以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施の形態に係るシフト作成システム100全体の構成を概念的に示すブロック図である。
図1で示すように、本実施の形態に係るシフト作成システム100は、シフト作成装置200が、管理者端末300及び勤務者端末400とネットワーク500を介して接続されている。
シフト作成装置200は、勤務シフトを作成するサーバ装置であり、配置人員設定手段210と、勤務時間帯設定手段220と、勤務基本情報取得手段230と、勤務表素案作成手段240と、休暇情報取得手段250と、データベース260を備えている。
本実施の形態において、シフト作成装置200は周知のサーバ用コンピュータにより構成されている。本実施の形態において、前述の配置人員設定手段210と、勤務時間帯設定手段220と、勤務基本情報取得手段230と、勤務表素案作成手段240と、休暇情報取得手段250はソフトウェアにより構成されており、当該サーバ用コンピュータの二次記憶装置に予め記憶されたプログラムを一次記憶装置にロードし、CPU(中央演算装置)が当該ロードされたプログラムを実行することにより、サーバ用コンピュータをシフト作成装置200として機能させるものである。
上記の通り、本実施の形態ではシフト作成装置200がサーバ用コンピュータを用いて構成しているが、シフト作成装置200として用いるコンピュータは適宜選択してよい。例えば、周知の据え置き型パーソナル・コンピュータを用いてもよいし、或いは、タブレット型コンピュータ等の携帯可能なコンピュータを用いてもよい。シフト作成装置200のハードウェア構成は、シフト作成装置200に要求される性能、耐久性、信頼性等に応じて任意に変更可能である。
また、本実施の形態におけるシフト作成装置200は単一のコンピュータにより構成されているが、これを二台以上のコンピュータにより構成するようにしてもよい。シフト作成装置200を二台以上のコンピュータにより構成する場合には、全てのコンピュータを同一の場所に設置する必要はなく、例えば、シフト作成装置200を構成するコンピュータ群が遠隔地に配置され、後述するネットワーク500を介して通信する構成としてもよい。
本実施の形態におけるシフト作成システム100は、いわゆるWEBアプリケーションとして構成されている。シフト作成システム100において、シフト作成装置200はWEBアプリケーションサーバとして機能し、後述する管理者端末300及び勤務者端末400はWEBクライアントとして機能する。したがって、シフト作成システム100を用いる管理者および保育士等の勤務者は、管理者端末300又は勤務者端末400のWEBブラウザによりシフト作成装置200に対し要求を送信し、シフト作成装置200が返信した情報が管理者端末300又は勤務者端末400のWEBブラウザに表示される。なお、本実施の形態では上記のようにシフト作成システム100をWEBアプリケーションとして構成しているが、シフト作成システム100の情報システムとしての構成は任意に変更してよく、例えば、シフト作成装置200のみのスタンドアロン型情報システムとして構成してもよい。
配置人員設定手段210は、勤務シフト表を作成するにあたって、各勤務時間帯に配置する保育士の人数を配置人員情報として設定する。本実施の形態では、配置人員設定手段210は配置人員基準設定手段210aを備えており、当該配置人員基準設定手段210aにより、園児の年齢ごとに、園児何人につき保育士が一人必要か、を示す配置人員基準を設定することができる。設定した情報は後述するデータベース260に格納される。
勤務時間帯設定手段220は、勤務日を分割する勤務時間帯を設定する。本実施の形態では、保育士の配置は各勤務日における勤務時間帯ごとに行われるが、当該勤務時間帯の開始時間及び終了時間等を設定することができる。設定した情報は後述するデータベース260に格納される。
勤務基本情報取得手段230は、配置する保育士についての勤務基本情報を取得する。本実施の形態において、勤務基本情報は保育士の勤務の基本となる情報であり、具体的には、保育士の各々について、氏名、役職、保有資格、「勤務期間」としての勤続年数、常勤の可否、及び、不適合条件等を含んでいる。勤務基本情報はデータベース260に予め格納されており、勤務基本情報取得手段230は当該データベース260から勤務基本情報を取得する。
勤務表素案作成手段240は、勤務表の素案、すなわち、勤務シフトの暫定版を作成する。本実施の形態では、勤務時間帯設定手段220により設定された勤務時間帯について、配置人員設定手段210により設定された人数の保育士を、勤務基本情報取得手段230で取得する保育士から選定し配置する。勤務表素案作成手段240が作成した勤務表の素案を示す情報は、データベース260に格納される。
休暇情報取得手段250は、保育士が入力した休暇情報をデータベース260から取得する。本実施の形態では、後述するように、休暇情報には、それぞれの保育士が勤務者端末400から入力した休暇取得意思強弱情報に基づいて形成された、保育士の休暇取得の意思の度合いを示す情報としての度合情報を含んでいる。
