定義:
リプレイ(Replay)とは、パチスロ(回胴式遊技機)において、次のプレイがベットを行わずに遊技可能となる絵柄の組み合わせのことをいう。パチスロの検定規則(遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則)上の呼称は再遊技(さいゆうぎ)である。また、請求項で用いる「リプレイ役」は、複数のリプレイ役1〜リプレイ役nが同時に内部当選するグループリプレイ役の場合もあり、その何れか一つのリプレイ役が最優先で(ボーナス役)よりも優先的に)作動するようになっている。すなわち、「再遊技」とは、遊技メダル等の投入(貯留装置に係るボタンその他の装置の操作により遊技メダルを遊技の用に供することを含む。)をすることによらずに行うことができる遊技をいう。
「作動」とは、再遊技に係る図柄又は役物連続作動装置等に係る図柄の組合せが、有効ライン上に表示された状態を含んだ文言であり、遊技媒体が払出される小役における「入賞」と同義である。従って、本明細書では、再遊技の「入賞」やボーナス役の「入賞」と便宜的に使用することもある。
基本実施例:
本発明に係る遊技機等の一例として、メダルを遊技媒体とする回胴式遊技機を取り上げるが、この実施例は回胴式遊技機の基本構成及び基本動作を詳細に説明するものである。
図1は、回胴式遊技機の正面模式図(図1(A)は全体図、図1(B)は部分拡大図)である。図2は、回胴式遊技機の内部構造模式図及びクレジット投入のタイミングチャートである。
1は、一般に「パチスロ機」と称される回胴式遊技機本体であり、回転ドラム(リールドラム部2)を内蔵する筐体1a(図2参照)と前扉1bに大別される。
前扉1bは、回胴式遊技機の顔とも言うべき主要部であり、高級感を出すために各種のメッキを樹脂素材に付加することにより、外観に華やかさや重厚感が与えられる。前扉1bの前面には、上下2枚の透明パネル22が嵌めこまれており、各種のデザインが施され
る。
上透明パネル22aの後方には、ゲーム状況に応じて各種演出を行う表示演出装置11(又は、映像ディスプレイ装置、液晶表示装置等)がビス止め固定される。下透明パネル22bには、デザインシート22cが貼りつけられることにより、窓部3(図柄表示窓)が形成される。下透明パネル22bの下部22d(図1(A)破線部参照)には、表示LEDブロック4(発光表示装置4。図1(B)参照)が取り付けられる。表示LEDブロック4は、後述する表示LED群で構成される。
4aは、投入枚数LEDであり、遊技を行うためにメダル投入部5から又はマックスベットボタン8や1ベットボタン(図示せず)によって投入された遊技メダル又はクレジットの枚数を表示する。
4bは、メダル貯留枚数表示LEDであり、遊技メダルのクレジット数(貯留枚数)を例えば所定最大数50枚の範囲で表示する。また、貯留メダルの精算時における払い出し演出表示を行う。
4cは、メダル払出枚数表示LEDであり、入賞時に払出メダルの枚数を表示する。また、出玉率の段階設定値及び打止め中やエラー発生時のエラーコードを表示する。更に、遊技中における指示モニターとしての機能があり、後述する停止ボタン部10の操作順序の情報に対応した数値を表示する。例えば、指示モニターLED4hの表示が無い場合又は0の場合は押し順の指示なし、1の場合は左停止ボタン10aの押下を指示、2の場合は中停止ボタン10bの押下を指示、3の場合は右停止ボタン10cの押下を指示、4の場合は左停止ボタン10a又は中停止ボタン10bの押下を指示、5の場合は左停止ボタン10a又は右停止ボタン10cの押下を指示、6の場合は中停止ボタン10b又は右停止ボタン10cの押下を指示となる。この表示制御は、主制御部100が実行する。スライド式の切換スイッチがあり(図示せず)、遊技者の操作(又は、ホール側の操作)により、有利区間表示と指示モニターによる報知機能のONとOFFを切り換えることが可能である。主制御部100は、切換スイッチがON状態で有利区間表示と指示モニターによる報知機能を働かせるが、OFF状態では報知をしないようになっている。
また、指示モニターLED4hの表示として、0の場合は押し順の指示は無し、1の場合は左中右の順で押下を指示、2の場合は左右中の順で押下を指示、3の場合は中左右の順で押下を指示、4の場合は中右左の順で押下を指示、5の場合は右左中の順で押下を指示、6の場合は右中左の順で押下を指示とすることも可能である(後に詳細説明)。
4dは、メダル投入表示LEDであり、遊技メダルの投入可能時に点灯する。
4eは、リプレイ表示LEDであり、変動表示ゲームにおいてリプレイ図柄が表示されてリプレイが作動すると点灯する。
4fは、打止め及びエラー表示LEDであり、打止め時及び重大なトラブル(例えば、ドアオープン以外のトラブル)が発生した場合に点灯する。
4gは、有利区間表示LEDであり、ドラム部2の停止操作順序や押下位置を指示する機能(以下、「指示機能」という)が発動した場合や、疑似ボーナスが当選する確率が通常遊技よりも高い状態に移行した場合に点灯する。従って、有利区間表示LED4gが点灯しても、疑似ボーナスが当選したとは限らない。なお、有利区間表示LED4gを別途設けることなく、メダル貯留枚数表示LED4bやメダル払出枚数表示LED4cの7セグの右下に一般的に設けられているドットLED(図示せず)を利用してもよいし、更には、有利区間表示LED4gを新たに設けずに、打止め及びエラー表示LED4fにこの機能を持たせてもよい。
2は、筐体1aに内蔵されているドラム部(リールドラムユニット)であり、左ドラム2a、中ドラム2b及び右ドラム2cの3つのドラム及びモータや電気回路などで構成される。それぞれの各ドラムの内部には、回胴部図柄表示LED(図示せず)が設けられており、各種演出に応じて発光(点灯や点滅)又は消灯するようになっている。つまり、各ドラムが一列に上から下へ複数の図柄を表示する図柄列であり、この場合には、3つの図柄列(複数列)を変動させる変動表示ゲームを開始するようになっている。なお、各ドラムに替えて、液晶表示装置などを用いて図柄を表示する場合も、複数個の図柄が配置された図柄列を変動させる変動表示ゲームである。ドラム部2の外周に貼り付けられているリールテープ上の図柄が、透明な窓部3を通して目視できるようになっている。
5は、メダル投入部であり、変動表示ゲームを開始させるために必要な遊技メダル(遊技媒体であり、「コイン」や単に「メダル」という場合もある。)を投入するメダル投入口が設けられている。なお、メダル投入部5の両サイドには左光透過部5a及び右光透過部5bが設けられており、下側左右に取り付けられた複数の光源(例えば、LED)からの光によって、メダルが投入不能な場合には赤色(第一の色)で、一方、メダルが投入可能であって遊技用に加算表示されるときには青色(第二の色)で、メダル貯留装置に加算表示されるときには緑色(第三の色)で点灯する。但し、メダルが投入不能な場合には、消灯としてもよい。
メダル投入口から投入されたメダルは、メダル選別装置(又は、「セレクター」とも言う。図示せず)によってカウントされ、正常に投入されたメダルの数を加算して表示LEDブロック4の投入枚数LED4a又はメダル貯留枚数表示LED4bに表示するようになっている。
6は、精算ボタンであり、メダル貯留装置(図示せず)の起動と解除、及び投入メダルと貯留メダル(クレジット)の払出し精算時に操作される。
7は、十字キーであり、上下左右に配置された4つのスイッチ及び中央部の決定ボタンで構成されている。上と下または左と右のスイッチが同時に押せないようになっている。上下左右操作や決定操作により遊技の履歴情報を見たり、役の組み合わせ図柄表や配当表を表示演出装置11に表示する際に操作される。十字キー7の近傍に1ベットボタン(図示せず)が設けられており、遊技を行うためにメダル貯留装置の貯留メダルを1枚投入するときに使用する。なお、1ベットボタンを設けない場合もある。
8は、マックスベットボタン(MAXベットボタン又は投入スイッチ)であり、遊技を行うためにメダル貯留装置の貯留メダルを最大数である3枚投入するときや、ボーナスゲーム時など遊技状態に応じて規定された最大投入枚数(1枚〜3枚)を投入するときに使用する。なお、マックスベットボタン8の内部には、LEDが設けられており、マックスベットボタン8が操作可能な状態のときに点灯するようになっている。
9は、スタートレバー(回胴回転始動装置の一部)であり、遊技を行うために必要な所定数の遊技メダルを投入後、ドラム部2を一斉に回転(始動)させるときに使用する。スタートレバー9の周囲には、遊技開始表示LEDが設けられており、スタート操作が可能な状態のときに点灯するようになっている。また、スタートレバー9は、出玉率の段階設定を行う場合、段階値1〜6(又は、1,3,5,7の4段階跳び番号など)の中から、選択された所望の設定値を確定させるときに使用する。
10は、停止ボタン部(同義の名称として、「停止スイッチ」ともいう。)であり、回転しているドラム部2を停止させるときに使用する。この停止ボタン部10は、左停止ボタン10a、中停止ボタン10b及び右停止ボタン10cの3つのボタン群(なお、4リールでは4つとなる。)で構成され、ドラム部2が回転中に停止ボタン部10を操作することにより、それぞれのボタンに対応する左ドラム2a、中ドラム2b及び右ドラム2cを停止させることができる。なお、左ドラム2a、中ドラム2b及び右ドラム2cの3つのドラムの回転が所定速度(約80回転/分)に達して、停止ボタン部10が操作可能になった時には、停止ボタン10a、停止ボタン10b及び停止ボタン10cに内蔵されているLEDが点灯するようになっている。また、左停止ボタン10a、中停止ボタン10b及び右停止ボタン10cを3つの方向入力手段として用いる場合には、それぞれ順に左方向、上方向、右方向入力に対応させることができる。
11は、LCD(液晶ディスプレイ)、PDP(プラズマ・ディスプレイ・パネル)又は有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)などのFPD(フラット・パネル・ディスプレイ)からなる表示演出装置であり、回胴遊技に関する各種映像演出や所要の情報の告知等が行えるようになっている。なお、専用眼鏡を使用するか否かに拘わらず、最近では立体表示可能な表示演出装置が安価に製造されるようになっており、テンパイ状態(リーチ状態)や大当り状態で7図柄等の演出映像が飛び出す3D表示装置を採用した遊技機が主流となりつつある。
表示演出装置11の左右は、機種仕様に合わせて各種ギミック(駆動役物)が設けられる領域であり、例えば右横にはピストル役物50と、左横にはルーレット役物51が配置される。
12は、スピーカ部であり、左上スピーカ12a、右上スピーカ12b、左下スピーカ12c及び右下スピーカ12dの4つのスピーカで構成され、各種演出に応じた効果音や段階設定値の変更中、又は前扉1bが開いている状態やトラブル発生時に警告音を発生する。なお、重大なトラブル(セレクターエラー、ホッパーエラーやRAMエラー。但し、ドアオープンは含まない。)が発生した場合には、警告音と共にエラー表示LED4fが点灯する。
13は、遊技状態表示LED部であり、表示演出装置11の上部に設けられた上部状態表示LED13a(トップランプともいう)及び両側面に設けられた左上状態表示LED13bと右上状態表示LED13c、左中状態表示LED13dと右中状態表示LED13e、及び左下状態表示LED13f、右下状態表示LED13gと中下状態表示LED13hで構成され、各種の光演出を効果的に行うことができる。また、段階設定値の変更中又は前扉1bが開いている状態やトラブル発生時において、警告表示として点滅を繰り返す。
この遊技状態表示LED部13(13a〜13h)は、前扉1bの外周を略一周するように配置されているので、遊技者に対して、カラフルな光が途切れることなく、外周淵部をグルグル回るような光演出を効果的に行うことが可能となる。特に、前扉1bの上部中央位置(遊技機本体前面の上部中央位置)に設けられた上部状態表示LED13aは、トップランプと称されており、内部当選又は入賞したレア小役に対応する固有の色で発光して、遊技者に入賞役などを報知して期待感を煽る光演出の中心的役割を成している。
14は、スペシャルボタンであり、表示演出装置11に表示される各種ゲームやその映像演出に応じて要求される情報(例えば、パワーレベルゲージの上昇、ボーナス成立図柄の表示、戦闘機の機銃操作や爆弾投下又は登場人物の移動方向やパワーアップ等の入力情報)を、遊技者自身による1回操作又は連打して入力する。なお、このスペシャルボタン14によって入力される情報は、後述する副基板(サブブロック)に与えられ、あくまで各種映像や音響演出にのみ用いられるものであるから、遊技の結果に影響を及ぼすものではない。
15は、受け皿であり、メダル払出装置18(図2参照)から払い出された遊技メダルがメダル払出口16より排出され、その数量として数百枚程度まで受けることができる。
19は、ドア鍵穴であり、ドアキーにより回胴式遊技機本体1の前扉1bを開けるときや、打ち止め状態(メダル式遊技の為の操作を不能にした状態)の解除及びエラーによる遊技中止の解除の際に使用される。
20は、返却ボタン(正式には、「投入メダル詰まり返却ボタン」と言う)であり、メダル投入部5に投入された遊技メダルが通過する遊技メダルセレクター(図示せず)に詰まった遊技メダルをメダル払出口16から返却する時に使用する。
ここで図2を参照し、回胴式遊技機本体1の筐体1aの中央部には、ドラム部2とその下にメダル払出装置18(メダルホッパー18)が配置されている。
筐体1aの右上部には反射板17が設けられ、前扉1bの対応位置にはフォトセンサが設けられており、前扉1bが閉じた状態では、フォトセンサから出射されたLED光が反射板17によって反射され、フォトトランジスタによって検出される一方、開いた状態では、反射光が検出されないので、前扉1bの開閉状態を検知することができる。
21は、電源部であり、電源スイッチ21cをオン状態にすると、各回路ブロックに電源が供給され、初期チェックや初期設定の後、変動表示ゲームを行うことができるようになる。
21aは、設定用キースイッチ(設定変更許可スイッチともいう)であり、出玉率の段階設定操作や段階設定値の確認を行うときに使用する。操作キーを鍵穴21dに差し込んで回転させることにより、OFFからONの状態又は逆のONからOFFの状態にすることができる。
21bは、エラー解除スイッチであり、出玉率の段階設定を行う時やエラーによる遊技の中止を解除する時に使用する。出玉率の段階設定値は、メダル払出枚数表示LED4cによって表示され、エラー解除スイッチ21bを押すたびに値が+1されて、「6」表示の次には「1」に戻り、ターンアラウンド表示する。
21eは、確認スイッチであり、実ボーナス(BB、RB)、アシスト機能が発動するAT、ARTや疑似ボーナス、チャンスゾーン等、遊技者にとって有利な有利区間の遊技比率(遊技割合)を、メダル貯留枚数表示LED4b又はメダル払出枚数表示LED4cの何れか一方に表示させる時に使用する。
図3は、回胴式遊技機の制御回路系のブロック図である。
制御回路系は、メインブロック(主基板:破線で囲っていない部分)及びサブブロック(副基板:破線で囲った部分)とに大別され、メインブロックは遊技結果や遊技進行に関する制御を行うのに対して、サブブロックは遊技経過や内部抽せん結果の告知・表示など遊技者の関心や興味を惹く様々な演出に関する制御を司る。なお、サブブロックは、メインブロックが管理するアシスト機能の発動時において、小役入賞(入賞させることを目的とする小役の入賞)又は転落リプレイ回避の停止操作手順(停止ボタン部10の操作順序や操作タイミング)を告知する。
100は、主制御部であり、CPUを内蔵したマイクロプロセッサを搭載した一体型のワンチップマイコン(例えば、エルイーテック社製のLEM50A−P)であり、所定のデータテーブル領域や装置全体の制御手順を記述した制御プログラムを記憶するROM101と、カウンタやレジスタ等が形成され制御に必要な情報を一時的に記憶するRAM102(RWM:リライタブルメモリともいう。また、内蔵だけではなく、外付けRAMも含む。)、各種レジスタ、カウンタ等が設けられている。このRAM102は、後述するように、電源スイッチ28cをオフ状態にしても又は電源コードを抜いても、電源コネクタを経由して常時供給されるRAMバックアップ用電源(主基板の電源コンデンサー)によって、記憶する全ての制御データは保持されるが、電源コネクタそのものが抜かれた場合には、電力が全く供給されなくなるので制御データは消去(オールクリア又は0にリセット)又は無意味な情報(不定情報)となる。
主制御部100には、I/0ポート(図示せず)やデータバスを介して、スタートSWセンサ110(スタート・スイッチ・センサ110)、3つの停止ボタンセンサ120、メダル検出センサ130、ベットボタンセンサ140、段階設定部150及び払出センサ18aが接続されており、主制御部100はこれらからの入力信号を受信可能に構成されている。
また、主制御部100には、I/0ポート(図示せず)やデータバスを介して、ドラム部2、メダル払出装置18、表示LEDブロック4及び外部集中端子板170が接続されており、主制御部100は入出力信号の送受信によって、これらの各種装置を制御可能に構成されている。外部集中端子板170から8つの外部集中端子板信号が出力され、その仕様としては、出力端子1がメダル投入信号、出力端子2がメダル払出信号、出力端子3が外部信号1(RB)、出力端子4が外部信号2(BB)、出力端子5が外部信号3(未使用)、出力端子6がリレーコモン、出力端子7が外部信号4(ART中信号)、出力端子8が外部信号5(エラー信号)となっている。
主制御部100は、この外部集中端子板170から、パチスロ店等において遊技機の稼働状況を集計管理する為に必要な情報を出力するが、外部集中端子板170から如何なる情報も受信することはない。主制御部100が外部へ出力する信号は、メダル投入信号、メダル払出信号、外部出力信号1(例えば、RBB信号)、外部出力信号2(例えば、ART中信号)、外部出力信号3(例えば、未使用又は、2種BB信号)、リレーコモン、外部出力信号4(例えば、各種エラーが発生したことを示すエラー信号)、及び外部出力信号5(例えば、ドア解放エラー信号)である。特に、RBB信号は実ボーナス役(実際のボーナス役)である一方、ART中信号は、アシスト情報が報知される特別役であるアシストボーナス役(「第3のボーナス役」と呼ばれている)としてホールコンピュータ(外部装置1)が集計管理するだけではなく、パチスロ機の上部付近に設置されているデータカウンタ(外部装置2)にも出力されて、遊技者にパチスロ遊技における主要情報(遊技回数、BB回数、ART回数、出玉情報等)を表示する為に利用される。なお、機種仕様によって、外部出力信号が意味する内容は適宜変更できる。
この主制御部100は、遊技者のスタートレバー9の操作に伴って、内蔵する乱数発生部103で継続して発生させている乱数(0〜65535の値)の1つを抽出することにより内部抽選を実行し、複数個(通常は、20個又は21個)の図柄が描かれた3列(複数列)の図柄列であるドラム部2(左ドラム2a、中ドラム2b及び右ドラム2c)を回転させることにより図柄変動表示ゲームを開始する。例えば、この乱数抽選でベル、チェリー、スイカ又はプラム等の配当のある小役の何れかが内部当選(又は、複数の小役が同時に内部当選)し、遊技者が停止ボタン部10の停止操作を行うと、主制御部100は操作順に従ってドラム部2を、抽選結果と停止操作タイミングに基づく所定位置に個々に停止させる。その結果、窓部3に設定される有効ライン上のいずれかに、所定の図柄が並んで表示されれば入賞となる。但し、有効ラインは5つに限らず、メダルの投入枚数に応じて変わったり、設計仕様や遊技状態に応じて適宜1又は複数に増減される。
