JP6867452B2 - 陽イオン性神経毒 - Google Patents

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Description

本発明は、少なくとも1つのアミノ酸修飾を含む改変(engineered)クロストリジウム毒素ならびに医薬および療法におけるこのような改変クロストリジウム毒素の使用に関する。
クロストリジウム属(Clostridia)の細菌は、それらが送達される神経およびその他の細胞に毒となり得る高度に強力な、特定のタンパク質毒素を産生する。このようなクロストリジウム毒素の例として、C.テタニ(tetani)によって産生される神経毒(TeNT)およびC.ボツリヌム(botulinum)によって産生される神経毒(BoNT)血清型A〜GならびにC.バラティ(baratii)およびC.ブチリカム(butyricum)によって産生されるものが挙げられる。
クロストリジウム毒素の中には、幾つかの知られる最も強力な毒素が存在する。例として、ボツリヌス神経毒は、血清型に応じて0.5〜5ng/kgの範囲のマウスの半致死量(LD50)値を有する。破傷風毒素およびボツリヌス毒素の両方が、冒された神経の機能、具体的には、神経伝達物質の放出を阻害することによって作用する。ボツリヌス毒素は、神経筋接合部で作用し、末梢神経系におけるコリン作動性伝達を阻害するが、破傷風菌毒素は、中枢神経系において作用する。
実際は、クロストリジウム毒素は、タンパク質切断による切断事象によって翻訳後に修飾されて、ジスルフィド結合によって一緒に連結している2つのポリペプチド鎖を形成する単鎖ポリペプチドとして合成される。切断は、鎖間ジスルフィド結合を提供するシステイン残基間に位置する活性化部位と呼ばれることが多い特定の切断部位で起こる。この二本鎖形態が、毒素の活性形態である。2つの鎖は、およそ100kDaの分子質量を有する重鎖(H鎖)およびおよそ50kDaの分子質量を有する軽鎖(L鎖)と呼ばれる。H鎖は、N末端転位置成分(HNドメイン)およびC末端標的化成分(HCドメイン)を含む。切断部位は、L鎖と転位置ドメイン成分の間に位置する。HCドメインのその標的ニューロンとの結合およびエンドソームによる結合している毒素の細胞中への内部移行後に、HNドメインは、L鎖をエンドソーム膜を横断してサイトゾル中に転位置し、L鎖は、プロテアーゼ機能を提供する(非細胞傷害性プロテアーゼとしても知られる)。
非細胞傷害性プロテアーゼは、SNAREタンパク質(例えば、SNAP-25、VAMPまたはシンタキシン)として知られる細胞内輸送タンパク質をタンパク分解性に切断することによって作用する(Gerald K(2002年)「Cell and Molecular Biology」(第4版)John Wiley & Sons、Incを参照のこと)。頭字語SNAREは、可溶性NSF結合受容体(Soluble NSF Attachment Receptor; ここで、NSFは、N-エチルマレイミド-感受性因子を意味する)という用語に由来する。SNAREタンパク質は、細胞内小胞融合にとって、したがって、細胞からの小胞輸送による分子の分泌にとって不可欠である。プロテアーゼ機能は、亜鉛依存性エンドペプチダーゼ活性であり、SNAREタンパク質に対して高い基質特異性を示す。したがって、非細胞傷害性プロテアーゼは、ひとたび、所望の標的細胞に送達されると、標的細胞からの細胞性分泌を阻害することが可能である。クロストリジウム毒素のL鎖プロテアーゼは、SNAREタンパク質を切断する非細胞傷害性プロテアーゼである。
SNAREタンパク質の遍在性を考えて、ボツリヌス毒素などのクロストリジウム毒素は、広範囲の療法において成功裏に使用されてきた。
例として、本発明者らは、いくつかの治療的および美容的または審美的適用において神経伝達を阻害するための、ボツリヌス神経毒(BoNT)、BoNT/A、BoNT/B、BoNT/C1、BoNT/D、BoNT/E、BoNT/FおよびBoNT/Gおよび破傷風神経毒(TeNT)などのクロストリジウム毒素の使用を記載する文献(William J. Lipham、Cosmetic and Clinical Applications of Botulinum Toxin (Slack、Inc.、2004年))に言及する。例えば、市販のボツリヌス毒素製品は、限局性痙縮、上肢痙縮、下肢痙縮、頸部ジストニア、眼瞼痙攣、片側顔面痙攣、腋の発汗過多、慢性片頭痛、神経因性排尿筋過活動、眉間の線および重度の片側眼角の線を含む適応症の治療薬として現在承認されている。さらに、クロストリジウム毒素療法は、神経筋障害を治療するために((US6,872,397)を参照のこと);子宮障害を治療するために((US2004/0175399)を参照のこと);潰瘍および胃食道逆流症を治療するために((US2004/0086531)を参照のこと);ジストニアを治療するために((US6,319,505)を参照のこと);眼の障害を治療するために((US2004/0234532)を参照のこと);眼瞼痙攣を治療するために((US2004/0151740)を参照のこと);斜視(strabismus)を治療するために((US2004/0126396)を参照のこと);疼痛を治療するために((US6,869,610)、(US6,641,820)、(US6,464,986)および(US6,113,915)を参照のこと);線維筋痛症を治療するために((US6,623,742)、(US2004/0062776)を参照のこと);下部背痛を治療するために((US2004/0037852)を参照のこと);筋肉傷害を治療するために((US6,423,319)を参照のこと);副鼻腔炎性頭痛を治療するために((US6,838,434)を参照のこと);緊張性頭痛を治療するために((US6,776,992)を参照のこと);頭痛を治療するために((US6,458,365)を参照のこと);片頭痛性疼痛の低減のために((US5,714,469)を参照のこと);心血管疾患を治療するために((US6,767,544)を参照のこと);パーキンソン病などの神経疾患を治療するために((US6,620,415)、(US6,306,403)を参照のこと);精神神経障害を治療するために((US2004/0180061)、(US2003/0211121)を参照のこと);内分泌障害を治療するために((US6,827,931)を参照のこと);甲状腺障害を治療するために((US6,740,321)を参照のこと);コリン作用の影響を受ける汗腺障害を治療するために((US6,683,049)を参照のこと);糖尿病を治療するために((US6,337,075)、(US6,416,765)を参照のこと);膵臓障害を治療するために((US6,261,572)、(US6,143,306)を参照のこと);骨腫瘍などの癌を治療するために((US6,565,870)、(US6,368,605)、(US6,139,845)、(US2005/0031648)を参照のこと);耳の障害を治療するために((US6,358,926)、(US6,265,379)を参照のこと);胃腸筋障害およびその他の平滑筋機能障害などの自律神経障害を治療するために((US5,437,291)を参照のこと);皮膚細胞増殖性障害と関連する皮膚病変の治療のために((US5,670,484)を参照のこと);神経性炎症障害の管理のために((US6,063,768)を参照のこと);脱毛の低減および毛髪成長の刺激のために((US6,299,893)を参照のこと);下向きに曲がった口の治療のために((US6,358,917)を参照のこと);食欲を低減するために((US2004/40253274)を参照のこと);歯科治療および歯科処置のために((US2004/0115139)を参照のこと);神経筋障害および状態を治療するために((US2002/0010138)を参照のこと);種々の障害および状態および関連疼痛を治療するために((US2004/0013692)を参照のこと);喘息およびCOPDなどの粘液分泌過多に起因する状態を治療するために((WO00/10598)を参照のこと);および炎症、内分泌状態、外分泌状態、免疫学的状態、心血管の状態、骨の状態などの非神経性状態を治療するために((WO01/21213)を参照のこと)記載されている。上記の刊行物のすべては、参照によりその全文が本明細書において組み込まれる。
ヒトおよびその他の哺乳動物の治療的および美容的処置におけるクロストリジウム毒素(例えば、BoNTおよびTeNT)などの非細胞傷害性プロテアーゼの使用は、これらの毒素の特性から恩恵を受け得る、広がり続ける範囲の疾患および病気に拡大すると予測される。
全身の神経学的効果を避けるために、多数のクロストリジウム毒素療法は、所与の標的部位(標的組織など)へのクロストリジウム毒素治療薬の直接投与を行う。この様式でクロストリジウム毒素ベースの治療薬を投与する場合の問題は、投与部位から離れた、周囲組織または全身循環への毒素の広がりである。標的組織から離れた毒素の拡散は、極端な場合には、生命を危うくするものであり得る望ましくない副作用の原因となると考えられている。これは、高い用量、濃度および注射容積でクロストリジウム毒素治療薬(BoNT治療薬など)を使用する場合に、特に、懸念であり得る。市販のBoNT/A治療薬について報告されているこの問題と関連する有害作用として、無力症、全般性筋力低下、複視、眼瞼下垂、嚥下障害、発声障害、構音障害、尿失禁および呼吸困難が挙げられる。嚥下および呼吸困難は、生命を危うくするものであり得、毒素効果の広がりと関連する死亡が報告されている。
US6,872,397
US2004/0175399
US2004/0086531
US6,319,505
US2004/0234532
US2004/0151740
US2004/0126396
US6,869,610
US6,641,820
US6,464,986
US6,113,915
US6,623,742
US2004/0062776
US2004/0037852
US6,423,319
US6,838,434
US6,776,992
US6,458,365
US5,714,469
US6,767,544
US6,620,415
US6,306,403
US2004/0180061
US2003/0211121
US6,827,931
US6,740,321
US6,683,049
US6,337,075
US6,416,765
US6,261,572
US6,143,306
US6,565,870
US6,368,605
US6,139,845
US2005/0031648
US6,358,926
US6,265,379
US5,437,291
US5,670,484
US6,063,768
US6,299,893
US6,358,917
US2004/40253274
US2004/0115139
US2002/0010138
US2004/0013692
WO00/10598
WO01/21213
Gerald K(2002年)「Cell and Molecular Biology」(第4版)John Wiley & Sons、Inc
William J. Lipham、Cosmetic and Clinical Applications of Botulinum Toxin (Slack、Inc.、2004年)
したがって、既知クロストリジウム毒素と比較して、投与部位の組織における保持の増大という特性を有し、したがって、投与部位から離れた拡散の低減を示すクロストリジウム毒素が当技術分野で必要である。
本発明は、特許請求の範囲において明記されるような、改変クロストリジウム毒素を提供することによって上記の問題を解決する。
一態様では、本発明は、少なくとも1つの(例えば、少なくとも1つ、2つまたは3つ)のアミノ酸修飾を含む改変クロストリジウム毒素を提供し、ここで、前記の少なくとも1つのアミノ酸修飾は、改変クロストリジウム毒素の等電点(pI)を、前記の少なくとも1つのアミノ酸修飾を欠く、その他の点においては同一のクロストリジウム毒素のpIよりも、少なくとも0.2(例えば、少なくとも0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、又は1)pI単位高い値に増大し、前記の少なくとも1つのアミノ酸修飾は、クロストリジウム毒素結合ドメイン(HCドメイン)中に位置しない。
一実施形態では、「クロストリジウム毒素結合ドメイン(HC)ドメイン中には位置しない」とは、前記の少なくとも1つのアミノ酸修飾が、クロストリジウム毒素HNドメイン中またはクロストリジウム毒素軽鎖中に位置することを意味する。
一実施形態では、本発明は、少なくとも1つの(例えば、少なくとも1つ、2つまたは3つ)アミノ酸修飾を含む改変クロストリジウム毒素を提供し、ここで、前記の少なくとも1つのアミノ酸修飾は、改変クロストリジウム毒素の等電点(pI)を、前記の少なくとも1つのアミノ酸修飾を欠く、その他の点においては同一のクロストリジウム毒素のpIよりも、少なくとも0.2(例えば、少なくとも0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、又は1)pI単位高い値に増大し、前記の少なくとも1つのアミノ酸修飾は、クロストリジウム毒素転位置ドメイン(HNドメイン)中に位置する。
別の実施形態では、本発明は、少なくとも1つの(例えば、少なくとも1つ、2つまたは3つ)アミノ酸修飾を含む改変クロストリジウム毒素を提供し、ここで、前記の少なくとも1つのアミノ酸修飾は、改変クロストリジウム毒素の等電点(pI)を、前記の少なくとも1つのアミノ酸修飾を欠く、その他の点においては同一のクロストリジウム毒素のpIよりも、少なくとも0.2(例えば、少なくとも0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、又は1)pI単位高い値に増大し、前記の少なくとも1つのアミノ酸修飾は、クロストリジウム毒素軽鎖中に位置する。
一実施形態では、前記の少なくとも1つのアミノ酸修飾は、クロストリジウム毒素軽鎖中に位置し、前記の少なくとも1つのアミノ酸修飾は、クロストリジウム毒素軽鎖中に、E3リガーゼ認識モチーフを導入しない。したがって、一実施形態では、本発明の改変クロストリジウム毒素の軽鎖は、E3リガーゼ認識モチーフを含まない。
上記で使用されるように、用語「E3リガーゼ認識モチーフ」とは、神経毒が適用されていた対象中に存在する内因性プロテアソーム分解経路による神経毒ポリペプチドの分解の加速をもたらす軽鎖の修飾を指す。「E3リガーゼ認識」モチーフは、E3リガーゼ(E3ユビキチンリガーゼとしても知られる;したがって、「E3リガーゼ認識モチーフ」はまた、「E3ユビキチンリガーゼ認識モチーフ」とも呼ばれることもある)によるモチーフの認識およびモチーフとの結合を可能にする構造モチーフである。E3リガーゼ認識モチーフは、当業者にはよく知られているであろう。
E3リガーゼ認識モチーフの例として、以下の配列(式中、「X」は、天然に存在するアミノ酸のいずれかを表し得る)が挙げられる:
Figure 0006867452
E3リガーゼ認識モチーフのさらなる例として、ETFSDLWKLLPE(配列番号20)、TSFAEYWNLLSP(配列番号21)、LTFEHYWAQLTS(配列番号22)、LTFEHWWAQLTS(配列番号23)、LTFEHSWAQLTS(配列番号24)、ETFEHNWAQLTS(配列番号25)、LTFEHNWAQLTS(配列番号26)、LTFEHWWASLTS(配列番号27)、LTFEHWWSSLTS(配列番号28)、LTFTHWWAQLTS(配列番号29)、ETFEHWWAQLTS(配列番号30)、LTFEHWWSQLTS(配列番号31)、LTFEHWWAQLLS(配列番号32)、ETFEHWWSQLLS(配列番号33)、RFMDYWEGL(配列番号34)、MPRFMDYWEGLN(配列番号35)、SQETFSDLWKLLPEN(配列番号36)およびLTFEHNWAQLEN(配列番号37)が挙げられる。
前記少なくとも1つのアミノ酸修飾が、クロストリジウム毒素軽鎖中に位置する一実施形態では、前記の少なくとも1つのアミノ酸修飾は、クロストリジウム毒素軽鎖中に、MDM2 E3リガーゼ認識モチーフを導入しない。したがって、一実施形態では、本発明の改変クロストリジウム毒素の軽鎖は、MDM2 E3リガーゼ認識モチーフを含まない。
前記の少なくとも1つのアミノ酸修飾が、クロストリジウム毒素軽鎖中に位置する一実施形態では、改変クロストリジウム毒素は、N末端プロリンにアミノ酸修飾を含まない。
改変クロストリジウム毒素がBoNT/Eであり、前記の少なくとも1つのアミノ酸修飾がクロストリジウム毒素軽鎖中に位置する一実施形態では、前記の改変BoNT/Eは、以下のアミノ酸位置:Q53、N72、N378、N379、R394、T400のうちいずれか1つでリジンでの置換を含まない。
改変クロストリジウム毒素がBoNT/Eであり、前記の少なくとも1つのアミノ酸修飾が、クロストリジウム毒素軽鎖中に位置する一実施形態では、前記の改変BoNT/Eは、以下のアミノ酸位置:Q53、N72、N378、N379、T400のうちいずれか1つでリジンでの置換を含まない。
改変クロストリジウム毒素がBoNT/Eであり、前記の少なくとも1つのアミノ酸修飾が、クロストリジウム毒素軽鎖中に位置する一実施形態では、前記の改変BoNT/Eは、以下のアミノ酸位置:Q53、N72、N378、N379、R394、T400のうちいずれか3つでリジンでの置換を含まない。
改変クロストリジウム毒素がBoNT/Eであり、前記の少なくとも1つのアミノ酸修飾がクロストリジウム毒素軽鎖中に位置する一実施形態では、前記の改変BoNT/Eは、以下のアミノ酸位置:Q53、N72、N378、N379、T400のうちいずれか3つでリジンでの置換を含まない。
随意により、少なくとも1つのアミノ酸修飾が、クロストリジウム毒素軽鎖中に位置する一実施形態では、改変クロストリジウム毒素は、BoNT/Eではない。
本発明の改変クロストリジウム毒素は、クロストリジウム毒素HCドメイン中に位置する任意のアミノ酸修飾を含まない。したがって、本発明の改変クロストリジウム毒素中では、前記の少なくとも1つのアミノ酸修飾は、クロストリジウム毒素HCドメイン中に位置しない。
前記の少なくとも1つのアミノ酸修飾が、クロストリジウム毒素軽鎖中に位置する一実施形態では、前記の少なくとも1つのアミノ酸修飾は、リジン残基でのアミノ酸残基の置換を含まない。
改変クロストリジウム毒素が、上記のような改変クロストリジウム毒素である一実施形態では、前記の少なくとも1つのアミノ酸修飾は、リジンまたはアルギニン残基での酸性アミノ酸残基または非荷電アミノ酸残基の置換を含む。
改変クロストリジウム毒素が、上記のような改変クロストリジウム毒素である一実施形態では、前記の少なくとも1つのアミノ酸修飾は、アルギニン残基での酸性アミノ酸残基または非荷電アミノ酸残基の置換を含む。
改変クロストリジウム毒素が、上記のような改変クロストリジウム毒素である一実施形態では、前記の少なくとも1つのアミノ酸修飾は、改変クロストリジウム毒素のpIを、前記の少なくとも1つのアミノ酸修飾を欠く、その他の点においては同一のクロストリジウム毒素のpIよりも、少なくとも0.4pI単位高い値に増大する。一実施形態では、前記の少なくとも1つのアミノ酸修飾は、改変クロストリジウム毒素のpIを、前記の少なくとも1つのアミノ酸修飾を欠く、その他の点においては同一のクロストリジウム毒素のpIよりも、少なくとも0.5pI単位高い値に増大する。一実施形態では、前記の少なくとも1つのアミノ酸修飾は、改変クロストリジウム毒素のpIを、前記の少なくとも1つのアミノ酸修飾を欠く、その他の点においては同一のクロストリジウム毒素のpIよりも、少なくとも0.6pI単位高い値に増大する。一実施形態では、前記の少なくとも1つのアミノ酸修飾は、改変クロストリジウム毒素のpIを、前記の少なくとも1つのアミノ酸修飾を欠く、その他の点においては同一のクロストリジウム毒素のpIよりも、少なくとも0.8pI単位高い値に増大する。一実施形態では、前記の少なくとも1つのアミノ酸修飾は、改変クロストリジウム毒素のpIを、前記の少なくとも1つのアミノ酸修飾を欠く、その他の点においては同一のクロストリジウム毒素のpIよりも、少なくとも1pI単位高い値に増大する。
特定の実施形態では、改変クロストリジウム毒素は、少なくとも2、3、4、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85または90のアミノ酸修飾を含む。
特定の実施形態では、前記の少なくとも1つのアミノ酸修飾は、改変クロストリジウム毒素のpIを、前記の少なくとも1つのアミノ酸修飾を欠く、その他の点においては同一のクロストリジウム毒素のpIよりも、少なくとも2、3、4または5pI単位高い値に増大する。
特定の実施形態では、改変クロストリジウム毒素は、少なくとも3つのアミノ酸修飾を含み、前記の少なくとも3つのアミノ酸修飾は、改変クロストリジウム毒素のpIを、前記の少なくとも3つのアミノ酸修飾を欠く、その他の点においては同一のクロストリジウム毒素のpIよりも、少なくとも0.2pI単位高い値に増大する。
特定の実施形態では、改変クロストリジウム毒素は、少なくとも5つのアミノ酸修飾を含み、前記の少なくとも5つのアミノ酸修飾は、改変クロストリジウム毒素のpIを、前記の少なくとも5つのアミノ酸修飾を欠く、その他の点においては同一のクロストリジウム毒素のpIよりも、少なくとも0.5pI単位高い値に増大する。
本発明者らは、クロストリジウム毒素のpIを、例えば、少なくとも0.2pI単位または0.5pI単位または1pI単位増大することによって(少なくとも1つのアミノ酸修飾のクロストリジウム毒素タンパク質への導入によって)、得られた改変クロストリジウム毒素が、有利なことに、標的細胞結合、転位置および標的SNAREタンパク質(単数または複数)の切断の能力を保持しながら、組織保持の増大および投与部位から離れた拡散の低減という特性を実証することを見出した。したがって、投与部位からのクロストリジウム毒素の広がりは、前記少なくとも1つのアミノ酸修飾を欠く、その他の点においては同一のクロストリジウム毒素と比較して大幅に低減される。
本発明の改変クロストリジウム毒素は、上記の療法のいずれかにおける使用に適しており、有利なことに、既知クロストリジウム毒素治療薬の使用と比較して副作用の低減またはそれがないことを実証し得る。本発明の改変クロストリジウム毒素の組織保持特性の増大はまた、既知クロストリジウム毒素治療薬と比較して、作用の効力および/または期間の増大を提供し、低減された投与量(またはさらなる有害作用を伴わない増大された投与量)が使用されることを可能にすることができ、従ってさらなる利点を提供する。
したがって、一実施形態では、本発明の改変クロストリジウム毒素は、対応する未修飾クロストリジウム毒素と比較して、増大した効力、組織における保持の増大および/または増大した作用期間を有する。