データベース260は、本実施の形態におけるシフト作成システム100が記録する情報を格納するデータベースである。本実施の形態では、シフト作成装置200に構築したRDBMS(リレーショナル・データベース・マネージメント・システム)を用いてデータベース260を構成しているが、データベース260を他の方法により構成してもよく、例えば、上記情報をシフト作成装置200のファイル空間上にファイルとして格納するようにしてもよい。
管理者端末300及び勤務者端末400は、本実施の形態におけるシフト作成システム100の管理者(たとえばそれぞれの保育園の園長先生や、保育園から委託されたシステム管理会社のシステム担当者等が考えられる。)、及び、保育士等の勤務者(たとえばそれぞれの保育士が考えられる。)が使用する端末であり、パーソナル・コンピュータ、タブレット、スマートフォン等の、ネットワークを介してシフト作成システム100とデータ通信が可能な端末によって構成される。前述したように、本実施の形態ではシフト作成システム100をWEBアプリケーションとして構成しており、管理者端末300及び勤務者端末400は、後述するネットワーク500を介してWEBブラウザでシフト作成装置200と通信するコンピュータである。
なお、現実の運用においては、管理者端末300及び勤務者端末400は、管理者の人数分(またはそれ以上)、また、勤務者である保育士の人数分(またはそれ以上)存在することが好ましいが、ここでは説明を簡略化するため、特に区別の必要がある場合を除き、管理者端末300が1台、勤務者端末400が1台であるものとして以下の説明を行う。
本実施の形態では、前述のようにシフト作成システム100がWEBアプリケーションとして構成されており、シフト作成装置200は、管理者端末300及び勤務者端末400とネットワーク500を介して通信する。ネットワーク500は任意のネットワークを選択してよく、例えばインターネット等の広域ネットワークであってもよいし、LAN(ローカル・エリア・ネットワーク)であってもよい。
以上が本実施の形態におけるシフト作成システム100の全体的な構成である。次いで、本実施の形態における、シフト作成システム100により作成される勤務表について説明する。
本実施の形態では、シフト作成システム100により、一の勤務日を複数の時間帯に分割し、当該分割された時間帯にどの保育士が配置されるかを一ヶ月分表したものを勤務表として管理者端末300及び勤務者端末400に表示する。図2は、当該勤務表の素案を表示する勤務表素案画面W100の構成を模式的に示した図である。
なお、図2には、本実施の形態において作成する勤務表の素案(勤務表として完成する前に作成された、それぞれの保育士のシフト案を入力して各保育士に提示される勤務表案のこと。)が完成した状態が示されているが、実際に勤務表の素案を作成する際には、最初の状態は、勤務表のそれぞれの項目には、何も表示されていない(つまり、それぞれの保育士のそれぞれの勤務日には、何も記載されていない状態)で示されることとなる。
図2で示すように、本実施の形態の勤務表素案画面W100は、月表示欄W101、保育士必要人数表示欄としての、朝の時間帯表示ボタンW102a、昼の時間帯表示ボタンW102b、夜の時間帯表示ボタンW102c、勤務表W103が表示されている。
月表示欄W101には、勤務表素案画面W100に表示されている勤務表の対象月が表示されており、朝の時間帯表示ボタンW102a、昼の時間帯表示ボタンW102b、夜の時間帯表示ボタンW102cには、保育士が勤務する一日の時間帯を朝の時間帯、昼の時間帯、夜の時間帯の三つの時間帯に分けて、それぞれの時間帯において配置すべき保育士の人数が、それぞれの時間帯表示ボタンW102a,W102b,W102c上に表示される。
図2においては、その一例として、朝の時間帯表示ボタンW102aには「3」が表示され、朝の時間帯に3人の保育士の配置が必要であることが示されている。同様に、昼の時間帯表示ボタンW102bには「8」が表示され、昼の時間帯に8人の保育士の配置が必要であることが示され、夜の時間帯表示ボタンW102cには「2」が表示され、夜の時間帯に2人の保育士の配置が必要であることが示されている。
なお、朝の時間帯、昼の時間帯、夜の時間帯に配置される保育士の人数は、後述する配置人員基準設定画面W200(図4参照)において設定された保育士の人数に基づいて設定されることとなる。
勤務表素案画面W100をこのように構成することで、朝の時間帯、昼の時間帯、夜の時間帯を基準として、シフトの作成状況や作成されたシフトを表示することができる。そして、管理者端末300を使用する管理者や、勤務者端末400を使用する保育士が、朝の時間帯、昼の時間帯、夜の時間帯を基準としてシフトの管理や確認を行うことができる。これにより、保育士の勤務シフトの基本となる時間帯(朝シフト、昼シフト、夜シフト)に、勤務表素案画面W100の朝の時間帯表示ボタンW102a、昼の時間帯表示ボタンW102b、夜の時間帯表示ボタンW102cの表示を一致させることとなり、保育士のシフト管理を行う(管理者端末300を使用する)管理者(保育園の園長先生など)の管理業務や、(勤務者端末400を使用する)保育園に勤務する保育士の勤務シフト確認などを行いやすいシステムを提供することができる。
