JP6764278B2 - アパタイトセラミックスおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、銀を含有するアパタイトセラミックスと、その製造方法に関する。
水酸アパタイト〔組成式:Ca10(PO)(OH)〕や炭酸アパタイト〔組成式:Ca10(PO)CO〕は、生体適合性に優れ、体内で骨と直接結合する性質を持つことから、人工骨補填材や、人工関節等への生体活性コーティング材として、広く臨床応用されている。なかでも、水酸アパタイト(以下、ハイドロキシアパタイトともいう)に銀または銀イオンを担持させた抗菌性アパタイトは、広い抗菌スペクトルを有するため、生体埋植用のインプラント等の分野において、埋植手術後における細菌感染を防止または抑制できると期待されており、それに関する多数の報告がなされている(非特許文献1〜3等を参照)。
これらの報告は、いずれも、銀イオン(Ag)が水酸アパタイトのカルシウムイオン(Ca2+)と置換した、銀置換水酸アパタイト(銀置換ハイドロキシアパタイト)の合成およびその結晶構造に関する研究であり、たとえば、非特許文献1には、湿式合成により銀置換水酸アパタイトを合成した際、a軸,c軸の増加とともに、銀が、水酸アパタイトのCaIサイトに置換したとの報告がある。また、非特許文献2には、マイクロウェーブ法により作製した銀置換水酸アパタイトを加熱した場合、700℃の温度までは、その構造を維持していることが報告されている。さらに、非特許文献3には、湿式合成により作製した各種Ca/P比の銀置換水酸アパタイトを熱処理した場合の、結晶相の変化が報告されている。
なお、これらの研究では、前述の水酸アパタイトおよび銀置換水酸アパタイト〔組成式:Ca10−xAg(PO)(OH)〕の水酸基(OH)をAサイト(A型)、リン酸基(PO 3−)をBサイト(B型)と呼ぶ場合がある。また、水酸アパタイト(六方晶系)の六角柱状(針状)結晶の底面(端面)はc面、側面(壁面)はa面であり、底面(c面)に垂直な柱状結晶の成長方向をc軸、底面(c面)に平行な、c軸周りの径(半径)方向をa軸と呼び、c軸方向に柱状(鎖状)に配列された9配位のカルシウをCaI(columnar Ca)サイト、水酸基の酸素を三角らせん状に取り囲む7配位のカルシウム(Ca2+)をCaII(screw axis Ca)サイトと呼ぶ。
L. Badrour, A. Sadel, M. Zahir, L. Kimakh, AE. Hajbi, "Synthesis and physical and chemical characterization of Ca10−xAgx(PO4)6(OH)2−x x apatite" Annales de Chimie Science des Materiaux, Vol.23, Issue 1-2, (1998), P61-64 N. Rameshbabu, TS. Sampath Kumar, TG. Prabhakar, VS. Sastry, KV. Murty, K.Prasad Rao, "Antibacterial nanosized silver substituted: S ynthesis and characterization", Journal of Biomedical Materials Research Part A, Vol.80, Issue 3, (2007), P581-591 O. Gokcekaya, K. Ueda, T. Narushima, C. Ergun, "Synthesis and characterization of Ag - containing calcium phosphates with various Ca/P ratios ", Materials Science and Engineering: C, Vol.53, (2015), P111-119
前述のように水酸アパタイトは、湿式合成法等により容易にカルシウムを銀に置換して、抗菌性を簡単に付与できるという利点を有する。しかしながら、湿式合成法等によって作製された銀置換水酸アパタイトは、結晶性が低く、その後に加熱処理(焼成)等を行った場合、温度上昇に伴う水酸アパタイトの結晶化の進展によって、リン酸第3カルシウムβ相(β−TCP),酸化カルシウム(CaO)の析出や、金属銀の析出・脱落が発生し易いという、欠点があった。
