JP6764165B2 - 吸引式微粒子コーティングを行う方法および装置 - Google Patents

吸引式微粒子コーティングを行う方法および装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6764165B2
JP6764165B2 JP2019090290A JP2019090290A JP6764165B2 JP 6764165 B2 JP6764165 B2 JP 6764165B2 JP 2019090290 A JP2019090290 A JP 2019090290A JP 2019090290 A JP2019090290 A JP 2019090290A JP 6764165 B2 JP6764165 B2 JP 6764165B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
work
mist
opening end
container
suction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019090290A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020040059A (ja
Inventor
栄次 村瀬
栄次 村瀬
Original Assignee
株式会社ペイントサービス
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社ペイントサービス filed Critical 株式会社ペイントサービス
Publication of JP2020040059A publication Critical patent/JP2020040059A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6764165B2 publication Critical patent/JP6764165B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Nozzles (AREA)

Description

両端において開口する空洞を有するワークを複数の微粒子でコーティングする技術に関し、特に、複数の微粒子が前記ワークのコート面(ワークのうち、コーティングされる面、被覆される面)上にむらなく分散する状態で固定されることを容易にする技術に関するものである。
ワークの表面を複数の粒子でコーティングする技術が既に存在する。
そのことを具体的に説明するに、特許文献1は、ステント、カテーテル、グラフトなどの医療器具の表面をコポリマーで被覆する技術を開示し、具体的には、その被覆法として、浸漬法、噴霧法、スピンコート法、混合溶液含侵スポンジコート法が存在することを開示している。この特許文献1は、さらに、カテーテル等の細くて狭い内面にコート層を形成する場合には、コート液中にカテーテルを浸漬して、系内を減圧して脱泡することも開示している。
特許文献2は、外表面、内表面およびその内表面によって画定される管腔を有するチューブ状のカテーテルの外表面上には、抗菌物質としての銀ナノ粒子を堆積させ、さらに、内表面上にも、銀ナノ粒子を堆積させることを開示している。
この特許文献2は、さらに、銀ナノ粒子をカテーテルを構成する材料内に埋め込む方法と、これに代えておよび/またはこれに加えて、カテーテルを、塩化銀を含有する溶液中に浸漬させ、それにより、銀粒子をカテーテルの内表面および外表面に付着させる方法とを開示している。
この特許文献2は、さらに、カテーテルの長さ全体にわたってカテーテルの内表面および外表面の双方に均等に銀粒子分布を与えることも開示している。
特許文献3は、容器状または袋状を成すワークの内面、外面または内外表面に金属酸化物などを蒸着させた後、その蒸着面に対してポリマーコーティングを行い、それにより、ワークのガスバリヤ性を向上させる方法を開示している。
特許文献4は、静電式の噴霧器を用い、医薬粒子をその噴霧器のディフレクタを通過して噴霧してステントの表面に塗布する技術を開示している。
特許文献5は、圧縮気体を用いる静電噴霧方法によってステントをコーティングする方法を開示している。具体的には、この方法によれば、複数の微小滴が電界下において密閉空間内に噴霧され、各微小滴は荷電させられ、各微小滴が蒸発すると、各微小滴の電荷が活性成分に集中して複数の荷電粒子より成る噴霧が生じる。各荷電粒子は、電界により、ステントに向かって移動させられて付着する。
特許文献6は、ステント等の医療器具の外面と内面とを一挙にコーティングする方法を開示している。具体的には、この方法によれば、医療器具がローラによって支持されて自転させられつつ、その医療器具の管腔内面と管腔外面とに同時に液状のポリマーが噴霧、滴下、浸漬または注入によって塗布される。管腔内面を塗布するために、ステント内に塗布具が挿入される。
特許文献7は、複数の粒子を目標表面に吹き付けて塗布する方法を開示している。この方法は、前記複数の粒子が分散状態で混入している揮発性の噴霧液を加温する溶液加温工程と、圧縮気体を加温する気体加温工程と、その加温された圧縮気体を、前記加温された噴霧液と一緒にスプレーガンに供給し、それにより、前記圧縮気体を用いて前記噴霧液を霧化して前記スプレーガンから噴射する噴霧工程とを含むように構成されている。
前記溶液加温工程および前記気体加温工程は、前記スプレーガンから噴射された前記噴霧液が前記目標表面に到達する前に前記噴霧液が実質的に全体として気化することを前記溶液加温工程および前記気体加温工程が互いに共同して実現する高さの温度に前記噴霧液および前記圧縮気体をそれぞれ加温する。
特開2016−63846号公報 特表2009−505792号公報 特開2002−145346号公報 特表2004−532665号公報 特表2006−511259号公報 特許第5014433号公報 特開2015−171687号公報
しかし、特許文献1−7に記載された技術では、細くて長い管腔を有するワークの内面全体をまんべんなく、一様に複数の微粒子でコーティングすることは不可能である。
以上説明した事情を背景にして、本発明は、両端において開口する空洞を有するワークを複数の微粒子でコーティングする技術であって、複数の微粒子が前記ワークのコート面上にむらなく分散する状態で固定されることを容易にするものを提供することを課題としてなされたものである。
本発明によって下記の各態様が得られる。各態様は、項に区分し、各項には番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、本発明が採用し得る技術的特徴の一部およびそれの組合せの理解を容易にするためであり、本発明が採用し得る技術的特徴およびそれの組合せが以下の態様に限定されると解釈すべきではない。すなわち、下記の態様には記載されていないが本明細書には記載されている技術的特徴を本発明の技術的特徴として適宜抽出して採用することは妨げられないと解釈すべきなのである。
さらに、各項を他の項の番号を引用する形式で記載することが必ずしも、各項に記載の技術的特徴を他の項に記載の技術的特徴から分離させて独立させることを妨げることを意味するわけではなく、各項に記載の技術的特徴をその性質に応じて適宜独立させることが可能であると解釈すべきである。
(1) 両端において開口する空洞を有するワークの内外両面のうちの少なくとも内面を複数の微粒子でコーティングする方法であって、
揮発性溶媒内に前記複数の微粒子が分散状態で混入して成る溶液を圧縮気体と共に噴霧してミストを生成するミスト化工程と、
その生成されたミストを前記ワークの第1開口端に適用する適用工程と、
前記ミストのうち前記ワークの空洞内に導入された部分を前記ワークの第2開口端から吸引する吸引工程と
を含む吸引式微粒子コーティング方法。
(2) 前記吸引工程は、吸引装置を前記ワークの第2開口端に適用することによって実行され、
前記吸引装置は、前記第2開口端に接触して前記吸引を行う接触式または前記第2開口端に接触せずに前記吸引を行う非接触式である(1)項に記載の吸引式微粒子コーティング方法。
(3) 前記吸引工程は、前記ミストのうち前記吸引によって前記ワークの第2開口端から排出された部分を前記第1開口端またはその近傍(例えば、前記ワークを収容する容器)に帰還させる帰還工程を含む(1)または(2)項に記載の吸引式微粒子コーティング方法。
(4) さらに、前記ミストが前記ワークの空洞内を通過する速度を調整することにより、前記複数の微粒子が前記ワークの内面に接触して付着する特性を制御する速度調整工程を含む(1)ないし(3)項のいずれかに記載の吸引式微粒子コーティング方法。
