JP6761436B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、パチンコ遊技機等の遊技機に関する。
電力供給が開始されたときに画像データをCGROMからVRAMに転送する遊技機が提案されている(例えば特許文献1参照)。特許文献1に記載の遊技機では、CGROMからVRAMへの画像データの転送が完了してから次の処理に進むようになっている。
特開2009−72469号公報
特許文献1に記載された遊技機では、電源投入時の動作が不適切となるおそれがあった。
この発明は、上記の実状に鑑みてなされたものであり、電源投入時の動作を好適に実行できる遊技機を提供することを目的とする。
(A)上記目的を達成するため、本発明に係る遊技機は、
遊技を実行可能な遊技機であって、
遊技機の動作を制御する制御手段と、
第1記憶手段から第2記憶手段にデータを転送する転送手段と、を備え、
前記転送手段は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに前記制御手段が用いる制御用データを転送し、報知を行うために用いる報知用データを、演出を行うために用いる演出用データよりも優先して転送し、
前記制御手段は、
前記演出用データの転送と並行して遊技機の状態を監視するとともに、前記報知用データを用いて遊技機の状態に応じた報知を実行可能であり、
音声を出力するための前記演出用データの転送完了前に演出を実行する場合、音声データを含まない前記制御用データに基づいて演出を実行し、
前記音声データを含まない前記制御用データは、音声を出力するための前記演出用データが転送中であることを表示するための表示制御データを含み、
さらに、
可変表示に関する情報を保留記憶として記憶可能な保留記憶手段と、
画像を表示可能な表示手段と、
前記表示手段に前記保留記憶手段に記憶されている保留記憶に対応する保留表示を表示させることが可能な保留表示手段と、
前記表示手段に表示された所定画像を視認困難な視認困難状態とする視認困難演出を実行可能な演出実行手段とを備え、
前記演出実行手段は、前記視認困難演出として、前記保留表示を視認困難としない第1視認困難演出と、前記保留表示を視認困難とする第2視認困難演出とを実行可能である
ことを特徴とする。
(B)上記(A)の遊技機において、
前記報知用データは、特定の報知を行うために用いる、第1報知用データと第2報知用データとを含み、
前記転送手段は、前記第1報知用データを前記第2報知用データよりも優先して転送し、
前記制御手段は、前記第1報知用データの転送完了後であって、前記第2報知用データの転送完了前において、前記第2報知用データを用いて前記特定の報知を行う場合であっても、前記第1報知用データを用いて前記特定の報知を行う
ようにしてもよい。
(1)上記目的を達成するため、本発明に係る遊技機は、
遊技を実行可能な遊技機(例えばパチンコ遊技機1)であって、
遊技機の動作を制御する制御手段(例えば演出制御用CPU120)と、
第1記憶手段(例えばROM121や音声データROM)から第2記憶手段(例えばRAM122や音声RAM)にデータを転送する転送手段(例えば演出制御用CPU120)と、を備え、
前記転送手段は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに前記制御手段が用いる制御用データを転送し(例えばステップS81、S82の処理を実行し)、報知を行うために用いる報知用データを、演出を行うために用いる演出用データよりも優先して転送し(例えばステップS83、S84の処理を実行した後にステップS85の処理を実行し)、
前記制御手段は、前記演出用データの転送と並行して遊技機の状態を監視する(例えばステップS85にて開始した演出用データの転送と並行してステップS86の処理を実行する)とともに、前記報知用データを用いて遊技機の状態に応じた報知(例えばステップS87の処理)を実行可能であり、
さらに、
画像を表示可能な表示手段(例えば、演出表示装置909)と、
前記表示手段に遊技に関する情報(例えば、保留表示を含むインターフェース画像、演出確変カウンタ画像、および右打ち促進報知画像。他にも、制御されている演出モードに関する情報(例えば、モード名)、出力されている音声に関する情報(例えば、曲名)、通信端末を用いたサービスに関する情報(例えば、獲得ポイント、アイテム、二次元コード)、可動役物を駆動させることに伴うエフェクト表示、ミッションを達成したことを示すミッション表示(例えば、「スーパーリーチAを見た」、「リーチを連続で見た」といった表示)、実行中の変動に対応するアクティブ表示、操作促進表示、遊技の仕方や演出の説明に関する情報であってもよい。)を表示させることが可能な表示制御手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ90100における、ステップS90653,S90656,S90659,S90662を実行することにより保留表示を表示する部分と、ステップS90684Dを実行することにより演出確変カウンタ画像を表示する部分と、ステップS90684Aを実行することにより右打ち促進報知画像を表示する部分)と、
前記表示手段に表示された所定画像を視認困難な視認困難状態とする視認困難演出(例えば、ブラックアウト予告)を実行可能な演出実行手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ90100における、ステップS904510,S904514を実行する部分)とを備え、
前記演出実行手段は、前記視認困難演出として、前記遊技に関する情報を視認困難としない第1視認困難演出(例えば、インターフェース画像、右打ち促進報知画像および演出確変カウンタ画像を除く画像を視認困難とする第1ブラックアウト予告)と、前記遊技に関する情報を視認困難とする第2視認困難演出(例えば、インターフェース画像、右打ち促進報知画像および演出確変カウンタ画像を含む画像を視認困難とする第2ブラックアウト予告)とを実行可能である
ことを特徴とする。
このような構成によれば、演出用データの転送中においても報知用データを用いた報知が実行可能となり、演出用データの転送中の不具合に対応する報知を実行できる。また、第1視認困難演出においては、遊技に関する情報を視認困難としないため、遊技興趣の低下を防止することができる。
(2)上記(1)の遊技機において、
前記転送手段は、前記制御用データの転送が完了した後に前記報知用データを転送する(例えばステップS82にてYesと判定された後にS83の処理を実行する)ようにしてもよい。
このような構成によれば、演出用データの転送中に制御用データを用いた制御を実行できる。
(3)上記(1)または(2)の遊技機において、
前記転送手段は、前記制御用データの転送途中に前記報知用データを転送する(例えばステップS98にてYesと判定された後にステップS91の処理を実行し、その後ステップS99の処理を実行する)ようにしてもよい。
このような構成によれば、電源投入後迅速に報知用データを用いた報知が実行可能になる。
(4)上記(1)から(3)のいずれか遊技機において、
前記転送手段は、前記演出用データを分割して転送するようにしてもよい。
このような構成によれば、演出用データ転送による他の処理への影響を低減できる。
(b)本発明の他の遊技機は、
遊技を実行可能な遊技機(例えばパチンコ遊技機1)であって、
遊技機の動作を制御する制御手段(例えば演出制御用CPU120)と、
第1記憶手段(例えばROM121や音声データROM)から第2記憶手段(例えばRAM122や音声RAM)にデータを転送する転送手段(例えば演出制御用CPU120)と、を備え、
前記転送手段は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに前記制御手段が用いる制御用データを転送し(例えばステップS81、S82の処理を実行し)、報知を行うために用いる報知用データを、演出を行うために用いる演出用データよりも優先して転送し(例えばステップS83、S84の処理を実行した後にステップS85の処理を実行し)、
前記制御手段は、前記演出用データの転送と並行して可変表示手段の動作制御(例えばステップS85にて開始した演出用データの転送と並行してステップS74〜S76の処理)を実行可能であり、前記演出用データの転送中は前記演出用データに基づく制御を実行しない(ステップS701にてNoと判定された場合にはステップS703の処理を実行する)。
このような構成によれば、演出用データの転送中においても可変表示手段の動作制御を実行可能であるとともに、転送前のデータが参照されることによる不具合を抑制できる。
(c)本発明の他の遊技機は、
遊技を実行可能な遊技機(例えばパチンコ遊技機1)であって、
遊技機の動作を制御する制御手段(例えば演出制御用CPU120)と、
第1記憶手段(例えばROM121や音声データROM)から第2記憶手段(例えばRAM122や音声RAM)にデータを転送する転送手段(例えば演出制御用CPU120)と、を備え、
前記転送手段は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに前記制御手段が用いる制御用データを転送し(例えばステップS81、S82の処理を実行し)、報知を行うために用いる報知用データを、演出を行うために用いる演出用データよりも優先して転送し(例えばステップS91、S92の処理を実行した後にステップS85の処理を実行し)、
前記制御手段は、前記演出用データの転送と並行して遊技機の状態を監視する(例えばステップS85にて開始した演出用データの転送と並行してステップS86の処理を実行する)とともに、前記報知用データを用いて遊技機の状態に応じた報知(例えばステップS87の処理)を実行可能であり、
前記報知用データには、特定の報知を行うために用いる特定報知用データ(例えばエラー報知用の音声データ)が複数含まれ、
前記転送手段は、1の前記特定報知用データ(例えば報知用データA)を他の前記特定報知用データ(例えば報知用データB)より先に転送する(例えばステップS91、S92の処理を実行した後にステップS93の処理を実行する)。
このような構成によれば、演出用データの転送中においても報知用データを用いた報知が実行可能となり、演出用データの転送中の不具合に対応する報知を実行できる。
(d)本発明の他の遊技機は、
遊技を実行可能な遊技機(例えばパチンコ遊技機1)であって、
遊技機の動作を制御する制御手段(例えば演出制御用CPU120)と、
第1記憶手段(例えばROM121や音声データROM)から第2記憶手段(例えばRAM122や音声RAM)にデータを転送する転送手段(例えば演出制御用CPU120)と、を備え、
前記転送手段は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに前記制御手段が用いる制御用データを転送し(例えばステップS97、S98の処理を実行し)、報知を行うために用いる報知用データを、演出を行うために用いる演出用データよりも優先して転送し(例えばステップS83、S84やS90、S91の処理を実行した後にステップS85の処理を実行し)、
遊技機の状態を監視するための前記制御用データ(例えば制御用データA)を前記報知用データ(例えば制御用データB)よりも優先して転送する(例えばステップS97、S98の処理を実行した後にステップS99の処理を実行する)。
このような構成によれば、より迅速に遊技機の状態を監視可能になり、演出用データの転送中においても報知用データを用いた報知が実行可能となり、演出用データの転送中の不具合に対応する報知を実行できる。
また、後述する発明を実施するための形態には、以下の(5)〜(11)に係る発明が含まれる。従来より、遊技機において、特開2006−122265号公報(図20)に示されているような、画像を表示するための表示手段が設けられており、該表示手段に表示された画像を視認困難とする視認困難演出(例えば、表示手段を暗転させるブラックアウト予告演出、表示された画像の表示領域と重複する位置に役物が進出する役物演出)を行うものがあり、視認を困難とさせる度合い(例えば、暗転の度合い、表示領域と役物が重複する範囲)が異なる複数の視認困難演出を実行可能であり、視認を困難とさせる度合いの低い視認困難演出を実行した後に、視認を困難とさせる度合いの高い視認困難演出を実行するものがあった。しかしながら、上記した従来の遊技機では、遊技に関する情報が視認困難となることにより、遊技興趣が低下してしまう虞があった。この点に鑑み、遊技興趣の低下を防止することができる遊技機の提供が求められている。
(5)上記目的を達成するため、別態様による遊技機は、遊技を実行可能な遊技機であって、画像を表示可能な表示手段(例えば、演出表示装置909)と、表示手段に遊技に関する情報(例えば、保留表示を含むインターフェース画像、演出確変カウンタ画像、および右打ち促進報知画像。他にも、制御されている演出モードに関する情報(例えば、モード名)、出力されている音声に関する情報(例えば、曲名)、通信端末を用いたサービスに関する情報(例えば、獲得ポイント、アイテム、二次元コード)、可動役物を駆動させることに伴うエフェクト表示、ミッションを達成したことを示すミッション表示(例えば、「スーパーリーチAを見た」、「リーチを連続で見た」といった表示)、実行中の変動に対応するアクティブ表示、操作促進表示、遊技の仕方や演出の説明に関する情報であってもよい。)を表示させることが可能な表示制御手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ90100における、ステップS90653,S90656,S90659,S90662を実行することにより保留表示を表示する部分と、ステップS90684Dを実行することにより演出確変カウンタ画像を表示する部分と、ステップS90684Aを実行することにより右打ち促進報知画像を表示する部分)と、表示手段に表示された所定画像を視認困難な視認困難状態とする視認困難演出(例えば、ブラックアウト予告)を実行可能な演出実行手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ90100における、ステップS904510,S904514を実行する部分)とを備え、演出実行手段は、視認困難演出として、遊技に関する情報を視認困難としない第1視認困難演出(例えば、インターフェース画像、右打ち促進報知画像および演出確変カウンタ画像を除く画像を視認困難とする第1ブラックアウト予告)と、遊技に関する情報を視認困難とする第2視認困難演出(例えば、インターフェース画像、右打ち促進報知画像および演出確変カウンタ画像を含む画像を視認困難とする第2ブラックアウト予告)とを実行可能であることを特徴とする。そのような構成によれば、遊技興趣の低下を防止することができる。
(6)上記(5)の遊技機において、演出実行手段は、第2視認困難演出よりも高い頻度にて第1視認困難演出を実行する(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ90100は、第2ブラックアウト予告を実行する前には必ず第1ブラックアウト予告を実行するとともに、第1ブラックアウト予告を実行した場合であっても第2ブラックアウト予告を実行しない場合がある構成とすることにより、発生頻度は第1ブラックアウト予告>第2ブラックアウトとなっている)こととしてもよい。そのような構成によれば、遊技興趣の低下を防止することができる。
(7)上記(5)又は(6)の遊技機において、演出実行手段は、第1視認困難演出を実行した後に第2視認困難演出を実行する第1演出態様(例えば、ボタン演出用ブラックアウト予告、リーチ用ブラックアウト予告)と、第1視認困難演出を実行した後に第2視認困難演出を実行しない第2演出態様(例えば、非示唆ブラックアウト予告)とのうちいずれかの演出態様にて視認困難演出を実行可能であることとしてもよい。そのような構成によれば、遊技興趣の低下を防止することができる。
(8)上記(5)から(7)のいずれかの遊技機において、遊技者にとって有利な有利状態(例えば、大当り遊技状態)に制御可能な遊技機であって、演出実行手段は、視認困難演出として、有利状態に制御されることを示唆する特定演出(例えば、スーパーリーチ演出)を実行可能であり(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ90100は、スーパーPA3´−1〜PA3´−4,PB3´−1〜PB3´−6のいずれかの変動パターンが選択された場合に、ステップS908004,S908105を実行可能である)、特定演出の実行が終了される際に、少なくとも第1特別演出と第2特別演出とを含む複数種類の特別演出(例えば、通常復帰演出Aと通常復帰演出Bとを含む通常復帰演出)のうちいずれかを実行可能な特別演出実行手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ90100における、スーパーPA3´−1,PA3´−2,PB3´−1,PB3´−2,PB3´−5,PB3´−6のいずれかの変動パターンが選択された場合に、ステップS908004,S908105を実行する部分)と、特別演出が実行された後に、有利状態に制御することを報知する報知演出(例えば、救済演出)を実行可能な報知演出実行手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ90100における、スーパーPB3´−5,PB3´−6のいずれかの変動パターンが選択された場合に、ステップS908004,S908105を実行する部分)とを備え、報知演出実行手段は、特別演出実行手段により第1特別演出が実行されるときと第2特別演出が実行されるときとで異なる割合により報知演出を実行可能である(例えば、スーパーリーチ演出が示す大当りに対する信頼度はスーパーリーチA<スーパーリーチBであるとともに、実行されるスーパーリーチの種類がスーパーリーチAであるときに通常復帰演出Aを行い、スーパーリーチBであるときに通常復帰演出Bを行う構成であることにより、通常復帰演出Aを行ったときよりも通常復帰演出Bを行ったときの方が高い割合で救済演出を実行する)こととしてもよい。そのような構成によれば、遊技興趣の低下を防止することができる。
(9)上記(5)から(8)のいずれかの遊技機において、異常を検出する異常検出手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ90100における、閉鎖状態であるにもかかわらず大入賞口に遊技球が入賞したことを検出する部分)と、異常検出手段により異常が検出された場合に、異常が検出されたことを示す異常検出画像(例えば、小異常報知表示9025a,中異常報知表示9025b,大異常報知表示9025c)を表示手段に表示させる異常表示手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ90100における、ステップS90664を実行する部分)とを備え、視認困難演出を実行しているときに表示される異常検出画像の方が、視認困難演出を実行していないときに表示される異常検出画像よりも視認が容易である(例えば、図43に示すように、ブラックアウト予告を実行しているときに表示される中異常報知表示9025b,大異常報知表示9025cの方が、ブラックアウト予告を実行していないときに表示される小異常報知表示9025aよりも視認が容易である)こととしてもよい。そのような構成によれば、異常の発生を好適に報知することができる。
(10)上記(5)から(9)のいずれかの遊技機において、可変表示を実行可能な遊技機であって、可変表示に対応する特定表示(例えば、保留表示、アクティブ表示)を、少なくとも、通常態様(例えば、「白」)と、通常態様よりも期待度の高い第1特定態様(例えば、「赤」)と、演出内容を示唆する第2特定態様(例えば、特殊示唆態様)とを含むいずれかの表示態様にて表示可能な特定表示手段(例えば、変形例1の演出制御用マイクロコンピュータ90100における、「白」や「赤」や特殊示唆態様にて保留表示を表示可能な部分(図44参照))と、第2特定態様の特定表示により示唆された内容の演出を実行可能な演出実行手段(例えば、変形例1の演出制御用マイクロコンピュータ90100における、特殊示唆態様にて示唆された特殊ゾーン演出を実行可能である部分(図44(5),(6)参照))とを備え、特定表示手段は、第2特定態様にて特定表示を表示した後、第2特定態様の特定表示により示唆された内容の演出が実行されたときに該特定表示の表示態様を第2特定態様から第1特定態様に変化可能である(例えば、変形例1の演出制御用マイクロコンピュータ90100は、図44に示すように、特殊ゾーン演出が開始された5秒後に、特殊示唆態様にて表示していた保留表示9053を「赤」に変化可能である)こととしてもよい。そのような構成によれば、特定態様に対する期待感を高めることができる。
(11)上記(5)から(10)のいずれかの遊技機において、可変表示を行うことが可能な遊技機であって、可変表示に対応する特定表示を表示可能な特定表示手段(例えば、変形例2の演出制御用マイクロコンピュータ90100における、保留表示やアクティブ表示を表示可能な部分)と、第1態様(例えば、特殊保留)により特定表示を表示した後に、該特定表示の表示態様を変化させる変化演出(例えば、作用演出を伴う保留予告演出)を実行可能な変化演出実行手段(例えば、変形例2の演出制御用マイクロコンピュータ90100における、図47および図48に示すいずれかの変化パターンにて保留表示またはアクティブ表示の表示態様を変化させる部分)とを備え、変化演出実行手段は、変化演出として、第1態様により特定表示を表示した後に、該特定表示の表示態様を有利度が高い第2態様(例えば、青色保留や赤色保留)に変化させる演出を実行可能である(例えば、図47(D),(E)に示す変化パターン33〜36および図48(G)〜(I)に示す変化パターン405〜414にもとづく保留予告演出を実行可能である)とともに、変化演出として、第1態様により特定表示を表示した後に、該特定表示の表示態様を第2態様に変化させない場合に、該特定表示の表示態様を第3態様(例えば、通常保留)に変化させる演出を実行可能であり(例えば、図47(C)に示す変化パターン31,32および図48(F)に示す変化パターン401〜404にもとづく保留予告演出を実行可能である)、第3態様により表示される特定表示は、第1態様により表示される特定表示よりも第2態様に変化する割合が低い(例えば、図47および図48に示すように、特殊保留から通常保留に変化した後にさらに赤色保留に変化する変化パターンは、始動入賞時に第1保留記憶数が4個でスーパーリーチ大当りの場合にのみ選択可能な変化パターン411,414しかなく、判定値の割り振りが極めて少なく、通常保留のまま変化しない変化パターン31,32,401〜404の方が判定値の割り振りが多い。なお、特殊保留から通常保留に変化した後は赤色保留に変化する場合がないものであってもよい。)こととしてもよい。そのような構成によれば、変化演出を実行する場合の演出効果の低下を防止することができる。
この実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図である。 パチンコ遊技機に搭載された各種の制御基板などを示す構成図である。 演出制御コマンドの内容の一例などを示す説明図である。 主基板の側にてカウントされる遊技用乱数値を例示する説明図である。 変動パターンを例示する図である。 特図表示結果決定テーブルの構成例を示す図である。 大当り種別決定テーブルの構成例を示す図である。 遊技制御用データ保持エリアの構成例を示すブロック図である。 演出制御パターンの構成例等を示す図である。 演出制御用データ保持エリアの構成例を示すブロック図などである。 遊技制御用タイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。 特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。 演出制御メイン処理の一例を示すフローチャートである。 演出制御プロセス処理を示すフローチャートである。 演出制御データ設定処理を示すフローチャートである。 変形例の演出制御メイン処理の一例を示すフローチャートである。 変形例の演出制御メイン処理の一例を示すフローチャートである。 データ名とデータの内容を示す図である。 パチンコ遊技機を正面からみた正面図である。 遊技制御基板(主基板)の回路構成例を示すブロック図である。 演出制御基板、ランプドライバ基板および音声出力基板の回路構成例を示すブロック図である。 遊技制御用マイクロコンピュータが実行するメイン処理を示すフローチャートである。 4msタイマ割込処理を示すフローチャートである。 あらかじめ用意された演出図柄の変動パターンを示す説明図である。 スーパーリーチを伴う変動パターンにおける演出内容を示す説明図である。 特別図柄プロセス処理のプログラムの一例を示すフローチャートである。 演出制御用CPUが実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。 コマンド受信バッファの構成例を示す説明図である。 コマンド解析処理の具体例を示すフローチャートである。 コマンド解析処理の具体例を示すフローチャートである。 コマンド解析処理の具体例を示すフローチャートである。 演出制御プロセス処理を示すフローチャートである。 変動パターンコマンド受信待ち処理を示すフローチャートである。 演出図柄変動開始処理を示すフローチャートである。 演出表示装置における演出図柄の停止図柄の一例を示す説明図である。 ボタン演出実行抽選テーブルと、ボタン演出用ブラックアウト予告実行抽選テーブルと、リーチ用ブラックアウト予告実行抽選テーブルと、非示唆ブラックアウト予告実行抽選テーブルとを示す説明図である。 プロセステーブルの構成例を示す説明図である。 演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理を示すフローチャートである。 演出制御プロセス処理における演出図柄変動停止処理を示すフローチャートである。 ブラックアウト予告を実行する場合の表示例を示す説明図である。 スーパーリーチA後にはずれ表示を行う場合における演出表示装置909の表示例を示す説明図である。 スーパーリーチB後にはずれ表示を行う場合における演出表示装置909の表示例を示す説明図である。 異常報知表示が行われた場合における演出表示装置909の表示例を示す説明図である。 変形例1における、特殊示唆態様にて保留表示を表示する場合における表示例を示す説明図である。 変形例2における、最終表示態様決定テーブルの具体例を示す説明図である。 変形例2における、最終表示態様決定テーブルの具体例を示す説明図である。 変形例2における、変化パターン決定テーブルの具体例を示す説明図である。 変形例2における、変化パターン決定テーブルの具体例を示す説明図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(可変表示)される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。
複数種類の特別図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはともに、例えば方形状に形成されている。なお、第1特図の種類と第2特図の種類は同じ(例えば、ともに「0」〜「9」を示す数字、及び、「−」を示す記号)であってもよいし、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば「00」〜「99」を示す数字(あるいは2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、画像表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される飾り図柄には、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字や、英文字、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなどであればよく、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい)で構成される。飾り図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。なお、飾り図柄は8種類に限定されず、大当り組合せやハズレとなる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば7種類や9種類など)。
飾り図柄の可変表示が開始された後、可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでには、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるようなスクロール表示が行われ、図柄番号が最大(例えば「8」)である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小(例えば「1」)である飾り図柄が表示される。あるいは、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rのうち少なくともいずれか1つ(例えば「左」の飾り図柄表示エリア5Lなど)において、図柄番号が大きいものから小さいものへとスクロール表示を行って、図柄番号が最小である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最大である飾り図柄が表示されるようにしてもよい。
画像表示装置5の表示領域には、始動入賞記憶表示エリア5Hが配置されている。始動入賞記憶表示エリア5Hでは、特図ゲームに対応した可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示(保留表示)が行われる。ここで、特図ゲームに対応した可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。始動入賞記憶表示エリア5Hのおける保留記憶表示は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生したものであるか、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生したものであるかに応じて、その表示態様(例えば表示色や形状)を異ならせてもよい。
画像表示装置5の表示領域には、始動入賞記憶表示エリア5Hの左側方には、変動中特図表示エリア5Iが設けられている。変動中特図表示エリア5Iには、現在実行されている可変表示に対応した画像が表示される。現在実行されている可変表示に対応した表示は、実行中表示、アクティブ表示、可変表示対応表示などともいう。なお、実行中表示と保留記憶表示を総称して特定表示ともいう。第1始動入賞口に遊技球が進入したことに基づき第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームの実行中には、変動中特図表示エリア5Iに丸型で実行中表示が表示される。また、第2始動入賞口に遊技球が進入したことに基づき第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームの実行中には、変動中図柄表示エリア5Iに丸型で実行中表示が表示される。即ち、第1または第2開始条件の成立とともに、始動入賞記憶表示エリア5Hから除去された表示がこの変動中特図表示エリア5Iにシフトして表示されることとなる。変動中特図表示エリア5Iの表示により、遊技者は第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bのいずれで特図ゲームが実行されているかを把握することができるようにしてもよい。なお、保留記憶表示と実行中表示とで大きさや形状を異ならせてもよい。
図1に示す例では、始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1特図保留記憶数は、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第2特図保留記憶数は、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、始動領域(第2始動領域)第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しがたい通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすい拡大開放状態となる。なお、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態であるときでも、第2始動入賞口には遊技球が進入可能であるものの、拡大開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。あるいは、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態において、例えば第2始動入賞口を閉鎖することなどにより、第2始動入賞口には遊技球が進入しないように構成してもよい。このように、第2始動領域としての第2始動入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすい拡大開放状態と、遊技球が通過(進入)しにくいまたは通過(進入)できない通常開放状態とに変化する。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)できなくする。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)しやすくする。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサが内蔵されていればよい。
スティックコントローラ31Aの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニットが設けられていればよい。例えば、傾倒方向センサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組み合わせた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサが設けられていればよい。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。
パチンコ遊技機1では、遊技領域に設けられた通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことといった、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。
この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御(傾動制御)が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームが開始される。また、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームが開始される。
第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームでは、特別図柄の可変表示を開始させた後、特図変動時間としての可変表示時間が経過すると、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示されれば、所定表示結果としての「小当り」となる。また、大当り図柄や小当り図柄とは異なる特別図柄が確定特別図柄として停止表示されれば「ハズレ」となる。
特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態(有利状態、特定状態)としての大当り遊技状態に制御される。特図ゲームでの可変表示結果が「小当り」になった後には、大当り遊技状態とは異なる特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。
この実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、一例として、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「2」の数字を示す特別図柄を小当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄としている。なお、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄となるようにしてもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として大当り図柄が停止表示されて特定表示結果としての「大当り」となった後、大当り遊技状態において、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば29秒間や0.1秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を開放状態とする。これにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とするラウンドが実行される。
ラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって不利な第2状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。大入賞口の開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数(例えば「15」など)に達するまで、繰り返し実行可能となっている。なお、ラウンドの実行回数が上限回数に達する前であっても、所定条件の成立(例えば大入賞口に遊技球が入賞しなかったことなど)により、ラウンドの実行が終了するようにしてもよい。
大当り遊技状態におけるラウンドのうち、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に長い時間(例えば29秒など)となるラウンドは、通常開放ラウンドともいう。一方、特別可変入賞球装置7を第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に短い時間(例えば0.1秒など)となるラウンドは、短期開放ラウンドともいう。
大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「3」、「7」の数字を示す特別図柄は通常開放ラウンド大当り図柄となり、「5」の数字を示す特別図柄は短期開放ラウンド大当り図柄となる。特図ゲームにおける確定特別図柄として通常開放ラウンド大当り図柄が導出された後に制御される通常開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態(通常開放大当り状態)では、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、第1期間となる所定の上限時間(例えば29秒間)が経過するまでの期間、あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させるラウンドが実行される。なお、通常開放大当り状態は、第1特定遊技状態ともいう。
特図ゲームにおける確定特別図柄として短期開放ラウンド大当り図柄が導出された後に制御される短期開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態(短期開放大当り状態)では、各ラウンドで特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる上限時間(大入賞口扉により大入賞口を開放状態とする期間の上限)が、通常開放大当り状態における第1期間よりも短い第2期間(例えば0.1秒間)となる。なお、短期開放大当り状態では、大入賞口の開放期間が第2期間となるように制御されればよく、それ以外の制御は通常開放大当り状態と同様に行われるようにしてもよい。あるいは、短期開放大当り状態では、ラウンドの実行回数が、通常開放大当り状態における第1ラウンド数(例えば「15」)よりも少ない第2ラウンド数(例えば「2」)となるようにしてもよい。
このような短期開放大当り状態では、大入賞口に遊技球が入賞すれば所定個数(例えば15個)の出玉(賞球)が得られる。しかし、大入賞口の開放期間は第2期間(0.1秒間など)であって、非常に短い。そのため、短期開放大当り状態は実質的には出玉(賞球)が得られない大当り遊技状態である。なお、短期開放大当り状態は、第2特定遊技状態ともいう。
また、短期開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態は、通常開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態に比べて、大入賞口の開放期間が短いものに限定されず、例えば大入賞口の開放期間(上限時間)は短期開放ラウンド特定遊技状態と通常開放ラウンド特定遊技状態とで同一である一方で、短期開放ラウンド特定遊技状態では大入賞口を開放状態とする上限回数(例えば2回)が通常開放ラウンド特定遊技状態での上限回数(例えば15回)に比べて少なくなるものであってもよい。すなわち、短期開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態は、各ラウンドで大入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい第1状態に変化させる期間が通常開放ラウンド特定遊技状態における第1期間よりも短い第2期間となることと、ラウンドの実行回数が通常開放ラウンド特定遊技状態における第1ラウンド数よりも少ない第2ラウンド数となることのうち、少なくともいずれか一方となるものであればよい。
小当り図柄となる「2」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として導出された後には、特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。この小当り遊技状態では、短期開放大当り状態と同様に特別可変入賞球装置7において大入賞口を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させる可変入賞動作が行われる。すなわち、小当り遊技状態では、例えば特別可変入賞球装置7を第2期間にわたり第1状態(開放状態)とする動作が繰り返し実行される。
画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。そして、飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示状態が所定のリーチ状態となることがある。
ここで、リーチ状態とは、画像表示装置5の表示領域にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部又は一部の飾り図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリア5Cなど)では飾り図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部又は一部で飾り図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。
また、リーチ状態となったことに対応して、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置5の表示領域に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、飾り図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。なお、リーチ演出には、画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ状態となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(リーチ態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ態様では「大当り」となる可能性(「信頼度」あるいは「大当り信頼度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、可変表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。
一例として、この実施の形態では、ノーマルリーチ、スーパーリーチα、スーパーリーチβといったリーチ態様が予め設定されている。そして、スーパーリーチαやスーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ態様が出現した場合には、ノーマルリーチのリーチ態様が出現した場合に比べて、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高くなる。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出とは異なり、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、飾り図柄の可変表示態様などにより遊技者に報知するための可変表示演出が実行されることがある。この実施の形態では、「滑り」や「擬似連」といった可変表示演出が実行可能である。「滑り」や「擬似連」の可変表示演出は、主基板11の側で変動パターンが決定されることなどに対応して実行するか否かが決定されればよい。なお、「滑り」の可変表示演出は、主基板11の側で決定された変動パターンにかかわらず、演出制御基板12の側で実行するか否かが決定されてもよい。
