JP6774232B2 - レジストパターンの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、レジストパターンの製造方法に関する。
特許文献1には、下記構造単位の組合せからなる樹脂を含有するレジスト組成物を用いて組成物層を形成し、KrFエキシマレーザにより該組成物層を露光して、パターンを形成する方法が記載されている。
特許文献2には、下記構造単位の組合せからなる樹脂を含有するレジスト組成物を用いて組成物層を形成し、ArFエキシマレーザにより該組成物層を露光して、パターンを形成する方法が記載されている。
特開2001−278919号公報 特開2005−208509号公報
上記のレジスト組成物から形成されたレジストパターンは、残渣及びCD均一性(CDU)の点で必ずしも満足できない場合があった。
本発明は、以下の発明を含む。
[1]下記工程(1)〜(5)を含むレジストパターンの製造方法。
(1)式(II)で表される構造単位を、樹脂(A1)の全構造単位の合計に対して、0.5モル%以上15モル%以下で含有し、かつ、酸不安定基を有する構造単位を含む樹脂(A1)及び酸発生剤を含有するレジスト組成物を基板上に塗布する工程
(2)塗布後のレジスト組成物を乾燥させて組成物層を形成する工程
(3)組成物層を、ArFエキシマレーザにより液浸露光する工程
(4)露光後の組成物層を加熱する工程
(5)加熱後の組成物層を、ネガ型現像液により現像する工程
[式(II)中、
は、ハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、水素原子又はハロゲン原子を表す。
は、単結合又は*−L−CO−O−(L−CO−O)−を表す。*は、酸素原子との結合手を表す。
及びLは、互いに独立に、炭素数1〜12の2価の炭化水素基を表す。
gは、0又は1を表す。
は、炭素数1〜12の直鎖又は分岐のアルキル基を表す。但し、第3級アルキル基を除く。]
[2]Lが、単結合である[1]記載の製造方法。
[3]Rが、炭素数2〜8の直鎖のアルキル基である[1]又は[2]記載の製造方法。
[4]ネガ型現像液が、酢酸ブチル及び2−ヘプタノンからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む[1]〜[3]のいずれかに記載の製造方法。
[5]工程(5)が、ダイナミックディスペンス法により、組成物層を現像する工程である[1]〜[4]のいずれか記載の製造方法。
[6]レジスト組成物が、フッ素原子を有する構造単位を含み、かつ、酸不安定基を有する構造単位を含まない樹脂(A2)をさらに含有する[1]〜[5]のいずれか記載の製造方法。
本発明のレジストパターンの製造方法によれば、残渣が生じず、CD均一性(CDU)が良好なレジストパターンを製造することができる。
本明細書において「(メタ)アクリレート」とは、それぞれ「アクリレート及びメタクリレートの少なくとも一種」を意味する。「(メタ)アクリル酸」や「(メタ)アクリロイル」等の表記も、同様の意味を有する。
本明細書において、「レジスト組成物の固形分」とは、レジスト組成物の総量から、後述する溶剤(E)を除いた成分の合計を意味する。
〔レジストパターンの製造方法〕
本発明のレジストパターンの製造方法は、下記工程(1)〜(5)を含む。
(1)以下に示す式(II)で表される構造単位を、樹脂(A1)の全構造単位の合計に対して、0.5モル%以上15モル%以下で含有し、かつ、酸不安定基を有する構造単位を含む樹脂(A1)及び酸発生剤を含有するレジスト組成物を基板上に塗布する工程(以下「工程(1)」という場合がある。)
(2)塗布後のレジスト組成物を乾燥させて組成物層を形成する工程(以下「工程(2)」という場合がある。)
(3)組成物層を、ArFエキシマレーザにより液浸露光する工程(以下「工程(3)」という場合がある。)
(4)露光後の組成物層を加熱する工程(以下「工程(4)」という場合がある。)
(5)加熱後の組成物層を、ネガ型現像液により現像する工程(以下「工程(5)」という場合がある。)
<工程(1)>
レジスト組成物を塗布する基板は限定されず、半導体の製造に通常用いられる無機基板、例えば、シリコン、SiN、SiO、SOG等を挙げることができる。これらの基板は、洗浄されたものでもよいし、また、無機基板上に反射防止膜等が形成されたものでもよい。反射防止膜は、例えば、市販の有機反射防止膜用組成物により形成できる。
レジスト組成物の基板上への塗布は、スピンコーター等、レジスト分野で広く用いられている塗布装置によって行うことができる。
レジスト組成物の塗布厚みは特に限定されず、用いる露光装置における光源の波長等によって適宜設定することができる。該塗布厚みとしては、例えば、0.01〜0.5μmが挙げられ、好ましくは0.02〜0.3μmが挙げられる。
<工程(2)>
工程(2)では、例えば、ホットプレート等の加熱装置を用いた加熱手段(いわゆるプリベーク)又は減圧装置を用いた減圧手段により、あるいはこれらの手段を組合せて、基板上に塗布されたレジスト組成物を乾燥させることにより溶剤を除去して、組成物層が形成される。好ましくは、加熱手段による乾燥である。加熱手段や減圧手段の条件は、レジスト組成物に含まれる溶剤(D)の種類等に応じて選択できる。
加熱手段の場合、乾燥温度は、50〜200℃であることが好ましく、60〜150℃であることがより好ましい。また、乾燥時間は、10〜180秒間であることが好ましく、30〜120秒間であることがより好ましい。
減圧手段の場合、減圧乾燥機の中に、基板上に塗布されたレジスト組成物を封入した後、内部圧力を1〜1.0×10Paにして乾燥を行う。
乾燥したレジスト組成物層の厚みは、塗布厚みを調整することにより、調整することができる。
<工程(3)>
工程(3)では、好ましくは露光機を用いて、形成された組成物層を露光する。露光は、所望のパターンが形成されたマスク(フォトマスク)を介して行われる。露光機の露光光源としては、ArFエキシマレーザ(波長193nm)の紫外域のレーザ光を放射するものを用いることができる。
マスクを介して露光した結果、露光部の組成物層では該組成物層に含まれる酸発生剤から酸が発生し、発生した酸が樹脂(A1)に作用して、樹脂(A1)が有する酸不安定基から親水性基が形成される。
露光は、組成物層に液浸媒体を載せた状態で行う方法、いわゆる液浸露光で行われる。
液浸露光前、液浸露光後、またはその両方において、組成物層の表面を水系の薬液で洗浄する工程を行ってもよい。
液浸露光に用いる液浸媒体は、ArFエキシマレーザの露光波長光に対して透明、言い換えると露光波長光を吸収しないものであり、かつ組成物層上に投影される光学像の歪みを最小限に留めるよう、屈折率の温度係数ができる限り小さい液体が好ましく、入手の容易さ、取り扱いのし易さから、水、中でも超純水が好ましい。液浸媒体として水を用いる場合、水の表面張力を減少させるとともに、界面活性力を増大させる添加剤を水にわずかな割合で添加してもよい。この添加剤は組成物層を溶解させず、且つ用いる露光装置の光学部材、例えば、レンズ素子の下面の光学コートに対する影響が無視できるものが好ましい。
露光量は、用いるレジスト組成物、製造するレジストパターンの種類及び露光光源の種類等に応じて適宜設定できる。該露光量は、好ましくは5〜50mJ/cmである。
工程(3)は、複数回繰り返して行ってもよい。複数回の露光を行う場合の露光光源及び露光方法は、同じでも互いに異なってもよい。
<工程(4)>
工程(4)における加熱は、ホットプレート等の加熱装置を用いた加熱手段が挙げられる。加熱温度は、50〜200℃であることが好ましく、70〜150℃であることがより好ましい。また、加熱時間は、10〜180秒間であることが好ましく、30〜120秒間であることがより好ましい。
工程(4)により、上記の酸不安定基の反応が促進される。
<工程(5)>
工程(5)は、加熱後の組成物層をネガ型現像液で現像する工程である。つまり、工程(5)において、加熱後の組成物層のネガ型現像を行う。
工程(5)では、好ましくは現像装置を用いて現像する。
ネガ型現像液とは、露光されていない組成物層を溶解し、かつ露光された組成物層が不溶又は難溶である有機溶剤を意味する。該有機溶剤としては、ケトン溶剤、エステル溶剤、アミド溶剤、エーテル溶剤等の極性溶剤、炭化水素溶剤等が挙げられる。
ケトン溶剤としては、1−オクタノン、2−オクタノン、1−ノナノン、2−ノナノン、2−ヘプタノン、4−ヘプタノン、2−ヘキサノン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、フェニルアセトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられる。
エステル溶剤としては、酢酸ブチル、酢酸アミル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチル−3−エトキシプロピオネート、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、蟻酸ブチル、蟻酸プロピル、乳酸エチル、乳酸ブチル、乳酸プロピル等が挙げられる。
エーテル溶剤としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等が挙げられる。
アミド溶剤としては、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等が挙げられる。
炭化水素溶剤としては、トルエン、キシレン、アニソール等の芳香族炭化水素系溶剤、オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素溶剤が挙げられる。
また、これらの有機溶剤は2種類以上を組合せてもよく、わずかであれば水を含んでいてもよい。
これらの現像液としては、溶剤として市販されているものをそのままを用いてもよい。
ネガ型現像液として、ケトン溶剤、エステル溶剤及びエーテル溶剤からなる群より選択される有機溶剤を含むことが好ましく、ケトン溶剤及びエステル溶剤からなる群より選択される有機溶剤を含むことがより好ましい。
中でも、ネガ型現像液は、酢酸ブチル及び2−ヘプタノンからなる群より選ばれる少なくとも一種を含むことが好ましく、酢酸ブチル及び2−ヘプタノンを含む場合は、酢酸ブチル及び2−ヘプタノンの合計含有率は、ネガ型現像液の総量に対して、50質量%以上であることが好ましく、実質的に酢酸ブチル及び2−ヘプタノンからなる群から選ばれる少なくとも一種のみであることがより好ましい。また、ネガ型現像液は、実質的に酢酸ブチルのみ又は実質的に2−ヘプタノンのみであることがさらに好ましい。
ネガ型現像液は、必要に応じて界面活性剤を含有していてよい。界面活性剤は限定されず、イオン性界面活性剤でも非イオン性界面活性剤でもよく、フッ素系界面活性剤でもシリコン系界面活性剤等を用いてもよい。
現像方法としては、現像液が満たされた槽中に、工程(4)後の組成物層を、基板ごと一定時間浸漬する方法(ディップ法)、工程(4)後の組成物層に、現像液を表面張力によって盛り上げて一定時間静止することで現像する方法(パドル法)、工程(4)後の組成物層表面に現像液を噴霧する方法(スプレー法)、工程(4)後の組成物層が形成された基板を一定速度で回転させ、ここに一定速度で塗出ノズルをスキャンしながら、現像液を塗出しつづける方法(ダイナミックディスペンス法)等が挙げられる。
中でも、現像方法としては、パドル法又はダイナミックディスペンス法が好ましく、ダイナミックディスペンス法がより好ましい。
現像温度は、5〜60℃であることが好ましく、10〜40℃であることがより好ましい。また、現像時間は、5〜300秒間であることが好ましく、5〜90秒間であることがより好ましい。ダイナミックディスペンス法で現像を行う場合、現像時間は5〜20秒であることがさらに好ましく、パドル法で現像を行う場合、現像時間は20〜60秒であることがさらに好ましい。
上記の酸不安定基の反応により、組成物層の露光部は現像液に不溶又は難溶となるため、組成物層を現像液と接触させると、組成物層の未露光部が現像液により除去されてネガ型レジストパターンが製造される。
上記の現像時間を経た後、組成物層と接触している現像液を、現像液とは異なる種類の溶剤に置換しながら、現像を停止してもよい。また、レジストパターン上に残存している前記現像液を除去するために、リンス液を用いて、現像後のレジストパターンを洗浄することが好ましい。リンス液としては、製造されたレジストパターンを溶解しないものであれば特に制限はなく、一般的な有機溶剤を使用することができるが、アルコール溶剤又はエステル溶剤等を用いることが好ましく、ヘキサノール、ペンタノール、ブタノール等の炭素数1〜8の1価アルコールを用いることがより好ましい。
〔レジスト組成物〕
本発明のレジストパターンの製造方法に用いられるレジスト組成物は、樹脂(A1)及び酸発生剤を含有する。
レジスト組成物は、さらに、フッ素原子を有する構造単位を含み、かつ、酸不安定基を有する構造単位を含まない樹脂(A2)等を含んでいてもよい。
また、レジスト組成物は、クエンチャー(以下「クエンチャー(C)」という場合がある)及び/又は溶剤(以下「溶剤(E)」という場合がある)を含有することが好ましい。
<樹脂(A1)>
樹脂(A1)は、式(II)で表される構造単位(以下「構造単位(II)」という場合がある。)と、酸不安定基を有する構造単位を含む。
樹脂(A1)は、さらに、後述する式(I)で表される構造単位を含むことが好ましい。
構造単位が有する「酸不安定基」とは、脱離基を有する基であって、酸との接触により脱離基が脱離して、親水性基(例えば、ヒドロキシ基又はカルボキシル基)を有する構造単位に変換される基を意味する。
樹脂(A1)は、さらに、酸不安定基を有さない構造単位(以下「構造単位(s)」という場合がある)、その他の構造単位(以下「構造単位(t)」という場合がある)及び/又は当技術分野で周知の構造単位を含んでいてもよい。
〈構造単位(II)〉
樹脂(A1)が有する構造単位(II)は、下記式(II)で表される。
[式(II)中、
は、ハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、水素原子又はハロゲン原子を表す。
は、単結合又は*−L−CO−O−(L−CO−O)−を表す。*は、酸素原子との結合手を表す。
及びLは、互いに独立に、炭素数1〜12の2価の炭化水素基を表す。
gは、0又は1を表す。
は、炭素数1〜12の直鎖又は分岐のアルキル基を表す。ただし、第3級アルキル基を除く。]
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。
ハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基等の炭素数1〜6の無置換アルキル基、及び、トリフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基、ペルフルオロイソプロピル基、ペルフルオロブチル基、ペルフルオロ−sec−ブチル基、ペルフルオロ−tert−ブチル基、ペルフルオロペンチル基、ペルフルオロヘキシル基、トリクロロメチル基、トリブロモメチル基、トリヨードメチル基等の炭素数1〜6のハロアルキル基が挙げられ、好ましくは炭素数1〜4の無置換アルキル基が挙げられ、より好ましくはメチル基及びエチル基が挙げられる。
は、好ましくは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であり、より好ましくは水素原子、メチル基又はエチル基であり、さらに水素原子又はメチル基である。
及びLの炭素数1〜12の2価の炭化水素基としては、アルカンジイル基、2価の脂環式炭化水素基、2価の芳香族炭化水素基又はこれらを組合せることにより形成される2価の基が挙げられる。
アルカンジイル基としては、メチレン基、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基及びヘキサン−1,6−ジイル基等の直鎖状アルカンジイル基、並びに当該直鎖状アルカンジイル基に、アルキル基(中でも、炭素数1〜4のアルキル基、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等)の側鎖を有したもの、エタン−1,1−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、ブタン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,2−ジイル基、ペンタン−1,4−ジイル基及び2−メチルブタン−1,4−ジイル基等の分岐状アルカンジイル基が挙げられる。
2価の脂環式炭化水素としては、シクロブタン−1,3−ジイル基、シクロペンタン−1,3−ジイル基、シクロヘキサン−1,4−ジイル基、シクロオクタン−1,5−ジイル基等のシクロアルカンジイル基である単環式基;ノルボルナン−1,4−ジイル基、ノルボルナン−2,5−ジイル基、アダマンタン−1,5−ジイル基、アダマンタン−2,6−ジイル基等の多環式基が挙げられる。
2価の芳香族炭化水素基としては、フェニレン基、ナフチレン基、アントリレン基、p−メチルフェニレン基、p−tert−ブチルフェニレン基、p−アダマンチルフェニレン基、トリレン基、キシリレン基、クメニレン基、メシチレン基、ビフェニレン基、フェナントリレン基、2,6−ジエチルフェニレン基、2−メチル−6−エチルフェニレン基等が挙げられる。
は、好ましくは単結合又は*−L−CO−O−であり、より好ましくは単結合又は*−CH−CO−O−であり、さらに好ましくは単結合である。
で表わされる炭素数1〜12のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−へプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基等が挙げられる。
は、好ましくは炭素数1〜8の直鎖のアルキル基であり、より好ましくは炭素数2〜8の直鎖のアルキル基であり、さらに好ましくは炭素数3〜8の直鎖のアルキル基であり、さらにより好ましくは炭素数4〜8の直鎖のアルキル基であり、とりわけ好ましくはn−プロピル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基又はn−オクチル基であり、さらにとりわけ好ましくは、n−ブチル基、n−ヘキシル基又はn−オクチル基である。
構造単位(II)の具体例としては、下記式(II−1)〜(II−12)で表わされる構造単位、下記式(II−1)〜(II−12)で表わされる構造単位のRに相当するメチル基が水素原子に置き換わった構造単位等が挙げられる。
中でも、式(II−1)〜式(II−6)、式(II−8)で表される構造単位が好ましい。
構造単位(II)は、式(II’)で表されるモノマー(以下、「モノマー(II’)」ということがある。)から誘導される。
[式(II’)中、L及びRは上記と同じ意味を表す。]
モノマー(II’)としては、下記式(II’−1)〜(II’−12)で表わされるモノマー、及び、下記式(II’−1)〜式(II’−12)で表されるモノマーのRに相当する水素原子がメチル基に置き換わったモノマーが挙げられる。
モノマー(II’)は、市場から容易に入手できる。
構造単位(II)の含有率は、樹脂(A1)の全構造単位の合計に対して、0.5〜15モル%であり、好ましくは1〜10モル%であり、より好ましくは1〜8モル%であり、さらに好ましくは1〜6モル%である。
〈構造単位(a1)〉
樹脂(A1)は、構造単位(II)に加えて、構造単位(a1)を含む。
構造単位(a1)は、酸不安定基を有するモノマー(以下「モノマー(a1)」という場合がある)から導かれる。
モノマー(a1)は、好ましくは酸不安定基とエチレン性不飽和結合とを有するモノマーであり、より好ましくは酸不安定基を有する(メタ)アクリル系モノマーである。
樹脂(A1)においては、構造単位(a1)に含まれる酸不安定基は、下記式(1)で表わされる基及び/又は下記式(2)で表わされる基が好ましい。
[式(1)中、Ra1〜Ra3は、互いに独立に、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数3〜20の脂環式炭化水素基又はこれらを組合せた基を表すか、又は、Ra1及びRa2は互いに結合して炭素数2〜20の2価の炭化水素基を形成し、Ra3は、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数3〜20の脂環式炭化水素基又はこれらを組合せた基を表す。
naは、0又は1を表す。
*は、結合手を表す。]
[式(2)中、Ra1’及びRa2’は、互いに独立に、水素原子又は炭素数1〜12の炭化水素基を表し、Ra3’は、炭素数1〜20の炭化水素基を表すか、又は、Ra1’は、水素原子又は炭素数1〜12の炭化水素基を表し、Ra2’及びRa3’は互いに結合してそれらが結合する炭素原子及びXとともに炭素数3〜20の2価の複素環基を形成し、該炭化水素基及び該2価の複素環基に含まれる−CH−は、−O−又は−S−で置き換わってもよい。
Xは、酸素原子又は硫黄原子を表す。
*は結合手を表す。]
a1〜Ra3のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基等が挙げられる。