なお、勤務表素案画面W100の表示態様は、朝の時間帯表示ボタンW102a、昼の時間帯表示ボタンW102b、夜の時間帯表示ボタンW102cの表示を基準としたもののみに限定されることはなく、それぞれの保育園の勤務シフトの体系やシフト管理の体系に応じて任意に変更することができる。具体的には、たとえば図2に示す朝の時間帯表示ボタンW102aに表示された朝の時間帯、昼の時間帯表示ボタンW102bに表示された昼の時間帯、夜の時間帯表示ボタンW102cに表示された夜の時間帯に替えて、朝の時間帯、昼の時間帯1(昼の早番)、昼の時間帯2(昼の遅番)、夜の時間帯の4つに勤務時間帯を分けて表示・設定して、勤務表素案画面W100上に対応する数のクリックボタン等として表示させることもできるし、勤務時間帯をもっと細分化して設定したり、1日の勤務時間帯を1つや2つに設定した上で、勤務表素案画面W100上に対応する表示を行うこともできる。
また、朝の時間帯表示ボタンW102a、昼の時間帯表示ボタンW102b、夜の時間帯表示ボタンW102cはクリックボタンとしての機能を有し、それぞれの時間帯表示ボタンW102a,W102b,W102cがクリックされると、クリックされたボタンに対応する時間帯の、勤務時間帯の開始時間や終了時間、並びに、当該時間帯に配置する保育士の人数等設定するための画面である、配置人員設定ダイアログW104,W105,W106が管理者端末300の表示部(図示せず)に表示される(図2において図示しない。)。配置人員設定ダイアログW104,W105,W106については後述する(図7〜図9参照)。
勤務表W103は、勤務日を列W103a、配置される保育士を行W103bとする表であり、各行W103bにおいて、各勤務日のそれぞれについてどの勤務時間帯に配置されるかを示すものである。また、保育士を表す行W103bの上側には、各勤務日において配置すべき保育士の人数を表す行W103cが設けられている。
本実施の形態では、一例として、朝の時間帯のシフトが3つ(「シフトA」〜「シフトC」)、昼の時間帯のシフトが7つ(「シフトD」〜「シフトI」)、夜の時間帯のシフトが3つ(「シフトJ」〜「シフトL」)あるものとしており、図2に示す勤務表素案画面W100は、行W103bのそれぞれに、それぞれの保育士の日ごとのシフトの種類か、休暇の状況(同図に「休」で示されたもの)が表示されるようになっている。
たとえば、図2においては、1行目の保育士Aは、2020年2月1日(土)は「シフトA」、2月4日(火)は休暇、2月6日は「シフトB」に配置されることが示されている。また、同表の、文字が四角枠で囲われた部分(たとえば、1行目の保育士の2020年2月1日(土)の「A」の部分)は、シフトが確定した部分を示している。
なお、本実施の形態では、勤務表素案画面W100は1ヵ月の勤務表を表示しているが、勤務表の期間は任意に変更してよく、例えば1週間の勤務表を表示するようにしてもよい。
次いで、本実施の形態における、勤務表作成の全体的な業務の流れについて説明する。図3は、本実施の形態における勤務表作成業務全体の流れを示すフロー図である。
本実施の形態におけるシフト作成システム100を用いた勤務表作成は、勤務表を作成するに先立って初期設定を行う(ステップS101)。
本実施の形態における初期設定ステップS101は、具体的には、配置人員基準の設定(ステップS101a)と、勤務時間帯の設定(ステップS101b)から構成されている。
図4は、前述のステップS101aを行う際に使用する、配置人員基準設定画面W200の構成を模式的に示す図である。この配置人員基準設定画面W200は、管理者端末300の表示部(たとえば、パーソナル・コンピュータのLCD等のディスプレイ等。図示せず。)に画像として表示される。
本実施の形態における配置人員は、園児の年齢ごとに、園児何人につき保育士一人を配置すべきかの基準に基づいて決定され、配置人員基準設定画面W200は当該基準を設定する項目として、園児の年齢0歳〜5歳のそれぞれについて園児の人数を入力する項目欄W201a〜W201fを備えている。
それぞれの項目欄W201a〜W201fは、保育する園児の年齢ごとに、園児の数が表示され、園児の数の左右には「−」ボタン、「+」ボタンが配設され、このボタンをクリックするとそれぞれの項目欄W201a〜W201fの園児の人数を増減させることができる。
たとえば、図4においては、0歳児の項目欄W201aには「3」と表示されている。これは、保育する0歳児3人に対し、保育士を1人配置するように設定することを示している。同様に、1歳児の項目欄W201bには「6」と表示されている。これは、保育する1歳児6人に対し、保育士を1人配置するように設定することを示している。もし、0歳児の項目欄W201aの左の「−」ボタンをクリックすると「3」が「2」に変更される。これは、保育する0歳児2人に対し、保育士を1人配置するように設定することを示す。
管理者が当該配置人員基準設定画面W200で入力した配置人員基準は配置人員基準設定手段210aによりシフト作成装置200が備えるデータベース260に保存され、当該保存された配置人員基準に基づいて、前述の勤務表素案画面W100における保育士必要人数が、朝の時間帯、昼の時間帯、夜の時間帯ごとに算出されて、算出された人数が、勤務表素案画面W100(図2)の朝の時間帯表示ボタンW102a、昼の時間帯表示ボタンW102b、夜の時間帯表示ボタンW102cに表示される。
なお、本実施の形態における配置人員基準設定画面W200では、国及び/又は地方自治体が定める基準よりも配置人員の基準を緩和することができないように構成されている。
