JP6824550B2 - 腸内細菌の検査法 - Google Patents

腸内細菌の検査法 Download PDF

Info

Publication number
JP6824550B2
JP6824550B2 JP2020527241A JP2020527241A JP6824550B2 JP 6824550 B2 JP6824550 B2 JP 6824550B2 JP 2020527241 A JP2020527241 A JP 2020527241A JP 2020527241 A JP2020527241 A JP 2020527241A JP 6824550 B2 JP6824550 B2 JP 6824550B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
health
abundance ratio
butyric acid
producing bacteria
group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2020527241A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2020003733A1 (ja
Inventor
綾 竹田
綾 竹田
諭史 渡辺
諭史 渡辺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Cykinso Inc
Original Assignee
Cykinso Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Cykinso Inc filed Critical Cykinso Inc
Publication of JPWO2020003733A1 publication Critical patent/JPWO2020003733A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6824550B2 publication Critical patent/JP6824550B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G16INFORMATION AND COMMUNICATION TECHNOLOGY [ICT] SPECIALLY ADAPTED FOR SPECIFIC APPLICATION FIELDS
    • G16HHEALTHCARE INFORMATICS, i.e. INFORMATION AND COMMUNICATION TECHNOLOGY [ICT] SPECIALLY ADAPTED FOR THE HANDLING OR PROCESSING OF MEDICAL OR HEALTHCARE DATA
    • G16H10/00ICT specially adapted for the handling or processing of patient-related medical or healthcare data
    • G16H10/20ICT specially adapted for the handling or processing of patient-related medical or healthcare data for electronic clinical trials or questionnaires
    • GPHYSICS
    • G16INFORMATION AND COMMUNICATION TECHNOLOGY [ICT] SPECIALLY ADAPTED FOR SPECIFIC APPLICATION FIELDS
    • G16HHEALTHCARE INFORMATICS, i.e. INFORMATION AND COMMUNICATION TECHNOLOGY [ICT] SPECIALLY ADAPTED FOR THE HANDLING OR PROCESSING OF MEDICAL OR HEALTHCARE DATA
    • G16H50/00ICT specially adapted for medical diagnosis, medical simulation or medical data mining; ICT specially adapted for detecting, monitoring or modelling epidemics or pandemics
    • G16H50/30ICT specially adapted for medical diagnosis, medical simulation or medical data mining; ICT specially adapted for detecting, monitoring or modelling epidemics or pandemics for calculating health indices; for individual health risk assessment

Landscapes

  • Medical Informatics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Primary Health Care (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Data Mining & Analysis (AREA)
  • Databases & Information Systems (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Medical Treatment And Welfare Office Work (AREA)
  • Coloring Foods And Improving Nutritive Qualities (AREA)

