JP6868374B2 - 農業用ハウスの防藻方法 - Google Patents

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Description

本発明は、農業用ハウスの防藻方法に関する。より具体的には、本発明は、銅を含んでなる資材を農業用ハウスの外側に設置することにより、農業用ハウスの被覆資材の表面に抗菌性、防藻性又は防カビ性のいずれか1以上の特性を付与する方法に関る。
近年、農業用作物を半促成又は抑制栽培して、その市場性、生産性を高めるため、塩化ビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、フッ素系樹脂などからなる樹脂フィルムの被覆下に有用植物を栽培する、いわゆるハウス栽培やトンネル栽培が盛んに行われている。
このようなフィルムを使用した農業用ハウスは年々大型化しており、ハウスをフィルムで覆うためのフィルム展張作業は多くの人手を要するようになってきている。その一方で、農業用従事者の数は年々減少すると共に高齢化が進行しており、毎年の展張作業に人手を確保することは容易ではない状況にある。この様な状況に鑑み、ハウスに展張するフィルムは展張作業が容易で極力張り替えまでの使用期間の長いフィルムが求められており、各社、4年〜5年、あるいは10年の耐久性を有するといったフィルムを開発してきている。
しかしながら、この様な耐久フィルムは、単年で張り替えられるフィルムと異なり、6月〜9月といった高温多湿の時期にも展張された状態になる。近年の温暖化傾向もあり、フィルムの特に外面に藻類が繁茂して、ハウス内への太陽光線の透過を阻害し、ハウス内の光量が不足することによる栽培性への悪影響が問題になってきた。
一般的に、藻類は地表や水中に存在する微生物で、葉緑素を有するため、光合成能力を持ち、他の栄養源によらず繁茂することが可能である。一方、カビ類は、増殖に必要な栄養(有機物)を他の有機物に依存する為、従属的に藻の死骸等に寄生して繁茂することが多い。藻類の表面は、菌類等の影響もあり、粘着性の物質で覆われていることが多いので、一度フィルム表面に付着すると、フィルム上の藻類の繁殖を物理的、機械的に防止したり、繁殖した藻類を物理的、機械的に除去したりするのは困難である。
従来、藻類やカビ類が繁殖したフィルムから藻類等を除去するには、酸性、もしくはアルカリ性の洗剤等を用いて化学的に剥離させた上で、高圧洗浄機による水洗やブラシ等による物理的な方法と組み合わせてこすり取る方法しか有効な方法がないのであるが、大型のハウス等では、ハウス屋根上に作業者が上がって藻類除去作業をせざるを得ず、高所から転落するおそれのある非常に危険かつ困難な作業である。化学薬品で殺藻しようとして例えば次亜塩素酸ソーダ水溶液を使用すれば、藻類を殺すことは可能であるが、死んだ藻類は汚れとしてフィルム表面にこびりついたままで自然に剥がれ落ちることはほとんどないため、これをフィルム上から取り除く作業は必要であり、かつ化学薬品は雨等で洗い流されるので、新たに付着した藻類の繁殖を防止するための持続的な効果はほとんど期待できない上、流下した酸性やアルカリ性の洗剤がハウス内や近隣の圃場の作物へ与える影響が懸念され問題である。
これらを改善するため、農業用フィルムの表面に被膜を形成し、その被膜形成用の高分子重合体に各種の防藻剤を含有させることが提案されている(特許文献1〜2)。
しかしながら、これらの被膜を用いた場合、展張後にハウス内面に結露した水滴が滴下して作物に当たると、その部分から作物が枯れる等の問題が発生し、十分な効果が得られる量の防藻剤を含有させることができない為、内部で作物を栽培するハウス用の資材としては問題があり、市場での適用に至っていない。また、農業用フィルムに各種の防藻剤、防菌剤、防カビ剤を練り込むことも検討されているが、無機系の添加剤を使用した場合、フィルムの表面濃度を高めることが困難で、濃度を上げた場合に透明性の阻害等を伴うことが多く問題であった。又、有機系の添加剤を使用した場合、添加剤がフィルム表面に移行することにより、効果の持続性に著しく劣る為、複数年使用される耐久フィルムへの適用に至っていない。
特公平6−8041号公報 特開平5−179028号公報
本発明は、農業用ハウスの被覆資材の表面に抗菌性、防藻性又は防カビ性のいずれか1以上の特性を簡易にかつ効果的に付与する方法を提供することを目的とする。
