JP6842144B1 - 削孔用ビット及び地盤削孔方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】地盤の地質が軟弱な場合でも空気堀りによるボーリングを可能とする削孔用ビットの提供。【解決手段】ビット本体が、ビット頭部aと、ビット頭部aより小径の円筒管状の胴部bとを有し、ビット頭部aの外周面の孔刳面1aの、其々の隣接する2つの切削刃2の中間に、凹溝状の繰粉排出溝4を形成し、各切削刃2を外周側端部が孔刳面1aに接するか又は孔刳面1aより外側に突出するように配設し、其々の隣接する2つの繰粉排出溝4,4の組の一部において、該繰粉排出溝組の間に位置する孔刳面1aの、切削刃2の底面位置から該位置よりも基端側に、両繰粉排出溝4,4をつなぐ凹処6を、ビット頭部と胴部の接続箇所にまで亘り形成する。これにより、孔刳間隙内や繰粉排出溝内の繰粉がジャミング転移しにくくなり、軟弱地盤でも、空気堀りによるボーリングが可能となる。【選択図】図2

Description

本発明は、地盤の掘鑿に用いられる削孔用のビット及びそれを用いた地盤削孔方法に関する。
削孔用のビット(JIS M 0103:2003)は、日本産業規格JIS M 0103:2003(ボーリング用機械・器具用語)において種々の形状のものが規定されている。その中で、メタルクラウン(JIS M 0103:2003; 3301)に分類される削孔用ビットに関する技術としては、例えば、特許文献1−10に記載のものが公知である。メタルクラウン型の削孔用ビットの基本的構成態様は、先端から基端にかけて、先端面にメタルチップ(JIS M 0103:2003; 3303)を備えたビット頭部a,円筒状の胴部b,及びボーリングロッド(JIS M 0103:2003; 5101)に接続する継手構造を備えた継手部cの3つの部分から構成される(特許文献3,図1参照)。メタルチップは、一般に、焼結タングステンカーバイト合金等の超硬合金により構成される。各特許文献1−10では、主として、直接地盤の切削に関わる前記ビット頭部aの形状に工夫がされている。
特許文献1には、ビット頭部aの先端面に、放射状に連結して一体に形成された十字状(等幅等長十字線状,根細先太漸次拡幅等長十字線状,螺旋射線(spiral ray)的弯曲等長十字線状)の超硬合金製切削刃(メタルチップ)を備えた削孔用ビット(クロスチョッピングビット(JIS M 0103:2003; 3502)の一種)が記載されている(仝文献,図1−図3参照)。特許文献2−10には、中心から放射状に形成された凹溝に、中心からの距離が其々等しくなるように固定(鑞付け)された超硬合金製のメタルチップを備えた削孔用ビット(クロスチョッピングビットの一種)が記載されている。特許文献2では、断面山型のメタルチップは、その上端が中央側又は周辺側ほど高くなる傾斜構造とされている(仝文献,図2−図6参照)。
特許文献3は、軟岩の穿孔時に、穿孔中に繰粉(くりこ)(掘屑(ほりくず),ボーリング作業中にビットで砕かれて削孔先端に生じる岩石の砕屑物。)がビット頭部aの外周に密着し、繰粉のジャミング転移(jamming transition)(小麦粉,砂等のような粒子の集まり(粉粒体)が、混み合って詰まることで、流体のような状態から固体のような状態に変わる転移現象。)(非特許文献2参照)が生じることにより、当該ビットの回転抵抗が増大して穿孔できなくなるという問題を解決するために考案されたものである(仝文献,明細書1頁右段15行−2頁左上段4行参照)。仝文献の削孔用ビットにおいては、ビット頭部aの形状を、正面十字形に配置したメタルチップ(4)の埋め込み底部付近の軸線方向の長さを比較的短くし、各メタルチップ(4)の間の外周面(孔刳(あなぐり)面)に、比較的深くかつ幅広の頭部凹処(とうぶくぼみ)(5)(繰粉排出溝)を設けた形状としている(仝文献,図1−図3,明細書2頁右上段6行−右下段16行参照)。また、頭部凹処(5)には、圧力流体(水、空気、発泡剤等混入液体など)を噴出するための噴出孔(11)が設けられている。また、胴部bの外径を、ビット頭部aの外径に比べ径細としている。また、継手部cは、軸線方向の長さが、ビット頭部aの軸線方向の長さよりも短くし、その外径を、ビット頭部aの外径よりも小さく且つ胴部bの外径よりも大きくしている。また、継手部cの外周面には、比較的浅いが幅広の継手部凹処(9)をランド部(10)と交互に形成している。この削孔用ビットでは、穿孔に伴い発生する繰粉とこれを孔外に排出するための圧力流体との混合流動物を、頭部凹処(5)に容易に取り込み、ビット頭部aの外周面に回り込ませないので、繰粉が外周面に密着して回転抵抗を増大させるおそれがない。また、胴部bにおける、上記混合流動物の継手部方向への流動に対する抵抗が少なく、従ってその流動を円滑に行わせる。さらに、ビット自体の回転に伴うランド部の作用により上記混合流動物を孔壁に塗り込める。継手部凹処は、孔壁に塗り込められなかった余分の混合流動物を後方に向け円滑に流動排出させる(仝文献,明細書2頁右上段2行−14行参照)。