そのため、抗菌性インプラント等に用いられる、銀置換水酸アパタイトを焼成したアパタイトセラミックスは、成形,焼成中に析出した金属銀の近傍にのみ抗菌性が偏よって発現するという不均一性が生じる可能性があった。また、金属銀が脱離してしまい、所要の抗菌性を維持できないという可能性もある。さらに、このアパタイトセラミックスを、人工関節等の摺動部の近くに適用しようとする場合、脱落した銀が、関節摺動部内に入り込むことで摺動部材の摩耗の原因となるおそれもある。
本発明の目的は、焼成を行っても金属銀が析出することのない、均質な抗菌性と耐久性に優れるアパタイトセラミックスおよびその製造方法を提供することである。
本発明は、銀の分散固溶体であるアパタイトセラミックスであって、前記銀の含有量が、前記アパタイトセラミックス全体に対して0.093重量%以上であり、X線回折を用いた結晶構造解析によって金属銀のピークが検出されないことを特徴とするアパタイトセラミックスである。
また、本発明のアパタイトセラミックスは、前記銀の含有量が、前記アパタイトセラミックス全体に対して9.3重量%未満であることを特徴とする。
さらに、本発明のアパタイトセラミックスは、結晶中に炭酸基を含有する炭酸含有水酸アパタイトを含むことを特徴とする。
一方、本発明のアパタイトセラミックスの製造方法は、結晶中に炭酸基を含有する炭酸含有水酸アパタイトの粉末と、銀または酸化銀との混合物に、エタノールを加えて混錬し、スラリー状のアパタイト組成物を作製する工程と、前記スラリー状のアパタイト組成物から前記エタノールを蒸発させて取り除き、粉末状のアパタイト組成物を得る工程と、前記粉末状のアパタイト組成物を金型容器に入れて加圧し、所定形状のアパタイト組成物体を作製する工程と、前記アパタイト組成物体を、500〜970℃の範囲内の設定温度まで加熱して焼成し、前記アパタイトに含まれる炭酸基が前記炭酸含有水酸アパタイト中の水酸基(OH−:Aサイト)に効率的に置換し、これにより水酸アパタイトの六角柱状結晶のa軸〔底面(c面)に平行な、c軸周りの径(半径)方向の長さ〕が拡大することにより、銀がセラミックス中に固溶したアパタイトセラミックスを得る工程と、を備えることを特徴とする。
また、本発明のアパタイトセラミックスの製造方法は、前記銀がセラミックス中に固溶したアパタイトセラミックスが、X線回折を用いた結晶構造解析によって金属銀のピークが検出されない、銀の分散固溶状態であることを特徴とする。
さらに、本発明のアパタイトセラミックスの製造方法は、前記銀の含有量が、前記アパタイトセラミックス全体に対して0.093重量%以上9.3重量%未満であることを特徴し、前記炭酸含有水酸アパタイト中の炭酸基含有量が、0.1重量%以上6.0重量%以下であることを特徴とする。
なお、本発明のアパタイトセラミックスの原材料として用いられる「炭酸含有水酸アパタイト」(炭酸ハイドロキシアパタイト)の組成式は、たとえばCa10−y[(PO)6−y(CO)][(OH)2−2z(CO)]で表され、そのカルシウムの一部を銀に置換したアパタイトセラミックスの組成式は、たとえばCa10−x−yAg[(PO)6−y(CO)][(OH)2−2z(CO)]で表記されるものである。
本発明によれば、抗菌性と耐久性に優れる、アパタイトセラミックスを、効率よく製造することができる。すなわち、得られたアパタイトセラミックスは、焼成工程を経ても銀が析出することなく、X線回折を用いた結晶構造解析を行っても金属銀のピークが検出されない、分散固溶体(分散固溶状態)になっている。そのため、本発明のアパタイトセラミックス(成形体)は、その表面が滑らかで、時間が経っても表面や外形が脆くなったりすることのない、生体埋植用医療機器に適した構成材料とすることができる。しかも、本発明のアパタイトセラミックスは、銀系無機抗菌剤を樹脂製品に練り込んだ場合等と同様、銀の高い抗菌性が、長期にわたって維持・発揮される。
また、本発明のアパタイトセラミックスのなかでも、前記銀の含有量が、前記アパタイトセラミックス全体に対して9.3重量%未満であるものは、銀の固溶許容量に対する添加量が適切で、前述の金属銀のピークが検出されない分散固溶状態が、長期にわたり維持されるという利点がある。