銅を含んでなる資材を農業用ハウスの外側に設置すると、当該資材が雨水等の水と接触させると銅イオンが水中に溶出し、この銅イオンが農業用ハウスの被覆資材の表面において藻、菌又はカビの何れか1以上の発生、繁殖を抑制する効果を有することを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は、
[1]銅を含んでなる資材を農業用ハウスの外側に設置し、当該資材を水と接触させることで銅イオンを水に溶出させて前記農業用ハウスの表面に銅イオンを存在させることにより、農業用ハウスの被覆資材の表面に抗菌性、防藻性又は防カビ性のいずれか1以上の特性を付与する方法。
[2]前記銅を含んでなる資材が、銅粉、銅網、銅テープ、銅線又は銅片から選択される少なくとも一つである、[1]に記載の方法。
[3]前記農業用ハウスの被覆資材が、農業用ビニルフィルム、農業用ポリオレフィン系フィルム(農業用ポリエチエレン系フィルム等を含む)、農業用ポリエステル系樹脂フィルム、農業用フッ素系フィルム、硬質板又はガラスである、[1]又は[2]に記載の方法。
[4]前記銅を含んでなる資材を農業用ハウスの少なくとも天井部に設置する、[1]〜[3]のいずれか1項に記載の方法。
[5]前記銅を含んでなる資材を農業用ハウスの外側の複数の箇所に設置する、[1]〜[4]のいずれか1項に記載の方法。
[6]農業用ハウスの外側の少なくとも天井部に銅を含んでなる資材が設置されている、農業用ハウス。
に存するものである。
本発明により、農業用ハウスの被覆資材の表面に抗菌性、防藻性又は防カビ性のいずれか1以上の特性を簡易にかつ効果的に付与することが可能である。また、本発明により、被覆資材の表面に抗菌性、防藻性又は防カビ性のいずれか1以上の特性を付与する農業用ハウスを提供することができる。
本発明の方法の非限定的例の概略図(銅粉を使用する例) 本発明の方法の非限定的例の概略図(銅網を使用する例1) 本発明の方法の非限定的例の概略図(銅網を使用する例2) 本発明の方法の非限定的例の概略図(銅テープを使用する例) 本発明の方法の非限定的例の概略図は(銅線を使用する例)
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の1つの実施態様は、銅を含んでなる資材を農業用ハウスの外側に設置し、当該資材を水と接触させることで銅イオンを水に溶出させて前記農業用ハウスの被覆資材の表面に銅イオンを存在させることにより、農業用ハウスの被覆資材の表面に抗菌性、防藻性又は防カビ性のいずれか1以上の特性を付与する方法である。
本発明においては、銅を含んでなる資材を農業用ハウスの外側におけるハウス表面近傍に設けることで、当該資材が雨水等の水と接触させると銅イオンが水中に溶出し、この銅イオンが農業用ハウスの被覆資材の表面において藻、菌又はカビの何れか1以上の繁殖を抑制する効果を発揮するものである。理論に拘束されることを意図するものではないが、従来の農業用フィルム中へ銅化合物を練り込む方法では、フィルム表面における銅イオンの濃度を十分に確保できなかったが、本発明の方法では、銅を含んでなる資材自体が水と接触することで銅イオンが溶出するため、フィルム表面に十分な量の銅イオンを供給できることから藻、菌又はカビの何れか1以上の発生及び繁殖を効果的に抑制することができる。
本発明において、銅を含んでなる資材として、銅を含んでなるいずれの資材を用いることができるが、防藻性の点から、銅粉、銅網、銅テープ、銅線又は銅片から選択される少なくとも一つであることが好ましい。
水と接触して銅イオンを効果的に溶出させる点からは表面積が大きい資材を用いることが有効であり、表面積の大きさは、一般的に、銅粉、銅網、銅テープ、銅線、銅片の順である。一方、銅粉は飛散すると土壌の銅濃度が上昇して土壌汚染の懸念があるため、この点を勘案してハウス表面に設置する銅粉の量を適宜決めるのが望ましい。また、銅網は、比較的表面積が大きいが、設置方法に工夫が必要である。銅テープは、表面積がやや小さく、その形状から入射光を遮る可能性があるが、ハウスの躯体を構成するパイプ上や骨材等の上に当たる部分に設置すればこれを回避することが可能である。従って、ハウスの構造や形状、周囲の環境に応じて、適切な資材を選定するのが望ましい。
