図1は、複数のデバイス2、3、4、5を含む既知のシステム1の概略図を示しており、それらデバイスは、それらの間で電力(power)及びデータ(data)を送信するように構成される。従来、モジュール式アプローチが使用され、それに従って、(1つの種類のデバイスを表す)測定モジュール3、4が、高価な金メッキされたメインボードコネクタ8を介して(即ち、ガルヴァーニ電気接続を介して)、(他の種類のデバイスを表す)中央処理装置2、例えば、患者モニタのメインボード上の中央プロセッサに接続される。更に、(他の種類のデバイスを表す)メインボード上の絶縁された測定モジュール5も、同じ方法で中央処理装置2に接続されてよい。
一部の測定値は、メインボード自体に直接的に実装されてよい。測定値は、例えば、データ送信(data transmission)のためにオプトカプラ6(optcouplers)を使用し且つ電力送信(送電)(power transmission)のために変圧器7を使用することによって、互いに分離される。全ての金属部品は、同じ(保護された)アース接続を共用し、測定自体は、アースから隔離される。各測定モジュール3、4、5は、一般的にはケーブルを介して、患者の身体に配置される1以上のセンサ(図示せず)、例えば、酸素測定センサ、加速度計、ECG電極に接続されてよい。
そのようなシステムにおいて、電気絶縁は、測定コストの大部分(少なくとも30%)を含む。更に、メインボードコネクタは、高価で機械的に複雑であり、洗浄が課題である。コストを下げることは、価値セグメント(value segment)及びより低い明瞭度環境(acuity settings)における強い要件である。モジュール性(modularity)は、ハイエンド市場における強い要件であり、低明瞭度及び価値セグメント市場においては幾分より低い。ウエアラブル(コードレス)センサ及び低電力は、より低い明瞭度環境において重要である。更に、企業の製品範囲に亘って測定概念を整合させる(align)ことはコストを下げ、全ての市場セグメントについての同じ品質を維持する。
よって、全ての患者モニタリング環境に適用可能な、或いはより一般的には、電力及び/又はデータが上記制約の一部又は全部の下で伝達される必要がある複数の(異なる及び/又は同一のデバイス)を含む全てのシステムに適用可能な、低コストで、低電力で、フレキシブルで、モジュール式のアーキテクチャについての強い必要がある。
図2は、複数のデバイス20、30、40、50を含む、システム10の第1の実施形態の概略図を示している。本実施形態によれば、(例えば、測定モジュール30、40、50を表す)デバイス30、40、50は、それぞれ、中央処理装置20、例えば、患者モニタにワイヤレスに接続される。例えば、患者モニタリングシステムにおける測定モジュールは、個々の磁気的に結合された電力伝送(power transfer)及び近接場非接触データ転送によって中央処理装置20に接続される(それにより、磁気的に結合された電力伝送又は近接場非接触データ送信のいずれかのための手段のみを提供するデバイスがあってもよい)。このフレキシブルアーキテクチャ(flexible architecture)は、生理学的測定の以下の用途、即ち、メインボード上に(即ち、中央処理装置10内に)配置される測定モジュール、モジュール式の「プラグイン」測定モジュール、中央処理装置10に接続される可動測定サーバ内に配置される測定モジュール、及びコードレス測定モジュールに適合する。一般的に、そのような測定モジュールは、互いにガルヴァーニ電気的に(galvanic
ally)絶縁される。測定モジュールは、1つの単一の機械的エンクロージャに組み込まれてもよく、それらはそれらの自体のコイルを介して完全にガルヴァーニ電気的に絶縁されてよい。
磁気電力結合は、例えば、(メインボード)PCBのトラックに一体化されてよく、或いは2つのデバイスを接続するコネクタの2つの別個の部分のそれぞれに磁気コイルとして実装されてよい。
2つのデバイス間の非接触データ転送は、近接場通信手段、例えば、Bluetooth(登録商標)4.0(低エネルギ)、Wi−Fi、ZigBee、NFC、(例えば、磁気結合の寄生容量を介した)容量式又は光学式を介して達成されることが好ましく、無線転送(radio transfer)が好ましいオプションである。好ましくは、既述の4つの用途の全て、例えば、既に多くの商用オフザシェルフ(COTS)コンポーネントに統合されているBLEに準拠するように、(例えば、規格化された)無線プロトコルが使用される。基本的に、放射線場が特定の容積内(例えば、モニタのハウジングの内側)に閉じ込められる場合、任意の規制されていない無線プロトコルを使用することができる。
一般的に、データ及び電力をコードレス式に送信することができる各デバイスは、ハウジングと、誘導結合の使用によって対応コネクタ(counterpart connector)を有するシステムの他のデバイスに電力を送信し且つ/或いはそのような他のデバイスから電力を受信するようハウジング内に配置される、磁気結合ユニットと、特にRF送信、光送信、容量結合又は近接場通信の使用によって、対応コネクタを有するシステムの他のデバイスにデータを送信し且つ/或いはそのような他のデバイスからデータを受信するように配置される、データ送信ユニットとを含む。
測定モジュール30、40は、それぞれ、ハウジング31、41と、磁気結合ユニット32、42と、データ送信ユニット33、43とを含む。更に、それらの各々は、センサ又は電極からデータ信号を受信し且つ/或いはセンサ又は電極に制御信号を送信するために、それぞれの測定モジュール30,40をセンサ又は電極(図示せず)に(基本的にガルヴァーニ電気式に)接続するための患者側接続ユニット(PSC)34,44を含む。任意的に、アナログ処理及び/又はディジタル処理のための更なる手段が提供されてよく、測定モジュールは、有線(wired)−無線(wireless)シナリオ間の並びにバッテリ交換中の遷移時間を架橋(ブリッジ)するために、小さなエネルギバッファ(例えば、バッテリ又はスーパーコンデンサ)を含み得る。
絶縁された測定モジュール50、即ち、患者モニタリングデバイスのメインボード上に一体化された測定モジュールは、ハウジング51と、磁気結合ユニット52と、データ送信ユニット53とを含む。更に、それは患者側接続ユニット54(PSC)も含む。
中央処理装置20は、ハウジング21と、幾つかの磁気結合ユニット22、22a、22cと、単一のデータ伝送ユニットに組み込まれてよい幾つかのデータ伝送ユニット23、23a、23bとを含み、磁気結合ユニット及びデータ結合ユニットは、1つの(外部)デバイスを中央処理装置20に接続するための接続モジュールを形成する。更に、それは中央処理装置20を外部電源60に結合するための絶縁バリア(isolation barrier)を含む供給端子24を含む。その上、中央処理装置20は、一般的に、電力及び電圧生成、制御、入力/出力、測定値及びアラーム発生からのデータの表示及び中央処理に必要とされる全てのハードウェアを含む。
システム10の2つのデバイス間でデータ及び電力を送信する能力は、ブロック61、62、63を通じて示されている。システム10は、データ及び電力を送受信するように構成されないが、データ及び/又は電力を送信だけするように構成されるか或いはデータ及び/又は電力を受信だけするように構成される、デバイスを含んでもよいことが留意されるべきである。
そのようなコネクタを含む別個のデバイス間のデータ及び/又は電力のワイヤレス送信(wireless transmission)のためのコネクタ100、110の第1の実施形態が、図3の頂面図に概略的に示されている。これらの(例えば、中央処理装置の)コネクタ100及び(例えば、測定モジュールの)コネクタ110は、低コストの解決策を表しており、ボード上に実装されることができる。PCB102、112のトラックは、水平及び/又は垂直方向に分離された、(例えば、一次コイルを表す)変圧器巻線(即ち、コイル)101、(例えば、二次コイルを表す)111として使用されてよい。磁気結合は、磁束集束器103、例えば、(各々がコイル101、111の一方を支持する)2つの脚と、2つの脚を接続して(必ずしも円形である必要はなく、長方形、楕円形などのような他の形状を有してもよい)リングを形成する2つのヨークとを有する、強磁性コアを加えることによって、強化されてよい。RFアンテナ104、114も、PCB102、112上に集積される。コネクタ100、110間のギャップ105は、絶縁バリアを提供する。メインボードプロセッサ106が、中央処理装置内に設けられてよく、測定ユニット116は、測定モジュール上に設けられてよい。
図4は、中央処理装置のメインボード上で絶縁された測定をもたらすシステムにおける使用のためのコネクタ120、130の第2の実施形態の断面図を概略的に示している。コイル101、111は、それぞれのPCB102、112の異なる表面に配置されており、磁束集束器103を介して磁気的に結合されている。
明らかに、このアプローチに対する多くの変形が実現可能である。図5は、システムにおける使用のためのコネクタ140、150の第3の実施形態の断面図を概略的に示している。この実施形態では、コイル101とコイル111との間の高さレベルで、PCB102内に垂直方向に配置された、第3の中間層107が提供されている。第3の中間層107は、コイル101、111間の浮遊容量結合を低減するために、接地に接続されている。他の接地層108のような更なる層が、システムにおける使用のためのコネクタ160、170の第4の実施形態を描写する図6に示されるように、EMCの理由のために追加されてよい。
図7は、システムにおける使用のためのコネクタ180、190の第5の実施形態の断面図を概略的に示している。この実施形態において、測定PCB112は、メインボードPCB102の上に配置されており、絶縁箔109がそれらの間にあり、磁束集束器103を介してそれらを磁気的に結合している。
上述の実施形態のうちの1つの実施形態の更に他の変形において、二次コイルは、測定の電子回路を含むASICのダイ上又はパッケージ内に集積されてよい。
好ましくは、中央処理装置上の主マイクロプロセッサは、変圧器の一次コイルを制御し或いは駆動させる。二次コイルのAC電圧を整流して安定させて測定モジュールに供給する。このアプローチは、ワイヤレス充電のQi規格(又は他の規格)を利用してよく、構成要素の配置及び構成は、一般的に、これらの規格のうちの1以上の規格の要件(例えば、コイルは表面に近接すべきである)を満たすために行われることができる。しかしながら、他の方法が使用されてもよく、例えば、AC電圧が測定モジュールに送られてよい。
データ通信のために、中央処理装置は、例えば、Bluetooth(登録商標) Low Energy、ZigBee又は任意の他の適切な方法を介して、絶縁された測定値と通信する、近接場無線スタック(near field radio-stack)を含んでよい。放射線が閉じ込められたハウジングに限定される場合には、あらゆる非規格プロトコルが許容される。