「滑り」の可変表示演出では、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄を変動させてから、複数の飾り図柄表示エリア(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)にて飾り図柄を仮停止表示させた後、その仮停止表示した飾り図柄表示エリアのうち所定数(例えば「1」または「2」)の飾り図柄表示エリア(例えば「左」の飾り図柄表示エリア5Lと「右」の飾り図柄表示エリア5Rのいずれか一方または双方)にて飾り図柄を再び変動させた後に停止表示させることで、停止表示する飾り図柄を変更させる演出表示が行われる。こうして、「滑り」の可変表示演出では、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに複数の飾り図柄を仮停止表示させた後、所定数の飾り図柄について可変表示を再度実行することにより、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態になるときと、リーチ状態とはならずに非リーチ組合せを構成する飾り図柄が停止表示されるときとがある。
「擬似連」の可変表示演出では、特図ゲームの第1開始条件と第2開始条件のいずれか一方が1回成立したことに対応して、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄を一旦仮停止表示させた後、全部の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄を再び変動(擬似連変動)させる演出表示を、所定回(例えば最大3回まで)行うことができる。擬似連変動の回数は、飾り図柄の可変表示が開始されてから全部の飾り図柄が最初に一旦仮停止するまでの初回変動を除く、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄が再変動する回数である。
「擬似連」の可変表示演出では、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、例えば予め定められた複数種類の擬似連チャンス目のうちいずれかを構成する飾り図柄が、所定表示結果として一旦は仮停止表示される。その後に、擬似連変動(再可変表示)が行われる。この実施の形態では、「擬似連」の可変表示演出において、擬似連変動(再変動)が1回〜3回行われることにより、第1開始条件あるいは第2開始条件が1回成立したことに基づき、飾り図柄の可変表示があたかも2回〜4回続けて開始されたかのように見せることができる。なお、「擬似連」の可変表示演出における擬似連変動(再変動)の回数は、例えば4回や5回といった、1回〜3回よりも多くの回数まで実行できるようにしてもよい。
こうした飾り図柄の可変表示動作を利用した可変表示演出としては、「滑り」や「擬似連」の他にも各種の演出動作が実行されてもよい。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出あるいは「滑り」や「擬似連」などの可変表示演出とは異なり、例えば所定の演出画像を表示することや、メッセージとなる画像表示や音声出力、ランプ点灯などのように、飾り図柄の可変表示動作とは異なる演出動作により、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、スーパーリーチによるリーチ演出が実行される可能性があること、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、遊技者に予め報知するための予告演出が実行されることがある。予告演出となる演出動作は、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部にて飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となるより前(「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて飾り図柄が仮停止表示されるより前)に実行(開始)されるものであればよい。また、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを報知する予告演出には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後に実行されるものが含まれていてもよい。
予告演出のうちには、先読み予告演出(先読み予告ともいう)となるものが含まれる。先読み予告演出は、可変表示結果が「大当り」となる可能性などが予告される対象となる可変表示を開始するより前に、特図ゲームの保留情報などに基づいて実行可能となる予告演出である。特に、複数回の特図ゲームに対応して複数回実行される飾り図柄の可変表示にわたり、可変表示結果が「大当り」となる可能性などを連続して予告する先読み予告演出は、連続予告演出とも称される。
先読み予告演出として、始動入賞記憶表示エリア5Hにおいて特図保留記憶数を特定可能に表示する保留記憶表示を、通常時における表示態様とは異なる表示態様に変化させることにより、予告対象となる可変表示において「大当り」となる可能性などを予告する保留表示予告が実行されるようにしてもよい。例えば、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける保留記憶表示を、所定のタイミングにおいて通常の表示態様と異なる特別態様で表示する保留表示予告が実行されるようにしてもよい。
始動入賞記憶表示エリア5Hに加えて、変動中特図表示エリア5Iにおいても先読み予告演出が実行されるようにしてもよい。この実施の形態では、保留が消化されたことに対応して始動入賞記憶表示エリア5Hから除去された保留記憶表示は、この変動中特図表示エリア5Iにシフトして表示されることとなるが、始動入賞記憶表示エリア5Hにおいて特別態様で保留記憶表示がなされているときに、変動中特図表示エリア5Iにシフトする場合には、変動中特図表示エリア5Iにおける実行中表示も特別態様とするようにしてもよい。このようにすることで、保留記憶数が少ない段階で先読み予告演出が実行された場合であっても、表示態様が特別態様に変化する機会を増やすことができ、遊技の興趣が向上する。
また、この実施の形態では、このような先読み予告演出とは別に、可変表示が実行されるときに、当該可変表示の変動パターンや可変表示結果に基づいて、当該可変表示結果が「大当り」となる可能性などが予告される変動中予告演出が実行されるようになっている。変動中予告演出は、演出画像の表示、音声の出力、ランプの点灯、演出役物の動作、それらの組み合せ等によって、「大当り」となる可能性などを予告するものであればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、所定の非リーチ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「非リーチ」(「通常ハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、リーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、所定のリーチハズレ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示結果は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、通常開放ラウンド大当り図柄となる特別図柄のうち、「3」の数字を示す特別図柄といった通常大当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、複数種類の大当り組合せのうち、所定の通常大当り組合せ(「非確変大当り組合せ」ともいう)となる確定飾り図柄が停止表示される。通常大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。通常大当り組合せを構成する図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄は、通常図柄(「非確変図柄」ともいう)と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄が通常大当り図柄となることに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、通常大当り組合せの確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「非確変」(「通常大当り」ともいう)の可変表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。「非確変」の大当り種別で可変表示結果が「大当り」となったことに基づいて、通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時間短縮制御(時短制御)が行われる。時短制御が行われることにより、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示時間(特図変動時間)は、通常状態に比べて短縮される。通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態などとは異なる通常遊技状態であり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。時短制御は、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、可変表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、通常開放ラウンド大当り図柄となる特別図柄のうち、「7」の数字を示す特別図柄といった確変大当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、飾り図柄の可変表示態様が「通常」である場合と同様のリーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、複数種類の大当り組合せのうち、所定の確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。確変大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。確変大当り組合せを構成する図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄は、確変図柄と称される。特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される場合に、飾り図柄の可変表示結果として、通常大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがあるようにしてもよい。
確定飾り図柄が通常大当り組合せであるか確変大当り組合せであるかにかかわらず、特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「確変」の可変表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。「確変」の大当り種別で可変表示結果が「大当り」となったことに基づいて、通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御とともに確率変動制御(確変制御)が行われる。確変制御が行われることにより、各回の特図ゲームにおいて可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」となる確率は、通常状態に比べて高くなるように向上する。確変制御は、大当り遊技状態の終了後に可変表示結果が「大当り」となって再び大当り遊技状態に制御されるという条件が成立したときに、終了すればよい。なお、時短制御と同様に、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されたときに、確変制御を終了してもよい。また、大当り遊技状態の終了後に特図ゲームが開始されるごとに実行される確変転落抽選にて確変制御を終了させる「確変転落あり」の決定がなされたときに、確変制御を終了してもよい。
時短制御が行われるときには、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御が行われる。このように、時短制御に伴い第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御としては、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。
高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、時短制御が行われる期間と同一であればよい。
時短制御と高開放制御がともに行われる遊技状態は、時短状態あるいは高ベース状態ともいう。時短制御と高開放制御がともに行われる遊技状態は、通常状態あるいは低ベース状態ともいう。また、確変制御が行われる遊技状態は、確変状態あるいは高確状態ともいう。確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態は、高確高ベース状態とも称される。確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態は、高確低ベース状態とも称される。なお、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態のみを、特に「確変状態」ということもあり、高確低ベース状態とは区別するために、時短付確変状態ということもある。一方、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態(高確低ベース状態)は、高確高ベース状態と区別するために、時短なし確変状態ということもある。確変制御が行われずに時短制御や高開放制御が行われる時短状態は、低確高ベース状態とも称される。確変制御や時短制御および高開放制御がいずれも行われない通常状態は、低確低ベース状態とも称される。通常状態以外の遊技状態において時短制御や確変制御の少なくともいずれかが行われるときには、特図ゲームが頻繁に実行可能となることや、各回の特図ゲームにおける可変表示結果が「大当り」となる確率が高められることにより、遊技者にとって有利な状態となる。大当り遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な遊技状態は、特別遊技状態(特別状態)とも称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、「5」の数字を示す特別図柄といった短期開放ラウンド大当り図柄が停止表示される場合や、「2」の数字を示す特別図柄といった小当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、開放チャンス目として予め定められた複数種類の確定飾り図柄の組合せのいずれかが停止表示されることがある。また、特図ゲームにおける確定特別図柄として、短期開放ラウンド大当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後などに、所定のリーチ組合せとなる確定飾り図柄(短期開放ラウンド大当り状態に対応したチャンス目となる確定飾り図柄)が停止表示されることもある。
特図ゲームにおける確定特別図柄が短期開放ラウンド大当り図柄となることに対応して、各種の確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「突確」(「突確大当り」あるいは「突然確変大当り」ともいう)の可変表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。「突確」の大当り種別で可変表示結果が「大当り」となったことに基づいて、短期開放大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御とともに確変制御が行われればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、「2」の数字を示す特別図柄といった小当り図柄が停止表示されて可変表示結果が「小当り」となったことに基づいて、小当り遊技状態に制御され、その終了後には、遊技状態の変更が行われず、可変表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御される。ただし、可変表示結果が「小当り」となる特図ゲームが実行されたときに、特別遊技状態における特図ゲームの実行回数が所定回数に達していれば、小当り遊技状態の終了後には、特別遊技状態が終了して通常状態となることがある。
飾り図柄の可変表示結果として開放チャンス目を構成する確定飾り図柄が導出表示された後に大入賞口が開放状態となる場合には、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」であることに基づき短期開放大当り状態に制御されたときと、可変表示結果が「小当り」であることに基づき小当り遊技状態に制御されたときとがある。一方、飾り図柄の可変表示結果としてリーチ組合せを構成する確定飾り図柄が導出表示された後に大入賞口が開放状態となるのは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」であることに基づき短期開放大当り状態に制御されたときのみである。したがって、開放チャンス目を構成する確定飾り図柄は、短期開放大当り状態および小当り遊技状態のいずれに制御されることにも対応している一方で、リーチ組合せの確定飾り図柄は、短期開放大当り状態に制御されることに対応している。
確定飾り図柄が非確変大当り組合せや確変大当り組合せとなる飾り図柄の可変表示中には、再抽選演出が実行されることがある。再抽選演出では、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに通常大当り組合せとなる飾り図柄を仮停止表示させた後に、例えば「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて同一の飾り図柄が揃った状態で再び変動させ、確変大当り組合せとなる飾り図柄(確変図柄)と、通常大当り組合せとなる飾り図柄(通常図柄)のうちいずれかを、確定飾り図柄として停止表示(最終停止表示)させる。ここで、大当り種別が「非確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた飾り図柄を再変動させた後に通常大当り組合せとなる確定飾り図柄を導出表示する再抽選落選演出が行われる。これに対して、大当り種別が「確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた飾り図柄を再変動させた後に確変大当り組合せとなる確定飾り図柄を停止表示する再抽選当選演出が実行されることもあれば、再抽選落選演出が実行されることもある。
通常大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示された後には、大当り遊技状態の開始時や大当り遊技状態におけるラウンドの実行中、大当り遊技状態においていずれかのラウンドが終了してから次のラウンドが開始されるまでの期間、大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから次の可変表示ゲームが開始されるまでの期間などにて、確変状態に制御するか否かの確変報知演出となる大当り中昇格演出が実行されてもよい。なお、大当り中昇格演出と同様の報知演出が、大当り遊技状態の終了後における最初の可変表示ゲーム中などにて実行されてもよい。大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから実行される大当り中昇格演出を、特に「エンディング昇格演出」ということもある。
大当り中昇格演出には、確定飾り図柄が通常大当り組合せであるにもかかわらず遊技状態が確変状態となる昇格がある旨を報知する大当り中昇格成功演出と、確変状態となる昇格がない旨を報知する大当り中昇格失敗演出とがある。例えば、大当り中昇格演出では、画像表示装置5の表示領域にて飾り図柄を可変表示させて通常図柄と確変図柄のいずれかを演出表示結果として停止表示させること、あるいは、飾り図柄の可変表示とは異なる演出画像の表示を行うことなどにより、確変状態となる昇格の有無を、遊技者が認識できるように報知すればよい。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤2などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド81、82に伝送するソレノイド回路111などが搭載されている。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。演出制御基板12には、音声データを記憶する音声データROMや、音声データを展開するための音声RAMが設けられる。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23からの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23は、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。
図3(A)は、この実施の形態で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。なお、図3(A)に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
図3(A)に示す例において、コマンド8001Hは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第1変動開始コマンドである。コマンド8002Hは、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第2変動開始コマンドである。コマンド81XXHは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで可変表示される飾り図柄などの変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドである。ここで、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。変動パターン指定コマンドでは、指定する変動パターンなどに応じて、異なるEXTデータが設定される。
コマンド8CXXHは、特別図柄や飾り図柄などの可変表示結果を指定する可変表示結果通知コマンドである。可変表示結果通知コマンドでは、例えば図3(B)に示すように、可変表示結果が「ハズレ」であるか「大当り」であるかの決定結果(事前決定結果)や、可変表示結果が「大当り」となる場合の大当り種別を複数種類のいずれとするかの決定結果(大当り種別決定結果)に応じて、異なるEXTデータが設定される。より具体的には、コマンド8C00Hは、可変表示結果が「ハズレ」となる旨の事前決定結果を示す第1可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C01Hは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第2可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C02Hは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「確変」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第3可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C03Hは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第4可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C04Hは、可変表示結果が「小当り」となる旨の事前決定結果を示す第5可変表示結果通知コマンドである。
コマンド8F00Hは、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで飾り図柄の変動停止(確定)を指定する図柄確定コマンドである。コマンド95XXHは、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドである。遊技状態指定コマンドでは、例えばパチンコ遊技機1における現在の遊技状態に応じて、異なるEXTデータが設定される。具体的な一例として、コマンド9500Hを時短制御と確変制御がいずれも行われない遊技状態(低確低ベース状態、通常状態)に対応した第1遊技状態指定コマンドとし、コマンド9501Hを時短制御が行われる一方で確変制御は行われない遊技状態(低確高ベース状態、時短状態)に対応した第2遊技状態指定コマンドとする。また、コマンド9502Hを確変制御が行われる一方で時短制御は行われない遊技状態(高確低ベース状態、時短なし確変状態)に対応した第3遊技状態指定コマンドとし、コマンド9503Hを時短制御と確変制御がともに行われる遊技状態(高確高ベース状態、時短付確変状態)に対応した第4遊技状態指定コマンドとする。
コマンドA0XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態の開始を示す演出画像の表示を指定する当り開始指定コマンド(「ファンファーレコマンド」ともいう)である。コマンドA1XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態において、大入賞口が開放状態となっている期間であることを通知する大入賞口開放中通知コマンドである。コマンドA2XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態において、大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間であることを通知する大入賞口開放後通知コマンドである。コマンドA3XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態の終了時における演出画像の表示を指定する当り終了指定コマンドである。
当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドでは、例えば可変表示結果通知コマンドと同様のEXTデータが設定されることなどにより、事前決定結果や大当り種別決定結果に応じて異なるEXTデータが設定されてもよい。あるいは、当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドでは、事前決定結果及び大当り種別決定結果と設定されるEXTデータとの対応関係を、可変表示結果通知コマンドにおける対応関係とは異ならせるようにしてもよい。大入賞口開放中通知コマンドや大入賞口開放後通知コマンドでは、例えば通常開放大当り状態や短期開放大当り状態におけるラウンドの実行回数(例えば「1」〜「15」)に対応して、異なるEXTデータが設定される。
コマンドB100Hは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ22Aにより検出されて始動入賞(第1始動入賞)が発生したことに基づき、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞指定コマンドである。コマンドB200Hは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ22Bにより検出されて始動入賞(第2始動入賞)が発生したことに基づき、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞指定コマンドである。
コマンドC1XXHは、始動入賞記憶表示エリア5Hなどにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第1特図保留記憶数を通知する第1保留記憶数通知コマンドである。コマンドC2XXHは、始動入賞記憶表示エリア5Hなどにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第2特図保留記憶数を通知する第2保留記憶数通知コマンドである。第1保留記憶数通知コマンドは、例えば第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1始動条件が成立したことに基づいて、第1始動口入賞指定コマンドが送信されるときに、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。第2保留記憶数通知コマンドは、例えば第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2始動条件が成立したことに基づいて、第2始動口入賞指定コマンドが送信されるときに、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。また、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、第1開始条件と第2開始条件のいずれかが成立したときに、特図ゲームの実行が開始されることなどに対応して送信されるようにしてもよい。
第1保留記憶数通知コマンドは、第1始動入賞の発生により第1始動条件が成立したときに、第1特図保留記憶数の増加を通知するものとして送信される。また、第2保留記憶数通知コマンドは、第2始動入賞の発生により第2始動条件が成立したときに、第2特図保留記憶数の増加を通知するものとして送信される。
この実施の形態では、保留記憶情報として、第1始動入賞口と第2始動入賞口とのいずれに始動入賞したかを指定する第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドを送信するとともに、第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数を指定する第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドを送信する。なお、保留記憶数が増加したときに、第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数が増加したことを示す保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンド)を送信する一方、保留記憶数が減少したときに、第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数が減少したことを示す保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンド)を送信するようにしてもよい。
第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドに代えて、合計保留記憶数を通知する合計保留記憶数通知コマンドを送信するようにしてもよい。すなわち、合計保留記憶数の増加(または減少)を通知するための合計保留記憶数通知コマンドが用いられてもよい。
コマンドC4XXHおよびコマンドC6XXHは、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド)である。このうち、コマンドC4XXHは、入賞時判定結果として、可変表示結果が「大当り」となるか否かや「小当り」となるか否か、大当り種別の判定結果を示す図柄指定コマンドである。また、コマンドC6XXHは、入賞時判定結果として、変動パターン種別決定用の乱数値MR3がいずれの決定値の範囲となるかの判定結果(変動パターン種別の判定結果)を示す変動カテゴリコマンドである。
この実施の形態では、入賞時乱数値判定処理において、始動入賞の発生に基づき、可変表示結果が「大当り」に決定されるか否かや「小当り」に決定されるか否か、大当りの種別、変動パターン種別決定用の乱数値MR3がいずれの決定値の範囲になるかを判定する。そして、図柄指定コマンドのEXTデータに、可変表示結果が「大当り」や「小当り」に決定されることを指定する値や、大当り種別を指定する値を設定し、演出制御基板12に対して送信する制御を行う。また、変動カテゴリコマンドのEXTデータに判定結果としての乱数値MR3が含まれる決定値の範囲を指定する値を設定し、演出制御基板12に対して送信する制御を行う。演出制御基板12に搭載された演出制御用CPU120は、図柄指定コマンドに設定されている値に基づいて、可変表示結果が「大当り」や「小当り」に決定されるか否か、大当り種別を認識できるとともに、変動カテゴリコマンドに設定されている値に基づいて、変動パターン種別決定用の乱数値MR3が所定範囲の決定値に含まれる場合には変動パターン種別を認識できる。
図柄指定コマンドの一例として、コマンドC400Hを可変表示結果が「ハズレ」となる場合に応じた第1図柄指定コマンドとし、コマンドC401Hを可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「確変」となる場合に応じた第2図柄指定コマンドとし、コマンドC402Hを可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」となる場合に応じた第3図柄指定コマンドとし、コマンドC403Hを可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となる場合に応じた第4図柄指定コマンドとし、コマンドC404Hを可変表示結果が「小当り」となる場合に応じた第5図柄指定コマンドとする。なお、図柄指定コマンドに設定されるEXTデータと、可変表示結果通知コマンドに設定されるEXTデータとを共通化してもよい。
なお、図3(A)に示したコマンドは、パチンコ遊技機1における演出制御コマンドの一部であり、この他にも主基板11から演出制御基板12にエラーが発生したことを通知する(エラー報知の実行を指定する)エラーコマンド等も設けられる。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
図4は、主基板11の側においてカウントされる乱数値を例示する説明図である。図4に示すように、この実施の形態では、主基板11の側において、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3、変動パターン決定用の乱数値MR4、普図表示結果決定用の乱数値MR5のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。なお、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。
乱数回路104は、これらの乱数値MR1〜MR5の一部または全部を示す数値データをカウントするものであればよい。CPU103は、例えば図8に示す遊技制御カウンタ設定部154に設けられたランダムカウンタといった、乱数回路104とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを更新することで、乱数値MR1〜MR5の一部を示す数値データをカウントするようにしてもよい。
特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かや、可変表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かを、決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「65535」の範囲の値をとる。大当り種別決定用の乱数値MR2は、可変表示結果を「大当り」とする場合における飾り図柄の可変表示態様である大当り種別を「非確変」、「確変」、「突確」のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「100」の範囲の値をとる。
変動パターン種別決定用の乱数値MR3は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターン種別を、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「251」の範囲の値をとる。変動パターン決定用の乱数値MR4は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターンを、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「997」の範囲の値をとる。普図表示結果決定用の乱数値MR5は、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける可変表示結果を「普図当り」とするか「普図ハズレ」とするかなどの決定を行うために用いられる乱数値であり、例えば「3」〜「13」の範囲の値をとる。
図5は、この実施の形態における変動パターンを示している。この実施の形態では、可変表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。なお、可変表示結果が「ハズレ」で飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンは、非リーチ変動パターン(「非リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称され、可変表示結果が「ハズレ」で飾り図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンは、リーチ変動パターン(「リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称される。また、非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンは、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に対応したハズレ変動パターンに含まれる。可変表示結果が「大当り」である場合に対応した変動パターンは、大当り変動パターンと称される。
大当り変動パターンやリーチ変動パターンには、ノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンと、スーパーリーチαまたはスーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンとがある。可変表示結果が「小当り」である場合に対応した変動パターンは、小当り変動パターンと称される。大当り変動パターンと小当り変動パターンは、可変表示結果が「大当り」または「小当り」となる場合に対応した当り変動パターンに含まれる。
図5に示す各変動パターンは、予め定められた複数の変動パターン種別のうち、少なくとも1つの変動パターン種別に含まれていてもよい。各変動パターン種別は、例えば飾り図柄の可変表示中に実行される演出動作の態様などに基づいて分類(グループ化)された単一または複数の変動パターンを含むように構成されてもよい。
一例として、複数の変動パターンをリーチ演出の種類(演出態様)で分類(グループ化)して、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならない変動パターンが含まれる変動パターン種別と、ノーマルリーチを伴う変動パターンが含まれる変動パターン種別と、スーパーリーチ(スーパーリーチαまたはスーパーリーチβ)を伴う変動パターンが含まれる変動パターン種別とに分けてもよい。また、スーパーリーチを伴う変動パターンについては、リーチ演出の内容(例えばスーパーリーチαであるかスーパーリーチβであるか)に応じて、異なる変動パターン種別に分類されるようにしてもよい。あるいは、所定の可変表示演出が実行されるか否かなどに応じて、異なる変動パターン種別に分類されるようにしてもよい。他の一例として、複数の変動パターンを飾り図柄の可変表示時間などに応じて、分類(グループ化)してもよい。複数の変動パターン種別のうちには、共通の変動パターンを含んで構成されたものがあってもよい。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、図5に示すような変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
図6は、ROM101に記憶される特図表示結果決定テーブルの構成例を示している。この実施の形態では、特図表示結果決定テーブルとして、図6(A)に示す第1特図表示結果決定テーブル130Aと、図6(B)に示す第2特図表示結果決定テーブル130Bとが、予め用意されている。第1特図表示結果決定テーブル130Aは、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームにおいて可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かや、可変表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果決定用の乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。第2特図表示結果決定テーブル130Bは、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かや、可変表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果決定用の乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。
第1特図表示結果決定テーブル130Aでは、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態または時短状態(低確状態)であるか、確変状態(高確状態)であるかに応じて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、「大当り」や「小当り」、「ハズレ」の特図表示結果に割り当てられている。第2特図表示結果決定テーブル130Bでは、遊技状態が通常状態または時短状態(低確状態)であるか、確変状態(高確状態)であるかに応じて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、「大当り」や「ハズレ」の特図表示結果に割り当てられている。
第1特図表示結果決定テーブル130Aや第2特図表示結果決定テーブル130Bにおいて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される決定値を示すテーブルデータは、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられる決定用データとなっている。第1特図表示結果決定テーブル130Aと第2特図表示結果決定テーブル130Bのそれぞれでは、遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに、通常状態または時短状態(低確状態)であるときよりも多くの決定値が、「大当り」の特図表示結果に割り当てられている。これにより、パチンコ遊技機1において確変制御が行われる確変状態(高確状態)では、通常状態または時短状態(低確状態)であるときに比べて、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなる。すなわち、第1特図表示結果決定テーブル130Aと第2特図表示結果決定テーブル130Bのそれぞれでは、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態であるときに、通常状態や時短状態であるときに比べて大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなるように、決定用データが大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられている。
第1特図表示結果決定テーブル130Aの設定例では、所定範囲の決定値(「30000」〜「30350」の範囲の値)が「小当り」の特図表示結果に割り当てられている。その一方で、第2特図表示結果決定テーブル130Bの設定例では、「小当り」の特図表示結果に決定値が割り当てられていない。このような設定により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立したことに基づいて可変表示結果の判定を行う場合と、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立したことに基づいて可変表示結果の判定を行う場合とで、特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定される割合を、異ならせることができる。
特に、第2特図を用いた特図ゲームでは特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定されることがないので、例えば時短状態(低確高ベース状態)や確変状態(高確高ベース状態)といった、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい遊技状態において、賞球を得ることが困難な小当り遊技状態の頻発を回避して、遊技の間延びによる遊技興趣の低下を防止できる。なお、第2特図表示結果決定テーブル130Bにおいても、第1特図表示結果決定テーブル130Aにおける設定とは異なる所定範囲の決定値が、「小当り」の特図表示結果に割り当てられるようにしてもよい。例えば、第2特図表示結果決定テーブル130Bでは、第1特図表示結果決定テーブル130Aに比べて少ない決定値が、「小当り」の特図表示結果に割り当てられてもよい。こうして、時短状態や確変状態といった高ベース状態であるときには、通常状態や時短なし確変状態といった低ベース状態であるときよりも、小当り遊技状態に制御すると決定される割合が低くなるようにしてもよい。あるいは、第1開始条件と第2開始条件のいずれが成立したかにかかわらず、共通の特図表示結果決定テーブルを参照して、特図表示結果の決定を行うようにしてもよい。
