JP6750699B2 - 遊技機 - Google Patents

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本発明は、パチンコ機等の遊技機に関するものである。
パチンコ機等の遊技機では、液晶表示装置等の表示手段にて図柄等の変動表示(変動演出)が行われる間に、球等の遊技媒体が始動入賞口に入り始動入賞が検出されると、所定の数を上限として、その始動入賞に係る変動演出が保留されるものがある。実行中の変動演出が終了すると、保留された未実行の変動演出のうち最先に検出された始動入賞に係る変動演出の実行が開始される(例えば、特許文献1)。
特開2003−340046号公報
変動演出が保留されていると、その保留されている変動演出の中に当たりとなる変動演出が存在する可能性がある。遊技者の中には、保留されている変動演出に関わる情報を、遊技者にとって適切なタイミングで把握したいとの要望がある。
本発明は、上記例示した事情等を解決するためになされたものであり、保留されている識別情報の動的表示に関わる情報を好適に報知できる遊技機を提供することを目的とする。
この目的を達成するために請求項1記載の遊技機は、所定の始動条件の成立を契機として情報を取得する取得手段と、その取得手段により取得された情報に基づいて判定を行う判定手段と、その判定手段による判定結果に基づいて表示手段に識別情報の動的表示を実行させる動的表示実行手段と、を備え、その動的表示実行手段により実行される前記識別情報の動的表示において所定の識別情報が現出された場合に、遊技者に所定の遊技価値を付与するものであって、前記取得手段により取得される情報を少なくとも前記判定手段による判定に用いられるまで所定の数を上限として記憶する記憶手段と、その記憶手段に記憶されている情報のそれぞれに基づいて実行される前記識別情報の動的表示のうち少なくとも所定回数までの識別情報の動的表示について、前記所定の識別情報が現出される識別情報の動的表示があるか否かと、前記所定の識別情報が現出される識別情報の動的表示の保留回数とを判断する判断手段と、遊技者による操作が可能な操作手段と、その操作手段に対して所定の操作がなされたことを検出する検出手段と、その検出手段により前記操作手段に対して所定の操作がなされたことが検出された場合に、その操作がされている間に前記判断手段による判断結果に基づいて報知可能な報知手段と、を備える。
請求項2記載の遊技機は、請求項1記載の遊技機において、前記遊技機は、パチンコ遊技機である。
本発明の遊技機によれば、所定の始動条件の成立を契機として情報を取得する取得手段と、その取得手段により取得された情報に基づいて判定を行う判定手段と、その判定手段による判定結果に基づいて表示手段に識別情報の動的表示を実行させる動的表示実行手段と、を備え、その動的表示実行手段により実行される前記識別情報の動的表示において所定の識別情報が現出された場合に、遊技者に所定の遊技価値を付与するものであって、前記取得手段により取得される情報を少なくとも前記判定手段による判定に用いられるまで所定の数を上限として記憶する記憶手段と、その記憶手段に記憶されている情報のそれぞれに基づいて実行される前記識別情報の動的表示のうち少なくとも所定回数までの識別情報の動的表示について、前記所定の識別情報が現出される識別情報の動的表示があるか否かと、前記所定の識別情報が現出される識別情報の動的表示の保留回数とを判断する判断手段と、遊技者による操作が可能な操作手段と、その操作手段に対して所定の操作がなされたことを検出する検出手段と、その検出手段により前記操作手段に対して所定の操作がなされたことが検出された場合に、その操作がされている間に前記判断手段による判断結果に基づいて報知可能な報知手段と、を備えるので、保留されている識別情報の動的表示に関わる情報を好適に報知できるという効果がある。
一実施形態におけるパチンコ機の正面図である。 パチンコ機の遊技盤の正面図である。 パチンコ機の背面図である。 (a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図であり、(b)は、実際の表示画面を例示した図である。 パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 各種カウンタ、保留球格納エリア、保留球実行エリアの構成を模式的に示した図である。 (a)は、大当たり種別テーブルの一例を模式的に示した図であり、(b)は、大当たり種別テーブルの一例を模式的に示した図であり、(c)は、保留球数が2の場合の大当たり用変動パターンテーブルの一例を模式的に示した図であり、(d)は、保留球数が2の場合の外れ用(通常)変動パターンテーブルの一例を模式的に示した図であり、(e)は、保留球数が2の場合の外れ用(確変)変動パターンテーブルの一例を模式的に示した図である。 先読み情報格納エリアの構成を模式的に示した図である。 (a)は、第3図柄表示装置に大当たり告知画像が表示された状態を示す図であり、(b)は、第3図柄表示装置に変動演出告知画像が表示された状態を示す図である。 表示制御装置の電気的構成を示すブロック図である。 変動用表示データテーブルの一例を模式的に示した図である。 追加データテーブルの一例を模式的に示した図である。 描画リストの一例を模式的に示した図である。 主制御装置内のMPUにより実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される始動入賞処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される変動処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される変動開始処理を示したフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示すフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるコマンド判定処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される変動表示処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される告知処理を示したフローチャートである。 (a)は、音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される告知ボタン判定処理を示したフローチャートであり、(b)は、音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される告知実行判定処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される球打出停止判定処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される告知表示設定処理を示したフローチャートである。 (a)は、音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される告知停止判定処理を示したフローチャートであり、(b)は、音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される告知ボタン無効解除処理を示したフローチャートである。 (a)は、表示制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示したフローチャートであり、(b)は、表示制御装置内のMPUにより実行されるコマンド割込処理を示したフローチャートであり、(c)は、表示制御装置内のMPUにより実行されるV割込処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行されるコマンド判定処理を示したフローチャートである。 (a)は、表示制御装置内のMPUにより実行される保留球数コマンド処理を示したフローチャートであり、(b)は、表示制御装置内のMPUにより実行される確定コマンド処理を示したフローチャートであり、(c)は、表示制御装置内のMPUにより実行されるデモコマンド処理を示したフローチャートである。 (a)は、表示制御装置内のMPUにより実行される変動パターンコマンド処理を示したフローチャートであり、(b)は、表示制御装置内のMPUにより実行される停止種別コマンド処理を示したフローチャートである。 (a)は、表示制御装置内のMPUにより実行される大当たり告知コマンド処理を示したフローチャートであり、(b)は、表示制御装置内のMPUにより実行される変動時間告知コマンド処理を示したフローチャートであり、(c)は、表示制御装置内のMPUにより実行される告知停止コマンド処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行される表示設定処理の一部を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行される表示設定処理の一部を示したフローチャートである。 (a)は、表示制御装置内のMPUにより実行される保留画像設定処理を示したフローチャートであり、(b)は、表示制御装置内のMPUにより実行される大当たり告知画像設定処理を示したフローチャートである。 (a)は、表示制御装置内のMPUにより実行される変動時間告知画像設定処理を示したフローチャートであり、(b)は、表示制御装置内のMPUにより実行される告知画像消去処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行されるポインタ更新処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行される描画処理を示したフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1〜図40を参照し、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)10に適用した場合の一実施形態について説明する。図1は、本実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
パチンコ機10は、図1に示すように、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64,65a等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図5参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112aへと案内される。また、上皿17の上面の正面視左側には、枠ボタン22が設けられている。上皿17の上面の正面視右側には、告知ボタン23が設けられている。
枠ボタン22は、例えば、後述する第3図柄表示装置81(図2参照)で表示される演出のステージを変更する場合に、遊技者により押下操作されるボタンである。また、枠ボタン22は、変動演出の一態様である所謂スーパーリーチでの演出内容を遊技者に選択させるための操作ボタンとしても使用される。
変動演出とは、第3図柄表示装置81にて表示される演出であり、後述の通り、遊技盤13の前面領域に発射された球が特定の入賞口(後述の第1入球口64。図2参照。)へ入球(始動入賞)したことを契機として実行され、図柄(後述の第3図柄)が所定時間変動表示された後、停止表示された図柄の組み合わせによって、当該始動入賞に対して行われる抽選の結果(大当たりか否か)を遊技者に提示する演出である。
ステージとは、第3図柄表示装置81に表示される各種演出に統一性を持たせた演出モードのことで、本パチンコ機10では「街中ステージ」,「空ステージ」,「島ステージ」の3つのステージが設けられている。上述の変動演出や、変動演出中に実行されるリーチ演出などの、各種演出は、それぞれのステージに与えられたテーマに合わせて行われるように設計されている。
ステージの変更は、変動演出が行われていない期間や、第3図柄が遊技者に視認不能に高速に変動表示される高速変動中に、遊技者によって枠ボタン22が押下操作された場合に行われ、枠ボタン22が操作される度に「街中ステージ」→「空ステージ」→「島ステージ」→「街中ステージ」→・・・の順で繰り返し変更される。また、電源投入直後は、初期ステージとして「街中ステージ」が設定される。
また、第3図柄表示装置81にて行われる変動演出においてノーマルリーチ演出が開始された場合に、ノーマルリーチからスーパーリーチに発展されるときは、ノーマルリーチ中にスーパーリーチの演出態様の選択画面が第3図柄表示装置81に表示されるように構成されている。
選択画面では、スーパーリーチの演出態様として選択可能な複数の演出態様候補が表示され、演出態様候補のうち1つが選択された状態となっている。その選択画面が表示されている間に、枠ボタン22が遊技者に押下操作されると、選択された演出態様候補が変更される。そして、スーパーリーチへ発展するときに選択されていた演出態様候補に基づいて、スーパーリーチの演出態様が決定され、その演出態様に従ってスーパーリーチが第3図柄表示装置81にて実行される。
なお、本実施形態では、枠ボタン22を押下操作されるボタンとして構成したが、枠ボタン22に代えて、遊技者によりパチンコ機10に対して所定方向(例えば、パチンコ機10に対して、前方、後方、右方および左方)に傾倒操作可能な、操作レバーにより構成してもよい。そして、操作レバーが傾倒操作された方向に基づいて、演出ステージが選択変更されたり、スーパーリーチの演出態様が選択されたりしてもよい。
告知ボタン23は、押下操作型のボタンであり、押下操作が所定時間(本実施形態では1秒)継続されたときに、実行中の変動演出および保留中の変動演出の中に大当たりとなる変動演出がある場合に、その旨を遊技者に対して告知するためのボタンである。
詳細については後述するが、パチンコ機10は、第3図柄表示装置81にて変動演出が実行されている間に、第1入球口64への入球(始動入賞)が検出されると、その変動演出が所定数(本パチンコ機10では、4)を上限として保留される。そして、実行中の変動演出が終了すると、最先に保留された変動演出の実行が開始される。この実行開始時に、その変動演出において大当たりとなるか否かの抽選が行われる。
一方で、本パチンコ機10は、保留される変動演出において結果として大当たりとなるか否かが、変動演出の開始前に先読みされて判断できるように構成されている。そして、告知ボタン23が遊技者により所定時間(1秒)継続して押下操作されると、実行中の変動演出に対して行われた抽選結果と、先読みによる判断結果とに基づいて、実行中の変動演出および保留中の変動演出の中に大当たりとなる変動演出があるか否かが判定され、大当たりとなる変動演出があれば、その旨の告知が行われる。
これにより、遊技者が遊技を止めて退席しようとする場合や、携帯電話による通話やメール等といった用件を済ませたい場合に、告知ボタン23を所定時間継続して押下操作することで、実行中の変動演出および保留中の変動演出の中に大当たりとなる変動演出があるか否かを知ることができる。
よって、大当たりとなる変動演出がなければ、退席したり用件を済ませたりといった行為を行うために、遊技を即座に止めよう、という判断を遊技者が行うことができる。また、大当たりとなる変動演出があれば、大当たりとなるまで遊技を継続しよう、という判断を遊技者が行うことができる。つまり、この告知ボタン23によって、遊技者が退席したり用件を済ませたい場合に、その行為を即座に実行してもよいか否かを判断できる。
また、本実施形態においては、告知ボタン23を所定時間(1秒)継続して押下しない限り、実行中の変動演出および保留中の変動演出の中に大当たりとなる変動演出があるか否かが告知されない。遊技を止めて退席しようとする場合や、携帯電話による通話やメール等といった用件を済ませたい場合など、特殊な事情がない限り、遊技者が、実行中の変動演出が確定表示される前や保留中の変動演出が実行される前にこれらのいずれかが大当たりとなるか否かを知ってしまうと、逆に遊技の楽しみを奪われる結果となる。
本実施形態では、告知ボタン23が所定時間(1秒)継続して押下されて初めて実行中の変動演出および保留中の変動演出の中に大当たりとなる変動演出があるか否かを通知することで、遊技者が意図せず告知ボタン23に触れてしまった場合などに、その触れた時間が所定時間未満であれば、実行中の変動演出や保留中の変動演出のいずれかに大当たりが含まれるか否かを、遊技者に知られることを抑制できる。
なお、告知ボタン23が押下操作された場合の告知の方法については、図9を参照して後述する。
前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、前面枠14の正面視左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。
なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設され、かかる操作ハンドル51の内部には球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する押しボタン式の打ち止めスイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とが内蔵されている。
操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル51の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび打ち止めスイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、球案内用の多数の釘や風車およびレール61,62、一般入賞口63、第1入球口64、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12の裏面側に取り付けられる。一般入賞口63、第1入球口64、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側から木ネジ等により固定されている。また、遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図5参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
遊技領域の正面視右側上部(図2の右側上部)には、発光手段である複数の発光ダイオード(以下、「LED」と略す。)37aと7セグメント表示器37bとが設けられた第1図柄表示装置37が配設されている。第1図柄表示装置37は、後述する主制御装置110で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。
複数のLED37aは、第1入球口64への入球(始動入賞)に伴って行われる変動中であるか否かを点灯状態により示すことによって変動表示を行ったり、変動終了後の停止図柄として、その始動入賞に対して行われる抽選の結果に応じた図柄を点灯状態により示したり、第1入球口64に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を点灯状態により示すものである。7セグメント表示器37bは、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行うものである。なお、LED37aは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
尚、本パチンコ機10では、第1入球口64への入球に対して大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、15R確変大当たり、2R確変大当たり、15R通常大当たりが用意されている。
LED37aには、第1入球口64への入球に伴って実行される変動終了後の停止図柄として、大当たり抽選の結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
ここで、「15R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことであり、「2R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が2ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことである。また、「15R通常大当たり」は、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に、低確率状態へ移行すると共に所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)は時短状態となる大当たりのことである。
また、「高確率状態」とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動中(確変中、確変状態)の時をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。本実施形態における高確率状態(確変中、確変状態)は、後述する第2図柄の当たり確率がアップして第1入球口64へ球が入球し易い遊技の状態を含む。
一方で、「低確率状態」とは、確変中でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、確変の時より大当たり確率が低い状態をいう。また、「低確率状態」のうちの時短状態(時短中)とは、大当たり確率が通常の状態であると共に、大当たり確率がそのままで第2図柄の当たり確率のみがアップして第1入球口64へ球が入球し易い遊技の状態のことをいう。
なお、第2図柄の当たり確率を変更する代わりに、パチンコ機10の遊技状態に応じて、第1入球口64に付随する電動役物が開放する時間や、1回の当たりで電動役物が開放する回数を変更するものとしても良い。具体的には、時短状態において、第1入球口64に付随する電動役物が開放する時間を時短状態以外の場合よりも長くしたり、1回の当たりで電動役物が開放する回数を時短状態以外の場合よりも多くしたりしてもよい。また、時短状態において、第2図柄の当たり確率のアップと、電動役物の開放時間の長時間化と、電動役物の開放回数の多回数化との少なくとも2つを同時に行うようにしてもよい。
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入球口64への入球(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37における変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示(変動演出)を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、第2入球口67の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置83とが設けられている。また、可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は8インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、後述する表示制御装置114(図5参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば左、中及び右の3つの図柄列が表示される。
各図柄列は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列毎に縦スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37で行われるのに対して、その第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えば、リール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
ここで、図4を参照して、第3図柄表示装置81の表示内容について説明する。図4は、第3図柄表示装置81の表示画面を説明するための図面であり、図4(a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図であり、図4(b)は、実際の表示画面を例示した図である。
第3図柄は、「0」から「9」の数字を付した10種類の主図柄により構成されている。各主図柄は、木箱よりなる後方図柄の上に「0」から「9」の数字を付して構成され、そのうち奇数番号(1,3,5,7,9)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯に大きな数字が付加されている。これに対し、偶数番号(0,2,4,6,8)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯にかんな、風呂敷、ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄が付加されており、付属図柄の右下側に偶数の数字が緑色で小さく、且つ、付属図柄の前側に表示されるように付加されている。
また、本実施形態のパチンコ機10においては、後述する主制御装置110(図5参照)による抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う変動表示(変動演出)が行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。大当たり終了後に高確率状態(確変状態)に移行する場合は、奇数番号が付加された主図柄(「高確率図柄」に相当)が揃う変動表示が行われる。一方、大当たり終了後に低確率状態に移行する場合は、偶数番号が付加された主図柄(「低確率図柄」に相当)が揃う変動表示が行われる。
図4(a)に示すように、第3図柄表示装置81の表示画面は、大きくは上下に2分割され、下側の2/3が第3図柄を変動表示(変動演出)する主表示領域Dm、それ以外の上側の1/3が予告演出、キャラクタなどを表示する副表示領域Dsとなっている。また、第3図柄表示装置81の表示画面における下底辺側中央部分には、保留球数を表示する保留球数表示領域Dbが設けられている。
主表示領域Dmは、左・中・右の3つの表示領域Dm1〜Dm3に区分けされており、その表示領域Dm1に図柄列Z1が表示され、表示領域Dm2に図柄列Z2が表示され、表示領域Dm3に図柄列Z3が表示される。
各図柄列Z1〜Z3には、上述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列Z1〜Z3には、数字の昇順または降順に主図柄が配列され、各図柄列Z1〜Z3毎に周期性をもって上から下へとスクロールして変動表示が行われる。特に、左図柄列Z1においては主図柄の数字が降順に現れるように配列され、中図柄列Z2及び右図柄列Z3においては主図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。
また、主表示領域Dmには、各図柄列Z1〜Z3毎に上・中・下の3段に第3図柄が表示される。この主表示領域Dmの中段部が有効ラインL1として設定されており、毎回の変動演出に際して、左図柄列Z1→右図柄列Z3→中図柄列Z2の順に、有効ラインL1上に第3図柄が停止表示される。その第3図柄の停止時に有効ラインL1上に大当たり図柄の組合せ(同一の主図柄の組合せ)で揃えば、大当たりとして大当たり動画が表示される。
副表示領域Dsは、主表示領域Dmよりも上方に横長に設けられており、さらに左右方向に3つの小領域Ds1〜Ds3に等区分されている。小領域Ds1〜Ds3は、それぞれ、キャラクタや予告演出画像を表示する領域である。小領域Ds1〜Ds3のそれぞれに表示される画像によって、主表示領域Dmにて行われる変動表示の結果として大当たりとなる期待感を遊技者に与えている。保留球数表示領域Dbは、第1入球口64に入球された球のうち変動表示(変動演出)が未実行である球(保留球)の数である保留球数を表示する領域である。
実際の表示画面では、図4(b)に示すように、主表示領域Dmに第3図柄の主図柄が合計9個表示される。副表示領域Dsにおいては、左の小領域Ds1、右の小領域Ds3に動画が表示され、通常より大当たりへ遷移し易い状態であることが遊技者に示唆される。中央の小領域Ds2では、通常は、所定のキャラクタ(本実施形態ではハチマキを付けた少年)が所定動作をし、時として所定動作とは別の特別な動作をしたり、通常は黒色の少年の髪の毛の色や、通常は白色のハチマキの色が変化したり、別のキャラクタが現出するなどして予告演出が行われる。
一方、第3図柄表示装置81(第1図柄表示装置37)にて変動演出(変動表示)が行われている間に球が第1入球口64へ入球した場合、その入球回数は最大4回まで保留される。その保留球数は第1図柄表示装置37により示されると共に、保留球数表示領域Dbにおいても示される。保留球数表示領域Dbには、保留球数1球につき1つの保留球数図柄(「●」図柄)が表示され、その保留球数図柄の表示数に応じて、保留球数が表示される。
即ち、保留球数表示領域Dbに1つの保留球数図柄が表示されている場合は、保留球数が1球であることを示し、4つの保留球数図柄が表示されている場合は、保留球数が4球であることを示す。また、保留球数表示領域Dbに保留球数図柄が表示されていない場合は、保留球数が0球である、即ち、保留球が存在しないことを示す。
なお、本実施形態においては、第1入球口64への入球は、最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、保留球数表示領域Dbにおける保留球数図柄の表示に代えて、保留球数を第3図柄表示装置81の一部に数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第3図柄表示装置81に保留球数を表示させないものとしてもよい。更に、可変表示装置ユニット80に、保留球数を示す保留ランプを最大保留数分の4つ設け、点灯状態の保留ランプの数に応じて、保留球数を表示するものとしてもよい。
図2に戻って、説明を続ける。第2図柄表示装置83は、球が第2入球口67を通過する毎に表示図柄(第2図柄)としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機10は、第2図柄表示装置83における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に第1入球口64が所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。
球の第2入球口67の通過回数は最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37により表示されると共に第2図柄保留ランプ84においても点灯表示される。第2図柄保留ランプ84は、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。そして、第2図柄保留ランプ84の点灯された数により、保留数を表示する。
なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37又は第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプ84の点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、第2入球口67の通過は、第1入球口64と同様に、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプ84により点灯表示を行わないものとしても良い。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入球し得る第1入球口64が配設されている。この第1入球口64へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図5参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37のLED37aで示されると共に、第3図柄表示装置81にて第3図柄の変動演出が実行される。第1入球口64は、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。
第1入球口64には、その第1入球口64へ球が入球する開口部を覆う2枚の羽根を有する電動役物が設けられている。電動役物は、2枚の羽根を開閉することによって、第1入球口64を開放状態(拡大状態)または閉鎖状態(縮小状態)とする。通常時において、第1入球口64は、電動役物の羽根が閉じた(羽根が上方に起立した)閉鎖状態となっており、球が第1入球口64へ入球できない、または、入球しづらい状態となっている。
一方、第2図柄表示装置83における変動表示が「○」の図柄で停止すると、第1入球口64の電動役物が所定時間だけ作動される。電動役物が作動されている間、電動役物の羽根が上方に起立した状態から。略V字形(逆ハの字形)に可動した状態となり、第1入球口64が開放状態となる。第1入球口64が開放状態になると、球が第1入球口64へ入球できる状態、または、閉鎖状態に比して球が入球しやすい状態となる。つまり、第2図柄表示装置83における変動表示の結果として「○」の図柄で停止して当たりとなり、第1入球口64が開放状態となった場合に、第1入球口64へ球が入球して大当たり抽選が多く行える状態とすることができる。
第1入球口64の下方には可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。パチンコ機10においては、主制御装置110での抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37のLED37aを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、最高で例えば15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
可変入賞装置65は、具体的には、特定入賞口65aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図示せず)とを備えている。特定入賞口65aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、球が特定入賞口65aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37において大当たりに対応したLED37aが点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。
可変表示装置ユニット80の左方および右方には、それぞれ、第2入球口67が設けられている。第2入球口67には、球が通過するための貫通孔(図示せず)が上下方向に設けられている。遊技領域に発射された球が、第2入球口67を通過すると、貫通孔に設けられた第2入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、そのオンに起因して主制御装置110で、第2図柄(普通図柄ともいう)の当たり抽選が行われる。
第2入球口67を通過した球に対して行われた第2図柄(普通図柄)の抽選の結果、当たりと判定された場合には、第2図柄表示装置83における第2図柄の変動表示を経て「○」の図柄が停止表示された後に、第1入球口64の電動役物が作動する。これにより、第1入球口64へ球が入球することを困難としている電動役物の羽根が略垂直に起立した状態から略V字形(逆ハの字形)に可動して、所定時間だけ球が第1入球口64へ入球できる状態、または、閉鎖状態に比して球が入球しやすい状態となる。
遊技盤13の下側における左右の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
更に、遊技盤13には、アウト口66が設けられている。いずれの入賞口63,64,65aにも入球しなかった球はアウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図5参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図5参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図5を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図5は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。
なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
主制御装置110では、大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における変動表示(変動演出)の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。RAM203には、これらの処理を制御するための各種カウンタを格納するカウンタ用バッファが設けられている。
また、ROM202は、大当たり乱数テーブル202a、大当たり種別テーブル202b、停止パターンテーブル202c、変動パターンテーブル202dを少なくとも格納している。RAM203に格納された各種カウンタと、ROM202に格納された各種テーブルとによって、主制御装置110は、上記の主要な制御を実行する。
ここで、図6を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。これらのカウンタ等は、大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の変動表示(変動演出)の設定、第2図柄表示装置83の表示結果の抽選などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。また、各種カウンタの説明の中で、図7を参照して、主制御装置110のROM202に格納された各種テーブルについても説明する。
大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の変動表示(変動演出)の設定には、大当たりの抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、大当たり図柄の選択に使用する第1当たり種別カウンタC2と、停止パターン選択カウンタC3と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1とが用いられる。
また、第2図柄表示装置83の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図14参照)の実行間隔である4ミリ秒間隔で更新され、また、一部のカウンタは、メイン処理(図20参照)の中で不定期に更新されて、その更新値がRAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。詳細については後述するが、RAM203には、4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)からなる保留球格納エリア203bが設けられており、これらの各エリアには、第1入球口64への入球タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び変動種別カウンタCS1の各値がそれぞれ格納される。
各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、所定の範囲(例えば、0〜899)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜899の値を取り得るカウンタの場合は899)に達した後0に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1の更新が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれ、その初期値から第1当たり乱数カウンタC1の更新が行われる。
第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。即ち、例えば、第1当たり乱数カウンタC1が0〜899の値を取り得るループカウンタである場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1もまた、0〜899の範囲のループカウンタである。この第1初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図14参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図20参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したタイミングで、RAM203の保留球格納エリア203bに設けられた保留第1〜第4エリアのいずれかの保留エリアに格納される。大当たりとなる乱数の値は、主制御装置のROM202に格納される大当たり乱数テーブル202aによって設定されており、保留エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値が、大当たり乱数テーブル202aによって設定された大当たりとなる乱数の値と一致する場合に、大当たりと判定される。
ここで、図7(a)を参照して、大当たり乱数テーブル202aの詳細について説明する。図7(a)は、大当たり乱数テーブル202aの一例を模式的に示した模式図である。大当たり乱数テーブル202aは、パチンコ機10の遊技状態が低確率状態(確変中ではない期間)の場合に使用される低確率状態用と、パチンコ機10の遊技状態が、低確率状態より大当たりとなる確率の高い高確率状態(確変中)の場合に使用される高確率状態用との2種類に分けられる。そして、低確率状態用と高確率状態用とのそれぞれに含まれる大当たりとなる乱数の数が異なって設定されている。このように、大当たりとなる乱数の数を異ならせることにより、低確率状態と高確率状態とで、大当たりとなる確率が変更される。
本実施形態のパチンコ機10における第1当たり乱数カウンタC1は、0〜899の範囲の2バイトのループカウンタとして構成されている。この第1当たり乱数カウンタC1では、低確率状態の場合に大当たりとなる乱数の値(大当たり乱数値)の数は3で、その値「7,307,582」が、大当たり乱数テーブル202aに格納されている。
一方で、高確率状態の場合に大当たりとなる乱数の値(大当たり乱数値)の数は30で、その値「28,58,85,122,144,178,213,238,276,298,322,354,390,420,448,486,506,534,567,596,618,656,681,716,750,772,809,836,866,892」が、大当たり乱数テーブル202aに格納されている。
尚、本実施形態では、大当たり乱数テーブル202aに格納されている低確率状態用の大当たり乱数値と、高確率状態用の大当たり乱数値とで、重複した値とならないように、それぞれ大当たり乱数値を設定している。ここで、パチンコ機10の状況にかかわらず大当たり乱数値となる値が存在すれば、その値が外部から予測されやすくなるので、不正に大当たりを引き当てられる可能性が高くなる恐れがある。これに対して、本実施形態のように、状況に応じて(即ち、パチンコ機10が高確率状態か低確率状態か、に応じて)、大当たりとなる乱数の値を変えることで、大当たりとなる乱数の値が予測され難くすることができるので、不正に対する抑制を図ることができる。
図6に戻って、説明を続ける。第1当たり種別カウンタC2は、大当たりとなった場合の大当たり種別を決定するものであり、所定の範囲(例えば、0〜99)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜99の値を取り得るカウンタの場合は99)に達した後に0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したタイミングで、RAM203の保留球格納エリア203bに設けられた保留第1〜第4エリアのうち第1当たり乱数カウンタC1が格納される保留エリアと同じ保留エリアに格納される。
ここで、保留球格納エリア203b内の1の保留エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる乱数でなければ、即ち、外れとなる乱数であれば、変動演出における変動パターンや、停止図柄の種別(以下「停止種別」と称す)は、外れ時のものとなる。一方で、保留球格納エリア203b内の1の保留エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる乱数であれば、変動演出における変動パターンや停止種別は大当たり時のものとなる。この場合、その大当たり時の変動パターンおよび停止種別は、同じ保留エリアに格納された第1当たり種別カウンタC2の値が示す大当たり種別に対応して決定される。
本実施形態のパチンコ機10における第1当たり種別カウンタC2の値は、0〜99の範囲のループカウンタとして構成されている。この第1当たり種別カウンタC2とROM202に格納された大当たり種別テーブル202bとに基づいて、大当たり種別が決定される。ここで、図7(b)を参照して、大当たり種別テーブル202bについて説明する。図7(b)は、大当たり種別テーブル202bの一例を模式的に示した図である。図7(b)に示すように、大当たり種別テーブル202bは、大当たり種別と第1当たり種別カウンタC2の値とを対応付けたテーブルである。
大当たり種別としては、上述したように、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たり後に高確率状態へ移行する「15R確変大当たり」、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に低確率状態へ移行すると共に、100変動回数の間は時短状態となる「15R通常大当たり」、最大ラウンド数が2ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する「2R確変大当たり」がある。
大当たり種別テーブル202bでは、各大当たり種別に対して、その大当たり種別を決定する第1当たり種別カウンタC2の値が対応付けられている。図7(b)の例では、15R確変大当たりに対して第1当たり種別カウンタC2の値「0〜39」が対応付けられ、15R通常大当たりに対して第1当たり種別カウンタC2の値「40〜79」が対応付けられ、2R確変大当たりに対して第1当たり種別カウンタC2の値「80〜99」が対応付けられている。
第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる値であった場合に、同じ保留エリアに格納された第1当たり種別カウンタC2の値に対応付けられた大当たり種別が大当たり種別テーブル202bから決定される。例えば、第1当たり種別カウンタC2の値が「20」であれば、大当たり種別として「15R確変大当たり」が決定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「60」であれば、大当たり種別として「15R通常大当たり」が決定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「90」であれば、大当たり種別として「2R確変大当たり」が決定される。
このように、本実施形態では、大当たりとなる場合に40%の確率で15R確変大当たりが選択され、40%の確率で15R通常大当たりが選択され、20%の確率で2R確変大当たりが選択される。なお、大当たりとなった場合にそれぞれの大当たり種別が選択される確率は、機種によって適宜設定される。そして、その設定された確率に応じて、大当たり種別テーブルにて、各大当たり種別に対して対応付けられる第1当たり種別カウンタC2の値が規定される。
なお、大当たり種別が選択される確率は、パチンコ機10の遊技状態に応じて変更されるものであってもよい。この場合、各遊技状態に対応する大当たり種別テーブルを用意し、それぞれの大当たり種別テーブルにおいて、各大当たり種別に対して対応付ける第1当たり種別カウンタC2の値の数を変更すればよい。
図6に戻って、各種カウンタの説明を続ける。停止パターン選択カウンタC3は、例えば0〜99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。本実施形態では、停止パターン選択カウンタC3によって、第3図柄表示装置81で表示される外れ時の停止種別が選択され、リーチが発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」と、同じくリーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」と、リーチが発生しない「完全外れ」との3つの停止(演出)パターンが選択される。
停止パターン選択カウンタC3の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したタイミングで、RAM203の保留球格納エリア203bに設けられた保留第1〜第4エリアのうち第1当たり乱数カウンタC1が格納される保留エリアと同じ保留エリアに格納される。
停止パターン選択カウンタC3に対応して、停止種別の選択される乱数値の範囲が異なる複数の停止パターンテーブル202cがROM202に設けられている。停止パターンテーブル202cが複数用意されているのは、現在のパチンコ機10の状態が高確率状態であるか低確率状態であるか等に応じて、停止種別の選択比率を変更するためである。
例えば、高確率状態では、大当たりが発生し易いため必要以上にリーチ演出が選択されないように、「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0〜89と広い停止パターンテーブル202cが選択され、「完全外れ」が選択され易くなる。この停止パターンテーブル202cは、「前後外れリーチ」が98,99と狭くなると共に「前後外れ以外リーチ」も90〜97と狭くなり、「前後外れリーチ」や「前後外れ以外リーチ」が選択され難くなる。
また、低確率状態であれば、第1入球口64への球の入球時間を確保するために「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0〜79と狭い停止パターンテーブル202cが選択され、「完全外れ」が選択され難くなる。この停止パターンテーブル202cは、「前後外れ以外リーチ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が80〜97と広くなり、「前後外れ以外リーチ」が選択され易くなっている。よって、低確率状態では、演出時間の長いリーチ表示を多く行うことできるので、第1入球口64への球の入球時間を確保でき、第3図柄表示装置81による変動表示が継続して行われ易くなる。尚、後者の停止パターンテーブル202cにおいても、「前後外れリーチ」の停止種別に対応した乱数値の範囲は98,99に設定される。
変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS1の値は、後述するタイマ割込処理(図14参照)が1回実行される毎に1回更新され、メイン処理(図20参照)内の残余時間内でも繰り返し更新される。
変動種別カウンタCS1は、変動パターンの決定に用いられる。即ち、MPU201は、変動種別カウンタCS1と、ROM202に格納された変動パターンテーブル202dとによって、変動パターンを決定する。変動パターンの決定は、具体的には、図柄変動の変動時間の決定である。音声ランプ制御装置113および表示制御装置114は、変動種別カウンタCS1により決定された変動パターン(変動時間)に基づいて、第3図柄表示装置81で表示される第3図柄のリーチ種別や細かな図柄変動態様を決定し、また予告演出実行の有無や予告演出の実行態様を決定する。
ここで、図7(c)〜(e)を参照して、変動パターンテーブル202dの詳細について説明する。本パチンコ機10は、変動パターンテーブル202dとして、大当たり時に用いられる大当たり用変動パターンテーブル202d1と、外れ時に用いられる外れ用変動パターンテーブル202d2,202d3とが用意されている。また、外れ用変動パターンテーブル202d2,202d3として、遊技状態が時短状態または確変時の高確率状態であるか、もしくは、時短状態を除く通常時の低確率状態かに応じて、外れ(確変)用変動パターンテーブル202d3および外れ(通常)用変動パターンテーブル202d2が用意されている。
更に、各変動パターンテーブル202d1〜203d3は、それぞれ、保留球数が0の場合(即ち、保留球がない場合)に参照されるテーブルと、保留球数が1の場合に参照されるテーブルと、保留球数が2の場合に参照されるテーブルと、保留球数が3の場合に参照されるテーブルと、保留球数が4の場合に参照されるテーブルとがそれぞれ別個に設けられている。
なお、本実施形態にように、必ずしも保留球数毎に変動パターンテーブルを用意する必要はなく、単に保留球数を条件として参照されるテーブルが変更されるように、各変動パターンテーブル202d1〜203d3が用意されていてもよい。例えば、各変動パターンテーブル202d1〜203d3が、それぞれ、保留球数が3未満の場合に参照されるテーブルと、保留球数が3以上の場合に参照されるテーブルとに分けて用意されてもよい。また、各変動パターンテーブル202d1〜203d3において、参照すべきテーブルを決定するための保留球数の条件が異なっていてもよい。例えば、大当たり用変動パターンテーブル202d1は、保留球数が3未満の場合に参照されるテーブルと、保留球数が3以上の場合に参照されるテーブルとが用意され、外れ(通常)用変動パターンテーブル202d2は、保留球数毎に異なるテーブルが用意され、外れ(確変)用変動パターンテーブル202d3は、保留球数によらず1つのテーブルが用意されてもよい。
図7(c)は、ROM202に記憶される大当たり用変動パターンテーブル202d1のうち、保留球数が2の場合に参照される大当たり用変動パターンテーブル202d1の一例を模式的に示した図である。
大当たり用変動パターンテーブル202d1は、いずれの保留球数に対応するものであっても、大当たり種別に基づいてグループ(群)に区分けされている。具体的には、大当たり種別として15R確変大当たり及び15R通常大当たりが決定された場合に参照される15R大当たり共通と、2R確変大当たりが決定された場合に参照される2R確変大当たり専用とに区分けされている。そして、その区分けされたグループに対してそれぞれ変動種別カウンタCS1の値が対応付けされている。
第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる値(大当たり乱数値)であった場合に、同じ保留エリアに格納された第1当たり種別カウンタC2の値に対応する大当たり種別に応じて、変動パターンを決定する大当たり用変動パターンテーブル202d1の中で参照するグループ(群)を決定する。その大当たり用変動パターンテーブル202d1のグループ(群)において、同保留エリアに格納された変動種別カウンタCS1の値に対応付けられた変動パターンが、その保留エリアに保留された変動演出における変動パターンとして決定される。
15R大当たり共通には、変動時間が30秒の変動Aと、変動時間が60秒の変動Bと、変動時間が90秒の変動Cとの3つの変動パターンが選択可能に用意され、各変動パターンに対して変動種別カウンタCS1の値が対応付けられている。
変動Aは、変動時間の短いリーチの後に第3図柄が揃う所謂ノーマルリーチが第3図柄表示装置81にて実行される変動パターンである。変動Bは、ノーマルリーチより変動時間の長いリーチの後に第3図柄が揃う所謂スーパーリーチが第3図柄表示装置81にて実行される変動パターンである。スーパーリーチには、例えばノーマルリーチから発展するリーチのほか、単にリーチの時間が長いロングリーチ等が含まれる。変動Cは、スーパーリーチよりも更に変動時間の長いリーチの後に第3図柄が揃う所謂スペシャルリーチが第3図柄表示装置81にて実行される変動パターンである。スペシャルリーチには、例えばスーパーリーチ後に更に発展するリーチのほか、ノーマルリーチからの発展先がスーパーリーチとは異なる特殊なリーチ等が含まれる。
図7(c)に示す例では、保留球数が2の場合における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、15R大当たり共通のテーブルにおいて、変動Aに対して0〜10、変動Bに対して11〜99、変動Cに対して100〜198となっている。15R大当たり共通のテーブルは、それが選択されるのが15R確変大当たり又は15R通常大当たりの場合であるので、遊技者に期待感を持たせるために、スペシャルリーチが実行される変動Cが選択され易くなっている。ただし、ノーマルリーチが実行される変動Aやスーパーリーチが実行される変動Bも選択されるように構成することで、どのリーチからでも大当たりを期待できる遊技性を提供できる。
なお、本パチンコ機10では、各リーチにおいて演出内容が異なるものが多数用意されており、例えば、スーパーリーチには、背面画像(第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像)を速く変化させて表示するリーチや、あるキャラクタを突然表示するリーチ等があり、そのほか変動開始前の予告演出が付加されるもの、再変動で大当たりとなる演出が付加されるものなど、演出内容が異なる複数のリーチが含まれている。主制御装置110では、15R確変大当たり又は15R通常大当たりとなる場合に、変動パターンとして変動A,変動B,変動Cのみを決定し、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114において、各変動A〜Cに対応する詳細な変動パターンを決定する。その詳細な変動パターンに従って、第3図柄表示装置91にて変動演出が実行される。
2R確変大当たり専用には、変動時間が59秒の「2R変動」の変動パターンのみが選択可能に用意されている。大当たり用変動パターンテーブル202d1では、いずれの保留球数に対応するものであっても、2R確変大当たり専用のグループにおいて、図7(c)に示す通り、変動種別カウンタCS1が取り得るすべての値(0〜198)に対して2R変動が対応付けられている。つまり、大当たり変動種別が2R確変大当たりとなる場合は、変動パターンとして必ず2R変動が選択される。
主制御装置110にて2R変動が選択されると、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114にて2R変動に対応する詳細な変動パターンが決定される。よって、主制御装置110において、大当たり種別として2R確変大当たりが決定されると、第3図柄表示装置81には、2R変動に対応する詳細な変動パターンによって変動演出が実行される。本パチンコ機10では、2R変動に対応する詳細な変動パターンとして、例えば、第3図柄表示装置81の小領域Ds1,Ds3に「ニワトリ」又は「女の子」等のキャラクタを表示しつつ、最終的に第3図柄が特定の図柄で停止する変動パターンや、特定のランプの点灯や点滅等に伴って、最終的に第3図柄が特定の図柄で停止する変動パターン等が含まれる。
なお、大当たり時の変動パターンは、変動種別カウンタCS1のみを使用して決定するものとしたが、他の複数の変動種別カウンタを使用して決定するように構成しても良い。例えば、大当たりやリーチ演出の開始を予告する予告演出を変動開始前や変動演出中に付加するか否かが、他の変動種別カウンタにより決定されても良いし、リーチが成立した場合に、最後に停止する第3図柄を何図柄ずらして停止させる(例えば、1図柄ずれた前後外れ等)かを他の変動種別カウンタにより決定されてもよい。
また、大当たり用変動パターンテーブル202d1において、2R確変大当たり専用のグループを設けたが、本パチンコ機10では、2R確変大当たりとなった場合に、「2R変動」の変動パターンのみが選択されるので、2R確変大当たり専用のグループを設けず、大当たり用変動パターンテーブル202d1では15R確変大当たり又は15R通常大当たりとなった場合の変動種別カウンタCS1と変動パターンとの対応付けのみが規定されてもよい。この場合、大当たり種別として2R確変大当たりとなった場合は、大当たり用変動パターンテーブル202d1を参照せず、変動パターンとして2R変動を決定するようにしてもよい。
また、本パチンコ機10では、2R確変大当たりとなった場合に「2R変動」のみが選択されるが、2R確変大当たりとなった場合に複数の変動パターンの中から1つ変動パターンが選択されるようにしてもよい。この場合は、15R大当たり共通のグループのように、2R確変大当たり専用のグループにおいても、2R確変大当たりとなった場合に選択される変動パターンに対して変動種別カウンタCS1を対応付け、ある保留エリアに格納された変動種別カウンタCS1の値に対応付けられた変動パターンが、その保留エリアに保留された変動演出における変動パターンとして決定されてもよい。
図7(d)は、ROM202に記憶される外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2のうち、保留球数が2の場合に参照される外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2の一例を模式的に示した図である。
図7(d)に示すように、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2は、外れ時の停止種別として完全外れが決定された場合に参照される完全外れ専用、及び、前後外れリーチ及び前後外れ以外リーチが決定された場合に参照されるリーチ共通と、外れ時の停止種別に基づいてグループ(群)に区分けされており、その区分けされたグループに対してそれぞれ変動種別カウンタCS1の値が対応付けされている。
ある保留エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる値(大当たり乱数値)ではない、即ち、外れとなる値であった場合に、遊技状態が時短状態を除く通常時の低確率状態にあるときは、その第1当たり乱数カウンタC1と同じ保留エリアに格納された停止パターン選択カウンタC3の値に対応する停止種別に応じて、その保留エリアに格納された変動種別カウンタCS1の値に対応する変動パターンが、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2から決定される。
完全外れ専用には、変動時間が7秒の変動Dと、変動時間が10秒の変動Eとの2つの変動パターンが選択可能に用意され、各変動パターンに対して変動種別カウンタCS1の値が対応付けられている。変動パターンとして変動D又は変動Eが選択された場合、第3図柄変動装置81では、第3図柄の高速変動が開始された後リーチが成立しないまま停止表示される変動演出が実行される。図7(d)に示す通り、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2において、保留球数が2の場合における完全外れ専用の各変動と変動種別カウンタCS1の値との対応付けは、変動Dが0〜98、変動Eが99〜198となっている。
また、リーチ共通には、上述した3つの変動A〜C、即ち、変動時間が30秒でノーマルリーチを第3図柄変動装置81にて実行する変動Aと、変動時間が60秒でスーパーリーチを第3図柄表示装置81にて実行する変動Bと、変動時間が90秒でスペシャルリーチを第3図柄表示装置81にて実行する変動Cとの3つの変動パターンが選択可能に用意されている。外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2において、保留球数が2の場合におけるリーチ共通の各変動と変動種別カウンタCS1の値との対応付けは、変動Aが0〜98、変動Bが99〜190、変動Cが191〜198となっている。
図7(e)は、ROM202に記憶される外れ用(確変)変動パターンテーブル202d3のうち、保留球数が2の場合に参照される外れ用(確変)変動パターンテーブル202d3の一例を模式的に示した図である。
図7(e)に示すように、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d3は、外れ用(通常)変動パターンテーブルと同様に、外れ時の停止種別として完全外れが決定された場合に参照され、変動D及び変動Eが変動パターンとして選択され得る完全外れ専用と、前後外れリーチ及び前後外れ以外リーチが決定された場合に参照され、変動A〜Cが変動パターンとして選択され得るリーチ共通とに、外れ時の停止種別に基づいてグループ(群)に区分けされており、その区分けされたグループにおいて、それぞれ選択され得る変動パターンに対し変動種別カウンタCS1の値が対応付けされている。
