以下、図面とともに制御ノード及び経路制御システムの実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、本発明の実施形態に係る経路制御システム4(経路制御システム)のシステム構成図である。図1に示す通り、経路制御システム4は、C−plane装置1(制御ノード)、一以上のU−plane装置2(中継ノード)及び一以上のUN3(ノード)を含んで構成される。なお、以降では、一以上のU−plane装置2を総称してU−plane装置2と適宜呼び、一以上のUN3を総称してUN3と適宜呼ぶ。
C−plane装置1は、一以上のU−plane装置2のそれぞれと互いにネットワークを介してパケット通信可能に接続される。一以上のU−plane装置2のうちの一部又は全てのU−plane装置2は、U−plane装置2同士互いにネットワークを介してパケット通信可能に接続される。一以上のUN3のそれぞれは、一以上のU−plane装置2のうちの一つのU−plane装置2と互いにネットワークを介してパケット通信可能に接続することができると共に、適宜当該通信を切断したり接続状態を更新したりすることができる。上述の、C−plane装置1、U−plane装置2及びUN3間のネットワークにより、経路制御システム4全体のパケット通信可能なネットワークが構築される。経路制御システム4は、例えば、EPS(Evolved Packet System)による移動体通信システムである。
本実施形態では、主に、UN3同士のパケット通信の経路制御について取り上げる。UN3同士のパケット通信とは、具体的には、送信元のUN3から送信先のUN3へ送信されるパケットの通信である。UN3間(ノード間)の通信は、一以上のU−plane装置2が中継する。送信元のUN3は、まず、直接接続しているU−plane装置2にパケットを送信する。パケットを送信されたU−plane装置2は、パケットの転送先を判定し(判定方法については後述する)、判定した転送先にパケットを転送する。転送先は、別のU−plane装置2又は送信先のUN3である。このように、送信元のUN3から送信されたパケットは、一以上のU−plane装置2を中継し、最終的に送信先のUN3に届く。送信元のUN3から送信先のUN3までパケットが辿るネットワーク(UN3やU−plane装置2を含む)を経路と呼ぶ。
C−plane(Control plane)装置1は、U−plane装置2が中継するUN3間のパケット通信の経路制御等、ネットワークの制御を行うコンピュータ装置(ネットワークにおける一ノード)である。C−plane装置1は、例えば、EPSにおけるHSS(Home Subscriber Server)、MME(Mobility Management Entity)、PCRF(Policy and Charging Rule Function)等である。C−plane装置1の詳細については後述する。
U−plane(User plane)装置2は、UN3間のパケット通信を中継するコンピュータ装置(ネットワークにおける一ノード)であり、より具体的には、ネットワークのパケット転送やパケット処理を行うコンピュータ装置である。U−plane装置2は、例えば、EPSにおけるノードシステムであるeNB(Evolved Node B)、SGW(Serving Gateway)、PGW(Packet Data Network Gateway)等である。U−plane装置2の詳細については後述する。
UN(User Network)3は、経路制御システム4が構築するネットワークに接続されるハードウェアやソフトウェア、あるいはそれらによって構築されるグループを総称するもの(ネットワークにおける一ノード)である。UN3は、例えば、携帯端末であってもよいし、複数の装置から構成されるネットワークであってもよいし、あるいは、携帯端末上で稼動する仮想的な端末やアプリケーションであってもよいし、C−plane装置1及びU−plane装置2を管理するネットワーク事業者とは異なるネットワーク事業者が管理するネットワークであってもよいし、当該異なるネットワーク事業者が管理するネットワーク経由で接続されるインターネットであってもよい。
以下、図1に含まれるC−plane装置1の機能ブロック図に基づいて、C−plane装置1の各機能ブロックについて説明する。図1に示す通り、C−plane装置1は、格納部10(メモリ、又は、第1のメモリ)、取得部11及び設定部12を含んで構成される。
C−plane装置1は、CPU等のハードウェアから構成されているものである。図2は、C−plane装置1のハードウェア構成の一例を示す図である。図1に示されるC−plane装置1は、物理的には、図2に示すように、一又は複数のCPU100、主記憶装置であるRAM101及びROM102、ディスプレイ等の入出力装置103、通信モジュール104及び補助記憶装置105などを含むコンピュータシステムとして構成されている。
図1に示すC−plane装置1の各機能ブロックの機能は、図2に示すCPU100、RAM101等のハードウェア上に所定のコンピュータソフトウェアを読み込ませることにより、CPU100の制御のもとで入出力装置103、通信モジュール104及び補助記憶装置105を動作させるとともに、RAM101におけるデータの読み出し及び書き込みを行うことで実現される。
なお、CPU100などのプロセッサが図1における各機能を実行することに代えて、その機能全部または一部を専用の集積回路(IC:Integrated Circuit)を構築することにより各機能を実行するように構成してもよい。例えば、画像処理や通信制御を行なうための専用の集積回路を構築することにより上記機能を実行するようにしてもよい。
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
また、ソフトウェア、命令などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア及びデジタル加入者回線(DSL)などの有線技術及び/又は赤外線、無線及びマイクロ波などの無線技術を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び/又は無線技術は、伝送媒体の定義内に含まれる。
格納部10は、U−plane装置2がパケット中継時に転送先判定の検索キーとして使用するUN3の検索キー情報を指定する指定情報と、検索キー情報が含まれるパケット部分(例えば、パケットフィールド)を示す部分情報とを格納する。後述の通り、U−plane装置2は、受信したパケットを中継する際に、次にどのU−plane装置2又は(送信先の)UN3にパケットを転送するかを判定する。すなわち、転送先を判定する。当該判定は、受信したパケットに含まれる(送信先の)UN3の検索キー情報に基づいて行われる。図4(a)は、格納部10によって格納された部分情報と指定情報とを対応付けたパケット検索ルール表のテーブル例を示す図である。図4(a)に示すテーブル例において、部分情報は「ユーザパケット部の先頭から64ビット」である。これは、検索キー情報が含まれるパケット部分は、パケットに含まれるユーザパケット部の先頭から64ビットの部分である旨を示している。また、図4(a)に示すテーブル例において、指定情報は「UN3識別符号」である。これは、UN3の検索キー情報として、UN3識別符号(UN3を識別する独自の符号。本実施形態では64ビットの符号を用いる)を利用することを指定している旨を示している。
