JP6746903B2 - 芯材の建込み方法 - Google Patents

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本発明は、ソイルセメント柱列壁を構築するにあたり、加速度センサを利用してソイルセメント柱に芯材を建て込むための、芯材の建込み方法に関する。
従来より、逆打ち工法において構真柱を建て込む際には、構真柱に傾斜計を設置して地中の削孔に所定深さまで挿入し、構真柱の上端部近傍を削孔の孔口に配置した上部固定装置に固定する。この後、削孔の孔壁と構真柱との間に配置された水中ジャッキやパンタグラフ等の位置調整装置を介して、傾斜計を確認しつつ構真柱の下端部近傍における水平方向の位置を調整し、構真柱の鉛直性を確保している。
もしくは、外周面に水管を設置したケーシングを削孔内に挿入し、上記と同様の構造を有する位置調整装置を介してケーシングを鉛直に建込む。この後、ケーシングをガイドにして構真柱を所定深さまで挿入し、構真柱の鉛直性を確保している。
上記の方法を、削孔内が安定液で満たされた構真柱に採用する場合には、効率よく構真柱の鉛直性を確保できるとともに、傾斜計を回収できるため経済的である。しかし、例えば、ソイルセメント柱列壁を構築するべく芯材を建て込む際には、削孔内が未硬化状態のソイルセメントで満たされているため、芯材に傾斜計を設置してソイルセメント柱中に挿入すると、傾斜計が芯材挿入時の抵抗となりやすいだけでなく、再利用可能な状態で傾斜計を回収することができない。
このような中、特許文献1には、筒状本体の外周面に傾斜計とパッカを備えてなる芯材建込ガイド装置をソイルセメント柱内に挿入し、孔壁を反力にしてパッカにて筒状本体を鉛直状に固定したうえで、筒状本体をガイドにして芯材を挿入し建込む。この後、芯材建込ガイド装置を撤去してソイルセメント柱列壁を構築する方法が開示されている。
特開2003−239277号公報
しかし、ソイルセメント柱列壁は、ソイルセメント柱をなす地中削孔の孔壁と芯材の外周面との間隔が狭いことから、芯材建込ガイド装置を挿入しさらにその内方へ芯材を挿入しようとすると、削孔内に充填されたソイルセメントの抵抗がより大きくなるため、芯材の高止まりが生じやすい。また、芯材を建込んだ後に芯材建込ガイド装置を撤去すると、ソイルセメント柱の天端が変動するため、ソイルセメントを追加充填する必要が生じる等、作業が煩雑となり施工性に劣る。
本発明は、かかる課題に鑑みなされたものであって、その主な目的は、ソイルセメント柱列壁を構築するにあたり、簡略な方法で精度よく、鉛直性を確保した状態で芯材をソイルセメント柱に挿入し建て込むことの可能な、芯材の建込み方法を提供することである。
かかる目的を達成するため、本発明の芯材の建込み方法は、連続一体に築造される複数のソイルセメント柱と、該ソイルセメント柱各々に埋設される複数の芯材とによりなるソイルセメント柱列壁を構築するにあたり、前記芯材を前記ソイルセメント柱に建込むための芯材の建込み方法であって、起立状態に配置した前記芯材ごとに、その上端部近傍及び下端部近傍に、該芯材の軸心と直交する方向に感度方向を向けた、鉛直方向の静加速度に応答可能な加速度センサを設置し、前記ソイルセメント柱の上方に吊持する第1の工程と、起立状態の前記芯材の姿勢が、鉛直になるよう調整する第2の工程と、前記加速度センサにより検知される重力加速度の前記感度方向の分力から、前記芯材ごとに、その上端部近傍及び下端部近傍各々で求めた、鉛直軸に対する傾斜角度を確認しつつ、前記芯材を所望の深度まで挿入し建込む第3の工程と、を備えることを特徴とする。
本発明の芯材の建込み方法は、前記第3の工程では、前記芯材の上端部近傍における前記傾斜角度が角度管理値の許容範囲を超えた場合に、芯材の挿入作業を中断し、前記芯材の姿勢が鉛直になるよう修正することを特徴とする。
上述する本発明の芯材の建込み方法によれば、芯材に加速度センサを設置するのみで過大な装置を必要とせず、安価でかつ煩雑な操作を不要にして、高い精度をもって鉛直性を確保した状態で芯材を建込むことが可能となる。
また、加速度センサを利用して芯材の鉛直軸に対する傾斜角度を確認しつつ、芯材を所望の深度まで挿入し建込むため、ソイルセメント柱列壁前面の根切りを行って、ソイルセメント柱列壁を露出させなくても、芯材の建込み作業が終了した時点で芯材の建込み精度を把握することが可能となる。
