[実施形態]
以下、本開示の実施の形態を図面を参照して説明する。
<飛行体>
本実施形態における飛行体は、ドローン(Drone)、マルチコプター(Multi Copter)、無人航空機(Unmanned Aerial Vehicle:UAV)、RPAS(Remote Piloted Aircraft Systems)、又はUAS(Unmanned Aircraft Systems)等と称呼されることがある。飛行体は、バッテリ、複数のモータ、位置検出部、制御部、ドライバ、記憶装置、無線通信装置、電圧センサ、及び電流センサ等を備えている。これらの構成要素は、所定形状のフレームに搭載されている。飛行体に搭載される情報処理装置のハードウェア構成については後述する。なお、これらの飛行のための基本構造については、既知の技術を適宜採用可能である。
図1は、一実施形態に係る飛行体のハードウェア構成を示すブロック図である。
図1に示されるように、飛行体1は、情報処理装置1Aを搭載している。情報処理装置1Aは、サーバと通信を介して情報処理を実行することにより、情報伝達システムの一部を構成する。情報処理装置1Aは、少なくとも、プロセッサ10、メモリ11、ストレージ12、送受信部13、入出力部14、測位部16、検知部17等を備え、これらはバス15を通じて相互に電気的に接続される。情報処理装置1Aは、例えばマイクロコンピューター、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)で構成されていてもよく、或いはクラウド・コンピューティングによって論理的に実現されてもよい。
プロセッサ10は、情報処理装置100の動作を制御し、各要素間におけるデータの送受信の制御、及びアプリケーションの実行に必要な処理等を行う演算装置である。例えばプロセッサ10はCPU及び/又はGPU(Graphical Processing Unit)等であり、ストレージ12に格納されメモリ11に展開されたプログラム等を実行することによって、必要な各情報処理を実施する。
メモリ11は、RAMなどの揮発性記憶装置で構成される主記憶と、フラッシュメモリやHDD等の不揮発性記憶装置で構成される補助記憶と、を含む。メモリ11はプロセッサ10のワークエリア等として使用され、また、情報処理装置1Aの起動時に実行されるBIOS、及び各種設定情報等が格納される。ストレージ12には、アプリケーション・プログラム等が格納される。
送受信部13は、情報処理装置1Aを一例としてLPEA(Low Power Wide Area)ネットワークに接続し、そのネットワークを介して管理サーバ2と通信を行う。なお、送受信部13は、Bluetooth(登録商標)及びBLE(Bluetooth Low Energy)の近距離通信インタフェースを備えていてもよい。
入出力部14は、スイッチ類等の情報入力機器、及びディスプレイ等の出力機器である。飛行体1は自律飛行を行うものであるが、外部から遠隔で手動又は自動で操作されることとしてもよい。本実施の形態による飛行体1は、入力機能としてカメラを備えており、静止画・動画の空撮が可能である。また、収集すべき情報に応じて、赤外線サーモカメラ、X線カメラ、高感度カメラ、暗視カメラ等種々のカメラを備えることとしてもよい。
バス15は、上記各要素に共通に接続され、例えば、アドレス信号、データ信号及び各種制御信号を伝達する。
測位部16は、飛行体1の位置と高度を少なくとも検出する。本実施の形態による測位部26は、例えばGPS(Global Positioning System)検出器であって、無人飛行体1の現在位置の緯度、経度、及び高度を検出する。さらに測位部16は、飛行体1の姿勢を検出する姿勢検出器として、例えばジャイロセンサを備えている。
検知部17は、飛行体1の外部環境を音声、画像、赤外線等種々のセンサによってセンシングするためのものであり、自立飛行の補助機能を司る。
本実施の形態による飛行体1は、情報処理装置1Aの他に、飛行体1の移動・飛行のための、電源(バッテリ)、回転翼に接続されたモータ、情報処理装置1Aとモータとを中継するドライバを少なくとも更に有している。情報処理装置1Aは、複数のモータを制御して監視ドローンの飛行制御(上昇、下降、水平移動などの制御)や、飛行体1に搭載されているジャイロセンサ(図示せず)を使用して複数のモータを制御することによって姿勢制御をも行う。ドライバは、情報処理装置1Aからの制御信号に従ってモータを駆動する。例えば、モータは直流モータであり、ドライバは制御信号により指定された電圧をモータに印加する可変電圧電源回路である。なお、飛行体1は図示しない他の要素を有していてもよい。
<管理サーバ>
図2は、一実施形態に係る管理サーバの機能ブロック図である。
図2に示されるように、管理サーバ2は、情報伝達システムを通じてサービスを提供するための情報処理装置であり、例えばワークステーションやパーソナルコンピュータのような汎用コンピュータとしてもよいし、或いはクラウド・コンピューティングによって論理的に実現されてもよい。図2に示されるように、管理サーバ2は、プロセッサ20、メモリ21、ストレージ22、送受信部23、及び入出力部24等を備え、これらはバス25を通じて相互に電気的に接続される。
プロセッサ20は、管理サーバ2全体の動作を制御し、各要素間におけるデータの送受信の制御、及びアプリケーションの実行に必要な情報処理等を行う演算装置である。例えばプロセッサ20はCPU(Central Processing Unit)であり、ストレージ22に格納されメモリ21に展開されたプログラム等を実行して各情報処理を実施する。
メモリ21は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性記憶装置で構成される主記憶と、フラッシュメモリやHDD(Hard Disc Drive)等の不揮発性記憶装置で構成される補助記憶と、を含む。メモリ21は、プロセッサ20のワークエリア等として使用され、また、管理サーバ2の起動時に実行されるBIOS(Basic Input / Output System)、及び各種設定情報等を格納する。ストレージ22は、アプリケーション・プログラム、及び各飛行体1の認証プログラム等の各種プログラムを格納する。各処理に用いられるデータを格納したデータベース(後述するロケーションデータ、ルートデータ等)がストレージ22に構築されていてもよい。
送受信部23は、管理サーバ2を一例としてLPEA(Low Power Wide Area)ネットワークに接続し、そのネットワークを介して飛行体1の情報処理装置1Aと通信を行う。なお、送受信部23は、Bluetooth(登録商標)及びBLE(Bluetooth Low Energy)の近距離通信インタフェースを備えていてもよい。
入出力部24は、スイッチ類、キーボードやマウス等の情報入力機器、及びディスプレイ等の出力機器である。入出力部24の情報入力機器を用いて、自律飛行する飛行体1の飛行経路や飛行中の動作(カメラによる撮影等)を指示することができる。あるいは、リモートコントローラの形態の情報入力機器を用いることで、オペレータが飛行体1を手動で遠隔操作することも可能である。
次に、本開示の種々の実施形態について説明する。
[第1の実施形態]
図3は、本開示の第1の実施形態に係る飛行体の給電装置を示す概略図である。
図3に示すように、本開示の第1の実施形態に係る飛行体の給電装置30は、コネクタ31aが上向きになるようにコネクタ31aを上端面に備えたコンタクトボード31と、コンタクトボード31に接続された給電ケーブル32とを備えている。コンタクトボード31は、コネクタ変換基板の形態を有し、かつ電圧検出回路を備えていてもよい。給電ケーブル32は充電器などの電源(不図示)に接続されており、電源(不図示)から供給される電力は、コンタクトボード31を介してコネクタ31aへ供給される。
一方、本実施形態における飛行体1には、可撓性を有し、飛行体1の下側から垂れ下がるように延びる給電ケーブル35と、給電ケーブル35に接続されたコネクタ変換基板36とが備えられている。コネクタ変換基板36の下端面には、コンタクトボード31のコネクタ31aに接続されるコネクタ36aが設けられている。給電ケーブル35は飛行体1のバッテリに接続されており、コンタクトボード31のコネクタ31aに接続されたコネクタ36aから供給される電力は、コネクタ変換基板36及び給電ケーブル35を介して飛行体1のバッテリに供給される。
給電ケーブル32,35には、一例としてUSBケーブルを用いることができ、その他任意の形態のケーブルを用いることも可能である。
コネクタ31a,36aはそれぞれ、一例として、円形の電極と、その円形電極の中心に設けられた中心電極とを少なくとも備え、それらの円形電極同士と、中心電極同士とが電気的に接続されるように構成されている。円形電極と中心電極とは、一方が正極とされ、他方が負極(あるいはアース電極)とされる。さらに各コネクタ31a,36aは、それらの電極同士が互いに接続される位置に互いを引き寄せ合うように構成されたマグネット(不図示)を備えている。これにより、コネクタ31a,36a同士が近づくと、互いのマグネットが引き寄せ合ってコネクタ31a,36aが互いに結合し、コネクタ31a,36aの円形電極同士及び中心電極同士が電気的に接続される。
給電装置30は、飛行体1の着陸エリアに設置された着陸ステージ37に形成された開口部37aの下方に配置されている。着陸エリアに飛来した飛行体1は、着陸ステージ37の給電エリアに形成された開口部37aを跨ぐようにして着陸ステージ37上に着陸する。このとき、飛行体1のコネクタ変換基板36は、着陸ステージ37に形成された開口部37aを通って、給電装置30の近くに位置することとなる。コネクタ変換基板36は可撓性を有する給電ケーブル35に吊り下げられた状態になっているため、コネクタ31a,36aの互いのマグネットの作用によりコネクタ変換基板36のコネクタ36aがコンタクトボード31のコネクタ31aに引き寄せられて、図3に示すようにコネクタ31a,36a同士が結合し、コネクタ31a,36aの円形電極同士及び中心電極同士が電気的に接続される。これにより、給電装置30の電源から供給される電力によって、飛行体1のバッテリの充電が行われる。
