JP6823305B2 - Dnp−nmrプローブ及びその使用方法 - Google Patents

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Description

本発明は、DNP−NMRプローブ及びその使用方法に関する。
核磁気共鳴(NMR:Nuclear Magnetic Resonance)測定装置は、静磁場中におかれた原子核が固有の周波数をもつ電磁波と相互作用するNMR現象を利用して、原子レベルでの試料の測定を行う装置である。NMR測定装置では、超電導磁石などが発生させる静磁場中に、試料を格納した容器を含むNMRプローブが配置される。NMRプローブの容器には、NMR回路と呼ばれる電気回路が設けられており、試料に対するラジオ波の照射と、試料からのNMR信号の検出を行っている。
NMR信号強度を増大させる方法として動的核偏極法(DNP:Dynamic Nuclear Polarization)が知られている。DNP法を用いたNMR測定装置(DNP−NMR測定装置と呼ぶ)では、不対電子をもつ物質(ラジカル)が試料に添加され、その混合物に電子スピン共鳴を励起するマイクロ波が照射される。これにより、不対電子のスピンの大きな偏極が核スピンの偏極に移り、NMR信号強度を1000倍程度大きくすることができる。
DNP−NMR測定装置で得られるNMR信号強度は、試料に添加されるラジカルの磁気緩和に大きく依存する。ラジカルの緩和時間が短い場合、核スピンの偏極が増大する前にラジカルの磁化が減衰してしまい、NMR信号強度の増大の程度が小さくなる。温度が低いほどラジカルの緩和時間が長くなることが知られている。例えば、液体窒素の温度以下(圧力にもよるが、1気圧の場合の液体窒素の沸点は77K(−196℃)であり、その温度以下)では、電子スピンと核スピンとの間の磁化移動時間と比較して、ラジカルの緩和時間が同程度かそれ以上に長くなり、NMR信号強度が飛躍的に増大すると期待できる。
下記特許文献1には、マイクロ波の生成源から試料へと直線的に延びる導波管を設けてマイクロ波の照射効率を高める旨の記載がある。
下記特許文献2には、冷却ガスとして極低温(例えば20K以下)のヘリウムガスを用いたDNP−NMR測定装置が記載されている。この装置では、ラジカルを添加した試料を格納する内容器が外容器の内部に設置されており、内容器と外容器の間を真空状態に保つことで内容器が断熱化されている。外容器には内容器側に真空窓を備えた導波管が設けられており、内容器には外容器側に真空窓を備えた導波管が設けられている。二つの真空窓は、断熱性を確保するため、互いに接触することなく、真空の空間を挟んで対面している。外容器の導波管を伝播するマイクロ波は、二つの真空窓を介して内容器の導波管に伝送され、試料とラジカルと試料の混合物に照射される。
米国特許第9739862号明細書 特開2016−142537号公報
内容器の真空断熱性を高めた上でマイクロ波を伝送するためには、上記特許文献2のように、導波管に真空窓を設ける必要がある。しかし、導波管に真空窓を設ける場合、真空窓によってマイクロ波の透過率が減少し、DNP効率が低下することが懸念される。
本発明の目的は、DNP−NMRプローブのマイクロ波の導波管に真空窓を設ける場合において、マイクロ波の減衰の抑制または防止を図ることにある。
本発明の一形態にかかるDNP−NMRプローブは、ラジカルを添加された試料が内部に設置される内容器と、前記内容器を内部に格納し、前記内容器との間を真空に保つ外容器と、前記外容器に設けられたマイクロ波の導波管であって、前記内容器側の端部に真空窓を備えた外容器導波管と、前記内容器に設けられたマイクロ波の導波管であって、前記外容器導波管の前記真空窓と真空を介して対面した真空窓を備え、前記外容器導波管から伝達されるマイクロ波を前記試料に導く内容器導波管と、を備え、前記外容器の前記真空窓および前記内容器の前記真空窓の窓厚または窓間距離が、使用する特定のマイクロ波の透過率について最適化されていることを特徴とする。
本発明によれば、真空窓を透過するマイクロ波の透過率を高め、DNP効率を向上させることにより、強いNMR信号強度を得ることが可能となる。
実施形態にかかるDNP−NMRプローブの装置構成を示す図である。 1枚の窒化ケイ素窓における窓厚と透過率の関係を示す図である。 2枚の窒化ケイ素窓における窓間距離と透過率の関係を示す図である。 1枚のアルミナ窓における窓厚と透過率の関係を示す図である。 2枚のアルミナ窓における窓間距離と透過率の関係を示す図である。 1枚のホウケイ酸ガラス窓における窓厚と透過率の関係を示す図である。 2枚のホウケイ酸ガラス窓における窓間距離と透過率の関係図である。 1枚のテフロン(登録商標)窓における窓厚と透過率の関係を示す図である。 2枚のテフロン(登録商標)窓における窓間距離と透過率の関係図である。 1枚の窓における窓厚と透過率の関係をまとめた表である。 2枚の窓における窓厚と透過率の関係をまとめた表である。 1枚の窓におけるマイクロ波透過について説明する模式図である。 2枚の窓におけるマイクロ波透過について説明する模式図である。 窓間距離の調整例を示すフローチャートである。 スペーサを利用した窓間距離の調整機構の例を示す図である。
(A)実施形態の概要
実施形態にかかるDNP−NMRプローブは、DNP法を用いてNMR信号の測定を行うDNP−NMR測定システムを構成する装置である。DNP−NMRプローブは、内容器と、外容器と、外容器導波管と、内容器導波管を備える。内容器の内部には、ラジカルを添加された試料が設置される。外容器は、内容器を内部に格納し、内容器との間を真空に保つ。外容器導波管は、外容器に設けられたマイクロ波の導波管であり、内容器側の端部に真空窓を備える。内容器導波管は、内容器に設けられたマイクロ波の導波管であり、外容器導波管の真空窓と真空を介して対面した真空窓を備え、外容器導波管からマイクロ波が伝達される。そして、内容器導波管では、他端からラジカルを添加された試料へ向けてマイクロ波を照射する。外容器の真空窓および内容器の真空窓の窓厚または窓間距離は、使用する特定のマイクロ波の透過率について最適化される。
