(実施の形態1)
図1に示すように、実施の形態1に係るネットワークシステムは、固定中継機10と、移動中継機100(100‐1、100‐2、・・・)と、移動局200(200‐1、200‐2、200‐3、・・・)とを備える。固定中継機10は有線通信などの大容量通信が可能なネットワークを介して他システムに接続されている。移動中継機100は、固定中継機10と狭帯域の通信路、例えば無線による通信路(以下、無線通信路という。)で接続されている。また、移動局200も移動中継機100と無線通信路で接続されている。つまり、移動局200が他システムと通信する場合、移動中継機100と、固定中継機10とを介して通信を行う。
固定中継機10は、移動中継機100(100‐1、100‐2、・・・)と無線により通信を行う。つまり、移動中継機100と、無線通信路で接続されている。また、移動中継機100間で通信を行う場合に、固定中継機10が移動中継機100‐1から移動中継機100‐2に通信データを転送する。つまり、固定中継機10は、移動中継機100間の通信を転送する中継機として動作する。言い換えると、固定中継機10と、移動中継機100とで、ネットワークが形成されている。
また、固定中継機10は、有線通信などの大容量通信が可能なネットワークを介して他システムに接続されている。このため、固定中継機10は、地上に固定されている。移動中継機100が他システムと通信する場合に、固定中継機10は、移動中継機100からの通信データを他システムに転送する。つまり、固定中継機10は、移動中継機100と他システムとの間の通信を転送する中継機として動作する。
移動中継機100は、移動局200(200‐1、200‐2、・・・)と無線により通信を行う。つまり、移動局200と、無線通信路で接続されている。移動局200が通信を行う場合、移動中継機100が移動局200から送信される通信データを転送する。例えば、携帯電話のネットワーク網における基地局に該当する。つまり、移動局200は、移動中継機100を介して、固定中継機10と移動中継機100とで形成されたネットワークに接続されている。また、無線LAN(Local Aria Network)の無線中継機であってもよい。
また、移動中継機100は、移動可能な装置に搭載されている。例えば、固定翼機、回転翼機などの航空機に搭載されている。これにより、固定中継機10と通信可能な範囲で、移動することができる。
移動局200は、移動中継機100のいずれかと無線により通信を行う。つまり、移動局200は、移動中継機100のいずれかと無線通信路で接続されている。移動局200が接続する移動中継機100は、移動局200が通信可能な範囲にある移動中継機100である。
移動中継機100の構成を説明する。移動中継機100は、図2に示すように、通信部110と、行動推定部120と、割当部130と、記憶部140と、位置測定部150とを備える。
通信部110は、固定中継機10と、移動局200との通信を行う。通信部110は、割当部130と行動推定部120とに接続されている。通信部110は、他の移動中継機100から受信するデータを行動推定部120と割当部130とに転送する。また、割当部130から送信するデータを他の移動中継機100に送信する。更に、移動局200から受信するデータを、必要に応じて、固定中継機10と行動推定部120と割当部130とに転送する。また、固定中継機10から受信するデータを、必要に応じて、移動局200と行動推定部120と割当部130とに転送する。
記憶部140は、移動局200の特性を示す情報と、他の移動中継機100の特性を示す情報とが格納されている。移動局200の特性を示す情報は、移動局200の種類と、種類に対応した性能(最高速度、加速度の最大値など)とを含む。また、移動中継機100の特性を示す情報は、各移動中継機100の性能(通信可能な距離、通信可能な最大接続数など)を含む。記憶部140は、行動推定部120と割当部130とに接続されている。記憶部140は、行動推定部120または割当部130からの要求に基づき、格納されている情報を送信する。
行動推定部120は、他の移動中継機100と、移動局200との現在位置と移動経路とを推定する。他の移動中継機100の位置と移動経路とを、他の移動中継機100から定期的に取得する。行動推定部120は、取得した他の移動中継機100の位置と移動経路とに基づき、他の移動中継機100の現在の位置を推定する。また、移動局200の移動開始時に、移動局200の現在の位置と、目的地と、移動局200の種類とを移動局200から取得する。行動推定部120は、取得した移動局200の情報に基づき、移動局200の現在の位置を推定する。推定した位置と移動経路とを割当部130に送信する。このため、行動推定部120は、通信部110と、割当部130と、記憶部140とに接続されている。
位置測定部150は、自機の現在の位置を測定し、位置信号を生成する。自機の現在の位置情報を含む位置信号を割当部130に送信する。位置測定部150は、例えば、GPSを用いて、自機の位置を測定する。位置測定部150は、割当部130に接続されている。
割当部130は、他の移動中継機100と移動局200との現在位置と移動経路と、自機の現在位置とに基づき、移動局200と直接通信路を接続すべき移動中継機100を決定する。他の移動中継機100と移動局200との現在位置と移動経路とを、行動推定部120から取得する。自機の現在位置を、位置測定部150から取得する。また、記憶部140から、他の移動中継機100の性能を取得する。取得した移動中継機100の性能と位置とに基づき、移動局200と通信路を接続すべき移動中継機100を決定する。自機が移動局200と接続すべき移動中継機100である場合、その移動局200と通信路を接続する。例えば、移動局200の通信路を、他の移動中継機100から自機に変更する場合、自機が移動局200との通信路を接続することを示す割当信号を生成し、他の移動中継機100に送信する。割当信号を受信した移動中継機100は、自機がその移動局200と接続している場合、割当信号を送信した移動中継機100の情報を含む切替信号を生成し、移動局200に送信する。切替信号は、移動中継機100が通信に使用する周波数などのパラメータを含む。
通信部100は、他の移動中継機100などと通信するための通信装置、例えば、アンテナなどが含まれる。行動推定部120と割当部130とは制御装置170、例えば、CPU(中央演算装置)などを含むプロセッサーなどが含まれる。記憶部140は、データを記憶する記憶装置、例えば、フラッシュメモリ、ハードディスクなどが含まれる。