さらに、本発明のアパタイトセラミックスのなかでも、結晶中に炭酸基を含有する炭酸含有水酸アパタイトを含むものは、昇温または焼成中に前記炭酸基が前記炭酸含有水酸アパタイト中の水酸基(OH:Aサイト)に効率的に置換し、これにより水酸アパタイトの六角柱状結晶のa軸〔底面(c面)に平行な、c軸周りの径(半径)方向の長さ〕が拡大する。したがって、この構成によって、銀イオン(Ag)の、水酸アパタイトのカルシウムイオン(Ca2+)との置換が容易となり、結果として、前述の金属銀のピークが検出されない、銀の分散固溶状態を、より確実に再現することができる。
一方、本発明のアパタイトセラミックスの製造方法によれば、前述のような、焼成後の状態で、X線回折を用いた結晶構造解析を行っても金属銀のピークが検出されない程度に銀が分散固溶したアパタイトセラミックスを、再現性良く、効率的に製造することができる。



(a)〜(e)は順に、銀を0.93重量%含有する炭酸含有水酸アパタイト(原料混合物)を、400℃,600℃,800℃,1000℃,1200℃で加熱処理して得られる低温焼成アパタイトセラミックスの粉砕物の表面状態を示す電子顕微鏡写真である。 (a)〜(e)は順に、銀を9.3重量%含有する炭酸含有水酸アパタイト(原料混合物)を、400℃,600℃,800℃,1000℃,1200℃で加熱処理して得られる低温焼成アパタイトセラミックスの粉砕物の表面状態を示す電子顕微鏡写真である。 400〜1200℃で加熱処理した、銀を0.93重量%含有する低温焼成アパタイトセラミックスのX線回折パターンを示すチャート図である。 400〜1200℃で加熱処理した、銀を0.93重量%含有する低温焼成アパタイトセラミックスのX線回折パターンを示すチャート図である。 400〜1200℃で加熱処理した、銀を0.93重量%含有する低温焼成アパタイトセラミックスの赤外吸光スペクトルを示すチャート図である。 400〜1200℃で加熱処理した、銀を9.3重量%含有する低温焼成アパタイトセラミックスのX線回折パターンを示すチャート図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。
本実施形態にかかる低温焼成アパタイトセラミックスは、アパタイト結晶中に炭酸基を含有する炭酸含有水酸アパタイト(炭酸ハイドロキシアパタイト:COHAp)と、銀または酸化銀(AgO)とを原料とし、これらの原料をミル等で充分に混錬した後、加圧成形して成形体とするとともに、この成形体を、アパタイト粒子の緻密化が始まる温度から銀の融点を超えない温度の範囲内、すなわち500〜970℃、好ましくは600〜800℃の範囲内の、比較的低い温度域で焼成して、前記の銀または酸化銀に由来する銀イオンを、セラミックス中に、均一に分散固溶させたものである。
その製造方法は、まず、原料となる、アパタイト結晶中に炭酸基を含有する炭酸含有水酸アパタイトの粉末と、たとえば酸化銀とを準備する。使用する酸化銀に特に制約はなく、粉末状の市販品を用いる。
炭酸含有水酸アパタイトは、たとえば組成式Ca10−y[(PO)6−y(CO)][(OH)2−2z(CO)]で表される化合物であり、その水酸アパタイト(結晶)中に、通常0.1重量%以上6.0重量%以下、好ましくは0.5重量%以上5.5重量%以下、より好ましくは1.0重量%以上5.0重量%以下の炭酸基を含有するものである。
なお、一般に、水酸アパタイト(ハイドロキシアパタイト)は、人工的に合成する場合、乾式合成法では炭酸イオン(CO 2−)が水酸(OH)基Aサイトに置換したA型が、湿式合成法では炭酸イオンがリン酸(PO)基Bサイトに置換したB型と呼ばれる炭酸含有水酸アパタイトが、優先的に生成されることが知られている。本実施形態の場合、後述の理由から、焼成前の準備・混合段階では、A型よりB型の炭酸含有水酸アパタイトの比率が高いことが望まれるため、湿式合成により製造された水酸アパタイトを好適に採用する。具体的には、結晶性の高い炭酸含有ハイドロキシアパタイト粉末、たとえば、太平化学産業社製高純度リン酸カルシウム HAPシリーズ等を準備する。