Description

本発明は、腸内細菌の検査法に関し、より詳細には、ユーザごとに健康感を判定し、判定結果に応じて適切な食事及び/又は機能性素材を提案する情報処理装置、方法、及びプログラムに関する。
近年、人の腸内細菌叢(腸内フローラ)は免疫や生活習慣との関わりから、個人の体質や健康状態、ひいては疾患のリスクまでをも示唆する可能性を持つものとして注目されている。
摂取する食品の内容によって、腸内細菌のバランスが変化することがある。例えば、一般的に野菜を中心とした食物繊維の多い食品をとることで、腸内環境を改善し、健康増進を図ることができると考えられている。
食品に加えて、サプリメントを摂取することで腸内環境を改善することも行われる。販売されている多種類のサプリメント類の中から自己が摂取するものを選択する際に、ユーザは、効果に個人差があることを考慮してサプリメントを選択することはあまりない。この要望に対し、サプリメント効果の個人差を考慮して、ユーザごとに適切なサプリメントを提案する技術が存在する(特許文献1)。
特開2018−49645号公報に記載の情報処理装置は、ユーザの情報を取得し、ユーザに1種類以上の乳酸菌を含む機能性素材の情報を提示し、複数ユーザの腸内細菌叢に関する情報に基づきグループに分類し、ユーザと同一グループに分類された別のユーザが機能性素材を摂取した後に取得した情報と、対象ユーザが以前に行った機能性素材に対する評価に基づき、ユーザに機能性素材の情報を提示するものである。
特開2018−49645号公報に記載の情報処理装置は、ユーザのアンケート結果を分析し、その結果に基づきユーザに適切な機能性素材を提案するものであるが、ユーザの健康感と腸内環境との間の相関関係を考慮したものではない。
一般的に健康長寿な人は、自身が健康であり、日常生活の中で制限を感じずに生活できていることが多い。人の健康感と腸内環境との間の相関関係を見つけることで、人の腸内環境の改善から健康感を向上(即ち、フレイルを改善)させ、ひいては健康長寿に資することができると考えられる。
そこで本発明は、ユーザの腸内環境、特にヒト常在細菌の状態に基づき、健康感の向上(即ち、フレイルの改善)に資する食品及び/又は機能性素材を提案する情報処理装置、方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
本発明には以下の実施形態が含まれる。
〔1〕
N人(Nは2以上の整数を表す。)のユーザに関するヒト常在細菌データ及びアンケートデータを取得する情報取得部であって、前記ヒト常在細菌データは、酪酸産生菌の存在比率に関する情報を含み、前記アンケートデータは、ユーザの健康感に関する情報を含む、前記情報取得部と、
前記N人のユーザの中からユーザに関する条件に合致するM人(Mは2以上N以下の整数を表す。)のユーザそれぞれについて、ヒト常在細菌データ及びアンケートデータを抽出する菌叢データ抽出部と、
前記M人のユーザそれぞれのアンケートデータに基づき、前記M人のユーザを健康感が高い群と健康感が低い群とに分類し、前記健康感が高い群に属するユーザの酪酸産生菌の存在比率及び/又は前記健康感が低い群に属するユーザの酪酸産生菌の存在比率に基づき、酪酸産生菌の存在比率に関する閾値を設定する閾値設定部と、
前記ユーザに関する条件に合致する調査対象のユーザ(対象ユーザ)の酪酸産生菌の存在比率が前記閾値未満である場合、前記対象ユーザの健康感が低いと判定し、前記閾値以上である場合、前記対象ユーザの健康感が高いと判定する健康感判定部と、
前記判定結果に応じて、前記対象ユーザに対する、酪酸産生菌の存在比率の維持及び/又は増加に資する食品及び/又は機能性素材の摂食に関する提案を生成する提案生成部と
を備えた情報処理装置。
〔2〕
前記閾値は、(i)前記健康感が高い群に属するユーザの酪酸産生菌の存在比率の平均値若しくは最低値、(ii)前記健康感が低い群に属するユーザの酪酸産生菌の存在比率の最高値、90%点の値、若しくは平均値、または、(iii)前記健康感が高い群に属するユーザの酪酸産生菌の存在比率の平均値と前記健康感が低い群に属するユーザの酪酸産生菌の存在比率の平均値との間の平均値である、上記〔1〕に記載の装置。
〔3〕
前記酪酸産生菌の存在比率は、ブチリシコッカス(Butyricicoccus)属細菌及び/又はフィーカリバクテリウム(Faecalibacterium)属細菌の存在比率である、上記〔1〕又は〔2〕に記載の装置。
〔4〕
前記酪酸産生菌の存在比率の増加に資する食品及び/又は機能性素材の摂食に関する提案は、緑黄色野菜の積極的摂取、シンバイオティクスの実践、プロバイオティクスの実践、プレバイオティクスの実践、納豆及び豆腐・豆乳等の積極的摂取、可溶性コーンファイバーの積極的摂取、並びに地中海食の積極的摂取からなる群から選ばれる少なくとも1つを含む、上記〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載の装置。
〔5〕
前記ユーザに関する条件は、ユーザの所定の年齢範囲及び/又は性別である、上記〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載の装置。
〔6〕
上記〔1〕〜〔5〕のいずれか1項に記載の情報処理装置による、食品及び/又は機能性素材に関する提案を実施する方法であって、
調査対象のユーザ(対象ユーザ)に関するヒト常在細菌データに関する情報を受信するステップであって、前記ヒト常在細菌データは、酪酸産生菌の存在比率に関する情報を含む、ステップと、
前記対象ユーザの酪酸産生菌の存在比率が前記閾値未満である場合、前記対象ユーザの健康感が低いと判定し、前記閾値以上である場合、前記対象ユーザの健康感が高いと判定するステップと、
前記判定結果に応じて、前記対象ユーザに対する、酪酸産生菌の存在比率の維持及び/又は増加に資する食品及び/又は機能性素材の摂食に関する提案を生成するステップと
を具備する前記方法。
〔7〕
酪酸産生菌の存在比率の増加に資する食品及び/又は機能性素材に関する提案を実施する方法であって、
コンピュータにより、N人(Nは2以上の整数を表す。)のユーザに関するヒト常在細菌データ及びアンケートデータを取得するステップであって、前記ヒト常在細菌データは、酪酸産生菌の存在比率に関する情報を含み、前記アンケートデータは、ユーザの健康感に関する情報を含む、ステップと、
コンピュータにより、前記N人のユーザの中からユーザに関する条件に合致するM人(Mは2以上N以下の整数を表す。)のユーザそれぞれについて、ヒト常在細菌データ及びアンケートデータを抽出するステップと、
コンピュータにより、前記M人のユーザそれぞれのアンケートデータに基づき、前記M人のユーザを健康感が高い群と健康感が低い群とに分類し、前記健康感が高い群に属するユーザの酪酸産生菌の存在比率及び/又は前記健康感が低い群に属するユーザの酪酸産生菌の存在比率に基づき、酪酸産生菌の存在比率に関する閾値を設定するステップと、
コンピュータにより、前記ユーザに関する条件に合致する調査対象のユーザ(対象ユーザ)の酪酸産生菌の存在比率が前記閾値未満である場合、前記対象ユーザの健康感が低いと判定し、前記閾値以上である場合、前記対象ユーザの健康感が高いと判定するステップと、
コンピュータにより、前記判定結果に応じて、前記対象ユーザに対する、酪酸産生菌の存在比率の増加に資する食品及び/又は機能性素材の摂食に関する提案を生成するステップと
を具備する前記方法。
〔8〕
前記閾値は、(i)前記健康感が高い群に属するユーザの酪酸産生菌の存在比率の平均値若しくは最低値、(ii)前記健康感が低い群に属するユーザの酪酸産生菌の存在比率の最高値、90%点の値、若しくは平均値、または、(iii)前記健康感が高い群に属するユーザの酪酸産生菌の存在比率の平均値と前記健康感が低い群に属するユーザの酪酸産生菌の存在比率の平均値との間の平均値である、上記〔7〕に記載の方法。
〔9〕
前記酪酸産生菌の存在比率は、ブチリシコッカス(Butyricicoccus)属細菌及び/又はフィーカリバクテリウム(Faecalibacterium)属細菌の存在比率である、上記〔7〕又は〔8〕に記載の方法。
〔10〕
前記酪酸産生菌の存在比率の増加に資する食品及び/又は機能性素材の摂食に関する提案は、緑黄色野菜の積極的摂取、シンバイオティクスの実践、プロバイオティクスの実践、プレバイオティクスの実践、納豆及び豆腐・豆乳等の積極的摂取、可溶性コーンファイバーの積極的摂取、並びに地中海食の積極的摂取からなる群から選ばれる少なくとも1つを含む、上記〔7〕〜〔9〕のいずれか1項に記載の方法。
〔11〕
