以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はパチンコ遊技機に限られず、コイン遊技機、スロットマシン等のその他の遊技機であってもよく、遊技を行なうことが可能な遊技機であれば、どのような遊技機であってもよい。
[第1実施形態]
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。図2は当り種別表である。
パチンコ遊技機1は、遊技媒体としての遊技球を遊技領域7に打込んで遊技が行なわれる遊技機である。パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取付けられる機構板(図示せず)と、それらに取付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。パチンコ遊技機1では、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に打込んで遊技が行なわれる。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4、および、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5等が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取付けられている。遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
余剰球受皿(下皿)4を形成する部材には、たとえば下皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえば下皿の中央部分)等に、スティック形状(棒形状)に構成され、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒する操作が可能なスティックコントローラ122が取付けられている。なお、スティックコントローラ122には、遊技者がスティックコントローラ122の操作桿を操作手(たとえば左手等)で把持した状態において、所定の操作指(たとえば人差し指等)で押引操作すること等により所定の指示操作が可能なトリガボタン125(図3参照)が設けられ、スティックコントローラ122の操作桿の内部には、トリガボタン125に対する押引操作等による所定の指示操作を検知するトリガセンサ121(図3参照)が内蔵されている。また、スティックコントローラ122の下部における下皿の本体内部等には、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニット123(図3参照)が設けられている。また、スティックコントローラ122には、スティックコントローラ122を振動動作させるためのバイブレータ用モータ126(図3参照)が内蔵されている。
打球供給皿(上皿)3を形成する部材には、たとえば上皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえばスティックコントローラ122の上方)等に、遊技者が押下操作等により所定の指示操作を可能なプッシュボタン120が設けられている。プッシュボタン120は、遊技者からの押下操作等による所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン120の設置位置における上皿の本体内部等には、プッシュボタン120に対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ124(図3参照)が設けられていればよい。図1に示す構成例では、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取付位置が、上皿及び下皿の中央部分において上下の位置関係にある。これに対して、上下の位置関係を保ったまま、プッシュボタン120及びスティックコントローラ122の取付位置を、上皿及び下皿において左右のいずれかに寄せた位置としてもよい。あるいは、プッシュボタン120とスティックコントローラ122との取付位置が上下の位置関係にはなく、たとえば左右の位置関係にあるものとしてもよい。なお、操作手段としては、レバースイッチ、および、ジョグダイヤル等のその他の操作手段を設けてもよい。
遊技領域7の中央付近には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄を変動表示(可変表示ともいう)可能な第1表示手段としての演出表示装置9が設けられている。遊技領域7における演出表示装置9の右側方には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器(第1変動表示部)8aと、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器(第2変動表示部)8bとが設けられている。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、数字および文字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で構成されている。演出表示装置9は、液晶表示装置(LCD)で構成されており、表示画面において、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期した演出図柄の変動表示を行なう演出図柄表示領域が設けられる。演出図柄表示領域には、たとえば左,中,右の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を変動表示する図柄表示エリアが形成される。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(変動表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器8a,8bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、主基板(遊技制御基板)に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なって演出表示装置9で演出表示が実行され、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なって演出表示装置9で演出表示が実行されるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
より具体的には、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(たとえば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、変動表示の開始条件(たとえば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲート等の予め入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
第1特別図柄表示器8aに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、または、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときには、演出表示装置9においても、特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄の組合せ)が導出表示される。このように変動表示の表示結果として特定表示結果が表示されたときには、遊技者にとって有利な価値(有利価値)が付与される有利状態としての特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御される。
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(たとえば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(たとえば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組合せ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動表示したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これら状態をリーチ状態という。)で行なわれる演出をリーチ演出という。
ここで、リーチ状態は、演出表示装置9の表示領域において停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄の変動表示が継続している表示状態、または、全部もしくは一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動表示している表示状態である。言い換えると、リーチとは、複数の変動表示領域において識別情報が特定表示結果を構成しているが少なくとも一部の変動表示領域が変動表示中である状態をいう。この実施形態において、リーチ状態は、たとえば、左,右の図柄表示エリアで同じ図柄が停止し、中の図柄表示エリアで図柄が停止していない状態で形成される。リーチ状態が形成されるときの左,右の図柄表示エリアで停止された図柄は、リーチ形成図柄、または、リーチ図柄と呼ばれる。
そして、リーチ状態における表示演出が、リーチ演出表示(リーチ演出)である。また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行なわれることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(演出図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、演出表示装置9の背景画像の表示態様(たとえば、色等)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。また、リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチに比べて、大当りが発生しやすいように設定されたものがある。このような特別のリーチをスーパーリーチという。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。したがって、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
第2特別図柄表示器8bの上方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、第2特別図柄保留記憶表示器18bのさらに上方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の変動表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の変動表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の変動表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の変動表示を行なう。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組合せが停止表示される。
また、演出表示装置9の表示画面における下部の位置には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計数(合算保留記憶数)を表示する保留記憶表示部(合算保留記憶表示部、保留表示エリア、図示せず)が設けられる。合算保留記憶表示部では、保留記憶表示として保留記憶数をたとえば所定画像の表示個数により特定可能な保留記憶画像(保留記憶情報のそれぞれに対応して1つずつ保留記憶画像を表示することにより、保留記憶数を特定する。)が表示される。このように、合計数を表示する合算保留記憶表示部が設けられていることによって、変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、および、演出表示装置9のそれぞれにおいて、保留記憶数を示すための発光表示および画像表示は、保留表示、または、保留記憶表示と呼ばれる。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が開放状態と閉鎖状態とを繰返す繰返し継続制御が行なわれる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置20が開放されている状態が、ラウンド(ラウンド遊技とも称する)と呼ばれる。これにより、繰返し継続制御は、ラウンド制御とも呼ばれる。本実施の形態では、大当りの種別が複数設けられており、大当りとすることが決定されたときには、いずれかの大当り種別が選択される。
演出表示装置9の左方には、各々を識別可能な普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器10は、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器10は、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。また、小型の表示器は、たとえば方形状に形成されている。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の変動表示が開始される。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。たとえば、図柄「7」。)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ遊技者にとって不利な閉状態から遊技者にとって有利な開状態に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の変動表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
また、演出表示装置9の上方には、役物12が設けられている。役物12は、遊技盤6と演出表示装置9との間に位置し、役物モータ17によって位置を変位することが可能である。役物12は、通常は遊技者から視認し難い場所に位置し、所定の演出が実行されるときに遊技者から視認可能な位置(たとえば、演出表示装置9の前方の位置)に移動する。
遊技盤6の下部には、入賞しなかった打球が取込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
また、記録媒体としてのプリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、単に「カードユニット」ともいう。)が、パチンコ遊技機1に隣接して設置される(図示せず)。プリペイドカードに記憶されている残額に基づいて、パチンコ遊技機1で遊技球が使用可能となる。遊技を開始する際には、パチンコ遊技機1に設けられた玉貸ボタンを操作し、この操作信号により挿入されたカードに記録されている残高を引落として遊技に用いるための遊技球が貸出される。
図2の当り種別表においては、大当りにおける当りの種別ごとに、大当り遊技状態の終了後の大当り確率、大当り遊技状態の終了後のベース、大当り遊技状態終了後の変動時間、大当りにおける開放回数(ラウンド数)、および、各ラウンドの開放時間が示されている。
具体的に、大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば29秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値である7ラウンドあるいは、16ラウンドに達するまで繰返される。
また、特別可変入賞球装置20が、開放状態とされたときに、所定期間(たとえば29秒間)が経過するまでに、特別可変入賞球装置20が閉鎖される直前に、偶然に遊技球が所定個数(たとえば10個)よりも多い特別個数(たとえば11個目や12個目)入賞することがある。このような、所定の基準を超える入賞を以下では、オーバー入賞とも称する。オーバー入賞が発生することで、遊技者はより多くの出玉を獲得することができる。
「大当り」のうち、大当り遊技状態に制御された後、特別遊技状態として、通常状態(確変状態でない通常の遊技状態)に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(確率変動状態の略語であり、高確率状態ともいう)に移行する大当りの種類(種別)は、「確変大当り」と呼ばれる。本実施の形態では、「確変大当り」として「第1確変大当り」と第1確変大当りよりも有利な「第2確変大当り」とが設けられている。第2確変大当りは、第1確変大当りよりもラウンド数が多いという点において遊技者にとって有利である。
また、本実施の形態では、特別遊技状態としては、確変状態に付随して、特別図柄や演出図柄の変動時間(変動表示期間)が非時短状態よりも短縮される時短状態に制御される場合がある。なお、特別遊技状態としては、確変状態とは独立して時短状態に制御される場合があるようにしてもよい。
このように、時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、時短状態となったときには、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技が行なわれる可能性が高まる。なお、「大当り」のうち、確変状態に移行しない大当りの種類(種別)は、「通常大当り」と呼ばれる。
また、特別遊技状態としては、確変状態または時短状態に付随して、可変入賞球装置15が開状態になる頻度を高くすることにより可変入賞球装置15に遊技球が進入する頻度を高くして可変入賞球装置15への入賞を容易化(高進入化、高頻度化)する電チューサポート制御状態に制御される場合がある。電チューサポート制御状態は、後述するように高ベース状態であるので、以下の説明においては、主として高ベース状態と呼ぶ。
ここで、電チューサポート制御について説明する。電チューサポート制御としては、普通図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御(普通図柄短縮制御)、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率を高める制御(普通図柄確変制御)、可変入賞球装置15の開放時間を長くする制御(開放時間延長制御)、および、可変入賞球装置15の開放回数を増加させる制御(開放回数増加制御)が行なわれる。このような制御が行なわれると、当該制御が行なわれていないときと比べて、可変入賞球装置15が開状態となっている時間比率が高くなるので、第2始動入賞口14への入賞頻度が高まり、遊技球が始動入賞しやすくなる(特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における変動表示の実行条件が成立しやすくなる)。この制御によって第2始動入賞口14への入賞頻度が高まることにより、第2始動条件の成立頻度および/または第2特別図柄の変動表示の実行頻度が高まる遊技状態となる。
電チューサポート制御により第2始動入賞口14への入賞頻度が高められた状態(高頻度状態)は、発射球数に対して入賞に応じて賞球として払出される遊技球数の割合である「ベース」が、当該制御が行なわれないときと比べて、高い状態であるので、「高ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御が行なわれないときは、「低ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御は、可変入賞球装置15、すなわち、電動チューリップにより入賞をサポートすることにより可変入賞球装置15への入賞を容易化する制御であり、「電チューサポート制御」と呼ばれる。
この実施の形態においては、大当り確率の状態を示す用語として、「高確率状態(確変状態)」と、「低確率状態(非確変状態)」とを用い、ベースの状態の組合せを示す用語として、「高ベース状態(電チューサポート制御状態)」と、「低ベース状態(非電チューサポート制御状態)」とを用いる。
また、この実施の形態においては、大当り確率の状態およびベースの状態の組合せを示す用語として、「低確低ベース状態」、「低確高ベース状態」、および、「高確高ベース状態」を用いる。「低確低ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が低ベース状態であることを示す状態である。「低確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。「高確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が高確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。
図2に示すように、通常大当りは、16ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、非確変状態、時短状態、および、高ベース状態(低確高ベース状態)に制御される大当りである。通常大当りにおいては、非確変状態が次回の大当りが発生するまでの期間継続し、時短状態、および、高ベース状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。なお、通常大当りは、非確変状態、非時短状態、および、非電チューサポート制御状態(低確低ベース状態)に制御される大当りとなるように制御するものであってもよい。
第1確変大当りは、7ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、確変状態、時短状態、および、高ベース状態(高確高ベース状態)に移行する制御が行なわれる大当りである。また、第2確変大当りは、16ラウンドの大当りの遊技状態の終了後に、確変状態、時短状態、および、高ベース状態(高確高ベース状態)に移行する制御が行なわれる大当りである。確変大当りにおいては、このような高確高ベース状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。なお、確変大当りの終了条件を次回の大当りが発生するまでという条件としてもよい。
図3は、主基板(遊技制御基板)および演出制御基板における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図3には、払出制御基板37等も示されている。主基板31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムにしたがって制御動作を行なうCPU56およびI/Oポート部57を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ROM54およびRAM55が内蔵された1チップマイクロコンピュータである。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板(図示省略)において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(たとえば、0)と上限値(たとえば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令にしたがって駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう。
演出制御基板80は、演出制御用マイクロコンピュータ100、ROM102、RAM103、VDP109、および、I/Oポート部105等を搭載している。ROM102は、表示制御等の演出制御用のプログラムおよびデータ等を記憶する。RAM103は、ワークメモリとして使用される。ROM102およびRAM103は、演出制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されてもよい。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行なう。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、主基板31から演出制御基板80の方向への一方向にのみ信号を通過させる中継基板77を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出表示装置9の変動表示制御を行なう他、ランプドライバ基板35を介して、枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行なうとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行なう等、各種の演出制御を行なう。
また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122のトリガボタン125に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ121から、I/Oポート部105の入力ポートを介して入力する。また、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ124から、I/Oポート部105の入力ポートを介して入力する。また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122の操作桿に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット123から、I/Oポート部105の入力ポートを介して入力する。また、演出制御用CPU101は、I/Oポート部105の出力ポートを介してバイブレータ用モータ126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ122を振動動作させる。また、演出制御用CPU101は、モータ駆動回路(図示省略)を介して役物モータ17を駆動して役物12を動作させる。
図4は、各乱数を示す説明図である。図4においては、乱数の種別、更新範囲、用途、および、加算条件が示されている。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダムR:大当りにするか否かを判定する当り判定用のランダムカウンタである。ランダムRは、10MHzで1ずつ更新され、0から加算更新されてその上限である65535まで加算更新された後再度0から加算更新される。(2)ランダム1(MR1):大当りの種類(種別、通常大当り、および、確変大当りのいずれかの種別)および大当り図柄を決定する(大当り種別判定用、大当り図柄決定用)。(3)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)。(4)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)。(5)ランダム4(MR4):普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)。(6)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)。
この実施の形態では、特定遊技状態である大当りとして、通常大当り、および、第1確変大当り、および、第2確変大当りという複数の種別が含まれている。したがって、大当り判定用乱数(ランダムR)の値に基づいて、大当りとする決定がされたときには、大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当りの種別が、これらいずれかの大当り種別に決定される。さらに、大当りの種別が決定されるときに、同時に大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当り図柄も決定される。したがって、ランダム1は、大当り図柄決定用乱数でもある。
また、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴にしたがってグループ化したものである。変動パターン種別には、1または複数の変動パターンが属している。変動パターン種別は、変動種別と呼ばれる場合もある。
この実施の形態では、変動パターンが、リーチを伴なわない変動パターン種別である通常変動パターン種別と、リーチを伴なう変動パターン種別であるリーチ変動パターン種別とに種別分けされている。
このような変動パターン種別は、表示結果がはずれとなる場合に、時短状態であるときと、時短状態でないときとで、変動パターン種別の選択割合が異なるように設定されていることにより、時短状態であるときには、時短状態でないときと比べて、変動時間が短縮される。たとえば、時短状態では、時短状態でないときと比べて、変動時間の平均時間を短くするために、所定の変動パターンの変動時間が時短でないときよりも短く設定されたり、変動パターン種別のうち最も変動時間が短い変動パターン種別が選択される割合が高くなり、リーチ種別が選択されるときでも変動パターン種別のうち最も変動時間が短いノーマルリーチの変動パターンが選択される割合が高くなるように設定されたりすることで、時短状態でないときと比べて、変動時間の平均時間が短くなる。
なお、このような変動パターン種別は、変動表示をする各特別図柄の保留記憶数が所定数以上であるときと、所定数未満であるときとで選択割合が異なるように設定されることにより、変動表示をする各特別図柄の保留記憶数が所定数以上であるときには、各特別図柄の保留記憶数が所定数未満であるときと比べて、変動表示時間が短縮される保留数短縮制御を実行するようにしてもよい。たとえば、保留数短縮制御状態では、保留数短縮制御状態でないときと比べて、通常変動パターン種別のような変動表示時間が短い変動パターン種別が選択される割合が高くなるように設定されることで、保留数短縮制御状態でないときと比べて、変動表示時間の平均時間が短くなるようにしてもよい。また、保留数短縮制御では、保留数短縮制御状態でないときと比べて、同じ変動パターン種別が選択される場合でも、その変動パターン種別の変動表示時間自体を短くしてもよい。
また、変動パターンは、変動パターン種別を決定してから変動パターンを決定する2段階の決定方法ではなく、1回の乱数抽選により変動パターンが決定される1段階の決定方法としてもよい。
図5は、大当り判定テーブルおよび大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図5(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態、すなわち非確変状態)において用いられる通常時(非確変時)大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。
通常時大当り判定テーブルには、図5(A)の左欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定され、確変時大当り判定テーブルには、図5(A)の右欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定されている。確変時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値は、通常時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値と共通の大当り判定値(通常時大当り判定値または第1大当り判定値という)に、確変時固有の大当り判定値が加えられたことにより、確変時大当り判定テーブルよりも多い個数(10倍の個数)の大当り判定値(確変時大当り判定値または第2大当り判定値という)が設定されている。これにより、確変状態には、通常状態よりも高い確率で大当りとする判定がなされる。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値と比較するのであるが、大当り判定用乱数値が図5(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(通常大当り、または、確変大当り)にすることに決定する。なお、図5(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。
図5(B),(C)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図5(B)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことに基づく保留記憶(第1保留記憶ともいう)を用いて大当り種別を決定する場合(第1特別図柄の変動表示が行なわれるとき)に用いる第1特別図柄大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)である。図5(C)は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことに基づく保留記憶(第2保留記憶ともいう)を用いて大当り種別を決定する場合(第2特別図柄の変動表示が行なわれるとき)に用いる第2特別図柄大当り種別判定テーブルである。
図5(B)、および、図5(C)の第1,第2特別図柄大当り種別判定テーブルのそれぞれは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)に基づいて、大当りの種別を「通常大当り」、「第1確変大当り」、「第2確変大当り」のうちのいずれかに決定するとともに、大当り図柄を決定するために参照される。
図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「第1確変大当り」、「第2確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「第1確変大当り」、「第2確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。
また、図5(B),(C)に示すように、大当り種別判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄を決定する判定値(大当り図柄判定値)としても用いられる。「通常大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「3」に対応した判定値としても設定されている。「第1確変大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「5」に対応した判定値としても設定されている。「第2確変大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「7」に対応した判定値としても設定されている。
大当り種別判定テーブルを用いて、CPU56は、大当り種別として、ランダム1の値が一致した大当り種別判定値に対応する種別を決定するともに、大当り図柄として、ランダム1の値が一致した大当り図柄を決定する。これにより、大当り種別と、大当り種別に対応する大当り図柄とが同時に決定される。
図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルと図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルとは、確変大当りに決定される割合が同じである。このような場合には、第1特別図柄と第2特別図柄とで大当り種別判定テーブルを分けなくてもよい。また、本実施の形態では、第1確変大当りよりも第2確変大当りの方が決定され難くなっている。なお、大当り種別として、大当り遊技状態での最大ラウンド数が異なる複数種類の大当りのうちから大当り種別を選択するときには、図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、ラウンド数が多い大当り種別が選択される割合が高くなるように設定してもよい。このようにすれば、高ベース状態において、大当りの種別選択が遊技者にとって有利となり、遊技の興趣を向上させることができる。また、図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、確変大当りに決定される割合を高くしてもよい。そうすることにより、第2特別図柄の変動表示の方が、第1特別図柄の変動表示よりも、確変大当りとなる割合を高くすることができる。また、第1特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、第2特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、確変大当りに決定される割合が高くなるようにしてもよい。
次に、図6を用いて、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、特別図柄および演出図柄の変動パターンを選択決定するために用いる変動パターンテーブルについて説明する。図6は、変動パターンを決定するために用いる変動パターンテーブルを表形式で示す図である。
図6には、(a)に通常状態はずれ時判定テーブル、(b)に時短状態はずれ時判定テーブルが示されている。また、(c)に通常大当り時判定テーブル、(d)に確変大当り時判定テーブルが示されている。図6(a)〜(d)の各判定テーブルは、ROM54に記憶されており、遊技状態に応じて選択され、変動パターン種別および変動パターンを判定(決定)するために用いられる。
図6に示す判定テーブルは、ランダム2と変動パターン種別との関係を示す変動パターン種別判定テーブルと、各変動パターン種別についてランダム3と各種別に属する変動パターンとの関係を示す変動パターン判定テーブルとを含む。
図6の各テーブルでの「変動パターン種別」または「変動パターン」の欄において、「通常」または「通常変動」は、リーチとならない通常変動パターンを示す。
また、図6の各テーブルでの「ノーマルリーチ」は、リーチ状態となったときに特に派手な演出を実行しないノーマルリーチの変動パターンを示している。「スーパーリーチ」は、リーチ状態となったときに特別な演出画像を表示するリーチ演出を行なう変動パターンを示している。
また、前述したように、「スーパーリーチ」は、「ノーマルリーチ」と比べて大当りとなるときに選択される割合が高く、大当りとなる信頼度が高い変動パターンである。さらに、「スーパーリーチ」は、「ノーマルリーチ」と比べて変動時間が長い(たとえば、ノーマルリーチ10秒、スーパーリーチ50秒〜80秒)変動パターンである。なお、スーパーリーチには、4種類の変動パターンが設定されており、第1スーパーリーチ<第2スーパーリーチ<第3スーパーリーチ<第4スーパーリーチとなるような関係で大当り期待度(大当りとなる可能性)が高いことを示す。
なお、“期待度”とは、大当りに対する期待度、確変に対する期待度等を含む概念である。具体的には、大当りに対する期待度(信頼度ともいう)とは、各リーチ変動パターンが選択された場合に大当りとなる期待度(大当りとなる割合)であり、たとえば、リーチ変動が100回行なわれた場合に60回大当りとなるのであれば、大当りに対する期待度が60%(大当りが出現する出現率(確率)が60%)となる。また、確変に対する期待度とは、確変状態に移行する期待度(確変となる割合)のことをいう。
なお、はずれ時判定テーブルに示される変動パターンは、変動表示の最終的な表示結果が「はずれ」の表示結果となる変動パターンである。通常大当り時判定テーブルに示される変動パターンは、変動表示の最終的な表示結果が「通常大当り」の表示結果となる変動パターンである。確変大当り時判定テーブルに示される変動パターンは、変動表示の最終的な表示結果が「確変大当り」の表示結果となる変動パターンである。
これらの情報に基づいて、たとえば、図6(a)の「変動パターン」の欄に示された「第4スーパーリーチ (80秒)」という変動パターンは、「はずれ表示結果となる変動時間が80秒で実行される第4スーパーリーチの変動パターン」であることが示される。
図6のテーブルで「ランダム2範囲」および「変動パターン種別」という記載がされた欄は、「ランダム2範囲」と「変動パターン種別」との関係を示す変動パターン種別判定テーブル部としての機能を示す欄である。たとえば、図6(a)を例にとれば、「通常」、「ノーマルリーチ」、「スーパーリーチ」というような複数の変動パターン種別のそれぞれに、ランダム2(1〜251)のすべての値が複数の数値範囲に分けて割振られている。たとえば、図6(a)を例にとれば、所定のタイミングで抽出したランダム2の値が1〜251の乱数値のうち、140〜229に割振られた判定値のいずれかの数値と合致すると、変動パターン種別として「ノーマルリーチ」とすることが決定される。
また、図6のテーブルで「ランダム3範囲」および「変動パターン」という記載がされた欄は、「ランダム3範囲」と「変動パターン」との関係を示す変動パターン判定テーブル部としての機能を示す欄である。変動パターン種別判定テーブルの各種別に対応して示されている変動パターンが、各種別に属する変動パターンである。たとえば、図6(a)を例にとれば、「スーパーリーチ」の種別に属する変動パターンは、「第1スーパーリーチ」、「第2スーパーリーチ」、「第3スーパーリーチ」、および、「第4スーパーリーチ」である。
各変動パターン種別に対応する複数の変動パターンのそれぞれに、ランダム3(1〜220)のすべての値が、複数の数値範囲に分けて割振られている。たとえば、図6(a)を例にとれば、「スーパーリーチ」の変動パターン種別とすることが決定されたときに、所定のタイミングで抽出したランダム3が1〜220の乱数値のうち、1〜70に割振られた判定値のいずれかの数値と合致すると、「第1スーパーリーチ(50秒)」の変動パターンとすることが決定される。
第1特別図柄または第2特別図柄について変動表示結果がはずれとなるときには、変動パターンを決定するために、次のように判定テーブルを選択する。非時短状態において、変動表示結果がはずれとなるときには、図6(a)の通常状態はずれ時判定テーブルを選択する。一方、時短状態において、変動表示結果がはずれとなるときには、図6(b)の時短状態はずれ時判定テーブルを選択する。なお、図6(a),図6(b)の判定テーブルを用いることで、保留数に関わらず、通常状態はずれ時、時短状態はずれ時でのリーチ割合を一定にしている。
時短状態か否かにかかわらず第1特別図柄または第2特別図柄について変動表示結果が大当りとなるときには、変動パターンを決定するために、次のように判定テーブルを選択する。変動表示結果が通常大当りとなるときには、図6(c)の通常大当り時判定テーブルを選択する。時短状態か否かにかかわらず変動表示結果が確変大当りとなるときには、図6(d)の確変大当り時判定テーブルを選択する。
図6(b)の時短状態はずれ時判定テーブルでは、図6(a)の通常状態はずれ時判定テーブルと比べて、通常変動の変動時間が短く設定されている。そして、図6(b)の時短状態はずれ時判定テーブルでは、図6(a)の通常状態はずれ時判定テーブルと比べて、リーチ変動(ノーマルリーチ変動およびスーパーリーチ変動を含む)よりも変動時間が短い通常変動(非リーチはずれ変動(リーチとならずにはずれ表示結果となる変動))に決定される割合が高く、通常変動よりも変動時間が長いリーチ変動に決定される割合が低くなるように、データが設定されている。
これにより、非時短状態(通常状態)のときと比べて、時短状態のときの方が、変動時間が短い変動パターンが選択される割合が高いので、時短状態のときの方が、非時短状態のときよりも平均的に短い変動時間で変動表示が行なわれることとなる。このように判定テーブルを選択することにより時短状態を実現することができる。また、通常変動を非時短状態よりも時短状態ときの方が変動時間が短くなるように設定することで、時短状態中の保留消化を短縮することができる。
はずれとなるときに選択される図6(a)および図6(b)の判定テーブルでは、リーチの種別の選択割合がノーマルリーチ>スーパーリーチとなるような高低関係で選択されるようにデータが設定されている。一方、大当りとなるときに選択される図6(c)および図6(d)の判定テーブルでは、リーチの種別の選択割合がノーマルリーチ<スーパーリーチというような割合の高低関係で選択されるようにデータが設定されている。これにより、大当りとなるときには、はずれとなるときと比べ、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれる割合(リーチが選択されるときにおけるスーパーリーチのリーチ演出が占める割合)が高くなるので、スーパーリーチのリーチ演出がされることにより、遊技者の期待感を高めることができる。
また、大当りのうち確変大当りとなるときに選択される図6(d)の判定テーブルでは、大当りのうち通常大当りとなるときに選択される図6(c)の判定テーブルと比べて、ノーマルリーチに対してスーパーリーチ演出の種別が選択される割合が高くなるようにデータが設定されている。これにより、確変大当りとなるときには、通常大当りとなるときと比べて、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれる割合(リーチが選択されるときにおけるスーパーリーチのリーチ演出が占める割合)が高くなるので、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれることにより、遊技者の確変大当りへの期待感を高めることができる。
なお、このような変動パターンは、変動表示をする第1特別図柄および第2特別図柄の合算保留記憶数(合計値)が所定数以上であるとき(たとえば、合算保留記憶数が3以上)と、所定数未満であるときとで選択割合が異なるように設定されることにより、合算保留記憶数が所定数以上であるときには、合算保留記憶数が所定数未満であるときと比べて、変動時間が短縮される保留数短縮制御を実行するようにしてもよい。ただし、保留数短縮制御が実行される条件下でも(たとえば、合算保留記憶数が3以上)リーチ(ノーマルリーチ、スーパーリーチ含む)の割合を一定にすることで、リーチに対する期待感が保たれる。また、リーチの中でもスーパーリーチのみ変動時間が短縮されないようにして、保留数時短制御を実行するようにしてもよい。さらに、保留数時短制御は変動時間が短い通常変動が高い割合で選択されるようにすることで実行可能としてもよく、各変動パターン自体の変動時間を短くすることで実行可能としてもよいし、その組合せでもよい。
図7は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。遊技制御用マイクロコンピュータ560においては、図7に示すように、遊技制御状態に応じて、各種の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100へ送信する。
図7のうち、主なコマンドを説明する。コマンド80XX(H)は、特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置9において変動表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図6に示すような使用され得る変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。したがって、演出制御用CPU101は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の変動表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C04(H)は、大当りとするか否か、および大当り種別を示す表示結果指定コマンドである。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の変動表示を開始することを示す第1図柄変動指定コマンドである。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の変動表示を開始することを示す第2図柄変動指定コマンドである。コマンド8F00(H)は、第1,第2特別図柄の変動を終了することを指定するコマンド(図柄確定指定コマンド)である。
コマンドA001〜A003(H)は、大当りの種別(通常大当り、第1確変大当り、および、第2確変大当り)ごとに大当り遊技状態開始を指定する大当り開始指定コマンドである。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す大入賞口開放中指定コマンドである。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放後(閉鎖)を示す大入賞口開放後指定コマンドである。
コマンドA301〜A303(H)は、大当りの種別(通常大当り、第1確変大当り、および、第2確変大当り)ごとに大当り遊技状態終了を指定する大当り終了指定コマンドである。
コマンドA401(H)は、第1始動入賞があったことを指定する第1始動入賞指定コマンドである。コマンドA402(H)は、第2始動入賞があったことを指定する第2始動入賞指定コマンドである。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態(低確率状態)であることを指定する通常状態指定コマンドである。コマンドB001(H)は、遊技状態が時短状態(高ベース状態)であることを指定する時短状態指定コマンドである。コマンドB002(H)は、遊技状態が確変状態(高確率状態)であることを指定する確変状態指定コマンドである。
コマンドC0XX(H)は、合算保留記憶数を示す合算保留記憶数指定コマンドである。コマンドC100(H)は、合算保留記憶数が1減算されることを示す合算保留記憶数減算指定コマンドである。この実施の形態では、合算保留記憶数指定コマンドは、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への遊技球の始動入賞時(たとえば、後述する始動口スイッチ通過処理の実行時)に、演出制御用マイクロコンピュータ100に送られる。また、合算保留記憶数減算指定コマンドは、変動表示開始時(たとえば、後述する特別図柄変動表示中処理の実行時)に演出制御用マイクロコンピュータ100に送られる。なお、合算保留記憶指定コマンドおよび保留記憶数減算指定コマンドを兼用してもよい。たとえば、合算保留記憶数指定コマンドを、減算後の保留記憶数を特定可能なコマンドとして用いてもよい。なお、合算保留記憶数としてではなく、第1保留記憶数と第2保留記憶数とを特定可能なコマンドをそれぞれ送信し、演出制御用マイクロコンピュータ100が第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計値を合算保留記憶数として特定してもよい。
コマンドC2XX(H)およびコマンドC3XX(H)は、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞時における大当り判定、大当り種別判定、変動パターン種別判定等の入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンドである。このうち、コマンドC2XX(H)は、入賞時判定結果のうち、大当りとなるか否か、および、大当りの種別の判定結果を示す図柄指定コマンドである。また、コマンドC3XX(H)は、入賞時判定結果のうち、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかの判定結果(変動パターン種別の判定結果)を示す変動種別コマンドである。
この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、始動入賞時に、大当りとなるか否か、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかを判定する。そして、図柄指定コマンドのEXTデータに、大当りとなることを指定する値、および、大当りの種別を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう。変動種別コマンドのEXTデータに変動パターン種別の判定結果としての判定値の範囲を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100が、図柄指定コマンドに設定されている値に基づき、始動入賞時に、表示結果が大当りとなるか否か、および、大当りの種別を認識できるとともに、変動種別コマンドに基づき、変動パターン種別を認識できる。
また、コマンドD0XXは、大入賞口への遊技球の入賞があったことを通知する大入賞口入賞通知コマンドである。大入賞口入賞通知コマンドは、たとえば、大入賞口を遊技球が通過したときに、主基板31から演出制御基板80と送信される。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560側での保留記憶に対応する乱数等のデータ(保留記憶データ)を保存する領域(保留記憶バッファ)の構成例を説明する。保留記憶バッファは、RAM55に設けられる。
第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数である大当り判定用乱数(ランダムR)、および、ソフトウェア乱数である大当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。
第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞に基づいて、CPU56は、乱数回路503およびソフトウェア乱数を生成するためのランダムカウンタからこのような乱数値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。具体的に、第1始動入賞口13への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第1保留記憶バッファに保存される。また、第2始動入賞口14への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第2保留記憶バッファに保存される。
第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。なお、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)は、始動入賞時に抽出して保存領域に予め格納しておくのではなく、後述する変動パターン設定処理(特別図柄の変動開始時)に抽出するようにしてもよい。
このように保留記憶バッファに記憶されたデータは、後述するように、始動入賞時に読出されて先読み予告演出のために用いられるとともに、変動表示開始時に読出されて変動表示のために用いられる。
第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞があったときには、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第1(第2)始動入賞指定コマンド、および、合算保留記憶数指定コマンドというような、始動入賞時判定処理の判定結果を示すコマンドが、主基板31から演出制御基板80へと送信される。演出制御用マイクロコンピュータ100のRAM103に設けられた始動入賞時受信コマンドバッファには、受信した図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第1(第2)始動入賞指定コマンド、および、合算保留記憶数指定コマンド等の各種コマンドを対応付けて格納できるように、受信したコマンドを特定可能なデータを記憶する記憶領域が確保されている。
この実施の形態において、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示に対応して行なわれる演出図柄の演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、演出図柄の変動表示動作、リーチ演出等における演出表示動作、あるいは、演出図柄の変動表示を伴わない各種の演出動作というような、様々な演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。また、予告演出制御パターンは、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータ等から構成されている。
次に、パチンコ遊技機1の動作について説明する。パチンコ遊技機1においては、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が予め定められたメイン処理を実行すると、所定時間(たとえば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかりタイマ割込処理が実行されることにより、各種の遊技制御が実行可能となる。
メイン処理においては、たとえば、必要な初期設定処理、通常時の初期化処理、通常時以外の遊技状態復旧処理、乱数回路設定処理(乱数回路503を初期設定)、表示用乱数更新処理(変動パターンの種別決定、変動パターン決定等の各種乱数の更新処理)、および、初期値用乱数更新処理(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタのカウント値の初期値の更新処理)等が実行される。