(5) 前記速度調整工程は、前記第1開口端またはその近傍の圧力(例えば、前記ワークを収容する容器)と前記第2開口端またはその近傍(前記吸引装置の気体出口または大気と連通する口)の圧力との間の差圧を調整することにより、前記速度を調整する工程を含む(4)項に記載の吸引式微粒子コーティング方法。
(6) さらに、
前記ミスト化に先立ち、前記圧縮気体を加温する加温工程を含む(1)ないし(5)項のいずれかに記載の吸引式微粒子コーティング方法。
(7) さらに、前記ミストを前記ワークに適用するのに先立ち、そのワークの内外両面のうち前記複数の微粒子でコーティングすることを予定された目標コーティング面にバインダとして機能する下地塗料を塗布して未硬化塗膜を形成し、それにより、前記目標コーティング面を前処理する前処理工程を含み、
前記目標コーティング面は、前記下地塗料が未硬化の状態で前記ミストに接触させられる(1)ないし(6)項のいずれかに記載の吸引式微粒子コーティング方法。
(8) 前記ワークは、医療用の筒状のステントまたはカテーテルであり、
前記複数の微粒子は、各々、抗菌剤として作用し、
当該方法は、前記ワークの内外両面を一挙に前記複数の微粒子でコーティングする抗菌加工を行うために実行される(1)ないし(7)項のいずれかに記載の吸引式微粒子コーティング方法。
(9) 前記ワークの内面は、前記ワークの自由状態で直径が2mm以下の円で表される断面を有する(1)ないし(8)項のいずれかに記載の吸引式微粒子コーティング方法。
(10) 両端において開口する空洞を有する管状のワークの内面を複数の微粒子でコーティングするかまたは前記ワークの内外両面を一挙に複数の微粒子でコーティングする装置であって、
容器と、
前記ワークを、そのワークの第1開口端および第2開口端のうち少なくとも第1開口端が前記容器内に位置するように保持するホルダと、
揮発性溶媒内に前記複数の微粒子が分散状態で混入して成る溶液を圧縮気体と共に噴霧してミストを前記容器内に噴射する噴霧器と、
前記ワークの第2開口端に適用され、前記ミストのうち前記ワークの空洞内に導入された部分を前記第2開口端から吸引する吸引装置と
を含む吸引式微粒子コーティング装置。
(11) 前記吸引装置は、噴流を発生させ、その噴流を前記ワークの第2開口端に接触しつつその第2開口端を横切る向きに噴出する噴流発生装置を含む(10)項に記載の吸引式微粒子コーティング装置。
(12) 両端において開口する空洞を有する管状のワークの内面を複数の微粒子でコーティングする方法であって、
揮発性溶媒内に前記複数の微粒子が分散状態で混入して成る溶液を加温された圧縮気体と共に噴霧してミストを生成するミスト化工程と、
前記ワークの内面に液状のバインダを面状に塗布し、それにより、前記内面を前処理する前処理工程と、
前記バインダが硬化しないうちに、前記ミストを前記ワークの第1開口端に適用する適用工程と、
前記ミストのうち前記ワークの空洞内に導入された部分を前記ワークの第2開口端から吸引する吸引工程と
を含む吸引式微粒子コーティング方法。
(13) 前記吸引工程が実行されると、前記ミストが前記内面上に散布され、前記ミストにおいて前記揮発性溶媒が気化すると、前記複数の微粒子が互いに分散した状態で前記バインダに付着し、そのバインダが硬化すると、前記複数の微粒子が互いに分散した状態で前記バインダ上に固定される(12)項に記載の吸引式微粒子コーティング方法。
(14) 生体の脈管内に留置されて使用される管状のステントであって、
内面と、その内面によって画定される管腔と、外面とを有し、
前記内面および前記外面には、いずれも、複数の抗菌性微粒子で噴霧コーティングされることによって抗菌膜が被着されており、
前記内面の直径は、2mm以下である両面被覆ステント。
(15) (14)項に記載の両面被覆ステントであって、前記生体の胆管内に留置されて使用される胆管プラスチック・ステント。
(16) 両端において開口する空洞を有するワークの内外両面のうちの少なくとも内面を複数の微粒子でコーティングする方法であって、
前記ワークを、そのワークの第1開口端および第2開口端のうち少なくとも第1開口端が容器内に位置するように保持する保持工程と、
噴霧器により、揮発性溶媒内に前記複数の微粒子が分散状態で混入して成る溶液を圧縮気体と共に噴霧してミストを生成するミスト化工程と、
その生成されたミストを前記ワークの第1開口端に適用する適用工程と、
吸引装置により、前記ミストのうち前記ワークの空洞内に導入された部分を前記ワークの第2開口端から吸引する吸引工程と、
前記複数の微粒子が前記ワークの内面に付着することを促進する内面付着促進工程と
を含み、
その内面付着促進工程は、
乱流発生器により、前記ミスト化工程によって生成されたミストを乱流化し、その乱流化したミストを前記第1開口端から前記空洞内に導入する乱流化工程と、
往復流発生器により、前記第1開口端から前記空洞内に導入されたミストを往復流化する往復流化工程と
のうちの少なくとも一方を実施する吸引式微粒子コーティング方法。
(17) 両端において開口する空洞を有するワークの内外両面のうちの少なくとも内面を複数の微粒子でコーティングする方法であって、
前記ワークを、そのワークの第1開口端および第2開口端のうち少なくとも第1開口端が容器内に位置するように保持する保持工程と、
噴霧器により、揮発性溶媒内に前記複数の微粒子が分散状態で混入して成る溶液を圧縮気体と共に噴霧してミストを生成するミスト化工程と、
その生成されたミストを前記ワークの第1開口端に適用する適用工程と、
吸引装置により、前記ミストのうち前記ワークの空洞内に導入された部分を前記ワークの第2開口端から吸引する吸引工程と、
前記容器内の前記ミストの圧力が予め設定されたリリーフ圧を超えようとするとリリーフ弁が開いて前記ミストのうちの一部が前記容器から流出することを許容する圧力調整工程と、
前記ワークの内外両面を一挙にコーティングするために、前記リリーフ弁を前記容器に、前記第1開口端より前記第2開口端に近い位置に設置することにより、前記容器内において、前記ミストに、前記ワークの外面に沿って前記第1開口端から前記第2開口端に向かう流れを生起し、それにより、前記複数の微粒子が前記ワークの外面に付着することを促進する外面付着促進工程と
を含む吸引式微粒子コーティング方法。
(18) 両端において開口する空洞を有する管状のワークの内面を複数の微粒子でコーティングするかまたは前記ワークの内外両面を一挙に複数の微粒子でコーティングする装置であって、
容器と、
前記ワークを、そのワークの第1開口端および第2開口端のうち少なくとも第1開口端が前記容器内に位置するように保持するホルダと、
揮発性溶媒内に前記複数の微粒子が分散状態で混入して成る溶液を圧縮気体と共に噴霧してミストを前記容器内に噴射する噴霧器と、
前記ワークの第2開口端に適用され、前記ミストのうち前記ワークの空洞内に導入された部分を前記第2開口端から吸引する吸引装置と、
前記複数の微粒子が前記ワークの内面に付着することを促進する内面付着促進装置と
を含み、
その内面付着促進装置は、
前記噴霧器によって生成されたミストを乱流化し、その乱流化したミストを前記第1開口端から前記空洞内に導入する乱流発生器と、
前記第1開口端から前記空洞内に導入されたミストを往復流化する往復流発生器と
のうちの少なくとも一方を有する吸引式微粒子コーティング装置。
(19) 両端において開口する空洞を有する管状のワークの内面を複数の微粒子でコーティングするかまたは前記ワークの内外両面を一挙に複数の微粒子でコーティングする装置であって、
容器と、
前記ワークを、そのワークの第1開口端および第2開口端のうち少なくとも第1開口端が前記容器内に位置するように保持するホルダと、
揮発性溶媒内に前記複数の微粒子が分散状態で混入して成る溶液を圧縮気体と共に噴霧してミストを前記容器内に噴射する噴霧器と、
前記ワークの第2開口端に適用され、前記ミストのうち前記ワークの空洞内に導入された部分を前記第2開口端から吸引する吸引装置と、
前記容器内の前記ミストの圧力が予め設定されたリリーフ圧を超えようとすると開いて前記ミストのうちの一部が前記容器から流出することを許容するリリーフ弁と
を含み、
そのリリーフ弁は、前記容器に、前記第1開口端より前記第2開口端に近い位置に設置され、それにより、前記容器内において、前記ミストに、前記ワークの外面に沿って前記第1開口端から前記第2開口端に向かう流れが生起され、それにより、前記複数の微粒子が前記ワークの外面に付着することが促進される吸引式微粒子コーティング装置。