前記ユーザに関する条件は、ユーザの所定の年齢範囲及び/又は性別である、上記〔7〕〜〔10〕のいずれか1項に記載の方法。
〔12〕
コンピュータを、
N人(Nは2以上の整数を表す。)のユーザに関するヒト常在細菌データ及びアンケートデータを取得する情報取得部であって、前記ヒト常在細菌データは、酪酸産生菌の存在比率に関する情報を含み、前記アンケートデータは、ユーザの健康感に関する情報を含む、前記情報取得部と、
前記N人のユーザの中からユーザに関する条件に合致するM人(Mは2以上N以下の整数を表す。)のユーザそれぞれについて、ヒト常在細菌データ及びアンケートデータを抽出する菌叢データ抽出部と、
前記M人のユーザそれぞれのアンケートデータに基づき、前記M人のユーザを健康感が高い群と健康感が低い群とに分類し、前記健康感が高い群に属するユーザの酪酸産生菌の存在比率及び/又は前記健康感が低い群に属するユーザの酪酸産生菌の存在比率に基づき、酪酸産生菌の存在比率に関する閾値を設定する閾値設定部と、
前記ユーザに関する条件に合致する調査対象のユーザ(対象ユーザ)の酪酸産生菌の存在比率が前記閾値未満である場合、前記対象ユーザの健康感が低いと判定し、前記閾値以上である場合、前記対象ユーザの健康感が高いと判定する健康感判定部と、
前記判定結果に基づき、前記対象ユーザに対する、酪酸産生菌の存在比率の増加に資する食品及び/又は機能性素材の摂食に関する提案を生成する提案生成部と
して機能させるためのプログラム。
〔13〕
前記閾値は、(i)前記健康感が高い群に属するユーザの酪酸産生菌の存在比率の平均値若しくは最低値、(ii)前記健康感が低い群に属するユーザの酪酸産生菌の存在比率の最高値、90%点の値、若しくは平均値、または、(iii)前記健康感が高い群に属するユーザの酪酸産生菌の存在比率の平均値と前記健康感が低い群に属するユーザの酪酸産生菌の存在比率の平均値との間の平均値である、上記〔12〕に記載のプログラム。
〔14〕
前記酪酸産生菌の存在比率は、ブチリシコッカス(Butyricicoccus)属細菌及び/又はフィーカリバクテリウム(Faecalibacterium)属細菌の存在比率である、上記〔12〕又は〔13〕に記載のプログラム。
〔15〕
前記酪酸産生菌の存在比率の増加に資する食品及び/又は機能性素材の摂食に関する提案は、緑黄色野菜の積極的摂取、シンバイオティクスの実践、プロバイオティクスの実践、プレバイオティクスの実践、納豆及び豆腐・豆乳等の積極的摂取、可溶性コーンファイバーの積極的摂取、及び地中海食の積極的摂取のうちの少なくとも1つを含む、上記〔12〕〜〔14〕のいずれか1項に記載のプログラム。
〔16〕
前記ユーザに関する条件は、ユーザの所定の年齢範囲及び/又は性別である、上記〔12〕〜〔15〕のいずれか1項に記載のプログラム。
本発明の一実施形態に係る情報処理システムの概略構成図である。 本発明の一実施形態に係る情報処理装置の処理フローチャートである。 本発明の一実施例に係るユーザの年齢に関するヒストグラムである。 本発明の一実施例に係る酪酸産生菌に関するヒストグラムである。 本発明の一実施例に係る群ごとの酪酸産生菌の比率を示すグラフである。 本発明の一実施例に係る群ごとの緑黄色野菜の摂食頻度を示すグラフである。 本発明の一実施例に係る群ごとの食事習慣の頻度を示すグラフである。 本発明の一実施形態に係るアンケート例である。 本発明の一実施形態に係るアンケート例である。 本発明の一実施形態に係るアンケート例である。
〔1.概要〕
本発明は、食品及び/又は機能性素材を提案する情報処理装置、方法、及びコンピュータプログラムを提供する。
本発明においては、ヒト常在細菌のうち酪酸産生菌に着目し、被験者の健康感とヒト常在細菌に占める酪酸産生菌の存在比率との間の相関関係、及び、被験者の健康感と食事習慣との間の相関関係を調査し、それらの統計的分析結果を用いて、被験者に対して食品及び/又は機能性素材に関する提案を行う。着目する酪酸産生菌は、好ましくは、ブチリシコッカス(Butyricicoccus)属細菌及びフィーカリバクテリウム(Faecalibacterium)属細菌である。
後述する本発明の一実施例によると、ヒト常在細菌に占める酪酸産生菌の存在比率と被験者の健康感との間に有意な相関が見られ、酪酸産生菌の存在比率が高いほど、被験者の健康感が高いことが判明した。とくに、酪酸産生菌のブチリシコッカス属細菌及び/又はフィーカリバクテリウム属細菌の存在比率を高めることにより、被験者の健康感に係るリスクが顕著に低減されることが判明した。さらに、被験者の食事習慣に関して、緑黄色野菜の摂取頻度と健康感との間に有意な相関が見られ、緑黄色野菜を摂取する頻度が高いほど健康感が高いことも判明した。
本発明は、酪酸産生菌の存在比率と健康感との間の相関関係に基づき、健康感の向上(即ち、フレイルの改善)に資することが期待できる緑黄色野菜などの食品の積極的摂取を被験者に提案することができる。この提案は、緑黄色野菜の積極的摂取に限らず、シンバイオティクスの実践、プロバイオティクスの実践、プレバイオティクスの実践、納豆及び豆腐・豆乳等の積極的摂取、可溶性コーンファイバーの積極的摂取、及び地中海食の積極的摂取のうちの1つ以上であってもよい。また、本発明は、これらの食品と同等の機能を有する機能性食品を提案するようにしてもよい。
ここで、被験者の「健康感」は、被験者に対するアンケートなどによって判断される。
「健康感」には、被験者のフレイルに関する状態、被験者が日常生活に制限を感じている健康状態(例えば、図8Cの質問1の結果から判断するもの)、及び、被験者の客観的な健康状態(例えば、図8Cの質問2の結果から判断するもの)等が含まれる。
「日常生活に制限を感じている状態」を「フレイルリスク」ともいい、被験者の「健康感が高い」ことは、被験者が「フレイルを患っていない」とも判断でき、被験者の「健康感が低い」ことは、被験者が「フレイルを患っている」とも判断できる。
「健康感の向上」は「フレイルの改善」を含む。
「フレイル」とは、生理的予備能が低下することでストレスに対する脆弱性が亢進し、生活機能障害、要介護状態、死亡などの転帰に陥りやすい状態で、筋力の低下により動作の俊敏性が失われて転倒しやすくなるような身体的問題のみならず、認知機能障害やうつなどの精神・心理的問題などを含む概念である。
本発明では、まず複数の被験者に関するヒト常在細菌データ及びアンケートデータが取得される。被験者の数は2人以上であれば特に限定されるものではないが、統計的に有意な差異ないし傾向が出る程度に十分な数であることが好ましい。ヒト常在細菌は、ヒトから採取された糞便サンプルから得ることができるが、大腸内視鏡検査による腸管粘膜等から採取することもできる。ヒト常在細菌データは、公知の任意の手法により取得することができ、例えば市販のキット(Mykinso(登録商標))などを使用して取得できる。
アンケートデータは、各被験者からの質問に対する回答のデータである。アンケートは、被験者の健康感に関する質問、糞便サンプル採取前の数日間に何を食べたのかに関する質問、及び食事の内容に関する質問を含む。食事は、「穀物」、「乳製品」、「発酵製品」、「野菜」、「果実」等のように種類で分類してもよく、具体的食品名(例えば「米」、「納豆」、「チーズ」等)で特定してもよい。図8A〜8Cはアンケート用紙の概要を示す。被験者の健康感に関するアンケートは、糞便サンプル採取後に所定の期間(例えば数週間〜数ヶ月)空けて別途行うようにしてもよいし、他のアンケートと同時に行うようにしてもよい。アンケートを回収した後は、回答内容の全て又は一部が適宜重み付け等しつつ数値化され、データベースに記憶される。
上記データを統計解析にかけて、酪酸産生菌の存在比率と被験者の健康感との間の相関関係、及び健康感と食事習慣との間の相関関係を導き出す。統計解析の手法は、特に限定されるものではなく、例えば、ウェルチのt検定(Welch Two Sample t-test)、カイ二乗検定、線形回帰分析、非線形回帰分析、混合効果分析、又はこれらの組み合わせなどが挙げられる。得られた結果を基にして、被験者に対し、健康感の向上に資する食品及び/又は機能性素材が提案される。
本発明では、予め規定された数の被験者(1次母標本)において統計解析処理を行い、酪酸産生菌の存在比率と健康感との間の相関関係、及び健康感と食事習慣との間の相関関係を調べ、その結果がデータベース(DB)に記憶される。被験者個人(一人)の検査又は評価を行う場合、上記複数の被験者由来のデータを母標本として、当該被験者個人の被験者のデータが、データベースに記憶させておいた母標本のデータのどこに位置するか(又は当てはまるか)が調べられ、当該被験者個人に対する食品等の提案が行われる。なお、詳細には言及しないが、上記被験者個人のデータが母標本の値に組み込まれ、そのデータが再度統計解析処理された後、当該被験者個人が母標本のどこに位置するかが調べられるようにしてもよい。
