[第1実施形態]
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、遊技機の説明における前後左右とは、遊技中の遊技者から見た方向を指すものとする。
〔遊技機全体図〕
図1は、遊技機を説明する図である。
遊技機10は島設備に固定される枠11に、ヒンジを介して開閉回動自在に取り付けられる開閉枠を備える。開閉枠は、前面枠12(本体枠)及びガラス枠15によって構成されている。
前面枠12には、遊技盤30(図2参照)が配設されるとともに、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス14を有するガラス枠15が取り付けられる。カバーガラス14は、遊技盤30に形成される遊技領域32(図2参照)を視認可能とする遊技視認領域として機能する。
前面枠12及びガラス枠15は、それぞれ個別に開放することが可能となっている。例えば、ガラス枠15のみを開放することで、遊技盤30の遊技領域32にアクセスすることができる。また、前面枠12をガラス枠15が開放されていない状態で開放することで、遊技盤30の裏面側に配設された遊技制御装置(主基板)100(図3参照)等にアクセスすることができる。
ガラス枠15のカバーガラス14周囲の縁部分には、種々の枠構成部材が配設されている。
ガラス枠15の上部中央及び左側部には、遊技状態に応じて発光演出可能な装飾装置18a,18bが配設されている。装飾装置18a,18bは、内部にLED等の照明部材を収容しており、遊技状態に応じた発光演出を行う。これら装飾装置18a,18bの内部に配設される照明部材は、枠装飾装置18(図4参照)の一部を構成している。
ガラス枠15の上右角部分及び上左角部分には、上スピーカ19aがそれぞれ配設される。これら上スピーカ19aとは別に遊技機10の下部には、2つの下スピーカ19bが設けられている。下スピーカ19bは、ガラス枠15の下左角部分及び前面枠12の下右角部分に配設されている。これら上スピーカ19a及び下スピーカ19bは、効果音や警報音、報知音等を発するものである。
ガラス枠15の右側部には、遊技機10の上下方向に延設されるとともに、前方(遊技者側)に向かって突出する突出演出ユニット13が配設されている。突出演出ユニット13は、遊技の進行状態に応じて発光演出等を行う演出装置である。突出演出ユニット13の内部に配設される照明部材も枠装飾装置18(図4参照)の一部を構成している。
ガラス枠15の下部には、遊技球を貯留可能な上皿21を有する上皿ユニットが取り付けられている。上皿21は、上面が開口した箱状に形成されている。上皿21に貯留されている遊技球は、一球ずつ球発射装置(図示省略)に供給される。
上皿ユニットは、遊技者からの入力操作を受け付ける演出操作装置と、遊技者からの入力操作を受け付ける球貸操作装置と、遊技状態に応じて発光演出等を行う装飾装置22と、をさらに備える。
演出操作装置は、演出ボタン25にタッチパネル25bを組み込んだ操作装置であり、遊技者が操作しやすいように上皿ユニットの上部中央に設けられている。
遊技者が演出操作装置を操作することによって、表示装置41(図2参照)に表示される特図変動表示ゲーム等において遊技者の操作を介入させた演出を行うことができる。例えば、演出パターン(演出態様)を選択したり、始動記憶に対応する変動表示ゲームの結果を事前に予告する予告演出を実行したりすることができる。なお、変動表示ゲームには特図変動表示ゲームが含まれ、単に変動表示ゲームとした場合には、本明細書では特図変動表示ゲームを指すものとする。
また、変動表示ゲームの実行中だけでなく、非実行中に遊技者が演出操作装置を操作することによっても演出パターンを変更するようにしてもよい。
なお、変動表示ゲームが実行される際の遊技状態は、複数の遊技状態からなる。通常遊技状態(通常状態)とは、特別な遊技状態が発生していない遊技状態である。また、特別な遊技状態とは、例えば、特定遊技状態としての時短状態や変動表示ゲームにおいて特別結果(例えば大当り)の発生確率が高い状態(確変状態、確率変動状態)、大当り状態(特別遊技状態)、小当り遊技状態(小当り状態)である。
ここで、確変状態(特定遊技状態)は、次の大当りが発生するまで継続するもの(ループタイプ)、所定回数の変動表示ゲームが実行されるまで継続するもの(回数切りタイプ、ST)、及び所定の確率転落抽選に当選するまで継続するもの(転落抽選タイプ)等がある。
さらに、確変状態を発生させるか否かを大当り図柄乱数によって決定せずに、大当りが発生した場合に必ず確変状態を発生させるようにしてもよいし、特定領域を備える入賞装置等を設け、特定領域を遊技球が通過した場合に確変状態を発生させるようにしてもよい。
球貸操作装置は、遊技者が遊技球を借りる場合に操作する操作装置であって、上皿ユニットの上部右側に設けられている。球貸操作装置は、球貸ボタン27と、返却ボタン28と、残高表示部26と、を備えている。球貸ボタン27は遊技球を借りる場合に遊技者が操作するボタンであり、返却ボタン28は遊技機10に隣接するように配置されるカードユニット(図示省略)からプリペイドカード等を排出させる場合に遊技者が操作するボタンである。残高表示部26は、プリペイドカード等の残高が表示される表示領域である。
装飾装置22は、内部にLED等の照明部材を収容しており、遊技状態に応じて発光演出等を行う装置であって、上皿ユニットの前側部分に設けられている。装飾装置22の内部に配設される照明部材は、枠装飾装置18(図4参照)の一部を構成している。
上記した上皿ユニット等を備えるガラス枠15の下方であって、前面枠12の下部には、球発射装置(図示省略)の動作を制御するための操作ハンドル24と、遊技球を貯留可能な下皿23とが設けられている。
操作ハンドル24は、前面枠12の右下部であって、右側の下スピーカ19bの下方に配置されている。遊技者が操作ハンドル24を回動操作することによって、球発射装置は上皿21から供給された遊技球を遊技盤30の遊技領域32に発射する。球発射装置から発射される遊技球の発射速度は、操作ハンドル24の回動操作量が大きくなるほど速くなるように設定されている。即ち、球発射装置は、遊技領域に遊技球を発射する勢(速度)である発射勢を、遊技者による操作ハンドル24の操作に対応して変更でき、発射勢の異なる種々の発射態様で遊技球を発射できる。発射態様には、遊技領域32の左側において遊技球を流下させる左打ち(通常打ち)と、遊技領域32の右側において遊技球を流下させる右打ちが含まれる。
下皿23は、上皿ユニットに対して所定の間隔をあけて、上皿ユニットの下方に配置されている。下皿23は、当該下皿23の底面を上下方向に貫通する球抜き穴23aと、球抜き穴23aを開閉するための開閉操作部23bと、を有している。遊技者が開閉操作部23bを操作して、球抜き穴23aを開くことによって、下皿23に貯留されていた遊技球を球抜き穴23aを通じて外部に排出することができる。
〔遊技盤〕
続いて、図2Aを参照して、遊技機10の遊技盤30について説明する。図2Aは、遊技機10に備えられる遊技盤30の正面図である。
図2Aに示すように、遊技盤30は、各種部材の取付ベースとなる平板状の遊技盤本体30aを備える。遊技盤本体30aは木製又は合成樹脂製であって、当該遊技盤本体30aの前面にはガイドレール31で囲まれた遊技領域32が設けられている。遊技機10は、ガイドレール31で囲まれた遊技領域32内に球発射装置から遊技球を発射して遊技を行うように構成されている。遊技領域32には遊技球の流下方向を変換する部材として風車や障害釘等が配設されており、発射された遊技球はこれら部材により転動方向を変えながら遊技領域32を流下する。
遊技領域32の略中央には、変動表示ゲームの表示領域となる窓部を形成するセンターケース(前面構成体)40が取り付けられている。センターケース40に形成された窓部の後方には、複数の識別情報を変動表示(可変表示)する演出表示装置(変動表示装置)としての表示装置41(表示手段)が配置されている。表示装置41は、例えば、液晶ディスプレイを備え、センターケース40の窓部を介して遊技盤30の前面側から表示内容が視認可能となるように配置される。なお、表示装置41は、液晶ディスプレイを備えるものに限らず、ELやCRT等のディスプレイを備えるものであってもよい。
表示装置41の表示画面(表示部)には、複数の変動表示領域が設けられており、各変動表示領域に識別情報(特別図柄)や変動表示ゲームを演出するキャラクタが表示される。その他、表示画面には遊技の進行に基づく画像(大当り表示やファンファーレ表示、エンディング表示等)が表示される。
また、センターケース40には、遊技領域32を流下する遊技球をセンターケース40の内側に導くためのワープ通路40eへの流入口40aと、ワープ通路40eを通過した遊技球が転動可能なステージ部40bとが設けられている。センターケース40のステージ部40bは、始動入賞口36及び普通変動入賞装置37の上方に配置されているため、ステージ部40b上で転動した遊技球は始動入賞口36又は普通変動入賞装置37に入賞しやすくなっている。
センターケース40の上部及び右側部には、それぞれ上部演出ユニット40c及び側部演出ユニット40dが設けられる。上部演出ユニット40c及び側部演出ユニット40dは、盤装飾装置46(図4参照)及び盤演出装置44(図4参照)の一部を構成している。
センターケース40の右側方の遊技領域32には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。普図始動ゲート34の内部には、当該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するためのゲートスイッチ(SW)34a(図3参照)が設けられている。遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34を通過すると、普図変動表示ゲームが実行される。
センターケース40の左下方の遊技領域32には一般入賞口35(一般入賞領域)が配置されており、センターケース40の右下方の遊技領域32にも一般入賞口35が配置されている。これら一般入賞口35への遊技球の入賞は、一般入賞口35に備えられた入賞口スイッチ(SW)35a〜35n(図3参照)によって検出される。本実施形態では、左の一般入賞口35の入賞口スイッチ35aと右の一般入賞口35の入賞口スイッチ35bの二つがある。
センターケース40の下方の遊技領域32には、特図変動表示ゲームの開始条件を付与する始動入賞口(第1始動入賞領域)36が設けられ、その直下には第2始動入賞口(第2始動入賞領域)を備えた普通変動入賞装置37が設けられる。普通変動入賞装置37は、上端側が手前側に倒れる方向に回動することで、遊技球が流入し易い状態に変換する可動部材(可動片)37bを備える。可動部材37bが閉状態である場合には遊技球が普通変動入賞装置37に入賞できないようになっている。遊技球が始動入賞口36又は普通変動入賞装置37に入賞した場合には、補助遊技として特図変動表示ゲームが実行される。
可動部材37bは、所謂ベロ型の普通電動役物であり、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合に、普電ソレノイド37c(図3参照)を介して回動して開いて、遊技球が普通変動入賞装置37に流入しやすい開状態(遊技者にとって有利な入賞容易状態)に変化する。
なお、可動部材37bは、後述する遊技制御装置100によって制御される。遊技制御装置100は、普図変動表示ゲームの変動時間を短縮したり普図変動表示ゲームの当り確率を通常よりも高確率としたりすることで入賞容易状態の発生頻度を高めたり、通常遊技状態で発生する入賞容易状態よりも入賞容易状態の発生時間を長くしたりすることで、前述の特定遊技状態として時短状態(普電サポート状態)を発生させる。なお、確変状態(潜伏確変状態を除く)においても、重複して時短状態(普電サポート状態)が発生する。
普通変動入賞装置37の右下方の遊技領域32には、大入賞口ソレノイド(39b)(図3参照)によって上端側が手前側に倒れる方向に回動することで大入賞口を開放するアタッカ形式の開閉扉39cを有する特別変動入賞装置39が設けられている。特別変動入賞装置39は、特図変動表示ゲームの結果によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な特別遊技状態)に変換し、大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせることで、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口内には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてカウントスイッチ39a(図3参照)が配設されている。
以上のように、遊技領域32には、特に条件なく遊技球が入賞可能な複数の入賞領域として、一般入賞口35と始動入賞口36(第1始動入賞口)が設けられている。また、所定の条件(特図変動表示ゲームや普図変動表示ゲームの所定の結果)が成立することによって作動して遊技球が入賞可能となる変動入賞装置として、普通変動入賞装置37(第2始動入賞口)と特別変動入賞装置39(大入賞口)が設けられている。
一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37、及び、特別変動入賞装置39(大入賞口)に遊技球が入賞すると、払出制御装置200(図3参照)は、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球を払出装置から上皿21に排出する。なお、本実施形態では、普通変動入賞装置37(第2始動入賞口)、始動入賞口36(第1始動入賞口)、一般入賞口35、及び特別変動入賞装置39(大入賞口)の賞球数は、それぞれ、2個、3個、10個、14個であり、この順番に大きくなる。
また、普通変動入賞装置37の下方の遊技領域32には、入賞口等に入賞しなかった遊技球を回収するアウト口30bが設けられている。アウト口30bに入って遊技領域32の外部に排出される遊技球を検出する検出手段としてアウト球検出スイッチ65(図3参照)が配設されている。
また、遊技領域32の外側であって遊技盤本体30aの右下角部には、特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム、特図2変動表示ゲーム)及び普図変動表示ゲームを実行する一括表示装置50が設けられている。一括表示装置50は、現在の遊技状態等の情報を表示する表示部51〜60を備える。
一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部51(特図1表示器、ランプD1)及び第2特図変動表示部52(特図2表示器、ランプD2)と、普図変動表示ゲーム用の変動表示部53(普図表示器、ランプD10、D18)と、各変動表示ゲームの始動(保留)記憶数報知用の記憶表示部(特図1保留表示器54、特図2保留表示器55、普図保留表示器56)と、を有している。特図1保留表示器54はランプD11、D12により構成される。特図2保留表示器55は、ランプD13、D14により構成される。普図保留表示器56は、ランプD15、D16により構成される。
また、一括表示装置50には、右打ち時(右打ちすべき時)又は左打ち時(通常打ち時)であることを報知する第1遊技状態表示部57(第1遊技状態表示器、ランプD8)、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示部58(第2遊技状態表示器、ランプD9)、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっていることを表示する第3遊技状態表示部59(第3遊技状態表示器、確率状態表示部、ランプD17)、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置39の開閉回数)を表示するラウンド表示部60(ランプD3−D7)が設けられている。
特図1表示器51と特図2表示器52において、変動表示ゲームは、識別情報(例えば、中央のセグメント)の点灯消灯(点滅)を繰り返す変動表示によって実行される。なお、特図1表示器51、特図2表示器52は、このようなセグメント型の表示部に限らず、複数のLEDの集合体により構成されていてもよいし、変動表示を実行する場合に、表示器として設けられるすべてのLEDにより全点灯全消灯(全LEDの同時点滅)や、循環点灯(何れか1のLEDから所定時間毎に所定の順序で点灯し、消灯する)、または複数のLEDのうちの所定数のLEDによる点灯消灯(点滅)や循環点灯によって行ってもよい。普図表示器53においても、変動表示ゲームは、ランプD10、D18の点灯消灯を繰り返す変動表示(点滅)によって実行される。また、普図表示器53も特図1表示器51、特図2表示器52と同様に適宜構成することが可能である。
さらに、一括表示装置50には、遊技機10の排出球数を表示する排出球数表示部66、遊技機10の出玉率を表示する出玉率表示部67、遊技機10の役物比率を表示する役物比率表示部68が設けられている。排出球数表示部66、出玉率表示部67、役物比率表示部68は、各々、複数(一つでも可)の7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成されており、これら表示部は、排出球数、出玉率、役物比率を表示する表示手段を構成する。
なお、排出球数表示部66、出玉率表示部67、役物比率表示部68は、それぞれ、排出球数、出玉率、役物比率を直接的に表示するものに限られずに、排出球数、出玉率、役物比率を間接的に表示するものでもよい(例えば、後述の排出球数のカウントダウン表示など)。即ち、排出球数表示部66、出玉率表示部67、役物比率表示部68は、それぞれ、排出球数、出玉率、役物比率に関する情報を表示できればよい。また、排出球数表示部66、出玉率表示部67、役物比率表示部68は、排出球数、出玉率、役物比率を、7セグメント型の表示器により数値で表示するのではなく、レベルメータなどで表示してよい。
ここで、排出球数は、遊技領域32から排出された遊技球の数であり、入賞口を通過した遊技球の数とアウト口30bを通過した遊技球の数との合計である。排出球数は、球発射装置から遊技領域32に発射された遊技球の個数である発射球数と基本的に同じになる。本実施形態では、入賞口には、一般入賞口35、始動入賞口36(第1始動入賞口、始動口1)、普通変動入賞装置37(第2始動入賞口、始動口2)、及び、特別変動入賞装置39(大入賞口)が含まれる。なお、後述のように、排出球数(発射球数)をカウントするカウント手段が設けられる。そして、排出球数表示部66(排出球数表示手段)が、排出球数を表示することで、遊技者は遊技領域32に発射された遊技球の個数を把握でき、利便性が向上する。
出玉率は、排出球数(或は発射球数)に対する賞球数の合計の比率(割合)であり、(獲得球数÷排出球数)×100(%)で計算される。即ち、出玉率は、排出球数100個当りの獲得球数(賞球数の合計)となる。この定義による出玉率は、入賞時に賞球数がカウントされるので、球切れ等で実際の賞球の払い出しが行われなくても得ることができる。なお、出玉率は、本実施形態のように排出球数が100個になる度に、排出球数が0から100個になるまでの間の獲得球数から簡易に求めてもよいし、遊技機の電源投入から現在まで積算した獲得球数(賞球数の合計)と排出球数を用いて、上記の定義から正確に算出してもよい。なお、従来は出玉率を表示することは行われていなかったが、本実施形態では、出玉率表示部67(出玉率表示手段)が出玉率を表示することで、遊技者に一般入賞口35への興味と関心を抱かせることができる。そして、遊技の興趣を高めることができる。
また、役物比率は、遊技機10の電源投入から現在までに入賞口に入賞したことで得られた全賞球数(賞球の合計数)のうち、大当り状態中(即ちファンファーレ、エンディング中は除外)に大入賞口に入賞したことで得られた賞球数(役物別獲得球数)の割合(%)(いわゆる連続役物比率)である。なお、役物比率は、全賞球数(賞球の合計数)のうち、大入賞口に入賞したことで得られた賞球数(大当り状態中と小当り状態中)の割合(大入賞口比率)でもよいし、或は、大入賞口及び普通変動入賞装置37(第2始動入賞口)に入賞したことで得られた賞球数の割合(一般的に使用されるいわゆる役物比率(全役物比率))でもよい。役物比率は、入賞時に賞球数がカウントされるので、球切れ等で実際の賞球の払い出しが行われなくても計算できる。本実施形態では、役物比率表示部68(役物比率表示手段)が役物比率を表示することで、遊技の興趣が向上するとともに、遊技者は変動入賞装置へ入賞し易い印象(開状態が多く発生する印象)を持つため、遊技者が継続して遊技を行う動機となる。また、役物比率表示は、遊技者が継続して遊技を行うべきか判断するための指標となる。さらに、役物比率に一般入賞口35への入賞が影響するため、役物比率表示を通して、遊技者に一般入賞口35への興味と関心を抱かせることができる。
図2Bを参照して、排出球数表示部66の表示態様について説明する。排出球数表示部66は、2つの7セグメント型(点部分を含めると8セグメント型)の表示器(LEDランプ)から構成される。図2B(I)のように、排出球数表示部66において、排出球数は、カウントダウン表示され、(100−排出球数)が表示される。また、排出球数は、100個(所定個数)までしかカウントされない。なお、後述のように、排出球数が100個(所定個数)になる度に、出玉率表示部67に表示される出玉率は、排出球数が1から100個に変化するまでの間の最新の出玉率へと更新される。これにより、出玉率表示部67に獲得球数(賞球数の合計)をそのまま表示すれば、出玉率が表示されることになる。
本実施形態では、排出球数表示部66において、排出球数は「99」から「00」へとカウントダウン表示されるが、「00」から「99」へとカウントアップ表示する構成でもよい。なお、排出球数が100個になると、排出球数表示部66に「00」が表示される。本実施形態では、排出球数表示部66に「00」を表示するタイミングで、出玉率表示部67の出玉率表示が最新のものに更新される。なお、排出球数表示部66は、電源投入後(停電復旧含む)は、「00」の表示からカウントダウン表示を開始する。また、排出球数は大当り終了のタイミングで0クリアされ、排出球数表示部66は大当り終了後に「00」の表示からカウントダウン表示を開始する。
図2B(II)のように、遊技球の発射中以外の状態や客待ちデモ状態で、排出球数表示部66は表示器のセグメント(発光部)が消灯して非表示の状態となってよい。なお、遊技球の発射中以外の状態や客待ちデモ状態をまとめて「客待ち状態」と呼ぶ。遊技球の発射中以外の状態とは、操作ハンドル24に設けられたタッチスイッチからのタッチスイッチ信号がオフ信号となった状態である。また、遊技制御装置100(図3)が演出制御装置300(図4)に客待ちデモコマンドを送信した場合に、遊技機10は客待ちデモ状態(客待ちデモ中の状態)となる。一方、客待ちデモ中でない状態や遊技球の発射中の状態では、排出球数表示部66において、遊技中の遊技者が認識できるよう表示器のセグメント(発光部)が点灯してカウントダウン表示を実行する。これは、遊技中の遊技者に対する特典となるため、遊技機10の稼働を上げることができる。
図2B(III)のように、排出球数表示部66は、遊技に影響のあるエラーや不正の発生中に、遊技者に報知するためにエラー表示(「EE」表示)を実行する。ここで、遊技に影響のあるエラーや不正とは、ガラス枠開放や前面枠開放に関するエラーや不正(後述のガラス枠開放エラー、前面枠開放エラー)であり、球切れやオーバーフロー(満杯)に関するエラー(後述のシュート球切れエラー、オーバーフローエラー)は含まない。なお、枠開放中は手で遊技球を入賞口に入れることは可能なので、排出球数表示部66の表示は更新されないが、遊技機内部の遊技制御装置100で排出球数をカウントしている。
図2Cを参照して、出玉率表示部67の表示態様について説明する。出玉率表示部67は、2つの7セグメント型(点部分を含めると8セグメント型)の表示器(LEDランプ)から構成される。図2C(I)のように、出玉率表示部67において、出玉率は0から99までしか表示されず、出玉率が100以上になると「99」を点滅表示又は点灯表示させるか「FF」と表示する。
なお、前述のように、出玉率表示部67の出玉率表示は、排出球数が100個(所定個数)になる度に、排出球数が1から100個に変化するまでの間の最新の出玉率へと更新される。出玉率表示部67は、出玉率表示を更新する毎に、セグメント(発光部)の発光色を変化させて、出玉率表示を更新したことを明示する。この場合、遊技者は、出玉率の更新を認識しやすくなる。例えば、出玉率表示部67は、出玉率表示を更新する毎に、赤から緑或は緑から赤へ変化する。なお、色を変化させずに、出玉率表示部67は、常に単色で出玉率表示をする構成も可能である。
また、出玉率表示部67は、設計値(例えば、通常遊技状態でのベース値40)を基準として、出玉率に応じて出玉率表示の色を変化させてよい。これにより、出玉率の設計値からの乖離を報知警告できる。例えば、出玉率は、30〜50の範囲で緑色に表示し、10〜29と51〜60の範囲で黄色に表示し、0〜9と61以上の範囲で赤色に表示する。また、大当り中は、出玉率が非常に大きくなるため、赤色でなく別の色(白やレインボー)などで表示してもよい。なお、色を変化させずに単色で出玉率を表示する構成では、出玉率が設計値から大きく乖離した場合(所定値以上又は所定値以下の場合)に、出玉率表示を点滅表示してよい。
さらに、出玉率表示部67は、電源投入後(停電復旧含む)は「00」の表示となる。また、出玉率は大当り終了するタイミングで0クリアし、出玉率表示部67は「00」の表示となる。
図2C(II)のように、遊技球の発射中以外の状態や客待ちデモ状態(即ち客待ち状態)で、出玉率表示部67は表示器のセグメントが消灯して非表示の状態となってよい。一方、客待ちデモ中でない状態や遊技球の発射中の状態では、出玉率表示部67において表示器のセグメントは点灯し、遊技中の遊技者が認識できるよう出玉率を表示する。これは、遊技中の遊技者に対する特典となるため、遊技機10の稼働を上げることができる。さらに、遊技機10の電源投入後に排出球数が100個になるまで、出玉率が得られないため、出玉率表示部67は非表示の状態となってよい。
なお、逆に、遊技球の発射中以外の状態や客待ちデモ状態で、出玉率表示部67は出玉率を表示し、客待ちデモ中でない状態や遊技球の発射中の状態で出玉率を非表示にする構成としてもよい。これにより、遊技者は、出玉率を考慮して、遊技する遊技機や遊技台を選択することができる。
図2C(III)のように、出玉率表示部67は、遊技に影響のあるエラーや不正の発生中に、遊技者に報知するためにエラー表示(「EE」表示)を実行する。ここで、遊技に影響のあるエラーや不正とは、ガラス枠開放や前面枠開放に関するエラーや不正(後述のガラス枠開放エラー、前面枠開放エラー)であり、球切れやオーバーフロー(満杯)に関するエラー(後述のシュート球切れエラー、オーバーフローエラー)は含まない。なお、枠開放中は手で遊技球を入賞口に入れることは可能なので、出玉率表示部67の表示は更新されないが、遊技機内部の遊技制御装置100で出玉率を計算(更新)している。
図2Dを参照して、役物比率表示部68の表示態様について説明する。役物比率表示部68は、3つの7セグメント型(点部分を含めると8セグメント型)の表示器(LEDランプ)から構成される。図2D(I)のように、役物比率表示部68は、「00.0」から「99.9」の小数第1位までの役物比率(%)の値を表示する。役物比率が100%の時は「100」と表示とする。なお、例えば、役物比率表示部68が4つの7セグメント型の表示器(LEDランプ)から構成される場合には、小数第2位までの役物比率(%)の値を表示する。
また、役物比率表示部68は、規則で定まった基準値(例えば、役物連続作動による賞球である連続役物比率60%)を基準として、役物比率に応じて役物比率表示の色を変化させてよい。これにより、役物比率の基準値からの乖離を報知警告できる。例えば、役物比率が連続役物比率に相当する場合、役物比率は、00.0%〜55.0%の範囲で緑色に表示し、55.1%〜60.0%の範囲で黄色に表示し、60.1%〜100%の範囲で赤色に表示する。また、大当り中は、役物比率が大きくなるため、別の色(白やレインボー)などで表示してもよい。また、例えば、役物比率が、一般的に使用されるいわゆる役物比率(全賞球数のうち、全役物(特別変動入賞装置39及び普通変動入賞装置37)に入賞したことで得られた賞球数の割合)に相当する場合、基準値を70%として、役物比率は、00.0%〜65.0%の範囲で緑色に表示し、65.1%〜70.0%の範囲で黄色に表示し、70.1%〜100%の範囲で赤色に表示する。なお、色を変化させずに単色で役物比率を表示する構成では、役物比率が設計値から大きく乖離した場合(所定値以上又は所定値以下の場合)に、役物比率表示を点滅表示してよい。