RF伝送は、別個のアンテナを介して、容量性結合パッドを介して、或いは変圧器コイルの寄生容量を介してさえも、達成されることがある。寄生容量は、IEC60601−2−49の標準的な絶縁要件に適合するよう非常に小さく維持されなければならないが、この制約は、例えば、2.4GHz以上のUHF無線帯における伝送で達成可能である。
図8は、複数のデバイス20、30、40を含むシステム11の第2の実施形態の概略図を示している。この実施形態において、1以上の測定モジュール30、40は、例えば、測定ラック20’に嵌入され、モジュール30、40のRFアンテナ114及び二次コイル111に近接近して中央処理装置20の一次コイル101を含む(モジュール30のための)磁気コネクタ25、35、及び(モジュール40のための)磁気コネクタ26、46によって中央処理装置20に結合される。データ送信のために、RFアンテナ104が、中央処理装置20内に設けられてよく、対応するRFアンテナ114が、測定モジュール30、50内に設けられてよい(例えば、BT、ZigBee、NFCなどのような、小さな距離を架橋するために近接場モードにおいて使用されるアンテナ)。
ピンの不存在の故に、洗浄は容易である。故に、これらのコネクタ25、35、26、46は、図1に示すように、従来的に使用されるような、高価で扱いにくい洗浄可能なガルヴァーニ電気コネクタに取って代わる。更に、PSCユニット34、44が、それぞれのセンサ、例えば、温度センサ又はSpO2センサへの接続のために設けられてよい。
システムは、例えば、1以上のディスプレイ、ボタン、スイッチなどを含む、中央処理装置20に結合されるユーザインタフェース70を更に含んでよい。更に、主電源60への接続のために、主電力変圧器71が設けられてよい。
測定は、患者の近くで、測定サーバとも呼ぶ取り外し可能な小さいボックス(図示せず)内に配置されてよく、それは本明細書に開示するようにコネクタを含むケーブルを介して或いはワイヤレスリンクを介して患者モニタに接続されるので、それはハイブリッドモードで(即ち、有線式(wired manner)又は無線式(wireless manner)に)動作可能である。そのような測定サーバ内で、あらゆる測定のバッテリは、通常使用中に充電される。患者を移動させることが必要なときはいつでも、患者モニタへのリンクは、特定の時間の量に亘って失われることがある。それにも拘わらず、個々の測定は、全てのバイタルサインを測定、記録、及び処理し続ける。故に、患者の健康状態に関する重要なデータは失われない。再び、患者モニタの近傍で、データは、中央サーバと再び同期させられてよい。
システム12の他の実施形態を示す図9に示すように、追加的な再充電可能バッテリ37、47を測定モジュール30、40に入れることによって、測定モジュールの自律的な作動が可能である。測定ラック内に再び嵌入されると、バッテリは、磁気結合を介して充電される。バッテリ管理は、測定モジュールにあり、(好ましくはないが、任意的に)ワイヤレス充電のためのQi規格に従って行われてよい。
データ転送は、既存の接続規格に準拠することが望ましい。例えば、Bluetooth(登録商標) LE 4.0無線を使用するとき、患者モニタは、個人のヘルスケアの質を向上させるために共同して協力するヘルスケア及び技術会社の非営利オープンインダストリー組織である、Continua Health Allianceに直接的に適用可能になる。Continua Health Allianceは、それらのソリューションを家庭に広げることが、自立を促し、個人に権能を与え、真に個人化された健康及びウェルネス管理の機会を提供するという知識を用いて、相互運用可能な個人的な関連した健康ソリューションのシステムを確立することに専念している。これらの目的は、本発明によってサポートされている。
図10〜図15は、コネクタの更なる実施形態を示している。
図10は、非接続状態にあるシステムにおける使用のためのコネクタ200の第6の実施形態の断面図(図10A)及び頂面図(図10B)を概略的に示している。コネクタ200は、PCB202を含み、PCB202は、トラック290内に統合されるデータ送信ユニットの一部として4分の1波長平面反転Fアンテナ(PIFA)204を含む。RFアンテナ204は、RF信号線205及び接地面206によって形成される。磁場は、感心周波数についての高い透磁率を備える材料から作られた(U形状とも呼ぶ)C形状磁束集束器203の周りに巻かれたコイル201a、201bによって生成される。渦電流によって電子機器(エレクトロニクス)内の残留する漂遊磁界(remaining stray field)を短くするために、追加的な導電性シート材料が(カバーとして)加えられてよい。コア203の追加的なクラッディングは、短距離電波場209(short-range radio field)であるRF信号を遮蔽(シールド)するのに役立つ。他のコネクタが取り付けられないとき(即ち、非接続状態において)、RFアンテナ204は、遠距離場モード(far-field mode)で作動し、その指向性は、図10Aに示すように、外側の世界に向けられる。
電力ユニット207は、コイル201への給電及び/又はコイル201からの受電のためにコイル201に結合される。RFユニット208が、RFアンテナ204へのデータ供給及び/又はRFアンテナ204からのデータ受信のためにRFアンテナ204に結合される。
接続状態では、対応コネクタ210に結合されたコネクタ200を示す図10Cに例示するように、C形状磁束集束器203、213及びアンテナ204、214の両方の極は、ほぼ完全に整列させられるので、RF及び磁場は、最適に結合され、外側の世界から遮蔽される。
接続することは、以下の2つの効果を誘発する。
i)第1に、磁気結合は、例えば、k=0.5からk>0.95に劇的に増加し、それは(例えば、誘導電圧を介して)直接的に検出されてよく、或いは(例えば、近接性検出(proximity detection)を使用して)間接的に検出されてよい。ポーリング機構(polling mechanism)を介して、この効果は、変更されたコイルインピーダンス、共振周波数又は誘導電圧を介して、磁気電力供給エレクトロニクス(magnetic powering electronics)(例えば、Qi、PowerMat又はカスタム)によって認識される。非接続状態では、磁気電力供給は無効にされ、故に、測定中の無線チャネル内に或いは近接近する金属部品中に、干渉は誘導されない。接続状態において、磁束は磁束集束器203、213内に非常に良く閉じ込められ、それは干渉も防止する。切断は(コイルを短時間切断し、結果として生じる効果を観察することによって)反対の効果をポーリングすることによって検出されてよい。
ii)第2に、2つのアンテナ204、214間の非常に短い距離の故に、受信されるRF信号の振幅及びSNRは有意に増加する。無線送信機は、整合性のあるデータ通信を維持しながら出力電力を下げることによって、今や害を受けないで近距離場モードに切り替わることができる。結果的に、近傍の放射RF電力は有意に減少させられ、それは電波スペクトル(radio spectrum)を解放するのに役立つ。その上、効率的なRF結合の故に、無線機(radio)の電力消費が減少させられる。
距離が波長の一部分(fraction)である近距離場モードにおけるRF結合は、遠距離場EM波よりも容量結合により起因することが留意されるべきである。両方の効果は、ポーリング機構を介して定期的に検証されるか、或いは追加的な近接性検出(光学的、磁気的)によって又は単純な機械的スイッチ若しくはリードスイッチによって引き起こされる(トリガされる)。
漂遊磁束を避けるために、コイルは、好ましくは、カウンタコアの存在がなければ、コイルは完全に(連続的に)電力供給されない。しかしながら、ポーリング機構は、磁気結合を測定するために、毎秒短時間(例えば、10ミリ秒)に亘って電力を生成してよい。
公称電力伝送を開始することを決定する前に、(例えば、Qi規格において実施される)磁気結合又は光結合を介したRF通信及び/又はデータ転送を使用して、ID、所要電力、信号品質、充電状態などを更新し(update)且つ交渉する(negotiate)。
以下に、実際の接続/切断プロセスが患者ネットワークにおける関連付けをどのように引き起こすか並びに安全がどのように実施されるかをより詳細に記載する。
ガルヴァーニ電気絶縁は、PCB層材料及びCコアによって保証される。代替的に、PCB202、212上の余分な絶縁層、及びCコア203、213の極先端(pole-tips)を追加することができる。PCBの空き領域は、測定用電子機器及びPSCのために使用されてよい。フェライトコアは、良好な導体であり得るが、高抵抗(複合)フェライトも利用可能である。
他のアンテナ構成、例えば、システムにおける使用のためのコネクタ220の第7の実施形態の頂面図を描写する図11に示すようなリング形状のアンテナ224が可能である。
図10及び図11に示す実施形態において、コネクタ200、210、220の機械的整列は、アンテナ及びCコア(C-core)が整列させられる2つの回転向きに限定される。これは身体着用測定(body-worn measurements)及びデイジーチェーン構成(daisy chain configurations)においてケーブルを使用するときの重大な欠点である。この問題は、システムにおける使用のためのコネクタ230の第8の実施形態の断面図(図12A)及び頂面図(図12B)を示す図12に示すような回転対称コネクタ230によって解決される。
Eコア231(E-core) (即ち、Eを形成する断面を有するコア)の内側脚232は、磁気電力供給のためにコイル巻線201を支持する。RFアンテナ204は、(図12Bに示すように実際には単一のリングである)内側脚232と外側脚233との間のPCB201内に配置される。脚232、233は、ヨーク236によって接続されている。コア231の内壁又は外壁は、干渉を更に減少させるよう、導電性材料でクラッディングされてもよい。そのようなコネクタの2つが接続されるとき、2つの半体はポットコア(pot-core)を形成し、よって、磁場及び無線信号は非常に良く結合され且つ遮蔽される。加えて、測定ユニット234及びPCSユニット235が設けられてよい。
代替的に、RFアンテナ204は、磁気コア231の外側、即ち、外側脚233の周りに配置され、それはRF信号と磁気信号との間のより少ないクロストーク及び干渉に寄与することがある。これはシステムにおける使用のためのコネクタ240の第9の実施形態の断面図(図13A)及び頂面図(図13B)を示す図13に例示されている。
図14は、ヨーク254によって接続された2つの脚252、253によって形成されたC形状の断面を有するリングを形成する回転対称Cコア251を含むシステムにおける使用のためのコネクタ250の第10の実施形態の断面図(図14A)及び頂面図(図14B)を示している。コイル201によって生成される磁束は、矢印255によって示されている。RFアンテナ204は、Cコア251の内側脚252の間に配置される。
図15は、図14に示す第10の実施形態に類似するが、RFアンテナ204がCコア251の外側脚252の周りに配置されている、システムにおける使用のためのコネクタ260の第11の実施形態の断面図を示している。
図10〜図15に示すコネクタは、それらが回転対称であり、接続状態においてコネクタとその対応コネクタとの間に非常に小さなギャップがある、という利点を提供する。
