JP6752426B1 - 熱性能評価装置および熱性能評価方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 建築物の熱性能の評価を容易に行なうとともに、評価の正確性を向上させることが可能な熱性能評価装置および熱性能評価方法を提供する。【解決手段】 熱性能評価装置1は、区画された測定領域60において少なくとも、第1の空間21の第1の温度、および第1の空間21と第2の空間23を仕切る部材25の表面の第2の温度を測定可能な測定手段3と、第1の温度および第2の温度のそれぞれ複数個の実測値に基づき、将来の或る時点におけるそれぞれの予測温度を取得する予測温度取得手段5と、予測温度と前記第2の空間の温度とに基づき部材25の熱性能を推計する推計手段7を有し、部材25の熱性能を評価する。【選択図】図1

Description

本発明は、建築物の熱性能評価装置および熱性能評価方法に関する。
従来、建築物(例えば、一般住宅など)において、設計時に予定された壁面や窓などの熱(的)性能の数値を評価する方法が検討されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
新築物件においては施工後の熱性能の実測値を評価し提示することで、あるいは改修工事などにおいて改修の前後において熱性能を比較して改修の効果を具体的に示すことで、施工主にはより安心感を与えるとともに、施工業者にとっては自社または自社ブランドの信頼性を向上させることができる。
特開2016−186462号公報 特開2007−24727号公報
しかしながら、従来の方法では、正確な評価を行なうには多くの条件が揃う必要があり、評価には大変手間と時間が掛かり、あるいはまた作業の効率を優先することで評価の適正が十分ではない問題があった。
熱性能、特に、壁材などの断熱性能を評価する指標として熱貫流率(U値)や、熱損失係数(Q値)などがあるが、これらを求める式は、いずれも定常状態(室内外の温度や熱量が一定で変化しない状態)を前提とするものであり、評価のための実測も定常状態に近い環境で行なう必要がある。
具体的に、壁材などで区切られる室内側においては室温が変化しない、すなわち、入居していないか生活行為を抑えた状態で測定しなければならない。また室外側においては、日射、外気温および風などの影響を受けないか変化が少ない環境で測定する必要があり、具体的には曇天・無風で気温の変化が少ない日中、あるいは夜間が好適である。
更に、室内側と室外側の温度差(内外温度差)は大きい(例えば、10℃程度)ほうが望ましいが、室内に設置したエアコンなどの冷暖房設備のみでここまでの温度差を確保するのは限界がある。
このような室内外の条件を適切に揃えた上で、例えば個々の一般住宅などにおいて全数を評価することは現実的には大変困難であった。また当該室内外の条件が揃わない環境では、評価の適正(正確性)が十分とはいえない。
本発明は、斯かる実情に鑑み、建築物の熱性能の評価を容易に行なうとともに、評価の正確性を向上させることが可能な熱性能評価装置および熱性能評価方法を提供しようとするものである。
本発明は、第1の空間と第2の空間を仕切る部材の熱性能を評価する熱性能評価装置であって、前記第1の空間は屋内であり、前記第2の空間は屋外であり、前記第1の空間と前記第2の空間に亘って設定される測定領域と、前記第1の空間側において前記部材との間に閉領域を形成する区画手段と、前記区画手段の内部空間を加熱するとともに強制的に気流を生じさせる手段と、少なくとも、前記内部空間における第1の温度と、前記測定領域における前記部材の表面の第2の温度とを測定可能な測定手段と、前記第1の温度および前記第2の温度について、定常状態になる以前の温度変化の勾配が変位する期間において測定したそれぞれ複数個の実測値に基づき、将来の或る時点におけるそれぞれの予測温度を取得する予測温度取得手段と、前記予測温度と前記第2の空間の温度とに基づき前記部材の熱性能を推計する推計手段と、を有する、ことを特徴とする熱性能評価装置にかかるものである。
また、本発明は、第1の空間と第2の空間を仕切る部材の熱性能を評価する熱性能評価方法であって、前記第1の空間は屋内であり、前記第2の空間は屋外であり、前記第1の空間と前記第2の空間に亘って設定される測定領域の該第1の空間側において前記部材との間に形成した閉領域の内部空間を加熱するとともに強制的に気流を生じさせるステップと、前記内部空間における第1の温度、および前記部材の表面の第2の温度を、それぞれ定常状態になる以前の温度変化の勾配が変位する期間において複数回測定する測定ステップと、前記第1の温度および前記第2の温度のそれぞれ複数個の実測値に基づき、将来の或る時点におけるそれぞれの予測温度を取得する予測温度取得ステップと、前記予測温度と前記第2の空間の温度とに基づき前記部材の熱性能を推計する推計ステップと、を有することを特徴とする熱性能評価方法にかかるものである。


本発明によれば、建築物の熱性能の評価を容易に行なうとともに、評価の正確性を向上させることが可能な熱性能評価装置および熱性能評価方法を提供できる、という優れた効果を奏し得る。
本発明の実施形態に係る熱性能評価装置の概要を示す(A)断面図、(B)ブロック図である。 本発明の実施形態に係る熱性能評価装置における予測温度取得手段の概要を説明する図である。 本発明の実施形態に係る熱性能評価装置における予測温度取得手段の概要を説明する図である。 本発明の実施形態に係る加熱手段を示す(A)正面概略図、(B)垂直断面概略図、(C)水平断面概略図である。 本発明の実施形態に係る熱性能評価方法の処理の流れを示すフロー図である。 本発明の実施形態に係る熱性能評価方法の一例を示す図である。 本発明の実施形態に係る熱性能評価方法の一例を示す図である。 本発明の実施形態に係る熱性能評価方法の一例を示す図である。 本発明の実施形態に係る熱性能評価方法の一例を示す図である。 本発明の他の実施形態に係る熱性能評価装置の概要を示す断面図である。
<熱性能評価装置>
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態に係る熱性能評価装置1を説明する図であり、同図(A)が熱性能評価装置1の概要を示す断面図、同図(B)が熱性能評価装置1の機能の一例を示すブロック図である。なお、説明の便宜上、図1(A)等における熱性能評価装置1の方向の定義として、建築物(建造物)の設置面(地面G)に対して鉛直方向を高さ方向H、地面に水平且つ高さ方向Hに垂直な方向を奥行き方向D、高さ方向Hと奥行き方向Dのいずれにも垂直な方向を幅方向Wという。
図1(A)に示すように、本実施形態の熱性能評価装置1は、第1の空間21と第2の空間23を仕切る部材25の熱性能を評価する装置である。ここでは一例として第1の空間21が建築物(建造物)の室内20の一部の空間であり、第2の空間23が室外の一部の空間であって、部材25が建築資材(例えば壁材)である場合について説明する。また、部材25は、例えば1層(1種類)の壁材であると仮定する。