主制御部100は、実行した総遊技回数、及び疑似ボーナスなどの遊技者にとって有利な有利区間の遊技数をRAM102に記憶しており、前扉1bを開けた状態で確認スイッチ21eが操作された場合に、(総遊技回数)分の(有利区間の遊技数)×100を算出して、メダル貯留枚数表示LED4b又はメダル払出枚数表示LED4cの何れか一方に表示する。例えば、総遊技回数が12345ゲームで、有利区間の遊技数が8000ゲームとすると、有利区間の遊技比率は、約64.803パーセントとなるが、下一桁目を四捨五入して「65」と数字を点灯させて表示する。
主制御部100には、I/0ポート(図示せず)やデータバスを介して、副制御部160が接続されており、サブブロックの各種制御に必要な制御データ(例えば、コイン投入データ、抽選結果や当選状況データ、段階設定値データ、段階設定部150のスイッチ操作状態を示すデータなど)を副制御部160に出力する。
この副制御部160は、主制御部100と同様に、CPUを内蔵したマイクロプロセッサを搭載する一体型のワンチップマイコンであり、サブブロック全体の制御手順を記述した制御プログラムを記憶するROM161と、カウンタ、タイマーやレジスタ等が形成され、主制御部100から受信した制御に必要な情報を一時的に記憶するRAM162などが設けられている。このROM161には、複数のBGM(バック・グランド・ミュージック)データが記憶されており、特にボーナスゲーム中において、遊技者の気持ちを高揚させる為に、特別にアレンジされたBGMが演出場面に応じて適宜選択及び演奏される。なお、主制御部100と副制御部160を別個に設ける必要はなく、1つの制御部とすることも可能であるが、ROM101の容量が制限されているので、一般に副制御部160が設けられている。
副制御部160には、I/0ポート(図示せず)やデータバスを介して、表示演出装置11(表示演出制御部11bを含む)、スピーカ部12、遊技状態表示LED部13、十字キーセンサ111、スペシャルボタンセンサ112及び扉異常信号出力装置113が接続されており、副制御部160はこれら各装置からの入力信号を受け付けたり、必要なデータや信号を出力して各種制御を行うことが可能である。
副制御部160は、スタートレバー9の開始操作に伴って、主制御部100が抽出した乱数を用いて内部抽選を実行し、大当り、再遊技、各種小役又はハズレの結果通知を受信すると、遊技者に抽選結果を通知する以前に、表示演出装置11やスピーカ部12、遊技状態表示LED部13に演出を実行させるか否かの演出抽選を行う。副制御部160は、演出抽選で当選すると、後述するROM11c(図13参照)に記憶する複数の演出映像の中から、表示する演出映像を選択して表示パネル11eに出力する。
特に、副制御部160は、後述するように、ARTボーナス遊技中に、押し順小役(第一小役及び複数個の押し順規定小役中の複数一部)が内部当選した場合、当選中の第一小役図柄(例えば、ベル図柄)を有効ライン上に揃えるためのアシスト情報(補助情報)を表示演出装置11に表示する。これにより遊技者は、第一小役を容易に入賞させることが可能になる。但し、このARTボーナス遊技は、主制御部100の制御によって管理されており、副制御部160は主制御部100の指示によりアシスト情報を表示するだけである。つまり、副制御部160は出玉性能に関与しない。
十字キーセンサ111は、十字キーが操作されることにより、上下左右の4方向に対応する方向信号及び中央部の決定ボタン操作信号を出力し、副制御部160はこの方向信号を受信して、方向信号に応じた各種映像演出や当選告知等を表示演出装置11に表示し、更にスピーカ部12から効果音を発生させる。また、副制御部160は、十字キーセンサ111からの信号に基づき、役の組み合わせ図柄、小役表や配当表を表示演出装置11に表示する。
スペシャルボタンセンサ112は、スペシャルボタン14が操作された時に、ON信号(例えば、HIGH信号)を、離した時にOFF信号(例えば、LOW信号)を出力し、副制御部160はこのON信号を受信したタイミングやパルスを受信した回数(連打と呼ばれている。)に応じて、各種ゲーム及びその映像演出や当選告知等を表示演出装置11に表示する。
扉異常信号出力装置113は、扉の開閉状態を検出して副制御部160に制御信号を出力する装置であり、主電源がONの状態においては前扉1bの開閉に応じてON/OFF信号を出力する一方、主電源がOFFの状態においては副電源(バックアップ電池)から供給される電力によって駆動され、主電源断時の前扉1bの異常開閉を検出及び記憶し、その後、主電源がONとなった場合でも、主電源OFF時の異常開閉を副制御部160に通知する。これにより副制御部160は、前扉1bが閉まっていて全く異常がないように見えても、主電源が入れられた時に警告音を発生させるので、遊技ホールの管理者は異常事態を認識し、遊技機のチェックや点検等の適切な処置を施すことができる。
メダル検出センサ130は、メダル通過センサと近接センサ(図示せず)で構成され、メダル投入口5から投入されたメダル数に応じた数のパルス信号を出力する。主制御部100は、このパルス信号を受信し、及びパルス信号の立ち上りや立ち下りにおけるカウンター論理演算処理を実行して、表示LEDブロック4中の投入枚数LED4a又はメダル貯留枚数表示LED4bにパルス数に応じた数だけ増加した投入枚数又はクレジット数を表示させるように制御する。
ベットボタン検出センサ140は、通常では1ベットボタンの操作に応じてパルス信号を出力する1ベットボタン検出センサ140a、及びマックスベットボタン8の操作に応じてパルス信号を出力するマックスベットボタン検出センサ140bの2つで構成され、主制御部100の2つのポートへ別々に接続されている(詳細図示せず)。主制御部100は、得られたパルス信号に対応するように投入枚数LED4aの枚数表示を制御する。但し、最近では1ベットボタンが設けられていない機種が多数なので、マックスベットボタン8だけが設けられていると仮定する。
ここで図2(B)を参照し、投入可能枚数が最大の3枚(第1枚数)、又は最大未満の枚数(第2枚数:1枚又は2枚。つまり、第2の枚数は第1の枚数より少ない)の何れでも遊技可能な状態とする。主制御部100は、最大枚数又は最大未満の枚数で遊技可能な状態において、マックスベットボタン8がON操作されることによって、マックスベットボタン検出センサ140bから出力されるパルス信号の立ち上がりエッジを検出すると、0.8秒タイマーをスタートさせて計時を開始する。主制御部100は、マックスベットボタン8がOFF操作されることによって、マックスベットボタン検出センサ140bから出力されるパルス信号の立ち下がりエッジを検出すると、所定時間の0.8秒が経過していなければ、所定時間に満たない短時間操作なので最大枚数の3枚を投入する(図2(B)左側図参照)。その一方、パルス信号の立ち下がりエッジを検出した場合、所定時間の0.8秒が経過していれば、所定時間を超える長時間操作なので最大未満の枚数(1枚又は2枚)を投入する(図2(B)右側図参照)。
また、遊技者が所定数のメダルを投入後、スタートレバー9を正規に操作すると、スタートSWセンサ110はスタート信号を出力し、主制御部100はこのスタート信号の受信を契機として乱数抽選等を行って変動表示ゲームを開始するとともに、ドラム部2に駆動パルス信号を出力するようになっている。なお、この1回のスタートレバー9の操作によって行われる遊技が1ゲームの変動表示ゲームとなっており、遊技者はボーナスゲーム(ビッグボーナス又はレギュラーボーナス)を獲得してメダルを増やすことを目的に遊技を繰り返す。なお、ボーナスゲームとは、例えば第一種特別役物(RB)、第一種特別役物連続作動(RBB)又は第二種特別役物連続作動(CBB)を意味する。
そして、主制御部100は、変動表示ゲーム中に停止ボタン10a、10b及び10cが操作されると、対応する回転ドラムの回転を個々に停止させ、所定の入賞役が成立(各回転ドラムの図柄が予め定めた所定の組み合わせで表示されると入賞となる。)してメダルの払い出しを行う場合、その払出し枚数を表示LEDブロック4中のメダル払出枚数表示LED4cに表示して、これをクレジット数に加えてメダル貯留枚数表示LED4bに表示させる。なお、精算ボタン6によって払い出し操作が行われた場合やクレジット数が例えば最大数の50枚を超えた場合には、主制御部100はメダル払出装置18を駆動制御し、必要数のメダルをメダル払出口16から排出させて受け皿15に蓄積する。
さらに、主制御部100は、再遊技や小役、特にボーナスが内部当選した場合には、副制御部160に内部当選等に関する制御データ(イベントデータ)を出力する。そして、副制御部160は、主制御部100から制御データを受け取ると、遊技状態表示LED部13の点灯制御、スピーカ部12から効果音を発生させるための音声合成LSI(図示せず)の制御、及び表示演出装置11の表示画面内におけるキャラクタや背景映像の表示制御等の各種演出動作を行うように構成されている。
150は、段階設定部であり、図20で後述する出玉率の段階設定操作を行うことにより、ホール側は、イベントや新装オープンでのメダル大量放出や収益改善のための回収状況に応じて、段階値1〜6(又は、飛び番号の1,3,5,7等)の中から所望の設定値を選択することができる。
主制御部100には、打ち止め設定部(図示せず)が接続されておりであり、オン(又は「1」)であれば、ボーナスゲームが終了後、投入枚数LED4a及びメダル貯留枚数表示LED4bに表示しているメダルの合計を強制的に払い出し、変動表示ゲームを行う為の操作を不能状態(打ち止め状態)にして、スピーカ部12から警告音を発生させる。なお、最近では、この打ち止め設定部を設けないスロットマシンも多数ある。
図4は、ドラム部を制御する制御回路系のブロック図である。
ドラム部2は、左ドラム2a、中ドラム2b及び右ドラム2cの3つのドラムを回転制御するためのステップモータ30a、30b及び30cを備えており、主制御部100からの駆動パルス信号に応答して各ステップモータ30a、30b及び30cが駆動され、駆動パルス信号を何れかの2相に同時に供給し続けると、吸引力が発生して急停止するようになっている。なお、実際には、ドラム部2を所定位置に滑らかに停止させる為の、より細かな停止制御が行われる。
このステップモータ30a、30b及び30cは、4相1−2励磁方式でステップ数が252ステップ/回転(1.43度/ステップ)であり、主制御部100が駆動パルス信号を504パルス入力すると丁度1回転する。主制御部100は、各ドラムに1つ設けられたフォトインタラプタからなる回胴センサ31a、31b及び31cから、それぞれのインデックス信号(基準信号又は基準位置信号)が1パルス返ってくるので、各ドラムの基準位置を正確に把握することができる。つまり、1つの入力パルスによる分解能は0.714(度/パルス)ということである。なお、更に分解能を上げる場合には、入力パルスから次の入力パルスまでの時間と回転速度を管理することにより回転位置を細かく把握できる。
図5は、ドラム部の構成ブロック図である。
ステップモータ30a(図示せず)、30b(図示せず)及び30cの各回転軸には、厚肉の円盤状回転体である左ドラム2a、中ドラム2b及び右ドラム2cの中心部がそれぞれ連結されており、図示した矢印の方向(即ち、上から下方向)に回転する。また、各ドラムの外周部には複数種類の図柄が配置された左回胴帯32a、中回胴帯32b及び右回胴帯32cが貼り付けられており、変動表示ゲームにおいて同一図柄(予め決められた所定図柄)が有効ライン上に並んで窓部3に表示されれば役が成立(入賞又は作動)となる。なお、同図の星マーク、+マーク、プラムマーク(黒丸マーク)や三角マークは便宜的に示したものであり、実際とは異なっており、7図柄、バー図柄、ベル図柄、スイカ図柄やチェリー図柄等が一般に用いられる。また、一般に、回胴帯はリールテープと呼ばれている。
ステップモータ30a、30b及び30cのそれぞれに対して、回胴センサ31a、31b及び31c(図示せず。)が設けられており、ステップモータの1回転毎に各回胴センサからインデックス信号が1パルス返ってくるようになっている。主制御部100は、このインデックス信号と、出力した駆動パルス信号の数により、基準位置(例えば、窓部3の最下位置)にある図柄番号と回転角度(24分割/図柄)を常に把握(認識)している。
図6は、ドラムの図柄配置表である。
左ドラム2a、中ドラム2b及び右ドラム2cのそれぞれには、左ドラム図柄、中ドラム図柄及び右ドラム図柄が描かれた回胴帯(図示せず)が、各ドラムの外周部において一周するように張り付けられている。
各回胴帯には、例示したように、それぞれ異なった並びの図柄が21個描かれており、ボーナスが作動するビッグボーナス図柄の「赤7」、「青7」、「黄7」、「BAR」や各種小役入賞図柄のチェリー、スイカ、ベル、及び再遊技が作動するリプレイが付されている。なお、この図にはないが「捨て図柄」(ブランク図柄ともいう。)は有効ライン上に停止しても如何なる役をも構成せず、遊技者に目立たないように、例えば薄い灰色で丸の中に「N」が印刷されていることがある。つまり、捨て図柄は入賞に絡まない図柄である。
図7は、ドラム部の構成ブロック図であり、図7(A)及び図7(B)は右ドラム2cが引込制御される状態を時系列的に示している。
主制御部100は、変動表示ゲームのスタート信号を受信し、抽選結果が当選となって役が内部当選した場合には、有効ライン上にその役の図柄を可能な限り引き込む為の引込制御を行う。
例えば、ビッグボーナス役が内部当選し、停止した左ドラム2aと中ドラム2bの右斜め下の有効ライン上に図柄「7、7」が揃っている所謂リーチ状態(又はテンパイ状態)で、この有効ラインから4コマ上以内に図柄「7」が位置する場合(即ち、有効ライン上の図柄を含めて5コマ以内に位置する場合)、右停止ボタン10cが停止操作されたとき(図7(A)参照)、主制御部100は、図柄「7」を強制的に有効ライン上に引き込んで「7、7、7」の組み合せとなるように揃える引込制御を行う(図7(B)参照)。
一方、抽選によりいずれかの役が内部当選しているとしても、役に対応する所定の図柄が有効ライン上に表示されなければ遊技者に有利な状態とはならない。例えば、ビッグボーナスゲーム(BBゲーム)は、図7(B)のように表示されなければ作動しないようになっている。なお、この引込制御は、右ドラム2cだけではなく、左ドラム2aや中ドラム2bのいずれの図柄に対しても行うようになっている。主制御部100は、乱数抽選結果(内部当選やハズレ)に応じて、各ドラムの停止位置を決定する停止テーブルを参照して、事前に仮想停止操作図柄コマ位置に対する滑りコマ数を順次計算して、第一停止操作用の滑りコマ数テーブルを完成させる。そして、実際に停止ボタン部が停止操作された場合に、主制御部100は、基準位置にある図柄番号に対応する滑りコマ数だけ、該当するリールドラムを移動させ、その後に停止させるように停止制御を行う。つまり、第一停止操作位置は合計63コマ位置(21コマ×3リール)あり、その全てのコマ位置に対する滑りコマ数を、滑りコマ数テーブルとして事前に(停止操作が可能になる前に)作成するのである。
図7の例では、テンパイ状態において、右ドラム2cの図柄「7」が丁度4コマだけ上にあり、引込制御の対象となって有効ライン上に並ぶことになる。但し、この引込制御は4コマに限定されるものではなく、フリーズ演出のリール制御において、設計仕様又は法規制に適応させるように、引き込みコマ数をソフト制御で増減させることが可能である。なお、副制御部160は、一般遊技で乱数抽選結果が当選である場合、引込制御により所定の組み合わせで図柄が表示されるように、回転ドラムの回転を停止させる為の補助情報(操作順序や操作タイミングなどのアシスト情報:AT情報)を表示演出装置11や音声で通知するのである。
図8は、ドラム部の構成ブロック図であり、図8(A)及び図8(B)は右ドラム2cが回避制御(又は蹴飛ばし制御)される状態を時系列的に示している。
主制御部100は、変動表示ゲームのスタート信号を受信し、抽選結果がハズレとなって役が不成立の場合(全ての役が内部当選していない場合)には、有効ライン上に入賞又は作動役(ボーナス、小役、リプレイ)の図柄を揃えないための回避制御を行う。
例えば、ビッグボーナス役が内部当選しておらず、停止した左ドラム2aと中ドラム2bの右斜め下の有効ライン上に図柄「7、7」が揃っているリーチ状態(テンパイ状態)において、遊技者が「目押し」により、この有効ラインから1コマ以内に図柄「7」が位置する状態で、停止ボタン10cが操作されたとき(例えば、「ビタ押し」と呼ばれている。図8(A)参照)、主制御部100は、有効ライン上に「7、7、7」が揃わないように図柄「7」を少なくとも一つ先まで移動させて強制的にハズレとする回避制御を行う(図8(B)参照)。なお、この回避制御は、右ドラム2cだけではなく、左ドラム2aや中ドラム2bのいずれの図柄に対しても行っている。また、不当選の小役図柄が入賞しないように、回避制御を行うようになっている。これらの引込制御や回避制御(蹴飛し制御)は、主制御部100が内部当選状況に従った停止テーブルを参照して事前に作成した滑りコマ数テーブルに基づく停止制御や、必要に応じてプログラムによるコントロール制御にて行われる。
図9は、インデックス信号、図柄位置データ(コマデータ)、駆動パルス信号及び停止ボタンセンサ信号との関係を示すタイミングチャートである。
図9(A)は、各回胴センサ31a、31b及び31cから出力されるインデックス信号を示しており、T1が0.751秒(つまり、79.9回転/分)で一定となるように主制御部100により制御される。
図9(B)は回転ドラムの図柄位置データ及び図9(C)は駆動パルス信号を示している。
図柄位置データは駆動パルス信号を分周することにより生成され、駆動パルス信号が24パルス毎にデータが1減算される。つまり、インデックス信号を基準とし、そこから駆動パルス信号が1パルス〜24パルスの範囲で図柄位置データは「21」、駆動パルス信号が25パルス〜48パルスの範囲で図柄位置データは「20」、駆動パルス信号が49パルス〜72パルスの範囲で図柄位置データは「19」、…、駆動パルス信号が481パルス〜504パルスの範囲で図柄位置データは「1」となり、図柄位置データは21〜1をターンアラウンドする。つまり、図柄位置データは「1」の次に「21」に戻る。
駆動パルス信号は、回転ドラムを一定方向に回転させるためにモータコイルに入力される規定パターンの駆動パルスであり、図から分かるようにパターン0〜7の8つのパターン番号がある。この駆動パルス信号としてパターン番号0〜7をモータコイル1相〜4相に3度繰り返して加えると(つまり、24パルス入力すると)、1図柄(1コマ)分だけ回転ドラムが上から下へ回転する。
特に、ステップモータに入力する駆動パルスの入力パルス相データとは、回転ドラムを1コマ駆動させる0〜23の5ビットのデータであり、パターン番号0〜7はその下位3ビットの相データであって、パターン番号に対応する駆動パルスがモータコイル1相〜4相に実際に加わる。従って、ワークRAM(RAM102)にパターン番号のみを記憶した場合でも、入力パルス相データを記憶する相データ記憶手段に該当する。
図9(D)は、各停止ボタンが操作されたときに出力される停止ボタンセンサ信号を示
している。この図の場合には、主制御部100は、停止ボタンセンサ信号の立ち上がり時点において、図柄位置データ「11」及び入力パルス相データ「10」(又は、パターン番号「2」)を認識する。
図10は、ドラム部に含まれる左ドラム2aの模式図である。
図10(A)に示す通り、この左ドラム2aは矢印の方向(上から下方向)へ回転しており、実線で示した3つの窓部3の上段、中段又は下段の何れかにチェリー図柄(図6では下チリ図柄)が停止すると入賞となって、所定数の遊技メダルが払い出される。なお、図10(A)は、窓部3の上段にチェリー図柄が停止した状態を示している。
