JP6789896B2 - 冷蔵庫 - Google Patents

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Description

本発明は、冷蔵庫に関する。
従来の冷蔵庫として、特開2009−36440号公報(特許文献1)に示されたものがある。この冷蔵庫は、減圧貯蔵室を設け、この減圧貯蔵室は他の貯蔵室内に設置されて冷却される構造となっており、真空ポンプにより空気を吸引して減圧する。これにより、食品の酸化を抑制し、長期保存した場合の食品の保鮮性能を向上することができる。また減圧貯蔵室内の空気圧力検知手段として圧力スイッチを用い、検知圧力が所定圧力より高い場合は真空ポンプを運転し、低い場合は真空ポンプを停止させ、間欠的に運転することで消費電力を低減している。
特開2009−36440号公報
ところが上述した従来例では次のような問題がある。
特許文献1では、真空ポンプの運転のオン/オフを圧力スイッチにより制御するものなので、特許文献1の図5のように、減圧貯蔵室(低圧室)以外にも、真空ポンプ内に圧力スイッチ用の密閉室を形成する必要がある。このように、密閉空間が複数設けると、その分だけ空気がリークする可能性も増加してしまう。また、圧力スイッチを設けることで、高コスト化につながっている。
本発明の目的は、減圧貯蔵室を備えた冷蔵庫において、信頼性を高めつつ低コスト化を実現することにある。
本発明は、貯蔵室と、該貯蔵室を減圧する減圧手段を備えた冷蔵庫であって、前記減圧手段として、圧力検知手段を有しない真空ポンプを用い、前記真空ポンプは、ポンプ機構部と、前記ポンプ機構部を駆動する直流モータとを有しており、前記直流モータを流れる電流に基づいて、前記真空ポンプの制御を行う。
本発明によれば、信頼性が高く低コストの減圧貯蔵室を備えた冷蔵庫を提供できる。
本発明の一実施形態の冷蔵庫の正面図である。 図1の冷蔵庫の冷蔵室部分の正面図である。 図2の冷蔵室の最下段空間部分の断面斜視図である。 図2の冷蔵室の低圧室の斜視図である。 真空ポンプと導管と低圧室の接続を簡易的に示した図である。 本実施形態における制御ブロック図である。 真空ポンプの減圧性能を示す図である。 実施形態1における減圧動作時の基本制御タイムチャート図である。 実施形態1における減圧動作時の基本制御フローチャート図である。 実施形態2における減圧動作時の基本制御タイムチャート図である。 実施形態2における減圧動作時の基本制御フローチャート図である。 実施形態2における、第4所定時間を50%より長く設定した場合の電流信号の推移を示す図である。 実施形態2における、第4所定時間を50%以下に設定した場合の電流信号の推移を示す図である。 実施形態3における、直流モータの特性を示す図である。 実施形態3における減圧動作時の基本制御タイムチャート図である。 実施形態3における減圧動作時の基本制御フローチャート図である。
本発明の実施の形態について、以下図面に基づいて説明する。
図1は本実施形態の冷蔵庫の正面図である。冷蔵庫は、上から冷蔵室2,製氷室3,冷凍室4,野菜室5に構成・配置されている。冷蔵室2及び野菜室5は冷蔵温度帯の貯蔵室であり、製氷室3及び冷凍室4は0℃以下の冷凍温度帯(例えば、約−20℃〜−18℃の温度帯)の貯蔵室である。また符合13は操作パネルであり表示LED13a(図示せず)や操作スイッチ(図示せず)で構成されたものである。
図2は図1の冷蔵室2内の正面図である。符号8は冷蔵室2開口部を閉塞する冷蔵室ドア2aの開閉を検知する冷蔵室ドアスイッチであり、冷蔵室2最下段に貯蔵室である低圧室6が配置されている。ここで、低圧室とは、減圧手段(例えば真空ポンプ)によって、0kPa・G(大気圧)から大気圧未満に減圧することのできる室をいう。
図3は図2の冷蔵室2最下段部の斜視図、図4は低圧室6の斜視図である。低圧室6前面には食品出し入れ用開口部を開閉する低圧室ドア6aを備え、符号9は低圧室ドア6aの開閉を検知する低圧室ドアスイッチである。符号7は真空ポンプであり、真空ポンプ7と低圧室6間を導管7aで接続し、真空ポンプ7にて導管7aを通して低圧室6内の空気を吸引し減圧する動作・構成である。図5は真空ポンプ7から低圧室6にわたる接続を簡易的に示した図である。図5に示すように真空ポンプ7は導管7aを通して低圧室6内と導通している。
