JP6742101B2 - 地震予測方法および地震予測システム - Google Patents

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Description

本発明は、地震予測方法および地震予測システムに関する。
近年、地震に基づく各種の電磁気現象について様々な報告が行われている。電磁気現象の観測方法としては、地殻内部から放射される電磁波を観測する第1の観測方法、大気圏および電離圏(高度約60〜90kmのD領域、高度約90〜130kmのE領域、高度約130〜1000kmのF領域)の擾乱(電離層の乱れ)による電磁波の伝搬異常を観測する第2の観測方法などが挙げられる。
第1の観測方法としては、例えば、地震に基づく電磁ノイズ(例えば、10Hz程度以下のULF(Ultra Low Frequency)帯)を地表近くで観測する方法がある。より具体的には、震源となる地域の地殻の圧力上昇などに伴って、花崗岩などの岩石の破壊が地震に先行して起こり、圧電効果や摩擦電気などのメカニズムにより電荷分離(すなわち、電流)が発生し、電磁ノイズが生じ、第1の観測方法では、当該電磁ノイズを観測する。
第2の観測方法としては、例えば、地上から送信されたVLF(Very Low Frequency)やLF(Low Frequency)電波を利用し、地震の前に発生する電離層の下部(例えばD層)に生ずる擾乱を観測する方法がある。
また、VLF/LF電波の伝搬経路上に電離層に擾乱が発生した場合に、受信電波の強度や位相に異常が生ずることを利用して地震を予知する地震予知システムが開示されている(特許文献1参照)。
特許第4867016号明細書
しかしながら、上述の特許文献に記載の技術では、送信局と観測点とを結ぶ大円近傍(第5フレネル帯)で地震が発生することが予測されるが、地震は自然現象であるため、前兆現象の電離層の擾乱が発生しないことも否定できず、また、地震の起こる時、場所、および大きさと電離層の擾乱(状態)とが一対一に対応するとは限られないため、地震を正確に予測することは困難である。
そこで、本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、より正確に地震を予測可能にすることを目的としている。
なお、本発明は、特許請求の範囲の記載自体から理解されるものであり、下記の説明により、不当に解釈してはならない。
本発明の第1の側面によると、本発明に係る地震予測方法は、
地中に設けられた第1の受信装置で受信された第1周波数の電波に地震の前兆現象の影響があるか否かを判定する第1判定を行う第1判定段階であって、前記第1判定は、第1の検出範囲において地震の前兆現象の影響があるか否かを判定する、第1の判定段階と、
地上に設けられた第2の受信装置で受信された第2周波数の電波に地震の前兆現象の影響があるか否かを判定する第2判定を行う第2判定段階であって、前記第2判定は、前記第1の検出範囲よりも広い第2の検出範囲において地震の前兆現象の影響があるか否かを判定し、地震の規模を予測する、第2の判定段階と、
前記第1周波数の電波と前記第2周波数の電波とに基づいて地震を予測するための所定領域を設定する所定領域設定段階であって、前記第2周波数において予測された前記地震の規模に応じて、前記第1の検出範囲を特定する、所定領域設定手段と、
前記第2の検出範囲における前記第判定および前記第2の検出範囲内又は前記第2の検出範囲付近の前記第1の受信装置における前記第判定の両方で影響があると判定された場合、前記所定領域で地震が起こると予測する予測段階と、を有することを特徴とする。
上記構成では、地震を予測する対象の所定領域において、第1判定および第2判定の両方で地震の前兆現象の影響があると判定された場合、地震が起こると予測される。
上記構成によれば、地中で受信された第1周波数の電波、および地上で受信された第2周波数の電波の2種類の電波に基づいて地震が予測されるので、一種類の電波による地震の予測よりもより正確に地震を予測可能となる。
本地震予測方法では、更に、
前記第1判定では、地震が起こる日の第1数の日前から地震の前兆現象の影響を判定可能であり、
前記第2判定では、前記第1数よりも短い第2数の日前から地震の前兆現象の影響を判定可能であり、
前記予測段階では、前記第1判定において影響があると判定された後に前記第2判定において影響があると判定された場合、前記所定領域で地震が起こる確率が相対的に高いと予測することを特徴とする。
上記構成では、第1判定において地震の前兆現象の影響があると判定された後に第2判定において地震の前兆現象の影響があると判定された場合、地震が起こる確率が相対的に高いと予測される。
上記構成によれば、地震の前兆現象の影響が判定可能な時間的特性が電波の種類に応じて加味されるので、より正確に地震を予測できるようになる。
本地震予測方法では、更に、
前記第1判定で影響があると判定されたが、前記第2判定で影響があるか否かが判定されなかった場合、前記所定領域で地震が起こる確率が、前記第1判定および前記第2判定の両方で影響があると判定される場合よりも低いと予測することを特徴とする。
上記構成では、第1判定で地震の前兆現象の影響があると判定され、第2判定で地震の前兆現象の影響があるか否かが判定されなかった場合、所定領域で地震が起こる確率が、両方で影響があると判定された場合よりも低いと予測される。
上記構成によれば、第1判定で地震の前兆現象の影響があると判定された場合、例えば第2の周波数の電波が停波していて受信されないなどの理由により、第2判定で地震の前兆現象の影響の有無が判定されなかったとしても、地震を予測可能となるので、予測の信頼性を高めることができる。
本地震予測方法では、更に、
前記第1周波数の電波は、ULFであり、
前記第2周波数の電波は、VLF/LFであり、
前記第1判定において、前記ULFの解析により所定のULF放射が検出された場合、地震の前兆現象の影響があると判定し、
前記第2判定において、前記VLF/LFの解析により電離層の擾乱が検出された場合、地震の前兆現象の影響があると判定することを特徴とする。
上記構成では、ULFの第1判定とVLF/LFの第2判定との両方で地震の前兆現象の影響があると判定された場合、地震が起こると予測される。
上記構成によれば、一の地震での異なる前兆現象が複合的に観測されて判定されるので、予測の信頼性を高めることができる。
本発明の第2の側面によると、本発明に係る地震予測システムは、
地中に設けられた第1の受信装置で受信された第1周波数の電波に地震の前兆現象の影響があるか否かを判定する第1判定を行う第1判定手段であって、前記第1判定は、第1の検出範囲において地震の前兆現象の影響があるか否かを判定する、第1の判定段階と、
地上に設けられた第2の受信装置で受信された第2周波数の電波に地震の前兆現象の影響があるか否かを判定する第2判定を行う第2判定手段であって、前記第2判定は、前記第1の検出範囲よりも広い第2の検出範囲において地震の前兆現象の影響があるか否かを判定し、地震の規模を予測する、第2の判定段階と、
前記第1周波数の電波と前記第2周波数の電波とに基づいて地震を予測するための所定領域を設定する所定領域設定手段であって、前記第2周波数において予測された前記地震の規模に応じて、前記第1の検出範囲を特定する、所定領域設定手段と、
前記第2の検出範囲における前記第判定および前記第2の検出範囲内又は前記第2の検出範囲付近の前記第1の受信装置における前記第判定の両方で影響があると判定された場合、前記所定領域で地震が起こると予測する予測手段と、を有することを特徴とする。
上記構成では、地震を予測する対象の所定領域において、第1判定および第2判定の両方で地震の前兆現象の影響があると判定された場合、地震が起こると予測される。
上記構成によれば、地中で受信された第1周波数の電波、および地上で受信された第2周波数の電波の2種類の電波に基づいて地震が予測されるので、一種類の電波による地震の予測よりもより正確に地震を予測可能となる。
本発明によれば、より正確に地震を予測することができる。
地震予測システムの一例を示す図である。 観測手法を模式的に示した図である。 観測手法の主な特徴を示す図である。 地震観測システムのシステム構成の一例を示す図である。 解析サーバのハードウェア構成の一例を示す図である。 判定結果テーブルを示す図である。 地震予測テーブルを示す図である。 前兆異常期間設定用テーブルを示す図である。 予測震源ブロック設定用テーブルを示す図である。 ULF観測網の一例を示す図である。 VLF/LF観測網の一例を示す図である。 メイン処理に係るフローチャートの一例を示す図である。 地震予測処理に係るフローチャートの一例を示す図である。 ULF観測データの一例を示す図である。 ULFグラフの一例を示す図である。 VLF観測データの一例を示す図である。 VLFグラフの一例を示す図である。 VOR観測データの一例を示す図である。 VOR観測データの一例を示す図である。 VORグラフの一例を示す図である。 VORグラフの一例を示す図である。 地震ハザードマップを示す図である。 予測震源ブロック設定用テーブルを示す図である。
以下に、実施の形態について図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
<<地震予測システム(地震予測方法)の概要>>
図1〜図3を用いて地震予測システム(地震予測方法)の概要について説明する。
図1は、本実施形態に係る地震予測システム100の一例を示す図である。地震予測システム100は、地震の前兆現象に係る複数種類の観測データを収集して解析することで、地震の予測の精度を高めることが可能なシステムである。
地震予測システム100は、データ処理部110とデータ記憶部120とを有する。
データ処理部110は、データ収集処理111(データベースの構築など)を行う。データ収集処理111では、データ処理部110は、各観測点の観測データ131を取得し、観測データとしてデータ記憶部120(第1データベース121)に記憶する。
データ処理部110は、データ解析処理112(前兆現象の抽出など)を行う。データ解析処理112では、データ処理部110は、観測データを読み込み、データ解析(VLF信号解析、FFT、偏波解析など)を行い、解析結果を書き出し、解析結果としてデータ記憶部120(第2データベース122)に記憶する。
データ処理部110は、予測情報作成処理113(異常度合いの判定など)を行う。予測情報作成処理113では、データ処理部110は、解析結果と統計基礎データ132(例えば、過去10〜20年の統計的な基礎データ)とを読み込み、異常度合いの判定を行い、地震予測情報(いつ、どこで、どのくらいの大きさの地震が発生し得るかを含む情報)としてデータ記憶部120(第3データベース123)に記憶する。
なお、第3データベース123には、地震、気象、地質、月齢、潮汐に関する情報が含まれている。
データ処理部110は、配信情報作成処理114(地震予測情報を地図情報に反映など)を行う。配信情報作成処理114では、データ処理部110は、地震予測情報を読み込み、地図情報に反映し、配信情報を書き出し、地震配信情報としてデータ記憶部120(第4データベース124)に記憶する。
データ処理部110が行う処理については、一の情報処理装置で行われてもよいし、複数の情報処理装置で分散して行われてもよい。データ処理部110が行う処理については、一部または全部の処理を人が担ってもよい。
また、データ記憶部120に記憶されるデータについては、一の記憶装置(記憶媒体)に記憶される構成であってもよいし、複数の記憶装置に分散して記憶される構成であってもよい。また、データ記憶部120は、データベースであってもよいし、紙などの記録媒体であってよい。