特許文献4−8にも、特許文献3と同様に、ビット頭部aの先端面に十字状のチップ装着溝を形成し、この十字状チップ装着溝の放射状4分枝溝の其々の分枝溝内にメタルチップを鑞付け固定して設け、ビット頭部aの側面に開溝する前記各分枝溝の溝端と溝端との間に繰粉排出溝を設け、繰粉排出溝内に、ビット本体の中心管腔と連通し且つ孔中心軸(以下「噴出孔軸芯」)方向がビット本体の先端向き中心軸(以下「ビット軸芯」)方向から外側に約40度程度傾斜する噴出孔を設け、胴部bの外径をビット頭部aの外径に比べ径細とした削孔用ビットが記載されている(特許文献4,図1−図5,図8,図9;特許文献5,図1;特許文献6,図1,図2;特許文献7,図2,図3;特許文献8,図7,図3−図6参照)。この場合、噴出孔軸芯はビット本体の先端向き寄りとなるので、噴出孔から噴射される圧力流体はフロントブロー(ビットの先端方向に噴射される噴射流)となる。また、特許文献4の削孔用ビットにおいては、ビット頭部aの先端面に形成された、軸線方向先端視で十字状のチップ装着溝の放射状4分枝溝内に其々固定して設けられた、断面5角形状のメタルチップ(16,16,17,17)において、一対の対向する分枝溝内のメタルチップ(16,16)の長さが、それに直交する方向の一対の分枝溝内のメタルチップ(17,17)の長さよりも、ビット本体の中心部側に長く設定されている。これにより、中心部の切刃のない範囲を少なくして切削範囲を拡大し、良好な穿孔性能の確保を図っている(特許文献4,明細書4頁2−5行目参照)。また、特許文献7の削孔用ビットにおいては、繰粉排出溝の方向をビット本体の基端向き方向に向かってビット回転方向に捻れるように形成した構成が示されている(特許文献7,図2,図3参照)。また、特許文献8の削孔用ビットにおいては、メタルチップの形状を、軸線方向先端視で周縁部に向かって幅広となる所謂扇形状とした構成が示されている(特許文献8,図7参照)。また、仝文献の従来技術として、十字状チップ装着溝の形状が、軸線方向先端視でX字状(分枝溝の成す角が90度ではない形状)のもの(仝文献,図5,図6参照)や、十字状ではなく一文字状(分岐なし)とし、且つビット頭部aの先端面を中心部が膨出する球面状とし、且つメタルチップ先端の刃体稜線を側面視で膨出曲線状としたもの(ストレートチョッピングビット(JIS M 0103:2003; 3502)の一種)(仝文献,図1,図2参照)が示されている。
また、特許文献9の削孔用ビットにおいては、ビット頭部aの先端面のチップ装着溝の形状を、三つ叉状(Y字形状)とし、放射状3分枝溝の其々の分枝溝内にメタルチップを鑞付け固定して設け、ビット頭部aの側面に開溝する前記各分枝溝の溝端と溝端との間に繰粉排出溝を設け、繰粉排出溝内に、ビット本体の中心管腔と連通し且つ噴出孔軸芯方向がビット軸芯方向から外側に約105度程度傾斜する噴出孔を設けた削孔用ビットが記載されている(仝文献,図1−図3参照)。この場合、噴出孔軸芯はビット本体の先端向き寄りとなるので、噴出孔から噴射される圧力流体はバックブロー(ビットの先端方向と反対方向に噴射される噴射流)となる。このバックブローにより、掘鑿孔先端から繰粉排出溝内に入ってくる繰粉が後方向き(掘鑿孔の出口向き)に付勢され、より円滑に流動排出されるようになるため、繰粉の排出性能が良好となる(仝文献,明細書4頁参照)。また、特許文献10の削孔用ビットにおいては、ビット頭部aの外周面(孔刳面,リーミング(reaming)面)に耐摩耗性のある側部材を僅かに突出させて設け、ビット頭部aの外周面の摩耗を抑制する例が示されている(仝文献,図1,図2,明細書3−4頁参照)。
特開2007−277957号公報(穿孔ビット) 特開2002−295166号公報(穿孔用ビット) 特開平3−122395号公報(軟岩穿孔用ビット) 実開平2−116588号公報(ロックドリルビット) 実開昭60−027192号公報(ロツクビツト) 実開昭54−100902号公報(さく岩用ビツト) 実開昭52−030702号公報(削岩用ビット) 実開昭52−014301号公報(超硬質ロックビット) 実開昭51−106202号公報(パ−カツシヨンビツト) 実開昭51−081301号公報(削岩用ビット)
瀬戸亮平 他3名,「シアシックニングと接触摩擦」,混相流,日本混相流学会,2014年3月, Vol.28, No.3, pp.296-303. 大槻道夫,「粉体のジャミング転移:「流れる固体」の物理」,アンサンブル,分子シミュレーション研究会,2014年4月,Vol.16,No.2,pp.88-93.
