JP6805194B2 - 経路情報転送装置、経路情報転送方法および経路情報転送プログラム - Google Patents

経路情報転送装置、経路情報転送方法および経路情報転送プログラム Download PDF

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Description

本発明は、ネットワークの経路広告を行う経路情報転送装置、経路情報転送方法および経路情報転送プログラムに関する。
ネットワークサービスの仮想化技術において、L3(レイヤ3)ネットワーク上に仮想的なL2(レイヤ2)トンネルを構築することで、L2パケットの転送を実現する技術が検討されている。その代表的な技術として、VXLAN(Virtual eXtensible Local Area Network)がある(非特許文献1参照)。VXLANにおいてMAC/IPアドレス学習を行う方法として、E−VPN(Ethernet〔登録商標〕- Virtual Private Network)が標準化されている(非特許文献2参照)。このE−VPNは、L2トンネル構築に必要となる装置間の経路情報交換に、MP−BGP(Multi Protocol - Border Gateway Protocol)を用いている(非特許文献3参照)。
E−VPNは、MP−BGPを用いて経路情報(MAC/IPアドレス)を広告することで、ネットワークの端点となる装置(ルータ)内に仮想ルータ(仮想ルーティングテーブルのVRF〔Virtual Routing and Forwarding〕)を作成する。
ここで、図7を参照して、IPネットワークNにL2トンネルを構築する従来の経路情報の流れについて説明する。図7は、IPネットワークNに複数のルータ(PE:Provider Edge)2を接続した状態を示している。PE2(2,2,2,…)は、コンピュータ等のネットワークホスト(以下、単にホストという)3を複数接続し、内部にL2トンネル用の仮想ルータ(VRF)を構築する。
例えば、ホスト31Aがホスト32Aおよびホスト33AとL2トンネルを構築する場合、ホスト31Aを収容するPE2(ルータ)のVRF11(仮想ルータ)は、MAC/IPアドレスを広告するためのパケット(BGPパケット)を、メッシュ状に張られているBGPピア(他のPE)に送出する。
次に、着信側のルータ、例えば、PE2では、受信したパケットのVRFを識別するためのRT(Route Target)およびVPNを識別するためのE−Tag(Ethernet Tag)情報から、自身のVRF宛てのパケットであると判断し、PE2のVRF11からの情報をルーティングテーブルに登録する。この一連の動作により、MAC/IPアドレスの装置(ルータ)間での交換が可能となり、L2トンネル(VLAN)が構築される。
このBGPピアの形成には、ルータ(PE2)間で直接BGPピアを張る場合と、ルートリフレクタという経路情報転送装置をネットワーク内に導入し、ルートリフレクタとBGPピアを張り、ルートリフレクタを経由してMAC/IPアドレスの交換を行う方式がある。
"Virtual eXtensible Local Area Network (VXLAN): A Frameworkfor Overlaying Virtualized Layer 2 Networks over Layer 3 Networks,"[online],IETF RFC7348,[平成30年1月30日検索]、インターネット<URL:http://tools.ietf.org/html/rfc7348> "Multiprotocol Extensions for BGP-4,"[online],IETF RFC2283,[平成30年1月30日検索]、インターネット<URL:https://tools.ietf.org/html/rfc2283> "BGP MPLS-Based Ethernet VPN,"[online],IETF RFC7432,[平成30年1月30日検索]、インターネット<URL:https://tools.ietf.org/html/rfc7432>
従来のE−VPNによるMAC/IPアドレス広告においては、3種類のサービスタイプが仕様上存在している。E−VPNでは、非特許文献3に記載されているように、ブロードキャストドメインやブリッジドメインなどとの対応関係により、VLAN-Based Service Interface、VLAN Bundle Service Interface、VLAN-Aware Bundle Service Interfaceの3種類のサービスタイプが存在する。