移動局200の構成を説明する。移動局200は、図3に示すように通信部210と、切替部220と、位置測定部230とを備える。
通信部210は、移動中継機100との間でデータの送受信を行う。つまり、移動中継機100に無線通信路で接続する。接続する移動中継機100を切り替える場合、切替部220から移動中継機100に接続するための情報を取得し、切替を変更する。また、接続している移動中継機100がない場合、接続可能な移動中継機100を検索する。検索した結果に従い、移動中継機100に接続する。このため、通信部210は切替部220に接続されている。
切替部220は、通信部210が接続する移動中継機100を切り替える。切替部220は、接続している移動中継機100から切替信号を受信すると、切替信号に含まれる移動中継機100の情報を抽出する。抽出した移動中継機100の情報に基づき、切替部220は移動中継機100に接続するための情報を通信部210に送信する。また、移動局200は、自機が移動を開始する時に、自機の位置と目的地と、自機の種類を移動中継機100に送信する。自機の位置は、位置測定部230から取得する。このため、切替部220は、通信部210と位置測定部230とに接続されている。
位置測定部230は、自機の現在の位置を測定し、位置信号を生成する。自機の現在の位置情報を含む位置信号を切替部220に送信する。位置測定部230は、例えば、GPSを用いて、自機の位置を測定する。位置測定部230は、切替部220に接続されている。
通信部210は、移動中継機100などと通信するための通信装置、例えば、アンテナなどが含まれる。切替部220は制御装置、例えば、CPU(中央演算装置)などを含むプロセッサーなどが含まれる。
移動中継機100に含まれる行動推定部120の構成を説明する。行動推定部120は、図4に示すように、移動局推定部121と、中継機推定部122とを備える。
移動局推定部121は、移動局200の現在位置と移動経路とを推定する。移動局推定部121は、移動局200が移動を開始する時に、移動局200の現在位置と目的地と、移動局200の種類とを移動局200から受信する。移動局200の種類に基づき、記憶部140に格納されている移動局特性141を取得し、移動局200の性能(最高速度、加速度の最大値など)を取得する。移動局200の現在位置と目的地とから、移動局200の移動方向を推定する。例えば、移動局200が直線的に移動すると仮定し、移動方向を推定する。移動局200の性能と移動局200の移動方向とに基づき、移動局200の位置を推定する。例えば、移動局200が最大加速度で最高速度まで加速し、その後、最高速度で移動した場合の位置を推定する。
中継機推定部122は、他の移動中継機100の現在位置と移動経路とを推定する。中継機推定部122は、他の移動中継機100から定期的に現在位置と移動経路とを受信する。例えば、移動経路には、一定時間間隔で移動中継機100が通過する時刻が含まれている。このため、移動経路と現在時刻に基づき、中継機推定部122は他の移動中継機100の現在位置を推定する。また、記憶部140に格納されている中継機特性142に基づき、移動中継機100の位置を推定してもよい。この場合、中継機特性142は、移動中継機100の航続距離が最大となる場合の速度を含む。他の移動中継機100から受信する位置と移動経路と、中継機特性142に含まれる速度とに基づき、移動中継機100の位置を推定する。具体的には、他の移動中継機100から受信した時刻と現在時刻との差と、速度とに基づき、他の移動中継機100の移動距離を算出する。他の移動中継機100から受信した位置から、受信した移動経路に沿って、算出した移動距離を移動した位置を、他の移動中継機100の現在位置として推定する。
移動中継機100の動作概要を説明する。図5に示すように、移動中継機100‐1が通信可能な通信範囲160‐1内に、移動局200‐1、200‐2、200‐4がある場合を例として、説明する。また、移動中継機100‐2が通信可能な通信範囲160‐2内に、移動局200‐2、200‐3、200‐4がある。移動局200‐1は、移動経路250‐1に沿って、目的地255‐1まで移動する。同様に移動局200‐2〜4は、それぞれ移動経路250‐2〜4に沿って、目的地255‐2〜4に移動する。目的地255‐1、255‐2、255‐3は、移動中継機100‐1の通信範囲160‐1内にはなく、移動中継機100‐2の通信範囲160‐2内にある。目的地255‐4は、移動中継機100‐1の通信範囲160‐1内にあり、移動中継機100‐2の通信範囲160‐2内にない。ここでは、動作を理解しやすいように、移動中継機100‐1、100‐2は移動しないものとする。
各移動中継機100(100‐1、100‐2)の割当部130は、図6に示すように、移動中継機100が直接通信路を接続している移動局200と、通信可能な移動局200と、移動局200の移動により直接接続すべき接続候補とを保持する。図5に示す状況において、移動局200‐1、200‐2、200‐4が、移動中継機100‐1と接続している。また、移動局200‐3は、移動中継機100‐2と接続している。
ここで、各移動中継機100の行動推定部120は、移動局200と他の移動中継機100との現在位置と移動経路とを推定する。結果として、図5に示すように、移動局200‐1〜4は、それぞれ移動経路250‐1〜4に沿って、目的地255‐1〜4に移動することを推定する。
各移動中継機100の割当部130は、他の移動中継機100と移動局200との現在位置と移動経路と、自機の現在位置とに基づき、移動局200と通信路を接続すべき移動中継機100を決定する。図6に示すように、移動局200‐1は、移動中継機100‐2の接続候補として決定される。移動局200‐1は、現在接続している移動中継機100‐1の通信範囲160‐1外の目的地255‐1に移動する。また、目的地255‐1は移動中継機100‐2の通信範囲160‐2内にある。このため、移動局200‐1は、目的地255‐1に到着する前に、移動中継機100‐1との接続から移動中継機100‐2との接続に切り替える必要がある。しかし、移動局200‐1は、通信範囲160‐2外にある。このため、図5に示す状況では、移動局200‐1を、移動中継機100‐2に接続することができない。結果として、移動局200‐1は、目的地255‐1に移動する途中で移動中継機100‐2に接続する必要があるため、移動中継機100‐2の接続候補として設定される。