掘鑿する地盤の地質が軟岩の場合、通常の硬い地盤に比べて、切端において岩盤が容易に粉砕されて切端付近の孔内の繰粉の体積分率(粒子の密度)が大きくなり易い。従って、ビット頭部aの外側面(孔刳面)と孔壁との間に侵入した繰粉がジャミング転移を生じ、削孔用ビットの回転に困難を来し易い(非特許文献2,図3参照)。この点を考慮して、特許文献3では、ビット頭部aの形状を、メタルチップの埋め込み底部付近の軸線方向の長さを比較的短くし、ビット頭部aの外周面(孔刳面)の各メタルチップの間に、比較的深くかつ幅広の頭部凹処(繰粉排出溝)を設けた形状としている。
然し乍ら、掘鑿する地盤の地質がさらに軟弱である場合、ボーリング作業の削孔内の切端で生じる繰粉の粘性が高く、繰粉の粒子間摩擦が大きくなるため、ジャミング転移点(ジャミング転移が生じる体積分率)が低くなると考えられる(非特許文献1参照)。そのため、繰粉が繰粉排出溝やビット頭部aの外周面と孔壁との隙間に極めて詰まりやすくなり、削孔用ビットが回転不能な状態に極めて陥りやすくなる。これは、実際の掘鑿現場に於いても現実に問題となっている。そこで、実際の掘鑿現場に於いては、削孔内の切端で生じる繰粉を強制的に外部に押し出すため、ビット本体の中心管腔に圧力流体として高圧の水を圧入し、ビット本体の先端面中央孔や繰粉排出溝内の噴出孔から高圧水を噴射し、繰粉の流動性を高めると同時に強制的に繰粉を切端から外部へ押し出す、所謂、「送水堀り」が用いられている。
一方、ボーリング作業の際に切端で生じる繰粉は、各掘鑿時点に於ける切端の岩盤状況を知る為の地質サンプルとして非常に重要である。然し乍ら、送水堀りを行うと、切端は注入した水に分散したスラリー状の削孔スライム(boring slime)として孔端から排出されるため、正確な地質サンプルとして用いることが困難となる。従って、正確な切端の地質サンプルを得るという観点からは、ビット本体の中心管腔へ圧送する圧力流体として圧縮空気を用いる、所謂、「空気堀り」を採用することが好ましい。しかし、圧力流体として圧縮空気を用いると、空気は水に比べて圧縮率が極めて大きい(水の約1万倍)ため、上述したように、極めて軟弱な地盤ではジャミング転移によりビット頭部aの周囲で固結した繰粉を押し出すことができないという問題が生じることになる。
そこで、本発明の目的は、掘鑿する地盤の地質がさらに軟弱である場合においても、空気堀りによるボーリングを可能とする削孔用ビット及びそれを用いた地盤削孔方法を提供することにある。
本発明に係る削孔用ビットの第1の構成は、ビット本体と、前記ビット本体の先端面に、該先端面の中心に対し放射状に配設された切削刃とを備えた削孔用ビットであって、
前記ビット本体は、前記先端面を含む側のビット頭部と、前記ビット頭部の基端側に前記ビット頭部より小径に形成された円筒管状の胴部とを有し、
前記各切削刃はその外周側端部が、ビット頭部の外周面である孔刳面に接するか又は前記孔刳面よりも外側に突出するように配設されており、
前記孔刳面の、其々の隣接する2つの前記切削刃の中間には、凹溝状の繰粉排出溝が、前記ビット頭部の先端側から基端側に亘って形成されており、
其々の隣接する2つの前記繰粉排出溝の組の一部において、該繰粉排出溝の組の間に位置する前記孔刳面の、前記切削刃の底面位置から該位置よりも基端側に、前記両繰粉排出溝をつなぐ凹処が、前記ビット頭部と前記胴部の接続箇所にまで亘って形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、ボーリング中に掘鑿孔内の切端で生じる繰粉は、胴部管腔内から切端に噴射される圧力流体により、繰粉排出溝、又は孔刳面と掘鑿孔内壁との間隙(以下「孔刳間隙」という。)に押し流されるが、切削刃背側の凹処と繋がった繰粉排出溝内に入った繰粉は、当該繰粉排出溝と当該凹処との両方に亘って拡がり、当該繰粉排出溝内の繰粉の体積分率が低下する。これに伴い、当該繰粉排出溝内の繰粉の体積分率と、当該繰粉排出溝に隣接する孔刳間隙の繰粉の体積分率との間の密度差が大きくなり、当該繰粉排出溝に隣接する孔刳間隙内の繰粉の一部は、当該繰粉排出溝内に崩れ落ちて容易に移動するため、孔刳間隙内の繰粉の体積分率も低下する。これにより、孔刳間隙内の繰粉や繰粉排出溝内の繰粉がジャミング転移しにくくなるため、地盤の地質が非常に軟弱である場合でも、空気堀りによるボーリングが可能となる。
尚、本発明に於いて「凹処」(くぼみ)という語は、ビット本体を平面視したときに、ビット頭部断面の外周面(孔刳面)を包絡する包絡円(又は包絡楕円)(図6,図9参照)に対して明瞭に凹んだ領域という意味で用いている。また、「孔刳面」(あなぐりめん)という語は、掘鑿孔の内面をリーミング(reaming)(くり抜いて穴を作ったり、すでにある穴を大きくしたりすること)する面という意味で用いている。