図7は、ROM101に記憶される大当り種別決定テーブル131の構成例を示している。大当り種別決定テーブル131は、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定されたときに、大当り種別決定用の乱数値MR2に基づき、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り種別決定テーブル131では、特図ゲームにおいて可変表示(変動)が行われた特別図柄が第1特図(第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲーム)であるか第2特図(第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲーム)であるかに応じて、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値(決定値)が、「非確変」や「確変」、「突確」といった複数種類の大当り種別に割り当てられている。
大当り種別決定テーブル131の設定例では、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて、「突確」の大当り種別に対する決定値の割当てが異なっている。すなわち、変動特図が第1特図である場合には、所定範囲の決定値(「83」〜「100」の範囲の値)が「突確」の大当り種別に割り当てられる一方で、変動特図が第2特図である場合には、「突確」の大当り種別に対して決定値が割り当てられていない。このような設定により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合と、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合とで、大当り種別を「突確」に決定する割合を、異ならせることができる。特に、第2特図を用いた特図ゲームでは大当り種別を「突確」として短期開放大当り状態に制御すると決定されることがないので、例えば時短制御に伴う高開放制御により、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい遊技状態において、賞球を得ることが困難な短期開放大当り状態の頻発を回避して、遊技の間延びによる遊技興趣の低下を防止できる。
なお、変動特図が第2特図である場合にも、変動特図が第1特図である場合とは異なる所定範囲の決定値が、「突確」の大当り種別に割り当てられるようにしてもよい。例えば、変動特図が第2特図である場合には、変動特図が第1特図である場合に比べて少ない決定値が、「突確」の大当り種別に割り当てられてもよい。あるいは、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかにかかわらず、共通のテーブルデータを参照して、大当り種別の決定を行うようにしてもよい。
また、ROM101には、特図表示結果や、変動パターン種別決定用の乱数値MR3や、変動パターン決定用の乱数値MR4に基づいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照される変動パターン決定テーブルなどが記憶される。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102は、その一部または全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM102の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特図プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存されるようにすればよい。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。
このようなRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、例えば図8に示すような遊技制御用データ保持エリア150が設けられている。図8に示す遊技制御用データ保持エリア150は、第1特図保留記憶部151Aと、第2特図保留記憶部151Bと、普図保留記憶部151Cと、遊技制御フラグ設定部152と、遊技制御タイマ設定部153と、遊技制御カウンタ設定部154と、遊技制御バッファ設定部155とを備えている。
第1特図保留記憶部151Aは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第1始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部151Aは、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第1始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第1特図保留記憶部151Aに記憶された保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき所定の遊技価値が付与されるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。
第2特図保留記憶部151Bは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第2始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部151Bは、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第2始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第2特図保留記憶部151Bに記憶された保留データは、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき所定の遊技価値が付与されるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。
なお、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第1始動条件の成立に基づく保留情報(第1保留情報)と、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第2始動入賞の成立に基づく保留情報(第2保留情報)とを、共通の保留記憶部にて保留番号と対応付けて記憶するようにしてもよい。この場合には、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過(進入)したかを示す始動口データを保留情報に含め、保留番号と対応付けて記憶させればよい。
普図保留記憶部151Cは、通過ゲート41を通過した遊技球がゲートスイッチ21によって検出されたにもかかわらず、未だ普通図柄表示器20により開始されていない普図ゲームの保留情報を記憶する。例えば、普図保留記憶部151Cは、遊技球が通過ゲート41を通過した順に保留番号と対応付けて、その遊技球の通過に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された普図表示結果決定用の乱数値MR5を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
遊技制御フラグ設定部152には、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況などに応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、遊技制御フラグ設定部152には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
遊技制御タイマ設定部153には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている。例えば、遊技制御タイマ設定部153には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
遊技制御カウンタ設定部154には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するためのカウンタが複数種類設けられている。例えば、遊技制御カウンタ設定部154には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。ここで、遊技制御カウンタ設定部154には、遊技用乱数の一部または全部をCPU103がソフトウェアにより更新可能にカウントするためのランダムカウンタが設けられてもよい。
例えば、遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタには、乱数値MR2〜MR5を示す数値データが、ランダムカウント値として記憶され、CPU103によるソフトウェアの実行に応じて、定期的あるいは不定期に、各乱数値を示す数値データが更新される。CPU103がランダムカウント値を更新するために実行するソフトウェアは、ランダムカウント値を乱数回路104における数値データの更新動作とは別個に更新するためのものであってもよいし、乱数回路104から抽出された数値データの全部又は一部にスクランブル処理や演算処理といった所定の処理を施すことによりランダムカウント値を更新するためのものであってもよい。
遊技制御バッファ設定部155には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、遊技制御バッファ設定部155には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるI/O105は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。
図2に示すように、演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。
演出制御基板12には、画像表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。さらに、演出制御基板12には、スティックコントローラ31Aに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、コントローラセンサユニット35Aから伝送するための配線や、プッシュボタン31Bに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ35Bから伝送するための配線も接続されている。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。
一例として、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の演出装置(例えば画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9及び装飾用LED、演出用模型など)による演出動作を制御するために使用する演出制御パターンを複数種類格納した演出制御パターンテーブルが記憶されている。演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。演出制御パターンテーブルには、例えば特図変動時演出制御パターンと、予告演出制御パターンと、各種演出制御パターンとが、格納されていればよい。
特図変動時演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、特図ゲームにおいて特別図柄の変動が開始されてから特図表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるまでの期間における、飾り図柄の可変表示動作やリーチ演出、再抽選演出などにおける演出表示動作、あるいは、飾り図柄の可変表示を伴わない各種の演出表示動作といった、様々な演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。予告演出制御パターンは、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。
特図変動時演出制御パターンのうちには、例えばリーチ演出を実行する変動パターンごとに、それぞれのリーチ演出における演出態様を異ならせた複数種類のリーチ演出制御パターンが含まれてもよい。
図9(A)は、演出制御パターンの構成例を示している。特図変動時演出制御パターンや各種演出制御パターンといった、それぞれの演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ判定値、表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データ、終了コードといった、各種の演出動作を制御するための制御データから構成され、時系列的に、各種の演出制御の内容や、演出制御の切換タイミング等が設定されていればよい。その他にも、演出制御パターンには、例えば遊技領域の内部または外部に設けられた可動部材における動作制御の内容等を指定する可動部材制御データなどが、含まれていてもよい。演出制御プロセスタイマ判定値は、演出制御用CPU120に内蔵された演出制御用RAMの所定領域に設けられた演出制御プロセスタイマの値(演出制御プロセスタイマ値)と比較される値(判定値)であって、各演出動作の実行時間(演出時間)に対応した判定値が予め設定されている。なお、演出制御プロセスタイマ判定値に代えて、例えば主基板11から所定の演出制御コマンドを受信したことや、演出制御用CPU120において演出動作を制御するための処理として所定の処理が実行されたことといった、所定の制御内容や処理内容に対応して、演出制御の切換タイミング等を示すデータが設定されていてもよい。
表示制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における各飾り図柄の変動態様を示すデータといった、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示態様を示すデータが含まれている。すなわち、表示制御データは、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を指定するデータである。音声制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における飾り図柄の可変表示動作に連動した効果音等の出力態様を示すデータといった、スピーカ8L、8Rからの音声出力態様を示すデータが含まれている。すなわち、音声制御データは、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作を指定するデータである。ランプ制御データには、例えば遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった、発光体の点灯動作態様を示すデータが含まれている。すなわち、ランプ制御データは、発光体の点灯動作を指定するデータである。操作検出制御データには、例えば操作ボタン30といった操作部に対する操作を有効に検出する期間や、有効に検出した場合における演出動作の制御内容等を示すデータが含まれている。すなわち、操作検出制御データは、操作部に対する操作に応じた演出動作を指定するデータである。なお、これらの制御データは、全ての演出制御パターンに含まれなければならないものではなく、各演出制御パターンによる演出動作の内容に応じて、一部の制御データを含んで構成される演出制御パターンがあってもよい。
図9(B)は、演出制御パターンの内容に従って実行される各種の演出動作を説明するための図である。演出制御用CPU120は、演出制御パターンに含まれる各種の制御データに従って、演出動作の制御内容を決定する。例えば、演出制御プロセスタイマ値が演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したときには、その演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた表示制御データにより指定される態様で飾り図柄を表示させるとともに、キャラクタ画像や背景画像といった演出画像を画像表示装置5の画面上に表示させる制御を行う。また、音声制御データにより指定される態様でスピーカ8L、8Rから音声を出力させる制御を行うとともに、ランプ制御データにより指定される態様で遊技効果ランプ9や装飾用LED等の発光体を点滅させる制御を行い、操作検出制御データにより指定される操作有効期間にてスティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bに対する操作を受け付けて演出内容を決定する制御を行う。なお、演出制御プロセスタイマ判定値と対応していても制御対象にならない演出用部品に対応するデータには、ダミーデータ(制御を指定しないデータ)が設定されてもよい。
図9(B)に示す演出動作は、飾り図柄の変動が開始されてから最終停止するまでの期間全体に対応しているが、これに限定されるものではなく、飾り図柄の可変表示中における一部の期間(例えば予告演出を実行する期間など)に対応して演出動作を実行するための演出制御パターンが設けられてもよい。あるいは、飾り図柄の可変表示中以外の所定期間(例えば大当り遊技状態においてラウンドを実行中の期間や、大当り遊技状態の終了時にエンディング演出を実行する期間など)に対応して演出動作を実行するための演出制御パターンが設けられてもよい。
演出制御用CPU120は、例えば飾り図柄の可変表示を開始するときなどに、変動パターン指定コマンドに示された変動パターンなどに基づいて演出制御パターン(特図変動時演出制御パターン)をセットする。また、演出制御用CPU120は、例えば予告演出の実行を開始するときなどに、対応する演出制御パターン(予告演出制御パターン)をセットする。ここで、演出制御パターンをセットする際には、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータを、ROM121から読み出してRAM122の所定領域に一時記憶させてもよいし、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータのROM121における記憶アドレスを、RAM122の所定領域に一時記憶させて、ROM121における記憶データの読出位置を指定するだけでもよい。その後、演出制御プロセスタイマ値が更新されるごとに、演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したか否かの判定を行い、合致した場合には、対応する各種の制御データに応じた演出動作の制御を行う。このように、演出制御用CPU120は、演出制御パターンに含まれるプロセスデータ#1〜プロセスデータ#n(nは任意の整数)の内容に従って、演出装置(画像表示装置5、スピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9や装飾用LED等の発光体、演出用模型が備える可動部材など)の制御を進行させる。なお、各プロセスデータ#1〜プロセスデータ#nにおいて、演出制御プロセスタイマ判定値#1〜#nと対応付けられた表示制御データ#1〜表示制御データ#n、音声制御データ#1〜音声制御データ#n、ランプ制御データ#1〜ランプ制御データ#n、操作検出制御データ#1〜操作検出制御データ#nは、演出装置における演出動作の制御内容を示し、演出制御の実行を指定する演出制御実行データ#1〜演出制御実行データ#nを構成する。
こうしてセットした演出制御パターンに従った指令が、演出制御用CPU120から表示制御部123や音声制御基板13などに対して出力される。演出制御用CPU120からの指令を受けた表示制御部123では、例えば所定のVDP等がその指令に示される画像データをCGROM等の画像データメモリから読み出してVRAMに一時記憶させることなどにより展開させる。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、例えば図10(A)に示すような演出制御用データ保持エリア190が設けられている。図10(A)に示す演出制御用データ保持エリア190は、演出制御フラグ設定部191と、演出制御タイマ設定部192と、演出制御カウンタ設定部193と、演出制御バッファ設定部194とを備えている。
演出制御フラグ設定部191には、例えば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示状態などといった演出動作状態や主基板11から伝送された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、演出制御フラグ設定部191には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
演出制御タイマ設定部192には、例えば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示動作などといった各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマが設けられている。例えば、演出制御タイマ設定部192には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
演出制御カウンタ設定部193には、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のカウンタが設けられている。例えば、演出制御カウンタ設定部193には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。
演出制御バッファ設定部194には、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、演出制御バッファ設定部194には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
この実施の形態では、図10(B)に示すような始動入賞時受信コマンドバッファ194Aを構成するデータが、演出制御バッファ設定部194の所定領域に記憶される。始動入賞時受信コマンドバッファ194Aには、合計保留記憶数の最大値(例えば「8」)に対応した格納領域(バッファ番号「1」〜「8」に対応した領域)が設けられている。第1始動入賞口や第2始動入賞口への始動入賞があったときには、始動口入賞指定コマンド(第1始動口入賞指定コマンドまたは第2始動口入賞指定コマンド)や図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンド)という4つのコマンドを1セットして、主基板11から演出制御基板12へと送信される。始動入賞時受信コマンドバッファ194Aには、これらの始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンドを対応付けて格納できるように記憶領域が確保されている。
演出制御用CPU120は、始動入賞時に受信した順番でコマンドを始動入賞時受信コマンドバッファ194Aの空き領域における先頭から格納していく。始動入賞時には、始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンドの順にコマンド送信が行われる。したがって、コマンド受信が正常に行われれば、図10(B)に示すように、バッファ番号「1」〜「8」のそれぞれに対応する格納領域に、始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンドの順に格納されていくことになる。なお、図10(B)では、バッファ番号「1」〜「6」に対応する格納領域にてコマンドが格納されている。
図10(B)に示す始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに格納されているコマンドは、飾り図柄の可変表示を開始するごとに、1つ目の格納領域(バッファ番号「1」に対応した領域)に格納されているものから削除され、以降の記憶内容がシフトされる。例えば図10(B)に示す格納状態において新たな飾り図柄の可変表示が開始された場合には、バッファ番号「1」に格納されている各コマンドが削除され、バッファ番号「2」に対応した領域にて格納されている各コマンドがバッファ番号「1」に対応した領域にシフトされ、バッファ番号「3」〜「6」のそれぞれに対応した領域にて格納されている各コマンドが、バッファ番号「2」〜「5」に対応した領域にシフトされる。
図10(B)に示す始動入賞時受信コマンドバッファ194Aのうち、バッファ番号「6」に対応した領域については、コマンド受信を正常に行えず、保留記憶数通知コマンドを取りこぼした場合の例が示されている。そのため、図10(B)に示す例では、バッファ番号「6」に対応して、本来、保留記憶数通知コマンドが格納されるべき4つ目の記憶領域における内容が「0000(H)」のままとなっている。
始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに格納される始動入賞時のコマンド(始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンドおよび保留記憶数通知コマンド)に基づいて、先読み予告演出を実行するか否かや、実行する場合における先読み予告パターンが決定される。このとき、始動入賞時のコマンドに取りこぼしや不整合が発生した場合には、それらのコマンドに対応する保留情報の可変表示が実行(消化)されるまで、先読み予告演出の設定が行われないように制限される。こうした先読み予告演出の設定が制限される期間(先読み予告制限中)に始動入賞時のコマンドを受信した場合に、その受信タイミングで先読み予告演出の設定が行われなかったものに対応して、未判定情報が「1」(あるいはオン状態)にセットされる。なお、先読み予告演出の実行を制限する場合には、所定期間内に発生した始動入賞に対応する可変表示を対象とする先読み予告演出について、全部の態様の先読み予告演出を実行しないようにしてもよいし、一部の態様の先読み予告演出を実行しないようにしてもよい。
図10(B)に示す始動入賞時受信コマンドバッファ194Aには、各バッファ番号(保留番号)に保留記憶表示の表示態様を示す「保留表示態様」が対応づけて記憶される。この「保留表示態様」の値が「0」である場合は通常の表示態様となり、「1」や「2」である場合は通常の表示態様とは異なる特別態様であることを示す。例えば、予告表示予告の先読み予告演出が実行されている場合には特別態様となる。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図11のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図11に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(ステップS11)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS12)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する(ステップS13)。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる乱数値MR1〜MR5といった遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(ステップS14)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS15)。特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS16)。CPU103は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする。
普通図柄プロセス処理を実行した後、CPU103は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる(ステップS17)。一例として、コマンド制御処理では、遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図12は、特別図柄プロセス処理として、図11に示すステップS15にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。
始動入賞判定処理においては、第1始動入賞口または第2始動入賞口に新たな入賞があったことに基づいて、乱数値(例えば乱数値MR1〜MR3)を抽出し、抽出した乱数値を第1特図保留記憶部151Aまたは第2特図保留記憶部151Bにセットする処理が実行される。また、抽出した乱数値に基づいて、表示結果や変動パターン種別(変動カテゴリ)を事前に判定する処理(入賞時乱数値判定処理)も実行される。そして、始動口入賞指定コマンド、保留記憶数通知コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンドを送信するための設定が行われる。
図12のステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S120の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部151Aや第2特図保留記憶部151Bに記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄のいずれか)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。なお、この実施の形態では、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるようになっている(特図2優先消化ともいう)。そのため、特別図柄通常処理では、第1特図を用いた特図ゲームの実行条件、及び、第2特図を用いた特図ゲームの実行条件が成立している場合(第1特図保留記憶部151A及び第2特図保留記憶部151Bに保留データが記憶されている場合)には、第2特図を用いた特図ゲームの開始条件を優先的に成立させる制御が実行される。なお、これに対して、第1始動入賞口及び第2始動入賞口への遊技球の入賞順序を記憶し、入賞順に特図ゲームの開始条件を成立させるようにしてもよい(入賞順消化ともいう)。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かの事前決定結果などに基づき、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データを用いて変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定する処理や、変動パターン種別の決定結果に基づき、変動パターン決定用の乱数値MR4を示す数値データを用いて変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターン設定処理が実行されて特別図柄の可変表示が開始されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS110の特別図柄通常処理やステップS111の変動パターン設定処理により、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄や特別図柄および飾り図柄の可変表示時間を含む変動パターンが決定される。すなわち、特別図柄通常処理や変動パターン設定処理は、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3、変動パターン決定用の乱数値MR4を用いて、特別図柄や飾り図柄の可変表示態様を決定する処理を含んでいる。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。例えば、ステップS112の特別図柄変動処理が実行されるごとに、遊技制御タイマ設定部153に設けられた特図変動タイマにおける格納値である特図変動タイマ値を1減算あるいは1加算して、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームであるかにかかわらず、共通のタイマによって経過時間の測定が行われる。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。このように、ステップS112の特別図柄変動処理は、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動や、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動を、共通の処理ルーチンによって制御する処理となっていればよい。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われ、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフであり、小当りフラグがオンである場合には、特図プロセスフラグの値が“8”に更新される。また、大当りフラグと小当りフラグがともにオフである場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、可変表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、例えば大当り種別が「非確変」、「確変」、「突確」のいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を設定するようにしてもよい。一例として、大当り種別が「非確変」または「確変」に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「15回」に設定することにより、通常開放大当り状態とする設定が行われればよい。一方、大当り種別が「突確」に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.1秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「15回」に設定することにより、短期開放大当り状態とする設定が行われればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達したか否かを判定する処理や、大入賞口開放回数最大値に達した場合に大当り終了指定コマンドを送信するための設定を行う処理などが含まれている。そして、ラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、大入賞口開放回数最大値に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御や時短制御を開始するための各種の設定を行う処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
ステップS118の小当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“8”のときに実行される。この小当り開放前処理には、可変表示結果が「小当り」となったことに基づき、小当り遊技状態において大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。一例として、可変表示結果が「小当り」となったときには、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となったときと同様に、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.1秒」に設定するとともに、大入賞口の開放回数を「15回」に設定することにより、小当り遊技状態とする設定が行われればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“9”に更新される。
ステップS119の小当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“9”のときに実行される。この小当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対する駆動信号の供給を停止させる処理などが実行されればよい。
ステップS120の小当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“10”のときに実行される。この小当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、小当り遊技状態の終了を報知する演出動作が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理などが含まれている。ここで、小当り遊技状態が終了するときには、確変フラグや時短フラグの状態を変更しないようにして、小当り遊技状態となる以前のパチンコ遊技機1における遊技状態を継続させる。小当り遊技状態の終了時における待ち時間が経過したときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。
演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、図13のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図13に示す演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS71)、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。
初期化処理を実行した後には、ROM121に記憶されている制御用データ(演出制御用CPU120が用いる制御プログラム、各種テーブルや演出制御パターン等)をRAM122に転送して展開する処理を開始する(ステップS81)。そして、制御用データの転送が完了するまで待機する(ステップS82)。
この実施の形態では、ROM121に記憶される制御用データを、高速で読み出し可能なRAM122に予め展開しておく。そして、演出制御用CPU120は、制御用データをRAM122から読み出すようになっている。このようにすることで、ROM121から制御用データを読み出すよりも高速に制御用データを読み出すことができ、データ転送による遅延を防止できる。
制御用データの転送が完了すると(ステップS82;Yes)、音声データROMに記憶されている報知用データ(エラー報知用の音声データ)を音声RAMに転送して展開する処理を開始する(ステップS83)。そして、報知用データの転送が完了するまで待機する(ステップS84)。
この実施の形態では、音声データROMに記憶される報知用データを、高速で読み出し可能な音声RAMに予め展開しておく。そして、演出制御用CPU120は、制御用データを音声RAMから読み出すようになっている。このようにすることで、音声データROMから報知用データを読み出すよりも高速に報知用データを読み出すことができ、データ転送による遅延を防止できる。
なお、この実施の形態では、電源投入時に、音声データROMに記憶される音声データのうち、報知用データを先に音声RAMに展開するようになっている。音声データROMに記憶される他の音声データとしては、演出用の音声データ(演出用データ)がある。このように、報知用データを先に展開しておくことで、電源投入直後にエラーを検出した場合でも、適切にエラーを報知することができる。
報知用データの転送が完了すると(ステップS84;Yes)、音声データROMに記憶されている演出用データ(演出用の音声データ)を音声RAMに転送して展開する処理を開始する(ステップS85)。そして、演出用データの転送の完了を待たずに次の処理にすすむ。即ち、演出用データの転送は他の処理(後述するステップS72〜S76、S86〜S90)と並行して実行されることになる。なお、ステップS72以降の処理は、繰り返しループして行われることから、演出制御メイン処理のループ処理ともいう。
その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS72)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS72;No)、ステップS72の処理を繰り返し実行して待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えば演出制御バッファ設定部194に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。一例として、演出制御コマンドが2バイト構成である場合には、1バイト目(MODE)と2バイト目(EXT)を順次に受信して演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
ステップS72にてタイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS72;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS73)、コマンド解析処理を実行する(ステップS74)。ステップS74にて実行されるコマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
ステップS74にてコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS75)。ステップS75の演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9及び装飾用LEDといった装飾発光体における点灯動作、演出用模型における駆動動作といった、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。
ステップS75の演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され(ステップS76)、演出制御に用いる各種の乱数値として、演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。
演出用乱数更新処理に続いて、演出制御基板12におけるエラーが検出されたか否かを判定する処理(演出制御エラー判定処理)が実行される(ステップS86)。演出制御エラー判定処理では、例えば、役物(可動物、特別スクリーン装置等)の起動エラー、操作手段や振動モータ異常エラー等の演出制御基板12側で発生し得るエラーの有無を判定する。エラーが検出された場合には、対応するエラーフラグをオン状態にセットする。
なお、演出制御エラー判定処理は、ステップS81、S82の処理にて展開した制御用データに含まれる演出制御エラー判定処理用の制御用プログラムを用いて実行される。この実施の形態では、演出制御エラー判定処理用の制御用プログラムをループ処理に入る前に予め展開しておくので、電源起動直後のエラーを好適に判定できる。
演出制御エラー判定処理に続いて、エラー報知処理が実行される(ステップS87)。エラー報知処理では、主基板11からエラーが発生したことを通知するエラーコマンドを受信した場合や、ステップS86にて演出制御基板12におけるエラーが検出された場合には、当該エラーに対応するエラー報知を実行する。エラー報知処理では、エラーが検出された場合、エラーに対応したエラー報知画像を画像表示装置5に表示する処理や、エラー報知音声をスピーカ8L、8Rから出力する処理が実行されればよい。なお、エラーを報知するための報知用データは、ステップS83、S85にて予め音声RAMに展開されているため、電源投入直後であっても音声によるエラー報知が可能である。従って、電源起動直後にエラーが発生した場合でも好適にエラーを報知できる。
演出制御エラー判定処理に続いて、演出制御用CPU120は、完了フラグがオン状態であるか否かを判定する(ステップS88)。完了フラグは、演出用データの音声RAMへの展開が完了していることを示すフラグである。
完了フラグがオフ状態である場合には(ステップS88;No)、演出用データの音声RAMへの展開が完了したか否かを判定する(ステップS89)。演出用データの音声RAMへの展開が完了していれば(ステップS89;Yes)、完了フラグをオン状態にセットする(ステップS90)。
ステップS90の処理を実行した後や、完了フラグがオン状態である場合(ステップS88;Yes)、演出用データの音声RAMへの展開が完了していない場合は(ステップS89;No)、ステップS72の処理に戻る。
なお、演出用データを音声データROMから音声RAMへ転送する際に、一括して転送するのではなく、演出用データを分割して転送するようにしてもよい。この場合、ステップS85にて一部の演出用データを転送してステップS89では、当該一部の演出用データの音声RAMへの展開が完了したか否かを判定する。そして、当該一部の演出用データの音声RAMへの展開が完了していれば次の演出用データの転送を開始する。このようにして、演出用データを小分けにして順次転送するようにすればよい。そして、全ての演出用データの展開が完了した場合には、完了フラグをオン状態にセットすればよい。このようにすることで、データバスの渋滞や大容量データの一括転送によるフリーズ等を防止できる。また、データ転送に失敗した場合のリトライをしやすくすることができる。
図14は、演出制御プロセス処理として、図13のステップS75にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図14に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、まず、始動入賞記憶表示エリア5Hや変動中特図表示エリア5Iに保留表示や実行中表示(特定表示)を表示するための特定表示処理を実行する(ステップS161)。