以下に、より詳細に論じられるように、少なくとも1つのアミノ酸修飾によって提供されるpIの増大は、本発明の改変クロストリジウム毒素が、所与のpHで、前記の少なくとも1つのアミノ酸修飾を欠く、その他の点においては同一のクロストリジウム毒素での正味電荷よりもより正である正味電荷を有することを意味する。いずれか1つの理論に捉われようとは思わないが、本発明者らは、この増大された正の電荷によって、本発明の改変クロストリジウム毒素が、投与部位での改変クロストリジウム毒素および陰イオン性細胞外成分(細胞膜およびヘパリン硫酸プロテオグリカンなど)の間の好都合な静電相互作用によって、投与部位でより長い組織保持時間を示すことが可能となると考える。これらの改善された静電相互作用は、投与部位から離れた改変クロストリジウム毒素の拡散を低減し、したがって、組織保持を改善するように働く。
例として、本発明の改変クロストリジウム毒素の組織保持特性の改善は、(i)嚥下困難を引き起こす首中の隣接する筋肉へ広がることのない、胸鎖乳突筋などの個々の筋肉へのより高い用量および(ii)循環へ広がることのない、呼吸困難などの全身効果を引き起こさない単回治療におけるより高い総用量(すべての筋肉への)を可能にし得る。患者にとっての利点として、胸鎖乳突筋などの大きな筋肉のより有効な治療、各治療の間のいくつかの異なる筋肉に注射する機会の増大およびより高い投薬によるより長い期間の有効な治療(より長い、再治療が必要となるまで)の可能性を挙げることができる。
一実施形態では、本発明の改変クロストリジウム毒素は、使用において、正の正味電荷を有する(例えば、改変クロストリジウム毒素が、使用において、組織中の所望の投与部位に位置する場合に)。
等電点(pI)は、所与のタンパク質の特異的な特性である。当技術分野で周知であるように、タンパク質は、アミノ酸の特定の配列(タンパク質ではアミノ酸残基とも呼ばれる)からできている。20種の標準セットの各アミノ酸は、種々の側鎖(またはR基)を有し、タンパク質中の各アミノ酸残基が、電荷および疎水性などの異なる化学特性を示すことを意味する。これらの特性は、温度およびpHなどの周囲の化学環境によって影響を受け得る。タンパク質の全体的な化学特徴は、これらの種々の因子の合計に応じて変わる。
特定のアミノ酸残基(以下に詳述される)は、周囲のpHに応じて電荷を示し得るイオン化できる側鎖を有する。所与のpHでこのような側鎖が荷電しているか否かは、関連するイオン化できる部分のpKaに応じて変わり、pKaは、共役塩基に由来する特定のプロトンの酸解離定数(Ka)の負の対数である。
例えば、アスパラギン酸およびグルタミン酸などの酸性残基は、およそ4.1のpKa値を有する側鎖カルボン酸基を有する(正確なpKa値は、温度、イオン強度およびイオン化できる基の微小環境に応じて変わり得る)。したがって、これらの側鎖は、7.4のpH(「生理学的pH」と呼ばれることも多い)で負の電荷を示す。低pH値では、これらの側鎖は、プロトン化されたものになり、その電荷を失う。
逆に、リジンおよびアルギニンなどの塩基性残基は、およそ10〜12のpKa値を有する窒素含有側鎖基を有する。したがって、これらの側鎖は、7.4のpHで正の電荷を示す。これらの側鎖は、高いpH値で脱プロトン化され、その電荷を失う。
したがって、タンパク質分子の全体的な(正味の)電荷は、タンパク質中に存在する酸性および塩基性残基の数(およびその表面露出度)に、および周囲のpHに応じて変わる。周囲のpHを変化することは、タンパク質上の全体的な電荷を変更する。したがって、どのタンパク質についても、正および負の電荷の数が等しく、タンパク質が全体的な正味電荷を示さない所与のpHがある。この点は、等電点(pI)として知られている。等電点は、当業者がよく知っているタンパク質生化学における標準的な概念である。
したがって、等電点(pI)は、タンパク質がゼロの正味電荷を示すpH値と定義される。pIの増大は、タンパク質がゼロの正味電荷を示すのに、より高いpH値が必要であることを意味する。したがって、pIの増大は、所与のpHでのタンパク質の正味の正電荷の増大を表す。逆に、pIの低減は、タンパク質がゼロの正味電荷を示すのに、より低いpH値が必要であることを意味する。したがって、pIの低減は、所与のpHでのタンパク質の正味の正電荷の低減を表す。
タンパク質のpIを決定する方法は、当技術分野で公知であり、当業者にはよく知られている。例として、タンパク質のpIは、タンパク質中に存在する各アミノ酸の平均pKa値から算出することができる(「算出pI」)。このような算出は、当技術分野で公知のコンピュータプログラムを使用して実施できる;pI値を算出するための好ましい例としてのコンピュータプログラムとして、Scripps Research Institute製のProtein CalculatorおよびExPASy製のCompute pI/MW Toolが挙げられる。種々の分子間のpI値の比較は、同一算出技術/プログラムを使用して行われなくてはならない。
適当な場合には、タンパク質の算出pIは、等電点電気泳動の技術を使用して実験によって確認できる(「実測pI」)。この技術は、電気泳動を使用して、タンパク質をそのpIに従って分離する。等電点電気泳動は、通常、固定化pH勾配を有するゲルを使用して実施される。電場がかけられると、タンパク質は、pH勾配によって、ゼロの正味電荷を有するpHに到達するまで移動し、この点は、タンパク質のpIである。等電点電気泳動によって提供される結果は、通常、その性質上比較的低解像度であり、本発明者らは、算出pI(上記のような)によって提供される結果は、使用するのにより適当であると考える。
本明細書を通じて、「pI」とは、特に断りのない限り、「算出pI」を意味する。
タンパク質のpIは、その表面上に提示される塩基性および/または酸性基の数を変更することによって増大または低減され得る。これは、タンパク質の1つ以上のアミノ酸を修飾することによって達成することができる。例えば、pIの増大は、酸性残基の数を低減することによって、または塩基性残基の数を増大することによって提供することができる。このようなアミノ酸修飾は、以下により詳細に論じる。
天然(未修飾)クロストリジウム毒素は、およそ5〜6のpIを有する。したがって、7.4のpHでは、天然ボツリヌス毒素は、負の正味電荷を有する。例として、BoNT/AのpIは6.4であり、BoNT/A分子は、-8のpH7.4での正味電荷を有する。これらのpI値は、上記のように算出される。
Figure 0006867452
上記のように、一実施形態では、本発明の改変クロストリジウム毒素は、少なくとも1つのアミノ酸修飾を含み、ここで、前記の少なくとも1つのアミノ酸修飾は、改変クロストリジウム毒素の等電点(pI)を、前記の少なくとも1つのアミノ酸修飾を欠く、その他の点においては同一のクロストリジウム毒素のpIよりも、少なくとも0.2pI単位高い値に増大する。
したがって、本発明の関連で、改変BoNT/Aクロストリジウム毒素の関連で0.2単位のpIの増大は、6.4から6.6へのpIの増大となる。
上記のように、一実施形態では、本発明の改変クロストリジウム毒素は、少なくとも1つのアミノ酸修飾を含み、ここで、前記の少なくとも1つのアミノ酸修飾は、改変クロストリジウム毒素の等電点(pI)を、前記の少なくとも1つのアミノ酸修飾を欠く、その他の点においては同一のクロストリジウム毒素のpIよりも、少なくとも1pI単位高い値に増大する。
したがって、本発明の関連で、改変BoNT/Aクロストリジウム毒素の関連で1単位のpIの増大は、6.4から7.4へのpIの増大となる。
一実施形態では、改変クロストリジウム毒素は、少なくとも5.5のpIを有する。
一実施形態では、改変クロストリジウム毒素は、少なくとも6(例えば、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8または少なくとも9)のpIを有する。
一実施形態では、改変クロストリジウム毒素は、少なくとも6.5のpIを有する。
一実施形態では、改変クロストリジウム毒素は、少なくとも7のpIを有する。
一実施形態では、改変クロストリジウム毒素は、6.5から9.5の間のpI(例えば、6.5から7.5の間のpI)を有する。
上記で論じられるように、本発明の改変クロストリジウム毒素は、既知クロストリジウム毒素治療薬と比較して、作用の効力および/または期間の増大も提供し、低減された投与量(またはさらなる有害作用を伴わない増大された投与量)が使用されることを可能にすることができる、増大された組織保持特性を有する。これらの有利な特性(治療指標の増大に相当する)が規定され得る1つの方法は、改変クロストリジウム毒素の安全率の点である。これに関連して、クロストリジウム毒素の望ましくない効果(投与部位から離れた毒素の拡散によって引き起こされる)は、関連動物モデル(例えば、体重減少が、投与の7日内に検出されるマウス)において体重減少の百分率を測定することによって実験によって評価することができる。逆に、クロストリジウム毒素の望ましいオンターゲットの効果は、Digital Abduction Score(DAS)アッセイ、筋肉麻痺の尺度によって実験によって評価することができる。DASアッセイは、Gelatin Phosphate Bufferで製剤化された、20μlのクロストリジウム毒素の、マウス腓腹筋/ヒラメ筋複合体への注射と、それに続く、Aokiの方法(Aoki KR、Toxicon 第39巻:1815〜1820頁;2001年)を使用するDigital Abduction Scoreの評価によって実施することができる。DASアッセイでは、マウスが、その後肢を伸ばし、その後指を外転させる特徴的な驚愕反応を誘発するために、尾によって短期間マウスを吊るす。クロストリジウム毒素注射後、変動する指外転度を、5点スケール(0=正常〜4=指外転および肢伸張の最大減少)でスコア化する。
次いで、クロストリジウム毒素の安全率は、体重の10%低下(マウスにおける投薬後最初の7日間内のピーク効果で測定された)に必要な毒素の量と、2のDASスコアに必要な毒素の量の間の比として表現され得る。したがって、高い安全率スコアが望まれ、望ましくないオフターゲット効果をほとんど伴わずに標的筋肉を効率的に麻痺させることができる毒素を示す。本発明の改変毒素は、同等の未修飾の(天然の)ボツリヌス毒素の安全率よりも高い安全率を有する。
したがって、一実施形態では、本発明の改変クロストリジウム毒素は、少なくとも8(例えば、少なくとも8、9、10、15、20、25、30、35、40、45または50)の安全率を有し、ここで、安全率は、DAS ED50(pg/マウス)によって除された-10%の体重変化に必要な毒素の用量(pg/マウス)として算出される[ED50は2のDASスコアをもたらすのに必要な用量である]。
一実施形態では、本発明の改変クロストリジウム毒素は、少なくとも10の安全率を有する。一実施形態では、本発明の改変クロストリジウム毒素は、少なくとも15の安全率を有する。
本発明の改変クロストリジウム毒素は、少なくとも1つのアミノ酸修飾を含む。前記の少なくとも1つのアミノ酸修飾は、上記で論じられるように、クロストリジウム毒素のpIを増大する。本発明の関連で、アミノ酸修飾とは、クロストリジウム毒素のアミノ酸配列の修飾である。このような修飾は、配列中のあるアミノ酸を別のものと置き換えること(すなわち、置換)によって、配列中に新規アミノ酸を挿入することによって、または配列のアミノ酸を欠失させることによって達成できる。タンパク質中のアミノ酸配列中に組み込まれるアミノ酸はまた、アミノ酸残基とも呼ばれる。
タンパク質において見られる20種の標準アミノ酸は以下のとおりである:
Figure 0006867452
以下のアミノ酸は、荷電アミノ酸と考えられる:アスパラギン酸(負)、グルタミン酸(負)、アルギニン(正)およびリジン(正)。
7.4のpHで、アスパラギン酸(pKa 3.1)およびグルタミン酸(pKa 4.1)の側鎖は、負の電荷を有し、一方で、アルギニン(pKa 12.5)およびリジン(pKa 10.8)の側鎖は、正の電荷を有する。アスパラギン酸およびグルタミン酸は、酸性アミノ酸残基とも呼ばれる。アルギニンおよびリジンは、塩基性アミノ酸残基と呼ばれる。
以下のアミノ酸は、非荷電、極性(水素結合に参加し得ることを意味する)アミノ酸と考えられる:アスパラギン、グルタミン、ヒスチジン、セリン、トレオニン、チロシン、システイン、メチオニン、トリプトファン。
以下のアミノ酸は、非荷電疎水性アミノ酸と考えられる:アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン、プロリンおよびグリシン。
クロストリジウム毒素のpIの増大は、クロストリジウム毒素中に、クロストリジウム毒素における正対負の電荷の比を増大する1つ以上のアミノ酸修飾を導入することによって達成できる。
一実施形態では、少なくとも1つのアミノ酸修飾は、アミノ酸置換、アミノ酸挿入およびアミノ酸欠失から選択される。
アミノ酸置換では、クロストリジウム毒素アミノ酸配列の一部を形成するアミノ酸残基は、異なるアミノ酸残基と置換される。置換アミノ酸残基は、上記のような20種の標準アミノ酸の1種であり得る。
あるいは、アミノ酸置換における置換アミノ酸は、非標準アミノ酸(上記の20種の標準セットの一部ではないアミノ酸)であり得る。例として、置換アミノ酸は、塩基性非標準アミノ酸、例えば、L-オルニチン、L-2-アミノ-3-グアニジノプロピオン酸またはリジン、アルギニンおよびオルニチンのD異性体であり得る)。非標準アミノ酸をタンパク質中に導入するための方法は、当技術分野で公知であり、大腸菌(E. coli)栄養要求性発現宿主を使用する組換えタンパク質合成が挙げられる。
アミノ酸挿入では、さらなるアミノ酸残基(通常は存在しないもの)が、クロストリジウム毒素アミノ酸配列中に組み込まれ、したがって、前記配列中のアミノ酸残基の総数が増大する。アミノ酸欠失では、クロストリジウム毒素アミノ酸配列からアミノ酸残基が除去され、したがって、前記配列中のアミノ酸残基の総数が減少する。
タンパク質を、アミノ酸残基の置換、挿入または欠失によって修飾するための方法は、当技術分野で公知である。例として、アミノ酸修飾は、クロストリジウム毒素をコードするDNA配列の修飾によって導入することができる。これは、標準の分子クローニング技術を使用して、例えば、所望のアミノ酸(単数または複数)をコードするDNAの短い鎖(オリゴヌクレオチド)を使用し、ポリメラーゼ酵素を使用して元のコード配列を置換する部位特異的突然変異誘発によって、または種々の酵素(例えば、リガーゼおよび制限エンドヌクレアーゼ)を用いて、遺伝子の一部を挿入/欠失させることによって達成できる。あるいは、修飾された遺伝子配列を化学的に合成することもできる。
一実施形態では、少なくとも1つのアミノ酸修飾は、酸性アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基による置換;酸性アミノ酸残基の非荷電アミノ酸残基による置換;非荷電アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基による置換;塩基性アミノ酸残基の挿入;酸性アミノ酸残基の欠失から選択される。
好ましい実施形態では、少なくとも1つのアミノ酸修飾は、有利なことに、クロストリジウム毒素中の同数のアミノ酸残基を維持する置換である。一実施形態では、置換は、酸性アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基による置換、酸性アミノ酸残基の非荷電アミノ酸残基による置換、非荷電アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基による置換から選択される。一実施形態では、塩基性アミノ酸残基は、リジン残基またはアルギニン残基である。一実施形態では、塩基性アミノ酸残基は、リジン残基である。一実施形態では、塩基性アミノ酸残基は、アルギニン残基である。置換が、酸性アミノ酸残基の非荷電アミノ酸残基による置換である一実施形態では、酸性アミノ酸残基は、その対応する非荷電アミドアミノ酸残基で置換される(すなわち、アスパラギン酸が、アスパラギンで置換され、グルタミン酸が、グルタミンで置換される)。
別の好ましい実施形態では、少なくとも1つのアミノ酸修飾は、酸性アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基による置換または非荷電アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基による置換である。一実施形態では、塩基性アミノ酸残基は、リジン残基である。一実施形態では、塩基性アミノ酸残基は、アルギニン残基である。
本発明の改変クロストリジウム毒素は、2つ以上のアミノ酸修飾を含む。したがって、一実施形態では、改変クロストリジウム毒素(上記のような)は、1から90の間のアミノ酸修飾(例えば、1から80の間、1から70の間、1から60の間、1から50の間、1から40の間、1から30の間、1から20の間、1から10の間、3から50の間、3から40の間、3から30の間、4から40の間、4から30の間、5から40の間、5から30の間または10から25の間のアミノ酸修飾)を含む。一実施形態では、改変クロストリジウム毒素(上記のような)は、1から20の間のアミノ酸修飾を含む。一実施形態では、改変クロストリジウム毒素(上記のような)は、1から10の間のアミノ酸修飾を含む。一実施形態では、改変クロストリジウム毒素(上記のような)は、2から20の間のアミノ酸修飾を含む。一実施形態では、改変クロストリジウム毒素(上記のような)は、2から15の間のアミノ酸修飾を含む。一実施形態では、改変クロストリジウム毒素(上記のような)は、2から10の間のアミノ酸修飾を含む。一実施形態では、改変クロストリジウム毒素(上記のような)は、3から20の間のアミノ酸修飾を含む。一実施形態では、改変クロストリジウム毒素(上記のような)は、3から15の間のアミノ酸修飾を含む。一実施形態では、改変クロストリジウム毒素(上記のような)は、3から10の間のアミノ酸修飾を含む。一実施形態では、改変クロストリジウム毒素(上記のような)は、4から40の間のアミノ酸修飾を含む。一実施形態では、改変クロストリジウム毒素は、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9または少なくとも10のアミノ酸修飾を含む。一実施形態では、改変クロストリジウム毒素は、少なくとも3のアミノ酸修飾(例えば、少なくとも3つのアミノ酸置換)を含む。一実施形態では、改変クロストリジウム毒素は、少なくとも4つのアミノ酸修飾(例えば、少なくとも4つのアミノ酸置換)を含む。前記のアミノ酸修飾の各々は、上記のようなアミノ酸修飾である。したがって、前記のアミノ酸修飾の各々は、改変クロストリジウム毒素のpIの増大(前記アミノ酸修飾を欠く、その他の点においては同一のクロストリジウム毒素のpIと比較して)に寄与する。
クロストリジウム毒素結合ドメイン(HCドメイン)中に位置しない任意のクロストリジウム毒素アミノ酸(すなわち、アミノ酸残基)は、前記修飾の結果がクロストリジウム毒素pIの増大である限り(上記のような)、上記のように修飾されてもよい。しかし、本発明者らは、修飾の特に適した標的であるクロストリジウム毒素アミノ酸のサブセットを同定した。
好ましい標的アミノ酸は、特定の質を有し得る。例として、好ましい標的アミノ酸は、(i)表面に露出されたアミノ酸;(ii)クロストリジウム毒素タンパク質二次構造の外側に位置している;(iii)タンパク質機能にとって必須ではないクロストリジウム毒素タンパク質領域中に位置している;(iv)その同一性が、クロストリジウム毒素の型、亜型または血清型間で保存されていないアミノ酸;(iv)その修飾が、予想されるユビキチン化部位を作り出さないアミノ酸;または(v)前記のいずれかの組合せであり得る。
上記のように、本発明の改変クロストリジウム毒素は、クロストリジウム毒素HN転位置ドメインまたはクロストリジウム毒素軽鎖のいずれかに位置する1つ以上のアミノ酸修飾を特徴とする。
クロストリジウム毒素軽鎖参照配列の例として、以下が挙げられる:
ボツリヌスA型神経毒:アミノ酸残基1〜448
ボツリヌスB型神経毒:アミノ酸残基1〜440
ボツリヌスC1型神経毒:アミノ酸残基1〜441
ボツリヌスD型神経毒:アミノ酸残基1〜445
ボツリヌスE型神経毒:アミノ酸残基1〜422
ボツリヌスF型神経毒:アミノ酸残基1〜439
ボツリヌスG型神経毒:アミノ酸残基1〜441
破傷風神経毒:アミノ酸残基1〜457
クロストリジウム毒素HNドメイン参照配列の例として、以下が挙げられる:
ボツリヌスA型神経毒:アミノ酸残基449〜871
ボツリヌスB型神経毒:アミノ酸残基443〜862
ボツリヌスC1型神経毒:アミノ酸残基450〜866
ボツリヌスD型神経毒:アミノ酸残基449〜871
ボツリヌスE型神経毒:アミノ酸残基455〜845
ボツリヌスF型神経毒:アミノ酸残基450〜864
ボツリヌスG型神経毒:アミノ酸残基449〜871
破傷風神経毒:アミノ酸残基456〜879
クロストリジウム毒素HCドメイン参照配列の例として、以下が挙げられる:
ボツリヌスA型神経毒:アミノ酸残基872〜1278
ボツリヌスB型神経毒:アミノ酸残基863〜1291
ボツリヌスC1型神経毒:アミノ酸残基867〜1291
ボツリヌスD型神経毒:アミノ酸残基872〜1276
ボツリヌスE型神経毒:アミノ酸残基846〜1252
ボツリヌスF型神経毒:アミノ酸残基865〜1278
ボツリヌスG型神経毒:アミノ酸残基872〜1297
破傷風神経毒:アミノ酸残基880〜1315
血清型亜型に従ってわずかな変動が起こり得るので、上記で同定された参照配列は、ガイドと考えられるべきである。例として、US2007/0166332(その全文が参照により本明細書に組み込まれる)には、わずかに異なるクロストリジウム配列が引用されている:
軽鎖:
ボツリヌスA型神経毒:アミノ酸残基M1〜K448
ボツリヌスB型神経毒:アミノ酸残基M1〜K441
ボツリヌスC1型神経毒:アミノ酸残基M1〜K449
ボツリヌスD型神経毒:アミノ酸残基M1〜R445
ボツリヌスE型神経毒:アミノ酸残基M1〜R422
ボツリヌスF型神経毒:アミノ酸残基M1〜K439
ボツリヌスG型神経毒:アミノ酸残基M1〜K446
破傷風神経毒:アミノ酸残基M1〜A457
HNドメイン:
ボツリヌスA型神経毒:アミノ酸残基A449〜K871
ボツリヌスB型神経毒:アミノ酸残基A442〜S858
ボツリヌスC1型神経毒:アミノ酸残基T450〜N866
ボツリヌスD型神経毒:アミノ酸残基D446〜N862
ボツリヌスE型神経毒:アミノ酸残基K423〜K845
ボツリヌスF型神経毒:アミノ酸残基A440〜K864
ボツリヌスG型神経毒:アミノ酸残基S447〜S863
破傷風神経毒:アミノ酸残基S458〜V879
HCドメイン:
ボツリヌスA型神経毒:アミノ酸残基N872〜L1296