ここで、最適化とは、最適な状態または最適に近い状態に向けて調整がなされた状態をいう。例えば、強度、耐久性、製造容易性、コストなどの観点から適当な窓厚の範囲が得られた場合に、その範囲におけるマイクロ波透過率の平均値よりもマイクロ波透過率が高くなる窓厚を採用した場合には、窓厚が最適化されたといえる。同様に、二つの真空窓のおおよその窓間距離の範囲が得られた場合に、その範囲におけるマイクロ波透過率の平均値よりもマイクロ波透過率が高くなる窓間距離を採用した場合には、窓間距離が最適化されたと言える。窓厚と窓間距離の一方または両方を透過率について最適化することで、マイクロ波の透過率を高め、DNP効率、そしてNMR信号強度を向上させることが可能となる。
実施形態にかかるDNP−NMRプローブは、外容器の真空窓と内容器の真空窓との窓間距離Lが、使用する特定のマイクロ波について、L−ΔL/8 ≦ L ≦ L+ΔL/8の範囲に設定されることを特徴とする。ここで、Lは、窓間距離Lを変化させた場合にマイクロ波透過率が極大を示すある窓間距離であり、ΔLは窓間距離Lを変化させた場合にマイクロ波透過率が変化する周期を与える距離である。
実施形態にかかるDNP−NMRプローブは、外容器の真空窓と内容器の真空窓との窓間距離を調整する調整機構を備えることを特徴とする。真空窓間の距離を調整することで、マイクロ波の透過率を変化させ、マイクロ波の透過率を高めることが可能となる。調整機構は、手動により調整するものであっても、機械的に自動で調整するものであってもよい。調整機構は、例えば、外容器における真空窓の位置の調整と、内容器における真空窓の位置の調整の一方または両方を行うことで窓間距離を調整してもよい。あるいは、外容器または内容器の一方または両方の位置を調整することで、それらに設けられた真空窓の窓間距離の調整を行ってもよい。
実施形態にかかるDNP−NMRプローブは、内容器を外容器に相対的に移動させる移動機構を備え、調整機構は移動機構の移動量を調整することにより窓間距離の調整を行うことを特徴とする。移動機構では、外容器を固定して内容器を移動させても、内容器を固定させて外容器を移動させても、両者を移動させてもよい。移動機構の例としては、ねじの回転によって移動させる機構、スペーサの挿入・抜き出しによって移動させる機構が挙げられる。
実施形態にかかるDNP−NMRプローブは、外容器の真空窓の窓厚Doutと内容器の真空窓の窓厚Dinが、使用する特定のマイクロ波について、Dout−ΔDout/8 ≦ Dout ≦ Dout+ΔDout/8と、Din−ΔDin/8 ≦ Din ≦ Din+ΔDin/8 の範囲に設定されることを特徴とする。ここで、DoutとDinは、それぞれの窓厚DoutとDinを変化させた場合にマイクロ波透過率が極大を示すある窓厚であり、ΔDout及びΔDinはそれぞれの窓厚DoutとDinを変化させた場合にマイクロ波透過率が変化する周期を与える距離である。
実施形態にかかるDNP−NMRプローブは、外容器の真空窓及び内容器の真空窓は、セラミクス、ガラス、単結晶、樹脂のいずれかの素材を用いて形成されていることを特徴とする。外容器の真空窓と内容器の真空窓は、同じ素材を用いて形成されてもよいし、異なる素材を用いて形成されてもよい。
実施形態にかかるDNP−NMRプローブの使用方法は、調整機構を用いて、使用する特定のマイクロ波の透過率について窓間距離を最適化する最適化ステップを含む。最適化ステップでは、例えば、使用する特定の周波数のマイクロ波について、窓間距離LをL−ΔL/8 ≦ L ≦ L+ΔL/8の範囲に設定する。
(B)実施形態の詳細
以下に、図面を参照しながら、実施形態について説明する。説明においては、理解を容易にするため、具体的な態様について示すが、これらは実施形態を例示するものであり、他にも様々な実施形態をとることが可能である。
(B−1)装置の構成
図1は、実施形態にかかるDNP−NMRプローブ10の断面構造を示す図である。DNP−NMRプローブ10は、DNP−NMR測定装置において、試料の測定に用いられるプローブである。DNP−NMRプローブ10は、内容器20及び下部ユニット60からなる内側ユニット12と、外容器90とを備えている。
外容器90は、円筒形状に形成された容器であり、その内側を真空に保つ役割を担っている。円筒に形成された側壁92の上端は、上壁94によって閉じられている。上壁94の中央部には、外側導波管96が設けられている。外側導波管96は、銅などで作られた円筒形の部材であり、上壁94を外から内に貫通している。外側導波管96は、上壁94の貫通部分において、インジウム等のシール部材を用いて気密的に固定されている。外側導波管96の先端付近の内周面には、真空窓98が気密的に取り付けられている。真空窓98の素材としては、マイクロ波透過性が高く、圧力差に耐える強度を持つ素材が好ましく、例えば、ダイヤモンド、サファイア、窒化ケイ素などが用いられる。外容器90の下端は開口されている。そして、この下端における側壁92の外周面には、外側に拡がるフランジ100が設けられている。
内側ユニット12における内容器20は、外容器90の下端の開口部から当該外容器90の内部に挿入される円筒形状の容器である。内容器20の内部は気密に保たれている。内容器20は、円筒形状の上部側壁22と下部側壁50を備える。上部側壁22の上端は上壁24によって閉じられている。上部側壁22及び上壁24は、電磁シールド可能な銅などの金属によって形成されている。
上壁24の中央には、上壁を貫通する円筒形状の内側導波管26が気密的に取り付けられている。内側導波管26の上端部の内周面には、真空窓28が気密的に取り付けられている。真空窓28は、外側導波管96の真空窓98と若干距離をおいて対向している。真空窓28の素材としては、例えば、ダイヤモンド、サファイア、窒化ケイ素などが用いられる。内側導波管26の下端は、内容器20に格納される試料管30に面している。上部側壁22の下端は開口されている。
下部側壁50は、FRP(繊維強化プラスチック)などの樹脂によって形成されている。下部側壁50の上端内周は、上部側壁22の下端外周に気密に接着されている。また、下部側壁50の下端内周には、下部ユニット60の封止隔壁66が挿入されている。封止隔壁66にはOリング68が設けられている。これにより、内容器20と下部ユニット60との間の気密性が確保される。