さらに、加速度センサは、従来技術で用いられている傾斜計や水管と比較して、軽量かつコンパクトであるため、ソイルセメント柱に芯材を挿入する際の障害とならず、施工性を大幅に向上することが可能となる。
本発明によれば、ソイルセメント柱列壁を構築するにあたり、起立状態の芯材に鉛直方向の静加速度に応答可能な加速度センサを設置し、加速度センサを利用して計測される鉛直軸に対する芯材の傾斜角度を確認しつつ、芯材をソイルセメント柱に挿入するのみの簡略な方法で、建込み終了時の芯材に対して高い精度で鉛直性を確保することが可能となる。
芯材の上端部近傍に加速度センサを取り付けた状態を示す図である。 平面視のソイルセメント柱列壁を示す図である。 芯材の建込み方法を示す図である。 芯材の深度方向に異なる2カ所に加速度センサを取り付けた状態を示す図である。 芯材の深度方向に異なる2カ所に加速度センサを取り付けた場合の芯材の建込み状況を示す図である。 芯材に対して加速度センサを取り付ける際の他の事例を示す図である。 加速度センサを保護ケースに収納した状態を示す図である。
本発明の芯材の建込み方法は、ソイルセメント柱列壁を構築する際に用いられるものであり、起立状態の芯材に取り付けた鉛直方向の静加速度に応答可能な加速度センサを利用して、鉛直軸に対する芯材の傾斜角度を確認しつつ、ソイルセメント柱に芯材を建込む方法である。以下に、図1〜図7を参照してその手順を詳述する。
図1(a)で示すように、地上にはH形鋼よりなる芯材1が起立状態の姿勢で吊持されており、その下方にはソイルセメント柱2が未硬化の状態で地中に構築されている。ソイルセメント柱2は、例えば、多軸オーガーにて原地盤を削孔し、その先端よりセメントスラリーを吐出して削孔撹拌を行うことにより構築されるものであり、図2の平面図で示すように、複数を連続一体に構築し、各々の内方に芯材1を埋設して硬化させることでソイルセメント柱列壁3が構築される。
本実施の形態では、このようなソイルセメント柱列壁3を構築するにあたり、芯材1の上端部近傍に1体の加速度センサ5を設置して、芯材1をソイルセメント柱2に建込む方法を、以下に順を追って説明する。
〈前処理工程〉
芯材1の建込み方法を実施するにあたり、平面視でソイルセメント柱2を囲うよう地表面上に、図1(a)で示すような位置決め装置4を先行して設置しておく。位置決め装置4は、ソイルセメント柱2に対して芯材1の位置決めを行う装置であり、起立状態の芯材1の姿勢が鉛直になった時点で、芯材1の軸心Cをソイルセメント柱2の軸心に合致させるものである。
位置決め装置4の構造はいずれでもよいが、本実施の形態では、中央に孔を設けた鋼板41と、その上面に設置した縦鋼材42および横鋼材43を組み上げた井桁部44とを備えており、井桁部44の開口に芯材1を貫通させることで、芯材1のソイルセメント柱2に対する平面視の位置決めを行うことができる。また後述するが、位置決め装置4は、ソイルセメント柱4への建込み作業終了後の芯材4を支持するための支持装置としても機能する。
〈第1の工程〉
まず、図1(a)で示すように、起立状態に配置した芯材1の上端部近傍に加速度センサ5を設置し、ワイヤ7を介してソイルセメント柱2を図示しない揚重装置にて吊持する。本実施の形態では、加速度センサ5を建込み作業終了後に回収するため、芯材1に対してボルト止め等の手段にて着脱自在に設置している。しかし、必ずしもこれに限定されるものではなく、加速度センサ5を芯材1とともにソイルセメント柱2に埋設する場合には、両者を接着剤等の手段にて固着してもよい。また、本実施の形態では、加速度センサ1を図1(b)で示すように、芯材1のウェブ11に設置しているが、芯材1の設置位置もいずれとしてもよい。
芯材1に設置する加速度センサ5は、起立状態で吊持された芯材1の鉛直軸に対する傾斜角度を把握するために用いるものであり、加速度センサ5に作用する重力加速度を検知することで傾斜角度を計測する。このため、本実施の形態では、鉛直方向の静加速度(重量加速度)に応答可能なセンサとして一般に知られている、ひずみゲージ式加速度センサを加速度センサ5として採用している。
ひずみゲージ式の加速度センサ5は、重力加速度のセンサ感度方向の分力をひずみゲージを用いて微小電圧に変換するものである。したがって、加速度センサ5の感度方向を水平方向に向けておくと、感度方向は重力加速度方向に直交するから、加速度センサ5による出力電圧は0となる。