<<観測手法(観測データ)>>
図2は、地震予測システム100で用いられる観測データの観測手法を模式的に示した図である。図2を用いて観測方法(観測データ)について説明する。観測データは、各地に設けられた観測点において観測されたデータである。
<第1の前兆現象に係る観測データ>
第1の前兆現象として、地震が発生する際、震源域201(震源付近)では微細破壊(マイクロクラック)が起こり、無数のクラックに電気が発生することが報告されている。換言するならば、第1の前兆現象では、小さなアンテナ(送信局)が多数発生し、その際、様々な周波数の電波が放出され、そのうちの極超低周波(例えば、周波数10Hz以下)が地表近くで受信可能となる。なお、高周波の電波は、地下での伝搬損失を受けるので、地表近くでは計測できない。
(第1の電波)
受信局212(第1の観測点)では、第1の前兆現象に係る観測が行われる。より具体的には、受信局212では、地震に伴って放射される極超低周波の第1の電波213(ULF(Ultra Low Frequency)電波)が受信される。
受信局212では、基本的に絶えず電波が受信されているが、地震の発生前(例えば3〜4週間前)から発生後にかけて、特有のパターンでそのレベルが上昇することが知られている。
例えば、アメリカ・ロマプリータ地震(1989年10月8日、M7.1、d=15km)の際、地震の12〜5日前に磁場の水平成分の強度が著しく上昇し、沈静化した後、1日前から強度が再び上昇し、約4時間前から強度の急激な上昇が観測されている。
つまり、第1の電波213についての特有のパターンを捉えることで、受信局212の近傍での地震を予測可能となる。
一般に、「M(マグニチュード)6」の地震では、半径約60km、「M7」の地震では、半径約100kmの範囲において第1の電波213が検出可能であるとされている。
なお、詳細は後述するが、地震予測システム100では、第1の電波213の観測データに基づいて、受信局212の近傍での地震を予測することが可能である。
<第2の前兆現象に係る観測データ>
第2の前兆現象として、地震が発生する際、マイクロクラックによる電荷変動が生じ、電荷変動が電離層に到達することによって電離層の電子密度(プラズマ密度)に変化が生じ、電離層に擾乱202が生じることが報告されている。また、これまでに、電離層の擾乱202の程度に応じて、地震のマグニチュードの大小が定まることが知られている。
(第2の電波)
受信局222(第2の観測点)では、第2の前兆現象に係る観測が行われる。より具体的には、受信局222では、電波時計に用いられる標準電波および航行ナビゲーションに用いられるナビゲーション用電波が受信される。特段の区別を要しない場合、標準電波およびナビゲーション用電波を第2の電波223(VLF(Very Low Frequency)/LF(Low Frequency)電波)と称する。また、VLF/LF電波は、特段の区別を要しない場合、VLF電波と称する。第2の電波223は、電離層に当ると、その殆どが電離層の最下面で反射し、地上と電離層との間を反射することで非常に遠くまで伝播する特徴を有する。
ここで、地震の前には、震源域201上方の下部電離層(例えばD層)が下降するとことが報告されている。つまり、地震断層運動により、マイクロクラックが生じることで電界が発生し、電磁波が放射されたり、荷電粒子が大気中に放出されたりするなどの現象が生じ、その影響で下部電離層が降下し、地震に伴った第2の電波223の伝播異常(変動異常)が報告されている。
地震に伴った第2の電波223の伝播異常としては、例えば、第2の電波223は電離層に当るとその殆どが電離層の最下面で反射することから、第2の電波223の伝播距離が短くなるので、観測点では通常時に比べて到達時間が早くなることが挙げられる。
また、例えば、低い部分で反射するほどエネルギーの損失が大きくなり、第2の電波223の受信強度が通常時よりも小さくなることが挙げられる。
また、例えば、地震の数日前より位相最小を示す日の出時間が早くなり、位相最小を示す日の入り時間が遅くなることが挙げられる。
また、例えば、夜間の平均振幅変化からのずれを夜間にわたって積分した量(夜間の揺らぎ量)が上昇することが挙げられる。
例えば、電離層に擾乱202がないとき、送信局221からのVLF電波が1秒後に受信局222で受信されるとすると、地震の前では電離層が数km低下すると、電波の通る経路が短くなり、0.999秒で到達する(位相が進む)。受信局222での振幅と位相とを正確に測定することにより、電離層の異常を把握できるようになる。
つまり、第2の電波223の伝播異常を捉えることで、第2の電波223の送信局221と受信局222とを結ぶ所定の幅(例えば約200km)の帯状(パス)内の地震を予測可能となる。
地震予測システム100では、受信局222は、複数の送信局221から送信される各電波を受信可能に構成されている。より具体的には、受信局222は、シアトル送信局(NLK:周波数24.8kHz)、ハワイ送信局(NPM:周波数21.4kHz)、オーストラリア送信局(NWC:周波数19.8kHz)、中国送信局(BPC:周波数20.6kHz)、福島送信局(YYJ40:周波数40kHz)、佐賀送信局(YYJ60:周波数60kHz)および宮崎送信局(JJI:周波数22.2kHz)から送信される各電波を受信可能に構成されている。
(第3の電波)
受信局232(第3の観測点)では、第2の前兆現象に係る観測が行われる。より具体的には、受信局232では、航空無線標識に用いられる第3の電波233(VHF(Very High Frequency)電波)が受信され得る。通常、第3の電波233は、電離層で反射されることがなく、電離層を突き抜けるが、地震の前兆現象により電離層に擾乱202または大気圏に擾乱(図示せず)が発生すると、擾乱により一部の電波が反射され、通常では電波が届かない遠方(見通し外)でも受信される。
なお、第3の電波233は、FMラジオ等とは異なり、混信も停波もないことから、第3の電波233によれば、質の高い観測が可能になる。
つまり、第3の電波233の伝播異常を捉えることで、第3の電波233の送信局231と受信局232とを結ぶ所定の幅(例えば約150km)の帯状(パス)内の地震を予測可能となる。
地震予測システム100では、受信局232は、複数の送信局231から送信される各電波を受信可能に構成されている。より具体的には、受信局232は、羽田送信局(周波数112.2MHz)、成田送信局(周波数117.9MHz)、横須賀送信局(周波数116.2MHz)等、日本各地に配置されたVOR(VHF Omnidirectional Radio Range)施設から送信される各電波を受信可能に構成されている。以下では、適宜、VOR施設から送信される各電波をVOR電波と称する。
なお、第3の電波233は、VHF電波に限られるものではなく、浜松送信局(周波数998MHz)などから送信されるUHF(Ultra High Frequency)電波を採用してもよい。
(第4の電波)
受信局242(第4の観測点)では、第2の前兆現象に係る観測が行われる。より具体的には、受信局242では、送信局241(GPS衛星)から放射される2種類の周波数(L1:1575.42MHz、L2:1227.60MHz)の第4の電波243が受信される。
電波の速度は、一般に光速であるが、電離層を通過するときには周波数によって速度が異なってくる。送信局241からは、異なる周波数の第4の電波243が放射され、これらが電離層を通過するのに要する時間(遅延差)から電離層の電子数(電子密度)が算出可能であるので、受信局242では、第4の電波243を受信することで電離層中の電子密度を観測している。
つまり、電離層中の電子密度の異常な変動を捉えることで地震を予測可能となる。「M6」以上の地震については、受信局242から半径1000km内の地震が予測可能となっている。
受信局212、受信局222、受信局232、および受信局242は、同じ敷地内に設置されていてもよいし、異なっていてもよい。
(各種観測手法の主な特徴)
図3は、上述した第1の電波213〜第4の電波243の各観測手法の主な特徴を示す図である。なお、図3に示す数値は一例である。
地震は、自然現象であるので、一定のパターンで発生することはあっても、必ず一定のパターンで発生するものではなく、1つの観測手法、より狭義には1つの前兆現象による地震の予測では、予測の精度に限界がある。そこで、複数の観測手法を用いて複合的に前兆現象を観測することで、すなわち複数種類の観測手法を組み合わせることで、地震の予測の精度をより高めることが可能となる。
各種観測手法には、地震の前兆現象を検出可能な範囲(検出範囲)が相対的に広いものと狭いものがある。検出範囲が広い手法に検出範囲が狭い手法を組み合わせることで、地震の発生場所をより正確に把握可能となる。
検出範囲が狭い手法と広い手法との組合せとして、第1の観測手法〜第4の観測手法を適宜に組み合わせることができる。第1の観測手法〜第4の観測手法のうち、2つを組み合わせてもよいし、3つを組み合わせてもよいし、4つを組み合わせてもよい。2つの組合せとして、例えば、第1の観測手法と第2の観測手法とを組み合わせてもよいし、他の組合せでもよい。また、3つの組合せとして、例えば、第1の観測手法と第2の観測手法と第4の観測手法とを組み合わせてもよいし、他の組合せでもよい。
なお、同じ観測手法の検出範囲を重ね合わせることで、地震の発生場所をより正確に把握可能となる場合もある。
また、各種観測手法には、地震の前兆現象を検出可能な期間(前兆異常期間)が相対的に早いものと遅いものとがある。前兆異常期間が早い手法と、前兆異常期間が遅い手法とを組み合わせることで、早い手法で異常(地震の前兆現象の影響)が検出され、遅い手法で異常が検出されるという正規の順序で異常が検出された場合、地震が発生する可能性が相対的に(非正規の順序で異常が検出された場合よりも、また、何れか一方で異常が検出された場合よりも)高いと判断可能となる。
前兆異常期間が早い手法と前兆異常期間が遅い手法との組合せとして、第1の観測手法〜第4の観測手法を適宜に組み合わせることができる。第1の観測手法〜第4の観測手法のうち、2つを組み合わせてもよいし、3つを組み合わせてもよいし、4つを組み合わせてもよい。2つの組合せとして、例えば、第1の観測手法と第2の観測手法とを組み合わせてもよいし、他の組合せでもよい。また、3つの組合せとして、例えば、第1の観測手法と第2の観測手法と第4の観測手法とを組み合わせてもよいし、他の組合せでもよい。
なお、第1の観測手法〜第4の観測手法では、異常が発生する場所(異常発生場所)、メリット、デメリットも異なるため、各々を考慮して観測手法の組合せ、及び観測点の設置場所を決定することが好ましい。
<<地震観測システムのシステム構成>>
図4は、地震予測システム100を含む地震観測システム300のシステム構成の一例を示す図である。
地震観測システム300は、解析サーバ101、バックアップサーバ102、複数の受信局212、複数の受信局222、複数の受信局232および受信局242を有する。
なお、受信局212〜232の各々は、複数に限られるものではなく、1つであってもよい。受信局242は、1つに限られるものではなく、複数であってもよい。バックアップサーバ102は、1つに限られるものではなく、複数であってもよい。
<解析サーバ>
解析サーバ101は、地震予測システム100の一例であり、クラウド301を介して、一または複数の受信局212〜242およびバックアップサーバ102と通信可能に接続される。
解析サーバ101は、上述したデータ収集処理111、データ解析処理112、予測情報作成処理113、配信情報作成処理114などを行う。なお、解析サーバ101は、情報処理装置の一例であり、解析サーバ101のハードウェア構成については後述する。
