以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
〔遊技機の基本構成〕
図1は、本実施の形態に係るパチンコ遊技機100の概略正面図である。
図1に示す遊技機の一例としてのパチンコ遊技機100は、遊技者の指示操作により打ち出された遊技球が入賞すると賞球を払い出すように構成されたものである。このパチンコ遊技機100は、遊技球が打ち出される遊技盤110と、遊技盤110を囲む枠部材150とを備えている。遊技盤110は、枠部材150に着脱自在に取り付けられている。
遊技盤110は、前面に、遊技球により遊技を行うための遊技領域111と、下方から発射された遊技球が上昇して遊技領域111の上部位置へ向かう通路を形成するレール部材112と、遊技領域111の右側に遊技球を案内する案内部材113とを備えている。
本実施の形態では、遊技者により視認され易い遊技領域111の位置に、演出のための各種の画像を表示する画像表示部114が設けられている。この画像表示部114は、液晶ディスプレイ等による表示画面を備え、遊技者によるゲームの進行に伴い、例えば、図柄抽選結果(図柄変動結果)を遊技者に報知するための装飾図柄を表示したり、キャラクタの登場やアイテムの出現による演出画像や後述の保留表示を用いた演出画像を表示したりする。
また、遊技盤110の前面に、各種の演出に用いられる可動役物115および盤ランプ116を備えている。可動役物115は、遊技盤110上で動作することにより各種の演出を行い、また、盤ランプ116は、発光することで各種の演出を行う。
遊技領域111には、遊技球が落下する方向に変化を与えるための図示しない遊技くぎおよび風車等が設けられている。また、遊技領域111には、入賞や抽選に関する種々の役物が所定の位置に設けられている。また、遊技領域111には、遊技領域111に打ち出された遊技球のうち入賞口に入賞しなかったものを遊技領域111の外に排出する排出口117が設けられている。
本実施の形態では、入賞や抽選に関する種々の役物として、遊技球が入賞すると特別図柄抽選(大当たり抽選)が始動する第1始動口121および第2始動口122と、遊技球が通過すると普通図柄抽選(開閉抽選)が始動する始動ゲート(以下、単にゲートと呼ぶ)124と、が遊技盤110に設けられている。なお、図1において、ゲート124は、遊技領域111の左右にそれぞれ設けられており、左側のゲート124は124Lと記載し、右側のゲート124は124Rと記載している。また、ここにいう第1始動口121および第2始動口122とは、予め定められた1の特別図柄表示器の作動契機となる入賞口をいう。具体的には、第1始動口121および第2始動口122には、入賞の際に遊技球の通過を検知するスイッチ(後述の第1始動口スイッチ211および第2始動口スイッチ212)が設けられている。そして、第1始動口121または第2始動口122に遊技球が入賞した際にこのスイッチが遊技球の通過を検知することが、特別図柄表示器を作動させる契機となる。
第2始動口122は、チューリップの花の形をした一対の羽根が電動ソレノイドにより開閉すると共に点灯する普通電動役物としての電動チューリップ(開閉部材)123を備えている。電動チューリップ123は、羽根が閉じていると、遊技球が第2始動口122へ入り難い一方で、羽根が開くと第2始動口122の入口が拡大して遊技球が第2始動口122へ入り易くなるように構成されている。そして、電動チューリップ123は、普通図柄抽選に当選すると、点灯ないし点滅しながら羽根が規定時間(例えば0.15秒ないし1.8秒間)および規定回数(例えば1回ないし3回)だけ開く。
パチンコ遊技機100は、遊技状態として、大当たり抽選の当選確率に基づき、当選確率の低い低確率状態と、低確率状態よりも当選確率の高い高確率状態とを有している。そして、大当たりや特別図柄抽選の抽選回数を契機とするなど所定の条件に基づいて低確率状態と高確率状態とのいずれかの状態に制御される。
また、パチンコ遊技機100は、遊技状態として、第2始動口122への入賞機会が少ない電サポ無状態と、電サポ無状態よりも第2始動口122への入賞機会が多い電サポ状態とを有している。そして、例えば、大当たりや特別図柄抽選の抽選回数を契機とするなど所定の条件において、電サポ無状態と、電サポ状態とのいずれかの状態に制御される。電サポ状態とは、例えば、普通図柄変動時間を短縮すること、電動チューリップ123の開時間を延長すること、普通図柄抽選の当たり当選確率を高確率にすること、のいずれか一つまたは複数の組合せによって制御される遊技状態である。
また、パチンコ遊技機100は、遊技状態として、特別図柄変動時間が長い時短無状態と、時短無状態よりも特別図柄変動時間が短い時短状態とを有している。
なお、本実施の形態においては、電サポ状態と時短状態とは同時に制御されるものとする。また、以下の説明においては、電サポ状態かつ時短状態のことを単に時短状態とし、電サポ無状態かつ時短無状態のことを単に時短無状態とする。
また、本実施の形態では、入賞や抽選に関するその他の役物として、特別図柄抽選の結果に応じて開放する特別電動役物としての大入賞口125と、遊技球が入賞しても抽選を行わない普通入賞口126と、が遊技盤110に設けられている。そして、大入賞口125には、大入賞口125を開閉する大入賞口扉125Dが設けられている。以下の説明において、大入賞口扉125Dの開閉状態や開閉動作のことを、便宜的に、大入賞口125の開閉状態や開閉動作として説明する場合がある。
本実施の形態では、遊技盤110の左下の位置に、判定結果や保留数に関する表示を行う表示器130が設けられている。
また、遊技盤110の裏面には、特別図柄の当選の判定等を行う遊技制御基板、演出を統括的に制御する演出制御基板、画像および音による演出を制御する画像制御基板、各種のランプおよび可動役物115による演出を制御するランプ制御基板などの図示しない各種の基板等が取り付けられる。また、遊技盤110の裏面には、供給された24VのAC電源をDC電源に変換して各種の基板等に出力するスイッチング電源(不図示)が設けられている。
枠部材150は、遊技者がハンドル151に触れてレバー152を時計方向に回転させる操作を行うとその操作角度に応じた打球力にて遊技球を所定の時間間隔(例えば1分間に100個)で電動発射する発射装置(不図示)を備えている。また、枠部材150は、遊技者のレバー152による操作と連動したタイミングで発射装置に遊技球を1つずつ順に供給する供給装置(不図示)と、供給装置が発射装置に供給する遊技球を一時的に溜めておく皿153と、を備えている。この皿153には、例えば払い出しユニットによる払出球が払い出される。
なお、本実施の形態では、皿153を上下皿一体で構成しているが、上皿と下皿とを分離する構成例も考えられる。また、発射装置のハンドル151を所定条件下で発光させる構成例も考えられる。
また、枠部材150は、発射装置のハンドル151に遊技者が触れている状態であっても遊技球の発射を一時的に停止させるための停止ボタン154と、皿153に溜まっている遊技球を箱(不図示)に落下させて取り出すための取り出しボタン155と、を備えている。
また、枠部材150は、パチンコ遊技機100の遊技状態や状況を告知したり各種の演出を行ったりするスピーカ156および枠ランプ157を備えている。スピーカ156は、楽曲や音声、効果音による各種の演出を行う。枠ランプ157は、LED等の発光体で構成され、点灯・点滅によるパターンや発光色の違い等で光による各種の演出を行う。なお、枠ランプ157については、光の照射方向を変更する演出を行うことを可能にする構成例が考えられる。
また、枠部材150は、遊技盤110を遊技者と隔てるための透明板(不図示)を備えている。
図2は、本実施の形態に係るパチンコ遊技機100を説明する図であり、図2(a)は、遊技盤110の左下に設けられた表示器130の一例を示す拡大図であり、図2(b)は、パチンコ遊技機100の部分平面図である。
パチンコ遊技機100の表示器130は、図2(a)に示すように、第1始動口121の入賞に対応して作動する第1特別図柄表示器221と、第2始動口122の入賞に対応して作動する第2特別図柄表示器222と、ゲート124の通過に対応して作動する普通図柄表示器223と、を備えている。第1特別図柄表示器221は、第1始動口121の入賞に基づき、特別図柄を変動表示した後に停止表示させて判定結果を表示する。第2特別図柄表示器222は、第2始動口122の入賞に基づき、特別図柄を変動表示した後に停止表示させて判定結果を表示する。普通図柄表示器223は、遊技球がゲート124を通過したことに基づき、普通図柄を変動表示した後に停止表示させて判定結果を表示する。本実施の形態では、第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222は、各々LEDを配列した表示装置で構成され、その点灯態様によって特別図柄抽選の判定結果が表示される。同様に、普通図柄表示器223も、LEDを配列した表示装置で構成され、その点灯態様によって普通図柄抽選の判定結果が表示される。
また、表示器130は、第1特別図柄表示器221での保留に対応して作動する第1特別図柄保留表示器218と、第2特別図柄表示器222での保留に対応して作動する第2特別図柄保留表示器219と、普通図柄表示器223での保留に対応して作動する普通図柄保留表示器220と、を備えている。本実施の形態では、第1特別図柄保留表示器218、第2特別図柄保留表示器219および普通図柄保留表示器220は、各々LEDを配列した表示装置で構成され、その点灯態様によって保留数が表示される。
本実施の形態の表示器130において、第1特別図柄表示器221は、例えば複数(本実施の形態では7個)のLEDを同期して一斉に点滅させることによって、特別図柄の変動表示を行う。なお、第1特別図柄表示器221において特別図柄の変動が開始されてから変動停止するまでの間、複数のLEDの点滅の周期は変化せずに一定である。
そして、第1特別図柄表示器221は、例えば複数のLEDのうち予め定められた位置のLEDを点灯させた状態を一定時間維持することで特別図柄の変動停止を表現する。
特別図柄抽選の判定結果がはずれである場合、第1特別図柄表示器221は、例えば複数のLEDのうち端部の1個のLEDだけを点灯させる。一方、特別図柄抽選の判定結果が大当たりである場合、第1特別図柄表示器221は、複数のLEDを予め定められた点灯パターンで点灯させる。なお、特別図柄抽選の判定結果が大当たりである場合、第1特別図柄表示器221は、大当たりに当選した場合の図柄の種類に応じて、異なる点灯パターンを表示する。
なお、第2特別図柄表示器222は、第2始動口122における遊技球の入賞に基づいて、第1特別図柄表示器221と同様の動作を行う。
ここで、保留について説明する。特別図柄の変動表示動作中(入賞1回分の変動表示が行なわれている間)にさらに第1始動口121または第2始動口122に遊技球が入賞した場合、特別図柄が変動中であるために、後の入賞に基づく特別図柄の変動表示動作を開始することができない。そのため、後の入賞は規定個数(例えば4個)を限度に記憶され、その入賞した遊技球に対する特別図柄を始動させるための権利が、先に入賞した遊技球に対する変動表示動作が終了するまで、保留される。
なお、普通図柄に関しても、特別図柄と同様の処理を行う。このような保留がなされていることおよびその保留の数(未変動数)が、第1特別図柄保留表示器218、第2特別図柄保留表示器219および普通図柄保留表示器220に表示される。
さらに、表示器130は、パチンコ遊技機100の状態を表示する状態表示器224を備えている。本実施の形態では、状態表示器224は、3個のLEDを配列した表示装置で構成されている。3個のLEDのうち1つは、パチンコ遊技機100の状態が、特別図柄抽選の当選確率が高確率である高確率状態となっているか否かを点灯により報知するものである。また、他の1つは、パチンコ遊技機100の状態が、特別図柄変動時間が短い時短状態となっているか否かを点灯により報知するものである。さらに他の1つは、右打ちすることによって(遊技球の打球力を変更することによって)遊技者に有利な状態となっているか否かを点灯により報知するものである。
また、表示器130は、特別図柄抽選の判定結果に応じて行われる大当たり遊技において大入賞口125が作動される際のラウンド数を表示するラウンド数表示器225を備えている。なお、大当たり遊技については後述する。ラウンド数表示器225は、LEDを配列した表示装置で構成され、その点灯態様によって大当たり遊技における大入賞口125の作動ラウンド数が表示される。
パチンコ遊技機100の枠部材150は、遊技者が演出に対する入力を行うための入力装置を備えている。図2(b)に示すように、本実施の形態では、入力装置の一例として、演出ボタン161と、演出ボタン161に隣接し、略十字に配列された複数のキーからなる演出キー162と、が枠部材150に設けられている。図示の例において、複数の画像の中から1つの画像を選択する操作を受け付ける演出を行う場合を考える。この場合、例えば、遊技者が十字に配列された4つのキーからなる演出キー162を操作することにより、画像表示部114に表示されている複数の画像のいずれかを指示し、演出ボタン161を操作することにより、指示した画像を選択するような演出を行うことができる。また、入力装置の形態としては、図示した演出ボタン161および演出キー162の他、レバーやハンドル等、演出の内容等に応じて様々な入力形態を採用することができる。
〔制御ユニットの構成〕
次に、パチンコ遊技機100での動作制御や信号処理を行う制御ユニットについて説明する。
図3は、本実施の形態のパチンコ遊技機の制御ユニットの内部構成を示すブロック図である。
図4は、本実施の形態の画像/音響制御部およびランプ制御部の説明図である。
図3に示すように、制御ユニットは、メイン制御手段として、特別図柄の当選の判定等を行う遊技制御部200を備えている。また、サブ制御手段として、演出を統括的に制御する演出制御部300と、払出球の払い出し制御を行う払出制御部330と、を備えている。
〔遊技制御部の構成・機能〕
遊技制御部200は、特別図柄の当選の判定等を行う際の演算処理を行うCPU201と、CPU201にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM202と、CPU201の作業用メモリ等として用いられるRAM203と、を備えている。
遊技制御部200は、パチンコ遊技機100の遊技状態を、高確率状態または低確率状態のいずれか、時短無状態または時短状態のいずれかで制御する。これにより、パチンコ遊技機100の遊技状態は、高確率状態および時短状態である高確率時短遊技状態、低確率状態および時短状態である低確率時短遊技状態、高確率状態および時短無状態である高確率時短無遊技状態、低確率状態および時短無状態である低確率時短無遊技状態のいずれかとなる。そして、遊技制御部200は、上述のように大当たりや特別図柄抽選の抽選回数を契機とするなど所定の条件に基づき、高確率状態と低確率状態とを切り替え、時短無状態と時短状態とを切り替える。また、遊技制御部200は、時短状態において、時短無状態よりも普通図柄抽選の当たり当選確率を高確率にする、普通図柄変動時間を短縮する、電動チューリップ123の開時間を延長する等の制御を行う。
遊技制御部200は、第1始動口121または第2始動口122に遊技球が入賞したことを契機として特別図柄抽選に用いられる乱数値を取得する。そして、遊技制御部200は、取得した乱数値を用いて特別図柄抽選を行い、特別図柄抽選の判定結果に応じて大当たり遊技等の特別遊技を行う。特別遊技において、遊技制御部200は、特別電動役物である大入賞口125が閉鎖条件(例えば29.5秒経過または遊技球10個の入賞)を満たすまで開状態を維持するラウンドを、大当たり図柄(種類)に応じて予め定められた回数だけ繰り返すように制御する。そして、遊技制御部200は、大入賞口125が開く際の開閉動作間隔を制御する。
また、遊技制御部200は、ゲート124を遊技球が通過したことを契機として普通図柄抽選に用いられる乱数値を取得する。そして、遊技制御部200は、取得した乱数値を用いて普通図柄抽選を行い、普通図柄抽選の判定結果に応じて電動チューリップ123の作動を制御する。
また、遊技制御部200は、特別図柄変動中に遊技球が第1始動口121または第2始動口122へ入賞したことにより発生する保留や、普通図柄変動中に遊技球がゲート124を通過したことにより発生する保留の設定を行う。
さらに、遊技制御部200は、特別図柄抽選および普通図柄抽選の判定結果、高確率状態と低確率状態の変更情報、時短無状態と時短状態の変更情報、保留の設定情報等の遊技制御に伴う情報を、後述するコマンドにより演出制御部300に送る。
さらに、遊技制御部200は、第1始動口121、第2始動口122、大入賞口125および普通入賞口126に遊技球が入賞すると、遊技球が入賞した場所に応じて1つの遊技球当たり所定数の賞球を払い出すように、払出制御部330に対する指示を行う。例えば、第1始動口121に遊技球が入賞すると3個の賞球、第2始動口122に遊技球が入賞すると4個の賞球、大入賞口125に遊技球が入賞すると13個の賞球、普通入賞口126に遊技球が入賞すると10個の賞球をそれぞれ払い出すように、払出制御部330に指示命令(コマンド)を送る。なお、ゲート124を遊技球が通過したことを検出しても、それに連動した賞球の払い出しは払出制御部330に指示しない。
払出制御部330が遊技制御部200の指示に従って賞球の払い出しを行った場合には、遊技制御部200は、払い出した賞球の個数に関する情報を払出制御部330から取得する。それにより、払い出した賞球の個数を管理する。
遊技制御部200には、検知手段として、図3に示すように、第1始動口121への遊技球の入賞を検出する第1始動口検出部(第1始動口スイッチ(SW))211と、第2始動口122への遊技球の入賞を検出する第2始動口検出部(第2始動口スイッチ(SW))212と、電動チューリップ123を開閉する電動チューリップ開閉部213と、ゲート124への遊技球の通過を検出するゲート検出部(ゲートスイッチ(SW))214と、が接続されている。
さらに、遊技制御部200には、大入賞口125への遊技球の入賞を検出する大入賞口検出部(大入賞口スイッチ(SW))215と、大入賞口125の大入賞口扉125Dを閉状態と突出傾斜した開状態とに設定する大入賞口扉開閉部216と、普通入賞口126への遊技球の入賞を検出する普通入賞口検出部(普通入賞口スイッチ(SW))217と、が接続されている。
また、遊技制御部200には、特別図柄の変動中に第1始動口121へ入賞した未変動分の保留個数を表示する第1特別図柄保留表示器218と、特別図柄の変動中に第2始動口122へ入賞した未変動分の保留個数を表示する第2特別図柄保留表示器219と、普通図柄の変動中にゲート124を通過した未変動分の保留個数を表示する普通図柄保留表示器220と、が接続されている。
さらに、遊技制御部200には、第1始動口121への遊技球の入賞により行われる特別図柄の変動表示および特別図柄抽選の結果を表示する第1特別図柄表示器221と、第2始動口122への遊技球の入賞により行われる特別図柄の変動表示および特別図柄抽選の結果を表示する第2特別図柄表示器222と、普通図柄の変動表示および普通図柄抽選の結果を表示する普通図柄表示器223と、パチンコ遊技機100の状態を表示する状態表示器224と、が接続されている。
そして、第1始動口スイッチ211、第2始動口スイッチ212、ゲートスイッチ214、大入賞口スイッチ215および普通入賞口スイッチ217にて検出された検出信号が、遊技制御部200に送られる。また、遊技制御部200からの制御信号が、電動チューリップ開閉部213、大入賞口扉開閉部216、第1特別図柄保留表示器218、第2特別図柄保留表示器219、普通図柄保留表示器220、第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222、普通図柄表示器223および状態表示器224に送られる。それにより、遊技制御部200は、上記した払い出し賞球数に関連する各種制御を行う。
さらに、遊技制御部200には、ホールに設置されたホストコンピュータ(不図示)に対して各種の情報を送信する盤用外部情報端子基板350が接続されている。そして、遊技制御部200は、払出制御部330から取得した、払い出した賞球数に関する情報や遊技制御部200の状態等を示す情報を、盤用外部情報端子基板350を介してホストコンピュータに送信する。
〔払出制御部の構成・機能〕
払出制御部330は、払出球の払い出しを制御する際の演算処理を行うCPU331と、CPU331にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM332と、CPU331の作業用メモリ等として用いられるRAM333と、を備えている。
そして、払出制御部330は、遊技制御部200から送られたコマンドに基づいて、払出球の払い出しを制御する。
具体的には、払出制御部330は、遊技制御部200から、遊技球が入賞した場所(第1始動口121等)に応じた所定数の賞球を払い出すコマンドを取得する。そして、コマンドに指定された数だけの賞球を払い出すように払出駆動部334を制御する。ここでの払出駆動部334は、遊技球の貯留部から遊技球を送り出す駆動モータで構成される。
また、払出制御部330には、払出駆動部334により遊技球の貯留部から実際に払い出された賞球の数を検出する払出球検出部335と、貯留部(不図示)での遊技球の貯留の有無を検出する球有り検出部336と、遊技者が遊技する際に使用する遊技球や払い出された賞球が保持される皿153が満タン状態に有るか否かを検出する満タン検出部337と、が接続されている。そして、払出制御部330は、払出球検出部335、球有り検出部336および満タン検出部337にて検出された検出信号を受け取り、これらの検出信号に応じた所定の処理を行う。
さらに、払出制御部330には、ホールに設置されたホストコンピュータに対して各種の情報を送信する枠用外部情報端子基板340が接続されている。そして、払出制御部330は、例えば払出駆動部334に対して払い出すように指示した賞球数に関する情報や払出球検出部335にて検出された実際に払い出された賞球数に関する情報等を枠用外部情報端子基板340を介してホストコンピュータに送信する。また、遊技制御部200に対しても、同様の情報を送信する。
〔演出制御部の構成・機能〕
演出制御部300は、演出を制御する際の演算処理を行うCPU301と、CPU301にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM302と、CPU301の作業用メモリ等として用いられるRAM303と、日時を計測するリアルタイムクロック(RTC)304と、を備えている。
演出制御部300は、例えば遊技制御部200から送られる特別図柄抽選での当選か否かの判定結果および変動パターンに基づいて、演出内容を設定する。その際、演出ボタン161または演出キー162を用いたユーザからの操作入力を受けて、操作入力に応じた演出内容を設定する場合もある。この場合、例えば演出ボタン161等のコントローラ(不図示)から操作に応じた信号(操作信号)を受け付け、この操作信号により識別される操作内容を演出の設定に反映させる。
さらには、演出制御部300は、遊技制御部200より受信した高確率状態と低確率状態の変更情報、時短無状態と時短状態の変更情報に基づいて演出内容を設定する。
また、演出制御部300は、設定した演出内容の実行を指示するコマンドを画像/音響制御部310およびランプ制御部320に送る。
さらに、演出制御部300には、画像および音響を用いた演出を制御する画像/音響制御部310と、各種のランプおよび可動役物115を用いた演出を制御するランプ制御部320と、が接続されている。
〔画像/音響制御部の構成・機能〕
画像/音響制御部310は、図4に示すように、演出内容を表現する画像および音響を制御する際の演算処理を行うCPU311と、CPU311にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM312と、CPU311の作業用メモリ等として用いられるRAM313と、VDP(Video Display Processor)314と、CGROM315と、SNDROM316と、VDP314の作業用メモリ等として用いられるVRAM317と、を備えている。
そして、画像/音響制御部310は、演出制御部300から送られたコマンドに基づいて、画像表示部114に表示する画像およびスピーカ156から出力する音響を制御する。
具体的には、CGROM315には、画像表示部114において遊技中に表示する背景画像、遊技者に判定結果を報知するための装飾図柄、遊技者に予告演出を表示するためのキャラクタやアイテム等といった画像データが記憶されている。また、SNDROM316には、画像データと同期させて、または画像データとは独立にスピーカ156から出力させる楽曲や音声、さらにはジングル等の効果音等といった各種音響データが記憶されている。
CPU311は、演出制御部300から送られた保留数コマンドもしくは変動演出開始コマンドに基づいて、アニメーションパターンの解析や、描画に関するコマンドをまとめたディスプレイリストの作成、およびディスプレイリストのVDP314への送信などを行う。
VDP314は、CPU311から受信したディスプレイリストに基づいて、CGROM315やSNDROM316にそれぞれ記憶された画像データや音響データを読み出す。さらには、VDP314は、読み出した画像データを用いて背景画像表示、装飾図柄表示、装飾図柄変動、およびキャラクタ/アイテム表示等のための描画処理と、読み出した音響データを用いた音声処理とを行う。そして、VDP314は、描画処理された画像データにより画像表示部114での画面表示を制御する。また、VDP314は、音声処理された音響データによりスピーカ156から出力される音響を制御する。
なお、本実施の形態では、VDP314が描画処理に併せて音声処理も行うよう構成しているが、これに限定されず、音声処理を専用で行うプロセッサを別途設けても構わない。
以上のCPU311およびVDP314の機能、および各装置での制御をより具体的に説明する。
画像/音響制御部310において、CPU311は、演出制御部300から受信した演出内容の実行を指示するコマンドに基づいて、画像表示部114に表示されるべき画像の内容を規定するディスプレイリストを生成し、生成したディスプレイリストを含む描画コマンドをVDP314に対して送信する。RAM313は、CPU311の演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能し、ROM312から読み出されたデータを一時的に記憶するものである。
VDP314は、複数のフレーム(フレーム画像とも称する)を用いて各種演出を構成する画像(演出画像とも称する)を表示させることができる映像処理回路である。VDP314は、CPU311から受信した描画コマンドに基づき、CGROM315に記憶されている素材画像データを用いて各フレーム画像を生成し、生成した複数のフレーム画像を連続して画像表示部114に表示させるための画像データ(映像信号)を画像表示部114に送信する。これによって、画像表示部114には、VDP314が生成した時系列上に並ぶ複数のフレーム画像からなる動画像が演出画像として表示されることとなる。ただし、画像表示部114に表示される演出画像は、静止画像も含む。
CGROM315は、フラッシュメモリ、EEPROM、EPROM、マスクROM等から構成され、所定範囲の画素(例えば、32ピクセル×32ピクセル)における画素情報の集まりからなる画像データ等を圧縮して記憶している。VRAM317は、フレーム画像を生成するためのワークエリアとしてVDP314により利用される。VDP314は、約16.6ミリ秒ごとに、適切な画像表示を行うためのクロックや同期信号等の生成を行う。
VDP314と接続されるVRAM317は、画像表示部114に対して画像出力を行うために必要な各種データを一時的に記憶しておくための記憶手段である。当該VRAM317は、記憶保持に外部からの電力供給が必要な揮発性の半導体メモリを有してなり、詳細には当該半導体メモリとしてSDRAMが用いられている。ただし、SDRAMに限定されることはなく、DRAM、SRAM又はデュアルポートRAMといった他のRAMを用いてもよい。当該VRAM317は、パチンコ遊技機100の使用に際して、読み書き両用として用いられる。また、VRAM317には、VDP314により描画データが作成されるフレームバッファが設けられている。なお、VRAM317がVDP314に内蔵されていてもよい。
VDP314は、CGROM315から読み出された画像データを用いて、フレームバッファに1フレーム分の描画データを作成する。1フレーム分の描画データとは、予め定められた更新タイミングで画像表示部114における画像が更新される構成において、一の更新タイミングにおける画像を表示させるために必要なデータのことをいう。
ここで、フレームバッファには、複数のフレーム領域a,bが設けられている。具体的には、第1フレーム領域aと、第2フレーム領域bとが設けられている。これら各フレーム領域a,bは、それぞれ1フレーム分の描画データを記憶可能な容量に設定されている。具体的には、各フレーム領域a,bにはそれぞれ、画像表示部114の表示面のドット(画素)に所定の倍率で対応させた多数の単位エリアが含まれている。各単位エリアは、いずれの色を表示するかを特定するためのデータを格納可能な記憶容量を有している。より詳細には、フルカラー方式が採用されており、各ドットにおいてR(赤),G(緑),B(青)のそれぞれに256色の設定が可能となっている。これに対応させて、各単位エリアにおいては、RGB各色に1バイト(8ビット)が割り当てられている。つまり、各単位エリアは、少なくとも3バイトの記憶容量を有している。
フレームバッファに第1フレーム領域aおよび第2フレーム領域bが設けられていることにより、一方のフレーム領域に作成された描画データを用いて画像表示部114への表示が実行されている状況において、他のフレーム領域に対して今後(通常であれば次フレーム)表示される予定の描画データの作成(描画)が実行される。つまり、フレームバッファとして、ダブルバッファ方式が採用されている。
VDP314は、約16.6ミリ秒毎に第1フレーム領域aおよび第2フレーム領域bの切り替えを許可するためのVブランク信号をCPU311へと出力する。従って、処理落ち等のイレギュラー事象の発生を除けば、通常、Vブランク信号の1回の受信を持って第1フレーム領域aおよび第2フレーム領域bの切り替え、すなわち描画が実行されるフレーム領域と表示の対象となるフレーム領域との切り替えが発生し、もって1フレーム分の画像の描画および表示の更新が行われることとなる。つまり、1秒間の間に、1000ミリ秒÷16.6ミリ秒=約60フレーム分の画像の描画および表示の更新が行われることとなる。
また、VDP314は、Vブランク信号の他に、CPU311から受信した描画コマンドに応じた描画データの作成(描画)が完了した時点で、CPU311に対して描画完了信号を送信するものとする。
CPU311は、Vブランク信号を受信すると第1フレーム領域aおよび第2フレーム領域bを切り替えるためのV割込み処理を実行する。なお、第1フレーム領域aおよび第2フレーム領域bの切り替えは、Vブランク信号のみの受信だけでなく、Vブランク信号と描画完了信号との2信号の受信を確認できた場合に行われる構成としても良い。
〔ランプ制御部の構成・機能〕
ランプ制御部320は、盤ランプ116や枠ランプ157の発光、可動役物115、および、変動ランプ131の動作を制御する際の演算処理を行うCPU321と、CPU321にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM322と、CPU321の作業用メモリ等として用いられるRAM323と、を備えている。
そして、ランプ制御部320は、演出制御部300から送られたコマンドに基づいて、盤ランプ116や枠ランプ157や変動ランプ131の点灯/点滅や発光色等を制御する。また、可動役物115の動作を制御する。
具体的には、ランプ制御部320のROM322には、演出制御部300にて設定される演出内容に応じた盤ランプ116や枠ランプ157での点灯/点滅パターンデータおよび発光色パターンデータ(発光パターンデータ)が記憶されている。CPU321は、ROM322に記憶された発光パターンデータの中から、演出制御部300から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。そして、ランプ制御部320は、読み出した発光パターンデータにより盤ランプ116や枠ランプ157の発光を制御する。
また、ランプ制御部320のROM322には、演出制御部300にて設定される演出内容に応じた可動役物115の動作パターンデータが記憶されている。CPU321は、可動役物115に対しては、読み出した動作パターンデータによりその動作を制御する。
なお、本実施の形態では、遊技制御部200、演出制御部300、画像/音響制御部310、ランプ制御部320、および払出制御部330各々は、遊技盤110の後面に設けられたメイン基板としての遊技制御基板、サブ基板としての演出制御基板、画像制御基板、ランプ制御基板、および払出制御基板において個別に構成されている。
また、図4を参照して説明した構成例では、演出ボタン161および演出キー162は、演出制御部300に接続され、演出制御部300によって制御されるが、これに限定されない。演出ボタン161および演出キー162は、ランプ制御部320に接続され、このランプ制御部320によって制御されてもよい。