また、本実施の形態では、芯材1の鉛直軸に対する傾斜角度を相互に直交するX方向およびY方向の2方向で把握するべく、加速度センサ5として相互に直交する2方向に感度方向を有する2軸型のセンサを採用している。したがって、加速度センサ5を芯材1のウェブ11に設置する際には、その感度方向(X方向及びY方向)を、図1(b)で示すように芯材1の軸心Cに対して直交させて設置する。
これら加速度センサ5により検知される重力加速度の感度方向の分力に対応する出力電圧は、電気信号として測定ケーブル6を介してデータロガー10に送信され、データロガー10にて鉛直軸に対する傾斜角度に換算され、傾斜角度実測値として計測・記録される。また、データロガー10に記録された傾斜角度実測値は、例えばインターネット通信網等を介してデータロガー10と端末装置9と通信接続することにより、端末装置9の出力装置にて常時モニタリングすることができる。
なお、端末装置9は図示しないが、演算処理装置及び記憶装置等のハードウェアとこれらハードウェア上で動作するソフトウェアとで構成される情報処理装置、情報処理装置に種々のデータを入力する通信装置やキーボード等の入力装置、情報処理装置で行われた演算処理結果をリアルタイムで出力するディスプレイ及び記憶装置等からなる出力装置を備えている。
〈第2の工程〉
次に、第1の工程で吊持した芯材1の下端部を、前処理工程で地表面上に設置した位置決め装置4における井桁部44の開口に挿入して仮固定し、図1(a)で示すように、トランシット等の測量機械8を用いて芯材1の姿勢が鉛直となるよう、芯材1の吊持位置を微調整する。
すると、第1の工程で加速度センサ5の感度方向(X方向及びY方向)を、芯材1の軸心Cに対して直交させて設置していることから、芯材1の姿勢が鉛直となっていれば、加速度センサ5の感度方向(X方向及びY方向)は重力加速度方向に直交する。したがって、加速度センサ5にて検知される重力加速度の感度方向の分力は、X方向およびY方向ともに0となり、端末装置9の出力装置に出力される傾斜角度実測値も0となる。なお、芯材1の姿勢を鉛直とした状態において、傾斜角度実測値がX方向およびY方向ともに0とならない場合には、0となるように加速度センサ5のキャリブレーションを行う。
〈第3の工程〉
こうして、キャリブレーションを行って加速度センサ5を初期状態とした後、加速度センサ5を利用して芯材1の鉛直軸に対する傾斜角度を確認しつつ、図3(a)で示すように、ソイルセメント柱2へ芯材1を一定速度で挿入する作業を開始する。このとき、加速度センサ5は継続的に重力加速度を検知し、出力電圧を送信しているため、データロガー10を介して端末装置9の出力装置には、芯材1の鉛直軸に対する傾斜角度である、X方向およびY方向各々の傾斜角度実測値がリアルタイムで出力される。
したがって、作業者は、端末装置9の出力装置に出力されるX方向およびY方向各々の傾斜角度実測値をモニタリングし、傾斜角度実測値が、あらかじめX方向およびY方向の各々に設定した角度管理値の許容範囲に収まっていることを確認しながら、ソイルセメント柱2への挿入作業を行えばよい。このとき、端末装置9の記憶装置に角度管理値の許容範囲を記憶させておき、データロガー10を介して入力された傾斜角度実測値と角度管理値の許容範囲とを演算処理装置にて比較して、少なくともX方向およびY方向いずれかの傾斜角度実測値が角度管理値の許容範囲を超えた場合には、出力装置に警告信号を出力するように設定しておくとよい。
そして、図3(b)で示すように、X方向およびY方向の傾斜角度実測値がいずれも角度管理値の許容範囲を超えることなく芯材1を所望の深度まで挿入された場合には、挿入作業を停止し、芯材1の上端部を位置決め装置4に固定して芯材1の荷重を受け替え、ワイヤ7および加速度センサ5を撤去し、芯材1の建込み作業が終了する。なお、芯材1の上端部を位置決め装置4に固定する方法は、位置決め装置4に芯材1を把持する把持装置を設ける、ワイヤで芯材1を胴巻きにする、位置決め装置4を構成する井桁部44の開口と芯材1との間に固定治具を挟み込む等、いずれの手段を用いてもよい。