〔2.情報処理装置、方法、プログラム〕
次に、図面を用いて本発明の一実施形態に係る情報処理装置、方法、及びプログラムに関して以下説明する。図1は、本実施形態に係る情報処理装置10を含む情報処理システム1の概略構成図である。なお、以下では被験者は「ユーザ」と称される。
情報処理装置10は、CPU、ROM、RAM、及び入出力インターフェースなどを備えたサーバー型コンピュータである。情報処理装置10は、インターネット又はLANなどのネットワーク20を介して、複数のユーザ機器30a〜30n(総称して「ユーザ機器30」とする。)と通信可能に接続される。
情報処理装置10は、着目する調査対象のユーザ(「対象ユーザ」という。)のヒト常在細菌に占める酪酸産生菌の割合(存在比率)を所定の閾値(酪酸産生菌の存在比率に関する閾値)と比較する。所定の閾値未満の場合、対象ユーザの健康感が低いことが想定されるため、情報処理装置10は、酪酸産生菌の存在比率を増加させ、ひいては健康感の向上に資する食品及び/又は機能性素材の摂取などの提案をユーザ機器30に送信する。ここで、酪酸産生菌の存在比率は、以下の式により算出される。
(酪酸産生菌の存在比率)=検出された酪酸産生菌÷検出されたヒト常在細菌
機能性素材とは、人が食したときに好ましい作用(即ち、酪酸産生菌の存在比率の向上)を及ぼし得る又は期待し得る食品素材である。機能性素材の例としては、プロバイオティクス素材やプレバイオティクス素材などがあげられる。プロバイオティクス素材は、特定菌種から作られる生菌素材であって、腸内環境を改善させる有用菌を増殖させ、生体機能を高める効果が期待される素材である。プロバイオティクス素材は、例えば、乳酸菌、酪酸菌、又は納豆菌などの生菌である。他方、プレバイオティクス素材は、結腸内に宿る有用菌を特異的に増殖又は活性化させることにより、生体を健全な状態に誘導する効果が期待される素材である。プレバイオティクス素材は、例えば、オリゴ糖、食物繊維、又はグルコン酸などである。機能性素材は、各種ビタミン類又はタンパク質などのいわゆるサプリメント食品であってもよい。
ユーザ機器30は、情報の入力手段及び表示手段などを備えたコンピュータ、スマートフォン、又はタブレットPCなどの機器であり、ネットワーク20を介して情報処理装置10と通信可能に接続される。ユーザ機器30は、ウェブブラウザ又はアプリケーションなどを通じて、情報処理装置10から受信した各種情報をディスプレイ上に表示したり、情報処理装置10に送る情報を入力するためのインターフェースを提供する。
情報処理システム1には、ユーザの糞便等から採取される複数種類のヒト常在細菌を検査し、その情報を提供する検査機関40が含まれていてもよい。情報処理装置10は、ユーザの識別情報と関連付けられた該ユーザのヒト常在細菌に関する情報(ヒト常在細菌データ)を検査機関40からネットワーク20を介して取得する。なお、情報処理装置10は、ネットワーク20を介さずに検査機関40からヒト常在細菌データを直接取得するようにしてもよい。また、ヒト常在細菌データが検査機関40からユーザ機器30に送られる場合には、情報処理装置10は、ユーザ機器30からヒト常在細菌データを取得するようにしてもよい。さらに、検査機関40と情報処理装置10とは同じ機関に属するものであってもよいし、それぞれ別の機関に属するものであってもよい。
ヒト常在細菌データは、例えば、酪酸産生菌に含まれる遺伝子の塩基配列(例えば16SrRNAの塩基配列)に基づき測定されたデータを含む。さらに、ヒト常在細菌データは、少なくとも酪酸産生菌(とくに、ブチリシコッカス属細菌及び/又はフィーカリバクテリウム属細菌)の存在比率に関する情報を含む。
情報処理装置10は、ROMに記憶された又はRAMに置かれたプログラムとCPUとが協働するなどして実現される機能部として、情報取得部101、菌叢データ抽出部102、閾値設定部103、健康感判定部104、及び提案生成部105を含む。また、情報処理装置10は、ROM(又はRAM)に設けられた記憶部110を備え、記憶部110は、菌叢データベース(DB)111、質問データベース(DB)112、及び群情報データベース(DB)113を含む。また、記憶部110には、上述の食品及び機能性素材に関する情報が記憶されている。
情報取得部101は、ネットワーク20を介してユーザ機器30及び/又は検査機関40から各種情報を取得し、記憶部110に記憶させる。ユーザ機器30及び/又は検査機関40から受信する情報には、ユーザのヒト常在細菌データ、ユーザに対する質問(アンケート)への回答に関する情報(アンケートデータ)、及びユーザ識別情報(ユーザの氏名、生年月日、住所、電話番号、ユーザが使用するメールアドレス、又はユーザに設定されたID等)などが含まれる。なお、ユーザ識別情報には該ユーザが使用するユーザ機器30の識別子が含まれていてもよい。
情報取得部101は、ユーザのヒト常在細菌データを受信すると、ユーザ識別情報と関連付けて菌叢DB111に記憶させる。菌叢DB111には、このようにしてN人(Nは2以上の整数)のユーザから集められたヒト常在細菌データが記憶されている。また、情報取得部101は、ユーザのアンケートデータを受信すると、ユーザ識別情報と関連付けて質問DB112に記憶させる。質問DB112には、このようにしてN人(Nは2以上の整数)のユーザから集めたアンケートデータが記憶されている。閾値DB113には、後述する閾値設定部103により設定された所定の閾値に関する情報が記憶されている。該所定の閾値は、統計解析処理の対象となったユーザ母標本の構成員の属性(年齢や性別など)及び構成員の数に応じて変わるものであるため、これらを識別する情報と関連付けて記憶される。
ユーザへ提供される質問(アンケート)は、ユーザの氏名、性別、年齢、身長、体重、BMI値、家族構成、仕事の種類、生活環境、運動頻度、睡眠充足度、食事習慣、体質、病歴、採便時の健康状態、採便時の薬歴、及び採便時の精神状態に関する情報が含まれていてもよい。また、アンケートには、ユーザの健康感に関する質問も含まれる。健康感に関する質問は、ユーザが「日常生活において制限を感じるか否か」という質問や(図8Cの質問1)、「現在、自身が健康だと感じるか否か」といった質問、客観的な健康状態に関する質問(図8Cの質問2)であってもよい。食事習慣は、採便前の所定期間(例えば一週間)に食した食品に関する情報を含み、例えば、「精白米、パン類、麺類、餅」、「玄米・雑穀米、ブランなどの未精製穀物」、「根菜類(ごぼう、人参、大根など)」、「緑黄色野菜(ピーマン、かぼちゃ、ほうれん草など)」、「淡色野菜(レタス、キャベツ、きゅうりなど)」、「果物類」、「肉類(ハム・ソーセージ類も含む)」、「魚介類(いくら、たらこなども含む)」、「卵(鶏卵、うずら卵など)」、「牛乳・チーズ」、「ヨーグルト、乳酸菌飲料」、「豆腐、豆乳、おから、きなこ」、「納豆」、「漬物類」、「海藻類(わかめ、昆布、ひじき、もずく、めかぶ、寒天)」、「きのこ類」等が挙げられ、これらの食品により食事を分類するようにしてもよい。アンケートデータ中の食事習慣に関する情報は、例えば表1に記載のように採便前所定期間中の食事の回数ごとに応じて得点化しておいてもよい。なお、この表の点数は単なる例示である。
アンケートデータについては、情報処理装置10からユーザ機器30にアンケートに関する情報を送信し、ユーザ機器30から該アンケートへの回答に関する情報を情報取得部101が受信するようにしてもよい。検査機関40にてアンケートデータを扱う場合には、情報取得部101は、検査機関40からアンケートデータを取得するようにしてもよい。
菌叢データ抽出部102は、菌叢DB111に記憶されたN人のユーザの中から、第1条件(「ユーザに関する条件」ともいう。)に合致するM人(Mは2以上N以下の整数)のユーザそれぞれについて、菌叢DB111及び質問DB112からヒト常在細菌データ及びアンケートデータを抽出する。当該第1条件は、アプリケーションに応じて適宜調整されるものであるが、好ましくは、対象ユーザの属性(年齢、性別、職業、住所地、又はこれらの組み合わせ等)を基にしたものである。例えば、ある特定の年齢の範囲(30〜80代、40〜80代、60〜80代、又は70〜80代など)にあるユーザのヒト常在細菌データ及びアンケートデータが抽出されるようにしてもよいし、女性のユーザのみのヒト常在細菌データ及びアンケートデータが抽出されるようにしてもよい。
