以下に、本発明の実施の形態にかかる端末、制御回路、記憶媒体および受信方法を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1にかかる無線通信システム100の構成例を示す図である。無線通信システム100は、基地局10と、端末20と、を備える。基地局10は、ビーム40を使用して端末20と通信を行う。具体的に、基地局10は、ビームフォーミングによりビーム40を形成し、自基地局10のサービスエリア50内の端末20との間で通信を行う。基地局10は、通信中は端末20の位置を特定できているため、端末20の方向のみにビーム40を向ける。一方、基地局10は、通信を開始する前の端末20についてはその端末20の位置を特定できていないため、ビーム40の方向を順に変えて、すなわちビームスウィーピングすることによってサービスエリア50全体に存在する通信前の端末20と信号の送受信を行う。あるいは、基地局10は、通信中の端末20であってもサービスエリア50全体に存在する全ての端末20からCSI、SRS、およびSRを受信するためには、ビームスウィーピングを行う。端末20は、基地局10からのビームの方向が自端末20の方向に向いたときに、基地局10との間で信号の送受信を行うことができる。なお、図1では、基地局10が1つ、端末20が1つであるが、一例であり、無線通信システム100は、複数の基地局10を備えることも可能である。また、基地局10は、サービスエリア50内に存在する複数の端末20と通信を行うことが可能である。なお、主体が基地局10または後述する基地局10が備える各構成の場合、説明の中で基地局10のことを自基地局10と称することがある。同様に、主体が端末20または後述する端末20が備える各構成の場合、説明の中で端末20のことを自端末20と称することがある。
実施の形態1において、基地局10は、SS、PBCH、SI、およびBRSの送信タイミングを同一とし、ビームスウィーピングのタイミングを同期させる。端末20では、SS、PBCH、SI、およびBRSの受信タイミングが同一となる。また、端末20は、PRACH、CSI、およびSRの送信タイミングを同一とする。基地局10では、PRACH、CSI、およびSRの受信タイミングが同一となり、ビームスウィーピングのタイミングを同期させる。これにより、基地局10は、SS、PBCH、SI、およびBRSを個別に送信する場合と比較して、データを送信する際の時間リソースの減少を抑える、すなわち、データを送信する際の時間リソースを増やすことができる。また、端末20は、PRACH、CSI、およびSRを個別に送信する場合と比較して、データを送信する際の時間リソースの減少を抑える、すなわちデータを送信する際の時間リソースを増やすことができる。
図2は、実施の形態1にかかる基地局10における各信号の送信タイミングの例を示す図である。また、図2は、端末20における各信号の受信タイミングを示す図でもある。図2において、横軸は時間を示す。図2では、基地局10がSS、PBCH、SI、およびBRSを送信するタイミングを同一とした例を示している。
ここで、基地局10が、SS、PBCH、SI、およびBRSの各信号を異なるタイミングで送信した場合について説明する。図3は、実施の形態1にかかる基地局10において各信号を異なるタイミングで送信したときの例を示す図である。また、図3は、端末20における各信号の受信タイミングを示す図でもある。図3では、基地局10がSS、PBCH、SI、およびBRSを送信するタイミングが異なる例を示している。図2と図3とを比較すると、図2の方が時間方向で空白部分すなわち残りリソースが増えている。基地局10は、時間方向における空白部分、すなわち増えた残りリソース部分を端末20とのデータの送受信に使用することができる。
図4は、実施の形態1にかかる基地局10が各信号を周波数方向で多重して送信するときの例を示す図である。図4において、横軸は周波数を示し、縦軸は時間を示す。なお、図4に示す周波数多重は一例であり、これに限定されず、どのように周波数軸上で配置してもよい。図4は、基地局10から端末20に複数の信号、具体的に、SS、PBCH、SI、およびBRSの各信号を送信する際に使用されるフレームフォーマットの一例である。図4では、基地局10の1回のビームスウィーピング動作は、3つのタイミングから構成されている。基地局10は、第1、第2、および第3タイミングにおいて、それぞれビームを向ける方向を変えている。なお、第1、第2、および第3タイミングについて、説明の便宜上、タイミングとしているが瞬間的な時間を指すものではなく、図4に示すように、各タイミングで規定された時間の幅を有するものとする。
図5は、実施の形態1にかかる基地局10におけるビームスウィーピングの例を示す図である。基地局10は、図1に示すサービスエリア50に対して、1回のビームスウィーピング動作、すなわち、3つのエリアに分けて異なる方向にビームフォーミングして信号を送信することで、サービスエリア50の全てのエリアに信号を送信することができる。このように、基地局10は、SS、PBCH、SI、およびBRSの送信タイミングを同一とすることで、1回のビームスウィーピング動作でサービスエリア50全体に必要な信号を送信する。これにより、基地局10は、各信号を個別に送信する場合と比較して、データ送受信用の時間リソースを多く確保することができる。なお、図4および図5では、基地局10が3回のタイミングでサービスエリア50全体にビームを照射する例を示しているが、他の回数となっても同じ考え方が適用できる。また、図4では図示していないが、基地局10が同時生成可能なビーム数をLとした場合、基地局10は、1つのタイミングで最大L方向にビームを向け、図4に示すフレームフォーマットでSS、PBCH、SI、およびBRSを送信する。このとき、基地局10は、ビーム毎にSS、PBCH、SI、およびBRSを送信するターゲットの方向を異なる方向にすることができる。なお、Lは1以上の整数とする。
なお、図4の例では、基地局10が送信する信号において、ビームスウィーピング動作を行う2回に1回の割合でSIが存在しない。これは、SIの送信周期を、SS、PBCH、およびBRSの送信周期と比較して長くした場合の例を示している。通常、SIの送信周期は他のPBCHなどの信号の送信周期と比較して長い送信周期でよいと考えられるため、図4のようにすることも可能である。ただし、今後SIの送信周期を短くする必要があると判断されれば、基地局10は、SIを短い送信周期で送信し、SS、PBCH、およびBRSと同一の送信周期で送信することも可能である。逆に、他の信号の送信周期が長くなることも考えられる。その場合にも、基地局10は、送信周期を長くする対象信号の送信を間引くのみで、SS、PBCH、SI、およびBRSのうちの残りの信号を同一タイミングとし、ビームスウィーピング動作を同期させることが可能である。また、図4では、基地局10は、SIの必要送信周期が長いため、SS、PBCH、およびBRSと比較して送信を間引いているが、間引かずにSIを送信してもよい。この場合、端末20が早くSIを受信できる利点が発生する。
