以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。遊技機は、いわゆるパチスロ機である。遊技機は、コイン、メダル、遊技球又はトークンなどの他、遊技者に付与された又は付与される、遊技価値の情報を記憶したカードなどの遊技媒体を用いて遊技する遊技機であるが、以下ではメダルを用いるものとして説明する。
尚、以後の説明において、遊技機1から遊技者に向かう側(方向)を遊技機1の前側(前方向)と称し、前側とは逆側を後側(後方向、奥行方向)と称し、遊技者から見て右側及び左側を遊技機1の右側(右方向)及び左側(左方向)とそれぞれ称する。また、前側及び後側を含む方向は、前後方向又は厚み方向と称し、右側及び左側を含む方向は、左右
方向又は幅方向と称する。前後方向(厚み方向)及び左右方向(幅方向)に直交する方向を上下方向又は高さ方向と称する。
図1及び図2に示すように、遊技機1の外観は、矩形箱状の筐体2により構成されている。筐体2は、前面側に矩形状の開口を有する金属製のキャビネットGと、キャビネットGの前面上部に配置された上ドア機構UDと、キャビネットGの前面下部に配置された下ドア機構DDとを有している。
また、キャビネットGの上面壁G4には、左右方向に関して所定間隔隔てて、上下方向に貫通する2つの開口G41が形成されている。そして、この2つの開口G41それぞれを塞ぐように木製の板部材G42が上面壁G4に取り付けられている。
図3にも示すように、上ドア機構UD及び下ドア機構DDは、キャビネットGの開口の形状及び大きさに対応するように形成されている。上ドア機構UD及び下ドア機構DDは、キャビネットGにおける開口の上部及び下部を閉塞可能に設けられている。上ドア機構UDは、上側表示窓UD1を中央部に有している。上側表示窓UD1には、光を透過する透明パネルUD11が設けられている。
図4に示すように、キャビネットG内は、中間支持板G1により上部空間と下部空間とに仕切られている。即ち、中間支持板G1は、キャビネットG内を上部空間と下部空間とに仕切る仕切板として機能している。上部空間は、キャビネットG内の上ドア機構UDの後側となる空間であり、表示ユニットA等が収容される。また、下部空間は、キャビネットG内の下ドア機構DDの後側となる空間であり、リールユニットRUや、遊技機1全体の動作を司る主制御基板MSや、表示ユニットAを制御するサブ制御装置SS(図55及び図56参照)等が収容される。サブ制御装置SSは、後述する図116に示すように、副制御基板SS72、ロムカートリッジ基板SS86及び液晶中継基板SS87を有する。
(各基板の温度上昇の監視)
本発明の実施形態の遊技機には、遊技機1全体の動作を司る主制御基板MSや、表示ユニットAを制御するサブ制御装置SS(図55及び図56参照)等が設置されている。サブ制御装置SSは、後述する図116に示すように、副制御基板SS72、ロムカートリッジ基板SS86及び液晶中継基板SS87を有している。これら各基板は多くの電子部品が配設され、それぞれ遊技機の基本的な制御のほか、様々な演出制御において重要な役割を果たしており、近年の遊技制御および演出制御の多様化にともなって、各電子部品における負荷は増大する傾向にある。
制御基板上の一部の電子部品に過度な負荷がかかり、異常な温度上昇が生じて故障が発生した場合、基板上の電子部品を視認して、その外観から故障の原因となった電子部品が特定できる場合を除き、電子部品の外観に損傷の痕跡がない場合は、その原因となった電子部品がどこにあるのか把握することは困難である。
また、基板に表面実装センサや熱電対等を取り付けて、基板の温度変化を計測する技術はこれまでにもあったが、基板自体の温度変化や、多くの電子部品のうちの一部の電子部品の温度変化を計測することしかできず、基板上に配設された多くの電子部品のうち、どの箇所のどのような電子部品で異常な温度上昇が発生したのか、正確に特定することは困難であった。
そこで、本発明の実施形態では、温度によって色が変化する示温塗料を各制御基板の電子部品設置面側に塗布し、制御基板の電子部品設置面側の示温塗料の変色状況のから電子
部品における異常な温度上昇を検出して、遊技機の故障や発火を未然に防いでいる。
なお、示温塗料とは、測温塗料とも呼ばれ、所定の温度になると変色する性質をもつ特殊な塗料である。また、示温塗料には、一度変色すると元の色に戻らない不可逆性のものと、変色した後、温度の低下により変色前の元の色に戻る可逆性のものとがあるが、本発明の実施形態では、遊技機が稼動している間、制御基板は継続的に使用されているという条件のもと、制御基板上の各電子部品の異常な温度上昇を継続的に監視する必要があることから、可逆性の示温塗料を使用している。
また、通常、基板の製造工程の最終段階において、基板の銅箔の酸化防止や不要な箇所へはんだが付かないように熱硬化性エポキシ樹脂皮膜が施されている。これは一般的にソルダーレジストと言われる緑色等の皮膜に相当するが、本発明の実施形態では、この熱硬化性エポキシ樹脂皮膜が施された後に、当該熱硬化性エポキシ樹脂皮膜の表面に、示温塗料を上塗りしている。
なお、絶縁性能を有する示温塗料を使用する場合、上記熱硬化性エポキシ樹脂皮膜に代えて、示温塗料を基板の表面に直接塗布することも可能である。
また、本発明の実施形態では、基板に施された上記熱硬化性エポキシ樹脂皮膜の表面に示温塗料を上塗りした後、基板上に各電子部品を配置してはんだ付けを行っている。このような段階工程を踏むことで、各電子部品に表示されている記号や文字が示温塗料で汚損されることを防いでいる。したがって、遊技機がホールに設置された状態において、各電子部品に表示されている記号や文字の視認を確保しつつ、基板全体の温度状況を把握することができる
図5には、本発明の実施形態における制御基板の温度上昇の監視態様が示されている。図5の(a)に示すように、熱硬化性エポキシ樹脂皮膜が施されて、各電子部品の配設が行われる前の制御基板1の表面に、示温塗料2を上塗りする。続いて、図5の(b)に示すように、上塗りした塗布した示温塗料2が乾燥した後、各電子部品の配置およびはんだ付けを行う。そして、図5の(c)に示すように、透明な基板ケース4に制御基板1を収容し遊技機内に設置している。
さらに、図5の(c)に示すように、制御基板1の表面に上塗りされた示温塗料2の温度上昇に基づく変色状況を撮影するため、撮影装置5が配置されている。制御基板1は透明な基板ケース4に収容されているため、基板ケース4の外側から制御基板1を撮影することが可能である。制御基板1の撮影対象面は電子部品の配置面でもよいが、裏面のはんだ付け面を撮影対象としてもよい。好ましくは、どのような電子部品において異常な温度上昇が発生しているのかを容易に把握するため、電子部品3の配置面を撮影対象面とする。このようにすれば、電子部品3の位置および電子部品3に表示されている記号や文字を撮影画像からただちに把握することが可能である。なお、制御基板は、電子部品の配置面が視認可能なように筐体内部に取り付けられているため、撮影対象としなくても(撮影装置を設けなくても)、変色状況を目視により確認できるようになっている。そのため、視認可能な配置面の裏側であり、視認困難な裏面を撮影対象にし、人による配置面の監視と撮影による裏面の監視とを行うようにしても良い。
制御基板に塗布する示温塗料の種類は、変色する温度域に応じて種々あるが、どのような種類の示温塗料を選択して塗布するのかは、監視対象となる制御基板上の各電子部品の許容動作温度に応じて適宜選択する。
例えば、ある電子部品の許容動作温度の上限が80℃であった場合には、その温度以下
の任意の温度域で変色する示温塗料を選択して塗布する。これにより、監視対象となる制御基板上の電子部品が所定の温度まで上昇した場合、電子部品周辺に塗布された示温塗料が変色するため、変色箇所に配設された電子部品が異常に温度上昇していることを一目で認識することが可能である。特に、制御基板上に複数の重要な電子部品が配設されている場合は、制御基板全体に示温塗料が塗布されているため、どの電子部品で異常な温度上昇が発生しているのかを正確に素早く特定することが可能である。
(異常な温度上昇の検出にもとづく処理制御)
次に、監視対象となる制御基板で異常な温度上昇が撮影された場合の処理について説明する。
撮影装置としてカメラを採用した場合、静止画像または動画像で制御基板に塗布された示温塗料の変色状況や変色箇所が撮影される。そして、画像解析プログラム等により、撮影画像から変色状況や変色箇所の情報をコマンド信号に変換して送信している。
具体的な画像解析の方法については種々設定することが可能である。例えば、制御基板上の全ての範囲を対象にし、その一部で示温塗料の変色があった場合に異常検出信号を送信するようにしてもよいし、制御基板上の幾つかの箇所のみを対象にし、その対象箇所で示温塗料の変色があった場合に異常検出信号を送信するようにしてもよい。
さらに、撮影装置により、示温塗料の変色部分に配設されている電子部品の表示記号を読み取り、異常検出信号と併せて当該電子部品の情報を送信するようにしてもよい。また、変色の程度により、異常検出信号と併せて温度情報を送信するようにしてよい。もちろん、異常検出信号を送信することに特に限定されるものではなく、逐次、示温塗料の変色状況にもとづく温度情報を送信するようにしてもよく、遊技機の制御基板における異常な温度上昇を監視するため、適宜、必要な画像解析プログラムを作成すればよい。
また、上記画像解析は各遊技機内で行うようにしてもよいが、画像信号を遊技ホールの管理装置に送信し、当該管理装置で画像解析するようにしてもよい。また、画像解析にもとづいて生成されたコマンド信号は、各遊技機や島設備等に設けられた報知手段によって遊技店員に報知するようにしてもよいが、遊技ホールの管理装置に報知手段を設け、ホール管理者が認識可能に報知するようにしてもよい。
なお、上記報知手段における報知態様としては、異常な温度上昇が発生している遊技機情報や電子部品情報、温度情報などの内、少なくとも何れか一つの情報を報知するようにしてもよいし、単に異常を報知する構成としてもよく、文字やランプ、音声による報知を行うことが可能である。
また、異常な温度上昇を報知する構成に加えて、異常な温度上昇の情報にもとづいて、自動的に該当する遊技機の電源を遮断する機能を付加することも可能である。このような構成とした場合、異常な温度上昇にともなう発火や故障を未然に防ぐことが可能である。もちろん、異常な温度上昇を報知することなく、自動的に遊技機の電源を遮断する構成としてもよい。
また、本発明の実施形態では各制御基板に示温塗料を塗布しているが、特定の制御基板のみに示温塗料を塗布し、撮影装置を設けてもよい
(その他の温度監視方法)
本発明の実施形態では、基板に示温塗料を塗布した後に各電子部品の配置およびはんだ付けを行っているが、基板に示温塗料を塗布することなく各電子部品の配置およびはんだ
付けを行った後に、液晶インクが含まれた透明テープを電子部品が設けられた基板全体に貼り付けることも可能である。これにより、異常な温度上昇が生じた電子部品上部に位置する液晶インクを含んだ透明テープが変色し、異常な温度上昇のあった電子部品を特定することが可能となる。さらに、液晶インクを含んだ透明テープを通して電子部品に表示された記号や文字の視認も可能となる。このような方法によれば、電子部品を配設する前の制御基板の製造段階において、示温塗料を塗布するための工程や設備を設ける必要がなく、低コスト化を図ることが可能となる。
また、本発明の実施形態では、示温塗料を基板に塗布しているが、塗装材に限らず、シールタイプの示温材料を基板に貼り付ける構成としてもよい。また、示温塗料や示温材料は1の変色を示すものに限られず、温度変化により複数段階に色が変化するものを使用してもよい。このような構成によれば、より詳細に電子部品の温度変化状況を把握することが可能である。
(変形例)
本発明の実施形態では、制御基板に可逆性の示温塗料を塗布し、撮影装置によって基板上の各電子部品の異常な温度上昇を監視しているが、変形例として、可逆性の示温塗料に代えて不可逆性の示温塗料を制御基板に塗布する例について以下に説明する。
上記したように、不可逆性の示温塗料は温度変化にともなって、一度変色すると元の色には戻らない。このような性質をもつ不可逆性の示温塗料を制御基板に塗布すると、遊技機の稼働中に異常な温度上昇が発生した基板上の電子部品周辺の示温塗料が変色するとともに、温度が低下した後も、その変色状態が維持される。
このような構成により、例えば、遊技機の稼働中に遊技機の故障が発生したような場合、故障発生後、しばらく時間が経過したとしても、店員が透明な基板ケースを通して制御基板を視認したとき、基板に塗布された示温塗料の変色状態が維持されていることから、基板上のどのような電子部品で異常な温度上昇が発生したのかを把握することができる。したがって、故障の原因を正確に把握することが可能となり、必要な改善処置を迅速に行うことができる。
また、不可逆性の示温塗料を制御基板に塗布することにより、異常な温度上昇にともなう変色状態が維持されるため、撮影装置により常時監視する必要がなく、遊技機の稼働中または閉店後に適宜店員が目視確認することができるため、撮影装置を設けることなく低コストで基板の異常な温度上昇を監視することができる。
(表示ユニットA)
図6に示すように、表示ユニットAは、キャビネットG内の中間支持板G1上に交換可能に載置される。表示ユニットAは、映像を含む照射光を出射する照射光装置Bと、照射光装置Bからの照射光が照射されることにより映像を出現させるスクリーン装置Cとを有した所謂プロジェクションマッピング装置である。
ここで、プロジェクションマッピング装置は、建造物や自然物などの立体物の表面に映像を投影することも可能であるが、本実施形態では、例えば、後述のスクリーンに対して、その位置(投影距離や角度など)や形状に基づいて生成される、演出情報に応じた映像を投影することにより、高度で、かつ迫力のある演出を可能とする。
この表示ユニットAは、前方に開口が形成された筐体A1を有する。この筐体A1は、照射光装置BのプロジェクタカバーB1、及び、スクリーン装置Cのスクリーン筐体C10とで構成されている。詳細は後述するが、スクリーン筐体C10は、底板C1、右側板
C2、左側板C3、及び背板C4を有した箱型形状をなしている。そして、プロジェクタカバーB1は、スクリーン筐体C10の上面に交換可能に取り付けられる。
(表示ユニットA:照射光装置B)
図7に示すように、照射光装置Bは、照射光を前方に出射するプロジェクタ機構B2と、プロジェクタ機構B2の前方に配置され、プロジェクタ機構B2からの照射光を斜め下後方に配置されたスクリーン装置C方向に反射するミラー機構B3と、プロジェクタ機構B2及びミラー機構B3を収容したプロジェクタカバーB1とを有している。
(表示ユニットA:照射光装置B:プロジェクタ機構B2)
プロジェクタ機構B2は、キャビネットG内の後部に配置されている。プロジェクタ機構B2は、水平配置された平板状のベース部材B22を有している。ベース部材B22の下面には、レンズ機構B21及び図示しない光源が設けられている。レンズ機構B21は、光源から出射された照射光を前方のミラー機構B3に向けて出射するように配置されている。
また、ベース部材B22の下面には、排熱機構B23・B24が設けられている。排熱機構B23・B24は、レンズ機構B21及び光源の右側及び左側にそれぞれ配置されている。排熱機構B23・B24は、空気を流通させるダクトと空気を送出するファンとを有しており、空気を後方に吹き出すことによって、照射光を生成する際に発生する熱を強制的に後方に流動させるようになっている。図2に示すように、排熱機構B23・B24における空気の流動方向には、キャビネットGの通気穴G3aが配置されている。これにより、排熱機構B23・B24は、プロジェクタ機構B2の熱を空気と共に通気穴G3aを介して機外に強制的に排出することが可能になっている。
(表示ユニットA:照射光装置B:ミラー機構B3)
図7に示すように、プロジェクタ機構B2の前方(照射光の出射方向)には、ミラー機構B3が配置されている。図8に示すように、ミラー機構B3は、ミラーホルダB31と、ミラーホルダB31に収容された光学ミラーB32と、光学ミラーB32の両端部をミラーホルダB31に固定するミラーストッパB33・B34とを有している。図9にも示すように、ミラーホルダB31は、前面が長方形状の板状に形成されている。ミラーホルダB31の各コーナー部には、角度調整穴B311が形成されていると共に、角度調整穴B311を中心にして凹部B312が前面に形成されている。また、上下方向の角度調整穴B311・B311間には、取付け穴B314・B314が上下対称に形成されている。
一方、また、ミラーホルダB31の後面には、ミラー保持部B313が形成されている。ミラー保持部B313は、中央部に形成されており、角度調整穴B311及び取付け穴B314に重複しないサイズで形成されている。ミラー保持部B313の左側及び右側には、ミラーストッパB33・B34がそれぞれ設けられている。ミラーストッパB33・B34は、角度調整穴B331・B341と、取付け穴B334・B344とをそれぞれ有している。ミラーストッパB33・B34における角度調整穴B331・B341及び取付け穴B334・B344は、ミラーホルダB31における角度調整穴B311・B311及び取付け穴B314・B314に対応するように配置されている。
ミラーストッパB33・B34は、一部がミラー保持部B313と重複するように形成されている。これにより、ミラーストッパB33・B34は、ミラー保持部B313に嵌合された光学ミラーB32の左右方向の両辺部に当接し、取付け穴B314・B334・B344によりミラーホルダB31にネジ締結されることによって、光学ミラーB32をミラーホルダB31に保持させている。
図10に示すように、上記のように構成されたミラー機構B3は、プロジェクタカバーB1におけるリフレクタ保持部B11の内側面に設けられている。リフレクタ保持部B11は、プロジェクタカバーB1の前面中央部に形成されており、上ドア機構UDを開いたときに前側に露出するように配置されている。リフレクタ保持部B11は、角度調整穴B111を有している。角度調整穴B111は、ミラー機構B3の角度調整穴B311に対応した位置に形成されている。
リフレクタ保持部B11の角度調整穴B111には、図示しないネジが前面側から挿通されており、このネジは、ミラーホルダB31の角度調整穴B311を貫通する。そして、ミラーストッパB33・B34の角度調整穴B331・B341は、ネジが螺合可能なネジ穴として形成されており、ミラーホルダB31の角度調整穴B311を貫通したネジは、ミラーストッパB33・B34の角度調整穴B331・B341に螺合される。
そして、上記ネジが角度調整穴B331・B341との螺合が緩む方向に回転されると、リフレクタ保持部B11とミラーストッパB33・B34との距離が広がることとなる。一方、上記ネジが角度調整穴B331・B341との螺合が締まる方向に回転されると、リフレクタ保持部B11とミラーストッパB33・B34との距離が縮まることとなる。
上記のように、取付け穴B314・B334・B344を介してミラーホルダB31とミラーストッパB33・B34とがネジ締結されており、これにより、ミラーホルダB31とミラーストッパB33・B34との間に光学ミラーB32が挟持されている。このように、ミラーホルダB31と光学ミラーB32とミラーストッパB33・B34とは、ミラー機構B3として一体化されており、ネジの回転によりリフレクタ保持部B11とミラーストッパB33・B34との距離を変化させることにより、リフレクタ保持部B11とミラー機構B3との距離を増減することができる。そして、角度調整穴B311・331・B341がミラー機構B3のコーナー部に対応して4方向に配置されているため、各角度調整穴B311・331・B341の配置位置におけるリフレクタ保持部B11とミラー機構B3との距離を増減させることによって、プロジェクタ機構B2から出射された照射光の進行方向に対する光学ミラーB32の反射角度を微調整することを可能にしている。
また、リフレクタ保持部B11とミラーホルダB31との間には、図示しないバネが設けられている。バネは、後端面がミラーホルダB31の凹部B312に当接されており、前端面がリフレクタ保持部B11の内壁面(後壁面)に当接されることによって、リフレクタ保持部B11とミラーホルダB31とで挟持されている。そして、リフレクタ保持部B11の角度調整穴B111から挿通されたネジが当該バネを貫通している。これにより、ネジの回転に伴ってリフレクタ保持部B11とミラー機構B3との距離が広がっても、バネの付勢力により、ネジ頭部がリフレクタ保持部B11の角度調整穴B111に当接することとなり、ネジ頭部が角度調整穴B111から飛び出してリフレクタ保持部B11とネジとの位置関係が崩れてしまうことを防止することができる。
(表示ユニットA:照射光装置B:プロジェクタカバーB1)
図11に示すように、上記のように構成されたプロジェクタ機構B2及びミラー機構B3は、プロジェクタカバーB1に収容されている。なお、プロジェクタ機構B2の下面B2aは、その前部に、後方から前方に向けて上方に傾斜する傾斜面B2a1を有している。図12に示すように、プロジェクタカバーB1は、水平配置された上壁部B12と、上壁部B12の前側に配置されたリフレクタ保持部B11と、上壁部B12の左右方向において左右対称に配置された側壁部B13・B13とを有している。上壁部B12は、前部がキャビネットGよりも前方に突出されている(図6参照)。上壁部B12の前部の中央部には、リフレクタ保持部B11が前方に突出した形態に形成されており、突出により形成された空間部に上述のミラー機構B3を角度調整可能に保持している。
また、側壁部B13・B13は、下端部から左右水平方向に突出された突出部B131を有している。突出部B131は、前部側の第1突出部B131aと、後部側の第2突出部B131bとを有している。第1突出部B131aは、プロジェクタカバーB1がキャビネットGに装着されたときに、キャビネットGの開口部に対応する位置に形成されている。各側壁部B13・B13から突出された第1突出部B131aの先端同士の左右方向に関する距離は、キャビネットGの開口部の左右方向に関する幅よりも僅かに短い距離に設定されている。一方、第2突出部B131bは、プロジェクタカバーB1がキャビネットGに装着されたときに、キャビネットGの開口部から後方の空間部に対応する位置に形成されている。各側壁部B13・B13から突出された第2突出部B131bの先端同士の左右方向に関する距離は、キャビネットGの後方の空間部の左右方向に関する幅よりも僅かに短い距離に設定されている。即ち、各側壁部B13・B13は、第1突出部B131aの先端同士の左右方向に関する距離よりも、第2突出部B131bの先端同士の左右方向に関する距離が広くなるように形成されている。これにより、プロジェクタカバーB1は、キャビネットGにおける内部空間の大部分を覆うことが可能になっている。
また、第2突出部B131bの先端部には、上下方向に貫通するネジ穴B131Cが形成されている。プロジェクタカバーB1を右側板C2,左側板C3(図6参照)に対して固定する際には、ネジがこのネジ穴B131Cを介して右側板C2,左側板C3にねじ込まれる。また、各側壁部B13・B13の下端部から水平方向に突出部B131が突出されることで、プロジェクタカバーB1の両側端部には、この突出部B131と側壁部B13とで、その前端から凹部B132が後方に向けて連続して形成される。
図13に示すように、表示ユニットAをキャビネットGに装着したときに、この凹部B132とキャビネットGとで空間BSが画定される。また、プロジェクタカバーB1の上壁部B12及び側壁部B13の形状は、各側壁部B13の下端部と、この下端部から突出された第2突出部B131bの先端部との間の距離が、第2突出部B131bの後方部よりも前方部の方が大きくなるように構成されている(図12参照)。これにより、空間BSの前方空間は後方空間に比べて大きな空間となる。また、表示ユニットAをキャビネットGに装着したときにおいて、キャビネットGの上面壁G4に形成された開口G41と、空間BSの前方空間とは、上面視において少なくとも一部が重なる。この空間BSは、島設備に遊技機1を設置固定するための作業空間として利用される。
図14に示すように、島設備に遊技機を設置固定する際において、キャビネットGの上面壁G4の上方には、島設備の固定板部材OCが配される。そして、空間BSは、上面壁G4に取り付けられた板部材G42から島設備の固定板部材OCに至る釘をキャビネットG内から打ち込むことが可能な空間である。
以上のように、プロジェクタカバーB1の上壁部B12と、キャビネットGの上面壁G4との間に殆ど隙間がない状態で、表示ユニットAがキャビネットG内に収容される場合においても、表示ユニットAとキャビネットGとの間には、島設備に設置固定の作業をするための空間BSが確保されることになる。これにより、上ドア機構UDが開放されたキャビネットGの前面側から、作業者がこの空間BSを利用して釘打ち作業を行うことが可能となり、その結果として、表示ユニットAが損傷することを防止しつつ、表示ユニットAをキャビネットGに収容した状態で遊技機1を島設備の固定板部材OCに釘止めすることが可能となる。
また、遊技機1と固定板部材OCとを釘止めする釘は、金属製のキャビネットGではなく、キャビネットよりも軟らかい木製の板部材G42に対して打ち込まれることになるため、容易に遊技機1を島設備に設置することが可能となる。
変形例として、板部材G42の材料は、木に限定されるものではなく、キャビネットGよりも軟らかい軟質部材であれば、種々の材料を採用することができる。また、遊技機1の島設備への固定方法は釘止めに限らず、ネジ止めなどの種々の固定方法を採用することができる。
(表示ユニットA:照射光装置B:多孔板B15)
図15に示すように、プロジェクタカバーB1の下面側には、複数の孔B151を有した多孔板B15が設けられている。多孔板B15は、金属(例えば、ステンレス、鉄、鋼、アルミ等)製の板に打ち抜き加工を施すことにより複数の孔を開けたパンチングメタルである。複数の孔B151は、多孔板B15の全面において略均等に分散して形成されている。多孔板B15は、多孔板B15の全面において空気を流通可能にしており、プロジェクタ機構B2の排熱機構B23・B24による吸引により下側から上側への空気の流動を可能にしている。孔B151のサイズ及び個数は、外部からプロジェクタカバーB1内を目視できない程度に設定されている。孔B151は、丸、四角、六角形等の形状に形成されており、孔径は、3〜5mm程度となっている。
多孔板B15は、プロジェクタカバーB1の第1突出部B131a及び第2突出部B131bを下側位置から覆うように形成されている。多孔板B15は、前部側の上側部B15aと、中部側の傾斜部B15bと、後部側の下側部B15cとを有している。上側部B15aは、水平配置されている。傾斜部B15bは、上側部B15aの後辺から斜め下後方に曲折されることにより形成されている。下側部B15cは、傾斜部B15bの後辺から水平方向に曲折されることにより形成されている。
多孔板B15の上側部B15aは、プロジェクタカバーB1の側壁部B13・B13に取付けられている。これにより、多孔板B15は、プロジェクタカバーB1の前部を上側部B15aで下側から覆い、プロジェクタカバーB1の中部から後部にかけて傾斜部B15b及び下側部B15cで下側から覆うように配置されている。また、傾斜部B15bは、上面視において、プロジェクタ機構B2の下面B2aにおける傾斜面B2a1を囲むように配置されている。そして、図11に示すように、傾斜部B15bの傾斜角度(水平面に対する傾斜角度)は、傾斜面B2a1の傾斜角度と略同じにされている。多孔板B15の下方には、スクリーン装置Cにおけるフロントスクリーン機構E1が配置されている。
詳細は後述するが、フロントスクリーン機構E1は、照射光による映像の出現を禁止する待機姿勢となる上側に配置されたフロント待機位置と、照射光による映像の出現を許可する露出姿勢となる下側に配置されたフロント露出位置との間を回動可能にされており、待機姿勢におけるフロントスクリーン機構E1は、多孔板B15の傾斜部B15bに略平行に近接した傾斜姿勢にされている。一方、フロントスクリーン機構E1が露出姿勢となったときには、多孔板B15の下方に大きな空間部が出現し、この空間部に存在する空気が流動抵抗のない状態で多孔板B15に到達し、複数の孔B151を通過することによって、スクリーン装置C内への空気の流入を容易にして冷却効率を高めることを可能にしている。
また、多孔板B15は、プロジェクタカバーB1の下面を覆うように設けられることによって、例えば図16に示すように、前側に位置した遊技者の目線位置がスクリーン装置Cの上下方向及び左右方向の中心部の水平線上に存在し、この目線位置から照射光装置Bを見上げる状態になったとしても、多孔板B15により照射光装置Bの内部を目視されな
いようにしている。
(表示ユニットA:スクリーン装置C)
図17に示すように、上記のように構成された照射光装置Bは、スクリーン装置Cの上面にネジ締結により連結されている。例えば、上述したように、プロジェクタカバーB1の突出部B131に形成されたネジ穴B131Cを介して、スクリーン装置Cの右側板C2及び左側板C3の上面にネジがねじ込まれている。これにより、表示ユニットAは、照射光装置Bとスクリーン装置Cとをユニット化して一体的に取り扱うことが可能になっている。
(表示ユニットA:スクリーン装置C:スクリーン機構)
スクリーン筐体C10の内部には、図18に示すように、立体視演出を表示可能な3D液晶表示機構Dと、平面視演出を表示可能なフロントスクリーン機構E1とが設けられている。3D液晶表示機構Dはスクリーン筐体C10の内部に固定される液晶表示装置であるが、フロントスクリーン機構E1は可動式のスクリーンであり、フロントスクリーン駆動機構E2により駆動される。なお、3D液晶表示機構D及びフロントスクリーン機構E1の各機構D・E1、並びにフロントスクリーン駆動機構E2の詳細な構造は後述する。
(表示ユニットA:スクリーン装置C:スクリーン筐体C10)
スクリーン装置Cは、上述したように、箱形形状のスクリーン筐体C10を有している。図18にも示すように、スクリーン筐体C10は、水平配置された底板C1と、底板C1の右端部に立設された右側板C2と、底板C1の左端部に立設された左側板C3と、底板C1の後端部に立設された背板C4とを有している。これにより、底板C1に対して右側板C2と左側板C3と背板C4とがネジ締結により連結されることによって、遊技者が位置する前面側と、照射光装置Bが位置する上面側とが開放された箱形形状のスクリーン筐体C10が形成されている。
スクリーン筐体C10を構成する底板C1と右側板C2と左側板C3と背板C4とは、それぞれが別個に所定形状に成型されており、3D液晶表示機構D等の所定の機能部品が位置決め配置可能にされている。これにより、スクリーン装置Cのユニット全体として共通化を図れない場合でも、底板C1と右側板C2と左側板C3と背板C4との板部材単位で共通化することが可能になっている。また、板部材毎の部分的な交換が可能であるため、遊技機1の機種毎に容易に仕様変更することが可能になっている。各板部材に対して位置決め配置される機能部品については、後で詳細に説明する。
(表示ユニットA:スクリーン装置C:スクリーン筐体C10:底板C1)
スクリーン筐体C10の底板C1は、上面視が長方形の平板形状に形成されている。底板C1の上面には、中央部に配置された中央載置部C11と、中央載置部C11を中心として左右方向に配置された右載置部C12及び左載置部C13とを有している。これらの載置部C11・C12・C13は、凹状に形成されている。中央載置部C11は、3D液晶表示機構Dの下端部が嵌合されることによって、3D液晶表示機構Dを位置決め可能に載置している。右載置部C12は、右可動体ベースC5の下端部が嵌合されことによって、右可動体ベースC5を位置決め可能に載置している。左載置部C13は、左可動体ベースC6の下端部が嵌合されことによって、左可動体ベースC6を位置決め可能に載置している。なお、右可動体ベースC5及び左可動体ベースC6それぞれの、左右方向内側の側面には、模様が凹凸により立体的に形成されている。即ち、右可動体ベースC5及び左可動体ベースC6は装飾部材としても機能する。以上のように、底板C1には、3D液晶表示機構D、右可動体ベースC5及び左可動体ベースC6が位置決め配置可能にされている。
また、底板C1の前辺部C14は、下方に曲折されることによって、先端部が底板C1の下面よりも下方に位置されている。前辺部C14には、複数の貫通穴C141が形成されている。前辺部C14は、表示ユニットAがキャビネットGの中間支持板G1(図6参照)に載置されながら組み込まれる際に、中間支持板G1の前面に当接することによって、キャビネットG内の後方への位置決めを行うことを可能にしている。そして、表示ユニットAは、前辺部C14の貫通穴C141を介してキャビネットGの前面にネジ締結されることによって、キャビネットGの前面側からの表示ユニットAの組み込み作業及び据え付け作業を行うことが可能になっている。
(表示ユニットA:スクリーン装置C:スクリーン筐体C10:右側板C2、左側板C3)
図18及び図19に示すように、スクリーン筐体C10の右側板C2及び左側板C3は、操作用開口部C21・C31を有している。操作用開口部C21・C31は、取っ手として形成されており、操作用開口部C21・C31に手を引っかけることによって表示ユニットAを持ち運ぶことができるようになっている。操作用開口部C21・C31は、フロントスクリーン駆動機構E2のクランクギアE21・E21の側方に配置されている。操作用開口部C21・C31は、水平方向に長手方向を一致させた長方形状に形成されている。操作用開口部C21・C31の開口面積は、クランクギアE21・E21を外部から人手により操作することができる程度に設定されている。
これにより、表示ユニットAをキャビネットGに組み込んだ後に、待機位置のフロントスクリーン機構E1を手動で移動させる場合は、先ず、上ドア機構UDが開放されたキャビネットGの前面側から表示ユニットAを取り出す。具体的には、キャビネットGの前面側に位置した作業者がキャビネットGに対する表示ユニットAのネジ締結を解除してネジを取り外す。そして、キャビネットG内に手を伸ばして表示ユニットAの操作用開口部C21・C31を両手で把持し、表示ユニットAをキャビネットG外に取り出す。この後、例えば図20に示すように、取り外した表示ユニットAの一方の操作用開口部C21からスクリーン装置C内に手を伸ばし、操作用開口部C21から水平方向に見えるクランクギアE21を回転させることによって、ロック状態のフロントスクリーン機構E1を待機位置から容易に移動させることができる。フロントスクリーン機構E1のロック状態については後述する。待機位置からの移動によりロック状態が解除されると、フロントスクリーン機構E1を所望の位置に素早く回動させることができる。