<バックアップサーバ>
バックアップサーバ102は、観測データ、解析サーバ101による解析結果などのデータのバックアップを行う。なお、バックアップサーバ102は、情報処理装置の一例であり、バックアップサーバ102のハードウェア構成については、解析サーバ101と同様であるので、その説明は省略する。
<受信局(ULF)>
受信局212は、検出器2121、制御器2122およびコンピュータ2123を有する。受信局212では、地球磁場の3成分(互いに直行する3方向であり、例えば、東西方向、南北方向および鉛直方向)が連続測定され、観測データとして所定の記憶領域に記憶される。
検出器2121は、磁力センサ等であり、制御器2122に接続されている。検出器2121は、3成分の磁気と検出器2121の温度とをアナログ電圧(受信信号)として制御器2122に出力する。換言するならば、検出器2121は、第1の電波213を受信可能に構成されている。
制御器2122は、検出器2121およびコンピュータ2123と通信可能に接続されている。制御器2122は、検出器2121から出力された受信信号を増幅したり、受信信号の波形を処理したり、ノイズを除去したり、AD変換(受信信号(アナログ信号)をコンピュータ2123で処理できるデジタルデータに変換)したり、AD変換した受信データ(観測データ)をコンピュータ2123に送信したりする。
なお、制御器2122は、電波時計に用いられる標準電波を受信可能なアンテナ、時刻を特定するGPS信号を受信可能なGPSアンテナ等、時刻を特定可能なデバイスを有する。
コンピュータ2123は、情報処理装置の一例であり、制御器2122およびクラウド301と通信可能に接続されている。
コンピュータ2123は、受信データを送信する旨の指令を制御器2122に送信する。制御器2122は、指令に応じて受信データをコンピュータ2123に送信する。コンピュータ2123は、制御器2122から送信された受信データを受信し、自己の所定の記憶領域に記憶し、クラウド301上の所定の記憶領域にアップロードする。
解析サーバ101およびバックアップサーバ102は、所定の記憶領域に記憶された受信データを適宜のタイミングでダウンロードする。
このようにして、解析サーバ101は、各地に設置されている受信局212から受信データを収集(取得)することができる。
なお、コンピュータ2123は、ネットワーク(クラウド301)を介して解析サーバ101と通信可能に接続される構成であってもよい。この場合、例えば、解析サーバ101は、受信データを送信する送信指令をコンピュータ2123に送信する。コンピュータ2123は、送信指令を受信すると、HDDなどに記憶されている受信データを解析サーバ101に送信する。
<受信局(VLF)>
受信局222は、アンテナ2221、受信機2222およびコンピュータ2223を有する。受信局222では、予め設定された所定の周波数の電波が測定され、観測データとして所定の記憶領域に記憶される。
アンテナ2221は、ダイポールアンテナ等であり、受信機2222に接続されている。アンテナ2221は、空間の電波(電磁波)を高周波エネルギーに変換(受信)し、受信信号として受信機2222に出力する。
アンテナ2221は、広帯域にて電波を受信し、第2の電波223を受信可能に構成されている。なお、複数の送信局221から送信される各電波を受信するにあたり、アンテナ2221は、周波数ごとに設けられていてもよい。
受信機2222は、アンテナ2221およびコンピュータ2223と通信可能に接続されている。受信機2222は、アンテナ2221から出力された受信信号を増幅したり、受信信号の波形を処理したり、ノイズを除去したり、AD変換(受信信号(アナログ信号)をコンピュータ2223で処理できるデジタルデータに変換)したり、AD変換した受信データ(観測データ)をコンピュータ2223に送信したりする。
なお、受信機2222は、電波時計に用いられる標準電波を受信可能なアンテナ、時刻を特定するGPS信号を受信可能なGPSアンテナ等、時刻を特定可能なデバイスを有する。
コンピュータ2223は、情報処理装置の一例であり、受信機2222およびクラウド301と通信可能に接続されている。
コンピュータ2223は、受信データを送信する旨の指令を受信機2222に送信する。受信機2222は、指令に応じて受信データをコンピュータ2223に送信する。コンピュータ2223は、受信機2222から送信された受信データ(時刻、位相、振幅など)を受信し、自己の所定の記憶領域に記憶し、クラウド301上の所定の記憶領域にアップロードする。
解析サーバ101およびバックアップサーバ102は、所定の記憶領域に記憶された受信データを適宜のタイミングでダウンロードする。
このようにして、解析サーバ101は、各地に設置されている受信局222から受信データを収集(取得)することができる。
なお、コンピュータ2223は、ネットワーク(クラウド301)を介して解析サーバ101と通信可能に接続される構成であってもよい。この場合、例えば、解析サーバ101は、受信データを送信する送信指令をコンピュータ2223に送信する。コンピュータ2223は、送信指令を受信すると、HDDなどに記憶されている受信データを解析サーバ101に送信する。
<受信局(VOR)>
受信局232は、アンテナ2321、受信機2322およびコンピュータ2323を有する。受信局232では、予め設定された所定の周波数の電波が測定され、観測データとして所定の記憶領域に記憶される。
アンテナ2321は、八木アンテナ等であり、受信機2322に接続されている。アンテナ2321は、空間の電波(電磁波)を高周波エネルギーに変換(受信)し、受信信号として受信機2322に出力する。
アンテナ2321は、広帯域にて電波を受信し、第3の電波233を受信可能に構成されている。なお、複数の送信局231から送信される各電波を受信するにあたり、アンテナ2321は、周波数ごとに設けられていてもよい。
受信機2322は、アンテナ2321およびコンピュータ2323と通信可能に接続されている。受信機2322は、アンテナ2321から出力された受信信号を増幅したり、受信信号の波形を処理したり、ノイズを除去したり、AD変換(受信信号(アナログ信号)をコンピュータ2323で処理できるデジタルデータに変換)したり、AD変換した受信データ(観測データ)をコンピュータ2323に送信したりする。
なお、受信機2322は、電波時計に用いられる標準電波を受信可能なアンテナ、時刻を特定するGPS信号を受信可能なGPSアンテナ等、時刻を特定可能なデバイスを有する。
コンピュータ2323は、情報処理装置の一例であり、受信機2322およびクラウド301と通信可能に接続されている。
コンピュータ2323は、受信データを送信する旨の指令を受信機2322に送信する。受信機2322は、指令に応じて受信データをコンピュータ2323に送信する。コンピュータ2323は、受信機2322から送信された受信データ(時刻、位相、振幅など)を受信し、自己の所定の記憶領域に記憶し、クラウド301上の所定の記憶領域にアップロードする。
解析サーバ101およびバックアップサーバ102は、所定の記憶領域に記憶された受信データを適宜のタイミングでダウンロードする。
このようにして、解析サーバ101は、各地に設置されている受信局232から受信データを収集(取得)することができる。
なお、コンピュータ2323は、ネットワーク(クラウド301)を介して解析サーバ101と通信可能に接続される構成であってもよい。この場合、例えば、解析サーバ101は、受信データを送信する送信指令をコンピュータ2323に送信する。コンピュータ2323は、送信指令を受信すると、HDDなどに記憶されている受信データを解析サーバ101に送信する。
<受信局(GPS)>
受信局242は、アンテナ2421、受信機2422およびコンピュータ2423を有する。受信局242では、予め設定された所定の周波数の電波が測定され、観測データとして所定の記憶領域に記憶される。
アンテナ2421は、パラボラアンテナ等であり、受信機2422に接続されている。アンテナ2421は、空間の電波(電磁波)を高周波エネルギーに変換(受信)し、受信信号として受信機2422に出力する。
アンテナ2421は、第4の電波243を受信可能に構成されている。
受信機2422は、アンテナ2421およびコンピュータ2423と通信可能に接続されている。受信機2422は、アンテナ2421から出力された受信信号を増幅したり、受信信号の波形を処理したり、ノイズを除去したり、AD変換(受信信号(アナログ信号)をコンピュータ2423で処理できるデジタルデータに変換)したり、AD変換した受信データ(観測データ)をコンピュータ2423に送信したりする。
なお、受信機2422は、電波時計に用いられる標準電波を受信可能なアンテナ、時刻を特定するGPS信号を受信可能なGPSアンテナ等、時刻を特定可能なデバイスを有する。
コンピュータ2423は、情報処理装置の一例であり、受信機2422およびクラウド301と通信可能に接続されている。
コンピュータ2423は、受信データを送信する旨の指令を受信機2422に送信する。受信機2422は、指令に応じて受信データをコンピュータ2423に送信する。コンピュータ2423は、受信機2422から送信された受信データ(時刻、位相、振幅など)を受信し、自己の所定の記憶領域に記憶し、クラウド301上の所定の記憶領域にアップロードする。
解析サーバ101およびバックアップサーバ102は、所定の記憶領域に記憶された受信データを適宜のタイミングでダウンロードする。
このようにして、解析サーバ101は、各地に設置されている受信局242から受信データを収集(取得)することができる。
なお、コンピュータ2423は、ネットワーク(クラウド301)を介して解析サーバ101と通信可能に接続される構成であってもよい。この場合、例えば、解析サーバ101は、受信データを送信する送信指令をコンピュータ2423に送信する。コンピュータ2423は、送信指令を受信すると、HDDなどに記憶されている受信データを解析サーバ101に送信する。
<<解析サーバのハードウェア構成>>
図5は、解析サーバ101のハードウェア構成の一例を示す図である。
解析サーバ101は、CPU1010(Central Processing Unit)、ROM1011(Read Only Memory)、RAM1012(Random Access Memory)、外部記憶装置1013、グラフィックボード1014、入力制御装置1015およびネットワークI/F1016(interface)を有する。
CPU1010は、解析サーバ101の各構成部の実行制御を行うとともに、ROM1011に格納された各種プログラムを実行し、各種の演算を行う。
ROM1011は、フラッシュメモリなどのメモリデバイスからなり、CPU1010により実行される恒久的なデータが記憶されている。例えば、地震予測システム100の制御に係るプログラム等が記憶される。
RAM1012は、ROM1011に記憶された各種プログラムを実行する際に必要なデータを一時的に記憶する。
外部記憶装置1013は、ハードディスク装置などの記憶装置であり、CPU1010で実行されるプログラムや、CPU1010で実行されるプログラムが利用するデータ(テーブル、データベースなど)を記憶する。
グラフィックボード1014は、LCD1017(Liquid Crystal Display)に各種情報を表示させるよう制御する。
入力制御装置1015は、キーボード1018からの入力、マウス1019からの入力を信号化してCPU1010に送信する。
ネットワークI/F1016は、クラウド301から受信データ(観測データ)をダウンロードする等のデータ通信を実現する。