主制御部100は、遊技者により変動表示ゲームの開始操作が行われると、内部抽選を行い、その結果、上段チェリー(チェリー1)が当選した場合には、停止ボタンが操作された位置(タイミング)により、チェリー図柄の引込制御(図9参照)又は回避制御(図10参照)を行う。
図10(B)は、引込制御の可能な範囲を示しており、主制御部100は、チェリー図柄が上段丁度の位置からその4コマ上の位置において停止ボタン10aが操作されると、窓部3の上段にチェリー図柄を停止させる(ビタ図柄が上段位置にあると仮定)。なお、実際には停止までに約36ms必要なのでその分だけ上に位置するが、説明の都合上このように記している。また、停止操作から190ms以内に停止することが規定されているので、4コマ滑らない場合もある。図10(A)に示す1〜4、及びチェリー図柄と重なった0のデータが滑りコマ数を示しており、主制御部100は、当選役、停止制御テーブル及び得点情報に基づいて停止演算処理し、遊技者が何時どのタイミングで停止ボタン部10を操作しても直ちに停止制御できるように、滑りコマ数テーブルを作成する。
一方、図10(C)及び図10(D)は回避制御等が行われる範囲を示しており、主制御部100は、上段チェリーが当選した場合であっても、チェリー図柄が上段位置から4コマより上の位置(つまり、図10(A)の4よりも上の位置)又は上段位置を少しでも過ぎた位置において停止ボタン10aが操作されると、上段位置の一つ上又は下段位置の一つ下にチェリー図柄を停止させハズレとする。つまり、中段チェリー(チェリー2)又は下段チェリー(チェリー3)が当選していないので、チェリー図柄を強制的に窓部3の外に停止させなければならないのである。
図11は、左ドラム2a、窓部3及び図柄位置データとの関係を示す模式図である。
図11(A)及び図11(B)に示す通り、左ドラム2a上のチェリー図柄はコマ番号8及びコマ番号19であると仮定して(図6とは異なっている)、上段チェリーが内部当選している場合、窓部3の最下段位置を計測基準とすると、主制御部100は図柄位置データ「14」及び入力パルス相データ「0」〜図柄位置データ「11」及び入力パルス相データ「23」、又は、図柄位置データ「4」及び入力パルス相データ「0」〜図柄位置データ「1」及び入力パルス相データ「23」の範囲で停止ボタン10aが操作されるとチェリー図柄を上段に停止させて入賞とする。つまり、適当に停止ボタン10aを操作しても10/21の確率で入賞するだけではなく、当選告知を行うと熟練者であれば目押しを行って100%に近い確率で入賞させることができる。
図12は、図柄の組合せ表示判定図である。
主制御部100は、ドラム部2が3個すべて停止したときに、遊技メダルの投入枚数に応じた有効ライン上で入賞及び作動に係る図柄の組合せ表示判定を行う。一般に、遊技メダルを1枚投入すると有効ラインは第1ラインのみで、遊技メダルを2枚投入すると有効ラインは第1ライン、第2ライン及び第3ラインで、遊技メダルを3枚投入すると有効ラインは第1ライン〜第3ラインに加えて、第4ライン及び第5ラインの全てが有効化される。例えば、遊技メダルを3枚投入し、左ドラム2aの2枚払い出しのチェリー図柄が窓部3に表示された場合には、上段であれば4枚(2枚×2ライン:第2ライン及び第4ライン)、中段であれば2枚(2枚×1ライン:第1ライン)および下段であれば4枚(2枚×2ライン:第3ライン及び第5ライン)の遊技メダルを払い出す。ただし、この有効ラインは従来から採用されてきた一般的なものであり、後述するように最近では1ラインだけのものや変則ラインも多く存在する。なお、一度の払い出しの最大枚数は15枚である。
図13は、表示演出装置の構成ブロック図である。
表示演出装置11は、副制御部160から演出コマンドを受信したり、及び必要な情報を送信する送受信部11a、表示演出制御部11b(ROM11c及びRAM11dを含む)、及びLCDや有機EL、LED等の表示パネル11eとを備えている。なお、この図の場合、表示演出制御部11bにROM11cを別途設けているが、映像データの全てをROM161に記憶するようにしても問題はない。従って、ROM11cは、ROM161の一部と考えてよい。
図14は、演出パターンテーブルであり、演出コマンドとROMに格納されている演出パターンデータとの関係を対応付けている。
演出コマンドは、1バイト長のモードデータと1バイト長のイベントデータからなり、演出内容である演出パターンデータ(動画が主であるが、静止画もある。)とが対応付けて記憶されている。
副制御部160は、主制御部100から各種制御に必要な制御データ(特に、乱数抽選結果の大当り、小当り、再遊技又はハズレを示す各種データが含まれている。)を受信すると、乱数抽選の結果を通知する以前に、制御データに応じた適切な演出コマンドを表示演出装置11側に送信し、コマンド受信部11aがこの演出コマンドを受信して表示演出制御部11bに送信する。
表示演出制御部11bは、演出コマンドを受け取ると、演出コマンドに対応する演出パターンデータをROM11cから読み出してRAM11dにデータ展開し、表示パネル11eに送信することにより、演出コマンドに応じた演出画像を表示画面上に表示するように構成されている。
図15〜図17は、表示演出装置が表示する演出画面の模式図である。
副制御部160が、例えば演出コマンドとして($Z0$00)を送信すると、表示パネル11eは、疑似ボーナスのストックがない状態や疑似ボーナスが当選しにくい状態を主に示す低確率ステージの「昼の演出パターン0」を表示する(図15(A)参照)。その一方、副制御部160が演出コマンドとして($Y0$00)を送信すると、表示パネル11eは、疑似ボーナスのストックがある状態や疑似ボーナスが当選し易い高確率状態を示唆する高確率ステージの「夜の演出パターン0」を表示するようになっている(図15(B)参照)。従って、遊技者は、遊技中に高確率状態を主に示唆する「夜の演出ステージ」が表示されることを期待又は切望するのである。但し、疑似ボーナスのストックがない状態や非高確率状態でも「夜の演出ステージ」を表示するガセ演出や、その逆の疑似ボーナスのストックがある状態や高確率状態で「昼の演出ステージ」を表示することもある。なお、疑似ボーナスは、アシスト機能が発動する特別遊技であり、疑似ボーナスの放出によりアシストボーナスが開始する。
更に、副制御部160が演出コマンドとして($S0$00)を送信すると、表示パネル11eは「城の演出パターン0」に対応する画像である「ドラキュラ城」を、青空の背景画面に重ねて表示(図15(A)参照)したり、月夜の背景画面に重ねて表示(図17(B)参照)するようになっており、その後にドラキュラ城から黄色、赤色又は青色等のコウモリが飛び出してきて、成立した役(小役やリプレイ)に対応する告知画像を表示する(図15(C)参照)。
図15(B)の演出が多段階に発展した場合は、疑似ボーナスのストックがあり放出確率が高い状態や疑似ボーナス放出の期待が大きい又は確定した前兆演出となる。例えば、図16(A)は「ドラキュラ城」の外門が拡大表示されて、鉄門が開こうとしている状態である。そしてドラキュラ城に侵入して扉が拡大し(図16(B)参照)、扉が徐々に開かれ(図16(C)参照)、煌びやかな「ドラキュラ城」の内部が表示される(図16(D)参照)。その後に、主人公と吸血鬼ドラキュラ伯爵とのバトルへと発展して、主人公が勝利すれば、疑似ボーナスのストックがあり疑似ボーナスの放出確定や、実ボーナス内部が当選中で実ボーナス放出確定となる。
図17(A)(図15(B)と同じ)の夜の通常画面を表示している状態から、表示画面を左にスクロールし、墓地が拡大されてキャラクタの執事が「オリャー」という叫び声と「ティロロロローン」という効果音と共に、堀り起こされた画面中央の墓穴から主人公のキャラクタを登場させたり(図17(B)参照)、「大当たり」を意味する「BONUS」という文字を表示(図17(C)参照)させることにより、プレミア演出としてもよい。これらの表示演出も全て、主制御部100から制御コマンドやイベントデータを受信して、副制御部160がプログラムに従って演出コマンドを出力することにより実行される。
図18は、一般的な抽選テーブルの概念図である。
抽選テーブルは、ROM101の所定のエリアに格納されており、当選役と乱数抽選に使用する置数との関係を規定している。
本発明の回胴式遊技機の場合、主制御部100が乱数値を発生させる。この乱数値は周期的に0〜65535(m7)の全ての値を一周期(約6.5ms)に必ず一度だけランダムに発生するようになっている。図18(A)は、ハズレ確率が高い通常状態(初期状態又は非RT状態)で用いる抽選テーブルであり、スタートレバー9が操作されたタイミングに合わせて、主制御部100が内部抽選をしたときに、乱数値が0〜m1の範囲であればビッグボーナス(BB)が当選となる。即ち、この内部抽選とは、スタート操作時に乱数値を1つだけピックアップ(抽出)し、抽選テーブルと比較して、当選役を決定することである。
同様に、乱数値がm1+1〜m2の範囲でレギュラーボーナス(RB)、乱数値がm2+1〜m3の範囲でチェリー、乱数値がm3+1〜m4の範囲でスイカ、乱数値がm4+1〜m5の範囲でベル及び乱数値がm5+1〜m6の範囲でリプレイが当選となる一方、乱数値がm6+1〜m7の範囲でハズレとなる。
通常、これらのm1〜m7の数値は、法規制(風営法)やゲーム性を考慮して適宜設定されるのであるが、BB当選確率は「1/400」程度、RB当選確率は「1/300」程度、チェリー及びスイカの当選確率は「1/50」程度、ベルの当選確率は「1/6」程度及びリプレイの当選確率は1/7.3となっている。なお、BBやRBは、単独で当選するが、レア役と同時に当選することもある。
一方、図18(B)は、高確率再遊技状態(RT状態)で用いる抽選テーブルであり、リプレイタイムではリプレイの当選範囲がαだけ広がるのに対して、ハズレとなる範囲がαだけ狭くなることにより、リプレイの当選確率を「1/2」程度とする。これにより、3枚配当に相当するリプレイ当選の確率が大幅に上がる一方、ハズレとなる確率が下がるので、リプレイタイムにおいては結果的に遊技メダルの払い出し期待値が大幅に向上又は増大することになる。また、主制御部100が、このα値を増減させることにより、リプレイタイムの期待値を所望のものに設定できる。
抽選テーブルの詳細図は省略するが、出玉率の段階設定値1〜6及び投入メダル数(規定数)に対応した6つの抽選テーブル1、抽選テーブル2…抽選テーブル6があり、主制御部は段階設定部150により設定された段階設定値及び投入メダル数に応じて抽選テーブルを選択し、変動表示ゲームにおいてボーナスゲームや複数の小役の内部抽選を実行する。なお、内部抽選でボーナスゲームが当選する期待値は、一般に抽選テーブル1<抽選テーブル2<…<抽選テーブル6となっているので、遊技者は高設定台を追い求めるのである。但し、3枚専用機であれば、メダル数1枚の抽選テーブルは不要である。
図19は、図柄の組合せと獲得メダル枚数との関係を示した配当表である。
BB(ビッグボーナス)とは、「赤7」のBB図柄、「青7」のBB図柄、「黄7」のBB図柄が有効ライン上に揃った場合の役名であり、内部当選すると、対応するフラグエリアにフラグ1を立て、これらの図柄が揃うと獲得メダル数は0で、ビッグボーナスゲーム(BB1ゲーム〜BB3ゲーム:役物連続作動装置の作動)に突入し、359枚を超える払い出しで終了する。
RB(レギュラーボーナス)とは、「赤7」「赤7」「BAR」のRB図柄、「青7」「青7」「BAR」のRB図柄、「黄7」「黄7」「BAR」のRB図柄が有効ライン上に揃った場合の役名であり、内部当選すると、対応するフラグエリアにフラグ1を立て、この図柄が揃うと獲得メダル数は0で、レギュラーボーナスゲーム(RBゲーム:役物連続作動装置の作動)に突入し、119枚を超える払い出しで終了する。なお、これらの役物連続作動装置は、第一種特別役物又は第二種特別役物の何れでもよく、設計仕様に応じて適宜選択される。なお、後述するようにRT機という機種は、ボーナス役が当選して開始したボーナス遊技が終了したとき、再遊技役の当選確率が所定確率よりも高確率で当選する高確率遊技を、あらかじめ定められた回数実行可能になる。また、このRT機において、高確率遊技において特定の図柄が表示されたとき、再遊技役の当選確率が変動した高確率遊技を所定回数実行可能となるものもある。
チェリー図柄が左ドラムの有効ライン上に停止した場合には、有効ライン1本につき1枚のメダルが獲得される。例えば、有効ラインが図14の表示判定図であれば、左ドラムの中段に停止すれば1枚であるが、上段又は下段であれば有効ラインは2本となり、払い出しは合計2枚となる。スイカ図柄が有効ライン上に揃った場合には、5枚のメダルが獲得される。ベル図柄が有効ライン上に揃った場合には、8枚のメダルが獲得される。
リプレイ役が内部当選すると、対応するフラグエリアにフラグ1を立て、何れかのリプレイ作動図柄が有効ライン上に必ず揃う(リプレイ役の入賞ともいう)。リプレイ作動図柄が表示されると、メダルの獲得がない再遊技が作動し、遊技者のスタートレバー9の操作により再遊技を行ってフラグを下げる(即ち、0とする)。つまり、次回のゲームはメダルを投入することなく行うことができる。なお、フラグを下げるタイミングは任意である。
次に、上述の様に構成された回胴式遊技機の基本動作について、フローチャート等を参照して説明する。
まず、回胴式遊技機が工場出荷された状態では、デフォルトとして、出玉率の段階設定操作が行われた場合の警告モードは「オン状態」、打ち止め設定部180(打ち止め設定スイッチ)は「オフ」で、且つ段階設定値は最低の「1」が設定されているものと仮定する。
遊技ホール側は、遊技者にプレイさせる前に、回胴式遊技機本体1の前扉を開けて電源スイッチ28cをオン状態にすると、各回路ブロックに電源が供給され、主制御部100は後述するステップS100で初期チェック(ハードウェアの異常チェック等)や初期設定(例えば、打ち止め設定フラグ「1」、ROM101が記憶する段階設定値「1」及び制御データの初期値をRAM102に書き込む)を実行し、副制御部160は警告モードを「オン状態」にセットし、前扉1bが閉められると変動表示ゲームを行うことができるようになる。
この状態で遊技ホール側は、この設定状態でグランドオープンや新装開店又はイベントの為に、出玉率の設定変更を行おうとしていると仮定する。
図20は、回胴式遊技機の主要動作処理手順を示すフローチャートである。
遊技ホールの従業員は、回胴式遊技機本体1の前扉を開けて電源スイッチ28cを一旦オフ状態にし、設定変更キーを設定用キースイッチ28aに差し込んで右に回してON状態(図2の設定用キースイッチ拡大図参照)にし、再び電源スイッチ28cをオン状態にすると、各回路ブロックに電源が供給され、ステップS100で初期チェックや初期設定が実行された後、主制御部100はステップS110で設定用キースイッチ28aがON状態であるか否かを判断する。
主制御部100は、設定用キースイッチ28aがON状態でなければ、ステップS130へ移行する一方、ON状態であれば、ステップS120で設定変更サブルーチンを呼び出す(設定変更モードへ移行する)。
ステップS120の設定変更モードにおいて、遊技ホール側が遊技者にプレイさせる前に出玉率が最高の段階設定値「6」を入力し、スタートレバー9を一度叩き設定値を確定させ、設定用キースイッチ28aをOFF状態にすると、主制御部100はステップS100に戻り、設定値を「6」に設定するとともに、再度ハードウェアの初期チェックと初期設定等の必要な処理を行う。
主制御部100は、ステップS100で初期画面の表示設定を行う為に、副制御部160に制御データを出力すると、副制御部160は、例えば演出コマンドとして($Y0$01)を表示演出装置11に送信する。その結果、表示パネル11eには、スタート画面として、夜空に満月とドラキュラ城と墓地の画面で構成される「夜の演出パターン1」を表示する(図示せず)。
主制御部100は、段階設定値の変更後にステップS130に移行すると、ドアオープンやホッパーエラー、セレクターエラー等の異常発生のチェックを行い、異常があればステップS140に移行して異常処理の後に再度ステップS100に戻る一方、異常がなければ、ステップS150に移行する。特に、主制御部100は、異常チェックとして、ワークRAM領域に記憶している段階設定値のデータが0〜5(メダル払出枚数表示LED4cに表示される段階設定値は各々1〜6に対応する)の範囲内にあるか否かを確認し、段階設定値が所定の範囲内になければ、表示演出装置11、スピーカ部12及び遊技状態表示LED部13により警告(「EE」エラーの文字表示、発光及び警告音)を発生させてエラー処理(ステップS140の異常処理)を行わせる。
主制御部100は、ステップS150に移行すると、メダル検出センサ130又はベットボタンセンサ140により、遊技者が遊技に必要な数量の遊技メダルを投入したか否かを判断し、所定数だけ投入した場合には、ステップS160に移行する一方、投入していなければステップS130に戻り、メダル投入操作があるまで各ステップをループしながら待機する。
主制御部100は、ステップS160に移行すると、遊技者がスタートレバーを操作して、変動表示ゲームを開始させたか否か確認し、開始させた場合には、ステップS170に移行する一方、開始させていなければステップS130に戻り、開始操作があるまで各ステップをループしながら待機する。
主制御部100は、ステップS170で変動表示ゲームのメイン処理を実行し、スタート信号の受信タイミングに合わせて乱数抽選を行い、ピックアップ(抽出)した乱数値と現在の内部状態(RT又は非RT)の抽選テーブルとを比較して、内部当選したか否かを判断する(図18の説明参照)。
主制御部100は、副制御部160に抽選結果コマンドとゲームスタート信号を送信するとともに、ドラム部2を一斉に回転させて、左ドラム2a、中ドラム2b及び右ドラム2c上に表示された複数の図柄を所定速度で変動させる変動表示ゲームを開始する。
主制御部100は、図9及び図10で説明した通り、遊技者が停止ボタン部10の左停止ボタン10a、中停止ボタン10b又は右停止ボタン10cを操作して各図柄列(回胴帯)を停止させた場合、有効ライン上に内部当選役に応じた図柄を揃えるための引込制御や、逆に図柄を揃わせないための回避制御を行う。また副制御部160は、主制御部100から抽選結果コマンドとゲームスタート信号を受信すると、表示演出装置11やスピーカ部12、遊技状態表示LED部13に演出表示等を行うか否かの演出抽選を行い、大当り(ボーナス当選)や小役、リプレイ又はハズレの抽選結果を停止ボタン部10の操作に応じて遊技者に告知する。なお、主制御部100は、滑りコマ数テーブルを参照して停止制御を実行する。
主制御部100は、一般遊技の各変動表示ゲームにおいて、所定の図柄が窓部3の有効ライン上に並んで表示されれば役の成立とし、ROM161に記憶されている配当表(図19参照)に従って、クレジットとして加算したり、貯留上限値を超える配当は、遊技メダルをメダル払出装置18から払い出し、メダル払出口16より排出する。
なお、赤7が3つ揃ったビッグボーナスゲーム(BBゲーム)においては、役物連続作動装置が作動して、獲得枚数が360枚を超えたことを契機にして、BBゲームモードを終了する。また、青7図柄が3つ揃ったレギュラーボーナスゲーム(RBゲーム)においては、役物連続作動装置が作動して、獲得枚数が120枚を超えたことを契機にして、RBゲームモードを終了する。
そして、主制御部100は、ステップS170のゲームメイン処理を終了すると、ステップS130に戻り、順次処理を繰り返す。
次に、上述の様に基本構成された回胴式遊技機の動作について、図面やフローチャート等を参照して詳細に説明する。特に、リプレイの当選確率が変動し、実ボーナス及びアシストボーナス(ART、第3のボーナス又は疑似ボーナス等)を搭載している回胴式遊技機(A+ARTタイプ)について説明する。