役物比率表示部68の役物比率を計算するための役物別賞球数(役物別獲得球数)は、遊技機10の電源を切るまで累積し、電源投入でクリアされる。電源投入後(停電復旧含む)に、役物比率表示は「00.0」と表示される。その後、役物比率表示部68において、入賞の発生する度に役物比率が随時更新される。なお、所定回数(例えば400回)の特図変動表示ゲームを1セットとして、1セットごとの役物別獲得球数(役物獲得球数とも呼ぶ)を複数のブロック(所定バイトの記憶領域)からなるリングバッファに順番に記憶する構成も可能であるが、この場合には、役物別獲得球数は電源投入時にもクリアせず保持される。
図2D(II)のように、遊技球の発射中以外の状態や客待ちデモ状態(即ち客待ち状態)で、役物比率表示部68は表示器のセグメント(発光部)が消灯して非表示の状態となってよい。一方、客待ちデモ中でない状態や遊技球の発射中の状態では、役物比率表示部68において表示器のセグメント(発光部)は点灯し、遊技中の遊技者が認識できるよう役物比率を表示する。これは、遊技中の遊技者に対する特典となるため、遊技機10の稼働を上げることができる。
なお、逆に、遊技球の発射中以外の状態や客待ちデモ状態で、役物比率表示部68は役物比率を表示し、客待ちデモ中でない状態や遊技球の発射中の状態で役物比率を非表示にする構成としてもよい。これにより、遊技者は、役物比率を考慮して、遊技する遊技機や遊技台を選択することができる。
図2D(III)のように、役物比率表示部68は、遊技に影響のあるエラーや不正の発生中に、遊技者に報知するためにエラー表示(「EEE」表示)を実行する。ここで、遊技に影響のあるエラーや不正とは、ガラス枠開放や前面枠開放に関するエラーや不正(後述のガラス枠開放エラー、前面枠開放エラー)であり、球切れやオーバーフロー(満杯)に関するエラー(後述のシュート球切れエラー、オーバーフローエラー)は含まない。なお、枠開放中は手で遊技球を入賞口に入れることは可能なので、役物比率表示部68の表示は更新されないが、遊技機内部の遊技制御装置100で役物比率を計算(更新)している。
次に、遊技機10における遊技の流れ、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームの詳細について説明する。
遊技機10では、図示しない球発射装置から遊技領域32に向けて遊技球が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置された障害釘や風車等によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37、又は特別変動入賞装置39に入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口30bへ流入し、遊技領域32から排出される。そして、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37、又は特別変動入賞装置39に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が払出装置を介して上皿21に排出される。
普図始動ゲート34には、当該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するゲートスイッチ34a(図3参照)が設けられている。遊技球が普図始動ゲート34を通過すると、ゲートスイッチ34aによって検出され、このときに抽出された当り判定用乱数値の判定結果に基づき普図変動表示ゲームが実行される。
普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われており当該普図変動表示ゲームが終了していない場合や、普図変動表示ゲームの結果が当りとなって普通変動入賞装置37が開放状態に変換されている場合に、遊技球が普図始動ゲート34を通過すると、普図始動記憶数が上限数未満ならば当該記憶数が加算(+1)される。
普図始動記憶には普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されており、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出される。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられた普図表示器53で実行されるようになっている。普図表示器53は、普通識別情報(普図)として点灯状態の場合に当りを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。
普図始動ゲート34通過時に抽出された普図乱数値が当り値である場合には、普図表示器53に表示される普通図柄が当り状態で停止し、当り状態となる。このとき、普電ソレノイド37c(図3参照)が駆動されることにより、可動部材37bが所定の時間(例えば0.3秒間)だけ開状態に変換され、普通変動入賞装置37への遊技球の入賞が許容される。
遊技球の始動入賞口36への入賞及び普通変動入賞装置37への入賞は、始動口1スイッチ36a(図3参照)及び始動口2スイッチ37a(図3参照)によって検出される。始動入賞口36に入賞した遊技球は特図1変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数を限度に記憶されるとともに、普通変動入賞装置37に入賞した遊技球は特図2変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数を限度に記憶される。
特図変動表示ゲームの始動入賞球の検出時には、大当り乱数値や大当り図柄乱数値、各変動パターン乱数値等が抽出される。これら乱数値は、遊技制御装置100の特図保留記憶領域(RAMの一部)に特図始動入賞記憶として各々所定回数分(例えば最大で8回分)を限度に記憶される。特図始動入賞記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の特図1保留表示器54や特図2保留表示器55に表示されるとともに、表示装置41の表示画面にも表示される。
遊技制御装置100は、始動入賞口36への入賞若しくは第1始動記憶に基づいて、特図1表示器51で特図1変動表示ゲームを実行する。また、遊技制御装置100は、普通変動入賞装置37への入賞若しくは第2始動記憶に基づいて、特図2表示器52で特図2変動表示ゲームを実行する。
特図1変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム)及び特図2変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)は、特図1表示器51及び特図2表示器52において識別情報(特別図柄、特図)を変動表示した後に所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置41では、各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行される。
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームは、前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)が左(第一特別図柄)、右(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)の順に変動表示(スクロール表示)を開始して、所定時間後に変動している図柄を順次停止させて、特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置41では、興趣向上のためにキャラクタの出現等の多様な演出表示が行われる。
始動入賞口36又は普通変動入賞装置37への遊技球の入賞が所定のタイミングでなされた場合(入賞検出時の大当り乱数値が大当り値である場合)には、特図変動表示ゲームの結果として表示図柄により特定の結果態様(特別結果態様)が導出され、大当り状態(特別遊技状態)となる。これに対応して、表示装置41の表示態様は特別結果態様(例えば「7,7,7」等の数字が揃った状態)となる。
このとき、特別変動入賞装置39は、大入賞口ソレノイド(39b)(図3参照)への通電によって、大入賞口が所定の時間(例えば30秒)だけ閉状態から開状態に変換される。すなわち、特別変動入賞装置39に備えられた大入賞口が所定の時間又は所定数の遊技球が入賞するまで大きく開き、この間遊技者は多くの遊技球を獲得することができるという特典が付与される。
第1始動入賞口36又は普通変動入賞装置37への遊技球の入賞が所定のタイミングでなされた場合(入賞検出時の大当り乱数値が小当り値である場合)には、特図変動表示ゲームの結果として表示図柄により特定結果態様(小当り結果態様)が導出され、小当り状態となる。これに対応して、表示装置41の表示態様は小当り結果態様となる。なお、本実施形態では、小当りの判定にも大当り乱数値が使用されるが、小当り値(小当り判定値)は、大当り値(大当り判定値)と異なる。
このとき、特別変動入賞装置39は、大入賞口ソレノイド39b(図3参照)への通電によって、大入賞口が所定の短時間だけ閉状態から開状態に変換される。
ここで、大当りと小当りとの違いについて説明する。
大当りとは条件装置の作動を伴う特別結果であり、小当りとは条件装置の作動を伴わない特定結果である。条件装置とは、特図変動表示ゲームで大当りが発生(大当り図柄の停止表示)した場合に作動するもので、条件装置が作動するとは、例えば大当り状態が発生して特別電動役物としての特別変動入賞装置39を連続して作動させるための特定のフラグがセットされることを意味する。条件装置が作動しないとは、例えば小当り抽選に当選した場合のように上述の特定のフラグがセットされないことを意味する。なお、「条件装置」は、上記のようなソフトウェア的にオンオフされるフラグのようなソフトウェア手段であっても良いし、電気的にオンオフされるスイッチのようなハードウェア手段であっても良い。また、「条件装置」は、その作動が電動役物の連続作動に必要条件とされる装置として、パチンコ遊技機の分野においては一般的に使用されている用語であり、本明細書においても同様の意味を有する用語として使用している。
具体的には、大当りの場合は、大当りフラグが設定されることにより特別変動入賞装置が開放されるのに対して、小当りの場合は、小当りフラグが設定されることにより特別変動入賞装置が開放される。
なお、特図1表示器51及び特図2表示器52は、別々の表示器として構成してもよいし同一の表示器として構成してもよいが、各特図変動表示ゲームが同時に実行されないように設定される。
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームについては、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームとを別々の表示装置や別々の表示領域で実行するようにしてもよいし、同一の表示装置や表示領域で実行するようにしてもよい。この場合、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームが同時に実行されないようにする。なお、特図2変動表示ゲームは、特図1変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになっており、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの始動記憶があり、特図変動表示ゲームの実行が可能な状態になった場合は特図2変動表示ゲームが実行される。
なお、以下の説明において、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
また、特に限定されるわけではないが、上記始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ(39a)には、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。また、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63や前面枠(遊技枠)12等に設けられた前面枠開放検出スイッチ64(本体枠開放検出スイッチ)には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
〔遊技制御装置〕
図3は、遊技機10の遊技制御系のブロック図である。遊技機10は遊技制御装置100(主基板)を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140などからなる。
CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)111と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
電源装置400は、24Vの交流電源からDC32Vの直流電圧を生成するACDCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路を有し、遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号やリセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
本実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、実施例のように、電源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
また、遊技制御装置100には初期化スイッチ112が設けられている。初期化スイッチ112が操作されると初期化スイッチ信号が生成され、これに基づき遊技用マイコン111内のRAM111c及び払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する処理が行われる。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111a、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111b及び随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)111cを備える。
ROM111bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111cは、遊技制御時にCPU111aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111b又はRAM111cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM111bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターン(変動態様)を決定するための変動パターンテーブルを記憶している。変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU111aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が大当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、リーチ状態となった後の変動パターンである後半変動パターンを決定するためのテーブル(後半変動グループテーブルや後半変動パターン選択テーブル等)、リーチ状態となる前の変動パターンである前半変動パターンを決定するためのテーブル(前半変動グループテーブルや前半変動パターン選択テーブル等)が含まれている。
ここでリーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうちいずれか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、リーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしてもよい。
そして、リーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(期待値が異なる)リーチ演出の系統として、ノーマルリーチ(Nリーチ)、スペシャル1リーチ(SP1リーチ)、スペシャル2リーチ(SP2リーチ)、スペシャル3リーチ(SP3リーチ)、プレミアリーチが設定されている。なお、期待値は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチ<プレミアリーチの順に高くなるようになっている。また、リーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。すなわち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定する場合(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合と比較して大当りとなる可能性の高い状態である。
CPU111aは、ROM111b内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機10全体の制御を行う。また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの大当りを判定するための大当り乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄乱数、小当りの図柄を決定するための小当り図柄乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチなしの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU111aに対する所定周期(例えば、4msec(ミリ秒))のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU111aは、特図変動表示ゲームに関する処理において、ROM111bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、いずれか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当りあるいははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態あるいは高確率状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターンテーブルの中から、いずれか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。ここで、CPU111aは、特図変動表示ゲームを実行する場合に、ROM111bに記憶された複数の変動パターンテーブルのうち、いずれか一の変動パターンテーブルを取得する変動振り分け情報取得手段をなす。
払出制御装置200は、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータ91を駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニット600からの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータ91を駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
遊技用マイコン111の入力部120には、遊技機に対する電波の発射を検出する電波センサ62(盤電波センサ)、普図始動ゲート34のゲートスイッチ34a、第1始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、第2始動入賞口37内の始動口2スイッチ37a、入賞口スイッチ35a〜35n、特別変動入賞装置39の大入賞口スイッチ39aに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。
近接I/F121の出力は、第2入力ポート123又は第3入力ポート124に供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれる。なお、近接I/F121の出力のうち、ゲートスイッチ34a、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、入賞口スイッチ35a〜35n、大入賞口スイッチ39aの検出信号は第3入力ポート124に入力される。
また、近接I/F121の出力のうち、電波センサ62の検出信号及びセンサやスイッチの異常を検出した際に出力される異常検知信号は第2入力ポート123に入力される。
また、第2入力ポート123には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサスイッチ61の検出信号、アウト口30bに入った遊技球を検出するアウト球検出スイッチ65の検出信号、払出制御装置200から出力される枠電波不正信号、払出ビジー信号が入力される。なお、振動を検出する振動センサスイッチを遊技機に設け、検出信号が第2入力ポート123に入力されるようにしてもよい。枠電波不正信号は前面枠12(本体枠)に設けられた枠電波センサが電波を検出することに基づき出力される信号であり、払出ビジー信号は払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号である。
また、近接I/F121の出力のうち、第3入力ポート124への出力は、遊技制御装置100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へも供給されるようになっている。さらに、近接I/F121の出力のうち始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aの検出信号は、第3入力ポート124の他、遊技用マイコン111に入力されるように構成されている。
前述のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
第3入力ポート124が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第3入力ポート124に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE2をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。第2入力ポート123や後述の第1入力ポート122も同様である。
また、入力部120には、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63、前面枠12等に設けられた前面枠開放検出スイッチ64からの信号、払出異常を示すステータス信号、払出前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号、操作ハンドル24に設けられたタッチスイッチの入力に基づくタッチスイッチ信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート122が設けられている。オーバーフロースイッチ信号は、下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号である。
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号やリセット信号などの信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットバッファ125が設けられており、シュミットバッファ125はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの停電監視信号や、初期化スイッチ112からの初期化スイッチ信号は、一旦第1入力ポート122に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットバッファ125によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置に出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。
また、リセット信号RSTを中継基板70を介して試射試験装置に出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部120の各ポート122,123,124には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
出力部130には、遊技用マイコン111から演出制御装置300への通信経路及び遊技用マイコン111から払出制御装置200への通信経路に配されるシュミットバッファ132が設けられている。遊技制御装置100から演出制御装置300及び払出制御装置200へは、シリアル通信でデータが送信される。なお、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにした片方向通信とされている。
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板70を介して出力するバッファ133が実装可能に構成されている。バッファ133は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、前記近接I/F121から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ133を通さずに中継基板70を介して試射試験装置に供給される。
一方、磁気センサスイッチ61や電波センサ62のようにそのままでは試射試験装置に供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ133、中継基板70を介して試射試験装置に供給される。
なお、中継基板70には、バッファ133から出力された信号を取り込んで試射試験装置に供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置に供給されるようになっている。
また、出力部130には、データバス140に接続され普通変動入賞装置37を開放させるソレノイド(普電ソレノイド)37c、特別変動入賞装置39を開放させるソレノイド(大入賞口ソレノイド)39bの開閉データを出力するための第2出力ポート134が設けられている。
また、出力部130には、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート135−1、135−2、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート136が設けられている。
また、出力部130には、大当り情報など遊技機10に関する情報を外部情報端子71に出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子71にはフォトリレーが備えられ、例えば遊技店に設置された外部装置(情報収集端末や遊技場内部管理装置(ホールコンピュータ)など)に接続可能であり、遊技機10に関する情報を外部装置に供給することができるようになっている。また、第5出力ポート137からはシュミットバッファ132を介して払出制御装置200に発射許可信号も出力される。
さらに、出力部130には、第2出力ポート134から出力される普電ソレノイド37cや大入賞口ソレノイド39bの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135−1、135−2から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b−1、138b−2、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置に供給する外部情報信号を外部情報端子71に出力する第4ドライバ138dが設けられている。なお、第2ドライバ138b−2は、一括表示装置50のうち、排出球数表示部66、出玉率表示部67、及び、役物比率表示部68用のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力し、第2ドライバ138b−1は、一括表示装置50のその他の表示部(表示器)用のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する。
第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第2ドライバ138bには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第3ドライバ138cは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。