a1〜Ra3の脂環式炭化水素基は、単環式及び多環式のいずれでもよい。単環式の脂環式炭化水素基としては、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等のシクロアルキル基が挙げられる。多環式の脂環式炭化水素基としては、デカヒドロナフチル基、アダマンチル基、ノルボルニル基及び下記の基(*は結合手を表す。)等が挙げられる。Ra1〜Ra3の脂環式炭化水素基の炭素数は、好ましくは3〜16である。
アルキル基と脂環式炭化水素基とを組合せた基としては、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロへキシル基、メチルノルボルニル基等が挙げられる。
a1及びRa2が互いに結合して2価の炭化水素基を形成する場合の−C(Ra1)(Ra2)(Ra3)としては、下記の基が挙げられ、*は−O−との結合手を表す。2価の炭化水素基の炭素数は、好ましくは3〜12である。
式(1)で表される基としては、1,1−ジアルキルアルコキシカルボニル基(式(1)中においてRa1〜Ra3がアルキル基である基、好ましくはtert−ブトキシカルボニル基)、2−アルキルアダマンタン−2−イルオキシカルボニル基(式(1)中、Ra1及びRa2が互いに結合し、これらが結合する炭素原子と一緒になってアダマンチル基を形成し、Ra3がアルキル基である基)及び1−(アダマンタン−1−イル)−1−アルキルアルコキシカルボニル基(式(1)中、Ra1及びRa2がアルキル基であり、Ra3がアダマンチル基である基)等が挙げられる。
a1’〜Ra3’の炭化水素基としては、アルキル基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基及びこれらを組合せることにより形成される基等が挙げられる。
アルキル基及び脂環式炭化水素基としては、上記と同様のものが挙げられる。
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、p−メチルフェニル基、p−tert−ブチルフェニル基、p−アダマンチルフェニル基、キシリル基、クミル基、メシチル基、ビフェニル基、フェナントリル基、2,6−ジエチルフェニル基、2−メチル−6−エチルフェニル等のアリール基等が挙げられる。
a2’及びRa3’が互いに結合してそれらが結合する炭素原子及びXとともに形成する2価の複素環基としては、下記の基が挙げられる。*は、結合手を表す。
a1’及びRa2’のうち、少なくとも1つは水素原子であることが好ましい。
式(2)で表される基の具体例としては、以下の基が挙げられる。*は結合手を表す。
酸不安定基を有する(メタ)アクリル系モノマーのうち、炭素数5〜20の脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリル系モノマーが好ましい。脂環式炭化水素基のような嵩高い構造を有するモノマー(a1)に由来する構造単位を有する樹脂(A1)を含むレジスト組成物から、解像度がより向上したレジストパターンを形成することができる。
式(1)で表される基を有する(メタ)アクリル系モノマーに由来する構造単位の好ましい例としては、式(a1−0)で表される構造単位、式(a1−1)で表される構造単位及び式(a1−2)で表される構造単位が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。本明細書では、式(a1−0)で表される構造単位、式(a1−1)で表される構造単位及び式(a1−2)で表される構造単位を、それぞれ構造単位(a1−0)、構造単位(a1−1)及び構造単位(a1−2)という場合があり、構造単位(a1−0)を誘導するモノマー、構造単位(a1−1)を誘導するモノマー及び構造単位(a1−2)を誘導するモノマーを、それぞれモノマー(a1−0)、モノマー(a1−1)及びモノマー(a1−2)という場合がある。
[式(a1−0)中、
a01は、酸素原子又は*−O−(CHk01−CO−O−を表し、k01は1〜7の整数を表し、*はカルボニル基との結合手を表す。
a01は、水素原子又はメチル基を表す。
a02、Ra03及びRa04は、互いに独立に、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基又はこれらを組合せた基を表す。]
[式(a1−1)及び式(a1−2)中、
a1及びLa2は、互いに独立に、−O−又は*−O−(CHk1−CO−O−を表し、k1は1〜7の整数を表し、*は−CO−との結合手を表す。
a4及びRa5は、互いに独立に、水素原子又はメチル基を表す。
a6及びRa7は、互いに独立に、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基又はこれらを組合せることにより形成される基を表す。
m1は、0〜14の整数を表す。
n1は、0〜10の整数を表す。
n1’は、0〜3の整数を表す。]
a02は、好ましくは酸素原子又は*−O−(CHk01−CO−O−であり、より好ましくは酸素原子である。k01は、好ましくは1〜4の整数であり、より好ましくは1である。
a02、Ra03及びRa04のアルキル基、脂環式炭化水素基及びこれらを組合せた基としては、式(1)のRa1〜Ra3で挙げた基と同様の基が挙げられる。
a02、Ra03及びRa04のアルキル基の炭素数は、好ましくは6以下である。
a02、Ra03及びRa04の脂環式炭化水素基の炭素数は、好ましくは3以上8以下であり、より好ましくは3以上6以下である。
アルキル基と脂環式炭化水素基とを組合せた基は、これらアルキル基と脂環式炭化水素基とを組合せた合計炭素数が、18以下であることが好ましい。このような基としては、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロへキシル基、メチルノルボルニル基等が挙げられる。
a02及びRa03は、好ましくは炭素数1〜6のアルキル基であり、より好ましくはメチル基又はエチル基である。
a04は、好ましくは炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数5〜12の脂環式炭化水素基であり、より好ましくはメチル基、エチル基、シクロヘキシル基又はアダマンチル基である。
a1及びLa2は、好ましくは−O−又は*−O−(CHk1’−CO−O−であり、より好ましくは−O−である。k1’は、1〜4の整数であり、好ましくは1である。
a4及びRa5は、好ましくはメチル基である。
a6及びRa7のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、2−エチルヘキシル基、n−オクチル基等が挙げられる。
a6及びRa7の脂環式炭化水素基は、単環式又は多環式のいずれでもよく、単環式の脂環式炭化水素基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロヘプチル基、シクロデシル基等のシクロアルキル基が挙げられる。多環式の脂環式炭化水素基としては、デカヒドロナフチル基、アダマンチル基、2−アルキルアダマンタン−2−イル基、1−(アダマンタン−1−イル)アルカン−1−イル基、ノルボルニル基、メチルノルボルニル基及びイソボルニル基等が挙げられる。
a6及びRa7のアルキル基と脂環式炭化水素基とを組合せることにより形成された基としては、アラルキル基が挙げられ、ベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。
a6及びRa7のアルキル基は、好ましくは炭素数6以下のアルキル基である。
a6及びRa7の脂環式炭化水素基は、好ましくは炭素数3以上8以下の脂環式炭化水素基であり、より好ましくは3以上6以下の脂環式炭化水素基である。
m1は、好ましくは0〜3の整数であり、より好ましくは0又は1である。
n1は、好ましくは0〜3の整数であり、より好ましくは0又は1である。
n1’は好ましくは0又は1である。
構造単位(a1−0)としては、式(a1−0−1)〜式(a1−1−12)で表される構造単位及びこれら構造単位中のRa01に相当するメチル基が水素原子に置き換わった構造単位が挙げられ、好ましくは式(a1−0−1)〜式(a1−1−10)のいずれかで表される構造単位である。
モノマー(a1−1)としては、特開2010−204646号公報に記載されたモノマーが挙げられる。中でも、下記式(a1−1−1)〜式(a1−1−8)で表されるモノマーが好ましく、式(a1−1−1)〜式(a1−1−4)で表されるモノマーがより好ましい。
モノマー(a1−2)としては、下記式(a1−2−1)〜式(a1−2−12)で表されるモノマーが挙げられ、式(a1−2−3)、式(a1−2−4)、式(a1−2−9)及び式(a1−2−10)で表されるモノマーが好ましく、式(a1−2−3)及び式(a1−2−9)で表されるモノマーがより好ましい。
樹脂(A1)が構造単位(a1−0)及び/又は構造単位(a1−1)及び/又は構造単位(a1−2)を含む場合、これらの合計含有率は、樹脂(A1)の全構造単位の合計に対して、通常10〜95モル%であり、好ましくは15〜90モル%であり、より好ましくは20〜85モル%である。
さらに、式(1)で表わされる基を有する構造単位(a1)としては、式(a1−3)で表される構造単位も挙げられる。式(a1−3)で表される構造単位を、構造単位(a1−3)という場合がある。また、構造単位(a1−3)を誘導するモノマーを、モノマー(a1−3)という場合がある。
[式(a1−3)中、
a9は、ヒドロキシ基を有していてもよい炭素数1〜3の脂肪族炭化水素基、カルボキシ基、シアノ基、水素原子又は−COORa13を表す。
a13は、炭素数1〜8の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜20の脂環式炭化水素基、又はこれらを組合せることにより形成される基を表し、該脂肪族炭化水素基及び該脂環式炭化水素基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基で置換されていてもよく、該脂肪族炭化水素基及び該脂環式炭化水素基に含まれる−CH−は、−O−又は−CO−に置き換わっていてもよい。
a10、Ra11及びRa12は、互いに独立に、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数3〜20の脂環式炭化水素基又はこれらを組合せることにより形成される基を表すか、又は、Ra12は、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数3〜20の脂環式炭化水素基又はこれらを組合せることにより形成される基を表し、Ra10及びRa11は互いに結合して、それらが結合する炭素原子とともに炭素数2〜20の2価の炭化水素基を形成する。]
ここで、−COORa13は、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等のアルコキシ基にカルボニル基が結合した基が挙げられる。
a9のヒドロキシ基を有していてもよい脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、ヒドロキシメチル基及び2−ヒドロキシエチル基が挙げられる。
a13の炭素数1〜8の脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基及びn−プロピル基が挙げられる。
a13の炭素数3〜20の脂環式炭化水素基としては、シクロペンチル基、シクロプロピル基、アダマンチル基、アダマンチルメチル基、1−アダマンチル−1−メチルエチル基、2−オキソ−オキソラン−3−イル基及び2−オキソ−オキソラン−4−イル基が挙げられる。
a10〜Ra12のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、2−エチルヘキシル基及びn−オクチル基が挙げられる。
a10〜Ra12の脂環式炭化水素基は、単環式であってもよいし、多環式であってもよく、単環式の脂環式炭化水素基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロヘプチル基、シクロデシル基等のシクロアルキル基が挙げられる。多環式の脂環式炭化水素基としては、デカヒドロナフチル基、アダマンチル基、2−アルキルアダマンタン−2−イル基、1−(アダマンタン−1−イル)アルカン−1−イル基、ノルボルニル基、メチルノルボルニル基及びイソボルニル基が挙げられる。
a10及びRa11が互いに結合して、それらが結合している炭素原子とともに2価の炭化水素基を形成する場合の−C(Ra10)(Ra11)(Ra12)としては、下記の基が好ましい。
モノマー(a1−3)としては、具体的には、5−ノルボルネン−2−カルボン酸−tert−ブチル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸1−シクロヘキシル−1−メチルエチル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸1−メチルシクロヘキシル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸2−メチル−2−アダマンチル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸2−エチル−2−アダマンチル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸1−(4−メチルシクロヘキシル)−1−メチルエチル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸1−(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−1−メチルエチル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸1−メチル−1−(4−オキソシクロヘキシル)エチル及び5−ノルボルネン−2−カルボン酸1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチルが挙げられる。
構造単位(a1−3)を含む樹脂(A1)は、立体的に嵩高い構造単位が含まれることになるため、このような樹脂(A1)を含むレジスト組成物からは、より高解像度でレジストパターンを得ることができる。また、主鎖に剛直なノルボルナン環が導入されるため、得られるレジストパターンは、ドライエッチング耐性に優れる傾向がある。
樹脂(A1)が構造単位(a1−3)を含む場合、その含有率は、樹脂(A1)の全構造単位の合計に対して、10〜95モル%であることが好ましく、15〜90モル%であることがより好ましく、20〜85モル%であることがさらに好ましい。
基(2)で表される基を有する構造単位(a1)としては、式(a1−4)で表される構造単位(以下、「構造単位(a1−4)」という場合がある。)が挙げられる。
[式(a1−4)中、
a32は、水素原子、ハロゲン原子、又は、ハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基を表す。
a33は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数2〜4のアシル基、炭素数2〜4のアシルオキシ基、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を表す。
laは0〜4の整数を表す。laが2以上である場合、複数のRa33は互いに同一であっても異なってもよい。
a34及びRa35は、互いに独立に、水素原子又は炭素数1〜12の炭化水素基を表し、Ra36は、炭素数1〜20の炭化水素基を表すか、又は、Ra34は、水素原子又は炭素数1〜12の炭化水素基を表し、Ra35及びRa36は互いに結合して炭素数2〜20の2価の炭化水素基を形成し、該炭化水素基及び該2価の炭化水素基に含まれる−CH−は、−O−又は−S−で置き換わってもよい。]
a32及びRa33のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基及びn−ヘキシル基が挙げられ、好ましくは炭素数1〜4のアルキル基が挙げられ、より好ましくはメチル基又はエチル基が挙げられ、さらに好ましくはメチル基が挙げられる。
a32及びRa33のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子及び臭素原子が挙げられる。
ハロゲン原子を有してもよいアルキル基としては、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、メチル基、ペルフルオロエチル基、1,1,1−トリフルオロエチル基、1,1,2,2−テトラフルオロエチル基、エチル基、ペルフルオロプロピル基、1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロピル基、プロピル基、ペルフルオロブチル基、1,1,2,2,3,3,4,4−オクタフルオロブチル基、ブチル基、ペルフルオロペンチル基、1,1,1,2,2,3,3,4,4−ノナフルオロペンチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ペルフルオロヘキシル基等が挙げられる。
アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基及びヘキシルオキシ基等が挙げられる。なかでも、炭素数1〜4のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基又はエトキシ基がより好ましく、メトキシ基がさらに好ましい。
アシル基としては、アセチル基、プロピオニル基及びブチリル基が挙げられる。
アシルオキシ基としては、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基等が挙げられる。
a34及びRa35の炭化水素基としては、式(2)のRa1’及びRa2’におけるものと同様の基が挙げられる。
a36としては、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基、炭素数6〜18の芳香族炭化水素基及びこれらを組合せることにより形成される基が挙げられる。
式(a1−4)において、Ra32は、水素原子であることが好ましい。
a33としては、炭素数1〜4のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基及びエトキシ基がより好ましく、メトキシ基がさらに好ましい。
laとしては、0又は1が好ましく、0がより好ましい。
a34は、好ましくは水素原子である。
a35は、好ましくは炭素数1〜12の炭化水素基であり、より好ましくはメチル基又はエチル基である。
a36の炭化水素基は、好ましくは炭素数1〜18のアルキル基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基、炭素数6〜18の芳香族炭化水素基又はこれらを組合せることにより形成される基であり、より好ましくは炭素数1〜18のアルキル基、炭素数3〜18の脂環式脂肪族炭化水素基又は炭素数7〜18のアラルキル基である。
a36におけるアルキル基及び前記脂環式炭化水素基は無置換が好ましい。
a36における芳香族炭化水素基が置換基を有する場合、その置換基としては炭素数6〜10のアリールオキシ基が好ましい。
構造単位(a1−4)を導くモノマーとしては、特開2010−204646号公報に記載されたモノマーが挙げられる。中でも、式(a1−4−1)〜式(a1−4−8)で表されるモノマーが好ましく、式(a1−4−1)〜式(a1−4−5)で表されるモノマーがより好ましい。
樹脂(A1)が、構造単位(a1−4)を有する場合、その含有率は、樹脂(A1)の全構造単位の合計に対して、10〜95モル%であることが好ましく、15〜90モル%であることがより好ましく、20〜85モル%であることがさらに好ましい。
酸不安定基を有する構造単位としては、式(a1−5)で表される構造単位(以下「構造単位(a1−5)」という場合がある)も挙げられる。
[式(a1−5)中、
a8は、ハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、水素原子又はハロゲン原子を表す。
a1は、単結合又は*−(CHh3−CO−L54−を表し、h3は1〜4の整数を表し、*は、L51との結合手を表す。
51、L52、L53及びL54は、互いに独立に、−O−又は−S−を表す。
s1は、1〜3の整数を表す。
s1’は、0〜3の整数を表す。]
式(a1−5)において、Ra8は、水素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基であることが好ましい。
51は、好ましくは−O−である。
52及びL53のうちの一方が−O−であり、他方が−S−であることが好ましい。
s1は、1であることが好ましい。
s1’は、0〜2の整数であることが好ましい。
a1は、単結合又は*−CH−CO−O−であることが好ましい。
構造単位(a1−5)を導くモノマーとしては、特開2010−61117号公報に記載されたモノマーが挙げられる。中でも、式(a1−5−1)〜式(a1−5−4)で表されるモノマーが好ましく、式(a1−5−1)及び式(a1−5−2)で表されるモノマーがより好ましい。