図21は、ドラムの図柄配置図である。
左ドラム2a(第1回胴)、中ドラム2b(第2回胴)及び右ドラム2c(第3回胴)のそれぞれには、左ドラム図柄、中ドラム図柄及び右ドラム図柄が描かれた回胴帯(図示せず)が、各ドラムの外周部において一周するように張り付けられている。
各回胴帯には、それぞれ異なった並びの図柄(上シン図柄、下シン図柄、BAR図柄、青セブン図柄、赤チェリー図柄、青チェリー図柄、白カボチャ図柄、緑カボチャ図柄、リプレイ図柄及びベル図柄の10種類)が20個配置されている。
図22は、図柄の組合せ表示判定図である。
主制御部100は、ドラム部2が3個すべて停止したときに、遊技メダルの投入枚数に応じた窓部3の有効ライン上で入賞及び作動に係る図柄の組合せ表示判定を行う(図22(A)参照)。但し、全ての遊技(通常遊技、アシスト遊技及びボーナス遊技等)において、規定数は3枚と仮定して説明する。
図22(B)及び図22(C)は、遊技メダルを規定数3枚投入した場合の有効ラインであり、左ドラム2a、中ドラム2b及び右ドラム2cの順に、変則ではあるが第1ライン(下段、中段、中段:変則横ライン)のみが有効となる。すなわち、全ての遊技において、常に3枚投入で、有効ラインが変則第1ラインである。
図23は、通常時及びボーナス作動時の配当表である。
主制御部100は、リール(回胴又はドラム)が3個すべて停止したときに、有効ライン上(図22参照)で入賞及び作動に係る図柄の組合せ表示判定を行う。
(1)ボーナス1(第1種特別役物に係る役物連続作動装置):左ドラム2aに(BAR)、中ドラム2bに(BAR)、右ドラム2cに(赤チェリー)が有効ライン上に揃って停止すると、獲得枚数は0枚でその後にボーナス1が付与される(1種BB1が作動する。BIGボーナス)。BAR図柄が右上り一直線に揃った様に見えるので、遊技者にとって違和感はない。ボーナス1の遊技で、獲得枚数が144を超えると終了する。
(2)ボーナス2(第1種特別役物に係る役物連続作動装置):左ドラム2aに(BAR)、中ドラム2bに(BAR)、右ドラム2cに(青チェリー)が有効ライン上に揃って停止すると、獲得枚数は0枚でその後にボーナス2が付与される(1種BB2が作動する。レギュラー・ボーナス)。BAR図柄、BAR図柄、青7図柄が右上り一直線に揃った様に見えるので、遊技者にとって違和感はない。ボーナス2の遊技で、獲得枚数が144を超えると終了する。
(3)中段ベル:左ドラム2aに(リプレイ)、中ドラム2bに(ベル)、右ドラム2cに(ベル)が有効ライン上に揃って停止すると、中央一直線にベル図柄が表示され、中段ベルが入賞する。メダル(遊技媒体)の獲得枚数は、9枚となる。
(4)右下ベル:例えば、左ドラム2aに(BAR)、中ドラム2bに(ベル)、右ドラム2cに(リプレイ)が有効ライン上に揃って停止すると、右下りにベル図柄が表示され、右下ベルが入賞する。メダル(遊技媒体)の獲得枚数は、9枚となる。
(5)右下ベルハズレ(BB中増加役):例えば、BB遊技中において、左ドラム2aに(BAR)、中ドラム2bに(ベル)、右ドラム2cに(ベル)が有効ライン上に揃って停止すると、右下りにベル図柄を取りこぼした様に表示され、右下ベルハズレが入賞する。メダル(遊技媒体)の獲得枚数は、9枚となる。通常遊技において、この図柄が表示されてもハズレとなり、メダル(遊技媒体)の獲得枚数は0枚となる。
(6)上段ベル:例えば左ドラム2aに(BAR)、中ドラム2bに(青7)、右ドラム2cに(BAR)が有効ライン上に揃って停止すると、上段にベル図柄が表示され、上段ベルが入賞する。メダル(遊技媒体)の獲得枚数は、9枚となる。上段ベルは27種類あり、後述する押し順小役における阻害小役となる。
(7)押し順小役:左1stが正解押し順の押し順ベル役(左)、中1stが正解押し順の押し順チェリー役(中)、右1stが正解押し順の押し順チェリー役(右)の3種類あり、3択の小役であって第1停止操作が正解であればその後の第2・第3操作で目的小役が入賞する。
(8)中段チェリー:例えば、左ドラム2aに20番の(白カボチャ)、中ドラム2bに2番の(BAR)、右ドラム2cに11番の(ベル)が有効ライン上に揃って停止すると、中段チェリーが入賞する。メダル(遊技媒体)の獲得枚数は9枚となる。右下りにBAR図柄が3つ揃って表示させることが可能である。中段チェリー役は、フリーズ抽選の契機役であり、当選するとフリーズ演出(リールロック及びリール演出)が行われ、最低5つの疑似ボーナスがストックされて直ちに放出される。
(9)右下カボチャ(右下スイカ):例えば、左ドラム2aに17番の(リプレイ)、中ドラム2bに14番の(白カボチャ)、右ドラム2cに13番の(赤チェリー)が有効ライン上に揃って停止すると、右下りにカボチャ図柄が表示され、右下カボチャが入賞する。メダル(遊技媒体)の獲得枚数は、5枚となる。
(10)右上カボチャ(右上りスイカ):例えば、左ドラム2aに13番の(緑カボチャ)、中ドラム2bに19番の(白カボチャ)、右ドラム2cに3番の(上シン)が有効ライン上に揃って停止すると、右上りにカボチャ図柄が表示されて、右上カボチャが入賞する。メダル(遊技媒体)の獲得枚数は、5枚となる。
(11)強カボチャ(強スイカ):例えば、左ドラム2aに13番の(緑カボチャ)、中ドラム2bに19番の(白カボチャ)、右ドラム2cに3番の(下シン)が有効ライン上に揃って停止すると、右上りにカボチャ図柄と上シン図柄及び下シン図柄が表示され、強カボチャが入賞する。メダル(遊技媒体)の獲得枚数は、5枚となり、上シン図柄及び下シン図柄の2図柄が表示窓枠内に停止するので迫力がある。
(12)中段リプレイ:例えば、左ドラム2aに18番の(BAR)、中ドラム2bに7番の(リプレイ)、右ドラム2cに5番の(リプレイ)が有効ライン上に揃った場合の役名であり、これに対してメダルは獲得されないが、そのゲームのベット枚数を維持した状態で次ゲームを行うことができる。次ゲーム以降連続で揃っても有効であり、リプレイが不成立となるゲームまでコインを消費せずに遊技し続けることができる。遊技開始前にメダルが自動的に投入される演出が行われ、遊技者のスタートレバー9の操作によって、次回のゲームを行うことができる。乱数抽選で通常リプレイが単独で内部当選すると、フラグエリアに対応するRPフラグを立て、必ずリプレイ図柄が表示される。見た目では、リプレイ図柄が中央横一直線に揃う。再遊技Aの作動図柄が表示されても再遊技確率は変動しない。
(13)右上リプレイ:例えば、左ドラム2aに7番の(リプレイ)、中ドラム2bに2番の(リプレイ)、右ドラム2cに16番の(ベル)が有効ライン上に揃って停止すると、右上りにリプレイ図柄が表示され、通常リプレイと同様に再遊技が作動する。
(14)RT2移行リプレイ(再遊技2):例えば、左ドラム2aに(BAR)、中ドラム2bに12番の(リプレイ)、右ドラム2cに14番の(白カボチャ)が有効ライン上に揃った場合の役名であり、これに対してメダルは獲得されないが、そのゲームのベット枚数を維持した状態で次ゲームを行うことができる。見た目では、2つのリプレイ図柄とカボチャ図柄(リ・リ・カ)が中央一直線に表示される。乱数抽選でRT2移行リプレイが内部当選し、このリプレイ図柄が表示されると、再遊技2が作動して再遊技確率が約2/3に変動し、RT2状態に移行する。
(15)RT3移行リプレイ(再遊技3):例えば、左ドラム2aに17番の(リプレイ)、中ドラム2bに(リプレイ)、右ドラム2cに(リプレイ)が有効ライン上に揃った場合の役名であり、これに対してメダルは獲得されないが、そのゲームのベット枚数を維持した状態で次ゲームを行うことができる。見た目では、ベル図柄、リプレイ図柄、リプレイ図柄(ベ・リ・リ)が中央一直線に表示される。乱数抽選でRT3移行リプレイが内部当選し、このリプレイ図柄が表示されると、再遊技3が作動して再遊技確率が約2/3に変動し、RT3状態に移行する。なお、RT3状態とRT2状態とでは、抽選する再遊技役の種類や当選範囲が異なっている。
(16)RT1移行リプレイ(再遊技1):例えば、左ドラム2aに17番の(リプレイ)、中ドラム2bに16番の(青セブン)、右ドラム2cに14番の(白カボチャ)が有効ライン上に揃った場合の役名であり、これに対してメダルは獲得されないが、そのゲームのベット枚数を維持した状態で次ゲームを行うことができる。見た目では、リプレイ図柄が下段一直線に揃う。乱数抽選でRT1移行リプレイが内部当選し、このリプレイ図柄が表示されると、再遊技1が作動して再遊技確率が変動し、RT1状態に移行する(転落リプレイ)。
(17)青セブン・リプレイ:例えば、左ドラム2aに11番の(リプレイ)、中ドラム2bに16番の(青セブン)、右ドラム2cに17番の(青セブン)が有効ライン上に揃って停止すると、中央一直線に青セブン図柄が揃って表示され、青セブン・リプレイ役が作動する。ART機能について大きな特典を獲得できる。
(18)チェリー・リプレイ:例えば、遊技者の逆押し操作によって、左ドラム2aに19番の(青チェリー)、中ドラム2bに(Any)、右ドラム2cに(Any)が有効ライン上に揃って停止すると、チェリーリプレイが作動する。チェリー・リプレイは強チェリー・中チェリー・弱チェリーの3種類あり、遊技者はART機能について大きな特典を獲得できる。
(19)シンボルリプレイ(図示せず):例えば、遊技者の逆押し操作によって、左ドラム2aに5番の(白カボチャ)、中ドラム2bに4番の(下シン)、右ドラム2cに4番の(下シン)が有効ライン上に揃って停止すると、全てのリールドラムの上段に完成したシンボル図柄が3つ表示されて、シンボルリプレイが作動する。遊技者は、3つの遊技ポイントを獲得する。ART機能について大きな特典を獲得できる。
(20)押し順小役(押し順ベル役と押し順チェリー役)のコボシ目(1〜m):後述する押し順小役でベル役を取りこぼした時に、有効ライン上に表示される特殊図柄(転落図柄)であり、何れか一つの特殊図柄が表示されると再遊技確率が変動して、RT1状態に移行する。例えば、左ドラム2aに12番の(リプレイ)、中ドラム2bに4番の(ベル)、右ドラム2cに(リプレイ)が有効ライン上に表示(転落図柄の表示)されると、遊技状態がRT1状態に移行する(他は省略する)。
主制御部100は、複数の小役が同時に当選する押し順小役と、複数のリプレイが同時に当選する押し順リプレイをまとめてグループ役(又は、押し順グループ役)として管理しており、非AT中(アシスト機能の非発動中)に、押し順小役又は押し順リプレイの何れが内部当選しても、グループ役が当選したという情報を副制御部160に送信するだけなので、副制御部160は正解押し順を認識できない。主制御部100は、第二停止操作後に入賞役情報を副制御部160に送信し、副制御部160は入賞役情報に基づいて演出を行う。
(21)プレミア役(図示せず):左ドラム2aに(下シン)、中ドラム2bに(上シン)、右ドラム2cに(上シン)が有効ライン上に揃って停止すると、プレミア役が入賞する。メダル(遊技媒体)の獲得枚数は、3枚となる。このプレミア役は疑似ボーナスが抽選で最低10個以上当選する特別役であり、疑似ボーナスが直ちに放出される。全てのリールドラムの下段に完成したシンボル図柄が3つ表示される。
図24〜図26は、押し順小役(左ファースト、中ファースト又は右ファースト)の条件装置の組合せ表(小役の同時当選パターン)である。
押し順小役とは、停止ボタン部10の操作順序(停止ボタン部10の押し順)が正解の場合に必ずベル小役(右下ベル:入賞目的小役)又は角チェリー(入賞目的小役))を入賞させる一方、不正解手順の場合には、同時当選している複数種類の9枚小役(阻害小役は27種類)の何れか1つを入賞させる時と、複数のコボシ目(阻害小役の取りこぼし図柄)の中の1つを表示する時がある重複当選小役である。この押し順小役は3分の一で入賞するので、3択小役(1/3入賞小役)と言える。つまり、第1操作が正解であれば、必ずベル小役又は角チェリーが入賞する。
押し順ベル役(左)は、正解となる第一停止操作が左停止ボタン10aであり、続く操作は中停止ボタン10bでも右停止ボタン10cどちらでもよい。押し順ベル1は1回押し順タイプの押し順小役であり、入賞させることを目的とし、配当は同じ第1小役(右下りベル役:FRU1)、第1小役の入賞を阻害する目的の第2小役群を構成する複数種類の第2小役(この場合は、3種類の9枚小役(FRU10、FRU23、FRU36)が同時に当選する(図24の押し順ベル1−1参照)。押し順ベル1には、押し順ベル1−1〜押し順ベル1−9まで9種類あるので、遊技者は各リールの出目(停止図柄)を見て9枚役の阻害小役を取りこぼさないように、図柄を狙って停止ボタン部10を操作することができない。
押し順チェリー役(中)は、正解となる第一停止操作が中停止ボタン10bであり、続く操作は左停止ボタン10aでも右停止ボタン10cどちらでもよい。押し順チェリー役(中)は1回押し順タイプの押し順小役であり、入賞させることを目的とし配当は同じ第1小役(角チェリー役:FRU2)、第1小役の入賞を阻害する目的の第2小役群を構成する複数種類の第2小役(この場合には、3種類の9枚小役(FRU10、FRU23、FRU36)が同時に当選する(図25の押し順チェリー2−1参照)。押し順チェリー2と押し順ベル1は、当選する第1小役が異なるだけである。押し順チェリー役(中)には、押し順チェリー2−1〜押し順チェリー2−9まで9種類あるので、遊技者は各リールの出目(停止図柄)を見て9枚役の阻害小役を取りこぼさないように、図柄を狙って停止ボタン部10を操作することができない。左ドラム2aの下段にチェリー図柄が表示されるので、遊技者には単図柄小役の下段チェリーのような印象を持ち、違和感はない。
押し順チェリー役(右)は、正解となる第一停止操作が中停止ボタン10bであり、続く操作は左停止ボタン10aでも右停止ボタン10cどちらでもよい。押し順チェリー役(右)は1回押し順タイプの押し順小役であり、入賞させることを目的とし配当は同じ第1小役(角チェリー役:FRU3)、第1小役の入賞を阻害する目的の第2小役群を構成する複数種類の第2小役(この場合には、3種類の9枚小役(FRU10、FRU23、FRU36)が同時に当選する(図26の押し順チェリー3−1参照)。押し順チェリー3と押し順ベル1は、当選する第1小役が異なるだけである。押し順チェリー役(右)には、押し順チェリー3−1〜押し順チェリー3−9まで9種類あるので、遊技者は各リールの出目(停止図柄)を見て9枚役の阻害小役を取りこぼさないように、図柄を狙って停止ボタン部10を操作することができない。左ドラム2aの下段にチェリー図柄が表示されるので、遊技者には単図柄小役の下段チェリーのような印象を持ち、違和感はない。
図27〜図28は、窓部の図柄表示状態を時系列的に示した模式図である。
例えば、主制御部100は、乱数抽選により図24に示した押し順ベル1−1を内部当選させると、上述した通り、FRU1+FR10+FR23+FR36の条件装置を同時に作動(4種類の異なる9枚小役が同時当選)させ、ROM101に対応して記憶する操作順序情報(左1st)に基づいて、左の操作順序が入賞操作順序であると判断する。主制御部100は、この状態で、当選役、停止制御テーブル及び得点情報に基づいて停止演算処理(左1stでFRU1図柄を引き込む処理)を実行し、遊技者が何時どのタイミングで停止ボタン部10を操作しても直ちに停止制御できるように、滑りコマ数テーブルを作成する。また、第一停止操作後、及び第二停止操作後にも同様に、滑りコマ数テーブルを作成する(図10の説明参照)。
図27(A)は、全てのドラム部2が上から下へ一定速度で回転している状態を示している。遊技者が、図27(A)の状態で、正解操作順序の左停止ボタン10aを第一停止操作した場合、主制御部100は、滑りコマ数テーブルを参照し、該当する滑りコマ数データに基づいて、0コマ〜4コマの範囲で左ドラム2aを停止させ、上シン図柄/BAR図柄/緑カボチャ図柄の何れか1つを有効ラインに引き込む為の制御を行う(単に、ドラム部2を滑りコマ数分だけ移動させているに過ぎない。図27(B)参照)。例えば、18番のBAR図柄が有効ライン上に停止し、上段に16番のベル図柄が表示される。この図27(B)の状態で、主制御部100は、中停止ボタン10b又は右停止ボタン10cの何れを操作されてもいい様に、第一停止操作後の滑りコマ数テーブルを作成しており、遊技者が中停止ボタン10aを第二停止操作した場合、主制御部100は、滑りコマ数テーブルを参照して、該当する滑りコマ数データに基づいて、0コマ〜4コマの範囲で左ドラム2aを停止させ、ベル図柄(小役明示図柄)を有効ラインに引き込む為の制御を行う(図27(C)参照)。この図27(C)の状態で、FRU1がテンパイして、ベル図柄(小役明示図柄)が一直線に表示されている。主制御部100は、右停止ボタン10cが操作されてもいいように、第二停止操作後の滑りコマ数テーブルを作成し、右停止ボタン10cを第三停止操作した場合、主制御部100は、滑りコマ数テーブルを参照して、該当する滑りコマ数データに基づいて、0コマ〜4コマの範囲で右ドラム2cを停止させ、リプレイ図柄を有効ラインに引き込む為の停止制御を行う(図27(D)参照)。結果的に、第一停止操作が正解であればFRU1が必ず入賞して、ベル図柄(小役明示図柄)が右下り一直線に表示されて9枚のメダルが払い出される。但し、見た目上はベル図柄が一直線に表示されるが、入賞ライン上であっても、入賞ライン上で無くてもよい。
図28は、遊技者が左停止ボタン10aを第一停止操作した後に、右停止ボタン10cを第二停止操作した場合を示しており、第一停止操作が正解であればFRU1が必ず入賞して、ベル図柄(小役明示図柄)が右下り一直線に表示されて9枚のメダルが払い出される。但し、見た目上はベル図柄が一直線に表示されるが、入賞ライン上であっても、入賞ライン上で無くてもよい。
図29は、窓部の図柄表示状態を時系列的に示した模式図である。但し、図29(A)は、図27(A)と同じなので、重複する説明を省略する。
遊技者が、図29(A)の状態で、不正解操作順序の右停止ボタン10cを第一停止操作した場合に、主制御部100は、滑りコマ数テーブルを参照し、該当する滑りコマ数データに基づいて、0コマ〜4コマの範囲で右ドラム2cを停止させ、BAR図柄、青セブン図柄又は緑カボチャ図柄の何れか1つを必ず有効ラインに引き込む為の制御を行う(図29(B)参照)。従って、3つの阻害小役の内、何れか1つの阻害小役図柄が必ず有効ライン上に停止する。この場合、BAR図柄が有効ラインに停止しているので、この時点において、FRU10しか入賞する可能性はなく、またベル図柄(小役明示図柄)が右上段に停止している。
この図29(B)の状態で、主制御部100は、左停止ボタン10a又は中停止ボタン10bの何れを操作されてもいいように、第一停止操作後の滑りコマ数テーブルを作成しており、遊技者が左停止ボタン10aを第二停止操作した場合、主制御部100は、滑りコマ数テーブルを参照し、該当する滑りコマ数データに基づいて、0コマ〜4コマの範囲で左ドラム2aを停止させて、引き込み範囲内にBAR図柄があれば当該図柄を有効ラインに引き込む為の停止制御を行う(図29(C)参照)。18番のBAR図柄が引き込めるのは、有効ライン上に18番〜2番の5つの図柄があるときなので、引込確率は25%(5/20)となる。18番のBAR図柄が引き込めなければ、ハズレ目図柄を有効ライン上に停止させ、第3停止で阻害役のコボシ目(RT変動契機図柄)を表示する。