図6に示すように、割当部130は、移動局200‐2を、移動中継機100‐2に接続可能であり、移動中継機100‐2との接続に変更する必要があると決定する。移動局200‐2は、現在接続している移動中継機100‐1の通信範囲160‐1外の目的地255‐2に移動する。また、目的地255‐2は移動中継機100‐2の通信範囲160‐2内にある。このため、移動局200‐2は、目的地255‐2に到着する前に、移動中継機100‐1との接続から移動中継機100‐2との接続に切り替える必要がある。ここで、移動局200‐2は、通信範囲160‐2内にある。このため、図5に示す状況で、移動局200‐1を、移動中継機100‐2に接続することができる。結果として、移動局200‐1は、移動中継機100‐2への接続が可能であり、移動中継機100‐2との接続に変更する必要があると決定される。
図6に示すように、割当部130は、移動局200‐3は移動中継機100‐2との接続を変更する必要はないと決定する。移動局200‐3は、現在接続している移動中継機100‐2の通信範囲160‐2内の目的地255‐3に移動する。また、目的地255‐3は移動中継機100‐1の通信範囲160‐1外にある。移動局200‐3の現在位置は、通信範囲160‐1外にある。更に、移動局200‐3の移動経路250‐3は通信範囲160‐1内を通過しない。このため、移動局200‐3は、移動中継機100‐1と通信することはない。結果として、移動局200‐3は移動中継機100‐2との接続を変更する必要はないと決定される。
図6に示すように、割当部130は、移動局200‐4は、移動中継機100‐2に接続可能であるが、移動中継機100‐2との接続に変更する必要がないと決定する。移動局200‐4は、現在接続している移動中継機100‐1の通信範囲160‐1内の目的地255‐4に移動する。また、目的地255‐4は移動中継機100‐2の通信範囲160‐2外にある。更に、移動局200‐4の移動経路250‐4は、移動中継機100‐1の通信範囲160‐1外を通過しない。このため、移動局200‐4は、移動中継機100‐2との接続に変更する必要はない。
以上では、移動中継機100が移動しない場合を例として説明した。移動中継機100が移動する場合、移動中継機100の移動に伴い、通信範囲160(160‐1、160‐2)を移動させることで、同様に移動局200と接続すべき移動中継機100を決定することができる。
なお、移動局200が接続している移動中継機100がない場合、移動局200は接続可能な移動中継機100を検索する。具体的には、移動局200は、移動中継機100から送信される電波を受信する。移動局200は、受信した電波の強度により、最初に接続すべき移動中継機100を決定する。
移動局200が接続する移動中継機100を変更する時の、移動中継機100と移動局200との連携動作を説明する。図7に示すように、移動中継機100‐1は、移動局200の接続候補として他の移動中継機100‐2を決定した場合、切替準備300の処理として、移動局信号を生成し、他の移動中継機100‐2に送信する。移動局信号は移動局200と通信するための情報を含む。移動局信号を送信する際の通信方式として、例えば、TCP/IPプロトコルを用いた場合、セッション管理を行うTCP(Transmission Control Protocol)を用いてもよい。
次に、図7に示すように、移動中継機100と移動局200とは、移動局200と接続すると決定した時、切替400の処理として、移動局200が接続する移動中継機100を移動中継機100‐1から移動中継機100‐2に変更する。つまり、移動局200は、移動中継機100‐2への接続が可能であり、移動中継機100‐2との接続に変更する必要があると決定した時に、移動中継機100と移動局200との接続が変更される。移動中継機100‐2は、移動局200と接続すると決定した時、現在接続している移動中継機100‐1に割当信号を送信する。また、割当信号は移動中継機100と固定中継機10とで構成されるネットワーク上の中継機にも送信される。割当信号は、移動中継機100‐2が移動局200に接続するための情報を含む。移動中継機100‐1は、移動中継機100‐2に接続を変更する指示を含む切替信号を生成し、移動局200に送信する。切替信号は、接続すべき移動中継機100‐2の情報を含む。移動局200は、切替信号が移動中継機100‐2の情報を抽出し、移動中継機100‐2への接続に変更する。また、移動中継機100と固定中継機10とで構成されるネットワーク上の中継機は、割当信号に基づき、移動局200にデータを転送する場合の転送先を変更する。割当信号を送信する際の通信方式として、例えば、TCP/IPプロトコルを用いた場合、セッション管理を行わないUDP(User Datagram Protocol)を用いてもよい。例えば、ブロードキャスト、マルチキャストにより送信してもよい。また、ブロードキャスト、マルチキャストを用いる場合、パケットが破棄される可能性があるため、複数回、例えば、3回送信してもよい。
移動中継機100の移動局推定部121と、中継機推定部122と、割当部130との動作を説明する。ここで、移動局200の移動開始時の位置、目的地255、種類は、移動局200から移動開始時に受信する。
移動局推定部121は、図8に示すような移動局200の位置を推定する処理を、繰り返し実行する。移動局推定部121は、ステップS100(以下、S100として参照する。他のステップについても同様に符号のみで参照する。)において、移動局特性141を記憶部140から取得する。移動局200の種類に対応した移動局特性141を取得する。移動局特性141は、移動局200の最高速度、加速度の最大値などが含まれる。
次に、移動局推定部121は、S110において、移動局200の速度と移動方向とを推定する。移動局200の速度は、取得した移動局特性141に基づき、推定する。例えば、移動局200が移動を開始してから経過した時間と、移動局200の最高速度と加速度の最大値とに基づき、移動局200の速度を推定する。移動局200は最大加速で最高速度まで加速し、その後、最高速度を維持すると仮定して推定する。これにより、移動局200の速度を推定することができる。また、移動局200の移動方向は、移動局200の移動開始時の位置と目的地255とに基づき、推定する。例えば、移動局200の移動開始時の位置に対する目的地255の方向を移動方向として推定する。これにより、移動局推定部121は、移動局200の速度と移動方向とを推定することができる。