ステップS161の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、例えば演出制御フラグ設定部191などに設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS170〜S177の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11からの第1変動開始コマンドあるいは第2変動開始コマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示や、その他の各種演出動作を行うために、特別図柄の変動パターンや表示結果の種類などに応じた確定飾り図柄や各種の演出制御パターンを決定する処理などを含んでいる。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、演出制御タイマ設定部192に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を行う。こうした演出制御を行った後、例えば特図変動時演出制御パターンから飾り図柄の可変表示終了を示す終了コードが読み出されたこと、あるいは、主基板11から伝送される図柄確定コマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄としての確定飾り図柄を完全停止表示させる。特図変動時演出制御パターンから終了コードが読み出されたことに対応して確定飾り図柄を完全停止表示させるようにすれば、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応する可変表示時間が経過したときに、主基板11からの演出制御コマンドによらなくても、演出制御基板12の側で自律的に確定飾り図柄を導出表示して可変表示結果を確定させることができる。確定飾り図柄を完全停止表示したときには、演出プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、当り開始指定コマンドを受信したきに、その当り開始指定コマンドが大当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を大当り中演出処理に対応した値である“6”に更新する。これに対して、当り開始指定コマンドを受信したときに、その当り開始指定コマンドが小当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を小当り中演出処理に対応した値である“4”に更新する。また、当り開始指定コマンドを受信せずに、演出制御プロセスタイマがタイムアウトしたときには、特図ゲームにおける特図表示結果が「ハズレ」であったと判断して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS174の小当り中演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この小当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、小当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、小当り中演出処理では、例えば主基板11からの当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値を小当り終了演出に対応した値である“5”に更新する。
ステップS175の小当り終了演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この小当り終了演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、小当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS176の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理では、例えば主基板11からの当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出制御プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“7”に更新する。
ステップS177のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“7”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
図15は、演出制御データ設定処理として、図14のステップS171内で実行される処理の一例を示すフローチャートである。図15に示す演出制御データ設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、完了フラグがオン状態であるか否かを判定する(ステップS701)。完了フラグは、演出用データの音声RAMへの展開が終了しているか否かを示している。
完了フラグがオン状態である場合(ステップS701;Yes)、通常の演出制御データをセットして(ステップS702)、演出制御データ設定処理を終える。
完了フラグがオン状態でない場合(ステップS701;No)、音声無しの演出制御データをセットして(ステップS703)、演出制御データ設定処理を終える。このように、演出用データ(演出用の音声データ)の音声RAMへの展開が完了していない場合には、当該音声データを読み出すことを指定する演出制御データがセットされると、読み出すことのできない音声データが参照されて不具合の原因となるおそれがある。そのため、音声無しの演出制御データをセットされるようになっている。このようにすることで、演出用データの転送と並行して遊技を実行できるとともに、転送の終了していないデータが参照されることによる不具合を防止できる。なお、音声無しの演出制御データにおいては、音声データが転送中である文字(例えば「音声データ読み込み中・・・」等)を画像表示装置5に表示するための表示制御データが含まれていてもよい。音声無しの演出制御データは、演出用データ転送前の専用の演出制御データであってもよい。このようにすることで、音声無しで可変表示に関する演出が実行されても遊技者に不信感を与えることを防止できる。
この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。上記実施の形態では、電源投入時に全ての報知用データ(エラー報知用の音声データ)を音声RAMに展開してから、演出制御メイン処理のループ処理に入るようになっていたが、エラー報知を最低限実行可能な一部の報知用データを音声RAMに展開してから、演出制御メイン処理のループ処理に入る(処理が進む)ようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、電源投入時に全ての制御用データ(演出制御用CPU120が用いる制御プログラム、各種テーブルや演出制御パターン等)をRAM122に展開してから、演出制御メイン処理のループ処理に入るようになっていたが、最低限必要な一部の制御用データをRAM122に展開してから、演出制御メイン処理のループ処理に入る(処理が進む)ようにしてもよい。
図16は、一部の報知用データを音声RAMに展開してから、演出制御メイン処理のループ処理に入る変形例の演出制御メイン処理を示すフローチャートである。図16において、上記実施の形態の演出制御メイン処理と同じ処理については同じステップ番号を付して説明は省略する。
図16に示す演出制御メイン処理において、制御用データの転送が完了すると(ステップS82;Yes)、演出制御用CPU120は、音声データROMに記憶されている報知用データの一部である報知用データAを音声RAMに転送して展開する処理を開始する(ステップS91)。そして、報知用データAの転送が完了するまで待機する(ステップS92)。
報知用データAの転送が完了すると(ステップS92;Yes)、演出用データを音声RAMに転送して展開する処理を開始する(ステップS85)とともに、音声データROMに記憶されている報知用データの残りである報知用データBを音声RAMに転送して展開する処理を開始する(ステップS93)。
報知用データAは、最低限のエラー報知を実行できる音声データであればよい。例えば、同じエラーを報知するための音声データが複数種類ある場合においては、1のエラーの報知する1種類の音声データが報知用データAであって、当該1のエラーの報知する他の種類の音声データが報知用データBであればよい。
例えば、報知用データとして、複数のキャラクタ(演出モード等)に対応したエラー報知用音声データがある場合には、図18に示すように、報知用データAは、エラー報知用音声データのうちキャラクタAに対応した音声データであり、報知用データBは、エラー報知用音声データのうちキャラクタA以外に対応した音声データであればよい。
このようにすることで、必要な報知用データのみを展開して処理が進むので、より迅速にループ処理に進むことができ、より迅速に演出を実行するための処理(ステップS74〜S76)や、エラー処理(ステップS86、S87)を実行できる。
図16の処理において、完了フラグがオフ状態である場合(ステップS88;No)、完了フラグ2がオン状態であるか否かを判定する(ステップS94)。完了フラグ2は、報知用データBの音声RAMへの展開が完了していることを示すフラグである。
完了フラグ2がオフ状態である場合には(ステップS94;No)、報知用データBの音声RAMへの展開が完了したか否かを判定する(ステップS95)。報知用データBの音声RAMへの展開が完了していれば(ステップS95;Yes)、完了フラグ2をオン状態にセットしてから(ステップS96)、ステップS72の処理に戻る。報知用データBの音声RAMへの展開が完了していなければ(ステップS95;No)、ステップS72の処理に戻る。
完了フラグ2がオフ状態である場合には、即ち、報知用データBの展開完了前において、ステップS87にて報知用データによるエラー報知を行う場合には、報知用データBによる報知を行う状況(演出モード等)であっても、報知用データAを用いて同じ内容の報知を行うようにすればよい。このようにすることで、電源投入直後にエラーが発生した場合でも、最低限の報知用データAは予め展開されているので、音声によるエラーの報知を実行することができる。また、全ての報知用データの展開を待ってからループ処理に進む(演出を実行するための処理やエラー報知処理を実行可能な状態となる)場合よりも、早い段階でループ処理に進むことができる。
図17は、図16の処理に加えて、一部の制御用データをRAM122に展開してから、演出制御メイン処理のループ処理に入る変形例の演出制御メイン処理を示すフローチャートである。図17において、図16の演出制御メイン処理と同じ処理については同じステップ番号を付して説明は省略する。なお、図13の処理に加えて、一部の制御用データをRAM122に展開してから、演出制御メイン処理のループ処理に入るようにしてもよい。即ち、図17において全ての報知用データを予め転送するようにしてもよい。
図17に示す演出制御メイン処理において、S71の初期化処理に続いて、演出制御用CPU120は、ROM121に記憶されている制御用データの一部である制御用データAをRAM122に転送して展開する処理を開始する(ステップS97)。そして、制御用データAの転送が完了するまで待機する(ステップS98)。
制御用データAの転送が完了すると(ステップS98;Yes)、ステップS91の処理に進む。その後、ループ処理に入る前に、ROM121に記憶されている制御用データの残りである制御用データBをRAM122に転送して展開する処理を開始する(ステップS99)。
制御用データAは、演出制御用CPU120が最低限の制御を実行できるデータであればよい。例えば、図18に示すように、演出制御用CPU120が用いる制御プログラム(エラー監視用プログラム等の演出制御メイン処理のループ処理に含まれる処理に対応したプログラム)が制御用データAであって、各種テーブルや演出制御パターン(ランプや役物の制御パターンデータ)等の制御データが制御用データBであればよい。
このようにすることで、必要な制御用データAのみを展開して処理が進むので、より迅速にループ処理に進むことができ、より迅速に演出を実行するための処理(ステップS74〜S76)や、エラー処理(ステップS86、S87)を実行できる。また、電源投入直後にエラーが発生した場合でも、エラー処理用の制御用データAは予め展開されているので、好適なエラー判定や報知を実行することができる。また、全ての制御用データの展開を待ってからループ処理に進む(演出を実行するための処理やエラー報知処理を実行可能な状態となる)場合よりも、早い段階でループ処理に進むことができる。
図17の処理において、完了フラグがオフ状態である場合(ステップS88;No)、完了フラグ3がオン状態であるか否かを判定する(ステップS100)。完了フラグ3は、制御用データBのRAM122への展開が完了していることを示すフラグである。
完了フラグ3がオフ状態である場合には(ステップS100;No)、制御用データBのRAM122への展開が完了したか否かを判定する(ステップS101)。制御用データBのRAM122への展開が完了していれば(ステップS101;Yes)、完了フラグ3をオン状態にセットして(ステップS102)、ステップS72の処理に戻る。制御用データBのRAM122への展開が完了していなければ(ステップS101;No)、ステップS72の処理に戻る。完了フラグ3がオン状態である場合には(ステップS100;Yes)、ステップS94の処理に進む。
なお、完了フラグ3がオフ状態である場合に、制御用データBを用いた処理や演出を実行する状況になった場合、制御用データBを使用しない演出を実行するように制御すればよい。例えば、代替の演出や制御用データBが転送中であることを報知すればよい。
上記実施の形態では、報知用データや演出用データは音声データであるものとして説明したが、画像データや映像データであってもよい。また、制御用データをROM121からRAM122に転送し、報知用データ及び演出用データを音声データROMから音声RAMに転送するようになっていたが、各種データの転送元の記憶手段(ROM)、各種データの転送先の記憶手段(RAM)は、1つであってもよいし3つ以上であってもよい。
例えば、演出制御基板12には、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121、音声データを記憶する音声データROM、画像データを記憶するCGROMといった複数のROMが設けられていたが、1のROMに記憶するようにしてもよい。また、画像(映像)データに関しては、データ容量が大きいため、全ての画像データを予めRAMに展開しようとすると大容量のRAMが必要となる。そこで、画像データに関しては一部のデータのみを予めRAMに展開しておき、他の画像データに関しては使用する度に読み出すようにしてもよい。この場合、予めRAMに展開する画像データは使用頻度の高い画像等であればよい。このようにすることで、高速な画像の表示制御を実現できる。
各種のデータを展開するためのRAMは1つにして、制御用データ、報知用データ(音声データ)、画像データを1つのRAMに展開するようにしてもよい。この場合、各種データの展開先はランダムであってもよいし、データ毎に展開する領域(アドレス)が予め定められていてもよい。データ毎に展開する領域が予め定めることで、データ転送時のバグの発生を防止でき、処理の簡略化も図れる。
制御用データ、報知用データ(音声データ)、画像データを1つのROMに記憶する場合において、制御用データ、報知用データ(音声データ)、画像データを使用する度に読み出すようにすると、ROMとCPU間のデータバスの通信量が多くなり、転送するデータによりデータバスを占有している時間も長く、データの転送の遅延や渋滞が生じる可能性がある。1つのROMに記憶される制御用データ、報知用データ(音声データ)、画像データのうち少なくとも一部をRAMに予め展開しておくことで、そのようなデータの転送の遅延や渋滞を防止することができる。
また、複数のRAMを設けて、制御用データ、報知用データ(音声データ)、画像データを複数のRAMに並列に展開するようにしてもよい。そして、制御用データ、報知用データ(音声データ)、画像データを展開した方のRAMから読み出すようにしてもよい。このようにすることで、各種のデータを複数のRAMから読み出すことができるので、データの読み出し速度の向上が図れる。
制御用データに含まれるランプや役物の制御パターンデータは、予めRAMに展開しておくのではなく、使用する度にRAMに展開するようにしてもよい。RAM上のデータを展開可能な領域の容量がROMから読み出すデータの容量よりも大きい場合には、新たなデータを上書きして展開するようにしてもよい。このようにすることで、RAMの容量を増やす必要もなくなり、製造コストを抑えることができる。
また、演出制御基板12を構成要素毎に別の基板(例えば、CPU+RAM基板、ROM基板、I/O基板等)として、モジュール化してもよい。このようにすることで、機能(ROMやRAMの数や容量、I/Oの違い)に応じて、モジュールを組み合わせることで基板を構成することができる。また、部品の共通化を図ることができ、製造コストを抑えることができる。
上記実施の形態や変形例では、少なくとも一部の報知用データの転送の完了を待って、ループ処理に進むようになっていたが、報知用データの転送を開始した後にループ処理に進むようにしてもよい。この場合、報知用データの転送完了前にエラーが発生した場合、当該エラーが発生したことを記憶しておき、報知用データの転送完了後に報知用データを使用した音声によるエラー報知を実行するようにしてもよい。このようにすることで、より迅速にエラーを検出可能になるとともに、報知用データの転送完了後に報知用データを用いたエラーの報知が可能となる。
上記実施の形態においては、変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御基板(サブ側)に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御基板に通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、主基板(メイン側)は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様(例えば前変動パターン)を示すコマンド(例えば前変動パターン指定コマンド)を送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様(例えば後変動パターン)を示すコマンド(例えば後変動パターン指定コマンド)を送信する様にしてもよい。
この場合、演出制御基板は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。尚、主基板の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御基板の方で選択を行う様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。尚、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、上記実施の形態では、先読み予告演出における保留記憶表示の表示態様は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生したものであるか、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生したものであるかによらず同じであったが、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生したものであるか、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生したものであるかに応じて、表示態様(色や形状など)を異ならせてもよい。
遊技状態が確変状態であるときに、始動入賞の発生に基づいて抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データを用いて可変表示結果が「大当り」に決定されると判定するとともに、大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データを用いて大当り種別が「非確変」に決定されて大当り遊技状態の終了後には確変制御が行われないと判定したときには、その判定の対象となった可変表示における表示結果に基づき確変制御が終了するまでの期間内に発生した始動入賞に基づく先読み予告演出の実行を制限してもよい。これにより、確変制御が終了するにもかかわらず、確変状態に対応した特別判定用データを用いて可変表示結果が「大当り」に決定される旨の判定結果に基づく先読み予告演出が実行されてしまうことを防止して、演出内容の整合性を保つことができる。
上記実施の形態では、第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球の検出に基づいて第1特図を用いた特図ゲームが実行され、第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球の検出に基づいて第2特図を用いた特図ゲームが実行されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過(進入)したかにかかわらず共通の特別図柄を用いた特図ゲームが実行されるものであってもよい。
その他にも、パチンコ遊技機1の装置構成、データ構成、フローチャートで示した処理、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。
加えて、本発明の遊技機は、遊技者に景品として遊技球が払い出され、遊技者は払い出された遊技球(貸し球の場合もある)を遊技領域に発射して遊技が行われる遊技機であったが、プリペイドカードや会員カード等の遊技用記録媒体の記録情報より特定される大きさの遊技価値である度数を使用して、遊技に使用するための遊技得点を付与するとともに、付与された遊技得点または遊技による入賞により付与された遊技得点を使用して遊技機内に封入された遊技球を遊技領域に打ち込んで遊技者が遊技を行う遊技機にも本発明を適用することができる。
即ち、遊技領域に設けられた始動領域を遊技媒体が通過したことに基づいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報の可変表示を行い表示結果を導出表示する可変表示手段を備え、当該可変表示手段に予め定められた特定表示結果が導出表示されたときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機であるが、遊技得点が0でないときに遊技得点を使用して遊技機内に封入された遊技球を遊技領域に打ち込んで遊技が行われ、遊技球の打ち込みに応じて遊技得点を減算し、遊技領域に設けられた入賞領域に遊技球が入賞することに応じて遊技得点を加算する遊技機にも本発明を適用できる。そのような遊技機は、遊技得点の加算に使用可能な遊技用価値の大きさを特定可能な情報が記録された遊技用記録媒体を挿入するための遊技用記録媒体挿入口と、遊技用記録媒体挿入口に挿入された遊技用記録媒体に記録されている記録情報の読み出しを行う遊技用記録媒体処理手段を備えていてもよい。
特別図柄の可変表示中に表示されるものは1種類の外れ図柄(例えば、「−」を示す記号)だけで、当該図柄の表示と消灯とを繰り返すことによって可変表示を行うようにしてもよい。さらに可変表示中に当該図柄が表示されるものも、可変表示の停止時には、当該図柄が表示されなくてもよい(表示結果としては「−」を示す記号が表示されなくてもよい)。
上記実施の形態では、メイン側で先読み判定をしてその判定結果に対応したコマンドをサブ側に送信していたが、メイン側から乱数値を示すコマンドを送信してサブ側で先読み判定をするようにしてもよい。
上記実施の形態では、変動開始時に大当り種別を決定することで大当り遊技状態後の遊技状態を「確変状態」にするか否かを決定しているが、変動開始時には大入賞口の開放パターン(ラウンド遊技の態様)のみを決定し(大当り種別などで特定すればよい。)、大当り遊技状態中に遊技球が特定領域(例えば、大入賞口内の特定領域)を通過したことに基づいて大当り遊技状態後の遊技状態を「確変状態」にするようにしてもよい。
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
本発明は、以上に説明したものに限られるものではない。また、その具体的な構成は、上述の実施形態や後述の他の形態例に加えて、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があってもこの発明に含まれる。
また、上述した実施の形態及び各変形例に示した構成、後述の形態例及び各変形例に示した構成のうち、全部又は一部の構成を任意に組み合わせることとしてもよい。
なお、今回開示された上述の実施形態及び後述の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は上述の説明及び後述の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等な意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の遊技機としては、他にも、遊技を実行可能な遊技機(例えばパチンコ遊技機1)であって、遊技機の動作を制御する制御手段(例えば演出制御用CPU120)と、第1記憶手段(例えばROM121や音声データROM)から第2記憶手段(例えばRAM122や音声RAM)にデータを転送する転送手段(例えば演出制御用CPU120)と、を備え、前記転送手段は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに前記制御手段が用いる制御用データを転送し(例えばステップS81、S82の処理を実行し)、報知を行うために用いる報知用データを、演出を行うために用いる演出用データよりも優先して転送し(例えばステップS83、S84の処理を実行した後にステップS85の処理を実行し)、前記制御手段は、前記演出用データの転送と並行して遊技機の状態を監視する(例えばステップS85にて開始した演出用データの転送と並行してステップS86の処理を実行する)とともに、前記報知用データを用いて遊技機の状態に応じた報知(例えばステップS87の処理)を実行可能であり、さらに、画像を表示可能な表示手段(例えば、演出表示装置909)と、前記表示手段に遊技に関する情報(例えば、保留表示を含むインターフェース画像、演出確変カウンタ画像、および右打ち促進報知画像。他にも、制御されている演出モードに関する情報(例えば、モード名)、出力されている音声に関する情報(例えば、曲名)、通信端末を用いたサービスに関する情報(例えば、獲得ポイント、アイテム、二次元コード)、可動役物を駆動させることに伴うエフェクト表示、ミッションを達成したことを示すミッション表示(例えば、「スーパーリーチAを見た」、「リーチを連続で見た」といった表示)、実行中の変動に対応するアクティブ表示、操作促進表示、遊技の仕方や演出の説明に関する情報であってもよい。)を表示させることが可能な表示制御手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ90100における、ステップS90653,S90656,S90659,S90662を実行することにより保留表示を表示する部分と、ステップS90684Dを実行することにより演出確変カウンタ画像を表示する部分と、ステップS90684Aを実行することにより右打ち促進報知画像を表示する部分)と、前記表示手段に表示された所定画像を視認困難な視認困難状態とする視認困難演出(例えば、ブラックアウト予告)を実行可能な演出実行手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ90100における、ステップS904510,S904514を実行する部分)とを備え、前記演出実行手段は、前記視認困難演出として、前記遊技に関する情報を視認困難としない第1視認困難演出(例えば、インターフェース画像、右打ち促進報知画像および演出確変カウンタ画像を除く画像を視認困難とする第1ブラックアウト予告)と、前記遊技に関する情報を視認困難とする第2視認困難演出(例えば、インターフェース画像、右打ち促進報知画像および演出確変カウンタ画像を含む画像を視認困難とする第2ブラックアウト予告)とを実行可能である遊技機が挙げられる。
このような構成によれば、演出用データの転送中においても報知用データを用いた報知が実行可能となり、演出用データの転送中の不具合に対応する報知を実行できる。また、第1視認困難演出においては、遊技に関する情報を視認困難としないため、遊技興趣の低下を防止することができる。
なお、遊技機の状態に応じて報知用データを用いて実行される報知として、遊技に関する情報を表示する表示手段において遊技機の状態に応じた表示(例えばエラー発生状態のときのエラー表示)を行う場合には、視認困難演出の実行の有無にかかわらず、当該表示(エラー表示)を視認困難にしないようにすることが望ましい。その際に、当該表示(エラー表示)を行っているときには視認困難演出自体を行わないようにしてもよいし、視認困難演出は行うが当該表示(エラー表示)については視認困難にしないようにしてもよい。そのようにすれば、遊技機の状態(例えばエラー発生状態)を当該表示(エラー表示)によって遊技者あるいは遊技場の係員に確実に知らせることができる。
さらに、演出用データの転送中においても報知用データを用いた報知が実行可能となり、演出用データの転送中の不具合に対応する報知を実行でき、また、遊技興趣の低下を防止することができる遊技機の形態の一例として、遊技を実行可能な遊技機であって、画像を表示可能な表示手段(例えば、演出表示装置909)と、表示手段に遊技に関する情報(例えば、保留表示を含むインターフェース画像、演出確変カウンタ画像、および右打ち促進報知画像。他にも、制御されている演出モードに関する情報(例えば、モード名)、出力されている音声に関する情報(例えば、曲名)、通信端末を用いたサービスに関する情報(例えば、獲得ポイント、アイテム、二次元コード)、可動役物を駆動させることに伴うエフェクト表示、ミッションを達成したことを示すミッション表示(例えば、「スーパーリーチAを見た」、「リーチを連続で見た」といった表示)、実行中の変動に対応するアクティブ表示、操作促進表示、遊技の仕方や演出の説明に関する情報であってもよい。)を表示させることが可能な表示制御手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ90100における、ステップS90653,S90656,S90659,S90662を実行することにより保留表示を表示する部分と、ステップS90684Dを実行することにより演出確変カウンタ画像を表示する部分と、ステップS90684Aを実行することにより右打ち促進報知画像を表示する部分)と、表示手段に表示された所定画像を視認困難な視認困難状態とする視認困難演出(例えば、ブラックアウト予告)を実行可能な演出実行手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ90100における、ステップS904510,S904514を実行する部分)とを備え、演出実行手段は、視認困難演出として、遊技に関する情報を視認困難としない第1視認困難演出(例えば、インターフェース画像、右打ち促進報知画像および演出確変カウンタ画像を除く画像を視認困難とする第1ブラックアウト予告)と、遊技に関する情報を視認困難とする第2視認困難演出(例えば、インターフェース画像、右打ち促進報知画像および演出確変カウンタ画像を含む画像を視認困難とする第2ブラックアウト予告)とを実行可能である遊技機が挙げられる。以下に、この遊技機の形態例の一例を他の形態例として説明する。
(他の形態例)
以下、他の形態例を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機901の全体の構成について説明する。図19はパチンコ遊技機901を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機901は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機901は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠902を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤906を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠902の下部表面には打球供給皿(上皿)903がある。打球供給皿903の下部には、打球供給皿903に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿904や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)905が設けられている。また、ガラス扉枠902の背面には、遊技盤906が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤906は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤906の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域907が形成されている。
余剰球受皿(下皿)904を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、スティック形状(棒形状)に構成され、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒操作が可能なスティックコントローラ90122が取り付けられている。なお、スティックコントローラ90122には、遊技者がスティックコントローラ90122の操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作が可能なトリガボタン90121(図21を参照)が設けられ、スティックコントローラ90122の操作桿の内部には、トリガボタン90121に対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサ90125(図21を参照)が内蔵されている。また、スティックコントローラ90122の下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニット90123(図21を参照)が設けられている。また、スティックコントローラ90122には、スティックコントローラ90122を振動動作させるためのバイブレータ用モータ90126(図21を参照)が内蔵されている。
打球供給皿(上皿)903を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ90122の上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン90120が設けられている。プッシュボタン90120は、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン90120の設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン90120に対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ90124(図21を参照)が設けられていればよい。図19に示す構成例では、プッシュボタン90120とスティックコントローラ90122の取付位置が、上皿及び下皿の中央部分において上下の位置関係にある。これに対して、上下の位置関係を保ったまま、プッシュボタン90120及びスティックコントローラ90122の取付位置を、上皿及び下皿において左右のいずれかに寄せた位置としてもよい。あるいは、プッシュボタン90120とスティックコントローラ90122の取付位置が上下の位置関係にはなく、例えば左右の位置関係にあるものとしてもよい。
遊技領域907の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置909が設けられている。演出表示装置909の表示画面には、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄の可変表示を行う演出図柄表示領域がある。よって、演出表示装置909は、演出図柄の可変表示を行う可変表示装置に相当する。演出図柄表示領域には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を可変表示する図柄表示エリアがある。図柄表示エリアには「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアがあるが、図柄表示エリアの位置は、演出表示装置909の表示画面において固定的でなくてもよいし、図柄表示エリアの3つ領域が離れてもよい。演出表示装置909は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器908aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置909で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器908bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置909で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
また、演出表示装置909において、最終停止図柄(例えば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(例えば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これらの状態をリーチ状態という。)において行われる演出をリーチ演出という。また、リーチ状態やその様子をリーチ態様という。さらに、リーチ演出を含む可変表示をリーチ可変表示という。そして、演出表示装置909に変動表示される図柄の表示結果が大当り図柄でない場合には「はずれ」となり、変動表示状態は終了する。遊技者は、大当りをいかにして発生させるかを楽しみつつ遊技を行う。
なお、この実施の形態では、演出表示装置909における液晶表示の演出として演出図柄の変動表示を行う場合を示しているが、演出表示装置909で行われる演出は、この実施の形態で示したものにかぎらず、例えば、所定のストーリー性をもつ演出を実行して、大当り判定や変動パターンの決定結果にもとづいてストーリーの結果を表示するような演出を実行するようにしてもよい。例えば、プロレスやサッカーの試合や敵味方のキャラクタが戦うバトル演出を行うとともに、大当りであれば試合やバトルに勝利する演出を行い、はずれであれば試合やバトルに敗北する演出を行うようにしてもよい。また、例えば、勝敗などの結果を表示するのではなく、物語などの所定のストーリーを順に展開させていくような演出を実行するようにしてもよい。
演出表示装置909の表示画面の右上方部には、演出図柄と後述する特別図柄および普通図柄とに次ぐ第4図柄を表示する第4図柄表示領域909c,909dが設けられている。この実施の形態では、後述する第1特別図柄の変動表示に同期して第1特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第1特別図柄用の第4図柄表示領域909cと、第2特別図柄の変動表示に同期して第2特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第2特別図柄用の第4図柄表示領域909dとが設けられている。
この実施の形態では、特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示が実行されるのであるが(ただし、正確には、演出図柄の変動表示は、演出制御用マイクロコンピュータ90100側で変動パターンコマンドにもとづいて認識した変動時間を計測することによって行われる。)、演出表示装置909を用いた演出を行う場合、例えば、演出図柄の変動表示を含む演出内容が画面上から一瞬消えるような演出が行われたり、可動物が画面上の全部または一部を遮蔽するような演出が行われるなど、演出態様が多様化してきている。そのため、演出表示装置909上の表示画面を見ていても、現在変動表示中の状態であるのか否か認識しにくい場合も生じている。そこで、この実施の形態では、演出表示装置909の表示画面の一部でさらに第4図柄の変動表示を行うことによって、第4図柄の状態を確認することにより現在変動表示中の状態であるのか否かを確実に認識可能としている。なお、第4図柄は、常に一定の動作で変動表示され、画面上から消えたり遮蔽物で遮蔽することはないため、常に視認することができる。
なお、第1特別図柄用の第4図柄と第2特別図柄用の第4図柄とを、第4図柄と総称することがあり、第1特別図柄用の第4図柄表示領域909cと第2特別図柄用の第4図柄表示領域909dを、第4図柄表示領域と総称することがある。
第4図柄の変動(可変表示)は、第4図柄表示領域909c,909dを所定の表示色(例えば、青色)で一定の時間間隔で点灯と消灯とを繰り返す状態を継続することによって実現される。第1特別図柄表示器908aにおける第1特別図柄の可変表示と、第1特別図柄用の第4図柄表示領域909cにおける第1特別図柄用の第4図柄の可変表示とは同期している。第2特別図柄表示器908bにおける第2特別図柄の可変表示と、第2特別図柄用の第4図柄表示領域909dにおける第2特別図柄用の第4図柄の可変表示とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点および終了時点が同じであって、可変表示の期間が同じであることをいう。
また、第1特別図柄表示器908aにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第1特別図柄用の第4図柄表示領域909cにおいて大当りを想起させる表示色(はずれとは異なる表示色。)で表示される。例えば、はずれのときには青色で表示されるのに対して、大当りのときには赤色で表示される。なお、大当りの種類(確変大当りや通常大当りのいずれであるか)に応じて表示色を異ならせてもよい。また、大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当りであるか否かに応じて表示色を異ならせてもよく、ラウンド数の異なる複数種類の大当りに制御可能である場合には、大当り遊技において継続されるラウンド数に応じて表示色を異ならせてもよい。また、各大当りのラウンド数が同じであっても、例えば、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が短く(例えば1秒)、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できない大当りと、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が長く(例えば30秒)、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当りとがある場合には、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できるか否かに応じて表示色を異ならせてもよい。また、例えば、1ラウンドあたりの大入賞口の開放回数が異なることによって、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当りと期待できない大当りがある場合にも、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できるか否かに応じて表示色を異ならせてもよい。
また、第2特別図柄表示器908bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第2特別図柄用の第4図柄表示領域909dにおいて大当りを想起させる表示色(はずれとは異なる表示色。)で表示される。例えば、はずれのときには青色で表示されるのに対して、大当りのときには赤色で表示される。なお、大当りの種類(確変大当りや通常大当りのいずれであるか)に応じて表示色を異ならせてもよい。また、大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当りであるか否かに応じて表示色を異ならせてもよく、ラウンド数の異なる複数種類の大当りに制御可能である場合には、大当り遊技において継続されるラウンド数に応じて表示色を異ならせてもよい。また、各大当りのラウンド数が同じであっても、例えば、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が短く(例えば1秒)、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できない大当りと、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が長く(例えば30秒)、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当りとがある場合には、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できるか否かに応じて表示色を異ならせてもよい。また、例えば、1ラウンドあたりの大入賞口の開放回数が異なることによって、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当りと期待できない大当りがある場合にも、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できるか否かに応じて表示色を異ならせてもよい。