〔遊技制御部の機能構成〕
続いて、遊技制御部200の機能構成を説明する。
図5は、遊技制御部200の機能構成を示すブロック図である。図5に示すように、遊技制御部200は、各種抽選処理を実行する機能部として、乱数取得部231と、普通図柄判定部232と、特別図柄変動制御部233と、特別図柄判定部234と、普通図柄変動制御部236と、を備えている。
また、遊技制御部200は、特別図柄変動に伴う処理を実行する機能部として、変動パターン選択部235を備えている。
さらに、遊技制御部200は、各種役物の動作制御や賞球等に関するデータ処理を実行する機能部として、大入賞口動作制御部237と、電動チューリップ動作制御部238と、賞球処理部239と、出力制御部240と、乱数制御部241と、を備えている。
乱数取得部231は、特別図柄抽選に用いられる乱数値と、普通図柄抽選に用いられる乱数値とを取得する。特別図柄抽選に用いられる乱数値の場合、具体的には、第1始動口121や第2始動口122に遊技球が入賞したことを条件として、乱数の種類ごとに、所定の範囲の数値の中から1つの数値(乱数値)が選択(取得)される。取得された乱数値は、特別図柄判定部234による判定に用いられる。詳しくは後述するが、特別図柄抽選に用いられる乱数としては、大当たりか否かを示す大当たり乱数、図柄の種類を示す図柄乱数、変動パターン乱数、リーチ乱数等が有る。
また、普通図柄抽選に用いられる乱数値の場合、具体的には、ゲート124を遊技球が通過したことを条件として、所定の範囲の数値の中から1つの数値(乱数値)が選択(取得)される。取得された乱数値は、普通図柄判定部232による判定に用いられる。なお、普通図柄抽選に用いられる乱数としては、当たりか否かを示す当たり乱数の他、当たりの種類を示す図柄乱数や変動パターン乱数等が設定される場合もある。
特別図柄変動制御部233は、特別図柄抽選が行われた場合に、判定結果に応じて、第1特別図柄表示器221または第2特別図柄表示器222における特別図柄の変動を制御する。
特別図柄判定部234は、特別図柄の変動開始時に、後述する図20に示すような乱数テーブルを用いて、特別図柄抽選の判定結果が「大当たりか否か」、「大当たりに当選した場合の図柄の種類」、「大当たりに当選していない場合での小当たりかはずれか」を判定する。すなわち、乱数取得部231は、検知手段である第1始動口スイッチ211または第2始動口スイッチ212により遊技球の通過が検知されたことを契機として特別図柄に関する乱数値を取得し、特別図柄判定部234は、取得した乱数値に基づいて、遊技者にとって有利な特別遊技(大当たり遊技等)を行うか否かを判定する。なお、前述した特別図柄の抽選(大当たり抽選)は、乱数取得部231および特別図柄判定部234における処理のことをいう。
ここで、「大当たり」は、大当たり遊技の終了後に発生する遊技状態に応じて複数の種類に分けられる。具体的には、時短無状態か時短状態か、および高確率状態か低確率状態かの組合せによって図柄の種類が決まる。すなわち、大当たり遊技の終了後に発生する遊技状態に基づく図柄の種類としては、大当たり遊技の終了後に、高確率時短遊技状態となる大当たり(以下、高確率時短遊技状態の大当たり)、低確率時短遊技状態となる大当たり(以下、低確率時短遊技状態の大当たり)、高確率時短無遊技状態となる大当たり(以下、高確率時短無遊技状態の大当たり)、低確率時短無遊技状態となる大当たり(以下、低確率時短無遊技状態の大当たり)が有り得る。これらの大当たりは、各々個別の特別図柄に対応付けられている。
また、「大当たり」は、大当たり遊技の時間が長く多量の遊技球の払い出しが期待できる大当たりと、大当たり遊技の時間が短く遊技球の払出がほとんど期待できない大当たりとに分けられる場合がある。前者は「長当たり」と呼ばれ、後者は「短当たり」と呼ばれる。例えば、「長当たり」では、大入賞口125の開状態が所定条件(例えば29.5秒経過または10個の遊技球の入賞)を満たすまで維持されるラウンドが所定回数(例えば15回)繰り返される。また、「短当たり」では、一定時間(例えば0.9秒)だけ大入賞口125が開状態となるラウンドが所定回数(例えば2回)繰り返される。
また、大当たりに当選していない場合の「小当たり」は、一定時間(例えば0.9秒)だけ大入賞口125が開状態となる態様が所定回数(例えば2回)行われる小当たり遊技が行われる。なお、小当たり当選時には、小当たり遊技が終了した後においても小当たり当選前の遊技状態を継続する。すなわち、小当たり当選時の遊技状態が高確率時短遊技状態である場合には、小当たり遊技の終了後においても高確率時短遊技状態が継続され、遊技状態は移行しない。同様に、小当たりの当選時の遊技状態が低確率時短無遊技状態である場合には、小当たり遊技の終了後においても低確率時短無遊技状態が継続され、遊技状態は移行しない。
また、「小当たり」は、「はずれ」の一種であり、遊技者に有利となる上記の遊技状態の何れも設定されない。
変動パターン選択部235は、第1特別図柄表示器221や第2特別図柄表示器222にて表示する特別図柄の変動パターン(変動時間)を選択する。具体的には、変動パターン選択部235は、大当たり遊技を行うか否かの判定結果および特別図柄変動にともなう装飾図柄変動演出においてリーチ演出を行うことが可能な変動パターン(例えば13.5秒以上)とするか否かの判定結果等に基づいて、変動パターンを決定する。そして、変動パターン選択部235により選択された変動パターンに基づいて、特別図柄変動制御部233が特別図柄の変動を制御する。変動パターン選択部235および特別図柄変動制御部233の動作の詳細については後述する。
ここで、「リーチ」とは、後述する装飾図柄において遊技者に大当たりを期待させるための演出である。
普通図柄判定部232は、普通図柄の変動開始時に、後述する図20(d)に示すような乱数テーブルを用いて、普通図柄の判定結果が「当たりか否か」を判定する。すなわち、普通図柄判定部232は、乱数取得部231により取得された普通図柄抽選用の乱数値に基づいて、電動チューリップ123を開閉作動させる補助遊技を行うか否かを判定する。また、普通図柄抽選において複数の種類の当たりが設定される場合は、普通図柄判定部232は、判定結果が当たりであった場合の「当たりの種類」を判定する。なお、普通図柄抽選は、乱数取得部231および普通図柄判定部232により行われる処理である。
普通図柄変動制御部236は、普通図柄抽選が行われた場合に、判定結果に応じて、普通図柄表示器223による普通図柄の変動を制御する。
電動チューリップ動作制御部238は、普通図柄判定部232により普通図柄抽選において「当たり」と判定された場合に、電動チューリップ123を規定時間および規定回数だけ開放し、第2始動口122に遊技球が入賞容易となる状態を発生させる。また、「はずれ」と判定された場合には、電動チューリップ123のこのような開放状態を発生させない。電動チューリップ123の作動パターンについては後述するが、例えば0.15秒の開放時間で1回開く作動パターン、および0.90秒の開放時間で2回開放する作動パターンなどがある。
大入賞口動作制御部237は、特別図柄判定部234により特別図柄抽選において「大当たり」と判定された場合に、大当たり遊技として、当選した図柄の種類に基づいて特定される作動パターンで大入賞口125の開放動作を制御する。また、大入賞口動作制御部237は、特別図柄判定部234により特別図柄抽選において「小当たり」と判定された場合に、小当たり遊技として、規定時間および規定回数だけ大入賞口125を開放する。例えば、大入賞口125が0.90秒の開放時間で2回開放する作動パターンなどがある。
賞球処理部239は、入賞や抽選に関する種々の役物への入賞個数の管理および入賞に応じた賞球の払い出しの制御用コマンドをセットする。
出力制御部240は、遊技制御部200から演出制御部300および払出制御部330へ制御用コマンドの出力を制御する。
乱数制御部241は、乱数取得部231が所定のタイミングで取得する各種の乱数値を更新する。
〔遊技機の基本動作〕
次に、パチンコ遊技機100の基本動作を説明する。
パチンコ遊技機100の遊技制御部200は、電源が投入されると、起動時の基本処理(復旧処理)を実行する。そして、基本処理を行った後、遊技制御部200は、遊技の進行に関する一連の処理である主制御処理を繰り返し実行する。また、電源を遮断する際には、遊技制御部200は、一連の電源遮断時処理を実行する。
図6は、遊技制御部200による基本処理の動作を示すフローチャートである。
遊技制御部200は、パチンコ遊技機100の電源が投入されると、まず、RAM203(図3参照)へのアクセスを許可する(ステップ(以下、ステップを「S」と記載する)601)。そして、遊技制御部200は、RAM203をクリアするためのRAMクリアスイッチがONとなっているか否かを判断する(S602)。
RAMクリアスイッチがOFFである場合(S602でNo)、次に、遊技制御部200は、電源遮断時の動作に関するバックアップフラグがONとなっているか否かを判断する(S603)。
バックアップフラグがONである場合(S603でYes)、次に、遊技制御部200は、電源遮断時に作成されたチェックサムが正常か否かを判断する(S604)。
チェックサムが正常である場合(S604でYes)、次に、遊技制御部200は、復帰処理を実行する(S605)。この復帰処理において、遊技制御部200は、電源が遮断された状態からの復帰に伴う、演出制御部300等のサブ制御手段の設定を行う。具体的には、遊技制御部200は、電源が遮断される際におけるパチンコ遊技機100の遊技状態(大当たり遊技中か否か、高確率状態と低確率状態のいずれか、時短状態と時短無状態のいずれか)を反映させるように、サブ制御手段を設定するためのコマンドを演出制御部300へ出力する。また、この復帰処理において、遊技制御部200は、バックアップフラグをOFFにする。
一方、RAMクリアスイッチがON(S602でYes)、バックアップフラグがOFF(S603でNo)、チェックサムが異常(S604でNo)のいずれかに該当する場合、次に遊技制御部200は、初期化処理として、RAM203の記憶内容をクリアし(S606)、RAM203の作業領域を設定する(S607)。そして、遊技制御部200は、サブ制御手段を設定(初期化)するためのコマンドを演出制御部300へ出力し、サブ基板(サブ制御手段)の設定を行う(S608)。サブ基板の設定には、各サブ基板に搭載されているRAM303、RAM313、RAM323をクリアすること等が含まれる。
復帰処理(S605参照)が終了した後、またはサブ基板の設定(S608参照)が終了した後、遊技制御部200は、遊技制御に用いられる各種のカウンタおよびタイマーを設定する(S609)。そして、遊技制御部200は、割り込み許可(S610)、割り込み禁止(S611)、図柄乱数制御処理(S612)、初期値乱数更新処理(S613)、電源遮断フラグがONとなっているか否かの判断(S614)をループ処理として繰り返し実行する。
ここで、割り込み許可(S610)および割り込み禁止(S611)は、このループ処理(S610〜S614)の実行中に割り込み処理の実行を可能とするために設けられている。本実施の形態では、この割り込み処理により、遊技制御における主制御処理が実行される。主制御処理の詳細については後述する。
図柄乱数制御処理(S612)において、遊技制御部200は、特別図柄抽選で用いられる変動パターン乱数の更新を行う。
初期値乱数更新処理(S613)において、遊技制御部200は、遊技制御において用いられる各種の乱数値の初期値を更新する。
電源遮断フラグの判断において、電源遮断フラグがOFFである場合(S614でNo)、パチンコ遊技機100の電源は遮断されず、遊技制御部200は、ループ処理(S610〜S614)と共に割り込みによる主制御処理を繰り返し実行する。一方、電源遮断フラグがONである場合(S614でYes)、遊技制御部200は、パチンコ遊技機100の電源を遮断するための処理(電源遮断時処理)を開始する。
図7は、遊技制御部200による電源遮断時処理の動作を示すフローチャートである。
電源遮断時処理において、遊技制御部200は、まず、各種の出力を行うための出力ポートの設定をクリアする(S701)。次に、遊技制御部200は、チェックサムを作成し、RAM203に格納する(S702)。次に、遊技制御部200は、バックアップフラグをONにし(S703)、RAM203へのアクセスを禁止して(S704)、無限ループに移行する。
〔遊技機の主制御処理〕
次に、パチンコ遊技機100の主制御処理を説明する。
遊技制御部200は、主制御処理において、パチンコ遊技機100における遊技を制御すると共に、サブ制御手段である演出制御部300に対して演出の制御を指示し、払出制御部330に対して賞球の払い出しの制御を指示する。
図8は、遊技制御部200の主制御処理を示すフローチャートである。
主制御処理は、遊技制御における一連の処理からなり、予め設定された一定時間(例えば4ミリ秒)ごとに繰り返し実行される。本実施の形態において、遊技制御部200は、予め設定された一定時間ごとに割り込みを発生させ、図6に示すループ処理の中で割り込みが許可(S610参照)されると、割り込み処理として主制御処理を実行する。図8に示すように、主制御処理では、乱数更新処理、スイッチ処理、図柄処理、電動役物処理、賞球処理、出力処理が順次実行される(S801〜S806)。
乱数更新処理(S801)では、遊技制御部200は、乱数制御部241の機能(サブルーチン)を呼び出し、遊技制御部200による遊技制御で用いられる各種の乱数の値を更新する。乱数の設定および乱数値の更新の詳細については後述する。
スイッチ処理(S802)としては、始動口スイッチ処理、ゲートスイッチ処理が行われる。
始動口スイッチ処理では、遊技制御部200は、乱数取得部231の機能(サブルーチン)を呼び出し、図3の第1始動口スイッチ211および第2始動口スイッチ212の状態を監視し、スイッチがONとなった場合に、特別図柄抽選のための処理を実行する。また、詳しくは後述するが、第1始動口スイッチ211および第2始動口スイッチ212において事前判定処理を行う場合は、特別図柄判定部234、変動パターン選択部235の各機能(サブルーチン)を呼び出し、事前判定のための処理を実行する。
ゲートスイッチ処理では、遊技制御部200は、乱数取得部231の機能(サブルーチン)を呼び出し、図3のゲートスイッチ214の状態を監視し、スイッチがONとなった場合に、普通図柄抽選のための処理を実行する。
これらのスイッチ処理の詳細な内容については後述する。
図柄処理(S803)としては、特別図柄処理、普通図柄処理が行われる。
特別図柄処理では、遊技制御部200は、特別図柄変動制御部233、特別図柄判定部234、変動パターン選択部235の各機能(サブルーチン)を呼び出し、特別図柄変動およびこの図柄変動に伴う処理を実行する。
普通図柄処理では、遊技制御部200は、普通図柄判定部232および普通図柄変動制御部236の機能(サブルーチン)を呼び出し、普通図柄変動およびこの図柄変動に伴う処理を実行する。
これらの図柄処理の詳細な内容については後述する。
電動役物処理(S804)としては、大入賞口処理および電動チューリップ処理が行われる。
大入賞口処理では、遊技制御部200は、大入賞口動作制御部237の機能(サブルーチン)を呼び出し、所定の条件に基づいて特別電動役物である大入賞口125の開放動作を制御する。
電動チューリップ処理では、遊技制御部200は、電動チューリップ動作制御部238の機能(サブルーチン)を呼び出し、所定の条件に基づいて普通電動役物である電動チューリップ123の開放動作を制御する。
これらの電動役物処理の詳細な内容については後述する。
賞球処理(S805)では、遊技制御部200は、賞球処理部239の機能(サブルーチン)を呼び出し、入賞個数の管理および入賞に応じた賞球の払い出しの制御用コマンドをセットする。
出力処理(S806)では、遊技制御部200は、出力制御部240の機能(サブルーチン)を呼び出し、演出制御用のコマンドを演出制御部300へ出力し、払い出し制御用のコマンドを払出制御部330へ出力する。演出制御用コマンドは、S802からS804までの各処理において生成され、RAM203に設けられた制御用コマンドの格納領域に格納(セット)される。払い出し制御用コマンドは、S805の処理において生成され、RAM203に設けられた制御用コマンドの格納領域に格納(セット)される。RAM203には、制御用コマンドの種類ごとに格納領域が設定されている。
出力制御部240は、RAM203の各制御用コマンドの格納領域を順に調べ、個々の格納領域に制御用コマンドが格納されていれば(すなわち、S802〜S805の処理で制御用コマンドが生成されていれば)、その制御用コマンドを読み出し、出力先(演出制御部300または払出制御部330)へ出力する。
本実施の形態では、図8に示したように、一連の主制御処理の最後に出力処理を行う。すなわち、第1の処理手段としての上記各機能によるS802〜S805の各処理において生成されたコマンドを、その各処理においてはRAM203の対応する格納領域に格納しておく。そして、これらの処理の後に、第2の処理手段としての出力制御部240が、RAM203の格納領域に蓄積された、各処理で生成されたコマンドをまとめて出力する。言い換えれば、本実施の形態では、主制御処理を1サイクル実行すると、その1サイクルの実行において生成されたコマンドが、その1サイクルの実行における最後のコマンド生成が行われた後に、出力される。
〔遊技機の基本動作の変形例〕
なお、図6乃至図8を参照して説明した動作例では、基本処理におけるループ処理の部分で割り込みを許可し、割り込み処理として一連の処理からなる主制御処理を実行した。しかしながら、主制御処理は、一定時間ごとに繰り返し実行されるように構成されていれば良く、具体的な実現手段(実行手順)は、図6乃至図8に示した例には限定されない。例えば、基本処理の一連の動作の中に主制御処理を組み入れておき、所定のタイミングで経過時間を計測し、一定時間(例えば4ミリ秒)ごとに主制御処理へ戻る構成としても良い。また、基本処理の一連の動作の中に主制御処理を組み入れる一方で、図6乃至図8を参照して説明した動作と同様に、一定時間ごとに割り込みを発生させ、割り込みが発生したならば基本処理中に組み入れられた主制御処理へ戻る構成としても良い。
また、基本処理で生成されたコマンドを出力する場合は、原則として、コマンドを生成する度に、RAM203のコマンド格納領域に格納し、第2の処理手段である出力制御部240の機能を呼び出して出力する。基本処理は、遊技の進行に関わる主制御処理とは異なり、電源投入時にのみ行われる初期動作等の特別な処理である。また、基本処理は、電源投入時のパチンコ遊技機100の状態等の条件に基づく分岐により処理手順が変動する場合があるため、出力処理に漏れが無いように、生成したコマンドを速やかに出力する処理である。なお、関連する複数の処理により連続的にコマンドが生成される場合等、具体的な処理の要請に応じて、複数のコマンドをRAM203のコマンド格納領域に格納し、まとめて出力する処理手順を採っても良い。
〔遊技制御部による乱数更新処理〕
特別図柄抽選等の遊技制御における各種の抽選に用いられる判定情報としての乱数値は、カウンタによって計数され、所定の初期値から始まって、図8に示す主制御処理の乱数更新処理(S801)が行われるたびに1ずつ加算される。そして、各抽選が行われた時点の値が始動口スイッチ処理(図9)およびゲートスイッチ処理(図10)で取得され、特別図柄処理(図11)や普通図柄処理(図16)で使用される。この乱数値のカウンタは無限ループカウンタであり、計数された乱数値が、設定されている乱数の最大値(例えば、後述する図20(a)に示した大当たり乱数では299)に達した後は、再び初期値に戻る。また、乱数更新処理は一定時間ごとに行われるため、各乱数の初期値が特定されてしまうと、更新間隔や初期値の情報に基づいて当選値が推定される恐れがある。そこで、主制御処理から図6に示す基本処理に戻った後、S613の初期値乱数更新処理において、各乱数の初期値をランダムに変更する。
〔遊技制御部による始動口スイッチ処理〕
図9は、図8のS802に示したスイッチ処理のうちの始動口スイッチ処理の内容を示すフローチャートである。
この始動口スイッチ処理は、第1始動口121における入賞に対する処理と、第2始動口122における入賞に対する処理とが順次行われる。図9を参照すると、遊技制御部200は、まず、第1始動口121に遊技球が入賞して第1始動口スイッチ211がONとなったか否かを判断する(S901)。第1始動口スイッチ211がONとなったならば、次に遊技制御部200は、第1始動口121の入賞における未変動分の保留数U1が上限値未満か否かを判断する(S902)。図9に示す例では、上限値を4個としている。保留数U1が上限値に達している場合は(S902でNo)、それ以上未変動分の入賞を保留することができないので、第1始動口121における入賞に対する処理を終了する。
一方、保留数U1が上限値未満である場合(S902でYes)、遊技制御部200の乱数取得部231は、今回の入賞による判定のための乱数値を取得し、RAM203に格納する(S903)。ここでは、第1始動口121の入賞なので、特別図柄抽選のための乱数値が取得される。このとき取得される乱数値は、S801の乱数更新処理で更新された値である。そして、この乱数値により、後の特別図柄処理において特別図柄抽選の結果が確定される。ここにいう乱数値としては、大当たり、小当たりまたははずれを決定する大当たり乱数値、図柄の種類(大当たり遊技の終了後における時短状態か時短無状態、高確率状態と低確率状態、長当たり、短当たり)を決定する図柄乱数値(大当たり図柄乱数値)、図柄変動における変動パターンを特定するための変動パターン乱数値、はずれのときに後述のリーチ演出を実行可能な変動パターン(変動時間)にするか否かを決定するリーチ乱数値、等が含まれる。
次に、遊技制御部200は、事前判定処理を行う(S904)。事前判定処理とは、上記図柄処理(S803)における特別図柄処理によりも前に、始動口への入賞にともない取得される乱数の判定を行う(事前判定)処理である。
そして、演出制御部300は、事前判定処理によって判定された乱数の判定結果(事前判定結果)に基づいて、上記図柄処理(S803)における特別図柄処理による判定結果が報知されるよりも前に、その判定結果を示唆する予告演出を行うことができる。この予告演出は、例えば、始動口への入賞にともない取得される乱数の発生に応じて、画像表示部114に表示される保留表示演出(後述)等を用いて行われる。
そして、遊技制御部200は、保留数U1の値を1加算する(S905)。
この後、遊技制御部200は、事前判定結果を演出制御部300に通知するために、S904の事前判定処理による事前判定情報を含む事前判定結果コマンドをRAM203にセットする(S906)。
さらに、遊技制御部200は、S905による保留数U1の増加を演出制御部300に通知するための保留数増加コマンドをRAM203にセットし(S907)、第1始動口121における入賞に対する処理を終了する。
次に、第2始動口122における入賞に対する処理が行われる。図9を参照すると、次に遊技制御部200は、第2始動口122に遊技球が入賞して第2始動口スイッチ212がONとなったか否かを判断する(S908)。第2始動口スイッチ212がONとなったならば、次に、遊技制御部200は、第2始動口122の入賞における未変動分の保留数U2が上限値未満か否かを判断する(S909)。図9に示す例では、上限値を4個としている。保留数U2が上限値に達している場合は(S909でNo)、それ以上未変動分の入賞を保留することができないので、第2始動口122における入賞に対する処理を終了する。
一方、保留数U2が上限値未満である場合(S909でYes)、遊技制御部200の乱数取得部231は、今回の入賞による抽選のための乱数値を取得し、RAM203に格納する(S910)。ここでは、第2始動口122の入賞なので、上記のS903と同様に、特別図柄抽選のための乱数値(大当たり乱数値、大当たり図柄乱数値、リーチ乱数値、変動パターン乱数値など)が取得される。このとき取得される乱数値は、S801の乱数更新処理で更新された値である。そして、この乱数値により後の特別図柄処理において特別図柄抽選の結果が確定される。
次に、遊技制御部200は、事前判定処理を行う(S911)。この事前判定処理の内容は、上記のS904と同様である。
そして、遊技制御部200は、保留数U2の値を1加算する(S912)。
この後、遊技制御部200は、事前判定結果を演出制御部300に通知するために、S911の事前判定処理による事前判定情報を含む事前判定結果コマンドをRAM203にセットする(S913)。
さらに、遊技制御部200は、S912による保留数U2の増加を演出制御部300に通知するための保留数増加コマンドをRAM203にセットし(S914)、第2始動口122における入賞に対する処理を終了する。
なお、図示は省略するが、低確率時短無遊技状態においては第2始動口122への入賞にともなう事前判定処理(S911)を不実行(禁則)とする制御を行い、高確率時短遊技状態においては第1始動口121への入賞にともなう事前判定処理(S904)を不実行とする制御を行ってもよい。
〔遊技制御部によるゲートスイッチ処理〕
図10は、ゲート124を遊技球が通過した場合のゲートスイッチ処理の内容を示すフローチャートである。
このゲートスイッチ処理において、遊技制御部200は、まず、ゲート124を遊技球が通過してゲートスイッチ214がONとなったか否かを判断する(S1001)。ゲートスイッチ214がONとなったならば、次に遊技制御部200は、未変動分の保留数Gが上限値未満か否かを判断する(S1002)。図10に示す例では、上限値を4個としている。保留数Gが上限値に達している場合は(S1002でNo)、それ以上未変動分の入賞を保留することができないので、ゲートスイッチ処理を終了する。
一方、保留数Gが上限値未満である場合(S1002でYes)、遊技制御部200の乱数取得部231は、今回の入賞による抽選のための乱数値を取得し、RAM203に格納する(S1003)。ここでは、ゲート124の入賞なので、普通図柄抽選のための乱数値(当たり乱数値など)が取得される。
次に、遊技制御部200は、保留数Gの値を1加算する(S1004)。
S1004で保留数Gの値が加算された後、遊技制御部200は、S1004による保留数Gの増加を演出制御部300に通知するための保留数G増加コマンドをRAM203にセットし(S1005)、ゲート124における入賞に対する処理を終了する。
〔遊技制御部による特別図柄処理〕
図11は、図8のS803に示した図柄処理のうちの特別図柄処理の内容を示すフローチャートである。
この特別図柄処理において、遊技制御部200の特別図柄変動制御部233は、まず、RAM203においてセットされるフラグの設定(以下、フラグ設定)において大当たり遊技フラグがONになっているか否かを調べる(S1101)。ここで、大当たり遊技フラグは、特別図柄抽選の結果に応じて行われる大当たり遊技を実行中であるか否かを識別するためにセットされるフラグである。
大当たり遊技フラグがONである場合、既にパチンコ遊技機100は大当たり遊技を実行中であるので、特別図柄変動を開始することなく特別図柄処理を終了する(S1101でYes)。なお、大当たり遊技を実行中とは、前回の特別図柄抽選の判定および変動にかかる遊技である大当たり遊技を実行しているときとして捉えることができる。さて、大当たり遊技フラグがOFFである場合(S1101でNo)、次に特別図柄変動制御部233は、パチンコ遊技機100の現在の状態が特別図柄変動中か否かを判断する(S1102)。特別図柄変動中でない場合(S1102でNo)、次に特別図柄変動制御部233は、特別図柄の未変動分の保留数U1、U2(図9参照)に関する処理を行う(S1103〜S1106)。本実施の形態では、第1始動口121の入賞に係る保留数U1と第2始動口122の入賞に係る保留数U2とを区別しているので、この処理も対応する始動口に設けられたスイッチごとに個別に行う。
具体的には、特別図柄変動制御部233は、まず第2始動口122の入賞に係る保留数U2が1以上か判断する(S1103)。保留数U2が1以上である場合(S1103でYes)、特別図柄変動制御部233は、保留数U2の値を1減算する(S1104)。一方、保留数U2=0である場合は(S1103でNo)、特別図柄変動制御部233は、次に第1始動口121の入賞に係る保留数U1が1以上か判断する(S1105)。保留数U1が1以上である場合(S1105でYes)、特別図柄変動制御部233は、保留数U1の値を1減算する(S1106)。一方、保留数U1=0である場合は(S1105でNo)、特別図柄の抽選を始動するための入賞が無いことを意味するため、特別図柄変動を開始せず、別ルーチンの客待ち設定処理を実行して処理を終了する(S1116)。
なお、本実施の形態では、第2始動口122の入賞に係る保留数U2に関する処理を優先させて行う。すなわち、保留数U2が1以上である場合は保留数U2に関する処理を行い、保留数U2=0である場合に保留数U1に関する処理を行う(S803〜S806参照)。これに対し、第1始動口121と第2始動口122のどちらの入賞かに関わらず、入賞した順に保留数U1、U2を減算していくような制御とすることも可能である。
S1104またはS1106で保留数U1または保留数U2を減算した後、特別図柄変動制御部233は、RAM203のフラグ設定においてセットされた客待ちフラグをOFFとする(S1107)。客待ちフラグは、パチンコ遊技機100が客待ち状態であることを識別するためのフラグであり、客待ち設定処理(S1116、後述する図15参照)においてセットされる。
次に、特別図柄変動制御部233は、別ルーチンによる大当たり判定処理および変動パターン選択処理を実行する(S1108、S1109)。詳しくは後述するが、この大当たり判定処理および変動パターン選択処理によって、第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222に変動表示される特別図柄の変動用の設定情報(大当たり図柄、遊技状態、変動パターン等)が決定される。なお、これらの情報は演出制御部300に送られる変動開始コマンドに含まれる。
この後、特別図柄変動制御部233は、大当たり判定処理および変動パターン選択処理で決定された設定内容に基づき、図2に示す第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222により表示される特別図柄の変動を開始する(S1110)。そして、この設定内容を示す設定情報(大当たり図柄、遊技状態、変動パターン等)を含んだ変動開始コマンドを生成し、RAM203にセットする(S1111)。S1111でセットされた変動開始コマンドは、図8のS806に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。
S1102で特別図柄変動中と判断された場合(S1102でYes)、またはS1111で変動開始コマンドがセットされた後、特別図柄変動制御部233は、変動時間を経過したか否かを判断する(S1112)。すなわち、S1110で特別図柄の変動を開始してからの経過時間がS1109の変動パターン選択処理で設定された変動時間に達したか否かが判断される。変動時間を経過していなければ(S1112でNo)、特別図柄変動が継続されるので、そのまま特別図柄処理が終了する。
一方、変動時間を経過した場合(S1112でYes)、特別図柄変動制御部233は、まず、第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222における特別図柄の変動をS1108の大当たり判定処理で決定された図柄で停止する(S1113)。後述する装飾図柄を停止させるための変動停止コマンドをRAM203にセットする(S1114)。そして、別ルーチンの停止中処理を実行する(S1115)。停止中処理の内容については後述する。S1114でセットされた変動停止コマンドは、図8のS806に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。
〔遊技制御部による大当たり判定処理〕
図12は、大当たり判定処理(図11のS1108)の内容を示すフローチャートである。
この大当たり判定処理において、遊技制御部200の特別図柄判定部234は、まず、今回の特別図柄抽選における大当たり乱数値の判定を行い(S1201)、大当たりまたは小当たりしたか否かを判断する(S1202、S1205)。大当たりまたは小当たりしたか否かは、図9のS903またはS910で取得した大当たり乱数の値が、大当たりの当選値として設定された値または小当たりの当選値として設定された値と一致したか否かを判断することによって決定される(図20(a)参照)。
S1201の乱数判定の結果が大当たりだった場合(S1202でYes)、次に特別図柄判定部234は、大当たり図柄乱数値の判定を行う(S1203)。この判定の結果に応じて、図柄の種類(高確率時短遊技状態の大当たり、低確率時短無遊技状態の大当たりなど)が決定される。何れの大当たりとなるかは、図9のS903またはS910で取得した大当たり図柄乱数の値が、図柄の種類ごとに予め設定された値のうちの何れと一致したかによって決定される(図20(b)参照)。
以上の判定の後、特別図柄判定部234は、大当たり図柄乱数の判定により決定された大当たり図柄を設定情報としてRAM203にセットする(S1204)。