本実施形態の給電装置30によれば、飛行体1が着陸ステージ37上の給電エリアの定められた位置に正確に着陸しなかった場合であっても、コネクタ31a,36aの互いの距離がマグネットの磁力によってコネクタ31a,36a同士を吸着させて結合させることが可能な範囲内となるように飛行体1が着陸ステージ37上に着陸した場合には、コネクタ31a,36a同士を結合させて飛行体1のバッテリへの充電を行うことが可能である。本実施形態の給電装置30は有線で直接給電する構成を採用しているので、非接触給電に比べて高いエネルギー効率で充電を行うことができる。非接触給電の場合には飛行体1が充電エリアの正確な位置に着陸しないと給電効率が低下し、その分だけ充電時間が長くなることがあるが、本実施形態の給電装置30によれば、所定の位置からいくらかずれた位置に飛行体1が着陸した場合であっても、コネクタ31a,36a同士を結合させて飛行体1のバッテリへの充電を行うことができるので、給電効率が低下することはない。
本実施形態ではコネクタ31a,36aがそれぞれ円形電極及び中心電極を備えた構成となっている。コネクタ31a,36aの電極を円形電極及び中心電極の形態とすることで、コネクタ31a,36aの互いの回転角度にかかわらずコネクタ31a,36a同士を結合できる。そのため、飛行体1が所定の姿勢から回転した状態で着陸ステージ37上に着陸した場合であっても、コネクタ31a,36aの各電極同士を接続させることができる。
さらに、本実施形態の給電装置30によれば飛行体1が備えるのは給電ケーブル35及びコネクタ変換基板36であればよく、これらは非接触給電のために必要とされる装置に比べて軽量であるので、推力の小さい小型の飛行体1にも採用することができ、また、いずれの形態の飛行体1においても搭載可能なペイロードに与える影響を低減することができる。
(変形例)
次に、本実施形態の飛行体の給電装置の変形例を説明する。
図4は、図3に示した本開示の第1の実施形態に係る飛行体の給電装置の一変形例を示す概略図である。図4において、図3を参照して説明した各構成要素と同じ構成要素には同じ符号を付している。図4は、地面、床、ステージ台等の上に着陸した飛行体1を上から見た様子を示している。
図4に示す本変形例に係る飛行体の給電装置30は、コネクタ31aを一方の端面に備えたコンタクトボード31と、コンタクトボード31に接続された給電ケーブル32とを備えている。給電ケーブル32は可撓性を有することが好ましい。給電ケーブル32は充電器などの電源(不図示)に接続されており、電源(不図示)から供給される電力は、コンタクトボード31を介してコネクタ31aへ供給される。コンタクトボード31は、コネクタ変換基板の形態を有し、かつ電圧検出回路を備えている。
一方、本変形例における飛行体1には、飛行体1の側方に延びる給電ケーブル35と、給電ケーブル35の一方の端部に接続されたコネクタ36aとが備えられている。コネクタ36aはコンタクトボード31のコネクタ31aに接続される。給電ケーブル35の他方の端部はコネクタ変換基板34を介して飛行体1のバッテリbatに接続されており、コンタクトボード31のコネクタ31aに接続されたコネクタ36aから供給される電力は、コネクタ36a、給電ケーブル35及びコネクタ変換基板34を介して飛行体1のバッテリbatに供給される。給電ケーブル35は飛行体1に取り付けられたケーブルガイド38に沿って支持され、コネクタ36aはケーブルガイド38の先端に固定されている。これにより、給電ケーブル35が飛行体1の側方に延び、給電ケーブル35の先端に設けられたコネクタ36aを給電装置30のコネクタ31aにアクセスしやすくなっている。
本変形例においても、コネクタ31a,36aはそれぞれ、一例として、円形の電極と、その円形電極の中心に設けられた中心電極とを少なくとも備え、それらの円形電極同士と、中心電極同士とが電気的に接続されるように構成されている。円形電極と中心電極とは、一方が正極とされ、他方が負極(あるいはアース電極)とされる。さらに各コネクタ31a,36aは、それらの電極同士が互いに接続される位置に互いを引き寄せ合うように構成されたマグネット(不図示)を備えている。これにより、コネクタ31a,36a同士が近づくと、互いのマグネットが引き寄せ合ってコネクタ31a,36aが互いに結合し、コネクタ31a,36aの円形電極同士及び中心電極同士が電気的に接続される。
本変形例の給電装置30は、飛行体1の側方に延びる給電ケーブル35の一方の端部に接続されたコネクタ36aへコネクタ36aを結合することが可能な位置に配置または移動可能に構成されている。地面、床、ステージ台等の上に着陸した飛行体1の給電ケーブル35の先端に備えられたコネクタ36aに給電装置30のコンタクトボード31のコネクタ31aを接続することで、飛行体1のバッテリbatへの充電を行うことができる。そのため、飛行体1からバッテリbatを取り外してバッテリbatを充電器に接続する場合に比べて、充電を容易にかつ素早く行うことが可能である。
さらに、本変形例でもコネクタ31a,36aがそれぞれ円形電極及び中心電極を備え、かつマグネットを有する構成となっているので、コネクタ31a,36aの互いの回転角度にかかわらずコネクタ31a,36a同士が磁力で互いに引き寄せ合って結合する。そのため、コネクタ31a,36a同士を正確に位置合わせしなくても、コネクタ31a,36a同士を電気的に接続する位置に位置決めした状態で結合させることができるので、コネクタ31a,36aを誤接続することが防止される。
さらに、本変形例ではコンタクトボード31に電圧検出回路が備えられており、コネクタ31a,36a同士が接続されると、電圧検出回路によってバッテリbatの電圧が検出される。検出されたバッテリbatの電圧が基準電圧よりも低い場合には、電圧検出回路はコンタクトボード31に接続された電源からバッテリbatへの通電をオンにする。そして、充電されたバッテリbatの電圧が所定電圧に達したことが電圧検出回路によって検出されると、電圧検出回路は電源からバッテリbatへの通電をオフにする。このように、コンタクトボード31に備えられた電圧検出回路は、検出したバッテリbatの電圧に応じてバッテリbatへの給電のオン/オフを切り替える。
《付記項》
上記において説明した本実施形態の主題は、例えば下記に記載する一群の付記項によって表される。ただし、本実施形態の主題はこれに限定されるものではない。
1)バッテリからの給電によって動作する飛行体への給電を行う給電装置であって、
前記飛行体の前記バッテリには、一方の端部に第1のコネクタが接続された第1の給電ケーブルが接続されており、
前記給電装置は、電源に接続される第2の給電ケーブルと、該第2の給電ケーブルの一方の端部に接続された第2のコネクタとを有し、
該第2のコネクタは、前記第1のコネクタに磁力によって結合し、かつ前記第1のコネクタに結合すると、前記第2のコネクタの電極が前記第1のコネクタの電極に電気的に接続されるように構成されている、給電装置。
2)前記第1の給電ケーブルは前記飛行体の下側に延びており、
前記給電装置は、前記飛行体が着陸する着陸ステージの給電エリアに形成された開口部の下方に、前記第2のコネクタが上向きになるように配置されている、付記項1に記載の給電装置。
3)前記第1の給電ケーブルは前記飛行体の側方に延びており、
前記給電装置は、前記飛行体の前記第1の給電ケーブルの前記一方の端部に接続された前記第1のコネクタへ前記第2のコネクタを結合することが可能な位置に配置または移動可能に構成されている、付記項1に記載の給電装置。
4)前記第2の給電ケーブルと前記第2のコネクタとはコネクタ変換基板を介して接続されている、付記項1から3のいずれか1項に記載の給電装置。
[第2の実施形態]
図5は、本開示の第2の実施形態に係る飛行体の給電装置を示す概略図である。
図5に示すように、本開示の第2の実施形態に係る飛行体の給電装置40は、コネクタ41aを上端面に備えたコンタクトボード41と、コンタクトボード41に接続された給電ケーブル42と、ガイド部材48とを備えている。コンタクトボード41は、コネクタ変換基板の形態を有し、かつ電圧検出回路を備えていてもよい。給電ケーブル42は充電器などの電源(不図示)に接続されており、電源(不図示)から供給される電力は、コンタクトボード41を介してコネクタ41aへ供給される。
一方、本実施形態における飛行体1には、可撓性を有し、飛行体1の下側から垂れ下がるように延びている給電ケーブル45と、給電ケーブル45に接続されたコネクタ変換基板46とが備えられている。コネクタ変換基板46の下端面には、コンタクトボード41のコネクタ41aに接続されるコネクタ46aが設けられている。給電ケーブル45は飛行体1のバッテリに接続されており、コンタクトボード41のコネクタ41aに接続されたコネクタ46aから供給される電力は、コネクタ変換基板46及び給電ケーブル45を介して飛行体1のバッテリに供給される。
給電ケーブル42,45には、一例としてUSBケーブルを用いることができ、その他任意の形態のケーブルを用いることも可能である。
コネクタ41a,46aはそれぞれ、一例として、円形の電極と、その円形電極の中心に設けられた中心電極とを少なくとも備え、それらの円形電極同士と、中心電極同士とが電気的に接続されるように構成されている。円形電極と中心電極とは、一方が正極とされ、他方が負極(あるいはアース電極)とされる。
給電装置40のガイド部材48は、飛行体1の着陸エリアに設置された着陸ステージ47に形成された開口部47aの下方に配置されている。ガイド部材48は、上部に形成された開口部から下部に形成された開口部に向かうにつれて径が細くなる円錐形の内面を有する、漏斗状の形状に形成されている。ガイド部材48の上部に形成された開口部は、着陸ステージ47に形成された開口部47aの直径と同じかそれ以上の寸法の直径を有している。ガイド部材48の下部に形成された開口部は、コンタクトボード41の電気接点であるコネクタ41aの上に配置されている。ガイド部材48は不図示の任意のフレーム構造等の支持部材によって、コンタクトボード41に対する相対位置が保持されるように支持されている。