次に、移動局推定部121は、S120において、移動局200の位置と移動経路とを推定する。推定した移動局200の速度と移動方向とに基づき、移動局200の位置と移動経路とを推定する。例えば、移動経路は、移動局200の移動開始時の位置から目的地255との線分に沿って移動すると推定する。また、移動局200の位置は、移動局200の速度変化と、移動局200が移動を開始してから経過した時間とに基づき、移動局200が移動した距離を推定する。推定した距離と、推定した移動経路とに基づき、移動局200の位置を推定する。つまり、移動局200は、推定した移動経路に沿って、移動を開始した位置から推定した距離を移動したと推定する。これにより、移動局200の位置と移動経路とを推定することができる。
移動局推定部121は、S130において、移動局200が目的地255に到達したかを判断する。S120において推定した移動局200の位置が目的地255に到達している場合、移動局200は目的地255に到達したと判断する。移動局200が目的地255に到達したと判断した場合、S140に移行する。移動局200が目的地255に到達していないと判断した場合、現時点における移動局200の位置と移動経路との推定を終了する。
移動局推定部121は、S140において、移動局200が目的地255に到達した場合の処理を行う。例えば、移動局200が目的地255に到達後に目的地255に留まる場合は、以後の移動局200の位置は、目的地255を推定する。また、移動局200が目的地255に到達後に消滅する場合は、移動局200を削除する信号を生成し、割当部130に送信する。この場合、割当部130は、移動局200を削除する。
移動局推定部121は、図8に示す処理を繰り返し、移動局200の位置と移動経路との推定を繰り返す。
中継機推定部122は、他の移動中継機100の現在位置と移動経路とを推定する。中継機推定部122は、他の移動中継機100から定期的に現在位置と移動経路とを受信する。移動経路には、一定時間間隔で移動中継機100が通過する時刻が含まれている。このため、移動経路と現在時刻に基づき、中継機推定部122は他の移動中継機100の現在位置を推定する。
割当部130は、図9Aに示すように、S200において、接続中の移動中継機100と移動局200との組み合わせを抽出する。移動中継機100は、移動局200と接続した場合に、他の移動中継機100と固定中継機10とに割当信号を送信する。割当信号は、接続した移動局200の情報を含む。このため、割当部130は、移動局200が接続している移動中継機100の情報を抽出することができる。図6に示す移動局200‐1と、200‐2と、200‐4とが接続している移動中継機100として、移動中継機100‐1が抽出される。同様に移動局200‐3が接続している移動中継機100として、移動中継機100‐2が抽出される。
割当部130は、S210において、移動中継機100と移動局200との距離を推定する。移動中継機100の位置と、移動局200の位置とを、行動推定部120から取得する。このため、割当部130は、推定された移動中継機100の位置と、推定された移動局200の位置とに基づき、移動中継機100と移動局200との距離を推定することができる。
割当部130は、S220において、通信可能な移動中継機100と移動局200との組み合わせを推定する。つまり、各移動中継機100が通信可能な移動局200を推定する。割当部130は、記憶部140に格納されている中継機特性142を取得する。中継機特性142は、移動中継機100の通信可能な距離を含む。このため、割当部130は、各移動中継機100の通信範囲160を推定することができる。移動中継機100の通信範囲160内の移動局200を抽出することで、移動中継機100が通信可能な移動局200を推定する。図5、6に示すように、割当部130は、移動中継機100‐1が通信可能な移動局200として、移動局200‐1と、200‐2と、200‐4とを推定する。また、移動中継機100‐1が通信可能な移動局200として、移動局200‐2と、200‐3と、200‐4とを推定する。
割当部130は、S230において、接続を変更すべき移動局200を抽出する。つまり、現在接続している移動中継機100の通信範囲160外であり、他の移動中継機100の通信範囲160内である部分が、移動局200の移動経路上に含まれる移動局200を抽出する。この場合、他の移動中継機100に接続を変更する必要が生じる。図5、6に示す移動局200‐1と、200‐2とが、接続を変更すべき移動局200に該当する。
割当部130は、S240において、他の移動中継機100に変更すべき移動局200があるかを判断する。他の移動中継機100に変更すべき移動局200がない場合、S260に移行する。他の移動中継機100に変更すべき移動局200がある場合、S250に移行し、移動局200の情報を移動局信号として、他の移動中継機100に送信する。図5、6に示す場合、移動中継機100‐1の割当部130は、移動局200‐1の接続を移動中継機100‐2に変更すべきと判断する。このため、移動中継機100‐1は、移動局200‐1との接続に必要な情報を移動中継機100‐2に送信する。この処理は、図7の切替準備300に相当する。ここで、移動局200‐2の情報を移動中継機100‐2にすでに送信している場合、再度送信する必要はない。
割当部130は、S260において、自機が、接続可能であり、接続すべき移動局200があるかを判断する。自機が、接続可能であり、接続すべき移動局200がない場合、S280に移行する。自機が、接続可能であり、接続すべき移動局200がある場合、S270に移行し、接続中の移動中継機100に割当信号を送信する。図5、6に示す場合、移動中継機100‐2の割当部130は、移動局200‐2と接続可能であり、移動局200‐2との接続を移動中継機100‐1から変更すべきである。このため、移動中継機100‐2は、移動中継機100‐1に割当信号を送信する。割当信号には、接続を変更すべき移動局200‐2の情報が含まれている。また、移動中継機100‐2は、移動中継機100‐1だけでなく、他の移動中継機100と固定中継機10とに送信する。これにより、他の移動中継機100と固定中継機10とは、移動局200‐2にデータを転送する場合、移動中継機100‐2に転送するように設定を変更する。
割当部130は、S280において、割当信号を受信したかを判断する。つまり、自機が接続している移動局200が他の移動中継機100に接続を変更する必要があるかを判断する。割当信号を受信していない場合、処理を終了する。割当信号を受信している場合、S290に移行する。