S1201の乱数判定の結果が小当たりだった場合(S1202でNo、S1205でYes)、次に特別図柄判定部234は、小当たりであることを表す図柄(以下、小当たり図柄)を設定情報としてRAM203にセットする(S1206)。
S1201の乱数判定の結果が大当たりでも小当たりでもない場合(S1202、S1205でNo)、次に特別図柄判定部234は、抽選にはずれたことを表す図柄(以下、はずれ図柄)を設定情報としてRAM203にセットする(S1207)。
〔遊技制御部による変動パターン選択処理〕
図13は、変動パターン選択処理(図11のS1109)の内容を示すフローチャートである。
この変動パターン選択処理において、遊技制御部200の変動パターン選択部235は、まず、パチンコ遊技機100の遊技状態(時短無状態か時短状態か、および高確率状態か低確率状態か)を参照する(S1301)。そして、大当たり判定処理(図12)のS1202の判断結果を用いて今回の特別図柄抽選で大当たりしたか否かを判断する(S1302)。そして、大当たりだった場合(S1302でYes)、変動パターン選択部235は、大当たり用の変動パターンテーブルをROM202から読み出してRAM203にセットする(S1303)。
一方、大当たりしなかった場合(S1302でNo)、次に変動パターン選択部235は、遊技者に大当たりを期待させるためのいわゆるリーチ演出を行うか否かを決定するための乱数値の判定を行う(S1304)。リーチ演出を実行可能な変動パターンとするか否かは、図9のS903またはS910で取得したリーチ乱数の値が予め設定された値と一致したか否かを判断することによって決定される(図20(c)参照)。
乱数値を用いた判定の結果、リーチ演出を実行可能な変動パターン(変動時間)とする場合(S1305でYes)、変動パターン選択部235は、リーチ用の変動パターンテーブルをROM202から読み出してRAM203にセットする(S1306)。また、リーチ演出を実行可能な変動パターン(変動時間)としない場合(S1305でNo)、変動パターン選択部235は、はずれ用の変動パターンテーブルをROM202から読み出してRAM203にセットする(S1307)。
ここで、変動パターンテーブルとは、予め用意されている複数の変動パターン(変動時間3秒、7秒、13秒、15秒、30秒、60秒、90秒など)と変動パターン乱数の値とを対応付けたテーブルである。
次に、変動パターン選択部235は、図9のS903またはS910で取得した変動パターン乱数値およびS1303、S1306、S1307でセットされた変動パターンテーブルを用いて、変動パターン乱数値の判定を行う(S1308)。すなわち、変動パターン選択部235は、RAM203にセットされた変動パターンテーブルを参照し、変動パターン乱数の乱数値に応じた変動パターンを選択する。したがって、同じ乱数値が取得された場合でも、パチンコ遊技機100の遊技状態(時短状態か時短無し状態か、および高確率状態か低確率状態か)、特別図柄抽選の結果(大当たりしたか否か、大当たりしていない場合はリーチ演出を行うか否か)等の違いに応じて参照される変動パターンテーブルが異なるので、決定される変動パターンが異なる。
この後、変動パターン選択部235は、S1308で選択した変動パターンを設定情報としてRAM203にセットする(S1309)。S1309でセットされた変動パターンの設定情報は、図11のS1111でセットされる変動開始コマンドに含まれ、図8のS806に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。本実施の形態で選択される変動パターンおよびその設定の詳細については後述する。
〔遊技制御部による停止中処理〕
図14は、停止中処理(図11のS1115)の内容を示すフローチャートである。
この停止中処理において、遊技制御部200は、まず、RAM203のフラグ設定において時短状態であることを示すフラグ(以下、時短フラグ)がONになっているか否かを調べる(S1401)。時短フラグがONである場合(S1401でYes)、遊技制御部200は、時短状態での抽選回数(変動回数)Jの値を1減算し(S1402)、抽選回数Jが0になったか否かを調べる(S1403)。そして、抽選回数J=0であれば(S1403でYes)、時短フラグをOFFにする(S1404)。なお、時短フラグをONにする操作と、抽選回数Jの初期値の設定は、後述の大入賞口処理(図17)における遊技状態設定処理(図18)で行われる。
時短フラグがOFFであった場合(S1401でNo)またはS1404で時短フラグをOFFにした後、あるいはS1402で減算した後の抽選回数Jの値が0でない場合(S1403でNo)、次に遊技制御部200は、RAM203のフラグ設定において高確率状態であることを示すフラグ(以下、高確フラグ)がONになっているか否かを調べる(S1405)。なお、この高確フラグと先の時短フラグが共にONである場合は、高確率時短遊技状態であり、高確フラグがONであり時短フラグがOFFである場合は、高確率時短無遊技状態である。
高確フラグがONである場合(S1405でYes)、遊技制御部200は、高確率状態での抽選回数(変動回数)Xの値を1減算し(S1406)、抽選回数Xが0になったか否かを調べる(S1407)。そして、抽選回数X=0であれば(S1407でYes)、高確フラグをOFFにする(S1408)。なお、高確フラグをONにする操作と、抽選回数Xの初期値の設定は、後述の大入賞口処理(図17)における遊技状態設定処理(図18)で行われる。
高確フラグがOFFであった場合(S1405でNo)またはS1408で高確フラグをOFFにした後、あるいはS1406で減算した後の抽選回数Xの値が0でない場合(S1407でNo)、次に遊技制御部200は、今回の特別図柄抽選で大当たりしたか否かを判断する(S1409)。そして、大当たりだった場合(S1409でYes)、次に遊技制御部200は、図柄の種類を判断する(S1410)。なお、ここでは図柄の種類の判断の一例として、長当たりか否かが判断される。
ここで、大当たりか否かの判断は、大当たり判定処理(図12)の判定結果に基づいて判断することができる。例えば、後述する図20(b)の図表に示す図柄の何れかがセットされているならば、S1409でYesである。大当たり判定処理によりRAM203に、はずれ図柄または小当たり図柄がセットされているならば、S1409でNoである。
例えば低確率図柄Aなど図柄の種類が長当たりであった場合(S1410でYes)、遊技制御部200は、長当たり遊技フラグをONにする(S1411)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が、図柄の種類が長当たりである大当たり遊技状態(長当たり遊技状態)となる。なお、ここでは長当たりにおいて、高確率状態か低確率状態かを区別していない。高確率状態となるか低確率状態となるかは、後述の大入賞口処理(図17)における遊技状態設定処理(図18)で該当するフラグをONにすることによって特定される。
例えば高確率図柄Eなど図柄の種類が長当たりでなかった場合(S1410でNo)、遊技制御部200は、短当たり遊技フラグをONにする(S1412)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が、図柄の種類が短当たりである大当たり遊技状態(短当たり遊技状態)となる。長当たりの場合と同様、短当たりの場合も高確率状態か低確率状態かを区別していない。
S1411またはS1412で大当たり遊技フラグをONにした後、遊技制御部200は、抽選回数J、Xの値を初期化する(S1413)。また、遊技制御部200は、S1401において時短フラグがONであって、S1403において抽選回数Jが0でなかった場合に、時短フラグをOFFにする(S1414)。同様に、S1405において高確フラグがONであって、S1407において抽選回数Xが0でなかった場合に、高確フラグをOFFにする(S1414)。
S1413で抽選回数J、Xの値を初期化した後、遊技制御部200は、オープニング動作を開始する(S1417)。ここで、オープニング動作の内容は、S1411、S1412の何れで当たり遊技フラグがONとなったかに応じて異なる。言い替えると、特別図柄抽選の判定結果に応じたオープニング動作が設定される。
この後、遊技制御部200は、演出制御部300において大当たり遊技フラグに応じたオープニング動作における演出を行うためのオープニングコマンドをRAM203にセットして(S1418)、停止中処理を終了する。このオープニングコマンドは、図8のS806に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。
これに対し、今回の特別図柄抽選の結果が大当たりでなかった場合(S1409でNo)、次に遊技制御部200は、今回の特別図柄抽選の結果が小当たりであったか否かを判断する(S1415)。小当たりでなかった場合は(S1415でNo)、停止中処理を終了する。
一方、小当たりであった場合(S1415でYes)、遊技制御部200は、小当たり遊技を開始する(S1416)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が小当たり遊技状態となる。なお、小当たり遊技では、前述したように、大入賞口125を所定回数開閉し、所定時間経過後に終了する。
〔遊技制御部による客待ち設定処理〕
図15は、客待ち設定処理(図11のS1116)の内容を示すフローチャートである。
この客待ち設定処理において、遊技制御部200は、まず、RAM203のフラグ設定において客待ちフラグがONになっているか否かを調べる(S1501)。ここで、客待ちフラグは、パチンコ遊技機100が客待ち状態であることを識別するためにセットされるフラグである。
客待ちフラグがONである場合、パチンコ遊技機100は客待ち状態であるので、そのまま処理を終了する(S1501でYes)。一方、客待ちフラグがOFFである場合(S1501でNo)、遊技制御部200は、客待ちコマンドを生成してRAM203にセットし(S1502)、客待ちフラグをONにする(S1503)。S1502でセットされた客待ちコマンドは、図8のS806に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。ここで、客待ちフラグとは、上記図11における客待ち設定処理(S1116)で説明した通り、大当たり遊技を実行中でなく(S1101でNo)、特別図柄の変動中でもなく(S1102でNo)、さらに保留が無い状態(S1103およびS1105でNo)である場合に、セットされるフラグである。
〔遊技制御部による普通図柄処理〕
図16は、図8のS803に示した図柄処理のうちの普通図柄処理の内容を示すフローチャートである。
この普通図柄処理において、遊技制御部200の普通図柄変動制御部236は、まず、RAM203のフラグ設定において補助遊技フラグがONになっているか否かを調べる(S1601)。ここで、補助遊技フラグは、普通図柄抽選で当選した場合にセットされるフラグである。補助遊技フラグが設定されている状態は、電動チューリップ123が後述の電動チューリップ処理(図19)にしたがって開放され、第2始動口122に入賞し易い状態である(補助遊技状態)。
補助遊技フラグがONである場合、既に補助遊技状態となっており、普通図柄が停止している状態なので、普通図柄変動を開始することなく普通図柄処理を終了する(S1601でYes)。一方、補助遊技フラグがOFFである場合(S1601でNo)、次に普通図柄変動制御部236は、パチンコ遊技機100の現在の状態が普通図柄変動中か否かを判断する(S1602)。普通図柄変動中でない場合(S1602でNo)、次に普通図柄変動制御部236は、普通図柄の未変動分の保留数G(図10参照)が1以上か判断する(S1603)。保留数G=0である場合は(S1603でNo)、普通図柄の抽選を始動するための入賞が無いことを意味するため、普通図柄変動を開始せずに処理を終了する。
これに対し、保留数Gが1以上である場合(S1603でYes)、普通図柄変動制御部236は、保留数Gの値を1減算する(S1604)。そして、普通図柄判定部232が、今回の普通図柄抽選における当たり乱数の判定を行って、普通図柄抽選に当選したか否かを判断する(S1605)。当選したか否かは、図10のS1003で取得した当たり乱数の値が、後述する図20(d)に示すテーブル等において当選値として設定された値と一致したか否かを判断することによって決定される。
次に、普通図柄変動制御部236は、普通図柄抽選の結果に応じて普通図柄の設定を行う(S1606)。すなわち、普通図柄抽選に当選した場合は、当選したことを表す図柄(以下、当たり図柄)を設定情報としてRAM203にセットする。一方、普通図柄抽選に当選しなかった場合は、抽選にはずれたことを表す図柄(以下、はずれ図柄)を設定情報としてRAM203にセットする。
次に、普通図柄変動制御部236は、普通図柄の変動時間の設定を行う(S1607)。この変動時間は、図14におけるS1404、S1414、後述の図18におけるS1804、S1807等の処理で設定される時短フラグに基づいて設定される。すなわち、S1607による設定の際に時短フラグがONである場合は、短時間(例えば1.5秒)に設定され、時短フラグがOFFである場合は、長時間(例えば4.0秒)に設定される。この設定の後、普通図柄変動制御部236は、S1607の設定内容に基づき、図2(a)および図3に示す普通図柄表示器223における普通図柄の変動を開始する(S1608)。なお、普通図柄の変動パターンを抽選により決定することもできる。この場合、例えば、遊技球がゲート124を通過した際に、乱数取得部231が普通図柄の変動パターン乱数値を取得し、S1607において、普通図柄変動制御部236が普通図柄の変動パターン乱数値を判定することにより、変動時間が設定される。
S1608で普通図柄の変動を開始した後、またはS1602で普通図柄変動中と判断された場合(S1602でYes)、普通図柄変動制御部236は、変動時間を経過したか否かを判断する(S1609)。すなわち、S1608で普通図柄の変動を開始してからの経過時間がS1607で設定された変動時間に達したか否かが判断される。変動時間を経過していなければ(S1609でNo)、普通図柄変動が継続されるので、そのまま普通図柄処理が終了する。
一方、変動時間を経過した場合(S1609でYes)、普通図柄変動制御部236は、普通図柄表示器223における普通図柄の変動を停止する(S1610)。そして、普通図柄変動制御部236は、S1605の判定結果が当選であったか否かを判断する(S1611)。当選であったならば(S1611でYes)、補助遊技フラグをONにする(S1612)。一方、抽選にはずれたならば(S1611でNo)、補助遊技フラグをONにすること無く普通図柄処理を終了する。
〔遊技制御部による大入賞口処理〕
図17は、図8のS804に示した電動役物処理のうちの大入賞口処理の内容を示すフローチャートである。
この大入賞口処理において、遊技制御部200の大入賞口動作制御部237は、まず、RAM203のフラグ設定において大当たり遊技フラグがONになっているか否かを調べる(S1701)。大当たり遊技フラグがOFFである場合、大入賞口125への入賞はないので、大入賞口処理を終了する(S1701でNo)。一方、大当たり遊技フラグがONである場合(S1701でYes)、次に大入賞口動作制御部237は、パチンコ遊技機100が停止中処理(図14)で開始された大当たり時の動作制御におけるオープニング動作の最中か否かを判断する(S1702)。
パチンコ遊技機100がオープニング中である場合(S1702でYes)、次に大入賞口動作制御部237は、予め設定されたオープニング動作が行われるべき時間(オープニング時間)を経過したか否かを判断する(S1703)。オープニング時間を経過していないならば、大入賞口125でのオープニング動作が継続されるので、大入賞口処理を終了する(S1703でNo)。一方、オープニング時間を経過したならば(S1703でYes)、次に大入賞口動作制御部237は、大入賞口125の作動設定を行い(S1704)、入賞個数Cを初期化(C=0)し(S1705)、大入賞口125の作動のラウンド数Rの値を現在の値から1加算して(S1706)、大入賞口125を作動開始(開放)する(S1707)。
S1704の作動設定では、大入賞口125の作動パターンと、その作動パターンで作動させるラウンド数(作動ラウンド数)とが設定される。大入賞口125が作動する場合の例としては、特別図柄抽選で、長当たりまたは短当たりの大当たりであった場合と、小当たりであった場合がある。作動パターンおよびラウンド数は、これらの当たりの種類に応じて様々に設定される。なお、大当たり遊技においては、大入賞口125の作動を複数回(複数ラウンド)連続して行うことが規定されている。一例としては、長当たりの場合、例えば、15ラウンド(15R)作動させ、1ラウンドでは29.5秒の開放を1回行う。短当たりの場合、例えば、2ラウンド(2R)作動させ、1ラウンドでは0.9秒の開放を1回行う。さらに説明をすると、0.9秒開放して1.0秒閉鎖した後、0.9秒開放する。一方、小当たりの場合、例えば、0.9秒開放して1.0秒閉鎖した後、0.9秒開放する。ここで、短当たりでの作動と小当たりでの作動を上記の例で比較すると、共に0.9秒の開放が2回行われることとなる。すなわち、遊技者から見える大入賞口125の動作は、短当たりの場合と小当たりの場合とで同じであり、遊技盤110上の大入賞口125の動作のみから短当たりと小当たりとを区別することはできない。
なお、小当たりの際には、大入賞口125の開放累積時間が1.8秒以内に設定されなければならないことが法令により定められている。一方で、大当たり(長当たりまたは短当たり)の際には、大当たり遊技のラウンド数Rだけ、大入賞口125を複数回連続開放させなければならない。そこで、上記のように小当たりでの作動と短当たりでの作動を外見上区別し難くしようとする場合、小当たりでは、1作動での開放累積時間が1.8秒以内を満たす範囲で、大入賞口125が2回以上開放する作動形態が設定され、短当たりでは、小当たりの開放回数と同数のラウンド数が設定される。
次に、大入賞口動作制御部237は、S1704で設定された作動パターンにおける開放時間を経過したか否かを判断する(S1708)。大入賞口125での開放状態が開放時間を経過していない場合(S1708でNo)、次に大入賞口動作制御部237は、大入賞口125への入賞個数Cが規定の個数(例えば9個)以上か否かを判断する(S1709)。開放時間を経過しておらず、かつ入賞個数Cが規定個数未満である場合は、大入賞口125の作動状態(開放状態)が継続されるので、大入賞口処理を終了する(S1709でNo)。一方、開放時間を経過したか(S1708でYes)、または入賞個数Cが規定個数に達した場合(S1709でYes)、大入賞口動作制御部237は、大入賞口125を作動終了(閉口)する(S1710)。
次に、大入賞口動作制御部237は、大入賞口125の作動のラウンド数RがS1704で設定された最大値に達したか否かを判断する(S1711)。そして、最大値に達していないならば、残りの作動が行われるため、大入賞口処理を終了する(S1711でNo)。
大入賞口125の作動のラウンド数Rが最大値に達したならば(S1711でYes)、次に大入賞口動作制御部237は、エンディング動作を開始する(S1712)。ここで、エンディング動作の内容は、長当たり遊技、短当たり遊技の各遊技において設定されたエンディング動作のうち、大当たり遊技フラグの状態に対応するものとなる。
この後、大入賞口動作制御部237は、演出制御部300において大当たり遊技フラグに応じたエンディング動作における演出を行うためのエンディングコマンドをRAM203にセットする(S1713)。このエンディングコマンドは、図8のS806に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。
次に、大入賞口動作制御部237は、大入賞口125の作動のラウンド数Rを0にリセットした後(S1714)、エンディング動作の開始からの経過時間が予め設定されたエンディング動作が行われるべき時間(エンディング時間)を経過したか否かを判断する(S1717)。エンディング時間を経過していないならば、エンディング動作が継続されるので、大入賞口処理を終了する(S1717でNo)。一方、エンディング時間を経過したならば(S1717でYes)、次に大入賞口動作制御部237は、遊技制御部200による遊技状態設定処理を経た後(S1718)、大当たり遊技フラグをOFFにして、大入賞口処理を終了する(S1719)。遊技状態設定処理の内容については後述する。
S1702で、パチンコ遊技機100がオープニング中ではないと判断した場合(S1702でNo)、次に大入賞口動作制御部237は、エンディング中か否かを判断する(S1715)。そして、エンディング中であるならば(S1715でYes)、上記S1717以降の動作を実行する。
一方、パチンコ遊技機100がエンディング中でもないならば(S1715でNo)、次に大入賞口動作制御部237は、大入賞口125が作動(開放)中か否かを判断する(S1716)。そして、作動中でないならば(S1716でNo)、上記S1705以降の動作を実行し、作動中であるならば(S1716でYes)、上記S1708以降の動作を実行する。
なお、前述した小当たり遊技で行われる演出は、短当たり遊技で行われる演出と同様であり、演出から短当たりと小当たりとを区別することはできない。
〔遊技状態設定処理〕
エンディング時間が経過した場合(S1717でYes)に実行される、遊技制御部200による遊技状態設定処理(S1718)の内容を図18に示す。
遊技状態設定処理が行われる場合、前提として、図17のS1701で大当たり遊技フラグがONとなっている。そこで、図18に示すように、遊技制御部200は、まず、その図柄の種類を判断する(S1801、S1802、S1803、S1806)。これらの判断は、例えば大当たり判定処理(図12)でRAM203に設定情報としてセットされた図柄の種類に基づいて判断することができる。なお、これらの判断は大当たり判定処理(図12)のS1202、S1203、S1205と概ね同様であるので、S1202、S1203、S1205の判断結果を用いても良い。
小当たりである場合(S1801でYes)、遊技状態は変更しないので、遊技状態設定処理を終了する。
図柄の種類が低確率時短遊技状態の大当たりである場合(S1801でNo、S1802、S1803でYes)、遊技制御部200は、時短フラグをONにする(S1804)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が低確率時短遊技状態となる。また、遊技制御部200は、抽選回数Jの初期値を設定し(S1805)、遊技状態設定処理を終了する。抽選回数Jの初期値は、図示の例では100回である。したがって、低確率時短遊技状態において特別図柄抽選の判定結果がはずれとなる抽選が連続して100回行われたならば、低確率時短遊技状態が終了し、低確率時短無遊技状態となる。
一方、図柄の種類が低確率時短無遊技状態の大当たりである場合(S1801でNo、1802でYes、S1803でNo)、遊技制御部200は、時短フラグ、高確フラグともONにせずに処理を終了する。したがって、この大当たりの後の遊技に対するRAM203の遊技状態の設定は、低確率時短無遊技状態となる。
図柄の種類が高確率時短遊技状態の大当たりである場合(S1801、S1802でNo、S1806でYes)、遊技制御部200は、時短フラグをONにし(S1807)、抽選回数Jの初期値を設定する(S1808)。この場合の抽選回数Jの初期値は、図示の例では10000回である。また、遊技制御部200は、高確フラグをONにし(S1809)、抽選回数Xの初期値を設定する(S1810)。抽選回数Xの初期値は、図示の例では10000回である。これにより、RAM203の遊技状態の設定が高確率時短遊技状態となる。そして、この高確率時短遊技状態において特別図柄抽選の判定結果がはずれとなる抽選が連続して10000回行われたならば、高確率時短遊技状態が終了し、低確率時短無遊技状態となる。
一方、図柄の種類が高確率時短無遊技状態の大当たりである場合(S1801、S1802、S1806でNo)、遊技制御部200は、高確フラグのみをONにし(S1809)、抽選回数Xの初期値(10000回)を設定する(S1810)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が高確率時短無遊技状態となる。そして、この高確率時短無遊技状態において特別図柄抽選の判定結果がはずれとなる抽選が連続して10000回行われたならば、高確率時短無遊技状態が終了し、低確率時短無遊技状態となる。
〔遊技制御部による電動チューリップ処理〕
図19は、図8のS804に示した電動役物処理のうちの電動チューリップ処理の内容を示すフローチャートである。
電動チューリップ処理において、遊技制御部200の電動チューリップ動作制御部238は、まず、RAM203のフラグ設定において補助遊技フラグがONになっているか否かを調べる(S1901)。補助遊技フラグがOFFである場合、電動チューリップ123は開放しないため、電動チューリップ処理を終了する(S1901でNo)。一方、補助遊技フラグがONである場合(S1901でYes)、次に電動チューリップ動作制御部238は、電動チューリップ123が作動中か否かを判断する(S1902)。
電動チューリップ123が作動中でない場合(S1902でNo)、電動チューリップ動作制御部238は、電動チューリップ123の作動パターンの設定を行い(S1903)、設定した作動パターンで電動チューリップ123を作動させる(S1904)。ここで、作動パターンは、図14におけるS1404、S1414、図18におけるS1804、S1807等の処理で設定される時短フラグに基づいて設定される。例えば、S1903による設定の際に時短フラグがOFFである場合は、0.15秒の開放時間で1回開放する作動パターンが設定され、時短フラグがONである場合は、1.80秒の開放時間で3回開放する作動パターンが設定される。このように、通常、時短フラグがONであるとき(時短状態のとき)は、電動チューリップ123が長時間、複数回開放され、第2始動口122に入賞し易くなる入賞サポート(電チューサポート)が行われる。なお、時短フラグがONの場合またはOFFの場合における電動チューリップ123の作動パターン(補助遊技の種類)を複数用意し、普通図柄処理(図16参照)で判定される当たりの種類に応じて、作動パターンを設定するように構成しても良い。
S1902で電動チューリップ123が作動中と判断された場合(S1902でYes)、またはS1904で電動チューリップ123を作動させた後、電動チューリップ動作制御部238は、設定されている作動パターンにおける開放時間が経過したか否かを判断する(S1905)。開放時間を経過していなければ、電動チューリップ123の作動状態(開放状態)が継続されるので、電動チューリップ処理を終了する(S1905でNo)。一方、開放時間を経過したならば(S1905でYes)、電動チューリップ動作制御部238は、補助遊技フラグをOFFとして、電動チューリップ処理を終了する(S1906)。
〔乱数による判定の手法〕
ここで、大当たり判定処理(図12)、変動パターン選択処理(図13)、普通図柄処理(図16)等で行われる、乱数による判定の手法について詳細に説明する。
図20は、本実施の形態において特別図柄抽選および普通図柄抽選で用いられる乱数(判定テーブル)の構成例を示す図である。
図20(a)には特別図柄抽選で用いられる大当たり乱数の構成例、図20(b)には特別図柄抽選で用いられる大当たり図柄乱数の構成例、図20(c)には特別図柄抽選で用いられるリーチ乱数の構成例、図20(d)には普通図柄抽選で用いられる当たり乱数の構成例が、それぞれ示されている。
図20(a)を参照すると、大当たり乱数の判定値として、大当たり判定時のパチンコ遊技機100の遊技状態が低確率状態の場合の大当たりと大当たり判定時の遊技状態が高確率状態の場合の大当たりの2種類と、小当たりとが設定されている。乱数(大当たり乱数)の値の範囲は、何れも0〜299の300個である。低確率状態の特別図柄抽選(大当たり抽選)の場合、当選値は1つだけが設定され、当選確率は1/300である。また高確率状態の特別図柄抽選の場合、当選値は10個設定され、当選確率は10/300(=1/30)である。すなわち図示の例では、高確率状態で始動口121、122に入賞し特別図柄抽選が行われると、低確率状態で特別図柄抽選が行われる場合に比べて、当選確率が10倍となる。また、小当たりの当選値は、低確率状態か高確率状態かに関わらず3個設定され、当選確率は3/300(=1/100)である。
ここで、低確率状態の特別図柄抽選を例に説明をすると、上記第1始動口121または第2始動口122への入賞を契機として取得した大当たり乱数値(S903、S910参照)が、図20(a)における低確率状態の大当たり抽選の当選値である「5」と一致するかが判定される。詳細な説明は省略するが、高確率状態の特別図柄抽選および小当たりの特別図柄抽選についても同様である。
図20(b)を参照すると、大当たり図柄には、低確率図柄A、低確率図柄B、高確率図柄A、高確率図柄B、高確率図柄C、高確率図柄D、高確率図柄E、潜確図柄の8種類が用意されている。ここで、低確率図柄Aおよび低確率図柄Bは、低確率状態の大当たりであることを表す図柄であり、このうち低確率図柄Aは長当たり(8ラウンド)かつ低確率時短遊技状態の大当たりであることを示す。低確率図柄Bは長当たり(4ラウンド)かつ低確率時短遊技状態の大当たりであることを示す。高確率図柄Aおよび高確率図柄Bは長当たり(15ラウンド)かつ高確率時短遊技状態の大当たりであることを示す。高確率図柄Cおよび高確率図柄Dは、長当たり(8ラウンド)かつ高確率時短遊技状態の大当たりであることを示す。高確率図柄Eは、短当たり(2ラウンド)かつ高確率時短無遊技状態の大当たりであることを示す。潜確図柄は、短当たり(2ラウンド)かつ高確率時短無遊技状態の大当たりであることを表す図柄である。したがって、高確率図柄Eと潜確図柄とは大当たり遊技後の遊技状態が同じであるが、潜確図柄は、高確率状態であることを遊技者に明確に報知しない潜伏演出を行う条件とするために高確率図柄Eとは分けて設けられている。乱数の値の範囲は0〜249の250個である。また、大当たり図柄乱数では、特別図柄抽選が行われる契機となる第1始動口121と第2始動口122の各々について当選値が設定される。
低確率図柄Aでは、第1始動口121および第2始動口122ともに、当選値として35個の値が割り当てられている。したがって、大当たりに当選した場合に低確率図柄Aでの当選となる確率は、35/250(=7/50)である。
低確率図柄Bでは、第1始動口121および第2始動口122ともに、当選値として15個の値が割り当てられている。したがって、大当たりに当選した場合に低確率図柄Bでの当選となる確率は、15/250(=3/50)である。
高確率図柄Aでは、第1始動口121に入賞した場合の当選値として20個の値が割り当てられている。したがって、第1始動口121に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に高確率図柄Aでの当選となる確率は、20/250(=2/25)である。
一方、第2始動口122に入賞した場合の当選値として150個の値が割り当てられている。したがって、第2始動口122に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に高確率図柄Aでの当選となる確率は、150/250(=15/25)である。
高確率図柄Bでは、第1始動口121に入賞した場合の当選値として5個の値が割り当てられている。したがって、第1始動口121に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に高確率図柄Bでの当選となる確率は、5/250(=1/50)である。
一方、第2始動口122に入賞した場合の当選値として25個の値が割り当てられている。したがって、第2始動口122に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に高確率図柄Bでの当選となる確率は、25/250(=1/10)である。
高確率図柄Cでは、第1始動口121に入賞した場合の当選値として25個の値が割り当てられている。したがって、第1始動口121に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に高確率図柄Cでの当選となる確率は、25/250(=1/10)である。
一方、第2始動口122に入賞した場合の当選値として10個の値が割り当てられている。したがって、第2始動口122に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に高確率図柄Bでの当選となる確率は、10/250(=1/25)である。
高確率図柄Dでは、第1始動口121に入賞した場合の当選値として25個の値が割り当てられている。したがって、第1始動口121に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に高確率図柄Dでの当選となる確率は、25/250(=1/10)である。
一方、第2始動口122に入賞した場合の当選値として10個の値が割り当てられている。したがって、第2始動口122に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に高確率図柄Dでの当選となる確率は、10/250(=1/25)である。