解析サーバ101では、例えば、CPU1010がROM1011などに格納されたプログラムおよび観測データをRAM1012に読み出して実行することにより、解析サーバ101に係る各種機能(データ処理部、データ記憶部など)が実現される。
<<各種データ>>
<異常判定結果(異常判定データ)>
図6は、異常判定結果(異常判定データ)の一例(判定結果テーブル)を示す図である。異常判定結果は、予測情報作成処理113において異常度合いの判定が行われて生成されるデータであり、基本的には、一日一回、外部記憶装置1013(第3データベース123)に記憶される。
判定結果テーブルには、観測データ種別に対応して、DOY(Day-Of-Year)ごとに異常判定結果を示す情報が記憶されている。
観測データ種別は、各受信局で受信される一の電波に対応して設けられ、各受信局で受信される電波の種別を識別可能な情報である。DOY2015は、年月日を識別可能な情報である。
異常判定結果は、観測データ種別に対応して、DOYごとに異常判定結果を示す情報(本例では、「○」)を有する。例えば、現在がDOY「290」であり、観測データ種別「ULF2」、「ULF3」、「VOR6」、および「GPS」の電波において異常が検出された場合、対応する箇所に異常判定結果を示す情報「○」が設定される。
異常判定結果は、観測データ種別「VLF」に対応して、DOYごとに地震が発するエネルギーの大きさを示す情報(マグニチュード:「M」と略記)を有する。観測データ種別「VLF」については、異常値が「-2.5」のときは「M5」、異常値が「-3.0」のときは「M6」というように、異常値に応じてマグニチュードが特定される。すなわち、異常値が「-3.0」のときに「M6」が特定される観測データ種別「VLF」があれば、異常値が「-3.0」のときに「M6.5」が特定される観測データ種別「VLF」があり、観測データ種別「VLF」ごとに、異常値とマグニチュードの対応関係を示すデータが外部記憶装置1013に記憶されている。なお、対応関係を示すデータには、過去の実績がフィードバックされ、徐々に精度が高められ、地震のマグニチュードがより的確に予測可能になっている。
<地震予測カレンダー(地震予測データ)>
図7は、地震予測カレンダー(地震予測データ)の一例(地震予測テーブル)を示す図である。地震予測カレンダーは、第3データベース123に記憶され、図8に示す前兆異常期間等に基づいて更新される。
地震予測テーブルには、観測データ種別に対応して、DOYごとに地震が発生すると予測したことを示す情報が記憶される。
<前兆異常期間(異常期間データ)>
図8は、前兆異常期間(異常期間データ)の一例(前兆異常期間設定用テーブル)を示す図である。前兆異常期間は、予め設定されるデータであり、外部記憶装置1013に記憶されている。なお、前兆異常期間は、適宜の見直しが行われる。
前兆異常期間設定用テーブルには、観測手法ごとに前兆異常期間の開始および終了を示す情報が規定されている。
例えば、図6に示すように、DOY「284」において、観測データ種別「VLF3」における異常度合いの判定において異常が検出された場合、前兆異常期間が参照され、開始「2」および終了「10」が特定され、2日〜10日後において地震が発生すると予測され、図7に示す地震予測カレンダーのDOY「286」〜「295」に地震が発生すると予測したことを示す情報「○」が設定される。また、例えば、翌日のDOY「285」においても異常が検出された場合、地震予測カレンダーのDOY「287」〜「296」に地震が発生すると予測したことを示す情報「○」が設定(上書きおよび追加)される。なお、観測手法「ULF」、「VOR」、および「GPS」についても同様である。
<予測震源ブロック(ブロックデータ)>
図9は、予測震源ブロック(ブロックデータ)の一例(予測震源ブロック設定用テーブル)を示す図である。予測震源ブロックは、外部記憶装置1013に記憶されている。
ブロック区分は、日本全土が予め複数のブロックに分割された各ブロックを識別可能な情報である。地震検知可能なエリア(地震検知エリア)は、当該ブロックで地震を検知可能な観測データ種別である。例えば、ブロック区分「B」には、観測データ種別「ULF2」、「ULF3」、「VLF3」、「VLF15」、「VOR6」、および「GPS」により地震の検知が可能な地震検知エリア「B1」と、観測データ種別「ULF2」、「ULF4」、「VLF4」、および「GPS」により地震の検知が可能な地震検知エリア「B2」と、観測データ種別「ULF3」、「ULF4」、「VLF5」、および「GPS」により地震の検知が可能な地震検知エリア「B3」とが含まれる。ブロック画像は、ブロック区分に対応する画像を識別可能な情報(ファイル名、URLなど)である。
本実施形態では、異常が検出された観測データ種別に基づいて地震検知エリアが絞られ、地震の震源(震央であってもよい。)を予測する場所(地域)としてブロック区分が特定される。例えば、図7に示すように、DOY「290」において、観測データ種別「ULF2」、「ULF3」、「VLF3」、「VLF15」、および「VOR6」において地震が発生すると予測された場合、エリア「B1」に絞られ、ブロック区分「B」が特定される。
<<受信局の設置例>>
<ULF電波受信局の設置例>
図10は、受信局212の設置の設置場所(ULF観測網)の一例を示す図である。
検出器2121は、地下(地中)約1mに埋設されるが、受信感度がよく、人工ノイズ(列車、車などによる振動)も検出するので、受信局212は、都市部ではなく、静かな環境に設置されている。
例えば、「M6」以上の規模の地震を予測対象とした場合、受信局212から半径60kmが観測エリアとなるので、首都直下型地震の前兆現象を捉えるには、例えば図10に示すように、首都圏において観測エリアが重なるように、受信局212A〜受信局212Fを設置することが好適である。
例えば、受信局212A、受信局212Dおよび受信局212Fの各観測データで前兆現象が確認された場合、受信局212A、受信局212D、および受信局212Fの観測エリアが重なる領域401付近に震源がある地震が発生すると判断可能となる。
また、例えば、「M6」の地震では、観測エリアの半径が60kmであるので、受信局212Dおよび受信局212Eでは、同時期に(同じ)前兆現象が確認されることがない(殆どない)が、「M7」以上の地震では、観測エリアの半径が100kmであるので、受信局212Dおよび受信局212Eで同時期に前兆現象が確認され得る。換言するならば、受信局212Dおよび受信局212Eで同じ異常(略同じパターンを示す異常)を検出した場合、「M7」以上の地震が発生すると予測することができる。
なお、受信局212の設置場所は、図10に示すものに限られるものではない。例えば、日本全国を網羅するように設置してもよい。また、例えば、人口が一定以上有する市町村に設定してもよい。また、例えば、特定の地震を想定して設置してもよい。
受信局212については、独自に設置してもよいし、大学が設置したものを利用してもよいし、国が設置したものを利用してもよい。
<VLF電波受信局の設置例>
図11は、受信局222の設置の設置場所(VLF/LF観測網)の一例を示す図である。
地震予測システム100では、日本全国を網羅するように、すなわち観測エリア(パス)が重なるように受信局222が10箇所設けられている。
各受信局222では、独自に選定した中国送信局および佐賀送信局を含む7箇所の送信局からの各電波を受信可能であるので、パスの重なりがより密になり、地震予測の精度の向上を図ることができる。
例えば、第1のパスと第2のパスとで前兆現象が確認された場合、第1のパスと第2のパスとが重なる領域付近に震源がある地震が発生すると判断可能となる。
なお、受信局222の設置場所は、図11に示すものに限られるものではない。例えば、日本全国を更に網羅するように受信局222を稚内に設置する等、受信局222を更に設置してもよい。
受信局222については、独自に設置してもよいし、大学が設置したものを利用してもよいし、国が設置したものを利用してもよい。
VORの受信局232については、VLFの受信局222と同様に設置することができる。また、GPSの受信局242については、観測エリアが1000kmと広範囲であるため、日本全土の多くを網羅することが可能な新潟などに設置される。
ここで、上述したように、検出範囲が広いVLF観測手法に検出範囲が狭いULF観測手法を組み合わせることで、地震の発生場所をより正確に把握可能となる。
より具体的には、VLFの異常が検出され、更にULFの異常が検出された場合、VLFの異常により予測された地震の規模に応じてULFの観測エリアを特定し、震源を絞り込む。
例えば、VLFの観測エリア内にULFの受信局が設置されている場合、またはVLFの観測エリア付近にULFの受信局が設置されている場合に、VLFの異常が検出され、予測する地震のマグニチュードが「6」であり、かつ、ULFの異常が検出されたとき、ULFの受信局から半径60km内で地震が発生すると予測することが可能となる。
また、例えば、検出範囲が広いVOR観測手法に検出範囲が狭いULF観測手法を組み合わせることで、地震の発生場所をより正確に把握可能となる。
この組合せの場合、ULFの受信局を設置する際、どの程度の規模の地震を予測するかに応じて受信局を設置することが好ましい。例えば、「M7」クラスの地震を予測する場合、VORの観測エリアから100km以内にULFの受信局を設置し、「M6」クラスの地震を予測する場合、VORの観測エリアから60km以内にULFの受信局を設置する。付言するならば、ULFの受信局を設置する場合、ULFの磁場変動データの解析結果から示される地震の震央距離とマグニチュードとの関係を考慮して配置することが好ましい。
より具体的には、VORの異常が検出され、更にULFの異常が検出された場合、ULFの受信局の設置位置に応じてULFの観測エリアを特定し、震源を絞り込む。
例えば、VORの観測エリアから60km以内にULFの受信局を設置し、VLFの異常が検出され、かつ、ULFの異常が検出されたとき、ULFの受信局から半径60km内で地震が発生すると予測することが可能となる。
また、例えば、検出範囲が広いGPS観測手法に検出範囲が狭いULF観測手法を組み合わせることで、地震の発生場所をより正確に把握可能となる。
この組合せの場合、GPS観測手法では、マグニチュードの正確な予測困難であり、観測エリアも広く、さらに、ULFの受信局1つでは観測エリアを特定することが困難であるので、ULFの受信局を2つ以上設置することが好ましい。
例えば、一のULFの異常が検出され、かつ、他のULFの異常が検出されたとき、一のULFの観測エリアと他のULFの観測エリアとが重なるエリアで地震が発生すると予測することが可能となる。
なお、このことは、検出範囲が広いGPS観測手法と検出範囲が狭いVLF観測手法(またはVOR観測手法)との組合せについても同様であり、VLF(またはVOR)の受信局を2つ以上設置することで、地震の発生場所をより正確に把握可能となる。
例えば、一のVLF(VOR)の異常が検出され、かつ、他のVLF(VOR)の異常が検出されたとき、一のVLF(VOR)の観測エリアと他のVLF(VOR)の観測エリアとが重なるエリアで地震が発生すると予測することが可能となる。
付言するならば、検出範囲が広いVLF観測手法に検出範囲が狭いVOR観測手法を組み合わせることで、地震の発生場所をより正確に把握可能となる。
例えば、VLFの異常が検出され、かつ、VORの異常が検出されたとき、VLFの観測エリアとVORの観測エリアとが重なるエリアで地震が発生すると予測することが可能となる。
<<地震予測システムに係る処理(地震予測方法に係る工程)>>