同図(B)に示すように本実施形態の熱性能評価装置1は、測定手段3と、予測温度取得手段5と、推計手段7と、制御手段9と、加熱手段17(区画手段13、送風手段15)などを有する。
制御手段9は、熱性能評価装置1の各部を統括的に制御する。具体的に、制御手段9は、CPU、RAM、及びROM等から構成され、各種制御を実行する。CPUは、いわゆる中央演算処理装置であり、各種プログラムが実行されて測定手段3、予測温度取得手段5、推計手段7および加熱手段17はそれぞれの機能を実現する。RAMは、CPUの作業領域として使用される。ROMは、CPUで実行される基本OSやプログラムを記憶する。
測定手段3は、第1の空間21と壁材25と第2の空間23とに跨る所定の測定領域60(同図(A)に一点鎖線で示す)において、第1の空間21に存在する測定部位(以下、室内測定部位21Pという)の温度(第1の温度)Th、および部材(壁材)25の表面の或る微小領域(または点)の測定部位(以下、壁材測定部位25Piという)の温度(第2の温度)Thw、および第2の空間23に存在する測定部位(以下、室外測定部位23Pという)の温度(第3の温度)Tcをそれぞれ測定可能である。
壁材25は第1の空間21(高温側)を臨む面(室内側面251)と、第2の空間23(低温側)を臨む面(室外側面252)を有する。つまり、壁材25の表面の温度としては、高温側表面の壁材測定部位25Piの温度Thwと低温側表面の壁材測定部位25Poの温度Tcwとがある。壁材測定部位25Piは、高温側である室内側面251の或る微小領域(または点)であり、壁材測定部位25Poは、低温側である室外側面252の或る微小領域(または点)であるとする。以下の説明においては一例として、高温側表面、すなわち室内側面251の壁材測定部位25Piの温度Thwを採用する場合について説明する。
そして詳細は後述するが、室内側面251の一部は区画手段13によって覆われる。区画手段13は、奥行き方向Dに所定の厚みを有し、壁材25(室内側面251)側が開放された例えば略直方体(または略立方体)形状の箱体である。これにより、室内20側には、壁材25と区画手段13で区画された空間が生じる。この空間が本実施形態の第1の空間21である。換言すると、本実施形態の第1の空間21は室内20の一部であるが、区画手段13と壁材25によって区画された領域である。また室内測定部位21Pは、壁材25の面(室内側面251)から室内20側の奥行き方向Dに所定距離離隔した第1の空間21に位置する。
また、第2の空間23は特に区画される領域ではないが、仮想的に壁材25の近傍で室外側面252から室外側奥行き方向Dに所定距離(例えば、10cm〜数mなど)離隔した位置までの所定空間とする。そして当該所定空間内に室外測定部位23Pが存在する。
つまり測定領域60は、図1(A)に一点鎖線で示すように、所定面積の壁材25を挟み、第1の空間21側と第2の空間23側のそれぞれ奥行き方向Dに所定距離で略直方体(略立方体)形状で確保された空間をいう。そして、測定領域60内に、壁材測定部位25Pi、室内測定部位21P、壁材測定部位25Po、および室外測定部位23Pが存在する。また以下の説明では第1の空間21を室内側空間21、第2の空間23を室外側空間23という。
なお、同図(A)において、平均的な各部の温度の概要を大破線で示している。すなわち、平均的に室内側空間21は第2の空間23よりも高温であり、壁材25の内部は室内側面251から室外側面252に向かって温度が下降する。また説明の便宜上、当該大破線上に室内測定部位21P、壁材測定部位25Pi、壁材測定部位25Po、および室外測定部位23Pを示しているがこれらは実際の測定位置を示すものではなく高さ方向Hの位置は任意の位置である。
測定手段3は、一例として、第1測定手段31と第2測定手段32と第3測定手段33を含む。第1測定手段31は例えば、室内側空間21の温度Thを測定する温度検知器および温度計(温度検知器の情報を処理して温度に換算し、表示および/または記録する機器)であり、第2測定手段32は例えば、壁材25の表面の温度Thw又はTcwを測定可能な表面温度計(温度検知器および温度計)であり、第3測定手段33は例えば、室外側空間23の温度Tcを測定可能な温度検知器および温度計である。なお、第2測定手段32は、第1測定手段31および第3測定手段33と同種の手段であってもよいし、異種の手段であってもよい。一例として、第1測定手段31〜第3測定手段33はそれぞれ、制御手段9によって所定の測定時間内(測定を開始してから例えば30分〜90分など)において、所定の間隔(例えば、2分〜5分などの間隔)で複数回、壁材測定部位25Pi、室内測定部位21P、壁材測定部位25Poおよび室外測定部位23Pのそれぞれの部位の温度(実測値)を測定・取得する。具体的に第1測定手段31は、所定の時間毎に室内側空間21の室内測定部位21Pの温度Thを測定し、第2測定手段32は、壁材25の壁材測定部位25Piの温度Thwを測定し、第3測定手段33は室外側空間23の室外測定部位23Pの温度Tcを測定する。なお、測定手段3による測定は制御手段9によらずそれぞれ(または一部)が手動で(作業者によって)測定される構成であってもよい。
予測温度取得手段5は、室内測定部位21Pにおける温度の複数個の実測値、すなわち、第1測定手段31が測定時間内で取得した室内測定部位21Pにおける複数回の実測値(室内実測温度Th0,Th1,Th2…)に基づき、将来の或る時点における室内側空間21の予測温度(室内予測温度Thf)を取得する。
予測温度取得手段5はまた、壁材測定部位25Piにおける温度の複数個の実測値、すなわち、第2測定手段32が測定時間内で取得した壁材測定部位25Piにおける複数回の実測値(壁面実測温度Thw0,Thw1,Thw2…)に基づき、将来の或る時点における壁材25表面の予測温度(壁面予測温度Thwf)を取得する。
予測温度取得手段5はまた、室外測定部位23Pにおける温度の複数個の実測値、すなわち、第3測定手段33が測定時間内で取得した室外測定部位23Pにおける複数回の実測値(室外実測温度Tc0,Tc1,Tc2…)に基づき、将来の或る時点における室外側空間23の予測温度(室外予測温度Tcf)を取得する。
より詳細には同図(B)に示すように、予測温度取得手段5は、実測温度変化取得手段51と、予測温度変化取得手段53と、収束温度取得手段55を有する。
図2は、予測温度取得手段5により取得される温度変化の傾向の一例を示す図であり、同図(A)が実測温度変化取得手段51により取得される温度変化の傾向の一例を示す概要図であり、同図(B)が予測温度変化取得手段53により取得される温度変化の傾向の一例を示す概要図である。図2において横軸が(測定開始からの)時間[分]であり、縦軸が温度である。また、図2においては、室内測定部位21Pと壁材測定部位25Piについて区別をしていないが、両者の温度変化の傾向は同図に示すような類似した形状の曲線で示される。