これらの異なるサービスタイプ間では、通信は保障されていない。これは、従来、サービスタイプが異なるE−VPN間では、MAC/IPアドレス広告を受信する装置(ルータ)において、サービスタイプごとのパラメータの違いによって自装置宛てのパケットと判断できないためである。
そのため、従来は、異なるサービスタイプ間の仮想ネットワークにおいて、MAC/IPアドレスを受け取るとることができず、L2トンネルを構築することができないという問題がある。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、異なるサービスタイプのE−VPN間の整合性を図り、異なるサービスタイプ間の仮想ネットワークでもL2トンネルを構築することが可能な経路情報転送装置、経路情報転送方法および経路情報転送プログラムを提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、仮想プライベートネットワークで経路情報を広告するパケットを、異なるサービスタイプのルータ間で転送する経路情報転送装置であって、前記パケットを前記ルータから受信するパケット受信部と、前記パケット受信部で受信したパケットに含まれる前記サービスタイプに関するパラメータを前記ルータおよび前記仮想プライベートネットワークごとに更新して記憶部に記憶する情報更新部と、前記記憶部を参照して、前記パケットの送信元のルータのサービスタイプに関するパラメータを、前記仮想プライベートネットワークが同じ送信先のルータのサービスタイプに関するパラメータに変換する情報変換部と、前記情報変換部で変換されたパラメータを含んだパケットを送信先のルータに送信するパケット送信部と、を備えることを特徴とする。
また、前記課題を解決するため、請求項5に記載の発明は、仮想プライベートネットワークで経路情報を広告するパケットを、異なるサービスタイプのルータ間で転送する経路情報転送装置の経路情報転送方法であって、前記パケットを前記ルータから受信するステップと、受信したパケットに含まれる前記サービスタイプに関するパラメータを前記ルータおよび前記仮想プライベートネットワークごとに更新して記憶部に記憶するステップと、前記記憶部を参照して、前記パケットの送信元のルータのサービスタイプに関するパラメータを、前記仮想プライベートネットワークが同じ送信先のルータのサービスタイプに関するパラメータに変換するステップと、変換されたパラメータを含んだパケットを送信先のルータに送信するステップと、を含むことを特徴とする。
請求項1,5に記載の発明によれば、経路情報転送装置は、仮想プライベートネットワークで経路情報をルータ間で転送する際に、サービスタイプに関するパラメータを送信先のルータのパラメータに変換することで、異なる方式のルータ間でもパケットを送受信することができる。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の経路情報転送装置において、前記情報変換部が、受信したパケットに対応する送信先のルータのサービスタイプに関するパラメータが前記記憶部に記憶されていない場合、前記送信先のルータのサービスタイプに関するパラメータが記憶されるまで、前記受信したパケットを保留することを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、経路情報転送装置は、送信先のルータのサービスタイプに関するパラメータが記憶部に記憶されていない場合でも、当該パラメータが記憶されるまでパケットを保留することができる。これによって、経路情報転送装置は、送信先のルータからのパケットの受信により、サービスタイプに関するパラメータが記憶部に記憶された段階で、当該パケットを送信先のルータに送信することができる。