内容器20の下部には、下部ユニット60が結合されている。下部ユニット60は、直方体形状に形成されたボックス体62と、ボックス体62の中央上部から突起した突起部64を備えている。ボックス体62と突起部64の内側は連通しており、下部気密室70を形成している。下部気密室70は、内容器20とは独立して、内部が気密に維持される部位である。
下部ユニット60の突起部64上部には、上述通り封止隔壁66が設けられており、封止隔壁66の面内には、Oリング68が設けられている。また、突起部64の下部には、Oリング69が設けられている。Oリング69は、下部ユニット60(そして内側ユニット12)と外容器90との気密性を確保するものである。
下部ユニット60のボックス体62の4隅には、貫通孔72が設けられている。この貫通孔72には、下側から調整ボルト74が挿入される。調整ボルト74の先端にはネジが切られている。また、外容器90のフランジ100の下面には(上面には貫通しない)ボルト穴102が、貫通孔72の延長線上に設けられている。ボルト穴102の内部には、ネジが切られている。調整ボルト74の先端は、このボルト穴102に挿入されている。調整ボルト74を回すことで、下部ユニット60を含む内側ユニット12と、外容器90との距離が変化する。この結果、外側導波管96の真空窓98と、内側導波管26の真空窓28との間隔が調整されることになる。すなわち、調整ボルト74は真空窓98、28の距離を調整する調整機構として機能している。
下部ユニット60には、上部真空ポート76、下部真空ポート78、軸受用ガス供給ポート80、ドライブ用ガス供給ポート82、及び排出ポート84が設けられている。上部真空ポート76は、通気管77と接続されている。通気管77は、上部気密室110と連通されている。上部気密室110は、外容器90の内側と、内側ユニット12の上部外周側との間に形成され、Oリング68及びOリング69によって気密性を確保された空間である。上部真空ポート76には、図示を省略した真空ポンプ等の減圧ラインが取り付けられており、上部気密室110を真空に保つ。ここで真空とは、大気に比べて十分に希薄に保たれて、必要なレベルの断熱性が確保された状態をいう。実施形態では、例えば10−3Pa以下に減圧されるが、これよりも高い圧力であっても必要な断熱性が確保される程度に減圧されていれば、例えば1Pa程度であっても真空とみなすものとする。
下部真空ポート78は、下部ユニット60内に形成された下部気密室70に連通されている。下部真空ポート78には、図示を省略した真空ポンプ等の減圧ラインが取り付けられており、下部気密室70を真空に保つ。
軸受用ガス供給ポート80には、軸受用ガス送出管81が接続されている。また、ドライブ用ガス供給ポート82には、ドライブ用ガス送出管83が接続されている。軸受用ガス送出管81とドライブ用ガス送出管83は、ともに内容器20の内部に通じている。軸受用ガス供給ポート80とドライブ用ガス供給ポート82には、図示を省略したポンプを含む冷却ガス供給ラインが取り付けられており、試料管の軸受用ガスとドライブ用ガスを供給する。また排出ポート84にはガス排出管85が接続されている。ガス排出管85は、内容器20の内部に通じており、内容器20から冷却ガスを排出する。
内容器20における上部側壁22の内部は、複数の仕切壁32によって通風可能に仕切られている。上部側壁22内の最上部は、試料管30が設置される試料室34である。試料室34は、上壁24に面しており、試料管30は、内側導波管26の下端面に面する位置に設置される。
試料管30には、測定対象となる試料と、DNP法で用いるラジカル(不対電子をもつ物質)の混合物が格納されている。試料管30は、試料室34に配置されたガス軸受式回転機構36に設置される。ガス軸受式回転機構36は、試料管30を所定角度(いわゆるマジック角)に傾斜させながら高速に回転させる装置である。ガス軸受式回転機構36には、軸受用ガス送出管81とドライブ用ガス送出管83から相対的に高圧な冷却ガスが供給されており、この冷却ガスを利用して試料管30の軸受と回転を行っている。冷却ガスは、例えば、20K以下の極低温に設定されており、試料管30を含む内容器20内の冷却も行っている。
試料管30は、送受信コイルの内側に設置されている。送受信コイルは、NMR回路を構成する部品である。また、試料室34の下側に設けられた電気回路室38には、NMR回路を構成する他の電気回路部品である可変コンデンサなどが設置されている。NMR回路は、図示を省略した分光器制御部に電気的に接続されている。分光器制御部はDNP−NMRプローブ10の外部に設けられた装置であり、コンピュータハードウエアとそれを制御するソフトウエアを用いて構成されている。分光器制御部は、NMR回路におけるラジオ波の発生やその照射タイミングの調整、送受信コイルで検出された信号を増幅してスペクトルを得る処理などを行っている。ユーザは、図示を省略した制御用のPCにおいて、専用のソフトウエアを操作することで、分光器制御部に適宜指示を出すとともに、分光器制御部からデータを取得してグラフ表示などをさせることができる。
(B−2)装置の動作
ここで、DNP−NMRプローブ10の動作について説明する。DNP−NMRプローブ10では、まず、試料室34におけるガス軸受式回転機構36に試料管30が設置される。試料管30には、測定対象となる試料とラジカルとの混合物が格納されている。また、試料管30は、NMR回路を構成する送受信コイルによって囲まれる。
続いて、内容器20及び下部ユニット60が結合される。このとき、内容器20の下部側壁50の内周下端と下部ユニットの封止隔壁66との間は、Oリング68によってシールされる。これにより、内容器20の内部の気密性が確保される。
内容器20及び下部ユニット60が結合された内側ユニット12は、外容器90に挿入される。このとき、外容器90の側壁92の内周下端と内側ユニット12との間が、Oリング69によってシールされる。この結果、上部気密室110の気密性が確保される。