12Vを出力する第2ドライバ138bによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第3ドライバ138cによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子71に出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ133や第2出力ポート134、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、すなわち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、外部の検査装置250へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置500との間でシリアル通信によってデータの送受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用して行われるため、入力ポート122,123,124のようなポートは設けられていない。
〔演出制御装置〕
次に、図4を用いて、演出制御装置300(サブ基板)の構成について説明する。図4は、遊技機10の演出制御系のブロック図である。
演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(CPU)311と、主制御用マイコン311からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)312と、各種のメロディや効果音などをスピーカ19から再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
主制御用マイコン311には、CPUが実行するプログラムや各種データを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、作業領域を提供するRAM322、停電時に電力が供給されなくとも記憶内容を保持可能なFeRAM323、現在の日時(年月日や曜日、時刻など)を示す情報を生成する計時手段をなすRTC(リアルタイムクロック)338が接続されている。なお、主制御用マイコン311の内部にも作業領域を提供するRAMが設けられている。
また、主制御用マイコン311にはWDT(ウォッチドッグ・タイマ)回路324が接続されている。主制御用マイコン311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定してVDP312に出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータやソレノイドの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。
VDP312には、作業領域を提供するRAM312aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ312bが設けられている。また、VDP312にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM325や、画像ROM325から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)326が接続されている。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン311とVDP312との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。
VDP312から主制御用マイコン311へは、表示装置41の映像とガラス枠15や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるための垂直同期信号VSYNC、データの送信タイミングを与える同期信号STSが入力される。なお、VDP312から主制御用マイコン311へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び主制御用マイコン311からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITなども入力される。
演出制御装置300には、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41に送信する映像信号を生成する信号変換回路313が設けられている。VDP312から信号変換回路313へは、映像データ、水平同期信号HSYNC及び垂直同期信号VSYNCが入力されるようになっており、VDP312で生成された映像は、信号変換回路313を介して表示装置41に表示される。
音源LSI314には音声データが記憶された音ROM327が接続されている。主制御用マイコン311と音源LSI314は、アドレス/データバス340を介して接続されている。また、音源LSI314から主制御用マイコン311へは割込み信号INTが入力されるようになっている。演出制御装置に300には、ガラス枠15に設けられた上スピーカ19a及び前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路337が設けられており、音源LSI314で生成された音声はアンプ回路337を介して上スピーカ19a及び下スピーカ19bから出力される。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。コマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300に送信された飾り特図保留数コマンド、飾り特図コマンド、変動コマンド、停止情報コマンド等を、演出制御指令信号(演出コマンド)として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置46を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、ガラス枠15に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(例えば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置44(例えば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める可動役物等)を駆動制御する盤演出可動体制御回路334が設けられている。
ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332〜334は、アドレス/データバス340を介して主制御用マイコン311と接続されている。なお、ガラス枠15に設けられているモータ等の枠演出装置を駆動制御する枠演出可動体制御回路を備えていてもよい。
さらに、演出制御装置300には、ガラス枠15に設けられた演出ボタン25に内蔵されている演出ボタンスイッチ25a、演出ボタン25の表面に設けられているタッチパネル25b、盤演出装置44内のモータの初期位置等を検出する演出役物スイッチ47(演出モータスイッチ)のオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン311に検出信号を入力する機能や、演出制御装置300に設けられた音量調節スイッチ335の状態を検出して主制御用マイコン311に検出信号を入力するスイッチ入力回路336が設けられている。
電源装置400の通常電源部410は、前述のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41、モータやLEDを駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、モータやLED、スピーカを駆動するためのDC15Vの電圧を生成するように構成されている。
さらに、主制御用マイコン311として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号は、主制御用マイコン311に供給され、当該デバイスをリセット状態にする。また、主制御用マイコン311から出力される形で、VDP312(VDPRESET信号)、音源LSI314、スピーカを駆動するアンプ回路337(SNDRESET信号)、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路332〜334(IORESET信号)に供給され、これらをリセット状態にする。また、演出制御装置300には遊技機10の各所を冷却する冷却FAN45が接続され、演出制御装置300の電源が投入された状態では冷却FAN45が駆動するようにされている。
次に、これらの制御回路において行われる遊技制御について説明する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111aでは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当り判定用乱数値を抽出してROM111bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当り外れを判定する。
そして、普図表示器に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する。普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図表示器に特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の可動部材37bを所定時間(例えば、0.3秒間)前述のように開放する制御を行う。すなわち、遊技制御装置100が、変換部材(可動部材37b)の変換制御を行う変換制御実行手段をなす。なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図表示器にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)を記憶し、始動記憶に基づき、特図1変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111bに記憶されている判定値と比較し、特図1変動表示ゲームの当り外れを判定する。
また、普通変動入賞装置37に備えられた始動口2スイッチ37aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶し、始動記憶に基づき、特図2変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111bに記憶されている判定値と比較し、特図2変動表示ゲームの当り外れを判定する。
そして、遊技制御装置100のCPU111aは、特図1変動表示ゲームや特図2変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置300に出力する。そして、特図1表示器51や特図2表示器52に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する。すなわち、遊技制御装置100が、遊技領域32を流下する遊技球の始動入賞領域(第1始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への入賞に基づき変動表示ゲームの進行制御を行う遊技制御手段をなす。
また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する。さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、演出状態の設定や、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。すなわち、演出制御装置300が、遊技(変動表示ゲーム等)に関する演出を制御する演出制御手段をなす。
そして、遊技制御装置100のCPU111aは、特図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる。特別遊技状態を発生させる処理においては、CPU111aは、例えば、大入賞口ソレノイド39bにより特別変動入賞装置39の開閉扉39cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。
そして、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定の開放可能時間(例えば、27秒又は0.05秒)が経過するかのいずれかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンド(R)とし、これを所定ラウンド回数(例えば、16回又は4回)継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。すなわち、遊技制御装置100が、停止結果態様が特別結果態様となった場合に、大入賞口を開閉する制御を行う大入賞口開閉制御手段をなす。また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として高確率状態を発生可能となっている。高確率状態(確変状態)は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態と比較して高い状態である。また、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様に基づき高確率状態となっても、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームの両方が高確率状態となる。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として時短状態(特定遊技状態)を発生可能となっている。時短状態においては、普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37を時短動作状態とする制御を行い、普通変動入賞装置37が通常動作状態である場合よりも、単位時間当りの普通変動入賞装置37の開放時間が実質的に多くなるように制御するため、普電サポート状態となる。なお、潜伏確変状態を除く高確率状態(通常の確変状態)でも、重複して時短状態にして普電サポートを実行する。
例えば、時短状態においては、前述の普図変動表示ゲームの実行時間(普図変動時間)を通常の第1変動表示時間よりも短い第2変動表示時間にする時間短縮変動が可能である(例えば、10000msecが1000msec)。なお、時短状態においては、特図変動表示ゲームの実行時間(特図変動時間)も通常より短縮され、特図変動表示ゲームの時間短縮変動も実行する。
また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図停止時間を第1停止時間(例えば1604msec)よりも短い第2停止時間(例えば704msec)となるように制御することが可能である。
また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、開放時間(普電開放時間)が通常状態の第1開放時間(例えば100msec)よりも長い第2開放時間(例えば1352msec)となるように制御することが可能である。
また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置37の開放回数(普電開放回数)を第1開放回数(例えば2回)よりも多い回数(例えば、4回)の第2開放回数に設定することが可能である。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図確率)を通常動作状態である場合の通常確率(低確率)よりも高い高確率とすることが可能である。
時短状態においては、普図変動時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間、普図確率のいずれか一つ又は複数を変化させることで普通変動入賞装置37を開状態に状態変換する時間を通常よりも延長するようにする。これにより、時短状態では、通常遊技状態よりも普通変動入賞装置37への入賞が容易化して、単位時間当たりの特図変動表示ゲームの実行回数が通常遊技状態よりも増加可能である。また、変化させるものが異なる複数種類の時短状態を設定することも可能である。また、通常動作状態において可動部材37bを開放しないように設定(普図確率が0)してもよい。また、当りとなった場合に第1開放態様と第2開放態様のいずれかを選択するようにしてもよい。この場合、第1開放態様と第2開放態様の選択確率を異ならせてもよい。また、高確率状態と時短状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし一方のみを発生させることも可能である。
[遊技制御装置の制御]
以下、このような遊技を行う遊技機の制御について説明する。まず、上記遊技制御装置100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される制御について説明する。遊技用マイコン111による制御処理は、主に図5A及び図5Bに示すメイン処理と、所定時間周期(例えば4msec)で行われる図9に示すタイマ割込み処理とからなる。
〔メイン処理(遊技制御装置)〕
まず、メイン処理について説明する。図5A及び図5Bは、遊技制御装置100によるメイン処理の手順を示すフローチャートである。メイン処理は、電源が投入されることで開始される。なお、遊技制御装置100が実行する処理のフローチャートにおいて、ステップの符号(番号)は「A****」と表されている。
図5Aに示すように、遊技制御装置100は、メイン処理を開始すると、まず、割込みを禁止する処理を実行する(A1001)。さらに、割込み発生時にレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理を実行する(A1002)。
続いて、使用するレジスタバンクとしてレジスタバンク0を指定し(A1003)、所定のレジスタにRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(A1004)。例えば、RAMのアドレスが0000h〜01FFhの範囲である場合に、上位アドレスとして00hをセットする。
次に、遊技制御装置100は、発射禁止の信号を出力して発射許可信号を禁止状態に設定する(A1005)。発射許可信号は遊技制御装置100と払出制御装置200の少なくとも一方が発射禁止の信号を出力している場合に禁止状態に設定され、遊技球の発射が禁止されるようになっている。その後、遊技制御装置100は、入力ポート1(第1入力ポート122)の状態を読み込む(A1006)。
さらに、遊技制御装置100は、電源ディレイタイマを設定する(A1007)。電源ディレイタイマに所定の初期値を設定することにより、主制御手段をなす遊技制御装置100からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段(例えば、払出制御装置200や演出制御装置300)のプログラムが正常に起動するまで待機するための待機時間(例えば3秒)が設定される。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって従制御装置(例えば払出制御装置200や演出制御装置300)が立ち上がる前にコマンドを従制御装置に送ってしまい、従制御装置がコマンドを取りこぼすことを回避することができる。すなわち、遊技制御装置100が、電源投入時において、主制御手段(遊技制御装置100)の起動を遅らせて従制御装置(払出制御装置200、演出制御装置300等)の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段をなす。
また、電源ディレイタイマの計時は、RAMの正当性判定(チェックサム算出)の対象とならない記憶領域(正当性判定対象外のRAM領域又はレジスタ等)を用いて行われる。これにより、RAM領域のチェックサム等のチェックデータを算出する際に、一部のRAM領域を除外して算出する必要がないため電源投入時の制御が複雑になることを防止することができる。
なお、第1入力ポート122には初期化スイッチ信号が入力されるようになっており、待機時間の開始前に第1入力ポート122の状態を読み込むことで、初期化スイッチ112の操作を確実に検出できる。すなわち、待機時間の経過後に初期化スイッチ112の状態を読み込むようにすると、待機時間の経過を待ってから初期化スイッチ112を操作したり、電源投入から待機時間の経過まで初期化スイッチ112を操作し続けたりする必要がある。しかし、待機時間の開始前に状態を読み込むことで、このような煩わしい操作を行わなくても電源投入後すぐに操作を行うことで検出されるようになり、電源投入時に行った初期化の操作が受け付けられないような事態を防止できる。
電源ディレイタイマを設定すると(A1007)、遊技制御装置100は、待機時間の計時と、待機時間中における停電の発生を監視する処理とを実行する(A1008からA1012)。
停電監視処理が開始されると、遊技制御装置100は、まず、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数(例えば2回)を設定し(A1008)、停電監視信号がオンである否かを判定する(A1009)。
遊技制御装置100は、停電監視信号がオンである場合には(A1009の結果が「Y」)、ステップA1008の処理で設定したチェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているか否かを判定する(A1010)。そして、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合には(A1010の結果が「N」)、ステップA1009の停電監視信号がオンであるか否かを判定する処理に戻る。
また、遊技制御装置100は、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場合(A1010の結果が「Y」)、すなわち、停電が発生していると判定した場合には、遊技機の電源が遮断されるまで待機する。このように、所定期間に亘り停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定することで、ノイズなどにより停電を誤検知することを防止でき、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。
すなわち、遊技制御装置100が、所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段をなす。これにより、主制御手段をなす遊技制御装置100の起動を遅らせている期間において発生した停電に対応することが可能となり、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。なお、待機時間の終了まではRAMへのアクセスが許可されておらず、前回の電源遮断時の記憶内容が保持されたままとなっているため、ここでの停電発生時にはバックアップの処理等は行う必要がない。したがって、待機時間中に停電が発生してもRAMのバックアップを取る必要がなく、制御の負担を軽減することができる。
一方、遊技制御装置100は、停電監視信号がオンでない場合(A1009の結果が「N」)、すなわち、停電が発生していない場合には、電源投入ディレイタイマを−1更新し(A1011)、タイマの値が0であるか否かを判定する(A1012)。タイマの値が0でない場合(A1012の結果が「N」)、すなわち、待機時間が終了していない場合には、ステップA1008の停電監視信号のチェック回数を設定する処理に戻る。
また、遊技制御装置100は、タイマの値が0である場合(A1012の結果が「Y」)、すなわち、待機時間が終了した場合には、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセスを許可し(A1013)、全出力ポートにオフデータを出力(出力が無い状態に設定)する(A1014)。
次に、遊技制御装置100は、シリアルポート(遊技用マイコン111に予め搭載されているポートで、本実施形態では、演出制御装置300や払出制御装置200との通信に使用)を設定する(A1015)。さらに、先に読み込んだ第1入力ポート122の状態から初期化スイッチがオンにされたか否かを判定する(A1016)。
遊技制御装置100は、初期化スイッチがオフである場合には(A1016の結果が「N」)、RWM内の停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータであるか否かを判定する(A1017)。そして、正常であれば(A1017の結果が「Y」)、RWM内の停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータであるか否かを判定する(A1018)。
さらに、遊技制御装置100は、停電検査領域2の値が正常であれば(A1018の結果が「Y」)、RWM内の所定領域のチェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し(A1019)、正当性判定として、算出されたチェックサムと電源断時のチェックサムが一致するか否かを判定する(A1020)。なお、出玉や獲得球数に関する情報を記憶する領域(例えば、排出球数領域、獲得球数領域、役物別獲得球数領域)を正当性判定の対象から外してもよい。チェックサムが一致する場合には(A1020の結果が「Y」)、図5BのステップA1021の処理に移行し、停電から正常に復旧した場合の処理を実行する。
また、遊技制御装置100は、初期化スイッチがオンである場合(A1016の結果が「Y」)、停電検査領域のチェックデータが正常なデータでないと判定された場合(A1017の結果が「N」、又は、A1018の結果が「N」)、チェックサムが正常でない場合には(A1020の結果が「N」)、図5BのステップA1026の処理に移行して初期化処理を実行する。すなわち、初期化スイッチが外部からの操作が可能な初期化操作部をなし、遊技制御装置100が、初期化操作部が操作されたことに基づきRAMに記憶されたデータを初期化する初期化手段をなす。
遊技制御装置100は、初期化すべき領域に停電復旧時(電源投入時)の初期値をセーブする(A1021)。初期化すべき領域とは、停電検査領域、チェックサム領域及びエラー不正監視に係る領域である。また、初期化すべき領域は、後述の排出球数領域、獲得球数領域、役物別獲得球数領域を含み、これら領域は0クリア(初期値=0)によって初期化される。これにより、排出球数、獲得球数、役物別獲得球数、さらには、獲得球数から得られる出玉率、役物別獲得球数から計算される役物比率も0クリアされることになる。なお、役物別獲得球数領域(ひいては役物比率)は、0クリアしない構成も可能である。また、払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号である払出ビジー信号の状態を記憶するビジー信号ステータス領域もクリアされ、払出ビジー信号の状態を確定していないことを示す不定状態とされる。その後、遊技制御装置100は、RWM内の遊技状態を記憶する領域を調べて遊技状態が高確率状態であるか否かを判定する(A1022)。
ここで、遊技制御装置100は、遊技状態が高確率状態でない場合には(A1022の結果が「N」)、ステップA1023及びステップA1024の処理をスキップして、ステップA1025の処理に移行する。また、遊技状態が高確率状態である場合には(A1022の結果が「Y」)、高確率報知フラグ領域にオン情報をセーブし(A1023)、例えば一括表示装置50に設けられる高確率報知LED(エラー表示器)のオン(点灯)データをセグメント領域にセーブする(A1024)。そして、後述の特図ゲーム処理を合理的に実行するために用意されている処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)に送信し(A1025)、ステップA1031の処理を実行する。
一方、ステップA1016,A1017,A1018,A1020の実行後にステップA1026の処理を実行する場合には、遊技制御装置100は、RAMアクセス禁止領域をアクセス許可に設定する(A1026)。さらに、ビジー信号ステータス領域を含むすべてのRAM領域を0クリアし(A1027)、RAMアクセス禁止領域をアクセス禁止に設定する(A1028)。
そして、遊技制御装置100は、初期化すべき領域にRAM初期化時の初期値をセーブする(A1029)。初期化すべき領域とは、客待ちデモ領域及び演出モードの設定に係る領域である。さらに、遊技制御装置100は、RAM初期化時のコマンドを演出制御基板に送信し(A1030)、ステップA1031の処理を実行する。