図6は、実施の形態1にかかる基地局10が各信号を周波数方向で多重して送信するときの他の例を示す図である。図6は、基地局10から端末20に複数の信号、具体的に、SS、PBCH、SI、およびBRSの各信号を送信する際に使用されるフレームフォーマットの他の例である。図6では、SIの必要送信周期が長く、かつ、2種類のSIとしてSI1,SI2が存在する場合の例を示している。このように複数のSIが存在する場合、基地局10は、同一周波数位置を使用しながら、時間多重してSIを送信することも可能である。これにより、基地局10は、SI1およびSI2を同一タイミングかつ周波数多重することでSI毎に異なる周波数リソースを使用する場合と比較して、無駄なリソース消費を無くすことができる。
なお、CSI−RSも周期的に送信する必要がある場合、同様に、基地局10は、SS、PBCH、SI、およびBRSに加えて、CSI−RSも周波数多重し、同じビームスウィーピング動作による送信タイミングとすることが可能である。また、基地局10および端末20において、CSI−RSおよびBRSを共通化し、1つの信号で端末20の位置を把握し、通信に適したビームを選択・更新すること、および、変調方式および誤り訂正符号化率を選択するための品質測定を行うこと、の2つの目的に使用することも可能である。なお、ここまで、基地局10が、SS、PBCH、SI、およびBRSを周波数多重することで同一タイミングに前記信号を同時送信する動作を説明したが、これは十分な周波数帯域が確保できる場合に可能である。十分な周波数帯域が確保できない場合には、基地局10は、SS、PBCH、およびBRSを周波数多重し、SIは別のタイミングとする方法が考えられる。
つぎに、基地局10が、端末20から送信されるPRACH、CSI、およびSRの各信号を受信する場合について説明する。図7は、実施の形態1にかかる基地局10が端末20から送信された各信号を受信するときの例を示す図である。端末20において、PRACH、CSI、およびSRの送信タイミングを同一とし、これらの信号を周波数多重している様子を表している。基地局10は、PRACH、CSI、およびSRの各信号が周波数多重された信号を同一の受信タイミングで受信する。図7は、端末20から基地局10に複数の信号、具体的に、PRACH、CSI、およびSRの各信号を送信する際に使用されるフレームフォーマットの一例である。
なお、図7に示す周波数多重は一例であり、これに限定されず、どのように周波数軸上で配置されてもよい。図7では、基地局10の1回のビームスウィーピング動作は、3つのタイミングから構成されている。基地局10は、第1、第2、および第3タイミングにおいて、それぞれビームを向ける方向を変えている。基地局10では、複数の端末20からCSIおよびSRを受信することになるが、CSIおよびSRはいずれも、自基地局10と通信を行っている端末20から受信するものである。そのため、基地局10は、端末に対して周波数および時間のリソースを割り当てる際、各端末20に対して図7に示すような周波数のリソースを割り当てることで、各信号が周波数多重された信号を受信することが可能となる。
このように端末20がPRACH、CSI、およびSRの送信タイミングを同一とし、基地局10がPRACH、CSI、およびSRの受信タイミングを同一とすることで、基地局10は、1回のビームスウィーピング動作でサービスエリア50全体から必要な信号を受信し、各信号を個別に受信する場合と比較して、データ送受信用の時間リソースを多く確保することができる。なお、図7では、1回の送受信タイミングでCSIおよびSRを2端末分のみ周波数多重しているが、これは図の都合上の問題であり、実際には、周波数軸上で可能な限り多くの端末20のCSIおよびSRを周波数多重することが可能である。また、図7では、基地局10が3回の受信タイミングでサービスエリア50全体にビームを照射する例を示しているが、他の回数となっても同じ考え方が適用できる。また、図7では図示していないが、基地局10が同時生成可能なビーム数をLとした場合、基地局10は、1回の受信タイミングで最大L方向にビームを向け、図7に示すフォーマットでPRACH、CSI、およびSRを受信する。このとき、基地局10では、ビーム毎にCSI、およびSRを受信するターゲットの端末20は異なることになる。
なお、端末20では、PRACHの送信周期に対して、CSIおよびSRの送信周期が長くなることも考えられる。その場合、端末20は、送信周期を長くする対象信号であるCSIおよびSRの送信を間引くのみで、残りの信号であるPRACHを同一タイミングとし、ビームスウィーピング動作を同期させることが可能である。
図8は、実施の形態1にかかる基地局10が端末20から送信された各信号を受信するときの他の例を示す図である。図8は、端末20から基地局10に複数の信号、具体的に、PRACH、CSI、およびSRの各信号を送信する際に使用されるフレームフォーマットの他の例である。図8では、CSIおよびSRの送信周期がPRACHの送信周期よりも長い場合に、同一の端末20についてのCSIおよびSRは同一周波数位置を使用しながら、時間多重する方法を示している。この場合、同一タイミングでより多くの端末20を周波数多重できる。例えば、図7では2端末を周波数多重していたが、図8では4端末を周波数多重している。
なお、SRSも周期的に受信する必要がある場合、同様に、基地局10は、PRACH、CSI、およびSRに加えて、SRSも周波数多重し、同じビームスウィーピング動作のタイミングとすることが可能である。
つづいて、無線通信システム100の各装置の構成について説明する。
図9は、実施の形態1にかかる基地局10の構成例を示すブロック図である。基地局10は、制御部11と、変復調部12と、送受信部13と、アンテナ部14と、を備える。なお、図9では、基地局10は、アンテナ部14の他に複数のアンテナ素子を有するようにも見えるが、複数のアンテナ素子を含めてアンテナ部14とする。
制御部11は、端末20との通信中、基地局10がネットワークインタフェースを介して接続しているネットワークから到着する各端末20へのデータを受け取る。制御部11は、各端末20へデータを送信するタイミング、または送信する際に使用する周波数リソースおよび時間リソースの管理を行っている。
また、制御部11は、端末20からデータを受けるためのタイミング、受ける際に使用する周波数リソースおよび時間リソースの管理も行っている。さらに、制御部11は、SS、PBCH、SI、BRS、CSI−RSの送信タイミング、および、PRACH、CSI、SR、SRSの受信タイミングを管理し、これらの各信号の周波数リソースの管理も行っている。制御部11は、図7および図8に示すフレームフォーマットにより複数の端末20からCSIおよびSRなどの信号を受信する場合、各端末20に対して他の端末20と周波数リソースおよび時間リソースが重ならないように、周波数リソースおよび時間リソースを割り当てる。