閾値設定部103は、菌叢データ抽出部102により抽出されたM人のユーザそれぞれの健康感に基づき、M人のユーザを、健康感が高い群と健康感が低い群とに分類する。そして、閾値設定部103は、健康感が高い群の酪酸産生菌の存在比率の平均値(中央値)等を後述する所定の閾値に設定する。なお、アンケートの中で健康感に関する質問から複数の健康感の群に分類する場合(例えば、健康感が高い、健康感がふつう、健康感が低い等)には、ここでは、M人のユーザを3以上の複数の群に分類するようにしてもよい。
当該所定の閾値は、健康感が高い群の酪酸産生菌の存在比率の平均値(中央値)ではなく、健康感が低い群の酪酸産生菌の存在比率の平均値、健康感が低い群の酪酸産生菌の存在比率の90%点の値(即ち、最高値から数えて健康感が低い群のユーザ数×0.1番目の値)、健康感が低い群の酪酸産生菌の存在比率の最高値、健康感が高い群の酪酸産生菌の存在比率の最低値、又は、健康感が高い群及び低い群の酪酸産生菌の存在比率の平均値の和を2で割った値(即ち両群の平均値の平均値)としてもよい。どの値を所定の閾値として用いるかはアプリケーションに応じて適宜調整される。また、当該所定の閾値は、M人のユーザの構成員(年齢、性別など)に応じて変化するので、当該所定の閾値は、菌叢データ抽出部102が用いた第1条件と(必要ならば閾値設定条件や人数Mなどとも)関連づけて、閾値DB113に記憶される。下記表2は、説明のために、所定の閾値、第1条件、閾値設定条件、及び人数Mを関連づけた単なる例示である。
健康感判定部104は、対象ユーザの属性(年齢及び/又は性別など)が閾値DB113に記憶されたどの第1条件に合致するかを判定し、それに対応する所定の閾値と対象ユーザの酪酸産生菌の存在比率とを比較する。比較の結果、健康感判定部104は、対象ユーザの酪酸産生菌の存在比率が該所定の閾値未満である場合、対象ユーザの健康感が低いと判定し、該所定の閾値以上である場合、対象ユーザの健康感が高いと判定する。
提案生成部105は、健康感判定部104により健康感が高いと判定された対象ユーザに、良い食事習慣を維持させるために「このままの食事習慣を続けるように」等の提案を生成するようにしてもよい。他方、提案生成部105は、健康感判定部104により健康感が低いと判定された対象ユーザに、酪酸産生菌の存在比率を増加させ、ひいては健康感の向上(フレイルの改善)に資する食品及び/又は機能性素材に関する提案を生成する。
提案生成部105が生成する提案としては、後述する実施例2で示されるように緑黄色野菜の積極的摂取が考えられる。また、提案生成部105が生成する提案としては、シンバイオティクスの実践、プロバイオティクスの実践、プレバイオティクスの実践、納豆及び豆腐・豆乳等の積極的摂取、可溶性コーンファイバーの積極的摂取、及び地中海食の積極的摂取のうちの1つ以上であってもよい。これらの食品及びこれらの食品と同等の機能を有する機能性食品の摂取により、被験者の酪酸産生菌の存在比率の増加が期待され、ひいては健康感の向上(フレイルの改善)につながることが期待される。
上記提案として、緑黄色野菜の積極的摂取、シンバイオティクスの実践、プロバイオティクスの実践、プレバイオティクスの実践、納豆及び豆腐・豆乳等の積極的摂取、可溶性コーンファイバーの積極的摂取、及び地中海食の積極的摂取を挙げた理由について説明する。
まず、緑黄色野菜の積極的摂取について、出願人による従前の調査によって、酪酸産生菌のフィーカリバクテリウム属細菌の存在比率と緑黄色野菜の摂取頻度との間に有意な相関があることが既に分かっている。また、後述する実施例2に示すように緑黄色野菜の摂取頻度とユーザの健康感との間にも有意な相関(週に3回以下の摂取の場合に、健康感が低いこと)も見られた。このことから、緑黄色野菜の積極的摂取(例えば週に4回以上)により、酪酸産生菌のフィーカリバクテリウム属細菌の存在比率が高まり、健康感の向上(フレイルの改善)が期待される。
「シンバイオティクス」は、一般的に酪酸産生菌をはじめとする有益な腸内細菌を増やし腸内細菌叢バランスを整える食事法として推奨されている。シンバイオティクスは、微生物学者Gibsonにより提唱された用語である。シンバイオティクスは、腸内フローラのバランスを改善し、体によい作用をもたらす生きた微生物を指す「プロバイオティクス」と、上部消化管で分解・吸収されず(されにくい)に大腸に達し、有益な細菌の選択的な栄養源となり増殖を促進する「プレバイオティクス」とを一緒に摂取すること、または、「プロバイオティクス」と「プレバイオティクス」の両方を含む飲料、食品、機能性素材、または薬剤などを摂取することである。日常の食生活で、プロバイオティクスとなる発酵食品(例えばヨーグルト、味噌、ぬか漬け等)と、プレバイオティクスとなる水溶性食物繊維(大麦、海藻類、山芋、オクラ等)、オリゴ糖(はちみつ、バナナ、たまねぎ、にんにく等)、又はレジスタントスターチ(未精製穀物、冷えた炭水化物等)を含む食材等とを積極的にとることで、酪酸産生菌をはじめとする有用菌の増殖が促進される。
納豆及び豆腐・豆乳等の積極的摂取について、出願人による従前の調査によって、納豆及び豆腐・豆乳等の摂取頻度と酪酸産生菌のブチリシコッカス属細菌の存在比率との間に有意な相関があることが既に分かっている。また、大豆製品にはプレバイオティクスである大豆オリゴ糖が含まれるだけでなく、納豆には納豆菌や乳酸菌を含むプロバイオティクスとしての役割もある。これらのことから、納豆及び豆腐・豆乳等の積極的摂取(例えば毎日1回以上)により、後述する実施例1で示すようにブチリシコッカス属細菌の存在比率が高まり、健康感の向上(フレイルの改善)が期待できる。
可溶性コーンファイバーの積極的摂取については、従来より、可溶性コーンファイバーとブチリシコッカス属細菌の存在比率との間の関連性が示されている(例えば、特表2016−515388号公報を参照)。また、地中海食の積極的摂取については、従来より、地中海食とフィーカリバクテリウム属細菌の存在比率との間の関連性が示されている(例えば、「Gutierrez-Diaz I, et al. “Adherence to a Mediterranean Diet Influences the Fecal Metabolic Profile of Microbial-Derived Phenolics in a Spanish Cohort of Middle-Age and Older People” J Agric Food Chem. 2017 Jan 25;65(3):586-595.」を参照)。
図2は、本実施形態に係る情報処理装置10による処理フローチャートである。
ステップS1において、情報処理装置10の情報取得部101がN人のユーザからヒト常在細菌データ及びアンケートデータを取得し、それぞれ菌叢DB111及び質問DB112に記憶させる。ヒト常在細菌データには、ヒト常在細菌に占める酪酸産生菌の存在比率の情報が含まれる。酪酸産生菌の存在比率は、ブチリシコッカス属細菌及び/又はフィーカリバクテリウム属細菌の存在比率を含む。
ステップS2において、菌叢データ抽出部102は、菌叢DB111に記憶されたN人のユーザの中から、第1条件に合うM人のユーザを抽出する(Mは2以上N以下の整数)。第1条件は、ユーザの所定の年齢範囲、性別、又はこれらの組み合わせなどであってもよい。
ステップS3において、閾値設定部103は、M人のユーザそれぞれについて、菌叢DB111から酪酸産生菌の存在比率に関する情報を抽出し、質問DB112から健康感に関する情報を抽出する。そして、閾値設定部103は、M人のユーザそれぞれの健康感に基づき、M人のユーザを、健康感が高い群と健康感が低い群とに分類する。
ステップS4において、閾値設定部103は、健康感が高い群の酪酸産生菌の存在比率の平均値(中央値)等を所定の閾値に設定し、ステップS2で用いた第1条件と関連づけて閾値DB113に記憶させる。なお、当該所定の閾値は、健康感が高い群の酪酸産生菌の存在比率の平均値(中央値)とするのではなく、健康感が低い群の酪酸産生菌の存在比率の平均値、健康感が低い群の酪酸産生菌の存在比率の90%点の値、健康感が低い群の酪酸産生菌の存在比率の最高値、健康感が高い群の酪酸産生菌の存在比率の最低値、又は、健康感が高い群及び低い群の酪酸産生菌の存在比率の平均値の和を2で割った値としてもよい。
ステップS1で情報を追加で取得したり(母標本の増加)、第1条件を変えながらステップS2〜4を繰り返し、閾値DB113に複数の所定の閾値を記憶させておくとよい。