地震予測システムでは、解析サーバ101は、図12および図13のフローチャートに示す処理を実行する。
<メイン処理>
図12は、地震予測システムのメイン処理に係るフローチャートの一例を示す図である。メイン処理は、1日1回、所定の時間(例えば、9時)に実行される。
ステップS11では、解析サーバ101は、各受信局よりクラウド上にアップロードされた観測データをダウンロードする(観測データを収集する)。解析サーバ101は、ダウンロードした観測データを第1データベース121に記憶する。解析サーバ101は、本処理を終了した場合、ステップS12に処理を移す。
ステップS12では、解析サーバ101は、各観測データのデータ解析を行う。解析サーバ101は、解析した結果(解析結果データ)を第2データベース122に記憶する。解析サーバ101は、本処理を終了した場合、ステップS13に処理を移す。
<ULFのデータ解析>
(1)解析サーバ101は、夜間(例えば、1時〜4時)に観測されたULF観測データを抽出する。なお、夜間の観測データを用いるのは、人工ノイズを極力避けるためであり、昼間に人工ノイズが少ない場合は、昼間の観測データを用いてもよい。
(2)解析サーバ101は、観測データを用いて波形のプロットを行う。なお、プロットされた波形は、ディスプレイ、用紙などに出力可能であり、解析者は、出力された波形を参照し、欠測、落雷などを目視により確認し、不適正なデータを排除する。これにより、データ解析(地震予測)において適正なデータが使用される。
ここで、ULF観測データの一例を図14に示す。図14(A)は、ULF電波の強度(振幅)の南北成分の一例を示す。図14(B)は、ULF電波の強度(振幅)の東西成分の一例を示す。図14(C)は、ULF電波の強度(振幅)の垂直成分の一例を示す。
(3)解析サーバ101は、FFT(Fast Fourier Transform)処理を行い、0.01Hz付近のデータを抽出する。
(4)解析サーバ101は、抽出後の3成分(南北、東西、鉛直)の平均強度を計算する。
(5)解析サーバ101は、平均強度の比「鉛直/南北」、「鉛直/東西」を計算する。
(6)解析サーバ101は、解析結果データをグラフ(ULFグラフ)にプロットすると共に、第2データベース122に記憶する。ULFグラフの一例を図15に示す。
<VLFのデータ解析>
(1)解析サーバ101は、夜間(例えば、21時〜3時)に観測されたVLF観測データを抽出する。なお、夜間の観測データを用いるのは、主に、太陽の影響を避けるためである。
(2)解析サーバ101は、観測データを用いて波形のプロットを行う。なお、プロットされた波形は、ディスプレイ、用紙などに出力可能であり、解析者は、出力された波形を参照し、欠測、停波、落雷などを目視により確認し、不適正なデータを排除する。これにより、データ解析(地震予測)において適正なデータが使用される。
ここで、VLF観測データの一例を図16に示す。図16は、根室に設置された受信局222で観測された観測データの一例を示す。
(3)解析サーバ101は、前15日の同時間の平均強度からの差異を計算する。
(4)解析サーバ101は、(3)で計算した差異の夜間時間の合計を計算する。
(5)解析サーバ101は、解析結果データをグラフ(VLFグラフ)にプロットすると共に、第2データベース122に記憶する。VLFグラフの一例を図17に示す。
<VORのデータ解析>
(1)解析サーバ101は、VOR観測データを抽出する。
(2)解析サーバ101は、観測データを用いて波形のプロットを行う。なお、プロットされた波形は、ディスプレイ、用紙などに出力可能であり、解析者は、出力された波形を参照し、欠測、停波、落雷、流星エコー、気象要因(例えば、風、地表温度)などを目視により確認し、不適正なデータを排除する。これにより、データ解析(地震予測)において適正なデータが使用される。
ここで、VOR観測データの一例を図18および図19に示す。図18は、通常時の観測データの一例を示す。図19は、異常時の観測データの一例を示す。
(3)解析サーバ101は、前15日間におけるVOR電波の強度の「平均(m)+標準偏差の3倍(3σ)」を計算する。
(4)解析サーバ101は、1日の中で「m+3σ」を超えた時間を解析結果データとしてグラフ(VORグラフ)にプロットすると共に、第2データベース122に記憶する。
VORグラフの一例を図20および図21に示す。図20は、観測データと平均(m)と計算結果「平均(m)+標準偏差の3倍(3σ)」と観測データが「平均(m)+標準偏差の3倍(3σ)」を超える値との関係の一例を示す図である。図21は、「平均(m)+標準偏差の3倍(3σ)」を超えた累積時間(1日毎)の一例を示す図である。
<GPSのデータ解析>
(1)解析サーバ101は、L1、L2という異なる周波数の電波の到達時間差から電離層電子密度変動(TEC)を計算する。
(2)解析サーバ101は、磁場の指数(Kp、Dst[nT]など)、太陽活動の指数(IMF、F10.7など)をもとに、磁場および太陽活動の影響がないことを確認し、不適正なデータを排除する。これにより、データ解析(地震予測)において適正なデータが使用される。
(3)解析サーバ101は、解析結果データをグラフ(GPSグラフ)にプロットすると共に、第2データベース122に記憶する。なお、GPSグラフについては図示を省略する。
ステップS13では、解析サーバ101は、地震予測を行う。詳細は後述するが、地震予測では、解析結果データ等に基づいて、地震の発生有無、発生場所、発生期間、および地震レベルを予測する。解析サーバ101は、本処理を終了した場合、ステップS14に処理を移す。
ステップS14では、解析サーバ101は、配信処理を行う(予測結果の配信などを行う)。例えば、解析サーバ101は、図22に示すように、日本地図(地図情報)にブロック画像がマッピングされ、ブロック区分ごとに発生期間(予測期間)と地震レベルとが任意のディスプレイに表示可能なファイル(画面情報)を生成する。また、例えば、解析サーバ101は、日本地図にブロック画像をマッピングせず、発生場所と発生期間(予測期間)と地震レベルとの文字情報を任意のディスプレイに表示可能なファイル(画面情報)を生成する。
なお、ファイルは、PDF(Portable Document Format)、HTML(HyperText Markup Language)など、任意の形式を採用可能である。
続いて、解析サーバ101は、生成したファイルを第4データベース124に記憶する。また、解析サーバ101は、予め定められたタイミングで、第4データベース124からファイルを読み出してEメールに添付し、予め登録されているメールアドレスに送信する。
ただし、配信処理は、上述の内容に限られるものではない。
例えば、配信は、毎日行われてもよいし、毎週、水曜日と金曜日というように、指定した曜日に行われてもよい。また、例えば、地震レベルに応じて配信してもよい。地震レベルが「(異常なし)」、「注意」である場合は、指定した曜日に配信が行われ、「警戒」である場合は、臨時(例えば、地震予測の直後)に配信が行われてもよい。
また、配信先として、例えば、所定の専用端末(契約対象の表示端末機、デジタルサイネージなど)に送信し、所定の専用端末は、予測結果を表示する構成であってもよい。また、例えば、予め登録された番号のファクシミリに予測結果を送信する構成であってもよい。また、例えば、予測結果を含む情報を所定のURLに送信し、WEBサイトに表示する構成であってもよい。
<地震予測処理>
図13は、地震予測処理に係るフローチャートの一例を示す図である。
ステップS101では、解析サーバ101は、第2データベース122から解析結果を読み込む(解析結果データがプロットされた各グラフを出力してもよい。)。本処理を終了した場合、ステップS102に処理を移す。
ステップS102では、解析サーバ101は、解析結果の異常度合いの判定(異常判定)を行う。以下に、観測手法ごとの異常判定の一例を示す。本処理を終了した場合、ステップS103に処理を移す。
(ULF電波に基づく異常判定)
解析サーバ101は、ステップS12で算出した「鉛直/南北」、「鉛直/東西」の値が3週間かけて徐々に上がり、通常時の2倍になって2日以上継続したか否かを判定する。このとき、継続したと判定した場合、地磁気活動指数と比較して地磁気の影響の有無を判定し、地磁気の影響がないと判定した場合、地震が発生すると予測し(異常を検出し)、継続していない、または地磁気の影響があると判定した場合、地震が発生しないと予測する。
(VLF電波に基づく異常判定)
解析サーバ101は、ステップS12で算出した夜間時間の合計が所定の値(「−2.5」、「−3」等)を超えたか否かを判定する。所定の値を超えたと判定した場合、地震が発生すると予測し、所定の値を超えていないと判定した場合、地震が発生しないと予測する。
(VOR電波に基づく異常判定)
解析サーバ101は、ステップS12で算出した「m+3σ」を超えた時間が所定の値(例えば、120分)を超えたか否かを判定する。所定の値を超えたと判定した場合、地震が発生すると予測し、所定の値を超えていないと判定した場合、地震が発生しないと予測する。
なお、所定の値については、過去の実績がフィードバックされる構成を採用してもよく、その場合、VOR観測データ種別ごとに所定の値を示すデータが外部記憶装置1013に記憶され、所定の値は、VOR観測データ種別ごとに異なり得る。
(GPS電波に基づく異常判定)
解析サーバ101は、ステップS12で算出した電離層電子密度変動について、閾値(例えば、前15日に対して+2σ)を超えた時間が所定時間(例えば、10時間)以上あったか否かを判定し、閾値を超えた時間が所定時間以上あったと判定した場合、地震が発生すると予測し、閾値を超えた時間が所定時間以上継続しなかったと判定した場合、地震が発生しないと予測する。
異常判定は、上述の内容に限られるものではない。上述した異常(伝播異常、URL放射)の特性に基づいて、適宜の方法により異常判定することが可能である。
例えば、VLF電波に基づく異常判定では、解析サーバ101は、所定の期間内に記憶した位相差(振幅であってもよい)の最小値を日ごとに求める。続いて、解析サーバ101は、最小値を示した時刻を特定し、最小値時間Tにセットする。続いて、解析サーバ101は、所定の期間内における最小値時間の平均値と標準偏差σを算出する。続いて、解析サーバ101は、平均値と最小値時間Tとの差の絶対値が2σを超えているか否かを判断する。解析サーバ101は、超えていると判断した場合、地震が発生する(電離層に異常あり)と判断する。このような異常判定を採用してもよい。
また、例えば、VLF電波に基づく異常判定では、解析サーバ101は、所定の期間における時刻tでの振幅の平均値と振幅Aとの差を算出し、その差分dAを2乗する。続いて、解析サーバ101は、所定の期間における時刻tでの差分dA2乗の平均値と標準偏差σとを算出する。続いて、解析サーバ101は、差分dA2乗が平均値+2σを超えているか否かを判断する。解析サーバ101は、超えていると判断した場合、地震が発生する(電離層に異常あり)と判断する。このような異常判定を採用してもよい。
付言するならば、異常判定の一部または全部を、出力されたグラフなどを参照して人が担ってもよい。
ステップS103では、解析サーバ101は、解析結果の異常度合いの判定結果を第3データベース123に記憶する。例えば、解析サーバ101は、図6に示すように、観測データ種別ごとに異常判定結果を示す情報を記憶する。本処理を終了した場合、ステップS104に処理を移す。
ステップS104では、解析サーバ101は、地震予測カレンダーを更新する。より具体的には、観測データ種別ごとに異常判定結果と前兆異常期間とを参照し、地震予測カレンダーを更新する。本処理を終了した場合、ステップS105に処理を移す。