制御部11は、SS、PBCH、SI、BRS、およびCSI−RSの送信タイミングになると、それぞれの信号を変復調部12へ周波数リソースの情報と共に通知する。また、制御部11は、ある特定の端末20に対して、データを送信することを決定すると、送信すべきデータの信号を変復調部12へ受け渡す。いずれの場合でも、制御部11は、アンテナ部14に対して、ビームを向ける方向を指示する。ビームを向ける方向とは、図5などに示すビームスウィーピングにおける第1、第2、および第3タイミングのうちのいずれかのタイミングで示される方向である。
変復調部12は、受け取った信号に対して変調を行い、変調後の信号である変調信号を送受信部13に受け渡す。
送受信部13は、受け取った変調信号をデジタル信号からアナログ信号に変換し、さらに、無線周波数にアップコンバートしてアナログ信号を変換する。送受信部13は、変換後の信号をアンテナ部14に受け渡す。
アンテナ部14は、送受信部13で変換された信号を端末20へ送信する。このとき、アンテナ部14は、制御部11の制御によって、信号を送信する先の端末20の方向にビームを向けて信号を送信する。
PRACH、CSI、SR、およびSRSの受信タイミングになったとき、または制御部11がある特定の端末20からデータを受け取ることを決定した場合、アンテナ部14は、制御部11の制御によって、受信方向にビームを向けて信号を受信する。アンテナ部14は、受信した信号を送受信部13に受け渡す。
送受信部13は、アンテナ部14で受信された信号の周波数をダウンコンバートし、さらに、ダウンコンバート後の信号をアナログ信号からデジタル信号に変換する。送受信部13は、デジタル信号に変換後の信号を変復調部12に受け渡す。
変復調部12は、受け取った信号に対して信号復調を行い、復調後の信号またはデータを制御部11に受け渡す。
制御部11は、受け取ったデータを、ネットワークインタフェースを介してネットワークへ流す。また、制御部11は、受け取った信号がPRACHの場合、PRACHに対するレスポンスを端末20へ返す処理を行う。また、制御部11は、受け取った信号がCSIの場合、CSIで示される情報を蓄積しておき、次に対象の端末20へデータを送信する際の変調方式および誤り訂正符号化率の選択の材料とする。また、制御部11は、受け取った信号がSRの場合、対象の端末20へ上りデータの送受信用リソースの割当処理を行う。また、制御部11は、受け取った信号がSRSの場合、SRSで示される測定結果を蓄積しておき、対象の端末20へ上りデータの送受信用リソースの割当処理の際に変調方式および誤り訂正符号化率の選択の材料とする。
このように、制御部11は、自基地局10のサービスエリア50に存在する端末20に対して各端末に共通な複数の信号を送信する場合、サービスエリア50のうち、ビーム40を使用して同時に送信が可能なエリアにおいて、複数の信号の送信タイミングを同一タイミングとし、かつ、周波数軸上で複数の信号を周波数多重し、エリアを変えながら複数の信号を複数回送信することでサービスエリア50に存在する端末20に複数の信号を送信する制御を行う。また、アンテナ部14は、制御部11の制御によりビーム40の方向を変えて、エリア単位で複数の信号を送信する。
また、制御部11は、複数の信号のうち、1つ以上の第1の信号が第1の信号以外の第2の信号よりも送信周期が長い場合、第1の信号の送信可能なタイミングを第2の信号の送信タイミングと同一としつつ、第1の信号を間引いて送信する制御を行う。前述の例では、第1の信号はSIであり、第2の信号はSS、PBCH、およびBRSなどである。
また、制御部11は、複数の信号のうち、2つ以上の第3の信号が第3の信号以外の第4の信号よりも送信周期が長い場合、2つ以上の第3の信号について、自基地局10の送信リソースおよび端末20の受信リソースとして同一周波数位置を割り当て、かつ、時間多重して送信する制御を行う。前述の例では、第3の信号はSI1およびSI2であり、第4の信号はSS、PBCH、およびBRSなどである。
また、制御部11は、自基地局10のサービスエリア50に存在する端末20から複数の信号を受信する場合、サービスエリア50のうち、ビーム40を使用して同時に受信が可能なエリアにおいて、複数の信号の受信タイミングを同一タイミングとし、かつ、周波数軸上で複数の信号を周波数多重し、エリアを変えながら複数の信号を複数回受信することでサービスエリア50に存在する端末20からの複数の信号を受信する制御を行う。また、アンテナ部14は、制御部11の制御によりビーム40の方向を変えて、エリア単位で複数の信号を受信する。
また、制御部11は、複数の信号のうち、1つ以上の第1の信号が第1の信号以外の第2の信号よりも送受信周期が長い場合、端末20による第1の信号の送信可能なタイミングを第2の信号の送信タイミングと同一としつつ、端末20に対して第1の信号を間引いて送信させる制御を行う。前述の例では、第1の信号はCSIおよびSRであり、第2の信号はPRACHである。
また、制御部11は、複数の信号のうち、2つ以上の第3の信号が第2の信号以外の第4の信号よりも送受信周期が長い場合、2つ以上の第3の信号について、端末20の送信リソースおよび自基地局10の受信リソースとして同一周波数位置を割り当て、かつ、端末20に時間多重して送信させる制御を行う。前述の例では、第3の信号はCSIおよびSRであり、第4の信号はPRACHである。
図10は、実施の形態1にかかる端末20の構成例を示すブロック図である。端末20は、制御部21と、変復調部22と、送受信部23と、アンテナ部24と、を備える。なお、図10では、端末20は、アンテナ部24の他にアンテナ素子を有するようにも見えるが、アンテナ素子を含めてアンテナ部24とする。
制御部21は、初期接続またはハンドオーバのとき、変復調部22、送受信部23、およびアンテナ部24へそれぞれ同期信号の信号パターンの検出および信号強度の測定をするように指示を出す。また、制御部21は、同期信号を検出した場合、PBCHおよびSIも受信するように指示を出す。また、制御部21は、基地局10と通信中でBRSの受信タイミングのとき、変復調部22、送受信部23、およびアンテナ部24に対して、それぞれBRSを受信および測定するよう指示を出す。また、制御部21は、BRS以外のデータを受信する可能性があるタイミングでは、いつでも自端末20宛の信号を受信および復調できるように、変復調部22、送受信部23、およびアンテナ部24に対して指示を出す。
アンテナ部24は、受信した信号を送受信部23へ受け渡す。
送受信部23は、アンテナ部24で受信された信号の周波数をダウンコンバートし、さらに、ダウンコンバート後の信号をアナログ信号からデジタル信号に変換する。送受信部23は、デジタル信号に変換後の信号を変復調部22に受け渡す。
変復調部22は、受け取った信号に対して信号復調を行い、復調後の信号またはデータを制御部21に受け渡す。
制御部21は、受け取ったデータについて、例えば、データに対応したソフトウェアを実行することにより、データに応じた処理を行う。また、制御部21は、受け取った信号が同期信号の場合、信号強度測定結果に基づいて、初期接続またはハンドオーバを行う基地局の候補を選択する。また、制御部21は、受け取った信号がPBCH、SIの場合、PRACHを送信するための情報を獲得する。また、制御部21は、受け取った信号がBRSの場合、BRSで示される測定結果から通信中の基地局10の中で通信を行うのに適したビーム候補を判定する。