(第一の実施形態)
上記構成において、圧力スイッチを用いずに過剰な真空ポンプONを抑制しつつ低圧室6内を減圧動作する第一の実施形態について説明する。
図6は制御ブロック図である。符号10は冷蔵室2内の温度を検出する冷蔵室温度センサ、符号12は冷蔵庫制御基板(図示せず)に搭載されているマイコン、符号13aは操作パネル13内に組み込まれる表示LED、符号7bは真空ポンプ7を駆動する直流モータである。冷蔵室ドアスイッチ8,低圧室ドアスイッチ9,冷蔵室温度センサ10それぞれ検出信号がマイコン12に入力され、後述の制御仕様に基づき表示LED13a及び真空ポンプ7(直流モータ7b)に出力信号を出力する構成である。また電流信号7cは直流モータ7bのモータ電流を表す信号であり、マイコン12へ信号がフィードバックされる。また、マイコン12にフィードバックされる電流信号7cは、冷蔵庫制御基板上に実装された電流増幅回路11により増幅されており、微小な電流の増減をより精度よく検出できる構成となっている。
次に、図7は、真空ポンプ7を運転させ続けた時の低圧室6の内部の圧力状態と、電流信号7cの状態を示す。横軸は、真空ポンプ7を運転開始してからの運転時間、縦軸は低圧室6内の圧力、電流信号7cの高低を示している。なお本明細書中、圧力値はゲージ圧とし、その単位はkPa・Gで表すものとする。従って大気圧=0kPa・Gであり、それより低圧時はマイナスの値となる。
低圧室6に真空ポンプ7を接続して運転したところ、発明者らの実験によれば、図7のように真空ポンプ7を運転開始すると時間経過とともに徐々に圧力が低下した。ここで、本実施形態における真空ポンプ7の減圧能力は−30kPa・G以下にならないポンプを使用する。このようなポンプを用いることで、低圧室6の容積が異なる、つまり吸引する空気量が異なるのに対し真空ポンプ7は同じものを使用した場合、容積が小さいほど圧力が下がるスピードが速くなると考えられるが、本実施形態においては低圧室6内部の圧力は−30kPa・Gを下回ることはないと考えられる。
一方、電流信号7cは、低圧室内圧力の低下にともない電流値が増大していく。この現象は、真空ポンプ7の動力源として用いている直流モータ7bの特徴によるものである。直流モータはモータ負荷とモータ電流が比例する特徴を有しているため、低圧室内の気圧が低下するにつれてモータ負荷が増大することにより電流値も増大する。
一定圧力以下となった場合は、ポンプ機構の仕事量が減少(減圧しなくなる)ためモータ負荷が低減するためモータ電流が低下していく。
上述した冷蔵庫において、圧力を検出するスイッチを持たない真空ポンプで、低圧室6内の圧力が所定圧力以下であることを検知する制御仕様について、図8に示すタイムチャートと、図9に示すフローチャートを用いて説明する。
まず、低圧室6は冷蔵室2の内部に格納されているため、冷蔵室ドア2aの開閉の有無によって真空ポンプ7をONするか判断する。
本実施形態においては、冷蔵庫ドア2aが開(S001)してから閉(S002)するまでの時間が3s以上の時にのみ真空ポンプをONする。(S003)。開閉時間が3s未満の場合は真空ポンプをOFFのまま(S004)とし、3s以上の場合は真空ポンプ7をONする(S005)。
ここで、真空ポンプを動作させるための条件であるドア開時間3秒の根拠について説明する。低圧室6の低圧室ドア6aを開閉して食品を出し入れするには、冷蔵室ドア2a(観音開き方式のフレンチドアの場合は左右両側の扉)を開け、低圧室ドア6aを開けて、トレイを引き出し、食品を出し入れし、トレイを戻して低圧室ドア6aを閉めて、冷蔵室ドア2aを閉めるという一連の手順が必要となり、低圧室6を利用しない場合と比べて長くなる。
そこで、具体的にどのくらい時間を要するのか、冷蔵室ドアがフレンチ扉の冷蔵庫を用いて、21人による実験で確認した。すると、平均時間が約7秒であり、ばらつきを考慮した結果、冷蔵室ドアの両開時間が3秒経過した際に真空ポンプを動作させるようにすれば、低圧室6以外の冷蔵室を利用する場合に、無駄に真空ポンプを動作させるのを防ぐことができることが分かった。
真空ポンプON中に冷蔵室ドアの開閉の有無を検出(S006)し、開閉があった場合は、低圧検知制御を終了し、冷蔵庫ドア閉後に第3所定時間(t3)まで真空ポンプをONし、動作終了する(S007)。