図8は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込が発生すると、CPU56は、図8に示すステップS(以下、単に「S」と示す)20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S20)。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行なう(スイッチ処理:S21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう表示制御処理を実行する(S22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、S32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数および大当り種別判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行なう(判定用乱数更新処理:S23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行なう(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:S24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行なう(S26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行なう(S27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行なう(演出制御コマンド制御処理:S28)。さらに、CPU56は、たとえばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する情報出力処理を行なう(S29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号に基づく賞球個数の設定等を行なう賞球処理を実行する(S30)。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(S31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行なうための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行なう(S32)。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行なうための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行なう(S33)。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(S34)、処理を終了する。以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は所定時間毎に起動されることになる。
図9は、特別図柄プロセス処理(S26)を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理においては、始動口スイッチ通過処理を実行する(S312)。そして、内部状態に応じて、S300〜S307のうちのいずれかの処理を行なう。
遊技制御用マイクロコンピュータ560において、RAM55には、前述したように、第1始動入賞口13への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データ(第1保留記憶データ)が記憶される第1保留記憶バッファと、第2始動入賞口14への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データ(第2保留記憶データ)が記憶される第2保留記憶バッファとが設けられている。これら各保留記憶バッファには、各保留記憶の記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。
始動口スイッチ通過処理では、第1始動口スイッチ13aがオンしていれば、第1保留記憶数が上限値(たとえば、4)に達していないことを条件として、第1保留記憶データの記憶数を計数する第1保留記憶数カウンタの値を1増やし、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから数値データ(たとえば、大当り判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数、および、変動パターン判定用乱数)を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。さらに、合算保留記憶数カウンタの値を1増やし、合算後の合算保留記憶数カウンタの値に対応した保留特定領域に「第1」を示すデータを保存(格納)する処理を実行する。一方、第2始動口スイッチ14aがオンしていれば、第2保留記憶数が上限値(たとえば、4)に達していないことを条件として、第2保留記憶データの記憶数を計数する第2保留記憶数カウンタの値を1増やし、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから数値データ(たとえば、大当り判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数、および、変動パターン判定用乱数)を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。さらに、合算保留記憶数カウンタの値を1増やし、合算後の合算保留記憶数カウンタの値に対応した保留特定領域に「第2」を示すデータを保存(格納)する処理を実行する。
S300〜S307の処理は、以下のような処理である。特別図柄通常処理(S300)は、変動表示の表示結果を大当りとするか否かの決定、および、大当りとする場合の大当り種別の決定等を行なう処理である。変動パターン設定処理(S301)は、変動パターンの決定(変動パターン種別判定用乱数および変動パターン判定用乱数を用いた変動パターンの決定)、および、決定された変動パターンに応じて変動時間を計時するための変動時間タイマの計時開始等の制御を行なう処理である。
表示結果指定コマンド送信処理(S302)は、演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行なう処理である。特別図柄変動中処理(S303)は、変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過すると特別図柄停止処理にプロセスを進める処理である。特別図柄停止処理(S304)は、決定された変動パターンに対応する変動時間の経過が変動時間タイマにより計時されたときに第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける変動表示を停止して停止図柄を導出表示させる処理である。
大入賞口開放前処理(S305)は、大当りの種別に応じて、特別可変入賞球装置20において大入賞口を開放する制御等を行なう処理である。大入賞口開放中処理(S306)は、大当り遊技状態中のラウンド表示演出やインターバル演出用の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御、および、大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう処理である。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、大入賞口開放前処理(S305)に移行する。また、全てのラウンドを終えた場合には、大当り終了処理(S307)に移行する。大当り終了処理(S307)は、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行なわせるための制御等を行なう処理である。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ100の動作を説明する。図10は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。
演出制御用CPU101は、電源が投入されると、演出制御メイン処理の実行を開始する。演出制御メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(たとえば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行なうための初期化処理を行なう(S701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(S702)を行なうループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。演出制御メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(S703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドがどのようなことを指示するコマンドであるかを特定可能なフラグ等のデータをセットする処理(たとえば、RAM103に設けられた各種コマンド格納領域に受信したコマンドを特定可能なデータを格納する処理等)等を行なう(コマンド解析処理:S704)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行なう(S705)。演出制御プロセス処理では、S704で解析した演出制御コマンドの内容にしたがって演出表示装置9での演出図柄の変動表示等の各種演出を行なうために、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出制御を実行する。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100が用いる乱数(演出図柄の左停止図柄決定用のSR1−1、演出図柄の中停止図柄決定用のSR1−2、演出図柄の右停止図柄決定用のSR1−3等)を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(S706)。このような乱数SR1−1〜SR1−3のそれぞれは、ソフトウェアによりカウント値を更新するランダムカウンタのカウントにより生成されるものであり、それぞれについて予め定められた範囲内でそれぞれ巡回更新され、それぞれについて定められたタイミングで抽出されることにより乱数として用いられる。
次いで、保留表示エリアにおける保留表示の表示状態の制御(保留表示の移動、消去等)を行なう保留記憶表示制御処理を実行する(S707)。
このような演出制御メイン処理が実行されることにより、演出制御用マイクロコンピュータ100では、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信され、受信した演出制御コマンドに応じて、演出表示装置9、各種ランプ、および、スピーカ27等の演出装置を制御することにより、遊技状態に応じた各種の演出制御が行なわれる。
ここで、演出制御基板80に搭載されたRAM103には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、演出制御用データ保持エリアが設けられている。演出制御用データ保持エリアは、演出制御フラグ設定部と、演出制御タイマ設定部と、演出制御カウンタ設定部と、演出制御バッファ設定部とを備えている。
演出制御フラグ設定部には、たとえば演出表示装置9の画面上における演出画像の表示状態等といった演出動作状態や主基板31から伝送された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。たとえば、演出制御フラグ設定部には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
演出制御タイマ設定部には、たとえば演出表示装置9の画面上における演出画像の表示動作等といった各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマが設けられている。たとえば、演出制御タイマ設定部には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
演出制御カウンタ設定部には、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のカウンタが設けられている。たとえば、演出制御カウンタ設定部には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。
演出制御バッファ設定部には、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。たとえば、演出制御バッファ設定部には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
図11は、図10に示された演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(S705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、先読み演出を実行するか否かの決定、および、先読み演出の種類の選択をする先読み演出処理(S500)を実行した後、演出制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S807のうちのいずれかの処理を行なう。
演出制御プロセス処理では、以下のような処理が実行される。演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の変動表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。
先読み演出処理(S500)は、先読み演出を実行するか否か等の先読み判定、および、先読み演出を実行するときの演出態様の決定等を行なう処理である。先読み演出とは、ある保留情報(保留記憶情報)に基づいた特別図柄の変動表示(図柄変動)の順番が到来する前に、その保留情報を先読みしてその保留情報に基づいた特別図柄の変動表示の内容を判定して、将来の特別図柄の変動表示がどのようになるかを、それよりも前の段階で予告をする等の演出技術である。たとえば、保留情報が大当りであるときに、当該保留情報による変動表示が実行される前に、当該保留情報に対応する保留表示の表示態様に基づいて、後に大当りが発生する可能性のあることを予告するといった類の演出が先読み演出として行なわれる。以下では、先読み演出の対象とした保留情報に基づいた変動表示を「ターゲットの変動表示」と称する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する処理等を行なう処理である。変動パターンコマンドを受信していれば、演出図柄変動開始処理に移行する。
演出図柄変動開始処理(S801)は、演出図柄(飾り図柄)の変動表示が開始されるように制御するための処理である。演出図柄変動中処理(S802)は、変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替えタイミングを制御する処理等を行なう処理である。演出図柄変動停止処理(S803)は、演出図柄(飾り図柄)の変動表示を停止し、変動表示の表示結果(最終停止図柄)を導出表示する制御を行なう処理である。
大当り表示処理(S804)は、変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するためのファンファーレ演出を表示する制御等の表示制御を行なう処理である。ラウンド中処理(S805)は、ラウンド中の表示制御を行なう処理である。ラウンド終了条件が成立したときに、最終ラウンドが終了していなければ、ラウンド後処理に移行する。ラウンド後処理(S806)は、ラウンド間の表示制御を行なう処理である。ラウンド開始条件が成立したら、ラウンド中処理に移行する。また、最終ラウンドが終了していれば、大当り終了処理に移行する。大当り終了演出処理(S807)は、演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行なう処理である。
演出制御用CPU101は、変動表示の開始時から変動表示の停止時まで、および、大当り遊技状態開始時から大当り遊技状態終了時までの予め定められた演出制御期間中に、ROM102に格納されたプロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行なう。
プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と、表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組合せが複数集まったデータとで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄(飾り図柄)の変動表示の変動時間(変動表示時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行なう。このようなプロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
次に、本実施の形態で実行されるインターバル期間中やエンディング期間中の演出について説明する。本実施の形態では、大当り遊技中の7ラウンドにおけるインターバル期間やエンディング期間にルーレット演出が実行される。ルーレット演出では、文字やマーク等をルーレットの様に変動させ、以降の遊技状態を示唆する演出が実行される。そして、ルーレット演出により変動を停止した表示態様で、以降の遊技状態が実行されることとなる。また、ルーレット演出が実行されるときには、プリペイドカードの取り忘れ防止のための注意喚起画像が表示される。注意喚起画像は、実行されているラウンドで大当り遊技状態が終了するかもしれないことを示している。大当り遊技状態が終了したときに遊技を止める場合や、休憩席を取ること等により席立った場合、注意喚起画像が表示されることにより、遊技者がプリペイドカードを取り忘れることを防止することができる。
また、本実施の形態では、大当りの種類として、16Rの通常大当り、7Rの第1確変大当りおよび16Rの第2確変大当りが設けられている。ここで、ルーレット演出は、7Rの第1確変大当りおよび16Rの第2確変大当りを対象として実行される演出である。なお、ルーレット演出は、全ての大当りを対象とした演出であってもよい。また、ルーレット演出を実行するか否かを所定の乱数抽選により決定してもよい。
また、ルーレット演出には、昇格演出および保留連演出が含まれる。昇格演出とは、ラウンド遊技が継続すること(たとえば、7ラウンド大当りが継続して16ラウンド大当りとなること)を示すラウンド継続演出として実行される演出である。昇格演出には成功パターンと失敗パターンとが設けられており、昇格演出成功であればラウンド遊技が継続し、昇格演出失敗であればラウンド遊技が終了する。また、保留連演出とは、大当り遊技状態のときに次に大当り遊技状態とすることが決定されている保留記憶がある場合(いわゆる保留連する場合)に次の大当り遊技状態までの間に行なわれる演出である。なお、ルーレット演出にその他の演出が含まれてもよく、たとえば、通常大当りから確変大当りに昇格したことを示す確変昇格演出が含まれるようにしてもよい。以上のラウンド中に実行される演出について図12を用いて説明する。
図12は、ラウンド中の演出および注意喚起表示について説明するための図である。図12のうち、図12(a),(b)は、7Rの第1確変大当りにおいて、昇格演出が失敗したときを示している。また、図12(c)〜(e)は、16Rの第2確変大当りにおいて、昇格演出が成功したときを示している。また、図12(f)〜(h)は、16Rの第2確変大当りにおいて、保留連演出が実行されたときを示している。
まず、図12(a),(b)により、7Rの第1確変大当りにおいて、昇格演出が失敗したときについて説明する。図12(a)では、演出表示装置9の画面上において、ルーレット演出が実行されている様子を示している。図12(a)では、現在のラウンド遊技が7Rであることが演出表示装置9の表示画面の右上の領域に「7R」の文字で示されている。また、図12(a)では、決定される演出を示唆する示唆演出画像61の表示領域において下向きの矢印により表示内容が変動していることが示されている。また、示唆演出画像61の左側には、プリペイドカードの取り忘れ防止のための注意喚起表示として、注意喚起小画像60が表示される。注意喚起小画像60は、ルーレット演出の邪魔にならない演出表示装置9の左下方の位置に表示される。
図12(a)の状態からルーレット演出で実行されていた変動が停止し、示唆演出画像61の表示領域に「×」のマークが表示される。「×」のマークは、昇格演出が失敗したことを表している。このような昇格演出の失敗パターンにより、このラウンドで大当り遊技状態が終了することが示される。ルーレット演出は、確変大当りで実行されるので、遊技者は、「×」の表示により今回の大当りが7Rの第1確変大当りであったことが分かる。このような失敗パターンの昇格演出は、第1確変大当りの終了時におけるエンディング期間において実行される。
次に、図12(c)〜(e)により、16Rの第2確変大当りにおいて、昇格演出が成功したときについて説明する。図12(c)は、7Rにおいてルーレット演出が実行されている様子を示している。図12(a)は7Rの第1確変大当りであり、図12(c)は16Rの第2確変大当りを示す図であるが、ルーレット演出の途中までは、共通のラウンド遊技が実行される。このように、第2確変大当りでは、第1確変大当りに制御されたと見せかけるパターンでラウンド遊技が実行される。また、図12(c)では、図12(a)と同様に示唆演出画像61の左側にプリペイドカードの取り忘れ防止のための注意喚起小画像60が表示される。
図12(c)の状態から図12(d)となる。図12(d)では、ルーレット演出で実行されていた変動が停止し、示唆演出画像61の表示領域に「16R」の文字が表示される。「16R」の文字は、昇格演出が成功し16Rまでラウンド遊技が継続することを表している。ルーレット演出は、確変大当りで実行されるので、遊技者は、「16R」の表示により今回の大当りが16Rの第2確変大当りであったことが分かる。このような成功パターンの昇格演出は、第2確変大当りにおいて、第1確変大当りの終了時のラウンド遊技のタイミングから次のラウンド遊技が開始されるまでのインターバル期間(7Rから8Rまでのインターバル期間)において実行される。
ここで、図12(c),(d)に示すように、ラウンド遊技が継続する場合であっても、大当りが終了したときのプリペイドカードの取り忘れ防止のための注意喚起表示が表示される。このようにすれば、ルーレット演出が開始されたときにラウンド遊技が継続するか否かが注意喚起表示から先バレしないようにすることができる。
その後、図16(e)に示すように、16Rの終了時には、再度、大当りが終了したときのプリペイドカードの取り忘れ防止のための注意喚起表示が表示される。注意喚起表示として表示される注意喚起大画像62は、演出表示装置9の表示画面の中央に大きく表示される。表示画面の右上には最終ラウンドであることを示す「16R」の文字が表示される。
図12(a),(b)に示すように、第1確変大当りにおいては、7Rの終了時に注意喚起小画像60を表示している。また、図12(c)〜(e)に示すように、第2確変大当りにおいては、大当りの終了タイミングである16Rの終了時に注意喚起大画像62を表示するとともに、7Rの終了時にも注意喚起小画像60を表示している。このようにすれば、大当り遊技状態のラウンド数(有利度)に応じた注意喚起を表示することができる。具体的には、短い大当りについては出玉の量が少ないのですぐに追加投資する可能性があるため弱めの報知とし、長い大当りについては出玉の量が多いのですぐに追加投資することがないのためしっかりと2回報知することが可能となる。
また、図12(a),(c)に示すような第1確変大当りと第2確変大当りとで共通のラウンド遊技が実行される。そして、図12(a),(b)に示すように、第1確変大当りにおいては、7Rの終了時に注意喚起小画像60を表示している。また、図12(d)に示すように、第2確変大当りにおいては、昇格演出の実行中において注意喚起小画像60を表示している。このようにすれば、昇格演出が実行されるタイミングで注意喚起表示が表示されるので、ラウンド数の多い第2確変大当りとなることが先に分かってしまうことを防止できる。
また、図12(a),(b)に示すように、第1確変大当りにおいて、7Rの終了時に実行されて失敗する昇格演出失敗パターンと、図12(c)〜(e)に示すように、第2確変大当りにおいて、7Rの終了時から次のラウンドが開始されるまでのタイミングで実行される昇格演出成功パターンとがある。このようにすれば、昇格演出の興趣を向上させることができる。
また、図12(c)〜(e)に示すように、第2確変大当りにおいては、7Rの終了時に注意喚起小画像60を表示するとともに、大当りの終了タイミングである16Rの終了時に注意喚起大画像62を表示する。このようにすれば、大当り遊技状態の有利度(ラウンド回数)に応じた注意喚起表示をすることができる。
また、図12(c)〜(e)に示すように、第2確変大当りにおいては、7Rの終了時に小さいサイズの注意喚起小画像60を表示するとともに、大当りの終了タイミングである16Rの終了時に大きいサイズの注意喚起大画像62を表示する。このようにすれば、タイミングに応じて注意喚起表示の表示態様が異なるのでタイミングに応じて注意喚起表示の表示態様を異ならせることができる。
次に、図12(f)〜(h)により、16Rの第2確変大当りにおいて、保留連演出が実行されたときについて説明する。図12(f)は、7Rにおいてルーレット演出が実行されている様子を示している。図12(a)は7Rの第1確変大当りであり、図12(f)は16Rの第2確変大当りを示す図であるが、ルーレット演出の途中までは、共通のラウンド遊技が実行される。このように、第2確変大当りでは、第1確変大当りに制御されたと見せかけるパターンでラウンド遊技が実行される。また、図12(f)では、図12(a)と同様に示唆演出画像61の左側にプリペイドカードの取り忘れ防止のための注意喚起小画像60が表示される。
図12(f)の状態から図12(g)となる。図12(g)では、ルーレット演出で実行されていた変動が停止し、示唆演出画像61の表示領域に「連チャン」の文字が表示される。「連チャン」の文字は、変動表示に関する情報を保留情報として記憶する保留記憶バッファに大当りとなる変動表示に関する情報が記憶されていることに基づいて表示される。このように、保留記憶内で大当りが連続することを保留連チャンとも称する。図示は、省略しているが、図12(g)の後には、示唆演出画像61の表示領域において、ラウンドが継続することを示す「16R」の表示がされる。このような保留連演出により、今回の大当り遊技状態の終了後に再び大当り遊技状態が連続することが報知される。
その後、図16(g)に示すように、16Rの終了時には、再度、大当りが終了したときのプリペイドカードの取り忘れ防止のための注意喚起表示が表示される。ここで、保留連がある場合の注意喚起表示として表示される注意喚起大画像62では、プリペイドカードを示す画像にフルーツ柄の画像が表示されている。このフルーツ柄の画像は、プレミア画像として位置付けられており、保留連チャンを示す画像である。
このように、ルーレット演出では、昇格演出の他に保留連演出も実行されることがある。よって、ルーレット演出を実行するときの演出の種類が多彩になり、遊技の興趣を向上させることができる。
次に、ラウンド中の処理について説明する。図13は、ラウンド中処理を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理におけるラウンド中処理(S805)において、演出制御用CPU101は、まず、大入賞口開放後指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定する(S600)。ここで、大入賞口開放後指定コマンド受信フラグ等のフラグは、RAM103に形成されるコマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合に、演出制御用CPU101によりセットされ、大当り遊技が終了するなどの所定のタイミングで消去される。
演出制御用CPU101は、大入賞口開放後指定コマンド受信フラグがセットされていない場合には(S600でN)、プロセスタイマの値を1減算する(S601)。次いで、演出制御用CPU101は、プロセスデータnの内容(表示制御実行データn)にしたがって、演出装置(演出表示装置9、スピーカ27、枠LED28等)の制御を実行する(S602)。たとえば、演出表示装置9においてラウンド中演出に応じた画像を表示させるために、プロセスデータnの内容(表示制御実行データn)にしたがってROM102から画像データを読出し、読出した画像データをVDP109に出力するとともに制御信号を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行なわせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行なわせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
次いで、S603において、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトになっているか否かを判定する。演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトになっている場合には(S603でY)、次のプロセスタイマをスタートさせ(S604)、次のプロセスデータの内容にしたがって演出装置を制御し(S905)、ラウンド中処理を終了する。一方、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトになっていない場合には(S603でN)、S604とS605の処理を行なわずに、ラウンド中処理を終了する。
S600において、演出制御用CPU101は、大入賞口開放後指定コマンド受信フラグがセットされている場合には(S600でY)、大入賞口開放後指定コマンド受信フラグをリセットする(S606)。次いで、演出制御用CPU101は、インターバル演出を実行する処理を実行する(S607)。インターバル演出処理では、ラウンド間であるインターバル期間中に実行される演出、および、最終ラウンドのエンディング期間で実行される演出の設定が行われる。S607のインターバル演出処理については、図14において詳細に説明する。
次いで、インターバル演出に応じたプロセスデータを選択する(S608)。そして、演出制御用CPU101は、プロセスタイマをスタートさせ(S609)、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(S806)に対応した値に設定し(S610)、ラウンド中処理を終了する。
次に、S607で実行されるインターバル演出処理について実行する。図14は、インターバル演出処理を示すフローチャートである。インターバル演出処理において演出制御用CPU101は、最初に現在実行されている大当り遊技状態が7Rの終了時であるか否かを判定する(S620)。たとえば、大入賞口開放後指定コマンドのEXTデータを確認すれば、大当り遊技中の7ラウンドを終了する場合であるかを認識することができる。なお、インターバル演出処理は、ラウンド間のインターバル期間のみではなく、ラウンド終了時のエンディング期間も含めて設定する処理である。
演出制御用CPU101は、7R終了時であると判定した場合には(S620でY)、S621へ移行する。S621では、演出制御用CPU101は、RAM103に形成される保留記憶バッファ内の保留記憶情報に基づいて、確変の保留記憶があるか否かを判定する。演出制御用CPU101は、確変の保留があると判定した場合には(S621でY)、S622へ移行する。
S622において、演出制御用CPU101は、図12(g)に示すようにルーレット演出における保留連演出として、示唆演出画像61の表示領域に「連チャン」の文字を表示する設定とする。また、演出制御用CPU101は、示唆演出画像61の左側にプリペイドカードの取り忘れ防止のための注意喚起小画像60を表示する設定とする。ここで、今回実行されている大当りが7Rで終了する第1確変大当りではなく、16Rで終了する第2確変大当りである場合には「連チャン」の文字を表示した後に、昇格演出の成功パターンとして、示唆演出画像61の表示領域において、ラウンドが継続することを示す「16R」を表示する設定とする。そして、処理を終了する。
演出制御用CPU101は、S621において確変の保留がない場合には(S621でN)、S623へ移行する。S623では、演出制御用CPU101は、第1確変大当りであるか否かを判定する。第1確変大当りであるか否かは、RAM103に形成されるコマンド受信バッファに表示結果3指定(第1確変大当り指定)コマンド受信フラグがセットされているか否かにより判定する。演出制御用CPU101は、S623において第1確変大当りであると判定した場合には(S623でY)、S624においてルーレット演出によって図12(b)に示すような昇格演出に失敗する「×」の表示を示唆演出画像61の表示領域に表示する設定をする。また、演出制御用CPU101は、S624において示唆演出画像61の左側にプリペイドカードの取り忘れ防止のための注意喚起小画像60を表示する設定とする。そして、処理を終了する。
演出制御用CPU101は、一方で、演出制御用CPU101は、第1確変大当りでない場合には(S623でN)、S625へ移行する。S625では、演出制御用CPU101は、第2確変大当りであるか否かを判定する。第2確変大当りであるか否かは、RAM103に形成されるコマンド受信バッファに表示結果4指定(第2確変大当り指定)コマンド受信フラグがセットされているか否かにより判定する。演出制御用CPU101は、S625において第2確変大当りであると判定した場合には(S625でY)、S626においてルーレット演出によって図12(d)に示すような昇格演出に成功する「16R」の表示を示唆演出画像61の表示領域に表示する設定をする。また、演出制御用CPU101は、S626において示唆演出画像61の左側にプリペイドカードの取り忘れ防止のための注意喚起小画像60を表示する設定とする。そして、処理を終了する。一方、演出制御用CPU101は、S625において第2確変大当りでない場合には(S625でN)、処理を終了する。
演出制御用CPU101は、S620において、7R終了時ではないと判定した場合には(S620でN)、S627へ移行する。S627では、演出制御用CPU101は、16R終了時であるか否かを判定する。たとえば、大入賞口開放後指定コマンドのEXTデータを確認すれば、大当り遊技中の7ラウンドを終了する場合であるかを認識することができる。演出制御用CPU101は、16R終了時でないと判定した場合には(S627でN)、処理を終了する。
演出制御用CPU101は、16R終了時であると判定した場合には(S627でY)、S628へ移行する。S628では、演出制御用CPU101は、確変の保留があるか否かを判定する。演出制御用CPU101は、確変の保留がある場合には(S628でY)、S629において図12(h)に示すように、注意喚起大画像62を演出表示装置9の画面の中央に大きく表示する設定とする。また、演出制御用CPU101は、S629において注意喚起大画像62に含まれるプリペイドカードをフルーツ柄で表示する設定をする。そして、処理を終了する。
一方、演出制御用CPU101は、確変の保留がないと判定した場合には(S628でN)、S630において図12(e)に示すように、注意喚起大画像62を演出表示装置9の画面の中央に大きく表示する設定とする。そして、処理を終了する。
なお、図14のインターバル演出処理においては、確変大当りとなる場合に、必ず昇格演出が実行されていた。しかしながら、昇格演出を実行する場合と実行しない場合とを所定の乱数抽選により決定してもよい。また、昇格演出を実行する場合であっても、所定の乱数抽選により表示する内容を決定してもよい。たとえば、第1確変大当りにおいて必ず「×」を出すのではなく「?」のような、継続するか否かがその時点ではまだ分からない表示をしてもよい。
また、図14において昇格演出や保留連演出が実行される契機となるルーレット演出が実行されたことに基づいて、必ず遊技者に有利な状態となることが示唆されるようにしてもよい。たとえば、ルーレット演出の結果としては、「16R」または「連チャン」が表示されるが「×」が表示されないようにすればよい。このようにすれば、ルーレット演出が実行された瞬間に遊技者に有利な状態となることを示唆することができる。
また、インターバル演出処理において、7R終了時と判定された場合に、最初に第2確変大当りか否かを判定してもよい。そして、第2確変大当りであって、昇格演出を実行するパターンに設定されているときは、S626の処理を行なえばよく、昇格演出を実行するパターンでない場合には、S626の処理を実行しないようにしてもよい。また、第2確変大当りでないと判定された場合に確変大当りの保留があるか否かを判定してもよい。そして、所定の乱数抽選によりS622の処理を実行するか否かを決定してもよい。なお、保留連を示唆する演出は、S622とS629とで実行される場合を説明したが、すでに、保留連を示唆している場合には、大当り遊技状態中に再度保留連の報知が実行されないようにしてもよい。また、保留連の報知を実行するタイミング(どのラウンド数のときに実行するか等のタイミング)が抽選により決定されるようにしてもよい。
また、第2確変大当りか否かを判定した後に、確変の保留があるか否かを判定してもよく、その後に、第1確変であるか否かを判定してもよい。そして、第1確変である場合には、保留記憶バッファ内に確変の保留があるとしても保留連演出を実行しないようにしてもよい。また、第1確変大当りであるか否かを判定せずにS624のステップをについて抽選で決定してもよい。抽選に当選すればS624を実行し、抽選に当選しなければS624を実行せずに通常のエンディング演出が実行されるようにしてもよい。
また、インターバル演出処理において、どのラウンドかを先に判定するのではなく第2確変大当りか否かを先に判定してもよい。そして、昇格演出を実行することに決定されているが未だ昇格演出が実行されていない見せかけの第2確変大当りであるのか、昇格演出が実行された後の第2確変大当りであるのかを判定した後に、どのラウンドであるのかの判定を実行してもよい。
[第2実施形態]
前述した第1実施形態の発明に以下に示す第2実施形態の発明を適用してもよい。第2実施形態で実行される各種の演出について説明する。第2実施形態では、変動表示の表示結果が大当り表示結果となったことに基づいて遊技者にとって有利な大当り遊技状態に制御される。そして、大当り遊技状態中であるラウンド中には、遊技球の入賞によって付与される遊技球数に関連した報知演出が実行される。ここで、遊技球数に関連した報知演出には、入賞した遊技球に対して払出される獲得遊技球の数を報知する演出が含まれる。また、遊技球数に関連した報知演出には、オーバー入賞が発生したときに報知の態様を変化させることでオーバー入賞の発生を報知する演出が含まれる。このように、遊技球数に関連した演出とは、獲得した遊技球(遊技球数)に対する何らかの報知を行なう演出である。
また、遊技球数に関連した報知演出は、複数の種類が設けられている。たとえば、演出状態が第1演出状態のときには、第1報知態様により報知演出が実行され、演出状態が第2演出状態のときには、第2報知態様により報知演出が実行される。つまり、報知演出は、演出状態により異なる報知演出が実行されることとなる。第1報知態様による報知演出は、ラウンド中(大当り遊技状態中)に付与された遊技媒体数が所定数となったことに基づいて実行される。また、第2報知態様による報知演出は、ラウンド中(大当り遊技状態中)に付与された遊技媒体数が所定数とは異なる特定数となったことに基づいて実行される。
ラウンド中(大当り遊技状態中)においては、遊技球が特別可変入賞球装置20に入賞する毎に、付与された遊技球数が可変表示可能に表示される。また、ラウンド中(大当り遊技状態中)における演出状態を第1演出状態とするか第2演出状態とするかを選択することが可能である。また、オーバー入賞により獲得する遊技球数についても、遊技球数に関連した報知演出の遊技球数のカウントに考慮される。
以下に、報知演出の具体例を説明する。図15は、報知演出を説明するための図である。ここで、本実施の形態では、1回の大当りで獲得できる遊技球の総数は、約1500個である。具体的には、1回のラウンドにおいて、遊技球1個の入賞に対して10個の払出しがあり、10個入賞するまでラウンドが継続されるので、1ラウンドあたり約100個(10×10=100)の遊技球を獲得することができる。また、大当りが継続する場合には、前回の獲得総数表示の値が引継がれる。図15では、2回目以降の大当りが実行された場合が示されている。
図15(a)は、大当り表示結果となっときの大当り遊技中の1ラウンド目における演出表示装置9の表示画面を示す図である。1ラウンド目においては、ラウンド中における演出状態を2つのモードのうちから選択可能とする演出が実行される。演出表示装置9の画面の左側には、女の子キャラクタによるAモード画像211が表示される。また、演出表示装置9の画面の右側には、男の子キャラクタによるBモード画像212が表示される。遊技者は、遊技者の選択操作を促す左右の矢印で示されるモード選択画像210に従い、いずれか一方のモードを選択する。ラウンド開始時には、初期値としてAモード画像211が選択されているとともに、モード選択画像210の左側が選択されている。これらの画像が選択されていることは、画像の点滅により知ることができる。なお、点滅ではなく選択されている方の画像を太枠で囲む等としてもよく、いずれのモードが選択されていることが分かればどのような態様であってもよい。
遊技者は、1ラウンドの期間中いずれかのモードを選択することが可能である。このようなモード(演出状態)の切替えは、スティックコントローラ122を左右に操作することで変更可能である。なお、十字キー等の操作手段により左右の選択が変更可能となるようにしてもよいし、プッシュボタン120の押下げによりモードが切替るようにしてもよい。また、演出モードは3種類以上設けられていてもよいし、大当りの回数毎に選択できる演出モードの種類が増加されていくようにしてもよい。また、モードの選択期間は、1ラウンド以外のラウンドでもよく、ラウンド中の所定時間(たとえば、10秒)に限って選択操作が可能となるようにしてもよい。また、大当り毎に新たな演出モードが初期値(最初に選択されているモードの種類)として設定されるようにしてもよい。
図15(b)〜(d)は、Aモードが選択された場合の演出表示装置9の表示画面を示す説明図である。また、図15(e)〜(g)は、Bモードが選択された場合の演出表示装置9の表示画面を示す説明図である。図15(b)に示すように、Aモードが選択された場合には、画面左上に、大入賞口に入賞することにより獲得した遊技球数の獲得総数表示画像205が表示される。獲得総数表示画像205は、遊技球が大入賞口に入賞する毎に増加していく。図15(b)では、大当りにおける遊技球の獲得総数が2000個であることが示されている。また、大入賞口に入賞することにより獲得した遊技球数が500個の倍数を超える毎に画面中央に第1報知画像204が表示される。図15(b)では、遊技球数が500個の4倍である2000個を超えたときに第1報知画像204により、遊技球が2000個獲得されたことが示される。また、画面右上に女の子画像203が表示される。なお、獲得総数表示画像205で表示される数字と第1報知画像204として表示される数字とは瞬間的なタイミングで同じ表示である場合を示している。また、獲得総数が区切りのよい数字でない場合(たとえば、13個ずつ増加する場合等)には、獲得総数表示画像205で表示される数字と第1報知画像204として表示される数字とは異なる(獲得総数表示画像205で表示される数字が2013、第1報知画像204として表示される数字が2000等)ことがある。
図15(c)は、図15(b)と同じ大当りの中で獲得した遊技球の獲得総数が2500個となった場合の演出表示装置9の表示画面を示している。図15(c)に示すように、獲得総数表示画像205により、遊技球の獲得総数が2500個であることが示される。また、遊技球数が500の5倍である2500個を超えたときに第1報知画像204により、遊技球が2500個獲得されたことが示される。また、女の子画像203が図15(b)のときとは異なる人物で表示される。さらに、4回目の大当りでは、演出表示装置9の表示画面が図15(d)のようになる。図15(d)では、獲得総数表示画像205が5000個であることが示される。また、遊技球数が500の10倍である5000個を超えたときに第1報知画像204により、遊技球が5000個獲得されたことが示される。また、女の子画像203が図15(b)や図15(c)のときとは異なる人物で表示される。このように、遊技球数が500の倍数を超えたときは、第1報知画像204とともに女の子画像203も変化する。ここで、第1報知画像204と女の子画像203とは、次の第1報知画像204と女の子画像203に変化するまで継続して表示される。しかし、第1報知画像204と女の子画像203とが所定時間経過することにより消去されるようにしてもよい。
次に図15(a)においてBモードが選択された場合について説明する。図15(e)に示すように、Bモードが選択された場合には、画面左上に、大入賞口に入賞することにより獲得した遊技球数の獲得総数表示画像215が表示される。獲得総数表示画像215は、遊技球が大入賞口に入賞する毎に増加していく。ここで、Bモードでの獲得総数表示画像215とAモードでの獲得総数表示画像205は、文字の表示態様が異なっている。このように、演出モードにより獲得総数の表示を異ならせているが、獲得総数の表示はモードによらず同じであってもよい。図15(e)では、大当りにおける遊技球の獲得総数が2000個であることが示されている。また、画面右上に男の子画像213が表示される。Bモードでは、このような男の子画像213による演出が実行される。しかし、Aモードとは異なり、Bモードでは、遊技球の獲得総数が2000個を超えたとしても画面中央に獲得した遊技球の総数を報知する演出は実行されない。なお、図15(e)では、男の子画像213を表示せずに、別の演出画像が表示されるようにしてもよい。
図15(f)は、図15(e)と同じ大当りの中で獲得した遊技球の獲得総数が2500個となった場合の演出表示装置9の表示画面を示している。図15(f)に示すように、獲得総数表示画像215により遊技球の獲得総数が2500個であることが示される。また、遊技球数が2500個を超えたときに第2報知画像214により、遊技球が2500個獲得されたことが示される。Bモードでは、入賞口に入賞することにより獲得した遊技球数が2500個の倍数を超える毎に画面中央に第2報知画像214が表示される。図15(f)では、遊技球数が2500個の1倍である2500個を超えたときに第2報知画像214により、遊技球が2500個獲得されたことが示される。第2報知画像214は所定時間経過により消去される(たとえば、表示されてから2秒経過後)。
さらに、4回目の大当りでは、演出表示装置9の表示画面が図15(g)のようになる。図15(g)では、獲得総数表示画像215が5000個であることが示される。また、遊技球数が2500の2倍である5000個を超えたときに第2報知画像214により、遊技球が5000個獲得されたことが示される。ここで、Bモードにおいて男の子画像213は、Aモードのようにキャラクタが変化することがなく、同一人物の画像が表示される。
図15に示すように、Aモードに制御されているときは、第1報知画像204により、遊技球を獲得したことによる報知演出が実行される。また、Bモードに制御されているときは、第2報知画像214により、遊技球を獲得したことによる報知演出が実行される。よって、演出状態がAモードであるかBモードであるかに応じた報知演出により、大当り遊技中(ラウンド中)の遊技の興趣を向上させることができる。
また、図15(b)〜(d)に示すように、遊技球の獲得総数が500の倍数を超える毎に第1報知画像204により、遊技球を獲得したことによる報知演出が実行される。また、図15(e)〜(g)に示すように、遊技球の獲得総数が2500の倍数を超える毎に第2報知画像214により、遊技球を獲得したことによる報知演出が実行される。よって、報知演出が多様化することにより、大当り遊技中(ラウンド中)の遊技の興趣を向上させることができる。
また、図15のAモードの獲得総数表示画像205,Bモードの獲得総数表示画像215に示すように、特別可変入賞球装置20の大入賞口に遊技球が入賞する毎に、付与された遊技球が10ずつ増加していく表示が行なわれる。よって、付与された遊技球数を可変表示可能であるため、獲得総数表示の変化により、大当り遊技中(ラウンド中)の遊技の興趣を向上させることができる。
また、ラウンド中においてAモードとするかBモードとするかを選択するためのモード選択画像210が表示される。よって、ラウンド中における演出状態を選択することが可能となるので、大当り遊技中(ラウンド中)の遊技の興趣を向上させることができる。
図16は、図10のS704にて実行されるコマンド解析処理の一例を示すフローチャートである。図16では特に、大入賞口に遊技球の入賞があったときに設定される各種のフラグについて説明する。図16に示すコマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、演出制御コマンド受信用バッファの記憶内容を確認すること等により、中継基板77を介して伝送された主基板31からの受信コマンドがあるか否かを判定する(S511)。演出制御用CPU101は、受信コマンドがない場合には(S511でN)、コマンド解析処理を終了する。
一方、演出制御用CPU101は、受信コマンドがある場合には(S511でY)、たとえば受信コマンドのMODEデータを確認すること等により、その受信コマンドが大入賞口入賞通知コマンドであるか否かを判定する(S512)。演出制御用CPU101は、大入賞口入賞通知コマンドである場合には(S512でY)、演出制御カウンタ設定部に設けられている大入賞口入賞回数カウンタの格納値である大入賞口入賞回数カウント値を1加算するように更新する(S513)。大入賞口入賞回数カウント値は、ラウンドが実行されてから、次のラウンドが実行されるまでの間に、大入賞口に遊技球が入賞した回数を示すものである。そして、演出制御用CPU101は、演出制御フラグ設定部に設けられている大入賞口入賞フラグをセットし(S514)、S515の処理へ移行する。大入賞口入賞フラグは、大入賞口に遊技球が入賞するごとにセットされるフラグである。
S515において、演出制御用CPU101は、オーバー入賞であるか否かを判定する。たとえば、更新後の大入賞口入賞回数カウント値が予め定められたオーバー入賞判定値(入賞上限判定値よりも1大きい値。本実施形態では入賞上限判定値は「10」であるためオーバー入賞判定値は「11」)となったか否かを判定すればよい。演出制御用CPU101は、オーバー入賞でない場合には(S515でN)、コマンド解析処理を終了する。一方、演出制御用CPU101は、オーバー入賞である場合には(S515でY)、オーバー入賞フラグをセットし(S516)、コマンド解析処理を終了する。オーバー入賞フラグは、大入賞口へ入賞上限判定値を超えて遊技球が入賞するごとにセットされるフラグである。
S512おいて、演出制御用CPU101は、受信コマンドが大入賞口入賞通知コマンドでない場合には(S512でN)、受信コマンドに応じた設定を行ない(S517)、コマンド解析処理を終了する。
図17および図18は、演出制御プロセス処理におけるラウンド中処理(S805)を示すフローチャートである。ラウンド中処理において、演出制御用CPU101は、まず、大入賞口開放後指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定する(S920)。ここで、大入賞口開放後指定コマンド受信フラグ等のフラグは、RAM103に形成されるコマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合に、演出制御用CPU101によりセットされ、大当り遊技が終了するなどの所定のタイミングで消去される。
演出制御用CPU101は、大入賞口開放後指定コマンド受信フラグがセットされていない場合には(S920でN)、プロセスタイマの値を1減算する(S921)。次いで、演出制御用CPU101は、プロセスデータnの内容(表示制御実行データn)にしたがって、演出装置(演出表示装置9、スピーカ27、枠LED28等)の制御を実行する(S922)。たとえば、演出表示装置9においてラウンド中演出に応じた画像を表示させるために、プロセスデータnの内容(表示制御実行データn)にしたがってROM102から画像データを読出し、読出した画像データをVDP109に出力するとともに制御信号を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行なわせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行なわせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
次いで、演出制御用CPU101は、第1ラウンドの開始時であるか否かを判定する(S923)。第1ラウンドであるか否かは、たとえば、大入賞口開放中指定コマンドのEXTデータの値を確認することにより判定できる。演出制御用CPU101は、第1ラウンドの開始時であると判定した場合には(S923でY)、図15(a)に示すようなモード選択画面を表示し(S924)、S925の処理へ移行する。一方、演出制御用CPU101は、第1ラウンドの開始時でないと判定した場合には(S923でN)、S924からS926の処理を行なわずに、S928の処理へ移行する。
S925において、演出制御用CPU101は、選択されたモードがAモードであるか否かを判定する。演出制御用CPU101は、選択されたモードがAモードである場合には(S925でY)、Aモードフラグをセットし(S926)、S928の処理へ移行する。一方、演出制御用CPU101は、選択されたモードがAモードでない場合には(S925でN)、Bモードフラグをセットし(S927)、S928の処理へ移行する。ここで、遊技者がモード選択画面を表示中にモードを選択しない場合には、初期値として設定されているAモードが選択される。
次いで、S928において、演出制御用CPU101は、大入賞口入賞フラグがセットされているか否かを判定する。大入賞口入賞フラグは、図16のS514において設定されるフラグであり、大入賞口への遊技球の入賞が発生する毎に設定されるフラグである。演出制御用CPU101は、大入賞口入賞フラグがセットされている場合には(S928でY)、大入賞口入賞フラグをリセットし(S929)、S932の処理へ移行する。一方、演出制御用CPU101は、大入賞口入賞フラグがセットされていない場合には(S928でN)、オーバー入賞フラグがセットされているか否かを判定する(S930)。オーバー入賞フラグは、図16のS516において設定されるフラグであり、大入賞口へのオーバー入賞が発生した場合に設定されるフラグである。
演出制御用CPU101は、オーバー入賞フラグがセットされている場合には(S930でY)、オーバー入賞フラグをリセットし(S931)、S932の処理へ移行する。一方、演出制御用CPU101は、オーバー入賞フラグがセットされていない場合には(S930でN)、S932とS933の処理を行なわずに、S940の処理へ移行する。
S932において、演出制御用CPU101は、入賞カウンタの値を1加算し、モードに応じた獲得総数表示(総獲得数表示)を更新し(S933)、S940の処理へ移行する。S933においては、たとえば、図15(b)や図15(e)に示すように、Aモードでの獲得総数表示画像205やBモードでの獲得総数表示画像215が遊技球が大入賞口に入賞する毎に10ずつ増加していくことになる。なお、ラウンド中に大入賞口以外の払出しのある入賞口に遊技球が入賞した場合についても獲得総数の表示を更新する処理を実行するようにしてもよい。
S940において、演出制御用CPU101は、Aモードフラグがセットされているか否かを判定する。演出制御用CPU101は、Aモードフラグがセットされている場合には(S940でY)、S941の処理へ移行する。一方、演出制御用CPU101は、Aモードフラグがセットされていない場合(すなわち、Bモードフラグがセットされている場合)には(S940でN)、S943の処理へ移行する。
S941において、演出制御用CPU101は、遊技球の獲得総数が500の倍数を超えたか否かを判定する。演出制御用CPU101は、遊技球の獲得総数が500の倍数を超えた場合には(S941でY)、Aモードの表示により、遊技球の獲得数を報知し(S942)、S945の処理へ移行する。たとえば、Aモードの表示とは、図15(b)〜(d)に示すように、第1報知画像204や女の子画像203を遊技球の獲得総数が500の倍数を超えたときに表示する(変更する)処理である。Aモードによる表示は、次の表示の更新まで継続して表示される。一方、演出制御用CPU101は、遊技球の獲得総数が500の倍数を超えていない場合には(S941でN)、S942の処理を行なわずに、S945の処理へ移行する。
S943において、演出制御用CPU101は、遊技球の獲得総数が2500の倍数を超えたか否かを判定する。演出制御用CPU101は、遊技球の獲得総数が2500の倍数を超えた場合には(S943でY)、Bモードの表示により、遊技球の獲得数を報知し(S944)、S945の処理へ移行する。たとえば、Bモードの表示とは、図15(f),(g)に示すように、第2報知画像214を遊技球の獲得総数が2500の倍数を超えたときに表示する処理である。ここで、Bモードによる第2報知画像214の表示は、所定時間経過後に消去される。たとえば、遊技球の獲得総数が2500の倍数を超えたときに表示されて後から2秒後に消去される。なお、第2報知画像214の表示は、実行されているラウンドが終了したタイミングで消去されるようにしてもよい。一方、演出制御用CPU101は、遊技球の獲得総数が2500の倍数を超えていない場合には(S943でN)、S944の処理を行なわずに、S945の処理へ移行する。
S945において、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトになっているか否かを判定する。演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトになっている場合には(S945でY)、次のプロセスタイマをスタートさせ(S946)、次のプロセスデータの内容にしたがって演出装置を制御し(S947)、ラウンド中処理を終了する。一方、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトになっていない場合には(S945でN)、S946とS947の処理を行なわずに、ラウンド中処理を終了する。