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の経路情報転送装置において、前記情報変換部が、受信したパケットに対応する送信先のルータのサービスタイプに関するパラメータが前記記憶部に記憶されていない場合、前記送信先のルータに前記経路情報のアップデートを要求することを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、経路情報転送装置は、送信先のルータのサービスタイプに関するパラメータが記憶部に記憶されていない場合でも、送信先のルータに経路情報のアップデートを要求することで、素早くサービスタイプに関するパラメータを更新することができる。これによって、経路情報転送装置は、送信元のルータの経路情報を素早く送信先のルータに送信することができる。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の経路情報転送装置において、前記記憶部には、前記ルータに接続されたホストのMAC/IPアドレスを記憶しておき、前記情報変換部が、受信したパケットに対応する送信先のルータのサービスタイプに関するパラメータが前記記憶部に記憶されていない場合、前記送信先のルータに接続された前記ホストのMAC/IPアドレスを送信元のルータに送信することを特徴とする。
請求項4に記載の発明によれば、経路情報転送装置は、送信先のルータのサービスタイプに関するパラメータがまだ記憶部に記憶されておらず、パケットが送信先に到達しない場合でも、送信元のルータに送信先のルータに接続されたホストのMAC/IPアドレスを通知することができ、経路情報交換を補うことができる。
また、請求項6に記載の発明は、コンピュータを、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の経路情報転送装置として機能させるための経路情報転送プログラムとした。
請求項6に記載の発明によれば、一般的なコンピュータを用いて、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の経路情報転送装置の各機能を実現させることができる。
本発明によれば、サービスタイプの異なるルータ間であっても、サービスタイプに関するパラメータを送信先のルータに合わせて変換することで、L2トンネルによる仮想プライベートネットワークを構築することができる。
本発明の実施形態に係るルートリフレクタ(経路情報転送装置)を含む経路広告システムの全体構成を示すブロック図である。 サービスタイプ情報記憶部に記憶される内容を説明するための説明図である。 情報変換部におけるパラメータの変換規則を説明するための説明図である。 本発明の実施形態に係るルートリフレクタの動作を示すフローチャートである。 本発明の実施形態に係るルートリフレクタを用いたBGPパケットの転送例を示すシーケンス図である。 本発明の実施形態に係るルートリフレクタを用いたBGPパケットの他の転送例を示すシーケンス図である。 従来のIPネットワークにL2トンネルを構築する際の経路情報の流れを説明するための説明図である。
本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
≪経路広告システムの概要≫
まず、図1を参照して、本発明の実施形態に係るルートリフレクタ1を含む経路広告システム100の概要について説明する。
経路広告システム100は、IPネットワークNにおいて、仮想プライベートネットワーク(E−VPN)を構築するための経路情報をルータに広告するものである。
図1に示すように、経路広告システム100は、ルートリフレクタ1と、複数のPE(ルータ)2とをIPネットワークN上で接続して構成している。なお、ここでは、説明を簡易化するため、PE2の数を2台としているが、3台以上であっても構わない。また、PE2には、ホスト3を接続している。
ルートリフレクタ(経路情報転送装置)1は、仮想プライベートネットワーク(E−VPN)で経路情報を広告するパケット(BGPパケット〔UPDATE〕)を、同一または異なるサービスタイプのルータ間で転送するものである。
このルートリフレクタ1は、PE2(例えば、PE2)から受信したBGPパケットのサービスタイプごとに異なるパラメータを他のPE2(例えば、PE2)で受信可能なパラメータに変更して経路情報を転送する。このルートリフレクタ1の構成および動作については、後で詳細に説明する。
PE(ルータ)2は、L3ネットワーク上に仮想的なL2トンネルを構築するものである。ここでは、仮想ルータ(VRF)を、PE2に1つ図示しているが、複数作成してもよい。
PE2は、L2トンネルを構築するために、MP−BGPを用いて、他のPE2との間で経路情報を交換する。
このPE2は、ルートリフレクタ1を介して、経路情報を広告することで、ネットワークの端点となる自装置(PE2)内に仮想ルータ(VRF)を作成する。