この図29(C)の状態で、FRU10がテンパイしており、表示窓の上段にベル図柄(小役明示図柄)が一直線に2つ表示されている。主制御部100は、中停止ボタン10bが操作されてもいいように、第二停止操作後の滑りコマ数テーブルを作成し、遊技者が中停止ボタン10bを第三停止操作した場合、主制御部100は、滑りコマ数テーブルを参照し、該当する滑りコマ数データに基づいて、0コマ〜4コマの範囲で中ドラム2bを停止させ、青セブン図柄を有効ラインに引き込む制御を行う(図29(D)参照)。図ではFRU10が入賞して、ベル図柄(小役明示図柄)が上段一直線に表示されて9枚のメダルが払い出される。16番の青セブン図柄が引き込めるのは、有効ライン上に16番〜20番の図柄があるときなので、引込確率は25%(5/20)となる。一方、青セブン図柄を有効ラインに引き込めない場合には、阻害役(押し順小役)のコボシ目を表示する(図示せず)。
図30〜図31は、窓部の図柄表示状態を時系列的に示した模式図である。但し、図30(A)は、図27(A)と同じなので、重複する説明を省略する。
例えば、主制御部100は、乱数抽選により図25に示した押し順チェリー2−1を内部当選させると、上述した通り、FRU2+FR10+FR23+FR36の条件装置を同時に作動(4種類の異なる9枚小役が同時に当選)させ、ROM101に対応して記憶する操作順序情報(中1st)に基づいて、中の操作順序が入賞操作順序であると判断する。主制御部100は、この状態で、当選役、停止制御テーブル及び得点情報に基づいて停止演算処理(中1stでFRU2図柄を引き込む処理)を実行し、遊技者が何時どのタイミングで停止ボタン部10を操作しても直ちに停止制御できるように、滑りコマ数テーブルを作成する。また、第一停止操作後、及び第二停止操作後にも同様に、滑りコマ数テーブルを作成する(図10の説明参照)。
図30(A)の状態で、遊技者が正解操作順序の中停止ボタン10bを第一停止操作した場合、主制御部100は、滑りコマ数テーブルを参照し、該当する滑りコマ数データに基づいて、0コマ〜4コマの範囲で中ドラム2bを停止させ、例えば5番のベル図柄を有効ラインに引き込む為の制御を行う。この図30(B)の状態で、主制御部100は、左停止ボタン10a又は右停止ボタン10cの何れを操作されてもいい様に、第一停止操作後の滑りコマ数テーブルを作成しており、遊技者が右停止ボタン10cを第二停止操作した場合、主制御部100は、滑りコマ数テーブルを参照して、該当する滑りコマ数データに基づいて、0コマ〜4コマの範囲で右ドラム2cを停止させ、リプレイ図柄を有効ラインに引き込む為の制御を行う(図30(C)参照)。この図30(C)の状態で、FRU2がテンパイして、ベル図柄(小役明示図柄)が一直線に表示されている。主制御部100は、左停止ボタン10aが操作されてもいいように、第二停止操作後の滑りコマ数テーブルを作成し、左停止ボタン10aを第三停止操作した場合、主制御部100は、滑りコマ数テーブルを参照し、該当する滑りコマ数データに基づいて、0コマ〜4コマの範囲で右ドラム2cを停止させ、下シン図柄/赤チェリー図柄/青チェリー図柄の何れか1つを有効ラインに引き込む為の停止制御を行う(図30(D)参照)。結果的に、第一停止操作が正解であればFRU2が必ず入賞して、チェリー図柄(特定の単図柄の小役:下シン図柄/赤チェリー図柄/青チェリー図柄)が左リール下段に表示されて9枚のメダルが払い出される。従って、遊技者は、単チェ(角チェリー)が入賞したと感じるので、全く違和感はない。ここで、特定の単図柄の小役とは、(チェリー・any・any)を遊技者に印象付ける小役を意味する。
図31は、遊技者が中停止ボタン10bを第一停止操作した後に、左停止ボタン10aを第二停止操作した場合を示しており、第一停止操作が正解であればFRU2が必ず入賞して、チェリー図柄やシンボル図柄(特定の単図柄の小役)の何れかが、左リールの下段に表示されて(単図柄小役の入賞態様で表示されて)、9枚のメダルが払い出される。
図32は、窓部の図柄表示状態を時系列的に示した模式図である。但し、図32(A)は、図27(A)と同じなので、重複する説明を省略する。
遊技者が、図32(A)の状態で、不正解操作順序の左停止ボタン10aを第一停止操作した場合に、主制御部100は、滑りコマ数テーブルを参照し、該当する滑りコマ数データに基づいて、0コマ〜4コマの範囲で右ドラム2cを停止させ、BAR図柄、上シン図柄又は緑カボチャ図柄の何れか1つを必ず有効ラインに引き込む為の制御を行う(図32(B)参照)。従って、3つの阻害小役の内、何れか1つの阻害小役図柄が必ず有効ライン上に停止する。この場合、BAR図柄が有効ラインに停止しているので、この時点では、FRU10しか入賞する可能性はなく、またベル図柄(小役明示図柄)が左上段に停止している。
この図32(B)の状態で、主制御部100は、中停止ボタン10b又は右停止ボタン10cの何れを操作されてもいいように、第一停止操作後の滑りコマ数テーブルを作成しており、遊技者が右停止ボタン10cを第二停止操作した場合、主制御部100は、滑りコマ数テーブルを参照し、該当する滑りコマ数データに基づいて、0コマ〜4コマの範囲で右ドラム2cを停止させて、引き込み範囲内にBAR図柄があれば当該図柄を有効ラインに引き込む為の停止制御を行う(図32(C)参照)。12番のBAR図柄が引き込めるのは、有効ライン上に12番〜16番の5つの図柄があるときなので、引込確率は25%(5/20)となる。12番のBAR図柄が引き込めなければ、ハズレ目図柄を有効ライン上に停止させ、第3停止で阻害役のコボシ目(RT変動契機図柄)を表示する。
この図32(C)の状態で、FRU10がテンパイしており、表示窓の上段にベル図柄(小役明示図柄)が一直線に2つ表示されている。主制御部100は、中停止ボタン10bが操作されてもいいように、第二停止操作後の滑りコマ数テーブルを作成し、遊技者が中停止ボタン10bを第三停止操作した場合、主制御部100は、滑りコマ数テーブルを参照し、該当する滑りコマ数データに基づいて、0コマ〜4コマの範囲で中ドラム2bを停止させ、青セブン図柄を有効ラインに引き込む制御を行う(図32(D)参照)。図ではFRU10が入賞して、ベル図柄(小役明示図柄)が上段一直線に表示されて9枚のメダルが払い出される。17番の青セブン図柄が引き込めるのは、有効ライン上に16番〜20番の図柄があるときなので、引込確率は25%(5/20)となる。一方、青セブン図柄を有効ラインに引き込めない場合には、阻害役(押し順小役)のコボシ目(例えば、BAR図柄・ベル図柄・BAR図柄)を表示する(図示せず)。なお、右ファースト不正解操作も同様の停止制御ロジックなので、説明を省略する。また、右ファースト正解の押し順チェリー役(右)も同様の停止制御ロジックなので、説明を省略する。
図33は、遊技状態遷移図(RT状態)である。
図のRT0は、リプレイ役(再遊技役)の当選確率が変動していない初期状態(非RT状態)であり、段階設定値が打ち直された直後のゲーム又は実ボーナスゲーム(BB1〜BB2:1種役物連続作動装置)が終了した次のゲームから、初期状態(「初期リプレイ状態」とも言う。)となって一般ゲームが開始する。この一般ゲームにおけるリプレイ当選確率(リプレイ確率)は約1/7.3であり、特にRT1移行リプレイ(再遊技1)、RT2移行リプレイ(再遊技2)及びRT3移行リプレイ(再遊技3)が内部当選しないので、この状態からRT1へ移行するには、上述した押し順小役のコボシ目が有効ライン上に表示されなければならない。一方、BB1(ボーナス1)又はBB2(ボーナス2)が内部当選、図柄表示により作動又は所定枚数越えの払出しで終了してもRT4、ボーナスゲーム、RT0となるだけなので、このルートでもRT1へ移行することはできない。
RT0状態の一般ゲームで押し順小役(押し順ベル役又は押し順チェリー役)が内部当選して、停止ボタン10の停止操作手順をミスすることによってコボシ目図柄が有効ライン上に表示されると、次のゲームからRT1状態となる(継続ゲーム数は定められていない。つまり、無限である)。このRT1状態におけるリプレイ確率もまた約1/7.3であり、図23に示した殆どの役が乱数抽選されて、単独又は複数同時当選可能となる。つまり、初期状態とRT1状態の遊技が、リプレイ確率がほぼ同じ約1/7.3の遊技状態であるが、遊技者が主に滞在する通常遊技はこのRT1状態である。但し、この初期状態では、RT1移行リプレイ〜RT3移行リプレイは当選しないので、コボシ目図柄が有効ライン上に表示されない限り、RT1状態〜RT3状態に移行できない。
RT1状態でRT2移行リプレイ(再遊技2)が内部当選し、作動図柄が有効ライン上に表示されると、再遊技確率が変動してRT2状態に移行するが、リプレイ確率がほぼ同じ約1/7.3のままでありハズレとなることも頻繁にある。
RT1移行リプレイ(再遊技1)は、遊技者が停止ボタン部10を操作した時に、偶然に6択押し順が正解してRT3移行リプレイが作動すると、RT3状態に移行してしまうので、逸早くRT1状態に落とす為の機能(つまり、コボシ目と同じ機能)を有している(転落リプレイ)。
RT2状態でRT3移行リプレイ(再遊技3)が内部当選し、6択押し順が正解して作動図柄が有効ライン上に表示されると、リプレイ確率がほぼ同じ約1/1.5のRT3状態となる。また、RT3状態は、当選するリプレイ役の種類や当選領域の大小が異なっている点で、RT1状態やRT2状態と相違している。そして、リプレイ役の当選領域を狭めて、655/65536(約1/100)でハズレとなる領域を持たせている。その理由は、ハズレ目を出して、遊技者にリーチ目と錯覚させることで期待感を持たすことができるからである。RT2状態又はRT3状態でベル役のコボシ目が有効ライン上に表示されると、RT1状態に転落する。なお、RT2状態ではRT1状態へ転落させない為に、RT1移行リプレイは当選しないようになっている。一方、RT3状態において、RT1移行リプレイをBB1〜BB2の何れかと同時に当選させ、RT1状態に移行せずに、RT4状態に移行させることで、遊技者にBB1又はBB2の何れかが内部当選したことを知らせる様になっている(特有の作用効果)。
実ボーナス(ボーナス1〜ボーナス2)は、初期状態、RT1状態、RT2状態及びRT3状態で当選可能であるが、小役又は再遊技役と同時に当選するので、必ずボーナス内部中のRT4状態を経てか入賞可能状態になる。ボーナス1は、単独当選状態で各ドラムにBAR図柄を狙った場合に、見た目上ではBAR図柄が右上り一直線に揃って停止し、作動後(ボーナス1遊技後)に払出し数が規定枚数を超えると終了して、初期リプレイ状態に戻る。RT4状態はボーナス1〜ボーナス2が内部当選している状態(ボーナス持越状態)であり、この状態でハズレを引くとボーナス1図柄〜ボーナス2図柄を揃えることが可能となる。その理由は、主制御部100が内部当選しているリプレイ役の図柄をBAR図柄(ボーナス図柄)よりも優先して、また内部当選している小役の図柄をBAR図柄よりも優先して有効ライン上に引き込むようにドラム部2を停止制御している為である。
図34は、遊技状態遷移図(演出状態)及び通常モード番号算出テーブルである。図35は、主制御部が管理する遊技状態(遊技モード番号)の説明図である。図36は、各種モードにおけるゾーン処理の説明図である。
主制御部100は、出玉性能に関する制御を司っており、図35に示す全ての遊技状態(遊技モード番号)を決定して、現在どの遊技状態であるかの情報(モード番号で管理された遊技状態情報)を、副制御部160に通知している。一方、副制御部160は、演出に関する制御を司っており、主制御部100から受信した遊技状態情報に基づいて各種演出を実行するだけであり、出玉性能には無関係である。
主制御部100は、遊技状態をモード番号0〜モード番号15の16状態で管理しており、モード番号0は通常状態、モード番号1はCZ前兆状態、モード番号2はCZ状態、モード番号3は通常武闘会待機状態、モード番号4は通常時武闘会(実ボ中)状態、モード番号5は通常時武闘会(実ボ後)状態、モード番号6はART状態、モード番号7はARTジャッジゲーム状態、モード番号8はハート上乗せ特化状態、モード番号9は呪いOPT状態、モード番号10はART武闘会待機状態、モード番号11はART時武闘会(実ボ中)状態、モード12番号はART時武闘会(実ボ後)状態、モード番号13は武闘会後OPT状態、モード番号14はプレミアボーナス状態、及びモード番号15はエンディング状態である。なお、OPTとは、出願人の登録商標でオーピーティーと発声し、おしり・ぺんぺん・タイムを意味している。
モード番号0の通常状態は、ゲーム数管理でCZ当選用ポイントの獲得期待度が変わるようになっている。モード番号1のCZ前兆状態は、CZ潜伏状態であり、抽選で決定された所定ゲーム後にモード番号2のCZ状態に移行する。CZ状態は、20Gのチャンスゾーンでの遊技が実行され、獲得ポイントによって当選条件がクリアされるとART当選となる。モード番号3の通常武闘会待機状態は、通常、CZ前兆、CZ中、通常武闘会(実ボ後)に実ボーナスが当選した場合に移行する。
モード番号4の通常時武闘会(実ボ中)状態は、主人公のHP(ヒット・ポイント)と相手方のHPを削り合うバトル遊技状態である。実ボ中は主人公のHPは減るが、0になることはない。相手方のHPを0にすることで、ART当選となり、ART準備中へ移行する。実ボが終了以前に勝利した時は、実ボが終了するまでハート(遊技上の特典)を獲得する為のハートストック抽選を行う。モード番号5の通常時武闘会(実ボ後)状態は、実ボが終了して、決着がついていない場合の区間である。主人公が負ける場合は、必ずこの遊技区間で負けとなる。相手HPを0にすることで、ART当選となり、ART準備中へ移行する。
モード番号6のART状態は、真魂聖勝(シンコンセイカツ)と称するART遊技であり、ゲーム数管理されている。残りゲーム0になるとモード番号7のARTジャッジゲーム状態へ移行する。ART遊技では、遊技上の特典であるハートを獲得するというゲーム性である。ARTジャッジゲーム状態では、ハートの数だけゲームを行って、1回毎に当落抽選を実行し、当選(継続条件が成立)すると、継続成功となってARTへ戻る。ハートを使い切って0になった場合は、通常へ戻るようになっている。
モード番号8のハート上乗せ特化状態は、ART中のリプレイ連から移行し、ハートを上乗せする遊技である。最低2Gが保証されており、その後は継続抽選で継続条件が成立することにより継続する(平均5G)。モード番号9の呪いOPT状態は、レア役が成立して何も当選しなかった時にポイント獲得し、一定以上のポイント獲得で移行する。王子の呪いOPT(姉妹キャラクタをOPT)を実行し、ゲーム数を上乗せする。1G固定である。モード番号10のART武闘会待機状態は、ART準備中以降に実ボーナスが当選した場合に移行する遊技状態である。
モード番号11のART時武闘会(実ボ中)状態は、主人公のHPと相手方のHPを削り合うバトル遊技状態である。実ボ中は主人公のHPは減るが、0になることはない。相手方のHPを0にすることで、OPTが確定する。実ボが終了すると、OPT遊技へ移行する。実ボが終了以前に勝利した時は、実ボが終了するまでダメージ・ポイントを累積して加算する。モード12番号のART時武闘会(実ボ後)状態は、実ボが終了しても決着がついていない場合の遊技区間である。主人公が負ける場合は、必ずこの遊技区間で負けとなる。相手HPを0にすることで、OPT遊技へ移行する。
モード番号13の武闘会後OPT状態は、武闘会に勝利して、倒した相手キャラクタを相手にOPTを行ってゲーム数を上乗せする。1G固定である。モード番号14のプレミアボーナス状態は、武闘会の一部で突入するプレミア遊技であり、プレミアフラグが立てられる。キャラクタ1〜キャラクタ4を相手にする4人分OPTを行う。中段チェリーはプレミアが確定する。モード番号15は、ボスキャラのキャラクタ5を倒した場合に移行するエンディング状態である。
主制御部100は、段階設定値が打ち直されると、設定変更処理を実行して、設定値に応じて各種データをクリア及びセットして初期状態とし、遊技者は通常遊技が開始可能となる。この設定変更処理において、まず、設定変更時ゲーム数始点抽選を実行し、CZ期待値を管理しているテーブルの経過ゲーム数の位置(ゲーム数)の抽選を行う。ゲーム数範囲ごとに通常モードNoが決められており、「通しNo」を抽選で決定する。例えば、抽選で通しNoとして8が選ばれれば、主制御部100は、通しNoの8に対応する終点ゲーム「288」の一つ前のデータ「256」を経過ゲーム数として選択する。この経過ゲーム数は消化ゲーム数とも称されており、天井ゲームまでの距離に相当するので、大きい値が選ばれる方が遊技者には有利である。天井ゲームが777ゲームとし、経過ゲーム数が256ゲームとすると、残り521ゲーム(777ゲーム−256ゲーム)で天井に到達する(天井到達状態)。
経過ゲーム数は、ボーナス非内部状態で通常中とCZ前兆中において、レバーの有効操作時に1が加算される一方、ARTへ移行したときに0クリアされる。但し、ボーナス当選の当該ゲームでは1が加算される。主制御部100は、現在の経過ゲーム数からゲーム数を通しNo0から順に減算して、0以下の値になった通しNoに対応する通常Noの値をモードNoとする。例えば、経過ゲーム数が112ゲームであれば、通しNo0に対応するゲーム数の32ゲームを減算して、80ゲームを得る。0以下の値になっていないので、主制御部100は、80ゲームから通しNo1に対応するゲーム数の32ゲームを減算して、48ゲームを得る。0以下の値になっていないので、主制御部100は、48ゲームから通しNo2に対応するゲーム数の32ゲームを減算して、16ゲームを得る。0以下の値になっていないので、主制御部100は、16ゲームから通しNo3に対応するゲーム数の32ゲームを減算して、−16ゲームを得る。0以下の値になったので、主制御部100は、通しNo3に対応する通常モードNoの「3」をモード値とする。この通常モードNoは0〜3の4種類あるが、値が大きい程、CZ(チャンスゾーン)に移行する為のポイントが貯まりやすくなっており、100ポイントになるとCZへの移行が確定する。
次に、主制御部100は、設定変更時に「呪いPT抽選」と、CZ当選用の「通常ポイント抽選」を実行する。例えば、主制御部100は、0〜7の範囲で抽選した数値に、所定値の「2」を加算したものを「呪いポイント」に設定する。また、主制御部100は、0〜63で抽選した数値に、所定値の「36」を加算したものを「通常ポイント」に設定する。結果的に、通常ポイントは36ポイント〜99ポイントとなる。上述した天井ゲームの処理として、ART間777G(経過ゲーム数)となった場合に、天井到達状態になるが、CZクリア確定&武闘会クリア確定となる。つまり、天井到達状態になって、移行条件が成立し、CZ遊技に移行するとクリアとなって勝利する。また、天井到達状態になって、移行条件が成立し、武闘会に移行するとクリアとなって勝利する。CZの場合は、777G以降のCZクリアポイント抽選の結果を0に設定し、武闘会の場合は、777G以降のボーナス当選時に、敵のHPを0に設定する。したがって、777G以降のCZジャッジゲームでは必ず成功となる。
図33で説明したRT2状態は、通常中に移行した場合には「ツンデレゾーン」として利用する。ここから他のRT状態へ移行した場合には、「ツンデレゾーン」の終了になる(図36参照)。通常時にRT3状態へ移行し、RT3状態中に逆押しシンデレラリプレイが当選した場合は、「シンデレラゾーン」となり、10ゲーム間、当選したレア役(リプレイ)と押し順ベルを完全にナビゲーションする。ゾーン状態フラグがあり、1が「ツンデレゾーン」で、2が「シンデレラゾーン」であることを意味する。リプレイA(RT2移行リプ)は択役ではなく、押し順に無関係にリプレイAが入賞する。リプレイB(RT3移行リプ)は6択正解で、RT3へ移行する。不正解でRTを維持する。リプレイC(RT1移行リプ)は3択正解で、RTを維持する。不正解でRT1へ移行する。
RT1且つART準備中フラグが1であって、リプA引いたときの処理、RT3でリプB1を引いたときにツンデレ状態にするか否かの処理、シンデレラリプを引いたときにシンデレラゾーンにするかの処理、逆押しチェリーの変換処理、ゾーン残りゲームを減算するか否かの処理は、図36に示すとおりである。