樹脂(A1)が、構造単位(a1−5)を有する場合、その含有率は、樹脂(A1)の全構造単位の合計に対して、1〜50モル%であることが好ましく、3〜45モル%であることがより好ましく、5〜40モル%がさらに好ましい。
樹脂(A1)中の酸不安定基を有する構造単位(a)としては、構造単位(a1−0)、構造単位(a1−1)、構造単位(a1−2)及び構造単位(a1−5)からなる群から選ばれる少なくとも一種以上が好ましく、少なくとも二種以上がより好ましく、構造単位(a1−1)及び構造単位(a1−2)の組合せ、構造単位(a1−1)及び構造単位(a1−5)の組合せ、構造単位(a1−1)及び構造単位(a1−0)の組合せ、構造単位(a1−2)及び構造単位(a1−0)の組合せ、構造単位(a1−5)及び構造単位(a1−0)の組合せ、構造単位(a1−0)、構造単位(a1−1)及び構造単位(a1−2)の組合せ、構造単位(a1−0)、構造単位(a1−1)及び構造単位(a1−5)の組合せがさらに好ましく、構造単位(a1−1)及び構造単位(a1−2)の組合せ、構造単位(a1−1)及び構造単位(a1−5)の組合せがさらにより好ましい。
〈酸不安定基を有さない構造単位〉
構造単位(s)は、酸不安定基を有さないモノマー(以下「モノマー(s)」という場合がある)から導かれる。モノマー(s)としては、レジスト分野で公知の酸不安定基を有さないモノマーが挙げられる。好ましい構造単位は、ヒドロキシ基又はラクトン環を有し、かつ酸不安定基を有さない構造単位である。ヒドロキシ基を有し、かつ酸不安定基を有さない構造単位(以下「構造単位(a2)」という場合がある)及び/又はラクトン環を有し、かつ酸不安定基を有さない構造単位(以下「構造単位(a3)」という場合がある。)を有する樹脂を含むレジスト組成物から、解像度及び基板との密着性がより向上したレジストパターンを形成することができる。
〈構造単位(a2)〉
構造単位(a2)が有するヒドロキシ基は、アルコール性ヒドロキシ基でも、フェノール性ヒドロキシ基でもよい。
本発明のレジスト組成物からレジストパターンを製造するとき、露光光源としてKrFエキシマレーザ(248nm)、電子線又はEUV(超紫外光)等の高エネルギー線を用いる場合には、構造単位(a2)として、フェノール性ヒドロキシ基を有する構造単位(a2)を用いることが好ましい。また、ArFエキシマレーザ(193nm)等を用いる場合には、構造単位(a2)として、アルコール性ヒドロキシ基を有する構造単位(a2)が好ましく、構造単位(a2−1)を用いることがより好ましい。構造単位(a2)としては、1種を単独で含んでいてもよく、2種以上を含んでいてもよい。
フェノール性ヒドロキシ基有する構造単位(a2)としては、式(a2−0)で表される構造単位(以下「構造単位(a2−0)」という場合がある。)が挙げられる。
[式(a2−0)中、
a30は、水素原子、ハロゲン原子又はハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基を表す。
a31は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数2〜4のアシル基、炭素数2〜4のアシルオキシ基、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を表す。
maは、0〜4の整数を表す。maが2以上の整数である場合、複数のRa31は互いに同一であっても異なってもよい。]
a30のハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基としては、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、メチル基、ペルフルオロエチル基、1,1,1−トリフルオロエチル基、1,1,2,2−テトラフルオロエチル基、エチル基、ペルフルオロプロピル基、1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロピル基、プロピル基、ペルフルオロブチル基、1,1,2,2,3,3,4,4−オクタフルオロブチル基、ブチル基、ペルフルオロペンチル基、1,1,1,2,2,3,3,4,4−ノナフルオロペンチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ペルフルオロヘキシル基等が挙げられる。
a30としては、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、水素原子、メチル基又はエチル基がより好ましく、水素原子又はメチル基がさらに好ましい。
a31のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基及びヘキシルオキシ基等が挙げられ、好ましくは炭素数1〜4のアルコキシ基が挙げられ、より好ましくはメトキシ基又はエトキシ基が挙げられ、さらに好ましくはメトキシ基が挙げられる。
a31のアシル基としては、例えば、アセチル基、プロピオニル基及びブチリル基等が挙げられる。
a31のアシルオキシ基としては、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基等が挙げられる。
maとしては、0、1又は2が好ましく、0又は1がより好ましく、0がさらに好ましい。
構造単位(a2−0)を誘導するモノマーとしては、例えば、特開2010−204634号公報に記載されているモノマーが挙げられる。
中でも、構造単位(a2−0)としては、式(a2−0−1)、式(a2−0−2)、式(a2−0−3)及び式(a2−0−4)でそれぞれ表されるものが好ましく、式(a2−0−1)又は式(a2−0−2)で表される構造単位がより好ましい。
構造単位(a2−0)を含む樹脂(A1)は、構造単位(a2−0)を誘導するモノマーが有するフェノール性ヒドロキシ基を保護基で保護したモノマーを用いて重合反応を行い、その後脱保護処理することにより製造できる。ただし、脱保護処理を行う際には、構造単位(a1)が有する酸不安定基を著しく損なわないようにして行う必要がある。このような保護基としては、アセチル基等が挙げられる。
樹脂(A1)が、フェノール性ヒドロキシ基を有する構造単位(a2−0)を有する場合、その含有率は、樹脂(A1)の全構造単位の合計に対して、5〜95モル%であることが好ましく、10〜80モル%であることがより好ましく、15〜80モル%であることがさらに好ましい。
アルコール性ヒドロキシ基を有する構造単位(a2)としては、式(a2−1)で表される構造単位(以下「構造単位(a2−1)」という場合がある。)が挙げられる。
[式(a2−1)中、
a3は、−O−又は*−O−(CHk2−CO−O−を表し、
k2は、1〜7の整数を表す。*は、−CO−との結合手を表す。
a14は、水素原子又はメチル基を表す。
a15及びRa16は、互いに独立に、水素原子、メチル基又はヒドロキシ基を表す。
o1は、0〜10の整数を表す。]
式(a2−1)では、La3は、好ましくは−O−、−O−(CHf1−CO−O−であり(前記f1は、1〜4の整数である)、より好ましくは−O−である。
a14は、好ましくはメチル基である。
a15は、好ましくは水素原子である。
a16は、好ましくは水素原子又はヒドロキシ基である。
o1は、好ましくは0〜3の整数であり、より好ましくは0又は1である。
構造単位(a2−1)を誘導するモノマーとしては、例えば、特開2010−204646号公報に記載されたモノマーが挙げられる。式(a2−1−1)〜式(a2−1−6)のいずれかで表されるモノマーが好ましく、式(a2−1−1)〜式(a2−1−4)のいずれかで表されるモノマーがより好ましく、式(a2−1−1)又は式(a2−1−3)で表されるモノマーがさらに好ましい。
樹脂(A1)が構造単位(a2−1)を含む場合、その含有率は、樹脂(A1)の全構造単位の合計に対して、通常1〜45モル%であり、好ましくは1〜40モル%であり、より好ましくは1〜35モル%であり、さらに好ましくは2〜20モル%である。
〈構造単位(a3)〉
構造単位(a3)が有するラクトン環は、β−プロピオラクトン環、γ−ブチロラクトン環、δ−バレロラクトン環のような単環でもよく、単環式のラクトン環と他の環との縮合環でもよい。該ラクトン環として、好ましくはγ−ブチロラクトン環、アダマンタンラクトン環又はγ−ブチロラクトン環構造を含む橋かけ環が挙げられる。
構造単位(a3)は、好ましくは、式(a3−1)、式(a3−2)、式(a3−3)又は式(a3−4)で表される構造単位である。これらの1種を単独で含有してもよく、2種以上を含有してもよい。
[式(a3−1)中、
a4は、−O−又は*−O−(CHk3−CO−O−(k3は1〜7の整数を表す。)で表される基を表す。*はカルボニル基との結合手を表す。
a18は、水素原子又はメチル基を表す。
a21は炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基を表す。
p1は0〜5の整数を表す。p1が2以上のとき、複数のRa21は互いに同一であっても異なってもよい。
式(a3−2)中、
a5は、−O−又は*−O−(CHk3−CO−O−(k3は1〜7の整数を表す。)で表される基を表す。*は、カルボニル基との結合手を表す。
a19は、水素原子又はメチル基を表す。
a22は、カルボキシ基、シアノ基又は炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基を表す。
q1は、0〜3の整数を表す。q1が2以上のとき、複数のRa22は互いに同一であっても異なってもよい。
式(a3−3)中、
a6は、−O−又は*−O−(CHk3−CO−O−(k3は1〜7の整数を表す。)で表される基を表す。*は、カルボニル基との結合手を表す。
a20は、水素原子又はメチル基を表す。
a23は、カルボキシ基、シアノ基又は炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基を表す。
r1は、0〜3の整数を表す。r1が2以上のとき、複数のRa23は互いに同一であっても異なってもよい。
式(a3−4)中、
a24は、ハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、水素原子又はハロゲン原子を表す。
a7は、単結合、*−O−、−O−La8−O−、*−O−La8−CO−O−、*−O−La8−CO−O−La9−CO−O−又は*−O−La8−O−CO−La9−O−を表す。
*は、カルボニル基との結合手を表す。
a8及びLa9は、互いに独立に、炭素数1〜6のアルカンジイル基を表す。
a25は、カルボキシ基、シアノ基又は炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基を表す。
w1は、0〜8の整数を表す。w1が2以上のとき、複数のRa25は互いに同一であってもよく、異なってもよい。]
a21、Ra22及びRa23の脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基が挙げられる。
a24のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。
a24のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基及びn−ヘキシル基等が挙げられ、好ましくは炭素数1〜4のアルキル基が挙げられ、より好ましくはメチル基又はエチル基が挙げられる。
a24のハロゲン原子を有するアルキル基としては、トリフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基、ペルフルオロイソプロピル基、ペルフルオロブチル基、ペルフルオロsec−ブチル基、ペルフルオロtert−ブチル基、ペルフルオロペンチル基、ペルフルオロヘキシル基、トリクロロメチル基、トリブロモメチル基、トリヨードメチル基等が挙げられる。
a8及びLa9のアルカンジイル基としては、メチレン基、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基、ブタン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,2−ジイル基、ペンタン−1,4−ジイル基及び2−メチルブタン−1,4−ジイル基等が挙げられる。
式(a3−1)〜式(a3−3)において、La4〜La6は、互いに独立に、好ましくは−O−又は、k3が1〜4の整数である*−O−(CHk3−CO−O−で表される基であり、より好ましくは−O−及び、*−O−CH−CO−O−であり、さらに好ましくは酸素原子である。
a18〜Ra21は、互いに独立に、好ましくはメチル基である。
a22及びRa23は、互いに独立に、好ましくはカルボキシ基、シアノ基又はメチル基である。
p1、q1及びr1は、互いに独立に、好ましくは0〜2の整数であり、より好ましくは0又は1である。
式(a3−4)において、
a24は、好ましくは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であり、より好ましくは水素原子、メチル基又はエチル基であり、さらに好ましくは水素原子又はメチル基である。 La7は、好ましくは単結合、*−O−又は*−O−La8−CO−O−であり、より好ましくは単結合、*−O−、*−O−CH−CO−O−又は*−O−C−CO−O−である。
w1は、好ましくは0〜2の整数であり、より好ましくは0又は1である。
特に、式(a3−4)で表される構造単位として、式(I)で表される構造単位であるものが好ましい。
[式(I)中、
は、ハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、水素原子又はハロゲン原子を表す。
a25は、カルボキシ基、シアノ基又は炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基を表す。
は、単結合、*−A−O−、*−A−CO−O−、*−A−CO−O−A−CO−O−又は*−A−O−CO−A−O−を表す。
*は−O−との結合手を表す。
及びAは、互いに独立に、炭素数1〜6のアルカンジイル基を表す。
w1は、0〜8の整数を表す。w1が2以上のとき、複数のRa25は互いに同一であってもよく、異なってもよい。]
は、式(a3−4)におけるRa24と同様の基が挙げられる。
a25及びw1は上記と同様である。
及びAのアルカンジイル基としては、メチレン基、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基及びヘキサン−1,6−ジイル基、ブタン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,2−ジイル基、ペンタン−1,4−ジイル基及び2−メチルブタン−1,4−ジイル基などが挙げられる。
は、好ましくは単結合又は*−A−CO−O−であり、より好ましくは単結合、−CH−CO−O−又は−C−CO−O−である。
構造単位(a3)を導くモノマーとしては、特開2010−204646号公報に記載されたモノマー、特開2000−122294号公報に記載されたモノマー、特開2012−41274号公報に記載されたモノマーが挙げられる。構造単位(a3)としては、式(a3−1−1)〜式(a3−1−4)、式(a3−2−1)〜式(a3−2−4)、式(a3−3−1)〜式(a3−3−4)及び式(a3−4−1)〜式(a3−4−6)のいずれかで表される構造単位が好ましく、式(a3−1−1)、式(a3−1−2)及び式(a3−2−3)〜式(a3−2−4)及び式(a3−4−1)〜式(a3−4−2)のいずれかで表される構造単位がより好ましく、式(a3−1−1)、式(a3−2−3)又は式(a3−4−2)で表される構造単位がさらに好ましい。
以下の構造単位においては、Ra24に相当するメチル基が水素原子に置き換わった化合物も、構造単位(a3−4)の具体例として挙げることができる。
樹脂(A1)が構造単位(a3)を含む場合、その含有率は、樹脂(A1)の全構造単位の合計に対して、通常5〜70モル%であり、好ましくは10〜65モル%であり、より好ましくは10〜60モル%である。
また、構造単位(a3−1)、構造単位(a3−2)、構造単位(a3−3)及び構造単位(a3−4)の含有率は、互いに独立に、樹脂(A1)の全構造単位の合計に対して、5〜70モル%であることが好ましく、5〜65モル%であることがより好ましく、10〜60モル%であることがさらに好ましい。
〈その他の構造単位(t)〉
構造単位(t)としては、構造単位(a2)及び構造単位(a3)以外にフッ素原子を有していてもよい構造単位(以下、場合により「構造単位(a4)」という。)及び非脱離炭化水素基を有する構造単位(以下「構造単位(a5)」という場合がある)などが挙げられる。
構造単位(a4)としては、式(a4−0)で表される構造単位が挙げられる。
[式(a4−0)中、
は、水素原子又はメチル基を表す。
は、単結合又は炭素数1〜4の脂肪族飽和炭化水素基を表す。
は、炭素数1〜8のペルフルオロアルカンジイル基又は炭素数3〜12のペルフルオロシクロアルカンジイル基を表す。
は、水素原子又はフッ素原子を表す。]
の脂肪族飽和炭化水素基としては、メチレン基、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基等の直鎖状アルカンジイル基、直鎖状アルカンジイル基に、アルキル基(中でも、メチル基、エチル基等)の側鎖を有したもの、エタン−1,1−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、ブタン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,3−ジイル基及び2−メチルプロパン−1,2−ジイル基等の分岐状アルカンジイル基が挙げられる。
のペルフルオロアルカンジイル基としては、ジフルオロメチレン基、ペルフルオロエチレン基、ペルフルオロエチルフルオロメチレン基、ペルフルオロプロパン−1,3−ジイル基、ペルフルオロプロパン−1,2−ジイル基、ペルフルオロプロパン−2,2−ジイル基、ペルフルオロブタン−1,4−ジイル基、ペルフルオロブタン−2,2−ジイル基、ペルフルオロブタン−1,2−ジイル基、ペルフルオロペンタン−1,5−ジイル基、ペルフルオロペンタン−2,2−ジイル基、ペルフルオロペンタン−3,3−ジイル基、ペルフルオロヘキサン−1,6−ジイル基、ペルフルオロヘキサン−2,2−ジイル基、ペルフルオロヘキサン−3,3−ジイル基、ペルフルオロヘプタン−1,7−ジイル基、ペルフルオロヘプタン−2,2−ジイル基、ペルフルオロヘプタン−3,4−ジイル基、ペルフルオロヘプタン−4,4−ジイル基、ペルフルオロオクタン−1,8−ジイル基、ペルフルオロオクタン−2,2−ジイル基、ペルフルオロオクタン−3,3−ジイル基、ペルフルオロオクタン−4,4−ジイル基等が挙げられる。
のペルフルオロシクロアルカンジイル基としては、ペルフルオロシクロプロパン−1,3−ジイル基、ペルフルオロシクロブタン−2,2−ジイル基、ペルフルオロシクロペンタン−1,5−ジイル基、ペルフルオロシクロヘキサン−1,6−ジイル基、ペルフルオロシクロアダマンチル−1,2−ジイル基等が挙げられる。
は、好ましくは単結合、メチレン基又はエチレン基であり、より好ましくは単結合又はメチレン基である。
は、好ましくは炭素数1〜6のペルフルオロアルカンジイル基又は炭素数3〜10のペルフルオロシクロアルカンジイル基であり、より好ましくは炭素数1〜3のペルフルオロアルカンジイル基であり、さらに好ましくは炭素数1〜2のペルフルオロアルカンジイル基であり、とりわけ好ましくはジフルオロメチレン基である。
構造単位(a4−0)としては、以下に示す構造単位が挙げられる。
構造単位(a4)としては、式(a4−1)で表される構造単位が挙げられる。
[式(a4−1)中、
a41は、水素原子又はメチル基を表す。
a42は、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基を表し、該炭化水素基に含まれる−CH−は、−O−又は−CO−に置き換わっていてもよい。
a41は、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルカンジイル基又は式(a−g1)で表される基を表す。]
[式(a−g1)中、
sは、0又は1を表す。
a42及びAa44は、互いに独立に、置換基を有していてもよい炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基を表す。
a43は、単結合又は置換基を有していてもよい炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基を表す。
a41及びXa42は、互いに独立に、−O−、−CO−、−CO−O−又は−O−CO−を表す。
ただし、Aa42、Aa43、Aa44、Xa41及びXa42の炭素数の合計は7以下である。
*で表される2つの結合手のうち、右側の*が−O−CO−Ra42との結合手である。]
a42の炭化水素基としては、鎖式及び環式の脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、並びにこれらを組合せることにより形成される基が挙げられる。
鎖式及び環式の脂肪族炭化水素基は、炭素−炭素不飽和結合を有していてもよいが、鎖式及び環式の脂肪族飽和炭化水素基並びにこれらの組み合わせが好ましい。該脂肪族飽和炭化水素基としては、直鎖又は分岐のアルキル基及び単環又は多環の脂環式炭化水素基、並びに、アルキル基及び脂環式炭化水素基を組み合わせることにより形成される脂肪族炭化水素基等が挙げられる。