着陸エリアに飛来した飛行体1は、着陸ステージ47に形成された開口部47aを跨ぐようにして着陸ステージ47上に着陸する。このとき、飛行体1のコネクタ変換基板46の下部に設けられたコネクタ46aは、着陸ステージ47に形成された開口部47aを通って、給電装置40のガイド部材48の内面に接触する。コネクタ変換基板46は可撓性を有する給電ケーブル45に吊り下げられた状態になっているため、コネクタ変換基板46のコネクタ46aは図5の点線で示すように、ガイド部材48の内面に沿って滑り落ちるようにして、ガイド部材48の下部に位置するコンタクトボード41のコネクタ41aの上に導かれる。これにより、コネクタ41a,46a同士が結合し、コネクタ41a,46aの円形電極同士及び中心電極同士が電気的に接続され、給電装置40の電源から供給される電力によって飛行体1のバッテリの充電が行われる。
このように、本実施形態の給電装置40によれば、飛行体1が着陸ステージ47上の定められた位置に正確に着陸しなかった場合であっても、飛行体1の給電ケーブル45に吊り下げられたコネクタ変換基板46を給電装置40のガイド部材48内に収容することが可能な範囲内で飛行体1が着陸ステージ47上に着陸した場合には、飛行体1側のコネクタ変換基板46のコネクタ46aを給電装置40のコンタクトボード41の電気接点であるコネクタ41aに導いて、コネクタ41a,46a同士を結合させて飛行体1のバッテリへの充電を行うことが可能である。本実施形態の給電装置40は有線で直接給電する構成を採用しているので、非接触給電に比べて高いエネルギー効率で充電を行うことができる。非接触給電の場合には飛行体1が充電エリアの正確な位置に着陸しないと給電効率が低下し、その分だけ充電時間が長くなることがあるが、本実施形態の給電装置40によれば、所定の位置からいくらかずれた位置に飛行体1が着陸した場合であっても、コネクタ41a,46a同士を結合させて飛行体1のバッテリへの充電を行うことができるので、給電効率が低下することはない。
本実施形態ではコネクタ41a,46aがそれぞれ円形電極及び中心電極を備えた構成となっている。コネクタ41a,46aの電極を円形電極及び中心電極の形態とすることで、コネクタ41a,46aの互いの回転角度にかかわらずコネクタ41a,46a同士を結合できる。そのため、飛行体1が所定の姿勢から回転した状態で着陸ステージ47上に着陸した場合であっても、コネクタ41a,46aの各電極同士を接続させることができる。
さらに、本実施形態の給電装置40によれば飛行体1が備えるのは給電ケーブル45及びコネクタ変換基板46であればよく、これらは非接触給電のために必要とされる装置に比べて軽量であるので、推力の小さい小型の飛行体1にも採用することができ、また、いずれの形態の飛行体1においても搭載可能なペイロードに与える影響を低減することができる。
本実施形態における各コネクタ41a,46aは、それらの電極同士が互いに接続される位置に互いを引き寄せ合うように構成されたマグネット(不図示)を備えていてもよい。これにより、コネクタ41a,46a同士が近づくと、互いのマグネットが引き寄せ合ってコネクタ41a,46aが互いに結合し、コネクタ41a,46aの円形電極同士及び中心電極同士が電気的に接続される。そのため、上述したようにコネクタ変換基板46のコネクタ46aがガイド部材48の内面に沿って滑り落ちるようにしてコンタクトボード41のコネクタ41aの上に導かれた際に、コネクタ41a,46a同士をより高い精度で結合させることが可能になる。別の視点から言えば、この構成によれば、飛行体1が着陸ステージ47上に着陸した際に、コネクタ41a,46aの互いの距離がマグネットの磁力でコネクタ41a,46a同士を吸着させて結合させることが可能な範囲内に無い場合であっても、ガイド部材48でコネクタ41a,46a同士を近づけ、互いに吸着させて結合させることが可能になる。なお、各コネクタ41a,46aにマグネットを備えた構成とする場合には、コネクタ46aがガイド部材48に吸着することを防止するために、ガイド部材48はプラスチック樹脂やアルミニウム等の非磁性体の素材で作製することが好ましい。
本実施形態では円錐形の内面を有するガイド部材48を例に挙げて説明したが、ガイド部材48の形態はこれに限られない。ガイド部材48の内面は、上部の開口部から下部の開口部に向けて次第に窄まるように形成されていればよく、円錐形の他にも、例えば、三角錐、四角錘、さらにはそれ以上の多角形の角錐の形状、あるいは楕円形の錐形状を有していてもよい。
(変形例)
次に、本実施形態の飛行体の給電装置の変形例について説明する。
(第1の変形例)
図6は、図5に示した本開示の第2の実施形態に係る飛行体の給電装置の第1の変形例を示す概略図である。図6において、図5を参照して説明した各構成要素と同じ構成要素には同じ符号を付している。
図6に示すように、本変形例に係る飛行体の給電装置40は、コネクタ41aを上端面に備えたコンタクトボード41と、コンタクトボード41を支持するステイ43、ガイド部材48とを備えている。コンタクトボード41には、充電器などの電源(不図示)に接続された給電ケーブル(不図示)が接続されており、電源(不図示)から供給される電力は、コンタクトボード41を介してコネクタ41aへ供給される。
ステイ43は、リフタ49によって昇降されるステージ49aの上に取り付けられている。ステージ49aは任意の駆動手段(不図示)によって、図6に実線で示す上側の第1の位置と、点線で示す下側の第2の位置との間で上下方向に移動される。
一方、本実施形態における飛行体1には、可撓性を有し、飛行体1の下側から垂れ下がるように延びる給電ケーブル45と、給電ケーブル45に接続されたコネクタ変換基板46とが備えられている。コネクタ変換基板46の下端面には、コンタクトボード41のコネクタ41aに接続されるコネクタ46aが設けられている。給電ケーブル45は飛行体1のバッテリに接続されており、コンタクトボード41のコネクタ41aに接続されたコネクタ46aから供給される電力は、コネクタ変換基板46及び給電ケーブル45を介して飛行体1のバッテリに供給される。
コネクタ41a,46aはそれぞれ、一例として、円形の電極と、その円形電極の中心に設けられた中心電極とを少なくとも備え、それらの円形電極同士と、中心電極同士とが電気的に接続されるように構成されている。円形電極と中心電極とは、一方が正極とされ、他方が負極(あるいはアース電極)とされる。さらに各コネクタ41a,46aは、それらの電極同士が互いに接続される位置に互いを引き寄せ合うように構成されたマグネット(不図示)を備えていてもよい。これにより、コネクタ41a,46a同士が近づくと、互いのマグネットが引き寄せ合ってコネクタ41a,46aが互いに結合し、コネクタ41a,46aの円形電極同士及び中心電極同士が電気的に接続される。
着陸ステージ47に形成された開口部47aの下側には、開口部47aを下側から覆うスライドドア47bが設けられている。スライドドア47bは、図6に実線で示す開位置と点線で示す閉位置との間で任意の駆動手段(不図示)によって移動される。スライドドア47bは透明な素材(ガラス、アクリル、ポリカーボネート等)で形成されており、スライドドア47bの下面には、ARマーカ(不図示)が上から見えるように貼付あるいは印刷されている。ARマーカは、一般的にAR(Augmented Reality:拡張現実)による表示の位置や角度を決めるために用いられるが、その他にも、ARマーカが付されたオブジェクトに対する位置及び姿勢を認識することにも用いることができる。
給電装置40のガイド部材48は、飛行体1の着陸エリアに設置された着陸ステージ47に形成された開口部47aの下方に配置されている。ガイド部材48は、上部に形成された開口部から下部に形成された開口部に向かうにつれて径が細くなる円錐形の内面を有する、漏斗状の形状に形成されている。ガイド部材48の上部に形成された開口部は、着陸ステージ47に形成された開口部47aの直径と同じかそれ以上の寸法の直径を有している。ガイド部材48の下部に形成された開口部は、コンタクトボード41の電気接点であるコネクタ41aの上に配置されている。ガイド部材48は不図示の任意のフレーム構造等の支持部材によって、コンタクトボード41に対する相対位置が保持されるように支持されている。マグネットを備えたコネクタ46aがガイド部材48に吸着することを防止するために、ガイド部材48はプラスチック樹脂やアルミニウム等の非磁性体の素材で作製することが好ましい。
上述した給電装置40及びリフタ49は着陸ステージ47の下側を覆う筐体44内に収容されている。この筐体44により、給電装置40及びリフタ49に対する防塵、防滴がなされている。
例えば、着陸ステージ47に飛行体1の着陸と離陸を検知するセンサ(不図示)を設け、着陸ステージ47に飛行体1が着陸したらスライドドア47bを開位置へ移動させ、着陸ステージ47から飛行体1が離陸したらスライドドア47bを閉位置へ移動させるように、スライドドア47bの駆動手段(不図示)を駆動させることが好ましい。さらに、同センサ(不図示)からの出力に応じて、着陸ステージ47に飛行体1が着陸したらリフタ49のステージ49aを上側位置へ移動させ、着陸ステージ47から飛行体1が離陸したらステージ49aを上側位置へ移動させるように、リフタ49の駆動手段(不図示)を駆動させることが好ましい。給電装置40には、これらのスライドドア47b及びリフタ49の動作を司る制御部(不図示)が設けられている。
本変形例における飛行体1は、飛行体1の下方方向を撮像可能なカメラ14(入出力部14の一例)を備えている。飛行体1のカメラ14でスライドドア47bに表示されているARマーカ(不図示)を撮像し、撮像されたARマーカの画像を飛行体1のプロセッサ10がメモリ11あるいはストレージ12に記憶されたARマーカの基準画像と対比して解析することで、スライドドア47b(すなわち着陸ステージ47上の着陸位置)に対する飛行体1の位置及び姿勢を認識することができる。したがって、そのARマーカを撮像可能な領域まで飛行してきた飛行体1は、カメラ14で撮像するARマーカに基づいて着陸ステージ47上の着陸位置に対する自身の位置及び姿勢を順次取得し、その着陸位置へ向けて飛行制御を行い、着陸する。