ある保留エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとならない値、即ち、外れとなる値であった場合に、遊技状態が時短状態または確変時の高確率状態にあるときは、同じ保留エリアに格納された停止パターン選択カウンタC3の値に対応する停止種別に応じて、その保留エリアに格納された変動種別カウンタCS1の値に対応する変動パターンが、外れ用(確変)変動パターンテーブル202d3から決定される。
図7(e)に示す通り、外れ用(確変)変動パターンテーブル202d3において、保留球数が2の場合の完全外れ専用における各変動と変動種別カウンタCS1の値との対応付けは、変動Dが0〜190、変動Eが191〜198となっている。また、保留球数が2の場合のリーチ共通における各変動と変動種別カウンタCS1の値との対応付けは、変動Aが0〜98、変動Bが99〜190、変動Cが191〜198となっている。つまり、リーチ共通における各変動と変動種別カウンタCS1の値との対応付けは、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2と外れ用(確変)変動パターンテーブル202d3とで同じとなっている。
一方、遊技状態が時短状態または確変時の高確率状態にあるときは、第1入球口64に球が入球し易い状態となっており、変動時間の長い完全外れ(変動E)が多く実行されると、次の変動表示の開始まで時間がかかり、遊技者に待ちの状態を与え不快に感じさせる可能性がある。また、ホールとしても稼働率が低下して好ましくない。
そこで、遊技状態が時短状態または確変時の高確率状態にあるときに完全外れとなる場合は、それ以外の遊技状態(時短状態を除く通常状態)にあるときよりも変動時間の短い完全外れ(変動D)が選択され易いように、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2と外れ用(確変)変動パターンテーブル202d3とを構成している。これにより、次の変動表示の開始を早期に行うことで、遊技者に不快感を与える可能性を低下できる。また、稼働率が極端に低下することも抑制できる。
なお、外れ時の変動パターンは、変動種別カウンタCS1のみを使用して選択するものとしたが、複数の変動種別カウンタを併用して選択(予告表示の有無等を選択)しても良い。また、外れ種別の選択を、外れ用(通常)変動パターンテーブルと外れ用(確変)変動パターンテーブルとに分けるように構成したが、遊技状態が通常中であっても、保留球が複数(例えば、最大4個であれば3個以上)の場合は、早期に変動表示を終了しても良いので、外れ用(確変)変動パターンテーブルを参照して選択するものとしても良い。
また、変動種別が前後外れリーチ又は前後外れ以外リーチとなる場合に選択される変動A〜Cと変動種別カウンタCS1の値との対応付けは、遊技状態にかかわらず同じであるので、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2と外れ用(確変)変動パターンテーブル202d3とにはリーチ共通のグループを含めずに、これらの変動パターンテーブル202d2,202d3を停止種別が完全外れの場合にのみ参照されるようにし、遊技状態がどのような状態にあっても停止種別が前後外れリーチ又は前後外れ以外リーチとなる場合に参照される変動パターンテーブルを別途用意してもよい。
なお、本パチンコ機10では、変動種別が前後外れリーチ又は前後外れ以外リーチとなる場合に選択される変動A〜Cと変動種別カウンタCS1の値との対応付けは、遊技状態にかかわらず同じであるとしたが、遊技状態に応じて異なるものとしてもよい。
さらに、図7(d)及び図7(e)に示す各外れ用の変動パターンテーブル202d2,202d3で、変動D及び変動Eを単に「完全外れ変動」とし、その「完全外れ変動」が選択された場合に、他のテーブルを参照して、変動Dと変動Eとを所定の確率で選択するように構成しても良い。勿論、この場合も、保留球数に対応したテーブルをそれぞれ用意しても良い。
図6に戻り、第2当たり乱数カウンタC4は、例えば0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。また、第2当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該第2当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。
第2当たり乱数カウンタC4の値は、本実施形態ではタイマ割込処理(図14参照)毎に更新され、球が左右何れかの第2入球口(スルーゲート)67を通過したことが検知された時に取得される。当選することとなる乱数の値の数は149あり、その範囲は「5〜153」となっている。即ち、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜153」の範囲にある場合に当たりと判定され、第2図柄表示装置83に停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第1入球口64の電動役物が作動し、第1入球口64が所定時間だけ開放される。
なお、第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜250)、タイマ割込処理(図14参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図20参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
このように、RAM203には種々のカウンタ等が設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値に応じて大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における変動表示(変動演出)の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。
図5に戻り、説明を続ける。RAM203は、図6に図示したカウンタ用バッファのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図20参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図19参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図18参照)が即座に実行される。
RAM203は、更に、保留球数カウンタ203a、保留球格納エリア203b、保留球実行エリア203cを少なくとも有している。
保留球数カウンタ203aは、4ミリ秒毎に定期的に実行されるタイマ割込処理(図14参照)の中で検出される第1入球口64への入球(以下「始動入賞」と称す)に基づいて、第1図柄表示装置37で行われる変動表示(第3図柄表示装置81で行われる変動演出)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この保留球数カウンタ203aは、電源投入後のRAM203の初期設定処理(図19のS613)によって、初期値としてゼロが設定される。そして、始動入賞が検出されて変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図15のS203参照)。一方、保留球数カウンタ203aは、変動演出が実行される毎に1減算される(図16のS305参照)。
この保留球数カウンタ203aの値(即ち、保留球数)は、保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される(図15のS205参照)。保留球数コマンドは、始動入賞が検出されて保留球数カウンタ203aが1加算される毎に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドによって、主制御装置110に保留された変動演出の保留球数そのものの値を取得することができる。これにより、音声ランプ制御装置113において、主制御装置110へアクセスすることなく変動演出の保留回数を管理することができる。また、始動入賞が検出される毎に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ保留球数コマンドを送信することにより、音声ランプ制御装置113において管理される変動演出の保留球数が、ノイズ等の影響によって主制御装置110に保留された実際の変動演出の保留球数からずれてしまった場合であっても、次に受信する保留球数コマンドによって、そのずれを修正することができる。
尚、音声ランプ制御装置113は、その内部で管理する保留球数が変化する度に、表示制御装置114に対して、保留球数を通知するための表示用保留球数コマンドを送信する。表示制御装置114は、この表示用保留球数コマンドによって通知された保留球数を基に、第3図柄表示装置81の保留球数表示領域Dbに保留球数図柄を表示する。
また、本実施形態では、主制御装置110が音声ランプ制御装置113に対して保留球数コマンドを送信する場合、その保留球数コマンドにおいて、1加算された保留球数カウンタ203aの値だけでなく、その保留球数カウンタ203aの加算の契機となった上記始動入賞に伴い、カウンタ用バッファ(図6参照)より取得される第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値も含める。
つまり、始動入賞があった場合に、主制御装置110にてカウンタ用バッファより取得した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値が、保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に伝えられる。
音声ランプ制御装置113では、保留球数コマンドにより伝えられた第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値を、その各値に基づく変動演出が実行される前に先読みし、当該変動演出がどのようなものになるか(大当たりとなるか否か、変動時間はどうなるか等)をその変動演出の実行前に判断する。そして、その先読みによる判断結果に基づき、各種の演出の実行を決定したり、告知ボタン23が押下操作された場合に実行中の変動演出および保留中の変動演出の中に大当たりとなる変動演出があるか否かを告知したりできるようになっている。
保留球格納エリア203bは、始動入賞の検出に伴ってカウンタ用バッファ(図6参照)より取得した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値をそれぞれ記憶するためのメモリである。MPU201は、タイマ割込処理(図14参照)の中で、球が第1入球口64へ入賞(始動入賞)したことを検出すると、カウンタ用バッファから各カウンタC1〜C3,CS1の値を取得し、保留球格納エリア203bに格納する。保留球格納エリア203bは、一の始動入賞に対応するデータ(カウンタC1〜C3,CS1の各値)が、最大4回分まで記憶(保留)できるように、4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)を有している(図6参照)。
保留球実行エリア203cは、大当たり抽選や、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の変動表示(変動演出)の設定等の処理において参照すべきデータ(カウンタC1〜C3,CS1の各値)を記憶するためのメモリである。
MPU201は、変動演出の実行開始タイミングであることを検出すると、大当たり抽選や、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の変動表示(変動演出)の設定等の処理を実行するために、上述した保留球格納エリア203bに記憶されている各始動入賞に対応するデータ(カウンタC1〜C3,CS1の各値)のうち、一の始動入賞に対応するデータを、この保留球実行エリア203cへシフトする。なお、本実施形態におけるシフトとは、一の領域に記憶されているデータを別の領域へ移動させることを示す。
ここで、再び図6を参照して、保留球格納エリア203b及び保留球実行エリア203cの詳細について説明する。保留球格納エリア203b及び保留球実行エリア203cは、大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の変動表示(変動演出)の設定等を行うために、主制御装置110のMPU201により使用される。
大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の変動表示(変動演出)の設定には、大当たり抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、大当たり種別の決定に使用する第1当たり種別図柄カウンタC2と、外れ時の停止種別の決定に使用する停止パターン選択カウンタC3と、変動パターンの決定に使用する変動種別カウンタCS1とが用いられる。保留球格納エリア203bは、球が第1入球口64へ入賞(始動入賞)した場合にMPU201によってカウンタ用バッファから取得される上記カウンタC1〜C3,CS1の各値をそれぞれ記憶する。
保留球格納エリア203bは、4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)で構成されている。4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)にはそれぞれ、第1当たり乱数カウンタC1の値を格納する第1当たり乱数カウンタ格納エリア203b1と、第1当たり種別カウンタC2の値を格納する第1当たり種別カウンタ格納エリア203b2と、停止パターン選択カウンタC3の値を格納する停止パターン選択カウンタ格納エリア203b3と、変動種別カウンタCS1の値を格納する変動種別カウンタ格納エリア203b4とが設けられている。
なお、本実施形態では、第1当たり乱数カウンタ格納エリア203b1と、第1当たり種別カウンタ格納エリア203b2と、停止パターン選択カウンタ格納エリア203b3と、変動種別カウンタ格納エリア203b4とを1つの保留球格納エリア203bの中に設けているが、保留球格納エリアを複数設け、4つの各エリア203b1,203b2,203b3,203b4をいずれかの保留球格納エリアに設けるようにしてもよい。
上述した通り、保留球格納エリア203bには、球が第1入球口64へ入賞(始動入賞)したタイミングで取得されるデータ(各カウンタC1〜C3,CS1の各値)が最大4回分まで記憶されるが、その場合、4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番にデータが記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い始動入賞に対応するデータが記憶され、保留第1エリアには、時間的に最も古い始動入賞に対応するデータが記憶されることになる。
一方、保留球実行エリア203cは、1つのエリアのみで構成されている。この保留球実行エリア203cには、保留球格納エリア203bと同様に、第1当たり乱数カウンタC1の値を格納する第1当たり乱数カウンタ格納エリア203c1と、第1当たり種別カウンタC2の値を格納する第1当たり種別カウンタ格納エリア203c2と、停止パターン選択カウンタC3の値を格納する停止パターン選択カウンタ格納エリア203c3、変動種別カウンタCS1の値を格納する変動種別カウンタ格納エリア203c4とが設けられている。
MPU201は、変動演出の実行開始タイミングになったことを判断すると、保留球格納エリア203bの保留第1エリアに記憶されているデータ(各カウンタC1〜C3,CS1の各値)を、この保留球実行エリア203cの各エリア203c1〜203c4にそれぞれシフトする。そして、保留球実行エリア203cにシフトされたデータを、変動開始処理(図17参照)において参照し、その参照データに基づいて大当たり抽選を行うと共に、その抽選結果に対応する変動パターン及び停止種別を決定する。第1図柄表示装置37では、主制御装置110の制御により、この決定された変動パターンおよび停止種別に基づいて、変動表示が行われる。
また、ここで決定された変動パターン及び停止種別は、変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドによって、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114へ通知される。そして、表示制御装置114の制御によって、第3図柄表示装置81では、変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドにより通知された変動パターンおよび停止種別に基づいて、変動演出が行われる。
データのシフトの詳細について説明する。MPU201は、変動演出の実行開始タイミングとなったことを判断すると、保留第1エリアの第1当たり乱数カウンタ格納エリア203b1の乱数値を、保留球実行エリア203cの第1当たり乱数カウンタ格納エリア203c1へシフトする。同様に、第1当たり種別カウンタ格納エリア203b2の乱数値を、第1当たり種別カウンタ格納エリア203c2へシフトし、停止パターン選択カウンタ格納エリア203b3の乱数値を、停止パターン選択カウンタ格納エリア203c3へシフトし、変動種別カウンタ格納エリア203b4の乱数値を、変動種別カウンタ格納エリア203c4へシフトする。
そして、保留球実行エリア203cへのデータのシフトが終了すると、保留第1エリアが空き状態となるため、保留球格納エリア203bの各エリア(第2〜第4)に記憶(保留)されているデータを、エリア番号の1小さいエリア(第1〜第3)に詰めるシフト処理を行う。なお、本実施の形態では、保留球格納エリア203bにおいて、データが記憶(保留)されている保留エリア(第1〜第4)についてのみデータのシフトを行う。
ここで、保留球格納エリア203b内の各保留エリアに対して行われるデータシフトについて説明する。例えば、変動演出の開始判断が行われた時の保留球数カウンタ203aの値が「4」であり、保留球格納エリア203bの全エリア(第1〜第4)にデータが記憶されているとする。この状態で、保留第1エリアのデータが、保留球実行エリア203cへシフトされ、保留第1エリアが空き状態となると、MPU201は、他のエリア(第2〜第4)のデータをそれぞれ、エリア番号の1小さいエリア(第1〜第3)にシフトする。すなわち、保留第2エリアのデータを、保留第1エリアへシフトし、保留第3エリアのデータを、保留第2エリアへシフトし、保留第4エリアのデータを、保留第3エリアへシフトする。
また、例えば、変動演出の開始判断が行われた時の保留球数カウンタ203aの値が「2」であれば、MPU201は、保留第2エリアのデータのみを、保留第1エリアへシフトして、データのシフトを終了する。上述したように、本実施の形態では、データが記憶(保留)されていない保留エリア(第3〜第4)については、データのシフト処理を行わないので、データのシフト回数を軽減することができ、制御的負担を軽減することができる。
なお、データの有無に関わらず、保留エリア(第2〜第4)の各データを、エリア番号が1小さいエリアにそれぞれシフトするように構成しても良い。その場合は、保留エリア(第2〜第4)にデータが記憶(保留)されているか否かの判定が不用となるので、プログラムの作成を容易とすることができる。
図5に戻り、説明を続ける。主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37、第2図柄表示装置83、第2図柄保留ランプ84、特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ208や、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図18参照)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出や連続予告演出といった第3図柄表示装置81にて行われる演出の表示態様の設定などを制御するものである。
演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート425が接続されている。入出力ポート425には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、枠ボタン22、告知ボタン23、及び、各種スイッチ208などがそれぞれ接続されている。各種スイッチ208は、主制御装置110にも接続されるもので、図2に示す一般入賞口63へ入球した球を検出する一般入賞口スイッチ、第1入球口64へ入球した球を検出する第1入球口スイッチ、可変入賞装置65の特定入賞口65aに入球した球を検出する特定入賞口スイッチ、及び、アウト口66を通って球排出路へと案内された球を検出するアウト口スイッチが含まれており、各スイッチの出力信号が音声ランプ制御装置113の入出力ポートに入力される。
音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出態様を変更したりするように、音声出力装置226、ランプ表示装置227を制御し、また、表示制御装置114へ指示する。
ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。
スーパーリーチの演出態様を変更する等、ステージの変更以外の目的で枠ボタン22が操作された場合は、表示制御装置114へ枠ボタン操作コマンドを送信する。表示制御装置114では、枠ボタン操作コマンドを受信することで、枠ボタン22の操作に応じた画像を第3図柄表示装置81に表示する。
また、音声ランプ制御装置113は、告知ボタン23の操作状況を判断し、1秒間継続して告知ボタン23が押下操作されていると判断した場合は、実行中の変動演出および保留中の変動演出の中に大当たりとなる変動演出があるか否かを先読み処理によって判断する。そして、これらの変動演出の中に大当たりとなる変動演出がある場合は、表示制御装置114へ大当たり告知コマンドを送信する。これにより、第3図柄表示装置81に大当たりが含まれることを示す画像を表示させることができる。
音声ランプ制御装置113のROM222には、MPU221にて実行される各種制御プログラムの他、固定値データとして、大当たり乱数テーブル222a、大当たり種別テーブル222b、停止パターンテーブル222c、変動パターンテーブル222dが少なくとも格納されている。これらのテーブル222a〜222dは、いずれも主制御装置201のROM202に設けられた大当たり乱数テーブル202a、大当たり種別テーブル202b、停止パターンテーブル202c、変動パターンテーブル202dと同じものである。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110において始動入賞に伴いカウンタ用バッファより取得され、保留球数コマンドによって送信された第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値と、大当たり乱数テーブル222a、大当たり種別テーブル222b、停止パターンテーブル222c、変動パターンテーブル222dとに基づいて、先読み処理を実行する。
そして、この先読み処理によって、その先読み処理の対象となった保留中の変動演出が、結果としてどのような演出となるか(大当たりとなるか否か、変動時間はどうなるか等)をその変動演出の実行前に判断して、各種の演出の実行を決定したり、告知ボタン23が押下操作された場合に、実行中の変動演出および保留中の変動演出の中に大当たりとなる変動演出があるか否かを告知したりする制御を実行する。
RAM223には、保留球数カウンタ223a、先読み情報格納エリア223b、告知ボタンオンカウンタ223c、告知実行フラグ223d、告知実行カウンタ223e、球未検出カウンタ223f、球打出停止フラグ223g、告知ボタン無効フラグ223h、確定コマンドフラグ223iが少なくとも設けられている。
保留球数カウンタ223aは、主制御装置110の保留球数カウンタ203aと同様に、第3図柄表示装置81(第1図柄表示装置37)で行われる変動演出(変動表示)であって、主制御装置110において保留されている変動演出の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。
上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110に直接アクセスして、主制御装置110のRAM203に格納されている保留球数カウンタ203aの値を取得することができない。よって、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から送信されるコマンドに基づいて保留球数を格納・更新し、保留球数カウンタ223aにて、その保留球数を管理するようになっている。
具体的には、音声ランプ制御装置113は、第1入球口64への入球によって変動演出の保留球数が追加されて主制御装置110において保留球数カウンタ203aの値が加算された場合に主制御装置110より送信される保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドに含まれる、主制御装置110の保留球数カウンタ203aの加算後の値(即ち、主制御装置110に保留された変動演出の保留球数)を保留球数カウンタ223aに格納する(図23のS1007参照)。
また、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110において保留球数カウンタ203aの値が減算される場合に主制御装置110から送信される変動パターンコマンドを受信し、その受信に伴って第3図柄表示装置81における変動演出の態様を設定すると、保留球数カウンタ223aの値を1減算する(図24のS1108参照)。このように、保留球数カウンタ203aの更新にあわせて主制御装置110から送信されるコマンドに従って、音声ランプ制御装置113では保留球数カウンタ223aの値を更新するので、主制御装置110の保留球数カウンタ203aと同期させながら、保留球数カウンタ223aの値を更新することができる。
保留球数カウンタ223aの値は、第3図柄表示装置81における保留球数図柄の表示に用いられる。即ち、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドの受信に応じてそのコマンドにより示される保留球数を保留球数カウンタ223aに格納したり、変動パターンコマンドの受信に応じて保留球数カウンタ223aの値を更新したりするタイミングで、格納後もしくは更新後の保留球数カウンタ223aの値を表示制御装置114に通知するべく、表示用保留球数コマンドを表示制御装置114に対して送信する。
表示制御装置114では、この表示用保留球数コマンドを受信すると、そのコマンドにより示される保留球数の値、即ち、音声ランプ制御装置113の保留球数カウンタ223aの値分の保留球数図柄を第3図柄表示装置81の保留球数表示領域Dbに表示するように、画像の描画を制御する(図37(a)のS1951参照)。
上述したように、保留球数カウンタ223aは、主制御装置110の保留球数カウンタ203aと同期しながら、その値が変更される。従って、第3図柄表示装置81の保留球数表示領域Dbに表示される保留球数図柄の数も、主制御装置110の保留球数カウンタ203aの値に同期させながら、変化させることができる。よって、第3図柄表示装置81には、変動演出が保留されている保留球の数を正確に表示させることができる。
先読み情報格納エリア223bは、先読み処理を行うための情報、即ち、主制御装置110において始動入賞に伴いカウンタ用バッファより取得され、保留球数コマンドによって送信された第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値を格納するためのエリアである。音声ランプ制御装置113は、先読み情報格納エリア223bに格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値と、ROM222に格納された各テーブル222a〜222dとを用いて、先読み処理を実行する。
ここで、図8を参照して、先読み情報格納エリア223bの詳細について説明する。図8、先読み情報格納エリア223bの構成を模式的に示す模式図である。先読み情報格納エリア223bは、先読み情報第0〜第4エリアの5つのエリアを有している。各先読み情報第0〜第4エリアには、第1当たり乱数カウンタC1の値が格納される第1当たり乱数カウンタ格納エリア223b1と、第1当たり種別カウンタC2の値が格納される第1当たり種別カウンタ格納エリア223b2と、停止パターン選択カウンタC3の値が格納される停止パターン選択カウンタ格納エリア223b3と、変動種別カウンタCS1の値が格納される変動種別カウンタ格納エリア223b4とが少なくとも設けられている。
先読み情報第0エリアは、現在実行中の変動演出に対応する各カウンタC1〜C3,CS1の値を格納するためのエリアである。また、先読み情報第1〜第4エリアは、それぞれ、保留された最大4つ分の変動演出に対応する各カウンタC1〜C3,CS1の値を格納するためのエリアである。具体的には、先読み情報第1エリアが、保留された変動演出のうち時間的に1番目に保留された変動演出に対応するエリアであり、先読み情報第2エリアが、保留された変動演出のうち時間的に2番目に古く保留された変動演出に対応するエリアであり、先読み情報第3エリアが、保留された変動演出のうち時間的に3番目に古く保留された変動演出に対応するエリアであり、先読み情報第4エリアが、保留された変動演出のうち時間的に4番目に古く保留された変動演出に対応するエリアである。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より保留球数コマンドを受信すると、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値を、保留球数コマンドより抽出する。そして、音声ランプ制御装置113は、抽出した各カウンタC1〜C3,CS1の値をそれぞれ、先読み情報第1〜第4エリアのうち該保留球数コマンドに含まれる保留球数に対応するエリアの乱数カウンタ格納エリア223b1、第1当たり種別カウンタ格納エリア223b2、停止パターン選択カウンタ格納エリア223b3、変動種別カウンタ格納エリア223b4に格納する。
具体的には、保留球数コマンドに含まれる保留球数がX(1≦N≦4)であれば、その時点で保留されている変動演出の数はNであり、その保留球数コマンドに含まれる各カウンタC1〜C3,CS1の値は、保留された変動演出のうち時間的にX番目に保留された変動演出に対応したものとなるので、先読み情報第Xエリアの各カウンタ格納エリア223b1〜b4に対応するカウンタC1〜C3,CS1の値を格納する。このとき、主制御装置110では、保留球数コマンドに含めた各カウンタC1〜C3,CS1の値を保留球数格納エリア203bの保留第Xエリアに格納する。つまり、主制御装置110の保留第Xエリアに格納された各カウンタC1〜C3,CS1と同じ値が、先読み情報第Xエリアに格納されることになる。
一方、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より変動演出の開始を意味する変動パターンコマンドを受信すると、先読み情報格納エリア223bの各エリアの中でシフト処理を実行する。つまり、保留された変動演出が1つ減り、時間的に1番目に保留された変動演出の実行が開始されるので、その1番目に保留された変動演出に対応する先読み情報第1エリアの各カウンタ格納エリア223b1〜b4に格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値を、現在実行中の変動演出に対応する先読み情報第0エリアの各カウンタ格納エリア223b1〜b4に移動させる。
また、先読み情報第2エリアの各カウンタ格納エリア223b1〜b4に格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値を、先読み情報第1エリアの各カウンタ格納エリア223b1〜b4に移動させ、先読み情報第3エリアの各カウンタ格納エリア223b1〜b4に格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値を、先読み情報第2エリアの各カウンタ格納エリア223b1〜b4に移動させ、先読み情報第4エリアの各カウンタ格納エリア223b1〜b4に格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値を、先読み情報第3エリアの各カウンタ格納エリア223b1〜b4に移動させる。
これにより、先読み情報第0エリアには、主制御装置110の保留球実行エリア203cに格納された各カウンタC1〜C3,CS1と同じ値が格納されることになり、先読み情報第1〜第4エリアには、それぞれ、主制御装置110の保留球格納エリア203bの保留第1〜第4エリアに格納された各カウンタC1〜C3,CS1と同じ値が格納されることになる。つまり、音声ランプ制御装置113には、主制御装置110にて保留された変動演出に対応する各カウンタC1〜C3,CS1が、先読み情報格納エリア223bに格納される。
音声ランプ制御装置113では、先読み処理を行う場合に、保留球数カウンタ223aから保留されている変動演出の数(保留球数)を把握する。そして、その保留球数に基づき、先読み情報第1〜第4エリアのうち、変動演出が保留されているエリアに格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値を先読みし、その変動演出において大当たりとなるか否かや、変動時間等が判定される。例えば、保留球数カウンタ223aの値が「1」であれば、変動演出の保留球数が1球であるので、先読み情報第1エリアのみについて、格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値を先読みし、判定を行う。また、保留球数カウンタ223aの値が「4」であれば、変動演出の保留球数が4球であるので、先読み情報第1〜第4エリアのそれぞれについて、格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値を先読みし、判定を行う。
パチンコ機10は、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ一方向にのみコマンドが送信されるように構成されており、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110のRAM203等にアクセスすることはできない。これに対し、音声ランプ制御装置113は、先読み情報格納エリア223bを設けて、主制御装置110にて保留された変動演出に対応する各カウンタC1〜C3,CS1を音声ランプ制御装置113にも格納するので、この先読み情報格納エリア223bに格納された各カウンタC1〜C3,CS1を参照することで、先読み処理を音声ランプ制御装置113にて実行できるようになっている。即ち、保留された変動演出が実行された場合にその変動演出の結果がどのようになるか(大当たりとなるか否か、変動時間はどうなるか等)を変動演出の実行前に判断して、各種の演出の実行を決定したり、告知ボタン23が押下操作された場合に、実行中の変動演出および保留中の変動演出の中に大当たりとなる変動演出があるか否かを告知したりする制御を音声ランプ制御処理にて実行することができる。
なお、先読み情報格納エリア223bにおける上述のシフト処理は、変動パターンコマンドを受信したときの保留球数(変動パターンコマンドの受信に基づく更新が行われる前の保留球数カウンタ223aの値)に基づいて、先読み情報第1〜第4エリアのうち保留されている変動演出に対応するエリアについてのみデータの移動(シフト)を行う。
例えば、変動パターンコマンドを受信したときの更新前の保留球数カウンタ223aの値が「4」であり、先読み情報格納エリア223bの全エリア(先読み情報第1〜第4エリア)にデータが記憶されているとする。この場合、先読み情報第1エリアのデータを先読み情報第0エリアへシフトし、先読み情報第2エリアのデータを先読み情報第1エリアへシフトし、先読み情報第3エリアのデータを先読み情報第2エリアへシフトし、先読み情報第4エリアのデータを先読み情報第3エリアへシフトする。
一方、変動パターンコマンドを受信したときの更新前の保留球数カウンタ223aの値が「2」であれば、先読み情報第1エリアのデータを先読み情報第0エリアへシフトし、先読み第2エリアのデータを先読み第1エリアへシフトして、データのシフトを終了する。上述したように、本実施の形態では、変動演出が保留されていない先読み情報第3,第4エリアについては、データのシフト処理を行わないので、データのシフト回数を軽減することができ、制御的負担を軽減することができる。
なお、データの有無に関わらず、先読み情報第1〜第4エリアの各データを、エリア番号が1小さいエリア(先読み情報第0〜第3エリア)にそれぞれシフトするように構成しても良い。その場合は、先読み情報第1〜第4エリアの各々のエリアについて、データが記憶(保留)されているか否かの判定を不用とするので、プログラムの作成を容易とすることができる。
告知ボタンオンカウンタ223cは、告知ボタン23が継続して押下操作され続ける時間を計数するためのカウンタである。告知ボタンオンカウンタ223cは、電源投入時に実行されるRAM223の初期値設定処理(図21のS810参照)において初期値として0が設定される。
告知ボタン23の操作状況は、MPU221によりメイン処理(図22参照)の中で実行される告知処理(S909,図25参照)の告知ボタン判定処理(S1201,図26(a)参照)により判定される。そして、(1)告知ボタン23が押下操作されていない場合、(2)後述する告知ボタン23の押下操作を無効とする期間である場合、及び、(3)告知ボタン23の押下操作に基づく告知が実行中である場合のいずれか1つに該当する場合に、告知ボタンオンカウンタ223cの値は0に初期化され続ける(図26(a)のS1305参照)。
一方、告知ボタン23の押下操作を無効とする期間ではなく、告知ボタン23の押下操作に基づく告知が行われていない状況で、告知ボタン23が押下操作されている場合に、告知ボタン判定処理の中で告知ボタンオンカウンタ223cが1だけインクリメントされる(図26(a)のS1304参照)。
ここで、告知ボタン判定処理が実行される告知処理は、メイン処理の中で、1ミリ秒間隔で実行される(図22参照)。告知ボタンオンカウンタ223cを上述の通りに更新することで、告知ボタン23の押下操作を無効とする期間ではなく、告知ボタン23の押下操作に基づく告知が行われていない状況で、告知ボタン23が継続して押下操作される場合に、その押下操作され続ける時間が1ミリ秒単位で計数される。また、告知ボタン23の押下操作が中断されると(遊技者が押下操作していた告知ボタン23から手を離すと)、告知ボタンオンカウンタ223cは0に初期化されるので、再び告知ボタン23が押下操作された場合に、その押下操作の継続時間を告知ボタンオンカウンタ223cによって正しく計数し直すことができる。
告知ボタンオンカウンタ223cの値は、告知ボタン23が1秒以上継続して押下操作されたか否かを判断するために参照される。即ち、音声ランプ制御装置113では、MPU221により実行される上述の告知処理(図25参照)において告知実行判定処理(S1202、図26(b)参照)が実行され、告知ボタンオンカウンタ223cの値が参照される。告知ボタンオンカウンタ223cの値が1000であれば、告知ボタン23が1000ミリ秒、即ち、1秒以上継続して押下操作されたと判断し、告知の実行を開始するための処理を実行する(図26(b)のS1312参照)。これにより、告知ボタン23の押下操作を無効とする期間ではなく、告知ボタン23の押下操作に基づく告知が行われていない状況で、告知ボタン23が1秒以上継続して押下操作された場合に、実行中の変動演出および保留中の変動演出の中に大当たりとなる変動演出があるか否かの告知が実行される。なお、告知ボタンオンカウンタ223cは、その値が1000であると判断され、告知の実行の開始の処理が行われると、0に初期化される(図26(b)のS1314)。
告知実行フラグ223dは、告知ボタン23の押下操作に基づく告知の実行を示すためのフラグであり、オンの場合に、その告知を実行することを表し、オフの場合に、その告知を非実行とすることを表す。告知実行カウンタ223eは、告知ボタン23の押下操作に基づく告知の実行時間を計数するためのカウンタである。
告知実行フラグ223dは、電源投入時に実行されるRAM223の初期値設定処理(図21のS810参照)において初期値としてオフが設定される。また、告知実行カウンタ223eは、その初期値設定処理において0に初期化される。
音声ランプ制御装置113のMPU221によりメイン処理(図22参照)の中で1ミリ秒間隔に実行される告知処理(S909,図25参照)の告知実行判定処理(S1201,図26(b)参照)によって、告知ボタンオンカウンタ223cの値が1000であると判定され、告知ボタン23が1秒間継続して押下操作されたと判断されると、告知実行フラグ223dはオンに設定され、告知実行カウンタ223eは0に初期化される(図26(b)のS1312,S1315参照)。
告知実行カウンタ223eは、告知実行フラグ223dがオンである場合に、告知処理の中で実行される告知停止判定処理(図29(a)参照)において、1だけインクリメントされる。上述した通り、告知処理は1ミリ秒間隔で実行される処理であるので、告知実行カウンタ223eは、告知実行フラグ223dがオンされている間、1ミリ秒ごとに1ずつカウントアップされる。
告知実行フラグ223dがオンされると、告知処理の中で実行される告知表示設定処理(S1204,図28参照)において、大当たり演出中又はデモ演出中である場合を除き、告知実行フラグ223dがオンされた直後と、告知実行フラグ223dがオンされてから1秒毎(即ち、告知実行カウンタ223eの値を1000で除算したときの余りが0となる場合)とに、先読み処理が実行される(図28のS1334参照)。
この先読み処理では、先読み情報格納エリア223bに設けられた先読み情報第1〜第4エリアのうち、変動演出が保留された各エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1等の値を先読みし、その変動演出において大当たりとなるか否かを判定する。変動演出が保留されている数(保留球数)は、保留球数カウンタ223aの値から判断する。また、告知処理の中で行われる先読み処理では、先読み情報第0エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1等の値も読み出し、実行中の変動演出が大当たりとなるか否かも判定する。
なお、実行中の変動演出が大当たりか否かを判定する場合、その変動演出の実行に際して主制御装置110より送信された変動パターンコマンドや停止種別コマンドの内容を記憶しておき、その内容に基づいて判定を行ってもよい。この場合は、先読み情報格納エリア223bにおいて、先読み情報第0エリアに相当するエリアを設けず、先読み情報第1〜第4エリアだけを設けるようにしてもよい。
先読み処理の結果、保留中の変動演出の中に大当たりとなる変動演出があると判断された場合、及び、実行中の変動演出が大当たりとなるものである場合は、大当たり告知コマンドが表示制御装置114へ送信される。この大当たり告知コマンドにより、大当たりの存在を告知するための大当たり告知画像が第3図柄表示装置81に表示されるよう、表示制御装置114にて制御が行われる。
この大当たり告知コマンドは、保留中の変動演出の中に大当たりとなる変動演出があると先読み処理にて判断された場合に、大当たりとなる変動演出の保留回数(大当たりとなる保留球)を表す情報を含む。具体的には、先読み情報第1エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値に基づき、保留回数が「1」の変動演出(即ち、保留されている変動演出の中で1番目に保留された変動演出)が大当たりである場合は、その情報が大当たり告知コマンドに含まれる。また、先読み情報第4エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値に基づき、保留回数が「3」の変動演出(即ち、保留されている変動演出の中で3番目に保留された変動演出)が大当たりである場合は、その情報が大当たり告知コマンドに含まれる。
保留されている複数の変動演出の中で2以上の変動演出において大当たりとなる場合は、その大当たりとなる変動演出の中で最も保留回数の少ない変動演出の保留回数を表す情報が大当たり告知コマンドに含まれる。なお、このような場合において、大当たりとなる全ての変動演出の保留回数を表す情報を大当たり告知コマンドに含めてもよい。
また、保留中の変動演出の中に大当たりとなる変動演出があっても、実行中の変動演出が大当たりとなる場合は、大当たりとなる変動演出の保留回数を表す情報を含めずに大当たり告知コマンドを表示制御装置114へ送信する。なお、このような場合において、実行中の変動演出が大当たりとなる情報と、保留されている変動演出の中で大当たりとなる全ての変動演出の保留回数を表す情報とを大当たり告知コマンドに含めてもよい。
告知実行フラグ223dがオンされている間、告知処理の中で実行される告知停止判定処理(S1205,図29(a)参照)において告知実行カウンタ223eの値が判定される。そして、告知実行カウンタ223eの値が5000であると判定された場合は、告知停止コマンドが表示制御装置114へ送信され、告知実行フラグ223dがオフされる。告知停止コマンドは、表示制御装置114に対し、第3図柄表示装置81に表示された大当たりの存在を示す大当たり告知画像の表示を終了させるためのコマンドである。告知実行カウンタ223eは上述した通り1ミリ秒毎に1ずつカウントアップされるカウンタであるので、告知ボタン23の押下操作に基づく告知が実行されてから5秒後に、告知ボタン23の押下操作に基づく告知が終了する。
ここで、図9(a)を参照して、第3図柄表示装置81に表示される大当たり告知画像の詳細について説明する。図9(a)は、第3図柄表示装置81に大当たり告知画像が表示された状態を示す図である。
大当たり告知画像は、小領域Ds2に表示された少年の画像において、その少年の髪の毛HBの色を通常時と変更することによって表示する。即ち、通常時は黒色で髪の毛HBを表示(図4(b)参照)するのに対し、大当たり告知画像を表示する場合は、金色で髪の毛HBを表示する。上述した通り、大当たり告知画像は、遊技者により告知ボタン23が1秒以上押下操作されたときに、実行中の変動演出および保留中の変動演出の中に大当たりとなる変動演出がある場合に表示される画像である。一方、遊技者により告知ボタン23が1秒以上押下操作された場合に実行中の変動演出にも保留中の変動演出にも大当たりとなる変動演出がなければ、大当たり告知画像は表示されず、小領域Ds2の少年の髪の毛HBの色は黒色のままである。よって、遊技者は、告知ボタン23を1秒以上押下操作し、小領域Ds2に表示される少年の髪の毛HBの色が黒色のままか、金色に変化するかを確認することで、実行中の変動演出および保留中の変動演出の中に大当たりとなる変動演出があるか否かを確認することができる。
このように、本実施形態では、遊技者が遊技を止めて退席しようとする場合や、携帯電話による通話やメール等といった用件を済ませたい場合に、告知ボタン23を1秒以上継続して押下操作することで、実行中の変動演出および保留中の変動演出の中に大当たりとなる変動演出があるか否かを知ることができる。よって、大当たりとなる変動演出がなければ、退席したり用件を済ませたりといった行為を行うために、遊技を即座に止めよう、という判断を遊技者が行うことができる。また、大当たりとなる変動演出があれば、大当たりとなるまで遊技を継続しよう、という判断を遊技者が行うことができる。つまり、この告知ボタン23によって、遊技者が退席したり用件を済ませたい場合に、その行為を即座に実行してもよいか否かを判断できる。
また、本実施形態では、告知ボタンオンカウンタ223cにより、告知ボタン23を所定時間(1秒)継続して押下しない限り、実行中の変動演出および保留中の変動演出の中に大当たりとなる変動演出があるか否かが告知されない。遊技を止めて退席しようとする場合や、携帯電話による通話やメール等といった用件を済ませたい場合など、特殊な事情がない限り、遊技者が、実行中の変動演出が確定表示される前や保留中の変動演出が実行される前にこれらのいずれかが大当たりとなるか否かを知ってしまうと、逆に遊技の楽しみを奪われる結果となる。
本実施形態では、告知ボタン23が所定時間(1秒)継続して押下されて初めて実行中の変動演出および保留中の変動演出の中に大当たりとなる変動演出があるか否かを通知することで、遊技者が意図せず告知ボタン23に触れてしまった場合などに、その触れた時間が所定時間未満であれば、実行中の変動演出や保留中の変動演出のいずれかに大当たりが含まれるか否かを、遊技者に知られることを抑制できる。また、所定時間(1秒)継続して遊技者にボタンを押下操作させる機能が他になければ、その所定時間(1秒)継続した押下操作が、実行中または保留中の変動演出の中に大当たりとなる変動演出があるか否かを通知させるためのものである、との認識を遊技者に与えることができる。よって、遊技者が他の押下操作による機能との混同を回避できる。
また、本実施形態では、先読み処理を行った結果、保留中の変動演出の中に大当たりとなる変動演出があると判断された場合、大当たり告知画像において、その大当たりとなる変動演出が保留中のどの変動演出か、つまり、大当たりとなる保留球を遊技者に告知できるようになっている。具体的には、図9(a)に示す通り、保留球数表示領域Dbに表示させる保留球数図柄(「●」図柄)を通常は青色で表示させるところ、大当たりとなる保留球R1に対応する保留球数図柄については赤色で表示させる。
上述した通り、大当たり告知コマンドには、保留中の変動演出の中に大当たりとなる変動演出があると先読み処理にて判断された場合に、大当たりとなる変動演出の保留回数(大当たりとなる保留球R1)を表す情報が含まれる。その大当たり告知コマンドに含まれる情報により、大当たりとなる保留球R1が保留中の変動演出の中で1番目に保留されたものである場合は、保留球数表示領域Dbに表示される保留球数のうち最も左側に表示される保留球数図柄が赤色で表示され、その他の保留球数図柄は青色で表示される。大当たりとなる保留球R1が保留中の変動演出の中で2番目に保留されたものである場合は、保留球数表示領域Dbに表示される保留球数のうち左から2番目に表示される保留球数図柄が赤色で表示され、その他の保留球数図柄は青色で表示される。図9(a)に示す例は、大当たりとなる保留球R1が保留中の変動演出の中で2番目に保留されたものである場合のものである。
大当たりとなる保留球R1が保留中の変動演出の中で3番目に保留されたものである場合は、保留球数表示領域Dbに表示される保留球数のうち左から3番目に表示される保留球数図柄が赤色で表示され、その他の保留球数図柄は青色で表示される。大当たりとなる保留球R1が保留中の変動演出の中で4番目に保留されたものである場合は、保留球数表示領域Dbに表示される保留球数のうち左から4番目(最も右側)に表示される保留球数図柄が赤色で表示され、その他の保留球数図柄は青色で表示される。
大当たり告知コマンドに、大当たりとなる変動演出の保留回数を表す情報が含まれていない場合、それは、実行中の変動演出が大当たりとなることを意味する。この場合、保留球数表示領域Dに表示される全ての保留球数図柄を青色で表示する。
遊技者は、告知ボタン23を1秒以上押下操作し、小領域Ds2に表示される少年の髪の毛HBの色が金色に変化したことを確認した場合に、更に、保留球数表示領域Dbに表示される保留球数図柄の中で左から何番目の保留球数図柄が赤色で表示されるかを確認することで、大当たりとなる保留球を把握することができる。また、小領域Ds2に表示される少年の髪の毛HBの色が金色に変化しつつ、保留球数表示領域Dbに表示される保留球数図柄が全て青色であれば、実行中の変動演出にて大当たりとなることを遊技者に把握させることができる。
これにより、遊技者が、実行中の変動演出および保留中の変動演出の中に大当たりとなる変動演出があると把握できる場合に、すぐに大当たりとなるのか、大当たりとなるまでしばらく時間があるのか、また、大当たりとなるまで残り何回の変動演出が行われるのか、といったことをあわせて知ることができる。よって、遊技者は、そのような情報に基づき、大当たりとなるまでに退席や用件を済ませる時間があるかどうかを判断できる。
また、本実施形態では、保留されている複数の変動演出の中で2以上の変動演出において大当たりとなる場合に、その大当たりとなる変動演出の中で最も保留回数の少ない変動演出の保留回数を表す情報を大当たり告知コマンドに含めているので、保留球数表示領域Dbに赤色で表示される保留球数図柄も、その大当たりとなる変動演出の中で最も保留回数の少ない変動演出に対応する保留球数図柄のみが赤色で表示される。また、実行中の変動演出が大当たりとなる場合は、保留中の変動演出の中に大当たりとなる変動演出があっても、大当たりとなる変動演出の保留回数を表す情報を含めずに大当たり告知コマンドが表示制御装置114へ送信されるので、少領域Ds2に表示される少年の髪の毛HBが金色になるだけで、保留球数表示領域Dbの全ての保留球数図柄は青色で表示される。これにより、遊技者は少なくとも直近で大当たりとなる変動演出を把握できるので、それまでに退席や用件を済ませる時間があるかどうかを判断できる。
なお、本実施形態では、告知ボタン23が1秒以上押下操作されたときに、実行中の変動演出が大当たりとなる場合に、小領域Ds2に表示される少年の髪の毛HBを黒色から金色に変化させ、保留球数表示領域Dbに表示される保留球数図柄は青色のまま表示するが、告知ボタン23が1秒以上押下操作されたときに、実行中の変動演出が大当たりとなる場合には、小領域Ds2に表示される少年の髪の毛HBの色を金色ではなく、虹色で表示してもよい。これにより、遊技者は、少年の髪の毛HBの色が金色に変化すれば、保留中の変動演出の中に大当たりがあると把握でき、少年の髪の毛HBの色が虹色に変化すれば、実行中の変動演出が大当たりとなることを瞬時に把握できる。つまり、少年の髪の毛HBの変化だけで、少なくとも、実行中の変動演出が大当たりとなるのか、保留中の変動演出において大当たりとなるのかを遊技者が容易に把握できる。
また、告知ボタン23が1秒以上押下操作されたときに、実行中の変動演出が大当たりとなる場合には、少年の髪の毛HBの色を黒色から金色に変化させ、保留中の変動演出に大当たりとなる変動演出がある場合は、少年の髪の毛HBの色は黒色のままとして、保留球数表示領域Dbに表示される保留球数図柄のうち大当たりとなる変動演出に対応する保留球数図柄を青色から赤色に変化させるようにしてもよい。これにより、少年の髪の毛HBの色が変化すれば実行中の変動演出が大当たりとなり、保留球数図柄の色が変化すれば、その色が変化した保留球数図柄に対応する変動演出が大当たりとなることを遊技者に分かりやすく伝えることができる。
また、本実施形態の変形例として、保留されている複数の変動演出の中で2以上の変動演出において大当たりとなる場合は、大当たりとなる全ての変動演出の保留回数を表す情報を大当たり告知コマンドに含めてもよく、また、実行中の変動演出が大当たりとなり、且つ、保留中の変動演出の中に大当たりとなる変動演出がある場合は、実行中の変動演出が大当たりとなる情報と、保留されている変動演出の中で大当たりとなる全ての変動演出の保留回数を表す情報とを大当たり告知コマンドに含めてもよいことは上記した。このような場合において、大当たり告知コマンドにて把握できる全ての大当たりとなる保留中の変動演出に対して、対応する保留球数図柄を赤色で保留球数表示領域Dbに表示してもよい。これにより、告知ボタン23が1秒以上押下操作された場合に保留されていた変動演出の中で大当たりとなる全ての変動演出の保留回数を、遊技者が一度の把握できる。よって、一度大当たりとなった後に再び大当たりとなるかどうか、また、複数回大当たりとなる場合に、大当たりとなる間に変動演出が何回行われるかなどを遊技者が知ることができるので、どの時点で退席や用件をすませばよいかといった判断を遊技者に行わせることができる。
なお、告知ボタン23が1秒以上押下操作されたときに、実行中の変動演出が大当たりとなり、且つ、保留中の変動演出の中に大当たりとなる変動演出がある場合に、実行中の変動演出が大当たりとなる情報と、保留されている変動演出の中で大当たりとなる全ての変動演出の保留回数を表す情報とを大当たり告知コマンドに含めた場合は、少年の髪の毛HBの色を虹色に変化させ、且つ、大当たりとなる全ての変動演出に対応する保留球数図柄を赤色で保留球数表示領域Dbに表示してもよい。これにより、実行中の変動演出が大当たりとなることと、保留されていた変動演出の中で大当たりとなる全ての変動演出の保留回数とを、遊技者に一度に把握させることができる。
また、少年の髪の毛HBに対して実行中の変動演出の大当たりの有無を表示させ、保留球数表示領域Dbに表示される各保留図柄に対して、対応する保留回数の変動演出の大当たりの有無を表示させるようにしてもよい。即ち、実行中の変動演出が大当たりとなり、且つ、保留中の変動演出の中に大当たりとなる変動演出がある場合は、少年の髪の毛HBと、大当たりとなる保留中の変動演出に対応する保留球数図柄とにおいて色を変化させ、実行中の変動演出は大当たりとならず、保留中の変動演出の中に大当たりとなる変動演出がある場合は、少年の髪の毛HBの色を変化させずに、大当たりとなる全ての保留中の変動演出に対応する保留球数図柄のみ色を変化させてもよい。これにより、大当たりとなる変動演出をより分かりやすく遊技者に伝えることができる。
また、保留中の変動演出に大当たりとなる変動演出がある場合に、その大当たりとなる保留球を遊技者に告知する方法として、保留球数表示領域Dbに表示される保留球数図柄のうち対応する保留球数図柄の色を変化させるやり方に限られるものではなく、対応する保留球数図柄を点滅させたり、形を丸から四角に変形させてもよい。また、第3図柄表示装置81に表示されるキャラクタ等によって、対応する保留球数図柄を指し示すような演出を表示してもよい。また、大当たりとなる保留球の保留回数を第3図柄表示装置81上に表示してもよいし、第3図柄表示装置81とは別に設けられたランプ等で表示してもよい。
図5に戻り、RAM223の説明を続ける。球未検出カウンタ223fは、一般入賞口63、第1入球口64、特定入賞口65a、アウト口66への入球が検出されない時間を計数するためのカウンタである。球打出停止フラグ223gは、遊技盤13の遊技領域に向けて球を発射する球発射ユニット112aの球の打出が停止していることを示すフラグであり、オンの場合に、球の打出しが停止していることを示し、オフの場合に、球の打出しが行われていることを示す。球未検出カウンタ223f及び球打出停止フラグ223gは、電源投入時に実行されるRAM223の初期値設定処理(図21のS810参照)において、それぞれ初期値として「0」及び「オフ」が設定される。
球未検出カウンタ223fは、1ミリ秒毎に実行される告知処理の球打出停止判定処理(S1203、図27参照)の中で、一般入賞口63、第1入球口64、特定入賞口65a、アウト口66への入球がないことをそれぞれの口に設けられた各種スイッチ208の出力信号から判断されると(S1323)、球打出停止フラグ223gがオフである(即ち、球の打出しが停止していないと判断されている状態にある)ことを条件として、1ずつインクリメントされる(S1327)。これにより、球の打出しが停止していないと判断されている状態で、一般入賞口63、第1入球口64、特定入賞口65a、アウト口66への入球がない時間を、球未検出カウンタ223fによって1ミリ秒毎に計数することができる。
ここで、一般入賞口63、第1入球口64、特定入賞口65a、アウト口66は、図2を参照して上述した通り、遊技盤13の遊技領域に設けられた口であり、いずれも球発射ユニット112aにより該遊技領域に案内された球が遊技領域の外へ排出される口である。遊技領域から外へ球が排出される口は、これらが全てである。つまり、これらの口への入球が所定時間ない場合は、球発射ユニット112aによる遊技領域への球の打出しが行われていないことを示す。
本実施形態では、球打出停止判定処理において、球未検出カウンタ223fが5000以上である(即ち、一般入賞口63、第1入球口64、特定入賞口65a、アウト口66への球の入球が5秒以上検出されていない)と判断されると、球発射ユニット112aによる遊技領域への球の打出しが停止されたものとして、球打出停止フラグ223gをオンに設定する。また、一般入賞口63、第1入球口64、特定入賞口65a、アウト口66への入球があったことを各種スイッチ208の出力信号から判断された場合は、球打出停止フラグ223gをオフに設定し、また、球未検出カウンタ223fを0に初期化する。球未検出カウンタ223fを0に初期化することで、再び、一般入賞口63、第1入球口64、特定入賞口65a、アウト口66への入球が検出されない時間を計数できるようにしている。
なお、本実施形態では、各種スイッチ208の出力信号を主制御装置110だけでなく音声ランプ制御装置113に入力し、音声ランプ制御装置113は、各種スイッチ208からの出力信号に基づいて、一般入賞口63、第1入球口64、特定入賞口65a、アウト口66への入球の有無を判断した。これに代えて、各種スイッチ208の出力信号に基づき主制御装置110において一般入賞口63、第1入球口64、特定入賞口65a、アウト口66への入球を検出すると、その入球を通知する入球検出コマンドを主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信し、音声ランプ制御装置113は、入球検出コマンドの受信の有無に基づいて、一般入賞口63、第1入球口64、特定入賞口65a、アウト口66への入球の有無を判断してもよい。
球打出停止フラグ223gは、告知処理の中で実行される告知表示設定処理(S11204、図28参照)にて参照される。具体的には、告知表示設定処理において実行される先読み処理の結果、保留中の変動演出の中に大当たりとなる変動演出があるか、実行中の変動演出が大当たりとなるものであると判断され、大当たり告知画像を第3図柄表示装置81に表示させるための大当たり告知コマンドが設定された場合に、球打出停止フラグ223gが参照される(S1337)。そして、球打出停止フラグ223gがオンであれば、直近で大当たりとなる変動演出までの各変動演出の変動時間を算出して、算出した各々の変動時間を表示制御装置114へ通知する変動時間告知コマンドを設定する(S1340)。
なお、実行中の変動演出については、残りの変動時間(その時点から該変動演出が終了するまでの残り変動時間時間)を算出する。保留中の変動演出については、それぞれの変動演出に対して変動時間を算出する。算出するのは、先読み処理により直近で大当たりとなると判定された変動演出までで、実行中の変動演出が大当たりとなる場合は、その実行中の変動演出の残り変動時間のみが算出される。また、保留球数が3の場合に、保留中の変動演出の中で2番目に保留された変動演出が直近で大当たりとなる場合は、実行中の変動演出の残り変動時間と、1番目と2番目に保留された各変動演出の変動時間とが算出される。つまり、この場合、3番目に保留された変動演出の変動時間の算出は行われない。
実行中の変動演出の残り変動時間は、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドにて示された変動パターンに基づき判断される変動時間から、その変動パターンコマンドに基づき第3図柄表示装置81にて実行中の変動演出の開始からの経過時間を減ずることで算出する。なお、実行中の変動演出の変動時間を、先読み情報格納エリア223bの先読み情報第0エリアに格納されたカウンタC1〜C3,CS1の値から判断してもよい。
保留中の変動演出の各変動時間は、先読み情報格納エリア223bの先読み情報第1〜第4エリアに格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値に基づいて算出する。本実施形態では、変動演出の実行が開始される時点(厳密には、大当たり抽選が行われる時点)の保留球数に応じて変動時間が決定される。したがって、保留中の変動演出の各変動時間を算出する場合は、その算出するときの保留球数カウンタ223aの値に基づき、各々の保留中の変動演出の実行が開始されるときに保留球数がいくつになっているかを算出した上で行う。