なお、上ドア機構UDを開けた状態で、キャビネットGの開口の前方から、キャビネットGの側面壁G2とスクリーン装置Cの右側板C2との間のスペース内に手を伸ばし、操作用開口部C21からクランクギアE21を操作することによって、クランクギアE21を回転させることができる。この場合には、表示ユニットAをキャビネットG外に取り外さなくても、フロントスクリーン機構E1のロック状態を解除することができる。
また、右側板C2には、モータ収容部C22が形成されている。また、右側板C2及び左側板C3それぞれには、フロントスクリーン駆動機構E2におけるクランクギアE21のギア軸E21aを回動自在に支持する第1支持部C23、及び、フロントスクリーン駆動機構E2における中間ギアE23のギア軸となるシャフト部材E3を回転自在に支持する第2支持部C24が形成されている。以上のように、フロントスクリーン駆動機構E2は、右側板C2及び左側板C3により位置決め配置される。なお、フロントスクリーン駆動機構E2の右フロントスクリーン駆動機構E2Bは、左右方向に関して、右可動体ベースC5と右側板C2との間に配置される。また、左フロントスクリーン駆動機構E2Aは、左右方向に関して、左可動体ベースC6と左側板C3との間に配置される。
(表示ユニットA:スクリーン装置C:スクリーン筐体C10:背板C4)
図21に示すように、スクリーン筐体C10の背板C4は、平板状に形成されており、その背面の下部には、中継基板CKを位置決め配置するための凹部COが形成されている。中継基板CKは、表示ユニットAにおける各種機能部品(例えば、プロジェクタ機構B2など)と、表示ユニットA以外の各種機能部品(サブ制御装置SSなど)との配線(不図示)を中継するための中継基板である。
背板C4には、操作用開口部C41が形成されている。操作用開口部C41は、右側下部に配置されており、フロントスクリーン駆動機構E2の中間ギアE23に対向されている。操作用開口部C41は、中間ギアE23を手動で操作可能なサイズに形成されている。これにより、表示ユニットAをキャビネットGに組み込んだ後に、待機位置のフロントスクリーン機構E1を手動で移動させる場合は、先ず、表示ユニットAをキャビネットGから取り外す。この後、操作用開口部C41からスクリーン装置C内に手を伸ばし、操作用開口部C41から水平方向に見える中間ギアE23を回転させることによって、ロック状態のフロントスクリーン機構E1を待機位置から容易に移動させることができる。
また、背板C4は、右側板C2及び左側板C3それぞれの後方端よりも前方に配置されている。これにより、図22に示すように、表示ユニットAをキャビネットGの中間支持板G1に載置した際には、キャビネットGの背面壁G3、並びに、スクリーン装置Cの右側板C2、左側板C3及び背板C4により空間GSが画定されることになる。即ち、背面壁G3と背板C4との間には隙間が確保される。これにより、中継基板CKを背板C4の背面に設けたとしても、この空間GSにより中継基板CKがキャビネットGの背面壁G3に干渉することを防止することができる。
また、中間支持板G1における、空間GSに面する位置には貫通穴G11が形成されている。この貫通穴G11は、その開口が、上面視において中継基板CKを囲むように形成されている。そして、中継基板CKは、キャビネットGの下部空間に収容される機器(サブ制御装置SS等)からの配線が接続されるコネクタCK1を、貫通穴G11に臨ませるように配設している。これにより、表示ユニットAの中継基板CKと、キャビネットGの下部空間に収容される機器との電気的な接続は、下部空間に収容される機器からの配線を、貫通穴G11に挿通させてコネクタCK1に接続することで行うことが可能となる。
このように中継基板CKは、スクリーン装置Cの外側に配置されることによって、配線作業が容易化されていると共に、スクリーン装置C内に中継基板CK用の設置スペースを確保することを不要にし、スクリーン装置C内の設計の自由度を拡大させている。また、中継基板CKから発生する熱を、キャビネットGの背面壁G3に形成された通気穴G3aを介して機外に排出することが容易となる。
また、キャビネットGの上部空間に配置される中継基板CKと、キャビネットGの下部空間に収容された機器とを接続する配線は、中間支持板G1の後方部に形成された貫通穴G11を通ることになるため、キャビネットG内の各種機器の後方に配線を配することが容易となる。その結果として、配線の取り回しの自由度を高めることができる。
なお、中継基板CKは、キャビネットG内の後方部に配置されることになるため、中継基板CKに対して光が届きにくく、その結果、中継基板CKのコネクタCK1への配線の接続作業が困難となる場合もあり得る。そこで、キャビネットGの下部空間に収容された機器からの配線の中継基板CKへの接続を容易にするために、中継基板CKのコネクタCK1が、貫通穴G11を通って中間支持板G1よりも下方に突出するように構成されていてもよい。また、コネクタCK1の色を、光の反射率が高い色(例えば、白色)にしていてもよい。
以上説明したように、3D液晶表示機構D、右可動体ベースC5及び左可動体ベースC6は底板C1に位置決め配置されている。また、フロントスクリーン駆動機構E2のギア軸E21a、及びシャフト部材E3は右側板C2及び左側板C3に位置決め配置されている。そして、中継基板CKは背板C4に対して位置決め配置されている。以上のように、3D液晶表示機構D、駆動機構E2、及び中継基板CKはそれぞれ、底板C1、側板C2・C3、背板C4のうちの一つの板に位置決め配置されており、且つ互いに異なる板に位置決め配置されている。従って、表示ユニットA全体では、機種間で共通化が図れない場合でも、板単位では、機種間で共通化を図ることができる。その結果として、機種毎にそれぞれ表示ユニットを製造する場合と比べて、安価に表示ユニットを製造することが可能となる。
また、スクリーン筐体C10の各板C1〜C4は、ネジ締結により連結されているため、ネジを緩めることで、各板C1〜C4同士の連結を解除することができる。つまり、スクリーン筐体C10は、各板C1〜C4を交換可能に組み立てられている。これにより、表示ユニットの機能部品を板単位で交換することが可能となるため、表示ユニットAの交換対象外の機能部品を再利用しつつ、表示ユニットAの仕様を変更することが可能となる。
また、図18及び図19に示すように、右可動体ベースC5は、右フロントスクリーン駆動機構E2Bより左内側に配置される。また、左可動体ベースC6は、左フロントスクリーン駆動機構E2Aよりも右内側に配置される。その結果として、装飾部材である、右可動体ベースC5及び左可動体ベースC6により、駆動機構E2を遊技者から目視し難くすることができる。その結果、遊技機1の美観を向上させることができる。また、底板C1には右可動体ベースC5及び左可動体ベースC6を配置するための凹部が形成されているため、これらを容易に底板C1に位置決め配置することが可能となる。
(表示ユニットA:スクリーン装置C:スクリーン位置関係)
図23に示すように、フロントスクリーン機構E1は、フロント露出位置とフロント待機位置との間を回動可能に設けられている。フロントスクリーン機構E1がフロント露出位置に移動した場合は、フロントスクリーン機構E1が3D液晶表示機構Dを前方から覆い隠した状態にすることによって、照射光による映像をフロントスクリーン機構E1に出現可能にしている。フロントスクリーン機構E1がフロント待機位置に移動した場合は、3D液晶表示機構Dを露出させることによって、立体映像を3D液晶表示機構Dに表示可能にしている。つまり、フロントスクリーン機構E1がフロント露出位置に配置されると、フロントスクリーン機構E1がプロジェクタ機構B2の投影対象となる。これに対して、フロントスクリーン機構E1がフロント待機位置に配置されると、3D液晶表示機構Dが遊技者に対して立体映像の表示を行う。
(表示ユニットA:スクリーン装置C:3D液晶表示機構D)
図18及び図19に示すように、3D液晶表示機構Dは、スクリーン筐体C10の底板C1上にネジ締結により固定されている。3D液晶表示機構Dは、例えば、周知のDFD方式を使用した立体視液晶表示装置である。DFD方式の原理は、前後2枚の透明液晶パネルを適当な間隔をあけて重ね合わせ、明るさの違う同じ画像を前後のディスプレイに重なり合うように表示する。すると、人間の目は一つの立体的な画像であるように感じる。DFD方式は、この性質を利用して、前後に重なった同一画像の輝度比を変化させることにより二面間に連続的な奥行き感を出すことが出来る方式である。
尚、前方画像と後方画像の輝度を等しくすることによって、平面視画像を表示することが可能であり、前後の透明液晶パネルの輝度を制御することで、平面視画像又は立体視画像の切り替え表示が可能である。
また、本実施形態では、3D液晶表示機構Dとして、DFD方式を使用しているが、本発明において、画像を立体視可能に表示できれば、これに特に限定されるものではなく、例えば、2色(主に赤と青)を用いて、両眼視差のある2つの映像を表示することにより立体視可能にする赤青眼鏡方式を用いた表示装置や、互いに直交する2つの偏光フィルタを通してスクリーンに画像を表示し、それらに対応する偏光フィルタを通して観察することにより立体視可能にする偏光フィルタ方式を用いた表示装置、左眼用画像及び右眼用画像を周期的に切り替えて表示する表示装置と、その表示装置の周期に合わせてシャッタを開閉するフィルタ(眼鏡タイプや液晶シャッタ)を用いることにより立体視可能にする時分割方式を用いた表示装置、垂直方向に設けられた細かいスリットを有するバリアと、そのバリア後方に左右眼用の画像を垂直方向に切り取って交互に配置したことにより立体視可能にするパララックスバリア方式を用いた表示装置、半円筒型が連なったレンズと、そのバリア後方に左右眼用の画像を垂直方向に切り取って交互に配置したことにより立体視可能にするレンティキュラ方式を用いた表示装置等を採用してもよい。
尚、3D液晶表示機構Dは、単一の立体視液晶表示装置で構成されていてもよいが、複数の立体視液晶表示装置を組み合わせてもよく、或いは曲面を構成する立体視液晶表示装置を備えていてもよい。
また本実施形態では、上記3D液晶表示機構Dを構成する立体視液晶表示装置が、遊技者に対して対向配置されている。
(表示ユニットA:スクリーン装置C:フロントスクリーン機構E1)
図24に示すように、フロントスクリーン機構E1は、投影面E11aを全面に有した長方形状のフロントスクリーン部材E11と、第1模様面E12a等の模様を両面に有したフロントスクリーン支持台E12とを有している。フロントスクリーン部材E11は、薄板状の平面パネルにスクリーン塗料を塗布することにより形成されている。これにより、フロントスクリーン部材E11は、投影面E11aが平坦状に形成されている。
一方、フロントスクリーン支持台E12は、フロントスクリーン部材E11を保持する保持凹部E121を有している。保持凹部E121は、フロントスクリーン部材E11の投影面E11aに対して僅かに拡大した状態で相似する開口形状を有しており、フロントスクリーン部材E11全体を収容している。また、保持凹部E121は、深さが深部と浅部との2段階に設定されている。浅部は、フロントスクリーン支持台E12の周縁部に形成された段部E121aと、中心部を通過する短手方向の両端にかけて直線状に形成された段部E121bとで実現されている。
これにより、保持凹部E121に収容されたフロントスクリーン部材E11は、周縁部の段部E121aと中心部を通過する直線状の段部E121bとに当接及び支持され、残りの深部部分から離隔された状態にされている。この結果、深部部分におけるフロントスクリーン支持台E12の変形が、フロントスクリーン部材E11を変形させて投影面E11aに歪みを引き起こすことが防止されている。
また、フロントスクリーン支持台E12は、投影面E11aの周囲の一部領域に第1模様面E12aを有している。第1模様面E12aは、フロントスクリーン機構E1がフロント露出位置に位置されたときに、前方の遊技者から目視可能にされている。さらに、フロントスクリーン支持台E12は、第1模様面E12aとは反対側の面全体に第2模様面E12bを有している。第2模様面E12bは、フロントスクリーン機構E1がフロント待機位置に位置されたときに、前方の遊技者から目視可能にされている。これらの第1模様面E12a及び第2模様面E12bは、例えば遊技の演出に関連した模様が凹凸により
立体的に形成されている。
上記のように構成されたフロントスクリーン部材E11とフロントスクリーン支持台E12とは、別個に形成された後に、接着剤で接着されることにより一体化されている。これにより、フロントスクリーン機構E1は、フロントスクリーン支持台E12に模様等を形成する際の成形収縮等によりひけが発生することがあっても、このひけがフロントスクリーン部材E11から機械的に分離した状態で発生するため、フロントスクリーン部材E11における投影面E11aのひけによる歪みの発生を防止することが可能になっている。
なお、フロントスクリーン部材E11とフロントスクリーン支持台E12との固着方法としては、接着剤での接着に限らず、ネジ締結等の任意の方法を採用することができる。
フロントスクリーン部材E11を構成する平面パネル、及び、フロントスクリーン支持台E12は、それぞれ射出成形により作製される。フロントスクリーン部材E11を構成する平面パネル、及び、フロントスクリーン支持台E12の材料としては、射出成形を行った場合にひけが発生し得る熱可塑性樹脂(例えば、ABS樹脂等)を適宜採用することができる。
(表示ユニットA:スクリーン装置C:フロントスクリーン駆動機構E2)
上記のフロントスクリーン機構E1は、フロントスクリーン駆動機構E2の駆動力により回動可能にされている。図18及び図19に示すように、フロントスクリーン駆動機構E2は、フロントスクリーン機構E1の左端部下面に連結された左フロントスクリーン駆動機構E2Aと、フロントスクリーン機構E1の右端部下面に連結された右フロントスクリーン駆動機構E2Bとを有している。
図25に示すように、フロントスクリーン機構E1がフロント待機位置に配置されたとき(待機姿勢のとき)において、フロントスクリーン機構E1が、後方の端部から前方の端部に向けて上り傾斜となるように、構成されている。このフロントスクリーン機構E1の傾斜は、多孔板B15の傾斜部B15b、及び、プロジェクタ機構B2の下面B2aにおける傾斜面B2a1と略平行である。
以上のように、フロント待機位置に配置されたときにフロントスクリーン機構E1の姿勢を、その後方の端部から前方の端部に向けて上り傾斜となる傾斜姿勢にすることで、水平面と平行な姿勢とした場合と比べて、照射光装置Bにより照射された照射光がフロントスクリーン機構E1により妨げられることを抑制することができる。これにより、フロント待機位置に配置されたときのフロントスクリーン機構E1の上下方向位置を、3D液晶表示機構Dに対して近づけることができる。その結果として、表示ユニットAの限られたスペース内においても、フロントスクリーン機構E1を大型化することができる。加えて、上述したように、プロジェクタ機構B2の下面B2aは傾斜面B2a1を有しているため、フロント待機位置に配置されたときのフロントスクリーン機構E1の上下方向位置を、プロジェクタ機構B2に対して近づけることができる。その結果として、フロントスクリーン機構E1を更に大型化することができる。
図26及び図27に示すように、右フロントスクリーン駆動機構E2Bは、クランク部材E22とクランクギアE21と中間ギアE23とモータ軸ギアE24と駆動モータE25とを有している。右フロントスクリーン駆動機構E2Bにおけるクランク部材E22は、その上端部(一端部)が、フロントスクリーン機構E1の右端部背面において、フロント露出位置に配置されたとき(露出姿勢のとき)に上部となる位置に連結されている。
図28に示すように、クランク部材E22は、中間位置E22aにおいて、右可動体ベースC5(図18参照)に回動自在に軸支されている。これにより、クランク部材E22は、中間位置E22aを回動中心として上端部及び下端部(他端部)を回動可能にしている。なお、この中間位置E22aは、フロントスクリーン機構E1の回動中心軸FGと一致する。
なお、上述したように、フロントスクリーン機構E1の回動中心軸FGは、フロント露出位置に配置されたフロントスクリーン機構E1の中心位置よりも上方に配置されている。また、クランク部材E22は、その上端部(一端部)が、フロントスクリーン機構E1の右端部背面において、フロント露出位置に配置されたとき(露出姿勢のとき)に上部となる位置に連結されている。以上の構成により、フロントスクリーン機構E1における、フロント待機位置とフロント露出位置との間の動作範囲を小さくすることができるため、フロントスクリーン機構E1を大型化することが可能となる。
クランク部材E22は、中間位置E22aから上端部側の上側領域と、中間位置E22aから下端部側の下側領域とを有している。図28のようにクランク部材E22を側面視したとき、上側領域における中心線(中間位置E22aと、クランク部材E22の上端辺における中点とを通過する直線)は、待機姿勢において上下方向となるように設定されている。一方、下側領域における中心線(中間位置E22aと、クランク部材E22の下端辺における中点とを通過する直線)は、待機姿勢において下側が上側よりも前側に傾斜するように設定されている。
クランク部材E22の下側領域には、スライド溝E22bが形成されている。スライド溝E22bは、溝壁面E22b1が側面視U字形状となるように形成されている。該U字は、2つの直線部と、該2つの直線部の端部同士を結んだ曲線部とから構成されている。2つの直線部は、平行に形成されており、スライド溝E22bは、溝壁面E22b1の上記直線部に相当する面が下側領域の中心線に平行に設定されている。スライド溝E22bには、スライド部材E26が移動自在に係合されている。スライド溝E22bの溝幅(上記2つの直線部間の距離)は、スライド部材E26の部材幅にほぼ一致されており、移動時において摺動するように設定されている。即ち、スライド部材E26は、常時、スライド溝E22bの溝壁面E22b1に当接状態にされている。また、スライド溝E22bの上端部は、フロントスクリーン機構E1が待機姿勢である場合において、スライド部材E26が上端面(上記曲線部に相当する面)に当接するように設定されている。一方、スライド溝E22bの下端部は、スライド部材E26の一部を露出可能に開放状態にされている。
上記のスライド部材E26は、クランクギアE21の偏心位置E21bに回転自在に軸支されている。クランクギアE21のギア軸E21aは、図26に示すように、右可動体ベースC5、及び右側板C2の第1支持部C23に回転自在に軸支されている。クランクギアE21のギア軸E21aは、フロントスクリーン機構E1が待機姿勢又は露出姿勢である場合において、ギア軸E21aと偏心位置E21bとを結ぶ線分が、クランク部材E22における中間位置E22aとスライド部材E26の中心点とを結ぶ線分に対して直交する関係を有するように設定されている。
これにより、フロントスクリーン機構E1が待機姿勢又は露出姿勢である場合においては、クランク部材E22の下側領域を回動させる方向に力が働いても、この力の全成分の付与方向にギア軸E21aが存在し、固定端として作用するため、スライド部材E26が移動することはない。この結果、クランク部材E22の中間位置E22aとクランクギアE21のギア軸E21aとを固定端とし、スライド部材E26を自由端とする0自由度の三節リンクによるトラス構造が形成されるため、フロントスクリーン機構E1を手で押し
た場合でも、クランク部材E22及びクランクギアE21が強固なブレーキとして作用することによって、フロントスクリーン機構E1が動くことはない。
上記のクランクギアE21には、中間ギアE23が噛合されている。この中間ギアE23は、右可動体ベースC5、及び右側板C2の第2支持部C24に回動自在に軸支されている。この中間ギアE23には、モータ軸ギアE24が噛合されている。モータ軸ギアE24は、駆動モータE25の駆動軸が接続されている。これにより、右フロントスクリーン駆動機構E2Bは、駆動モータE25の回転駆動力をモータ軸ギアE24及び中間ギアE23を介してクランクギアE21に伝達可能にされている。
ここで、クランクギアE21に付与された回転駆動力の全成分は、スライド部材E26の旋回軌跡の接線方向に一致する。また、図29及び図31に示すように、フロントスクリーン機構E1が待機姿勢又は露出姿勢である場合において、ギア軸E21aと偏心位置E21bとを結ぶ線分が、クランク部材E22における中間位置E22aとスライド部材E26の中心点とを結ぶ線分に対して直交する関係を有するように設定されているため、旋回軌跡の接線方向がクランク部材E22のスライド溝E22bの溝壁面に平行となっている。これにより、フロントスクリーン機構E1が待機姿勢又は露出姿勢である場合において、クランクギアE21に回転駆動力が付与されると、スライド部材E26の移動方向(接線方向)に反力となる溝壁面が存在しないため、クランクギアE21が容易に回転を開始する。
クランクギアE21に回転駆動力が付与された場合は、偏心位置E21bに設けられたスライド部材E26がスライド溝E22bとの摺動によりスライド溝E22bに沿って移動自在にされているため、クランク部材E22の中間位置E22aとクランクギアE21のギア軸E21aとを固定端とし、スライド部材E26を溝壁面に沿って移動自在の自由端にした1自由度の二節リンクが形成される。そして、スライド部材E26が回動すると、スライド部材E26が係合されたスライド溝E22bを備えたクランク部材E22が中間位置E22aを支点として回動し、クランク部材E22の上側領域を回動させることになる。この結果、フロントスクリーン機構E1がフロント待機位置及びフロント露出位置間を移動することになる。
また、フロントスクリーン機構E1の移動速度は、フロントスクリーン機構E1が待機姿勢又は露出姿勢である場合において停止状態0であり、徐々に増速し、待機姿勢及び露出姿勢間の中間姿勢(図30参照)において最大速度となった後、徐々に減速し、露出姿勢及び待機姿勢になったときに停止状態0になる。これにより、クランクギアE21の角加速度が小さな状態(慣性モーメント)で回動を開始及び停止させることができるため、クランクギアE21に必要なトルクを小さくすることが可能になり、結果として駆動機構(中間ギアE23、モータ軸ギアE24、駆動モータE25)の過負荷による故障や消耗を低減することが可能になっている。
図32に示すように、上記のように構成された右フロントスクリーン駆動機構E2Bは、モータ軸ギアE24と駆動モータE25とを除いて、左フロントスクリーン駆動機構E2Aと同一構成とされている。そして、左フロントスクリーン駆動機構E2Aと右フロントスクリーン駆動機構E2Bとは、左右対称に配置されている。
そして、左フロントスクリーン駆動機構E2Aの中間ギアE23と右フロントスクリーン駆動機構E2Bの中間ギアE23とは、シャフト部材E3を介して連結されている。
詳細には、シャフト部材E3は、左右方向に延在しており、その両端部に、左フロントスクリーン駆動機構E2A及び右フロントスクリーン駆動機構E2Bそれぞれの中間ギア
E23が連結されている。また、シャフト部材E3は、3D液晶表示機構Dの後方における、背板C4と3D液晶表示機構Dとで挟まれた空間に配置されている(図25参照)。
以上の構成において、駆動モータE25が駆動されると、モータ軸ギアE24が回動される。このモータ軸ギアE24の回動に伴い、左フロントスクリーン駆動機構E2A及び右フロントスクリーン駆動機構E2Bそれぞれの中間ギアE23・E23、及びシャフト部材E3が一体となって回動する。そして、この中間ギアE23・E23の回動に連動して、クランクギアE21・E21が回動されることで、フロントスクリーン機構E1が回動中心軸FG中心に回動して、フロント待機位置とフロント露出位置との間を移動することになる。
以上のように、左フロントスクリーン駆動機構E2A及び右フロントスクリーン駆動機構E2Bそれぞれの中間ギアE23・E23をシャフト部材E3により連結することで、駆動モータE25の回転駆動力を、2つのクランク部材E22に均等に伝達することが可能となる。従って、これら中間ギアE23・E23がシャフト部材E3により連結されていない場合と比べて、2つのクランク部材E22の一方に、駆動負荷が集中することを防止することができる。また、駆動モータE25は、3D液晶表示機構Dの右方に配置された右フロントスクリーン駆動機構E2Bに設けられているため、3D液晶表示機構Dの配置を阻害することがない。
加えて、シャフト部材E3を、フロントスクリーン機構E1の回動軸として用いていない。このため、シャフト部材E3の配置の自由度が高まり、シャフト部材E3を3D液晶表示機構D等の別役物の配置を阻害しないように配置させることが可能となる。その結果として、フロントスクリーン機構E1の回動範囲や大きさを所望の程度に維持しつつ、別役物の配置の自由度を高めることができる。
また、シャフト部材E3が3D液晶表示機構Dよりも後方に配置されるため、3D液晶表示機構Dに表示される映像がシャフト部材E3により阻害されることはない。また、フロントスクリーン機構E1の回動中心軸FGは3D液晶表示機構Dの後端位置よりも前方に配置されているため、3D液晶表示機構Dの後端位置よりも後方に配置されている場合と比べて、フロントスクリーン機構E1と回動中心軸FGとの間の長さ(クランク部材E22の長さ)を短くすることができる。このため、キャビネットG内のスペースが限られており表示ユニットAを大型化することができないときでも、フロントスクリーン機構E1の大きさを所望の程度に維持することができる。
(表示ユニットA:スクリーン装置C:センサ機構CS)
センサ機構CSは、2つのセンサCS1及びCS2を有している。これらのセンサCS1及びCS2は、透過型の光学センサであり、図33に示すように、略U字状に形成されている。U字状の開放側の一方の端部は光を発光する発光部であり、他方の端部は光を受光する受光部である。そして、これらのセンサCS1及びCS2は、発光部から発光された光を受光部が受光した場合に、サブ制御装置SSにLow信号を出力し、発光部から発光された光が遮断され受光部が受光できない場合に、サブ制御装置SSにHi信号を出力するよう構成されている。
センサCS1は、フロントスクリーン機構E1がフロント待機位置に存在するか否かを検出するためのセンサである。このセンサCS1は、クランク部材E22における遮光部E22dの回動軌跡上に固定配置されている。詳細には、センサCS1は、フロントスクリーン機構E1がフロント待機位置に存在するとき(図34参照)には、発光部と受光部とで遮光部E22dを挟み、且つ、フロントスクリーン機構E1がフロント待機位置に存在しないとき(図35参照)には、発光部と受光部とで遮光部E22dを挟まない位置に
固定配置されている。従って、センサCS1は、フロントスクリーン機構E1がフロント待機位置に存在するときはHi信号を、フロント待機位置に存在しないときはLow信号をそれぞれサブ制御装置SSに出力することになる。
センサCS2は、フロントスクリーン機構E1がフロント露出位置に存在するか否かを検出するためのセンサである。このセンサCS2は、クランク部材E22における遮光部E22eの回動軌跡上に固定配置されている。詳細には、センサCS2は、フロントスクリーン機構E1がフロント露出位置に存在するとき(図35参照)には発光部と受光部とで遮光部E22eを挟み、且つ、フロントスクリーン機構E1がフロント露出位置に存在しないとき(図34参照)には発光部と受光部とで遮光部E22eを挟まない位置に固定配置されている。従って、センサCS2は、フロントスクリーン機構E1がフロント露出位置に存在するときはHi信号を、フロント露出位置に存在しないときはLow信号をそれぞれサブ制御装置SSに出力することになる。
以上の構成において、センサCS1及びセンサCS2からの検出信号は、フロントスクリーン機構E1が、フロント待機位置、フロント露出位置、及びこれらの間の位置である中間位置の何れに配置されているかを示している。
(フロントスクリーン機構E1の動作制御)
次に、原点復帰動作について説明するに先立って、フロントスクリーン機構E1の正常時における動作制御について説明する。サブ制御装置SSは、駆動モータE25を制御することで、フロントスクリーン機構E1をフロント待機位置とフロント露出位置との間で回動動作させる。
先に少し触れたように、サブ制御装置SSは、フロント待機位置を原点位置とし、この原点位置からの駆動モータE25のステップ数で、フロントスクリーン機構E1の位置を把握する。例えば、図36に示すように、ステップ数が210のとき、フロントスクリーン機構E1はフロント露出位置にあると把握することができる。なお、本実施形態では、ステップ数が20−21のときに、センサCS1の検出信号がHi信号とLow信号との間で切り換り、ステップ数が190−191のときに、センサCS2の検出信号がHi信号とLow信号との間で切り換る。
また、サブ制御装置SSは、駆動モータE25のモータ回転方向やパルス幅を制御することで、フロントスクリーン機構E1の回動方向や回動速度を制御している。以下、駆動モータE25において、フロントスクリーン機構E1をフロント待機位置からフロント露出位置へ移動させるモータ回転方向を+方向、フロントスクリーン機構E1をフロント露出位置からフロント待機位置へ移動させるモータ回転方向を−方向とする。
図37には、フロントスクリーン機構E1をフロント待機位置からフロント露出位置へ回動動作させる際の、駆動モータE25の制御シーケンスの一例を示している。この制御シーケンスでは、まず、駆動モータE25を、直前の励磁相から相を更新せずに100msのパルス幅分で励磁(手順1)した後に、駆動モータE25を+方向に2.2msのパルス幅で210ステップ数駆動させる(手順2)。これにより、フロントスクリーン機構E1はフロント待機位置からフロント露出位置へ回動する。この後、駆動モータE25を、直前の励磁相から相を更新せずに100msのパルス幅分で励磁する(手順3)。以上が、フロント待機位置からフロント露出位置へ回動動作させる際の制御シーケンスとなる。なお、フロントスクリーン機構E1をフロント待機位置からフロント露出位置へ回動動作させる際の制御シーケンスは、図37の制御シーケンスにおける、手順2に係る駆動モータE25のモータ回転方向を−方向にしたシーケンスにすればよい。
(フロントスクリーン機構E1の原点復帰動作)
次に、フロントスクリーン機構E1の原点復帰動作について説明する。この原点復帰動作時は、電源遮断状態から復旧したときなどの所定の契機で実行される。
ここで、センサCS1の検出信号がHi信号からLow信号に切り換るのは、フロントスクリーン機構E1が原点位置から駆動モータE25が数ステップだけ+方向に駆動された時点(図36参照)であるため、センサCS1の検出信号がHi信号であったとしても、フロントスクリーン機構E1の位置が原点位置とは一致しない場合もある。そこで、本実施形態では、センサCS1の検出信号がHi信号であったとしてもフロントスクリーン機構E1に係る原点復帰動作を行うように構成されている。
また、サブ制御装置SSは、原点復帰動作において、駆動モータE25を駆動して、動作1及び2の2種類の基本動作を実行可能にされている。動作1及び2はフロントスクリーン機構E1に係る動作である。
動作1は、センサCS1から出力される検出信号がHi信号のときに実行される動作である。詳細には、動作1は、駆動モータE25を+方向に30〜40ステップ数程度駆動させる動作である。これにより、センサCS1から出力される検出信号を確実にHi信号からLow信号に切り換えることができる。
動作2は、センサCS1から出力される検出信号がLow信号のときに実行される動作である。詳細には、動作2は、駆動モータE25を−方向に駆動し、センサCS1から出力される信号がLow信号からHi信号に切り換わってから20ステップ数駆動して停止させる動作である。先に少し触れたように、フロント待機位置を原点位置とした際において駆動モータE25のステップ数が20−21のときに、センサCS1の検出信号がHi信号とLow信号との間で切り換るため、この動作2を行うことで、フロントスクリーン機構E1を確実に原点位置に復帰させることができる。
(フロントスクリーン機構E1と3D液晶表示機構Dとの演出制御)
フロントスクリーン機構E1および3D液晶表示機構D等を含む表示ユニットAは、サブ制御装置SSによって制御されている。つまり、サブ制御装置SSによって、フロントスクリーン機構E1および3D液晶表示機構Dにおいて演出表示される演出画像の表示演出制御や、フロントスクリーン機構E1が3D液晶表示機構Dの前方を覆うフロント露出位置と、液晶表示機構Dの前方から退避するフロント待機位置との間を回動可能に駆動制御されている。
そして、フロントスクリーン機構E1がフロント露出位置に移動した場合は、フロントスクリーン機構E1が3D液晶表示機構Dを前方から覆い隠した状態にすることによって、照射光による映像をフロントスクリーン機構E1だけに出現可能にし、3D液晶表示機構Dでは演出表示が行われないよう制御されている。逆に、フロントスクリーン機構E1がフロント待機位置に移動した場合は、プロジェクタ機構B2によるフロントスクリーン機構E1への演出画像の投影は行われず、3D液晶表示機構Dを露出させて演出表示が行われる。つまり、フロントスクリーン機構E1による平面視画像演出から、3D液晶表示機構Dによる立体視画像演出へと切り替えが行われる。
また、本発明の実施形態では、演出表示をフロントスクリーン機構E1において行うのか、3D液晶表示機構Dにおいて行うのかを遊技者が適宜選択可能に構成されている。つまり、フロントスクリーン機構E1における平面視画像による表示演出と、3D液晶表示機構Dにおける立体視画像による表示演出とを遊技者の意思によって切り替えることが可能となっている。切り替えにおいては、遊技者の意思により切り替え可能な操作手段を遊