高確率図柄Eでは、第1始動口121に入賞した場合の当選値として25個の値が割り当てられている。したがって、第1始動口121に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に高確率図柄Eでの当選となる確率は、25/250(=1/10)である。
一方、第2始動口122に入賞した場合の当選値として5個の値が割り当てられている。したがって、第2始動口122に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に高確率図柄Eでの当選となる確率は、5/250(=1/50)である。
潜確図柄では、第1始動口121に入賞した場合の当選値として100個の値が割り当てられている。したがって、第1始動口121に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に潜確図柄での当選となる確率は、100/250(=2/5)である。
一方、第2始動口122には潜確図柄での当選値が割り当てられておらず、第2始動口122に入賞した場合に潜確図柄での当選となることはない。
ここで、低確率図柄Aを例に説明をすると、上記第1始動口121または第2始動口122への入賞を契機として取得した大当たり図柄乱数値(S903、S910参照)が、図20(b)における低確率図柄Aの当選値である「0〜34」と一致するかが判定される。詳細な説明は省略するが、低確率図柄Bなどの特別図柄抽選についても同様である。
以上のように、第1始動口121に入賞した場合と第2始動口122に入賞した場合における図柄の種類の当選確率を相違させることにより、様々な遊技性を持たせることができる。また、遊技盤110における第1始動口121と第2始動口122の配置を工夫し、特定の状態(モード)では第1始動口121と第2始動口122の何れか一方を狙い易くなるように構成することによって、遊技者にさらに積極的な遊技への参加を促すことも可能である。
次に、リーチ乱数の判定について説明する。なお、リーチ乱数の振り分けは、後述するように保留数に応じて設定されている。ここでは、例として保留数が0個であるときの、リーチ乱数について説明をする。
図20(c)を参照すると、乱数の値の範囲は0〜249の250個であり、リーチ演出を実行可能な変動パターン(変動時間)とする(例えば、13.5秒以上)判定結果(リーチ有)に22個の乱数値が割り当てられ、リーチ演出を実行可能な変動パターンとしない(例えば、13.5秒未満)判定結果(リーチ無)に228個の乱数値が割り当てられている。すなわち図示の例では、特別図柄抽選で大当たりしなかった場合に、22/250(=11/125)の確率でリーチ演出が行われる。ここで、リーチ演出は、特別図柄変動時に画像表示部114において行われる演出である。以下、リーチ演出を実行可能な変動パターンとしない特別図柄変動時の演出をリーチ無し演出と呼び、これに対応してリーチ演出を実行可能な変動パターンとする特別図柄変動時の演出をリーチ有り演出と呼ぶ。
ここで、リーチ有を例に説明をすると、上記第1始動口121または第2始動口122への入賞を契機として取得したリーチ乱数値(S903、S910参照)が、図20(c)におけるリーチ有の当選値である「0〜21」と一致するかが判定される。詳細な説明は省略するが、リーチ無の特別図柄抽選についても同様である。
多くの場合、特別図柄変動時には、第1特別図柄表示器221および第2特別図柄表示器222(以下、これらを区別しない場合は特別図柄表示器221、222と記載)の表示制御に連動させて、画像表示部114において装飾図柄を用いた演出が行われる。装飾図柄は、例えば、「1」から「9」までの数字が縦方向に連続して記された数列からなる図柄が3列表示されて構成される。また、装飾図柄は、例えば、青、緑、赤など複数の色のいずれかで表示されている。詳細は後述するが、各装飾図柄における例えば数字要素411(後述する図35)が青、緑、赤のいずれかで表示される。そして、特別図柄表示器221、222における特別図柄の変動表示が開始されるのと同時に、画像表示部114に表示された装飾図柄がスクロールを開始する。また、特別図柄の変動表示の開始(装飾図柄のスクロール開始)から所定時間経過後、特別図柄が停止表示されるのと同時に、装飾図柄も確定停止する。一般に、特別図柄抽選の判定結果が大当たりである場合、装飾図柄の停止表示では、横または斜めにわたる一直線上に同一の数字が三つ揃って並ぶ。この特別図柄の変動表示に伴って行われる装飾図柄を用いた演出を変動演出と呼ぶ。
リーチ有り演出においては、変動演出として、装飾図柄に関して例えば次のような動作が行われる。まず、縦(横)方向にスクロールする装飾図柄を確定停止するまでに、まず、いずれか2つの図柄(数列)が先に仮停止する。このとき、横(縦)または斜めにわたる一直線上に同一の数字が仮停止される。さらに説明をすると、装飾図柄が縦方向にスクロールしていれば、横方向の一列で同一の数字が仮停止される。
次に、最後の一列がスクロール速度を徐々に遅くして、一直線上に同一の数字が三つ揃うのではないかという期待感を遊技者に与える。そして、最後の一列が仮停止した後、3つの図柄が確定停止する。
ここで、リーチ有り演出では、3つの図柄を確定停止させる前に、SPリーチ演出やSPSPリーチ演出が行われる場合がある。なお、SPリーチ演出は、一般にスーパーリーチやスペシャルリーチと呼ばれ、リーチよりも大当たりすることを期待させる演出であり、さまざまなキャラクタが登場したり、ストーリーが展開したりする動画像の演出である。また、SPSPリーチは、一般にスーパースーパーリーチやスペシャルスペシャルリーチと呼ばれ、SPリーチよりも大当たりすることを期待させる演出であり、さまざまなキャラクタが登場したり、ストーリーが展開したりする動画像の演出である。
また、後述する図21に示すように、本実施の形態では、変動時間がより長い(例えば90秒や60秒)場合に、SPリーチやSPSPリーチ演出を実行するように設定している。なお、リーチ有り演出と共に行われる上記の変動演出をリーチ時変動演出とも呼ぶ。
一方、リーチ無し演出においては、縦(横)方向にスクロールする装飾図柄が確定停止するまでに、例えばリーチ有り演出のような遊技者に期待感を与える演出が抑制され、横(縦)または斜めにわたる一直線上に同一の数字が揃わない状態で図柄が確定停止される。
このように、リーチ乱数は、大当たり乱数の判定の結果がはずれであった場合に、画像表示部114においてリーチ演出を実行可能な変動パターンとするリーチ有り演出を行うか、リーチ演出を実行可能な変動パターンとしないリーチ無し演出を行うかを決定するための乱数である。また、保留数に応じてリーチ有り演出の実行割合を変えるなどすることにより、効率の良い遊技進行を可能にしつつ、遊技者に対して適度に期待感が与えられる。
付言すると、大当たりに当選した場合には、リーチ有り演出が行われ、最終的に横(縦)または斜めにわたる一直線上に、同一の数字が揃った状態で装飾図柄が確定停止する態様とすることができる。これに対して、小当たりに当選した場合やはずれの場合のリーチ有り演出は、上記一直線上に、同一の数字が揃わない状態で装飾図柄が確定停止する。
次に、普通図柄抽選に用いられる当たり乱数の判定について説明する。
図20(d)を参照すると、乱数の値の範囲は0〜9の10個であり、時短フラグOFFのときの当選値として1個の値が割り当てられ、時短フラグONのときの当選値として9個の値が割り当てられている。したがって、時短無状態のときにゲート124を遊技球が通過して普通図柄抽選が行われると、1/10の確率で当選する。これに対し、時短状態のときにゲート124を遊技球が通過して普通図柄抽選が行われると、9/10の確率で当選する。
ここで、時短フラグOFFを例に説明をすると、上記ゲート124、第1始動口121または第2始動口122の遊技球の通過を契機として取得した当たり乱数値(S1003参照)が、図20(d)における時短フラグOFFの当選値である「0」と一致するかが判定される。詳細な説明は省略するが、時短フラグONの普通図柄抽選についても同様である。
また、特に図示していないが、普通図柄抽選で当たりと判定された場合に行われる補助遊技の内容(電動チューリップ123の開放パターン)が異なる複数の当たりを設定することができる。この場合、例えば、特別図柄抽選における図柄の種類を特定する大当たり図柄乱数(図20(b)参照)と同様に、普通図柄抽選における当たりの種類を特定するための当たり図柄乱数が設定される。そして、遊技制御部200は、乱数取得部231により、ゲートスイッチ処理(図10参照)で当たり乱数の乱数値と共に、当たり図柄乱数の乱数値を取得し、普通図柄判定部232により、取得された乱数値に基づいて当たりの種類を特定する。
なお、図20の各乱数の構成例に示した乱数の範囲、当選値の割合、当選値の各値は例示に過ぎず、図示の値に限定されるものではない。
〔変動パターンの設定例〕
次に、図13に示した変動パターン選択処理において用いられる変動パターンとテーブルの設定例について説明する。
図21は、図13に示した変動パターン選択処理において用いられる変動パターンとテーブルの設定例を示す図である。なお、図21には、低確率時短無遊技状態の設定例を示している。図示は省略するが、高確率時短遊技状態など他の遊技状態に関しては、変動パターン選択処理において選択される変動パターンの設定のテーブルが個別に設けられる。
また、図21には、第1始動口121に遊技球が入賞した場合の設定例を示している。第2始動口122に遊技球が入賞する場合に関しては、変動パターン選択処理において選択される変動パターンの設定のテーブルが個別に設けられてもよいし、第1始動口121に遊技球が入賞した場合に参照するテーブルを共用して参照するようにしてもよい。
図21に示すように、特別図柄変動制御部233は、特別図柄抽選の判定結果が大当たりの場合(図13のS1302でYesの場合)、大当たり図柄および変動パターン乱数に基づいて変動パターンを決定する。具体的には、特別図柄変動制御部233は、乱数取得部231によって大当たり乱数値とともに取得された変動パターン乱数値(S903参照)が、大当たり図柄ごとに割り振られた変動パターン乱数値のいずれと一致するかに基づいて、変動パターンを決定する。例えば、大当たり図柄が「高確率図柄A」であり、変動パターン乱数が「51」である場合、図21における「高確率図柄A」に割り振られた変動パターン乱数範囲「50〜69」に一致するので、変動パターンとして「PB3」が選択される。なお、この「PB3」における特別図柄変動時間は、「90.18秒」である。
また、特別図柄変動制御部233は、特別図柄抽選の判定結果がはずれの場合(図13のS1302でNoの場合)、第1特別図柄抽選の保留数U1、リーチ乱数、および変動パターン乱数に基づいて変動パターンを決定する。具体的には、特別図柄変動制御部233は、第1特別図柄抽選の保留数U1が「0」である場合、乱数取得部231によって大当たり乱数値とともに取得されたリーチ乱数値(S903参照)が、図21における「はずれ」の保留数「0」に割り振られたリーチ乱数範囲「0〜21」に割り振られるのか、リーチ乱数範囲「22〜249」に割り振られるのかを判定する。そして、この取得されたリーチ乱数がリーチ乱数範囲「0〜21」に含まれる場合、乱数取得部231によって大当たり乱数値とともに取得された変動パターン乱数値(S903参照)が、リーチ乱数範囲「0〜21」に割り振られた変動パターン乱数値のいずれと一致するかに基づいて、変動パターンを決定する。例えば、変動パターン乱数が「51」である場合、変動パターン乱数範囲「50〜89」に一致するので、変動パターンとして「PR4」が選択される。
上記のように、遊技制御部200は、遊技球が始動口121、122に入賞した際に取得した変動パターン乱数値(図9のS903、S910参照)と、パチンコ遊技機100の遊技状態、リーチ演出の有無、保留数等の条件とに基づいて特別図柄の変動パターンを決定する。そして、決定された特別図柄の変動パターンの情報は、変動開始コマンドに含まれて、遊技制御部200から演出制御部300へ送られる。演出制御部300では、後述するように、特別図柄変動時の演出として、変動開始コマンドに含まれる変動パターンの情報に基づいて特定される変動時間に対応する(その変動時間で実行可能な)演出が選択されて実行される。
〔事前判定に基づく予告演出を行うための遊技制御部のRAMおよび演出制御部のRAMの構成〕
続いて、事前判定に基づく予告演出を実行するための、本実施の形態における遊技制御部200のRAM203および演出制御部300のRAM303の構成について説明する。
図22は、本実施の形態に係る遊技制御部200のRAM203(図3参照)の構成例を説明するブロック図である。図22(a)は、記憶領域204の構成を示すブロック図であり、図22(b)は、図22(a)に示す記憶部の各々の構成を示すブロック図である。
図22(a)に示すように、RAM203は、大当たり乱数抽選により取得した大当たり乱数を記憶する特別図柄保留記憶領域としての記憶領域204を備えている。この記憶領域204は、第1始動口121の保留数と第2始動口122の保留数の最大値に対応する8つの記憶部を有している(各保留数の上限値が4の場合)。具体的に説明すると、記憶領域204は、第1記憶部204a、第2記憶部204b、第3記憶部204c、第4記憶部204d、第5記憶部204e、第6記憶部204f、第7記憶部204g、第8記憶部204hを有している。
また、図22(b)に示すように、これらの記憶部204a〜204hの各々は、入賞した始動口(第1始動口121または第2始動口122)の別を表す情報が記憶される領域と、取得された大当たり乱数が記憶される領域と、図柄乱数が記憶される領域と、リーチ乱数が記憶される領域と、変動パターン乱数が記憶される領域と、を有する。すなわち、記憶部204a〜204hの各々には、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数および変動パターン乱数が記憶される。
ここで、各乱数は、第1記憶部204aから順に記憶していく。より具体的に説明すると、例えば、第1記憶部204a〜第8記憶部204hの何れにも乱数が記憶されていないときには、取得した乱数が第1記憶部204aに記憶されることになる。また、例えば、第1記憶部204a〜第4記憶部204dに乱数がすでに記憶されているときには、取得した乱数が第5記憶部204eに記憶されることになる。
図23は、本実施の形態に係る演出制御部300のRAM303(図3参照)の構成例を説明するブロック図である。図23(a)は、保留記憶領域305、306の構成を示すブロック図であり、図23(b)は、図23(a)に示す記憶部の各々の構成を示すブロック図である。
図23(a)に示すように、RAM303は、保留球が保留されている状況を記憶する保留状況記憶領域としての第1保留記憶領域305および第2保留記憶領域306を備えている。この第1保留記憶領域305および第2保留記憶領域306は、第1始動口121への入賞に対する保留および第2始動口122への入賞に対する保留にそれぞれ対応しており、各々4つの記憶部を有している。具体的には、第1保留記憶領域305は、第1記憶部305a、第2記憶部305b、第3記憶部305c、第4記憶部305dを有している。また、第2保留記憶領域306は、第1記憶部306a、第2記憶部306b、第3記憶部306c、第4記憶部306dを有している。
また、図23(b)に示すように、これらの記憶部305a〜305d、306a〜306dの各々は、保留フラグをON/OFFする保留フラグ記憶領域と、報知フラグをON/OFFする報知フラグ記憶領域と、を有している。保留フラグは、各記憶部305a〜305d、306a〜306dごとに保留球の有無を識別するためのフラグである。すなわち、例えば第1始動口121への入賞による保留数が3である場合、第1〜3記憶部305a、305b、305cの3つの保留フラグ記憶領域において、保留フラグがONとなる。報知フラグは、個々の保留球に関して事前判定結果に基づいて予告演出を行うか否かを設定するためのフラグである。本実施の形態のパチンコ遊技機100では、演出制御部300において、遊技状態や演出の状況に応じて事前判定結果に基づく予告演出を行うか否かを設定可能としている。そこで、予告演出を行う場合には報知フラグをONとし、予告演出を行わない場合には報知フラグをOFFとする。詳細は後述するが、事前判定演出選択処理(S2703)の結果、例えば上記3つの保留球のうち3番目の保留球に対して予告演出を行う場合は、事前判定の対象となった第3記憶部305cの報知フラグ記憶領域において、報知フラグがONとなる。
また、特に図示しないが、図22(a)に示した構成とは別に、RAM203は、事前判定情報が記憶される領域(以下、事前判定情報格納領域)を有する。事前判定情報とは、上記の各乱数に基づく事前判定処理(図9のS904、S911参照)によって得られた情報である。事前判定情報の内容は、特別図柄処理(図11参照)における各種の判定結果として得られる情報と同様であり、具体的には、大当たりしたか否か(および小当たりしたか否か)、大当たりであった場合にはその図柄の種類、変動パターン(変動時間)がリーチ演出を実行可能な長さであるか、変動パターンの内容といったことを示すための情報である。事前判定情報格納領域に格納された事前判定情報は、事前判定処理が行われた入賞球(保留球)に対応する保留に関する情報(以下、保留情報)と共に、あるいはこの保留情報とは別に独自のタイミングで、事前判定結果コマンドに含められて遊技制御部200から演出制御部300へ送られる。
〔事前判定処理〕
次に、事前判定処理(図9のS904、S911参照)について詳細に説明する。
本実施の形態における事前判定処理では、特別図柄処理(図11参照)と同一の判定を実行することにより、特別図柄処理で大当たりと判定されるか否か、言い替えると当該変動で大当たりと判定されるか否かを判定する。具体的には、遊技制御部200では、図20や図21を参照しながら説明した乱数の構成例と同様の乱数テーブルを用いて以下のとおり事前判定を行う。
図24は、本実施の形態に係る事前判定処理(図9のS904、S911)の内容を示すフローチャートである。
図24に示すように、遊技制御部200は、まず、遊技状態が高確率状態か否かを判断し(S2401)、高確率状態であると判断すると(S2401でYes)、高確率状態用のテーブルを選択して、大当たり乱数および大当たり図柄乱数の事前判定を行う(S2402)。一方、S2401でNoと判断した場合には、低確率状態用のテーブルを選択して、大当たり乱数および大当たり図柄乱数の事前判定を行う(S2403)。
S2402またはS2403の大当たり乱数および大当たり図柄乱数の事前判定の後、遊技制御部200は、遊技状態が時短状態か否かを判断し(S2404)、時短状態であると判断すると(S2404でYes)、時短状態用のテーブルを選択して、リーチ乱数の事前判定を行う(S2405)。さらに、時短状態用のテーブルを選択して、変動パターン乱数の事前判定を行う(S2406)。
一方、S2404でNoと判断した場合には、時短無状態用のテーブルを選択して、リーチ乱数の事前判定を行う(S2407)。さらに、時短無状態用のテーブルを選択して、変動パターン乱数の事前判定を行う(S2408)。
この後、遊技制御部200は、上述のとおり得られた大当たり乱数の事前判定の結果、大当たり図柄乱数の事前判定の結果、リーチ乱数の事前判定の結果、および変動パターンの事前判定の結果を、事前判定情報として事前判定情報格納領域に記憶する(S2409)。さらに、演出制御部300に事前判定情報を送信するために、事前判定情報を含む事前判定結果コマンドをRAM203にセットする(S2410)。
ここで、上述の事前判定は、始動口121、122への遊技球の入賞に応じて取得された乱数値(図9のS903、S910参照)と、大当たり判定処理で用いられる判定テーブル(図20参照)と同様の構成の判定テーブルとを用いて行った。すなわち、使用する判定テーブルを選択した後の判定自体は、大当たり判定処理における判定(図12のS1201参照)と同様である。そこで、本実施の形態では、特別図柄処理(図11参照)で用いた大当たり判定処理のサブルーチン(図11のS1108および図12参照)を呼び出し、上記の事前判定における乱数の判定を行う。
このような構成としたことにより、本実施の形態では、事前判定処理における乱数の判定を行うために、大当たり判定処理とは別に乱数を判定する処理機能(サブルーチン)を用意する必要がない。そのため、制御命令の数を削減し、大当たり判定処理および事前判定処理に関するプログラムのサイズの増大を抑制することができる。また、上記のように、事前判定に用いる判定テーブルを大当たり判定で用いる判定テーブルと同様の構成とする場合には、大当たり判定で用いる判定テーブルを事前判定においても用いるようにしても良い。
また、ここでは特別図柄抽選に関する事前判定(大当たりか否か)についてのみ説明したが、本実施の形態では、特別図柄抽選における変動パターンについても、先読み(事前判定)を行う。特別図柄抽選における変動パターンの選択は、始動口121、122への遊技球の入賞に応じて取得された変動パターン選択用の乱数値(図9のS903、S910参照)と変動パターンテーブル(図21参照)とを用いて行われる(図11のS1109および図13参照)。したがって、変動パターンの先読みにおいても、入賞時に取得した変動パターン選択用の乱数値と、特別図柄処理の変動パターン選択処理で用いた変動パターンテーブルと同様の構成の先読みテーブルを用いて、選択される変動パターンを先読みすることができる。
この場合、変動パターン選択処理で選択される変動パターンを先読みするために、特別図柄処理(図11参照)で用いた変動パターン選択処理のサブルーチン(図11のS1109および図13参照)を呼び出して用いることができる。また、変動パターン選択の先読みに用いる先読みテーブルに関しても、特別図柄処理の変動パターン選択処理で用いられる変動パターンテーブルを用いて良い。このように構成すれば、変動パターン選択の先読みに関する制御命令の数を削減し、プログラムのサイズの増大を抑制することができる。
なお、事前判定処理と特別図柄変動時の大当たり判定処理とを、同様の判定テーブル群を用い同じサブルーチンにて行った場合、各処理の実行時が異なるために、事前判定結果と特別図柄変動時の大当たり判定処理による判定結果とが異なる場合があり得る。すなわち、事前判定処理の実行後、特別図柄変動開始時までにパチンコ遊技機100の遊技状態(高確率状態か低確率状態か、時短状態か時短無状態か)が変化した場合である。この場合、判定テーブルは遊技状態に応じて異なる種類のものが用いられるため、事前判定処理の実行時と大当たり判定処理の実行時とでは、判定に用いられる具体的な判定テーブルが異なることになる。そのため、始動口121、122への入賞時に獲得した同一の乱数値を使用しても、事前判定結果と大当たり判定処理の判定結果と異なる場合がある。このような場合、演出制御部300において、事前判定処理の実行後、特別図柄変動の開始時までに遊技状態が変化する場合は、事前判定結果に基づく演出を不実行とする(禁則)制御等を行っても構わない。
〔コマンドの構成および伝送方式〕
ここで、遊技制御部200から演出制御部300へ出力されるコマンド(演出制御用コマンドおよび設定用コマンド)の構成および伝送方式について説明する。
図25−1は、コマンドの構成を示す図である。図25−1(a)はコマンドのデータ構造を示し、図25−1(b)はコマンドのビット列としての構造を示す。
図25−1(a)に示すように、遊技制御部200から演出制御部300へ出力されるコマンドは、1コマンドが2バイトで構成される。このコマンドは、第1データ部としての1バイトの「コード」と、第2データ部としての1バイトの「データ」で構成されている。「コード」は、コマンドの種類を示し、「データ」は、コマンドの値を示す。このコマンドは、1本のシリアル信号により調歩同期を用いて、遊技制御部200から演出制御部300へ送信される。なお、より一般的には、第1データ部である「コード」は、aビット(aは2以上の整数)のサイズで、先頭の1ビットの値が1または0の何れか一方に特定され、第2データ部である「データ」は、n×aビット(nは1以上の整数)のサイズで、先頭の1ビットの値が前記第1データ部の先頭の1ビットの値とは異なる値に特定されている。
調歩同期を用いるため、コマンドを構成する「コード」および「データ」の各々の先頭には1ビットのスタートビット(図中、「S」と記載されたビット)が設けられ、最後尾には1ビットのエンドビット(図中、「E」と記載されたビット)が設けられる。また、コマンドを構成する「コード」および「データ」の各々には1ビットのパリティビット(図中、「P」と記載されたビット)が設けられる。
図25−1(a)に示したように、コマンドを構成する「コード」と「データ」とは、どちらも1バイト(8ビット)のデータサイズを有する。そして、伝送される際、「コード」および「データ」には、それぞれ、スタートビット、エンドビットおよびパリティビットが設けられる。そのため、コマンドを受信する演出制御部300において、受信したデータ列がコマンドの「コード」であるのか「データ」であるのかを、データ列の外形から識別することは容易ではない。そこで、本実施の形態では、「コード」と「データ」とを識別するためのフラグを設定する。具体的には、「コード」を構成する8ビット値の特定箇所の値と、「データ」を構成する8ビット値のうち「コード」の特定箇所に対応する箇所の値とが異なるようにする。
図25−1(b)に示す例では、「コード」および「データ」のそれぞれの先頭の1ビットをフラグとして用いている。すなわち、「コード」を構成する8ビット値においては、先頭の1ビットの値を「1」とし、「データ」を構成する8ビット値においては、先頭の1ビットの値を「0」とする。これにより、演出制御部300は、受信したデータ列のスタートビットに続く先頭の1ビットの値を調べることにより、そのデータ列が「コード」か「データ」かを識別することができる。なお、フラグの具体的な値は例示に過ぎず、「コード」と「データ」とを識別可能であれば、上記に示す値とは異なる値を用いても良い。
ここで、「コード」は先頭の1ビットの値が「1」に特定されているので、「コード」が取り得る値の範囲は、10000000B(=80H)から11111111B(=FFH)までの128個である。なお、各値に付された文字「B」は2進数表記であることを示し、文字「H」は16進数表記であることを示す。また、「データ」は先頭の1ビットの値が「0」に特定されているので、「データ」が取り得る値の範囲は、00000000B(=00H)から01111111B(=7FH)までの128個である。すなわち、図25−1(a)、(b)に示す構成によれば、各々128種類の値を取り得る、128種類のコマンドを設定することができる。
ところで、パチンコ遊技機100では、遊技状態や特別図柄抽選の判定結果等に応じて多くの種類の演出が実行される。そのため、演出制御用のコマンドも多くのコマンド数が用意される。特に、コマンドの具体的な内容を示す値である「データ」は、上記の128個では不足することもあり得る。一方、コマンドの種類を示す「コード」は、通常、上記の128個よりも小さい数で足りる。そこで、「コード」のビット列の一部を、「データ」の値を記述するために用いることが考えられる。
例えば、「コード」の最後尾の1ビットを「データ」の値の記述に用いる場合を考える。以下、「コード」および「データ」を構成する8ビットのビット列における各ビットを、第1ビット〜第8ビットと呼ぶ。また、「コード」を構成するビット列とは別に、実際にコマンドの種類を示す「コード」の値を「コード値」と呼び、「データ」を構成するビット列とは別に、実際にコマンドの値を示す「データ」の値を「データ値」と呼ぶ。すると、コード値は、「コード」のビット列のうち、第1ビットから第7ビットまでを用いて記述され、データ値は、「データ」のビット列の全て(第1ビットから第8ビットまで)と、「コード」の第8ビットとを用いて記述される。
このように構成すれば、コード値の取り得る範囲は、第1ビットの値が「1」に特定されており、全体で7ビットのサイズであるので、1000000B(=40H)から1111111B(=7FH)までの64個である。また、データ値の取り得る範囲は、第1ビットの値が「0」に特定された「データ」の8ビットで表現される128個と「コード」の第8ビットの値「0」、「1」とを合わせて、256個である。したがって、データ値として256種類の値を持つコマンドを設定することが可能となる。
なお、「コード」の一部を用いてデータ値を記述する場合における上記の構成は例示に過ぎず、具体的なビット数や値は上記の構成例には限定されない。例えば、「コード」の第7ビットおよび第8ビットを用いてデータ値を記述するように構成しても良い。より一般的には、第1データ部である「コード」を構成する所定のビットと、第2データ部である「データ」を構成するビットとを用いて、所定の種類のデータ(データ値)が記録される。そして、第1データ部である「コード」における上記の所定のビットを除く残りのビットを用いて、所定の種類のデータ(データ値)とは異なる他の種類のデータ(コード値)が記録される。言い換えると、第2データ部である「データ」を構成するaビットと、第1データ部である「コード」を構成するbビット(bはa−1よりも小さく、1以上の整数)とを用いて、(a+b)ビットのサイズのデータ値が記録される。
また、扱うことができるデータ値の数を増やす手段としては、データ値を記述する「データ」のビット列を増やすことも考えられる。例えば、データ値を記述するビット列として、「第1データ」と「第2データ」とを用意することが考えられる。この場合、各ビット列を8ビットとすれば、合計で16ビットのビット列によりデータ値を記述することが可能となる。「第1データ」と「第2データ」とを識別するために、8ビットのビット列のうち第2ビットをフラグとして用いることにすると、例えば、「第1データ」の第1ビットおよび第2ビットを「00B」とし、「第2データ」の第1ビットおよび第2ビットは「01B」とすることができる。なお、第1ビットは、「コード」と識別するためのフラグとして値「0」となっている。すなわち、第2データ部である「データ」は、個々のデータ値を表すビット列(「第1データ」、「第2データ」、……)のサイズである8ビットごとに(より一般的には、上記aビットごとに)、先頭の1ビットの値と同じ値が設定される。
このように構成すると、「第1データ」の取り得る値の範囲は、00000000B(=00H)から00111111B(=3FH)までの64個であり、「第2データ」の取り得る値の範囲は、01000000B(=40H)から01111111B(=7FH)までの64個であるので、合計で4096(=64×64)個となる。なお、ここでは、「コード」と「データ」(「第1データ」および「第2データ」)を識別するためのフラグとして第1ビットを用い、「第1データ」と「第2データ」とを識別するためのフラグとして第2ビットを用いることとしたが、第1、第2ビットを用いて4種類のビット列を識別するためのフラグを設定しても良い。例えば、「コード」は第1、第2ビットの値を「11B」とし、「データ」は第1、第2ビットの値を「00B」、「01B」、「10B」の何れかとすることが考えられる。
〔遊技制御部のRAMにおけるコマンド出力のための構成例〕
図25−2は、RAM203におけるコマンド格納領域の構成例を示す図である。
図25−2に示すように、遊技制御部200のRAM203は、図8に示した主制御処理等の各種の処理により生成される個々のコマンドが割り当てられたコマンド格納領域(記憶領域)を有する。図25−2に示す例では、領域01から領域031までの31個のコマンド格納領域がRAM203に設定されている。ここで、各コマンド格納領域に対するコマンドの割り当ては、必ずしも1対1の対応関係とはならない。例えば、同時に生成されることがない複数のコマンドを、同一のコマンド格納領域に割り当てることが可能である。図25−2に示す例では、領域01、領域09、領域012、領域019、領域020、領域021、領域022、領域023、領域030に対して複数のコマンドが割り当てられており、その他のコマンド格納領域にはそれぞれ1個ずつのコマンドが割り当てられている。
図25−2に示す例において、領域01には、電源投入に関するコマンドが割り当てられている。電源投入に関するコマンドには、RAMクリア時の電源投入を制御するコマンドと、復旧時の電源投入を制御するコマンドとがある。これらのコマンドは、生成される場面が異なるので同時に生成されることがなく、いずれも領域01に割り当てられている。
領域02〜領域04には、第1始動口121への入賞に関する3つのコマンド(図では「始動口1入賞」と記載)が割り当てられている。第1始動口121への入賞に関するコマンドの一つは、第1始動口121への入賞に基づく事前判定(図9のS904参照)における判定(先読み)結果を示すコマンド(図では「特図1図柄先読み」と記載)であり、領域02に割り当てられている。他の一つは、判定結果と共に特定される変動パターンの先読み(事前判定)結果を示すコマンド(図では「特図1変動パターン先読み」と記載)であり、領域03に割り当てられている。さらに他の一つは、第1始動口121への入賞に基づき特別図柄抽選の保留数を更新(ここでは値を1増加)したことを示すコマンド(図では「特図1保留(+1)」と記載)であり、領域04に割り当てられている。