また、上り回線の処理として、制御部21は、基地局10との通信中において自端末20で発生したデータを検出し、基地局10から割り当てられた周波数および時間のリソースに従って、検出したデータを変復調部22に受け渡す。また、制御部21は、PRACH、CSI、SR、およびSRSを送信するタイミングでは、各信号に対応する信号を変復調部22へ受け渡す。
変復調部22は、受け取ったデータまたは信号に対して変調を行い、変調後の信号である変調信号を送受信部23に受け渡す。
送受信部23は、受け取った変調信号をデジタル信号からアナログ信号に変換し、さらに、無線周波数にアップコンバートしてアナログ信号を変換する。送受信部23は、変換後の信号をアンテナ部24に受け渡す。
アンテナ部24は、送受信部23で変換された信号を基地局10へ送信する。
このように、端末20において、制御部21は、基地局10から、複数の信号が周波数軸上で周波数多重された信号を受信することによって、複数の信号を同一タイミングで受信する制御を行う。
また、制御部21は、基地局10に対して、複数の信号の送信タイミングを同一タイミングとし、かつ、周波数軸上で複数の信号を周波数多重して送信する制御を行う。
つづいて、基地局10の動作を、フローチャートを用いて説明する。図11は、実施の形態1にかかる基地局10において端末20に信号を送信する処理を示すフローチャートである。基地局10は、制御部11の制御により、自基地局10のサービスエリア50に存在する端末20に送信する共通な複数の信号を周波数軸上で周波数多重し、複数の信号を同一タイミングで送信する(ステップS1)。サービスエリア50全体への送信が終了していない場合(ステップS2:No)、基地局10は、制御部11の制御により、アンテナ部14によって形成されるビームの方向を変えて(ステップS3)、ステップS1の処理に戻って送信処理を継続する。サービスエリア50全体への送信が終了した場合(ステップS2:Yes)、基地局10は、制御部11の制御により、送信処理を終了する。
図12は、実施の形態1にかかる基地局10において端末20からの信号を受信する処理を示すフローチャートである。基地局10は、制御部11の制御により、自基地局10のサービスエリア50に存在する複数の端末20から送信される複数の信号を周波数軸上で周波数多重し、複数の信号を同一タイミングで受信する(ステップS11)。サービスエリア50全体からの受信が終了していない場合(ステップS12:No)、基地局10は、制御部11の制御により、アンテナ部14によって形成されるビームの方向を変えて(ステップS13)、ステップS11の処理に戻って受信処理を継続する。サービスエリア50全体からの受信が終了した場合(ステップS12:Yes)、基地局10は、制御部11の制御により、受信処理を終了する。
つづいて、基地局10および端末20のハードウェア構成について説明する。図13は、実施の形態1にかかる基地局10および端末20を実現するハードウェア構成の例を示す図である。基地局10は、例えば、プロセッサ31、メモリ32、送信機33、受信機34、およびアンテナ装置35により実現される。
プロセッサ31は、CPU(Central Processing Unit、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサ、DSPともいう)、システムLSI(Large Scale Integration)などである。
メモリ32は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリー、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read−Only Memory)などの不揮発性または揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD(Digital Versatile Disc)などである。
基地局10の制御部11および変復調部12は、プロセッサ31およびメモリ32に格納されているプログラムにより実現される。具体的には、プロセッサ31が、各部の動作を行うためのプログラムをメモリ32から読み出して実行することにより実現される。
送受信部13は、送信機33および受信機34により実現される。すなわち、送受信部13における送信処理は、送信機33において実施され、送受信部13における受信処理は、受信機34において実施される。アンテナ部14は、アンテナ装置35により実現される。
図14は、実施の形態1にかかる基地局10および端末20を実現するハードウェア構成の他の例を示す図である。図13に示すプロセッサ31およびメモリ32の部分を処理回路36に置き換えたものである。処理回路36は、専用のハードウェアの場合、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、またはこれらを組み合わせたものである。基地局10の制御部11および変復調部12の各機能を機能別に処理回路36で実現してもよいし、各機能をまとめて処理回路36で実現してもよい。なお、基地局10の制御部11および変復調部12の各機能について、一部を専用のハードウェアで実現し、一部をソフトウェアまたはファームウェアで実現するようにしてもよい。このように、処理回路は、専用のハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせによって、上述の各機能を実現することができる。
また、図10に示す端末20についても同様に、制御部21および変復調部22は、プロセッサ31およびメモリ32に格納されているプログラムにより実現される。プロセッサ31が、各部の動作を行うためのプログラムをメモリ32から読み出して実行することにより実現される。または、制御部21および変復調部22は、処理回路36により実現される。
送受信部23は、送信機33および受信機34により実現される。すなわち、送受信部23における送信処理は、送信機33において実施され、送受信部23における受信処理は、受信機34において実施される。アンテナ部24は、アンテナ装置35により実現される。
以上説明したように、本実施の形態によれば、基地局10は、サービスエリア50に存在する端末20に共通な複数の信号、具体的には、SS、PBCH、SI、BRS、およびCSI−RSなどの送受信を同一タイミングで行い、ビームスウィーピングのタイミングを同期させ、また、サービスエリア50に存在する端末20から送信される複数の信号、具体的には、PRACH、CSI、SR、およびSRSなどの送受信を同一タイミングで行い、ビームスウィーピングのタイミングを同期させることとした。これにより、基地局10は、各信号の送受信タイミングを独立して設定する場合と比較して、周波数および時間のリソースを効率的に使用することができ、データの送受信に使用することのできるリソースを多く確保することができる。
実施の形態2.
