JP6737194B2 - 創傷被覆用ゲル、およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、離水抑制性と放射線滅菌耐性に優れた創傷被覆用ゲルに関するものである。
従来、創傷面の治療剤として、ガーゼ、粉末剤、スプレー剤、軟膏、クリーム剤、スポンジ剤等が使用されてきた。これらのうち大部分のものは、創傷面からの滲出液を吸収することによって患部を乾燥させ、治癒させるためのものであった。
しかしながら、近年、患部を乾燥させるよりも滲出液を創傷面に維持させ、適度な湿潤環境に保つことによって、創傷治癒の促進効果が見られることが明らかとなり、患部を適度な湿潤環境に維持させる必要性が認識されてきた。
患部の湿潤環境を維持する機能を持った創傷被覆材として、ハイドロコロイドやハイドロゲル等が知られている。
ハイドロコロイドは、疎水性基剤中に含有された親水性コロイド粒子が膨潤することによって滲出液を吸収するので、吸収性に優れ、比較的浸出液の多い創傷に適している、と言われている。
一方、ハイドロゲルは、製剤中にあらかじめ多量の水を含んでいるため、比較的浸出液の少ない創傷に対して効果を発揮する、と言われている。
特許文献1には、種々の水性高分子を用いた水系ゲル状創傷被覆用製剤が記載されている。
また、特許文献2には、水と、キシログルカン(即ち、タマリンドシードガム)と、ショ糖と、多価アルコールとを含有する組成物が記載されている。前記組成物は皮膚または粘膜付着用の基材に適用可能なものであると記載されている。
さらに、創傷被覆用ではなく、パック化粧料用ではあるが、タマリンド種子多糖類(即ち、タマリンドシードガム)と、多価アルコールと、アスコルビン酸類と、水とを含有する組成物が特許文献3に記載され、特許文献4には、タマリンドガムと、キサンタンガムと、グリセリンと、水と、洗浄成分とを含有するゲル状洗浄料が特許文献4に記載されている。
WO2002/022182号 特開2012−254940号公報 特開2007−238538号公報 特開2013−147455号公報
しかしながら、これらのタマリンドシードガムを含んだゲル組成物を創傷被覆材に適用した場合、長期保管により離水が発生して外観が損なわれたり、使用感を悪化させたりするという問題があった。
さらに、医療用途に使用する場合、製品が滅菌されていることが必須である。滅菌方法として、エチレンオキサイドガスによるガス滅菌、γ線や電子線による放射線滅菌等が知られている。エチレンオキサイドによるガス滅菌は、毒性が強く、残留ガスが人体等に悪影響を及ぼす可能性があるため、有害な残留物がなく、一度に大量の滅菌処理が可能な放射線滅菌の利用が増えている。しかしながら一般にタマリンドシードガム、キサンタンガム等の多糖類は放射線照射により分解することが知られており、多糖類からなり水を多量に含むゲルに放射線を照射すると、硬さや弾力が大幅に低下する。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、多糖類を基剤とする創傷被覆用ゲルであって、離水抑制性、および放射線滅菌耐性に優れる創傷被覆用ゲルを提供することにある。
本発明の創傷被覆用ゲルをは、シクロデキストリン類により離水抑制性を向上させ、水を特定量含有することにより放射線滅菌耐性を向上させ、さらにタマリンドシードガム、キサンタンガムおよびグリセリンの含有量のバランスによりゲルの硬さと弾力を制御したものである。
即ち、本発明は、タマリンドシードガム:0.8〜5質量%、キサンタンガム:0.1〜7.5質量%、シクロデキストリン類:0.1〜30質量%、グリセリン:10〜55質量%、および水:6〜70質量%を含有し、
タマリンドシードガムの質量を100とした場合に、キサンタンガムの質量が12.5〜150である、
創傷被覆用ゲルに関する。
また、本発明は、タマリンドシードガム:0.8〜5質量%、キサンタンガム:0.1〜7.5質量%、シクロデキストリン類:0.1〜30質量%、グリセリン:10〜55質量%、および水:6〜70質量%を含有し、
タマリンドシードガムの質量を100とした場合に、キサンタンガムの質量が12.5〜150である、
創傷被覆用ゲルの製造方法であって、
タマリンドシードガムと、キサンタンガムまたはシクロデキストリン類の少なくとも一方の少なくとも一部との混合物を60〜90℃の水に溶解した後、
グリセリンと、キサンタンガムおよび/またはシクロデキストリン類の残りとを加えた後、
放冷または冷却する、
創傷被覆用ゲルの製造方法に関する。
本発明により、離水抑制性、および放射線滅菌耐性に優れる創傷被覆用ゲルを提供できる。