ボツリヌスB型神経毒:アミノ酸残基E859〜E1291
ボツリヌスC1型神経毒:アミノ酸残基N867〜E1291
ボツリヌスD型神経毒:アミノ酸残基S863〜E1276
ボツリヌスE型神経毒:アミノ酸残基R846〜K1252
ボツリヌスF型神経毒:アミノ酸残基K865〜E1274
ボツリヌスG型神経毒:アミノ酸残基N864〜E1297
破傷風神経毒:アミノ酸残基I880〜D1315
前記の少なくとも1つのアミノ酸修飾が、クロストリジウム毒素転位置ドメイン(HNドメイン)中に位置する一実施形態では、前記の少なくとも1つのアミノ酸修飾は、クロストリジウム毒素ベルト領域中に位置しない。クロストリジウム毒素ベルト領域(構造およびモデルの目視検査によって決定されるような)は、以下として定義される:
ボツリヌスA型神経毒:アミノ酸残基492〜545
ボツリヌスB型神経毒:アミノ酸残基472〜532
ボツリヌスC1型神経毒:アミノ酸残基494〜543
ボツリヌスD型神経毒:アミノ酸残基489〜539
ボツリヌスE型神経毒:アミノ酸残基466〜515
ボツリヌスF型神経毒:アミノ酸残基485〜536
ボツリヌスG型神経毒:アミノ酸残基489〜538
破傷風神経毒:アミノ酸残基506〜556
一実施形態では、少なくとも1つのアミノ酸修飾(上記のような)は、表面露出アミノ酸残基の修飾である。表面露出アミノ酸残基は、フォールディングされたタンパク質の内部中に位置するアミノ酸残基とは対照的に、フォールディングされたタンパク質の外部に存在し、そのため、周囲の溶媒に近づきやすいものである。アミノ酸残基の表面露出度およびひいては、周囲の溶媒に対するその曝露は、フォールディングされたタンパク質内のその位置に、およびまたタンパク質によってとられるコンホメーションに応じて変わる。したがって、高い表面露出度を有するアミノ酸残基の修飾は、タンパク質の等電点に対して、低い表面露出度を有するアミノ酸残基の修飾よりも大きな効果を有し得る。アミノ酸残基の表面露出度を調べるための方法は、当技術分野で公知である。例として、コンピュータプログラムAreaIMol(コンピュータプログラムのCCP4スイートの一部)を使用して、所与のタンパク質におけるアミノ酸残基の表面露出度を算出できる。表面露出アミノ酸残基はまた、タンパク質結晶構造の目視検査(X線結晶学によって提供されるものなど)によって同定することもできる。一実施形態では、表面露出アミノ酸残基は、少なくとも40の総計AreaIMol値を有する。
一実施形態では、少なくとも1つのアミノ酸修飾は、アスパラギン酸残基、グルタミン酸残基、ヒスチジン残基、アスパラギン残基、グルタミン残基、セリン残基、トレオニン残基、アラニン残基、グリシン残基、バリン残基、ロイシン残基およびイソロイシン残基から選択されるアミノ酸残基の修飾を含む。本発明者らは、この群に由来するアミノ酸残基が、本発明の修飾に特に適した標的に相当することを同定した。
アミノ酸修飾が、アスパラギン酸残基、グルタミン酸残基、ヒスチジン残基、アスパラギン残基、グルタミン残基、セリン残基、トレオニン残基、アラニン残基、グリシン残基、バリン残基、ロイシン残基およびイソロイシン残基(上記のような)から選択されるアミノ酸残基の修飾を含む一実施形態では、アミノ酸残基は、リジン残基またはアルギニン残基を用いて置換される。一実施形態では、アミノ酸残基は、アルギニン残基を用いて置換される。したがって、一実施形態では、負電荷を有する残基、極性残基または非荷電残基は、正電荷を有する残基を用いて置換され、したがって、クロストリジウム毒素の正対負の電荷の比を増大し、pIを増大する。
一実施形態では、少なくとも1つのアミノ酸修飾(上記のような)は、アスパラギンアミノ酸残基またはグルタミンアミノ酸残基(両方とも非荷電、極性残基)の修飾を含む。一実施形態では、アスパラギンまたはグルタミンアミノ酸残基は、リジン残基またはアルギニン残基(両方とも正電荷を有する残基)を用いて置換される。一実施形態では、アスパラギンまたはグルタミンアミノ酸残基が、リジン残基を用いて置換される。一実施形態では、アスパラギンまたはグルタミンアミノ酸残基は、アルギニン残基を用いて置換される。
一実施形態では、改変クロストリジウム毒素は、BoNT/Aである。参照BoNT/A配列は、UniProtKB受託番号P10845を有する。改変クロストリジウム毒素がBoNT/Aである一実施形態では、改変クロストリジウム毒素は、BoNT/A1である。
本発明者らは、BoNT/Aクロストリジウム毒素HNドメイン中のアミノ酸修飾の好ましい標的に相当する特定のアミノ酸を同定した。
改変クロストリジウム毒素がBoNT/Aである一実施形態では、前記の改変BoNT/Aは、D474、N476、D484、N486、I487、E488、A489、A490、E491、D546、E558、E560、H561、I566、L568、N570、S571、L577、N578、A597、E599、A601、E620、V621、T623、D625、T631、N645、L647、D650、D651、I668、E670、A672、V675、S683、I685、A686、N687、N752、Q753、T755、E756、E757、E758、N760、N761、I762、N763、D825、I831、G832、T847、D848およびD858から選択される少なくとも1つ(例えば、少なくとも1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50または55すべて)のアミノ酸の修飾を含み;前記のアミノ酸修飾(単数または複数)は、改変BoNT/Aの等電点(pI)を、前記のアミノ酸修飾(単数または複数)を欠く、その他の点においては同一のBoNT/AのpIよりも、少なくとも0.2(例えば、少なくとも0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、又は1)pI単位高い値に増大する。一実施形態では、前記修飾は、リジン残基またはアルギニン残基でのアミノ酸の置換を含む。一実施形態では、前記修飾は、リジン残基でのアミノ酸の置換を含む。一実施形態では、前記修飾は、アルギニン残基でのアミノ酸の置換を含む。
改変クロストリジウム毒素がBoNT/Aである一実施形態では、前記の改変BoNT/Aは、N476、S564、N578、E599、L647、D650、D651、V675、I685、N687、T755、E757、N761、N763、I831、T847およびI849から選択される少なくとも1つの(例えば、少なくとも1、2、3、4、5、10、15または17すべての)アミノ酸の修飾を含み;前記アミノ酸修飾(単数または複数)は、改変BoNT/Aの等電点(pI)を、前記のアミノ酸修飾(単数または複数)を欠く、その他の点においては同一のBoNT/AのpIよりも、少なくとも0.2(例えば、少なくとも0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、又は1)pI単位高い値に増大する。一実施形態では、前記修飾は、リジン残基またはアルギニン残基でのアミノ酸の置換を含む。一実施形態では、前記修飾は、リジン残基でのアミノ酸の置換を含む。一実施形態では、前記修飾は、アルギニン残基でのアミノ酸の置換を含む。
改変クロストリジウム毒素がBoNT/Aである一実施形態では、前記の改変BoNT/Aは、S564、L647、D650、D651、T847およびI849から選択される少なくとも1つ(例えば、少なくとも1、2、3、4、5または6つすべて)のアミノ酸の修飾を含み;前記のアミノ酸修飾(単数または複数)は、改変BoNT/Aの等電点(pI)を、前記のアミノ酸修飾(単数または複数)を欠く、その他の点においては同一のBoNT/AのpIよりも、少なくとも0.2(例えば、少なくとも0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、又は1)pI単位高い値に増大する。一実施形態では、前記修飾は、リジン残基またはアルギニン残基でのアミノ酸の置換を含む。一実施形態では、前記修飾は、リジン残基でのアミノ酸の置換を含む。一実施形態では、前記修飾は、アルギニン残基でのアミノ酸の置換を含む。
改変クロストリジウム毒素がBoNT/Aである一実施形態では、前記の改変BoNT/Aは、N476、N763、N687、E599、I831およびN761から選択される少なくとも1つ(例えば、少なくとも1、2、3、4、5または6つすべて)のアミノ酸の修飾を含み;前記アミノ酸修飾(単数または複数)は、改変BoNT/Aの等電点(pI)を、前記のアミノ酸修飾(単数または複数)を欠く、その他の点においては同一のBoNT/AのpIよりも、少なくとも0.2(例えば、少なくとも0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、又は1)pI単位高い値に増大する。一実施形態では、前記修飾は、リジン残基またはアルギニン残基でのアミノ酸の置換を含む。一実施形態では、前記修飾は、リジン残基でのアミノ酸の置換を含む。一実施形態では、前記修飾は、アルギニン残基でのアミノ酸の置換を含む。
改変クロストリジウム毒素がBoNT/Aである一実施形態では、前記の改変BoNT/Aは、N578、V675、I685、T755およびE757から選択される少なくとも1つ(例えば、少なくとも1、2、3、4または5つすべて)のアミノ酸の修飾を含み;前記アミノ酸修飾(単数または複数)は、改変BoNT/Aの等電点(pI)を、前記のアミノ酸修飾(単数または複数)を欠く、その他の点においては同一のBoNT/AのpIよりも、少なくとも0.2(例えば、少なくとも0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、又は1)pI単位高い値に増大する。一実施形態では、前記修飾は、リジン残基またはアルギニン残基でのアミノ酸の置換を含む。一実施形態では、前記修飾は、リジン残基でのアミノ酸の置換を含む。一実施形態では、前記修飾は、アルギニン残基でのアミノ酸の置換を含む。
一実施形態では、改変クロストリジウム毒素は、BoNT/Bである。参照BoNT/B配列は、UniProtKB受託番号P10844を有する。
本発明者らは、BoNT/Bクロストリジウム毒素HNドメイン中のアミノ酸修飾の好ましい標的に相当する特定のアミノ酸を同定した。
改変クロストリジウム毒素がBoNT/Bである一実施形態では、前記の改変BoNT/Bは、V443、G444、D453、S468、D533、E534、N535、T545、L548、D549、I550、D552、S557、L564、S566、N582、V584、N609、L619、N632、E633、G637、A646、I655、E657、V662、E669、S670、I672、D673、N739、I740、N748、N750、I818、G819、T834、I842、N845およびS858から選択される少なくとも1つ(例えば、少なくとも1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、35または40すべて)のアミノ酸の修飾を含み;前記のアミノ酸修飾(単数または複数)は、改変BoNT/Bの等電点(pI)を、前記のアミノ酸修飾(単数または複数)を欠く、その他の点においては同一のBoNT/BのpIよりも、少なくとも0.2(例えば、少なくとも0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、又は1)pI単位高い値に増大する。一実施形態では、前記修飾は、リジン残基またはアルギニン残基でのアミノ酸の置換を含む。一実施形態では、前記修飾は、リジン残基でのアミノ酸の置換を含む。一実施形態では、前記修飾は、アルギニン残基でのアミノ酸の置換を含む。
一実施形態では、改変クロストリジウム毒素は、BoNT/C1である。参照BoNT/C1配列は、UniProtKB受託番号P18640を有する。
本発明者らは、BoNT/C1クロストリジウム毒素HNドメイン中のアミノ酸修飾の好ましい標的に相当する特定のアミノ酸を同定した。
改変クロストリジウム毒素がBoNT/C1である一実施形態では、前記の改変BoNT/C1は、L451、D452、C453、E455、V472、T474、D475、L478、N483、E484、E485、E487、I489、L555、S556、D557、N558、E560、D561、E569、N574、S575、T584、G592、Q594、G596、D617、N640、S641、V642、G645、N646、E661、E665、T667、A670、S678、V680、Q681、E682、S750、G751、S759、Q760、V826、G827、N842、T843、N847およびN853から選択される少なくとも1つ(例えば、少なくとも1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、35、40、45または50すべての)のアミノ酸の修飾を含み;前記のアミノ酸修飾(単数または複数)は、改変BoNT/C1の等電点(pI)を、前記のアミノ酸修飾(単数または複数)を欠く、その他の点においては同一のBoNT/C1のpIよりも、少なくとも0.2(例えば、少なくとも0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、又は1)pI単位高い値に増大する。一実施形態では、前記修飾は、リジン残基またはアルギニン残基でのアミノ酸の置換を含む。一実施形態では、前記修飾は、リジン残基でのアミノ酸の置換を含む。一実施形態では、前記修飾は、アルギニン残基でのアミノ酸の置換を含む。
一実施形態では、改変クロストリジウム毒素は、BoNT/Dである。参照BoNT/D配列は、UniProtKB受託番号P19321を有する。
本発明者らは、BoNT/Dクロストリジウム毒素HNドメイン中のアミノ酸修飾の好ましい標的に相当する特定のアミノ酸を同定した。
改変クロストリジウム毒素がBoNT/Dである一実施形態では、前記の改変BoNT/Dは、Q469、E470、E473、N474、D479、E480、N482、V483、Q484、N485、S487、D488、S552、N553、N554、V555、E556、N557、I558、L560、T562、S563、V564、G569、S571、N572、G588、Q590、T614、D616、S619、S622、N636、S637、L639、G641、N642、E657、E661、T663、A666、V669、S674、I676、Q677、E678、S746、G747、D749、E751、N752、I753、Q756、N818、V822、G823、E837、N838、T839、N843、N849およびN850から選択される少なくとも1つ(例えば、少なくとも1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60または62すべて)のアミノ酸の修飾を含み;前記のアミノ酸修飾(単数または複数)は、改変BoNT/Dの等電点(pI)を、前記のアミノ酸修飾(単数または複数)を欠く、その他の点においては同一のBoNT/BのpIよりも、少なくとも0.2(例えば、少なくとも0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、又は1)pI単位高い値に増大する。一実施形態では、前記修飾は、リジン残基またはアルギニン残基でのアミノ酸の置換を含む。一実施形態では、前記修飾は、リジン残基でのアミノ酸の置換を含む。一実施形態では、前記修飾は、アルギニン残基でのアミノ酸の置換を含む。
一実施形態では、改変クロストリジウム毒素は、BoNT/Eである。参照BoNT/E配列は、UniProtKB受託番号Q00496を有する。改変クロストリジウム毒素がBoNT/Eである一実施形態では、改変クロストリジウム毒素は、BoNT/E3である。
本発明者らは、BoNT/Eクロストリジウム毒素HNドメイン中のアミノ酸修飾の好ましい標的に相当する特定のアミノ酸を同定した。
改変クロストリジウム毒素がBoNT/Eである一実施形態では、前記の改変BoNT/Eは、D474、N476、E479、E480、D484、N486、I487、E488、A489、A490、E491、E492、L496、D497、Q500、Q501、L504、N507、D509、N510、N514、S516、E518、Q527、L530、N533、I534、E535、N539、Y548、I566、L568、D589、A597、E599、A601、L604、Y612、E620、N645、L647、Y648、D651、E737、E741、Y803、Y824、D825、G828、I831、G832およびD835から選択される少なくとも1つ(例えば、少なくとも1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50または52すべて)のアミノ酸の修飾を含み;前記のアミノ酸修飾(単数または複数)は、改変BoNT/Eの等電点(pI)を、前記のアミノ酸修飾(単数または複数)を欠く、その他の点においては同一のBoNT/EのpIよりも、少なくとも0.2(例えば、少なくとも0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、又は1)pI単位高い値に増大する。一実施形態では、前記修飾は、リジン残基またはアルギニン残基でのアミノ酸の置換を含む。一実施形態では、前記修飾は、リジン残基でのアミノ酸の置換を含む。一実施形態では、前記修飾は、アルギニン残基でのアミノ酸の置換を含む。
一実施形態では、改変クロストリジウム毒素は、BoNT/Fである。参照BoNT/F配列は、UniProtKB受託番号YP_001390123を有する。
本発明者らは、BoNT/Fクロストリジウム毒素HNドメイン中のアミノ酸修飾の好ましい標的に相当する特定のアミノ酸を同定した。
改変クロストリジウム毒素が、BoNT/Fである一実施形態では、前記の改変BoNT/Fは、N463、E464、N468、T469、D474、D475、T476、T477、N478、N482、N485、N495、I499、Q501、I502、Q505、T506、N508、T509、V511、D513、D521、S522、S526、E527、I528、E529、V534、D535、L536、E549、G550、T552、N553、S558、E566、E567、S568、V586、H587、Q608、D613、A616、D617、S619、N630、N633、N639、E654、V656、E658、L660、T663、L665、V666、S671、I673、G674、S675、S676、E677、N678、T746、N751、L753、E754、E756、N758、I759、N760、N761、S799、S821、I822、N840、S841、E845、L846、S847、S848、T850、N851、D852、I854、L855およびI856から選択される少なくとも1つ(例えば、少なくとも1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85または86すべて)のアミノ酸の修飾を含み;前記のアミノ酸修飾(単数または複数)は、改変BoNT/Fの等電点(pI)を、前記のアミノ酸修飾(単数または複数)を欠く、その他の点においては同一のBoNT/FのpIよりも、少なくとも0.2(例えば、少なくとも0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、又は1)pI単位高い値に増大する。一実施形態では、前記修飾は、リジン残基またはアルギニン残基でのアミノ酸の置換を含む。一実施形態では、前記修飾は、リジン残基でのアミノ酸の置換を含む。一実施形態では、前記修飾は、アルギニン残基でのアミノ酸の置換を含む。
一実施形態では、改変クロストリジウム毒素は、BoNT/Gである。参照BoNT/G配列は、UniProtKB受託番号Q60393を有する。
本発明者らは、BoNT/Gクロストリジウム毒素HNドメイン中のアミノ酸修飾の好ましい標的に相当する特定のアミノ酸を同定した。
改変クロストリジウム毒素がBoNT/Gである一実施形態では、前記の改変BoNT/Gは、N480、Q482、N483、N484、T485、E487、D540、N562、N570、N571、N572、T588、V589、T615、D621、N637、E638、E642、N643、I660、E662、I667、E674、S675、V677、G678、N679、S747、N755、D757、L823、D839、I841、D844、S846およびL847から選択される少なくとも1つ(例えば、少なくとも1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、35または36すべて)のアミノ酸の修飾を含み;前記のアミノ酸修飾(単数または複数)は、改変BoNT/Gの等電点(pI)を、前記のアミノ酸修飾(単数または複数)を欠く、その他の点においては同一のBoNT/GのpIよりも、少なくとも0.2(例えば、少なくとも0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、又は1)pI単位高い値に増大する。一実施形態では、前記修飾は、リジン残基またはアルギニン残基でのアミノ酸の置換を含む。一実施形態では、前記修飾は、リジン残基でのアミノ酸の置換を含む。一実施形態では、前記修飾は、アルギニン残基でのアミノ酸の置換を含む。
一実施形態では、改変クロストリジウム毒素は、TeNTである。参照TeNT配列は、UniProtKB受託番号P04958を有する。
本発明者らは、TeNTクロストリジウム毒素HNドメイン中のアミノ酸修飾の好ましい標的に相当する特定のアミノ酸を同定した。
改変クロストリジウム毒素がTeNTである一実施形態では、前記の改変TeNTは、A457、S458、L459、D461、L462、E486、E487、Q490、D491、N497、N504、D557、T571、T572、L573、Q574、N580、S581、N588、S589、T590、S598、Q605、G606、Q608、T631、I633、S640、Q655、E658、G659、N660、E675、I677、E679、T681、V684、A691、E692、S694、T695、Q696、A772、D773、E774、S862、N866、L867およびD868から選択された少なくとも1つ(例えば、少なくとも1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、35、40、45または49すべての)アミノ酸の修飾を含み、前記のアミノ酸修飾(単数または複数)は、改変TeNTの等電点(pI)を、前記のアミノ酸修飾(単数または複数)を欠く、その他の点においては同一のTeNTのpIよりも、少なくとも0.2(例えば、少なくとも0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、又は1)pI単位高い値に増大する。一実施形態では、前記修飾は、リジン残基またはアルギニン残基でのアミノ酸の置換を含む。一実施形態では、前記修飾は、リジン残基でのアミノ酸の置換を含む。一実施形態では、前記修飾は、アルギニン残基でのアミノ酸の置換を含む。