本発明に係る削孔用ビットの第2の構成は、前記第1の構成に於いて、前記ビット本体の先端面には、4つ以上の偶数個の前記切削刃が配設され、且つ、前記先端面の中心を挟み直線状に並んで対向する2つの前記切削刃が同一長で且つ該中心に対して対称位置となるように配設されており、
前記先端面の中心を挟み直線上に並んで対向する前記切削刃の組を対向切削刃組とし、前記各対向切削刃組において、一方の前記切削刃の外周側端部から他方の前記切削刃の外周側端部までの直線距離を、その対向切削刃組の削孔径としたとき、
前記各対向切削刃組の前記削孔は、全てが同一とはされていないことを特徴とする。
この構成によれば、対向切削刃組の削孔を全て同一とならないようにしたため、削孔が相対的に短い切削刃の外端側の孔刳面と掘鑿孔内壁との間の孔刳間隙は大きくなり、全体の繰粉の体積分率がより低くなるため、繰粉がよりジャミング転移しにくくなる。



本発明に係る削孔用ビットの第3の構成は、前記第1又は2の構成に於いて、前記各繰粉排出溝内には、前記胴部内の管腔と連通する噴出孔が形成されており、
前記凹処でつながれた2つの前記繰粉排出溝の組において、
一方の前記繰粉排出溝の溝内の前記噴出孔は、その噴出孔の孔軸の孔外向き方向が前記ビット本体の基端寄りとなるように形成され、
他方の前記繰粉排出溝の溝内の前記噴出孔は、その噴出孔の孔軸の孔外向き方向が前記ビット本体の先端寄り又は基端寄りとなるように形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、孔軸の孔外向き方向がビット本体の先端寄りの噴出孔から噴射される圧力流体は、フロントブロー(ビットの先端方向に噴射される噴射流)となり、孔軸の孔外向き方向がビット本体の基端寄りの噴出孔から噴射される圧力流体は、バックブロー(ビットの先端方向と反対方向に噴射される噴射流)となる。これにより、フロントブローは切端の繰粉を流動させて繰粉排出溝又は孔刳間隙内へと移送するように作用し、バックブローは繰粉排出溝内の繰粉を胴部側へ輸送し繰粉排出溝内の繰粉の体積分率を低下させるように作用するので、切端の繰粉の排出及び輸送を円滑に行うことが出来る。
本発明に係る地盤削孔方法は、管状のボーリングロッドと、該ボーリングロッドの先端に接続された請求項1乃至3の何れか一記載の削孔用ビットとを備えたボーリングマシンを用いて地盤を削孔する地盤削孔方法であって、
前記ボーリングロッドの基端から先端に圧縮空気を圧送するとともに、前記ボーリングロッドを軸方向の打撃振動を加えつつ回転させることにより地盤を削孔することを特徴とする。
これにより、掘鑿する地盤の地質が非常に軟弱である場合においても、空気堀りによるボーリングが可能となる。
以上のように、本発明に係る削孔用ビット及び地盤削孔方法によれば、孔刳間隙内の繰粉や繰粉排出溝内の繰粉のジャミング転移を抑制できるため、地盤の地質が非常に軟弱である場合でも、空気堀りによるボーリングを実現させることが可能となる。
本発明の実施例1に係る削孔用ビットの斜視図である。 図1の削孔用ビットの(a)平面図,(b)A−A方向矢視側面図、(c)B−B方向矢視側面図、及び(d)C−C線矢視断面図である。 凹処部分の拡大写真。(a)凹処部分を側方から見た図。(b)凹処部分を正面から見た図。 地盤の掘鑿時における削孔用ビット1の動きを表す模式図である。 地盤の掘鑿時における繰粉の流れを表す模式図である。 本発明の実施例2に係る削孔用ビットの平面図である。 図6の削孔用ビットの(a)A−A線矢視側面図,(b)B−B線矢視側面図,及び(c)C−C線矢視断面図である。 図6の削孔用ビットの(a)A−A線斜め上方向から視た斜視図,(b)B−B線斜め上方向から視た斜視図,(c)D−D線斜め上方向から視た斜視図,(d)E−E線斜め上方向から視た斜視図である。 本発明の実施例3に係る削孔用ビットの平面図である。 図9の削孔用ビットの(a)A−A線矢視側面図,(b)B−B線矢視側面図,及び(c)C−C線矢視断面図である。 図9の削孔用ビットの(a)A−A線斜め上方向から視た斜視図,(b)B−B線斜め上方向から視た斜視図である。