外容器90は、図示を省略した磁場発生装置のボア内にボルト締めにより固定されている。この外容器90に挿入された内側ユニット12は、4つの調整ボルト74を用いて外容器90に固定される。また、この調整ボルト74は、真空窓98、28の距離を調整する調整機構としての役割を有している。すなわち、調整ボルト74を締め付け方向に回転させることで、外容器90と内側ユニット12の距離が短くなり、同時に、真空窓98,28の距離が短くなる。また、調整ボルト74を緩める方向に回転させることで、外容器90と内側ユニット12の距離が長くなり、同時に、真空窓98,28の距離が長くなる。調整ボルト74は回転角度によって距離を微調整することが可能であり、例えば、0.05mmの精度、0.03mmの精度、あるいは0.01mmの精度で、距離を調整することができる。なお、DNP−NMRプローブ10では、調整ボルト74の他に、外容器90と内側ユニット12を仮固定する機構を設けることができる。これにより、調整ボルト74を用いない状態でも、内側ユニット12が外容器90から落下することを防止できる。また、調整ボルト74による調整を、仮固定された位置から行うことが可能となり、調整作業が効率化される。
続いて、上部真空ポート76及び下部真空ポート78における減圧ラインが起動され、上部気密室110と下部気密室70が真空化される。また、軸受用ガス供給ポート80からは冷却ガスが送り込まれ、軸受用ガス送出管81を通じて内容器20に注入される。ドライブ用ガス供給ポート82からは、ドライブ用ガス送出管83を通じて、冷却ガスが内容器20に送りこまれる。これらの冷却ガスは、ガス軸受式回転機構36における試料管30の軸受および回転に用いられる。
冷却ガスとしては、例えば、20K以下の極低温に冷却されたヘリウムガスが用いられる。冷却ガスは、試料管30を冷却する他、内容器20内にあるNMR回路の冷却も行う。その後、冷却ガスは、ガス排出管85及び排出ポート84を介して排出される。上記特許文献2には、冷却ガスを循環させるための構成が記載されている。
磁場発生装置では、超電導磁石などにより、静磁場が形成されている。試料は、この静磁場の中に置かれることで、核スピンの偏極を起こしている。分光器制御部は、NMR回路を制御して、送受信コイルから試料に対しラジオ波を照射させるとともに、検出した試料からのNMR信号の受信を行う。分光器制御部では、取得したNMR信号を増幅し、スペクトルを得るなどの処理を行う。こうして得られたデータは、図示を省略したコンピュータに送信され、ユーザの指示の下で行われるデータ処理に供される。これにより、試料を構成する各種の情報(例えば、核磁気相互作用の情報)が得られる。
DNP法を用いるDNP−NMRプローブ10では、このNMR信号の取得過程において、試料管30にマイクロ波が照射される。具体的には、マイクロ波の生成源がマイクロ波を生成して、外側導波管96に送る。外側導波管96に導かれたマイクロ波は、真空窓98を通過し、上部気密室110の真空空間を通過した後に、対面する真空窓28から内側導波管26に伝送される。内側導波管26の他端は試料管30に向けられており、マイクロ波は試料管30に照射される。試料管30では、マイクロ波が照射された場合、ラジカルの電子スピン共鳴が励起される。試料管30は、冷却ガスによって極低温に冷却されており、ラジカルの緩和時間が長いため、電子スピンの偏極は、十分に試料の核スピンの偏極に移り、NMR信号強度が増大することになる。
(B−3)マイクロ波の透過
続いて、マイクロ波の透過について説明する。図1に示したDNP−NMRプローブ10は、通常、特定の磁場発生装置で使用される。このため、試料管30に作用する静磁場強度は固定されている。ラジカルにおいて電子スピン共鳴が発生する周波数(エネルギー)は、この静磁場の大きさによって決まる。このため、DNP−NMRプローブ10では、使用されるマイクロ波の周波数が固定されることになる。
図2は、真空窓98、28に用いられる候補部材である窒化ケイ素の板の厚さ(窓厚)と、マイクロ波の透過率との関係について、実験室における測定結果を示した図である。実験は、460GHz及び395GHzのマイクロ波について、それぞれ、真空窓の窓厚を1.6mm〜1.9mmまで0.05mm毎に変更した7つの場合について行っている。また、実験結果を近似する正弦曲線も図示されている。正弦曲線は、実験値から外れている部分もあるが、全体としては精度よく近似できている。
マイクロ波の周波数が460GHzの正弦曲線を見た場合、窓厚が約1.66mmのときに、マイクロ波透過率が約0.97で極大値(かつ最大値)を示している。窓厚に対する周期は約0.11mmである。すなわち、窓厚が約0.11mm増えるごとに透過率が極大値をとっている。そして、極大値と極大値の中間点では、マイクロ波透過率が約0.63となる極小値(かつ最小値)をとっている。
他方、マイクロ波の周波数395GHzについての正弦曲線では、窓厚が1.64mmのときにマイクロ波透過率が約0.97で極大値(かつ最大値)となっている。窓厚に対する周期は約0.14mmである。また、マイクロ波透過率の極小値は約0.63(かつ最小値)である。
この実験結果から、マイクロ波ごとに、透過率を高くできる窓厚があること、その窓厚は周期的に変化していることがわかる。窓厚が適当な場合には透過率が高い(ほぼ1に近い)が、窓厚が不適当な場合には透過率が低く(約0.63)、透過できるマイクロ波が減少している(図2の例では2/3以下)。
図3は、図2に示した窒化ケイ素の真空窓を2枚近接配置させ、マイクロ波を透過させた実験結果を示す図である。図3(及び図5、図7、図9)では、横軸を「窓間距離−2つのホルダ厚み」とし、縦軸を「(2枚目を透過後の)マイクロ波透過率」として、両者の関係をグラフ表示している。横軸をこのように設定したのは、実験において、2枚の真空窓をそれぞれホルダで固定し、ホルダ間距離を測定したことによる。ホルダ間距離と窓間距離には、「ホルダ間距離=窓間距離−2つのホルダの厚み」の関係がある。2つのホルダの厚みは合計で約2mmである。なお、以下の説明では、ホルダの厚みが重要ではない事象について、単に「窓間距離」と述べる場合があることに注意されたい。