つぎに、準備した炭酸含有水酸アパタイト粉末(A型,B型混合)に対して、銀を添加するが、その全体に対する銀の含有量を、通常0.093重量%以上9.3重量%未満、好ましくは0.093重量%以上5.58重量%以下、より好ましくは0.093重量%以上1.86重量%以下となるように銀を添加・混合する。さらに分散混合用溶媒としてエタノールを添加して、混錬により充分に混合・分散させる。なお、銀は、前述のように酸化銀(AgO)として添加され、その添加部数(重量部数)は、炭酸含有水酸アパタイト粉末の重量を100とした場合、酸化銀の形でたとえば約1.01〜11.1重量部添加される。これは、金属銀(Ag)換算で約0.094〜10.3重量部の添加である。
また、酸化銀に由来する銀の、炭酸含有水酸アパタイト混合物全体に対する含有量が、0.093重量%未満の場合は、銀に由来するアパタイトセラミックスの抗菌性能が充分に発揮されないおそれがある。また、逆に、銀の含有量が、9.3重量%以上の場合は、すべての銀がアパタイトセラミックス中に固溶することができず、その残存粒塊がセラミックス表面に留まってしまうおそれがある。
混合物の混合・混錬は、ボールミル等を用いて行う。たとえば、溶媒としてエタノールを添加した、炭酸含有水酸アパタイトと酸化銀との混合物に、混錬用メディアとしてジルコニアボール等を加え、たとえば重量比が粉末(混合物):溶媒:メディア=1:2:6となるよう配合して、混錬用のポリエチレン容器に入れ、50回転/分の回転数で24時間、ボールミル混合を行い、スラリー状のアパタイト組成物を作製する。
ついで、エバポレーター等の吸引手段を用いて、スラリー状のアパタイトからエタノールを蒸発させて取り除き、粉末状のアパタイト組成物を得る。ちなみに、この状態では、分析によっても原料の酸化銀(AgO)のピークは確認されず、代わりに銀(Ag)のピークが確認された。これは、エタノールを添加したボールミル混合中に、酸化銀が銀に還元されたためと考えられる。
つぎに、粉末状のアパタイト組成物を金型容器等に入れて加圧成形し、所定形状のアパタイト組成物体を作製する。成形方法は、特に限定されるものではないが、後工程での500〜970℃での加熱焼成工程を考慮すると、500℃以下の低温で行うことのできる、金型プレスや冷間等方加圧(CIP)等を用いて行うことが好ましい。なお、目的とするインプラント等の形状に応じて、CIP等の完了した成形体(アパタイト組成物体)に、切削加工や研削加工等を施してもよい。
ついで、所望の形状に成形されたアパタイト組成物体を、電気炉等を用いて、通常500〜970℃、好ましくは600〜800℃の範囲内の設定温度まで加熱して焼成し、銀がセラミックス中に分散固溶したアパタイトセラミックス(製品)を作製する。
電気炉等による加熱(温度)プロファイルは適宜設定できるが、たとえば、最高温度を500±10℃と設定した場合はこの最高温度の状態を1〜3時間程度、最高温度を600±10℃と設定した場合はこの最高温度の状態を1〜3時間程度、最高温度を700±10℃と設定した場合はこの最高温度の状態を1〜3時間程度、最高温度を800±10℃と設定した場合はこの最高温度の状態を1〜3時間程度、最高温度を900±10℃と設定した場合はこの最高温度の状態を1〜3時間程度、最高温度を970±10℃と設定した場合はこの最高温度の状態を1〜3時間程度、加熱プロファイルのなかに含むように設定する。
なお、前記の電気炉等による加熱処理が完了したこと、すなわち、銀がセラミックス中に固溶したことの反応終点は、つぎのようにして簡便に確認することもできる。一例として、最高温度を(a)400℃、(b)600℃、(c)800℃、(d)1000℃、(e)1200℃としたアパタイトセラミックス成形体の、焼成後の表面または断面または粉砕物を、走査型電子顕微鏡(SEM:SN−3400N,日立製作所社製)の反射電子検出器を用いて観察してみると、図1の電子顕微鏡写真〔(a),(b),(c),(d),(e)はそれぞれ、前記の400℃,600℃,800℃,1000℃,1200℃に対応する〕に示すように、金属銀による「白色の輝点」が見られなくなった状態〔図1では(b)600℃,(c)800℃の状態〕を、加熱処理の完了点とすることができる。また、逆に、上記電子顕微鏡写真の結果をフィードバックして、加熱条件や加熱プロファイルを設定してもよい。