技機前面の適切な箇所に配置し、遊技者による操作により、適宜切り替えることができる。このような構成により、遊技者の嗜好に応じた表示演出態様により表示演出を行わせることが可能となる。
尚、上記切り替えの契機として、例えば、立体視画像による表示演出を遊技者に対して促す報知演出を行うようにし、この報知演出を視認した遊技者が適宜するように構成してもよい。
また、上記切り替えの契機として、必ずしも遊技者の意思による選択操作に限定されるものではない。例えば、別の実施形態として、遊技機が任意の条件で選択決定するようにしても良い。より具体的には、遊技機の抽籤結果に基づく遊技状態に応じて、平面視画像による表示演出と立体視画像による表示演出とを切り替えるようにしてもよい。このような構成によれば、遊技者に対して抽籤結果に対する期待感を煽ることが可能となる。
(変形例1)
上記本発明の実施形態では、フロントスクリーン機構E1にプロジェクタ機構B2からミラー機構B3を介して平面視画像を投影表示しているが、平面視画像を表示演出するものであり、かつ、3D液晶表示機構Dの前方を覆うフロント露出位置と、液晶表示機構Dの前方から退避するフロント待機位置との間を回動可能であれば、フロントスクリーン機構E1を液晶表示装置に代えてもよい。
(変形例2)
上記本発明の実施形態では、フロントスクリーン機構E1の後方に3D液晶表示機構Dが配置されているが、これに代えて、3D液晶表示機構Dの後方にフロントスクリーン機構E1を配置してもよい。つまり、フロントスクリーン機構E1を3D液晶表示機構Dの後方に固定配置し、3D液晶表示機構Dがフロントスクリーン機構E1の前方を覆うフロント露出位置と、フロントスクリーン機構E1の前方から退避するフロント待機位置との間を回動可能に構成すればよく、このような構成によっても、平面視画像による表示演出と立体視画像による表示演出とを切り替えることが可能である。
(変形例3)
上記本発明の実施形態における3D液晶表示機構Dは、液晶表示装置と立体視を可能にするフィルタを一体として構成しているが、フィルタ機構を別体にして回動可能に構成してもよい。つまり、フィルタ機構の後方に固定スクリーンを配置し、その前方に回動可能なフィルタ機構を配置する。これにより、フィルタ機構が固定スクリーンの前方を覆うフロント露出位置と、固定スクリーンの前方から退避するフロント待機位置との間を回動可能に構成すればよく、このような構成によっても、平面視画像による表示演出と立体視画像による表示演出とを切り替えることが可能である。なお、固定スクリーンに投影される画像は、フィルタ機構が固定スクリーンの前方を覆う場合に立体視画像に対応する画像が投影表示され、固定スクリーンの前方から退避する場合は平面視画像が投影表示されるよう制御される。
(その他の変形例)
以上のように、本発明の実施形態およびその変形例について説明したが、その他、各構成要素の変形例について説明する。
例えば、本発明の実施形態ではフロントスクリーン機構E1が回動する構成について説明したが、3D液晶表示機構Dの前方に進退可能であれば、その可動方法は特に限定されるものではなく、水平方向または垂直方向に可動させてもよい。また当該可動構成は上記変形例1〜3においても適用することが可能である。
(キャビネットG)
(キャビネットG:メダル補給機構MH)
図38に示すように、キャビネットGの背面壁G3には、筐体2の内部と外部との雰囲気を導通させる補給用開口G31が開口されている。補給用開口G31は、背面壁G3の中央部に配置されている。遊技機1が設置される設置島に自動循環補給装置(図示せず)が敷設される場合、自動循環補給装置の補給路となるメダル補給口Pが補給用開口G31に挿通された状態で螺子止め固定される。
図39に示すように、補給用開口G31に挿通されたメダル補給口Pは、ホッパ機構HPの上方まで至る。これにより、自動循環補給装置からのメダルをホッパ機構HPに供給することができる。
図39に示すように、メダル補給口Pが挿通される補給用開口G31には、筐体2の内部側にメダル補給機構MHが設けられている。メダル補給機構MHは、補給用開口G31の開閉を行うものである。即ち、補給用開口G31に自動循環補給装置のメダル補給口Pを挿通させる場合には、メダル補給機構MHによって補給用開口G31が解放状態にされる。また、補給用開口G31に自動循環補給装置のメダル補給口Pを挿通させない場合には、メダル補給機構MHによって補給用開口G31が遮蔽状態とされる。以下、具体的に、メダル補給機構MHについて説明する。
図40及び図41に示すように、メダル補給機構MHは、遮蔽部材MH1と、ガイド部材MH2とを有している。遮蔽部材MH1は、ガイド部材MH2によって垂直方向へ摺動可能にされ、補給用開口G31を遮蔽した遮蔽状態と、補給用開口G31が露出された解放状態とを切替えることが出来るようになっている。
遮蔽部材MH1は、平板部MH11と、突出部MH12とを有している。平板部MH11は、筐体2のキャビネットG内側から補給用開口G31を遮蔽可能な長方形の平板状に形成されている。平板部MH11は、上部に螺子孔MH13を有し、下部に螺子孔MH14を有している。これにより、遮蔽部材MH1は、補給用開口G31を遮蔽した遮蔽状態で背面壁G3に対して螺子止め固定が可能にされている。突出部MH12は、平板部MH11の上縁中央からキャビネットG内側方向へ垂直に突出するように形成されている。
ガイド部材MH2は、補給用開口G31を遮蔽した遮蔽状態の遮蔽部材MH1の縁部に沿って矩形環状に形成されている。ガイド部材MH2は、遮蔽部材MH1を挟持するように背面壁G3に螺子止め固定される。具体的に、ガイド部材MH2は、上縁部MH21と、2つの側縁部MH22・MH22と、下縁部MH23とを有している。
上縁部MH21は、遮蔽状態での遮蔽部材MH1の上縁外側に沿って形成される。即ち、上縁部MH21は、遮蔽状態での遮蔽部材MH1の上方に隣接し、遮蔽部材MH1の垂直上方向への移動を規制するようになっている。2つの側縁部MH22・MH22は、上縁部MH21の両端を夫々の一方端とし、当該一方端から垂直下方向へ遮蔽状態での遮蔽部材MH1の側縁に沿って形成されている。即ち、2つの側縁部MH22・MH22は、遮蔽状態での遮蔽部材MH1の側方に隣接し、遮蔽部材MH1の当該側方への移動を規制するようになっている。
下縁部23は、2つの側縁部MH22・MH22の他方端同士を接続するように形成されている。下縁部23には、保持部MH23aと、ガイド溝MH23bと、螺子孔MH23cとが形成されている。保持部MH23aは、下縁部23の上面中央に形成された切欠
であり、遮蔽部材MH1の突出部MH12の幅よりも大きい幅に形成される。これにより、遮蔽状態の遮蔽部材MH1を鉛直下方向へ摺動させたときに、遮蔽部材MH1の突出部MH12が、保持部MH23aによって支持される。即ち、遮蔽部材MH1が、補給用開口G31を露出する開放状態で保持されることになる。また、保持部MH23aは、突出部MH12の突出長さよりも厚みが薄く形成されている。従って、遮蔽部材MH1の突出部MH12は、保持部MH23aよりも突出しているため、突出部MH12を掴み易く、開放状態から遮蔽状態へ容易に移行することが可能となる。
ガイド溝MH23bは、背面壁G3側に形成された遮蔽部材MH1に係合する溝であり、遮蔽部材MH1が垂直方向へ摺動される。螺子孔MH23cは、遮蔽状態であるとき螺子孔MH14と螺子止め固定可能とされる位置であり、開放状態であるとき螺子孔MH13と螺子止め固定可能とされる位置に形成されている。
図42に示すように、補給用開口G31には、メダル補給口Pが斜めに挿通されるようになっている。このようなメダル補給口Pの上方に、スケーラ装置SKが配設されている。スケーラ装置SKは、液晶表示パネル面に配置されるタッチセンサパネルに入力された位置情報を処理するスケーラ基板SK1と、スケーラ基板SK1が設置されるスケーラ基板ケースSK2とを有している。スケーラ基板ケースSK2は、斜め方向に傾斜するメダル補給口Pを囲うように形成された凹状板を底面とする支持部材である。スケーラ基板SK1は、このようなスケーラ基板ケースSK2上に、傾斜して設けられている。
(ホッパ機構HP)
図43に示すように、キャビネットGの下部空間の下側には、ホッパ機構HPと、オーバーフローバケットOFが配設されている。
ホッパ機構HPは、キャビネットGにおける底面板G91の中央部に取り付けられている。このホッパ機構HPは、多量のメダルを収容可能で、それらを1枚ずつ排出可能な構造を有する。ホッパ機構HPは、貯留されたメダルが所定の枚数(例えば50枚)を超えたとき、又は、精算ボタンが押下されてメダルの精算を行うときに、メダルを払い出す。ホッパ機構HPによって払い出されたメダルは、メダル払出口DD14から排出される。
オーバーフローバケットOFは、ホッパ機構HPから溢れ出たメダルを収納する。このオーバーフローバケットOFは、キャビネットG内部を正面から見て、ホッパ機構HPの右側に配置されている。オーバーフローバケットOFは、キャビネットGの底面板G91に係合されており、底面板G91に対して着脱可能に構成されている。
(ホッパ機構HPの構成)
ホッパ機構HPは、図44に示すように、メダルを多数貯留するバケットHP1と、バケットHP1が取り付けられるベース部材HP2と、ベース部材HP2の内部に収容される払出ユニット(図示せず)を備えている。
払出ユニットは、メダルを一定姿勢にして1枚ずつ払出す機能を有しており、バケットHP1に集積されたメダルを回転しながら順次払出すコインディスクを有している。ベース部材HP2は、メダル払出口DD14を有している。バケットHP1に集積されたメダル払出ユニットのコインディスクが駆動することにより、1枚ずつメダル払出口DD14から排出される。
バケットHP1は、図44に示すように、水平面に対して略垂直な壁面から形成された上端開口部HP11と、上端開口部HP11に連続して所定の角度で傾斜する傾斜側壁部HP12とを有している。上端開口部HP11は、平面形状が略矩形に形成されている。
上端開口部HP11の手前の角部には、バケットHP1から溢れるメダルを、バケットHP1の外部へ導く排出ガイドHP13が設けられている。この排出ガイドHP13は、バケットHP1の内部側から外部側に向かうに連れて低くなるように傾斜した傾斜面を有している。排出ガイドHP13によって導かれたメダルは、オーバーフローバケットOFに貯留される。
セレクタDD15に導かれて排出ガイドHP13に衝突したメダルは、弾んでバケットHP1の傾斜側壁部HP12へ向う。このとき、バケットHP1に貯留されるメダルの量が一定量に達していない場合は、メダルが傾斜側壁部HP12に沿ってバケットHP1内を移動する。これにより、メダルをバケットHP1に均一に収容することができる。
一方、バケットHP1に貯留されるメダルの量が一定量に達している場合は、メダルが排出ガイドHP13の傾斜面に衝突して弾み、バケットHP1内に貯留されたメダルに衝突して排出ガイドHP13の傾斜面に戻る。そして、メダルは、自重により排出ガイドHP13の傾斜面上を移動してオーバーフローバケットOF側に向かう。
また、ホッパ機構HPの両側面には、ホッパ機構HPの底面から連続して張り出されたガイド片HP21・HP22が設けられている。また、ホッパ機構HPの背面には、後述するキャビネットGのコネクタG81に接続されるコネクタHP41が設けられている。
(オーバーフローバケットOFの構成)
オーバーフローバケットOFは、図44に示すように、収納庫本体OF1と、メダルガイドOF2とを備えている。
収納庫本体OF1は、上面が開口された長方形の箱状に形成されている。メダルガイドOF2は、収納庫本体OF1に着脱可能に構成されている。このメダルガイドOF2は、排出ガイドHP13からオーバーフローバケットOFに導かれたメダルを、収納庫本体OF1に案内し、メダルが収納庫本体OF1の片方の側面側に偏ることを防止する。
(コインガードHP30)
本遊技機では、図45に示すように、ホッパ機構HPのバケットHP1の上方には、外部から受け入れたメダルを排出するメダル補給機構MH(補給口に相当)が設けられている。
ここで、メダル補給機構MHとホッパ機構HP(ホッパー装置に相当)のバケットHP1との間には、高さ方向に所定の距離がある。メダル補給機構MHからメダルが、ホッパ機構HPに補給される場合、高さ方向に所定の距離があるため、メダルが落下して、バケットHP1に貯まったメダルに衝突して、その勢いにより外側に弾き出されてしまう場合がある。この場合、多くは、ホッパ機構HPの上端開口部HP11に衝突してバケットHP1内に留まる。しかし、稀に、メダルが上端開口部HP11を飛び越えて、バケットHP1の外に飛び出してしまう場合がある。
メダルが、バケットHP1の外に飛び出してしまった場合、メダルが底面板G91の電源装置DEがある側や、オーバーフローバケットOFがある側に落下した場合には、下ドア機構DDを開けて、回収すればよい。しかし、メダルが、ホッパ機構HPとキャビネットGの背面壁G3と間に落下した場合は、ホッパ機構HPを取り外す必要がはり手間がかかる。
更に、ホッパ機構HPとキャビネットGの背面壁G3と間には、コネクタにより電気的に接続されているため、金属製のメダルがコネクタの金属部分等に触れた場合には、故障の原因になってしまう。
そこで、図45及び図46に示すように、メダル補給機構MHとホッパ機構HPのバケットHP1との間には、キャビネットGの背面壁G3(筐体の背面に相当)とホッパ機構HPのバケットHP1との間の隙間HPG(図46参照)を埋めるように、キャビネットGの背面壁G3からバケットHP1の縁に架けてコインガードHP30(メダルこぼれ防止部材に相当)が設けられている。
コインガードHP30は、図44及び図47に示すように、上端開口部HP11の奥側の角部に設けられており、上面視L字形状をしている。L字形状をしたコインガードHP30は、キャビネットGの背面壁G3に対向する第1ガード部HP301及びオーバーフローバケットOFに対向する第2ガード部HP302から形成されている。このように、第1ガード部HP301は、キャビネットGの背面壁G3とホッパ機構HPのバケットHP1との間の隙間HPGにメダルが落下するのを防いでおり、第2ガード部HP302は、オーバーフローバケットOF(補助収納庫に相当)側にメダルが落下するのを防いでいる。
また、図46及び図47に示すように、コインガードHP30の第1ガード部HP301及び第2ガード部HP302は、キャビネットGの背面壁G3側から、バケットHP1側に向かって落ち込むように傾斜した傾斜面HP301aを有している。また、図47に示すように、コインガードHP30の正面には、キャビネットGの背面壁G3に螺合される2つの螺子孔HP301c・HP301dが形成されている。
上記構成によれば、キャビネットGの背面壁G3とホッパ機構HPのバケットHP1との間の隙間HPGを埋めるようにコインガードHP30が設けられているため、メダル補給機構MHから受け入れたメダルが、バケットHP1から溢れそうになったとしても、キャビネットGの背面壁G3とホッパ機構HPのバケットHP1との間の隙間HPGに入り込むことを防止することができる。これにより、溢れたメダルがキャビネットGの背面壁G3とホッパ機構HPのバケットHP1との間の隙間HPGに溜って、コネクタや電子機器や可動部材に干渉する不具合を防止することができる。
また、コインガードHP30をL字形状にすることにより、オーバーフローバケットOFとバケットHP1との間にも第2ガード部HP302を配置することができる。これにより、メダルがオーバーフローバケットOFとホッパ機構HPとの間に溢れ落ちることを防止することができる。
また、コインガードHP30は、傾斜面HP301a・HP301bを有している。これにより、コインガードHP30にメダルが乗った場合であっても、バケットHP1側に傾斜しているため、メダルが自重によりバケットHP1側に滑り落ち、メダルをホッパ機構HPに正常に貯留することができる。
(ホッパガイド機構HG)
ホッパガイド機構HGを構成する基板HG1は、図48及び図49に示すように、キャビネットGの底面板G91の中心部に、ねじで位置決めされている。図50に示すように、基板HG1は、中央が開口HG11の枠体で、基板HG1の両側部は垂直方向に折れて形成されたガイドレールHG12・HG13が形成されている。また、図49に示すように、基板HG1の手前側には、ホッパ機構HPの底部に設けられた係止部材(図示せず)に係止するロック部材HG14がねじで固定され、基板HG1の奥には、キャビネットG側のコネクタG81(筐体側コネクタに相当)が配置されている。
なお、ガイドレールHG12・HG13には、ホッパ機構HPのガイド片HP21・H
P22が案内されることにより、ホッパ機構HPの背面に設けられたコネクタHP41(図51参照)が、コネクタG81(ホッパー側コネクタに相当)に接続される。
ガイドレールHG12・HG13は、図50に示すように、下部位HG123・HG133、側面HG122・HG132、上部位HG121・HG131によりコの字状に形成されている。また、ガイドレールHG12・HG13の上部位HG121・HG131の上方には垂直方向に突出した突出部HG124・HG134が形成されている。なお、突出部HG124・HG134、上部位HG121・HG131、側面HG122・HG132、下部位HG123・HG133、及び、基板HG1は、一枚の板を折り曲げて一体的に形成されている。
上部位HG121・HG131は、図50に示すように、手前側の部分がテーパー形状に形成されている。
突出部HG124・HG134は、上部位HG121・HG131において、キャビネットG側のコネクタG81より手前に配置されるように形成されている。また、突出部HG124・HG134は、上部位HG121・HG131よりも奥行方向の長さが短く、上部位HG121・HG131の奥側に配置されている。
また、図50に示すように、基板HG1の裏面には、底面板G91に当接し、コネクタG81の台座となる、台座板HG151・HG152・HG153が形成されている。なお、台座板HG151・HG152・HG153も、基板HG1と一体的に折り曲げられて形成されている。
また、図50に示すように、基板HG1の手前側(ガイドレールHG12・HG13の手前側)には、平面状のスペースHG17が設けられている。
図52及び図53に示すように、ホッパ機構HPの側面に設けられた一対のガイド片HP21・HP22が、それぞれガイドレールHG12・HG13の下部位HG123・HG133と、上部位HG121・HG131との間に挟み込まれて係合した状態で、キャビネットGの奥側に摺動されることにより、ホッパ機構HPの背面に設けられたコネクタHP41が、コネクタG81に接続される。
一方、図54に示すように、例えば、ホッパ機構HPの側面に設けられた一対のガイド片HP21・HP22が、ガイドレールHG12・HG13の下部位HG123・HG133と、上部位HG121・HG131との間に挟み込まれず、上部位HG121・HG131の上方に間違って置かれ、このままホッパ機構HPを、キャビネットGの奥側に摺動させると、ガイド片HP21・HP22が、突出部HG124・HG134に当接し、ホッパ機構HPが、突出部HG124・HG134よりも奥側に摺動するのを規制する。また、ガイド片HP21・HP22が、突出部HG124・HG134に当接した状態のホッパ機構HPは、図54に示すように、下ドア機構DDを閉じたときの下ドア機構DDの裏面(図54の2点鎖線DDB参照)が配置されるポジションにはみ出し、仮に下ドア機構DDが閉じられた場合、ホッパ機構HPに当接する。
上記構成によれば、キャビネットG側のコネクタG81にホッパ機構HPのコネクタHP41を電気的に接続するために、ホッパ機構HPをホッパガイド機構HGにスライド設置する際に、ホッパ機構HPの両側面に設けられた一対のガイド片HP21・HP22が、ガイドレールHG12・HG13に係合されず、誤ってガイドレールHG12・HG13の上方にズレて摺動された場合に、ガイド片HP21・HP22が、ガイドレールHG12・HG13の上方、且つ、コネクタG81より前方側に設けられた突出部HG124・HG134に当接することにより、ホッパ機構HPが誤った位置で摺動され、コネクタG81にホッパ機構HPが接触するのを防止することができる。即ち、ホッパ機構HPをキャビネットGの内部に正常にスライド設置することが可能となる。
これにより、ホッパ機構HPが誤った位置でスライド設置され、ホッパ機構HPのコネクタHP41がコネクタG81に間違った位置で接触し、コネクタG81及びコネクタHP41が破損するのを防止することができる。
また、ホッパ機構HPをキャビネットGの底部にスライド設置する際に、ホッパ機構HPの両側面に設けられた一対のガイド片HP21・HP22が、ガイドレールHG12・HG13の上部位HG121・HG131と下部位HG123・HG133との間に、挟まれず、誤ってガイドレールHG12・HG13の上部位HG121・HG131の上方にズレて摺動された場合に、ガイド片HP21・HP22が、ガイドレールHG12・HG13の上部位HG121・HG131の上方に設けられた突出部HG124・HG134に接触することにより、ホッパ機構HPが誤った位置でスライド設置されるのを防止することができる。即ち、ホッパ機構HPをキャビネットGの内部に正常にスライド設置することが可能となる。
また、ガイドレールHG12・HG13の上部位HG121・HG131の一部がテーパー形状になっているため、ホッパ機構HPをガイドレールHG12・HG13に案内させる際に、ガイドレールHG12・HG13の上部位HG121・HG131が、ホッパ機構HPに接触するのを防止することができる。
また、一対のガイドレールHG12・HG13の下部位HG123・HG133、上部位HG121・HG131、及び、突出部HG124・HG134を一枚の板により作出することにより、製造工程の簡易化を図ることができる。
また、突出部HG124・HG134は、キャビネットGの奥側にあるため、ホッパ機構HPを、ガイドレールHG12・HG13に案内させる準備段階として、ガイドレールHG12・HG13周辺に仮置きする際に邪魔にならないようにすることができる。
また、基板HG1の手前(ガイドレールHG12・HG13の手前)に設けられた平面状のスペースHG17に、ホッパ機構HPのガイド片HP21・HP22をガイドレールHG12・HG13に案内させる前の準備段階として、ホッパ機構HPを仮置きすることができる。これにより、手際よく、ホッパ機構HPをホッパガイド機構HGにスライド設置することができる。
(板金BK)
図55及び図56に示すように、キャビネットG(筐体に相当)の上部空間(筐体上部に相当)には、表示ユニットA(演出装置に相当)が設けられている。また、キャビネットGの下部空間(筐体下部に相当)の底部には、電源装置DE及びホッパ機構HP(ホッパー装置に相当)が設けられており、電源装置DE及びホッパ機構HPの背面側(キャビネットGの背面壁G3側)に、サブ制御装置SS(制御手段に相当)が設けられている。即ち、ホッパ機構HPは、サブ制御装置SSよりも手前側に配置されている。ホッパ機構HPとサブ制御装置SSとの間には、板金BKが設置されている。また、サブ制御装置SSと中間支持板G1との間には、サブ中継装置SNが設けられている。ホッパ機構HPのバケットHP1の上方には、外部から金属製のメダルが補給されるメダル補給機構MH(補給口に相当)が設けられており、メダル補給機構MHから、ホッパ機構HPにメダルが投下される。
板金BKは、図56に示すように、ホッパ機構HPのバケットHP1の左手奥側の角部
上方に配置されている。また、板金BKは、サブ制御装置SSに対向する第1対向面BK1と、電源装置DEに対向する第2対向面BK2と、サブ制御装置SSの底面とバケットHP1の上面の間に配置された第3対向面BK3と、第3対向面BK3から突出し、板金BKをキャビネットGの背面壁G3にねじにより固定する支持面BK4と、メダル補給機構MHに対応する第4対向面BK6と、板金BKをキャビネットGの背面壁G3にねじにより固定する支持面BK7と、を有している。具体的には、図57及び図58に示すように、板金BKは一枚の板が折り曲げられて形成されており、サブ制御装置SSの底面に当接する四角形状の第3対向面BK3、第3対向面BK3の背面壁G3側に下方向に90°折り曲げられた四角形状の支持面BK4、第3対向面BK3の電源装置DE側に下方向に90°折り曲げられた四角形状の支持面BK5、第3対向面BK3の手前側に上方向に90°折り曲げられた四角形状の第1対向面BK1(正面視右上には四角形状の切欠きBK12が形成されている)、第1対向面BK1の電源装置DEに手前方向に90°折り曲げられた四角形状の第2対向面BK2、第1対向面BK1のメダル補給機構MHに背面壁G3側に90°折り曲げられた四角形状の第4対向面BK6、第4対向面BK6の背面壁G3にメダル補給機構MHの方向に90°折り曲げられた四角形状の支持面BK7を形成している。板金BKは、支持面BK4に形成された螺子穴BK41、及び、支持面BK7に形成された螺子穴BK71を介して、対応する背面壁G3に螺合されている。これにより、サブ制御装置SSは、キャビネットGの背面壁G3と板金BKの第1対向面BK1とによって挟み込まれた配置をしていることになる。なお、板金BKは、金属製で、同様に金属製の背面壁G3に、支持面BK4を介して固定されていてもよい。
本実施形態では、板金BKは、サブ制御装置SSとは当接していない。即ち、支持面BK4及び第1対向面BK1は、サブ制御装置SSとは当接していない。なお、板金BKは、サブ制御装置SSの底部に直接取り付けられていてもよい。また、中間支持板G1の下面に着脱自在に取付けられた薄板状のサブ中継装置SNと、キャビネットGの背面壁G3に着脱自在に取付けられた薄板状のサブ制御装置SSとは、側面視でL字を逆さまにしたような状態で配置されている。
上記構成によれば、サブ制御装置SSとホッパ機構HPとの間に板金BKを設けているため、例え、メダルがホッパ機構HPに投下されサブ制御装置SS側へ飛び出したとしても、板金BKによってメダルがサブ制御装置SSに物理的に接触することを防止することができる。また、サブ制御装置SSとホッパ機構HPとの間に板金BKを設けているため、ホッパ機構HPにおける金属製のメダル同士の接触による輻射(電磁場)の影響も板金BKによって防止することができる。
また、サブ制御装置SSは、キャビネットGの下部空間の奥側に設けられ、背面壁G3と板金BKによって挟みこまれているため、サブ制御装置SSは、板金BKを外さなければ、キャビネットGから外すことができない。これにより、サブ制御装置SSに対するセキュリティ性を高めている。
また、メダルが、メダル補給機構MHからホッパ機構HPに投下されるため、メダルがホッパ機構HPにおいて弾かれる機会が多くなり、弾かれる距離も大きくなるが、サブ制御装置SSとホッパ機構HPとの間に板金BKを設けているため、例え、メダルがホッパ機構HPに投下されてサブ制御装置SS側へ大きく飛び出したとしても、板金BKによってメダルがサブ制御装置SSに物理的に接触することを防止することができる。また、サブ制御装置SSとホッパ機構HPとの間に板金BKを設けているため、メダルの投下による金属製のメダル同士の接触による輻射(電磁場)の影響も板金BKによって防止することができる。
(下ドア機構DD)
(下部扉ロック機構、及び、上部扉ロック機構)
図59に示すように、キャビネットG及び下ドア機構DD(下部扉に相当)の右端部に下部扉ロック機構G51を有している。また、キャビネットG及び上ドア機構DU(上部扉に相当)の右端部に上部扉ロック機構G52を有している。下部扉ロック機構G51は、キャビネットGの下部空間(筐体下部に相当)に対する閉鎖状態を維持するように施錠する役割を果たす。また、上部扉ロック機構G52は、キャビネットGの上部空間(筐体上部に相当)に対する閉鎖状態を維持するように施錠する役割を果たす。
(下部扉ロック機構G51)
下部扉ロック機構G51は、図60に示すように、下ドア機構DDの裏面壁における右端部に固定された被係止部G511と、キャビネットGの右端部に固定された係止部G512と、シリンダー錠G513とを有している。
被係止部G511は、凹形状をした枠G511cの両端に亘って形成された棒状の、2つの被係止棒G511a・G511bを上部及び下部に有している。
係止部G512は、長尺の筒G5122と、筒G5122の中を上下方向に摺動自在に配置された長尺の係止板G5121を有している。
係止板G5121は、被係止棒G511a・G511bに係止する爪形状をした爪部G5121a・G5121bを有している。爪部G5121a・G5121bは、係止板G5121の摺動に伴い、筒G5122の中を上下方向に摺動することにより、筒G5122に設けられた開口部G5122a・G5122bに挿入された被係止棒G511a・G511bに対して係止したり、係止が解除されたりする。また、係止板G5121は、上方向に付勢されるバネを有している。
爪部G5121a・G5121bは、係止板G5121が下ドア機構DDをロックする高さ位置であるときに被係止棒G511a・G511bに対して係止する一方、係止板G5121が下ドア機構DDをロックする高さ位置からロックを解除する高さ位置に下降されたときに、被係止棒G511a・G511bに対する係止が解除されるように設定されている。また、爪部G5121a・G5121bは、先端面が斜め下方向に傾斜されており、被係止棒G511a・G511bとの当接により押下げられるようになっている。
係止部G512は、図示しないが、中部において引下げ部を有している。引下げ部は、シリンダー錠G513に鍵が挿入され、回転されるのに伴い、係止板G5121を下方に引き下げ可能にしている。これにより、係止板G5121の引き下げに従って下降することによって、爪部G5121a・G5121bと被係止棒G511a・G511bとの係止が解除可能にされている。
(上部扉ロック機構G52)
上部扉ロック機構G52は、図60に示すように、上ドア機構DUの裏面壁における右端部に固定された被係止部G521と、キャビネットGの右端部に固定された係止部G522とを有している。
被係止部G521は、凹形状をした枠G521cの両端に亘って形成された棒状の、2つの被係止棒G521a・G521bを上部及び下部に有している。
係止部G522は、長尺の筒G5222(施錠筒に相当)と、筒G5222の中を上下方向に摺動自在に配置された長尺の係止板G5221(係止部材に相当)を有している。
係止板G5221は、被係止棒G521a・G521bに係止する爪形状をした爪部G
5221a・G5221b(係止部に相当)を有している。爪部G5221a・G5221bは、係止板G5221の摺動に伴い、筒G5222の中を上下方向に摺動することにより、筒G5222に設けられた開口部G5222a・G5222bに挿入された被係止棒G521a・G521bに対して係止したり、係止が解除されたりする(図63参照)。
爪部G5221a・G5221bは、係止板G5221が上ドア機構DUをロックする高さ位置であるときに被係止棒G521a・G521bに対して係止する一方、係止板G5221が上ドア機構DUをロックする高さ位置からロックを解除する高さ位置に下降されたときに、被係止棒G521a・G521bに対する係止が解除されるように設定されている。また、爪部G5221a・G5221bは、図62に示すように、先端面が斜め下方向に傾斜されており、被係止棒G521a・G521bとの当接により押下げられるようになっている。
係止部G522の筒G5222には、図61に示すように、上ドア機構DUの下方に開口部G5222cが形成されており、係止板G5221に設けられて突起部G5221cが、開口部G5222cを介してキャビネットGの内部側に突出している。この突起部G5221cを下方に引き下げることにより、係止板G5221が下降し、これに伴い爪部G5221a・G5221bと被係止棒G521a・G521bとの係止が解除可能にされている。
ここで、突起部G5221cは、上方にスライドされ、係止板G5221が上ドア機構DUをロックする高さ位置である状態のときに、突起部G5221cが下ドア機構DDの上部DDU(図59参照)に当接するように配置される。
上記構成によれば、下ドア機構DDが閉まった状態では、下ドア機構DDの上部DDUが突起部G5221cに物理的に干渉することにより、係止板G5221が摺動するのを制止し、爪部G5221a・G5221bと被係止棒G521a・G521bとの係止を解除できないようにすることができ、上ドア機構DUの開放をできないように施錠することが可能となる。
一方、下ドア機構DDが開いた状態では、下ドア機構DDの上部DDUの突起部G5221cに対する物理的な干渉が解除されるため、係止板G5221が筒G5222の中を摺動可能となり、爪部G5221a・G5221bの被係止棒G521a・G521bに対する係止が解除され、上ドア機構DUのキャビネットGに対する施錠を解除することができる。
これにより、上ドア機構DUの施錠を解除するには、先に、下部扉ロック機構G51によって下ドア機構DDの施錠を解除する手順を必要とするこができる。即ち、上ドア機構DUを開けるには、下部扉ロック機構G51の施錠解除をして、下ドア機構DDを開けた後、上部扉ロック機構G52の施錠解除の手順が必要となりキャビネットGの上部空間に対するセキュリティを高めることができる。また、キャビネットGの上部空間に対しては、キャビネットGの下部空間よりもセキュリティを高めることができ、キャビネットGの下部空間に対しては、キャビネットGの上部空間に比べて、スムーズにアクセスができる場所にすることができる。
また、下ドア機構DDの施錠を解除するためには、鍵によってシリンダー錠G513を開錠する必要がある。遊技機1の管理者にとって、鍵は、コンパクトで持ち運びに適しているため、管理し易いという利点がある。
また、係止板G5221の摺動により、爪部G5221a・G5221bが、被係止棒G521a・G521bに引っ掛かったり、引っ掛かりが解除されたりする。これにより、係止板G5221の摺動に連動させた、上ドア機構DUのキャビネットGの上部空間に対する施錠が可能となる。
また、上部扉ロック機構G52は、軸支された端部とは反対側の端部に設けられ、上ドア機構DUが開閉される側に配置されるため、上部扉ロック機構G52を開錠するために、下ドア機構DDを大きく開けなくて済む。これにより、上ドア機構DUを開錠するために、不必要にキャビネットGの下部空間を、外部に晒さずに済み、セキュリティ性を高めることができる。