実験は、真空窓の窓厚を2枚とも1.70mmに設定したものと、2枚とも1.75mmにしたものについて行っている。マイクロ波の周波数はいずれの場合も460GHzとしている。図3には、実験値を示す点と、その結果を近似した減衰正弦曲線を示している。この実験では、実験値と近似曲線のばらつきがやや大きいものの、近似曲線は全体として実験値をよく近似している。窓厚が1.70mmの場合には、窓間距離の変化にともなってマイクロ波透過率が細かに変化している。この変化を与える窓間距離の周期は約0.33mmである。透過率の振幅は、窓間距離が近づくほど大きくなっている。具体的には、窓間距離−2つのホルダの厚みが約0mmの場合に極小値(かつ最小値)約0.25(ただし実測値と近似曲線で差がある)となり、窓間距離−2つのホルダの厚みが約0.16mmの場合に極大値(かつ最大値)約0.75となっている。また、窓間距離−2つのホルダの厚みが約6.1mmの場合に極大値約0.6、窓間距離−2つのホルダの厚みが約6.25mmの場合に極小値約0.38となっている。
窓厚が1.70mmの真空窓を1枚用いた場合には、460GHzのマイクロ波の透過率は、図2に示すように(実測値と近似曲線で差があるが)約0.65であった。これに対し、同じ真空窓を2枚用いた場合の透過率は、窓間距離が適当な場合には、1枚の場合よりも大きな値を示している。具体的には、窓間距離−2つのホルダの厚みが約2.5mmよりも近づいた場合に、極大値が約0.65〜0.75となっている。また、真空窓を2枚用いた場合のマイクロ波透過率は、1枚の場合のマイクロ波透過率の積(0.65×0.65=0.423。これは、窓間距離が十分に長くなった場合の収束値と考えられる。)に比べて、極大値側では窓間距離によらず常に高くなり、極小値側では窓間距離によらず常に低くなっている。したがって、窓間距離によって、真空窓2枚のマイクロ波透過率が、(a)1枚の透過率の積(2枚の場合の収束値)よりも低くなる場合、(b)1枚の透過率の積(2枚の場合の収束値)よりも高いが1枚の透過率よりは低くなる場合、(c)1枚の透過率よりも高くなる場合が生じている。
図3に示すように、窓厚が1.75mmの場合にも、窓間距離によってマイクロ波透過率は振動する。その周期は約0.33mmであり、窓厚が1.70mmの場合とほぼ等しい。また、マイクロ波透過率の最大値は約0.98であり、最小値は約0.9である。
他方、窓厚が1.75mmの真空窓1枚の場合におけるマイクロ波透過率は、図2に示すように、実測値は約0.97である。また、1枚のマイクロ波透過率の積は0.97×0.97=0.941(上述のように、これは2枚の窓間距離が十分に長くなった場合の収束値である)である。したがって、窓厚が1.70mmの場合と同様に、窓間距離によって真空窓2枚のマイクロ波透過率が上記(a)(b)(c)の3通りを示すと言える。(ただし、図2においては、実測値と近似曲線に大きな差があることから、誤差の影響も十分考慮する必要がある。)
窒化ケイ素の場合と同様にして、真空窓98,28の他の候補部材であるアルミナの実験結果を図4と図5に、ホウケイ酸ガラスの実験結果を図6と図7に、テフロン(登録商標:ポリテトラフルオロエチレン)の実験結果を図8と図9に示した。
図4に示したアルミナの真空窓が1枚のときは、マイクロ波の周波数が460GHzの場合、窓厚の周期が約0.10mm、マイクロ波透過率の最大値は約0.92、マイクロ波透過率の最小値は約0.59である。また、マイクロ波の周波数が395GHzの場合、窓厚の周期が約0.12mm、マイクロ波透過率の最大値は約0.92、マイクロ波透過率の最小値は約0.59である。
図5は、アルミナの真空窓が2枚とも窓厚1.60mmの場合と、1.65mmの場合について、マイクロ波の周波数460GHzに対するマイクロ波透過率を示している。真空窓の窓厚が1.60mmの場合は、窓間距離の周期は約0.33mm、マイクロ波透過率の最大値は約0.65、マイクロ波透過率の最小値は約0.17である。なお、真空窓の窓厚が1.60mmの1枚のアルミナでは、図4に示すように透過率は約0.6であり、2枚の場合の収束値は0.6×0.6=0.36である。したがって、上記(a)(b)(c)の3通りの場合が見られている。
アルミナの真空窓の窓厚が1.65mmの場合は、窓間距離の周期は約0.33mm、マイクロ波透過率の最大値は約0.9、マイクロ波透過率の最小値は約0.8である。なお、真空窓の窓厚が1.65mmの1枚のアルミナでは、図4に示すように透過率は約0.92であり、2枚の場合の収束値は約0.85である。したがって、上記(a)(b)の2通りの場合が見られている。
図6に示したホウケイ酸ガラスの真空窓が1枚のときは、マイクロ波の周波数が460GHzの場合には、窓厚の周期が約0.14mm、マイクロ波透過率の最大値は約0.56、マイクロ波透過率の最小値は約0.52である。また、マイクロ波の周波数が395GHzの場合には、窓厚の周期が約0.17mm、マイクロ波透過率の最大値は約0.63、マイクロ波透過率の最小値は約0.57である。ホウケイ酸ガラスは、本実施形態における他の部材に比べて誘電損失が大きいため、透過率が小さくなっている。
図7は、ホウケイ酸ガラスの真空窓が2枚とも窓厚1.65mmの場合と、1.70mmの場合について、マイクロ波の周波数460GHzに対するマイクロ波透過率を示している。真空窓の窓厚が1.65mmの場合、窓間距離の周期は約0.33mm、マイクロ波透過率の最大値は約0.32、マイクロ波透過率の最小値は約0.24である。なお、真空窓の窓厚が1.65mmの1枚のホウケイ酸ガラスでは、図4に示すように透過率は約0.54であり、2枚の場合の収束値は約0.29である。したがって、上記(a)(b)の2通りの場合が見られている。
ホウケイ酸ガラスの真空窓の窓厚が1.70mmの場合、窓間距離の周期は約0.33mm、マイクロ波透過率の最大値は約0.35、マイクロ波透過率の最小値は約0.28である。なお、真空窓の窓厚が1.70mmの1枚のアルミナでは、図4に示すように透過率は約0.56であり、2枚の場合の収束値は約0.31である。したがって、上記(a)(b)の2通りの場合が見られている。
図8に示したテフロン(登録商標)の真空窓が1枚のときは、マイクロ波の周波数が460GHzの場合には、窓厚の周期が約0.23mm、マイクロ波透過率の最大値は約1.0、マイクロ波透過率の最小値は約0.95である。また、マイクロ波の周波数が395GHzの場合には、窓厚の周期が約0.27mm、マイクロ波透過率の最大値は約1.0、マイクロ波透過率の最小値は約0.95である。