なお、ここでは、PE2とPE2とは、サービスタイプの仕様が異なるルータとする。PE2は、サービスタイプがVLAN-Based Service Interfaceの仕様で動作し、PE2は、サービスタイプがVLAN Bundle Service Interface、または、VLAN-Aware Bundle Service Interfaceの仕様で動作するものとする。
BGPパケット(UPDATE)には、図1に示すように、サービスタイプに関する情報(サービスタイプ情報)として、「Community」、「VTEP」、「RT」、「E−Tag」の値がパラメータP,Pとして含まれている。
「Community(VPN識別情報)」は、経路情報に付加される追加情報であって、ここでは、VXLANにおいて、E−VPNを識別する情報(VNI:VXLAN Network ID)を設定する。例えば、PE2が送信するUPDATEのCommunityを“1”、PE2が送信するUPDATEのCommunityを“1”とすることで、同一のVPNであることを認識できる。
「VTEP(Virtual Tunnel End Point)」は、L2トンネルの端点を示すアドレスである。例えば、PE2のループバックアドレスである。
「RT(Route Target)」は、VRF(仮想ルータ)を識別する情報であって、ここでは、「AS番号:任意の値」で設定される情報とする。なお、AS番号は、このネットワークシステム(経路広告システム100)に予め固有に割り当てられた値である。
「E−Tag(Ethernet Tag)」は、E−VPNを識別する情報である。このE−Tagは、サービスタイプによって値が異なる。PE2は、サービスタイプがVLAN-Based Service Interfaceであるため、E−Tagには、“0”以外の値が設定される(1,2等)。また、PE2は、サービスタイプがVLAN Bundle Service Interface、または、VLAN-Aware Bundle Service Interfaceであるため、E−Tagには、“0”が設定される。
ホスト3は、コンピュータ等の一般的なネットワークホストであるため説明を省略する。
以上説明したように、経路広告システム100は、ルートリフレクタ1によって、異なるサービスタイプ(方式)のPE2間のパラメータを相互に受信可能なパラメータに変換することで、経路情報の広告を可能にする。
以下、ルートリフレクタ1の構成および動作について詳細に説明する。
≪ルートリフレクタの構成≫
図1を参照して、ルートリフレクタ1の構成について説明する。図1に示すように、ルートリフレクタ1は、パケット受信部11と、E−VPN機能部12と、サービスタイプ情報記憶部13と、情報変換部14と、パケット生成部15と、パケット送信部16と、を備える。
パケット受信部11は、IPネットワークNを介して、PE2から、BGPパケットを受信するものである。パケット受信部11は、受信したBGPパケットをE−VPN機能部12に出力する。
E−VPN機能部12は、E−VPNの機能を実現するための処理部である。例えば、E−VPN機能部12は、パケットの解析等の一般的な処理を行う。本発明において、E−VPN機能部12は、情報更新部120を備える。
情報更新部120は、受信したBGPパケットのサービスタイプに関する情報(パラメータP,P等)を、PE2およびE−VPNごとにサービスタイプ情報記憶部13に格納するとともに、逐次更新するものである。
この情報更新部120は、BGPパケットに含まれるE−VPNを識別するCommunityの値が、新たな値である場合、サービスタイプに関する情報をサービスタイプ情報記憶部13に格納する。また、情報更新部120は、Communityの値に対応する他の情報(VTEP、RT、E−Tag)に変更があった場合、サービスタイプ情報記憶部13に格納されている情報を更新する。
例えば、情報更新部120は、図2に示すように、PE2から受信したBGPパケットに含まれている情報(パラメータP)をサービスタイプ情報記憶部13にテーブル形式で格納する。このとき、情報更新部120は、E−Tagの値が“0”でないことを示す予め定めた値(ここでは、“A”と表記)を、サービスタイプとしてサービスタイプ情報記憶部13に記憶しておく。
また、情報更新部120は、図2に示すように、PE2から受信したBGPパケットに含まれている情報(パラメータP)をサービスタイプ情報記憶部13にテーブル形式で格納する。このとき、情報更新部120は、E−Tagの値が“0”であることを示す予め定めた値(ここでは、“B”と表記)を、サービスタイプとしてサービスタイプ情報記憶部13に記憶しておく。