なお、図64に示すように、下ドア機構DDとキャビネットGとの間に、下ドア機構DDが閉まる方向に所定のトルクがかかるワンウェイヒンジDD54を採用している。これにより、下ドア機構DDを閉める際にはトルクがかかり、急激な負荷をかけずに静かに下ドア機構DDをキャビネットGに対して閉めることができる。これにより、下ドア機構DDによって物理的に干渉される突出部B131に対して、急激な負荷をかけることを防止することができる。
(電源装置DEとスピーカDD25Lとの関係性)
図65に示すように、下ドア機構DDの下部扉DD1(扉に相当)の背面側(キャビネットG(筐体に相当)の下部空間側)の下部には、スピーカDD25L(音響装置に相当)が設けられている。一方、キャビネットGの下部空間(筐体内部に相当)には、電源装置DE(電源装置に相当)が設けられている。スピーカDD25Lと電源装置DEとは、下ドア機構DDがキャビネットGに対して閉まっている状態の時に、対向するように配置されている(図67参照)。
電源装置DEは、キャビネットG内部を正面から見て、ホッパ機構HPの左側に配置されている。電源装置DEは、外部から供給された交流電圧の電力を各部で必要な直流電圧の電力に変換して、変換した電力を遊技機1を構成する各機器に供給する役割を果たす。
電源装置DEの前面側には、図66に示すように、遊技機1を構成する機器に電力を供給するかしないか(ON/OFF)を切り替える電源スイッチDE1が設けられている。また、電源スイッチDE1の両横には、上下方向に2本のスライドレールDE3が設けられている。そして、スイッチカバーDE2が、スライドレールDE3を、上下方向に摺動自在となっている。これにより、スイッチカバーDE2をスライドレールDE3に沿って下方向に摺動(スライド)させると、図65に示すように、スイッチカバーDE2が電源スイッチDE1を覆う(スイッチカバーDE2の閉状態)。一方、スイッチカバーDE2をスライドレールDE3に沿って上方向に摺動(スライド)させると、図66に示すように、電源スイッチDE1が露出する(スイッチカバーDE2の開状態)。このようにスイッチカバーDE2を設けることにより、外部から電源スイッチDE1に直接アクセスできないようにして、セキュリティ性を高めている。
また、スイッチカバーDE2は、図67に示すように、上方から下方に突出するように傾斜した傾斜面DE2aを有している。
一方、スピーカDD25Lの背面側(電源装置DEと対向する面側)には、図67に示すように、電源装置DE側に突出した凸部DD25L1(係合部に相当)が形成されており、凸部DD25L1には、下方から上方に突出するように傾斜した傾斜面DD25Laを有している。
スピーカDD25Lにおいて、凸部DD25L1は、下ドア機構DDがキャビネットGに対して閉まっている状態の時に、スイッチカバーDE2が閉状態にあるときのスイッチカバーDE2の上方(摺動経路)に割り込み、スイッチカバーDE2が上方向に摺動することを規制する位置に形成されている。
上記構成によれば、下ドア機構DDを閉じることにより、下部扉DD1の背面に設けられたスピーカDD25Lの凸部DD25L1が、スイッチカバーDE2の摺動経路(移動経路)に割り込み、スイッチカバーDE2が開状態になることを規制することができる。一方、下ドア機構DDを開けることにより、下部扉DD1の背面に設けられたスピーカDD25Lの凸部DD25L1のスイッチカバーDE2に対する規制が解除されるため、スイッチカバーDE2を上方に摺動させ、電源スイッチDE1の操作が不可能な閉状態から、電源スイッチDE1の操作が可能な開状態に切り替えることが可能になる。これにより、下ドア機構DDを開けた状態での電源スイッチDE1の操作性を担保しつつ、電源装置DEに対する不正操作を防止してセキュリティ性を高めることができる。
また、スイッチカバーDE2を上下スライドさせることにより、開状態と閉状態とに切り替えることができる。これにより、下ドア機構DDを開けた状態での電源スイッチDE1に対するアクセスを容易にすることができる。
また、スピーカDD25Lに設けた凸部DD25L1が凸形状をしていることにより、電源装置DE側に突き出た分だけスピーカDD25L自体の容積を大きくすることができ、音質の向上を同時に図ることができる。
また、スイッチカバーDE2が閉状態にあるとき、下ドア機構DDが閉められると、スイッチカバーDE2の傾斜面DE2aと、凸部DD25L1の傾斜面DD25Laが対向した位置に配置され、スイッチカバーDE2の摺動を規制することができる。
一方、スイッチカバーDE2が開状態にあるときに、下ドア機構DDが閉められると、スイッチカバーDE2が閉状態の位置から上方にズレた位置にあるため、凸部DD25L1の傾斜面DD25Laが、スイッチカバーDE2の傾斜面DE2aに当接して押し込むため、スイッチカバーDE2が下方に摺動して閉状態の位置に移動することになる。
これにより、例え、スイッチカバーDE2を閉状態にすることを忘れて、開状態のまま、下ドア機構DDを閉めたとしても、凸部DD25L1の傾斜面DD25Laが、スイッチカバーDE2の傾斜面DE2aに当接して押し込むため、下ドア機構DDを閉める動作に連動して、スイッチカバーDE2を摺動させて閉状態の位置に移動させることが可能となる。
(電力線通信基板PC)
本発明の実施形態の遊技機には、遊技機1全体の動作を司る主制御基板MSや、表示ユ
ニットAを制御するサブ制御装置SS(図55及び図56参照)等のほか、電力線通信の通信制御を行う電力線通信基板PCが設けられている。そして電力線通信基板PCはサブ制御装置SSと電源装置DEを中継するかたちで遊技機内に設置されている。
図68および図69には、本発明の実施形態における電力線通信の通信制御態様を模式的に示している。以下に図68および図69にもとづいて、電力線通信の制御構成を説明する。
図68に示すように、遊技機設置島1に設置されたパチスロ機2やパチンコ機3などの複数の遊技機は、共通の電源ライン4から電力の供給を受けており、各遊技機の電源装置DEが受電している。電源装置DEでは受電した交流電圧の電力を遊技機各部で必要な直流電圧の電力に変換して、変換した電力を遊技機内の各機器に供給している。
また、本発明の実施形態では、図69に示すように、遊技機1内において電源装置DEとサブ制御装置SSとの間に電力線通信基板PCが接続されている。電力線通信基板PCは電力ライン4を通して送信されてきた電気信号を電源装置DEから抽出し、送信されてきた信号にもとづいて必要な情報をサブ制御装置SSに対して送信している。
さらに、電力線通信基板PCはサブ制御装置SSから送信されてきた電気信号を受信し、受信した信号にもとづいて必要な情報を、電源装置DEを介して電力ライン4に送信している。
(複数の遊技機における連携演出)
本発明の実施形態では、電力線通信基板PCを使用した電力線通信機能により、複数の遊技機で連携した演出制御を行っている。以下にその実施形態を説明する。
本発明の実施形態では、遊技機設置島に設置された複数の遊技機のうち、一の遊技機において遊技者に有利な遊技状態が発生した場合、当該遊技機と同じ遊技機設置島に設置されている複数の遊技機で一斉に共通の演出を行う。その際、当該遊技機のサブ制御装置SSは上記有利な遊技状態の発生にともなって、電力線通信基板PCに対して一斉演出の開始タイミングを取るだけの情報を送信する。そして、開始タイミング情報を受信した電力線通信基板PCは電源装置DEを介して電力ラインに一斉演出の開始タイミング情報を送信する。
なお、一斉演出の開始タイミング情報は、一斉演出の開始タイミングを指示する情報のみに限られず、具体的な演出の種類や演出の開始時間を指示する情報などを含むようにして構成してもよい。さらに、演出の終了タイミングを指示する信号を送信するようにしてもよい。
電源ラインを介して送信された上記開始タイミング情報は、電源ラインを通じて各遊技機の電源装置DEに送られ、各遊技機の電力線通信基板PCが開始タイミング情報を受信する。さらに、電力線通信基板PCは受信した開始タイミング情報をサブ制御装置SSに送信し、サブ制御装置SSは受信した開始タイミング情報にもとづいて、一斉演出を開始し、遊技者に有利な遊技状態が発生した遊技機と、その周辺に設置された複数の遊技機とで、一体感のある連携した演出を行う。
(その他の変形例)
本発明の実施形態では、電力線通信基板PCを電源装置DEとサブ制御装置SSとの間に設けたが、電力線通信基板PCを電源装置DEに含むようにしてもよいし、サブ制御装置SSに含むように構成してもよい。
本発明の実施形態における、開始タイミング情報は、開始タイミングを取るだけの情報であり、当該情報を送受信しているが、このような情報に限られず、様々な情報を送受信するようにしてもよい。例えば、開始タイミング情報に自機のID情報を加え、そのID情報にもとづいて所定の範囲内に設置されている複数の遊技機で一斉演出を行うようにしてもよい。
さらに、上記ID情報にもとづいて、複数の他の遊技機との配置関係を特定し、一斉に複数の遊技機で同じ演出を行うのではなく、複数の遊技機がそれぞれ連携した異なる演出を行うようにしてもよい。このように構成することで、例えば、一列に並んだ複数の遊技機が左右方向から順番に演出を行うような流れのある連携演出が可能となる。
例えば、あるキャラクタ画像が遊技機設置島の左端の遊技機から右端の遊技機へ移動するような連携演出を行うことが可能である。さらに、遊技機設置島の両端の遊技機から遊技者に有利な遊技状態が発生した遊技機に向かってキャラクタ画像が移動するような連携演出を行うことも可能である。
本発明の実施形態においては、各遊技機が一斉演出の開始タイミング情報を電源ラインを通じて他の複数の遊技機に送信しているが、これに代えて、遊技ホール側の管理装置から複数の遊技機に対して電源ラインを通じて開始タイミング情報を送信するようにしてもよい。
例えば、ある遊技機における遊技者に有利な遊技状態の発生を一斉演出開始の契機にしたり、所定の時刻を一斉演出開始の契機とする場合、管理装置側から電源ラインを通じて開始タイミング情報を複数の遊技機に送信することが可能である。
さらに、例えば、管理装置は各遊技機の外部端子基板から送信された遊技情報にもとづいて、複数の遊技機に対して連携した演出を行わせることが可能である。なお、管理装置から各遊技機に送信される開始タイミング情報に、遊技機のID情報を加えて、複数の遊技機で順次キャラクタが移動するような複雑な連携した演出を行うことも可能である。
また、開始タイミング情報に代えて、時間調整信号を送信するように構成してもよい。例えば、各遊技機にリアルタイムクロックを設け、所定の時刻の到来を契機に複数の遊技機で連携演出を行う場合、管理装置または特定の遊技機からリアルタイムクロックの時間合わせを行うための時間調整信号を送信する。このように構成することで、各遊技機間でズレのない連携した演出を複数の遊技機で行うことが可能である。
また、複数の遊技機で行われる一斉演出を含む連携した演出は、遊技機に設けられた画像表示装置やランプ装置等を使用して行う。もちろん、遊技機に設けられた外部スピーカや振動装置を併せて使用してもよいし、それぞれの装置を単独で使用してもよい。
また、複数の遊技機による連携した演出において、複数の遊技機の内、遊技者に有利な遊技状態が発生した遊技機を特定可能に演出を行ってもよいし、逆に、特定できないような演出を行ってもよい。このような構成によれば、連携した演出が行われたことにより、どの遊技機で遊技者に有利な遊技状態が発生したのか、複数の遊技者の興味を引くことができる。
また、本発明の実施形態においては、遊技者に有利な遊技状態の発生を一斉演出開始の契機としているが、これに限られず、所定時刻の到来やイベント発生時、緊急時など、適宜、一斉演出または連携演出の開始の契機として設定することが可能である。
(最大BETボタンDD8)
最大BETボタンDD8(ボタンユニットに相当)は、第2台座部DD2b(台座部に相当)に配置されている。第2台座部DD2bには、図70に示すように、開口部DD2baが形成されている。開口部DD2baは、図73に示すように、所定の深さがあり、開口部DD2baを囲うように側壁部DD2bcを有し、側壁部DD2bcの底部にはフランジDD2bbが形成されている。最大BETボタンDD8は、図70に示すように、操作部DD81及び係止部DD82によって構成されている。
(操作部DD81)
操作部DD81は、図74に示すように、第1部材DD812と、ボタンベースDD811と、スプリングDD813(弾性部材に相当)と、フォトセンサ(最大BETスイッチ)DD814と、第2部材DD815と、ボタンベースカバーDD816とを有している。
第1部材DD812は、ボタン基部DD8123と、ボタンカバー部DD8121と、ボタンシートDD8122とを有している。第1部材DD812は、図74に示すように、下方(A方向)に向かって押し下げ可能に配置される。
ボタンカバー部DD8121は、ボタン基部DD8123の上側に配置される。このボタンカバー部DD8121は、ボタン基部DD8123の縁に係合して固定される。ボタンカバー部DD8121は、遊技者が直接押圧される面を構成するカバーとしての機能を有する。
ボタンシートDD8122は、ボタン基部DD8123とボタンカバー部DD8121との間に配置されている。ボタンシートDD8122は、平面板状の光透過性の樹脂シートからなり、配光性を有している。
ボタン基部DD8123は、ボタンベースDD811の上側に配置される。このボタン基部DD8123は、下側に円柱形状の2本の摺動部DD8124a・DD8124bを有している。摺動部DD8124a・DD8124bの下方側には、円筒形状の螺子穴が形成されている。また、2本の摺動部DD8124a・DD8124bの間には、スプリングDD813を保持するスプリング保持部DD8124cが形成されている。スプリング保持部DD8124cは、スプリングDD813の内径寸法と略同寸法に形成されている。
ボタン基部DD8123と、ボタンベースDD811との間には、第1部材DD812を下方(A方向)に向かって押し下げする力に対し反発する弾性力を備えたスプリングDD813が設けられている。スプリングDD813は、円筒形状に形成されたコイルばねにより形成されている。スプリングDD813一方端は、スプリング保持部DD8124cの外周に配置され、保持される。また、スプリングDD813もう一方端は、ボタンベースDD811の低部に当接している。このため、スプリングDD813は、遊技者が第1部材DD812のボタンカバー部DD8121を下方(A方向)に向かって押し下げる力に対して反発する。
ボタンベースDD811は、上面が開口された長方形状の箱状に形成されている。ボタンベースDD811の低部には、2つの貫通孔DD811a・DD811bが形成されている。貫通孔DD811a・DD811bは、上下方向に開口しており、それぞれ2つの摺動部DD8124a・DD8124bを摺動可能にしている。したがって、貫通孔DD811a・DD811bの外形寸法は、摺動部DD8124a・DD8124bの内径寸法よりも大きい寸法に形成されている。また、ボタンベースDD811の外周縁には、外方向に突出したフランジDD8111が形成されている。フランジDD8111は、第2台座部DD2bに設けられた開口部DD2baのフランジDD2bbの上面に当接する(図71参照)。従って、フランジDD8111は、開口部DD2baの外形よりも大きい形状をしており、操作部DD81を、開口部DD2baの上方から挿入した場合には、ボタンベースDD811の底部及び4つの側面を含む部分は、開口部DD2baを通過するが、フランジDD8111部分は、開口部DD2baのフランジDD2bbの上面に当接することにより、規制される。
また、ボタンベースDD811は、ボタンベースDD811の側面から延伸された側面部DD8113に、水平方向に張り出した制止板DD8112が設けられている。また、側面部DD8113には、2つの連通孔DD816a・DD816bが形成されている。
なお、ボタンカバー部DD8121の底面部分の形状及び面積とフランジDD8111を含むボタンベースDD811の上面部分の形状及び面積とは同じである。即ち、ボタンカバー部DD8121とボタンベースDD811とは上下方向にぴったり重なる形状をしている。
第2部材DD815は、ボタンベースDD811の下方(A方向)に配置される。第2部材DD815には、円筒形状の螺子穴DD815a・DD815bが形成されている。そして、ボタン基部DD8123の摺動部DD8124a・DD8124bが、貫通孔DD811a・DD811bを通って、摺動部DD8124a・DD8124bの下方側が貫通孔DD811a・DD811bから延出した状態で、摺動部DD8124a・DD8124bの下方側形成された螺子穴と、第2部材DD815に形成された螺子穴DD815a・DD815bとが、螺子DD8152a・DD8152bによって螺合されている。これにより、第2部材DD815は、2つの貫通孔DD811a・DD811bから延出した2つの摺動部DD8124a・DD8124bの間に取付けられた状態になる。なお、第2部材DD815は、貫通孔DD811a・DD811bより大きい形状をしている。
また、第2部材DD815において、螺子穴DD815aと螺子穴DD815bとの間には、上下方向に張り出した薄板状の遮光片DD8151が設けられている。
第2部材DD815の下方(A方向)には、発光部DD814aと受光部DD814bとが、水平方向に、所定の間隔を空けて対向しているフォトセンサDD814が設けられている。この所定の間隔は、遮光片DD8151の水平方向の厚みよりも大きく設定されている。フォトセンサDD814の背面には、送信コネクタが設けられており、外部のコネクタDD85によって接続される。
ボタンベースカバーDD816は、ボタンベースDD811の低部側、及び、側面部DD8113に対向する側が開口した箱状に形成されている。ボタンベースカバーDD816の上方には、爪形状の係止部DD8161・DD8162が形成され、爪形状の係止部DD8161・DD8162が、ボタンベースDD811の低部に設けられた被係止部DD8113a・DD8113bに係止されることにより、ボタンベースカバーDD816は、ボタンベースDD811の低部に固定される。また、ボタンベースカバーDD816には、2つの螺子穴DD8163a・DD8163bが形成されている。
遊技者が第1部材DD812を下方(A方向)に向かって押圧することにより、第2部材DD815も下方(A方向)に向かって移動する。第2部材DD815が移動することにより、遮光片DD8151が、発光部DD814aと受光部DD814bとの間に割り込み、発光部DD814aから受光部DD814bに対して発光される光を遮断する。これにより、遊技者が最大BETボタンDD8の操作を行ったことが検知される。
そして、遊技者が第1部材DD812を下方(A方向)に向かって押圧するのをやめると、スプリングDD813の反発力によりボタン基部DD8123が上方に向かって移動する(第1部材DD812が初期位置に復帰する)。なお、スプリングDD813の反発力によりボタン基部DD8123が上方に向かって移動すると、第2部材DD815の上面部が制止板DD8112の下面に当接し、第2部材DD815及び第1部材DD812が上方に戻り過ぎることを規制する。
これにより、第2部材DD815が上方に移動することにより、発光部DD814aと受光部DD814bとの間に割り込んでいた遮光片DD8151も上方に移動し、発光部DD814aから受光部DD814bに対して発光される光の遮断が解除される。これに
より、遊技者が最大BETボタンDD8の操作を行っていないことが検知される。
上記構成によれば、第2部材DD815が、ボタンベースDD811に設けられた貫通孔DD811a・DD811bより大きい形状をしており、貫通孔DD811a・DD811bから延出した第1部材DD812の摺動部DD8124a・DD8124bに取付けられている。これにより、第2部材DD815が、第1部材DD812の摺動部DD8124a・DD8124bが貫通孔DD811a・DD811bから抜けるのを規制し、最大BETボタンDD8の不正な取外しを防止することができる。
また、遮光片DD8151は、遊技者による第1部材DD812の押圧に連動して、2つの摺動部DD8124a・DD8124bがボタンベースDD811の2つの貫通孔DD811a・DD811bを摺動し、2つの貫通孔DD811a・DD811bから延出した2つの摺動部DD8124a・DD8124bの間に取付けられた第2部材DD815の中間部分に設けられた遮光片DD8151が、発光部DD814aと受光部DD814bとの間を横切り遮断することができる。
(係止部DD82)
係止部DD82は、図71に示すように、箱形状をしており、係止部DD82の上面に形成された開口部DD821、及び、コネクタDD85を操作部DD81の背面に接続するために、係止部DD82の背面に形成された開口部DD822を有している。
係止部DD82の開口部DD821の外周縁には、外方向に向かって張り出したフランジDD823が形成されており、更に、フランジDD823の外には、フランジDD823を囲うように、垂直方向に張り出した囲み枠DD824が形成されている。フランジDD823は、開口部DD2baのフランジDD2bbの下面に当接する(図73参照)。従って、フランジDD823は、開口部DD2baの外形よりも大きい形状をしており、係止部DD82を、開口部DD2baの下方から押し当てた場合には、フランジDD823部分が、フランジDD2bbの下面に当接することにより、規制される。
係止部DD82の内壁側には、操作部DD81を格納する際に操作部DD81を位置決めする係止片DD825が形成されている。また、係止部DD82の背面に形成された開口部DD822の両脇に設けられた連通孔DD826a・DD826bが形成されている。
操作部DD81を、開口部DD2baに上方から挿入し、フランジDD8111部分を、フランジDD2bbの上面に当接させた状態で、開口部DD2baの下方から、係止部DD82を操作部DD81に装着させつつ、フランジDD823を、開口部DD2baのフランジDD2bbの下面に当接させる。そして、2つの螺子DD83a・DD83bをそれぞれ、連通孔DD826a・DD826b、及び、連通孔DD816a・DD816bを介して、螺子穴DD8163a・DD8163bに螺合している(図72参照)。
上記構成によれば、2つの螺子DD83a・DD83bをそれぞれ、連通孔DD826a・DD826b、及び、連通孔DD816a・DD816bを介して、螺子穴DD8163a・DD8163bに螺合することによって、操作部DD81と係止部DD82とを開口部DD2baを介して第2台座部DD2bに固定することができる。また、操作部DD81は開口部DD2baより大きいフランジDD8111を有するため、最大BETボタンDD8が、開口部DD2baの外側からキャビネットGの内部側に落ち込んでしまうことを防止することができる。また、係止部DD82も開口部DD2baより大きいフランジDD823を有するため、最大BETボタンDD8が、開口部DD2baの内側からキャビネットGの外部に出てしまうことを防止することができる。これにより、最大BETボタンDD8を第2台座部DD2bに対して固定することができる。
また、ボタンカバー部DD8121とボタンベースDD811とは上下方向にぴったり重なる形状をしているため、上方からボタンカバー部DD8121を見たときに、ボタンベースDD811がボタンカバー部DD8121によって隠されて、外部に、遊技者が押圧するボタンカバー部DD8121のみを見せることができる。これにより、最大BETボタンDD8の外観をシンプルにすることができ、遊技機1の外観のデザイン性を高めることができる。
また、ボタンカバー部DD8121の底面の形状がボタンベースDD811の上面の形状よりも小さいものに比べて、ボタンベースDD811が有する貫通孔DD811a・DD811bの隙間からの不正な侵入を防止し易い構造にすることができる。
(情報表示器DD914)
情報表示器DD914は、第2台座部DD2bの最大BETボタンDD8の右側に配置されている。図75に示すように、情報表示器DD914は、インサートランプDD9141と、スタートランプDD9142と、リプレイランプDD9143と、ベット数ランプDD9144と、クレジットランプDD9145と、払出枚数ランプDD9146と、指示モニタDD9147とを含んで構成される。
インサートランプDD9141は、点灯(又は点滅(以下省略))することでメダルの投入が可能であることを遊技者に対して報せ、スタートランプDD9142は、点灯することでスタートレバーDD6の操作に伴い遊技の開始が可能であることを遊技者に対して報せ、リプレイランプDD9143は、点灯することで再遊技の作動によりメダルが自動投入されたことを遊技者に対して報せる。また、ベット数ランプDD9144は、点灯することでベットされたメダルの枚数を遊技者に報せる。また、クレジットランプDD9145は、例えば、7セグメントLEDにより構成され、遊技機1の内部に貯留されているメダルの枚数(クレジット数)情報に一義的に対応する態様で点灯することで、クレジット数情報を遊技者に対して報せる。また、払出枚数ランプDD9146は、例えば、7セグメントLEDにより構成され、遊技の結果により払い出されたメダルの枚数(払出枚数)情報に一義的に対応する態様で点灯することで、払出枚数情報を遊技者に対して報せる。
また、指示モニタDD9147は、報知ランプDD9147aと、状態表示器DD9147b(ATランプ)と、を含んで構成される。報知ランプDD9147aは、例えば、7セグメントLEDにより構成され、報知する停止操作の情報に一義的に対応する態様で点灯することで、必要な停止操作の情報を遊技者に対して報せる。また、状態表示器DD9147bは、点灯することで、現在の遊技状態が遊技者にとって有利な停止操作の態様を報知する遊技状態(例えば、ART遊技状態)であることを遊技者に対して報せる。
ここで、後述するように、本実施形態では、停止操作の順序(押し順)に応じて表示される図柄の組合せが異なる役である「押し順役」を設けている。報知ランプDD9147aにおいて報知する停止操作の情報に一義的に対応する態様とは、例えば、押し順「左、中、右」を報知する場合に「1」を表示し、押し順「左、右、中」を報知する場合に「2」を表示するといったことである。
後述の図116に示すように、情報表示器DD914は、ドア中継端子板DD68を介して主制御基板MSにより制御される。ここで、遊技機1では、主制御基板MSにより制御される報知ランプDD9147aに加えて、副制御基板SS72により制御される他の手段を用いて停止操作の情報を報知することとしてもよく、例えば、上述の3D液晶表示機構Dの表示領域又はフロントスクリーン機構E1の表示領域において停止操作の情報を
報知することとしてもよい。
この場合において、報知ランプDD9147aにおける報知の態様と、その他の手段における報知の態様とは、異なる態様であってもよい。すなわち、報知ランプDD9147aでは、報知する停止操作の情報に一義的に対応する態様で報知すればよく、必ずしも、停止操作の情報を直接的に報知する必要はない(例えば、報知ランプDD9147aにおいて「1」と表示されたとしても、遊技者によっては報知内容を特定できない可能性もあり、直接的な報知とは言えない)。これに対して、その他の手段における報知では、停止操作の情報を直接的に報知することとしてもよい。例えば、押し順「左、中、右」を報知する場合に、報知ランプDD9147aでは報知する押し順に一義的に対応する「1」を表示する一方で、その他の手段(例えばフロントスクリーン機構E1の表示領域)では、第1停止操作を左のリールRLに対して行い、第2停止操作を中のリールRCに対して行い、第3停止操作を右のリールRRに対して行うことを直接的に報知することとしてもよい。
このように本実施形態の遊技機1では、副制御基板SS72の制御だけでなく、主制御基板MSの制御によっても、内部当籤役に応じた必要な停止操作の情報を報知することができる。もちろん、停止操作の情報の報知は、遊技状態に応じて制御されることとしてもよい。より具体的には、通常遊技状態(非ART)では停止操作の情報を報知することなく、ART遊技状態において停止操作の情報を報知することとしてもよい。
なお、本実施形態の遊技機1では、クレジットランプDD9145及び払出枚数ランプDD9146とは別に報知ランプDD9147aを設けているが、報知ランプDD9147aを設けることなく、クレジットランプDD9145又は払出枚数ランプDD9146のいずれかを用いて、停止操作の情報を報知することとしてもよい。
インサートランプDD9141〜状態表示器DD9147bは、背面に設けられたLED(図示せず)により点灯、点滅、消灯する。遊技機1では、主制御基板MSがこのLEDの点灯、点滅、消灯を制御することで、遊技に関する各種の情報を遊技者に対して報せる。
(下ドア機構DD:リール装置M1)
(下ドア機構DD)
下ドア機構DDには、図76に示すように、上部の略中央部に、矩形状の開口部として形成されたメイン表示窓DD4が設けられている。メイン表示窓DD4の裏面側には、キャビネットGの内部側から取り付けられたリールユニットRUが装着されている。さらに、リールユニットRUの背面には、主制御基板MSが取り付けられている。
リールユニットRUは、複数種類の図柄が各々の外周面に描かれた3個のリールRL(左リール),RC(中リール),RR(右リール)を主体に構成されている。これらのリールRL,RC,RRは、それぞれが縦方向に一定の速度で回転できるように並列状態(横一列)に配設される。リールRL,RC,RRは、メイン表示窓DD4を通じて、各リールRL,RC,RRの動作や各リールRL,RC,RR上に描かれている図柄が視認可能となる。
メイン表示窓DD4には、その表面部に、矩形状のアクリル板などからなる透明パネルDD41が取り付け固定されており、遊技者などがリールユニットRUに触れることができないようになっている。メイン表示窓DD4の下方には、略水平面の第1,第2,第3台座部DD2a,DD2b,DD2cが形成されている。メイン表示窓DD4の右側に位置する第1台座部DD2aには、メダルを投入するためのメダル投入口DD5が設けられ
ている。メダル投入口DD5は、遊技者によりメダルが投入される開口である。メダル投入口DD5から投入されたメダルは、クレジットされるか又はゲームに賭けられる。
メイン表示窓DD4の左側に位置する第2台座部DD2bには、クレジットされているメダルを賭けるための、有効ライン設定手段としての最大BETボタンDD8(MAXBETボタンともいう)が設けられている。最大BETボタンDD8が押されると、メダルの投入枚数として「3」が選択される。
メイン表示窓DD4の前面側に位置する第3台座部DD2cには、液晶表示装置DD20が設けられている。液晶表示装置DD20は、液晶表示パネル(液晶パネル)のパネル面にタッチ式の位置入力装置としてのタッチセンサパネルが配されてなる、いわゆるタッチパネルとなっている。尚、タッチセンサパネルとしては、例えば、人体の一部(指先など)や静電ペンなどの接触を検知して、その検知信号を出力する静電容量方式のものであってもよく、又は、ペン先などの堅い物質の接触を検知して、その検知信号を出力する方式のもの、あるいは、その他の方式のものや構造のもの(インセル構造など)であってもよい。
液晶表示装置DD20は、SUI(スマート・ユーザ・インターフェイス)として機能するもので、その表示画面上に、例えば、遊技の進行に伴って遊技回数などの遊技情報が表示されるとともに、遊技者による選択又は入力を求めるためのメッセージや入力キーなどが表示される。
尚、液晶表示装置DD20においては、その表示画面上に、例えば、遊技の進行に伴って、遊技に関する演出に応じた内容(演出情報)を表示することも可能である。また、液晶表示装置DD20としては、例えば、演出役物としての機能を有するアタッチメントや、専用のアタッチメントとして、ジョグダイヤル又はプッシュボタンなどを装着できるようにしてもよい。また、液晶表示装置DD20は、その機能を、後述する表示ユニットAなどに振り分けることにより、省略することもできる。
最大BETボタンDD8の前面側には、遊技者の操作によりリールRL,RC,RRを回転駆動させるとともに、メイン表示窓DD4内で図柄の変動表示を開始させるスタートレバーDD6が設けられている。スタートレバーDD6は、所定の角度範囲で傾動自在に取り付けられる。
スタートレバーDD6の右側で、液晶表示装置DD20の前面側には、遊技者の押下操作(停止操作)により3個のリールRL,RC,RRの回転をそれぞれ停止させるための3個のストップボタンDD7L,DD7C,DD7Rが設けられている。
最大BETボタンDD8の左側には、C/PボタンDD13が設けられている。C/PボタンDD13は、遊技者がゲームで獲得したメダルのクレジット/払出しを押しボタン操作で切り換えるものである。このC/PボタンDD13の切り換えにより払出しが選択されている状態(非クレジット状態)においては、下ドア機構DDの下部側のコインガードプレート部に設けたメダル払出口DD14(キャンセルシュート)からメダルが払出され、払出されたメダルは、メダル受け部DD15に溜められる。
スタートレバーDD6、及び、ストップボタンDD7L,DD7C,DD7Rの下部側には、腰部パネルDD18(腰部導光板)が配置されている。腰部パネルDD18は、アクリル板などを使用した化粧用パネルとして構成される。腰部パネルDD18には、遊技機1の機種を表す名称や種々の模様などが印刷により描かれている。
また、メダル払出口DD14の左側にはスピーカDD25Lが、右側にはスピーカDD25Rが、それぞれ設けられている。スピーカDD25L,DD25Rは、遊技者に遊技に関する種々の情報を声や音楽などの音により報知する。また、メイン表示窓DD4の左側及び右側には、第1サブ表示装置DD19L及び第2サブ表示装置DD19Rがそれぞれ配置されている。これらのサブ表示装置DD19L・DD19Rは、例えば入賞成立時のメダルの払出枚数やクレジットされている残メダル枚数を表示する。通常は、遊技機1にクレジットされるメダルの最大枚数は50枚であるため、50以下のクレジット枚数が表示される。尚、最大枚数の50枚のメダルがクレジシットされている状態では、投入されたメダルはそのままメダル払出口DD14より払出される。また、サブ表示装置DD19L・DD19Rは、タッチパネルを前面に備えていてもよい。