実測温度変化取得手段51は、測定した複数個の室内実測温度ThN(Th0、Th1・・・)の温度変化(室内実測温度変化)の傾向を取得し、また、測定した複数個の壁面実測温度ThwN(Thw0、Thw1・・・)の温度変化(壁面実測温度変化)の傾向を取得する。一例として室内実測温度変化の傾向は、図2(A)に示すように複数個の室内実測温度ThNの散布図(測定時間(横軸)と室内実測温度ThN(縦軸)の関係を示す散布図)から取得した曲線(以下、「実測曲線」という場合もある)である。同様に、壁面実測温度変化の傾向は、複数個の壁面実測温度ThwNの散布図(測定時間(横軸)と壁面実測温度ThwN(縦軸)の関係を示す散布図)から取得した曲線(実測曲線)である。
予測温度変化取得手段53は、図2(A)に示すような室内実測温度変化の傾向(を示す実測曲線)に基づき、室内側空間21の室内測定部位21Pにおける将来の温度変化(室内予測温度変化)の傾向を予測し、また、壁面実測温度変化の傾向(を示す実測曲線)に基づき、壁材25の壁材測定部位25Piにおける将来の温度変化(壁面予測温度変化)の傾向を予測する。一例として、室内予測温度変化の傾向は、室内実測温度変化の傾向を示す実測曲線に基づく対数近似曲線として取得する。同様に、壁面実測温度変化の傾向は、壁面実測温度変化の傾向を示す実測曲線に基づく対数近似曲線として取得する。なお、図2(B)における実線は、図2(A)に対応する実測曲線であり、同図(B)における破線は、同図(B)の実測曲線(実線)に基づいて測定時間(横軸)の区間を延長した対数近似曲線である。
収束温度取得手段55は、所定の閾値(または条件)に基づき、室内予測温度変化の収束時点tsを特定し、該収束時点tsにおける室内測定部位21Pの温度を室内予測温度Thfとして取得し、また、該収束時点tsにおける壁材測定部位25Piの温度を壁面予測温度Thwfとして取得する。
図3は、図2(B)と同様の予測温度変化の傾向(を示すグラフ)において収束時点tsを特定する方法の一例を示す概要図である。
収束温度取得手段55は、図3(A)に示すように例えば、室内予測温度変化(壁面予測温度変化も同様)のある所定の単位時間Δt(例えば、1分〜10分間など)における温度の変化率(変化量)の程度に基づき、収束時点tsを特定する。具体的にある単位時間Δtにおける室内予測温度変化の傾きが0に近づいた時点を収束時点tsとする。
あるいは、同図(B)に示すように測定開始(具体的には実測温度変化の傾向を示す実測曲線の始点)から或る時点までの全体の変化量を100%とした場合、ある所定の単位時間Δtにおける室内予測温度変化の変化量ΔTが全体の数%(例えば1%〜5%、好適には2%〜3%以下など)になった時点を収束時点tsとする。
ここで、「ある時点までの全体の変化量」とは状況に応じて異なるが、一例として、温度変化の特性に合わせて例えば測定開始から90分〜6時間後の変化量である。
さらに、同図(C)に示すように壁材25の設置状態に基づき収束時点tsを特定してもよい。具体的には、例えば、一般的に壁材25の面積(柱間の面積)が狭い場合(曲線C1)には広い場合(曲線C2)と比較して面方向の熱拡散が少ないため、比較的早期に室内予測温度変化(壁面実測温度変化も同様)の傾向が収束すると考えられる。従って、壁材25の面積が狭い場合には収束時点tsは測定終了から短時間(例えば、60分等)の経過後の時点ts1とし、壁材25の面積が広い場合には、収束時点tsは測定終了から長時間(例えば、3時間)経過後の時点ts2とする。
また、壁材25の性能に基づき収束時点tsを特定してもよい。具体的には、実線で示す壁面実測温度変化の傾向(および/または室内実測温度変化の傾向)によって、壁材25の現状の性能(劣化の状態(設置後の経過時間)や材質等)が概ね把握可能であるため、それに基づき、収束時点tsを特定する。例えば、壁材25の現状の性能が悪い(劣化した)場合、当該壁材25は熱を通しやすく、壁材25の室内側面251と室内側空間21の温度が近づき、比較的早期に(温度差が少ない)定常状態になる。つまり、壁材25の現状の性能が悪い(劣化した)場合(曲線C1)には収束時点tsは測定終了から短時間(例えば、60分)経過後の時点ts1とし、壁材25の現状の性能が良好な場合(曲線C2)には、測定終了から長時間(例えば、3時間等)の経過後の時点ts2とする。
なお、同図(A)または同図(B)に示す手法によって収束時点tsを特定する際に、同図(C)に示すような壁材25の設置状態や性能に基づく収束時点の変動の影響を考慮して最終的な収束時点tsを調整してもよい。
また、収束温度取得手段55は例えば、第3測定手段33が測定時間内で取得した室外測定部位23Pにおける複数の室外実測温度Tc0,Tc1,Tc2…に基づき、室内予測温度変化の収束時点tsにおける室外測定部位23Pの温度を室外予測温度Tcfとして取得する。
室外側空間23の温度は、日中(例えば13時〜14時など)や夜間などであれば温度変化は少ないと考えられるため、例えば、室外測定部位23Pにおける複数の室外実測温度Tc0,Tc1,Tc2…を平均するなどして、室内予測温度変化の収束時点tsにおける室外測定部位23Pの温度を室外予測温度Tcfとして取得する。あるいはまた、測定開始時又は測定終了時の温度を室外予測温度Tcfとして取得してもよい。なお、室外予測温度Tcfも、室内予測温度Thfと同様に、温度変化の傾向に基づき取得してもよい。
推計手段7は、室内予測温度Thf、壁面予測温度Thwfおよび室外予測温度Tcfに基づき、壁材25の熱性能を推計する。具体的に推計手段7は、壁材25の熱の伝わり易さを表す指標である熱貫流率(U値)を推計し、熱性能を評価する。さらに、推計手段7は、当該壁材25が所定の断熱材で構成されていたと仮定した場合における当該断熱材に換算した厚み(奥行き方向Dの長さ、以下この厚みを「断熱材換算厚みDI」という。)で熱性能を評価する。
図1(A)に示す構成の場合、例えば、高温側の温度差(th−thw)から求められる壁材25の熱貫流率Uh[w/m・k]は、以下の式1により求められる。
Uh=αh(th−thw)/(th−tc) (式1)
ここで、αh:壁材25の高温側の表面熱伝達率[w/m・k](ここでは、壁材25の室内側面251における表面熱伝達率)
th:高温側(ここでは定常状態での室内側空間21側)の温度[k]
thw:定常状態での壁材25の室内側面251の温度[k]
tc:低温側(ここでは定常状態での室外側空間23側)の温度[k]
である。
壁材25の高温側の表面熱伝達率αhは、壁材25の表面付近の気流速度に基づく固有の特性値(定数)である。
また、壁材25の熱抵抗rw[m・k/w]は、1/Uhであり、以下の式2により求められる。
rw=1/Uh=rh×(th−tc)/(th−thw) (式2)
ここで、rh:高温側(ここでは室内側空間21側)熱伝達抵抗[m・k/w]
th:高温側温度(定常状態での室内側空間21側の温度)[k]
tc:低温側温度(定常状態での室外側空間23側の温度)[k]
thw:定常状態での高温側壁面(表面)温度[k]