指定情報と部分情報とは、経路制御システム4を管理するネットワーク事業者が指定することを想定する。例えば、C−plane装置1は、入出力装置103を介してネットワーク事業者から指定情報と部分情報とを入力し、格納部10によって格納させる。
格納部10は、一以上のU−plane装置2のネットワークトポロジに関するトポロジ情報をさらに格納してもよい。一以上のU−plane装置2のネットワークトポロジとは、具体的には、経路制御システム4内においてU−plane装置2同士がどのように接続されているかを示す接続形態である。図4(b)は、格納部10によって格納されたトポロジ情報表のテーブル例を示す図である。図4(b)に示すテーブル例では、1レコードが、U−plane装置2を識別する識別子の組に対応し、組となった識別子が識別するU−plane装置2同士が互いに接続されていること(接続関係にあること)を示す。具体的には、図4(b)に示すテーブル例では、経路制御システム4において、U−plane装置2−1及びU−plane装置2−2同士が接続されていると共に、U−plane装置2−3及びU−plane装置2−2同士が接続されていることを示している。
格納部10は、上記以外にも、後述の取得部11や設定部12による処理時に一時的に生成される情報や出力される情報を格納してもよい。
取得部11は、新たなUN3(経路制御システム4に含まれる何れのU−plane装置2にも接続していなかったUN3)がU−plane装置2に接続された際に、又は、UN3の接続状態が更新された際に、当該UN3に関するノード情報を取得する。取得部11は、ノード情報を後述のU−plane装置2の接続処理部21を介して取得する。ノード情報には、UN3の固有情報であるUN固有情報が含まれる。UN固有情報は、UN3の固有情報のうち特にソフトウェアやハードウェアに保持されるユーザ機器に固有な情報、例えばUN3を識別するUN3識別子や上述のUN3識別符号、及び、経路制御システム4が構築するネットワークにUN3が接続される際に利用される情報の全てを含みうる。例えば、UN固有情報は、UN3が接続されたU−plane装置2の識別子を含んでもよい。取得部11は、取得したノード情報を設定部12に出力する。
設定部12は、取得部11から入力されたノード情報と、格納部10によって格納された指定情報とに基づいて当該UN3の検索キー情報を抽出する。格納部10によって格納された指定情報が、図4(a)に示すテーブル例である場合、上述の通り、UN3の検索キー情報として、UN3識別符号を利用することを指定しているため、設定部12は、取得部11から入力されたノード情報に含まれるUN3識別符号を抽出する。
設定部12は、検索キー情報を抽出する際に複数の検索キー情報を抽出してもよい。例えば、上述の具体例において、取得部11から入力されたノード情報に複数のUN3識別符号が含まれている場合、設定部12は、当該複数のUN3識別符号を抽出する。
設定部12は、検索キー情報を抽出する際に不足している不足情報を動的に生成してもよい。また、設定部12は、検索キー情報を抽出する際に不足している不足情報をノード情報と指定情報とに基づいて動的に生成してもよい。例えば、上述の具体例において、取得部11から入力されたノード情報に含まれるUN3識別符号が本来の64ビットの符号ではなく、同じ数値を示す32ビットの符号であった場合、設定部12は32ビットの符号を64ビットの符号に変換する(不足情報である32個の「0」を動的に生成して追加する)。他の例としては、既にUN3に付与されたUN3識別符号の中でもっとも大きな値より1だけ大きい値を付与する方法で生成しても良い。また更に別の例としては、UN3を制御する外部のC−plane装置1に対してUN3識別符号の割り当てを要求して、その応答に含まれるUN3識別符号の値を利用する実施形態も考えられる。
設定部12は、抽出した検索キー情報と取得部11から入力されたノード情報とに基づいて、UN3の識別子と、当該UN3が接続されたU−plane装置2の識別子と、検索キー情報とを対応付けたUN固有情報表を生成、あるいは予め格納されたUN固有情報表に対して新たに接続されたUN3に関するレコードを更新してもよい。例えば、設定部12は、新たなUN3がU−plane装置2に接続された際に、取得部11から入力されたノード情報に含まれる当該UN3の識別子及び当該U−plane装置2の識別子を取得すると共に、抽出した検索キー情報をそれぞれ対応付けてUN固有情報表を生成又は更新する。図4(c)は、UN固有情報表のテーブル例を示す図である。図4(c)に示すテーブル例では、例えば1レコード目は、識別子が「UN3−1」であるUN3が、識別子が「U−plane装置2−1」であるU−plane装置2に接続されており、当該UN3の検索キー情報(UN3識別符号)は「0x 0000 0000 0000 0001」であることを示している。設定部12は、生成又は更新したUN固有情報表を格納部10によって格納させてもよい。
続いて、設定部12は、U−plane装置2がパケット中継時に受信したパケットの格納部10によって格納された部分情報に示されるパケット部分に抽出された検索キー情報が含まれている場合の当該パケットの転送先をU−plane装置2毎に設定した設定データ表を生成する。設定部12は、生成した設定データ表を格納部10によって格納させてもよい。なお、設定部12は、設定データ表を、U−plane装置2のうち少なくとも一部、又は、パケット転送の転送経路にある全てのU−plane装置2毎に生成してもよい。以下、設定部12による設定データ表の生成方法について具体的に説明する。
設定部12は、具体的には、図4に示したパケット検索ルール表、トポロジ情報表及びUN固有情報表のそれぞれのテーブル例に基づいて、図5に示す設定データ表のテーブル例を生成する。図5に示す設定データ表のテーブル例では、U−plane装置2の識別子と、パケット検索条件(後述)と、転送先装置の識別子とが対応付けられている。以下、図5に示す設定データ表のテーブル例の各列の情報の取得方法について説明する。
まず、設定部12は、トポロジ情報表からU−plane装置2の識別子を重複無く抽出し、図5に示す設定データ表のテーブル例の1列目に設定する。設定部12は、U−plane装置2の識別子を、トポロジ情報表からではなく、予めC−plane装置1に格納されている、C−plane装置1が接続している全てのU−plane装置2の識別子に基づいて抽出してもよい。