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施例1に係る削孔用ビットの斜視図である。図2は、図1の削孔用ビットの(a)平面図,(b)A−A方向矢視側面図、(c)B−B方向矢視側面図、及び(d)C−C線矢視断面図である。本実施例1に係る削孔用ビット1は、ビット本体の全体が一体の鋼鉄により形成され、このビット本体は、ビット頭部a及び胴部bの2つの部位から構成されている。以下、削孔用ビット1のビット頭部aの側を「先端側」、胴部bの側を「基端側」と呼ぶ。ビット頭部aは、削孔用ビット1の中心軸(以下「回転軸」という。)に対して2回対称の形状とされている。胴部bは円筒管状であり、胴部bの外径は、ビット頭部aの外径に比べ僅かに径細とされている。胴部bからビット頭部aの基端側に亘り、削孔用ビット1のビット本体の内側に管腔3が形成されている。この管腔3の基端側の内面には、ボーリングロッドの先端部を螺着させるためのネジ溝3aが刻設されている。管腔3の先端側の最奥部は、ビット頭部aの基端側に達しており、この部分は管腔径が段差状に縮径した腔端部3bが形成されている。
ビット頭部aの先端面には、4つの長尺五角柱状の切削刃2(メタルチップ)が、平面視において削孔用ビット1の回転軸位置でX字状に交差する2直線L,L(図2(a)参照)上に、回転軸位置を挟む四方に其々放射状に配設されている。尚、本実施例では2直線L,Lは直交してはいないが、本発明では2直線L,Lが直交するように構成してもよい。各切削刃2は、焼結タングステンカーバイト合金等の超硬合金により構成され、断面形状が箭れい形(四角形の一辺に三角形を辺を合わせて結合した五角形)状に形成されている。そして、これら切削刃2は、その尖頭側を外側にして、該先端面に形成された凹溝内に密篏着されて鑞付固定されている。4つの切削刃2の外端(回転軸に対して外側の端)は、ビット頭部aの外周面(以下「孔刳面」という。)1aに接するか乃至は孔刳面1aより外側に僅かに突出している。この4つの切削刃2のうち、一方の直線L上に配された2つの切削刃2,2の組(対向切削刃組)の外端間の距離を削孔径Dとする。他方の直線L上に配された2つの切削刃2,2の組(対向切削刃組)の外端間の距離を削孔径Dとする。この2つの削孔径D,Dは異なり、本実施例では、D>Dとなるように設定されている。
ビット頭部a外周の孔刳面1aの、其々の隣接する2つの切削刃2,2の外端の中間には、凹溝状の繰粉排出溝4が、ビット頭部aの先端側から基端側に亘って形成されている。各繰粉排出溝4の溝内には、胴部b内の管腔3と連通する噴出孔5が形成されている。また、これら4つの繰粉排出溝4を、先端面側から見て反時計回りに4−1,4−2,4−3,4−4と付番する(図2(a)参照)。このとき、偶数番目の繰粉排出溝(4−2,4−4)の溝内の噴出孔5は、その噴出孔5の孔軸(以下「噴出孔軸」という。)の孔外向き方向(以下「噴出方向」という。)Cがビット本体の先端寄り(即ち、先端方向向きの回転軸方向Cと噴出方向Cとの成す角が鋭角)となるように形成されている(図2(d)参照)。また、奇数番目の繰粉排出溝(4−1,4−3)の溝内の噴出孔5は、その噴出孔軸の噴出方向Cがビット本体の基端寄り(即ち、先端方向向きの回転軸方向Cと噴出方向Cとの成す角が鈍角)となるように形成されている。
また、隣接する2つの繰粉排出溝4,4の組(繰粉排出溝組(4−2,4−3)及び繰粉排出溝組(4−4,4−1))において、それら繰粉排出溝組の間に位置する孔刳面1aの、切削刃2の底面位置から該位置よりも基端側に、その繰粉排出溝組の両繰粉排出溝4,4をつなぐ凹処6が、ビット頭部aと胴部bの接続箇所7にまで亘って形成されている。ここで、凹処の構成に関して補足説明する。図3は、凹処6の部分の拡大写真である。図3(a)は凹処部分を側方から視た拡大写真であり、図3(b)は、同じ凹処部分を正面から視た拡大写真である。本来であれば、孔刳面1aは、図3(a)の点線S
で示した様に、切削刃2外端面の基端側から回転軸に略平行に連なりつつ、膨出した曲面を描いて胴部bとの接続箇所7へと至るものであるが、凹処6では、この部分が抉るように削り取られており、横から視て縦方向(回転軸方向)に切削刃2の基端側から回転軸に凹彎するような曲面となっている(図3(a))。切削刃2の外端付近の底面は、凹処6側に完全に露出している。また、この凹処6は、図3(b)の点線で囲んだ領域に亘り形成されている。即ち、2つの隣接する繰粉排出溝4,4の間に跨がるビット頭部aの外側面領域の略全体に亘り凹処6が形成されている。
以上のように構成された本実施例1に係る削孔用ビット1について、以下、それを用いた地盤削孔方法について説明する。
