は複数の二次圧縮空気導管122に配送される。二次圧縮空気流を一次圧縮空気流から逸らすことの1つの実施形態は、図5に関して図示して検討された。ブロック208では、二次圧縮空気流は、共軸環状配置の中の二次燃料路114周りに送られ得る。例えば、二次圧縮空気流は、図5に関して図示して検討したように、二次燃料導管112と実質的に共軸環状になっており、一部の場合では同軸である二次圧縮空気導管122を通して送られてもよい。二次燃料導管112及び二次圧縮空気導管122の1つの実施形態を図7に示す。図7の実施形態では、第1の壁148は、二次燃料流路114を画定する。共軸環状配置で第1の壁148周りに配置される、第2の壁156と第1の壁148とが、二次圧縮空気流路124を画定する。二次燃料流及び二次圧縮空気流は、それぞれの導管112、122を通して、1つ又は複数の共軸環状出口86に送られる。
ブロック210では、二次燃料流及び二次圧縮空気流は、一次圧縮空気流路82を実質的に横断する方向で、(例えばAFS噴射器70の本体74を通って)一次圧縮空気流82の中に(例えば共軸環状出口86を通って)噴射される。二次燃料は、それが流れるときに、圧縮空気と混合して、燃料と空気の混合物を形成する。ブロック212では、燃料と空気の混合物は、ガスタービンエンジン10の燃焼器16の移行ダクト54の中に送られる。
本発明の技術的な効果は、二次燃料および圧縮空気を、ガスタービン燃焼器の移行ダクトに送られる圧縮空気流れの中に共軸環状噴射することを含む。開示した技術は、圧縮空気と二次燃料の混合を改善し、結果的に、ガスタービンエンジンの排出物を低減する。
本噴射器70の具体例は、単一対の共軸環状出口86を含んでいるが、任意の数の出口86を使用してもよいことを理解されたい。加えて、記述の全体にわたって、燃焼器16の移行ダクト54で起こる軸方向に燃料を多段化することについて言及してきたが、本噴射器70は、ライナ(先端部50と移行ダクト54との間の)の後方端部で使用され得ること、又はそれが、一体化したライナ及び移行ダクトを有する(「一体型」と呼ばれることもある)燃焼器の中の先端部50から下流の任意の場所で使用され得ることを理解されたい。したがって、「移行ダクト」という用語は、適切には、燃焼器16の先端部50からタービン区分20まで高温燃焼ガスを運ぶための構造として解釈される。
本明細書では、最良の態様を含む例を用いて本発明を開示し、また、任意の装置またはシステムの作製および使用、ならびに任意の組み入れられた方法の実施を含め、当業者であれば本発明を実施することができるようにしている。本発明の特許性を有する範囲は、特許請求の範囲によって画定されており、当業者であれば想起される他の例を含むことができる。このような他の例は、特許請求の範囲の文言と相違ない構造要素を有する場合、または特許請求の範囲の文言と実質的に相違ない等価の構造要素を含む場合に、特許請求の範囲内であることを意図されている。
最後に、代表的な実施態様を以下に示す。
[実施態様1]
ガスタービン用の軸方向燃料多段化噴射器であって、
上流端部及び下流端部を備える本体を備え、本体は、圧縮空気が中を通って、圧縮空気源から燃器の移行ダクトに流れる一次圧縮空気流路を画定し、本体は、その内部面上に配置された複数の出口を含み、数の出口の各出口は
二次燃料源と流体連通する二次燃料導管であって、二次燃料流路を画定する第1の壁を含む二次燃管と
次燃料導管の半径方向外側に配置され、縮空気源と流体連通する二次圧縮空気導管であって、実質的な共軸環状配置で1の壁周りに配置された第2の壁を含み、1の壁及び第2の壁は、二次圧縮空気流路を画定する、二次圧縮空気導管とを含み、
各出口は、二次燃料と圧縮空気を、次圧縮空気流路を横断する方向で次圧縮空気流路の中に噴射し、それによって、燃料と空気の混合物を形成するように構成される、本体を備える、
ガスタービン用の軸方向燃料多段化噴射器。
[実施態様2]
器が料と空気の混合物をスタービンの燃焼器の移行ダクトに送るように構成される、実施態様1記載の軸方向燃料多段化噴射器。
[実施態様3]
次燃料が、天然ガス、液化天然ガス、合成ガス、メタン、エタン、ブタンプロパン、バイオガス、消化ガス、埋立ガス、石炭坑内ガス、ガソリン、ディーゼル、ナフサ、灯油、メタノール、バイオ燃料、又はそれらの組合せである、実施態様1記載の軸方向燃料多段化噴射器。
[実施態様4]
1の壁が、約2.667mm(0.105インチ)の内径及び約3.175mm(0.125インチ)の外径を有する、実施態様1記載の軸方向燃料多段化噴射器。
[実施態様5]
2の壁が、約4.445mm(0.175インチ)の内径及び約4.953mm(0.195インチ)の外径を有する、実施態様1記載の軸方向燃料多段化噴射器。
[実施態様6]