鎖式の脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基及びn−オクタデシル基が挙げられる。環式の脂肪族炭化水素基としては、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等のシクロアルキル基;デカヒドロナフチル基、アダマンチル基、ノルボルニル基及び下記の基(*は結合手を表す。)等の多環式の脂環式炭化水素基が挙げられる。
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、ビフェニリル基、フェナントリル基及びフルオレニル基が挙げられる。
a42の炭化水素基としては、鎖式及び環式の脂肪族炭化水素基並びにこれらが組合せることにより形成される基が好ましく、炭素−炭素不飽和結合を有していてもよいが、鎖式及び環式の脂肪族飽和炭化水素基並びにこれらを組合せることにより形成される基がより好ましい。
a42の置換基としては、ハロゲン原子又は式(a−g3)で表される基が挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられ、好ましくはフッ素原子が挙げられる。
[式(a−g3)中、
a43は、酸素原子、カルボニル基、カルボニルオキシ基又はオキシカルボニル基を表す。
a45は、少なくとも1つのハロゲン原子を有する炭素数1〜17の脂肪族炭化水素基を表す。
*は結合手を表す。]
a45の脂肪族炭化水素基としては、Ra42で例示したものと同様の基が挙げられる。
a42は、ハロゲン原子を有してもよい脂肪族炭化水素基が好ましく、ハロゲン原子を有するアルキル基及び/又は式(a−g3)で表される基を有する脂肪族炭化水素基がより好ましい。
a42がハロゲン原子を有する脂肪族炭化水素基である場合、好ましくはフッ素原子を有する脂肪族炭化水素基であり、より好ましくはペルフルオロアルキル基又はペルフルオロシクロアルキル基であり、さらに好ましくは炭素数が1〜6のペルフルオロアルキル基であり、とりわけ好ましくは炭素数1〜3のペルフルオロアルキル基である。ペルフルオロアルキル基としては、ペルフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基、ペルフルオロブチル基、ペルフルオロペンチル基、ペルフルオロヘキシル基、ペルフルオロヘプチル基及びペルフルオロオクチル基等が挙げられる。ペルフルオロシクロアルキル基としては、ペルフルオロシクロヘキシル基等が挙げられる。
a42が、式(a−g3)で表される基を有する脂肪族炭化水素基である場合、式(a−g3)で表される基に含まれる炭素数を含めて、脂肪族炭化水素基の総炭素数は、15以下が好ましく、12以下がより好ましい。式(a−g3)で表される基を置換基として有する場合、その数は1個が好ましい。
式(a−g3)で表される基を有する脂肪族炭化水素基は、さらに好ましくは式(a−g2)で表される基である。
[式(a−g2)中、
a46は、ハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜17の脂肪族炭化水素基を表す。
a44は、カルボニルオキシ基又はオキシカルボニル基を表す。
a47は、ハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜17の脂肪族炭化水素基を表す。
ただし、Aa46、Aa47及びXa44の炭素数の合計は18以下であり、Aa46及びAa47のうち、少なくとも一方は、少なくとも1つのハロゲン原子を有する。
*はカルボニル基との結合手を表す。]
a46の脂肪族炭化水素基の炭素数は、1〜6であることが好ましく、1〜3であることがより好ましい。
a47の脂肪族炭化水素基の炭素数は、4〜15であることが好ましく、5〜12であることがより好ましく、該脂肪族炭化水素基としては、シクロヘキシル基又はアダマンチル基が好ましい。
*−Aa46−Xa44−Aa47で表される好ましい構造は、以下の構造である。
a41のアルカンジイル基としては、メチレン基、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基等の直鎖状アルカンジイル基;プロパン−1,2−ジイル基、ブタン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,2−ジイル基、1−メチルブタン−1,4−ジイル基、2−メチルブタン−1,4−ジイル基等の分岐状アルカンジイル基が挙げられる。
a41のアルカンジイル基における置換基としては、ヒドロキシ基及び炭素数1〜6のアルコキシ基等が挙げられる。
a41は、好ましくは炭素数1〜4のアルカンジイル基であり、より好ましくは炭素数2〜4のアルカンジイル基であり、さらに好ましくはエチレン基である。
基(a−g1)におけるAa42〜Aa44の脂肪族炭化水素基は、炭素−炭素不飽和結合を有していてもよいが、脂肪族飽和炭化水素基が好ましい。該脂肪族飽和炭化水素基としては、アルキル基(当該アルキル基は直鎖でも分岐していてもよい)及び脂環式炭化水素基、並びに、アルキル基及び脂環式炭化水素基を組合せることにより形成される脂肪族炭化水素基等が挙げられる。具体的には、メチレン基、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、1−メチルプロパン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,2−ジイル基等が挙げられる。
a42〜Aa44の脂肪族炭化水素基の置換基としては、ヒドロキシ基及び炭素数1〜6のアルコキシ基等が挙げられる。
sは、0であることが好ましい。
a42が酸素原子、カルボニル基、カルボニルオキシ基又はオキシカルボニル基を表す基(a−g1)としては、以下の基等が挙げられる。以下の例示において、*及び**はそれぞれ結合手を表し、**が−O−CO−Ra42との結合手である。
式(a4−1)で表される構造単位としては、式(a4−2)及び式(a4−3)で表される構造単位が好ましい。
[式(a4−2)中、
f1は、水素原子又はメチル基を表す。
f1は、炭素数1〜6のアルカンジイル基を表す。
f2は、フッ素原子を有する炭素数1〜10の炭化水素基を表す。]
f1のアルカンジイル基としては、メチレン基、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基等の直鎖状アルカンジイル基;1−メチルプロパン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,2−ジイル基、1−メチルブタン−1,4−ジイル基、2−メチルブタン−1,4−ジイル基等の分岐状アルカンジイル基が挙げられる。
f2の炭化水素基は、脂肪族炭化水素基及び芳香族炭化水素基を包含し、脂肪族炭化水素基は、鎖式、環式及びこれらの組合せることにより形成される基を含む。脂肪族炭化水素基としては、アルキル基、脂環式炭化水素基が好ましい。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基及び2−エチルヘキシル基が挙げられる。
脂環式炭化水素基は、単環式であってもよいし、多環式であってもよい。単環式の脂環式炭化水素基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロヘプチル基、シクロデシル基等のシクロアルキル基が挙げられる。多環式の脂環式炭化水素基としては、デカヒドロナフチル基、アダマンチル基、2−アルキルアダマンタン−2−イル基、1−(アダマンタン−1−イル)アルカン−1−イル基、ノルボルニル基、メチルノルボルニル基及びイソボルニル基が挙げられる。
f2のフッ素原子を有する炭化水素基としては、フッ素原子を有するアルキル基、フッ素原子を有する脂環式炭化水素基等が挙げられる。
フッ素原子を有するアルキル基としては、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、1,1−ジフルオロエチル基、2,2−ジフルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、ペルフルオロエチル基、1,1,2,2−テトラフルオロプロピル基、1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロプロピル基、ペルフルオロエチルメチル基、1−(トリフルオロメチル)−1,2,2,2−テトラフルオロエチル基、1−(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基、1,1,2,2−テトラフルオロブチル基、1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロブチル基、1,1,2,2,3,3,4,4−オクタフルオロブチル基、ペルフルオロブチル基、1,1−ビス(トリフルオロ)メチル−2,2,2−トリフルオロエチル基、2−(ペルフルオロプロピル)エチル基、1,1,2,2,3,3,4,4−オクタフルオロペンチル基、ペルフルオロペンチル基、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5−デカフルオロペンチル基、1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル基、2−(ペルフルオロブチル)エチル基、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5−デカフルオロヘキシル基、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−ドデカフルオロヘキシル基、ペルフルオロペンチルメチル基及びペルフルオロヘキシル基等のフッ化アルキル基が挙げられる。
フッ素原子を有する脂環式炭化水素基としては、ペルフルオロシクロヘキシル基、ペルフルオロアダマンチル基等のフッ化シクロアルキル基が挙げられる。
式(a4−2)におけるAf1としては、炭素数2〜4のアルカンジイル基が好ましく、エチレン基がより好ましい。
f1としては、炭素数1〜6のフッ化アルキル基が好ましい。
[式(a4−3)中、
f11は、水素原子又はメチル基を表す。
f11は、炭素数1〜6のアルカンジイル基を表す。
f13は、フッ素原子を有していてもよい炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基を表す。
f12は、カルボニルオキシ基又はオキシカルボニル基を表す。
f14は、フッ素原子を有していてもよい炭素数1〜17の脂肪族炭化水素基を表す。
ただし、Af13及びAf14の少なくとも1つは、フッ素原子を有する脂肪族炭化水素基を表す。]
f11のアルカンジイル基としては、Af1のアルカンジイル基と同様の基が挙げられる。
f13の脂肪族炭化水素基は、鎖式及び環式の脂肪族炭化水素基、並びに、これらを組合せることにより形成される2価の脂肪族炭化水素基が包含される。この脂肪族炭化水素は、炭素−炭素不飽和結合を有していてもよいが、好ましくは飽和の脂肪族炭化水素基である。
f13のフッ素原子を有していてもよい脂肪族炭化水素基としては、好ましくはフッ素原子を有していてもよい脂肪族飽和炭化水素基が挙げられ、より好ましくはペルフルオロアルカンジイル基が挙げられる。
フッ素原子を有していてもよい2価の鎖式の脂肪族炭化水素基としては、メチレン基、エチレン基、プロパンジイル基、ブタンジイル基及びペンタンジイル基等のアルカンジイル基;ジフルオロメチレン基、ペルフルオロエチレン基、ペルフルオロプロパンジイル基、ペルフルオロブタンジイル基及びペルフルオロペンタンジイル基等のペルフルオロアルカンジイル基等が挙げられる。
フッ素原子を有していてもよい2価の環式の脂肪族炭化水素基は、単環式及び多環式のいずれを含む基でもよい。単環式の脂肪族炭化水素基としては、シクロヘキサンジイル基及びペルフルオロシクロヘキサンジイル基等が挙げられる。多環式の2価の脂肪族炭化水素基としては、アダマンタンジイル基、ノルボルナンジイル基、ペルフルオロアダマンタンジイル基等が挙げられる。
f14の脂肪族炭化水素基としては、鎖式及び環式のいずれか、並びに、これらが組合せることにより形成される脂肪族炭化水素基が包含される。この脂肪族炭化水素は、炭素−炭素不飽和結合を有していてもよいが、好ましくは飽和の脂肪族炭化水素基である。
f14のフッ素原子を有していてもよい脂肪族炭化水素基は、好ましくはフッ素原子を有していてもよい脂肪族飽和炭化水素基である。
フッ素原子を有していてもよい鎖式の脂肪族炭化水素基としては、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、メチル基、ペルフルオロエチル基、1,1,1−トリフルオロエチル基、1,1,2,2−テトラフルオロエチル基、エチル基、ペルフルオロプロピル基、1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロピル基、プロピル基、ペルフルオロブチル基、1,1,2,2,3,3,4,4−オクタフルオロブチル基、ブチル基、ペルフルオロペンチル基、1,1,1,2,2,3,3,4,4−ノナフルオロペンチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ペルフルオロヘキシル基、ヘプチル基、ペルフルオロヘプチル基、オクチル基及びペルフルオロオクチル基等が挙げられる。
フッ素原子を有していてもよい環式の脂肪族炭化水素基は、単環式及び多環式のいずれでもよい。単環式の脂肪族炭化水素基を含む基としては、シクロプロピルメチル基、シクロプロピル基、シクロブチルメチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ペルフルオロシクロヘキシル基が挙げられる。多環式の脂肪族炭化水素基を含む基としては、アダマンチル基、アダマンチルメチル基、ノルボルニル基、ノルボルニルメチル基、ペルフルオロアダマンチル基、ペルフルオロアダマンチルメチル基等が挙げられる。
式(a4−3)において、Af11は、エチレン基であることが好ましい。
f13の脂肪族炭化水素基は、炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基であることが好ましく、炭素数2〜3の脂肪族炭化水素基であることがさらに好ましい。
f14の脂肪族炭化水素基としては、炭素数3〜12の脂肪族炭化水素基が好ましく、炭素数3〜10の脂肪族炭化水素基がさらに好ましい。中でも、Af14は、好ましくは炭素数3〜12の脂環式炭化水素基を含む基であり、より好ましくはシクロプロピルメチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基及びアダマンチル基である。
式(a4−2)で表される構造単位としては、式(a4−1−1)〜式(a4−1−22)で表される構成単位が挙げられる。
式(a4−3)で表される構造単位としては、式(a4−1’−1)〜式(a4−1’−22)でそれぞれ表される構造単位が挙げられる。
構造単位(a4)としては、式(a4−4)で表される構造単位も挙げられる。
[式(a4−4)中、
f21は、水素原子又はメチル基を表す。
f21は、−(CHj1−、−(CHj2−O−(CHj3−又は−(CHj4−CO−O−(CHj5−を表す。
j1〜j5は、互いに独立に、1〜6の整数を表す。
f22は、フッ素原子を有する炭素数1〜10の炭化水素基を表す。]
f22のフッ素原子を有する炭化水素基としては、式(a4−2)におけるRf2の炭化水素基と同じものが挙げられる。Rf22は、フッ素原子を有する炭素数1〜10のアルキル基又はフッ素原子を有する炭素数1〜10の脂環式炭化水素基であることが好ましく、フッ素原子を有する炭素数1〜10のアルキル基であることがより好ましく、フッ素原子を有する炭素数1〜6のアルキル基であることがさらに好ましい。
式(a4−4)においては、Af21としては、−(CHj1−が好ましく、エチレン基又はメチレン基がより好ましく、メチレン基がさらに好ましい。
式(a4−4)で表される構造単位としては、例えば、以下の構造単位が挙げられる。
樹脂(A1)が、構造単位(a4)を有する場合、その含有率は、樹脂(A1)の全構造単位の合計に対して、1〜20モル%であることが好ましく、2〜15モル%であることがより好ましく、3〜10モル%であることがさらに好ましい。
構造単位(a5)が有する非脱離炭化水素基としては、直鎖、分岐又は環状の炭化水素基が挙げられる。中でも、構造単位(a5)は、脂環式炭化水素基を含む基であることが好ましい。
構造単位(a5)としては、例えば、式(a5−1)で表される構造単位が挙げられる。
[式(a5−1)中、
51は、水素原子又はメチル基を表す。
52は、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基を表し、該脂環式炭化水素基に含まれる水素原子は炭素数1〜8の脂肪族炭化水素基又はヒドロキシ基で置換されていてもよい。
但し、L55との結合位置にある炭素原子に結合する水素原子は、炭素数1〜8の脂肪族炭化水素基で置換されない。
55は、単結合又は炭素数1〜18の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。]
52の脂環式炭化水素基は、単環式及び多環式のいずれでもよい。単環式の脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基及びシクロヘキシル基が挙げられる。多環式の脂環式炭化水素基としては、例えば、アダマンチル基及びノルボルニル基等が挙げられる。
炭素数1〜8の脂肪族炭化水素基は、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基及び2−エチルヘキシル基等のアルキル基が挙げられる。
置換基を有した脂環式炭化水素基としては、3−ヒドロキシアダマンチル基、3−メチルアダマンチル基などが挙げられる。
52は、好ましくは無置換の炭素数3〜18の脂環式炭化水素基であり、より好ましくはアダマンチル基、ノルボルニル基又はシクロヘキシル基である。
55の2価の飽和炭化水素基としては、2価の脂肪族飽和炭化水素基及び2価の脂環式飽和炭化水素基が挙げられ、好ましくは2価の脂肪族飽和炭化水素基が挙げられる。
2価の脂肪族飽和炭化水素基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロパンジイル基、ブタンジイル基及びペンタンジイル基等のアルカンジイル基が挙げられる。
2価の脂環式飽和炭化水素基は、単環式及び多環式のいずれでもよい。単環式の脂環式飽和炭化水素基としては、シクロペンタンジイル基及びシクロヘキサンジイル基等のシクロアルカンジイル基が挙げられる。多環式の2価の脂環式飽和炭化水素基としては、アダマンタンジイル基及びノルボルナンジイル基等が挙げられる。
飽和炭化水素基に含まれるメチレン基が、酸素原子又はカルボニル基で置き換わった基としては、例えば、式(L1−1)〜式(L1−4)で表される基が挙げられる。下記式中、*は酸素原子との結合手を表す。
[式(L1−1)中、
x1は、カルボニルオキシ基又はオキシカルボニル基を表す。
x1は、炭素数1〜16の2価の脂肪族飽和炭化水素基を表す。
x2は、単結合又は炭素数1〜15の2価の脂肪族飽和炭化水素基を表す。
ただし、Lx1及びLx2の合計炭素数は、16以下である。
式(L1−2)中、
x3は、炭素数1〜17の2価の脂肪族飽和炭化水素基を表す。
x4は、単結合又は炭素数1〜16の2価の脂肪族飽和炭化水素基を表す。
ただし、Lx3及びLx4の合計炭素数は、17以下である。
式(L1−3)中、
x5は、炭素数1〜15の2価の脂肪族飽和炭化水素基を表す。
x6及びLx7は、互いに独立に、単結合又は炭素数1〜14の2価の脂肪族飽和炭化水素基を表す。
ただし、Lx5〜Lx7の合計炭素数は、15以下である。
式(L1−4)中、
x8及びLx9は、互いに独立に、単結合又は炭素数1〜12の2価の脂肪族飽和炭化水素基を表す。
x1は、炭素数3〜15の2価の脂環式飽和炭化水素基を表す。
ただし、Lx8、Lx9及びWx1の合計炭素数は、15以下である。]
x1は、好ましくは炭素数1〜8の2価の脂肪族飽和炭化水素基であり、より好ましくはメチレン基又はエチレン基である。
x2は、好ましくは単結合又は炭素数1〜8の2価の脂肪族飽和炭化水素基であり、より好ましくは単結合である。
x3は、好ましくは炭素数1〜8の2価の脂肪族飽和炭化水素基である。
x4は、好ましくは単結合又は炭素数1〜8の2価の脂肪族飽和炭化水素基である。
x5は、好ましくは炭素数1〜8の2価の脂肪族飽和炭化水素基であり、より好ましくはメチレン基又はエチレン基である。
x6は、好ましくは単結合又は炭素数1〜8の2価の脂肪族飽和炭化水素基であり、より好ましくはメチレン基又はエチレン基である。
x7は、好ましくは単結合又は炭素数1〜8の2価の脂肪族飽和炭化水素基である。
x8は、好ましくは単結合又は炭素数1〜8の2価の脂肪族飽和炭化水素基であり、より好ましくは単結合又はメチレン基である。
x9は、好ましくは単結合又は炭素数1〜8の2価の脂肪族飽和炭化水素基であり、より好ましくは単結合又はメチレン基である。
