JP6762776B2 - 極細繊維製造装置 - Google Patents
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Description
従来、溶融静電紡糸法を実施可能な極細繊維製造装置が知られている。(例えば、特許文献1参照。)。
まず、実施形態に係る極細繊維製造装置1の構成について説明する。
図1は、実施形態1に係る極細繊維製造装置1の構成を示す図である。なお、紡糸部30については、後述する図2(b)に相当する断面図として表示している。
図2は、実施形態1における紡糸部30を説明するために示す図である。図2(a)は紡糸部30を長手方向に沿う平面で切断したときの縦断面図であり、図2(b)は紡糸部30を図2(a)のA1−A1に沿う平面で切断したときの断面図である。
なお、押出装置20と紡糸部30との間には、押出装置20から押し出された溶融樹脂原料を紡糸部30に向けて所定の速度で送る定量ポンプや、メッシュフィルター等が配設されていてもよい。定量ポンプとしては、例えば、ギアポンプを好適に用いることができる。
絶縁ブロック32においては、溶融樹脂原料が送られる方向に沿った厚さが10mm以上であり、30mm以上であることが好ましく、50mm以上であることが一層好ましい。
絶縁ブロック32は、絶縁性セラミックス又は絶縁性樹脂からなる。
基端側ブロック36には、電源装置62からの電源ラインが、電源ライン接続端子42を介して接続されている。
基端側ブロック36を構成する材料には特に制限はないが、ステンレス鋼(具体例としては、SUS304及びSUS316)を好適に用いることができる。
本明細書においては、「複数の金属製ノズルが基端側ブロックと接触した状態」とは、複数の金属製ノズルと基端側ブロックとが電気的に接触した状態(通電可能な状態)であることをいう。実施形態1における金属製ノズル40は、基端側が太く先端側が細い形状からなり、太い基端側が基端側ブロック36と接触している。
金属製ノズル40の先端には、1つの吐出孔41のみが形成されている(後述する図12(a)参照。)。吐出孔の直径(内径)は、例えば、0.4〜0.8mmとすることができる。
金属製ノズル40は、例えば、基端側ブロック36と同様の材料で構成することができる。
先端側ブロック44には、気流供給装置50からの気流を気流流路47に導く気流導入路46も形成されている。また、気流導入路46は、図3(b)に示すように、気流供給装置50からの高温気流を各気流流路47に供給するため、先端側ブロック44中で分岐する構造を有する。
第1方向D1とは垂直な方向から見たとき、図1及び図4(a)に示すように、ノズル用ヒーター48の基端は、複数の金属製ノズル40の基端よりも第1方向D1逆方向側にある。また、ノズル用ヒーター48の先端は、複数の金属製ノズル40の先端よりも第1方向D1順方向側にある。
また、各図面においては、ヒーターの位置として、上記した加熱部の位置を表示している。
気流供給装置50からの高温気流は、紡糸部30の先端側ブロック44の気流導入路46に導入されることとなる。気流供給装置50は、気流流路47の位置における高温気流の温度が120℃〜500℃の範囲内にある温度になるようにヒーター56の出力を調整可能である。
回収装置80は、不織布などの基材を繰り出す繰り出しローラー81と、基材を送る送りローラー82と、基材を巻き取る巻き取りローラー83と、コレクタ電極60における紡糸部30側に位置し、気流通過用の多数の孔が形成されているコンベアメッシュ84とを有する。
次に、実施形態1に係る極細繊維製造装置1を用いた極細繊維製造方法について簡単に説明する。
次に、押出装置20により送り出された溶融樹脂原料を、溶融樹脂原料流路28を通じて所定速度で紡糸部30に向けて送る。
実施形態1に係る極細繊維製造装置1によれば、複数の金属製ノズル40それぞれの周囲に高温気流を流すことが可能となるため、従来の極細繊維製造装置900と同様に、ノズルから吐出された溶融樹脂原料が冷却される速度を遅くすることが可能となる。その結果、溶融樹脂原料の粘度が上昇する速度を遅くすることが可能となり、溶融静電紡糸法により細径の極細繊維を製造することが可能となる。
図5は、実施形態2に係る極細繊維製造装置2の構成を示す図である。
図6は、実施形態2における紡糸部30Aを説明するために示す図である。図6(a)は紡糸部30Aを長手方向に沿う平面で切断したときの縦断面図であり、図6(b)は紡糸部30Aを図6(a)のA1−A1に沿う平面で切断したときの断面図である。なお、図6(b)においては、絶縁ブロック用ヒーター49の位置を破線で表示している。
また、絶縁ブロック32Aには、絶縁ブロック用ヒーター49の形状(実施形態2においては棒状の形状)に対応するヒーター用凹部35が外表面に露出するように形成されている。絶縁ブロック用ヒーター49は、ヒーター用凹部35に挿入されている。