例えば、保留中の変動演出の各変動時間を算出するときの保留球数カウンタ223aの値が「2」であれば、先読み情報第1エリアに対応する変動演出が実行されるときの保留球数は「1」となり、先読み情報第2エリアに対応する変動演出が実行されるときの保留球数は「0」となる。また、保留中の変動演出の各変動時間を算出するときの保留球数カウンタ223aの値が「4」であれば、先読み情報第1エリアに対応する変動演出が実行されるときの保留球数は「3」となり、先読み情報第2エリアに対応する変動演出が実行されるときの保留球数は「2」となり、先読み情報第3エリアに対応する変動演出が実行されるときの保留球数は「1」となり、先読み情報第4エリアに対応する変動演出が実行されるときの保留球数は「0」となる。
なお、保留中の変動演出の各変動時間を算出するときに、各々の保留中の変動演出の実行が開始されるときの保留球数を確定できるのは、その算出が行われる時点で遊技領域への球の打出しが停止されているからである。即ち、保留中の変動演出の各変動時間を算出するときには、第1入球口64への入賞の可能性がないため、保留球数が変化することがない。従って、変動演出の実行が開始される時点(厳密には、大当たり抽選が行われる時点)の保留球数に応じて変動時間が決定される場合であっても、保留中の変動演出の各変動時間を確実に算出することができる。
変動時間告知コマンドは、上述した通り、直近で大当たりとなるまでの変動演出に対して算出した、実行中の変動演出の残り変動時間と保留中の変動演出の各変動時間とを、表示制御装置114へ通知するためのコマンドである。変動時間告知コマンドが表示制御装置114へ送信されると、変動時間告知コマンドにて通知された各変動時間を遊技者に告知する変動時間告知画像を上記の大当たり告知画像(実行中の変動演出または保留中の変動演出に大当たりとなる変動演出があることを告知する画像)とあわせて第3図柄表示装置81に表示するよう、表示制御装置114にて制御が行われる。
ここで、図9(b)を参照して、第3図柄表示装置81に表示される変動時間告知画像の詳細について説明する。図9(b)は、第3図柄表示装置81に変動演出告知画像が表示された状態を示す図である。
図9(b)に示す通り、小領域Ds2や保留球数表示領域Dbに表示される大当たり告知画像にあわせて、変動時間告知画像が小領域Ds3に表示される。変動時間告知画像では、実行中の変動演出に対して算出された残り変動時間を示すための文字列として「実行中 残り」との文字列を表示し、その右側に、変動時間告知コマンドにて通知された該残り変動時間(図9(b)の例では「5秒」)を表示する。
また、変動時間告知画像では、「実行中 残り」との文字列の下側において、上から順に「保留1」「保留2」「保留3」「保留4」との文字列を表示する。「保留1」は、1番目に保留された変動演出の変動時間を示すための文字列であり、「保留1」の右側に、変動時間告知コマンドにて通知された1番目に保留された変動演出の変動時間(図9(b)の例では「30秒」)を表示する。「保留2」は、2番目に保留された変動演出の変動時間を示すための文字列であり、「保留2」の右側に、変動時間告知コマンドにて通知された2番目に保留された変動演出の変動時間(図9(b)の例では「90秒」)を表示する。また、「保留3」「保留4」は、それぞれ3番目、4番目に保留された変動演出の変動時間を示すための文字列であり、各文字列の右側に、変動時間告知コマンドにて通知された対応する変動演出の変動時間を表示する。
なお、変動時間告知コマンドは、直近で大当たりとなるまでの変動演出の各変動時間が通知されるのであり、保留されていない変動演出についてはもちろん、保留されている変動演出であっても、直近で大当たりとなる変動演出より後に実行される変動演出については、変動時間告知コマンドによってその変動時間は通知されない。変動時間告知コマンドにより変動時間が通知されない変動演出については、「保留1」〜「保留4」の対応する文字列の右横に、変動時間に代えて「−」を表示する。
例えば、図9(b)の例では、保留球数が3であるので、「保留4」に対応する変動演出(4番目に保留された変動演出)が存在しないため、「−」と表示されている。また、保留球数表示領域Dbに表示される保留球数のうち左から2番目に表示される保留球数図柄が赤色で表示されていることから、2番目に保留された変動演出において直近で大当たりとなるので、3番目に保留された変動演出の変動時間が変動時間告知コマンドにて通知されない。このため、「保留3」の右側も「−」と表示される。仮に、実行中の変動演出が大当たりとなる場合は、保留中の全ての変動演出の変動時間が変動時間告知コマンドに含まれていない。よって、この場合は、「保留1」〜「保留4」すべての右側には「−」と表示されることになる。
遊技者により告知ボタン23が1秒以上押下操作され、実行中の変動演出又は保留中の変動演出の中に大当たりとなる変動演出が存在する場合に第3図柄表示装置81に表示される大当たり告知画像とあわせて、図9(b)に示すような変動時間告知画像が表示されることにより、遊技者は、大当たりとなる変動演出があるか否かを把握するだけでなく、直近で大当たりとなるまでの時間を把握することができる。よって、遊技者は、その直近で大当たりとなるまでの時間を考慮して、退席や用件を済ませる時間があるかどうかの判断を即断できる。
また、直近で大当たりとなるまでの各変動演出に対して、それぞれ変動時間(実行中の変動演出においては残り変動時間)が表示されるので、遊技者は、どの変動演出が実行されている間に退席や用件をすませようか、といった判断も行うことができる。
また、本実施形態では、直近で大当たりとなるまでの変動演出における各変動時間が表示されるのに対し、その後に実行される変動演出の変動時間は非表示とされる(「−」と表示される)。これにより、直近で大当たりとなるまでの時間を、遊技者に分かりやすく把握させることができる。
また、本実施形態では、大当たり告知画像にあわせて変動時間告知画像が表示されるのは、遊技領域への球の打出しが停止されていると判断された場合に限られる。これは、上述した通り、保留中の変動演出の各変動時間を算出するときに、第1入球口64への入賞の可能性がないため、保留球数が変化することがないので、変動演出の実行が開始される時点(厳密には、大当たり抽選が行われる時点)の保留球数に応じて変動時間が決定される場合であっても、保留中の変動演出の各変動時間を確実に算出できるからである。逆に言えば、本実施形態では、遊技領域への球の打出しが停止されていると判断されない限り、大当たり告知画像とあわせて変動時間告知画像が非表示とされる。よって、遊技領域への球の打出しが停止されていないことにより、不正確な変動時間が保留中の変動演出に対して表示されることを抑制できるので、遊技者における退席や用件を済ませる時間があるかどうかの判断が誤って行われることを抑制できる。
図5に戻り、RAM223の説明を続ける。告知ボタン無効フラグ223hは、告知ボタン23の押下操作の無効期間であるか否かを示すフラグであり、オンの場合に、該無効期間であることを示し、オフの場合に、告知ボタン23の押下操作の有効期間であることを示す。確定コマンドフラグ223iは、主制御装置110より確定コマンドを受信したことを示すフラグであり、オンの場合に、確定コマンドを受信したことを示し、オフの場合に、未受信であることを示す。
ここで、確定コマンドは、第3図柄表示装置81にて実行中の変動演出を確定表示させるためコマンドであり、主制御装置110おいて第1図柄表示装置37にて実行される変動表示が確定表示されるのに合わせて、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信される。
告知ボタン無効フラグ223h及び確定コマンドフラグ223iは、電源投入時に実行されるRAM223の初期値設定処理(図21のS810参照)において、それぞれ初期値として「オフ」が設定される。そして、告知処理の告知実行判定処理(S1202、図26(b)参照)において、告知ボタンオンカウンタ223cが1000となった場合、即ち、告知ボタン23が遊技者により1秒以上押下操作されたと判断された場合に、告知実行フラグ223dをオンに設定して告知ボタン23の押下操作に基づく告知を開始させると共に、告知ボタン無効フラグ223hがオンに設定される。告知ボタン無効フラグ223hがオンに設定される間は、告知ボタン判定処理(S1201、図26(a)参照)において、告知ボタン23の押下操作の有無にかかわらず、告知ボタンオンカウンタ223cの値が0に初期化され続ける。これにより、告知ボタン23の押下操作が無効にされる。
一方、確定コマンドフラグ223iは、主制御装置110より確定コマンドを受信した場合にオンに設定される(図23のS1011参照)。そして、この確定コマンドフラグ223iは、告知処理の告知ボタン無効解除処理(S1206、図29(b)参照)の中で参照される。具体的には、告知ボタン無効フラグ223hがオンに設定されている場合に、確定コマンドフラグ223iがオンであると、確定コマンドフラグ223iがオフされたうえで、その時の保留回数カウンタ223aが0であるか否かが判断され、保留回数カウンタ223aが0であれば、告知ボタン無効フラグ223hがオフに設定される。
確定コマンドフラグ223iがオン、即ち、主制御装置110から確定コマンドを受信した時点で保留回数カウンタ223aが0であれば、それは、保留分を含めて全ての変動演出の実行が終了し、保留中の変動演出が0になったことを意味する。つまり、本実施形態では、告知ボタン23の押下操作が無効に設定された後、保留分を含めて(無効の設定が行われてから後に保留された変動演出も含めて)全ての変動演出の実行が終了し、保留中の変動演出がなくなった場合に、告知ボタン無効フラグ223hがオフに設定され、告知ボタン23の押下操作の無効が解除される。
このように、本実施形態では、告知ボタン23の押下操作に基づく告知が実行されると、保留中の変動演出が0になるまで、告知ボタン23の押下操作が無効化される。つまり、その期間に告知ボタン23が押下操作されても、告知が非実行とされる。これにより、告知ボタン23の押下操作に基づく告知に従って、例えば遊技者が遊技機から退席したような場合に、該遊技者以外の者が告知ボタン23を押下操作しても、少なくとも、そのパチンコ機10において、保留中の変動演出が0となるまでは、その遊技者以外の者に対して、大当たりとなる変動演出があるか否かを把握できないようにすることができる。よって、元々遊技を行っていた者の遊技によって保留された変動演出により得られる大当たりの利益を、別の遊技者が得ることを抑制でき、元々遊技を行っていた者の利益を守ることができる。また、保留中の変動演出が0となれば、元々遊技を行っていた者の遊技によって保留された変動演出が一旦すべて実行されたと考えられるので、その後に遊技を行ったものが、告知ボタン23を1秒以上押下操作することで、その押下操作に基づく告知を得ることができる。
RAM223は、その他、主制御装置110より受信したコマンドを、そのコマンドに対応した処理が行われるまで一時的に記憶するコマンド記憶領域(図示せず)や、オン状態で変動演出を開始すべきことを示す変動開始フラグ(図示せず)などを有している。
コマンド記憶領域はリングバッファで構成され、FIFO(First In First Out)方式によってデータの読み書きが行われる。音声ランプ処理装置113のコマンド判定処理(図23参照)が実行されると、コマンド記憶領域に記憶された未処理のコマンドのうち、最初に格納されたコマンドが読み出され、コマンド判定処理によって、そのコマンドが解析されて、そのコマンドに応じた処理が行われる。
変動開始フラグは、電源投入時に初期値としてオフに設定され、主制御装置110から出力された停止種別コマンドを受信した場合にオンされる(図23のS1005参照)。そして、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる(図24のS1102参照)。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動演出や連続予告演出を制御するものである。この表示制御装置114の詳細については、図10を参照して後述する。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111のNMI端子へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図18参照)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
次に、図10を参照して、表示制御装置114の電気的構成について説明する。図10は、表示制御装置114の電気的構成を示すブロック図である。表示制御装置114は、MPU231と、プログラムROM232と、ワークRAM233と、キャラクタROM234と、ビデオRAM236と、画像コントローラ237と、入力ポート238と、出力ポート239と、バスライン240,241とを有している。
入力ポート238には音声ランプ制御装置113が接続されており、表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113によって決定された第3図柄表示装置81の表示態様を指示するコマンドを音声ランプ制御装置113から受信する。入力ポート238には、また、バスライン240を介して、MPU231、プログラムROM232、ワークRAM233、キャラクタROM234、画像コントローラ237が接続されている。画像コントローラ237には、ビデオRAM236が接続されると共に、バスライン241を介して出力ポート239が接続されている。出力ポート239の出力側には、第3図柄表示装置81が接続されている。
なお、パチンコ機10は、大当たりの抽選確率や1回の大当たりで払い出される賞球数が異なる別機種であっても、第3図柄表示装置81で表示される図柄構成が全く同じ仕様の機種があるので、表示制御装置114は共通部品化されコスト低減が図られている。
MPU231は、音声ランプ制御装置113から入力されたコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81の表示内容を制御する。プログラムROM232は、MPU231により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリである。また、プログラムROM232は、表示データテーブル格納エリア232aと、追加データテーブル格納エリア232bとを少なくとも有している。
表示データテーブル格納エリア232aは、主制御装置110からのコマンドに基づき表示させる演出毎に用意された表示データテーブルが格納される領域である。表示データテーブルは、その表示データテーブルに対応した演出において、時間経過に伴い第3図柄表示装置81に表示すべき表示内容を記載したものである。MPU231は、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに従って第3図柄表示装置81に表示させる演出を決定し、その演出に対応する表示データテーブルを表示データテーブル格納エリア232aから読み出して、その読み出した表示データテーブルに従って第3図柄表示装置81の表示を制御する。
ここで、表示データテーブルの詳細について説明する。表示データテーブルは、音声ランプ制御装置113からのコマンドに基づいて第3図柄表示装置81に表示される各演出の演出態様毎に1つずつ用意されるもので、例えば、変動演出、デモ演出、確定表示演出、再始動演出に対応する表示データテーブルが用意されている。
尚、デモ演出は、一の変動演出が停止してから所定時間経過しても、始動入賞に伴う次の変動演出が開始されない場合に、第3図柄表示装置81に表示される演出であり、「0」から「9」の数字が付されていない主図柄からなる第3図柄が停止表示されると共に、背面画像のみが変化する。第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されていれば、遊技者やホール関係者が、当該パチンコ機10において遊技が行われていないことを認識することができる。
確定表示演出は、変動演出後に音声ランプ制御装置113を介して、主制御装置110より確定コマンド(表示用確定コマンド)を受信することによって停止図柄を確定表示する場合に第3図柄表示装置81に表示される演出である。例えば、停止図柄が外れ図柄である場合は、外れを強調する演出が行われ、停止図柄が15R確変大当たり、15R通常大当たり、2R確変大当たりのいずれかである場合は、それぞれの大当たりが強調される演出が行われる。遊技者は、この確定表示演出を視認することで、停止図柄の内容によって付与される遊技価値を容易に判断することができる。
再始動演出は、変動パターンコマンドにより示された変動演出の終了に伴って第3図柄が停止表示されてから所定時間経過しても主制御装置110から送信される確定コマンドが受信されない場合に、所定位置を中心に第3図柄を振動(揺動)させた画像を第3図柄表示装置81に表示させる演出である。遊技者は、第3図柄表示装置81において、第3図柄の変動が停止表示された後にその第3図柄が振動して表示されることを視認すると、その時点では停止図柄が確定していないことを認識することができる。
表示データテーブル格納エリア232aには、デモ演出および再始動演出に対応する表示データテーブルをそれぞれ1つずつ格納する。変動演出用の表示データテーブルである変動用表示データテーブルは、設定される変動演出パターンと停止図柄との組み合わせに応じて、1テーブルずつ用意される。また、確定表示演出に対応する表示データテーブルとしては、停止図柄として外れ図柄を確定表示させるものと、確変大当たり(15R確変大当たり又は2R確変大当たり)を確定表示されるものと、通常大当たり(15R通常大当たり)を確定表示させるものとが、それぞれ用意されている。
ここで、図11を参照して、表示データテーブルの詳細について説明する。図11は、表示データテーブルのうち、変動用表示データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。表示データテーブルは、第3図柄表示装置81において1フレーム分の画像が表示される時間(本実施形態では、20ミリ秒)を1単位として表したアドレスに対応させて、その時間に表示すべき1フレーム分の画像の内容(描画内容)を詳細に規定したものである。
描画内容には、1フレーム分の画像を構成する表示物であるスプライト毎に、そのスプライトの種別を規定すると共に、そのスプライトの種別に応じて、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報といった、スプライトを第3図柄表示装置81に描画させるための描画情報が規定されている。
スプライトの種別は、表示すべきスプライトを特定するための情報である。表示位置座標は、そのスプライトを表示すべき第3図柄表示装置81上の座標を特定するための情報である。拡大率は、そのスプライトに対して予め設定された標準的な表示サイズに対する拡大率を指定するための情報で、その拡大率に従って表示されるスプライトの大きさが特定される。尚、拡大率が100%より大きい場合は、そのスプライトが標準的な大きさよりも拡大されて表示され、拡大率が100%未満の場合は、そのスプライトが標準的な大きさもよりも縮小されて表示される。
回転角度は、スプライトを回転させて表示させる場合の回転角度を特定するための情報である。半透明値は、スプライト全体の透明度を特定するためのものであり、半透明値が高いほど、スプライトの背面側に表示される画像が透けて見えるように画像が表示される。αブレンディング情報は、他のスプライトとの重ね合わせ処理を行う場合に用いられる既知のαブレンディング係数を特定するための情報である。色情報は、表示すべきスプライトの色調を指定するための情報である。そして、フィルタ指定情報は、指定されたスプライトを描画する場合に、そのスプライトに対して施すべき画像フィルタを指定するための情報である。
変動表示データテーブルでは、各アドレスに対応して規定される1フレーム分の描画内容として、1つの背面画像、9個の第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、その画像において光の差し込みなどを表現するエフェクト、人物や文字などの各種演出に用いられるキャラクタといった各スプライトに対する描画情報が、アドレス毎に規定されている。尚、エフェクトやキャラクタに関する情報は、そのフレームに表示すべき内容に合わせて、1つ又は複数規定される。
ここで、背面画像は、表示位置は第3図柄表示装置81の画面全体に固定され、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報は、時間経過に対して一定とされるので、変動用表示データテーブルでは、背面画像の種別を特定するための情報である背面種別のみが規定されている。この背面種別は、遊技者が枠ボタン22を操作することによって選択されているステージ(「町中ステージ」、「海ステージ」、「山ステージ」のいずれか)に対応する背面A〜Cのいずれかを表示させるか、背面A〜Cとは異なる背面画像を表示させるかを特定する情報が記載されている。また、背面種別は、背面A〜Cとは異なる背面画像を表示させることを特定する場合、どの背面画像を表示させるかを特定する情報も合わせて記載されている。
MPU231は、この背面種別によって、背面A〜Cのいずれかを表示させることが特定される場合は、背面A〜Cのうち遊技者によって指定されたステージに対応する背面画像を描画対象として特定する。一方、背面A〜Cとは異なる背面画像を表示させることが特定される場合は、背面種別から表示させるべき背面画像を特定する。
尚、本実施形態では、表示データテーブルにおいて、背面画像の描画内容として背面種別のみを規定する場合について説明するが、これに代えて、背面種別と、その背面種別に対応して、どの状態の背面画像を表示すべきかを示す表示状態情報とを規定するようにしてもよい。背面画像は、時間の経過とともに表示範囲や、明るさ、色合いなどが変化して表示される。この表示状態情報は、例えば、初期状態の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像を、表示状態情報により示される初期状態の背面画像が表示されてからの経過時間に基づいて特定する。
また、表示状態情報は、この表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、この表示データテーブルに基づく画像の第3図柄表示装置81への表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像を、表示データテーブルに基づき画像の描画(もしくは、表示データテーブルに基づく画像の第3図柄表示装置81への表示)が開始された段階で表示されていた背面画像の状態と、表示状態情報により示される該画像の描画(もしくは、該画像の第3図柄表示装置81への表示)が開始されてからの経過時間とに基づいて特定する。
更に、表示状態情報は、背面種別に応じて、初期状態に対応する背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報および表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、表示データテーブルに基づく画像の第3図柄表示装置81への表示)が開始されてからの経過時間を示す情報のいずれかを示すものであってもよいし、背面種別および表示状態情報とともに、その表示状態情報の種別情報(例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であるか、表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、表示データテーブルに基づく画像の第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であるかを示す情報)を、背面画像の描画内容として規定してもよい。その他、表示状態情報は、経過時間を示す情報ではなく、表示すべき背面画像が格納されたアドレスを示す情報であってもよい。
第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)は、表示すべき第3図柄を特定するための図柄種別情報として、第3図柄に割り当てられた固有の識別番号が記載されている。本実施形態では、第3図柄の一つ一つに、それぞれを識別するための固有の識別番号を付している。例えば、「0」の主図柄には識別番号として「0」が付され、「1」の主図柄には識別番号として「1」が付され、「2」の主図柄には識別番号として「2」が付されている。
ただし、変動が開始されてから所定時間が経過するまでの第3図柄の図柄種別情報としては、第3図柄の識別情報を直接規定するのではなく、1つ前に行われた変動演出の停止図柄の識別番号とのオフセット情報が記載されている。このオフセット情報は、各第3図柄に対して付された識別番号の差分を表す情報である。
変動が開始されてから所定時間が経過するまでの第3図柄の図柄種別情報として、オフセット情報を規定するのは、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄に応じて変わるためである。変動が開始されてから所定時間経過するまでは、各アドレスにおける図柄種別情報として、そのアドレスに対応する時間に表示すべき第3図柄の識別情報と1つ前に行われた変動演出の停止図柄の識別情報との差分(オフセット情報)を記載する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出を開始することができる。
一方、変動時間が開始されてから所定時間経過した後は、各アドレスにおける図柄種別情報として、そのアドレスに対応する時間に表示すべき第3図柄の識別情報と今回行われている変動演出において停止表示される第3図柄(停止図柄)との差分(オフセット情報)を記載する。これにより、今回の変動演出に対して設定された停止図柄で、第3図柄が停止するように変動演出を実行することができる。
なお、図柄種別情報として1つ前に行われた変動演出の停止図柄からのオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄とのオフセット情報へ切り換えるタイミングが、第3図柄が高速に変動表示されている時間となるように、前記所定時間が設定されている。第3図柄が高速に変動表示されている間は、その第3図柄が遊技者に視認不能な状態であるので、その間に、図柄オフセット情報を1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えることによって、第3図柄の数字の連続性が途切れても、その数字の連続性の途切れを遊技者に認識させないようにすることができる。
表示データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、表示データテーブルの最終アドレス(図11の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その表示データテーブルで規定すべき演出態様に対応させた描画内容が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定し、その選定した表示データテーブルを表示データテーブル格納エリア232aから読み出して、ワークRAM233に設けられた後述の表示データテーブルバッファ233aに格納すると共に、ポインタ233cを初期化する。そして、1フレーム分の描画処理が完了する度にポインタ233cを1加算し、表示データテーブルバッファ233aに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233cが示すアドレスに規定された描画内容に基づき、次に描画すべき画像内容を特定して後述する描画リスト(図13参照)を作成する。この描画リストを画像コントローラ237に送信することで、画像コントローラ237に対しその画像の描画指示を行う。これにより、ポインタ233cの更新に従って、表示データテーブルで規定された順に描画内容が特定されるので、その表示データテーブルで規定された通りの画像が第3図柄表示装置81に表示される。
このように、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、MPU231により実行すべきプログラムを変更するのではなく、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233aに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができる。
ここで、従来のパチンコ機のように、第3図柄表示装置81に表示させる演出画像を変更する度にMPU231で実行されるプログラムを起動するように構成した場合、演出画像の多種多様化に伴って複雑かつ膨大化するプログラムの起動や実行の処理に多大な負荷がかかるため、表示制御装置114における処理能力が制限となって、制御可能な演出画像の多様化に限界が生じてしまうおそれがあった。これに対し、本パチンコ機10では、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233aに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができるので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種態様な演出画像を第3図柄表示装置81に表示させることができる。
また、このように各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成することができるのは、パチンコ機10では、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づいて、予め第3図柄表示装置81に表示させる演出が決定されるためである。これに対し、パチンコ機といった遊技機を除くゲーム機などでは、ユーザの操作に基づいてその場その場で表示内容が変わるため、表示内容を予測することができず、よって、上述したような各演出態様に対応する表示データテーブルを持たせることはできない。このように、各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成する構成は、パチンコ機10が、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づき予め第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を決定する構成であることに基づいて初めて実現できるものである。
図10に戻り説明を続ける。追加データテーブル格納エリア232bは、主制御装置110からのコマンドに基づく一の演出に対し、追加して第3図柄表示装置81に表示させる演出の表示内容を、その演出毎に用意された追加データテーブルが格納される領域である。ここで、「一の演出に対し、追加」するとは、主制御装置110からのコマンドに基づく一の演出の表示内容を変更することを意味し、例えば、一の演出において通常は表示されない画像を表示させて、その一の演出に別の演出を重ねて表示させたり、その一の演出における一部または全部の色調を変化させたり、一の演出において表示される画像を変更したりする概念を含むものである。
即ち、追加データテーブルは、主制御装置110からのコマンドに基づき選定された表示データテーブルによって表示される一の演出に対して、通常は表示されない画像を追加して表示させるために必要な描画内容や、その一の演出における一部または全部の色調を変化させるために必要な描画内容、また、一の演出において表示される画像を変更して表示させるために必要な描画内容が既定されるものである。追加データテーブルは、例えば、変動演出に対して追加設定される連続予告演出の態様(連続予告態様)に対応して用意されており、追加データテーブル格納エリア232bに格納されている。
ここで、追加データテーブルの詳細について、図12を参照して説明する。図12は、追加データテーブルの一例を模式的に示した図である。追加データテーブルでは、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に追加表示すべき1フレーム分の画像の内容(描画内容)が詳細に規定されている。描画内容には、1フレーム分の画像に追加表示すべき表示物であるスプライト毎に、そのスプライトの種別を規定すると共に、そのスプライトの種別に応じて、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報といった、スプライトを第3図柄表示装置81に描画させるための描画情報が規定されている。
例えば、図12の例では、表示データテーブルにおいて規定されるアドレス「0097H」に対応付けて、1つのキャラクタ(キャラクタ1)に対して、追加して表示するスプライト(キャラクタ)を特定するためのスプライト種別(キャラクタ種別)、表示位置、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報が規定されている。一方、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスによって示される時間に、追加表示すべき表示物が存在しない場合は、追加データテーブルでは、そのアドレスに対応する追加すべき表示物が存在しないことを意味するNullデータが規定される(図12のアドレス「0001H」が該当)。
尚、追加データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、表示データテーブルと同様に、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、追加データテーブルの最終アドレス(図12の例では、「00FDH」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その追加データテーブルで規定すべき演出態様に対応させた描画内容が記載されている。
MPU231は、音声ランプ制御装置113から連続予告コマンドを受信すると、その連続予告コマンドにより示される連続予告態様に応じた追加データテーブルを追加データテーブル格納エリア232bから読み出して、後述するワークRAM233の追加データテーブルバッファ233bに格納する。そして、ポインタ233cの更新毎に、表示データテーブルバッファ233aに格納された表示データテーブルと、追加データテーブルバッファ233bに格納された追加データテーブルとから、ポインタ233cが示すアドレスに規定された描画内容を特定し、次に描画すべき画像内容を特定して後述する描画リスト(図13参照)を作成する。
例えば、図12の例では、ポインタ233cが「0097H」となった場合に、MPU231は、表示データテーブルのアドレス「0097H」に規定された各種スプライトに、追加データテーブルのアドレス「0097H」に規定されたキャラクタ1のスプライトを追加して描画リストを作成し、画像コントローラ237にその画像の描画を指示する。一方、ポインタ233cが「0001H」である場合、追加データテーブルのアドレス「0001H」には、Nullデータが規定されているので、追加すべき表示物が存在しないと判断し、表示データテーブルのアドレス「0001H」に規定された各種スプライトを基に描画リストを生成する。また、追加データテーブルにおいてポインタ233cが示すアドレスで規定される情報が「End」情報であった場合、また、ポインタ233cが追加データテーブルに規定されていないアドレスを指示するものであった場合(例えば、図12の例では、ポインタ233cが「00FEH」以降のアドレスを示すような場合)にも、追加すべき表示物が存在しないと判断し、表示データテーブルに規定された各種スプライトを基に描画リストを生成する。
そして、画像コントローラ237に生成した描画リストを送信することで、その画像の描画指示を行う。これにより、ポインタ233cの更新に従って、表示データテーブルで規定された順に描画内容が特定されると共に、追加データテーブルで規定された描画内容が追加されるので、その表示データテーブルと追加データテーブルとで規定された通りの画像が第3図柄表示装置81に表示される。
このように、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像(例えば、変動演出画像)に追加して、他の演出画像(例えば、連続予告演出画像)を表示させる場合に、その追加して表示させる他の演出画像に対応する追加データデーブルを追加データテーブルバッファ233bに設定することで、容易にその演出画像をベースの演出画像に追加して表示させることができる。これにより、例えば、元の演出画像が32種類あり、追加して表示させる他の演出画像が5種類ある場合において、仮に、元の演出画像毎に他の演出画像を重ねた画像を規定した表示データテーブルを別途用意すれば、32×(1+5)=192種類の表示データテーブルを用意しなければならないところ、本パチンコ機10のように、他の演出画像に対応するデータテーブルを追加データテーブルとして別に規定することで、32+5=37種類の表示および追加データテーブルを用意すればよく、表示データテーブル格納エリア232a,追加データテーブル格納エリア232bの容量増大を抑制することができる。よって、表示データテーブル格納エリア232a,追加データテーブル格納エリア232bに用意された容量の中で多種態様な演出態様に対応したデータテーブルを格納することもでき、演出画像の更なる多種多様化を容易に図ることができる。
また、本パチンコ機10のように、追加して表示させる他の演出画像を追加データテーブルとして規定することによって、元の演出画像に対応する表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233aに設定した後に、追加して表示させる他の演出画像の表示を決定した場合であっても、表示データテーブルバッファ233aに設定された表示データテーブルを変更することなく、他の演出画像に対応する追加データテーブルを追加データテーブルバッファ233bに設定するだけで、その追加して表示させる他の演出画像が元の演出画像に追加して容易に表示させることができる。
また、追加データテーブルは、表示データテーブルと同様のデータ構造を有して構成されているので、表示データテーブルバッファ233aに設定された表示データテーブルと、追加データテーブルバッファ233bに設定された追加データテーブルとから、時間毎にポインタ233cを更新しながらそのポインタに示されるアドレスに規定された描画内容をそれぞれ容易に特定することができると共に、これらから1つのフレームに対応する1つの描画リストを容易に生成することができる。よって、主制御装置110からのコマンドに基づいて行われる演出に追加して、音声ランプ制御装置113などによってその他の演出の表示を決定した場合でもあっても、その追加して表示すべき演出の表示内容を追加データテーブルで規定することによって、少ないデータテーブルから多種多様な演出表示を容易に行うことができる。
図10に戻り、説明を続ける。ワークRAM233は、MPU231による各種制御プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリである。このワークRAM233は、表示データテーブルバッファ233a、追加データテーブルバッファ223b、ポインタ233c、描画リストエリア233d、計時カウンタ233eを少なくとも有している。
表示データテーブルバッファ233aは、主制御装置113からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて第3図柄表示装置81に表示させる演出態様に対応する表示データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、その音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に基づいて、第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を決定し、その演出態様に対応する表示データテーブルを表示データテーブル格納エリア232aから選定して、その選定された表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233aに格納する。そして、MPU231は、ポインタ233cを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233aに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233cで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図13参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルバッファ233aに格納された表示データテーブルに対応する演出が表示される。
追加データテーブルバッファ233bは、音声ランプ制御装置113からのコマンド等に応じて、表示データテーブルバッファ233aに格納された表示データテーブルによって第3図柄表示装置81に表示される演出に追加して表示させる演出画像に対応する追加データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233aに表示データテーブルを格納するのに合わせて、一旦、追加データテーブルバッファ233bに追加して表示すべき表示物がないことを意味するNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする。
その後、MPU231は、音声ランプ制御装置113からのコマンド等に基づいて、表示データテーブルバッファ233aに格納された表示データテーブルによって第3図柄表示装置81に表示される演出に追加して表示させる演出の有無を判断し、追加して表示させる演出がある場合は、その演出態様に対応する追加データテーブルを追加データテーブル格納エリア232bから選定して、その選定された追加データテーブルを追加データテーブルバッファ233bに格納する。
そして、MPU231は、ポインタ233cを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233aに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233cで示されるアドレスに規定された描画内容と、追加データテーブルバッファ233bに格納された追加データテーブルにおいてそのポインタ233cで示されるアドレスに規定された描画内容とに基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図13参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルに対応する演出に、追加データテーブルに対応する演出が追加して表示される。また、追加データテーブルバッファ233bに追加データテーブルが格納されなかった場合、追加データテーブルバッファ233bにはNullデータが格納されているので、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルに対応する演出がそのまま表示される。
ポインタ233cは、表示データテーブルバッファ233a、追加データテーブルバッファ233bの各バッファに格納された表示データテーブル及び追加データテーブルから、対応する描画内容を取得すべきアドレスを指定するためのものである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233aに表示データテーブルが格納されるのに合わせて、ポインタ233cを一旦0に初期化する。そして、画像コントローラ237から1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒ごとに送信されるV割込信号に基づいてMPU231により実行されるV割込処理の表示設定処理の中で、ポインタ更新処理が実行され(図35のS1911,図39参照)、ポインタ233cの値が1ずつ加算される(図39のS1981参照)。
MPU231は、このようなポインタ233cの更新が行われる毎に、表示データテーブルバッファ233aに格納された表示データテーブルと、追加データテーブルバッファ233bに格納された追加データテーブルとから、ポインタ233cが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図13参照)を作成する。
これにより、表示データテーブルバッファ233aに格納された表示データテーブルに対応する演出が第3図柄表示装置81に表示されると共に、追加データテーブルバッファ233bに追加データテーブルが格納されている場合は、その追加データテーブルに対応する演出が、表示データテーブルに対応する演出に追加して第3図柄表示装置81に表示させることができる。よって、表示データテーブルバッファ233aに格納する表示データテーブルや、追加データテーブルバッファ233bに格納する追加データテーブルを変更するだけで、容易に第3図柄表示装置81に表示させる演出を変更することができる。よって、表示制御装置341の処理能力に関わらず、多種多様な演出を表示させることができる。
描画リストエリア233dは、表示データテーブルバッファ233aに格納された表示データテーブルと、追加データテーブルバッファ233bに格納された追加データテーブルとに基づいて生成される、1フレーム分の画像の描画を画像コントローラ237に指示する描画リストを格納するためのエリアである。
ここで、図13を参照して、描画リストの詳細について説明する。図13は、描画リストの内容を模式的に示した模式図である。描画リストは、画像コントローラ237に対して、1フレーム分の画像の描画を指示する指示表であり、図13に示すように、1フレームの画像で使用する背面画像、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)といったスプライト毎に、そのスプライトの詳細な描画情報(詳細情報)を記述したものである。
各スプライトの詳細な描画情報(詳細情報)には、対応するスプライト(表示物)の画像データが格納されているアドレスが記述されており、画像コントローラ237は、キャラクタROM234に設けられた後述のキャラクタ記憶エリア234aのそのアドレスによって指定されるメモリ領域から、当該スプライトの画像データを取得する。また、その詳細な描画情報(詳細情報)には、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報が含まれており、画像コントローラ237は、キャラクタROM234より読み出した当該スプライトの画像データにより生成される標準的な画像に対し、拡大率に応じて拡大縮小処理を施し、回転角度に応じて回転処理を施し、半透明値に応じて半透明化処理を施し、αブレンディング情報に応じて他のスプライトとの合成処理を施し、色情報に応じて色調補正処理を施し、フィルタ指定情報に応じてその情報により指定された方法でフィルタリング処理を施した上で、表示位置座標に示される表示位置に各種処理を施して得られた画像を描画する。そして、描画した画像は、画像コントローラ237によって、ビデオRAM236に展開される。
MPU231は、表示データテーブルバッファ233aに格納された表示データテーブルおよび追加データテーブルバッファ233bに格納された追加データテーブルにおいて、ポインタ233cによって示されるアドレスに規定された描画内容と、その他の描画すべき画像の内容(例えば、保留球数図柄を表示する保留画像、エラーの発生を通知する警告画像、告知ボタン23の押下操作に基づいて表示する大当たり告知画像や変動時間告知画像など)とに基づき、1フレーム分の画像の描画に用いられる全スプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を生成すると共に、その詳細情報をスプライト毎に並び替えることによって描画リストを作成する。
ここで、各スプライトの詳細情報のうち、スプライト(表示物)のデータの格納アドレスは、表示データテーブル及び追加データテーブルに規定されるスプライト種別や、その他の画像の内容から特定されるスプライト種別に応じて生成される。即ち、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納されるキャラクタ記憶エリア234aのエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されているアドレスを即座に特定し、その情報を、描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
また、MPU231は、各スプライトの詳細情報のうち、その他の情報(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報)について、表示データテーブル及び追加データテーブルに規定されるそれらの情報をそのままコピーする。
また、MPU231は、描画リストを生成するにあたり、1フレーム分の画像の中で、最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えて、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を記述する。即ち、描画リストでは、一番初めに背面画像に対応する詳細情報が記述され、次いで、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)の順に、それぞれのスプライトに対応する詳細情報が記述される。
画像コントローラ237では、描画リストに記述された順番に従って、各スプライトの描画処理を実行し、フレームバッファにその描画されたスプライトを上書きによって展開していく。従って、描画リストによって生成した1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置され、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置されるのである。
図10に戻って、説明を続ける。計時カウンタ233eは、表示データテーブルバッファ233aに格納された表示データテーブルにより第3図柄表示装置81にて表示される演出の演出時間をカウントするカウンタである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233aに一の表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに基づいて表示される演出の演出時間を示す時間データを設定する。この時間データは、演出時間を第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本実施形態では、20ミリ秒)で割った値である。
そして、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図30(c)参照)の表示設定処理(S1603,図35参照)が実行される度に、計時カウンタ233eが1ずつ減算される。その結果、計時カウンタ233eの値が0以下となった場合、MPU231は、表示データテーブルバッファ233aに格納された表示データテーブルにより表示される演出が終了したことを判断し、演出終了に合わせて行うべき種々の処理を実行する。
キャラクタROM235は、第3図柄表示装置81に表示される図柄(背景図柄や装飾図柄)といった各スプライトの画像データが記憶されたキャラクタ記憶エリア235aを備えている。キャラクタ記憶エリア235aには、記憶するデータ量を少なくするために、上記の画像データが圧縮形式のデータで記憶されている。本実施形態では、圧縮前の画像データは約1024Mバイトで構成されており、その約1024Mバイトの画像データが、約768Mバイトに圧縮されて、キャラクタ記憶エリア235aに記憶されている。
ビデオRAM236は、第3図柄表示装置81に表示される1フレーム分の画像を記憶するフレームバッファ領域を2フレーム分有するメモリである。
画像コントローラ237は、描画リストに従って、1フレーム分の画像データを生成して、ビデオRAM236の一方のフレームバッファ領域に書き込むと共に、ビデオRAM236の他方のフレームバッファ領域に書き込まれた1フレーム分の画像データを読み出して、読み出した画像データを、出力ポート239を介して第3図柄表示装置81へ出力することで、複数のフレーム画像を連続して第3図柄表示装置81に表示させるものである。
画像コントローラ237は、描画リストに記述された順番に従って、その描画リストで規定されたスプライトの画像データ(圧縮形式の画像データ)をキャラクタ記憶エリア235aから読み出し、その画像データを解凍した上で、描画リストにて規定された描画情報に従って加工処理を行い、描画リストで指定された表示位置座標に、そのスプライトの画像データをビデオRAMの一方のフレームバッファ領域に書き込む。描画リストに規定された全てのスプライトについて、画像データの解凍・加工・書き込みを行うことで、1フレームで表示させる画像データが生成される。
この一方のフレームバッファ領域への1フレーム分の画像データの書き込みと、他方のフレームバッファ領域からの1フレーム分の画像データの読み出しは、並行して行われ、いずれも20ミリ秒で完了する。そして、他方のフレームバッファ領域からの1フレーム分の画像データの読み出しが完了すると、続いて、一方のフレームバッファ領域から先に書き込まれた1フレーム分の画像データの読み出しが行われ、その間、他方のフレームバッファ領域に対して、次の1フレーム分の画像データの書き込みが行われる。
このように、一方のフレームバッファ領域と他方のフレームバッファ領域とを、交互に、画像データの書き込みおよび画像データの読み出しを行うことによって、連続して複数のフレーム画像を第3図柄表示装置81に表示させることができる。
次に、図14から図20のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では4ミリ秒周期で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがある。ここでは、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。
図14は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば4ミリ秒毎に繰り返し実行される定期処理である。MPU201がこのタイマ割込処理を実行することによって、定期的に実行すべき各種の処理が行われる。
このタイマ割込処理では、まず、外部出力処理を実行する(S101)。タイマ割込処理やメイン処理では、各種処理に基づいて、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等へ送信すべきコマンド等を生成し、RAM203に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦記憶する。S101の外部出力処理では、このコマンド送信用リングバッファに記憶されたコマンド等の出力データを、サブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する。
例えば、始動入賞処理(図15参照)で設定された保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。また、変動処理(図16参照)や変動処理の一処理である変動開始処理(図17)で設定された変動パターンコマンド、停止種別コマンド、確定コマンド等を音声ランプ制御装置113に送信する。その他、後述のS111の処理において球の発射を行う場合に設定された球発射信号を、発射制御装置112に送信する。
次に、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S102)、次いで、大当たり状態である場合において可変入賞装置65の特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための大開放口開閉処理を実行する(S103)。即ち、大当たり状態のラウンド毎に特定入賞口65aを開放し、特定入賞口65aの最大開放時間が経過したか、又は特定入賞口65aに球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると特定入賞口65aを閉鎖する。この特定入賞口65aの開放と閉鎖とを所定ラウンド数繰り返し実行する。
次に、第2図柄表示装置83による第2図柄(例えば「○」又は「×」の図柄)の表示制御処理を実行する(S105)。簡単に説明すると、球が第2入球口(スルーゲート)67を通過したことを条件に、その通過したタイミングで第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83にて第2図柄の変動表示が実施される。そして、第2当たり乱数カウンタC4の値により第2図柄の抽選が実施され、第2図柄の当たり状態になると、第1入球口64に付随する電動役物を所定時間開放する。
次いで、各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S106)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチ208の状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。また、入賞検知情報に基づいて払出制御装置111に対して送信すべき獲得球数に対応する賞球コマンドをRAM203に設けられたコマンド送信用リングバッファに設定する。これにより、次に実行されるタイマ割込処理のS101の処理によって、賞球コマンドが払出制御装置111に向けて送信される。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S107)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では899)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するカウンタ用バッファ領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では250)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するカウンタ用バッファ領域に格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1及び第2当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S108)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、停止種別カウンタCS1及び第2当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態ではそれぞれ、899,99,99,198,250)に達した際、それぞれ0にクリアする。また、第1当たり乱数カウンタC1又は第2当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1又は第2初期値乱数カウンタCINI2の値を当該第1当たり乱数カウンタC1又は第2当たり乱数カウンタC2の初期値として読み込み、その初期値を第1当たり乱数カウンタC1又は第2当たり乱数カウンタC2に設定する。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM203の該当するカウンタ用バッファ領域に格納する。
次に、第1図柄表示装置37による表示を行うための処理や第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する変動処理を実行し(S109)、次いで、第1入球口64への入賞に伴う始動入賞処理を実行する(S110)。なお、変動処理の詳細は図16を参照して後述し、始動入賞処理の詳細は図15を参照して後述する。
始動入賞処理を実行した後は、発射制御処理を実行し(S111)、更に、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(S112)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、且つ、発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。そして、球の発射がオンである場合、発射制御装置112へ球発射信号を送信するために、その球発射信号の情報を、ワークRAM203に設けられたコマンド送信用リングバッファに設定する。これにより、次に実行されるタイマ割込処理のS101の処理によって、球発射信号が払出制御装置111を介して発射制御装置112へ送信される。
次に、図15のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理の一処理である始動入賞処理(S110)を説明する。図15は、この始動入賞処理(S110)を示すフローチャートである。始動入賞処理は、第1入球口64への入球(始動入賞)の有無を判断し、始動入賞があった場合は、各カウンタC1〜C3,CS1の値を保留球格納エリア203bに格納する(保留する)処理を実行する。また、保留する各カウンタC1〜C3,CS1の値を保留球数と合わせて音声ランプ制御装置113へ送信するための処理を実行する。
MPU201は、この始動入賞処理を実行すると、まず、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したか否かを判別する(S201)。ここでは、スイッチ読み込み処理(図14のS106)において読み込んだ、第1入球口64への入球(入賞)を検出する第1入球口スイッチ(図示せず)の出力信号に基づいて、第1入球口64への入球を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。
球が第1入球口64に入賞した(始動入賞があった)と判別されると(S201:Yes)、保留球数カウンタ203aの値(主制御装置110において保留されている変動演出の保留球数N)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判別する(S202)。そして、第1入球口64への入賞がないか(S201:No)、或いは、第1入球口64への入賞があっても作動保留球数N<4でなければ(S202:No)、タイマ割込処理へ戻る。
一方、第1入球口64への入賞があり(S201:Yes)、且つ、保留球数N<4であれば(S202:Yes)、保留球数カウンタ203aの値(保留球数N)を1加算する(S203)。そして、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び変動種別カウンタCS1の各値をカウンタ用バッファ(図6参照)から読み出し、RAM203の保留球格納エリア203bに設けられた保留第1〜第4エリアのうち、保留球数カウンタ203aで示される値に対応するエリアの第1当たり乱数カウンタ格納エリア203b1、第1当たり種別カウンタ格納エリア203b2、停止パターン選択カウンタ203b3及び変動種別カウンタ格納エリア203b4に各々保留(格納)する(S204)。
具体的には、S203の処理による加算後の保留球数カウンタ203aの値が「1」であれば、保留第1エリアの各格納エリアにそれぞれカウンタC1〜C3,CS1の値が保留される。また、加算後の保留球数カウンタ203aの値が「2」であれば保留第2エリアの各格納エリアに、加算後の保留球数カウンタ203aの値が「3」であれば保留第3エリアの各格納エリアに、加算後の保留球数カウンタ203aの値が「4」であれば保留第4エリアの各格納エリアに、各々カウンタC1〜C3,CS1の値が保留される。
次に、S203の処理による加算後の保留球数カウンタ203aの値(保留球数N)と、S204の処理により保留球格納エリア203bに格納(保留)した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び変動種別カウンタCS1の各値を含む保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信するために、該保留球数コマンドをRAM203に設けられたコマンド送信用リングバッファに設定する(S205)。これにより、次に実行されるタイマ割込処理のS101の外部出力処理によって、保留球数コマンドが音声ランプ制御装置113に対して送信される。S205の処理を終えると、タイマ割込処理に戻る。
なお、S205の処理において保留球数コマンドに含める各カウンタC1〜C3,CS1の値は、S204の処理によりカウンタ用バッファから読み出した値そのものを用いてもよいし、S204の処理において保留球格納エリア203bに格納(保留)された値を読み出したものを用いてもよい。