図4は、地盤の掘鑿時における削孔用ビット1の動きを表す模式図である。図4(a)は、削孔用ビット1を図2(c)の方向から視た図を表し、図4(b)は削孔用ビット1を図2(c)の方向から視た図を表している。地盤の削孔を行う場合、削孔用ビット1をボーリングロッド10の先端に螺着し、ボーリングロッド10を通して削孔用ビット1の本体内部の管腔3内に圧縮空気を圧送する。この圧縮空気は、削孔用ビット1の繰粉排出溝4内の噴出孔5から、掘鑿孔11内に噴出する。このとき、偶数番目の繰粉排出溝(4−2,4−4)の溝内の噴出孔5は、噴出方向Fがビット本体の先端側に向いているため、これらの噴出口から噴出される圧縮空気はフロントブローとなり、切端11a付近の掘鑿孔11内の繰粉を吹き飛ばして拡散しながら、掘鑿孔11の入口方向へと輸送する。一方、奇数番目の繰粉排出溝(4−1,4−3)の溝内の噴出孔5は、噴出方向Fがビット本体の基端側に向いているため、これらの噴出口から噴出される圧縮空気はバックブローとなり、繰粉排出溝(4−1,4−3)内の繰粉を、掘鑿孔11の入口方向へ付勢しながら輸送する。
そして、図4の矢印Pに示すように、ボーリングロッド10を上下方向に5〜20mm程度の振幅で振動させて、切削刃2で掘鑿孔11の底の切端11aを衝打して切端11aの地盤Gを破砕するとともに、ボーリングロッド10を矢印Qの方向に回転させる。切端11aで破砕された地盤は、繰粉となり、切端11a付近の掘鑿孔11内に蓄積するが、蓄積した繰粉は前記圧縮空気によって、掘鑿孔11の入口方向へ逐次輸送される。
図5は、地盤の掘鑿時における繰粉の流れを表す模式図である。図5(a)は、削孔用ビット1を図2(c)の方向から視た図を表し、図5(b)は削孔用ビット1を図2(c)の方向から視た図を表している。尚、図5では、ボーリングロッド10及び削孔用ビット1を固定した座標から視ており、相対的に地盤Gを矢印−Q方向に回転させている。切端11aで生じる繰粉は、圧縮空気により、繰粉排出溝4を通して掘鑿孔11の入口方向(上方向)へと輸送される(矢印T,T)。また、短い方の削孔径Dの切削刃2,2の外端と掘鑿孔11の孔壁との間の隙間は広いため、この隙間を通して、繰粉は、圧縮空気により、掘鑿孔11の入口方向(上方向)へと輸送される(矢印T,T)。この流れにより、切端11a付近の掘鑿孔内の繰粉の体積分率はより低下する。更に、切削刃2の背後に設けられた凹処6を通して、繰粉の体積分率が大きい方の繰粉排出溝4から小さい方の繰粉排出溝4へと繰粉が移動するため(矢印T)、繰粉排出溝4内の繰粉が過度に渋滞して過密になることが抑制される。これにより、孔刳面1aと掘鑿孔11内壁との間隙内の繰粉や、繰粉排出溝4内の繰粉がジャミング転移することが抑制され、地盤の地質が非常に軟弱である場合でも、空気堀りによるボーリングを実現させることが可能となる。
尚、本発明者は、実際にこの実施例1の削孔用ビット1を用いて、空気堀りによる軟弱地盤のボーリング試験を実施した。その結果、従来の削孔用ビットではジャミングにより削孔用ビットの回転が困難となるような軟弱地盤であっても、本実施例1の削孔用ビット1では削孔用ビット1の回転が可能となり、正常に空気堀りによる削孔を行うことが可能であることが実証された。
図6は、本発明の実施例2に係る削孔用ビットの平面図である。図7は、図6の削孔用ビットの(a)A−A線矢視側面図,(b)B−B線矢視側面図,及び(c)C−C線矢視断面図である。図8は、図6の削孔用ビットの(a)A−A線斜め上方向から視た斜視図,(b)B−B線斜め上方向から視た斜視図,(c)D−D線斜め上方向から視た斜視図,(d)E−E線斜め上方向から視た斜視図である。図6〜図8において、実施例1と対応する構成部分については同符号を附す。本実施例の削孔用ビット1は、実施例1と同様に、ビット本体は、ビット頭部a及び胴部bの2つの部位から構成されている。そして、胴部bは円筒管状であり、胴部bの外径は、ビット頭部aの外径に比べ径細とされている。この管腔3の基端側の内面には、ボーリングロッドの先端部を螺着させるためのネジ溝3aが刻設されている。管腔3の先端側の最奥部は、ビット頭部aの基端側に達しており、この部分は管腔径が段差状に縮径した腔端部3bが形成されている。
本実施例では、ビット頭部aの先端面は、該先端面の中心を頂点とする扁平円錐状に形成されており、この頂点を中心に、放射状に6つの切削刃2(メタルチップ)が等角度間隔で配設されている。ビット頭部aの外周面は孔刳面1aとなっており、各切削刃2の間の孔刳面1aには、凹溝状の繰粉排出溝4が、ビット頭部aの先端から基端に亘って形成されている。各繰粉排出溝4の溝内には、胴部b内の管腔3と連通する噴出孔5が形成されている。これら6つの繰粉排出溝4を、図6に示すように、先端面側から見て反時計回りに4−1,4−2,4−3,4−4,4−5,4−6と付番する。このとき、奇数番目の繰粉排出溝(4−1,4−3,4−5)の溝内の噴出孔5は、その噴出孔5の孔軸(以下「噴出孔軸」という。)の孔外向き方向(以下「噴出方向」という。)がビット本体の先端寄りとなるように形成されている(図8参照)。一方、偶数番目の繰粉排出溝(4−2,4−4,4−6)の溝内の噴出孔5は、その噴出孔軸の噴出方向がビット本体の基端寄りとなるように形成されている。