「通常時、CZ前兆中抽選」:通常ポイント抽選が実行される。通常時には、固定値テーブルで、通常ポイント参照テーブルNoが算出できるので、それを用いて、CZ当選用の通常ポイント抽選を行う。このテーブルに固定値テーブルで算出できる値を掛けたものが、獲得するポイントとなる。通常ポイントが100を超えた場合、通常ポイントから‐100して、CZストックカウンタに1を加算する。CZ当選となり次ゲームから「CZ前兆」へ移行する。
CZ当選時潜伏ゲーム数抽選:通常時にCZ当選し(CZ前兆)へ移行する時に(CZ前兆)を行うゲーム数を抽選する。逆に、通常に戻ってくるときにCZストックカウンタが1以上ある場合も、ゲーム数を抽選する。CZ前兆ゲーム数は、サブ状態がCZ前兆かつ非内部の時に1Gで1を減算する。0Gになった次ゲームで(CZ)へ移行する。
CZ当選時クリアポイント抽選:CZ当選時潜伏ゲーム数抽選を行ったときに、CZクリアポイントを抽選する。CZ中のポイント獲得抽選で、CZ中ポイントを累積加算して行き、CZクリアポイントに到達するとCZ成功となり、ARTへ移行する。通常時の経過ゲーム数が、777ゲームとなっている場合は、クリアポイントを0にする。
CZ中抽選:所定ゲーム数の20G固定のポイントを累積してジャッジするチャンスゾーンである。演出(キャラ)は、4種類選択できる。CZ途中で、舞踏会に突入することがある。その場合は、それまでに貯めたCZ中ポイントとクリアポイントを元に与ダメージに加算する。与ダメージ=敵HP−(クリアポイント−CZ中ポイント)で計算される。武闘会で負けた場合は、CZには戻らず通常時へ戻るが、CZストックが有る場合は、CZ前兆へ移行する。CZが始まるときに、CZ残りゲーム数に20をセットし、CZストックカウンタも1減算する。CZ残りゲーム数は、非内部かつ、内部にならなかった遊技の時に1減算される。CZ中ポイントがCZクリアポイントに達したゲームの次ゲーム以降は、後述するハートストック抽選を行う。CZ残りゲーム数が0になったときにクリアポイントに到達している場合は、次ゲームからARTへ移行する。クリアポイントに達していない場合は、通常時もしくはCZストックが有る場合は、CZ前兆へ移行する。
CZ中ポイント抽選:ポイントを抽選し、固定値テーブルで算出できる値を掛けた数値を、CZ中ポイントに加算する。CZ最終ゲーム時に、CZ中ポイントがCZクリアポイント以上になっていた場合にART当選となり、ARTへ移行する。押し順ベルが当選している場合は、払い出しがなかったときは、ハズレとしてポイント抽選する。一方、払出しがあった場合は、ベル用の成立役グループとしてポイント抽選する。ただし、押し順ベルをナビする場合においては、払い出しに関係なくベル用の成立役グループとして扱う。CZの最終ゲームは、レバー時点で判断し、押し順ベル当選で、ベル用の成立役グループとして扱う。
ボーナス内部中の処理:(通常時)、(CZ前兆)、(CZ)、(通常舞踏会(実ボ後)の時に実ボーナス内部中になった場合に、通常武闘会待機へ移行する。また、ART〜ジャッジ、ART武闘会(実ボ)の時に実ボーナス内部中になった場合に、ART武闘会待機へ移行する。
通常武闘会待機の処理:通常時に移行するボーナスを揃えるまでの区間(内部中)、出玉関係の抽選は実行されない。ボーナスが揃った場合には、移行先が通常武闘会もしくはプレミアBBとなる。
ART武闘会待機の処理:ART時に移行するボーナスを揃えるまでの区間(内部中)には、出玉関係の抽選は実行されない。特別処理として、通常武闘会(実ボ後)中に、ボーナス当選かつそのGで勝利の場合には、ボーナス当選で100与ダメージになる。通常武闘会待機へ移行して、キャラクタは変えずに、実ボ開始で当該キャラクタの紹介ムービーが流れる。その武闘会(実ボ)が終わった時に、ARTへ移行する。初期は40Gで、実ボを消化している間は、ハートストック抽選を行う。
ARTの処理:真魂聖勝と称し、女性キャラが王子キャラクタと同棲して、ハートをためていくゲーム性である。残りゲームが無くなるとジャッジゲームへ移行する。レア役の当選で、ハートストック加算の抽選を実行し、リプ連(リプレイ連続)でハートストック特化ゾーンへの移行抽選も行う。他に、呪いOPTというゲーム数上乗せ用のOPTの抽選も行う。通常からのART開始時(いわゆる初当り時)にだけ、ハート1つを加算する処理を行う。
ハート種別抽選:ART初回突入時、ART中ハート獲得時、ハート上乗せ特化時のハート獲得時に、種別の抽選を行う。最初の1個目だけを種類として記憶し、それ以降は個数だけの管理とする。最大個数は255+1個となる。種別は、ジャッジゲーム中に失敗してストックを消費するときにも抽選を行う。この「ハート」は、ARTのゲーム数が0になったあと、ジャッジゲームへ移行し、持っているハート1個につき1Gの継続ジャッジを行う。ハートには種類があって、キャラクタごとに6種類の継続率が固定で決められている。使用するハートに設定されている継続率を元に継続抽選を行い、継続に当選した場合に、上乗せ抽選を行いARTへ復帰する。成功した場合(継続に当選した場合)、使用しているハートは消費せずに、次回にまた使用できる。つまり、理論上、ハート1つあれば、永遠にARTへ復帰することが可能である。継続抽選に失敗した場合は、ハートを1減算し、0になったときに、ART終了となって通常へ移行する。継続抽選に失敗してもハートが存在する場合(1以上の場合)は、次ゲーム再度ジャッジゲームとなる。ジャッジゲーム中の当選役に応じて、継続率の加算を行うので、当選役によっては、継続率が100%を超えることもある。その場合は、成功確定となる。また、ジャッジ成功時に、当選役に応じて、持ち越し継続率加算抽選を行うので、成功すればするほど、継続率が高くなる。但し、ハート継続率+持越し継続率の最大値は70%である。一方、ジャッジ遊技で失敗した場合には、この持越し継続率はクリアされて0になる。
ハートストック加算抽選:ART中において、成立役グループに応じてハートストックの加算抽選を行う。1個以上のハートストックが当選した場合に、ハート種類が設定されていないときは、ハート種別抽選を行って設定する。一方、ハート種類が設定されている場合は、ハートストックに抽選された値を加算する。ハートストックの抽選契機は、ART中、武闘会(実ボ中)において敵HPを0にした次ゲームから実ボ終了するまで、CZ中にクリアポイントを超えた次ゲーム〜CZ終了するまで、プレミアボーナス中の4つの遊技状態中である。
呪いポイント加算抽選:ハートストック加算抽選に非当選で且つ武闘会(1種BB)にも非当選だった場合に、抽選が実行される。呪いポイントに加算するポイントの抽選を行うが、当選役がレア役な程、加算されるポイントが高い。ボーナス当選時にも当該抽選は実行されるが、ボーナス当選且つ呪いポイント獲得が無いようにするために、必ず0ポイントが選ばれるようになっている。呪いポイントは設定変更時に、0〜7で抽選した値に+2した数値から始まり、10Ptに到達した時に、10pt減算して、呪いOPT当選となり、次ゲームから呪いOPTへ移行する。呪いOPT自体は1Gで終了する。ART終了時に呪いポイントはクリアせずに持ち越される。
リプレイ連別ハート上乗せ特化ゾーン当選抽選:ボーナス非内部中において、5連以上(最大8連)のリプレイ連続当選毎に、ハート上乗せ特化ゾーンに移行するか否かの抽選を行う。この抽選に当選した場合に、リプレイ連を0クリアして、次ゲームからハート特化ゾーンへ移行する。特化ゾーンは2G以上続きます(継続抽選)。リプ連は、レア役ではクリアされない。但し、現在のサブ状態(演出状態)から他のサブ状態へ移行した時には、リプ連はクリアされる。リプレイB1に当選した場合、非ゾーン中&RT3時には100%ツンデレ状態となる。
ART中シンデレラゾーン抽選:ART中でツンデレゾーンもしくはシンデレラゾーンでない場合に、逆押しシンデレラリプレイ(テンパイ・ハズレ含む)当選したとき、この抽選を行う。当選した場合は、逆押しナビが出るが、シンデレラが揃う場合は、次ゲームからシンデレラゾーン(固定10G)となる。逆押しチェリー系のリプ(弱・中・強)当選時の逆押しナビ確率がツンデレゾーンより上がる(ロジックによる固定で100%)。逆押しチェリー系リプレイ当選時において、(1)通常時→逆押し無し、(2)ツンデレ→25%でナビ、(3)シンデレラ→100%でナビとなる。
ARTへ移行するときの処理として、ART残りゲームが少ない状態で、ハート上乗せや、ART武闘会(実ボ)へ移行した後、ARTへ復帰する場合、ART残りゲームが5G未満のときには、ART残りゲームを5Gで上書きする。ART残りゲームは、ART中且つ非内部中の時に1を減算(BB当選当該ゲームは減算)する。ARTへ遷移した時にオープニングゲームとして「5G」をセットし、オープニング中は、呪いポイントを加算した場合に9以上になるときには、9で上書きする。呪いOPTへ遷移させないための処理として、ART残りゲーム数は減算する。
ARTジャッジゲーム中抽選では、ハートを使って継続抽選を行われ、1ハートにつき1ゲーム実行可能である。継続成功となった場合は、ハートは残ったままとなるので遊技者に有利である。継続失敗となった場合は、ハートを1つ消費し、ハートがなくなった場合には、ART終了となる。ボーナス内部中になったときのハートは、継続確定となる。ハートの種類ごとに、固定の継続率が決められている。当該Gで当選した役の継続率、持ち越し継続率の合計継続率(固定の継続率+役の継続率+持ち越し継続率)で継続抽選を行い、成功した場合は、後述するジャッジ継続率加算抽選を行って、越し継続率に加算して、次回へ持ち越しとなる。持越しの上限は、最大70%であり、70%を超える場合には、70%に書き換えたうえで、当該Gで当選した役の継続率を加算して、継続抽選を行う。
ジャッジ継続率加算抽選:ジャッジゲーム成功時に、当該当選役に応じて「持越し継続率」に加算する値を抽選で決定する。「持ち越し継続率」は次回ジャッジまで持ち越すので、「持越し継続率」と「ハート継続率」と「次回の当選役の固定継続率」の結果を、すべて足し合わせた合計継続率で、次回の継続率抽選を実行する。
ハート別の上乗せゲーム数抽選:ハートによるジャッジ成功時において、ハート種類に応じて、上乗せゲーム数抽選を実行する。
ジャッジゲーム中天井:ジャッジ失敗カウンタを持ち、初期は0である。ジャッジ失敗ごとに加算し、10になった時(累計9回失敗した次のジャッジは必ず成功になる)に、当該ジャッジを成功に書き換える処理を実行する。ART中はジャッジに成功してもカウンタはクリアしない。但し、天井による成功時については、0にクリアする。通常へ戻るときに0クリア処理を実行する。
ハート上乗せ特化ゾーン中抽選:ジャッジゲームで使用するハートを必ず獲得できるゾーンであり、基本的に数ゲーム続くようになっている。最低2G保証で、その後は継続抽選を行う。但し、ボーナスが当選した場合は、強制終了して、特典としてハート10個を獲得する。
ハート上乗せ数抽選では、当選役に応じてハート上乗せ数の抽選を実行する。ハート上乗せ特化継続抽選では、非内部もしくはボーナス入賞していない場合、ハート上乗せ特化ゾーンを継続するか否かの抽選を実行する。当該抽選に当選した場合は、ハート上乗せ特化ゾーンが継続する。ボーナスが当選した時の処理として、ハート上乗せ抽選をしない分の補填をする為に、当該ハート上乗せ特化ゾーンで獲得したハートストックを2倍(所定倍)する処理を実行する。また、最低でも10個加算したうえで、ハート特化は終了となり、ART武闘会待機へ移行する。
呪いOPT中抽選として、呪いOPT時キャラ抽選:OPTを行うキャラクタを味方キャラクタの中から抽選する。
OPTテーブルNo別の継続率抽選:キャラクタごとに、小役に応じて決められているOPTテーブルNo別でOPTで使用する継続率の抽選を行う。テーブルNoは10種類程度存在する。
OPT1ペンでのゲーム数抽選:主制御部100は、操作ボタンを1回操作(1ペン)ごとの上乗せゲーム数を、副制御部160へ送信する。主制御部100は、アーマーブレイクした時(ブレイク2回とファイナルネガティブショット)も同様に、上乗せゲーム数を副制御部160へ送信する。
アーマーブレイク時の上乗せゲーム数抽選:キャラクタ毎にアーマーの耐久回数(固定値テーブル)が0になるごとに、上乗せゲーム数抽選を実行する。アーマーは2段階で、キャラクタ毎に固定されている。3段階目として、ファイナルネガティブショット用の耐久値と上乗せゲーム数は別で抽選する。
ファイナルネガティブショット用アーマー耐久値抽選:アーマー3段階目の耐久値を決める抽選で決定する。この耐久値の回数分のペンを行うと、ファイナルネガティブショット成功となり、上乗せゲーム数を抽選する。この値をOPT終了時に大きな上乗せ表示する。
武闘会後OPT中抽選:基本的に呪いOPTと同じテーブルを使って、上乗せゲーム数を抽選する。闘っていた敵キャラNoを使用して、OPTを実行する。OPT終了後の移行先が、RT状態によって変更となる。RT0〜RT2であればART準備中へ移行する一方、RT3であればARTへ移行する。
武闘会では味方HP、敵HPの削り合いバトル演出が表示され、武闘会中抽選が実行される。実ボーナス中(21G程度)と、初期にもどってからの状態となる。実ボーナス終了時に勝敗が決まっていない場合は、非内部状態に戻ってからも武闘会が続行する。武闘会(実ボ中)と武闘会(非内部)でサブ状態が分けられている。更に、通常時とART中で役割が違うのでサブ状態が分けられている。通常時において、敵キャラと対戦し、敵を倒せばART確定となる。ART中において、敵キャラと対戦し、敵を倒せばOPT確定となる。自分HPは100に固定され、敵HPも100に固定されている。一方、遊離状態になっていればキャラクタ別に50〜80に変更される。実ボーナス中の処理として、自分HPが1までしか減らない様になっているので、実ボ中は負けることはない。
武闘会開始時敵キャラ抽選:通常時かART中は戦闘した回数に応じて、対戦するキャラを抽選で決定する。5戦時にこの抽選を行った場合、戦闘回数を1にする一方、敵ボスに勝利した場合は戦闘回数は1のままにする。
通常時武闘会開始時HP減算抽選:CZ中に当選した場合、CZ獲得ポイントを元にキャラHPから減らすポイントを抽選を実行する。クリアポイントと獲得ポイントの差分に応じて、テーブルが変更される。通常においては、この抽選は実行されない。
与ダメージ抽選:成立役グループと敵キャラ別で番号(固定値テーブル)により、敵に与えるダメージの抽選を行う。番号ごとに、倍率が振り分けられているので、その倍率を掛けた数値が与ダメージとなる。倍率として、通常武闘会用とART武闘会用に2つ持っている。実ボ中は、(1)ベル(攻撃役)、(2)ベベリ(制御変えベル)、(3)リプレイ、(4)逆押しセブン揃い、(5)逆押しセブン揃わない、(6)弱中強チェリーリプレイ、(7)逆押し弱中強チェリーリプレイがある。実ボ中は、ベベリで与ダメージが0の場合に、被ダメージ抽選を行う。実ボ終了後は、ハズレ時に与ダメージが0の場合に、被ダメージ抽選を行う。
被ダメージ抽選:ベベリもしくは、非内部時はハズレで、与ダメージが0だった時に、敵キャラごとに、与えるダメージの抽選を行う。メインの抽選条件としては、与ダメージ0で、リプレイ又はベルではないときに自分が受けるダメージの抽選を行う。但し、武闘会の1G目は、被ダメージ抽選は行わない。
残りHP別のセブン扱い抽選:相手を倒していない場合に、自分のHPに応じて、逆押しセブン揃いリプを引いたときの、セブン扱いにするか否かを抽選する。当選した場合には、与ダメージ抽選などの成立役の種類を変え、与ダメージが100にするので、勝利確定となる。
武闘会突入時無敵抽選:武闘会突入時に、敵キャラに応じて無敵抽選を行い、これに当選した場合は、武闘会(実ボ後)にHPが0にならないので勝利確定となる。
武闘会時リプによるHP回復抽選:武闘会中のリプレイ時に自分がHP回復するか否かの抽選を行う。当選した場合は、その抽選値分のHPが加算される。ART武闘会の敗北時の処理として、ART武闘会(実ボ後)に敗北して、次ゲームARTへ戻るときに、呪いポイントに1を加算するので、オープニングが終わった次々ゲームから呪いOPTへ移行する。
プレミア系の抽選:ボーナス開始時にフリーズが発生するとプレミアボーナスとなり、4人のOPTが確定して、獲得枚数の期待値3000枚となる。ボーナス当選時に抽選および中段チェリー+BBの場合には、武闘会開始時プレミア抽選が実行される。武闘会の開始時にプレミア状態へ移行するか否かを抽選し、当選した場合には、サブ状態がプレミア武闘会へ移行する。プレミア舞踏会は、4人OPTを行い、17回のベル払い出しのうち、最後の4回のベルの時に、キャラ1〜キャラ4までを当選役に応じて指定される固定値データを設定し、その抽選値でOPT処理を実行する。中段チェリーについて、当選した時に同時当選でボーナス確定&プレミア武闘会が確定となる。ART中にもプレミア武闘会が当選するようになるので、プレミアによる期待枚数は3000枚となる。
ART武闘会で、ボスキャラ(キャラ5番目)を倒した時にエンディング状態に移行する。エンディング状態は、5G固定とし、途中でボーナスを引いた場合は、その時点で終了となる。終了後にARTへ移行する。
図37は、特別上乗せ画面(図37(A)参照)及び特別上乗せ抽選の処理手順を示すフローチャート(図37(B)参照)である。また、図38は、特別上乗せ画面(上乗せゲーム2の画面)の概要図である。尚、特別上乗せとは、OPTを意味する。
この上乗せゲームで上乗せゲーム(何れかのOPT)が選択されると、主制御部100は、終了決定確率であるパンク率(又は、継続決定確率であるループ率、若しくは継続率と称される)と上乗せ抽選テーブルを用いて上乗せ値を決定する為の上乗せループ抽選処理を実行する。なお、パンク率と継続率とは裏腹の関係にあり、パンク率が5%(20回に1回終了決定)と継続率が95%(20回に19回継続決定)とは表現の違いだけであり、実際には同義である。
有利遊技であるART遊技中に、敵キャラを倒した場合、又は、所定ポイントを獲得した場合(例えば、1000ポイントをゲット)、何れか一つが達成されたことを契機にして、上乗せ条件(上乗せゲーム2の開始条件)が成立する。また、BB中のART抽選に当選した場合や、ART中に所定ゲーム内にベルを3回入賞などのミッション達成により成立する。
主制御部100は、ART遊技(有利遊技)において特別上乗条件(上乗せゲーム2)が成立して、特別上乗抽選処理を実行する場合に、このサブルーチンを呼び出す(図37(B)参照)。主制御部100は、ステップS200に移行すると、複数の敵キャラクタの中から、抽選により今回の特別上乗せ抽選に用いる1人のキャラクタを選択する。そして、主制御部100は、ステップS200に移行すると、上乗せ形態抽選を実行して通常上乗せ又は特殊上乗せを決定する。この、特殊上乗せは、特殊上乗せ1〜特殊上乗せ3があり、特殊上乗せ1(スピード上乗せ)は乱数を2つ抽出して上乗せゲーム数抽選を2回実行するもの、特殊上乗せ2(パワー上乗せ)は乱数を1つ抽出して上乗せゲーム数抽選結果を2倍にするもの、特殊上乗せ3(テクニック上乗せ)はキャラクタのHP(ヒットポイント)を通常上乗せよりも4倍のポイントを減らすものである。この場合、6人のキャラクタから左端のキャラクタAが選択され、通常上乗せが抽選で決定された状態を示している。上乗せ形態は、キャラクタAが持つスティック(俗に、「ペンペン棒」と称している)の種類によって遊技者に認識させる様になっている。つまり、通常上乗せの場合には、図に示す通常スティックが表示されるが、特殊上乗せ1ではスピード・スティックが表示され、特殊上乗せ2ではパワー・スティックが表示され、特殊上乗せ3ではテクニック・スティックが表示される。