なお、第4図柄表示領域909c,909dの消灯時の表示色は、消灯したときに背景画像と同化して見えなくなることを防止するために、背景画像とは異なる表示色(例えば、黒色)であることが望ましい。
なお、この実施の形態では、第4図柄表示領域を演出表示装置909の表示画面の一部に設ける場合を示しているが、演出表示装置909とは別に、ランプやLEDなどの発光体を用いて第4図柄表示領域を実現するようにしてもよい。この場合、例えば、第4図柄の変動(可変表示)を、2つのLEDが交互に点灯する状態を継続することによって実現されるようにしてもよく、2つのLEDのうちのいずれのLEDが停止表示されたかによって大当り図柄が停止表示されたか否かを表すようにしてもよい。
また、この実施の形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とにそれぞれ対応させて別々の第4図柄表示領域909c,909dを備える場合を示しているが、第1特別図柄と第2特別図柄とに対して共通の第4図柄表示領域を演出表示装置909の表示画面の一部に設けるようにしてもよい。また、第1特別図柄と第2特別図柄とに対して共通の第4図柄表示領域をランプやLEDなどの発光体を用いて実現するようにしてもよい。この場合、第1特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときと、第2特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときとで、例えば、一定の時間間隔で異なる表示色の表示を点灯および消灯を繰り返すような表示を行うことによって、第4図柄の変動表示を区別して実行するようにしてもよい。また、第1特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときと、第2特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときとで、例えば、異なる時間間隔で点灯および消灯を繰り返すような表示を行うことによって、第4図柄の変動表示を区別して実行するようにしてもよい。また、例えば、第1特別図柄の変動表示に対応して停止図柄を導出表示するときと、第2特別図柄の変動表示に対応して停止図柄を導出表示するときとで、同じ大当り図柄であっても異なる態様の停止図柄を停止表示するようにしてもよい。
演出表示装置909の右方には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示部)908aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器908aは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器908aは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。また、演出表示装置909の右方(第1特別図柄表示器908aの右隣)には、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示部)908bも設けられている。第2特別図柄表示器908bは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器908bは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。また、この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器908aおよび第2特別図柄表示器908bは、それぞれ、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器908aと第2特別図柄表示器908bとを特別図柄表示器(可変表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器908a,908bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口9013または第2始動入賞口9014を通過(入賞を含む)したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲートなどのあらかじめ入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
演出表示装置909の下方には、第1始動入賞口9013を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口9013に入賞した遊技球は、遊技盤906の背面に導かれ、第1始動口スイッチ9013aによって検出される。この実施の形態では、遊技領域907の左側の領域への遊技球の打ち出し(いわゆる、左打ち)が行われた場合に、遊技球が第1始動入賞口9013へ入賞可能であるよう構成されている。
また、演出表示装置909の右方には、遊技球が通過可能なゲート9032と、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口9014を有する可変入賞球装置9015が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)9014に入賞した遊技球は、遊技盤906の背面に導かれ、第2始動口スイッチ9014aによって検出される。この実施の形態では、遊技領域907の右側の領域への遊技球の打ち出し(いわゆる、右打ち)が行われた場合に、遊技球がゲート9032を通過可能であるとともに、第2始動入賞口9014へ入賞可能であるよう構成されている。可変入賞球装置9015は、ソレノイド9016によって開状態とされる。可変入賞球装置9015が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口9014に入賞可能になり(始動入賞しやすくなり)、遊技者にとって有利な状態になる。また、可変入賞球装置9015が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口9014に入賞しない。なお、可変入賞球装置9015が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口9013と第2始動入賞口9014とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置9015が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置9015に向かう遊技球は第2始動入賞口9014に極めて入賞しやすい。
なお、この実施の形態では、図19に示すように、第2始動入賞口9014に対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置9015が設けられているが、第1始動入賞口9013および第2始動入賞口9014のいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
第2特別図柄表示器908bの上方には、第2始動入賞口9014に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器9018bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器9018bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器908bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、第2特別図柄保留記憶表示器9018bのさらに上方には、第1始動入賞口9013に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器9018aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器9018aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器908aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置909の表示画面の下部には、第1保留記憶数および第2保留記憶数のうちいずれか一方を表示する保留記憶表示部9018cが設けられている。例えば、保留記憶表示部9018cは、低ベース状態では第1保留記憶数を表示する一方、高ベース状態では第2保留記憶数を表示する。なお、第1保留記憶数と第2保留記憶数とを個別に表示するものであってもよい。また、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計数である合算保留記憶数を表示する合算保留記憶表示部を設けるように構成してもよい。そのように構成すれば、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。また、そのように構成した場合に、合算保留記憶表示部において、第1保留記憶と第2保留記憶とが第1始動入賞口9013および第2始動入賞口9014への入賞順に並べて表示されるとともに、第1保留記憶であるか第2保留記憶であるかを認識可能な態様で表示される(例えば、第1保留記憶は赤色で表示され、第2保留記憶は青色で表示される)ように構成してもよい。
以下、保留記憶表示部9018cと、保留記憶表示部9018cを囲っている範囲とを「インターフェース画像」と総称することがある。
演出表示装置909は、第1特別図柄表示器908aによる第1特別図柄の可変表示時間中、および第2特別図柄表示器908bによる第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の可変表示を行う。第1特別図柄表示器908aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置909における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器908bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置909における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器908aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器908bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置909において大当りを想起させるような演出図柄の組み合わせが停止表示される。
また、図19に示すように、可変入賞球装置9015の下方には、大入賞口を形成する特別可変入賞球装置9020が設けられている。特別可変入賞球装置9020は開閉板を備え、第1特別図柄表示器908aに特定表示結果が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器908bに特定表示結果が導出表示されたとき、特定遊技状態に制御される。特定表示結果とは予め定められた表示結果であり、例えば、この実施の形態では、大当り図柄がある。特定遊技状態とは、遊技者にとって有利な第1状態と遊技者にとって不利な第2状態とに変化可能な可変入賞手段を第1状態に変化させることであり、この実施の形態では、開状態と閉状態とに変化可能な特別可変入賞球装置9020を開状態とする大当り遊技状態がある。例えば、特定表示結果として大当り図柄が導出表示されたとき、特定遊技状態として大当り遊技状態に制御される。各特定遊技状態において、閉状態とされている開閉版がソレノイド9021によって開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ9023で検出される。この実施の形態では、右打ちが行われた場合に、遊技球が大入賞口へ入賞可能であるよう構成されている。
演出表示装置909の左方には、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器9010が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器9010は、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器9010は、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。また、小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。なお、普通図柄表示器9010は、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。また、普通図柄表示器9010は、7セグメントLEDなどにかぎらず、例えば、所定の記号表示を点灯表示可能な表示器(例えば、「○」や「×」を交互に点灯表示可能な装飾ランプ)で構成されていてもよい。
遊技球がゲート9032を通過しゲートスイッチ9032aで検出されると、普通図柄表示器9010の表示の可変表示が開始される。そして、普通図柄表示器9010における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。例えば、図柄「7」。)である場合に、可変入賞球装置9015が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置9015の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口9014に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器9010の近傍には、ゲート9032を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器9041が設けられている。ゲート9032への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ9032aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器9041は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器9010の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。さらに、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(通常状態と比較して、特別図柄の変動表示結果として大当りと判定される確率が高められた状態)では、普通図柄表示器9010における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置9015の開放時間と開放回数が高められる高ベース状態へ移行することがある。
遊技盤906の下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口9026がある。また、遊技領域907の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ9027が設けられている。遊技領域907の外周には、前面枠に設けられた枠LED9028が設けられている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル905を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域907に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。この実施の形態では、1分間に100球(0.6秒に1球)の発射が可能な打球発射装置が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域907を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域907に入り、その後、遊技領域907を下りてくる。
遊技球が第1始動入賞口9013に入り第1始動口スイッチ9013aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器908aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置909において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の可変表示は、第1始動入賞口9013への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値(4つ)に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口9014に入り第2始動口スイッチ9014aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器908bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置909において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の可変表示は、第2始動入賞口9014への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値(4つ)に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
この実施の形態では、15R確変大当りまたは4R確変大当りとなった場合には、遊技状態を高確率状態に移行するとともに、遊技球が始動入賞しやすくなる(すなわち、特別図柄表示器908a,908bや演出表示装置909における可変表示の実行条件が成立しやすくなる)ように制御された遊技状態である高ベース状態に移行する。高ベース状態である場合には、例えば、高ベース状態でない場合と比較して、可変入賞球装置9015が開状態となる頻度が高められたり、可変入賞球装置9015が開状態となる時間が延長されたりして、始動入賞しやすくなる。
「15R確変大当り」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行させる大当りである(この実施の形態では、確変状態に移行されるとともに時短状態にも移行される。)。そして、可変表示を所定回(50回)実行するまで、確変状態および時短状態が継続する。
「4R確変大当り」とは、4ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行させる大当りである(この実施の形態では、確変状態に移行されるとともに時短状態にも移行される。)。そして、可変表示を所定回(50回)実行するまで、確変状態および時短状態が継続する。
なお、可変入賞球装置9015が開状態となる時間を延長する(開放延長状態ともいう)のでなく、普通図柄表示器9010における停止図柄が当り図柄になる確率が高められる普通図柄確変状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄表示器9010における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)となると、可変入賞球装置9015が所定回数、所定時間だけ開状態になる。この場合、普通図柄確変状態に移行制御することによって、普通図柄表示器9010における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、可変入賞球装置9015が開状態となる頻度が高まる。従って、普通図柄確変状態に移行すれば、可変入賞球装置9015の開放時間と開放回数が高められ、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。すなわち、可変入賞球装置9015の開放時間と開放回数は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であったり、特別図柄の停止図柄が確変図柄である場合等に高められ、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(始動入賞しやすい状態)に変化する。なお、開放回数が高められることは、閉状態から開状態になることも含む概念である。
また、普通図柄表示器9010における普通図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される普通図柄時短状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄時短状態では、普通図柄の変動時間が短縮されるので、普通図柄の変動が開始される頻度が高くなり、結果として普通図柄が当りとなる頻度が高くなる。従って、普通図柄が当たりとなる頻度が高くなることによって、可変入賞球装置9015が開状態となる頻度が高くなり、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。
また、特別図柄や演出図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される時短状態(特別図柄時短状態)に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、特別図柄や演出図柄の変動が開始される頻度が高くなり(換言すれば、保留記憶の消化が速くなる。)、無効な始動入賞が生じてしまう事態を低減することができる。従って、有効な始動入賞が発生しやすくなり、結果として、大当り遊技が行われる可能性が高まる。
さらに、上記に示した全ての状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか複数の状態に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか1つの状態にのみ移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。
図20は、主基板(遊技制御基板)9031における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図20は、払出制御基板9037および演出制御基板9080等も示されている。主基板9031には、プログラムに従ってパチンコ遊技機901を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)90560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM9054、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM9055、プログラムに従って制御動作を行うCPU9056およびI/Oポート部9057を含む。この実施の形態では、ROM9054およびRAM9055は遊技制御用マイクロコンピュータ90560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU9056のほかRAM9055が内蔵されていればよく、ROM9054は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部9057は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ90560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路90503が内蔵されている。
また、RAM9055は、その一部または全部が電源基板(図示せず)において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM9055の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや、確変フラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM9055の全部が、電源バックアップされているとする。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ90560においてCPU9056がROM9054に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ90560(またはCPU9056)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU9056がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板9031以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路90503は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路90503は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路90503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、乱数回路90503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM9054等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ90560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ90560の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路90503が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路90503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
また、ゲートスイッチ9032a、第1始動口スイッチ9013a、第2始動口スイッチ9014a、カウントスイッチ9023からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ90560に与える入力ドライバ回路9058も主基板9031に搭載されている。また、可変入賞球装置9015を開閉するソレノイド9016、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置9020を開閉するソレノイド9021を遊技制御用マイクロコンピュータ90560からの指令に従って駆動する出力回路9059も主基板9031に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器908a、第2特別図柄表示器908b、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器9010、第1特別図柄保留記憶表示器9018a、第2特別図柄保留記憶表示器9018bおよび普通図柄保留記憶表示器9041の表示制御を行う。
なお、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号を、ターミナル基板90160を介して、ホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路9064も主基板9031に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板9080に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板9077を介して遊技制御用マイクロコンピュータ90560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を可変表示する演出表示装置909の表示制御を行う。
また、演出制御基板9080に搭載されている演出制御手段が、ランプドライバ基板9035を介して、枠側に設けられている枠LED9028の表示制御を行うとともに、音声出力基板9070を介してスピーカ9027からの音出力の制御を行う。
図21は、中継基板9077、演出制御基板9080、ランプドライバ基板9035および音声出力基板9070の回路構成例を示すブロック図である。なお、図21に示す例では、ランプドライバ基板9035および音声出力基板9070には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板9035および音声出力基板9070を設けずに、演出制御に関して演出制御基板9080のみを設けてもよい。
演出制御基板9080は、演出制御用CPU90101、および演出図柄プロセスフラグ等の演出に関する情報を記憶するRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ90100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ90100におけるRAMは電源バックアップされていない。演出制御基板9080において、演出制御用CPU90101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板9077を介して入力される主基板9031からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ90102および入力ポート90103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU90101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)90109に演出表示装置909の表示制御を行わせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ90100と共動して演出表示装置909の表示制御を行うVDP90109が演出制御基板9080に搭載されている。VDP90109は、演出制御用マイクロコンピュータ90100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP90109は、VRAM内の画像データをフレームメモリを介して演出表示装置909に出力する。
演出制御用CPU90101は、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令をVDP90109に出力する。CGROMは、演出表示装置909に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(演出図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP90109は、演出制御用CPU90101の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDP90109は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板9080において、まず、入力ドライバ90102に入力する。入力ドライバ90102は、中継基板9077から入力された信号を演出制御基板9080の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板9080の内部から中継基板9077への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板9077には、主基板9031から入力された信号を演出制御基板9080に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板9080から中継基板9077への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路9074が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図21には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート90571を介して主基板9031から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板9077から主基板9031の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板9077からの信号は主基板9031の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ90560側)に入り込まない。なお、出力ポート90571は、図20に示されたI/Oポート部9057の一部である。また、出力ポート90571の外側(中継基板9077側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
また、演出制御用CPU90101は、スティックコントローラ90122のトリガボタン90121に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ90125から、入力ポート90106を介して入力する。また、演出制御用CPU90101は、プッシュボタン90120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ90124から、入力ポート90106を介して入力する。また、演出制御用CPU90101は、スティックコントローラ90122の操作桿に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット90123から、入力ポート90106を介して入力する。また、演出制御用CPU90101は、出力ポート90105を介してバイブレータ用モータ90126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ90122を振動動作させる。
さらに、演出制御用CPU90101は、出力ポート90105を介してランプドライバ基板9035に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU90101は、出力ポート90104を介して音声出力基板9070に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板9035において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ90351を介してLEDドライバ90352に入力される。LEDドライバ90352は、LEDを駆動する信号にもとづいて枠LED9028などの発光体に電流を供給する。
音声出力基板9070において、音番号データは、入力ドライバ90702を介して音声合成用IC90703に入力される。音声合成用IC90703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路90705に出力する。増幅回路90705は、音声合成用IC90703の出力レベルを、ボリューム90706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ9027に出力する。音声データROM90704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。また、音声合成用IC90703は演出制御基板9080から所定の要求を受け付けた場合に音声を生成しスピーカ9027に出力する。
次に遊技機の動作について説明する。図22は、遊技機に対して電力供給が開始され遊技制御用マイクロコンピュータ90560へのリセット信号がハイレベルになったことに応じて遊技制御用マイクロコンピュータ90560のCPU9056が実行するメイン処理を示すフローチャートである。リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになると、遊技制御用マイクロコンピュータ90560のCPU9056は、プログラムの内容が正当か否かを確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS901以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU9056は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU9056は、まず、割込禁止に設定する(ステップS901)。次に、マスク可能割込の割込モードを設定し(ステップS902)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS903)。なお、ステップS902では、遊技制御用マイクロコンピュータ90560の特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込番地を示すモードに設定する。また、マスク可能な割込が発生すると、CPU9056は、自動的に割込禁止状態に設定するとともに、プログラムカウンタの内容をスタックにセーブする。
次いで、内蔵デバイスレジスタの設定(初期化)を行う(ステップS904)。ステップS904の処理によって、内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の設定(初期化)がなされる。
この実施の形態で用いられる遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、I/Oポート(PIO)およびタイマ/カウンタ回路(CTC)も内蔵している。
次いで、CPU9056は、RAM9055をアクセス可能状態に設定し(ステップS905)、クリア信号のチェック処理に移行する。
なお、遊技の進行を制御する遊技装置制御処理(遊技制御処理)の開始タイミングをソフトウェアで遅らせるためのソフトウェア遅延処理を実行するようにしてもよい。そのようなソフトウェア遅延処理によって、ソフトウェア遅延処理を実行しない場合に比べて、遊技制御処理の開始タイミングを遅延させることができる。遅延処理を実行したときには、他の制御基板(例えば、払出制御基板9037)に対して、遊技制御基板(主基板9031)が送信するコマンドを他の制御基板のマイクロコンピュータが受信できないという状況が発生することを防止できる。
次いで、CPU9056は、クリアスイッチがオンされているか否か確認する(ステップS906)。なお、CPU9056は、入力ポート0を介して1回だけクリア信号の状態を確認するようにしてもよいが、複数回クリア信号の状態を確認するようにしてもよい。例えば、クリア信号の状態がオフ状態であることを確認したら、所定時間(例えば、0.1秒)の遅延時間をおいた後、クリア信号の状態を再確認する。そのときにクリア信号の状態がオン状態であることを確認したら、クリア信号がオン状態になっていると判定する。また、このときにクリア信号の状態がオフ状態であることを確認したら、所定時間の遅延時間をおいた後、再度、クリア信号の状態を再確認するようにしてもよい。ここで、再確認の回数は、1回または2回に限られず、3回以上であってもよい。また、2回チェックして、チェック結果が一致していなかったときにもう一度確認するようにしてもよい。
ステップS906でクリアスイッチがオンでない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS907)。この実施の形態では、電力供給の停止が生じた場合には、バックアップRAM領域のデータを保護するための処理が行われている。そのような電力供給停止時処理が行われていたことを確認した場合には、CPU9056は、電力供給停止時処理が行われた、すなわち電力供給停止時の制御状態が保存されていると判定する。電力供給停止時処理が行われていないことを確認した場合には、CPU9056は初期化処理を実行する。
電力供給停止時処理が行われていたか否かは、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に保存されるバックアップ監視タイマの値が、電力供給停止時処理を実行したことに応じた値(例えば2)になっているか否かによって確認される。なお、そのような確認の仕方は一例であって、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップフラグ領域に電力供給停止時処理を実行したことを示すフラグをセットし、ステップS907において、そのフラグがセットされていることを確認したら電力供給停止時処理が行われたと判定してもよい。
電力供給停止時の制御状態が保存されていると判定したら、CPU9056は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行う(ステップS908)。この実施の形態では、クリアデータ(00)をチェックサムデータエリアにセットし、チェックサム算出開始アドレスをポインタにセットする。また、チェックサムの対象になるデータ数に対応するチェックサム算出回数をセットする。そして、チェックサムデータエリアの内容とポインタが指すRAM領域の内容との排他的論理和を演算する。演算結果をチェックサムデータエリアにストアするとともに、ポインタの値を1増やし、チェックサム算出回数の値を1減算する。以上の処理が、チェックサム算出回数の値が0になるまで繰り返される。チェックサム算出回数の値が0になったら、CPU9056は、チェックサムデータエリアの内容の各ビットの値を反転し、反転後のデータをチェックサムにする。
電力供給停止時処理において、上記の処理と同様の処理によってチェックサムが算出され、チェックサムはバックアップRAM領域に保存されている。ステップS908では、算出したチェックサムと保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっている可能性があることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理(ステップS9010〜S9014の処理)を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU9056は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行う。具体的には、ROM9054に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS9041)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM9055内の領域)に設定する(ステップS9042)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS9041およびS9042の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU9056は、ROM9054に格納されているバックアップ時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定する(ステップS9043)。また、CPU9056は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(ステップS9044)。そして、ステップS9015に移行する。
初期化処理では、CPU9056は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS9010)。なお、RAM9055の全領域を初期化せず、所定のデータをそのままにしてもよい。また、ROM9054に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS9011)、初期化時設定テーブルの内容を順次業領域に設定する(ステップS9012)。
ステップS9011およびS9012の処理によって、例えば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄バッファ、特別図柄プロセスフラグ、賞球中フラグ、球切れフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU9056は、ROM9054に格納されている初期化時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS9013)、その内容に従ってサブ基板を初期化するための初期化コマンドをサブ基板に送信する処理を実行する(ステップS9014)。初期化コマンドとして、演出表示装置909に表示される初期図柄を示すコマンドや払出制御基板9037への初期化コマンド等を使用することができる。
また、CPU9056は、乱数回路90503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS9015)。
そして、CPU9056は、所定時間(例えば4ms)ごとに定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ90560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なうタイマ割込設定処理を実行する(ステップS9016)。すなわち、初期値として例えば4msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、4msごとに定期的にタイマ割込がかかるとする。
タイマ割込の設定が完了すると、CPU9056は、まず、割込禁止状態にして(ステップS9017)、初期値用乱数更新処理(ステップS9018a)と表示用乱数更新処理(ステップS9018b)を実行して、再び割込許可状態にする(ステップS9019)。すなわち、CPU9056は、初期値用乱数更新処理および表示用乱数更新処理が実行されるときには割込禁止状態にして、初期値用乱数更新処理および表示用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態にする。