次に、設定部12は、パケット検索ルール表の部分情報と、UN固有情報表に含まれる各UN3の識別情報(検索キー情報)とを組み合わせたパケット検索条件を生成し、図5に示す設定データ表のテーブル例の2列目に、1列目の各U−plane装置2ごとに設定する。
この時点での図5に示す設定データ表のテーブル例において、1列目の「U−plane装置2識別子」がパケットを中継する主体であるU−plane装置2を示し、2列目の「パケット検索条件」が当該U−plane装置2がパケットを中継する際に当該パケットが満たしている検索条件を示している。例えば、1レコード目は、U−plane装置2−1が受信したパケットのユーザパケット部の先頭から64ビットが「0x 0000 0000 0000 0001」である場合、すなわち送信先のUN3がUN3−1である場合を示している。この1レコード目の場合、設定部12は、UN固有情報表を参照し、U−plane装置2−1とUN3−1とが接続されていると判定し、3列目の転送先装置の識別子として「UN3−1」を設定する。なお、パケット検索条件は、少なくとも部分情報と検索キー情報とを使用する。
設定部12は、格納部10によって格納されたトポロジ情報に基づいて転送先を設定してもよい。例えば、図5に示す設定データ表のテーブル例の2レコード目は、U−plane装置2−1が受信したパケットの送信先がUN3−2である場合を示している。この2レコード目の場合、設定部12は、まずUN固有情報表を参照し、UN3−2が接続されているのがU−plane装置2−2であると判定し、次にトポロジ情報表を参照し、判定されたU−plane装置2−2と自装置であるU−plane装置2−1が接続されていると判定する。そこで、設定部12は、U−plane装置2−1が受信したパケットを送信先であるUN3−2に送信するには、まずU−plane装置2−2に転送する必要があると判定し、3列目の転送先装置の識別子として「U−plane装置2−2」を設定する。なお、設定部12は、転送先を設定する際に、トポロジ情報表とUN固有情報表とに基づいて、既存技術であるダイクストラ法等を利用して送信先のUN3に向かう最短経路となる転送先装置を算出及び設定してもよい。
設定部12は、抽出された複数の検索キー情報毎に転送先を設定してもよい。例えば、図4(c)に示すUN固有情報表のテーブル例では、U−plane装置2−2に対して2つのUN3識別符号(「0x 0000 0000 0000 0002」及び「0x 0000 0000 0000 0005」)が設定されており、当該UN固有情報表に基づいて、図5に示す設定データ表のテーブル例では、設定部12によって、当該2つのUN3識別符号に対して転送先が設定されている(例えば2レコード目と5レコード目)。以上が、設定部12による設定データ表の生成方法である。
設定部12は、生成された設定データ表を各U−plane装置2に送信することで設定を行う。設定部12は、生成された(同じ)設定データ表を全てのU−plane装置2に送信してもよいし、生成された設定データ表のうち、各U−plane装置2ごとのレコードを当該U−plane装置2に送信してもよい(例えば、設定データ表のうち1列目が「U−plane装置2−1」の全レコードをU−plane装置2−1に送信し、「U−plane装置2−2」の全レコードをU−plane装置2−2に送信する等)。
続いて、図1に戻り、図1に含まれるU−plane装置2の機能ブロック図に基づいて、U−plane装置2の各機能ブロックについて説明する。図1に示す通り、U−plane装置2は、格納部20(メモリ、又は、第2のメモリ)、接続処理部21及び転送部22を含んで構成される。
U−plane装置2は、CPU等のハードウェアから構成されているものである。図3は、U−plane装置2のハードウェア構成の一例を示す図である。図1に示されるU−plane装置2は、物理的には、図3に示すように、一又は複数のCPU200、主記憶装置であるRAM201及びROM202、ディスプレイ等の入出力装置203、通信モジュール204及び補助記憶装置205などを含むコンピュータシステムとして構成されている。
図1に示すU−plane装置2の各機能ブロックの機能は、図3に示すCPU200、RAM201等のハードウェア上に所定のコンピュータソフトウェアを読み込ませることにより、CPU200の制御のもとで入出力装置203、通信モジュール204及び補助記憶装置205を動作させるとともに、RAM201におけるデータの読み出し及び書き込みを行うことで実現される。
なお、CPU200などのプロセッサが図1における各機能を実行することに代えて、その機能全部または一部を専用の集積回路(IC:Integrated Circuit)を構築することにより各機能を実行するように構成してもよい。例えば、画像処理や通信制御を行なうための専用の集積回路を構築することにより上記機能を実行するようにしてもよい。
格納部20は、設定部12によって送信された設定データ表を格納する。なお、設定部12によって送信された設定データ表は、不図示の受信部によって受信され、受信された設定データ表を格納部20によって格納してもよい。
接続処理部21は、UN3との接続処理を行う。具体的には、接続処理部21は、UN3から新規の接続要求を受信する、又は、すでにUN3と接続されている接続状態において接続状態の更新要求を受信する。そして、接続処理部21は、接続要求又は更新要求を受信すると、UN3との接続を確立する。また、接続処理部21は、接続要求又は更新要求を受信する際に、UN3から上述のノード情報を受信する。なお、接続処理部21は、UN3からノード情報のうち一部の情報を受信し、当該一部の情報に基づいてノード情報を生成してもよい。接続処理部21は、受信又は生成したノード情報をC−plane装置1の取得部11に送信する。
転送部22は、中継時に受信したパケットを格納部20によって格納された設定データ表に基づいて転送する。具体的には、転送部22は、まず、格納部20によって格納された設定データ表のうち、U−plane装置2の識別子が自装置の識別子であるレコードを取得する。次に、転送部22は、転送元装置(他のU−plane装置2又はUN3)から送信又は転送されたパケットについて、取得したレコードのうち、レコードに含まれるパケット検索条件を満たすレコードを抽出し、当該レコードの転送先装置の識別子を取得する。そして、転送部22は、取得した転送先装置の識別子に対応する転送先装置にパケットを転送する。