本発明者らは、BoNT/Aクロストリジウム毒素軽鎖中のアミノ酸修飾の好ましい標的に相当する特定のアミノ酸を同定した。
改変クロストリジウム毒素がBoNT/Aである一実施形態では、前記の改変BoNT/Aは、N5、Q7、N9、D12、N15、Q31、D58、N60、D74、N82、T122、D124、E126、Q139、D141、E281、L284、S295、Q311、D326、D334、N377、TYR387、N394、N396、N410、M411およびN418から選択される少なくとも1つ(例えば、少なくとも1、2、3、4、5、10、15、20、25または28すべて)のアミノ酸の修飾を含み;前記のアミノ酸修飾(単数または複数)は、改変BoNT/Aの等電点(pI)を、前記のアミノ酸修飾(単数または複数)を欠く、その他の点においては同一のBoNT/AのpIよりも、少なくとも0.2(例えば、少なくとも0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、又は1)pI単位高い値に増大する。一実施形態では、前記修飾は、リジン残基またはアルギニン残基でのアミノ酸の置換を含む。一実施形態では、前記修飾は、リジン残基でのアミノ酸の置換を含む。一実施形態では、前記修飾は、アルギニン残基でのアミノ酸の置換を含む。
本発明者らは、BoNT/Bクロストリジウム毒素軽鎖中のアミノ酸修飾の好ましい標的に相当する特定のアミノ酸を同定した。
改変クロストリジウム毒素がBoNT/Bである一実施形態では、前記の改変BoNT/Bは、N6、N7、N9、N11、D12、N16、N17、N18、D41、E48、E57、N60、D75、D77、N80、E127、N130、N144、E147、E149、E185、N216、D245、E253、N316、D333、E335、D341、N385、D388、N389、E390、E395、E396、D402、D404、E406、E408、Q419、E423およびE427から選択される少なくとも1つ(例えば、少なくとも1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、35、40または41すべてのアミノ酸の修飾を含み;前記のアミノ酸修飾(単数または複数)は、改変BoNT/Bの等電点(pI)を、前記のアミノ酸修飾(単数または複数)を欠く、その他の点においては同一のBoNT/BのpIよりも、少なくとも0.2(例えば、少なくとも0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、又は1)pI単位高い値に増大する。一実施形態では、前記修飾は、リジン残基またはアルギニン残基でのアミノ酸の置換を含む。一実施形態では、前記修飾は、リジン残基でのアミノ酸の置換を含む。一実施形態では、前記修飾は、アルギニン残基でのアミノ酸の置換を含む。
本発明者らは、BoNT/C1クロストリジウム毒素軽鎖中のアミノ酸修飾の好ましい標的に相当する特定のアミノ酸を同定した。
改変クロストリジウム毒素がBoNT/C1である一実施形態では、前記の改変BoNT/C1は、N6、N7、N9、D12、D15、N18、N31、E32、N55、N59、N75、N120、N121、N125、D128、Q142、N145、N177、N178、Q183、E184、D208、E211、Q247、N255、N311、E335、E339、N343、N368、N386、D389、D390、N391、Q396、N405、N407、N425、E427、D442およびN448から選択される少なくとも1つ(例えば、少なくとも1、2、3、4、5、10、15、20、30、40または41すべて)のアミノ酸を含み;前記のアミノ酸修飾(単数または複数)は、改変BoNT/C1の等電点(pI)を、前記のアミノ酸修飾(単数または複数)を欠く、その他の点においては同一のBoNT/C1のpIよりも、少なくとも0.2(例えば、少なくとも0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、又は1)pI単位高い値に増大する。一実施形態では、前記修飾は、リジン残基またはアルギニン残基でのアミノ酸の置換を含む。一実施形態では、前記修飾は、リジン残基でのアミノ酸の置換を含む。一実施形態では、前記修飾は、アルギニン残基でのアミノ酸の置換を含む。
本発明者らは、BoNT/Dクロストリジウム毒素軽鎖中のアミノ酸修飾の好ましい標的に相当する特定のアミノ酸を同定した。
改変クロストリジウム毒素がBoNT/Dである一実施形態では、前記の改変BoNT/Dは、D7、N9、D12、N15、D16、N17、D53、D73、D119、E124、E139、E142、N143、Q177、Q178、N180、E184、E255、N308、D335、N336、N339、N343、N368、N386、D389、D390、N391、D397、N403、N407、E409、E416およびN443から選択される少なくとも1つ(例えば、少なくとも1、2、3、4、5、10、15、20、30または34すべて)のアミノ酸の修飾を含み;前記のアミノ酸修飾(単数または複数)は、改変BoNT/Dの等電点(pI)を、前記のアミノ酸修飾(単数または複数)を欠く、その他の点においては同一のBoNT/DのpIよりも、少なくとも0.2(例えば、少なくとも0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、又は1)pI単位高い値に増大する。一実施形態では、前記修飾は、リジン残基またはアルギニン残基でのアミノ酸の置換を含む。一実施形態では、前記修飾は、リジン残基でのアミノ酸の置換を含む。一実施形態では、前記修飾は、アルギニン残基でのアミノ酸の置換を含む。
本発明者らは、BoNT/Eクロストリジウム毒素軽鎖中のアミノ酸修飾の好ましい標的に相当する特定のアミノ酸を同定した。
改変クロストリジウム毒素がBoNT/Eである一実施形態では、前記の改変BoNT/Eは、N5、N8、N10、D11、N14、D15、Q27、E28、Q53、N72、Q75、D117、N118、D121、N122、Q123、N138、N169、N170、N195、Q237、ILE244、Q290、N293、N297、D312、Q344、N362、N365、D366、N370、E373、N378、N379、N383、N390およびT397から選択される少なくとも1つ(例えば、少なくとも1、2、3、4、5、10、15、20、30、35または37すべて)のアミノ酸の修飾を含み;前記のアミノ酸修飾(単数または複数)は、改変BoNT/Eの等電点(pI)を、前記のアミノ酸修飾(単数または複数)を欠く、その他の点においては同一のBoNT/EのpIよりも、少なくとも0.2(例えば、少なくとも0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、又は1)pI単位高い値に増大する。一実施形態では、前記修飾は、リジン残基またはアルギニン残基でのアミノ酸の置換を含む。一実施形態では、前記修飾は、リジン残基でのアミノ酸の置換を含む。一実施形態では、前記修飾は、アルギニン残基でのアミノ酸の置換を含む。
改変クロストリジウム毒素がBoNT/Eである一実施形態では、前記の改変BoNT/Eは、N5、N8、N10、D11、N14、D15、Q27、E28、N72、Q75、N118、D121、N122、Q123、N138、Q237、Q290、N297、N362、N365、D366、N378およびN379から選択される少なくとも1つ(例えば、少なくとも1、2、3、4、5、10、15または20)のアミノ酸の修飾を含み;前記のアミノ酸修飾(単数または複数)は、改変BoNT/Eの等電点(pI)を、前記のアミノ酸修飾(単数または複数)を欠く、その他の点においては同一のBoNT/EのpIよりも、少なくとも0.2(例えば、少なくとも0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、又は1)pI単位高い値に増大する。一実施形態では、前記修飾は、リジン残基またはアルギニン残基でのアミノ酸の置換を含む。一実施形態では、前記修飾は、リジン残基でのアミノ酸の置換を含む。一実施形態では、前記修飾は、アルギニン残基でのアミノ酸の置換を含む。
改変クロストリジウム毒素がBoNT/Eである一実施形態では、前記の改変BoNT/Eは、N5、N8、N10、D11、N14、D15、N72、Q75、N118、N122、Q123、N138、Q237、Q290、Q297、N362、D366、N378およびN379から選択される少なくとも1つ(例えば、少なくとも1、2、3、4、5、10、15または19すべて)のアミノ酸の修飾を含み;前記のアミノ酸修飾(単数または複数)は、改変BoNT/Eの等電点(pI)を、前記のアミノ酸修飾(単数または複数)を欠く、その他の点においては同一のBoNT/EのpIよりも、少なくとも0.2(例えば、少なくとも0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、又は1)pI単位高い値に増大する。一実施形態では、前記修飾は、リジン残基またはアルギニン残基でのアミノ酸の置換を含む。一実施形態では、前記修飾は、リジン残基でのアミノ酸の置換を含む。一実施形態では、前記修飾は、アルギニン残基でのアミノ酸の置換を含む。
改変クロストリジウム毒素がBoNT/Eである一実施形態では、前記の改変BoNT/Eは、N8、N10、Q75、Q123、N138およびQ237から選択される少なくとも1つ(例えば、少なくとも1、2、3、4、5または6すべて)のアミノ酸の修飾を含み;前記のアミノ酸修飾(単数または複数)は、改変BoNT/Eの等電点(pI)を、前記のアミノ酸修飾(単数または複数)を欠く、その他の点においては同一のBoNT/EのpIよりも、少なくとも0.2(例えば、少なくとも0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、又は1)pI単位高い値に増大する。一実施形態では、前記修飾は、リジン残基またはアルギニン残基でのアミノ酸置換を含む。一実施形態では、前記修飾は、リジン残基でのアミノ酸の置換を含む。一実施形態では、前記修飾は、アルギニン残基でのアミノ酸の置換を含む。
改変クロストリジウム毒素がBoNT/Eである一実施形態では、前記の改変BoNT/Eは、Q123、N138およびQ237から選択される少なくとも1つ(例えば、少なくとも1、2または3すべて)のアミノ酸の修飾を含み;前記のアミノ酸修飾(単数または複数)は、改変BoNT/Eの等電点(pI)を、前記のアミノ酸修飾(単数または複数)を欠く、その他の点においては同一のBoNT/EのpIよりも、少なくとも0.2(例えば、少なくとも0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、又は1)pI単位高い値に増大する。一実施形態では、前記修飾は、リジン残基またはアルギニン残基でのアミノ酸の置換を含む。一実施形態では、前記修飾は、リジン残基でのアミノ酸の置換を含む。一実施形態では、前記修飾は、アルギニン残基でのアミノ酸の置換を含む。
本発明者らは、BoNT/Fクロストリジウム毒素軽鎖中のアミノ酸修飾の好ましい標的に相当する特定のアミノ酸を同定した。
改変クロストリジウム毒素がBoNT/Fである一実施形態では、前記の改変BoNT/Fは、N6、N9、N11、D12、N15、D16、D17、E28、D55、D60、D74、N76、E105、E121、N126、E127、N144、D185、N211、Q252、N305、E310、D312、N314、N329、D331、N379、D382、D383、D384、E390、N396、N400、D414およびD418から選択される少なくとも1つ(例えば、少なくとも1、2、3、4、5、10、15、20、30または35すべて)のアミノ酸の修飾を含み;前記アミノ酸修飾(単数または複数)は、改変BoNT/Fの等電点(pI)を、前記のアミノ酸修飾(単数または複数)を欠く、その他の点においては同一のBoNT/FのpIよりも、少なくとも0.2(例えば、少なくとも0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、又は1)pI単位高い値に増大する。一実施形態では、前記修飾は、リジン残基またはアルギニン残基でのアミノ酸の置換を含む。一実施形態では、前記修飾は、リジン残基でのアミノ酸の置換を含む。一実施形態では、前記修飾は、アルギニン残基でのアミノ酸の置換を含む。
本発明者らは、BoNT/Gクロストリジウム毒素軽鎖中のアミノ酸修飾の好ましい標的に相当する特定のアミノ酸を同定した。
改変クロストリジウム毒素がBoNT/Gである一実施形態では、前記の改変BoNT/Gは、N4、N7、N9、N11、D12、N15、D17、E48、Q55、D57、N60、D75、D127、Q144、E148、D149、Q150、N178、E185、E208、D211、E255、D315、D332、N334、D340、E383、D387、N388、Q393、N394、E395、N403、E407、E418、E422、E426およびN443から選択される少なくとも1つ(例えば、少なくとも1、2、3、4、5、10、15、20、30、35または38すべて)のアミノ酸の修飾を含み;前記のアミノ酸修飾(単数または複数)は、改変BoNT/Gの等電点(pI)を、前記のアミノ酸修飾(単数または複数)を欠く、その他の点においては同一のBoNT/GのpIよりも、少なくとも0.2(例えば、少なくとも0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、又は1)pI単位高い値に増大する。一実施形態では、前記修飾は、リジン残基またはアルギニン残基でのアミノ酸の置換を含む。一実施形態では、前記修飾は、リジン残基でのアミノ酸の置換を含む。一実施形態では、前記修飾は、アルギニン残基でのアミノ酸の置換を含む。
本発明者らは、TeNT軽鎖中のアミノ酸修飾の好ましい標的に相当する特定のアミノ酸を同定した。
改変クロストリジウム毒素がTeNTである一実施形態では、前記の改変TeNTは、N6、N7、N15、N16、D17、D31、E51、E57、N60、N76、N101、D126、D143、N167、D179、N180、E251、Q257、N313、N316、D318、D335、N337、Q339、N368、N387、D390、D391、N395、D396、E403、D406、E410、N421、D427およびE450から選択される少なくとも1つ(例えば、少なくとも1、2、3、4、5、10、15、20、30、35または36すべて)のアミノ酸の修飾を含み;前記アミノ酸修飾(単数または複数)は、改変TeNTの等電点(pI)を、前記のアミノ酸修飾(単数または複数)を欠く、その他の点においては同一のTeNTのpIよりも、少なくとも0.2(例えば、少なくとも0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、又は1)pI単位高い値に増大する。一実施形態では、前記修飾は、リジン残基またはアルギニン残基でのアミノ酸の置換を含む。一実施形態では、前記修飾は、リジン残基でのアミノ酸の置換を含む。一実施形態では、前記修飾は、アルギニン残基でのアミノ酸の置換を含む。
本発明は、多数の様々なクロストリジウム毒素への適用に適している。したがって、本発明に関連して、用語「クロストリジウム毒素」は、C.ボツリヌス(botulinum)によって産生される毒素(ボツリヌス神経毒血清型A、B、C1、D、E、FおよびG)、C.テタニ(tetani)(破傷風神経毒)、C.ブチリカム(butyricum)(ボツリヌス神経毒血清型E)およびC.バラティ(baratii)(ボツリヌス神経毒血清型F)ならびに修飾されたクロストリジウム毒素または前記のいずれかに由来する誘導体を包含する。用語「クロストリジウム毒素」はまた、ボツリヌス神経毒血清型Hも包含する。
ボツリヌス神経毒(BoNT)は、いくつかのアクセサリータンパク質と複合体化されたBoNT自体からなる、大きなタンパク質複合体の形態でC.ボツリヌスによって産生される。目下のところ、8種の異なるクラスのボツリヌス神経毒、すなわち、ボツリヌス神経毒血清型A、B、C1、D、E、F、GおよびHがあり、それらのすべてが、同様の構造および作用様式を共有する。異なるBoNT血清型は、特異的中和抗血清による不活性化に基づいて区別でき、血清型によるこのような分類は、アミノ酸レベルでの配列同一性百分率と相関する。所与の血清型のBoNTタンパク質は、アミノ酸配列同一性百分率に基づいて異なる亜型にさらに分けられる。
BoNTは、胃腸管において吸収され、全身循環に入った後、コリン作動性神経終端のシナプス前膜と結合し、その神経伝達物質アセチルコリンの放出を妨げる。BoNT/B、BoNT/D、BoNT/FおよびBoNT/Gは、シナプトブレビン/小胞結合膜タンパク質(VAMP)を切断し、;BoNT/C1、BoNT/AおよびBoNT/Eは、25kDaのシナプトソーム関連タンパク質(SNAP-25)を切断し;BoNT/C1は、シンタキシンを切断する。
破傷風菌毒素は、C.テタニ(tetani)によって単一血清型で産生される。C.ブチリカム(butyricum)は、BoNT/Eを産生するのに対し、C.バラティ(baratii)は、BoNT/Fを産生する。
用語「クロストリジウム毒素」はまた、修飾されたクロストリジウム毒素および限定されるものではないが、以下に記載されるものを含むその誘導体を包含するものとする。修飾されたクロストリジウム毒素または誘導体は、クロストリジウム毒素の天然(未修飾)形態と比較して修飾されている1個以上のアミノ酸を含有し得る、またはクロストリジウム毒素の天然(未修飾)形態中に存在しない1個以上の挿入されたアミノ酸を含有し得る。例として、修飾されたクロストリジウム毒素は、天然(未修飾)クロストリジウム毒素配列と関連する1つ以上のドメイン中に修飾されたアミノ酸配列を有し得る。このような修飾は、毒素の機能面、例えば、生物活性または持続性を修飾し得る。したがって、一実施形態では、本発明の改変クロストリジウム毒素は、改変修飾クロストリジウム毒素または改変修飾クロストリジウム毒素誘導体または改変クロストリジウム毒素誘導体である。
修飾されたクロストリジウム毒素は、重鎖(修飾されたHCドメインなど)のアミノ酸配列中に1つ以上の修飾を有し得、ここで、前記の修飾された重鎖は、標的神経細胞と、天然(未修飾)クロストリジウム毒素よりも高いまたは低い親和性で結合する。HCドメインにおけるこのような修飾は、HCドメインのガングリオシド結合部位中の、または標的神経細胞のガングリオシド受容体および/またはタンパク質受容体との結合を変更するタンパク質(SV2またはシナプトタグミン)結合部位中の残基を修飾することを含み得る。このような修飾されたクロストリジウム毒素の例は、参照によりその全文が本明細書に組み込まれるWO2006/027207およびWO2006/114308に記載されている。
修飾されたクロストリジウム毒素は、軽鎖のアミノ酸配列中に1つ以上の修飾、例えば、修飾されたLCのSNAREタンパク質特異性を変更または修飾し得る基質結合ドメインまたは触媒ドメイン中の修飾を有し得る。このような修飾されたクロストリジウム毒素の例は、両方とも参照によりその全文が本明細書に組み込まれるWO2010/120766およびUS2011/0318385に記載されている。
修飾されたクロストリジウム毒素は、修飾されたクロストリジウム毒素の生物活性および/または生物学的持続性を増大または減少させる1つ以上の修飾を含み得る。例えば、修飾されたクロストリジウム毒素は、ロイシン-またはチロシン-ベースのモチーフを含み得、ここで、前記モチーフは、修飾されたクロストリジウム毒素の生物活性および/または生物学的持続性を増大または減少させる。適したロイシン-ベースのモチーフとして、xDxxxLL、xExxxLL、xExxxILおよびxExxxLM(式中、xは、任意のアミノ酸である)が挙げられる。適したチロシン-ベースのモチーフとして、Y-x-x-Hy(式中、Hyは、疎水性アミノ酸である)が挙げられる。ロイシン-およびチロシン-ベースのモチーフを含む修飾されたクロストリジウム毒素の例は、参照によりその全文が本明細書に組み込まれるWO2002/08268に記載されている。
用語「クロストリジウム毒素」は、ハイブリッドおよびキメラクロストリジウム毒素を包含するものとする。ハイブリッドクロストリジウム毒素は、ある種のクロストリジウム毒素またはその亜型由来の軽鎖の少なくとも一部および別のクロストリジウム毒素またはクロストリジウム毒素亜型由来の重鎖の少なくとも一部を含む。一実施形態では、ハイブリッドクロストリジウム毒素は、ある種のクロストリジウム毒素亜型由来の全軽鎖および別のクロストリジウム毒素亜型由来の重鎖を含有し得る。別の実施形態では、キメラクロストリジウム毒素は、ある種のクロストリジウム毒素亜型の重鎖の一部(例えば、結合ドメイン)を含有し得、重鎖の別の部分は、別のクロストリジウム毒素亜型に由来する。同様にまたはあるいは、治療的要素は、異なるクロストリジウム毒素に由来する軽鎖部分を含み得る。このようなハイブリッドまたはキメラクロストリジウム毒素は、例えば、このようなクロストリジウム毒素の治療的有益性を、所与のクロストリジウム毒素亜型に対して免疫学的に耐性である患者に、所与のクロストリジウム毒素重鎖結合ドメインに対する、平均よりも低い濃度の受容体を有し得る患者に、または膜もしくは小胞毒素基質(例えば、SNAP-25、VAMPおよびシンタキシン)のプロテアーゼ耐性変異体を有し得る患者に送達する手段として有用である。ハイブリッドおよびキメラクロストリジウム毒素は、参照によりその全文が本明細書に組み込まれるUS8,071,110に記載されている。したがって、一実施形態では、本発明の改変クロストリジウム毒素は、改変ハイブリッドクロストリジウム毒素または改変キメラクロストリジウム毒素である。
用語「クロストリジウム毒素」は、再標的化されたクロストリジウム毒素を包含するものとする。再標的化されたクロストリジウム毒素では、クロストリジウム毒素は、ターゲティング部分(TM)として知られる外因性リガンドを含むように修飾される。TMは、所望の標的細胞に対する結合特異性を提供するように選択され、再標的化プロセスの一部として、クロストリジウム毒素の天然結合部分(例えば、HCドメインまたはHCCドメイン)は除去され得る。再標的化技術は、例えば、EP-B-0689459;WO1994/021300;EP-B-0939818;US6,461,617;US7,192,596;WO1998/007864;EP-B-0826051;US5,989,545;US6,395,513;US6,962,703;WO1996/033273;EP-B-0996468;US7,052,702;WO1999/017806;EP-B-1107794;US6,632,440;WO2000/010598;WO2001/21213;WO2006/059093;WO2000/62814;WO2000/04926;WO1993/15766;WO2000/61192;およびWO1999/58571に記載されており、それらのすべては、参照によりその全文が本明細書に組み込まれる。したがって、一実施形態では、本発明の改変クロストリジウム毒素は、改変再標的化クロストリジウム毒素である。