一方で、芯材1のソイルセメント柱2への挿入作業中に芯材1が傾斜して傾斜角度実測値が角度管理値の許容範囲を超えた場合には、挿入作業を中断し、X方向およびY方向の傾斜角度実測値が共に0となるよう、芯材1の吊持位置を微調整する。こうして芯材1の姿勢を修正した後、芯材1のソイルセメント柱2への挿入作業を再開し、芯材1が所望の深度に到達するまで、傾斜角度実測値をモニタリングしつつ芯材1を挿入する作業と芯材1の姿勢を修正する作業を繰り返し行う。
なお、芯材1の姿勢を修正する作業は、傾斜角度実測値が角度管理値の許容範囲を超えるごとに実施してもよいし、芯材1をあらかじめ設定した深度まで挿入するごとに挿入作業を一旦停止し、傾斜角度実測値が角度管理値の許容範囲に収まっているか否かの確認を行い、必要に応じて芯材1の姿勢を修正する作業を実施する等、いずれのタイミングで実施してもよい。また、芯材1の吊持位置を微調整する作業は、再度トランシット等の測量機械8を用いて芯材1の姿勢を確認しながら行ってもよい。
上述した芯材1の建込み方法によれば、ソイルセメント柱2への芯材1の挿入作業中に、芯材1の吊持位置を調整することで芯材1の姿勢を鉛直となるように修正することができる。このため、芯材1の建込み作業に過大な装置を必要とせず、安価でかつ煩雑な操作を不要にして、高い精度をもって芯材1の鉛直性を確保することが可能となる。
また、ソイルセメント柱列壁1を、仮設山留め壁として利用するだけでなく、仮設山留め壁を用いて構築した構造物の本設杭として利用する場合に、従来技術では、ソイルセメント柱列壁1の前面を根切りするまで芯材1の建込み精度を評価できなかった。しかし、本実施の形態の芯材1の建込み方法を採用することにより、建込み作業終了時の段階で芯材1の建込み精度を評価することができる。このため、ソイルセメント柱列壁1を本設杭として利用するにあたり、芯材1の建込み精度に応じた補強の必要性を早期の段階で検討することができ、工事全体の作業効率を大幅に向上することが可能となる。
ところで、本実施の形態では加速度センサ5を、芯材1の上端部近傍にのみ設けたが、図4で示すように、加速度センサ51を芯材1の下端部近傍に追加して設置し、深度方向に設置位置が異なる2体の加速度センサ5、51を利用して、芯材1の建込み作業を行ってもよい。
下端部近傍に設置する加速度センサ51は、第1の工程において、芯材1のウェブ11に設置する際に、加速度センサ51の感度方向(X方向及びY方向)が、上端部近傍に設置した加速度センサ5の感度方向と同一方向を向くようにして、芯材1の軸心Cに対して直交させて設置する。また、第2の工程において、芯材1の姿勢が鉛直となった状態で、傾斜角度実測値が0とならない場合には、X方向およびY方向ともに0となるように加速度センサ51をキャリブレーションしておく。
そして、作業者は、端末装置9の出力装置に出力される上端部近傍の加速度センサ5を利用して計測した傾斜角度実測値をモニタリングし、角度管理値の許容範囲に収まっていることを確認する。これと同時に、同じく端末装置9の出力装置に出力される下端部近傍の加速度センサ51を利用して計測した傾斜角度実測値をモニタリングし、上端部近傍の加速度センサ5を利用して計測した傾斜角度実測値との差が、あらかじめ設定した誤差管理値の許容範囲に収まっていることを確認しながら、ソイルセメント柱2への挿入作業を行う。
こうすると、2つの加速度センサ5、11各々を利用して計測した傾斜角度実測値の差が、誤差管理値の許容範囲内に収まっていれば、芯材1が上端と下端とで一様な健全な状態でソイルセメント柱2に建て込まれているものと判断することができる。
一方で、誤差管理値の許容範囲を超えた場合には、図5で示すように、芯材1に交換が必要な程度のねじれや撓みが生じている、もしくは2つの加速度センサ5、51のいずれかが正常に作動していない等、不慮の事態が生じているものと推定できる。したがって、芯材1のソイルセメント柱2への挿入作業を中断し、芯材1の状態を確認する、もしくは加速度センサ5、51の作動状態を確認するなどして適宜対策を講じる。これにより、建込み作業終了後における芯材1の建込み精度に、より高い信頼性を得ることが可能となる。
なお、誤差管理値の許容範囲についても、角度管理値の許容範囲と同様に端末装置9の記憶装置に記憶させておき、データロガー10を介して入力された加速度センサ5を利用して計測した傾斜角度実測値および加速度センサ51を利用して計測した傾斜角度実測値に対して、演算処理装置にて、差を求めるとともにこの差を誤差管理値の許容範囲と比較し、許容範囲を超えた場合には、出力装置に警告信号を出力するように設定しておくとよい。