x1は、好ましくは炭素数3〜10の2価の脂環式飽和炭化水素基であり、より好ましくはシクロヘキサンジイル基又はアダマンタンジイル基である。
式(L1−1)で表される基としては、例えば、以下に示す2価の基が挙げられる。
式(L1−2)で表される基としては、例えば、以下に示す2価の基が挙げられる。
式(L1−3)で表される基としては、例えば、以下に示す2価の基が挙げられる。
式(L1−4)で表される基としては、例えば、以下に示す2価の基が挙げられる。
55は、好ましくは、単結合又は式(L1−1)で表される基である。
構造単位(a5−1)としては、以下のもの等が挙げられる。
式(a5−1−1)〜式(a5−1−18)において、R51に相当するメチル基が水素原子に置き換わった構造単位も、構造単位(a5−1)の具体例として挙げることができる。
樹脂(A1)が、構造単位(a5)を有する場合、その含有率は、樹脂(A1)の全構造単位の合計に対して、1〜30モル%であることが好ましく、2〜20モル%であることがより好ましく、3〜15モル%であることがさらに好ましい。
樹脂(A1)においては、構造単位(II)と構造単位(a1)との比率は、モル比で、好ましくは2〜15:10〜98であり、より好ましくは3〜12:23〜97である。但し、樹脂(A1)が、構造単位(II)と構造単位(a1)からなる場合は、構造単位(II)+構造単位(a1)=100である。
また、樹脂(A1)において構造単位(I)を含む場合は、構造単位(II)と構造単位(I)との比率は、モル比で、好ましくは0.5〜20:10〜70であり、より好ましくは1〜20:30〜65であり、さらに好ましくは1〜18:35〜60である。
樹脂(A1)は、好ましくは構造単位(II)と構造単位(a1)と構造単位(s)とからなる樹脂、すなわち、モノマー(II’)とモノマー(a1)とモノマー(s)との共重合体である。
構造単位(a1)は、好ましくは構造単位(a1−1)及び構造単位(a1−2)(好ましくはシクロヘキシル基、シクロペンチル基を有する該構造単位)のうちの少なくとも一種、より好ましくは構造単位(a1−1)である。
構造単位(s)は、好ましくは構造単位(a2)及び構造単位(a3)のうちの少なくとも一種である。構造単位(a2)は、好ましくは式(a2−1)で表される構造単位である。構造単位(a3)は、好ましくは式(a3−1)で表される構造単位、式(a3−2)で表される構造単位及び式(a3−4)で表される構造単位のうちの少なくとも一種である。
樹脂(A1)は、アダマンチル基を有するモノマーに由来する構造単位(中でも、構造単位(a1−1))を、構造単位(a1)の含有量に対して15モル%以上含有していることが好ましい。アダマンチル基を有する構造単位の含有量が増えると、レジストパターンのドライエッチング耐性が向上する。
樹脂(A1)を構成する各構造単位は、1種のみ又は2種以上を組合せて用いてもよく、これら構造単位を誘導するモノマーを用いて、公知の重合法(例えばラジカル重合法)によって製造することができる。樹脂(A1)が有する各構造単位の含有率は、重合に用いるモノマーの使用量で調整できる。
樹脂(A1)の重量平均分子量は、好ましくは2,000以上(より好ましくは2,500以上、さらに好ましくは3,000以上)、50,000以下(より好ましくは30,000以下、さらに好ましくは15,000以下)である。
本明細書において、重量平均分子量は、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィーにより求めた値である。ゲルパーミュエーションクロマトグラフィーは、実施例に記載の分析条件により測定することができる。
<樹脂(A2)>
フッ素原子を有する構造単位を含み、かつ、酸不安定基を有する構造単位を含まない樹脂(A2)としては、構造単位(a4)を含む樹脂(ただし、構造単位(a1)を含まない。)が好ましく、構造単位(a4−0)からなる樹脂がより好ましい。樹脂(A2)において、構造単位(a4)の含有率は、樹脂(A2)の全構造単位の合計に対して、40モル%以上であることが好ましく、45モル%以上であることがより好ましく、50モル%以上であることがさらに好ましい。
樹脂(A2)がさらに有していてもよい構造単位としては、構造単位(a2)、構造単位(a3)、構造単位(a5)及び当技術分野で周知の構造単位が挙げられる。
樹脂(A2)の重量平均分子量は、好ましくは5,000以上(より好ましくは6,000以上)、80,000以下(より好ましくは60,000以下)である。
本発明のレジスト組成物が樹脂(A2)を含む場合、その含有量は、樹脂(A1)100質量部に対して、好ましくは1〜60質量部であり、より好ましくは1〜50質量部であり、さらに好ましくは2〜40質量部であり、とりわけ好ましくは2〜30質量部である。
樹脂(A1)と樹脂(A2)との合計含有率は、レジスト組成物の固形分に対して、80質量%以上99質量%以下であることが好ましい。レジスト組成物の固形分及びこれに対する樹脂の含有率は、液体クロマトグラフィー又はガスクロマトグラフィー等の公知の分析手段で測定することができる。
<酸発生剤(B)>
酸発生剤は、露光により酸を発生し、発生した酸が、触媒的に働き、樹脂(A1)の酸により脱離する基を脱離させる。酸発生剤は、非イオン系とイオン系とに分類されるが、本発明のレジスト組成物の酸発生剤(B)においては、いずれを用いてもよい。
非イオン系酸発生剤としては、有機ハロゲン化物、スルホネートエステル類(例えば2−ニトロベンジルエステル、芳香族スルホネート、オキシムスルホネート、N−スルホニルオキシイミド、スルホニルオキシケトン、ジアゾナフトキノン 4−スルホネート)、スルホン類(例えばジスルホン、ケトスルホン、スルホニルジアゾメタン)等が挙げられる。イオン系酸発生剤としては、オニウムカチオンを含むオニウム塩(例えばジアゾニウム塩、ホスホニウム塩、スルホニウム塩、ヨードニウム塩)等が挙げられる。オニウム塩のアニオンとしては、スルホン酸アニオン、スルホニルイミドアニオン、スルホニルメチドアニオン等がある。
酸発生剤(B)としては、特開昭63−26653号、特開昭55−164824号、特開昭62−69263号、特開昭63−146038号、特開昭63−163452号、特開昭62−153853号、特開昭63−146029号や、米国特許第3,779,778号、米国特許第3,849,137号、独国特許第3914407号、欧州特許第126,712号等に記載の放射線によって酸を発生する化合物を使用することができる。また、公知の方法で製造した化合物を使用してもよい。
酸発生剤(B)は、好ましくはフッ素含有酸発生剤であり、より好ましくは式(B1)で表される塩(以下「酸発生剤(B1)」という場合がある)である。
[式(B1)中、
及びQは、互いに独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。
b1は、炭素数1〜24の2価の飽和炭化水素基を表し、該2価の飽和炭化水素基に含まれる−CH−は、−O−又は−CO−に置き換わっていてもよく、該2価の飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子又はヒドロキシ基で置換されていてもよい。
Yは、置換基を有していてもよいメチル基又は置換基を有していてもよい炭素数3〜18の1価の脂環式炭化水素基を表し、該メチル基及び該1価の脂環式炭化水素基に含まれる−CH−は、−O−、−SO−又は−CO−に置き換わっていてもよい。
は、有機カチオンを表す。]
及びQのペルフルオロアルキル基としては、トリフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基、ペルフルオロイソプロピル基、ペルフルオロブチル基、ペルフルオロsec−ブチル基、ペルフルオロtert−ブチル基、ペルフルオロペンチル基及びペルフルオロヘキシル基等が挙げられる。
及びQは、互いに独立に、フッ素原子又はトリフルオロメチル基であることが好ましく、ともにフッ素原子であることがより好ましい。
b1の2価の飽和炭化水素基としては、直鎖状アルカンジイル基、分岐状アルカンジイル基、単環式又は多環式の2価の脂環式飽和炭化水素基が挙げられ、これらの基のうち2種以上を組合せることにより形成される基でもよい。
具体的には、メチレン基、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基、ヘプタン−1,7−ジイル基、オクタン−1,8−ジイル基、ノナン−1,9−ジイル基、デカン−1,10−ジイル基、ウンデカン−1,11−ジイル基、ドデカン−1,12−ジイル基、トリデカン−1,13−ジイル基、テトラデカン−1,14−ジイル基、ペンタデカン−1,15−ジイル基、ヘキサデカン−1,16−ジイル基及びヘプタデカン−1,17−ジイル基等の直鎖状アルカンジイル基;
エタン−1,1−ジイル基、プロパン−1,1−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、プロパン−2,2−ジイル基、ペンタン−2,4−ジイル基、2−メチルプロパン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,2−ジイル基、ペンタン−1,4−ジイル基、2−メチルブタン−1,4−ジイル基等の分岐状アルカンジイル基;
シクロブタン−1,3−ジイル基、シクロペンタン−1,3−ジイル基、シクロヘキサン−1,4−ジイル基、シクロオクタン−1,5−ジイル基等のシクロアルカンジイル基である単環式の2価の脂環式飽和炭化水素基;
ノルボルナン−1,4−ジイル基、ノルボルナン−2,5−ジイル基、アダマンタン−1,5−ジイル基、アダマンタン−2,6−ジイル基等の多環式の2価の脂環式飽和炭化水素基等が挙げられる。
b1の2価の飽和炭化水素基に含まれる−CH−が−O−又は−CO−で置き換わった基としては、例えば、式(b1−1)〜式(b1−3)のいずれかで表される基が挙げられる。なお、式(b1−1)〜式(b1−3)及び下記の具体例において、*は−Yとの結合手を表す。
[式(b1−1)中、
b2は、単結合又は炭素数1〜22の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子に置換されていてもよい。
b3は、単結合又は炭素数1〜22の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子又はヒドロキシ基に置換されていてもよく、該飽和炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。
ただし、Lb2とLb3との炭素数合計は、22以下である。
式(b1−2)中、
b4は、単結合又は炭素数1〜22の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子に置換されていてもよい。
b5は、単結合又は炭素数1〜22の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子又はヒドロキシ基に置換されていてもよく、該飽和炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。
ただし、Lb4とLb5との炭素数合計は、22以下である。
式(b1−3)中、
b6は、単結合又は炭素数1〜23の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子又はヒドロキシ基に置換されていてもよい。
b7は、単結合又は炭素数1〜23の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子又はヒドロキシ基に置換されていてもよく、該飽和炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。
ただし、Lb6とLb7との炭素数合計は、23以下である。]
式(b1−1)〜式(b1−3)においては、飽和炭化水素基に含まれるメチレン基が酸素原子又はカルボニル基に置き換わっている場合、置き換わる前の炭素数を該飽和炭化水素基の炭素数とする。
2価の飽和炭化水素基としては、Lb1の2価の飽和炭化水素基と同様のものが挙げられる。
b2は、好ましくは単結合である。
b3は、好ましくは炭素数1〜4の2価の飽和炭化水素基である。
b4は、好ましくは炭素数1〜8の2価の飽和炭化水素基であり、該2価の飽和炭化水素基に含まれる水素原子はフッ素原子に置換されていてもよい。
b5は、好ましくは単結合又は炭素数1〜8の2価の飽和炭化水素基である。
b6は、好ましくは単結合又は炭素数1〜4の2価の飽和炭化水素基であり、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子はフッ素原子に置換されていてもよい。
b7は、好ましくは単結合又は炭素数1〜18の2価の飽和炭化水素基であり、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子はフッ素原子又はヒドロキシ基に置換されていてもよく、該2価の飽和炭化水素基に含まれるメチレン基は酸素原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。
b1の2価の飽和炭化水素基に含まれる−CH−が−O−又は−CO−で置き換わった基としては、式(b1−1)又は式(b1−3)で表される基が好ましい。
式(b1−1)としては、式(b1−4)〜式(b1−8)でそれぞれ表される基が挙げられる。
[式(b1−4)中、
b8は、単結合又は炭素数1〜22の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子又はヒドロキシ基に置換されていてもよい。
式(b1−5)中、
b9は、炭素数1〜20の2価の飽和炭化水素基を表す。
b10は、単結合又は炭素数1〜19の2価の飽和炭化水素基を表し、該2価の飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子又はヒドロキシ基に置換されていてもよい。
ただし、Lb9及びLb10の合計炭素数は20以下である。
式(b1−6)中、
b11は、炭素数1〜21の2価の飽和炭化水素基を表す。
b12は、単結合又は炭素数1〜20の2価の飽和炭化水素基を表し、該2価の飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子又はヒドロキシ基に置換されていてもよい。
ただし、Lb11及びLb12の合計炭素数は21以下である。
式(b1−7)中、
b13は、炭素数1〜19の2価の飽和炭化水素基を表す。
b14は、単結合又は炭素数1〜18の2価の飽和炭化水素基を表す。
b15は、単結合又は炭素数1〜18の2価の飽和炭化水素基を表し、該2価の飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子又はヒドロキシ基に置換されていてもよい。
ただし、Lb13〜Lb15の合計炭素数は19以下である。
式(b1−8)中、
b16は、炭素数1〜18の2価の飽和炭化水素基を表す。
b17は、炭素数1〜18の2価の飽和炭化水素基を表す。
b18は、単結合又は炭素数1〜17の2価の飽和炭化水素基を表し、該2価の飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子又はヒドロキシ基に置換されていてもよい。
ただし、Lb16〜Lb18の合計炭素数は19以下である。]
b8は、好ましくは炭素数1〜4の2価の飽和炭化水素基である。
b9は、好ましくは炭素数1〜8の2価の飽和炭化水素基である。
b10は、好ましくは単結合又は炭素数1〜19の2価の飽和炭化水素基であり、より好ましくは単結合又は炭素数1〜8の2価の飽和炭化水素基である。
b11は、好ましくは炭素数1〜8の2価の飽和炭化水素基である。
b12は、好ましくは単結合又は炭素数1〜8の2価の飽和炭化水素基である。
b13は、好ましくは炭素数1〜12の2価の飽和炭化水素基である。
b14は、好ましくは単結合又は炭素数1〜6の2価の飽和炭化水素基である。
b15は、好ましくは単結合又は炭素数1〜18の2価の飽和炭化水素基であり、より好ましくは単結合又は炭素数1〜8の2価の飽和炭化水素基である。
b16は、好ましくは炭素数1〜12の2価の飽和炭化水素基である。
b17は、好ましくは炭素数1〜6の2価の飽和炭化水素基である。
b18は、好ましくは単結合又は炭素数1〜17の2価の飽和炭化水素基であり、より好ましくは単結合又は炭素数1〜4の2価の飽和炭化水素基である。
式(b1−3)としては、式(b1−9)〜式(b1−11)でそれぞれ表される基が挙げられる。
[式(b1−9)中、
b19は、単結合又は炭素数1〜23の2価の飽和炭化水素基を表し、該2価の飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子に置換されていてもよい。
b20は、単結合又は炭素数1〜23の2価の飽和炭化水素基を表し、該2価の飽和炭化水素基に含まれる水素原子はフッ素原子、ヒドロキシ基又はアシルオキシ基に置換されていてもよい。該アシルオキシ基に含まれるメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよく、該アシルオキシ基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基に置換されていてもよい。
ただし、Lb19及びLb20の合計炭素数は23以下である。
式(b1−10)中、
b21は、単結合又は炭素数1〜21の2価の飽和炭化水素基を表し、該2価の飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子に置換されていてもよい。
b22は、単結合又は炭素数1〜21の2価の飽和炭化水素基を表す。
b23は、単結合又は炭素数1〜21の2価の飽和炭化水素基を表し、該2価の飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子、ヒドロキシ基又はアシルオキシ基に置換されていてもよい。該アシルオキシ基に含まれるメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよく、該アシルオキシ基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基に置換されていてもよい。
ただし、Lb21〜Lb23の合計炭素数は21以下である。
式(b1−11)中、
b24は、単結合又は炭素数1〜20の2価の飽和炭化水素基を表し、該2価の飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子に置換されていてもよい。
b25は、炭素数1〜21の2価の飽和炭化水素基を表す。
b26は、単結合又は炭素数1〜20の2価の飽和炭化水素基を表し、該2価の飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子、ヒドロキシ基又はアシルオキシ基に置換されていてもよい。該アシルオキシ基に含まれるメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよく、該アシルオキシ基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基に置換されていてもよい。
ただし、Lb24〜Lb26の合計炭素数は21以下である。]
式(b1−9)から式(b1−11)においては、2価の飽和炭化水素基に含まれる水素原子がアシルオキシ基に置換されている場合、アシルオキシ基の炭素数、エステル結合中のCO及びOの数をも含めて、該2価の飽和炭化水素基の炭素数とする。
アシルオキシ基としては、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基、シクロヘキシルカルボニルオキシ基、アダマンチルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
置換基を有するアシルオキシ基としては、オキソアダマンチルカルボニルオキシ基、ヒドロキシアダマンチルカルボニルオキシ基、オキソシクロヘキシルカルボニルオキシ基、ヒドロキシシクロヘキシルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
式(b1−1)で表される基のうち、式(b1−4)で表される基としては、以下のものが挙げられる。
式(b1−1)で表される基のうち、式(b1−5)で表される基としては、以下のものが挙げられる。
式(b1−1)で表される基のうち、式(b1−6)で表される基としては、以下のものが挙げられる。
式(b1−1)で表される基のうち、式(b1−7)で表される基としては、以下のものが挙げられる。
式(b1−1)で表される基のうち、式(b1−8)で表される基としては、以下のものが挙げられる。
式(b1−2)で表される基としては、以下のものが挙げられる。
式(b1−3)で表される基のうち、式(b1−9)で表される基としては、以下のものが挙げられる。
式(b1−3)で表される基のうち、式(b1−10)で表される基としては、以下のものが挙げられる。
式(b1−3)で表される基のうち、式(b1−11)で表される基としては、以下のものが挙げられる。
Yで表される1価の脂環式炭化水素基としては、式(Y1)〜式(Y11)で表される基が挙げられる。