銅網、銅テープ、銅線は市販のものを使用することができる。また、銅粉については、通常、試験用銅粉(昭和化学株式会社製の銅粉末、キシダ化学株式会社製の銅粉末等))を用いることができる。
本発明の方法が用いられる農業用ハウスの被覆資材は、農業用として通常使用されるフィルム又はシートであればいずれの資材であってもよい。例えば、農業用ビニルフィルム、農業用ポリオレフィン系フィルム(農業用ポリエチエレン系フィルム等を含む)、農業用ポリエステル系樹脂フィルム、農業用フッ素系フィルム、硬質板(FRP板、FRA板、MMA板、複層板等)又はガラス等を好適に用いることができる。これらの中でも、防藻性が特に要求される長期間展張用資材である農業用ポリオレフィン系フィルム(農業用ポリエチエレン系フィルム等を含む)、農業用ポリエステル系樹脂フィルム、農業用フッ素系フィルムを用いたハウスに本発明の方法を適用することが特に好ましい。
農業用ハウスの種類や構造は特に制限されるものではなく、例えば、屋根型の骨格を有するハウスに合成樹脂製のフィルム又はシートを展張した、所謂屋根型ハウスや、アーチ状のパイプで構成された外張り用の骨組に合成樹脂製のフィルム又はシートを展張した、所謂外張り用パイプハウス等が挙げられる。屋根形状も両屋根型、片屋根型、スリークォーター型、丸屋根型、片部を曲げた丸屋根型等、公知のものを使用できる。又、ハウスは単棟、連棟、小型、大型等公知のものを使用できる。
農業用ビニルフィルム、農業用ポリオレフィン系フィルム(農業用ポリエチエレン系フィルム等を含む)、農業用ポリエステル系樹脂フィルム、農業用フッ素系フィルム、硬質板(FRP板、FRA板、MMA板、複層板等)又はガラスは、農業用被覆資材として通常使用されるものが用いられる。
また、これら農業用ビニルフィルム、農業用ポリオレフィン系フィルム、農業用ポリエステル系樹脂フィルム、農業用フッ素系フィルムには、ハウス展張時の外側面には防塵被膜を設けてもよく、ハウス展張時の内側面には水滴付着を防止する防曇被膜を設けてもよい。
銅を含んでなる資材は、農業用ハウスの外側の少なくとも天井部に設置することが好ましい。農業用ハウスの外側の天井部に銅を含んでなる資材を設置すると、雨水等の水と接触して当該資材から水中に溶出した銅イオンがハウスの傾斜に沿って水と共に流れてハウス表面全体に行きわたり、ハウス全体に防藻性を付与することができる。
また、銅を含んでなる資材は、農業用ハウスの外側の少なくとも天井部の頂上部付近に設置することがより好ましい。天井部の頂上部付近に設置すれば、銅イオンが下流側に流れて天井全体に効果を発揮しやすい。
更に、サイド部分の抗菌、防カビ、防藻を期待して、ハウスの肩口部分や、サイド部の上部(天井部付近が好ましい)に本発明の資材を設置することで、サイド部分においても同様の効果が期待できる。
また、銅を含んでなる資材を複数の箇所に設置することができる。ハウスの傾斜面の大きさ等に応じて、天井部の頂上部付近以外にも、例えば傾斜面の中央付近等に銅を含んでなる資材を設置することができる。
本発明の方法により、農業用ハウスの外側に銅を含んでなる資材を設ける非限定的な例の概略図を図1〜図5に示す。図1は銅粉を使用する例、図2及び3は銅網を使用する例、図4は銅テープを使用する例、図5は銅線を使用する例を示す。
銅を含んでなる資材を農業用ハウスの外側の表面近傍に設置する方法としては、例えば、以下の方法が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
銅を含んでなる資材が銅粉の場合は、銅粉をフィルム等のハウス被覆資材の表面に刷毛で薄く塗布する等して直接置くこともでき(図1)、また、ハウスの奥行方向に沿って設けた樋状の容器中に銅粉、銅線、銅片、銅網、銅テープ等を設置させることもできる。更に、ハウス外面フィルムに凹部を設け、そこに銅粉、銅線、銅片、銅網、銅テープ等を設置しても良い。また、銅を含んでなる資材が銅網、銅線等の場合は、例えば、ハウス天井付近の奥行方向に当該資材を設置するにあたり、ハウスの両端(妻部付近、場合によっては中間部も)に設置用資材を取り付けて、その設置用資材の間を銅網、銅線等を這わすことによりハウスの外側の表面近傍に設置することができる(図2及び5)。樋状設備や銅テープ等の場合は、ハウス内への入射光量低下を防止する為に、ハウス奥行き方向のパイプや骨材に沿って、樋の設置や銅テープ等の貼付をすることができる(図4)。銅テープ等の場合は、市販の粘着剤が添付されたテープを使用することで簡易に添付することができる。