領域05〜領域07には、第2始動口122への入賞に関する3つのコマンド(図では「始動口2入賞」と記載)が割り当てられている。第2始動口122への入賞に関するコマンドの一つは、第2始動口122への入賞に基づく事前判定(図9のS911参照)における判定結果を示すコマンド(図では「特図2図柄先読み」と記載)であり、領域05に割り当てられている。他の一つは、判定結果と共に特定される変動パターンの先読み結果を示すコマンド(図では「特図2変動パターン先読み」と記載)であり、領域06に割り当てられている。さらに他の一つは、第2始動口122への入賞に基づき特別図柄抽選の保留数を更新(ここでは値を1増加)したことを示すコマンド(図では「特図2保留(+1)」と記載)であり、領域07に割り当てられている。
領域08〜領域010には、普通図柄抽選に関する5つのコマンド(図では、それぞれ「普図保留」、「普図種類」、「普図確定」、「普図開閉」、「普図保留」と記載)が割り当てられている。普通図柄抽選に関するコマンドのうち、「普図保留」コマンドの一つは、遊技球がゲート124を通過したことに基づき普通図柄抽選の保留数を更新(ここでは値を1増加)したことを示すコマンド(図では「普図保留(+1)」と記載)であり、領域08に割り当てられている。「普図種類」コマンドは、普通図柄抽選において、判定結果を表す普通図柄を指定し、普通図柄表示器223の変動表示を開始したことを示すコマンド(図では「普通図柄変動開始」と記載)であり、領域09に割り当てられている。「普図確定」コマンドは、普通図柄抽選において、普通図柄表示器223を停止表示させ、普通図柄抽選の判定結果を表す普通図柄を確定させたことを示すコマンド(図では「普通図柄確定」と記載)であり、領域09に割り当てられている。「普図開閉」コマンドは、普通図柄抽選の判定結果に基づき普通電動役物である電動チューリップ123を作動させること(補助遊技)を示すコマンド(図では「普電開放・閉鎖」と記載)であり、領域09に割り当てられている。「普図保留」コマンドの他の一つは、普通図柄抽選の処理が行われたことにより保留数を更新(ここでは値を1減少)したことを示すコマンド(図では「普図保留(−1)」と記載)であり、領域010に割り当てられている。
ここで、普通図柄抽選の処理において、普通図柄の変動表示、普通図柄の停止表示、補助遊技による電動チューリップ123の作動は、一連の操作として順次実行される。そして、電動チューリップ123の作動中に他の遊技球がゲート124を通過したことに基づく普通図柄の変動表示が開始されることはない(図16参照)。そのため、上記の「普図種類」、「普図確定」、「普電開閉」の3種類のコマンドは、いずれも同時に生成されることはない。そこで、図25−2に示す例では、これら3種類のコマンドを同一のコマンド格納領域(領域09)に割り当てている。
領域011〜領域014には、特別図柄抽選に関する9つのコマンド(図では、「特図変動」、「特図特電」と記載)が割り当てられている。特別図柄抽選に関するコマンドのうち、「特図変動」コマンドの一つは、パチンコ遊技機100の現在の遊技状態(高確率状態か低確率状態か、時短状態か時短無状態か)を示すコマンド(図では「遊技状態」と記載)であり、領域011に割り当てられている。「特図変動」コマンドの他の一つは、特別図柄抽選において、特別図柄抽選の判定結果を表す特別図柄を指定し、第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222の変動表示を開始したことを示すコマンド(図では「特図指定」と記載)であり、領域012に割り当てられている。「特図変動」コマンドのさらに他の一つは、特別図柄抽選において行われる特別図柄変動の変動パターンを特定するコマンド(図では「変動パターン」と記載)であり、領域013に割り当てられる。「特図変動」コマンドのさらに他の一つは、特別図柄抽選の処理が行われたことにより保留数を更新(ここでは値を1減少)したことを示すコマンド(図では「特図保留(−1)」と記載)であり、領域014に割り当てられている。
一方、「特図特電」コマンドの一つは、パチンコ遊技機100が客待ち状態であることを示すコマンド(図では「客待ち」と記載)であり、領域012に割り当てられている。「特図特電」コマンドの他の一つは、特別図柄抽選の判定結果に基づき特別電動役物である大入賞口125を作動させること(特別遊技、大当たり遊技)を示すコマンド(図では「特電開放」と記載)であり、領域012に割り当てられている。「特図特電」コマンドのさらに他の一つは、大当たり遊技のオープニング動作が開始されたことを示すコマンド(図では「大当たりOP」と記載)であり、領域012に割り当てられている。「特図特電」コマンドのさらに他の一つは、大当たり遊技のエンディング動作が開始されたことを示すコマンド(図では「大当たりED」と記載)であり、領域012に割り当てられている。「特図特電」コマンドのさらに他の一つは、第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222を停止表示させ、特別図柄抽選の判定結果を表す特別図柄を確定させたことを示すコマンド(図では「特図確定」と記載)であり、領域012に割り当てられている。
ここで、特別図柄抽選の処理において、特別図柄の変動表示、特別図柄の停止表示、特別遊技による大入賞口125の作動は、一連の操作として順次実行される。そして、特別遊技の実行中に他の遊技球の入賞に基づく特別図柄の変動表示が開始されることはない(図11参照)。また、大当たり遊技では、オープニング動作、大入賞口125の作動、エンディング動作が、一連の操作として順次実行される。そのため、上記の「特図変動」コマンドにおける「特図指定」コマンドおよび5種類の「特図特電」コマンドは、いずれも同時に生成されることはない。そこで、図25−2に示す例では、これら6種類のコマンドを同一のコマンド格納領域(領域012)に割り当てている。
領域015〜領域018には、スイッチ検出に関する4つのコマンド(図では「スイッチ通過」と記載)が割り当てられている。スイッチ検出に関するコマンドの一つは、遊技領域111の左側のゲート124Lを遊技球が通過したことを示すコマンド(図では「左ゲート通過」と記載)であり、領域015に割り当てられている。スイッチ検出に関するコマンドの他の一つは、遊技領域111の右側のゲート124Rを遊技球が通過したことを示すコマンド(図では「右ゲート通過」と記載)であり、領域016に割り当てられている。スイッチ検出に関するコマンドのさらに他の一つは、第2始動口122に遊技球が入賞したことを示すコマンド(図では「始動口SW2通過(電チュー)」と記載)であり、領域017に割り当てられている。スイッチ検出に関するコマンドのさらに他の一つは、大入賞口125に遊技球が入賞したことを示すコマンド(図では「大入賞口入賞」と記載)であり、領域018に割り当てられている。
領域019〜領域030には、エラーに関するコマンド(図では「エラー」と記載)が割り当てられている。パチンコ遊技機100の遊技制御部200が検出するエラーとしては、例えば、払出球が皿153(図1、図2(b)参照)に一杯になったことを示す満タンエラー、枠部材150の前面枠が開状態となっていることを示す扉開放エラー、払い出しユニットによる遊技球の払い出しができなくなったことを示す払い出しエラー、ゲートスイッチ214や始動口スイッチ211、212等の各種の検知スイッチが未接続となっていることを示すスイッチ未接続エラー等がある。図25−2に示す例では、これらのエラーが、それぞれ領域019〜領域023に割り当てられている。また、エラーごとに、各エラーが発生したことを示すコマンド(図では「〜エラー開始」と記載)と、各エラーが解消したことを示すコマンド(図では「〜エラー終了」と記載)とが、同一のコマンド格納領域に割り当てられている。
この他、パチンコ遊技機100の仕様や機能に応じて種々の制御項目やエラー項目を設定し、制御項目に応じたコマンド、エラーが発生したことを示すコマンド、エラーの種類によってはエラーが解消したことを示すコマンド等を生成するように構成して良い。そして、これらのコマンドを、コマンド格納領域に適宜割り当てることができる。図25−2に示す例では、領域024〜領域030に、種々のエラーに関するコマンドが個別に割り当てられている。また、領域031に、特定の入賞を検出して通知するためのコマンド(図では「入賞通知指定」と記載)が割り当てられている。
以上のように、遊技制御部200のRAM203に設けられたコマンド格納領域は、1つのコマンド格納領域に対して一種類または複数種類のコマンドが対応付けられている。そして、図8に示した主制御処理において、遊技制御部200は、生成したコマンドを、そのコマンドに対応付けられているコマンド格納領域に格納していく。
ここで、主制御処理では、1サイクルの処理が実行される度に、必ずしも全てのコマンドが生成される訳ではない。例えば、第1始動口121や第2始動口122への入賞がないときは、上記の始動口121、122への入賞に関するコマンドや「特図変動」コマンドは生成されない。また、普通図柄抽選に関するコマンドのうちの「普図開閉」コマンドや「特図特電」コマンドは、これらの電動役物を作動させるべきタイミングでなければ生成されない。また、エラーの発生に関するコマンドは、そもそもエラーが発生していなければ生成されない。
したがって、主制御処理の出力処理(図8のS806参照)が行われる際には、通常、RAM203に設けられたコマンド格納領域のうち、いくつかのコマンド格納領域にはコマンドが格納されており、他のコマンド格納領域にはコマンドが格納されていない状態となる。
〔コマンドの出力動作〕
図25−3は、出力制御部240による出力処理の内容を示すフローチャートである。
本実施の形態では、出力制御部240は、図25−2に示したRAM203のコマンド格納領域の上から順に(領域番号の順に)着目し、各コマンド格納領域に格納されているコマンドを出力する。
図25−3に示すように、遊技制御部200の出力制御部240は、まず、RAM203に設けられたコマンド格納領域のうち、先頭のコマンド格納領域(図25−2に示す例では領域01)に着目し(S2501)、コマンドが格納されているか否かを調べる(S2502)。そして、コマンドが格納されているならば(S2502でYes)、出力制御部240は、格納されているコマンドを読み出して演出制御部300へ出力する(S2503)。
着目したコマンド格納領域(初期的には領域01)にコマンドが格納されていなかった場合(S2502でNo)、またはS2503でコマンド格納領域に格納されていたコマンドを出力した後、出力制御部240は、次の領域番号のコマンド格納領域が有るか否かを調べる(S2504)。次のコマンド格納領域が有る場合(S2504でYes)、出力制御部240は、そのコマンド格納領域に着目し(S2505)、S2502へ戻って、コマンドの有無の確認(S2502)、出力(S2503)を繰り返す。そして、最後のコマンド格納領域(図25−2に示す例では領域031)に対して処理を行ったならば、次の領域番号のコマンド格納領域が無いので(S2504でNo)、出力処理を終了する。
〔コマンドの出力順の設定〕
主制御処理においては、図9乃至図19を参照して説明した各処理においてコマンドが生成されると、通常、直ちに生成されたコマンドがRAM203の対応するコマンド格納領域に格納される。すなわち、コマンド格納領域へのコマンドの格納は、一般に、コマンドが生成された順に行われる。
一方、図25−3を参照して説明したように、出力制御部240による出力処理では、一定の順序(上記の例では領域番号の順)で各コマンド格納領域に着目し、格納されているコマンドを出力する。すなわち、コマンドの出力は、コマンドが生成された順に関わらず、予め定められた特定の順序で行われる。これは、コマンドに基づく演出制御部300の演出制御において混乱を防ぐために、特定のコマンドに関しては特定の順序で演出制御部300に送信されることが望ましい場合があるためである。すなわち、演出制御部300は遊技制御部200から受信した順にコマンドに基づく演出制御を実行するため、コマンドを受信する順番が異なることによって、演出制御に矛盾が生じる等の混乱が生じる場合があるので、これを防止する必要がある。
なお、上記のように遊技制御部200から演出制御部300へ出力されるコマンドに従い、演出制御部300は、例えば画像表示部114、盤ランプ116、スピーカ156、枠ランプ157などを制御する。例えば、扉開放エラー開始を示すコマンドを演出制御部300が受信した際には、演出制御部300は、「係員を呼んで下さい。」とのメッセージや、異常状態を示す画像などを画像表示部114に表示させる。また、演出制御部300は、スピーカ156から、異常状態を示す警報などを出力させるとともに、楽曲や音声、効果音などを出力させることを制限する。また、演出制御部300は、異常状態を示す態様として、例えば赤色で盤ランプ116や枠ランプ157を点灯させる。
〔演出制御部の動作〕
次に、演出制御部300の動作を説明する。
図26は、演出制御部300の動作を示すフローチャートである。
演出制御部300の動作は、図26(a)に示すメイン処理と、図26(b)に示す割り込み処理とからなる。図26(a)を参照すると、演出制御部300は、まず起動時に初期設定を行い(S2601)、CTC(Counter/Timer Circuit)の周期設定を行った後(S2602)、設定された周期にしたがって、演出制御において用いられる乱数を更新しながら(S2603)、割り込み処理を受け付ける。
割り込み処理は、S2602で設定された周期にしたがって定期的に行われる。図26(b)を参照すると、この割り込み処理において、演出制御部300は、遊技制御部200からのコマンドを受信してコマンド受信処理を行う(S2611)。このコマンド受信処理において、演出内容(演出パターン)が選択される。また、演出制御部300は、遊技者による演出ボタン161等の操作を受け付けるための演出ボタン処理を行う(S2612)。この後、演出制御部300は、選択した演出パターンの情報を含むコマンドを画像/音響制御部310およびランプ制御部320に送信するコマンド送信処理を行う(S2613)。これにより、画像表示部114への画像表示や音響出力、可動役物115の動作、盤ランプ116や枠ランプ157の発光等による演出が行われる。
〔演出制御部によるコマンド受信処理〕
図27は、コマンド受信処理(図26(b)のS2611)の内容を示すフローチャートである。
このコマンド受信処理において、演出制御部300は、まず、事前判定結果コマンドおよび保留数増加コマンドを受信したか否かを判断する(S2701)。なお、事前判定結果コマンドおよび保留数増加コマンドは、遊技制御部200において、図9に示した始動口スイッチ処理においてセットされ(S906、S907、S913、S914)、図8に示した出力処理(S806)で演出制御部300へ送信されたコマンドである。
そして、演出制御部300は、事前判定結果コマンドおよび保留数増加コマンドを受信したと判断した場合(S2701でYes)、RAM303に保持されている保留数の値を1加算する(S2702)。さらに、演出制御部300は、事前判定結果コマンドおよび保留数増加コマンドに基づいて、事前判定演出選択処理を行う(S2703)。なお、事前判定演出選択処理の内容については後に説明する。
受信したコマンドが事前判定結果コマンドおよび保留数増加コマンドでない場合(S2701でNo)、演出制御部300は、受信したコマンドが変動開始コマンドか否かを判断する(S2704)。この変動開始コマンドは、遊技制御部200において、図11に示した特別図柄処理においてセットされ(S1111)、図8に示した出力処理(S806)で演出制御部300へ送信されたコマンドである。
受信したコマンドが変動開始コマンドであった場合(S2704でYes)、演出制御部300は、演出選択処理を実行する(S2705)。また、変動開始コマンドを受信した際は、演出選択処理において用いられる演出制御用の乱数値が取得される。この乱数値は、図26(a)に示すメイン処理のS2603で定期的に更新される乱数値である。演出選択処理の詳細については後述する。
受信したコマンドが事前判定結果コマンド、保留数増加コマンドおよび変動開始コマンドでない場合(S2701およびS2704でNo)、演出制御部300は、受信したコマンドが変動停止コマンドか否かを判断する(S2706)。この変動停止コマンドは、遊技制御部200において、図11に示した特別図柄処理においてセットされ(S1114)、図8に示した出力処理(S806)で演出制御部300へ送信されたコマンドである。
受信したコマンドが変動停止コマンドであった場合(S2706でYes)、演出制御部300は、変動演出終了中処理を実行する(S2707)。なお、変動演出終了中処理においては、演出制御部300は、受信した変動停止コマンドを解析し、図柄変動の演出の終了を指示するための変動演出終了コマンドをRAM303にセットする。
受信したコマンドが事前判定結果コマンド、保留数増加コマンド、変動開始コマンドおよび変動停止コマンドでない場合(S2701、S2704およびS2706でNo)、演出制御部300は、受信したコマンドが大当たり遊技のオープニング動作を開始するためのオープニングコマンドか否かを判断する(S2708)。このオープニングコマンドは、図14に示した停止中処理においてセットされ(S1418)、図8に示した出力処理(S806)で演出制御部300へ送信されたコマンドである。
受信したコマンドがオープニングコマンドであった場合(S2708でYes)、演出制御部300は、大当たり演出選択処理を実行する(S2709)。大当たり演出選択処理の詳細については後述する。
受信したコマンドが事前判定結果コマンド、保留数増加コマンド、変動開始コマンド、変動停止コマンドおよびオープニングコマンドでない場合(S2701、S2704、S2706およびS2708でNo)、演出制御部300は、受信したコマンドが大当たり遊技のエンディング動作を開始するためのエンディングコマンドか否かを判断する(S2710)。このエンディングコマンドは、図17に示した大入賞口処理においてセットされ(S1713)、図8に示した出力処理(S806)で演出制御部300へ送信されたコマンドである。
受信したコマンドがエンディングコマンドであった場合(S2710でYes)、演出制御部300は、エンディング演出選択処理を実行する(S2711)。エンディング演出選択処理の詳細については後述する。
受信したコマンドが事前判定結果コマンド、保留数増加コマンド、変動開始コマンド、変動停止コマンド、オープニングコマンドおよびエンディングコマンドでない場合(S2701、S2704、S2706、S2708およびS2710でNo)、次に演出制御部300は、受信したコマンドが客待ち状態に移行するための客待ちコマンド受信処理を実行する(S2712)。具体的には、演出制御部300は、客待ちコマンドを受信した場合、客待ち演出(デモ演出)を行うための客待ち演出コマンドをRAM303にセットして客待ちコマンド受信処理を終了する。
図28は、図27の事前判定演出選択処理(S2703)および演出選択処理(S2705)の内容を示すフローチャートである。
事前判定演出選択処理において、演出制御部300は、まず、遊技制御部200から受信した事前判定結果コマンドを解析する(S2801)。さらに、演出制御部300は、遊技制御部200から受信した保留数増加コマンドを解析する(S2802)。そして、演出制御部300は、事前判定結果コマンドおよび保留数増加コマンドに基づいて、事前判定演出で用いられる演出パターン(事前判定演出パターン)を選択する(S2803)。
ここで、事前判定演出パターンとしては、特別図柄処理による乱数の判定結果に基づく変動の開始以前に、その特別図柄処理による乱数の判定結果を予告するような各種の演出パターンを設けることができる。例えば、保留表示演出や、連続予告演出等の演出を事前判定演出パターンとして設けることができる。本実施の形態では、保留球が発生した際、保留球数を表す表示を、表示器130の第1特別図柄保留表示器218および第2特別図柄保留表示器219に表示する(図2参照)と共に、画像表示部114に保留の発生や保留数を示唆する保留表示を行う(保留表示演出)。そこで、この保留表示演出において、保留表示の表示態様等に事前判定結果を反映させる。このことにより、その保留球に関して、その後に特別図柄処理による乱数の判定が行われた際の判定結果を遊技者に示唆する事前判定演出を実行することができる。
なお、以下の説明において、事前判定演出によって事前判定結果を報知する対象となった保留(権利)のことを報知対象と呼ぶ。また、本実施の形態の説明において、便宜上、報知対象である保留について図柄変動が開始された後においても、その権利のことを報知対象と呼ぶ。
なお、ここでは保留表示演出を事前判定演出として用いる場合について説明したが、特別図柄処理による乱数の判定結果に基づく変動の開始以前に行われる各種の演出内容に反映させることで、多様な予告演出を行うことが可能になる。例えば、画像表示部114に表示される演出画像を用いた演出、盤ランプ116や枠ランプ157の発光による演出、可動役物の動作による演出、楽曲や効果音等の音響出力による演出等を事前判定演出パターンとして設定することができる。
また、事前判定演出は、事前判定が行われた入賞球(保留球)に対する図柄変動よりも先に行われる他の入賞球に対する図柄変動に伴って実行される。本実施の形態では、保留球は、一つの始動口(第1始動口121または第2始動口122)につき4個を上限としている(図9参照)。また、第2始動口122の保留球の消化を優先するものとする。ここで、第2始動口122の保留球の上限を4個とした場合において、例えば第2始動口122のある保留球について事前判定を行ったならば、その保留球についての図柄変動が行われる前に、現在変動中の変動(当該変動と呼ぶ)を含め、最大で4個の入賞球についての図柄変動が行われることとなる。事前判定が行われた保留球に係る予告演出において、その保留球についての図柄変動が行われる前に複数回の図柄変動が行われる場合、その複数回の図柄変動にまたがる予告演出(連続予告演出)を行っても良い。
そして、演出制御部300は、加算後の保留数の値と、事前判定演出選択処理において選択された事前判定演出パターンの情報とが含まれる保留数コマンドをRAM303にセットする(S2804)。なお、保留数コマンドには、画像/音響制御部310のCPU311に対して選択された事前判定演出パターンを通知するために、当該パターンを示す情報が含まれる。CPU311は保留数コマンドを受信することで、選択された事前判定演出パターンに対応する画像や音響をVDP314に描画、出力処理させるためのディスプレイリスト等の作成を行う。VDP314は当該ディスプレイリスト等に基づいて、選択された事前判定演出パターンを表すための画像データや音響データをCGROM315やSNDROM316から読み出して、事前判定演出を画像表示部114やスピーカ156を用いて表現する。
演出選択処理において、演出制御部300は、まず、受信した変動開始コマンドを解析する(S2811)。また、RAM303に保持されている保留数の値を1減算する(S2812)。そして、演出制御部300は、変動開始コマンドの解析結果から得られる各種の設定情報(図柄の種類、大当たり遊技後の遊技状態、変動パターン等の情報)などに基づき、画像表示部114に表示する画像による図柄変動の変動演出パターンを選択する(S2813)。
最後に、演出制御部300は、選択した演出の実行開始を指示する変動演出開始コマンドをRAM303にセットする(S2814)。なお、変動演出開始コマンドには、CPU311に対して選択された変動演出パターンを通知するために、当該パターンを示す情報が含まれる。CPU311は変動演出開始コマンドを受信することで、選択された変動演出パターンに対応する画像や音響をVDP314に描画処理および出力処理させるためのディスプレイリスト等の作成を行う。VDP314は当該ディスプレイリスト等に基づいて、選択された変動演出パターンを表すための画像データや音響データをCGROM315やSNDROM316から読み出して、変動演出を画像表示部114やスピーカ156を用いて表現する。
詳述しないが、S2813における図柄変動の変動演出パターンの選択処理では、変動パターンに基づいて変動演出パターンが決定される。ここで決定された変動演出パターンに基づいて、装飾図柄の変動表示、背景演出および予告演出等が決定される。なお、装飾図柄の変動表示とは、第1特別図柄表示器221または第2特別図柄表示器222で行われる特別図柄の変動表示に伴い、画像表示部114にて行われる演出表示である。この装飾図柄の変動表示において、リーチ演出等が実行される。なお、本実施の形態とは異なり、変動パターンに対して複数の変動演出パターンが設定されている場合には、演出乱数(図26(a)のS2603において更新されている乱数の一つであり、変動開始コマンド受信時に演出乱数値を取得)を用いて、抽選により変動演出パターンを選択してもよい。
また、演出選択処理においては、特別図柄抽選の判定結果を表す特別図柄を指定する特図指定コマンドに応じて、停止図柄として表示される装飾図柄を決定する。例えば、特別図柄抽選の判定結果がはずれであることを示す特図指定コマンドを受領した場合に、演出制御部300は、演出乱数を用いて、停止図柄として表示される装飾図柄(例えば、「454」)を決定する(後述する図34(A)参照)。
なお、この説明とは異なり、特図指定コマンドに応じて、演出制御部300ではなく、画像/音響制御部310が停止図柄として表示される装飾図柄を決定してもよい。
なお、演出制御部300のCPU301が行う事前判定演出選択処理および演出選択処理は、所定の時間(例えば4ミリ秒)間隔ごとに繰り返し実行される。すなわち、演出制御部300は、所定の時間(例えば4ミリ秒)間隔で、割り込み処理により事前判定結果コマンド、保留数増加コマンド、変動開始コマンド、または変動停止コマンドを取得し、これらの各種コマンドに基づいて事前判定演出選択処理や演出選択処理を実行する。
さらに、先述のとおり、画像/音響制御部310のVDP314が行う描画処理および出力処理は、所定の時間(例えば16.6ミリ秒)間隔ごとに繰り返し実行される。すなわち、画像/音響制御部310は、所定の時間(例えば16.6ミリ秒)間隔で、保留数コマンド、または変動演出開始コマンドが取得されたことを認識し、描画処理および出力処理を実行する。
ここで、本実施の形態のパチンコ遊技機100では、遊技制御部200が変動開始コマンドを作成したタイミングに対して、演出制御部300、さらには、画像/音響制御部310がそれぞれ処理を行うタイミングに時間のずれが発生する場合がある。
演出制御部300は、上述のとおり、所定の時間(例えば4ミリ秒)間隔ごとに処理を行う。そのため、演出制御部300は、例えば、演出制御部300が演出選択処理を終了したときに遊技制御部200から変動開始コマンドを取得すると、新たな演出選択処理を、所定の時間(例えば4ミリ秒)後に実行することになる。
また、画像/音響制御部310は、上述のとおり、所定の時間(例えば16.6ミリ秒)間隔ごとに処理を行う。そのため、画像/音響制御部310は、例えば画像/音響制御部310が描画処理および出力処理を終了したときに変動演出開始コマンドが取得されたことを認識すると、新たな描画処理や出力処理を、所定の時間(例えば16.6ミリ秒)後に実行することになる。
以上より、遊技制御部200が変動開始コマンドを作成してから、その変動開始コマンドに基づいて最終的に画像/音響制御部310によって処理が行われるまで、最大で数十ミリ秒(例えば、4ミリ秒+例えば16.6ミリ秒)の遅れが生じる場合がある。そのため、遊技制御部200によって制御される表示器130での特別図柄の変動開始のタイミングに対して、画像/音響制御部310によって制御される画像表示部114に表示される装飾図柄(後述する小図柄を含む)の変動開始のタイミングが遅れる場合がある。
同様に、遊技制御部200が変動停止コマンドを作成してから、その変動停止コマンドに基づいて最終的に画像/音響制御部310によって処理が行われるまで、最大で数十ミリ秒(例えば、4ミリ秒+例えば16.6ミリ秒)の遅れが生じる場合がある。そのため、遊技制御部200によって制御される表示器130での特別図柄の変動停止のタイミングに対して、画像/音響制御部310によって制御される画像表示部114に表示される装飾図柄(後述する小図柄を含む)の変動停止のタイミングが遅れる場合がある。
従って、本実施の形態のパチンコ遊技機100では、特別図柄の変動開始もしくは変動停止のタイミングと、装飾図柄の変動開始もしくは変動停止のタイミングとが異なる場合がある。また、本実施の形態のパチンコ遊技機100では、特別図柄の変動時間と装飾図柄の変動時間とが異なる場合がある。
図29は、図27の大当たり演出選択処理(S2709)の内容を示すフローチャートである。
この大当たり演出選択処理において、演出制御部300は、まず受信したオープニングコマンド(大当たり図柄の種別についての情報を含む)を解析し(S3001)、演出のパターン(大当たり演出パターン)を選択する(S3002)。そして、演出制御部300は、選択した大当たり演出パターンによる演出に用いられる画像データや音響データをROM302から読み出し、これらのデータと共に、選択した演出を指示する大当たり演出開始コマンドをRAM303にセットして、大当たり演出選択処理を終了する(S3003)。これにより、大当たり中の演出が決定される。なお、大当たり演出パターンの選択(S3002)において、コマンド受信時に取得される乱数値に基づく判定を行っても良い。なお、大当たり演出とは、前回の特別図柄抽選の判定および変動にかかる大当たり遊技を実行する際に行われる演出として捉えることができる。
図30は、図27のエンディング演出選択処理(S2711)の内容を示すフローチャートである。
このエンディング演出選択処理において、演出制御部300は、まず受信したエンディングコマンド(大当たり図柄の種別についての情報を含む)を解析し(S3101)、演出のパターン(エンディング演出パターン)を選択する(S3102)。そして、演出制御部300は、選択したエンディング演出パターンによる演出に用いられる画像データや音響データをROM302から読み出し、これらのデータと共に、選択した演出を指示するエンディング演出開始コマンドをRAM303にセットして、エンディング演出選択処理を終了する(S3103)。なお、エンディング演出パターンの選択(S3102)において、コマンド受信時に取得される乱数値に基づく判定を行っても良い。
以上のようにしてコマンド受信処理が完了すると、RAM303には、変動演出開始コマンド、変動演出終了コマンド、大当たり演出開始コマンド、エンディング演出開始コマンド、客待ち演出コマンドの何れかがセットされている。
図31は、演出ボタン処理(図26(b)のS2612)の内容を示すフローチャートである。
この演出ボタン処理において、演出制御部300は、まず遊技者による演出ボタン161等の操作手段が所定の受付期間(有効期間)中に操作されたか否かを判断する(S3301)。ここで、操作手段の操作とは、演出ボタン161が押下されてONとなること、演出キー162の中央キーや周囲キーが押下されてONとなることを含む。また、タッチパネル等、演出ボタン161および演出キー162以外の操作用デバイスがパチンコ遊技機100に設けられている場合は、そのデバイスの操作を検知したことを含む。演出制御部300は、これらのデバイスのコントローラから操作信号を受け付けて、操作が行われたことを検知する。
演出ボタン161等の操作手段が操作されたならば(S3301でYes)、演出制御部300は、操作手段の操作内容を示す情報を含む演出ボタンコマンドをRAM303にセットして演出ボタン処理を終了する(S3302)。
この後、演出制御部300は、図26(b)のコマンド送信処理(S2613)を行って、上記のコマンド受信処理および演出ボタン処理でRAM303にセットされたコマンドを画像/音響制御部310およびランプ制御部320に送信する。そして、画像/音響制御部310およびランプ制御部320が、受信したコマンドに基づき、画像表示部114による画像表示、スピーカ156による音響出力、可動役物115の動作、盤ランプ116や枠ランプ157の発光等を制御して、設定された演出を実行する。
〔変動演出パターンテーブル〕
図32および図33は、図28(b)の演出選択処理における変動演出パターン選択(S2813)において用いられる変動演出パターンテーブルの設定例を示す図である。なお、図32は低確率時短無遊技状態における大当たり用の変動演出パターンテーブルを示し、図33は低確率時短無遊技状態における小当たりおよびはずれ用の変動演出パターンテーブルを示す。
図32に示す大当たり用の変動演出パターンテーブルには、複数の変動演出パターンが設定されている。上記の図21を用いて設定される変動パターン「PA1」〜「PA6」、「PB1」〜「PB14」、および「PC1〜PC2」に対して、変動演出パターン「EA1」〜「EA6」、「EB1」〜「EB14」、および「EC1〜EC2」が1対1で対応付けられている。
また、図33に示す小当たりおよびはずれ用の変動演出パターンテーブルには、複数の変動演出パターンが設定されている。上記の図21を用いて設定される変動パターン「PD1〜PD2」および「PR1」〜「PR10」に対して、変動演出パターン「ES1〜ES2」および「ER1」〜「ER10」が1対1で対応付けられている。
ここで、変動演出とは、装飾図柄を変動表示させてから停止表示することによって、特別図柄抽選の判定結果(つまり、大当たりしたか否か)を報知する演出である。
また、図示の変動演出パターンにおいては、「疑似連続回数」、「ノーマル」、「SPリーチ」、および「SPSPリーチ」が設定されている。なお、図示のテーブルの各欄における「‐」は、該当する演出が実行されないことを示す。