Yで表される1価の脂環式炭化水素基に含まれる−CH−が−O−、−SO−又は−CO−で置き換わる場合、その数は1つでもよいし、2以上の複数でもよい。そのような基としては、式(Y12)〜式(Y38)で表される基が挙げられる。
つまり、Yは、脂環式炭化水素基に含まれる水素原子2つがそれぞれ、酸素原子に置換され、その2つの酸素原子が炭素数1〜8のアルカンジイル基と一緒になってケタール環を形成してもよいし、異なる炭素原子にそれぞれ酸素原子が結合した構造を含んでいてもよい。ただし、式(Y28)〜式(Y33)等のスピロ環を構成する場合には、2つの酸素間のアルカンジイル基は、1以上のフッ素原子を有することが好ましい。また、ケタール構造に含まれるアルカンジイル基のうち、酸素原子に隣接するメチレン基には、フッ素原子が置換されていないものが好ましい。
中でも、好ましくは式(Y1)〜式(Y20)、式(Y30)、式(Y31)のいずれかで表される基であり、より好ましくは式(Y11)、式(Y15)、式(Y16)又は式(Y20)、式(Y30)又は式(Y31)で表される基であり、さらに好ましくは式(Y11)、式(Y15)又は式(Y30)で表される基である。
Yがメチル基を表す場合、その置換基としては、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数3〜16の1価のn脂環式炭化水素基、炭素数6〜18の1価の芳香族炭化水素基、グリシジルオキシ基又は−(CHja−O−CO−Rb1基(式中、Rb1は、炭素数1〜16のアルキル基、炭素数3〜16の1価の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の1価の芳香族炭化水素基を表す。jaは、0〜4の整数を表す)等が挙げられる。
Yで表される1価の脂環式炭化水素基の置換基としては、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルキル基、ヒドロキシ基含有炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜16の1価の脂環式炭化水素基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数6〜18の1価の芳香族炭化水素基、炭素数7〜21のアラルキル基、炭素数2〜4のアシル基、グリシジルオキシ基又は−(CHja−O−CO−Rb1基(式中、Rb1は、炭素数1〜16のアルキル基、炭素数3〜16の1価の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の1価の芳香族炭化水素基を表す。jaは、0〜4の整数を表す)等が挙げられる。
ヒドロキシ基含有アルキル基としては、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基等が挙げられる。
アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基及びドデシルオキシ基等が挙げられる。
1価の芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、p−メチルフェニル基、p−tert−ブチルフェニル基、p−アダマンチルフェニル基;トリル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、ビフェニル基、フェナントリル基、2,6−ジエチルフェニル基、2−メチル−6−エチルフェニル等のアリール基等が挙げられる。
アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、ナフチルメチル基及びナフチルエチル基等が挙げられる。
アシル基としては、例えば、アセチル基、プロピオニル基及びブチリル基等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子等が挙げられる。
Yとしては、以下のものが挙げられる。
なお、Yがメチル基であり、かつLb1が炭素数1〜17の2価の直鎖状又は分岐状飽和炭化水素基である場合、Yとの結合位置にある該2価の飽和炭化水素基の−CH−は、−O−又は−CO−に置き換わっていることが好ましい。この場合、Yのメチル基に含まれる−CH−は、−O−又は−CO−に置き換わらない。
Yは、好ましくは置換基を有していてもよい炭素数3〜18の1価の脂環式炭化水素基であり、より好ましく置換基を有していてもよいアダマンチル基であり、これらの基を構成するメチレン基は、酸素原子、スルホニル基又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。Yは、さらに好ましくはアダマンチル基、ヒドロキシアダマンチル基又はオキソアダマンチル基又は下記で表される基である。
式(B1)で表される塩におけるスルホン酸アニオンとしては、式(B1−A−1)〜式(B1−A−46)で表されるアニオン〔以下、式番号に応じて「アニオン(B1−A−1)」等という場合がある。〕が好ましく、式(B1−A−1)〜式(B1−A−4)、式(B1−A−9)、式(B1−A−10)、式(B1−A−24)〜式(B1−A−33)、式(I−A−36)〜式(I−A−40)のいずれかで表されるアニオンがより好ましい。
ここでRi2〜Ri7は、例えば、炭素数1〜4のアルキル基、好ましくはメチル基又はエチル基である。
i8は、例えば、炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基であり、好ましくは炭素数1〜4のアルキル基、炭素数5〜12の1価の脂環式炭化水素基又はこれらを組合せることにより形成される基であり、より好ましくはメチル基、エチル基、シクロヘキシル基又はアダマンチル基である。
は、単結合又は炭素数1〜4のアルカンジイル基である。
及びQは、上記と同じである。
式(B1)で表される塩におけるスルホン酸アニオンとしては、具体的には、特開2010−204646号公報に記載されたアニオンが挙げられる。
好ましい式(B1)で表される塩におけるスルホン酸アニオンとしては、式(B1a−1)〜式(B1a−22)でそれぞれ表されるアニオンが挙げられる。
中でも、式(B1a−1)〜式(B1a−3)及び式(B1a−7)〜式(B1a−16)、式(B1a−18)、式(B1a−19)、式(B1a−22)のいずれかで表されるアニオンが好ましい。
の有機カチオンとしては、有機オニウムカチオン、例えば、有機スルホニウムカチオン、有機ヨードニウムカチオン、有機アンモニウムカチオン、ベンゾチアゾリウムカチオン、有機ホスホニウムカチオン等が挙げられ、好ましくは有機スルホニウムカチオン又は有機ヨードニウムカチオンが挙げられ、より好ましくはアリールスルホニウムカチオンが挙げられる。
式(B1)中のZは、好ましくは式(b2−1)〜式(b2−4)のいずれかで表されるカチオン〔以下、式番号に応じて「カチオン(b2−1)」等という場合がある。〕である。
[式(b2−1)〜式(b2−4)において、
b4〜Rb6は、互いに独立に、炭素数1〜30の1価の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜36の1価の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜36の1価の芳香族炭化水素基を表し、該1価の脂肪族炭化水素基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数3〜12の1価の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の1価の芳香族炭化水素基で置換されていてもよく、該1価の脂環式炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、炭素数1〜18の1価の脂肪族炭化水素基、炭素数2〜4のアシル基又はグリシジルオキシ基で置換されていてもよく、該1価の芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基又は炭素数1〜12のアルコキシ基で置換されていてもよい。
b4とRb5とは、それらが結合する硫黄原子とともに環を形成してもよく、該環に含まれる−CH−は、−O−、−SO−又は−CO−に置き換わってもよい。
b7及びRb8は、互いに独立に、ヒドロキシ基、炭素数1〜12の1価の脂肪族炭化水素基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表す。
m2及びn2は、互いに独立に、0〜5の整数を表す。
m2が2以上のとき、複数のRb7は同一であっても異なってもよく、n2が2以上のとき、複数のRb8は同一であっても異なってもよい。
b9及びRb10は、互いに独立に、炭素数1〜36の1価の脂肪族炭化水素基又は炭素数3〜36の1価の脂環式炭化水素基を表す。
b9とRb10とは、それらが結合する硫黄原子とともに環を形成してもよく、該環に含まれる−CH−は、−O−、−SO−又は−CO−に置き換わってもよい。
b11は、水素原子、炭素数1〜36の1価の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜36の1価の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の1価の芳香族炭化水素基を表す。
b12は、炭素数1〜12の1価の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜18の1価の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の1価の芳香族炭化水素基を表し、該1価の脂肪族炭化水素に含まれる水素原子は、炭素数6〜18の1価の芳香族炭化水素基で置換されていてもよく、該1価の芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、炭素数1〜12のアルコキシ基又は炭素数1〜12のアルキルカルボニルオキシ基で置換されていてもよい。
b11とRb12とは、一緒になってそれらが結合する−CH−CO−を含む環を形成していてもよく、該環に含まれる−CH−は、−O−、−SO−又は−CO−に置き換わってもよい。
b13〜Rb18は、互いに独立に、ヒドロキシ基、炭素数1〜12の1価の脂肪族炭化水素基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表す。
b31は、−S−又は−O−を表す。
o2、p2、s2及びt2は、互いに独立に、0〜5の整数を表す。
q2及びr2は、互いに独立に、0〜4の整数を表す。
u2は、0又は1を表す。
o2が2以上のとき、複数のRb13は同一であっても異なってもよく、p2が2以上のとき、複数のRb14は同一であっても異なってもよく、q2が2以上のとき、複数のRb15は同一であっても異なってもよく、r2が2以上のとき、複数のRb16は同一であっても異なってもよく、s2が2以上のとき、複数のRb17は同一であっても異なってもよく、t2が2以上のとき、複数のRb18は同一であっても異なってもよい。]
1価の脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基及び2−エチルヘキシル基のアルキル基が挙げられる。中でも、Rb9〜Rb12の1価の脂肪族炭化水素基は、好ましくは炭素数1〜12である。
1価の脂環式炭化水素基は、単環式又は多環式のいずれでもよく、単環式の1価の脂環式炭化水素基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロデシル基等のシクロアルキル基が挙げられる。多環式の1価の脂環式炭化水素基としては、デカヒドロナフチル基、アダマンチル基、ノルボルニル基及び下記の基等が挙げられる。
中でも、Rb9〜Rb12の1価の脂環式炭化水素基の炭素数は、好ましくは3〜18であり、より好ましくは4〜12である。
水素原子が脂肪族炭化水素基で置換された1価の脂環式炭化水素基としては、例えば、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロへキシル基、2−アルキルアダマンタン−2−イル基、メチルノルボルニル基、イソボルニル基等が挙げられる。水素原子が1価の脂肪族炭化水素基で置換された1価の脂環式炭化水素基においては、1価の脂環式炭化水素基と1価の脂肪族炭化水素基との合計炭素数は、好ましくは20以下である。
1価の芳香族炭化水素基としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、p−エチルフェニル基、p−tert−ブチルフェニル基、p−シクロへキシルフェニル基、p−アダマンチルフェニル基、ビフェニリル基、ナフチル基、フェナントリル基、2,6−ジエチルフェニル基、2−メチル−6−エチルフェニル基等のアリール基が挙げられる。
1価の芳香族炭化水素基に、1価の脂肪族炭化水素基又は1価の脂環式炭化水素基が含まれる場合は、炭素数1〜18の1価の脂肪族炭化水素基又は炭素数3〜18の1価の脂環式炭化水素基が好ましい。
水素原子がアルコキシ基で置換された1価の芳香族炭化水素基としては、p−メトキシフェニル基等が挙げられる。
水素原子が芳香族炭化水素基で置換された1価の脂肪族炭化水素基としては、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、トリチル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基等のアラルキル基が挙げられる。
アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基及びドデシルオキシ基等が挙げられる。
アシル基としては、アセチル基、プロピオニル基及びブチリル基等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子等が挙げられる。
アルキルカルボニルオキシ基としては、メチルカルボニルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、n−プロピルカルボニルオキシ基、イソプロピルカルボニルオキシ基、n−ブチルカルボニルオキシ基、sec−ブチルカルボニルオキシ基、tert−ブチルカルボニルオキシ基、ペンチルカルボニルオキシ基、ヘキシルカルボニルオキシ基、オクチルカルボニルオキシ基及び2−エチルヘキシルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
b4とRb5とがそれらが結合している硫黄原子とともに形成してもよい環は、単環式、多環式、芳香族性、非芳香族性、飽和及び不飽和のいずれの環であってもよい。この環としては、炭素数3〜18の環が挙げられ、好ましくは炭素数4〜18の環が挙げられる。また、硫黄原子を含む環としては、3員環〜12員環が挙げられ、好ましくは3員環〜7員環が挙げられ、具体的には下記の環が挙げられる。
b9とRb10とがそれらが結合している硫黄原子とともに形成する環は、単環式、多環式、芳香族性、非芳香族性、飽和及び不飽和のいずれの環であってもよい。この環としては、3員環〜12員環が挙げられ、好ましくは3員環〜7員環が挙げられ、例えば、チオラン−1−イウム環(テトラヒドロチオフェニウム環)、チアン−1−イウム環、1,4−オキサチアン−4−イウム環等が挙げられる。
b11とRb12とが一緒になって形成する環は、単環式、多環式、芳香族性、非芳香族性、飽和及び不飽和のいずれの環であってもよい。この環としては、3員環〜12員環が挙げられ、好ましくは3員環〜7員環が挙げられ、例えば、オキソシクロヘプタン環、オキソシクロヘキサン環、オキソノルボルナン環、オキソアダマンタン環等が挙げられる。
カチオン(b2−1)〜カチオン(b2−4)の中で、好ましくはカチオン(b2−1)が挙げられる。
カチオン(b2−1)としては、以下のカチオンが挙げられる。
カチオン(b2−2)としては、以下のカチオンが挙げられる。
カチオン(b2−3)としては、以下のカチオンが挙げられる。
カチオン(b2−4)のとしては、以下のカチオンが挙げられる。
酸発生剤(B1)は、上述のスルホン酸アニオン及び上述の有機カチオンの組合せであり、これらは任意に組合せることができる。酸発生剤(B1)としては、好ましくは式(B1a−1)〜式(B1a−3)及び式(B1a−7)〜式(B1a−19)、式(B1a−22)のいずれかで表されるアニオンとカチオン(b2−1)又はカチオン(b2−3)との組合せが挙げられる。
酸発生剤(B1)としては、好ましくは式(B1−1)〜式(B1−40)でそれぞれ表されるものが挙げられる、中でもアリールスルホニウムカチオンを含む式(B1−1)、式(B1−2)、式(B1−3)、式(B1−5)、式(B1−6)、式(B1−7)、式(B1−11)、式(B1−12)、式(B1−13)、式(B1−14)、式(B1−13)、式(B1−20)、式(B1−21)、式(B1−23)、式(B1−24)、式(B1−25)、式(B1−26)、式(B1−29)、式(B1−31)、式(B1−32)、式(B1−33)、式(B1−34)、式(B1−35)、式(B1−36)、式(B1−37)、式(B1−38)、式(B1−39)又は式(B1−40)でそれぞれ表されるものがとりわけ好ましい。
酸発生剤(B1)の含有率は、酸発生剤(B)の総量に対して、30質量%以上100質量%以下であることが好ましく、50質量%以上100質量%以下であることがより好ましく、実質的に酸発生剤(B1)のみであることがさらに好ましい。
酸発生剤(B)の含有量は、樹脂(A1)100質量部に対して、好ましくは1質量部以上(より好ましくは3質量部以上)、好ましくは30質量部以下(より好ましくは25質量部以下)である。本発明のレジスト組成物は、酸発生剤(B)の1種を含有してもよく、複数種を含有してもよい。
<溶剤(E)>
溶剤(E)の含有率は、通常、レジスト組成物中90質量%以上、好ましくは92質量%以上、より好ましくは94質量%以上であり、通常99.9質量%以下、好ましくは99質量%以下である。溶剤(E)の含有率は、液体クロマトグラフィー又はガスクロマトグラフィー等の公知の分析手段で測定できる。
溶剤(E)としては、エチルセロソルブアセテート、メチルセロソルブアセテート及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコールエーテルエステル類;プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類;乳酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル及びピルビン酸エチル等のエステル類;アセトン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン及びシクロヘキサノン等のケトン類;γ−ブチロラクトン等の環状エステル類;等が挙げられる。溶剤(E)は、1種を単独で含有してもよく、2種以上を含有してもよい。
<クエンチャー(C)>
クエンチャー(C)は、塩基性の含窒素有機化合物又は酸発生剤(B)から発生する酸よりも酸性度の弱い酸を発生する塩等が挙げられる。
塩基性の含窒素有機化合物としては、アミン及びアンモニウム塩が挙げられる。アミンとしては、脂肪族アミン及び芳香族アミンが挙げられる。脂肪族アミンとしては、第一級アミン、第二級アミン及び第三級アミンが挙げられる。
アミンとしては、1−ナフチルアミン、2−ナフチルアミン、アニリン、ジイソプロピルアニリン、2−,3−又は4−メチルアニリン、4−ニトロアニリン、N−メチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、ジフェニルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン、ジノニルアミン、ジデシルアミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリヘプチルアミン、トリオクチルアミン、トリノニルアミン、トリデシルアミン、メチルジブチルアミン、メチルジペンチルアミン、メチルジヘキシルアミン、メチルジシクロヘキシルアミン、メチルジヘプチルアミン、メチルジオクチルアミン、メチルジノニルアミン、メチルジデシルアミン、エチルジブチルアミン、エチルジペンチルアミン、エチルジヘキシルアミン、エチルジヘプチルアミン、エチルジオクチルアミン、エチルジノニルアミン、エチルジデシルアミン、ジシクロヘキシルメチルアミン、トリス〔2−(2−メトキシエトキシ)エチル〕アミン、トリイソプロパノールアミン、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、4,4’−ジアミノ−1,2−ジフェニルエタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチルジフェニルメタン、ピペラジン、モルホリン、ピペリジン及び特開平11−52575号公報に記載されているピペリジン骨格を有するヒンダードアミン化合物、イミダゾール、4−メチルイミダゾール、ピリジン、4−メチルピリジン、1,2−ジ(2−ピリジル)エタン、1,2−ジ(4−ピリジル)エタン、1,2−ジ(2−ピリジル)エテン、1,2−ジ(4−ピリジル)エテン、1,3−ジ(4−ピリジル)プロパン、1,2−ジ(4−ピリジルオキシ)エタン、ジ(2−ピリジル)ケトン、4,4’−ジピリジルスルフィド、4,4’−ジピリジルジスルフィド、2,2’−ジピリジルアミン、2,2’−ジピコリルアミン、ビピリジン等が挙げられ、好ましくはジイソプロピルアニリンが挙げられ、より好ましくは2,6−ジイソプロピルアニリンが挙げられる。