S920において、演出制御用CPU101は、大入賞口開放後指定コマンド受信フラグがセットされている場合には(S920でY)、大入賞口開放後指定コマンド受信フラグをリセットする(S934)。次いで、演出制御用CPU101は、インターバル演出(ラウンド数に応じたインターバル表示を行なう演出)を選択し、選択したインターバル演出に応じたプロセスデータを選択する(S935)。そして、演出制御用CPU101は、プロセスタイマをスタートさせ(S936)、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(S806)に対応した値に設定し(S937)、ラウンド中処理を終了する。
図17のS930〜S932の処理においてオーバー入賞での賞球を加える処理が実行された上で、Aモードでの獲得総数表示画像205やBモードでの獲得総数表示画像215が遊技球が大入賞口に入賞する毎に10ずつ増加していく獲得総数表示の可変表示が行なわれる。このようにすれば、1の単位遊技において遊技球が10個より多い11個や12個入賞したことにより付与される遊技球数を加えた上で、報知演出が実行されるので、遊技者に適切な報知演出を実行することができる。
なお、図17では、S940においてAモードフラグが設定されているか否かを判定した後に、遊技球の獲得総数の判定がされる場合を示した。しかし、遊技球の獲得総数を先に判定し、その判定値が所定の個数を超えている場合に、AモードであるかBモードであるかを確認することで、表示する画像が決定されるようにしてもよい。
[第3実施形態]
前述した第1実施形態や第2実施形態の発明に以下に示す第3実施形態の発明を適用してもよい。第3実施形態では、遊技媒体が所定数より多い特定数入賞したときに実行される報知演出による遊技の興趣を向上させることができる遊技機について説明する。たとえば、このような遊技機は、以下のようなものである。
(1) 本発明による遊技機は、遊技を行なうことが可能な遊技機であって、遊技媒体(たとえば、遊技球)が入賞容易な第1状態(たとえば、開放状態)と遊技媒体が入賞困難な第2状態(たとえば、閉鎖状態)とに変化可能な可変入賞手段(たとえば、確変大当りとなったことに基づいて確変状態に制御されるように構成した遊技機において報知演出を実行する特別可変入賞球装置(大入賞口))と、所定期間(たとえば、29秒)が経過することまたは遊技媒体が所定数(たとえば、10個)入賞することのうちの少なくとも一方が成立するまで可変入賞手段を第1状態に変化させることが可能な単位遊技(たとえば、ラウンド)を所定回数(たとえば、15ラウンド)実行する有利状態(たとえば、大当り遊技状態)に制御可能な有利状態制御手段(たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560)とを備え、有利状態制御手段は、有利状態として、少なくとも第1有利状態(たとえば、確変大当りにもとづく大当り遊技状態)と該第1有利状態よりも有利度が低い第2有利状態(たとえば、通常大当りにもとづく大当り遊技状態)とに制御可能であり、第1有利状態における1の単位遊技において遊技媒体が所定数より多い特定数(たとえば、11個目や12個目)入賞したこと(たとえば、オーバー入賞が発生したこと)に基づいて、特殊態様による報知演出(たとえば、第1大入賞口LED20cをレインボー発光させるとともにスピーカ27から所定の入賞音を音出力させる態様の報知演出)を実行可能な報知演出実行手段(たとえば、確変大当りとなったことに基づいて確変状態に制御されるように構成した遊技機において報知演出を実行するものにおいて、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるステップS3923,S3924と同様の処理を実行する部分)をさらに備えたことを特徴とする。そのような構成によれば、第1有利状態における1の単位遊技において遊技媒体が所定数より多い特定数入賞したことに基づいて、特殊態様による報知演出を実行することによって、報知演出による遊技の興趣を向上させることができる。
(2) 本発明による遊技機の他の態様は、遊技を行なうことが可能な遊技機であって、遊技媒体(たとえば、遊技球)が入賞容易な第1状態(たとえば、開放状態)と遊技媒体が入賞困難な第2状態(たとえば、閉鎖状態)とに変化可能な可変入賞手段(たとえば、第1特別可変入賞球装置20a(第1大入賞口)、第2特別可変入賞球装置20b(第2大入賞口))と、所定期間(たとえば、29秒)が経過することまたは遊技媒体が所定数(たとえば、10個)入賞することのうちの少なくとも一方が成立するまで可変入賞手段を第1状態に変化させることが可能な単位遊技(たとえば、ラウンド)を所定回数(たとえば、15ラウンド)実行する有利状態(たとえば、大当り遊技状態)に制御可能な有利状態制御手段(たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560)と、有利状態において可変入賞手段に設けられた特定領域(たとえば、第2大入賞口内の特定領域)を遊技媒体が通過したことに基づいて、特別状態(たとえば、確変状態)に制御可能な特別状態制御手段(たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560)と、有利状態において特定領域を遊技媒体が通過した後に、有利状態における1の単位遊技において遊技媒体が所定数より多い特定数(たとえば、11個目や12個目)入賞したこと(たとえば、オーバー入賞が発生したこと)に基づいて、特殊態様による報知演出(たとえば、第1大入賞口LED20cをレインボー発光させるとともにスピーカ27から所定の入賞音を音出力させる態様の報知演出)を実行可能な報知演出実行手段(たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるステップS3923,S3924を実行する部分)とを備えたことを特徴とする。そのような構成によれば、特定領域を遊技媒体が通過した後に、有利状態における1の単位遊技において遊技媒体が所定数より多い特定数入賞したことに基づいて、特殊態様による報知演出を実行することによって、報知演出による遊技の興趣を向上させることができる。
(3) (1)において、報知演出実行手段は、第2有利状態における1の単位遊技において遊技媒体が特定数入賞した場合には、特殊態様による報知演出を実行しない(たとえば、確変大当りとなったことに基づいて確変状態に制御されるように構成した遊技機において報知演出を実行するものにおいて、演出制御用マイクロコンピュータ100は、通常大当りであると判定すると、ステップS3923,S3924を実行しない)ように構成されていてもよい。そのような構成によれば、第2有利状態では特殊態様による報知演出を実行しないようにすることによって、報知演出による遊技の興趣が却って低下してしまうことを防止することができる。
(4) (2)において、報知演出実行手段は、特定領域を遊技媒体が通過する前に、有利状態における1の単位遊技において遊技媒体が特定数入賞した場合には、特殊態様による報知演出を実行しない(たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS3921,S3922でNのとき、ステップS3923,S3924を実行しない)ように構成されていてもよい。そのような構成によれば、特定領域を遊技媒体が通過する前では特殊態様による報知演出を実行しないようにすることによって、報知演出による遊技の興趣が却って低下してしまうことを防止することができる。
(5) (1)または(3)において、報知演出実行手段は、有利状態における1の単位遊技において遊技媒体が特定数未満入賞したことに基づいて、通常態様による報知演出(たとえば、第1大入賞口LED20cや第2大入賞口LED20dを白色発光させる態様の報知演出)を実行可能であり(たとえば、ステップS3920でNのときステップS3925を実行する部分)、第2有利状態における1の単位遊技において遊技媒体が特定数入賞した場合には、通常態様による報知演出を実行する(たとえば、確変大当りとなったことに基づいて確変状態に制御されるように構成した遊技機において報知演出を実行するものにおいて、演出制御用マイクロコンピュータ100は、通常大当りであると判定すると、ステップS3925を実行する)ように構成されていてもよい。そのような構成によれば、第2有利状態では特殊態様による報知演出に代えて通常態様による報知演出を実行することによって、報知演出の演出効果を向上させることができる。
(6) (2)または(4)において、報知演出実行手段は、有利状態における1の単位遊技において遊技媒体が特定数未満入賞したことに基づいて、通常態様による報知演出(たとえば、第1大入賞口LED20cや第2大入賞口LED20dを白色発光させる態様の報知演出)を実行可能であり(たとえば、ステップS3920でNのときステップS3925を実行する部分)、特定領域を遊技媒体が通過する前に、有利状態における1の単位遊技において遊技媒体が特定数入賞した場合には、通常態様による報知演出を実行する(たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS3921,S3922でNのとき、ステップS3925を実行する)ように構成されていてもよい。そのような構成によれば、特定領域を遊技媒体が通過する前では特殊態様による報知演出に代えて通常態様による報知演出を実行することによって、報知演出の演出効果を向上させることができる。
(7) (1)、(3)、または(5)のうちのいずれかにおいて、有利状態に制御されているときに、所定の遊技価値が付与されること(たとえば、確変状態に制御されること)を報知する特定演出(たとえば、図22(2)〜(6)と同様または類似の態様で実行される昇格演出)を実行可能な特定演出実行手段(たとえば、確変大当りとなったことに基づいて確変状態に制御されるように構成した遊技機において報知演出を実行するものにおいて、演出制御用マイクロコンピュータ100は、S3928と同様の処理を実行する部分)を備え、報知演出実行手段は、特定演出を実行する前に第1有利状態における1の単位遊技において遊技媒体が特定数入賞した場合には、特殊態様による報知演出を実行せず(たとえば、確変大当りとなったことに基づいて確変状態に制御されるように構成した遊技機において報知演出を実行するものにおいて、演出制御用マイクロコンピュータ100は、昇格演出が実行される第1ラウンド〜第5ラウンドであると判定すると、ステップS3923,S3924を実行しない)、特定演出を実行した後に第1有利状態における1の単位遊技において遊技媒体が特定数入賞した場合に、特殊態様による報知演出を実行する(たとえば、確変大当りとなったことに基づいて確変状態に制御されるように構成した遊技機において報知演出を実行するものにおいて、演出制御用マイクロコンピュータ100は、昇格演出が実行された後の第6ラウンド以降のラウンドであると判定すると、ステップS3923,S3924を実行する)ように構成されていてもよい。そのような構成によれば、特定演出を実行した後に特殊態様による報知演出を実行することによって、報知演出の演出効果を向上させることができる。
(8) (2)、(4)、または(6)のうちのいずれかにおいて、有利状態において特定領域(たとえば、第2大入賞口内の特定領域)を遊技媒体が通過したことに基づいて特別演出(たとえば、確変確定報知)を実行可能な特別演出実行手段(たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるステップS3908〜S3916を実行する部分)を備え、報知演出実行手段は、有利状態における特定領域を遊技媒体が通過した単位遊技(たとえば、第6ラウンド)において遊技媒体が特定数入賞した場合には、特殊態様による報知演出を実行しない(たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第6ラウンドである場合には、ステップS3921でNと判定し、ステップS3923,S3924を実行しない)ように構成されていてもよい。そのような構成によれば、特殊態様による報知演出により特別演出の実行を妨げてしまうことを防止することができ、演出効果が却って低下してしまうことを防止することができる。
(9) (1)から(8)のうちのいずれかにおいて、報知演出実行手段は、特殊態様による報知演出として、発光体による発光(たとえば、第1大入賞口LED20cのレインボー発光)および音出力(たとえば、スピーカ27からの所定の入賞音の音出力)を含む演出を実行する(たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS3923,S3925を実行する)ように構成されていてもよい。そのような構成によれば、発光体による発光および音出力を用いた演出により報知演出の演出効果を向上させることができる。
(10) (1)から(9)のうちのいずれかにおいて、所定演出を実行する所定演出実行手段(たとえば、賞球数報知演出、獲得枚数報知演出、累積賞球数報知演出、累積獲得枚数報知演出、確変確定報知演出、連チャン回数報知、大当り中楽曲名報知、右打ち報知、エラー報知、大当り中昇格演出を実行する演出制御用CPU101等)を備え、所定演出実行手段は、所定演出として、特定期間において獲得した価値の大きさを報知する第1所定演出(たとえば、大当り遊技中に賞球として払い出された賞球数を報知する賞球数報知演出など)と、特別期間において獲得した価値の大きさを報知する第2所定演出(たとえば、連チャン中における大当り遊技中に賞球として払い出された賞球数を報知する賞球数報知演出など)とを実行可能であり、第1所定演出と第2所定演出とで優先度合いが異なる(たとえば、賞球数報知演出が実行中である場合には、累積賞球数報知演出は実行されないことなど)ように構成されていてもよい。そのような構成によれば、複数の所定演出を好適に実行することができる。
(11) (1)から(10)のうちのいずれかにおいて、報知演出実行手段は、所定数よりも多い第1特定数目(たとえば、11個目)の入賞と該第1特定数目の入賞の次の入賞である第2特定数目(たとえば、12個目)の入賞とで異なる音出力チャンネルを用いて報知演出を実行する(たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、11個目(オーバー入賞1個目)では再生チャンネルCh0にて第1報知演出を実行し、12個目(オーバー入賞2個目)では再生チャンネルCh1にて第2報知演出を実行する)ように構成されていてもよい。そのような構成によれば、所定数よりも多い第1特定数目の入賞と第1特定数目の入賞の次の入賞である第2特定数目の入賞とで異なるチャンネルで報知演出を実行できるため、遊技者の興趣の低下を防止することができる。また、短い間隔で所定数よりも多い入賞が発生した場合であっても報知演出を実行することができる。
第3実施形態についてさらに詳細に説明する。ここで、第3実施形態においては、可変入賞球装置15の下方に、第1特別可変入賞球装置20aが設けられているものとする。第1特別可変入賞球装置20aは開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、および第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21aによって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる第1大入賞口が開放状態になる。第1大入賞口に入賞した遊技球は第1カウントスイッチ23aで検出される。また、第1特別可変入賞球装置20aの内部には、第1大入賞口LED20cが設けられている。なお、この実施の形態では、第1大入賞口LED20cは、マルチカラーLEDによって実現される。
また、第1特別可変入賞球装置20aの下方には、第2特別可変入賞球装置20bが設けられているものとする。第2特別可変入賞球装置20bは開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、および第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21bによって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる第2大入賞口が開放状態になる。第2大入賞口に入賞した遊技球は第2カウントスイッチ23bで検出される。また、この実施の形態では、第2特別可変入賞球装置20b内の第2カウントスイッチ23bが設けられている領域よりも下流側には特定領域が設けられており、特定領域に入賞した遊技球は特定検出スイッチ22で検出される。なお、この実施の形態では、上流側に第2カウントスイッチ23bが設けられ、その下流側に特定検出スイッチ22が設けられているので、第2大入賞口に入賞して第2カウントスイッチ23bで検出された遊技球は、殆ど全て特定領域に入賞し特定検出スイッチ22で検出されることになる。そして、この実施の形態では、第2カウントスイッチ23bで遊技球が検出されたことにもとづいて15個の賞球払出が行なわれ、特定検出スイッチ22で検出されたことにもとづいて確変状態に制御されることが確定する。また、第2特別可変入賞球装置20bの内部には、第2大入賞口LED20dが設けられている。なお、この実施の形態では、第2大入賞口LED20dは、マルチカラーLEDによって実現される。
また、この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、および第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)において、第6ラウンドでは第2大入賞口が開放状態に制御され、第6ラウンド以外のラウンドでは第1大入賞口が開放状態に制御される。そして、この実施の形態では、大当り遊技中の第6ラウンドにおいて第2大入賞口内の特定領域に遊技球が入賞すると、大当り遊技終了後に遊技状態が確変状態に制御されることが確定する。
また、この実施の形態では、ラウンド中処理として、第1大入賞口または第2大入賞口への入賞が発生していれば、演出制御用CPU101は、第1大入賞口LED20cまたは第2大入賞口LED20dを白色発光させる制御を行なう。この場合、大当り遊技中の第6ラウンド以外のラウンドであれば、第1大入賞口が開放状態に制御されている場合であるので、第1大入賞口LED20cを白色発光させる制御を行なう。また、第6ラウンドであれば、第2大入賞口が開放状態に制御されている場合であるので、第2大入賞口LED20dを白色発光させる制御を行なう。なお、第6ラウンドであるか否かは、たとえば、大入賞口開放中指定コマンドのEXTデータの値を確認することにより判定できる。
図19〜図21は、第3実施形態の演出制御プロセス処理におけるラウンド後処理(S806)を示すフローチャートである。ラウンド後処理において、演出制御用CPU101は、まず、大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを確認する(S3901)。大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされていないときは(S3901のN)、演出制御用CPU101は、大入賞口開放中指定コマンドを受信したことを示す大入賞口開放中フラグがセットされているか否かを確認する(S3902)。大入賞口開放中フラグがセットされていないときは(S3902のN)、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算し(S3903)、プロセスデータnの内容に従って演出装置(演出表示装置9、スピーカ27、LED28等)の制御を実行する(S3904)。
次いで、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(S3905)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば(S3905でY)、プロセスデータの切替を行なう(S3906)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)に切り替える。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせ(S3907)、S3908の処理へ移行する。一方、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしていなければ(S3905でN)、S3906とS3907の処理を行なわずに、S3908の処理へ移行する。
次いで、演出制御用CPU101は、確変確定報知フラグがセットされているか否かを確認する(S3908)。確変確定報知フラグがセットされていれば(すなわち、第2大入賞口内の特定領域を通過することで送信される確変状態に制御されることが確定したことを示す確変確定報知指定コマンドを受信していれば)(S3908でY)、演出制御用CPU101は、その確変確定報知フラグをリセットする(S3909)。また、演出制御用CPU101は、演出表示装置9において確変確定報知の実行を開始する(S3910)。また、演出制御用CPU101は、確変確定報知実行中フラグをセットするとともに、演出期間計測タイマ1に確変確定報知の実行期間に相当する値(たとえば、1.0秒に相当する値)をセットし(S3911)、S3912の処理へ移行する。一方、演出制御用CPU101は、確変確定報知フラグがセットされていなければ(S3908でN)、S3909〜S3911の処理を行なわずに、S3912の処理へ移行する。
次いで、演出制御用CPU101は、確変確定報知実行中フラグがセットされているか否かを確認する(S3912)。確変確定報知実行中フラグがセットされていれば(すなわち、確変確定報知の実行中であれば)(S3912でY)、演出制御用CPU101は、演出期間計測タイマ1の値を1減算し(S3913)、減算後の演出期間計測タイマ1の値が0となったか否かを確認する(S3914)。減算後の演出期間計測タイマ1の値が0となっていれば(S3914のY)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9において確変確定報知の実行を終了する(S3915)。また、演出制御用CPU101は、確変確定報知実行中フラグをリセットし、確変確定報知の実行済みであることを示す確変確定報知済フラグをセットし(S3916)、S3917の処理へ移行する。
S3912において、確変確定報知実行中フラグがセットされていなければ(S3912でN)、演出制御用CPU101は、S3913〜S3916の処理を行なわずに、S3917の処理へ移行する。また、S3914において,減算後の演出期間計測タイマ1の値が0となっていなければ(S3914のN)、S3915とS3916の処理を行なわずに、S3917の処理へ移行する。
次いで、演出制御用CPU101は、大入賞口入賞フラグがセットされているか否かを確認する(S3917)。大入賞口入賞フラグがセットされていなければ(S3917でN)、演出制御用CPU101は、ラウンド後処理を終了する。一方、大入賞口入賞フラグがセットされていれば(すなわち、第1大入賞口または第2大入賞口への入賞が発生し、大入賞口入賞指定コマンドを受信していれば)(S3917でY)、演出制御用CPU101は、大入賞口入賞フラグをリセットする(S3918)。また、演出制御用CPU101は、入賞カウンタの値を1加算し(S3919)、加算後の入賞カウンタの値が11以上となっているか否かを確認する(S3920)。
加算後の入賞カウンタの値が11以上となっていれば、大入賞口へのオーバー入賞が発生した場合である。「オーバー入賞」とは、たとえば、この実施の形態では、大当り遊技中におけるラウンドごとの第1大入賞口や第2大入賞口への遊技球の入賞数の上限数(本例では、10個)が定められているのであるが、その上限数を超えて第1大入賞口や第2大入賞口に遊技球が入賞することである。たとえば、この実施の形態では、大当り遊技中の各ラウンドにおいて所定の開放時間(たとえば、29秒間)が経過する前であっても、第1大入賞口や第2大入賞口への10個目の入賞を検出すれば第1大入賞口や第2大入賞口が閉鎖状態に制御されるのであるが、その第1大入賞口や第2大入賞口の閉鎖直前に遊技球が入賞したような場合に11個目や12個目の入賞となりオーバー入賞が発生する場合がある。
加算後の入賞カウンタの値が11以上となっていれば(すなわち、オーバー入賞が発生していれば)(S3920でY)、演出制御用CPU101は、第7ラウンド以降のラウンドであるか否かを確認する(S3921)。なお、第7ラウンド以降のラウンドであるか否かは、たとえば、大入賞口開放中指定コマンドのEXTデータの値を確認することにより判定できる。
第7ラウンド以降のラウンドであれば(S3921でY)、演出制御用CPU101は、確変確定報知済フラグがセットされているか否かを確認する(S3922)。確変確定報知済フラグがセットされていれば(すなわち、既に確変確定報知の終了後であれば)(S3922でY)、演出制御用CPU101は、第1大入賞口LED20cをレインボー発光させる(たとえば、赤色、青色、黄色など複数色に順に発光させる)制御を行なう(S3923)。また、演出制御用CPU101は、スピーカ27から所定の入賞音を音出力させる制御を行ない(S3924)、ラウンド後処理を終了する。
なお、この実施の形態では、第7ラウンド以降のラウンドでは第1大入賞口が開放状態に制御される場合しかないので、S3923では第1大入賞口LED20cをレインボー発光させる場合しかない。なお、第2大入賞口LED20dもレインボー発光させるように制御してもよい。
なお、この実施の形態では、ラウンド後処理においてのみS3920〜S3924の処理を実行する場合を示したが、そのような処理態様にかぎられない。たとえば、ラウンド中処理においてもS3920〜S3924と同様の処理を実行するように構成してもよい。そのように構成すれば、たとえば、第1大入賞口や第2大入賞口に入賞した遊技球が全て検出されるまでラウンド中処理を行なうようにプログラムを構成した場合であっても、オーバー入賞を検出したときに第1大入賞口LED20cをレインボー発光させたり所定の入賞音を音出力させたりすることができる。
加算後の入賞カウンタの値が11以上となっていない場合(すなわち、オーバー入賞でない場合)(S3920でN)や、第7ラウンド以降のラウンドでない場合(すなわち、第1ラウンド〜第6ラウンドである場合)(S3921でN)、確変確定報知済フラグがセットされていない場合(すなわち、まだ確変確定報知が終了していない場合)(S3922でN)であれば、演出制御用CPU101は、第1大入賞口LED20cまたは第2大入賞口LED20dを白色発光させる制御を行ない(S3925)、ラウンド後処理を終了する。この場合、大当り遊技中の第6ラウンド以外のラウンドであれば、第1大入賞口が開放状態に制御されている場合であるので、第1大入賞口LED20cを白色発光させる制御を行なう。また、第6ラウンドであれば、第2大入賞口が開放状態に制御されている場合であるので、第2大入賞口LED20dを白色発光させる制御を行なう。なお、第6ラウンドであるか否かは、たとえば、大入賞口開放中指定コマンドのEXTデータの値を確認することにより判定できる。
この実施の形態では、ラウンド中処理や、ラウンド後処理のS3917〜S3925の処理が実行されることによって、第1大入賞口や第2大入賞口に遊技球が入賞した場合には、少なくとも第1大入賞口LED20cや第2大入賞口LED20dを発光させる報知演出が実行される。そして、特にS3920〜S3924の処理が実行されることによって、この実施の形態では、オーバー入賞が発生した場合に、第2大入賞口内の特定領域に遊技媒体が入賞して確変確定報知が実行された後、大当り遊技の第7ラウンド以降のラウンドである場合には、第1大入賞口LED20cがレインボー発光されるとともにスピーカ27から所定の入賞音が音出力される態様により報知演出が実行される。そのようにオーバー入賞が発生した場合には、通常態様(本例では、第1大入賞口LED20cや第2大入賞口LED20dを白色発光させる)とは異なる特殊態様による報知演出を実行するので、報知演出による遊技の興趣を向上させることができる。
ただし、この実施の形態では、S3921,S3922の判定処理が実行されることによって、オーバー入賞が発生した場合であっても、第2大入賞口内の特定領域に遊技球が入賞する前である場合には、特殊態様による報知演出を実行しないようにしている。そのように特定領域に遊技球が入賞する前では特殊態様による報知演出を実行しないようにすることによって、報知演出による遊技の興趣が却って低下してしまうことを防止している。また、この実施の形態では、S3921,S3922でNのときにはS3925に移行することによって、オーバー入賞が発生した場合であっても、第2大入賞口内の特定領域に遊技球が入賞する前である場合には、通常態様による報知演出を実行するようにしている。そのように特定領域に遊技球が入賞する前では特殊態様による報知演出に代えて通常態様による報知演出を実行することによって、報知演出の演出効果を向上させるようにしている。
さらに、この実施の形態では、S3921の判定処理が実行されることによって、第2大入賞口が開放状態に制御され特定領域に遊技球が入賞する可能性がある第6ラウンドにおいてオーバー入賞が発生した場合には、特殊態様による報知演出を実行しない(本例では、通常態様による報知演出を実行)ようにしている。そのような構成により、この実施の形態では、確変確定報知が実行される可能性がある第6ラウンドでは特殊態様による報知演出を実行しないようにすることによって、特殊態様による報知演出により確変確定報知の実行を妨げてしまうことを防止し、演出効果が却って低下してしまうことを防止するようにしている。
なお、この実施の形態では、S3921,S3922の判定処理を行なうことによって、第2大入賞口内の特定領域に遊技媒体が入賞して確変確定報知が実行された後、大当り遊技の第7ラウンド以降のラウンドである場合に、第1大入賞口LED20cがレインボー発光されるとともにスピーカ27から所定の入賞音が音出力される場合を示しているが、そのような処理態様にかぎられない。たとえば、オーバー入賞が発生した場合に、大当り種別が確変状態に制御可能な有利な大当りであるか、実質的に確変状態に制御されない不利な大当りであるかを判定し、有利な大当りであると判定した場合に、第1大入賞口LED20cがレインボー発光されるとともにスピーカ27から所定の入賞音が音出力されるように構成してもよい。また、この実施の形態で示した第2大入賞口内の特定領域に遊技媒体が入賞して確変確定報知が実行された後であるか否かの判定と、上記の有利な大当りであるか否かの判定とのいずれか一方のみを実行して、第1大入賞口LED20cのレインボー発光および所定の入賞音の音出力を実行してもよいし、第2大入賞口内の特定領域に遊技媒体が入賞して確変確定報知が実行された後であるか否かの判定と、有利な大当りであるか否かの判定との両方を実行して、第1大入賞口LED20cのレインボー発光および所定の入賞音の音出力を実行してもよい。
また、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100側で入賞カウンタを用いて受信した大入賞口入賞指定コマンドの数をカウントし、入賞カウンタの値が11以上となったことに基づいてオーバー入賞と判定する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560側で大入賞口への入賞数が11以上となったか否かを判定してオーバー入賞が発生したか否かを判定するようにしてもよい。そして、オーバー入賞であるか否かに応じて異なる大入賞口入賞指定コマンドを送信するようにし、演出制御用マイクロコンピュータ100側では、いずれの大入賞口入賞指定コマンドを受信したかに基づいて、オーバー入賞であるか否かを認識するように構成してもよい。
大入賞口開放中フラグがセットされているときは(S3902でY)、演出制御用CPU101は、大入賞口開放中フラグをリセットする(S3926)。
次いで、演出制御用CPU101は、次に開始するラウンドが第2ラウンド〜第5ラウンドであるか否かを確認する(S3927)。なお、第2ラウンド〜第5ラウンドであるか否かは、たとえば、大入賞口開放中指定コマンドのEXTデータの値を確認することにより判定できる。次に開始するラウンドが第2ラウンド〜第5ラウンドであれば(S3927でY)、演出制御用CPU101は、昇格演出を含むラウンド中演出に応じたプロセステーブルを選択し(S3928)、S3930の処理へ移行する。一方、第2ラウンド〜第5ラウンドでなければ(すなわち、次に開始するラウンドが第6ラウンド以降のラウンドであれば)(S3927でN)、演出制御用CPU101は、通常のラウンド中演出(昇格演出を含まないラウンド中演出)に応じたプロセステーブルを選択し(S3929)、S3930の処理へ移行する。
なお、この実施の形態では、たとえば、昇格演出として演出表示装置9においてルーレット演出を実行する。この場合、第1ラウンド〜第4ラウンドを開始するときには、S3928において、昇格演出としてルーレットを球が回転するような態様の演出を含むプロセステーブルを選択する。また、第5ラウンドを開始するときには、S3928において、大当り種別がいずれであるかを特定し、第2大入賞口内の特定領域に入賞する見込みのない(確変状態に制御されることが確定する見込みのない)大当りである場合には、昇格演出としてルーレットの結果がはずれとなるような態様の演出を含むプロセステーブルを選択する。一方、第2大入賞口内の特定領域に入賞する見込みが高い(確変状態に制御される見込みが高い)大当りである場合には、昇格演出としてルーレットの結果が当りとなるような態様の演出を含むプロセステーブルを選択する。なお、大当り種別がいずれであるかは、たとえば、表示結果指定コマンド格納領域に格納されている表示結果指定コマンドを確認することにより判定できる。なお、ルーレット演出として第1実施形態で示したような、所定の領域で画像が変動し、いずれかの画像が停止することで結果を報知する演出であってもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、プロセスタイマをスタートさせ(S3930)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、および演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(S3931)。また、演出制御用CPU101は、セットされていれば、演出期間計測タイマ1の値を1減算する(S3932)。
次いで、演出制御用CPU101は、入賞カウンタを初期化する(S3933)。すなわち、入賞カウンタの値を0にする。
そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグをラウンド中処理(S805)に対応した値に設定し(S3934)、ラウンド後処理を終了する。
S3901において大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされたときは(S3901でY)、演出制御用CPU101は、大当り終了指定コマンド受信フラグをリセットする(S3935)。
次いで、演出制御用CPU101は、エンディング演出に応じたプロセステーブルを選択する(S3936)。また、演出制御用CPU101は、大当り遊技終了時のエンディング期間に対応した値(たとえば、3.0秒間に相当する値)を、大当り遊技の終了時に実行するエンディング演出の演出期間を計測するための演出期間計測タイマにセットする(S3937)。
次いで、演出制御用CPU101は、プロセスタイマをスタートさせ(S3938)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、および演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(S3939)。
そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(S807)に対応した値に設定し(S3940)、ラウンド後処理を終了する。
次に、報知演出の演出態様の具体例について説明する。図22および図23は、第3実施形態の報知演出の演出態様の具体例を示す説明図である。なお、図22および図23において、(1)(2)(3)・・・の順に演出態様が遷移する。
図22(1)に示すように、左中右の演出図柄が同じ図柄で停止表示されて大当りが発生し、図22(2)に示すように、第1ラウンドが開始されて大当り遊技が開始されたものとする。また、図22(2)〜(6)に示すように、第1ラウンド〜第5ラウンドにおいては昇格演出も実行される(S3928参照)。図22(2)に示す例では、演出表示装置9においてルーレットを球が回転するような態様の画像200を表示することにより昇格演出が開始される場合が示されている。
また、図22(3)に示すように、大当り遊技のラウンド中に大入賞口への入賞が発生すると、通常態様により報知演出が実行される。図22(3)に示す例では、第1大入賞口に遊技球が入賞し、第1大入賞口LED20cを白色発光させる態様で報知演出が実行される場合が示されている。
また、大入賞口への入賞数が所定の上限数(本例では、10個)に達しラウンドを終了した場合であってもオーバー入賞が発生する場合がある。この場合、図22(4)に示すように、オーバー入賞が発生した場合であっても、第6ラウンドよりも前のラウンドであり第2大入賞口内の特定領域に遊技球が入賞して確変確定報知が実行される前である場合には、通常態様により報知演出が実行される。図22(4)に示す例では、第1大入賞口へのオーバー入賞が発生し、第1大入賞口LED20cを白色発光させる態様で報知演出が実行される場合が示されている(S3925参照)。
次いで、図22(5)に示すように、同様の態様で第2ラウンド以降のラウンドが実行され、図22(6)に示すように、第5ラウンドとなると、ルーレットの当否結果を報知するような態様の昇格演出が実行される。図22(6)に示す例では、大当り種別が確変大当りとなる大当りであることに基づいて、球がルーレット内の「確」と表示された領域に入球し、ルーレットの結果が当り(確変状態となることを示唆する結果)となるような態様の画像を表示するとともに、「確変昇格あり!」などの文字列201を表示する態様により昇格演出が実行される場合が示されている。なお、大当り種別が確変大当りとならない大当り(通常大当り)である場合には、たとえば、球がルーレット内の「確」と表示された領域以外の領域に入球し、ルーレットの結果がはずれ(確変状態とならないことを示唆する結果)となるような態様の画像を表示するとともに、「確変昇格なし!」などの文字列を表示する態様により昇格演出が実行される。
なお、この実施の形態では、昇格演出として、ルーレット演出を実行する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。たとえば、昇格演出として、敵と味方のキャラクタがバトルを行ない、味方のキャラクタが勝利することによって確変状態となることを示唆したり、味方のキャラクタが敗北することによって確変状態とならないことを示唆したりする演出を実行してもよい。また、たとえば、昇格演出として、おみくじを表示するような演出を行ない、おみくじの結果が「吉」であれば確変状態となることを示唆したり、おみくじの結果が「凶」であれば確変状態とならないことを示唆したりする演出を実行してもよい。そのように、昇格演出として、何らかの態様で確変状態に制御されるか否かを煽ることができる演出を実行するものであればよい。
また、この実施の形態では、第1ラウンド〜第5ラウンドにわたって昇格演出が実行され、最後の第5ラウンドにおいて昇格演出の結果報知(本例では、ルーレットの結果が報知)がされる場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。たとえば、第5ラウンドを待たずに、第1ラウンド〜第4ラウンドでも昇格演出の結果報知を可能に構成してもよい。この場合、昇格演出の結果報知の後であれば、第5ラウンドや第6ラウンドを待たずに、オーバー入賞発生時に特殊態様による報知演出を実行可能に構成してもよい。
次いで、図22(7)に示すように、第6ラウンドに移行し第2大入賞口が開放状態に制御される。そして、図22(7)に示すように、第6ラウンドにおいて第2大入賞口に遊技球が入賞するとともに第2大入賞口内の特定領域に遊技球が入賞し、確変状態に制御されることが確定したものとする。図22(7)に示す例では、第6ラウンド中に第2大入賞口に遊技球が入賞したことから、第2大入賞口LED20dを白色発光させる態様で報知演出が実行されることも示されている。また、確変状態に制御されることが確定したことに基づいて、図22(8)に示すように、演出表示装置9において確変確定報知の実行が開始される。図22(8)に示す例では、確変確定報知として、演出表示装置9において「確変確定!」などの文字列202が表示される場合が示されている。
なお、図22(7)において、第2大入賞口内の特定領域に遊技球が入賞したときに(特に、特定領域に1個目の遊技球が入賞したときに)、第2大入賞口LED20d(第1大入賞口LED20cでもよい)を専用の発光色で発光(たとえば、特殊態様の報知演出とは異なる赤色で発光)させたり、専用の入賞音(たとえば、特殊態様の報知演出とは異なる専用の入賞音)を音出力させたりしてもよい。
また、第6ラウンドにおいて第2大入賞口への入賞数が所定の上限数(本例では、10個)に達しラウンドを終了した場合であってもオーバー入賞が発生する場合がある。この場合、図23(9)に示すように、オーバー入賞が発生した場合であっても、確変確定報知が実行される場合がある第6ラウンドである場合には、通常態様により報知演出が実行される。図23(9)に示す例では、第2大入賞口へのオーバー入賞が発生し、第2大入賞口LED20dを白色発光させる態様で報知演出が実行される場合が示されている(S3925参照)。
次いで、第7ラウンド以降のラウンドに移行する。第7ラウンド以降のラウンドであっても、図23(10)に示すように、大当り遊技のラウンド中に大入賞口への入賞が発生すると、通常態様により報知演出が実行される。図23(10)に示す例では、第1大入賞口に遊技球が入賞し、第1大入賞口LED20cを白色発光させる態様で報知演出が実行される場合が示されている。
一方、第7ラウンド以降のラウンドにおいてオーバー入賞が発生した場合には、図23(11)に示すように、通常態様とは異なる特殊態様により報知演出が実行される。図23(11)に示す例では、第1大入賞口へのオーバー入賞が発生し、第1大入賞口LED20cをレインボー発光させるとともに、スピーカ27から所定の入賞音を音出力させる態様で報知演出が実行される場合が示されている(S3923,S3924参照)。
なお、この実施の形態では、特殊態様による報知演出の場合にのみスピーカ27から所定の入賞音を音出力させる場合を示しているが、そのような態様にかぎらず、通常態様による報知演出を実行する場合にも何らかの入賞音(特殊態様の場合と同じ音でも異なる音でもよい)を音出力させるようにしてもよい。
また、この実施の形態では、特殊態様による報知演出として、第1大入賞口LED20cをレインボー発光させるとともに、スピーカ27から所定の入賞音を音出力させる態様の演出を実行する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。たとえば、第1大入賞口LED20cをレインボー発光させるだけで、入賞音の音出力を伴わないものであってもよい。また、たとえば、通常態様による報知演出とは異なる発光色で発光するものであれば、レインボー発光以外の発光色(たとえば、赤色や黄色)で第1大入賞口LED20cなどを発光させるものであってもよい。また、たとえば、第1大入賞口LED20cをレインボー発光させるのではなく、特殊態様による報知演出として、所定のキャラクタのボイスを模した音を音出力させる態様の演出を実行してもよい。そのように特殊態様による報知演出として、様々な態様の演出が考えられる。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、所定期間(本例では、29秒)が経過することまたは遊技媒体(本例では、遊技球)が所定数(本例では、10個)入賞することのうちの少なくとも一方が成立するまで可変入賞手段(本例では、第1大入賞口、第2大入賞口)を第1状態(本例では、開放状態)に変化させることが可能な単位遊技(本例では、ラウンド)を所定回数(本例では、15ラウンド)実行する有利状態(本例では、大当り遊技状態)に制御可能であり、有利状態において可変入賞手段に設けられた特定領域(本例では、第2大入賞口内の特定領域)を遊技媒体が通過したことに基づいて、特別状態(本例では、確変状態)に制御可能である。また、有利状態において特定領域を遊技媒体が通過した後に、有利状態における1の単位遊技において遊技媒体が所定数より多い特定数(たとえば、11個目や12個目)入賞したこと(本例では、オーバー入賞が発生したこと)に基づいて、特殊態様による報知演出(本例では、第1大入賞口LED20cをレインボー発光させるとともにスピーカ27から所定の入賞音を音出力させる態様の報知演出)を実行可能である。そのため、特定領域を遊技媒体が通過した後に、有利状態における1の単位遊技において遊技媒体が所定数より多い特定数入賞したことに基づいて、通常態様とは異なる特殊態様による報知演出を実行することによって、報知演出による遊技の興趣を向上させることができる。
なお、この実施の形態では、大当り遊技において単位遊技(ラウンド)が実行される所定回数が15回(15ラウンド)である場合を示しているが、そのような態様にかぎらず、他の回数であってもよい。また、所定回数は、1回や2回であってもよく、たとえば、大入賞口を1回または2回のみ開放する突然確変大当りや小当りが設けられている場合に、その突然確変大当りや小当りにおけるオーバー入賞も検出可能に構成してもよい。
また、この実施の形態によれば、特定領域を遊技媒体が通過する前に、有利状態における1の単位遊技において遊技媒体が特定数入賞した場合には、特殊態様による報知演出を実行しない。そのため、特定領域を遊技媒体が通過する前では特殊態様による報知演出を実行しないようにすることによって、報知演出による遊技の興趣が却って低下してしまうことを防止することができる。
また、この実施の形態によれば、有利状態における1の単位遊技において遊技媒体が特定数未満入賞したことに基づいて、通常態様による報知演出(本例では、第1大入賞口LED20cや第2大入賞口LED20dを白色発光させる態様の報知演出)を実行可能である。また、特定領域を遊技媒体が通過する前に、有利状態における1の単位遊技において遊技媒体が特定数入賞した場合には、通常態様による報知演出を実行する。そのため、特定領域を遊技媒体が通過する前では特殊態様による報知演出に代えて通常態様による報知演出を実行することによって、報知演出の演出効果を向上させることができる。
なお、この実施の形態では、第2大入賞口内の特定領域を遊技球が入賞する前にオーバー入賞が発生した場合には、特殊態様による報知演出に代えて通常態様による報知演出を実行する場合を示したが、そのような態様にかぎられない。たとえば、第2大入賞口内の特定領域を遊技球が入賞する前にオーバー入賞が発生した場合には、報知演出を全く実行しないように構成してもよい。
また、この実施の形態によれば、有利状態において特定領域を遊技媒体が通過したことに基づいて特別演出(本例では、確変確定報知)を実行可能である。そして、有利状態における特定領域を遊技媒体が通過した単位遊技(本例では、第6ラウンド)において遊技媒体が特定数入賞した場合には、特殊態様による報知演出を実行しない(本例では、特殊態様による報知演出に代えて通常態様による報知演出を実行する)。そのため、特殊態様による報知演出により特別演出の実行を妨げてしまうことを防止することができ、演出効果が却って低下してしまうことを防止することができる。
なお、この実施の形態では、確変確定報知が実行される第6ラウンドでは、特殊態様による報知演出のみを実行しないようにし、通常態様による報知演出(本例では、第1大入賞口LED20cや第2大入賞口LED20dを白色発光させる態様の報知演出)は実行するように構成する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。たとえば、確変確定報知が実行される第6ラウンドでは、特殊態様による報知演出と通常態様による報知演出との両方を実行しないように構成してもよい。
また、この実施の形態によれば、特殊態様による報知演出として、発光体による発光(本例では、第1大入賞口LED20cのレインボー発光)および音出力(本例では、スピーカ27からの所定の入賞音の音出力)を含む演出を実行する。そのため、発光体による発光および音出力を用いた演出により報知演出の演出効果を向上させることができる。
[変形例]
なお、この実施の形態では、第2大入賞口内に設けられた特定領域に遊技球が入賞したことに基づいて確変状態に制御されるように構成する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。たとえば、大当り種別として、通常大当り(大当り遊技後に確変状態に制御されない大当り。なお、大当り遊技後に時短状態や高ベース状態に制御されるようにしてもよい。)と、確変大当り(大当り遊技後に確変状態に制御される大当り。なお、確変状態とともに時短状態や高ベース状態にも制御されるようにしてもよい。)とを設け、確変大当りとなったことに基づいて確変状態に制御されるように構成した遊技機において、この実施の形態で示した報知演出を実行する構成を適用してもよい。以下、確変大当りとなったことに基づいて確変状態に制御されるように構成した遊技機において報知演出を実行する変形例について説明する。
なお、本変形例では、大入賞口内に特定領域が設けられている必要はなく、1つの特別可変入賞球装置(大入賞口)のみ備えるように構成されていてもよい。
確変大当りとなったことに基づいて確変状態に制御されるように構成した遊技機において報知演出を実行する場合、有利状態(本例では、大当り遊技状態)として、少なくとも第1有利状態(本例では、確変大当りにもとづく大当り遊技状態)と該第1有利状態よりも有利度が低い第2有利状態(本例では、通常大当り(非確変大当り)にもとづく大当り遊技状態)とに制御可能とする。そして、このうちの第1有利状態における1の単位遊技において遊技媒体が所定数(本例では、10個)より多い特定数(たとえば、11個目や12個目)入賞したことに基づいて、特殊態様による報知演出(本例では、第1大入賞口LED20cをレインボー発光させるとともにスピーカ27から所定の入賞音を音出力させる態様の報知演出)を実行可能とすればよい。そのように構成すれば、第1有利状態における1の単位遊技において遊技媒体が所定数より多い特定数入賞したことに基づいて、通常態様とは異なる特殊態様による報知演出を実行することによって、報知演出による遊技の興趣を向上させることができる。
また、確変大当りとなったことに基づいて確変状態に制御されるように構成した遊技機において報知演出を実行する場合、第2有利状態(本例では、通常大当り(非確変大当り)にもとづく大当り遊技状態)における1の単位遊技において遊技媒体が特定数入賞した場合には、特殊態様による報知演出を実行しないようにすればよい。具体的には、ラウンド後処理におけるS3921,S3922の判定処理に代えて、通常大当りであるか否かを判定し、通常大当りであると判定すると、S3923,S3924の処理を実行しないようにすればよい。そのように構成すれば、第2有利状態では特殊態様による報知演出を実行しないようにすることによって、報知演出による遊技の興趣が却って低下してしまうことを防止することができる。
また、確変大当りとなったことに基づいて確変状態に制御されるように構成した遊技機において報知演出を実行する場合、有利状態における1の単位遊技において遊技媒体が特定数未満入賞したことに基づいて、通常態様による報知演出(本例では、第1大入賞口LED20cや第2大入賞口LED20dを白色発光させる態様の報知演出)を実行可能とする。そして、第2有利状態(本例では、通常大当りにもとづく大当り遊技状態)における1の単位遊技において遊技媒体が特定数入賞した場合には、通常態様による報知演出を実行するようにすればよい。具体的には、ラウンド後処理におけるS3921,S3922の判定処理に代えて、通常大当りであるか否かを判定し、通常大当りであると判定すると、S3925の処理を実行するようにすればよい。そのように構成すれば、第2有利状態では特殊態様による報知演出に代えて通常態様による報知演出を実行することによって、報知演出の演出効果を向上させることができる。
また、確変大当りとなったことに基づいて確変状態に制御されるように構成した遊技機において報知演出を実行する場合、有利状態に制御されているときに、所定の遊技価値が付与されること(本例では、確変状態に制御されること)を報知する特定演出(本例では、図22(2)〜(6)と同様または類似の態様で実行される昇格演出)を実行可能とする。そして、特定演出を実行する前(本例では、昇格演出における結果報知の前)に第1有利状態における1の単位遊技において遊技媒体が特定数入賞した場合には、特殊態様による報知演出を実行しない(本例では、特殊態様による報知演出に代えて通常態様による報知演出を実行する)ようにし、特定演出を実行した後(本例では、昇格演出における結果報知の後)に第1有利状態における1の単位遊技において遊技媒体が特定数入賞した場合に、特殊態様による報知演出を実行するようにすればよい。具体的には、ラウンド後処理におけるS3921の判定処理に代えて、昇格演出が実行される第1ラウンド〜第5ラウンドであるか否かを判定し、昇格演出が実行される第1ラウンド〜第5ラウンドであると判定すると、S3923,S3924を実行しないようにすればよい(S3925を実行するようにしてもよい)。また、第6ラウンド以降のラウンドであると判定すると、S3923,S3924を実行するようにすればよい。そのように構成すれば、特定演出を実行した後に特殊態様による報知演出を実行することによって、報知演出の演出効果を向上させることができる。
なお、上記の実施の形態では、実際には第2大入賞口内の特定領域に遊技球が入賞したことに基づいて確変状態に制御されることが確定することから、第1ラウンド〜第5ラウンドにおいて昇格演出が実行されて当り結果が報知されても、確変状態に制御される見込みが高いことを示唆するものであるが、本変形例では、大当り種別によって確変状態に制御されるか否かが決定していることから、昇格演出において当り結果が報知されれば、そのまま確変状態に制御されることが認識できることになる。
なお、上記の変形例では、有利度が高い第1有利状態が確変大当りにもとづく大当り遊技状態であり、有利度が低い第2有利状態が通常大当り(非確変大当り)にもとづく大当り遊技状態である場合を示したが、そのような態様にかぎられない。
たとえば、大当り遊技後に時短状態のみに制御される時短大当りと、通常状態にしか制御されない通常大当りとが設けられている場合に、第1有利状態を時短大当りにもとづく大当り遊技状態とし、第2有利状態を通常大当りにもとづく大当り遊技状態としてもよい。また、たとえば、大当り遊技中にいわゆる先読み判定を行なうように構成した場合に、保留記憶中に大当りとなるものが存在する場合(すなわち、連続大当りとなる場合)を第1有利状態とし、大当りとなるものが存在しない場合を第2有利状態としてもよい。
また、たとえば、第1有利状態をラウンド数の多い大当り(たとえば、15ラウンド大当り)とし、第2有利状態をラウンド数の少ない大当り(たとえば、5ラウンド大当り)としてもよい。また、たとえば、第1有利状態を大当り遊技後の確変継続回数や時短継続回数が定められていない大当り(次回の大当りまで確変状態や時短状態が継続する大当り)とし、第2有利状態を大当り遊技後の確変継続回数や時短継続回数が定められている大当りとしてもよい。また、たとえば、第1有利状態を大当り遊技後の確変継続回数や時短継続回数が多い大当りとし、第2有利状態を大当り遊技後の確変継続回数や時短継続回数が少ない大当りとしてもよい。
上記のように何らかの形式で、有利度が高い第1有利状態と有利度が低い第2有利状態とが設けられているものであればよい。
また、1つのケースであっても、複数の観点から有利または不利が区別されうる場合もある。たとえば、大当り種別として5R確変大当りと10R通常大当りとがある場合には、ラウンド数の観点から考えればラウンド数が多い10R通常大当りの方が有利であり、大当り遊技後の遊技状態の観点から考えれば大当り遊技後に確変状態に制御される5R確変大当りの方が有利である。この場合に、ラウンド数の観点を優先して、10R通常大当りを第1有利状態とし、5R確変大当りを第2有利状態としてもよいし、大当り遊技後の遊技状態の観点を優先して、5R確変大当りを第1有利状態とし、10R通常大当りを第2有利状態としてもよい。
上記の実施の形態において、さらに、報知演出として、特定期間において獲得した価値の大きさを報知する第1報知(大当り遊技中に賞球として払い出された賞球数を報知する賞球数報知演出)と、特別期間において獲得した価値の大きさを報知する第2報知(連チャン中における大当り遊技中に賞球として払い出された賞球数を報知する賞球数報知演出)とを実行可能としてもよい。そして、第2報知よりも第1報知の優先度合いが高い(賞球数報知演出が実行中である場合には、累積賞球数報知演出は実行されない)ようにしてもよい。このようにすれば、複数の報知演出を好適に実行することができる。すなわち、複数の報知演出を優先順位に従って重複しないように実行することができ、複数の報知演出を好適に実行することができる。
また、上記の実施の形態において、さらに、一の開放遊技(本例では、大当り遊技)において、遊技媒体(本例では、遊技球)が上限入賞数(本例では、10個)よりも多く可変入賞手段(本例では、特別可変入賞球装置20(大入賞口))に入賞したことに基づいて、報知演出(オーバー入賞に対する報知演出)を実行可能である。また、上限入賞数よりも多い第1入賞数目(11個目)の入賞と第1入賞数目の入賞の次の入賞である第2入賞数目(12個目)の入賞とで異なる音出力チャンネルを用いて報知演出を実行する(11個目(オーバー入賞1個目)では再生チャンネルCh0にて第1報知演出を実行し、12個目(オーバー入賞2個目)では再生チャンネルCh1にて第2報知演出を実行する)ようにしてもよい。このようにすれば、上限入賞数よりも多い第1入賞数目の入賞と第1入賞数目の入賞の次の入賞である第2入賞数目の入賞とで異なるチャンネルで報知演出を実行できるため、遊技者の興趣の低下を防止することができる。また、短い間隔で上限入賞数よりも多い入賞が発生した場合であっても報知演出を実行することができる。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 図12(a),(b)に示すように、第1確変大当りにおいては、7Rの終了時に注意喚起小画像60を表示している。また、図12(c)〜(e)に示すように、第2確変大当りにおいては、大当りの終了タイミングである16Rの終了時に注意喚起大画像62を表示するとともに、7Rの終了時にも注意喚起小画像60を表示している。このようにすれば、大当り遊技状態のラウンド数(有利度)に応じた注意喚起を表示することができる。