着陸ステージ47が設置された着陸エリアに飛来した飛行体1は、カメラ14でスライドドア47bのARマーカを撮像し、撮像したARマーカの画像に基づいてスライドドア47b(すなわち着陸ステージ47上の着陸位置)へ向けて飛行制御を行い、着陸ステージ47上に着陸する。ARマーカを用いて、着陸ステージ47上の所定の着陸位置に対する飛行体1の位置及び姿勢を順次取得して飛行体1の飛行制御を行うことにより、飛行体1に備えられたGPSセンサやジャイロセンサのみを用いて自律飛行させる場合に比べて、より正確に所定の着陸位置に所定の姿勢で飛行体1を着陸させることが可能になるが、それでも風等の影響により飛行体1を所定の着陸位置に所定の姿勢に必ず正確に着陸させることは困難である。
着陸ステージ47に飛行体1が着陸したことが着陸ステージ47に設けられたセンサ(不図示)で検知されると、スライドドア47bが開位置へ移動される。すると、飛行体1の給電ケーブル45に吊り下げられたコネクタ変換基板46が着陸ステージ47の開口部47aを通って下に落下する。飛行体1が着陸ステージ47の所定の着陸位置からずれて着陸していた場合には、コネクタ変換基板46は給電装置40のコンタクトボード41の真上の位置からずれた位置に位置することとなる。
センサ(不図示)による飛行体1の着陸検知に応答して、スライドドア47bの開位置への移動に続いて、あるいは、スライドドア47bが開位置へ移動するのと同時に、リフタ49のステージ49aが図6の実線に示す上側位置へ移動する。ステージ49aが図6の実線に示す上側位置へ移動するとき、飛行体1のコネクタ変換基板46の下部に設けられたコネクタ46aがガイド部材48の内面に接触する。コネクタ変換基板46は可撓性を有する給電ケーブル45に吊り下げられた状態になっているため、コネクタ変換基板46のコネクタ46aは図5の点線で示すように、ガイド部材48の内面に沿って滑るようにしてガイド部材48の下側開口へ向かい、ガイド部材48の下部に位置するコンタクトボード41のコネクタ41aの上に導かれる。すると、コネクタ41a,46a同士が磁力によって引き寄せ合ってコネクタ41a,46aが互いに結合し、コネクタ41a,46aの円形電極同士及び中心電極同士が電気的に接続され、給電装置40の電源から供給される電力によって飛行体1のバッテリの充電が行われる。
本変形例において、飛行体1のバッテリの充電が完了したことが検知されると、リフタ49のステージ49aを図6の点線で示す下側位置へ移動させるように構成されていることが好ましい。これにより、コネクタ41a,46a同士の結合を切り離すことができる。仮に、コネクタ41a,46a同士がマグネットで結合した状態で飛行体1が離陸する場合、マグネットの結合力が飛行体1の推力よりも強いとコネクタ41a,46a同士の結合を切り離すことができず、飛行体1が離陸できないという事態が生じうる。本変形例によれば、リフタ49のステージ49aを下側位置へ移動させることでコネクタ41a,46a同士の結合が切り離されるので、コネクタ41a,46a同士のマグネット結合を切り離すことが可能な程度の推力を飛行体1が備えていない場合であっても、本例に示す給電装置40による充電後に飛行体1が離陸することが可能になる。
このように、本変形例におけるリフタ49は、給電装置40のコネクタ41aを、着陸ステージ47の給電エリア(開口部47aを跨ぐ位置)に着陸した飛行体1から開口部47aを通って吊り下がる給電ケーブル45にコネクタ変換基板46を介して接続されているコネクタ46aにコネクタ41aを接続可能な第1の位置と、コネクタ46aからコネクタ41aを離間させる第2の位置との間で上下に移動させることができるように構成されている。
さらに、本変形例では飛行体1が着陸ステージ47から離陸したことがセンサで検知されると、着陸ステージ47のスライドドア47bが着陸ステージ47の開口部を覆う閉位置に移動するので、給電装置40を収容する筐体44内に塵や水滴等が入り込むことを防ぐことができる。
(第2の変形例)
図7は、図5に示した本開示の第2の実施形態に係る飛行体の給電装置の第2の変形例を示す概略図である。図7において、図5を参照して説明した各構成要素と同じ構成要素には同じ符号を付している。
図7(a)に示すように、本変形例に係る飛行体の給電装置40は、コネクタ41aを上端面に備えたコンタクトボード41と、コンタクトボード41を支持するステイ43と、ガイド部材48とを備えている。コンタクトボード41には、充電器などの電源(不図示)に接続された給電ケーブル(不図示)が接続されており、電源(不図示)から供給される電力は、コンタクトボード41を介してコネクタ41aへ供給される。ステイ43は、地面、床面、ステージ台などの上に載置される。
一方、本実施形態における飛行体1には、可撓性を有し、飛行体1の下側から垂れ下がるように延びる給電ケーブル45と、給電ケーブル45に接続されたコネクタ変換基板46とが備えられている。コネクタ変換基板46の下端面には、コンタクトボード41のコネクタ41aに接続されるコネクタ46aが設けられている。給電ケーブル45は飛行体1のバッテリに接続されており、コンタクトボード41のコネクタ41aに接続されたコネクタ46aから供給される電力は、コネクタ変換基板46及び給電ケーブル45を介して飛行体1のバッテリに供給される。
コネクタ41a,46aはそれぞれ、一例として、円形の電極と、その円形電極の中心に設けられた中心電極とを少なくとも備え、それらの円形電極同士と、中心電極同士とが電気的に接続されるように構成されている。円形電極と中心電極とは、一方が正極とされ、他方が負極(あるいはアース電極)とされる。さらに各コネクタ41a,46aは、それらの電極同士が互いに接続される位置に互いを引き寄せ合うように構成されたマグネット(不図示)を備えていてもよい。これにより、コネクタ41a,46a同士が近づくと、互いのマグネットが引き寄せ合ってコネクタ41a,46aが互いに結合し、コネクタ41a,46aの円形電極同士及び中心電極同士が電気的に接続される。
給電装置40のガイド部材48は、上部に形成された開口部から下部に形成された開口部に向かうにつれて径が細くなる円錐形の内面を有する、漏斗状の形状に形成されている。ガイド部材48の上部に形成された開口部は、ガイド部材48の上に飛行体1が着陸したときに飛行体1の脚部18がガイド部材48の上部開口部の縁の上に載ることが可能な寸法の直径を有している。ガイド部材48の下部に形成された開口部は、コンタクトボード41の電気接点であるコネクタ41aの上に配置されている。ガイド部材48は不図示の任意のフレーム構造等の支持部材によって、コンタクトボード41に対する相対位置が保持されるように支持されている。ガイド部材48は、ガイド部材48の上に飛行体1が着陸したときに飛行体1を支持できるのに十分な強度を有するように構成されていることが好ましい。マグネットを備えたコネクタ46aがガイド部材48に吸着することを防止するために、ガイド部材58はプラスチック樹脂やアルミニウム等の非磁性体の素材で作製することが好ましい。
図7(b)は、図7(a)に示したガイド部材48を上から見た平面図である。図7(b)に示すように、ガイド部材48の内面にはARマーカ48aが貼付あるいは印刷されている。ARマーカは、一般的にAR(Augmented Reality:拡張現実)による表示の位置や角度を決めるために用いられるが、その他にも、ARマーカが付されたオブジェクトに対する位置及び姿勢を認識することにも用いることができる。
再び図7(a)を参照すると、本実施形態における飛行体1は、飛行体1の下方方向を撮像可能なカメラ14を備えている。飛行体1のカメラ14でガイド部材48のARマーカ48aを撮像し、撮像されたARマーカ48aの画像を飛行体1のプロセッサ10がメモリ11あるいはストレージ12に記憶されたARマーカの基準画像と対比して解析することで、ガイド部材48に対する飛行体1の位置及び姿勢を認識することができる。したがって、ガイド部材48のARマーカ48aを撮像可能な領域まで飛行してきた飛行体1は、カメラ14で撮像するARマーカ48aに基づいてガイド部材48に対する自身の位置及び姿勢を順次取得し、ガイド部材48上の所定の着陸位置へ向けて飛行制御を行い、ガイド部材48上に着陸する。
飛行体1の下部には、飛行体1がガイド部材48の上に着陸したときにガイド部材48の上部開口部の縁の上に載る脚部18が設けられている。脚部18の高さ及び幅の寸法は、飛行体1がガイド部材48の上に着陸したときに脚部18の下面がガイド部材48の上部開口部の縁の上に載り、ガイド部材48の内面に入り込まないような寸法とされる。飛行体1の脚部18は、発泡スチロール等の軽量な素材で構成することが好ましい。
給電装置40が設置された着陸エリアに飛来した飛行体1は、カメラ14でガイド部材48のARマーカ48aを撮像し、撮像したARマーカ48aの画像に基づいてガイド部材58に対する自身の位置及び姿勢を順次取得して、ガイド部材48上の所定の着陸位置へ向けて飛行制御を行い、ガイド部材48上に着陸する。ARマーカ48aを用いてガイド部材48に対する飛行体1の位置及び姿勢を順次取得して飛行体1の飛行制御を行うことにより、飛行体1に備えられたGPSセンサやジャイロセンサのみを用いて自律飛行させる場合に比べて、より正確に所定の着陸位置に所定の姿勢で飛行体1を着陸させることが可能になるが、それでも風等の影響により飛行体1を所定の着陸位置に所定の姿勢に必ず正確に着陸させることは困難である。
飛行体1がガイド部材48上に着陸するとき、飛行体1のコネクタ変換基板46の下部に設けられたコネクタ46aがガイド部材48の内面に接触する。コネクタ変換基板46は可撓性を有する給電ケーブル45に吊り下げられた状態になっているため、コネクタ変換基板46のコネクタ46aは図7(a)の点線で示すように、ガイド部材48の内面に沿って滑り落ちるようにして、ガイド部材48の下部に位置するコンタクトボード41のコネクタ41aの上に導かれる。すると、コネクタ41a,46a同士が磁力によって引き寄せ合ってコネクタ41a,46aが互いに結合し、コネクタ41a,46aの円形電極同士及び中心電極同士が電気的に接続され、給電装置40の電源から供給される電力によって飛行体1のバッテリの充電が行われる。