ステップS5において、健康感判定部104は、対象ユーザ(個人)の属性(年齢や性別など)が閾値DB113に記憶されたどの第1条件に合致するかを判定し、それに対応する所定の閾値と対象ユーザの酪酸産生菌の存在比率とを比較する。比較の結果、健康感判定部104は、対象ユーザの酪酸産生菌の存在比率が当該所定の閾値未満である場合、対象ユーザの健康感が低いと判定し、当該所定の閾値以上である場合、対象ユーザの健康感が高いと判定する。
提案生成部105は、健康感判定部104により対象ユーザの健康感が低いと判定された場合に、酪酸産生菌の存在比率を増加させ、ひいては健康感の向上(フレイルの改善)に資する食品及び/又は機能性素材に関する提案を生成する。当該提案は、情報処理装置10から対象ユーザのユーザ機器30へ送信される。また、提案生成部105は、健康感判定部104により対象ユーザの健康感が高いと判定された場合には、現状の食生活を維持するような提案を生成するようにしてもよい。
このようにして、情報処理装置10は、対象ユーザの腸内環境、とくにヒト常在細菌に占める酪酸産生菌の存在比率に基づき、酪酸産生菌の増加、ひいては健康感の向上(フレイルの改善)に資する食品及び/又は機能性素材を提案する。
本発明の一実施形態に係るコンピュータプログラムは、上記処理フローチャートをコンピュータ(情報処理装置10)に実行させるものであり、コンピュータを情報取得部101、菌叢データ抽出部102、閾値設定部103、健康感判定部104、及び提案生成部105として機能させるものである。
本発明の実施例1では、ユーザのヒト常在細菌に占める酪酸産生菌の存在比率と健康感との間の相関関係について統計的手法を用いて調べた。
まず、サンプルとして70〜80歳代の89人の被験者(ユーザ)の各種情報を用いた。89人の内訳は、男性が41名、女性が48名であり、70代が65名、80代が24名であった。ユーザの年齢と人数に関するヒストグラムを図3に示す。本実施例では、各ユーザから、糞便の採取とアンケート(第1のアンケート)の回答を受け取った後、その1月後に、再度各ユーザに対し、健康感に関するアンケート(第2のアンケート)を行った。健康感に関するアンケートは89人中68名(N=68)のユーザから回答があった。そのため、本実施例では、健康感に関するアンケートに回答した68名のデータを用いた。
ユーザに行った糞便採取時のアンケート(第1のアンケート)の質問項目は以下の通りであった。
ユーザの属性:年齢、性別、住所地、職業等
生活習慣:家族構成、仕事の種類、生活環境、食事習慣(採便前1週間に食した物)、食趣向、運動頻度、睡眠充足度
体質・病歴:体質(BMI値を含む)及び病歴
検査時(採便時)の状態:採便時の状態、薬歴、及び精神状態
採便前1週間に食した物については、「精白米、パン類、麺類、餅」、「玄米・雑穀米、ブランなどの未精製穀物」、「根菜類(ごぼう、人参、大根など)」、「緑黄色野菜(ピーマン、かぼちゃ、ほうれん草など)」、「淡色野菜(レタス、キャベツ、きゅうりなど)」、「果物類」、「肉類(ハム・ソーセージ類も含む)」、「魚介類(いくら、たらこなども含む)」、「卵(鶏卵、うずら卵など)」、「牛乳・チーズ」、「ヨーグルト、乳酸菌飲料」、「豆腐、豆乳、おから、きなこ」、「納豆」、「漬物類」、「海藻類(わかめ、昆布、ひじき、もずく、めかぶ、寒天)」、及び「きのこ類」の16種類の中から該当するものがあれば、食事回数を選択するような質問とした(図8Bの例を参照)。
検査機関40にて、各ユーザの糞便から、16SrRNAに基づき腸内細菌叢の網羅的解析を行い、ヒト常在細菌に占める酪酸産生菌の存在比率を各ユーザについて調べた。図4は、ユーザの酪酸産生菌の存在比率のヒストグラムであり、横軸が酪酸産生菌の存在比率、縦軸が人数である。
健康感に関するアンケート(第2のアンケート)は、日常生活に制限を感じるか否かに関する質問、自分が健康であるという自覚に関する質問、自立している程度(介護状況)に関する質問を含むものである。詳細には、日常生活に制限を感じるか否かに関する質問は、「ある」、「ない」の2択で問い、「ある」場合にはその詳細について問うた。自分が健康であるという自覚に関する質問は、「よい」、「まあよい」、「ふつう」、「あまりよくない」、「よくない」の5択で問い、自立している程度(介護状況)に関する質問について、「該当なし」、「要支援1」、「要支援2」、「要介護1」、「要介護2」、「要介護3」、「要介護4」、「要介護5」の8択で問うた(図8Cの例を参照)。
回答のあった68人のユーザに関する健康感についてのアンケート結果は、以下のとおりであった。
(1)日常生活に制限を感じる人の割合(図8Cの質問1〜2)
・あり 59人(86.8%)
・なし 9人(13.2%)
(2)自分が健康であるという自覚の程度の割合(図8Cの質問3)
・よい 22人(38.8%)
・まあよい 21人(35.3%)
・ふつう 22人(21.2%)
・あまりよくない 3人(4.7%)
・よくない 0人(0%)
(3)自立している程度の割合(無効回答3人)(図8Cの質問4)
・要介護2未満 65人(100%)
・要介護2以上 0人(0%)
まず、健康感に関するアンケートへ回答した68人のうち日常生活に制限を感じると答えたユーザの群(健康感が低い群)と、日常生活に制限を感じないと答えたユーザの群(健康感が高い群)について、ウェルチのt検定(Welch Two Sample t-test)を用いて群間比較を行い、群間の有意差を調べた。健康感が高い群の酪酸産生菌の存在比率の平均値(中央値)は15.57(%)であり、健康感が低い群の酪酸産生菌の存在比率の平均値(中央値)は10.68(%)であった。健康感が高い群と健康感が低い群との差は4.89(%)(95%信頼区間は1.14〜8.64)であり、群間に有意差が認められた(図5)。
次に、ユーザの健康感(日常生活に制限を感じるか否か)と最も相関する腸内細菌群を同定するために、酪酸産生菌の属レベルの存在比率を説明変数、日常生活に制限を感じるか否かの目的変数、及び基本属性情報を共変量とした多重ロジスティック回帰分析を行った。分析結果を下記表に示す。
酪酸産生菌の属菌のうち、ブチリシコッカス属細菌(Butyricicoccus)及びフィーカリバクテリウム属細菌(Faecalibacterium)の二種類が有意(p値<0.05)であった。ブチリシコッカス属細菌のオッズ比は0.01であり、ブチリシコッカス属細菌の存在比率が1%増えることで、「日常生活に制限を感じる」リスクが約100倍下がるという結果であった。また、フィーカリバクテリウム属のオッズ比は0.73であり、フィーカリバクテリウム属細菌の存在比率が1%増えることで、「日常生活に制限を感じる」リスクが約1.4倍下がるという結果であった。
本実施例によると、ユーザのヒト常在細菌のうち、酪酸産生菌の存在比率を高めることで、健康感である「日常生活に制限を感じる」リスクを低減できることがわかった。とくに、酪酸産生菌のうちブチリシコッカス属細菌の存在比率を1%増やすことにより当該リスクを約100倍低減でき、また、フィーカリバクテリウム属細菌の存在比率を1%増やすことにより、当該リスクを約1.4倍低減できることがわかった。言い換えると、酪酸産生菌(とくにブチリシコッカス属細菌及び/又はフィーカリバクテリウム属細菌)の存在比率を増加させることで、「日常生活に制限を感じる」リスクを低減でき、健康感の向上(フレイルの改善)に資することがわかった。
本発明の実施例2では、ユーザの健康感と食事習慣(採便前1週間に食した物)との間の相関関係について調べた。
実施例1と同様に、68人のユーザについて、日常生活に制限を感じると答えたユーザの群(健康感が低い群)と日常生活に制限を感じないと答えたユーザの群(健康感が高い群)との間で、第1のアンケートで回答のあった食事習慣(採便前1週間に食した物)に関する相関関係について調べた。健康感が低い群の方は、緑黄色野菜の摂取頻度について週に3回以下の摂取頻度の割合が多かった。カイ二乗検定を用いて、健康感が高い群と健康感が低い群との間の緑黄色野菜の摂取頻度の差についての有意性検定を行った結果、有意差が認められた(図6)。他の食事習慣についても同様の分析を行ったが有意差(p値<0.05)が認められたのは緑黄色野菜の摂取頻度であった(図7)。図7のレーダーチャート中の数値は食品の摂取頻度に関する値である(1が摂取頻度が最も少なく、5が摂取頻度が最も多い)。
本実施例によると、緑黄色野菜の摂取頻度が比較的多い(好ましくは週に4回以上)ユーザの健康感が高く、つまり日常生活において制限を感じないことがわかった。
1 情報処理システム
10 情報処理装置
20 ネットワーク
30 ユーザ機器
40 検査機関
101 情報取得部
102 菌叢データ抽出部
103 閾値設定部
104 健康感判定部
105 提案生成部
110 記憶部
111 菌叢DB
112 質問DB
113 閾値DB