(2) 図12(a),(c)に示すような第1確変大当りと第2確変大当りとで共通のラウンド遊技が実行される。そして、図12(a),(b)に示すように、第1確変大当りにおいては、7Rの終了時に注意喚起小画像60を表示している。また、図12(d)に示すように、第2確変大当りにおいては、昇格演出の実行中において注意喚起小画像60を表示している。このようにすれば、昇格演出が実行されるタイミングで注意喚起表示が表示されるので、ラウンド数の多い第2確変大当りとなることが先に分かってしまうことを防止できる。
(3) 図12(a),(b)に示すように、第1確変大当りにおいて、7Rの終了時に実行されて失敗する昇格演出失敗パターンと、図12(c)〜(e)に示すように、第2確変大当りにおいて、7Rの終了時から次のラウンドが開始されるまでのタイミングで実行される昇格演出成功パターンとがある。このようにすれば、昇格演出の興趣を向上させることができる。
(4) 図12(c)〜(e)に示すように、第2確変大当りにおいては、7Rの終了時に注意喚起小画像60を表示するとともに、大当りの終了タイミングである16Rの終了時に注意喚起大画像62を表示する。このようにすれば、大当り遊技状態の有利度(ラウンド回数)に応じた注意喚起表示をすることができる。
(5) 図12(c)〜(e)に示すように、第2確変大当りにおいては、7Rの終了時に小さいサイズの注意喚起小画像60を表示するとともに、大当りの終了タイミングである16Rの終了時に大きいサイズの注意喚起大画像62を表示する。このようにすれば、タイミングに応じて注意喚起表示の表示態様が異なるのでタイミングに応じて注意喚起表示の表示態様を異ならせることができる。
(6) 図12に示すように、ルーレット演出では、昇格演出の他に保留連演出も実行されることがある。よって、ルーレット演出を実行するときの演出の種類が多彩になり、遊技の興趣を向上させることができる。
(7) 図15に示すように、Aモードに制御されているときは、第1報知画像204により、遊技球を獲得したことによる報知演出が実行される。また、Bモードに制御されているときは、第2報知画像214により、遊技球を獲得したことによる報知演出が実行される。よって、演出状態がAモードであるかBモードであるかに応じた報知演出により、大当り遊技中(ラウンド中)の遊技の興趣を向上させることができる。
(8) 図15(b)〜(d)、図18のS941〜S942に示すように、遊技球の獲得総数が500の倍数を超える毎にAモードによる第1報知画像204により、遊技球を獲得したことによる報知演出が実行される。また、図15(e)〜(g)、図18のS943〜S944に示すように、遊技球の獲得総数が2500の倍数を超える毎にBモードによる第2報知画像214により、遊技球を獲得したことによる報知演出が実行される。よって、報知演出が多様化することにより、大当り遊技中(ラウンド中)の遊技の興趣を向上させることができる。
(9) 図15のAモードの獲得総数表示画像205,Bモードの獲得総数表示画像215に示すように、特別可変入賞球装置20の大入賞口に遊技球が入賞する毎に、付与された遊技球が10ずつ増加していく表示が行なわれる。よって、付与された遊技球数を可変表示可能であるため、獲得総数表示の変化により、大当り遊技中(ラウンド中)の遊技の興趣を向上させることができる。
(10) 図15(a)、図17のS923〜927に示すように、ラウンド中においてAモードとするかBモードとするかを選択するためのモード選択画像210が表示される。よって、ラウンド中における演出状態を選択することが可能となるので、大当り遊技中(ラウンド中)の遊技の興趣を向上させることができる。
(11) 図17のS930〜S932の処理においてオーバー入賞での賞球を加える処理が実行された上で、Aモードでの獲得総数表示画像205やBモードでの獲得総数表示画像215が遊技球が大入賞口に入賞する毎に10ずつ増加していく獲得総数表示の可変表示が行なわれる。このようにすれば、1の単位遊技において遊技球が10個より多い11個や12個入賞したことにより付与される遊技球数を加えた上で、報知演出が実行されるので、遊技者に適切な報知演出を実行することができる。
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点等を以下に列挙する。
(1) 前述した実施の形態では、注意喚起表示を対象として大当り遊技中の注意喚起の表示態様や注意喚起表示の表示タイミングについて説明した。しかしながら、インターバル期間やエンディング期間に表示される情報は、注意喚起表示以外であってもよい。たとえば、注意喚起表示以外の情報として、メーカーのロゴマーク等が大当り遊技状態の終了時に出現するパチンコ遊技機においては、大当りの種類により、当該ロゴマークの表示態様や表示タイミングが異なるようにしてもよい。
(2) 前述した実施の形態では、有利度の異なる大当りとして、ラウンド数が異なる大当りについて注意喚起表示の表示回数や表示の大きさが異なる場合について説明した。しかし、ラウンド数以外の有利度の違いによって注意喚起表示の表示方法が異なるようにしてもよい。たとえば、有利度が異なる大当りとして、確変大当りと通常大当りとで注意喚起表示の表示方法が異なるようにしてもよいし、時短回数が多い大当りと時短回数が少ない大当りとで注意喚起表示の表示方法が異なるようにしてもよい。
(3) 前述した実施の形態では、注意喚起表示を表示するタイミング(7Rであるか16Rであるか)によって、注意喚起表示の表示サイズが異なる場合について説明した。しかしながら、表示サイズ以外が異なってもよく、たとえば、表示位置、説明文の長さ(表示スペースが少ないときは簡易表示にする等)、字の大きさ等であってもよい。
(4) 前述した実施の形態に示した各種演出は、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて表示手段における図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組合せになると、所定数のメダルが遊技者に払出されるスロットマシン(スロット機)に適用することも可能である。スロットマシンにおいては、ビッグボーナス(BB)、レギュラーボーナス(RB)、といったボーナス、また内部抽選結果を報知する演出を実行するAT、通常遊技状態と比較して再遊技役の当選確率が異なるRT、ATとRTとに移行されたARTへ制御されたときにおいて、前述したような注意喚起の表示を行なっても良い。たとえば、ATゲーム数が複数の値から選択されるスロットマシンにおいて、ATに制御されて当該ATが終了するような見せかけをするタイミングで注意喚起表示を実行してもよく、実際にATが終了する際に再度注意喚起表示を表示してもよい。
(5) 前述した実施の形態では、報知演出の報知態様を所定条件が成立しているか否かにより異ならせるようにしてもよい。たとえば、報知演出の態様を複数種類の報知態様として、白色文字での報知演出と虹色文字での報知演出とが実行されるようにする。そして、大当り遊技中において、保留記憶バッファに大当り表示結果となる保留記憶があることに基づいて、通常白色文字で実行される報知演出を虹色文字で実行するようにしてもよい。このようにすれば、保留記憶バッファに大当り表示結果となる変動表示が記憶されていることを踏まえて報知演出の報知態様を決定することができ、大当り遊技中の遊技の興趣を向上させることができる。なお、保留記憶バッファに大当り表示結果となる変動表示が記憶されているときは、100%の割合で報知演出が虹色文字で実行されるようにしてもよいし、所定の抽選割合(たとえば、50%の割合)で報知演出が虹色文字で実行されるようにしてもよい。また、このような場合に、1回の大当りにおいて複数回報知演出が実行される可能性があるが、その度に、虹色文字にするか否かの抽選が実行されるようにしてもよい。また、一度に虹色文字による報知演出が実行されると、それ以降の報知演出は虹色文字により実行されるようにすればよい。
(6) 前述した実施の形態では、大当り遊技中において、通常大当りから確変大当りへの昇格演出を実行するようにしてもよい。そのような場合には、昇格演出を実行するラウンドにおいて報知演出が実行されるときに、報知演出の態様を通常の態様とは異なる態様にしてもよい。
(7) 前述した実施の形態では、大当りの種類を複数種類設けてもよい。そして、大当りの種類により報知演出の態様が異なるようにしてもよい。たとえば、大当りの種類として、4R大当り、8R大当り、15ラウンド大当りを設け、各大当りの種類により、報知演出の報知態様が異なるようにしてもよい。
(8) 前述した実施の形態では、獲得総数表示の表示に対し上限値を設けるようにしてもよい。そして、当該上限値まで遊技球を獲得した場合には、獲得総数表示の更新を停止するようにしてもよい。たとえば、10万個を上限値と設定した場合において、遊技球の獲得総数が10万個を超えた場合には、Aモードでの獲得総数表示画像205やBモードでの獲得総数表示画像215の表示画像の更新が停止されるようにすればよい。このようにすれば、遊技者が大量の遊技球を獲得できたことを更新を停止することで報知することができ、遊技者に優越感を与えることができる。なお、上限値に到達した場合には、獲得総数表示を通常の表示態様とは異なる態様に変更するようにしてもよい。
(9) 前述した実施の形態では、報知演出の態様を獲得した遊技球の総数によって変化させるようにしてもよい。たとえば、Bモードが選択されている場合において、遊技球の獲得総数が2500個となったときは、第2報知画像214を白色文字の画像で表示し、遊技球の獲得総数が5000個となったときは、第2報知画像214を赤色文字の画像で表示し、遊技球の獲得総数が10000個となったときは、第2報知画像214を虹色文字の画像で表示してもよい。このようにすれば、獲得総数に合わせて報知態様が変化し、大当り遊技中の遊技の興趣を向上させることができる。なお、Aモードの場合も遊技球の獲得総数に応じて報知態様が異なるようにしてもよい。このような場合には、2500個、5000個、10000個などの区切りのよい数字のときにのみ、報知態様が異なるようにしてもよいし、500個毎に報知態様が異なるようにしてもよい。
(10) 前述した実施の形態では、遊技球の獲得総数が所定値を超えることにより、報知演出の態様が異なるようにしてもよい。たとえば、遊技球の獲得総数が所定値を超えると報知演出を実行しないようにしてもよいし、異なる概念の表示が行なわれるようにしてもよい。より具体的には、遊技球の獲得総数が所定値を超えた後は、報知画像を表示しないようにしてもよい。また、遊技球の獲得総数が所定値を超えた後は、「おめでとう!」のような、獲得総数の表示と異なる概念の表示(所定値を達成したことを祝うような表示等)として数字から文字に変化する表示による報知演出が実行されるようにしてもよい。
(11) 前述した実施の形態では、演出状態により(AモードまたはBモードにより)報知演出の態様として表示画像が異なる場合を示した。このような表示画像としては、文字の色が異なるようなものでもよいし、文字のフォントが異なるようにしてもよいし、文字の見せ方が異なるようにしてもよい。文字の見せ方が異なるとは、たとえば、文字(数字)の出現方向が演出表示装置9の表示画面の左から出てくるものと右から出てくるものとで異なるようにしてもよい。
(12) 前述した実施の形態では、報知演出を実行するときの画像が別々の素材から構成されるようにしてもよい。たとえば、Aモードが選択された場合において、第1報知画像204と女の子画像203とが、別素材で構成されていてもよい。このようにすれば、表示させる画像を別々に設定することができる。そして、表示のさせ方として、たとえば、抽選により、いずれの画像の組合せで表示するかが決定されるようにしてもよい。このような場合に、同じ所定の画像が連続して表示されないように、制限をかけるようにしてもよい。
(13) 前述した実施の形態では、図15(a)に示すようなモードの選択中は、遊技球の獲得総数が所定の値を超えたとしても報知演出を実行しないようにしてもよい。また、このような場合には、報知演出が実行されることをRAM103の記憶領域に記憶し、モードの選択終了後に遊技球の獲得総数が所定の値を超えたことが報知されるようにしてもよい。また、モードの選択中に遊技球の獲得総数が所定の値を超えた場合には、報知演出を実行しないようにしてもよい。
(14) 前述した実施の形態では、1ラウンド目においてAモードとBモードとの選択が可能である場合を示した。しかし、大当り遊技中は、常にAモードとBモードとの選択ができるようにしてもよい。その場合に、2ラウンド目以降においては、選択表示が演出表示装置9の表示画面の領域を大幅に占めることによりラウンド中の演出の妨げにならないように、表示画面の端の領域に選択可能であることを小さく表示するようにしてもよい。
(15) 前述した実施の形態では、1ラウンド目においてAモードとBモードとの選択が可能である場合を示した。しかし、特殊条件の成立により、遊技者によるモードの選択が不可能となるようにしてもよい。たとえば、大当り毎のラウンド中に何らかのストーリーが継続して表示されるものにおいて、大当りが20回連続したことに基づいて、ストーリーのエンディングが表示されることを特殊条件の成立とする。この場合に、エンディングが表示される20回目の大当り中は、モードの選択が不可能としてもよい。また、エンディングが表示される20回目の大当り中は、報知演出を実行しないようにしてもよいし、報知演出のための小窓画像をエンディングが表示される領域とは異なる領域に表示し当該領域で報知演出が実行されるようにしてもよい。また、報知演出の態様を遊技者が選択できる大当りと遊技者が選択できない大当り(特殊条件での大当り)とで、異ならせるようにしてもよい。
(16) 前述した実施の形態では、遊技者にとって有利な大当りであるか不利な大当りであるかにより、報知演出の実行の有無を決定するようにしてもよい。たとえば、遊技者に有利な大当りである確変大当りの場合には、報知演出を実行し、遊技者にとって不利な大当りである通常大当りの場合には、報知演出を実行しないようにしてもよい。
(17) 前述した実施の形態では、報知演出のためにカウントされる遊技球は、遊技球の入賞に対して払出されるものについて説明した。しかし、遊技領域7に打込んでアウト口26に取込まれた遊技球を払出される遊技球から差し引いた差球数を報知演出のためにカウントされる遊技球としてもよい。このようにするには、たとえば、打球の発射位置に発射センサを設けるとともに、アウト口26に取込まれた遊技球をカウント可能なアウト口センサを設ければよい。そして、大入賞口を含む各入賞センサ、発射センサ、および、アウト口センサを監視することで、差球数のカウントが可能とすればよい。
(18) 前述した実施の形態では、パチンコ遊技機1と、インターネット網に接続された管理サーバとを含む構成の遊技システムにおいて、パチンコ遊技機1と管理サーバとが2次元コード読み取り機能およびインターネット網への接続機能を備える携帯端末を介してデータのやり取りを行ない、パチンコ遊技機1において、携帯端末(たとえば携帯電話)を所有する遊技者の選択によって自身の過去の遊技履歴や遊技者が選択した演出モード(登場するキャラクタが異なるモード)等を反映させた遊技モードで遊技を行なうことが可能となる遊技モード(携帯連動モード)を実行できるようにしてもよい。このような場合に、携帯連動モードを実行しているか否かにより大当り中の報知演出の態様が異なるようにしてもよい。また、遊技者が選択したモードの種類によって、大当り中の報知演出の態様が異なるようにしてもよい。
(19) 前述した実施の形態では、異なる抽選の報知により大当り中の報知演出の態様が異なるようにしてもよい。異なる抽選の報知とは、たとえば、大当り中に通常大当りから確変大当りとなることを報知する昇格演出において、1回の告知により確変昇格の有無を告知する完全告知モードと複数回の告知により確変昇格の有無を告知するチャンス告知モードとによる報知のようなものである。このような報知の違いを演出状態の違いとして、完全告知モードとチャンス告知モードとにより、大当り中の報知演出の態様が異なるようにしてもよい。
(20) 前述した実施の形態では、大当り中に流れる楽曲の違いにより、大当り中の報知演出の態様が異なるようにしてもよい。たとえば、Aの楽曲が流れている場合とBの楽曲が流れている場合とで、報知演出の態様が異なるようにしてもよい。
(21) 前述した実施の形態では、演出状態(演出モード)を大当り遊技中以外の遊技状態で変化可能としてもよい。たとえば、大当り遊技状態終了後の時短状態中に、演出状態を変化させることにより次回の大当り遊技中の報知演出の態様が変化するようにしてもよい。
(22) 前述した実施の形態に示した各種演出は、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて表示手段における図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組合せになると、所定数のメダルが遊技者に払出されるスロットマシン(スロット機)に適用することも可能である。スロットマシンにおいては、ビッグボーナス(BB)、レギュラーボーナス(RB)、といったボーナス、また内部抽選結果を報知する演出を実行するAT、通常遊技状態と比較して再遊技役の当選確率が異なるRT、ATとRTとに移行されたARTへ制御されたときにおいて、前述したような報知演出が実行されるようにしてもよい。たとえば、ATに制御されたときにおいて、演出状態のいずれかのモードの中から選択できるようにし、第1演出状態に制御されているときには、第1報知態様による報知演出を実行し、第2演出状態に制御されているときには、第2報知態様による報知演出を実行してもよい。
(23) 前述した実施の形態では、遊技者にとって有利な有利状態として、大当り遊技状態を代表例として説明した。しかし、これに限らず、遊技者にとって有利な有利状態としては、高確率状態(確変状態)、時短状態、および、高ベース状態等のその他の有利状態が含まれてもよい。
(24) 前述の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27R,27L等)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
(25) 前述した実施の形態では、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御マイクロコンピュータは、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信する様にしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータは2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間に基づいて変動表示における演出制御を行なうようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータの方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータの方で選択を行なう様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(たとえば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。このように2つのコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知する構成においては、1つ目のコマンドを送信した後の2つ目のコマンドにおいて、入賞時演出処理による表示結果の判定結果、および、変動パターン種別のような先読み判定情報を送信し、その2つ目のコマンドを受信したことに基づいて、先読み予告の演出を実行するようにしてもよい。ここで擬似連とは、本来は1つの保留記憶に対応する1回の変動であるものの複数の保留記憶に対応する複数回の変動が連続して行なわれているように見せる演出表示である擬似連続変動を示す略語である。また、滑りとは、変動表示において図柄の停止直前に図柄を停止予測位置から滑らせる演出表示をいう。
(26) 本実施の形態として、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出す遊技機を説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式の遊技機を採用してもよい。封入式の遊技機には、遊技媒体の一例となる複数の玉を遊技機内で循環させる循環経路が形成されているとともに、遊技点を記憶する記憶部が設けられており、玉貸操作に応じて遊技点が記憶部に加算され、玉の発射操作に応じて遊技点が記憶部から減算され、入賞の発生に応じて遊技点が記憶部に加算されるものである。
(27) 前述した実施の形態では、たとえば「1」〜「9」の複数種類の特別図柄や演出図柄を変動表示し表示結果を導出表示する場合を示したが、変動表示は、そのような態様にかぎられない。たとえば、変動表示される図柄と導出表示される図柄とが必ずしも同じである必要なく、変動表示された図柄とは異なる図柄が導出表示されるものであってもよい。また、必ずしも複数種類の図柄を変動表示する必要はなく、1種類の図柄のみを用いて変動表示を実行するものであってもよい。この場合、たとえば、その1種類の図柄表示を交互に点灯および点滅を繰り返すことによって、変動表示を実行するものであってもよい。そして、この場合であっても、その変動表示に用いられる1種類の図柄が最後に導出表示されるものであってもよいし、その1種類の図柄とは異なる図柄が最後に導出表示されるものであってもよい。
(28) 前述した実施の形態では、「割合(比率、確率)」として、0%を越える所定の値を具体例に挙げて説明した。しかしながら、「割合(比率、確率)」としては、0%であってもよい。たとえば、所定の遊技期間における所定の遊技状態1の発生割合と他の遊技状態2との発生割合とを比較して、「一方の発生割合が他方の発生割合よりも高い」とした場合には、一方の遊技状態の発生割合が0%の場合も含んでいる。
(29) 前述した実施の形態では、変動表示の表示結果を確変大当りとすることが決定されたときの変動表示結果が導出表示された後、大当り遊技状態の終了後に、無条件で確変状態に制御される確変状態制御例を示した。しかし、これに限らず、特別可変入賞球装置20における大入賞口内に設けられた特定領域を遊技球が通過したことが検出手段により検出されたときに、確変状態に制御される、確変判定装置タイプの確変状態制御が実行されるようにしてもよい。
本発明は、以上に説明したものに限られるものではない。また、その具体的な構成は、上述の実施形態や後述の他の形態例に加えて、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があってもこの発明に含まれる。
また、上述した実施の形態及び各変形例に示した構成、後述の形態例及び各変形例に示した構成のうち、全部又は一部の構成を任意に組み合わせることとしてもよい。
なお、今回開示された上述の実施形態及び後述の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は上述の説明及び後述の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等な意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の遊技機としては、他にも、記録媒体(プリペイドカード等)から特定された価値に基づいた遊技媒体(遊技球等)を使用可能にする指令を受けて、前記遊技媒体を遊技に使用する遊技機(パチンコ遊技機1等)であって、遊技者にとって有利な有利状態(大当り遊技状態等)に制御可能な有利状態制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560等)と、前記記録媒体の取り忘れに関する注意喚起表示(取り忘れ防止表示、図12に示す注意喚起小画像60、注意喚起大画像62等)を表示可能な表示手段(演出制御用マイクロコンピュータ100等)を備え、前記有利状態には、第1有利状態(第1確変大当り等)と、当該第1有利状態よりも有利な第2有利状態(第2確変大当り等)とを含み、前記表示手段は、前記第1有利状態においては、当該第1有利状態の終了時に前記注意喚起表示を表示し(図12(a),(b)に示すように、第1確変大当りにおいては、7Rの終了時に注意喚起小画像60を表示する等)、前記第2有利状態においては、少なくとも当該第2有利状態の終了時以外の特定タイミングに前記注意喚起表示を表示可能であり(図12(c)〜(e)に示すように、第2確変大当りにおいては、大当りの終了タイミングである16Rの終了時に注意喚起大画像62を表示するとともに、7Rの終了時にも注意喚起小画像60を表示する等)、さらに、遊技媒体(例えば、遊技球)が進入可能な進入有利状態(例えば、開状態)と遊技媒体が進入不能または困難な進入不利状態(例えば、閉状態)とに変化可能な可変始動装置(例えば、可変入賞球装置9015)と、前記可変始動装置の下流側に設けられ、進入有利状態と進入不利状態とに変化可能な所定可変装置(例えば、特殊可変入賞球装置9022)と、複数の開放パターンのうちのいずれかの開放パターンにより前記可変始動装置を制御可能な可変始動装置制御手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ90560におけるステップS9026Cを実行することにより、図38(1),(2)に示すように、可変入賞球装置9015を5.5秒または0.5秒開放状態に制御する部分)と、前記可変始動装置に遊技媒体が進入したことにもとづいて可変表示を実行可能な可変表示実行手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ90560におけるステップS90300〜S90304,S90350〜S90354を実行する部分)と、可変表示の表示結果が所定表示結果(例えば、小当り図柄)となったことにもとづいて、前記所定可変装置を進入有利状態に変化させる所定状態(例えば、小当り遊技状態)に制御可能な所定状態制御手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ90560におけるステップS90358〜S90360を実行する部分)と、前記所定状態に制御される頻度を高めた特別状態(例えば、KT状態)に制御可能な特別状態制御手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ90560におけるステップS902208A,S902211A,S902212A,S902209B,S902210B,S902213B,S902214Bを実行する部分)とを備え、前記特別状態制御手段は、前記特別状態として、第1特別状態(例えば、高確率/第1KT状態)と、該第1特別状態とは有利度合いが異なる第2特別状態(例えば、高確率/第2KT状態)とに制御可能であり、前記可変始動装置制御手段は、前記複数の開放パターンのうち非特定開放パターンよりも前記所定可変装置に遊技媒体が流下しやすい特定開放パターンにより前記可変始動装置を制御可能であり(例えば、図38(2)に示すように、可変入賞球装置9015を0.5秒間だけ開放する)、前記第1特別状態に制御されている場合と前記第2特別状態に制御されている場合とで、異なる割合で前記特定開放パターンにより前記可変始動装置を制御可能である(例えば、第1KT状態では、図38(1)に示すように、可変入賞球装置9015を5.5秒間開放し、第2KT状態では、図38(2)に示すように、可変入賞球装置9015を0.5秒間だけ開放する)遊技機が挙げられる。
このような構成によれば、有利状態の有利度に応じた注意喚起を表示することができる。また、特別状態における遊技性の単調さを解消することができ、特別状態に制御する場合の遊技の興趣を向上させることができる。
なお、所定可変装置を進入有利状態に変化させることとなる所定表示結果を含む可変表示の表示結果と、記録媒体の取り忘れに関する注意喚起表示とを、同じ表示装置(例えば、同じ演出表示装置9、909)で表示してもよいし、別の表示装置で表示してもよい。また、所定可変装置を進入有利状態に変化させる所定状態(例えば、小当り遊技状態)に制御される頻度を高めた特別状態(例えば、KT状態)となったときに、記録媒体の取り忘れに関する注意喚起表示を実行するようにしてもよい。
さらに、有利状態の有利度に応じた注意喚起を表示することができ、また、特別状態における遊技性の単調さを解消することができ、特別状態に制御する場合の遊技の興趣を向上させることができる遊技機の形態の一例として、可変表示を行い、遊技者にとって有利な有利状態(例えば、大当り遊技状態)に制御可能な遊技機であって、遊技媒体(例えば、遊技球)が進入可能な進入有利状態(例えば、開状態)と遊技媒体が進入不能または困難な進入不利状態(例えば、閉状態)とに変化可能な可変始動装置(例えば、可変入賞球装置9015)と、可変始動装置の下流側に設けられ、進入有利状態と進入不利状態とに変化可能な所定可変装置(例えば、特殊可変入賞球装置9022)と、複数の開放パターンのうちのいずれかの開放パターンにより可変始動装置を制御可能な可変始動装置制御手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ90560におけるステップS9026Cを実行することにより、図38(1),(2)に示すように、可変入賞球装置9015を5.5秒または0.5秒開放状態に制御する部分)と、可変始動装置に遊技媒体が進入したことにもとづいて可変表示を実行可能な可変表示実行手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ90560におけるステップS90300〜S90304,S90350〜S90354を実行する部分)と、可変表示の表示結果が所定表示結果(例えば、小当り図柄)となったことにもとづいて、所定可変装置を進入有利状態に変化させる所定状態(例えば、小当り遊技状態)に制御可能な所定状態制御手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ90560におけるステップS90358〜S90360を実行する部分)と、所定状態に制御される頻度を高めた特別状態(例えば、KT状態)に制御可能な特別状態制御手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ90560におけるステップS902208A,S902211A,S902212A,S902209B,S902210B,S902213B,S902214Bを実行する部分)とを備え、特別状態制御手段は、特別状態として、第1特別状態(例えば、高確率/第1KT状態)と、該第1特別状態とは有利度合いが異なる第2特別状態(例えば、高確率/第2KT状態)とに制御可能であり、可変始動装置制御手段は、複数の開放パターンのうち非特定開放パターンよりも所定可変装置に遊技媒体が流下しやすい特定開放パターンにより可変始動装置を制御可能であり(例えば、図38(2)に示すように、可変入賞球装置9015を0.5秒間だけ開放する)、第1特別状態に制御されている場合と第2特別状態に制御されている場合とで、異なる割合で特定開放パターンにより可変始動装置を制御可能である(例えば、第1KT状態では、図38(1)に示すように、可変入賞球装置9015を5.5秒間開放し、第2KT状態では、図38(2)に示すように、可変入賞球装置9015を0.5秒間だけ開放する)遊技機が挙げられる。以下に、この遊技機の形態例の一例を他の形態例として説明する。
(他の形態例)
以下、他の形態例を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機901の全体の構成について説明する。図24はパチンコ遊技機(弾球遊技機)901を正面からみた正面図である。なお、ここでは、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、この発明による遊技機はパチンコ遊技機に限られず、例えば、画像式の遊技機、コイン遊技機、および、スロット機等であってもよい。
パチンコ遊技機901は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機901は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠902を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤906を除く)とを含む構造体である。
図24に示すように、パチンコ遊技機901は、額縁状に形成されたガラス扉枠902を有する。ガラス扉枠902の下部表面には打球供給皿(上皿)903がある。打球供給皿903の下部には、打球供給皿903に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿904や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)905が設けられている。また、ガラス扉枠902の背面には、遊技盤906が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤906は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤906の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域907が形成されている。
遊技領域907の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置909が設けられている。演出表示装置909の表示画面には、第1の実行条件である第1始動条件の成立(例えば、打球が第1始動入賞口9013に入賞したこと)にもとづいて各々を識別可能な複数種類の演出用の飾り図柄(第1飾り図柄)を可変表示し表示結果を導出表示する表示領域(以下、第1可変表示部909aという。)と、第2の実行条件である第2始動条件の成立(例えば、打球が第2始動入賞口9014に入賞したこと)にもとづいて各々を識別可能な複数種類の演出用の飾り図柄(第2飾り図柄)を可変表示し表示結果を導出表示する表示領域(以下、第2可変表示部909bという。)と、第1の可変表示部909aおよび第2の可変表示部909bよりも遊技者が表示内容を視認することが容易な表示領域(以下、背景図柄表示部909cという。)とがある。なお、表示内容を視認することが容易とは、例えば、表示領域のサイズが大きいことであったり、可変表示部909aおよび第2の可変表示部909bにおける表示内容が常に単色であるのに対して表示色が変わったりすることである。また、この実施形態では、背景図柄演出部909cには、左・中・右の3つの表示領域に識別情報(以下、背景図柄ともいう。)が表示制御される。なお、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄を停止表示させることである。この実施の形態では、2つの可変表示部(第1の可変表示部909aおよび第2の可変表示部909b)に対して1つの背景図柄演出部909cが設けられ、背景図柄演出部909cにおいて、2つの可変表示部において可変表示される飾り図柄(第1飾り図柄および第2飾り図柄)のいずれかに対応した演出が実行されるので、飾り図柄の状況(例えば、大当り図柄が導出表示されるか否か)を把握しづらくする。なお、この実施の形態では、背景図柄は、演出表示装置909(液晶表示装置)における演出用の図柄変動表示を行うためのものであり、演出用識別情報、装飾図柄、および演出図柄に相当する。
演出表示装置909の上部には、識別情報としての特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(特別図柄表示装置)908aおよび第2特別図柄表示器908bが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器908aおよび第2特別図柄表示器908bは、それぞれ、例えば0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。第1特別図柄表示器908aおよび第2特別図柄表示器908bは、停止図柄が確変図柄であるのか非確変図柄であるのかを把握しづらくさせるために、0〜99など、より多種類の数字を可変表示するように構成されていてもよい。以下、第1特別図柄表示器908aにおいて可変表示される識別情報を第1特別図柄といい、第2特別図柄表示器908bにおいて可変表示される識別情報を第2特別図柄ということがある。また、第1特別図柄と第2特別図柄とを、特別図柄と総称することがある。なお、この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、一部が異なっていてもよい。一例として、第1特別図柄の種類は、0〜5の数字と数字以外のキャラクタとを含み、第2特別図柄の種類は、0〜5の数字と数字以外のキャラクタであって第1特別図柄のキャラクタとは異なるものとを含むようにしてもよい。
第1特別図柄表示器908aの近傍には、第1始動入賞口9013に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)数を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器9018aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器9018aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器908aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。また、第2特別図柄表示器908bの近傍には、第2始動入賞口9014に入った有効入賞球数すなわち保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器9018bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器9018bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器908bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
第1可変表示部909aは、第1特別図柄表示器908aによる特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての飾り図柄の可変表示を行う。また、第2可変表示部909bは、第2特別図柄表示器908bによる特別図柄の可変表示時間中に、装飾用の図柄としての飾り図柄の可変表示を行う。飾り図柄の可変表示を行う第1可変表示部909aおよび第2可変表示部909bは、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。以下、第1可変表示部909aにおいて可変表示される識別情報を第1飾り図柄といい、第2可変表示部909bにおいて可変表示される識別情報を第2飾り図柄ということがある。また、第1飾り図柄と第2飾り図柄とを、飾り図柄と総称することがある。なお、第1飾り図柄の種類と第2飾り図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であってもよいし、種類が異なっていてもよい。種類が異なる場合、一部が異なっていてもよい。一例として、第1飾り図柄の種類は、0〜5の数字と数字以外のキャラクタとを含み、第2飾り図柄の種類は、0〜5の数字と数字以外のキャラクタであって第1飾り図柄のキャラクタとは異なるものとを含むようにしてもよい。
演出表示装置909の表示画面には、第1始動入賞口9013に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数と、第2始動入賞口9014に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(以下、図柄保留記憶表示部9018cという。)がある。このように、この実施の形態では、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計を、比較的遊技者に視認されやすい図柄保留記憶表示部9018cにおいて表示することによって、遊技者に、第1保留記憶数と第2保留記憶数のそれぞれを把握しづらくする。この実施の形態では、第1特別図柄保留記憶表示器9018aおよび第2特別図柄保留記憶表示器9018bは、それぞれ、図柄保留記憶表示部9018cよりも小型のランプやLEDのような4つの表示器で構成されているが、第1保留記憶数と第2保留記憶数とをより把握しづらくするために、他の態様の表示器を用いてもよい。一例として、第1特別図柄保留記憶表示器9018aおよび第2特別図柄保留記憶表示器9018bをそれぞれ1個の表示器で構成し、保留記憶数に応じて表示色を異ならせたり、表示濃度を異ならせるようにする。
この実施の形態では、表示可能な合算保留記憶数すなわち合算保留記憶数の上限値は8である。図柄保留記憶表示部9018cは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示領域の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器908aまたは第2特別図柄表示器908bの可変表示が開始される毎に、点灯する表示領域の数を1減らす。または、図柄保留記憶表示部9018cにおける8つの表示領域のうち、あらかじめ有効始動入賞として決められている色で表示される領域の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器908aまたは第2特別図柄表示器908bの可変表示が開始される毎に、あらかじめ有効始動入賞として決められている色で表示される領域の数を1減らす。
また、この実施の形態では、第1保留記憶数の上限値を4にし、第2保留記憶数の上限値を4にする。従って、第1保留記憶数が4である場合に第1始動入賞口9013に遊技球が入賞したときには、その入賞は第1始動条件を成立させない無効始動入賞になる。第1保留記憶数が4未満である場合に第1始動入賞口9013に遊技球が入賞したときには、その入賞は第1始動条件を成立させる有効始動入賞(第1有効始動入賞)になる。同様に、第2保留記憶数が4である場合に第2始動入賞口9014に遊技球が入賞したときには、その入賞は第2始動条件を成立させない無効始動入賞になる。第2保留記憶数が4未満である場合に第2始動入賞口9014に遊技球が入賞したときには、その入賞は第2始動条件を成立させる有効始動入賞(第2有効始動入賞)になる。なお、この例では、第1保留記憶数の上限値を4にし、第2保留記憶数の上限値を4にし、合算保留記憶数の上限値を8にするが、それらの値は一例である。また、上限値を、遊技状態に応じて変更可能であるようにしてもよい。
演出表示装置909の下方には、第1始動入賞口9013を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口9013に入賞した遊技球は、遊技盤906の背面に導かれ、第1始動口スイッチ9013aによって検出される。第1始動口スイッチ9013aによって遊技球が検出された場合には、この検出情報に基づき、所定個数(1個)の遊技球が賞球として払い出される。
演出表示装置909の右方には、ゲート9032が設けられている。ゲート9032を通過した遊技球は、ゲートスイッチ9032aによって検出される。また、ゲート9032の下方には、作動ゲート9017が設けられている。作動ゲート9017を通過した遊技球は、作動ゲートスイッチ9017aによって検出される。
作動ゲート9017の下方には、大入賞口を形成する特別可変入賞球装置9020が設けられている。特別可変入賞球装置9020は開閉板を備え、第1特別図柄表示器908aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器908bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する有利状態(大当り遊技状態)においてソレノイド9021によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球は第1カウントスイッチ9023aで検出される。第1カウントスイッチ9023aによって遊技球が検出された場合には、この検出情報に基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。
特別可変入賞球装置9020の下方には、小当り用の特殊入賞口9024を形成する特殊可変入賞球装置9022と、第2始動入賞口9014を有する可変入賞球装置9015とが設けられており、図24に示すように、左側に特殊可変入賞球装置9022が配置され、その右側に隣り合うように可変入賞球装置9015が配置されている。詳細は後述するが、これら特殊可変入賞球装置9022および可変入賞球装置9015は、やや傾斜した状態で左右方向に延在し、遊技球が流下する流路の底面として形成される板状の底面部材を、前後方向に進退移動させることにより、底面部材の下方に位置する特殊入賞口9024や第2始動入賞口9014に遊技球が入賞可能な開状態(開放状態ともいう)と遊技球が入賞不能な閉状態(閉鎖状態ともいう)とに変化させる。特殊可変入賞球装置9022は、第2特別図柄表示器908bに所定表示結果(小当り図柄)が導出表示されたときに生起する小当り遊技状態において、底面部材を前方に向けて前進移動させた閉状態から底面部材を後方に向けて後退移動させ、入賞領域となる特殊入賞口9024を開状態とする開放制御を実行する。また、可変入賞球装置9015は、普通図柄表示器9010に当り図柄が導出表示されたときに、底面部材を前方に向けて前進移動させた閉状態から底面部材を後方に向けて後退移動させ、入賞領域となる第2始動入賞口9014を開状態とする開放制御を実行する。
なお、この実施の形態では、特殊可変入賞球装置9022と可変入賞球装置9015とは、同様の構造を有するように形成されているのであるが、図24に示すように、可変入賞球装置9015と比較して特殊可変入賞球装置9022の方が若干大きい。また、図24に示すように、特殊可変入賞球装置9022と可変入賞球装置9015とは隣り合うように配置されているので、特別可変入賞球装置9020に入賞することなく遊技領域907を落下した遊技球は、まず可変入賞球装置9015の上に落下するのであるが、この際に可変入賞球装置9015の底面部材が後退移動されて第2始動入賞口9014が開状態となっていれば、遊技球は第2始動入賞口9014に入賞し、特殊可変入賞球装置9022の方には遊技球は流れて行かない。一方、第2始動入賞口9014が開状態となっていなければ、遊技球は可変入賞球装置9015の底面部材の上を移動して特殊可変入賞球装置9022の方に導かれる。この際に特殊可変入賞球装置9022の底面部材が後退移動されて特殊入賞口9024が開状態となっていれば、遊技球は特殊入賞口9024に入賞する。さらに、特殊入賞口9024も開状態となっていなければ、遊技球は特殊可変入賞球装置9022の底面部材の上を移動して、そのままアウト口9026の方へ落下することになる。
なお、この実施の形態では、図24に示すように、特殊可変入賞球装置9022が左側に配置され、可変入賞球装置9015が右側に配置されているのであるが、特殊可変入賞球装置9022および可変入賞球装置9015の底面部材が右上方から左下方に緩やかに傾斜するように形成され、底面部材が後退しておらず閉状態である場合には可変入賞球装置9015の方から特殊可変入賞球装置9022の方に向かって遊技球が流れるように構成されているので、この意味で、可変入賞球装置9015の方が上流側に設けられ、特殊可変入賞球装置9022の方が下流側に設けられているといえる。
特殊入賞口9024内には、特殊入賞口9024内に入賞した遊技球を検出可能なスイッチ(第2カウントスイッチ9025a、図28参照)が設けられている。第2カウントスイッチ9025aによって遊技球が検出された場合には、この検出情報に基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出される。ここで、特殊可変入賞球装置9022において開状態となった特殊入賞口9024を遊技球が通過(進入)したときには、大入賞口に遊技球が入賞したときと比較すると賞球の数が少ないものの、例えば第1始動入賞口9013aや第2始動入賞口9013bといった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出されるようになっている。従って、特殊可変入賞球装置9022が開放制御されて特殊入賞口9024が開状態となれば、遊技者にとって有利な状態となる。その一方で、特殊可変入賞球装置9022が閉鎖制御されて特殊入賞口9024が閉状態となれば、特殊入賞口9024に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることができないため、遊技者にとって不利な状態となる。
また、第2始動入賞口9014内には、第2始動入賞口9014内に入賞した遊技球を検出可能な第2始動口スイッチ9014aが設けられている。第2始動口スイッチ9014aによって遊技球が検出された場合には、この検出情報に基づき、所定個数(1個)の遊技球が賞球として払い出される。
以下、第1始動入賞口9013と第2始動入賞口9014とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
なお、この実施の形態では、ゲート9032、作動ゲート9017、特別可変入賞球装置9020(大入賞口)、可変入賞球装置9015(第2始動入賞口9014)、および特殊可変入賞球装置9022(特殊入賞口9024)が遊技領域907の右方に設けられているので、大当り遊技中や後述するKT状態中である場合には、遊技者は遊技領域907の右方を狙って発射操作(いわゆる右打ち操作)を行う。従って、この実施の形態では、詳細な説明を省略しているが、大当り遊技中やKT状態中である場合には、例えば、演出表示装置909において「右打ち」などの表示を行ったり右方向を示す矢印表示を行ったりして、右打ち操作期間中であることを報知するように構成することが望ましい。
演出表示装置909の下方には、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器9010が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器9010は、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器9010は、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。また、小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。なお、普通図柄表示器9010は、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。また、普通図柄表示器9010は、7セグメントLEDなどにかぎらず、例えば、所定の記号表示を点灯表示可能な表示器(例えば、「○」や「×」を交互に点灯表示可能な装飾ランプ)で構成されていてもよい。
遊技球がゲート9032を通過しゲートスイッチ9032aで検出されると、普通図柄表示器9010の表示の可変表示が開始される。そして、普通図柄表示器9010における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。例えば、図柄「7」。)である場合に、可変入賞球装置9015が所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置9015の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口9014に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器9010の近傍には、ゲート9032を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器9041が設けられている。ゲート9032への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ9032aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器9041は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器9010の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
遊技盤906の遊技領域907の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプ9025が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口9026がある。また、遊技領域907の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ9027が設けられている。遊技領域907の外周上部、外周左部および外周右部には、前面枠に設けられた天枠ランプ9028a、左枠ランプ9028bおよび右枠ランプ9028cが設けられている。また、左枠ランプ9028bの近傍には賞球残数があるときに点灯する賞球ランプ9051が設けられ、右枠ランプ9028cの近傍には補給球が切れたときに点灯する球切れランプ9052が設けられている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル905を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域907に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。遊技者が打球操作ハンドル905を継続して操作した場合には、0.6秒毎に遊技球が打ち出される。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域907を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域907に入り、その後、遊技領域907を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口9013に入り第1始動口スイッチ9013aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、大当り遊技終了または前回の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示部908aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、可変表示部909aにおいて第1飾り図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄は第1始動入賞口9013への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、図柄保留記憶表示部9018cに表示される合算保留記憶数(合計数)を1増やす。
また、遊技球が第2始動入賞口9014に入り第2始動口スイッチ9014aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、大当り遊技終了または前回の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示部908bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、第2可変表示部909bにおいて第2飾り図柄の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄は第2始動入賞口9014への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、図柄保留記憶表示部9018cに表示される合算保留記憶数(合計数)を1増やす。ただし、第2保留記憶数が上限値に達していても、合算保留記憶数が上限値に達していなければ、図柄保留記憶表示部9018cに表示される合計数を1増やす。
第1特別図柄表示器908aにおける第1特別図柄の可変表示および第1可変表示部909aにおける第1飾り図柄の可変表示は、所定時間が経過したときに停止する。停止時の第1特別図柄が大当り図柄(特定表示結果)になると、大当り遊技状態に移行する。すなわち、一定時間(例えば29秒)が経過するまで、または、所定個数(例えば、10個)の遊技球が大入賞口に入賞するまで特別可変入賞球装置9020が開放される。特別可変入賞球装置9020が開放されてから一定期間経過するまで、または、所定個数(例えば、10個)の打球が大入賞口に入賞するまでが大当り遊技状態における1ラウンドである。所定個数の遊技球が大入賞口に入賞すると、または特別可変入賞球装置9020が開放されてから一定期間経過すると、継続権が発生し特別可変入賞球装置9020の開放が再度行われる。継続権の発生は、所定回数(例えば、2ラウンド、6ラウンド、16ラウンド)許容される。なお、大入賞口にV入賞領域を設け、特別可変入賞球装置9020の開放中に打球がV入賞領域に入賞したことを条件に、継続権が発生するようにしてもよい。なお、大当り遊技状態におけるラウンド数は、大当りの種別によって異なる。この実施の形態において大当りの種別は2R通常大当り、2R確変大当り、6R通常大当り、6R確変大当り、および16R確変大当りがあり、例えば、2R通常大当りまたは2R確変大当りが発生すれば2ラウンドの大当り遊技状態が付与され、6R通常大当りまたは6R確変大当りが発生すれば6ラウンドの大当り遊技状態が付与され、16R確変大当りが発生すれば16ラウンドの大当り遊技状態が付与される。