実施の形態1では、基地局10がCSI−RSを周期的に送信する場合、SS、PBCH、SI、およびBRSと同じ送信タイミングとし、周波数多重する場合について説明した。しかしながら、時間経過によるチャネル品質の変動が速い場合には、基地局10は、CSI−RSの送信周期を短くする必要があり、この場合にはCSI−RSをSS、PBCH、SI、およびBRSと同じ送信タイミングとすることができない。実施の形態2では、周期的に送信するCSI−RSについて別途専用のフォーマットを定義し、基地局10がSSなどとは別のタイミングで送信する場合について説明する。また、端末20がCSI−RSに対して周期的に送信するCSIについても、CSI−RSと同一フレームフォーマット内に定義する。実施の形態1と異なる部分について説明する。
実施の形態2において、無線通信システム100、基地局10、および端末20の構成は、実施の形態1と同様とする。
図15は、実施の形態2にかかる基地局10および端末20の間で送受信されるCSI−RSおよびCSIについての専用のフレームフォーマットの例を示す図である。CSI−RS1は、基地局10から、図5のビームスウィーピング第1タイミングで定義されるエリアへ送信されるCSI−RSである。同様に、CSI−RS2およびCSI−RS3は、基地局10から、それぞれ図5のビームスウィーピング第2タイミングおよび第3タイミングで定義されるエリアへ送信されるCSI−RSである。また、CSI1は、図5のビームスウィーピング第1タイミングで定義されるエリアに存在する端末20が送信するCSIである。同様に、CSI2およびCSI3は、それぞれ図5のビームスウィーピング第2タイミングおよび第3タイミングで定義されるエリアに存在する端末20が送信するCSIである。
無線通信システム100では、このCSI−RSおよびCSIが定義された専用のフレームフォーマットを周期的に配置する。例えば、時間t1でCSI−RSxの測定を行った端末20は、時間t2のCSIxで測定結果を報告する。また、1台の端末20がCSI−RS1からCSI−RS3までの全てを測定して報告するケースも考えられるが、この場合でも対象の端末20があらかじめ設定された報告タイミングCSIxで報告すればよい。報告する時間は、測定対象のCSI−RSxが存在する時間t1と同一の時間t1に設定されることも可能であるし、1周期後のCSI−RSおよびCSIの専用フレームフォーマットが存在する時間t2に設定されることも可能である。さらに、報告する時間は、測定対象のCSI−RSxが存在する時間t1からK周期後のCSI−RSおよびCSIの専用フレームフォーマットが存在する時間に設定されることも可能である。すなわち、無線通信システム100において、CSI−RSおよびCSIの専用フレームフォーマットの配置周期と、各端末20がCSI−RSを測定して報告するまでの時間長は、独立して設定されることが可能である。
図16は、実施の形態2にかかる基地局10および端末20において送受信されるCSI−RSおよびCSIの専用フレームフォーマットを周波数軸上で表現した例を示す図である。CSI−RSxは、ビームスウィーピング第xタイミングで定義されるエリアに存在する端末20、またはサービスエリア50全体の端末20に共通するものである。無線通信システム100が広帯域システムの場合、各周波数帯域で回線品質が異なる場合があるため、全周波数帯域に渡って万遍なくCSI−RSを送受信できるようにする。また、基地局10は、同時生成可能なビーム数がL本の場合、L本のビームでそれぞれCSI−RSを送信してもよい。一方、CSIは各端末20が報告するものであるため、同一タイミングでCSIを報告する複数の端末20についてのリソースは、周波数多重が行われる。
上記で説明した実施の形態2の機能については、基地局10の制御部11、および端末20の制御部21に、実施の形態2の機能を追加することで実現可能である。基地局10において、制御部11は、CSI−RSおよびCSIの送受信タイミングであると判断した場合、CSI−RSの信号パターンを変復調部12に受け渡す。制御部11は、アンテナ部14に対してビームスウィーピングによる各ビームの送信方向を指示する。また、制御部11は、CSI受信においても、アンテナ部14に対してビームスウィーピングによる各ビームの受信方向を指示する。制御部11は、変復調部12から信号を受け取り、CSIで示される情報を蓄積し、対象の端末20への次のデータ送信の機会において、変調方式および誤り訂正符号化率の選択に用いる。
端末20において、制御部21は、CSI−RSの測定タイミングであれば、アンテナ部24、送受信部23、および変復調部22にそれぞれCSI−RSの測定指示を出す。また、制御部21は、測定結果をCSIのフォーマットへ変換し、CSIの送信タイミングで変復調部22へCSI信号を受け渡す。
ここで、発明が解決しようとする課題のところで説明した、第5世代移動通信システムに用いるものとして3GPPで検討されているフレームフォーマットについて説明する。図17は、第5世代移動通信システムに用いるものとして3GPPで検討されているフレームフォーマットの例を示す図である。図17(a)は、先頭にControlで示される下り回線を使った下り回線または上り回線に関する制御信号領域、真ん中にDL Dataで示される下り回線を使ったデータ信号領域、最後にA/Nで示される上り回線を使った下り回線のACK/NACK信号通知領域を定義している。ACK/NACKとは、下りデータ信号を正しく受信できたか否かを示す信号である。図17(b)は、先頭にControlで示される下り回線を使った下り回線または上り回線に関する制御信号領域、真ん中にUL Dataで示される上り回線を使ったデータ信号領域、最後にA/Nで示される上り回線を使った下り回線のACK/NACK信号通知領域を定義している。図17に示す空白領域、具体的にはDL DataとA/Nとの間、およびControlとUL Dataとの間は、ギャップと呼ぶ区間である。下り回線および上り回線を同一周波数で扱うTDD(Time Division Duplex)方式では、端末20の回路構成、また、基地局10と端末20との間で無線信号の伝搬遅延が存在することを考えると、基地局10が信号を下り回線で送りきってから、上り回線で端末20からの信号を受信し始めるまでに空白時間が生じる。これを考慮して、現在検討されているフレームフォーマットにはギャップ区間が存在する。
仮に、図17に示すフレームフォーマットにCSI−RSおよびCSIを追加する場合、図17に示す2種類のフレームフォーマットに対して、それぞれ、CSI−RSのみを追加したフレームフォーマット、CSIのみを追加したフレームフォーマット、CSI−RSおよびCSIの両方を追加したフレームフォーマットを規定化するとフレームフォーマットの数が増え、制御が複雑になってしまう。そのため、CSI−RSおよびCSIの送受信を周期的に実施する場合、実施の形態2のように、CSI−RSおよびCSIの専用フォーマットを定義することで、図17に示すフレームフォーマット以外に1つのフレームフォーマットを追加するのみでCSI−RSの測定およびCSIの報告が実現可能である。
このように、基地局10において、制御部11は、CSI−RSおよびCSIを、CSI−RSおよびCSIの送受信専用に定義されたフレームフォーマットを用いて、自基地局10と端末20との間でCSI−RSおよびCSIを送受信する制御を行う。CSI−RSは、基地局10から送信する品質測定用信号である。CSIは、端末20がCSI−RSを受信し受信品質を測定して測定結果を基地局10に報告する信号である測定結果報告である。
また、制御部11は、端末20に対してCSI−RSを送信した第1のフレームフォーマット以降のタイミングの第2のフレームフォーマットによって、第1のフレームフォーマットのCSI−RSに対するCSIを端末20から受信する制御を行う。前述の例では、図15に示す時間t1のフレームフォーマットが第1のフレームフォーマットであり、時間t2のフレームフォーマットが第2のフレームフォーマットである。