なお、各加熱後のアパタイトセラミックス成形体を粉砕し、30%硝酸水溶液に溶解させた後、誘導結合プラズマ発光分光分析装置(ICP−AES:SPS3100,SIIナノテクノロジー社製)を用いて、銀含有量を測定した結果、各試料の銀含有量は、400〜1200℃の加熱の前後で変化はなく、電顕写真上見えなくなった銀は、脱落したり蒸散したりしたのではない、すなわち全量固溶したことが、確認されている。
以上のように、本実施形態の低温焼成アパタイトセラミックスの製造方法は、焼成温度を500〜970℃、好ましくは600〜800℃の範囲内とすることにより、加熱工程を経ても銀が析出することなく、その表面から金属銀等を検出できない程度に銀が分散固溶したアパタイトセラミックスの成形体を、効率的にかつ高収率で製造することができる。
つぎに、得られた、銀含有アパタイトセラミックスの成形体の性能と評価について、以下の実施例のなかで説明する。
実施例では、原料の、アパタイト結晶中に炭酸基を含有する炭酸含有水酸アパタイト粉末(炭酸含有ハイドロキシアパタイト:COHAp)として、太平化学産業社製高純度リン酸カルシウム HAP−200(白色粉末:平均粒径5〜20μm)を用い、酸化銀(AgO)として、関東化学社製酸化銀粉末(平均粒径0.1〜100μm)を用いて、酸化銀粉末に由来する銀の混合割合が0.93重量%になるように炭酸含有ハイドロキシアパタイト粉末と混合し、アパタイト結晶中のカルシウムの一部を銀に置換した実施例1(1−Ag−HA)グループを作製した。また、上記実施例1と同様の製法で、酸化銀粉末に由来する銀の混合割合が9.3重量%になるように炭酸含有ハイドロキシアパタイト粉末と混合し、アパタイト結晶中のカルシウムの一部を銀に置換した比較例1(10−Ag−HA)グループを作製するとともに、参考(コントロール)として、銀添加なしの炭酸含有ハイドロキシアパタイト粉末のみからなる参考例(0−HA)グループを作製した。
[実施例サンプルおよび比較例・参考例サンプルの作製]
炭酸含有ハイドロキシアパタイト粉末と、所定量(0.93重量%,9.3重量%、または、なし)の酸化銀粉末とを混合し、溶媒として無水エタノール、混錬用メディアとして5mmφジルコニアボールを添加して、重量比で粉末(混合物):溶媒:メディアが1:2:6となる配合で、これらを混錬用ポリエチレン容器に収容し、ボールミル機で50回転/分×24時間回転させて、充分に混合・分散されたスラリー状のアパタイト組成物を作製した。
混合後スラリーを取り出し、エバポレーターを用いて無水エタノールを蒸発させて混合粉末を得た。ついで、各銀濃度の混合粉末を、直径24mmφの金型および抗菌試験用に直径80mmφの金型に収容し、一軸プレスにて仮成形した後、294MPaの圧力で冷間等方加圧(CIP)処理を行い、加熱処理用のタブレット状アパタイト組成物体を作製した。
つぎに、電気炉中(大気圧下)で各サンプルの加熱焼成を行った。加熱条件は、400℃,600℃,800℃,1000℃、1200℃で、それぞれ2時間加熱した。なお、加熱が完了したサンプル名の後には「−温度」を付加して、未加熱のサンプルとは区別する。たとえば、実施例1(1Ag−HA)のサンプルを600℃まで加熱したものを「1Ag−HA−600」と表記する。
したがって、得られたサンプルは、以下の表のように、計18種類である(それぞれ、24mmφと、抗菌試験用80mmφのものがある。)。
実施例1 比較例1 参考例
未加熱(加熱前) 1-Ag- HA 10- Ag- HA 0 - HA
400℃加熱 1-Ag-HA- 400 10-Ag-HA- 400 0-HA- 400
600℃加熱 1-Ag-HA- 600 10-Ag-HA- 600 0-HA- 600
800℃加熱 1-Ag-HA- 800 10-Ag-HA- 800 0-HA- 800
1000℃加熱 1-Ag-HA-1000 10-Ag-HA-1000 0-HA-1000
1200℃加熱 1-Ag-HA-1200 10-Ag-HA-1200 0-HA-1200
なお、前記図1の電子顕微鏡写真(a)〜(e)は、それぞれ上記実施例1群の400℃焼成品(1-Ag-HA-400)、600℃焼成品(1-Ag-HA-600)、800℃焼成品(1-Ag-HA-800)、1000℃焼成品(1-Ag-HA-1000)および1200℃焼成品(1-Ag-HA-1200)の、加熱後の粉砕物に相当するものである。