次に、図16を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理の一処理である変動処理(S109)について説明する。図16は、この変動処理(S109)を示すフローチャートである。変動処理(S109)は、第1図柄表示装置37における変動表示や第3図柄表示装置81にて行う変動演出を制御するものである。
この変動処理では、まず、今現在大当たり中であるか否かを判別する(S301)。大当たり中としては、大当たりの際に第3図柄表示装置81及び第1図柄表示装置37で表示される大当たり遊技の最中と大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判別の結果、大当たり中であれば(S301:Yes)、そのまま本処理を終了する。
大当たり中でなければ(S301:No)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であるか否かを判別し(S302)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中でなければ(S302:No)、次いで、第1図柄表示装置37における変動表示が停止後、所定時間経過したか否かを判別する(S303)。その結果、変動停止後、所定時間経過していなければ(S303:No)、そのまま本処理を終了する。これにより、変動演出における停止図柄が所定時間だけ第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81に表示されるので、遊技者に対して、その停止図柄を視認させることができる。
一方、S303の処理の結果、変動停止後、所定時間経過していれば(S303:Yes)、保留球数カウンタ203aの値(主制御装置110において保留されている変動表示の保留球数N)が0よりも大きいか否かを判別する(S304)。その結果、保留球数カウンタ203aの値(保留球数N)が0でなければ(S304:Yes)、変動演出の実行開始タイミングであると判断し、まず、保留球数カウンタ203aの値(保留球数N)を1減算する(S305)。これは、変動開始処理(S307)によって、保留されていた変動演出のうち1の変動演出の実行が開始されるため、保留球数が1つ減少するためである。
次いで、保留球格納エリア203bに格納されたデータをシフト処理する(S306)。このデータシフト処理は、保留球格納エリア203bの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを保留球実行エリア203cへ向けて順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→保留球実行エリア203c、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に、各エリア内のデータがシフトされる。
S306のデータシフト処理の後は、データシフト処理により保留球実行エリア203cに格納された各種カウンタの値に基づいて、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81に対する変動開始処理を実行し(S307)、タイマ割込処理に戻る。なお、変動開始処理については、図17を参照して後述する。
S304の処理において、保留球数カウンタ203aの値(保留球数N)が0であると判別されると(S304:No)、第3図柄表示装置81においてデモ演出が行われている状態であるか否か、即ち、デモ中であるか否かを判別する(S308)。この判別処理では、音声ランプ制御装置113を介して表示制御装置114にデモコマンドを送信した後、保留球数カウンタ203aの値(保留球数N)の値が0より大きいと判断されるまでの間をデモ中として判別する。
そして、デモ中ではないと判別された場合は(S308:No)、音声ランプ制御装置113へ送信すべきデモコマンドを設定して(S309)、タイマ割込処理に戻る。一方、デモ中であると判別された場合は(S309:Yes)、そのままタイマ割込処理に戻る。S309の処理で設定されたデモコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、次に実行されるタイマ割込処理の外部出力処理(図14のS101)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。
音声ランプ制御装置113は、デモコマンドを受信すると、表示用デモコマンドを表示制御装置114へ送信し、表示制御装置114は、表示用デモコマンドの受信に基づいて、第3図柄表示装置81にデモ演出を表示するように制御を行う。
ここで、デモコマンドが設定されるのは、上述したように、変動停止後、所定時間が経過したときに保留球が1つも存在しない場合である。よって、変動停止後、所定時間経過しても変動表示が開始されない場合は、第3図柄表示装置81にデモ演出が表示される。
なお、S308の処理においてデモ中ではない(S308:No)と判断された場合に、更に、変動停止後、前記所定時間よりも長い第2の所定時間が経過したか否かを判断する処理を実行し、変動停止後、第2の所定時間が経過したことをもってS309の処理を実行してデモコマンドを設定するようにしてもよい。これにより、変動停止後、保留球が1つも存在しない場合に、すぐにデモ演出を開始することなく、比較的長い時間、その停止した変動演出の停止図柄を遊技者に見せることができる。
S302の処理において、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であると判別されると(S302:Yes)、変動時間が経過したか否かを判別する(S310)。第1図柄表示装置37の変動中の表示時間は、変動種別カウンタCS1により選択された変動パターンに応じて決められており(変動パターンコマンドに応じて決められており)、この変動時間が経過していなければ(S310:No)、第1図柄表示装置37の表示を更新して(S311)、タイマ割込処理に戻る。
本実施形態では、第1図柄表示装置37のLED37aの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる表示態様が設定される。
なお、変動処理は4ミリ秒毎に実行されるが、その変動処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、変動処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが100に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行っている。なお、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
一方、第1図柄表示装置37の変動時間が経過していれば(S310:Yes)、第1図柄表示装置37に対して、停止図柄に対応した表示態様を設定する(S312)。停止図柄は、図17を参照して後述する変動開始処理(S307)によって予め設定される。変動開始処理では、S306の処理によって保留球実行エリア203cに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値に応じて大当たりか否かが決定され、大当たりである場合には、第1当たり種別カウンタC2の値により、大当たり後に15R確変大当たり(最大ラウンド数が15ラウンドの大当たり後に高確率状態へ移行する確変大当たり)となる図柄か、2R確変大当たり(最大ラウンド数が2ラウンドの大当たり後に高確率状態へ移行する確変大当たり)となる図柄か、15R通常大当たり(最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に低確率状態へ移行する大当たり)となる図柄かが決定される。
本実施形態では、大当たり後に15R確変大当たりになる場合には青色のLEDを点灯させ、2R確変大当たりになる場合には赤色のLEDを点灯させ、15R通常大当たりになる場合には赤色のLEDと青色のLEDとを点灯さる。また、外れである場合には赤色のLEDと緑色のLEDとを点灯させる。なお、各LEDは、次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。
S312の処理で停止図柄に対応した第1図柄表示装置37の表示態様が設定されると、第3図柄表示装置81における変動演出の停止図柄を、第1図柄表示装置37におけるLEDの点灯と同調して確定表示させるために、確定コマンドを設定して(S313)、タイマ割込処理に戻る。音声ランプ制御装置113は、この確定コマンドを受信すると、表示制御装置114に対して表示用確定コマンドを送信する。表示制御装置114は、表示用確定コマンドを受信することによって、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動表示を停止して、停止図柄を確定表示させるように構成されている。
次に、図17を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される変動処理の一処理である変動開始処理(S307)について説明する。図17は、変動開始処理(S307)を示したフローチャートである。この変動開始処理(S307)は、保留球格納エリアの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づき、「大当たり」又は「外れ」の抽選(大当たり抽選)を行うと共に、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81で行われる変動演出の演出パターン(変動パターン)等を決定する。
変動開始処理では、まず、保留球実行エリア203cに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値と大当たり乱数テーブル202a(図7(b)参照)とに基づいて大当たりか否かを判別する大当たり抽選(当否判定)処理を行う(S401)。
大当たりか否かは第1当たり乱数カウンタC1の値とその時々のモードとの関係に基づいて判別される。上述した通り、大当たり乱数テーブル202aにおいて、パチンコ機10の取りうる遊技状態(モード)が通常の低確率状態にある場合には、「7,307,582」が大当たり乱数値として規定される。また、パチンコ機10の取りうる遊技状態(モード)が高確率状態にある場合には「28,58,85,122,144,178,213,238,276,298,322,354,390,420,448,486,506,534,567,596,618,656,681,716,750,772,809,836,866,892」が大当たり乱数値として規定される。
S401の処理では、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値と、これら大当たり乱数テーブル202aにて規定される大当たり乱数値とを比較して、それらが一致する場合に、大当たりであると判別する。S401の処理の結果、大当たりであると判別された場合(S401:Yes)、保留球実行エリア203cに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値と、大当たり種別テーブル202b(図7(b)参照)とに基づいて、大当たり時の表示態様を設定する(S402)。
この処理では、大当たり種別テーブル202bによって、保留球実行エリア203cに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値に対応付けられた大当たり種別、即ち、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たり後に高確率状態へ移行する15R確変大当たりか、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に低確率状態へ移行する15R通常大当たりか、最大ラウンド数が2ラウンドの大当たり後に高確率状態へ移行する2R確変大当たりか、が判別される。そして、判別された大当たり種別に基づいて、第1図柄表示装置37における大当たり時の表示態様(LED37aの点灯状態)が設定される。
また、第3図柄表示装置81において、大当たり種別に対応した各種大当たり図柄を停止表示させるべく、大当たり種別(15R確変大当たり、2R確変大当たり、15R通常大当たり)をそのまま停止種別として設定することにより、第3図柄表示装置81における大当たり時の表示態様を設定する。
次に、大当たり時の変動パターンを決定し(S403)、S406の処理へ移行する。具体的には、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81において、大当たり時の表示態様で停止表示されるまでの変動時間が決定される。大当たり時の変動パターンの決定では、まず、保留球数カウンタ203aにて示されるその時の保留球数に応じて、使用する大当たり用変動パターンテーブル202d1(図7(c)参照)を選択する。そして、S402の処理において大当たり種別として15R確変大当たり又は15R通常大当たりが設定された場合は、選択した大当たり用変動パターンテーブル202d1の「15R大当たり共通」のグループにおいて、保留球実行エリア203cに格納されている変動種別カウンタCS1の値に対応付けられた変動パターンを選択する。即ち、この場合、変動A,変動B,変動Cのうちいずれかが選択される。
また、S402の処理において大当たり種別として2R確変大当たりが設定された場合は、選択した大当たり用変動パターンテーブル202d1の「2R確変大当たり専用」のグループにおいて、保留球実行エリア203cに格納されている変動種別カウンタCS1の値に対応付けられた変動パターンを選択する。本実施形態では、この場合、2R変動のみが選択される。なお、変動パターン(変動A,変動B,変動C,2R変動)と変動時間との関係は、テーブル等により予め規定されている。
一方、S401の処理で大当たりではないと判別された場合には(S401:No)、外れ時の表示態様を設定する(S404)。S404の処理では、第1図柄表示装置37の表示態様を外れ図柄に対応した表示態様に設定すると共に、保留球実行エリア203cに格納されている停止パターン選択カウンタC3の値に基づいて、第3図柄表示装置81において表示させる停止種別として、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れのいずれかを設定する。本実施形態では、上述したように、パチンコ機10の遊技状態が高確率状態であるか、低確率状態であるかに応じて、各停止種別に対応する停止パターン選択カウンタC3の値の範囲が異なるようにテーブルが設定されている。
次に、外れ時の変動パターンを決定し(S405)、S406の処理へ移行する。具体的には、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81において、外れ図柄で停止表示するまでの変動時間が決定される。このとき、パチンコ機10の遊技状態が時短状態を除く通常時の低確率状態にある場合は、保留球数カウンタ203aにて示されるその時の保留球数に対応した外れ(通常)用変動パターンテーブル202d2(図7(d)参照)が選択される。また、パチンコ機10の遊技状態が時短状態または確変時の高確率状態にある場合は、保留球数カウンタ203aにて示されるその時の保留球数に対応した外れ(確変)用変動パターンテーブル202d3(図7(e)参照)が選択される。
そして、S404の処理において停止種別として完全外れが設定された場合は、選択した外れ(通常)用変動パターンテーブル202d2又は外れ(確変)用変動パターンテーブル202d3の「完全外れ専用」のグループにおいて、保留球実行エリア203cに格納されている変動種別カウンタCS1の値に対応付けられた変動パターンを選択する。即ち、この場合、変動D又は変動Eが選択される。
また、S402の処理において停止種別として前後外れリーチ,前後外れ以外リーチが設定された場合は、選択した外れ(通常)用変動パターンテーブル202d2又は外れ(確変)用変動パターンテーブル202d3の「リーチ共通」のグループにおいて、保留球実行エリア203cに格納されている変動種別カウンタCS1の値に対応付けられた変動パターンを選択する。即ち、この場合、変動A,変動B,変動Cが選択される。そして、予めテーブル等により規定された変動パターンと変動時間との関係に基づいて、変動時間が設定される。
S406の処理では、S403及びS405の処理によって決定された変動パターンに基づいて、音声ランプ制御装置113を介してその変動パターンを表示制御装置114へ通知する変動パターンコマンドを設定する(S406)。また、S402又はS404の処理で設定された停止種別を、音声ランプ制御装置113を介して表示制御装置114へ通知するための停止種別コマンドを設定し(S415)、変動処理へ戻る。これらの変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、次に実行されるタイマ割込処理(図14)のS101の処理で、これらのコマンドが音声ランプ制御装置113に送信される。音声ランプ制御装置113は、変動パターンコマンドや停止種別コマンドを受信すると、それに基づき表示用変動パターンコマンドや表示種別コマンドを生成して、表示制御装置114へ送信する。
図18は、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S501)、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出発射制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
次に、図19を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図19は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S601)。例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(本実施形態では1秒)を実行する(S602)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S603)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図3参照)がオンされているか否かを判別し(S604)、オンされていれば(S604:Yes)、処理をS611へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S604:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S605)、記憶されていなければ(S605:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS611へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S605:Yes)、RAM判定値を算出し(S606)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S607:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS611へ移行する。
なお、図20のS706の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S611の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S611)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S612,S613)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAMの初期化処理(S612,S613)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S612,S613)を実行する。RAMの初期化処理(S612,S613)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S612)、その後、RAM203に初期値を設定する(S613)。RAM203の初期化処理の実行後は、S610の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S604:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S605:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S607:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S608)。そして、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S609)、S610の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。
S610の処理では、割込みを許可する(S610)。そして、後述するメイン処理に移行する。
次に、図20を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図20は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では、大別してカウンタの更新処理と電源断時処理とが実行される。
メイン処理では、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S701)。そして、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S701:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(S702,S703)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S702)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では899、250)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203の該当するカウンタ用バッファ領域にそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、S108(図14参照)の処理と同一の方法によって実行し(S703)、S701の処理へ移行する。
ここで、このメイン処理が実行されている間、図14を参照して説明したタイマ割込処理が所定時間間隔(本実施形態では4ミリ秒)で起動され実行される。タイマ割込処理では、遊技の状態に応じて異なる処理が実行される。例えば、大当たり中には、特定入賞口65aの開閉を制御する実行が行われ、第2入球口67への球の通過があれば、第2図柄表示装置83による第2図柄の表示制御が行われる。また、第1図柄表示装置37での変動表示を開始する場合に実行される大当たり抽選では、高確率状態か低確率状態かによって、取得した第1当たり乱数カウンタC1と比較する大当たり乱数値の数が異なってくる。よって、1回のタイマ割込処理の実行にかかる時間は、遊技の状態に応じて変化することになる。従って、一のタイマ割込処理が終了してから次のタイマ割込処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく、その時々の遊技の状態に応じて変化する。
メイン処理の一処理である上記のS702,S703の処理は、このタイマ割込処理の残余時間の中で実行されることになる。つまり、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新が繰り返し実行されることになるので、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)とをランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1についてもランダムに更新することができる。特に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2とをランダムに更新することによって、これらを更新の初期値として使用する第1当たり乱数カウンタC1及び第2当たり乱数カウンタC2の更新に、ランダム性を持たせることができる。
また、S701の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S701:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図18のNMI割込処理が実行されたということなので、S704以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S704)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S705)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S706)、RAM203のアクセスを禁止して(S707)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S701の処理は、タイマ割込処理の残余時間内に行われるS702とS703の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。これにより、主制御装置110のメイン処理において、タイマ割込処理による各種設定が終了し、また、各カウンタCINI1,CINI2,CS1の更新が終わったタイミングで、電源断の発生情報を確認している。よって、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS701の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS701の処理から開始することができる。
従って、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S601)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S701の処理から開始することができる。その結果、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
本実施形態では、定期的に実行する処理をタイマ割込処理で実行し、メイン処理において、タイマ割込処理の残余時間に各カウンタCINI1,CINI2,CS1の更新を実行する場合について説明したが、タイマ割込処理にて実行していた処理の一部または全部を、メイン処理の中で所定時間(例えば、4ミリ秒)毎に実行するように構成してもよい。例えば、本実施形態においてタイマ割込処理にて実行していた賞球計数信号,払出異常信号読み込み処理(S102)、大開放口開閉処理(S103)、第2図柄制御処理(S105)及びスイッチ読み込み処理(S106)の一部または全部を、タイマ割込処理ではなく、メイン処理の中で4ミリ秒毎に実行するように構成してもよい。
この場合、メイン処理の中で所定時間(4ミリ秒)経過したか否かを判断するステップを設け、所定時間経過したと判断された場合のみ、所定時間毎に実行する処理を実行し、各カウンタCINI1,CINI2,CS1の更新は、所定時間の経過の有無にかかわらず実行するようにしてもよい。これにより、各カウンタCINI1,CINI2,CS1の更新は、所定時間毎に実行する処理の残余時間に実行されることになるが、所定時間毎に実行する処理は、遊技の状態に応じてその実行にかかる時間が変化するため、このように構成した場合であっても、各カウンタCINI1,CINI2,CS1をランダムに更新することができる。
次に、図21から図29を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理とがある。
まず、図21を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。図21は、この立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S801)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、S915の電源断処理(図22参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S802)。図22を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断コマンドを受信すると(図22のS912参照)、S915の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、S915の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
電源断処理中フラグがオフであれば(S802:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS915の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S803)。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S806の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S803:Yes)、S804へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S803:No)、S808へ移行する。
なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(S803:Yes)、S804へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS915の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(S803:No)、S808へ移行する。
電源断処理中フラグがオンであれば(S802:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S915の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS804へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
S804の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックする(S804)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が0クリアされる。
RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S805:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S806)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S805:No)、RAM223の異常を報知して(S807)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良いし、表示制御装置114にエラーコマンドを送信して、第3図柄表示装置81にエラーメッセージを表示させるようにしてもよい。
S808の処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S808)。電源断フラグはS915の電源断処理の実行時にオンされる(図22のS914参照)。つまり、電源断フラグは、S915の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグがオンされた状態でS808の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS915の電源断処理の実行を完了した状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S808:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAMの作業エリアをクリアし(S809)、RAM223の初期値を設定した後(S810)、割込み許可を設定して(S811)、メイン処理へ移行する。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
一方、電源断フラグがオフされた状態でS808の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS804からS806の処理を経由してS808の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S808:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS809をスキップして、処理をS810へ移行し、RAM223の初期値を設定した後(S810)、割込み許可を設定して(S811)、メイン処理へ移行する。
なお、S809のクリア処理をスキップするのは、S804からS806の処理を経由してS808の処理へ至った場合には、S804の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
次に、図22を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図22は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理が実行されると、まず、前回S901の処理が実行されてから1ミリ秒以上が経過したか否かが判別され(S901)、1ミリ秒以上経過していなければ(S901:No)、S902〜S909の処理を行わずにS910の処理へ移行する。S901の処理で、1ミリ秒経過したか否かを判別するのは、S902〜S909が短い周期(1ミリ秒以内)で処理する必要がないものであるのに対して、S910の変動表示処理やS911のコマンド判定処理は、短い周期で実行する方が好ましい処理であるからである。S911の処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止でき、S910の処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理によって受信されたコマンドに基づき、変動演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。
S901の処理において、前回S901の処理が実行されてから1ミリ秒以上経過していると判断される場合は(S901:Yes)、S902の処理へ移行する。なお、S901の処理が、図21に示す立ち上げ処理の後初めて実行された場合は、そのままS902の処理へ移行する。
S902の処理では、S903〜S911の処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信する(S902)。次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS906の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S903)、その後電源投入報知処理を実行する(S904)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS905の処理へ移行する。
次いで、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S905)。この枠ボタン入力監視・演出処理では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22が押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。この処理では、枠ボタン22の遊技者による操作が検出されると、表示制御装置114に対して枠ボタン22が操作されたことを通知する枠ボタン操作コマンドを設定する。
また、変動演出が未実行の期間や、高速変動期間中に枠ボタン22が押された場合は、ステージを変更する処理を行い、枠ボタン操作コマンドに代えて、表示制御装置114に対する背面画像変更コマンドを設定する。この背面画像変更コマンドに、変更後のステージに対応する背面画像の種別に関する情報を含めることにより、表示制御装置114において、第3図柄表示装置81に表示される背面画像を、ステージに応じた画像に変更する処理が行われる。また、変動表示開始時に予告キャラが出現した場合に枠ボタン22を押すことで今回の変動による大当たりの期待値を表示したり、リーチ演出中に枠ボタン22を押すことで大当たりへの期待感を持てる演出に変更したり、枠ボタン22を複数のリーチ演出のうち1のリーチ演出を選択するための決定ボタンとしても良い。なお、枠ボタン22が配設されていない場合には、S905の処理は省略される。
枠ボタン入力監視・演出処理(S905)が終わると、次いで、ランプ編集処理を実行し(S906)、その後音編集・出力処理を実行する(S907)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29〜33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。
S907の処理後、液晶演出実行管理処理を実行する(S908)。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS906のランプ編集処理が実行され、また、S907の音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間で実行される。
次いで、告知処理を実行し(S909)、S910の処理へ移行する。告知処理は、遊技者による告知ボタン23の押下操作に基づき、実行中の変動演出または保留中の変動演出の中に大当たりとなる変動演出が存在する場合はその旨を告知する大当たり告知画像を第3図柄表示装置81に表示させる制御を実行する処理である。告知処理の詳細については、図25〜図29を参照して後述する。
S910の処理では、第3図柄表示装置81において変動演出を表示させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し、そのコマンドを表示制御装置114に送信するために設定する処理である変動表示処理を実行する。この変動表示処理の詳細については、図24を参照して後述する。そして、変動表示処理の後、主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理を行う(S911)。このコマンド判定処理の詳細については、図23を参照して後述する。
S911の処理が終わると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S912)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S912の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S912:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S914)、電源断処理を実行する(S915)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S916)、その後、処理を無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、S912の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S912:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S913)、RAM223が破壊されていなければ(S913:No)、S901の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S913:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。
ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図23を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S911)について説明する。図23は、このコマンド判定処理(S911)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S911)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図22参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したコマンドを判定する。
コマンド判定処理では、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域から、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出して解析し、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信したか否かを判別する(S1001)。そして、変動パターンコマンドを受信したと判別された場合(S1001:Yes)、該変動パターンコマンドから変動パターンを抽出して(S1002)、メイン処理に戻る。ここで抽出された変動パターンは、RAM223に記憶され、後述の変動表示処理(図24参照)において、表示制御装置114に対して変動演出の開始とその変動パターンを通知する表示用変動パターンコマンドを設定する場合に用いられる。
一方、変動パターンコマンドを受信していないと判別された場合(S1001:No)、次いで、主制御装置110より停止種別コマンドを受信したか否かを判別する(S1003)。そして、停止種別コマンドを受信したと判別された場合(S1003:Yes)、該停止種別コマンドから停止種別を抽出し(S1004)、変動開始フラグをオンに設定して(S1005)、メイン処理に戻る。
なお、停止種別コマンドは、変動演出を開始する場合に主制御装置110が変動パターンコマンドを送信後、その変動パターンコマンドによって変動パターンが示された変動演出の停止種別を示すものとして、主制御装置110より必ず送信されるコマンドである。S1005の処理によって変動開始フラグをオンに設定することにより、後に実行される変動表示処理において、先に受信した変動パターンコマンドより抽出した変動パターンと、停止種別コマンドより抽出した停止種別とに基づいて、これらの変動パターンと停止種別とを表示制御装置114へ通知する表示用変動パターンコマンドと表示用停止種別コマンドとを生成し、表示制御装置114へ送信するための処理を実行する。
S1003の処理の結果、停止種別コマンドを受信していないと判別された場合(S1003:No)、次いで、主制御装置110より保留球数コマンドを受信したか否かを判別する(S1006)。そして、保留球数コマンドを受信したと判別された場合(S1006:Yes)、該保留球数コマンドに含まれる主制御装置110の保留球数カウンタ203aの値(即ち、保留された変動演出の保留球数)を抽出し、これを音声ランプ制御装置113の保留球数カウンタ223aに格納する(S1007)。
ここで、保留球数コマンドは、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したときに主制御装置110から送信されるものであるので、始動入賞がある毎に、S1007の処理によって、音声ランプ制御装置113の保留球数カウンタ223aの値を主制御装置110の保留球数カウンタ203aの値に合わせることができる。よって、ノイズなどの影響により、音声ランプ制御装置113の保留球数カウンタ223aの値が主制御装置110の保留球数カウンタ203aの値とずれても、始動入賞検出時に、音声ランプ制御装置113の保留球数カウンタ223aの値を修正し、主制御装置110の保留球数カウンタ203aの値に合わせることができる。
次いで、受信した保留球数コマンドに含まれる第1当たり乱数カウンタC1,第1当たり種別カウンタC2,停止パターン選択カウンタC3,変動種別カウンタCS1の各値を抽出し、先読み情報格納エリア223bの先読み情報第1〜第4エリア(図8参照)のうち、S1007の処理により該保留球数コマンドより抽出された保留球数に対応するエリアに格納する(S1008)。即ち、該保留球数がX(1≦X≦4)である場合に、抽出された第1当たり乱数カウンタC1,第1当たり種別カウンタC2,停止パターン選択カウンタC3,変動種別カウンタCS1の各値がそれぞれ、先読み情報第Xエリアの第1当たり乱数カウンタ格納エリア223b1,第1当たり種別カウンタ格納エリア223b2,停止パターン選択カウンタ格納エリア223b3,変動種別カウンタ格納エリア223b4に格納される。
保留球数コマンドに含まれる各カウンタC1〜C3,CS1の値は、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したときに主制御装置110においてカウンタ用バッファより取得されたものであり、該保留球数コマンドに含まれる保留球数がXである場合、主制御装置110の保留球格納エリア203bの保留第Xエリアに格納された値である。つまり、音声ランプ制御装置113の先読み情報格納エリア223bには、主制御装置110の保留球格納エリア203bと同じ情報(各カウンタC1〜C3,CS1の値)が格納されることになる。音声ランプ制御装置113は、この先読み情報格納エリア223bに格納された各カウンタC1〜C3,CS1を参照することで、先読み処理を実行できるようになっている。即ち、保留された変動演出が実行された場合にその変動演出の結果がどのようになるか(大当たりとなるか否か、変動時間はどうなるか等)を変動演出の実行前に判断して、各種の演出の実行を決定したり、告知ボタン23が押下操作された場合に、実行中の変動演出および保留中の変動演出の中に大当たりとなる変動演出があるか否かを告知したりする制御を音声ランプ制御処理にて実行することができる。
次いで、S1007の処理によって更新された保留球数カウンタ223aの値を表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドを設定し(S1009)、メイン処理へ戻る。ここで設定された表示用保留球数コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理のコマンド出力処理(S902)により表示用制御装置114に対して送信される。これにより、表示制御装置114では、保留球数に応じた保留球数図柄を第3図柄表示装置81に表示させるように処理を実行する。
S1006の処理の結果、保留球数コマンドを受信していないと判別された場合(S1006:No)、次いで、主制御装置110より確定コマンドを受信したか否かを判別する(S1010)。確定コマンドは、第3図柄表示装置81にて実行中の変動演出を確定表示させるためコマンドである。この確定コマンドを受信したと判別された場合は(S1010:Yes)、まず、確定コマンドフラグ223iをオンに設定する(S1011)。確定コマンドフラグ223iは、後述する告知処理(S909)の告知ボタン無効解除処理(S1206、図29(b)参照)にて参照される。
次いで、表示制御装置114に対して確定コマンドの受信を通知するための表示用確定コマンドを設定して(S1012)、メイン処理へ戻る。ここで設定された表示用確定コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理のコマンド出力処理(S902)により表示用制御装置114に対して送信される。表示制御装置114では、表示用確定コマンドを受信することにより、第3図柄表示装置81にて実行中の変動演出を停止させ、先に表示用停止種別コマンドにて示された停止種別に対応する停止図柄を表示することで、確定表示させる。
S1010の処理の結果、確定コマンドを受信していないと判別された場合は(S1010:No)、その他のコマンドを受信したか否かを判別し、その受信したコマンドに応じた処理を実行して(S1013)、メイン処理に移行する。例えば、その他のコマンドが、音声ランプ制御装置113で用いるコマンドであればそのコマンドに対応した処理を行い、処理結果をRAM223に記憶し、表示制御装置114で用いるコマンドであればそのコマンドを表示制御装置114に送信するように、コマンドの設定を行う。主制御装置110より受信したデモコマンドは、このS1013の処理によって、表示用デモコマンドとして設定され、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納された後、メイン処理のコマンド出力処理(S902)により表示用制御装置114に対して送信される。
次に、図24を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示処理(S910)について説明する。図24は、この変動表示処理(S910)を示したフローチャートである。
この変動表示処理(S910)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図22参照)の中で実行され、上述したように、第3図柄表示装置81において変動演出を表示させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンド及び停止種別コマンドに基づいて表示用変動パターンコマンド及び表示用停止種別コマンドを生成し、これらのコマンドを表示制御装置114に送信するために設定する処理である。また、変動表示処理では、先読み情報格納エリア223bのデータのシフト処理を実行する。
変動表示処理では、まず、RAM223に設けられた変動開始フラグがオンか否かを判別する(S1101)。そして、変動開始フラグがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S1101:No)、主制御装置110より停止種別コマンドを受信していない状態であるので、この変動表示処理を終了して、メイン処理に戻る。
一方、変動開始フラグがオンであると判別された場合(S1101:Yes)、変動開始フラグをオフし(S1102)、次いで、先読み情報格納エリア223bに設けられた先読み情報第1〜第4エリアに含まれるデータをそれぞれ先読み情報第0〜第3エリアへシフトする(S1103)。
つまり、この場合は、保留された変動演出が1つ減り、時間的に1番目に保留された変動演出の実行が開始されるので、その1番目に保留された変動演出に対応する先読み情報第1エリアの各カウンタ格納エリア223b1〜b4に格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値を、実行中の変動演出に対応する先読み情報第0エリアの各カウンタ格納エリア223b1〜b4に移動させる。また、先読み情報第2エリアの各カウンタ格納エリア223b1〜b4に格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値を、先読み情報第1エリアの各カウンタ格納エリア223b1〜b4に移動させ、先読み情報第3エリアの各カウンタ格納エリア223b1〜b4に格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値を、先読み情報第2エリアの各カウンタ格納エリア223b1〜b4に移動させ、先読み情報第4エリアの各カウンタ格納エリア223b1〜b4に格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値を、先読み情報第3エリアの各カウンタ格納エリア223b1〜b4に移動させる。
これにより、先読み情報第0エリアには、主制御装置110の保留球実行エリア203cに格納された各カウンタC1〜C3,CS1と同じ値が格納されることになり、先読み情報第1〜第4エリアには、それぞれ、主制御装置110の保留球格納エリア203bの保留第1〜第4エリアに格納された各カウンタC1〜C3,CS1と同じ値が格納されることになる。
次いで、コマンド判定処理(図23参照)のS1002の処理において変動パターンコマンドより抽出された変動演出における変動パターンを、RAM223より取得する(S1104)。そして、抽出された変動パターンを表示制御装置113へ通知するための表示用変動パターンコマンドを設定する(S1105)。ここで設定された表示用変動パターンコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理のコマンド出力処理(S902)により表示用制御装置114に対して送信される。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで第3図柄表示装置81に第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御を開始する。
次いで、コマンド判定処理(図23参照)のS1004の処理において停止種別コマンドより抽出された変動演出における停止種別を、RAM223より取得する(S1106)。そして、抽出された停止種別を表示制御装置113へ通知するための表示用停止種別コマンドを設定する(S1105)。ここで設定された表示用停止種別コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理のコマンド出力処理(S902)により表示用制御装置114に対して送信される。表示制御装置114では、S1105の処理により設定された表示用変動パターンコマンドによって実行される変動演出を確定表示させる場合に、この表示用停止種別コマンドにて示される停止種別に対応する停止図柄を設定する。
次いで、表示用変動パターンコマンドの設定に伴い、保留球が消費される(即ち、保留球に対応する変動表示の設定が行われた)のに合わせて、保留球数カウンタ223aの値を1減らし(S1108)、更新後の保留球数カウンタ223aの値で示される保留球数を表示制御装置114に対して通知するための表示用保留球数コマンドを設定する(S1109)。そして、メイン処理へ戻る。
S1109の処理により設定された表示用保留球数コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理のコマンド出力処理(S902)により表示用制御装置114に対して送信される。表示制御装置114は、表示用保留球数コマンドにより示される保留球数に応じた数の保留球数図柄を第3図柄表示装置81に表示させる処理を実行する。よって、遊技者は、第3図柄表示装置81に表示された保留球数図柄の数をカウントすることによって、保留された球の数を認識することができる。
次に、図25〜図29を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される告知処理(S909)について説明する。まず、図25は、この告知処理(S909)を示したフローチャートである。
告知処理(S909)は、メイン処理(図22参照)の中で1ミリ秒毎に実行される処理であり、告知ボタン23の押下操作状況を判断し、遊技者による告知ボタン23の押下操作が1秒以上継続してあった場合に先読み処理を実行して、実行中または保留中の変動演出の中に大当たりが存在する場合はその旨を告知する大当たり告知画像を第3図柄表示装置81に表示させる。
具体的には、まず、告知ボタン23の押下操作の有無を判定する告知ボタン判定処理を実行し(S1201)、次いで、告知ボタン23の押下操作が1秒以上継続されたか否かを判定する告知実行判定処理を実行する(S1202)。この告知実行判定処理にて、告知ボタン23の押下操作が1秒以上継続されたと判断された場合、大当たり告知画像の表示の実行が開始されると共に、告知ボタン23の押下操作が無効とされる。なお、告知ボタン判定処理及び告知実行判定処理の詳細については、それぞれ、図26(a),図26(b)を参照して後述する。
次いで、遊技盤13の遊技領域への球の打出しが停止されているか否かを判定する球打出停止判定処理を実行する(S1203)。球打出停止判定処理の詳細については、図27を参照して後述する。
次いで、告知表示設定処理を実行する(S1204)。告知表示設定処理では、告知ボタン23の押下操作が1秒以上継続された場合に、実行中の変動演出が大当たりとなるか、又は、保留中の変動演出の中に大当たりとなる変動演出があるかを判断し、実行中の変動演出が大当たりとなる、又は、保留中の変動演出の中に大当たりとなる変動演出があると判断される場合は、第3図柄表示装置81に大当たり告知画像を表示する制御を実行する。また、告知表示設定処理では、大当たり告知画像を第3図柄表示装置81に表示させる場合に、遊技盤13の遊技領域への球の打出しが停止されているときには、実行中の変動演出の残り変動時間と、保留中の変動演出の各変動時間とを表示する変動時間告知画像を第3図柄表示装置81に表示させる制御も実行する。告知表示設定処理の詳細については、図28を参照して後述する。
次いで、告知ボタン無効解除処理を実行する(S1206)。告知ボタン無効解除処理では、告知実行判定処理(S1202)の処理により無効とされた告知ボタン23の押下操作を、保留されていた全ての変動演出の実行が終了したことを条件として解除するための処理である。告知ボタン無効解除処理の詳細については、図29を参照する。告知ボタン無効解除処理が終了すると、告知処理を終了してメイン処理に戻る。
次に、図26(a)を参照して、告知処理の一処理である告知ボタン判定処理(S1201)の詳細について説明する。図26(a)は、告知ボタン判定処理を示すフローチャートである。
告知ボタン判定処理では、まず、告知ボタン無効フラグ223hがオンか否かを判断する(S1301)。告知ボタン無効フラグ223hがオフの場合は(S1301:No)、告知ボタン23の効果操作を無効とする期間ではないことを意味するので、次いで、告知実行フラグ223dがオンか否かを判断する(S1302)。その結果、告知実行フラグ223dがオフである場合(S1302:No)、告知ボタン23の押下操作に基づく告知が行われていない状況にあることを意味するので、次いで、告知ボタン23が押下操作されているか(オンされているか)を判断する(S1303)。
そして、告知ボタン23が押下操作されている場合は(S1303:Yes)、告知ボタンオンカウンタ223cに1を加算して(S1304)、告知ボタン判定処理を終了し、告知処理に戻る。
ここで、告知ボタン判定処理が実行される告知処理は、メイン処理の中で1ミリ秒毎に実行される処理である。S1301〜S1304の処理により、告知ボタン23の押下操作を無効とする期間ではなく、告知ボタン23の押下操作に基づく告知が行われていない状況で、告知ボタン23が継続して押下操作される場合に、その押下操作され続ける時間が告知ボタンオンカウンタ223cによって1ミリ秒単位で計数される。
一方、告知ボタン23が押下操作されていない(オンではない)と判断される場合は(S1303:No)、告知ボタンオンカウンタ223cを0に初期化して(S1305)、告知ボタン判定処理を終了し、告知処理へ戻る。これにより、告知ボタン23の押下操作が1秒足らずで中断されると(遊技者が1秒足らずで押下操作していた告知ボタン23から手を離すと)、告知ボタンオンカウンタ223cは0に初期化されるので、再び告知ボタン23が押下操作された場合に、その押下操作の継続時間を告知ボタンオンカウンタ223cによって正しく計数し直すことができる。
また、S1301の処理の結果、告知ボタン無効フラグ223hがオンと判断された場合と(S1301:Yes)、S1302の処理の結果、告知実行フラグ223dがオンと判断された場合も(S1302:Yes)、S1305の処理へ移行し、告知ボタンオンカウンタ223cを0に初期化して、告知ボタン判定処理を終了し、告知処理に戻る。
告知ボタン無効フラグ223hがオンの場合には、告知ボタンオンカウンタ223cにおけるカウントアップが行われないので、告知ボタン23の押下操作を無効にすることができる。また、この場合、告知ボタンオンカウンタ223cを0に初期化することで、告知ボタン23の押下操作の無効期間が解除された後、告知ボタン23の押下操作があった場合は、その押下操作の継続時間を告知ボタンオンカウンタ223cによって正しく計数し直すことができる。
また、告知実行フラグ223dがオンの場合にも、告知ボタンオンカウンタ223cを0に初期化することで、告知ボタン23の押下操作に基づく告知が終了した後、再び告知ボタン23の押下操作があった場合は、その押下操作の継続時間を告知ボタンオンカウンタ223cによって正しく計数し直すことができる。
次に、図26(b)を参照して、告知処理の一処理である告知実行判定処理(S1202)の詳細について説明する。図26(b)は、告知実行判定処理を示すフローチャートである。
告知実行判定処理では、まず、告知ボタンオンカウンタ223cが1000以上か否かを判断する(S1311)。告知ボタンオンカウンタ223cが1000未満であれば(S1311:No)、そのまま告知実行判定処理を終了し、告知処理へ戻る。
一方、告知ボタンオンカウンタ223cが1000以上である場合(S1311:Yes)、告知実行フラグ223dをオンに設定し(S1312)、告知ボタン無効フラグ223hをオンに設定する(S1313)。これにより、告知ボタン23が遊技者による押下操作が1000ミリ秒以上、即ち、1秒以上継続して行われた場合に、告知実行フラグ223dがオンに設定されることによって、告知ボタン23の押下操作に基づく告知の実行が開始される。
換言すれば、告知ボタン23を所定時間(1秒)継続して押下しない限り、実行中の変動演出および保留中の変動演出の中に大当たりとなる変動演出があるか否かが告知されない。遊技を止めて退席しようとする場合や、携帯電話による通話やメール等といった用件を済ませたい場合など、特殊な事情がない限り、遊技者が、実行中の変動演出が確定表示される前や保留中の変動演出が実行される前にこれらのいずれかが大当たりとなるか否かを知ってしまうと、逆に遊技の楽しみを奪われる結果となる。告知ボタン23が所定時間(1秒)継続して押下されて初めて実行中の変動演出および保留中の変動演出の中に大当たりとなる変動演出があるか否かを通知することで、遊技者が意図せず告知ボタン23に触れてしまった場合などに、その触れた時間が所定時間未満であれば、実行中の変動演出や保留中の変動演出のいずれかに大当たりが含まれるか否かを、遊技者に知られることを抑制できる。
また、S1313の処理により、告知ボタン無効フラグ223hがオンされることによって、告知ボタン23の押下操作に基づく告知が実行されると、告知ボタン23の押下操作が無効とされる。後述する通り、告知ボタン23の押下操作の無効は、パチンコ機10において、保留分を含めた全ての変動演出の実行が終了するまで継続される。これにより、告知ボタン23の押下操作に基づく告知に従って、例えば遊技者が遊技機から退席したような場合に、該遊技者以外の者が告知ボタン23を押下操作しても、少なくとも、そのパチンコ機10において、保留分を含めた全ての変動演出の実行が終了するまでは、その遊技者以外の者に対して、大当たりとなる変動演出があるか否かを把握できないようにすることができる。よって、元々遊技を行っていた者の利益を守ることができる。
次いで、告知ボタンオンカウンタ223cを0に初期化する(S1314)。そして、告知実行カウンタ223eを0に初期化して(S1315)、告知ボタン23の押下操作に基づく告知の実行時間の計数に備えたうえで、告知実行判定処理を終了し、告知処理へ戻る。
次に、図27を参照して、告知処理の一処理である球打出停止判定処理(S1203)の詳細について説明する。図27は、球打出停止判定処理(S1203)を示すフローチャートである。
球打出停止判定処理では、まず、球打出停止フラグ223gがオフ、且つ、球未検出カウンタ223fが5000以上であるか否かを判断し(S1321)、球打出停止フラグ223gがオフであり、且つ、球未検出カウンタ223fが5000以上である場合は、球打出停止フラグ223gをオンに設定し(S1322)、S1323の処理へ移行する。