図12は、実施形態1における金属製ノズル40及び変形例5における金属製ノズル40a,40bの先端を示す拡大模式図である。図12(a)は金属製ノズル40の先端を示す図であり、図12(b)は金属製ノズル40aの先端を示す図であり、図12(c)は金属製ノズル40bの先端を示す図である。なお、図12は、各金属製ノズルの先端を、溶融樹脂原料の吐出軸に沿って、第1方向D1逆方向側に向かって見た図である。図12における符号41,41a,41bで示すのは、溶融樹脂原料を吐出するための吐出孔である。図12においては、各金属製ノズルの最先端部のみを表示する。
なお、上記のような構成とすると、金属製ノズルの先端において溶融樹脂原料が滞留して温度が下がりやすくなることが考えられる。しかし、本発明の極細繊維製造装置は金属製ノズルを加熱するノズル用ヒーターを備えるため、金属製ノズルの先端に複数の吐出孔が形成されている場合であっても、金属製ノズルの先端において溶融樹脂原料が滞留して温度が下がるのを抑制することが可能となる。
このような構成とすることにより、吐出された溶融樹脂原料を直接加熱することが可能となり、その結果、ノズルから吐出された溶融樹脂原料が冷却される速度を一層遅くすることが可能となる。
このような構成とすることにより、複数の金属製ノズルから吐出される溶融樹脂原料を比較的均等に加熱することが可能となる。
このような構成とすることにより、先端側ヒーターを吐出される溶融樹脂原料に全体的に近づけることが可能となり、その結果、ノズルから吐出された溶融樹脂原料が冷却される速度をより一層遅くすることが可能となる。
Claims (8)
- 溶融樹脂原料を押し出す押出装置と、
前記押出装置から押し出された前記溶融樹脂原料を吐出して極細繊維を製造するための複数の金属製ノズル、及び、前記複数の金属製ノズルそれぞれの周囲に形成された気流流路を有する紡糸部と、
前記溶融樹脂原料が吐出される方向である第1方向に対して垂直な側から前記複数の金属製ノズルを加熱するノズル用ヒーターと、
前記紡糸部から見て前記第1方向の側に位置するコレクタ電極と、
前記複数の金属製ノズルと前記コレクタ電極との間に電圧を印加する電源装置と、
前記気流流路に気流を供給する気流供給装置と、
製造された前記極細繊維を回収する回収装置と、を備える極細繊維製造装置であって、
前記紡糸部は、
前記溶融樹脂原料を分配して前記複数の金属製ノズルに導く第1導入路が形成された金属製の基端側ブロックと、
前記基端側ブロックの先端側に位置し、前記複数の金属製ノズルそれぞれの周囲に前記気流流路が形成された先端側ブロックと、
前記基端側ブロックの基端側に位置し、前記溶融樹脂原料を前記基端側ブロックに導く第2導入路が形成された絶縁ブロックと、を有し、
前記複数の金属製ノズルは、前記基端側ブロックと接触した状態で前記第1導入路の末端に配置され、
前記基端側ブロックには、前記電源装置からの電源ラインが接続され、
前記先端側ブロックには、前記気流供給装置から前記気流流路に前記気流を導く気流導入路が形成され、前記気流は前記気流流路の位置における温度が、120℃〜500℃の範囲内にあり、
前記絶縁ブロックに接触し、前記絶縁ブロックを加熱する絶縁ブロック用ヒーターをさらに備え、
前記絶縁ブロックには、前記絶縁ブロック用ヒーターの形状に対応するヒーター用凹部が外表面に露出するように形成され、
前記絶縁ブロック用ヒーターは、前記ヒーター用凹部に挿入されている、ことを特徴とする極細繊維製造装置。 - 請求項1に記載の極細繊維製造装置において、
前記第1方向とは垂直な方向から見たとき、
前記ノズル用ヒーターの基端は、前記複数の金属製ノズルの基端よりも前記第1方向逆方向側にあり、
前記ノズル用ヒーターの先端は、前記複数の金属製ノズルの先端よりも前記第1方向順方向側にあることを特徴とする極細繊維製造装置。 - 請求項1又は2に記載の極細繊維製造装置において、
前記ノズル用ヒーターは、前記複数の金属製ノズルを囲むように配置されていることを特徴とする極細繊維製造装置。 - 請求項1に記載の極細繊維製造装置において、
前記ノズル用ヒーターは、前記基端側ブロック、前記先端側ブロック及び前記絶縁ブロックを加熱することを特徴とする極細繊維製造装置。 - 請求項4に記載の極細繊維製造装置において、
前記ノズル用ヒーターは、前記基端側ブロック、前記先端側ブロック及び前記絶縁ブロックを囲むように配置されていることを特徴とする極細繊維製造装置。 - 請求項1〜5のいずれかに記載の極細繊維製造装置において、
前記押出装置及び前記紡糸部は、保温ジャケットにより覆われていることを特徴とする極細繊維製造装置。 - 請求項1〜6のいずれかに記載の極細繊維製造装置において、
前記金属製ノズルの先端には、複数の吐出孔が形成されていることを特徴とする極細繊維製造装置。 - 請求項1〜7のいずれかに記載の極細繊維製造装置において、
前記ノズル用ヒーターの先端側に配置され、前記複数の金属製ノズルから吐出される前記溶融樹脂原料を加熱する先端側ヒーターをさらに備えることを特徴とする極細繊維製造装置。
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