割当部130は、S290において、対象の移動局200に切替信号を送信する。つまり、割当信号を受信した場合、切替信号を生成し、接続を変更する移動局200に送信する。切替信号は、接続すべき移動中継機100の情報を含む。図5、6に示す場合、移動中継機100‐1の割当部130は、移動局200‐2に切替信号を送信する。切替信号には、移動中継機100‐2の情報が含まれている。このため、移動局200‐2は、移動中継機100‐2に接続を変更することができる。
移動局200は、切替信号を受信した場合に、移動中継機100との接続を、他の移動中継機100との接続に変更する。切替信号には、変更すべき移動中継機100の情報が含まれている。このため、移動局200は、切替信号から変更すべき移動中継機100の情報を抽出する。この移動中継機100の情報には、移動中継機100と通信するために必要となる周波数などの情報が含まれている。移動局200は、切替信号に基づき、移動中継機100との接続を変更する。図5、6に示す場合、移動局200‐2は、移動中継機100‐1から切替信号を受信する。この切替信号には、移動中継機100‐2と通信するために必要な情報が含まれている。このため、移動局200‐2は、切替信号から移動中継機100‐2の情報を抽出し、移動中継機100‐2に接続する。
以上のように、それぞれの移動中継機100において、行動推定部120、割当部130は各移動中継機100の位置を推定し、図5、図6の情報を共有できる。つまり、各移動中継機100は、他の移動中継機100と頻繁にデータを送受信することなく、推定した結果として図5、図6を共有する。これにより、移動中継機100間の通信量を低減することができる。つまり、移動中継機100間の通信路が狭帯域であっても、安定したハンドオーバ処理を実現できる。具体的には、各移動中継機100が、切替先の移動中継機100を検索するために、他の移動中継機100から情報を取得する必要はない。また、移動局200は切替先の移動中継機100を検索する必要もない。言い換えれば、移動局200は、移動中継機100‐2に接続を変更することが決定してから、移動中継機100‐2に接続を切り替えるまで、切替先の移動中継機100‐2と通信制御に関する通信を行わずに接続の切替が完了する。このため、移動局200が移動中継機100との接続を変更する場合、つまりハンドオーバ―が生じた場合、小さな移動中継機100間の通信量で接続の変更を可能とする。このため、移動中継機100のように、無線通信などの狭帯域の通信路であっても、移動局200と移動中継機100との接続を安定して変更することができる。特に、移動中継機100が、航空機などの移動経路を予め決定できる場合に高い効果を奏する。また、移動局200も、航空機、飛しょう体などの移動経路の推定が容易な場合に高い効果を奏する。
(実施の形態1の変形例)
実施の形態1では、移動局推定部121は、移動局200の移動開始時に、移動局200の現在の位置と、目的地と、移動局200の種類とを取得する例を示したが、これに限定されない。移動局200の位置を推定できればよく、任意の方法を取得することができる。例えば、他の移動中継機100から、移動局200の情報を取得してもよい。また、他システムから取得してもよい。更に、移動局200が予定経路に沿って指定した時間通りに移動する場合、移動開始時における移動局200の位置と、目的地と、移動経路とを取得してもよい。また、移動局200の位置と、移動経路とを定期的に取得してもよい。
実施の形態1では、中継機推定部122は、他の移動中継機100から、定期的に位置を取得する例を示したが、これに限定されない。他の移動中継機100の位置を推定できればよく、任意の方法を選択することができる。例えば、移動中継機100の初期位置とその移動経路とを取得し、その後の移動中継機100の位置を移動経路から推定してもよい。
実施の形態1では、移動局200は、移動中継機100から送信される電波を受信し、接続すべき移動中継機100を検索する例を示したが、これに限定されない。移動局200が、移動中継機100に接続できれば、任意の方法を選択することができる。例えば、移動局200に、移動中継機100との通信に使用する周波数などの情報を予め設定しておいてもよい。この場合、設定された情報に基づき、移動局200は移動中継機100に接続する。
実施の形態1では、切替準備300の処理を設けて移動局200の情報を送信する例を示したが、これに限定されない。変更後に移動局200と接続する移動中継機100が移動局200と接続できればよく、任意の方法を選択することができる。例えば、移動中継機100の記憶部140に移動局200の情報を予め格納し、割当部130は記憶部140から移動局200の情報を取得してもよい。この場合、切替準備300の処理は不要になる。
実施の形態1では、変更後に移動局200に接続する移動中継機100が、現在接続している移動中継機100に割当信号を送信する例を示したが、これに限定されない。変更後に接続する移動中継機100と移動局200とが接続することができ、他の移動中継機100と固定中継機10とからデータが転送されれば、任意の方法を選択することができる。各移動中継機100の割当部130は、移動局200が変更後に接続する移動中継機100を推定することができる。また、固定中継機10も、移動中継機100と同様の構成を備えることで、同様に推定することができる。このため、移動中継機100が割当信号を送信しなくともよい。この場合、各移動中継機100と固定中継機10とが接続の変更を推定し、設定を変更する。これにより、移動局200は、接続を変更した後も安定して通信を行うことができる。
実施の形態1では、移動局200と接続する中継機として、移動可能な移動中継機100により通信を中継する例を示したが、これに限定されない。中継機は固定されていてもよい。この場合、固定されている中継機については、中継機推定部122で中継機の行動を推定しない。その他の構成と動作とは実施の形態1と同様である。
実施の形態1では、移動局200が1つの移動中継機100を介して固定中継機10に接続される例を示したが、これに限定されない。例えば、図10に示すように、移動中継機100は、移動中継機11(11‐1、11‐2、・・・)を介して固定中継機10に接続されていてもよい。この場合、移動中継機11は、移動中継機100と同様の構成を有する。また、移動中継機100‐2が接続する移動中継機11‐1を、移動中継機11‐2に変更することも、実施の形態1と同様に動作することで可能である。この場合、移動中継機100‐2は、実施の形態1の移動局200として動作する。このように、移動局200と固定中継機10との間の移動中継機100は、1つに限定されず、任意の構成を選択することができる。