本発明の創傷被覆用ゲルは、上述したとおり、タマリンドガムと、キサンタンガムと、グリセリンと、シクロデキストリンおよび水を必須成分として含有する。本発明において「ゲル」とは、硬さと弾力が大きく、曳糸性がなく、一定の形状を備えた状態の物質をいい、例えば、蒟蒻様の物質をいう。本発明において「ゾル」とは、流動性あるいは曳糸性がある状態の物質をいい、例えば、マヨネーズ様の物質をいう。
タマリンドシードガムは、タマリンド種子多糖類とも称される多糖類であり、本発明ではゲル基剤として用いられる。タマリンドシードガムの含有量は、水溶液調製が容易である点や、蒟蒻様のゲル状態を形成させる点で、ゲル100質量%中、0.8〜5質量%が好ましく、1〜4質量%が更に好ましく、1.5〜3質量%が特に好ましい。タマリンドシードガムは市販品が容易に入手でき、例えばグリロイド6C(DSP五協フード&ケミカル社製)を挙げることができる。
キサンタンガムは多糖類の一種であり、本発明ではゲルの硬さを向上させたり、タマリンドシードガムと予備混合させることでママコ(ダマ)の発生を防いだりするための成分として用いられる。キサンタンガムの含有量は、上記目的を達成する点で、ゲル100質量%中、0.1〜7.5質量%が好ましく、0.2〜6.5質量%が更に好ましく、0.3〜6質量%が特に好ましい。キサンタンガムは市販品が容易に入手でき、例えばサンエース(三栄源エフ・エフ・アイ社製)を挙げることができる。
タマリンドシードガムとキサンタンガムの含有量比は、創傷被覆材に適したゲルの硬さを発現させる点から、タマリンドシードガムの質量を100とした場合に、キサンタンガムの質量が12.5〜150であることが好ましく、25〜125が更に好ましく、30〜100が特に好ましい。
シクロデキストリン類には、シクロデキストリン、その誘導体、および誘導体の塩が含まれ、本発明ではゲルの離水を抑制するための成分として用いられる。シクロデキストリン及びその誘導体は、公知の方法により合成してもよく、市販品として入手することもできる。これらのシクロデキストリン及びその誘導体は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
シクロデキストリンは、D−グルコースがα−1、4グリコシド結合によって結合し環状構造を形成したものであり、α−シクロデキストリン(重合度6)、β −シクロデキストリン(重合度7)、γ−シクロデキストリン(重合度8)等が知られている。
シクロデキストリンの誘導体としては、生理学的に許容されるものであれば、特に制限されないが、例えば、シクロデキストリンの水酸基の水素原子が、ヒドロキシル基で置換されていてもよいアルキル基(好ましくは炭素数 1〜3)、又はマルトシル基等で置換された化合物が挙げられる。
より具体的には、シクロデキストリンの誘導体として、メチル化シクロデキストリン(ジメチル−α−シクロデ キストリン、トリメチル−α−シクロデキストリン、ジメチル−β−シクロデキストリン 、トリメチル−β−シクロデキストリン等)、ヒドロキシエチル化シクロデキストリン(2−ヒドロキシエチル−α−シクロデキストリン、2−ヒドロキシエチル−β−シクロデキストリン等)、ヒドロキシプロピル化シクロデキストリン(2−ヒドロキシプロピル− α−シクロデキストリン、3−ヒドロキシプロピル−α−シクロデキストリン、2−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、3−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン等)、マルトシル化シクロデキストリン(マルトシル−α−シクロデキストリン、マルトシル−β−シクロデキストリン等)、スルホブチルエーテル化シクロデキストリン(スルホブチルエーテル−α−シクロデキストリン、スルホブチルエーテル−β−シクロデキストリン等)が例示される。
シクロデキストリンの誘導体の塩としては、スルホブチルエーテル−α−シクロデキストリンナトリウム、スルホブチルエーテル−β−シクロデキストリンナトリウム等が例示される。
シクロデキストリン類の含有量は、ゲルの離水を抑制する点で、ゲル100質量%中、0.1〜30質量%が好ましく、0.5〜20質量%が更に好ましく、1〜10質量%が特に好ましいが、シクロデキストリンの種類に応じて、ゲルの作製後に晶出を起こさない量に調節することが必要である。