(下部扉DD1、リールユニットRU、及び、主制御基板MSの関係性)
図77に示すように、遊技機1の下ドア機構DDは、下部扉DD1と、リールユニットRUと、主制御基板MSとを含む構成である。
下部扉DD1(扉に相当)は、図78に示すように、キャビネットG(筐体に相当)に対して開閉自在に設けられている。また、リールユニットRU(図柄表示手段に相当)は、図77に示すように、下部扉DD1の背面側(キャビネットGの内部側(下部空間側))に、着脱可能に設けられている。更に、主制御基板MSは、図79に示すように、リールユニットRUの背面側(キャビネットGの内部側(下部空間側))に、着脱可能に設けられている。
なお、主制御基板MSは、スタートレバーDD6、及び、ストップボタンDD7L,DD7C,DD7R(指令手段に相当)等により出力された指令信号に基づいて、リールユニットRUのリールRL,RC,RRの回転を停止させることにより、リールRL,RC,RRに配された図柄を停止表示させる制御手段に相当する。
上記のような、下部扉DD1、リールユニットRU、及び、主制御基板MSの位置的関係性によって、下部扉DD1、リールユニットRU、及び、主制御基板MSを一体化することにより、遊技機1の組み立て・部品交換・分解する際の作業を容易に行うことができる。
また、主制御基板MSは、遊技を制御する重要な構成であり、不正な取外しを防止する対策が必要であるが、主制御基板MSは、リールユニットRUと一体化されているため、取外し難い構成にすることができる。
また、主制御基板MSは、下部扉DD1の内部側に設けられたリールユニットRUの背面に設けられている。これにより、主制御基板MSは、下部扉DD1及びリールユニットRUの厚み分だけ、下部扉DD1から遠いキャビネットGの奥側に配置することができる。このため、下部扉DD1と主制御基板MSとの間に物理的な距離を確保することができ、例え下部扉DD1の隙間から不正侵入された場合であっても、主制御基板MSへの到達が困難になり、セキュリティ性を向上させることができる。
また、下部扉DD1、リールユニットRU、及び、主制御基板MSは、一体化されているため、遊技機1の仕様を変更する場合、下部扉DD1の外装の変更、リールユニットRUのリールRL,RC,RRの図柄の変更、及び、遊技内容の変更を、まとめて行うことができる。
具体的に、図80を参照して、リールユニットRUに対する主制御基板MSの取り付けについて説明する。図80に示すように、リールユニットRUは、後方に基板接面部RU
9aを有している。基板接面部RU9aは、リールユニットRUの背面側において上下方向中央に、左右方向へ延在する平面部である。当該平面部は法線方向が前後方向へ略一致する。また、リールユニットRUは、基板接面部RU9aの中央右よりの上方に、上側平面部RU9bを有している。上側平面部RU9bは、基板接面部RU9aと面方向が一致する平面部であり、左上部に螺子孔を有している。また、リールユニットRUは、基板接面部RU9aの下方に、基板接面部RU9aと左右方向長さが略一致する載置部RU9cを有している。載置部RU9cは、基板接面部RU9a、及び、上側平面部RU9bと面方向が一致する壁面部と、壁面部の下部から水平後ろ方向へ屈曲して延長された底面部と、底面部の後端から屈曲して上後方へ傾斜を持って延長された傾斜部とを有している。載置部RU9cは、左右方向の両端部に螺子孔を有している。また、リールユニットRUは、基板接面部RU9a、及び、上側平面部RU9bと面方向が一致する平面部を有している。
主制御基板MSは、載置部RU9cの底面部に載置されて、基板接面部RU9a、上側平面部RU9b、載置部RU9cの壁面部、及び、その他面方向が一致する平面部に面接触された状態に位置決めされる。そして、その状態で、主制御基板MSに形成されている貫通孔を介して、上側平面部RU9b及び載置部RU9cの螺子孔に螺合され螺子締結されることになる。これにより、主制御基板MSは、同一面上に配設された基板接面部RU9a、上側平面部RU9b、及び、載置部RU9cに安定的に取り付けられる。
次に、具体的に、図81を参照して、下部扉DD1に対するリールユニットRUの取り付けについて説明する。図81に示すように、リールユニットRUは、左方向端部に、リールヒンジRU21を有している。リールヒンジRU21は、平面視コの字形状の平板部材であり平面の法線方向が前後方向に略一致している。リールヒンジRU21は、左上端部から下方向へ形成された上側ヒンジRU21aを有している。また、リールヒンジRU21は、左下端部から下方向へ形成された下側ヒンジRU21bを有している。上側ヒンジRU21aと下側ヒンジRU21bとは中心軸が一致するように形成されている。
下部扉DD1の内部側左上部には、上端から中央部まで延在するリールヒンジベースDD18を有している。リールヒンジベースDD18は、上側ヒンジRU21a及び下側ヒンジRU21bに対応する位置に上側ヒンジベースDDR18a及び上側ヒンジベースDDR18bを有している。上側ヒンジベースDDR18a及び下側ヒンジベースDDR18bは、上側ヒンジRU21a及び下側ヒンジRU21bを夫々差込可能にされており、差込状態においてリールユニットRUを、上側ヒンジRU21a及び下側ヒンジRU21bを中心として回動可能に支持する。
リールユニットRUは、右上端部に、右方向に突出する右上ロック部RU22を有している。また、リールユニットRUは、下端部略中央から下方向へ突出する下ロック部RU23を有している。右上ロック部RU22及び下ロック部RU23は、下部扉DD1の内壁面に当接した状態でロック可能にされている。即ち、リールユニットRUを下部扉DD1方向へ回動させて当接させたときに、右上ロック部RU22及び下ロック部RU23が下部扉DD1に係合した状態で当接した状態となる。右上ロック部RU22及び下ロック部RU23が下部扉DD1にロックされることで、リールユニットRUを回動不可状態に維持することができる。
(下ドア機構DD:リール装置RU)
図82に示すように、リール装置RUは、3つのリールユニットRU1と、リールベースRU2と、リールカバーRU3とを有している。3つのリールユニットRU1は、左右方向に並列状態(横一列)に配置される。左側のリールユニットRU1はリールRLを有し、中央のリールユニットRU1はリールRCを有し、右側のリールユニットRU1はリ
ールRRを有している。各リールユニットRU1は、リールベースRU2によって夫々独立して支持される。リールベースRU2は、開放面を有した箱状に形成され、各リールユニット1を一部露出した状態で収容する。リールベースRU2は、この開放面を覆うようにリールカバーRU3がネジ締結により取り付けられる。リールカバーRU3がリールベースRU2に取り付けられた状態において、各リールユニットRU1におけるリールRL,RC,RRの中央部から上部に至る外周面が、リールベースRU2から露出された状態となる。これにより、リールRL,RC,RRの各々の外周面に描かれた図柄が視認可能となる。
また、リールユニットRU1は、リールの軸を支持し、リールの駆動力となるモータが取り付けられる支持板であるモータ取付板RU11を有している。モータ取付板RU11は、リールユニットRU1の右側に配置され、リールを回転可能に支持する。即ち、隣接するリールユニットRU1の間に挟まれるように配置されることになる。モータ取付板RU11は、前方部分を形成する前方部RU11aを有している。前方部RU11aは、側面視略弓形形状に形成されており、側面視において前記リールと略同一形状に形成されている。なお、弓形とは、円弧と、当該円弧の端部同士を結んだ弦とで囲まれた図形である。
具体的に、モータ取付板RU11は、側面視略弓形形状の前方部RU11aと、側面視において該弓形を規定する円弧の両端部から後方に向かって連続的に形成された形状(例えば、側面視略矩形状)の後方部RU11bとにより構成されている。なお、モータ取付板RU11は、リールを直接支持するものであってもよいし、他の部材を介してリールを間接的に支持するものであってもよい。
側面視においてリールと略同一形状に形成されたモータ取付板RU11の前方部分は、対向するリールの前方部分と略同一の大きさであり、両者は重なり合っていることが望ましい。すなわち、一方の側面から見たときには、モータ取付板RU11の前方部分がリールによって略完全に覆われており、他方の側面から見たときには、支持板の前方部分によって当該部分に対向するリールの部分が略完全に覆われていることが望ましい。これにより、モータ取付板RU11に対して仕切板としての機能を付与することと、遊技機の美観を維持することとを、バランスよく実現することができる。
(下ドア機構DD:リール装置RU:リールユニットRU1)
図83を用いて、リールユニットRU1について説明する。尚、3つのリールユニットRU1は、夫々同様の構成を有しているため、右側のリールユニットRU1のみについて説明を行う。
図83に示すように、リールユニットRU1のモータ取付板RU11には、リールインデックスRU111と、センサ部RU112と、モータ駆動部RU113と、駆動制御基板RU114とが配設されている。リールインデックスRU111は、モータ取付板RU11の中央部に配置されている。センサ部RU112は、リールインデックスRU111の後方に配置されている。モータ駆動部RU113は、リールインデックスRU111の上方に配置されている。
リールRRは、リールドラムRR1を有している。リールドラムRR1は、筒形形状に形成され、複数の図柄が配されたリール帯RR2が巻回され固定される。リールドラムRR1は、この筒状部の左側(モータ取付板RU11と反対側)の面に、中心から放射状、及び、外周円よりも小さい同心円に、剛性を高めるためのフレームが配設されている。このフレームは、中央部が右方向(筒状内部側)に窪んだ形状となっている。リールドラムRR1には、中心軸を同じとする回転ギアRR3が筒状内部の左側(フレーム側)に配置
されている。即ち、リールドラムRR1の内部において、回転ギアRR3の右側(モータ取付板RU11)に、リールインデックスRU111、センサ部RU112、及び、モータ駆動部RU113が配置されることになる。また、リールドラムRR1には、筒状内部の径方向内壁面には、停止表示されたリールRRに配された図柄を背後から照明するバックライトRR4が配置されている。
(リール帯RR2の図柄の立体的表示構造)
本発明の実施形態では、複数の図柄が配されたシート状の図柄表示体として、リール帯RR2がリールドラムRR1に取り付けられている。そして、リールドラムRR1の内部に配されて発光するバックライトRR4によって、リール帯RR2の背後から光を照射することにより、遊技者の視覚に対して立体感のある図柄の表示を行っている。
複数の図柄が配されたリール帯RR2は、シート状の透明または半透明のフィルム材からなり、各図柄はこのフィルム材の裏面に光透過性有色インクで印刷されて描かれている。例えば、「赤7」は、その図柄の輪郭部分を光透過性黒色インクで着色し、輪郭の内部を光透過性赤色インクで着色している。そして、リール帯RR2はこの光透過性有色インクによる各図柄の印刷後、各図柄以外の背景部分を遮光性のインクにより印刷している。このような構成により、リール帯RR2の背後からバックライトRR4により照射された光は、図柄を構成する各透過領域を透過し、遊技者に対して図柄を明確に視認させることができる。
また、本発明の実施形態では、バックライトRR4に照らし出されたリール帯RR2の各図柄が立体感のある状態で視認されるように各図柄が印刷されている。図86には図柄1の例として花火が爆発した様子を模した花火図柄2が示されているが、花火中心部の光透過性有色インクの光透過率を最も高くし、花火図柄2の中心から外側に向かって徐々に光透過率を低くしてリール帯RR2に花火図柄2を印刷している。さらに、花火図柄2の背景部分3を遮光性のインクにより印刷しているため、花火図柄2が鮮やかに浮かび上がるとともに、中心から広がる花火図柄2を外側に向かって徐々に光透過率を低くすることで遊技者は花火図柄2に対して立体感を知覚できるよう構成されている。
つまり、視認対象となる図柄構成部分のうち、手前に見せたい部分の透過領域は使用する光透過性有色インクの光透過率を高くして明るく見せ、逆に、奥側に見せたい部分の透過領域は光透過性有色インクの光透過率を低くして暗く見せることで、立体感を表現している。
(変形例)
本発明の実施形態では、図86に花火図柄2を例示して、花火図柄2の中心から外側に向かって徐々に光透過率を低くする構成を説明したが、これに限られるものではなく、例えば、数字や記号、様々な絵柄に対して、光透過率の異なる複数の透過領域を印刷するようにしてもよい。このような構成により、様々な図柄に対して立体感のある表現が可能となる。
また、本発明の実施形態では、リール帯RR2に印刷した図柄において光透過率の異なる複数の透過領域を設けて、図柄に対する立体感を表現したが、これに限られるものではなく、遊技機を構成する装飾部材に適用してもよい。さらに、台間装置や遊技機設置島に設けられる装飾部材に適用してもよい。
なお、液晶表示装置等を使用して図柄を表示する際に、複数の異なる輝度または照度にて図柄を構成して表示することも可能であるが、本願発明では、シート状のフィルムに、光透過率の異なる複数の透過領域によって図柄を構成しているため、輝度や照度を制御す
るプログラムを作成する必要はなく、同じ色でも光の透過率を変化させてフィルムに印刷するなどして、光源からの一定の光量によって、立体的な表示を非常に低コストで簡単に行うことが可能である。
モータ駆動部RU113は、ステッピングモータ49L,49C,49Rと、回転ギアRR3に歯合する駆動ギアとを有し、リールRRを回転させるためのステッピングモータ49Rからの動力が回転ギアRR3によって伝達される。ステッピングモータ49L,49C,49Rは、駆動制御基板RU114から供給される駆動パルスの数だけ回転される。即ち、駆動制御基板RU114から供給される駆動パルスの数によって、基準位置からリールRRがどれだけ回転されたか(変位の程度)を特定することができる。モータ駆動部RU113は、主制御基板MSからの制御信号に従い、駆動制御基板RU114によって回転の開始及び停止の制御が行われる。具体的には、遊技者によるスタートレバーDD6等の開始指令手段への操作に応じて開始指令信号が主制御基板MSへ送信される。主制御基板MSは、開始指令信号を検出したことを契機として、開始制御信号を駆動制御基板RU114へ送信する。駆動制御基板RU114は、開始制御信号を検出したことを契機として、モータ駆動部RU113を駆動し、リールRRが回転される。これにより、リールRRに配された図柄が変動表示される。また、遊技者による停止ボタンDD7R等の停止指令手段への操作に応じて停止指令信号が主制御基板MSへ送信される。主制御基板MSは、停止指令信号を検出したことを契機として、停止制御信号を駆動制御基板RU114へ送信する。駆動制御基板RU114は、停止制御信号を検出したことを契機として、モータ駆動部RU113を駆動し、リールRRが停止される。これにより、リールRRに配された図柄が停止表示される。
(下ドア機構DD:リール装置RU:リールユニットRU1:リールインデックスRU111)
リールインデックスRU111は、リールシャフトRU1111と、検知片RU1112と、接続板RU1113とを有している。リールシャフトRU1111は、リールインデックスRU111において、左右方向を中心軸として回転自在にされている。リールシャフトRU1111は、左側の端部において回転ギアRR3の回転軸に接続固定可能であり、回転ギアRR3の回転に伴って回転されるようになっている。即ち、モータ駆動部RU113によってリールRRが回転されることで、リールシャフトRU1111が回転されることになる。検知片RU1112は、側面視において、円弧状の外周辺と円弧状の内周辺とによって囲まれた図形の形状に形成されている。本実施形態では、検知片RU1112の外周辺及び内周辺の円弧の角度は夫々180度に設定されており、中央に同心円の開口を有した円板を中心点を通る線で切断した形状にされている。検知片RU1112の内周辺内側には、当該内周辺に沿うように、円板状の接続板RU1113が接続されている。接続板RU1113は、中心に円状の孔が設けられており、リールシャフトRU1111が挿入され固定されている。このように、リールインデックスRU111は、リールシャフトRU1111を介して回転ギアRR3に接続される。従って、リールインデックスRU111と、回転ギアRR3とは別部材で夫々形成されている。尚、回転ギアRR3には、摺動性の高い素材を用いることが好ましい。また、リールインデックスRU111における検知片RU1112には、帯電防止機能に優れた素材を用いることが好ましい。
これにより、図84に示すように、検知片RU1112は、リールシャフトRU1111(リールRR)の回転に伴って、リールシャフトRU1111の回転軸を中心に、図中矢印で示されるように、円周RUDに沿って回転されるようになっている。センサ部RU112は、この円周RUD上の図中星印で示される検知点RUPが検知位置となるようにモータ取付板RU11に配設されている。即ち、検知片RU1112が、検知点RUPに存在するか否かがセンサ部RU112によって検知される。
図85を参照して、検知片RU1112と、検知状態との関係を説明する。以下において、リールRRの回転が継続され続けているものとする。先ず、ステップSRU1においては、検知片RU1112の一端が検知点RUPに達し(オンエッジ)、センサ部RU112によって検知片RU1112の検出が開始される。このとき、主制御基板MSは、検知片RU1112が検知されていない状態から検知されている状態に変化したことで、リールRRの基準位置(第1基準位置)を検出する。その後、検知片RU1112が検知点RUPに存在し続けている間は、センサ部RU112によって検知片RU1112が検知された状態が継続される(SRU2)。そして、検知片RU1112の他端が検知点RUPに達し(オフエッジ)、センサ部RU112による検知片RU1112の検出が終了される(SRU3)。このとき、主制御基板MSは、検知片RU1112が検知されている状態から検知されていない状態に変化したことで、リールRRの基準位置(第2基準位置)を検出する。即ち、検知片RU1112は、リールRRの位置が第1基準位置となった後第2基準位置となるまでの間、センサ部RU112によって継続的に検知される。その後、再度、検知片RU1112の一端が検知点RUPに達するまで、センサ部RU112によって検知片RU1112が検知されない状態が継続される(SRU4)。
このように、リールRRが半周する毎に第1基準位置及び第2基準位置が交互に検出され、検出された第1基準位置、又は、第2基準位置に基づいて、リールRRの位置が特定される。具体的に、主制御基板MSは、直前に検出した基準位置(第1基準位置、又は、第2基準位置)に対して、主制御基板MSの制御に基づいて駆動制御基板RU114から供給される駆動パルスの数に対応する変位を付加することで、リールRRの位置を特定する。このように、主制御基板MSは、センサ部RU112による検知片RU1112の検知に基づいてリールRRが基準位置(第1基準位置、又は、第2基準位置)に至ったか否かを特定する基準位置特定手段として機能する。また、主制御基板MS、及び、駆動制御基板RU114は、回転に伴うリールRRの基準位置(第1基準位置、又は、第2基準位置)からの変位の程度を特定するリール位置特定手段として機能する。
上述のように、検知片RU1112は、円弧状の外周辺と円弧状の内周辺とによって囲まれた図形の形状に形成されており、円弧の角度が夫々180度に設定されている。そのため、リールRRにおける第1基準位置及び前記第2基準位置が、リールRRの中心軸を通る直線上に中心軸を挟んで対向配置されていることになる。
このように、センサ部RU112によって検知片RU1112が検知されていない状態から、センサ部RU112によって検知片RU1112が検知されている状態に変化したことを検出することで、リールRRの第1基準位置を特定することができる。また、このように、センサ部RU112によって検知片RU1112が検知されている状態から、センサ部RU112によって検知片RU1112が検知されていない状態に変化したことを検出することで、リールRRの第2基準位置を特定することができる。このように、リールRRが1回転する間に2回のリールの基準位置を検出することが可能であり、センサを2つ設けた場合と同様の効果が得られる。
尚、検知片が回転する円周経路上において、第1基準位置に対応する位置から円周経路上に沿って第2基準位置に対応する位置に至る領域を含み、第2基準位置に対応する位置から円周経路上に沿って第1基準位置に対応する位置に至る領域を含まない形状を有していれば、検知片の形状は限定されない。
(下ドア機構DD:リール装置RU:リールユニットRU1:センサ部RU112)
図87に示すように、モータ取付板RU11の左側面(リール取り付け側面)を底面として、センサ部RU112が載置されるように螺子締結されている。センサ部RU112は、センサRU1121と、台座部材RU1122とを有している。センサRU1121
は、リールRRの回転に伴って所定の円周に沿って回転する検知片RU1112を検出する透過型センサである。センサRU1121は、中央が窪んだ断面凹状に形成されており、窪み方向とリールインデックスRU111のリールシャフトRU1111の中心軸が直交するように設けられている。センサRU1121は、リールインデックスRU111の検知片RU1112の回転面の縁部がセンサRU1121の窪み内側空間を通過するように、モータ取付板RU11に、台座部材RU1122を介して取り付けられている。
図88、及び、図89に示すように、台座部材RU1122は、上下に長手方向を有する台座ベース部RU1122gと、台座ベース部RU1122gの中央から左方向へ突出する台座柱部RU1122hとを有している。台座ベース部RU1122gは、長方形状の平板の上下方向に半円を延長させた形状を有している。台座ベース部RU1122gは、上下位置に、左右方向へ貫通する螺子孔RU1122a・RU1122bが開口されている。また、台座ベース部RU1122gは、長方形状部において、前側が凹状に形成されており、この凹側縁部中央に右方向へ突出する突出部RU1122jを有している。また、台座ベース部RU1122gは、長方形状部において、後側が凸状に形成されており、この凸側縁部中央に右方向へ円柱形状に突出する突出部RU1122kを有している。
台座柱部RU1122hは、左方向端部に上下に長手方向を有する平面を有し、当該平面の上下位置に螺子孔RU1122c・RU1122dを有している。また、台座柱部RU1122hは、左方向端部の平面が上下方向中央部から前方向へ突出されている。台座柱部RU1122hは、この突出箇所において前後方向に並列され左方向へ円柱形状に突出する突出部RU1122e・RU1122fを有している。
(モータ取付板RU11への台座部材RU1122の取り付け)
モータ取付板RU11は、台座部材RU1122における突出部RU1122f・RU1122gに対応する位置に嵌合孔RU11e・RU11fが形成されている。嵌合孔RU11e・RU11fに、突出部RU1122j・RU1122kが夫々嵌挿されることにより、モータ取付板RU11に対する台座部材RU1122の位置決めが行われる。また、モータ取付板RU11は、台座部材RU1122における螺子孔RU1122a・RU1122bに対応する位置に螺子孔RU11c・RU11dが形成されている。台座部材RU1122側から右方向へ、螺子RU1124aを螺子孔RU1122aと螺子孔RU11cとに螺合させ、螺子RU1124bを螺子孔RU1122bと螺子孔RU11dとに螺合させることで、モータ取付板RU11に対して台座部材RU1122が螺子締結される。
ここで、図90を参照して、モータ取付板RU11に対する台座部材RU1122の取り付け位置に関して説明する。図90に示すように、モータ取付板RU11において、螺子孔RU11cと、螺子孔RU11dとが、直線RUDA上に配置されている。そして、直線RUDAに略垂直な直線RUDB上の2点に、嵌合孔RU11eと、嵌合孔RU11fとが配置されている。また、嵌合孔RU11eと、嵌合孔RU11fとは、直線RUDAを境として互いに反対側に位置している。直線RUDBは、螺子孔RU11cと、螺子孔RU11dとを結ぶ線分を二等分した中心を通過する直線である。ここで、嵌合孔RU11fは、直線RUDB方向へ長手方向を有している。これにより、台座部材RU1122において2つの位置決め突起部を成形する上での間隔の誤差を許容することができる。また、嵌合孔RU11fの長手方向は、センサRU1121の検知位置における検知片RU1112の回転の接線方向と略垂直にされる。これにより、長手方向を有する嵌合孔RU11fにおいて台座部材RU1122との位置ずれが生じたとしても、センサRU1121による基準位置の誤検知を防止することが可能となっている。
(台座部材RU1122へのセンサRU1121の取り付け)
センサRU1121は、台座部材RU1122の左方向端部の平面に係合し、この台座部材RU1122の左方向端部の平面と形状が略等しい平面を有している。即ち、センサRU1121の右方向端部に位置する当該平面は、上下に長手方向を有し、上下方向中央部から前方向へ突出されている。台座柱部RU1122hは、この突出箇所において前後方向に並列される嵌合孔RU1124e・RU1124fが形成されている。また、当該平面の上下位置に、左右方向へ貫通する螺子孔RU1121a・RU1121bが開口されている。螺子孔RU1121bは、上下に長手方向を有する長穴状に形成されている。嵌合孔RU1124e・RU1124fは、台座部材RU1122の突出部RU1122e・RU1122fに対応する位置に配設されており、夫々嵌挿されることにより、台座部材RU1122に対するセンサRU1121の位置決めが行われる。また、センサRU1121は、センサRU1121側から右方向へ、螺子RU1123aを螺子孔RU1121aと螺子孔RU1122cとに螺合させ、螺子RU1123bを螺子孔RU1121bと螺子孔RU1122dとに螺合させることで、台座部材RU1122に対してセンサRU1121が螺子締結される。
ここで、図91を参照して、台座部材RU1122に対するセンサRU1121の取り付け位置に関して説明する。図91に示すように、台座部材RU1122において、螺子孔RU1122cと、螺子孔RU1122dとが、直線RUDC上に配置されている。そして、直線RUDCに略垂直な直線RUDD上の2点に、突出部RU1122eと、突出部RU1122fとが配置されている。また、突出部RU1122eと、突出部RU1122fとは、直線RUDCよりもセンサRU1121が検知片RU1112を検出する側に位置している。直線RUDDは、螺子孔RU1122cと、螺子孔RU1122dとを結ぶ線分を二等分した中心を通過する直線である。ここで、螺子孔RU1122dと共に螺子締結されるセンサRU1121の螺子孔RU1122bは、直線RUDC方向へ長手方向を有している。これにより、センサRU1121において2つの螺子止め箇所を成形する上での間隔の誤差を許容することができる。
(上ドア機構DU)
図92に示すように、キャビネットG(筐体に相当)は、左端部において上ドア機構DU(扉に相当)を回転自在に軸支している。上ドア機構DUとキャビネットGとは、上側ヒンジ機構UHにより連結されており、上側ヒンジ機構UHは、図93及び図94に示すように、上ドア機構UDの左端部に取付けられたスライド部材UH1と、キャビネットGの上部空間の左端部に取付けられた軸部材UH2とを有している。
スライド部材UH1は、図94に示すように、一枚の板が3か所で折り曲げられ、溝UH11を形成している。この溝UH11には、上方(U方向)から、軸受機構UH12、位置決め部UH14、係合凸部UH15、軸受機構UH13、係合凸部UH16が設けられている。
軸受機構UH12・UH13は、長方体形状をしており、螺子によりスライド部材UH1に取付けらえている。軸受機構UH12・UH13の底部には、後述する軸部UH21・UH22に重合して係合される軸受部UH121・UH131が形成されている。軸受部UH121・UH131は、軸受機構UH12・UH13の底部において略円形状に開口されており、この開口の周縁から上方に向けて経口が小さくなった形状をしている。なお、軸受部UH121・UH131の開口の中心を溝UH11に沿って上方に向いた方向を軸線UH121Aと定義する。
位置決め部UH14は、後述する軸部材UH2の支持部UH25の湾曲面と当接して、軸部UH21の軸受部UH121に対する位置決めができるように、湾曲形状をしている。
係合凸部UH15・UH16は、溝UH11から水平方向に突出した薄板形状をしている。係合凸部UH15・UH16は、後述する係合凹部UH23・UH24に係合する役割を果たす。
軸部材UH2は、一枚の板を折り曲げて形成されている。軸部材UH2には、上方から、支持部UH25の上面から突出した軸部UH21と、支持部UH25と、係合凹部UH23と、支持部UH26の上面から突出した軸部UH22と、支持部UH26と、係合凹部UH24が設けられている。
軸部UH21・UH22は、円錐形状をしている。軸部UH21・UH22は、軸受部UH121・UH131に重合して係合する役割を果たす。
支持部UH25・UH26は、軸部材UH2に設けられており、上面に軸部UH21・UH22を設けている。また、支持部UH25の側面は湾曲形状をしており、位置決め部UH14の湾曲面と当接することにより、軸部UH21の軸受部UH121に対する位置決めができる。
支持部UH25・UH26の側面から延長された係合板UH27・UH28には、横長に開かれた係合凹部UH23・UH24が形成されている。係合凹部UH23・UH24は、係合凸部UH15・UH16と係合する役割を果たす。
そして、上ドア機構DUのスライド部材UH1の軸受部UH121・UH131を、キャビネットGの軸部材UH2の軸部UH21・UH22に、上方から下方に被せるようにスライドさせて重合させ係合することにより、上ドア機構DUをキャビネットGに取付けることが可能となる。このとき係合凸部UH15・UH16と係合凹部UH23・UH24とが係合しないように、上ドア機構DUは、キャビネットGに対して90°に開いた状態で取付作業を行うことが望ましい。
ここで、本実施形態では、係合凸部UH15・UH16はキャビネットG側に突出しているが、この突出高さは、上ドア機構DUが、キャビネットGに対して60°に開いた状態(図92参照)で、係合凸部UH15・UH16の係合凹部UH23・UH24に対する係合が解除される高さである。これにより、上ドア機構DUを、キャビネットGに対して60°に開いた時に、上ドア機構DUのスライド部材UH1の軸受部UH121・UH131を、キャビネットGの軸部材UH2の軸部UH21から、軸線UH121Aの上方にスライドさせることにより、係合凸部UH15・UH16の係合凹部UH23・UH24に対する規制が解除された状態で、上ドア機構DUを上方にスライドさせて、キャビネットGから取り外すことが可能となる。
なお、係合凸部UH15・UH16の突出高さを、本実施形態よりも低くすれば、上ドア機構DUをキャビネットGに対して60°よりも小さい角度で、係合凸部UH15・UH16の係合凹部UH23・UH24に対する規制を解除することができ、上ドア機構DUを上方にスライドさせて、キャビネットGから取り外すことが可能となる。一方、係合凸部UH15・UH16の突出高さを、本実施形態よりも高くすれば、上ドア機構DUをキャビネットGに対して60°よりも大きい角度で、係合凸部UH15・UH16の係合凹部UH23・UH24に対する規制を解除することができ、上ドア機構DUを上方にスライドさせて、キャビネットGから取り外すことが可能となる。
上記構成によれば、上ドア機構DUがキャビネットGに対して所定の角度(本実施形態では60°)に開くまでは、係合凸部UH15・UH16が係合凹部UH23・UH24
に係合し、軸受部UH121・UH131が軸線UH121Aに沿ってスライドするのを規制する。これにより、軸部UH21・UH22と軸受部UH121・UH131との重合が解除されるのを規制し、上ドア機構DUがキャビネットGから取り外されるのをロックすることができる。
一方、上ドア機構DUがキャビネットGに対して所定の角度以上に開くと、係合凸部UH15・UH16の係合凹部UH23・UH24に対する係合が解除され、軸受部UH121・UH131が軸線UH121Aに沿ってスライド可能となる。これにより、軸部UH21・UH22と軸受部UH121・UH131との重合が解除され、上ドア機構DUをキャビネットGから取り外すことができるようになる。
即ち、上ドア機構DUをキャビネットGに対して所定の角度以上に開放した場合にだけ、上ドア機構DUをキャビネットGから取り外すことが可能となる。
また、上ドア機構DUを開放状態(90°の開放)まで開かなくても、上ドア機構DUをキャビネットGから取り外すことができる。
図95に示すように、上ドア機構UDは、上述の表示ユニットAの映像を前方に透過させる上側表示窓UD1の上側及び左右側の各領域を発光させる機構を備えている。具体的には、上側表示窓UD1の上方に配置されたトップパネル機構HAと、上側表示窓UD1の左上方向に配置された左上パネル機構HBと、上側表示窓UD1の右上方向に配置された右上パネル機構HCと、上側表示窓UD1の左方向上部に配置された左横パネル機構HDと、上側表示窓UD1の右方向上部に配置された右横パネル機構HEと、上側表示窓UD1の左方向下部に配置された左前パネル機構HFと、上側表示窓UD1の右方向下部に配置された右前パネル機構HGとを有している。各パネル機構HA・HB・HC・HD・HE・HF・HGの詳細は後述する。
図96に示すように、上ドア機構UDの骨格を成すパネルベースHHを有している。パネルベースHHの前面側には、上述のパネル機構HA・HB・HC・HD・HE・HF・HGが設けられている。一方、パネルベースHHの裏面側には、上ドア鍵受部材HKと上ドアヒンジ部材HMとセンターフレームHLとが設けられている。上ドア鍵受部材HKは、パネルベースHHの右辺部にネジ締結されている。上ドアヒンジ部材HMは、パネルベースHHの左辺部にネジ締結されている。センターフレームHLは、水平配置されており、右端部及び左端部がそれぞれ上ドア鍵受部材HK及び上ドアヒンジ部材HMの下端部に接続されている。上ドア鍵受部材HK、上ドアヒンジ部材HM及びセンターフレームHLには、透明パネルUD11が設けられている。透明パネルUD11は、後方からネジ締結により取付け可能にされている。