また、図6の平面図において、左右に位置する隣接する2つの繰粉排出溝4,4の組(繰粉排出溝組(4−6,4−1)及び繰粉排出溝組(4−3,4−4))において、それら繰粉排出溝組の間に位置する孔刳面1aの、切削刃2の底面位置から該位置よりも基端側に、その繰粉排出溝組の両繰粉排出溝4,4をつなぐ凹処6が、ビット頭部aと胴部bの接続箇所7にまで亘って形成されている。
このような構成であっても、切削刃2の背後に設けられた凹処6を通して、繰粉の体積分率が大きい方の繰粉排出溝4から小さい方の繰粉排出溝4へと繰粉が移動するため、繰粉排出溝4内の繰粉が過度に渋滞して過密になることが抑制される。これにより、孔刳面1aと掘鑿孔11内壁との間隙内の繰粉や、繰粉排出溝4内の繰粉がジャミング転移することが抑制され、地盤の地質が非常に軟弱である場合でも、空気堀りによるボーリングを実現させることが可能となる。
尚、本発明者は、この実施例2の削孔用ビット1についても、これを用いて空気堀りによる軟弱地盤のボーリング試験を実施した。その結果、従来の削孔用ビットではジャミングにより削孔用ビットの回転が困難となるような軟弱地盤であっても、本実施例2の削孔用ビット1では削孔用ビット1の回転が可能となり、正常に空気堀りによる削孔を行うことが可能であることが実証された。
図9は、本発明の実施例3に係る削孔用ビットの平面図である。図10は、図9の削孔用ビットの(a)A−A線矢視側面図,(b)B−B線矢視側面図,及び(c)C−C線矢視断面図である。図11は、図9の削孔用ビットの(a)A−A線斜め上方向から視た斜視図,(b)B−B線斜め上方向から視た斜視図である。図9〜図11において、実施例1と対応する構成部分については同符号を附す。本実施例の削孔用ビット1は、実施例1と同様に、ビット本体は、ビット頭部a及び胴部bの2つの部位から構成されている。そして、胴部bは円筒管状であり、胴部bの外径は、ビット頭部aの外径に比べ径細とされている。この管腔3の基端側の内面には、ボーリングロッドの先端部を螺着させるためのネジ溝3a(図示省略)が刻設されている。管腔3の先端側の最奥部は、ビット頭部aの基端側に達しており、この部分は管腔径が段差状に縮径した腔端部3bが形成されている。尚、本実施例の削孔用ビット1は、回転軸を対称軸として2回対称の形状に校正されている。従って、図9のD−D線方向から視た側面図,斜視図は図10(a),図11(a)と同様であり、図9のE−E線方向から視た側面図,斜視図は図10(b),図11(b)と同様である。
本実施例では、ビット頭部aの先端面には、放射状に6つの切削刃2(メタルチップ)が等角度間隔で配設されている。6つの切削刃2のうち、図9の縦中心線に沿った2つの切削刃2,2は相対的に短く、その他の4つの切削刃2,2,2,2は相対的に長く構成されている。相対的に短い2つの切削刃2,2は同じ長さであり、また、その他の4つの切削刃2,2,2,2は全て同じ長さである。そして、回転軸を挟んで向かい合った同一直線上に配置された2つの切削刃は、回転軸に対して対称に配置されている。ビット頭部aの外周面は孔刳面1aとなっており、各切削刃2の間の孔刳面1aには、凹溝状の繰粉排出溝4が、ビット頭部aの先端から基端に亘って形成されている。各繰粉排出溝4の溝内には、胴部b内の管腔3と連通する噴出孔5が形成されている。これら6つの繰粉排出溝4を、図9に示すように、先端面側から見て反時計回りに4−1,4−2,4−3,4−4,4−5,4−6と付番する。このとき、図9の左右の繰粉排出溝(4−1,4−4)の溝内の噴出孔5は、その噴出孔5の孔軸(以下「噴出孔軸」という。)の孔外向き方向(以下「噴出方向」という。)がビット本体の先端寄りとなるように形成されている(図10,図11参照)。一方、図9の上下の4つの繰粉排出溝(4−2,4−3,4−5,4−6)の溝内の噴出孔5は、その噴出孔軸の噴出方向がビット本体の基端寄りとなるように形成されている。
また、図9の平面図において、上側及び下側に位置する隣接する2つの繰粉排出溝4,4の組(繰粉排出溝組(4−2,4−3)及び繰粉排出溝組(4−5,4−6))において、それら繰粉排出溝組の間に位置する孔刳面1aの、切削刃2の底面位置から該位置よりも基端側に、その繰粉排出溝組の両繰粉排出溝4,4をつなぐ凹処6が、ビット頭部aと胴部bの接続箇所7にまで亘って形成されている。ここで、ビット頭部aは、図9に示すように、ビット頭部aを平面視したとき、ビット頭部aの包絡楕円Cを上下の2つの切断線L,Lで切断したような包絡線に納まっており、凹処6は、図9に示すように、ビット頭部aを平面視したときのビット頭部aの包絡楕円Cに対して、明瞭に凹んだ領域となっている。
このような構成であっても、切削刃2の背後に設けられた凹処6を通して、繰粉の体積分率が大きい方の繰粉排出溝4から小さい方の繰粉排出溝4へと繰粉が移動するため、繰粉排出溝4内の繰粉が過度に渋滞して過密になることが抑制される。これにより、孔刳面1aと掘鑿孔11内壁との間隙内の繰粉や、繰粉排出溝4内の繰粉がジャミング転移することが抑制され、地盤の地質が非常に軟弱である場合でも、空気堀りによるボーリングを実現させることが可能となる。さらに、本実施例では、凹処6でつながれた2つの繰粉排出溝の組(繰粉排出溝組(4−2,4−3)及び繰粉排出溝組(4−5,4−6))において、これらの繰粉排出溝組の双方の繰粉排出溝4,4の溝内の噴出孔5,5は、ともにその噴出孔の孔軸の孔外向き方向がビット本体の基端寄りとなるように形成されている。これにより、繰粉排出溝組(4−2,4−3)及び(4−5,4−6)の各噴出孔5から噴射される圧力流体は、すべてバックブロー(ビットの先端方向と反対方向に噴射される噴射流)となる。これにより、繰粉排出溝内の繰粉を胴部側へ輸送し繰粉排出溝内の繰粉の体積分率を低下させるように作用するので、切端の繰粉の排出及び輸送をさらに円滑に行うことが出来る。
尚、本発明者は、この実施例3の削孔用ビット1についても、これを用いて空気堀りによる軟弱地盤のボーリング試験を実施した。その結果、従来の削孔用ビットではジャミングにより削孔用ビットの回転が困難となるような軟弱地盤であっても、本実施例3の削孔用ビット1では削孔用ビット1の回転が可能となり、正常に空気堀りによる削孔を行うことが可能であることが実証された。
1 削孔用ビット
a ビット頭部
b 胴部
1a 孔刳面
2 切削刃
3 管腔
3a ネジ溝
3b 腔端部
4 繰粉排出溝
5 噴出孔
6 凹処
7 接続箇所
10 ボーリングロッド
11 掘鑿孔
11a 切端
G 地盤

Claims (3)

  1. ビット本体と、前記ビット本体の先端面に、該先端面の中心に対し放射状に配設された切削刃とを備えた削孔用ビットであって、
    前記ビット本体は、前記先端面を含む側のビット頭部と、前記ビット頭部の基端側に前記ビット頭部より小径に形成された円筒管状の胴部とを有し、
    前記各切削刃はその外周側端部が、ビット頭部の外周面である孔刳面に接するか又は前記孔刳面よりも外側に突出するように配設されており、
    前記孔刳面の、其々の隣接する2つの前記切削刃の中間には、凹溝状の繰粉排出溝が、前記ビット頭部の先端側から基端側に亘って形成されており、
    其々の隣接する2つの前記繰粉排出溝の組の一部において、該繰粉排出溝の組の間に位置する前記孔刳面の、前記切削刃の底面位置から該位置よりも基端側に、前記両繰粉排出溝をつなぐ凹処が、前記ビット頭部と前記胴部の接続箇所にまで亘って形成されており、
    前記ビット本体の先端面には、4つ以上の偶数個の前記切削刃が配設され、且つ、前記先端面の中心を挟み直線状に並んで対向する2つの前記切削刃が同一長で且つ該中心に対して対称位置となるように配設されており、
    前記先端面の中心を挟み直線上に並んで対向する前記切削刃の組を対向切削刃組とし、前記各対向切削刃組において、一方の前記切削刃の外周側端部から他方の前記切削刃の外周側端部までの直線距離を、その対向切削刃組の削孔径としたとき、
    前記各対向切削刃組の前記削孔径は、全てが同一とはされていないことを特徴とする削孔用ビット。
  2. 前記各繰粉排出溝内には、前記胴部内の管腔と連通する噴出孔が形成されており、
    前記凹処でつながれた2つの前記繰粉排出溝の組において、
    一方の前記繰粉排出溝の溝内の前記噴出孔は、その噴出孔の孔軸の孔外向き方向が前記ビット本体の基端寄りとなるように形成され、
    他方の前記繰粉排出溝の溝内の前記噴出孔は、その噴出孔の孔軸の孔外向き方向が前記ビット本体の先端寄り又は基端寄りとなるように形成されていることを特徴とする請求項1記載の削孔用ビット。
  3. 管状のボーリングロッドと、該ボーリングロッドの先端に接続された請求項1又は2に記載の削孔用ビットとを備えたボーリングマシンを用いて地盤を削孔する地盤削孔方法であって、
    前記ボーリングロッドの基端から先端に圧縮空気を圧送するとともに、前記ボーリングロッドを軸方向の打撃振動を加えつつ回転させることにより地盤を削孔する地盤削孔方法。
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