なお、高温側の熱伝達抵抗rhは、高温側の熱伝達率αh[w/m・k]の逆数である。高温側の熱伝達率αhは、図1(A)に示す壁材25の室内側面251の熱伝達率であり、固有の定数(ここでは例えば、αh=15[w/m・k])である。
また、壁材25の断熱材換算厚みDIは、以下の式3により求められる。
DI = rw×λ (式3)
ここで、rw:壁材25の熱抵抗[m・k/w]
λ:断熱材の熱伝導率(固有の特性値)[w/m・k]
つまり、高温側温度thと、低温側温度tcと、高温側壁面温度thwが測定できれば、高温側の温度差から求めた壁材25の熱貫流率(U値)Uh、および壁材25の断熱材換算厚みDIが算出可能である。この場合高温側温度thとは、室内側空間21側、すなわち室内測定部位21Pの温度であり、低温側温度tcとは、室外側空間23側、すなわち室外測定部位23Pの温度であり、高温側壁面温度thwとは、高温側に面する壁面温度であり、この例では、室内側面251の温度である。
ただし、上式1〜式3はいずれも定常状態(室内外の温度や熱量が一定で変化しない状態)を前提とするものであるため、温度の測定も可能な限り定常に近い状態で行なうことが望ましい。
具体的には、室内側空間21側においては室温が変化しない、すなわち、入居していないか生活行為を抑えた状態で測定する必要がある。また、室外側空間23側においては、日射、外気温および風などの影響を受けないか変化が少ない環境で測定する必要があり、具体的には曇天・無風で気温の変化が少ない13時から14時頃、あるいは夜間が好適である。
更に、評価時点において室内側空間21側と室外側空間23側の温度差(内外温度差)は大きい(例えば、10℃程度)ほうが望ましいが、室内側空間21に設置したエアコンなどの冷暖房設備のみでここまでの温度差を確保するのは限界がある。
このような室内外の条件を適切に揃えた上で、例えば個々の一般住宅などにおいて全数を評価することは現実的には大変困難であった。また当該室内外の条件が揃わない環境では、評価の適正(正確性)が十分とはいえなかった。
そこで、本実施形態では、評価時点において常に十分な(例えば、10℃以上の)内外温度差を確保できることを前提にすべく、測定領域60の一部、具体的には室内側空間21側を高温に維持する加熱手段17を設けることとした。加熱手段17の詳細は後述するが、壁材25(室内側面251)の一部を立体的に覆う区画手段13(例えば、箱体)と、区画手段13の内部に温風を供給する送風手段15を含み、室内側面251の一部に接する室内側空間21の空間の一部を人工的に加熱するとともに高温状態を維持することとした。
ただし、区画手段13の内部を人工的に加熱する(温風を供給する)ことから、区画手段13の内部(室内側空間21)は所望の内外温度差且つ、温度変化が少なくなる(定常に近い)高温状態になるまでには例えば、2時間〜6時間の時間を要する。
そこで、本実施形態では、それよりも短時間(例えば、30分〜90分など)の測定時間で、室内側空間21側の温度thと、壁材25の室内側面251の温度thw、および室外側空間23側の温度tcをそれぞれ複数測定し、それらの実測値に基づき定常状態となる将来の室内側空間21側の温度thと、壁材25の室内側面251の温度thwと、室外側空間23側の温度tcとを予測することとした。
具体的には、室内側空間21側の温度thと、壁材25の室内側面251の温度thwのそれぞれ複数の実測値(室内実測温度Th0、Th1、Th2…および壁面実測温度Thw0、Thw1、Thw2…)から、両者のそれぞれの温度変化の傾向(室内実測温度変化の傾向、および壁面実測温度変化の傾向)を求める(図2(A)参照)。
更に両実測温度変化の傾向に基づき将来の室内側空間21側の予測温度(室内予測温度Thf)と、壁材25の室内側面251の予測温度(壁面予測温度Thwf)の温度変化の傾向(室内予測温度変化の傾向、および壁面予測温度変化の傾向)を予測する。また、室内予測温度Thfおよび壁面予測温度Thwfは或る時間経過後に収束する(定常状態になる)と考え、両予測温度変化の傾向における収束時点tsを特定する(図2(B)参照)。
そして、当該収束時点tsの予測される室内側空間21側の温度(室内予測温度Thf)を上記の式1〜式3における高温側温度thとし、当該収束時点tsの予測される壁材25の室内側面251の温度(壁面予測温度Thwf)を上記の式1〜式3における高温側壁面温度thwとし、また、当該収束時点tsの予測される室外側空間23側の温度(室外予測温度Tcf)を上記の式1〜式3における低温側温度tcとして、高温側の温度差から求めた壁材25の熱貫流率Uhおよび断熱材換算厚みDIを推計し、壁材25の熱性能を評価することとした。
なお、室外側空間23側の温度(外気温)tcは、日中であれば略定常であると考え、例えば予測温度(室外予測温度Tcf)には、実測値(室外実測温度Tc0,Tc1,Tc2…)の平均値を利用する。あるいはまた、予測温度(室外予測温度Tcf)には、測定開始時、測定終了時、測定期間の中間時点などの実測値を用いてもよい。
図4を参照して加熱手段17について説明する。同図(A)は加熱手段17の外観を示す正面概要図、同図(B)は同図(A)のX−X線の断面概要図、同図(C)は同図(A)のY−Y線の断面概要図である。加熱手段17は例えば、区画手段13と送風手段15を有する。
区画手段13は、壁材25(室内側面251)の一部と密着してこれを覆うことが可能であって、室内側面251に開放(開口)部131を有する例えば箱体であり、一例として床面からも離隔した状態で取り付けられる。区画手段13のサイズは、例えば、高さ方向Hが1200mm、幅方向Wが750mm、奥行き方向Dが400mm程度である。
開放部131の対向面は例えば、開閉可能な扉部材132が設けられ、加熱時は閉止し必要に応じて開放して区画手段13の内部を露出可能に構成される。また区画手段13の内部は断熱材133で覆われる。さらに、区画手段13の内部の温度(室内測定部位21Pの温度)を測定する第1測定手段31(例えば、温度計)が設けられる。第1測定手段31は、扉部材132を開放することなく測定可能なように、例えば、本体(温度表示部)31Aが区画手段13の外部に配置され、検知部31Bが室内側空間21に配置される。同図(C)を参照して、室内測定部位21Pは、室内側空間21内において壁材25に近い位置に設定することが好ましい。具体的に例えば、室内測定部位21Pの室内側面251(これを覆う開放部131)からの距離D1は、室内側空間21(区画手段13)の奥行き方向Dの距離(厚みD2)の1/2以下であり、この例では、室内側面251から1cm〜10cm、好適には2cm〜5cm)である。
また、壁材25と当接する開放部131の全周に亘り、内部の空気が漏れないよう不図示のパッキンが設けられると好ましい。また、区画手段13の例えば下方(この例では側面下方部)には貫通部135が設けられ、上方(この例では上面部)には排気部136が設けられる。