また、灌水チューブ中に銅を含んでなる資材を入れて、これを農業用ハウスの外側の少なくとも天井部に設置してもよい。この場合、灌水チューブでの散水により、銅イオンを含んだ水がハウスの被覆資材の表面に流れて、被覆資材の表面に抗菌性、防藻性又は防カビ性のいずれか1以上の特性を付与することができる。チューブ内に入れる銅を含んでなる資材としては、チューブ内に入れることができて、水により銅イオンが溶出するものであれば特段限定されず、銅粉、銅線や銅網に加えて、銅片等も用いることができる。
銅を含んでなる資材を水と接触させるには、通常、雨水を用いるのが簡易で効果的である(図1〜5を参照)。また、必要に応じて、銅を含んでなる資材の上部付近に、一定間隔毎に小さな穴の開いたチューブ等を設けて水を流し、銅を含んでなる資材に定期的又は不定期に水をかけることもできる。銅粉、銅線、銅片、銅網、銅テープ等をチューブ内に入れ、銅イオンをチューブ内の水中に溶出させることで、より効果的に抗菌性、防藻性又は防カビ性のいずれか1以上の特性を付与することもできる。
本発明のもう1つの実施態様は、農業用ハウスの外側に銅を含んでなる資材が設置された、農業用ハウスである。
本発明の好ましい側面においては、農業用ハウスの外側の少なくとも天井部、より好ましくは少なくとも天井部の頂上部付近に銅を含んでなる資材が設置されている。
農業用ハウスの種類や構造は特に制限されるものではなく、例えば、前記したような、屋根型の骨格を有するハウスに合成樹脂製のフィルム又はシートを展張した、所謂屋根型ハウスや、アーチ状のパイプで構成された外張り用の骨組に合成樹脂製のフィルム又はシートを展張した、所謂外張り用パイプハウス等が挙げられる。屋根形状も両屋根型、片屋根型、スリークォーター型、丸屋根型、片部を曲げた丸屋根型等、公知のものを使用できる。又、ハウスは単棟、連棟、小型、大型等公知のものを使用できる。
本発明の農業用ハウスは、その外側に銅を含んでなる資材が設置されていることを特徴とする。銅を含んでなる資材としては、前記した、銅粉、銅網、銅テープ、銅線、銅片が挙げられる。
本発明の農業用ハウスは、これら資材を設置するための治具を有することが好ましい。このような治具としては、銅を含んでなる資材が銅粉の場合、ハウスの奥行方向に沿って設けた樋状の容器等が挙げられ、銅を含んでなる資材が銅網、銅線の場合は、例えば、ハウスの両端部(妻部付近、場合によっては中間部も)に銅網、銅線を這わす設置用資材が挙げられる(図2及び5を参照)。
以下、本発明を実施例、比較例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の例に限定されるものではない。
[使用材料]
(1)農業用ポリオレフィンフィルム
表1の実施例1〜4及び比較例1〜2に記載の配合を有する農業用ポリオレフィンフィルムを用いた。また、比較例3〜12では、この配合に抗菌・防カビ・防藻剤、又は銅系遮熱剤を添加した農業用ポリオレフィンフィルムを用いた。
(2)防カビ・防藻処理
(A)銅を含んでなる資材
銅粉末(試薬用):キシダ化学(株)製銅粉末(1級)
銅テープ:幅10mm、長さ50m、厚さ0.065mmの粘着付銅テープ
銅網A:(株)光社製の銅メッシュ(0.3×450×500mm)
銅網B:市販の銅メッシュ
(B)抗菌・鮮度保持剤
アリルカラシ油徐放性チューブ:三菱化学フーズ(株)製「ワサオーロ」
(C)抗菌・防カビ・防藻剤
抗菌・防カビ・防藻剤A:三愛石油(株)製「サンアイゾール」
抗菌・防カビ・防藻剤B:三愛石油(株)製「SK−IPBC」
抗菌・防カビ・防藻剤C:大阪ガスケミカル(株)製「コートサイド331B」
抗菌・防カビ・防藻剤D:大阪ガスケミカル(株)製「スラオフ94」
抗菌・防カビ・防藻剤E:東京インキ(株)製マスターバッチ「PEX CLA−73 AL」
抗菌・防カビ・防藻剤F:神戸製鋼(株)製「ケニファイン」
抗菌・防カビ・防藻剤G:(株)エム・アイ・シー社製「OK」:Orijinal kind
抗菌・防カビ・防藻剤H:(株)エム・アイ・シー社製「OJ」:Obstinate Joint
抗菌・防カビ・防藻剤I:(株)エム・アイ・シー社製「7」:Haibrid Sven
(D)銅系遮熱剤