なお、ステップA1025の処理で送信される停電復旧時のコマンド及びステップA1030の処理で送信されるRAM初期化時のコマンドには、遊技機の種類を示す機種指定コマンド、特図1,2の保留数を示す飾り特図1保留数コマンド及び飾り特図2保留数コマンド、確率の状態を示す確率情報コマンドが含まれる。また、電源遮断時や電源投入時の状態に応じて、電源遮断時に特図変動表示ゲームの実行中であった場合は復旧画面コマンド、電源遮断時に客待ち中であった場合は客待ちデモコマンド、電源投入時に初期化された場合は電源投入コマンドが含まれる。さらに、機種によって演出モードの状態を示す演出モード情報コマンド、時短状態での残りゲーム数を示す時短回数情報コマンドが含まれる。RAM初期化時のコマンドには、RAM初期化のコマンドも含まれる。
遊技制御装置100は、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動する(A1031)。なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU111aに対して所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路に供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
ステップA1031のCTC起動処理の実行後、遊技制御装置100は、乱数生成回路を起動設定する(A1032)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)に乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPU111aによって行われる。また、乱数生成回路のハードウェアで生成されるハード乱数(ここでは大当り乱数)のビット転置パターンの設定も行われる。
ビット転置パターンとは、抽出した乱数のビット配置(上段のビット転置前の配置)を、予め定められた順で入れ替えて異なるビット配置(下段のビット転置後の配置)として格納する際の入れ替え方を定めるパターンである。
本実施形態では、ビット転置パターンに従い乱数のビットを入れ替えることで、乱数の規則性を崩すことができるとともに、乱数の秘匿性を高めることができる。なお、ビット転置パターンは、固定された単一のパターンであってもよいし、予め用意された複数のパターンから選択するようにしてもよい。また、ユーザーが任意に設定できるようにしてもよい。
その後、遊技制御装置100は、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を抽出し、対応する各種初期値乱数(大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、小当り図柄を決定する乱数(小当り図柄乱数)、普図の当りを決定する乱数(当り乱数)、普図の当り図柄を決定する乱数(当り図柄乱数)等)の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブし(A1033)、割込みを許可する(A1034)。本実施形態で使用するCPU111a内の乱数生成回路においては、電源投入ごとにソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値を各種初期値乱数の初期値(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
続いて、遊技制御装置100は、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理を実行する(A1035)。なお、特に限定されるわけではないが、本実施形態においては、大当り乱数、大当り図柄乱数、当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数を使用して生成するように構成されている。ただし、大当り乱数はCPUの動作クロックと同等以上の速度のクロックを基にして更新される所謂「高速カウンタ」であり、大当り図柄乱数、当り乱数はプログラムの処理単位であるタイマ割込み処理と同周期となるCTC出力(タイマ割込み処理のCTC(CTC0)とは別のCTC(CTC2))を基にして更新される「低速カウンタ」である。
また、大当り図柄乱数、当り図柄乱数においては、乱数が一巡するごとに各々の初期値乱数(ソフトウェアで生成)を用いてスタート値を変更する所謂「初期値変更方式」を採用している。なお、前記各乱数は、+1あるいは1によるカウンタ式更新でもよいし、一巡するまで範囲内のすべての値が重複なくバラバラに出現するランダム式更新でもよい。つまり、大当り乱数はハードウェアのみで更新される乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数はハードウェア及びソフトウェアで更新される乱数である。
ステップA1035の初期値乱数更新処理の後、遊技制御装置100は、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数を設定し(A1036)、停電監視信号がオンであるか否かを判定する(A1037)。停電監視信号がオンでない場合には(A1037の結果が「N」)、ステップA1035の初期値乱数更新処理に戻る。すなわち、停電が発生していない場合には、初期値乱数更新処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返し行う。初期値乱数更新処理(A1035)の前に割込みを許可する(A1034)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待機させられることで割込み処理が圧迫されることを回避することができる。
なお、ステップA1035の初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込み処理の中においても初期値乱数更新処理を行う方法もあり、そのような方法を採用した場合には両方で初期値乱数更新処理が実行されることを回避するため、メイン処理で初期値乱数更新処理を行う場合には割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要がある。一方、本実施形態のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内のみにした場合には初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それによってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
停電監視信号がオンである場合には(A1037の結果が「Y」)、遊技制御装置100は、ステップA1036の処理で設定したチェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているか否かを判定する(A1038)。そして、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合には(A1038の結果が「N」)、ステップA1037に戻り、停電監視信号がオンであるか否かを判定する。
また、遊技制御装置100は、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場合(A1038の結果が「Y」)、すなわち、停電が発生していると判定した場合には、一旦割込みを禁止し(A1039)、全出力ポートにオフデータを出力する(A1040)。
その後、遊技制御装置100は、停電検査領域1に停電検査領域チェックデータ1をセーブし(A1041)、停電検査領域2に停電検査領域チェックデータ2をセーブする(A1042)。さらに、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し(A1043)、さらに、算出したチェックサムをセーブする(A1044)。最後に、RWMへのアクセスを禁止する処理を実行し(A1045)、遊技機の電源が遮断されるまで待機する。
このように、停電検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判断することができる。
以上のことから、遊技を統括的に制御する主制御手段(遊技制御装置100)と、該主制御手段からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段(払出制御装置200、演出制御装置300等)と、を備える遊技機において、主制御手段は、電源投入時において、当該主制御手段の起動を遅らせて従制御装置の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段(遊技制御装置100)と、当該所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段(遊技制御装置100)と、を備えていることとなる。
また、各種装置に電力を供給する電源装置400を備え、当該電源装置400は、停電の発生を検出した際に停電監視信号を出力するように構成され、停電監視手段(遊技制御装置100)は、所定期間に亘り停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定するようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、データを記憶可能なRAM111cと、外部からの操作が可能な初期化操作部(初期化スイッチ)と、初期化操作部が操作されたことに基づきRAM111cに記憶されたデータを初期化する初期化手段(遊技制御装置100)と、を備え、当該初期化手段の操作状態を待機時間の開始前に読み込むようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、待機時間の経過後にRAM111cへのアクセスを許可するようにしていることとなる。
〔チェックサム算出処理〕
図6は、チェックサム算出処理の手順を示すフローチャートである。チェックサム算出処理は、図5A及び図5Bに示したメイン処理のステップA1019及びA1043にて実行される。
遊技制御装置100は、まず、算出アドレスの開始値としてRWMの先頭アドレスを設定する(A1101)。そして、繰り返し数を設定し(A1102)、さらに、算出値として「0」を設定する(A1103)。繰り返し数には使用しているRAMのバイト数が設定される。
その後、遊技制御装置100は、算出アドレスの内容に算出値を加算した値を新たな算出値とし(A1104)、算出アドレスを+1更新し(A1105)、繰り返し数を−1更新する(A1106)。そして、チェックサムの算出が終了したか否かを判定する(A1107)。
遊技制御装置100は、チェックサムの算出が終了していない場合には(A1107の結果が「N」)、ステップA1104からステップA1107までの処理を繰り返す。また、チェックサムの算出が終了した場合には(A1107の結果が「Y」)、チェックサム算出処理を終了する。
〔初期値乱数更新処理〕
図7は、初期値乱数更新処理の手順を示すフローチャートである。初期値乱数更新処理は、図5A及び図5Bに示したメイン処理のステップA1035にて実行される。
遊技制御装置100は、まず、大当り図柄初期値乱数を+1更新(1だけ増加)し(A1201)、小当り図柄初期値乱数を+1更新する(A1202)。続いて、当り初期値乱数を+1更新し(A1203)、当り図柄初期値乱数を+1更新し(A1204)、初期値乱数更新処理を終了する。
ここで、「大当り図柄初期値乱数」は特図の大当り停止図柄を決定する乱数の初期値となる乱数のことであり、「小当り図柄初期値乱数」は特図の小当り停止図柄を決定する乱数の初期値となる乱数のことである。また、「当り初期値乱数」は、普図変動ゲームの当りを決定する乱数の初期値となる乱数のことであり、「当り図柄初期値乱数」は普図の当り停止図柄を決定する乱数の初期値となる乱数のことである。
以上のように、メイン処理において時間が許す限り初期値乱数をインクリメントし続けることによって、乱数のランダム性を高めることができるようにしている。
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。図8は、タイマ割込み処理の手順を示すフローチャートである。タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111aに入力されることで開始される。遊技用マイコン111においてタイマ割込みが発生すると、タイマ割込み処理が開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、遊技制御装置100は、まず、使用するレジスタバンクとしてレジスタバンク1を指定し(A1301)、所定のレジスタにRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(A1302)。タイマ割込み処理の開始時にメイン処理で使用するレジスタバンク0からレジスタバンク1に切り替えることで、メイン処理で使っているレジスタを退避したのと同等になる。なお、タイマ割込み処理が開始されると、自動的に割込み禁止状態になる。
次に、遊技制御装置100は、各種センサやスイッチからの入力や、信号の取り込み、すなわち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理を実行する(A1303)。さらに、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(大入賞口ソレノイド39b)等のアクチュエータの駆動制御などを行うための出力処理を実行する(A1304)。なお、メイン処理におけるステップA1005の処理で発射禁止の信号を出力した場合は、この出力処理が行われることで発射許可の信号が出力され、発射許可信号を許可状態に設定可能な状態とされる。
次に、遊技制御装置100は、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを払出制御装置200に出力する払出コマンド送信処理を実行し(A1305)、さらに、乱数更新処理1(A1306)、乱数更新処理2(A1307)を実行する。その後、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a〜35n、大入賞口スイッチ39aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が開放されていないかなど)を行う入賞口スイッチ/状態監視処理を実行する(A1308)。
さらに、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理を実行し(A1309)、次に、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理を実行する(A1310)。
次に、遊技制御装置100は、遊技機10に設けられ、特図変動ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理を実行する(A1311)。
さらに、遊技制御装置100は、磁気センサスイッチ61からの検出信号をチェックして異常がないか否かを判定する磁石不正監視処理を実行する(A1312)。さらに、遊技盤の電波センサ62からの検出信号をチェックして異常がないか否かを判定する電波不正監視処理(盤電波不正監視処理)を実行する(A1313)。
その後、遊技制御装置100は、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理を実行する(A1314)。その後、タイマ割込み処理を終了する。なお、タイマ割込み処理のリターンの際、割込み禁止状態の復元やレジスタバンクの指定の復元は、自動的に行われる構成とするが、使用するCPUによっては、外部情報編集処理の後に、割込みを許可する処理やレジスタバンクの指定をレジスタバンク0に戻す処理を行ってもよい。
〔入力処理〕
次に、タイマ割込み処理における入力処理(A1303)の詳細について説明する。図9は、入力処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、入力ポート1、すなわち、第1入力ポート122に取り込まれたスイッチの検出信号の状態を読み込む(A1401)。そして、8ビットのポートのうち未使用ビットがあればそのビットの状態をクリアする(A1402)。
次に、遊技制御装置100は、読み込まれた入力ポート1、すなわち、第1入力ポート122の状態をRWM内のスイッチ制御領域1にセーブ(格納)する(A1403)。続いて、入力ポート2、すなわち、第2入力ポート123のアドレスを準備した後(A1404)、RWM内のスイッチ制御領域2のアドレスを準備する(A1405)。続いて、未使用のビットデータを準備し(A1406)、さらに、反転するビットデータを準備する(A1407)。そして、スイッチ読込み処理を実行する(A1408)。ここで、本実施形態において「準備」とは、レジスタに値をセットすることを意味するが、これに限らず、RWM、その他のメモリに値をセットするようにしてもよい。
次に、遊技制御装置100は、RWM内のスイッチ制御領域3のアドレスを準備し(A1409)、入力ポート3、すなわち、第3入力ポート124のアドレスを準備する(A1410)。さらに、未使用のビットデータを準備し(A1411)、反転するビットデータを準備する(A1412)。さらに、その後、スイッチ読込み処理を実行し(A1413)、入力処理を終了する。
〔スイッチ読込み処理〕
次に、前述の入力処理におけるスイッチ読込み処理(A1408、A1413)の詳細について説明する。図10は、スイッチ読込み処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、対象の入力ポートに取り込まれた信号の状態を読み込む(A1501)。そして、8ビットのポートのうち未使用ビットがあればそのビットの状態をクリアし(A1502)、反転の必要なビットを反転し(A1503)、対象のスイッチ制御領域のポート入力状態にセーブ(格納)する(A1504)。その後、2回目の読込みまでのディレイ時間(0.1ms)が経過するまで待機する(A1505)。
ディレイ時間(0.1ms)が経過すると、遊技制御装置100は、対象の入力ポートに取り込まれた信号の状態の2回目の読込みを行う(A1506)。そして、8ビットのポートのうち未使用ビットがあればそのビットの状態をクリアし(A1507)、反転の必要なビットを反転し(A1508)、対象のスイッチ制御領域のポート入力状態(1回目データ)をロードし、反転後データ(2回目データ)をセーブする(A1509)。その後、1回目と2回目の読込みで状態が同じビットを1、違うビットを0とした確定ビットパターンを作成し(A1510)、確定ビットパターンとポート入力状態2との論理積をとり、今回確定ビットとする(A1511)。
次に、遊技制御装置100は、1回目と2回目の読込みで状態が同じビットを0、違うビットを1とした未確定ビットパターンを作成し(A1512)、未確定ビットパターンと前回割込み時の確定状態との論理積をとり、前回保持ビットとする(A1513)。これにより、スイッチのチャタリング等によるノイズを除去した信号の状態を得ることができる。
そして、遊技制御装置100は、今回確定ビットと前回保持ビットとを合成し、今回確定状態としてセーブする(A1514)。さらに、前回と今回の確定状態との排他的論理和をとり、立上りエッジとしてセーブする(A1515)。その後、スイッチ読み込み処理を終了する。
なお、スイッチの読込みは、タイマ割込みの周期が短い場合(例えば2ms)には、各割込みの処理ごとにそれぞれ1回ずつスイッチの読込みを行って前回の読込みの結果と比較することで信号が変化したか否か判定する方法があるが、そのようにすると次の割込み処理までに前回の割込みで読み込んだスイッチの状態が失われた場合、正しく判定できないおそれがある。これに対し、本実施形態のように、所定の時間差をおいて1回の割込み処理の中で2回のスイッチ読込み処理を行うことで、上記のような不具合を回避することが可能となる。
〔出力処理〕
次に、前述のタイマ割込み処理における出力処理(A1304)の詳細について説明する。図11は、出力処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、一括表示装置(LED)50のセグメントのデータを出力するポート135−1、135−2(図3参照)にオフデータを出力(リセット)する(A1601)。次に、大入賞口ソレノイド39bのデータを出力するソレノイド出力ポート134に出力するデータを合成して出力する(A1602)。
そして、遊技制御装置100は、一括表示装置(LED)50のデジット線を順次スキャンするためのデジットカウンタの値を、例えば0〜4の範囲で、+1更新する(A1603)。さらに、デジットカウンタの値に対応するLEDのデジット線の出力データを取得する(A1604)。そして、取得したデータと外部情報データを合成し(A1605)、合成したデータをデジット出力・外部情報出力ポート136に出力する(A1606)。その後、デジットカウンタの値に対応するRWM内のセグメント領域からセグメント線の出力データをロードし(A1607)、ロードしたデータをセグメント出力用のポート135−1に出力する(A1608)。
その後、遊技制御装置100は、操作ハンドル24に設けられたタッチスイッチ(発射タッチスイッチ)からのタッチスイッチ信号がオン信号であるか否かを判定する(A1609)。即ち、操作ハンドル24が操作されているか否かを判定する。タッチスイッチからのタッチスイッチ信号がオン信号である場合(A1609の結果が「Y」)、デジットカウンタに対応するセグメント領域からセグメント出力データをロードし(A1610)、セグメント出力データをセグメント出力ポート2(ポート135−2)に出力する(A1612)。ここで出力するセグメント出力データは、排出球数表示部66、出玉率表示部67、及び、役物比率表示部68用のセグメント出力データである。これにより、操作ハンドル24が操作されている場合に、排出球数表示部66での排出球数表示、出玉率表示部67での出玉率表示、及び、役物比率表示部68での役物比率表示が可能になる。
一方、遊技制御装置100は、タッチスイッチからのタッチスイッチ信号がオフ信号である場合(A1609の結果が「N」)、7セグメント型の表示器(LEDランプ)を消灯(LEDオフ)するためのセグメント出力データを設定し(A1611)、セグメント出力データをセグメント出力ポート2(ポート135−2)に出力する(A1612)。これにより、操作ハンドル24が操作されていない場合に、排出球数表示部66での排出球数表示、出玉率表示部67での出玉率表示、及び、役物比率表示部68での役物比率表示は非表示になる。
なお、ステップA1609では、操作ハンドル24のタッチスイッチがオンであるか否か判定する代わりに、客待ちデモ中(客待ちデモ状態)であるか否かを判定してよい。そして、客待ちでデモ中である場合に、排出球数表示部66、出玉率表示部67、及び、役物比率表示部68で表示を実行し(A1610、A1612)、客待ちでデモ中でない場合に、排出球数表示部66、出玉率表示部67、及び、役物比率表示部68を非表示としてよい(A1611、A1612)。なお、後述のように、客待ちデモ状態(客待ちデモ中の状態)であることを示す客待ちデモ中フラグがセットされている場合(図27のA3210)、即ち、遊技制御装置100が演出制御装置300に客待ちデモコマンドを送信した場合に、客待ちデモ中であると判定できる。
続いて、遊技制御装置100は、外部情報端子71に出力するデータをロードして合成し(A1613)、さらに、合成したデータと発射許可の出力データを合成し(A1614)、最終的に合成したデータを外部情報・発射許可信号出力ポート137に出力する(A1615)。次に、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験端子出力ポート1に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端子出力ポート1に合成したデータを出力する(A1616)。その後、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験端子出力ポート2に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端子出力ポート2に合成したデータを出力する(A1617)。
次に、遊技制御装置100は、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験端子出力ポート3に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端子出力ポート3へ合成したデータを出力する(A1618)。さらに、試射試験装置の試験信号を出力する中継基板70上の試験端子出力ポート4に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端子出力ポート4に合成したデータを出力する(A1619)。そして、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験端子出力ポート5に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端子出力ポート5に合成したデータを出力する(A1620)。次に、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験端子出力ポート6、7に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端子出力ポート6、7に合成したデータを出力する(A1621)。ステップA1621のデータは、出玉率のデータである。そして、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験端子出力ポート8、9に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端子出力ポート8、9に合成したデータを出力し(A1622)、出力処理を終了する。ステップA1622のデータは、役物比率のデータである。
〔払出コマンド送信処理〕
次に、前述のタイマ割込み処理における払出コマンド送信処理(A1305)の詳細について説明する。図12は、払出コマンド送信処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、入賞数カウンタ領域2にカウントがあるか否かをチェックする(A1701)。入賞数カウンタ領域は遊技制御装置100のRAM111cに設けられ、入賞数カウンタ領域1と入賞数カウンタ領域2が設けられている。入賞数カウンタ領域1は、払出制御装置200に対して賞球の払い出しを指示するための払出コマンド(賞球指令)を送信するために用いる領域であって、払出コマンドを未だ送信していない賞球に対応する入賞のデータが記憶される。すなわち、入賞数カウンタ領域1が、賞球指令に関する情報を記憶可能な賞球指令カウンタをなす。
入賞数カウンタ領域2は、入賞口への入賞により発生した賞球数(払出予定数)が所定数(ここでは10個)になる毎に外部装置に出力するメイン賞球信号を送信するために用いる領域であって、メイン賞球信号の生成処理を行っていない賞球に対応する入賞のデータが記憶される。すなわち、入賞数カウンタ領域2が、メイン賞球信号に関する情報を記憶可能なメイン賞球信号カウンタをなす。なお、外部装置には、このメイン賞球信号の他に、払出制御装置200からも実際に払い出した賞球数が所定数(ここでは10個)になる毎に払出賞球信号が出力されるようになっており、この二つの信号を照合することで、不正な払い出しを監視することが可能となっている。
これらの入賞数カウンタ領域にはそれぞれ、各入賞口に対して設定された賞球数別(例えば、2個賞球、3個賞球、10個賞球、14個賞球)に入賞数カウンタ領域が設けられており、入賞口への入賞に基づき対応する入賞数カウンタ領域のカウント数が1加算されるようになっている。つまり、入賞領域への一の入賞を単位として当該入賞の情報を記憶可能とされている。なお、入賞数カウンタ領域1は入賞数カウンタ領域2よりも広い領域が割り当てられ、より多くの入賞のデータを記憶できるようにされている。これは、メイン賞球信号が送信先の状態に関係なく送信可能であることに対し、払出コマンドが送信先である払出制御装置200の状態により送信を保留する場合もあり、より多くの未送信データが蓄積される可能性があるためである。
遊技制御装置100は、ステップA1701の入賞数カウンタ領域2にカウントがあるか否かをチェックする処理においては、賞球数別に設けられた複数の入賞数カウンタ領域のうち、チェック対象とされた入賞数カウンタ領域に「0」でないカウント数があるか否かを判定する。
遊技制御装置100は、入賞数カウンタ領域2にカウント数がない場合には(A1701の結果が「N」)、チェック対象となる入賞数カウンタ領域2のアドレスを更新する(A1702)。さらに、すべての入賞数カウンタ領域のカウント数のチェックが終了したか否かを判定する(A1703)。
遊技制御装置100は、すべてのチェックが終了した場合には(A1703の結果が「Y」)、ステップA1712の処理に移行する。一方、すべてのチェックが終了していない場合には(A1703の結果が「N」)、ステップA1701の処理に戻り、ステップA1701からステップA1703までの処理を繰り返す。