このように、本変形例の給電装置40によれば、飛行体1がガイド部材48上の定められた位置に定められた姿勢で正確に着陸しなかった場合であっても、飛行体1の給電ケーブル45に吊り下げられたコネクタ変換基板46を給電装置50のガイド部材48内に収容することが可能な範囲内で飛行体1がガイド部材48上に着陸した場合には、飛行体1側のコネクタ変換基板46のコネクタ46aを給電装置40のコンタクトボード41の電気接点であるコネクタ41aに導いて、コネクタ41a,46a同士を結合させて飛行体1のバッテリへの充電を行うことが可能である。本実施形態の給電装置40は有線で直接給電する構成を採用しているので、非接触給電に比べて高いエネルギー効率で充電を行うことができる。非接触給電の場合には飛行体1が充電エリアの正確な位置に着陸しないと給電効率が低下し、その分だけ充電時間が長くなることがあるが、本変形例の給電装置40によれば、所定の位置からいくらかずれた位置に飛行体1が着陸した場合であっても、コネクタ41a,46a同士を結合させて飛行体1のバッテリへの充電を行うことができるので、給電効率が低下することはない。
本例ではコネクタ41a,46aがそれぞれ円形電極及び中心電極を備えた構成となっている。コネクタ41a,46aの電極を円形電極及び中心電極の形態とすることで、コネクタ41a,46aの互いの回転角度にかかわらずコネクタ41a,46a同士を結合できる。そのため、飛行体1が所定の姿勢から回転した状態でガイド部材48上に着陸した場合であっても、コネクタ41a,46aの各電極同士を接続させることができる。
さらに、本変形例の給電装置40によれば飛行体1が備えるのは給電ケーブル45及びコネクタ変換基板46であればよく、これらは非接触給電のために必要とされる装置に比べて軽量であるので、推力の小さい小型の飛行体1にも採用することができ、また、いずれの形態の飛行体1においても搭載可能なペイロードに与える影響を低減することができる。
本例では円錐形の内面を有するガイド部材48を例に挙げて説明したが、ガイド部材48の形態はこれに限られない。ガイド部材48の内面は、上部の開口部から下部の開口部に向けて次第に窄まるように形成されていればよく、円錐形の他にも、例えば、三角錐、四角錘、さらにはそれ以上の多角形の角錐の形状、あるいは楕円形の錘形状を有していてもよい。
(第3の変形例)
図8は、図5に示した本開示の第2の実施形態に係る飛行体の給電装置の第3の変形例を示す概略図である。本変形例は図7を参照して説明した第2の変形例を応用したものであり、図7を参照して説明した各構成要素と同じ構成要素には同じ符号を付している。ここではそれらの構成要素に関する詳しい説明は省略する。
本変形例においては、給電装置40のステイ43が、スライドレールSL上を移動するスライダSDの上に取り付けられている。スライダSDはスライドレールSL上を図面の左右方向に移動可能である。スライダSDを移動させる手段としては、例えば、ワイヤあるいはベルトを用いた手段(ループ状のワイヤあるいはベルトの一部にスライダSDを固定し、それらのワイヤあるいはベルトを張架した2つのプーリの少なくとも一方をモータで回転駆動させる手段)、せり出し式のレールを用いた手段、ラック・アンド・ピニオンを用いた手段、ボールねじを用いた手段、リニアモータを用いた手段など、任意の手段を用いることができる。
図8に実線で示すようにコネクタ41a,46a同士がマグネットで結合した状態で飛行体1が離陸する場合、マグネットの結合力が飛行体1の推力よりも強いとコネクタ41a,46a同士の結合を切り離すことができず、飛行体1が離陸できないという事態が生じうる。本変形例によれば、給電装置40が取り付けられたスライダSDがスライドレールSLに沿って水平方向に移動することでコネクタ41a,46a同士の結合が切り離される。これにより、コネクタ41a,46a同士のマグネット結合を切り離すことが可能な程度の推力を飛行体1が備えていない場合であっても、本例に示す給電装置40による充電後に飛行体1が離陸することが可能になる。
なお、互いに結合しているマグネットは、結合面に対して垂直方向への結合強度は比較的強い一方、結合面に対して水平方向への結合強度は比較的弱い。したがって、本変形例のようにコネクタ41a,46a同士の結合面に対して水平方向に給電装置40を移動させることで、より小さい力でコネクタ41a,46a同士の結合を外すことができる。
給電装置40には、スライダSDの動作を司る制御部(不図示)が設けられている。給電装置40の制御部は、例えば、コネクタ41a,46a同士を接続して飛行体1のバッテリへの充電が完了したことを飛行体1のバッテリの電圧等に基づいて検出した場合に、スライダSDを動作させてコネクタ41a,46a同士のマグネット結合を切り離すように構成されていてもよい。
このように、本変形例におけるスライダSD及びスライドレールSLは、給電装置40のコネクタ41aを、ガイド部材48上に着陸した飛行体1から吊り下がる給電ケーブル45にコネクタ変換基板46を介して接続されているコネクタ46aにコネクタ41aを接続可能な第1の位置と、コネクタ46aからコネクタ41aを離間させる第2の位置との間で水平方向に移動させる手段を構成している。
飛行体1が離陸した後にスライダSDを図8に実線で示す元の位置に移動させることで、次に飛来する飛行体1への充電に備えることができる。このように、本変形例はスライダSDを移動させてコネクタ41a,46a同士のマグネット結合を切り離すように構成されており、マグネットの摩耗や結合力の劣化は少ないので、コネクタ41a,46a同士のマグネット結合と切り離しとを繰り返し行うことができる。
《付記項》
上記において説明した本実施形態の主題は、例えば下記に記載する一群の付記項によって表される。ただし、本実施形態の主題はこれに限定されるものではない。
1)バッテリからの給電によって動作する飛行体への給電を行う給電装置であって、
前記飛行体の前記バッテリには、一方の端部に第1のコネクタが接続された第1の給電ケーブルが接続されており、
前記給電装置は、電源に接続される第2の給電ケーブルと、該第2の給電ケーブルの一方の端部に接続された第2のコネクタと、前記飛行体の前記第1の給電ケーブルの前記一方の端部に接続された前記第1のコネクタを前記第2のコネクタへガイドするガイド部材とを有する、給電装置。
2)前記第1の給電ケーブルは前記飛行体の下側から延びており、
前記給電装置は前記第2のコネクタが上向きになるように配置されている、付記項1に記載の給電装置。
3)前記ガイド部材は、上側の開口部から下側の開口部へ向けて径が小さくなるように形成された錐形の内面を有し、前記下側の開口部が前記第2のコネクタの上に位置するように配置されている、付記項2に記載の給電装置。
4)前記ガイド部材は、前記飛行体が着陸する着陸ステージの給電エリアに形成された開口部の下方に配置されている、付記項3に記載の給電装置。
5)前記着陸ステージは、前記着陸ステージの給電エリアに形成された前記開口部を開閉するスライドドアを備えており、該スライドドアには前記飛行体の着陸位置を示すマーカが表示されている、付記項4に記載の給電装置。
6)前記給電装置の前記第2のコネクタを、
前記着陸ステージの前記給電エリアに着陸した前記飛行体から前記着陸ステージの前記開口部を通って吊り下がる前記第1の給電ケーブルに接続されている前記第1のコネクタに前記第2のコネクタを接続可能な第1の位置と、
当該第1のコネクタから前記第2のコネクタを離間させる第2の位置と、の間で上下に移動させるリフタをさらに備えている、付記項4または5に記載の給電装置。
7)前記ガイド部材は、前記上側の開口部の上に前記飛行体が着陸できるように構成されている、付記項3に記載の給電装置。
8)前記ガイド部材の内面に、前記飛行体の着陸位置を示すマーカが表示されている、付記項7に記載の給電装置。
9)前記給電装置の前記第2のコネクタを、
前記ガイド部材上に着陸した前記飛行体から吊り下がる前記第1の給電ケーブルに接続されている前記第1のコネクタに前記第2のコネクタを接続可能な第1の位置と、
当該第1のコネクタから前記第2のコネクタを離間させる第2の位置と、の間で水平方向に移動させる手段をさらに備えている、付記項7または8に記載の給電装置。
10)前記第2のコネクタは、前記第1のコネクタに磁力によって結合し、かつ前記第1のコネクタに結合すると、前記第2のコネクタの電極が前記第1のコネクタの電極に電気的に接続されるように構成されている、付記項1から9のいずれか1項に記載の給電装置。
[第3の実施形態]
図9は、本開示の第3の実施形態に係る飛行体の給電ステーションを示す概略平面図である。
図9に示すように、本開示の第3の実施形態に係る飛行体の給電ステーション50は、着陸ステージ51と、着陸ステージ51上に設置された4つのスライド・バー機構52と、給電ステーション50の制御を行う制御部(不図示)とを備えている。それらのスライド・バー機構52は、後述するように、着陸ステージ51上に着陸した飛行体1を着陸ステージ51上で移動させる飛行体移動手段として機能する。4つのスライド・バー機構52は、第1の方向である図示左右方向に沿って対向配置された第1のペアと、第1の方向に直交する第2の方向である図示上下方向に沿って対向配置された第2のペアとの2組のペアを成すように配置されている。着陸ステージ51の中央の領域には、飛行体1への給電を行う給電エリア51aが設けられている。