(上ドア機構UD:トップパネル機構HA:装飾ユニットHA1)
図97に示すように、トップパネル機構HAは、上ドア機構UDの上部を発光させながら装飾する装飾ユニットHA1を有している。装飾ユニットHA1は、上側表示窓UD1よりも前方に突出された装飾凸部を形成している。装飾ユニットHA1は、光を拡散させて装飾凸部表面から均一に放出させるシームレス構造のトップレンズ導光板HA14を備えている。これにより、複数の部品を接合して装飾ユニットHA1の導光板とした場合は、部品間の導光片の繋ぎ目部分に負荷が集中することになるが、シームレス構造のトップレンズ導光板HA14であれば、負荷が一部分に集中するという事態を回避することができる。この結果、シームレス構造のトップレンズ導光板HA14を備えた装飾ユニットHA1により形成された装飾凸部は、全体として大きな剛性及び強度を有するため、遊技機の前方に位置する遊技者等から外力が付与された場合でも、変形や破損を起こし難いものになっている。
装飾ユニットHA1は、パネルベースHHに接続された後端部が上ドア機構UDの左右方向の幅に略一致されており、パネルベースHHの左右方向の両端部から前端側にかけて
左右方向の幅が減少され、前端中央部に頂点を有した形状に形成されている。即ち、装飾ユニットHA1は、パネルベースHH側を底辺とする略二等辺三角形状の形態を有している。
これにより、装飾ユニットHA1は、パネルベースHHから遠ざかる前端部に近づくに従って曲げモーメントが増大することになっても、前端部側の左右方向の幅を減少させて重量を減少させることによって、剛性及び強度が高められている。この結果、装飾ユニットHA1は、前側領域が大きな剛性及び強度を有するため、前方に位置する遊技者との接触等により外力が付与された場合でも、変形や破損を起こし難いものになっている。
装飾ユニットHA1は、トップレンズカバーHA11とトップデザインシートカバーHA12とデザインシートHA13とトップレンズ導光板HA14とトップレンズ導光板ベースHA15とを上側からこの順に配置した状態で有している。また、装飾ユニットHA1は、トップレンズ左LED基板HA17とトップレンズ右LED基板HA18とを有している。トップレンズ左LED基板HA17及びトップレンズ右LED基板HA18は、装飾ユニットHA1の後端部における左側部及び右側部にそれぞれ配置されている。トップレンズ左LED基板HA17及びトップレンズ右LED基板HA18は、複数のLEDHA17a・HA18aを左右方向に等間隔で有しており、これらのLEDHA17a・HA18aから光を前方に出射するように設置されている。
トップレンズカバーHA11は、装飾ユニットHA1の上面壁を構成しており、光を透過可能に形成されている。トップレンズ導光板HA14は、トップレンズ左LED基板HA17及びトップレンズ右LED基板HA18からの光を後端面から取り込んで上面から均一に放出するように形成されており、デザインシートHA13のデザインをトップデザインシートカバーHA12を介してトップレンズカバーHA11に表示させるようになっている。トップレンズ導光板ベースHA15は、装飾ユニットHA1の下面壁を構成しており、光を透過させないように形成されている。
装飾ユニットHA1は、トップレンズ導光板ベースHA15とトップレンズカバーHA11とで中空部を形成し、この中空部にトップデザインシートカバーHA12とデザインシートHA13とトップレンズ導光板HA14とを収容している。これにより、トップレンズ導光板ベースHA15やトップレンズカバーHA11、トップレンズ導光板HA14等を単純に積層して板状に形成した場合よりも、断面二次モーメントの大きな剛性の高い形態にされている。
さらに、トップレンズ導光板ベースHA15には、開口部HA15aが形成されている。開口部HA15aは、後述のトップレンズ中LED基板HA411に対向配置されている。開口部HA15aには、トップレンズ中LED基板隠し部材HA16が設けられており、トップレンズ中LED基板隠し部材HA16は、トップレンズ中LED基板HA411のリフレクタとして機能していると共に、開口部HA15aの開閉窓として機能している。尚、トップレンズ中LED基板隠し部材HA16は、トップレンズ中LED基板HA411からの光の一部を透過するように形成されていてもよい。
図98に示すように、装飾ユニットHA1は、前側領域が下方に湾曲されている。これにより、装飾ユニットHA1は、上ドア機構UDの前側上方と前方とに光を透過してデザインを目視可能にされている。また、トップレンズ導光板HA14の下面は、光を反射するリフレクタとされている。これにより、装飾ユニットHA1は、トップレンズ左LED基板HA17及びトップレンズ右LED基板HA18からの光が、下方に湾曲された前側領域を進行する際に、光の一部を裏面のリフレクタで反射角度を前側斜め下方向に変化させることを可能にしている。
装飾ユニットHA1の後方には、照射光装置Bが配置されている。ここで、装飾ユニットHA1の後方は、装飾ユニットHA1が前方に突出されているため、突出された分だけ大きなスペースが確保されている。これにより、装飾ユニットHA1は、大きなスペースに設けられる上述のミラーによる光反射型の照射光装置Bについて、ミラーの配置の自由度を拡大することができる。さらに、装飾ユニットHA1は、剛性及び強度が高いため、照射光装置Bを十分に保護することが可能になっている。
図99に示すように、装飾ユニットHA1におけるトップレンズカバーHA11は、下方に湾曲された前側領域が水平方向に配置された装飾ユニット支持機構HIにより支持されている。装飾ユニット支持機構HIは、トップレンズカバーHA11の裏面から後方に水平方向に突出された水平突出部HA11aと、パネルベースHHの前面から前方に水平方向に突出された水平突出部HH1と、水平突出部HA11a・HH1同士をネジ締結した連結ネジHH2とを左右方向に複数組み有している。
これにより、装飾ユニットHA1は、下方に湾曲された前側領域の裏面が、水平配置された装飾ユニット支持機構HIを介してパネルベースHHに連結されることによって、前側領域の裏面が装飾ユニット支持機構HIにより水平方向に支持された状態になる。従って、装飾ユニットHA1は、前側領域が前後方向に大きな剛性及び強度を有する構造にされている。
(上ドア機構UD:トップパネル機構HA:左端発光機構HA2、右端発光機構HA3)
図100に示すように、トップパネル機構HAは、上ドア機構UDの左端領域を面状に発光させる左端発光機構HA2と、上ドア機構UDの右端領域を面状に発光させる右端発光機構HA3とを有している。具体的に説明すると、左端発光機構HA2は、左上スピーカ装置UD2の左後方に配置されている。左端発光機構HA2は、左LED基板HA21を有している。左LED基板HA21は、基板表面が前側を向くように設定されている。左LED基板HA21の基板表面には、2個のLEDHA22が配置されている。これらのLEDHA22は、基板表面の法線方向に光を出射するように設定されており、左上スピーカ装置UD2の左側の領域(上ドア機構UDの左端領域)を所定以上の光強度で発光させるようになっている。
一方、右端発光機構HA3は、右上スピーカ装置UD3の右後方に配置されている。右端発光機構HA3は、右LED基板HA31を有している。右LED基板HA31は、基板表面が前側を向くように設定されている。右LED基板HA31の基板表面には、2個のLEDHA32が配置されている。これらのLEDHA32は、基板表面の法線方向に光を出射するように設定されており、右上スピーカ装置UD3の右側の領域(上ドア機構UDの右端領域)を所定以上の光強度で発光させるようになっている。
(上ドア機構UD:トップパネル機構HA:中央発光機構HA4)
トップパネル機構HAは、さらに中央発光機構HA4を有している。中央発光機構HA4は、左端発光機構HA2及び右端発光機構HA3間である上ドア機構UDの中央側に配置されている。中央発光機構HA4は、左端発光機構HA2及び右端発光機構HA3では所定以上の光強度で発光させることが困難な領域を発光させるように構成されている。
具体的に説明すると、中央発光機構HA4は、左端領域側の左周辺領域及び右端領域側の右周辺領域を発光させる第1照光機構HA41と、装飾ユニットHA1の前端部を発光させる第2照光機構HA42と、装飾ユニットHA1の下側部を発光させる第3照光機構HA43とを有している。尚、本実施形態においては、第1照光機構HA41が左端領域側の左周辺領域及び右端領域側の右周辺領域の両領域を発光させる構成について説明する
が、これに限定されるものではなく、第1照光機構HA41が左端領域側の左周辺領域及び右端領域側の右周辺領域の少なくとも一方の領域を発光させる構成にされててもよい。
(上ドア機構UD:トップパネル機構HA:中央発光機構HA4:第1照光機構HA41)
図101にも示すように、第1照光機構HA41は、装飾ユニットHA1における略中央部の下側に配置されたトップレンズ中LED基板HA411を有している。中央発光機構HA4は、トップレンズ中LED基板HA411から出射された光を導光機構により左周辺領域及び右周辺領域に導光することによって、左端発光機構HA2や右端発光機構HA3では導光し難い領域においても、所定以上の光強度で発光させることができるように構成されている。即ち、第1照光機構HA41は、トップレンズ中LED基板HA411の上面に設けられた複数の上側光源となるLEDHA4111と、トップレンズ中LED基板HA411の下面及び側面を覆うように配置されたトップレンズ中リフレクタHA412とを有している。尚、トップレンズ中LED基板HA411の上面は、図97の装飾ユニットHA1のトップレンズ中LED基板隠し部材HA16により覆われており、このトップレンズ中LED基板隠し部材HA16がLEDHA4111の光を反射するリフレクタとして機能している。
トップレンズ中LED基板HA411の上面には、LEDHA4111からの光を左右の上側導光領域に導光して面状に発光させる透光性の左導光レンズHA413と透光性の右導光レンズHA414とをトップレンズ中LED基板HA411を中心として左右対称に配置した構成の上側導光機構が設けられている。具体的に説明すると、トップレンズ中LED基板HA411の左端部上面には、水平配置された左導光レンズHA413の右端部が配置されており、この右端部の端面からLEDHA4111の光を入射可能にされている。左導光レンズHA413は、左端部が左上スピーカ装置UD2の上方に位置されており、中部から左端部にかけて光を上方に出射することによって、上ドア機構UDの左端領域から中心側の上側導光領域を発光させるようになっている。即ち、左導光レンズHA413は、トップパネル機構HAの上側左後端領域の上側導光領域HA5a(図95参照)を発光させるようになっている。
一方、トップレンズ中LED基板HA411の右端部上面には、水平配置された右導光レンズHA414の左端部が配置されており、この左端部の端面からLEDHA4111の光を入射可能にされている。右導光レンズHA414は、右端部が右上スピーカ装置UD3の上方に位置されており、中部から右端部にかけて光を上方に出射することによって、上ドア機構UDの右端領域から中心側の領域(上側導光領域)を発光させるようになっている。即ち、右導光レンズHA414は、トップパネル機構HAの上側右後端領域の上側導光領域HA5b(図95参照)を発光させるようになっている。
図102に示すように、トップレンズ中LED基板HA411の下面には、下側光源からの光を下側導光領域に導光して面状に発光させる下側導光機構が設けられている。具体的に説明すると、トップレンズ中LED基板HA411の下面には、下側光源となるLEDHA4112が複数設けられている。トップレンズ中LED基板HA411の右端部下面には、水平配置された透光性の右ダウンライトレンズHA415の左端部が配置されており、この左端部の端面からLEDHA4112の光を入射可能にされている。右ダウンライトレンズHA415は、右端部が右上スピーカ装置UD3の上方に位置されており、中部から右端部にかけて光を下方に出射することによって、上ドア機構UDの左端領域から中心側の下側導光領域を発光させるようになっている。即ち、右ダウンライトレンズHA415は、パネルベースHHの右上スピーカ装置UD3の前方領域である下側導光領域HA5d(図95参照)周辺を照射し、非透光性の下側導光領域HA5d周辺の部材がリフレクタとして機能されることで発光される。また、下側導光機構は、右ダウンライトレ
ンズHA415と同一構成の図示しない左ダウンライトレンズを有している。左ダウンライトレンズ及び右ダウンライトレンズHA415は、トップレンズ中LED基板HA411を中心として左右対称に配置されている。即ち、左ダウンライトレンズは、パネルベースHHの左上スピーカ装置UD2の前方領域である下側導光領域HA5c(図95参照)周辺を照射し、非透光性の下側導光領域HA5d周辺の部材がリフレクタとして機能されることで発光される。
(上ドア機構UD:トップパネル機構HA:中央発光機構HA4:第2照光機構HA42)
図101に示すように、第2照光機構HA42は、トップレンズ中LED基板HA411の下方に配置された中央レンズ上LED基板HA421を有している。中央レンズ上LEDHA421の上面には、複数のLEDHA4211が設けられている。LEDHA4211の下面は、中央レンズリフレクタHA422により覆われている。
図103に示すように、中央レンズ上LED基板HA421の上面は、トップレンズ導光板ベースHA15により覆われている。また、中央レンズ上LED基板HA421の下方には、透光性のセンターレンズA423が配置されている。センターレンズA423は、上端部がトップレンズ導光板ベースHA15とパネルベースHHとの隙間から中央レンズ上LED基板HA421が露出するように設けられており、上端部の端面からLEDHA4211の光を入射し、トップレンズ導光板ベースHA15の下端部に沿うように形成及び配置された下端面から出射するようになっている。
(上ドア機構UD:トップパネル機構HA:中央発光機構HA4:第3照光機構HA43)
第3照光機構HA43は、中央レンズ上LED基板HA421の後側に配置された中央下LED基板HA431を有している。中央下LED基板HA431は、前面の法線方向が前方向に略一致するように設けられている。中央下LED基板HA431の前面には、複数のLEDHA4311が設けられている。中央下LED基板HA431の前方には、透光性の中央下レンズHA432が配置されている。中央下レンズHA432は、パネルベースHHの下方に設けられており、LEDHA4311の光を装飾ユニットHA1における下側領域を発光させるようになっている。即ち、中央下レンズHA432は、内壁面に凹凸の装飾(図示せず)が施されており、LEDHA4311からの照射光が乱反射・乱屈折されて外部へ照射される。従って、中央下レンズHA432は、中央下レンズHA432の周辺の下側領域HA5e(図95参照)周辺を照射し、非透光性のを発光させるようになっている。
上述したリフレクタとして機能する部材は、反射率を高くするため、白色等の明度の高い色や、メタリックカラーで着色されることが好ましい。
(上ドア機構UD:左横パネル機構HD・右横パネル機構HE・左前パネル機構HF・右前パネル機構HG)
以下、左横パネル機構HD及び左前パネル機構HFを一体とした機構を左パネル機構HJとし、右横パネル機構HE及び右前パネル機構HGを一体とした機構を右パネル機構HKとして説明する。左パネル機構HJ及び右パネル機構HKは、演出装置としての3D液晶表示機構D前面の側方に配置される発光ユニットとして機能する。左パネル機構HJと右パネル機構Kとは、3D液晶表示機構Dを挟んで左右対称で同様に構成されるため、左パネル機構HJについてのみ説明を行う。
図104及び図105に示すように、左パネル機構HJは、仕切り部材として機能する仕切り機構HJ2と、側面透光部材として機能する左上側面レンズHJ3と、前面透光部
材として機能する左下レンズHJ4と、内側導光部材HJ5とを有している。左パネル機構HJは、後述する光源装置としての左LED基板HJ1を有しており、左LED基板HJ1からの光が、左上側面レンズHJ3、左下レンズHJ4、及び、左導光板HJ5から外部へ出射されるように構成される。
具体的に、図106及び図107に示すように、左パネル機構HJは、左上側面レンズHJ3と、左下レンズHJ4と、仕切り機構HJ2として機能する仕切り板HJ21及び左LED基板ケースHJ22と、左LED基板HJ1と、内側導光部材HJ5として機能する左導光板HJ51及び左LED基板カバーHJ52とを有している。
左LED基板HJ1は、基板表面の法線方向が前方向に略一致するように設定されている。左LED基板HJ1の前側表面には、4個のLEDHJ11と、6個のLEDHJ12とが配置されている。これらのLEDHJ11・LEDHJ12は、基板表面の法線方向(前方向)に光を出射するように設定されている。また、LEDHJ11・LEDHJ12が配置された表面とは反対側の左LED基板HJ1の表面には、6個のLEDHJ13が配置されている。これらのLEDHJ13は、基板表面の法線方向(後方向)に光を出射するように設定されている。
左LED基板HJ1は、上下方向に長手方向を有する平板状に形成されていると共に、上端領域が右方向へ幅広に形成されている。LEDHJ12は、この長手方向の左縁部に沿うように、上端から中央に掛けて略均等に1列に配設される。また、LEDHJ11は、中央部から左下端部へ傾きを持った直線上に、2個の組が当該組よりも広い間隔を有して1列に配設される。また、LEDHJ13は、LEDHJ11及びLEDHJ12とは反対側の面の右縁部に沿うように、中央領域上端から下端に掛けて略均等に1列に配設される。
左LED基板ケースHJ22は、正面視が左LED基板HJ1と略同形状に形成された左LED基板HJ1を前側から収容するケースである。左LED基板ケースHJ22には、LEDHJ11からの前方向への光を通過させるための貫通孔HJ221が、各LEDHJ11に対応する位置に夫々形成されている。また、左LED基板ケースHJ22には、LEDHJ12からの前方向への光を通過させるための貫通孔HJ222が、各LEDHJ12に対応する位置に夫々形成されている。即ち、4個の貫通孔HJ221が一直線上に配置されていると共に、6個の貫通孔HJ222が一直線上に配置されている。これら4個の貫通孔HJ221が形成される平面領域HJ22aと、6個の貫通孔HJ222が形成される平面領域HJ22bとは、左LED基板ケースHJ22の表面の中央左端から上端へ到る屈曲線によって区分される。平面領域HJ22aは、平面領域HJ22bよりも前方向へ高く設定され、段差HJ22cが形成されている。
図108に示すように、仕切り板HJ21は、側面視で頂点を前端に有する山形の形状を有している。具体的に、仕切り板HJ21は、平面領域HJ22bを底面とする略角錐形状に形成されている。仕切り板HJ21は、平面領域HJ22b側の底面と、左側面とが開放されている。また、仕切り板HJ21の上側壁面は、平面領域HJ22bの上縁から前方へ左右方向の幅が減少されながら下方向へ傾斜を持って頂点へ到達するように形成されている。また、仕切り板HJ21の右側壁面は、前方へ上下方向の幅が減少されながら左方向へ傾斜を持って頂点へ到達するように形成されている。このように、仕切り板HJ21の右側壁面は、段差HJ22cから延長されるように形成されている。即ち、仕切り板HJ21と段差HJ22cとは、左LED基板HJ1から前方向へ照射される光をLEDHJ11とLEDHJ12との夫々に区分することができるようになっている。
左上側面レンズHJ3は、周縁形状が仕切り板HJ21の開放された左側面に略一致す
る略三角形の平板状に形成されている。即ち、仕切り板HJ21と、左上側面レンズHJ3と、左LED基板HJ1とで、LEDHJ12から光が照射される内部空間HJ23を形成している。左上側面レンズHJ3は、光を透過可能な素材で形成されており、筐体2の左側面の一部を構成している。
図109に示すように、LEDHJ12の前方向に、仕切り板HJ21の右側壁面が存在している。従って、LEDHJ12から照射される光の一部は、仕切り板HJ21によって反射される。仕切り板HJ21の右側壁面は傾斜を有しているため、少なくとも左方向への成分を有した光へ反射されることになる。このように、仕切り板HJ21によって反射された光は左上側面レンズHJ3へ到達する。左上側面レンズHJ3は、内壁面が、内側に頂点を有する四角錐をマトリクス状に配列したように装飾が施されている。これにより、左上側面レンズHJ3へ到達した光は、乱屈折されて外部へ透過されることになる。このように、仕切り板HJ21と段差HJ22cとを有する仕切り機構HJ2は、前方向への光を2つに区分し、一方に区分された光を側面方向へ導光することができる。また、左上側面レンズHJ3は、仕切り構造HJ2によって導光された一方に区分された光を透過させることができる。仕切り板HJ21は、反射率を高くするための白色であることが好ましいがこれに限定されない。
左下レンズHJ4は、左LED基板ケースHJ22の平面領域HJ22aとで内部空間HJ41を形成するように、左LED基板ケースHJ22の前方に配置される。左下レンズHJ4は、透光性の素材で形成されており、筐体2の左側面の一部を構成している。
図109に示すように、LEDHJ11の前方向に、左下レンズHJ4の前側壁面が存在している。従って、LEDHJ11から照射される光は、左下レンズHJ4に到達する。左下レンズHJ4は、内壁面が側面視断面がジグザグ形状に装飾が施されている。これにより、左下レンズHJ4へ到達した光は、乱屈折されて外部へ透過されることになる。このように、左下レンズHJ4は、仕切り構造HJ2によって他方に区分された光を透過させることができる。尚、左上側面レンズHJ3や左下レンズHJ4の内壁面の装飾構造はこれに限定されず、入射された光を乱屈折させて外部へ出射させるものであればよい。
図110に示すように、左導光板HJ51は、光入射部HJ511と、光路部HJ512と、発光部HJ513とを有している。左導光板HJ51は、透光素材により形成されている。光入射部HJ511は、上下に長手方向を有する平板状に形成されている。光入射部HJ511には、上下の2箇所に窪みを有しており、当該窪みそれぞれの左右方向中央に、上下方向に延在する断面凸状の突出部HJ511aを有している。また、光入射部HJ511には、突出部HJ511aの左側に隣接して延在する貫通孔HJ511bを有している。左LED基板カバーHJ52は、左導光板HJ51の光入射部HJ511の後側面に係合する形状を有している。左LED基板カバーHJ52は、左右方向中央に、上下方向に延在する断面凸状の突出部HJ52aを有しており、貫通孔HJ511bに嵌合されている。左LED基板カバーHJ52は、非透光素材により形成されている。
突出部HJ511aは、左LED基板HJ1に配列されたLEDHJ13に対向して設けられている。LEDHJ13からの光は、突出部HJ511aの前側から入射される。左導光板HJ51は、突出部HJ511aへの入射光の進行方向に、右方向へ入射面が略45度傾斜された傾斜面HJ511cを有している。傾斜面HJ511cは、左LED基板カバーHJ52に接触するように配設されるため、突出部HJ511aへ入射された光は、傾斜面HJ511cで反射された後に右方向へ進行される。右方向へ進行された光は、光路部HJ512を通過し、発光部HJ513に至る。光路部HJ512は、光入射部HJ511の右端部から後方向へ屈曲されるように形成されている。光路部HJ512は、法線方向が右前方向となるように設定されている。発光部HJ513は、光路部HJ5
12の右端部から屈曲されるように形成されている。発光部HJ513は、法線方向が右前方向となるように設定されている。また、発光部HJ513は、右端部において正面視断面がジグザグ形状に装飾されている。これにより、発光部HJ513の右端部に到達した光が乱屈折され、3D液晶表示機構D等の前面部等へ照射されることになる。
(上ドア機構UD:左上パネル機構HB・右上パネル機構HC)
以下、左上パネル機構HBと右上パネル機構HCとは、を挟んで左右対称で同様に構成されるため、左上パネル機構HBについてのみ説明を行う。
図111に示すように、左上パネル機構HBは、パネルベースHHの左上端部と、トップパネル機構HAのトップレンズカバーHA11の左後端部とに形成された略三角形状の隙間に嵌め込まれるように配置される。左上パネル機構HBは、上面視が左前角部に直角を有する略直角三角形状を有し、後端から前端にかけて左右方向の幅が拡大されている上面部HB1を有している。パネルベースHHの左上端部には、後方からタイトねじHH4が螺合可能にされている。タイトねじHH4は、パネルベースHHの前方まで突出し、左上パネル機構HBに嵌合することが可能にされている。
図112に示すように、左上パネル機構HBは、後端部に嵌合部HB11を有しており、タイトねじHH4が嵌合される。また、左上パネル機構HBは左前端部から下方向へ立ち下げられたように形成されたフレーム部HB2を有している。フレーム部HB2は、下端部に、後方へ突出し下方へ屈曲される規制部HB21を有している。規制部HB21は、パネルベースHHに左上パネル機構HBを取り付けた際、フレーム部HB2に係合するパネルベースHHの嵌め込み部HH3の後方位置まで延在することになる。即ち、規制部HB21が嵌め込み部HH3の後方位置に存在しているため、前方方向への移動が規制されることになる。フレーム部HB2は、内壁面が、内側へ突出する三角錐形状が配列されたような装飾が施されており、後方からの光源からの光を乱屈折可能にしている。
図113及び図114に示すように、左上パネル機構HBは、係止片HB12・HB13・HB14を有している。係止片HB12・HB13・HB14は、嵌め込み部HH3よりも前方側のトップレンズカバーHA11の隣接箇所に配置され、嵌合部HB11の嵌め込み方向と異なる方向であり当該配置箇所からトップレンズカバーHA11へ向かう方向へ突出するように形成されている。具体的に、係止片HB12は、嵌合部HB11右縁部の後端領域に位置し、嵌合部HB11の嵌め込み方向と略垂直の右方向へ突出している。係止片HB13は、嵌合部HB11右縁部の略中央に位置し、嵌合部HB11の嵌め込み方向と略45度の角度で右後方向へ突出している。係止片HB14は、嵌合部HB11右縁部の前端部に位置し、嵌合部HB11の嵌め込み方向と略垂直の右方向へ突出している。係止片HB12・HB13・HB14は、上面部HB1の外表面よりも下位置から突出されている。
一方、トップレンズカバーHA11には、係止片HB12・HB13・HB14に係合した形状の切欠部HA111・HA112・HA113が形成されている。切欠部HA111・HA112・HA113は、トップレンズカバーHA11の内壁面に形成された切欠である。この切欠部HA111・HA112・HA113に、係止片HB12・HB13・HB14が係合された状態でトップレンズカバーHA11に隣接させ、嵌合部HB11に、パネルベースHHを介してタイトねじHH4を嵌合させることで、左上パネル機構HBは、パネルベースHHとトップレンズカバーHA11により水平方向への移動が規制されることになる。また、規制部HB21により左上パネル機構HBの前方への移動が規制されることになる。
(遊技機の遊技フロー)
次に、図115を参照して、本実施の形態における遊技機1の遊技フローについて説明する。
図115に示すように、本実施の形態の遊技機1は、一般遊技状態、ボーナスゲーム、第1のリプレイタイム(以下、RT1とする)及び第2のリプレイタイム(以下、RT2とする)を設けている。
本実施の形態の遊技機1は、まず、ボーナスゲームが終了することを条件に、RT1を開始する。そして、RT1が終了すると、一般遊技状態を開始する。また、本実施の形態の遊技機1は、ボーナスゲームの作動に係る図柄の組合せの表示を許可する内部当籤役(以下、ボーナス役)が決定されたことを条件に、RT2を開始する。RT2は、ボーナスゲームの作動に係る図柄の組合せが表示され、ボーナスゲームが開始することを条件に終了する。
ここで、本実施の形態では、一般遊技状態において再遊技役が決定される確率を基準として、再遊技役が決定される確率を変動させるようにしている。本実施の形態のリプレイタイムでは、一般遊技状態に比べて、再遊技役が高い確率で決定されるようになる。そして、RT1は、RT2を含む他の状態のなかで再遊技役が最も高い確率(例えば49932/65536)で決定される。したがって、RT1では、再遊技が行われる機会が増加することから、遊技者は、所有するメダル等の消費を抑えながら、メダル等の払い出しに係る図柄の組合せの表示を許可する内部当籤役(以下、小役)やボーナス役が決定されるのを待つことができるようになる。
ここで、RT1は、ボーナスゲームが終了したことを条件に開始されることになるが、予め定められた回数の遊技が行われるか、又は特定の図柄の組合せが表示されるかのいずれかを条件に終了する。
つまり、前者の場合によってRT1が終了するときでは、RT1が継続可能な最長の期間(以下、継続期間)が満了するまで再遊技役が相対的に高い確率で決定されることになる。これに対して、後者の場合によってRT1が終了するときでは、継続期間が満了する前にRT1が終了するので、前者の場合に比べて、再遊技役が相対的に高い確率で決定される機会が少ない。つまり、RT1では、特定の図柄の組合せが表示されることなく、予め定められた回数の遊技が行われることが、遊技者にとって有利にはたらくことになる。
ここで、上記特定の図柄の組合せが、停止操作を行うタイミング次第でその表示を回避することが可能となる図柄の組合せであるとすれば、遊技者は、特定の図柄の組合せの表示を許可する内部当籤役が決定されても、特定の図柄の組合せが表示されないようなタイミングをはかって停止操作を行うことによって、RT1が終了するのを回避することが可能となる。
詳しくは後述するが、本実施の形態では、特定の図柄の組合せとして、停止操作を行うタイミング次第でその表示を回避することが可能となる図柄の組合せ(後述のチェリーの図柄の組合せ)を採用しており、停止操作に関する技量を発揮することによってRT1を長引かせるという楽しみを遊技者に与えることができるようにしている。
(1回の遊技の流れ)
ここで、本実施の形態の遊技機1において行われる1回の遊技の結果が得られるまでの流れを説明する。
まず、遊技機1は、遊技者によりメダルが投入され、スタートレバーDD6が操作され
ると、予め定められた数値の範囲(例えば、0〜65535)の乱数から1つの値(以下、乱数値)を抽出する。
続いて、遊技機1は、抽出された乱数値に基づいて抽籤を行い、内部当籤役を決定する。内部当籤役の決定により、前述の入賞判定ラインに沿って表示を行うことを許可する図柄の組合せが決定される。尚、図柄の組合せの種別としては、メダルの払い出し、再遊技の作動、ボーナスゲームの作動等といった特典が遊技者に与えられる「入賞」に係るものと、それ以外のいわゆる「ハズレ」に係るものとが設けられている。
続いて、遊技機1は、複数のリールの回転が行われた後で、遊技者によりストップボタンDD7L,DD7C,DD7Rが押されると、内部当籤役とストップボタンが押されたタイミングとに基づいて、該当するリール(押されたストップボタンに対応するリール)の回転を停止する制御を行う。
ここで、遊技機1では、基本的に、ストップボタンDD7L,DD7C,DD7Rが押されたときから規定時間(190msec)内に、該当するリールの回転を停止する制御が行われる。本実施の形態では、上記規定時間内でのリールの回転に伴って移動する図柄の数を「滑り駒数」と呼び、その最大数を図柄4個分に定める。
遊技機1は、入賞に係る図柄の組合せの表示を許可する内部当籤役が決定されているときでは、上記規定時間を利用して、その図柄の組合せが入賞判定ラインに沿って極力表示されるようにリールの回転を停止する。その一方で、内部当籤役によってその表示が許可されていない図柄の組合せについては、上記規定時間を利用して、入賞判定ラインに沿って表示されることがないようにリールの回転を停止する。
こうして、複数のリールの回転がすべて停止されると、遊技機1は、入賞判定ラインに沿って表示された図柄の組合せが、入賞に係るものであるか否かの判定を行う。遊技機1は、入賞に係るものであるとの判定を行うと、メダルの払い出し等の特典を遊技者に与える。以上のような一連の流れが遊技機1における1回の遊技として行われる。
また、遊技機1は、前述した一連の流れの中で、液晶表示装置により行う映像の表示、各種ランプにより行う光の出力、スピーカにより行う音の出力、或いはこれらの組合せを利用して様々な演出を行う。
遊技機1は、遊技者によりスタートレバーDD6が操作されると、前述の内部当籤役の決定に用いられた乱数値とは別に、演出用の乱数値(以下、演出用乱数値)を抽出する。演出用乱数値が抽出されると、遊技機1は、内部当籤役に対応づけられた複数種類の演出内容の中から今回実行するものを抽籤により決定する。
演出内容が決定されると、遊技機1は、リールの回転が開始されるとき、各リールの回転がそれぞれ停止されるとき、入賞の有無の判定が行われたとき等の各契機に連動させて演出の実行を進める。このように、遊技機1では、内部当籤役に対応づけられた演出内容を実行することによって、決定された内部当籤役(言い換えると、狙うべき図柄の組合せ)を知る或いは予想する機会が遊技者に提供され、遊技者の興味の向上が図られる。
<遊技機が備える制御系>
次に、遊技機1が備える制御系について、図116〜図118を参照して説明する。図116は、遊技機1の制御系の構成を示す回路ブロック図であり、図117は、遊技機1の主制御回路の構成を示す回路ブロック図であり、図118は、遊技機1の副制御回路の構成を示す回路ブロック図である。
遊技機1は、上述したとおり、主制御回路を有する主制御基板MSと、副制御回路を有する副制御基板SS72とを備える。
図117に示すとおり、主制御基板MSは、主制御回路上に設置されたマイクロコンピュータを主たる構成要素としている。マイクロコンピュータは、CPU(以下、メインCPU)、ROM(以下、メインROM)及びRAM(以下、メインRAM)により構成される。