図6は、経路制御システム4における経路制御方法を説明するシーケンス図である。まず、C−plane装置1の格納部10により、ネットワーク事業者等により入力されたパケット検索ルール表と共に、トポロジ情報表及びUN固有情報表が格納される(ステップS0)。次に、UN3により、U−plane装置2に対してUN3のUN固有情報を含む接続要求又は更新要求が送信され、U−plane装置2の接続処理部21によりUN3との接続処理が行われる(ステップS1)。次に、U−plane装置2の接続処理部21により、S1にて受信したUN固有情報がC−plane装置1に送信され、C−plane装置1の取得部11によりUN固有情報が取得され、C−plane装置1の設定部12により取得したUN固有情報がUN固有情報表に追加される(ステップS2)。
次に、C−plane装置1の設定部12により、S0にて格納されたパケット検索ルール表及びトポロジ情報表、S2にて更新されたUN固有情報表に基づいて設定データ表が生成される(ステップS3)。次に、C−plane装置1の設定部12により、S3にて生成された設定データ表がU−plane装置2に送信(設定)される(ステップS4)。次に、U−plane装置2の格納部20により、S4にて送信された設定データ表が格納され、転送部22により、格納された設定データ表に基づいたパケットの転送処理が行われる(ステップS5)。
図7は、図6のシーケンス図におけるS3の処理を詳細に示したフローチャート図である。まず、図6のS2の後に、設定部12により、図6のS2にて取得したUN固有情報に基づいて、動的に生成するUN固有情報があるか否かが判定される(ステップS10)。S10にてあると判定されると、設定部12により、不足しているUN固有情報が生成される(ステップS11)。S10にてないと判定された場合、又はS11に続き、設定部12により、パケット検索ルール表の指定情報に、図6のS2にて取得したUN固有情報又はS11にて動的に生成されたUN固有情報が代入され、パケット検索条件が生成される(ステップS12)。
次に、設定部12により、U−plane装置2それぞれについて、S2にて取得したUN3のUN固有情報に基づく検索キー情報が割り当てられたUN3に向かう最短経路となる転送先装置が計算される(ステップS13)。次に、設定部12により、U−plane装置2それぞれについて、U−plane装置2の識別子と、S12にて生成されたパケット検索条件と、S13にて計算された最短経路となる転送先装置の識別子とを含むレコードが作成され、格納部10によって格納された設定データ表に追加される(ステップS14)。S14の後に、図6のS4へ続く。
(実施例)
続いて、経路制御システム4の実施例について説明する。本実施例では、図8に示す経路制御システム4の具体的な構成例に基づいて、設定データ表の設定手順について図9に示すシーケンス図にて説明し、設定された設定データ表に基づいて、図10に示す各パケットの転送手順について図11及び図12に示すシーケンス図にて説明する。
図8は、本実施例における経路制御システム4の具体的な構成を示す図である。図8に示す通り、UN3−1はU−plane装置2−1に接続され(後述の図9のS25にて接続される)、UN3−2はU−plane装置2−2に接続され(後述の図9のS21にて接続される)、UN3−3はU−plane装置2−3に接続され(後述の図9のS29にて接続される)、UN3−4はU−plane装置2−3に接続されている(後述の図9のS33にて接続される)。また、U−plane装置2−1及びU−plane装置2−2は互いに接続され、U−plane装置2−2及びU−plane装置2−3は互いに接続されている。またC−plane装置1は、U−plane装置2−1、U−plane装置2−2及びU−plane装置2−3それぞれと互いに接続されている。なお、図8に示す構成は、図4(b)に示すトポロジ情報表のテーブル例と、図4(c)に示すUN固有情報表のテーブル例とに基づく構成である。また、C−plane装置1は、上述の機能ブロックである格納部10、取得部11及び設定部12を含んで構成され、各U−plane装置2は、上述の機能ブロックである格納部20、接続処理部21及び転送部22を含んで構成される。
図9は、新たなUN3がU−plane装置2に接続され、当該接続に基づく設定データ表が各U−plane装置2に設定される手順を示したシーケンス図である。図9のうちS20〜S24は、新たなUN3−2がU−plane装置2−2に接続された際の図6のS0〜S4が実行された際の内容に対応するため、詳細な説明を省略する。なお、S24では、C−plane装置1により経路制御システム4に含まれる全てのU−plane装置2に対して設定データ表が送信されている。同様に、図9のうちS25〜S28は、新たなUN3−1がU−plane装置2−1に接続された際の図6のS0〜S4が実行された際の内容に対応し、図9のうちS29〜S32は、新たなUN3−3がU−plane装置2−3に接続された際の図6のS0〜S4が実行された際の内容に対応し、図9のうちS33〜S36は、新たなUN3−4がU−plane装置2−3に接続された際の図6のS0〜S4が実行された際の内容に対応する。なお、S36にて最終的に設定された設定データ表は、図5に示すテーブル例のものとする。
図10は、送信元のUN3から送信されたパケット例を示す図である。図10に示す通り、パケットの先頭64ビット(ここはユーザパケット部であるとする)には64ビットのUN3識別符号が含まれ、残りの部分はペイロード部である。なお、当該UN3識別符号は送信先のUN3を示す。図10(a)のパケット例は後述の図11に示すシーケンス図の「a」の処理(S40〜S44)で送信されるパケットを示す。同様に、図10(b)のパケット例は図11に示すシーケンス図の「b」の処理(S45〜S49)で送信されるパケットを示し、図10(c)のパケット例は図11に示すシーケンス図の「c」の処理(S50〜S54)で送信されるパケットを示し、図10(d)のパケット例は図11に示すシーケンス図の「d」の処理(S55〜S59)で送信されるパケットを示し、図10(e)のパケット例は図11に示すシーケンス図の「e」の処理(S60〜S64)で送信されるパケットを示す。
図11及び図12はそれぞれ、設定データ表が設定されたU−plane装置2におけるパケットが転送される手順を示したシーケンス図である。最初に、図11の「a」の処理について説明する。まず、UN3−2から、UN3−2と直接接続しているU−plane装置2−2に対して、図10(a)に示すパケットが送信される(ステップS40)。次に、U−plane装置2−2により、設定された設定データ表が参照され、U−plane装置2の識別子として自装置の「U−plane装置2−2」及びパケット検索条件としてユーザパケット部の先頭から64ビットが図10(a)に示すパケットの通り「0x 0000 0000 0000 0001」である検索条件を満たすのは、図5の示すテーブル例のうち11レコード目であることを判定する(ステップS41)。次に、U−plane装置2−2により、11レコード目の転送先装置の識別子が示すU−plane装置2−1に対してパケットが転送される(ステップS42)。