図1は、本発明の例示的な一実施形態に従う吸引式微粒子コーティング装置の全体構成を概略的に示す側面図である。 図2は、図1において円で囲む領域内の部分を取り出して拡大して示す側面図である。 図3は、図1に示す吸引装置の一例を拡大して示す側面断面図である。 図4は、図1に示す吸引装置の別の例を拡大して示す側面断面図である。 図5は、図1に示す吸引式微粒子コーティング装置を用いる吸引式微粒子コーティング方法の一例を説明するための工程図である。 図6は、図1に示す吸引装置のさらに別の例を拡大して示す側面断面図である。 図7は、本発明の例示的な別の実施形態に従う吸引式微粒子コーティング装置の全体構成を概略的に示すとともに、その吸引式微粒子コーティング装置の容器内におけるミストの流れを例示的に説明するための側面断面図である。 図8(a)は、前記いくつかの実施形態に従う吸引式微粒子コーティング装置の容器内におけるワーク空洞内のミスト吸引方法の第1の具体例を説明するための側面図であり、図8(b)は、前記ミスト吸引方法の第2の具体例を説明するための側面図であり、図8(c)は、前記ミスト吸引方法の第3の具体例を説明するための側面図である。
以下、本発明のさらに具体的な例示的な実施の形態のうちのいくつかを図面に基づいて詳細に説明する。
図1には、本発明の例示的な一実施形態に従う吸引式微粒子コーティング方法を実施するために用いる吸引式微粒子コーティング装置(以下、単に「コーティング装置」という。)10の一例の全体構成が概略的に側面図で示されている。
図1および図2に示すように、そのコーティング方法は、両端において開口する空洞12を有するワーク14の内面16を複数の微粒子(粒子、ナノ粒子など)でコーティングするかまたはワーク14の内外両面16,17を一挙に複数の微粒子でコーティングするために実施される。ワーク14は、図において右側に位置する第1開口端18と、図において左側に位置する第2開口端19とを有する。
第1開口端18および第2開口端19は、それぞれ、ワーク14の空洞12内の後述のミストの流れに対し、上流側および下流側に位置するため、第1開口端18および第2開口端19は、それぞれ、上流開口端および下流開口端でもある。
図2に示すように、このコーティング方法は、湿式(後述の未硬化塗膜の表面上に複数の微粒子が付着固定される)かつ吸引(吸込み)により、複数の微粒子をワーク14のうちの目標表面(内面16のみが選択される場合と、内外両面16,17が選択される場合とがある)に塗布する。
図1に示すように、コーティング装置10は、空気を加圧して圧力下に収容する空気圧源20と、複数本のホース22と、空気圧源20から供給された圧縮空気を加温するヒータ24と、噴霧器26と、タンク28と、密閉空間29を有する容器30とを有する。
それら構成要素を個別に説明するに、空気圧源20は、圧縮気体の一例である圧縮空気を収容する。空気圧源20は、例えば、電動のコンプレッサ(図示しない)を有し、さらに、任意選択的に、特定の処理(例えば、殺菌処理、医用グレードの空気を得るための処理)を施された気体を収容するタンク(図示しない)を有する。
噴霧器26は、作業者の指令に応じるかまたは自動的に、外部からの圧縮空気の進入を遮断する遮断状態と、外部からの圧縮空気の進入を許可する作動状態とに切り換わる。噴霧器26は、ヒータ24から排出された圧縮空気を用いてミストを生成し、そのミストを容器30内に噴射する。
具体的には、噴霧器26は、タンク28から供給される溶液を、空気圧源20から供給される圧縮気体と共に噴霧してミストを生成する。噴霧器26の噴霧圧は、約0.5〜約1.5kg/cmである。噴霧器26は、ミストを拡散的に噴射する末広がり状のデフューザ34を有する。そのデフューザ34は、ワーク14の第1開口端18から前方に、すなわち、ミストの流れの上流側に離れた位置に配置されている。
噴霧器26からのミストの出口であるデフューザ34は、第1開口端18に接触せず、第1開口端18から離間しているのである。その結果、第1開口端18に漏れなくミストが接触することになる。
ヒータ24の一例は、インライン式であり、具体的には、ヒータ24内の気体通路を圧縮空気が流れる経路に沿って軸方向に配置され、その流動過程において圧縮空気を加温する方式である。
このヒータ24は、安全弁(リリーフ弁)36を有する。その安全弁36は、圧縮空気の圧力が上限圧を超えないように圧力を調整する機能を有する。その上限圧は、作業者によって任意に設定可能であり、その結果、圧縮空気の圧力が調整される。
このヒータ24は、さらに、圧縮空気が噴霧器24に供給される状態においても、圧縮空気が噴霧器24によって遮断される状態においても、空気圧源20から供給された圧縮空気をヒータ24から外部に逃がしてそのヒータ24自体を強制的に空冷するために逃がし穴38を有する。ヒータ24の一例によれば、圧縮空気が約50〜約70℃に加温されて維持される。
タンク28は、揮発性溶媒内に複数の微粒子が分散状態で混入して成る溶液を圧力下に収容する。揮発性溶媒の一例は、エチルアルコールである。微粒子の一例は、直径が約80nm(例えば、約80〜約120nm)である粒子(例えば、ナノ粒子)である。また、微粒子の一例は、抗菌性を有する抗菌性微粒子(または抗菌剤微粒子)である。また、微粒子の一例は、それの表面上に複数の金属銀粒子が担持されているものである。溶液の一例は、抗菌剤溶液である。その抗菌剤溶液の一例は、アルコール100重量部に対して約0.1〜約1.0重量部の抗菌性微粒子を含有する。
タンク28内の溶液は、図示しない圧送ポンプにより、噴霧器24の入口部に供給される。タンク28内の溶液は、図示しない溶液加温装置により、約30〜約50℃に加温されて維持される。
このコーティング装置10は、さらに、容器30に装着された安全弁(リリーフ弁)50を有する。その安全弁50は、容器30内のミストの圧力が安全弁50のリリーフ圧すなわち上限圧を超えないように圧力を調整する機能を有する。その上限圧は、作業者によって任意に設定可能であり、その結果、容器30内のミストの上限圧が調整される。ミストの圧力(正圧)が調整されると、ミストの圧力の、大気圧との差圧が調整されることになる。その結果、ミストは、容器30内に、大気圧より高い圧力で加圧された状態で、充填されることになる。
噴霧器26の作動の結果、容器30内のミストの圧力がリリーフ圧(設定圧)を超えようとすると、安全弁50が開いて前記ミストの一部が安全弁50から容器30の外側に流出する。その結果、容器30内においてミストの圧力がリリーフ圧を超えることが阻止される。
このコーティング装置10は、ワーク14を、水平姿勢で、そのワーク14の第1開口端18および第2開口端19のうち少なくとも第1開口端18が容器30内に位置する(ミストがその第1開口端18から導入可能である)ように保持するホルダ60を有してもよい。
一例においては、ワーク14の第1開口端18および第2開口端19のうち第1開口端18のみが容器30の内壁面200(図7参照)から内側に離間する位置に配置され、また、別の例においては、図1に示すように、ワーク14の第1開口端18および第2開口端19がいずれも、容器30の内壁面200から内側に離間する位置に配置される。
第1開口端18および第2開口端19のうち該当するものが容器30の内壁面200から内側に離間する結果、各開口端18,19が容器30の内部空間内において露出し、ミストが、容器30に邪魔されることなく、各開口端18,19に隙間なく塗布されることになる。
図1に示す例においては、容器30内においてワーク14が水平姿勢で保持されるが、これに代えて、別の姿勢、例えば、垂直姿勢や傾斜姿勢で保持してもよい。水平姿勢以外の姿勢で保持される場合には、ワーク14の空洞12内のミストに重力が作用する。
非水平姿勢にあるワーク14の第1開口端18が上側、第2開口端19が下側にそれぞれ位置し、かつ、噴霧器26が第1開口端18より上方に位置するレイアウトが採用される場合には、ワーク14の空洞12内のミストが、後述の吸引装置70による吸込みと、自重による落下との相乗効果により、空洞12内を流下して第2開口端19から流出することが促進される。
このコーティング装置10は、ワーク14の第2開口端19に適用され、ミストのうちワーク14の空洞12内に導入された部分を第2開口端19から吸引する吸引装置70を有する。
図3に示すように、吸引装置70の一例は、ワーク14に接触して(機械的に係合して)ワーク14の吸引を行う方式であり、かつ、間欠運動を行うピストンを用いる方式でもある。
まず、構成を説明するに、この吸引装置70は、ピストン72と、そのピストン72が嵌合するシリンダ74と、そのシリンダ74から外部にかつ軸方向に延び出すノズル76とを有する。
ノズル76は、貫通した空洞を有する筒状体であり、容器30の壁をそれの厚さ方向に気密に貫通し、さらに、ワーク14の第2開口端19からワーク14の空洞12内に部分的に進入する。その進入または挿入により、ノズル76とワーク14とが嵌合する。ノズル76は、容器30の壁に固定されているため、そのノズル76は、ワーク14を容器30に対して同じ位置に保持するホルダとしても機能する。
次に、この吸引装置70の作動を説明するに、ピストン72のロッド78が手動でまたは機械によって引き込まれ、ピストン72がシリンダ74から後退すると、シリンダ74内の圧力室80の容積が拡大し、それにより、容器30内の圧力より低い圧力(例えば、負圧)が圧力室80に発生する。