第1特別図柄表示器908aにおける第1特別図柄の変動停止時の停止図柄を、確率変動を伴う大当り図柄(特別表示結果:確変図柄、例えば「7」など)にすることに決定された場合には、次に大当りとなる確率が低確率状態(後述する低確率/非KT状態と低確率/第1KT状態とがある)よりも高い確変状態(低確率状態よりも大当りが発生しやすい高確率状態)という遊技者にとって有利な状態になる。なお、第1特別図柄の停止図柄が確変図柄に決定されて確変状態に移行した場合には、第1特別図柄表示器908aにおける第1特別図柄が大当り図柄になる確率が高くなるだけでなく、第2特別図柄表示器908bにおける第2特別図柄が大当り図柄になる確率も高くなる。すなわち、第1始動入賞にもとづく大当りの判定だけでなく、第2始動入賞にもとづく大当りの判定においても低確率状態よりも高い確率で大当りと判定されることになる。
また、第2特別図柄表示器908bにおける第2特別図柄の可変表示および第2可変表示部909bにおける第2飾り図柄の可変表示は、所定時間が経過したときに停止する。停止時の第2特別図柄が大当り図柄(特定表示結果)になると、大当り遊技状態に移行する。
第2特別図柄表示器908bにおける第2特別図柄の変動停止時の停止図柄を、確率変動を伴う大当り図柄(特別表示結果:確変図柄、例えば「7」など)にすることに決定された場合には、次に大当りとなる確率が低確率状態(後述する低確率/非KT状態と低確率/第1KT状態とがある)よりも高い確変状態(低確率状態よりも大当りが発生しやすい高確率状態)という遊技者にとって有利な状態になる。なお、第2特別図柄の停止図柄が確変図柄に決定されて確変状態に移行した場合には、第2特別図柄表示器908bにおける第2特別図柄が大当り図柄になる確率が高くなるだけでなく、第1特別図柄表示器908aにおける第1特別図柄が大当り図柄になる確率も高くなる。すなわち、第2始動入賞にもとづく大当りの判定だけでなく、第1始動入賞にもとづく大当りの判定においても低確率状態よりも高い確率で大当りと判定されることになる。
また、停止時の第2特別図柄が小当り図柄になると、小当り遊技状態に移行する。すなわち、特殊入賞口9024に遊技球が入賞可能な程度の一定時間が経過するまで特殊可変入賞球装置9022が開放される。これにより、小当り遊技状態にも、大当り遊技状態よりも少ないものの、遊技者が出玉を得ることができるような開放態様としている。
確変状態では、上述したように、第1特別図柄表示器908aおよび第2特別図柄表示器908bにおいて可変表示される第1特別図柄および第2特別図柄の停止図柄が大当り図柄(特定表示結果:例えば、0〜9のうちの奇数)になる確率が低確率状態より高められる。
ここで、この実施の形態における遊技状態について説明する。まず、この実施の形態における遊技状態には、通常状態(低確率/非KT状態)と、通常状態よりも小当りになりやすいKT状態(いわゆる小当りタイム)とがある。さらに、KT状態には第1KT状態と第2KT状態との2種類があり、この実施の形態では、遊技状態には、低確率状態且つ非KT状態(低確率/非KT状態:通常状態)に制御されている場合と、低確率且つ第1KT状態(低確率/第1KT状態)に制御されている場合と、高確率且つ第1KT状態(高確率/第1KT状態)に制御されている場合と、高確率且つ第2KT状態(高確率/第2KT状態)に制御されている場合とがある。
KT状態のうち第1KT状態は、後述するように、小当りが発生しやすく特殊可変入賞球装置9022が開状態となりやすいものの、上流側の可変入賞球装置9015の開放時間が極めて長く、小当りが発生しても下流側の特殊可変入賞球装置9022に遊技球が入賞するケースは極めて少ない(例えば、100変動するごとに1球程度)。また、KT状態のうち第2KT状態は、後述するように、上流側の可変入賞球装置9015の開放時間が短く、小当りが発生した場合に下流側の特殊可変入賞球装置9022に遊技球が入賞しやすい。
確変状態は、低確率状態よりも大当りになりやすい遊技状態である。具体的には、確変状態における大当り判定テーブルの大当り判定値の数が、低確率状態における大当り判定テーブルの大当り判定値の数の10倍あるため、確変状態を、低確率状態よりも大当りの発生しやすい遊技状態としている。
また、KT状態は、通常状態(低確率/非KT状態)よりも小当りになりやすい遊技状態である。具体的には、この実施の形態では、KT状態であっても普図当りとなって可変入賞球装置9015が開状態となる確率は通常状態と同じなのであるが、第2特別図柄の変動時に選択する変動パターンの有する変動時間が、KT状態の方が通常状態よりも短いため、KT状態の方が通常状態よりも一定時間に対する変動回数の割合が高くなる。そして、第2特別図柄の変動時には大当りとなる場合以外には全て小当りになるよう構成されている(ただし、後述する強制はずれの場合を除く)ため、KT状態を、通常状態よりも小当りになりやすい遊技状態としている。これにより、KT状態では、主に第2特別図柄の変動を行わせることにより小当りを頻繁に発生させ、遊技者に有利な遊技状態となっている。
次に、この実施の形態における遊技状態の遷移について説明する。まず、この実施の形態では、通常状態(低確率/非KT状態)では、遊技者は遊技領域907の左方を狙って遊技球の発射操作(左打ち)を行う。そのため、通常状態では、主として第1始動入賞口9013への始動入賞が発生し、主として第1特別図柄の変動表示が実行される。通常状態において大当りが発生した場合には、低確率/第1KT状態、高確率/第1KT状態、または高確率/第2KT状態へ移行する。例えば、6R通常大当りが発生した場合、低確率/第1KT状態に移行し、その後、大当りが発生することなく100回の変動表示を終了すると、第1KT状態を終了して通常状態へ移行する。また、例えば、6R確変大当りが発生した場合、高確率/第1KT状態に移行し、その後、次の大当りが発生するまで高確率/第1KT状態が維持される。また、例えば、16R確変大当りが発生した場合、高確率/第2KT状態に移行し、その後、次の大当りが発生するまで高確率/第2KT状態が維持される。
なお、この実施の形態では、低確率/第1KT状態に制御される場合に一律に100回の変動表示を終了すると第1KT状態を終了する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、低確率/第1KT状態の契機となる大当りの種別を複数設けるように構成し、その大当り種別に応じて大当り遊技終了後に第1KT状態が継続する変動表示の回数が異なる(例えば、20回や、30回、50回、100回)ように構成してもよい。
KT状態(低確率/第1KT状態、高確率/第1KT状態、高確率/第2KT状態)に移行した後である場合には、この実施の形態では、遊技者は遊技領域907の右方を狙って遊技球の発射操作(右打ち)を行う。そのため、KT状態では、主として第2始動入賞口9014への始動入賞が発生し、主として第2特別図柄の変動表示が実行される。KT状態において大当りが発生した場合には、低確率/第1KT状態、高確率/第1KT状態、または高確率/第2KT状態へ移行する。例えば、2R通常大当りが発生した場合、低確率/第1KT状態に移行し、その後、大当りが発生することなく100回の変動表示を終了すると、第1KT状態を終了して通常状態へ移行する。また、例えば、2R確変大当りまたは6R確変大当りが発生した場合、高確率/第1KT状態に移行し、その後、次の大当りが発生するまで高確率/第1KT状態が維持される。また、例えば、16R確変大当りが発生した場合、高確率/第2KT状態に移行し、その後、次の大当りが発生するまで高確率/第2KT状態が維持される。
ただし、後述するように、大当り開始前に非KT状態であったにもかかわらず第2特別図柄の変動表示が実行されて16R確変大当りとなったような場合には、高確率状態に移行するものの、第2KT状態ではなく第1KT状態に移行するように制御する(後述するステップS902208B,S902209B参照)。すなわち、通常状態であるにもかかわらず右打ちされて第2特別図柄の変動表示により16R確変大当りが発生した場合であり、そのような場合に第2KT状態に移行して小当り遊技において相当数の賞球を得られるようにしてしまうと、一部の遊技者が通常状態にて積極的に右打ちにて遊技を行う可能性があり、本来の遊技性が損なわれてしまう。このことから、通常状態で右打ちして第2特別図柄の変動表示により16R確変大当りが発生したとしても、第1KT状態にしか移行しないようにすることによるペナルティを科すことにより、通常状態での積極的な右打ち遊技を抑制することができる。
第1特別図柄表示器908aにおける第1特別図柄の可変表示と、第1可変表示部909aにおける第1飾り図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器908bにおける第2特別図柄の可変表示と、第2可変表示部909bにおける第2飾り図柄の可変表示とは同期している。ここで、同期とは、可変表示の開始時点および終了時点が同じであって、可変表示の期間が同じであることをいう。また、第1特別図柄表示器908aにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第1可変表示部909aにおいて大当り図柄が停止表示される。第2特別図柄表示器908bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第2可変表示部909bにおいて大当り図柄が停止表示される。
さらに、第1特別図柄表示器908aにおいて確変図柄が停止表示されるときには、第1可変表示部909aにおいて確変図柄を想起させるような飾り図柄(例えば「7」)が停止表示される。第2特別図柄表示器908bにおいて確変図柄が停止表示されるときには、第2可変表示部909bにおいて確変図柄を想起させるような特別の飾り図柄(例えば「7」)が停止表示される。
また、背景図柄表示部909cでは、第1特別図柄表示器908aにおいて第1特別図柄が可変表示されているときに、第1特別図柄の可変表示に対応した演出が実行される。例えば、背景図柄表示部909cにおける3つの表示領域において背景図柄が可変表示される。リーチ演出を行う場合には、例えば、可変表示中に左右の背景図柄が停止表示される。そして、後述するように例外はあるが、基本的に第1特別図柄表示器908aにおいて第1特別図柄の停止図柄が導出表示されるときに、背景図柄表示部909cにおいて背景図柄の停止図柄が導出表示される(3つの表示領域において背景図柄が最終停止される。)。第1特別図柄の停止図柄が大当り図柄である場合には、背景図柄の停止図柄は、第1特別図柄の停止図柄が大当り図柄であることを遊技者に想起させるような背景図柄(例えば、左中右が揃った状態の3つの背景図柄)になる。以下、そのような背景図柄も、大当り図柄という。
第2特別図柄表示器908bにおいて第2特別図柄が可変表示されているときに、第2特別図柄の可変表示に対応した演出が実行される。例えば、背景図柄表示部909cにおける3つの表示領域において背景図柄が可変表示される。
また、第1特別図柄表示器908aにおいて第1特別図柄が可変表示され、同時に第2特別図柄表示器908bにおいて第2特別図柄が可変表示されているときには、第1特別図柄と第2特別図柄とのうちのいずれかの可変表示に対応した演出が実行される。
そして、第1特別図柄または第2特別図柄が単独で可変表示されている場合には、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示が終了し第1特別図柄または第2特別図柄の停止図柄が導出表示されるときに、背景図柄の可変表示は終了し、背景図柄の停止図柄が導出表示される。また、第1特別図柄および第2特別図柄が同時に可変表示されている場合、具体的には、第1特別図柄および第2特別図柄が同時に可変表示されている期間が存在する場合には、遅く可変表示が終了する方の特別図柄が停止表示されるときに、背景図柄の可変表示は終了する。
次に、リーチ表示態様(リーチ)について説明する。この実施形態におけるリーチ表示態様(リーチ)とは、3つの背景図柄のうち停止した背景図柄が大当り図柄の一部を構成しているときに未だ停止していない背景図柄については可変表示(変動表示)が行われていること、および全てまたは一部の背景図柄が大当り図柄の全てまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態である。
例えば、背景図柄表示部909cにおける左、中、右の表示領域のうち左、右の表示領域には大当り図柄の一部になる飾り図柄(例えば、「7」)が停止表示されている状態で中の表示領域は未だ変動表示が行われている状態、および表示領域の全てまたは一部の図柄が大当り図柄の全てまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態(例えば、背景図柄表示部909cにおける左、中、右の表示領域の全てに変動表示が行われ、常に同一の図柄が揃っている状態で変動表示が行われている状態)がリーチ表示態様またはリーチになる。
また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行われる。その演出と背景図柄表示部909cにおけるリーチ表示態様とをリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、背景図柄とは異なるもの)を表示させたり、背景図柄表示部909cの背景(図柄およびキャラクタとは異なる地の色や模様など)の表示態様(例えば、色等)を変化させたりすることがある。
次に図25〜図27は、特殊可変入賞球装置9022を示す図である。以下では、図25〜図27を参照して特殊可変入賞球装置9022について説明する。なお、この実施の形態については、図25〜図27を用いて特殊可変入賞球装置9022の構造について説明を行っているが、特殊可変入賞球装置9022よりも若干サイズが小さいだけで、可変入賞球装置9015の構造も特殊可変入賞球装置9022の構造と同様である。
図25〜図27に示すように、特殊可変入賞球装置9022は、左右方向に長い矩形板状のベース板部90101を備えている。特殊可変入賞球装置9022は、このベース板部90101が遊技領域907に例えば螺子などで固定されることで、遊技領域907に固定支持される。ベース板部90101の略中央領域には、前方に向けて開口する特殊入賞口9024(可変入賞球装置9015の場合は第2始動入賞口9014)が形成されるとともに、ベース板部90101における特殊入賞口9024よりも上方の位置には、底面部材9023が後退移動した際に、底面部材9023を遊技領域907の背面側(後方)に収容するための左右方向に長いスリット状の収容孔90102が形成されている。なお、この実施形態において特殊入賞口9024は詳しくは、ベース板部90101の左右方向中央よりやや左側に形成されているが、これよりも左または右であってもよい。
底面部材9023は、右方からその上面に進入した遊技球を、左方に向けて流下させるように、左下がり傾斜し、収容孔90102は、底面部材9023の傾斜に沿うように、左下がり傾斜するように形成されている。底面部材9023は、図26に示す前進移動された状態と、図27に示す後退移動した状態とに進退移動可能とされており、ベース板部90101の背面側(後方)には、底面部材9023を進退移動させる駆動装置(図示せず)が配置されている。
図25〜図27に戻り、ベース板部90101の正面側には、前方に向けて突出した流路形成台部90112が形成されており、この流路形成台部90112の上部には、前進移動した状態の底面部材9023の上方側端部(右端部)である上流領域9023Uと底面部材9023の長手方向で連なり、底面部材9023とともに遊技球の流路を形成する上流側流路部90113と、底面部材9023の下方側端部(左端部)である下流領域9023Lと底面部材9023の長手方向で連なり、底面部材9023とともに遊技球の流路を形成する下流側流路部90114とが形成されている。
また、流路形成台部90112の上部には、上流側流路部90113および下流側流路部90114の底面部材9023側の端部から下方に凹み、正面視で、特殊入賞口9024を左右および下方から囲うようにして、底面部材9023の下方に落下した遊技球を特殊入賞口9024に案内する案内流路部90115が形成されている。
上流側流路部90113および下流側流路部90114は、遊技球を左方に流下させるべく左下がりに傾斜するように形成されている。また、案内流路部90115の底部は、特殊入賞口9024側に向けて左下がりに延びるとともに、特殊入賞口9024の前方の位置で凹んでいる。そして、案内流路部90115の底部において上記凹んだ空間には、遊技球を特殊入賞口9024側(遊技領域907の背面側)に向けて後方に案内する三角形状のガイド部90116が配設されている。
またさらに、流路形成台部90112の前部(遊技者側)には、上流側流路部90113、下流側流路部90114および案内流路部90115を前方から覆う被覆部90117が一体に形成されている。この被覆部90117は、上流側流路部90113、下流側流路部90114および案内流路部90115を前方から覆うことで、これら各流路部を流下する遊技球がガラス扉枠904側に跳ねてしまうことを防ぐ機能を有している。なお、この実施形態では、被覆部90117が流路形成台部90112に一体形成されるが、別体で固定されるものでもよい。
特殊可変入賞球装置9022では、ベース板部90101と被覆部90117との間において、上流側流路部90113、底面部材9023、および下流側流路部90114からなる、左右方向に連なる遊技球の流路Fが形成される。ここで、この実施形態では、ベース板部90101および被覆部90117に、流路Fを流下する遊技球の流下速度を低下させる複数の規制片90118が形成されている。
この実施形態において、規制片90118は、ベース板部90101および被覆部90117に一体形成され、ベース板部90101から前方に突出する、または被覆部90117から後方に突出するリブ状に形成され、遊技球に干渉することで、左方に向けて流下する遊技球を前後方向成分の動きをもって蛇行するように、遊技球の流下方向を変更させて、その流下にかかる時間を、規制片90118がない場合よりも遅延させる。これら規制片90118は、流路Fにおける遊技球の流下方向で、所定間隔を空けて並ぶように形成され、かつベース板部90101および被覆部90117に交互に形成されている。また、規制片90118は、底面部材9023の前後方向幅の1/3〜1/4程度の幅寸法に設定され、かつ隣接するもの同士の間に遊技球が通過可能な幅寸法に設定されている。さらに詳しくは、この実施形態では、被覆部90117のうちの上流側流路部90113を前方から覆う部位に、規制片90118が1つ形成されるとともに、被覆部90117のうちの下流側流路部90114を前方から覆う部位に、規制片90118が1つ形成されている。また、ベース板部90101および被覆部90117のうちの底面部材9023を覆う部位には、ベース板部90101および被覆部90117に交互に形成された規制片90118が合計5つ形成されている。なお、このような規制片90118の数は、特段限定されるものではない。また、この実施形態では、規制片90118の大部分が、前方(遊技者側)から被覆部90117によって覆われるようになっている。
以上のような規制片90118の配置により、図26を参照し、この実施形態の特殊可変入賞球装置9022(および同様に構成された可変入賞球装置9015)では、流路Fを流下しようとする遊技球Pが、流路F上を蛇行するようにして流下することになる。そして、このような流路Fが形成される特殊可変入賞球装置9022(または可変入賞球装置9015)が閉鎖されているとき、遊技球Pが特殊入賞口9024(または第2始動入賞口9014)に入賞せずに、特殊可変入賞球装置9022(または可変入賞球装置9015)を基本的に通過する。一方で、図27を参照し、底面部材9023が後退移動した特殊可変入賞球装置9022(または可変入賞球装置9015)が開放されているとき、遊技球Pが、流路形成台部90112の案内流路部90115に落下することが可能となり、この案内流路部90115を流下して、特殊入賞口9024(または第2始動入賞口9014)に入賞することが可能となる。
図28は、主基板(遊技制御基板)9031における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図28には、払出制御基板9037および演出制御基板9080等も示されている。主基板9031には、プログラムに従ってパチンコ遊技機901を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)90560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM9054、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM9055、プログラムに従って制御動作を行うCPU9056およびI/Oポート部9057を含む。この実施の形態では、ROM9054およびRAM9055は遊技制御用マイクロコンピュータ90560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU9056のほかRAM9055が内蔵されていればよく、ROM9054は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部9057は、外付けであってもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ90560においてCPU9056がROM9054に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ90560(またはCPU9056)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU9056がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板9031以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
また、第1始動口スイッチ9013a、第2始動口スイッチ9014a、第1カウントスイッチ9023a、第2カウントスイッチ9025a、ゲートスイッチ9032a、および作動ゲートスイッチ9017aからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ90560に与える入力ドライバ回路9058も主基板9031に搭載され、特別可変入賞球装置9020を開閉するソレノイド9021、特殊可変入賞球装置9022を開閉するソレノイド90106、および可変入賞球装置9015を開閉するソレノイド90206を遊技制御用マイクロコンピュータ90560からの指令に従って駆動する出力回路9059も主基板9031に搭載され、電源投入時に遊技制御用マイクロコンピュータ90560をリセットするためのシステムリセット回路(図示せず)や、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板9031に搭載されている。なお、主基板9031には、試験信号を遊技機外部に出力するための試験信号出力回路(図示せず)も設けられている。
この実施の形態では、演出制御基板9080に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板9077を介して遊技制御用マイクロコンピュータ90560からの演出制御コマンドを受信し、飾り図柄を可変表示する第1可変表示部909aおよび第2可変表示部909bと、背景図柄を可変表示する背景図柄表示部909cと、図柄保留記憶表示部9018cとの表示制御を行う。
図29は、中継基板9077、演出制御基板9080、ランプドライバ基板9035および音声出力基板9070の回路構成例を示すブロック図である。なお、図29に示す例では、ランプドライバ基板9035および音声出力基板9070には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板9035および音声出力基板9070を設けずに、演出制御に関して演出制御基板9080のみを設けてもよい。
演出制御基板9080は、演出制御用CPU90201およびRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ90200を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板9080において、演出制御用CPU90201は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板9077を介して入力される主基板9031からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ90202および入力ポート90203を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU90201は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)90209に、演出表示装置909の表示制御を行わせる。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板9080において、まず、入力ドライバ90202に入力する。入力ドライバ90202は、中継基板9077から入力された信号を演出制御基板9080の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板9080の内部から中継基板9077への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板9077には、主基板9031から入力された信号を演出制御基板9080に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板9080から中継基板9077への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路9074が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図29には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート90571を介して主基板9031から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板9077から主基板9031の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板9077からの信号は主基板9031の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ90560側)に入り込まない。なお、出力ポート90571は、図28に示されたI/Oポート部9057の一部である。また、出力ポート90571の外側(中継基板9077側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
さらに、演出制御用CPU90201は、入出力ポート90205を介してランプドライバ基板9035に対してランプを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU90201は、入出力ポート90204を介して音声出力基板9070に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板9035において、ランプを駆動する信号は、入出力ドライバ90351を介してランプドライバ90352に入力される。ランプドライバ90352は、ランプを駆動する信号を増幅して天枠ランプ9028a、左枠ランプ9028b、右枠ランプ9028cなどの枠側に設けられている各ランプに供給する。また、枠側に設けられている装飾ランプ9025に供給する。さらに、この実施の形態では、特殊可変入賞球装置9022内に特殊入賞口ランプ9024aが設けられており、ランプドライバ90352は、ランプを駆動する信号を増幅して特殊入賞口ランプ9024aに供給する。
音声出力基板9070において、音番号データは、入出力ドライバ90702を介して音声合成用IC90703に入力される。音声合成用IC90703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路90705に出力する。増幅回路90705は、音声合成用IC90703の出力レベルを、ボリューム90706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ9027に出力する。音声データROM90704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば飾り図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
なお、ランプを駆動する信号および音番号データは、演出制御用CPU90201とランプドライバ基板9035および音声出力基板9070との間で、双方向通信(信号受信側から送信側に応答信号を送信するような通信)によって伝達される。
演出制御用CPU90201は、受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、演出表示装置909に表示される画像の中でも使用頻度の高いキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(飾り図柄、背景図柄を含む)をあらかじめ格納しておくためのものである。演出制御用CPU90201は、キャラクタROMから読み出したデータをVDP90209に出力する。VDP90209は、演出制御用CPU90201から入力されたデータにもとづいて表示制御を実行する。
この実施の形態では、演出表示装置909の表示制御を行うVDP90209が演出制御基板9080に搭載されている。VDP90209は、演出制御用マイクロコンピュータ90200とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、VDPによって生成された画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP90209は、VRAM内の画像データを演出表示装置909に出力する。
なお、この実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板9080、音声出力基板9070およびランプドライバ基板9035が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置909を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ9027など)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。また、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、演出制御用マイクロコンピュータ90200に対して直接コマンドを送信していたが、他の基板(例えば、図29に示す音声出力基板9070やランプドライバ基板9035など)を経由して演出制御基板9080における演出制御用マイクロコンピュータ90200に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板9070やランプドライバ基板9035にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置909を制御する演出制御用マイクロコンピュータ90200に送信するようにしてもよい。また、第1の演出制御基板と第2の演出制御基板との2つの基板を設けた場合に、遊技制御用マイクロコンピュータ90560からの演出に関するコマンドは第2の演出制御基板に対して送信され、第2の演出制御基板から第1の演出制御基板に対してコマンドがそのまま送信されたり、加工(例えば、コマンドの形態や内容を変えたり、簡略化したり、必要なコマンドのみを選択)した後に送信されるように構成してもよい。
次に、遊技機の動作について説明する。図30は、主基板9031における遊技制御用マイクロコンピュータ90560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになると、遊技制御用マイクロコンピュータ90560(具体的には、CPU9056)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS901以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU9056は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU9056は、まず、割込禁止に設定する(ステップS901)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS902)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS903)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行う(ステップS904)。なお、割込みモード2は、CPU9056が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込みベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込み番地を示すモードである。
次いで、CPU9056は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号の状態を1回だけ確認する(ステップS906)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU9056は、通常の初期化処理を実行する(ステップS9010〜ステップS9015)。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS907)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU9056は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。この例では、バックアップフラグ領域に「55H」が設定されていればバックアップあり(オン状態)を意味し、「55H」以外の値が設定されていればバックアップなし(オフ状態)を意味する。
バックアップありを確認したら、CPU9056は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行う(ステップS908)。ステップS908では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU9056は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行う。具体的には、ROM9054に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS9091)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM9055内の領域)に設定する(ステップS9092)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS9091およびS9092の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU9056は、ROM9054に格納されているバックアップ時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS9093)、その内容に従って演出制御基板9080に、電力供給が復旧した旨を示す制御コマンド(電力供給復旧時の初期化コマンドとしての復旧コマンド)が送信されるように制御する(ステップS9094)。そして、ステップS9015に移行する。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU9056は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS9010)。なお、RAM9055の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM9054に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS9011)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS9012)。
ステップS9011およびS9012の処理によって、例えば、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグ、賞球中フラグ、球切れフラグ、払出停止フラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU9056は、ROM9054に格納されている初期化時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS9013)、その内容に従ってサブ基板を初期化するための初期化コマンドをサブ基板に送信する処理を実行する(ステップS9014)。初期化コマンドとして、演出表示装置909に表示される初期図柄を示すコマンド等がある。
そして、ステップS9015において、CPU9056は、所定時間(例えば4ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ90560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば4msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、4ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS9010〜S9015)が完了すると、CPU9056は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS9017)および初期値用乱数更新処理(ステップS9018)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS9016)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS9019)。この実施の形態では、表示用乱数とは、変動パターンを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、大当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(大当り判定用乱数発生カウンタ)等の、カウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ90560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、大当り判定用乱数発生カウンタ等のカウント値が1周(大当り判定用乱数発生カウンタ等の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
タイマ割込が発生すると、CPU9056は、図31に示すステップS9020〜S9034のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS9020)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電圧低下監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU9056は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路9058を介して、第1始動口スイッチ9013a、第2始動口スイッチ9014a、第1カウントスイッチ9023a、第2カウントスイッチ9025a、ゲートスイッチ9032a、および作動ゲートスイッチ9017aの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS9021)。
次に、CPU9056は、第1特別図柄表示器908a、第2特別図柄表示器908b、第1特別図柄保留記憶表示器9018aおよび第2特別図柄保留記憶表示器9018bの表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS9022)。第1特別図柄表示器908aおよび第2特別図柄表示器908bについては、ステップS9032で設定された出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
次に、遊技制御に用いられる大当り判定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS9023)。CPU9056は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS9024,S9025)。
図32は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1´:大当りを発生させるか否か、または小当りを発生させるか否かを決定する(大当り判定用)
(2)ランダム2´:大当りの種別、すなわち、2R通常大当り、2R確変大当り、6R通常大当り、6R確変大当り、および16R確変大当りのいずれにするかを決定する(大当り種別決定用)
(3)ランダム5´:特別図柄の変動パターンを決定する(変動パターン決定用)
(4)ランダム6´:普通図柄にもとづく当りを発生させるか否かを決定する(普通図柄当り判定用)
(5)ランダム7´:ランダム1´の初期値を決定する(ランダム1´初期値決定用)
(6)ランダム8´:ランダム6´の初期値を決定する(ランダム6´初期値決定用)
図31に示された遊技制御処理におけるステップS9023では、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、(1)の大当り判定用乱数、(2)の大当り種別決定用乱数および(4)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数または初期値用乱数である。なお、遊技効果を高めるために、上記(1)〜(6)の乱数以外の乱数も用いられている。また、この実施の形態では大当りの種別を決定する乱数と小当りの種別を決定する乱数として、共通の乱数(ランダム2´)を設けるものとしたが、それぞれ異なる乱数が設けられているものであってもよい。
さらに、CPU9056は、第1特別図柄プロセス処理を行う(ステップS9026A)。第1特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じて第1特別図柄表示器908aや特別可変入賞球装置9020を所定の順序で制御するための第1特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU9056は、第1特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて各処理中に更新する。次いで、CPU9056は、第2特別図柄プロセス処理を行う(ステップS9026B)。第2特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じて第2特別図柄表示器908bや特別可変入賞球装置9020、特殊可変入賞球装置9022を所定の順序で制御するための第2特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU9056は、第2特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて各処理中に更新する。そして、CPU9056は、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS9026C)。普通図柄プロセス処理では、遊技状態に応じて普通図柄表示器9010や可変入賞球装置9015を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU9056は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて各処理中に更新する。
次いで、CPU9056は、保留記憶処理を行う(ステップS9027a)。保留記憶処理では、CPU9056は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を算出し管理する処理を実行する。
次いで、CPU9056は、第1可変表示部909aおよび第2可変表示部909bの表示制御に関する演出制御コマンドや保留記憶数に関する演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS9028)。
さらに、CPU9056は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS9029)。
また、CPU9056は、第1始動口スイッチ9013a、第2始動口スイッチ9014a、第1カウントスイッチ9023a、および第2カウントスイッチ9025aの検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS9030)。具体的には、第1始動口スイッチ9013a、第2始動口スイッチ9014a、第1カウントスイッチ9023a、および第2カウントスイッチ9025aのいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板9037に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンドを出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置9097を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU9056は、出力ポートのRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS9031:出力処理)。
また、CPU9056は、第1特別図柄プロセスフラグの値に応じて第1特別図柄の演出表示を行うための第1特別図柄表示制御データを第1特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定するとともに、第2特別図柄プロセスフラグの値に応じて第2特別図柄の演出表示を行うための第2特別図柄表示制御データを第2特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS9032)。CPU9056は、例えば、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU9056は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS9022において駆動信号を出力することによって、第1特別図柄表示器908aおよび第2特別図柄表示器908bにおける特別図柄の可変表示を実行する。
また、CPU9056は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS9033)。CPU9056は、例えば、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU9056は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS9022において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器9010における普通図柄の可変表示を実行する。その後、割込許可状態に設定し(ステップS9034)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は4ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS9021〜S9033(ステップS9029を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、第1特別図柄表示器908aと第2特別図柄表示器908bの2つの表示器によって第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されるが、CPU9056は、2つの表示器において同時に大当りが発生しないような制御を行う。
図33は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM9054に記憶されているデータの集まりであって、ランダム1´と比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、低確率状態(低確率/非KT状態、低確率/第1KT状態)において用いられる非確変時大当り判定テーブルと、確変状態(高確率状態(高確率/第1KT状態、高確率/第2KT状態))において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。非確変時大当り判定テーブルには、図33の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、図33の右欄に記載されている各数値が設定されている。図33に記載されている数値が大当り判定値である。
CPU9056は、所定の時期に、乱数回路90503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダム1´)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図33に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りにすることに決定する。なお、図33に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器908aまたは第2特別図柄表示器908bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。
なお、この実施の形態では、第1特別図柄の変動表示を実行する場合に大当りとしないことに決定した場合には、無条件に全てはずれとされる。また、第2特別図柄の変動表示を実行する場合に大当りとしないことに決定した場合には、無条件に全て小当りとされる(ただし、後述するように、事後的に強制はずれとされる場合がある)。
図34は、ROM9054に記憶されている大当り種別判定テーブル90131aを示す説明図である。大当り種別判定テーブル90131aは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム2´)にもとづいて、大当りの種別を「2R通常大当り」、「2R確変大当り」、「6R通常大当り」、「6R確変大当り」、または「16R確変大当り」のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
図34(A)に示すように、この実施の形態では、第1特別図柄の変動表示を実行する場合には、20%の確率で「16R確変大当り」と決定され、45%の確率で「6R確変大当り」と決定され、35%の確率で「6R通常大当り」と決定される。また、図34(B)に示すように、この実施の形態では、第2特別図柄の変動表示を実行する場合には、30%の確率で「16R確変大当り」と決定され、30%の確率で「6R確変大当り」と決定され、5%の確率で「2R確変大当り」と決定され、35%の確率で「2R通常大当り」と決定される。
「16R確変大当り」とは、16ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に高確率/第2KT状態に移行させる大当りである(この実施の形態では、確変状態に移行されるとともに第2KT状態にも移行される。後述するステップS902207A,S902208A,S902207B,S902210B参照)。そして、次の大当りが発生するまで、確変状態および第2KT状態が継続する(ステップS902015参照)。
ただし、この実施の形態では、第2特別図柄の変動表示を実行する場合には、大当り開始前に非KT状態であった場合には、「16R確変大当り」となっても第2KT状態ではなく第1KT状態に移行する場合がある(後述するステップS902208B,S902209B参照)。
「6R確変大当り」とは、6ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に高確率/第1KT状態に移行させる大当りである(この実施の形態では、確変状態に移行されるとともに第1KT状態にも移行される。後述するステップS902210A,S902211A,S902212B,S902213B参照)。そして、次の大当りが発生するまで、確変状態および第1KT状態が継続する(ステップS902015参照)。
「6R通常大当り」とは、6ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に第1KT状態のみに移行させる大当りである(後述するステップS902212A参照)。そして、第1KT状態に移行した後、変動表示を所定回数(この実施の形態では100回)終了すると第1KT状態が終了する(ステップS902213A,S902010〜S902013参照)。なお、変動表示を所定回数終了する前であっても、次の大当りが発生した場合にも、第1KT状態を終了する(ステップS902015参照)。
「2R確変大当り」とは、2ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に高確率/第1KT状態に移行させる大当りである(この実施の形態では、確変状態に移行されるとともに第1KT状態にも移行される。後述するステップS902212B,S902213B参照)。そして、次の大当りが発生するまで、確変状態および第1KT状態が継続する(ステップS902015参照)。
「2R通常大当り」とは、2ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に第1KT状態のみに移行させる大当りである(後述するステップS902214B参照)。そして、第1KT状態に移行した後、変動表示を所定回数(この実施の形態では100回)終了すると第1KT状態が終了する(ステップS902215B,S902010〜S902013参照)。なお、変動表示を所定回数終了する前であっても、次の大当りが発生した場合にも、第1KT状態を終了する(ステップS902015参照)。
なお、大当り種別の種類は、この実施の形態で示したものにかぎられない。第2特別図柄の変動表示を実行する場合に、16R確変大当り、2R確変大当り、および2R通常大当り以外に、3R確変大当り〜7R確変大当りを決定可能に構成してもよく、様々な態様が考えられる。
図35〜図37は、この実施の形態で用いられる特別図柄および飾り図柄の変動パターン(変動時間)を示す説明図である。図35〜図37に示すEXTとは、それぞれの変動パターンに対応した演出制御コマンド(2バイト構成)の2バイト目のデータである。
図35〜図37に示す例では、第1特別図柄および第1飾り図柄についての第1変動パターン#01〜#07の7種類と、第2特別図柄および第2飾り図柄についての第2変動パターン#01〜#18の18種類とが用いられる。以下、例えば変動パターン#n(n=01〜07または01〜18)というときには、第1変動パターン#nと第2変動パターン#nの双方を意味する。
第1特別図柄の変動表示を実行する場合、非KT状態(低確率/非KT状態)である場合には、図35(A)に示す非KT時用の第1特別図柄用変動パターンテーブルが選択されて変動パターンが決定される。図35(A)に示すように、非KT状態において第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第1変動パターン#01〜#05のいずれかに決定される。
第1特別図柄の変動表示を実行する場合、KT状態(低確率/第1KT状態、高確率/第1KT状態、高確率/第2KT状態)である場合には、図35(B)に示すKT時用の第1特別図柄用変動パターンテーブルが選択されて変動パターンが決定される。図35(B)に示すように、KT状態において第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第1変動パターン#06〜#07のいずれかに決定される。
第2特別図柄の変動表示を実行する場合、非KT状態(低確率/非KT状態)である場合には、図36(C)に示す非KT時用の第2特別図柄用変動パターンテーブルが選択されて変動パターンが決定される。図36(C)に示すように、非KT状態において第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2変動パターン#01〜#02のいずれかに決定される。具体的には、小当りと決定する場合には第2変動パターン#01が決定されて、15分間の長期間にわたって第2特別図柄の変動表示が実行される。また、大当りと決定する場合にも第2変動パターン#02が決定されて、5分間というある程度長期間にわたって第2特別図柄の変動表示が実行される。
この実施の形態では、非KT状態中であっても第2特別図柄の変動表示が実行されて小当りとなると、特殊入賞口9024への遊技球の入賞によりある程度の賞球を期待できる状況が生じてしまう。そこで、この実施の形態では、図36(C)に示すように、非KT状態中に第2特別図柄の変動表示が実行されても、変動時間を極端に長くし変動表示の実行頻度を低下させることによって却って小当りの発生頻度を低下させるようにし、非KT状態中であるにもかかわらず小当りによる賞球の獲得を狙われてしまう事態を防止している。