送風手段15は、区画手段13の内部に温風を供給する手段であり、温風を発生させる本体151と、送風部152を有し、送風部152を貫通部135に挿通した状態で温風を供給する。送風手段15はここでは一例として家庭用ヘアドライヤーを用いるが、温風を供給できる手段であればこの例に限らない。
加熱手段17は、扉部材132を閉止した状態で送風手段15によって区画手段13の内部に温風が供給される。送風手段15は連続して温風を供給し、また排気部136からは適宜、区画手段13の内部の空気が排出される。つまり、区画手段13の内部は温風が循環しながら徐々に温度が上昇する。
送風手段15は、所定時間経過後(例えば、測定開始から60分後〜6時間後など)に内外温度差が10℃以上の略定常状態が維持でき、かつ、室内側空間21の温度上昇がおおむね収束する状態(平衡(定常)状態)となるように(一例として、室内側空間21の温度が例えば、40℃〜80℃程度になるように)、供給する風量や温度、また排気部136からの排気が適宜調整(制御)される。
区画手段(箱体)13は大きいほど二次元的に安定した熱量を生じさせることが可能であるが、現場での取り付けや測定において実用的な大きさとしては限界がある。一例として上記の形状およびサイズとしたが、二次元的に安定した熱量を生じさせることが可能で実用的な大きさであればこれに限らない。なお、扉部材132を閉止した状態で区画手段13の内部を視認容易にするために、扉部材132は透明部材で構成してもよい。
なお、加熱手段17は、所定時間経過後(例えば、測定開始から1〜数時間後)に室内側空間21を略平衡状態になる温度まで上昇可能な手段であれば上記の例に限らない。例えば、温風の供給ではなく熱源等を区画手段13内に配置する構成でもよいが、その場合室内側空間21内において局所的に高温になることを避けるため、区画手段13の空気を循環させる送風手段15(サーキュレータ等)を設けるとよい。
また、周囲(室内20)の環境などにより区画手段13で覆うのみで短時間で略平衡状態になる温度に到達できる状態であれば送風手段15を設けなくても良い。
<熱性能評価方法>
図5から図9を参照して本実施形態の熱性能評価方法の一例を説明する。図5は、熱性能評価方法の処理の流れの一例を示すフロー図である。
熱性能評価方法は、第1の空間(例えば、室内側空間21)と第2の空間(例えば、室外側空間23)を仕切る部材(例えば、壁材25)の熱性能を評価する方法であって、区画された測定領域において室内側空間21の温度(第1の温度)、および壁材25の表面の温度(第2の温度)を測定する測定ステップ(ステップS01)と、第1の温度と第2の温度のそれぞれ複数個の実測値(実測温度)に基づき、第1の温度と第2の温度のそれぞれの変化(実測温度変化)の傾向を取得するステップ(ステップS03)と、実測温度変化の傾向に基づき第1の温度と第2の温度のそれぞれの将来の温度変化(予測温度変化)の傾向を予測するステップ(ステップS05)と、予測温度変化の将来の収束時点tsを特定し、該収束時点tsにおける第1の温度と第2の温度のそれぞれの温度を予測温度として取得するステップ(ステップS07)と、予測温度と第2の空間23の温度とに基づき壁材25の熱性能を推計するステップ(ステップS09)と、を有する。
以下詳細に説明する。ステップS01では、まず、測定の開始準備を行なう。すなわち、測定の対象となる壁材25の室内側(室内側面251)の一部に区画手段(箱体)13を密着させてこれを覆う。そして送風手段15から温風を供給し、区画手段13内で温風を循環させ、加熱する(図1(A),図4参照)。送風手段15は、区画手段13の内部(室内側空間21)を、室外側空間23よりも高温になるように温風を供給する。本実施形態では、送風手段15によって温風の供給を継続した場合に、供給開始から所定時間後(例えば、1時間〜数時間後)には室内側空間21が室外側空間23よりも高温(例えば、10℃以上高温)で且つ温度上昇が概ね収束するように制御するとともに、測定開始直後から短時間(略定常状態に達するまでの時間よりも短時間で例えば、30分〜90分程度)の測定期間で実測値を取得する。従って、測定期間中は、効率よく区画手段13内に温風が供給され、送風手段15の温度や風量、または排気が適宜調整される。一例として制御手段9は、第1測定手段31の温度を検知し、それに基づき送風手段15による温風の温度および/供給量を制御するが、これに限らず、作業者によって制御される構成であってもよい。
その後実測温度を測定する。すなわち、送風手段15から温風を供給しつつ、所定の測定時間(測定を開始してから例えば30分〜90分など)において、所定の間隔(例えば、2分〜5分などの間隔)で、複数回、室内測定部位21Pにおける室内実測温度ThN(Th0,Th1,Th2…)、壁材測定部位25Piにおける壁面実測温度ThwN(Thw0,Thw1,Thw2…)、室外測定部位23P(この例では壁材25の室外側面252から室外側空間23側の奥行き方向Dに1〜10cm、好適には2cm〜5cmの位置)における室外実測温度TcN(Tc0,Tc1,Tc2…)を測定・取得する。
一例として、図1(A)に示すように、室内実測温度ThNは、室内測定部位21Pの温度を測定する第1測定手段31により測定する。また、室外実測温度TcNは、室外測定部位23Pの温度を測定する第3測定手段33により測定する。また、壁面実測温度ThwNは、例えば、室内側面251(壁材測定部位25Pi)に当接(貼り付けなど)して設けた第2測定手段32で測定する。なお、毎回の測定(例えば、2分毎の測定)において、室内実測温度ThN,壁面実測温度ThwN,室外実測温度TcNのいずれも、複数回の測定の平均値(移動平均値)を採用してもよい。この例では、実測温度はそれぞれ、制御手段9によって自動的に所定間隔で測定するが、これに限らず、作業者によって測定する構成であってもよい。
図6は、室内実測温度ThN,壁面実測温度ThwN,室外実測温度TcNの測定結果の一例である。この例では、測定開始から76分間(測定時間:76分)で、2分毎に室内測定部位21P、壁材測定部位25Piおよび、室外測定部位23Pのそれぞれの位置において温度を測定した結果の一例である。この例では、測定開始から2分後に室内測定部位21Pの室内実測温度Th(Th2)は52.6℃となり、この時点で室外測定部位23Pの室外実測温度Tc(Tc2)より約17℃高温となっている。
このように本実施形態では、加熱手段17によって室内側空間21の内部の温度を徐々に上昇させるのであるが、略定常状態に達するまでの短時間(例えば、測定開始から60分〜90分程度)に測定手段3によって室内実測温度ThN,壁面実測温度ThwN,室外実測温度TcNを測定する。特に、略定常状態に達する以前の温度上昇中においても、測定手段3によって室内実測温度ThN,壁面実測温度ThwN,室外実測温度TcNを測定する。そして、温度上昇中にそれぞれ複数回測定した室内実測温度ThN,壁面実測温度ThwN,室外実測温度TcNに基づき、以下の予測温度取得ステップ(ステップS03〜ステップS07)を行なう。