ここで、第3所定時間(t3)は、低圧室6内部の圧力を−15〜−20kPa・Gの間にするための時間を設定しており、本実施例においては150s等の値を設定している。第3所定時間(t3)は低圧室6の容積によって、例えば20Lであれば150s、10Lであれば75sのように容積によって設定時間を変える必要がある。
冷蔵室ドアの開閉が無い状態で第1所定時間(t1)を経過した場合、その時の第1電流値(I1)を測定する(S008)。図8のチャイムチャートに示したように、直流モータ7bはON直後に通常電流より非常に大きいで電流(突入電流)が流れるため、これを誤って検出しないために真空ポンプ7ON後に第1所定時間(t1)を経過してから第1電流値(I1)を測定している。突入電流は目安として数ms〜数百msであるため、本実施形態においては第1所定時間を10sとしている。
その後、第2所定時間(t2)までの間に冷蔵室ドア2aの開閉が無かった場合、第2電流値(I2)を測定する(S011)。第2所定時間(t2)経過前に冷蔵室ドア2aの開閉があった場合は低圧検知制御を終了し、冷蔵庫ドア閉後に第3所定時間(t3)まで真空ポンプをONし、動作終了する。(S010)
ここで、第2所定時間(t2)は第3所定時間(t3)より短い時間が設定されており、これにより低圧室6内が既に低圧で、これ以上の減圧が必要ない場合は過剰な真空ポンプ7の動作を抑制することができる。
前述した通り、直流モータ7bはモータ負荷によって電流値が増減するため、圧力の変化幅を十分に確保するためには第2所定時間は極力長い方が好ましい。ただし、過剰な真空ポンプ7のONを抑制するためには可能な限り短い時間とする必要がある。本実施形態においては、第2所定時間(t2)は第3所定時間(t3)の30〜70%に設定している。例えば第3所定時間(t3)を150sに設定する低圧室容量の場合は、第3所定時間を75sに設定する。
第1電流値(I1)と第2電流値(I2)とのを差分を演算し(S012)、その結果(ΔI)と0kPa・G(大気圧)と低圧を判定するための閾値(X)を比較し(S013)する。ΔI<Xの場合、低圧室6内の圧力を低圧と判断し真空ポンプ7をOFFとする。(S014)。ΔI≧Xの場合、低圧室6内の圧力を0kPa・G(大気圧)と判断し真空ポンプ7を第3所定時間(t3)までON継続する。(S015)
以上の制御仕様により、低圧室6内の圧力を直流モータ7bの電流から推定し、無駄な真空ポンプ7の動作を抑制することが可能となる。これにより、圧力スイッチを用いずに低圧室6内の圧力を判別することで、リークを低減した信頼性の高い冷蔵庫を提供することができる。なお、ここでいうリークとは、減圧貯蔵室や真空ポンプの密閉空間において、減圧された密閉空間と密閉空間外の圧力差によって、密閉空間の隙間から空気が密閉空間に流れることを指す。
(第二の実施形態)
次に、第一の実施形態よりさらに単純な制御により、圧力スイッチを用いずに過剰な真空ポンプONを抑制しつつ低圧室6内を減圧動作する第二の実施形態について説明する。なお、部品構成は第一の実施形態と同一である。
第二の実施形態におけるタイムチャート図を図10に、フローチャートを図11に示す。
まず、S016からS022までの動作については、第一の実施形態で説明したS01からS07と同じ動作を行う。
真空ポンプ7をON後(S020)、第4所定時間まで運転継続した場合、その時の第4電流値(I4)を測定する(S023)。
第1電流値(I1)と低圧判定値Yを比較(S024)し、I1<Yであれば低圧と判断し真空ポンプ7をOFFし(S025)、I1≧Yであれば0kPa・G(大気圧)と判断し真空ポンプ7を第3所定時間(t3)までON継続する(S026)
ここで本実施形態の冷蔵庫においては、第4所定時間は第3所定時間の50%以下の範囲の時間で設定している。前述の通り、真空ポンプ7の動力源として用いている直流モータ7bはモータ負荷の増加に比例してモータ電流が増加する。第4所定時間を第3所定時間の50%より長く設定した場合、0kPa・G(大気圧)から減圧を開始したとしても電流が増加してしまい、低圧から減圧した場合との明確な差が無く判別が困難となる。この状態の時の電流信号の推移を図12に示す。図12に示した通り、0kPa・G(大気圧)から真空ポンプONした場合、低圧空真空ポンプONした場合、いずれの第4電流値(I4)もYより大きな値となり判別ができない状態となっている。