本発明はまた、非天然プロテアーゼ切断部位を有するクロストリジウム毒素を包含する。このようなクロストリジウム毒素では、天然プロテアーゼ切断部位(上記のように、活性化部位としても知られる)は、そのクロストリジウム毒素にとって天然ではないプロテアーゼ切断部位(すなわち、外因性切断部位)を用いて修飾または置換される。このような部位は、切断のために外因性プロテアーゼを必要とし、これによって、切断事象のタイミングおよび位置全体の改善された制御が可能となる。クロストリジウム毒素において使用され得る非天然プロテアーゼ切断部位として、以下が挙げられる:
エンテロキナーゼ (DDDDK↓)
第X因子 (IEGR↓/IDGR↓)
TEV(タバコエッチ病ウイルス) (ENLYFQ↓G)
トロンビン (LVPR↓GS)
PreScission (LEVLFQ↓GP)。
さらなるプロテアーゼ切断部位として、非細胞傷害性プロテアーゼによって、例えば、クロストリジウム神経毒の軽鎖によって切断される認識配列が挙げられる。これらとして、クロストリジウム神経毒の軽鎖などの非細胞傷害性プロテアーゼによって切断されるSNARE(例えば、SNAP-25、シンタキシン、VAMP)タンパク質認識配列が挙げられる。非天然プロテアーゼ切断部位を含むクロストリジウム毒素は、US7,132,259、EP1206554-B2およびUS2007/0166332に記載されており、それらのすべては、参照により、その全文が本明細書に組み込まれる。また、自己切断配列であるインテインも、用語プロテアーゼ切断部位によって包含される。自己スプライシング反応は、例えば、存在する還元剤の濃度を変更することによって制御可能である。
本発明はまた、「破壊的切断部位」を含むクロストリジウム毒素を包含する。前記クロストリジウム毒素では、前記部位での切断が、クロストリジウム毒素の活性を低減するか、または不活性化するように、非天然プロテアーゼ切断部位が、選択された位置でクロストリジウム毒素中に組み込まれる。破壊的プロテアーゼ切断部位は、クロストリジウム毒素が、投与後に、非標的位置に移動する事象において、局所プロテアーゼによる切断に対して感受性であり得る。適した非天然プロテアーゼ切断部位として、上記のものが挙げられる。破壊的切断部位を含むクロストリジウム毒素は、両方とも参照によりその全文が本明細書に組み込まれるWO2010/094905およびWO2002/044199に記載されている。
本発明の改変クロストリジウム毒素、特に、その軽鎖成分は、PEG化され得る(これは、安定性、例えば、軽鎖成分の作用期間を増大するのに役立ち得る)。ペグ化は、軽鎖が、BoNT/A、BまたはC1プロテアーゼを含む場合に特に好ましい。ペグ化は、好ましくは、軽鎖成分のN末端へのPEGの付加を含む。例として、軽鎖のN末端が、同一であっても異なっていてもよい1個以上のアミノ酸(例えば、システイン)残基で延長され得る。前記アミノ酸残基のうち1個以上が、それと結合している(例えば、共有結合している)それ自身のPEG分子を有し得る。この技術の例は、参照によりその全文が本明細書に組み込まれるWO2007/104567に記載されている。
本発明の改変クロストリジウム毒素は、天然に存在するクロストリジウム毒素複合体中に存在する複合体形成タンパク質を含まなくてもよい。
本発明の改変クロストリジウム毒素はまた、制限された数の非標準アミノ酸を含み得る。したがって、20種の標準アミノ酸に加えて、非標準アミノ酸(4-ヒドロキシプロリン、6-N-メチルリジン、2-アミノイソ酪酸、イソバリンおよびα-メチルセリンなど)が、本発明の改変クロストリジウム毒素のアミノ酸残基と置換されてもよい。制限された数の非保存的アミノ酸、遺伝暗号によってコードされないアミノ酸および非天然アミノ酸が、クロストリジウムポリペプチドアミノ酸残基と置換され得る。本発明の改変クロストリジウム毒素はまた、非天然発生のアミノ酸残基を含み得る。
非天然発生のアミノ酸として、制限するものではないが、トランス-3-メチルプロリン、2,4-メタノ-プロリン、シス-4-ヒドロキシプロリン、トランス-4-ヒドロキシ-プロリン、N-メチルグリシン、アロ-トレオニン、メチル-トレオニン、ヒドロキシ-エチルシステイン、ヒドロキシエチルホモ-システイン、ニトロ-グルタミン、ホモグルタミン、ピペコリン酸、t-ロイシン、ノルバリン、2-アザフェニルアラニン、3-アザフェニル-アラニン、4-アザフェニル-アラニンおよび4-フルオロフェニルアラニンが挙げられる。非天然発生のアミノ酸残基をタンパク質中に組み込むためのいくつかの方法が、当技術分野で公知である。例えば、化学的にアミノアシル化されたサプレッサーtRNAを使用して、ナンセンス突然変異が抑制されるin vitro系を使用できる。アミノ酸を合成するための方法およびtRNAをアミノアシル化するための方法は、当技術分野で公知である。ナンセンス突然変異を含有するプラスミドの転写および翻訳は、大腸菌(E. coli)S30抽出物および市販の酵素およびその他の試薬を含む無細胞系において実施される。タンパク質は、クロマトグラフィーによって精製される。例えば、Robertsonら、J.Am.Chem.Soc.第113巻:2722頁、1991年;Ellmanら、Methods Enzymol.第202巻:301頁、1991年;Chungら、Science第259巻:806〜9頁、1993年;およびChungら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA第90巻:10145〜9頁、1993年を参照のこと)。第2の方法では、翻訳は、アフリカツメガエル卵母細胞において、突然変異したmRNAおよび化学的にアミノアシル化されたサプレッサーtRNAをマイクロインジェクションすることによって実施される(Turcattiら、J.Biol.Chem.第271巻:19991〜8頁、1996年)。第3の方法においては、大腸菌(E. coli)細胞は、置換されるべき天然アミノ酸(例えば、フェニルアラニン)の不在下で、および所望の非天然発生のアミノ酸(単数または複数)(例えば、2-アザフェニルアラニン、3-アザフェニルアラニン、4-アザフェニルアラニンまたは4-フルオロフェニルアラニン)の存在下で培養される。非天然発生のアミノ酸は、その天然の対応物の代わりにポリペプチド中に組み込まれる。Koideら、Biochem.第33巻:7470〜6頁、1994年。
本発明の改変クロストリジウム毒素は、組換え核酸技術を使用して製造できる。したがって、一実施形態では、改変クロストリジウム毒素(上記のような)は、組換え改変クロストリジウム毒素である。
別の態様では、本発明は、上記のような改変クロストリジウム毒素をコードする核酸配列を含む核酸(例えば、DNA)を提供する。一実施形態では、核酸配列は、プロモーターおよびターミネーターを含むDNAベクターの一部として調製される。
好ましい実施形態では、ベクターは、以下から選択されるプロモーターを有する:
Figure 0006867452
別の好ましい実施形態では、ベクターは、以下から選択されるプロモーターを有する:
Figure 0006867452
本発明の核酸分子は、当技術分野で公知の任意の適した方法を使用して作製できる。したがって、核酸分子は、化学合成技術を使用して作製できる。あるいは、本発明の核酸分子は、分子生物学技術を使用して作製できる。
本発明のDNAコンストラクトは、好ましくは、コンピュータ内で設計され、次いで、従来のDNA合成技術によって合成される。
上記の核酸配列情報は、随意により、使用されるべき最終宿主細胞(例えば、大腸菌(E. coli))発現系に従うコドンバイアス化のために修飾される。
一実施形態では、上記のような改変クロストリジウム毒素をコードする核酸配列は、配列番号2、4および6から選択される核酸配列に対して少なくとも70%(例えば、少なくとも75、80、85、90、95、97、98、又は99%)の配列同一性を有する核酸配列である。一実施形態では、核酸配列は、配列番号2、4および6から選択される核酸配列に対して少なくとも90%の配列同一性を有する。
本発明はまた、上記のような核酸配列によってコードされるポリペプチドを提供する。したがって、一態様では、本発明は、配列番号1、3および5から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも70%(例えば、少なくとも75、80、85、90、95、97、98、又は99%)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドを提供する。一実施形態では、アミノ酸配列は、配列番号1、3および5から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%の配列同一性を有する。
一実施形態では、本発明の改変クロストリジウム毒素は、上記のような改変BoNT/Aであり、前記の改変BoNT/Aは、配列番号1、3および5から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも70%(例えば、少なくとも75、80、85、90、95、97、98、99、99.5、又は99.9%)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む(またはからなる)。
一実施形態では、本発明の改変クロストリジウム毒素は、上記のような改変BoNT/Aであり、前記の改変BoNT/Aは、配列番号1、3または5のアミノ酸配列を含む(またはからなる)。
一態様では、本発明は、配列番号1、3または5のアミノ酸配列を含む(またはからなる)ポリペプチドを提供する。
一態様では、本発明は、上記のような、改変クロストリジウム毒素をコードする核酸を提供し、前記核酸は、配列番号2、4および6から選択される核酸配列に対して少なくとも70%(例えば、少なくとも75、80、85、90、95、97、98、99、99.5、又は99.9%)の配列同一性を有する核酸配列を含む。一実施形態では、核酸は、配列番号2、4または6の核酸配列を含む(またはからなる)。
一態様では、本発明は、配列番号2、4または6の核酸配列を含む(またはからなる)核酸を提供する。
一実施形態では、本発明の改変クロストリジウム毒素は、上記のような改変BoNT/Eであり、前記の改変BoNT/Eは、配列番号7に対して少なくとも70%(例えば、少なくとも75、80、85、90、95、97、98、99、99.5、又は99.9%)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
一態様では、本発明は、上記のような改変クロストリジウム毒素をコードする核酸を提供し、前記核酸は、配列番号8に対して少なくとも70%(例えば、少なくとも75、80、85、90、95、97、98、99、99.5、又は99.9%)の配列同一性を有する核酸配列を含む。
2つ以上の核酸またはアミノ酸配列間の「配列同一性パーセント」は、複数の配列によって共有される同一位置の数の関数である。したがって、同一性%は、100を乗じた、ヌクレオチド/アミノ酸の総数によって除した同一ヌクレオチド/アミノ酸の数として算出できる。配列同一性%の算出はまた、2種以上の配列のアラインメントを最適化するために導入されることが必要なギャップの数、各ギャップの長さを考慮することもある。2種以上の配列間の配列比較および同一性パーセントの決定は、当業者によく知られるであろうBLASTなどの特定の方法論アルゴリズムを使用して実施できる。
一態様では、本発明は、軽鎖および重鎖を有する単鎖改変クロストリジウム毒素タンパク質を製造する方法を提供し、該方法は、核酸(前記核酸は上記のとおりである)を適した宿主細胞中で発現させることと、宿主細胞を溶解して、単鎖改変クロストリジウム毒素タンパク質を含有する宿主細胞ホモジネートを提供することと、単鎖改変クロストリジウム毒素タンパク質を単離することとを含む。
別の態様では、本発明は、改変クロストリジウム毒素を活性化する方法を提供し、該方法は、上記のような単鎖改変クロストリジウム毒素タンパク質を製造する方法によって得ることができる単鎖改変クロストリジウム毒素タンパク質を提供することと、ポリペプチドと、ポリペプチドを軽鎖と重鎖の間に位置する認識部位(切断部位)で切断するプロテアーゼとを接触させることと、それによって、ポリペプチドを、軽鎖および重鎖がジスルフィド結合によって一緒に連結している二本鎖ポリペプチドに変換することとを含む。
本発明の改変クロストリジウム毒素は、特定の医学的または美容的疾患および状態を予防または治療するために使用され得る。したがって、さらなる態様において、本発明は、医薬において使用するための、上記のような改変クロストリジウム毒素を提供する。
関連態様では、本発明は、斜視(strabismus)、眼瞼痙攣、斜視(squint)、ジストニア(例えば、痙性ジストニア、顎口腔ジストニア、限局性ジストニア、遅発性ジストニア、喉頭ジストニア、四肢ジストニア、頸部ジストニア)、斜頚(例えば、痙性斜頚)、細胞/筋肉を無能力にすること(SNARE下方制御または不活性化による)から恩恵を受ける美容療法(美容)適用、眼球運動の神経筋障害または状態(例えば、共同性斜視(strabismus)、上下斜視(strabismus)、外直筋麻痺、眼振、甲状腺異常筋疾患)、書痙、眼瞼痙攣、歯ぎしり、ウィルソン病、振戦、チック、分節性ミオクロヌス、痙攣、慢性多発性硬化症による痙縮、異常な膀胱制御をもたらす痙縮、憎悪、背中の痙攣、脚の痙攣、緊張性頭痛、挙筋骨盤 症候群、二分脊椎症、遅発性ジスキネジア、パーキンソン病、吃音、片側顔面痙攣、眼瞼障害、脳性麻痺、限局性痙縮、痙性 大腸炎、神経性膀胱、アニスムス、四肢痙縮、チック、振戦、歯ぎしり、裂肛、アカラシア、嚥下障害、流涙、多汗症、過剰な唾液分泌、過剰な胃腸分泌、筋肉疼痛(例えば、筋肉痙攣からの疼痛)、頭痛疼痛(例えば、緊張性頭痛)、額の深いしわ、皮膚の細かいしわ、癌、子宮障害、泌尿生殖器障害、泌尿生殖器神経疾患、慢性神経性炎症および平滑筋障害から選択される疾患または状態の予防または治療において使用するための、上記のような改変クロストリジウム毒素を提供する。
使用において、本発明は、改変クロストリジウム毒素を、薬学的に許容される担体、賦形剤、アジュバント、噴射剤および/または塩から選択される少なくとも1種の成分と一緒に含む医薬組成物を使用する。
本発明の改変クロストリジウム毒素は、経口、非経口、連続注入、吸入または局所適用用に製剤化され得る。注射に適した組成物は、溶液、懸濁液もしくはエマルジョンまたは使用前に適した媒体に溶解もしくは懸濁される乾燥粉末の形態であり得る。
局所的に送達されるべき改変クロストリジウム毒素の場合には、改変クロストリジウム毒素は、クリーム(例えば、局所適用用)または皮下注射用に製剤化されてもよい。
局所送達手段として、エアロゾルまたはその他のスプレー(例えば、ネブライザー)が挙げられる。この関連で、改変クロストリジウム毒素のエアロゾル製剤は、肺および/またはその他の鼻腔および/または 気管支または気道の管への送達を可能にする。
本発明の改変クロストリジウム毒素は、冒された臓器の神経支配に関与する脊髄分節のレベルでの脊柱におけるくも膜下腔内または硬膜外注射によって患者に投与され得る。
好ましい投与経路は、腹腔鏡下および/または局在化された、特に、筋肉内の注射によるものである。
本発明の改変クロストリジウム毒素の投与のための投与量範囲は、所望の治療効果をもたらすものである。必要な投与量範囲は、改変クロストリジウム毒素または組成物の正確な性質、投与経路、製剤の性質、患者の年齢、患者の状態の性質、程度または重症度、あるとすれば禁忌および主治医の判断に応じて変わるということは認められよう。これらの投与量レベルの変動は、最適化のために標準的な経験による決められた方法を使用して調整できる。
適した1日投与量(患者の体重1kgあたり)は、0.0001〜1ng/kg、好ましくは、0.0001〜0.5ng/kg、より好ましくは、0.002〜0.5ng/kg、特に好ましくは、0.004〜0.5ng/kgの範囲である。単位投与量は、1ピコグラム未満〜30ngで変わり得るが、通常、毎日、または好ましくは、毎週もしくは6ヶ月毎など、より少ない頻度で投与される1用量あたり0.01〜1ngの範囲となる。
特に好ましい投与計画は、1X用量として0.05ngの改変クロストリジウム毒素をベースとする。この関連で、好ましい投与量は、1X〜100X(すなわち、0.05〜5ng)の範囲である。
流体投与形は、通常、改変クロストリジウム毒素および発熱物質を含まない滅菌媒体を利用して調製される。改変クロストリジウム毒素を、使用する媒体および濃度に応じて、媒体中に溶解または懸濁することができる。溶液の調製では、改変クロストリジウム毒素を媒体中に溶解することができ、溶液を、必要に応じて、塩化ナトリウムの添加によって等張性にし、無菌的技術を使用して滅菌フィルターを通す濾過によって滅菌し、その後、適した滅菌バイアルまたはアンプル中に充填し、密閉する。あるいは、溶液安定性が十分である場合には、その密閉された容器中の溶液をオートクレーブ処理によって滅菌してもよい。有利なことに、緩衝剤、可溶化剤、安定化剤、防腐剤または殺菌剤、懸濁剤または乳化剤およびまたは局所審美的薬剤などの添加剤も媒体中に溶解してもよい。
使用前に適した媒体中に溶解または懸濁される乾燥粉末は、事前に滅菌した成分を、滅菌領域において無菌的技術を使用して滅菌容器中に充填することによって調製することができる。あるいは、滅菌領域において無菌的技術を使用して適した容器中に成分を溶解してもよい。次いで、製品を凍結乾燥し、容器を無菌的に密閉する。
筋肉内、皮下または皮内注射に適した非経口懸濁液は、滅菌成分を、滅菌媒体中に溶解する代わりに懸濁し、濾過によって滅菌を達成できない点を除いて実質的に同様の方法で調製する。成分は滅菌状態で単離してもよく。あるいは、単離後に、例えば、γ照射によって滅菌してもよい。
有利なことに、成分の均一分布を容易にするために、沈殿防止剤、例えば、ポリビニルピロリドンが組成物(単数または複数)中に含められる。
本発明に従う投与は、微粒子カプセル封入、ウイルス送達系または高圧エアロゾル衝突を含む種々の送達技術を利用することができる。
CatHN_v1(図1A)、CatHN_v2(図1B)およびCatHN_v3(図1C)精製のSDS-PAGE精製を示す図である。 CatHN_v1のラット胚性脊髄神経(eSCN)におけるSNAP-25切断百分率を示す図である。ラット胚性脊髄神経を3週間培養し、CatHN_v1を用いて24時間処理し、その後、SNAP-25特異的抗体を用いてウエスタンブロットを行った。データは、3連の独立実験から得た平均±SEMである。 マウス横隔神経片側横隔膜アッセイ(mPNHD)におけるBoNT/AおよびCatHN_v1の効力(t50)を示す図である。データ点は、個々の片側横隔膜調製物であり、平均±SEMである。CatHN_v1は、参照タンパク質BoNT/A(List Biological Laboratories)よりも統計的に有意に遅かった。一元配置分散分析およびダネットの多重比較検定。**p<0.01、***p<0.001、****p<0.0001(一元配置分散分析およびダネットの多重比較検定)。 CatHN_v2のラット胚性脊髄神経(eSCN)におけるSNAP-25切断百分率を示す図である。ラット胚性脊髄神経を3週間培養し、CatHN_v2を用いて24時間処理し、その後、SNAP-25特異的抗体を用いてウエスタンブロットを行った。データは、3連の独立実験から得た平均±SEMである。 マウス横隔神経片側横隔膜アッセイ(mPNHD)におけるBoNT/AおよびCatHN_v2の効力(t50)を示す図である。データ点は、個々の片側横隔膜調製物であり、平均±SEMである。CatHN_v2は、参照タンパク質BoNT/A(List Biological Laboratories)と統計的に等価であった。一元配置分散分析およびダネットの多重比較検定。**p<0.01、***p<0.001、****p<0.0001(一元配置分散分析およびダネットの多重比較検定)。 CatHN_v3のラット胚性脊髄神経(eSCN)におけるSNAP-25切断百分率を示す図である。ラット胚性脊髄神経を3週間培養し、CatHN_v3を用いて24時間処理し、その後、SNAP-25特異的抗体を用いてウエスタンブロットを行った。データは、3連の独立実験から得た平均±SEMである。 マウス横隔神経片側横隔膜アッセイ(mPNHD)におけるBoNT/AおよびCatHN_v3の効力(t50)を示す図である。データ点は、個々の片側横隔膜調製物であり、平均±SEMである。CatHN_v3は、参照タンパク質BoNT/A(List Biological Laboratories)よりも統計的に有意に遅かった。一元配置分散分析およびダネットの多重比較検定。**p<0.01、***p<0.001、****p<0.0001(一元配置分散分析およびダネットの多重比較検定)。 等電点電気泳動解析を示す図である。3種のCatHNコンストラクトのすべてが、未修飾BoNT/Aと比較して観察されるpIの増大を有する。 CatLCコンストラクトのSDS-PAGE精製を示す図である。 BoNT/E LC参照と比較したCatLCの触媒活性、pEC50 値は、BoTest A/E BoNT検出キット(BioSentinalカタログ番号A1004)において製造業者の使用説明書に従って得た。データは、3連の1種の独立実験から得た平均±標準偏差を示す。
配列
配列番号1.改変BoNT/A、「CatHN_v1」、アミノ酸配列。
配列番号2.改変BoNT/A、「CatHN_v1」、核酸配列。
配列番号3.改変BoNT/A、「CatHN_v2」、アミノ酸配列。
配列番号4.改変BoNT/A、「CatHN_v2」、核酸配列。
配列番号5.改変BoNT/A、「CatHN_v3」、アミノ酸配列。
配列番号6.改変BoNT/A、「CatHN_v3」、核酸配列。
配列番号7.改変BoNT/E軽鎖、「CatLC」、アミノ酸配列。
配列番号8.改変BoNT/E軽鎖、「CatLC」、核酸配列。
配列番号1.改変BoNT/A、「CatHN_v1」、アミノ酸配列。