図9は、テフロン(登録商標)の真空窓が2枚とも窓厚2.20mmの場合と、2.10mmの場合について、マイクロ波の周波数460GHzに対するマイクロ波透過率を示している。真空窓の窓厚が2.20mmの場合、窓間距離の周期は約0.33mm、マイクロ波透過率の最大値は約1.0、マイクロ波透過率の最小値は約0.82である。なお、真空窓の窓厚が2.20mmの1枚のテフロン(登録商標)では、図4に示すように透過率は約0.95であり、2枚の場合の収束値は約0.90である。したがって、上記(a)(b)(c)の3通りの場合が見られている。
テフロン(登録商標)の真空窓の窓厚が2.10mmの場合、窓間距離の周期は約0.33mm、マイクロ波透過率の最大値は約1.0、マイクロ波透過率の最小値は約0.97である。なお、真空窓の窓厚が2.10mmの1枚のテフロン(登録商標)では、図4に示すように透過率は約1.0であり、2枚の場合の収束値も約1.0と見積もられる。したがって、上記(a)(b)の2通りの場合が見られており、また、透過率1.0における誤差を考慮すれば上記(c)も見られている可能性があると言える。
以上に示した図2〜図9の実験結果の概要を、図10及び図11にまとめた。図10は、真空窓が1枚の場合のマイクロ波透過率を示しており、図11は真空窓が2枚の場合のマイクロ波透過率を示している。なお、図10に示した「屈折率」については後述する。
ここで、図12を参照して、真空窓が1枚の場合に、窓厚の違いによって透過率が異なる理由について検討する。図12は、真空窓120に対して、マイクロ波が入射した状況を示す模式図である。なお、図12では、説明の便宜上、マイクロ波は真空窓に対して斜めに入射するように図示しているが、実際は、真空窓120に垂直に入射することに注意されたい。
矢印122で示した入射波では、真空窓120の手前側の境界面において、大部分は矢印126で示すように真空窓120の内部に入るが、一部は矢印124で示すように、反射する。また、矢印126で示したマイクロ波は、真空窓120の奥側の境界面において、大部分は矢印130で示すように真空窓120から出て透過波となるが、一部は矢印128で示すように反射する。矢印128で示した反射波は、大部分が真空窓120の外に出るが、一部はさらに多重反射を起こす。しかし、ここでは多重反射については考慮せず、図示した主要な成分についてのみ検討する。
符号132で示すように、矢印124、128で示した二つの反射波は、相互作用をする。具体的には、二つの反射波が同位相であるときは、互いに強めあうため、反射成分が最大となり、矢印130で示した透過波は最小となる。すなわち、透過率が最小となる。他方、二つの反射波が逆位相であるときは、互いに打ち消し合うため、反射成分は最小となり、矢印130で示した透過波は最大となる。すなわち、透過率が最大となる。
真空窓120の窓厚をD、真空窓120内におけるマイクロ波の波長をλ’としたとき、透過率が最大となるDは、0以上の整数iを用いて以下のように表すことができる。
式(1)において、iをi+1、DをD+ΔDとした場合には、透過率が最大となるDの次に透過率が最大となるD+ΔDについての関係式が得られる。この関係式と式(1)から次式が得られる
式(2)は、図2、図4、図6、図8における窓厚の周期と、マイクロ波の波長(周波数)との関係を表す式である。ここで、光速c、真空でのマイクロ波の波長λ0、マイクロ波の周波数νと間には式(3)の関係がある。
また、真空窓120の屈折率がnのとき、次の式(4)が成り立つ。
式(2)(3)(4)に基づいて、図2、図4、図6、図8のデータから求めた屈折率nの値を図10の表に記している。屈折率nは、データから大雑把に見積もったものであり、誤差を含んでいる。しかし、実験に用いた窒化ケイ素、アルミナ、ホウケイ酸ガラス、テフロン(登録商法)の屈折率と、誤差を考慮した範囲で一致していることが確認できている。したがって、式(1)は十分に妥当な結果を与えると言える。
式(2)は、真空窓120の素材によらず成立する。このため、図2、図4、図6、図8に示した窓厚の変化にともなって透過率が振動するという実験結果は、他の透過性の素材においても同様に成り立つと考えられる。そこで、真空窓120に対する透過性を高めるためには、使用するマイクロ波の周波数と、使用する真空窓120の材質が決まった場合に、真空窓120の窓厚Dを、式(1)を満たすように決めればよい。ただし、現実的には、シンプルな理論とのずれを考慮して、実験的にマイクロ波透過率が極大値を示す窓厚Dを求めてもよい。このようにして求められる極大値を示す窓厚DをDとする。マイクロ波透過率は窓厚Dの変化に対して正弦曲線を描いて変化しており、極大値の近傍での変化率が小さいことを考慮すれば、窓厚DはDから若干ずれていても構わない。そこで、例えば、Dを次の式(5)の範囲で設定することが考えられる。
−ΔD/8 ≦ D ≦ D+ΔD/8 (5)
あるいは、さらに範囲を限定して、次のいずれかの範囲でDを設定してもよい。
−ΔD/12 ≦ D ≦ D+ΔD/12 (6)
−ΔD/16 ≦ D ≦ D+ΔD/16 (7)
−ΔD/24 ≦ D ≦ D+ΔD/24 (8)
−ΔD/32 ≦ D ≦ D+ΔD/32 (9)
Dの設定範囲を狭くするほど、マイクロ波透過率は極大値に近づくが、設定の精度を高くする必要がある。
なお、真空窓120を複数設ける場合には、各真空窓120について、ここに示した条件を満たすようにすることで、透過率を高めることができると考えられる。この場合において、複数の真空窓120の窓厚は同じとしてもよいが、異ならせてもよい。
次に、図13を参照して、真空窓が2枚の場合に、窓間距離によって透過率が異なる理由について検討する。図13は、2つの真空窓140、142があり、その間に媒質aが存在する場合に、真空窓140の側からマイクロ波が入射した状況を示す模式図である。なお、図13では、説明の便宜上、マイクロ波は真空窓に対して斜めに入射するように図示しているが、実際は、真空窓140に垂直に入射することに注意されたい。