実施の形態1では、位置測定部150により自機の位置を測定する例を示したが、これに限定されない。割当部130が自機の位置を取得することができればよい。例えば、行動推定部120が、自機の位置を推定してもよい。
実施の形態1では、移動中継機100‐1と移動中継機100‐2とは、固定中継機10を介して通信する例を示したが、これに限定されない。移動中継機100‐1と移動中継機100‐2とが通信できればよく、任意の構成を選択することができる。例えば、移動中継機100‐1と移動中継機100‐2とが無線通信路により接続され、直接通信してもよい。また、複数の移動中継機100がアドホックモードにより互いに接続されていてもよい。
(実施の形態2)
実施の形態2では、実施の形態1を武器システムに適用した例を説明する。図11に示すように、航空機500は、移動中継機100と同様の構成を有する。また、レーダサイト510も、移動中継機100と同様の構成を有する。飛しょう体520は、移動局200と同様の構成を有する。撃墜すべき目標530は、航空機500の通信可能な通信範囲501外にある。また、目標530は、レーダサイト510の通信可能な通信範囲511内にある。また、飛しょう体520の目的地は目標530である。
図12に示すように、飛しょう体520は、航空機500と無線通信路で接続されている。また、飛しょう体520は、レーダサイト510と通信可能であり、レーダサイト510に直接接続することもできる。飛しょう体520の目的地である目標530は、航空機500の通信範囲501外にあり、レーダサイト510の通信範囲511内にある。このため、飛しょう体520は、目標530に到達する前に、航空機500との接続からレーダサイト510との接続に変更する必要がある。
飛しょう体520が、航空機500との接続からレーダサイト510との接続に変更する動作を説明する。
レーダサイト510は、飛しょう体520が通信範囲511内に入ると、割当信号を航空機500に送信する。具体的には、図9Bに示すように、レーダサイト510の割当部130は、飛しょう体520が接続可能であり、接続すべき飛しょう体520であるかを確認する(S260)。ここで、飛しょう体520は、前述のとおり、レーダサイト510と接続すべきである。このため、レーダサイト510の割当部130は、飛しょう体520が通信範囲511内に入ると、接続中の航空機500に割当信号を送信する(S270)。割当信号には、飛しょう体520の情報が含まれている。
航空機500は、接続をレーダサイト510に切り替える指示を示す切替信号を、飛しょう体520に送信する。航空機500の割当部130は、図9Bに示すように、割当信号を受信したかを確認する(S280)。航空機500は、レーダサイト510から割当信号を受信するため、S290に移行する。航空機500の割当部130は、飛しょう体520に切替信号を送信する(S290)。
飛しょう体520は、切替信号に基づき、レーダサイト510に接続する。飛しょう体520の切替部220は、切替信号からレーダサイト510の情報を抽出する。抽出したレーダサイト510の情報に基づき、通信部210にレーダサイト510に接続を切り替える信号を送信する。通信部210は、切替部220からの信号に基づき、レーダサイト510に接続する。
以上のように、武器システムに適用することで、航空機500の通信範囲501外にある目標530に対して、迎撃を行うことができる。また、実施の形態1と同様に、ネットワーク構成は自由に選択できる。例えば、接続をレーダサイト510に切り替える例を示したが、他の航空機500に接続を切り替えてもよい。
(実施の形態3)
実施の形態3では、実施の形態2に武器の割当てを追加した武器割当システムに適用した例を説明する。図13に示すように、実施の形態3に係る武器割当システムは、目標650を迎撃する飛しょう体610と、ランチャ600(600‐1、600‐2、・・・)とを備える。目標650を迎撃する飛しょう体610を発射するランチャ600を決定する。ランチャ600は、無線通信により、飛しょう体610と、他のランチャ600とに接続されている。ランチャ600には、飛しょう体610が搭載されている。
ランチャ600は、図14に示すように、通信部110と、行動推定部120Bと、割当部130Bと、記憶部140Bと、位置測定部150とを備える。通信部110と、位置測定部150とは、実施の形態1、2と同様に機能する。
記憶部140Bは、図15に示すように、飛しょう体特性141Bと、ランチャ特性142Bと、目標特性143とを格納している。飛しょう体特性141Bは、実施の形態1の移動局特性141に相当する飛しょう体610の情報を示す。ランチャ特性142Bは、実施の形態1の中継機特性142に相当するランチャ600の情報を示す。目標特性143は、目標の種類に応じた特性を示す。例えば、過去の移動経路から推定された加速度、旋回能力、最高速度、状況に応じた経路などが、目標の種類に応じて分類された情報である。
行動推定部120Bは、実施の形態1と同様に、ランチャ600と飛しょう体610との位置と移動経路とをランチャ推定部122Bと飛しょう体推定部121Bとで推定する。他のランチャ600の位置と移動経路とを、他のランチャ600から定期的に取得する。取得した他のランチャ600の位置と移動経路とに基づき、他のランチャ600の現在位置と移動経路とを推定する。また、飛しょう体610の発射時に、飛しょう体610を発射するランチャ600から、飛しょう体610の現在の位置と、迎撃する目標650と、飛しょう体610の種類とを取得する。行動推定部120Bは、取得した飛しょう体610の情報に基づき、飛しょう体610の現在の位置を推定する。推定した位置と移動経路とを割当部130Bに送信する。
行動推定部120Bは、更に目標650の位置と移動経路とを目標推定部123で推定する。目標650の位置情報を、目標650を探知しているランチャ600またはレーダサイトから取得する。位置情報には、目標650の位置、速度、移動方向などを含む。取得した目標650の位置情報に基づき、目標650の現在位置と移動経路とを推定する。また、目標650の種類に基づき記憶部140Bから過去の移動経路を抽出し、抽出した移動経路に基づき現在位置と移動経路とを推定してもよい。この場合、記憶部140Bには、過去に検知した目標650の種類に対する移動経路が格納されている。