次に、U−plane装置2−1により、設定された設定データ表が参照され、U−plane装置2の識別子として自装置の「U−plane装置2−1」及びパケット検索条件としてユーザパケット部の先頭から64ビットが図10(a)に示すパケットの通り「0x 0000 0000 0000 0001」である検索条件を満たすのは、図5の示すテーブル例のうち1レコード目であることを判定する(ステップS43)。次に、U−plane装置2−1により、1レコード目の転送先装置の識別子が示すUN3−1に対してパケットが転送される(ステップS44)。
図11の「b」の処理及び図12の「c」〜「e」の処理についても同様のため説明を省略する。なお、S46では2レコード目が検索条件を満たし、S48では12レコード目が検索条件を満たし、S51では13レコード目が検索条件を満たし、S53では8レコード目が検索条件を満たし、S56では14レコード目が検索条件を満たし、S58では9レコード目が検索条件を満たし、S61では5レコード目が検索条件を満たし、S63では15レコード目が検索条件を満たす。
(変形例1)
続いて、上述の経路制御システム4の実施例の変形例1について説明する。本変形例1では、上述の実施例と比べて、パケット通信が、経路上に確立された複数の仮想ネットワークのうち一つの仮想ネットワークを経由して行われる点で主に異なる。本変形例1では、図13に示す経路制御システム4vの具体的な構成例、C−plane装置1vが格納する図14に示すパケット検索ルール表、トポロジ情報表及びUN固有情報表、並びにC−plane装置1v及びU−plane装置2vが格納する図15に示す設定データ表に基づいて、設定データ表の設定手順について図16〜図18に示すシーケンス図にて説明し、設定された設定データ表に基づいて、図19に示す各パケットの転送手順について図20及び図21に示すシーケンス図にて説明する。なお、本変形例1の装置や機能ブロックの符号には、上述の実施例の対応する符号に対して「v」を適宜振るものとする。また、本変形例1の構成や機能は上述の実施例とほぼ同様であり、同様の部分については説明を適宜省略し、主に差分について説明する。
図13は、本変形例1における経路制御システム4vの具体的な構成を示す図である。図14に示す通り、本変形例1では、上述の実施例と比べて、UN3v及びU−plane装置2v間、並びに、U−plane装置2v間に一以上の仮想通信路が確立されている。具体的には、UN3v−1及びU−plane装置2v−1間、UN3v−2及びU−plane装置2v−2間、U−plane装置2v−1及びU−plane装置2v−2間、U−plane装置2v−2及びU−plane装置2v−3間には、仮想ネットワーク1と関連付けられた仮想通信路及び仮想ネットワーク2と関連付けられた仮想通信路の2つの仮想通信路が確立されている。また、UN3v−3及びU−plane装置2v−3間には仮想ネットワーク1と関連付けられた1つの仮想通信路が確立され、UN3v−4及びU−plane装置2v−3間には仮想ネットワーク2と関連付けられた1つの仮想通信路が確立されている。送信元のUN3vから送信先のUN3vへのパケット通信は、仮想ネットワーク1と関連付けられた仮想通信路又は仮想ネットワーク2と関連付けられた仮想通信路の何れか一方を介して行われる。なお、図13に示す構成は、図14(b)に示すトポロジ情報表のテーブル例と、図14(c)に示すUN固有情報表のテーブル例とに基づく構成である。また、仮想通信路とは、装置間を結ぶ通信路であって、仮想ネットワークに対応付けて作成されるものを指す。
図14は、本変形例1における、格納部10vによって格納されたパケット検索ルール表、トポロジ情報表及びUN固有情報表のテーブル例を示す図である。以下、図4に示す上述の実施例におけるテーブル例との差分について説明する。図14(a)は、パケット検索ルール表のテーブル例を示す図である。図14(a)に示す通り、パケット検索ルール表では、仮想ネットワーク毎に部分情報及び指定情報が対応付けられている。つまり、ネットワーク事業者は、仮想ネットワーク毎に検索条件を設定することができる。図14(b)は、トポロジ情報表のテーブル例を示す図である。図14(b)に示す通り、仮想ネットワーク毎に装置間の接続関係が設定されている。図14(c)は、UN固有情報表のテーブル例を示す図である。図14(c)に示すテーブル例の通り、各UN3vについて、仮想ネットワーク毎のUN3v識別符号が(取得部11vにより取得され、設定部12vにより)設定されている。
図15は、本変形例1における、設定部12vによって設定された設定データ表のテーブル例を示す図である。以下、図5に示す上述の実施例におけるテーブル例との差分について説明する。図15に示す通り、仮想ネットワーク毎にU−plane装置2vの識別子、パケット検索条件及び転送先装置の識別子が対応付けられている。
設定部12vは、新たなUN3vがU−plane装置2vに接続された際に、当該UN3vに関するノード情報を取得し、取得されたノード情報と格納部10vによって格納された仮想ネットワーク毎の指定情報とに基づいて当該UN3vの仮想ネットワーク毎の検索キー情報を抽出し、U−plane装置2vがパケット中継時に受信したパケットの格納部10vによって格納された仮想ネットワーク毎の部分情報に示されるパケット部分に抽出された当該仮想ネットワークの検索キー情報が含まれている場合の当該パケットの転送先を仮想ネットワーク毎及びU−plane装置2v毎に設定する。以下、具体的に図16〜図21を用いて説明する。
図16〜図18は、新たなUN3vがU−plane装置2vに接続され、当該接続に基づく設定データ表が各U−plane装置2vに設定される手順を示したシーケンス図である。図16のうちS70は上述の実施例の図9のS20に対応し、図16のS72〜S74はそれぞれ図9のS21〜S23に対応するため、詳細な説明を省略する。S71では、S70にて格納された図14(b)に示すトポロジ情報表のテーブル例に基づき、U−plane装置2v間で仮想ネットワーク1及び仮想ネットワーク2と関連付けられた仮想通信路が確立される。図16のS75及び77は、それぞれ図9のS24に対応し、図15に示す設定データ表のテーブル例の仮想ネットワークの識別子ごとに対応するU−plane装置2vの識別子が示すU−plane装置2vに設定データ表が設定(送信)されていることを示している。また、S72にて接続要求を受信したU−plane装置2v−2は、S75にて仮想ネットワーク1と関連付けられた設定データ表を受信した際に、S76にて、S72にて接続処理を行ったUN3v−2との間で仮想ネットワーク1と関連付けられた仮想通信路を確立する。同様に、S72にて接続要求を受信したU−plane装置2v−2は、S77にて仮想ネットワーク2と関連付けられた設定データ表を受信した際に、S78にて、S72にて接続処理を行ったUN3v−2との間で仮想ネットワーク2と関連付けられた仮想通信路を確立する。