ここで、「疑似連続回数」は、疑似連続演出(疑似連)の回数である。この疑似連続演出は、特別図柄の一変動分の変動表示において、複数回分の装飾図柄の変動表示が行われているかのように見せる演出である。疑似連続演出においては、演出制御部300は、リーチ状態とする前に、装飾図柄を変動させた後、装飾図柄を一旦仮停止させ、その後再び装飾図柄の変動表示を開始させる。言い替えると、疑似連続演出においては、装飾図柄の変動開始後、設定された疑似連続回数だけ装飾図柄の仮停止と再変動とを繰り返した後、確定停止させることで、特別図柄の一変動分の変動表示を終える。
ここで、仮停止とは、一見して装飾図柄が停止しているように見えるものの、実際には図柄がわずかに揺れ動いている疑似的な停止状態である。言い替えると、装飾図柄の仮停止は、遊技制御上は変動が継続しているものとして扱われる状態である。仮停止は、例えば、装飾図柄41の変動速度が「0」となって、装飾図柄41が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを行う状態を例示できる。
また、装飾図柄の確定停止とは、特別図柄の一変動分の変動表示において、停止図柄として確定させる状態をいう。なお、装飾図柄の仮停止には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、完全停止表示することなどが含まれても良い。
図示の例においては、「疑似連続回数」が「‐」、「1」、「2」、「3」すなわち0回から3回の間で設定される。また、疑似連続回数は、大当たりの当選の期待度と関連付けて設定されている。すなわち、疑似連続回数が多いほど、大当たりの当選の期待度が高くなるように設定されている。
「ノーマル」は、リーチ演出の種別を示す。図示の例においては、リーチ演出の種別として、「N1」、「N2」、「N3」、「N4」のいずれかが実行される。
「SPリーチ」は、SPリーチ演出の種別を示す。図示の例においては、SPリーチ演出の種別として、「SP1」、「SP2」、「SP3」、「SP4」のいずれかが実行される。また、「SP1」、「SP2」、「SP3」の順で、数字が大きいほど、大当たりの当選の期待度が高くなるように設定されている。
「SPSPリーチ」とは、SPSPリーチ演出の種別を示す。図示の例においては、SPSPリーチ演出の種別として、「SPSP1」、「SPSP2」、「SPSP3」のいずれかが実行される。また、「SPSP1」、「SPSP2」、「SPSP3」の順で、数字が大きいほど大当たりの当選の期待度が高くなるように設定されている。
さて、演出制御部300は、図32に示すテーブルに基づいて、変動演出パターンを決定する。具体的には、演出制御部300は、図32に示すテーブルに基づいて、変動パターン選択処理(図13参照)にて設定される変動パターンに対応した変動演出パターンを選択する。
例えば、図32において、「大当たり図柄」が「高確率図柄A」であり、かつ変動パターンが「PB1」である場合、変動演出パターンとして「EB1」が選択される。そして、この変動演出パターン「EB1」においては、「疑似連続回数」は「1」、すなわち疑似連続演出が1回実行される。また、「ノーマル」として「N1」が実行され、「SPリーチ」として「SP1」が実行され、「SPSPリーチ」として「SPSP1」が実行される。
〔演出画像〕
次に、各変動演出パターンに関して、演出制御部300が画像表示部114等を用いて実行する演出を、以下で詳細に説明する。
図34は、演出制御部300が画像表示部114を用いて行う演出の一態様を示す図である。
図34に示すように、演出制御部300が制御することにより、演出画像が画像表示部114に表示される。本実施の形態においては、画像表示部114に表示される演出画像には、装飾図柄41、変動台座43、保留台座45、変動画像51、保留画像52、保留数表示55、小図柄56、および背景画像59が含まれる。
(装飾図柄41)
図34(A)に示すように、画像表示部114には、装飾図柄41が表示される。本実施の形態において、装飾図柄41は、3つの図柄によって構成されている。そして、装飾図柄41を構成する3つの図柄は、それぞれ左右方向に並ぶように配置されている。なお、装飾図柄41を構成する3つの図柄について、それぞれ個別に説明する場合には、左側に配置される図柄を「第1装飾図柄」、中央に配置される図柄を「第2装飾図柄」、右側に配置される図柄を「第3装飾図柄」と称する。
そして、図34(B)に示すように、装飾図柄41は、特別図柄の変動に伴って、変動表示される。本実施の形態では、第1装飾図柄、第2装飾図柄、および第3装飾図柄は、それぞれ、数字の「1」から「9」までを順に表示することで変動表示を行う。すなわち、本実施の形態では、第1装飾図柄、第2装飾図柄、および第3装飾図柄は、個別に数字が変化可能になっている。
なお、図面において装飾図柄41が特に高速で変動表示されていることを表す場合、判りや易くするために、装飾図柄41を矢印(↓)によって表示する。
さらに、図34(C)に示すように、装飾図柄41は、仮停止される場合がある。なお、図面において装飾図柄41が仮停止していることを表す場合、わかり易くするために、装飾図柄41の近傍にダブルコーテーションマークと同様な表示を用いて表現する。
その後、最終的には、装飾図柄41は、確定停止される。装飾図柄41の確定停止とは、特別図柄の一変動分の変動表示において、停止図柄として確定させる状態である。確定停止は、少なくとも所定の確定時間(例えば、0.5秒)行われる。
なお、図34に示す例では、装飾図柄41は、第1装飾図柄、第2装飾図柄、および第3装飾図柄が左右方向に並べて配置され、変動表示される際に上下方向に移動(スクロール)するが、この態様に限定されない。例えば、装飾図柄41は、第1装飾図柄、第2装飾図柄、および第3装飾図柄が上下方向に並べて配置されるとともに、それぞれが左右方向に移動(スクロール)しても良い。
(変動台座43)
図34(B)に示すように、変動台座43は、変動画像51が表示される領域である。図示の例における変動台座43は、画像表示部114の表示領域における下側中央部に表示される。
(保留台座45)
図34(A)〜図34(C)に示すように、保留台座45は、保留画像52が表示される領域を示すものである。図示の例の保留台座45は、画像表示部114の表示領域における下側であって、変動台座43に対して左側に表示される。ここで、上述のように、第1始動口121における入賞によって、最大で4つの保留が生じる。そのため、図示の例においては、保留台座45が4つ表示される。また、本実施の形態では、複数の保留台座45のうち、変動台座43に近い位置から遠ざかる位置に向けて順に、すなわち右側から左側に向けて、保留画像52が表示される。
なお、第2始動口122における入賞によっても、最大で4つの保留が生じる。そのため、第2始動口122における入賞に基づく保留についての保留台座45も4つ表示される(後述する図45参照)。また、以下では、第1始動口121における入賞に基づく保留について説明を行い、第2始動口122における入賞に基づく保留については詳細な説明を省略することがある。
(変動画像51)
図34(B)および図34(C)に示すように、画像表示部114には、特別図柄変動制御部233(図5等参照)により特別図柄が変動中(装飾図柄41の変動表示中)となっていることを示す変動画像51が表示される。そして、変動画像51は、変動台座43に表示されるとともに、特別図柄の変動開始とともに表示が開始され(図34(B)参照)、その特別図柄の変動停止とともに表示が消える(図34(A)参照)。
ここで、変動画像51の表示態様は、事前判定処理による事前判定結果に基づいて決定される。また、変動画像51は、例えば色や模様や形状等(以下、「色など」と記載)の表示態様が変化することによって、事前判定処理による事前判定結果に基づいて、大当たりの当選の期待度を報知または示唆する場合がある。
(保留画像52)
図34(A)に示すように、画像表示部114には、RAM303(図3等参照)における今回の保留球に対応する記憶領域の情報に基づいて、保留台座45に保留画像52が表示される。つまり、保留画像52は、大当たり判定の権利が保留されていることを示す画像である。また、本実施の形態では、表示画面における保留画像52の表示態様は、事前判定処理による事前判定結果に基づいて決定される。
また、保留画像52は、例えば事前判定処理による事前判定結果に基づいて、色などの表示態様が変化することによって、大当たりの当選の期待度を報知または示唆する。ここで、保留画像52の色などの表示態様は、事前判定処理による事前判定結果が大当たりの場合の方が、はずれの場合よりも、期待度が高い種別の表示態様となるように設定されている。例えば、保留画像52の色として白、青、黄、緑、赤、金が設定される場合に、この順番で期待度がより高くなるように設定されてもよい。
なお、以下の説明においては、最大で4つ表示される保留画像52について、変動台座43に近い順に、それぞれ「1番目の保留画像52」、「2番目の保留画像52」、「3番目の保留画像52」、「4番目の保留画像52」と称することがある。
(保留数表示55)
図34(A)〜図34(C)に示すように、画像表示部114には、RAM303(図3等参照)における保留球に対応する記憶領域の情報に基づいて、保留数表示55が表示される。この保留数表示55は、保留数を示す画像である。ここで、上記の保留画像52は、第1始動口121および第2始動口122それぞれへの入賞についての保留数に応じて、画像表示部114に表示される数が変化する。
(小図柄56)
ここで、装飾図柄41は、表示位置や表示サイズやデザインなどが例えば変動演出の進行に伴って変化する場合がある。また、装飾図柄41は、画像表示部114の表示画面に対して移動可能な可動役物115によって全部や一部が隠される場合もある。このような場合、本来特別図柄が変動表示されていることを遊技者に報知するための装飾図柄が、遊技者から視認し辛くなるおそれがある。
そこで、本実施の形態では、画像表示部114の表示画面に小図柄56を表示することで、特別図柄が変動表示されていることを遊技者に報知する。さらに、本実施の形態では、小図柄56を表示することで、装飾図柄41による大当たりの判定結果の報知や、装飾図柄41が示す大当たりの図柄の種類の報知を補助的に行うようにしている。
なお、実施の形態において、小図柄56は、遊技者が常に視認可能な態様によって画像表示部114の表示画面に表示される。つまり、小図柄56は、他の画像や可動役物115等によって、全部や一部が隠されないようになっている。
図34(A)に示すように、小図柄56は、装飾図柄41に対応して、3つの図柄によって構成されている。そして、小図柄56を構成する3つの図柄は、それぞれ上下方向に並ぶように配置されている。なお、小図柄56を構成する3つの図柄について、それぞれ個別に説明する場合には、上側に配置される図柄を「第1小図柄」、中央に配置される図柄を「第2小図柄」、下側に配置される図柄を「第3小図柄」と称する。
そして、第1小図柄、第2小図柄、および第3小図柄は、それぞれ、装飾図柄41を構成する第1装飾図柄、第2装飾図柄、および第3装飾図柄に対応している。第1小図柄、第2小図柄、および第3小図柄は、装飾図柄41の第1装飾図柄、第2装飾図柄、および第3装飾図柄として表示される数字をそれぞれ表現することが可能になっている。
なお、本実施の形態の小図柄56は、後述する特殊図柄に対応する図柄を有していない。
そして、図34(B)に示すように、装飾図柄41は、特別図柄の変動表示に伴って、変動表示される。なお、図面において小図柄56が変動表示されていることを表す場合、わかり易くするために、小図柄56を矢印(↓)によって表す。
その後、最終的には、小図柄56は、確定停止される。小図柄56の確定停止とは、特別図柄の一変動分の変動表示において、停止図柄として確定させる状態である。確定停止は、装飾図柄41と同様に、少なくとも所定の確定時間(例えば、0.5秒)行われる。
なお、図34に示す例では、小図柄56は、第1小図柄、第2小図柄、および第3小図柄が上下方向に並べて配置されているが、この態様に限定されない。例えば、小図柄56は、第1小図柄、第2小図柄、および第3小図柄が左右方向に並べて配置されていても良い。
なお、小図柄56を構成する図柄の数は、装飾図柄41を構成する図柄の数と一致していなくても良い。例えば、装飾図柄41を構成する図柄の数が3つ(3桁)である場合に、小図柄56を構成する図柄の数が1つ(1桁)でも良い。
さらに、小図柄56は、第1小図柄、第2小図柄、および第3小図柄の3つの図柄を1つのペアとして、画像表示部114において1つのペアが設けられることに限定されない。例えば、小図柄56は、画像表示部114において2つ以上のペアが同時に表示されていても良い。
(背景画像59)
図34に示すように、画像表示部114には、装飾図柄41などの背景として、背景画像59が表示される。この背景画像59は、例えばパチンコ遊技機100の題材となったコンテンツ(アイドルやアニメキャラクタ等)に関する画像(舞台等)などである。例えば、背景画像59は、上記ステージ移行時やゾーン演出実行時などに切り替えられながら表示される。
なお、背景画像59は、図面の内容が煩雑になることを避けるために、符号のみを表示し、図面の内容の具体的な描画を省略する場合がある。
〔変動ランプ131〕
次に、本実施の形態のパチンコ遊技機100の変動ランプ131について説明する。
図1に示すように、遊技盤110には、特別図柄が変動中であることを示す変動ランプ131が設けられている。この変動ランプ131は、所定の発光色で点灯することが可能なLED光源を有し、演出制御部300(ランプ制御部320)によって制御される。
変動ランプ131は、第1始動口121に対応する第1変動表示部131Aと、第2始動口122に対応する第2変動表示部131Bとを有している。
そして、第1変動表示部131Aと第2変動表示部131Bとにおいて所定の表示色(たとえば、青色)で一定の時間間隔で点灯と消灯とを繰り返す状態を継続することによって実現される。表示器130の第1特別図柄表示器221における特別図柄の変動表示と、第1変動表示部131Aにおける特別図柄用の変動表示とは同期している。表示器130の第2特別図柄表示器222における特別図柄の変動表示と、第2変動表示部131Bにおける特別図柄用の変動表示とは同期している。なお、ここでいう同期とは、変動表示の開始時点および変動停止の時点が同じであって、変動表示の期間が同じであることをいう。
また、第1特別図柄表示器221において大当たり図柄が停止表示されるときには、第1特別図柄用の第1変動表示部131Aにおいて大当たりを示唆する表示色(たとえば、赤色)で点灯されたままになる。同様に、第2特別図柄表示器222において大当たり図柄が停止表示されるときには、第2変動表示部131Bにおいて大当たりを示唆する表示色(たとえば、赤色)で点灯されたままになる。
そして、本実施の形態の変動ランプ131では、特別図柄の変動表示および停止表示に伴って、第1変動表示部131Aまたは第2変動表示部131Bを変動表示および停止表示させる。ただし、上述のとおり、第1変動表示部131Aまたは第2変動表示部131Bは、装飾図柄の種類を遊技者が認識不可能な態様でLED光源を動作させる。
本実施の形態のパチンコ遊技機100では、特別図柄抽選の判定結果に基づいて、小図柄56を変動表示させてから所定の態様で停止表示させる。そして、パチンコ遊技機100では、小図柄56の変動表示および停止表示に伴って、小図柄56とは異なる装飾図柄41を、小図柄56として表示される図柄の種類(後述の図35および図38参照)を遊技者が認識可能な態様で変動表示および停止表示させる。
一方で、本実施の形態のパチンコ遊技機100では、小図柄56の変動表示および停止表示に伴って、小図柄56とも装飾図柄41とも異なる変動ランプ131を、小図柄56として表示される図柄の種類を遊技者が認識不可能な態様で変動表示および停止表示させるようにしている。
ところで、本実施の形態のパチンコ遊技機100では、例えば、画像表示部114における装飾図柄41や小図柄56の表示に万が一、不具合が発生した場合であっても、変動ランプ131によって特別図柄が変動していることを演出として遊技者に報知することを担保している。ただし、変動ランプ131によって装飾図柄の種類までも厳密に表示しようとすると、例えば、装飾図柄の種類数に応じて変動ランプ131の点灯パターンのバリエーションを準備し、その複数のバリエーションに応じて変動ランプ131を点灯させる必要がある。そうすると、変動ランプ131を制御するランプ制御部320の負荷が大きくなり、ひいては、ランプ制御部320を制御する演出制御部300にかかる負荷が大きくなるおそれがある。
そこで、本実施の形態のパチンコ遊技機100では、変動ランプ131に装飾図柄の種類を報知させず、最低限の機能として装飾図柄が変動していることを報知させるようにしている。
ただし、上述の画像制御の負荷の抑制の観点とは別に、例えば、変動ランプ131の機能は、画像表示部114の表示画面に行っても良い。すなわち、変動ランプ131の機能を、表示画像によって実現しても構わない。
続いて、本実施の形態の装飾図柄41の画像構成について説明する。
図35は、本実施の形態の装飾図柄41の説明図である。
図35(A)および図35(B)に示すように、本実施の形態の装飾図柄41は、第1表示態様と、第2表示態様との少なくとも2つの異なる表示態様で表示可能になっている。
ここで、装飾図柄41の画像としての構成について説明する。本実施の形態の装飾図柄41は、複数の画像要素の組合せにより構成されている。本実施の形態では、装飾図柄41を構成可能な画像要素として、数字を示す数字要素411と、数字要素411を装飾する数字装飾要素412と、キャラクタを示すキャラ要素413とが設けられている。
そして、図35(B)に示すように、第1表示態様の装飾図柄41は、数字要素411、数字装飾要素412、およびキャラ要素413の全てを含んで構成されている。そして、本実施の形態では、第1表示態様の装飾図柄41の画像の構成としては、最も手前側に数字要素411が表示され、奥側に向けて数字装飾要素412、キャラ要素413の順に配置される。
一方、第2表示態様の装飾図柄41は、数字要素411、および数字装飾要素412によって構成されている。そして、本実施の形態では、第2表示態様の装飾図柄41の画像の構成としては、手前側に数字要素411が表示され、奥側に数字装飾要素412が配置される。
そして、装飾図柄41は、互いに異なる複数種類の図柄(画像)を有する。ここで、各装飾図柄41における数字要素411は、図柄ごとに異なる。具体的には、各装飾図柄41の数字要素411は、それぞれ数字の「1」〜数字の「9」を示す画像を有する。同様に、装飾図柄41のキャラ要素413は、数字要素411に応じてそれぞれ異なるキャラクタ画像を有する。一方、装飾図柄41の数字装飾要素412は、各図柄で共通の画像となっている。ただし、装飾図柄41の数字装飾要素412は、図柄ごとに異なっていても良い。
また、装飾図柄41としては、数字図柄以外の種類の画像、すなわち特殊図柄も設けられている。図示の例においては、特殊図柄として「NEXT」の文字を含む図柄が設定されている。そして、これらの特殊図柄が停止表示されることにより、特殊図柄が示す演出が実行される。具体的には、特殊図柄「NEXT」が仮停止することにより疑似連続演出が実行される。
なお、特殊図柄は、スクロール表示される数字図柄のいずれかの図柄に重ねて表示されることにより、他の数字図柄とともにスクロール表示および停止表示される。例えば、特殊図柄として「NEXT」を表示させるには、所定の図柄の上に「NEXT」図柄を重畳させて表示を行うようにしている。
また、特殊図柄は、スクロール表示される数字図柄のいずれかの図柄に代えて停止表示されても良い。例えば、スクロール表示が第1装飾図柄、第3装飾図柄、第2装飾図柄の順で停止表示するにあたって、第2装飾図柄のいずれかの数字図柄(停止表示された第1装飾図柄、第3装飾図柄の種類によって特定されるいずれかの数字図柄)に代えて特殊図柄を停止表示する。具体的には、第2装飾図柄のうちの「5」図柄が特殊図柄に代わった場合、第2装飾図柄は「1、2、3、4、特殊図柄、6、7、8、9」となる。このように、数字図柄に代えて特殊図柄「NEXT」が仮停止することにより疑似連続演出を実行しても良い。
続いて、図36および図37を参照しながら、本実施の形態の装飾図柄41の表示動作について詳細に説明する。
図36は、本実施の形態の装飾図柄41の変動演出を実行するための動作パターンデータの一例を示す図である。なお、図36(A)は変動開始演出を実行するための動作パターンデータの一例であり、図36(B)は変動中演出を実行するための動作パターンデータの一例であり、図36(C)は変動停止演出を実行するための動作パターンデータの一例である。
図37は、変動演出の実行のために用いられる演出パターンデータの一例を示す図である。なお、図37(A)は特別図柄の変動時間が15秒である場合の例であり、図37(B)は特別図柄の変動時間が8秒である場合の例であり、図37(C)は特別図柄の変動時間が3秒である場合の例である。
装飾図柄41を用いた変動演出は、「変動開始演出」、「変動中演出」、および「変動停止演出」の3つのパートにより構成される。
変動開始演出は、装飾図柄41の変動開始時点から所定期間(例えば、変動演出の開始時点から10〜20フレームの間)に行われる演出である。本実施の形態のパチンコ遊技機100には、変動開始演出を実行するための、動作パターンデータ(動画像データ)が複数記憶されている。
なお、変動開始演出は、動画像データではなく静止画像データを用いて行われても良い。
変動中演出は、変動開始演出が行われた後に行われる演出であって、変動停止演出の前に行われる演出である。本実施の形態のパチンコ遊技機100には、変動中演出を実行するための、動作パターンデータ(動画像データ)が複数記憶されている。
変動停止演出は、装飾図柄41が変動停止する時点より所定時間前(例えば、10〜20フレーム前)から変動停止時点までに行われる演出である。変動停止演出は、変動中演出の後に行われる。本実施の形態のパチンコ遊技機100には、変動停止演出を実行するための、動作パターンデータ(動画像データ)が複数記憶されている。
図36(A)に示すように、パチンコ遊技機100(例えば、CGROM315)には、動作パターンデータDS1と、動作パターンデータDS2と、動作パターンデータDS3とが記憶される。これらの他にも、変動開始演出を実行するための動作パターンデータとして、多数のデータが予めパチンコ遊技機100に記憶される。なお、以下の説明において、変動開始演出に用いられる動作パターンデータを「動作パターンデータDS」と総称する場合がある。
動作パターンデータDSは、変動開始演出の実行の際に、装飾図柄41の素材画像データ(図35参照)とともに用いられて、複数の装飾図柄41のうちの何れかの装飾図柄が変動開始する様子を表示する。すなわち、動作パターンデータDSは、素材画像データとともに用いられるデータであって、図35に示す何れかの素材画像データを用いて、当該素材画像データをどのように動作させるかを規定するためのデータである。
例えば、動作パターンデータDS1は、変動開始演出に用いられるデータであって、画像表示部114の表示画面の左側に第1装飾図柄が停止している状態から表示画面の下方に向かって所定の加速度で加速しながら移動開始する動画演出を実行するためのデータである。
また、動作パターンデータDS2は、変動開始演出に用いられるデータであって、第1装飾図柄が停止している状態から一度上方に浮き上がってから下方に移動開始する一連の動画演出を実行するためのデータである。
また、動作パターンデータDS3は、変動開始演出に用いられるデータであって、第1装飾図柄が停止している状態から回転(縦方向の軸周りに回転)しながら下方に向かって移動開始する一連の動画演出を実行するためのデータである。
これらの他にも、変動開始演出に用いられるデータとして、中央に表示される第2飾図柄の動作パターンを規定する動作パターンデータDS、表示画面の右側に表示される第3装飾図柄の動作パターンを規定する動作パターンデータDSが複数用意されている。
図36(B)に示すように、パチンコ遊技機100(例えば、CGROM315)には、動作パターンデータDB1と、動作パターンデータDB2と、動作パターンデータDB3とが記憶される。これらの他にも、変動中演出を実行するための動作パターンデータとして、多数のデータが予めパチンコ遊技機100に記憶される。以下では、変動中演出に用いられる動作パターンデータを「動作パターンデータDB」と総称する場合がある。
動作パターンデータDBは、変動中演出の実行の際に、装飾図柄41の素材画像データとともに用いられて、複数の装飾図柄41が変動する様子を表示する。動作パターンデータDBは、例えば、「1」〜「9」まで図柄が順に並んだ画像を用いて、どのように装飾図柄41が変動する様子を表示するかを規定するためのデータである。
例えば、動作パターンデータDB1は、第1装飾図柄が表示画面の上方から下方に向かって高速変動する動画演出を実行するためのデータである。また、動作パターンデータDB2は、第1装飾図柄が画面の上方から下方に向かって低速変動する動画演出を実行するためのデータである。また、動作パターンデータDB3は、第1装飾図柄が表示画面の上方から下方に向かって回転しながら低速変動する動画演出を実行するためのデータである。
これらの他にも、変動中演出に用いられるデータとして、第2装飾図柄の動作パターンを規定する動作パターンデータDB、第3装飾図柄の動作パターンを規定する動作パターンデータDBが複数用意されている。
なお、装飾図柄41とは異なる画像データを用いて、変動中演出が行われてもよい。例えば、画面の左領域に所定の画像が出現したり消滅したりすることによって装飾図柄41の変動を表す場合、当該所定の画像の動作パターン(出現の仕方や消滅の仕方等)を表す動作パターンデータDBが用意される。
図36(C)に示すように、パチンコ遊技機100(例えば、CGROM315)には、動作パターンデータDE1と、動作パターンデータDE2と、動作パターンデータDE3とが記憶される。これらの他にも、変動停止演出を実行するための動作パターンデータとして、多数のデータが予めパチンコ遊技機100に記憶される。以下では、変動停止演出に用いられる動作パターンデータを「動作パターンデータDE」と総称する場合がある。
動作パターンデータDEは、変動停止演出の実行の際に、装飾図柄41の素材画像データ(図35参照)とともに用いられて、複数の装飾図柄41のうちの何れかの装飾図柄が変動停止する様子を表示する。すなわち、動作パターンデータDEは、素材画像データとともに用いられるデータであって、図35に示す何れかの素材画像データを用いて、当該素材画像データをどのように動作させるかを規定するためのデータである。
例えば、動作パターンデータDE1は、第1装飾図柄が画面の上方から下方に向かって減速度1で減速しながら停止する動画演出を実行するためのデータである。動作パターンデータDE2は、第1装飾図柄が画面の上方から下方に向かって減速度1よりも小さな減速度2で減速しながら停止する動画演出を実行するためのデータである。また、動作パターンデータDE3は、第1装飾図柄が、回転速度および移動速度を減じながら停止する動画演出を実行するためのデータである。
これらの他にも、変動停止演出に用いられるデータとして、第2装飾図柄の動作パターンを規定する動作パターンデータDE、第3装飾図柄の動作パターンを規定する動作パターンデータDEが複数用意されている。
このような変動開始演出、変動中演出、および変動停止演出を組合せることによって、特別図柄が変動してから停止するまでの間の、装飾図柄41を用いた変動演出が行われる。本実施の形態のパチンコ遊技機100では、変動開始演出、変動中演出、および変動停止演出の組合せを記憶した演出パターンデータが記憶され、その演出パターンデータに基づいて、変動演出が行われる。
なお、本実施の形態のパチンコ遊技機100では、上記動作パターンデータは、第1装飾図柄、第2装飾図柄および第3装飾図柄の各々について個別に規定されている例としたが、第1装飾図柄、第2装飾図柄および第3装飾図柄で共通した動作パターンデータを参照することとしても良い。
図37(A)に示すように、演出パターンデータPD100は、装飾図柄41の第1装飾図柄、第2装飾図柄、第3装飾図柄(例えば、図34参照)のそれぞれについて、上述した複数の動作パターンデータDSのうちの何れのデータを用いて変動開始演出を行うか、複数の動作パターンデータDBのうちの何れのデータを用いて変動中演出を行うか、複数の動作パターンデータDEのうちの何れのデータを用いて変動停止演出を行うか、を規定するためのデータである。
例えば、演出パターンデータPD100では、第1装飾図柄については、動作パターンデータDS1を用いて変動開始演出を行い、その後、動作パターンデータDB1を用いて変動中演出を行い、そして、動作パターンデータDE1を用いて変動停止演出を行う。また、第2装飾図柄については、動作パターンデータDS11を用いて変動開始演出を行い、その後、動作パターンデータDB15を用いて変動中演出を行い、そして、動作パターンデータDE15を用いて変動停止演出を行う。また、第3装飾図柄については、動作パターンデータDS21を用いて変動開始演出を行い、その後、動作パターンデータDB24を用いて変動中演出を行い、そして、動作パターンデータDE24を用いて変動停止演出を行う。
また、演出パターンデータは、各動作パターンデータを用いてどのようなタイミングで演出を実行するかを規定している。例えば、演出パターンデータPD100では、第1装飾図柄、第2装飾図柄、および第3装飾図柄は、動作パターンデータDSを用いて同時に変動開始演出が行われることが規定されている。一方、変動停止演出の開始タイミングについては、第1装飾図柄が最も早いタイミングで行われ、次に第3装飾図柄について変動停止演出が開始され、最後に第2装飾図柄について変動停止演出が開始されて、最後に第2装飾図柄が停止する。
なお、第1装飾図柄、第2装飾図柄、および第3装飾図柄が、順番に変動開始演出を行うことを規定する動作パターンデータDSを用いても良い。
なお、図37(A)では、3つの装飾図柄41が変動開始してから15秒後に第2装飾図柄が停止することが示されているが、3つの装飾図柄41は特別図柄が停止する前に仮停止する。そして、仮停止の後、特別図柄の変動停止に伴って、3つの装飾図柄41は確定停止する。例えば、第1装飾図柄は、図37(A)では、15秒が経過する前に停止しているように見えるが、変動停止演出の後は仮停止しており、実際には微変動している。そして、仮停止の後に、特別図柄の停止に応じて、3つの装飾図柄41が確定停止する。3つの装飾図柄41が変動開始してから仮停止するまでの時間は、特別図柄の変動時間15秒よりも少し短く、3つの装飾図柄41が変動開始してから確定停止するまでの時間は、特別図柄の変動時間15秒と同じである。
図37(B)に示すように、演出パターンデータPD101では、第1装飾図柄については、動作パターンデータDS2を用いて変動開始演出を行い、その後、動作パターンデータDB2を用いて変動中演出を行い、そして、動作パターンデータDE2を用いて変動停止演出を行う。また、第2装飾図柄については、動作パターンデータDS12を用いて変動開始演出を行い、その後、動作パターンデータDB16を用いて変動中演出を行い、そして、動作パターンデータDE16を用いて変動停止演出を行う。また、第3装飾図柄については、動作パターンデータDS22を用いて変動開始演出を行い、その後、動作パターンデータDB22を用いて変動中演出を行い、そして、動作パターンデータDE22を用いて変動停止演出を行う。
演出パターンデータPD101に基づく演出では、第1装飾図柄および第3装飾図柄が同時に停止した後、第2装飾図柄が停止する変動演出が行われる。3つの装飾図柄41が変動開始してから仮停止するまでの時間は、特別図柄の変動時間8秒よりも少し短く、3つの装飾図柄41が変動開始してから確定停止するまでの時間は、特別図柄の変動時間8秒と同じである。
図37(C)に示すように、演出パターンデータPD102では、第1装飾図柄については、動作パターンデータDS3を用いて変動開始演出を行い、その後、動作パターンデータDB3を用いて変動中演出を行い、そして、動作パターンデータDE3を用いて変動停止演出を行う。また、第2装飾図柄については、動作パターンデータDS13を用いて変動開始演出を行い、その後、動作パターンデータDB13を用いて変動中演出を行い、そして、動作パターンデータDE13を用いて変動停止演出を行う。また、第3装飾図柄については、動作パターンデータDS23を用いて変動開始演出を行い、その後、動作パターンデータDB23を用いて変動中演出を行い、そして、動作パターンデータDE23を用いて変動停止演出を行う。
演出パターンデータPD102による演出では、3つの装飾図柄41が変動開始してから3秒後に同時に確定停止する。
なお、特別図柄の変動時間によって変動中演出の動作パターンデータDBが異なっても良いし、変動時間が異なっても同じ動作パターンデータDBが用いられても良い。すなわち、動作パターンデータDBは、各変動時間に共通に用いられ、時間が指定されることによって、指定された時間の変動中演出が繰り返し行われても良い。例えば、変動時間13秒の変動演出と、変動時間8秒の変動演出において、変動中演出に用いられる動作パターンデータDBとして共通のデータが用いられ、変動演出の実行時に変動中演出の実行時間が指定されることによって、特別図柄の変動時間に応じた変動演出が行われても良い。