図16は、そのようなコネクタを含む別個のデバイス間のデータ及び/又は電力のワイヤレス送信のための(図10〜図15に示すコネクタのような)コネクタ270のレイアウトを概略的に描写している。コネクタ270は、好ましくは、RF送信の使用によって、対応コネクタを有するシステムの他のデバイスにデータを送信し且つ/或いはそのような他のデバイスからデータを受信するように構成された(例えば、RFアンテナ204を含む)データ送信ユニット271を含む。コネクタは、誘導結合の使用によって、対応コネクタを有するシステムの他のデバイスに電力を送信し且つ/或いはそのような他のデバイスから電力を受信するめの(例えば、コイル201及びコア203を含む)磁気結合ユニット272を更に含む。磁気結合ユニット272と対応コネクタの磁気結合ユニットとの間の磁気結合の強さを検出するために、(例えば、電力ユニット207を含む)検出ユニット273が設けられる。制御ユニット274が、検出される磁気結合が第1の閾値を上回るならば及び/又はその増加が第2の閾値を上回るならば、データ送信ユニット201を低電力モードに切り替え且つ/或いは磁気結合ユニット272を有効にする。更に、制御部274は、検出される磁気結合が第3の閾値を下回るならば及び/又はその減少が第4の閾値を上回るならば、データ送信ユニット271を高出力モードに切り替え且つ/或いは磁気結合ユニット272を無効にする。閾値は、予め決定されてよい、例えば、シミュレーション又は測定から得られてよい。この実施形態は、特に電力消費、クロストーク、及びRF帯域幅の使用を最小に抑える、コネクタの正しいモードの自動設定を可能にする。
図16に開示する検出ユニット273及び制御ユニット274は、一般的に、本明細書に開示する全ての他のコネクタにおいて使用されてよい。
図17〜図28は、そのような積重ね可能な(スタック可能な)(stackable)コネクタの詳細を説明するための積重ね可能なコネクタの複数の実施形態を示している。
図17は、システムにおける使用のための単一の積重ね可能なコネクタ300の第1の実施形態を概略的に示しており、図17Aは、断面図を示しており、図17Bは、頂面図を示しており、図17Cは、第1の斜視図を示しており、図17Dは、第2の斜視図を示している。図18は、互いに積み重ねられた図17に示すような種類の2つの積重ね可能なコネクタ300、300aを概略的に示しており、図18Aは、断面図を示しており、図18Bは、第1の斜視図を示しており、図18Cは、第2の斜視図を示している。コネクタ300は、ハウジング301と、誘導結合を使用して対応コネクタを有するシステムの他のデバイスに電力を送信し且つ/或いはそのような他のデバイスから電力を受信するためにハウジング301内に配置された磁気結合ユニット302とを含む。磁気結合ユニット302は、(好ましくは、回転対称である、例えば、リング形状で、高透過性材料(high-permeable material))で作られる)磁束集束器303を含み、その少なくとも一部分は、Uの脚の間に凹部304を形成するU形状(又はC形状)の断面を有する。第1のコイル305が、磁束集束器303の凹部304内に配置される。第2のコイル306が、第1のコイル305と対向して、第1のコイル305が配置される凹部304の外側に配置される。磁束集束器303は、リング形状形態、円形対称形態、正方形、三角形、長方形の形態などのような、異なる可能な形態のうちの1つであってよい。
更に、磁束集束器の内側に配置される(データ送信ユニットの一部としての)リング形状のRFアンテナ307、(無線電子機器を含む)RFユニット308、(磁気電力電子機器のような)電力ユニット309及び測定ユニット310が、PCB312内又はPCB312上に設けられてよい。第2のコネクタ300a内には、測定ユニット310の代わりにバッテリ311が設けられている。更に、センサと結合するために、図18Cに示すように、PSCユニット313がコネクタ内に設けられてよい。ハウジングの外面は、好ましくは、ガルヴァーニ電気絶縁、水密シーリング及び機械的安定性のために、絶縁された材料(例えば、プラスチック材料)によって完全に覆われる。
ハウジング301は、例えば、図18に示すように、そのようなコネクタ300、300aの2以上(2つ又はそれよりも多く)のコネクタを互いに積み重ねることを可能にするように構成されるので、コネクタ300の上に積み重ねられる、コネクタ300の第2のコイル306及び第2のコネクタ300aの第1のコイル305a(或いはコネクタ300、300aが互いに積み重ねられるシーケンスに依存して逆もまた同様である)は、それらの間の誘導電力伝送のための第1の変圧器を共に形成する。
コネクタの頂面に形成される円形バルジ314、314aは、次のコネクタの底にある円形凹部304、304aに嵌入する。よって、コネクタ300の上方コイル306は、コネクタ300aの下方コイル305aと共に、磁束集束器303、303aの高透磁性材料(high-permeable magnetic material)によって取り囲まれる。結果的に、コイルは、今や密接に結合され、それは効率的な電力伝送を可能にする。矢印315は、コイルが図示のように作動させられるときの磁束線を示している。このようにして、漂遊磁束は最小に抑えられ、それは測定及び無線信号への/測定及び無線信号からのクロストークを回避する。必要に応じて、導電性シート材料を加えて、あらゆる残留磁束成分を短絡させることができる。
測定ユニット、バッテリ、ケーブルコネクタ(PSCユニット)を含む、コネクタ300、300aの全ての構成要素は、好ましくは、ハウジングを表す円形の封止されたボックス301、301aに嵌入される。回転対称設計の故に、積重ねのために径方向における2つのコネクタの特別な位置決めは必要とされないが、このようにして、コネクタを互いの上に容易に積み重ねることができる。円形の形状の他に、他の形状、例えば、減少した回転角を備える形状、正方形の形状、4方向における延伸を備える形状などが可能である。
好ましくは、逆Uコアの極先端は、(厚い)プラスチックで覆われない。何故ならば、これは効率に負の影響を与え、漂遊磁束を導入するからである。プラスチックの厚さを、例えば、10分の数ミリメートルに減少させることによって絶縁を保証することができる。代替的に、ガルヴァーニ電気絶縁を保証することができる。何故ならば、(複合)フェライト材料は、高い固有抵抗率を有し、内部的にコイル及び磁気コアを絶縁することができるからである。
図10〜図16に関して上記で説明したように、磁気電力の転送は、コイルとRFとの間の大きな結合が検出される前に開始しないことが好ましい。図18に示す例では、下方コイル305a及び上方コイル306のみが使用され、他のコイルは全く作動させられない。
効率的な電力伝送及び高無線SNRのために、結合領域は十分に大きくなければならない。従って、好ましくは、コイル305、306、305a、305b及びRFアンテナ307、307aは、それぞれのコネクタ300、300aの外側領域に配置される。
測定ユニット310を含むコネクタ300に1以上のセンサを接続するためのPSCユニット313は、積重ねの完全な自由を有するために、コネクタ300の側面に配置されるのが好ましい。しかし、PSCユニット313は、例えば、スタックの上に測定ユニット310を含むコネクタ300を常に有するように制限されるとき、コネクタ300の上部に配置されてもよい。
図19は、互いに積み重ねられた3つのコネクタ300、300a、300bを示しており、コネクタ300、300bは同一であり、図17に示すように構成され、各コネクタは、測定ユニット310、310aを含むのに対し、コネクタ300aは、図18に示すように構成され、バッテリ311を含む。よって、測定ユニット310、310bは、コネクタ300aの同じバッテリ311によって供給される(これにより、バッテリ311は、異なる位置、例えば、底位置又は頂位置に配置されてもよい)。この場合、コネクタ300aの両方のコイル305a、306aは、測定ユニット310、310bにエネルギを供給するために使用される。このスキームに対する多くの変形、例えば、1つのコイルを介して1つのコネクタから電力を受け取り、同時に他のコイルを介して他のコネクタに電力を供給することが可能である。
本発明は、例えば、患者モニタリングシステムにおいて、例えば、図2に示すようなシステムにおいて使用される任意の種類のデバイスを含む、積み重ねられたコネクタの仮想的な任意の組み合わせのために適用可能である。故に、1以上の測定モジュール、バッテリユニット、ケーブルユニット及び処理ユニットは、電力及び/又はデータのコードレス転送のために容易に結合されることがある。それはデバイスを互いに鎖で繋ぐこと(chaining)さえも可能にする。デイジーチェーンは、例えば、(コネクタを含む)1つの単一の接続又はケーブルを介して、デバイス(例えば、測定モジュール)を患者モニタ、電力供給デバイス又はハブに接続することによって、ケーブルのクラッタリングを回避するために、身体着用センシング(body worn sensing)において有用である。この着想は、幾つかのデバイスの配置をデイジーチェーンの形態において示す図20に例示されており、各デバイスは、コネクタのうちの1以上のコネクタを含む。
図20Aは、直列に結合され且つ(例えば、図2に示すような種類の)中央処理装置20に結合された(例えば、図2に示すような種類の)3つの測定モジュール30、40、80の直列結合を示している。図20Bは、図17に示すような種類の3つのコネクタ381、352、361のスタック320の断面図を示しており、コネクタ381は、測定モジュール80の一部であり、コネクタ351は、第1のケーブルユニット350の一部であり、コネクタ361は、第2のケーブルユニット360の一部である。第1のケーブルユニット350は、その端の各々に、コネクタ351、352を含み、測定モジュール80を同種のコネクタ341を有する測定モジュール40と接続する。第2のケーブルユニット360は、その端の各々に、コネクタ361、362を含み、測定モジュール80を同種のコネクタ321を有する中央処理装置20と接続する。第3のケーブルユニット370は、その端の各々に、コネクタ371、372を含み、測定モジュール40を同種のコネクタ331を有する測定モジュール30と接続する。
故に、この例において、測定モジュール80は、2つのケーブルユニット350、360に接続される。よって、ケーブルユニット360は、3つの測定モジュール30、40、80の複合体(complex)のために、電力及びデータを中央処理装置20に伝送し且つ/或いは中央処理装置20から伝送することができる。データ及び電力は、積み重ねられたコネクタの間で中継、転送及び/又は交換されてよい。電力伝送は、追加的な整流器及び伝送電子機器(例えば、DC/ACコンバータ)を使用することによって或いはコイル間でAC電流を単に共用することによって行われてよく、後者はハードウェアに関して最も効率的なオプションである。
例えば、コネクタ321及び362の、或いはコネクタ341、351及び372の、図20Aに示すコネクタの他のスタックの構成は、図20Bに示すスタック320構成と類似又は同一であることが留意されるべきである。