アンモニウム塩としては、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトライソプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラヘキシルアンモニウムヒドロキシド、テトラオクチルアンモニウムヒドロキシド、フェニルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、3−(トリフルオロメチル)フェニルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラ−n−ブチルアンモニウムサリチラート及びコリン等が挙げられる。
酸発生剤(B)から発生ずる酸よりも酸性度の弱い酸を発生する塩としては、下記式で表される塩、式(D)で表される弱酸分子内塩、並びに特開2012−229206号公報、特開2012−6908号公報、特開2012−72109号公報、特開2011−39502号公報及び特開2011−191745号公報記載の塩が挙げられる。好ましくは、式(D)で表される弱酸分子内塩(以下、「弱酸分子内塩(D)」と記す場合がある)である。
酸発生剤(B)から発生する酸よりも酸性度の弱い酸を発生する塩における酸性度は、酸解離定数(pKa)で示される。塩(I)及び酸発生剤(B)から発生する酸よりも酸性度の弱い酸を発生する塩は、該塩から発生する酸の酸解離定数が、通常−3<pKaの塩であり、好ましくは−1<pKa<7の塩であり、より好ましくは0<pKa<5の塩である。
[式(D)中、
D1及びRD2は、互いに独立に、炭素数1〜12の1価の炭化水素基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数2〜7のアシル基、炭素数2〜7のアシルオキシ基、炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基、ニトロ基又はハロゲン原子を表す。
m’及びn’は、互いに独立に、0〜4の整数を表し、m’が2以上の場合、複数のRD1は同一であっても異なってもよく、n’が2以上の場合、複数のRD2は同一であっても異なってもよい。]
弱酸分子内塩(D)においては、RD1及びRD2の炭化水素基としては、1価の脂肪族炭化水素基、1価の脂環式炭化水素基、1価の芳香族炭化水素基及びこれらの組合せることにより形成される基等が挙げられる。
1価の脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ノニル基等のアルキル基が挙げられる。
1価の脂環式炭化水素基は、単環式及び多環式のいずれでもよく、飽和及び不飽和のいずれでもよい。例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロノニル基、シクロドデシル基等のシクロアルキル基、ノルボニル基、アダマンチル基等が挙げられる。
1価の芳香族炭化水素基としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、4−エチルフェニル基、4−プロピルフェニル基、4−イソプロピルフェニル基、4−ブチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、4−ヘキシルフェニル基、4−シクロヘキシルフェニル基、アントリル基、p−アダマンチルフェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、ビフェニル基、フェナントリル基、2,6−ジエチルフェニル基、2−メチル−6−エチルフェニル等のアリール基等が挙げられる。
これらを組合せることにより形成される基としては、アルキル−シクロアルキル基、シクロアルキル−アルキル基、アラルキル基(例えば、フェニルメチル基、1−フェニルエチル基、2−フェニルエチル基、1−フェニル−1−プロピル基、1−フェニル−2−プロピル基、2−フェニル−2−プロピル基、3−フェニル−1−プロピル基、4−フェニル−1−ブチル基、5−フェニル−1−ペンチル基、6−フェニル−1−ヘキシル基等)等が挙げられる。
アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基等が挙げられる。
アシル基としては、アセチル基、プロパノイル基、ベンゾイル基、シクロヘキサンカルボニル基等が挙げられる。
アシルオキシ基としては、上記アシル基にオキシ基(−O−)が結合した基等が挙げられる。
アルコキシカルボニル基としては、上記アルコキシ基にカルボニル基(−CO−)が結合した基等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。
式(D)においては、RD1及びRD2は、互いに独立に、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数2〜4のアシル基、炭素数2〜4のアシルオキシ基、炭素数2〜4のアルコキシカルボニル基、ニトロ基又はハロゲン原子が好ましい。
m’及びn’は、互いに独立に、0〜2の整数であることが好ましく、0であることがより好ましい。m’が2以上の場合、複数のRD1は同一であっても異なってもよく、n’が2以上の場合、複数のRD2は同一であっても異なってもよい。
弱酸分子内塩(D)としては、以下の化合物が挙げられる。
弱酸分子内塩(D)は、「Tetrahedron Vol. 45, No. 19, p6281-6296」に記載の方法で製造することができる。また、弱酸分子内塩(D)は、市販されている化合物を用いることができる。
クエンチャー(C)の含有率は、レジスト組成物の固形分中、好ましくは0.01〜5質量%であり、より好ましく0.01〜4質量%であり、さらに好ましく0.01〜3質量%である。
<その他の成分>
レジスト組成物は、必要に応じて、上述の成分以外の成分(以下「その他の成分(F)」という場合がある。)を含有していてもよい。その他の成分(F)は、レジスト分野で公知の添加剤、例えば、増感剤、溶解抑止剤、界面活性剤、安定剤、染料等を利用できる。
〈レジスト組成物の調製〉
本発明のレジスト組成物は、樹脂(A1)及び酸発生剤(B)、並びに、必要に応じて用いられる樹脂(A2)、溶剤(E)、クエンチャー(C)及びその他の成分(F)を混合することにより調製することができる。混合順序は任意であり、特に限定されるものではない。混合する際の温度は、10〜40℃から、樹脂等の種類や樹脂等の溶剤(E)に対する溶解度等に応じて適切な温度を選ぶことができる。混合時間は、混合温度に応じて、0.5〜24時間の中から適切な時間を選ぶことができる。なお、混合手段も特に制限はなく、攪拌混合等を用いることができる。
各成分を混合した後は、孔径0.003〜0.2μm程度のフィルターを用いてろ過することが好ましい。
なお、本発明のレジストパターンの製造方法は、ArFエキシマレーザによる液浸露光以外にも、KrFエキシマレーザ露光、電子線(EB)露光又はEUV露光等に利用することもでき、半導体の微細加工に有用である。
実施例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。例中、含有量乃至使用量を表す「%」及び「部」は、特記しないかぎり質量基準である。
重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで下記条件により求めた値である。
装置:HLC−8120GPC型(東ソー社製)
カラム:TSKgel Multipore HXL-M x 3 + guardcolumn(東ソー社製)
溶離液:テトラヒドロフラン
流量:1.0mL/min
検出器:RI検出器
カラム温度:40℃
注入量:100μL
分子量標準:標準ポリスチレン(東ソー社製)
また、化合物の構造は、質量分析(LCはAgilent製1100型、MASSはAgilent製LC/MSD型)を用い、分子ピークを測定することで確認した。以下の実施例ではこの分子ピークの値を「MASS」で示す。
合成例1[式(B1−21)で表される塩の合成]
特開2008−209917号公報に記載された方法によって得られた式(B1−21−b)で表される化合物30.00部、式(B1−21−a)で表される塩35.50部、クロロホルム100部及びイオン交換水50部を仕込み、23℃で15時間攪拌した。
得られた反応液が2層に分離していたので、クロロホルム層を分液して取り出し、更に、該クロロホルム層にイオン交換水30部を添加し、水洗した。この操作を5回繰り返した。クロロホルム層を濃縮し、得られた残渣に、tert−ブチルメチルエーテル100部を加えて23℃で30分間攪拌し、ろ過することにより、式(B1−21−c)で表される塩48.57部を得た。
式(B1−21−c)で表される塩20.00部、式(B1−21−d)で表される化合物2.84部及びモノクロロベンゼン250部を仕込み、23℃で30分間攪拌した。
得られた混合液に、二安息香酸銅(II)0.21部を添加し、更に、100℃で1時間攪拌した。得られた反応溶液を濃縮した。得られた残渣に、クロロホルム200部及びイオン交換水50部を加えて23℃で30分間攪拌し、分液して有機層を取り出した。回収された有機層にイオン交換水50部を加えて23℃で30分間攪拌し、分液して有機層を取り出した。この水洗操作を5回繰り返した。得られた有機層を濃縮した。得られた残渣に、アセトニトリル53.51部に溶解し、濃縮した。これに、tert−ブチルメチルエーテル113.05部を加えて攪拌し、ろ過することにより、式(B1−21)で表される塩10.47部を得た。
MASS(ESI(+)Spectrum):M 237.1
MASS(ESI(−)Spectrum):M 339.1
合成例2[式(B1−22)で表される塩の合成]
式(B1−22−a)で表される塩11.26部、式(B1−22−b)で表される化合物10.00部、クロロホルム50部及びイオン交換水25部を仕込み、23℃で15時間攪拌した。得られた反応液が2層に分離していたので、クロロホルム層を分液して取り出し、更に、該クロロホルム層にイオン交換水15部を添加し、水洗した。この操作を5回繰り返した。クロロホルム層を濃縮し、得られた残渣に、tert−ブチルメチルエーテル50部を加えて23℃で30分間攪拌した後、ろ過することにより、式(B1−22−c)で表される塩11.75部を得た。
式(B1−22−c)で表される塩11.71部、式(B1−22−d)で表される化合物1.70部及びモノクロロベンゼン46.84部を仕込み、23℃で30分間攪拌した。得られた混合液に、二安息香酸銅(II)0.12部を添加し、更に、100℃で30分間攪拌した。得られた反応溶液を濃縮した。得られた残渣に、クロロホルム50部及びイオン交換水12.50部を加えて23℃で30分間攪拌し、分液して有機層を取り出した。回収された有機層にイオン交換水12.50部を加えて23℃で30分間攪拌し、分液して有機層を取り出した。この水洗操作を8回繰り返した。得られた有機層を濃縮した。得られた残渣に、tert−ブチルメチルエーテル50部を加えて攪拌し、ろ過することにより、式(B1−22)で表される塩6.84部を得た。
MASS(ESI(+)Spectrum):M 237.1
MASS(ESI(−)Spectrum):M 323.0
樹脂の合成
樹脂の合成において使用した化合物(モノマー)を下記に示す。
以下、これらのモノマーを式番号に応じて「モノマー(a1−1−1)」等という。
合成例3〔樹脂A1−1の合成〕
モノマーとして、モノマー(a1−1−3)、モノマー(a1−2−9)、モノマー(a2−1−1)、モノマー(a3−4−2)及びモノマー(II´−1)を用い、そのモル比〔モノマー(a1−1−3):モノマー(a1−2−9):モノマー(a2−1−1):モノマー(a3−4−2):モノマー(II´−1)〕が18.5:18.5:5:55:3となるように混合し、全モノマー量の1.5質量倍のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加えて溶液とした。この溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、1mol%及び3mol%添加し、これらを75℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過した。得られた樹脂を再び、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解させて得られる溶解液をメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過するという再沈殿操作を2回行い、重量平均分子量8.1×10の樹脂A1−1を収率83%で得た。この樹脂A1−1は、以下の構造単位を有するものである。
合成例4〔樹脂A1−2の合成〕
モノマーとして、モノマー(a1−1−3)、モノマー(a1−2−9)、モノマー(a2−1−1)、モノマー(a3−4−2)及びモノマー(II´−1)を用い、そのモル比〔モノマー(a1−1−3):モノマー(a1−2−9):モノマー(a2−1−1):モノマー(a3−4−2):モノマー(II´−1)〕が18.5:18.5:3:54:6となるように混合し、全モノマー量の1.5質量倍のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加えて溶液とした。この溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、1mol%及び3mol%添加し、これらを73℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過した。得られた樹脂を再び、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解させて得られる溶解液をメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過するという再沈殿操作を2回行い、重量平均分子量7.9×10の樹脂A1−2を収率84%で得た。この樹脂A1−2は、以下の構造単位を有するものである。
合成例5〔樹脂A1−3の合成〕
モノマーとして、モノマー(a1−1−3)、モノマー(a1−2−9)、モノマー(a2−1−1)、モノマー(a3−4−2)及びモノマー(II´−1)を用い、そのモル比〔モノマー(a1−1−3):モノマー(a1−2−9):モノマー(a2−1−1):モノマー(a3−4−2):モノマー(II´−1)〕が20:20:3:48:9となるように混合し、全モノマー量の1.5質量倍のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加えて溶液とした。この溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、0.95mol%及び2.85mol%添加し、これらを73℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過した。得られた樹脂を再び、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解させて得られる溶解液をメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過するという再沈殿操作を2回行い、重量平均分子量7.8×10の樹脂A1−3を収率80%で得た。この樹脂A1−3は、以下の構造単位を有するものである。
合成例6〔樹脂A1−4の合成〕
モノマーとして、モノマー(a1−1−3)、モノマー(a1−2−9)、モノマー(a3−2−1)、モノマー(a3−4−2)及びモノマー(II´−1)を用い、そのモル比〔モノマー(a1−1−3):モノマー(a1−2−9):モノマー(a3−2−1):モノマー(a3−4−2):モノマー(II´−1)〕が18.5:18.5:19:40:3となるように混合し、全モノマー量の1.5質量倍のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加えて溶液とした。この溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、1mol%及び3mol%添加し、これらを73℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過した。得られた樹脂を再び、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解させて得られる溶解液をメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過するという再沈殿操作を2回行い、重量平均分子量7.5×10の樹脂A1−4を収率78%で得た。この樹脂A1−4は、以下の構造単位を有するものである。
合成例7〔樹脂A1−5の合成〕
モノマーとして、モノマー(a1−1−1)、モノマー(a3−4−2)及びモノマー(II´−1)を用い、そのモル比〔モノマー(a1−1−1):モノマー(a3−4−2):モノマー(II´−1)〕が45:45:10となるように混合し、全モノマー量の1.5質量倍のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加えて溶液とした。この溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、1mol%及び3mol%添加し、これらを73℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過した。得られた樹脂を再び、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解させて得られる溶解液をメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過するという再沈殿操作を2回行い、重量平均分子量8.5×10の樹脂A1−5を収率76%で得た。この樹脂A1−5は、以下の構造単位を有するものである。
合成例8〔樹脂A1−6の合成〕
モノマーとして、モノマー(a1−1−3)、モノマー(a1−2−9)、モノマー(a2−1−1)、モノマー(a3−4−2)及びモノマー(II´−1)を用い、そのモル比〔モノマー(a1−1−3):モノマー(a1−2−9):モノマー(a2−1−1):モノマー(a3−4−2):モノマー(II´−1)〕が20:20:3:45:12となるように混合し、全モノマー量の1.5質量倍のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加えて溶液とした。この溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、1mol%及び3mol%添加し、これらを73℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過した。得られた樹脂を再び、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解させて得られる溶解液をメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過するという再沈殿操作を2回行い、重量平均分子量8.0×10の樹脂A1−6を収率76%で得た。この樹脂A1−6は、以下の構造単位を有するものである。
合成例9〔樹脂A1−7の合成〕
モノマーとして、モノマー(a1−1−3)、モノマー(a1−2−9)、モノマー(a2−1−1)、モノマー(a3−4−2)及びモノマー(II´−1)を用い、そのモル比〔モノマー(a1−1−3):モノマー(a1−2−9):モノマー(a2−1−1):モノマー(a3−4−2):モノマー(II´−1)〕が20:20:3:42:15となるように混合し、全モノマー量の1.5質量倍のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加えて溶液とした。この溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、1mol%及び3mol%添加し、これらを73℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過した。得られた樹脂を再び、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解させて得られる溶解液をメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過するという再沈殿操作を2回行い、重量平均分子量7.8×10の樹脂A1−7を収率72%で得た。この樹脂A1−7は、以下の構造単位を有するものである。
合成例10〔樹脂A1−8の合成〕