矢印146で示した入射波は、真空窓140の手前側の境界面において、大部分は矢印148で示すように真空窓140の内部に入るが、一部は矢印150で示すように、反射する。真空窓140の内部に入ったマイクロ波は、真空窓140の奥側の境界面において、一部が反射するが、その値は比較的小さいため、ここでは無視する。このため、真空窓140に入った矢印148のマイクロ波は、全て真空窓140を透過し、媒質aの中を伝播するものとしている。矢印148のマイクロ波が次の真空窓142の手前側の境界面に至ったとき、マイクロ波の多くは、矢印152で示すように真空窓142を透過するが、一部は矢印154で示すように反射する。この反射波は、多重反射を起こさず、そのまま真空窓140を透過すると仮定する。
矢印152で示したマイクロ波の強度が最大となる条件は、矢印150、154で示した反射波が、符号156で示すように相互作用して、打ち消し合う条件であると考えられる。したがって、次の式(10)が成り立つ。
ここで、Lは真空窓140、142の窓間距離であり、λ’’は、媒質aにおけるマイクロ波の波長であり、Dは真空窓140の厚さであり、jは0以上の整数である。式(1)から式(2)を導いたのと同様にして、式(10)から式(11)が導かれる。
ここで、ΔLは、透過率が最大となる窓間距離の周期である。式(11)は、透過率が最大となる窓間距離の周期ΔLが、媒質aにおけるマイクロ波の波長にのみ依存することを示している。
460GHzのマイクロ波の真空中における波長は、式(3)によれば約0.652mmであり、ΔLは約0.326mmとなる。これに対し、図11に示したように、図3、図5、図7、図9の実験では、窓間距離の周期は、全ての場合において約0.33mmであった。理論と実験結果が非常によく一致している。
式(11)は、真空窓140、142の素材によらず成立し、透過率はこれらの窓間距離についてΔLの周期で振動する。そこで、2枚の真空窓140、142を用いる場合には、使用するマイクロ波の周波数と、真空窓140、142の間の媒質aが決まった場合に、真空窓140、142の窓厚Dを、式(1)を満たすように決めればよい。ただし、現実的には、シンプルな理論とのずれを考慮して、実験的にマイクロ波透過率が極大値を示す窓間距離Lを求めてもよい。こうして求められる極大値を示す窓間距離LをLとする。マイクロ波透過率は窓間距離Lの変化に対して正弦曲線を描いて変化しており、極大値の近傍での値の変化率が小さいことを考慮すれば、窓間距離LはLから若干のずれを伴っていても構わない。そこで、例えば、Lを次の範囲で設定することが考えられる。
−ΔL/8 ≦ L ≦ L+ΔL/8 (12)
あるいは、さらに範囲を限定して、次のいずれかの範囲でLを設定してもよい。
−ΔL/12 ≦ L ≦ L+ΔL/12 (13)
−ΔL/16 ≦ L ≦ L+ΔL/16 (14)
−ΔL/24 ≦ L ≦ L+ΔL/24 (15)
−ΔL/32 ≦ L ≦ L+ΔL/32 (16)
Lの設定範囲を狭くするほど、マイクロ波透過率は極大値に近づく。特に上述の(c)の場合、すなわち、真空窓140,142の2枚のマイクロ波透過率が1枚の透過率の積よりも大きくなる高い透過率を得るためには、Lの設定範囲を狭くし、Lに近づけることが望ましいと考えられる。しかし、Lの設定範囲をLに近づけるためには、設定に要する手間と時間が増大するため、メリットとデメリットを比較考量して窓間距離Lを設定すればよい。
(B−4)窓間距離の変更手順
図14は、DNP−NMRプローブ10における真空窓98、28の窓間距離を、手動で、実際にNMR信号を確認しながら調整する場合の手順の例を示すフローチャートである。
ユーザは、試料管30を設置し(S10)、その後、上述の通り冷却ガスの循環開始など所定の操作を行って測定の準備を行う。そして、DNP法による測定を行うために、マイクロ波の照射を開始する(S12)。これによってラジカルにおける電子スピン共鳴が励起され、試料のNMR信号強度が増大する。ユーザは、制御用のPCを操作して、受信したNMR信号をPCのディスプレイ上に表示させる(S14)。例えば、横軸を時間軸とし、縦軸をNMR信号強度として表示することで、NMR信号強度(DNP効率)の時間変化を把握することができる。
ユーザはこの状態で、DNP−NMRプローブ10の4本の調整ボルト74を調整する。調整は、460GHzのマイクロ波が照射される場合には、例えば0.05mm程度の間隔で順次行う。上述の通り、460GHzのマイクロ波の透過率は、0.33mm程度の周期で変化することが想定される。そこで、0.05mm程度の変化を複数回繰り返し、合計で例えば0.4mmの変化をさせることで、NMR信号強度の大まかな変化を把握することができる(S16)。
その後、ユーザは、一連の調整過程で最も大きな値を示した窓間距離に固定する(S18)。この段階で、さらに細かい間隔で窓間距離を調整し、マイクロ波透過率、そしてNMR信号強度がさらに上昇する窓間距離に設定するようにしてもよい。
なお、DNP−NMRプローブ10では、極低温で測定を行うことによる熱収縮及び熱膨張の影響を受けることがある。特に、冷却ガスによる冷却を開始した直後には、DNP−NMRプローブ10自体が若干熱収縮し、真空窓98、28の窓間距離が変わるため、調整にあたって注意する必要がある。
ここで、図15を参照して、調整ボルト74に代わる真空窓98、28の調整態様の変形例について説明する。図15では、図1のDNP−NMRプローブ10における左下付近のみを部分的に図示しており、図1と同一または対応する構成には同一の符号を付して説明を簡略化する。
図15では、図1に示した貫通孔72、調整ボルト74及びボルト穴102は設けられていない。代わりに、スペーサ160によって、下部ユニット60を含む内側ユニット12と外容器90との間隔、そして、真空窓98、28の間隔が調整される。
スペーサ160は、個々の薄いスペーサ160aを複数枚積み重ねたものである。1枚のスペーサ160aをスペーサ160の中に挿入することで、1枚分の窓間距離を増やすことができる。また、一枚のスペーサ160aをスペーサ160の中から抜き出すことで、1枚分の窓間距離を減らすことができる。スペーサ160aの厚さは、調整したい間隔幅のものを用いればよく、例えば、0.05mm、あるいは0.03mmまたは0.01mmとすることができる。
以上に示した例では、ユーザが手動で実際にNMR信号強度を見ながら調整するものとした。しかし、例えば、調整ボルト74あるいはスペーサ160による調整を機械的に行わせるようにすることで、調整を自動化するようにしてもよい。また、予め、NMR信号強度が最大化(あるいは極大化)する窓間距離と調整ネジとの関係が得られている場合には、NMR信号強度をモニタすることなく窓間距離の調整を行うようにしてもよい。