球打出停止フラグ223gがオフであり、且つ、球未検出カウンタ223fが5000以上である場合とは、球の打出しが停止していないと判断されている状態で、一般入賞口63、第1入球口64、特定入賞口65a、アウト口66へ5秒以上球が入球していないことを意味する。そして、一般入賞口63、第1入球口64、特定入賞口65a、アウト口66は、上述した通り、いずれも球発射ユニット112aにより該遊技領域に案内された球が遊技領域の外へ排出される口であり、遊技領域から外へ球が排出される口は、これらが全てである。つまり、これらの口への入球が5秒以上ない場合は、球発射ユニット112aによる遊技領域への球の打出しが行われていないことを示す。
S1322の処理では、このような場合に、球打出停止フラグ223gをオンに設定することで、遊技盤13の遊技領域に向けて球を発射する球発射ユニット112aの球の打出が停止していることを示す。この球打出停止フラグ223gは、後述する告知表示設定処理の中で参照される。
S1312の処理の結果、球打出停止フラグ223gがオンであるか、又は、球未検出カウンタ223fが5000未満である場合は(S1321:No)、S1323の処理へ移行する。
S1323の処理では、一般入賞口スイッチ、第1入球口スイッチ、特定入賞口スイッチ、及び、アウト口スイッチのいずれかがオンか否かを判断する(S1323)。その結果、一般入賞口スイッチ、第1入球口スイッチ、特定入賞口スイッチ、及び、アウト口スイッチのいずれかがオンであると判断される場合は(S1323:Yes)、一般入賞口63、第1入球口64、特定入賞口65a、又はアウト口66のいずれかに球が入球したこと、ひいては、遊技盤13の遊技領域に向けて球を発射する球発射ユニット112aの球の打出があったことを意味するので、まず、球打出停止フラグ223gをオフに設定し(S1324)、更に、球未検出カウンタ223fを0に初期化する(S1325)。そして、球打出停止判定処理を終了する。球未検出カウンタ223fを0に初期化することで、再び、一般入賞口63、第1入球口64、特定入賞口65a、アウト口66への入球が検出されない時間を計数できるようにしている。
一方、S1323の処理の結果、一般入賞口スイッチ、第1入球口スイッチ、特定入賞口スイッチ、及び、アウト口スイッチのいずれもオフであると判断される場合は(S1323:No)、次いで、球打出停止フラグ223gがオンか否かを判断し(S1326)、球打出停止フラグ223gがオフであれば(S1326:No)、球未検出カウンタ223fに1を加算する(S1327)。ここで、球打出停止判定処理が実行される告知処理は、メイン処理の中で1ミリ秒毎に実行される処理である。よって、S1327の処理を実行することにより、球の打出しが停止していないと判断されている状態で、一般入賞口63、第1入球口64、特定入賞口65a、アウト口66への入球がない時間を、球未検出カウンタ223fを用いて1ミリ秒毎に計数することができる。S1327の処理が終了すると、球打出停止判定処理を終了して、告知処理へ戻る。
一方、S1326の処理の結果、球打出停止フラグ223gがオンの場合は(S1326:Yes)、そのまま球打出停止判定処理を終了して、告知処理へ戻る。これにより、球の打出しが停止していると判断されている状態で、一般入賞口63、第1入球口64、特定入賞口65a、アウト口66への入球がない場合は、球未検出カウンタ223fの値は5000以上の値を保持することになるので、1ミリ秒後に実行される告知処理において、この球打出停止判定処理が実行された場合に、S1321及びS1322の処理によって、引き続き、球打出停止フラグ223gをオンに設定することができる。
次いで、図28を参照して、告知処理の一処理である告知表示設定処理(S1204)の詳細について説明する。図28は、告知表示設定処理(S1204)を示すフローチャートである。
告知表示設定処理では、まず、告知実行フラグ223dがオンか否かを判断し(S1331)、告知実行フラグ223dがオフであれば(S1331:No)、告知ボタン23が1秒以上継続して押下操作されておらず、告知ボタン23の押下操作に基づく告知が行われない状況になるので、そのまま告知表示設定処理を終了し、告知処理へ戻る。
一方、告知実行フラグ223dがオンであれば(S1331:Yes)、次いで、大当たり演出中またはデモ演出中であるか否かを判断する(S1332)。そして、大当たり演出中またはデモ演出である場合である場合は(S1332:Yes)、そのまま告知表示設定処理を終了し、告知処理へ戻る。これにより、告知ボタン23の押下操作が1秒以上継続して行われ、告知ボタン23の押下操作に基づく告知が行われる状況にある場合であっても、大当たり演出やデモ演出が行われている場合は、該告知が実行されない。よって、大当たり演出が行われている場合は、遊技者を大当たりに集中させることができる。また、デモ演出が行われている場合は、変動演出が所定時間以上行われておらず、保留された変動演出もない状況であり、告知ボタン23の押下操作に基づく告知が不要な場合である。従って、このような場合に該告知を行うための処理を無駄に行うことを抑止することができる。
ここで、大当たり演出中またはデモ演出中であるかは、主制御装置110から受信したコマンドに基づいて判断する。例えば、大当たりのオープニング演出を開始する場合に主制御装置110から送信されるオープニングコマンドを受信してから、大当たりのエンディング演出を開始する場合に主制御装置110から送信されるエンディングコマンドを受信し該エンディング演出が終了するまでの間を、大当たり演出中として判断する。また、デモ演出の開始を指示するデモコマンドを主制御装置110より受信してから、次に変動パターンコマンドを受信するまでの間をデモ演出中として判断する。
なお、大当たり演出中に、告知ボタン23の押下操作に基づく告知を行うようにしてもよく、この場合は、S1332の処理において、デモ演出中であるか否かだけを判断するようにしてもよい。この場合、遊技者が大当たり演出中に保留中の変動演出において大当たりとなる変動演出があるか否かを確認できるので、現在の大当たりが終了してから退席したり用件を済ませたりできるか否かを、大当たり演出中に予め判断することができる。
また、S1332の処理において、大当たり演出中であるか否かだけを判断してもよく、この場合、デモ演出中に告知ボタン23の押下操作に基づく告知を行うための処理が無駄に実行されることになるが、デモ演出中か否かの判断ステップが不要となるため、告知表示設定処理にかかるプログラムを小さくすることができる。また、S1332の処理を省略してもよい。
S1332の処理において、大当たり演出中でもデモ演出中でもない場合(S1332:No)、次いで、告知実行カウンタ223eの値を1000で除算して、その余りが0であるか否かを判断する(S1333)。ここで、告知実行カウンタ223eは、告知実行フラグ223dがオンされたときに0に初期化され、後述する通り、1秒毎に1ずつインクリメントされる。よって、S1333の処理において、告知実行カウンタ223eの値を1000で除算した余りが0である(S1333:Yes)と判断されるのは、告知実行フラグ223dがオンされた直後と、告知実行フラグ223dがオンされてから1秒毎であり、このタイミングで先読み処理を実行する(S1334)。一方、S1333の処理の結果、告知実行カウンタ223eの値を1000で除算した余りが0でない場合は(S1333:No)、そのまま告知表示設定処理を終了し、告知処理へ戻る。
S1334の先読み処理では、先読み情報格納エリア223bに設けられた先読み情報第1〜第4エリアのうち、変動演出が保留された各エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1等の値を先読みし、その変動演出において大当たりとなるか否かを判定する。変動演出が保留されている数(保留球数)は、保留球数カウンタ223aの値から判断する。また、告知処理の中で行われる先読み処理では、先読み情報第0エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1等の値も読み出し、実行中の変動演出が大当たりとなるか否かも判定する。
次いで、先読み処理の結果、保留中の変動演出の中に大当たりとなる変動演出があるか、又は、実行中の変動演出が大当たりとなるかを判断し(S1335)、保留中の変動演出の中に大当たりとなる変動演出がなく、且つ、実行中の変動演出も大当たりとならない(外れである)と判断される場合は(S1335:No)、そのまま告知表示設定処理を終了し、告知処理へ戻る。
一方、先読み処理の結果、保留中の変動演出の中に大当たりとなる変動演出があるか、又は、実行中の変動演出が大当たりとなると判断される場合は(S1335:Yes)、大当たり告知コマンドを設定する(S1336)。大当たり告知コマンドは、表示制御装置114に対して、第3図柄表示装置81に図9(a)に示した大当たり告知画像を表示させるためのコマンドであり、保留中の変動演出の中に大当たりとなる変動演出があると先読み処理にて判断された場合は、大当たりとなる変動演出の保留回数(大当たりとなる保留球)を特定するための情報を含む。
ここで設定された大当たり告知コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理のコマンド出力処理(S902)により表示用制御装置114に対して送信される。大当たり告知コマンドを表示制御装置114へ送信することにより、表示制御装置114では、第3図柄表示装置81の小領域Ds2に表示される少年の髪の毛HBを通常時の黒色から金色に変化させて表示することで、大当たり告知画像を表示する制御を実行する。
このように、大当たり告知画像は、遊技者により告知ボタン23が1秒以上押下操作されたことにより該押下操作に基づく告知が行われる間、実行中の変動演出および保留中の変動演出の中に大当たりとなる変動演出がある場合に表示される画像である。実行中の変動演出にも保留中の変動演出にも大当たりとなる変動演出がなければ、大当たり告知画像は表示されず、小領域Ds2の少年の髪の毛HBの色は黒色のままである。よって、遊技者は、告知ボタン23を1秒以上押下操作し、小領域Ds2に表示される少年の髪の毛HBの色が黒色のままか、金色に変化するかを確認することで、実行中の変動演出および保留中の変動演出の中に大当たりとなる変動演出があるか否かを確認することができる。従って、遊技者が遊技を止めて退席しようとする場合や、携帯電話による通話やメール等といった用件を済ませたい場合に、告知ボタン23を1秒以上継続して押下操作することで、実行中の変動演出および保留中の変動演出の中に大当たりとなる変動演出があるか否かを知り、大当たりとなる変動演出がなければ、退席したり用件を済ませたりといった行為を行うために、遊技を即座に止めよう、という判断を遊技者が行うことができる。また、大当たりとなる変動演出があれば、大当たりとなるまで遊技を継続しよう、という判断を遊技者が行うことができる。つまり、この告知ボタン23によって、遊技者が退席したり用件を済ませたい場合に、その行為を即座に実行してもよいか否かを判断できる。
S1336の処理に次ぐS1337の処理では、球打出停止フラグ223gがオンか否かを判断し(S1337)、球打出停止フラグ223gがオフであれば(S1337;No)、そのまま告知表示設定処理を終了して告知処理へ戻る。一方、球打出停止フラグ223gがオンであれば(S1337:Yes)、まず、実行中の変動演出において残りの変動時間(その時点から該変動演出が終了するまでの残り変動時間時間)を算出する(S1338)。実行中の変動演出の残り変動時間は、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドにて示された変動パターンに基づき判断される変動時間から、その変動パターンコマンドに基づき第3図柄表示装置81にて実行中の変動演出の開始からの経過時間を減ずることで算出する。
次いで、保留中の変動演出について、それぞれの変動演出に対して変動時間を算出する(S1339)。保留中の変動演出の各変動時間は、先読み情報格納エリア223bの先読み情報第1〜第4エリアに格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値に基づいて算出する。本実施形態では、変動演出の実行が開始される時点(厳密には、大当たり抽選が行われる時点)の保留球数に応じて変動時間が決定される。したがって、保留中の変動演出の各変動時間を算出する場合は、その算出するときの保留球数カウンタ223aの値に基づき、各々の保留中の変動演出の実行が開始されるときに保留球数がいくつになっているかを算出した上で行う。
そして、変動時間告知コマンドを設定し(S1340)、告知表示設定処理を終了して告知処理へ戻る。変動時間告知コマンドは、S1338の処理で算出した実行中の変動演出の残り変動時間と、S1339の処理で算出した保留中の変動演出の各変動時間とを、表示制御装置114へ通知するためのコマンドである。ここで設定された変動時間告知コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理のコマンド出力処理(S902)により表示用制御装置114に対して送信される。
変動時間告知コマンドが表示制御装置114へ送信されると、変動時間告知コマンドにて通知された各変動時間を遊技者に告知する図9(b)にて示した変動時間告知画像を、上記の大当たり告知画像とあわせて第3図柄表示装置81に表示するよう、表示制御装置114にて制御が行われる。この変動時間告知画像が大当たり告知画像とあわせて第3図柄表示装置81に表示されることにより、遊技者は、大当たりとなる変動演出があるか否かを把握するだけでなく、直近で大当たりとなるまでの時間を把握することができる。よって、遊技者は、その直近で大当たりとなるまでの時間を考慮して、退席や用件を済ませる時間があるかどうかの判断を即断できる。
また、直近で大当たりとなるまでの各変動演出に対して、それぞれ変動時間(実行中の変動演出においては残り変動時間)が表示されるので、遊技者は、どの変動演出が実行されている間に退席や用件をすませようか、といった判断も行うことができる。
また、本実施形態では、大当たり告知画像にあわせて変動時間告知画像が表示されるのは、遊技領域への球の打出しが停止されていると判断された場合に限られる。これは、上述した通り、保留中の変動演出の各変動時間を算出するときに、第1入球口64への入賞の可能性がないため、保留球数が変化することがないので、変動演出の実行が開始される時点(厳密には、大当たり抽選が行われる時点)の保留球数に応じて変動時間が決定される場合であっても、保留中の変動演出の各変動時間を確実に算出できるからである。逆に言えば、本実施形態では、遊技領域への球の打出しが停止されていると判断されない限り、大当たり告知画像とあわせて変動時間告知画像が非表示とされる。よって、遊技領域への球の打出しが停止されていないことにより、不正確な変動時間が保留中の変動演出に対して表示されることを抑制できるので、遊技者における退席や用件を済ませる時間があるかどうかの判断が誤って行われることを抑制できる。
なお、遊技領域への球の打出しが停止されていなくても、以後、第1入球口64への入賞がない(新たな変動演出の保留がない)ものと仮定して、保留中の変動演出の各変動時間を算出し、変動時間告知画像を表示してもよい。これにより、遊技領域への球の打出しが停止されていなくても、遊技者が大当たりとなるまでの時間をある程度予想して、退席や用件を済ませる時間があるかどうかの判断を行うことができる。この場合、球の打出しが停止されていない間は、変動時間告知画像に表示される保留中の変動演出の各変動時間の右横に「(予想)」といった文字を記載したり、保留中の変動時間の各変動時間の文字の明るさを暗くしたりして、それぞれが仮定に基づく値であることを遊技者に分かるように示してもよい。そして、球の打出しが停止されたと判断された場合は、「(予想)」の文字を消去し、または、文字の明るさを明るく表示して、変動時間告知画像に表示される保留中の変動演出の各変動時間が正確な値であることを遊技者に分かるように示してもよい。
また、変動演出を開始する時点で決定される該変動演出の変動時間(変動パターン)が、その時の保留球数によらずに決定される場合は、遊技領域への球の打出しが停止されていなくても、先読み処理によって、保留中の変動演出の各変動時間を正しく算出することができる。よって、この場合は、S1337の処理を省略し、S1336の処理の後、S1338〜S1340の処理を実行することで、遊技領域への球の打出しが停止されているか否かにかかわらず、大当たり告知画像が第3図柄表示装置81に表示される場合に、あわせて変動時間告知画像を第3図柄表示装置81に表示するようにしてもよい。
次いで、図29(a)を参照して、告知処理の一処理である告知停止判定処理(S1205)の詳細について説明する。図29(a)は、告知停止判定処理(S1205)を示すフローチャートである。
告知停止判定処理では、まず、告知実行フラグ223dがオンか否かを判断し(S1351)、告知実行フラグ223dがオフであれば(S1351:No)、そのまま告知停止判定処理を終了して告知処理へ戻る。一方、告知実行フラグ223dがオンの場合は(S1351:Yes)、次に、告知実行カウンタ223eが5000であるか否かを判断する(S1352)。
告知実行カウンタ223eが5000でなければ(S1352:No)、告知実行カウン223eに1を加算して(S1355)、告知停止判定処理を終了し、告知処理へ戻る。S1355の処理により、告知ボタン23の押下操作に基づく告知が実行されている間、その実行が開始されてから告知実行カウンタ223eの値が5000になるまで、告知実行カウンタ223eが1ずつインクリメントされる。ここで、告知停止判定処理が実行される告知処理は、メイン処理の中で1ミリ秒毎に実行されるものであるので、告知ボタン23の押下操作に基づく告知の実行されている時間が、5000ミリ秒間(5秒間)、告知実行カウンタ223eにより1ミリ秒毎に計数される。
S1352の処理の結果、告知実行カウンタ223eが5000であれば(S1352:Yes)、告知停止コマンドを設定し(S1353)、告知実行フラグ223dをオフに設定して(S1354)、告知停止判定処理を終了し、告知処理へ戻る。S1353,S1354の処理により、告知ボタン23の押下操作に基づく告知の実行が5秒間継続されると、該告知の実行を終了する。
なお、告知停止コマンドは、告知ボタン23の押下操作に基づく告知の実行の停止を表示制御装置114へ通知し、第3図柄表示装置81に表示された大当たりの存在を示す大当たり告知画像や変動時間告知画像の表示を終了させるためのコマンドである。S1353の処理により設定された告知停止コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理のコマンド出力処理(S902)により表示用制御装置114に対して送信される。表示制御装置114では、告知停止コマンドを受信することにより、第3図柄表示装置に大当たり告知画像や変動時間告知画像を表示させていた場合は、これらの画像の表示を停止する制御を行う。
次に、図29(b)を参照して、告知ボタン無効解除処理(S1206)の詳細について説明する。図29(b)は、告知ボタン無効解除処理(S1206)を示すフローチャートである。
告知ボタン無効解除処理では、まず、告知ボタン無効フラグ223hがオンか否かを判断する(S1361)。告知ボタン無効フラグ223hがオフであれば(S1361:No)、告知ボタン23の押下操作の無効期間ではないので、そのまま告知ボタン無効解除処理を終了し、告知処理へ戻る。一方、告知ボタン無効フラグ223hがオンであれば(S1361:Yes)、次いで、確定コマンドフラグ223iがオンか否かを判断する(S1362)。
確定コマンドフラグ223iがオフであれば(S1362:No)、そのまま告知ボタン無効解除処理を終了し、告知処理へ戻る。一方、確定コマンドフラグ223iがオンであれば(S1362:Yes)、確定コマンドフラグ223iをオフに設定して(S1363)、次いで、保留球数カウンタ223aが0か否かを判断する(S1364)。その結果、保留球数カウンタ223aが0でなければ(S1364:No)、そのまま告知ボタン無効解除処理を終了し、告知処理へ戻る。一方、保留球数カウンタ223aが0であれば(S1364:Yes)、告知ボタン無効フラグ223hをオフに設定して(S12364)、告知ボタン無効解除処理を終了し、告知処理へ戻る。
ここで、確定コマンドフラグ223iがオン、即ち、主制御装置110から確定コマンドを受信した時点で保留回数カウンタ223aが0であれば、それは、保留分を含めて全ての変動演出の実行が終了し、保留中の変動演出が0となったことを意味する。つまり、本実施形態では、告知ボタン23の押下操作が無効に設定された後、保留分を含めて(無効の設定が行われてから後に保留された変動演出も含めて)全ての変動演出の実行が終了し、保留中の変動演出がなくなった場合に、告知ボタン無効フラグ223hがオフに設定され、告知ボタン23の押下操作の無効が解除される。
このように、本実施形態では、告知ボタン23の押下操作に基づく告知が実行されると、保留中の変動演出が0となるまで、告知ボタン23の押下操作が無効化される。つまり、その期間に告知ボタン23が押下操作されても、告知が非実行とされる。これにより、告知ボタン23の押下操作に基づく告知に従って、例えば遊技者が遊技機から退席したような場合に、該遊技者以外の者が告知ボタン23を押下操作しても、少なくとも、そのパチンコ機10において、保留中の変動演出が0となるまでは、その遊技者以外の者に対して、大当たりとなる変動演出があるか否かを把握できないようにすることができる。よって、元々遊技を行っていた者の利益を守ることができる。
次いで、図30〜図40を参照して、表示制御装置114のMPU231により実行される各処理について説明する。かかるMPU231の処理としては大別して、電源投入後から繰り返し実行されるメイン処理と、音声ランプ制御装置113よりコマンドを受信した場合に実行されるコマンド割込処理と、V割込信号をMPU231が検出した場合に実行されるV割込処理とがある。V割込信号は、画像コントローラ237がMPU231に対して送信する信号で、画像コントローラ237は、1フレーム分の画像の描画処理を完了する20ミリ秒毎にMPU231に対してV割込信号を送信する。
MPU231は、通常、メイン処理を実行し、コマンドの受信やV割込信号の検出に合わせて、コマンド割込処理やV割込処理を実行する。尚、コマンドの受信とV割込信号の検出とが同時に行われた場合は、コマンド受信処理を優先的に実行する。これにより、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容を素早く反映して、V割込処理を実行させることができる。
まず、図30(a)を参照して、表示制御装置114内のMPU231により実行されるメイン処理について説明する。図30(a)は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理は、電源投入時の初期化処理を実行するものである。
このメイン処理では、初期設定処理を実行する(S1401)。具体的には、ワークRAM233、ビデオRAM236の記憶をクリアする処理などが行われる。また、ワークRAM233に各種フラグを設け、それぞれのフラグに初期値を設定する。
更に、初期設定処理では、画像コントローラ237の初期設定を行った後、第3図柄表示装置81に特定の色の画像が画面全体に表示されるように、画像コントローラ237に対して、画像の描画および表示処理の実行を指示する。これにより、電源投入直後において、第3図柄表示装置81には、まず、特定の色の画像が画面全体に表示される。
ここで、電源投入直後に第3図柄表示装置81の画面全体に表示される画像の色が、パチンコ機の機種に応じて異なる色となるように設定されている。これにより、製造時の工場等における動作チェックにおいて、電源投入直後に、その機種に応じた色の画像が第3図柄表示装置81に表示されるか否かを検査することで、パチンコ機10が正常に起動開始でるか否かを簡易かつ即座に判断することができる。
S1401の処理の後、割込許可を設定し(S1402)、以後、メイン処理は電源が切断されるまで、無限ループ処理を実行する。これにより、S1402の処理によって割込許可が設定されて以降、MPU231は、コマンドの受信およびV割込信号の検出に従って、コマンド割込処理およびV割込処理を実行する。
次いで、図30(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるコマンド割込処理について説明する。図30(b)は、そのコマンド割込処理を示すフローチャートである。上述したように、音声ランプ制御装置113からコマンドを受信すると、MPU231によってコマンド割込処理が実行される。
このコマンド割込処理では、受信したコマンドデータを抽出し、ワークRAM233に設けられたコマンドバッファ領域に、その抽出したコマンドデータを順次格納して(S1501)、終了する。このコマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された各種コマンドは、後述するV割込処理のコマンド判定処理(S1602)によって読み出され、そのコマンドに応じた処理が行われる。
次いで、図30(c)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理について説明する。図30(c)は、そのV割込処理を示すフローチャートである。このV割込処理では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納されたコマンドに対応する各種処理を実行すると共に、第3図柄表示装置81に表示させる画像を特定した上で、その画像の描画リスト(図13参照)を作成し、その描画リストを画像コントローラ237に送信することで、画像コントローラ237に対し、その画像の描画処理および表示処理の実行を指示するものである。
上述したように、このV割込処理は、画像コントローラ237からのV割込信号が検出されることによって実行が開始される。このV割込信号は、画像コントローラ237において、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に生成され、MPU231に対して送信される信号である。このV割込信号に同期させてV割込処理を実行することにより、画像コントローラ237に対して描画指示が、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に行われることになる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
ここでは、まず、V割込処理のフローの概略について説明し、次いで、各処理の詳細について他の図を参照して説明する。V割込処理では、まず、コマンド判定処理(S1602)を実行し、次いで、表示設定処理(S1603)を実行する。コマンド判定処理(S1602)では、コマンドバッファ領域に格納されたコマンドの内容を解析し、そのコマンドに応じた処理を実行する。例えば、コマンドバッファ領域に表示用変動パターンコマンドが格納されていた場合は、その表示用変動パターンコマンドで示される変動パターン種別に応じた詳細な変動パターンを決定し、その詳細な変動パターンに対応する変動用表示データテーブルを、表示データテーブル格納エリア232aから読み出して、表示データテーブルバッファ233aに設定する。
このコマンド判定処理では、その時点でコマンドバッファ領域に格納されている全てのコマンドを解析して、処理を実行する。これは、コマンド判定処理が、V割込処理の実行される20ミリ秒間隔で行われるため、その20ミリ秒の間に複数のコマンドがコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高いためである。特に、主制御装置110において、変動演出の開始が決定された場合、表示用変動パターンコマンドや表示用停止種別コマンドなどが20ミリ秒の間にコマンドバッファ領域に格納される可能性が高い。従って、これらのコマンドを一度に解析して実行することによって、主制御装置110や音声ランプ制御装置113によって選定された変動演出等の態様を素早く把握し、その態様に応じた演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるように、画像の描画を制御することができる。尚、このコマンド判定処理の詳細については、図31〜図34を参照して後述する。
表示設定処理(S1603)では、コマンド判定処理(S1602)などによって表示データテーブルバッファ233aおよび追加データテーブルバッファ233bに設定された表示データテーブルおよび追加データテーブルの内容に基づき、ポインタ233cが示すアドレスに規定された描画内容に従って、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を具体的に特定する。
また、処理の状況などに応じて、第3図柄表示装置81に表示すべき演出態様を決定し、その決定した演出態様に対応する表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233aに設定する。尚、この表示設定処理の詳細については、図35〜図39を参照して後述する。
表示設定処理(S1603)が実行された後、次いで、タスク処理を実行する(S1604)。このタスク処理では、表示設定処理(S1603)によって特定された、第3表示装置281に表示すべき次の1フレーム分の画像の内容に基づき、その画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次いで、描画処理を実行する(S1605)。この描画処理では、タスク処理(S1604)で決定された、1フレームを構成する各種スプライトの種別やそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータから、図13に示す描画リストを生成し、その描画リストを画像コントローラ237に対して送信する。これにより、画像コントローラ237では、描画リストに従って、画像の描画処理を実行する。描画処理の詳細については、図40を参照して後述する。
次いで、表示制御装置114に設けられた各種カウンタの更新処理を実行する(S1606)。そして、V割込処理を終了する。S1606の処理によって更新されるカウンタとしては、例えば、停止図柄を決定するための停止図柄カウンタ(図示せず)がある。この停止図柄カウンタの値は、ワークRAM233に格納され、V割込処理が実行される度に、更新処理が行われる。そして、コマンド判定処理において、表示用停止種別コマンドの受信が検出されると、表示用停止種別コマンドにより示される停止種別(15R確変大当たり、2R確変大当たり、15R通常大当たり、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れ)に対応する停止種別テーブルと停止種別カウンタとが比較され、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄が最終的に設定される。
次いで、図31〜図34を参照して、V割込処理の一処理である上述のコマンド判定処理(S1402)の詳細について説明する。まず、図31は、このコマンド判定処理を示すフローチャートである。コマンド割込処理は、表示制御装置114内のMPU231によって実行される。
このコマンド判定処理では、まず、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し(S1701)、未処理の新規コマンドがなければ(S1701:No)、コマンド判定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、未処理の新規コマンドがあれば(S1701:Yes)、オン状態で新規コマンドが処理されたことを表示設定処理(S1603)に通知する新規コマンドフラグをオンに設定し(S1702)、次いで、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドすべてについて、そのコマンドの種別を解析する(S1703)。
そして、未処理のコマンドの中に、まず、表示用保留球数コマンドがあるか否かを判定し(S1704)、表示用保留球数コマンドがあれば(S1704:Yes)、保留球数コマンド処理を実行して(S1705)、S1701の処理に戻る。
ここで、図32(a)を参照して、保留球数コマンド処理(S1705)の詳細について説明する。図32(a)は、保留球数コマンド処理を示すフローチャートである。この保留球数コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用保留球数コマンドに対応する処理を実行するものである。
保留球数コマンド処理では、まず、新規保留球数コマンドフラグをオンする(S1801)。新規保留球数コマンドフラグは、オン状態で表示用保留球数コマンドを処理したことを表示設定処理(S1603)に通知するフラグである。次いで、表示用保留球数コマンドに含まれる保留球数情報を取得する(S1802)。尚、S1802の処理において、2以上の表示用保留球数コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていれば、最後に格納された表示用保留球数コマンドから保留球数情報を取得する。これにより、最新の保留球数情報を取得することができる。
そして、保留球数毎に設けられた個数判別フラグのうち、S1802の処理で取得した保留球数に対応する個数判別フラグをオンすると共に、その他の保留球数に対応する個数判別フラグをオフにして(S1803)、コマンド判定処理に戻る。表示設定処理では、新規保留球数コマンドフラグがオンである場合に、個数判別フラグを参照することで、オンが設定された個数判別フラグに対応する保留球数分の保留球数図柄が保留球数表示領域Dbに表示されるように、保留画像データを展開する。
図31に戻り、S1704の処理において、表示用保留球数コマンドがないと判別されると(S1704:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用確定コマンドがあるか否かを判別し(S1706)、表示用確定コマンドがあれば(S1706:Yes)、確定コマンド処理を実行して(S1707)、S1701の処理へ戻る。
ここで、図32(b)を参照して、確定コマンド処理(S1707)の詳細について説明する。図32(b)は、確定コマンド処理を示すフローチャートである。この確定コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用確定コマンドに対応する処理を実行するものである。
確定コマンド処理(S1707)では、確定コマンドフラグをオンに設定して(S1811)、本処理を終了する。確定コマンドフラグは、オン状態で表示用確定コマンドを受信したことを表示設定処理(S1603)に通知するフラグである。表示設定処理では、確定コマンドフラグの状態を監視し、そのフラグがオンとなった場合に、第3図柄表示装置81に確定表示演出の表示が開始されるように、表示の設定処理を実行する。また、変動演出の表示の設定を処理した後に、その変動演出に設定された演出時間を経過しても確定コマンドフラグがオンとならない場合は、再始動演出を第3図柄表示装置81に表示させるように、表示の設定処理を実行する。
図31に戻り、S1706の処理において、表示用確定コマンドがないと判別されると(S1706:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用デモコマンドがあるか否かを判別し(S1708)、表示用デモコマンドがあれば(S1708:Yes)、デモコマンド処理を実行して(S1709)、S1701の処理へ戻る。
ここで、図32(c)を参照して、デモコマンド処理(S1709)の詳細について説明する。図32(c)は、デモコマンド処理を示すフローチャートである。このデモコマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用デモコマンドに対応する処理を実行するものである。
デモコマンド処理(S1709)では、まず、デモ演出に対応するデモ用表示データテーブルを表示データテーブル格納エリア232aから選定して、表示データテーブルバッファ233aに設定する(S1821)。次いで、追加データテーブルバッファ233bにNullデータを書き込んでその内容をクリアする(S1822)。
次いで、デモ用表示データテーブルにて表示されるデモ演出に対応する時間データを計時カウンタ233eに設定し(S1823)、ポインタ233cを0に初期化する(S1824)。そして、確定コマンドフラグをオフに設定すると共に、デモ表示フラグをオンに設定し、更に、確定表示フラグをオフに設定して(S1825)、コマンド判定処理に戻る。尚、デモ表示フラグは、オン状態で第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されることを示すフラグである。確定表示フラグは、オン状態で第3図柄表示装置81に確定表示演出が表示されることを示すフラグである。
このデモコマンド処理が実行されることにより、表示設定処理では、S1824の処理によって初期化されたポインタ233cを更新しながら、S1821の処理によって表示データテーブルバッファ233aに設定されたデモ用表示データテーブルから、ポインタ233cに示されるアドレスに規定された描画内容を抽出し、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定する。また、表示設定処理では、S1823の処理によってデモ演出に対応する時間データの設定された計時カウンタ233eを用いて、デモ用表示データテーブルで規定されたデモ演出の時間を計時すると共に、S1825の処理によって設定されたデモ表示フラグおよび確定表示フラグの状態に基づいて、表示設定制御計時カウンタ233eの計時によってデモ用表示データテーブルにおけるデモ演出が終了したと判断された場合に、次に表示すべき演出として、再度デモ演出が表示されるように制御する。
また、コマンド判定処理の実行開始時に、コマンドバッファ領域に確定コマンドとデモコマンドとがいずれも格納されている場合は、上述の確定コマンド処理(S1707)が先に実行され、確定コマンドフラグがオンに設定されるが、次いで、このデモコマンド処理(S1709)が実行され、S1825の処理により確定コマンドフラグがオフされる。
これにより、このような場合には、確定表示演出は行われずにデモ演出が表示される。主制御装置110は、確定コマンドを送信した後、所定時間(例えば、2秒)経過後に変動演出の開始タイミングとならなければ、デモコマンドを送信するように構成されているので、本来であれば、コマンド判定処理の実行開始時に、コマンドバッファ領域に確定コマンドとデモコマンドとが共に格納されることはあり得ない。よって、それらのコマンドが、コマンド判定処理の実行開始時にコマンドバッファ領域にいずれも格納されている場合は、コマンドの送受信が正常に行われていない可能性が高い。
表示制御装置114は、このような場合に、遊技に直接関係のないデモ演出を優先して第3図柄表示装置81に表示させるので、誤った確定表示演出が第3図柄表示装置81に未表示とされ、遊技者に遊技結果に対する誤解を与えることを抑制できる。また、確定表示演出が行われずにデモ演出が開始されることで、異常が発生していることを遊技者に容易に認識させることができる。よって、遊技者はすぐにホール関係者を呼んで対処の依頼を行うことができる。
図31に戻り、S1708の処理において、表示用デモコマンドがないと判別されると(S1708:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用変動パターンコマンドがあるか否かを判別し(S1710)、表示用変動パターンコマンドがあれば(S1710:Yes)、変動パターンコマンド処理を実行して(S1711)、S1701の処理へ戻る。
ここで、図33(a)を参照して、変動パターンコマンド処理(S1711)の詳細について説明する。図33(a)は、変動パターンコマンド処理を示すフローチャートである。この変動パターンコマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用変動パターンコマンドに対応する処理を実行するものである。
変動パターンコマンド処理では、まず、表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターン(変動時間)に基づいて、その変動時間で変動演出が実行される複数の詳細な変動パターンの中から、1つ詳細な変動パターンを決定する(S1831)。ここで決定された詳細な変動パターンによって、変動演出中に行われる予告演出の内容が一意に定まる。
次いで、決定した詳細は変動パターンに対応した変動用表示データテーブルを、表示データテーブル格納エリア232aから読み出して、表示データテーブルバッファ233aに設定する(S1832)。
ここで、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用変動パターンコマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用変動パターンコマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用変動パターンコマンドとして解釈される恐れもあり得る。S1832の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用変動パターンコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動用表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233aに設定する。
仮に、変動時間の長い変動パターンに対応する変動用表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233aに設定してしまうと、実際には、設定した表示データテーブルよりも短い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合は、設定された変動用表示データテーブルに従った変動演出を第3図柄表示装置81に表示させている最中に主制御装置110から確定コマンド(表示用確定コマンド)を受信することとなり、変動中の第3図柄が突然停止表示されてしまうので、遊技者に対して違和感を持たせる恐れがあった。
これに対し、本実施形態のように、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動用表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233aに設定することで、実際には、設定した表示データテーブルよりも長い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合であっても、後述するように、表示データテーブルバッファ233aに従った変動演出が終了したのち、主制御装置110からの確定コマンド(表示用確定コマンド)を受信するまでの間、再始動演出が表示されるように第3図柄表示装置81の表示が制御されるので、遊技者は再始動演出を変動演出の一環として視認し、第3図柄の停止表示が確定するまで違和感なく第3図柄表示装置81における第3図柄の変動を見続けることができる。
次に、追加データテーブルバッファ233bにNullデータを書き込むことでその内容をクリアする(S1833)。次いで、S1832の処理によって表示データテーブルバッファ233aに設定された変動用表示データテーブルに対応する変動パターンの変動時間を基に、その変動時間を表す時間データを計時カウンタ233eに設定する(S1834)。そして、ポインタ233cを0に初期化し(S1835)、確定コマンドフラグ、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定する(S1836)。
デモ表示フラグおよび確定表示フラグをオフに設定することにより、表示中のデモ演出や確定表示演出に代えて、第3図柄表示装置81に変動演出を表示させることができる。また、コマンド判定処理の実行開始時に、コマンドバッファ領域に確定コマンドと表示用変動パターンコマンドとがいずれも格納されている場合は、上述の確定コマンド処理(S1707)が先に実行され、確定コマンドフラグがオンに設定されるが、次いで、この変動パターンコマンド処理(S1711)が実行され、S1836の処理により確定コマンドフラグがオフされる。
S1836の処理が完了すると、表示設定処理で用いられる再始動タイマカウンタを0に初期化して(S1837)、コマンド判定処理に戻る。
この変動パターンコマンド処理が実行されることにより、表示設定処理では、S1835の処理によって初期化されたポインタ233cを更新しながら、S1832の処理によって表示データテーブルバッファ233aに設定された変動用表示データテーブルから、ポインタ233cに示されるアドレスに規定された描画内容を抽出し、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定する。
また、表示設定処理では、S1834の処理によって変動時間データの設定された計時カウンタ233eを用いて、変動用表示データテーブルで規定された変動演出の時間を計時し、変動用表示データテーブルにおける変動演出が終了したと判断された場合、主制御装置110からの確定コマンド(表示用確定コマンド)を受信すれば確定表示演出を第3図柄表示装置81に表示する。また、変動演出終了後所定時間内に確定コマンド(表示用確定コマンド)を受信できなければ、再始動演出を第3図柄表示装置81に表示するように、その表示の設定を制御する。
ここで、表示用確定コマンドと表示用変動パターンコマンドとのいずれもが未処理のコマンドとしてコマンドバッファ領域に格納されていた場合、表示用確定コマンドに対応する処理を優先してしまうと、表示用変動パターンコマンドに伴う変動演出が行われなくなってしまうため、表示用変動パターンコマンドに対応する処理を優先させる必要がある。これに対し、本コマンド判定処理では、表示用確定コマンドの有無の判別を先に行っているので、必ず表示用確定コマンドに対応する処理である確定コマンド処理が必ず先に実行される一方、表示用変動パターンコマンドに対応する処理が後に実行され、S1836の処理のように、表示用確定コマンドによって設定された確定コマンドフラグを上書きによってオフに設定することができる。よって、表示用変動パターンコマンドの処理を表示用確定コマンドより優先させることができ、表示用変動パターンコマンドに伴う変動演出を優先して第3図柄表示装置81に表示させることができる。
同様に、表示用デモコマンドと表示用変動パターンコマンドとのいずれもが未処理のコマンドとしてコマンドバッファ領域に格納されていた場合、表示用デモコマンドに対応する処理を優先してしまうと、表示用変動パターンコマンドに伴う変動演出が行われなくなってしまうため、表示用変動パターンコマンドに対応する処理を優先させる必要がある。これに対し、本コマンド判定処理では、表示用デモコマンドの有無の判別を先に行っているので、必ず表示用デモコマンドに対応する処理であるデモコマンド処理が必ず先に実行される一方、表示用変動パターンコマンドに対応する処理が後に実行され、S1832の処理のように、表示用デモコマンドによって表示データテーブルバッファ233aに設定されたデモ用表示データテーブルを上書きによって変動用表示データテーブルに書き換えることができる。よって、表示用変動パターンコマンドの処理を表示用デモコマンドより優先させることができ、表示用変動パターンコマンドに伴う変動演出を優先して第3図柄表示装置81に表示させることができる。
図31に戻り、S1710の処理において、表示用変動パターンコマンドがないと判別されると(S1710:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用停止種別コマンドがあるか否かを判別し(S1712)、表示用停止種別コマンドがあれば(S1712:Yes)、停止種別コマンド処理を実行して(S1713)、S1701の処理へ戻る。
ここで、図33(b)を参照して、停止種別コマンド処理(S1713)の詳細について説明する。図33(b)は、停止種別コマンド処理を示すフローチャートである。この停止種別コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用停止種別コマンドに対応する処理を実行するものである。
停止種別コマンド処理では、まず、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報(15R確変大当たり、2R確変大当たり、15R通常大当たり、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れのいずれか)に対応する停止種別テーブルを決定し(S1841)、その停止種別テーブルと、V割込処理(図30(c)参照)が実行されるたびに更新される停止種別カウンタの値とを比較して、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄を最終的に設定する(S1842)。
そして、各停止図柄毎に設けられた停止図柄判別フラグのうち、S1842の処理によって設定された停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオンすると共に、その他の停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオフに設定し(S1843)、コマンド判定処理に戻る。
ここで、上述したように、変動用表示データテーブルでは、所定時間以後のアドレスに対応する描画内容において、第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定する種別情報として、S1842の処理によって設定された停止図柄からのオフセット情報(図柄オフセット情報)が記載されている。上述のタスク処理(S1604)では、変動が開始されてから上記の所定時間が経過して以後、S1843によって設定された停止図柄判別フラグからS1842の処理によって設定された停止図柄を特定し、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。そして、この特定された第3図柄に対応する画像データが格納されたキャラクタ記憶エリア234aのアドレスを特定する。
尚、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用停止種別コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用停止種別コマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用停止種別コマンドとして解釈される恐れもあり得る。S1841の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用停止種別コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、停止種別が完全外れであると仮定して、停止種別テーブルを決定する。これにより、完全外れに対応する停止図柄がS1842の処理によって設定される。なお、このような場合において、停止種別を完全外れの中でも特殊停止図柄であると仮定して、停止種別テーブルを決定してもよい。
ここで、仮に、大当たりに対応する停止図柄が設定されてしまうと、実際には、外れであった場合であっても、第3図柄表示装置81には大当たりの停止図柄が表示されることとなり、遊技者にパチンコ機10の遊技状態が大当たりとなったと勘違いさせてしまい、パチンコ機10の信頼性を低下させる恐れがあった。これに対し、本実施形態のように、完全外れに対応する停止図柄が設定されることで、実際には、大当たりであれば、第3図柄表示装置81に完全外れの停止図柄が表示されても、パチンコ機10の遊技状態が大当たり状態に移行するので、遊技者を喜ばせることができる。
図31に戻り、S1712の処理において、表示用停止種別コマンドがないと判別されると(S1712:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、大当たり告知コマンドがあるか否かを判別し(S1714)、大当たり告知コマンドがあれば(S1714:Yes)、大当たり告知コマンド処理を実行して(S1715)、S1701の処理へ戻る。
ここで、図34(a)を参照して、大当たり告知コマンド処理(S1715)の詳細について説明する。図34(a)は、大当たり告知コマンド処理を示すフローチャートである。この大当たり告知コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した大当たり告知コマンドに対応する処理を実行するものである。
大当たり告知コマンドでは、まず、大当たり告知コマンドフラグをオンに設定する(S1851)。ここで大当たり告知コマンドフラグは、オン状態で大当たり告知コマンドを処理したことを表示設定処理(S1603)に通知するフラグである。
次いで、大当たり告知コマンドに大当たりとなる保留球を特定するための情報を取得する(S1852)。そして、保留球毎に設けられ、オンの場合に該保留球において大当たりとなることを示す保留球大当たりフラグに対し、S1852の処理により取得された情報から特定される、大当たりとなる保留球に対応する保留球大当たりフラグをオンに設定し、その他の保留球に対応する保留球大当たりフラグをオフに設定し(S1853)、コマンド判定処理に戻る。
なお、S1852に処理において、大当たり告知コマンドに、大当たりとなる保留球を特定する情報が含まれていない場合、それは、実行中の変動演出において大当たりとなることを意味する。よってこの場合、S1853の処理では、全ての保留球に対応する保留球大当たりフラグをオフに設定する。
表示設定処理では、大当たり告知コマンドがオンである場合に、大当たりの存在を示す大当たり告知画像(髪の毛HBの色が「金色」の少年の画像)を第3図柄表示装置81の小領域Ds2に表示されるように、大当たり告知用画像データを展開する。あわせて、保留球大当たりフラグに基づき、大当たりとなる保留球に対応する保留球数図柄が、保留球数表示領域Dbにおいて「赤色」で表示されるように、大当たり用保留画像データを展開する。
図31に戻り、S1714の処理において、大当たり告知コマンドがないと判別されると(S1714:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、変動時間告知コマンドがあるか否かを判別し(S1716)、変動時間告知コマンドがあれば(S1716:Yes)、変動時間告知コマンド処理を実行して(S1717)、S1701の処理へ戻る。
ここで、図34(b)を参照して、変動時間告知コマンド処理(S1717)の詳細について説明する。図34(b)は、変動時間告知コマンド処理を示すフローチャートである。この変動時間告知コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した変動時間告知コマンドに対応する処理を実行するものである。
変動時間告知コマンドでは、まず、変動時間告知コマンドフラグをオンに設定する(S1861)。ここで変動時間告知コマンドフラグは、オン状態で変動時間告知コマンドを処理したことを表示設定処理(S1603)に通知するフラグである。
次いで、変動時間告知コマンドに含まれる情報から、実行中の変動演出の残り変動時間と、保留中の変動演出の各変動時間とを取得し、ワークRAM233に記憶させて(S1862)、コマンド判定処理へ戻る。
表示設定処理では、変動時間告知コマンドがオンである場合に、実行中の変動演出の残り時間と保留中の変動演出の各変動時間とを表示する変動時間告知画像が第3図柄表示装置81の小領域Ds3に表示されるように、変動時間告知用画像データを展開する。
図31に戻り、S1716の処理において、変動時間告知コマンドがないと判別されると(S1716:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、告知停止コマンドがあるか否かを判別し(S1718)、告知停止コマンドがあれば(S1718:Yes)、告知停止コマンド処理を実行して(S1719)、S1701の処理へ戻る。
ここで、図34(c)を参照して、告知停止コマンド処理(S1719)の詳細について説明する。図34(c)は、告知停止コマンド処理を示すフローチャートである。この告知停止コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した告知停止コマンドに対応する処理を実行するものである。
告知停止コマンドでは、告知停止コマンドフラグをオンに設定し(S1871)、告知コマンドへ戻る。ここで告知停止コマンドフラグは、オン状態で告知停止コマンドを処理したことを表示設定処理(S1603)に通知するフラグである。表示設定処理では、告知停止コマンドがオンである場合に、第3図柄表示装置81に表示された大当たり告知画像や変動時間告知画像を消去する(非表示とする)ために、展開されていた大当たり告知用画像データ、大当たり用保留画像データ、変動時間告知用画像データを消去する。
図31に戻り、S1718の処理において、告知停止コマンドがないと判別されると(S1718:No)、次いで、その他の未処理のコマンドに対応する処理を実行し(S1722)、S1701の処理へ戻る。S1722の処理では、例えば、音声ランプ制御装置113より連続予告演出の開始を指示する連続予告コマンドを受信していれば、そのコマンドにて示される連続予告演出の態様に対応する追加データテーブルを追加データテーブル格納エリア232bより読み出して、追加データテーブルバッファ233bに格納する。これにより、表示設定処理において、表示データテーブルバッファ233aに格納された表示データテーブルに従って表示される画像に対し、追加データテーブルバッファ233bに格納された追加データテーブルに従って、連続予告演出を第3図柄表示装置81に表示する制御を実行する。
各コマンドの処理が実行された後に再び実行されるS1701の処理では、再度、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し、未処理の新規コマンドがあれば(S1701:Yes)、再びS1702〜S1722の処理を実行する。そして、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがなくなるまで、S1701〜S1722の処理が繰り返し実行され、S1701の処理で、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがないと判別されると(S1701:No)、このコマンド判定処理を終了する。
次いで、図35〜図39を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の表示設定処理(S1603)の詳細について説明する。まず、図35及び図36は、この表示設定処理を示すフローチャートである。
この表示設定処理では、図35に示すように、まず、新規コマンドフラグがオンであるか否かを判別し(S1901)、新規コマンドフラグがオンではない、即ち、オフであれば(S1901:No)、先に実行されるコマンド判定処理おいて新規コマンドが処理されていないと判断して、S1902〜S1910の処理をスキップし、S1911の処理へ移行する。一方、新規コマンドフラグがオンであれば(S1901:Yes)、先に実行されるコマンド判定処理おいて新規コマンドが処理されたと判断し、新規コマンドフラグをオフに設定した後(S1902)、S1903〜S1910の各処理によって、新規コマンドに対応する処理を実行する。
S1903の処理では、新規保留球数コマンドフラグはオンであるか否かを判別し(S1903)、新規保留球数コマンドフラグがオンであれば(S1903:Yes)、先のコマンド判定処理において表示用保留球数コマンドが処理されたと判断して、保留画像設定処理を実行する(S1904)。
ここで、図37(a)を参照して、保留画像設定処理の詳細について説明する。図37(a)は、保留画像設定処理を示すフローチャートである。この保留画像設定処理は、表示用保留球数コマンドが処理されたことに合わせて、音声ランプ制御装置113より通知された保留球数分の保留球数図柄を第3図柄表示装置81に表示させるために、その画像データを展開するための処理である。
保留画像設定処理では、まず、個数判別フラグを参照し、オンが設定された個数判別フラグに対応する保留球数分の保留球数図柄を第3図柄表示装置81の保留球数表示領域Db(図4参照)に表示させる保留画像データを展開する(S1951)。タスク処理(S1604)では、この展開された保留画像データを基に、その保留画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
保留画像設定処理では、S1951の処理の後、新規保留球数コマンドをオフに設定して(S1952)、表示設定処理に戻る。
図35に戻り、保留画像設定処理(S1904)の後、又は、S1903の処理において、新規保留球数コマンドフラグがオフであると判別されると(S1903:No)、次いで、大当たり告知コマンドフラグがオンか否かを判別し(S1905)、大当たり告知コマンドフラグがオンであれば(S1905:Yes)、先のコマンド判定処理において大当たり告知コマンドが処理されたと判断して、大当たり告知画像設定処理を実行する(S1906)。
ここで、図37(b)を参照して、大当たり告知画像設定処理の詳細について説明する。図37(b)は、大当たり告知画像設定処理を示すフローチャートである。この大当たり告知画像設定処理は、大当たり告知コマンドが処理されたことにあわせて、図9(a)に示す大当たり告知画像を第3図柄表示装置81に表示させるために、その画像データを展開するための処理である。
大当たり告知画像設定処理では、まず、大当たりの存在を示す大当たり告知画像として、髪の毛HBの色が「金色」の少年の画像を第3図柄表示装置81の小領域Ds2に表示するための大当たり告知用画像データを展開する(S1961)。タスク処理(S1604)では、この展開された大当たり告知用画像データを基に、大当たり告知画像を構成するスプライト(表示物)の種別として『髪の毛HBの色が「金色」の少年』を特定し、表示データテーブルバッファ233aに格納された表示データテーブルや追加データテーブルバッファ233bに格納された追加データテーブルにて規定される『髪の毛HBの色が「黒色」の少年』に代えて、『髪の毛HBの色が「金色」の少年』を表示する表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次いで、保留球毎に設けられた保留球大当たりフラグを参照し、オンが設定された保留球大当たりフラグに対応する保留球の保留球数図柄を「赤色」で表示させるための大当たり用保留画像データを展開する(S1962)。タスク処理(S1604)では、この展開された大当たり用保留画像データを基に、スプライト(表示物)の種別として『「赤色」の保留球数図柄』を特定し、「青色」の保留球数図柄に代えて、対象の保留球の保留球数図柄を「赤色」で表示するための表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
なお、S1962の処理において、全ての保留球に対応する保留球大当たりフラグがオフであれば、実行中の変動演出が大当たりとなるものであるので、大当たり用保留画像データを展開せず、S1963の処理へ移行する。
S1962の処理の後、大当たり告知コマンドフラグをオフに設定し(S1963)、表示設定処理へ戻る。
図35に戻り、大当たり告知画像設定処理(S1906)の後、又は、S1905の処理において、大当たり告知コマンドフラグがオフであると判別されると(S1905:No)、次いで、変動時間告知コマンドフラグがオンか否かを判断する(S1907)。そして、変動時間告知コマンドフラグがオンであれば(S1907:Yes)、先のコマンド判定処理において変動時間告知コマンドが処理されたと判断して、変動時間告知画像設定処理を実行する(S1908)。
ここで、図38(a)を参照して、変動時間告知画像設定処理の詳細について説明する。図38(a)は、変動時間告知画像設定処理を示すフローチャートである。この変動時間告知画像設定処理は、変動時間告知コマンドが処理されたことにあわせて、図9(b)に示す変動時間告知画像を第3図柄表示装置81に表示させるために、その画像データを展開するための処理である。