図17に示すシーケンス図のS79〜S85は、図16に示すシーケンス図のS72〜78に対応する。図16に示すシーケンス図はUN3v−2からの接続要求に基づく設定データ表の設定例であり、図17に示すシーケンス図はUN3v−1からの接続要求に基づく設定データ表の設定例である。
図18に示すシーケンス図のS86〜S90は、図16に示すシーケンス図のS72〜76に対応する。図16に示すシーケンス図はUN3v−2からの接続要求に基づく仮想ネットワーク1と関連付けられた設定データ表の設定例であり、図18に示すシーケンス図はUN3v−3からの接続要求に基づく仮想ネットワーク1と関連付けられた設定データ表の設定例である。仮想ネットワーク1と関連付けられた設定データ表のみであるのは、図14(c)に示すUN固有情報表においてUN3v−3には仮想ネットワークの識別子として仮想ネットワーク1しか関連付いていないことによるものである。つまり、取得部11vによって取得されたノード情報から仮想ネットワーク1に関するUN3v識別符号しか設定部12vにより抽出できなかったことを意味する。
図18に示すシーケンス図のS91〜S95は、図16に示すシーケンス図のS72〜74、S77及びS78に対応する。図16に示すシーケンス図はUN3v−2からの接続要求に基づく仮想ネットワーク2と関連付けられた設定データ表の設定例であり、図18に示すシーケンス図はUN3v−4からの接続要求に基づく仮想ネットワーク2と関連付けられた設定データ表の設定例である。仮想ネットワーク2と関連付けられた設定データ表のみであるのは、図14(c)に示すUN固有情報表においてUN3v−4には仮想ネットワークの識別子として仮想ネットワーク2しか関連付いていないことによるものである。つまり、取得部11vによって取得されたノード情報から仮想ネットワーク2に関するUN3v識別符号しか設定部12vにより抽出できなかったことを意味する。
図19は、送信元のUN3vから送信されたパケット例を示す図である。図19に示す通り、パケットの先頭に仮想通信路を指定する仮想通信路ヘッダがあり、続いてユーザパケット部がある。図19(a)及び図19(c)に示すパケットの仮想通信路ヘッダは、仮想ネットワーク1に関連付けられた仮想通信路を示しており、図19(b)及び図19(d)に示すパケットの仮想通信路ヘッダは、仮想ネットワーク2に関連付けられた仮想通信路を示している。仮想ネットワーク1に関連付けられた仮想通信路に関する図19(a)及び図19(c)に示すパケットのユーザパケット部では、先頭64ビットには64ビットのUN3v識別符号が含まれ、残りの部分はペイロード部である。一方、仮想ネットワーク2に関連付けられた仮想通信路に関する図19(b)及び図19(d)に示すパケットのユーザパケット部では、先頭128ビット目から32ビットのUN3v識別符号が含まれ、その他ヘッダ部及びペイロード部が続く。
図19(a)のパケット例は後述の図20に示すシーケンス図の「a」の処理(S100〜S104)で送信されるパケットを示す。同様に、図19(b)のパケット例は図20に示すシーケンス図の「b」の処理(S105〜S109)で送信されるパケットを示し、図19(c)のパケット例は図21に示すシーケンス図の「c」の処理(S110〜S114)で送信されるパケットを示し、図19(d)のパケット例は図21に示すシーケンス図の「d」の処理(S115〜S119)で送信されるパケットを示す。
図20及び図21はそれぞれ、設定データ表が設定されたU−plane装置2vにおけるパケットが転送される手順を示したシーケンス図である。最初に、図20の「a」の処理について説明する。まず、UN3v−2から、UN3v−2と直接接続しているU−plane装置2v−2に対して、仮想ネットワーク1と関連付けられた仮想通信路を介して、図19(a)に示すパケットが送信される(ステップS100)。次に、U−plane装置2v−2により、送信されてきたパケットの所属する仮想ネットワークとして仮想ネットワーク1が判定され、判定された仮想ネットワーク1に対応する設定データ表が参照され(すなわち仮想ネットワーク識別子として判定された仮想ネットワーク1のレコードが参照され)、U−plane装置2vの識別子として自装置の「U−plane装置2v−2」及びパケット検索条件としてユーザパケット部の先頭から64ビットが図19(a)に示すパケットの通り「0x 0000 0000 0000 0001」である検索条件を満たすのは、図15の示すテーブル例のうち7レコード目であることを判定する(ステップS101)。次に、U−plane装置2v−2により、7レコード目の転送先装置の識別子が示すU−plane装置2v−1に対してパケットが転送される(ステップS102)。
次に、U−plane装置2v−1により、送信されてきたパケットの所属する仮想ネットワークとして仮想ネットワーク1が判定され、判定された仮想ネットワーク1に対応する設定データ表が参照され(すなわち仮想ネットワーク識別子として判定された仮想ネットワーク1のレコードが参照され)、U−plane装置2vの識別子として自装置の「U−plane装置2v−1」及びパケット検索条件としてユーザパケット部の先頭から64ビットが図19(a)に示すパケットの通り「0x 0000 0000 0000 0001」である検索条件を満たすのは、図15の示すテーブル例のうち1レコード目であることを判定する(ステップS103)。次に、U−plane装置2v−1により、1レコード目の転送先装置の識別子が示すUN3v−1に対してパケットが転送される(ステップS104)。
図20の「b」の処理並びに図21の「c」及び「d」の処理についても同様のため説明を省略する。
(変形例2)
続いて、上述の経路制御システム4の実施例の変形例2について説明する。本変形例2では、上述の実施例と比べて、アクセスポイント名(いわゆるAPN(Access Point Name))によって、パケット検索条件がマッチしなかった場合のデフォルトの転送先となるU−plane装置2(ランデブーノード)が指定されている点で主に異なる。ランデブーノードは、例えばEPSにおけるPDN−GW(Packet Data Network Gateway)である。
本変形例2において、経路制御システム4rの具体的な構成例を図22に示し、C−plane装置1rが格納するパケット検索ルール表、トポロジ情報表及びUN固有情報表を図23に示し、図6のシーケンス図におけるS3の処理(設定データ表の生成に関する処理)の本変形例2版を詳細に示したフローチャート図を図24に示し、C−plane装置1r及びU−plane装置2rが格納する設定データ表を図25及び図26に示す。なお、本変形例2の装置や機能ブロックの符号には、上述の実施例の対応する符号に対して「r」を適宜振るものとする。また、本変形例2の構成や機能は上述の実施例とほぼ同様であり、同様の部分については説明を適宜省略し、主に差分について説明する。