各々のスライド・バー機構52は、着陸ステージ51上に着陸した飛行体1を押して移動させるエンドエフェクタとして機能するバー52aと、バー52aの両端近傍に一端が固定されたスライドロッド52bと、スライドロッド52bを摺動可能に支持するガイド部52cとを備えている。一例として、少なくとも一方のスライドロッド52bの周囲にボールねじを形成し、不図示の駆動手段によってそのスライドロッド52bを長手方向に移動可能に構成されている。これにより各々のスライド・バー機構52は、バー52aを、着陸ステージ51上の飛行体1を給電エリア51aに移動させる押出位置と、押出位置から着陸ステージ51の外方向に向かって引き込まれた引込位置との間を移動させることができるようになっている。第1の方向である図示左右方向に沿って対向配置された第1のペアの各々のスライド・バー機構52は、着陸ステージ51上の飛行体1を給電エリア51aに対して第2の方向(図示上下方向)に沿う位置に移動させ、第2の方向である図示上下方向に沿って対向配置された第2のペアの各々のスライド・バー機構52は、着陸ステージ51上の飛行体1を給電エリア51aに対して第1の方向(図示左右方向)に沿う位置に移動させる。バー52a及びスライドロッド52bは、撓んだりせずに飛行体1を押して移動させることが可能な剛性を備えている必要があるため、アルミニウムやスチールなどの金属素材で構成されていることが好ましい。
各々のスライド・バー機構52のバー52aを突出させた押出位置は、着陸ステージ51上に着陸した飛行体1を各方向から押して移動させた後に飛行体1を給電エリア51a内に収容させることが可能な位置に設定されている。また、バー52aを引き込んだ引込位置は、バー52a及びスライドロッド52bが着陸ステージ51上に着陸する飛行体1の障害にならないように、着陸ステージ51上の着陸エリアをできるだけ広く確保できるようにバー52aを後退させた位置に設定されている。
なお、スライド・バー機構52においてバー52aをこのように移動させるための構成及び機構はここに例示したものに限らえるものではなく、バー52aをこのように移動させることが可能であれば他の任意の構成及び機構を採用することができる。例えば、せり出し式のレールを用いた手段、スライドレール上で往復移動可能なスライダを用いた手段、ワイヤあるいはベルトを用いた手段、ラック・アンド・ピニオンを用いた手段、リニアモータを用いた手段などを用いてもよい。給電ステーション50の制御部(不図示)はスライド・バー機構52の動作制御を司る。
着陸ステージ51上で飛行体1が移動しやすいように、着陸ステージ51は表面が滑りやすい素材(例えば、アクリル、ポリカーボネート等)で構成されていることが好ましい。
着陸ステージ51の給電エリア51aには、給電エリア51aの位置と向きを示すARマーカarmが貼付あるいは印刷されている。ARマーカは、一般的にAR(Augmented Reality:拡張現実)による表示の位置や角度を決めるために用いられるが、その他にも、ARマーカが付されたオブジェクトに対する位置及び姿勢を認識することにも用いることができる。
給電エリア51aにはさらに、飛行体1のバッテリへの給電を行う給電装置(図9では不図示)が設置されている。給電エリア51aには、非接触給電でバッテリへの給電を行うように構成された飛行体1のために電磁誘導等の非接触手段で電力供給が可能な給電装置が設置されていてもよく、これに加えて、あるいはこれに代えて、有線接続でバッテリへの給電を行うように構成された飛行体1のために、図3、図5又は図6を参照して説明したような給電装置が設置されていてもよい。後者の場合、着陸ステージ51の給電エリア51aには飛行体1の給電ケーブルを通すための開口部が形成される。
給電ステーション50には、着陸ステージ51上に飛行体1が着陸したことを検知する手段が備えられていることが好ましい。以下に、飛行体1が着陸したことを検知する手段を例示して説明する。
図10は、給電ステーションの着陸ステージ上に飛行体が着陸したことを検知する手段の第1の例を示す概略平面図である。
図10に示す例では、給電ステーション50の着陸ステージ51上の四方に光学センサ53が設置されている。光学センサ53として、例えば赤外線センサやレーザセンサを用いることができる。各光学センサ53の送受光部は例えば着陸ステージ51の給電エリア51aへ向けられている。光学センサ53の送受光部は、光を射出する発光部と、その光がオブジェクトに反射して戻ってくる反射光を受光する受光部とを備えている。いずれかの光学センサ53がオブジェクトに反射して戻ってくる反射光を受光した場合、着陸ステージ51上に飛行体1が着陸したと判断される。
図11は、給電ステーションの着陸ステージ上に飛行体が着陸したことを検知する手段の第2の例を示す概略平面図である。
図11に示す例では、給電ステーション50にシングルボードコンピュータと呼ばれるような小型コンピュータ54が設けられている。小型コンピュータ54は、コンピュータに必要な最低限の基幹部品が1枚の回路基盤に搭載されて構成されている。搭載される主な基幹部品は、例えば、CPU、GPU及びインタフェース(Wi−Fi(登録商標)、イーサネット(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、USB、GPIOポート、HDMI(登録商標)、メモリカードスロット等)である。このような小型コンピュータ54としては、例えば、英国ラズベリーパイ財団が開発したコンピュータ製品「ラズベリーパイ」が知られている。
一例として、飛行体1の情報処理装置1Aの送受信部13(図1参照)がBluetooth(登録商標)デバイスを備えている場合、情報処理装置1Aのプロセッサ10は、飛行体1が着陸してモータが停止したことを検出すると、着陸したことを示す情報を送受信部13のBluetooth(登録商標)デバイスから発信するように構成されている。給電ステーション50の小型コンピュータ54のプロセッサは、Bluetooth(登録商標)デバイスでその情報を受信することにより、着陸ステージ51上に飛行体1が着陸したことを検知する。
小型コンピュータ54は、給電ステーション50の制御部として機能するようにしてもよい。また、小型コンピュータ54は小型・軽量であるので、飛行体1の情報処理装置1Aの構成の少なくとも一部を小型コンピュータ54で構成することで、飛行体1の小型・軽量化を図ることができる。
次に、上記のように構成された給電ステーション50の動作について説明する。
給電ステーション50に飛来した飛行体1は、カメラ14で着陸ステージ51の給電エリア51aのARマーカを撮像し、撮像したARマーカの画像に基づいて給電エリア51aに対する自身の位置及び姿勢を順次取得して、給電エリア51a上の所定の着陸位置へ向けて飛行制御を行い、給電エリア51aに着陸する。ARマーカを用いて、給電エリア51aに対する飛行体1の位置及び姿勢を順次取得して飛行体1の飛行制御を行うことにより、飛行体1に備えられたGPSセンサやジャイロセンサのみを用いて自律飛行させる場合に比べて、より正確に所定の着陸位置に所定の姿勢で飛行体1を着陸させることが可能になるが、それでも風等の影響により飛行体1を所定の着陸位置に所定の姿勢に必ず正確に着陸させることは困難である。図9に実線で示す飛行体1のように、飛行体1が給電エリア51a上の所定の着陸位置へ着陸しなかった場合には、給電ステーション50のスライド・バー機構52による以下に説明する動作によって、飛行体1が給電エリア51a上の所定の着陸位置へ移動される。
飛行体1が着陸ステージ51上に着陸したことが図10や図11を参照して説明した検出手段によって検知されると、給電ステーション50の制御部により、例えば最初に図9の図示左右両側のスライド・バー機構52のペア(第1のペア)を動作させ、それらのスライド・バー機構52のバー52aを押出位置まで移動させる。これにより、図9に実線で示す位置に着陸していた飛行体1が図面左方向に移動され、給電エリア51aの所定の着陸位置に対して上下方向(第2の方向)に沿った位置に位置決めが行われる。その後、給電ステーション50の制御部は第1のペアのスライド・バー機構52のバー52aを引込位置へ移動させて引き込ませる。
次に、給電ステーション50の制御部により、図9の図示上下両側のスライド・バー機構52のペア(第2のペア)を動作させ、それらのスライド・バー機構52のバー52aを押出位置まで移動させる。これにより、給電エリア51aの所定の着陸位置に対して図面上下方向(第2の方向)に沿った位置に位置決めが行われていた飛行体1が図面下方向に移動され、給電エリア51aの所定の着陸位置に対して図面左右方向(第1の方向)に沿った位置に位置決めが行われる。その後、給電ステーション50の制御部は第2のペアのスライド・バー機構52のバー52aを引込位置へ移動させて引き込ませる。これにより、飛行体1は給電エリア51aの所定の着陸位置に配置され、給電エリア51aに設置された給電装置(不図示)によって飛行体1のバッテリへの給電を行うことができる。
このように、本実施形態の給電ステーション50によれば、飛行体1が着陸ステージ51上の給電エリア51aから外れたエリアに着陸した場合であっても飛行体1を給電エリア51aの所定の着陸位置に移動させて、給電エリア51aに設置された給電装置による飛行体1のバッテリへの充電を行うことができる。
さらに、上述したように第1のペアのスライド・バー機構52と第2のペアのスライド・バー機構52とを順番に動作させることで、第1のペアのスライド・バー機構52のバー52aと第2のペアのスライド・バー機構52のバー52aとが互いに干渉することを防止できる。
スライド・バー機構52のバー52a等の長さ等の各部寸法およびバー52aの移動可能範囲は、飛行体1の大きさや重量に応じて適宜設定することが好ましい。
(変形例)
次に、本実施形態の飛行体の給電ステーションの変形例について説明する。
(第1の変形例)
図12は、図9に示した本開示の第3の実施形態に係る飛行体の給電ステーションの第1の変形例を示す概略平面図である。また、図13は、図12に示した給電装置を備えたスライド・バー機構と、着陸ステージ上に着陸した飛行体とを示す概略平面図である。図12及び図13において、図9を参照して説明した各構成要素と同じ構成要素には同じ符号を付している。
図12に示すように、本変形例に係る飛行体の給電ステーション50は、図9に示した給電ステーション50の構成に加えて、図示下側のスライド・バー機構52のバー52aに、図5を参照して説明した給電装置40と同様の構成を有する給電装置60が設けられている。図13に示すように、給電装置60は、コネクタ61aを給電エリア51a側に備えたコンタクトボード61と、コンタクトボード61に接続された給電ケーブル62と、ガイド部材68とを備えている。コンタクトボード61は、コネクタ変換基板の形態を有し、かつ電圧検出回路を備えていてもよい。給電ケーブル62は充電器などの電源(不図示)に接続されており、電源(不図示)から供給される電力は、コンタクトボード61を介してコネクタ61aへ供給される。本例では、図9を参照して説明した給電ステーション50の給電エリア51aに備えられている給電装置は省略してもよい。