あるいは、特別図柄の変動時間毎に異なる動作パターンデータDBが用意されて、変動時間に応じた動作パターンデータDBが用いられて変動中演出が行われても良い。変動時間13秒用の動作パターンデータDB(変動中演出の演出時間が、例えば10秒)、変動時間8秒用の動作パターンデータDB(変動中演出の演出時間が、例えば5秒)等が用意されてもよい。
なお、上述した変動開始演出、変動中演出、変動停止演出に用いられる各動作パターンデータには、組合せることができるものと、組合せができないものとがある場合がある。例えば、動作パターンデータDS1を用いた変動開始演出(装飾図柄が下方に移動開始する演出)の後に、動作パターンデータDB3(装飾図柄が回転しながら下方に移動する演出)を用いて変動中演出を行うと違和感のある演出となる場合がある。このように、演出の各部(変動開始演出、変動中演出、変動停止演出等)の組合せを演出パターンデータとして予め記憶しておくことにより、組合せることができる演出のみを組合せて1つの変動演出(特別図柄の変動開始から変動停止までの演出)として構成することができる。
また、特別図柄の変動から停止までの変動演出は、3つのパート(変動開始演出、変動中演出、変動停止演出)に限らず、それ以上の数のパートに分けられても良い。
また、上述した動作パターンデータは、表示画面上の位置によって固定されても良いし、固定されなくても良い。例えば、上述のように表示画面の左側に表示される第1装飾図柄の動作パターンデータDS、動作パターンデータDB、および動作パターンデータDEが用意されても良い。あるいは、画面上の位置に依らずに共通の動作パターンデータDS、動作パターンデータDB、および動作パターンデータDEが用意されて、演出実行時に位置が指定されて第1装飾図柄、第2装飾図柄、および第3装飾図柄として演出が行われても良い。この場合、演出パターンデータPD100には、表示画面上のどのような位置で装飾図柄を表示させるかを定める情報が含まれる。
なお、装飾図柄41が画面の3つの領域に表示される場合に限らず、例えば、9つの領域において表示されても良い。
装飾図柄41は、パチンコ遊技機100において、大当たりに当選するか否かの判定結果が示されるまで変動表示されることで、遊技者を期待させるなど遊技者を楽しませるものである。従って、本実施の形態の装飾図柄41は、第1装飾図柄、第2装飾図柄および第3装飾図柄がそれぞれ個別に数字が変化可能であり、各々の装飾図柄が個別に表示制御するように構成している。そして、本実施の形態では、装飾図柄41の見た目の動きにバリエーションを多く持たせることで、遊技者を楽しませるようにしている。
図38は、本実施の形態の小図柄56の説明図である。
図38(A)に示すように、小図柄56は、数字要素411および数字装飾要素412によって構成されている。つまり、小図柄56は、第2表示態様の装飾図柄41と同一または類似に表示される。すなわち、小図柄56は、第1表示態様の装飾図柄41よりも装飾性が低く、簡素化された表示態様で表示される。
また、同一には、一方を拡大または縮小することで他方に重なる相似形を含む。すなわち、小図柄56は、第2表示態様の装飾図柄41と形状が同じであれば、サイズが異なっていても良い。
また、小図柄56は、装飾図柄41よりも小さいサイズであって、第1表示態様の装飾図柄41と同一のデザインであっても良い。
また、小図柄56は、数字要素411だけで構成されていても良い。さらに、小図柄56を数字要素411だけで構成する場合、小図柄56は、装飾図柄41の数字要素411とは異なるデザイン(例えば、書体が異なるなど)であっても良い。この場合、小図柄56は、装飾図柄41の数字要素411よりも更に装飾性が低く簡素化されることで、遊技者が認識し易いデザインにすることができる。
そして、本実施の形態においては、小図柄56の表示態様を、第2表示態様で表示される装飾図柄41と同一または類似にすることで、小図柄56をシンプルに構成し、遊技者が認識し易くしている。
続いて、図38(B)を参照しながら、本実施の形態の小図柄56の表示動作について説明する。
本実施の形態において、小図柄56は、変動開始コマンドの受信を契機として、小図柄56の変動演出が開始される。そして、小図柄56の変動演出は、複数の数字列56eが順に表示されるように規定する小図柄動作データDK(後述)を用いて行われる。
また、小図柄56は、変動停止コマンドの受信を契機として、変動演出で用いられる小図柄動作データDK(後述)に基づいて表示される数字列56eの再生が停止される。そして、小図柄56は、特図指定コマンドに応じて決定される装飾図柄41の停止図柄の数字組合せ(第1装飾図柄、第2装飾図柄および第3装飾図柄)と同じ数字組合せ(第1小図柄、第2小図柄および第3小図柄)で停止表示する。以下、具体的に説明する。
図38(B)に示すように、パチンコ遊技機100(例えば、CGROM315)には、小図柄56の素材画像データとして、複数の数字列56eの画像が記憶されている。各々の数字列56eの素材画像データは、フレーム画像における1フレーム分の描画データをそれぞれ構成する。そして、各々の数字列56eは、予め定められた数字が固定された組合せからなっている。また、各数字列56eにおける数字の組合せは、第1小図柄、第2小図柄および第3小図柄を構成している。なお、本実施の形態では、数字列56eの列数は、装飾図柄41に対応させて3つ(3桁)となっている。
そして、複数の数字列56eは、本実施の形態においては1番目(最初)から9番目(最後)まで、予め順序が定められている。具体的には、複数の数字列56eは、第1数字列56e1である「174」、第2数字列56e2である「285」、第3数字列56e3である「396」、第4数字列56e4である「417」、第5数字列56e5である「528」、第6数字列56e6である「639」、第7数字列56e7である「741」、第8数字列56e8である「852」、および第9数字列56e9である「963」を備えて構成されている。
さらに、複数の数字列56eの前後の関係は、以下のとおりである。複数の数字列56eの順番において、後の数字列56eは、前の数字列56eの数字組合せを構成する数字にそれぞれ1加算したものとなっている。
例えば、第2数字列56e2である「285」は、第1数字列56e1ある「174」を構成する数字「1」、「7」、「4」に、それぞれ数の1を加算し、「2」、「8」、「5」となっている。
なお、本実施の形態において、数字列56eを構成する数字として、数字の「1」から「9」までを用いており、数字の「0」を用いていない。そこで、数字「9」に対して1を加算した場合は、数字「1」として扱っている。
また、本実施の形態では、各々の数字列56eにおいて隣り合う数字は、1から9までの数字の順番として6つずれるようにしている。例えば、第1数字列56e1である「174」については、1列目(数字の「1」)と2列目(数字の「7」)とは、6つずれている。また、2列目(数字の「7」)と3列目(数字の「4」)とは、6つずれている。このように、本実施の形態の小図柄56は、数字列56eを構成する数字に関して、隣り合う数字が予め定められた数だけずれるようにしている。
(小図柄56の変動演出)
図39は、小図柄56の変動演出の実行のために用いられる小図柄演出パターンデータの一例を示す図である。なお、図39(A)は特別図柄の変動時間が15秒である場合の例であり、図39(B)は特別図柄の変動時間が8秒である場合の例であり、図39(C)は特別図柄の変動時間が3秒である場合の例である。
まず、小図柄動作データDKについて説明する。
小図柄動作データDKは、変動演出の実行の際に、小図柄56の素材画像データ(図38参照)とともに用いられて、小図柄56が変動する様子を表示する。すなわち、本実施の形態では、小図柄動作データDKは、数字列56e1から数字列56e9まで数字列56eが順に並んだ画像を用いて、どのように小図柄56が変動する様子を表示するかを規定するためのデータである。
そして、本実施の形態では、小図柄動作データDKは、小図柄56を構成する第1小図柄、第2小図柄および第3小図柄が高速変動する動画演出を実行するためのデータである。
なお、本実施の形態において、小図柄56の変動演出は、装飾図柄41のように「変動開始演出」、「変動中演出」および「変動停止演出」の3つのパートで構成されておらず、変動開始から変動停止まで単一のパートで構成されている。
本実施の形態において、小図柄動作データDKは、第1数字列56e1から第9数字列56e9までの複数の素材画像データを、予め定められた順序(「174」→「285」→「396」→「417」→「528」→「639」→「741」→「852」→「963」、図38参照)で、1フレームごとに更新して画像表示部114に表示することを規定する。このように、本実施の形態では、小図柄動作データDKは、小図柄56の変動表示として、複数の数字列56eを一の数字列56eから他の数字列56eまで所定の順序で表示することを規定する。
そして、本実施の形態の各々の数字列56eの素材画像データは、第1小図柄、第2小図柄および第3小図柄としての固定された3つの数字で構成されている。従って、小図柄56は、3つの数字がひとまとまりになった数字列56eの画像が1フレーム毎に更新されることで、第1小図柄、第2小図柄および第3小図柄がまとめて表示制御される。
なお、第1数字列56e1の表示から第9数字列56e9の表示まで一巡するのに、9フレームの時間(約0.15秒=9[フレーム]/60[フレーム/秒])を要することとなる。
さらに、小図柄動作データDKは、小図柄56の変動演出において、上述した複数の素材画像データをループして(繰り返して)再生することを規定している。つまり、小図柄動作データDKは、最初の第1数字列56e1(「174」)から最後の第9数字列56e9(「963」)まで表示すると、再度、最初の第1数字列56e1(「174」)を表示し、再び最後の第9数字列56e9(「963」)に向けて画像の再生を行うようにしている。
このように、本実施の形態の小図柄56の変動演出では、所定の順序での複数の数字列56eの表示を繰り返すようにしている。
また、本実施の形態の小図柄56は、毎回(毎変動)、新たに変動演出を開始するとき、常に、最初の第1数字列56e1(「174」)から表示が開始される。
以下で、小図柄56の一の変動演出が行われ、その後に、小図柄56の他の変動演出が行われる場合の具体的な一例を説明する。
小図柄56の一の変動演出が開始されてから変動停止する直前までは、上述したとおり、小図柄動作データDKに基づく動画表示が行われる。そして、一の変動演出の変動停止のときは、後に詳述するが、装飾図柄41に対応する数字の組合せを示す小図柄56のフレーム画像(以下、停止時フレーム画像)を、小図柄動作データDKに基づく動画表示とは別に作成して表示する。ここで、一の変動演出の変動停止の直前、すなわち、停止時フレーム画像が表示開始されるフレームの1フレーム前に、小図柄動作データDKに基づく動画再生の最後として例えば第5数字列56e5(「528」)のフレーム画像(以下、直前フレーム画像)が表示されていたとする。この場合、新たに他の変動演出の変動開始を行う際、直前フレーム画像である第5数字列56e5(「528」)の次の第6数字列56e6(「639」)からではなく、改めて、最初の第1数字列56e1(「174」)から小図柄動作データDKに基づく動画再生を行う。
続いて、小図柄56の変動演出について具体的に説明する。
図39(A)に示すように、小図柄演出パターンデータPD200は、小図柄動作データDKを用いてどのようなタイミングで小図柄56の変動演出を実行するかを規定している。
具体的には、小図柄演出パターンデータPD200は、小図柄動作データDKに基づく数字列56eの表示を15秒間行うことを規定する。ここで、本実施の形態では、1フレーム毎に、1つの数字列56eの画像が表示される。そして、1フレームは、16.6ミリ秒で更新される。従って、小図柄演出パターンデータPD200は、複数の数字列56eの画像が予め定められた順序で、900フレーム(=15[秒]÷16.6[ミリ秒/フレーム])再生されることを規定する。
これによって、本実施の形態では、特別図柄の15秒の変動時間に対応して、小図柄56の15秒の変動演出が行われる。
また、図39(B)に示すように、小図柄演出パターンデータPD201は、小図柄動作データDKに基づく数字列56eの表示を8秒間行うことを規定する。そして、小図柄演出パターンデータPD201は、複数の数字列56eの画像が予め定められた順序で、480フレーム(=8[秒]÷16.6[ミリ秒/フレーム])再生されることを規定する。
これによって、本実施の形態では、特別図柄の8秒の変動時間に対応して、小図柄56の8秒の変動演出が行われる。
また、図39(C)に示すように、小図柄演出パターンデータPD202は、小図柄動作データDKに基づく数字列56eの表示を3秒間行うことを規定する。そして、小図柄演出パターンデータPD202は、複数の数字列56eの画像が予め定められた順序で、180フレーム(=3[秒]÷16.6[ミリ秒/フレーム])再生されることを規定する。
これによって、本実施の形態では、特別図柄の3秒の変動時間に対応して、小図柄56の3秒の変動演出が行われる。
以上のように構成される小図柄56の変動演出では、第1小図柄、第2小図柄および第3小図柄としての3つの数字が1つにまとめられた数字列56eの画像の表示を1フレーム毎に更新するという表示制御を行う。これによって、本実施の形態のパチンコ遊技機100では、例えば、第1小図柄、第2小図柄および第3小図柄の表示を個別に制御する場合と比較して、小図柄56の表示制御に関わる負荷を抑制している。
また、小図柄56は、変動表示の際に、小図柄56を構成する数字列の列ごとに、数字が1ずつ変化する。すなわち、第1小図柄、第2小図柄、および第3小図柄の各々は、数字が1ずつ変化する。これによって、本実施の形態では、例えば数字の順番が飛ぶことなく、小図柄56の変動表示を整然と行うようにしている。
さらに、本実施の形態のパチンコ遊技機100では、常に、小図柄動作データDKにおける先頭の数字列56(第1数字列56e1)から再生を行うようにすることによっても、小図柄56の表示制御に関わる負荷を抑制している。すなわち、本実施の形態のパチンコ遊技機100では、新たに小図柄56の変動演出を開始する際、前回の小図柄56の変動演出における動作の結果(小図柄動作データDKの再生として最終的に停止される数字列56e)を参照する必要を無くすことで、小図柄56の表示制御を軽減している。
(小図柄56の確定停止)
小図柄56の確定停止は、小図柄56の素材画像データを用いる。小図柄56の素材画像データは、図柄「1」から図柄「9」までの複数の図柄を備えている。各図柄の構成は、第2表示態様の装飾図柄41と同様であり、数字要素411および数字装飾要素412を含んで構成されている。ただし、小図柄56の各図柄(第1小図柄、第2小図柄、第3小図柄)のサイズは、第2表示態様の装飾図柄41の各図柄(第1装飾図柄、第2装飾図柄、第3装飾図柄)のサイズよりも小さい。
小図柄56の確定停止では、第1小図柄、第2小図柄および第3小図柄がそれぞれ個別に制御される。そして、小図柄56の確定停止において、小図柄56は、特図指定コマンドに基づいて停止図柄として表示される装飾図柄41と同じになるようにしている。すなわち、小図柄56の確定停止演出において、第1小図柄、第2小図柄および第3小図柄による数字組合せは、装飾図柄41の第1装飾図柄、第2装飾図柄および第3装飾図柄として表示される数字の組合せと同じにしている。
具体的には、装飾図柄41の第1装飾図柄、第2装飾図柄および第3装飾図柄は、それぞれ図柄「1」から図柄「9」までのいずれかの図柄で確定停止する。従って、装飾図柄41として表示される数字の組合せは、729(=9×9×9)通りとなる。同様に、小図柄56の第1小図柄、第2小図柄および第3小図柄は、それぞれ図柄「1」から図柄「9」までのいずれかの図柄で確定停止する。そのため、小図柄56の第1小図柄、第2小図柄および第3小図柄として表示される数字の組合せは、729通りとなる。小図柄56の確定停止演出では、729通りの数字の組合せのうち、いずれかの組合せによる表示が行われる。この小図柄56の確定停止演出において表示可能な数字の組合せの態様は、上述したように、9通りの数字の組み合わせだけが表示される小図柄56の変動演出における態様とは異なっている。
そして、本実施の形態において、はずれや大当たりにかかわらず、確定停止のときには、小図柄56の数字列の数字組合せは、装飾図柄41の数字組合せと一致する。例えば、大当たりの場合に、装飾図柄41が「555」の数字組合せで確定停止するときに、小図柄56の数字列の数字組合せは「555」となる。また、例えば、はずれの場合に、装飾図柄41が「129」の数字組合せで確定停止するとき、小図柄56の数字列の数字組合せは「129」となる。
装飾図柄41が変動表示されているときは、装飾図柄41が比較的高速で変動しているため、小図柄56と装飾図柄41との数字組合せが一致していなくても、遊技者は混乱し難い。そこで、本実施の形態のパチンコ遊技機100では、上述した小図柄動作データDKを用いて小図柄56の変動演出を行うことで、画像表示の制御負荷を低減させている。
しかしながら、装飾図柄41および小図柄56がそれぞれ確定停止するときには、各々の数字組合せが対応していないと、遊技者が混乱するおそれがある。そこで、本実施の形態のパチンコ遊技機100は、確定停止のときには、小図柄56の数字組合せと装飾図柄41の数字組合せとを対応させるようにしている。
なお、はずれの場合に、小図柄56の数字列の組合せは、装飾図柄41の数字組合せにかかわらず、常に固定の数字組合せを表示していても良い。例えば、はずれの場合であって、装飾図柄41が「345」で確定停止するときでも、装飾図柄41が「676」で確定停止するときでも、小図柄56は、常に「246」で確定停止するようにしても良い。
大当たりの場合に、装飾図柄41と小図柄56との数字組合せが異なっていると、遊技者は、大当たりの図柄の種類を判断するにあたって混乱してしまう。一方で、はずれの場合には、はずれであることを遊技者が認識できれば良いため、装飾図柄41と小図柄56との数字組合せが異なっていても良いと考えることができる。そこで、はずれの場合には、小図柄56の確定停止の数字組合せを固定し、画像表示の制御に関する負荷の低減を図っても良い。
なお、小図柄56の数字組合せの数は、上述した例の3個(3桁)ではなく、例えば1個(1桁)で構成されている場合、以下のように構成すれば良い。
はずれの場合であって、例えば、装飾図柄41が「345」で確定停止するときは、小図柄56を、常に「0」で確定停止させる。大当たりの場合であって、例えば、装飾図柄41が「777」で確定停止するときは、小図柄56を「7」で確定停止させたり、装飾図柄41が「333」で確定停止するときは、小図柄56を「3」で確定停止させたりする。つまり、大当たりの場合には、装飾図柄41のゾロ目を構成する数字を小図柄56として表示する。
また、以上のように構成される本実施の形態の装飾図柄41と小図柄56とは、以下のような関係を有している。
装飾図柄41は、装飾図柄41の変動中演出において、第1装飾図柄、第2装飾図柄および第3装飾図柄が個別に変化する。一方で、小図柄56は、小図柄56の変動演出においては、小図柄56を構成する数字列が1フレーム毎に更新されことでまとまって変化する。従って、それぞれ変動中演出が実行されている際、装飾図柄41の数字組合せと、小図柄56の数字組合せとは、数字としても、タイミングとしても一致しない。
一方、装飾図柄41および小図柄56の各々の確定停止が実行される際、装飾図柄41の数字組合せと、小図柄56の数字組合せとは、同じになる。また、装飾図柄41および小図柄56の各々の確定停止が実行される際、装飾図柄41および小図柄56とは、同期している。なお、装飾図柄41および小図柄56は、特別図柄の確定停止と同期している。
なお、上述した小図柄56の変動演出動作を、装飾図柄41の動作に適用しても構わない。例えば、装飾図柄41の変動中演出では、本実施の形態の小図柄の表示制御と同様に、第1装飾図柄、第2装飾図柄、および第3装飾図柄としての3つの数字がひとまとまりになった数字列の画像を1フレーム毎に更新するという表示制御を行うことで、第1装飾図柄、第2装飾図柄、および第3装飾図柄の3つをまとめて制御しても良い。
また、本実施の形態では、装飾図柄41を構成する第1装飾図柄、第2装飾図柄および第3装飾図柄として表示可能な数字の種類数は、数字「1」から数字「9」までの9個である。一方、小図柄56の数字組合せを構成する数字の種類数は、数字「1」から数字「9」までの9個である。このように、第1装飾図柄、第2装飾図柄および第3装飾図柄として表示可能な数字の種類数と、小図柄56の数字組合せを構成する数字の種類数とが同じになっている。
ここで、例えば、小図柄56において、装飾図柄41で使われていない種類の数字が用いられていると、遊技者は違和感を覚える可能性がある。そこで、本実施の形態のパチンコ遊技機100では、装飾図柄41として表示される数字の種類数と、小図柄56として表示される数字の種類数とを対応させることで、遊技者が小図柄56を見たときに違和感を覚えないようにしている。
続いて、本実施の形態における変動演出について具体的に説明する。
〔変動演出例1〕
図40は、画像表示部114を用いて行う変動演出例1の説明図である。なお、変動演出例1は、変動演出パターンとしてER1(ばらけ目/はずれ)が選択された場合に実行可能な変動演出である。
図40(1)に示すように、1つ前の特別図柄の変動が終了することにともない、画像表示部114に第1表示態様の装飾図柄41が確定停止されているものとする。また、画像表示部114には、装飾図柄41、変動台座43、保留台座45、保留画像52、保留数表示55、小図柄56および背景画像59(図示を省略)が表示される。
保留台座45には、1番目の保留画像52および2番目の保留画像52が表示されている。そして、この例では、確定停止された装飾図柄41の数字の組合せは、「246」となっている。また、確定停止された小図柄56の数字の組合せは、「246」となっている。
そして、図40(2)に示すように、次の特別図柄の変動表示開始にともない装飾図柄41の変動が開始される。このとき、1番目の保留画像52は、変動台座43に移動し、変動画像51として表示変更される。2番目の保留画像52は、1番目の保留台座45に移動する。
また、この例では、装飾図柄41は、次の変動表示開始にともない第1装飾図柄、第2装飾図柄、第3装飾図柄の間で若干時間差を生じながら下方に移動する。さらに、スピーカ156(図1参照)は、特別図柄の変動表示が開始されたことを示す変動開始音とともにBGM(楽曲)を出力する。
そして、小図柄56は、特別図柄の変動表示開始にともない変動を開始する。小図柄56は、変動中演出として、最初の数字列(第1数字列56e1の「174」(図38参照))から順に次の数字列を表示する。
そして、図40(3)に示すように、装飾図柄41および小図柄56がそれぞれ変動表示する。このとき、上述したとおり、装飾図柄41は、第1装飾図柄、第2装飾図柄および第3装飾図柄が個別に表示制御される。一方、小図柄56は、第1小図柄、第2小図柄および第3小図柄は、3つの数字が組合せられた数字列ごとに表示が制御される。
その後、図40(4)に示すように、装飾図柄41の第1装飾図柄の停止中演出が行われる。この例では、第1装飾図柄(数字の「5」)が、第2装飾図柄および第3装飾図柄よりも早いタイミングで最初に仮停止する。このとき、小図柄56は、変動中演出が行われている最中である。つまり、小図柄56は、第1小図柄、第2小図柄および第3小図柄のいずれも仮停止しない。
さらに、図40(5)に示すように、装飾図柄41の第1装飾図柄(数字の「5」)、第2装飾図柄(数字の「7」)および第3装飾図柄(数字の「8」)がそれぞれ仮停止する。このとき、小図柄56は、変動中演出が行われている最中である。つまり、小図柄56は、第1小図柄、第2小図柄および第3小図柄のいずれも仮停止することなく変動表示する。
そして、特別図柄の変動停止にともない、図40(6)に示すように、装飾図柄41が確定停止される。この装飾図柄41の数字の組合せ「578」は、特別図柄抽選の判定結果がはずれの場合の組合せの一例である。
また、特別図柄の変動停止にともない、小図柄56も確定停止する。このとき、小図柄56は、装飾図柄41の数字組合せと同じ「578」を表示する。
その後、図40(7)に示すように、さらに次の特別図柄の変動表示開始にともない、装飾図柄41および小図柄56の変動が開始される。
このとき、小図柄56は、変動中演出として、最初の数字列(第1数字列56e1の「174」(図38参照))から順に次の数字列を表示する。
そして、図40(8)に示すように、再び、装飾図柄41および小図柄56は、それぞれ変動中演出を実行する。
〔変動演出例2〕
図41は、画像表示部114を用いて行う変動演出例2の説明図である。なお、変動演出例2は、変動演出パターンとしてER2(ノーマルリーチ/はずれ)が選択された場合に実行可能な変動演出である。
図41(1)に示すように、1つ前の特別図柄の変動が終了することにともない、画像表示部114に第1表示態様の装飾図柄41が確定停止されているものとする。また、画像表示部114には、装飾図柄41、変動台座43、保留台座45、保留画像52、保留数表示55、小図柄56および背景画像59(図示を省略)が表示される。
保留台座45には、1番目の保留画像52が表示されている。そして、この例では、確定停止された装飾図柄41の数字の組合せは、「459」となっている。また、確定停止された小図柄56の数字の組合せも、「459」となっている。
そして、図41(2)に示すように、次の特別図柄の変動表示開始にともない装飾図柄41の変動が開始される。このとき、1番目の保留画像52は、変動台座43に移動し、変動画像51として表示変更される。
また、この例では、装飾図柄41は、次の変動表示開始にともない第1装飾図柄、第2装飾図柄、第3装飾図柄がほぼ同じタイミングで下方に移動し始める。さらに、スピーカ156は、特別図柄の変動表示が開始されたことを示す変動開始音とともにBGM(楽曲)を出力する。
そして、小図柄56は、特別図柄の変動表示開始にともない変動を開始する。小図柄56は、変動中演出として、最初の数字列(第1数字列56e1の「174」(図38参照))から順に次の数字列を表示する。
そして、図41(3)に示すように、装飾図柄41および小図柄56がそれぞれ変動表示する。このとき、上述したとおり、装飾図柄41は、第1装飾図柄、第2装飾図柄および第3装飾図柄が個別に表示制御される。一方、小図柄56は、第1小図柄、第2小図柄および第3小図柄は、3つの数字が組合せられた数字列ごとに表示制御される。
その後、図41(4)に示すように、装飾図柄41の第1装飾図柄の停止中演出が行われる。この例では、第1装飾図柄(数字の「6」)が、第2装飾図柄および第3装飾図柄よりも早いタイミングで仮停止する。このとき、小図柄56は、変動中演出が継続して行われている。つまり、小図柄56は、第1小図柄、第2小図柄および第3小図柄のいずれも仮停止しない。
さらに、図41(5)に示すように、装飾図柄41の第1装飾図柄(数字の「6」)と第3装飾図柄(数字の「6」)とが揃った状態で仮停止する。すなわち、装飾図柄41によるノーマルリーチ演出が実行される。なお、このとき、小図柄56は、変動中演出が継続して実行されている。また、小図柄56は、第1小図柄および第3小図柄が揃うリーチ状態にはならない。
その後、図41(6)に示すように、装飾図柄41の第1装飾図柄(数字の「6」)および第3装飾図柄(数字の「6」)に加えて、第2装飾図柄(数字の「5」)が仮停止する。
そして、特別図柄の変動停止にともない、図41(7)に示すように、装飾図柄41が確定停止される。この装飾図柄41の数字の組合せ「656」は、特別図柄抽選の判定結果がはずれの場合の組合せの一例である。
また、特別図柄の変動停止にともない、小図柄56も確定停止する。このとき、小図柄56は、装飾図柄41の数字組合せと同じ「656」を表示する。
その後は、例えば新たに第1始動口121に遊技球が入賞した場合には、特別図柄の変動表示開始に伴って、装飾図柄41および小図柄56の変動表示が開始される。このとき、小図柄56は、変動中演出として、最初の数字列(第1数字列56e1の「174」(図38参照))から次の数字列を順に表示することで、変動表示を行う。
〔変動演出例3〕
図42および図43は、画像表示部114を用いて行う変動演出例3の説明図である。なお、変動演出例3は、変動演出パターンとしてEA1(SPSPリーチ/大当たり)が選択された場合に実行可能な変動演出である。
図42(1)に示すように、1つ前の特別図柄の変動が終了することにともない、画像表示部114に第1表示態様の装飾図柄41が確定停止されているものとする。また、画像表示部114には、装飾図柄41、変動台座43、保留台座45、保留画像52、保留数表示55、小図柄56および背景画像59(図示を省略)が表示される。
保留台座45には、1番目の保留画像52が表示されている。そして、この例では、確定停止された装飾図柄41の数字の組合せは、「365」となっている。また、確定停止された小図柄56の数字の組合せも、「365」となっている。
そして、図42(2)に示すように、次の特別図柄の変動表示開始にともない装飾図柄41の変動が開始される。このとき、1番目の保留画像52は、変動台座43に移動する。
また、この例では、装飾図柄41は、次の変動表示開始にともない第1装飾図柄、第3装飾図柄、および第3装飾図柄が回転(縦方向の軸周りに回転)しながら下方に向かって移動開始する。さらに、スピーカ156は、特別図柄の変動表示が開始されたことを示す変動開始音とともにBGM(楽曲)を出力する。
そして、小図柄56は、特別図柄の変動表示開始にともない変動を開始する。小図柄56は、変動中演出として、最初の数字列(第1数字列56e1の「174」(図38(B)参照))から次の数字列を順に表示することで変動表示を行う。
さらに、図42(3)に示すように、装飾図柄41および小図柄56がそれぞれ変動表示する。このとき、上述したとおり、装飾図柄41は、第1装飾図柄、第2装飾図柄および第3装飾図柄が個別に表示制御される。一方、小図柄56は、第1小図柄、第2小図柄および第3小図柄は、3つの数字が組合せられた数字列ごとに表示制御される。
その後、図42(4)に示すように、装飾図柄41の第1装飾図柄の停止中演出が行われる。この例では、第1装飾図柄(数字の「5」)が、第2装飾図柄および第3装飾図柄よりも早いタイミングで最初に仮停止する表示が行われる。このとき、小図柄56は、変動中演出が継続して行われている。なお、小図柄56は、第1小図柄、第2小図柄および第3小図柄のいずれも仮停止することはしない。
さらに、図42(5)に示すように、装飾図柄41の第1装飾図柄(数字の「5」)と第3装飾図柄(数字の「5」)とが揃った状態で仮停止する。すなわち、装飾図柄41によるノーマルリーチ演出が実行される。なお、このとき、小図柄56は、変動中演出が継続して実行されている。小図柄56は、第1小図柄および第3小図柄が揃うリーチ状態にはならない。
その後、図42(6)に示すように、SPリーチ演出が実行される。なお、以下の説明において、SPリーチ演出が実行されていることを、SPリーチ画像71として図示することで表現する。また、このSPリーチ演出が実行されている際に、第1装飾図柄および第3装飾図柄は、画像表示部114における画像表示領域の隅(左上の隅および右上の隅)に移動するとともに仮停止している。このとき、第1装飾図柄および第3装飾図柄として表示される装飾図柄41は、第2表示態様によって表示される。また、第1装飾図柄および第3装飾図柄として表示される装飾図柄41の表示サイズは、小図柄56の表示サイズよりも大きくなるように設定している。
また、小図柄56は、変動中演出を継続して実行している。
なお、本実施の形態の変動演出において、装飾図柄41のサイズを、小図柄56よりも大きく維持することで、あくまで装飾図柄41が変動演出の主体(メイン)であることを担保している。例えば、装飾図柄41のサイズを小図柄56のサイズよりも小さく表示すると、遊技者が、どちらが装飾図柄41であるかという点で混乱する可能性が高くなる。そこで、装飾図柄41のサイズが変化した場合であっても、装飾図柄41のサイズは、小図柄56のサイズよりも大きく表示するようにしている。
さらにその後、図42(7)に示すように、SPSPリーチ演出が実行される。なお、以下の説明において、SPSPリーチ演出が行われていることを、SPSPリーチ画像73として図示することで表現する。また、本実施の形態では、SPSPリーチ演出の実行中には、装飾図柄41、変動台座43、保留台座45、変動画像51および保留画像52は表示しないようにしている。
なお、小図柄56は、変動中演出を継続して実行する。
そして、図42(8)に示すように、装飾図柄41の図柄が揃うことを煽る図柄煽り演出が実行される。このとき、装飾図柄41は、画像表示部114における画像表示領域の中央に大きく表示されている。また、装飾図柄41は、第2表示態様にて表示される。さらに、第1装飾図柄および第3装飾図柄は、それぞれ仮停止している状態であるとともに、第2装飾図柄は低速で変動する。
さらに、図43(1)に示すように、第2装飾図柄(数字の「5」)が仮停止する。つまり、装飾図柄41の第1装飾図柄(数字の「5」)、第2装飾図柄(数字の「5」)および第3装飾図柄(数字の「5」)がそれぞれ揃って仮停止する。
そして、図43(2)に示すように、装飾図柄41は、第2表示態様から第1表示態様に切り替わる。なお、第1表示態様の装飾図柄41は、仮停止した状態を継続している。