割当部130Bは、実施の形態1と同様に、他のランチャ600と飛しょう体610との現在位置と移動経路と、自機の現在位置とに基づき、飛しょう体610と通信路を接続すべきランチャ600を決定する。
割当部130Bは、更に目標650の現在位置と移動経路とに基づき、目標650を迎撃するランチャ600を決定する。他のランチャ600と目標650との現在位置と移動経路とを行動推定部120Bから取得する。また、記憶部140Bから、他のランチャ600の性能を記憶部140Bから取得する。ランチャ600の性能には、ランチャ600の射程距離、状況(天候、航空機との距離、航空機の速度、航空機の移動方向など)に応じた撃墜率が含まれている。これにより、他のランチャ600が目標650の撃墜率を算出することができる。この撃墜率が最も高いランチャ600を、目標650の迎撃に割当てる。
飛しょう体610は、実施の形態1の移動局200と同様の構成を有し、同様の機能を有する。
目標650をランチャ600に割当てる際の行動推定部120Bの動作を説明する。行動推定部120Bは、図16に示すように、S1110において、目標650の位置と、速度と、移動方向とを取得する。目標650の位置と、速度と、移動方向とは、定期的に、レーダサイトまたはランチャ600から取得する。
S1120において、取得した目標650の位置と速度と移動方向とに基づき、目標650の現在位置と移動経路とを推定する。例えば、過去に検知した目標650と同じ種類の移動経路に基づき、目標650の現在位置と移動経路とを推定する。この場合、記憶部140Bには、過去に検知した目標650の種類と、移動経路との組み合わせた経路履歴が格納されている。この経路履歴に基づき、目標650の移動経路を推定する。この場合、目標650の種類のほか、位置、速度、移動方向に基づき、過去の経路履歴を抽出してもよい。
目標650の位置を推定するために、レーダサイトが検知した時刻から現在までに経過した経過時間を算出する。目標650の速度から、経過時間内に目標650が移動する移動距離を算出する。レーダサイトが検知した目標650の位置から、推定した移動経路に沿って、算出した移動距離を移動した位置を算出する。この算出した位置を目標650の現在位置として推定する。
以上のように、ランチャ600の行動推定部120Bは、目標650の位置と移動経路とを推定する。
また、ランチャ600の行動推定部120Bは、他のランチャ600から定期的に、他のランチャ600の位置と移動経路とを取得する。このため、他のランチャ600の位置と移動経路とを取得した時刻から現在までに経過した経過時間を算出する。算出した経過時間と、取得した移動経路とに基づき、他のランチャ600の位置を推定する。
ランチャ600の割当部130Bの動作を説明する。割当部130Bは、図17に示すように、S1210において、ランチャ600と目標650との距離を推定する。行動推定部120Bが推定したランチャ600の位置と、目標650の位置に基づき、ランチャ600と目標650との距離を推定する。
割当部130Bは、S1220において、迎撃可能なランチャ600と目標650との組み合わせを推定する。つまり、目標650を迎撃可能なランチャ600を推定する。割当部130Bは、記憶部140Bに格納されているランチャ600の性能を取得する。ランチャ600の性能に含まれるランチャ600の射程距離を抽出する。ランチャ600の位置と射程距離とに基づき、目標650を迎撃可能なランチャ600を推定する。つまり、目標650がランチャ600の射程距離内に存在する場合、このランチャ600は目標650を迎撃可能であると判断する。
割当部130Bは、S1230において、各ランチャ600が目標650を撃墜する確率を算出する。割当部130Bは、記憶部140Bからランチャ600の性能を取得する。取得したランチャ600の性能と、現在の天候と、目標650の移動経路から推定される目標650の速度と移動方向とに基づき、ランチャ600が目標650を撃墜する確率を算出する。ランチャ600の性能には、過去の状況(天候、迎撃した目標650の位置と速度と移動方向など)に応じた撃墜率が含まれている。
割当部130Bは、S1260において、ランチャ600のうち、自機の撃墜率が最も高いかを判断する。自機の撃墜率が最も高い場合、自機に目標650の迎撃を割当てる。このため、S1270に移行し、ランチャ600は、割当信号を生成し、他のランチャ600に送信する。ここで、割当信号を送信する際の通信方式として、例えば、TCP/IPプロトコルを用いた場合、セッション管理を行わないUDPを用いてもよい。例えば、ブロードキャスト、マルチキャストにより送信してもよい。
割当部130Bは、S1280において、他のランチャ600から割当信号を受信したかを確認する。割当信号を受信した場合、目標650の迎撃を他のランチャ600が行っていることを示す。このため、S1290に移行し、目標650を迎撃の対象から削除する。
ランチャ600は、以上の処理を繰り返すことで、撃墜率が最も高いランチャ600に目標650の迎撃を割当てることができる。この時、ランチャ600で生じる通信は、ランチャ600が迎撃する際に送信する割当信号のみになる。このため、ランチャ600間の通信量は小さい。つまり、ランチャ600間の通信路が狭帯域であっても、ランチャ600は飛しょう体610に対して目標650を割当てることができる。
ランチャ600から発射された飛しょう体610は、実施の形態2と同様に通信可能なランチャ600との通信路に切り替えることで、狭帯域のネットワークであっても、通信路を確保し続けることができる。これにより、安定して目標650を撃墜することができる。
(実施の形態3の変形例)
実施の形態3では、目標650として、航空機を例に示したが、これに限定されない。迎撃目標は、任意の対象を選択することができる。例えば、車両であってもよい。
実施の形態3では、ランチャ600が目標650を迎撃する例を示したが、これに限定されない。目標650を迎撃する対象は、任意に選択することができる。例えば、航空機であってもよい。
実施の形態3では、行動推定部120Bは、ランチャ600から飛しょう体610の現在の位置と、迎撃する目標650と、飛しょう体610の種類とを取得する例を示したが、これに限定されない。行動推定部120Bは、飛しょう体610の情報を取得できればよく、任意の方法を選択することができる。例えば、ランチャ600の位置を推定し、飛しょう体610の発射時の位置として用いてもよい。また、飛しょう体610から各情報を取得してもよい。