たとえば、国の基準で「保育士1人につき、0歳児を5人以上保育してはならない。」と規定されている場合には、シフト作成システム100は、この基準を満たすように設定され、配置人員基準設定画面W200の0歳児の項目欄W201aは、「4」が表示された状態で「+」ボタンをクリックしても数字が「5」に増加しないように設定されている。
なお、シフト作成システム100に設定する基準は、国の基準のみならず、地方公共団体の基準等であってもよい。
さらに、本実施の形態においては、国の設定した基準に、保育園独自の基準を加算した状態で勤務時間帯ごとの保育士の数を設定できるようになっている(図7参照)。これにより、本実施の形態においては、国の設定する基準よりも保育士1人あたりの担当する園児の数を減少させて、保育士1人あたりの労働負担を軽減できるようになっている。
図5は、前述のステップS101bを行う際に使用する、勤務時間帯設定画面W300の構成を模式的に示す図である。この勤務時間帯設定画面W300は、管理者端末300の表示部(図示せず)に画像表示される。
図5で示すように、勤務時間帯設定画面W300は、新規作成ボタンW301及びシフト表示欄W302と、シフト作成・編集欄W303が設けられている。シフト作成・編集欄W303には、時間帯名入力欄W303a、勤務種別入力欄W303b、開始・終了時間ボタンW303c、勤務制限設定ボタンW303d、表示色設定ボタンW303e、保存ボタンW304と、削除ボタンW305を備えている。
新規作成ボタンW301は、新規にシフト作成を行う際にクリックされるボタンである。
シフト表示欄W302は、作成済みのシフトが表示される欄である。ここでは、「A」〜「L」の12種類の勤務シフトのうち、「昼の時間帯」のシフトである「Dシフト」〜「Iシフト」が表示された状態となっている。
シフト表示欄W302のそれぞれのシフトを表示する部分(図5における「D」「E」・・・「I」の四角枠部分)はシフト表示ボタンW302aであり、クリックボタンとしての機能を有する。管理者端末300の管理者がこのシフト表示ボタンW302aのいずれか一つ(たとえば「D」のボタン)がクリックすると、クリックされたシフト(たとえば「Dシフト」が)シフト作成・編集欄W303に、(図5に示した状態と同様の状態に)表示されて、このクリックしたシフト(たとえば、既に作成済みの「Dシフト」)の内容を編集することができる。
シフト作成・編集欄W303の、時間帯名入力欄W303aは、勤務時間帯の名称(たとえば、本実施形態においては、「Aシフト」〜「Lシフト」等のシフトの名称)をテキスト入力する入力欄である。
勤務種別入力欄W303bは、「朝の時間帯」「昼の時間帯」「夜の時間帯」等(図2の朝の時間帯表示ボタンW102a、昼の時間帯表示ボタンW102b、夜の時間帯表示ボタンW102cの表示に対応する。)や、「休暇」等の勤務の種類を選択する選択ボタンである。開始・終了時間ボタンW303cは、設定するシフトの開始時間と終了時間を設定するために、数字を選択する選択ボタンである。勤務制限設定ボタンW303dは、予め定められた勤務制限(たとえば、「朝の時間帯のみ」等の時間帯制限や「特定の曜日のみ」のような曜日制限、「どのシフトにも入らない特別の時間帯での勤務」など)を選択するためのチェックボックス式の選択ボタンである。表示色設定ボタンW303eは、シフトが勤務表素案画面W100や勤務者端末400上に表示されるときのシフト毎の背景色を設定する選択ボタンである。保存ボタンW304は、設定したシフトの内容を保存するときにクリックするボタンである。削除ボタンW305は、作成したシフトの内容を削除するときにクリックするボタンである。
本実施の形態では、勤務時間帯設定画面W300により新たに勤務時間帯を作成すること、及び、既に作成した勤務時間帯を修正又は削除することができる。
新規作成ボタンW301を押下した場合には、シフト作成・編集欄W303の入力欄W303a〜W303fの入力項目が空白又は所定の初期設定が入力された状態となり、管理者が当該項目W303f〜W303fに任意に入力をして保存ボタンW304を押下することにより、入力した内容に基づいて勤務時間帯を示す情報がシフト作成装置200のデータベース260に保存される。
前述の勤務表素案画面W100における勤務表103は、上記勤務時間帯設定画面W300により設定した内容に基づいて、各勤務時間帯ごとにどの保育士が配置されるかを表示する。
また、上述したとおり、既に作成済みの勤務時間帯は、シフト表示欄W302に表示される。そして、管理者端末300を使用する管理者が、シフト表示欄W302のシフト表示ボタンW302aのいずれか(たとえば図5における「D」)をクリックすると、クリックされたシフト(たとえば「Dシフト」)の内容がシフト作成・編集欄W303の各入力欄W303a〜W303fに表示される。そして、管理者はそれぞれの項目を編集できる。
管理者が当該表示された入力欄W303a〜W303fに適宜入力を行ってシフトを作成したり、作成済みのシフトを編集したのちに保存ボタンW304を押下すると、勤務時間帯設定手段220が変更した内容に基づいてデータベース260に保存されている勤務時間帯を示す情報を更新する。また、管理者が削除ボタンW305を押下した場合には、勤務時間帯設定手段220が勤務時間帯をデータベース260から削除する。