なお、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、大当りの種類を決定するための判定用乱数(例えば、大当りを発生させる特別図柄を決定するための大当り図柄決定用乱数や、遊技状態を確変状態に移行させるかを決定するための確変決定用乱数、普通図柄にもとづく当りを発生させるか否かを決定するための普通図柄当たり判定用乱数)を発生するためのカウンタ(判定用乱数発生カウンタ)等のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータが、遊技機に設けられている演出表示装置909、可変入賞球装置9015、球払出装置9097等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、判定用乱数発生カウンタのカウント値が1周すると、そのカウンタに初期値が設定される。
また、表示用乱数とは、特別図柄表示器908の表示を決定するための乱数である。この実施の形態では、表示用乱数として、特別図柄の変動パターンを決定するための変動パターン決定用乱数や、大当りを発生させない場合にリーチとするか否かを決定するためのリーチ判定用乱数が用いられる。また、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。
また、表示用乱数更新処理が実行されるときに割込禁止状態にされるのは、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が後述するタイマ割込処理でも実行される(すなわち、タイマ割込処理のステップS9026,S9027でも同じ処理が実行される)ことから、タイマ割込処理における処理と競合してしまうのを避けるためである。すなわち、ステップS9018a,S9018bの処理中にタイマ割込が発生してタイマ割込処理中で初期値用乱数や表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新してしまったのでは、カウント値の連続性が損なわれる場合がある。しかし、ステップS9018a,S9018bの処理中では割込禁止状態にしておけば、そのような不都合が生ずることはない。
次に、タイマ割込処理について説明する。図23は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。メイン処理の実行中に、具体的には、ステップS9017〜S9019のループ処理の実行中における割込許可になっている期間において、タイマ割込が発生すると、遊技制御用マイクロコンピュータ90560のCPU9056は、タイマ割込の発生に応じて起動されるタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、CPU9056は、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断処理(電源断検出処理)を実行する(ステップS9020)。そして、CPU9056は、スイッチ回路9058を介して、ゲートスイッチ9032a、第1始動口スイッチ9013a、第2始動口スイッチ9014aおよびカウントスイッチ9023等のスイッチの検出信号を入力し、各スイッチの入力を検出する(スイッチ処理:ステップS9021)。具体的には、各スイッチの検出信号を入力する入力ポートの状態がオン状態であれば、各スイッチに対応して設けられているスイッチタイマの値を+1する。
次に、CPU9056は、特別図柄表示器908、普通図柄表示器9010、特別図柄保留記憶表示器9018、普通図柄保留記憶表示器9041の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS9022)。特別図柄表示器908および普通図柄表示器9010については、ステップS9036,S9037で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
次いで、CPU9056は、大入賞口への異常入賞の発生を検出して異常報知を行うための入賞報知処理を実行する(ステップS9024)。具体的に、CPU9056は、大入賞口が閉鎖状態であるにもかかわらずカウントスイッチ9023の入力を検出した場合、異常が発生したことを示す異常検出指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御を行う。
ステップS9024の後、CPU9056は、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS9025)。また、CPU9056は、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理:ステップS9026)。さらに、CPU9056は、表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(表示用乱数更新処理:ステップS9027)。
なお、各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1´(MR1´):大当りの種類(後述する15R確変大当り、4R確変大当り)を決定する(大当り種別判定用)
(2)ランダム2´(MR2´):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)
(3)ランダム3´(MR3´):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)
(4)ランダム4´(MR4´):普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(5)ランダム5´(MR5´):ランダム4´の初期値を決定する(ランダム4´初期値決定用)
(6)ランダム6´(MR6´):普通図柄当りの種類を決定する(普通図柄当り種別判定用)
(7)ランダム7´(MR7´):普通図柄変動パターン(変動時間)を決定する(普通図柄変動パターン判定用)
ステップS9025では、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、(1)の大当り種別判定用乱数、(4)の普通図柄当り判定用乱数および(6)の普通図柄当り種別判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム2´、ランダム3´、ランダム7´)または初期値用乱数(ランダム5´)である。
次いで、CPU9056は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS9028)。特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機901を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。また、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS9029)。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示器9010の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
次いで、CPU9056は、特別図柄の変動に同期する演出図柄に関する演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100に対して送信する処理を行う(演出図柄コマンド制御処理:ステップS9030)。なお、演出図柄の変動が特別図柄の変動に同期するとは、変動時間(可変表示期間)が同じであることを意味する。
次いで、CPU9056は、例えばホール管理用コンピュータに供給される始動口信号、図柄確定回数1信号、図柄確定回数2信号、大当り1〜3信号、時短信号などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS9031)。
また、CPU9056は、第1始動口スイッチ9013a、第2始動口スイッチ9014aおよびカウントスイッチ9023の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS9032)。具体的には、第1始動口スイッチ9013a、第2始動口スイッチ9014aおよびカウントスイッチ9023のいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板9037に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置9097を駆動する。
また、遊技機の制御状態を遊技機外部で確認できるようにするための試験信号を出力する処理である試験端子処理を実行する(ステップS9033)。また、この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU9056は、出力ポート0のRAM領域におけるソレノイドに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS9034:出力処理)。そして、CPU9056は、保留記憶数の増減をチェックする記憶処理を実行する(ステップS9035)。
また、CPU9056は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS9036)。さらに、CPU9056は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS9037)。
次いで、CPU9056は、各状態表示灯の表示を行うための状態表示制御データを状態表示制御データ設定用の出力バッファに設定する状態表示灯表示処理を行う(ステップS9038)。この場合、遊技状態が高確率状態(例えば、確変状態)にも制御される場合には、高確率状態であることを示す状態表示灯の表示を行うための状態表示制御データを出力バッファに設定するようにしてもよい。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS9039)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は4ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS9021〜S9039(ステップS9031,9033を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
第1特別図柄表示器908aまたは第2特別図柄表示器908bおよび演出表示装置909にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示態様を、可変表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の可変表示態様という。
第1特別図柄表示器908aまたは第2特別図柄表示器908bおよび演出表示装置909にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示結果を、可変表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の可変表示態様という。
この実施の形態では、第1特別図柄表示器908aまたは第2特別図柄表示器908bに大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置909における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア909L、909C、909Rに、演出図柄が揃って停止表示される。
図24は、あらかじめ用意された演出図柄の変動パターンを示す説明図である。図24に示すように、この実施の形態では、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、非リーチPA1´−1〜非リーチPA1´−4の変動パターンが用意されている。また、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2´−1〜ノーマルPA2´−2、ノーマルPB2´−1〜ノーマルPB2´−2、スーパーPA3´−1〜スーパーPA3´−2、スーパーPB3´−1〜スーパーPB3´−2の変動パターンが用意されている。なお、図24に示すように、リーチしない場合に使用され擬似連の演出を伴う非リーチPA1´−4の変動パターンについては、再変動が1回行われる。リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2´−1を用いる場合には、再変動が1回行われる。また、リーチしない場合に使用される非リーチPA1´−2の変動パターンは、短縮変動用の変動パターンであり、演出図柄の変動時間が短い時間(本例では、3.0秒)に短縮される。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2´−2を用いる場合には、再変動が2回行われる。さらに、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、スーパーPA3´−1〜スーパーPA3´−2を用いる場合には、再変動が3回行われる。なお、再変動とは、演出図柄の可変表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまでに一旦はずれとなる演出図柄を仮停止させた後に演出図柄の可変表示を再度実行することである。
また、図24に示すように、この実施の形態では、特別図柄の可変表示結果が大当り図柄になる場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2´−3〜ノーマルPA2´−4、ノーマルPB2´−3〜ノーマルPB2´−4、スーパーPA3´−3〜スーパーPA3´−4、スーパーPB3´−3〜スーパーPB3´−6の変動パターンが用意されている。
また、図24に示すように、擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2´−3を用いる場合には、再変動が1回行われる。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2´−4を用いる場合には、再変動が2回行われる。さらに、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、スーパーPA3´−3〜スーパーPA3´−4を用いる場合には、再変動が3回行われる。
なお、この実施の形態では、図24に示すように、リーチの種類に応じて変動時間が固定的に定められている場合(例えば、擬似連ありのスーパーリーチAの場合には変動時間が32.75秒で固定であり、擬似連なしのスーパーリーチAの場合には変動時間が22.75秒で固定である)を示しているが、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、合算保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。例えば、同じ種類のスーパーリーチを伴う場合であっても、合算保留記憶数が多くなるに従って、変動時間が短くなるようにしてもよい。また、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、第1特別図柄の変動表示を行う場合には、第1保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよく、第2特別図柄の変動表示を行う場合には、第2保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。この場合、第1保留記憶数や第2保留記憶数の値ごとに別々の判定テーブルを用意しておき(例えば、保留記憶数0〜2用の変動パターン種別判定テーブルと保留記憶数3,4用の変動パターン種別判定テーブルとを用意しておき)、第1保留記憶数または第2保留記憶数の値に応じて判定テーブルを選択して、変動時間を異ならせるようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、スーパーリーチ演出として、味方キャラクタがボスキャラAと対戦するスーパーリーチAと、味方キャラクタがボスキャラBと対戦するスーパーリーチBとが設けられている。いずれのスーパーリーチであっても、味方キャラクタが勝利すれば大当りとなり、敗北すればはずれが表示される。なお、スーパーリーチAは、後述するインターフェース画像、右打ち促進報知画像および演出確変カウンタ画像を除く画像(例えば、背景画像)を視認困難とする演出であり、スーパーリーチBは後述するインターフェース画像、右打ち促進報知画像および演出確変カウンタ画像を含む画像を視認困難とする演出である。
また、リーチする場合に使用される変動パターンのうち、スーパーPB3´−5〜スーパーPB3´−6を用いる場合には、対応するスーパーリーチを経てからはずれとなることを一旦表示した後、救済演出を経て大当り表示がなされる。
救済演出とは、はずれであることが示唆された後に、大当りとなることを報知する演出である。なお、この実施の形態では、はずれ表示がなされる直前にいずれのスーパーリーチが実行されていたかにかかわらず、共通する救済演出を実行することとするが、これに限るものではない。例えば、スーパーリーチAが実行されていた場合には、ボスキャラAに勝利する救済演出を実行可能であり、スーパーリーチBが実行されていた場合には、ボスキャラBに勝利する救済演出を実行可能であることとしてもよい。
なお、この実施の形態では、救済演出を伴う変動パターンとしては擬似連を伴わないスーパーPB3´−5〜スーパーPB3´−6のみが設けられているため、擬似連の後にスーパーリーチに発展してはずれ表示がなされた場合には救済演出が発生しないことを遊技者が認識してしまうこととなる。そこで、擬似連と共に救済演出を伴う変動パターンが設けられていることとすれば、擬似連の後にスーパーリーチに発展してはずれ表示がなされた場合にも救済演出の実行に対する期待感を遊技者に与えることができる。
また、この実施の形態では、スーパーリーチが終了してからはずれ表示を行う場合、スーパーリーチが終了してからはずれ表示を開始するまでの間に、スーパーリーチの終了を遊技者に報知するための通常復帰表示を演出表示装置9´の全画面に表示する通常復帰演出を実行するようになっている。スーパーリーチAが終了してからはずれ表示を開始するまでの間には、全画面を暗転させる通常復帰表示Aを表示し、スーパーリーチBが終了してからはずれ表示を開始するまでの間には、所定のキャラクタを表示するとともに該所定のキャラクタの周囲を暗転させる通常復帰表示Bを表示する。以下、通常復帰表示Aを表示する演出を「通常復帰演出A」、通常復帰表示Bを表示する演出を「通常復帰演出B」ということがある。
図25は、スーパーリーチを伴う変動パターンにおける演出内容を示す説明図である。ここでは、擬似連を伴わない変動パターンの演出内容について説明する。図25(A)では、スーパーリーチAを経て大当りとなるスーパーPB3´−3と、スーパーリーチAを経てはずれとなるスーパーPB3´−1と、スーパーリーチA後にはずれである旨を一旦表示し、その後、救済演出を経て大当りとなるスーパーPB3´−5との演出内容を示している。
例えば、特別図柄の変動を開始するタイミングT0からリーチ前の表示が行われ、リーチとなるタイミングT1からノーマルリーチの表示が行われ、リーチが発展するタイミングT2からスーパーリーチAが実行される。その際、変動パターンがスーパーPB3´−3である場合には、味方キャラクタがボスキャラAに勝利するスーパーリーチA勝利演出が実行され、変動パターンがスーパーPB3´−1,3´−5である場合には、味方キャラクタが敵キャラクタであるボスキャラAに敗北するスーパーリーチA敗北演出が実行される。
そして、変動パターンがスーパーPB3´−3である場合には、スーパーリーチ演出が終了するタイミングT3から特別図柄の変動が終了するタイミングT5(変動開始から22.75秒後)まで大当り表示が行われる。変動パターンがスーパーPB3´−1である場合には、スーパーリーチ演出が終了するタイミングT3から所定のタイミングT4まで通常復帰演出Aが行われた後、特別図柄の変動が終了するタイミングT5(変動開始から22.75秒後)まではずれ表示が行われる。変動パターンがスーパーPB3´−5である場合には、スーパーリーチ演出が終了するタイミングT3から所定のタイミングT4まで通常復帰演出Aが行われた後にはずれ表示が行われ、タイミングT5(変動開始から22.75秒後)にて救済演出が開始され、該救済演出が終了するタイミングT6から特別図柄の変動が終了するタイミングT7(変動開始から32.75秒後)まで大当り表示が行われる。
なお、この実施の形態では、スーパーリーチA勝利演出の後に大当り表示を行う演出パターンAに対応する変動パターンと、スーパーリーチA敗北演出の後にはずれ表示を経てから救済演出および大当り表示を行う演出パターンBに対応する変動パターンとが、それぞれ異なる変動パターンであることとしたが、共通の変動パターンであることとしてもよい。例えば、該共通の変動パターンにおける変動時間を32.75秒とし、演出パターンAの演出時間は22.75秒であり、演出パターンBの演出時間は32.75秒である場合、演出パターンAの演出を実行する際には、該演出パターンAの演出が終了するタイミング(変動開始から22.75秒後)から変動が停止するまでの期間において、大当りを開始することを示す大当り開始前動画を表示することとしてもよい。これにより、変動パターンの数を増加させることなく演出パターンを増加させることができるため、記憶容量を節減することができる。
図25(B)では、スーパーリーチBを経て大当りとなるスーパーPB3´−4と、スーパーリーチAを経てはずれとなるスーパーPB3´−2と、スーパーリーチA後にはずれである旨を一旦表示し、その後、救済演出を経て大当りとなるスーパーPB3´−6との演出内容を示している。
例えば、特別図柄の変動を開始するタイミングTaからリーチ前の表示が行われ、リーチとなるタイミングTbからノーマルリーチの表示が行われ、リーチが発展するタイミングTcからスーパーリーチAが実行される。その際、変動パターンがスーパーPB3´−4である場合には、味方キャラクタがボスキャラB勝利するスーパーリーチA勝利演出が実行され、変動パターンがスーパーPB3´−2,3´−6である場合には、味方キャラクタが敵キャラクタであるボスキャラBに敗北するスーパーリーチB敗北演出が実行される。
そして、変動パターンがスーパーPB3´−4である場合には、スーパーリーチ演出が終了するタイミングTdから特別図柄の変動が終了するタイミングTf(変動開始から25.50秒後)まで大当り表示が行われる。変動パターンがスーパーPB3´−2である場合には、スーパーリーチ演出が終了するタイミングTdから所定のタイミングTeまで通常復帰表示Aが行われた後、特別図柄の変動が終了するタイミングTf(変動開始から25.50秒後)まではずれ表示が行われる。変動パターンがスーパーPB3´−6である場合には、スーパーリーチ演出が終了するタイミングTdから所定のタイミングTeまで通常復帰表示Aが行われた後にはずれ表示が行われ、タイミングTf(変動開始から25.50秒後)にて救済演出が開始され、該救済演出が終了するタイミングTgから特別図柄の変動が終了するタイミングTh(変動開始から35.50秒後)まで大当り表示が行われる。
なお、この実施の形態では、スーパーリーチB勝利演出の後に大当り表示を行う演出パターンCに対応する変動パターンと、スーパーリーチB敗北演出の後にはずれ表示を経てから救済演出および大当り表示を行う演出パターンDに対応する変動パターンとが、それぞれ異なる変動パターンであることとしたが、共通の変動パターンであることとしてもよい。例えば、該共通の変動パターンにおける変動時間を35.50秒とし、演出パターンCの演出時間は25.50秒であり、演出パターンDの演出時間は35.50秒である場合、演出パターンCの演出を実行する際には、該演出パターンDの演出を終了するタイミング(変動開始から25.50秒後)から変動が停止するまでの期間において、大当りを開始することを示す大当り開始前動画を表示することとしてもよい。これにより、変動パターンの数を増加させることなく演出パターンを増加させることができるため、記憶容量を節減することができる。
なお、この実施の形態では、はずれである場合の方が大当りである場合よりもスーパーリーチAを伴う変動パターンが選択されやすいよう構成されているとともに、大当りである場合の方がはずれである場合よりもスーパーリーチBを伴う変動パターンが選択されやすいよう構成されており、すなわち、大当りに対する信頼度はスーパーリーチB>スーパーリーチAとなっている。
図26は、主基板9031に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ90560(具体的には、CPU9056)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS9026)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器908aまたは第2特別図柄表示器908bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU9056は、第1始動入賞口9013に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ9013a、または第2始動入賞口9014に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ9014aがオンしていたら、すなわち、第1始動入賞口9013への始動入賞または第2始動入賞口9014への始動入賞が発生していたら、始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS90311,S90312)。そして、ステップS90300〜S90307のうちのいずれかの処理を行う。第1始動入賞口スイッチ9013aまたは第2始動口スイッチ9014aがオンしていなければ、内部状態に応じて、ステップS90300〜S90307のうちのいずれかの処理を行う。
始動口スイッチ通過処理(ステップS90312)では、CPU9056は、第1始動口スイッチ9013aがオンであり、第1保留記憶数が上限値(4個)に達していない場合に、乱数回路90503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する。具体的に、ハードウェア乱数であるランダムR´(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1´)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2´)および変動パターン判定用乱数(ランダム3´)が抽出され、保存領域に格納される。そして、CPU9056は、第1保留記憶数加算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御を行う。
また、第2始動口スイッチ9013bがオンであり、第2保留記憶数が上限値(4個)に達していない場合には、乱数回路90503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する。具体的に、ハードウェア乱数であるランダムR´(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1´)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2´)および変動パターン判定用乱数(ランダム3´)が抽出され、保存領域に格納される。そして、CPU9056は、第2保留記憶数加算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御を行う。
ステップS90300〜S90307の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS90300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS90301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
また、特別図柄通常処理(ステップS90300)において、CPU9056は、現在の遊技状態に応じて背景指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御を行う。具体的に、CPU9056は、確変状態であることを示す確変フラグがセットされている場合には、確変状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU9056は、確変フラグがセットされていなければ、通常状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。
変動パターン設定処理(ステップS90301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS90302に対応した値(この例では2)に更新する。
なお、変動パターン設定処理(ステップS90301)において、CPU9056は、変動を開始する特別図柄に応じて、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す第1図柄変動指定コマンド、または第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す第2図柄変動指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御を行う。また、また、CPU9056は、決定した変動パターンに対応する変動パターンコマンドを、演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御を行う。
表示結果指定コマンド送信処理(ステップS90302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ90100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS90303に対応した値(この例では3)に更新する。
具体的に、CPU9056は、15R確変大当りとなるときには15R確変大当りになることを示す表示結果2指定コマンドを送信し、4R確変大当りとなるときには4R確変大当りになることを示す表示結果3指定コマンドを送信し、はずれとなるときにははずれになることを示す表示結果1指定コマンドを送信する制御を行う。
特別図柄変動中処理(ステップS90303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過する(ステップS90301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)と、演出制御用マイクロコンピュータ90100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行い、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS90304に対応した値(この例では4)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ90100は、遊技制御用マイクロコンピュータ90560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置909において第4図柄が停止されるように制御する。
また、特別図柄変動中処理(ステップS90303)において、CPU9056は、第1特別図柄の変動を開始した場合には、第1保留記憶数が1減少したことを指定する第1保留記憶数減算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信し、第2特別図柄の変動を開始した場合には、第2保留記憶数が1減少したことを指定する第2保留記憶数減算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御を行う。
特別図柄停止処理(ステップS90304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。大当りフラグがセットされている場合に、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS90305に対応した値(この例では5)に更新する。大当りフラグがセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS90300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値が4となったことにもとづいて、特別図柄表示制御処理において特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データが特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定され、ステップS9022の表示制御処理において出力バッファの設定内容に応じて実際に特別図柄の停止図柄が停止表示される。
また、特別図柄停止処理(ステップS90304)において、CPU9056は、大当りとなる場合には、大当り遊技の開始を指定する大当り開始指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御を行う。具体的には、大当りの種別が15R確変大当りである場合には大当り開始1指定コマンドを送信する。大当りの種別が4R確変大当りである場合には大当り開始2指定コマンドを送信する。
大入賞口開放前処理(ステップS90305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド9021を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS90306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(ステップS90306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS90305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS90307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(ステップS90307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ90100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS90300に対応した値(この例では0)に更新する。
また、大当り終了処理(ステップS90307)において、CPU9056は、大当り遊技の終了を指定する大当り終了指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御を行う。具体的には、大当りの種別が15R確変大当りである場合には大当り終了1指定コマンドを送信する。大当りの種別が4R確変大当りである場合には大当り終了2指定コマンドを送信する。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図27は、演出制御基板9080に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ90100(具体的には、演出制御用CPU90101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU90101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、4ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS90701)。
その後、演出制御用CPU90101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS90702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU90101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU90101は、そのフラグをクリアし(ステップS90703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU90101は、まず、演出制御用CPU90101は、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:ステップS90704)。
次いで、演出制御用CPU90101は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS90705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置909の表示制御を実行する。
次いで、演出制御用CPU90101は、第4図柄プロセス処理を行う(ステップS90706)。第4図柄プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第4図柄プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置909の第4図柄表示領域909c,909dにおいて第4図柄の表示制御を実行する。
ステップS90706の後、大当り図柄決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS90707)。その後、ステップS90702に移行する。
図28は、主基板9031の遊技制御用マイクロコンピュータ90560から受信した演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ90560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図27および図28参照)であるのか解析する。なお、演出制御INT信号にもとづく割込処理は、4msごとに実行されるタイマ割込処理に優先して実行される。
図29〜図31は、コマンド解析処理(ステップS90704)の具体例を示すフローチャートである。主基板9031から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU90101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU90101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS90611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU90101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS90612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS90613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS90614)、演出制御用CPU90101は、受信した変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS90615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS90616)。上述したように、変動パターンコマンドは、変動パターン設定処理(ステップS90301)においてCPU9056が送信するコマンドである。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば(ステップS90617)、演出制御用CPU90101は、受信した表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果3指定コマンド)を、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(ステップS90618A)。上述したように、表示結果指定コマンドは、表示結果指定コマンド送信処理(ステップS90302)においてCPU9056が送信するコマンドである。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(ステップS90619)、演出制御用CPU90101は、確定コマンド受信フラグをセットする(ステップS90620)。確定コマンド受信フラグは、図柄確定指定コマンドを正常に受信したことを示すフラグである。上述したように、図柄確定指定コマンドは、特別図柄変動中処理(ステップS90303)においてCPU9056が送信するコマンドである。
受信した演出制御コマンドが大当り開始1指定コマンドまたは大当り開始2指定コマンドであれば(ステップS90621)、演出制御用CPU90101は、大当り開始1指定コマンド受信フラグまたは大当り開始2指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS90622)。なお、この実施の形態では、ステップS90622でセットされる大当り開始1指定コマンド受信フラグ、大当り開始2指定コマンド受信フラグのことを、ファンファーレフラグともいう。上述したように、大当り開始指定コマンドは、特別図柄停止処理(ステップS90304)においてCPU9056が送信するコマンドである。
受信した演出制御コマンドが通常状態背景指定コマンドであれば(ステップS90679)、演出制御用CPU90101は、演出表示装置909に表示する背景画面を通常状態に応じた背景画面(例えば、青色の表示色の背景画面)に変更する(ステップS90680)。上述したように、通常状態背景指定コマンドは、特別図柄通常処理(ステップS90300)においてCPU9056が送信するコマンドである。
そして、確変状態であることを示す演出確変フラグがセットされている場合には、該演出確変フラグをリセットし(ステップS90680AのY,S90681)、遊技領域907の右側の領域への遊技球の打ち出し(いわゆる、右打ち)を遊技者に促す右打ち促進報知を終了し(ステップS90681A)、確変状態の残余回数を示す演出確変カウンタ表示を終了し(ステップS90681B)、保留記憶表示部9018cに表示する保留表示を第2保留表示から第1保留表示に切り替える(ステップS90681C)。
なお、ステップS90681Aでは、更に、遊技領域907の左側の領域への遊技球の打ち出し(いわゆる、左打ち)を遊技者に促す左打ち促進報知を行うこととしてもよい。具体的には、演出表示装置909に「左打ちに戻してください」または「ハンドルを左に回してください」といった表示や、左向き矢印の表示を行う。スピーカ9027や発光部材を用いた左打ち促進報知を行うこととしてもよい。
また、受信した演出制御コマンドが確変状態背景指定コマンドであれば(ステップS90682)、演出制御用CPU90101は、演出表示装置909に表示する背景画面を確変状態に応じた背景画面(例えば、赤色の表示色の背景画面)に変更する(ステップS90683)。上述したように、確変状態背景指定コマンドは、特別図柄通常処理(ステップS90300)においてCPU9056が送信するコマンドである。
そして、演出確変フラグがセットされていない場合には、該演出確変フラグをセットし(ステップS90683AのY,S90684)、右打ち促進報知を開始する(ステップS90684A)。具体的には、演出表示装置909に「右打ち」、「右打ちしてください」または「ハンドルを右に回してください」といった表示や、右向き矢印の表示を行う。スピーカ9027や発光部材を用いた右打ち促進報知を行うこととしてもよい。
そして、演出制御用CPU90101は、確変状態の残余回数を示す演出確変カウンタに「50」をセットし(ステップS90684B)、保留記憶表示部9018cに表示する保留表示を第1保留表示から第2保留表示に切り替える(ステップS90684C)。その後、演出確変カウンタ表示を行う(ステップS90684D)。また、ステップS90683Aにおいて演出確変フラグがセットされている場合、ステップS90684Dに移行する。
上述したように、通常状態背景指定コマンドおよび確変状態背景指定コマンドは、特別図柄通常処理(ステップS90300)においてCPU9056が送信するコマンドである。
また、受信した演出制御コマンドが第1保留記憶数加算指定コマンドであれば(ステップS90651)、演出制御用CPU90101は、RAMに形成されている第1保留記憶数保存領域に格納する第1保留記憶数の値を1加算する(ステップS90652)。上述したように、第1保留記憶数加算指定コマンドは、始動口スイッチ通過処理(ステップS90312)においてCPU9056が送信するコマンドである。そして、通常状態であれば(演出確変フラグがリセットされていれば)、第1保留記憶数表示を更新する(ステップS90653)。具体的には、第1保留記憶数表示を一つ増加させる。
また、受信した演出制御コマンドが第2保留記憶数加算指定コマンドであれば(ステップS90654)、演出制御用CPU90101は、RAMに形成されている第2保留記憶数保存領域に格納する第2保留記憶数の値を1加算する(ステップS90655)。上述したように、第2保留記憶数加算指定コマンドは、始動口スイッチ通過処理(ステップS90312)においてCPU9056が送信するコマンドである。そして、確変状態であれば(演出確変フラグがセットされていれば)、第2保留記憶数表示を更新する(ステップS90656)。具体的には、第1保留記憶数表示を一つ増加させる。