グリセリンは、精製されたグリセリンまたは油脂およびグリセリン誘導体に由来する未精製のグリセリンのいずれを用いてもよい。グリセリンは、タマリンドシードガムのゲル化を促進させるとともに、ゲルの保水性を向上させる成分として用いられる。グリセリンの含有量は、蒟蒻様のゲル状態を形成させる点で、ゲル100質量%中、10〜55重量%が好ましく、15〜50重量%が更に好ましく、20〜45重量%が特に好ましい。
水としては、創傷被覆材に使用することができる水であれば特に制限されず、例えば、日本薬局方常水、イオン交換水、膜処理水、蒸留水、超純水、海洋深層水等が挙げられる。水の含有量は、水溶液調製が容易である点や、放射線滅菌耐性を付与させる点で、ゲル100質量%中、6〜70重量%が好ましく、30〜65重量%が更に好ましく、40〜60%が特に好ましい。
なお、前記ゲルには、必要に応じて、上記以外の、薬学的に許容される各種成分を含有させることができ、例えば、任意成分として充填剤、界面活性剤、油性成分、防腐剤、香料、色素、薬効成分等を含有させることができる。
例えば、充填剤を、ゲルの成形性、強度を向上させるために加えることができる。その種類は特に限定されず、無機及び有機のいずれでもよい。例えばカオリン、酸化チタン、ベントナイト、軽質無水ケイ酸、疎水性軽質無水ケイ酸、アクリル酸澱粉等が挙げられる。これらの充填剤は、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
例えば、界面活性剤を、油性成分や薬効成分の添加を容易にするために加えることができる。界面活性剤としては、イオン系、非イオン系等が挙げられ、例えばアルキルアリルポリエーテルアルコール、高級アルコール硫酸化物、N−ココイル−L−アルギニンエチルエステル、DL−ピロリドンカルボン酸塩、N−ココイル−N−メチルアミノエチルスルホン酸ナトリウム、コレステロール、自己乳化型モノステアリン酸グリセリン、ショ糖脂肪酸エステル、スクワラン、ステアリルアルコール、ステアリン酸ポリオキシル40、セスキオレイン酸ソルビタン、セタノール、セトマクロゴール1000、セバシン酸ジエチル、ソルビタン脂肪酸エステル、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、トリオレイン酸ソルビタン、ノニルフェノキシポリオキシエチレンエタン硫酸エステルアンモニウム、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルアミン、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油20、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビットミツロウ、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン(105)ポリオキシプロピレン(5)グリコール、ポリオキシエチレン(120)ポリオキシプロピレン(40)グリコール、ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコール、ポリオキシエチレン(20)ポリオキシプロピレン(20)グリコール、ポリオキシル35ヒマシ油、ポリソルベート20、ポリソルベート60、ポリソルベート80、マクロゴール400、モノオレイン酸ソルビタン、モノステアリン酸グリセリン、モノステアリン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、N−ヤシ油脂肪酸アシルL−アルギニンエチル・DL−ピロリドンカルボン酸塩ラウリルジメチルアミンオキシド液、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリン酸ジエタノールアミド、ラウロイルサルコシンナトリウム、ラウロマクロゴール、リン酸ナトリウムポリオキシエチレンラウリルエーテル、リン酸ポリオキシエチレン(8)オレイルエーテル等が挙げられる。これらの界面活性剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