また、図2に、(a)〜(e)として、それぞれ上記比較例1群の400℃焼成品(10-Ag-HA-400)、600℃焼成品(10-Ag-HA-600)、800℃焼成品(10-Ag-HA-800)、1000℃焼成品(10-Ag-HA-1000)および1200℃焼成品(10-Ag-HA-1200)の、加熱後の粉砕物を表す電子顕微鏡写真を示す。
得られた各サンプルを、以下の各分析手法で分析して、銀の分布状態と、それに関与する固溶状態を確認した。
[X線回折による結晶構造解析]
X線回折(XRD)測定は、X線回折装置(PW6003/00,スペクトリス社製)を用いて、CuKα線を使用し、以下の測定条件で、XRDパターンを取得した。
管球電圧:45kV
管球電流:40mA
スキャンスピード:2.2°/分
実施例1群の各サンプル〔未加熱品(1-Ag-HA)および400℃焼成品(1-Ag-HA-400),600℃焼成品(1-Ag-HA-600),800℃焼成品(1-Ag-HA-800),1000℃焼成品(1-Ag-HA-1000),1200℃焼成品(1-Ag-HA-1200)〕を測定したXRDパターンを図3,図4に示す。
[赤外線分光スペクトルによる構造解析]
また、官能基を同定するために、フーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR:IRPrestige−21,島津製作所社製)を用いて、KBr法にて、4000〜400cm−1の範囲で測定して、IRスペクトルを記録した。
XRDパターンと同様、実施例1群の各サンプル〔未加熱品(1-Ag-HA)および400℃焼成品(1-Ag-HA-400),600℃焼成品(1-Ag-HA-600),800℃焼成品(1-Ag-HA-800),1000℃焼成品(1-Ag-HA-1000),1200℃焼成品(1-Ag-HA-1200)〕を測定したIRスペクトルを図5に示す。
さらに、得られたサンプルのうち、前記電子顕微鏡写真で銀の輝点が見られず、前記XRDパターンで銀のピークの消失した800℃における焼成品を用いて、実施例1と参考例の抗菌性を比較した。
[抗菌性の評価]
抗菌試験は、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA,UOEH6)を用いて実施した。非働化牛血清(インビトロジェン社製)培地を用いて、菌数が1mLあたり6.9×10cell/mLの菌数になるように調整し、試験菌液とした。シャーレ内に設置した滅菌済の実施例1のサンプル〔800℃焼成品(1-Ag-HA-800)〕と、参考例のサンプル〔800℃焼成品(0-HA-800)〕の上に、0.4mLの試験菌液を滴下し、菌液の上に40mm×40mm角のポリエチレンフィルで覆って、養生した。そして、35℃大気圧下で24時間培養後、生菌数を計測した。なお、試験はいずれもn=3で実施した。
<抗菌性試験の結果>
生 菌 数 (CFU) 試験開始時 24時間後
実施例1 1-Ag-HA- 800 2.1×10 <10
参 考 例 0- HA- 800 2.1×10 4.3×10
<試験結果のまとめと考察>
図3に示す実施例1群のXRDパターンによれば、加熱処理(焼成)前の実施例1(1-Ag-HA)においては、原材料の酸化銀(AgO)のピークは確認されず、代わりに銀(Ag)のピークが確認された。これは、ボールミル混合中に、酸化銀が銀に還元されたためと考えられる。実施例1群では、未加熱品(1-Ag-HA)および400℃焼成品(1-Ag-HA-400)において、銀に帰属する回折ピーク〔図3中では黒塗り丸●Ag(cubic)で表示〕が見られたが、600℃焼成品(1-Ag-HA-600)および800℃焼成品(1-Ag-HA-800)では、前記銀のピークは消失した。そして、実施例1の1000℃焼成品(1-Ag-HA-1000)および1200℃焼成品(1-Ag-HA-1200)では、前記銀のピークが再度現れ、銀の析出が確認されるとともに、酸化カルシウム(CaO)の析出ピーク(白抜き三角△で表示)が確認された。この一連の銀に関する現象は、前述のSEMを用いた観察の結果(図1)と一致する。