一方で、第4所定時間を第3所定時間の50%以下とした場合、0kPa・G(大気圧)から真空ポンプONした場合の第4電流値(I4)は低圧判定値Yを下回っており、0kPa・G(大気圧)と低圧の判別が可能である。この状態の時の電流信号の推移を図13に示す。
以上の制御により、より単純な制御構成で圧力スイッチを用いずに低圧室6内の圧力を判別することを可能とした冷蔵庫を提供することができる。
(第三の実施形態)
次に、直流モータ7bの回転数により低圧室6内の圧力が0kPa・G(大気圧)か低圧であるかを判別する方法について述べる。
まず図14に一般的な直流モータの特性図を示す。縦軸は電流[I]と回転数[min^−1]を、横軸はトルク[mNm]を示しており、トルクはモータにかかる負荷の重さを表している。
図14に示す特性図によれば、電流[I]はトルクの増加によって比例して増加し、回転数[min^−1]は比例して現象する特性を有する。
第一および第二の実施形態においては、この電流[I]を用いた低圧検知方法について述べたが、第三の実施形態においては回転数[min^−1]を元に低圧検知する方法について説明する。
回転数[min^−1]を用いた低圧検知制御のタイムチャート図を図15に、フローチャート図を図16に示す。以下図15と16を用いて動作を説明する。
制御フローは第一の実施形態で示したS001〜S015と同一であり、検出対象を電流から回転数に変更している。
第一の実施形態と同様に、第1回転数(N1)と第2回転数(N2)を測定し、その差分ΔNを演算(S038)し、ΔN<Zの場合、低圧室6内の圧力を低圧と判断し真空ポンプ7をOFFとする。(S014)ΔN≧Zの場合、低圧室6内の圧力を0kPa・G(大気圧)と判断し真空ポンプ7を第3所定時間(t3)までON継続する。(S041)以上の動作により、低圧室6内の圧力を直流モータ7bの回転数から推定し、無駄な真空ポンプ7の動作を抑制することが可能となる。これにより、圧力スイッチを用いずに低圧室6内の圧力を判別することで、リークを低減した信頼性の高い冷蔵庫を提供することができる。
なお、直流モータ7bの回転数を検出する手段としては、DCブラシ付きモータの場合、モータの電流の周波数から求めることができる。
また、DCブラシレスモータの場合は内蔵された駆動基板上で回転数信号(FG信号)を出力するものがあり、これにより回転数を検出することができる。
いずれモータにおいても、回転数から低圧検知をする場合、電流増幅回路11を不要とすることができるため、より安価な低圧検知仕様を実現することが可能となる。
2 冷蔵室
2a 冷蔵室ドア
3 製氷室
4 冷凍室
5 野菜室
6 低圧室
6a 低圧室ドア
7 真空ポンプ
7a 導管
7b 直流モータ
7c 電流信号
11 電流増幅回路
8 冷蔵室ドアスイッチ
9 低圧室ドアスイッチ
10 冷蔵室温度センサ
11 電流増幅回路
12 マイコン
13 操作パネル
13a 表示LED

Claims (2)

  1. 貯蔵室と、該貯蔵室を減圧する減圧手段を備えた冷蔵庫であって、
    前記減圧手段として、圧力検知手段を有しない真空ポンプを用い、
    前記真空ポンプは、ポンプ機構部と、前記ポンプ機構部を駆動する直流モータとを有しており、
    前記真空ポンプをONした直後の突入電流が流れた後の時刻に検出する第1の電流値と、該第1の電流値の検出後に検出する第2の電流値との差が、
    閾値より大きいことに応じ、該真空ポンプのONを継続し、
    閾値より小さいことに応じ、該真空ポンプをOFFする冷蔵庫。
  2. 貯蔵室と、該貯蔵室を減圧する減圧手段を備えた冷蔵庫であって、
    前記減圧手段として、圧力検知手段を有しない真空ポンプを用い、
    前記真空ポンプは、ポンプ機構部と、前記ポンプ機構部を駆動する直流モータとを有しており、
    前記真空ポンプをONした直後の突入電流が流れた後の時刻に検出する前記直流モータの第1の回転数と、該第1の回転数の検出後に検出する第2の回転数との差が、
    閾値より大きいことに応じ、該真空ポンプのONを継続し、
    閾値より小さいことに応じ、該真空ポンプをOFFする冷蔵庫。
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