また、端末20において、制御部21は、CSI−RSおよびCSIを、CSI−RSおよびCSIの送受信専用に定義されたフレームフォーマットを用いて、基地局10と自端末20との間でCSI−RSおよびCSIを送受信する制御を行う。
また、制御部21は、自端末20に対するCSI−RSを受信した第1のフレームフォーマット以降のタイミングの第2のフレームフォーマットによって、第1のフレームフォーマットのCSI−RSに対するCSIを自端末20から送信する制御を行う。前述の例では、図15に示す時間t1のフレームフォーマットが第1のフレームフォーマットであり、時間t2のフレームフォーマットが第2のフレームフォーマットである。
図18は、実施の形態2にかかる基地局10において端末20に品質測定用の信号を送信する処理を示すフローチャートである。基地局10において、制御部11は、端末20に送信する信号が品質測定用の信号、すなわちCSI−RSの場合(ステップS21:Yes)、専用のフレームフォーマットを使用する(ステップS22)。制御部11は、端末20に送信する信号が品質測定用の信号以外、すなわちCSI−RS以外の場合(ステップS21:No)、データ領域を含むフレームフォーマットを使用する(ステップS23)。
図19は、実施の形態2にかかる端末20において基地局10に品質測定の結果である測定結果報告の信号を送信する処理を示すフローチャートである。端末20において、制御部21は、基地局10に送信する信号が測定結果報告の信号、すなわちCSIの場合(ステップS31:Yes)、専用のフレームフォーマットを使用する(ステップS32)。制御部21は、基地局10に送信する信号が測定結果報告以外、すなわちCSI以外の場合(ステップS31:No)、データ領域を含むフレームフォーマットを使用する(ステップS33)。
以上説明したように、本実施の形態によれば、基地局10および端末20は、CSI−RSおよびCSIを周期的に送受信する場合、専用のフレームフォーマットを使用することとした。これにより、基地局10および端末20は、効率的に周波数および時間リソースを使用しながらCSI−RSおよびCSIを送受信することができる。特に、基地局10は、CSI−RSおよびCSIの送受信周期がSS、PBCH、SI、およびBRSの送受信周期よりも短いことなどを理由に、CSI−RSおよびCSIをSS、PBCH、SI、およびBRSとは独立させて送受信する場合にはリソースの使用効率がよい。図15のようにCSI−RS1、CSI−RS2、CSI−RS3、CSI1、CSI2、およびCSI3を同一時間帯にまとめることにより、基地局10は、複数の端末20それぞれと個別にCSI−RSおよびCSIの送受信を行うことに比べて、1つのCSI−RSが複数の端末20向けの測定用信号として定義でき、また、CSIは周波数多重が可能となり、周波数リソースの使用に無駄がなくなる。さらに、基地局10および端末20は、連続する時間にCSI−RSおよびCSIの送受信タイミングを設けることで、不連続なタイミングでCSI−RSおよびCSIの送受信を行うことに比べ、例えば、データ送受信のための時間リソースを連続的に確保しやすくなるため、データ送受信のための制御情報単位が無駄に複数発生することなく、制御オーバーヘッドが減少する効果が得られる。
実施の形態3.
実施の形態2では、基地局10および端末20が、CSI−RSおよびCSIの送受信動作を周期的に行う前提であった。しかしながら、基地局10および端末20では、これらの信号の送受信動作を周期的ではなく、必要に応じて実施するケースが考えられる。このような場合、専用のフレームフォーマットを使用するよりも、図17に示すフレームフォーマットにCSI−RSおよびCSIの領域を追加するフォーマットを使用することが好ましい。実施の形態3では、CSI−RSおよびCSIの送受信動作を必要に応じて実施する場合について説明する。実施の形態1,2と異なる部分について説明する。なお、図17は実施の形態2で説明済みである。
実施の形態3において、無線通信システム100、基地局10、および端末20の構成は、実施の形態1,2と同様とする。
図20は、実施の形態3にかかる基地局10および端末20においてCSI−RSおよびCSIの送受信において使用されるフレームフォーマットの例を示す図である。図20に示すフレームフォーマットは、図17に示すフレームフォーマットをベースにCSI−RSおよびCSIのいずれか、または両方の領域を追加したものである。図20(a−1)のフレームフォーマットは、図17(a)のフレームフォーマットにCSI−RSの領域のみを追加したものである。図20(a−2)のフレームフォーマットは、図17(a)のフレームフォーマットにCSIの領域のみを追加したものである。図20(a−3)のフレームフォーマットは、図17(a)のフレームフォーマットにCSI−RSおよびCSIの領域を追加したものである。また、図20(b−1)のフレームフォーマットは、図17(b)のフレームフォーマットにCSI−RSの領域のみを追加したものである。図20(b−2)のフレームフォーマットは、図17(b)のフレームフォーマットにCSIの領域のみを追加したものである。図20(b−3)のフレームフォーマットは、図17(b)のフレームフォーマットにCSI−RSおよびCSIの領域を追加したものである。
図20(a−1)または図20(b−1)のフレームフォーマットを使用する場合、基地局10は、Control領域で、CSI−RSを測定する必要がある端末20に対して測定指示を出す。このとき、基地局10は、CSIの報告タイミングも同時に指定する。端末20は、基地局10から指定された報告タイミングにおいて、図20(a−2)、図20(a−3)、図20(b−2)、または図20(b−3)に示すフレームフォーマットを使用する。基地局10は、CSI−RSの測定指示と同時に端末20に対してCSI報告タイミングを指示するのではなく、独立して指示してもよい。この場合でも、端末20は、CSI報告には図20(a−2)、図20(a−3)、図20(b−2)、または図20(b−3)に示すフレームフォーマットを使用することができる。また、基地局10は、これらのフレームフォーマット内のControl領域で、CSI報告を指示することができる。
基地局10は、図20(a−3)または図20(b−3)に示すフレームフォーマットを使用してCSI−RSの測定を指示する場合にも、Control領域を使用することができる。基地局10において、CSIの報告タイミングの指示は、CSI−RSの測定指示と同一のControl領域を用いて同時に行うことができる。また、基地局10は、CSI−RSの測定指示と同時に端末20に対してCSI報告タイミングを指示するのではなく、独立して指示してもよい。いずれの場合でも、端末20は、CSI報告には図20(a−2)、図20(a−3)、図20(b−2)、または図20(b−3)に示すフレームフォーマットを使用することができ、基地局10は、これらのフレームフォーマット内のControl領域で、CSI報告を指示することができる。
図20に示すようにデータ領域、CSI−RS領域、およびCSI領域を1つのフレームフォーマットに搭載した場合、データ領域を使用する端末20と、CSI−RS領域またはCSI領域を使用する端末20とは異なるため、データ領域を使用する端末20にもCSI−RS領域およびCSI領域のいずれかまたは両方の存在を知らせる必要がある。図20からも明らかなように、データ領域の長さが異なるからである。そのため、基地局10は、図20に示す全てのフレームフォーマットにおいて、DL Dataを使用してデータを受ける端末20、またはUL Dataを使用してデータを送信する端末20に対して、データ領域の長さを通知する。あるいは、基地局10は、CSI−RS領域またはCSI領域が存在しないフレームフォーマットを使用する場合はデータ領域の長さを通知せず、CSI−RS領域またはCSI領域が存在するフレームフォーマットを使用する場合のみデータ領域の長さを通知する方法もある。また、基地局10は、フレームフォーマット内のデータ領域の長さを通知するのではなく、端末20に対して、図20に記載したようなフレームフォーマットを識別するための識別番号を通知する方法でもよい。この場合、無線通信システム100の基地局10および端末20において、フレームフォーマットの識別番号と、識別番号に対応するフレームフォーマットにおけるデータ領域の長さとの対応関係が既知であるものとする。