例えば、油性成分を、剥離フィルム、剥離紙又は創面からの剥離を容易にするため、あるいは油性成分や薬効成分の添加を容易にするために、必要に応じて添加することができる。油性成分としては、例えばオリーブ油、ゴマ油、ダイズ油、ツバキ油、ナタネ油、ヒマシ油、ヤシ油、ラッカセイ油等の植物油脂類;卵黄油、ミンク油等の動物油脂類;ミツロウ、鯨ロウ、精製ラノリン、カルナウバロウ等のロウ類;流動パラフィン、スクワラン、パラフィンワックス、ワセリン等の炭化水素類;オレイン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸等の天然及び合成脂肪酸類;セタノール、ステアリルアルコール、ヘキシルデカノール、オクチルドデカノール、ラウリルアルコール等の天然及び合成高級アルコール類;アジピン酸ジイソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、オレイン酸オクチルドデシル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジエチル等のエステル類などが挙げられる。これらの油性成分は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
例えば、防腐剤を、カビの発生を防ぐために加えることができる。防腐剤としては、例えば、エチルパラベン、及びブチルパラベン等が挙げられる。防腐剤は、単独で用いてもよく、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
香料としては、例えば、α−アミルシンナムアルデヒド、アラントラニル酸メチル、イソオイゲノール、γ−ウンデカラクトン、エチルバニリン、オイゲノール、クマリン、ケイ皮アルコール、ケイ皮アルデヒド、ケイ皮酸メチル、ケイ皮エチル、ゲラニオール、酢酸ゲラニル、酢酸シトロネリル、酢酸シンナミル、酢酸テルピニル、酢酸フェニルエチル、酢酸ブチル、酢酸イソアミル、酢酸1−メンチル、酢酸リナリル、サリチル酸メチル、シトロネロール、シトロネラール、デシルアルデヒド、γ−ノナラクトン、バニリン、パラメチルアセトフェノン、ヒドロキシプロピルセルロース、ピペロナール、フェニルエチルアルコール、フェニル酢酸エチル、ベンジルアルコール、メチフェニルポリシロキサン、l−メントール、ヨノン、リナノール、シトラール、ボルネオール、テレピネロール、ネロリン、ジフェニルオキシド、アシニックアルデヒド、dl−カンフル、テレビン油、ユーカリ油、ニクズク油、杉葉油、じゃ香、竜せん香、ラベンダー油、チモール等及びこれらの混合物が挙げられる。香料は単独で用いてもよく、又は2 種以上を組み合わせて用いてもよい。
色素としては、例えば、クロロフィル、及びβ−カロチン等が挙げられる。色素は単独
で用いてもよく、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
薬効成分としては、創傷部位に適用できるものであれば特に限定されないが、例として次のものが挙げられる。これらは必要に応じて単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
殺菌消毒剤としては、アクリノール、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、グルコン酸クロルヘキシジン、ヨウ素、ヨードチンキ、ヨードホルム、ポビドンヨード等が挙げられる。
止血剤としては、オレイン酸モノエタノールアミン、カルバゾクロムスルホン酸ナトリウム、トラネキサム酸、トロンビン、アルギン酸ナトリウム、ε‐アミノカプロン酸等が挙げられる。
オピオイド系鎮痛薬としては、塩酸モルヒネ、硫酸モルヒネ等が挙げられる。
サルファ剤としては、サラゾスルファピリジン、スルファジアジン、スルファジアジン銀、スルファジメトキシン、スルファメチゾール、スルファメトキサゾール、スルファモノメトキシン、スルフイソミジン、スルフイソミジンナトリウム等が挙げられる。
抗生物質としては、塩酸バンコマイシン、塩酸リンコマイシン、クリンダマイシン、テイコプラニン、フェネチシリンカリウム、ベンジルペニシリンカリウム、ベンジルペニシリンベンザチン、ムピロシンカルシウム水和物、硫酸アルベカシン、アズトレオナム、塩酸スペクチノマイシン、塩酸ピブメシリナム、カルモナムナトリウム、コリスチンメタンスルホン酸ナトリウム、セフスロジンナトリウム、セフチブテン、トブラマイシン、硫酸アミカシン、硫酸イセパマイシン、硫酸カナマイシン、硫酸フラジオマイシン、硫酸ポリミキシンB、アスポキシシリン、アモキシシリン、アンピシリン、アンピシリンナトリウム、塩酸セフェタメトピボキシル、塩酸セフェピム、塩酸セフォゾプラン、塩酸セフォチアム、塩酸セフォチアムヘキセチル、塩酸セフカペンピボキシル、塩酸セフメノキシム、塩酸タランピシリン、塩酸バカンピシリン、塩酸レナンピシリン、シクラシリン、スルベニシリンナトリウム、セファクロル、セファゾリンナトリウム、セファトリジンプロピレングリコール、セファドロキシル、セファピリンナトリウム、セファマンドールナトリウム、セファレキシン、セファロチンナトリウム、セファロリジン、セフィキシム、セフォキシチンナトリウム、セフォジジムナトリウム、セフォタキシムナトリウム、セフォテタンナトリウム、セフォペラゾンナトリウム、セフジトレンピボキシル、セフジニル、セフタジジム、セフチゾキシムナトリウム、セフテゾールナトリウム、セフテラムピボキシル、セフトリアキソンナトリウム、セフピラミドナトリウム、セフブペラゾンナトリウム、セフポドキシムプロキセチル、セフミノクスナトリウム、セフメタゾールナトリウム、セフラジン、セフロキサジン、セフロキシムアキセチル、セフロキシムナトリウム、チカルシリンナトリウム、トシル酸スルタミシリン、ピペラシリンナトリウム、ファロペネムナトリウム、フロモキセフナトリウム、ホスホマイシン、メロペネム三水和物、ラタモキセフナトリウム、硫酸アストロマイシン、硫酸ゲンタマイシン、硫酸シソマイシン、硫酸ジベカシン、硫酸セフォセリス、硫酸セフピロム、硫酸ネチルマイシン、硫酸ベカナマイシン、硫酸ミクロノマイシン、硫酸リボスタマイシン、アセチルキタサマイシン、アセチルスピラマイシン、エチルコハク酸エリスロマイシン、エリスロマイシン、エリスロマイシンエストレート、キタサマイシン、クラリスロマイシン、酢酸ミデカマイシン、酒石酸キタサマイシン、ジョサマイシン、ステアリン酸エリスロマイシン、プロピオン酸ジョサマイシン、ミデカマイシン、ラクトビオン酸エリスロマイシン、ロキシスロマイシン、ロキタマイシン、塩酸テトラサイクリン、塩酸デメチルクロルテトラサイクリン、塩酸ドキシサイクリン、塩酸ミノサイクリン、クロラムフェニコール、コハク酸クロラムフェニコールナトリウム、パルミチン酸クロラムフェニコール、サイクロセリン、リファンピシン、硫酸エンビオマイシン、硫酸ストレプトマイシン、塩酸オキシテトラサイクリン、塩酸グラミシジンS、テトラサイクリン、ナジフロキサシン、バシトラシン、フシジン酸ナトリウム、硫酸コリスチン等が挙げられる。
本発明の創傷被覆用ゲルは以下のようにして得ることができる。
まず、タマリンドシードガムと、キサンタンガムまたはシクロデキストリン類の少なくとも一方の少なくとも一部との混合物を60〜90℃の水に溶解する。即ち、キサンタンガムやシクロデキストリン類は、両方をタマリンドシードガムと混合してもよいし、一方だけをタマリンドシードガムと混合してもよい。そして、それぞれ所定量の全量をタマリンドシードガムと混合してもよいし、所定量の一部をタマリンドシードガムと混合してもよい。タマリンドシードガムと、キサンタンガムおよび/またはシクロデキストリン類を混合してから温水に溶解することにより、均一な水溶液を得ることができる。
次いで、前記の水溶液に、グリセリンと、キサンタンガムおよび/またはシクロデキストリン類の残りとを加えた後、放冷または冷却することにより、創傷被覆用ゲルを得ることができる。「キサンタンガムおよび/またはシクロデキストリン類の残り」とは、タマリンドシードガム:0.8〜5質量%、キサンタンガム:0.1〜7.5質量%、シクロデキストリン類:0.1〜30質量%、グリセリン:10〜55質量%、および水:6〜70質量%を含有し、タマリンドシードガムの質量を100とした場合に、キサンタンガムの質量が12.5〜150である、創傷被覆用ゲルを形成するための残りのキサンタンガムおよび/またはシクロデキストリン類という意である。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<原料>
表1に示した実施例および比較例で用いたゲルの原料は以下のとおりである。
タマリンドシードガム:商品名「グリロイド6C」、DSP五協フード&ケミカル社製
キサンタンガム:商品名「サンエース」、三栄源エフ・エフ・アイ社製
シクロデキストリン:商品名「セルデックスA‐100」、日本食品化工社製
<製法>
表1に示した実施例および比較例で用いたゲルの製法は以下のとおりである。
配合組成に従い、25℃でタマリンドシードガム、キサンタンガムおよびシクロデキストリンの混合物を90℃の温水に撹拌下で徐々に投入し、溶解した後、グリセリンを加えさらに混合撹拌し、得られた水溶液を25℃まで冷却することで、ゲル試料を得た。
<評価>
表1に示した実施例および比較例で用いたゲルの評価方法は以下のとおりである。結果を合わせて表1に示す。
(1)粉末の溶解性
表1に示す配合からグリセリンを除いた成分の合計が100gとなるよう、水をビーカーに入れて加熱しながら撹拌し、90℃に達した時点で、タマリンドシードガム、キサンタンガムおよびシクロデキストリンを予備混合したものを徐々に投入した。得られた懸濁液を90℃で10分間および20分間撹拌混合した時点での、ママコの発生状況を目視で確認し評価した。評価基準は以下のとおりである。なお、評価が◎および○のものはゲル化した時点で外観および硬さの均一なゲルになるが、評価が△または×のものはゲル化した時点でママコが残り、外観及び硬さの不均一なゲルとなる。