なお、ここでは、サービスタイプの区別を分かり易くするため、A,Bを付加しているが、サービスタイプは、E−Tagの値によって判別可能な情報であるため、必ずしもサービスタイプ情報記憶部13に記憶する必要はない。
図1に戻って、ルートリフレクタ1の構成について説明を続ける。
E−VPN機能部12は、受信したBGPパケットを情報変換部14に出力する。
サービスタイプ情報記憶部(記憶部)13は、E−VPN機能部12の情報更新部120で更新されたサービスタイプに関する情報を、PE2およびE−VPN(Community)ごとに記憶するものである(図2参照)。このサービスタイプ情報記憶部13は、ハードディスク、半導体メモリ等の一般的な記憶媒体で構成することができる。
このサービスタイプ情報記憶部13に記憶されたサービスタイプに関する情報は、情報変換部14によって参照される。
情報変換部14は、サービスタイプ情報記憶部13を参照して、BGPパケットが宛先(送信先)PE2で受信可能なように、サービスタイプ情報(RTおよびE−Tag)を変換するものである。
なお、情報変換部14は、宛先PE2のサービスタイプ情報がサービスタイプ情報記憶部13に記憶されていない場合、PE2から定期的に送信されるBGPパケットにより更新されるまで、受信したBGPパケットを、図示を省略したメモリに一時的に記憶(保留)し、宛先PE2のサービスタイプ情報が新たに記憶された段階で、サービスタイプ情報(RTおよびE−Tag)を変換する。あるいは、情報変換部14は、宛先PE2のサービスタイプ情報がサービスタイプ情報記憶部13に記憶されていない場合、経路情報のアップデート(BGP UPDATE)を宛先PE2に要求することとしてもよい。
情報変換部14は、宛先ごとに変換したRTおよびE−Tagの値を、CommunityおよびVTEPの値とともに、パケット生成部15に出力する。なお、送信元と送信先のサービスタイプが同じであれば、情報変換部14は、RTおよびE−Tagの値を変換せずにそのままパケット生成部15に出力する。
ここで、図3を参照して、情報変換部14が行うサービスタイプ情報(RTおよびE−Tag)の変換内容について説明する。図3は、情報変換部14が行うサービスタイプ情報の変換規則を示す。
図3に示すように、情報変換部14は、送信元(受信PE)と送信先(宛先PE)とでサービスタイプが異なる場合のみ、RTおよびE−Tagの変換を行う。
すなわち、送信元(受信PE)のサービスタイプが“A”、送信先(宛先PE)のサービスタイプが“B”の場合、受信したBGPパケットのCommunityの値を“x”としたとき、情報変換部14は、RTを、サービスタイプ情報記憶部13に記憶されている送信先(宛先PE)のxに対応するRTに変換する。また、情報変換部14は、E−Tagを“0”に変換する。
また、送信元(受信PE)のサービスタイプが“B”、送信先(宛先PE)のサービスタイプが“A”の場合、受信したBGPパケットのCommunityの値を“x”としたとき、情報変換部14は、RTを、サービスタイプ情報記憶部13に記憶されている送信先(宛先PE)のxに対応するRTに変換する。また、情報変換部14は、E−TagをCommunityの値“x”に変換する。
図1に戻って、ルートリフレクタ1の構成について説明を続ける。
パケット生成部15は、情報変換部14で必要に応じて変換されたRTおよびE−Tagの値と、CommunityおよびVTEPの値と、受信したBGPパケットに含まれる経路情報とを用いて、宛先ごとのBGPパケットを生成するものである。
パケット生成部15は、生成したBGPパケットをパケット送信部16に出力する。
パケット送信部16は、パケット生成部15で生成されたBGPパケットを、IPネットワークNを介して、宛先のPE2に送信するものである。
以上説明したようにルートリフレクタ1を構成することで、ルートリフレクタ1は、E−VPNの経路情報転送において、異なるサービスタイプのPE2間でも、サービスタイプの差異を宛先のサービスタイプに変換することで通信を行うことができる。これによって、ルートリフレクタ1は、異なるサービスタイプのPE2間でMAC/IPアドレスの広告が可能になり、L2トンネルを構築することが可能になる。
なお、ルートリフレクタ1は、図示を省略したコンピュータを、ルートリフレクタ1を構成する各部として機能させるためのプログラム(経路情報転送プログラム)で動作させることができる。