図22は、本変形例2における経路制御システム4rの具体的な構成を示す図である。図22に示す通り、本変形例2では、上述の実施例と比べて、U−plane装置2r−2がランデブーノードとして指定されている。U−plane装置2r−2には、検索条件にマッチしない場合にパケットが転送されるノードを示すデフォルトルートであるUN3r−2が接続されている。また、新たなU−plane装置2r−4がC−plane装置1r、U−plane装置2r−1及びU−plane装置2r−3と接続されている。U−plane装置2r−4はランデブーノードとして指定され、デフォルトルートであるUN3r−6が接続されている。また、新たなUN3r−5がU−plane装置2r−1に接続されている。なお、図22に示す構成は、図23(b)に示すトポロジ情報表のテーブル例と、図23(c)に示すUN固有情報表のテーブル例とに基づく構成である。
図23は、本変形例2における、格納部10rによって格納されたパケット検索ルール表、トポロジ情報表及びUN固有情報表のテーブル例を示す図である。以下、図4に示す上述の実施例におけるテーブル例との差分について説明する。図23(a)は、パケット検索ルール表のテーブル例を示す図である。図23(a)に示す通り、パケット検索ルール表では、アクセスポイント名及び指定情報種別毎に部分情報及び指定情報が対応付けられている。ここで、指定情報種別とは、対応するアクセスポイント名が示すアクセスポイントにおける指定情報の種別である。指定情報種別の具体例としては、ネットワークプロトコルの種別や、EPSにおけるPDN typeが挙げられる。このように、アクセスポイント名に合わせて指定情報種別を付与することで、同じアクセスポイントに接続する場合にも複数の指定情報の種別から適切なものを選択することができる。ネットワーク事業者は、アクセスポイント名及び指定情報種別毎に検索条件を設定することができる。図23(c)は、UN固有情報表のテーブル例を示す図である。図23(c)に示すテーブル例の通り、各UN3rについて、アクセスポイント名及び指定情報種別毎のUN3r識別符号が(取得部11rにより取得され、設定部12rにより)設定されている。
図24は、図6のシーケンス図におけるS3の処理の本変形例2版を詳細に示したフローチャート図である。まず、図6のS2の後に、図7のS10〜S12が実行される。S12の後に、設定部12rにより、図6のS2にて取得したノード情報においてアクセスポイント名(ランデブーノード)が指定されているか否かが判定される(ステップS210)。S210にて指定されていないと判定されると、図7のS13及びS14の処理が実行され(すなわち、アクセスポイント名は空欄として処理が進められる)、図6のS4に処理が続く。S210にて指定されていると判定されると、設定部12rにより、ランデブーノードから、S2で取得したUN装置識別子の割り当てられたUN3rに向かう最短経路となる転送先装置が計算される(ステップS213)。次に、設定部12rにより、S213にて計算された最短経路となるU−plane装置2rのそれぞれについて、U−plane装置2rの装置識別子と、作成されたパケット検索条件と、計算された最短経路となる転送先装置の装置識別子とを含むエントリが作成され、設定データ表に追加される(ステップS214)。S214の後に、図6のS4へ続く。
図25及び図26はそれぞれ、本変形例2における、設定部12rによって設定された設定データ表のテーブル例を示す図である。以下、図5に示す上述の実施例におけるテーブル例との差分について説明する。図25及び図26に示す通り、アクセスポイント名及び指定情報種別毎にU−plane装置2rの識別子、パケット検索条件及び転送先装置の識別子が対応付けられている。
図25に示す設定データ表のテーブル例は、図6のS0にて格納部10rにより格納された初期状態のテーブル例である。図25のテーブル例が示す通り、初期状態では、ランデブーノード以外のU−plane装置2rは、検索条件にマッチしない場合にランデブーノードに向けてパケットを転送するように設定される。また、デフォルトルートが設定されているランデブーノードのU−plane装置2rは、検索条件にマッチしない場合にデフォルトルートのノードにパケットを転送するように設定される。なお、デフォルトルートが設定されていないランデブーノードのU−plane装置2rは、検索条件にマッチしない場合にパケットを破棄してもよい(あるいは、転送先装置識別子に「破棄」を示す装置識別子を設定してもよい)。
次に、本実施形態のように構成されたC−plane装置1及びU−plane装置2の作用効果について説明する。
本実施形態のC−plane装置1は、UN3間のパケット通信を中継する一以上のU−plane装置2と、当該パケット通信の経路制御を行うC−plane装置1とを含む経路制御システム4におけるC−plane装置1であって、U−plane装置2がパケット中継時に転送先判定の検索キーとして使用するUN3の検索キー情報を指定する指定情報と、検索キー情報が含まれるパケット部分を示す部分情報とを格納する格納部10と、新たなUN3がU−plane装置2に接続された際に、当該UN3に関するノード情報を取得し、取得されたノード情報と格納部10によって格納された指定情報とに基づいて当該UN3の検索キー情報を抽出し、U−plane装置2がパケット中継時に受信したパケットの格納部10によって格納された部分情報に示されるパケット部分に抽出された検索キー情報が含まれている場合の当該パケットの転送先をU−plane装置2毎に設定する取得部11及び設定部12と、を備える。
かかる構成を採れば、新たなUN3がU−plane装置2に接続された際に、U−plane装置2がパケット中継時に受信したパケットの格納部10によって格納された部分情報に示されるパケット部分に、格納部10によって格納された指定情報に基づく当該UN3の検索キー情報が含まれている場合の当該パケットの転送先がU−plane装置2毎に設定される。すなわち、格納部10によって格納された指定情報及び部分情報に基づいて、U−plane装置2毎のパケットの転送先を設定することができる。これにより、例えば、ネットワーク事業者が指定した指定情報及び部分情報を格納部10によって格納すれば、ネットワーク事業者が指定した指定情報及び部分情報を利用して経路制御を行うことができる。すなわち、より柔軟な経路制御を行うことができる。
また、本実施形態のC−plane装置1において、設定部12は、検索キー情報を抽出する際に複数の検索キー情報を抽出し、抽出された複数の検索キー情報毎に転送先を設定することとしてもよい。かかる構成を採れば、UN3に対して複数の検索キー情報を設定することができるため、例えば、目的に応じた複数の検索キー情報を設定し、目的に応じた経路制御を設定する等、より柔軟な経路制御を行うことができる。