その結果、容器30内のミストの一部が圧力室80内に吸い込まれ、空洞12内に、第1開口端18から第2開口端19に向かうミストの流れが生起される。このように吸引装置70により、空洞12内のミストが吸引される結果、細くて長い空洞12であっても、その内面16全体にまんべんなく(隙間なく)かつ一様に(均等な分散密度で)複数の微粒子を運搬して付着させることが可能となる。
この吸引装置70を用いる場合には、圧力室80の容積が、1本のワーク14の空洞の容積より大きいことが必要である。圧力室80の容積が1本分のワーク14の容積に等しいかそれより大きいが2本分のワーク14の合計容積より小さい場合には、1本のワーク14についてコーティング作業が終了するごとに、ノズル76を容器30に残したままワーク14をノズル76から引き抜いて容器30から取り出すとともに、ピストン72をシリンダ74内に押し込むことが必要である。
これに対し、圧力室80の容積が複数本分のワーク14の容積と等しいかまたはそれより大きい場合には、1本のワーク14についてコーティング作業が終了するごとに、ノズル76を容器30に残したままワーク14をノズル76から引き抜いて容器30から取り出すとともに、前記複数本のワーク14についてコーティング作業が終了するごとに、ピストン72をシリンダ74内に押し込むことが必要である。
図4に示すように、吸引装置70の別の例は、ワーク14に接触して(機械的に係合して)ワーク14の吸引を行う方式であり、かつ、連続運動を行うポンプを用いる方式でもある。
まず、構成を説明するに、この吸引装置70は、ポンプ90と、そのポンプ90の吸込みポートから延びる吸込みノズル92と、ポンプ90の吐出ポートから延びる吐出ホース94と、その吐出ホース94の途中または端部に設けられた逆止弁96とを有する。
吸込みノズル92は、ノズル76と同様にして、容器30の壁をそれの厚さ方向に気密に貫通し、さらに、ワーク14の第2開口端19からワーク14の空洞12内に部分的に進入する。その進入により、吸込みノズル92とワーク14とが嵌合する。吸込みノズル92は、容器30の壁に固定されているため、その吸込みノズル92は、ワーク14を容器30に対して同じ位置に保持するホルダとしても機能する。
吐出ホース94の下流端部は、容器30の壁をそれの厚さ方向に気密に貫通し、それにより、ポンプ90が吸い込んだミストであってポンプ90によって吐出されたものが容器30内に帰還させられる。逆止弁96は、容器30内のミストがポンプ90に向かって逆流することを阻止する。
次に、この吸引装置70の作動を説明するに、ポンプ90がモータ(図示しない)によって連続運転させられると、吸込みノズル92内の圧力(例えば、負圧)が容器30内の圧力より低圧となる。
その結果、容器30内のミストの一部がポンプ90内に吸い込まれ、空洞12内に、第1開口端18から第2開口端19に向かうミストの流れが生起される。このように吸引装置70により、空洞12内のミストが吸引される結果、細くて長い空洞12であっても、その内面16全体にまんべんなくかつ一様に複数の微粒子を運搬して付着させることが可能となる。
図3に示す例における圧力室80の容積が有限であるのに対し、図4に示す吸引装置70を用いる場合には、その吸引装置70が連続運転させられる限り、圧力室80に相当するポンプ室の容積が無限である。
よって、1本のワーク14についてコーティング作業が終了するごとに、吸込みノズル92を容器30に残したままワーク14をノズル76から引き抜いて容器30から取り出すことが可能となる。
図5には、当該コーティング方法が工程図で示されている。
まず、ステップS1において、ワーク40の内面(円筒内面)16および外面(円筒外面)17のうち、抗菌加工を施したいものを目標コーティング面(内面16のみか、内外両面17,18)に選定する。さらに、その選定された各コーティング面を、浸漬、噴霧などの方式により、下地塗料(例えば、クリア塗料、医用グレードの塗料)をまんべんなくかつ一様に塗布する。
その結果、図2に示すように、ワーク14の目標コーティング面上に未硬化塗膜が形成され、その未硬化塗膜は、前記複数の抗菌性微粒子を目標コーティング面に固定するためのバインダとして機能する。それにより、ワーク14の前処理が完了する。
次に、ステップS2において、コーティングされるべきワーク14が容器30内に、かつ、そのワーク14のうち、第2開口端19を有する筒状端部内にノズル76または92がほぼ隙間なくフィットするように挿入される。それにより、ワーク14が容器30内において所定位置に保持される。
図1に示す例においては、ホルダ60が、ワーク14の概して軸方向中央部を外側から掴んで保持するように構成されている。これに対し、図7に示す別の例におけるように、ホルダ60に代えて、吸引装置70のノズル76(または92)を用い、そのノズル76を第2開口端19内に外側から挿入することにより、ワーク14を第2開口端19において片持ち状に保持してもよい。
図7に示す例においては、ノズル76は、容器30の外部における静止部材から一体的にまたは別体的に延びて容器30の壁部を貫通してそれの先端部において容器30内に部分的に露出する棒状の部材であって、内面16の一部または外面17の一部であってワーク14の第2開口端19を構成するものに係合してワーク14を、例えば片持ち状に、支持または固定する支持部材または固定部材の一例を構成する。
この例においても、第2開口端19が、容器30の内壁面200から内側に離間する位置に配置される。
続いて、ステップS3において、噴霧器26を作動させることにより、前記抗菌性溶液がミスト化されて容器30内に噴霧される。その噴霧により、容器30の内部空間が全体的にミストで充填される。そのミストは、ワーク14の第1開口端18に適用され、そのミストの一部は、第1開口端18内に導入されることが可能である。すなわち、このステップS3は、前記ミスト化工程の一例と、前記適用工程の一例とを有するのである。
このとき、容器30の内部空間は、ミストで充填され、そのときのミストの圧力(ミスト圧)は、大気圧より高く、安全弁50のリリーフ圧以下の高さである。容器30内においては、ミストが、図1に例示するように、概して静止状態にある浮遊状態にある。しかし、ミスト圧がリリーフ圧を超えようとすると、ミストが安全弁50から流出する。
一方、安全弁50は、図1に例示するように、容器30内の空間のうち下流側の部分(第2開口端19に近い部分)に連通するように配置されている。その結果、ミストが安全弁50から流出すると、噴霧器26から第2開口端19に向かうミストの流れが生起される。
噴霧器26から第2開口端19に向かうミストの流れは、特に、容器30内において、ワーク14の外側において生起される傾向が強い。その結果、この流れが生起されるおかげで、新たなミストがワーク14の外面17に接触する頻度が増し、その結果、外面17に付着する微粒子の密度が目標値まで増加するための時間が、そのような流れがない場合より、短縮され、外面17への微粒子の付着が促進される可能性がある。
噴霧器26から噴出されたミストのうちの一部は、吸引装置70のおかげで、ワーク14の空洞12内に引き込まれて内面16に接触する一方、同じミストのうちの別の一部は、ワーク14の外面17に接触する。ミストが静止状態にあれば、ミストは外面17に概して静的に付着するのに対し、上述のように、ミストに流れが生起されていれば、ミストは外面17に沿って下流に移動しつつ外面17に付着する。
しかし、ワーク14の空洞12が細くて狭い(例えば、ワーク内径が2mm以下)場合には、吸引装置70が存在しないと、例えば、ワーク14の断面内におけるミストの流れに注目すると、ミストの一部が、内面(内壁面)16に固着する境界層を形成し、その境界層の厚さ寸法が内面14の直径寸法を支配的に占有する。境界層は、内面14上に形成されるため、事実上、内面14の直径寸法を狭める。そのため、ミストが空洞12内を通過する際の流動抵抗が増加する。それが原因で、ミストが空洞12内をスムーズに通過して第2開口端19から排出することができず、ミストがまんべんなくかつ一様に内面16に塗布されることもできない。
これに対し、図1および図7に示すそれぞれの例においては、いずれも、吸引装置70が存在し、その結果、その吸引装置70による吸引により、前記流動抵抗に打ち勝ってミストが狭い空洞12(例えば、ワーク内径が2mm以下)内をスムーズに通過することが可能となる。
その後、ステップS4において、吸引装置70を、例えば噴霧器26と一緒に、作動させることにより、容器30内のミストのうち第1開口端18からワーク14の空洞12内に導入された部分がワーク14の第2開口端19から吸引される。それにより、ミストがワーク14の第1開口端18から空洞12内に積極的に引き込まれ、その結果、空洞12内において、第1開口端18から第2開口端19に向かうミストの流れが生起される。