モノマーとして、モノマー(a1−1−3)、モノマー(a1−2−9)、モノマー(a2−1−1)、モノマー(a3−4−2)及びモノマー(II´−1)を用い、そのモル比〔モノマー(a1−1−3):モノマー(a1−2−9):モノマー(a2−1−1):モノマー(a3−4−2):モノマー(II´−1)〕が20:20:3:41:16となるように混合し、全モノマー量の1.5質量倍のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加えて溶液とした。この溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、1mol%及び3mol%添加し、これらを73℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過した。得られた樹脂を再び、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解させて得られる溶解液をメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過するという再沈殿操作を2回行い、重量平均分子量7.5×10の樹脂A1−8を収率70%で得た。この樹脂A1−8は、以下の構造単位を有するものである。
合成例11〔樹脂A1−9の合成〕
モノマーとして、モノマー(a1−1−3)、モノマー(a1−2−11)、モノマー(a2−1−1)、モノマー(a3−4−2)及びモノマー(II´−1)を用い、そのモル比〔モノマー(a1−1−3):モノマー(a1−2−11):モノマー(a2−1−1):モノマー(a3−4−2):モノマー(II´−1)〕が18.5:18.5:5:55:3となるように混合し、全モノマー量の1.5質量倍のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加えて溶液とした。この溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、1mol%及び3mol%添加し、これらを75℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過した。得られた樹脂を、メタノール/水混合溶媒中でリパルプした後、ろ過することにより、重量平均分子量8.3×10の樹脂A1−9を収率78%で得た。この樹脂A1−9は、以下の構造単位を有するものである。
合成例12〔樹脂A1−10の合成〕
モノマーとして、モノマー(a1−1−3)、モノマー(a1−2−11)、モノマー(a2−1−1)、モノマー(a3−4−2)及びモノマー(II´−6)を用い、そのモル比〔モノマー(a1−1−3):モノマー(a1−2−11):モノマー(a2−1−1):モノマー(a3−4−2):モノマー(II´−6)〕が18.5:18.5:5:55:3となるように混合し、全モノマー量の1.5質量倍のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加えて溶液とした。この溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、1mol%及び3mol%添加し、これらを75℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過した。得られた樹脂を、メタノール/水混合溶媒中でリパルプした後、ろ過することにより、重量平均分子量8.5×10の樹脂A1−10を収率78%で得た。この樹脂A1−10は、以下の構造単位を有するものである。
合成例13〔樹脂A1−11の合成〕
モノマーとして、モノマー(a1−1−3)、モノマー(a1−2−11)、モノマー(a2−1−1)、モノマー(a3−4−2)及びモノマー(II´−8)を用い、そのモル比〔モノマー(a1−1−3):モノマー(a1−2−11):モノマー(a2−1−1):モノマー(a3−4−2):モノマー(II´−8)〕が18.5:18.5:5:55:3となるように混合し、全モノマー量の1.5質量倍のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加えて溶液とした。この溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、1mol%及び3mol%添加し、これらを75℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過した。得られた樹脂を、メタノール/水混合溶媒中でリパルプした後、ろ過することにより、重量平均分子量8.3×10の樹脂A1−11を収率75%で得た。この樹脂A1−11は、以下の構造単位を有するものである。
合成例14〔樹脂A1−12の合成〕
モノマーとして、モノマー(a1−1−3)、モノマー(a1−2−11)、モノマー(a3−2−1)、モノマー(a3−4−2)及びモノマー(II´−1)を用い、そのモル比〔モノマー(a1−1−3):モノマー(a1−2−11):モノマー(a3−2−1):モノマー(a3−4−2):モノマー(II´−1)〕が18.5:18.5:19:40:3となるように混合し、全モノマー量の1.5質量倍のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加えて溶液とした。この溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、1mol%及び3mol%添加し、これらを75℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過した。得られた樹脂を、メタノール/水混合溶媒中でリパルプした後、ろ過することにより、重量平均分子量7.9×10の樹脂A1−12を収率80%で得た。この樹脂A1−12は、以下の構造単位を有するものである。
合成例15〔樹脂A1−13の合成〕
モノマーとして、モノマー(a1−1−3)、モノマー(a1−2−11)、モノマー(a3−2−1)、モノマー(a3−4−2)及びモノマー(II´−6)を用い、そのモル比〔モノマー(a1−1−3):モノマー(a1−2−11):モノマー(a3−2−1):モノマー(a3−4−2):モノマー(II´−6)〕が18.5:18.5:19:40:3となるように混合し、全モノマー量の1.5質量倍のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加えて溶液とした。この溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、1mol%及び3mol%添加し、これらを75℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過した。得られた樹脂を、メタノール/水混合溶媒中でリパルプした後、ろ過することにより、重量平均分子量8.1×10の樹脂A1−13を収率75%で得た。この樹脂A1−13は、以下の構造単位を有するものである。
合成例16〔樹脂A1−14の合成〕
モノマーとして、モノマー(a1−1−3)、モノマー(a1−2−11)、モノマー(a3−2−1)、モノマー(a3−4−2)及びモノマー(II´−8)を用い、そのモル比〔モノマー(a1−1−3):モノマー(a1−2−11):モノマー(a3−2−1):モノマー(a3−4−2):モノマー(II´−8)〕が18.5:18.5:19:40:3となるように混合し、全モノマー量の1.5質量倍のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加えて溶液とした。この溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、1mol%及び3mol%添加し、これらを75℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過した。得られた樹脂を、メタノール/水混合溶媒中でリパルプした後、ろ過することにより、重量平均分子量8.3×10の樹脂A1−14を収率72%で得た。この樹脂A1−14は、以下の構造単位を有するものである。
合成例17〔樹脂A2−1の合成〕
モノマーとして、モノマー(a5−1−1)及びモノマー(a4−0−12)を用い、そのモル比(モノマー(a5−1−1):モノマー(a4−0−12))が50:50となるように混合し、全モノマー量の0.6質量倍のメチルイソブチルケトンを加えて溶液とした。この溶液に、開始剤としてアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して3mol%添加し、70℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過し、重量平均分子量1.5×10の樹脂A2−1を収率88%で得た。この樹脂A2−1は、以下の構造単位を有するものである。
合成例18〔樹脂X1の合成〕
モノマーとして、モノマー(a1−1−1)、モノマー(a3−1−X)及びモノマー(II´−1)を用い、そのモル比〔モノマー(a1−1−1):モノマー(a3−1−X):モノマー(II´−1)〕が45:45:10となるように混合し、全モノマー量の1.5質量倍のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加えて溶液とした。この溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、1mol%及び3mol%添加し、これらを75℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過した。得られた樹脂を再び、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解させて得られる溶解液をメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過するという再沈殿操作を2回行い、重量平均分子量8.4×10の樹脂X1を収率85%で得た。この樹脂X1は、以下の構造単位を有するものである。
合成例19〔樹脂X2の合成〕
モノマーとして、モノマー(a1−1−1)、モノマー(a2−1−1)、モノマー(a3−1−1)及びモノマー(a5−1−X)を用い、そのモル比〔モノマー(a1−1−1):モノマー(a2−1−1):モノマー(a3−1−1):モノマー(a5−1−X)〕が40:15:40:5となるように混合し、全モノマー量の1.5質量倍のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加えて溶液とした。この溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、1mol%及び3mol%添加し、これらを70℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過した。得られた樹脂を再び、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解させて得られる溶解液をメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過するという再沈殿操作を2回行い、重量平均分子量9.2×10の樹脂X1を収率81%で得た。この樹脂X2は、以下の構造単位を有するものである。
<レジスト組成物の調製>
以下に示す成分の各々を表1に示す質量部で溶剤に溶解し、さらに孔径0.2μmのフッ素樹脂製フィルターで濾過して、レジスト組成物を調製した。
<樹脂>
A1−1〜A1−14、A2−1、X1〜X2:樹脂A1−1〜樹脂A1−14、樹脂A2−1、樹脂X1〜樹脂X2
<酸発生剤>
B1−21:式(B1−21)で表される塩
B1−22:式(B1−22)で表される塩
<化合物(D)>
D1:(東京化成工業(株)製)
<溶剤>
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 265部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 20部
2−ヘプタノン 20部
γ−ブチロラクトン 3.5部
<残渣評価>
12インチのシリコンウェハ上に、有機反射防止膜用組成物[ARC−29;日産化学(株)製]を塗布して、205℃、60秒の条件でベークすることによって、厚さ78nmの有機反射防止膜を形成した。次いで、前記の有機反射防止膜の上に、上記のレジスト組成物を乾燥(プリベーク)後の組成物層の膜厚が85nmとなるようにスピンコートした。レジスト組成物が塗布されたシリコンウェハをダイレクトホットプレート上にて、表1の「PB」欄に記載された温度で60秒間プリベークして、シリコンウェハ上に組成物層を形成した。シリコンウェハ上に形成された組成物層に、液浸露光用ArFエキシマレーザステッパー[XT:1900Gi;ASML社製、NA=1.35、Dipole0.900/0.700 Y−pol.照明]で、トレンチパターン(ピッチ120nm/トレンチ40nm)を形成するためのマスクを用いて、露光量を段階的に変化させて露光した。なお、液浸媒体としては超純水を使用した。露光後、ホットプレート上にて、表1の「PEB」欄に記載された温度で60秒間ポストエキスポジャーベークを行った。次いで、加熱後の組成物層を、現像液として酢酸ブチル(東京化成工業(株)製)を用いて、23℃で20秒間ダイナミックディスペンス法によって現像を行うことにより、ネガ型レジストパターンを製造した。
得られたレジストパターンにおいて、トレンチパターンの線幅が40nmとなる露光量を実効感度とした。
実効感度において製造された、上記トレンチパターンを走査型電子顕微鏡で観察した。
未露光部の現像液で溶解された基板上を観察し、残渣が見られないものを○、残渣が見られるものを×とした。結果を表2に示す。
<CD均一性(CDU)評価>
シリコンウェハに、有機反射防止膜用組成物(ARC−29;日産化学(株)製)を塗布して、205℃、60秒の条件でベークすることによって、ウェハ上に膜厚78nmの有機反射防止膜を形成した。次いで、この有機反射防止膜の上に、上記のレジスト組成物を乾燥後の膜厚が85nmとなるように塗布(スピンコート)した。塗布後、シリコンウェハをダイレクトホットプレート上にて、表1の「PB」欄に記載された温度で60秒間プリベークし、組成物層を形成した。組成物層が形成されたシリコンウェハに、液浸露光用ArFエキシマステッパー(XT:1900Gi;ASML社製、NA=1.35、3/4Annular X−Y偏光)で、コンタクトホールパターン(ホールピッチ90nm/ホール径55nm)を形成するためのマスクを用いて、露光量を段階的に変化させて露光した。なお、液浸媒体としては超純水を使用した。
露光後、ホットプレート上にて、表1の「PEB」欄に記載された温度で60秒間ポストエキスポジャーベークを行った。次いで、このシリコンウェハ上の組成物層を、現像液として酢酸ブチル(東京化成工業(株)製)を用いて、23℃で20秒間ダイナミックディスペンス法によって現像を行うことにより、ネガ型レジストパターンを製造した。
現像後に得られたレジストパターンにおいて、前記マスクを用いて形成したホール径が50nmとなる露光量を実効感度とした。
実効感度において、ホール径55nmのマスクで形成したパターンのホール径を、一つのホールにつき24回測定し、その平均値を一つのホールの平均ホール径とした。同一ウェハ内の、ホール径70nmのマスクで形成したパターンの平均ホール径を400箇所測定したものを母集団として標準偏差を求め、
標準偏差が1.80nm以下の場合を、良好なCDUを示すと評価し、「○」と、
標準偏差が1.80nmより大きい場合を、CDUが十分でないと評価し、「×」とした。結果を、表2に示す。
上記の結果から、本発明のレジストパターンの製造方法によれば、残渣が生じず、良好なCD均一性(CDU)でレジストパターンを製造できることがわかる。
本発明のレジストパターンの製造方法は、得られるレジストパターンに残渣が生じず、良好なCD均一性(CDU)でレジストパターンを製造することができ、半導体の微細加工に好適である。

Claims (7)

  1. 下記工程(1)〜(5)を含むレジストパターンの製造方法。
    (1)式(II)で表される構造単位を、樹脂(A1)の全構造単位の合計に対して、0.5モル%以上15モル%以下で含有し、かつ、酸不安定基を有する構造単位と、式(a3−4)で表される構造単位とを含む樹脂(A1)及び酸発生剤を含有するレジスト組成物を基板上に塗布する工程
    (2)塗布後のレジスト組成物を乾燥させて組成物層を形成する工程
    (3)組成物層を、ArFエキシマレーザにより液浸露光する工程
    (4)露光後の組成物層を加熱する工程
    (5)加熱後の組成物層を、ネガ型現像液により現像する工程
    [式(II)中、
    は、ハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、水素原子又はハロゲン原子を表す。
    は、単結合又は*−L−CO−O−(L−CO−O)−を表す。*は、酸素原子との結合手を表す。
    及びLは、互いに独立に、炭素数1〜12の2価の炭化水素基を表す。
    gは、0又は1を表す。
    は、炭素数1〜12の直鎖又は分岐のアルキル基を表す。ただし、第3級アルキル基を除く。]
    [式(a3−4)中、
    a24 は、ハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、水素原子又はハロゲン原子を表す。
    a7 は、単結合、*−O−、*−O−L a8 −O−、*−O−L a8 −CO−O−、*−O−L a8 −CO−O−L a9 −CO−O−又は*−O−L a8 −O−CO−L a9 −O−を表す。 *はカルボニル基との結合手を表す。
    a8 及びL a9 は、互いに独立に、炭素数1〜6のアルカンジイル基を表す。
    a25 は、カルボキシ基、シアノ基又は炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基を表す。
    w1は、0〜8の整数を表す。w1が2以上のとき、複数のR a25 は互いに同一であってもよく、異なってもよい。]
  2. 下記工程(1)〜(5)を含むレジストパターンの製造方法。
    (1)式(II)で表される構造単位を、樹脂(A1)の全構造単位の合計に対して、0.5モル%以上15モル%以下で含有し、かつ、式(a1−1)で表される構造単位と、式(a1−2)で表される構造単位とを含む樹脂(A1)、式(D)で表される弱酸分子内塩及び酸発生剤を含有するレジスト組成物を基板上に塗布する工程
    (2)塗布後のレジスト組成物を乾燥させて組成物層を形成する工程
    (3)組成物層を、ArFエキシマレーザにより液浸露光する工程
    (4)露光後の組成物層を加熱する工程
    (5)加熱後の組成物層を、ネガ型現像液により現像する工程
    [式(II)中、
    は、ハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、水素原子又はハロゲン原子を表す。
    は、単結合又は*−L −CO−O−(L −CO−O) −を表す。*は、酸素原子との結合手を表す。
    及びL は、互いに独立に、炭素数1〜12の2価の炭化水素基を表す。
    gは、0又は1を表す。
    は、炭素数1〜12の直鎖又は分岐のアルキル基を表す。ただし、第3級アルキル基を除く。]
    [式(a1−1)及び式(a1−2)中、
    a1 及びL a2 は、互いに独立に、−O−又は*−O−(CH k1 −CO−O−を表し、k1は1〜7の整数を表し、*は−CO−との結合手を表す。
    a4 及びR a5 は、互いに独立に、水素原子又はメチル基を表す。
    a6 及びR a7 は、互いに独立に、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基又はこれらを組合せることにより形成される基を表す。
    m1は、0〜14の整数を表す。
    n1は、0〜10の整数を表す。
    n1’は、0〜3の整数を表す。]
    [式(D)中、
    D1 及びR D2 は、互いに独立に、炭素数1〜12の1価の炭化水素基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数2〜7のアシル基、炭素数2〜7のアシルオキシ基、炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基、ニトロ基又はハロゲン原子を表す。
    m’及びn’は、互いに独立に、0〜4の整数を表し、m’が2以上の場合、複数のR D1 は同一であっても異なってもよく、n’が2以上の場合、複数のR D2 は同一であっても異なってもよい。]
  3. が、単結合である請求項1又は2記載の製造方法。
  4. が、炭素数2〜8の直鎖のアルキル基である請求項1〜3のいずれか記載の製造方法。
  5. ネガ型現像液が、酢酸ブチル及び2−ヘプタノンからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む請求項1〜のいずれか記載の製造方法。
  6. 工程(5)が、ダイナミックディスペンス法により、組成物層を現像する工程である請求項1〜のいずれか記載の製造方法。
  7. レジスト組成物が、フッ素原子を有する構造単位を含み、かつ、酸不安定基を有する構造単位を含まない樹脂(A2)をさらに含有する請求項1〜のいずれか記載の製造方法。
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