ステップS105では、解析サーバ101は、地震が予測されているか否かを判定する。より具体的には、解析サーバ101は、地震予測カレンダーを参照し、本日から所定の日数(例えば、10日)までに、地震が発生すると予測したことを示す情報(発生日予測情報)が設定されているか否かを判定する。解析サーバ101は、発生日予測情報が設定されていると判定した場合、ステップS106に処理を移し、発生日予測情報が設定されていないと判定した場合、ステップS111に処理を移す。
ステップS106では、解析サーバ101は、地震が予測されている予測データ(観測データ種別、地震が予測されている日、マグニチュード)を地震予測カレンダーから抽出する。本処理を終了した場合、ステップS107に処理を移す。
ステップS107では、解析サーバ101は、各予測データを照合して地震発生地域を絞り込む。より具体的には、解析サーバ101は、地震が予測されている観測データ種別が含まれる地震検知エリアを絞り込む(抽出する)。続いて、解析サーバ101は、絞り込んだ地震検知エリアに対応するブロック区分を特定(設定)する。また、解析サーバ101は、特定したブロック区分に対応するブロック画像を外部記憶装置1013から読み出す(ブロック画像のファイル名を一時記憶する)。
ステップS108では、解析サーバ101は、各予測データを照合して地震発生期間を絞り込む。解析サーバ101は、ブロック区分ごとに地震発生期間を絞り込む。より具体的には、ブロック区分に対応付けられた観測データ種別の各地震発生期間(地震が予測されている日)の和集合を求める。求めた地震発生期間の最終日が所定の日数(例えば、10日)を超える場合、翌日から所定の日数までを地震発生期間(予測期間)として特定(設定)し、超えない場合、翌日から求めた地震発生期間の最終日までを地震発生期間(予測期間)として特定する。
ステップS109では、解析サーバ101は、各予測データを照合して地震レベルを設定する。地震レベルとしては、「異常なし」、注意を示す「注意レベル(第1レベル)」と警戒を示す「警戒レベル(第2レベル)」とが設けれらている。
解析サーバ101は、ブロック区分ごとに地震レベルを設定する。
より具体的には、ブロック区分に対応付けられた観測データ種別の全てにおいて、地震が発生すると予測された場合(発生日予測情報が設定されている場合)、警戒レベルを設定する。
例えば、図9に示すブロック区分「B」について見ると、観測データ種別は、全部で、「ULF2」、「ULF3」、「ULF4」、「VLF3」、「VLF4」、「VLF5」、「VLF15」、「VOR6」、および「GPS」であり、全ての観測データ種別において発生日予測情報が設定されている場合、ブロック区分「B」に対して警戒レベルが設定される。
他方、ブロック区分に対応付けられた観測データ種別の全てにおいて地震が発生しないと予測された場合、異常なしを設定し、観測データ種別「ULF」のみにおいて地震が発生すると予測された場合、異常なしを設定し、上記以外は注意レベルを設定する。
例えば、図9に示すブロック区分「B」について見ると、観測データ種別「ULF2」、「ULF3」、および「ULF4」においてのみ発生日予測情報が設定されている場合、ブロック区分「B」に対して異常なしが設定される。例えば、図9に示すブロック区分「B」について見ると、観測データ種別「ULF2」、「ULF3」、「ULF4」、「VLF5」、および「VLF15」においてのみ発生日予測情報が設定されている場合、ブロック区分「B」に対して注意レベルが設定される。
なお、地震レベルの設定は、上述の内容に限られるものではない。
例えば、ブロック区分の何れかの観測エリアに対応付けられた観測データ種別の全てにおいて地震が発生すると予測された場合に警戒レベルを設定し、その他の場合は注意レベルを設定する構成を採用してもよい。例えば、図9に示す観測エリア「B2」における観測データ種別は、全部で、「ULF2」、「ULF4」、「VLF4」、および「GPS」であるが、全ての観測データ種別において発生日予測情報が設定されている場合、ブロック区分「B」に対して警戒レベルが設定される。
このように、ブロック区分の中で、受信機の故障、停波などにより、何れかの観測エリアの一または複数の観測データ種別で地震が予測されなかった場合でも、ブロック区分における地震レベルを予測することができるので、地震予測の信頼性を高めることができる。
また、例えば、ブロック区分の特定の観測エリア(予め定められた一または複数の観測エリア)に対応付けられた観測データ種別の全てにおいて地震が発生すると予測された場合に警戒レベルを設定し、その他の場合は注意レベルを設定する構成を採用してもよい。
この際、ブロック区分の中で、被害の大きいと予測される人口の多い地域を特定の観測エリアとして選定することで、より効率的に地震への警戒(準備)を促すことが可能となる。
また、例えば、発生日予測情報が設定されている観測データ種別では、ブロック区分(観測エリア)を特定困難な場合、本例では観測データ種別が「VLF」(2つ以上で設定されている場合を除く。)、「VOR」(2つ以上で設定されている場合を除く。)、「GPS」で発生日予測情報が設定されており、「ULF」で設定されていない(2つ以上の「VLF」で設定されている場合を含む。2つ以上の「VOR」で設定されている場合を含む。)場合、地震レベルを設定しない(異常なしを設定する)構成としてもよい。
上述の構成によれば、地震可能なエリアへの観測データ種別の割当てをより詳細に行うことができるようになるので、震源地の特定をより正確に行うことが可能になる。
ステップS110では、解析サーバ101は、地震が発生する旨の予測結果を生成する。より具体的には、解析サーバ101は、予測した地震の発生場所、発生期間、警戒レベルを含む予測結果(地震予測情報)を生成する。
ステップS111では、解析サーバ101は、地震が発生しない旨の予測結果を生成する。本処理を終了した場合、メイン処理に処理を戻す。
付言するならば、ステップS103からステップS110の一部または全部を人が担ってもよい。
例えば、判定結果の記憶(ステップS103)および地震予測カレンダーの更新(ステップS104)を行うことなく、解析結果データがプロットされた各グラフを参照して、地震が予測されているか否かを判定してもよい。
また、例えば、解析結果データがプロットされた各グラフ、地震予測カレンダー等を参照して、地震発生地域を絞り込んでもよい。この際、異常が検出されたULF、VLF、VORの観測エリアを色分けして地図に書き込み、地震発生地域を絞り込む(震源を特定する)。
また、例えば、解析結果データがプロットされた各グラフ、地震予測カレンダー等を参照して、地震発生期間を絞り込んでもよい。
また、例えば、解析結果データがプロットされた各グラフ、地震予測カレンダー等を参照して、地震レベルを設定してもよい。
また、例えば、解析結果データがプロットされた各グラフ、地震予測カレンダー等を参照して、地震が発生する旨の予測結果(地震が発生しない旨の予測結果)を作成してもよい。
<<配信情報>>
図22は、配信情報の一例(地震ハザードマップ:地震警戒度マップ)を示す図である。
地震ハザードマップには、地図画像500、ブロック区分に対応するブロック画像501,502,503,504、地震予測詳細505が含まれる。
地図画像500は、概ね日本全体を示す。ただし、地図画像500は、北海道・東北圏、首都圏、中部圏、近畿圏、九州圏など日本の一部(例えば、図中の各枠内。)を示す地図であってもよし、全部と一部の組合せ(全部を示しつつ、一部も示す構成。)であってよい。
ブロック画像501,502,503,504は、地震の震源エリアを示す。
ブロック画像501,502,503,504は、地震レベルも示している。ブロック画像501は、地震レベルが警戒レベルを示す画像であり、赤色で表示される。ブロック画像502,503,504は、地震レベルが注意レベルを示す画像であり、緑色で表示される。
地震予測詳細505は、ブロック区分ごとの予測期間と地震レベルとを示す。例えば、ブロック区分No.3を見ると、2015年12月9日〜2015年12月12において警戒レベルが設定されているので、当該期間に当該ブロック区分で地震が発生する確率が相対的に高いことがわかる。
なお、地震ハザードマップは、上述の内容に限られるものではない。
例えば、地震予測詳細505は、上述の内容に加えてまたは代えて、アナリストの解説が含まれてもよいし、マグニチュード(値、規模レベル)が含まれてもよい。例えば、マグニチュードの規模レベルとしては、「M5.0」以上「M6.5」未満は中規模レベル、「M6.5」以上「M7.5」未満は大規模レベル、「M7.5」以上「M8.5」未満は巨大規模レベル、「M8.5」以上は長巨大規模レベルが設けられてもよい。
また、例えば、予測される地震の発生地点(震源)、被害の拡大範囲および被害程度、避難経路、避難場所などの情報が地図上に図示されてもよい。
なお、本実施形態は、上述の内容に限られるものではない。
本実施形態では、観測手法を4つ示して説明したが、4つ全てを採用しなくてもよい。例えば、ULFの観測手法とVLFの観測手法と組み合わせて採用してもよいし、ULFの観測手法とVLFの観測手法とGPSの観測手法とを組み合わせて採用してもよい。つまり、任意の観測手法を2つ組み合わせてもよいし、任意の観測手法を3つ組み合わせてもよい。
また、例えば、ブロック画像は、ブロック区分に対応して設けられているが、これに限られるものではない。
例えば、地震検知可能なエリア(観測データ種別)の組合せに対応して設けられてもよい。図9のブロック区分「B」を例に挙げてみると、観測データ種別「ULF2」および「ULF3」で異常が検出された場合、ブロック画像B1が特定され、観測データ種別「ULF2」、「ULF3」、「VLF3」、および「VLF15」で異常が検出された場合、ブロック画像B1よりも広い範囲を示すブロック画像B2が特定される。このように、時系列で異常が検知されたデータ種別が増えたことに対応して、ブロック画像も広い範囲のブロック画像が用いられる。
また、例えば、解析サーバ101は、まず、所定のマグニチュード(例えば、「M6」)以上の地震を対象として予測する構成としてもよい。より詳細には、解析サーバ101は、異常判定結果を参照し、所定のマグニチュード以上の地震を予測しているか否かをブロック区分ごとに判定する。
上述の構成によれば、所定のマグニチュード以上の地震を予測の対象とすることで、毎日起きている「M4」以下の小規模レベルの地震を排除することができ、地震予測の重要度を上げることが可能となる。
この際、各ブロックの地震のマグニチュードは、観測手法に対応付けられた優先順位に従って決定される構成(観測手法に重み付けをしてマグニチュードを決定する構成)を採用してもよい。
最も優先順位が高い観測手法は、マグニチュードの予測に過去の実績データが反映されるVLFに係る観測であり、次に優先順位が高い観測手法は、マグニチュードの予測が段階的なULFに係る観測であり(受信局212の設置の関係上、段階的になる。)、最も優先順位が低い観測手法は、マグニチュードの特定が一定となるGPSに係る観測手法である。なお、VORに係る観測では、マグニチュードを特定することが困難であるので、優先順位を設けていない(マグニチュードを決定する観測手法の対象から除外している。)。
例えば、ULFに係る観測によれば「M7.0」が予測され、VLFに係る観測によれば「M6.5」が予測され、GPSに係る観測手法によれば「M6.0」以上が予測された場合、地震のマグニチュードは、「M6.5」と予測する。
上述の構成によれば、より的確にマグニチュードを予測可能となる。