すなわち、本実施形態によれば、噴霧によるミストの押込みと吸引によるミストの引込みとの共同作用により、ミストが第1開口端18から第2開口端19に向かって空洞12内の全体を通過することが促進される。図7に示す例のように、噴霧器26から噴出されたミストは、吸引装置70によって加速されることにより、ワーク14内に吸い込まれることになる。同図において、矢印は、流れの向きと流速とを表し、さらに、矢印が長いほど流速が大きいことを表す。
本実施形態においては、同じ噴霧器26から噴出された同じミストのうちの一部は、ワーク12の外面17を経由せずにダイレクトに、ワーク12の内面16に接触し、別の一部は、ワーク12の内面16を経由せずにダイレクトに、ワーク12の外面17に接触する。
したがって、本実施形態においては、図1および図7に示すそれぞれの例のように、噴霧器26から噴出されたミストの一部および別の一部がそれぞれ、ワーク14の内面16と外面17とにそれぞれ、互いに並行的に、すなわち、同時進行的に付着されることになる。
本実施形態においては、ミストの吸込み作用のおかげで、例えば、ミストの境界層がワーク14の内面(内壁面)16上に形成されることが抑制される。それにより、ミストが無駄に内面16上において滞留することがなくなり、スムーズに空洞12内を軸方向に通過することが促進される。よって、ミストが空洞12内を軸方向に通過する過程において、そのミストを構成する複数の液滴が、内面16に付着する前に互いに凝集してクラスター化する傾向が軽減される。その結果、複数の微細な液滴が、分散状態が維持されつつ、空洞12内を軸方向に通過しつつ、その途中でワーク14の内面16に付着する。
容器30内においては、この内面コーティングと並行するかまたはそれに先立ち、外面コーティングも行われ、噴霧されたミストが同じワーク14の外面17にまんべんなくかつ一様に付着する。
前記吸引が実行されると、ミストが内面16上に散布され、そのミスト内においてエチルアルコール(前記揮発性溶媒)が気化すると、前記複数の抗菌性微粒子が互いに分散した状態で未硬化塗膜上に前記バインダとして付着する。その塗膜が乾燥して硬化すると、前記複数の微粒子が互いに分散した状態で塗膜上に固定される。エチルアルコール(前記揮発性溶媒)の気化は、圧縮空気の加温と抗菌性溶液の加温とによって促進される。
その吸引に先立ち、作業者は、ミストがワーク14の空洞12内を通過する速度を調整することにより、前記複数の微粒子がワーク14の内面16に接触して付着する特性を制御する。その速度調整は、容器30内の圧力と吸引装置79の出口圧(例えば、大気圧)との間の差圧を調整することにより、行われる。
その後、ステップS5において、ワーク14が容器30から取り出される。
ところで、ワーク14の一例は、医療用の筒状のステントまたはカテーテルである。
ステントは、医療器具の一種であって、人間などの動物の血管、胆管などの脈管であって局所的に狭窄または途絶したものの機能を回復するために、その疾患部位内に通路を人工的に形成するためにその疾患部位に留置されるものである。本発明が適用されるステントの一例は、胆管プラスチック・ステントである。
ステントは、素材から分類すると、プラスチック製と金属製とに分類される。金属製のステントは、例えば、スチール製ワイヤーから成る弾性変形可能なメッシュである。ステントは、形状から分類すると、ストレート型とピッグテイル型とに分類される。
いずれの種類のステントも、共通の構造として、概して管状ないしは筒状を成し、内面16と、その内面16によって画定される管腔(内部通路、貫通穴)12と、外面17とを有する。
ステントには、プラスチック製と金属製とが存在する。金属製のステントは、拡張型と非拡張型とに分類れる。拡張型のステントは、例えば、スチール製ワイヤーから成る弾性変形可能なメッシュである。このステントは、形状記憶材料、例えば、ニチノール(Nitinol、登録商標)により構成され、また、望ましくは、チューブをレーザで切断することによって製造される。このステントは、自由状態すなわち拡張状態において半径方向内向きに力が加えられると、半径方向に弾性的に収縮し、その収縮状態で治療部位に配備される。半径方向力が解放されると、ステントは自由状態に復元し、自発的に半径方向に拡張する(拡径する)。
ステントの内面の直径、すなわち、内径は、いずれも拡張性を有しないプラスチック・ステントおよび非拡張型メタリック・ステントについては、内径が常時一定であることから、任意の状態で測定されるが、拡張型メタリック・ステントについては、内径が使用状態によって変動することから、拡張状態すなわち自由状態で測定される。
本実施形態によれば、両端18,19において開口する空洞(例えば、管腔)12を有するワーク(例えば、ステント)14の内外両面16,17(内面16のみでも可)が複数の薬剤微粒子でコーティングされる。その薬剤微粒子の種類は、例えば、抗血栓性、抗菌性や、血液、体液または生体組織との親和性という効能を発揮し得るように選択される。
ところで、従来、胆管プラスチック・ステントは、留置後、そのステント自体に付着した細菌がバイオフィルムを形成することが原因で、そのステントが早期に閉塞して交換を余儀なくされるという問題があった。一方、銀イオンには抗菌効果があることが既に知られている。さらに、本発明者が開発した吸引式微粒子コーティング法によれば、ステントの内面であって細くて狭いものや長くて狭いものであっても、複数の薬剤微粒子をむらなく(均一の密度で)コーティングできる。
それらの事実を背景に、本実施形態によれば、胆管プラスチック・ステントの内外両面が一挙に、複数の抗菌性微粒子でコーティングされる。それにより、胆管内留置用の内外両面被覆ステントが得られる。
ここに、「抗菌性微粒子」は、前述の「薬剤微粒子」の一例であり、また、光触媒粒子の一例でもある。「抗菌性微粒子」の一例は、二酸化チタンである。
また、「抗菌性微粒子」は、それの表面において複数の金属銀粒子(例えば、銀イオン)が担持されている状態で使用されることが望ましい。金属銀粒子は、抗菌性微粒子と共同して、抗菌作用を向上させるという効能を有することが知られているからである。
それら抗菌性微粒子、揮発性溶媒、抗菌剤溶液およびミストの生成に関する物理的および化学的な条件値のいくつかの例が、本出願人の特開2015−171687号公報に開示されており、この公報は引用によって本明細書に合体させられる。
図3および図4をそれぞれ参照して説明した吸引装置70は、前述のように、ワーク14に接触して(機械的に係合して)吸引を行う方式である。
これに対し、図6には、ワーク14に接触せずに(機械的に係合せずに)ワーク14の吸引を行う方式を採用した非接触型吸引装置110が示されている。
この非接触型吸引装置110は、噴流(空気のジェット気流)を発生させ、その噴流をワーク14の第2開口端19に接触しつつその第2開口端19を横切る向きに噴出する。
具体的には、この非接触型吸引装置110は、容器30内のミストを吸入する吸入口120と、その吸い込んだミストを噴流として噴射する噴射口122とを有する。
さらに、この非接触型吸引装置110は、第2開口端19にワーク14の軸線に対して交差する向きに噴流を適用し、ベルヌーイの効果として、第2開口端19内に負圧を発生させる噴流発生装置である。第2開口端19をかすめるように噴流が第2開口端19に作用すると、第2開口端19に負圧が発生して空洞12内のミストが第2開口端19から吸い出される。
この吸引装置110によれば、吸引に先立ち、ワーク14に別の機械部品を接触させて装着する作業が省略されるため、作業効率が向上し、量産化への適合が容易になるとともに、ワーク14の表面の一部が前記機械部品によって被覆されてしまうためにその部分に抗菌性微粒子が付着しないという問題が発生せずに済む。
本実施形態によれば、ワーク14をコート液内に浸漬させて内面16をコーティングする場合とは異なり、揮発性溶媒と複数の微粒子との混合物がミスト化されて内面16に付着して内面16がコーティングされるため、最終的なコート層(抗菌層、抗菌膜)内に存在する微粒子の分布が一様化されるとともに、コート層が短時間で乾燥して完成するため作業時間が短縮されるという効果が得られる。
以上の説明から明らかなように、図3に示す吸引装置70の例においては、ワーク14の第1開口端18のみならず第2開口端19も容器30内に配置され、また、吸引装置70が容器30の外部に設置されている。
また、図4に示す吸引装置70の例においては、ワーク14の第1開口端18のみならず第2開口端19も容器30内に配置され、また、吸引装置70が容器30の外部に設置され、また、ポンプ90から吐出されたミストが外部通路を経由して容器30に帰還される(外部循環)。
また、図6に示す吸引装置110の例においては、ワーク14の第1開口端18のみならず第2開口端19も容器30内に配置され、また、吸引装置110が容器30の内部に設置され、また、ミストが容器30内において(外部通路を経由することなく)循環させられる(内部循環)。