また、芯材1の下端部近傍に追加して設置する加速度センサ51は、必ずしも、2軸型のセンサでなくてもよく、1軸型のセンサを用いてもよい。この場合には、その感度方向を、芯材1の上端部近傍に設置した加速度センサ51の感度方向(X方向及びY方向)のいずれかと同一方向を向くようにして、加速度センサ51を芯材1の軸心Cに対して直交させて設置する。
本発明における芯材1の建込み方法は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、本実施の形態では、加速度センサ5に、2軸型のセンサを採用したが、これに限定されるものではなく、感度方向を1方向にのみ有する1軸型の加速度センサ5を2体準備し、図6で示すように、相互の感度方向が直交するように芯材1に設置してもよい。
また、例えば図2で示すような、仮設山留め壁として利用されるソイルセメント柱列壁3は、前面が掘削エリア31となることから、ソイルセメント柱列壁1の長手方向と直交する方向に対して、より高い鉛直精度をもって芯材1を建込むことが要求される。このような場合には、1軸型の加速度センサ5を1体だけ、感度方向をソイルセメント柱列壁1の長手方向と直交する方向に向けて芯材1の上端部近傍に設置し、芯材1の建込み作業を行うとよい。
さらに、本実施の形態では、加速度センサ5にひずみゲージ式加速度センサを採用したが、例えばサーボ式加速度センサ等、鉛直方向の静加速度(重量加速度)に応答可能なセンサであれば、いずれの加速度センサ5を採用してもよい。なお、サーボ式加速度センサは、少なくとも振り子と、振り子を元の位置に戻すためのコイルを備えており、傾斜した際に振り子に作用する加速度を、振り子を静止状態に維持するためにコイルに流れる電流を測定することで把握するものである。
加えて、本実施の形態では、加速度センサ5を露出した状態で芯材1に設置したが、例えば、図7で示すように、芯材1の上端部近傍におけるウェブ11に収納ケース11を設置し、その内方に加速度センサ5を設置してもよい。こうすると、加速度センサ5に対して芯材1の建込み作業中の損傷やソイルセメントへの接触を防止することができ、加速度センサ5を再利用が可能な状態で回収することが可能となる。
また、本発明の芯材の建込方法は、ソイルセメント柱列壁のみでなく、構造物を築造する際の柱の建込み作業や逆打ち工法における構芯柱の建込み作業等に採用することも可能である。
1 芯材
11 ウェブ
2 ソイルセメント柱
3 ソイルセメント柱列壁
31 掘削エリア
4 位置決め装置
41 鋼板
42 縦鋼材
43 横鋼材
44 井桁部
5 加速度センサ
51 加速度センサ
6 測定ケーブル
7 ワイヤ
8 測量機械
9 端末装置
10 データロガー
12 収納ケース

Claims (2)

  1. 連続一体に築造される複数のソイルセメント柱と、該ソイルセメント柱各々に埋設される複数の芯材とによりなるソイルセメント柱列壁を構築するにあたり、前記芯材を前記ソイルセメント柱に建込むための芯材の建込み方法であって、
    起立状態に配置した前記芯材ごとに、その上端部近傍及び下端部近傍に、該芯材の軸心と直交する方向に感度方向を向けた、鉛直方向の静加速度に応答可能な加速度センサを設置し、前記ソイルセメント柱の上方に吊持する第1の工程と、
    起立状態の前記芯材の姿勢が、鉛直になるよう調整する第2の工程と、
    前記加速度センサにより検知される重力加速度の前記感度方向の分力から、前記芯材ごとに、その上端部近傍及び下端部近傍各々で求めた、鉛直軸に対する傾斜角度を確認しつつ、
    前記芯材を所望の深度まで挿入し建込む第3の工程と、を備えることを特徴とする芯材の建込み方法。
  2. 請求項1に記載の芯材の建込み方法において、
    前記第3の工程では、前記芯材の上端部近傍における前記傾斜角度が角度管理値の許容範囲を超えた場合に、芯材の挿入作業を中断し、前記芯材の姿勢が鉛直になるよう修正することを特徴とする芯材の建込み方法。
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