上記で説明した実施の形態3の機能については、基地局10の制御部11、および端末20の制御部21に、実施の形態3の機能を追加することで実現可能である。基地局10において、制御部11は、CSI−RS領域およびCSI領域のうち少なくとも一方を含むフレームフォーマットを使用する場合、CSI−RSを測定する端末20に対するCSI−RS測定の指示およびCSI報告の指示、またCSI−RSおよびCSIのリソース位置の情報を、Control領域内の制御信号に含めて、変復調部12に受け渡す。制御部11は、アンテナ部14を端末20の存在する方向へビームを向けるように指示する。
また、基地局10において、制御部11は、端末20からCSIを受信する場合、CSIを送信してくる端末20の方向へビームを向けるようアンテナ部14に指示する。さらに、制御部11は、CSI−RSまたはCSIではなくデータを送信する相手の端末20に対して、または上り回線のデータ領域を割り当てる端末20に対して通知するため、データ領域の長さまたはフレームフォーマットの識別番号の情報をControl領域内の制御信号に含めて、変復調部12に受け渡す。制御部11は、アンテナ部14を端末20の存在する方向へビームを向けるように指示する。図20に示すフレームフォーマットではデータ領域が短くなるため、制御部11は、短くなった時間分のみ、送受信対象である端末20に対してビームを向けるようにアンテナ部14へ指示を出す。
Control領域においてCSI−RSの測定を指示された端末20では、制御部21が、変復調部22、送受信部23、およびアンテナ部24にCSI−RS測定タイミングで信号測定するように指示を出す。また、制御部21は、測定結果を、CSI領域を含むフレームフォーマットに変換し、CSI報告タイミングで変復調部22へ受け渡す。
Control領域に含まれる指示により下り回線のデータ受信が必要と判断した端末20は、データ領域の長さの情報を取得し、検出したデータ領域の長さでデータの受信、復調、および復号を行うよう、制御部21が、変復調部22、送受信部23、およびアンテナ部24へ指示する。また、Control領域に含まれる指示により上り回線のデータ領域を割り当てられた端末20では、制御部21が、データ領域の長さの情報を取得し、検出したデータ領域の長さに対応したデータ量のデータを変復調部22へ受け渡す。
以上のように、CSI−RS領域およびCSI領域を、データ領域を持つフレームフォーマットに追加定義することで新しいフレームフォーマットを作成する。基地局10は、どのフレームフォーマットを使用するか、またはデータ領域の長さの情報を対象の端末20に通知する。これにより、CSI−RSおよびCSIの送受信を必要とする端末20が1台または少数台数のみである場合、基地局10は、特定の端末20にはCSI−RSおよびCSIの送受信を指示しつつ、同時に他の端末20との間でデータ送受信を実施できることから、無線リソースを効率的に使用することができる。
このように、基地局10において、制御部11は、データ領域を持つフレームフォーマットに、CSI−RSの領域、またはCSI−RSの領域およびCSIの領域が定義されたフレームフォーマットを用いて自基地局10と端末20との間でCSI−RSを送受信し、データ領域を持つフレームフォーマットに、CSIの領域、またはCSI−RSの領域およびCSIの領域が定義されたフレームフォーマットを用いて自基地局10と端末20との間でCSIを送受信する制御を行う。また、制御部11は、データ領域を持つフレームフォーマットであってCSI−RSの領域およびCSIの領域が定義されていないフレームフォーマットを含めて、使用するフレームフォーマットの情報をフレームフォーマット中の制御信号領域に含めて端末20へ通知する制御を行う。
また、制御部11は、データ領域を使用する端末20に対し、データ領域の長さ、または使用しているフレームフォーマットを識別するためのフレームフォーマットの識別番号の情報を制御信号領域に含めて端末20へ通知する制御を行う。
また、端末20において、制御部21は、データ領域を持つフレームフォーマットに、CSI−RSの領域、またはCSI−RSの領域およびCSIの領域が定義されたフレームフォーマットを用いて基地局10と自端末20との間でCSI−RSを送受信し、データ領域を持つフレームフォーマットに、CSIの領域、またはCSI−RSの領域およびCSIの領域が定義されたフレームフォーマットを用いて基地局10と自端末20との間でCSIを送受信する制御を行う。また、制御部21は、基地局10から、データ領域を持つフレームフォーマットであってCSI−RSの領域およびCSIの領域が定義されていないフレームフォーマットを含めて、使用するフレームフォーマットの情報をフレームフォーマット中の制御信号領域によって通知を受ける。
また、制御部21は、自端末20がデータ領域を使用する場合、基地局10から、データ領域の長さ、または使用しているフレームフォーマットを識別するためのフレームフォーマットの識別番号の情報を制御信号領域によって通知を受ける。
図21は、実施の形態3にかかる基地局10において端末20に対して使用するフレームフォーマットの情報を通知する処理を示すフローチャートである。基地局10において、制御部11は、いずれかの信号を送信する場合、データ領域においてCSI−RS領域およびCSI領域の少なくとも1つを含むフレームフォーマット、または、データ領域においてCSI−RS領域およびCSI領域を含まないフレームフォーマット、のいずれかを使用することを決定する(ステップS41)。制御部11は、使用するフレームフォーマットの情報を制御信号領域に含めて、決定したフレームフォーマットを用いて信号を端末20へ送信する制御を行う(ステップS42)。
以上説明したように、本実施の形態によれば、基地局10および端末20は、CSI−RSおよびCSIを周期的に送受信しない場合、専用のフレームフォーマットを使用せず、データ領域を持つフレームフォーマットに、CSI−RSの領域およびCSIの領域の少なくとも1つを新たに定義したフレームフォーマットを使用することとした。CSI−RSおよびCSIの送受信を周期的に行わない場合、実施の形態2で示したような専用フレームフォーマットでは全ての領域を使用することがなく、リソース使用の面で非効率であるが、本実施の形態で示したようなフレームフォーマットであれば、使用しない領域が発生することなく、基地局10および端末20は、効率的に周波数および時間のリソースを使用することができる。また、基地局10は、CSI−RSの領域およびCSIの領域の少なくとも1つの領域を追加することでデータ領域の長さが変化することから、データ領域の長さに影響を与える端末20に対して、データ領域の長さ、または使用するフレームフォーマットの識別番号などを通知することとした。これにより、基地局10は、データを送受信するフレームフォーマットにおいて、データを送受信する必要がある端末20とはデータの長さを誤ることなく送受信でき、それと同時にCSI−RSおよびCSIの少なくとも1つを送受信する必要がある端末20とはCSI−RSおよびCSIの少なくとも1つを送受信することができる。なお、本フレームフォーマットは、CSI−RSおよびCSIを周期的に送受信するが、送受信する端末20の数が少ない場合にも使用できる。この場合でも、実施の形態2で示した専用フレームフォーマットでは空領域が発生してしまうが、本実施の形態で示したフレームフォーマットであれば空領域は発生しない。
実施の形態4.