他方、観測手法に重み付けをしない構成を採用してもよい。この場合、最も高いマグニチュードを示す値を採用する。
上述の構成によれば、最悪のケースを想定した予測が可能になる。
[第2実施形態]
第2実施形態について図面を参照して説明する。第2実施形態では、第1実施形態に示す構成要素と同一又は類似の構成要素については、適宜、同一符号を用いてその説明を省略する。
第2実施形態では、主に、地震予測における地震発生地域の絞込み、地震レベルの設定方法が第1実施形態と異なる。なお、第2実施形態では、観測手法として、ULFに係る観測手法、およびVLFに係る観測手法を例に挙げて説明する。
(地震予測における地震発生地域の絞込み)
図23は、予測震源ブロック(ブロックデータ)の一例(予測震源ブロック設定用テーブル)を示す図である。予測震源ブロック設定用テーブルは、外部記憶装置1013に記憶されている。
予測震源ブロック設定用テーブルには、ブロックNo.ごとに、VLF観測データ種別、ULF観測データ種別、およびブロック画像の情報(ブロックデータ)が記憶されている。ブロックNo.は、日本全土が予め複数のブロックに分割された各ブロックを識別可能な情報である。
ここで、ULFに係る観測の観測エリアは、相対的に狭い(一のブロックに大半が納まる)ことから、本実施形態では、一のULF観測データ種別は、一のブロックNo.に対応付けている。他方、VLFに係る観測の観測エリアは、相対的に広い(一のブロックに納まらない)ことから、複数のブロックNo.に対応付けられることがある。ただし、一のブロックNo.に対応付けられていることもある。
予測震源ブロック設定用テーブルは、図13に示すステップS107において用いられる。
例えば、観測データ種別「ULF1」において地震が発生すると予測された場合、予測震源ブロック設定用テーブルに基づいて、観測データ種別「ULF1」が含まれるブロックNo.138が特定され、ブロック画像B138が特定される。すなわち、ブロックNo.138のエリア内を震源とする地震が発生すると予測し、地震発生地域としてブロックNo.138のエリアを絞り込む。
地震発生地域の絞込みは、上述の内容に限られるものではない。
例えば、VLF観測データ種別により絞り込んでもよい。より具体的には、観測データ種別「VLF2」および「VLF3」において地震が発生すると予測された場合、予測震源ブロック設定用テーブルに基づいて、観測データ種別「VLF2」および「VLF3」が含まれるブロックNo.138が特定され、ブロック画像B138が特定される構成を採用してもよい。
(地震レベルおよび地震予測確度の設定)
地震レベルおよび地震予測確度の設定は、図13に示すステップS109において行われる。
例えば、第1日に、観測データ種別「ULF1」において第1日以降に地震が発生すると予測され、第1日の日後の第2日に、観測データ種別「ULF1」において第2日以降に地震が発生すると予測され、かつ観測データ種別「VLF2」および「VLF3」において第2日の翌日以降(第3日以降)に地震が発生すると予測された場合を例に挙げて説明する。
本例では、第1日に、観測データ種別「ULF1」において地震発生が予測されたが、観測データ種別「VLF2」および「VLF3」において地震発生が予測されていないので、地震レベルとして「(異常なし)」が設定され、地震予測確度として低確度が設定される。
付言するならば、ULFに係る観測では、数週間も前から前兆現象を検知可能であり、緊急性が乏しく、地震レベルとして「(異常なし)」とすることが許容される。ただし、地震レベルとして注意レベルを設定してもよい。
また、第1日の日後の第2日に、観測データ種別「ULF1」において第2日以降に地震発生が予測され、かつ観測データ種別「VLF2」および「VLF3」において第2日の翌日以降に地震が発生すると予測されたので、地震レベルとして警戒レベルが設定され、地震予測確度として高確度が設定される。
本実施形態では、一のエリア(ブロック)で、地震の前兆現象を検知(感知)する時期が相対的に早い第1観測データ種別をもとに第1の地震予測を行い、地震の前兆現象を検知する時期が第1観測データ種別よりも遅い第2観測データ種別をもとに第2の地震予測を行う。そして、第1の地震予測で地震発生を予測し、第1の地震予測確度を設定し、その後第2の地震予測でも地震発生が予測された場合、第1の地震予測確度よりも、地震発生の確率が高くなったことを示す第2の地震予測確度を設定する。
このように、一のエリア(ブロック)で、地震の前兆現象を検知する時期が相対的に早い第1観測データ種別をもとに第1の地震予測を行い、地震の前兆現象を検知する時期が第1観測データ種別よりも遅い第2観測データ種別をもとに第2の地震予測を行うことで、異常の時系列を明確に捉えることができるので、地震予測の確度を高めることが可能となる。
なお、第2日に、観測データ種別「ULF1」において地震発生が予測されず、観測データ種別「VLF2」および「VLF3」において第2日の翌日以降に地震が発生すると予測された場合、地震レベルとして注意レベルが設定され、地震予測確度として低確度が設定される。
また、第1日に、観測データ種別「VLF2」および「VLF3」において地震発生が予測され、第1日の日後の第2日に、観測データ種別「VLF2」および「VLF3」において地震発生が予測され、かつ観測データ種別「ULF1」において地震発生が予測された場合、地震レベルとして注意レベルが設定され、地震予測確度として低確度が設定される。
なお、本実施形態は、上述の内容に限られるものではない。
例えば、地震の前兆現象を検知する時期が第2観測データ種別よりも遅い第3観測データ種別をもとに第3の地震予測をさらに行い、第1の地震予測で地震発生を予測し、第1の地震予測確度を設定し、その後第2の地震予測で地震発生が予測された場合、第1の地震予測確度よりも、地震発生の確率が高くなったことを示す第2の地震予測確度を設定し、さらにその後第3の地震予測で地震発生が予測された場合、第2の地震予測確度よりも、地震発生の確率が高くなったことを示す第3の地震予測確度を設定する構成を採用してもよい。
このように、一のエリア(ブロック)で、地震の前兆現象を検知する時期が相対的に早い第1観測データ種別をもとに第1の地震予測を行い、地震の前兆現象を検知する時期が第1観測データ種別よりも遅い第2観測データ種別をもとに第2の地震予測を行い、地震の前兆現象を検知する時期が第2観測データ種別よりも遅い第3観測データ種別をもとに第3の地震予測を行うことで、地震予測の確度をさらに高めることが可能となる。
また、例えば、第1観測データ種別として観測データ種別「ULF」、第2観測データ種別として観測データ種別「VLF」の例を示したが、これに限られるものではない。例えば、第2観測データ種別として観測データ種別「VOR」を採用してもよいし、第2観測データ種別として観測データ種別「GPS」を採用してもよい。また、第1観測データ種別として観測データ種別「VLF」、第2観測データ種別として観測データ種別「GPS」を採用してもよい。観測データ種別「ULF」、「VLF」、「VOR」、および「GPS」を適宜に組み合わせることが可能である。付言するならば、第3の地震予測を採用する場合も同様に適宜に組み合わせることが可能である。
また、例えば、地震の前兆現象を検知する時期が第3観測データ種別よりも遅い第4観測データ種別をもとに第4の地震予測をさらに行い、第3の地震予測確度よりも、地震発生の確率が高くなったことを示す第4の地震予測確度を設定可能な構成を採用してもよい。この構成によれば、地震予測の確度をさらに高めることが可能となる。
また、例えば、ブロックNo.に対応付けられたULF観測データ種別のうち一の観測データ種別(本例では「ULF1」)で地震発生が予測された場合であっても、警戒レベルが設定される構成としているが、この構成に限られるものではない。例えば、ブロックNo.に対応付けられた全てのULF観測データ種別で地震発生が予測された場合に、警戒レベルが設定される構成を採用してもよい。
第1実施形態および第2実施形態で示した構成は、適宜に組み合わせることが可能である。
また、例えば、上述した4つの観測手法に加えてまたは代えて、電離層のF層に対する臨界周波数を求め、求めた臨界周波数の高低を判断して、地震を予測することが可能な銀河電波の観測手法を採用してもよい。
この観測手法では、地震予測システム100では、まず、電離層のF層を通過することができる所定の周波数の電波を地上で受信できるようにアンテナを設置しておく。この所定の周波数の電波を地上で受信できているときには、惑星からの電波は電離層のF層を通過しているので、電離層のF層に擾乱が生じていないと判断することができる。一方、この所定の周波数の電波を地上で受信できなくなったときには、惑星からの電波は電離層のF層によって反射されて、電離層のF層に擾乱が生じていると判断することができる。
つまり、臨界周波数を求めてF層の擾乱の発生を判断して地震発生を予測する。より具体的には、複数の周波数について、惑星から電波を受信できるか否かを判断して臨界周波数を求める。求めた臨界周波数が低い場合には、電離層のF層に擾乱が生じておらず、地震は起こらないと判断する。一方、臨界周波数が高い場合には、電離層のF層に擾乱が生じており地震が起こると判断する。
なお、この観測手法において、検出範囲は、「M6」で概ね半径100kmであり、前兆異常期間は、2日〜4日前である。前兆異常期間については、実績データがフィードバックされて適宜調整される。マグニチュードについては、指標値(m+nσまたはM+nQ)と継続時間とに対応して値が外部記憶装置1013に記憶されている。
上述した構成では、地震の前に発生する微小なひび割れから生じる極超長波と称される電波を地表のULFセンサで検出可能であり、電離層下部で反射されるVLF/LF電波を観測することで地震の前に発生する電離層D層の擾乱を検出可能であり、地震の前に震源上空で発生する電離層や大気圏の擾乱を航空無線標識として使用されるVOR電波で検出可能であり、GPS衛星から放射される2周波電波の遅延差を観測して電離層の電子密度を解析することで電離層の擾乱を検出可能であり、天体からの電波を観測することで電離層F層の臨海周波数を解析して地震の前のF層擾乱を検出可能である。
上述した構成によれば、様々な角度から地震の前兆現象を捉えることで、高確率な地震予測を実現できる。
以下では、上述した実施形態の構成を様々な側面から説明する。
上述の実施形態の第1の側面に係る地震予測方法は、
地中に設けられた受信装置(例えば、検出器2121)で受信された第1周波数の電波(例えば、ULF)に地震の前兆現象の影響があるか否かを判定する第1判定を行う第1判定段階(例えば、ステップS102)と、
地上に設けられた受信装置(例えば、アンテナ2221,2321,2421)で受信された第2周波数の電波(例えば、VLF/LF、VOR、GPS、銀河電波)に地震の前兆現象の影響があるか否かを判定する第2判定を行う第2判定段階(例えば、ステップS102)と、
前記第1周波数の電波と前記第2周波数の電波とに基づいて地震を予測するための所定領域(例えば、日本全土が予め複数のブロックに分割された各ブロック)を設定する所定領域設定段階(例えば、ステップS107)と、
前記第1判定および前記第2判定の両方で影響があると判定された場合、前記所定領域で地震が起こると予測する予測段階(例えば、ステップS109、ステップS110)と、を有することを特徴とする。
上記構成では、地震を予測する対象の所定領域において、第1判定および第2判定の両方で地震の前兆現象の影響があると判定された場合、地震が起こると予測される。
上記構成によれば、地中で受信された第1周波数の電波、および地上で受信された第2周波数の電波の2種類の電波に基づいて地震が予測されるので、一種類の電波による地震の予測よりもより正確に地震を予測可能となる。