それらの例に代えて、本発明は、ワーク14が容器30の壁を気密に貫通し、そのワーク14の第2開口端19が容器30の外部に配置され、その露出した第2開口端19が、外部に配置された吸引装置70によって吸引される態様で実施してもよい。
ただし、この態様を採用する場合には、同じワーク14の外面17のコーティング(例えば、今回提案した吸引式、通常の噴霧式、通常の浸漬式)は、内面16の吸引式コーティングとは別の工程で実施されるかもしれない。
ここで、図8を参照することにより、以上説明したいくつかの実施形態に従うコーティング装置10を、容器30内におけるワーク空洞12内のミスト吸引方法に着目して具体的に説明する。
図8(a)には、前記ミスト吸引方法の第1の具体例が示されている。この具体例においては、ミストが空洞12内を、概して層流として流れる様子が示されている。
これに対し、図8(b)には、前記ミスト吸引方法の第2の具体例が示されている。この具体例においては、ミストが空洞12内を、概して乱流として流れる様子が示されている。
ミストの乱流化を行うために、乱流発生器300が、噴霧器26とワーク14の第1開口端18との間に設置される。この乱流発生器300は、例えば、内部通路を画定するチューブ302と、そのチューブ302の内面に設置される障害物(典型的には、複数の障害物)304とを含むように構成される。チューブ302内においてミストが障害物304と衝突すると、ミストの進行方向が不規則に変化し、その結果、ミストが乱流化する。
ここに、障害物304は、例えば、突起としたり、チューブ302の軸線に対して交差する向きに延びる斜板としたり、ミストを螺旋状の経路に沿って誘導するスワール溝とすることが可能である。
ミストが層流である場合には、ワーク14の内面16に境界層が形成される傾向が強く、その境界層が形成されると、それが、空洞12内に定在するバリアとして機能してしまい、新たなミスト(新たな微粒子)がワーク14の内面16に接触することが阻害される。その結果、内面16に付着する微粒子の密度が目標値に増加するまでに必要な時間が延長する可能性がある。
これに対し、ミストが乱流である場合には、ワーク14の内面16に境界層が形成されず、その結果、新たなミストがワーク14の内面16に接触する確率が層流の場合より上昇する。その結果、内面16に付着する微粒子の密度が目標値に増加するまでに必要な時間が短縮する可能性がある。それにより、ミストがワーク14の内面16に付着することが促進される。
また、図8(c)には、前記ミスト吸引方法の第3の具体例が示されている。この具体例においては、ミストが空洞12内を、概して往復流(振動流)として流れる様子が示されている。その往復流は、層流よりむしろ乱流を成す。
ミストの往復流化を行うため、往復流発生器400が使用される。この往復流発生器400は、吸引装置としての機能も有する。この往復流発生器400は、例えば、ノズル76に形状的に近似するシリンダ402と、そのシリンダ402にスライド可能かつ往復動可能に嵌合するピストン404と、そのピストン404に連結されたロッド406とを含むように構成される。そのロッド406は、図示しないモータの回転運動をピストン404の往復運動に変換するための機構の一例である。
図8(c)中、セクション(1)においては、ピストン404が、シリンダ402に対して相対的に往復運動する際の上死点に位置する。セクション(2)においては、ピストン404が、シリンダ402に対して相対的に往復運動する際の下死点に位置する。ピストン404が上死点から下死点まで移動する際、すなわち、空洞12にとっての膨張行程においては、ワーク14の空洞12内の圧力が、容器30内のうち、ワーク12の第1開口端18における圧力より低下する。その結果、空洞12内に、第1開口端18から第2開口端19に向かう往流が発生し、それにより、ミストが容器30の内部空間から空洞12内に吸い込まれて前進させられる。往復流発生器400により、ミストの吸引が行われるのである。
図8(c)中、セクション(3)においては、ピストン404が、シリンダ402に対して相対的に往復運動する際の上死点に位置する。ピストン404が下死点から上死点まで移動する際、すなわち、空洞12にとっての圧縮行程においては、ワーク14の空洞12内の圧力が、容器30内のうち、ワーク12の第1開口端18における圧力より上昇する。その結果、空洞12内に、第2開口端19から第1開口端18に向かう復流が発生し、それにより、空洞12内においてミストが後退させられる。
図8(c)に示す第3の具体例においては、同じミストが空洞12内において前進・後退すなわち往復運動させられ、その結果、同じミストが空洞12内に滞留する合計時間が、図8(c)中、セクション(1)および(2)に示すように、ミストの流れが往復流ではなく一方向流である場合より、延長する。それにより、ミスト内の各微粒子の滞留時間も延長する。その結果、各微粒子がワーク14の内面16に接触する頻度が増加し、ひいては、ミスト内の複数の微粒子のうち、ワーク14の内面16に付着されて目的を達するものの数が増加する。その結果、使用されるミストの容積の割に多くの数の微粒子をワーク14の内面16に付着させることが容易となる。
なお、図8(c)に示す第3の具体例においては、ピストン404が上死点においてワーク14の空洞12内に位置するが、空洞12から外れた位置に位置するように往復流発生器400を設計変更してもよい。
以上説明したいくつかの実施形態によれば、円形断面を有する空洞を有する管状のワークの内外両面が一挙にコーティングされるが、非円形断面(例えば、スロット等、細長い矩形断面、多角形断面等の規則断面、非対称断面等の不規則断面)を有する空洞を有するワークの内面のみをコーティングしたり、内外両面を一挙にコーティングするためにこの実施形態を実施してもよい。
また、ワークは、直線的に延びる形状を有してもよいし、非直線的に、例えば、曲線的に延びる形状を有してもよい。
また、ワークは、医療業以外の産業に使用されるもの、例えば、工業製品や部品に使用されるワークであってもよい。
また、以上説明したいくつかの実施形態においては、ワーク14が中空であり、そのワーク14の少なくとも内面16が吸引式でコーティングされるが、この吸引式コーティング法は、ワーク14が中実であっても適用可能であり、また、ワーク14が中空であるか中実であるかを問わず、ワーク14の外面17のみに適用されてもよい。
また、以上説明したいくつかの実施形態においては、吸引式コーティング法に加えてまたはそれに代えて静電式コーティング法を実施してもよい。
その静電式コーティング法によれば、例えば、微粒子が負に帯電し、ワーク14が正に帯電する電界のもと、異なる極性の電荷同士、すなわち、微粒子とワーク14とが静電気的に互いに吸着する。この静電式コーティング法は、前述の吸引と比較すると、前述の吸引は、圧力差を利用した吸引であるのに対し、この静電吸着は、極性の違いを利用した吸引であるから、吸引(吹き付けるとか、押し付けるとか、押し込むとかとは違う)いう点で共通する。
また、以上説明したいくつかの実施形態においては、吸引装置70が、ミストのうち、ワーク14の空洞12内に存在する内部容積部を第2開口端19から吸引するために専ら使用される。
すなわち、ワーク14の内外両面16,17を一挙にコーティングするということを目的としつつも、ワーク14が収容される容器30の内部空間が全体的に吸引されるのではなく、ワーク14の空洞12内の空間のみが吸引され、その結果、容器30内において、圧力が、ワーク14の空洞12内の圧力がそのワーク14の外側空間より低圧となるように分布する。
しかし、これに代えて、前記内部容積部を第2開口端19から吸引すると同時に、前記ミストのうち、ワーク14の外面17の外側に存在する外部容積部を第2開口端19の近傍位置から吸引するために使用されるように、吸引装置70を設計変更してもよい。
なお、図6に示す吸引装置110は、前記内部容積部を第2開口端19から吸引すると同時に、前記外部容積部を第2開口端19の近傍位置から吸引するために使用される。
また、以上説明したいくつかの実施形態においては、ワーク14が容器30内に、第1開口端18も第2開口端19も、容器30の内壁面から内側に離れる姿勢で収容されるが、これに対し、ワーク14が容器30内に、第1開口端18のみ、第2開口端19のみ、または、それらのいずれも、容器30の壁部を貫通する姿勢で収容される態様で本発明を実施してもよい。
以上、本発明の例示的な実施の形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、前記[発明の概要]の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。