実施の形態3では、CSIを報告するための領域をデータ領域に設けたことからデータ領域が短くなっていた。実施の形態4では、CSI領域についてはデータ領域を持つフレームフォーマットに追加せず、PRACHと同一タイミング上で定義する、すなわちPRACHとCSIとを同時に送信する場合について説明する。
実施の形態4において、無線通信システム100、基地局10、および端末20の構成は、実施の形態1と同様とする。
実施の形態4では、具体的に、基地局10は、図20(a−1)および図20(b−1)に示すフレームフォーマットのみを使って端末20に対してCSI−RSの測定を指示する。測定指示を受けた端末20は、測定結果を報告できるようになった以降のいずれかのPRACHの送信タイミングにおいて、あらかじめ予約されている自端末20のCSI報告リソース、すなわち周波数リソースおよび時間リソースを用いて報告する。
図22は、実施の形態4にかかる端末20がPRACHの送信とともにCSIの測定結果を報告する際に使用する各信号を周波数方向で多重して送信するときの例を示す図である。図22に示す各信号を周波数方向で多重する例は、実施の形態1の図7で示す各信号を周波数方向で多重する例に対して、SRの部分を全てCSIに置き換えたものと同様である。また、図22に示す各信号を周波数方向で多重する例は、実施の形態1の図8で示す各信号を周波数方向で多重する例に対して、SRの送信周期の時間帯の削除したときと同様である。
上記で説明した実施の形態4の機能については、基地局10の制御部11、および端末20の制御部21に、実施の形態4の機能を追加することで実現可能である。基地局10において、制御部11は、CSI−RS領域を含むフレームフォーマットを使用する場合、CSI−RSを測定する端末20に対して、CSI−RS測定指示とともに、CSI−RSのリソース位置の情報の制御信号をControl領域内に含むフレームフォーマットの信号を変復調部12へ受け渡し、アンテナ部14に対して対象の端末20の存在する方向へビームを向けるように指示する。また、基地局10において、制御部11は、対象の端末20からCSIを受信する場合、対象の端末20からPRACHを受信するタイミングで、対象の端末20のCSI報告リソースがどのビームスウィーピングのタイミングに存在するかを判定し、判定したタイミングで対象の端末20が存在する方向へビームを向けるように、アンテナ部14に対して指示する。基地局10において、データを送受信する端末20との間の動作は、実施の形態3のときと同様である。
Control領域にてCSI−RSの測定を指示された端末20では、制御部21が、変復調部22、送受信部23、およびアンテナ部24に対してCSI−RS測定タイミングで信号測定するように指示する。制御部21は、測定結果をCSIフォーマットに変換し、CSIを、PRACHと同一であるCSI報告タイミングで変復調部22へ受け渡す。
Control領域にて下り回線のデータ受信が必要と判断した端末20、および上り回線のデータ領域が割り当てられた端末20における動作は、実施の形態3のときと同様である。
以上のように、CSI−RSについては実施の形態3と同様、データ領域を持つフレームフォーマットに追加定義して新しいフォーマットを作成して送信する一方、CSIについてはPRACHとともに送信することとした。これにより、端末20からは、必ず周期的に存在すると考えられるPRACHの送信タイミングにて、余っている周波数方向のリソースを活用してCSIを送信することで、周波数方向のリソースの無駄を減らすことができる。また、端末20からPRACHとともにCSIを送信することにより、基地局10および端末20の間でデータの送受信を行っているタイミングのデータ領域を、CSI送受信によって減らされることを回避することができる。
このように、基地局10において、制御部11は、データ領域を持つフレームフォーマットにCSI−RSの領域が定義されたフレームフォーマットを用いて、自基地局10と端末20との間でCSI−RSを送受信し、端末20が自基地局10に対して周期的に送信する信号に使用されるフレームフォーマットにCSIの領域が定義されたフレームフォーマットを用いて、自基地局10と端末20との間でCSIを送受信する制御を行う。
また、端末20において、制御部21は、データ領域を持つフレームフォーマットにCSI−RSの領域が定義されたフレームフォーマットを用いて、基地局10と自端末20との間でCSI−RSを送受信し、自端末20が基地局10に対して周期的に送信する信号に使用されるフレームフォーマットにCSIの領域が定義されたフレームフォーマットを用いて、CSIを基地局10へ送信する制御を行う。
図23は、実施の形態4にかかる端末20において基地局10に対してCSIを送信する処理を示すフローチャートである。端末20において、制御部21は、基地局10からCSI−RSを受信すると(ステップS51)、CSI−RSを用いて受信品質を測定し(ステップS52)、測定したCSIをPRACHとともに基地局10へ送信する(ステップS53)。
以上説明したように、本実施の形態によれば、基地局10および端末20は、CSI−RSの送受信には実施の形態3と同様、データ領域を持つフレームフォーマットにCSI−RSの領域を新たに定義したフレームフォーマットを使用し、CSIについてはPRACHを送信するフレームフォーマットにCSIの領域を新たに定義したフレームフォーマットを使用してPRACHと同一タイミングで送信することとした。これにより、基地局10および端末20は、実施の形態3と比較して、データ領域を持つフレームフォーマットにおいてデータ領域を多く確保することができ、また、周波数帯域に余裕のあるPRACHとともに送信することで、効率良くCSIを送信することができる。
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。