また、受信した演出制御コマンドが第1保留記憶数減算指定コマンドであれば(ステップS90657)、演出制御用CPU90101は、RAMに形成されている第1保留記憶数保存領域に格納する第1保留記憶数の値を1減算する(ステップS90658)。上述したように、第1保留記憶数減算指定コマンドは、特別図柄変動中処理(ステップS90303)においてCPU9056が送信するコマンドである。そして、通常状態であれば(演出確変フラグがリセットされていれば)、第1保留記憶数表示を更新する(ステップS90659)。具体的には、第1保留記憶数表示を一つ減少させる。
また、受信した演出制御コマンドが第2保留記憶数減算指定コマンドであれば(ステップS90660)、演出制御用CPU90101は、RAMに形成されている第2保留記憶数保存領域に格納する第2保留記憶数の値を1減算する(ステップS90661)。上述したように、第2保留記憶数減算指定コマンドは、特別図柄変動中処理(ステップS90303)においてCPU9056が送信するコマンドである。そして、確変状態であれば(演出確変フラグがセットされていれば)、第2保留記憶数表示を更新する(ステップS90662)。具体的には、第2保留記憶数表示を一つ減少させる。
また、受信した演出制御コマンドが異常検出指定コマンドであれば(ステップS90663)、演出制御用CPU90101は、異常が発生した旨を報知するための異常報知表示を開始する(ステップS90664)。このとき、ブラックアウト予告の実行の有無と、実行しているブラックアウト予告の種類に応じた表示態様により異常報知表示を行うものである。具体的に、いずれのブラックアウト予告も実行されていなければ表示範囲の小さい小異常報知表示を表示し、第1ブラックアウト予告が実行されていれば小異常報知表示より表示範囲の大きい中異常報知表示を表示し、第2ブラックアウト予告が実行されていれば中異常報知表示より表示範囲の大きい大異常報知表示を表示する。上述したように、異常検出指定コマンドは、入賞報知処理(ステップS9024)においてCPU9056が送信するコマンドである。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU90101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセット、または処理を実行する(ステップS90691)。そして、ステップS90611に移行する。
図32は、図27に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS90705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU90101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS90800〜S90807のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置909の表示状態が制御され、演出図柄の可変表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。なお、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示と、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示とを、別の演出制御プロセス処理により実行するように構成してもよい。また、この場合、いずれの演出制御プロセス処理により演出図柄の変動表示が実行されているかによって、いずれの特別図柄の変動表示が実行されているかを判断するようにしてもよい。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS90800):遊技制御用マイクロコンピュータ90560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS90801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(ステップS90801):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS90802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(ステップS90802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS90803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(ステップS90803):演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS90804)、変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS90800)のいずれかに対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS90804):大当りである場合には、変動時間の終了後、演出表示装置909に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。例えば、大当りの開始を指定するファンファーレ指定コマンドを受信したら、ファンファーレ演出を実行する。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS90805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(ステップS90805):ラウンド中の表示制御を行う。例えば、大入賞口が開放中であることを示す大入賞口開放中表示コマンドを受信したら、ラウンド数の表示制御等を行う。
ラウンド後処理(ステップS90806):ラウンド間の表示制御を行う。例えば、大入賞口が開放後(閉鎖中)であることを示す大入賞口開放後表示コマンドを受信したら、インターバル表示を行う。
大当り終了演出処理(ステップS90807):演出表示装置909において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。例えば、大当りの終了を指定するエンディング指定コマンドを受信したら、エンディング演出を実行する。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS90800)に対応した値に更新する。
図33は、図32に示された演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS90800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU90101は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS90811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(ステップS90812)。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS90801)に対応した値に更新する(ステップS90813)。
図34は、図32に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(ステップS90801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU90101は、まず、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出す(ステップS908001)。次いで、演出制御用CPU90101は、ステップS908001で読み出した変動パターンコマンド、および表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(ステップS908002)。すなわち、演出制御用CPU90101によってステップS908002の処理が実行されることによって、可変表示パターン決定手段が決定した可変表示パターン(変動パターン)に応じて、識別情報の可変表示の表示結果(演出図柄の停止図柄)を決定する表示結果決定手段が実現される。なお、擬似連を指定する変動パターンも用いる場合に、変動パターンコマンドで擬似連が指定されている場合には、演出制御用CPU90101は、ステップS908002において、擬似連中の仮停止図柄としてチャンス目図柄(例えば、「223」や「445」のように、リーチとならないものの大当り図柄と1つ図柄がずれている図柄の組み合わせ)も決定する。なお、演出制御用CPU90101は、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。なお、ステップS908002において、演出制御用CPU90101は、受信した変動パターンコマンドにもとづいて大当りであるか否かを判定し、変動パターンコマンドのみにもとづいて演出図柄の停止図柄を決定するようにしてもよい。
図35は、演出表示装置909における演出図柄の停止図柄の一例を示す説明図である。図35に示す例では、受信した表示結果指定コマンドが「15R確変大当り」を示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果2指定コマンドである場合)、演出制御用CPU90101は、停止図柄として3図柄が同じ奇数図柄で揃った演出図柄の組合せを決定する。また、受信した表示結果指定コマンドが「4R確変大当り」を示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果3指定コマンドである場合)、演出制御用CPU90101は、停止図柄として3図柄が同じ偶数図柄で揃った演出図柄の組合せを決定する。
そして、「はずれ」の場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果1指定コマンドである場合)、上記以外の演出図柄の組み合わせを決定する。ただし、リーチ演出を伴う場合には、左右の2図柄が揃った演出図柄の組み合わせを決定する。また、演出表示装置909に導出表示される3図柄の組合せが演出図柄の「停止図柄」である。
演出制御用CPU90101は、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、演出図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、演出図柄の停止図柄を決定する。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定する。
なお、演出図柄についても、大当りを想起させるような停止図柄(左中右が全て同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)を大当り図柄という。また、はずれを想起させるような停止図柄をはずれ図柄という。
そして、演出制御用CPU90101は、予告演出を設定するための予告演出設定処理を実行する(ステップS908003)。ここでは、例えば、開始する変動が大当りであるか否か、大当りである場合はいずれの大当り種別であるか、または読み出した変動パターンなどにもとづいて、所定の予告演出(例えば、大当りに対する信頼度に応じた段階まで発展するステップアップ予告、遊技者から操作部材への操作を受け付けることにより演出画面が切り替わるボタン演出など)の実行の有無について決定する。
そして、演出制御用CPU90101は、ブラックアウト予告に関する制御(ステップS903901〜S903912)を実行する。ブラックアウト予告とは、演出表示装置909を暗転させ、表示画像を視認困難とすることにより、ボタン演出(変動中に遊技者にプッシュボタン90120を操作させる演出)やリーチの発生を示唆する演出である。具体的に、ブラックアウト予告を実行する際には、表示画像に対して該表示画像より表示優先度の高い黒色画像を重畳表示することにより該表示画像を視認困難とするものであるが、黒色画像を表示するとともに表示画像を消去することにより該表示画像を視認困難とすることとしてもよい。この実施の形態におけるブラックアウト予告は、段階的に発展するよう構成されている。例えば、演出表示装置909に表示されている画像を視認困難とする度合いの低い第1ブラックアウト予告を第1段階として実行し、演出表示装置909に表示されている画像を視認困難とする度合いの高い第2ブラックアウト予告を第2段階として実行することが可能である。具体的に、第1ブラックアウト予告は、インターフェース画像、右打ち促進報知画像および演出確変カウンタ画像を除く画像を視認困難とするブラックアウト予告であり、第2ブラックアウト予告は、インターフェース画像、右打ち促進報知画像および演出確変カウンタ画像を含む画像を視認困難とするブラックアウト予告である。
なお、この実施の形態では、第2ブラックアウト予告では、第1ブラックアウト予告で視認困難とする全ての画像を含む画像を視認困難とする構成とするが、これに限るものではなく、第1ブラックアウト予告においては視認困難とされるが第2ブラックアウト予告においては視認困難とされない画像が存在することとしてもよい。例えば、第1ブラックアウト予告では演出図柄を視認困難とするが、第2ブラックアウト予告においては演出図柄を視認困難としないものであってもよい。同様に、演出用キャラクタ、背景の一部または全部、予告画像などを第1ブラックアウト予告では視認困難とするが、第2ブラックアウト予告においては視認困難としないものであってもよい。
この実施の形態では、第1ブラックアウト予告をおこなったものの、第2ブラックアウト予告に発展しなかった場合には、リーチおよびボタン演出も発生しないものである。すなわち、第1段階までしか発展しないブラックアウト予告は、いわゆるガセ演出として設けられている。以下、第2段階まで発展してボタン演出の実行を予告するブラックアウト予告を「ボタン演出用ブラックアウト予告」といい、第2段階まで発展してリーチとなることを予告するブラックアウト予告を「リーチ用ブラックアウト予告」ということがある。また、第1ブラックアウト予告を行うが、第2ブラックアウト予告に発展しないブラックアウト予告を「非示唆ブラックアウト予告」ということがある。
まず、演出制御用CPU90101は、ブラックアウト予告に関する制御として、ボタン演出を実行するか否かを決定するためのボタン演出実行抽選を行う(ステップS903901)。ボタン演出とは、変動中の所定のタイミングにて遊技者にプッシュボタン90120を操作させ、有効期間中に該操作を受け付けた場合に演出表示装置909に特定画像を表示する演出である。ステップS903901では、図36(A)に示すボタン演出実行抽選テーブルを用いて、ボタン演出の実行の有無を決定する。
図36(A)は、ボタン演出実行抽選テーブルを示す説明図である。図36(A)に示すボタン演出実行抽選テーブルは、可変表示結果毎にボタン演出の実行の有無の選択割合が対応付けられている。
例えば、可変表示結果が大当りである場合、ボタン演出を実行することが80%の割合で、実行しないことが20%の割合で決定される。また、例えば、可変表示結果がスーパーリーチはずれである場合、ボタン演出を実行することが70%の割合で、実行しないことが30%の割合で決定される。また、例えば、可変表示結果がノーマルリーチはずれである場合、ボタン演出を実行することが60%の割合で、実行しないことが40%の割合で決定される。また、例えば、可変表示結果が非リーチはずれである場合、ボタン演出を実行することが10%の割合で、実行しないことが90%の割合で決定される。
なお、大当りの場合であっても、実行する演出に応じて異なる割合でボタン演出の実行の有無を決定することとしてもよい。例えば、スーパーリーチおよびノーマルリーチのいずれを実行するか、いずれの種類のスーパーリーチを実行するか、救済演出の実行の有無、擬似連の実行の有無、または擬似連における再変動の回数にもとづいて異なる割合でボタン演出の実行の有無を決定することとしてもよい。
演出制御用CPU90101は、ステップS903901の後、実行することが決定された場合には、ボタン演出の実行を設定する(ステップS903902のY,S903903)。例えば、ボタン演出を実行することを示すフラグをセットする。その後、演出制御用CPU90101は、ボタン演出用ブラックアウト予告を実行するか否かを決定するためのボタン演出用ブラックアウト予告実行抽選を実行する(ステップS903904)。ステップS903904では、図36(B)に示すボタン演出用ブラックアウト予告実行抽選テーブルを用いて、ボタン演出用ブラックアウト予告の実行の有無を決定する。
図36(B)は、ボタン演出用ブラックアウト予告実行抽選テーブルを示す説明図である。図36(B)に示すボタン演出用ブラックアウト予告実行抽選テーブルは、可変表示結果毎にボタン演出用ブラックアウト予告の実行の有無の選択割合が対応付けられている。
例えば、可変表示結果が大当りである場合、ボタン演出用ブラックアウト予告を実行することが80%の割合で、実行しないことが20%の割合で決定される。また、例えば、可変表示結果がスーパーリーチはずれである場合、ボタン演出用ブラックアウト予告を実行することが70%の割合で、実行しないことが30%の割合で決定される。また、例えば、可変表示結果がノーマルリーチはずれである場合、ボタン演出用ブラックアウト予告を実行することが60%の割合で、実行しないことが40%の割合で決定される。また、例えば、可変表示結果が非リーチはずれである場合、ボタン演出用ブラックアウト予告を実行することが30%の割合で、実行しないことが70%の割合で決定される。
なお、大当りの場合であっても、実行する演出に応じて異なる割合でボタン演出用ブラックアウト予告の実行の有無を決定することとしてもよい。例えば、スーパーリーチおよびノーマルリーチのいずれを実行するか、いずれの種類のスーパーリーチを実行するか、救済演出の実行の有無、擬似連の実行の有無、または擬似連における再変動の回数にもとづいて異なる割合でボタン演出用ブラックアウト予告の実行の有無を決定することとしてもよい。
ステップS903904の後、ボタン演出用ブラックアウト予告を実行する場合には、ボタン演出用ブラックアウト予告を設定し(ステップS903905のY,S903906)、ステップS908004へ移行する。ステップS903906では、例えば、ボタン演出用ブラックアウト予告を実行することを示すフラグをセットする。
ボタン演出を実行しない場合(ステップS903902のN)、またはボタン演出は実行するがボタン演出用ブラックアウト予告を実行しない場合(ステップS903905のN)、演出制御用CPU90101は、リーチ変動であるか否かを判定する(ステップS903907A)。リーチ変動である場合、リーチ用ブラックアウト予告を実行するか否かを決定するためのリーチ用ブラックアウト予告実行抽選を実行する(ステップS903907B)。ステップS903907Bでは、図36(C)に示すリーチ用ブラックアウト予告実行抽選テーブルを用いて、リーチ用ブラックアウト予告の実行の有無を決定する。
図36(C)は、リーチ用ブラックアウト予告実行抽選テーブルを示す説明図である。図36(C)に示すリーチ用ブラックアウト予告実行抽選テーブルは、可変表示結果毎にリーチ用ブラックアウト予告の実行の有無の選択割合が対応付けられている。
例えば、可変表示結果が大当りである場合、リーチ用ブラックアウト予告を実行することが80%の割合で、実行しないことが20%の割合で決定される。また、例えば、可変表示結果がスーパーリーチはずれである場合、リーチ用ブラックアウト予告を実行することが70%の割合で、実行しないことが30%の割合で決定される。また、例えば、可変表示結果がノーマルリーチはずれである場合、リーチ用ブラックアウト予告を実行することが60%の割合で、実行しないことが40%の割合で決定される。
なお、大当りの場合であっても、実行する演出に応じて異なる割合でリーチ用ブラックアウト予告の実行の有無を決定することとしてもよい。例えば、スーパーリーチおよびノーマルリーチのいずれを実行するか、いずれの種類のスーパーリーチを実行するか、救済演出の実行の有無、擬似連の実行の有無、または擬似連における再変動の回数にもとづいて異なる割合でリーチ用ブラックアウト予告の実行の有無を決定することとしてもよい。
ステップS903907Bの後、リーチ用ブラックアウト予告を実行する場合には、リーチ用ブラックアウト予告を設定し(ステップS903908のY,S903909)、ステップS908004へ移行する。ステップS903909では、例えば、リーチ用ブラックアウト予告を実行することを示すフラグをセットする。
リーチ変動でない場合(ステップS903907AのN)、またはリーチ変動ではあるがリーチ用ブラックアウト予告を実行しない場合(ステップS903908のN)、非示唆ブラックアウト予告を実行するか否かを決定するための非示唆ブラックアウト予告実行抽選を行う(ステップS903910)。ステップS903910では、図36(D)に示す非示唆ブラックアウト予告実行抽選テーブルを用いて、非示唆ブラックアウト予告の実行の有無を決定する。
図36(D)は、非示唆ブラックアウト予告実行抽選テーブルを示す説明図である。図36(D)に示す非示唆ブラックアウト予告実行抽選テーブルは、可変表示結果毎に非示唆ブラックアウト予告の実行の有無の選択割合が対応付けられている。
例えば、可変表示結果が大当りである場合、非示唆ブラックアウト予告を実行することが80%の割合で、実行しないことが20%の割合で決定される。また、例えば、可変表示結果がスーパーリーチはずれである場合、非示唆ブラックアウト予告を実行することが70%の割合で、実行しないことが30%の割合で決定される。また、例えば、可変表示結果がノーマルリーチはずれである場合、非示唆ブラックアウト予告を実行することが60%の割合で、実行しないことが40%の割合で決定される。また、例えば、可変表示結果が非リーチはずれである場合、非示唆ブラックアウト予告を実行することが30%の割合で、実行しないことが70%の割合で決定される。
なお、大当りの場合であっても、実行する演出に応じて異なる割合で非示唆ブラックアウト予告の実行の有無を決定することとしてもよい。例えば、スーパーリーチおよびノーマルリーチのいずれを実行するか、いずれの種類のスーパーリーチを実行するか、救済演出の実行の有無、擬似連の実行の有無、または擬似連における再変動の回数にもとづいて異なる割合で非示唆ブラックアウト予告の実行の有無を決定することとしてもよい。
ステップS903910の後、非示唆ブラックアウト予告を実行する場合には、非示唆ブラックアウト予告を設定し(ステップS903911のY,S903912)、ステップS908004へ移行する。ステップS903912では、例えば、非示唆ブラックアウト予告を実行することを示すフラグをセットする。
ステップS908004において、演出制御用CPU90101は、変動パターンおよび予告演出を実行する場合にはその予告演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS908004)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS908005)。なお、変動パターンに応じた演出図柄の変動や、予告演出のような変動中に実行される演出を「変動中演出」ということがある。
図37は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU90101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU90101は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置909等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、および音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等(演出図柄の表示態様の他に演出表示装置909の表示画面における演出図柄以外の演出態様を含む。)が記載されている。具体的には、演出表示装置909の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その演出態様での演出時間が設定されている。演出制御用CPU90101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている態様で演出図柄を表示させるとともに表示画面に表示されるキャラクタ画像や背景を表示させる制御を行う。また、ランプ制御実行データおよび音番号データに設定されている態様で発光体の点滅を制御するとともに、スピーカ9027からの音出力を制御する。
図37に示すプロセステーブルは、演出制御基板9080におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンや予告演出の内容に応じて用意されている。なお、ステップS908004などの処理で予告演出を実行することに決定された場合には、予告演出に対応したデータが設定されているプロセステーブルを選択し、予告演出を実行することに決定されていない場合には、予告演出に対応したデータが設定されていないプロセステーブルを選択する。
また、リーチ演出を伴う変動パターンについて演出制御を実行する場合に用いられるプロセステーブルには、変動開始から所定時間が経過したときに左図柄を停止表示させ、さらに所定時間が経過すると右図柄を停止表示させることを示すプロセスデータが設定されている。なお、停止表示させる図柄をプロセステーブルに設定するのではなく、決定された停止図柄、擬似連や滑り演出における仮停止図柄に応じて、図柄を表示するための画像を合成して生成するようにしてもよい。
ステップS908005の後、演出制御用CPU90101は、プロセスデータ1の内容に従って演出装置(演出表示装置909、スピーカ9027、LEDおよび役物)を制御する(ステップS908006)。例えば、演出表示装置909において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP90109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板9035に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ9027からの音声出力を行わせるために、音声出力基板9070に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU90101は、変動パターンコマンドに1対1に対応する変動パターンによる演出図柄の可変表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU90101は、変動パターンコマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
次いで、演出制御用CPU90101は、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(ステップS908007)。 そして、演出制御用CPU90101は、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS90802)に対応した値にする(ステップS908008)。
図38は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(ステップS90802)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU90101は、プロセスタイマの値を1減算するとともに(ステップS908101)、変動時間タイマの値を1減算する(ステップS908102)。プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS908103)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(ステップS908104)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する(ステップS908105)。
そして、演出制御用CPU90101は、ボタン演出の実行タイミングであるか否かを判定する(ステップS904501)。具体的には、ステップS903903にてボタン演出が設定されている場合に、予め定められたボタン演出実行タイミングに達したか否かが判定される。ボタン演出実行タイミングとしては、変動パターン毎に異なるタイミングが設けられていることとしてもよいし、いずれの変動パターンであっても一律のタイミング(例えば、変動開始から3秒後)が設けられていることとしてもよい。
ボタン演出実行タイミングである場合、演出制御用CPU90101は、プッシュボタン90120への操作を促すボタン操作促進画像を演出表示装置909に表示し(ステップS904502)、プッシュボタン90120への操作の有効期間であることを示す有効期間フラグをセットする(ステップS904503)。
その後、演出制御用CPU90101は、有効期間フラグがセットされているか否かを判定し(ステップS904504)、セットされている場合には、プッシュボタン90120への操作を受け付けたか(ステップS904505のY)、または有効期間終了タイミングである場合(ステップS904506のY)に特定画像を表示し(ステップS904507)、有効期間フラグをリセットする(ステップS904508)。有効期間終了タイミングとしては、変動パターン毎に異なるタイミングが設けられていることとしてもよいし、いずれの変動パターンであっても一律のタイミング(例えば、ボタン操作促進画像の表示開始から3秒後)が設けられていることとしてもよい。
そして、演出制御用CPU90101は、第1ブラックアウト予告の開始タイミングであるか否かを判定する(ステップS904509)。具体的には、ステップS903906にてボタン演出用ブラックアウト予告の実行が設定された場合、ステップS903909にてリーチ用ブラックアウト予告の実行が設定された場合、ステップS903912にて非示唆ブラックアウト予告の実行が設定された場合のいずれかであって、予め定められた第1ブラックアウト予告の開始タイミングであるか否かが判定される。第1ブラックアウト予告の開始タイミングとしては、変動パターン毎に異なるタイミングが設けられていることとしてもよいし、いずれの変動パターンであっても一律のタイミング(例えば、変動開始から3秒後)が設けられていることとしてもよい。また、設定されているブラックアウト予告がリーチ用ブラックアウト予告であるか、ボタン演出用ブラックアウト予告であるか、非示唆ブラックアウト予告であるかによって異なることとしてもよい。
第1ブラックアウト予告の開始タイミングである場合、演出制御用CPU90101は、第1ブラックアウト予告を開始する(ステップS904510)。
そして、演出制御用CPU90101は、第1ブラックアウト予告の終了タイミングであるか否かを判定し(ステップS904511)、第1ブラックアウト予告の終了タイミングである場合には第1ブラックアウト予告を終了する(ステップS904512)。具体的には、ステップS904510にて第1ブラックアウト予告を開始した場合であって、予め定められた第1ブラックアウト予告の終了タイミングであるか否かが判定される。第1ブラックアウト予告の終了タイミングとしては、変動パターン毎に異なるタイミングが設けられていることとしてもよいし、いずれの変動パターンであっても一律のタイミング(例えば、変動開始から3秒後)が設けられていることとしてもよい。また、設定されているブラックアウト予告がリーチ用ブラックアウト予告であるか、ボタン演出用ブラックアウト予告であるか、非示唆ブラックアウト予告であるかによって異なることとしてもよい。
その後、演出制御用CPU90101は、第2ブラックアウト予告が設定されているか否かを判定する(ステップS904513)。第2ブラックアウト予告が設定されている場合、すなわち、ステップS903906にてボタン演出用ブラックアウト予告の実行が設定された場合、またはステップS903909にてリーチ用ブラックアウト予告の実行が設定された場合、第2ブラックアウト予告を開始する(ステップS904514)。
そして、演出制御用CPU90101は、第2ブラックアウト予告の終了タイミングであるか否かを判定し(ステップS904515)、第2ブラックアウト予告の終了タイミングである場合には第2ブラックアウト予告を終了する(ステップS904516)。具体的には、ステップS903514にて第2ブラックアウト予告を開始した場合であって、予め定められた第2ブラックアウト予告の終了タイミングであるか否かが判定される。第2ブラックアウト予告の終了タイミングとしては、変動パターン毎に異なるタイミングが設けられていることとしてもよいし、いずれの変動パターンであっても一律のタイミング(例えば、変動開始から5秒後)が設けられていることとしてもよい。また、設定されているブラックアウト予告がリーチ用ブラックアウト予告であるか、ボタン演出用ブラックアウト予告であるかによって異なることとしてもよい。
そして、演出制御用CPU90101は、変動時間タイマがタイムアウトしていれば(ステップS908111)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS90803)に応じた値に更新する(ステップS908112)。
図39は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動停止処理(ステップS90803)を示すフローチャートである。演出図柄変動停止処理において、まず、演出制御用CPU90101は、演出図柄の停止図柄を表示していることを示す停止図柄表示フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS90861)。そして、停止図柄表示フラグがセットされていれば、演出制御用CPU90101は、ステップS90867に移行する。この実施の形態では、後述するように、演出図柄の停止図柄として大当り図柄を表示した場合には、ステップS90866で停止図柄表示フラグがセットされる。そして、ファンファーレ演出を実行するときにステップS90868で停止図柄表示フラグがリセットされる。従って、ステップS90861で停止図柄表示フラグがセットされているということは、大当り図柄を停止表示したもののファンファーレ演出をまだ実行していない段階であるので、ステップS90862の演出図柄の停止図柄を表示する処理を重ねて実行することなく、ステップS90867に移行する。
停止図柄表示フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU90101は、記憶されている停止図柄(はずれ図柄または大当り図柄)を停止表示させる制御を行う(ステップS90862)。なお、演出制御用CPU90101は、遊技制御用マイクロコンピュータ90560からの図柄確定指定コマンドの受信に応じて演出図柄を停止表示する制御を行うようにしてもよい。
ステップS90862で大当り図柄を表示する場合には(ステップS90863のY)、演出制御用CPU90101は、停止図柄表示フラグをセットし(ステップS90866)、演出確変フラグをリセットし(ステップS90866A)、ファンファーレフラグ(大当り開始1指定コマンド受信フラグまたは大当り開始2指定コマンド受信フラグ)がセットされたか否か確認する(ステップS90867)。ファンファーレフラグがセットされたときは(ステップS90867のY)、演出制御用CPU90101は、停止図柄表示フラグをリセットする(ステップS90868)とともに、ファンファーレ演出に応じたプロセスデータを選択する(ステップS90869)。そして、プロセスタイマをスタートさせる(ステップS90870)。
そして、演出制御用CPU90101は、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS90804)に対応した値に設定する(ステップS90871)。
また、ステップS90863で大当り図柄を表示しない場合(すなわち、はずれ図柄を表示する場合:ステップS90863のN)は、演出制御用CPU90101は、演出確変フラグがセットされている場合には、演出確変カウンタを1減算し(ステップS903201のY,S903202)、所定のフラグをリセットする(ステップS90864)。例えば、演出制御用CPU90101は、コマンド受信フラグをリセットする。なお、演出制御用CPU90101は、コマンド受信フラグを演出制御プロセス処理や第4図柄プロセス処理において参照されたあと直ぐにリセットするようにしてもよい(例えば、変動パターンコマンド受信フラグを確認すると直ちに変動パターンコマンド受信フラグをリセットするようにしてもよい)。
そして、演出制御用CPU90101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS90800)に応じた値に更新する(ステップS90865)。
図40は、ブラックアウト予告を実行する場合の表示例を示す説明図である。図40では、非示唆ブラックアウト予告を実行するパターン、リーチ用ブラックアウト予告を実行するパターン、およびボタン演出用ブラックアウト予告を実行するパターンにおける、タイミング毎の演出表示装置909の表示例について説明する。
いずれのパターンであっても、まず、図40(A)に示すように、確変状態にて変動が開始された場合、演出表示装置909にはインターフェース画像90211、演出確変カウンタ画像90212、および右打ち促進報知画像90213が表示されている。そして、図40(B)に示すように第1ブラックアウト予告が実行される。このとき、演出表示装置909におけるインターフェース画像90211、演出確変カウンタ画像90212、および右打ち促進報知画像90213以外の画像の視認が困難となる。
その後、非示唆ブラックアウト予告を実行するパターンである場合には、図40(E)に示すように、第2ブラックアウト予告に発展することなく変動が終了する。
なお、非示唆ブラックアウト予告を実行するパターンであっても、第1ブラックアウト予告の終了後に直ちに演出図柄が停止するのではなく、通常の変動状態(例えば、図40(A)に示したように、いずれの図柄表示エリアにおいても図柄が高速変動しており、なんらかの予告演出を実行可能な状態)に戻るものであってもよい。
第1ブラックアウト予告の実行後、リーチ用ブラックアウト予告を実行するパターン、またはボタン演出用ブラックアウト予告を実行するパターンである場合、図40(C)に示すように第2ブラックアウト予告に発展する。このとき、演出表示装置909におけるインターフェース画像90211、演出確変カウンタ画像90212、および右打ち促進報知画像90213を含む画像の視認が困難となる。
そして、リーチ用ブラックアウト予告を実行するパターンである場合には、図40(D)に示すように第2ブラックアウト予告が終了したタイミングで、演出表示装置909におけるインターフェース画像90211、演出確変カウンタ画像90212、および右打ち促進報知画像90213を含む画像の視認が可能となるとともにリーチとなっている。
また、ボタン演出用ブラックアウト予告を実行するパターンである場合には、図40(F)に示すように第2ブラックアウト予告が終了したタイミングで、演出表示装置909におけるインターフェース画像90211、演出確変カウンタ画像90212、および右打ち促進報知画像90213を含む画像の視認が可能となるとともにボタン操作促進画像が表示され、ボタン演出が開始されている。
なお、この実施の形態では、ブラックアウト予告の終了時にリーチの成立やボタン演出が行われることとしたが、これに限るものではなく、ブラックアウト予告中からリーチの成立やボタン演出が行われることとしてもよい。その場合、リーチの成立やボタン演出がブラックアウト予告により視認困難とされていないものであってもよい。
また、図40(B)に示した第1ブラックアウト予告の実行時では演出図柄の表示についても視認困難となる構成であるが、これに限るものではない。例えば、演出図柄を演出表示装置909の表示領域の隅に縮小表示することとしてもよい。その場合、図40(C)に示した第2ブラックアウト予告の実行時では縮小表示した演出図柄(以下、「小図柄」ということがある)は視認困難になる(消去される)こととしてもよい。
図41は、スーパーリーチA後にはずれ表示を行う場合における演出表示装置909の表示例を示す説明図である。例えば、確変状態にて変動が開始された場合、図41(A)に示すように、演出表示装置909にはインターフェース画像90211、演出確変カウンタ画像90212、および右打ち促進報知画像90213が表示されている。そして、図41(B),(C)に示すようにスーパーリーチAに発展するが、味方キャラクタがボスキャラAに敗北する。このとき、発生しているスーパーリーチがスーパーリーチAであるため、演出表示装置909におけるインターフェース画像90211、演出確変カウンタ画像90212、および右打ち促進報知画像90213を含む画像の視認が困難とはならない。なお、図41(B),(C)に示すように、スーパーリーチAに発展するときは、演出表示装置909の表示領域の略右下に演出図柄が移動して小図柄となる。
なお、小図柄については、一時的に表示するものに限られず、ブラックアウト予告中であっても常に表示するものであってもよい。
その後、図41(D)に示すように通常復帰表示Aが表示されることにより、演出表示装置909におけるインターフェース画像90211、演出確変カウンタ画像90212、および右打ち促進報知画像90213を含む画像の視認が困難となる。なお、このとき、演出図柄(小図柄)の表示が消去される代わりに第4図柄の変動表示が行われることとするが、図41(C)と同様に小図柄を表示するものであってもよいし、第4図柄も小図柄も表示しない(全画面暗転する)ものであってもよい。
そして、図41(E)に示すように、通常復帰演出Aが終了することにより、演出表示装置909におけるインターフェース画像90211、演出確変カウンタ画像90212、および右打ち促進報知画像90213を含む画像の視認が可能となり、はずれ図柄が搖動表示される。実行中の変動の変動パターンがスーパーPB3´−1であれば、図41(F)に示すようにはずれ図柄がそのまま停止表示される。実行中の変動の変動パターンがスーパーPB3´−5であれば、図41(G),(H)に示すように救済演出が実行され、大当り図柄が停止表示される。
図42は、スーパーリーチB後にはずれ表示を行う場合における演出表示装置909の表示例を示す説明図である。例えば、確変状態にて変動が開始された場合、図42(A)に示すように、演出表示装置909にはインターフェース画像90211、演出確変カウンタ画像90212、および右打ち促進報知画像90213が表示されている。そして、図42(B),(C)に示すように、スーパーリーチBに発展するが、味方キャラクタがボスキャラBに敗北する。このとき、発生しているスーパーリーチがスーパーリーチBであるため、演出表示装置909におけるインターフェース画像90211、演出確変カウンタ画像90212、および右打ち促進報知画像90213を含む画像の視認が困難となる。
その後、図42(D)に示すように通常復帰表示Bが表示される。
そして、図42(E)に示すように、通常復帰演出Bが終了することにより、演出表示装置909におけるインターフェース画像90211、演出確変カウンタ画像90212、および右打ち促進報知画像90213を含む画像の視認が可能となり、はずれ図柄が搖動表示される。実行中の変動の変動パターンがスーパーPB3´−2であれば、図42(F)に示すようにはずれ図柄がそのまま停止表示される。実行中の変動の変動パターンがスーパーPB3´−6であれば、図42(G),(H)に示すように救済演出が実行され、大当り図柄が停止表示される。
図43は、異常報知表示が行われた場合における演出表示装置909の表示例を示す説明図である。図43(A)には、いずれのブラックアウト予告も実行されていないときに異常報知表示が行われた場合の表示例を示している。このとき、図示するように、表示範囲の小さい小異常報知表示9025aが表示される。
図43(B)には、第1ブラックアウト予告が実行されているときに異常報知表示が行われた場合の表示例を示している。このとき、図示するように、小異常報知表示9025aより表示範囲の大きい中異常報知表示9025bが表示される。
図43(C)には、第2ブラックアウト予告が実行されているときに異常報知表示が行われた場合の表示例を示している。このとき、図示するように、中異常報知表示9025bより表示範囲の大きい大異常報知表示9025cが表示される。
このように、第2ブラックアウト予告が実行されているときの異常報知表示が最も視認しやすく、第1ブラックアウト予告が実行されているときの異常報知表示が次に視認しやすく、いずれのブラックアウト予告も実行されていないときの異常報知表示が最も視認しにくいようになっている。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、遊技を実行可能な遊技機であって、画像を表示可能な表示手段(本例では、演出表示装置909)と、表示手段に遊技に関する情報(本例では、保留表示を含むインターフェース画像、演出確変カウンタ画像、および右打ち促進報知画像。他にも、制御されている演出モードに関する情報(本例では、モード名)、出力されている音声に関する情報(本例では、曲名)、通信端末を用いたサービスに関する情報(本例では、獲得ポイント、アイテム、二次元コード)、可動役物を駆動させることに伴うエフェクト表示、ミッションを達成したことを示すミッション表示(本例では、「スーパーリーチAを見た」、「リーチを連続で見た」といった表示)、実行中の変動に対応するアクティブ表示、操作促進表示などであってもよい。)を表示させることが可能な表示制御手段(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ90100における、ステップS90653,S90656,S90659,S90662を実行することにより保留表示を表示する部分と、ステップS90684Dを実行することにより演出確変カウンタ画像を表示する部分と、ステップS90684Aを実行することにより右打ち促進報知画像を表示する部分)と、表示手段に表示された所定画像を視認困難な視認困難状態とする視認困難演出(本例では、ブラックアウト予告)を実行可能な演出実行手段(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ90100における、ステップS904510,S904514を実行する部分)とを備え、演出実行手段は、視認困難演出として、遊技に関する情報を視認困難としない第1視認困難演出(本例では、インターフェース画像、右打ち促進報知画像および演出確変カウンタ画像を除く画像を視認困難とする第1ブラックアウト予告)と、遊技に関する情報を視認困難とする第2視認困難演出(本例では、インターフェース画像、右打ち促進報知画像および演出確変カウンタ画像を含む画像を視認困難とする第2ブラックアウト予告)とを実行可能であることとした。このように、遊技に関する情報を視認困難としない第1視認困難演出が視認困難演出に含まれることにより、遊技に関する情報を認識できないことにより遊技者が混乱することを防止し、遊技興趣の低下を防止することができる。