同じ原理によれば、図20Aに示す直列構成の代わりに、図20Cに示すような星構成が可能である。
同じケーブルを介した組み合わせられた電力及びデータ転送が好ましいが、代替的に、短距離無線ケーブルとローカルバッテリの任意の組み合わせも実現可能であることが留意されるべきである。
図21〜図23は、図17に示すコネクタ幾何学的形状と比較した代替的なコネクタ幾何学的形状を有する積重ね可能なコネクタの更なる実施形態を示している。図21Aは、磁束発生器303の外側の領域が測定電子機器310及び/又はバッテリによって占められている、円形コネクタ390の断面図を示している。図21Bは、コネクタ390の頂面図を示している。図22Aは、長方形コネクタ391の断面図を示しており、図22Bは、頂面図を示している。図23は、患者モニタスロット27の壁の間に挟装することができるスマートカードサイズのコネクタ392を断面図(図23A)、頂面図(図23B)及び簡略化された断面図(図23C)において示している。結合ユニット321、393を介して、中央処理装置20及びコネクタ392は結合されている。
ある実施形態において、コネクタの上方面及び/又は下方面は、完全に平坦である。これは、例えば、洗浄を容易にする。コネクタ400、410の対応する実施形態が、図24及び図25に示されている。互いに積み重ねられるときに、異なるコネクタの磁束集束器間の正確な位置決め及び密接な整列(好ましくは<1mm)を保証するために、他の位置合わせ構造又は構成と共に可能な更なる実施形態がある。例えば、(ハウジングのプラスチック絶縁を含む、高いμを有する)磁束集束器間の(低いμを有する)ギャップは、特定の用途において<0.5mm+/−0.1mmでなければならない。側方変位は、極の幾何学的形状(例えば、<0.5mm)と比較して小さくなければならない。
図24は、Hの形態の断面を有する磁束集束器401、401aを用いる平坦な主表面408、409、408a、409aを備えるハウジング407、407aを有する(測定モジュール310を含む)コネクタ400、(バッテリ311を含む)コネクタ400aの断面図を示している。各磁束集束器401、401aは、第1の(下方)コイル305、305aが配置される、第1の(下方)凹部402、402aと、第2の(上方)コイル306、306aが配置される、第2の(上方)凹部403、403aを含む。コネクタ400aの下方コイル305a及びコネクタ300の上方コイル306は、磁束集束器401aの下方部分及び磁束集束器401の上方部分と共に、矢印404によって示すように、変圧器を形成する。
図25Aは、平坦な表面を有する(測定ユニット310を含む)コネクタ410の断面図を示している。コネクタの頂面図が図25Bに示されている。コネクタ410は、2つの磁束集束器411、421を含み、各磁束集束器は、U形状の断面を有し、各磁束集束器は、凹部412、422を形成し、各凹部412,422は、それぞれのUの2つの隣接する脚414、415及び424、425の間に、即ち、(この実施形態では中央フィンガである)それぞれの内側リング415、425とそれぞれの外側リング414、424との間に形成されている。第1のコイル417は、第1の磁束集束器411の凹部412内に配置されており、第2のコイル427は、第2の磁束集束器421の凹部422内に配置されている。
2つの磁束集束器411、421は、共通のH形状の磁束集束器として見られてもよく、H形状の磁束集束器421の2つの脚414、415、424、425は、互いに隣接して配置されるか、或いは一体的に形成され、Hの脚の間の横方向ジョイントは、2つのジョイント要素419、429に分割され、遮蔽部418(shielding)が、Hの脚414、415、424、425の間に並びにそれらに対して垂直に配置される。
積重ねの着想を横方向の幾何学的構成に変換することもできる。これは構造物の高さを減らすのに有益である。横方向の幾何学的形状を有するコネクタ430の実施形態の断面図が図26Aに示されており、コネクタ430の頂面図が図26Bに示されている。コネクタ430は、(図25Aに示す磁束集束器411、421のようなU形状の断面をそれぞれ有する)それぞれの磁束集束器432、442の凹部437、447内に配置されたコイル431、441を、その左側及びその右側に別個に含む。磁束集束器432、442の周りに、リング形状のRFアンテナ433、443が配置される。更に、2つの電力ユニット434、444、2つのRFユニット435、445、2つのPSCユニット436、446及び測定ユニット310が設けられる。よって、磁束集束器432、442は、第1の磁束集束器432及び第2の磁束集束器442がハウジングの同じ表面に隣接して反対の領域に配置されるよう、互いに対して横方向に変位させられて配置される。ハウジング439は、好ましくは、平坦であるか、或いは平坦な表面を有する。
図27は、図26に示すようなコネクタ430c、430dを含むケーブルユニット450の使用によって、各々が図26に示すようなコネクタ430a、430bを含む測定モジュール30、40の間に形成されるデイジーチェーン440を示している。図27Aは、デイジーチェーンの断面図を示しており、図27Bは、頂面図を示している。そのようなケーブルユニット450は、好ましくは、各々の端に1つの、そのようなコネクタの2以上を含んでよいが、任意的に両端間に追加的なコネクタを含んでよい。
図28は、身体着用センサ構成460を断面図(図28A)及び頂面図(図28B)において示している。本体着用センサ構成460は、コネクタ430c、430dのようなコネクタ452、453を含む或いは図28Aに示すような単一の結合ユニットだけを備える、図27に示すケーブルユニット451と類似又は同一のケーブルユニット451を支持する積重ね可能な支持層461を含む。ケーブルユニット上には、各々がコネクタ430a、430bを含む、1以上の測定モジュール30及び/又は(バッテリを含む)バッテリモジュール90が配置されてよい。
測定モジュール30、40、80、バッテリモジュール90、及びケーブルユニット450は、図29に概略的に示すような同じ横方向の幾何学的着想を使用して、例えば、患者モニタ又は中央処理装置20に接続されることもできる。更に、本発明によって提案されるようなコネクタを備える垂直積重ね及び横方向接続の任意の組み合わせが概ね可能である。例えば、測定モジュールは、垂直積重ね手段及び横方向積重ね手段の両方を有してよい。
以下、コネクタを含むバッテリモジュールをより詳細に記載する。
上述のように、プラグイン測定モジュールが、磁気電力供給及びRFデータ通信を使用する提案されるコネクタを介して、中央処理装置に結合される。加えて、そのRFチャネルを介して、バッテリ(又は任意の他のエネルギ蓄積要素)が、ネットワーク、例えば、患者ネットワークの一部分とされてよく、同じ方法で測定モジュール及び中央処理装置のような他のデバイスに結合されてよい。これは、測定モジュール30と、中央処理装置20と、バッテリモジュール90とを含む、システム13の他の実施形態の概略図を示す、図30に概略的に示されている。
有線(wireless)測定シナリオにおいて、双方向バッテリモジュール90は、提案されるコネクタを介して磁気的にエネルギを供給するために、測定モジュール30上にパチンと嵌められて(snapped)よい。任意的に、測定モジュール30自体は、有線(wired)シナリオと無線(wireless)シナリオとの間の遷移時間を一時的に架橋(ブリッジ)するための小さなバッファバッテリ37(又は任意の他のエネルギ蓄積要素)を含んでよい。
バッテリモジュール90は、好ましくは、(バッテリユニットとも呼ぶ)バッテリ91と、例えば、バッテリモジュール90が中央処理装置20に結合されているときにバッテリをロードし、バッテリモジュールが測定モジュール30に結合されているときに測定モジュール30のバッテリ37をロードする、バッテリモジュールと他のデバイスとの間の磁気電力伝送のための結合ユニット92とを含む。任意的に、データ送信のための手段がバッテリモジュール90内に提供されてもよい。
バッテリモジュールと、システムの、特にバッテリモジュールが結合される患者モニタリングシステムの他のデバイスとの間のデータ及び電力のワイヤレス交換のためのバッテリモジュール90’のより詳細な概略図が、図35に示されている。電池モジュール90’は、封止されたハウジング93と、電気エネルギを蓄積するためのバッテリユニット91と、データを格納するためのデータ格納ユニット94と、コネクタ95とを含む。コネクタは、対応コネクタを有するシステムの他のデバイスにデータを送信し且つ/或いはそのような他のデバイスからデータを受信するためのデータ送信ユニット96と、誘導結合の使用によって対応コネクタを有するシステムの他のデバイスに電力を送信し且つ/或いはそのような他のデバイスから電力を受信するための磁気結合ユニット92とを含む。
任意的に、システムの2つの他のデバイスにデータを同時に送信し且つ/或いはそのような2つの他のデバイスからデータから同時に受信するために、及び/又はシステムの2つの他のデバイスに電力を同時に送信し且つ/或いはそのような2つの他のデバイスから電力を同時に受信するために、第2のコネクタ97が設けられる。
コネクタ及びその要素は、他のデバイス及び他の実施形態に関して上述したように構成されてよい。これは、例えば、図10〜図15又は図17〜図28のいずれかに示するように、構成されてよい、磁気結合ユニット92及びデータ送信ユニット96について特に当て嵌まる。
バッテリ91は、例えば、再充電可能バッテリ、使い捨てバッテリ又はスーパーコンデンサであってよく、機械的損傷及び流体に対して十分に保護された平滑な封止されたプラスチックボックスに嵌入されてよい。それは、例えば、使用が容易なスナップオン又はスライドイン機構を介して、提案されたコネクタ(例えば、測定モジュール、ケーブルユニット又は患者モニタ)を有する他のデバイスに物理的に取り付けられる(即ち、密接に接触させられる)ことができる。永久磁石又は整列構造を使用して、最適な電力及び無線転送のためにその位置を整列させ、固定することができる。バッテリ91が空のとき、バッテリモジュール90は、互換性のあるコネクタを有し且つ充電することができるシステム内の任意のデバイス、例えば、患者モニタ、ハブ又は専用のバッテリ充電器に、(任意的にケーブルを介して)取り付けられることができる。好ましくは、全ての要素を互いに結合するアーキテクチャ全体に亘って、同じ誘導/データコネクタのトポロジ(topology)が使用される。これはどこでもバッテリを充電し得ることを可能にして、バッテリ管理に対する大幅な改良をもたらす。
再充電可能なバッテリの寿命は、ほとんど常に、製造業者及び試験業者による充放電サイクルの数として定義される。サイクリング(cycling)に加えて、リチウムイオンバッテリの劣化速度は、強く温度依存的である。それらは、例えば、人体に適用されるときに、より高い温度で蓄積され或いは使用されるならば、より一層速く劣化する。