上記の構成において、第2周波数の電波は、VLF/LF、VOR、GPS、および銀河電波の何れであってもよい。
上記の構成では、例えば、地震を予測する対象の領域(ブロック)ごとに予め定められた地震検知可能なエリアに従って(例えば、図9、図23)、前記第1判定で影響があると判定された第1周波数の電波の観測エリアと、前記第2判定で影響があると判定された第2周波数の電波の観測エリアとから、対応付けられている領域(ブロック)を特定し、所定領域として設定する。また、例えば、前記第1判定で影響があると判定された第1周波数の電波の観測エリアと、前記第2判定で影響があると判定された第2周波数の電波の観測エリア(電波の伝播経路であってもよい。)と、を日本地図に書き込み、所定領域として設定、または、予め規定している地震予測の対象とする観測エリアがあると判断した場合、当該観測エリアを所定領域として設定する。
上記地震予測方法は、さらに、
前記第1判定では、地震が起こる日の第1数の日前から地震の前兆現象の影響を判定可能であり(例えば、図3)、
前記第2判定では、前記第1数よりも短い第2数の日前から地震の前兆現象の影響を判定可能であり(例えば、図3)、
前記予測段階では、前記第1判定において影響があると判定された後に前記第2判定において影響があると判定された場合、前記所定領域で地震が起こる確率が相対的に高いと予測する(例えば、地震予測確度を設定する)ことを特徴とする。
上記構成では、第1判定において地震の前兆現象の影響があると判定された後に第2判定において地震の前兆現象の影響があると判定された場合、地震が起こる確率が相対的に高いと予測される。
上記構成によれば、地震の前兆現象の影響が判定可能な時間的特性が電波の種類に応じて加味されるので、より正確に地震を予測できるようになる。
上記地震予測方法は、さらに、
前記第1判定で影響があると判定されたが、前記第2判定で影響があるか否かが判定されなかった場合、前記所定領域で地震が起こる確率が、前記第1判定および前記第2判定の両方で影響があると判定される場合よりも低いと予測する(例えば、地震予測確度を設定する)ことを特徴とする。
上記構成では、第1判定で地震の前兆現象の影響があると判定され、第2判定で地震の前兆現象の影響があるか否かが判定されなかった場合、所定領域で地震が起こる確率が、両方で影響があると判定された場合よりも低いと予測される。
上記構成によれば、第1判定で地震の前兆現象の影響があると判定された場合、例えば第2の周波数の電波が停波していて受信されないなどの理由により、第2判定で地震の前兆現象の影響の有無が判定されなかったとしても、地震を予測可能となるので、予測の信頼性を高めることができる。
上記地震予測方法は、さらに、
前記第1の周波数の電波は、ULFであり、
前記第2の周波数の電波は、VLF/LFであり、
前記第1判定において、前記ULFの解析により所定のULF放射が検出された場合、地震の前兆現象の影響があると判定し、
前記第2判定において、前記VLF/LFの解析により電離層の擾乱が検出された場合、地震の前兆現象の影響があると判定することを特徴とする。
上記構成では、ULFの第1判定とVLF/LFの第2判定との両方で地震の前兆現象の影響があると判定された場合、地震が起こると予測される。
上記構成によれば、一の地震での異なる前兆現象が複合的に観測されて判定されるので、予測の信頼性を高めることができる。
上記構成において、例えば、前記第1判定において、前記ULFの鉛直成分および水平成分の受信強度の比率を算出し、算出した値が所定の値を所定の期間継続して超えた場合、地震の前兆現象の影響があると判定する。
上記構成において、例えば、前記第2判定において、前記VLF/LFの受信強度について、特定の期間の同じ時間の平均からの差異の合計を算出し、算出した値が規定の値を超えた場合、地震の前兆現象の影響があると判定する。
上記地震予測方法は、さらに、
前記第2の周波数の電波は、VHF/UHFであり、
前記第2判定において、前記VHF/UHFの解析により電離層の擾乱が検出された場合、地震の前兆現象の影響があると判定することを特徴とする。
上記地震予測方法は、さらに、
前記第2の周波数の電波は、GPSであり、
前記第2判定において、前記GPSの解析により電離層の擾乱が検出された場合、地震の前兆現象の影響があると判定することを特徴とする。
上記地震予測方法は、さらに、
前記第2の周波数の電波は、銀河電波であり、
前記第2判定において、前記銀河電波の解析により電離層の擾乱が検出された場合、地震の前兆現象の影響があると判定することを特徴とする。
上述の実施形態の第2の側面に係る地震予測システムは、
地中に設けられた受信装置(例えば、検出器2121)で受信された第1周波数の電波(例えば、ULF)に地震の前兆現象の影響があるか否かを判定する第1判定を行う第1判定手段(例えば、データ処理部110、情報処理装置、解析サーバ101、ステップS102)と、
地上に設けられた受信装置(例えば、アンテナ2221,2321,2421)で受信された第2周波数の電波(例えば、VLF/LF、VOR、GPS、銀河電波)に地震の前兆現象の影響があるか否かを判定する第2判定を行う第2判定手段(例えば、データ処理部110、情報処理装置、解析サーバ101、ステップS102)と、
前記第1周波数の電波と前記第2周波数の電波とに基づいて地震を予測するための所定領域(例えば、日本全土が予め複数のブロックに分割された各ブロック)を設定する所定領域設定手段(例えば、データ処理部110、情報処理装置、解析サーバ101、ステップS107)と、
前記第1判定および前記第2判定の両方で影響があると判定された場合、前記所定領域で地震が起こると予測する予測手段(例えば、データ処理部110、情報処理装置、解析サーバ101、ステップS109、ステップS110)と、を有することを特徴とする。
上記構成では、地震を予測する対象の所定領域において、第1判定および第2判定の両方で地震の前兆現象の影響があると判定された場合、地震が起こると予測される。
上記構成によれば、地中で受信された第1周波数の電波、および地上で受信された第2周波数の電波の2種類の電波に基づいて地震が予測されるので、一種類の電波による地震の予測よりもより正確に地震を予測可能となる。
上述の実施形態の第3の側面に係る情報処理装置は、
地中に設けられた受信装置(例えば、検出器2121)で受信された第1周波数の電波(例えば、ULF)に地震の前兆現象の影響があるか否かを判定する第1判定を行う第1判定手段(例えば、データ処理部110、情報処理装置、解析サーバ101、ステップS102)と、
地上に設けられた受信装置(例えば、アンテナ2221,2321,2421)で受信された第2周波数の電波(例えば、VLF/LF、VOR、GPS、銀河電波)に地震の前兆現象の影響があるか否かを判定する第2判定を行う第2判定手段(例えば、データ処理部110、情報処理装置、解析サーバ101、ステップS102)と、
前記第1周波数の電波と前記第2周波数の電波とに基づいて地震を予測するための所定領域(例えば、日本全土が予め複数のブロックに分割された各ブロック)を設定する所定領域設定手段(例えば、データ処理部110、情報処理装置、解析サーバ101、ステップS107)と、
前記第1判定および前記第2判定の両方で影響があると判定された場合、前記所定領域で地震が起こると予測する予測手段(例えば、データ処理部110、情報処理装置、解析サーバ101、ステップS109、ステップS110)と、を有することを特徴とする。
上述の実施形態の第4の側面に係るプログラムは、上記地震予測方法をコンピュータに実行させるための地震予測プログラムである。
100 地震予測システム
110 データ処理部
120 データ記憶部
131 観測データ
132 統計基礎データ

Claims (5)

  1. 地中に設けられた第1の受信装置で受信された第1周波数の電波に地震の前兆現象の影響があるか否かを判定する第1判定を行う第1判定段階であって、前記第1判定は、第1の検出範囲において地震の前兆現象の影響があるか否かを判定する、第1の判定段階と、
    地上に設けられた第2の受信装置で受信された第2周波数の電波に地震の前兆現象の影響があるか否かを判定する第2判定を行う第2判定段階であって、前記第2判定は、前記第1の検出範囲よりも広い第2の検出範囲において地震の前兆現象の影響があるか否かを判定し、地震の規模を予測する、第2の判定段階と、
    前記第1周波数の電波と前記第2周波数の電波とに基づいて地震を予測するための所定領域を設定する所定領域設定段階であって、前記第2周波数において予測された前記地震の規模に応じて、前記第1の検出範囲を特定する、所定領域設定段階と、
    前記第2の検出範囲における前記第判定および前記第2の検出範囲内又は前記第2の検出範囲付近の前記第1の受信装置における前記第判定の両方で影響があると判定された場合、前記所定領域で地震が起こると予測する予測段階と、を有することを特徴とする地震予測方法。
  2. 前記第1判定では、地震が起こる日の第1数の日前から地震の前兆現象の影響を判定可能であり、
    前記第2判定では、前記第1数よりも短い第2数の日前から地震の前兆現象の影響を判定可能であり、
    前記予測段階では、前記第1判定において影響があると判定された後に前記第2判定において影響があると判定された場合、前記所定領域で地震が起こる確率が相対的に高いと予測することを特徴とする請求項1に記載の地震予測方法。
  3. 前記第1判定で影響があると判定されたが、前記第2判定で影響があるか否かが判定されなかった場合、前記所定領域で地震が起こる確率が、前記第1判定および前記第2判定の両方で影響があると判定される場合よりも低いと予測することを特徴とする請求項1または2に記載の地震予測方法。
  4. 前記第1周波数の電波は、ULFであり、
    前記第2周波数の電波は、VLF/LFであり、
    前記第1判定において、前記ULFの解析により所定のULF放射が検出された場合、地震の前兆現象の影響があると判定し、
    前記第2判定において、前記VLF/LFの解析により電離層の擾乱が検出された場合、地震の前兆現象の影響があると判定することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の地震予測方法。
  5. 地中に設けられた第1の受信装置で受信された第1周波数の電波に地震の前兆現象の影響があるか否かを判定する第1判定を行う第1判定手段であって、前記第1判定は、第1の検出範囲において地震の前兆現象の影響があるか否かを判定する、第1の判定段階と、
    地上に設けられた第2の受信装置で受信された第2周波数の電波に地震の前兆現象の影響があるか否かを判定する第2判定を行う第2判定手段であって、前記第2判定は、前記第1の検出範囲よりも広い第2の検出範囲において地震の前兆現象の影響があるか否かを判定し、地震の規模を予測する、第2の判定段階と、
    前記第1周波数の電波と前記第2周波数の電波とに基づいて地震を予測するための所定領域を設定する所定領域設定手段であって、前記第2周波数において予測された前記地震の規模に応じて、前記第1の検出範囲を特定する、所定領域設定手段と、
    前記第2の検出範囲における前記第判定および前記第2の検出範囲内又は前記第2の検出範囲付近の前記第1の受信装置における前記第判定の両方で影響があると判定された場合、前記所定領域で地震が起こると予測する予測手段と、を有することを特徴とする地震予測システム。
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