JP6779523B2 - フレキシブルデバイス - Google Patents
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Description
フレキシブルシートに加速度センサ、心拍センサ、温度センサなどを設けた健康データ測定デバイスが知られている(例えば、非特許文献1参照)。このような健康データ測定デバイスを皮膚に貼り付けることにより、活動量、心拍、皮膚温度などをモニタリングすることができる。また、このデバイスでは、フレキシブルシートに印刷層を形成することにより各種センサや配線を形成することが可能であり、皮膚に貼り付けるシートの製造コストを低減することができる。このため、皮膚に貼り付けるシートを使い捨てにすることが可能になり、衛生管理にかかるコストを低減することができる。
加速度センサは、X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向に動くことができるように設けられた重りを有し、この重りが動くことにより生じる歪みを測定することにより加速度を検出する。このフレキシブルデバイスでは、2つのシリコンラバーでフレキシブルシートを挟むことにより、加速度センサの下に空間を形成し重りが動くことができるようにしている。このため、皮膚に貼り付けるフレキシブルシートと、加速度センサを設けるフレキシブルシートを異なるシートとする必要がある。
また、触覚センサもセンサの下に空間を必要とする(例えば、特許文献1)。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、下に空間を必要とするセンサを低い製造コストで設けることができるフレキシブルデバイスを提供する。
本発明のフレキシブルデバイスは、基板上又は基板に設けられたセンサ部と、センサ部の周りの基板に設けられた伸縮構造部と、センサ部と伸縮構造部との間の基板の下に設けられたスペーサとを備える。また、伸縮構造部及びスペーサは、センサ部の周りの基板がスペーサにより持ち上げられることにより伸縮構造部が伸びるように設けられる。このため、伸縮構造部に段差を形成することができ、伸縮構造部により形成される段差の上側にセンサ部を配置することができる。このため、センサ部の下に空間を形成することができ、センサ部に加速度センサや触覚センサなどを設けることができる。
伸縮構造部は基板に切れ目を入れることにより形成された構造であるため、伸縮構造部に含まれる基板上に配線を形成することができる。この配線により、伸縮構造部により形成される段差の上側に配置されるセンサ部と、段差の下側の基板に配置される接続端子や電源回路などとを電気的に接続することができる。このため、センサ部と、接続端子などとを接続する配線が複雑になることを抑制することができ、フレキシブルデバイスの製造コストを低減することができる。
本発明のフレキシブルデバイスに含まれるセンサ部は、四角状であることが好ましく、前記伸縮構造部は、第1伸縮構造部、第2伸縮構造部、第3伸縮構造部及び第4伸縮構造部を有することが好ましく、第1〜第4伸縮構造部は、それぞれ前記センサ部の各辺に対応するように設けられたことが好ましい。このような第1〜第4伸縮構造部により、センサ部をテーブル状に持ち上げることができる。
本発明のフレキシブルデバイスに含まれるセンサ部は、重りと、前記重りの周りに設けられた可撓部とを備えることが好ましく、前記重りは、前記可撓部が撓むことにより動くことができるように設けられることが好ましく、前記可撓部は、歪みセンサを有することが好ましく、前記歪みセンサは、前記可撓部が撓むことにより生じる歪みを測定できるように設けられることが好ましく、前記センサ部は、前記歪みセンサにより測定される前記可撓部の歪みから加速度を検出できるように設けられたことが好ましい。このようなセンサ部を備えるフレキシブルデバイスにより、物や人の動きを検出することができる。
本発明のフレキシブルデバイスは、前記基板の下に設けられた粘着層をさらに備えることが好ましい。このことにより、フレキシブルデバイスを皮膚に貼り付けることや、装置に組み込みこむことが可能になり、生体情報のモニタリングや物の動きの検出が可能になる。
本実施形態のフレキシブルデバイス20は、フレキシブル基板1と、基板1上又は基板1に設けられたセンサ部3、センサ部3の周りの基板1に設けられた伸縮構造部4と、センサ部3と伸縮構造部4との間の基板1の下に設けられたスペーサ5とを備え、伸縮構造部4及びスペーサ5は、センサ部3の周りの基板1がスペーサ5により持ち上げられることにより伸縮構造部4が伸びるように設けられ、伸縮構造部4は、基板1に切れ目7を入れることにより形成された構造であることを特徴とする。