≪ルートリフレクタの動作≫
次に、図4を参照(構成については、適宜図1参照)して、ルートリフレクタ1の動作(経路情報転送方法)について説明する。図4は、ルートリフレクタ1が、BGPパケットを受信し、他のPEに転送するまでの動作を示すフローチャートである。
まず、ルートリフレクタ1は、パケット受信部11によって、受信PE(例えば、PE2)から送信される経路情報を含んだBGPパケットを、IPネットワークNを介して受信する(ステップS1)。
そして、ルートリフレクタ1は、E−VPN機能部12の情報更新部120によって、受信PEに更新情報があるか否かを判定する(ステップS2)。すなわち、情報更新部120は、サービスタイプ情報記憶部13を参照し、受信PE用のテーブル内に、受信したBGPパケットに含まれるCommunityの値がない場合、あるいは、同じCommunityの値に対応する他の情報(VTEP、RT、E−Tag)が相違する場合、受信PEに更新情報があると判定する。
ここで、BGPパケットにおいて、受信PEに更新情報があると判定した場合(ステップS2でYes)、情報更新部120は、受信PEのサービスタイプ情報をサービスタイプ情報記憶部13に格納(追加または更新)する(ステップS3)。
BGPパケットにおいて、受信PEに更新情報がない(すでに格納されている)場合(ステップS2でNo)、または、受信PEのサービスタイプ情報をサービスタイプ情報記憶部13に格納後(ステップS3の後)、ルートリフレクタ1は、情報更新部120によって、宛先PE(例えば、PE2)のサービスタイプ情報がサービスタイプ情報記憶部13に記憶されているか否かを判定する(ステップS4)。
ここで、宛先PEのサービスタイプ情報がサービスタイプ情報記憶部13に記憶されている場合(ステップS4でYes)、ルートリフレクタ1は、情報変換部14によって、サービスタイプ情報記憶部13を参照して、RTおよびE−Tagを変換する(ステップS5)。すなわち、情報変換部14は、図3で説明した変換規則により、受信PEと宛先PEとでサービスタイプが異なる場合に、RTおよびE−Tagを変換する。
そして、ルートリフレクタ1は、パケット生成部15によって、ステップS5で変換したサービスタイプ情報を用いて、宛先PEに対応したBGPパケットを生成する(ステップS6)。
そして、ルートリフレクタ1は、パケット送信部16によって、ステップS6で生成されたBGPパケットを、IPネットワークNを介して宛先PEに送信する(ステップS7)。
また、ステップS4において、宛先PEのサービスタイプ情報がサービスタイプ情報記憶部13に記憶されていない場合(ステップS4でNo)、ルートリフレクタ1は、情報変換部14によって、宛先PEへサービスタイプ情報をすでに要求しているか否かを判定する(ステップS8)。
ここで、宛先PEへサービスタイプ情報をすでに要求している場合(ステップS8でYes)、情報変換部14は、受信したBGPパケットを保留し、ステップS4に戻って、宛先PEのサービスタイプ情報が更新されるまで待機する。
一方、宛先PEへサービスタイプ情報を要求していない場合(ステップS8でNo)、情報変換部14は、BGPのUPDATEを宛先PE2に要求する。例えば、情報変換部14は、BGPセッションをソフトリセットする要求を含んだBGPパケットを生成し、宛先PEに送信(ステップS7)すればよい。このソフトウェアリセットにより、新たなセッションとして、ルートリフレクタ1は、UPDATEを取得することができる。
なお、ステップS8,S9の動作は必ずしも必須ではなく、ステップS4において、宛先PEのサービスタイプ情報がサービスタイプ情報記憶部13に記憶されていない場合(ステップS4でNo)、宛先PEのサービスタイプ情報が更新されるまで、BGPパケットを保留してもよい。
以上の動作によって、ルートリフレクタ1は、E−VPNの経路情報転送において、異なるサービスタイプのPE2間でも、サービスタイプの差異を宛先のサービスタイプに変換することで通信を行うことができる。
≪BGPパケットの転送例≫
次に、図5,図6を参照して、経路広告システム100におけるBGPパケットの転送例について説明する。図5は、ルートリフレクタ1内に、サービスタイプ情報(RTおよびE−Tag)を変換するための情報がない場合のシーケンス図である。図6は、ルートリフレクタ1内に、サービスタイプ情報(RTおよびE−Tag)を変換するための情報がある場合のシーケンス図である。ここでは、図1に示した経路広告システム100で、PE2からPE2にBGPパケット(UPDATE)を送信することとする。