まずステップS03では、室内実測温度ThNに基づき室内実測温度変化の傾向を求める。具体的に、例えば図6に例示する、複数個の室内実測温度ThNについて測定時間の関係を示す散布図(横軸が測定時間、縦軸が室内実測温度ThN)から室内実測温度変化の傾向を示す曲線(実測曲線)を取得する。
また、壁面実測温度ThwNについても同様に、壁面実測温度ThwNの散布図から壁面実測温度変化の傾向を示す曲線(実測曲線)を得る。
図7は、室内側空間21と壁材25の室内側面251についてそれぞれの実測温度変化の傾向と、予測温度変化の傾向とを示す曲線の一例である。同図に実線で示す曲線aは、室内実測温度変化の傾向を示す(散布図に基づく)曲線(実測曲線)であり、破線で示す曲線aは室内予測温度変化の傾向を示す対数近似曲線である。また、同図に実線で示す曲線bは、壁面実測温度変化の傾向を示す(散布図に基づく)曲線(実測曲線)であり、破線で示す曲線bは壁面予測温度変化の傾向を示す対数近似曲線である。横軸は、測定時刻(測定時間)[分]であり縦軸は温度(実測温度、予測温度)[℃]である。
ここで、図8を参照して、実測温度変化(室内実測温度変化および壁面実測温度変化)の傾向を取得する場合について更に説明する。同図(A)は、測定した実測値の全てのデータを採用して実測温度変化の傾向を示す実測曲線を取得した場合の一例を示す概要図であり、同図(B)は、測定した実測値の全てから選択的に一部のデータを採用して実測温度変化の傾向を示す実測曲線を取得した場合の一例を示す概要図である。
同図(A)に示すように、取得した実測温度の全データを用いて実測温度変化の傾向を示す実測曲線を作成した場合、測定開始直後は区画手段13内の温度が低く、その後は比較的急峻に温度上昇するため、求める対数近似曲線としては変化の傾向が急峻となりやすい。また、実際の測定においては数値のばらつきにより実測曲線が歪になる場合もある。本実施形態では、実測温度変化の傾向から将来の温度を予測する。このため、ベースとなる実測温度変化の傾向を示す実測曲線は、緩やかで理想的な曲線に近づくように、採用する実測温度データを適宜選択するとよい。具体的には、対数近似曲線を急峻にし得る、あるいは歪の原因となり得る実測温度データ(特に測定開始直後のデータなど)を除き、例えば同図(A)に矢印で示す区間のデータを採用するとよい。このようにして同図(B)に示すようになだらかなカーブを描く実測温度変化の傾向を示す実測曲線を得るとよい。
続くステップS05では、室内側空間21と壁材25の室内側面251についてそれぞれの予測温度変化の傾向を予測する。
具体的に再び図7を参照して、室内予測温度変化の傾向は、例えば、図7の実線aで示す室内実測温度変化の傾向を示す実測曲線に基づいて、測定時間(横軸)の区間を延長して破線aのような対数近似曲線を取得する。また、壁面実測温度変化の傾向は、同図の実線bで示す壁面実測温度変化の傾向を示す実測曲線に基づいて、測定時間(横軸)の区間を延長して破線bのような対数近似曲線を取得する。このとき、温風が供給される区画手段13内の室内実測温度ThNは、壁面実測温度ThwNよりも常に高温であり、変化の状態(実測曲線)が近接することはあるものの交差することはありえない。これは、平衡状態(定常状態)に近い温度を予測するために求める室内予測温度変化の傾向および壁面予測温度変化の傾向を示す両対数近似曲線においても同様である。つまり、両対数近似曲線を得る場合には、両者が交差することなく、且つ、データに対するこれらの対数近似曲線の適合度を示すR−2乗値が可能な限り1に近づくように適宜調整し、両対数近似曲線を取得する(採用する室内実測温度ThN、壁面実測温度ThwNのそれぞれのデータを取捨選択する)。
次にステップS07では図7で取得した予測温度変化の傾向に基づき、室内予測温度変化の収束時点tsを特定し、該収束時点tsにおける室内測定部位21Pの温度を室内予測温度Thfとして取得する。また、当該収束時点tsにおける壁材測定部位25Piの温度を壁面予測温度Thwfとして取得する。
室内側空間21、壁材25のいずれにおいても、図3に示したような或る閾値(または条件)に基づき収束時点tsを特定する。すなわち、例えば、室内予測温度変化(壁面予測温度変化も同様)の所定時間における変化率(変化量)の程度に基づき、収束時点tsを特定する。具体的にある所定時間(例えば、5分〜10分間など)における室内予測温度変化の傾きが0に近づいた時点を収束時点tsとする(図3(A))。
また、実測温度変化の傾向を示す対数近似曲線の始点から或る時点までの全体の変化量を100%とした場合、ある所定時間(例えば、5分〜10分間など)における室内予測温度変化の変化量が全体の数%(例えば1%〜5%、好適には2%〜3%以下など)になった時点を収束時点tsとする(同図(B))。
また、壁材25の面積に基づき、狭い場合には測定終了から短時間(例えば、60分等)の経過後を、広い場合には、収束時点tsは測定終了から長時間(例えば、3時間)経過後などを収束時点tsとする。あるいは、壁材25の性能に基づき、性能が悪い(劣化した)場合には、測定終了から短時間(例えば、1時間等)経過後を、性能が良好な場合には、測定終了から長時間(例えば、3時間等)の経過後などを収束時点tsとする(同図(C))、などである。
なお、同図(A)または同図(B)に示す手法によって収束時間を特定する際に、同図(C)に示す収束時点tsの影響を考慮して収束時点tsを調整してもよい。
また、本ステップ07では、室外予測温度Tcfを取得する。ここでは一例として、室外実測温度TcNについては、日中(例えば13時〜14時頃など)や夜間であれば変化の程度は少ないと考え、例えば室外実測温度の傾向を取得することなく、室外実測温度Tc0,Tc1,Tc2…の平均値を室外予測温度Tcfとする。あるいはまた、室外予測温度Tcfには、測定開始時、測定終了時、測定期間の中間時点などの実測値を用いてもよい。
しかしながら、室外実測温度TcNについても同様に、ステップS03およびステップS05において、室外実測温度TcNの散布図から(適宜採用するデータを選択し),図8に示すような室外実測温度変化の傾向、および室外予測温度変化の傾向を示す対数近似曲線を得て、上記の収束時点tsにおける室外予測温度Tcfを取得してもよい。
その後、ステップS09では、取得した室内予測温度Thf、壁面予測温度Thwfおよび室外予測温度Tcfに基づき、壁材25の熱性能を推計する。具体的に、上述の式1に基づき壁材25の熱貫流率(U値)を推計し、熱性能を評価する。さらに、上述の式2および式3に基づき断熱材換算厚みDIを推計し、熱性能を評価する。
図9は、熱性能の推計結果を示す一例である。同図の表に示した室外側空間23の温度tcは、室外予測温度Tcf(室外実測温度Tc0,Tc1,Tc2…の平均値)である。同図の室内側空間21の温度thは収束時点tsにおける室内予測温度Thfであり、室内側空間の表面温度(高温側壁面温度thw)は収束時点tsにおける壁面予測温度Thwfである。