なお、この実施の形態では、図36(C)に示すように、非KT状態中に第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、大当りとなる場合であっても変動時間を5分と比較的長くすることによって、非KT状態中に不当に特殊入賞口9024への入賞による賞球を狙う行為を防止するようにしている。ただし、大当りとなる場合には、小当りとなる場合と比較して第1保留記憶の消化を長くしなくてもよいので、小当りとなる場合よりも短い変動時間となるように構成している。
第2特別図柄の変動表示を実行する場合、低確率/第1KT状態である場合には、その低確率/第1KT状態の契機となった6R通常大当りや2R通常大当りにもとづく大当り遊技を終了してからの変動回数に応じて、変動パターンテーブルを選択する。この場合、1変動目の変動表示を実行する場合であれば、図36(D)に示す低確率/第1KT時且つ1変動目用の第2特別図柄変動パターンテーブルが選択されて変動パターンが決定される。図36(D)に示すように、低確率/第1KT状態の1変動目として第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2変動パターン#03〜#04のいずれかに決定される。
なお、図36(D)に示すように、低確率/第1KT状態の1変動目として小当りと決定する場合には、小当りとしては比較的長めの7秒の変動時間である第2変動パターン#03(第2始動入賞口開放準備用の変動パターン)に決定される。この実施の形態では、既に説明したように、第1KT状態に制御される場合には、小当りの頻度が高くなるものの可変入賞球装置9015の開放時間を長くすることによって実際には特殊可変入賞球装置9022内の特殊入賞口9024には滅多に入賞しないように設定されている。しかしながら、低確率/第1KT状態に移行した直後の状態では可変入賞球装置9015や特殊可変入賞球装置9022の底面部材上にある程度の遊技球が溜まっている可能性があり、直ちに特殊可変入賞球装置9022を開状態に制御してしまったのでは、相当数の遊技球が特殊入賞口9024に入賞してしまう可能性がある。そこで、この実施の形態では、第1KT状態の1変動目では、少なくとも7秒の変動時間を確保することによって、第1KT状態に移行する前から可変入賞球装置9015や特殊可変入賞球装置9022の底面部材上に溜まっている遊技球が全て落下するまでに十分な時間が経過してから特殊可変入賞球装置9022を開状態に制御して特殊入賞口9024への入賞を可能とすることにより、第1KT状態において想定以上の賞球が得られるような事態が生じることを防止している。
また、低確率/第1KT状態の契機となった6R通常大当りや2R通常大当りにもとづく大当り遊技を終了してから2〜99変動目の変動表示を実行する場合であれば、図36(E)に示す低確率/第1KT時且つ2〜99変動目用の第2特別図柄変動パターンテーブルが選択されて変動パターンが決定される。図36(E)に示すように、低確率/第1KT状態の2〜99変動目として第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2変動パターン#05〜#07のいずれかに決定される。また、図36(E)に示すように、低確率/第1KT状態の2〜99変動目として小当りと決定する場合には、変動時間が5秒と短い短縮変動の第2変動パターン#05に決定される場合がある。なお、この実施の形態では、低確率/第1KT状態の2〜99変動目として小当りと決定し、第2変動パターン#07にもとづいて変動表示が実行される場合には、演出表示装置909における背景図柄の変動表示において、リーチとなったり滑り演出が実行されるなど図柄煽りの演出が実行される。
また、低確率/第1KT状態の契機となった6R通常大当りや2R通常大当りにもとづく大当り遊技を終了してから100変動目の変動表示(すなわち、低確率/第1KT状態における最終変動)を実行する場合であれば、図36(F)に示す低確率/第1KT時且つ100変動目用の第2特別図柄変動パターンテーブルが選択されて変動パターンが決定される。図36(F)に示すように、低確率/第1KT状態の100変動目として第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2変動パターン#08〜#09のいずれかに決定される。
この実施の形態では、低確率/第1KT状態に制御されている場合には、例えば、演出表示装置909において「チャンスタイム中」などの文字表示が表示される。図36(F)に示すように、低確率/第1KT状態の100変動目として小当りと決定する場合には、演出表示装置909において「チャンスタイム終了!!」などの文字表示を行う終了表示を伴う第2変動パターン#08に決定される。また、図36(F)に示すように、低確率/第1KT状態の100変動目として大当りと決定する場合には、演出表示装置909において「チャンスタイム終了!!」などの文字表示を行う終了表示の後に所定の復活表示を伴う第2変動パターン#09に決定される。
なお、この実施の形態では、図35に示すように、KT状態中に第1特別図柄の変動表示で大当りとなった場合には、変動時間が1分の第1変動パターン#07を決定するように構成されている。これは、第2KT状態に移行した直後に第1特別図柄の変動表示で直ちに大当りが発生してしまったようなケースで、大当りの変動時間をはずれと同じ短い変動時間としてしまうと、遊技者が小当りによる利益を一切受けられなくなる。そのため、この実施の形態では、そのようなケースであっても、少なくとも複数回小当りが発生可能な十分な時間(本例では、1分)が確保されるように構成されている。
第2特別図柄の変動表示を実行する場合、高確率/第1KT状態である場合には、その高確率/第1KT状態の契機となった6R確変大当りや2R確変大当りにもとづく大当り遊技を終了してからの変動回数に応じて、変動パターンテーブルを選択する。この場合、1変動目の変動表示を実行する場合であれば、図37(G)に示す高確率/第1KT時且つ1変動目用の第2特別図柄変動パターンテーブルが選択されて変動パターンが決定される。図37(G)に示すように、高確率/第1KT状態の1変動目として第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2変動パターン#10〜#12のいずれかに決定される。
なお、低確率/第1KT状態の1変動目と同様に、図37(G)に示すように、高確率/第1KT状態の1変動目として小当りと決定する場合にも、第2始動入賞口開放準備用の変動パターン(第2変動パターン#10)に決定される場合がある。また、図37(G)に示すように、高確率/第1KT状態の1変動目として大当りと決定する場合には、確変状態(高確率状態)が終了するか否かを示唆するためのバトル演出を含む第2変動パターン#12が決定される。また、図37(G)に示すように、高確率/第1KT状態の1変動目として小当りと決定する場合にも、バトル演出を含む第2変動パターン#11が決定される場合がある。
また、高確率/第1KT状態の契機となった6R確変大当りや2R確変大当りにもとづく大当り遊技を終了してから2変動目以降の変動表示を実行する場合であれば、図37(H)に示す高確率/第1KT時且つ2変動目以降用の第2特別図柄変動パターンテーブルが選択されて変動パターンが決定される。図37(H)に示すように、高確率/第1KT状態の2変動目以降として第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2変動パターン#13〜#15のいずれかに決定される。
なお、低確率/第1KT状態の2〜99変動目と同様に、図37(H)に示すように、高確率/第1KT状態の2変動目以降として小当りと決定する場合には、変動時間が5秒と短い短縮変動の第2変動パターン#13に決定される場合がある。また、図37(H)に示すように、高確率/第1KT状態の2変動目以降として大当りと決定する場合には、確変状態(高確率状態)が終了するか否かを示唆するためのバトル演出を含む第2変動パターン#15が決定される。また、図37(H)に示すように、高確率/第1KT状態の2変動目以降として小当りと決定する場合にも、バトル演出を含む第2変動パターン#14が決定される場合がある。
第2特別図柄の変動表示を実行する場合、高確率/第2KT状態である場合には、図37(I)に示す高確率/第2KT時用の第2特別図柄用変動パターンテーブルが選択されて変動パターンが決定される。図37(I)に示すように、高確率/第2KT状態において第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2変動パターン#16〜#18のいずれかに決定される。
なお、図37(I)に示すように、高確率/第2KT状態において小当りと決定する場合には、第1KT状態(低確率/第1KT状態、高確率/第1KT状態)において短縮変動の変動表示が実行される場合よりもさらに変動時間が1.5秒と短い短縮変動の第2変動パターン#16に決定される場合がある。また、図37(I)に示すように、高確率/第2KT状態において小当りと決定する場合には、高確率/第2KT状態が継続するか否かを示唆する継続演出を含む第2変動パターン#17に決定される場合がある。また、図37(I)に示すように、高確率/第2KT状態において大当りと決定する場合には、継続演出の後に確変状態(高確率状態)が終了するか否かを示唆するためのバトル演出を含む第2変動パターン#18が決定される。
なお、この実施の形態では、継続演出やバトル演出を含む変動パターンに決定された場合には、演出表示装置909において背景図柄の変動表示において継続演出やバトル演出が実行されるのであるが、確変大当り(16R確変大当り、6R確変大当り、2R確変大当り)となる場合にはバトル演出において勝利の態様の演出が実行され、通常大当り(6R通常大当り、2R通常大当り)となる場合にはバトル演出において敗北の態様の演出が実行され、小当りとなる場合にはバトル演出において引き分けの態様の演出が実行される。なお、この実施の形態で示した態様にかぎらず、例えば、大当り遊技中のラウンド数が少ない2R確変大当りとなる場合もバトル演出において敗北の態様の演出が実行されるように構成してもよい。
なお、第2変動パターン#05,#13,#16の短縮変動の変動パターンを決定する場合に、例えば、保留記憶数に応じて異なる割合で短縮変動の変動パターンを決定するように構成してもよい。例えば、保留記憶数が多くなるに従って高い割合で短縮変動の変動パターンを決定するようにして、保留記憶の消化を早め稼働率を高めるように構成してもよい。
また、図36および図37に示す例では、第1KT状態の場合に5秒の短縮変動を実行し、第2KT状態の場合にさらに短い1.5秒の短縮変動を実行するように構成する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、低確率状態の場合に5秒の短縮変動を実行し、高確率状態の場合にさらに短い1.5秒の短縮変動を実行するように構成してもよい。
次に、KT状態における可変入賞球装置9015および特殊可変入賞球装置9022の開放パターンについて説明する。図38は、KT状態における可変入賞球装置9015および特殊可変入賞球装置9022の開放パターンを説明するための説明図である。このうち、図38(1)は、第1KT状態における可変入賞球装置9015および特殊可変入賞球装置9022の開放パターンを示し、図38(2)は、第2KT状態における可変入賞球装置9015および特殊可変入賞球装置9022の開放パターンを示している。
まず、図38(1)を用いて、第1KT状態における可変入賞球装置9015および特殊可変入賞球装置9022の開放パターンについて説明する。図38(1)に示すように、ゲート9032を遊技球が通過してゲートスイッチ9032aにて遊技球が検出されると、普通図柄表示器9010において普通図柄の変動表示が実行され、普図当りと決定された場合には普通図柄表示器9010に当り図柄が導出表示され、はずれと決定された場合には普通図柄表示器9010にはずれ図柄が導出表示される。この実施の形態では、図38(1)に示すように、普通図柄の変動時間は0.2秒とされ、当り図柄やはずれ図柄を導出表示する図柄確定時間は0.2秒とされている。そして、当り図柄を導出表示した場合には、図38(1)に示すように、図柄確定時間0.2秒を経過した後、第2始動入賞口開放処理前時間0.1秒を経過してから、可変入賞球装置9015が5.5秒間にわたって開状態とされ、第2始動入賞口9014に遊技球が入賞可能となる。
可変入賞球装置9015が開状態となっているときに第2始動入賞口9014に遊技球が入賞すると、第2特別図柄の変動表示が実行され、小当りとすることに決定された場合には、第2特別図柄表示器908bに小当り図柄が導出表示される。そして、小当り図柄を導出表示した場合には、図38(1)に示すように、特殊可変入賞球装置9022が0.8秒間にわたって開状態とされ、特殊入賞口9024に遊技球が入賞可能となる。しかしながら、第1KT状態では、図38(1)に示すように、下流側の特殊可変入賞球装置9022の開放時間が0.8秒と短いのに対して、上流側の可変入賞球装置9015の開放時間が5.5秒と長い。従って、第1KT状態では、小当りが発生しやすい状態ではあるものの、特殊入賞口9024に遊技球が入賞することは極めて稀である(例えば、100変動表示ごとに1球程度)。
なお、第1KT状態では、図38(1)に示すように、可変入賞球装置9015の開放を終了した後、次の可変入賞球装置9015の開放を行えるのは、次の普通図柄の変動時間0.2秒と図柄確定時間0.2秒と第2始動入賞口開放前処理時間0.1秒とを合計した少なくとも0.5秒を経過した後である。従って、この実施の形態では、第1KT状態では、可変入賞球装置9015の開放した後のインターバル期間として少なくとも0.5秒の閉鎖期間が設けられていることになる。
次に、図38(2)を用いて、第2KT状態における可変入賞球装置9015および特殊可変入賞球装置9022の開放パターンについて説明する。図38(2)に示すように、ゲート9032を遊技球が通過してゲートスイッチ9032aにて遊技球が検出されると、普通図柄表示器9010において普通図柄の変動表示が実行され、普図当りと決定された場合には普通図柄表示器9010に当り図柄が導出表示され、はずれと決定された場合には普通図柄表示器9010にはずれ図柄が導出表示される。この実施の形態では、図38(2)に示すように、普通図柄の変動時間は0.2秒とされ、当り図柄やはずれ図柄を導出表示する図柄確定時間は0.2秒とされている。そして、当り図柄を導出表示した場合には、図38(2)に示すように、図柄確定時間0.2秒を経過した後、第2始動入賞口開放処理前時間2.6秒を経過してから、可変入賞球装置9015が0.5秒間にわたって開状態とされ、第2始動入賞口9014に遊技球が入賞可能となる。
可変入賞球装置9015が開状態となっているときに第2始動入賞口9014に遊技球が入賞すると、第2特別図柄の変動表示が実行され、小当りとすることに決定された場合には、第2特別図柄表示器908bに小当り図柄が導出表示される。そして、小当り図柄を導出表示した場合には、図38(2)に示すように、特殊可変入賞球装置9022が0.8秒間にわたって開状態とされ、特殊入賞口9024に遊技球が入賞可能となる。
第2KT状態では、第1KT状態とは異なり可変入賞球装置9015の開放時間が0.5秒と極めて短い。また、この実施の形態では、第2KT状態では、可変入賞球装置9015の開放した後のインターバル期間(閉鎖期間)として少なくとも3.0秒(普通図柄の変動時間0.2秒+図柄確定時間0.2秒+第2始動入賞口開放処理前時間2.6秒)という比較的長い期間が確保されている。従って、第2KT状態では、図38(2)に示すように、上流側の可変入賞球装置9015の開放時間が短いとともにインターバル期間(閉鎖期間)が長いので、第1KT状態と比較して下流側の特殊可変入賞球装置9022に遊技球が進入しやすく特殊入賞口9024に遊技球が入賞しやすい。
なお、この実施の形態では、普通図柄の変動表示を実行したり可変入賞球装置9015を開放制御したりする処理は、遊技制御用マイクロコンピュータ90560(具体的には、CPU9056)によって普通図柄プロセス処理(ステップS9026C参照)が実行されることによって行われる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、ステップS9026Cの普通図柄プロセス処理において、普図当りとするか否かを決定する処理も実行するのであるが、遊技状態に関係なく同じ確率(例えば、10%)により普図当りとするか否かを決定する。具体的には、遊技状態が確変状態(高確率状態)であるか否かや、非KT状態、第1KT状態または第2KT状態のいずれであるか、大当り遊技状態であるか否かに関係なく、同じ確率により普図当りとするか否かを決定する。
なお、この実施の形態では、第1KT状態と第2KT状態とで普通図柄の変動時間と図柄確定時間とはそれぞれ0.2秒ずつで同じであり、第2始動入賞口開放処理前時間が第1KT状態では0.1秒と短く第2KT状態では2.6秒と長くすることによって、可変入賞球装置9015の閉鎖期間(インターバル期間)を異ならせる場合を示したが、そのような態様にかぎられない。例えば、第1KT状態と第2KT状態とで変動時間や図柄確定時間を異ならせることによって、可変入賞球装置9015の閉鎖期間(インターバル期間)を異ならせるように構成してもよい。また、例えば、可変入賞球装置9015を閉鎖した後の第2始動入賞口開放処理後時間を制御可能に構成し、第1KT状態と第2KT状態とで第2始動入賞口開放処理後時間を異ならせることによって、可変入賞球装置9015の閉鎖期間(インターバル期間)を異ならせるように構成してもよい。特に、上記のいずれかの方法により第1KT状態における可変入賞球装置9015の閉鎖期間(インターバル期間)が短くなるように構成すれば、第1KT状態における特殊入賞口9024への入賞を抑制することができる。
また、例えば、可変入賞球装置9015の開放時間を延長することを示す特殊フラグ(開放延長フラグ)を設けるようにし、その特殊フラグがセットされていれば図38(1)に示すような可変入賞球装置9015を長時間開放する第1開放パターン(ロング開放)で制御し、特殊フラグがセットされていなければ図38(2)に示す可変入賞球装置9015を短時間開放する第2開放パターン(ショート開放)で制御するように構成してもよい。つまり、第1KT状態でのみ特殊フラグをセットし、大当り遊技状態を含む他の状態では、特殊フラグをセットしないように制御するように構成してもよい。
また、第1KT状態であっても、低確率/第1KT状態中の最後の変動表示を実行する場合には、可変入賞球装置9015の開放時間を短くしてもよい。例えば、低確率/第1KT状態の100回の特別図柄の短縮変動期間のうち、99回目の特別図柄の変動停止に応じて、前述の特殊フラグを消去するように構成してもよい。そのように構成すれば、低確率/第1KT状態の終了後に、左打ち報知を行うときに、可変入賞球装置9015がロング開放していることに対して遊技者に違和感を与えることを抑制することができる。
なお、上記のように、可変入賞球装置9015の開放制御用のフラグ(特殊フラグ)を用いて可変入賞球装置9015を構成する場合、さらに、特別図柄の変動表示の短縮変動用のフラグを用いて特別図柄の変動表示を制御するようにしてもよく、この場合、特殊フラグと短縮変動用のフラグとを別々に管理して制御を行うように構成してもよい。
また、低確率/非KT状態中においては可変入賞球装置9015をショート開放するように構成してもよい。そのように構成すれば、低確率/非KT状態(左打ち状態)である場合に可変入賞球装置9015の開放確率が高くなるように構成する場合には、遊技球を数個発射操作しただけでは可変入賞球装置9015に入賞しないようすることができ、低確率/非KT状態中に右打ち操作が行われてしまうことを防止することができる。
なお、この実施の形態では、図38に示すように、普通図柄の変動時間が0.2秒と短い時間に設定されている。これは、例えば、第1KT状態において比較的変動時間が長い第2特別図柄の変動表示が実行される場合に、普通図柄が変動停止中であり且つ普通図柄の保留記憶がない状態では可変入賞球装置9015が閉鎖状態となっており、第2特別図柄の変動停止タイミングを狙った攻略が可能となってしまうためである(小当りとなった場合に、普通図柄の変動時間が長いとゲート9032を通過した遊技球が可変入賞球装置9015や特殊可変入賞球装置9022に到達するまでに可変入賞球装置9015が開放せず、特殊入賞口9024の入賞が可能となってしまう)。これに対して、この実施の形態では、普通図柄の変動時間を短くすることにより、遊技球がゲート9032を通過してから可変入賞球装置9015に到達する前に可変入賞球装置9015の開放が開始されるように設定されているので、第1KT状態において第2特別図柄の変動表示にもとづく小当り発生タイミングを狙った発射操作による攻略要素を排除することができる。
図39および図40は、演出制御用マイクロコンピュータ90200に送出される演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図39に示す例において、コマンド8000(H)〜8007(H),8011(H)〜8022(H)は、特別図柄の可変表示に対応して第1可変表示部909aまたは第2可変表示部909bにおいて可変表示される飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である。なお、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ90200は、コマンド8000(H)〜8007(H),8011(H)〜8022(H)のいずれかを受信すると、第1可変表示部909aまたは第2可変表示部909bにおいて飾り図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド9001(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果をはずれとすることを指定する演出制御コマンド(表示結果1指定コマンド)(はずれ指定コマンド))である。コマンド9002(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を16R確変大当りとすることを指定する演出制御コマンド(表示結果2指定コマンド(16R確変大当り指定コマンド))である。コマンド9003(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を6R確変大当りとすることを指定する演出制御コマンド(表示結果3指定コマンド(6R確変大当り指定コマンド))である。コマンド9004(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を6R通常大当りとすることを指定する演出制御コマンド(表示結果4指定コマンド(6R通常大当り指定コマンド))である。コマンド9005(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を2R確変大当りとすることを指定する演出制御コマンド(表示結果5指定コマンド(2R確変大当り指定コマンド))である。コマンド9006(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を2R通常大当りとすることを指定する演出制御コマンド(表示結果6指定コマンド(2R通常大当り指定コマンド))である。コマンド9007(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を小当りとすることを指定する演出制御コマンド(表示結果7指定コマンド(小当り指定コマンド))である。
以下、表示結果1指定コマンド〜表示結果7指定コマンドを、表示結果指定コマンドということがある。なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は変動パターンコマンドの直前に表示結果指定コマンドを送信するので、遊技制御用マイクロコンピュータ90560が第1変動パターンコマンドの直前に受信した表示結果指定コマンドは第1飾り図柄についての表示結果指定コマンドであると判定でき、第2変動パターンコマンドの直前に受信した表示結果指定コマンドは第2飾り図柄についての表示結果指定コマンドであると判定できるので、表示結果指定コマンドを第1飾り図柄と第2飾り図柄とについて兼用できるが、第1飾り図柄についての表示結果指定コマンドと第2飾り図柄についての表示結果指定コマンドとを別にしてもよい。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ90560が表示結果指定コマンドを送信するのではなく、15R確変大当り/6R確変大当り/6R通常大当り/2R確変大当り/2R通常大当り/小当り/はずれのそれぞれに対応させて変動パターンコマンドを定め、演出制御用マイクロコンピュータ90200は、受信した変動パターンコマンドにもとづいて飾り図柄の停止図柄を決定するようにしてもよい。
コマンドA000(H)は、第1飾り図柄の可変表示の停止を指示する演出制御コマンド(第1図柄確定指定コマンド(第1飾り図柄停止指定コマンド))である。コマンドA001(H)は、第2飾り図柄の可変表示の停止を指示する演出制御コマンド(第2図柄確定指定コマンド(第2飾り図柄停止指定コマンド))である。
コマンドBXXX(H)(X=任意の16進数)は、大当り遊技開始から大当り遊技終了までの間に送出される演出制御コマンドである。そのうち、B000(H)は、第1大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(第1大当り開始指定コマンド:第1ファンファーレ指定コマンド)である。B001(H)は、第1大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(第1大当り終了指定コマンド:第1エンディング指定コマンド)である。B002(H)は、第2大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(第2大当り開始指定コマンド:第2ファンファーレ指定コマンド)である。B003(H)は、第2大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(第2大当り終了指定コマンド:第2エンディング指定コマンド)である。B004(H)は、小当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(小当り開始指定コマンド)である。B005(H)は、小当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(小当り終了指定コマンド)である。
コマンドB1XX(H)は、大当り遊技中のラウンド中の表示を指定する演出制御コマンド(大入賞口開放中表示コマンド)である。なお、「XX」に表示するラウンド数が設定される。コマンドB2XX(H)は、大当り遊技中のラウンド後の表示(ラウンド間のインターバルの表示)を指定する演出制御コマンド(大入賞口開放後表示コマンド)である。
コマンドB400(H)は、大入賞口に遊技球が入賞したことを指定する演出制御コマンド(大入賞口入賞指定コマンド)である。コマンドB401(H)は、特殊入賞口に遊技球が入賞したことを指定する演出制御コマンド(特殊入賞口入賞指定コマンド)である。
コマンドC000(H)は、第1保留記憶数が4に達していない状態で第1始動入賞口9013に遊技球が入賞したことを示す演出制御コマンド(第1有効始動入賞指定コマンド)である。コマンドC001(H)は、第2保留記憶数が4に達していない状態で第2始動入賞口9014に遊技球が入賞したことを示す演出制御コマンド(第2有効始動入賞指定コマンド)である。なお、第1有効始動入賞指定コマンドとして第1保留記憶数を示すコマンドを送信し、第2有効始動入賞指定コマンドとして第2保留記憶数を示すコマンドを送信してもよいが、この実施の形態では、第1有効始動入賞指定コマンドおよび第2有効始動入賞指定コマンドは、始動入賞があったことを示すコマンドである。
コマンドD000(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンドである。
コマンドE000(H)は、遊技状態が低確率/非KT状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(低確/非KT背景指定コマンド)である。コマンドE001(H)は、遊技状態が低確率/第1KT状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(低確/第1KT背景指定コマンド)である。コマンドE002(H)は、遊技状態が高確率/第1KT状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(高確/第1KT背景指定コマンド)である。コマンドE003(H)は、遊技状態が高確率/第2KT状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(高確/第2KT背景指定コマンド)である。
演出制御基板9080に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ90200(具体的には、演出制御用CPU90201)は、主基板9031に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ90560から上述した演出制御コマンドを受信すると図39および図40に示された内容に応じて第1可変表示部909aおよび第2可変表示部909bの表示状態や背景図柄表示部909cの表示状態を変更するとともに、ランプの表示状態を変更し、音声出力基板9070に対して音番号データを出力する。なお、図39および図40に示された演出制御コマンド以外の演出制御コマンドも主基板9031から演出制御基板9080に送信される。例えば、大当り遊技に関するより詳細な演出制御コマンドや遊技状態を示す演出制御コマンド(例えば、初期化コマンドを示す演出制御コマンド)も主基板9031から演出制御基板9080に送信される。
図41は、主基板9031に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ90560(具体的には、CPU9056)が実行する第1特別図柄プロセス処理(ステップS9026A)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、第1特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器908aおよび特別可変入賞球装置9020を制御するための処理が実行される。
CPU9056は、第1特別図柄プロセス処理を行う際に、遊技盤906に設けられている第1始動入賞口9013に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ9013aがオンしていたら、すなわち遊技球が第1始動入賞口9013に入賞する始動入賞が発生していたら(ステップS90311)、第1始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS90312)。その後、CPU9056は、内部状態(具体的には、第1特別図柄プロセスフラグの値)に応じて、ステップS90300〜S90307のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS90300〜S90307の処理は、以下のような処理である。
第1特別図柄通常処理(ステップS90300):第1特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には第1大当りフラグをセットする。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS90301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、第1大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
第1変動パターン設定処理(ステップS90301):第1特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS90302に対応した値(この例では2)に更新する。
第1表示結果指定コマンド送信処理(ステップS90302):第1特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ90200に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS90303に対応した値(この例では3)に更新する。
第1特別図柄変動中処理(ステップS90303):第1特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。第1変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS90301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、演出制御用マイクロコンピュータ90200に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行い、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS90304に対応した値(この例では4)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ90200は、遊技制御用マイクロコンピュータ90560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置909において飾り図柄が停止されるように制御する。
第1特別図柄停止処理(ステップS90304):第1特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。第1大当りフラグがセットされている場合に、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS90305に対応した値(この例では5)に更新する。第1大当りフラグがセットされていない場合には、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS90300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値が4となったことにもとづいて、後述するように、特別図柄表示制御処理において特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データが特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定され、ステップS9022の表示制御処理において出力バッファの設定内容に応じて実際に特別図柄の停止図柄が停止表示される。
第1大入賞口開放前処理(ステップS90305):第1特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。第1大入賞口開放前処理では、特別可変入賞球装置9020を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、特別可変入賞球装置9020に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド9021を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって第1大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS90306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、第1大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、第1大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
第1大入賞口開放中処理(ステップS90306):第1特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90200に送信する制御や特別可変入賞球装置9020の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。また、大入賞口に遊技球が入賞し、第1カウントスイッチ9023aで遊技球を検出した場合には、演出制御用マイクロコンピュータ90200に対して大入賞口入賞指定コマンドを送信する制御を行う。特別可変入賞球装置9020の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS90305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS90307に対応した値(この例では7)に更新する。
第1大当り終了処理(ステップS90307):第1特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ90200に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグや、第1KTフラグ、第2KTフラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS90300に対応した値(この例では0)に更新する。
図42は、ステップS90312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU9056は、まず、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認する(ステップS90212)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま第1始動口スイッチ通過処理を終了する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU9056は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS90213)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS90214)。次いで、CPU9056は、乱数回路90503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図43参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS90215)。なお、ステップS90215の処理では、ソフトウェア乱数である大当り判定用乱数(ランダム1´)、大当り種別判定用乱数(ランダム2´)および変動パターン判定用乱数(ランダム5´)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム5´)を第1始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、後述する第1変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム5´)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出したりするようにしてもよい。
図43は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留記憶バッファ)の構成例を示す説明図である。図43に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。この実施の形態では、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、大当り判定用乱数(ランダム1´)、大当り種別判定用乱数(ランダム2´)、変動パターン決定用乱数(ランダム5´)が記憶される。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM9055に形成されている。
そして、さらに、第1有効始動入賞コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90200に送信する制御を行う(ステップS90216)。
図44は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄通常処理(ステップS90300)を示すフローチャートである。第1特別図柄通常処理が実行される状態は、第1特別図柄プロセスフラグの値がステップS90300を示す値となっている場合である。なお、第1特別図柄プロセスフラグの値がステップS90300を示す値となっている場合とは、第1特別図柄表示器908aにおいて第1特別図柄の変動表示がなされていない状態であって、かつ、第1大当り遊技(特別可変入賞球装置9020を所定回開放)中でもない場合である。
第1特別図柄通常処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ90560(具体的には、CPU9056)は、まず、第1保留記憶数の値を確認する(ステップS9052A)。具体的には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。
第1保留記憶数が0でなければ、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、RAM9055の第1保留記憶数バッファにおける保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM9055の第1乱数バッファ領域に格納するとともに(ステップS9053A)、第1保留記憶数の値を1減らし(第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し)、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS9054A)。すなわち、RAM9055の第1保留記憶数バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各第1保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。すなわち、この例では、可変表示の開始条件が成立する毎に、各保存領域の内容をシフトする構成としているので、各乱数値が抽出された順番を特定することができる。なお、本例では、第1保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値と、第2保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値とが抽出された順番についても特定可能に保存される。
その後、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、現在の遊技状態に応じた背景指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90200に送信する(ステップS9060A)。具体的に、確変フラグ、第1KTフラグ、および第2KTフラグがオフである場合には低確率/非KT状態であると判定して低確/非KT背景指定コマンドを、確変フラグがオフで第1KTフラグがオンである場合には低確率/第1KT状態であると判定して低確/第1KT背景指定コマンドを、確変フラグがオンで第1KTフラグがオンである場合には高確率/第1KT状態であると判定して高確/第1KT背景指定コマンドを、確変フラグがオンで第2KTフラグがオンである場合には高確率/第2KT状態であると判定して高確/第2KT背景指定コマンドを、送信する。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、第1乱数格納バッファから大当り判定用乱数(ランダム1´)を読み出し(ステップS9064A)、大当り判定モジュールを実行する(ステップS9065A)。大当り判定モジュールは、大当り判定用乱数が、あらかじめ決められている大当り判定値と一致したら大当りとすることに決定するプログラムである。大当りとすることに決定した場合には(ステップS9066A)、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、第1特別図柄の変動表示にもとづいて大当りとなることを示す第1大当りフラグをセットする(ステップS9067A)。そして、ランダム2´にもとづいて大当り種別が16R確変大当り、6R確変大当り、および6R通常大当りのいずれであるかを判定し(ステップS90160A)、大当り種別を記憶し(ステップS90161A)、ステップS9068Aへ移行する。また、ステップS9066Aにおいて大当りとしない場合(すなわち、はずれとする場合)、ステップS9068Aへ移行する。
なお、この実施の形態では、第1特別図柄の変動表示の表示結果を大当りと決定しなかった場合には、無条件に全てはずれと決定する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、第1特別図柄の変動表示の表示結果を大当りと決定しなかった場合にも、低い確率で小当りと決定する場合があるように構成してもよい。
そして、ステップS9068Aにおいて、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1変動パターン設定処理に対応した値に更新する(ステップS9068A)。なお、図示は省略したが、ステップS9068Aの直前において停止する図柄の確定をしている。
なお、ステップS9065Aでは、遊技状態を加味して、非確変時大当り判定テーブルおよび確変時大当り判定テーブルのいずれかを用いて大当りとするか否かの判定を行う。
図45は、第1特別図柄プロセス処理における第1変動パターン設定処理(ステップS90302)を示すフローチャートである。第1変動パターン設定処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ90560(具体的には、CPU9056)は、まず、遊技状態に応じて図35(A)〜(B)に示すいずれかの変動パターンテーブルを選択する(ステップS90201)。次に、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、ステップS90201にて使用することに決定した変動パターンテーブルと、第1特別図柄判定用バッファに格納されている変動パターン決定用乱数(ランダム5´)とにもとづいて、図35に示した変動パターンのいずれとするのかを決定する(ステップS901700)。本例では、変動パターンを決定することによって、第1特別図柄の変動時間が決定される。また、変動時間を決定したあと、決定した変動時間が設定されている変動パターンを複数の変動パターンの中から選択するようにしてもよい。
変動パターンを決定すると、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、決定した変動パターンを示す変動パターンコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90200に送信する制御を行う(ステップS901701)。
また、ステップS901700にて第1特別図柄の変動時間(変動パターン)を決定すると、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、決定した変動時間を示す変動時間データを第1特別図柄プロセスタイマに設定して変動時間の計測を開始するとともに(ステップS901702)、後述する計測実行フラグをセットし、第1特別図柄表示器908aでの第1特別図柄の変動表示を開始する(ステップS901703)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1表示結果指定コマンド送信処理に対応した値に更新する(ステップS901706)。
第1表示結果指定コマンド送信処理(ステップS90302)では、遊技制御用マイクロコンピュータ90560(具体的には、CPU9056)は、大当りとするか否かの決定結果、および大当り種別の決定結果にもとづいて、いずれかの表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果4指定コマンド)を演出制御用マイクロコンピュータ90200に対して送信する制御を行う。
図46は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄変動中処理(ステップS90303)を示すフローチャートである。第1特別図柄変動中処理において、CPU9056は、まず、第1変動時間タイマを1減算し(ステップS901121A)、第1変動時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS901122A)、演出制御用マイクロコンピュータ90200に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS901123A)。そして、CPU9056は、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄停止処理(ステップS90304)に対応した値に更新する(ステップS901124A)。
第1変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、CPU9056は、第2特別図柄表示器908bにて大当り図柄を導出表示しているか否かを確認する(ステップS901125A)。なお、第2特別図柄表示器908bにて大当り図柄を導出表示しているか否かは、例えば、第2特別図柄プロセスフラグの値が第2特別図柄停止処理に対応した値となっているとともに、第2特別図柄の変動表示にもとづいて大当りとなることを示す第2大当りフラグがセットされているか否かを確認することにより判定できる。第2特別図柄表示器908bにて大当り図柄を導出表示していれば、CPU9056は、セットされていれば、第1大当りフラグをリセットする(ステップS901126A)。また、CPU9056は、はずれであることを指定する表示結果1指定コマンドを送信する(ステップS901127A)。そして、ステップS901123Aに移行して演出制御用マイクロコンピュータ90200に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS901123A)とともに、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄停止処理(ステップS90304)に対応した値に更新する(ステップS901124A)。
ステップS901125A〜S901127Aの処理が実行されることによって、この実施の形態では、第1特別図柄の変動表示の実行中に第2特別図柄の変動表示が大当りとなれば、第1特別図柄の変動表示は強制的にはずれとすることに決定され(変動開始時に大当りと決定されていても事後的に大当りがキャンセルされ)、第1特別図柄と第2特別図柄とで同時に大当りが発生する事態が生じないようにしている。なお、この場合、演出制御用マイクロコンピュータ90200側では、第1特別図柄の変動表示が強制はずれとされた場合には、図柄確定指定コマンドを受信したことにもとづいて第1可変表示部909aにおける第1飾り図柄の停止表示を停止するとともに、ステップS901127Aで送信された表示結果1指定コマンドにもとづいて、第1飾り図柄の変動表示結果として強制的にはずれ図柄を停止表示するように制御する。
なお、この実施の形態では、第1特別図柄変動中処理において事後的に強制はずれと決定される場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、第1特別図柄の変動表示を開始するときに第1特別図柄通常処理においてステップS9064Aの処理を実行する前に、第2大当りフラグがセットされているか否かを確認し、第2大当りフラグがセットされていれば、ステップS9064A〜S90161Aの処理を実行することなく強制的にはずれと決定するように構成してもよい。
なお、この実施の形態では、図41に示す第1特別図柄プロセス処理および図49に示す第2特別図柄プロセス処理において、タイマ割込ごとに、それぞれ第1始動口スイッチ通過処理(ステップS90312参照)および第2始動口スイッチ通過処理(ステップS90322参照)が実行されるので、第1特別図柄または第2特別図柄の大当り図柄の停止表示中であっても、新たな始動入賞が発生した場合には新たな保留記憶を記憶するように構成されている。
また、一方の特別図柄(例えば、第2特別図柄)の大当り図柄の停止表示中に、他方の特別図柄(例えば、第1特別図柄)の始動入賞が発生した場合には、遊技者に対して作動ゲート9017を狙って遊技球を発射操作することを促す発射促進報知を行うように構成してもよい。
第2特別図柄表示器908bにて大当り図柄を導出表示していなければ(ステップS901125AのN)、そのまま処理を終了する。
図47は、第1特別図柄停止処理を示すフローチャートである。第1特別図柄停止処理において、まず、CPU9056は、低確率/第1KT状態の残余回数を示すKT回数カウンタの値が「0」であるか否かを判定し(ステップS902010)、「0」である場合、すなわち、低確率/第1KT状態でない場合、ステップS902014へ移行する。KT回数カウンタの値が「0」でない場合、すなわち、低確率/第1KT状態である場合、CPU9056は、KT回数カウンタの値を「1」減算し(ステップS902011)、「0」になったか否かを判定する(ステップS902012)。KT回数カウンタの値が「0」にならない場合、ステップS902014へ移行する。KT回数カウンタの値が「0」になった場合、すなわち、低確率/第1KT状態の100回目の変動が終了した場合、CPU9056は、第1KT状態であることを示す第1KTフラグをリセットし(ステップS902013)、ステップS902014へ移行する。これにより、低確率/第1KT状態において100回の変動が終了した場合に第1KT状態が終了する(低確率/非KT状態に移行する)こととなる。
ステップS902014において、CPU9056は、第1大当りフラグがセットされているか否かを判定する(ステップS902014)。第1大当りフラグがセットされている場合、CPU9056は、セットされていれば、確変フラグ、第1KTフラグ、第2KTフラグ、KT回数カウンタをリセットする(ステップS902015)。
次いで、CPU9056は、まだ出力されていなければ、大当り信号1および大当り信号2(図54および図55参照)の外部出力を開始する制御を行う(ステップS902015X)。
次いで、CPU9056は、作動ゲートスイッチ9017aからの検出信号を入力したか否かを確認する(ステップS902015Y)。作動ゲートスイッチ9017aからの検出信号を入力していなければ、そのまま処理を終了する。作動ゲートスイッチ9017aからの検出信号を入力していれば、CPU9056は、第1大当り開始指定コマンドを送信し(ステップS902016)、大入賞口開放前タイマを設定し(ステップS902017)、大当り種別に応じたラウンド1用開放パターンデータをセットし(ステップS902018)、大当りのラウンド数を示すラウンド数カウンタに「1」をセットし(ステップS902019)、第1特別図柄プロセスフラグを第1大入賞口開放前処理に設定する(ステップS902020)。
ステップS902015Yの処理が実行されることによって、この実施の形態では、第1特別図柄の変動表示結果として大当り図柄が導出表示されると直ちに大当り遊技が開始されるのではなく、作動ゲート9017を遊技球が通過し、作動ゲートスイッチ9017aで検出されたことを条件として、大当り遊技に移行するように構成されている。また、この実施の形態では、ステップS902015Xの処理が実行されることによって、大当り信号1および大当り信号2の外部出力に関しては、作動ゲート9032を遊技球が通過し大当り遊技が開始される前であっても、大当り図柄が導出表示されたタイミングで大当り信号1および大当り信号2の外部出力が開始されるように構成されている。
なお、大当り図柄を停止表示したときに、遊技者に対して遊技領域907の右方に遊技球を発射操作することを促す右打ち報知を行うように構成してもよい。また、大当り図柄を停止表示したときに、右打ち報知として、遊技者に対して作動ゲート9017を狙って遊技球を発射操作することを促す発射促進報知を行うように構成してもよい。
また、逆に、通常状態(低確率/非KT状態)でゲート9032や作動ゲート9017での遊技球の通過を検出した場合には、認識度合いが低い態様(例えば、小音量の音出力や小画面表示)により、遊技者に対して遊技領域907の左方に遊技球を発射操作することを促す左打ち報知を行うように構成してもよい。一方で、通常状態(低確率/非KT状態)で第2始動入賞口9014や特殊入賞口9024への遊技球の入賞を検出した場合には、認識度合いが高い態様(例えば、大音量の音出力や大画面表示)により左打ち報知を行うように構成してもよい。そのように構成すれば、的確に発射報知を行うことができる。特に、上記の構成により、偶発的に遊技領域907の右方に遊技球を発射操作した遊技者に対しては、遊技機の周囲への認識度合いが低い態様により軽度な左打ち報知を行う一方で、右打ち操作を意図的に行う遊技者に対しては、遊技機の周囲への認識度合いが高い態様により左打ち報知を行うように構成してもよい。そのように構成すれば、意図的に右打ち操作を行う遊技者に対して、遊技店の店員から左打ち操作に戻すように促すことができる。