なお、選択されたキャラクタAと倒した敵ボス(敵キャラクタ)に応じて、保証ゲーム数抽選テーブルが設けられている。また、この保証ゲーム数抽選テーブルは、段階設定値に応じて期待値が上下するようになっている。例えば、キャラクタAと敵ボスとの組み合わせに対応して保証ゲーム数抽選テーブルが6つ設けられているが、段階設定値が6の場合、保証ゲーム数抽選の期待値は16回、段階設定値が5の場合、保証ゲーム数抽選の期待値は14回、段階設定値が4の場合、保証ゲーム数抽選の期待値は12回、段階設定値が3の場合、保証ゲーム数抽選の期待値は9回、段階設定値が2の場合、保証ゲーム数抽選の期待値は7回、段階設定値が1の場合、保証ゲーム数抽選の期待値は5回となるように数値が設計段階で予め決定されている。そして、主制御部100は、ステップS210でこれらの保証ゲーム数抽選テーブルを用いて、抽選により保証ゲーム数を自動的に決めて、ステップS220へ移行する。
主制御部100は、今回の遊技におけるスタート操作で役抽選を実行して、ステップS220に移行すると、当選役に応じて上乗せループ率抽選を実行する。上乗せループ率とは、当選する確率であり、例えば90%と仮定すると90%の確率で当選し、10%の確率でハズレとなる。上乗せループ率抽選テーブルは2種類あり、1つはレア役が当選した場合に選択され、他はレア役以外で選択される。当然ながら、レア役が当選した場合に選択される上乗せループ率抽選テーブルは、レア役以外のテーブルに比較して期待値が2〜3倍程度高くなっている。また、上述した通り、段階設定値に応じて期待値が上下するようになっている。
主制御部100は、ステップS230に移行すると、決定した上乗せゲーム数抽選テーブルを用いて1つの乱数を抽出して、通常上乗せでは上乗せ抽選を1回実行する。特殊上乗せ1(スピード上乗せ)では乱数を2つ抽出(少なくとも2つ以上の乱数を抽出)して上乗せゲーム数抽選を2回実行して、2つの上乗せ値を決定する。特殊上乗せ2(パワー上乗せ)は乱数を1つ抽出して上乗せゲーム数抽選結果を2倍にして(1つの乱数を抽出して定まる値を整数倍して上乗せ値を決定して、又は、値に所定値を乗算して所定値を決定して)、1つの上乗せ値を決定する。そして、特殊上乗せ3(テクニック上乗せ)では通常上乗せと同様に、1つの乱数を抽出して上乗せ抽選を1回実行する。また、上乗せゲーム数抽選1回毎に、キャラクタの持つHPから所定の1ポイント(所定ポイント)を減算するが、特殊上乗せ3(テクニック上乗せ)だけは所定の1ポイント(所定ポイント)を4倍した4ポイントをHPから減算する。各キャラクタの持つHPは3つあり、まずHP1から減算し、0となって第一上乗せ抽選条件が成立すると第一特別上乗せ抽選を実行し、第一特別上乗せ値を副制御部160に送信する。更に、主制御部100は、上乗せゲーム数抽選1回毎に、HP2から減算し、0となって第二上乗せ抽選条件が成立すると第二特別上乗せ抽選を実行して、第二特別上乗せ値を副制御部160に送信する。そして、主制御部100は、上乗せゲーム数抽選1回毎に、HP3から減算し、0となって第三上乗せ抽選条件が成立すると第三特別上乗せ抽選を実行して、第三特別上乗せ値を副制御部160に送信する。この第一特別上乗せ値の期待値は約50ゲーム、第二特別上乗せ値の期待値は約100ゲーム、第三特別上乗せ値の期待値は約300ゲームとなっており、特殊上乗せ3の場合には4倍でHPが減算されるため、特別上乗せが発生し易く、また選択されたキャラクタにも拠るが、高い確率で保証ゲーム数内に第一上乗せ抽選条件が成立する様になっている。副制御部160は、受信した第一特別上乗せ値〜第三特別上乗せ値を個々に記憶しており、これらの特別上乗せ値を受信した場合には、特別上乗せ値に関する演出を実行可能である。例えば、副制御部160は、第一特別上乗せ値〜第三特別上乗せ値に応じて、段階的にキャラクタの鎧を破壊する様な演出を実行するのである。
主制御部100は、ステップS235に移行すると、上限値N(送信許容回数)を超えたか否かを判断する。例えば、上限値Nを100回と仮定すると、主制御部100はステップS240で、最大100回まで副制御部160に上乗せ値を送信して、残り総ゲーム数(残り総数値)に上乗せ値を加算するが、101回以降は残り総ゲーム数に加算するだけで、副制御部160に上乗せ値を送信しない。副制御部160は、主制御部100から受信した上乗せ値を受信した順番に個々(別々)に記憶し行く。これによって、副制御部160の記憶容量を削減できるという特有の効果がある。なお、残り総数値は、ART遊技に関する押し順小役の残り当選回数や、残り払出し枚数などである。但し、主制御部100は、第一特別上乗せ値〜第三特別上乗せ値は、上限値Nとは無関係に必ず送信する。
主制御部100は、ステップS250に移行すると、保証ゲーム数があるか無いかを判断し、0でなければ(1以上であれば)、ステップS280に移行して保証ゲーム数から1を減算してステップS230に戻る。なお、換言すれば、ステップS250は保証ゲーム数を消化したか否かの判断と言え、消化していなければ1を減算してステップS230に戻る一方、消化していればステップS260に移行すると言うことである。
主制御部100は、ステップS250で保証ゲーム数が0回となってステップS260へ移行すると、決定されている上乗せループ率(この場合、当選率90%)に従って上乗せ継続数抽選を行う。例えば、0〜255の範囲で変動する8ビットカウンタを用いて、ランダムなタイミングでカウント値を抽出し、0〜229の範囲を当りとすれば、当選率は約90%となり、ステップS270で当選した場合(継続条件成立の場合)に、ステップS230に戻って上乗せループ抽選を自らが自動的に実行する。主制御部100は、ステップS270で終了の場合(終了条件成立の場合)に、計算して求めた残り総ゲーム数(残り総数値)を副制御部160に送信して、上乗せループ抽選処理のサブルーチンを終了する。主制御部100は、この残り総数値に基づいて、ART遊技の継続や終了、ジャッジメント遊技への移行を制御する。つまり、主制御部100は、有利遊技の上乗せ値を決定する為に、上乗せ抽選を繰り返す上乗せループ抽選処理を実行可能であり、また、上乗せループ抽選処理を終了させるか否か決定する為の抽選を、繰り返し実行可能な制御手段である。
副制御部160は、主制御部100から受信した上乗せ値を受信順に個々(別々)に記憶しており、上乗せゲーム数が1回目に1、2回目に3、3回目に1、4回目に5、5回目に1、6回目に1、7回目に50、8回目に1、9回目に1が当選し、トータル64回獲得したことを示している(図38(A)参照)。なお、この一連の上乗せ抽選処理は主制御部100が実行するが、スタート操作で役抽選を実行した後から、停止ボタン部10の操作を有効化するまでの短時間(約10ms程度)で処理される。
主制御部100は、3つのリールドラムが全て回転している状態で、いずれかの停止スイッチの操作を受け付けた場合、通常上乗せ抽選を実行したときには遊技の遅延処理(フリーズ処理)を行わないが、特殊上乗せ抽選1〜3を実行したことを条件に遅延処理を行う。主制御部100は、通常上乗せ抽選の場合、第一停止操作を受け付けると最低操作間隔の210msのタイマーをセットして、操作から210msの経過を最低条件に、第二停止操作を受け付ける。一方、特殊上乗せ抽選の場合、主制御部100は第一停止操作を受け付けたことを契機にして、遅延処理を実行して所定時間(約5秒)が経過するまで、主たる遊技の進行を停止する。その結果、遊技者は第一停止操作から所定時間経過するまで、第二停止操作をすることができない。副制御部160は、主制御部100から所定時間(約5秒)のフリーズコマンドを受けると、遅延処理中に特殊上乗せ抽選が行われたことを示す特殊演出を表示演出装置11に表示する。遊技者は、次の操作ができないことの違和感に加えて、特殊演出によって上乗せ遊技に関する期待感が大きく膨らむのである。
副制御部160は、上乗せ値に関する上乗せ演出を制御する演出制御手段であり、特別上乗条件(上乗せゲーム2)が成立した遊技が終了後(第3停止操作後)に、上乗せ演出の開始条件が成立して、スペシャルボタン14(操作スイッチ)の操作を有効化する。この有効化時には、副制御部160は、スペシャルボタン14の内部LEDを点滅させると共に、液晶画面に「スペシャルボタン連打」と表示する。つまり、副制御部160は、主制御部100から当該ゲームが終了した旨の通知(ドラム部が全て停止した状態の通知又はベットボタンが有効の通知等)を受信すると、スペシャルボタン14を操作可能とし、表示演出装置11に「スペシャルボタンを叩け」又は「スペシャルボタン連打」と表示する。また、現在の残りゲーム数に、スペシャルボタン操作1回毎に上乗せ値を加算した残りゲーム数も表示される(図示せず)。
図38(B)は、上乗せゲーム数が10回目に20、11回目に100、12回目に10、13回目に1、14回目に3、15回目に1、16回目に5、17回目に1、18回目に1が当選した後に、最後に受信した残り総ゲーム数(残り総数値)を記憶しており、上乗せループ抽選処理の終了条件が成立し、1回目から18回目のトータル206回獲得したことを示している。副制御部160は、上乗せ演出の開始条件が成立し、スペシャルボタン14を操作可能状態(有効化状態)として、遊技者がスペシャルボタン14を1回操作する毎に、受信した順番にRAMに記憶する上乗せゲーム数を1回目から最後の順に順次表示し、19回目の操作で総上乗せゲーム数と残り総ゲーム数を表示する演出を実行する。副制御部160は、MAXベット操作後のスタート操作(演出キャンセル操作)により、上乗せ演出がキャンセルされた場合にも、総上乗せゲーム数を表示する様になっており、次遊技の第一停止操作が行われるまで総上乗せゲーム数表示は継続される。なお、残り総ゲーム数も表示する様にしてもよい。副制御部160は、受信した残り総ゲーム数(残り総数値)から上乗せ遊技前の残ゲーム数を減算することにより、総上乗せゲーム数を求めて表示する様になっている。これにより、副制御部160は、遊技者に代わって主制御部100が実際に行った上乗せ抽選を再現するので、遊技者は大きな感動を覚えると共に、遊技者と遊技機との一体感を形成することができる。
図39は、8ビット擬似乱数と置数の関係を示す説明図である。図40は、役抽選テーブルの詳細説明図である。
モード番号0の通常状態は、通常モードNo0〜3の4種類で管理されており、この状態が大きい時にレア役等を引けば、ART(アシスト・リプレイ・タイム)やCZ(チャンスゾーン)に当選する確率が高くなる。ポイントは、0〜99の値の中から乱数抽選で決定される。
8ビット擬似乱数を用いた場合、従来であれば0.39%(1/256)刻みでしか確率を設定できなかったが、当選確率をもっと細かく設定する必要が生じたので技術的に工夫を凝らした(例えば、0.006%)。主制御部100は、乱数生成回路が周期的に生成している0〜255までの8ビット擬似乱数の1つを所定のタイミングで取得する(図39(A)参照)。なお、この8ビット擬似乱数は1周期に一度必ず0〜255の値が出現する。8ビット擬似乱数の第7ビット(MSB)が指示ビットであり、この値が0であれば掛算の実行指示となるが、1であれば掛算の実行指示ではない(つまり、掛算の不実行指示)。又、指示する内容は0と1が逆でもよい(0:実行不指示、1:実行指示)。8ビット擬似乱数の他の7つのビット(第0ビットから第6ビット)で0〜127までの何れかの数値を示すことが可能である。
図39(B)は、指示ビット(MSB)が0で所定数を掛けることを指示するものであり、7ビットの数値を128倍したものが置数となり、数値が1増す毎に確率が0.781%増加することを示している。この分解能は、1/256の2倍に荒くなっている。
図39(C)は、指示ビット(MSB)が1で所定数を掛けないことを指示するものであり、7ビットの数値が置数となり、数値が1増す毎に確率が0.006%増加することを示している。この分解能は、1/256の64倍に細かなっている。
図39(D)は、複数の当選情報(賞金ポイント0〜99の値)と置数の関係を定める抽選テーブルであり、ROM101に記憶されている。賞金20ポイントを中心にして、賞金10ポイント〜賞金30ポイントが80%の確率で当選するように設計されている。賞金20ポイントを30%の確率で当選させる場合、置数はMSBが0で、7ビット数値は38となり、真の確率は29.688%(38×128÷16384)となる。賞金15ポイントと賞金25ポイントを20%の確率で当選させる場合、置数はMSBが0で、7ビット数値は26となり、真の確率は20.031%(26×128÷16384)となる。賞金0ポイントを0.5%の確率で当選させる場合、置数はMSBが1で、7ビット数値は82となり、真の確率は0.500%(82÷16384)となる。賞金90ポイントを0.02%の確率で当選させる場合、置数はMSBが1で、7ビット数値は4となり、真の確率は0.024%(4÷16384)となる。そして、賞金99ポイントを0.01%の確率で当選させる場合、置数はMSBが1で、7ビット数値は2となるはずだが、0〜90ポイントまでが当選していないので、最後に必ずポイントが当選するのだから、100%を意味するMSBが1で、7ビット数値は0(置数1Byteデータ:10000000)を入れている。プログラム上の処理として、まず置数に128かを確認して、128であれば当選処理をする一方、128でなければ乱数から置数を累積して引き算するという処理になる。特に、確率50%はMSBが0で、7ビット数値は64(置数1Byteデータ:01000000)となる。逆に、取得した1つ8ビット擬似乱数が64(1Byteデータ:01000000)であれば、置数を0ポイントから順に累積して引き算して行き、乱数が負になるのが賞金20ポイントなので、賞金20ポイントという当選情報を導出することになる。
主制御部100は、遊技者のスタートレバー9の操作に伴って、内蔵する乱数発生部103で継続して発生させている2バイトの乱数(10進数では0〜65535の値、2進数では0000h〜1111h)の1つRD1を抽出して内部抽選処理を実行する。
役抽選テーブル(図40参照)は全て1バイトのデータであり、アドレスNからの1バイトの第Nデータ、アドレスMからの1バイトの第Mデータ、アドレスLからの1バイトの第Lデータ群で構成され、設計仕様に応じてデータの内容が変更される。第NデータのMSBは置数のバイト数を識別する識別ビットであり、この識別ビットが0であれば置数のバイト数が1バイトを示す状態である一方、識別ビットが1であれば置数のバイト数が2バイトを示す状態である。続く2つのビット(ビット5、ビット6)がボーナス情報であり、00でボーナス不当選、01でボーナス1、02でボーナス2、03でボーナス3が当選したことを示す。下位の5ビットは抽選回数情報であり、最低1回〜最大31回の値を取ることができる。
第MデータのMSBは設定別データを識別する識別ビットであり、0であれば置数の設定差が無く共通の置数を意味するが、1であれば置数の設定差があり設定別の置数を意味する。下位7ビットは役情報であり、内部抽選処理が終了した時の当選役を意味する。7ビットなので128種類の当選役(当選役0〜当選役127)を区別できる。第Lデータは置数の値を意味し、第NデータのMSBが0なら1バイトの小さい置数データ(最大255まで)、MSBが1なら2バイトの大きい置数データ(最大65535)とすることができる。
主制御部100は、RD1を抽出すると、RD1を継続して引いて行き、残り乱数値と置数値に基づく終了条件が成立によって、当選役を決定する。終了条件としては、残り乱数値が抽選テーブルの今回引く置数値より小さくなった場合に、成立となる。より具体的には、第NデータのMSBが1なので、主制御部100は置数が2バイトと判断する。ボーナス情報が00なのでボーナス不当選で、抽選回数情報が(11011)なので27回抽選する(置数を引く)と判断する。
主制御部100は、第MデータのMSBが0なので、設定差が無い共通の置数であり、役情報が4なので押し順小役(左ファースト1)と判断する。主制御部100は、第Lデータ(01h)を置数の上位バイトとし、第L+1データ(10h)を置数の下位バイトとする。この場合、置数は10進数で384(256+128)となる。ここで主制御部100は、残り乱数値が抽選テーブルの今回の置数値より小さくなったと判断した場合に、終了条件が成立となって、押し順小役(左ファースト1)を当選役に決定する(抽選結果を導出する)。一方、終了条件が成立しなかったら、残り乱数値から、今回の置数値(384)を引き、残り乱数値として減算を1回終了する。次に、主制御部100は、論理演算で押し順小役(左ファースト2)とし、終了条件が成立すると、この押し順小役(左ファースト2)を当選役に決定するが、不成立の場合、論理演算で押し順小役(左ファースト3)とし、終了条件が成立すると、この押し順小役(左ファースト3)を当選役に決定するが、不成立の場合に同様の処理を繰り返す。押し順小役(左ファースト)は1〜9まで9種類、押し順小役(中ファースト)は1〜9まで9種類、押し順小役(右ファースト)は1〜9まで9種類あり、置数が同じなのでループ処理をすることによって、役抽選テーブルのデータ量を少なくすることが可能となる。つまり、27回抽選(置数減算)を行っても当選しなかったら、押し順小役(左ファースト1)〜押し順小役(右ファースト1)までの27種類は不当選ということになるが、どこかで終了条件が成立すると、押し順小役の何れかが当選となる。
主制御部100は、第N+1データのMSBが0なので、主制御部100は置数が1バイトと判断する。ボーナス情報が01なのでボーナス1が当選で、抽選回数情報が(00001)なので1回抽選する(置数を引く)と判断する。主制御部100は、第M+1データのMSBが0なので、設定差が無い共通の置数であり、役情報が0なので不当選(ハズレ)と判断する。つまり、ボーナス1の単独当選であり、ここで終了条件が成立した場合には、ボーナス1だけが当選となる。なお、役情報が0以外であれば、その役とボーナス1の重複当選となる。主制御部100は、第L+2データ(40h)を置数とし、この場合、置数は10進数で64(当選確率は約1/1000)となる。ここで主制御部100は、残り乱数値が今回の置数値64より小さくなったと判断した場合に、終了条件が成立となって、ボーナス1の単独当選に決定する(抽選結果を導出する)。一方、終了条件が成立しなかったら、残り乱数値から、今回の置数値(64)を引き、残り乱数値として抽選処理1回を終了する。
主制御部100は、第N+2データのMSBが0なので、主制御部100は置数が1バイトと判断する。ボーナス情報が00なのでボーナスが不当選で、抽選回数情報が(00001)なので1回抽選する(置数を引く)と判断する。主制御部100は、第M+2データのMSBが1なので、設定差がある設定別の置数であって、役情報が3なので中段チェリー(レア小役:設計時点で決まっている)と判断する。主制御部100は、設定値を確認して、設定値が1ならば第L+3データ(80h)を置数とし(10進数128)、設定値が2ならば一つ先の第L+4データ(88h)を置数とし(10進数136)、設定値が3ならば一つ先の第L+5データ(90h)を置数とし(10進数144)、設定値が4ならば一つ先の第L+6データ(A0h)を置数とし(10進数160)、設定値が5ならば一つ先の第L+7データ(C0h)を置数とし(10進数192)、設定値が6ならば一つ先の第L+8データ(E0h)を置数とし(10進数255)、残り乱数値が今回の置数値より小さくなったと判断した場合に、終了条件が成立となって、中段チェリーの単独当選に決定する。仮にボーナス情報が10であれば、ボーナス2と中段チェリーの同時当選となる。一方、終了条件が成立しなかったら、残り乱数値から、今回の置数値を引き、残り乱数値として抽選処理1回を終了する。主制御部100は、上記の手順を繰り返して内部抽選処理を実行し、最終的に抽選結果(当選役又は不当選)を導出することになる。効果としては、メインプログラムのデータ容量を圧縮することができる。