勤務時間帯設定画面W300で作成されたり編集されたそれぞれのシフト、たとえば「シフトA」〜「シフトL」は、それぞれの保育士が勤務者端末400から休暇希望を入力するときに表示される表示画面(図示せず)や、勤務表素案画面W100に勤務表素案を表示するときに反映される。
なお、本実施の形態において、初期設定ステップS101は勤務表作成の度に行う必要はなく、シフト作成システム100の導入時に一度行えばよい。また、配置人員の基準や勤務時間帯を変更する必要等が生じた場合には、任意のタイミングで初期設定を再度行うことができる。
ステップS101の初期設定が完了した後は、管理者の操作により、シフト作成装置200は任意の月における勤務表の素案を作成する(ステップS102)。勤務表素案作成処理の詳細については後述する。
ステップS102で勤務表の素案を作成し、勤務表の素案をそれぞれの勤務者端末400の表示部(図示せず)に表示した後に、保育士から勤務時間帯の変更等の希望があった場合には、管理者が管理者端末300を操作して、任意に勤務表を修正する(ステップS103)。そして、修正し、作成した勤務表に基づいて各保育士が勤務を行う。
なお、本実施の形態においては、ステップS103において、それぞれの保育士が勤務者端末400から入力した休暇申請等の勤務表素案の修正希望は、他の保育士の勤務者端末400にも表示されるように構成されている。これにより、一の保育士の勤務希望や休暇申請希望を他の保育士が見ながら自分の勤務修正希望や休暇申請を行うことができる。これにより、たとえば、多くの保育士が休暇申請を出している日時でさらに他の保育士が休暇申請を出すことを思いとどまらせたり、他の保育士の勤務申請にあわせて自分の勤務日時を調整して申請するような、個々の保育士の自発的なシフト調整を促すことが可能となる。
以上が本実施の形態のシフト作成システム100を用いた勤務表作成業務の全体的な流れである。次いで、勤務表の素案作成処理の流れについて説明する。
図6は、本実施の形態における勤務表素案作成処理の流れを模式的に示すフロー図である。なお、前述の通り、本実施の形態において、勤務表素案画面W100に表示される勤務表W103は勤務日を列、保育士を行とし、各保育士が各勤務日においてどの勤務時間帯に配置されるかを示すものである。本実施の形態における勤務表素案作成処理は、一ヶ月の各勤務日における各勤務時間帯ごとに、どの保育士を配置するかを暫定的に設定するものである。そして、管理者端末300の表示部(図示せず)には、この勤務表素案画面W100が表示され、勤務者端末400の表示部(図示せず)には、勤務表素案画面W100の一部または全部が表示され、管理者と保育士のそれぞれが勤務表の素案を見ることができるようになっている。
そして、勤務表の素案は、たとえば、管理者端末300を操作する管理者(たとえば保育園の園長先生)の操作に基づいて、シフト作成システム100が作成する。
また、前述の通り、本実施の形態では、シフト作成装置200を周知のサーバ用コンピュータを用いて構成しており、後述するステップS201〜S205の処理はプログラムとしてシフト作成装置200のHDD(ハードディスクドライブ)等二次記憶装置に予め記憶されている。当該記憶されたプログラムをシフト作成装置200のメモリにロードし、CPUがこれを実行することにより、勤務表素案作成処理が実行される。
シフト作成装置200は、先ず、保育士の配置を設定する勤務時間帯から、所定の順序に基づいて一の勤務日における一の勤務時間帯を取得する(ステップS201)。
前述の通り、本実施の形態では、勤務時間帯設定手段220により、一の勤務日について複数の勤務時間帯が設定されている。また、本実施の形態では勤務表素案画面W100において一ヶ月の勤務表W103を表示する。したがって、勤務表素案作成処理において処理の対象となる勤務時間帯は、作成する月の勤務日数に勤務時間帯数を乗じた数となり、ステップS201及び後述するステップS202〜S205の処理は、当該数分繰り返し実行される。
勤務時間帯を取得すると、シフト作成装置200は保育士の勤務の基本となる情報である勤務基本情報を取得する(ステップS202)。勤務基本情報は保育士の各々について、氏名、性別、年齢、住所、役職、保有資格(たとえば保育士資格の有無や、保育士以外の所有資格(たとえば管理栄養士や看護師や養護教諭一種免許状など、保育に関連する業務に必要な資格)など。)、勤続年数(たとえば保育士としての実務経験年数など。「事務員」等、非保育士として保育園に勤務する人員の情報も含まれる。)、常勤の可否、及び、不適合条件等の情報を含んでおり、データベース260に予め登録されている。ステップS202ではシフト作成装置200の勤務基本情報取得手段230によりデータベース260から勤務基本情報が取得される。この勤務基本情報は、勤務表素案作成手段240における勤務シフト作成に必要な情報として用いられる。
次いで、シフト作成装置200は、ステップS201で取得した勤務時間帯における保育士の人員数を取得する(ステップS203)。
前述の通り、本実施の形態では、配置人員基準設定手段210aにより、園児の年齢ごとに、園児何人につき保育士が一人必要かを示す配置人員の基準が設定されている。ステップS203では、ステップS201で取得した勤務時間帯に保育する園児の人数および年齢構成に基づいて、当該勤務時間帯に配置する保育士の人数を決定する。なお、ステップS201で取得した勤務時間帯に保育する園児の数については後述する。
本実施の形態におけるシフト作成装置200は、また、各保育士の各々の休暇情報を取得する(ステップS204)。休暇情報は、各保育士が任意のタイミングで勤務者端末400を操作して入力作業を行い、シフト作成装置200のデータベース260に保存されており、ステップS204では当該保存された休暇情報を休暇情報取得手段250が取得する。
なお、本実施の形態では、各保育士が入力する休暇情報には休暇の取得意思を示す情報としての「度合い情報」が含まれており、後述するステップS205は当該度合い情報が示す休暇の取得意思の強弱に基づいて保育士を配置するか否かを決定する。
この「度合い情報」は、勤務者端末400に表示される、休暇取得申請画面(図示せず)に「度合い入力ボタン(図示せず)」のような入力手段によって入力できるようになっている。
それぞれの保育士は、勤務者端末400において、休暇申請時に、休暇を強く希望する日(たとえば自分の子供の授業参観の日)においては、「度合い入力ボタン『高』(図示せず)」をクリックして、管理者端末300を操作する管理者に、休暇取得意思の強さをアピールすることができる。反対に、保育士が、できれば休暇を取得したい程度に考える日(たとえばデートの日)の休暇申請の際は、「度合い入力ボタン『低』(図示せず)」をクリックして、管理者端末300を操作する管理者に、休暇取得意思がさほど強くないことをアピールすることができる。この情報を用いて、管理者端末300を操作する管理者は、それぞれの保育士の休暇を、保育士の意向を反映した、保育士の満足度の高い状態で設定することが可能となる。
ステップS201で取得した一の勤務時間帯についてステップS202〜S203により各情報を取得すると、シフト作成装置200の勤務表素案作成手段240により、当該取得した一の勤務時間帯に配置する保育士が設定される(ステップS205)。なお、処理の実情等によっては、ステップS204の手順とステップS205の手順を、同じ手順内で行い、保育士の休暇の設定と勤務日の勤務シフトの設定を一緒に行ってもよい。
なお、本実施の形態のステップS205においては、まず、管理者端末300の管理者が、「不適合条件情報」としての「各保育士の休暇」と「イレギュラーな勤務体系」の部分のシフトを作成したのちに、勤務表素案作成手段240が「通常の勤務体系」の部分のシフトを作成する。
本実施の形態における「イレギュラーな勤務体系」とは、全てのシフト(本実施の形態における「シフトA」〜「シフトL」の12種類のシフト)に入ることができない状態のことをいう。たとえば、朝の時間帯のシフト(たとえば「シフトA」〜「シフトC」)しか入れない状態、昼の時間帯のシフト(たとえば「シフトD」〜「シフトI」)しか入れない状態、夜の時間帯のシフト(たとえば「シフトJ」〜「シフトL」)しか入れない状態、特定のシフト(たとえば「シフトD」のみ)しか入れない状態、どのシフトにも該当しない特定の時間帯(たとえば、どのシフトにも該当しない、8時30分〜14時30分のみ入れる状態)などがこれに該当する。
ただし、勤務表素案作成手段240が「各保育士の休暇」や、各保育士の「イレギュラーな勤務体系」の情報入力に基づいて、これらの情報を勘案した勤務表素案を作成できるように構成し、ステップS205において、勤務表素案作成手段240の演算処理によって、各保育士の休暇や、イレギュラーな勤務体系で勤務する保育士のシフトを作成するように構成してもよい。
また、本実施の形態における「不適合条件情報」は「各保育士の休暇」と「イレギュラーな勤務体系」に限定されるものではない。たとえば、「各保育士の休暇」のみや、「イレギュラーな勤務体系」のみが「不適合条件情報」であってもよいし、「各保育士の休暇」と「イレギュラーな勤務体系」以外の条件、たとえば、保育園の行事(たとえば、園児の歯科検診やお遊戯会等の特定のイベントのある日や、特定のイベントの行われる時間帯など)が「不適合条件情報」であってもよいし、特殊な勤務体系で勤務する特定の保育士の勤務シフトのみが「不適合条件情報」であってもよいし、その他、勤務シフト素案を作成する上で用いられるどのような条件や情報を「不適合条件情報」として設定してもよい。
なお、本実施の形態では、ステップS202〜S203の処理を行った後にステップS205を実行するよう構成しているが、例えば、ステップS203の休暇情報の取得をステップS205の後に実行するように構成してもよい。
前述のステップS201〜S205を、全ての勤務日における全ての勤務時間帯について実行すると、本実施の形態における勤務表素案作成処理が完了する。
本実施の形態における勤務表の素案作成処理では、事前に配置人員基準設定手段210aにより配置人員の基準が設定されており、当該設定された基準に基づいて、素案を作成する月に保育する園児の数から、配置する保育士の人数を決定する。
図7は、勤務表素案を作成する月において、配置人員の設定を行う配置人員設定ダイアログW104の構成を模式的に示す図である。
前述したように、勤務表素案画面W100(図2)には、前述のように、表示された月における保育士必要人数が、朝の時間帯表示ボタンW102a、昼の時間帯表示ボタンW102b、夜の時間帯表示ボタンW102cに、それぞれの時間帯ごとに表示されている。この勤務表素案画面W100において、朝の時間帯表示ボタンW102a、昼の時間帯表示ボタンW102b、夜の時間帯表示ボタンW102cは、人数表示欄とクリックボタンとの機能を併有している。