実施の形態3では、射程距離、状況に応じた撃墜率がランチャ600の性能として、記憶部140Bに格納されている例を示したが、これに限定されない。各ランチャ600が飛しょう体610を発射した際の射程距離、撃墜率を取得できれば、記憶部140Bに格納されている形式は任意に選択することができる。例えば、各ランチャ600に搭載された飛しょう体610の種類と、飛しょう体610の種類に応じた射程距離、撃墜率とを格納していてもよい。この場合、各ランチャ600の射程距離と撃墜率とを取得するために、ランチャ600に搭載された飛しょう体610の種類を取得する。更に、取得した飛しょう体610の種類に応じた射程距離と撃墜率とを取得し、ランチャ600の射程距離と撃墜率として取得した情報を用いる。例えば、各ランチャ600の性能(ランチャ600自体の姿勢制御の性能、安定性、飛しょう体610を発射する発射台の姿勢制御の性能など)と、各ランチャ600に搭載された飛しょう体610の種類と、飛しょう体610の種類に応じた性能(射程距離、撃墜率)とを格納していてもよい。この場合、ランチャ600の射程距離と撃墜率とを取得するために、ランチャ600に搭載された飛しょう体610の種類を取得する。更に、取得した飛しょう体610の種類に基づき、ランチャ600に搭載された飛しょう体610の性能を取得する。また、ランチャ600の性能を取得する。取得した飛しょう体610の性能とランチャ600の性能とに基づき、射程距離と撃墜率とを算出する。具体的には、飛しょう体610の射程距離と撃墜率とを算出する際に、ランチャ600が安定した状態で飛しょう体610を発射できるかなどにより、射程距離と撃墜率とを変化させる。例えば、更に各地点の地盤情報(標高、地盤の硬さ、地面の傾きなど)が記憶部140Bに格納されていてもよい。この場合、ランチャ600の性能と、飛しょう体610の性能を取得した後に、ランチャ600の位置の地盤情報を取得する。射程距離と撃墜率とを、ランチャ600の性能と、飛しょう体610の性能と、地盤情報とに基づき算出する。
(ネットワークシステム)
前述の実施の形態では、移動局200、飛しょう体520、610に接続する移動中継機100、航空機500、レーダサイト510、ランチャ600を決定するネットワークシステムを説明した。このネットワークシステムは、言い換えると、サブノード(移動局200、飛しょう体520、610)との通信を割当てるノード(移動中継機100、航空機500、レーダサイト510、ランチャ600)を決定する。
図18に示すように、ネットワークシステム1000は、ノード1100(1100‐1、1100‐2、・・・)と、サブノード1200(1200‐1、1200‐2、1200‐3、・・・)と、を備える。ノード1100は、互いに通信を行うことで、ネットワークを形成する。サブノード1200は、ノード1100と通信を行うことで、ノード1100が形成するネットワークに接続する。サブノード1200は、移動可能な装置である。例えば、サブノード1200‐2は、移動経路1201‐2に沿って移動する。ノード1100は、前述の実施の形態の移動中継機100と同様の構成を有する。
ノード1100は、図2に示すように、通信部110と、行動推定部120と、割当部130と、記憶部140と、位置測定部150とを備える。
通信部110は、他のノード1100とサブノード1200との通信を行う。通信部110は、行動推定部120と、割当部130とに接続されている。
行動推定部120は、ノード1100とサブノード1200との位置と移動経路とを推定する。ノード1100とサブノード1200とが移動することで、サブノード1200との通信を割当てるノード1100が変更する。ここで、各ノード1100は、ノード1100とサブノード1200との位置と移動経路とを推定する。つまり、各ノード1100は、ノード1100とサブノード1200との位置と移動経路とを同様に推定する。サブノード1200の位置と移動経路とを推定するノード1100は、サブノード1200との通信有無に関係なく行う。例えば、図18に示すように、サブノード1200‐1、1200‐2と通信しないノード1100‐3においても、サブノード1200‐1、1200‐2の位置と移動経路とを推定する。これにより、ノード1100間で送受信する情報、例えば、ノード1100とサブノード1200との位置と移動経路とに関する情報が少なく、通信量は小さい。
割当部130は、推定したノード1100とサブノード1200との位置と移動経路とに基づき、サブノード1200との通信を割当てるノード1100を決定する。自機にサブノード1200との通信を割当てる場合、他のノード1100に、割当信号を送信する。割当信号には、自機に割当てるサブノード1200の情報が含まれている。これにより、他のノード1100は、割当信号に応答して、割当信号に含まれているサブノード1200に切替信号を送信する。例えば、実施の形態1に示したように、サブノード1200に、割当てられたノード1100の情報を送信する。
記憶部140は、ノード1100とサブノード1200との情報を格納する。この情報を用いて、行動推定部120によるノード1100とサブノード1200との位置を推定する。また、この情報を用いて、割当部130はサブノード1200との通信をノード1100に割当てる。
位置測定部150は、自機の位置を測定する。
サブノード1200は、受信した切替信号に応答して、通信を行うノード1100を切り替える。つまり、サブノード1200は、ノード1100で形成されているネットワークに接続するために通信を行うノード1100を切り替える。例えば、図18に示すように、サブノード1200‐2は、ノード1100‐1を介してネットワークに接続していたのを、ノード1100‐2を介してネットワークに接続するように切り替える。
以上のように、ノード1100は、ノード1100とサブノード1200との位置と移動経路とを推定し、サブノード1200との通信を割当てるノード1100を決定する。これにより、ノード1100間の通信量は小さい。このため、ノード1100間の通信路が狭帯域であっても、サブノード1200を割当てるノード1100を決定することができる。
また、前述の実施の形態に示すように、ノード1100間で管理し、ノード1100間の配分事項であれば、ノード1100が備える行動推定部120と、割当部130と、記憶部140と、位置測定部150とを必要に応じて変更することで、通信路が狭帯域であっても実現することができる。
以上において説明した処理は一例であり、各ステップの順番、処理内容は、機能を阻害しない範囲で変更してもよい。また、説明した構成は、機能を阻害しない範囲で、任意に変更してもよい。