Claims (4)

  1. 両端において開口する空洞を有するワークの内外両面のうちの少なくとも内面を複数の微粒子でコーティングする方法であって、
    前記ワークを、そのワークの第1開口端および第2開口端のうち少なくとも第1開口端が容器内に位置するように保持する保持工程と、
    噴霧器により、揮発性溶媒内に前記複数の微粒子が分散状態で混入して成る溶液を圧縮気体と共に噴霧してミストを生成するミスト化工程と、
    その生成されたミストを前記ワークの第1開口端に適用する適用工程と、
    吸引装置により、前記ミストのうち前記ワークの空洞内に導入された部分を前記ワークの第2開口端から吸引する吸引工程と、
    前記複数の微粒子が前記ワークの内面に付着することを促進する内面付着促進工程と
    を含み、
    その内面付着促進工程は、
    乱流発生器により、前記ミスト化工程によって生成されたミストを乱流化し、その乱流化したミストを前記第1開口端から前記空洞内に導入する乱流化工程と、
    往復流発生器により、前記第1開口端から前記空洞内に導入されたミストを往復流化する往復流化工程と
    のうちの少なくとも一方を実施する吸引式微粒子コーティング方法。
  2. さらに、
    前記容器内の前記ミストの圧力が予め設定されたリリーフ圧を超えようとするとリリーフ弁が開いて前記ミストのうちの一部が前記容器から流出することを許容する圧力調整工程と、
    前記ワークの内外両面を一挙にコーティングするために、前記リリーフ弁を前記容器に、前記第1開口端より前記第2開口端に近い位置に設置することにより、前記容器内において、前記ミストに、前記ワークの外面に沿って前記第1開口端から前記第2開口端に向かう流れを生起し、それにより、前記複数の微粒子が前記ワークの外面に付着することを促進する外面付着促進工程と
    を含む請求項1に記載の吸引式微粒子コーティング方法。
  3. 両端において開口する空洞を有する管状のワークの内外両面のうちの少なくとも内面を複数の微粒子でコーティングする装置であって、
    容器と、
    前記ワークを、そのワークの第1開口端および第2開口端のうち少なくとも第1開口端が前記容器内に位置するように保持するホルダと、
    揮発性溶媒内に前記複数の微粒子が分散状態で混入して成る溶液を圧縮気体と共に噴霧してミストを前記容器内に噴射する噴霧器と、
    前記ワークの第2開口端に適用され、前記ミストのうち前記ワークの空洞内に導入された部分を前記第2開口端から吸引する吸引装置と、
    前記複数の微粒子が前記ワークの内面に付着することを促進する内面付着促進装置と
    を含み、
    その内面付着促進装置は、
    前記噴霧器によって生成されたミストを乱流化し、その乱流化したミストを前記第1開口端から前記空洞内に導入する乱流発生器と、
    前記第1開口端から前記空洞内に導入されたミストを往復流化する往復流発生器と
    のうちの少なくとも一方を有する吸引式微粒子コーティング装置。
  4. さらに、
    前記容器内の前記ミストの圧力が予め設定されたリリーフ圧を超えようとすると開いて前記ミストのうちの一部が前記容器から流出することを許容するリリーフ弁を含み、
    そのリリーフ弁は、前記容器に、前記第1開口端より前記第2開口端に近い位置に設置され、それにより、前記容器内において、前記ミストに、前記ワークの外面に沿って前記第1開口端から前記第2開口端に向かう流れが生起され、それにより、前記複数の微粒子が前記ワークの外面に付着することが促進される請求項3に記載の吸引式微粒子コーティング装置。
JP2019090290A 2018-09-07 2019-05-12 吸引式微粒子コーティングを行う方法および装置 Active JP6764165B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018167458A JP6621508B1 (ja) 2018-09-07 2018-09-07 吸引式微粒子コーティングを行う方法および装置
JP2018167458 2018-09-07