以上の説明においては、DNP−NMRプローブ10では、20K以下の極低温の冷却ガスが用いられることを想定した。しかし、実施形態は、それよりも温度が高い状況でも利用可能である。冷却ガスは、DNP法を用いない場合に比べてNMR信号強度がわずかでも高まるように冷却を行えばよく、例えば、200K以下、150K以下、あるいは10K以下程度の冷却を行うものであってもよい。こうしたいずれの温度であっても、マイクロ波の透過率を高めることで、DNP効率を高め、NMR信号強度を強くすることが可能となる。
10 DNP−NMRプローブ、12 内側ユニット、20 内容器、22 上部側壁、24 上壁、26 内側導波管、28 真空窓、30 試料管、32 仕切壁、34 試料室、36 ガス軸受式回転機構、38 電気回路室、50 下部側壁、60 下部ユニット、62 ボックス体、64 突起部、66 封止隔壁、68、69 Oリング、70 下部気密室、72 貫通孔、74 調整ボルト、76 上部真空ポート、77 通気管、78 下部真空ポート、80 軸受用ガス供給ポート、81 軸受用ガス送出管、82 ドライブ用ガス供給ポート、83 ドライブ用ガス送出管、84 排出ポート、85 ガス排出管、90 外容器、92 側壁、94 上壁、96 外側導波管、98 真空窓、100 フランジ、102 ボルト穴、110 上部気密室、120、140、142 真空窓、160、160a スペーサ。

Claims (6)

  1. ラジカルを添加された試料が内部に設置される内容器と、
    前記内容器を内部に格納し、前記内容器との間を真空に保つ外容器と、
    前記外容器に設けられたマイクロ波の導波管であって、前記内容器側の端部に真空窓を備えた外容器導波管と、
    前記内容器に設けられたマイクロ波の導波管であって、前記外容器導波管の前記真空窓と真空を介して対面した真空窓を備え、前記外容器導波管から伝達されるマイクロ波を前記試料に導く内容器導波管と、
    を備え、
    前記外容器の前記真空窓と前記内容器の前記真空窓との窓間距離Lが、使用する特定のマイクロ波について、
    −ΔL/8 ≦ L ≦ L +ΔL/8
    の範囲に設定される、ことを特徴とするDNP−NMRプローブ。
    ここで、L は、窓間距離Lを変化させた場合にマイクロ波透過率が極大を示すある窓間距離であり、ΔLは窓間距離Lを変化させた場合にマイクロ波透過率が変化する周期を与える距離である。
  2. 請求項1に記載のDNP−NMRプローブにおいて、
    前記外容器の前記真空窓と前記内容器の前記真空窓との窓間距離を調整する調整機構を備える、ことを特徴とするDNP−NMRプローブ。
  3. 請求項に記載のDNP−NMRプローブにおいて、
    前記内容器を前記外容器に相対的に移動させる移動機構を備え、
    前記調整機構は、前記移動機構の移動量を調整することにより前記窓間距離の調整を行う、ことを特徴とするDNP−NMRプローブ。
  4. ラジカルを添加された試料が内部に設置される内容器と、
    前記内容器を内部に格納し、前記内容器との間を真空に保つ外容器と、
    前記外容器に設けられたマイクロ波の導波管であって、前記内容器側の端部に真空窓を備えた外容器導波管と、
    前記内容器に設けられたマイクロ波の導波管であって、前記外容器導波管の前記真空窓と真空を介して対面した真空窓を備え、前記外容器導波管から伝達されるマイクロ波を前記試料に導く内容器導波管と、
    を備え、
    前記外容器の前記真空窓の窓厚Doutと前記内容器の前記真空窓の窓厚Dinが、使用する特定のマイクロ波について、
    Dout−ΔDout/8 ≦ Dout ≦ Dout+ΔDout/8
    Din−ΔDin/8 ≦ Din ≦ Din+ΔDin/8
    の範囲に設定される、ことを特徴とするDNP−NMRプローブ。
    ここで、DoutとDinは、それぞれの窓厚DoutとDinを変化させた場合にマイクロ波透過率が極大を示すある窓厚であり、ΔDout及びΔDinはそれぞれの窓厚DoutとDinを変化させた場合にマイクロ波透過率が変化する周期を与える距離である。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のDNP−NMRプローブにおいて、
    前記外容器の前記真空窓及び前記内容器の前記真空窓は、セラミクス、ガラス、単結晶、樹脂のいずれかの素材を用いて形成されている、ことを特徴とするDNP−NMRプローブ。
  6. ラジカルを添加された試料が内部に設置される内容器と、
    前記内容器を内部に格納し、前記内容器との間を真空に保つ外容器と、
    前記外容器に設けられたマイクロ波の導波管であって、前記内容器側の端部に真空窓を備えた外容器導波管と、
    前記内容器に設けられたマイクロ波の導波管であって、前記外容器導波管の前記真空窓と真空を介して対面した真空窓を備え、前記外容器導波管から伝達されるマイクロ波を前記試料に導く内容器導波管と、
    前記外容器の前記真空窓と前記内容器の前記真空窓との窓間距離を調整する調整機構と、
    を備えるDNP−NMRプローブの使用方法であって、
    前記調整機構を用いて、使用する特定のマイクロ波の透過率について前記窓間距離を最適化する最適化ステップを含
    前記最適化ステップは、使用する特定の周波数のマイクロ波について、窓間距離Lを
    −ΔL/8 ≦ L ≦ L +ΔL/8
    の範囲に設定するステップである、ことを特徴とするDNP−NMRプローブの使用方法。
    ここで、L は、窓間距離Lを変化させた場合にマイクロ波透過率が極大を示すある窓間距離であり、ΔLは窓間距離Lを変化させた場合にマイクロ波透過率が変化する周期を与える距離である。
JP2018184185A 2018-09-28 2018-09-28 Dnp−nmrプローブ及びその使用方法 Active JP6823305B2 (ja)

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