<転送例1>
まず、図5を参照(適宜図1参照)して、経路広告システム100におけるBGPパケットの転送例について説明する。
PE2は、ホスト3からの要求等によって、新たな経路情報(MAC/IPアドレス)を広告するためのサービスタイプ情報の更新発生事象を検出する(ステップS10)。
そして、PE2は、BGPパケット(UPDATE)を、ルートリフレクタ1に送信する(ステップS11)。
ここでは、UPDATEに付加するサービスタイプに関する情報として、Community“1”、VTEP“1.1.1.1”、RT“10:10”、E−Tag“1”と、Community“2”、VTEP“1.1.1.1”、RT“10:30”、E−Tag“2”との2種類のパラメータPを含む。
そして、ルートリフレクタ1は、受信したBGPパケット(UPFATE)に含まれるパラメータPを、サービスタイプ情報記憶部13にテーブル形式で登録する(ステップS12)。
ここで、ルートリフレクタ1内(サービスタイプ情報記憶部13)には、サービスタイプ情報をPE2用に変換するための情報がないため、ルートリフレクタ1は、PE2にUPDATE要求を行う(ステップS13)。
そして、PE2は、BGPパケット(UPDATE)を、ルートリフレクタ1に送信する(ステップS14)。
ここでは、UPDATEに付加するサービスタイプに関する情報として、Community“1”、VTEP“3.3.3.3”、RT“10:20”、E−Tag“0”と、Community“2”、VTEP“4.4.4.4”、RT“10:30”、E−Tag“0”との2種類のパラメータPを含む。
そして、ルートリフレクタ1は、受信したBGPパケット(UPFATE)に含まれるパラメータPを、サービスタイプ情報記憶部13にテーブル形式で登録する(ステップS15)。
これによって、ルートリフレクタ1には、PE2とPE2とで送受信するBGPパケットに対して、サービスタイプ情報の変換に必要な情報が格納されることになる。
そして、ルートリフレクタ1は、パラメータPをパラメータPに変換して、BGPパケット(UPDATE)を、PE2に送信する(ステップS16)。
このとき、ルートリフレクタ1は、情報変換部14によって、図3に示した変換規則で、パラメータPをパラメータPに変換する。
PE2から送信されるUPDATEのパラメータPは、E−Tagの値が“0”でないため、PE2のサービスタイプは“A”である。一方、PE2から送信されるUPDATEのパラメータPは、E−Tagの値が“0”であるため、PE2のサービスタイプは“B”である。すなわち、PE2とPE2とでは、サービスタイプが異なる。そこで、ルートリフレクタ1は、図3に示すように、パラメータPのCommunity“1”に対応するRTをPE2のRTである“10:20”に変換するとともに、E−Tagを“0”に変換する。また、ルートリフレクタ1は、パラメータPのCommunity“2”に対応するRTをPE2のRTである“10:30”に変換(ここでは、同じ)するとともに、E−Tagを“0”に変換する。
このように、ルートリフレクタ1は、変換後のパラメータPを含んだUPDATEを、PE2に送信する。これによって、PE2は、ステップS16で送信されたBGPパケット(UPDATE)を自身宛てのパケットとして認識することができる。
<転送例2>
次に、図6を参照(適宜図1参照)して、経路広告システム100におけるBGPパケットの他の転送例について説明する。
図6の例では、ルートリフレクタ1内に、サービスタイプ情報(RTおよびE−Tag)を変換するための情報があるため、図5で説明したシーケンスのステップS13からS15までを省略すればよい。
このように、ルートリフレクタ1は、サービスタイプ情報(RTおよびE−Tag)を変換するための情報をすでに保持していれば、UPDATE要求を行わずに、BGPパケットの転送を行うことができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、この実施形態に限定されるものではない。
ここでは、ルートリフレクタ1は、宛先PEのサービスタイプに関する情報が格納されていない場合、格納されるまでBGPパケットを保留、あるいは、UPDATE要求を行うこととした。