管理者端末300を使用する管理者が、朝の時間帯表示ボタンW102a、昼の時間帯表示ボタンW102b、夜の時間帯表示ボタンW102cのいずれかをクリックすると、管理者端末300の表示部(図示せず)に表示された勤務表素案画面W100上には、図7に示す、クリックされた時間帯の開始時間及び終了時間、並びに、配置する保育士の人数を設定する配置人員設定ダイアログW104が表示されることになる。
図7は、勤務表素案画面W100(図2)の朝の時間帯表示ボタンW102aがクリックされたときに、管理者端末300の表示部(図示せず)に、朝の時間帯に対応する配置人員設定ダイアログW104が表示された状態を模式的に示している。
図7に示す配置人員設定ダイアログW104は、入力項目として、押下した時間帯の開始時間W104a及び終了時間設定欄W104b、各年齢ごとの園児数を設定する園児数設定欄W104c、追加する保育士の人数を設定する追加人数設定欄W104dを備えており、また、園児数設定欄W104cの人数及び追加する保育士の追加人数設定欄W104dの人数から、前述の配置人員基準設定手段210aで設定した基準にしたがって算出した保育士の人員数を表示する保育士合計数表示欄W104eを備えている。
具体的には、たとえば、図7においては、特定の日の朝の時間帯において、園児数設定欄W104cには、0歳児2名、1歳児3名、2歳児5名、3歳児10名、4歳児12名、5歳児14名が保育されることが示されている。この園児の保育人数を、図4の配置人員基準設定画面W200に示した基準に基づいて演算すると、この時間帯には、国の基準に基づくと、3名の保育士が必要であることが算出され、算出された「3名」という数値は、追加人数設定欄W104dの左側の「3」という数字として表示されている。
ここに、管理者端末300を操作する管理者(たとえば園長先生)が、この保育園独自の基準で配置する保育士を1名増やす場合、管理者は追加人数設定欄W104dに「1」を設定する。これにより、「3」に「1」を追加した「4」名の保育士が必要であることが、保育士合計数表示欄W104eに表示される。
この、保育士合計数表示欄W104eに表示された人数は、勤務表素案画面W100等に表示され、勤務表素案作成手段240による設定等にも用いられることとなる。
管理者が管理者端末300を操作して配置人員設定ダイアログW104の入力項目に任意の値を設定すると、当該設定した時間帯に配置する保育士の人数が配置人員設定手段210によりデータベース260に保存され、前述のステップS203で取得される。
なお、本実施の形態のステップS205の勤務表素案作成の手順においては、図2の勤務表素案画面W100に示された勤務シフトの基本となる、朝の時間帯、昼の時間帯、夜の時間帯の全ての時間帯の勤務シフトがまとめて作成され、図2に示す勤務表素案画面W100に示すような勤務表素案が一度に作成される。これにより、勤務表素案の作成効率を高めると共に勤務表素案の作成速度を高速化し、勤務表素案を作成する(管理者端末300を使用する)管理者の管理を行いやすくすると共に、(勤務者端末400を使用する)保育士が容易にシフトを確認できるようにすることができる。
ただし、ステップS205の勤務表素案作成の手順において、朝の時間帯、昼の時間帯、夜の時間帯の全ての時間帯の勤務シフトが必ずまとめて作成されねばならないことはなく、保育園や(管理者端末300を使用する)管理者の都合により、特定の時間帯や特定の事項に限定された形で勤務表素案作成を作成することも可能である。
たとえば、ステップS205において、まず、データベース260に情報が記録された全ての保育士の中から、昼の時間帯に勤務可能である旨の勤務情報が記録されている保育士のみを抽出して、昼の時間帯のシフトのみの勤務表素案を作成して勤務表素案画面W100に表示し、次いで同様の手順で朝の時間帯のシフトを加えた勤務表素案を勤務表素案画面W100に表示し、さらに同様の手順で夜の時間帯のシフトを加えた勤務表素案を勤務表素案画面W100に表示するようなことも可能である。
さらには、ステップS205において、特定の保育士のみの勤務シフトが表示された勤務表素案を作成することも可能である。たとえば、まず、データベース260に情報が記録された全ての保育士の中から、保育士A、保育士B、保育士Cの勤務情報を抽出して、保育士A、保育士B、保育士Cの勤務表素案を作成して勤務表素案画面W100に表示し、次いで同様の手順で、保育士D、保育士F、保育士Fの勤務シフトを作成して、保育士D、保育士F、保育士Fの勤務シフトを追加したものを勤務表素案画面W100に表示し・・・というような形で、勤務表素案の作成と勤務表素案画面W100の表示を行うことも可能である。
さらには、上記の特定の勤務時間や特定の保育士以外のいかなる限定条件に基づいた限定的な勤務表素案を作成して勤務表素案画面W100に表示することもできる。
なお、本実施の形態では、各勤務時間帯ごとに保育する園児の人数を年齢別に入力し、当該入力した園児の人数から配置する保育士の人数を算出するが、例えば園児の年齢等によりグループに分けて保育する場合等には、保育園全体の保育園児数ではなく各グループごとに配置する保育士の人数を算出するようにしてもよい。