給電装置60のガイド部材68は、図示下側のスライド・バー機構52のバー52aが押出位置へ移動する方向を向くように配置された前側の開口部から、それとは逆の方向に配置された後側の開口部に向かうにつれて径が細くなる円錐形の内面を有する、漏斗状の形状に形成されている。ガイド部材68の後側の開口部は、コンタクトボード61の電気接点であるコネクタ61aに近接して配置されている。ガイド部材68は、バー52aに固定された支持部材69によって、コンタクトボード61に対する相対位置が保持されるように支持されている。
本例では円錐形の内面を有するガイド部材68を例に挙げて説明したが、ガイド部材68の形態はこれに限られない。ガイド部材68の内面は、上部の開口部から下部の開口部に向けて次第に窄まるように形成されていればよく、円錐形の他にも、例えば、三角錐、四角錘、さらにはそれ以上の多角形の角錐の形状、あるいは楕円形の錐形状を有していてもよい。
図13に示すように、本変形例における飛行体1には、図4を参照して説明した飛行体1と同様に、給電ケーブル65と、給電ケーブル65に一方の端部に接続されたコネクタ66aとが備えられている。コネクタ66aはコンタクトボード61のコネクタ61aに接続される。給電ケーブル65の他方の端部はコネクタ変換基板64を介して飛行体1のバッテリbatに接続されており、コンタクトボード61のコネクタ61aに接続されたコネクタ36aから供給される電力は、コネクタ66a及び給電ケーブル65を介して飛行体1のバッテリbatに供給される。給電ケーブル65は飛行体1に取り付けられたケーブルガイド65aに沿って支持され、コネクタ66aはケーブルガイド38の先端に固定されている。これにより、給電ケーブル65が飛行体1の側方に延び、給電ケーブル65の先端に設けられたコネクタ66aを給電装置60のコネクタ61aにアクセスしやすくなっている。
本変形例においても、コネクタ61a,66aはそれぞれ、一例として、円形の電極と、その円形電極の中心に設けられた中心電極とを少なくとも備え、それらの円形電極同士と、中心電極同士とが電気的に接続されるように構成されている。円形電極と中心電極とは、一方が正極とされ、他方が負極(あるいはアース電極)とされる。さらに各コネクタ61a,66aは、それらの電極同士が互いに接続される位置に互いを引き寄せ合うように構成されたマグネット(不図示)を備えている。これにより、コネクタ61a,66a同士が近づくと、互いのマグネットが引き寄せ合ってコネクタ61a,66aが互いに結合し、コネクタ61a,66aの円形電極同士及び中心電極同士が電気的に接続される。
次に、上記のように構成された本変形例の給電ステーション50の動作について説明する。
給電ステーション50に飛来した飛行体1は、カメラ14で着陸ステージ51の給電エリア51aのARマーカを撮像し、撮像したARマーカarmの画像に基づいて給電エリア51aに対する自身の位置及び姿勢を順次取得して、給電エリア51a上の所定の着陸位置へ向けて飛行制御を行い、給電エリア51aに着陸する。本例では、飛行体1が給電エリア51aに、飛行体1のコネクタ66aを、給電装置60を備えたスライド・バー機構52(図12の図示下側)を向けて着陸するように、給電エリア51aのARマーカが設定されており、飛行体1は給電エリア51aに着陸したときにコネクタ66aが給電装置60コネクタ66aを向く姿勢で着陸ステージ51上に着陸するように飛行制御される。
ARマーカを用いて給電エリア51aに対する飛行体1の位置及び姿勢を順次取得して飛行体1の飛行制御を行うことにより、飛行体1に備えられたGPSセンサやジャイロセンサのみを用いて自律飛行させる場合に比べて、より正確に所定の着陸位置に所定の姿勢で飛行体1を着陸させることが可能になるが、それでも風等の影響により飛行体1を所定の着陸位置に所定の姿勢で正確に着陸させることは困難である。図12に実線で示す飛行体1のように、飛行体1が給電エリア51a上の所定の着陸位置へ着陸しなかった場合には、給電ステーション50のスライド・バー機構52による以下に説明する動作によって、飛行体1が給電エリア51a上の所定の着陸位置へ移動される。なお本例では、飛行体1のコネクタ66aを、給電装置60のコネクタ61aに向けて給電エリア51aに着陸するように設定されているため、着陸した飛行体1は、コネクタ66aが給電装置60を備えたスライド・バー機構52(図12の図示下側)の方向を概ね向いた状態となる。
飛行体1が着陸ステージ51上に着陸したことが図10や図11を参照して説明した検出手段によって検知されると、給電ステーション50の制御部により、例えば最初に図12の図示左右両側のスライド・バー機構52のペア(第1のペア)を動作させ、それらのスライド・バー機構52のバー52aを押出位置まで移動させる。これにより、図12に実線で示す位置に着陸していた飛行体1が図面左方向に移動され、給電エリア51aの所定の着陸位置に対して図示上下方向(第2の方向)に沿った位置への位置決めが行われる。その後、給電ステーション50の制御部は第1のペアのスライド・バー機構52のバー52aを引込位置へ移動させて引き込ませる。
次に、給電ステーション50の制御部により、図12の図示上下両側のスライド・バー機構52のペア(第2のペア)のうち、給電装置60を備えていない図示上側のスライド・バー機構52を動作させ、そのスライド・バー機構52のバー52aを押出位置まで移動させる。これにより、給電エリア51aの所定の着陸位置に対して図面左右方向の位置決めが行われていた飛行体1が図面下方向に移動され、給電エリア51aの所定の着陸位置に対して図面左右方向(第1の方向)に沿った位置への位置決めが行われる。このスライド・バー機構52のバー52aは押出位置に維持される。図13(a)はこのように位置決めが行われた状態の飛行体1と、給電装置60を備えたスライド・バー機構52とを示している(ただし、図13ではそのスライド・バー機構52が飛行体1の右側に位置するように示されている)。
次に、給電ステーション50の制御部により、図12の図示上下両側のスライド・バー機構52のペア(第2のペア)のうち、給電装置60を備えた図示下側のスライド・バー機構52を動作させ、そのスライド・バー機構52のバー52aを押出位置へ向けて移動させる。このとき、図13(a)に示すように、飛行体1のコネクタ66aが給電装置60のコンタクトボード61のコネクタ61aに対して十分に位置合わせがなされていない場合が生じうる。このような場合であっても、本変形例によれば、給電装置60を備えたスライド・バー機構52のバー52aが押出位置へ向けて移動する際に、飛行体1の給電ケーブル65の先端に設けられたコネクタ66aが給電装置60のガイド部材68の内面に接触する。給電ケーブル65はケーブルガイド65aで支持されており、コネクタ66aはガイド部材68の内面に沿って滑るようにして、ガイド部材68の後側開口部の近傍に位置するコネクタ61aに導かれる。このとき、コネクタ66aに作用する反力によって飛行体1が回転し、コネクタ66aが給電装置60のコネクタ61aを向くように飛行体1の姿勢が変更される(図13(b)参照)。またこのとき、図12の図示上側のスライド・バー機構52のバー52aは押出位置に維持されているので、飛行体1が後方に移動しないようにバー52aによってサポートされる。
このようにしてコネクタ61a,66a同士が近づくと、コネクタ61a,66a同士が磁力で引き寄せ合って結合し、コネクタ61a,66aの円形電極同士及び中心電極同士が電気的に接続され、給電装置60の電源から供給される電力によって飛行体1のバッテリの充電が行われる。給電ステーション50の制御部は、飛行体1のバッテリの充電が開始されたことを検出すると図12の図示下側のスライド・バー機構52のバー52aの移動を停止する。
最後に、給電ステーション50の制御部が飛行体1のバッテリの充電が終了したことを検出すると、給電ステーション50の制御部は第2のペアのスライド・バー機構52のバー52aを引込位置へ移動させて引き込ませ、それらのバー52aを飛行体1から離す。これにより、コネクタ61a,66a同士の結合が解除され、飛行体1が離陸可能になる。
このように、本変形例によれば、着陸ステージ51に着陸した飛行体1の姿勢(向き)が、飛行体1のコネクタ66aを給電装置60のコネクタ61aへ接続することが可能な姿勢からいくらかずれている場合であっても、飛行体1のコネクタ66aをガイド部材68の前側開口部内に収容できる範囲内であれば、コネクタ61a,66a同士の接続を行うことが可能である。
(第2の変形例)
図14は、図9に示した本開示の第3の実施形態に係る飛行体の給電ステーションの第2の変形例を示す概略図である。本変形例は図12及び図13を参照して説明した第1の変形例を応用したものであり、図12及び図13を参照して説明した各構成要素と同じ構成要素には同じ符号を付している。ここではそれらの構成要素に関する詳しい説明は省略する。
本変形例の給電ステーション50は、給電エリア51aにターンテーブル51bが設けられている。ターンテーブル51bは不図示のモータ等の任意の駆動手段によって、図示右回りと左回りの両方向に回転可能に構成されている。
本変形例の飛行体1は、光を射出する発光部19を備えている。発光部19は、例えば、飛行体1の中心からコネクタ66aへ向かう方向に光を射出するように配置されている。発光部19が射出する光は、例えば赤外線光やレーザ光である。一方、本変形例の給電装置60を備えたスライド・バー機構52は、ガイド部材68の後方の位置に、発光部19から射出される光を受光する受光部67が設置されている。
次に、本変形例の給電ステーション50の動作について説明する。