また、本実施形態のC−plane装置1において、設定部12は、検索キー情報を抽出する際に不足情報を動的に生成することとしてもよい。かかる構成を採れば、不足情報があった場合でもより確実に検索キー情報を抽出することができ、それにより、より確実にU−plane装置2の転送先を設定することができる。
また、本実施形態のC−plane装置1において、格納部10は、一以上のU−plane装置2のネットワークトポロジに関するトポロジ情報をさらに格納し、設定部12は、格納部10によって格納されたトポロジ情報に基づいて転送先を設定することとしてもよい。かかる構成を採れば、例えば、トポロジ情報に基づいて送信先UN3に向かう最短経路となる転送先を設定することができ、より効率的な経路制御を行うことができる。
また、本実施形態のC−plane装置1vにおいて、パケット通信は、経路上に確立された複数の仮想ネットワークのうち一つの仮想ネットワークを経由して行われ、格納部10vは、仮想ネットワーク毎の指定情報と部分情報とを格納し、取得部11v及び設定部12vは、新たなUN3vがU−plane装置2vに接続された際に、当該UN3vに関するノード情報を取得し、取得されたノード情報と格納部10vによって格納された仮想ネットワーク毎の指定情報とに基づいて当該UN3vの仮想ネットワーク毎の検索キー情報を抽出し、U−plane装置2vがパケット中継時に受信したパケットの格納部10vによって格納された仮想ネットワーク毎の部分情報に示されるパケット部分に抽出された当該仮想ネットワークの検索キー情報が含まれている場合の当該パケットの転送先を仮想ネットワーク毎及びU−plane装置2v毎に設定することとしてもよい。かかる構成を採れば、経路上に複数の仮想ネットワークが確立されたパケット通信ネットワークにおいて、仮想ネットワーク毎の経路制御を行うことができる。すなわち、より柔軟な経路制御を行うことができる。
また、本実施形態の経路制御システム4において、設定部12は、設定データ表を生成し、生成された設定データ表を各U−plane装置2に送信してもよく、U−plane装置2は、設定部12によって送信された設定データ表を格納する格納部20と、中継時に受信したパケットを格納部20によって格納された設定データ表に基づいて転送する転送部22と、を備える。かかる構成を採れば、U−plane装置2にて、生成された設定データ表が格納され、格納された設定データ表に基づいて中継時に受信したパケットが転送される。すなわち、C−plane装置1の格納部10によって格納された指定情報及び部分情報に基づいて生成された設定データ表に基づいて、U−plane装置2にてパケットが転送される。これにより、例えば、ネットワーク事業者が指定した指定情報及び部分情報を格納部20によって格納すれば、ネットワーク事業者が指定した指定情報及び部分情報を利用して経路制御を行うことができる。すなわち、より柔軟な経路制御を行うことができる。
ここで、従来技術の問題点として、移動体通信ネットワークの仕様であるEPSは、ネットワーク事業者が指定したIDと同事業者が指定したパケットフィールドの値を利用して、経路制御を行うことができなかったという問題点が挙げられる。本実施形態の経路制御システム4によれば、ネットワーク事業者が指定したIDと同事業者が指定したパケットフィールドの組を含むパケット検索ルール表を、ネットワークの制御を担う装置であるC−plane装置1が保持し、当該パケット検索ルール表とUNユーザ固有情報とを組み合わせて作成される経路制御に関する設定データ表を、ネットワークのパケット転送やパケット処理を担う装置であるU−plane装置2に施す。これにより、ネットワーク事業者が指定したID(検索キー情報又は指定情報)と同事業者が指定したパケットフィールド(部分情報)を用いた経路制御(IDルーティング)を実現することができる。例えば、IP(Internet Protocol)以外の任意のネットワークプロトコルでモバイルネットワーク内の経路制御を実現することができる。また、本実施形態の経路制御システム4の構成は、SDN(Software Defined Networking)、NFV(Network Function Virtualization)、トランスポート、リンク、ノード、モバイルコア及び基地局などに適用可能である。
ここで、本明細書で説明した「情報」は、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
本明細書で使用する「判定」という用語は、多種多様な動作を包含する。「判断」、「決定」は、例えば、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up)(例えば、テーブル、データベースまたは別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)などを含み得る。また、「判定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)などを含み得る。また、「判定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などを含み得る。
「接続された(connected)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。本明細書で使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及び/又はプリント電気接続を使用することにより、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどの電磁エネルギーを使用することにより、互いに「接続」されると考えることができる。
本明細書で使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
「含む(including)」およびそれらの変形が、本明細書あるいは特許請求の範囲で使用されている限り、これら用語は、用語「備える」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本明細書あるいは特許請求の範囲において使用されている用語「または(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
本明細書で説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス図、フローチャート図などは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本明細書で説明した方法については、例示的な順序で様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
本明細書で説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
以上、本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。