図8は、配置する保育士の数を、グループとして保育園が設けた組ごとに算出する配置人員設定ダイアログW105の構成を示す図であり、図9は、保育する園児を年齢層により幼児と乳児の二グループとして、当該グループごとに配置する保育士の数を算出する配置人員設定ダイアログW106の構成を示す図である。図8の配置人員設定ダイアログW105、図9の配置人員設定ダイアログW106も、図7に示す配置人員設定ダイアログW104と同様に、管理者端末300を使用する管理者が、勤務表素案画面W100(図2)の朝の時間帯表示ボタンW102a、昼の時間帯表示ボタンW102b、夜の時間帯表示ボタンW102cのいずれかをクリックすると、管理者端末300の表示部(図示せず)に表示されるものである。図8の配置人員設定ダイアログW105も、図9の配置人員設定ダイアログW106も、勤務表素案画面W100(図2)の朝の時間帯表示ボタンW102aがクリックされたときに管理者端末300の表示部(図示せず)に表示されるものである。
配置人員設定ダイアログW105及びW106では、入力項目として、園児数設定欄W104cでの園児数に替えて、保育園全体に対して増員する保育士の人数を設定するための保育士人数設定欄W105f、保育士人数設定欄W106fをそれぞれ備えている。図8に示す配置人員設定ダイアログW105や、図9に示す配置人員設定ダイアログW106を用いた場合、配置人員基準に基づいて算出した各グループに配置する保育士の人数の合計に、保育士人数設定欄W105fや、保育士人数設定欄W106fにおいて設定した増員数を加算した人数を保育士合計数表示欄W105e、保育士合計数表示欄W106eに表示する。このようにして、保育園の運営状況に応じた形で、シフト作成システム100によって勤務表素案を作成することができる。
以上が、本実施の形態におけるシフト作成システム100の勤務表素案作成処理の流れである。
本実施の形態に係るシフト作成システム100では、勤務表素案作成手段240が作成する勤務表素案は、保育士の勤務の基本となる情報としての勤務基本情報に基づいて、勤務時間帯ごとに、配置人員設定手段210において設定された人員数の保育士が配置される。これにより、保育園における保育士のシフト作成を支援することができる。
本実施の形態の説明は以上であるが、本発明の構成は上記実施の形態に限られるものではない。
例えば、勤務表の素案作成処理において、所定の人的情報を用いて保育士の配置を行うようにしてもよい。
本実施の形態では、勤務基本情報が勤続年数、すなわち、保育士の実務に携わった期間を示す情報を含んでいる。これを用いて、勤続年数の少ない保育士(たとえば、勤続年数2年未満の保育士)を配置する際には、必ず所定以上の勤続年数の保育士(たとえば、勤続年数5年以上の保育士)も配置するようにしたり、あるいは、勤続年数の少ない保育士が同じ日の同じ時間帯に複数名配置されないように構成してもよい。これは、勤務表素案作成手段240における、禁止条件や組み合わせ条件等の設定によって実現することができる。これにより、経験の浅い保育士だけで保育することによる保育上のトラブルを回避できるようなシステム構成とすることができる。
また、配置する保育士同士の相性が業務の遂行に影響を与える等の事情がある場合には、相性の悪い保育士が同一の勤務時間帯に配置されないようにしてもよい。
また、本実施の形態におけるシフト作成システム100は、主として保育士のシフト作成に用いられるものであるが、このシフト作成システム100を、保育園で勤務する保育士以外の勤務者、例えば事務員、保健の先生、管理栄養士、等の勤務シフトの作成にも併用することができる。
さらに、本実施の形態のシフト作成システム100は、シフトの作成や管理に作成した情報を、保育士や保育園の職員の労働管理のために用いることもできる。具体的には、たとえば、シフト作成システム100において作成したそれぞれの保育士のシフトを統計情報として用い、取得した統計情報、たとえば、それぞれの保育士の勤務時間の長短、勤務時間帯の偏在状況(たとえば朝が多い、昼が多い、等)や、休暇取得状況等から、それぞれの保育士の労働条件(たとえば勤務時間が長すぎる、出退勤の負担の多い時間が多すぎる、など)の情報を取得し、それぞれの保育士の労働状況の改善のために用いることが考えられる。これにより、このシフト作成システム100を、保育士の離職防止システム等として応用することも考えられる。
さらにまた、本実施のシフト作成システム100を、シフトの割合の情報を取得して活用することも考えられる。
すなわち、本実施の形態のシフト作成システム100において、「Aシフト」〜「Lシフト」の12種類のシフトと、「休暇」シフトの採択情報が取得でき、これにより、たとえば、「●●年×月は、全シフトの回数466回のうち、Aシフトは15回採択され(全体の3%)、Bシフトは18回採択され(全体の4%)、Cシフトは181回採択され(全体の39%)・・・」のような統計情報を取得できる。これにより、管理者端末300を用いる管理者等が、シフトの採択状況や、将来的によりよいシフト体系を作成するための情報を取得することが可能となる。
その他の具体的な構成も本実施の形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において様々な変更が可能である。