以下、本実施形態のフレキシブルデバイス20について説明する。
フレキシブルデバイス20は、柔軟性を有するデバイスである。フレキシブルデバイス20は、センサ部3を有する。また、フレキシブルデバイス20は、複数のセンサを有することができる。また、フレキシブルデバイス20は、複数のヘルスケアセンサを備えたウェアラブルデバイスであってもよい。また、フレキシブルデバイス20は、生体情報測定デバイスであってもよい。例えば、図4(a)(b)に示したフレキシブルデバイス20は、加速度センサ11、温度センサ24、ECGセンサ(心電計用電極)25を有する。
フレキシブル基板1は、柔軟性を有する基板である。フレキシブル基板1の材料は、実質的に伸縮性を有さないプラスチックであってもよい。また、フレキシブル基板1の材料は、絶縁体材料であってもよい。フレキシブル基板1の材料は、例えば、ポリイミド、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ウレタンなどである。
フレキシブル基板1上に配線8を設けることができる。配線8は、例えば、フレキシブル基板1に金属ペーストを印刷することにより形成されてもよく、金属箔又は金属線を2枚のフレキシブル基板1で挟むことにより形成されてもよい。配線8は、一方の端がセンサ部3に接続することができ、他方の端が、基板1に設けられた接続端子9に接続することができる。配線8は、例えば、銅配線、銀配線とすることができる。
センサ部3は、下に空間を必要とするセンサを有する部分であり、基板1上又は基板1に設けられる。また、センサ部3は、基板1の開口中に設けられてもよい。センサ部3は、例えば加速度センサ11を有する部分であってもよく、触覚センサ21を有する部分であってもよい。
加速度センサ11は、X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向に動くことができるように設けられた重り12を有し、この重り12が動くことにより生じる歪み、静電容量変化などを測定することにより加速度を検出することができる。従って、重り12の下に空間を必要とする。
ここでは、図1、2に示した加速度センサ11を用いて説明するが、加速度センサ11は、静電容量検出方式の加速度センサであってもよく、ピエゾ抵抗方式の加速度センサであってもよい。
フレキシブルデバイス20が動くと、それに合わせて基板1のスペーサ5上の部分に対する重り12の相対的位置が変化し、基板1の重り12を設けた部分を支持する可撓部14が撓む。可撓部14が撓むと、感圧抵抗部15の電気抵抗値が変化する。この電気抵抗値の変化から加速度を検出することができる。このような加速度センサ11により、例えば人の動きをモニタリングすることができる。
感圧抵抗部15に電流を流したとき、電流は主に導電性微粒子を流れる。この感圧抵抗部15が伸張すると、導電性微粒子の接触面積が狭くなるため感圧抵抗部15の電気抵抗は大きくなる。逆に感圧抵抗部15が圧縮されると導電性微粒子の接触面積が広くなるため、感圧抵抗部15の電気抵抗は小さくなる。従って、感圧抵抗部15を可撓部14の撓みと共に変形するように設け、感圧抵抗部15の電気抵抗値の変化を測定することにより、可撓部14の歪みを測定することができる。
可撓部14bには、感圧抵抗部15bが設けられ、感圧抵抗部15bの一方の端は、配線8bにより接続端子9bに電気的に接続し、他方の端は、配線8dにより接続端子(アース端子)9dに電気的に接続している。可撓部14cには、感圧抵抗部15cが設けられ、感圧抵抗部15cの一方の端は、配線8cにより接続端子9cに電気的に接続し、他方の端は、配線8dにより接続端子(アース端子)9dに電気的に接続している。
従って、感圧抵抗部15a〜15cの電気抵抗値の変化をモニタリングすることができ、加速度を検出することができる。
図1では、加速度センサ11は四角状であるが、加速度センサ11は、円形であってもよく、三角状であってもよい。
伸縮構造部4は、伸縮することができる構造を有する部分であり、フレキシブル基板1に切れ目7を入れることにより形成された構造(切り紙構造)である。この構造では、切れ目7において基板1の隣接する部分を分離させ、フレキシブル基板1を変形させることにより伸縮構造部4を伸ばすことができ、切れ目7において基板1の隣接する部分を同一面上に戻すことにより伸縮構造部4を縮めることができる。このような構造により、伸縮性のないプラスチックからなるフレキシブル基板1であっても、伸縮させることができる。