また、図4の実施例1群のXRDパターンからは、実施例1の800℃焼成品(1-Ag-HA-800)において、炭酸含有ハイドロキシアパタイトの結晶性の低下が見られ、さらに、結晶面(210)(300)(410)の回折ピークは2つのピークに分離し、一方のピークは低角側に大幅にシフトした。また、結晶面(002)(004)の回折ピークは少し高角側にシフトすることが確認された。これは、水酸アパタイト結晶のa軸の拡張およびc軸の収縮を示唆しているものと考えられる。
ちなみに、実施例1群と同様の600〜800℃の温度帯域において、前述のSEMを用いた観察の結果〔図2における(b)600℃焼成,(c)800℃焼成〕でも、金属銀による「白色の輝点」の消失が観測できなかった上記比較例1群では、図6に例示する比較例1群のXRDパターンでも、銀に帰属する回折ピーク〔図6中、黒塗り丸●Ag(cubic)で表示〕の消失は、確認できなかった。
つぎに、図5の実施例1群のIRスペクトルからは、すべての処理温度において、630cm−1付近に、水酸基(OH)に起因するピークが確認された。加熱処理(焼成)前の(1−Ag−HA)においては、Bサイトに置換した炭酸基(CO 2−)に帰属する吸収スペクトルが1410cm−1に、AB両サイトに置換した炭酸基に帰属する吸収スペクトルが1450cm−1に確認された。400℃焼成品(1-Ag-HA-400)の吸収スペクトルからは、1540cm−1付近のAサイトに置換した炭酸基(CO 2−)に帰属するピークが高くなり始め、600℃焼成品(1-Ag-HA-600)および800℃焼成品(1-Ag-HA-800)において、さらにピークは高くなった。これは、水酸基に炭酸基が置換した、A型炭酸アパタイトが増加していることを示している。その後、1000℃焼成品(1-Ag-HA-1000)および1200℃焼成品(1-Ag-HA-1200)では、AサイトおよびBサイト両方の炭酸基(CO 2−)は消失した。なお、リン酸銀(AgPO)に帰属するピークの存在は確認できなかった。
また、図示は省略するが、9.3重量%の銀を添加した比較例1群、および、原料に使用したHAP−200単体(銀を添加しない参考例群)のIRスペクトルからも、上記実施例1の800℃焼成品(1-Ag-HA-800)と同様のピークシフトおよび結晶性の低下等の現象が観測されていることから、このピークシフトおよび結晶性の低下は、炭酸含有ハイドロキシアパタイトの焼成中に800℃付近で起きる特有の現象と考えられる。また、今回得られた、800℃付近のXRDパターンによる「a軸拡張,c軸収縮」の示唆と、同じく800℃付近のIRスペクトルによる「Aサイトへの炭酸イオンの置換の増加」の示唆とも一致し、この現象は、大きい平面的な炭酸基(CO 2−)グループが、小さく直線的な水酸基(OH)に置換することにより発生していると思われる。
ここで、銀イオン(Ag)のイオン半径(1.28オングストローム)は、カルシウムイオン(Ca2+)のイオン半径(0.99オングストローム)に較べて大きく、しかも、原料に使用したHAP−200(炭酸含有ハイドロキシアパタイト)は非常に結晶性が高いため、通常、銀イオンは、容易にはアパタイト結晶中のカルシウムイオンと置換しにくくなっており、600℃程度の熱処理までは、銀(金属銀)またはリン酸銀(AgPO)として存在していたと考えられる。
しかしながら、600℃〜800℃の熱処理中に、アパタイト結晶のa軸が急激に広がったことで、大きなイオン半径の銀イオンの侵入が容易となり、結晶構造中のカルシウムイオン(Ca2+)と銀イオン(Ag)との置換が進展したものと考えられる。そして、1000℃以上の熱処理では、AサイトおよびBサイト両方から炭酸基が脱離し、a軸の拡張は元に戻るとともに、一部の銀イオンはアパタイト結晶格子から脱離して、銀として析出したと考えられる。また、リン酸基サイトから炭酸基が消失したことから、化学量論的な水酸アパタイトの結晶化が進行するとともに、余分なカルシウムイオンは、酸化カルシウムとして析出したと思われる。
以上のような理由により、本実施形態の低温焼成アパタイトセラミックスおよびその製造方法では、銀の添加量(含有量)をアパタイトセラミックス全体に対して0.093重量%以上9.3重量%未満とし、セラミックスの焼成温度を、500〜970℃、できれば600〜800℃の範囲内とすることによって、銀が析出することなく、その表面から金属銀等を検出できない程度に銀が分散固溶した、アパタイトセラミックスの成形体を、効率的にかつ高収率に製造できることがわかった。