また、遊技制御装置100は、カウント数がある場合には(A1701の結果が「Y」)、対象の入賞数カウンタ領域のカウント数を減算(−1)し(A1704)、入賞数カウンタ領域2のアドレスに対応する払出数を取得する(A1705)。そして、賞球残数領域の値と払出数を加算して(A1706)、加算結果を新たな賞球残数として賞球残数領域にセーブする(A1707)。なお、ステップA1707の処理の前における賞球残数領域の値としては、メイン賞球信号の出力の基準となる所定数に満たなかった端数が記憶されている。
その後、遊技制御装置100は、加算結果から10を減算し(A1708)、減算結果が0以上か否かを判定する(A1709)。そして、0以上でない場合には(A1709の結果が「N」)、ステップA1712の処理に移行する。一方、0以上である場合には(A1709の結果が「Y」)、メイン賞球信号出力回数領域の値を+1更新し(A1710)、減算結果を賞球残数領域にセーブし(A1711)、さらに、ステップA1708の処理に戻る。
以上の処理により、ホールコンピュータなどの外部の装置にメイン賞球信号が出力されるようになる。すなわち、遊技制御装置100が、所定の入賞領域への遊技球の入賞に伴い払い出しが決定された賞球数に関する情報を含むメイン賞球信号を遊技機の外部に出力する外部情報出力手段をなす。なお、メイン賞球信号を出力するようにすることで、大当り中などの遊技球の払い出しが集中する場合に、遊技球の払い出しとともに賞球信号の出力が遅延して、大当り中に発生した正確な賞球数が計数することができないといった不具合を防止することができる。
遊技制御装置100は、払出コマンド送信タイマが0でなければ−1更新し(A1712)、払出コマンド送信タイマが0になったか否かを判定する(A1713)。払出コマンド送信タイマが0でない場合には(A1713の結果が「N」)、払出コマンド送信処理を終了する。また、払出コマンド送信タイマが0である場合には(A1713の結果が「Y」)、払出ビジー信号ステータス(フラグ)がビジー状態(ビジー状態フラグ)であるか否かを判定する(A1714)。
払出ビジー信号は、払出制御装置200が払出制御を即座に開始可能な状態か否かを示す信号であって、払出制御を即座に開始可能でない場合には払出ビジー信号がオン状態(ビジー状態)とされる。つまり、払出ビジー信号は、払出コマンド(賞球指令)を受付可能な状態であるか否かを示す信号ともいえる。すなわち、払出ビジー信号が、払出制御手段(払出制御装置200)が払出制御を開始可能であるか否を示す状態信号をなす。払出ビジー信号ステータス(フラグ)は、払出ビジー信号の状態に基づき払出制御装置200が払出制御を即座に開始可能な状態か否かを設定した情報であって、払出制御を即座に開始可能なアイドル状態、払出制御を即座に開始可能でないビジー状態、状態が不定である不定状態のいずれかが設定される。
遊技制御装置100は、払出ビジー信号ステータスがビジー状態である場合には(A1714の結果が「Y」)、払出コマンド送信処理を終了する。ビジー状態でない場合には、アイドル状態である場合と不定状態である場合が含まれる。このように払出制御装置200が払出制御を即座に開始可能でなく、払出コマンドを送信しない場合は、払出コマンドの送信に関する以降の処理を行わないようにすることで、無駄な処理を行うことを防止し制御の負担を軽減するようにしている。
なお、不定状態は、例えば電源投入時の処理でビジー信号ステータス領域がクリアされることで設定される。この不定状態は、払出ビジー信号の状態が、払出制御を即座に開始可能なこと又は不能なことを示す状態に所定期間に亘り維持されることに基づき、アイドル状態又はビジー状態が設定されることで解消する。つまり、停電が発生し該停電から復帰した場合には、払出制御装置200から払出制御を開始可能であることを示す状態信号が出力されていたとしても、直ちに賞球指令を払出制御装置200に送信せず、払出制御装置200から払出制御を開始可能であることを示す状態信号が所定期間に亘って継続して出力されたことに対応して賞球指令を払出制御装置200に送信する。これにより、払出制御装置200が賞球指令を受信して即座に払出処理が可能なことを確実に把握してから賞球指令を送信するようになり、賞球指令に対応する払出制御が行われないことを防止できる。
遊技制御装置100は、払出ビジー信号ステータスがビジー状態でない場合には(A1714の結果が「N」)、入賞数カウンタ領域1にカウントがあるか否かをチェックする(A1715)。入賞数カウンタ領域1にカウントがあるかをチェックする処理においては、賞球数別に設けられた複数の入賞数カウンタ領域のうち、チェック対象とされた入賞数カウンタ領域に「0」でないカウント数があるか否かを判定する。
そして、遊技制御装置100は、カウント数がない場合には(A1715の結果が「N」)、チェック対象となる入賞数カウンタ領域1のアドレスを更新し(A1716)、すべての入賞数カウンタ領域のカウント数のチェックが終了したか否かを判定する(A1717)。すべてのチェックが終了した場合には(A1717の結果が「Y」)、払出コマンド送信処理を終了する。一方、すべてのチェックが終了していない場合には(A1717の結果が「N」)、ステップA1715の処理に戻り、ステップA1715からA1717までの処理を繰り返す。
また、遊技制御装置100は、カウント数がある場合には(A1715の結果が「Y」)、対象の入賞数カウンタ領域のカウント数を減算(−1)し(A1718)、対象の入賞数カウンタ領域に対応する払出コマンドを取得する(A1719)。そして、払出コマンド(払出数コマンド)を払出用シリアル送信バッファに格納し(A1720)、払出コマンド送信タイマに初期値を設定し(A1721)、その後、払出コマンド送信処理を終了する。払出コマンド送信タイマは送信間隔を管理するためのもので、初期値として例えば200msが設定される。
これにより、入賞領域への一の入賞を単位とした払出コマンド(賞球指令)が生成され、払出制御装置200に送信されるようになる。払出制御装置200はこの払出コマンドに基づき所定数の賞球を払い出す制御を行う。すなわち、遊技制御装置100が、払出制御手段(払出制御装置200)から出力される当該払出制御手段が払出制御を開始可能であるか否かを示す状態信号が払出制御を開始可能であることを示している場合に賞球指令を払出制御手段に送信する賞球指令送信手段をなす。
このように遊技制御装置100が、払出制御装置200から出力される状態信号に基づいて賞球指令を送信する制御を行うので、払出制御装置200が即座に払出制御を実行可能な場合にのみ賞球指令が送信されることとなる。これにより、未だ払い出しが行われていない入賞に対応するデータは遊技制御装置100側で保持されるようになるので停電発生時には遊技制御装置100でバックアップされるようになり、払出制御装置200にバックアップするための機能を備えなくとも正確な払出制御を実現できる。
従来の遊技機(例えば、特開2000−312759号公報の遊技機)では、何らかの原因により電源の遮断状態が発生した場合、払出制御装置200は自身の記憶手段にデータをバックアップし、電源遮断直前のデータによる払出制御状態を維持するようにしている。しかしながら、従来の遊技機では、バックアップするための機能が必要となるため、コストアップにつながるという問題があった。本実施形態によれば、払出制御装置200にバックアップするための機能を備えなくとも正確な払出制御を実現できるようにすることができる。
また、外部の装置に送信されるメイン賞球信号は払出ビジー信号の状態に関係なく出力されるので、遅滞なくメイン賞球信号を出力でき、ホールコンピュータなどの外部の装置では賞球の払い出しの時期を正確に把握でき、例えばベース値を正確に把握できるようになる。また、賞球指令に関する情報を記憶可能な賞球指令カウンタと、メイン賞球信号に関する情報を記憶可能なメイン賞球信号カウンタとを別々に備えるので、送信タイミングが異なる賞球指令とメイン賞球信号の情報を別々に管理でき、情報を確実に管理することができる。
以上のことから、統括的に遊技制御を行うとともに、遊技領域32に設けられた入賞領域(第1始動入賞口36、第2始動入賞口37、一般入賞口35、特別変動入賞装置39)への遊技球の入賞に基づいて賞球指令を送信する遊技制御手段(遊技制御装置100)と、遊技制御手段から送信される賞球指令に基づいて、遊技球の払出制御を行う払出制御手段(払出制御装置200)と、を備え、遊技制御手段は、払出制御手段から出力される当該払出制御手段が払出制御を開始可能であるか否を示す状態信号(ビジー信号)に基づいて賞球指令を払出制御手段に送信する制御を行い、停電が発生し該停電から復帰した場合には、払出制御手段から払出制御を開始可能であることを示す状態信号が出力されていたとしても、直ちに賞球指令を払出制御手段に送信せず、払出制御手段から払出制御を開始可能であることを示す状態信号が所定期間に亘って継続して出力されたことに対応して賞球指令を払出制御手段に送信するようにしていることとなる。
また、遊技領域32に賞球数の異なる入賞領域(第1始動入賞口36、第2始動入賞口37、一般入賞口35、特別変動入賞装置39)を複数設け、遊技制御手段(遊技制御装置100)は、賞球数毎に、遊技球の払出制御を指示する賞球指令の未送信の有無を特定可能な賞球指令カウンタ(遊技制御装置100)を備え、状態信号が払出制御を開始可能であることを示し、かつ、各賞球指令カウンタに未送信の賞球指令がある場合に、賞球指令を払出制御手段(払出制御装置200)に送信するようにし、状態信号が当該払出制御手段が払出制御を開始可能であるか否かの特定を、各賞球指令カウンタに未送信の賞球指令があるか否かの特定よりも先に行うようにしていることとなる。
また、統括的に遊技制御を行うとともに、所定の入賞領域(第1始動入賞口36、第2始動入賞口37、一般入賞口35、特別変動入賞装置39)への遊技球の入賞に基づいて賞球指令を送信する遊技制御手段(遊技制御装置100)と、遊技制御手段から送信される賞球指令に基づいて、遊技球の払出制御を行う払出制御手段(払出制御装置200)と、を備え、遊技制御手段は、払出制御手段から出力される当該払出制御手段が払出制御を開始可能であるか否を示す状態信号が払出制御を開始可能であることを示している場合に賞球指令を払出制御手段に送信する賞球指令送信手段(遊技制御装置100)と、所定の入賞領域への遊技球の入賞に伴い払い出しが決定された賞球数に関する情報を含む賞球信号(メイン賞球信号)を遊技機の外部に出力する外部情報出力手段(遊技制御装置100)と、を備え、外部情報出力手段は、払出制御手段から出力される状態信号が、払出制御手段が払出制御を開始可能であるか否かに関係なく賞球信号の出力を行うようにしたこととなる。
また、賞球指令送信手段(遊技制御装置100)は、停電が発生し該停電から復帰した場合には、状態信号が払出制御を開始可能であることを示していたとしても、直ちに賞球指令を払出制御手段(払出制御装置200)に送信せず、状態信号が払出制御を開始可能であることを示している状態が所定期間に亘って継続していることに対応して賞球指令を払出制御手段に送信するようにしたこととなる。
また、遊技制御手段(遊技制御装置100)は、賞球指令に関する情報を記憶可能な賞球指令カウンタ(遊技制御装置100)と、賞球信号(メイン賞球信号)に関する情報を記憶可能な賞球信号カウンタ(遊技制御装置100)と、を備え、賞球指令送信手段(遊技制御装置100)は、所定の入賞領域(第1始動入賞口36、第2始動入賞口37、一般入賞口35、特別変動入賞装置39)への一の入賞を単位として賞球指令を生成し、状態信号が払出制御を開始可能であることを示している場合に一の賞球指令を払出制御手段(払出制御装置200)に送信するように構成され、賞球指令カウンタ(遊技制御装置100)は、所定の入賞領域への一の入賞を単位として当該入賞の情報を記憶可能であり、所定の入賞領域への遊技球の入賞時に更新を行うとともに、払出制御手段への賞球指令への送信に対応させて更新を行うことで、送信していない賞球指令の数を記憶可能とし、外部情報出力手段は、所定の入賞領域への遊技球の入賞に伴い払い出しが決定された賞球数を累積し、累積値が所定数に達する毎に賞球信号を遊技機の外部に出力するように構成され、賞球信号カウンタは、所定の入賞領域への一の入賞を単位として当該入賞の情報を記憶可能であり、所定の入賞領域への遊技球の入賞時に更新を行うとともに、外部情報出力手段による賞球数の累積処理に対応させて更新を行うことで、未だ累積処理を行っていない賞球数を記憶可能であることとなる。
〔乱数更新処理1〕
図13は、乱数更新処理1の手順を示すフローチャートである。乱数更新処理1は、タイマ割込み処理のステップA1306にて実行される。乱数更新処理1は、初期値乱数更新処理の対象となっている大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数の初期値(スタート値)を更新するための処理である。
遊技制御装置100は、まず、大当り図柄乱数が次回の初期値(スタート値)設定待ちであるか否かを判定する(A1801)。
遊技制御装置100は、大当り図柄乱数が初期値設定待ちでない場合には(A1801の結果が「N」)、ステップA1804以降の処理を実行する。一方、大当り図柄乱数が初期値設定待ちである場合には(A1801の結果が「Y」)、次回初期値として大当り図柄初期値乱数をロードする(A1802)。そして、ロードした大当り図柄乱数の次回初期値を対応する乱数カウンタ(乱数領域)のスタート値を保持するレジスタ(スタート値設定レジスタ)に設定する(A1803)。
次に、遊技制御装置100は、小当り図柄乱数が次回の初期値(スタート値)設定待ちであるか否かを判定する(A1804)。小当り図柄乱数が初期値設定待ちでない場合には(A1804の結果が「N」)、ステップA1807以降の処理を実行する。
一方、遊技制御装置100は、小当り図柄乱数が初期値設定待ちである場合には(A1804の結果が「Y」)、次回初期値として小当り図柄初期値乱数をロードする(A1805)。そして、ロードした小当り図柄乱数の次回初期値を対応する乱数カウンタ(乱数領域)のスタート値を保持するレジスタ(スタート値設定レジスタ)に設定する(A1806)。
次に、遊技制御装置100は、当り乱数が次回の初期値(スタート値)設定待ちであるか否かを判定する(A1807)。当り乱数が初期値設定待ちでない場合には(A1807の結果が「N」)、ステップA1810以降の処理を実行する。
一方、遊技制御装置100は、当り乱数が初期値設定待ちである場合には(A1807の結果が「Y」)、次回初期値として当り初期値乱数をロードする(A1808)。そして、ロードした当り乱数の次回初期値を対応する乱数カウンタ(乱数領域)のスタート値を保持するレジスタ(スタート値設定レジスタ)に設定する(A1809)。
次に、遊技制御装置100は、当り図柄乱数が次回の初期値(スタート値)設定待ちであるか否かを判定する(A1810)。当り図柄乱数が初期値設定待ちでない場合には(A1810の結果が「N」)、乱数更新処理1を終了する。
一方、遊技制御装置100は、当り図柄乱数が初期値設定待ちである場合には(A1810の結果が「Y」)、次回初期値として当り図柄初期値乱数をロードする(A1811)。そして、ロードした当り図柄乱数の次回初期値を対応する乱数カウンタ(乱数領域)のスタート値を保持するレジスタ(スタート値設定レジスタ)に設定し(A1812)、乱数更新処理1を終了する。
〔乱数更新処理2〕
図14は、乱数更新処理2の手順を示すフローチャートである。乱数更新処理2は、タイマ割込み処理のステップA1307にて実行される。乱数更新処理2は、特図1,特図2の変動表示ゲームにおける変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する処理である。
なお、本実施形態の遊技機では、変動パターン乱数として1バイトの乱数(変動パターン乱数2、3)と、2バイトの乱数(変動パターン乱数1)があり、乱数更新処理2は、両方を更新対象とし、割込みが発生するごとに更新対象を切り替えて処理する。さらに、更新対象の乱数が2バイトの場合には、上位のバイトと下位のバイトに対して異なる割込み時に更新処理を行うようになっている。すなわち、メイン処理に対する一の割込み処理において実行される乱数更新処理2による2バイトの変動パターン乱数1(リーチ変動態様決定用乱数)の更新は、上位1バイト若しくは下位1バイトのいずれかについて実行されるように構成されている。
遊技制御装置100は、まず、更新すべき複数の乱数のうちいずれの乱数を今回の更新処理の対象とするかを順番に指定するための乱数更新スキャンカウンタを更新する(A1901)。次に、乱数更新スキャンカウンタの値に対応する演出乱数更新テーブルのアドレスを算出する(A1902)。そして、算出されたアドレスに基づいて参照したテーブルから乱数の上限判定値を取得する(A1903)。このとき参照するテーブルには、乱数の種類ごとに上限判定値、すなわち、乱数が一巡したか否かを判定するための値が格納されている。
続いて、遊技制御装置100は、ランダムな値が設定されるM1カウンタの値をロードする(A1904)。
次に、遊技制御装置100は、M1カウンタの値をマスクするためのマスク値を取得し、M1カウンタの値をマスクする(A1905)。なお、マスク値は、更新対象の乱数によって異なるビット数、例えば、変動パターン乱数1の下位1バイトを更新する場合には、M1カウンタの下位3ビットに、また、変動パターン乱数1の上位1バイトを更新する場合には、M1カウンタの下位4ビットに設定されている。乱数の種類によって上限値が異なるためである。なお、マスク値として、変動パターン乱数1の下位1バイトを更新する場合には、M1カウンタの下位3ビットを、また、変動パターン乱数1の上位1バイトを更新する場合には、M1カウンタの下位4ビットを例示したが、数値は一例であってこれに限られるものではない。
次に、遊技制御装置100は、更新する乱数領域(乱数カウンタ)が2バイト乱数の上位1バイトであるか否かを判定する(A1906)。そして、乱数領域が2バイト乱数の上位1バイトである場合には(A1906の結果が「Y」)、加算値として上位1バイトをマスク値によってM1カウンタの値をマスクすることによって残った値(以下、これを「マスクした値」と称する)に「1」を加算したマスク更新値に設定し、下位1バイトを「0」に設定し(A1907)、ステップA1909の処理に移行する。
また、遊技制御装置100は、乱数領域が2バイト乱数の上位1バイトでない場合には(A1906の結果が「N」)、加算値として上位1バイトを「0」に設定し、下位1バイトを上記マスク更新値に設定し(A1908)、ステップA1909の処理に移行する。なお、マスクした値に「1」を加算する理由は、マスクした値が「0」になる場合があり、「0」を加算して値が変化しないことを避けるためである。
続いて、遊技制御装置100は、更新する乱数が2バイト乱数か否かを判定する(A1909)。そして、2バイト乱数である場合には(A1909の結果が「Y」)、更新する乱数領域の値(2バイト)を設定し(A1910)、ステップA1912の処理に移行する。一方、更新する乱数が2バイト乱数でない場合には(A1909の結果が「N」)、乱数値の上位1バイトとして「0」を設定し、乱数値の下位1バイトとして、更新する乱数領域の値(1バイト)を設定し(A1911)、ステップA1912の処理に移行する。
遊技制御装置100は、乱数値にステップA1907又はA1908の処理で決定された加算値を加算した値を新たな乱数値とし、新たな乱数値がA1903の処理で取得した上限判定値よりも大きいか否かを判定する(A1913)。
そして、遊技制御装置100は、新たな乱数値が上限判定値より大きくない場合には(A1913の結果が「N」)、新たな乱数値を1バイト乱数又は2バイト乱数の下位の乱数領域にセーブする(A1915)。また、新たな乱数値が上限判定値より大きい場合には(A1913の結果が「Y」)、新たな乱数値から上限判定値を減算した値を再度の新たな乱数値とし(A1914)、新たな乱数値を1バイト乱数又は2バイト乱数の下位の乱数領域にセーブする(A1915)。
次に、遊技制御装置100は、更新した乱数が2バイト乱数であるか否かを判定する(A1916)。そして、2バイト乱数でない場合には(A1916の結果が「N」)、乱数更新処理2を終了する。一方、2バイト乱数である場合には(A1916の結果が「Y」)、新たな乱数値(再度の新たな乱数値を算出した場合はその値)を2バイト乱数の上位の乱数領域にセーブし(A1917)、乱数更新処理2を終了する。
このように、CPU111aは、特図1,特図2の変動表示ゲームにおける変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する。したがって、CPU111aは、第1始動入賞口36や第2始動入賞口37の始動領域への遊技球の流入に基づいて抽出される各種乱数のうち、特図変動表示ゲームの変動態様(変動パターン)を決定するための変動パターン乱数を更新する乱数更新手段をなす。
〔入賞口スイッチ/状態監視処理〕
図15Aは、入賞口スイッチ/状態監視処理の手順を示すフローチャートである。入賞口スイッチ/状態監視処理は、タイマ割込み処理におけるステップA1308にて実行される。入賞口スイッチ/状態監視処理は、各入賞口への入賞を監視して、入賞があった場合には所定の処理を実行する監視手段を構成する。所定の処理としては、排出球数を+1更新(1だけ加算)したり、当該入賞による賞球数に関して加算処理を実行して出玉率(賞球数の合計)や役物比率を算出することなどがある。
遊技制御装置100は、まず、大入賞口(特別変動入賞装置39)内の大入賞口スイッチ39a(2個)の一方に対応する入賞口監視テーブル1を準備する(A2001)。そして、大入賞口が開いていないにもかかわらず大入賞口に不正な入賞がないかを監視するとともに正常な入賞を検出する不正&入賞監視処理を実行する(A2002)。不正&入賞監視処理の詳細については、後述する。
その後、遊技制御装置100は、大入賞口(特別変動入賞装置39)内の大入賞口スイッチ39a(2個)の他方に対応する入賞口監視テーブル2を準備する(A2003)。そして、不正入賞を監視するとともに正常な入賞を検出する不正&入賞監視処理を実行する(A2004)。次に、普電サポート状態中であるか否か、即ち、時短状態又は確変状態(潜伏確変状態を除く)中であるか否かを判定する(A2005)。
そして、遊技制御装置100は、普電サポート状態中である場合(A2005の結果が「Y」)、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37aに対応する入賞口監視テーブルを準備する(A2006)。そして、不正入賞を監視するとともに正常な入賞を検出する不正&入賞監視処理を実行する(A2007)。続いて、不正監視が不要な入賞口スイッチの入賞口監視テーブルを準備する(A2008)。不正監視が不要な入賞口スイッチは、本実施形態では、左右の一般入賞口35の入賞口スイッチ(SW)35a、35b、及び、始動口1スイッチ36aである。次に、入賞数を更新する入賞数カウンタ更新処理を実行する(A2009)。
一方、遊技制御装置100は、普電サポート状態中でない場合(A2005の結果が「N」)、不正監視が不要な入賞口スイッチの入賞口監視テーブルを準備する(A2010)。不正監視が不要な入賞口スイッチは、本実施形態では、左右の一般入賞口35の入賞口スイッチ(SW)35a、35b、及び、始動入賞口36(第1始動入賞口)の始動口1スイッチ36aである。次に、入賞数を更新する入賞数カウンタ更新処理を実行する(A2011)。普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37aに対応する入賞口監視テーブルを準備する(A2012)。そして、不正入賞を監視するとともに正常な入賞を検出する不正&入賞監視処理を実行する(A2013)。
図15Bは、遊技状態ごとに、入賞口監視に関する優先順位を示すテーブルである。この優先順位は、入賞口スイッチ/状態監視処理(図15A)と後述の入賞数カウンタ更新処理(図17A)における入賞口監視の順番によって実現されるものである。
ここで、入賞口監視とは、不正&入賞監視処理又は入賞数カウンタ更新処理(不正&入賞監視処理でも実行される)において、入賞数のカウント、排出球数の更新(計算)、出玉率の計算、役物比率の計算などを実行することである。特に、同時に入賞口への入賞があった場合でも、図15Bのように予め定められた優先順位に基づいて、所定の入賞口への入賞を優先して出玉率や役物比率の計算が行われる。なお、通常遊技状態と普電サポート状態の場合には、不正がない限り大入賞口は開放されないので、優先順位のテーブルには加えていない。
図15B(I)のように、遊技状態に応じて、入賞口監視に関する優先順位を変更できる(ステップA2005〜A2013)。即ち、普電サポート状態であるか否かの判定(A2005)に応じて、入賞数カウンタ更新処理(不正&入賞監視処理でも実行される)を、普通変動入賞装置37(第2始動入賞口)と不正監視が不要な入賞口(一般入賞口35、始動入賞口36(第1始動入賞口))のどちらに対して先に行うかが設定(決定)できる。
特に、普電サポート状態中である場合(A2005の結果が「Y」)、普通変動入賞装置37(第2始動入賞口)に対して、不正監視が不要な入賞口スイッチ(始動口1スイッチ36a)を有する始動入賞口36(第1始動入賞口)よりも先に、入賞口監視(即ち、入賞数のカウント、排出球数の更新、獲得球数の加算など)を実行できる。なお、後述のように、不正監視が不要な入賞口スイッチを有する入賞口のうちでは、一般入賞口35の入賞口監視を始動入賞口36(第1始動入賞口)よりも先に優先的に実行するものとする。また、普電サポート状態中でない場合(A2005の結果が「N」)、即ち、通常遊技状態や特別遊技状態等では、不正監視が不要な入賞口スイッチ(始動口1スイッチ36a)を有する始動入賞口36(第1始動入賞口)に対して、普通変動入賞装置37(第2始動入賞口)よりも先に、入賞口監視を実行できる。
なお、図15B(II)のように、普電サポート状態中である場合(A2005の結果が「Y」)に、不正監視が不要な入賞口スイッチの始動入賞口のうち、一般入賞口35に対する入賞口監視だけ(入賞数カウンタ更新処理)を普通変動入賞装置37(第2始動入賞口)の入賞口監視(A2006、A2007)よりも先に実行すれば、普通変動入賞装置37(第2始動入賞口)よりも賞球数の多い一般入賞口35に対する入賞口監視を普通変動入賞装置37(第2始動入賞口)の入賞口監視よりも優先的に実行できる。
また、普電サポート状態以外の遊技状態(特別遊技状態や通常遊技状態など)では、得られる賞球(賞球数)の多い入賞口の順に、入賞口監視を優先的に行う。これにより、可能な限り大きな出玉率が優先的に求められ、遊技者の遊技に対する期待感を向上できる。
さらに、変形例として、図15Cに示すように、図15Aの入賞口スイッチ/状態監視処理のステップA2005〜A2009の処理を削除して、ステップA2010〜A2013の処理をステップA2004の後に実行してもよい。この場合には、全ての遊技状態で(遊技状態に依存せずに)、得られる賞球(賞球数)の多い入賞口の順(大入賞口→一般入賞口→第1始動入賞口→第2始動入賞口の順)に、入賞口監視を優先して実行できる。この場合には、可能な限り大きな出玉率が優先的に求められ、遊技者の遊技に対する期待感を向上できる。図15Cの入賞口スイッチ/状態監視処理は、得られる賞球数の多い順に各入賞口への入賞を監視して入賞があった場合には当該入賞の賞球数を加算して出玉率(賞球数の合計)や役物比率を算出する監視手段を構成する。
そして、遊技制御装置100は、ステップA2009又はA2013の後、アウト球検出スイッチ65に入力があるか否かを判定する(A2014)。アウト球検出スイッチ65に入力がある場合(A2014の結果が「Y」)、排出球数を1だけ加算するために排出球数を記憶する排出球数領域の値を+1更新し(A2015)、後述の出玉性能監視処理を実行する(A2016)。そして、アウト口30bへの入球があったことを示すアウト球検出コマンドを払出用シリアル送信バッファに書き込む(A2017)。その後、エラーが発生しているかなどの状態を監視すべき複数のスイッチ並びに信号のうちいずれのスイッチ又は信号を今回の監視の対象とするかを順番に指定するための状態スキャンカウンタを更新する(A2018)。
なお、本実施形態では、アウト球検出スイッチ65と各入賞口スイッチが遊技領域32の外部に排出される遊技球を検出することにより、排出球数を+1更新してカウントする(A2015、A2210)。しかし、球発射装置から発射される発射球の数が遊技領域32の外部に排出される遊技球の数に基本的に等しいため、球発射装置からの発射球を直接的に検出するスイッチ(センサ)を設けて、排出球数をカウントしてもよい。なお、球発射装置からの発射球には球発射装置への戻りがあるため、本実施形態のように、アウト球検出スイッチ65と各入賞口スイッチを使用した方が、排出球数は正確にカウントできる。