同図における熱貫流率(U値)は、式1より求めた高温側の温度差から求めた壁材25の熱貫流率Uhであり、断熱材換算DIは式2および式3より求めた値でありこの場合、81mmである。
またこの例では、推計手段7が、当該壁材25が所定の木材で構成されていたと仮定した場合における当該木材に換算した厚み(奥行き方向Dの長さ、木材換算厚み)でも熱性能を評価している。木材換算厚みは、式3と同様に壁材25の熱抵抗rwと所定の木材の熱伝導率(固有の特性値)の積で算出し、この場合243mmである。
このように、本実施形態によれば、例えば60分〜90分程度の短い測定期間で測定した室内側空間21、壁材25および室外側空間23のそれぞれの実測値を元に、将来の定常状態の室内側空間21、壁材25および室外側空間23それぞれの温度を予測し、定常状態における熱性能を高精度で推計することができる。
また、室内側空間21は区画手段13によって区画された所定空間とし、当該空間を加熱する(温風を供給し、循環する)ことで、将来の定常状態を精度良く推定可能となる環境を短時間で創出することが可能となる。
これにより、建築物(建造物)の部材(壁材25など)の熱性能の評価を効率よく、高精度に行なうことが可能となる。
図10は、本発明の他の形態の概要を示す断面図である。上記の例では壁材25の温度として、高温側、すなわち室内側面251の壁材測定部位25Piの温度(壁面実測温度Thw)を採用する場合を例示したが、壁材25の温度(壁面温度)として、同図に示すように低温側、すなわち室外側面252の壁材測定部位25Poの温度(壁面実測温度Tcw)を採用してもよい。
この場合、同図に示すように加熱手段17によって室内20側から加熱されている壁材25をその室外側の表面に設けた第2測定手段32によって測定する、あるいは室外側空間23側から赤外線サーモグラフィカメラなどによって撮影する。つまり室外側面252に存在する壁材測定部位25Poの壁面実測温度Tcwを測定する。
この構成により、上記と同様に室内実測温度Th、室外実測温度Tc、壁面実測温度Tcwを測定し、室内予測温度Thf、室外予測温度Tcfおよび壁面予測温度Tcwfを求める。
そして、室内予測温度Thfを高温側温度th、室外予測温度Tcfを低温側温度tcおよび壁面予測温度Tcwfを低温側壁面温度tcwとして以下の式により低温側の熱貫流率Uc、および壁材25の断熱材換算厚みDIを推計する。
具体的に、同図に示す構成の場合、低温側の温度差(tcw−tc)から求められる壁材25の熱貫流率Ucは、以下の式4により求められる。
Uc=αc(tcw−tc)/(th−tc) (式4)
ここで、αc:壁材25の低温側の表面熱伝達率[w/m・k](ここでは、壁材25の室外側面252における表面熱伝達率)
tcw:定常状態での壁材25の室外側面252の温度[k]
tc:低温側(ここでは定常状態での室外側空間23側)の温度[k]
th:高温側(ここでは定常状態での室内側空間21側)の温度[k]
である。
壁材25の低温側の表面熱伝達率αc[w/m・k]は、壁材25表面の気流速度に基づく固有の特性値(定数)である。
また、壁材25の低温側からの熱抵抗rw[m・k/w]は、1/Ucであり、以下の式5により求められる。
rw=1/Uc=rc×(th−tc)/(tcw−tc) (式5)
ここで、rc:低温側(ここでは室外側空間23側)熱伝達抵抗[m・k/w]
th:高温側温度(定常状態での室内側空間21側の温度)[k]
tc:低温側温度(定常状態での室外側空間23側の温度)[k]
tcw:定常状態での低温側壁面(表面)温度[k]
なお、低温側の熱伝達抵抗rcは、低温側の熱伝達率αc[w/m・k]の逆数である。低温側の熱伝達率αcは、図10に示す壁材25の室外側面252の熱伝達率であり、固有の定数(ここでは例えば、αc=15[w/m・k])である。
そして低温側から評価する場合には、上述の式4に基づき低温側の温度差から求められる壁材25の熱貫流率(U値)Ucを推計し、熱性能を評価する。さらに、壁材25の断熱材換算厚みDIは、上述の式3により求められるので、上述の式3および式5に基づき断熱材換算厚みDIを推計し、熱性能を評価する。
なお、上記の実施形態では、予測温度取得手段5が、室外実測温度Tc0,Tc1,Tc2…の平均値に基づき、室外予測温度Tcfを取得する場合を例示した。しかしこれに限らず、室外実測温度Tc0,Tc1,Tc2…の変動が大きい場合(例えば、時間経過に伴い、室外実測温度Tc0,Tc1,Tc2…が漸次低下するような場合)には、室外実測温度Tc0,Tc1,Tc2…の温度変化に基づいて、室内実測温度ThNおよび壁面実測温度ThwNの実測温度変化の傾向の補正(算出式の補正、あるいは実測値の補正)を適宜行ない、その状態で室内予測温度Thfおよび壁面予測温度Thwfを推計するとよい。
また、上述の実施形態では、一例として収束温度取得手段55は、特定する室内予測温度変化の収束時点tsと、壁面予測温度変化の収束時点tsを同じ時点としたが、壁面予測温度変化の収束時点tsは壁材25の材質や構造などに応じて個別に(室内予測温度変化の収束時点tsとは別に)特定してもよい。
また、本実施形態では一例として、測定開始から最大で90分程度まで実測値を取得する場合を説明しているが、状況に応じて、実測値の測定時間を延長または短縮してもよい。具体的には測定開始から2時間〜3時間程度まで実測値を測定し、その後の(例えば、測定開始から5時間〜6時間後などの)予測温度変化の傾向を取得するようにしてもよいし、測定開始から30分程度まで実測値を測定し、その後の(例えば、測定開始から60分〜2時間後などの)予測温度変化の傾向を取得するようにしてもよい。
以上、本実施形態では理解を容易にするために熱性能を断熱材換算厚みDIで表しており、そのために熱貫流率(U値)として、温度差から求められる壁材25の熱貫流率Uh、Ucを算出して評価している。
しかしながら、上述の壁材25全体の熱貫流率には室内および室外の表面熱伝達率が含まれる。表面熱伝達率は、風速条件によって異なる値となるものであり、厳密には、測定時の表面付近の風速を測定し、その値によって決定される表面熱伝達に基づいて熱貫流率を計算する必要がある。現場での風速の測定は必ずしも容易でないことから、熱貫流率の定常計算では固有の表面熱伝達率を用いるのが通例であり、本実施形態においても風速条件を仮定し、固有の表面熱伝達率(例えば、15[w/m・k])を用いて説明してきた。このような表面熱伝達率の特性、並びに、壁材のみの熱貫流率で表す方が壁材の性能の表現として明快である(理解が容易である)可能性を考慮し、室内および室外の表面熱伝達率を除いて壁材25のみの熱貫流率で評価してもよい。
具体的には例えば、高温側の温度差(th−thw)から求められる壁材25のみの熱抵抗(表面熱伝達率を除いた壁材25のみの抵抗)rwa[m・k/w]は以下の式6により求められる。
rwa=rh×(th−tc)/(th−thw)−rc−rh(式6)
ここで、rh:高温側(ここでは室内側空間21側)熱伝達抵抗[m・k/w]