また、「抗菌性試験の結果」からは、銀を含有しない参考例のサンプルは、生菌数が2.1×10CFUから増加する傾向が見られた。一方、実施例1の800℃焼成品(1-Ag-HA-800)では、SEMやXRDで銀の存在を確認できないものの、菌は24時間後に<10CFU(測定限界以下)まで減少し、非常に高い抗菌性を有することが確認された。
なお、本実施形態では、本発明に好適な、結晶中に0.1重量%以上6.0重量%以下の炭酸基を含有し、結晶性の高い炭酸含有水酸アパタイト粉末として、太平化学産業社製 高純度リン酸カルシウム HAPシリーズのなかで、HAP−200(グレード名)を使用したが、本発明で用いる炭酸含有水酸アパタイト粉末としては、同シリーズのHAP−100,HAP−300は勿論、他の炭酸含有水酸アパタイトを使用することもできる。
使用できる炭酸含有水酸アパタイト粉末の好適な仕様としては、六角柱状結晶の成長の可能なリン酸水素ナトリウム(DCPA,モネタイト)を出発物質とすることが望ましく、湿式合成法を用いて、炭酸基(CO 2−)がリン酸基サイト(Bサイト)に優先的に置換しているタイプの水酸アパタイトが好ましい。一例としては、炭酸基の含有量は、2.8〜4.8重量%程度であるが、加熱(焼成)前の「Bサイト(リン酸基)置換炭酸基/Aサイト(水酸基)置換炭酸基」の割合が、「1/2」程度かそれ以下で、800℃の加熱によって、炭酸基がBサイトから排出すると同時に、Aサイトに炭酸基が導入されることが可能な結晶構造であることが好ましい。そして、炭酸含有水酸アパタイト単体での比表面積は、10m・g−1以下で、好ましくは5m・g−1以下。細孔分布は、5nmを超える細孔が少ない分布を持つものが好ましい。前述のHAP−200は前記各条件をほぼ満たしている。

Claims (7)

  1. の分散固溶体であるアパタイトセラミックスであって、前記銀の含有量が、前記アパタイトセラミックス全体に対して0.093重量%以上であり、X線回折を用いた結晶構造解析によって金属銀のピークが検出されないことを特徴とするアパタイトセラミックス
  2. 前記銀の含有量が、前記アパタイトセラミックス全体に対して9.3重量%未満であることを特徴とする請求項1に記載のアパタイトセラミックス。
  3. 結晶中に炭酸基を含有する炭酸含有水酸アパタイトを含むことを特徴とする請求項1または2に記載のアパタイトセラミックス。
  4. 結晶中に炭酸基を含有する炭酸含有水酸アパタイトの粉末と、銀または酸化銀との混合物に、エタノールを加えて混錬し、スラリー状のアパタイト組成物を作製する工程と、
    前記スラリー状のアパタイト組成物から前記エタノールを蒸発させて取り除き、粉末状のアパタイト組成物を得る工程と、
    前記粉末状のアパタイト組成物を金型容器に入れて加圧し、所定形状のアパタイト組成物体を作製する工程と、
    前記アパタイト組成物体を、500〜970℃の範囲内の設定温度まで加熱して焼成し、前記アパタイトに含まれる炭酸基が前記炭酸含有水酸アパタイト中の水酸基(OH−:Aサイト)に効率的に置換し、これにより水酸アパタイトの六角柱状結晶のa軸〔底面(c面)に平行な、c軸周りの径(半径)方向の長さ〕が拡大することにより、銀がセラミックス中に固溶したアパタイトセラミックスを得る工程と、
    を備えることを特徴とするアパタイトセラミックスの製造方法。
  5. 前記銀がセラミックス中に固溶したアパタイトセラミックスは、X線回折を用いた結晶構造解析によって金属銀のピークが検出されない、銀の分散固溶状態であることを特徴とする請求項に記載のアパタイトセラミックスの製造方法。
  6. 前記銀の含有量が、前記アパタイトセラミックス全体に対して0.093重量%以上9.3重量%未満であることを特徴とする請求項またはに記載のアパタイトセラミックスの製造方法。
  7. 前記炭酸含有水酸アパタイトの粉末中の炭酸基含有量が、0.1重量%以上6.0重量%以下であることを特徴とする請求項のいずれか1つに記載のアパタイトセラミックスの製造方法。
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