その後、図43(3)に示すように、第1表示態様の装飾図柄41にて確定停止が実行される。このとき、小図柄56は、装飾図柄41に同期するとともに、装飾図柄41と同じ数字組合せ(「555」)で確定停止する。
なお、上述したとおり、装飾図柄41は、特別図柄の変動表示中のSPリーチ演出の発展の際に仮停止しており、その仮停止の前後で大きいサイズから小さいサイズに変化することが可能であって、仮停止後の装飾図柄41のサイズは、小図柄56のサイズよりも大きくなるように設定している。
また、本実施の形態においては、装飾図柄41は、特別図柄の変動表示中に、第1表示態様や第2表示態様の両方で表示され、画像表示部114の表示画面に表示されるデザインが変化するときがある。一方で、小図柄56は、特別図柄の変動表示中に、第2表示態様のまま表示され、画像表示部114の表示画面に表示されるデザインが変化しないようになっている。
装飾図柄41は、遊技者に変動演出を楽しませるために表示を行うものである。従って、本実施の形態では、特別図柄の変動表示中に、デザインを変化させることで、遊技者を飽きさせないようにしている。一方で、小図柄56は、遊技者が誤認しないように見やすく表示する必要がある。そこで、本実施の形態では、小図柄56は、特別図柄の変動表示中にデザインが変化しないようにした。
〔変動演出例4〕
図44は、画像表示部114を用いて行う変動演出例4の説明図である。なお、変動演出例4は、変動演出パターンとしてER4(疑似連/はずれ)が選択された場合に実行可能な変動演出である。
図44(1)乃至(3)に示すように、装飾図柄41が確定停止されている状態から、次の特別図柄の変動表示開始にともない装飾図柄41が変動する。
そして、図44(4)に示すように、第1装飾図柄(数字の「5」)および第3装飾図柄(数字の「4」)が仮停止する。
その後、図44(5)に示すように、第2装飾図柄が仮停止する。この第2装飾図柄は「NEXT」図柄(疑似連図柄)である。この「NEXT」図柄が仮停止することで、疑似連演出を実行することが報知される。
このとき、小図柄56は、変動中演出が継続して実行されている。小図柄56は、疑似連図柄に対応する図柄が表示されることなく変動表示が行われる。
そして、図44(6)に示すように、装飾図柄41(第1装飾図柄、第2装飾図柄および第3装飾図柄)が再変動する。このとき、小図柄56は、変動中演出が継続して行われている。
その後、リーチ演出が実行され、最終的に、装飾図柄41は、特別図柄抽選の判定結果がはずれの場合の数字の組合せで、確定停止する。
〔変動演出例5〕
図45は、画像表示部114を用いて行う変動演出例5の説明図である。なお、変動演出例41は、高確率時短遊技状態において演出制御部300が画像表示部114を用いて行う変動演出の一例である。
なお、以下の説明においては、上述した各演出と相違する点を主に説明し、上記の各変動演出と一致する点については説明を省略することがある。
まず、変動演出例5においては、遊技状態が高確率時短遊技状態であり、変動台座43および背景画像59は低確率時短無遊技状態(例えば図42参照)とは異なる表示態様で表示される。
また、本実施の形態のパチンコ遊技機100では、電動チューリップ123が遊技領域111における右側に配置されている。そのため、高確率遊技状態においては、遊技球を遊技領域111における右側に向けて発射させることを遊技者に指示するために、画像表示部114の表示画面には、右打ち画像79が表示される。
図45(1)に示すように、画像表示部114には第2表示態様の装飾図柄41(「555」)が確定停止されている。なお、このときに表示されている装飾図柄41は、大当たり遊技が実行される前、すなわち大当たりに当選した際に最終的に確定停止された数字の並びに対応している。
そして、小図柄56も、装飾図柄41と同様に、「555」の数字の並びによって確定停止している。そして、本実施の形態においては、小図柄56は、低確率時短無し遊技状態と高確率時短遊技状態とにおいて共通の表示態様にて表示される。すなわち、小図柄56は、低確率時短無し遊技状態と高確率時短遊技状態とで、画像表示部114の表示画面における表示位置や、模様や色などのデザインや、表示サイズがそれぞれ同じになっている。
そして、図45(2)に示すように、第2始動口122への入賞による特別図柄の変動表示に伴って、装飾図柄41および小図柄56の変動表示が開始される。このとき、小図柄56は、変動中演出として、最初の数字列(第1数字列56e1の「174」(図38参照))から次の数字列を順に表示することで、変動表示を行う。
さらに、図45(3)に示すように、装飾図柄41および小図柄56がそれぞれ変動表示する。
そして、図45(4)に示すように第1装飾図柄(数字の「6」)と、第3装飾図柄(数字の「2」)とが仮停止される。さらに、図45(5)に示すように、第2装飾図柄(数字の「3」)が仮停止される。このとき、小図柄56は、変動中演出が継続して実行されている。
その後、図45(6)に示すように、装飾図柄41は、確定停止が実行される。なお、図示の装飾図柄41の組合せ「632」は、特別図柄抽選の判定結果がはずれの場合の組合せである。
そして、図45(7)に示すように、さらに次の特別図柄の変動表示開始にともない、装飾図柄41および小図柄56は、それぞれ変動開始する。なお、小図柄56は、変動中演出として、最初の数字列(第1数字列56e1の「174」(図38参照))から順に次の数字列を表示する。
その後、図45(8)に示すように、再び、装飾図柄41および小図柄56は、それぞれ変動中演出を実行する。
以上のとおり、本実施の形態においては、低確率時短無し遊技状態(第1演出モードの一例)と高確率時短遊技状態(第2演出モードの一例)とで、異なるデザインの装飾図柄41を表示可能となっている。一方で、低確率時短無し遊技状態と高確率時短遊技状態とで、同じデザインの小図柄56を表示するようにしている。
本実施の形態において、小図柄56は、装飾図柄41の補助的な位置づけとなっている。そこで、小図柄56については、デザインを変えることなく表示制御に関する負荷を低減している。また、小図柄56は、常に、比較的シンプルな(簡素化された)デザインを維持することで、遊技者が視認し易くしている。
なお、上述の例では、異なる2つの演出モードとして、低確率時短無し遊技状態と高確率時短遊技状態とを用いて説明しているが、これらに限定されない。例えば、異なる2つの演出モードは、単に、高確率遊技状態と低確率遊技状態とであったり、時短無し遊技状態と時短遊技状態とであったりしても良い。
次に、本実施の形態の大当たり遊技が実行されている際に行う演出について具体的に説明する。
図46は、大当たり遊技が実行されている際に、画像表示部114の表示画面にて実行される演出の説明図である。
まず、図46(1)に示すように、特別図柄抽選の判定結果が大当たりの場合の組合せで、装飾図柄41は、確定停止が実行される。
そして、大当たり遊技が開始されるとき、図46(2)に示すように、画像表示部114の表示画面にはオープニング画像75および右打ち画像79が表示される。
オープニング画像75は、大当たり遊技の開始を遊技者に報知するための画像である。具体的には、本実施の形態のオープニング画像75では、「BIG Bonus!Congratulations」のテキストを表示する。このオープニング画像75は、大当たりの種類(例えば、総ラウンド数)を示唆する内容となっている。
また、右打ち画像79は、遊技者に対して、大入賞口125(図1参照)に向けて遊技球を発射させることを遊技者に促す表示である。本実施の形態においては、大入賞口125は、遊技領域111の右側に配置されている。従って、本実施の形態では、大当たり遊技が実行されている際には、右打ち画像79の表示を行う。
なお、右打ち画像79は、右打ちすることによって(遊技球の打球力を変更することによって)遊技者に有利な状態になっているときに表示される。すなわち、右打ち画像79は、右打ちすることによって(遊技球の打球力を変更することによって)遊技者に有利な状態になっていることを遊技者に報知するための画像である。
また、本実施の形態では、右打ち画像79は、少なくとも大当たり遊技中に継続して表示される。なお、例えば大当たり遊技が開始される際に、右打ち画像79とは異なる態様の冒頭の右打ち画像を一時的に表示しても良い。この冒頭の右打ち画像は、右打ち画像79とは表示サイズや表示デザインなど表示態様が異なる。例えば、冒頭の右打ち画像は、右打ち画像79よりもサイズが大きく、装飾性が高い目立つデザインを採用することができる。
さらに、本実施の形態では、大当たり遊技の開始に伴って、装飾図柄41、変動台座43、保留台座45、変動画像51、保留画像52、保留数表示55、および小図柄56は、それぞれ表示が消去される。
そして、図46(3)に示すように、大入賞口125が開放されるラウンド遊技が開始されると、画像表示部114の表示画面には、右打ち画像79、ラウンド進行画像76、ラウンド画像77、および大当たり図柄表示画像78がそれぞれ表示される。
ラウンド進行画像76は、大当たり遊技における総ラウンド数に対して達成したラウンドの数を示す表示である。例えば、10ラウンド(10R)の大当たりに当選した場合、ラウンド進行画像76は、10個の白い丸を表示するとともに、各ラウンドが消化される度に、白い丸を他の色に変化させる。
ラウンド画像77は、大当たり遊技において現在実行しているラウンドのラウンド数を遊技者に報知するための画像である。例えば、ラウンド画像77では、10ラウンドの大当たりに当選した場合には、「Round1」から「Final Round(Round10)」まで順に表示が行われる。
そして、大当たり図柄表示画像78(示唆画像の一例)は、大当たり遊技が実行されている際に、大当たりの種類を示唆する画像である。すなわち、大当たりに当選した際に揃った3つの装飾図柄41を示唆する画像である。本実施の形態では、大当たりに当選した際に揃った3つの装飾図柄41のうち1つの装飾図柄41を表示することで構成している。
図46に示す例では、大当たりに当選した際に、装飾図柄41として「555」で確定停止していた。そこで、大当たり図柄表示画像78として、数字の「5」を表示する。なお、本実施の形態では、大当たり図柄表示画像78は、第2表示態様の装飾図柄41の素材データ(図35(B)参照)を用いるようにしている。
そして、本実施の形態では、大当たり図柄表示画像78が表示されているときには、装飾図柄41および小図柄56を表示しないようにしている。一方で、別途、大当たり図柄表示画像78によって、装飾図柄41の一部だけを表示するようにしている。このように、表示画面に本実施の形態の装飾図柄41および小図柄56などの各種画像を表示しないようにして、画像表示の制御に関する負荷を低減している。
なお、大当たり図柄表示画像78のデザインは、上述した第2表示態様の装飾図柄41に限定されない。大当たり図柄表示画像78のデザインは、例えば第1表示態様の装飾図柄41と同じであっても構わない。さらには、大当たり図柄表示画像78は、大当たりに当選したことを報知する態様の装飾図柄41を示唆する内容であれば、装飾図柄41とは別の異なるデザインであっても良い。
その後、図46(4)に示すように、最終ラウンドに達する。この例では、10ラウンド大当たりであるため、ラウンド画像77として「Final Round」が表示される。また、ラウンド進行画像76は、10個の白丸のうち、9個までの色が変化している。
そして、図46(5)に示すように、大当たり遊技が終了する際、画像表示部114の表示画面には、エンディング画像81が表示される。エンディング画像81は、大当たり遊技の終了を遊技者に報知するための画像である。この例では、エンディング画像81は、大当たり遊技後の遊技状態が高確率時短遊技状態であることを示す文字列「Special Time!!」の文字を含む。なお、大当たり遊技におけるエンディング中に、エンディング画像81と共に右打ち画像79を表示しても良い。
以上のように、画像表示部114に各種演出画像を表示しながら、大当たり遊技演出が実行される。
そして、大当たり遊技が終了すると、図46(6)に示すように、画像表示部114には第2表示態様の装飾図柄41(「555」)が確定停止された状態で表示される。
このとき、上述したとおり、画像表示部114の表示画面には、消去されていた変動台座43、保留台座45、変動画像51、保留画像52、保留数表示55、および小図柄56は、それぞれ再び表示される。
そして図46(7)に示すように、特別図柄の変動表示に伴って、装飾図柄41および小図柄56の変動表示が行われる。
(他の演出例)
図47は、小図柄56の他の演出例の説明図である。
続いて、小図柄56の表示位置に関する他の演出例について説明する。上述した実施の形態において、画像表示部114の表示画面における小図柄56の表示位置は、固定されていた。これに対し、画像表示部114の表示画面における小図柄56の表示位置は、演出の内容に応じて変更されても良い。
小図柄56の表示位置が変化する例として、変動演出パターンEB1が選択された場合に実行可能な演出例を用いて具体的に説明する。
特別図柄の変動表示に伴って装飾図柄41の変動表示が開始され、疑似連演出を経て、第1装飾図柄(数字の「7」)および第3装飾図柄(数字の「7」)が仮停止してリーチ状態となり、図47(1)に示すように、SPリーチ演出が実行される。このとき、小図柄56は、画像表示部114の表示画面における右端に表示されている。
その後、図47(2)に示すように、小図柄56は、画像表示部114の表示画面における左端に表示される。つまり、小図柄56は、表示画面における表示位置が変更される。
そして、図47(3)に示すように、小図柄56の表示位置が変更された後、可動役物115は、待機位置から移動して画像表示部114の表示画面と重なる出現位置に移動する。この例では、可動役物115は、表示画面における右側に表示される。なお、可動役物115の出現位置は、小図柄56が当初に表示されていた位置と重なる。
このように、小図柄56は、可動役物115の移動に伴って、予め表示位置が変化するようになっている。そして、小図柄56は、可動役物115によって隠されない位置に移動するようになっている。
さらにその後、図47(4)に示すように、可動役物115が出現位置に移動したことに伴って、SPSPリーチ演出に発展する。なお、SPSPリーチ演出の実行中には、装飾図柄41、変動台座43、保留台座45、変動画像51および保留画像52は表示しないようにしている。また、この例では、可動役物115は、出現位置から待機位置に移動する。
そして、図47(5)に示すように、小図柄56は、画像表示部114の表示画面における中央であって下端に表示される。つまり、小図柄56は、表示画面における表示位置がさらに変更される。
そして、小図柄56の表示位置がさらに変更された後、図47(6)に示すように、可動役物115と、他の可動役物115とが、それぞれ待機位置から移動して画像表示部114の表示画面と重なる出現位置に移動する。この例では、他の可動役物115は、表示画面における左側に表示される。なお、可動役物115の出現位置は、小図柄56が当初の位置から表示変更された位置と重なる。
以上説明したとおり、小図柄56は、他の可動役物115の移動に伴って、予め表示位置が変化するようになっている。そして、小図柄56は、他の可動役物115によって隠されない位置に移動するようになっている。
さらに、可動役物115および他の可動役物115が待機位置に戻ると、図47(7)に示すように、第2装飾図柄(数字の「7」)が仮停止する。すなわち、第1装飾図柄、第2装飾図柄、および第3装飾図柄の3つが揃って仮停止した状態になる。
そして、図47(8)に示すように、第1表示態様の装飾図柄41にて確定停止が実行される。このとき、小図柄56は、装飾図柄41に同期するとともに、装飾図柄41と同じ数字組合せ(「777」)で確定停止する。
なお、小図柄56の変動表示は、第1小図柄、第2小図柄、および第3小図柄をそれぞれ個別に制御することで実行しても良い。例えば、小図柄56は、異なる数字列56e(例えば前後の数字列56e)の関係を関数で規定する。具体的には、一の数字列56eから他の数字列56eに変化させる際、一の数字列56eを構成する3つの数字(第1小図柄、第2小図柄、および第3小図柄)ごとに、それぞれ数字の1を加算したものを表示する。このようにして、小図柄56の変動表示を行っても良い。
〔遅延演出〕
次に、本実施の形態の遅延演出について説明する。
遅延演出は、事前判定の判定結果に基づいて、特別図柄の変動表示の開始から停止表示までの変動時間に対して、装飾図柄41および小図柄56の変動表示の開始から停止表示までの演出時間を異ならせることで、大当たり遊技が行われる可能性を示唆するという演出である。
まず始めに、遅延演出を実行するか否かを決定するためのフローについて説明する。
図48は、遅延演出の実行決定に関するフローチャートである。
演出制御部300では、事前判定結果コマンドおよび保留数増加コマンドに基づいて、報知対象の保留について事前判定演出を実行するか否かの判定を行う(S3001)。そして、事前判定演出を実行すると判定された場合(S3001にてYes)、遅延演出を実行するか否かの判定を行う(S3002)。本実施の形態においては、遅延演出は、事前判定結果がはずれの場合よりも、大当たりの場合の方が実行され易くなっている。すなわち、遅延演出が実行された場合には、結果的に、大当たりに当選し易くなっている。
なお、S3001およびS3002の各々の判定は、演出乱数に基づいて行われる。
そして、事前判定演出を実行しないと判定された場合(S3001にてNo)、または、遅延演出を実行しないと判定された場合(S3002にてNo)、処理を終了する。
一方、遅延演出を実行すると判定された場合(S3002でYes)、報知対象よりも前に保留が存在するか否かを判断する(S3003)。
そして、報知対象よりも前に保留が存在しなければ(S3003でNo)、報知対象の変動演出が実行されるときに、開始時遅延演出を行うことを決定する(S3004)。開始時遅延演出は、報知対象の変動演出が実行されているときに、その報知対象の変動演出に関わる大当たりの判定結果を示唆するものである。
そして、開始時遅延演出の実行が決定されると、複数の変動演出パターンから、特別図柄の変動時間(変動パターン)に対応する演出時間を有するパターンであって、開始時遅延演出を実行する際に選択可能な変動演出パターンを選択する(S3005)。
また、遅延演出を実行すると判定された場合であって、報知対象よりも前に保留が存在する場合には、(S3002でYes、S3003でYes)、入賞順において報知対象よりも一つ前の入賞に基づく権利(以下、単に「報知対象よりも前の権利)と称する)についての変動演出が実行されるときに、終了時遅延演出を行うことを決定する(S3006)。終了時遅延演出は、報知対象よりも前の権利の変動演出が実行されているときに、その後に変動演出が行われる報知対象の大当たりの判定結果を示唆するものである。すなわち、終了時遅延演出は、複数の図柄変動にまたがって予告演出を行う連続予告演出である。
そして、終了時遅延演出の事項が決定されると、複数の変動演出パターンから、特別図柄の変動時間(変動パターン)に対応する演出時間を有するパターンであって、終了時遅延演出を実行する際に選択可能な変動演出パターンを選択する(S3007)。
次に、開始時遅延演出および終了時遅延演出を実行する際における変動演出パターンについて具体的に説明する。
(開始時遅延演出)
図49は、開始時遅延演出が実行される際に、変動演出パターン選択において用いられる変動演出パターンテーブルの設定例を示す図である。
図49に示すように、開始時遅延演出が実行される際に参照される大当たり用の変動演出パターンテーブルには、複数の変動演出パターンが設定されている。そして、開始時遅延演出で用いられる変動演出パターン「EA1−SD」〜「EA6−SD」、「EB1−SD」〜「EB14−SD」、および「EC1−SD〜EC2−SD」は、図21に示す変動パターン「PA1」〜「PA6」、「PB1」〜「PB14」、および「PC1〜PC2」に対してそれぞれ1対1で対応付けられている。
また、図49に示す各々の変動演出パターンの基本構成は、図32に示す変動演出パターンと同様である。ただし、開始時遅延演出で用いられる変動演出パターンは、変動演出自体が開始されてから装飾図柄41および小図柄56が実際に変動開始するタイミングが、図32に示す変動演出パターンとは異なっている。
図50は、開始時遅延演出の変動演出パターンの説明図である。
開始時遅延演出が行われる際に選択可能な複数の変動演出パターンのうち、変動演出パターンEA1−SDを一例として具体的に説明する。
変動演出パターンEA1−SDの基本構成は、変動パターンEA1と同じである。そして、変動演出パターンEA1−SDのトータルの演出時間は、変動演出パターンEA1の演出時間と一致している。
ただし、変動演出パターンEA1−SDは、装飾図柄41および小図柄56の変動表示の開始タイミングが、変動演出パターンEA1とは異なる。図50(1)に示すように、変動演出パターンEA1は、演出開始のタイミングと同時に装飾図柄41および小図柄56の変動表示が開始する。これに対して、図50(2)に示すように、変動演出パターンEA1−SDには、演出開始から予め定められた時間(例えば、数ミリ秒〜数十ミリ秒)まで変動開始待機期間が設けられている。本来の変動開始のタイミング(変動開始コマンドを受信のタイミング)から予め定められた期間、前回の変動演出で確定停止された装飾図柄41および小図柄56の表示を維持する期間である。そして、変動演出パターンEA1−SDは、演出開始から予め定められた時間の経過後に装飾図柄41および小図柄56の変動表示が開始するようになっている。なお、変動パターンEA1−SDにおけるリーチ、SP発展、SPSP発展、仮停止、およびの確定停止のタイミングは、変動パターンEA1とそれぞれ同じになっている。
そして、開始時遅延演出で用いられる変動演出パターンEA1−SDに基づく変動演出が実行されると、特別図柄の変動表示の開始タイミングに対して、装飾図柄41および小図柄56の変動表示の開始タイミングが遅延していると遊技者が体感できるようになっている。
なお、上記の内容は、他の変動演出パターンについても同様であり、他の変動演出パターンついても演出開始から予め定められた時間(例えば、数ミリ秒〜数十ミリ秒)まで変動開始待機期間が設けられている。また、小当たり・はずれ用変動演出パターンについても同様に、開始時遅延演出用の変動演出パターンがそれぞれ設けられている。
(終了時遅延演出)
図51は、終了時遅延演出が実行される際に、変動演出パターン選択において用いられる変動演出パターンテーブルの設定例を示す図である。
図51に示すように、終了時遅延演出が実行される際に参照される大当たり用の変動演出パターンテーブルには、複数の変動演出パターンが設定されている。そして、終了時遅延演出で用いられる変動演出パターン「EA1−ED」〜「EA6−ED」、「EB1−ED」〜「EB14−ED」、および「EC1−ED〜EC2−ED」は、図21に示す変動パターン「PA1」〜「PA6」、「PB1」〜「PB14」、および「PC1〜PC2」に対してそれぞれ1対1で対応付けられている。
また、図51に示す各々の変動演出パターンの基本構成は、図32に示す変動演出パターンと同様である。ただし、終了時遅延演出で用いられる変動演出パターンは、装飾図柄41および小図柄56の変動停止のタイミングが、図32に示す変動演出パターンとは異なっている。
図52は、終了時遅延演出の変動演出パターンの説明図である。
終了時遅延演出が行われる際に選択可能な複数の変動演出パターンのうち、変動演出パターンEA1−EDを一例として具体的に説明する。
変動演出パターンEA1−EDの基本構成は、変動パターンEA1と同じである。例えば、変動演出パターンEA1−EDの演出開始(装飾図柄41および小図柄56の変動開始)、リーチ、SP発展、SPSP発展、および仮停止のタイミングは、それぞれ変動演出パターンEA1と同じである。ただし、変動演出パターンEA1−EDは、装飾図柄41および小図柄56の確定停止のタイミングが、変動演出パターンEA1とは異なる。
図52(1)に示すように、変動演出パターンEA1は、例えば仮停止から所定の時間経過後に装飾図柄41および小図柄56が確定停止する。この変動演出パターンEA1の確定停止のタイミングは、特別図柄の確定停止のタイミングに一致している。これに対して、図52(2)に示すように、変動演出パターンEA1−EDは、仮停止から確定停止までの時間が変動パターンEA1よりも長く(例えば、数ミリ秒〜数十ミリ秒)なるように、変動停止延長期間が設けられている。そして、変動演出パターンEA1−EDでは、上述した所定の時間よりも長い特定の時間経過後に装飾図柄41および小図柄56が確定停止する。すなわち、変動演出パターンEA1−EDの確定停止のタイミングは、特別図柄の確定停止のタイミングよりも遅くなっている。
そして、終了時遅延演出で用いられる変動演出パターンEA1−EDに基づいて変動演出が実行されると、特別図柄の変動停止のタイミングに対して、装飾図柄41および小図柄56の変動停止のタイミングが遅延していると遊技者が体感できるようになっている。
なお、上記の内容は、他の変動演出パターンについても同様であり、仮停止から確定停止までの時間が長く(例えば、数ミリ秒〜数十ミリ秒)なるように、変動停止延長期間が設けられている。また、小当たり・はずれ用変動演出パターンについても同様に、終了時遅延演出用の変動演出パターンが設けられている。
なお、終了時遅延演出において、上述した例では、仮停止から確定停止までの時間を長くすることで、特別図柄の確定停止よりも装飾図柄41および小図柄56の確定停止が遅延するようにしているが、この態様に限定されない。結果的に、特別図柄の確定停止よりも装飾図柄41および小図柄56の確定停止が遅延すれば良く、他のタイミングにおいて、時間を長くとるようにしても良い。
図53は、本実施の形態の開始時遅延演出の演出例の説明図である。
図53を参照しながら、開始時遅延演出について、特別図柄の動作と、装飾図柄41および小図柄56の動作とを具体的に説明する。なお、以下で説明する動作は、報知対象の権利に関するものである。
図53に示すように、特別図柄の変動表示が開始される。遊技者は、表示器130の第1特別図柄表示器221のLEDが点滅を開始することで、特別図柄の変動開始を確認することができる。
一方で、画像表示部114の表示画面において、装飾図柄41および小図柄56は、特別図柄の変動開始のタイミングでは、前回の変動演出で確定停止された装飾図柄41(「234」)および小図柄56(「234」)が停止した状態で表示されている。その後、装飾図柄41および小図柄56は、特別図柄の変動開始タイミングに対して予め定められた時間差をもって変動表示が開始される。このとき、装飾図柄41は、前回の変動演出で確定停止された装飾図柄41(「234」)がスクロールを開始し、小図柄56は、最初の数字列(第1数字列56e1の「174」(図38(B)参照))から表示が開始される。
また、開始時遅延演出では、装飾図柄41および小図柄56のみならず、変動画像51、保留画像52、および保留数表示55についても、特別図柄の変動表示の開始タイミングに対して遅延するようにしている。
画像表示部114の表示画面において、特別図柄の変動開始のタイミングでは、保留画像52は、変動台座43ではなく保留台座45に表示されたままになっている。この状態は、特別図柄の変動開始から予め定められた時間が経過するまで維持される。そして、保留画像52は、装飾図柄41および小図柄56の変動表示が開始されるタイミングに合わせて、保留台座45から変動台座43に移動し、変動画像51として表示変更される。
そして、この例では、特別図柄の変動停止のタイミングで、装飾図柄41および小図柄56が変動停止する。つまり、装飾図柄41および小図柄56は、変動停止のタイミングは、特別図柄の変動停止のタイミングに一致する。図示の例では、報知対象の権利については、装飾図柄41の数字が揃って(「555」)、大当たりとなる。
以上のとおり、開始時遅延演出では、特別図柄が変動開始していることを遊技者が確認しているにもかかわらず、装飾図柄41および小図柄56が未だ変動開始していないという違和感を遊技者が覚えることになる。これによって、本実施の形態の開始時遅延演出では、大当たりに当選することを遊技者に期待させるようにしている。
特に、本実施の形態では、小図柄56の変動演出は、装飾図柄41とは異なりシンプルであって、常に同じパターンで行われる。従って、小図柄56の変動開始は、装飾図柄41と比較して遊技者が確認し易い。すなわち、特別図柄の変動開始のタイミングに対して、小図柄56の変動開始のタイミングがずれていることを遊技者が気づきやすくなっている。さらに、小図柄56は、常に同じ数字列の組合せ(本実施の形態では「174」)で変動開始するため、遊技者が小図柄56の変動開始について特に気づきやすくなっている。
図54は、本実施の形態の終了時遅延演出の演出例の説明図である。
図54を参照しながら、終了時遅延演出について、特別図柄の動作と、装飾図柄41および小図柄56の動作とを具体的に説明する。なお、以下の動作は、報知対象の前に成立した権利と、報知対象の権利とに関するものであり、これらの順で説明する。
図54に示すように、報知対象よりも前の権利について特別図柄の変動表示が開始される。遊技者は、表示器130の第1特別図柄表示器221のLEDの点滅が開始することで、特別図柄の変動開始を確認することができる。一方、画像表示部114の表示画面において、報知対象よりも前の権利についての装飾図柄41および小図柄56は、特別図柄の変動開始のタイミングに同期して変動表示を開始する。
その後、報知対象よりも前の権利について特別図柄が変動停止する。遊技者は、表示器130の第1特別図柄表示器221のLEDが予め定められた点灯パターンを表示することで、特別図柄の変動停止を確認することができる。この第1特別図柄表示器221の予め定められた点灯パターンでの表示は、一定時間継続する。
一方、画像表示部114の表示画面において、報知対象よりも前の権利についての装飾図柄41および小図柄56は、特別図柄の変動停止のタイミングにおいても、変動表示が継続された状態になっている。つまり、特別図柄の確定時間中にも、装飾図柄41の仮停止表示が継続して行われる。
そして、画像表示部114において、報知対象よりも前の権利に係わる装飾図柄41および小図柄56は、特別図柄の変動停止のタイミングに対して予め定められた時間差をもって変動停止する。
さらに、画像表示部114において、変動台座43上に表示される変動画像51は、特別図柄の変動停止のタイミングに対して予め定められた時間差をもって消去される。
その後、図54に示すように、特別図柄の変動停止のタイミングに対して装飾図柄41および小図柄56の変動停止が遅延した変動演出の次の変動演出(報知対象)が行われる。なお、この変動演出における装飾図柄41および小図柄56の変動開始および変動停止のタイミングは、特別図柄の変動開始および変動停止のタイミングに同期している。そして、この例では、最終的に、報知対象の権利については、装飾図柄41の数字が揃って(「222」)、大当たりになる。
以上のとおり、終了時遅延演出では、特別図柄が変動停止したことを遊技者が確認しているにもかかわらず、装飾図柄41および小図柄56が未だ変動停止していないという違和感を遊技者が覚えることになる。これによって、本実施の形態の終了時遅延演出では、次に変動開始する報知対象の権利について大当たりに当選することを遊技者に期待させるようにしている。
特に、本実施の形態では、小図柄56の確定停止は、変動演出を行っていた状態から第1小図柄、第2小図柄および第3小図柄が瞬時に停止するという態様で行われる。この小図柄56の確定停止の動作は、装飾図柄41のように揺れるなどして仮停止した状態を含まない。そのため、本実施の形態では、遊技者は、小図柄56によって確定停止を確認しやすくなっている。
以上説明したように、本実施の形態の遅延演出において、変動開始時遅延演出を実行することで、特別図柄の変動表示の開始から停止表示までの時間に対して、装飾図柄41(小図柄56)が実際に変動開始してから停止表示されるまでの時間が短くなる。また、本実施の形態の遅延演出において、終了時遅延演出を実行することで、特別図柄の変動表示の開始から停止表示までの時間に対して、装飾図柄41(小図柄56)が実際に変動開始してから停止表示されるまでの時間が長くなる。このように、本実施の形態のパチンコ遊技機100では、遅延演出によって、特別図柄の変動表示の開始から停止表示までの時間に対して、装飾図柄41(小図柄56)が実際に変動開始してから停止表示されるまでの時間を異ならせることで遊技者に違和感を覚えさせるようにし、大当たりに当選することを遊技者に期待させるようにしている。
なお、本実施の形態の遅延演出においては、開始時遅延演出と終了時遅延演出とを別々に説明したが、開始時遅延演出と終了時遅延演出との両方を一変動分の変動演出において実行しても構わない。この報知対象の変動演出において両方の演出を実行する場合には、報知対象の権利について、特別図柄の変動開始に対して装飾図柄41および小図柄56の変動開始が遅れたと感じ、装飾図柄41および小図柄56の仮停止から確定停止までの時間が通常よりも長いと感じさせることで、大当たりの当選を期待させることができる。また、報知対象よりも前の権利の変動演出において両方の演出を実行した場合にも同様に、装飾図柄41および小図柄56の変動開始時と変動停止時との両方で遊技者に違和感を覚えさせ、次に変動開始する報知対象についての大当たりの当選を期待させることができる。
また、遅延演出は、複数の変動演出に跨がって連続して実行するようにしても構わない。例えば、報知対象の変動演出、報知対象よりも前の変動演出で、それぞれ遅延演出を実行しても良い。