従って、バッテリの健康及び充電状態は、図35のセンサユニット98によって概ね表される、(複数の)電圧センサ及び/又は電流センサを使用することによって、温度センサ、絶対時間、及び充放電プロファイルから、絶えず決定されてよい。この情報及び履歴データに基づいて、自己診断が実行されてよく、それは、再充電の必要、交換の必要又はあらゆる故障状態を示すために、患者ネットワーク内で通信される。履歴データは、ローカルに(例えば、バッテリモジュール内に)格納されてよく、ネットワーク内で共有されてもよい。この目的のために、多くのシナリオが可能である。
バッテリモジュール90’は、受信データのデータ処理、時間管理(time keeping)、自己診断及び安全性のための処理ユニット99を更に含んでよい。処理ユニットは、測定モジュール30に適用されるときの予想される動作時間を計算するように更に構成されてよい。
その上更に、バッテリモジュール90’は、図16に例示するように、磁気結合ユニットと他のデバイスの磁気結合ユニットとの間の磁気結合の強度を検出するための検出ユニット273と、検出される磁気結合が第1の閾値を上回り且つ/或いはその増加が第2の閾値を上回るならば、データ送信ユニットを低電力モードに切り替え且つ/或いは磁気結合ユニットを有効にし、検出される磁気結合が第3の閾値を下回り且つ/或いはその減少が第4の閾値を上回るならば、データ送信ユニットを高電力モードに切り替え且つ/或いは磁気結合ユニットを無効にする、制御ユニット274とを含んでよい。
ワイヤレス電力伝送における主な規格は、Qi規格及びPower Matters Technology(PowerMat)規格である。それらの主な用途は、ワイヤレス充電の分野にある。Qiは、デバイスのための基本的な局所化(localization)及び認識機構(recognizing mechanism)や、低電力待機モードや、電力制御も含む。
リード接点及び永久磁石(例えば、クリックオン固定機構の一部として存在するもの)を使用する追加的なオンオフスイッチが、安全性及びバッテリ漏れ防止の余分な層として有用であることがあるが、積重ね検出のための他の手段、例えば、光学的、容量性又は超音波手段もあることがある。
リチウムイオン電池とリチウムポリマ電池は、それらの高い質量単位当たりエネルギ密度及び消費者領域における大きな使用スケールの故に、好適な候補である。それらは、その充電状態を注視して過熱から保護するための電子機器手段を、所定の場所に有する。また、Qi規格は、有効な荷重を認識するための何らかの基本的な手段を、所定の場所に既に有する。これらは用いられてよい。これらの基本的な保護及びモニタリング手段は、通信手段としての磁気及びRF結合、ローカルインテリジェント安全性モニタリングを組み合わせることによって、並びに患者ネットワークへの接続によって、完全なアーキテクチャに統合されてよい。例えば、有効な識別子の欠如及び/又は局所的故障状態の存在は、磁力転送を放棄するか或いは開始しない理由であってよい。
充電状態は、特定の測定のためにバッテリをどのくらい長く適用することがきるかを決定するために使用されてよい。これを、例えば、患者モニタディスプレイに表示し得る。任意的に、測定モジュールに取り付けるとき、バッテリ自体にある視覚又は音声インジケータが、例えば、利用可能な測定時間が交換又は充電が行われるべき1時間未満であるときを示してよい。
バッテリを上述のような医療環境に統合することは、安全性、使用事例(use case)、ワークフローに対して深刻な影響を有する。制約は、絶対安全性、可能な形状、より少ない重量及びサイズ、看護師による容易な交換性/置換性、容易な洗浄性、大きな容量、及び着用中の充電性を含む。バッテリモジュールは、エネルギの供給及び充電の両方のために完全にワイヤレスに接続された、閉塞されたボックスであってよい。提案するアーキテクチャは、容易に洗浄可能な機械的接続を提供する。その上、それらは測定デバイスが所定の場所に留まる間に数秒内に交換されることができる。
以下、ネットワーク/システムの他のデバイスを接続するためのコネクタを含むケーブルユニットをより詳細に記載する。
ケーブルユニット500の一般的なレイアウトを図31に示す。ケーブルユニット500は、ケーブル510と、ケーブル510の各端にあるコネクタ520、530とを含む。各コネクタ520、530は、磁気結合ユニット521、531と、データ送信ユニット522、532とを含む。ケーブル510は、磁気結合ユニット521、531を接続する第1のワイヤ対511(例えば、撚線(twisted wire))と、データ送信ユニット522、532を接続する第2のワイヤ対512(例えば、撚線)とを含む。
図32は、この例では、測定モジュール30及び中央処理装置20を接続するための、高い明瞭度環境(acuity settings)におけるケーブルユニット500の使用を例示している。そのようなケーブルユニット500は、測定についての電力の一貫性及びデータの完全性を保証するために、OR(手術室)又はICU(集中治療室)環境において使用されてよい。2つのワイヤ対511、512は、カテーテル技術において使用されるように、薄く且つフレキシブル(可撓)であることが好ましい。余分なロバスト性及び性能のために、余分な導電性シールド又はフェライト同相モードコイル(ferrite common mode coils)が加えられてよい。このアプローチは、その低いRF減衰と遮蔽特性の故に、無線信号のための十分な高い信号対雑音比を保証する。非接触電力供給のための周波数(100〜200kHz)と無線周波数のための周波数(2.4GHz)との間の大きな比の故に、内部クロストークは、管理可能である。
このケーブルユニット500の主な機能性を実装して、無線信号及び電力信号のための保護されたパイプを形成するための、多くのオプションが可能である。
1つのオプションは、(図31及び図32に示すような)2つのワイヤ対を含む完全に受動的なケーブルユニットである。基本的に、RFデータ及び電力をケーブルユニットに亘って2つの方向に転送することができる。電力のための撚線及びRFデータのための同軸又は平衡伝送線(balanced transmission line)が使用されてよい。加えて、受動的な構成要素をコネクタに追加して、例えば、フィルタリング及びインピーダンス整合によって、RF伝送を更に改良し、例えば、磁束集束器によって、或いは受動的な識別(光学タグ)のために、(電力)転送を改良してよい。
任意的に、電力信号及び無線信号は、1つの単一のワイヤ対(又は同軸ケーブル)に組み込まれてよい。完全に受動的なケーブルの1つのコネクタだけを、例えば、測定モジュールに取り付けることは、磁気結合もRF結合も増加させない。ペアリングが開始されるまでに、2つの接続が行われる。
他のオプションは、アクティブケーブル(active cable)である。アクティブ構成要素は、磁気電力信号をケーブルを介して送信する前に、磁気電力信号を清浄な(clean)/安定化された(stabilized)DC又は正弦波ACに変換するために、(一方又は両方のコネクタ内に)存在する。これは電力信号から無線チャネルへのクロストーク及び外乱を制限する。前記構成要素の最も論理的な場所は(複数の)コネクタ内にあるが、それらはケーブルユニット(の一部分)に亘って、例えば、ケーブルスリーブ内に一体化されたフレキシブルな箔の上に分散させられることもできる。
データ無線信号は、RFケーブル特性に一致する(match)よう、増幅され、再変調(トランスポンダ)され、バッファされ、或いは(能動的に)インピーダンス変換されてよい。代替的に、他の周波数帯域又はベースバンドへの変換は、例えば、USB、RS232又はTCP/IPのような、シリアルバスフォーマットへの変換によって、信号の完全性をより高めることがある。能動的な構成要素に電力供給するために、磁力の一部が使用される。
各コネクタは、それ自体がノードとして配置されて作用してよく、ペアリング及び磁気電力供給のための、特異な識別子、無線及びネットワークスタックを含む、患者ネットワークの一部分であってよい。無線信号を(例えば、デイジーチェーンにおいて)中継するために、或いは患者ネットワーク管理のための別個のチャネルを実装するために、追加的な無線機(radios)が追加されてよい。アクティブケーブルは、データ又は電力を一方向にのみ伝送してよい。故に、両方向に伝送するために、ケーブル又はより多くのケーブル当たりより多くのワイヤ対が必要とされることがある。
他のオプションによれば、光ドメインへのRF信号の変換が提供されてよく、それはデータの完全性における究極的なレベルを提供し、潜在的には、より薄いケーブルも可能にする。
明らかに、ケーブルユニットは、電力チャネル又はデータチャネルのみを含んでよい。
識別及びデータ管理のために、識別タグ(RFID)又は無線ユニットがケーブルユニット又はコネクタに追加されてよい。
好ましくは、ユーザの観点から、ケーブルユニットは、RFデータ及び電力を2つの方向に搬送可能でなければならない。これは、例えば、能動的な構成要素が適用される場合に、より多くのワイヤ対の使用を必要とすることがある。
図33は、この例では、例えば、混雑領域における)RF性能を向上させるために或いは電力供給又は充電の理由(即ち、モバイル使用のためのバッテリ容量の節約)のために必要とされるときにのみ、測定モジュール30(又はバッテリモジュール90)及び中央処理装置20を接続するための、低明瞭度環境におけるケーブルユニット500の使用を例示している。ケーブルのクラッタリングを防止するために、測定モジュールがチェーン内に接続されてよい。
システム、特に患者モニタリングシステム内のデバイスを接続して、それらの間のデータ及び/又は電力のワイヤレス交換を可能にするための、ケーブルユニット500’のより詳細な概略図が、図36に概略的に示されている。上記で説明したように、ケーブルユニット500’は、ケーブル510と、ケーブルの両端に配置されたコネクタ520、530とを含む。コネクタの各々は、対応コネクタを有するデバイスにデータを送信し且つ/或いはそのようなデバイスからデータから受信するためのデータ送信ユニット522、532と、誘導結合の使用によって対応コネクタを有するシステムの他のデバイスに電力を送信し且つ/或いはそのような他のデバイスから電力を受信するための磁気結合ユニット521、531とを含む。
ケーブルユニット500’は、ケーブル510の各端部に配置される(封止された)ハウジング523、533を更に含み、ケーブルのそれぞれの端に配置される1以上のコネクタ520、530が、ハウジング内に配置される。封止されたハウジングは、対応コネクタを有する他のデバイスへのケーブルユニット500’を積重ねを可能にするよう他のデバイスの文脈において本明細書に開示されるように構成されることが好ましい。
コネクタ及びその要素は、他のデバイス及び他の実施形態に関して上記で説明したように構成されてよい。これは、例えば、図10〜図15又は図17〜図28のいずれか1つに示されるように、本明細書に開示されるように構成されてよい、磁気結合ユニット521、531及びデータ送信ユニット522、532に特に当て嵌まる。
ケーブルユニット500’は、受信データのデータ処理、変換、及び/又は格納のための電子回路501を更に含んでよい。