メインROMには、メインCPUにより実行される制御プログラム、内部抽籤テーブル等のデータテーブル、副制御回路に対して各種制御指令(コマンド)を送信するためのデータ等が記憶されている。メインRAMには、制御プログラムの実行により決定された内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられる。
メインCPUには、クロックパルス発生回路、分周器、乱数発生器及びサンプリング回路が接続されている。クロックパルス発生回路及び分周器は、クロックパルスを発生する。メインCPUは、発生されたクロックパルスに基づいて、制御プログラムを実行する。乱数発生器は、予め定められた範囲の乱数(例えば、0〜65535)を発生する。サンプリング回路は、発生された乱数の中から1つの値を抽出する。
また、図116に示すとおり、遊技機1は、主制御基板MSに接続された、リール中継端子板MS74、設定用鍵型スイッチMS56、割合表示器MS58、キャビネット側中継基板MS44及び電源装置DEを有する。さらに、遊技機1は、キャビネット側中継基板MS44を介して主制御基板MSに接続された外部集中端子板MS47、ホッパ機構HP及びメダル補助収納庫スイッチMS75を有する。
リール中継端子板MS74は、各リールRL,RC,RRのリール本体の内側に配設されている。リール中継端子板MS74は、各リールRL,RC,RRのステッピングモータ(不図示)に電気的に接続されており、主制御基板MSからステッピングモータに出力される信号を中継する。
設定用鍵型スイッチMS56は、遊技者に付与される利益の大きさを設定するために設けられた複数の設定値の中から、いずれかの設定値を設定するとき、又は遊技機1に設定されている設定値の確認を行うときに使用される。
割合表示器MS58は、主制御基板MSに接続され、主制御基板MSから出力される信号に基づいて特定区間割合や役物割合等の各種割合を表示する。なお、割合表示器MS58の構成、及び割合表示器MS58に表示される各種割合の詳細については、図119を参照して後述する。
キャビネット側中継基板MS44は、主制御基板MSと、外部集中端子板MS47、ホッパ機構HP及びメダル補助収納庫スイッチMS75とを電気的に接続するための中継基板である。外部集中端子板MS47は、メダル投入信号、メダル払出信号及びセキュリティ信号などの信号を遊技機1の外部へ出力するために設けられる。
ホッパ機構HPは、上述したとおり、多量のメダルを収容可能であり、貯留されたメダルが所定枚数を超えたとき、又は、精算ボタンが押下されてメダルの精算が行われるときに、メダル払出口DD14からメダルを排出する。
メダル補助収納庫スイッチMS75は、メダル補助収納庫(不図示)がメダルで満杯に
なっているか否かを検出する。なお、メダル補助収納庫は、ホッパ機構HPから溢れ出たメダルを収納する。
電源装置DEは、主制御基板MSに接続された電源基板DE5と、電源基板DE5に接続された電源スイッチDE1とを有する。電源スイッチDE1は、遊技機1に必要な電源を供給するときに押下され、電源スイッチDE1が押下されると、電源装置DEは、交流電圧100Vの電力を各部で必要な直流電圧の電力に変換し、該変換した電力を各部へ供給する。
また、遊技機1は、ドア中継端子板DD68、並びに、該ドア中継端子板DD68を介して、主制御基板MSに接続された、セレクタDD15、ドア開閉監視スイッチDD67、最大BETスイッチDD814、精算スイッチDD78、スタートスイッチDD79、ストップスイッチ基板DD80、遊技動作表示基板DD81及び副中継基板SS61を有する。
セレクタDD15は、メダルの材質や形状等が適正であるか否かを選別する装置であり、メダル投入口DD5に投入された適正なメダルをホッパ機構HPへ案内する。セレクタDD15内においてメダルが通過する経路上には、図示しないが、適正なメダルが通過したことを検出するメダルセンサ(投入操作検出手段)が設けられる。
ドア開閉監視スイッチDD67は、遊技機1の外部へ、上ドア機構や下ドア機構の開閉を報知するためのセキュリティ信号を出力する。最大BETスイッチDD814は、最大BETボタンDD8が遊技者により押下されたことを検出する。精算スイッチDD78は、精算ボタンが遊技者により押下されたことを検出する。スタートスイッチDD79(開始操作検出手段)は、スタートレバーDD6が遊技者により操作されたこと(開始操作)を検出する。
ストップスイッチ基板DD80(停止操作検出手段)は、回転しているリールを停止させるための回路と、停止可能なリールをLEDなどにより表示するための回路とを備える。また、ストップスイッチ基板DD80には、ストップスイッチが設けられる。ストップスイッチは、各ストップボタンDD7L,DD7C,DD7Rが遊技者により押下されたこと(停止操作)を検出する。
遊技動作表示基板DD81は、情報表示器DD914に接続され、メダルの投入を受け付けるとき、3つのリールRL,RC,RRが回動可能なとき、及び、再遊技を行うときに、投入されたメダルの枚数を情報表示器DD914に表示させるための基板である。また、遊技動作表示基板DD81には、各種のLEDが接続される。これらLEDは、例えば、遊技動作表示基板DD81から入力される信号に基づいて、情報表示器DD914に設けられた遊技開始を表示するマークや再遊技を行うマークなどを点灯させる。
副制御基板SS72は、ドア中継端子板DD68及び副中継基板SS61を介して主制御基板MSに電気的に接続される。
また、遊技機1は、副中継基板SS61を介して副制御基板SS72に接続された、サウンドI/O基板SS83、タッチセンサSS111及び操作ボタンSS203を有する。
サウンドI/O基板SS83は、スピーカDD25L,DD25Rや図示しない各種スピーカなどからなるスピーカ群に効果音や楽曲等の音の出力を行う。LED基板は、副制御基板SS72により制御される各種のLED群を発光させて、これら各種のLED群を
演出に応じてパターンで点灯、点滅、消灯させる。メダル払出口DD14は、後述のメダル払出装置の駆動により排出されるメダルを外部に導く。メダル払出口DD14から排出されたメダルは、メダル受皿に貯められる。
また、遊技機1は、副制御基板SS72に接続された、ロムカートリッジ基板SS86、液晶中継基板SS87及びフロントスクリーン中継基板SS88を有する。なお、ロムカートリッジ基板SS86、液晶中継基板SS87及びフロントスクリーン中継基板SS88は、副制御基板SS72とともに副制御基板ケースSS57に収納されている。
ロムカートリッジ基板SS86は、演出用の画像(映像)、音声、光及び通信のデータを管理するための基板である。液晶中継基板SS87は、副制御基板SS72及び3D液晶表示機構D間の接続配線を中継する基板である。スクリーン中継基板SS88は、副制御基板SS72及びフロントスクリーン機構E1間の接続配線を中継する基板である。
上述したとおり、副制御基板SS72を主として構成する副制御回路は、主制御回路と電気的に接続されており、主制御回路から送信されるコマンドに基づいて演出内容の決定や実行等の処理を行う。
図118に示すとおり、副制御回路は、基本的に、CPU(以下、サブCPU)、ROM(以下、サブROM)、RAM(以下、サブRAM)、レンダリングプロセッサ、描画用RAM、ドライバ、DSP(デジタルシグナルプロセッサ)、オーディオRAM及びA/D変換器及びアンプを含んで構成されている。
サブCPUは、主制御回路から送信されたコマンドに応じて、サブROMに記憶されている制御プログラムに従い、映像、音、光の出力の制御を行う。サブRAMは、決定された演出内容や演出データを登録する格納領域や、主制御回路から送信される内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられている。サブROMは、基本的に、プログラム記憶領域とデータ記憶領域によって構成される。
プログラム記憶領域には、サブCPUが実行する制御プログラムが記憶されている。例えば、制御プログラムには、主制御回路との通信を制御するための主基板通信タスクや、演出用乱数値を抽出し、演出内容(演出データ)の決定及び登録を行うための演出登録タスク、決定した演出内容に基づいて3D液晶表示機構Dの表示領域やフロントスクリーン機構E1の表示領域に表示される映像の表示を制御する描画制御タスク、LEDによる光の出力を制御するLED制御タスク、スピーカによる音の出力を制御する音声制御タスク等が含まれる。
データ記憶領域は、各種データテーブルを記憶する記憶領域、各演出内容を構成する演出データを記憶する記憶領域、映像の作成に関するアニメーションデータを記憶する記憶領域、BGMや効果音に関するサウンドデータを記憶する記憶領域、光の点消灯のパターンに関するランプデータを記憶する記憶領域等が含まれている。
また、副制御回路には、その動作が制御される周辺装置として、3D液晶表示機構D、フロントスクリーン機構E1、スピーカ群及びランプ群が接続されている。
サブCPU、レンダリングプロセッサ、描画用RAM(フレームバッファを含む)及びドライバは、演出内容により指定されたアニメーションデータに従って映像を作成し、作成した映像を3D液晶表示機構Dやフロントスクリーン機構E1により表示する。
また、サブCPU、DSP、オーディオRAM、A/D変換器及びアンプは、演出内容
により指定されたサウンドデータに従ってBGM等の音をスピーカにより出力する。また、サブCPUは、演出内容により指定されたランプデータに従ってランプの点灯及び消灯を行う。
<割合表示器>
次に、割合表示器MS58の構成について、図119を参照して説明する。図119において上述したように、本実施形態の遊技機1では、各種の割合を表示する割合表示器MS58を有する。図119(A)は、割合表示器MS58の取り付け例を示し、図119(B)は、割合表示器MS58に表示される内容を示す。
(割合表示器の構成)
図119に示すように、割合表示器MS58は、4桁の7セグメントLEDにより構成され、図119(B)で後述するように、上位2桁は、表示する割合の種類を示し、下位2桁は、当該割合の値を示す。割合表示器MS58は、管理者(遊技店の店員等)が遊技機1に不正改造がないか確認する際などに使用されるため、遊技機1の内部に設けられる。このとき、割合表示器MS58自体に対する不正を防止するため、割合表示器MS58は、主制御基板MSを覆う主制御基板ケースの内部に設けられることが好ましい。
具体的な取り付け例としては、図119(A−1)に示すように、割合表示器MS58は、主制御基板MS上に実装することとしてもよく、また、図119(A−2)に示すように、主制御基板MSに接続された他の基板(割合表示基板)上に実装することとしてもよく、また、図119(A−3)に示すように、割合表示器MS58としての7セグメントLEDユニットを主制御基板MSに接続することで、取り付けることとしてもよい。いずれの場合であっても、図119(A)に示すように、主制御基板MSとともに主制御基板ケースの内部に設けられることが好ましい。ここで、通常、主制御基板ケースには、記録紙や封印シールが貼りつけられるが、主制御基板ケース内に割合表示器MS58を設ける場合には、封印シールなどにより割合表示器MS58の視認性が損なわれることがないように、封印シールなどを貼りつけることが好ましい。なお、封印シールは、主制御基板ケースを開封した痕跡が残るようにするためのものであり、剥がしたときに跡が残るように特殊な加工がなされたシールである。また、記録紙は、主制御基板ケースの着脱や開封を正規の手続きで行ったときに、その旨を記録するための用紙であり、主制御基板MSの識別番号が印字され、さらに、着脱又は開封を行った日時及びその際の担当者などを記入する記入欄が設けられている。ここで、正規の手続きとは、遊技機の製造(取付固定時)や遊技店に設置した後の立入検査などが挙げられる。
(割合表示器の表示内容)
続いて、割合表示器MS58の表示例について説明する。図119(B)に示すように、割合表示器MS58には、累計の特定区間割合と、直近6000ゲーム間の連続役物割合及び役物割合と、累計の連続役物割合及び役物割合と、が表示される。割合表示器MS58に累計の特定区間割合を表示する場合、4桁の7セグメントLEDのうちの上位2桁には、「AU」と表示され、直近6000ゲーム間の連続役物割合を表示する場合、上位2桁には、「=r」と表示され、直近6000ゲーム間の役物割合を表示する場合、上位2桁には、「=b」と表示され、累計の連続役物割合を表示する場合、上位2桁には、「Ar」と表示され、累計の役物割合を表示する場合、上位2桁には、「Ab」と表示される。また、4桁の7セグメントLEDのうちの下位2桁には、対応する割合がパーセント表示で表示される。
ここで、「特定区間割合」とは、全ての遊技状態における遊技回数(すなわち、総遊技回数)に対して、遊技者にとって有利な遊技状態における遊技回数が占める割合をいう。この場合において、遊技者にとって有利な遊技状態とは、遊技者にとって有利な情報を報
知する報知状態(所謂AT中(本実施形態のART遊技状態))に加え、この報知状態への移行期待度が高いCZも含めることとしてもよい。また、報知状態中に開始するボーナス状態も、この場合における有利な遊技状態に含めることとしてもよい。
主制御基板MSは、メインRAMに設けられた所定のカウンタにおいて、全ての遊技状態における遊技回数を示す総遊技回数と、遊技者にとって有利な遊技状態における遊技回数を示す特定遊技回数とを計数しておき、以下に示す式により特定区間割合を算出する。
特定区間割合=特定遊技回数/総遊技回数×100
また、「連続役物割合」とは、全ての遊技状態において払い出されたメダルの総数(すなわち、総払出枚数)に対して、第一種特別役物、又は第一種特別役物に係る役物連続作動装置が作動中において払い出されたメダルの総数が占める割合をいう。
主制御基板MSは、メインRAMに設けられた所定のカウンタにおいて、全ての遊技状態において払い出されたメダルの総数を示す総払出枚数と、第一種特別役物、又は第一種特別役物に係る役物連続作動装置が作動中において払い出されたメダルの総数を示す第1特定遊技中払出枚数とを計数しておき、以下に示す式により連続役物割合を算出する。
連続役物割合=第1特定遊技中払出枚数/総払出枚数×100
また、「役物割合」とは、全ての遊技状態において払い出されたメダルの総数(すなわち、総払出枚数)に対して、いずれかの役物が作動中に払い出されたメダルの総数が占める割合をいう。なお、いずれかの役物とは、第一種特別役物、第一種特別役物に係る役物連続作動装置、第二種特別役物、第二種特別役物に係る役物連続作動装置、又は普通役物をいう。また、ART遊技状態中やCZ中も、遊技者にとって有利な状態であるため、いずれかの役物が作動している状態に含めることとしてもよい。
主制御基板MSは、メインRAMに設けられた所定のカウンタにおいて、全ての遊技状態において払い出されたメダルの総数を示す総払出枚数と、いずれかの役物が作動中に払い出されたメダルの総数を示す第2特定遊技中払出枚数とを計数しておき、以下に示す式により役物割合を算出する。
連続役物割合=第2特定遊技中払出枚数/総払出枚数×100
また、「累計」とは、遊技機1を設置してから現在までの全期間をいい、「直近6000ゲーム間」とは、6000ゲーム前の遊技から現在までの期間をいう。「累計」の割合を算出する場合、主制御基板MSは、全期間において計数していた計数結果を用いて割合を算出すればよく、また、「直近6000ゲーム間」の割合を算出する場合、主制御基板MSは、6000ゲーム前の遊技から現在までの期間において計数していた計数結果を用いて割合を算出すればよい。
なお、メインRAMに設けられた所定のカウンタは、電源のON/OFFや設定変更がなされた場合でもクリア(初期化)されない領域に設けられる。すなわち、メインRAMに記憶される割合表示器MS58に関するデータは、電源のON/OFFや設定変更がなされた場合でも消えないように構成されている。
また、メインRAMに設けられた所定のカウンタは、400回の遊技を1セットとして、割合表示器MS58に関するデータを計数する。例えば、6000ゲーム間の割合を算出する場合には、15セットの累計の計数結果を用いて当該割合を算出する。
(割合表示器の表示内容(切り替え表示))
割合表示器MS58では、主制御基板MSが算出した各種の割合を切り替えて表示する
。割合表示器MS58に表示する内容の切り替え方法は任意であり、例えば、所定の間隔で自動的に、各種の割合を切り替えることとしてもよく、また、専用のスイッチの操作に応じて手動で、各種の割合を切り替えることとしてもよく、自動的な切り替えと手動による切り替えとを組み合わせて、各種の割合を切り替えることとしてもよい。
(割合表示器の変形例)
ところで、既存のパチスロ機等の遊技機は、割合表示器MS58を有していないため、図119(A)に示す割合表示器MS58の取り付け例では、既存の遊技機に対して大きな改変を行う必要がある。そこで、既存の遊技機において設けられている表示器を、各種の割合を表示する割合表示器MS58として用いることとしてもよい。具体的には、既存の遊技機では、貯留されているメダルの数(クレジット数)、及び今回の遊技において払い出されたメダルの枚数(払出枚数)を表示する表示器(情報表示器DD914)が設けられている。そこで、遊技機に対して特別な操作が行われた場合に、クレジット数を表示する表示部(クレジットランプDD9145)に表示する割合の種類を表示し、払出枚数を表示する表示部(払出枚数ランプDD9146)に当該種類の割合を表示するように、当該表示器の表示を切り替え可能にしてもよい。
なお、特別な操作は任意であるが、パチスロ機等の遊技機の内部に設けられたスイッチを用いた操作であることが好ましい。これにより、遊技者が偶然に特別な操作を行ってしまうことを防止できる。
(メインROMに記憶されているデータテーブルの構成)
遊技機1が備える回路の構成についての説明は以上である。次に、図120〜図128を参照して、メインROMに記憶されている各種データテーブルの構成について説明する。
(図柄配置テーブル)
図120を参照して、図柄配置テーブルについて説明する。図柄配置テーブルは、各リールの回転方向における各図柄の位置と、各位置に配された図柄の種類を特定するデータ(以下、図柄コード)とを規定している。
図柄配置テーブルは、リールインデックスが検出されるときに表示窓内の中段に存在する図柄の位置を「0」として、リールの回転方向に進む順に、各図柄の位置に対して「0」〜「20」をそれぞれ割り当てている。したがって、リールインデックスが検出されてから図柄何個分の回転が行われたかを管理しつつ、図柄配置テーブルを参照することによって、主として表示窓の中段に存在する図柄の位置及びその図柄の種類を常に管理することが可能となっている。
(図柄組合せテーブル)
図121を参照して、図柄組合せテーブルについて説明する。本実施の形態では、入賞判定ラインに沿って各リールにより表示される図柄の組合せが、図柄組合せテーブルにより規定されている図柄の組合せと一致する場合に、入賞と判定され、メダルの払い出し、再遊技の作動、ボーナスゲームの作動といった特典が遊技者に対して与えられる。
図柄組合せテーブルは、特典の種類に応じて予め定められた図柄の組合せと、表示役と、払出枚数とを規定している。表示役は、入賞判定ラインに沿って表示された図柄の組合せを識別するデータである。
表示役は、各ビットに対して固有の図柄の組合せが割り当てられた1バイトのデータとして表される。例えば、各リールの図柄「ベル」が入賞判定ラインに沿って表示されたと
き、表示役として「ベル(00000010)」が決定される。
また、払出枚数として1以上の数値が決定された場合、メダルの払い出しが行われる。本実施の形態では、表示役としてチェリー、ベル又はスイカが決定されたときメダルの払い出しが行われる。また、払出枚数は、投入枚数に応じて規定されており、基本的に投入枚数が少ないときの方がより多くの払出枚数が決定される。
また、表示役としてリプレイが決定されたとき、再遊技の作動が行われる。表示役としてBBが決定されたとき、ボーナスゲームの作動が行われる。尚、入賞判定ラインに沿って表示された図柄の組合せが、図柄組合せテーブルにより規定されている図柄の組合せの何れとも一致しない場合には、いわゆる「ハズレ」となる。
ここで、本実施の形態の遊技機1では、ストップボタンが押されたときに入賞判定ライン上にある図柄から最大滑り駒数(図柄4個分)の範囲内にある各図柄の何れかが有効ライン(「入賞判定ライン」ともいう)上に到達するのを待ってリールの回転を停止することが可能となっている。
前述の図120に示す図柄配置テーブルを参照すると、各リールの図柄「ベル」及び図柄「リプレイ」は、いずれの図柄位置であっても上記最大滑り駒数の範囲内に含まれるように配されている。したがって、図柄「ベル」から構成されるベルの図柄の組合せ「ベル−ベル−ベル」及び図柄「リプレイ」から構成されるリプレイの図柄の組合せ「リプレイ−リプレイ−リプレイ」は、遊技者によりストップボタンが押されたタイミングにかかわらず、入賞判定ライン上に表示される。
これに対して、図柄「赤7」、図柄「チェリー」及び図柄「スイカ」は、リールの種別及び図柄位置によっては、上記最大滑り駒数の範囲内に含まれないように配されている。したがって、図柄「赤7」から構成される赤7の図柄の組合せ「赤7−赤7−赤7」、図柄「チェリー」を含んで構成されるチェリーの図柄の組合せ「チェリー−ANY−ANY」及び図柄「スイカ」から構成されるスイカの図柄の組合せ「スイカ−スイカ−スイカ」は、遊技者によりストップボタンが押されたタイミングによって、入賞判定ライン上に表示されるか否かが決定される。
(ボーナス作動時テーブル)
図122を参照して、ボーナス作動時テーブルについて説明する。ボーナス作動時テーブルは、ボーナスゲームの作動が行われるときに、メインRAMに設けられた各種格納領域に格納するデータを規定している。
作動中フラグは、作動が行われるボーナスゲームの種類を識別するためのデータである。本実施の形態では、ボーナスゲームの種類としてBB(第1種特別役物に係る役物連続作動装置)及びレギュラーボーナスゲーム(第1種特別役物に相当し、以下、RBとする)を設けている。RBの作動は、BBの作動が行われている間、連続的に行われる。
BBの作動は、規定枚数に達するメダルの払い出しが行われた場合に終了する。RBの作動は、規定回数に達する遊技が行われた場合、規定回数に達する入賞が有った場合、又は、BBの作動が終了した場合の何れかによって終了する。ボーナス終了枚数カウンタ、遊技可能回数カウンタ及び入賞可能回数カウンタは、ボーナスゲームの終了契機となる上記規定枚数或いは上記規定回数に達したか否かを管理するためのデータである。
より具体的には、ボーナス作動時テーブルにより規定されている数値が上記各カウンタに格納され、ボーナスゲームの作動を通じてその減算が行われていく。その結果、各カウ
ンタの値が「0」に更新されたことを条件に該当ボーナスゲームの作動が終了する。
(内部当籤役決定テーブル)
図123及び図124を参照して、内部当籤役決定テーブルについて説明する。内部当籤役決定テーブルは、データポインタに応じて内部当籤役を規定している。データポインタが決定されると、内部当籤役が一義的に取得される構成となっている。
データポインタは、後述の内部抽籤テーブルを参照して行う内部抽籤の結果として取得されるデータであり、内部当籤役を指定するためのデータである。データポインタには、小役・リプレイ用データポインタ及びボーナス用データポインタが設けられている。データポインタが決定されると、内部当籤役が一義的に取得される構成となっている。
内部当籤役は、入賞判定ラインに沿って表示を許可する各リールの図柄の組合せを識別するデータである。内部当籤役は、表示役と同様に、各ビットに対して固有の図柄の組合せが割り当てられた1バイトのデータとして表される。
図123は、小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルを示す。小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルは、小役(本実施の形態ではチェリー、ベル及びスイカ)又は再遊技役(本実施の形態ではリプレイ)を規定している。図126は、ボーナス用内部当籤役決定テーブルを示す。ボーナス用内部当籤役決定テーブルは、ボーナス役(本実施の形態ではBB)を規定している。
例えば、小役・リプレイ用データポインタが「4」であるとき、内部当籤役として「リプレイ(00001000)」が決定される。この場合、左リールRLの図柄「リプレイ」、中リールRCの図柄「リプレイ」及び右リールRRの図柄「リプレイ」からなるリプレイの図柄の組合せの表示が許可される。尚、データポインタが「0」のとき、内部当籤役の内容は「ハズレ」となるが、これは前述の図柄組合せテーブルにより規定されている図柄の組合せの表示が何れも許可されないことを示す。
(内部抽籤テーブル)
図125〜図128を参照して、内部抽籤テーブルについて説明する。内部抽籤テーブルは、当籤番号に応じて、データポインタと抽籤値とを規定している。本実施の形態では、予め定められた数値の範囲「0〜65535」から抽出される乱数値を、各当籤番号に応じた抽籤値で順次減算し、減算の結果が負となったか否か(いわゆる「桁かり」が生じたか否か)の判定を行うことによって内部的な抽籤が行われる。
したがって、抽籤値として規定されている数値が大きいほど、これが割り当てられたデータ(つまり、データポインタ)が決定される確率が高い。尚、各当籤番号の当籤確率は、「各当籤番号に対応する抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(65536)」によって表すことができる。
本実施の形態では、ボーナスゲームやリプレイタイムであるか否かといった状態に応じて、複数種類の内部抽籤テーブルを使い分けることにより、決定される内部当籤役の種類や当籤確率を変動させる。
図125は、一般遊技状態用内部抽籤テーブルを示す。一般遊技状態用内部抽籤テーブルは、ボーナスゲーム及びリプレイタイムのいずれでもない場合に使用される。一般遊技状態用内部抽籤テーブルは、小役・リプレイ用データポインタ「4(リプレイ)」が決定されるときの抽籤値として「8980」を規定している。
図126は、RT1作動中用内部抽籤テーブルを示す。図127は、RT2作動中用内部抽籤テーブルを示す。RT1作動中用内部抽籤テーブル及びRT2作動中用内部抽籤テーブルは、小役・リプレイ用データポインタ「4(リプレイ)」が決定されるときの抽籤値を除き、一般遊技状態用内部抽籤テーブルと同様の構成となっている。
小役・リプレイ用データポインタ「4(リプレイ)」が決定されるときの抽籤値として、RT1作動中用内部抽籤テーブルは「49932」を規定しており、RT2作動中用内部抽籤テーブルは「16384」を規定している。
このように、RT1作動中用内部抽籤テーブル及びRT2作動中用内部抽籤テーブルを参照したとき、リプレイが決定される確率は、一般遊技状態用内部抽籤テーブルを参照するときに比べて高い。また、RT1作動中用内部抽籤テーブルを参照したとき、リプレイが決定される確率は、RT2作動中用内部抽籤テーブルを参照するときに比べて高い。つまり、RT1の作動が行われる場合、再遊技が行われる機会が最も多くなり、遊技者はメダルの消費を抑えながら、内部抽籤処理の結果を得ることが可能となる。
図128は、RB作動中用内部抽籤テーブルを示す。RB作動中用内部抽籤テーブルが参照されるとき、他の内部抽籤テーブルが参照されるときと比べて、ベルが決定される確率が高くなり、メダルの払い出しが行われる機会が増す。
(メインRAMに設けられる格納領域の構成)
メインROMに記憶されているデータテーブルの内容についての説明は以上である。次に、図129〜図131を参照して、メインRAMに設けられている各種格納領域の構成について説明する。
(内部当籤役格納領域)
図129を参照して、内部当籤役格納領域の構成について説明する。内部当籤役格納領域は、前述の1バイトのデータにより表される内部当籤役を格納する。対象となるビットに“1”が立っているとき、そのビットに対応する図柄の組合せの表示が許可される。また、全ビットが“0”であるとき、その内容はハズレとなる。
尚、メインRAMには、前述の表示役が格納される表示役格納領域が設けられている。表示役格納領域の構成は、内部当籤役格納領域の構成と同様である。すなわち、対象となるビットに“1”が立っているとき、そのビットに対応する図柄の組合せが入賞判定ライン上に表示されたことを示す。
(持越役格納領域)
図130を参照して、持越役格納領域の構成について説明する。前述の内部抽籤テーブルを参照して行われた抽籤の結果、ボーナス役が決定されたときは、持越役格納領域に格納される。
持越役格納領域に格納されたボーナス役(以下、持越役)は、対応する図柄の組合せが入賞判定ライン上に表示されるまで、その内容がクリアされずに保持される構成となっている(いわゆる持ち越しと呼ばれる)。そして、持越役格納領域に持越役が格納されている間は、前述の抽籤の結果にかかわらず、持越役が内部当籤役格納領域に格納される。
(作動中フラグ格納領域)
図131を参照して、作動中フラグ格納領域の構成について説明する。作動中フラグ格納領域は、1バイトからなる作動中フラグを格納する。作動中フラグは、各ビットに対して固有のボーナスゲーム又はリプレイタイムが割り当てられている。対象となるビットに
“1”が立っているとき、そのビットに対応するボーナスゲームやリプレイタイムの作動が行われていることになる。尚、本実施の形態では、全ビットが“0”であるときの状態を一般遊技状態としている。
(遊技機において実行されるプログラムフロー)
メインRAMに設けられる各種格納領域の構成についての説明は以上である。次に、図132〜図139を参照して、主制御基板MSのメインCPUにより実行されるプログラムの内容について説明する。
(主制御基板のメインCPUの制御によるメインフローチャート)
まず、図132を参照して、メインCPUの制御によるメインフローチャートについて説明する。遊技機1に電源が投入されると、はじめに、メインCPUは、初期化処理を行う(S1)。次に、メインCPUは、メインRAMにおける指定格納領域のクリアを行う(S2)。例えば、内部当籤役格納領域や表示役格納領域等、1回の遊技ごとに消去が必要となる格納領域に格納されたデータがクリアされる。
次に、メインCPUは、後で図133を参照して説明するメダル受付・スタートチェック処理を行う(S3)。この処理では、メダルセンサやスタートスイッチDD79の入力のチェック等が行われる。
次に、メインCPUは、乱数値を抽出し、メインRAMに設けられた乱数値格納領域に格納する(S4)。次に、メインCPUは、後で図134を参照して説明する内部抽籤処理を行う(S5)。この処理では、乱数値に基づいた抽籤により内部当籤役の決定が行われる。次に、メインCPUは、スタートコマンドを副制御回路に対して送信する(S6)。スタートコマンドは、内部当籤役等を特定するパラメータを含んで構成される。
次に、メインCPUは、全メインリールの回転開始を要求する(S7)。尚、全メインリールの回転開始が要求されると、一定の周期(1.1173msec)で実行される割込処理(後述の図139)によってステッピングモータの駆動が制御され、各リールの回転が開始される。
次に、メインCPUは、後で図135を参照して説明するリール停止制御処理を行う(S8)。この処理では、ストップスイッチの入力のチェックが行われ、ストップボタンが押されたタイミングと内部当籤役とに基づいて該当リールの回転が停止される。
次に、メインCPUは、入賞判定ラインに沿って表示された図柄の組合せを検索し、その結果に基づいて払出枚数等を決定する(S9)。検索の結果、入賞判定ラインに沿って表示された図柄の組合せが図柄組合せテーブルにより規定されている図柄の組合せと一致する場合、対応する表示役及び払出枚数が決定される。次に、メインCPUは、表示コマンドを副制御回路に対して送信する(S10)。表示コマンドは、表示役や払出枚数等を特定するパラメータを含んで構成される。
次に、メインCPUは、メダル払出処理を行う(S11)。決定された払出枚数に基づいて、ホッパの駆動やクレジット枚数の更新が行われる。次に、メインCPUは、払出枚数に基づいて、ボーナス終了枚数カウンタを更新する(S12)。払出枚数として決定された数値がボーナス終了枚数カウンタから減算される。
次に、メインCPUは、ボーナス作動中フラグがオンであるか否かを判別する(S13)。メインCPUは、ボーナス作動中フラグがオンであると判別したときには、後で図137を参照して説明するボーナス終了チェック処理を行う(S14)。ボーナスゲームの終了契機を管理するための各種カウンタを参照して、ボーナスゲームの作動を終了するか否かがチェックされる。
メインCPUは、S14の後、又は、S13においてボーナス作動中フラグがオンではないと判別したときには、後で図138を参照して説明するRT制御処理を行う(S15)。リプレイタイムの作動を終了するか否かがチェックされる。次に、メインCPUは、後で図136を参照して説明するボーナス作動チェック処理を行う(S16)。ボーナスゲームの作動を開始するか否かがチェックされる。この処理が終了すると、S2に移る。
(メダル受付・スタートチェック処理)
次に、図133を参照して、メダル受付・スタートチェック処理について説明する。はじめに、メインCPUは、自動投入カウンタは0であるか否かを判別する(S31)。自動投入カウンタは0であると判別したときには、メダル通過許可を行う(S32)。セレクタDD15のソレノイドの駆動が行われ、セレクタDD15内のメダルの通過が促される。
メインCPUは、自動投入カウンタは0ではないと判別したときには、自動投入カウンタを投入枚数カウンタに複写する(S33)。次に、メインCPUは、自動投入カウンタをクリアする(S34)。S33及びS34は再遊技を行うための処理である。
メインCPUは、S32又はS34の後で、投入枚数カウンタの最大値として3をセットする(S35)。次に、メインCPUは、ボーナス作動中フラグがオンであるか否かを判別する(S36)。メインCPUは、ボーナス作動中フラグがオンであると判別したときには、投入枚数カウンタの最大値を変更する(S37)。例えば、最大値が2に変更される。