変動時間告知画像設定処理では、まず、変動時間告知コマンドに対する処理によりワークRAM233に記憶された、実行中の変動演出の残り変動時間と、保留中の変動演出の各変動時間とを参照し、その実行中の変動演出の残り時間と保留中の変動演出の各変動時間とを表示する変動時間告知画像を第3図柄表示装置81の小領域Ds3に表示させるための変動時間告知用画像データを展開する(S1966)。そして、告知停止コマンドフラグをオフに設定して(S1967)、表示設定処理へ戻る。
タスク処理(S1604)では、S1966の処理により展開された変動時間告知用画像データを基に、変動時間告知画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定する。そして、表示データテーブルバッファ233aに格納された表示データテーブルや追加データテーブルバッファ233bに格納された追加データテーブルにて規定される小領域Ds3に表示されるスプライトに代えて、または、該スプライトに重ねて、変動時間告知画像を小領域Ds3に表示するために、変動時間告知画像を構成する各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
図35に戻り、変動時間告知画像設定処理(S1908)の後、又は、S1907の処理において、変動時間告知コマンドフラグがオフであると判別されると(S1907:No)、次いで、告知停止コマンドフラグがオンか否かを判断する(S1909)。そして、告知停止コマンドフラグがオンであれば(S1909:Yes)、先のコマンド判定処理において告知停止コマンドが処理されたと判断して、告知画像消去処理を実行する(S1910)。
ここで、図38(b)を参照して、告知画像消去処理の詳細について説明する。図38(b)は、告知画像消去処理を示すフローチャートである。この告知画像消去処理は、告知停止コマンドが処理されたことにあわせて、第3図柄表示装置81に表示された大当たり告知画像や変動時間告知画像を消去するための処理である。
告知画像消去処理では、まず、大当たり告知画像設定処理(S1906)により展開された大当たり告知用画像データ及び大当たり用保留画像データ、並びに、変動時間告知画像設定処理(S1908)により展開された変動時間告知用画像データを削除する(S1971)。そして、告知停止コマンドフラグをオフに設定して(S1972)、表示設定処理へ戻る。
S1971の処理により、大当たり告知用画像データ,大当たり用保留画像データ,変動時間告知用画像データが削除されるので、告知停止コマンドの受信に応じて、第3図柄表示装置81に表示されていた大当たり告知画像や変動時間告知画像が消去される。
図35に戻り、告知画像消去処理(S1910)が終了するか、S1909の処理において、告知停止コマンドフラグがオフであると判別されるか(S1909:No)、又は、S1901の処理において、新規コマンドフラグがオフであると判別されると(S1901:No)、次いで、ポインタ更新処理を実行する(S1911)。
ここで、図39を参照して、ポインタ更新処理の詳細について説明する。図39は、ポインタ更新処理を示すフローチャートである。このポインタ更新処理は、表示データテーブルバッファ233a及び追加データテーブルバッファ233bの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブル及び追加データテーブルから、対応する描画内容を取得すべきアドレスを指定するポインタ233cの更新を行う処理である。
このポインタ更新処理では、まず、ポインタ233cに1を加算する(S1981)。即ち、ポインタ233cは、原則、V割込処理が実行される度に1だけ加算されるように更新処理が行われる。上述したように、各種データテーブルは、アドレス「0000H」には、Start情報が記載されており、それぞれのデータの実体はアドレス「0001H」以降に規定されているところ、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233aに格納されるのに合わせてポインタ233cの値が0に初期化された場合は、このポインタ更新処理によってその値が1に更新されるので、アドレス「0001H」から順に、それぞれのデータテーブルから実体的なデータを読み出すことができる。
S1981の処理によって、ポインタ233cの値を更新した後、次いで、表示データテーブルバッファ233aに設定された表示データテーブルにおいて、その更新後のポインタ233cで示されるアドレスのデータがEnd情報であるか否かを判別する(S1982)。その結果、End情報であれば(S1982:Yes)、表示データテーブルバッファ233aに設定された表示データテーブルにおいて、その実体データが記載されたアドレスを過ぎてポインタ233cが更新されたことを意味する。
そこで、表示データテーブルバッファ233aに格納されている表示データテーブルがデモ用表示データテーブル又は再始動表示データテーブルであるか否かを判別して(S1983)、デモ用表示データテーブル又は再始動表示データテーブルであれば(S1983:Yes)、ポインタ233cを1に設定し(S1984)、更に、表示データテーブルバッファ233aに設定されているデモ用表示データテーブル又は再始動表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233eに設定して(S1985)、S1987の処理へ移行する。これにより、表示設定処理では、デモ用表示データテーブル又は再始動表示データテーブルの先頭から順に描画内容を展開することができるので、第3図柄表示装置81には、デモ演出または再始動演出を繰り返し表示させることができる。
一方、S1983の処理において、表示データテーブルバッファ233aに格納されている表示データテーブルがデモ用表示データテーブルでも、再始動表示データテーブルでもないと判別された場合は(S1983:No)、ポインタ233cの値を1だけ減算して(S1986)、S1987の処理へ移行する。これにより、表示設定処理では、表示データテーブルバッファ233aにデモ用表示データテーブルおよび再始動表示データテーブル以外の表示データテーブル、例えば、変動用表示データテーブルや確定表示データテーブルが設定されている場合は、End情報が記載された1つ前のアドレスの描画内容が常に展開されるので、第3図柄表示装置81には、その表示データテーブルで規定される最後の画像を停止させた状態で表示させることができる。
S1982の処理の結果、表示データテーブルバッファ233aに設定された表示データテーブルにおいて、S1981の処理による更新後のポインタ233cで示されるアドレスのデータがEnd情報ではないと判別される場合は(S1982:No)、S1983〜S1986の処理をスキップして、S1987の処理へ移行する。
S1987の処理では、確定コマンドフラグがオンであるか否かを判別し(S1987)、確定コマンドフラグがオンではなく、オフであれば(S1987:No)、そのままポインタ更新処理を終了して表示設定処理に戻る。一方、確定コマンドフラグがオンであれば(S1987:Yes)、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より確定コマンド(表示用確定コマンド)を受信したことを意味するので、表示データテーブルバッファ233aに設定されている表示データバッファにおいてEnd情報が格納されているエンド位置アドレスから1だけ減算した値に、ポインタ233cの値を設定し(S1988)、更に、計時カウンタの値を1に設定して(S1989)、表示設定処理に戻る。これにより、確定コマンドを受信した場合は、表示設定処理では、設定された表示データテーブルの最後に規定された描画内容を展開すると共に、確定表示演出の開始を制御することができる。
図35に戻り、ポインタ更新処理(S1911)の後、表示データテーブルバッファ233a及び追加データテーブルバッファ233bに設定されている表示データテーブルおよび追加データテーブルから、ポインタ更新処理によって更新されたポインタ233cで示されるアドレスの描画内容を展開する(S1912)。タスク処理(S1604)では、保留画像設定処理(S1904)にて展開された保留画像や、大当たり告知画像設定処理(S1906)にて展開された大当たり告知画像、変動時間告知画像設定処理(S1908)にて展開された変動時間告知画像と共に、S1912の処理で展開された描画内容を元に、画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
尚、追加データテーブルにおいて、Nullデータが記載されている場合は、追加すべきスプライトが存在しないものとして以後の処理を実行する。追加データテーブルバッファ233bがNullデータでクリアされているときは、常にNullデータが追加データテーブルバッファ233bから展開されることになる。
S1912の処理の後、計時カウンタ233eの値を1だけ減算し(S1913)、減算後の計時カウンタ233eの値が0以下であるか否かを判別する(S1914)。そして、計時カウンタ233eの値が1以上である場合は(S1914:No)、そのまま表示設定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、計時カウンタ233eの値が0以下である場合は(S1914:Yes)、表示データテーブルバッファ233aに設定されている表示データテーブルに対応する演出の演出時間が経過したことを意味する。このとき、表示データテーブルバッファ233aに変動用表示データテーブルが設定されている場合は、その演出の終了に合わせて、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110から確定コマンド(表示用確定コマンド)が送信されるはずであるので、続くS1915の処理では、確定コマンドフラグがオンであるか否かを確認する(S1915)。
その結果、確定コマンドフラグがオンであれば(S1915:Yes)、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110から確定コマンド(表示用確定コマンド)を受信したことを意味するので、まず、停止図柄判別フラグによって示される停止図柄に応じた確定表示演出の態様を決定し、その態様の確定表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233aに設定すると共に、追加データテーブルバッファ233bにNullデータを書き込んで、その内容をクリアする(S1916)。次いで、確定表示の演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233eに設定し(S1917)、更に、ポインタ233cの値を0に初期化する(S1918)。そして、確定コマンドフラグをオフに設定し(S1919)、次いで、オン状態で確定表示演出中であることを示す確定表示フラグをオンに設定後(S1920)、停止図柄判別フラグの内容をそのままワークRAM233に設けられた前回停止図柄判別フラグにコピーして(S1921)、V割込処理に戻る。
これにより、表示データテーブルバッファ233aに変動用表示データテーブルが設定されている場合などにおいて、その演出の終了に合わせて、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より確定コマンド(表示用確定コマンド)を受信した場合は、変動演出における停止図柄の確定表示演出が第3図柄表示装置81に表示されるように、その描画内容を設定することができる。また、表示データテーブルバッファ233aに設定される表示データテーブルを確定表示データテーブルに変更するだけで、容易に、第3図柄表示装置81に表示させる演出を確定表示演出に変更することができる。そして、従来のように、別のプログラムを起動させることによって表示内容を変更する場合と比較して、プログラムが複雑かつ肥大化することなく、よって、MPU231に多大な負荷がかかることがないので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種態様な演出画像を第3図柄表示装置81に表示させることができる。
尚、S1921の処理によって設定された前回停止図柄判別フラグは、次に行われる変動演出において第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定するために用いられる。即ち、上述したように、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄から開始されるため、変動用表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過するまで、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からの図柄オフセット情報が規定されている。タスク処理(S1604)では、変動が開始されてから所定時間が経過するまで、S1921によって設定された前回停止図柄判別フラグから、1つ前の変動演出における停止図柄を特定する。そして、その特定した停止図柄に対して、上述の変動用表示データテーブルに規定された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、S1915の処理において、確定コマンドフラグがオンではなくオフであれば(S1915:No)、図36に示すS1922の処理へ移行し、確定表示フラグがオンであるか否かを判別する(S1922)。そして、確定表示フラグがオンであれば(S1922:Yes)、S1914の処理における判定の結果(S1914:Yes)は、確定表示演出が終了したことを意味するので、確定表示フラグをオフに設定した後(S1923)、デモ用表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233aに設定し(S1924)、次いで、デモ用表示データテーブルにて表示されるデモ演出の演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233eに設定する(S1925)。そして、ポインタ233cを0に初期化し(S1926)、オン状態でデモ演出中であることを示すデモ表示フラグをオンに設定して(S1927)、表示設定処理を終了する。
これにより、確定表示演出が終了するまでに、次の変動演出開始を示す表示用変動パターンコマンドや、デモ演出の開始を示す表示用デモ演出コマンドを受信しなかった場合には、自動的に、第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されるように、その描画内容を設定することができる。
尚、S1922:Yesの分岐条件を満たすのは、確定表示演出が行われている場合であり、この場合、S1916の処理によって、追加データテーブルバッファ233bはその内容がクリアされている。よって、S1924の処理では、それらのデータテーブルバッファのクリア処理を省略している。これにより、MPU231における処理負荷の軽減を図ることができる。ただし、S1924の処理にて追加データテーブルバッファ233bをクリアする処理を実行してもよい。
S1922の処理において、確定表示フラグがオンではなく、オフであれば(S1922:No)、次いで、デモ表示フラグがオンであるか否かを判別する(S1928)。そして、デモ表示フラグがオンであれば(S1928:Yes)、S1914の処理における判定の結果(S1914:Yes)は、デモ演出が終了したことを意味するので、そのまま表示設定処理を終了し、V割込処理に戻る。そして、この場合、次回のV割込処理の中で実行されるポインタ更新処理によって、上述したように、再びデモ演出が開始されるように、各種設定が行われるので、音声ランプ制御装置113より新たな表示用変動パターンコマンドを受信するまでは、デモ演出を繰り返し第3図柄表示装置81に表示させることができる。
一方、S1928の処理において、デモ表示フラグがオンではなく、オフである場合は(S1928:No)、S1914の処理における判定の結果(S1914:Yes)は、変動演出が終了したことを意味する。そこで、変動演出が終了してから所定時間経過しても確定コマンドが受信されない場合は、再始動演出を開始するために、変動演出に対応する変動用表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233aに設定されるのに合わせて0に初期化された再始動タイマカウンタに1を加算し(S1929)、加算後の再始動タイマカウンタの値が所定値になったか否かを判別する(S1930)。
そして、再始動タイマカウンタが所定値ではない場合(S1930:No)、そのまま表示設定処理を終了してV割込処理に戻る。また、再始動タイマカウンタが所定値である場合は(S1930:Yes)、再始動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233aに設定すると共に、追加データテーブルバッファ233bにNullデータを書き込んで、その内容をクリアする(S1931)。そして、再始動演出の演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233eに設定し(S1932)、更に、ポインタ233cの値を0に初期化して(S1933)、V割込処理に戻る。
これにより、表示制御装置114では、変動演出の終了に伴って第3図柄が停止表示されてから所定時間経過しても、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110から送信される確定コマンド(表示用確定コマンド)が受信されない場合には、再始動演出が第3図柄表示装置81に表示されるように、その描画内容を設定することができる。そして、上述したように、再始動演出は、第3図柄を振動させた画像を第3図柄表示装置81に表示させる演出であるので、遊技者は、第3図柄表示装置81において、第3図柄の変動が停止表示された後にその第3図柄が振動して表示されることを視認すると、その時点では停止図柄が確定していないことを認識することができる。
尚、再始動表示データテーブルによって規定された最後の描画内容が展開された後は、上述のポインタ更新処理によって、再び再始動表示データテーブルの先頭から描画内容が展開される。従って、音声ランプ制御装置113より表示用確定コマンドを受信したり、新たな表示用変動パターンコマンドを受信するまでは、再始動演出を繰り返し第3図柄表示装置81に表示させることができる。ここで、再始動演出は、所定位置を中心に第3図柄を振動(揺動)させる態様で第3図柄表示装置81に表示させるものであり、その再始動表示データテーブルでは、第3図柄を少なくとも1回揺動させて表示させるのに必要な描画内容だけを規定する。そして、この再始動表示データテーブルの先頭から繰り返し描画内容を展開することで、第3図柄表示装置81に第3図柄を繰り返し振動させた再始動演出が表示される。このように、再始動演出を、第3図柄表示装置81に第3図柄を振動させて表示させる演出とすることで、その再始動表示データテーブルを、少なくとも1回第3図柄を揺動させて表示させるのに必要な描画内容だけを記憶させておけばよいので、再始動表示データテーブルを記憶するために必要な容量を小さく抑えることができる。
また、再始動表示データテーブルによって再始動演出が行われている途中で、音声ランプ制御装置113より表示用確定コマンドを受信した場合は、図35に示すS1916の処理が行われ、表示データテーブルバッファ233aには確定表示データテーブルが設定される。これにより、再始動演出中であっても表示用確定コマンドの受信に合わせて、停止図柄判別フラグで示される停止図柄で第3図柄の停止表示がなされ、確定表示演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。
また、再始動表示データテーブルによって再始動演出が行われている途中で、音声ランプ制御装置113より表示用変動パターンコマンドを受信した場合は、図33(a)のS2832の処理が行われ、表示データテーブルバッファ233aには、変動用表示データテーブルが設定されて、第3図柄表示装置81に変動演出が表示される。また、再始動表示データテーブルによって再始動演出が行われている途中で、音声ランプ制御装置113より表示用デモコマンドを受信した場合は、図32(c)のS2821の処理が行われ、表示データテーブルバッファ233aには、デモ用表示データテーブルが設定されて、第3図柄表示装置81にデモ演出が表示される。再始動演出は、変動演出の終了に伴って第3図柄が停止表示されてから所定時間経過しても、本来受信されるべき主制御装置110からの確定コマンド(表示用確定コマンド)が受信されない場合に表示される演出であるため、ノイズや誤動作等の影響により、再始動演出が表示されている間も確定コマンドが受信されない可能性がある。これに対し、本実施形態では、再始動演出中に表示用変動パターンコマンドや表示用デモコマンドを受信すれば、そのコマンドに対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができるので、第3図柄表示装置81における各種演出をパチンコ機10の遊技状態に合わせて行わせることができる。
次いで、図40を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の描画処理(S1605)の詳細について説明する。図40は、この描画処理を示すフローチャートである。
描画処理では、タスク処理(S1604)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別ならびにそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータ(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報)から、図13に示す描画リストを生成する(S2001)。即ち、S2001の処理では、タスク処理(S1604)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別から、各スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納されているキャラクタ記憶エリア234aのアドレスを特定し、その特定されたアドレスに対して、タスク処理で決定されたそのスプライトに必要なパラメータを対応付ける。そして、各スプライトを、1フレーム分の画像の中で最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えた上で、その並び替え後のスプライト順に、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)として、スプライトの画像データが格納されているキャラクタ記憶エリア234aのアドレスおよびそのスプライトの描画に必要なパラメータを記述することで、描画リストを生成する。
描画リストを生成すると、その生成した描画リストと、描画対象バッファフラグ(図示せず)によって特定される描画対象バッファ情報とを画像コントローラへ送信する(S2002)。ここでは、描画対象バッファフラグが0である場合は、描画対象バッファ情報としてビデオRAM236に設けられた第1フレームバッファに、描画された画像を展開するよう指示する情報を含める。また、描画対象バッファフラグが0である場合は、描画対象バッファ情報としてビデオRAMに設けられた第2フレームバッファに、描画された画像を展開するよう指示する情報を含める。
画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに基づいて、その描画リストの先頭に記述されたスプライトから順に画像を描画し、それを描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファに上書きによって展開する。これにより、描画リストによって生成された1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができる。
尚、画像コントローラ237は、描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファとは異なるフレームバッファから、先に展開された画像の画像情報を読み出して、駆動信号と共にその画像情報を第3図柄表示装置81に送信する。これにより、第3図柄表示装置81に対して、フレームバッファに展開した画像を表示させることができる。また、一方のフレームバッファに描画した画像を展開しながら、一方のフレームバッファから展開した画像を第3図柄表示装置81に表示させることができ、描画処理と表示処理とを同時並列的に処理することができる。
描画処理は、S2002の処理の後、描画対象バッファフラグを更新する(S2003)。そして、描画処理を終了して、V割込処理に戻る。描画対象バッファフラグの更新は、その値を反転させることにより、即ち、値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、ビデオRAM236の第1フレームバッファと第2フレームバッファとの間で交互に設定される。
ここで、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図30(c)参照)の描画処理が実行される度に、行われることになる。これにより、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファが指定される。よって、先に第1フレームバッファに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファが指定される。よって、先に第2フレームバッファに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファおよび第2フレームバッファをそれぞれ交互に指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
以上、説明したように、本実施形態のパチンコ機10によれば、遊技者により告知ボタン23が押下操作されたことを契機として、実行中の変動演出が大当たりとなるか、保留中の変動演出の中に大当たりとなる変動演出が存在する場合に、その大当たりとの存在を告知する大当たり告知画像を表示する。これにより、遊技者は、遊技者が遊技を止めて退席しようとする場合や、携帯電話による通話やメール等といった用件を済ませたい場合に、告知ボタン23を押下操作し、告知画像が表示されるか否かをもって、実行中の変動演出および保留中の変動演出の中に大当たりとなる変動演出があるか否かを確認することができる。よって、大当たりとなる変動演出がなければ、退席したり用件を済ませたりといった行為を行うために、遊技を即座に止めよう、という判断を遊技者が行うことができる。また、大当たりとなる変動演出があれば、大当たりとなるまで遊技を継続しよう、という判断を遊技者が行うことができる。つまり、この告知ボタン23によって、遊技者が退席したり用件を済ませたい場合に、その行為を即座に実行してもよいか否かを判断できる。
また、告知ボタン23を所定時間(1秒)継続して押下しない限り、実行中の変動演出および保留中の変動演出の中に大当たりとなる変動演出があるか否かが告知されないように構成されている。遊技を止めて退席しようとする場合や、携帯電話による通話やメール等といった用件を済ませたい場合など、特殊な事情がない限り、遊技者が、実行中の変動演出が確定表示される前や保留中の変動演出が実行される前にこれらのいずれかが大当たりとなるか否かを知ってしまうと、逆に遊技の楽しみを奪われる結果となる。告知ボタン23が所定時間(1秒)継続して押下されて初めて実行中の変動演出および保留中の変動演出の中に大当たりとなる変動演出があるか否かを通知することで、遊技者が意図せず告知ボタン23に触れてしまった場合などに、その触れた時間が所定時間未満であれば、実行中の変動演出や保留中の変動演出のいずれかに大当たりが含まれるか否かを、遊技者に知られることを抑制できる。
また、保留中の変動演出の中に大当たりとなる変動演出があると判断された場合、大当たり告知画像において、その大当たりとなる変動演出が保留中のどの変動演出か、つまり、大当たりとなる保留球を遊技者に告知されるように構成されている。これにより、遊技者が、実行中の変動演出および保留中の変動演出の中に大当たりとなる変動演出があると把握できる場合に、すぐに大当たりとなるのか、大当たりとなるまでしばらく時間があるのか、また、大当たりとなるまで残り何回の変動演出が行われるのか、といったことをあわせて知ることができる。よって、遊技者は、そのような情報に基づき、大当たりとなるまでに退席や用件を済ませる時間があるかどうかを判断できる。
また、遊技者により告知ボタン23が1秒以上押下操作され、実行中の変動演出又は保留中の変動演出の中に大当たりとなる変動演出が存在する場合に第3図柄表示装置81に表示される大当たり告知画像とあわせて、実行中の変動演出の残り変動時間と、保留中の変動演出の各変動時間とを表示する変動時間告知画像が表示される。これにより、遊技者は、大当たりとなる変動演出があるか否かを把握するだけでなく、大当たりとなるまでの時間を把握することができる。よって、遊技者は、大当たりとなるまでの時間を考慮して、退席や用件を済ませる時間があるかどうかの判断を即断できる。また、本実施形態では、大当たりとなるまでの各変動演出に対して、それぞれ変動時間(実行中の変動演出においては残り変動時間)が表示されるので、遊技者は、どの変動演出が実行されている間に退席や用件をすませようか、といった判断も行うことができる。
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。例えば、上記実施形態で挙げた数値は一例であり、他の数値を採用することは当然可能である。
上記実施形態では、告知ボタン23の押下操作があった場合に、実行中の変動演出または保留中の変動演出に大当たりがあれば、大当たり告知画像を第3図柄表示装置81に表示する場合について説明したが、告知ボタン23の押下操作があった場合に、実行中の変動演出および保留中の変動演出のいずれの変動演出においても大当たりが存在しなければ(即ち、いずれの変動演出も外れであれば)、大当たりが存在しないことを遊技者に示す外れ告知画像(例えば、通常黒色の少年の髪の毛HBの色が白色に変化する画像)を第3図柄表示装置81に表示するように構成してもよい。このように構成した場合、告知ボタン23の押下操作があった場合に、実行中の変動演出または保留中の変動演出に大当たりがあれば、大当たり告知画像を第3図柄表示装置81に表示するように構成してもよい。これにより、遊技者が告知ボタン23を押下操作した場合に、大当たり告知画像が表示されるか、外れ告知画像が表示されるかによって、実行中の変動演出および保留中の変動演出の中に大当たりかあるか否かを一目で把握することができる。一方、告知ボタン23の押下操作があった場合に、実行中の変動演出および保留中の変動演出のいずれの変動演出においても大当たりが存在しなければ、外れ告知画像を第3図柄表示装置81に表示するよう構成した場合、告知ボタン23の押下操作があった場合に、実行中の変動演出および保留中の変動演出に大当たりとなる変動演出があったときは、何も告知しないように構成してもよい。これにより、遊技者が告知ボタン23を押下操作した場合に何も告知が行われなければ、実行中の変動演出または保留中の変動演出の中に大当たりとなる変動演出があることへの期待感を遊技者に持たせることができ、遊技への興趣を高めることができる。
上記実施形態では、大当たり告知画像として、第3図柄表示装置81に表示される少年の髪の毛HBの色を通常の黒色から金色に変化させる画像を表示する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、大当たり告知画像として所定のキャラクタを登場させてもよいし、可変表示される第3図柄の色(例えば、木箱の色や、木箱の前面に表示される数字の色)や形を変化させてもよい。また、第3図柄の周囲にエフェクトを表示させてもよいし、背面画像の色や背面画像が流れるスピードを変化させてもよい。更に、第3図柄表示装置81の表示画面の隅等に小さく大当たり告知画像を表示させてもよい。大当たり告知画像を小さく表示させることにより、遊技者以外の者が大当たり告知画像を視認しづらくすることができ、他人に大当たりの存在が知られることを抑制しやすい。
また、保留球数図柄だけで大当たりの存在を告知してもよい。この場合、保留球数表示領域Dbに表示される保留球数図柄を全て通常の青色から赤色に変化させることで、大当たりの存在を告知してもよい。また、上記実施形態のように、保留中の変動演出のうち、保留回数がX(0≦X≦4)の変動演出が大当たりとなる場合、保留球数表示領域Dbに表示される保留球数図柄のうち、左からX番目の保留球数図柄を赤色で表示し、他の保留球数図柄を青色で表示することで、大当たりの存在を告知してもよい。これにより、保留中の変動演出のうちどの変動演出において大当たりとなるかまで遊技者に告知できる。また、このとき、実行中の変動演出が大当たりとなる場合は、保留球数図柄の一部または全部を赤色や青色とは別の黄色で表示することで、実行中の変動演出が大当たりとなることを遊技者に告知してもよい。
また、大当たり告知画像に代えて、変動時間告知画像のみを第3図柄表示装置81に表示することで、実行中の変動演出または保留中の変動演出に大当たりとなる変動演出があることを遊技者に告知してもよい。この場合、遊技領域への球の打出しが停止されていなくても、告知ボタン23が押下操作されたことに基づき先読み処理を実行した結果、実行中の変動演出または保留中の変動演出に大当たりとなる変動演出があれば、変動時間告知画像を第3図柄表示装置81に表示するようにしてもよい。このとき、変動演出の実行が開始される時点(厳密には、大当たり抽選が行われる時点)の保留球数に応じて変動時間が決定されるような場合、遊技領域への球の打出しが停止されていなければ、保留中の変動演出については、実際に変動演出が開始されるときの保留球数が未定のため、保留時間を正しく算出できない。そこで、この場合、遊技領域への球の打出しが停止されていなくても、以後、第1入球口64への入賞がない(新たな変動演出の保留がない)ものと仮定して、保留中の変動演出の各変動時間を算出し、変動時間告知画像を表示してもよい。これにより、遊技領域への球の打出しが停止されていなくても、遊技者が大当たりとなるまでの時間をある程度予想して、退席や用件を済ませる時間があるかどうかの判断を行うことができる。この場合、球の打出しが停止されていない間は、変動時間告知画像に表示される保留中の変動演出の各変動時間の右横に「(予想)」といった文字を記載したり、保留中の変動時間の各変動時間の文字の明るさを暗くしたりして、それぞれが仮定に基づく値であることを遊技者に分かるように示してもよい。そして、球の打出しが停止されたと判断された場合は、「(予想)」の文字を消去し、または、文字の明るさを明るく表示して、変動時間告知画像に表示される保留中の変動演出の各変動時間が正確な値であることを遊技者に分かるように示してもよい。
また、変動演出の実行が開始される時点(厳密には、大当たり抽選が行われる時点)の保留球数に応じて変動時間が決定されるような場合において、告知ボタン23が押下操作されたときに遊技領域への球の打出しが行われていると判断されれば、保留中の各変動演出の変動時間として、先読み情報格納エリア223bの先読み情報第1〜第4エリアのそれぞれに格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値に基づき保留球数に応じて決定され得る変動時間のうち、最も短い変動時間を算出し、変動時間告知画像を表示してもよい。この場合、球の打出しが停止されていない間は、変動時間告知画像に表示される保留中の変動演出の各変動時間の右横に「以上」といった文字を記載してもよい。これにより、遊技領域への球の打出しが停止されていなくても、遊技者が大当たりとなるまでに少なくともかかる時間を把握できるので、退席や用件を済ませる時間があるかどうかの判断を行うことができる。
また、変動演出の実行が開始される時点(厳密には、大当たり抽選が行われる時点)の保留球数に応じて変動時間が決定されるような場合、特に、その時点での保留球数が多いと変動時間が短く決定される傾向にあるような場合において、告知ボタン23が押下操作されたときに遊技領域への球の打出しが停止されていると判断されたときは、変動時間告知画像において、球の打出しが停止された状態が維持された場合における各変動演出の変動時間(現状変動時間)だけでなく、それぞれの変動演出に対し、先読み情報格納エリア223bの先読み情報第1〜第4エリアのそれぞれに格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値に基づき保留球数に応じて決定され得る変動時間のうち最も短い変動時間(最短変動時間)を算出し、現状変動時間とあわせて最短変動時間を表示してもよい。この場合、最短変動時間に対しては、その右横に「以上」といった文字を記載してもよい。これにより、遊技者は、現状変動時間に基づいて大当たりとなるまでの時間が長いと感じたときに、球の打出しを行えば大当たりとなるまでの時間がどれだけ短縮されるかを最短変動時間に基づいて把握できるので、例えば、球の打出しを行って早く大当たりを成立させてから、退席や用件を済ませようといった判断を遊技者に行わせることができる。
また、大当たりの存在を第3図柄表示装置81に表示する画像ではなく、電飾部29〜33の点灯・点滅等によって告知してもよいし、電飾部29〜33とは別に可変表示装置ユニット80等に設けられたランプの点灯・点滅等によって告知してもよい。また、大当たりの存在を所定の音を発音させることによって告知してもよいし、遊技盤13上に設けられた役物に対して所定の動作をさせることによって告知してもよい。また、第3図柄表示装置81における画像の表示と、電飾部29〜33やその他ランプの点灯・点滅と、音の発音と、役物の動作とのうちの2以上の組み合わせによって、大当たりの存在を告知してもよい。
なお、実行中の変動演出および保留中の変動演出に大当たりが存在しないことを告知する場合においても、外れ告知画像として、所定のキャラクタを登場させてもよいし、可変表示される第3図柄の色や形を変化させてもよい。また、第3図柄の周囲にエフェクトを表示させてもよいし、背面画像の色や背面画像が流れるスピードを変化させてもよい。更に、第3図柄表示装置81の表示画面の隅等に小さく外れ告知画像を表示させてもよい。外れ告知画像を小さく表示させることにより、遊技者以外の者が外れ告知画像を視認しづらくすることができ、他人に大当たりの存在が知られることを抑制しやすい。また、保留球数表示領域Dbに表示させる保留球数図柄の一部または全部の色を青色から灰色に変化させたり、保留球数図柄を所定時間消去することによって、実行中の変動演出および保留中の変動演出に大当たりが存在しないことを告知してもよい。また、大当たりが存在しないことを第3図柄表示装置81に表示する画像ではなく、電飾部29〜33の点灯・点滅等によって告知してもよいし、電飾部29〜33とは別に可変表示装置ユニット80等に設けられたランプの点灯・点滅等によって告知してもよい。また、大当たりが存在しないことを所定の音を発音させることによって告知してもよいし、遊技盤13上に設けられた役物に対して所定の動作をさせることによって告知してもよい。また、第3図柄表示装置81における画像の表示と、電飾部29〜33やその他ランプの点灯・点滅と、音の発音と、役物の動作とのうちの2以上の組み合わせによって、大当たりが存在しないことを告知してもよい。
上記実施形態では、告知ボタン23が1秒以上押下操作されたときに、大当たりの存在を告知する場合について説明したが、これに代えて、告知ボタン23が所定時間内(例えば、1秒以内)に複数回(例えば、2回)押下操作された場合に、大当たりの存在を告知してもよい。これにより、遊技者が意図せず告知ボタン23に触れてしまった場合などに、その触れた回数が所定時間内に所定回数未満であれば、大当たりの存在の告知が行われない。よって、遊技者が意図しない場合に、実行中の変動演出や保留中の変動演出のいずれかに大当たりが含まれるか否かを、遊技者に知られることを抑制でき、遊技の興趣を保たせることができる。
また、告知ボタン23が押下操作されたことが検出された場合に、即座に大当たりの存在を告知してもよい。これにより、遊技者が意図しない場合にも該告知が行われてしまうが、告知ボタン23を押下操作すれば即座に大当たりの存在の有無を知ることができるので、遊技者が退席したり用件を済ませたい場合に、その行為を即座に実行してもよいか否かをより早く判断できる。
また、告知ボタン23に対して所定の押下操作がなされた場合に、即座に大当たりの存在の告知を行うのではなく、そのような告知が行ってよいか否かを選択させるための画面を第3図柄表示装置81に表示させ、遊技者に枠ボタン22等を操作させて、告知が行ってよいか否かを選択させてもよい。これにより、遊技者が他の機能と勘違いして告知ボタンに対して所定の押下操作を行ったとした場合に、その勘違いを遊技者に気付かせることができる。また、遊技者が望んでいないのに、大当たりの存在の告知が行われることを抑制できる。
上記実施形態では、告知ボタン23を上皿17の上面の正面視右側に設ける場合について説明したが、上皿17とは別の位置に配設してもよい。例えば、下皿ユニット15に告知ボタン23を設けてもよいし、操作ハンドル51に告知ボタン23を設けてもよい。枠ボタン22が設けられている上皿17とは別の位置に設けることで、枠ボタン22と間違えて告知ボタン23が操作されることを抑制できる。また、下皿ユニット15など遊技者が通常、ボタン操作しないような場所に告知ボタン23を設けることで、告知ボタン23が特別なボタンであることを遊技者に意識させることができる。また、操作ハンドル51に告知ボタン23を設ければ、元々遊技をしていた者が退席中に、他の者がさりげなく告知ボタン23を操作して実行中および保留中の変動演出の中に大当たりとなる変動演出があるか否かを確認しようとしても、操作ハンドル51付近に手を伸ばさなければならないので、周囲の遊技者やホール関係者にその姿が目立つため、他の者に対し、告知ボタン23の操作をためらわせることができる。
上記実施形態では、告知ボタン23を押下操作型のボタンとして構成したが、これに限られるものではなく、遊技者によって操作される手段であれば、任意の構成としてよい。例えば、人間の手の接触を感知するセンサによって構成されてもよいし、操作レバーによって構成されてもよい。また、スライド型のスイッチによって構成されてもよい。スライド型のスイッチでは、一方向に付勢されたスイッチであってもよい。この場合、付勢方向とは逆方向に所定時間以上スライドされた状態におかれた場合に、大当たりの存在を告知するように構成してもよい。
また、告知ボタン23の役割を他の機能を有するボタンに持たせてもよい。例えば、枠ボタン22が所定時間(例えば、1秒)以上継続して押下操作されることで、実行中および保留中の変動演出に大当たりとなる変動演出があれば、大当たり告知画像や変動時間告知画像を表示してもよい。また、枠ボタン22の操作に基づいて告知モードの選択画面を表示し、遊技者によって告知モードが選択された場合に、実行中および保留中の変動演出に大当たりとなる変動演出があれば、大当たり告知画像や変動時間告知画像を表示してもよい。
上記実施形態では、告知ボタン23が押下操作され、その押下操作に基づく告知(大当たりの存在の告知)が開始される場合、その後の告知ボタン23の押下操作の有無にかかわらず5秒間、該告知が行われる場合について説明したが、これに代えて、告知ボタン23が押下操作され、その押下操作に基づく告知(大当たりの存在の告知)が開始される場合、告知ボタン23が継続して押下操作され続けている間、該告知を行い、告知ボタン23の押下操作が終了した場合に、該告知を終了するように構成してもよい。これにより、遊技者の意思によって、該告知を終了させることができる。また、必要以上に該告知が行われ続けることを抑制でき、遊技者以外の者に大当たりの存在の有無が知られる可能性を抑えることができる。
上記実施形態では、告知ボタン23が押下操作されたことに基づいて、実行中または保留中の変動演出に大当たりとなる変動演出がある場合は大当たり告知画像を表示し、更に、遊技領域への球の打出しが停止されていると判断される場合は、大当たり告知画像とあわせて変動時間告知画像を表示する場合について説明した。これに対し、告知ボタン23が押下操作された場合に実行中または保留中の変動演出に大当たりとなる変動演出がなくても、遊技領域への球の打出しが停止されていると判断されるときには各変動演出の変動時間(実行中の変動演出においては残り変動時間)を表示するように構成されてもよい。これにより、大当たりとなる変動演出の有無にかかわらず、変動時間告知画像が表示されるので、遊技者以外の他人が変動時間告知画像を視認したとしても、その他人に大当たりとなる変動演出の有無が知られることを抑制できる。
上記実施形態では、告知ボタン23が押下操作されたことに基づき、実行中または保留中の変動演出に大当たりとなる変動演出があった場合に、大当たり告知画像とあわせて表示される変動時間告知画像は、直近で大当たりとなるまでに実行される各変動演出の変動時間(実行中の変動演出においては残り変動時間)を表示する場合について説明したが、変動時間告知画像は、直近で大当たりとなった後の変動演出も含めて、実行中の変動演出の変動時間と、保留中の全ての変動演出の各変動時間とを表示するものであってもよい。この場合、音声ランプ制御装置113から表示制御装置114へ送信される変動時間告知コマンドは、実行中の変動演出の変動時間と、保留中の全ての変動演出の各変動時間とを示す情報を含むものであってもよい。これにより、遊技者は、直近で大当たりとなるまでの時間だけでなく、大当たりの後、その時点で保留された変動演出が全て実行されるまでの時間をも知ることができる。よって、どのタイミングで退席したり用件を済ませばよいかを、直近で大当たりとなるまでの時間だけでなく、大当たり後の変動演出にかかる時間をも含めて遊技者は判断することができる。
また、変動時間告知画像において、その時点から直近で大当たりとなるまでの時間を表示するものであってもよい。例えば、保留回数が2回の変動演出において大当たりとなる場合は、実行中の変動演出の残り変動時間と、保留回数が1回の変動演出の変動時間と、保留回数が2回の変動演出の変動時間とを合計した時間を直近で大当たりとなるまでの時間として表示するものであってもよい。これにより、遊技者は大当たりとなるまでの時間を、各変動演出の変動時間を合計することなく一目で把握できるので、退席や用件を済ませる時間があるかどうかの判断をより早く行うことができる。
また、上記実施形態では、告知ボタン23が押下操作されたことに基づき、実行中または保留中の変動演出に大当たりとなる変動演出があった場合に、大当たり告知画像とあわせて表示される変動時間告知画像を表示したが、この場合に、大当たり告知画像だけを表示して変動時間告知画像は表示しない構成としてもよい。この場合、大当たりとなるまでの時間を遊技者が知ることはできないが、大当たりの存在の有無を把握することはできるので、遊技者が退席したり用件を済ませたい場合に、その行為を即座に実行してもよいか否かを判断できる。
上記実施形態では、告知ボタン23に所定の押下操作がなされた場合に、実行中および保留中の変動演出に大当たりとなる変動演出があれば大当たり告知画像が表示され、更に、所定の条件を満たす場合に変動時間告知画像を表示する場合について説明した。これに代えて、告知ボタン23に所定の押下操作がなされた場合に、実行中または保留中の変動演出に大当たりとなる変動演出があるか否かにかかわらず、保留中の変動演出の各変動時間を表示するものであってもよい。この場合、遊技者は、実行中および保留中の変動演出の中に大当たりとなる変動演出があるか否かを知ることはできないが、保留中の変動演出の各変動時間を知ることができる。変動演出の中には、スペシャルリーチ等で数分かかるものもある。遊技者は、保留中の変動演出の各変動時間を知ることで、そのような変動時間の長い変動演出が実行されている間に退席や用件を済ませようとする判断を行うことができる。この場合、保留中の変動演出の各変動時間とあわせて実行中の変動演出の残り変動時間を表示してもよい。これにより、実行中の変動演出の残り変動時間が長い場合に、遊技者は、その間に退席や用件を済ませようとする判断を行うことができる。
なお、その変動演出の実行が開始される時点(厳密には、大当たり抽選が行われる時点)の保留球数に応じて変動時間が決定される場合、遊技領域への球の打出しが停止されていなくても、以後、第1入球口64への入賞がない(新たな変動演出の保留がない)ものと仮定して、保留中の変動演出の各変動時間を算出し、変動時間告知画像を表示してもよい。これにより、遊技領域への球の打出しが停止されていなくても、遊技者が大当たりとなるまでの時間をある程度予想して、退席や用件を済ませる時間があるかどうかの判断を行うことができる。この場合、球の打出しが停止されていない間は、変動時間告知画像に表示される保留中の変動演出の各変動時間の右横に「(予想)」といった文字を記載したり、保留中の変動時間の各変動時間の文字の明るさを暗くしたりして、それぞれが仮定に基づく値であることを遊技者に分かるように示してもよい。そして、球の打出しが停止されたと判断された場合は、「(予想)」の文字を消去し、または、文字の明るさを明るく表示して、変動時間告知画像に表示される保留中の変動演出の各変動時間が正確な値であることを遊技者に分かるように示してもよい。
また、変動演出の実行が開始される時点(厳密には、大当たり抽選が行われる時点)の保留球数に応じて変動時間が決定されるような場合において、告知ボタン23が押下操作されたときに遊技領域への球の打出しが行われていると判断されれば、保留中の各変動演出の変動時間として、先読み情報格納エリア223bの先読み情報第1〜第4エリアのそれぞれに格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値に基づき保留球数に応じて決定され得る変動時間のうち、最も短い変動時間を算出し、変動時間告知画像を表示してもよい。この場合、球の打出しが停止されていない間は、変動時間告知画像に表示される保留中の変動演出の各変動時間の右横に「以上」といった文字を記載してもよい。これにより、遊技領域への球の打出しが停止されていなくても、保留中の各変動演出における最短変動時間を把握できるので、退席や用件を済ませる時間があるかどうかの判断を行うことができる。
また、変動演出の実行が開始される時点(厳密には、大当たり抽選が行われる時点)の保留球数に応じて変動時間が決定されるような場合、特に、その時点での保留球数が多いと変動時間が短く決定される傾向にあるような場合において、告知ボタン23が押下操作されたときに遊技領域への球の打出しが停止されていると判断されたときは、変動時間告知画像において、球の打出しが停止された状態が維持された場合における各変動演出の変動時間(現状変動時間)だけでなく、それぞれの変動演出に対し、先読み情報格納エリア223bの先読み情報第1〜第4エリアのそれぞれに格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値に基づき保留球数に応じて決定され得る変動時間のうち最も短い変動時間(最短変動時間)を算出し、現状変動時間とあわせて最短変動時間を表示してもよい。この場合、最短変動時間に対しては、その右横に「以上」といった文字を記載してもよい。これにより、遊技者は、現状変動時間および最短変動時間に基づいて、退席や用件を済ませられるほどの最短変動時間を有する変動演出までに実行される変動演出において、球の打出しを行えば変動時間がどれだけ短縮されるかを把握できるので、例えば、球の打出しを行って、退席や用件を済ませられるほどの最短変動時間を有する変動演出を早く実行させ、退席や用件を早く済ませようといった判断を遊技者に行わせることができる。
上記実施形態では、告知ボタン23に所定の押下操作がなされた場合に、実行中および保留中の変動演出に大当たりとなる変動演出があり且つ遊技領域への球の打出しが停止されていることを条件として、変動時間告知画像を表示する場合について説明した。これに代えて、告知ボタン23に所定の押下操作がなされた場合に、実行中または保留中の変動演出、又は、保留中の変動演出に大当たりとなる変動演出があれば、大当たり告知画像とあわせて、又は、大当たり告知画像に代えて、球の打出しの停止に関係なく変動時間告知画像を表示してもよい。これにより遊技者は、実行中または保留中の変動演出、又は、保留中の変動演出に大当たりとなる変動演出があることを把握でき、また、各変動演出の変動時間を知ることができる。遊技者は、大当たりの存在や各変動演出の変動時間を知ることで、退席や用件を済ませようとする判断を行うことができる。
なお、その変動演出の実行が開始される時点(厳密には、大当たり抽選が行われる時点)の保留球数に応じて変動時間が決定される場合、遊技領域への球の打出しが停止されていなくても、以後、第1入球口64への入賞がない(新たな変動演出の保留がない)ものと仮定して、保留中の変動演出の各変動時間を算出し、変動時間告知画像を表示してもよい。これにより、遊技領域への球の打出しが停止されていなくても、遊技者が大当たりとなるまでの時間をある程度予想して、退席や用件を済ませる時間があるかどうかの判断を行うことができる。この場合、球の打出しが停止されていない間は、変動時間告知画像に表示される保留中の変動演出の各変動時間の右横に「(予想)」といった文字を記載したり、保留中の変動時間の各変動時間の文字の明るさを暗くしたりして、それぞれが仮定に基づく値であることを遊技者に分かるように示してもよい。そして、球の打出しが停止されたと判断された場合は、「(予想)」の文字を消去し、または、文字の明るさを明るく表示して、変動時間告知画像に表示される保留中の変動演出の各変動時間が正確な値であることを遊技者に分かるように示してもよい。
また、変動演出の実行が開始される時点(厳密には、大当たり抽選が行われる時点)の保留球数に応じて変動時間が決定されるような場合において、告知ボタン23が押下操作されたときに遊技領域への球の打出しが行われていると判断されれば、保留中の各変動演出の変動時間として、先読み情報格納エリア223bの先読み情報第1〜第4エリアのそれぞれに格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値に基づき保留球数に応じて決定され得る変動時間のうち、最も短い変動時間を算出し、変動時間告知画像を表示してもよい。この場合、球の打出しが停止されていない間は、変動時間告知画像に表示される保留中の変動演出の各変動時間の右横に「以上」といった文字を記載してもよい。これにより、遊技領域への球の打出しが停止されていなくても、保留中の各変動演出における最短変動時間を把握できるので、退席や用件を済ませる時間があるかどうかの判断を行うことができる。
また、変動演出の実行が開始される時点(厳密には、大当たり抽選が行われる時点)の保留球数に応じて変動時間が決定されるような場合、特に、その時点での保留球数が多いと変動時間が短く決定される傾向にあるような場合において、告知ボタン23が押下操作されたときに遊技領域への球の打出しが停止されていると判断されたときは、変動時間告知画像において、球の打出しが停止された状態が維持された場合における各変動演出の変動時間(現状変動時間)だけでなく、それぞれの変動演出に対し、先読み情報格納エリア223bの先読み情報第1〜第4エリアのそれぞれに格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値に基づき保留球数に応じて決定され得る変動時間のうち最も短い変動時間(最短変動時間)を算出し、現状変動時間とあわせて最短変動時間を表示してもよい。この場合、最短変動時間に対しては、その右横に「以上」といった文字を記載してもよい。これにより、遊技者は、現状変動時間および最短変動時間に基づいて、退席や用件を済ませられるほどの最短変動時間を有する変動演出までに実行される変動演出において、球の打出しを行えば変動時間がどれだけ短縮されるかを把握できるので、例えば、球の打出しを行って、退席や用件を済ませられるほどの最短変動時間を有する変動演出を早く実行させ、退席や用件を早く済ませようといった判断を遊技者に行わせることができる。
上記実施形態では、告知ボタン23に所定の押下操作がなされた場合に、実行中または保留中の変動演出に大当たりとなる変動演出があれば大当たり告知画像が表示され、更に、所定の条件を満たす場合に変動時間告知画像を表示する場合について説明した。これに代えて、告知ボタン23に所定の押下操作がなされた場合に、実行中または保留中の変動演出に大当たりとなる変動演出があれば、その大当たりとなるまでの時間を表示するようにしてもよい。遊技者は、告知ボタン23に所定の押下操作をなすことで、大当たりとなるまでの時間を把握できるので、大当たりとなるまでの間に、遊技を止めて退席や用件を済ませようとする判断を、遊技者に容易にさせることができるという効果がある。なお、この場合、保留中の変動演出に大当たりとなる変動演出がなければ、告知を非実行としてもよい。これにより、遊技者が告知ボタン23を所定の押下操作をなした場合に、告知が行なわれなければ、少なくとも保留中の変動演出で大当たりとならないと把握できるので、即座に退席したり、用件を済ませたりしようとする判断を行うことができる。また、実行中および保留中の変動演出に大当たりとなる変動演出がなければ、告知を非実行としてもよい。これにより、遊技者が告知ボタン23を所定の押下操作をなした場合に、告知が行なわれなければ、保留中の変動演出だけでなく、実行中の変動演出においても大当たりとならないと把握できるので、実行中の変動演出が終了するのを待つことなく、即座に退席したり、用件を済ませたりしようとする判断を行うことができる。
なお、変動演出の実行が開始される時点(厳密には、大当たり抽選が行われる時点)の保留球数に応じて変動時間が決定される場合、遊技領域への球の打出しが停止されていなくても、以後、第1入球口64への入賞がない(新たな変動演出の保留がない)ものと仮定して、大当たりとなるまでの時間を算出し、表示してもよい。これにより、遊技領域への球の打出しが停止されていなくても、遊技者が大当たりとなるまでの時間をある程度予想して、退席や用件を済ませる時間があるかどうかの判断を行うことができる。この場合、球の打出しが停止されていない間は、変動時間告知画像に表示される大当たりとなるまでの時間の右横に「(予想)」といった文字を記載したり、大当たりとなるまでの時間の文字の明るさを暗くしたりして、それぞれが仮定に基づく値であることを遊技者に分かるように示してもよい。そして、球の打出しが停止されたと判断された場合は、「(予想)」の文字を消去し、又は、文字の明るさを明るく表示して、大当たりとなるまでの時間が正確な値であることを遊技者に分かるように示してもよい。
また、変動演出の実行が開始される時点(厳密には、大当たり抽選が行われる時点)の保留球数に応じて変動時間が決定されるような場合において、告知ボタン23が押下操作されたときに遊技領域への球の打出しが行われていると判断されれば、保留された各変動演出に対して、先読み情報格納エリア223bに格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値に基づき保留球数に応じて決定され得る変動時間のうち最も短い変動時間を算出した上で、大当たりとなるまでの最短の時間を算出し、それを表示してもよい。この場合、球の打出しが停止されていない間は、大当たりとなるまでの時間の右横に「以上」といった文字を記載してもよい。これにより、遊技領域への球の打出しが停止されていなくても、遊技者が大当たりとなるまでに少なくともかかる時間を把握できるので、退席や用件を済ませる時間があるかどうかの判断を行うことができる。
また、変動演出の実行が開始される時点(厳密には、大当たり抽選が行われる時点)の保留球数に応じて変動時間が決定されるような場合、特に、その時点での保留球数が多いと変動時間が短く決定される傾向にあるような場合において、告知ボタン23が押下操作されたときに遊技領域への球の打出しが停止されていると判断されたときは、球の打出しが停止された状態が維持された場合における大当たりとなるまでの時間(現状の大当たりとなるまでの時間)だけでなく、保留された各変動演出に対し、先読み情報格納エリア223bに格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値に基づき保留球数に応じて決定され得る変動時間のうち最も短い変動時間を算出した上で、現状の大当たりとなるまでの時間とあわせて、大当たりとなるまでの最短の時間を表示してもよい。この場合、大当たりとなるまでの最短の時間に対しては、その右横に「以上」といった文字を記載してもよい。これにより、遊技者は、現状の大当たりとなるまでの時間に基づいて、大当たりとなるまでの時間が長いと感じたときに、球の打出しを行えば大当たりとなるまでの時間がどれだけ短縮されるかを、大当たりとなるまでの最短時間に基づいて把握できる。よって、例えば、球の打出しを行って早く大当たりを成立させてから、退席や用件を済ませようといった判断を遊技者に行わせることができる。
上記実施形態では、告知ボタン23の押下操作に基づく告知に基づいて、遊技者が退席や用件を済ませた場合、その退席している間や用件を済ませている間にどのような演出が行われたかを遊技者が知ることができない。しかしながら、遊技者の中には、パチンコ機10にてどのような演出が行われたかに注目している者もいる。例えば、遊技者が遊技を開始する場合に、メーカ等から発行されたパスワードを遊技機へ入力させ、遊技を終了する場合に、遊技機側で遊技履歴等の情報が含まれる2次元コードを表示して遊技者の携帯端末等に読み取らせ、その遊技履歴をメーカ等のサーバに登録させる機能を有する遊技機がある。このような遊技機では、遊技履歴に遊技機で実行した演出の履歴を含ませ、その演出の履歴に基づいて、遊技者の携帯端末に特別なコンテンツをダウンロード可能とさせたり、次回の遊技において特別な演出を遊技機に実行させたりして、遊技者に特典を付与するものがあり、遊技機においてどのような演出が行われたかを遊技者が注目することになる。そこで、告知ボタン23が所定の押下操作された後、所定期間中にパチンコ機10にて行われた演出の履歴を、第3図柄表示装置81に表示するようにしてもよい。これにより、遊技者は退席や用件を済ませている間にパチンコ機10にて行われた演出を知ることができる。よって、遊技者は安心して退席や用件を済ませることができる。演出の履歴は、告知ボタン23が押下操作されて以後に実行された変動演出毎に、どのような演出が行われたかを表示するものであってもよい。これにより、行われた演出を遊技者が詳しく知ることができる。また、所定の演出が実行された場合に、その演出が実行されたことを表示するものであってもよい。これにより、遊技者が注目している演出の実行の有無を容易に知ることができる。演出の履歴の表示の開始については、告知ボタン23の押下操作に基づく告知の後、遊技者が退席や用件を開始しようとするタイミングで操作ボタン22又は告知ボタン23を押下操作させることにより、演出の履歴の表示を開始してもよい。これにより、遊技者が少なくともパチンコ機10から目を離してから実行される演出の履歴を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、告知ボタン23が所定の押下操作された場合に、無条件に演出の履歴の表示を開始してもよい。これにより、遊技者が結果として退席等しない場合でも、演出の履歴の表示が開始されるが、簡単な制御で、演出の履歴の表示を開始できる。一方、演出の履歴の表示の終了については、演出の履歴の表示を終了させるために操作ボタン22又は告知ボタン23を遊技者に押下操作させてもよい。これにより、演出の履歴を遊技者の意思に基づいて表示させ続け、また、その表示を消去することができる。また、告知ボタン23が所定の押下操作がなされてから所定時間経過した場合に、演出の履歴の表示を終了させてもよい。これにより、演出の履歴の表示を簡単な制御で終了させることができる。
上記実施形態では、変動時間告知画像を表示する条件の1つとして遊技領域への球の打出しが停止されたか否かを判断する場合、遊技領域へ打出された球が外へ排出されるときに通過する口である一般入賞口63、第1入球口64、特定入賞口65a、アウト口66への入球がない状態が5秒以上あるか否かを判断し、これらの口への入球が5秒以上なければ、遊技領域への球の打出しが停止されたか否かを判断する場合について説明したが、遊技領域への球の打出しが停止されたか否かを判断する方法は必ずしもこれに限られるものではない。例えば、発射ハンドル51に設けられたタッチセンサ51aの出力を音声ランプ制御装置113に入力し、遊技者が発射ハンドル51から手を離したことにより、タッチセンサ51aの出力がオンからオフに変化してから所定時間(例えば、5秒)経過したことをもって遊技領域への球の打出しが停止されたと判断し、遊技者が発射ハンドル51を操作したことにより、タッチセンサ51aの出力がオフからオンに変化したことをもって遊技領域への球の打出しが行われたと判断してもよい。また、2本のレール61,62によって形成された球案内通路(図2参照)から遊技領域の上部へ案内された球を検出するセンサを内レール61の先端部分に設け、該センサによって所定時間球を検出しなかった場合に遊技領域への球の打出しが停止されたと判断し、該センサによって球を検出した場合に遊技領域への球の打出しが行われたと判断してもよい。該センサとしては、例えば、内レール61の先端部分に取り付けられた戻り球防止部材68の開閉を検知するものとしてもよく、球案内通路から戻り球防止部材68が開いて遊技領域の上部へ球が案内されたときに、その戻り球防止部材68の開状態を検知することをもって、遊技領域の上部へ案内された球を検知するように構成してもよい。