更に、ケーブルユニット500’は、特に各コネクタ520、530は、図16に例示するように、(それおぞれのコネクタの)磁気結合ユニットと他のデバイスの磁気結合ユニットとの間の磁気結合の強度を検出するための検出ユニット524、534と、検出される磁気結合が第1の閾値を上回り且つ/或いはその増加が第2の閾値を上回るならば、(それぞれのコネクタの)データ送信ユニットを低電力モードに切り替え且つ/或いは(それぞれのコネクタの)磁気結合ユニットを有効にし、検出される磁気結合が第3の閾値を下回り且つ/或いはその減少が第4の閾値を上回るならば、(それぞれのコネクタの)データ送信ユニットを高電力モードに切り替え且つ/或いは(それぞれのコネクタの)磁気結合ユニットを無効にする、制御ユニット525、535とを含んでよい。
代替的なオプションとして、ケーブルユニット500’、特に各コネクタ520、530は、他のデバイスのケーブルユニットの近接性を検出するための(即ち、それらの間に小さな空気ギャップがあるか否かを検出するための近接性検出器526、536と、デバイスがケーブルユニットに近接していることが検出されるならば、(それぞれのコネクタの)それぞれのデータ送信ユニット522、532を低電力モードに切り替え且つ/或いは(それぞれのコネクタの)磁気結合ユニットを有効にし、如何なるデバイスもケーブルユニットに近接いないことが検出されるならば、(それぞれのコネクタの)データ送信ユニットを高電力モードに切り替え且つ/或いは(それぞれのコネクタの)磁気結合ユニットを無効にする、制御ユニット527、537とを含んでよい。そのような近接性検出器及び制御ユニットは、コネクタの他の実施形態及び本明細書に開示される他のデバイスにおいて使用されてもよい。
近接性検出の様々な方法、例えば、標準的なBluetooth(登録商標)、Bluetooth(登録商標) Low Energy(BTLE)及びWi−Fiのような、受信信号強度表示(RSSI)方法が使用されてよい。近接性検出の他の例示的な方法は、超広帯域(UWB)のような差動的方法(differential methods)、例えば、赤外(IR)波長超音波及びNFCで使用する光学的方法を含む。IRDA、UWB及びNFCのような近接性検出方法は、典型的には、標準的なデータ転送機構及び専有のデータ転送機構の両方を使用する。例において、近接性検出は、2つのデバイスが、例えば、他の距離が使用されてよいよう、互いに0.5mm+/−0.1mmの範囲内にあるときに起こることがある。
一般的に、他のデバイスへのデバイスの近接性を検出するための直接的又は間接的な手段が使用されてよい。「近接(proximate)」として検出され得る2つのデバイス間の実際の距離は、例えば、磁気設計に依存する。1つの基準は、磁気結合が90%よりも大きいか、又は好ましくは95%よりも大きいか、又は究極的には99%よりも大きいか否かであってよい。例示的な設計では、(2×0.25mmのプラスチックハウジングの故に)〜0.5mm+100μmの磁気距離が使用され、それは「近接近(close proximity)」として理解されてよい。しかしながら、特定の設計及び/又は用途に依存して、他の距離が使用されてよい。
最後に、各ハウジング523、533内で、第2のコネクタ540、550が、2つのデバイスにデータを同時に送信し且つ/或いは2つのデバイスからデータを同時に受信するように、及び/又は2つのデバイスに電力を同時に送信し且つ/或いは2つのデバイスから電力を同時に受信するように、構成されてよい。第2のコネクタ540、550は、一般的に、第1のコネクタ520、530と同じ方法において構成される。
提案するケーブルユニットは、測定モジュール及びモニタリングデバイスを相互に接続するために使用されてよい。図20A及び図20Cに示すように、デイジーチェーン及び星構成が可能である。ケーブルユニットは、横方向又は垂直方向に、互いに重なり合って、或いはそれらの間にある第3の構成要素を用いて結合されてよい。代替的に、分配ケーブルユニットが、構成要素を物理的に接続する複数の分枝を有してよい。
以下、デバイスのペアリングを説明する。
ペアリングの最初のオプションは、例えば、人の身体への測定モジュールの取付け中に、手動でペアリングを行うことである。デバイスを他のデバイスと物理的に近接近させることによって、識別子が交換され、それはデバイスがデバイスのネットワーク、例えば、患者ネットワークに追加されることを効果的に意味する。これは移動患者(mobile patients)のために測定モジュールの最初の取付け中に容易に達成される。
接続の順序は、一般的に重要でなく、ネットワークのあらゆるメンバーは、例えば、Bluetooth(登録商標)−LEのような、特定の規格内のマスタデバイスを介して、ネットワーク状態を通信して、更新することができる。デバイスに関する視覚的又は可聴情報は、その接続状態を示すことがある。それは、例えば、どのデバイスが患者ネットワークにペアリングされているかを示すことがあり、それは、例えば、移動患者の病院ネットワーク又は患者モニタへのRF接続性の喪失を示すことがある。そのような場合、患者ネットワークは、他の無線リンクに(自動的に又は手動で)再接続する必要がある。
関連付け機構(association mechanism)は、2つの条件が満たされるときに開始する。
1.二次コイル内の誘導電圧ならびに一次コイルの電流又はアセンブリの共振周波数から検出することができる磁気結合のレベルの増加。この条件が満たされるとき、RF無線機は互いに通信し始める(マスタデバイスを介してであり得る)。
2.受信RF信号の強度も所定のレベルを上回るとき、関連付けが開始する。代替的に、送信機アンテナインピーダンス(電圧定在波比VSWR、反射波)を偏向させることを、送信信号のRF吸収を示す追加チェックとして含めることができる。
この機構を繰り返すことは、患者ネットワークのメンバーシップを切り替える(toggles)。即ち、マスタデバイスは、特定の患者のネットワーク内のすべてのデバイスを知り、マスタデバイスは、参加すること(joining)及び離脱すること(leaving)を切り替える。ネットワークメンバーシップは、視覚的、触覚的、又は可聴アクチュエータ(例えば、LED、ディスプレイ、ブザー、ビーパ、バイブレータなど)によって示されてよい。加えて、機械的スイッチ又はキーボードコードを使用して、ネットワークから強制的に離脱してよい。
患者は、測定(又はセンサ)が正しい患者の正しい位置に取り付けられることを強制するために、余分な識別及び局所化手段として患者−ネットワーク機能性を含むギブスを有してよい。
ペアリングの第2のオプションは、図31に示すように、ケーブルユニット500の使用によって、不動にされた(例えば、OR又はICU)患者を患者ネットワークに接続することである。ケーブルユニットを測定モジュールとモニタリングデバイスとの間に短い時間に亘って接続することによって、磁気結合及びRF振幅は、特定のレベルより上に増大し、それはペアリング機構を始動させる。
ペアリングの第3のオプションは、非接触格納モジュールを使用することであり、それは患者ネットワーク内の構成要素間で識別子を転送するための中間格納コンテナとして使用されてよい。これは格納モジュール95を含むシステム14の第5の実施形態の概略図を示す図34に例示されている。非接触格納モジュール95を対応コネクタを有する他のコンポーネント20又は30に近接近させることによって、識別子が交換され、患者ネットワークを更新するために使用される。追加的な機械的押しボタン又は近接性検出器が使用して、交換を始動させてよい。好ましくは、曖昧さを避けるために、1つだけの識別子を格納し、転送し得る。
非接触格納モジュール95は、鉛筆、スマートカード、又は測定モジュールのような小さなボックスのフォームファクタ(形状因子)を有することができる。コネクタを含む他のデバイスと同様に、コネクタは、格納素子98の他に、磁気結合ユニット96と、対応コネクタを有する他のデバイスに結合するためのデータ送信ユニット97とを含む。
ペアリングの第4のオプションは、追加的なトリガ手段を使用することである。ペアリングプロセスを開始する条件として、(例えば、光学的、磁気的、超音波技術を用いる)近接性検出器又は押しボタンが追加されてよい。追加的なトリガ手段は、結合のレベルを検出するための構成要素を省略するために、余分な頑健性(robustness)層として有益である(例えば、RF又は磁気結合測定はない)。更に、鉛筆のようなデバイスの場合、RFアンテナ及びコイルは、先端に配置されてよい。最大結合は、関連付けプロセスを引き起こすための所定の閾値を下回ってよい。
デバイスと、システムの、特に患者モニタリングシステムの他のデバイスとの間のデータ及び/又は電力のワイヤレス伝送のためのデバイス600のより詳細な概略図が、図37に示されている。デバイス600は、ペアリングのために上述のアプローチを適用するように構成され、コネクタ602及びデバイスの特異な識別子を格納する識別ユニット601を含む。コネクタ602は、対応コネクタを有するシステムの他のデバイスにデータを送信し且つ/或いはそのような他のデバイスからデータを受信するように構成されるデータ送信ユニット603と、誘導結合の使用によって対応コネクタを有するシステムの他のデバイスに電力を送信し且つ/或いはそのような他のデバイスから電力を受信する磁気結合ユニット604と、磁気結合ユニットと他のデバイスの対応コネクタの磁気結合ユニットとの間の磁気結合の強度を検出し、データ送信ユニットが他のデバイスのデータ送信ユニットから受信するデータの強度を検出する、検出ユニット605とを含む。
デバイス600は、a)受信データの検出強度がデータ強度増加閾値を上回り且つ/或いはその増加がデータ強度増加閾値を上回るならば並びにb)検出磁気結合が磁気結合閾値を上回り且つ/或いはその増加が磁気結合増加閾値を上回るならば、データ送信ユニット603を制御して、デバイスの特異な識別子を他のデバイスに送信し且つ/或いは他のデバイスの特異な識別子を受信する、制御ユニット606を更に含む。
デバイス600は、データ送信ユニットが受信する他のデバイスの特異な識別子を格納する格納ユニット607を更に含んでよい。
制御ユニット606は、a)受信データの検出強度がデータ強度閾値を上回り且つ/或いはその増加がデータ強度増加閾値を上回るならば並びにb)検出磁気結合が磁気結合閾値を上回り且つ/或いはその増加が磁気結合増加閾値を上回るならば、データ送信ユニットを制御して、格納ユニットに格納される他のデバイスの特異な識別子を追加的に送信し且つ/或いは他のデバイスの特異な識別子を受信する、ように構成されてよい。
検出ユニット605は、磁気結合の強度を検出するためのインピーダンス、共振周波数及び/又は誘導電圧を検出するように構成されてよく、且つ/或いは受信データの強度を検出するためのデータ送信ユニットのアンテナの信号強度及び/又はアンテナインピーダンスを検出するように構成されてよい。磁気結合の強さを、しばしば、磁気結合係数k(0≦k≦1)と呼ぶ。
構成要素が既に接続されている場合、これは電力及び強力なRF信号の利用可能性から明らかである。新しい構成要素の取付けは、磁気結合(及び任意的にデータ送信のために使用されるRF信号)の増加を確認するポーリング機構を使用することによって検出されてよい。構成要素を切断することの検出は、逆のプロセス、即ち、例えば、インピーダンス、共振周波数及び/又は誘導電圧(及び任意的にRF信号)の使用によって磁気結合の強さの減少を測定するポーリング機構によって行われてよい。任意的に、RF信号強度が追加的に測定されてよい。