遊技制御装置100は、アウト球検出スイッチ65に入力がない場合(A2014の結果が「N」)、状態スキャンカウンタを更新する(A2018)。状態スキャンカウンタは0から3の範囲で更新される。状態スキャンカウンタの値に応じて、監視する状態を設定するための遊技機状態監視テーブル1を準備する(A2019)。そして、エラーが発生しているかなどの状態を判定する遊技機状態チェック処理を実行する(A2020)。なお、遊技機状態チェック処理の詳細は、後述する。
状態スキャンカウンタの値を遊技機状態監視テーブル1に参照することで、状態スキャンカウンタの値が0である場合はスイッチのコネクタ抜けなどの発生により出力される異常検知信号1に基づく状態(スイッチ異常1エラー)の監視が設定され、状態スキャンカウンタの値が1である場合は払出制御装置200からのシュート玉切れスイッチ信号に基づく状態(シュート球切れエラー)の監視が設定される。状態スキャンカウンタの値が2である場合はオーバーフロースイッチ信号に基づく状態(オーバーフローエラー)の監視が設定され、状態スキャンカウンタの値が3である場合は払出異常ステータス信号に基づく状態(払い出し異常エラー)の監視が設定される。
次に、遊技制御装置100は、状態スキャンカウンタの値に応じて、監視する状態を設定するための遊技機状態監視テーブル2を準備する(A2021)。そして、エラーが発生しているかなどの状態を判定する遊技機状態チェック処理を実行する(A2022)。
状態スキャンカウンタの値を遊技機状態監視テーブル2に参照することで、状態スキャンカウンタの値が0である場合はガラス枠開放検出スイッチから出力される信号に基づく状態(ガラス枠開放エラー)の監視が設定され、状態スキャンカウンタの値が1である場合は前面枠開放検出スイッチから出力される信号に基づく状態(本体枠開放エラー、前面枠開放エラー)の監視が設定される。また、状態スキャンカウンタの値が2である場合は枠電波不正信号に基づく状態(枠電波不正)の監視が設定され、状態スキャンカウンタの値が3である場合はタッチスイッチ信号に基づく状態の監視が設定される。
次に、遊技制御装置100は、状態スキャンカウンタの値が0であるか否かを判定する(A2023)。そして、エラースキャンカウンタの値が0でない場合には(A2023の結果が「N」)、入賞口スイッチ/状態監視処理を終了する。この場合は、次に参照する遊技機状態監視テーブル3に状態の監視対象がない場合である。
また、遊技制御装置100は、エラースキャンカウンタの値が0である場合には(A2023の結果が「Y」)、遊技機状態監視テーブル3を準備し(A2024)、エラーが発生しているかなどの状態を判定する遊技機状態チェック処理を実行する(A2025)。
状態スキャンカウンタの値を遊技機状態監視テーブル3に参照することで、状態スキャンカウンタの値が0である場合はスイッチのコネクタ抜けなどの発生により出力される異常検知信号2に基づく状態(スイッチ異常2エラー)の監視が設定される。なお、遊技機状態監視テーブル3には状態スキャンカウンタが1から3の場合は定義されていない。
その後、遊技制御装置100は、払出制御装置200が払出制御を開始可能であるかを示す払出ビジー信号に基づきビジー信号ステータス(払出ビジー信号フラグ)を設定する払出ビジー信号チェック処理を実行し(A2026)、入賞口スイッチ/状態監視処理を終了する。なお、払出ビジー信号チェック処理の詳細は、後述する。
なお、ステップA2024からA2026までの処理は、タイマ割込み毎に更新される状態スキャンカウンタの値が0の場合のみ実行されるため、4回のタイマ割込みに1回の割合で実行されることとなる。すなわち、タイマ割込みが4ms毎に行われる場合は、16ms毎にA2024からA2026までの処理が行われることとなる。
〔不正&入賞監視処理〕
図16は、不正&入賞監視処理の手順を示すフローチャートである。不正&入賞監視処理は、図15Aに示した入賞口スイッチ/状態監視処理におけるステップA2002、A2004、A2007、A2013にて実行される。
不正&入賞監視処理は、特別変動入賞装置39の大入賞口スイッチ39a、普通変動入賞装置37内の入賞口スイッチ(始動口2スイッチ37a)に対して行われる処理である。第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)や大入賞口(特別変動入賞装置39)については、ピアノ線や不正用の機材等を用いて無理やり開閉部材を開いて遊技球を入れて賞球を払い出させる不正が行われ易いため、入賞の検出の他に不正の監視をする。
遊技制御装置100は、まず、エラー監視対象の入賞口スイッチの不正監視期間フラグをチェックし(A2101)、不正監視期間中であるか否かを判定する(A2102)。例えば、不正監視期間とは、エラー監視対象の入賞口スイッチが大入賞口スイッチ39aである場合に特別変動入賞装置39を開放する特別遊技状態中以外の期間である。
そして、遊技制御装置100は、不正監視期間である場合には(A2102の結果が「Y」)、対象の入賞口スイッチに入力があるか否かを判定する(A2103)。対象の入賞口スイッチに入力がない場合には(A2103の結果が「N」)、対象の報知タイマ更新情報をロードする(A2112)。また、対象の入賞口スイッチに入力がある場合には(A2103の結果が「Y」)、対象の不正入賞数を+1更新し(A2104)、加算後の不正入賞数が監視対象の不正発生判定個数(例えば5個)以上であるか否かを判定する(A2105)。
判定個数を5個としている理由は、例えば、開状態にある大入賞口が閉状態に変換した際に遊技球が大入賞口の扉部材に挟まり、その遊技球がカウントスイッチの有効期間を過ぎて入賞した場合や信号にノイズがのった場合などを不正と判断しないようにするためであり、不正でないにもかかわらず容易にエラーと判定しないようにするためである。
そして、遊技制御装置100は、判定個数以上でない場合には(A2105の結果が「N」)、対象の入賞口スイッチの入賞口監視テーブルを準備する(A2110)。また、判定個数以上の場合には(A2105の結果が「Y」)、不正入賞数を不正発生判定個数に留め(A2106)、対象の不正入賞報知タイマ領域に初期値(例えば60000ms)をセーブする(A2107)。
次に、遊技制御装置100は、対象の不正発生コマンドを演出コマンドとして準備し(A2108)、さらに、不正フラグとして不正入賞発生フラグを準備する(A2109)。そして、準備した不正フラグを対象の不正フラグ領域の値と比較する(A2120)。
一方、遊技制御装置100は、不正監視期間でない場合には(A2102の結果が「N」)、対象の入賞口スイッチの入賞口監視テーブルを準備し(A2110)、賞球の設定を行う入賞数カウンタ更新処理を実行する(A2111)。入賞数カウンタ更新処理の詳細については、後述する。
そして、遊技制御装置100は、対象の報知タイマ更新情報をロードし(A2112)、報知タイマの更新許可の有無を判定する(A2113)。報知タイマの更新が許可されない場合には(A2113の結果が「N」)、不正&入賞監視処理を終了する。一方、報知タイマの更新が許可される場合には(A2113の結果が「Y」)、対象の報知タイマが0でなければ−1更新する(A2114)。なお、報知タイマの最小値は0に設定されている。
報知タイマの更新は、エラー監視対象の入賞口スイッチが普通変動入賞装置37内の入賞口スイッチ(始動口2スイッチ37a)である場合は許可される。また、報知タイマの更新は、エラー監視対象の入賞口スイッチが一方の大入賞口スイッチ39aである場合は許可され、エラー監視対象の入賞口スイッチが他方の大入賞口スイッチ39aである場合は許可されない。これにより、特別変動入賞装置39についての不正報知について、報知タイマの更新が倍の頻度で行われてしまい、規定時間(例えば60000ms)の半分でタイムアップしてしまうことを防止している。
その後、遊技制御装置100は、報知タイマの値が0であるか否かを判定し(A2115)、値が0でない場合(A2115の結果が「N」)、すなわち、タイムアップしていない場合には、不正&入賞監視処理を終了する。また、報知タイマの値が0である場合(A2115の結果が「Y」)、すなわち、タイムアップした又は既にタイムアップしていた場合は、対象の不正解除コマンドを演出コマンドとして準備し(A2116)、不正フラグとして不正入賞解除フラグを準備する(A2117)。そして、報知タイマの値が0になった瞬間であるか否かを判定する(A2118)。
遊技制御装置100は、報知タイマの値が0になった瞬間である場合(A2118の結果が「Y」)、すなわち、今回の不正&入賞監視処理で報知タイマの値が0になった場合には、対象の不正入賞数をクリアする(A2119)。
また、遊技制御装置100は、ステップA2119の処理が終了後、又は、報知タイマの値が0になった瞬間でない場合(A2118の結果が「N」)、すなわち、前回以前の不正&入賞監視処理で報知タイマの値が0になった場合には、準備した不正フラグを対象の不正フラグ領域の値と比較する(A2120)。
そして、遊技制御装置100は、準備した不正フラグと対象の不正フラグ領域の値が一致した場合には(A2120の結果が「Y」)、不正&入賞監視処理を終了する。また、準備した不正フラグと対象の不正フラグ領域の値が一致しない場合には(A2120の結果が「N」)、準備した不正フラグを対象の不正フラグ領域にセーブし(A2121)、演出コマンド設定処理を実行する(A2122)。その後、不正&入賞監視処理を終了する。
以上の処理により、不正の発生に伴い不正発生コマンドが演出制御装置300に送信され、不正の解除に伴い不正解除コマンドが演出制御装置300に送信されて、不正の報知の開始、終了が設定されることとなる。
〔入賞数カウンタ更新処理〕
図17Aは、入賞数カウンタ更新処理の手順を示すフローチャートである。入賞数カウンタ更新処理は、図15Aに示した入賞口スイッチ/状態監視処理のステップA2009、A2011、及び、図16に示した不正&入賞監視処理のステップA2111にて実行される。
遊技制御装置100は、まず、入賞口監視テーブルから監視する入賞口スイッチの個数を取得し(A2201)、対象の入賞口スイッチに入力(正確には入力の変化)があるか否かを判定する(A2202)。入力がない場合には(A2202の結果が「N」)、テーブルアドレスを次レコードのアドレスに更新し(A2216)、全スイッチの監視が終了したか否かを判定する(A2217)。なお、対象の入賞口スイッチが、左の入賞口スイッチ35a、右の入賞口スイッチ35b、始動口1スイッチ36aの順番に変わるように、テーブルアドレスが更新されていき、一般入賞口35の入賞口監視が、始動入賞口36(第1始動入賞口)よりも先に優先的に実行される。
一方、遊技制御装置100は、対象の入賞口スイッチに入力がある場合には(A2202の結果が「Y」)、対象の入賞数カウンタ領域1の値をロードし(A2203)、ロードした値を+1更新する(A2204)。なお、入賞数カウンタ領域では、対象の入賞口への入賞ごとにカウント数が+1更新(1だけ加算)され、対象の入賞口の入賞数(入賞回数)が記憶される。さらに、更新された値によってオーバーフローが発生するか否かを判定する(A2205)。
遊技制御装置100は、オーバーフローが発生していない場合には(A2205の結果が「N」)、更新後の値を入賞数カウンタ領域1にセーブする(A2206)。次に、対象の入賞数カウンタ領域1(対象の入賞口)に対応する賞球数を設定する(A2207)。そして、設定した賞球数を獲得球数領域の値に加算し(A2208)、設定した賞球数を対象の役物別獲得球数領域の値に加算し(A2209)、排出球数領域の値を+1更新する(A2210)。その後、出玉率と役物比率の算出や、排出球数表示部66、出玉率表示部67、役物比率表示部68の表示制御などを実行する出玉性能監視処理(後述)を実行する。
ステップA2204とA2209の処理では、所定期間(例えば、1分間)における一般入賞口35又は始動入賞口36、37への入賞数の変化が所定数(例えば、5個)を超えた場合、入賞数(入賞数カウンタ領域の値)を+1更新しないとともに、賞球数を役物別獲得球数領域の値に加算しない構成としてよい。即ち、このような場合、所定数を超えた分の入賞に関しては、役物比率を算出するための賞球数や入賞数のカウントを停止してよい。この構成によって、例えば、何等かの不具合の発生によって遊技者に適切に賞球を付与できなかった場合に、ホール(遊技店)の係員の補填処理によって極端に入賞数が増加してしまったとしても、役物比率を適切に算出することが可能となる。また、悪意のある者が一般入賞口35への入賞数を操作するために短時間で一般入賞口35等へ多数の遊技球を入賞させるような不正を未然に防止することができる。
なお、本実施形態では、アウト球検出スイッチ65と各入賞口スイッチが遊技領域32の外部に排出される遊技球を検出し、遊技制御装置100が排出球数を+1更新しカウントすることによって(A2015、A2210)、排出球数をカウントする排出球数カウント手段が構成されている。しかし、球発射装置から発射される遊技球の発射球数が遊技領域32の外部に排出される遊技球の排出球数に基本的に等しいため、球発射装置からの発射球を検出するスイッチ(センサ)を設けて、遊技制御装置100が発射球数をカウントすることによって、発射球数をカウントする排出球数カウント手段が、排出球数カウント手段の代わりに構成されてもよい。なお、球発射装置からの発射球には球発射装置への戻りがあるため、アウト球検出スイッチ65と各入賞口スイッチで遊技球を使用した方が、排出球数は正確にカウントできる。
遊技制御装置100は、ステップA2211の処理の終了後、又は、オーバーフローが発生した場合には(A2205の結果が「Y」)、対象の入賞数カウンタ領域2の値をロードする(A2212)。その後、遊技制御装置100は、ロードした値を+1更新し(A2213)、更新した値によってオーバーフローが発生するか否かを判定する(A2214)。
遊技制御装置100は、オーバーフローが発生しない場合には(A2214の結果が「N」)、更新後の値を入賞数カウンタ領域2にセーブする(A2215)。ステップA2215の処理の終了後、又は、オーバーフローが発生した場合には(A2214の結果が「Y」)、テーブルアドレスを次レコードのアドレスに更新する(A2216)。そして、全スイッチの監視が終了したか否かを判定する(A2217)。
遊技制御装置100は、全スイッチの監視が終了していない場合には(A2217の結果が「N」)、対象の入賞口スイッチに入力があるか否かを判定するステップA2202の処理に戻る。また、全スイッチの監視が終了した場合には(A2217の結果が「Y」)、入賞数カウンタ更新処理を終了する。以上の処理により、入賞領域への入賞に基づき入賞数カウンタ領域1及び2が更新されて入賞の情報(入賞数、入賞回数)が記憶されることとなる。
次に、図17Bを参照して、排出球数を記憶する排出球数領域、排出球数100個当りにおける獲得球数(賞球数の合計)を記憶する獲得球数領域、電源投入からの役物別獲得球数を記憶する役物別獲得球数領域について説明する。排出球数領域、獲得球数領域、役物別獲得球数領域は、遊技制御装置100のRWM(リードライトメモリ:RAMやEEPROM等)に設けられる。
獲得球数は、出玉率を得るために使用される。役物別獲得球数は、役物比率を計算するために使用される。各役物別獲得球数は、入賞口(役物)ごとの獲得球数である(ただし、大入賞口に関しては大当り状態中と小当り状態中を区別している)。また、各役物別獲得球数の合計値(合計数)を算出すると、入賞口に入賞したことで得られた全賞球数が得られる。役物比率は、例えば、各役物別獲得球数の合計値に対して、大当り中の大入賞口への入賞による賞球数の合計が占める割合である。
図17B(I)のように、排出球数領域は、1バイトのサイズの記憶領域であり、本実施形態では、0〜99の値を記憶するために用いられる。図17B(II)のように、獲得球数領域は、2バイトのサイズの記憶領域であり、0〜1500の値を記憶するために用いられる。
図17B(III)のように、各役物別獲得球数領域は、2バイトのサイズの記憶領域であり、0〜65535の値を記憶するために用いられる。なお、各役物別獲得球数領域は、3バイトのサイズ以上の記憶領域としてもよい。また、上限を超える場合は上限値(65535)に留める。各役物別獲得球数領域は、複数の一般入賞口35への入賞による賞球数の合計を記憶する領域、第1始動入賞口36(始動口1)への入賞による賞球数の合計を記憶する領域、普通変動入賞装置37(始動口2)への入賞による賞球数の合計を記憶する領域、大当り中の大入賞口への入賞による賞球数の合計を記憶する領域、小当り中(大当り中以外)の大入賞口への入賞による賞球数の合計を記憶する領域に対応する。
〔出玉性能監視処理〕
図18は、出玉性能監視処理の手順を示すフローチャートである。出玉性能監視処理は、入賞数カウンタ更新処理のステップA2211にて実行される。
遊技制御装置100は、まず、排出球数が100個(所定個数)以上であるか否かを判定する(A2301)。排出球数が100個より小さい場合(A2301の結果が「N」)、ステップA2313の処理に移行する。排出球数が100個以上の場合(A2301の結果が「Y」)、出玉率表示部67に表示される出玉率を最新の出玉率へ更新するために、獲得球数領域(RWM内)の値をロードする(A2302)。獲得球数領域には、排出球数100個当りの獲得球数(賞球数の合計)、即ち、出玉率が記憶されている。そして、獲得球数が100以上であるか否か判定する(A2303)。
遊技制御装置100は、獲得球数が100より小さい場合(A2303の結果が「N」)、出玉率表示部67のセグメント(発光部)の発光色(本実施形態では赤又は緑)を示すカラーナンバーを記憶するセグメントカラーナンバー領域(RWM内)の値を更新し(A2304)、獲得球数(即ち出玉率%)に対応するセグメントデータをカラーナンバーに対応するセグメント領域にセーブする(A2305)。なお、カラーナンバーに対応しないセグメント領域は0クリアする。このようにして、出玉率表示部67において、発光色を変化させて出玉率表示を更新表示することができ(例えば赤から緑へと)、出玉率を更新したことを遊技者に認識させることができる。
このように、ステップA2301〜A2305の処理によって、排出球数が100個(所定個数)になる毎に出玉率(獲得球数、賞球数の合計)を出玉率表示部67に更新表示できる。なお、排出球数が100個になるタイミングで複数の入賞口に同時に複数の入賞があった場合には、図15Bのように各入賞口に対して予め定めた優先順位に基づいて、複数の入賞のうち優先順位の高い入賞口への入賞を採用し、採用された入賞の賞球数を加算して出玉率(獲得球数、賞球数の合計)が算出される(優先算出手段)。これにより、特に通常遊技状態と特別遊技状態において、排出球数が100個(所定個数)になるタイミングで、可能な限り大きな出玉率が求められ、遊技者の遊技に対する期待感を向上できる。また、特定遊技状態(普電サポート状態)では、普通変動入賞装置37への入賞が多いため、普通変動入賞装置37への入賞が優先して採用される。なお、複数の入賞のうち採用されなかった入賞による賞球数は、次回のタイマ割込み処理における出玉性能監視処理において出玉率(獲得球数、賞球数の合計)に加算される。
また、図15Cのように、得られる賞球(賞球数)の多い入賞口の順(大入賞口→一般入賞口→第1始動入賞口→第2始動入賞口の順)に、入賞口監視(出玉率の計算)を優先する場合には、排出球数が100個になるタイミングで、可能な限り大きな出玉率が求められ、遊技者の遊技に対する期待感を向上できる。
遊技制御装置100は、獲得球数が100以上である場合(A2303の結果が「Y」)、セグメントカラーナンバー領域の値を初期値(例えば赤に対応)に設定し(A2306)、「99」の点滅表示用のセグメントデータをカラーナンバーに対応するセグメント領域にセーブする(A2307)。出玉率表示部67において出玉率は0から99までしか表示できないため、このようにして獲得球数(出玉率)が100以上になると「99」を一色(例えば赤)だけで点滅表示させる。特に、特別遊技状態(大当り)中において出玉率が100以上になるが、出玉率表示を更新する場合も一色にして頻繁に出玉率表示の色が変化することを防止する。なお、特別遊技状態(大当り)中において、出玉率表示部67を消灯して出玉率を非表示にする構成も可能であるが、この場合には、獲得球数(出玉率)が100以上で出玉率表示を更新する場合に、出玉率表示の色変化を行ってもよい。
遊技制御装置100は、獲得球数に対応するコマンドを演出コマンドとして準備し(A2308)、演出コマンド設定処理を実行する(A2309)。これにより、演出制御装置300は、表示装置41において、出玉率(獲得球数)を表示できる。なお、ここでのコマンドは、出玉率表示部67において表示する100未満の数値の出玉率(獲得球数)(1バイトの範囲)に対応する。
次に、遊技制御装置100は、出玉率に関する信号データをRWM内の試験信号出力データ領域にセーブする(A2310)。これにより、遊技情報出力手段としての出力処理(図11のA1621)を介して、中継基板70さらに外部の試射試験装置へ出玉率に関する信号データが出力される。そして、試射試験装置に出力した出玉率と試射試験装置で求めた出玉率を比較してエラー(不一致)が生じていないか確認できる。ここでの出玉率は、獲得球数領域からロードされた値をそのまま用い、100以上の値であってよい。なお、出玉率に関する信号データとして、特定の入賞口へ入賞があったことを示す情報と排出球数のデータをそのまま外部の試射試験装置に出力して、試射試験装置で出玉率を算出する構成も可能である。また、出玉率が所定値以上又は所定値以下の異常値である場合に、出玉率に関する信号データ(数値)ではなく、異常を報知する信号データ(オン信号)を試験信号出力データ領域にセーブして試射試験装置へ出力する構成も可能である(正常値である場合にはオフ信号)。次に、獲得球数領域を0クリアし(A2311)、排出球数領域を0クリアする(A2312)。
遊技制御装置100は、ステップA2312の後、又は、排出球数が100個より小さい場合(A2301の結果が「N」)、図17B(III)に示した各役物別獲得球数領域の値の合計値(全賞球数)を算出する(A2313)。次に、大当り状態中の大入賞口への入賞による賞球数の合計である役物獲得球数(大入賞口(大当り分))をロードし(A2314)、役物獲得球数(大入賞口(大当り分))に基づいて、役物比率として(役物獲得球数÷合計値)×100(%)を算出する(A2315)。ここで、合計値は、各役物別獲得球数を合計したもので、入賞口に入賞したことで得られた全賞球数に対応する。役物比率は小数第1位まで算出するが、小数が扱い難いため、役物比率の10倍の値を算出してよい。
なお、役物比率の算出に用いる役物獲得球数には、役物獲得球数(大入賞口(大当り分))だけでなく、役物獲得球数(大入賞口(小当り分))及び/又は役物獲得球数(普通変動入賞装置)を含めてよい。なお、役物獲得球数(大入賞口(小当り分))は、小当り状態中に大入賞口に入賞したことで得られた賞球数の合計であり、役物獲得球数(普通変動入賞装置)は、普通変動入賞装置37(第2始動入賞口)に入賞したことで得られた賞球数の合計である。
その後、遊技制御装置100は、算出結果に対応するセグメントデータを、役物比率表示部68のセグメントに対応するセグメント領域にセーブする(A2316)。これにより、出力処理(図11のA1610)を介して、役物比率表示部68において役物比率を表示することができる。次に、役物比率の算出結果(A2315)に対応するコマンドを演出コマンドとして準備し(A2317)、演出コマンド設定処理を実行する(A2318)。これにより、演出制御装置300は、表示装置41において、役物比率を表示できる。なお、ここでのコマンドは、役物比率の10倍の値(0〜1000)(2バイトの範囲)に対応させてよい。
次に、遊技制御装置100は、役物比率に関する信号データを試験信号出力データ領域にセーブする(A2319)。これにより、遊技情報出力手段としての出力処理(図11のA1622)を介して、中継基板70さらに外部の試射試験装置へ役物比率に関する信号データが出力し、役物比率に関する情報が報知(表示)できる。そして、試射試験装置に出力した役物比率と試射試験装置で求めた役物比率を比較してエラー(不一致)が生じていないか確認できる。なお、役物比率に関する信号データとして、各役物獲得球数のデータをそのまま外部の試射試験装置に出力して、試射試験装置で役物比率を算出する構成も可能である。
次に、遊技制御装置100は、排出球数領域の値をロードし(A2320)、(100−排出球数)の値を算出し(A2321)、この算出結果に対応するセグメントデータを、排出球数表示部66のセグメントに対応するセグメント領域にセーブする(A2322)。これにより、出力処理(図11のA1610)を介して、排出球数表示部66において排出球数がカウントダウン表示で表示される。なお、カウントアップ表示する場合には、排出球数領域の値に対応するセグメントデータをそのままセグメント領域にセーブすればよい。また、この算出結果に対応するコマンドを演出コマンドとして準備し(A2323)、演出コマンド設定処理を実行する(A2324)。これにより、演出制御装置300は、表示装置41において、排出球数をカウントダウン表示によって表示できる。なお、ここでのコマンドは、排出球数表示部66において表示する100未満の数値の排出球数(1バイトの範囲)に対応する。その後、出玉性能監視処理を終了する。
なお、変形例として、排出球数の値、獲得球数の値、各役物別獲得球数領域の値をデータとして演出制御装置300に送信し、演出制御装置300において、出玉率や役物比率を計算してもよい。また、ステップA2310とA2319において、出玉率や役物比率に関する信号データや、出玉率や役物比率が異常値(所定値以上又は所定値以下の値)であることを報知する信号データなどを、外部情報信号として、遊技店に設置された外部装置(情報収集端末や遊技場内部管理装置(ホールコンピュータ)など)に出力し、出玉率や役物比率に関する情報や異常値であることを報知(表示)可能としてもよい。
〔遊技機状態チェック処理〕
図19は、遊技機状態チェック処理の手順を示すフローチャートである。遊技機状態チェック処理は、図15Aに示した入賞口スイッチ/状態監視処理におけるステップA2020、A2022及びA2025にて実行される。
遊技制御装置100は、まず、状態スキャンカウンタに対応する状態監視テーブルを取得する(A2401)。状態スキャンカウンタは遊技状態に対応して0から3の範囲の値が設定されている。なお、状態監視テーブルと状態スキャンカウンタとの関係については、図15Aに示した入賞口スイッチ/状態監視処理にて説明した通りである。
続いて、遊技制御装置100は、チェック対象の信号がオンであるか否かを判定する(A2402)。チェック対象の信号がオンでない場合(A2402の結果が「N」)、すなわち、チェック対象の信号がオフの場合には、状態フラグとして状態オフフラグを準備し(A2403)、対象の状態オフコマンドを取得し、準備する(A2404)。さらに、対象の状態オフ監視タイマ比較値を取得する(A2405)。状態オフフラグは、エラー系の信号に関しては、正常状態を示し、タッチスイッチ信号に関しては、タッチ無しの状態を示す。
一方、遊技制御装置100は、チェック対象の信号がオンの場合には(A2402の結果が「Y」)、状態フラグとして状態オンフラグを準備し(A2406)、対象の状態オンコマンドを取得し、準備する(A2407)。さらに、対象の状態オン監視タイマ比較値を取得する(A2408)。状態オンフラグは、エラー系の信号に関しては、異常又は不正状態を示し、タッチスイッチ信号に関しては、タッチ有りの状態を示す。
ステップA2405又はステップA2408の処理が終了すると、遊技制御装置100は、対象の信号制御領域の値が取得された信号の状態と一致するか否かを判定する(A2409)。一致する場合には(A2409の結果が「Y」)、ステップA2412の処理に移行する。一致していない場合には(A2409の結果が「N」)、対象の信号制御領域に取得した信号状態をセーブし(A2410)、対象の状態監視タイマをクリアする(A2411)。
続いて、遊技制御装置100は、対象の状態監視タイマを+1更新する(A2412)。さらに、更新された状態監視タイマの値が対応するタイマ比較値以上であるか否かを判定する(A2413)。更新された状態監視タイマの値が対応するタイマ比較値未満の場合には(A2413の結果が「N」)、遊技機状態チェック処理を終了する。
一方、遊技制御装置100は、更新された状態監視タイマの値が対応するタイマ比較値以上の場合には(A2413の結果が「Y」)、状態監視タイマを−1更新し、タイマ比較値−1の値に留める(A2414)。さらに、準備した状態フラグが対象の状態フラグ領域の値と一致するか否かを判定する(A2415)。一致している場合には(A2415の結果が「Y」)、遊技機状態チェック処理を終了する。
一方、遊技制御装置100は、準備した状態フラグが対象の状態フラグ領域の値と一致していない場合には(A2415の結果が「N」)、準備した状態フラグを対象の状態フラグ領域にセーブする(A2416)。最後に、演出コマンドを設定する演出コマンド設定処理を実行し(A2417)、遊技機状態チェック処理を終了する。ここでの演出コマンドは、状態オフコマンドか状態オンコマンドの何れかである。状態オンコマンドがエラー系のコマンドであれば、演出制御装置300にエラー報知を開始させる。