銅系遮熱剤A:特許4749388記載の銅含有遮熱剤
[試験方法]
静岡県藤枝市内の農場に天曝台を設置して、縦20cm×横30cmの各サンプル間に1cm以上間隔をあけて、各サンプル間の影響が無いように2016年4月11日に展張(貼付)した。展張後、一定期間を経た各サンプルの藻の発生具合を下記評価方法に従って2016年8月29日に観察評価した。
各サンプルは、貼付位置による影響を排除するために、複数の反復を取ってランダムに配置させ、評価結果に振れがあるときは、評価結果の上限下限の範囲をもって示した。
[評価方法]
以下の評価基準により藻抵抗性を評価した。
×:カビや藻が固着し、フィルム全体を覆っており、完全に見通せない
△:カビや藻が拡がり、フィルム面積の50%超を覆っている状態
○:カビや藻が、フィルム面積の25〜50%を覆っている状態
◎:カビや藻が、フィルム面積の25%未満を覆っている状態
[実施例1〜4、比較例1及び2]
実施例1では、銅粉末(試薬用)をサンプル上部の幅方向に、2〜3cm幅になるようにサンプル表面上に刷毛で薄く塗布した。
実施例2では、銅テープをサンプル上部の幅方向30cmに切って貼付した。
実施例3では、銅網Aを2cm幅に切り、サンプル上部の幅方向30cmに切って貼付した。
実施例4では、銅網Bを2cm幅に切り、サンプル上部の幅方向30cmに切って貼付した。
比較例1では、アリルカラシ油徐放性チューブ(三菱化学フーズ(株)製「ワサオーロ」)をサンプル表面上に設けた。比較例2では、サンプルに防カビ・防藻処理を施さなかった。 実施例1〜4、比較例1及び2の防藻性評価結果を表1に示す。
[表1]
Figure 0006868374
[比較例3〜12]
比較例3〜7及び9〜12では、夫々、抗菌・防カビ・防藻剤A〜Iを農業用ポリオレフィンフィルムの外層に添加し、比較例8では銅系遮熱剤を農業用ポリオレフィンフィルムの外層に添加した。
比較例3〜12の防藻性評価結果を表2及び3に示す。
[表2]
Figure 0006868374
[表3]
Figure 0006868374
表1〜3で示される通り、本発明の方法を用いた実施例1〜4では、アリルカラシ油徐放性チューブを用いた場合(比較例1)、抗菌・防カビ・防藻剤を練り込んだ農業用ポリオレフィンフィルムを用いた場合(比較例3〜7及び9〜12)、銅系遮熱剤を農業用ポリオレフィンフィルムに練り込んだ場合(比較例8)に比べて優れた防藻性を示す。

Claims (7)

  1. 銅を含んでなる資材を農業用ハウスの外側におけるハウスの表面及び/又は表面近傍に設置し、当該資材を水と接触させることで銅イオンを水に溶出させて前記農業用ハウスの表面に銅イオンを存在させることにより、農業用ハウスの被覆資材の表面に抗菌性、防藻性又は防カビ性のいずれか1以上の特性を付与する方法。
  2. 前記銅を含んでなる資材が、銅粉、銅網、銅テープ、銅線又は銅片から選択される少なくとも一つである、請求項1に記載の方法。
  3. 前記農業用ハウスの被覆資材が、農業用ビニルフィルム、農業用ポリオレフィン系フィルム、農業用ポリエステル系樹脂フィルム、農業用フッ素系フィルム、硬質板又はガラスである、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記銅を含んでなる資材を農業用ハウスの外側の少なくとも天井部におけるハウスの表面及び/又は表面近傍に設置する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記銅を含んでなる資材が灌水チューブ中に含まれており、当該灌水チューブを農業用ハウスの外側の少なくとも天井部におけるハウスの表面及び/又は表面近傍に設置する、請求項請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記銅を含んでなる資材を農業用ハウスの外側におけるハウスの表面及び/又は表面近傍の複数の箇所に設置する、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
  7. 農業用ハウスの外側の少なくとも天井部におけるハウスの表面及び/又は表面近傍に銅を含んでなる資材が設置されている、農業用ハウス。
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