一般的に、特異な識別子の第1の送信は、デバイスをシステムと結合する要求として解釈され、特異な識別子の第2の送信は、デバイスをシステムから分離する要求として解釈される。
デバイスは、システムとデバイスの結合の結合状態を示すインジケータ608、具体的には、視覚的、触覚的又は可聴インジケータを更に含んでよい。
その上更に、デバイスは、ユーザが結合若しくは分離要求メッセージの送信又は特異な識別子の送信を開始することを可能にする、ユーザインタフェース609を含んでよい。
その上更に、デバイスは、他のデバイスに対するデバイスの近接性を検出する近接性検出器610を含んでよく、制御ユニットは、他のデバイスに対するデバイスの追加的な近接性が検出されるならば、データ送信ユニットを制御して、デバイスの特異な識別子を他のデバイスに送信し、且つ/或いは他のデバイスの特異な識別子を受信する。近接性検出器は、他の実施形態に関して上記で説明したように構成されてよい。
コネクタ602及びその要素は、他のデバイス及び他の実施形態に関して上記で説明したように構成されてよい。これは、本明細書に開示するように、例えば、図10〜図15又は図17〜図28のうちのいずれか1つに示すように構成されてよい、磁気結合ユニット604及びデータ送信ユニット603に特に当て嵌まる。
最後に、デバイス600は、データを生成し且つ/或いは受信するためのデータユニット611、及び/又は電力を供給し且つ/或いは消費するための電力ユニット612とを更に含んでよい。
開示のアーキテクチャでは、如何なる更なる処理をも伴わずに(再変調を伴わずに)、電源(バッテリ/ケーブル)から積み重ねられたモジュールにAC電力を通過させることが予想される。よって、電力信号の周波数は、全てのモジュールにおいて常に利用可能であり、タイミングペース(timing pace)を局所的(ローカル)に導き出すマスタクロックとしての機能を果たすことがある。加えて、モジュール(測定モジュール、ケーブルモジュール、バッテリモジュール)を積み重ねられるときの瞬間は、モジュール間の相対時間を(再)設定するための一回限りのトリガである。明らかに、無線チャネルは、一回限りのトリガ信号を生成するために使用されてもよい。この着想を以下に更に記載する。
図38A及び図38Bは、本発明に従ったデバイスの第1の実施形態の異なる図、具体的には、バッテリモジュール700aの頂面図(図38A)及び側面図(図38B)を示している。図39A及び図39Bは、本発明に従ったデバイスの第2の実施形態の異なる図、具体的には、測定モジュール700bの頂面図(図39A)及び側面図(図39B)を示している。図40A及び図40Bは、本発明に従ったデバイスの第3の実施形態の異なる図、具体的には、ケーブルモジュール700cの頂面図(図40A)及び側面図(図40B)を示している。
図38、図39及び図40に示す異なるモジュール700a、700b、700cは、それぞれ、コネクタ701を含む。コネクタ701は、対応コネクタを有するシステムの他のデバイス700a、700b、700cにデータを送信し且つ/或いはそのような他のデバイスからデータ受信するように構成されるデータ送信ユニット703と、高周波電力信号を使用する誘導結合の使用によって対応コネクタを有するシステムの他のデバイス700a、700b、700cに電力を送信し且つ/或いは電力を受信する磁気結合ユニット702、704とを含む。コネクタ701とのシステムの他のデバイスの対応コネクタの結合を検出するために、検出ユニット705が提供される。制御ユニット707は、システムの他のデバイスの対応コネクタがトリガとしてコネクタ701と結合されていることの検出を使用して、磁気結合ユニット702、704及び対応コネクタの磁気結合ユニットの高周波電力信号を使用して並びに/或いは相対時間差を決定し且つ/或いは再設定(リセット)するための受信時間較正信号を使用してデバイスによって使用されるクロック信号と他のデバイスのクロック信号との間の相対時間差を決定し且つ/或いは再設定する。
ある実装において、モジュール700a、700b、700cは、それぞれ、(誘導電力伝送のための)コイル704と、(複数の)安定電圧及び発電のための整流区画及びコンバータと、少なくとも1つの無線機(BT4、BLE、Wi−Fi、ZigBeeなど)とを含む。バッテリモジュール700aのバッテリ706を非接触式に充電し且つ放電することができる。デバイスが近接近しているときにデバイスが結合される実施形態を先ず記載する。
バッテリモジュール700aが(無線機又はNFC又はモジュール検出によって)患者モニタにワイヤレス接続されるとき、モニタのタイムスタンプ及び患者IDがバッテリモジュール700aに割り当てられる。次に、モジュール700a、700b内のコイル704が整列させられ、近接近するように、(例えば、ECGのための)測定モジュール700bがバッテリモジュール700aに追加される。(整列精度はコイル使用の種類に依存し、空気コイルについて、要求は(例えば、mm〜cmの範囲内に)緩和され、高い透磁率を備えるコイルについて、整列はmm未満範囲(sub mm range)内にある)。ここで、電力は、モジュール700a、700bの間で移転されることができ、第2のモジュールの存在は、第1のモジュールによって検出される。
この検出は、磁気的、電気的又は光学的手段のいずれかによって行われることができる。モジュールの検出の時間は、タイムスタンプとして使用されることができ、ワイヤレスシステムのマスタデバイス(この例では、バッテリモジュール700a)内に格納されることができる。電力伝送のために、100kHzのオーダの周波数を備えるAC信号が使用されてよい。この電力信号は、モジュール700a及び700bについて同一であるので、それは、例えば、単純なカウンタを使用することによって、相対時間測定値としての機能を果たすことができる。この周波数におけるドリフトは、絶対時間について重要であるが、1サイクル内でモジュールについて同じである(<10μs誤差)相対時間について重要でない。
第2の測定モジュールを追加することは、例えば、このモジュールをバッテリモジュール又は第1の測定モジュール700bの上に積み重ねることによって、第1の測定モジュールのためと類似の方法において行われることができる。第2の測定モジュールの検出のために同じ積重ね検出機構が利用されることができ、これは第2の測定モジュールのための第3のタイムスタンプとしての機能を果たすことができる。再度このタイムスタンプ番号3をマスタデバイス(ここではバッテリモジュール700a)内に格納することができる。
データは、(複数の)測定モジュールからバッテリモジュールに、そして、バッテリモジュールを介してモニタにワイヤレスに送信される(モニタに直接的に送信されることもできる)。データブロックは、測定の種類の情報、チャネル情報、測定設定(信号処理遅延)に関する情報、タイムスタンプ、及び第1測定バイトの(相対時間)カウンタ値の情報を含む。データを、例えば、4つのブロック内に提出することができ、各ブロックは、ID、情報、測定データ、(心拍数、SpO2値などのような)パラメータから部分的に構成される20バイトを含む。データは、モニタ内で受信され、データは、モニタで更に処理されて、より複雑なパラメータが抽出されてよく、波形及びパラメータがディスプレイにプロットされてよい。
図39A及び図39Bに示すように、測定モジュール700bは、第3のデバイス810、例えば、対応ガルヴァーニ電気接続ユニット811を有するセンサへの、測定モジュール700bのガルヴァーニ電気結合のためのガルヴァーニ電気接続ユニット709を更に含む。更に、デバイスを1以上のセンサ810に接続して1以上の生理学的センサ信号を受信するために、患者側接続ユニット708が設けられてよい。センサ810は、例えば、リード線812を介して(センサコネクタとも呼ぶ)対応ガルヴァーニ電気接続ユニット811に接続されるセンサ素子813(例えば、ECG電極)を含むECGセンサであってよい。
ケーブルモジュール700cは、ケーブルモジュール700cを他のモジュール又はモニタと結合するために他の端(図示せず)に(コネクタ701のような)他のコネクタを備える、ケーブル710を更に含む。
他の好ましい実施形態において、1つのバッテリモジュールは、本体上の異なる場所にある測定モジュールの少なくとも2つのスタックに電力供給する。再び、1つの共通電力信号がタイミングペースを指示し、積重ね検出又は無線メッセージは、相対時間差の一回限りのトリガ(再)設定に使用される。図41は、本発明に従った異なるデバイスを含むシステムの第1の実施形態の概略図を示している。この実施形態において、システムには1つだけのバッテリモジュール700aがある。(各々がそれぞれのセンサ810a、810bに接続される)2つの測定モジュール700b1、700b2の第2の測定モジュール700b2は、バッテリモジュール700aと測定モジュール700b2との組み合わせに接続される(各端にコネクタ701を有する)データ/電力ケーブルモジュール700cによって電力供給される。
バッテリモジュール700a及び第1の測定モジュール700b2は、図38〜図40を参照して上述したのと同じ方法において、モニタに並びに互いにペアリングされる。第2の測定モジュール700b1は、無線信号及び電力の二方向伝送を有することができる遮蔽されたケーブルモジュール700cを介してバッテリモジュール700aに接続される。タイムスタンプ2を与える上述と同じ方法において部位1及び部位2におけるケーブルモジュール700cの検出を行うことができる。マスタ内の無線機を使用して、絶対時間較正のために2つのデバイスにメッセージを送信することができる(これは積重ね検出から得られるタイムスタンプに取って代わることもできる)。再び、電力信号は、測定モジュール及びバッテリモジュールの両方について同一であるので、測定データの正確な相対時間が得られる。
他の好ましい実施形態では、少なくとも2つのバッテリモジュール700a1、700a2が、ケーブルモジュール700cによって接続された本体上の異なる場所にある測定モジュール700b1、700b2の少なくとも2つのスタックに接続される。そのような実施形態は、本発明に従った異なるデバイスを含むシステムの第2の実施形態の概略図を示す図42に例示されている。
2つのオプションがある。即ち、1つのバッテリモジュールのみが、測定モジュールの全てのスタックに電力供給することが可能にされて、タイミングペースを指示し(dictates)、或いは各スタックは、それ自体のバッテリモジュールによって電力供給され、ケーブルモジュールは、1つのスタックから他のスタックに電力信号(電力ではない)を分配して、タイミングペースを指示する。