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020040059A JP2020040059A (ja) 2020-03-19
JP6764165B2 true JP6764165B2 (ja) 2020-09-30

Family

ID=68917266

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018167458A Active JP6621508B1 (ja) 2018-09-07 2018-09-07 吸引式微粒子コーティングを行う方法および装置
JP2019090290A Active JP6764165B2 (ja) 2018-09-07 2019-05-12 吸引式微粒子コーティングを行う方法および装置

Family Applications Before (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018167458A Active JP6621508B1 (ja) 2018-09-07 2018-09-07 吸引式微粒子コーティングを行う方法および装置

Country Status (1)

Country Link
JP (2) JP6621508B1 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP6621508B1 (ja) 2019-12-18
JP2020040059A (ja) 2020-03-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7892593B2 (en) Process for coating a substrate
US7247338B2 (en) Coating medical devices
US8052989B2 (en) Method of incorporating carbon nanotubes in a medical appliance, a carbon nanotube medical appliance, and a medical appliance coated using carbon nanotube technology
DE60315259T2 (de) Mechanische und akustische wirbelbeschichtung von medizinischen implantaten
US6979473B2 (en) Method for fine bore orifice spray coating of medical devices and pre-filming atomization
US7060319B2 (en) method for using an ultrasonic nozzle to coat a medical appliance
US20060052744A1 (en) Method of coating a medical device using an electrowetting process, system for using the method, and device made by the method
US20060029720A1 (en) Methods and apparatus for injection coating a medical device
US20070254091A1 (en) System and method for electrostatic-assisted spray coating of a medical device
KR20080040728A (ko) 액체들을 혼합하여 스텐트를 코팅하기 위한 초음파 장치 및방법
US20060198942A1 (en) System and method for coating a medical appliance utilizing a vibrating mesh nebulizer
EP1919630A2 (en) Apparatus and method for field-injection electrostatic spray coating of medical devices
US8097291B2 (en) Methods for coating workpieces
US7261915B2 (en) Electrohydrodynamic coating fluid delivery apparatus and method
JP6764165B2 (ja) 吸引式微粒子コーティングを行う方法および装置
US20060198941A1 (en) Method of coating a medical appliance utilizing a vibrating mesh nebulizer, a system for coating a medical appliance, and a medical appliance produced by the method

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190512

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200609

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200702

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200811

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200905

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6764165

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531