しかし、ルートリフレクタ1のサービスタイプ情報記憶部13に宛先PEに接続されているホストのMAC/IPアドレスを予め記憶しておき、BGPパケット(UPDATE)の送信元のPE2に対して、宛先のMAC/IPアドレスを送信することとしてもよい。
これによって、一時的にサービスタイプ情報(RTおよびE−Tag)を変換できない場合でも、送信元のPE2は、MAC/IPアドレスを取得することができる。
以上説明したように、ルートリフレクタ1は、E−VPNで経路情報(MAC/IPアドレス)を広告する際に、サービスタイプ(方式)の差分を修正することで、方式の異なるルータ間でE−VPNを構築することができる。
またルートリフレクタ1によって、方式の異なるルータ間でE−VPNを構築することができるため、大規模なネットワークの更改や見直しが必要となる場合でも、既存の環境に大きな影響を与えることなく、ネットワークを構築することができる。
さらに、ルートリフレクタ1を用いることで、メーカ、方式の異なる既存の設備に影響を及ぼさずに、最適な機能、性能、コストに見合ったネットワークの構築が可能になる。
1 ルートリフレクタ(経路情報転送装置)
11 パケット受信部
12 E−VPN機能部
120 情報更新部
13 サービスタイプ情報記憶部(記憶部)
14 情報交換部
15 パケット生成部
16 パケット送信部
2 PE(ルータ)
3 ホスト
100 経路広告システム

Claims (6)

  1. 仮想プライベートネットワークで経路情報を広告するパケットを、異なるサービスタイプのルータ間で転送する経路情報転送装置であって、
    前記パケットを前記ルータから受信するパケット受信部と、
    前記パケット受信部で受信したパケットに含まれる前記サービスタイプに関するパラメータを前記ルータおよび前記仮想プライベートネットワークごとに更新して記憶部に記憶する情報更新部と、
    前記記憶部を参照して、前記パケットの送信元のルータのサービスタイプに関するパラメータを、前記仮想プライベートネットワークが同じ送信先のルータのサービスタイプに関するパラメータに変換する情報変換部と、
    前記情報変換部で変換されたパラメータを含んだパケットを送信先のルータに送信するパケット送信部と、
    を備えることを特徴とする経路情報転送装置。
  2. 前記情報変換部は、受信したパケットに対応する送信先のルータのサービスタイプに関するパラメータが前記記憶部に記憶されていない場合、前記送信先のルータのサービスタイプに関するパラメータが記憶されるまで、前記受信したパケットを保留することを特徴とする請求項1に記載の経路情報転送装置。
  3. 前記情報変換部は、受信したパケットに対応する送信先のルータのサービスタイプに関するパラメータが前記記憶部に記憶されていない場合、前記送信先のルータに前記経路情報のアップデートを要求することを特徴とする請求項2に記載の経路情報転送装置。
  4. 前記記憶部には、前記ルータに接続されたホストのMAC/IPアドレスを記憶しておき、
    前記情報変換部は、受信したパケットに対応する送信先のルータのサービスタイプに関するパラメータが前記記憶部に記憶されていない場合、前記送信先のルータに接続された前記ホストのMAC/IPアドレスを送信元のルータに送信することを特徴とする請求項1に記載の経路情報転送装置。
  5. 仮想プライベートネットワークで経路情報を広告するパケットを、異なるサービスタイプのルータ間で転送する経路情報転送装置の経路情報転送方法であって、
    前記パケットを前記ルータから受信するステップと、
    受信したパケットに含まれる前記サービスタイプに関するパラメータを前記ルータおよび前記仮想プライベートネットワークごとに更新して記憶部に記憶するステップと、
    前記記憶部を参照して、前記パケットの送信元のルータのサービスタイプに関するパラメータを、前記仮想プライベートネットワークが同じ送信先のルータのサービスタイプに関するパラメータに変換するステップと、
    変換されたパラメータを含んだパケットを送信先のルータに送信するステップと、
    を含むことを特徴とする経路情報転送方法。
  6. コンピュータを、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の経路情報転送装置として機能させるための経路情報転送プログラム。
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