システム内には1つよりも多くのバッテリモジュールがあるので、この実施形態は、図41に示す実施形態と異なる。これはシステムを複雑にする。何故ならば、今や位相及び周波数が異なる2つの異なる電力信号があるからである。両者は温度変化などの故に異なる方法で変化し得る。ケーブルを両方のデバイスに適用して、新しい共通タイムスタンプを付与することができる。2つのバッテリモジュール700a1、700a2のうちの1つのスイッチはオフにされる(即ち、最大の残留エネルギを有するものであり得る)。故に、システム内にはアクティブな1つのバッテリモジュールがあるだけである。この場合、相対時間測定は、上記2つの実施形態と類似する。バッテリエネルギが所定のレベル(即ち、30%)を下回るとき、このバッテリモジュールのスイッチをオフにすることができ、他のバッテリモジュールが引き継ぐ。これは新しいタイムスタンプであり、今や第2のバッテリモジュールの電力クロック信号が相対時間のために使用される。
図43は、本発明に従った異なるデバイスを含むシステムの第3の実施形態の概略図を示している。この実施形態では、複数のノードが存在し、各ノードは、個別のバッテリモジュール700a1、700a2によって電力供給される。実際上の理由から、図42に示す実施形態におけるようなモジュール間のケーブルの継続的な使用は可能でない(即ち、移動患者)。ケーブルを短い時間に亘って使用してタイムスタンプを生成することができる。バッテリモジュール700a1、700a2は、それぞれ、わずかに異なる可変周波数を有するので、厳しい相対時間要件を満たすことはできない。
可能な方法は、各モジュールがこのマスタクロックから時間を決定するように、(無線、光学音声(optical sound)であってもよい)マスタクロック信号を使用する。これはコストを上昇させる追加的なハードウェアを必要とする。他の方法は、無線機のうちの1つをマスタとして使用して、マスタにスレーブへの共通の短いメッセージを放出させてタイムスタンプを生成することである。各モジュール内で受信されるメッセージの時刻は同一の遅延を有し、この時刻は、タイムスタンプとしての機能を果たすことができる。典型的な電力クロックの安定性は、約100ppmであり、100ppmのドリフトが数秒の期間内に発生すると仮定すると、このタイムスタンプは、0.1ms未満の誤差で毎秒繰り返される。これは、データ転送速度を低下させ且つ電力消費を増加させ得る、頻繁な無線接触を必要とする。好ましい方法を以下に記載する。
心拍に関連する信号(ECG、IBP、SpO2)のために最大の時間同期が必要とされる。心拍数は、各測定の内部クロックをシステム内の1つのマスタクロックに較正する独立クロックとして使用することができる患者特異なパラメータである。心拍数は、特定の時間間隔(例えば、数分)に亘って可変であり且つ特異であることに留意のこと。例えば、数分の期間に亘る平均心拍数を比較することによって或いは拍動毎パターンを比較すること(自己相関)によって、生理学的信号及びその変動を正確なクロック較正のために使用することができる。
他の実施形態では、幾つかの測定モジュール及びモニタへの1つのケーブルを備えたベッドサイド容器モジュールが提供される。これは幾つかの測定モジュールを含む1つのモジュールである。電力クロックは、各測定モジュールについて同一である。それは測定値の挿入時に自動的に検出され、タイムスタンプが検出時に生成される。モジュールはケーブルを介してモニタに接続されるので、モニタ機器からのシステム時間を絶対時間のために使用することができる。
他の実施形態において、心拍数はペースを指示する共通クロックとして使用されてよい。実質的に全ての測定値(SpO2、ECG、NIBP、侵襲性温度など)が患者の局所的心拍も決定し、それは測定間の相対的タイミングのペースを指示するグローバルクロック信号(global clock signal)として使用されることができる。例えば、各測定の内側でローカルPLL又はFLL機能性によってタイミングノイズを平滑化することができる。
更に他の実施形態は、局所的補正を使用する。この実施形態では、あらゆるモジュールは、タイミングを決定するために、その独自の水晶クロックを有する。最初に、(先の実施形態に記載したような)モジュールを接続することによって、分散マスタクロックに対する各結晶の偏差(deviations)を計算することができる。次に、モジュールを切断し、前記偏差を使用してタイミングを相応して補正する。これは結晶クロックの温度ドリフトがそれらの全部について等しく、ドリフト速度変動が小さいと仮定する。
他の実施形態によれば、電力パルスカウンタ(power pulse counter)を時折サンプリングすることによって、同期が達成される。この実施形態では、各モジュールは、(その)入力/出力電力変圧器(の各々の入力/出力電力変圧器)での電力パルス数を単に継続的にカウントする。各カウンタは、モジュールの出力が上げられるとき及び/又はその対応する電力信号が中断されるとき及び/又は他の外部的に生成される同期事象で、ゼロに再設定される。この機構は、一部の場合には単一のモジュール内の2つのカウンタが(次の実施形態で議論されるべき)異なる値を有することがあるとしても、2つの積み重ねられたモジュールによって形成される変圧器の両側のカウンタ値が常に同一であることを保証する。モジュールは、今や、時折、その内部タイムスタンプと共にカウンタ値を登録する。この情報は、パケット化されたデータリンクを備える2つのユニット間の同期交換に極めて類似する。カウンタが極めて広い範囲を持つ必要はない。Plomp et al.のConsiderations for Synchronization in Body Area Networks for Human Activity Monitoring, Int J Wireless Info Networks 18 (2011): 280-294のSection 4.3に記載されているような同期アルゴリズムは、モジュール自体又は情報を収集する中央受信ユニットのいずれかの内に、極めて低リソースで実装されることができ、電力信号とモジュールの内部クロックとの間の位相及び周波数関係を正確に再構成するのに十分である。
他の実施形態において、局所的同期は、チェーン内でリンクされる。この実施形態では、複数のモジュールを通過する単一の電源から来る単一の電力拍動信号(power beat signal)の必要はない。各モジュールは、入って来る電力信号を次の隣接物に送るか、或いは(隣接物が既に電力供給されており、他の側からモジュールを供給しようとしているので)それを遮断(ブロック)するか、或いは異なる周波数及び位相を備える新しい電力信号を再生するかを決定することができる。どのモジュール/側がどの隣接モジュール/側と直接電力接続を共有するかをシステムが知っていると仮定すると、全ての隣接するモジュールクロック間の相対的な位相及び周波数の関係を以下の方法で再構成することができる。
1.モジュールの内部クロックと両側での電力信号との間の位相及び周波数の関係を、例えば、先の実施形態で記載したで再構成する。
2.2つの積み重ねられたモジュールによって形成される変圧器の両側での電力信号は常に同一であり、隣接するモジュール間の相対的な位相及び周波数の関係を今や確立することもできる。
図44A及び図44Bは、本発明に従ったデバイスの第4の実施形態の異なる図、具体的には、モジュール700dの頂面図(図44A)及び側面図(図44B)を示している。モジュールは、システムの他のデバイスの対応コネクタがコネクタ702と結合されたことの検出の瞬間をタイムスタンプとして格納するための格納ユニット711を含む。その場合、データ送信ユニット703は、システムのマスタデバイス内の格納のために、デバイスによって使用されるクロック信号と他のデバイスのクロック信号との間の決定された相対な差及び/又はタイムスタンプを他のデバイスに送信してよい。
更に、この実施形態において、モジュール700dは、モジュールによって使用されるクロック信号を生成するためのクロックユニット712を更に含む。更に、高周波電力信号のパルス数をカウントするために、カウンタ713が設けられてよく、カウントされる数は、モジュールによって使用されるクロック信号を較正するために使用される。カウンタは、デバイスが他のデバイスに結合されるときに又は他のデバイスから分離されるときに、或いは誘導結合が中断されるときに又は外部同期イベントが検出されるときに、ゼロに再設定されてよい。
図45は、本発明に従った異なるデバイスを含むシステムの他の実施形態の概略図を示している。具体的には、ワイヤレスに接続されてよいバッテリモジュール700a及びモニタ800が示されている。モニタ800は、データ送信ユニット803及び磁気結合ユニット802、804を含む、コネクタ701と互換性のあるコネクタを含む。
図46は、本発明に従った異なるデバイスを含むシステムの更に他の実施形態の概略図を示している。具体的には、例えば、測定モジュール700bによって使用されるクロック信号を較正するために第3のデバイス820からマスタクロック信号を受信するようにガルヴァーニ電気結合される、対応ガルヴァーニ電気接続ユニット821を含む第3のデバイス820及び測定モジュール700bが提供される。
本発明の1つの主な利点は、全ての患者モニタリング用途に概ね役立つことがある汎用アプローチが提供されることであり、それはコストを減少させる努力において達成する重要な要因である。更なる利点は、ワイヤレス測定のための既存の接続規格への直接的な準拠及びモジュール性(modularity)である。
本発明の用途は、患者のモニタリングに限定されず、例えば、自動車又は牛飼育(マルチウシ(multi-cows)に接続された中央搾乳機)において共通の実体に接続されるモジュール(センサ、アクチュエータ)を相互に隔離するよう拡張されることができる。更に、本発明は、ほんの一例として理解されるべきアンテナ又はコイルの明示的に開示された種類、形態及び数に限定されない。開示の実施形態において使用されるコンポーネントは、Qi規格又は他のワイヤレス電力規格に準拠するように構成されてもよく、技術的観点から可能であれば、Qi規格に準拠する標準構成要素が、本発明に従った単一の構成要素のために使用されてもよい。更に、デバイスは、垂直及び水平積重ねのための手段を含んでよく、それぞれの方向における連結のための対応する結合手段を含んでよい。即ち、デバイスは、例えば、図25A及び図26Aに示すようなコネクタの組み合わせを含んでよい。
信号間の時間同期が厳しい限界を満たす必要がある、誘電縁絶された着用可能なバイタルサインワイヤレスセンサデバイスのために、本発明を適用することができる。潜在的な用途は、患者モニタリング、低明瞭度モニタリング、ウエアラブル、持続的血圧(continuous blood pressure)などにある。
本発明を図面及び前述の記述中に例示し且つ詳細に記載したが、そのような例示及び記述は、例示的又は説明的と考えられるべきであり、限定的でない。即ち、本発明は、開示の実施形態に限定されない。請求項に係る発明を実施する当業者は、図面、本開示、及び添付の請求項の研究から、開示の実施形態に対する他の変形を理解して実施することができる。
請求項において、「含む」という用語は、他の要素又はステップを排除せず、単数形の表現は、複数を排除しない。単一の要素又はその他のユニットが請求項に列挙される幾つかの品目の機能を充足することがある。特定の手段が相互に異なる従属項において引用されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせを有利に使用し得ないことを示さない。
請求項中の如何なる参照符号も、それらの範囲を限定するものと解釈されてならない。