図12を参照して説明した第1の変形例の給電ステーション50と同様、着陸ステージ51上に飛行体1が着陸すると、給電ステーション50の制御部(不図示)は、第1のペアのスライド・バー機構52と、第2のペアのうち給電装置60が備えられていない図示上側のスライド・バー機構52を動作させて飛行体1を給電エリア51aの所定の着陸位置に移動させる。これにより、飛行体1がターンテーブル51bの上に載せられる。飛行体1のプロセッサ10は、着陸後にモータの回転を停止すると発光部19からの光の射出を開始する。
給電ステーション50の制御部(不図示)は、複数のスライド・バー機構52によって飛行体1を給電エリア51aの所定の着陸位置に移動させる動作が完了した後、給電装置60を備えたスライド・バー機構52に設けられた受光部67による光検出を開始するとともに、ターンテーブル51bの回転駆動を開始する。ターンテーブル51bの回転方向は任意であってもよい。あるいは、スライド・バー機構52に設けられた受光部67が、飛行体1の発光部19から射出される光の指向性を検出可能に構成されている場合には、給電ステーション50の制御部は、より少ない回転で飛行体1のコネクタ66aを給電装置60のコネクタ61aに位置合わせすることができる方向にターンテーブル51bを回転させるようにしてもよい。
給電ステーション50の制御部は、受光部67で受光する光の強度レベルが基準レベル以上になったことを検知すると、ターンテーブル51bの回転駆動を停止し、受光部67での光検出を停止する。これにより、飛行体1のコネクタ66aが給電装置60のコネクタ61aと概ね位置合わせされる。
続いて、給電ステーション50の制御部により、図12の図示上下両側のスライド・バー機構52のペア(第2のペア)のうち、図示下側の給電装置60を備えたスライド・バー機構52を動作させ、そのスライド・バー機構52のバー52aを押出位置へ向けて移動させる。このとき、飛行体1のコネクタ66aが給電装置60のコンタクトボード61のコネクタ61aに対して十分に位置合わせがなされていない場合が生じうる。このような場合であっても、本変形例によれば、給電装置60を備えたスライド・バー機構52のバー52aが突出する第1の位置へ向けて移動する際に、飛行体1の給電ケーブル65の先端に設けられたコネクタ66aが給電装置60のガイド部材68の内面に接触する。給電ケーブル65はケーブルガイド65aで支持されており、コネクタ66aはガイド部材68の内面に沿って滑るようにして、ガイド部材68の後側開口部の近傍に位置するコネクタ61aに導かれる。本変形例ではターンテーブル51bによって飛行体1のコネクタ66aが給電装置60のコネクタ61aと概ね位置合わせされるため、コネクタ61a,66a同士の位置合わせにいくらかのずれがある場合であっても、飛行体1の給電ケーブル65及びケーブルガイド65aの撓みによってそのような位置合わせのずれを補償することができる。
このようにしてコネクタ61a,66a同士が近づくと、コネクタ61a,66a同士が磁力で引き寄せ合って結合し、コネクタ61a,66aの円形電極同士及び中心電極同士が電気的に接続され、給電装置60の電源から供給される電力によって飛行体1のバッテリの充電が行われる。給電ステーション50の制御部は、飛行体1のバッテリの充電が開始されたことを検出すると図12の図示下側のスライド・バー機構52のバー52aの移動を停止する。一方、飛行体1のプロセッサ10は、バッテリへの充電が開始されたことを検出すると、発光部19からの光の射出を停止する。
最後に、給電ステーション50の制御部は、飛行体1のバッテリの充電が終了したことを検出すると、第2のペアのスライド・バー機構52のバー52aを第2の位置へ移動させて引き込ませ、それらのバー52aを飛行体1から離す。これにより、コネクタ61a,66a同士の結合が解除され、飛行体1が離陸可能になる。
このように、本変形例によれば、着陸ステージ51に着陸した飛行体1の姿勢(向き)が、飛行体1のコネクタ66aを給電装置60のコネクタ61aへ接続することが可能な姿勢からずれている場合であっても、コネクタ61a,66a同士の接続が可能な適切な姿勢(向き)になるように飛行体1をターンテーブル51bで回転させて、コネクタ61a,66a同士の接続を行うことが可能である。
《付記項》
上記において説明した本実施形態の主題は、例えば下記に記載する一群の付記項によって表される。ただし、本実施形態の主題はこれに限定されるものではない。
1)バッテリからの給電によって動作する飛行体への給電を行う給電ステーションであって、
前記飛行体の前記バッテリへの給電を行う給電エリアが設けられた、前記飛行体が着陸する着陸ステージと、
前記着陸ステージ上に着陸した前記飛行体を前記着陸ステージ上で移動させる複数の飛行体移動手段とを備え、
前記飛行体移動手段は、第1の方向に沿って対向配置された第1のペアと、前記第1の方向に直交する第2の方向に沿って対向配置された第2のペアとを成し、
前記第1のペアの各々の前記飛行体移動手段は、前記着陸ステージ上の前記飛行体を前記給電エリアに対して前記第2の方向に沿う位置に移動可能に構成され、前記第2のペアの各々の前記飛行体移動手段は、前記着陸ステージ上の前記飛行体を前記給電エリアに対して前記第1の方向に沿う位置に移動可能に構成されている、給電ステーション。
2)各々の前記飛行体移動手段は、前記着陸ステージ上の前記飛行体を前記給電エリアに移動させる押出位置と、該押出位置から前記着陸ステージの外方向に向かって引き込まれた引込位置との間を移動可能なエンドエフェクタを有する、付記項1に記載の給電ステーション。
3)前記複数の飛行体移動手段は、
前記第1及び第2のペアのうちの一方のペアの前記飛行体移動手段の前記エンドエフェクタを前記押出位置まで移動させた後に、該一方のペアの前記飛行体移動手段の前記エンドエフェクタを前記引込位置に移動させ、
次に、前記第1及び第2のペアのうちの他方のペアの前記飛行体移動手段の前記エンドエフェクタを前記押出位置まで移動させて、前記着陸ステージ上の前記飛行体を前記給電エリアに移動させるように動作する、付記項2に記載の給電ステーション。
4)前記飛行体の前記バッテリには一方の端部に第1のコネクタが接続された第1の給電ケーブルが接続され、該第1の給電ケーブルは前記飛行体の側方に延びており、
前記複数の飛行体移動手段のうちの1つの前記飛行体移動手段の前記エンドエフェクタに、電源に接続される第2の給電ケーブルと、該第2の給電ケーブルの一方の端部に接続された第2のコネクタと、前記飛行体の前記第1の給電ケーブルの前記一方の端部に接続された前記第1のコネクタを前記第2のコネクタへガイドするガイド部材とを有する給電装置が設置されている、付記項2に記載の給電ステーション。
5)前記飛行体は前記給電エリアに着陸したときに前記第1のコネクタが前記給電装置の前記第2のコネクタを向く姿勢で前記着陸ステージ上に着陸するように飛行制御され、
前記複数の飛行体移動手段は、
前記第1及び第2のペアのうちの一方のペアの前記飛行体移動手段の前記エンドエフェクタを前記押出位置まで移動させた後に、該一方のペアの前記飛行体移動手段の前記エンドエフェクタを前記引込位置に移動させ、
次に、前記第1及び第2のペアのうちの他方のペアの前記飛行体移動手段のうち、前記給電装置が設置されていない前記飛行体移動手段の前記エンドエフェクタを前記押出位置へ向けて移動させ、
次に、前記第1及び第2のペアのうちの他方のペアの前記飛行体移動手段のうち、前記給電装置が設置された前記飛行体移動手段の前記エンドエフェクタを前記押出位置へ向けて移動させ、前記ガイド部材によって前記飛行体の前記第1のコネクタを前記給電装置の前記第2のコネクタへガイドして、前記第1のコネクタと前記第2のコネクタとを接続させるように動作する、付記項4に記載の給電ステーション。
6)前記着陸ステージの前記給電エリアには、載置された飛行体を回転させるターンテーブルが設けられており、該ターンテーブルは、前記飛行体を前記第1のコネクタが前記給電装置の前記第2のコネクタを向く姿勢となるように前記飛行体を回転させ、
前記複数の飛行体移動手段は、
前記第1及び第2のペアのうちの一方のペアの前記飛行体移動手段の前記エンドエフェクタを前記押出位置まで移動させた後に、該一方のペアの前記飛行体移動手段の前記エンドエフェクタを前記引込位置に移動させ、
次に、前記第1及び第2のペアのうちの他方のペアの前記飛行体移動手段のうち、前記給電装置が設置されていない前記飛行体移動手段の前記エンドエフェクタを前記押出位置へ向けて移動させ、
次に、前記第1及び第2のペアのうちの他方のペアの前記飛行体移動手段のうち、前記給電装置が設置された前記飛行体移動手段の前記エンドエフェクタを前記押出位置へ向けて移動させ、前記ガイド部材によって前記飛行体の前記第1のコネクタを前記給電装置の前記第2のコネクタへガイドして、前記第1のコネクタと前記第2のコネクタとを接続させるように動作する、付記項4に記載の給電ステーション。
7)前記飛行体は前記飛行体の向きを示す光を射出する発光部を備え、前記給電装置は前記光を検出する受光部を備えており、
回転が開始された前記ターンテーブルは、前記受光部で受光する前記光の強度レベルが所定の基準レベル以上となったときに回転が停止される、付記項6に記載の給電ステーション。
8)前記ガイド部材は、前記エンドエフェクタが前記押出位置へ移動する方向を向いた前側の開口部から後側の開口部へ向けて径が小さくなるように形成された錐形の内面を有し、前記後側の開口部が前記第2のコネクタの近傍に位置するように配置されている、付記項4から7のいずれか1項に記載の給電ステーション。
9)前記着陸ステージに前記飛行体が着陸したことを検出する検出手段を備えた、付記項1から8のいずれか1項に記載の給電ステーション。
10)前記給電エリアに前記飛行体の着陸位置を示すマーカが表示されている、付記項1から9のいずれか1項に記載の給電ステーション。
以上、種々の実施形態及び変形例を通じて本開示を説明したが、上述の実施形態及び変形例は、特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、本開示の実施形態及び変形例の中で説明されている特徴を組み合わせた形態も本開示の技術的範囲に含まれ得る。さらに、上述の実施形態及び変形例に、多様な変更または改良を加えることが可能であることも当業者に明らかである。