〔払出ビジー信号チェック処理〕
図20は、払出ビジー信号チェック処理の手順を示すフローチャートである。払出ビジー信号チェック処理は、図15Aに示した入賞口スイッチ/状態監視処理におけるステップA2026にて実行される。
遊技制御装置100は、まず、払出制御装置200から入力される払出ビジー信号がオンであるか否かを判定する(A2501)。なお、払出ビジー信号は、払出制御装置200が払出制御を開始できない場合にオン状態とされるようになっている。
遊技制御装置100は、払出ビジー信号がオンでない場合には(A2501の結果が「N」)、判定ステータスとしてアイドル状態フラグを準備し(A2502)、オフ確定監視タイマ比較値(例えば32msec)を設定する(A2503)。一方、払出ビジー信号がオンである場合には(A2501の結果が「Y」)、判定ステータスとしてビジー状態フラグを準備し(A2504)、オン確定監視タイマ比較値(例えば32msec)を設定する(A2505)。
その後、遊技制御装置100は、ビジー信号状態領域の値が今回の払出ビジー信号の状態(オン/オフ)に一致するものであるか否かを判定する(A2506)。一致する場合(A2506の結果が「Y」)、ステップA2509の処理に移行する。一致しない場合(A2506の結果が「N」)、ビジー信号状態領域に今回の払出ビジー信号の状態をセーブし(A2507)、ビジー信号監視タイマを0クリアする(A2508)。
次に、遊技制御装置100は、ビジー信号監視タイマを+1更新し(A2509)、監視タイマはタイマ比較値以上であるか否かを判定する(A2510)。監視タイマがタイマ比較値未満である場合(A2510の結果が「N」)、払出ビジー信号チェック処理を終了する。
遊技制御装置100は、監視タイマはタイマ比較値以上である場合(A2510の結果が「Y」)、ビジー信号監視タイマを−1更新して、タイマ比較値より1だけ小さい値に留め(A2511)、準備した状態フラグを払出ビジー信号フラグ領域(ビジー信号ステータス領域)にセーブし(A2512)、払出ビジー信号チェック処理を終了する。
払出ビジー信号チェック処理により、払出ビジー信号に基づき払出ビジー信号フラグ(ビジー信号ステータス)が設定される。この際に、払出ビジー信号の状態が変化してもすぐにはビジー信号フラグを変更せず、タイマ比較値に亘り変化した状態が継続した場合にビジー信号フラグを変更するようにしており、ノイズ等の影響を受け難くしている。
また、電源投入時にビジー信号フラグがクリアされるので、いずれかの信号状態がタイマ比較値に亘り継続するまではビジー信号フラグは設定されず不定状態となる。これにより、停電が発生し該停電から復帰した場合には、払出制御装置200から払出制御を開始可能であることを示す状態信号が出力されていたとしても、直ちに賞球指令が払出制御装置200に送信されないようになり、払出制御装置200から払出制御を開始可能であることを示す状態信号が所定期間に亘って継続して出力されたことに対応して賞球指令が払出制御装置200に送信されるようになる。これにより、払出制御装置200が賞球指令を受信して即座に払出処理が可能なことを確実に把握してから賞球指令を送信するようになり、賞球指令に対応する払出制御が行われないことを防止できる。
〔特図ゲーム処理〕
次に、前述のタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(A1309)の詳細について説明する。図21は、特図ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入力の監視と、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図の表示の設定を行う。
遊技制御装置100は、まず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入賞を監視する始動口スイッチ監視処理を実行する(A2601)。始動口スイッチ監視処理では、始動入賞口36、第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置37に遊技球が入賞すると、各種乱数(大当り乱数など)を抽出し、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。なお、始動口スイッチ監視処理の詳細については後述する。
次に、遊技制御装置100は、大入賞口スイッチ監視処理を実行する(A2602)。大入賞口スイッチ監視処理では、特別変動入賞装置39内に設けられたカウントスイッチ39aでの遊技球の検出を監視する。なお、大入賞口スイッチ監視処理の詳細については後述する。
次に、遊技制御装置100は、特図ゲーム処理タイマが0でなければ−1更新する(1だけ減算する)(A2603)。特図ゲーム処理タイマは、−1更新によって、タイマ割込み処理の割込み周期(4msec)の分だけ計時されることになる。なお、特図ゲーム処理タイマの最小値は0に設定されている。次に、特図ゲーム処理タイマが0であるか否かを判定する(A2604)。特図ゲーム処理タイマが0でない場合(A2604の結果が「N」)、ステップA2619の処理に移行する。
遊技制御装置100は、特図ゲーム処理タイマが0である場合(A2604の結果が「Y」)、すなわち、タイムアップした又は既にタイムアップしていた場合には、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する(A2605)。さらに、特図ゲームシーケンス分岐テーブルを用いて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(A2606)。続いて、特図ゲーム処理番号によるサブルーチンコールを行って、特図ゲーム処理番号に応じたゲーム分岐処理を実行する(A2607)。
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「0」の場合には、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定、演出の設定や、特図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図普段処理を実行する(A2608)。なお、特図普段処理の詳細については、図27にて後述する。
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「1」の場合には、特図の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図変動中処理を実行する(A2609)。なお、特図変動中処理の詳細については、図41にて後述する。
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「2」の場合には、特図変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図表示中処理を実行する(A2610)。なお、特図表示中処理の詳細については、図42にて後述する。
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「3」の場合には、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理を実行する(A2611)。なお、ファンファーレ/インターバル中処理の詳細については、図47にて後述する。
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「4」の場合には、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであればエンディングコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理を実行する(A2612)。なお、大入賞口開放中処理の詳細については、図48にて後述する。
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「5」の場合には、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理を実行する(A2613)。なお、大入賞口残存球処理の詳細については、図49にて後述する。
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「6」の場合には、特図普段処理を実行するために必要な情報の設定等を行う大当り終了処理を実行する(A2614)。なお、大当り終了処理の詳細については、図50にて後述する。
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「7」の場合には、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、小当り中処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当りファンファーレ中処理を実行する(A2615)。なお、小当りファンファーレ中処理の詳細については、図54にて後述する。
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「8」の場合には、小当り残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当り中処理を実行する(A2616)。なお、小当り中処理の詳細については、図55にて後述する。
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「9」の場合には、小当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当り残存球処理を実行する(A2617)。なお、小当り残存球処理の詳細については、図57にて後述する。
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「10」の場合には、特図普段処理を実行するために必要な情報の設定等を行う小当り終了処理を実行する(A2618)。なお、小当り終了処理の詳細については、図58にて後述する。
特図ゲーム処理番号に基づく処理が終了すると、遊技制御装置100は、特図1表示器51の変動を制御するための特図1変動制御テーブルを準備した後(A2619)、特図1表示器51に係る図柄変動制御処理を実行する(A2620)。そして、特図2表示器52の変動を制御するための特図2変動制御テーブルを準備した後(A2621)、特図2表示器52に係る図柄変動制御処理を実行する(A2622)。なお、図柄変動制御処理の詳細については、図60にて後述する。
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(A2601)の詳細について説明する。図22は、始動口スイッチ監視処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、始動入賞口36(始動口1)に対する入賞監視テーブルを準備し(A2701)、ハード乱数取得処理を実行し(A2702)、始動入賞口36への入賞があるか否かを判定する(A2703)。始動入賞口36への入賞がない場合(A2703の結果が「N」)には、ステップA2709以降の処理を実行する。一方、始動入賞口36への入賞がある場合(A2703の結果が「Y」)、特図時短中(普電サポート状態中)であるか否かを判定する(A2704)。
遊技制御装置100は、特図時短中(普電サポート状態中)でないと判定した場合(A2704の結果が「N」)、ステップA2707以降の処理を実行する。一方、特図時短中(普電サポート状態中)である場合(A2704の結果が「Y」)、右打ち指示報知コマンドを演出コマンドとして準備して(A2705)、演出コマンド設定処理を実行する(A2706)。
即ち、普電サポート状態(時短状態)であれば、変動表示ゲームの確率状態(高確率状態/低確率状態)にかかわらず、右打ち指示報知コマンドを準備して、演出コマンド設定処理を実行する。本実施形態の場合、始動入賞口36へは左打ちでないと入賞せず、普通変動入賞装置37へは右打ちでないと入賞しない。また、右打ちでないと、遊技球が普図始動ゲート34を通過しない。したがって、普電サポート状態(時短状態)は、左打ちよりも右打ちの方が有利となるが、普電サポート状態中に始動入賞口36に入賞があった場合(すなわち、普電サポート状態中に左打ちされた場合)には、右打ち指示報知コマンドを演出制御装置300に送信し、演出制御装置300は、右打ちするよう指示する報知(警告)を表示装置41等によって実行する。
次に、遊技制御装置100は、始動入賞口36(始動口1)による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(A2707)、特図始動口スイッチ共通処理を実行する(A2708)。そして、第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)に対する入賞監視テーブルを準備し(A2709)、ハード乱数取得処理を実行し(A2710)、第2始動入賞口への入賞があるか否かを判定する(A2711)。第2始動入賞口への入賞がない場合(A2711の結果が「N」)には、始動口スイッチ監視処理を終了する。
一方、遊技制御装置100は、第2始動入賞口への入賞がある場合(A2711の結果が「Y」)には、普通電動役物(普通変動入賞装置37)が作動中であるか否か、すなわち、普通変動入賞装置37が作動して遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かを判定する(A2712)。普通電動役物が作動中である場合(A2712の結果が「Y」)、ステップA2714の処理に移行する。
一方、遊技制御装置100は、普通電動役物が作動中でない場合(A2712の結果が「N」)、普電不正発生中であるかを判定する(A2713)。普通変動入賞装置37への不正入賞数が不正発生判定個数(例えば5個)以上である場合に普電不正発生中であると判定する。普通変動入賞装置37は、閉状態では遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。従って、閉状態で遊技球が入賞した場合は何らかの異常や不正が発生した場合であり、このような閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数する。そして、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上である場合に不正発生中と判定する。
遊技制御装置100は、普電不正発生中でない場合(A2713の結果が「N」)、第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(A2714)、特図始動口スイッチ共通処理を実行し(A2715)、始動口スイッチ監視処理を終了する。また、A2713にて、普電不正発生中である(A2713の結果が「Y」)と判定した場合にも、始動口スイッチ監視処理を終了する。すなわち、第2始動記憶をそれ以上発生させないようにする。
〔ハード乱数取得処理〕
次に、始動口スイッチ監視処理におけるハード乱数取得処理(A2702、A2710)の詳細について説明する。図23は、ハード乱数取得処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、始動口入賞がないことを示す始動口入賞なし情報を設定する(A2801)。次に、対象のスイッチに入力があった否かを判定し(A2802)、対象のスイッチに入力がなかった場合(A2802の結果が「N」)、ハード乱数取得処理を終了する。なお、対象のスイッチは、ステップA2702のハード乱数取得処理では、始動口1スイッチ36aであり、ステップA2710のハード乱数取得処理では、始動口2スイッチ37aである。
遊技制御装置100は、対象のスイッチに入力があった場合(A2802の結果が「Y」)、乱数ラッチレジスタステータス(乱数ラッチレジスタの状態)を読み込み、対象の乱数ラッチレジスタにラッチデータあるか否かを判定する(A2803、A2804)。対象の乱数ラッチレジスタにラッチデータない場合(A2804の結果が「N」)、ハード乱数取得処理を終了する。
遊技制御装置100は、対象の乱数ラッチレジスタにラッチデータある場合(A2804の結果が「Y」)、対象のハード乱数ラッチレジスタに抽出された大当り乱数をロードして準備し(A2805)、始動口入賞があることを示す始動口入賞あり情報を設定する(A2806)。なお、準備した大当り乱数は、特図始動口スイッチ共通処理で使用される。
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(A2708、A2715)の詳細について説明する。図24は、特図始動口スイッチ共通処理の手順を示すフローチャートである。特図始動口スイッチ共通処理は、始動口1スイッチ36aや始動口2スイッチ37aの入力があった場合に、各々の入力について共通して行われる処理である。
遊技制御装置100は、まず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチへの入賞の回数に関する情報を遊技機10の外部の管理装置に対して出力する回数である始動口信号出力回数をロードし(A2901)、ロードした値を+1更新して(A2902)、出力回数がオーバーフローするか否かを判定する(A2903)。出力回数がオーバーフローしない場合(A2903の結果が「N」)、更新後の値をRWMの始動口信号出力回数領域にセーブして(A2904)、ステップA2905の処理に移行する。一方、出力回数がオーバーフローする場合(A2903の結果が「Y」)、ステップA2905の処理に移行する。本実施形態では、始動口信号出力回数領域に「0」から「255」までの値を記憶することができる。そして、ロードした値が「255」である場合には+1更新によって更新後の値は「0」になり、出力回数がオーバーフローすると判定するよう構成されている。
次に、遊技制御装置100は、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチに対応する更新対象の特図保留数(始動記憶数)が上限値未満か否かを判定する(A2905)。更新対象の特図保留数が上限値未満でない場合(A2905の結果が「N」)は、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。また、更新対象の特図保留数が上限値未満である場合(A2905の結果が「Y」)は、更新対象の特図保留数(特図1保留数又は特図2保留数)を+1更新して(A2906)、対象の始動口入賞フラグをセーブする(A2907)。
次に、遊技制御装置100は、監視対象の始動口スイッチ及び特図保留数に対応する乱数格納領域のアドレスを算出して(A2908)、ステップA2805にて準備した大当り乱数をRWMの大当り乱数格納領域にセーブする(A2909)。次に、監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数を抽出し、準備して(A2910)、RWMの大当り図柄乱数格納領域にセーブする(A2911)。
次に、遊技制御装置100は、始動入賞口36(始動口1)への入賞であるか否かを判定する(A2912)。始動入賞口36への入賞でない場合(A2912の結果が「N」)には、ステップA2915の処理に移行する。一方、始動入賞口36への入賞である場合(A2912の結果が「Y」)、小当り図柄乱数を抽出し、準備して(A2913)、RWMの小当り図柄乱数格納領域にセーブする(A2914)。
次に、遊技制御装置100は、変動パターン乱数1から3を対応するRWMの変動パターン乱数格納領域にセーブして(A2915)、特図保留情報判定処理を実行する(A2916)。そして、監視対象の始動口スイッチ及び特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを演出コマンドとして準備し(A2917)、演出コマンド設定処理(A2918)を実行して、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
ここで、遊技制御装置100(RAM111c)は、始動入賞口36や普通変動入賞装置37の始動入賞領域への遊技球の流入に基づき、所定の乱数を抽出し前記変動表示ゲームの実行権利となる始動記憶として所定数を上限に記憶する始動記憶手段をなす。また、始動記憶手段(遊技制御装置100)は、第1始動入賞口(始動入賞口36)への遊技球の入賞に基づき抽出した各種の乱数値を、所定数を上限に第1始動記憶として記憶し、第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づき抽出した各種の乱数値を、所定数を上限に第2始動記憶として記憶する。
〔特図保留情報判定処理〕
次に、始動口スイッチ共通処理における特図保留情報判定処理(A2916)の詳細について説明する。図25は、特図保留情報判定処理の手順を示すフローチャートである。特図保留情報判定処理は、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み(事前判定)処理である。
遊技制御装置100は、まず、ステップA2907にてセーブした始動口入賞フラグをチェックして、始動入賞口36(始動口1)への入賞であるか否かを判定する(A3001)。始動入賞口36への入賞でない場合(A3001の結果が「N」)、ステップA3004の処理に移行する。一方、始動入賞口36への入賞である場合(A3001の結果が「Y」)には、特図時短中(普電サポート状態中)であるか否かを判定する(A3002)。
遊技制御装置100は、特図時短中(普電サポート状態中)である場合(A3002の結果が「Y」)、特図保留情報判定処理を終了する。一方、特図時短中でない場合(A3002の結果が「N」)には、大当り中または小当り中であるか否かを判定する(A3003)。大当り中または小当り中である場合(A3003の結果が「Y」)、特図保留情報判定処理を終了する。
一方、遊技制御装置100は、大当り中または小当り中でない場合(A3003の結果が「N」)、大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かにより大当りであるかを判定する大当り判定処理を実行する(A3004)。そして、判定結果が大当りである場合(A3005の結果が「Y」)は、対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄乱数チェックテーブルを設定し(A3006)、ステップA2910にて準備した大当り図柄乱数に対応する停止図柄情報を取得して(A3007)、ステップA3014の処理に移行する。
遊技制御装置100は、判定結果が大当りでない場合(A3005の結果が「N」)は、第1始動口(始動入賞口36)への入賞であるか否かを判定する(A3008)。始動入賞口36への入賞でない場合(A3008の結果が「N」)、はずれの停止図柄情報を設定して(A3013)、ステップA3014の処理に移行する。
遊技制御装置100は、始動入賞口36への入賞である場合(A3008の結果が「Y」)、大当り乱数値が小当り判定値と一致するか否かにより小当りであるかを判定する小当り判定処理を実行する(A3009)。そして、判定結果が小当りでない場合(A3010の結果が「N」)、はずれの停止図柄情報を設定して(A3013)、ステップA3014の処理に移行する。一方、判定結果が小当りである場合(A3010の結果が「Y」)には、小当り図柄乱数チェックテーブルを設定し(A3011)、ステップA143にて準備した小当り図柄乱数に対応する停止図柄情報を取得して(A3012)、ステップA3014の処理に移行する。
次に、遊技制御装置100は、対象の始動口スイッチ及び停止図柄情報に対応する先読み停止図柄コマンドを演出コマンドとして準備し(A3014)、演出コマンド設定処理を実行する(A3015)。次に、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理を行い(A3016)、特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理を実行する(A3017)。
その後、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの変動態様における前半変動パターンを示す前半変動番号及び後半変動パターンを示す後半変動番号に対応する先読み変動パターンコマンドを演出コマンドとして準備して(A3018)、演出コマンド設定処理を行い(A3019)、特図保留情報判定処理を終了する。なお、ステップA3016における特図情報設定処理、ステップA3017における変動パターン設定処理は、特図普段処理で特図変動表示ゲームの開始時に実行される処理と同様である。
以上の処理により、先読み対象の始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果を含む先読み図柄コマンドと、当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームでの変動パターンの情報を含む先読み変動パターンコマンドが準備され、演出制御装置300に送信される。これにより、始動記憶に対応した結果関連情報(大当りか否かや変動パターンの種類)の判定結果(先読み結果)を、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に演出制御装置300に対して知らせることができ、特に表示装置41に表示される飾り特図始動記憶表示を変化させるなどして、その特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に遊技者に結果関連情報を報知することが可能となる。
すなわち、遊技制御装置100が、始動記憶手段(遊技制御装置100)に始動記憶として記憶される乱数を、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行前に判定する(例えば特別結果となるか否か等を判定)事前判定手段をなす。なお、始動記憶に対応して記憶された乱数値を事前に判定する時期は、当該始動記憶が発生した始動入賞時だけではなく、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームが行われる前であればいつでもよい。
〔大入賞口スイッチ監視処理〕
次に、特図ゲーム処理における大入賞口スイッチ監視処理(A2602)の詳細について説明する。図26は、大入賞口スイッチ監視処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、特図ゲーム処理番号の値が「4」であるか、すなわち大入賞口開放中処理中であるか否かを判定する(A3101)。大入賞口開放中処理中である場合(A3101の結果が「Y」)、ステップA3105の処理に移行する。また、大入賞口開放中処理中でない場合(A3101の結果が「N」)、特図ゲーム処理番号の値が「5」であるか、すなわち大入賞口残存球処理中であるか否かを判定する(A3102)。
遊技制御装置100は、大入賞口残存球処理中である場合(A3102の結果が「Y」)、ステップA3105の処理に移行する。また、大入賞口残存球処理中でない場合(A3105の結果が「N」)、特図ゲーム処理番号の値が「8」であるか、すなわち小当り中処理中であるか否かを判定する(A3103)。小当り中処理中である場合(A3104の結果が「Y」)、ステップA3105の処理に移行する。また、小当り中処理中でない場合(A3103の結果が「N」)、特図ゲーム処理番号の値が「9」であるか、すなわち小当り残存球処理中であるか否かを判定する(A3104)。特図ゲーム処理タイマが0になるまで特図ゲーム処理番号は次に移行しないため、このように特図ゲーム処理番号によって遊技の進行状態をチェックすることができる。
遊技制御装置100は、小当り残存球処理中でない場合(A3104の結果が「N」)、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。また、小当り残存球処理中である場合(A3104の結果が「Y」)は、ステップA3105の処理に移行する。そして、入賞カウンタに0をセットして(A3105)、大入賞口スイッチ1(一方の大入賞口スイッチ39a)に入力があるか否かを判定する(A3106)。
遊技制御装置100は、大入賞口スイッチ1に入力がない場合(A3106の結果が「N」)、大入賞口スイッチ2(他方の大入賞口スイッチ39a)に入力があるか否かを判定する(A3110)。また、大入賞口スイッチ1に入力がある場合(A3106の結果が「Y」)、大入賞口カウントコマンドを演出コマンドとして準備して(A3107)、演出コマンド設定処理(A3108)を実行する。そして、入賞カウンタを+1更新し(A3109)、大入賞口スイッチ2(他方の大入賞口スイッチ39a)に入力があるか否かを判定する(A3110)。