Claims (16)

  1. N人(Nは2以上の整数を表す。)のユーザに関するヒト常在細菌データ及びアンケートデータを取得する情報取得部であって、前記ヒト常在細菌データは、酪酸産生菌の存在比率に関する情報を含み、前記アンケートデータは、ユーザの健康感に関する情報を含む、前記情報取得部と、
    前記N人のユーザの中からユーザに関する条件に合致するM人(Mは2以上N以下の整数を表す。)のユーザそれぞれについて、ヒト常在細菌データ及びアンケートデータを抽出する菌叢データ抽出部と、
    前記M人のユーザそれぞれのアンケートデータに基づき、前記M人のユーザを健康感が高い群と健康感が低い群とに分類し、前記健康感が高い群に属するユーザの酪酸産生菌の存在比率及び/又は前記健康感が低い群に属するユーザの酪酸産生菌の存在比率に基づき、酪酸産生菌の存在比率に関する閾値を設定する閾値設定部と、
    前記ユーザに関する条件に合致する調査対象のユーザ(対象ユーザ)の酪酸産生菌の存在比率が前記閾値未満である場合、前記対象ユーザの健康感が低いと判定し、前記閾値以上である場合、前記対象ユーザの健康感が高いと判定する健康感判定部と、
    前記判定結果に応じて、前記対象ユーザに対する、酪酸産生菌の存在比率の維持及び/又は増加に資する食品及び/又は機能性素材の摂食に関する提案を生成する提案生成部と
    を備えた情報処理装置。
  2. 前記閾値は、(i)前記健康感が高い群に属するユーザの酪酸産生菌の存在比率の平均値若しくは最低値、(ii)前記健康感が低い群に属するユーザの酪酸産生菌の存在比率の最高値、90%点の値、若しくは平均値、または、(iii)前記健康感が高い群に属するユーザの酪酸産生菌の存在比率の平均値と前記健康感が低い群に属するユーザの酪酸産生菌の存在比率の平均値との間の平均値である、請求項1に記載の装置。
  3. 前記酪酸産生菌の存在比率は、ブチリシコッカス(Butyricicoccus)属細菌及び/又はフィーカリバクテリウム(Faecalibacterium)属細菌の存在比率である、請求項1又は2に記載の装置。
  4. 前記酪酸産生菌の存在比率の増加に資する食品及び/又は機能性素材の摂食に関する提案は、緑黄色野菜の積極的摂取、シンバイオティクスの実践、プロバイオティクスの実践、プレバイオティクスの実践、納豆及び豆腐・豆乳等の積極的摂取、可溶性コーンファイバーの積極的摂取、並びに地中海食の積極的摂取からなる群から選ばれる少なくとも1つを含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の装置。
  5. 前記ユーザに関する条件は、ユーザの所定の年齢範囲及び/又は性別である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の情報処理装置による、食品及び/又は機能性素材に関する提案を実施する方法であって、
    調査対象のユーザ(対象ユーザ)に関するヒト常在細菌データに関する情報を受信するステップであって、前記ヒト常在細菌データは、酪酸産生菌の存在比率に関する情報を含む、ステップと、
    前記対象ユーザの酪酸産生菌の存在比率が前記閾値未満である場合、前記対象ユーザの健康感が低いと判定し、前記閾値以上である場合、前記対象ユーザの健康感が高いと判定するステップと、
    前記判定結果に応じて、前記対象ユーザに対する、酪酸産生菌の存在比率の維持及び/又は増加に資する食品及び/又は機能性素材の摂食に関する提案を生成するステップと
    を具備する前記方法。
  7. 酪酸産生菌の存在比率の増加に資する食品及び/又は機能性素材に関する提案を実施する方法であって、
    コンピュータにより、N人(Nは2以上の整数を表す。)のユーザに関するヒト常在細菌データ及びアンケートデータを取得するステップであって、前記ヒト常在細菌データは、酪酸産生菌の存在比率に関する情報を含み、前記アンケートデータは、ユーザの健康感に関する情報を含む、ステップと、
    コンピュータにより、前記N人のユーザの中からユーザに関する条件に合致するM人(Mは2以上N以下の整数を表す。)のユーザそれぞれについて、ヒト常在細菌データ及びアンケートデータを抽出するステップと、
    コンピュータにより、前記M人のユーザそれぞれのアンケートデータに基づき、前記M人のユーザを健康感が高い群と健康感が低い群とに分類し、前記健康感が高い群に属するユーザの酪酸産生菌の存在比率及び/又は前記健康感が低い群に属するユーザの酪酸産生菌の存在比率に基づき、酪酸産生菌の存在比率に関する閾値を設定するステップと、
    コンピュータにより、前記ユーザに関する条件に合致する調査対象のユーザ(対象ユーザ)の酪酸産生菌の存在比率が前記閾値未満である場合、前記対象ユーザの健康感が低いと判定し、前記閾値以上である場合、前記対象ユーザの健康感が高いと判定するステップと、
    コンピュータにより、前記判定結果に応じて、前記対象ユーザに対する、酪酸産生菌の存在比率の増加に資する食品及び/又は機能性素材の摂食に関する提案を生成するステップと
    を具備する前記方法。
  8. 前記閾値は、(i)前記健康感が高い群に属するユーザの酪酸産生菌の存在比率の平均値若しくは最低値、(ii)前記健康感が低い群に属するユーザの酪酸産生菌の存在比率の最高値、90%点の値、若しくは平均値、または、(iii)前記健康感が高い群に属するユーザの酪酸産生菌の存在比率の平均値と前記健康感が低い群に属するユーザの酪酸産生菌の存在比率の平均値との間の平均値である、請求項7に記載の方法。
  9. 前記酪酸産生菌の存在比率は、ブチリシコッカス(Butyricicoccus)属細菌及び/又はフィーカリバクテリウム(Faecalibacterium)属細菌の存在比率である、請求項7又は8に記載の方法。
  10. 前記酪酸産生菌の存在比率の増加に資する食品及び/又は機能性素材の摂食に関する提案は、緑黄色野菜の積極的摂取、シンバイオティクスの実践、プロバイオティクスの実践、プレバイオティクスの実践、納豆及び豆腐・豆乳等の積極的摂取、可溶性コーンファイバーの積極的摂取、並びに地中海食の積極的摂取からなる群から選ばれる少なくとも1つを含む、請求項7〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 前記ユーザに関する条件は、ユーザの所定の年齢範囲及び/又は性別である、請求項7〜10のいずれか1項に記載の方法。
  12. コンピュータを、
    N人(Nは2以上の整数を表す。)のユーザに関するヒト常在細菌データ及びアンケートデータを取得する情報取得部であって、前記ヒト常在細菌データは、酪酸産生菌の存在比率に関する情報を含み、前記アンケートデータは、ユーザの健康感に関する情報を含む、前記情報取得部と、
    前記N人のユーザの中からユーザに関する条件に合致するM人(Mは2以上N以下の整数を表す。)のユーザそれぞれについて、ヒト常在細菌データ及びアンケートデータを抽出する菌叢データ抽出部と、
    前記M人のユーザそれぞれのアンケートデータに基づき、前記M人のユーザを健康感が高い群と健康感が低い群とに分類し、前記健康感が高い群に属するユーザの酪酸産生菌の存在比率及び/又は前記健康感が低い群に属するユーザの酪酸産生菌の存在比率に基づき、酪酸産生菌の存在比率に関する閾値を設定する閾値設定部と、
    前記ユーザに関する条件に合致する調査対象のユーザ(対象ユーザ)の酪酸産生菌の存在比率が前記閾値未満である場合、前記対象ユーザの健康感が低いと判定し、前記閾値以上である場合、前記対象ユーザの健康感が高いと判定する健康感判定部と、
    前記判定結果に基づき、前記対象ユーザに対する、酪酸産生菌の存在比率の増加に資する食品及び/又は機能性素材の摂食に関する提案を生成する提案生成部と
    して機能させるためのプログラム。
  13. 前記閾値は、(i)前記健康感が高い群に属するユーザの酪酸産生菌の存在比率の平均値若しくは最低値、(ii)前記健康感が低い群に属するユーザの酪酸産生菌の存在比率の最高値、90%点の値、若しくは平均値、または、(iii)前記健康感が高い群に属するユーザの酪酸産生菌の存在比率の平均値と前記健康感が低い群に属するユーザの酪酸産生菌の存在比率の平均値との間の平均値である、請求項12に記載のプログラム。
  14. 前記酪酸産生菌の存在比率は、ブチリシコッカス(Butyricicoccus)属細菌及び/又はフィーカリバクテリウム(Faecalibacterium)属細菌の存在比率である、請求項12又は13に記載のプログラム。
  15. 前記酪酸産生菌の存在比率の増加に資する食品及び/又は機能性素材の摂食に関する提案は、緑黄色野菜の積極的摂取、シンバイオティクスの実践、プロバイオティクスの実践、プレバイオティクスの実践、納豆及び豆腐・豆乳等の積極的摂取、可溶性コーンファイバーの積極的摂取、及び地中海食の積極的摂取のうちの少なくとも1つを含む、請求項12〜14のいずれか1項に記載のプログラム。
  16. 前記ユーザに関する条件は、ユーザの所定の年齢範囲及び/又は性別である、請求項12〜15のいずれか1項に記載のプログラム。