th:高温側温度(定常状態での室内側空間21側の温度)[k]
tc:低温側温度(定常状態での室外側空間23側の温度)[k]
thw:定常状態での高温側壁面(表面)温度[k]
rc:低温側(ここでは室外側空間23側)熱伝達抵抗[m・k/w]
また、この場合の熱貫流率Uは、以下の式7により求められる。
U=1/rwa (式7)
また、壁材25のみの断熱材換算厚みDIは、以下の式8により求められる。
DI = rwa×λ (式8)
ここで、λ:断熱材の熱伝導率(固有の特性値)[w/m・k]
式6〜式8に、一例として図9に示す高温側熱伝達抵抗rh、高温側温度th、低温側温度tc、高温側壁面温度thw、低温側熱伝達抵抗rcを代入し、壁材25のみの断熱材換算DIを算出すると、76mmとなり、木材換算厚みは227mmとなる。
尚、本発明は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
例えば、図4に示す加熱手段17の構成は一例であり、区画手段13の形状等が異なっても良く、一部の構成(例えば、断熱材133など)を省略してもよい。また送風手段15も温風を供給する構成に限らず、例えば(熱源等で加熱された)区画手段13内に気流を生じさせる構成であってもよい。
1 熱性能評価装置
3 測定手段
5 予測温度取得手段
7 推計手段
9 制御手段
13 区画手段
15 送風手段
17 加熱手段
21 室内側空間
21P 室内測定部位
23 室外側空間
23P 室外測定部位
25 部材
25Pi、25Po 壁材測定部位
51 実測温度変化取得手段
53 予測温度変化取得手段
55 収束温度取得手段
60 測定領域
131 開放部
132 扉部材
133 断熱材
135 貫通部
136 排気部
151 本体
152 送風部
152 送風部
251 室内側面
252 室外側面
Tc,TcN 室外実測温度
Tcf 室外予測温度
Tcw 壁面実測温度
Th、ThN 室内実測温度
Thf 室内予測温度
Thw、ThwN 壁面実測温度
Thwf 壁面予測温度

Claims (12)

  1. 第1の空間と第2の空間を仕切る部材の熱性能を評価する熱性能評価装置であって、
    前記第1の空間は屋内であり、
    前記第2の空間は屋外であり、
    前記第1の空間と前記第2の空間に亘って設定される測定領域と、
    前記第1の空間側において前記部材との間に閉領域を形成する区画手段と、
    前記区画手段の内部空間を加熱するとともに強制的に気流を生じさせる手段と、
    少なくとも、前記内部空間における第1の温度と、前記測定領域における前記部材の表面の第2の温度とを測定可能な測定手段と、
    前記第1の温度および前記第2の温度について、定常状態になる以前の温度変化の勾配が変位する期間において測定したそれぞれ複数個の実測値に基づき、将来の或る時点におけるそれぞれの予測温度を取得する予測温度取得手段と、
    前記予測温度と前記第2の空間の温度とに基づき前記部材の熱性能を推計する推計手段と、を有する、
    ことを特徴とする熱性能評価装置。
  2. 前記内部空間を加熱する温風の供給手段を有する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の熱性能評価装置。
  3. 前記予測温度取得手段は、
    前記第1の温度と前記第2の温度の温度上昇中においてそれぞれの変化(以下、「実測温度変化」という。)の傾向を取得する実測温度変化取得手段と、
    前記実測温度変化の傾向に基づき前記第1の温度と前記第2の温度のそれぞれの将来の温度変化(以下、「予測温度変化」という。)の傾向を予測する予測温度変化取得手段と、
    前記予測温度変化の収束時点を特定し、該収束時点における前記第1の温度と前記第2の温度を前記予測温度として取得する収束温度取得手段と、を有する、
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の熱性能評価装置。
  4. 前記推計手段は、前記予測温度と前記収束時点における前記第2の空間の温度に基づき前記熱性能を推計する、
    ことを特徴とする請求項3に記載の熱性能評価装置。
  5. 実測温度変化取得手段は、前記実測値により前記実測温度変化の傾向を取得する、
    ことを特徴とする請求項3または請求項4に記載の熱性能評価装置。
  6. 前記第1の温度は、前記第2の温度より高温に維持される、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の熱性能評価装置。
  7. 第1の空間と第2の空間を仕切る部材の熱性能を評価する熱性能評価方法であって、
    前記第1の空間は屋内であり、
    前記第2の空間は屋外であり、
    前記第1の空間と前記第2の空間に亘って設定される測定領域の該第1の空間側において前記部材との間に形成した閉領域の内部空間を加熱するとともに強制的に気流を生じさせるステップと、
    前記内部空間における第1の温度、および前記部材の表面の第2の温度を、それぞれ定常状態になる以前の温度変化の勾配が変位する期間において複数回測定する測定ステップと、
    前記第1の温度および前記第2の温度のそれぞれ複数個の実測値に基づき、将来の或る時点におけるそれぞれの予測温度を取得する予測温度取得ステップと、
    前記予測温度と前記第2の空間の温度とに基づき前記部材の熱性能を推計する推計ステップと、
    を有することを特徴とする熱性能評価方法
  8. 前記内部空間を温風により加熱するステップを有する、
    ことを特徴とする請求項7に記載の熱性能評価方法。
  9. 前記予測温度取得ステップは、
    前記第1の温度と前記第2の温度の温度上昇中においてそれぞれの変化(以下、「実測温度変化」という。)の傾向を取得するステップと、
    前記実測温度変化の傾向に基づき前記第1の温度と前記第2の温度のそれぞれの将来の温度変化(以下、「予測温度変化」という。)の傾向を予測するステップと、
    前記予測温度変化の収束時点を特定し、該収束時点における前記第1の温度と前記第2の温度のそれぞれを前記予測温度として取得するステップ、を有する、
    ことを特徴とする請求項7または請求項8に記載の熱性能評価方法。
  10. 前記推計ステップは、前記予測温度と前記収束時点における前記第2の空間の温度に基づき前記熱性能を推計する、
    ことを特徴とする請求項9に記載の熱性能評価方法。
  11. 前記実測値により前記実測温度変化の傾向を取得する、
    ことを特徴とする請求項9または請求項10のいずれか一項に記載の熱性能評価方法。
  12. 前記第1の温度は、前記第2の温度より高温に維持される、
    ことを特徴とする請求項7から請求項11のいずれか一項に記載の熱性能評価方法。
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