本体の内面が、実質的な楕円形状を有し、次圧縮空気導管が次燃料導管と同心である、実施態様1記載の軸方向燃料多段化噴射器。
[実施態様7]
本体の内面の実質的な楕円形状が、前方側部及び後方側部を含み、方側部及び後方側部、弓形の端部壁によって結合されており、数の出口が本体の前方側部及び後方側部に沿って均等に間隔をあけて配置されている、実施態様6記載の軸方向燃料多段化噴射器。
[実施態様8]
ガスタービンであって、
空気を圧縮するように構成される圧縮機と
機から圧縮空気を受け取り、一次燃料源から一次燃料を受け取り、かつ縮空気と一次燃料との混合物を燃焼して、結果的に燃焼流体が生じるように構成される燃焼器とを備え、器が
焼器をタービンに流体連結しており、焼流体をービンの方へ送るように構成される移行ダクトと、
行ダクトに連結された軸方向燃料多段化噴射器とを備え、方向燃料多段化噴射器は、
上流端部と、下流端部とを含む本体であって、圧縮空気が中を通って、圧縮空気源から燃焼器の移行ダクトへ流れる一次圧縮空気流路を画定する本体と、
体の内部面上に配置された複数の出口とを備え、数の出口の各出口が、
二次燃料源と流体連通する二次燃料導管であって、次燃料流路を画定する第1の壁を含む二次燃料導管と
次燃料導管の半径方向外側に配置され、縮空気源と流体連通する二次圧縮空気導管であって、実質的な共軸環状配置で1の壁周りに配置された第2の壁を含み、1の壁及び第2の壁が、二次圧縮空気流路を画定する、二次圧縮空気導管とを含み、
各出口が、二次燃料と圧縮空気を、次圧縮空気流路を横断する方向で次圧縮空気流路の中に噴射して、それによって、燃料と空気の混合物を形成するように構成される、
ガスタービン。
[実施態様9]
数の出口が、体の流端部の内部面上に配置される、実施態様8記載のガスタービン。
[実施態様10]
複数の軸方向燃料多段化噴射器が、行ダクトの周囲で円周方向及び軸方向に配置される、実施態様8記載のガスタービン。
[実施態様11]
次燃料及び一次燃料が、同じである、実施態様8記載のガスタービンエンジン。
[実施態様12]
体のが、実質的な楕円形状を有し、前方側部及び後方側部を含み、方側部及び後方側部(88、90)が、弓形の端部壁によって結合されており、数の出口が、体の方側部及び後方側部に沿って均等に間隔をあけて配置されている、実施態様8記載のガスタービンエンジン。
[実施態様13]
1の壁が、約2.667mm(0.105インチ)の内径及び約3.175mm(0.125インチ)の外径を有する、実施態様8記載のガスタービンエンジン。
[実施態様14]
2の壁が、約4.445mm(0.175インチ)の内径及び約4.953mm(0.195インチ)の外径を有する、実施態様8記載のガスタービンエンジン。
[実施態様15]
軸方向に燃料を多段化する方法であって、
二次燃料源から二次燃料流を受け取ることと、
圧縮空気源から一次圧縮気流を受け取ることと、
二次圧縮空気流を次圧縮空気流から逸らすことと、
次圧縮気流を実質的な共軸環状配置で次燃料流周りに送ることと、
次燃料流と次圧縮空気流を、オリフィスの共軸環状配置を通して次圧縮空気流を実質的に横断する方向で次圧縮空気流の中に噴射して、燃料と空気の混合物を形成することと、
料と空気の混合物を焼器の先端領域から下流のガスタービンの燃焼器に送ることとを含む方法。
[実施態様16]
料と空気の混合物を焼器の移行ダクトの中に送ることを含む、実施態様15記載の方法。
[実施態様17]
縮空気源が、焼器の端領域である、実施態様16記載の方法。
[実施態様18]
縮空気源は、圧縮機である、実施態様15記載の方法。
[実施態様19]
次燃料流を二次燃料導管を通して送ることを含む、実施態様15記載の方法。
[実施態様20]
圧縮空気流を、実質的に共軸環状配置で次燃料導管周りに配置されている二次圧縮空気導管を通して送ることを含む、実施態様19記載の方法。
10 ガスタービンエンジン
12 燃料供給部
14 燃焼器区分
16 燃焼器
18 シャフト
20 タービン
22 段
24 排気出口
26 圧縮機
28 段
30 酸化剤取入口
32 酸化剤供給部
34 負荷
36 軸方向
38 半径方向
40 円周方向
50 先端部
52 第1の燃焼帯
54 移行ダクト
56 第2の燃焼帯
58 燃料多段化噴射
60 二次燃料供給部、供給源
61 圧縮空気源
62 主流方向、主流路
70 軸方向燃料多段化噴射器
72 外に面する部分
74 本体
76 長さ
78 深さ
80 内部面
82 一次圧縮空気流路
84 噴射システム
86 共軸環状出口
88 前方側部
90 後方側部
92 二次燃料オリフィス
94 二次圧縮空気オリフィス
110 二次燃料マニホルド
112 二次燃料導管
114 二次燃料
116 上流端部
118 下流端部
120 二次圧縮空気マニホルド
122 二次圧縮空気導管