本実施形態のフレキシブルデバイス20に含まれる伸縮構造部4は、伸びた状態であってもよく、縮めた状態であってもよい。
センサ部3が四角状である場合、伸縮構造部4a〜4dをそれぞれセンサ部3の各辺に対応するように設けることができる。このことにより、各伸縮構造部4に異なる接続端子9に接続する配線8を設けることができる。また、1つの伸縮構造部4に複数の配線8が設けられてもよい。
伸縮構造部4は、例えば、図1、図2(a)に示したフレキシブルデバイス20に含まれる伸縮構造部4a〜4dのような構造を有することができる。なお、図1、図2(a)は、伸縮構造4を伸ばしていない状態におけるデバイス20である。
例えば、図1、図2(a)に示したフレキシブルデバイス20のスペーサ5の下面及び伸縮構造部4より外側の基板1の下面を、図4(b)のように平面又は曲面に押し付けると、スペーサ5によりセンサ部3の周りの基板1が持ち上げられ伸縮構造部4が伸びる。この際、伸縮構造部4は、図2(b)のように、切れ目7において基板1の隣接する部分が分離し基板1が変形することにより伸びた状態となる。このことにより、フレキシブルデバイス20を平面上又は曲面上に固定した状態において、センサ部3の下に空間を設けることができる。
加速度センサ、ECGセンサ(心電計用電極)、温度センサを備えたフレキシブルデバイスを作製した。
38μm厚のPETフィルム(フレキシブル基板)の上面及び裏面に銀配線(又は銀電極)をスクリーン印刷した。この配線を形成したPETフィルムをレザー切断により切り目を入れ、伸縮構造部、可撓部などを形成した。その後、導電性高分子(PEDOT:PSS)溶液とカーボンナノチューブインクとを混合したペーストをPETフィルム上に塗布することにより温度センサを形成し、銀ナノ粒子とカーボンナノチューブインクとを混合したペーストをPETフィルム上に塗布することにより感圧抵抗部(歪みセンサ)を形成した。また、PETフィルムの裏面に形成したECGセンサ用の銀電極とフィルム上面の配線とを電気的に接続した。その後、シリコンラバー製のスペーサと、アクリル板(重り)をPETフィルムに取り付け加速度センサを形成した。その後、PETフィルムの裏面を平面に押し付けることにより、スペーサにより加速度センサを持ち上げ伸縮構造部を伸びた状態とした。このようにして作製したフレキシブルデバイスの写真を図6に示す。
作製したフレキシブルデバイスを人の胸部に貼り付け、人の運動、心電図、皮膚温度をモニタリングしたところ、良好にモニタリングすることができた。
Claims (7)
- フレキシブル基板と、前記基板上又は前記基板に設けられたセンサ部と、前記センサ部の周りの前記基板に設けられた伸縮構造部と、前記センサ部と前記伸縮構造部との間の前記基板の下に設けられたスペーサとを備え、
前記伸縮構造部及び前記スペーサは、前記センサ部の周りの前記基板が前記スペーサにより持ち上げられることにより前記伸縮構造部が伸びるように設けられ、
前記伸縮構造部は、前記基板に切れ目を入れることにより形成された構造であることを特徴とするフレキシブルデバイス。 - 前記伸縮構造部は、前記基板の一部と、前記基板の上に設けられた配線とを含む請求項1に記載のデバイス。
- 前記センサ部は、四角状であり、
前記伸縮構造部は、第1伸縮構造部、第2伸縮構造部、第3伸縮構造部及び第4伸縮構造部を有し、
第1〜第4伸縮構造部は、それぞれ前記センサ部の各辺に対応するように設けられた請求項1又は2に記載のデバイス。 - 前記センサ部は、加速度センサを有する請求項1〜3のいずれか1つに記載のデバイス。
- 前記センサ部は、重りと、前記重りの周りに設けられた可撓部とを備え、
前記重りは、前記可撓部が撓むことにより動くことができるように設けられ、
前記可撓部は、歪みセンサを有し、
前記歪みセンサは、前記可撓部が撓むことにより生じる歪みを測定できるように設けられ、
前記センサ部は、前記歪みセンサにより測定される前記可撓部の歪みから加速度を検出できるように設けられた請求項4に記載のデバイス。 - 前記歪みセンサは、高分子材料中に導電性微粒子及びカーボンナノチューブが混練された感圧抵抗部を有し、前記感圧抵抗部の電気抵抗値から前記可撓部に生じる歪みを測定できるように設けられた請求項5に記載のデバイス。
- 前記基板の下に設けられた粘着層をさらに備える請求項1〜6のいずれか1つに記載のデバイス。
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