また、上記の場合に、ゲート9032や作動ゲート9017、第2始動入賞口9014、特殊入賞口9024での遊技球の検出数が一定数に達した場合に左打ち報知を行うように構成してもよい。また、ゲート9032や作動ゲート9017では所定期間内(例えば、1分間)に複数回(例えば、5回)遊技球を検知した場合に左打ち報知を行い、第2始動入賞口9014や特殊入賞口9024では所定数よりも少ない特定数(例えば、1個)以上遊技球を検出した場合に左打ち報知を行うように構成してもよい。
また、例えば、ゲート9032や作動ゲート9017での遊技球の検出では外部信号の出力を行わない一方で、第2始動入賞口9014や特殊入賞口9024での遊技球の検出では外部信号の出力を行うように構成してもよい。
なお、この実施の形態では、大当り図柄が導出表示されたタイミングで大当り信号1および大当り信号2の外部出力が実行されるので、例えば、遊技店の閉店前に低確率/第1KT状態を終了した後に第2特別図柄の保留記憶が残存している場合、遊技店の営業終了に伴い遊技者が遊技を終了しているような状況などにおいて、第2特別図柄の長時間(5分)の変動表示を経て大当り図柄が導出表示された際に外部出力できるため、遊技店の閉店から次の開店までの間に遊技店の店員に対して遊技機901の初期化を促すことができる。
図48は、特別図柄プロセス処理における第1大当り終了処理(ステップS90307)を示すフローチャートである。第1大当り終了処理において、CPU9056は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS902200A)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS902204Aに移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、第1大当りフラグをリセットし(ステップS902201A)、第1大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS902202A)。そして、大当り終了表示タイマに、演出表示装置909において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS902203A)、処理を終了する。
ステップS902204Aでは、大当り終了表示タイマの値を1減算する(ステップS902204A)。そして、CPU9056は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS902205A)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了表示時間を経過していれば(ステップS902205AのY)、CPU9056は、今回終了した大当りの種別が16R確変大当りであるか否かを確認する(ステップS902206A)。なお、16R確変大当りであるか否かは、例えば、第1特別図柄通常処理のステップS90161Aで記憶した大当り種別を確認することにより判定できる。16R確変大当りであれば、CPU9056は、確変状態であることを示す確変フラグをセットして確変状態(高確率状態)に移行する(ステップS902207A)とともに、第2KT状態であることを示す第2KTフラグをセットして第2KT状態に移行する(ステップS902208A)。そして、ステップS902214Aに移行する。
16R確変大当りでなければ、CPU9056は、今回終了した大当りの種別が6R確変大当りであるか否かを確認する(ステップS902209A)。なお、6R確変大当りであるか否かは、例えば、第1特別図柄通常処理のステップS90161Aで記憶した大当り種別を確認することにより判定できる。6R確変大当りであれば、CPU9056は、確変フラグをセットして確変状態(高確率状態)に移行する(ステップS902210A)とともに、第1KT状態であることを示す第1KTフラグをセットして第1KT状態に移行する(ステップS902211A)。そして、ステップS902214Aに移行する。
6R確変大当りでもなければ(すなわち、6R通常大当りであれば)、CPU9056は、第1KTフラグをセットして第1KT状態に移行する(ステップS902212A)。また、CPU9056は、低確率/第1KT状態の残余回数を示すKT回数カウンタに「100」をセットする(ステップS902213A)。そして、ステップS902214Aに移行する。
そして、CPU9056は、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄通常処理(ステップS90300)に対応した値に更新する(ステップS902214A)。
図49は、主基板9031に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ90560(具体的には、CPU9056)が実行する第2特別図柄プロセス処理(ステップS9026B)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、第2特別図柄プロセス処理では第2特別図柄表示器908b、特別可変入賞球装置9020、および特殊可変入賞球装置9022を制御するための処理が実行される。
CPU9056は、第2特別図柄プロセス処理を行う際に、遊技盤906に設けられている第2始動入賞口9014に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ9014aがオンしていたら、すなわち遊技球が第2始動入賞口9014に入賞する始動入賞が発生していたら(ステップS90321)、第2始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS90322)。なお、図42に示した第1始動口スイッチ通過処理の「第1」を「第2」と読み替えれば、第2始動口スイッチ通過処理が説明されることになる。その後、CPU9056は、内部状態(具体的には、第2特別図柄プロセスフラグの値)に応じて、ステップS90350〜S90360のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS90350〜S90360の処理は、以下のような処理である。
第2特別図柄通常処理(ステップS90350):第2特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には第2大当りフラグをセットする。一方、大当りとしない場合には小当りフラグをセットする。そして、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS90351に応じた値(この例では1)に更新する。なお、第2大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。また、小当りフラグは、小当り遊技が終了するときにリセットされる。
第2変動パターン設定処理(ステップS90351):第2特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS90352に対応した値(この例では2)に更新する。
第2表示結果指定コマンド送信処理(ステップS90352):第2特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ90200に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS90353に対応した値(この例では3)に更新する。
第2特別図柄変動中処理(ステップS90353):第2特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。第2変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS90351でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、演出制御用マイクロコンピュータ90200に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行い、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS90304に対応した値(この例では4)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ90200は、遊技制御用マイクロコンピュータ90560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置909において飾り図柄が停止されるように制御する。
第2特別図柄停止処理(ステップS90354):第2特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。第2大当りフラグがセットされている場合に、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS90355に対応した値(この例では5)に更新する。小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS90358に対応した値(この例では8)に更新する。第2大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合(強制はずれとした場合)には、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS90350に対応した値(この例では0)に更新する。なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値が4となったことにもとづいて、後述するように、特別図柄表示制御処理において特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データが特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定され、ステップS9022の表示制御処理において出力バッファの設定内容に応じて実際に特別図柄の停止図柄が停止表示される。
第2大入賞口開放前処理(ステップS90355):第2特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。第2大入賞口開放前処理では、特別可変入賞球装置9020を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、特別可変入賞球装置9020に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド9021を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって第2大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS90356に対応した値(この例では6)に更新する。なお、第2大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、第2大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
第2大入賞口開放中処理(ステップS90356):第2特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90200に送信する制御や特別可変入賞球装置9020の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。また、大入賞口に遊技球が入賞し、第1カウントスイッチ9023aで遊技球を検出した場合には、演出制御用マイクロコンピュータ90200に対して大入賞口入賞指定コマンドを送信する制御を行う。特別可変入賞球装置9020の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS90355に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS90357に対応した値(この例では7)に更新する。
第2大当り終了処理(ステップS90357):第2特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ90200に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグや、第1KTフラグ、第2KTフラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS90300に対応した値(この例では0)に更新する。
第2小当り開放前処理(ステップS90358):第2特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。第2小当り開放前処理では、特殊可変入賞球装置9022を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、特殊入賞口9024に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド90106を駆動して特殊可変入賞球装置9022を開放制御にする。また、タイマによって第2小当り開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS90359に対応した値(この例では9)に更新する。なお、第2小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
第2小当り開放中処理(ステップS90359):第2特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。特殊可変入賞球装置9022の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。この実施の形態では、特殊可変入賞球装置9022の開放時間0.8秒(図38参照)が経過すると閉成条件が成立する。また、特殊入賞口に遊技球が入賞し、第2カウントスイッチ9025aで遊技球を検出した場合には、演出制御用マイクロコンピュータ90200に対して特殊入賞口入賞指定コマンドを送信する制御を行う。また、閉成条件が成立した場合には、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS90360に対応した値(この例では10(10進数))に更新する。
第2小当り終了処理(ステップS90360):第2特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ90200に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS90300に対応した値(この例では0)に更新する。
図50は、第2特別図柄プロセス処理における第2特別図柄通常処理(ステップS90350)を示すフローチャートである。第2特別図柄通常処理が実行される状態は、第2特別図柄プロセスフラグの値がステップS90350を示す値となっている場合である。なお、第2特別図柄プロセスフラグの値がステップS90350を示す値となっている場合とは、第2特別図柄表示器908bにおいて第2特別図柄の変動表示がなされていない状態であって、かつ、第2大当り遊技(特別可変入賞球装置9020を所定回開放)中でも小当り遊技中(特殊可変入賞球装置9022を開放)中でもない場合である。
第2特別図柄通常処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ90560(具体的には、CPU9056)は、まず、第2保留記憶数の値を確認する(ステップS9052B)。具体的には、第2保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。
第2保留記憶数が0でなければ、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、RAM9055の第2保留記憶数バッファにおける保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM9055の第2乱数バッファ領域に格納するとともに(ステップS9053B)、第2保留記憶数の値を1減らし(第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し)、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS9054B)。すなわち、RAM9055の第2保留記憶数バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各第2保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第2保留記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。すなわち、この例では、可変表示の開始条件が成立する毎に、各保存領域の内容をシフトする構成としているので、各乱数値が抽出された順番を特定することができる。
その後、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、現在の遊技状態に応じた背景指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90200に送信する(ステップS9060B)。なお、具体的な背景指定コマンドの送信の仕方は、第1特別図柄通常処理のステップS9060Aで示した処理と同様である。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、第2乱数格納バッファから大当り判定用乱数(ランダム1´)を読み出し(ステップS9064B)、大当り判定モジュールを実行する(ステップS9065B)。大当り判定モジュールは、大当り判定用乱数が、あらかじめ決められている大当り判定値と一致したら大当りとすることに決定するプログラムである。大当りとすることに決定した場合には(ステップS9066B)、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、第2特別図柄の変動表示にもとづいて大当りとなることを示す第2大当りフラグをセットする(ステップS9067B)。そして、ランダム2´にもとづいて大当り種別が16R確変大当り、6R確変大当り、2R確変大当り、および2R通常大当りのいずれであるかを判定し(ステップS90160B)、大当り種別を記憶し(ステップS90161B)、ステップS9068Bへ移行する。
また、ステップS9066Bにおいて大当りとしない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ9056は、小当りとなることを示す小当りフラグをセットし(ステップS90164B)、そのまま小当りとすることに決定する。そして、ステップS9068Aへ移行する。
なお、この実施の形態では、第2特別図柄の変動表示の表示結果を大当りと決定しなかった場合には、無条件に全て小当りと決定する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、第2特別図柄の変動表示の表示結果を大当りと決定しなかった場合にも、乱数にもとづく抽選処理を行って小当りとするか否かを決定するように構成してもよい。この場合、抽選処理を実行するものの100%の確率で小当りと決定するように構成してもよいし、低い確率ではずれと決定する場合があるように構成してもよい。
そして、ステップS9068Bにおいて、第2特別図柄プロセスフラグの値を第2変動パターン設定処理に対応した値に更新する(ステップS9068B)。なお、図示は省略したが、ステップS9068Bの直前において停止する図柄の確定をしている。
なお、ステップS9065Bでは、遊技状態を加味して、非確変時大当り判定テーブルおよび確変時大当り判定テーブルのいずれかを用いて大当りとするか否かの判定を行う。
第2変動パターン設定処理(ステップS90351)は、図45に示した第1変動パターン設定処理(ステップS90301)と同様である。すなわち、図45に示す第1変動パターン設定処理において、「第1」を「第2」に読み替えれば、第2変動パターン処理が説明されたことになる。
第2表示結果指定コマンド送信処理(ステップS90352)では、遊技制御用マイクロコンピュータ90560(具体的には、CPU9056)は、大当りとするか小当りとするかの決定結果、および大当り種別の決定結果にもとづいて、いずれかの表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果3指定コマンド、表示結果5指定コマンド〜表示結果7指定コマンド)を演出制御用マイクロコンピュータ90200に対して送信する制御を行う。
図51は、第2特別図柄プロセス処理における第2特別図柄変動中処理(ステップS90353)を示すフローチャートである。第2特別図柄変動中処理において、CPU9056は、まず、第2変動時間タイマを1減算し(ステップS901121B)、第2変動時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS901122B)、演出制御用マイクロコンピュータ90200に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS901123B)。そして、CPU9056は、第2特別図柄プロセスフラグの値を第2特別図柄停止処理(ステップS90354)に対応した値に更新する(ステップS901124B)。
第2変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、CPU9056は、第1特別図柄表示器908aにて大当り図柄を導出表示しているか否かを確認する(ステップS901125B)。なお、第1特別図柄表示器908aにて大当り図柄を導出表示しているか否かは、例えば、第1特別図柄プロセスフラグの値が第1特別図柄停止処理に対応した値となっているとともに、第1特別図柄の変動表示にもとづいて大当りとなることを示す第1大当りフラグがセットされているか否かを確認することにより判定できる。第1特別図柄表示器908aにて大当り図柄を導出表示していれば、CPU9056は、セットされていれば、第2大当りフラグまたは小当りフラグをリセットする(ステップS901126B)。また、CPU9056は、はずれであることを指定する表示結果1指定コマンドを送信する(ステップS901127B)。そして、ステップS901123Bに移行して演出制御用マイクロコンピュータ90200に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS901123B)とともに、第2特別図柄プロセスフラグの値を第2特別図柄停止処理(ステップS90354)に対応した値に更新する(ステップS901124B)。
ステップS901125B〜S901127Bの処理が実行されることによって、この実施の形態では、第2特別図柄の変動表示の実行中に第1特別図柄の変動表示が大当りとなれば、第2特別図柄の変動表示は強制的にはずれとすることに決定され(変動開始時に大当りまたは小当りと決定されていても事後的に大当りまたは小当りがキャンセルされ)、第1特別図柄と第2特別図柄とで同時に大当りが発生する事態が生じないようにしている。なお、この場合、演出制御用マイクロコンピュータ90200側では、第2特別図柄の変動表示が強制はずれとされた場合には、図柄確定指定コマンドを受信したことにもとづいて第2可変表示部909bにおける第2飾り図柄の停止表示を停止するとともに、ステップS901127Bで送信された表示結果1指定コマンドにもとづいて、第2飾り図柄の変動表示結果として強制的にはずれ図柄を停止表示するように制御する。
なお、この実施の形態では、第2特別図柄変動中処理において事後的に強制はずれと決定される場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、第2特別図柄の変動表示を開始するときに第2特別図柄通常処理においてステップS9064Bの処理を実行する前に、第1大当りフラグがセットされているか否かを確認し、第1大当りフラグがセットされていれば、ステップS9064B〜S90164Bの処理を実行することなく強制的にはずれと決定するように構成してもよい。
第1特別図柄表示器908aにて大当り図柄を導出表示していなければ(ステップS901125BのN)、そのまま処理を終了する。
第2特別図柄停止処理(ステップS90354)は、図47に示した第1特別図柄停止処理(ステップS90304)と同様である。すなわち、図47に示す第1特別図柄停止処理において、「第1」を「第2」に読み替えれば、第2特別図柄停止処理が説明されたことになる。
図52は、特別図柄プロセス処理における第2大当り終了処理(ステップS90357)を示すフローチャートである。第2大当り終了処理において、CPU9056は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS902200B)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS902204Bに移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、第2大当りフラグをリセットし(ステップS902201B)、第2大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS902202B)。そして、大当り終了表示タイマに、演出表示装置909において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS902203B)、処理を終了する。
ステップS902204Bでは、大当り終了表示タイマの値を1減算する(ステップS902204B)。そして、CPU9056は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS902205B)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了表示時間を経過していれば(ステップS902205BのY)、CPU9056は、今回終了した大当りの種別が16R確変大当りであるか否かを確認する(ステップS902206B)。なお、16R確変大当りであるか否かは、例えば、第2特別図柄通常処理のステップS90161Bで記憶した大当り種別を確認することにより判定できる。16R確変大当りであれば、CPU9056は、確変フラグをセットして確変状態(高確率状態)に移行する(ステップS902207B)する。次いで、CPU9056は、今回の大当りを開始する前に第1KT状態または第2KT状態に制御されていたか否かを確認する(ステップS902208B)。なお、大当りを開始する前に第1KT状態または第2KT状態に制御されていたか否かは、例えば、大当り遊技を開始する前の第2特別図柄停止処理において、大当り開始前に第1KT状態であったことを示す第1KT記憶フラグや第2KT状態であったことを示す第2KT記憶フラグをセットしておき、ステップS902208Bでは、これら第1KT記憶フラグまたは第2KT記憶フラグがセットされているか否かを確認するようにすればよい。大当り開始前に第1KT状態でも第2KT状態でもなかった場合には、第1KTフラグをセットして第1KT状態に移行する(ステップS902209B)。大当り開始前に第1KT状態または第2KT状態であった場合には、第2KTフラグをセットして第2KT状態に移行する(ステップS902210B)。そして、ステップS902216Bに移行する。
ステップS902208B〜S902210Bの処理が実行されることによって、この実施の形態では、第2特別図柄の変動表示にもとづいて16R確変大当りとなった場合には、大当り開始前にKT状態であった場合にのみ第2KT状態に移行するようにし、大当り開始前に非KT状態であった場合には第1KT状態に移行するように構成している。すなわち、既に説明したように、この実施の形態では、非KT状態(低確率/非KT状態)では、左打ち操作を行うように構成されており主として第1特別図柄の変動表示が実行されることを想定して構成されている。ところが、第2特別図柄の変動表示により16R確変大当りが発生した場合に無条件に第2KT状態に移行されるように構成してしまったのでは、非KT状態でも敢えて右打ち操作を行って第2KT状態に移行させることが可能となってしまい、本来の遊技性を損ね不必要に射幸性を高めるおそれがある。そこで、この実施の形態では、第2特別図柄の変動表示にもとづいて16R確変大当りとなった場合には、大当り開始前にKT状態であった場合にのみ第2KT状態に移行するようにして、そのような事態を防止し、非KT状態では遊技者に左打ち操作を促すようにしている。
16R確変大当りでなければ、CPU9056は、今回終了した大当りの種別が6R確変大当りまたは2R確変大当りであるか否かを確認する(ステップS902211B)。なお、6R確変大当りまたは2R確変大当りであるか否かは、例えば、第2特別図柄通常処理のステップS90161Bで記憶した大当り種別を確認することにより判定できる。6R確変大当りまたは2R確変大当りであれば、CPU9056は、確変フラグをセットして確変状態(高確率状態)に移行する(ステップS902212B)とともに、第1KTフラグをセットして第1KT状態に移行する(ステップS902213B)。そして、ステップS902216Bに移行する。
6R確変大当りおよび2R確変大当りのいずれでもなければ(すなわち、2R通常大当りであれば)、CPU9056は、第1KTフラグをセットして第1KT状態に移行する(ステップS902214B)。また、CPU9056は、KT回数カウンタに「100」をセットする(ステップS902215B)。そして、ステップS902216Bに移行する。
そして、CPU9056は、第2特別図柄プロセスフラグの値を第2特別図柄通常処理(ステップS90350)に対応した値に更新する(ステップS902216B)。
図53は、主基板9031に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ90560(具体的には、CPU9056)が実行する特別図柄表示制御処理(ステップS9036)のプログラムの一例を示すフローチャートである。特別図柄表示制御処理では、CPU9056は、特別図柄プロセスフラグの値が3であるか否か(すなわち、特別図柄変動中処理の実行中であるか否か)を確認する(ステップS903201)。特別図柄プロセスフラグの値が3であれば(すなわち、特別図柄変動中処理の実行中であれば)、CPU9056は、特別図柄変動表示用の特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定または更新する処理を行う(ステップS903202)。この場合、CPU9056は、特別図柄の変動表示を行うための特別図柄表示制御データを設定または更新する。例えば、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される特別図柄表示制御データの値を+1する。そして、その後、表示制御処理(ステップS9022参照)が実行され、特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファの内容に応じて特別図柄表示器908a,908bに対して駆動信号が出力されることによって、特別図柄表示器908a,908bにおける特別図柄の変動表示が実行される。
特別図柄プロセスフラグの値が3でなければ、CPU9056は、特別図柄プロセスフラグの値が4であるか否か(すなわち、特別図柄停止処理の実行中であるか否か)を確認する(ステップS903203)。特別図柄プロセスフラグの値が4であれば(すなわち、特別図柄停止処理に移行した場合には)、CPU9056は、特別図柄通常処理で設定された特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する処理を行う(ステップS903204)。この場合、CPU9056は、特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データを設定する。そして、その後、表示制御処理(ステップS9022参照)が実行され、特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファの内容に応じて特別図柄表示器908a,908bに対して駆動信号が出力されることによって、特別図柄表示器908a,908bにおいて特別図柄の停止図柄が停止表示される。なお、ステップS903204の処理が実行され停止図柄表示用の特別図柄表示制御データが設定された後には、設定データの変更が行われないので、ステップS9022の表示制御処理では最新の特別図柄表示制御データにもとづいて最新の停止図柄を次の変動表示が開始されるまで停止表示し続けることになる。また、ステップS903201において特別図柄プロセスフラグの値が2または3のいずれかであれば(すなわち、表示結果指定コマンド送信処理または特別図柄変動中処理のいずれかであれば)、特別図柄変動表示用の特別図柄表示制御データを更新するようにしてもよい。この場合、遊技制御用マイクロコンピュータ90560側で認識する変動時間と演出制御用マイクロコンピュータ90200側で認識する変動時間との間にズレが生じないようにするため、表示結果指定コマンド送信処理においても変動時間タイマを1減算するように構成すればよい。
なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄表示制御データを出力バッファに設定する場合を示したが、特別図柄プロセス処理において、特別図柄の変動開始時に開始フラグをセットするとともに、特別図柄の変動終了時に終了フラグをセットするようにしてもよい。そして、特別図柄表示制御処理(ステップS9036)において、CPU9056は、開始フラグがセットされたことにもとづいて特別図柄表示制御データの値の更新を開始するようにし、終了フラグがセットされたことにもとづいて停止図柄を停止表示さえるための特別図柄表示制御データをセットするようにしてもよい。
次に、遊技機901が出力する外部出力信号について説明する。この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ90560(具体的には、CPU9056)は、情報出力処理(ステップS9029)や、第1特別図柄停止処理におけるステップS902015Xの処理、第2特別図柄停止処理におけるステップS902015Xと同様の処理を実行することによって、遊技機901に設けられた外部出力端子板を介して、ホール管理用コンピュータなどの外部装置に対して外部出力信号を出力する。
図54は、遊技機901が出力する外部出力信号を説明するための説明図である。外部出力端子板の端子01には、賞球信号が割り当てられている。賞球信号とは、賞球を所定個数(本例では、10個)払い出すごとに外部出力される信号である。また、外部出力端子板の端子05には、大当り信号1が割り当てられている。大当り信号1は、全ての大当り遊技の期間中にわたって連続して外部出力される信号である。また、外部出力端子板の端子06には、大当り信号2が割り当てられている。大当り信号2は、全ての大当り遊技の期間中、確変状態中、およびKT状態中(第1KT状態中、第2KT状態中)にわたって連続して外部出力される信号である。また、外部出力端子坂の端子07には、特殊入賞口信号が割り当てられている。特殊入賞口入賞信号は、特殊入賞口9024への遊技球の入賞を検出したことにもとづいて外部出力される信号である。また、外部出力端子板の端子09には、賞球予定数信号が割り当てられている。賞球予定数信号とは、賞球の払出予定数が所定個数(本例では、10個)になるごとに外部出力される信号である。
なお、図54に示す例では、第1KT状態であるか第2KT状態であるかを区別することなく、共通の特殊入賞口入賞信号を外部出力する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、第1KT状態であるか第2KT状態であるかに応じて異なる特殊入賞口入賞信号を外部出力するように構成してもよい。図55は、遊技機901が出力する外部出力信号の変形例を説明するための説明図である。図55に示す変形例では、外部出力端子坂の端子07には、特殊入賞口信号1が割り当てられているとともに、外部出力端子坂の端子08には、特殊入賞口信号2が割り当てられている。特殊入賞口入賞信号1は、第1KT状態において特殊入賞口9024への遊技球の入賞を検出したことにもとづいて外部出力される信号である。また、特殊入賞口入賞信号2は、第2KT状態において特殊入賞口9024への遊技球の入賞を検出したことにもとづいて外部出力される信号である。
なお、図54および図55において、さらに小当り遊技の期間中にわたって連続して外部出力される小当り専用の信号を設けるように構成してもよい。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図56は、演出制御基板9080に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ90200(具体的には、演出制御用CPU90201)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU90201は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS90701)。その後、演出制御用CPU90201は、タイマ割込フラグの監視(ステップS90702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU90201は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU90201は、そのフラグをクリアし(ステップS90703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU90201は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(コマンド解析処理:ステップS90704)。次いで、演出制御用CPU90201は、第1飾り図柄プロセス処理を行う(ステップS90705A)。第1飾り図柄プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第1演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して第1可変表示部909aの表示制御を実行する。また、第2飾り図柄プロセス処理を行う(ステップS90705B)。第2飾り図柄プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第2演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して第2可変表示部909bの表示制御を実行する。さらに、背景図柄表示部909cの表示状態の制御を行う背景図柄プロセス処理を実行する(ステップS90706)。また、図柄保留記憶表示部9018cの表示状態の制御を行う保留記憶表示制御処理を実行する(ステップS90707)。また、予告決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウンタ値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS90708)。その後、ステップS90702に移行する。
図57は、主基板9031の遊技制御用マイクロコンピュータ90560から受信した演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ90560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図39および図40参照)であるのか解析する。なお、演出制御INT信号にもとづく割込処理は、4msごとに実行されるタイマ割込処理に優先して実行される。
図58〜図60は、コマンド解析処理(ステップS90704)の具体例を示すフローチャートである。主基板9031から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU90201は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU90201は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS90611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU90201は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS90612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS90613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS90614)、演出制御用CPU90201は、受信した変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS90615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS90616)。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば(ステップS90617)、演出制御用CPU90201は、受信した表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果4指定コマンド)を、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(ステップS90618A)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(ステップS90619)、演出制御用CPU90201は、確定コマンド受信フラグをセットする(ステップS90620)。確定コマンド受信フラグは、図柄確定指定コマンドを正常に受信したことを示すフラグである。
受信した演出制御コマンドが第1大当り開始指定コマンドまたは第2大当り開始指定コマンドであれば(ステップS90621)、演出制御用CPU90201は、第1大当り開始指定コマンド受信フラグまたは第2大当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS90622)。なお、この実施の形態では、ステップS90622でセットされる第1大当り開始指定コマンド受信フラグ、第2大当り開始指定コマンド受信フラグのことを、ファンファーレフラグともいう。
受信した演出制御コマンドが大当り終了指定コマンドであれば(ステップS90623)、演出制御用CPU90201は、大当り終了指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS90624A)。なお、この実施の形態では、ステップS90624Aでセットされる大当り終了指定コマンド受信フラグのことを、エンディングフラグともいう。
受信した演出制御コマンドが小当り開始指定コマンドであれば(ステップS90625)、演出制御用CPU90201は、小当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS90626)。
受信した演出制御コマンドが小当り終了指定コマンドであれば(ステップS90627)、演出制御用CPU90201は、小当り終了指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS90628)。
受信した演出制御コマンドが低確/非KT背景指定であれば(ステップS90630)、演出制御用CPU90201は、演出表示装置909に表示する背景画面を低確率/非KT状態に応じた背景画面(例えば、青色の表示色の背景画面)に変更する(ステップS90631)。また、演出制御用CPU90201は、セットされていれば、第1KT状態であることを示す第1KT状態フラグをリセットする(ステップS90632)。
受信した演出制御コマンドが低確/第1KT背景指定であれば(ステップS90633)、演出制御用CPU90201は、演出表示装置909に表示する背景画面を低確率/第1KT状態に応じた背景画面(例えば、緑色の表示色の背景画面)に変更する(ステップS90634)。また、演出制御用CPU90201は、第1KT状態フラグをセットする(ステップS90635)。また、演出制御用CPU90201は、セットされていれば、確変状態であることを示す確変状態フラグや、第2KT状態であることを示す第2KT状態フラグをリセットする(ステップS90636)。
受信した演出制御コマンドが高確/第1KT背景指定であれば(ステップS90637)、演出制御用CPU90201は、演出表示装置909に表示する背景画面を高確率/第1KT状態に応じた背景画面(例えば、黄色の表示色の背景画面)に変更する(ステップS90638)。また、演出制御用CPU90201は、確変状態フラグおよび第1KT状態フラグをセットする(ステップS90639)。また、演出制御用CPU90201は、セットされていれば、第2KT状態フラグをリセットする(ステップS90640)。
受信した演出制御コマンドが高確/第2KT背景指定であれば(ステップS90641)、演出制御用CPU90201は、演出表示装置909に表示する背景画面を高確率/第2KT状態に応じた背景画面(例えば、赤色の表示色の背景画面)に変更する(ステップS90642)。また、演出制御用CPU90201は、確変状態フラグおよび第2KT状態フラグをセットする(ステップS90643)。また、演出制御用CPU90201は、セットされていれば、第1KT状態フラグをリセットする(ステップS90644)。
受信した演出制御コマンドが大入賞口入賞指定コマンドであれば(ステップS90650)、演出制御用CPU90201は、第1賞球数カウンタおよび第2賞球数カウンタにそれぞれ15(大入賞口への1入賞あたりの賞球数に相当)を加算する(ステップS90651)。
第1賞球数カウンタは、連荘中の賞球数をカウントするためのカウンタであり、連荘開始の契機となった大当り遊技および連荘中に発生した全ての大当り遊技で大入賞口に遊技球が入賞したことにもとづく賞球および連荘中の確変状態、第1KT状態および第2KT状態において発生した全ての小当り遊技で特殊入賞口9024に遊技球が入賞したことにもとづく賞球が随時加算される。また、第2賞球数カウンタは、第2KT状態中の賞球数をカウントするためのカウンタであり、第2KT状態開始の契機となった大当り遊技および第2KT状態中に発生した全ての大当り遊技で大入賞口に遊技球が入賞したことにもとづく賞球および第2KT状態中において発生した全ての小当り遊技で特殊入賞口9024に遊技球が入賞したことにもとづく賞球が随時加算される。
また、演出制御用CPU90201は、演出表示装置909において連荘中の賞球数を示す連荘中賞球数表示を表示中であれば、加算後の第1賞球数カウンタの値にもとづいて連荘中賞球数表示を更新するとともに、演出表示装置909において第2KT状態中の賞球数を示すスペシャルラッシュ中賞球数表示を表示中であれば、加算後の第2賞球数カウンタの値にもとづいてスペシャルラッシュ中賞球数表示を更新する(ステップS90652)。
受信した演出制御コマンドが特殊賞口入賞指定コマンドであれば(ステップS90653)、演出制御用CPU90201は、第1賞球数カウンタおよび第2賞球数カウンタにそれぞれ10(特殊入賞口9024への1入賞あたりの賞球数に相当)を加算する(ステップS90654)。また、演出制御用CPU90201は、連荘中賞球数表示を表示中であれば、加算後の第1賞球数カウンタの値にもとづいて連荘中賞球数表示を更新するとともに、スペシャルラッシュ中賞球数表示を表示中であれば、加算後の第2賞球数カウンタの値にもとづいてスペシャルラッシュ中賞球数表示を更新する(ステップS90655)。
次いで、演出制御用CPU90201は、第2KT状態フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS90656)。第2KT状態フラグがセットされていれば(すなわち、第2KT状態であれば)、演出制御用CPU90201は、演出表示装置909において賞球加算表示(例えば、「+10」などの文字表示)を表示させる(ステップS90657)。また、演出制御用CPU90201は、スピーカ9027から所定の入賞音を出力させる(ステップS90658)とともに、特殊入賞口ランプ9024aを点灯表示させる(ステップS90659)。
一方、第2KT状態フラグがセットされていなければ(第2KT状態でなければ)、ステップS90657〜S90659の処理を実行することなく、ステップS90611に戻る。
ステップS90656〜S90659の処理が実行されることによって、この実施の形態では、第2KT状態中に特殊入賞口9024に遊技球が入賞したことにもとづいて、賞球加算表示の表示、入賞音の出力、および特殊入賞口ランプ9024aの点灯表示が行われる一方で、特殊入賞口9024に遊技球が入賞しても第2KT状態でなければ、賞球加算表示の表示、入賞音の出力、および特殊入賞口ランプ9024aの点灯表示は行われない。
なお、必ずしも賞球加算表示の表示、入賞音の出力、および特殊入賞口ランプ9024aの点灯表示の全てを行う必要はなく、これらのうちのいずれか1つまたは2つのみを実行するように構成してもよい。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU90201は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセット、または処理を実行する(ステップS90670)。そして、ステップS90611に移行する。
図61は、図56に示す背景図柄プロセス処理(ステップS90706)を示すフローチャートである。演出制御用CPU90201は、背景図柄プロセスフラグの値に応じてステップS90900〜S90908のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。
背景図柄変動開始待ち処理(ステップS90900):背景図柄の変動開始条件が成立したか否か判定し、背景図柄の変動開始条件が成立した場合には、背景図柄表示部909cにおいて変動が開始されるように制御する。背景図柄の変動開始条件は、コマンド解析処理でいずれかの変動パターンコマンドが受信されたことが確認された場合に成立する。そして、背景図柄プロセスフラグを、背景図柄変動開始処理(ステップS90901)に応じた値に更新する。
背景図柄変動開始処理(ステップS90901):左中右の背景図柄の変動が開始されるように制御する。また、受信している表示結果コマンドに応じて背景図柄の停止図柄を決定し、背景図柄の変動時間を設定する。そして、背景図柄プロセスフラグの値を背景図柄変動中処理(ステップS90902)に対応した値に更新する。
背景図柄変動中処理(ステップS90902):背景図柄の変動時間の終了を監視する。変動時間が終了したら、背景図柄プロセスフラグの値を背景図柄停止処理(ステップS90903)に対応した値に更新する。なお、背景図柄変動中処理において、演出制御用CPU90201は、背景図柄の変動時間を延長することがある。
背景図柄停止処理(ステップS90903):背景図柄の変動を最終停止し停止図柄を表示する制御を行う。そして、背景図柄プロセスフラグの値を背景図柄変動開始待ち処理(ステップS90900)、大当り表示処理(ステップS90904)、または小当り中処理(ステップS90908)に対応した値に更新する。なお、大当り表示処理(ステップS90904)に対応した値に更新する場合には、第1大当り開始指定コマンドまたは第2大当り開始指定コマンドを受信していることを条件に、大当り表示処理(ステップS90904)に対応した値に更新する。また、小当り中処理(ステップS90908)に対応した値に更新する場合には、小当り開始指定コマンドを受信していることを条件に、小当り中表示処理(ステップS90908)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS90904):大当り表示の制御を行う。そして、実際に大当り遊技が開始されたことを示すことになる大入賞口開放中表示コマンド(第1ラウンドに関する大入賞口開放中表示コマンド)を受信したら背景図柄プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS90905)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(ステップS90905):ラウンド中の表示制御を行う。例えば、大入賞口が開放中であることを示す大入賞口開放中表示コマンドを受信したら、ラウンド数の表示制御等を行う。
ラウンド後処理(ステップS90906):ラウンド間の表示制御を行う。例えば、大入賞口が開放後(閉鎖中)であることを示す大入賞口開放後表示コマンドを受信したら、インターバル表示を行う。
大当り終了演出処理(ステップS90907):大当り遊技の終了後の大当り終了表示の制御を行う。例えば、大当りの終了を指定するエンディング指定コマンド(第1エンディング指定コマンド、第2エンディング指定コマンド)を受信したら、エンディング演出を実行する。そして、背景図柄プロセスフラグの値を背景図柄プロセスフラグの値を背景図柄変動開始待ち処理(ステップS90900)に応じた値に更新する。
小当り中処理(ステップS90908):小当り遊技中の表示制御を行う。そして、小当り終了指定コマンドを受信したら、背景図柄プロセスフラグの値を背景図柄プロセスフラグの値を背景図柄変動開始待ち処理(ステップS90900)に応じた値に更新する。
図62は、背景図柄変動開始処理(ステップS90901)を示すフローチャートである。背景図柄変動開始処理において、演出制御用CPU90201は、背景図柄の停止図柄を決定する(ステップS90920)。なお、この実施の形態では、表示結果1指定コマンドを受信した場合(はずれと決定されている場合)には、左中右の背景図柄が全く不一致のはずれ図柄または左右の背景図柄のみが一致したリーチはずれ図柄の組み合わせを決定する。また、表示結果2指定コマンドを受信した場合(16R確変大当りと決定されている場合)には、左中右の背景図柄が奇数図柄で揃った図柄の組み合わせを決定する。また、表示結果3指定コマンドや表示結果5指定コマンドを受信した場合(6R確変大当りや2R確変大当りと決定されている場合)には、左中右の背景図柄が偶数図柄で揃った図柄の組み合わせを決定する。また、表示結果4指定コマンドや表示結果6指定コマンドを受信した場合(6R通常大当りや2R通常大当りと決定されている場合)には、左右の背景図柄のみが一致したリーチはずれ図柄と同様の組み合わせを決定する。また、表示結果7指定コマンドを受信した場合(小当りと決定されている場合)には、小当り図柄(例えば、「135」)の背景図柄の組み合わせを決定する。
次いで、演出制御用CPU90201は、受信した変動パターンコマンドで示される変動パターンに応じて、使用する背景図柄の変動パターンに応じたプロセステーブルを選択する(ステップS90921)。そして、選択したプロセステーブルにおけるプロセスデータ1のプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS90922)。次いで、演出制御用CPU90201は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出表示装置909、各種ランプ、スピーカ9027)の制御を実行する(ステップS90923)。例えば、背景図柄表示部909cにおいて変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP90209に制御信号(表示制御実行データ)を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板9035に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ9027からの音声出力を行わせるために、音声出力基板9070に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
なお、変動パターンにおいて継続演出の実行が指定されている場合(第2変動パターン#17,#18の場合)には、ステップS90921で選択したプロセステーブルに従ってステップS90923および後述する背景図柄変動中処理のステップS90944の処理が実行されることによって背景図柄の変動表示中に継続演出が実行される。また、変動パターンにおいてバトル演出の実行が指定されている場合(第2変動パターン#11,#12,#14,#15,#18の場合)には、ステップS90921で選択したプロセステーブルに従ってステップS90923および後述する背景図柄変動中処理のステップS90944の処理が実行されることによって背景図柄の変動表示中にバトル演出が実行される。
次いで、演出制御用CPU90201は、変動時間に応じた値を背景図柄変動時間タイマに設定して背景図柄変動時間タイマをスタートさせる(ステップS90924)。そして、背景図柄プロセスフラグを、背景図柄変動中処理(ステップS90902)に応じた値に更新する(ステップS90925)。
図63は、背景図柄プロセス処理における背景図柄変動中処理(ステップS90902)を示すフローチャートである。背景図柄変動中処理において、演出制御用CPU90201は、まず、プロセスタイマの値を1減算するとともに(ステップS90940)、普通図柄変動時間タイマの値を1減算する(ステップS90941)。プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS90942)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(ステップS90943)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する(ステップS90944)。