124 二次圧縮空気流路
148 第1の壁
150 内径
152 外径
156 第2の壁
158 内径
160 外径

Claims (13)

  1. ガスタービン(10)用の軸方向燃料多段化噴射器(70)であって、当該軸方向燃料多段化噴射器(70)が、
    上流端部(116及び下流端部(118)を備える本体(74)を備えており
    前記本体(74、圧縮空気が中を通って、圧縮空気源(61)から燃焼器(16)の移行ダクト(54)に流れる一次圧縮空気流路(82)を画定し、前記本体(74、その内部面(80)上に配置された複数の出口(86)を含んでおり、該複数の出口(86)の各出口(86)
    二次燃料源(60)と流体連通する二次燃料導管(112)であって、二次燃料路(114)を画定する第1の壁(148)を含む二次燃導管(112)と、
    前記二次燃料導管(112)の半径方向外側に配置され、前記圧縮空気源(61)と流体連通する二次圧縮空気導管(122)であって、実質的な共軸環状配置で前記第1の壁(148)周りに配置された第2の壁(156)を含み、前記第1の壁(148)及び前記第2の壁(156)二次圧縮空気流路(124)を画定する、二次圧縮空気導管(122)と
    を含んでいて、各出口(86)、二次燃料と圧縮空気を、前記一次圧縮空気流路(82)を横断する方向で前記一次圧縮空気流路(82)の中に噴射して、燃料と空気の混合物を形成するように構成される、軸方向燃料多段化噴射器(70)。
  2. 当該軸方向燃料多段化噴射器(70)が、前記燃料と空気の混合物を前記ガスタービン(10)の燃焼器(16)の前記移行ダクト(54)に送るように構成される、請求項1記載の軸方向燃料多段化噴射器(70)。
  3. 前記二次燃料が、天然ガス、液化天然ガス(LNG)、合成ガス、メタン、エタン、ブタンプロパン、バイオガス、消化ガス、埋立ガス、石炭坑内ガス、ガソリン、ディーゼル、ナフサ、灯油、メタノール、バイオ燃料又はそれらの組合せである、請求項1記載の軸方向燃料多段化噴射器(70)。
  4. 前記第1の壁(148)が、約2.667mm(0.105インチ)の内径(150)及び約3.175mm(0.125インチ)の外径(152)を有する、請求項1記載の軸方向燃料多段化噴射器(70)。
  5. 前記第2の壁(156)が、約4.445mm(0.175インチ)の内径(158)及び約4.953mm(0.195インチ)の外径(160)を有する、請求項1記載の軸方向燃料多段化噴射器(70)。
  6. 前記本体(74)の前記内部面(80)が、実質的な楕円形状を有し、前記二次圧縮空気導管(122)が、前記二次燃料導管(112)と同心である、請求項1記載の軸方向燃料多段化噴射器(70)。
  7. 前記本体(74)の前記内部面(80)の前記実質的な楕円形状が、前方側部(88)及び後方側部(90)を含み、前記前方側部(88)及び後方側部(90)が、弓形の端部壁によって結合されており、前記複数の出口(86)が、前記本体(74)の前記前方側部(88)及び前記後方側部(90)に沿って均等に間隔をあけて配置されている、請求項6記載の軸方向燃料多段化噴射器(70)。
  8. 軸方向に燃料を多段化する方法(200)であって、
    二次燃料源(60)から二次燃料流を受け取ることと、
    圧縮空気源(61)から一次圧縮気流を受け取ることと、
    二次圧縮空気流を前記一次圧縮空気流から逸らすことと、
    前記二次圧縮気流を実質的な共軸環状配置で前記二次燃料流周りに送ることと、
    前記二次燃料流と前記二次圧縮空気流を、オリフィスの共軸環状配置(86)を通して前記一次圧縮空気流を実質的に横断する方向で前記一次圧縮空気流の中に噴射して、燃料と空気の混合物を形成することと、
    前記燃料と空気の混合物を、ガスタービン(10)の燃焼器(16)の先端領域(50)から下流燃焼器(16)に送ることと
    を含む方法(200)
  9. 前記燃料と空気の混合物を前記燃焼器(16)の移行ダクト(54)の中に送ることを含む、請求項8記載の方法(200)。
  10. 前記圧縮空気源(61)が、前記燃焼器(16)の前記先端領域(50)である、請求項9記載の方法(200)。
  11. 前記圧縮空気源(61)圧縮機(26)である、請求項8記載の方法(200)。
  12. 前記二次燃料流を二次燃料導管(112)を通して送ることを含む、請求項8記載の方法(200)。
  13. 前記二次圧縮空気流を、実質的に共軸環状配置で前記二次燃料導管(112)周りに配置されている二次圧縮空気導管(122)を通して送ることを含む、請求項12記載の方法(200)。
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