なお、視認困難状態は、視認困難状態でない状態と比較して、演出表示装置909に表示された画像を視認しにくい状態であればよく、視認の可否は問わないものである。
なお、この実施の形態では、「視認困難演出」としてブラックアウト予告を実行することとしたが、演出表示装置909に表示された画像を視認困難とする演出であればこれに限るものではない。例えば、可動役物を備えた遊技機であれば、演出表示装置909に重複する遊技者側の位置に該可動役物が進出することにより、演出表示装置909に表示された画像の視認が困難となる役物演出を「視認困難演出」として実行するものであってもよい。その場合、遊技に関する情報の表示領域と重複しない位置に可動役物が進出する役物演出を「第1視認困難演出」とし、遊技に関する情報の表示領域と重複する位置に可動役物が進出する役物演出を「第2視認困難演出」としてもよい。また、ブラックアウト予告および役物演出のうち、いずれか一方を「第1視認困難演出」とし、他方を「第2視認困難演出」としてもよい。また、上述したように、表示画像に対して該表示画像より表示優先度の高い被覆画像(この実施の形態における黒色画像。他の色や模様の画像であってもよい。)を重畳表示することにより該表示画像を視認困難とする視認困難演出を実行するものであってもよいし、被覆画像を表示するとともに表示画像を消去することにより該表示画像を視認困難とする視認困難演出を実行するものであってもよい。
また、この実施の形態では、演出実行手段は、第2視認困難演出よりも高い頻度にて第1視認困難演出を実行する(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ90100は、第2ブラックアウト予告を実行する前には必ず第1ブラックアウト予告を実行するとともに、第1ブラックアウト予告を実行した場合であっても第2ブラックアウト予告を実行しない場合がある構成とすることにより、発生頻度は第1ブラックアウト予告>第2ブラックアウトとなっている)こととした。これにより、遊技興趣の低下を防止することができる。
なお、この実施の形態では、第1ブラックアウト予告と第2ブラックアウト予告とを一連の演出として実行可能であることとしたが、これに限るものではなく、それぞれ独立した演出として実行可能であることとしてもよい。例えば、第1ブラックアウト予告の実行の有無を決定するための第1抽選と、第2ブラックアウト予告の実行の有無を決定するための第2抽選とを独立して実行することにより、それぞれのブラックアウト予告の実行の有無を決定することとしてもよい。その場合に、第1抽選の方が第2抽選よりも実行割合が高いこととすれば、「第2視認困難演出よりも高い頻度にて第1視認困難演出を実行する」ことを実現可能である。
また、この実施の形態では、演出実行手段は、第1視認困難演出を実行した後に第2視認困難演出を実行する第1演出態様(本例では、ボタン演出用ブラックアウト予告、リーチ用ブラックアウト予告)と、第1視認困難演出を実行した後に第2視認困難演出を実行しない第2演出態様(本例では、非示唆ブラックアウト予告)とのうちいずれかの演出態様にて視認困難演出を実行可能であることとした。これにより、遊技興趣の低下を防止することができる。
また、この実施の形態では、遊技者にとって有利な有利状態(本例では、大当り遊技状態)に制御可能な遊技機であって、演出実行手段は、視認困難演出として、有利状態に制御されることを示唆する特定演出(本例では、スーパーリーチ演出)を実行可能であり(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ90100は、スーパーPA3´−1〜PA3´−4,PB3´−1〜PB3´−6のいずれかの変動パターンが選択された場合に、ステップS908004,S908105を実行可能である)、特定演出の実行が終了される際に、少なくとも第1特別演出と第2特別演出とを含む複数種類の特別演出(本例では、通常復帰演出Aと通常復帰演出Bとを含む通常復帰演出)のうちいずれかを実行可能な特別演出実行手段(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ90100における、スーパーPA3´−1,PA3´−2,PB3´−1,PB3´−2,PB3´−5,PB3´−6のいずれかの変動パターンが選択された場合に、ステップS908004,S908105を実行する部分)と、特別演出が実行された後に、有利状態に制御することを報知する報知演出(本例では、救済演出)を実行可能な報知演出実行手段(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ90100における、スーパーPB3´−5,PB3´−6のいずれかの変動パターンが選択された場合に、ステップS908004,S908105を実行する部分)とを備え、報知演出実行手段は、特別演出実行手段により第1特別演出が実行されるときと第2特別演出が実行されるときとで異なる割合により報知演出を実行可能である(本例では、スーパーリーチ演出が示す大当りに対する信頼度はスーパーリーチA<スーパーリーチBであるとともに、実行されるスーパーリーチの種類がスーパーリーチAであるときに通常復帰演出Aを行い、スーパーリーチBであるときに通常復帰演出Bを行う構成であることにより、通常復帰演出Aを行ったときよりも通常復帰演出Bを行ったときの方が高い割合で救済演出を実行する)こととした。これにより、遊技興趣の低下を防止することができる。
なお、この実施の形態では、通常復帰演出の実行の有無や実行する場合の通常復帰演出の種類が変動パターン毎に予め決定されていることとしたが、これに限るものではない。例えば、通常復帰演出の実行の有無や、実行する場合の通常復帰演出の種類を抽選により決定するものであってもよい。
また、いずれの通常復帰演出が実行されるかにもとづいて、大当りとなることに対する信頼度や、記憶されている保留記憶に大当り保留記憶が含まれることに対する信頼度が異なることとしてもよい。例えば、救済演出を実行するか否かにもとづいて異なる割合にて、通常復帰演出Bを行うこととしてもよい。
また、この実施の形態では、異常を検出する異常検出手段(本例では、遊技制御用マイクロコンピュータ90100における、閉鎖状態であるにもかかわらず大入賞口に遊技球が入賞したことを検出する部分)と、異常検出手段により異常が検出された場合に、異常が検出されたことを示す異常検出画像(本例では、小異常報知表示9025a,中異常報知表示9025b,大異常報知表示9025c)を表示手段に表示させる異常表示手段(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ90100における、ステップS90664を実行する部分)とを備え、視認困難演出を実行しているときに表示される異常検出画像の方が、視認困難演出を実行していないときに表示される異常検出画像よりも視認が容易である(本例では、図43に示すように、ブラックアウト予告を実行しているときに表示される中異常報知表示9025b,大異常報知表示9025cの方が、ブラックアウト予告を実行していないときに表示される小異常報知表示9025aよりも視認が容易である)こととした。これにより、異常の発生を好適に報知することができる。
なお、この実施の形態では、いずれのブラックアウト予告も実行されていないときと、第1ブラックアウト予告が実行されているときと、第2ブラックアウト予告が実行されているときとで異常報知表示の大きさが異なることにより該異常報知表示の視認しやすさが異なることしたがこれに限るものではない。例えば、異常報知表示の色、文字表示の内容が異なることにより、異常報知表示の視認しやすさが異なることとしてもよい。
また、この実施の形態では、ブラックアウト予告の実行の有無および実行しているブラックアウト予告の種類に応じて異常報知表示の表示態様が異なることとしたが、これに限るものではなく、ブラックアウト予告の実行の有無および実行しているブラックアウト予告の種類にかかわらず共通の表示態様にて異常報知表示を行うこととしてもよい。この場合であっても、ブラックアウト予告の実行中には異常報知表示の周囲が黒く縁取られる状態となるため、他の表示により視認が妨げられることがなく、ブラックアウト予告を実行していないときよりも異常報知表示の視認性を高めることができる。また、暗転している範囲が大きいほど、他の表示により視認が妨げられることがなくなるため、以上報知表示の視認性をより高めることができる。従って、第2ブラックアウト予告が実行されているときの異常報知表示が最も視認しやすく、第1ブラックアウト予告が実行されているときの異常報知表示が次に視認しやすく、いずれのブラックアウト予告も実行されていないときの異常報知表示が最も視認しにくいようになる。
また、上述した演出表示装置909における異常報知に代えて、もしくは加えて、スピーカ9027から音声を出力したり、所定の発光部材を発光させたり、所定の振動部材を振動させたりすることにより異常報知が行われることとしてもよい。その場合、音声出力の有無や音量、発光の有無や光量、振動の有無や強弱により異常報知の認識しやすさを異ならせることとしてもよい。また、音量が同じであっても音域や音響効果を異ならせることにより異常報知の認識しやすさを異ならせることとしてもよいし、発光部材の発光や演出表示装置909における画像の表示により異常報知を行う場合には発光色や表示色により異常報知の認識しやすさを異ならせることとしてもよい。具体的には、他の色と対比させると近くにあるように見える進出色(暖色系の色や明度の高い色。例えば、赤色。)であるか、または他の色と対比させると遠くにあるように見える後退色(寒色系の色や明度の低い色。例えば、青色。)であるかにより異常報知の認識しやすさが異なるものであってもよい。
なお、この実施の形態では、ブラックアウト予告により、リーチとなることおよびボタン演出の実行が示唆されることとしたが、示唆対象の事象についてはこれに限るものではない。例えば、擬似連となることが示唆されることとしてもよい。また、示唆対象は単一の事象であってもよいし、3つ以上の事象であってもよい。
また、この実施の形態では、リーチに発展する場合およびボタン演出を実行する場合には、非示唆ブラックアウト予告を実行しない構成(つまり、リーチに発展する場合およびボタン演出を実行する場合に実行されるブラックアウト予告は、常に第2段階まで発展する構成)としたが、これに限るものではない。例えば、ブラックアウト予告が第1段階までしか発展させないことにより、リーチやボタン演出が行われないものと遊技者を一旦落胆させた後に、リーチやボタン演出を実行することにより興趣の向上を図ることとしてもよい。
また、可変表示を実行可能な遊技機であって、可変表示に対応する特定表示を、少なくとも、通常態様と、通常態様よりも期待度の高い第1特定態様と、演出内容を示唆する第2特定態様とを含むいずれかの表示態様にて表示可能な特定表示手段と、第2特定態様の特定表示により示唆された内容の演出を実行可能な演出実行手段とを備え、特定表示手段は、第2特定態様にて特定表示を表示した後、第2特定態様の特定表示により示唆された内容の演出が実行されたときに該特定表示の表示態様を第2特定態様から第1特定態様に変化可能であることとしてもよい。具体的には、以下の変形例1を用いて説明する。なお、上述した実施の形態と同じ箇所については、説明を省略する。
変形例1において、演出制御用マイクロコンピュータ90100は、先読み予告演出を実行可能である。先読み予告演出とは、未だ開始されていない変動を予告対象とする演出である。具体的に、変形例1では、保留表示の表示態様を変化させる保留表示変化を実行することにより、該保留表示に対応する変動において大当りとなることに対する信頼度や、該保留表示に対応する変動における演出内容を示唆可能な構成となっている。
具体的には、始動入賞時に抽出されたランダムR´(大当り判定用乱数)、大当り種別判定用乱数(ランダム1´)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2´)および変動パターン判定用乱数(ランダム3´)にもとづいて、該始動入賞に対応する変動にて大当りとなるか否か、およびいずれの変動パターンを用いた変動を行うかが、該変動が開始されるよりも前の時点(例えば、始動入賞時)にて判定され、該判定結果にもとづいて先読み演出を実行可能に構成されている。以下、始動入賞時にて大当りとなるか否か、およびいずれの変動パターンを用いた変動を行うかが判定された場合における判定結果を「入賞時判定結果」ということがある。入賞時判定結果は、遊技制御用マイクロコンピュータ90560から送信されるコマンドにもとづいて遊技制御用マイクロコンピュータ90100が特定可能となる。
変形例1において、保留記憶表示部9018cにおいて表示される保留表示の表示態様として、大当りとなることに対する信頼度を示す通常表示態様と、所定の演出の実行を示唆する演出示唆表示態様とが設けられている。通常表示態様には、白色で表示される「白」および赤色で表示される「赤」が含まれており、大当りとなることに対する信頼度は、金>赤>白となっている。演出示唆表示態様には、「特殊?」という文字を表示することにより特殊ゾーン演出の予告対象であることを示唆する特殊示唆態様が含まれる。特殊示唆態様は、特殊ゾーン演出の予告対象であるか否かにかかわらず選択され得る表示態様である。
なお、特殊ゾーン演出とは、1回の変動または複数回の連続した変動にて、通常の背景とは異なる特殊背景を表示する演出である。また、特殊ゾーン演出は、実行回数が多いほど大当りに対する信頼度が高い構成となっている。以下、特殊ゾーン演出の実行を開始することを「特殊ゾーンに突入する」ということがある。
特殊ゾーンに突入する直前には、突入成功演出が実行される。突入成功演出は、特殊ゾーンに突入することを示唆した後に、特殊ゾーンに突入することが確定した旨を示す演出(例えば、「特殊ゾーンチャンス!」と表示した後に「成功!」と表示する演出)である。
図44は、変形例1における、特殊示唆態様にて保留表示を表示する場合における表示例を示す説明図である。まず、(1)アクティブ表示9051と2個の保留表示9052,9053とが表示されている変動中に、(2)新たな保留記憶が発生して該保留記憶に対応する保留表示9054が特殊示唆態様(「特殊?」)にて表示される。このとき、該保留記憶を予告対象とする特殊ゾーン演出を実行することが決定される。また、このとき、「白」から「赤」に変化する保留変化パターンが決定され、変化タイミングとして1個目(予告対象の変動に対する保留表示が1個目の保留表示であるタイミング)が決定されたこととする。
そして、(3)はずれ目で変動が終了し、(4)次の変動が開始される。このとき、新たな変動に対応するアクティブ表示9051が表示されるとともに、保留表示がシフトする。そして、突入予告演出が実行される(画像Pが表示される)。それから3秒が経過すると、(5)突入成功演出であったことが報知され(画像Pが切替表示され)、特殊ゾーンに突入する(画像Qが表示される)。それから5秒後のタイミングで、(6)特殊示唆態様にて表示していた保留表示9053の表示態様が「赤」に変化する。これは、仮に特殊ゾーンに突入してからも継続して特殊示唆態様の保留表示9053を表示し続けた場合には、更に特殊ゾーンに関連する何かがあるのではないかといった誤解を遊技者に与え、混乱させてしまう虞があることから、役割(特殊ゾーンに突入することの示唆)を終えた保留表示の表示態様を変化させるものである。
以上に説明したように、この変形例1において、可変表示を実行可能な遊技機であって、可変表示に対応する特定表示(本例では、保留表示、アクティブ表示)を、少なくとも、通常態様(本例では、「白」)と、通常態様よりも期待度の高い第1特定態様(本例では、「赤」)と、演出内容を示唆する第2特定態様(本例では、特殊示唆態様)とを含むいずれかの表示態様にて表示可能な特定表示手段(本例では、変形例1の演出制御用マイクロコンピュータ90100における、「白」や「赤」や特殊示唆態様にて保留表示を表示可能な部分(図44参照))と、第2特定態様の特定表示により示唆された内容の演出を実行可能な演出実行手段(本例では、変形例1の演出制御用マイクロコンピュータ90100における、特殊示唆態様にて示唆された特殊ゾーン演出を実行可能である部分(図44(5),(6)参照))とを備え、特定表示手段は、第2特定態様にて特定表示を表示した後、第2特定態様の特定表示により示唆された内容の演出が実行されたときに該特定表示の表示態様を第2特定態様から第1特定態様に変化可能である(本例では、変形例1の演出制御用マイクロコンピュータ90100は、図44に示すように、特殊ゾーン演出が開始された5秒後に、特殊示唆態様にて表示していた保留表示9053を「赤」に変化可能である)こととした。これにより、特定態様に対する期待感を高めることができる。
なお、所定演出の実行を示唆する特殊示唆態様にて保留表示を表示しているときにブラックアウト予告を行う場合、ブラックアウト予告が終了したときに所定演出(特殊示唆態様が示唆する演出)を実行していることとしてもよい。その場合、ブラックアウト予告が終了した時点から所定演出を開始することとしてもよいし、またはブラックアウト予告の実行中から所定演出を開始していること(制御的には所定演出を開始しているが、ブラックアウト予告が実行されることにより視認困難な状態)としてもよい。また、特殊示唆態様にて表示されていた保留表示は、ブラックアウト予告が終了する時点で他の表示態様(例えば、「白」、「赤」)に切り替わっているものであってもよいし、ブラックアウト予告が終了してから所定期間経過後に他の表示態様に切り替わるものであってもよい。
また、可変表示を行うことが可能な遊技機であって、可変表示に対応する特定表示を表示可能な特定表示手段と、第1態様により特定表示を表示した後に、該特定表示の表示態様を変化させる変化演出を実行可能な変化演出実行手段とを備え、変化演出実行手段は、変化演出として、第1態様により特定表示を表示した後に、該特定表示の表示態様を有利度が高い第2態様に変化させる演出を実行可能であるとともに、変化演出として、第1態様により特定表示を表示した後に、該特定表示の表示態様を第2態様に変化させない場合に、該特定表示の表示態様を第3態様に変化させる演出を実行可能であり、第3態様により表示される特定表示は、第1態様により表示される特定表示よりも第2態様に変化する割合が低いこととしてもよい。具体的には、以下の変形例2を用いて説明する。なお、上述した実施の形態と同じ箇所については、説明を省略する。
変形例2では、始動入賞が発生したときに先読み予告演出の一種である保留予告演出の実行を決定すると、保留表示を通常態様(本例では、白色の丸形表示)とは異なる特別表示態様(本例では、青色や赤色の丸形表示)に最終的に変化させる保留予告演出を実行する。なお、この変形例2では、保留予告演出を実行する場合、保留表示が通常態様から特別表示態様に直接変化するのではなく、保留表示が特殊表示態様(本例では、三角形表示や矩形表示)に一旦変化し、その後の保留シフトのタイミングで作用演出が実行されて予告対象の保留表示がいずれかの特別表示態様に変化する演出が実行される場合がある。以下、通常態様により表示された保留表示を「通常保留」ともいい、特殊表示態様により表示された保留表示を「特殊保留」ともいう。また、特別表示態様のうちの青色の表示色により表示された保留表示を「青色保留」ともいい、赤色の表示色により表示された保留表示を「赤色保留」ともいう。
例えば、変形例2では、演出制御用CPU90101は、始動入賞が発生したときに、図45および図46に示す最終表示態様決定テーブルを用いて最終表示態様を決定する。そして、後述する「通常保留(特殊保留経由なし)」以外の表示態様が最終表示態様として決定された場合、演出制御用CPU90101は、最新の入賞時判定結果、第1保留記憶数および最終表示態様にもとづいて、予告対象の保留表示の変化パターンを決定する。具体的には、図47および図48に示す変化パターン決定テーブルを用いて変化パターンを決定する。
図45および図46は、最終表示態様決定テーブルの具体例を示す説明図である。図45および図46に示すように、この変形例2では、最終表示態様決定テーブルにおいて、保留表示の最終表示態様として、通常保留(特殊保留経由なし)、通常保留(特殊保留経由あり)、青色保留、および赤色保留に対して、それぞれ判定値が割り振られている。なお、このうち、「通常保留(特殊保留経由あり)」とは、始動入賞の後の保留シフトのタイミングにおいて特殊保留に一旦変化した後、さらにその後の保留シフトのタイミングで最終的に通常保留に戻るものであり、最終表示態様自体は通常保留であるが保留予告演出は実行されるものである。一方、「通常保留(特殊保留経由なし)」とは、全く特殊保留にも変化することなく、その保留が消化されて保留表示が消去されるまで通常保留のまま変化しないものであり、保留予告演出自体を実行しないものに相当する。
なお、第1保留記憶数が2である場合には、始動入賞の後の保留シフトのタイミングで保留表示を変化させる機会は1回しかないのであるから、保留表示を特殊保留に一旦変化させる余地がない。そのため、図45(A)〜(C)に示す第1保留記憶数「2」用の最終表示態様決定テーブルには、通常保留(特殊保留経由なし)、青色保留、および赤色保留に対してのみ、それぞれ判定値が割り振られ、通常保留(特殊保留経由あり)に対する判定値の割り振りはない。
また、図45および図46に示すように、この変形例2では、入賞時判定結果が非リーチはずれ、スーパーリーチはずれまたはスーパーリーチ大当りである場合に、保留予告演出を実行可能に構成されており、入賞時判定結果がそれ以外である場合には、演出制御用CPU90101は、そのまま保留表示の最終表示態様を「通常保留(特殊保留経由なし)」に決定し、保留予告演出を実行しないことに決定する。
演出制御用CPU90101は、第1保留記憶数保存領域に格納されている第1保留記憶数が「2」である場合には、入賞時判定結果が非リーチはずれを示すものであれば、図45(A)に示す保留2個且つ非リーチはずれ用の最終表示態様決定テーブルを選択し、入賞時判定結果がスーパーリーチはずれを示すものであれば、図45(B)に示す保留2個且つスーパーリーチはずれ用の最終表示態様決定テーブルを選択し、入賞時判定結果がスーパーリーチ大当りを示すものであれば、図45(C)に示す保留2個且つスーパーリーチ大当り用の最終表示態様決定テーブルを選択する。また、演出制御用CPU90101は、第1保留記憶数保存領域に格納されている第1保留記憶数が「3」または「4」である場合には、入賞時判定結果が非リーチはずれを示すものであれば、図46(D)に示す保留3〜4個且つ非リーチはずれ用の最終表示態様決定テーブルを選択し、入賞時判定結果がスーパーリーチはずれを示すものであれば、図46(E)に示す保留3〜4個且つスーパーリーチはずれ用の最終表示態様決定テーブルを選択し、入賞時判定結果がスーパーリーチ大当りを示すものであれば、図46(F)に示す保留3〜4個且つスーパーリーチ大当り用の最終表示態様決定テーブルを選択する。そして、演出制御用CPU90101は、選択した最終表示態様決定テーブルを用いて、乱数にもとづく抽選処理を行い、最新の保留表示の最終表示態様を決定する。
図45および図46に示すように、この変形例2では、スーパーリーチはずれやスーパーリーチ大当りとなる場合には、非リーチはずれとなる場合と比較して、最終的に通常保留よりも青色保留や赤色保留に変化する割合が高くなっている。従って、この変形例2では、保留表示が最終的に青色保留や赤色保留に変化する場合には、最終的に通常保留となる場合と比較して、スーパーリーチに対する期待度(リーチ信頼度)が高くなっている。
また、図45および図46に示すように、この変形例2では、スーパーリーチ大当りとなる場合には、非リーチはずれやスーパーリーチはずれとなる場合と比較して、最終的に通常保留よりも青色保留や赤色保留に変化する割合が高くなっている。また、図45および図46に示すように、この変形例2では、スーパーリーチ大当りとなる場合には、非リーチはずれやスーパーリーチはずれとなる場合と比較して、最終的に青色保留よりも赤色保留に変化する割合がさらに高くなっている。従って、この変形例2では、予告対象の保留表示が最終的に赤色保留に変化した場合が最も大当りに対する期待度(大当り信頼度)が高く、最終的に青色保留に変化した場合が次に大当りに対する期待度(大当り信頼度)が高く、最終的に通常保留であった場合が最も大当りに対する期待度(大当り信頼度)が低くなっている。
図47および図48は、変化パターン決定テーブルの具体例を示す説明図である。なお、図47および図48において、特殊△とは三角形表示の特殊保留を示しており、特殊□とは矩形表示の特殊保留を示している。
演出制御用CPU90101は、第1保留記憶数保存領域に格納されている第1保留記憶数が「2」である場合には、決定した最終表示態様が青色保留であれば、図47(A)に示す保留2個且つ青色保留用の変化パターン決定テーブルを選択し、決定した最終表示態様が赤色保留であれば、図47(B)に示す保留2個且つ赤色保留用の変化パターン決定テーブルを選択する。
また、演出制御用CPU90101は、第1保留記憶数保存領域に格納されている第1保留記憶数が「3」である場合には、決定した最終表示態様が通常保留(特殊保留経由あり)であれば、図47(C)に示す保留3個且つ通常保留用の変化パターン決定テーブルを選択し、決定した最終表示態様が青色保留であれば、図47(D)に示す保留3個且つ青色保留用の変化パターン決定テーブルを選択し、決定した最終表示態様が赤色保留であれば、図47(E)に示す保留3個且つ赤色保留用の変化パターン決定テーブルを選択する。
また、演出制御用CPU90101は、第1保留記憶数保存領域に格納されている第1保留記憶数が「4」である場合には、決定した最終表示態様が通常保留(特殊保留経由あり)であれば、図48(F)に示す保留4個且つ通常保留用の変化パターン決定テーブルを選択し、決定した最終表示態様が青色保留であれば、図48(G)に示す保留4個且つ青色保留用の変化パターン決定テーブルを選択する。また、決定した最終表示態様が赤色保留であれば、さらに、入賞時判定結果が非リーチはずれまたはスーパーリーチはずれを示すものであれば、図48(H)に示す保留4個且つ非リーチはずれ/スーパーリーチはずれ且つ赤色保留用の変化パターン決定テーブルを選択し、入賞時判定結果がスーパーリーチ大当りを示すものであれば、図48(I)に示す保留4個且つスーパーリーチ大当り且つ赤色保留用の変化パターン決定テーブルを選択する。
図48に示すように、この変形例2では、第1保留記憶数が「4」である場合には、始動入賞時には予告対象の保留表示を通常保留で表示し、1回目の保留シフトのタイミングで特殊保留に変化させ、3回目以降の保留シフトのタイミングで通常保留や青色保留、赤色保留に変化可能に構成されている。従って、この変形例2では、保留記憶表示部9018cにおいて予告対象の保留表示が4つ目の位置に表示されているとき(始動入賞後の状態)と3つ目の位置に表示されているとき(1回目の保留シフト後の状態)には、予告対象の保留表示が特殊保留から通常保留や青色保留、赤色保留に変化することはない。また、図47(C)〜(E)に示すように、この変形例2では、第1保留記憶数が「3」である場合にも、始動入賞時には予告対象の保留表示を通常保留で表示するので、保留記憶表示部9018cにおいて予告対象の保留表示が3つ目の位置に表示されているとき(始動入賞後の状態)には、予告対象の保留表示が特殊保留から通常保留や青色保留、赤色保留に変化することはない。従って、この変形例2では、予告対象の保留表示が4つ目および3つ目の位置に表示されている期間においては、予告対象の保留表示が特殊保留から通常保留に変化しにくくなっている。そのため、予告対象の保留表示が早い段階で特殊保留から通常保留に変化して遊技者が落胆することを防止し、保留予告演出を実行する場合の演出効果の低下を防止できるものとなっている。
また、この変形例2では、特殊保留が表示された後の保留シフトのタイミングで作用演出が実行可能となり、作用演出が実行されても予告対象の保留表示が特殊保留のまま変化しなかったり、通常保留や青色保留、赤色保留に変化したりする場合がある。例えば、図48(F)に示す変化パターン401,403では、1つ目の保留シフトのタイミングで特殊保留が表示された後、2回目の保留シフトのタイミングで作用演出が実行されて特殊保留から通常保留に変化可能である。また、例えば、図48(F)に示す変化パターン402,404では、1つ目の保留シフトのタイミングで特殊保留が表示された後、2回目の保留シフトのタイミングでは作用演出が実行されるものの特殊保留のまま変化せず、3回目の保留シフトのタイミングで作用演出が実行されて特殊保留から通常保留に変化可能である。そのように、この変形例2では、1回の作用演出で特殊保留から通常保留に戻ってしまう場合だけでなく、複数の作用演出が実行されて特殊保留から通常保留に戻る場合もあるので、保留予告演出を実行する場合の演出効果を向上できるものとなっている。
また、図47(C)〜(E)および図48(F)〜(I)に示すように、この変形例2では、特殊保留として三角形表示の特殊保留と矩形表示の特殊保留との2種類があるのであるが、矩形表示の特殊保留が表示された場合には、三角形表示の特殊保留が表示された場合と比較して、最終表示態様として赤色保留が表示される割合が高くなっている。また、逆に、三角形表示の特殊保留が表示された場合には、矩形表示の特殊保留が表示された場合と比較して、最終表示態様として通常保留に戻る割合が高くなっている。
また、図48(H),(I)に示すように、この変形例2では、特殊保留から通常保留に戻っても最終的に赤色保留が表示される(すなわち、一旦通常保留に戻ったと落胆させてから赤色保留が復活して表示されたように見せる)変化パターン(変化パターン411,414)が設けられており、スーパーリーチ大当りとなる場合にのみ、この復活パターンの変化パターン411,414を決定可能に判定値が割り振られている。従って、この変形例2では、特殊保留から一旦通常保留に戻った後に最終的に赤色保留となった場合には、大当りが確定することになり、単に特殊保留から赤色保留となった場合よりも、大当りに対する期待度(信頼度)が高くなっている。
また、演出制御用CPU90101は、保留記憶の中に作用演出(保留表示に作用するような態様により実行され、保留表示の表示態様が変化することを示唆する演出)の実行可能タイミングとなっているものがある場合に、作用演出を実行するようになっている。なお、作用演出の実行可能タイミングとなっているか否かは、例えば、保留予告演出設定情報格納領域格納されている変化パターンを確認し、今回の変動開始(保留シフト)のタイミングで特殊△→特殊△や、特殊△→通常保留、特殊△→青色保留、特殊△→赤色保留、特殊□→特殊□、特殊□→通常保留、特殊□→青色保留、特殊□→赤色保留となっているものがあるか否かを確認することにより判定できる。
以上に説明したように、この変形例2によれば、可変表示を行うことが可能な遊技機であって、可変表示に対応する特定表示を表示可能な特定表示手段(本例では、変形例2の演出制御用マイクロコンピュータ90100における、保留表示やアクティブ表示を表示可能な部分)と、第1態様(本例では、特殊保留)により特定表示を表示した後に、該特定表示の表示態様を変化させる変化演出(本例では、作用演出を伴う保留予告演出)を実行可能な変化演出実行手段(本例では、変形例2の演出制御用マイクロコンピュータ90100における、図47および図48に示すいずれかの変化パターンにて保留表示またはアクティブ表示の表示態様を変化させる部分)とを備え、変化演出実行手段は、変化演出として、第1態様により特定表示を表示した後に、該特定表示の表示態様を有利度が高い第2態様(本例では、青色保留や赤色保留)に変化させる演出を実行可能である(本例では、図47(D),(E)に示す変化パターン33〜36および図48(G)〜(I)に示す変化パターン405〜414にもとづく保留予告演出を実行可能である)とともに、変化演出として、第1態様により特定表示を表示した後に、該特定表示の表示態様を第2態様に変化させない場合に、該特定表示の表示態様を第3態様(本例では、通常保留)に変化させる演出を実行可能であり(本例では、図47(C)に示す変化パターン31,32および図48(F)に示す変化パターン401〜404にもとづく保留予告演出を実行可能である)、第3態様により表示される特定表示は、第1態様により表示される特定表示よりも第2態様に変化する割合が低い(本例では、図47および図48に示すように、特殊保留から通常保留に変化した後にさらに赤色保留に変化する変化パターンは、始動入賞時に第1保留記憶数が4個でスーパーリーチ大当りの場合にのみ選択可能な変化パターン411,414しかなく、判定値の割り振りが極めて少なく、通常保留のまま変化しない変化パターン31,32,401〜404の方が判定値の割り振りが多い。なお、特殊保留から通常保留に変化した後は赤色保留に変化する場合がないものであってもよい。)こととした。これにより、変化演出を実行する場合の演出効果の低下を防止することができる。
なお、この変形例2では、第1態様として特殊保留を表示するとともに、第3態様として通常保留を表示し、特殊保留から通常保留に変化させる場合を示したが、そのような態様にかぎられない。例えば、通常保留を第1態様の位置づけで表示するようにし、第3態様として保留表示の表示態様の変化済みであることを示す済保留(例えば、「済」の文字表示を含む丸形表示)を表示するように構成してもよい。
また、上記の実施の形態では、例えば「1」〜「9」の複数種類の特別図柄や演出図柄を可変表示し表示結果を導出表示する場合を示したが、可変表示は、そのような態様にかぎられない。例えば、可変表示される図柄と導出表示される図柄とが必ずしも同じである必要ななく、可変表示された図柄とは異なる図柄が導出表示されるものであってもよい。また、必ずしも複数種類の図柄を可変表示する必要はなく、1種類の図柄のみを用いて可変表示を実行するものであってもよい。この場合、例えば、その1種類の図柄表示を交互に点灯および点滅を繰り返すことによって、可変表示を実行するものであってもよい。そして、この場合であっても、その可変表示に用いられる1種類の図柄が最後に導出表示されるものであってもよいし、その1種類の図柄とは異なる図柄が最後に導出表示されるものであってもよい。
なお、上述した実施の形態について、特別図柄や演出図柄の可変表示結果にもとづいて大当り遊技状態に移行する遊技機(いわゆる第一種の遊技機)について説明したが、遊技領域に設けられた可変入賞球装置(いわゆる役物)内の特定入賞口(V入賞口)に遊技球が入賞(V入賞)したことにもとづいて大当り遊技状態に移行する遊技機(いわゆる第二種の遊技機)や、第一種と第二種とを組み合わせた遊技機において適用することとしてもよい。
また、この実施の形態では、発生した大当りの大当り種別にもとづいて確変状態へ移行可能とするが、これに限るものではない。例えば、大入賞口内に遊技球が通過可能な特定領域が設けられており、大当り中に該特定領域を遊技球が通過した場合に確変状態へ移行する一方、大当り中に該特定領域を遊技球が通過しなかった場合に通常状態へ移行するようなものであってもよい。その場合、大当り種別によって特定領域への遊技球の通過しやすさを変化させることにより、実質的な確変大当りおよび非確変大当りを実現するものであってもよい。例えば、大当り種別によって大入賞口の開放時間を異ならせることにより、特定領域への遊技球の通過のしやすさを変化させることとしてもよい。具体的には、大入賞口の開放時間が長い大当り種別を特定領域へ遊技球が通過しやすい大当り(実質的な確変大当り)とし、大入賞口の開放時間が短い大当り種別を特定領域へ遊技球が通過しにくい大当り(実質的な非確変大当り)としてもよい。
なお、上記の実施の形態においては、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ90100に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ90100に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無など、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無など、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ90100は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ90560の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータ90100の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知するようにすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、上記の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板9080、音声出力基板9070およびランプドライバ基板9035が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置909等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ9027など)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
なお、上記の実施の形態において、「割合が異なる」とは、A:B=70%:30%やA:B=30%:70%のような関係で割合が異なるものだけにかぎらず、A:B=100%:0%のような関係で割合が異なるもの(すなわち、一方が100%の割り振りで他方が0%の割り振りとなるようなもの)も含む概念である。
また、上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、演出制御用マイクロコンピュータ90100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ90560が他の基板(例えば、図21に示す音声出力基板9070やランプドライバ基板9035など、または音声出力基板9070に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板9035に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板9080における演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板9070、ランプドライバ基板9035、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置909を制御する演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ90100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ90560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声出力基板9070、ランプドライバ基板9035または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。
また、上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ90560側で大当りとなるか否かや変動パターン種別の入賞時判定(先読み判定)を行い、その入賞時判定結果を示すコマンド(図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド)を送信し、演出制御用マイクロコンピュータ90100側で、その入賞時判定結果を示すコマンドにもとづいて先読み予告演出を実行する場合を示したが、そのような態様にかぎらず、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ90100側で入賞時判定(先読み判定)を行うように構成してもよい。この場合、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、始動入賞の発生時に抽出した大当り判定用乱数(ランダムR´)や変動パターン種別判定用乱数(ランダム2´)の値のみを指定するコマンドを送信するようにし、演出制御用マイクロコンピュータ90100側で、それらのコマンドで指定される乱数の値にもとづいて入賞時判定(先読み判定)を行うように構成してもよい。
また、上記の実施の形態では、遊技機としてパチンコ機を例にしたが、本発明を、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組み合わせになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるスロット機に適用することも可能である。
また、上記の実施の形態では、遊技機として遊技媒体を使用するものを例にしたが本発明による遊技機は、所定数の景品としての遊技媒体を払い出す遊技機に限定されず、遊技球等の遊技媒体を封入し景品の付与条件が成立した場合に得点を付与する封入式の遊技機に適用することもできる。
本発明は、パチンコ遊技機やスロット機などの遊技機に適用可能である。
1 … パチンコ遊技機
2 … 遊技盤
3 … 遊技機用枠
4A、4B … 特別図柄表示装置
5 … 画像表示装置
6A … 普通入賞球装置
6B … 普通可変入賞球装置
7 … 特別可変入賞球装置
8L、8R … スピーカ
9 … 遊技効果ランプ
11 … 主基板
12 … 演出制御基板
13 … 音声制御基板
14 … ランプ制御基板
15 … 中継基板
20 … 普通図柄表示器
21 … ゲートスイッチ
22A、22B … 始動口スイッチ
23 … カウントスイッチ
31A … スティックコントローラ
31B … プッシュボタン
100 … 遊技制御用マイクロコンピュータ
101、121 … ROM
102、122 … RAM
103 … CPU
104、124 … 乱数回路
105、125 … I/O
120 … 演出制御用CPU
123 … 表示制御部
901 … パチンコ遊技機
908a … 第1特別図柄表示器
908b … 第2特別図柄表示器
909 … 演出表示装置
9013 … 第1始動入賞口
9014 … 第2始動入賞口
9020 … 特別可変入賞球装置
9027 … スピーカ
9031 … 遊技制御基板(主基板)
9056 … CPU
9070 … 音声出力基板
90560 … 遊技制御用マイクロコンピュータ
9080 … 演出制御基板
90100 … 演出制御用マイクロコンピュータ
90101 … 演出制御用CPU
90109 … VDP

Claims (2)

  1. 遊技を実行可能な遊技機であって、
    遊技機の動作を制御する制御手段と、
    第1記憶手段から第2記憶手段にデータを転送する転送手段と、を備え、
    前記転送手段は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに前記制御手段が用いる制御用データを転送し、報知を行うために用いる報知用データを、演出を行うために用いる演出用データよりも優先して転送し、
    前記制御手段は、
    前記演出用データの転送と並行して遊技機の状態を監視するとともに、前記報知用データを用いて遊技機の状態に応じた報知を実行可能であり、
    音声を出力するための前記演出用データの転送完了前に演出を実行する場合、音声データを含まない前記制御用データに基づいて演出を実行し、
    前記音声データを含まない前記制御用データは、音声を出力するための前記演出用データが転送中であることを表示するための表示制御データを含み、
    さらに、
    可変表示に関する情報を保留記憶として記憶可能な保留記憶手段と、
    画像を表示可能な表示手段と、
    前記表示手段に前記保留記憶手段に記憶されている保留記憶に対応する保留表示を表示させることが可能な保留表示手段と、
    前記表示手段に表示された所定画像を視認困難な視認困難状態とする視認困難演出を実行可能な演出実行手段とを備え、
    前記演出実行手段は、前記視認困難演出として、前記保留表示を視認困難としない第1視認困難演出と、前記保留表示を視認困難とする第2視認困難演出とを実行可能である
    ことを特徴とする遊技機。
  2. 前記報知用データは、特定の報知を行うために用いる、第1報知用データと第2報知用データとを含み、
    前記転送手段は、前記第1報知用データを前記第2報知用データよりも優先して転送し、
    前記制御手段は、前記第1報知用データの転送完了後であって、前記第2報知用データの転送完了前において、前記第2報知用データを用いて前記特定の報知を行う場合であっても、前記第1報知用データを用いて前記特定の報知を行う
    ことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
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