メインCPUは、S37の後、又は、S36においてボーナス作動中フラグがオンではないと判別したときには、メダルの通過は検出されたか否かを判別する(S38)。メインCPUは、メダルの通過は検出されたと判別したときには、投入枚数カウンタは最大値に達したか否かを判別する(S39)。メインCPUは、投入枚数カウンタは最大値に達していないと判別したときには、投入枚数カウンタを1加算する(S40)。次に、メインCPUは、有効ラインカウンタに5を格納する(S41)。次に、メインCPUは、メダル投入コマンドを副制御回路に対して送信する(S42)。メダル投入コマンドは、投入枚数等を特定するためのパラメータを含んで構成されている。
メインCPUは、S39において投入枚数カウンタは最大値であると判別したときには、クレジットカウンタを1加算する(S43)。メインCPUは、S43の後、S42の後、又は、S38においてメダルの通過が検出されていないと判別したときには、ベットスイッチのチェックを行う(S44)。ベットボタンに対応する数値が投入枚数カウンタに加算される一方でクレジットカウンタから減算される。
次に、メインCPUは、投入枚数カウンタは最大値に達したか否かを判別する(S45)。投入枚数カウンタは最大値に達していないと判別したときには、S38に移る一方で、投入枚数カウンタは最大値に達したと判別したときには、スタートスイッチDD79がオンであるか否かを判別する(S46)。
メインCPUは、スタートスイッチDD79がオンではないと判別したときには、S38に移る一方で、スタートスイッチDD79がオンであると判別したときには、メダル通過禁止を行う(S47)。セレクタDD15のソレノイドの駆動が行われず、メダルの排出が促される。この処理が終了すると、メダル受付・スタートチェック処理を終了する。
(内部抽籤処理)
次に、図134を参照して、内部抽籤処理について説明する。はじめに、メインCPUは、内部抽籤テーブル及び抽籤回数を決定する(S61)。作動中フラグ格納領域が参照され、ボーナスゲームの作動の有無等に応じて、内部抽籤テーブル及び抽籤回数が決定される。尚、抽籤回数は、内部抽籤テーブルにより規定された各当籤番号について、抽籤値の減算及び桁かりが生じたか否かの判定を行う回数を示す。
次に、メインCPUは、乱数値格納領域に格納されている乱数値を取得し、判定用乱数値としてセットする(S62)。次に、メインCPUは、当籤番号の初期値として1をセットする(S63)。
次に、メインCPUは、内部抽籤テーブルを参照し、当籤番号に対応する抽籤値を取得する(S64)。次に、メインCPUは、判定用乱数値から抽籤値を減算する(S65)。次に、メインCPUは、桁かりが行われたか否かを判別する(S66)。メインCPUは、桁かりが行われていないと判別したときには、抽籤回数を1減算し、当籤番号を1加算する(S67)。
次に、メインCPUは、抽籤回数は0であるか否かを判別する(S68)。メインCPUは、抽籤回数は0ではないと判別したときには、S64に移る一方で、抽籤回数は0であると判別したときには、小役・リプレイ用データポインタとして0をセットし、ボーナス用データポインタとして0をセットする(S69)。
メインCPUは、S66において桁かりが行われたと判別したときには、現在の当籤番号に応じて、小役・リプレイ用データポインタ及びボーナス用データポインタを取得する(S70)。メインCPUは、S70又はS69の後で、小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルを参照し、小役・リプレイ用データポインタに基づいて内部当籤役を取得する(S71)。
次に、メインCPUは、取得した内部当籤役を内部当籤役格納領域に格納する(S72)。次に、メインCPUは、持越役格納領域に格納されているデータは0であるか否かを判別する(S73)。メインCPUは、持越役格納領域に格納されているデータは0であると判別したときは、ボーナス用内部当籤役決定テーブルを参照し、ボーナス用データポインタに基づいて内部当籤役を取得する(S74)。次に、メインCPUは、取得した内部当籤役を持越役格納領域に格納する(S75)。
次に、メインCPUは、持越役格納領域に格納されているデータは0であるか否かを判別する(S76)。メインCPUは、持越役格納領域に格納されているデータは0ではないと判別したとき、つまりボーナスゲームの作動に係る内部当籤役が決定されたときは、RT作動中フラグ及びRTゲーム数カウンタをクリアする(S77)。次に、メインCPUは、RT2作動中フラグをオンにする(S78)。
メインCPUは、S78の後、S73において持越役格納領域に格納されているデータは0ではないと判別したとき、又はS76において持越役格納領域に格納されているデータは0であると判別したときには、持越役格納領域と内部当籤役格納領域との論理和をとり、その結果を内部当籤役格納領域に格納する(S79)。つまり、ボーナスゲームの作動に係る内部当籤役の持ち越しが行われる。この処理が終了すると、内部抽籤処理を終了する。
(リール停止制御処理)
次に、図135を参照して、リール停止制御処理について説明する。はじめに、メインCPUは、有効なストップボタンが押されたか否かを判別する(S101)。メインCPUは、有効なストップボタンが押されていないと判別したときには、これが押されるまで待機する。
メインCPUは、有効なストップボタンが押されたと判別したときには、該当ストップボタンの操作を無効化する(S102)。各ストップボタンの有効及び無効の状態は、メインRAMに設けられた所定の格納領域において管理される。
次に、メインCPUは、チェック回数として5をセットする(S103)。本実施の形態では、滑り駒数の最大数を「4」としていることから、ストップボタンが押されたときに該当表示窓の中段にある図柄の位置を含め、そこから4個先の図柄の位置までがチェックの対象となる。つまり、「0」、「1」、「2」、「3」及び「4」の5つの数値の何れかが滑り駒数として決定される。
次に、メインCPUは、内部当籤役に基づいて、ストップボタンが押されたときに該当表示窓の中段にある図柄の位置(以下、停止開始位置)を含めたチェック回数の範囲内にある各図柄の位置の中で、最も優先順位の高い図柄の位置を検索する(S104)。この処理では、内部当籤役によって表示が許可されている図柄の組合せを、入賞判定ライン沿って表示することが可能となる図柄の位置が、最も優先順位の高い図柄の位置として決定される。
次に、メインCPUは、検索の結果に基づいて滑り駒数を決定する(S105)。停止開始位置から上記最も優先順位の高い図柄の位置までの図柄の個数が滑り駒数として決定される。次に、メインCPUは、停止予定位置待ちへ移行する(S106)。停止予定位置待ちへ移行すると、後述の割込処理によってステッピングモータの駆動が制御され、最も優先順位の高い図柄の位置が該当表示窓の中段に到達するのを待って該当リールの回転が停止される。
次に、メインCPUは、リール停止コマンドを副制御回路に対して送信する(S107)。リール停止コマンドは、停止したリールの種別等を特定するパラメータを含んで構成されている。
次に、メインCPUは、操作が有効なストップボタンがあるか否かを判別する(S108)。つまり、まだ回転中のリールがあるか否かが判別される。メインCPUは、操作が有効なストップボタンがあると判別したときには、S101に移る一方で、操作が有効なストップボタンがないと判別したときには、リール停止制御処理を終了する。
(ボーナス作動チェック処理)
次に、図136を参照して、ボーナス作動チェック処理について説明する。はじめに、メインCPUは、表示役はBBであるか否かを判別する(S121)。メインCPUは、表示役はBBであると判別したときには、ボーナス作動時テーブルを参照し、BB作動時処理を行う(S122)。この処理では、BB作動中フラグがオンにされ、ボーナス終了枚数カウンタに所定値がセットされる。
次に、メインCPUは、持越役格納領域をクリアする(S123)。次に、メインCPUは、RT作動中フラグをクリアする(S124)。次に、メインCPUは、ボーナス開始コマンドを副制御回路に対して送信する(S125)。この処理が終了すると、ボーナス作動チェック処理を終了する。
メインCPUは、S121において表示役はBBではないと判別したときには、表示役はリプレイであるか否かを判別する(S126)。メインCPUは、表示役はリプレイであると判別したときには、投入枚数カウンタの値を自動投入カウンタに複写する(S127)。
メインCPUは、S126において表示役はリプレイではないと判別したときには、表示役はチェリーであるか否かを判別する(S128)。メインCPUは、表示役はチェリーであると判別したときには、RT1作動中フラグはオンであるか否かを判別する(S129)。メインCPUは、RT1作動中フラグはオンであると判別したときには、RT作動中フラグ及びRTゲーム数カウンタをクリアする(S130)。この処理が終了すると、ボーナス作動チェック処理を終了する。
メインCPUは、S128において表示役はチェリーではないと判別したとき、又はS129においてRT1作動中フラグはオンではないと判別したときには、BB作動中フラグはオンであるか否かを判別する(S131)。メインCPUは、BB作動中フラグはオンではないと判別したときには、ボーナス作動チェック処理を終了する一方で、BB作動中フラグはオンであると判別したときには、RB作動中フラグはオンであるか否かを判別する(S132)。
メインCPUは、RB作動中フラグはオンであると判別したときには、ボーナス作動チェック処理を終了する一方で、RB作動中フラグはオンではないと判別したときには、ボーナス作動時テーブルを参照し、RB作動時処理を行う(S133)。この処理では、RB作動中フラグがオンにされ、入賞可能回数カウンタ及び遊技可能回数カウンタに所定値がセットされる。この処理が終了すると、ボーナス作動チェック処理を終了する。
(ボーナス終了チェック処理)
次に、図137を参照して、ボーナス終了チェック処理について説明する。はじめに、メインCPUは、ボーナス終了枚数カウンタは0であるか否かを判別する(S141)。メインCPUは、ボーナス終了枚数カウンタは0であると判別したときには、BB終了時処理を行う(S142)。この処理では、BB作動中フラグ及びRB作動中フラグがオフされ、ボーナスゲームの終了契機を管理するための各種カウンタがクリアされる。
次に、メインCPUは、RT1作動中フラグをオンにして、RTゲーム数カウンタに100を格納する(S143)。次に、メインCPUは、ボーナス終了コマンドを副制御回路に対して送信する(S144)。この処理が終了すると、ボーナス終了チェック処理を終了する。
メインCPUは、S141においてボーナス終了枚数カウンタは0ではないと判別したときには、入賞可能回数カウンタ又は遊技可能回数カウンタを更新する(S145)。遊技可能回数カウンタが1減算され、また、入賞が有った場合に入賞可能回数カウンタが1減算される。次に、メインCPUは、入賞可能回数カウンタ又は遊技可能回数カウンタは0であるか否かを判別する(S146)。
メインCPUは、入賞可能回数カウンタ又は遊技可能回数カウンタは0ではないと判別したときには、ボーナス終了チェック処理を終了する一方で、入賞可能回数カウンタ又は遊技可能回数カウンタは0であると判別したときには、RB終了時処理を行う(S147)。この処理では、RB作動中フラグがオフされ、入賞可能回数カウンタ及び遊技可能回数カウンタがクリアされる。この処理が終了すると、ボーナス終了チェック処理を終了する。
(RT制御処理)
次に、図138を参照して、RT制御処理について説明する。はじめに、メインCPUは、RT1作動中フラグはオンであるか否かを判別する(S151)。メインCPUは、RT1作動中フラグはオンではないと判別したときには、RT制御処理を終了する。一方で、メインCPUは、RT1作動中フラグはオンであると判別したときには、RTゲーム数カウンタを1減算する(S152)。
次に、メインCPUは、RTゲーム数カウンタは0であるか否かを判別する(S153)。メインCPUは、RTゲーム数カウンタは0ではないと判別したときには、RT制御処理を終了する。一方で、メインCPUは、RTゲーム数カウンタは0であると判別したときには、RT1作動中フラグをオフにする(S154)。この処理が終了すると、RT制御処理を終了する。
(メインCPUの制御による割込処理(1.1173msec))
次に、図139を参照して、メインCPUの制御による割込処理(1.1173msec)について説明する。はじめに、メインCPUは、レジスタの退避を行う(S161)。次に、メインCPUは、入力ポートチェック処理を行う(S162)。この処理では、ストップスイッチ等の各種スイッチから入力される信号がチェックされる。
次に、メインCPUは、リール制御処理を行う(S163)。この処理では、全リールの回転開始が要求されたときに、各リールの回転を開始し、その後一定速度での回転を行うよう、ステッピングモータの駆動が制御される。また、滑り駒数が決定されたときは、該当リールの回転が滑り駒数分継続するのを待ってその回転の減速及び停止を行うよう、ステッピングモータの駆動が制御される。
次に、メインCPUは、ランプ・7セグ駆動処理を行う(S164)。次に、メインCPUは、レジスタの復帰を行う(S165)。この処理が終了すると、割込処理を終了する。
(副制御回路のサブCPUによって実行されるプログラムフロー)
主制御基板MSのメインCPUにより実行されるプログラムの内容についての説明は以上である。次に、図140〜図142を参照して、副制御回路のサブCPUにより実行されるプログラムの内容について説明する。
(主基板通信タスク)
図140を参照して、サブCPUにより行われる主基板通信タスクについて説明する。はじめに、サブCPUは、主制御基板MSから送信されたコマンドの受信チェックを行う(S301)。次に、サブCPUは、コマンドを受信した場合、そのコマンドの種別を抽出する(S302)。
次に、サブCPUは、前回とは異なるコマンドを受信したか否かを判別する(S303)。サブCPUは、前回とは異なるコマンドを受信しなかったと判別したときには、S301に移る一方で、前回とは異なるコマンドを受信したと判別したときには、メッセージキューに格納し(S304)、S301に移る。
(演出登録タスク)
次に、図141を参照して、サブCPUにより行われる演出登録タスクについて説明する。はじめに、サブCPUは、メッセージキューからメッセージを取り出す(S311)。次に、サブCPUは、メッセージは有るか否かを判別する(S312)。サブCPUは、メッセージは有ると判別したときには、メッセージから遊技情報を複写する(S313
)。例えば、パラメータによって特定される、内部当籤役、回転が停止したリールの種別、表示役、作動中フラグ等といった各種データがサブRAMに設けられた格納領域に複写される。
次に、サブCPUは、後で図142を参照して説明する演出内容決定処理を行う(S314)。この処理では、受信したコマンドの種別に応じて、演出内容の決定や演出データの登録等が行われる。
サブCPUは、S314の後、又は、S312においてメッセージは無かったと判別したときには、アニメーションデータの登録を行う(S315)。次に、サブCPUは、サウンドデータの登録を行う(S316)。次に、サブCPUは、ランプデータの登録を行う(S317)。アニメーションデータの登録、サウンドデータの登録及びランプデータの登録は、演出内容決定処理において登録された演出データに基づいて行われる。この処理が終了すると、S311に移る。
(演出内容決定処理)
次に、図142を参照して、サブCPUにより実行される演出内容決定処理のフローチャートについて説明する。はじめに、サブCPUは、スタートコマンド受信時であるか否かを判別する(S321)。サブCPUは、スタートコマンド受信時であると判別したときには、演出用乱数値を抽出し、内部当籤役等に基づいて演出番号を抽籤により決定し、登録する(S322)。演出番号は、今回において実行する演出内容を指定するデータである。
次に、サブCPUは、登録されている演出番号に基づいて、スタート時の演出データを登録する(S323)。演出データは、アニメーションデータ、サウンドデータ及びランプデータを指定するデータである。演出データが登録されると、対応するアニメーションデータ等が決定され、映像の表示等の演出が実行される。この処理が終了すると、演出内容決定処理を終了する。
次に、サブCPUは、スタートコマンド受信時ではないと判別したときには、リール停止コマンド受信時であるか否かを判別する(S324)。サブCPUは、リール停止コマンド受信時であると判別したときには、登録されている演出番号とストップボタンの種別に基づいて、停止時の演出データを登録する(S325)。この処理が終了すると、演出内容決定処理を終了する。
次に、サブCPUは、リール停止コマンド受信時ではないと判別したときには、表示コマンド受信時であるか否かを判別する(S326)。サブCPUは、表示コマンド受信時であると判別したときには、登録されている演出番号に基づいて、表示時の演出データを登録する(S327)。この処理が終了すると、演出内容決定処理を終了する。
次に、サブCPUは、表示コマンド受信時ではないと判別したときには、ボーナス開始コマンド受信時であるか否かを判別する(S328)。サブCPUは、ボーナス開始コマンド受信時であると判別したときには、ボーナス開始用の演出データを登録する(S329)。この処理が終了すると、演出内容決定処理を終了する。
次に、サブCPUは、ボーナス開始コマンド受信時ではないと判別したときには、ボーナス終了コマンド受信時であるか否かを判別する(S330)。サブCPUは、ボーナス終了コマンド受信時ではないと判別したときには、演出内容決定処理を終了する一方で、ボーナス終了コマンド受信時であると判別したときには、ボーナス終了用の演出データを登録する(S331)。この処理が終了すると、演出内容決定処理を終了する。
[付記1]
上述した実施形態に係る遊技機は、次のような課題、課題解決手段および作用効果を有している。従来、プロジェクタからの投射映像をスクリーンに投影して演出画像を表示するゲーム機が提案されている。例えば、特開平06−035066号公報には、ゲーム機内に配置されたプロジェクタからの投射光を反射鏡で反射してスクリーンに映し出す構成が記載されている。また、特開2009−089813号公報には、プロジェクタを用いてスクリーンに演出画像を投影する遊技機が記載されている。
しかし、従来のプロジェクタからスクリーンに投影する演出画像の表示方法では、平面的な演出画像しか表示することができず、多様な演出を期待する遊技者にとっては、臨場感といった点で物足りなさを感じる場合がある。
また、従来から液晶表示装置等を用いて立体視画像による演出画像を表示し、立体的な映像演出が行われていたが、このような立体視画像による演出は遊技者に臨場感を与える一方で、立体視画像による演出を好まない遊技者もあり、必ずしも遊技者のニーズに応じた画像演出が行えていなかった。
そこで、本発明では、遊技者の興趣を向上するとともに、遊技者のニーズに応じた多様な演出表示を行い得る遊技機を提供することを目的としている。
(手段1)立体視演出を表示可能な第1表示手段と、前記第1表示手段よりも前方または後方に配置され、平面視演出を表示可能な第2表示手段と、前記第1表示手段に表示される前記立体視演出を視認できる第1態様と、前記第2表示手段に表示される前記平面視演出を視認できる第2態様とのうちいずれかの態様となるよう制御可能な視認態様切替制御手段と、を備えることを特徴とする遊技機。
上記(手段1)の構成によれば、立体視演出を表示可能な第1表示手段と、平面視演出を表示可能な第2表示手段とが切り替えられて遊技者に演出画像を表示することができる。したがって、遊技者は、立体視演出と平面視演出とが切り替えられることによる演出態様の変化を視認できるとともに、それぞれが別の表示手段により演出表示が行われることにより、その演出態様の変化をさらに知覚することができる。
(手段2)上記(手段1)に記載の遊技機において、前記第2表示手段は、前記第1表示手段よりも前方に配置される投影面と、該投影面に画像を投影させることで平面視演出を表示可能な画像投影手段とを有することを特徴とする。
上記(手段2)の構成によれば、平面視画像を表示する第2表示手段は立体視画像を表示する第1表示手段よりも前方に配置されるとともに、当該第2表示手段は例えばプロジェクタからの投射画像を投影するスクリーンによって構成されており、スクリーンに投影された演出画像のみで遊技者に対する演出表示を行うことができる。
(手段3)上記(手段2)に記載の遊技機において、前記第1態様と前記第2態様とのうちいずれか所望の態様となるよう操作可能な態様切替操作手段をさらに備え、前記視認態様切替制御手段は、前記態様切替操作手段への操作態様に応じて前記投影面が前記第1表示手段の前方に位置することで該第1表示手段の視認が不可能な態様と、前記投影面が前記第1表示手段の前方から退避することで該第1表示手段の視認が可能となる態様とを少なくとも含む複数の態様の間で切り替え可能に構成されてなることを特徴とする。
上記(手段3)の構成によれば、第1表示手段による立体視演出を表示させるのか、そ
れとも、第2表示手段による平面視演出を表示させるのかを、遊技者の操作態様に応じて切り替えることができ、第2表示手段であるスクリーンが第1表示手段の前方に進退可能に構成されている。そして、遊技者の態様切替操作手段に対する操作態様に応じて、第2表示手段であるスクリーンを第1表示手段の前方に進出させて第2表示手段による平面視画像による演出を行わせたり、逆に、第2表示手段であるスクリーンを第1表示手段の前方から退避させて第1表示手段による立体視画像による演出を行わせたりすることができる。
(手段4)上記(手段1)〜(手段3)に記載の遊技機において、前記第1表示手段に前記立体視演出が表示されるよう制御可能な表示演出制御手段をさらに備え、前記表示演出制御手段は、前記第1態様にあるときは前記第1表示手段に前記立体視演出が表示されるよう制御する第1表示演出制御手段と、前記第2態様にあるときは前記第1表示手段にて表示演出が行われないよう制御する第2表示演出制御手段とを有することを特徴とする。
上記(手段4)の構成によれば、第1表示手段は立体視演出を表示制御する表示演出制御手段を備えており、第2表示手段であるスクリーンが第1表示手段の前方から退避しているときは、第1表示手段では立体視演出を表示演出する一方、第2表示手段であるスクリーンが第1表示手段の前方に進出しているときは、第1表示手段では表示演出行わないようにすることができる。
よって、上記各手段によって、遊技者のニーズに応じた多様な演出表示を行い得る遊技機を提供することができる。
[付記2]
上述した実施形態に係る遊技機は、次のような課題、課題解決手段および作用効果をさらに有している。従来、遊技機を構成する部材の温度上昇を把握し、故障や誤動作等を未然に防ぐ遊技機が提案されている。例えば、特開2001−218958号公報には、パチンコ機の図柄表示装置やソレノイド、制御装置のメインROMなどに、シール状に形成した温度変化に応じて変色するサーモクロミック材料を貼り付け、その変色態様により作動装置等の温度状況を把握し、作動装置等の損傷や誤差動等を防止する構成が記載されている。
しかし、上記従来の方法では、単一の電子部品の温度や、装置全体の温度を把握することは可能であるものの、多くの電子部品が密集して配設されている制御基板のような場合において、複数の電子部品の温度を監視しつつ、個々の電子部品の温度を把握することはできなかった。
また、サーモグラフィーや熱電対による温度監視も想定されるが、サーモグラフィーによる温度の監視には撮影装置に相当のコストを要し、熱電対による温度の監視には、その設置作業に困難性や相当の労力を要する。したがって、多くの電子部品が配設されている制御基板において、基板上の複数の電子部品における異常な温度上昇を検出することは非常に難しい。
そこで、本発明では、遊技機内の多くの電子部品が配設されている制御基板において、基板の各電子部品の異常な温度上昇を検出し得る遊技機を提供することを目的としている。
(手段1)遊技者に有利な特典遊技の実行にかかわる抽籤を行う抽籤手段を少なくとも含み、遊技の進行を制御する主制御手段と、所定の表示領域において前記抽籤の結果にもとづく演出画像が表示されるよう制御可能な周辺制御手段と、を備える遊技機であって、前
記主制御手段が有する制御基板と前記周辺制御手段が有する制御基板とのうち少なくともいずれかの制御基板は、板状部材及び該板状部材に載置される電子部品を有し、前記板状部材は、温度に応じて色が変化する機能を有することを特徴とする遊技機。
上記(手段1)の構成によれば、制御基板上に配設された複数の電子部品のうち、何れの電子部品で異常な温度上昇が生じているのかを把握することができる。
(手段2)上記(手段1)に記載の遊技機において、前記板状部材は、温度に応じて色が変化する塗料が塗布されてなり、該板状部材に、前記電子部品が載置されることで、該電子部品に表示されている文字の視認が維持されていることを特徴とする。
上記(手段2)の構成によれば、制御基板の表面に示温塗料を塗布し、その上に各電子部品を配設している。これにより、特定の電子部品で異常な温度上昇があれば、その電子部品周辺の示温塗料が変色するので、その電子部品において異常な温度上昇が発生していることを把握できる。また、示温塗料は電子部品の載置前に塗布するため、電子部品の記号表示の視認を妨げることはない。
(手段3)上記(手段2)に記載の遊技機において、前記板状部材に塗布された塗料は、絶縁機能と温度に応じて色が変化する機能との両方を兼ね備えたものであることを特徴とする。
上記(手段3)の構成によれば、制御基板の表面に塗布される示温塗料は絶縁機能を備えているため、従来のプリント基板を保護する熱硬化性エポキシ樹脂皮膜、所謂ソルダーレジストと同様に制御基板の保護材料としても機能させることが可能である。
(手段4)上記(手段1)に記載の遊技機において、前記制御基板は、前記板状部材に透明テープを貼付したものであり、前記透明テープは、当該透明テープの透明性を維持しつつ温度に応じて色が変化する液晶インクが塗られたものであることを特徴とする。
上記(手段4)の構成によれば、複数の電子部品が配設された制御基板の上部に液晶インクが施された透明テープを設置することにより、異常な温度上昇が発生した電子部品を液晶インクの変色により把握できるとともに、当該電子部品に表示された記号も併せて視認することが可能である。
よって、上記各手段によって、遊技機内の複数の電子部品が配設されている制御基板において、基板上の複数の電子部品における異常な温度上昇を検出し得る遊技機を提供することができる。
[付記3]
上述した実施形態に係る遊技機は、次のような課題、課題解決手段および作用効果をさらに有している。従来、遊技機は規則により、遊技機外の機械または装置から信号を受信する外部端子盤を設けることが禁止されている。したがって、遊技機設置島に設置されている複数の遊技機間で信号の送受信を行い、複数の遊技機で一斉に共通の演出を行ったり、複数の遊技機で連携した演出を行うことができなかった。例えば、特開2012−166063号公報には、遊技機設置島の複数の遊技機において、各遊技機に設けられたリアルタイムクロックの計時値を一致させ、リアルタイムクロックの計時値にもとづいて、一斉に共通の演出を行う発明が記載されている。そして、複数の遊技機で一斉に行う共通演出にズレが生じないよう、閉店時間中に各遊技機のリアルタイムクロックを店員が個々に調整することが記載されている。
しかし、上記従来の方法では、店員による各遊技機のリアルタイムクロックの時間調整を日々行う必要があり、多くの労力を必要としていた。
また、各遊技機のリアルタイムクロックにもとづいて一斉に共通演出を行う場合、所定の時間に一斉に共通した演出を行うことはできるものの、例えば、時間に関係なく、遊技機設置島の中のある一つの遊技機で遊技者に有利な状態が発生した場合、それを契機として複数の遊技機で一斉演出を行うというような演出は行えなかった。
そこで、本発明では、遊技機の電源ラインを利用して電力線通信を行うことで、複数の遊技機間を結ぶ通信ラインを新たに設けることなく、複数の遊技機で連携した演出を行い得る遊技機を提供することを目的としている。
(手段1)遊技機島に設置される複数の遊技機に接続される電力線を通じて電力が供給される遊技機であって、遊技の進行にかかわる制御を実行可能な主制御手段と、前記主制御手段からのコマンドにもとづいて演出にかかわる制御を実行可能な周辺制御手段と、を備え、前記電力線は、電力の供給の他に、前記複数の遊技機に対して信号を送信可能に構成されており、前記周辺制御手段は、前記電力線から送信された信号に応じて所定の演出を実行可能な演出制御手段を有することを特徴とする遊技機。
上記(手段1)の構成によれば、電力線通信により電源ラインを通して受信した信号に応じて、複数の遊技機の演出制御手段により演出制御が行われる。したがって、電力線通信を利用して複数の遊技機における連携した演出が実行可能となる。
(手段2)上記(手段1)に記載の遊技機において、前記電力線から送信される信号は、前記複数の遊技機による連携演出の実行開始タイミングを知らせるものであり、前記複数の遊技機の間で新たな通信線を追加することなく該複数の遊技機による連携演出を実行することを可能ならしめたことを特徴とする。
上記(手段2)の構成によれば、複数の遊技機はそれぞれ、演出を実行するタイミングを知らせる開始タイミング情報を電力線を介して受信し、演出の実行を開始する。したがって、複数の遊技機間を結ぶ通信ラインを設けることなく、複数の遊技機で連携した演出が実行可能となる。
よって、上記各手段によって、複数の遊技機間を結ぶ通信ラインを設けることなく、複数の遊技機で連携した演出を行い得る遊技機を提供することができる。
[付記4]
上述した実施形態に係る遊技機は、次のような課題、課題解決手段および作用効果をさらに有している。従来、図柄を立体的に表現する方法が種々提案されているが、例えば、特開2002−336402号公報には、スロットマシン等の図柄リールにおいて、図柄リールに取り付けられる図柄シートにホログラム材料を貼り付けて、図柄に立体感を持たせた発明が記載されている。また、特開2000−233040号公報には、スロットマシンのリールに印刷された各図柄に対して、蓄光作用のある印刷材料を使用し、図柄が自ら発光することにより、図柄に立体感を持たせた発明が記載されている。
上記、従来の方法による立体的な図柄の表示方法においては、ホログラムや蓄光材料といった特殊な材料を使用する必要性や、印刷する際に多段階の作業工程を要するため、製造コストが割高になってしまう。
また、上記ホログラムや蓄光材料により表示される図柄は、その印刷材料の性質から、
浮かび上がるように見えるといった一定の視覚的な作用は認められるものの、必ずしも立体的で奥行き感のあるものではなかった。
そこで、本発明では、図柄に立体感を持たせることにより、遊技者の興趣を向上し得る遊技機を提供することを目的としている。
(手段1)シート状の図柄表示体と、前記図柄表示体を後方から発光可能な光源とを備える遊技機であって、前記図柄表示体は、前記光源から発光される光を透過可能な透過領域を含む図柄を有しており、前記図柄は、前記光を、所定の透過率で透過させる第1の透過領域及び該第1の透過領域よりも低い透過率で透過させる第2の透過領域を少なくとも有することを特徴とする遊技機。
上記(手段1)の構成によれば、シート状のフィルムに印刷された図柄表示体が、それぞれ光の透過率が異なる、第1の透過領域と第2の透過領域により構成されているため、図柄表示体の図柄構成に応じて光の強弱を視認することが可能となる。これにより、図柄表示体の立体感を遊技者は知覚することができる。
(手段2)上記(手段1)に記載の遊技機において、前記図柄は、前記光を、前記第2の透過領域よりも低い透過率で透過させる第3の透過領域をさらに有するとともに、前記第1の透過領域、前記第2の透過領域及び前記第3の透過領域において前記光の透過率が階調変化するように構成されてなることを特徴とする。
上記(手段2)の構成によれば、それぞれ光の透過率の異なる、第1の透過領域および第2の透過領域に加え、さらに第3の透過領域を設けることにより、図柄表示体の図柄構成に応じて光の強弱をさらに細かく視認することが可能となり、図柄表示体の奥行きのある立体感を遊技者は知覚することができる。
(手段3)上記(手段1)または(手段2)に記載の遊技機において、前記図柄表示体は、シート面にインクが施されているとともに、前記図柄は、前記シート面に施されるインクの濃度に変化をもたせることで前記透過領域において透過率が変わるように構成されてなることを特徴とする。
上記(手段3)の構成によれば、シート状のフィルムに図柄表示体を印刷する際、透過領域ごとにインクの濃度を変えることで、各透過領域の光の透過率を変えることができる。
(手段4)所定の抽籤を行う抽籤手段と、光を透過可能な特定図柄を含む複数の図柄が付されたリールを有する複数のリールと、前記特定図柄を後方から発光可能な光源と、を備え、回転状態にある前記リールが停止されたときに前記所定の抽籤結果を表示可能な遊技機であって、前記特定図柄は、前記光源から発光された光を、所定の透過率で透過させる第1の透過領域及び該第1の透過領域よりも低い透過率で透過させる第2の透過領域を少なくとも有し、前記光源から発光される光の強度が略一定であったとしても、前記リール前方の特定の位置から前記特定図柄を見た場合に、前記第1の透過領域までの距離感と前記第2の透過領域までの距離感とが異なりうるようにされたことを特徴とする遊技機。
上記(手段4)の構成によれば、抽籤の結果にもとづいて、複数のリールの図柄が所定の表示態様で停止する遊技機において、図柄表示体の背後に一定の強度の光を発光する光源を設けている。そして、所定の透過率で光を透過させる第1の透過領域及び該第1の透過領域よりも低い光の透過率で透過させる第2の透過領域により構成された図柄表示体を遊技者が見た場合に、第1の透過領域までの距離感と第2の透過領域までの距離感とが異
なるように知覚される。つまり、上記光源の光の強度を変化させることなく、透過領域ごとに異なる透過率で光を透過させ、遊技者に図柄表示体の距離感を知覚させることが可能である。
よって、上記各手段によって、遊技者のニーズに応じた多様な演出表示を行い得る遊技機を提供することができる。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
すなわち、上記実施形態では、遊技機としていわゆるパチスロ機に適用したものを示したが、これに限定するものではなく、パチンコ機や、パチンコ機とパチスロ機とを融合させてなる遊技機に、適用しても良く、この場合でも、上記と同様の作用効果を奏することができる。