次に、演出制御用CPU90201は、背景図柄の変動表示中に継続演出を実行する場合であって、その継続演出の開始タイミングとなっているか否かを確認する(ステップS90945)。なお、継続演出を実行する場合であるか否かは、例えば、受信した変動パターンコマンドで第2変動パターン#17,#18が指定されているか否かを確認することにより判定できる。また、継続演出の開始タイミングとなっているか否かは、例えば、背景図柄変動開始処理のステップS90924でセットした背景図柄変動時間タイマの値を確認することにより判定できる。継続演出の開始タイミングとなっていれば、演出制御用CPU90201は、演出表示装置909において、現在の第1賞球数カウンタの値にもとづいて連荘中賞球数表示を表示させる(ステップS90946)。なお、この実施の形態では、第2KT状態中である場合にはスペシャルラッシュ中賞球数表示が表示されているのであるが(後述するステップS909010参照)、第2KT状態中の継続演出の開始タイミングとなると、ステップS90946の処理が実行されることによって、スペシャルラッシュ中賞球数表示に加えて連荘中賞球数表示も表示される。
次に、演出制御用CPU90201は、背景図柄の変動表示中に第1KT移行演出を実行する場合であって、その第1演出の開始タイミングとなっているか否かを確認する(ステップS90947)。なお、第1KT移行演出を実行する場合であるか否かは、例えば、受信した変動パターンコマンドで第2変動パターン#18が指定されているか否かを確認することにより判定できる。すなわち、この実施の形態では、第2変動パターン#18にもとづいて背景図柄の変動表示が実行される場合には、背景図柄の変動表示中に継続演出が実行されて第2KT状態が継続するか否かが示唆された後、第1KT移行演出が実行されて恰も第2KT状態が終了して第1KT状態に移行したかのような演出が実行され(ただし、この段階では内部的にはまだ第2KT状態を終了しておらず、正確には第2KT状態を終了するのは大当り開始時である)、その後バトル演出に発展する。また、第1KT移行演出の開始タイミングとなっているか否かは、例えば、背景図柄変動開始処理のステップS90924でセットした背景図柄変動時間タイマの値を確認することにより判定できる。
第1KT移行演出の開始タイミングとなっていれば、演出制御用CPU90201は、スピーカ9027からの第2KT用の楽曲の音出力を終了させる(ステップS90948)。すなわち、この実施の形態では、第2KT状態に制御される場合には、その契機となった16R確変大当りにもとづく大当り遊技の開始時に第2KT用の楽曲の音出力が開始される(後述するステップS90982参照)のであるが、ステップS90948の処理が実行されることによって、その第2KT用の楽曲の音出力が終了される。
次いで、演出制御用CPU90201は、演出表示装置909において、連荘中賞球数表示およびスペシャルラッシュ中賞球数表示を消去する(ステップS90949)。また、この実施の形態では、第2KT状態中では「スペシャルラッシュ中」などの文字表示が表示されているのであるが、ステップS90949では、その「スペシャルラッシュ中」などの文字表示も消去する。
次いで、演出制御用CPU90201は、背景図柄変動時間延長処理を実行する(ステップS90950)。すなわち、この実施の形態では、第1特別図柄の変動表示を実行しているときに第2特別図柄の変動表示を開始したり、第2特別図柄の変動表示を実行しているときに第1特別図柄の変動表示を開始したりする可能性があり、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とが並行して実行される場合がありうる。そこで、この実施の形態では、ステップS90950の背景図柄変動時間延長処理が実行されることによって、一方の特別図柄の変動表示に対応して背景図柄の変動表示を実行しているときに他方の特別図柄の変動表示が開始された場合に、必要に応じて背景図柄の変動パターンを差し替えたり変動時間の延長を行ったりする。
ステップS90950では、演出制御用CPU90201は、例えば、はずれとなる一方の特別図柄の変動表示に対応して背景図柄の変動表示を実行しているときに、大当りとなる他方の特別図柄の変動表示が開始されたときには、大当りとなる方の特別図柄に対応して背景図柄の変動パターンに差し替えるとともに変動時間を延長する処理を行う。また、例えば、大当りとなる一方の特別図柄の変動表示に対応して背景図柄の変動表示を実行しているときに、はずれとなる他方の特別図柄の変動表示が開始されたときには、背景図柄の変動パターンの差し替えも変動時間の延長も行わず、現在実行中の背景図柄の変動表示をそのまま実行する。また、例えば、大当りとなる一方の特別図柄の変動表示に対応して背景図柄の変動表示を実行しているときに、大当りとなる他方の特別図柄の変動表示が開始されたときには、既に説明したように、この実施の形態では、後から開始した方の特別図柄の変動表示は途中で強制はずれとなるので、背景図柄の変動パターンの差し替えも変動時間の延長も行わず、現在実行中の背景図柄の変動表示をそのまま実行する。
そして、演出制御用CPU90201は、背景図柄変動時間タイマがタイムアウトしていれば(ステップS90951)、背景図柄プロセスフラグの値を背景図柄変動停止処理(ステップS90903)に応じた値に更新する(ステップS90952)。
図64および図65は、背景図柄プロセス処理における背景図柄変動停止処理(ステップS90903)を示すフローチャートである。背景図柄変動停止処理において、演出制御用CPU90201は、まず、背景図柄の停止図柄として大当り図柄を表示していることを示す停止図柄表示フラグ1がセットされているか否かを確認する(ステップS90970A)。停止図柄表示フラグ1がセットされていれば、ステップS90974に移行する。この実施の形態では、背景図柄の停止図柄として大当り図柄を表示した場合には、ステップS90973で停止図柄表示フラグ1がセットされる。そして、ファンファーレ演出を実行するときに停止図柄表示フラグ1がリセットされる。従って、停止図柄表示フラグ1がセットされているということは、大当り図柄を確定表示したがファンファーレ演出をまだ実行していない段階であるので、ステップS90971の背景図柄の停止図柄を表示する処理を実行することなく、ステップS90974に移行する。
停止図柄表示フラグ1がセットされていなければ、演出制御用CPU90201は、背景図柄の停止図柄として小当り図柄を表示していることを示す停止図柄表示フラグ2がセットされているか否かを確認する(ステップS90970B)。停止図柄表示フラグ2がセットされていれば、ステップS90987に移行する。この実施の形態では、背景図柄の停止図柄として小当り図柄を表示した場合には、ステップS90986で停止図柄表示フラグ2がセットされる。そして、小当り遊技中の演出を実行するときに停止図柄表示フラグ2がリセットされる。従って、停止図柄表示フラグ2がセットされているということは、小当り図柄を確定表示したが小当り遊技中の演出をまだ実行していない段階であるので、ステップS90971の背景図柄の停止図柄を表示する処理を実行することなく、ステップS90987に移行する。
停止図柄表示フラグ1および停止図柄表示フラグ2のいずれもセットされていなければ、演出制御用CPU90201は、演出表示装置909において停止表示中の左中右の背景図柄の停止図柄(はずれ図柄、大当り図柄、小当り図柄)を確定表示させる制御を行う(ステップS90971)。
ステップS90971の処理で大当り図柄を確定表示した場合には(ステップS90972のY)、演出制御用CPU90201は、停止図柄表示フラグ1をセットする(ステップS90973)。
次いで、演出制御用CPU90201は、いずれかの大当り開始指定コマンド受信フラグ(第1大当り開始指定コマンド受信フラグ、第2大当り開始指定コマンド受信フラグ)がセットされているか否かを確認する(ステップS90974)。いずれかの大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、演出制御用CPU90201は、停止図柄表示フラグ1をリセットする(ステップS90975)。なお、演出制御用CPU90201は、セットされていた大当り開始指定コマンド受信フラグもリセットする。
次いで、演出制御用CPU90201は、ファンファーレ演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS90976)。次いで、演出制御用CPU90201は、プロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをスタートさせ(ステップS90977)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置909、演出用部品としての各種ランプ、および演出用部品としてのスピーカ9027)の制御を実行する(ステップS90978)。
次いで、演出制御用CPU90201は、確変状態フラグ、第1KT状態フラグ、または第2KT状態フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS90979)。確変状態フラグ、第1KT状態フラグ、および第2KT状態フラグのいずれもセットされていなければ(すなわち、低確率/非KT状態であれば)、演出制御用CPU90201は、第1賞球数カウンタをリセットする(ステップS90980)。すなわち、低確率/非KT状態で大当りが発生した場合であるので、いわゆる初当りが発生した場合であり、第1賞球数カウンタをリセットする。
次いで、演出制御用CPU90201は、今回の大当りが16R確変大当りにもとづくものであるか否かを確認する(ステップS90981)。なお、16R確変大当りであるか否かは、例えば、16R確変大当りを指定する表示結果指定コマンド(表示結果2指定コマンド)を受信しているか否かを確認することにより判定できる。16R確変大当りであれば、第2KT状態開始の契機となる大当り遊技が開始される場合であるので、演出制御用CPU90201は、スピーカ9027から第2KT用の楽曲の音出力を開始させる制御を行う(ステップS90982)。
一方、16R確変大当りでなかった場合には、演出制御用CPU90201は、セットされていれば、第2賞球数カウンタをリセットする(ステップS90983)。すなわち、この場合、第2KT状態中であった場合には16R確変大当り以外の大当りが発生して第2KT状態が終了する場合であるので、第2賞球数カウンタをリセットする。
その後、演出制御用CPU90201は、背景図柄プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS90904)に応じた値に更新する(ステップS90984)。
ステップS90971の処理で小当り図柄を確定表示した場合には(ステップS90985のY)、演出制御用CPU90201は、停止図柄表示フラグ2をセットする(ステップS90986)。
次いで、演出制御用CPU90201は、小当り開始指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS90987)。小当り開始指定コマンド受信フラグがセットされている場合(すなわち、小当り開始指定コマンドを受信している場合)には、演出制御用CPU90201は、停止図柄表示フラグ2をリセットする(ステップS90988)。なお、演出制御用CPU90201は、セットされていた小当り開始指定コマンド受信フラグもリセットする。
次いで、演出制御用CPU90201は、第2KT状態フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS90989)。第2KT状態フラグがセットされていれば(すなわち、第2KT状態中であれば)、演出制御用CPU90201は、小当り中演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS90990)。次いで、演出制御用CPU90201は、プロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをスタートさせ(ステップS90991)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置909、演出用部品としての各種ランプ、および演出用部品としてのスピーカ9027)の制御を実行する(ステップS90992)。
また、演出制御用CPU90201は、スピーカ9027から特殊可変入賞球装置9022の開放に対応した所定の開放音を出力させる(ステップS90993)とともに、特殊入賞口ランプ9024aを点灯表示させる(ステップS90994)。
一方、第2KT状態フラグがセットされていなければ(すなわち、第2KT状態中でなければ)、ステップS90990〜S90994の処理を実行することなく、ステップS90995に移行する。ステップS90989の判定処理が実行されることによって、この実施の形態では、第2KT状態中に小当り遊技が行われる場合にのみ、小当り遊技中の演出が実行され、特殊可変入賞球装置9022の開放に対応した所定の開放音が出力されるとともに、特殊入賞口ランプ9024aが点灯表示される。
なお、この実施の形態では、第2KT状態中に小当りとなった場合に所定の開放音を出力するとともに特殊入賞口ランプ9024aを点灯表示させる場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、所定の開放音の出力と特殊入賞口ランプ9024aの点灯表示とのいずれか一方のみを実行するように構成してもよい。また、例えば、第2KT状態中であっても、これら所定の開放音の出力と特殊入賞口ランプ9024aの点灯表示とのいずれも実行しないように構成してもよく、そもそも小当り遊技中の演出や小当り中処理そのものを実行しないように構成してもよい。
そして、演出制御用CPU90201は、背景図柄プロセスフラグの値を小当り中処理(ステップS90908)に応じた値に更新する(ステップS90995)。
ステップS90971の処理で大当り図柄や小当り図柄を表示しなかった場合(すなわち、はずれ図柄を表示した場合)には(ステップS90972のN、且つステップS90985のN)、演出制御用CPU90201は、背景図柄プロセスフラグの値を背景図柄変動開始待ち処理(ステップS90900)に応じた値に更新する(ステップS90996)。
図66は、背景図柄プロセス処理における大当り終了演出処理(ステップS90907)を示すフローチャートである。大当り終了演出処理において、演出制御用CPU90201は、まず、演出期間計測タイマの値を1減算する(ステップS909000)。なお、演出期間計測タイマは、ラウンド後処理(ステップS90906参照)において、大当り遊技の全てのラウンドを終了したことにもとづいてセットされる。次いで、演出制御用CPU90201は、演出期間計測タイマがタイムアウトしたか否かを確認する(ステップS909001)。
演出期間計測タイマがタイムアウトしていないときは(ステップS909001のN)、演出制御用CPU90201は、プロセスタイマの値を1減算し(ステップS909002)、プロセスデータnの内容に従って演出装置(演出表示装置909、スピーカ9027等)を制御する処理を実行する(ステップS909003)。例えば、大当りが終了することを表示したり、所定のキャラクタを表示させたりする演出を実行する。
そして、演出制御用CPU90201は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS909004)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(ステップS909005)。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS909006)。
演出期間計測タイマがタイムアウトしていれば(ステップS909001のY)、演出制御用CPU90201は、今回終了する大当り遊技が6R確変大当りまたは2R確変大当りにもとづくものであるか否かを確認する(ステップS909007)。なお、6R確変大当りまたは2R確変大当りであるか否かは、例えば、6R確変大当りを指定する表示結果指定コマンド(表示結果3指定コマンド)や2R確変大当りを指定する表示結果指定コマンド(表示結果5指定コマンド)を受信しているか否かを確認することにより判定できる。6R確変大当りまたは2R確変大当りであれば(すなわち、大当り遊技終了後に高確率状態/第1KT状態となる場合であれば)、演出制御用CPU90201は、表示されていなければ、演出表示装置909において、第1賞球数カウンタにもとづいて連荘中賞球数表示の表示を開始させる制御を行う(ステップS909008)。なお、ステップS909008では、演出制御用CPU90201は、演出表示装置909において「ノーマルラッシュ中」などの文字表示の表示も開始させる制御を行う。
6R確変大当りおよび2R確変大当りのいずれでもなければ、演出制御用CPU90201は、今回終了する大当り遊技が16R確変大当りにもとづくものであるか否かを確認する(ステップS909009)。なお、16R確変大当りであるか否かは、例えば、16R確変大当りを指定する表示結果指定コマンド(表示結果2指定コマンド)を受信しているか否かを確認することにより判定できる。16R確変大当りであれば(すなわち、大当り遊技終了後に高確率状態/第2KT状態となる場合であれば)、演出制御用CPU90201は、表示されていなければ、演出表示装置909において、第2賞球数カウンタにもとづいてスペシャルラッシュ中賞球数表示の表示を開始させる制御を行う(ステップS909010)。なお、ステップS909010では、演出制御用CPU90201は、演出表示装置909において「スペシャルラッシュ中」などの文字表示の表示も開始させる制御を行う。
なお、図66では、図示を省略しているが、今回終了する大当り遊技が6R通常大当りや2R通常大当りにもとづくものであれば(すなわち、大当り遊技終了後に低確率状態/第1KT状態となる場合であれば)、演出制御用CPU90201は、演出表示装置909において「チャンスタイム」などの文字表示の表示を開始させる制御を行う。
そして、演出制御用CPU90201は、背景図柄プロセスフラグの値を背景図柄変動開始待ち処理(ステップS90900)に応じた値に更新する(ステップS909011)。
図67は、背景図柄プロセス処理における小当り中処理(ステップS90908)を示すフローチャートである。小当り中処理において、演出制御用CPU90201は、まず、小当り終了指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS909201)。小当り終了指定コマンド受信フラグがセットされていない場合(すなわち、まだ小当り終了指定コマンドを受信していない場合)には、演出制御用CPU90201は、プロセスタイマの値を1減算し(ステップS909202)、プロセスデータnの内容に従って演出装置(演出表示装置909、スピーカ9027等)を制御する処理を実行する(ステップS909203)。すなわち、小当り遊技に対応した演出を継続して行う。
ただし、既に説明したように、この実施の形態では、第2KT状態中でない場合には、そもそも小当り中演出に応じたプロセステーブルがセットされないので(ステップS90989参照)、小当り終了指定コマンドを受信していなくても、小当り遊技に対応した演出は実行されない。
そして、演出制御用CPU90201は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS909204)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(ステップS909205)。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS909206)。
小当り終了指定コマンド受信フラグがセットされている場合(すなわち、小当り終了指定コマンドを受信している場合)には、演出制御用CPU90201は、小当り遊技に対応した演出を終了し、ステップS909207に移行する。そして、演出制御用CPU90201は、背景図柄プロセスフラグの値を背景図柄変動開始待ち処理(ステップS90900)に応じた値に更新する(ステップS909207)。
次に、高確率/第2KT状態中における演出態様の具体例について説明する。図68〜図70は、高確率/第2KT状態中における演出態様の具体例を示す説明図である。なお、図68〜図70において、(A)(B)(C)・・・の順に演出画面の態様が遷移する。
図68(A)に示すように、高確率/第2KT状態中である場合には、演出表示装置909において、第2賞球数カウンタにもとづいてスペシャルラッシュ中賞球数表示90300が表示されている(ステップS909010参照)とともに、「スペシャルラッシュ中」などの文字表示が表示される。また、高確率/第2KT状態中である場合には、スピーカ9027から第2KT用の楽曲も音出力されている(ステップS90982参照)。
また、高確率/第2KT状態中に、第2変動パターン#18にもとづいて大当りとなる背景図柄の変動表示が実行される場合には、継続演出の開始タイミングとなると、図68(B)に示すように、演出表示装置909において、例えば、所定のキャラクタ90301が表示されるとともにキャラクタのセリフとして「スペシャルラッシュが終了するかも!」などの文字表示90302が表示されて継続演出が実行される。また、図68(B)に示すように、スペシャルラッシュ中賞球数表示90300に加えて、第1賞球数カウンタにもとづいて連荘中賞球数表示90303も表示される(ステップS90946参照)。なお、この実施の形態では、図68(B)に示すように、継続演出が開始されると、左中右の背景図柄の変動表示が、演出表示装置909の表示画面の右上端部に縮小表示される。
なお、この実施の形態では、図66(B)に示すように、第2KT状態中の継続演出中にスペシャルラッシュ中賞球数表示90300と連荘中賞球数表示90303との両方を表示するように構成する場合を示しているが、そのような態様にかぎらず、例えば、スペシャルラッシュ中賞球数表示90300のみを表示するように構成してもよい。
次いで、第1KT移行演出の開始タイミングとなると、図68(C)に示すように、キャラクタのセリフとして「ノーマルラッシュ突入!」などの文字表示90304の表示に切り替えられ、第1KT移行演出が実行されて、恰も第2KT状態を終了して第1KT状態に移行したかのような演出が実行される。また、この場合、第2KT用の楽曲の音出力が終了される(ステップS90948参照)とともに、連荘中賞球数表示90303やスペシャルラッシュ中賞球数表示90300、「スペシャルラッシュ中」などの文字表示が消去される。
次いで、バトル演出の開始タイミングとなると、図68(D)に示すように、演出表示装置909において味方のキャラクタ90305と敵のキャラクタ90306が表示され、バトル演出が開始される。なお、この実施の形態では、図68(D)に示すように、バトル演出が開始されると、左と右の背景図柄が同じ図柄で停止表示され、リーチが開始される。
この実施の形態では、16R確変大当り、6R確変大当り、または2R確変大当りが開始され、大当り遊技終了後に確変状態が継続される場合であれば、図69(E−1)に示すように、バトル演出において味方のキャラクタ90305がバトルに勝利するような態様の演出が実行される。そして、図69(F−1)に示すように、演出表示装置909において「確変継続!!」などの文字表示が表示され、変動時間を経過すると、図69(G−1)に示すように、演出表示装置909において確変大当り図柄が確定表示される。
一方、6R通常大当りまたは2R通常大当りが開始され、大当り遊技終了後に確変状態が終了する場合であれば、図70(E−2)に示すように、バトル演出において味方のキャラクタ90305がバトルに敗北するような態様の演出が実行される。そして、図70(F−2)に示すように、演出表示装置909において「確変終了!!」などの文字表示が表示され、変動時間を経過すると、図70(G−2)に示すように、演出表示装置909において通常大当り図柄(本例では、リーチはずれ図柄と同様の図柄の組み合わせ)が確定表示される。
次に、高確率/第1KT状態中における演出態様の具体例について説明する。図71は、高確率/第1KT状態中における演出態様の具体例を示す説明図である。なお、図71において、(A)(D)・・・の順に演出画面の態様が遷移する。
図71(A)に示すように、高確率/第1KT状態中である場合には、演出表示装置909において、第1賞球数カウンタにもとづいて連荘中賞球数表示90400が表示されている(ステップS909008参照)とともに、「ノーマルラッシュ中」などの文字表示が表示される。
また、高確率/第1KT状態中に、第2変動パターン#11,#12,#14,#15にもとづいてバトル演出を伴う背景図柄の変動表示が実行される場合には、バトル演出の開始タイミングとなると、図71(D)に示すように、演出表示装置909において味方のキャラクタ90305と敵のキャラクタ90306が表示され、バトル演出が開始される。なお、この実施の形態では、図71(D)に示すように、バトル演出が開始されると、左中右の背景図柄の変動表示が、演出表示装置909の表示画面の右上端部に縮小表示されるとともに、左と右の背景図柄が同じ図柄で停止表示され、リーチが開始される。
そして、その後、確変状態が継続する場合であれば、図69と同様にバトル演出において味方のキャラクタ90305が勝利するような態様の演出が実行されるとともに確変大当り図柄が確定表示され、確変状態が終了する場合であれば、図70と同様にバトル演出において味方のキャラクタ90305が敗北するような態様の演出が実行されるとともに通常大当り図柄が確定表示される。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、遊技媒体(本例では、遊技球)が進入可能な進入有利状態(本例では、開状態)と遊技媒体が進入不能または困難な進入不利状態(本例では、閉状態)とに変化可能な可変始動装置(本例では、可変入賞球装置9015)と、可変始動装置の下流側に設けられ、進入有利状態と進入不利状態とに変化可能な所定可変装置(本例では、特殊可変入賞球装置9022)とを備え、複数の開放パターンのうちのいずれかの開放パターンにより可変始動装置を制御可能である(図38参照)。また、可変始動装置に遊技媒体が進入したことにもとづいて可変表示を実行可能であり、可変表示の表示結果が所定表示結果(本例では、小当り図柄)となったことにもとづいて、所定可変装置を進入有利状態に変化させる所定状態(本例では、小当り遊技状態)に制御可能であり、所定状態に制御される頻度を高めた特別状態(本例では、KT状態)に制御可能である。また、特別状態として、第1特別状態(本例では、高確率/第1KT状態)と、該第1特別状態とは有利度合いが異なる第2特別状態(本例では、高確率/第2KT状態)とに制御可能である。また、複数の開放パターンのうち非特定開放パターンよりも所定可変装置に遊技媒体が流下しやすい特定開放パターンにより可変始動装置を制御可能である(本例では、図38(2)に示すように、可変入賞球装置9015を0.5秒間だけ開放する)。そして、第1特別状態に制御されている場合と第2特別状態に制御されている場合とで、異なる割合で特定開放パターンにより可変始動装置を制御可能である(本例では、第1KT状態では、図38(1)に示すように、可変入賞球装置9015を5.5秒間開放し、第2KT状態では、図38(2)に示すように、可変入賞球装置9015を0.5秒間だけ開放する)。そのため、特別状態における遊技性の単調さを解消することができ、特別状態に制御する場合の遊技の興趣を向上させることができる。
なお、この実施の形態では、第1KT状態では必ず可変入賞球装置9015を5.5秒間開放し、第2KT状態では必ず可変入賞球装置9015を0.5秒間開放する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、第1KT状態であっても低い確率で可変入賞球装置9015を0.5秒間開放する場合があるように構成したり、第2KT状態であっても低い確率で可変入賞球装置9015を5.5秒間開放する場合があるように構成したりしてもよい。少なくとも第2KT状態の場合の方が可変入賞球装置9015をショート開放する割合が高くなるように構成されていればよい。
また、この実施の形態によれば、複数種類の有利状態(本例では、16R確変大当り、6R確変大当り、6R通常大当り、2R確変大当り、2R通常大当り)に制御可能であり、第2特別状態は、第1特別状態と比較して有利度が高い(本例では、第1KT状態では小当り遊技で特殊入賞口9024に遊技球が入賞するのは稀であるのに対して、第2KT状態では小当り遊技で特殊入賞口9024に遊技球が入賞可能である)。また、有利状態の種類に対応して第2特別状態に制御可能である(本例では、16R確変大当りにもとづく大当り遊技の終了後に高確率/第2KT状態に移行される)。そのため、有利状態の種類と特別状態の種類とを対応付けることにより、いずれの種類の有利状態となるかに注目させることができる。
なお、さらに、大当りの種類に応じて大当り遊技中に異なる演出を実行するように構成してもよい。そのように構成すれば、大当り遊技中にどの演出が実行されるかに対して注目させることができる。
また、この実施の形態によれば、有利状態(本例では、大当り遊技状態)に制御されている期間と第2特別状態に制御されている期間とで、少なくとも一部の演出を引き継いで演出を実行可能である(本例では、16R確変大当りにもとづく大当り遊技の開始時に第2KT用の楽曲の音出力を開始し、第2KT状態を終了するまで第2KT用の楽曲の音出力を継続する)。そのため、第2特別状態に制御されていることを遊技者により強く印象付けることにより、遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、この実施の形態では、第2KT状態の契機となる16R確変大当りにもとづく大当り遊技からその後の第2KT状態にわたって楽曲の音出力を引き継ぐ場合を示しているが、そのような態様にかぎらず、例えば、動画像を引き継いで表示たり、ラウンド数表示を引き継いで表示したり、賞球数表示を引き継いで表示したりするように構成してもよい。
また、この実施の形態によれば、可変始動装置の上流側に設けられ、進入有利状態と進入不利状態とに変化可能な特定可変装置(本例では、特別可変入賞球装置9020)を備え、特定可変装置を進入有利状態に変化させる有利状態(本例では、大当り遊技状態)に制御可能である。また、可変始動装置を進入有利状態に制御するか否か(本例では、普図当りとするか否か)を決定し、状態に関係なく同じ割合により可変始動装置を進入有利状態に制御するか否かを決定する(本例では、普通図柄プロセス処理(ステップS9026C)において、遊技状態が確変状態(高確率状態)であるか否かや、非KT状態、第1KT状態または第2KT状態のいずれであるか、大当り遊技状態であるか否かに関係なく、同じ確率により普図当りとするか否かを決定する)。そのため、特定可変装置への遊技媒体の進入に関して、有利状態中も進入有利状態に制御可能な可変始動装置の影響を受けないようにすることができるので、有利状態の消化期間を短縮することができ、遊技に対する興趣の低下を抑制することができる。
また、この実施の形態によれば、有利状態に制御した後に特殊状態(本例では、確変状態)に制御可能であり、第1特別状態(本例では、高確率/第1KT状態)と同じ割合により開放パターンが選択されて可変始動装置が制御され且つ異なる割合により可変表示パターンが選択されて可変表示が実行される第3特別状態(本例では、低確率/第1KT状態)に制御可能である。そして、有利状態に制御された後に特殊状態に制御されない場合に第3特別状態に制御可能である(本例では、6R通常大当りや2R通常大当りにもとづく大当り遊技終了後には、低確率/第1KT状態に移行される)。そのため、有利状態に制御された後に特殊状態に制御されない場合において、遊技者が遊技を終了することを思いとどまらせる契機を与えることができる。
また、この実施の形態によれば、可変始動装置および所定可変装置は、遊技媒体の流下を遅延させるための遅延手段(本例では、規制片90118)が設けられている。そのため、遅延手段を設けることにより遊技媒体の流下速度が遅延され、第1特別状態においては可変始動装置への遊技媒体の進入割合をより一層高めることができ、第2特別状態においては所定可変装置への遊技媒体の進入割合をより一層高めることができる。
また、この実施の形態によれば、第1識別情報(本例では、第1特別図柄)の可変表示および第2識別情報(本例では、第2特別図柄)の可変表示を実行可能であるとともに、第1識別情報および第2識別情報のいずれか一方の可変表示の実行中に第1識別情報および第2識別情報の他方の可変表示を実行可能である(本例では、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とを並行して実行可能である)。また、所定状態(本例では、小当り遊技状態)に制御するか否かを決定可能であるとともに、可変表示時間(本例では、変動時間)を決定可能であり、第2識別情報の可変表示を実行する場合には、第1識別情報の可変表示を実行する場合と比較して、高い割合により所定状態に制御すると決定可能である(本例では、第2特別図柄の変動表示を行う場合にのみ小当りとすることに決定可能である)。そして、特別状態に制御されている場合には、非特別状態に制御されている場合と比較して、第2識別情報の可変表示の可変表示時間として短い時間を決定可能である(本例では、図36(C)に示すように、非KT状態では第2特別図柄の変動時間は15分または5分であるのに対して、図36(D)〜図37(I)に示すように、KT状態では第2特別図柄の変動時間は1.5秒〜2分20秒である)。そのため、特別状態に制御される遊技機における遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、この実施の形態では、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とを並行して実行可能な場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とを同時には実行しないように構成してもよい。この場合、例えば、第1始動入賞口9013と第2始動入賞口9014との入賞順に第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とを実行するように構成してもよいし、いずれかの特別図柄(例えば、第2特別図柄)の変動表示を優先して実行するように構成してもよい。なお、第2特別図柄の変動表示を第1特別図柄の変動表示よりも優先して実行するように構成する場合、第2特別図柄の変動表示でもはずれとなる場合が含まれるように構成して、必要以上に射幸性が高くなりすぎないようにすることが望ましい。
また、この実施の形態によれば、遊技媒体(本例では、遊技球)が通過可能な所定領域(本例では、作動ゲート9017)を備え、有利状態(本例では、大当り遊技状態)に制御可能である。そして、可変表示の表示結果として特定表示結果(本例では、大当り図柄)が導出表示された後、所定領域を遊技媒体が通過したことにもとづいて有利状態に制御可能である。そのため、特別状態終了後に遊技者が遊技を休憩した場合に、遊技者の休憩中に有利状態への制御が進行してしまわないように制限することができる。特に、この実施の形態では、非KT状態では第2特別図柄の変動時間が15分や5分と長いので、低確率/第1KT状態を終了した直後に第2特別図柄の変動表示が実行されて長時間の変動表示であるために遊技者が休憩に入ってしまったような場合に、その第2特別図柄の変動表示が大当りとなっても休憩中に大当り遊技が進行してしまうことを制限することができ、遊技者の利益が損なわれる事態を防止することができる。
なお、この実施の形態では、ゲート9032とは別に作動ゲート9017を設ける場合を示しているが、ゲート9032と作動ゲート9017とを共通のゲートとして構成するようにしてもよい。
また、必ずしも作動ゲート9017を設ける必要はなく、大当り図柄が導出表示されると、そのまま図柄確定表示時間経過後に大当り遊技に移行するように構成してもよい。
また、この実施の形態によれば、有利状態に制御されることを特定可能な有利状態信号(本例では、大当り信号1、大当り信号2)を外部出力可能である。また、可変表示の表示結果として特定表示結果(本例では、大当り図柄)が導出表示されたときに有利状態信号を外部出力可能である。そのため、遊技者がいない無人の遊技機において有利状態となったことを遊技店員に報知することができ、遊技機の初期化を促進することができる。
なお、有利状態信号(本例では、大当り信号1、大当り信号2)の外部出力は必ずしも必須ではなく、有利状態信号を外部出力しないように構成してもよい。
また、この実施の形態によれば、可変表示の表示結果が特定表示結果(本例では、大当り図柄)となったことにもとづいて、第1領域(本例では、大入賞口)に遊技媒体(本例では、遊技球)が進入可能となる有利状態(本例では、大当り遊技状態)に制御可能であり、可変表示の表示結果が所定表示結果(本例では、小当り図柄)となったことにもとづいて、第2領域(本例では、特殊入賞口9024)に遊技媒体が進入可能となる所定状態(本例では、小当り遊技状態)に制御可能である。所定状態に制御される頻度を高めた特別状態(本例では、KT状態)に制御可能であり、特別状態として、第1特別状態(本例では、高確率/第1KT状態)と、該第1特別状態と比較して有利度が高い第2特別状態(本例では、高確率/第2KT状態)とに制御可能である。そして、第2領域に遊技媒体が進入したことに対応して特別信号(本例では、特殊入賞口入賞信号)を外部出力可能である。そのため、第2領域への遊技媒体の進入状況を外部に通知することができ、遊技機の外部において適切な遊技機の管理を行うことができる。
例えば、図54に示す例において、大当り信号1が出力されていないときに、賞球率(遊技球の発射数100個あたり得られた賞球数、BA)がBA>100となっている場合には、大当り遊技中でないにもかかわらず不正に賞球を得る行為が行われた可能性があり、ホール管理コンピュータ側で異常と判定することができる。ただし、このような場合であっても、大当り信号2が出力されているとともに特殊入賞口入賞信号が出力されたのであれば、KT状態中の小当り遊技において賞球が得られる場合があるので、BA>100となっていても異常とは判定しないようにし、適切な遊技機外部からの管理を行うことができる。
また、この実施の形態によれば、第1特別状態に制御されている場合と第2特別状態に制御されている場合とで共通の特別信号を外部出力可能である(本例では、図54に示すように、第1KT状態であるか第2KT状態であるかに関係なく、共通の特殊入賞口入賞信号を外部出力する)。そのため、遊技機側の外部出力処理の簡略化を図ることができる。
なお、図55に示す変形例のように、特別信号として、第1特別信号(本例では、特殊入賞口入賞信号1)と、該第1特別信号とは異なる第2特別信号(本例では、特殊入賞口入賞信号2)とを外部出力可能であり、第1特別状態に制御されている場合に第1特別信号を外部出力可能であり、第2特別状態に制御されている場合に第2特別信号を外部出力可能である(図55に示すように、第1KT状態中は特殊入賞口入賞信号1を外部出力し、第2KT状態中は特殊入賞口入賞信号2を外部出力する)ように構成してもよい。そのように構成すれば、遊技機の状態を遊技機の外部において適切に管理することができる。
例えば、図55に示す変形例において、大当り信号1が出力されておらず大当り信号2が出力されている場合に、特殊入賞口入賞信号1が出力されていれば第1KT状態中の賞球率(BA1)として算出し、特殊入賞口入賞信号2が出力されていれば第2KT状態中の賞球率(BA2)として算出するようにしてもよい。そして、第2KT状態中では小当り遊技において相応の賞球が得られる場合があるので、BA2>100となっていても異常と判定しないようにし、第1KT状態中では小当りとなりやすいものの賞球が得られるのは稀であることから、BA1>100となっていれば異常と判定するようにしてもよい。そのような構成により、適切な遊技機外部からの管理を行うことができる。
また、例えば、図54および図55に示す例において、大当り信号2が出力されていないにもかかわらず(すなわち、KT状態でないにもかかわらず)、特殊入賞口入賞信号(特殊入賞口入賞信号1や特殊入賞口入賞信号2を含む)が出力された場合にも、異常と判定して遊技店員などに通知するように構成してもよい。また、特殊入賞口入賞信号の出力頻度が異常に高い場合にも、異常と判定して遊技店員などに通知するように構成してもよい。
また、この実施の形態では、図54および図55に示すように、外部出力端子坂に設けられる端子数にかぎりがある(本例では、10端子)ことから、特殊入賞口9024への入賞を検出したことを示す特殊入賞口入賞信号のみを出力可能に構成し、大入賞口への入賞を検出した場合に関しては特に外部出力信号の出力を行わないように構成している。そのように構成しても、特殊入賞口9024への入賞状況さえホール管理コンピュータなどの外部装置に通知すれば、遊技機901の異常状態をある程度検出することができる。
なお、特別信号(本例では、特殊入賞口入賞信号)の外部出力は必ずしも必須ではなく、特別信号を外部出力しないように構成してもよい。
また、この実施の形態によれば、可変表示の表示結果が所定表示結果(本例では、小当り図柄)となったことにもとづいて、有利状態(本例では、大当り遊技状態)とは異なる所定状態(本例では、小当り遊技状態)に制御可能であり、所定状態に制御される頻度を高めた特別状態(本例では、KT状態)に制御可能である。また、特別状態として、第1特別状態(本例では、高確率/第1KT状態)と、該第1特別状態と比較して有利度が高い第2特別状態(本例では、高確率/第2KT状態)とに制御可能である。また、有利状態に制御されることを示唆する所定演出(本例では、バトル演出)を実行可能であり、第1特別状態において有利状態に制御される場合に所定演出を実行可能である(図71参照)とともに、第2特別状態において有利状態に制御される場合には、第1特別状態への制御に移行することに対応する移行演出(本例では、第1KT移行演出)を実行した後に、所定演出を実行可能である(図68参照)。そのため、移行演出の実行によって第2特別状態の終了を印象付けることにより第2特別状態についての演出効果を高めることができ、特別状態に制御する場合の遊技の興趣を向上させることができる。
また、この実施の形態によれば、特別状態に制御される場合に特殊状態(本例では、確変状態)に制御可能であり、所定演出として、特殊状態への制御が継続するか否かに対応する演出を実行可能である(本例では、図69および図70に示すように、勝利する態様のバトル演出が実行されれば確変状態が継続し、敗北する態様のバトル演出が実行されれば確変状態が終了する)。そのため、所定演出として注目させる演出内容を絞り込むことにより、特殊状態への制御が継続するか否かに注目させることができ、所定演出の演出内容を明確にすることができる。
また、この実施の形態によれば、移行演出が実行される前に、第2特別状態において付与された遊技価値に関する情報を報知する報知演出(本例では、スペシャルラッシュ中賞球数表示90300)を実行可能である。そのため、第2特別状態の終了を明確にすることができ、所定演出に対して注目させることができる。
また、この実施の形態によれば、移行演出が実行される前に、第2特別状態への制御が継続するか否かに対応する特別演出(本例では、継続演出)を実行可能である。そのため、第2特別状態が終了するか否かに注目させることができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、この実施の形態によれば、第2特別状態に制御されている場合に、1の可変表示において、特別演出、移行演出および所定演出を実行可能である(本例では、第2変動パターン#18にもとづいて背景図柄の変動表示が実行される場合に、その変動表示において、図68に示すように、継続演出、第1KT移行演出、およびバトル演出が実行される)。そのため、状態変化を明確に区別することができる。例えば、大当りとなる変動表示の実行中に小当りによる賞球が得られない状況であっても、特別演出や移行演出を実行することによって、状態変化を明確に区別することができる。
また、この実施の形態によれば、第2特別状態において有利状態に制御された後、再び第2特別状態に制御される場合には、該再び制御される第2特別状態より前に付与された遊技価値に関する情報を引き継いで該第2特別状態に制御される(本例では、16R確変大当り以外の大当りが発生するまで第2賞球数カウンタはリセットされず(ステップS90981,S90983参照)、16R確変大当りが連続して発生する限り、スペシャルラッシュ中賞球数表示は累積して表示される)。そのため、付与された遊技価値がより大きなものとなるので、第2特別状態が継続することに対する特別感を与えることができる。
なお、この実施の形態で示した特別演出(本例では、継続演出)や、移行演出(本例では、第1KT移行演出)、所定演出(本例では、バトル演出)を実行する構成は、KT状態に制御するように構成した遊技機にかぎらず、様々な態様の遊技機に適用可能である。例えば、第2特別図柄を優先変動し、抽選処理によって確変状態が終了するように構成した遊技機に適用してもよい。この場合、例えば、特別演出や、移行演出、所定演出と同様の演出を行って、確変確定の演出モード(上位モード)から確変潜伏モード(中位モード)を経由し、大当りか確変終了(下位モード)かを煽るような演出を実行するように構成してもよい。
なお、特別演出(本例では、継続演出)、移行演出(本例では、第1KT移行演出)、および所定演出(本例では、バトル演出)の実行は必ずしも必須ではなく、これらのうちのいずれか1つ、複数または全ての演出を実行しないように構成してもよい。
また、この実施の形態によれば、可変表示の表示結果が所定表示結果(本例では、小当り図柄)となったことにもとづいて、有利状態(本例では、大当り遊技状態)とは異なる所定状態(本例では、小当り遊技状態)に制御可能であり、所定状態に制御される頻度を高めた特別状態(本例では、KT状態)に制御可能である。特別状態において遊技媒体(本例では、遊技球)が進入可能な特定領域(本例では、特殊入賞口9024)を備え、特別状態として、第1特別状態(本例では、高確率/第1KT状態)と、該第1特別状態と比較して有利度が高い第2特別状態(本例では、高確率/第2KT状態)とに制御可能である。また、第2特別状態において特定領域に遊技媒体が進入したことにもとづいて進入演出(本例では、賞球加算表示の表示、入賞音の出力、特殊入賞口ランプ9024aの点灯表示)を実行可能であり、第1特別状態において特定領域に遊技媒体が進入した場合には進入演出を実行しない(本例では、第2KT状態でないときに特殊入賞口9024に遊技球が入賞しても、賞球加算表示の表示、入賞音の出力、および特殊入賞口ランプ9024aの点灯表示を実行しない)。そのため、第1特別状態におけるイレギュラーな遊技媒体の進入(本例では、第1KT状態では本来滅多に特殊入賞口9024に入賞しない)によっては進入演出が実行されないようにすることにより、遊技状態との演出上の整合を図ることができるとともに、第2特別状態における特定領域への遊技媒体の進入を強調することができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。従って、特別状態に制御する場合の演出上の改善を行うことができる。
また、この実施の形態によれば、有利状態(本例では、大当り遊技状態)に制御可能であり、有利状態として、第1有利状態(本例では、6R確変大当り、2R確変大当り)と第2有利状態(本例では、16R確変大当り)とに制御可能である。また、第1有利状態に制御された後に第1特別状態に制御可能であるとともに、第2有利状態に制御された後に第2特別状態に制御可能であり(本例では、6R確変大当りや2R確変大当りにもとづく大当り遊技終了後に高確率/第1KT状態に移行し、16R確変大当りにもとづく大当り遊技終了後に高確率/第2KT状態に移行する)、第2有利状態に制御されている期間から第2特別状態に制御されている期間にわたって特殊演出(本例では、第2KT用の楽曲の音出力)を実行可能である。そのため、第2特別状態における演出効果を高めることができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、この実施の形態によれば、進入演出として、遊技価値が加算されることに対応する加算演出(本例では、賞球加算表示の表示)、遊技媒体の進入に対応する音出力による演出(本例では、入賞音の出力)、および発光体の発光による演出(本例では、特殊入賞口ランプ9024aの点灯表示)のうちの少なくともいずれかの演出を実行する。そのため、第2特別状態における特定領域への遊技媒体の進入を強調することができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、進入演出(本例では、賞球加算表示の表示、入賞音の出力、特殊入賞口ランプ9024aの点灯表示)、および特殊演出(本例では、第2KT用の楽曲の音出力)の実行は必ずしも必須ではなく、これらのうちのいずれか一方または両方の演出を実行しないように構成してもよい。
なお、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ90200側において、第1特別図柄の変動表示に対応して第1飾り図柄の変動表示と、第2特別図柄の変動表示に対応して第2飾り図柄の変動表示と、背景図柄の変動表示とを実行する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、第1特別図柄の変動表示に対応した小図柄や第4図柄の変動表示と、第2特別図柄の変動表示に対応した小図柄や第4図柄の変動表示とを実行可能に構成してもよい。この場合、第4図柄の変動表示は、演出表示装置909(液晶表示装置)の表示画面内に表示するように構成してもよいし、演出表示装置909以外のランプやLEDなどによって構成してもよい。
また、この実施の形態では、低確率/第1KT状態が所定回数(本例では、100回)の変動表示を実行したことにもとづいて終了するように構成する場合を示したが、そのような態様にかぎられない。例えば、第2KT状態(本例では、高確率/第2KT状態)も所定回数(例えば、100回)の変動表示を実行したことにもとづいて終了するように構成してもよい。また、例えば、所定回数の変動表示を実行したことにもとづいて第1KT状態から第2KT状態に移行するように構成してもよく、逆に所定回数の変動表示を実行したことにもとづいて第2KT状態から第1KT状態に移行するように構成してもよい。
また、この実施の形態では、大当りについてのみ複数の大当り種別を設けるように構成する場合を示したが、小当りについても複数の小当り種別を設けるように構成してもよい。この場合、例えば、小当り種別に応じて特殊可変入賞球装置9022などの開放時間が異なるように構成したり、小当り種別に応じて開放対象の可変入賞球装置が異なるように構成したりすることによって、小当り種別によって有利度が異なるように構成してもよい。開放対象の可変入賞球装置が異なるように構成する場合、例えば、小当り種別に応じて特別可変入賞球装置9020が開放する場合と特殊可変入賞球装置9022が開放する場合とがあるように構成してもよいし、小当り用の特殊可変入賞球装置を複数設けるように構成し、小当り種別に応じていずれの特殊可変入賞球装置が開放するかが異なるように構成してもよい。
また、この実施の形態では、主として16R確変大当りの場合に第2KT状態(高確率/第2KT状態)に移行し、6R確変大当りや2R確変大当りの場合に高確率/第1KT状態に移行し、6R通常大当りや2R通常大当りの場合に低確率/第1KT状態に移行する場合を示したが、そのような態様にかぎられない。例えば、同じ大当り種別であっても、第1KT状態に移行する場合と第2KT状態に移行する場合との両方があるように構成してもよい。この場合、例えば、同じ6R確変大当りや6R通常大当りであっても、第1KT状態に移行する場合と第2KT状態に移行する場合との両方があるように構成してもよい。
なお、この実施の形態では、内部的にはKT状態に制御するように構成されているのであるが、第1KT状態に制御されている場合には、小当りが発生しやすくなるものの滅多に特殊入賞口9024への入賞は発生せず、遊技者から見ると実質的にいわゆる高ベース状態に制御されているのと同様に見える。そのため、いわゆる高ベース状態に制御する遊技機と同様の遊技性を実現でき、遊技者に違和感を与えないようにすることができるとともに、有利度が異なる複数種類のKT状態を実現することができ、遊技興趣を向上させることができる。
なお、上記の実施の形態においては、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ90200に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ90200に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無など、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無など、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ90200は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ90560の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータ90200の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知するようにすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、上記の実施の形態において、「割合が異なる」とは、A:B=70%:30%やA:B=30%:70%のような関係で割合が異なるものだけにかぎらず、A:B=100%:0%のような関係で割合が異なるもの(すなわち、一方が100%の割り振りで他方が0%の割り振りとなるようなもの)も含む概念である。
また、上記の実施の形態では、例えば「1」〜「9」の複数種類の特別図柄や背景図柄(演出図柄)、普通図柄を可変表示し表示結果を導出表示する場合を示したが、可変表示は、そのような態様にかぎられない。例えば、可変表示される図柄と導出表示される図柄とが必ずしも同じである必要ななく、可変表示された図柄とは異なる図柄が導出表示されるものであってもよい。また、必ずしも複数種類の図柄を可変表示する必要はなく、1種類の図柄のみを用いて可変表示を実行するものであってもよい。この場合、例えば、その1種類の図柄表示を交互に点灯および点滅を繰り返すことによって、可変表示を実行するものであってもよい。そして、この場合であっても、その可変表示に用いられる1種類の図柄が最後に導出表示されるものであってもよいし、その1種類の図柄とは異なる図柄が最後に導出表示されるものであってもよい。
また、上記の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板9080、音声出力基板9070およびランプドライバ基板9035が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置909等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ9027など)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
また、上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、演出制御用マイクロコンピュータ90200に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ90560が他の基板(例えば、図27に示す音声出力基板9070やランプドライバ基板9035など、または音声出力基板9070に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板9035に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板9080における演出制御用マイクロコンピュータ90200に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板9070、ランプドライバ基板9035、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置909を制御する演出制御用マイクロコンピュータ90200に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ90200は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ90560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声出力基板9070、ランプドライバ基板9035または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。
また、上記の実施の形態では、遊技機としてパチンコ機を例にしたが、この発明を、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組み合わせになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるスロット機に適用することも可能である。
また、上記の実施の形態では、遊技機として遊技媒体を使用するものを例にしたがこの発明による遊技機は、所定数の景品としての遊技媒体を払い出す遊技機に限定されず、遊技球等の遊技媒体を封入し景品の付与条件が成立した場合に得点を付与する封入式の遊技機に適用することもできる。
また、上記の実施の形態では、大当り種別として確変大当りや通常大当りがあり、大当り種別として確変大当りと決定されたことにもとづいて、大当り遊技終了後に確変状態に制御される遊技機を示したが、そのような遊技機に限定されない。例えば、内部に所定の確変領域が設けられた特別可変入賞球装置(1つだけ設けられた特別可変入賞球装置内に確変領域が設けられていてもよいし、複数設けられた特別可変入賞球装置のうちの一部に確変領域が設けられていてもよい)を備え、大当り遊技中に特別可変入賞球装置内における確変領域を遊技球が通過したことにもとづいて確変が確定し、大当り遊技終了後に確変状態に制御される遊技機に上記の実施の形態で示した構成を適用することもできる。