上記実施形態では、告知ボタン23の押下操作に基づく告知が実行されると、告知ボタン23の操作が無効とされ、保留分を含めて(無効の設定が行われてから後に保留された変動演出も含めて)全ての変動演出の実行が終了し、保留中の変動演出が0となった場合に、告知ボタン23の操作の無効が解除される場合について説明した。この告知ボタン23の操作の無効を解除するタイミングを、これに代えて、告知ボタン23の押下操作に基づく告知を実行する場合に実行した先読み処理において先読みが行われた保留中の変動演出(つまり、該先読み処理を実行する際に保留されていた変動演出)の実行が終了すると、保留中の変動演出が存在したとしても(先読み処理の後に保留された変動演出があっても)告知ボタン23の操作の無効を解除してもよい。これにより、少なくとも、告知ボタン23の押下操作に基づく告知を行う際に大当たりとなる変動演出の有無が先読み処理により判断された保留中の変動演出において、その実行が終了するまでは、告知ボタン23の押下操作が無効とされるので、その保留中の変動演出において大当たりとなる変動演出があるか否かを、遊技者以外の者に対して把握できないようにすることができる。一方で、告知ボタン23の押下操作に基づく告知を行う際に大当たりとなる変動演出の有無が先読み処理により判断された保留中の変動演出の実行が終了すれば、遊技者は再び告知ボタン23を押下操作することにより、先読み処理の後に保留された変動演出に大当たりとなる変動演出があるか否かを判断することができるので、遊技者は、実行中または保留中の変動演出の中に大当たりとなる変動演出があるか否かを把握する機会を多く持つことができる。
また、告知ボタン23の操作の無効を解除するタイミングを、第1入球口64への入賞が検出された場合としてもよい。これにより、告知ボタン23の押下操作に基づく告知が行われてから、次に第1入球口64への球の入賞が検出されるまでの間、告知ボタン23の押下操作が無効とされるので、遊技者が球の打出しを停止した上で告知ボタン23に所定の押下操作をし、その押下操作に基づく告知を得れば、その遊技者が遊技を再開するまで(球の打出しを再開するまで)、保留中の変動演出において大当たりとなる変動演出があるか否かを、遊技者以外の者に対して把握できないようにすることができる。一方で、遊技者が遊技を再開し、第1入球口64への球の入賞が検出されれば、遊技者は再び告知ボタン23を押下操作することにより、その第1入球口64への入賞を含めて、保留された変動演出に大当たりとなる変動演出があるか否かを新たに判断することができる。また、告知ボタン23の押下操作に基づく告知が行われた後、第1入球口64への入球の有無を監視するだけで、告知ボタン23の操作無効を解除できるので、その制御も容易に行うことができる。
また、上記実施形態や上記した変形例に加えて、大当たり図柄が第3図柄表示装置81に表示されたタイミング、または、大当たり演出が終了したタイミングで、告知ボタン23の操作の無効を解除してもよい。遊技者は、告知ボタン23の押下操作に基づく告知によって、大当たりとなる変動演出の存在を確認した場合、退席や用件を行わず、大当たりとなるまで遊技を継続する場合がある。そして、大当たり演出が終了した段階で、保留中の変動演出が残されている場合がある。大当たり図柄が第3図柄表示装置81に表示されたタイミング、または、大当たり演出が終了したタイミングで、告知ボタン23の操作の無効を解除することによって、告知ボタン23を押下操作することにより、遊技者は、大当たりが終了した段階で保留中の変動演出に大当たりとなる変動演出が存在するか否かを確認できる。よって、遊技者は、大当たりの後に、再び、その段階で遊技者が退席したり用件を済ませたりする行為を即座に実行してもよいか否かを判断できる。
上記実施形態では、告知ボタン23の押下操作に基づく告知が実行されると、告知ボタン23の操作が無効とされた場合、無効が解除されるまで告知ボタン23に所定の押下操作がなされてもその告知を非実行とする場合について説明したが、告知ボタン23の操作が無効とされた期間中に告知ボタン23に所定の押下操作がなされた場合、大当たり告知画像等とは異なる画像を表示してもよい。例えば、実行中および保留中の変動演出に大当たりとなる変動演出があるか否かにかかわらず、少年の髪の毛HBの色を赤色に表示したり、少年の髪の毛HBは黒色のまま少年のはちまきの色を金色に表示したりして、大当たり告知画像(少年の髪の毛HBが金色となる画像)とは異なる画像を表示してもよい。これにより、告知ボタン23の押下操作に基づく告知が実行された後、告知ボタン23の押下操作が無効化された期間中は、大当たり告知画像等は異なるおかしな画像が表示されることになる。よって、告知ボタン23の押下操作に基づく告知に従って遊技者が遊技機から退席したような場合に、該遊技者以外の者が告知ボタン23を押下操作してもおかしな画像しか表示されないため、その遊技者以外の者を混乱させ、苛立たせることができる。従って、元々遊技を行っていた者の遊技によって保留された変動演出により得られる大当たりの利益を、別の遊技者が得ることを抑制でき、元々遊技を行っていた者の利益を守ることができる。
上記実施形態では、告知ボタン23を押下操作した場合に、実行中および保留中の変動演出の中に大当たりとなる変動演出があるか否かを告知する場合について説明した。これに対し、現在、遊技者が遊技を開始する場合に、メーカ等から発行されたパスワードを遊技機へ入力させ、遊技を終了する場合に、遊技機側で遊技履歴等の情報が含まれる2次元コードを表示して遊技者の携帯端末等に読み取らせ、その遊技履歴をメーカ等のサーバに登録させる機能を有する遊技機がある。このような遊技機においては、遊技の開始に伴うパスワードの入力がなされてから、遊技の終了に伴う遊技履歴等の情報が含まれる2次元コードを表示するまでの間だけ、告知ボタン23の押下操作を有効とみなし、実行中および保留中の変動演出の中に大当たりとなる変動演出があるか否かを告知するようにしてもよい。この場合、大当たりの終了に伴う遊技履歴等の情報が含まれる2次元コードの表示は、変動演出が行われている間であっても可能としてもよい。これにより、パスワードを入力して遊技を開始したものが、告知ボタン23を押下操作し、その押下操作に基づく告知が実行された後、遊技の終了に伴う2次元コードを遊技機に表示させれば、その後、変動演出の実行中にその遊技者が退席しても、他の人が告知ボタン23を押下操作して、実行中または保留中の変動演出に大当たりとなる変動演出があるか否かを把握できないようにすることができる。
また、遊技を開始する場合に、遊技者が考えたパスワードを入力させ、遊技を終了する場合に、開始時に入力したパスワードを入力させるように遊技機を構成し、遊技の開始に伴うパスワードの入力がなされてから、遊技の終了に伴うパスワードの入力が行われるまでの間だけ、告知ボタン23の押下操作を有効とみなし、実行中および保留中の変動演出の中に大当たりとなる変動演出があるか否かを告知するようにしてもよい。この場合、大当たりの終了に伴うパスワードの入力は、変動演出が行われている間であっても可能としてもよい。これにより、パスワードを入力して遊技を開始したものが、告知ボタン23を押下操作し、その押下操作に基づく告知が実行された後、遊技の終了に伴うパスワードを入力すれば、その後、変動演出の実行中にその遊技者が退席しても、他の人が告知ボタン23を押下操作して、実行中または保留中の変動演出に大当たりとなる変動演出があるか否かを把握できないようにすることができる。
上記実施形態において、告知ボタン23の押下操作が無効とされている期間に、告知ボタン23が押下操作された場合、第3図柄表示装置81や電飾部29〜33、表示ランプ34等のいずれかにおいて、何らかの報知を行ってもよい。これにより、元々遊技を行っていたものが、告知ボタン23の押下操作に基づく告知によって退席している間に他の者が告知ボタン23を押下操作した場合、元々遊技を行っていた者が席に戻ってきたときに、他の者による告知ボタン23の押下操作があったことを知ることができる。よって、他の者が告知ボタン23を押下操作することを抑止することができる。また、告知ボタン23の押下操作が無効とされている期間に、告知ボタン23が所定回数以上押下操作された場合に、警報音を発音させてもよい。これにより、告知ボタン23の押下操作が無効とされている期間に、告知ボタン23が所定回数以上押下操作されたことが、退席中の元々遊技を行っていた者やホール関係者などに知らせることができるので、他の者が告知ボタン23を押下操作することを抑止することができる。
また、上記実施形態において、告知ボタン23の押下操作があった場合に、そのことをパチンコ機10の外部に設けられたホールコンピュータに通知してもよい。これにより、ホールコンピュータにて告知ボタン23の押下操作状況を把握できるので、おかしな告知ボタン23の押下操作があった場合にホール関係者が把握することができる。
上記実施形態において、実行中および保留中の変動演出の中に大当たりとなる変動演出がある場合に大当たり告知画像を表示する場合について説明したが、大当たり告知画像を表示する場合に、その大当たり種別が分かるように表示してもよい。例えば、2R確変大当たりでは、特定入賞口65aの開閉動作が非常に短い時間で行われることが多く、大当たり期間もすぐに終了し、球が特定入賞口65aに入賞することは極めて稀であるため、2R確変大当たりとなるのであれば、退席や用件を済ませようと考える遊技者もいる。また、仮に大当たり告知画像が表示された場合に大当たり種別が把握できず、大当たりとなるまで退席や用件を行わずに待って、結局2R確変大当たりとなれば、退席や用件を済ませればよかったと感じる遊技者もいる。これに対し、大当たり告知画像を表示する場合に、その大当たり種別が分かるように表示すれば、大当たりとなったときの大当たり種別まで把握できるので、遊技者は、その大当たり種別まで考慮に入れて、退席や用件を済ませるか否かを判断できる。
上記実施形態において、実行中および保留中の変動演出の中に大当たりとなる変動演出がある場合に大当たり告知画像や変動時間告知画像等を表示する場合について説明したが、大当たり告知画像や変動時間告知画像等を表示する場合を、実行中および保留中の変動演出の中に、又は、保留中の変動演出の中に、所定の大当たり種別となる大当たりがある場合に限定してもよい。例えば、実行中および保留中の変動演出の中に、又は、保留中の変動演出の中に、15R確変大当たり又は15R通常大当たりとなる変動演出が存在する場合に、大当たり告知画像や変動時間告知画像等を表示し、2R確変大当たりとなる変動演出が存在しても大当たり告知画像や変動時間告知画像等を非表示としてもよい。これにより、遊技者は、遊技者が遊技を止めて退席しようとする場合や、携帯電話による通話やメール等といった用件を済ませたい場合に、告知ボタン23を押下操作し、告知画像が表示されるか否かをもって、実行中の変動演出および保留中の変動演出の中に、少なくとも所定の大当たり種別の大当たり(上記の例では、15R確変大当たり又は15R通常大当たり)となる変動演出があるか否かを確認することができる。よって、その所定の大当たり種別の大当たりとなる変動演出がなければ、退席したり用件を済ませたりといった行為を行うために、遊技を即座に止めよう、という判断を遊技者が行うことができる。また、所定の大当たり種別の大当たりとなる変動演出があれば、その大当たりとなるまで遊技を継続しよう、という判断を遊技者が行うことができる。つまり、この告知ボタン23によって、遊技者が退席したり用件を済ませたい場合に、その行為を即座に実行してもよいか否かを判断できる。特に、2R確変大当たりでは、上述した通り、特定入賞口65aの開閉動作が非常に短い時間で行われることが多く、大当たり期間もすぐに終了し、球が特定入賞口65aに入賞することは極めて稀であるため、2R確変大当たりとなる場合は、退席や用件を済ませたい遊技者が多い。実行中および保留中の変動演出の中に、又は、保留中の変動演出の中に2R確変大当たりがあっても、大当たり告知画像や変動時間告知画像等を非表示とすれば、2R確変大当たりのためにわざわざ遊技者を退席や用件を行わずに待たせることを抑制できる。
また、実行中および保留中の変動演出の中に、又は、保留中の変動演出の中に、2R確変大当たりがあっても、大当たり告知画像や変動時間告知画像等を非表示とする場合、遊技者が退席している間に2R確変大当たりとなって、第3図柄表示装置81には、高確率状態(確変状態)に応じた画面(背景画像など)が表示される可能性がある。即ち、遊技者にとって、退席している間に予期せず確変状態となっている場合があり、これにより、遊技者に対して、例えば、自分が退席している間に他人が遊技を勝手に行ったのではないか、との疑念を持たせることになる。これに対し、告知ボタン23に所定の押下操作がなされた場合、実行中および保留中の変動演出の中に、又は、保留中の変動演出の中に、15R確変大当たり又は15R通常大当たりがなくても2R確変大当たりがあれば、高確率状態へ移行する旨を告知する確変遷移告知画像を所定時間表示するようにしてもよい。確変遷移告知画像としては、高確率状態へ発展するときに第3図柄表示装置81に表示される演出画像そのものを用いてもよい。これにより、遊技者は、実行中および保留中の変動演出の中に、又は、保留中の変動演出の中に、2R確変大当たりがあり、高確率状態へ移行(遷移)することを把握できるので、退席後戻ってきたときに高確率状態に応じた画面が表示されていたとしても、それが退席前に実行中または保留中の変動演出によって生じたものであることを把握することができる。よって、上記のような疑念を遊技者に持たせることを抑制できる。
また、告知ボタン23の押下操作に基づく告知が実行されるときに、実行中および保留中の変動演出の中に、又は、保留中の変動演出の中に、2R確変大当たりがあった場合は、その2R確変大当たりが成立しても高確率状態に応じた画面を表示せず、2R確変大当たりとなってから、遊技者が退席してから戻ってくるまでにかかる時間として十分な所定時間が経過した後に高確率状態に応じた画面を表示してもよい。告知ボタン23の押下操作に基づく告知に基づいて退席した遊技者が席に戻ってきた後に、高確率状態に応じた画面が表示されれば、告知ボタン23の押下操作を行った時点で、実行中および保留中の変動演出の中に、又は、保留中の変動演出の中に、2R確変大当たりがあったことを遊技者に分からせることができ、自分が退席している間に他人が遊技を勝手に行ったのではないか、との疑念を持たせることを抑制できる。また、遊技者が退席している間に2R確変大当たりとなって高確率状態となっても、その遊技者が戻ってくるまで高確率状態に応じた画面が表示されないので、他人に高確率状態になっていることを知られないようにすることができる。
また、告知ボタン23の押下操作に基づく告知が実行されるときに、実行中および保留中の変動演出の中に、又は、保留中の変動演出の中に、2R確変大当たりがあった場合は、その2R確変大当たりが成立しても高確率状態に応じた画面を表示せず、その後、告知ボタン23が所定の押下操作された場合や枠ボタン22が所定の押下操作された場合に、高確率状態に応じた画面を表示するようにしてもよい。これにより、告知ボタン23の押下操作に基づく告知に基づいて遊技者が退席している間に、その告知が実行されたときに実行中および保留中の変動演出の中に又は保留中の変動演出の中にあった2R確変大当たりが成立していれば、席に戻ってきた遊技者が再び告知ボタン23に所定の押下操作を行うことで、又は、遊技者が枠ボタン22に想定の押下操作を行うことで、高確率状態に応じた画像を表示させることができる。即ち、遊技者が席に戻って再び告知ボタン23に所定の押下操作を行う、又は、遊技者が枠ボタン22に想定の押下操作を行うことをしなければ、高確率状態に応じた画像が表示されないところ、もし遊技者が席に戻ってきた時点で効果靴状態に応じた画像が表示されていれば、それは、他人が告知ボタン23又は枠ボタン22の押下操作をしたことを意味する。よって、遊技者が退席している間に他人がパチンコ機10を操作したことを知ることができ、換言すれば、他人が勝手にパチンコ機10を操作することを抑制することができる。
上記実施形態では、告知ボタン23の押下操作に基づく告知が行われた後、通常通り変動演出が実行されるが、これに代えて、告知ボタン23に所定の押下操作があった場合に、保留中の変動演出に大当たりとなる変動演出がない(即ち、保留中の全ての変動演出が外れとなる)と判断され、大当たり告知画像等の表示を行わなかった場合は、少なくともその告知のために先読みの対象となった変動演出については、大当たりとなる期待感を向上させるような演出を行わないようにしてもよい。告知ボタン23を所定の押下操作をしたにも関わらず大当たり告知画像等が表示されなかった場合、それは、押下操作した時点で実行中および保留中の変動演出に大当たりとなる変動演出がないことを遊技者は知ることができる。よって、遊技者が大当たりとならないことが分かっているにもかかわらず、大当たりとなる期待感を向上させるような演出が行われることで、遊技者が白けてしまうことを抑制できる。また、大当たりとなる期待感を向上させる演出を行わないことで、役物等を意味なく動作させることを抑制できるので、遊技機の寿命が短くなることを抑制できる。なお、告知ボタン23の押下操作に基づく告知の結果、大当たり告知画像等の表示を行わなかった場合に、遊技領域への球の発射が停止されている状況に限り、少なくともその告知のために先読みの対象となった変動演出について、大当たりとなる期待感を向上させるような演出を行わないようにしてもよい。これにより、遊技領域への球の打出しが行われている場合は、告知ボタン23の押下操作に基づく告知により大当たり告知画像等が表示されなくても、大当たりとなる期待感を向上させる演出が行われるので、告知ボタン23の押下操作に基づく告知の後に第1入球口64へ球が入賞したことに基づいて行われる変動演出にて、大当たりとなる期待感を遊技者に与えることができ、遊技への興趣を高めることができる。大当たりとなる期待感を向上させる演出を行わないように変動演出を実行する場合、単純に決められた変動時間に分かって高速変動を実行した後、図柄の確定表示を行ってもよい。これにより、簡単な制御で、大当たりとなる期待感を向上させる演出を行わないように変動演出を実行できる。また、当たりとなる期待感を向上させる演出を行わないように変動演出を実行する場合、決められた変動時間内に、アニメやドラマ、ミュージックビデオ等を再生するようにしてもよい。遊技者は、これらのアニメ等を視聴することで、外れとなると分かっているにも関わらず、長い時間変動演出が行われることへの不満感を緩和することができる。
上記実施形態において、告知ボタン23に対して所定の押下操作がなされた場合に、その時点で、所謂一発告知演出(大当たりとなる期待度が100%であることを告知する演出)がなされている場合は、実行中および保留中の変動演出の中に大当たりとなる変動演出があっても大当たり告知画像等を非表示としてもよい。一発告知演出によって、大当たりとなることを遊技者に把握させることができるので、あえて大当たり告知画像等を表示しなくてもよく、大当たり告知画像等を非表示とすることで、一発告知演出に遊技者を集中させることができる。
上記実施形態では、先読み処理を音声ランプ制御装置113にて行う場合について説明したが、第1入球口64への入賞(始動入賞)がある度に、主制御装置110にて取得された第1当たり乱数カウンタC1等の値を先読み処理して大当たりとなるか否か等を判定し、その判定結果を音声ランプ制御装置113へ送信して、告知ボタン23が押下操作された場合に、主制御装置110より受信した先読み処理の判定結果に基づき、実行中や保留中の変動演出に大当たりとなる変動演出があるか否かを判断してもよい。また、主制御装置110にて、これから実行する変動演出の大当たり抽選を行う場合に、あわせて保留中の第1当たり乱数カウンタC1等の値を先読みし、これから実行する変動演出と保留中の変動演出の中に大当たりとなる変動演出があるか否かを判定してその判定結果を音声ランプ制御装置113へ送信し、音声ランプ制御装置113では、告知ボタン23の押下操作があった場合に、この主制御装置110から送信される判定結果に基づいて実行中や保留中の変動演出に大当たりとなる変動演出があるか否かを告知する制御を行ってもよい。
また、先読み処理を表示制御装置114にて実行してもよい。例えば、先読み処理を行うための情報、即ち、主制御装置110において始動入賞に伴いカウンタ用バッファより取得された第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値を格納する、図8に示すものと同様の先読み情報格納エリアを表示制御装置114に設け、告知ボタン23に所定の押下操作がなされた場合に、先読み情報格納エリアに格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値に基づいて、表示制御装置114が先読み処理を実行し、実行中の変動演出および保留中の変動演出の中に大当たりとなる変動演出があると判断される場合は大当たり告知画像を表示するようにしてもよい。この場合、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドをそのまま表示用保留球数コマンドとして表示制御装置114へ送信してもよい。これにより、始動入賞に伴って主制御装置110にて取得された各カウンタC1〜C3,CS1の値を、表示制御装置114の先読み情報格納エリアに設けられた先読み情報第1〜第4エリアのうち、表示用保留球数コマンドの保留球数に対応するエリアに格納させることができる。そして、表示制御装置114は、表示用変動パターンコマンドを受信するたびに、先読み情報格納エリアに対し、図24のS1103の処理と同様のシフト処理を実行してもよい。これにより、表示制御装置114の先読み情報格納エリアに設けられた先読み情報第0エリアには、主制御装置110の保留球実行エリア203cに格納された各カウンタC1〜C3,CS1と同じ値を格納させることができ、先読み情報第1〜第4エリアには、それぞれ、主制御装置110の保留球格納エリア203bの保留第1〜第4エリアに格納された各カウンタC1〜C3,CS1と同じ値を格納させることができる。
上記実施形態では、主制御装置110から各コマンドが音声ランプ制御装置113に対して送信され、その音声ランプ制御装置113から表示制御装置114に対して表示の指示がなされるよう構成したが、主制御装置110から表示制御装置114に直接コマンドを送信するものとしてもよい。また、表示制御装置に音声ランプ制御装置を接続して、表示制御装置から各音声の出力とランプの点灯を指示するコマンドを音声ランプ制御装置に送信するよう構成してもよい。さらに、音声ランプ制御装置と表示制御装置とを1の制御装置として構成するものとしてもよい。これらを1つの制御装置とすることで、部品点数が削減でき、パチンコ機のコスト増加を抑制することができる。
尚、音声ランプ制御装置と表示制御装置とを1つの制御装置として構成する場合、その1つの制御装置が有するRAMに、図8に示すものと同様の先読み情報格納エリアを設け、主制御装置110より保留球数コマンドを受信した場合は、先読み情報格納エリアに設けられた先読み情報第1〜第4エリアのうち、保留球数コマンドの先読み保留回数に対応するエリアに、その保留球数コマンドに含まれる各カウンタ値C1〜C3,CS1を格納してもよい。また1つの制御装置は、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信する毎に、先読み情報第0〜第4エリアの間で図24のS1103の処理と同様のシフト処理を実行してもよい。そして、告知ボタン23に所定の押下操作がなされた場合に、先読み情報格納エリアに格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値に基づいて、1つの制御装置が先読み処理を実行してもよい。
上記実施形態では、告知ボタン23が押下操作された場合に、実行中および保留中の変動演出に大当たりとなる変動演出があるか否かを告知する場合について説明したが、実行中の変動演出については告知せず、保留中の変動演出に大当たりとなる変動演出があるか否かを告知してもよい。これにより、遊技者は、実行中の変動演出が終了した後、遊技者が退席したり用件を済ませたりする行為を即座に実行してもよいか否かを判断できる。また、告知ボタン23が押下操作された場合に、保留回数が所定回数以内(例えば、2回)までの変動演出に対してのみ先読み処理を実行し、実行中の変動演出および保留回数が所定回数(例えば、2回)以内の変動演出において、または、実行中の変動演出を除き保留回数が所定回数(例えば、2回)以内の変動演出において、大当たりとなる変動演出があるか否かを告知してもよい。これにより、遊技者が退席を短時間で済ませられる場合や、すぐに用件が済ませられるような場合に、少なくとも保留回数が所定回数以内に大当たりとなる変動演出がなければ、退席または要件を済ませようとする判断を遊技者に行わせることができる。また、告知ボタン23が押下操作された場合に、先読み処理によって所定時間(例えば、2分)以内に大当たりとなる可能性があるか否かを判断し、その判断結果が分かるように告知してもよい。これにより、遊技者は2分以内に大当たりとなる可能性があるか否かを把握でき、これに基づいて、退席や用件を済めせるか否かを決断できる。
上記実施形態では、音声ランプ制御装置113から表示ランプ制御装置114に対して大当たり告知コマンドが送信されると、表示制御装置114は、その大当たり告知コマンドにて示される内容に基づいて、大当たり告知画像設定処理(S1906、図37(b)参照)により大当たり告知用画像データや大当たり用保留画像データを展開する場合について説明した。これに対し、大当たり告知コマンドに対応する大当たり告知画像を表示するための追加データテーブルを追加データテーブル格納エリア232bに用意しておき、表示制御装置114は、大当たり告知コマンドを受信すると、その大当たり告知コマンドに対応する追加データテーブルを追加データテーブル232bから読み出して追加データテーブルバッファ233bに設定することで、表示データテーブルバッファ233aに格納された表示データテーブルに従って表示される画像に追加して、大当たり告知画像を表示するように構成してもよい。
上記実施形態では、音声ランプ制御装置113から表示ランプ制御装置114に対して変動時間告知コマンドが送信されると、表示制御装置114は、その変動時間告知コマンドにて示される内容に基づいて、変動時間告知画像設定処理(S1908、図38(b)参照)により変動時間告知用画像データを展開する場合について説明した。これに対し、変動時間告知画像を表示するための追加データテーブルを追加データテーブル格納エリア232bに用意しておき、表示制御装置114は、変動時間告知コマンドを受信すると、その変動時間告知コマンドに対応する追加データテーブルを追加データテーブル232bから読み出して追加データテーブルバッファ233bに設定することで、表示データテーブルバッファ233aに格納された表示データテーブルに従って表示される画像に追加して、変動時間告知画像を表示するように構成してもよい。
上記実施形態では、音声ランプ制御装置113にて実行されるコマンド判定処理(S911)において、停止種別コマンドを受信すれば必ず変動開始フラグをオンに設定する場合について説明したが、変動パターンコマンドの受信があった上で停止種別コマンドを受信した場合に、変動開始フラグをオンに設定してもよい。これにより、変動パターンコマンドの受信がなく、停止種別コマンドを受信したような場合に、おかしな変動演出が実行されることを抑制できる。
また、変動パターンコマンドを受信したタイミングで、変動開始フラグをオンに設定してもよい。この場合、音声ランプ制御装置113にて実行される変動表示処理(S910)では、変動開始フラグがオンされたことに基づいて、変動パターンコマンドにより抽出した変動パターンを表示制御装置114へ通知する表示用変動パターンコマンドを生成し、表示制御装置114へ送信するようにしてもよい。これにより、音声ランプ制御装置113にて停止種別コマンドの受信を待つことなく、表示制御装置114に対して、この表示用変動パターンコマンドに基づき、変動演出を第3図柄表示装置81に実行させることができる。なお、この場合、音声ランプ制御装置113では、停止種別コマンドを受信したタイミングで、該停止種別コマンドより抽出された停止種別を表示制御装置114へ通知するための表示用停止種別コマンドを生成し、表示制御装置114へ送信するようにしてもよい。そして、表示制御装置114では、この表示用停止種別コマンドに基づいて、第3図柄表示装置81に実行させた変動演出の停止図柄を決定してもよい。
上記実施形態では、第1入球口64への入球(始動入賞)を契機として保留され実行される第3図柄の変動演出中に大当たりとなる変動演出があるか否かを、遊技者による告知ボタン23の押下操作に基づく告知によって遊技者に告知する場合について説明した。これに対し、第2入球口67を球が通過したこと(始動入賞)を契機として保留され実行される第2図柄(普通図柄)の変動表示の中に当たり(「○」の図柄で停止)となるものがあるか否かを、遊技者による告知ボタン23の押下操作に基づく告知によって、第3図柄の変動演出中に大当たりとなる変動演出があるか否かとあわせて、又は、その代わりに、遊技者に告知してもよい。これにより、保留中の第2図柄(普通図柄)の変動表示の中に、又は、実行中および保留中の第2図柄(普通図柄)の変動表示の中に、当たりとなる変動表示があるか否かを遊技者が把握できる。よって、告知ボタン23によって、遊技者が退席したり用件を済ませたい場合に、その行為を即座に実行してもよいか否かを判断できる。遊技機の中には、普通図柄の当たりの有無にて遊技性を高めているものがあり、そのような遊技機において特に有効である。この場合、告知ボタン23の押下操作に基づいて、当たりの有無の告知とあわせて、又は、当たりの有無の告知の代わりに、第2図柄(普通図柄)の各変動時間を表示したり、当たりとなるまでの時間を表示したりしてもよい。また、告知ボタン23の押下操作に基づく第3図柄の変動演出に関する告知に対して示した上記変形例は、第2図柄(普通図柄)の変動演出に関する告知に対して適用できる。
上記実施形態では、追加データテーブルとして、変動演出において通常では表示されない連続予告演出を第3図柄表示装置81に追加して表示させるための描画内容が既定される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、追加データテーブルは、主制御装置110からのコマンドに基づき選定された表示データテーブルによって表示される一の演出に追加して第3図柄表示装置81に表示すべき種々の演出を描画するための描画内容が規定されたものであってもよい。また、追加データテーブルでは、主制御装置110からのコマンドに基づき選定された表示データテーブルによって表示される一の演出に対して、通常では表示されない画像を追加して表示させるために必要な描画内容を規定するのに代えて、または、そのような描画内容を規定するのに加えて、その一の演出における一部または全部の色調を変化させるために必要な描画内容や、一の演出において表示される画像を変更して表示させるために必要な描画内容が既定されるものであってもよい。
一の演出における一部または全部の色調を変化させるために必要な描画内容を追加データテーブルによって規定する場合、その追加データテーブルでは、第3図柄表示装置81において1フレーム分の画像が表示される時間(本実施形態では、20ミリ秒)を1単位として表したアドレスに対応させて、その時間において、色調を変化させるスプライトの種別と、そのスプライトにおける変化後の色調を指定する色情報とを規定するものであってもよい。そして、MPU231は、追加データテーブルバッファ233bに設定された追加データテーブルに規定される追加描画内容においてポインタ233cにより示されるアドレスに色調を変化させるスプライトの種別と、そのスプライトにおける変化後の色調を指定する色情報とが規定されていた場合、表示データテーブルバッファ233aに設定された表示データテーブルに規定される描画内容においてポインタ233cにより示されるアドレスに規定された対応のスプライト種別の色情報を、追加データテーブルにより規定された色情報に置き換えて、描画リストを作成するようにしてもよい。これにより、画像コントローラ237では、追加データテーブルによって規定された色情報に基づいて、そのスプライトの色調を変化させながら画像の描画を行うことができる。このような追加データテーブルを大当たり告知画像の表示用に用意して、例えば、少年の髪の毛HBの色を、表示データテーブルによって規定された色から変更するようにしてもよい。
また、一の演出において表示される画像を変更して表示させるために必要な描画内容が追加データテーブルによって規定される場合、その追加データテーブルでは、第3図柄表示装置81において1フレーム分の画像が表示される時間(本実施形態では、20ミリ秒)を1単位として表したアドレスに対応させて、その時間において、置き換え対象のスプライト種別と、新たに表示すべきスプライト種別と、その新たに表示すべきスプライトの描画情報とを規定するものであってもよい。そして、MPU231は、追加データテーブルバッファ233bに設定された追加データテーブルに規定される追加描画内容において、ポインタ233cにより示されるアドレスに、置き換え対象のスプライト種別と、新たに表示すべきスプライト種別と、その新たに表示すべきスプライトの描画情報とが規定されていた場合、表示データテーブルバッファ233aに設定された表示データテーブルに規定される描画内容において、ポインタ233cにより示されるアドレスに規定された各種スプライトのうち、置き換え対象のスプライトに代えて、新たに表示すべきスプライト種別と、そのスプライトの描画情報とを描画リストに含めるようにしてもよい。これにより、画像コントローラ237では、新たに表示すべきスプライトを含む画像の描画を行うことができる。このような追加データテーブルを大当たり告知画像の表示用に用意して、例えば、大当たり告知画像として、第3図柄表示装置81の小領域Ds2に表示される少年を、別のキャラクタに置き換えるようにしてもよい。
上記実施形態では、表示制御装置314において、ベースとなる演出(例えば、変動演出)の描画内容を規定した表示データテーブルのほかに、追加して表示される演出(例えば、連続予告演出)の描画内容を規定した追加データテーブルを設定して、それぞれのデータテーブルからポインタ233cに示されるアドレスの描画内容を取得する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、ベースとなる演出(例えば、変動演出)に対して追加して表示される演出(例えば、連続予告演出)の表示が決定された場合に、そのベースとなる演出に対応する表示データテーブルに対して、追加して表示される演出に対応する追加データテーブルの描画内容を、表示時間を示すアドレス毎に追記して、新たな表示データテーブルを生成し、その新たな表示データテーブルに基づいて、画像の描画内容を取得するようにしてもよい。これにより、ベースとなる演出に対して追加して表示される演出を容易に表示させることができる。また、ベースとなる演出の種別毎に、そのベースとなる演出だけの描画内容を規定した表示データテーブルと、ベースとなる演出に追加して表示される演出を重ねた画像内容を規定した表示データテーブルとを持たせる必要がないので、データテーブルの数が増大するのを抑制することができる。また、新たに作成した表示データテーブルだけを用いて描画内容を特定することができるので、表示データテーブルおよび追加データテーブルの2つから描画内容を特定する場合と比較して、その特定に要する処理の負荷を軽くすることができる。
尚、ベースとなる演出に対して追加して表示させる演出の非表示が決定された場合は、そのベースとなる演出に対応する表示データテーブルをそのまま用いて、画像の描画内容を取得するようにしてもよい。
また、表示データテーブルにおいて、ベースとなる演出(例えば、変動演出)の描画内容と合わせて、追加して表示される演出(例えば、連続予告演出)の描画内容を、それが追加して表示される演出の描画内容であることを明示した形式で記述しておき、その追加して表示される演出を表示させる場合は、ベースとなる演出の描画内容と合わせて、その追加して表示される演出の描画内容を、その表示データテーブルから特定し、その追加して表示される演出が非表示とされる場合は、追加して表示される演出の描画内容を破棄して、ベースとなる演出の描画内容だけをその表示データテーブルから特定するようにしてもよい。これにより、追加して表示される演出の描画内容を規定した追加データテーブルが不要となるので、追加データテーブルに対する制御が不要となり、処理の負荷の軽減を図ることができる。
上記実施形態では、表示制御装置114において、表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターン毎に表示データテーブルを用意する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、変動演出を、例えば、「変動立ち上げ」、「高速変動」、「予告演出」、「ノーマルリーチ」、「スーパーリーチ」といった各要素毎に表示データテーブルを用意し、表示用変動パターンコマンドに示される変動パターンに応じてその変動演出に必要な要素を特定した上で、その特定された変動演出に必要な用紙に対応する表示データテーブルを1つにまとめて、その変動パターンに対応する最終定期な表示データテーブルを生成するようにしてもよい。「変動立ち上げ」、「高速変動」、「ノーマルリーチ」などは、それぞれの変動パターンに共通した表示が行われる場合が多い。よって、このように変動演出を要素化し、それぞれの要素に対応して表示データテーブルを用意することで、データテーブルを効率的に持たせることができる。
上記実施形態では、表示データテーブル及び追加データテーブルで、共通のポインタ233cを用いて、そのポインタ233cによって示されるアドレスから描画内容や転送データ情報を特定する場合について説明したが、それぞれのデータテーブルに対して、ポインタを用意してもよい。
上記実施形態では、画像コントローラ237が、描画処理を終了する1フレーム分の画像の表示間隔毎(上記実施形態では20ミリ秒毎)に、V割込信号をMPU231に対して送信する場合について説明したが、画像コントローラ237は、第3図柄表示装置81を駆動して1フレーム分の画像を表示させる度に、このV割込信号をMPU231に対して送信するようにしてもよい。第3図柄表示装置81の駆動は、常に1フレーム分の画像を常に等時間間隔(20ミリ秒間隔)で表示されるように行われるので、1フレーム分の画像の表示毎にV割込信号を送信することで、その時間間隔を計時しなくても正確に保つことができる。
上記実施形態では、画像コントローラ237は、MPU231から送信される描画対象バッファ情報に基づいて、描画した画像を展開すべきフレームバッファを特定すると共に、もう一方のフレームバッファから先に展開された画像情報を読み出して、第3図柄表示装置81に送信する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、画像コントローラ237が、描画リストを受信する毎に、描画した画像を展開すべきフレームバッファを交互に選択するようにし、その選択されたフレームバッファとは異なるフレームバッファから、先に展開された画像情報を読み出して、第3図柄表示装置81に送信するようにしてもよい。また、画像コントローラ237が、第3図柄表示装置81に1フレーム分の画像情報を送信する度に、描画した画像を展開すべきフレームバッファと、第3図柄表示装置81に対して画像情報を出力するフレームバッファとを入れ替えるようにしてもよい。
上記実施形態では、確定表示演出に対応する確定表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233aに設定された後、その確定表示演出が終了するまでに、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より変動パターンコマンド(表示用変動パターンコマンド)及びデモコマンド(表示用デモコマンド)のいずれも受信しなかった場合は、デモ演出に対応するデモ用表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233aに設定する場合について説明したが、これを、再び確定表示演出に対応する確定表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233aに設定するようにしてもよい。また、この場合、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より変動パターンコマンド(表示用変動パターンコマンド)及びデモコマンド(表示用デモコマンド)のいずれかが受信されるまで、確定表示演出が終了するたびに、確定表示演出に対応する確定表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233aに再設定するようにしてもよい。これにより、主制御装置110から変動パターンコマンド又はデモコマンドを受信するまで、第3図柄表示装置81に確定表示演出を表示させ続けることができる。
上記実施形態では、デモ演出が「0」から「9」の数字が付されていない主図柄からなる第3図柄を停止表示させるものである場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、数字の付された主図柄または数字の付されていない主図柄からなる第3図柄を、半透明状態で停止表示させるものであってもよい。また、第3図柄を表示させずに背面画像だけを変化させるものであってもよい。また、変動表示で用いられる第3図柄や背面画像とは全く異なるキャラクタや背面画像を表示させるものであってもよい。
上記実施形態において、表示データテーブル及び追加データテーブルは、20ミリ秒を1単位として表した時間に対応して、その時間に描画すべき画像の内容(描画内容)を規定する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、所定の時間間隔毎に表示内容を規定するものであればよい。この所定の時間間隔は、第3図柄表示装置81のフレームレートにあわせて設定するようにしてもよい。例えば、第3図柄表示装置81のフレームレートが30fps、即ち、第3図柄表示装置81が、1秒間に30フレームの画像を表示するものである場合は、第3図柄表示装置81は1/30秒毎に1フレームの画像が表示されるので、表示データテーブルや追加データテーブルは、1/30秒間隔毎に表示内容を規定するものにしてもよい。
また、表示データテーブルや追加データテーブルにおいて、所定の時間間隔毎に規定される描画すべきスプライト種別として、そのスプライト種別そのものを指示するのではなく、そのスプライト種別に対応する画像データが格納されたキャラクタROM234のアドレスを規定するものであってもよい。表示制御装置114では、第3図柄表示装置81に表示すべきスプライト種別に対応する画像データをキャラクタROM234から読み出すため、各スプライト種別に対応付けて、そのスプライト種別の画像データが格納されたキャラクタROM234のアドレスを管理している。よって、表示データテーブルにおいて、所定の時間間隔毎に規定される表示内容として、そのスプライト種別に対応する画像データが格納されたキャラクタROM234のアドレスを規定すれば、各スプライト種別に対応付けて、スプライトを特定する情報とキャラクタROM234のアドレスとの両方を管理する必要がなくなるため、処理負担の軽減を図ることができる。
上記実施形態では、変動演出が行われる第3図柄表示装置81にて連続予告演出も実行する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、パチンコ機10に第3図柄表示装置81とは別の第4図柄表示装置を設け、第3図柄表示装置81で実行される変動演出と合わせて、第4図柄表示装置に第4図柄を表示させることによって、連続予告演出を実行してもよい。この場合、第4図柄表示装置の制御を表示制御装置114で行ってもよいし、音声ランプ制御装置113で行ってもよい。また、各種演出に応じて作動する役物をパチンコ機10に設け、その役物を変動演出と合わせて所定の態様で作動させることによって、連続予告演出を実行してもよい。また、音声ランプ制御装置113の制御により、パチンコ機10の音声出力装置226から連続予告演出用の音声を出力させることによって、連続予告演出を実行してもよいし、パチンコ機10の電飾部29〜33を変動演出と合わせて点灯または点滅させることによって、連続予告演出を実行してもよい。
これにより、第3図柄表示装置81(および第1図柄表示装置37)において変動演出が行われる度に、連続して第4図柄表示装置に図柄が表示されたり、役物が所定の態様で作動したり、音声出力装置226から音声が出力されたり、若しくは、電飾部29〜33が点灯または点滅することによって、遊技者に対して大当たりの期待感を持たせることができる。また、遊技者は、通常、変動演出が行われる第3図柄表示装置81を注視して遊技を継続して行うが、第3図柄表示装置81とは別の第4図柄表示装置による図柄の表示、役物の作動、音声出力装置226からの音声出力、若しくは電飾部29〜33の点灯・点滅によって連続予告演出が行われるで、遊技者に対して、通常とは異なる演出が行われたことを容易に認識させることができる。また、連続予告演出を、第4図柄表示装置による図柄の表示、役物の作動、音声出力装置226からの音声出力、または電飾部29〜33の点灯・点滅といった簡単な制御で容易に連続予告演出を行わせることができる。
また、連続予告演出を音声出力装置226からの音声出力や、電飾部29〜33の点灯または点滅によって行えば、その連続予告演出の制御は音声ランプ制御装置113によって行われるので、始動入賞時における当否判定や変動開始時の抽選処理を主制御装置110に行わせ、連続予告演出を音声ランプ制御装置113に行わせ、変動演出を表示制御装置114に行わせることで、パチンコ機10により連続予告演出を行う場合、それぞれの制御装置に各処理を分担させることができる。よって、1つの制御装置に負荷が集中するのを防ぐことができるので、各制御装置のMPUに求められる性能を低く抑えることができる。
尚、第3図柄表示装置81における連続予告演出用の図柄の表示、第4図柄表示装置における連続予告演出用の図柄の表示、役物の所定の態様での作動、音声出力装置226からの音声出力、及び、電飾部29〜33の点灯または点滅のうち、少なくとも2以上を組み合わせ、それぞれを連動させて制御することにより、連続予告演出を実行してもよい。これにより、より多彩な連続予告演出を実行させることができる。また、連続予告演出の実行方法(第3図柄表示装置81による表示、第4図柄表示装置による表示、役物の作動、音声出力装置226からの音声出力、電飾部29〜33の点灯または点滅、又は、それらの組み合わせ)を変えることで、連続予告演出終了後の遊技状態(15R確変大当たり、2R確変大当たり、15R通常大当たり、外れ)に応じて選定される連続予告演出態様を複数用意してもよい。
また、上記実施形態では、連続予告演出が行われる場合に、変動演出とは別の連続予告演出用の画像が第3図柄表示装置81に表示される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、連続予告演出を、変動演出が終了したときに表示される停止図柄として、所定の図柄の組み合わせである、所謂「チャンス目」を表示させることによって行ってもよい。この場合、表示制御装置113のMPU221で実行されるコマンド判定処理のその他コマンド処理(図31のS12722)にて連続予告コマンドの受信を判断すると、チャンス目に対応する停止図柄判別フラグをオンにすると共に、その他の停止図柄判別フラグをオフに設定するようにしてもよい。コマンド判定処理では、停止識別コマンド処理の後にその他コマンド処理の中で連続予告コマンドに対応する処理を実行するので、表示用停止識別コマンドの受信によって設定された停止図柄に代えて、チャンス目が停止図柄として設定される。よって、変動停止時にチャンス目を確定表示させることができる。そして、第3図柄表示装置81において、変動演出ごとに停止図柄としてチャンス目が連続して表示されれば、遊技者に対して、最終的に大当たりが得られる期待感を持たせることができる。
上記実施形態において、主制御装置110は、第1入球口64への入賞(始動入賞)があった場合に、「1」加算された保留球数を音声ランプ制御装置113へ通知する保留球数コマンドに対して、該始動入賞に伴いカウンタ用バッファより取得された各カウンタC1〜C3,CS1をそのまま含めて、音声ランプ制御装置113へ送信する場合について説明したが、保留球数コマンドに含めるカウンタの種類は、カウンタC1〜C3,CS1の一部であってもよいし、その他のカウンタの値を含めてもよい。また、主制御装置110より音声ランプ制御装置113に対して始動入賞に伴って取得した各カウンタの値を通知する場合に、これらの各カウンタの値を示す情報を保留球数コマンドに含めて通知するのではなく、保留球数コマンドとは別のコマンドに各カウンタの値を示す情報を含めて、これらの値を音声ランプ制御装置113に対して通知してもよい。別のコマンドとしては、始動入賞に伴って取得した各カウンタの値を音声ランプ制御装置113へ通知する専用のコマンドであってもよいし、変動パターンコマンドや停止図柄コマンド等、別の情報を音声ランプ制御装置113へ通知するためのコマンドに、始動入賞に伴って取得した各カウンタの値が加えられたものであってもよい。別のコマンドとして、始動入賞に伴って取得した各カウンタの値を音声ランプ制御装置113へ通知する場合、該コマンドに、その通知する各カウンタの値が、いずれの保留回数に対応する変動演出に係るものであるかを示す情報を含めてもよい。これにより、音声ランプ制御装置113は、該コマンドに含まれる保留回数に関する情報に基づいて、その保留回数に対応する先読み情報第1〜第4エリアのいずれかのエリアに、該コマンドに含まれる各カウンタの値を格納することができる。
上記実施形態では、音声ランプ制御装置113において、保留球数コマンドを受信した場合に、該保留球数コマンドにて示される各カウンタC1〜C3,CS1の値そのものを先読み情報格納エリア233bに格納する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、保留球数コマンド(又は、各カウンタの値が示されるコマンド)を受信した場合に、該コマンドにて示される各カウンタの値に基づいて、大当たりか否か、大当たりの場合の大当たり種別、外れの場合の外れ種別等の一部または全部を判定し、これらの判定結果を、該コマンドにて示される各カウンタの値に代えて、または、該カウンタの値の一部または全部とあわせて、先読み情報格納エリア233bに格納してもよい。これにより、告知ボタン23が押下操作されたこと等に基づき先読み処理を実行する場合に、実行中や保留中の変動演出が大当たりか否か等の判定結果が、既に先読み情報格納エリア233bに格納されているので、先読み処理ではこの判定結果を読み出すだけでよく、素早く処理の実行を完了させることができる。なお、変動演出の変動時間が、その変動演出の実行が開始される時点(厳密には、大当たり抽選が行われる時点)の保留球数に応じて決定される場合、保留球数コマンド(又は、各カウンタの値が示されるコマンド)を受信したときには、変動演出が開始されるときの保留球数が確定できないため、変動時間の判定を正確に行うことができない。よって、この場合、少なくとも変動時間の判定に用いられる変動種別カウンタCS1の値は、先読み情報格納エリア233bに格納しておくことが好ましい。これにより、先読み処理を実行するときに、遊技領域への球の打出しが停止されていれば、変動演出が開始されるときの保留球数を確定できるので、先読み情報格納エリア233bに格納された大当たりか否か、大当たりの場合の大当たり種別、外れの場合の外れ種別の判定結果とあわせて、変動種別カウンタCS1の値に基づき、変動時間を算出することができる。
上記実施形態において、入球した場合に大当たりの抽選が開始される第1入球口64が遊技盤13に1つ配設されている場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、それぞれ独立して入球が検出されて大当たりの抽選が開始される複数(例えば、2つ)の第1入球口が遊技盤13に配設されていてもよい。この場合、各第1入球口において保留があった場合に主制御装置110が音声ランプ制御装置113へ送信する保留球数コマンドには、いずれの第1入球口による保留であるかを示す情報を含めてもよい。また、変動を開始する場合に主制御装置110が音声ランプ制御装置113へ送信する変動パターンコマンドにも、いずれの第1入球口により保留された変動演出であるかを示す情報を含めてもよい。これにより、音声ランプ制御装置113において、第1入球口毎にそれぞれ保留球数カウンタを用意しておき、保留球数コマンドを受信した場合、その保留球数コマンドに示された第1入球口に対する保留球数カウンタに保留球数を設定し、変動パターンコマンドを受信した場合、その変動パターンコマンドに示された第1入球口に対する保留球数カウンタを1減らせば、第1入球口毎に保留球数をカウントすることができる。
また、複数の第1入球口が遊技盤13に配設される場合、それぞれの第1入球口への入賞(始動入賞)に伴って取得されたカウンタ値を音声ランプ制御装置113へ通知してもよい。この場合、主制御装置110が始動入賞に伴い取得されたカウンタ値を音声ランプ制御装置113に対して通知するためのコマンドには、いずれの第1入球口への始動入賞に伴って取得されたものであるかを示す情報を含めてもよい。また、変動を開始する場合に主制御装置110が音声ランプ制御装置113へ送信する変動パターンコマンドにも、いずれの第1入球口への始動入賞に伴う変動演出であるかを示す情報を含めてもよい。更に、音声ランプ制御装置113において、第1入球口毎にそれぞれ先読み情報格納エリアを用意してもよい。これにより、変動パターンコマンドを受信する毎に、その変動パターンコマンドで示される変動演出の実行契機となった始動入賞を検出した第1入球口に対応する先読み情報格納エリアに対してシフト処理を行うことができる。よって、第1入球口毎に保留中の変動演出に対応する各カウンタの値を、音声ランプ制御装置113においても保持させることができる。従って、始動入賞した第1入球口により、大当たりとなる確率や大当たり種別の振り分け確率、外れ種別の振り分け確率等が異なるような場合に、先読み処理において、それぞれの変動演出について、大当たりとなるか否か、大当たりとなる場合の大当たり種別、外れとなる場合の外れ種別などを、どの第1入球口への始動入賞かに基づいて正しく判定することができる。また、1の第1入球口への始動入賞に基づく変動演出が、他の第1入球口への始動入賞に基づく変動演出に優先して行われるような場合に、1の第1入球口への始動入賞に基づく変動演出に対応するカウンタの値から順番に先読み処理を行うことができ、直近で大当たりとなる変動演出の保留回数を正しく判断することができるので、その直近で大当たりとなる変動演出の保留回数を大当たり告知画像によって遊技者に伝えることができる。
また、複数の第1入球口が設けられている場合、音声ランプ制御装置113は、第1入球口への始動入賞に基づいて取得された各カウンタの値をコマンドにより主制御装置110から受信した場合に連続予告演出の開始を決定すると、始動入賞があった第1入球口に関わらず、その時点で保留されている全ての変動演出(保留球)にわたって、連続予告演出を実行させてもよい。また、複数の第1入球口が設けられており、一の第1入球口への入賞に対する変動演出を、他の第1入球口への入賞に対する変動演出よりも優先的に実行するパチンコ機においては、その優先的に変動演出が実行される第1入球口への入賞に対して取得されたカウンタ値の先読み結果のみから、連続予告演出の開始を決定するようにしてもよい。これにより、優先度の低い第1入球口への入賞に対応する変動演出に対して、連続予告演出の実行の設定の有無が判断されず、この変動演出に対して連続予告演出は開始されない。仮に、優先度の低い第1入球口への入賞に対応する変動演出に対して連続予告演出が開始され、優先度の高い第1入球口に絶え間なく変動演出が保留される場合に、連続予告演出がなかなか終了しないという事態が生じるおそれがある。これに対し、本変形例では、優先度の低い第1入球口への入賞に対応する変動演出に対して、連続予告演出の実行の設定の有無が判断されず、この変動演出に対して連続予告演出は開始されないので、そのような事態が生じることを抑えることができる。
上記実施形態では、音声ランプ制御装置113において、主制御装置110より送信された変動パターンコマンドを受信すると、保留球数カウンタ223aの値を1減らす(図24のS1108参照)場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものでない。例えば、主制御装置110のMPU201によって実行される変動処理(図16参照)において、変動開始処理(S307)により変動パターンコマンドが設定されるのに合わせて減算された主制御装置110の保留球数カウンタ203aの値(N)を(図16のS305参照)、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信するように、保留球数コマンドを設定し、その保留球数コマンドが変動パターンコマンドの送信と合わせて主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ送信されるようにしてもよい。これにより、音声ランプ制御装置113では、より正確に主制御装置110に保留された保留球の数を把握することができる。尚、この場合、図24のS1108は省略される。また、変動パターンコマンドに、減算後の保留球数カウンタ203aの値(N)を含めてもよい。この場合、音声ランプ制御装置112では、変動パターンコマンドを受信した場合に該変動パターンコマンドに含まれる保留球数(N)を抽出して、保留球数カウンタ223aに設定すればよい。
上記実施形態においては、第1入球口64への入賞および第2入球口67の通過は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定してもよい。また、第1入球口64への入賞に基づく変動表示の保留球数を、第3図柄表示装置81の一部において、数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしてもよく、第1図柄表示装置37とは別体でランプ等の発光部材を設け、該発光部材によって保留球数を通知するように構成してもよい。
また、上記実施形態に示すように、動的表示の一種である変動表示は、第3図柄表示装置81の表示画面上で識別情報としての図柄を縦方向にスクロールさせるものに限定されず、横方向あるいはL字形等の所定経路に沿って図柄を移動表示して行うものであってもよい。また、識別情報の動的表示としては、図柄の変動表示に限られるものではなく、例えば、1又は複数のキャラクタを図柄と共に、若しくは、図柄とは別に多種多様に動作表示または変化表示させて行われる演出表示なども含まれるのである。この場合、1又は複数のキャラクタが、第3図柄として用いられる。
上記各実施形態では、変動演出を実行する場合に、全図柄Z1〜Z3を遊技者が視認不可な程度に高速にスクロールする高速変動を表示させる場合について説明したが、この高速変動の表示に代えて、全図柄Z1〜Z3をそれぞれ視認不可な程度に縮小して表示したり、全図柄Z1〜Z3をそれぞれ多数の白い点がランダムに表示されるスノーノイズ状の画像として表示してもよい。
本発明を上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
所定の始動条件の成立を契機として情報を取得する取得手段と、その取得手段により取得された情報に基づいて判定を行う判定手段と、その判定手段による判定結果に基づいて表示手段に識別情報の動的表示を実行させる動的表示実行手段と、を備え、その動的表示実行手段により実行される前記識別情報の動的表示において所定の識別情報が現出された場合に、遊技者に所定の遊技価値を付与する遊技機において、
前記取得手段により取得される情報を少なくとも前記判定手段による判定に用いられるまで所定の数を上限として記憶する記憶手段と、
その記憶手段に記憶されている情報のそれぞれに基づいて実行される前記識別情報の動的表示の中に、前記所定の識別情報が現出される識別情報の動的表示があるか否かを判断する判断手段と、
遊技者による操作が可能な操作手段と、
その操作手段に対して所定の操作がなされたことを検出する検出手段と、
その検出手段により前記操作手段に対して所定の操作がなされたことが検出された場合に、前記判断手段による判断結果に基づいて報知を行う報知手段と、を備えることを特徴とする遊技機A1。
遊技機A1によれば、所定の始動条件の成立を契機として取得手段により情報が取得され、その取得手段により取得された情報に基づいて判定手段により判定が行われる。その判定手段による判定結果に基づいて表示手段に識別情報の動的表示が動的表示実行手段により実行される。その識別情報の動的表示において所定の識別情報が現出された場合に、遊技者に所定の遊技価値が付与される。取得手段により取得される情報は、少なくとも判定手段による判定に用いられるまで、所定の数を上限として記憶手段に記憶される。即ち、動的表示実行手段により識別情報の動的表示が行われている間に所定の始動条件が成立した場合、取得手段により取得された情報は所定の数を上限として記憶手段に記憶され、その情報に基づく識別情報の動的表示の実行が保留される。ここで、記憶手段に記憶されている情報のそれぞれに基づいて実行される識別情報の動的表示、即ち、実行が保留されている識別情報の動的表示の中に、所定の識別情報が現出される識別情報の動的表示があるか否かが判断手段により判断される。そして、遊技者による操作が可能な操作手段に対して、所定の操作がなされたことが検出手段により検出された場合に、判断手段による判断結果に基づいて報知手段による報知が行われる。これにより、遊技者が操作手段に対して所定の操作を行うことで、報知手段による報知に基づき、実行が保留されている識別情報の動的表示の中に所定の識別情報が現出される識別情報の動的表示があるか否かを把握することができる。よって、遊技者が退席したい場合や用件を済ませたい場合に遊技を即座に止めてもよいか否かを、遊技者に容易に判断させることができるという効果がある。
遊技機A1において、
前記判断手段は、前記記憶手段に記憶されている情報のそれぞれに基づいて実行される前記識別情報の動的表示と、前記動的表示実行手段により実行中の前記識別情報の動的表示との中に、前記所定の識別情報が現出される識別情報の動的表示があるか否かを判断するものであることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、記憶手段に記憶されている情報のそれぞれに基づいて実行される識別情報の動的表示、即ち、実行が保留されている識別情報の動的表示だけでなく、動的表示実行手段により実行中の識別情報の動的表示をも含めて、所定の識別情報が現出される識別情報の動的表示があるか否かが判断手段により判断され、操作手段に対して所定の操作がなされたことが検出手段により検出された場合に、その判断手段による判断結果に基づいて報知手段による報知が行われる。これにより、遊技者が操作手段に対して所定の操作を行うことで、報知手段による報知に基づき、実行が保留されている識別情報の動的表示だけでなく、実行中の識別情報の動的表示をも含めて、それらの中に所定の識別情報が現出される識別情報の動的表示があるか否かを把握することができる。よって、これらの識別情報の動的表示の中に所定の識別情報が現出される識別情報の動的表示がないと報知手段による報知によって把握される場合は、実行中の識別情報の動的表示においても所定の識別情報は現出されないので、即座に退席したり用件を済ませたりといった行為に移ろうという判断を遊技者に行わせることができるという効果がある。
遊技機A1又はA2において、