図41は、指示モニター表示の詳細説明図である。図42〜図44は、指示情報及び指示モニター表示と指示内容の関係を示す説明図である。
本実施例では、メダル払出枚数表示LED4cの一の位を使用して指示モニター表示を行う。指示モニター表示の発生契機は、スタートレバー作動後に内部当せん情報の値、RT情報の値、押し順情報の値及びナビモード情報に対応して指示が発生した場合、指示内容を数値化した指示情報(0〜6)を設定する。その後、回胴が回転を開始して、停止ボタンの操作が受付け可になったときに、設定された指示情報(0〜6)がメダル払出枚数表示LED4cの一の位に表示される(点灯)。そして、全回胴が停止すると指示モニター表示は消灯する。指示情報及び指示モニター表示と指示内容の関係は以下のとおりである。なお、「表示なし」は「0」を表示する。
指示機能に係る条件装置作動時に、ナビモード情報の値が「0」の時は、イベントコマンド(当選データコマンド:A9H)からグループ化した値が周辺基板(副制御部160)に送信される(図42(A)参照)。押し順ベル1〜押し順ベル27のグループ値は80Hで、押し順リプレイ1−1〜押し順リプレイ2−6のグループ値は40Hである。制御部160は、押し順ベル又は押し順リプレイを認識できるが、操作すべき順序を認識不能なので、ナビ情報を報知できない。
指示機能に係る条件装置作動時に、ナビモード情報の値が「1」の時は、一部の指示情報の値及びグループ化した値がイベントコマンド(当選データコマンド:A9H)から周辺基板(副制御部160)に送信される(チャンスゾーン2。図42(B)参照)。条件装置01EH〜026H(押し順ベル1〜27)の場合には、50%の振分け抽せんを行って、指示モニターに表示する。押し順ベルは3択であり、第1操作が正解すれば第2操作及び第3操作の順序に拘わらずベル小役(入賞目的小役)が入賞する。具体的には、01EH〜026H(押し順ベル1〜押し順ベル9)は左1stが正解なので、左中右を指示する「1」又は左右中を指示する「2」の何れかを50%の確率で抽せんで決定し、指示モニターに表示すると共に、周辺基板(副制御部160)に決定情報を送信する。副制御部160は、決定情報が「1」であれば左中右の順でナビ情報を報知する一方、決定情報が「2」であれば左右中の順でナビ情報を報知する。
同様に、027H〜02FH(押し順ベル10〜18)は中1stが正解なので、中左右を指示する「3」又は中右左を指示する「4」の何れかを50%の確率で抽せんで決定して、指示モニターに表示すると共に、周辺基板(副制御部160)に決定情報を送信する。副制御部160は、決定情報が「3」であれば中左右の順でナビ情報を報知するが、決定情報が「4」であれば中右左の順でナビ情報を報知する。また、030H〜038H(押し順ベル19〜27)は右1stが正解なので、右左中を指示する「5」又は右中左を指示する「6」の何れかを50%の確率で抽せんで決定して、指示モニターに表示すると共に、周辺基板(副制御部160)に決定情報を送信する。副制御部160は、決定情報が「5」であれば右左中の順でナビ情報を報知する一方、決定情報が「4」であれば右中左の順でナビ情報を報知する。主制御部100は、押し順リプレイ1−1〜押し順リプレイ2−6のグループ値は40Hを送信する。制御部160は、押し順リプレイを認識できるが、操作すべき順序を認識不能なので、ナビ情報を報知できない。
指示機能に係る条件装置作動時に、ナビモード情報の値が「2」の時は、一部の指示情報の値及びグループ化した値がイベントコマンド(当選データコマンド:A9H)から周辺基板(副制御部160)に送信される(終了待ち。図43(A)参照)。押し順ベル1〜押し順ベル27のグループ値は80Hであり、制御部160は、押し順ベルを認識できるが、操作すべき順序を認識不能なので、ナビ情報を報知できない。押し順リプレイ1はRT1状態からRT2状態に移行させる為の再遊技役であり、押し順リプレイ2はRT2状態からRT3状態に移行させる為の再遊技役である。02H(押し順リプレイ1−1)又は08H(押し順リプレイ2−1)は左中右の順序が正解なので、正解操作を指示する「1」を指示モニターに表示すると共に、周辺基板(副制御部160)に指示情報を送信する。03H(押し順リプレイ1−2)又は09H(押し順リプレイ2−2)は左右中の順序が正解なので、正解操作を指示する「2」を指示モニターに表示すると共に、周辺基板(副制御部160)に指示情報を送信する。04H(押し順リプレイ1−3)又は0AH(押し順リプレイ2−3)は中左右の順序が正解なので、正解操作を指示する「3」を指示モニターに表示すると共に、周辺基板(副制御部160)に指示情報を送信する。
同様に、05H(押し順リプレイ1−4)又は0BH(押し順リプレイ2−4)は中右左の順序が正解なので、正解操作を指示する「4」を指示モニターに表示すると共に、周辺基板(副制御部160)に指示情報を送信する。06H(押し順リプレイ1−5)又は0CH(押し順リプレイ2−5)は右左中の順序が正解なので、正解操作を指示する為の「5」を指示モニターに表示すると共に、周辺基板(副制御部160)に指示情報を送信する。07H(押し順リプレイ1−6)又は0DH(押し順リプレイ2−6)は右中左の順序が正解なので、正解操作を指示する為の「6」を指示モニターに表示すると共に、周辺基板(副制御部160)に指示情報を送信する。
指示機能に係る条件装置作動時に、ナビモード情報の値が「3」の時は、指示情報の値がイベントコマンド(当選データコマンド:A9H)から周辺基板(副制御部160)に送信される(図43(B)参照)。押し順ベル及び押し順リプレイの正解操作を指示する為の数値(1〜6)を、図42(B)及び図43(A)で説明した通りに指示モニターに表示すると共に、周辺基板(副制御部160)に指示情報を送信する。指示機能に係る条件装置作動時に、RT情報が「0」の時は、ナビモード情報の値が「1」〜「3」であったとしても、ナビモード情報の値が「0」と同様に、イベントコマンド(当選データコマンド:A9H)からグループ化した値が周辺基板(副制御部160)に送信される(図44参照)。押し順ベル1〜押し順ベル27のグループ値は80Hで、押し順リプレイ1−1〜押し順リプレイ2−6のグループ値は40Hである。制御部160は、押し順ベル又は押し順リプレイを認識できるが、操作すべき順序を認識不能なので、ナビ情報を報知できない。従って、副制御部160が改竄されてもゴト行為はできない。
図45は、遊技状態遷移図(RT状態)である。
図33との相違は、ボーナス役として実ボーナスゲーム(BB1〜BB2:1種役物連続作動装置)の他にプレミア演出ボーナスを設けた点であるので、他の説明は図33を援用する。
プレミア演出ボーナスは、ボーナス遊技が終了すると、所定ゲーム数(例えば、25ゲーム)高確率再遊技状態(REP確率約2/3)となるRT付き実ボーナスであり、プレミア演出ボーナス遊技の開始からRTゲームが終了するまでプレミア演出が実行される。
プレミア演出ボーナス図柄が表示されて、プレミア演出ボーナス遊技が入賞すると、副制御部160は、それを演出開始の契機として、プレミア演出を実行する。プレミア演出用データは、映像データ、音楽データ、歌声データ及びランプ制御データで構成されている。プレミア演出用データは、分割された演出用データ0〜演出用データN(Nは2以上の自然数)から成り、副制御部160は演出用データ0から順に再生して、演出用データNの再生を終了すると、再び演出用データ0に戻って再生を繰り返す(ターンアラウンド再生)。副制御部160は、現在再生中の演出用データを記憶しており、ドアオープンやエラー発生した時に、エラー状態から復帰すると、記憶している演出用データの最初から再生を開始する。すなわち、プレミア演出の実行中に演出中断事由の発生を検出した後、演出開始条件が満たされると、現在記憶している演出用データの最初から再生するのである。なお、演出用データ0〜演出用データNは、表示する演出内容に合わせて分割されているので、等分(同じ長さのデータ)にする必要は無い。
図46は、遊技状態遷移図(RT状態)及び左1st押し順小役である。図47は、中1st及び右1st押し順小役である。
図33との相違は、ボーナス1(図23参照)が貫通型ボーナスと称されるものになった点である。ボーナス1は、1種役物連続作動装置又は2種役物連続作動装置のどちらでもよい。貫通型ボーナスであるボーナス1は、役抽選で内部当選しても、作動図柄が表示されても、ボーナスの作動が終了(ボーナスゲームが終了)しても、再遊技の当選確率を変動させない。つまり、内部当選時のRT状態を維持する役である。また、ボーナス1と小役が同時当選した場合、ボーナス図柄が優先して引き込み制御されるようになっている(ボーナス優先制御)。
ボーナス1(第2種特別役物に係る役物連続作動装置が望ましい):左ドラム2aに(BAR)、中ドラム2bに(BAR)、右ドラム2cに(赤チェリー)が有効ライン上に揃って停止すると、獲得枚数は0枚でその後にプレミア的なボーナス1が付与される(2種BB1が作動するBIGボーナス)。入賞するとBAR図柄が右上り一直線に揃った様に見えるので、遊技者にとって違和感はない。ボーナス1の遊技で、獲得枚数が144を超えると終了する。
ボーナス1が内部当選して、ボーナス内部中になると当選時のRT状態が維持されるので、RT4はRT0〜RT3の何れかとなる。再遊技役の当選確率が高いRT2又はRT3の状態で、ボーナス1が内部当選して作動(入賞)しなかった場合には、次の遊技も高確率再遊技状態が維持される。これらのRT4状態(高確率再遊技状態)でリプレイが当選すると、リプレイの作動図柄が必ず表示される(リプレイ役の入賞又は作動)が、いずれかの小役が当選すると、ボーナス優先制御によりボーナス図柄が小役に優先して引き込み制御される。
ところが、ボーナス1が内部当選した状態で、押し順小役(特に、左1st)が同時当選したときに、ボーナス図柄を引き込めないタイミングで停止スイッチが操作されると、出玉率が100%を超えるという問題が発生する。例えば、図24の押し順ベル1−1が当選すると、入賞させることが目的の目的小役(右下りベル役:FRU1)、第1小役の入賞を阻害する目的の阻害小役群を構成する複数種類の阻害小役(この場合は、3種類の9枚小役(FRU10、FRU23、FRU36)が同時に当選する。遊技者が左リールの18番のBAR図柄が通り過ぎたタイミングで停止スイッチを操作すると、13番若しくは番の緑カボチャ図柄、又は3番の上シン図柄が有効ライン上に停止する。仮に、13番の緑カボチャ図柄が有効ライン上に停止したとすると、目的小役(FRU1)と阻害小役(FRU36)の2つが入賞の可能性がある。遊技者が中リールを3番の青チェリー図柄を引き込めないタイミングで停止スイッチを操作すると、主制御部100は、阻害小役図柄を引き込めないので、目的小役(FRU1)のベル図柄を引き込む。この状態で目的小役(FRU1)のみが入賞の可能であるが、右リールのリプレイ図柄は100%引き込めるので、主制御部100は目的小役を入賞させて9枚を払い出すことになる。逆に、遊技者が中リールを3番の青チェリー図柄を引き込むタイミングで停止スイッチを操作すると、阻害小役だけがテンパイ状態となるが、1/3の確率で入賞するので増減は0枚となる。つまり、遊技者がボーナス内部中であるRT4状態(高確率再遊技状態)で、ボーナス1図柄を意図的に狙わずにボーナス入賞を避け続けると、出玉率が100%を超えるので、リプレイ当選時にはメダルは減らず、更に小役当選時にメダルを増やすことが可能となる。その結果、遊技者によって攻略されるという事態が生じる。
図46(B)は、ボーナス内部中のRT4状態(RT0、RT1の低確率再遊技状態又はRT3〜RT4の高確率再遊技状態)で、押し順ベル役(左)が当選したことを示しており、図23との相違点は、更に、停止制御変更用の1枚役のFRU40が同時当選していることであるが、ボーナス非内部中には、図27〜図32で説明した通りの停止制御が行われるので説明を援用する。
押し順ベル役(左)は、正解となる第一停止操作が左停止ボタン10aであり、続く操作は中停止ボタン10bでも右停止ボタン10cどちらでもよい。押し順ベル1は1回押し順タイプの押し順小役であり、入賞させることを目的とし、配当は9枚の第1小役(右下りベル役:FRU1)、第1小役の入賞を阻害する目的の第2小役群を構成する複数種類の第2小役(この場合は、3種類の9枚小役(FRU10、FRU23、FRU36)が同時に当選する(図24の押し順ベル1−1参照)。更に、停止制御変更用の1枚役のFRU40が同時に当選するようになっている。押し順ベル1−1〜押し順ベル1−9まで9種類あるが、停止制御変更用の1枚役が同時当選すること以外は同様なので、説明を援用する。また、押し順ベル役(中)及び押し順ベル役(右)もあるが、図27から図32の説明を援用する。なお、これらの説明は、ボーナスが不当選時(非内部中)の説明であり、ボーナス非内部中において押し順ベル役(左)が同時当選して、図27(A)の状態で、遊技者が正解操作順序の左停止ボタン10aを第一停止操作した場合、主制御部100は、滑りコマ数テーブルを参照し、該当する滑りコマ数データに基づいて、0コマ〜4コマの範囲で左ドラム2aを停止させ、上シン図柄/BAR図柄/緑カボチャ図柄の何れか1つを有効ラインに引き込む為の制御を行う。
一方、遊技者が、ボーナス非内部中に、全リールが回転している状態(図29(A)参照)で、不正解操作順序の右停止ボタン10cを第一停止操作した場合に、主制御部100は、滑りコマ数テーブルを参照し、該当する滑りコマ数データに基づいて、0コマ〜4コマの範囲で右ドラム2cを停止させ、BAR図柄、青セブン図柄又は緑カボチャ図柄の何れか1つを必ず有効ラインに引き込む為の制御を行う(図29(B)参照)。従って、3つの阻害小役の内、何れか1つの阻害小役図柄が必ず有効ライン上に停止する。図29(B)の場合には、BAR図柄が有効ラインに停止しているので、この時点において、FRU10しか入賞する可能性はなく、またベル図柄(小役明示図柄)が右上段に停止している。
ボーナス内部中において、押し順ベル役(左)が当選した場合、BB1、FRU1、FRU10、FRU23、FRU36及びFRU40が同時に当選した状態になる(図46(B)参照)。遊技者がDDTポイントであるBAR図柄を狙って、正解操作順序の左停止ボタン10aを第一停止操作した場合に、主制御部100は、滑りコマ数テーブルを参照し、該当する滑りコマ数データに基づいて、0コマ〜4コマの範囲で左ドラム2aを停止させ、BAR図柄を有効ラインに引き込む為の停止制御を行う。BAR図柄が有効ラインに停止すると、この時点において、BB1、FRU1、FRU10及びFRU40の何れかが入賞する可能性がある。遊技者が16番の青セブン図柄を狙って、中停止ボタン10bを第二停止操作した場合、主制御部100は、滑りコマ数テーブルを参照し、該当する滑りコマ数データに基づいて、0コマ〜4コマの範囲で中ドラム2bを停止させ、BAR図柄を有効ラインに引き込む為の停止制御を行う。その理由は、主制御部100がFRU1、FRU10及びFRU40の図柄に優先してボーナス図柄を引き込む停止制御を行うからである。この状態では、BB1しか入賞する可能性はなく、遊技者が赤チェリー図柄を狙って、右停止ボタン10cを第三停止操作した場合、BB1が入賞する一方、赤チェリー図柄を引き込めないタイミングで右停止ボタン10cを第三停止操作すると、BB1の取りこぼし目が表示される。
しかしながら、第一停止操作後に、遊技者が右リール12番のBAR図柄をビタ押しして、右停止ボタン10cを第二停止操作した場合、13番の赤チェリー図柄は停止させることができない。その場合、主制御部100は、ボーナス内部中には、FRU10の図柄であるBAR図柄ではなく、図柄組合せが多いFRU40の上シン図柄又は白カボチャ図柄の何れかを有効ライン上に引き込む。その後、第三停止操作で中停止ボタン10bを操作すると、リプレイ図柄又は白カボチャ図柄の何れかを有効ライン上に引き込んでFRU40を入賞させてメダルを1枚だけ払い出す。従って、遊技者は2枚の損をすることになるので、攻略性を無くすことができる。
また、左リールの第一停止操作でBAR図柄を外した場合、主制御部100は上シン図柄又は緑カボチャ図柄を停止させるが、ボーナス内部中には、その後の操作で中リールにリプレイ図柄又は白カボチャ図柄、右リールに上シン図柄又は白カボチャ図柄を停止させて、FRU40を入賞させる。即ち、阻害小役であるFRU23及びFRU36の図柄の蹴飛ばし制御を行って、払出し枚数の多い阻害小役を入賞させない。その結果、ボーナス内部中の出玉率を100%未満に設定できるので、攻略性を無くすことができる。
図46(B)のボーナス内部中において、遊技者が不正解操作順序の中停止ボタン10b又は右停止ボタン10cを第一停止操作した場合には、2つの停止制御が考えられる。
第一の制御として、主制御部100は、不正解操作順序の場合、ボーナス図柄又はFRU40の図柄を有効ライン上に停止させて、BB1又はFRU40(停止制御変更用の制御変更小役、配当は2枚以下)しか入賞させない停止制御を実行する。すなわち、ボーナス内部中には、FRU40(制御変更小役)が同時に当選しているので、BB1図柄を引き込めない場合、FRU40図柄を引き込んで、配当の多い小役(目的小役及び3つの阻害小役)は入賞させない様にする。
第二の制御として、主制御部100は、不正解操作順序の場合、ボーナス図柄又は3つの阻害小役の何れかの図柄を有効ライン上に停止させて、BB1又は阻害小役しか入賞させない停止制御を実行する。すなわち、ボーナス内部中には、配当は多いが取りこぼす可能性がある阻害小役が同時に当選しているので、BB1図柄を引き込めない場合、何れかの阻害小役図柄を引き込んで、配当の多い目的小役及び制御変更小役は入賞させない様にする。
ボーナス内部中において、図47(A)の押し順ベル役(中)が当選した場合には、BB1、FRU2、FRU10、FRU23及びFRU36が同時に当選した状態になる。
遊技者が正解操作順序の中停止ボタン10bを第一停止操作した場合、主制御部100は、滑りコマ数テーブルを参照し、該当する滑りコマ数データに基づいて、0コマ〜4コマの範囲で中ドラム2bを停止させるが、正解操作順序であるにも拘らず、FRU2のベル図柄は蹴飛ばして、BAR図柄(ボーナス図柄)又は何れかの阻害小役図柄を引き込む様に停止制御を変更する。なお、ボーナス非内部中には、目的小役のFRU2のベル図柄を引き込む。その後の第二、第三停止操作でボーナス図柄を引き込んだ場合にはボーナス入賞となるが、引き込めない場合はボーナス取りこぼしとなる。また、その後の第二、第三停止操作で阻害小役図柄を引き込んだ場合には阻害小役入賞となって9枚のメダルが払い出されるが、引き込めない場合は小役取りこぼしとなって、小役コボシ目図柄が表示される。しかし、ボーナス内部中なので、主制御部100は、RT状態を変更しない。
ボーナス内部中において、図47(B)の押し順ベル役(右)が当選した場合には、BB1、FRU3、FRU10、FRU23及びFRU36が同時に当選した状態になる。
遊技者が正解操作順序の右停止ボタン10cを第一停止操作した場合、主制御部100は、滑りコマ数テーブルを参照し、該当する滑りコマ数データに基づいて、0コマ〜4コマの範囲で中ドラム2bを停止させるが、正解操作順序であるにも拘らず、FRU3のベル図柄は蹴飛ばして、赤チェリー図柄(ボーナス図柄)又は何れかの阻害小役図柄を引き込む様に停止制御を変更する。なお、ボーナス非内部中には、目的小役のFRU3のベル図柄を引き込む。その後の第二、第三停止操作でボーナス図柄を引き込んだ場合にはボーナス入賞となるが、引き込めない場合にはボーナス取りこぼしとなる。また、その後の第二、第三停止操作で阻害小役図柄を引き込んだ場合には阻害小役入賞となって9枚のメダルが払い出されるが、引き込めない場合には小役取りこぼしとなって、小役コボシ目図柄が表示される。しかし、ボーナス内部中なので、主制御部100は、RT状態を変更しない。