MPFVNKQFNYKDPVNGVDIAYIKIPNAGQMQPVKAFKIHNKIWVIPERDTFTNPEEGDLNPPPEAKQVPVSYYDSTYLSTDNEKDNYLKGVTKLFERIYSTDLGRMLLTSIVRGIPFWGGSTIDTELKVIDTNCINVIQPDGSYRSEELNLVIIGPSADIIQFECKSFGHEVLNLTRNGYGSTQYIRFSPDFTFGFEESLEVDTNPLLGAGKFATDPAVTLAHELIHAGHRLYGIAINPNRVFKVNTNAYYEMSGLEVSFEELRTFGGHDAKFIDSLQENEFRLYYYNKFKDIASTLNKAKSIVGTTASLQYMKNVFKEKYLLSEDTSGKFSVDKLKFDKLYKMLTEIYTEDNFVKFFKVLNRKTYLNFDKAVFKINIVPKVNYTIYDGFNLRNTNLAANFNGQNTEINNMNFTKLKNFTGLFEFYKLLCVRGIITSKTKSLDKGYNKALNDLCIKVNNWDLFFSPSEDNFTNDLNKGEEITSDTNIEAAEENISLDLIQQYYLTFNFDNEPENISIENLSSDIIGQLELMPNIERFPNGKKYELDKYTMFHYLRAQEFEHGKRRIALTNSVNEALLNPSRVYTFFSSDYVKKVNKATEAAMFLGWVEQLVYDFTDETSEVSTTDKIADITIIIPYIGPALNIGNMRYKRRFVGALIFSGAVILLEFIPEIAIPVLGTFALVSYIANKVLTVQTIDNALSKRNEKWDEVYKYIVTNWLAKVNTQIDLIRKKMKEALENQAEATKAIINYQYNQYTEEEKNNINFNIDDLSSKLNESINKAMININKFLNQCSVSYLMNSMIPYGVKRLEDFDASLKDALLKYIYDNRGTLIGQVDRLKDKVNNTLSRDRPFQLSKYVDNQRLLSTFTEYIKNIINTSILNLRYESNHLIDLSRYASKINIGSKVNFDPIDKNQIQLFNLESSKIEVILKNAIVYNSMYENFSTSFWIRIPKYFNSISLNNEYTIINCMENNSGWKVSLNYGEIIWTLQDTQEIKQRVVFKYSQMINISDYINRWIFVTITNNRLNNSKIYINGRLIDQKPISNLGNIHASNNIMFKLDGCRDTHRYIWIKYFNLFDKELNEKEIKDLYDNQSNSGILKDFWGDYLQYDKPYYMLNLYDPNKYVDVNNVGIRGYMYLKGPRGSVMTTNIYLNSSLYRGTKFIIKKYASGNKDNIVRNNDRVYINVVVKNKEYRLATNASQAGVEKILSALEIPDVGNLSQVVVMKSKNDQGITNKCKMNLQDNNGNDIGFIGFHQFNNIAKLVASNWYNRQIERSSRTLGCSWEFIPVDDGWGERPL
配列番号2.改変BoNT/A、「CatHN_v1」、核酸配列。
ATGCCATTCGTCAACAAGCAATTCAACTACAAAGACCCAGTCAACGGCGTCGACATCGCATACATCAAGATTCCGAACGCCGGTCAAATGCAGCCGGTTAAGGCTTTTAAGATCCACAACAAGATTTGGGTTATCCCGGAGCGTGACACCTTCACGAACCCGGAAGAAGGCGATCTGAACCCGCCACCGGAAGCGAAGCAAGTCCCTGTCAGCTACTACGATTCGACGTACCTGAGCACGGATAACGAAAAAGATAACTACCTGAAAGGTGTGACCAAGCTGTTCGAACGTATCTACAGCACGGATCTGGGTCGCATGCTGCTGACTAGCATTGTTCGCGGTATCCCGTTCTGGGGTGGTAGCACGATTGACACCGAACTGAAGGTTATCGACACTAACTGCATTAACGTTATTCAACCGGATGGTAGCTATCGTAGCGAAGAGCTGAATCTGGTCATCATTGGCCCGAGCGCAGACATTATCCAATTCGAGTGCAAGAGCTTTGGTCACGAGGTTCTGAATCTGACCCGCAATGGCTATGGTAGCACCCAGTACATTCGTTTTTCGCCGGATTTTACCTTCGGCTTTGAAGAGAGCCTGGAGGTTGATACCAATCCGTTGCTGGGTGCGGGCAAATTCGCTACCGATCCGGCTGTCACGCTGGCCCATGAACTGATCCACGCAGGCCACCGCCTGTACGGCATTGCCATCAACCCAAACCGTGTGTTCAAGGTTAATACGAATGCATACTACGAGATGAGCGGCCTGGAAGTCAGCTTCGAAGAACTGCGCACCTTCGGTGGCCATGACGCTAAATTCATTGACAGCTTGCAAGAGAATGAGTTCCGTCTGTACTACTATAACAAATTCAAAGACATTGCAAGCACGTTGAACAAGGCCAAAAGCATCGTTGGTACTACCGCGTCGTTGCAGTATATGAAGAATGTGTTTAAAGAGAAGTACCTGCTGTCCGAGGATACCTCCGGCAAGTTTAGCGTTGATAAGCTGAAGTTTGACAAACTGTACAAGATGCTGACCGAGATTTACACCGAGGACAACTTTGTGAAATTCTTCAAAGTGTTGAATCGTAAAACCTATCTGAATTTTGACAAAGCGGTTTTCAAGATTAACATCGTGCCGAAGGTGAACTACACCATCTATGACGGTTTTAACCTGCGTAACACCAACCTGGCGGCGAACTTTAACGGTCAGAATACGGAAATCAACAACATGAATTTCACGAAGTTGAAGAACTTCACGGGTCTGTTCGAGTTCTATAAGCTGCTGTGCGTGCGCGGTATCATCACCAGCAAAACCAAAAGCCTGGACAAAGGCTACAACAAGGCGCTGAATGACCTGTGCATTAAGGTAAACAATTGGGATCTGTTCTTTTCGCCATCCGAAGATAATTTTACCAACGACCTGAACAAGGGTGAAGAAATCACCAGCGATACGAATATTGAAGCAGCGGAAGAGAATATCAGCCTGGATCTGATCCAGCAGTACTATCTGACCTTTAACTTCGACAATGAACCGGAGAACATTAGCATTGAGAATCTGAGCAGCGACATTATCGGTCAGCTGGAACTGATGCCGAATATCGAACGTTTCCCGAACGGCAAAAAGTACGAGCTGGACAAGTACACTATGTTCCATTACCTGCGTGCACAGGAGTTTGAACACGGTAAAcgtCGTATCGCGCTGACCAACAGCGTTAACGAGGCCCTGCTGAACCCGAGCCGTGTCTATACCTTCTTCAGCAGCGACTATGTTAAGAAAGTGAACAAAGCCACTGAGGCCGCGATGTTCCTGGGCTGGGTGGAACAGCTGGTATATGACTTCACGGACGAGACGAGCGAAGTGAGCACTACCGACAAAATTGCTGATATTACCATCATTATCCCGTATATTGGTCCGGCACTGAACATTGGCAACATGCgtTACAAAcgtcgTTTTGTGGGTGCCCTGATCTTCTCCGGTGCCGTGATTCTGCTGGAGTTCATTCCGGAGATTGCGATCCCGGTGTTGGGTACCTTCGCGCTGGTGTCCTACATCGCGAATAAGGTTCTGACGGTTCAGACCATCGATAACGCGCTGTCGAAACGTAATGAAAAATGGGACGAGGTTTACAAATACATTGTTACGAATTGGCTGGCGAAAGTCAATACCCAGATCGACCTGATCCGTAAGAAAATGAAAGAGGCGCTGGAGAATCAGGCGGAGGCCACCAAAGCAATTATCAACTACCAATACAACCAGTACACGGAAGAAGAGAAGAATAACATTAACTTCAATATCGATGATTTGAGCAGCAAGCTGAATGAATCTATCAACAAAGCGATGATCAATATCAACAAGTTTTTGAATCAGTGTAGCGTTTCGTACCTGATGAATAGCATGATTCCGTATGGCGTCAAACGTCTGGAGGACTTCGACGCCAGCCTGAAAGATGCGTTGCTGAAATACATTTACGACAATCGTGGTACGCTGATTGGCCAAGTTGACCGCTTGAAAGACAAAGTTAACAATACCCTGAGCcgtGACcgtCCATTTCAACTGAGCAAGTATGTTGATAATCAACGTCTGTTGAGCACTTTCACCGAGTATATCAAAAACATCATCAATACTAGCATTCTGAACCTGCGTTACGAGAGCAATCATCTGATTGATCTGAGCCGTTATGCAAGCAAGATCAACATCGGTAGCAAGGTCAATTTTGACCCGATCGATAAGAACCAGATCCAGCTGTTTAATCTGGAATCGAGCAAAATTGAGGTTATCCTGAAAAACGCCATTGTCTACAACTCCATGTACGAGAATTTCTCCACCAGCTTCTGGATTCGCATCCCGAAATACTTCAACAGCATTAGCCTGAACAACGAGTATACTATCATCAACTGTATGGAGAACAACAGCGGTTGGAAGGTGTCTCTGAACTATGGTGAGATCATTTGGACCTTGCAGGACACCCAAGAGATCAAGCAGCGCGTCGTGTTCAAGTACTCTCAAATGATCAACATTTCCGATTACATTAATCGTTGGATCTTCGTGACCATTACGAATAACCGTCTGAATAACAGCAAGATTTACATCAATGGTCGCTTGATCGATCAGAAACCGATTAGCAACCTGGGTAATATCCACGCAAGCAACAACATTATGTTCAAATTGGACGGTTGCCGCGATACCCATCGTTATATCTGGATCAAGTATTTCAACCTGTTTGATAAAGAACTGAATGAGAAGGAGATCAAAGATTTGTATGACAACCAATCTAACAGCGGCATTTTGAAGGACTTCTGGGGCGATTATCTGCAATACGATAAGCCGTACTATATGCTGAACCTGTATGATCCGAACAAATATGTGGATGTCAATAATGTGGGTATTCGTGGTTACATGTATTTGAAGGGTCCGCGTGGCAGCGTTATGACGACCAACATTTACCTGAACTCTAGCCTGTACCGTGGTACGAAATTCATCATTAAGAAATATGCCAGCGGCAACAAAGATAACATTGTGCGTAATAACGATCGTGTCTACATCAACGTGGTCGTGAAGAATAAAGAGTACCGTCTGGCGACCAACGCTTCGCAGGCGGGTGTTGAGAAAATTCTGAGCGCGTTGGAGATCCCTGATGTCGGTAATCTGAGCCAAGTCGTGGTTATGAAGAGCAAGAACGACCAGGGTATCACTAACAAGTGCAAGATGAACCTGCAAGACAACAATGGTAACGACATCGGCTTTATTGGTTTCCACCAGTTCAACAATATTGCTAAACTGGTAGCGAGCAATTGGTACAATCGTCAGATTGAGCGCAGCAGCCGTACTTTGGGCTGTAGCTGGGAGTTTATCCCGGTCGATGATGGTTGGGGCGAACGTCCGCTG
配列番号3.改変BoNT/A、「CatHN_v2」、アミノ酸配列。
MPFVNKQFNYKDPVNGVDIAYIKIPNAGQMQPVKAFKIHNKIWVIPERDTFTNPEEGDLNPPPEAKQVPVSYYDSTYLSTDNEKDNYLKGVTKLFERIYSTDLGRMLLTSIVRGIPFWGGSTIDTELKVIDTNCINVIQPDGSYRSEELNLVIIGPSADIIQFECKSFGHEVLNLTRNGYGSTQYIRFSPDFTFGFEESLEVDTNPLLGAGKFATDPAVTLAHELIHAGHRLYGIAINPNRVFKVNTNAYYEMSGLEVSFEELRTFGGHDAKFIDSLQENEFRLYYYNKFKDIASTLNKAKSIVGTTASLQYMKNVFKEKYLLSEDTSGKFSVDKLKFDKLYKMLTEIYTEDNFVKFFKVLNRKTYLNFDKAVFKINIVPKVNYTIYDGFNLRNTNLAANFNGQNTEINNMNFTKLKNFTGLFEFYKLLCVRGIITSKTKSLDKGYNKALNDLCIKVNNWDLFFSPSEDNFTNDLKKGEEITSDTNIEAAEENISLDLIQQYYLTFNFDNEPENISIENLSSDIIGQLELMPNIERFPNGKKYELDKYTMFHYLRAQEFEHGKSRIALTNSVNEALLNPSRVYTFFSSDYVKKVNKATKAAMFLGWVEQLVYDFTDETSEVSTTDKIADITIIIPYIGPALNIGNMLYKDDFVGALIFSGAVILLEFIPEIAIPVLGTFALVSYIAKKVLTVQTIDNALSKRNEKWDEVYKYIVTNWLAKVNTQIDLIRKKMKEALENQAEATKAIINYQYNQYTEEEKNKIKFNIDDLSSKLNESINKAMININKFLNQCSVSYLMNSMIPYGVKRLEDFDASLKDALLKYIYDNRGTLKGQVDRLKDKVNNTLSTDIPFQLSKYVDNQRLLSTFTEYIKNIINTSILNLRYESNHLIDLSRYASKINIGSKVNFDPIDKNQIQLFNLESSKIEVILKNAIVYNSMYENFSTSFWIRIPKYFNSISLNNEYTIINCMENNSGWKVSLNYGEIIWTLQDTQEIKQRVVFKYSQMINISDYINRWIFVTITNNRLNNSKIYINGRLIDQKPISNLGNIHASNNIMFKLDGCRDTHRYIWIKYFNLFDKELNEKEIKDLYDNQSNSGILKDFWGDYLQYDKPYYMLNLYDPNKYVDVNNVGIRGYMYLKGPRGSVMTTNIYLNSSLYRGTKFIIKKYASGNKDNIVRNNDRVYINVVVKNKEYRLATNASQAGVEKILSALEIPDVGNLSQVVVMKSKNDQGITNKCKMNLQDNNGNDIGFIGFHQFNNIAKLVASNWYNRQIERSSRTLGCSWEFIPVDDGWGERPL
配列番号4.改変BoNT/A、「CatHN_v2」、核酸配列。
ATGCCATTCGTCAACAAGCAATTCAACTACAAAGACCCAGTCAACGGCGTCGACATCGCATACATCAAGATTCCGAACGCCGGTCAAATGCAGCCGGTTAAGGCTTTTAAGATCCACAACAAGATTTGGGTTATCCCGGAGCGTGACACCTTCACGAACCCGGAAGAAGGCGATCTGAACCCGCCACCGGAAGCGAAGCAAGTCCCTGTCAGCTACTACGATTCGACGTACCTGAGCACGGATAACGAAAAAGATAACTACCTGAAAGGTGTGACCAAGCTGTTCGAACGTATCTACAGCACGGATCTGGGTCGCATGCTGCTGACTAGCATTGTTCGCGGTATCCCGTTCTGGGGTGGTAGCACGATTGACACCGAACTGAAGGTTATCGACACTAACTGCATTAACGTTATTCAACCGGATGGTAGCTATCGTAGCGAAGAGCTGAATCTGGTCATCATTGGCCCGAGCGCAGACATTATCCAATTCGAGTGCAAGAGCTTTGGTCACGAGGTTCTGAATCTGACCCGCAATGGCTATGGTAGCACCCAGTACATTCGTTTTTCGCCGGATTTTACCTTCGGCTTTGAAGAGAGCCTGGAGGTTGATACCAATCCGTTGCTGGGTGCGGGCAAATTCGCTACCGATCCGGCTGTCACGCTGGCCCATGAACTGATCCACGCAGGCCACCGCCTGTACGGCATTGCCATCAACCCAAACCGTGTGTTCAAGGTTAATACGAATGCATACTACGAGATGAGCGGCCTGGAAGTCAGCTTCGAAGAACTGCGCACCTTCGGTGGCCATGACGCTAAATTCATTGACAGCTTGCAAGAGAATGAGTTCCGTCTGTACTACTATAACAAATTCAAAGACATTGCAAGCACGTTGAACAAGGCCAAAAGCATCGTTGGTACTACCGCGTCGTTGCAGTATATGAAGAATGTGTTTAAAGAGAAGTACCTGCTGTCCGAGGATACCTCCGGCAAGTTTAGCGTTGATAAGCTGAAGTTTGACAAACTGTACAAGATGCTGACCGAGATTTACACCGAGGACAACTTTGTGAAATTCTTCAAAGTGTTGAATCGTAAAACCTATCTGAATTTTGACAAAGCGGTTTTCAAGATTAACATCGTGCCGAAGGTGAACTACACCATCTATGACGGTTTTAACCTGCGTAACACCAACCTGGCGGCGAACTTTAACGGTCAGAATACGGAAATCAACAACATGAATTTCACGAAGTTGAAGAACTTCACGGGTCTGTTCGAGTTCTATAAGCTGCTGTGCGTGCGCGGTATCATCACCAGCAAAACCAAAAGCCTGGACAAAGGCTACAACAAGGCGCTGAATGACCTGTGCATTAAGGTAAACAATTGGGATCTGTTCTTTTCGCCATCCGAAGATAATTTTACCAACGACCTGAAgAAGGGTGAAGAAATCACCAGCGATACGAATATTGAAGCAGCGGAAGAGAATATCAGCCTGGATCTGATCCAGCAGTACTATCTGACCTTTAACTTCGACAATGAACCGGAGAACATTAGCATTGAGAATCTGAGCAGCGACATTATCGGTCAGCTGGAACTGATGCCGAATATCGAACGTTTCCCGAACGGCAAAAAGTACGAGCTGGACAAGTACACTATGTTCCATTACCTGCGTGCACAGGAGTTTGAACACGGTAAAAGCCGTATCGCGCTGACCAACAGCGTTAACGAGGCCCTGCTGAACCCGAGCCGTGTCTATACCTTCTTCAGCAGCGACTATGTTAAGAAAGTGAACAAAGCCACTaAGGCCGCGATGTTCCTGGGCTGGGTGGAACAGCTGGTATATGACTTCACGGACGAGACGAGCGAAGTGAGCACTACCGACAAAATTGCTGATATTACCATCATTATCCCGTATATTGGTCCGGCACTGAACATTGGCAACATGCTGTACAAAGACGATTTTGTGGGTGCCCTGATCTTCTCCGGTGCCGTGATTCTGCTGGAGTTCATTCCGGAGATTGCGATCCCGGTGTTGGGTACCTTCGCGCTGGTGTCCTACATCGCGAAgAAGGTTCTGACGGTTCAGACCATCGATAACGCGCTGTCGAAACGTAATGAAAAATGGGACGAGGTTTACAAATACATTGTTACGAATTGGCTGGCGAAAGTCAATACCCAGATCGACCTGATCCGTAAGAAAATGAAAGAGGCGCTGGAGAATCAGGCGGAGGCCACCAAAGCAATTATCAACTACCAATACAACCAGTACACGGAAGAAGAGAAGAATAAgATTAAgTTCAATATCGATGATTTGAGCAGCAAGCTGAATGAATCTATCAACAAAGCGATGATCAATATCAACAAGTTTTTGAATCAGTGTAGCGTTTCGTACCTGATGAATAGCATGATTCCGTATGGCGTCAAACGTCTGGAGGACTTCGACGCCAGCCTGAAAGATGCGTTGCTGAAATACATTTACGACAATCGTGGTACGCTGAagGGCCAAGTTGACCGCTTGAAAGACAAAGTTAACAATACCCTGAGCACCGACATCCCATTTCAACTGAGCAAGTATGTTGATAATCAACGTCTGTTGAGCACTTTCACCGAGTATATCAAAAACATCATCAATACTAGCATTCTGAACCTGCGTTACGAGAGCAATCATCTGATTGATCTGAGCCGTTATGCAAGCAAGATCAACATCGGTAGCAAGGTCAATTTTGACCCGATCGATAAGAACCAGATCCAGCTGTTTAATCTGGAATCGAGCAAAATTGAGGTTATCCTGAAAAACGCCATTGTCTACAACTCCATGTACGAGAATTTCTCCACCAGCTTCTGGATTCGCATCCCGAAATACTTCAACAGCATTAGCCTGAACAACGAGTATACTATCATCAACTGTATGGAGAACAACAGCGGTTGGAAGGTGTCTCTGAACTATGGTGAGATCATTTGGACCTTGCAGGACACCCAAGAGATCAAGCAGCGCGTCGTGTTCAAGTACTCTCAAATGATCAACATTTCCGATTACATTAATCGTTGGATCTTCGTGACCATTACGAATAACCGTCTGAATAACAGCAAGATTTACATCAATGGTCGCTTGATCGATCAGAAACCGATTAGCAACCTGGGTAATATCCACGCAAGCAACAACATTATGTTCAAATTGGACGGTTGCCGCGATACCCATCGTTATATCTGGATCAAGTATTTCAACCTGTTTGATAAAGAACTGAATGAGAAGGAGATCAAAGATTTGTATGACAACCAATCTAACAGCGGCATTTTGAAGGACTTCTGGGGCGATTATCTGCAATACGATAAGCCGTACTATATGCTGAACCTGTATGATCCGAACAAATATGTGGATGTCAATAATGTGGGTATTCGTGGTTACATGTATTTGAAGGGTCCGCGTGGCAGCGTTATGACGACCAACATTTACCTGAACTCTAGCCTGTACCGTGGTACGAAATTCATCATTAAGAAATATGCCAGCGGCAACAAAGATAACATTGTGCGTAATAACGATCGTGTCTACATCAACGTGGTCGTGAAGAATAAAGAGTACCGTCTGGCGACCAACGCTTCGCAGGCGGGTGTTGAGAAAATTCTGAGCGCGTTGGAGATCCCTGATGTCGGTAATCTGAGCCAAGTCGTGGTTATGAAGAGCAAGAACGACCAGGGTATCACTAACAAGTGCAAGATGAACCTGCAAGACAACAATGGTAACGACATCGGCTTTATTGGTTTCCACCAGTTCAACAATATTGCTAAACTGGTAGCGAGCAATTGGTACAATCGTCAGATTGAGCGCAGCAGCCGTACTTTGGGCTGTAGCTGGGAGTTTATCCCGGTCGATGATGGTTGGGGCGAACGTCCGCTG