前記判断手段は、前記記憶手段に記憶されている情報に基づいて実行される前記識別情報の動的表示のうち、その識別情報の動的表示が実行されるまでに他の識別情報の動的表示が実行される数である保留回数が所定数以下である識別情報の動的表示において、前記所定の識別情報が現出される識別情報の動的表示があるか否かを判断するものであることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A1又はA2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、記憶手段に記憶されている情報に基づいて実行される前記識別情報の動的表示のうち、その識別情報の動的表示が実行されるまでに他の識別情報の動的表示が実行される数である保留回数が所定数以下である識別情報の動的表示において、所定の識別情報が現出される識別情報の動的表示があるか否かが、判断手段により判断される。そして、操作手段に対して所定の操作がなされたことが検出手段により検出された場合に、その判断手段による判断結果に基づいて報知手段による報知が行われる。これにより、遊技者が操作手段に対して所定の操作を行うことで、報知手段による報知に基づき、保留回数が所定数以下である識別情報の動的表示、即ち、すぐに実行され得る識別情報の動的表示において、所定の識別情報が現出されるか否かを把握することができる。よって、遊技者が退席を短時間で済ませられる場合や、すぐに用件が済ませられるような場合に、遊技を止めて退席や用件を済ませてもよいか否かを、遊技者に容易に判断させることができるという効果がある。
遊技機A1又はA2において、
前記判断手段は、その記憶手段に記憶されている情報のそれぞれに基づいて実行される前記識別情報の動的表示のうち、第1時間が経過するまでに前記所定の識別情報が現出される識別情報の動的表示があるか否かを判断するものであることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A1又はA2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、記憶手段に記憶されている情報のそれぞれに基づいて実行される識別情報の動的表示のうち、第1時間が経過するまでに所定の識別情報が現出される識別情報の動的表示があるか否かが、判断手段により判断される。そして、操作手段に対して所定の操作がなされたことが検出手段により検出された場合に、その判断手段による判断結果に基づいて報知手段による報知が行われる。これにより、遊技者が操作手段に対して所定の操作を行うことで、報知手段による報知に基づき、第1時間が経過するまでに、識別情報の動的表示において所定の識別情報が現出されるか否かを把握することができる。よって、遊技者が退席を第1時間内に済ませられる場合や、用件が第1時間内に済ませられるような場合に、遊技を止めて退席や用件を済ませてもよいか否かを、遊技者に容易に判断させることができるという効果がある。
遊技機A1からA4のいずれかにおいて、
前記報知手段は、前記検出手段により前記操作手段に対して所定の操作がなされたことが検出された場合に、前記判断手段により前記所定の識別情報が現出される識別情報の動的表示があると判断されることに基づいて第1の報知を行うことを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A1からA4のいずれかが奏する効果に加え、次の効果がある。即ち、操作手段に対して所定の操作がなされたことが検出手段により検出された場合に、所定の識別情報が現出される識別情報の動的表示があると判断手段により判断されることに基づいて第1の報知が報知手段により行われる。これにより、遊技者が操作手段に対して所定の操作を行ったところ、第1の報知がなされれば、所定の識別情報が現出される識別情報の動的表示があることを即座に認識できるので、その所定の識別情報が現出されるまで、遊技を継続しようとする決断を即座に行うことができるという効果がある。
遊技機A5において、
前記報知手段により行われる前記第1の報知は、少なくともどの識別情報の動的表示において前記所定の識別情報が現出されるかを報知するものであることを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、遊技機A5の奏する効果に加え、第1の報知がなされる場合、少なくともどの識別情報の動的表示において所定の識別情報が現出されるかが報知手段により報知されるので、遊技者は、所定の識別情報が現出される識別情報の動的表示が実行されるまでに、退席したり用件を済ませたりすることができるか否かを判断できるという効果がある。
遊技機A1からA6のいずれかにおいて、
前記報知手段は、前記検出手段により前記操作手段に対して所定の操作がなされたことが検出された場合に、前記判断手段により前記所定の識別情報が現出される識別情報の動的表示がないと判断されることに基づいて第2の報知を行うことを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、遊技機A1からA6のいずれかが奏する効果に加え、次の効果がある。即ち、操作手段に対して所定の操作がなされたことが検出手段により検出された場合に、所定の識別情報が現出される識別情報の動的表示がないと判断手段により判断されることに基づいて第2の報知が報知手段により行われる。これにより、遊技者が操作手段に対して所定の操作を行ったところ、第2の報知がなされれば、所定の識別情報が現出される識別情報の動的表示がないことを即座に認識できるので、そのまま遊技を止めて退席や用件をすまそうという決断を即座に行うことができるという効果がある。一方、遊技者が操作手段に対して所定の操作を行っても、第2の報知が報知手段に行われなければ、所定の識別情報が現出されるかもしれないという期待感を遊技者に持たせながら、遊技を継続させる決断を行わせることができるという効果がある。
遊技機A1からA7のいずれかにおいて、
前記検出手段は、前記所定の操作として、前記操作手段に対する操作が第2時間以上継続して行われたか否かを検出するものであることを特徴とする遊技機A8。
遊技機A8によれば、遊技機A1からA7のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技者が、操作手段に対して、第2時間以上継続して操作した場合に、検出手段によりその操作が所定の操作として検出され、判断手段による判断結果に基づいて報知手段による報知が行われる。操作手段が第2時間以上継続して操作された場合、それは遊技者の意思に基づいて行われたものと判断できる一方、操作手段が継続して操作された時間が第2時間未満であった場合は、遊技者が意図せず操作手段を操作してしまったと判断できる。遊技機A8では、このように遊技者が意図せず操作手段を操作してしまったような場合に、所定の識別情報が現出されるか否かを報知によって遊技者が知ってしまうことを抑制でき、遊技の楽しさを奪うことを抑制できるという効果がある。
遊技機A1からA7のいずれかにおいて、
前記検出手段は、前記所定の操作として、前記操作手段に対する操作が第3時間以内に所定回数行われたか否かを検出するものであることを特徴とする遊技機A9。
遊技機A9によれば、遊技機A1からA8のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技者が、操作手段に対する操作を第3時間以内に所定回数行った場合に、検出手段によりその操作が所定の操作として検出され、判断手段による判断結果に基づいて報知手段による報知が行われる。操作手段が第3時間以内に所定回数操作された場合、それは遊技者の意思に基づいて行われたものと判断できる一方、操作手段が第3時間以内に所定回数操作されなかった場合は、遊技者が意図せず操作手段を操作してしまったと判断できる。遊技機A9では、このように遊技者が意図せず操作手段を操作してしまったような場合に、所定の識別情報が現出されるか否かを報知によって遊技者が知ってしまうことを抑制でき、遊技の楽しさを奪うことを抑制できるという効果がある。
遊技機A1からA9のいずれかにおいて、
前記報知手段は、前記検出手段により前記操作手段に対して所定の操作がなされたことが検出された場合に、その操作手段に対する操作が終了するまでの間、前記判断手段による判断結果に基づいて報知を行うものであることを特徴とする遊技機A10。
遊技機A10によれば、遊技機A1からA9のいずれかが奏する効果に加え、操作手段に対して所定の操作がなされたことが検出手段により検出された場合に、その操作手段に対する操作が終了するまでの間、判断手段による判断結果に基づいて報知手段による報知が行われる。これにより、操作手段に対する操作が終了すると、報知も終了するので、遊技者は、報知に基づいて判断手段による判断結果を把握すると、操作手段の操作を終了することで、報知手段による報知を終了させることができる。よって、必要以上に報知手段による報知が行われることを抑制できるので、遊技者以外の者に、所定の識別情報が現出される識別情報の動的表示があるか否かが把握されることを抑制できるという効果がある。
所定の始動条件の成立を契機として情報を取得する取得手段と、その取得手段により取得された情報に基づいて判定を行う判定手段と、その判定手段による判定結果に基づいて表示手段に識別情報の動的表示を実行させる動的表示実行手段と、を備え、その動的表示実行手段により実行される前記識別情報の動的表示において所定の識別情報が現出された場合に、遊技者に所定の遊技価値を付与する遊技機において、
前記取得手段により取得される情報を少なくとも前記判定手段による判定に用いられるまで所定の数を上限として記憶する記憶手段と、
その記憶手段に記憶されている情報のそれぞれに基づいて実行される前記識別情報の動的表示の実行時間を算出する算出手段と、
遊技者による操作が可能な操作手段と、
その操作手段に対して所定の操作がなされたことを検出する検出手段と、
その検出手段により前記操作手段に対して所定の操作がなされたことが検出された場合に、前記算出手段により算出された前記実行時間を報知する報知手段と、を備えることを特徴とする遊技機B1。
遊技機B1によれば、所定の始動条件の成立を契機として取得手段により情報が取得され、その取得手段により取得された情報に基づいて判定手段により判定が行われる。その判定手段による判定結果に基づいて表示手段に識別情報の動的表示が動的表示実行手段により実行される。その識別情報の動的表示において所定の識別情報が現出された場合に、遊技者に所定の遊技価値が付与される。取得手段により取得される情報は、少なくとも判定手段による判定に用いられるまで、所定の数を上限として記憶手段に記憶される。即ち、動的表示実行手段により識別情報の動的表示が行われている間に所定の始動条件が成立した場合、取得手段により取得された情報は所定の数を上限として記憶手段に記憶され、その情報に基づく識別情報の動的表示の実行が保留される。ここで、記憶手段に記憶されている情報のそれぞれに基づいて実行される識別情報の動的表示、即ち、実行が保留されている識別情報の動的表示の各実行時間が算出手段により算出される。そして、遊技者による操作が可能な操作手段に対して、所定の操作がなされたことが検出手段により検出された場合に、算出手段により算出された実行時間が報知手段により報知される。これにより、遊技者が操作手段に対して所定の操作を行うことで、報知手段による報知に基づき、実行が保留された識別情報の動的表示の各実行時間を把握することができる。よって、遊技者が退席したい場合や用件を済ませたい場合に、実行時間が長い識別情報の動的表示があれば、その識別情報の動的表示が実行される間に、遊技を止めて退席や用件を済ませようとする判断を、遊技者に容易にさせることができるという効果がある。
遊技機B1において、
前記算出手段は、前記記憶手段に記憶されている情報のそれぞれに基づいて実行される前記識別情報の動的表示の実行時間と、前記動的表示実行手段により実行中の前記識別情報の動的表示の実行が終了するまでの残りの実行時間とを算出し、
前記報知手段は、前記検出手段により前記操作手段に対して所定の操作がなされたことが検出された場合に放置する実行時間として、前記算出手段により算出された前記実行時間および前記残りの実行時間を報知するものであることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、記憶手段に記憶されている情報のそれぞれに基づいて実行される識別情報の動的表示、即ち、実行が保留されている識別情報の動的表示の実行時間だけでなく、動的表示実行手段により実行中の識別情報の動的表示の実行が終了するまでの残りの実行時間をも含めて、算出手段により算出され、操作手段に対して所定の操作がなされたことが検出手段により検出された場合に、算出手段により算出された、実行が保留されている識別情報の動的表示の実行時間と動的表示実行手段により実行中の識別情報の動的表示の残りの実行時間とが、報知手段により報知される。これにより、遊技者が操作手段に対して所定の操作を行うことで、報知手段による報知に基づき、実行が保留されている識別情報の動的表示の実行時間だけでなく、実行中の識別情報の動的表示の残りの変動時間をも遊技者に把握させることができる。よって、遊技者が退席したい場合や用件を済ませたい場合に、実行中の識別情報の動的表示の残りの実行時間が長ければ、即座に遊技を止めて退席や用件を済ませようとする判断を、遊技者に容易にさせることができるという効果がある。
遊技機B1又はB2において、
前記記憶手段に記憶されている情報のそれぞれに基づいて実行される前記識別情報の動的表示の中に、前記所定の識別情報が現出される識別情報の動的表示があるか否かを判断する判断手段を備え、
前記報知手段は、その検出手段により前記操作手段に対して所定の操作がなされたことが検出された場合に、前記判断手段により前記所定の識別情報が現出される識別情報の動的表示があると判断されたことに基づいて、前記算出手段により算出された前記実行時間を報知するものであることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B1又はB2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、記憶手段に記憶されている情報のそれぞれに基づいて実行される識別情報の動的表示、つまり、実行が保留されている識別情報の動的表示の中に、所定の識別情報が現出される識別情報の動的表示があるか否かが判断手段により判断される。そして、遊技者による操作が可能な操作手段に対して、所定の操作がなされたことが検出手段により検出された場合に、所定の識別情報が現出される識別情報の動的表示があると判断手段により判断されることに基づいて、算出手段により算出された実行時間が報知手段により報知される。これにより、遊技者が操作手段に対して所定の操作を行ったところ、実行時間の報知がなされれば、所定の識別情報が現出される識別情報の動的表示があることを即座に認識できるので、その所定の識別情報が現出されるまで遊技を継続するか、報知された実行時間に基づいて、所定の識別情報が現出されるまでに退席や用件を済ませようとする決断や、報知がなければ、保留されていた識別情報の動的表示の実行が開始されてからすぐに退席や用件を済ませようとする決断を、即座に行うことができるという効果がある。
遊技機B3において、
前記判断手段は、前記記憶手段に記憶されている情報のそれぞれに基づいて実行される前記識別情報の動的表示と、前記動的表示実行手段により実行中の前記識別情報の動的表示との中に、前記所定の識別情報が現出される識別情報の動的表示があるか否かを判断するものであることを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技機B3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、記憶手段に記憶されている情報のそれぞれに基づいて実行される識別情報の動的表示、つまり、実行が保留されている識別情報の動的表示だけでなく、動的表示実行手段により実行中の識別情報の動的表示をも含めて、所定の識別情報が現出される識別情報の動的表示があるか否かが判断手段により判断され、操作手段に対して所定の操作がなされたことが検出手段により検出された場合に、所定の識別情報が現出される識別情報の動的表示があると判断手段により判断されることに基づいて、算出手段により算出された実行時間が報知手段により報知される。これにより、遊技者が操作手段に対して所定の操作を行うことで、報知手段による報知に基づき、実行が保留されている識別情報の動的表示だけでなく、実行中の識別情報の動的表示をも含めて、それらの中に所定の識別情報が現出される識別情報の動的表示があるか否かを把握することができる。よって、これらの識別情報の動的表示の中に所定の識別情報が現出される識別情報の動的表示がないと報知手段による報知によって把握される場合は、実行中の識別情報の動的表示においても所定の識別情報は現出されないので、即座に退席したり用件を済ませたりといった行為に移ろうという判断を遊技者に行わせることができるという効果がある。
遊技機B3又はB4において、
前記判断手段は、前記記憶手段に記憶されている情報に基づいて実行される前記識別情報の動的表示のうち、その識別情報の動的表示が実行されるまでに他の識別情報の動的表示が実行される数である保留回数が所定数以下である識別情報の動的表示において、前記所定の識別情報が現出される識別情報の動的表示があるか否かを判断するものであることを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、遊技機B3又はB4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、記憶手段に記憶されている情報に基づいて実行される前記識別情報の動的表示のうち、その識別情報の動的表示が実行されるまでに他の識別情報の動的表示が実行される数である保留回数が所定数以下である識別情報の動的表示において、所定の識別情報が現出される識別情報の動的表示があるか否かが、判断手段により判断される。そして、操作手段に対して所定の操作がなされたことが検出手段により検出された場合に、所定の識別情報が現出される識別情報の動的表示があると判断手段により判断されることに基づいて、算出手段により算出された実行時間が報知手段により報知される。これにより、遊技者が操作手段に対して所定の操作を行うことで、報知手段による報知に基づき、保留回数が所定数以下である識別情報の動的表示、即ち、すぐに実行され得る識別情報の動的表示において、所定の識別情報が現出されるか否かを把握することができる。よって、遊技者が退席を短時間で済ませられる場合や、すぐに用件が済ませられるような場合に、遊技を止めて退席や用件を済ませてもよいか否かを、遊技者に容易に判断させることができるという効果がある。
遊技機B3又はB4において、
前記判断手段は、その記憶手段に記憶されている情報のそれぞれに基づいて実行される前記識別情報の動的表示のうち、第1時間が経過するまでに前記所定の識別情報が現出される識別情報の動的表示があるか否かを判断するものであることを特徴とする遊技機B6。
遊技機B6によれば、遊技機B3又はB4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、記憶手段に記憶されている情報のそれぞれに基づいて実行される識別情報の動的表示のうち、第1時間が経過するまでに所定の識別情報が現出される識別情報の動的表示があるか否かが、判断手段により判断される。そして、操作手段に対して所定の操作がなされたことが検出手段により検出された場合に、所定の識別情報が現出される識別情報の動的表示があると判断手段により判断されることに基づいて、算出手段により算出された実行時間が報知手段により報知される。これにより、遊技者が操作手段に対して所定の操作を行うことで、報知手段による報知に基づき、第1時間が経過するまでに、識別情報の動的表示において所定の識別情報が現出されるか否かを把握することができる。よって、遊技者が退席を第1時間内に済ませられる場合や、用件が第1時間内に済ませられるような場合に、遊技を止めて退席や用件を済ませてもよいか否かを、遊技者に容易に判断させることができるという効果がある。
遊技機B3からB6のいずれかにおいて、
前記報知手段は、前記実行時間の報知とあわせて、少なくともどの識別情報の動的表示において前記所定の識別情報が現出されるかを報知するものであることを特徴とする遊技機B7。
遊技機B7によれば、遊技機B3からB6のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、実行時間の報知が報知手段により行われる場合に、少なくともどの識別情報の動的表示において所定の識別情報が現出されるかがあわせて報知される。これにより、遊技者は、実行時間の報知があった場合に、どの識別情報の動的表示において所定の識別情報が現出されるかを把握できるので、その所定の識別情報が現出されるまでの時間を、容易に把握することができる。よって、遊技者は、所定の識別情報が現出される識別情報の動的表示が実行されるまでに、退席したり用件を済ませたりすることができるか否かを判断できるという効果がある。
遊技機B1からB7のいずれかにおいて、
前記報知手段は、前記検出手段により前記操作手段に対して所定の操作がなされたことが検出された場合に、前記所定の識別情報が現出される識別情報の動的表示があるときには、その所定の識別情報が現出されるまでの識別情報の動的表示の前記算出手段により算出された前記実行時間を報知するものであることを特徴とする遊技機B8。
遊技機B8によれば、遊技機B1からB7のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、検出手段により操作手段に対して所定の操作がなされたことが検出された場合に、所定の識別情報が現出される識別情報の動的表示があるときには、その所定の識別情報が現出されるまでの識別情報の動的表示の算出手段により算出された実行時間が、報知手段により報知される。これにより、報知手段による報知において、所定の識別情報が現出されるまでの識別情報の動的表示の実行時間を遊技者に分かりやすく把握させることができるので、所定の識別情報が現出されるまでに遊技を止めて退席や用件を済ませるか田舎の判断を、遊技者に容易に行わせることができるという効果がある。
遊技機B1からB8のいずれかにおいて、
前記所定の始動条件は、所定の遊技領域へ発射された遊技媒体が、遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞または作動口を通過したことをもって成立するものであり、
前記遊技機は、前記所定の遊技領域への前記遊技媒体の発射が停止された状態にあるか否かを判定する停止状態判定手段を備え、
前記報知手段は、前記検出手段により前記操作手段に対して所定の操作がなされたことが検出された場合に、前記停止状態判定手段により前記所定の遊技領域への前記遊技媒体の発射が停止された状態にあると判定されたことを条件として、前記算出手段により算出された前記実行時間を報知するものであることを特徴とする遊技機B9。
遊技機B9によれば、遊技機B1からB8のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、所定の始動条件は、所定の遊技領域へ発射された遊技媒体が、遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞または作動口を通過したことをもって成立するものであり、所定の遊技領域への遊技媒体の発射が停止された状態にあるのか否かが停止状態判定手段によって判定される。そして、遊技者による操作が可能な操作手段に対して、所定の操作がなされたことが検出手段により検出された場合に、停止状態判定手段により所定の遊技領域への遊技媒体の発射が停止された状態にあると判定されたことを条件として、算出手段により算出された実行時間が報知手段により報知される。識別情報の動的表示の実行時間は、その識別情報の動的表示の実行が開始されるときに記憶手段にて実行が保留された識別情報の動的表示の数に応じて決定される場合がある。所定の遊技領域への遊技媒体の発射が停止された状態にあれば、そのような場合であっても、保留中の識別情報の動的表示の実行時間を正確に算出できるので、所定の遊技領域への遊技媒体の発射が停止された状態にあると判定されたことを条件として、算出手段により算出された実行時間を報知することのより、正確な実行時間を遊技者に把握させることができる。よって、遊技者が退席したい場合や用件を済ませたい場合に、実行時間が長い識別情報の動的表示があれば、その識別情報の動的表示が実行される間に、遊技を止めて退席や用件を済ませようとする判断を、正確な実行時間に基づいて遊技者にさせることができるという効果がある。
遊技機B9において、
前記報知手段は、前記検出手段により前記操作手段に対して所定の操作がなされたことが検出された場合に、前記停止状態判定手段により前記所定の遊技領域への前記遊技媒体の発射が停止された状態にないと判定されるときには、前記算出手段により算出された前記実行時間を参考値として報知するものであることを特徴とする遊技機B10。
遊技機B10によれば、遊技機B9の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、検出手段により操作手段に対して所定の操作がなされたことが検出された場合に、停止状態判定手段により所定の遊技領域への遊技媒体の発射が停止された状態にないと判定されるときには、算出手段により算出された実行時間が参考値として報知手段により報知される。これにより、遊技者が退席したい場合や用件を済ませたい場合に、所定の遊技領域への遊技媒体の発射が停止された状態にない場合であっても、操作手段に所定の操作を行なうことで識別情報の動的表示の実行時間が参考値として報知されるので、その参考値に基づいて、実行時間が長い識別情報の動的表示があれば、その識別情報の動的表示が実行される間に、遊技を止めて退席や用件を済ませようとする判断を遊技者が行うことができるという効果がある。
遊技機B1からB10のいずれかにおいて、
前記検出手段は、前記所定の操作として、前記操作手段に対する操作が第2時間以上継続して行われたか否かを検出するものであることを特徴とする遊技機B11。
遊技機B11によれば、遊技機B1からB10のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技者が、操作手段に対して、第2時間以上継続して操作した場合に、検出手段によりその操作が所定の操作として検出され、算出手段により算出された実行時間が報知手段により報知される。操作手段が第2時間以上継続して操作された場合、それは遊技者の意思に基づいて行われたものと判断できる一方、操作手段が継続して操作された時間が第2時間未満であった場合は、遊技者が意図せず操作手段を操作してしまったと判断できる。遊技機B11では、このように遊技者が意図せず操作手段を操作してしまったような場合に、識別情報の動的表示の実行時間を報知によって遊技者が知ってしまうことを抑制でき、遊技の楽しさを奪うことを抑制できるという効果がある。
遊技機B1からB10のいずれかにおいて、
前記検出手段は、前記所定の操作として、前記操作手段に対する操作が第3時間以内に所定回数行われたか否かを検出するものであることを特徴とする遊技機B12。
遊技機B12によれば、遊技機B1からB10のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技者が、操作手段に対する操作を第3時間以内に所定回数行った場合に、検出手段によりその操作が所定の操作として検出され、算出手段により算出された実行時間が報知手段により報知される。操作手段が第3時間以内に所定回数操作された場合、それは遊技者の意思に基づいて行われたものと判断できる一方、操作手段が第3時間以内に所定回数操作されなかった場合は、遊技者が意図せず操作手段を操作してしまったと判断できる。遊技機B12では、このように遊技者が意図せず操作手段を操作してしまったような場合に、識別情報の動的表示の実行時間を報知によって遊技者が知ってしまうことを抑制でき、遊技の楽しさを奪うことを抑制できるという効果がある。
遊技機B1からB12のいずれかにおいて、
前記報知手段は、前記検出手段により前記操作手段に対して所定の操作がなされたことが検出された場合に、その操作手段に対する操作が終了するまでの間、前記算出手段により算出された前記実行時間を報知するものであることを特徴とする遊技機B13。
遊技機B13によれば、遊技機B1からB12のいずれかが奏する効果に加え、操作手段に対して所定の操作がなされたことが検出手段により検出された場合に、その操作手段に対する操作が終了するまでの間、算出手段により算出された実行時間が報知される。これにより、操作手段に対する操作が終了すると、報知も終了するので、遊技者は、報知に基づいて識別情報の動的表示の実行時間を把握すると、操作手段の操作を終了することで、報知手段による報知を終了させることができる。よって、必要以上に報知手段による報知が行われることを抑制できるので、遊技者以外の者に、識別情報の動的表示の実行時間が把握されることを抑制できるという効果がある。
所定の始動条件の成立を契機として情報を取得する取得手段と、その取得手段により取得された情報に基づいて判定を行う判定手段と、その判定手段による判定結果に基づいて表示手段に識別情報の動的表示を実行させる動的表示実行手段と、を備え、その動的表示実行手段により実行される前記識別情報の動的表示において所定の識別情報が現出された場合に、遊技者に所定の遊技価値を付与する遊技機において、
前記取得手段により取得される情報を少なくとも前記判定手段による判定に用いられるまで所定の数を上限として記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶されている情報に基づいて、前記所定の識別情報が現出されるまでの時間を算出する算出手段と、
遊技者による操作が可能な操作手段と、
その操作手段に対して所定の操作がなされたことを検出する検出手段と、
その検出手段により前記操作手段に対して所定の操作がなされたことが検出された場合に、前記算出手段により算出された前記所定の識別情報が現出されるまでの時間を報知する報知手段と、を備えることを特徴とする遊技機C1。
遊技機C1によれば、所定の始動条件の成立を契機として取得手段により情報が取得され、その取得手段により取得された情報に基づいて判定手段により判定が行われる。その判定手段による判定結果に基づいて表示手段に識別情報の動的表示が動的表示実行手段により実行される。その識別情報の動的表示において所定の識別情報が現出された場合に、遊技者に所定の遊技価値が付与される。取得手段により取得される情報は、少なくとも判定手段による判定に用いられるまで、所定の数を上限として記憶手段に記憶される。即ち、動的表示実行手段により識別情報の動的表示が行われている間に所定の始動条件が成立した場合、取得手段により取得された情報は所定の数を上限として記憶手段に記憶され、その情報に基づく識別情報の動的表示の実行が保留される。ここで、記憶手段に記憶されている情報のそれぞれに基づいて、所定の識別情報が現出されるまでの時間が算出手段により算出される。そして、遊技者による操作が可能な操作手段に対して、所定の操作がなされたことが検出手段により検出された場合に、算出手段により算出された所定の識別情報が現出されるまでの時間が報知手段により報知される。これにより、遊技者が操作手段に対して所定の操作を行うことで、報知手段による報知に基づき、所定の識別情報が現出されるまでの時間を把握することができる。よって、遊技者が退席したい場合や用件を済ませたい場合に、所定の識別情報が現出されるまでの間に、遊技を止めて退席や用件を済ませようとする判断を、遊技者に容易にさせることができるという効果がある。
遊技機C1において、
前記記憶手段に記憶されている情報のそれぞれに基づいて実行される前記識別情報の動的表示の中に、前記所定の識別情報が現出される識別情報の動的表示があるか否かを判断する判断手段を備え、
前記報知手段は、その検出手段により前記操作手段に対して所定の操作がなされたことが検出された場合に、前記判断手段により前記所定の識別情報が現出される識別情報の動的表示がないと判断される場合は、報知を非実行とするものであることを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、記憶手段に記憶されている情報のそれぞれに基づいて実行される識別情報の動的表示、つまり、実行が保留されている識別情報の動的表示の中に、所定の識別情報が現出される識別情報の動的表示があるか否かが判断手段により判断される。そして、遊技者による操作が可能な操作手段に対して、所定の操作がなされたことが検出手段により検出された場合に、所定の識別情報が現出される識別情報の動的表示がないと判断手段により判断される場合は、報知手段による報知が非実行とされる。これにより、遊技者が操作手段に所定の操作をなしても、報知がなければ、実行が保留されている識別情報の動的表示の中に、所定の識別情報が現出される識別情報の動的表示がないことを把握できる。よって、この場合に、少なくとも保留中の識別情報の動的表示の実行が開始されると遊技を止めて退席や用件を済ませることができるという判断を、遊技者に容易にさせることができるという効果がある。
遊技機C2において、
前記判断手段は、前記記憶手段に記憶されている情報のそれぞれに基づいて実行される前記識別情報の動的表示と、前記動的表示実行手段により実行中の前記識別情報の動的表示との中に、前記所定の識別情報が現出される識別情報の動的表示があるか否かを判断するものであることを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、遊技機C2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、記憶手段に記憶されている情報のそれぞれに基づいて実行される識別情報の動的表示、つまり、実行が保留されている識別情報の動的表示だけでなく、動的表示実行手段により実行中の識別情報の動的表示をも含めて、所定の識別情報が現出される識別情報の動的表示があるか否かが判断手段により判断され、操作手段に対して所定の操作がなされたことが検出手段により検出された場合に、所定の識別情報が現出される識別情報の動的表示がないと判断手段により判断されると、報知手段による報知が非実行とされる。これにより、遊技者が操作手段に所定の操作をなしても、報知がなければ、実行が保留されている識別情報の動的表示だけでなく、実行中の識別情報の動的表示においても、所定の識別情報が現出される識別情報の動的表示がないことを把握できる。よって、この場合に、即座に遊技を止めて退席や用件を済ませることができるという判断を、遊技者に容易にさせることができるという効果がある。
遊技機C1からC3のいずれかにおいて、
前記所定の始動条件は、所定の遊技領域へ発射された遊技媒体が、遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞または作動口を通過したことをもって成立するものであり、
前記遊技機は、前記所定の遊技領域への前記遊技媒体の発射が停止された状態にあるか否かを判定する停止状態判定手段を備え、
前記報知手段は、前記検出手段により前記操作手段に対して所定の操作がなされたことが検出された場合に、前記停止状態判定手段により前記所定の遊技領域への前記遊技媒体の発射が停止された状態にあると判定されたことを条件として、前記算出手段により算出された前記所定の識別情報が現出されるまでの時間を報知するものであることを特徴とする遊技機C2。
遊技機C4によれば、遊技機C1からC3のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、所定の始動条件は、所定の遊技領域へ発射された遊技媒体が、遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞または作動口を通過したことをもって成立するものであり、所定の遊技領域への遊技媒体の発射が停止された状態にあるのか否かが停止状態判定手段によって判定される。そして、遊技者による操作が可能な操作手段に対して、所定の操作がなされたことが検出手段により検出された場合に、停止状態判定手段により所定の遊技領域への遊技媒体の発射が停止された状態にあると判定されたことを条件として、算出手段により算出された所定の識別情報が現出されるまでの時間が報知手段により報知される。識別情報の動的表示の実行時間は、その識別情報の動的表示の実行が開始されるときに記憶手段にて実行が保留された識別情報の動的表示の数に応じて決定される場合がある。所定の遊技領域への遊技媒体の発射が停止された状態にあれば、そのような場合であっても、保留中の識別情報の動的表示の実行時間を正確に算出できるので、所定の遊技領域への遊技媒体の発射が停止された状態にあると判定されたことを条件として、算出手段により算出された、所定の識別情報が現出されるまでの時間を報知することのより、正確な該時間を遊技者に把握させることができる。よって、遊技者が退席したい場合や用件を済ませたい場合に、所定の識別情報が現出されるまでの間に、遊技を止めて退席や用件を済ませようとする判断を、正確な時間に基づいて遊技者にさせることができるという効果がある。
遊技機C4において、
前記報知手段は、前記検出手段により前記操作手段に対して所定の操作がなされたことが検出された場合に、前記停止状態判定手段により前記所定の遊技領域への前記遊技媒体の発射が停止された状態にないと判定されるときには、前記算出手段により算出された前記所定の識別情報が現出されるまでの時間を参考値として報知するものであることを特徴とする遊技機C5。
遊技機C5によれば、遊技機C4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、検出手段により操作手段に対して所定の操作がなされたことが検出された場合に、停止状態判定手段により所定の遊技領域への遊技媒体の発射が停止された状態にないと判定されるときには、算出手段により算出された前記所定の識別情報が現出されるまでの時間が、参考値として報知手段により報知される。これにより、遊技者が退席したい場合や用件を済ませたい場合に、所定の遊技領域への遊技媒体の発射が停止された状態にない場合であっても、操作手段に所定の操作を行なうことで所定の識別情報が現出されるまでの時間が参考値として報知されるので、その参考値に基づいて、その所定の識別情報が現出さえるまでの間に、遊技を止めて退席や用件を済ませようとする判断を遊技者が行うことができるという効果がある。
遊技機C1からC5のいずれかにおいて、
前記検出手段は、前記所定の操作として、前記操作手段に対する操作が第2時間以上継続して行われたか否かを検出するものであることを特徴とする遊技機C6。
遊技機C6によれば、遊技機C1からC5のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技者が、操作手段に対して、第2時間以上継続して操作した場合に、検出手段によりその操作が所定の操作として検出され、算出手段により算出された所定の識別情報が現出されるまでの時間が報知手段により報知される。操作手段が第2時間以上継続して操作された場合、それは遊技者の意思に基づいて行われたものと判断できる一方、操作手段が継続して操作された時間が第2時間未満であった場合は、遊技者が意図せず操作手段を操作してしまったと判断できる。遊技機C6では、このように遊技者が意図せず操作手段を操作してしまったような場合に、所定の識別情報が現出されるまでの時間を報知によって遊技者が知ってしまうことを抑制でき、遊技の楽しさを奪うことを抑制できるという効果がある。
遊技機C1からC5のいずれかにおいて、
前記検出手段は、前記所定の操作として、前記操作手段に対する操作が第3時間以内に所定回数行われたか否かを検出するものであることを特徴とする遊技機C7。
遊技機C7によれば、遊技機C1からC6のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技者が、操作手段に対する操作を第3時間以内に所定回数行った場合に、検出手段によりその操作が所定の操作として検出され、算出手段により算出された所定の識別情報が現出されるまでの時間が報知手段により報知される。操作手段が第3時間以内に所定回数操作された場合、それは遊技者の意思に基づいて行われたものと判断できる一方、操作手段が第3時間以内に所定回数操作されなかった場合は、遊技者が意図せず操作手段を操作してしまったと判断できる。遊技機C7では、このように遊技者が意図せず操作手段を操作してしまったような場合に、所定の識別情報が現出されるまでの時間を報知によって遊技者が知ってしまうことを抑制でき、遊技の楽しさを奪うことを抑制できるという効果がある。
遊技機C1からC7のいずれかにおいて、
前記報知手段は、前記検出手段により前記操作手段に対して所定の操作がなされたことが検出された場合に、その操作手段に対する操作が終了するまでの間、前記算出手段により算出された前記所定の識別情報が現出されるまでの時間を報知するものであることを特徴とする遊技機C8。
遊技機C8によれば、遊技機C1からC8のいずれかが奏する効果に加え、操作手段に対して所定の操作がなされたことが検出手段により検出された場合に、その操作手段に対する操作が終了するまでの間、算出手段により算出された所定の識別情報が現出されるまでの時間が報知される。これにより、操作手段に対する操作が終了すると、報知も終了するので、遊技者は、報知に基づいて所定の識別情報が現出されるまでの時間を把握すると、操作手段の操作を終了することで、報知手段による報知を終了させることができる。よって、必要以上に報知手段による報知が行われることを抑制できるので、遊技者以外の者に、所定の識別情報が現出されるまでの時間が把握されることを抑制できるという効果がある。
所定の始動条件の成立を契機として情報を取得する取得手段と、その取得手段により取得された情報に基づいて判定を行う判定手段と、その判定手段による判定結果に基づいて表示手段に識別情報の動的表示を実行させる動的表示実行手段と、を備え、その動的表示実行手段により実行される前記識別情報の動的表示において所定の識別情報が現出された場合に、遊技者に所定の遊技価値を付与する遊技機において、
前記取得手段により取得される情報を少なくとも前記判定手段による判定に用いられるまで所定の数を上限として記憶する記憶手段と、
遊技者による操作が可能な操作手段と、
その操作手段に対して所定の操作がなされたことを検出する検出手段と、
その検出手段により前記操作手段に対して所定の操作がなされたことが検出された場合に、前記記憶手段に記憶されている情報に基づく報知を行う報知手段と、
前記検出手段により前記操作手段に対して所定の操作がなされたことが検出されると、その後、前記操作手段に対して所定の操作がなされても前記報知手段による報知を非実行とする非実行手段を備えることを特徴とする遊技機D1。
遊技機D1によれば、所定の始動条件の成立を契機として取得手段により情報が取得され、その取得手段により取得された情報に基づいて判定手段により判定が行われる。その判定手段による判定結果に基づいて表示手段に識別情報の動的表示が動的表示実行手段により実行される。その識別情報の動的表示において所定の識別情報が現出された場合に、遊技者に所定の遊技価値が付与される。取得手段により取得される情報は、少なくとも判定手段による判定に用いられるまで、所定の数を上限として記憶手段に記憶される。即ち、動的表示実行手段により識別情報の動的表示が行われている間に所定の始動条件が成立した場合、取得手段により取得された情報は所定の数を上限として記憶手段に記憶され、その情報に基づく識別情報の動的表示の実行が保留される。ここで、遊技者による操作が可能な操作手段に対して、所定の操作がなされたことが検出手段により検出された場合に、記憶手段に記憶されている情報に基づく報知が報知手段により行われる。これにより、遊技者が操作手段に対して所定の操作を行うことで、報知手段による報知に基づき、実行が保留されている識別情報の動的表示に関する情報を把握することができる。よって、遊技者が退席したい場合や用件を済ませたい場合に遊技を即座に止めてもよいか否かを、報知に基づき把握した実行が保留されている識別情報の動的表示に関する情報に基づいて、遊技者に容易に判断させることができるという効果がある。また、検出手段により操作手段に対して所定の操作がなされたことが検出されると、その後、操作手段に対して所定の操作がなされても報知手段による報知が非実行手段により非実行とされる。これにより、遊技者が報知に基づいて退席をしている間、遊技者以外のものが操作手段を操作しても、報知の結果を遊技者以外のものに知られることを抑制できる。よって、元々遊技を行っていた者の利益を守ることができるという効果がある。
遊技機A1からA10,B1からB13,C1からC8のいずれかにおいて、
前記検出手段により前記操作手段に対して所定の操作がなされたことが検出されると、その後、前記操作手段に対して所定の操作がなされても前記報知手段による報知を非実行とする非実行手段を備えることを特徴とする遊技機D2。
遊技機D2によれば、遊技機A1からA10,B1からB13,C1からC8のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、検出手段により操作手段に対して所定の操作がなされたことが検出されると、その後、操作手段に対して所定の操作がなされても報知手段による報知が非実行手段により非実行とされる。これにより、遊技者が、報知に基づいて退席をしている間、遊技者以外のものが操作手段を操作しても、報知の結果を遊技者以外のものに知られることを抑制できる。よって、元々遊技を行っていた者の利益を守ることができるという効果がある。
遊技機D1又はD2において、
前記記憶手段に記憶された全ての情報が前記判定手段による判定に用いられたか否かを判断する記憶判断手段と、
その記憶判断手段により前記記憶手段に記憶された全ての情報が前記判定手段による判定に用いられたと判断された場合に、前記非実行手段による前記報知の非実行を解除する解除手段と、を備えることを特徴とする遊技機D3。
遊技機D3によれば、遊技機D1又はD2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、記憶手段に記憶された全ての情報が判定手段による判定に用いられたと記憶判断手段により判断された場合に、非実行手段による報知の非実行が解除手段によって解除される。これにより、少なくとも記憶手段に記憶された全ての情報が判定手段による判定に用いられるまでは、遊技者以外の者に対して報知の結果を把握できないようにすることができるという効果がある。また、記憶手段に記憶された全ての情報が判定手段による判定に用いられた場合、元々遊技を行なっていた者の遊技によって実行が保留されていた識別情報の動的表示が一旦すべて実行されたと考えられるので、その後に遊技を行ったものが、操作手段に所定の操作をなすことで、その操作に基づく報知を得ることができるという効果がある。
遊技機D1又はD2において、
前記報知手段による報知のために用いられた前記記憶手段に記憶されている情報が全て前記判定手段による判定に用いられたか否かを判断する記憶判断手段と、
その記憶判断手段により、前記報知手段による報知のために用いられた前記記憶手段に記憶されている情報が全て前記判定手段による判定に用いられたと判断された場合に、前記非実行手段による前記報知の非実行を解除する解除手段と、を備えることを特徴とする遊技機D4。
遊技機D4によれば、遊技機D1又はD2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、報知手段による報知のために用いられた記憶手段に記憶されている情報が全て判定手段による判定に用いられたと記憶判断手段により判断された場合に、非実行手段による報知の非実行が解除手段によって解除される。これにより、少なくとも報知手段による報知のために用いられた記憶手段に記憶されている情報が全て判定手段による判定に用いられるまでは、遊技者以外の者に対して、報知の結果を把握できないようにすることができるという効果がある。また、報知手段による報知のために用いられた記憶手段に記憶されている情報が全て判定手段による判定に用いられたら、遊技者は再び操作手段に所定の操作をなすことで、前回の報知のために用いられた情報の後に取得され、記憶手段に記憶された情報を用いて、報知手段による報知を行うことができるので、遊技者は、報知の機会を多く持つことができるという効果がある。
遊技機D1又はD2において、
前記所定の始動条件が成立した場合に、前記非実行手段による前記報知の非実行を解除する解除手段と、を備えることを特徴とする遊技機D5。
遊技機D5によれば、遊技機D1又はD2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、所定の始動条件が成立すると、非実行手段による報知の非実行が解除手段によって解除される。これにより、報知が非実行とされてから、少なくとも所定の始動条件が成立するまでは、遊技者以外の者に対して、報知の結果を把握できないようにすることができるという効果がある。また、所定の始動条件が成立すれば、遊技者は再び操作手段に所定の操作をなすことで、判断手段による判断の後に記憶手段に記憶された情報を用いて判断手段による判断を行うことができるので、遊技者は、その所定の始動条件の成立を契機として新たに取得され記憶手段に記憶された情報に基づいて、報知の機会を多く持つことができるという効果がある。
遊技機D1からD5のいずれかにおいて、
前記動的表示実行手段により実行される前記識別情報の動的表示において所定の識別情報が現出されたことを契機として、前記非実行手段による前記報知の非実行を解除する第2解除手段を備えることを特徴とする遊技機D6。
遊技機D6によれば、遊技機D1からD5のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、動的表示実行手段により実行される識別情報の動的表示において所定の識別情報が現出されたことを契機として、非実行手段による報知の非実行が、第2解除手段により解除される。遊技者は、操作手段に所定の操作をなしたことに基づく報知によって、退席や用件を行わず遊技を継続する場合がある。そして、所定の遊技価値が付与された段階で、実行が保留された識別情報の動的表示が残されている場合がある。遊技者は、再び、操作手段に所定の操作をなすことで、所定の遊技価値が付与された段階で実行が保留された識別情報の動的表示に対する報知を行わせることができる。よって、遊技者は、所定の遊技価値の付与後に、再び、その段階で遊技者が退席したり用件を済ませたりする行為を即座に実行してもよいか否かを判断できる。
所定の始動条件の成立を契機として情報を取得する取得手段と、その取得手段により取得された情報に基づいて判定を行う判定手段と、その判定手段による判定結果に基づいて表示手段に識別情報の動的表示を実行させる動的表示実行手段と、を備え、その動的表示実行手段により実行される前記識別情報の動的表示において所定の識別情報が現出された場合に、遊技者に所定の遊技価値を付与する遊技機において、
前記取得手段により取得される情報を少なくとも前記判定手段による判定に用いられるまで所定の数を上限として記憶する記憶手段と、
遊技者による操作が可能な操作手段と、
その操作手段に対して所定の操作がなされたことを検出する検出手段と、
その検出手段により前記操作手段に対して所定の操作がなされたことが検出された場合に、前記記憶手段に記憶されている情報に基づく報知を行う報知手段と、
遊技者に付与された第2情報の入力を受け付ける受付手段と、
遊技者からの指示に基づき前記受付手段により前記入力が受け付けられてからの遊技状態に関する第3情報を出力する出力手段と、を備え、
前記報知手段は、前記受付手段により前記入力が受け付けられてから前記出力手段による出力がなされるまでの間、前記検出手段により前記操作手段に対して所定の操作がなされたことが検出された場合に報知を行なうものであることを特徴とする遊技機D7。
遊技機D7によれば、所定の始動条件の成立を契機として取得手段により情報が取得され、その取得手段により取得された情報に基づいて判定手段により判定が行われる。その判定手段による判定結果に基づいて表示手段に識別情報の動的表示が動的表示実行手段により実行される。その識別情報の動的表示において所定の識別情報が現出された場合に、遊技者に所定の遊技価値が付与される。取得手段により取得される情報は、少なくとも判定手段による判定に用いられるまで、所定の数を上限として記憶手段に記憶される。即ち、動的表示実行手段により識別情報の動的表示が行われている間に所定の始動条件が成立した場合、取得手段により取得された情報は所定の数を上限として記憶手段に記憶され、その情報に基づく識別情報の動的表示の実行が保留される。ここで、遊技者による操作が可能な操作手段に対して、所定の操作がなされたことが検出手段により検出された場合に、記憶手段に記憶されている情報に基づく報知が報知手段により行われる。これにより、遊技者が操作手段に対して所定の操作を行うことで、報知手段による報知に基づき、実行が保留されている識別情報の動的表示に関する情報を把握することができる。よって、遊技者が退席したい場合や用件を済ませたい場合に遊技を即座に止めてもよいか否かを、報知に基づき把握した実行が保留されている識別情報の動的表示に関する情報に基づいて、遊技者に容易に判断させることができるという効果がある。また、遊技者に付与された第2情報の入力が受付手段により受け付けられ、遊技者からの指示に基づき前記受付手段により入力が受け付けられてからの遊技状態に関する第3情報が出力手段により出力される。そして、受付手段により入力が受け付けられてから出力手段による出力がなされるまでの間、検出手段により操作手段に対して所定の操作がなされたことが検出された場合に報知手段による報知が行なわれる。これにより、遊技者に付与された第2情報を入力した者が、操作手段に所定の操作をなしたことにより報知手段による報知を得て、遊技状態に関する第3情報を出力手段より出力させれば、その者が退席しても、他の人が操作手段に所定の操作をなして報知の結果を把握できないようにすることができるという効果がある。
遊技機A1からA10,B1からB13,C1からC8のいずれかにおいて、
遊技者に付与された第2情報の入力を受け付ける受付手段と、
遊技者からの指示に基づき前記受付手段により前記入力が受け付けられてからの遊技状態に関する第3情報を出力する出力手段と、を備え、
前記報知手段は、前記受付手段により前記入力が受け付けられてから前記出力手段による出力がなされるまでの間、前記検出手段により前記操作手段に対して所定の操作がなされたことが検出された場合に報知を行なうものであることを特徴とする遊技機D8。
遊技機D8によれば、遊技機A1からA10,B1からB13,C1からC8のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技者に付与された第2情報の入力が受付手段により受け付けられ、遊技者からの指示に基づき前記受付手段により入力が受け付けられてからの遊技状態に関する第3情報が出力手段により出力される。そして、受付手段により入力が受け付けられてから出力手段による出力がなされるまでの間、検出手段により操作手段に対して所定の操作がなされたことが検出された場合に報知手段による報知が行なわれる。これにより、遊技者に付与された第2情報を入力した者が、操作手段に所定の操作をなしたことにより報知手段による報知を得て、遊技状態に関する第3情報を出力手段より出力させれば、その者が退席しても、他の人が操作手段に所定の操作をなして報知の結果を把握できないようにすることができるという効果がある。
所定の始動条件の成立を契機として情報を取得する取得手段と、その取得手段により取得された情報に基づいて判定を行う判定手段と、その判定手段による判定結果に基づいて表示手段に識別情報の動的表示を実行させる動的表示実行手段と、を備え、その動的表示実行手段により実行される前記識別情報の動的表示において所定の識別情報が現出された場合に、遊技者に所定の遊技価値を付与する遊技機において、
前記取得手段により取得される情報を少なくとも前記判定手段による判定に用いられるまで所定の数を上限として記憶する記憶手段と、
遊技者による操作が可能な操作手段と、
その操作手段に対して所定の操作がなされたことを検出する検出手段と、
その検出手段により前記操作手段に対して所定の操作がなされたことが検出された場合に、前記記憶手段に記憶されている情報に基づく報知を行う報知手段と、
遊技者から第4情報の入力を受け付ける第1受付手段と、
遊技者から第5情報の入力を受け付ける第2受付手段と、を備え、
前記報知手段は、前記第1受付手段により前記第4情報の入力が受け付けられてから前記第2受付手段により前記第5情報の入力が受け付けられるまでの間、前記検出手段により前記操作手段に対して所定の操作がなされたことが検出された場合に報知を行なうものであることを特徴とする遊技機D9。
遊技機D9によれば、所定の始動条件の成立を契機として取得手段により情報が取得され、その取得手段により取得された情報に基づいて判定手段により判定が行われる。その判定手段による判定結果に基づいて表示手段に識別情報の動的表示が動的表示実行手段により実行される。その識別情報の動的表示において所定の識別情報が現出された場合に、遊技者に所定の遊技価値が付与される。取得手段により取得される情報は、少なくとも判定手段による判定に用いられるまで、所定の数を上限として記憶手段に記憶される。即ち、動的表示実行手段により識別情報の動的表示が行われている間に所定の始動条件が成立した場合、取得手段により取得された情報は所定の数を上限として記憶手段に記憶され、その情報に基づく識別情報の動的表示の実行が保留される。ここで、遊技者による操作が可能な操作手段に対して、所定の操作がなされたことが検出手段により検出された場合に、記憶手段に記憶されている情報に基づく報知が報知手段により行われる。これにより、遊技者が操作手段に対して所定の操作を行うことで、報知手段による報知に基づき、実行が保留されている識別情報の動的表示に関する情報を把握することができる。よって、遊技者が退席したい場合や用件を済ませたい場合に遊技を即座に止めてもよいか否かを、報知に基づき把握した実行が保留されている識別情報の動的表示に関する情報に基づいて、遊技者に容易に判断させることができるという効果がある。また、遊技者から第4情報の入力が第1受付手段により受け付けられ、遊技者から第5情報の入力が第2受付手段により受け付けられる。そして、第1受付手段により第4情報の入力が受け付けられてから、第2受付手段により第5情報の入力が受け付けられるまでの間、検出手段により操作手段に対して所定の操作がなされたことが検出された場合に、報知手段による報知が行なわれる。これにより、第4情報を入力した者が、操作手段に所定の操作をなしたことにより報知手段による報知を得て、第5情報を入力すれば、その者が退席しても、他の人が操作手段に所定の操作をなして報知の結果を把握できないようにすることができるという効果がある。なお、第4情報と第5情報とは同じものであってもよいし、別のものであってもよい。
遊技機A1からA10,B1からB13,C1からC8のいずれかにおいて、
遊技者から第4情報の入力を受け付ける第1受付手段と、
遊技者から第5情報の入力を受け付ける第2受付手段と、を備え、
前記報知手段は、前記第1受付手段により前記第4情報の入力が受け付けられてから前記第2受付手段により前記第5情報の入力が受け付けられるまでの間、前記検出手段により前記操作手段に対して所定の操作がなされたことが検出された場合に報知を行なうものであることを特徴とする遊技機D10。
遊技機D10によれば、遊技機A1からA10,B1からB13,C1からC8のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技者から第4情報の入力が第1受付手段により受け付けられ、遊技者から第5情報の入力が第2受付手段により受け付けられる。そして、第1受付手段により第4情報の入力が受け付けられてから、第2受付手段により第5情報の入力が受け付けられるまでの間、検出手段により操作手段に対して所定の操作がなされたことが検出された場合に、報知手段による報知が行なわれる。これにより、第4情報を入力した者が、操作手段に所定の操作をなしたことにより報知手段による報知を得て、第5情報を入力すれば、その者が退席しても、他の人が操作手段に所定の操作をなして報知の結果を把握できないようにすることができるという効果がある。なお、第4情報と第5情報とは同じものであってもよいし、別のものであってもよい。
遊技機A1からA10,B1からB13,C1からC8、D1からD10のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機E1。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機A1からA10,B1からB13,C1からC8、D1からD10のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機E2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機A1からA10,B1からB13,C1からC8、D1からD10のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機E3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
なお、上記実施形態に記載の「第1入球口64」への「入球」が特許請求の範囲の「所定の始動条件」に対応し、上記実施形態に記載の「カウンタC1〜C3,CS1の値」が特許請求の範囲の「取得手段」により取得される「情報」に対応し、上記実施形態に記載の「第3図柄」が特許請求の範囲に記載の「識別情報」に対応し、上記実施形態に記載の「変動演出」が特許請求の範囲に記載の「識別情報の動的表示」に対応し、上記実施形態に記載の「大当たり図柄」が特許請求の範囲に記載の「所定の識別情報」に対応し、上記実施形態に記載の「大当たり」が特許請求の範囲に記載の「所定の遊技価値」に対応する。
(その他)
パチンコ機等の遊技機では、液晶表示装置等の表示手段にて図柄等の変動表示(変動演出)が行われる間に、球等の遊技媒体が始動入賞口に入り始動入賞が検出されると、所定の数を上限として、その始動入賞に係る変動演出が保留されるものがある。実行中の変動演出が終了すると、保留された未実行の変動演出のうち最先に検出された始動入賞に係る変動演出の実行が開始される(例えば、特開2003−340046号公報)。
従来の遊技機では、遊技者が遊技を止めて退席しようとする場合や、遊技の途中で携帯電話による通話やメール等といった用件を済ませたい場合に、変動演出が保留されていると、その保留されている変動演出の中に当たりとなる変動演出が存在する可能性があるため、遊技者は即座に遊技を止めて退席したり、遊技の途中で用件を始めたりすることがしづらいという問題点がある。
本技術的思想は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技を即座に止めてもよいか否かを遊技者に容易に判断させることができる遊技機を提供することを目的とする。
10 パチンコ機(遊技機)
23 告知ボタン(操作手段)
64 作動口(第1入球口)
81 第3図柄表示装置(表示手段、報知手段の一部)
114 表示制御装置(動的表示実行手段、報知手段の一部)
223b 先読み情報格納エリア(記憶手段)
223h 告知ボタン無効フラグ(非実行手段)
S204 (取得手段)
S307 変動開始処理(判定手段)
S1311 (検出手段)
S1321 (停止状態判定手段)
S1334 (判断手段)
S1335,S1336,S1337,S1340 (報知手段の一部)
S1338,S1339 (算出手段)
S1364 (記憶判断手段)
S1365 (解除手段)

Claims (2)

  1. 所定の始動条件の成立を契機として情報を取得する取得手段と、その取得手段により取得された情報に基づいて判定を行う判定手段と、その判定手段による判定結果に基づいて表示手段に識別情報の動的表示を実行させる動的表示実行手段と、を備え、その動的表示実行手段により実行される前記識別情報の動的表示において所定の識別情報が現出された場合に、遊技者に所定の遊技価値を付与する遊技機において、
    前記取得手段により取得される情報を少なくとも前記判定手段による判定に用いられるまで所定の数を上限として記憶する記憶手段と、
    その記憶手段に記憶されている情報のそれぞれに基づいて実行される前記識別情報の動的表示のうち少なくとも所定回数までの識別情報の動的表示について、前記所定の識別情報が現出される識別情報の動的表示があるか否かと、前記所定の識別情報が現出される識別情報の動的表示の保留回数とを判断する判断手段と、
    遊技者による操作が可能な操作手段と、
    その操作手段に対して所定の操作がなされたことを検出する検出手段と、
    その検出手段により前記操作手段に対して所定の操作がなされたことが検出された場合に、その操作がされている間に前記判断手段による判断結果に基づいて報知可能な報知手段と、を備えることを特徴とする遊技機。
  2. 前記遊技機は、パチンコ遊技機であることを特徴とする請求項1記載の遊技機。
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