◎:10分間撹拌混合した時点でママコが確認できない
○:10分間撹拌混合した時点でママコが確認できるが、20分間撹拌混合した時点ではママコが確認できない
△:20分間撹拌混合した時点でママコが残存
×:20分間撹拌混合した時点で著しい数のママコが残存
なお、「×」のものについては下記(2)以降の評価はしなかった。
(2)ゲル化の状態
上記(1)で示した製法に従い作製した水溶液にそれぞれ所定量のグリセリンを添加し撹拌後、ドクターブレードを用いてシリコーン処理の施されたポリエチレンテレフタレートフィルム上に塗工した。塗工物を25℃で6時間放冷し、厚さ約1mmのゲルシートを作成した。得られたゲルシートの表面に触れ、曳糸性の有無を確認し評価した。評価基準は以下のとおりである。
○:曳糸性が消失し、ゲル状態である
×:曳糸性があり、ゾル状態である
(3)ゲルの強度
上記(2)で示した製法に従い作製した厚さ約1mmのゲルシートを切り抜き、直径20mmの円形としたものを、強度の評価に用いた。測定装置としてMCR―302(Anton Paar社製)を使用し、25℃における動的粘弾性を測定した。まず、貯蔵弾性率の値が応力によらず一定となる線形粘弾性領域を決定するため、周波数一定(1Hz)で応力スウィープ(1−1000Pa)を行った。次に、線形粘弾性領域を与える一定応力下で周波数スウィープ(0.1−10Hz)を行い、1Hzにおける貯蔵弾性率を測定し評価した。評価基準は以下のとおりである。
◎:1500Pa以上
○:1000Pa以上1500Pa未満
×:1000Pa未満
ここで、貯蔵弾性率とは、複素剛性率の実数部分のことであり、エネルギーを貯蔵する度合いの指標となる。したがって本発明においては、弾性的な項である貯蔵弾性率をゲル強度の指標とした。上記方法によって測定した貯蔵弾性率が1000Pa以上であれば創傷被覆材としての利用が可能であり、1500Pa以上であれば更に好ましい。
(4)放射線滅菌耐性
上記(3)の評価で用いた方法に準じ、厚さ約1mmのゲルシートに40kGyの電子線を照射した後の貯蔵弾性率を測定し、以下の式に従って貯蔵弾性率の低下率を算出し評価した。
低下率(%)=100×(電子線照射前の貯蔵弾性率―電子線照射後の貯蔵弾性率)/電子線照射前の貯蔵弾性率
低下率に基づいた評価基準は以下のとおりである。
◎:85%以上
○:70%以上85%未満
△:50%以上70%未満
×:50%未満
(5)離水抑制性
上記(1)で示した製法に従い作製した水溶液にグリセリンを添加し撹拌後、均一になった水溶液を約9cm(1cm×3cm×3cm)の直方体の容器に流し込み、25℃で6時間放冷してゲル化させた。取り出したゲル試料をポリプロピレン製チャック付袋に入れて密封し、35℃に設定した恒温機内に静置した。3か月経過した時点で、袋内部に付着した水滴の重量を測定し評価した。評価基準は以下のとおりである。
◎:1mg未満
○:3mg未満1mg以上
×:3mg以上
本発明は、電子線滅菌耐性と離水抑制性に優れた創傷被覆用ゲルとして広く利用することができる。

Claims (2)

  1. タマリンドシードガム:0.8〜5質量%、キサンタンガム:0.1〜7.5質量%、シクロデキストリン類:0.1〜30質量%、グリセリン:10〜55質量%、および水:6〜70質量%を含有し、
    タマリンドシードガムの質量を100とした場合に、キサンタンガムの質量が12.5〜150である、
    創傷被覆用ゲル。
  2. タマリンドシードガム:0.8〜5質量%、キサンタンガム:0.1〜7.5質量%、シクロデキストリン類:0.1〜30質量%、グリセリン:10〜55質量%、および水:6〜70質量%を含有し、
    タマリンドシードガムの質量を100とした場合に、キサンタンガムの質量が12.5〜150である、
    創傷被覆用ゲルの製造方法であって、
    タマリンドシードガムと、キサンタンガムまたはシクロデキストリン類の少なくとも一方の少なくとも一部との混合物を60〜90℃の水に溶解した後、
    グリセリンと、キサンタンガムおよび/またはシクロデキストリン類の残りとを加えた後、
    放冷または冷却する、
    創傷被覆用ゲルの製造方法。
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