配列番号5.改変BoNT/A、「CatHN_v3」、アミノ酸配列。
MPFVNKQFNYKDPVNGVDIAYIKIPNAGQMQPVKAFKIHNKIWVIPERDTFTNPEEGDLNPPPEAKQVPVSYYDSTYLSTDNEKDNYLKGVTKLFERIYSTDLGRMLLTSIVRGIPFWGGSTIDTELKVIDTNCINVIQPDGSYRSEELNLVIIGPSADIIQFECKSFGHEVLNLTRNGYGSTQYIRFSPDFTFGFEESLEVDTNPLLGAGKFATDPAVTLAHELIHAGHRLYGIAINPNRVFKVNTNAYYEMSGLEVSFEELRTFGGHDAKFIDSLQENEFRLYYYNKFKDIASTLNKAKSIVGTTASLQYMKNVFKEKYLLSEDTSGKFSVDKLKFDKLYKMLTEIYTEDNFVKFFKVLNRKTYLNFDKAVFKINIVPKVNYTIYDGFNLRNTNLAANFNGQNTEINNMNFTKLKNFTGLFEFYKLLCVRGIITSKTKSLDKGYNKALNDLCIKVNNWDLFFSPSEDNFTNDLNKGEEITSDTNIEAAEENISLDLIQQYYLTFNFDNEPENISIENLSSDIIGQLELMPNIERFPNGKKYELDKYTMFHYLRAQEFEHGKSRIALTNSVNEALLKPSRVYTFFSSDYVKKVNKATEAAMFLGWVEQLVYDFTDETSEVSTTDKIADITIIIPYIGPALNIGNMLYKDDFVGALIFSGAVILLEFIPEIAIPKLGTFALVSYKANKVLTVQTIDNALSKRNEKWDEVYKYIVTNWLAKVNTQIDLIRKKMKEALENQAEATKAIINYQYNQYKEKEKNNINFNIDDLSSKLNESINKAMININKFLNQCSVSYLMNSMIPYGVKRLEDFDASLKDALLKYIYDNRGTLIGQVDRLKDKVNNTLSTDIPFQLSKYVDNQRLLSTFTEYIKNIINTSILNLRYESNHLIDLSRYASKINIGSKVNFDPIDKNQIQLFNLESSKIEVILKNAIVYNSMYENFSTSFWIRIPKYFNSISLNNEYTIINCMENNSGWKVSLNYGEIIWTLQDTQEIKQRVVFKYSQMINISDYINRWIFVTITNNRLNNSKIYINGRLIDQKPISNLGNIHASNNIMFKLDGCRDTHRYIWIKYFNLFDKELNEKEIKDLYDNQSNSGILKDFWGDYLQYDKPYYMLNLYDPNKYVDVNNVGIRGYMYLKGPRGSVMTTNIYLNSSLYRGTKFIIKKYASGNKDNIVRNNDRVYINVVVKNKEYRLATNASQAGVEKILSALEIPDVGNLSQVVVMKSKNDQGITNKCKMNLQDNNGNDIGFIGFHQFNNIAKLVASNWYNRQIERSSRTLGCSWEFIPVDDGWGERPL
配列番号6.改変BoNT/A、「CatHN_v3」、核酸配列。
ATGCCATTCGTCAACAAGCAATTCAACTACAAAGACCCAGTCAACGGCGTCGACATCGCATACATCAAGATTCCGAACGCCGGTCAAATGCAGCCGGTTAAGGCTTTTAAGATCCACAACAAGATTTGGGTTATCCCGGAGCGTGACACCTTCACGAACCCGGAAGAAGGCGATCTGAACCCGCCACCGGAAGCGAAGCAAGTCCCTGTCAGCTACTACGATTCGACGTACCTGAGCACGGATAACGAAAAAGATAACTACCTGAAAGGTGTGACCAAGCTGTTCGAACGTATCTACAGCACGGATCTGGGTCGCATGCTGCTGACTAGCATTGTTCGCGGTATCCCGTTCTGGGGTGGTAGCACGATTGACACCGAACTGAAGGTTATCGACACTAACTGCATTAACGTTATTCAACCGGATGGTAGCTATCGTAGCGAAGAGCTGAATCTGGTCATCATTGGCCCGAGCGCAGACATTATCCAATTCGAGTGCAAGAGCTTTGGTCACGAGGTTCTGAATCTGACCCGCAATGGCTATGGTAGCACCCAGTACATTCGTTTTTCGCCGGATTTTACCTTCGGCTTTGAAGAGAGCCTGGAGGTTGATACCAATCCGTTGCTGGGTGCGGGCAAATTCGCTACCGATCCGGCTGTCACGCTGGCCCATGAACTGATCCACGCAGGCCACCGCCTGTACGGCATTGCCATCAACCCAAACCGTGTGTTCAAGGTTAATACGAATGCATACTACGAGATGAGCGGCCTGGAAGTCAGCTTCGAAGAACTGCGCACCTTCGGTGGCCATGACGCTAAATTCATTGACAGCTTGCAAGAGAATGAGTTCCGTCTGTACTACTATAACAAATTCAAAGACATTGCAAGCACGTTGAACAAGGCCAAAAGCATCGTTGGTACTACCGCGTCGTTGCAGTATATGAAGAATGTGTTTAAAGAGAAGTACCTGCTGTCCGAGGATACCTCCGGCAAGTTTAGCGTTGATAAGCTGAAGTTTGACAAACTGTACAAGATGCTGACCGAGATTTACACCGAGGACAACTTTGTGAAATTCTTCAAAGTGTTGAATCGTAAAACCTATCTGAATTTTGACAAAGCGGTTTTCAAGATTAACATCGTGCCGAAGGTGAACTACACCATCTATGACGGTTTTAACCTGCGTAACACCAACCTGGCGGCGAACTTTAACGGTCAGAATACGGAAATCAACAACATGAATTTCACGAAGTTGAAGAACTTCACGGGTCTGTTCGAGTTCTATAAGCTGCTGTGCGTGCGCGGTATCATCACCAGCAAAACCAAAAGCCTGGACAAAGGCTACAACAAGGCGCTGAATGACCTGTGCATTAAGGTAAACAATTGGGATCTGTTCTTTTCGCCATCCGAAGATAATTTTACCAACGACCTGAACAAGGGTGAAGAAATCACCAGCgAtACGAATATTGAAGCAGCGGAAGAGAATATCAGCCTGGATCTGATCCAGCAGTACTATCTGACCTTTAACTTCGACAATGAACCGGAGAACATTAGCATTGAGAATCTGAGCAGCGACATTATCGGTCAGCTGGAACTGATGCCGAATATCGAACGTTTCCCGAACGGCAAAAAGTACGAGCTGGACAAGTACACTATGTTCCATTACCTGCGTGCACAGGAGTTTGAACACGGTAAAAGCCGTATCGCGCTGACCAACAGCGTTAACGAGGCCCTGCTGAAaCCGAGCCGTGTCTATACCTTCTTCAGCAGCGACTATGTTAAGAAAGTGAACAAAGCCACTGAGGCCGCGATGTTCCTGGGCTGGGTGGAACAGCTGGTATATGACTTCACGGACGAGACGAGCGAAGTGAGCACTACCGACAAAATTGCTGATATTACCATCATTATCCCGTATATTGGTCCGGCACTGAACATTGGCAACATGCTGTACAAAGACGATTTTGTGGGTGCCCTGATCTTCTCCGGTGCCGTGATTCTGCTGGAGTTCATTCCGGAGATTGCGATCCCGaaGTTGGGTACCTTCGCGCTGGTGTCCTACAagGCGAATAAGGTTCTGACGGTTCAGACCATCGATAACGCGCTGTCGAAACGTAATGAAAAATGGGACGAGGTTTACAAATACATTGTTACGAATTGGCTGGCGAAAGTCAATACCCAGATCGACCTGATCCGTAAGAAAATGAAAGAGGCGCTGGAGAATCAGGCGGAGGCCACCAAAGCAATTATCAACTACCAATACAACCAGTACAaGGAAaAAGAGAAGAATAACATTAACTTCAATATCGATGATTTGAGCAGCAAGCTGAATGAATCTATCAACAAAGCGATGATCAATATCAACAAGTTTTTGAATCAGTGTAGCGTTTCGTACCTGATGAATAGCATGATTCCGTATGGCGTCAAACGTCTGGAGGACTTCGACGCCAGCCTGAAAGATGCGTTGCTGAAATACATTTACGACAATCGTGGTACGCTGATTGGCCAAGTTGACCGCTTGAAAGACAAAGTTAACAATACCCTGAGCACCGACATCCCATTTCAACTGAGCAAGTATGTTGATAATCAACGTCTGTTGAGCACTTTCACCGAGTATATCAAAAACATCATCAATACTAGCATTCTGAACCTGCGTTACGAGAGCAATCATCTGATTGATCTGAGCCGTTATGCAAGCAAGATCAACATCGGTAGCAAGGTCAATTTTGACCCGATCGATAAGAACCAGATCCAGCTGTTTAATCTGGAATCGAGCAAAATTGAGGTTATCCTGAAAAACGCCATTGTCTACAACTCCATGTACGAGAATTTCTCCACCAGCTTCTGGATTCGCATCCCGAAATACTTCAACAGCATTAGCCTGAACAACGAGTATACTATCATCAACTGTATGGAGAACAACAGCGGTTGGAAGGTGTCTCTGAACTATGGTGAGATCATTTGGACCTTGCAGGACACCCAAGAGATCAAGCAGCGCGTCGTGTTCAAGTACTCTCAAATGATCAACATTTCCGATTACATTAATCGTTGGATCTTCGTGACCATTACGAATAACCGTCTGAATAACAGCAAGATTTACATCAATGGTCGCTTGATCGATCAGAAACCGATTAGCAACCTGGGTAATATCCACGCAAGCAACAACATTATGTTCAAATTGGACGGTTGCCGCGATACCCATCGTTATATCTGGATCAAGTATTTCAACCTGTTTGATAAAGAACTGAATGAGAAGGAGATCAAAGATTTGTATGACAACCAATCTAACAGCGGCATTTTGAAGGACTTCTGGGGCGATTATCTGCAATACGATAAGCCGTACTATATGCTGAACCTGTATGATCCGAACAAATATGTGGATGTCAATAATGTGGGTATTCGTGGTTACATGTATTTGAAGGGTCCGCGTGGCAGCGTTATGACGACCAACATTTACCTGAACTCTAGCCTGTACCGTGGTACGAAATTCATCATTAAGAAATATGCCAGCGGCAACAAAGATAACATTGTGCGTAATAACGATCGTGTCTACATCAACGTGGTCGTGAAGAATAAAGAGTACCGTCTGGCGACCAACGCTTCGCAGGCGGGTGTTGAGAAAATTCTGAGCGCGTTGGAGATCCCTGATGTCGGTAATCTGAGCCAAGTCGTGGTTATGAAGAGCAAGAACGACCAGGGTATCACTAACAAGTGCAAGATGAACCTGCAAGACAACAATGGTAACGACATCGGCTTTATTGGTTTCCACCAGTTCAACAATATTGCTAAACTGGTAGCGAGCAATTGGTACAATCGTCAGATTGAGCGCAGCAGCCGTACTTTGGGCTGTAGCTGGGAGTTTATCCCGGTCGATGATGGTTGGGGCGAACGTCCGCTG
配列番号7.改変BoNT/E軽鎖、「CatLC」、アミノ酸配列。
MKIEEGKLVIWINGDKGYNGLAEVGKKFEKDTGIKVTVEHPDKLEEKFPQVAATGDGPDIIFWAHDRFGGYAQSGLLAEITPDKAFQDKLYPFTWDAVRYNGKLIAYPIAVEALSLIYNKDLLPNPPKTWEEIPALDKELKAKGKSALMFNLQEPYFTWPLIAADGGYAFKYENGKYDIKDVGVDNAGAKAGLTFLVDLIKNKHMNADTDYSIAEAAFNKGETAMTINGPWAWSNIDTSKVNYGVTVLPTFKGQPSKPFVGVLSAGINAASPNKELAKEFLENYLLTDEGLEAVNKDKPLGAVALKSYEEELAKDPRIAATMENAQKGEIMPNIPQMSAFWYAVRTAVINAASGRQTVDEALKDAQTNSSSNNNNNNNNNNLGIEGRISEFGSMPKINSFNYNDPVNDRTILYIKPGGCQEFYKSFNIMKNIWIIPERNVIGTTPQDFHPPTSLKNGDSSYYDPNYLQSDEEKDRFLKIVTKIFNRINNNLSGGILLEELSKANPYLGNDNTPDNKFHIGDASAVEIKFSKGSQHILLPNVIIMGAEPDLFETNSSNISLRNNYMPSNHGFGSIAIVTFSPEYSFRFNDNSINEFIQDPALTLMHELIHSLHGLYGAKGITTTCIITQQKNPLITNRKGINIEEFLTFGGNDLNIITVAQYNDIYTNLLNDYRKIASKLSKVQVSNPQLNPYKDIFQEKYGLDKDASGIYSVNINKFDDILKKLYSFTEFDLATKFQVKCRETYIGQYKYFKLSNLLNDSIYNISEGYNINNLKVNFRGQNANLNPRIIKPITGRGLVKKIIRFAVDKLAAALEHHHHHH
配列番号8.改変BoNT/E軽鎖、「CatLC」、アミノ酸配列。
ATGAAAATCGAAGAAGGTAAACTGGTAATCTGGATTAACGGCGATAAAGGCTATAACGGTCTCGCTGAAGTCGGTAAGAAATTCGAGAAAGATACCGGAATTAAAGTCACCGTTGAGCATCCGGATAAACTGGAAGAGAAATTCCCACAGGTTGCGGCAACTGGCGATGGCCCTGACATTATCTTCTGGGCACACGACCGCTTTGGTGGCTACGCTCAATCTGGCCTGTTGGCTGAAATCACCCCGGACAAAGCGTTCCAGGACAAGCTGTATCCGTTTACCTGGGATGCCGTACGTTACAACGGCAAGCTGATTGCTTACCCGATCGCTGTTGAAGCGTTATCGCTGATTTATAACAAAGATCTGCTGCCGAACCCGCCAAAAACCTGGGAAGAGATCCCGGCGCTGGATAAAGAACTGAAAGCGAAAGGTAAGAGCGCGCTGATGTTCAACCTGCAAGAACCGTACTTCACCTGGCCGCTGATTGCTGCTGACGGGGGTTATGCGTTCAAGTATGAAAACGGCAAGTACGACATTAAAGACGTGGGCGTGGATAACGCTGGCGCGAAAGCGGGTCTGACCTTCCTGGTTGACCTGATTAAAAACAAACACATGAATGCAGACACCGATTACTCCATCGCAGAAGCTGCCTTTAATAAAGGCGAAACAGCGATGACCATCAACGGCCCGTGGGCATGGTCCAACATCGACACCAGCAAAGTGAATTATGGTGTAACGGTACTGCCGACCTTCAAGGGTCAACCATCCAAACCGTTCGTTGGCGTGCTGAGCGCAGGTATTAACGCCGCCAGTCCGAACAAAGAGCTGGCAAAAGAGTTCCTCGAAAACTATCTGCTGACTGATGAAGGTCTGGAAGCGGTTAATAAAGACAAACCGCTGGGTGCCGTAGCGCTGAAGTCTTACGAGGAAGAGTTGGCGAAAGATCCACGTATTGCCGCCACTATGGAAAACGCCCAGAAAGGTGAAATCATGCCGAACATCCCGCAGATGTCCGCTTTCTGGTATGCCGTGCGTACTGCGGTGATCAACGCCGCCAGCGGTCGTCAGACTGTCGATGAAGCCCTGAAAGACGCGCAGACTAATTCGAGCTCGAACAACAACAACAATAACAATAACAACAACCTCGGGATCGAGGGAAGGATTTCAGAATTCGGATCCATGCCAAAAATCAACAGCTTTAATTACAATGACCCTGTAAACGATCGTACCATCCTATACATAAAGCCGGGTGGGTGTCAAGAGTTCTACAAATCTTTCAATATTATGAAGAATATATGGATTATACCTGAGCGTAACGTTATTGGTACGACACCGCAAGATTTTCATCCACCTACTTCGTTGAAGAACGGTGACTCTTCCTATTACGACCCCAATTATCTCCAGTCGGATGAAGAGAAGGACAGATTCCTTAAAATAGTAACCAAAATCTTTAACAGGATTAATAACAATCTATCCGGAGGTATTTTGCTTGAAGAGCTTAGTAAAGCTAATCCTTACCTAGGTAACGATAATACACCAGACAACAAGTTTCATATAGGCGATGCATCCGCCGTGGAAATCAAATTTAGCAAGGGATCACAGCATATTCTCTTGCCCAACGTTATTATAATGGGGGCGGAACCAGATTTATTTGAAACAAATTCGAGTAATATTAGCCTGAGAAATAACTATATGCCGTCAAACCATGGGTTCGGTAGCATAGCGATCGTTACTTTTTCTCCCGAATACAGTTTTCGCTTCAATGATAATAGTATAAATGAGTTTATCCAAGACCCCGCACTCACGCTTATGCACGAACTCATACACTCTTTACACGGCCTGTATGGCGCTAAGGGGATAACCACTACGTGTATCATTACTCAGCAAAAGAACCCATTGATAACGAACAGGAAGGGCATTAACATCGAGGAATTTCTTACATTTGGAGGCAACGATCTGAACATTATAACTGTCGCACAGTACAATGACATCTATACCAACTTACTAAATGATTATAGAAAAATCGCTTCTAAGTTATCCAAGGTTCAAGTCTCAAACCCTCAACTGAATCCGTATAAGGACATATTCCAAGAGAAATATGGATTAGACAAAGACGCGTCAGGAATCTATTCGGTAAACATTAACAAATTCGACGATATTTTGAAGAAACTTTACAGCTTCACGGAGTTCGACTTGGCCACCAAATTCCAGGTCAAATGCCGAGAGACATACATCGGACAGTATAAGTATTTCAAGCTGTCGAATCTCCTGAATGATTCCATATACAACATTAGTGAGGGTTACAATATAAATAACCTAAAGGTGAATTTCCGAGGCCAAAACGCCAACCTAAATCCGCGCATCATTAAACCCATCACAGGACGGGGGTTAGTGAAGAAAATAATCCGGTTTGCGGTCGACAAGCTTGCGGCCGCACTCGAGCACCACCACCACCACCAC
以下の実施例は、本発明の特定の実施形態を例示するために役立つものであって、特許請求の範囲において定義される本発明の範囲を決して制限しない。
[実施例1]
修飾のための好ましいクロストリジウム毒素アミノ酸の同定。
修飾のための適した候補として同定されるアミノ酸(突然変異部位)を、いくつかの基準を使用して選択した。
1. BoNT分子内(ベルト領域を含まないHN内)の残基の位置
2. 二次/三次構造に関連する位置;
3. 残基の種類;
4. 表面露出度。
酸性、中性、極性および疎水性残基を選択のために考慮した。
露出した残基を、CCP4スイート由来のAreaIMolを使用して決定した。各構造をAreaIMolによって分析し、露出した残基を55を超える合計値を有すると同定した。
各亜型のHNおよびTeNT内の二次構造を、二次構造割り当てプログラム(Stride Web Interface)を使用して同定した。α-ヘリックス、β鎖または310-ヘリックスを形成すると割り当てられた領域は、選択から排除した。
使用した配列
受託番号:
BoNT/A: P10845
BoNT/B: P10844
BoNT/C1: P18640
BoNT/D: P19321
BoNT/E: Q00496
BoNT/F: YP_001390123
BoNT/G: Q60393
構造データ供給源
RCSBから得たBoNT/A(3BTA.pdb)、BoNT/B(1EPW)およびBoNT/E(3FFZ.pdb)の結晶構造。
LOOPPならびに以下の配列、それぞれ:P18640、P19321、YP_001390123およびQ60393を使用して実施されるBoNT/C1、BoNT/D、BoNT/FおよびBoNT/Gの相同性モデリング。
クロストリジウム毒素HNドメイン中の修飾のための好ましいクロストリジウム毒素 アミノ酸残基:
BoNT/A:
D474、N476、D484、N486、I487、E488、A489、A490、E491、D546、E558、E560、H561、I566、L568、N570、S571、L577、N578、A597、E599、A601、E620、V621、T623、D625、T631、N645、L647、D650、D651、I668、E670、A672、V675、S683、I685、A686、N687、N752、Q753、T755、E756、E757、E758、N760、N761、I762、N763、D825、I831、G832、T847、D848およびD858
BoNT/B:
V443、G444、D453、S468、D533、E534、N535、T545、L548、D549、I550、D552、S557、L564、S566、N582、V584、N609、L619、N632、E633、G637、A646、I655、E657、V662、E669、S670、I672、D673、N739、I740、N748、N750、I818、G819、T834、I842、N845およびS858
BoNT/C1:
L451、D452、C453、E455、V472、T474、D475、L478、N483、E484、E485、E487、I489、L555、S556、D557、N558、E560、D561、E569、N574、S575、T584、G592、Q594、G596、D617、N640、S641、V642、G645、N646、E661、E665、T667、A670、S678、V680、Q681、E682、S750、G751、S759、Q760、V826、G827、N842、T843、N847およびN853
BoNT/D:
Q469、E470、E473、N474、D479、E480、N482、V483、Q484、N485、S487、D488、S552、N553、N554、V555、E556、N557、I558、L560、T562、S563、V564、G569、S571、N572、G588、Q590、T614、D616、S619、S622、N636、S637、L639、G641、N642、E657、E661、T663、A666、V669、S674、I676、Q677、E678、S746、G747、D749、E751、N752、I753、Q756、N818、V822、G823、E837、N838、T839、N843、N849およびN850
BoNT/E:
D474、N476、E479、E480、D484、N486、I487、E488、A489、A490、E491、E492、L496、D497、Q500、Q501、L504、N507、D509、N510、N514、S516、E518、Q527、L530、N533、I534、E535、N539、Y548、I566、L568、D589、A597、E599、A601、L604、Y612、E620、N645、L647、Y648、D651、E737、E741、Y803、Y824、D825、G828、I831、G832およびD835
BoNT/F:
N463、E464、N468、T469、D474、D475、T476、T477、N478、N482、N485、N495、I499、Q501、I502、Q505、T506、N508、T509、V511、D513、D521、S522、S526、E527、I528、E529、V534、D535、L536、E549、G550、T552、N553、S558、E566、E567、S568、V586、H587、Q608、D613、A616、D617、S619、N630、N633、N639、E654、V656、E658、L660、T663、L665、V666、S671、I673、G674、S675、S676、E677、N678、T746、N751、L753、E754、E756、N758、I759、N760、N761、S799、S821、I822、N840、S841、E845、L846、S847、S848、T850、N851、D852、I854、L855およびI856
BoNT/G:
N480、Q482、N483、N484、T485、E487、D540、N562、N570、N571、N572、T588、V589、T615、D621、N637、E638、E642、N643、I660、E662、I667、E674、S675、V677、G678、N679、S747、N755、D757、L823、D839、I841、D844、S846およびL847
TeNT:
A457、S458、L459、D461、L462、E486、E487、Q490、D491、N497、N504、D557、T571、T572、L573、Q574、N580、S581、N588、S589、T590、S598、Q605、G606、Q608、T631、I633、S640、Q655、E658、G659、N660、E675、I677、E679、T681、V684、A691、E692、S694、T695、Q696、A772、D773、E774、S862、N866、L867およびD868
BoNT/E軽鎖中の修飾のための好ましいクロストリジウム毒素 アミノ酸残基:
N5、N8、N10、D11、N14、D15、Q27、E28、N72、Q75、N118、D121、N122、Q123、N138、Q237、Q290、N297、N362、N365、D366、N378およびN379。
[実施例2]
改変BoNT/A分子の設計
本発明に従う改変BoNT/A分子の3種の異なる例を製造した。
実施例1に記載された方法を使用して、合計55残基をBoNT/A HNドメイン中の突然変異のための候補として同定した。残基の適合性を、BoNT/A結晶構造の目視検査によってさらに評価して、11種の好ましい候補(N476、N763、N687、E599、I831、N761、N578、V675、I685、T755、E757)のリストが得られた。さらなる6個の残基を、これらの残基が、タンパク質機能に有害な影響を及ぼさずに突然変異を受け入れられたことを示した機能データに基づいて選択した。これらの残基のうち4個は、候補リスト内にあり(L647、D650、D651、T847)、2個はリスト内ではなかった(S564、I849)。候補リストからの11残基および機能データからの6個を有する、合計17残基を突然変異のために選択した。
選択した17残基から、3コンストラクトを作製した:CatHN_v1、CatHN_v2およびCatHN_v3。CatHNコンストラクトの突然変異が以下の表3に示されている:
Figure 0006867452
CatHN_v1、CatHN_v2およびCatHN_v3の精製は、それぞれ、図1A、1Bおよび1Cに示されている。
[実施例3]
クローニング、発現および精製
実施例2に記載された改変BoNT/A分子をコードするDNAコンストラクトを合成し、pJ401発現ベクター中にクローニングし、次いで、BL21(DE3)大腸菌(E. coli)中に形質転換した。これによって、大腸菌(E. coli)における組換え改変BoNT/A分子の可溶性過剰発現が可能となった。
組換え改変BoNTを、伝統的なクロマトグラフィー技術を使用して大腸菌(E. coli)溶解物から精製した。陽イオン交換樹脂を使用する最初の精製ステップを使用し、疎水性相互作用樹脂を使用する中間の精製ステップを続けた。次いで、組換え改変BoNT単鎖を、タンパク質分解によって切断し、結果として、活性化された二本鎖の改変BoNTが得られた。次いで、最後の精製ステップを使用して、残存する夾雑物を除去した。
[実施例4]
精製された改変BoNTの特性決定
上記の実施例2に記載された改変BoNTを、実験によって特性決定した。
改変BoNTの、神経に侵入して、SNAP-25(BoNT/Aの標的)を切断する能力を、ラット胚性脊髄神経(eSCN)を使用して評価した。改変BoNTの効力を、マウス横隔神経片側横隔膜アッセイ(mPNHD)を使用してさらに評価した。
CatHN_v1:
加えられた突然変異の第1のセットは、アルギニンへの置換であった:
S564R、L647R、D650R、D651R、T847R、I849R
CatHN_v1分子を、ラット胚性脊髄ニューロン(eSCN)SNAP-25切断アッセイにおいて試験し、BoNT/A(BoNT/A)と等効力に強力であるとわかった(図2)。
マウス横隔神経片側横隔膜(mPNHD)アッセイにおいても正の結果が実証された(図3)。
CatHN_v2:
突然変異の第2のセットは、リジンへの置換であった:
N476K、N763K、N687K、E599K、I831K、N761K
eSCN SNAP-25切断アッセイにおいてCatHN_v2タンパク質を試験し、細胞に侵入し、SNAP-25を切断する能力を保持するとわかった。mPNHDアッセイでは、CatHN_v2は、BoNT/Aと等効力であった(図4および5)。
CatHN_v3:
突然変異の第3のセットは、リジンへの置換であった:
N578K、V675K、I685K、T755K、E757K
eSCN SNAP-25切断アッセイにおいてCatHN_v3分子を試験し、細胞に侵入し、SNAP-25を切断する能力を保持するとわかった。同様に、mPNHDアッセイにおいても正の結果が実証された(図6および7)。
等電点電気泳動
3種のCatHNコンストラクトすべてが、未修飾BoNT/Aと比較して増大したpIを有する(図8)。
[実施例5]
BoNT/Eの軽鎖の修飾
ボツリヌス毒素のモジュール性のために、N末端マルトース結合タンパク質(MBP)タグおよびC末端6ヒスチジンタグ(6HT)を有するBoNT/E軽鎖コンストラクトを、突然変異され、特性決定された場合のBoNT/E活性をアッセイするための代理として使用した。
以下の表に示される突然変異を有するBoNT/E軽鎖コンストラクト(「CatLC」)を調製した。
Figure 0006867452
コンストラクトをBL21 DE3細胞中で発現させ、アフィニティークロマトグラフィーを使用して精製した。精製は、図9に示されている。
触媒活性についてのコンストラクトの評価は、修飾された軽鎖が未修飾軽鎖の触媒活性を保持することを示した(図10)。
項目
1. 少なくとも1つのアミノ酸修飾を含む改変クロストリジウム毒素であって、前記の少なくとも1つのアミノ酸修飾は、改変クロストリジウム毒素の等電点(pI)を、前記の少なくとも1つのアミノ酸修飾を欠く、その他の点においては同一のクロストリジウム毒素のpIよりも、少なくとも0.2pI単位高い値に増大し、
前記の少なくとも1つのアミノ酸修飾は、クロストリジウム毒素結合ドメイン(HCドメイン)中に位置しない、改変クロストリジウム毒素。
2. 前記の少なくとも1つのアミノ酸修飾が、クロストリジウム毒素転位置ドメイン(HNドメイン)中に位置する、項目1に記載の改変クロストリジウム毒素。
3. 前記の少なくとも1つのアミノ酸修飾が、クロストリジウム毒素軽鎖中に位置する、
項目1に記載の改変クロストリジウム毒素。
4. 前記の少なくとも1つのアミノ酸修飾が、クロストリジウム毒素軽鎖中にE3リガーゼ認識モチーフを導入しない、項目3に記載の改変クロストリジウム毒素。
5. 前記の少なくとも1つのアミノ酸修飾が、改変クロストリジウム毒素の等電点(pI)を、前記の少なくとも1つのアミノ酸修飾を欠く、その他の点においては同一のクロストリジウム毒素のpIよりも、少なくとも0.5pI単位高い値に増大する、項目1から4のいずれか一項に記載の改変クロストリジウム毒素。
6. 前記の少なくとも1つのアミノ酸修飾が、改変クロストリジウム毒素の等電点(pI)を、前記の少なくとも1つのアミノ酸修飾を欠く、その他の点においては同一のクロストリジウム毒素のpIよりも、少なくとも1pI単位高い値に増大する、項目1から4のいずれか一項に記載の改変クロストリジウム毒素。
7. 前記の少なくとも1つのアミノ酸修飾が、改変クロストリジウム毒素の等電点(pI)を、前記の少なくとも1つのアミノ酸修飾を欠く、その他の点においては同一のクロストリジウム毒素のpIよりも、少なくとも2pI単位高い値に増大する、項目1から4のいずれか一項に記載の改変クロストリジウム毒素。
8. 前記の少なくとも1つのアミノ酸修飾が、改変クロストリジウム毒素の等電点(pI)を、前記の少なくとも1つのアミノ酸修飾を欠く、その他の点においては同一のクロストリジウム毒素のpIよりも、2から5の間のpI単位高い値に増大する、項目1から4のいずれか一項に記載の改変クロストリジウム毒素。
9. 少なくとも6.5のpIを有する、前記の項目のいずれかに記載の改変クロストリジウム毒素。
10. 6.5から9.5の間のpIを有する、前記の項目のいずれかに記載の改変クロストリジウム毒素。
11. 6.5から7.5の間のpIを有する、前記の項目のいずれかに記載の改変クロストリジウム毒素。
12. 少なくとも1つのアミノ酸修飾が、アミノ酸置換、アミノ酸挿入およびアミノ酸欠失から選択される、前記の項目のいずれかに記載の改変クロストリジウム毒素。
13. 少なくとも1つのアミノ酸置換が、酸性アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基による置換、酸性アミノ酸残基の非荷電アミノ酸残基による置換および非荷電アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基による置換から選択される、項目12に記載の改変クロストリジウム毒素。
14. 1箇所から90箇所の間のアミノ酸修飾を含む、前記の項目のいずれかに記載の改変クロストリジウム毒素。
15. 少なくとも3つのアミノ酸修飾を含む、前記の項目のいずれかに記載の改変クロストリジウム毒素。
16. 4箇所から40箇所の間のアミノ酸修飾を含む、前記の項目のいずれかに記載の改変クロストリジウム毒素。
17. 少なくとも1つのアミノ酸修飾が、表面露出アミノ酸残基の修飾である、前記の項目のいずれかに記載の改変クロストリジウム毒素。
18. 少なくとも1つのアミノ酸修飾が、アスパラギン酸残基、グルタミン酸残基、ヒスチジン残基、アスパラギン残基、グルタミン残基、セリン残基、トレオニン残基、アラニン残基、グリシン残基、バリン残基、ロイシン残基およびイソロイシン残基から選択されるアミノ酸残基の修飾を含む、前記の項目のいずれかに記載の改変クロストリジウム毒素。
19. アミノ酸残基が、リジン残基またはアルギニン残基で置換される、項目18に記載の改変クロストリジウム毒素。
20. 項目1から19のいずれか一項に記載の改変クロストリジウム毒素をコードする核酸配列を含む核酸。
21. 軽鎖および重鎖を有する単鎖改変クロストリジウム毒素タンパク質を製造する方法であって、項目20に記載の核酸を、適した宿主細胞中で発現させることと、宿主細胞を溶解して、単鎖改変クロストリジウム毒素タンパク質を含有する宿主細胞ホモジネートを提供することと、単鎖改変クロストリジウム毒素タンパク質を単離することとを含む、方法。
22. 改変クロストリジウム毒素を活性化する方法であって、項目21に記載の方法によって得られる単鎖改変クロストリジウム毒素タンパク質を提供することと、ポリペプチドを、ポリペプチドを軽鎖と重鎖の間に位置する認識部位(切断部位)で切断するプロテアーゼと接触させることと、ポリペプチドを、軽鎖および重鎖がジスルフィド結合によって一緒に連結している二本鎖ポリペプチドに変換することとを含む、方法。
23. 医薬において使用するための、項目1から19のいずれか一項に記載の改変クロストリジウム毒素。
24. 斜視(strabismus)、眼瞼痙攣、斜視(squint)、ジストニア(例えば、痙性ジストニア、顎口腔ジストニア、限局性ジストニア、遅発性ジストニア、喉頭ジストニア、四肢ジストニア、頸部ジストニア)、斜頚(例えば、痙性斜頚)、細胞/筋肉を無能力にすること(SNARE下方制御または不活性化による)から恩恵を受ける美容療法(美容)適用、眼球運動の神経筋障害または状態(例えば、共同性斜視(concomitant strabismus)、上下斜視(vertical strabismus)、外直筋麻痺、眼振、甲状腺異常筋疾患)、書痙、眼瞼痙攣、歯ぎしり、ウィルソン病、振戦、チック、分節性ミオクロヌス、痙攣、慢性多発性硬化症による痙縮、異常な膀胱制御をもたらす痙縮、憎悪、背中の痙攣、脚の痙攣、緊張性頭痛、挙筋骨盤症候群、二分脊椎症、遅発性ジスキネジア、パーキンソン病、吃音、片側顔面痙攣、眼瞼障害、脳性麻痺、限局性痙縮、痙性大腸炎、神経性膀胱、アニスムス、四肢痙縮、チック、振戦、歯ぎしり、裂肛、アカラシア、嚥下障害、流涙、多汗症、過剰な唾液分泌、過剰な胃腸分泌、筋肉疼痛(例えば、筋肉痙攣からの疼痛)、頭痛疼痛(例えば、緊張性頭痛)、額の深いしわ、皮膚の細かいしわ、癌、子宮障害、泌尿生殖器障害、泌尿生殖器神経疾患、慢性神経性炎症および平滑筋障害から選択される疾患または状態の予防または治療において使用するための、項目1から19のいずれか一項に記載の改変クロストリジウム毒素。
25. 実質的に本明細書に記載されるような、添付の図面を参照する、改変クロストリジウム毒素。
[図1A〜C]
Marker: マーカー
E. coli Lysate (soluble): 大腸菌溶菌液(可溶化された)
Purification step: 精製ステップ
[図2、4、6]
% SNAP-25 cleavage: SNAP-25切断%
Basal: 基底
[図3、5、7]
t50 (min): t50(分)
t50 (mean±sem, min): t50(平均±SEM、分)
[図8]
Marker: マーカー
Lane: レーン
Construct: コンストラクト
Calculated pI: 算出pI
Observed pI: 実測pI
[図9]
Marker: マーカー
Whole cell lysate: 全細胞溶菌液
Capture: 捕獲
CatLC final: 最終的なCatLC
[図10]
RFU ratio: RFU比
Reference 参照
Basal: 基底

Claims (14)

  1. N476、S564、N578、E599、L647、D650、D651、V675、I685、N687、T755、E757、N761、N763、I831、T847、及びI849からなる群から選択される少なくとも1つのアミノ酸のリジン又はアルギニンでの置換を含み、かつ、少なくとも6.6の等電点(pI)を有する改変ボツリヌス毒素血清型A(BoNT/A);
    ここで、
    前記少なくとも1つのアミノ酸置換は、当該改変BoNT/AのpIを、前記少なくとも1つのアミノ酸置換を欠く、その他の点においては同一のBoNT/AのpIよりも、少なくとも0.2pI単位高い値に増大し;
    当該改変BoNT/Aは、前記少なくとも1つのアミノ酸置換を欠く、その他の点においては同一のBoNT/Aの標的細胞結合、転位置及び標的SNAREタンパク質(単数又は複数)の切断の能力を保持し; かつ
    当該改変BoNT/Aは、
    a. 配列番号2、4、及び6から選択される核酸配列に対して少なくとも90%の配列同一性を有する核酸配列によってコードされる; 及び/又は
    b. 配列番号1、3、及び5から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
  2. 前記改変BoNT/Aが:
    a. 配列番号2、4、及び6から選択される核酸配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有する核酸配列によってコードされる; 及び/又は
    b. 配列番号1、3、及び5から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む;
    請求項1に記載の改変BoNT/A
  3. 前記改変BoNT/Aが:
    a. 配列番号2、4、及び6から選択される核酸配列に対して少なくとも99%の配列同一性を有する核酸配列によってコードされる; 及び/又は
    b. 配列番号1、3、及び5から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む;
    請求項1又は2に記載の改変BoNT/A。
  4. 前記置換は、改変BoNT/AのpIを、前記置換を欠く、その他の点においては同一のBoNT/AのpIよりも、少なくとも0.5pI単位高い値に増大する、請求項1から3のいずれか一項に記載の改変BoNT/A
  5. 前記置換は、改変BoNT/AのpIを、前記置換を欠く、その他の点においては同一のBoNT/AのpIよりも、少なくとも1pI単位高い値に増大する、請求項1から4のいずれか一項に記載の改変BoNT/A。
  6. 前記置換は、改変BoNT/AのpIを、前記置換を欠く、その他の点においては同一のBoNT/AのpIよりも、少なくとも2pI単位高い値に増大する、請求項1から5のいずれか一項に記載の改変BoNT/A。
  7. 前記置換は、改変BoNT/AのpIを、前記置換を欠く、その他の点においては同一のBoNT/AのpIよりも、2から5の間のpI単位高い値に増大する、請求項1から6のいずれか一項に記載の改変BoNT/A
  8. 少なくとも3つのアミノ酸置換を含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の改変BoNT/A
  9. 4箇所から40箇所の間のアミノ酸置換を含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の改変BoNT/A。
  10. 請求項1から9のいずれか一項に記載の改変BoNT/Aをコードする核酸配列を含む、核酸。
  11. 軽鎖及び重鎖を有する単鎖改変BoNT/Aタンパク質を生産する方法であって、請求項10に記載の核酸を、適した宿主細胞中で発現させることと、宿主細胞を溶解して、単鎖改変BoNT/Aタンパク質を含有する宿主細胞ホモジネートを提供することと、単鎖改変BoNT/Aタンパク質を単離することとを含む、方法。
  12. 改変BoNT/A生産する方法であって、請求項11に記載の方法によって得られる単鎖改変BoNT/Aタンパク質を提供することと、当該単鎖改変BoNT/Aタンパク質を、当該単鎖改変BoNT/Aタンパク質を軽鎖と重鎖の間に位置する認識部位(切断部位)で切断するプロテアーゼと接触させることと、当該単鎖改変BoNT/Aタンパク質を、軽鎖及び重鎖がジスルフィド結合によって一緒に連結している活性化二本鎖ポリペプチドに変換することとを含む、方法。
  13. 請求項1から9のいずれか一項に記載の改変BoNT/A又は請求項12に記載の方法によって得られる改変BoNT/Aを含む医薬。
  14. 斜視(strabismus)、眼瞼痙攣、斜視(squint)、ジストニア、痙性ジストニア、顎口腔ジストニア、限局性ジストニア、遅発性ジストニア、喉頭ジストニア、四肢ジストニア、頸部ジストニア、頚、痙性斜頚、細胞/筋肉を無能力にすること(SNARE下方制御又は不活性化による)から恩恵を受ける美容療法(美容)適用、眼球運動の神経筋障害又は態、共同性斜視(concomitant strabismus)、上下斜視(vertical strabismus)、外直筋麻痺、眼振、甲状腺異常筋疾患、書痙、眼瞼痙攣、歯ぎしり、ウィルソン病、振戦、チック、分節性ミオクロヌス、痙攣、慢性多発性硬化症による痙縮、異常な膀胱制御をもたらす痙縮、憎悪、背中の痙攣、脚の痙攣、緊張性頭痛、挙筋骨盤症候群、二分脊椎症、遅発性ジスキネジア、パーキンソン病、吃音、片側顔面痙攣、眼瞼障害、脳性麻痺、限局性痙縮、痙性大腸炎、神経性膀胱、アニスムス、四肢痙縮、チック、振戦、歯ぎしり、裂肛、アカラシア、嚥下障害、流涙、多汗症、過剰な唾液分泌、過剰な胃腸分泌、筋肉疼痛、筋肉痙攣からの疼痛、頭痛疼痛、緊張性頭痛、額の深いしわ、皮膚の細かいしわ、癌、子宮障害、泌尿生殖器障害、泌尿生殖器神経疾患、慢性神経性炎症及び平滑筋障害から選択される疾患又は状態の予防又は治療において使用するための、請求項1から9のいずれか一項に記載の改変BoNT/A又は請求項12に記載の方法によって得られる改変BoNT/Aを含む医薬。
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