JP2020527241A 2018-06-29 2019-04-26 腸内細菌の検査法 Active JP6824550B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018124239 2018-06-29
JP2018124239 2018-06-29
PCT/JP2019/017860 WO2020003733A1 (ja) 2018-06-29 2019-04-26 腸内細菌の検査法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2020003733A1 JPWO2020003733A1 (ja) 2020-12-17
JP6824550B2 true JP6824550B2 (ja) 2021-02-03

Family

ID=68984803

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020527241A Active JP6824550B2 (ja) 2018-06-29 2019-04-26 腸内細菌の検査法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP6824550B2 (ja)
WO (1) WO2020003733A1 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7199118B2 (ja) * 2020-01-27 2023-01-05 株式会社メタジェン 情報処理システム
JPWO2023120345A1 (ja) * 2021-12-23 2023-06-29
JP2023158887A (ja) * 2022-04-19 2023-10-31 アニコム ホールディングス株式会社 フード提案システム及びフード提案方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2007114378A1 (ja) * 2006-03-31 2009-08-20 日本製紙ケミカル株式会社 飲食用組成物
GB0903016D0 (en) * 2009-02-23 2009-04-08 Univ Gent Method for alleviating intestinal problems and novel bacterial strains therefor
JP2012165716A (ja) * 2011-02-16 2012-09-06 Infocom Corp 腸内常在菌解析情報を基にした食事支援システム
US20180226144A1 (en) * 2015-08-12 2018-08-09 Yaegaki Bio-Industry, Inc. Information processing apparatus, information processing method, and non-transitory computer readable storage medium

Also Published As

Publication number Publication date
WO2020003733A1 (ja) 2020-01-02
JPWO2020003733A1 (ja) 2020-12-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Sotos-Prieto et al. Design and development of an instrument to measure overall lifestyle habits for epidemiological research: the Mediterranean Lifestyle (MEDLIFE) index
JP6824550B2 (ja) 腸内細菌の検査法
Herman et al. Dietary habits of 2-to 9-year-old American children are associated with gut microbiome composition
Joyce et al. DASH diet and prevalent metabolic syndrome in the Hispanic Community Health Study/Study of Latinos
Maldonado-Contreras et al. Associations between diet, the gut microbiome, and short-chain fatty acid production among older Caribbean Latino adults
Schickenberg et al. Are the Dutch acquainted with and willing to try healthful food products? The role of food neophobia
JP2012165716A (ja) 腸内常在菌解析情報を基にした食事支援システム
Dijkstra et al. Misperception of self-reported adherence to the fruit, vegetable and fish guidelines in older Dutch adults
Lazarou et al. Dietary patterns analysis using data mining method. An application to data from the CYKIDS study
Lynch et al. Food group categories of low-income African American women
Buckland et al. Towards a satiety map of common foods: Associations between perceived satiety value of 100 foods and their objective and subjective attributes
JP2019200687A (ja) 腸内細菌の検査法
González-Vallejo et al. Evaluation of breakfast cereals with the current nutrition facts panel (NFP) and the Food and Drug Administration’s NFP proposal
El Kinany et al. Modified Mediterranean diet score adapted to a southern Mediterranean population and its relation to overweight and obesity risk
Saito et al. The frequency of cooking dinner at home and its association with nutrient intake adequacy among married young-to-middle-aged Japanese women: the POTATO Study
Mudryj et al. Nutritional implications of dietary gluten avoidance among Canadians: results from the 2015 Canadian Community Health Survey
Lelovics et al. Results of nutritional screening in institutionalized elderly in Hungary
Silva et al. Dietary and nutrient intake among participants of a Brazilian health promotion programme: a cross-sectional study
Atanasova et al. Body mass index and food frequency intake of foreign medical students
Martín Payo et al. Adherence to healthy diet and physical activity in clinical patients
Parhizgar et al. Validity and reliability assessments of a 16-item food frequency questionnaire as a probiotic and prebiotic consumption scale in people aged 20 to 40 years in Tehran
Haakma et al. High prevalence of nutrition risk among community living older people in Woerden, the Netherlands
Borke et al. Eating a larger number of high-salt foods is not associated with short-term risk of acute decompensation in patients with chronic heart failure
De Vito et al. Shared and ethnic background site-specific dietary patterns in the Hispanic Community Health Study/Study of Latinos (HCHS/SOL)
Qasrawi et al. Cluster analysis for food group consumption patterns in a national sample of Palestinian schoolchildren: Evidence from HBSC Survey 2013-2014

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200729

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20200729

AA64 Notification of invalidation of claim of internal priority (with term)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A241764

Effective date: 20200811

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200819

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20201028

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20201215

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210105

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6824550

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150