遊技制御装置100は、大入賞口スイッチ2に入力がない場合(A3110の結果が「N」)、入賞カウンタの値が0であるか否かを判定する(A3114)。また、大入賞口スイッチ2に入力がある場合(A3110の結果が「Y」)、大入賞口カウントコマンドを演出コマンドとして準備して(A3111)、演出コマンド設定処理(A3112)を実行する。そして、入賞カウンタを+1更新し(A3113)、入賞カウンタの値が0であるか否かを判定する(A3114)。
遊技制御装置100は、入賞カウンタの値が0である場合(A3114の結果が「Y」)は、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。また、入賞カウンタの値が0でない場合(A3114の結果が「N」)、大入賞口残存球処理中であるか否かを判定する(A3115)。大入賞口残存球処理中である場合(A3115の結果が「Y」)、大入賞口スイッチ監視処理を終了し、大入賞口残存球処理中でない場合(A3115の結果が「N」)、小当り残存球処理中であるか否かを判定する(A3116)。
遊技制御装置100は、小当り残存球処理中である場合(A3116の結果が「Y」)は、大入賞口スイッチ監視処理を終了し、小当り残存球処理中でない場合(A3116の結果が「N」)、入賞カウンタの値(1又は2)を大入賞口カウント数に加算し(A3117)、大入賞口カウント数が上限値(一のラウンドで入賞可能な遊技球数。例えば「9」)以上となったか否かを判定する(A3118)。
遊技制御装置100は、大入賞口カウント数が上限値以上となっていない場合(A3118の結果が「N」)、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。また、大入賞口カウント数が上限値以上となった場合(A3118の結果が「Y」)、大入賞口カウント数を上限値に留め(A3119)、特図ゲーム処理タイマ領域を0クリアして(A3120)、小当り中処理中であるかを判定する(A3121)。
遊技制御装置100は、小当り中処理中でない場合(A3121の結果が「N」)、大入賞口スイッチ監視処理を終了し、小当り中処理中である場合(A3121の結果が「Y」)、大入賞口制御ポインタ領域に小当り開放動作終了の値をセーブして(A3122)、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。これにより大入賞口が閉鎖されて一のラウンドが終了することとなる。
〔特図普段処理〕
次に、特図ゲーム処理における特図普段処理(A2608)の詳細について説明する。図27は、特図普段処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、特図2保留数(第2始動記憶数)が0であるか否かを判定する(A3201)。特図2保留数が0である場合(A3201の結果が「Y」)、特図1保留数(第1始動記憶数)が0であるか否かを判定する(A3205)。そして、特図1保留数が0である場合(A3205の結果が「Y」)、客待ちデモが開始済みであるか否かを判定し(A3209)、客待ちデモが開始済みでない場合(A3209の結果が「N」)は、客待ちデモフラグ領域に、客待ちデモ状態(客待ちデモ中の状態)であることを示す客待ちデモ中フラグをセットする(A3210)。
続けて、遊技制御装置100は、客待ちデモコマンドを演出コマンドとして準備して(A3211)、演出コマンド設定処理を行い(A3212)、処理番号として特図普段処理に係る「0」を設定する(A3213)。一方、ステップA3209にて、客待ちデモが開始済みである場合(A3209の結果が「Y」)も、処理番号として特図普段処理に係る「0」を設定する(A3213)。その後、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブして(A3214)、変動図柄判別フラグ領域をクリアする(A3215)。そして、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(A3216)、特図普段処理を終了する。
このように、客待ちデモコマンドは、特図1保留数(第1始動記憶数)と特図2保留数(第2始動記憶数)が0である場合に送信され、客待ちデモコマンドを受信した演出制御装置300は、表示装置41等に客待ちデモを表示する設定を行う。なお、遊技制御装置100は、操作ハンドル24のタッチスイッチからのタッチスイッチ信号がオフ信号となった場合にのみ、客待ちデモコマンドを送信する構成も可能である。
また、遊技制御装置100は、特図2保留数が0でない場合(A3201の結果が「N」)、特図2変動開始処理を実行し(A3202)、特図2保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(飾り特図2保留数コマンド)を演出コマンドとして準備して(A3203)、演出コマンド設定処理を実行し(A3204)、特図普段処理を終了する。
また、遊技制御装置100は、特図1保留数が0でない場合(A3205の結果が「N」)、特図1変動開始処理を実行し(A3206)、特図1保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(飾り特図1保留数コマンド)を演出コマンドとして準備して(A3207)、演出コマンド設定処理を実行し(A3208)、特図普段処理を終了する。
このように、特図2保留数のチェックを特図1保留数のチェックよりも先に行うことで、特図2保留数が0でない場合には特図2変動開始処理(A3202)が実行されることとなる。すなわち、特図2変動表示ゲームが特図1変動表示ゲームに優先して実行されることとなる。つまり、遊技制御装置100が、第2始動記憶手段(遊技制御装置100)に第2始動記憶がある場合には、当該第2始動記憶に基づく変動表示ゲームを、第1始動記憶に基づく変動表示ゲームよりも優先的に実行する優先制御手段をなす。
〔特図1変動開始処理〕
次に、特図普段処理における特図1変動開始処理(A3206)の詳細について説明する。図28は、特図1変動開始処理の手順を示すフローチャートである。特図1変動開始処理は、特図1変動表示ゲームの開始時に行う処理である。
遊技制御装置100は、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特図1)を示す特図1変動フラグを変動図柄判別フラグ領域にセーブする(A3401)。続いて、特図1変動表示ゲームが大当りであるか否かを判別するための大当りフラグ1にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ1設定処理を実行する(A3402)。大当りフラグ1設定処理の詳細については後述する。
次に、遊技制御装置100は、特図1停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図1停止図柄設定処理を実行する(A3403)。特図1停止図柄設定処理の詳細については後述する。さらに、遊技制御装置100は、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理を実行する(A3404)。特図情報設定処理の詳細については後述する。
続いて、遊技制御装置100は、特図1変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定されたテーブルである特図1変動パターン設定情報テーブルを準備する(A3405)。その後、遊技制御装置100は、特図1変動表示ゲームにおける変動態様である変動パターンを設定する変動パターン設定処理を実行する(A3406)。変動パターン設定処理の詳細については後述する。
次に、遊技制御装置100は、特図1変動表示ゲームの変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理を実行し(A3407)、特図1変動開始処理を終了する。変動開始情報設定処理の詳細については後述する。
そして、遊技制御装置100は、処理番号として特図変動中処理に係る「1」を設定し(A3408)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(A3409)。
そして、遊技制御装置100は、客待ちデモフラグ領域をクリアし(A3410)、特図1の変動開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(A3411)。その後、特図1変動制御フラグ領域に変動中フラグをセーブし(A3412)、特図1点滅制御タイマ領域に点滅制御タイマ(特図1表示器51の点滅の周期のタイマ)の初期値(例えば100ms)を設定する(A3413)。続いて、特図1変動図柄番号領域に初期値(例えば0)をセーブし(A3414)、特図1変動開始処理を終了する。
〔特図2変動開始処理〕
次に、特図普段処理における特図2変動開始処理(A3202)の詳細について説明する。図29は、特図2変動開始処理の手順を示すフローチャートである。特図2変動開始処理は、特図2変動表示ゲームの開始時に行う処理であって、図28に示した特図1変動開始処理での処理と同様の処理を、第2始動記憶を対象として行うものである。
遊技制御装置100は、まず、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特図2)を示す特図2変動フラグを変動図柄判別フラグ領域にセーブする(A3501)。続いて、特図2変動表示ゲームが大当りであるか否かを判別するための大当りフラグ2にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ2設定処理を実行する(A3502)。
次に、遊技制御装置100は、特図2停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図2停止図柄設定処理を実行する(A3503)。さらに、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理を実行する(A3504)。続いて、特図2変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定されたテーブルである特図2変動パターン設定情報テーブルを準備する(A3505)。
その後、遊技制御装置100は、特図2変動表示ゲームの変動パターンを設定する変動パターン設定処理を実行する(A3506)。そして、特図2変動表示ゲームの変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理を実行する(A3507)。
次に、遊技制御装置100は、まず、処理番号として特図変動中処理に係る「1」を設定し(A3508)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(A3509)。
そして、遊技制御装置100は、客待ちデモフラグ領域をクリアし(A3510)、特図2の変動開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(A3511)。その後、特図2変動制御フラグ領域に変動中フラグをセーブし(A3512)、特図2点滅制御タイマ領域に点滅制御タイマ(特図2表示器52の点滅の周期のタイマ)の初期値(例えば100ms)を設定する(A3513)。続いて、特図2変動図柄番号領域に初期値(例えば0)をセーブし(A3414)、特図2変動開始処理を終了する。
〔大当りフラグ1設定処理〕
次に、特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理(A3402)の詳細について説明する。図30は、大当りフラグ1設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、小当りフラグ領域にはずれ情報をセーブして(A3601)、大当りフラグ1領域にはずれ情報をセーブする(A3602)。次に、RWMの特図1大当り乱数格納領域(保留数1用)から大当り乱数をロードし、準備して(A3603)、当該特図1大当り乱数格納領域(保留数1用)を0クリアする(A3604)。なお、保留数1用とは、消化順序が最先(ここでは特図1のうちで最先)の特図始動記憶についての情報(乱数等)を格納する領域である。その後、準備した大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かに応じて大当りであるか否かを判定する大当り判定処理を実行する(A3605)。
遊技制御装置100は、大当り判定処理(A3605)の判定結果が大当りである場合(A3606の結果が「Y」)、ステップA3602にてはずれ情報をセーブした大当りフラグ1領域に大当り情報を上書きしてセーブし(A3607)、大当りフラグ1設定処理を終了する。一方、大当り判定処理(A3605)の判定結果が大当りでない場合(A3606の結果が「N」)、準備した大当り乱数値が小当り判定値と一致するか否かに応じて小当りであるか否かを判定する小当り判定処理を実行する(A3608)。
遊技制御装置100は、小当り判定処理(A3608)の判定結果が小当りである場合(A3609の結果が「Y」)、ステップA3601にてはずれ情報をセーブした小当りフラグ領域に小当り情報を上書きしてセーブし(A3610)、大当りフラグ1設定処理を終了する。一方、小当り判定処理(A3608)の判定結果が小当りでない場合(A3609の結果が「N」)は、大当りフラグ1領域にも小当りフラグ領域にもはずれ情報をセーブしたまま大当りフラグ1設定処理を終了する。このように、本実施形態において、特図1変動表示ゲームの結果は、「大当り」、「小当り」、及び「はずれ」のうちの何れかとなる。
〔大当りフラグ2設定処理〕
次に、特図2変動開始処理における大当りフラグ2設定処理(A3502)の詳細について説明する。図31は、大当りフラグ2設定処理の手順を示すフローチャートである。この処理は、図30に示した大当りフラグ1設定処理での処理と同様の処理を、第2始動記憶を対象として行うものである。
遊技制御装置100は、まず、大当りフラグ2領域にはずれ情報をセーブする(A3701)。次に、RWMの特図2大当り乱数格納領域(保留数1用)から大当り乱数をロードし、準備して(A3702)、当該特図2大当り乱数格納領域(保留数1用)を0クリアする(A3703)。なお、保留数1用とは、消化順序が最先(ここでは特図2のうちで最先)の特図始動記憶についての情報(乱数等)を格納する領域である。その後、準備した大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かに応じて大当りであるか否かを判定する大当り判定処理を実行する(A3704)。
遊技制御装置100は、大当り判定処理(A3704)の判定結果が大当りである場合(A3705の結果が「Y」)、ステップA3701にてはずれ情報をセーブした大当りフラグ2領域に大当り情報を上書きしてセーブし(A3706)、大当りフラグ2設定処理を終了する。一方、大当り判定処理(A3704)の判定結果が大当りでない場合(A3705の結果が「N」)、大当りフラグ2にはずれ情報をセーブしたまま大当りフラグ2設定処理を終了する。このように、本実施形態において、特図2変動表示ゲームの結果は、「大当り」及び「はずれ」のうちの何れかとなる。
〔大当り判定処理〕
次に、大当りフラグ1設定処理と大当りフラグ2設定処理等における大当り判定処理(A3605、A3704)の詳細について説明する。図32は、大当り判定処理の手順を示すフローチャートである。なお、大当り判定処理は、タイマ割込み処理中に実行される他の処理における大当り判定処理に共通する処理であり、特図保留情報判定処理のステップA3004などでも実行される。
遊技制御装置100は、まず、大当り判定値の下限判定値を設定し(A3801)、対象の大当り乱数の値が下限判定値未満であるか否かを判定する(A3802)。なお、大当りであるとは大当り乱数が大当り判定値と一致することである。大当り判定値は連続する複数の値であり、大当り乱数が、大当り判定値の下限の値である下限判定値以上で、かつ、大当り判定値の上限の値である上限判定値以下である場合に、大当りであると判定される。
遊技制御装置100は、対象の大当り乱数の値が下限判定値未満である場合(A3802の結果が「Y」)、判定結果としてはずれ(大当り以外)を設定し(A3807)、大当り判定処理を終了する。
また、遊技制御装置100は、大当り乱数の値が下限判定値未満でない場合には(A3802の結果が「N」)、大当りの発生確率が高確率状態(確変状態)であるか否かを判定する(A3803)。そして、高確率状態である場合には(A3803の結果が「Y」)、高確率中の上限判定値を設定する(A3804)。一方、高確率状態でない場合には(A3803の結果が「N」)、低確率中の上限判定値を設定する(A3805)。
遊技制御装置100は、大当り乱数の値の上限判定値を設定すると、対象の大当り乱数の値が上限判定値より大きいか否かを判定する(A3806)。大当り乱数の値が上限判定値より大きい場合(A3806の結果が「Y」)、判定結果としてはずれ(大当り以外)を設定する(A3807)。一方、大当り乱数の値が上限判定値より大きくない場合(A3806の結果が「N」)、判定結果として大当りを設定する(A3808)。判定結果を設定すると、大当り判定処理を終了する。
〔小当り判定処理〕
次に、大当りフラグ1設定処理における小当り判定処理(A3608)の詳細について説明する。図33は、小当り判定処理の手順を示すフローチャートである。なお、小当り判定処理は、タイマ割込み処理中に実行される他の処理における小当り判定処理に共通する処理であり、特図保留情報判定処理のステップA3009などでも実行される。
遊技制御装置100は、まず、対象(特図1)の大当り乱数の値が小当り下限判定値未満であるか否かを判定する(A3901)。なお、小当りであるとは大当り乱数が小当り判定値と一致することである。小当り判定値は連続する複数の値であり、大当り乱数が、小当り判定値の下限の値である小当り下限判定値以上で、かつ、小当り判定値の上限の値である小当り上限判定値以下である場合に、小当りであると判定される。
当然ながら、同じ特図変動表示ゲームの結果が小当り且つ大当りとなることを避けるべく、小当り判定値の範囲(小当り下限判定値と小当り上限判定値の間)は、前述の大当り判定値の範囲(下限判定値と上限判定値の間)とは重ならない。なお、本実施形態では、独自に小当り乱数を設けることはせず、小当りの判定にも大当り乱数を利用するが、独自の小当り乱数を設ける構成も可能である。
遊技制御装置100は、対象(特図1)の大当り乱数の値が小当り下限判定値未満である場合(A3901の結果が「Y」)、判定結果としてはずれを設定し(A3903)、小当り判定処理を終了する。
また、遊技制御装置100は、大当り乱数の値が小当り下限判定値未満でない場合には(A3901の結果が「N」)、対象(特図1)の大当り乱数の値が小当り上限判定値より大きいか否かを判定する(A3902)。大当り乱数の値が小当り上限判定値より大きい場合(A3902の結果が「Y」)、判定結果としてはずれを設定する(A3903)。一方、大当り乱数の値が小当り上限判定値より大きくない場合(A3902の結果が「N」)、判定結果として小当りを設定する(A3904)。判定結果を設定すると、小当り判定処理を終了する。
〔特図1停止図柄設定処理〕
次に、特図1変動開始処理における特図1停止図柄設定処理(A3403)の詳細について説明する。図34は、特図1停止図柄設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、大当りフラグ1が大当りか否かを判定し(A4001)、大当りである場合(A4001の結果が「Y」)、特図1大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)から大当り図柄乱数をロードする(A4002)。次に、特図1大当り図柄テーブルを設定する(A4003)。
続いて、ロードした大当り図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得し、特図1停止図柄番号領域にセーブする(A4004)。この処理により特別結果の種類(大当りの種類)が選択される。
その後、遊技制御装置100は、特図1大当り停止図柄情報テーブルを設定して(A4005)、停止図柄番号に対応する停止図柄パターンを取得し、停止図柄パターン領域にセーブする(A4006)。停止図柄パターンとは、特図表示器(ここでは特図1表示器51)での停止図柄や表示装置41での停止図柄を設定するためのものである。次に、停止図柄番号に対応するラウンド数上限値情報を取得し、ラウンド数上限値情報領域にセーブする(A4007)。
次に、遊技制御装置100は、停止図柄番号に対応する時間短縮判定データを取得し、時間短縮判定データ領域にセーブする(A4008)。時間短縮判定データには、大当り状態終了後の普電サポート状態(時短状態)の有無の情報が含まれる。
その後、遊技制御装置100は、停止図柄パターン及び確率状態に対応する演出モード移行情報をセーブする(A4009)。そして、遊技制御装置100は、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを準備する(A4018)。
なお、演出モード移行情報は、演出モードを移行させるための情報である。ここでの演出モード移行情報は、大当りの場合(A4001の結果が「Y」)に設定され後述の大当り終了処理で使用される。即ち、演出モード移行情報によって、大当りを契機に演出モードを移行させることができる。また、上記のように演出モード移行情報は大当りの停止図柄パターン(確変大当り図柄/通常大当り図柄であるか等)に応じて設定されるため、大当り図柄の種類(大当りの種類)で、大当り終了後に移行する演出モードの移行先が変化することになる。また、上記のように演出モード移行情報は確率状態に応じて設定されるため、現在特図高確率状態(確変状態)中か否かによっても、演出モードの移行先が影響を受ける。
一方、遊技制御装置100は、大当りフラグ1が大当りでない場合(A4001の結果が「N」)、小当りフラグが小当りか否かを判定し(A4010)、小当りである場合(A4011の結果が「Y」)、特図1小当り図柄乱数格納領域(保留数1用)から小当り図柄乱数をロードする(A4011)。次に、特図1小当り図柄テーブルを設定し(A4012)、ロードした小当り図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得し、特図1停止図柄番号領域にセーブする(A4013)。
その後、遊技制御装置100は、停止図柄番号に対応する停止図柄パターンを取得し、停止図柄パターン領域にセーブして(A4014)、停止図柄パターンに対応する演出モード移行情報をセーブする(A4015)。ここでの演出モード移行情報は、小当りの場合(A4010の結果が「Y」)に設定され、小当りを契機に演出モードを移行させることができる。そして、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを準備する(A4018)。
また、小当りフラグが小当りでない場合(A4010の結果が「N」)は、はずれ時の停止図柄番号を特図1停止図柄番号領域にセーブし(A4016)、はずれ停止図柄パターンを停止図柄パターン領域にセーブして(A4017)、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを準備する(A4018)。以上の処理により、特図変動表示ゲームの結果に対応した停止図柄が設定される。
その後、飾り特図コマンドを飾り特図コマンド領域にセーブし(A4019)、演出コマンド設定処理を実行する(A4020)。この飾り特図コマンドは、後に演出制御装置300に送信される。そして、停止図柄番号に対応する図柄データを試験信号出力データ領域にセーブし(A4021)、特図1大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)を0クリアし(A4022)、特図1小当り図柄乱数格納領域(保留数1用)を0クリアして(A4023)、特図1停止図柄設定処理を終了する。
〔特図2停止図柄設定処理〕
次に、特図2変動開始処理における特図2停止図柄設定処理(A3503)の詳細について説明する。図35は、特図2停止図柄設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、大当りフラグ2が大当りか否かを判定し(A4101)、大当りである場合(A4101の結果が「Y」)、特図2大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)から大当り図柄乱数をロードする(A4102)。次に、特図2大当り図柄テーブルを設定する(A4103)。続いて、ロードした大当り図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得し、特図2停止図柄番号領域にセーブする(A4104)。この処理により特別結果の種類(大当りの種類)が選択される。
その後、遊技制御装置100は、特図2大当り停止図柄情報テーブルを設定して(A4105)、停止図柄番号に対応する停止図柄パターンを取得し、停止図柄パターン領域にセーブする(A4106)。停止図柄パターンとは、特図表示器(ここでは特図2表示器52)での停止図柄や表示装置41での停止図柄を設定するためのものである。次に、停止図柄番号に対応するラウンド数上限値情報を取得し、ラウンド数上限値情報領域にセーブする(A4107)。
次に、遊技制御装置100は、停止図柄番号に対応する時間短縮判定データを取得し、
時間短縮判定データ領域にセーブする(A4108)。時間短縮判定データには、大当り状態終了後の普電サポート状態(時短状態)の有無の情報が含まれる。
その後、遊技制御装置100は、停止図柄パターン及び確率状態に対応する演出モード移行情報をセーブする(A4109)。ここでの演出モード移行情報は、大当りの場合(A4101の結果が「Y」)に設定され後述の大当り終了処理で使用される。そして、遊技制御装置100は、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを準備する(A4112)。
一方、遊技制御装置100は、大当りフラグ2が大当りでない場合(A4101の結果が「N」)、はずれ時の停止図柄番号を特図2停止図柄番号領域にセーブし(A4110)、はずれ停止図柄パターンを停止図柄パターン領域にセーブして(A4111)、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを準備する(A4112)。以上の処理により、特図変動表示ゲームの結果に対応した停止図柄が設定される。
その後、飾り特図コマンドを飾り特図コマンド領域にセーブし(A4113)、演出コマンド設定処理を実行する(A4114)。この飾り特図コマンドは、後に演出制御装置300に送信される。そして、停止図柄番号に対応する図柄データを試験信号出力データ領域にセーブし(A4115)、特図2大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)を0クリアし(A4116)、特図2停止図柄設定処理を終了する。
〔特図情報設定処理〕
次に、特図1変動開始処理と特図2変動開始処理における特図情報設定処理(A3404、A3504)の詳細について説明する。図36は、特図情報設定処理の手順を示すフローチャートである。本実施形態において、確率状態(低確率/高確率、時短あり/なし)は変動の振り分けに直接影響せず、遊技制御装置100が管理している演出モードが変動の振り分けに影響する。演出モードは、確率状態、時短状態の有無、特図変動表示ゲームの進行状況などに応じて、複数の演出モードから一の演出モードが設定されるようになっている。
遊技制御装置100は、まず、前半変動グループ選択ポインタテーブルを設定して(A4201)、演出モード情報に対応する前半変動グループ選択ポインタを取得する(A4202)。次いで、前半変動グループ選択オフセットテーブルを設定して(A4203)、対象の特図保留数(特図1保留数又は特図2保留数)と停止図柄パターンに対応するオフセットデータを取得する(A4204)。
次に、遊技制御装置100は、前半変動グループ選択ポインタとオフセットデータを加算して(A4205)、加算して得た値を変動振分情報1領域にセーブする(A4206)。これにより変動振分情報1領域には、停止図柄の種類、保留数、及び演出モードに基づいて生成された変動振分情報1がセーブされる。この変動振分情報1は、前半変動(リーチ開始前までの変動態様)を振り分けるためのテーブルポインタであり、後に変動グループを選択するために用いられる。ただし、機種の仕様次第であるが、保留数が多い時に変動時間を短くするのははずれの場合のみであるため、はずれ以外の場合には、結果として保留数は前半変動の振り分けに影響しない。なお、変動グループとは複数の変動パターンが含まれたもので、変動パターンを決定する際には、まず変動グループを選択し、さらにこの変動グループの中から一の変動パターンを選択するようになっている。
次に、遊技制御装置100は、後半変動グループ選択ポインタテーブルを設定して(A4207)、演出モード情報に対応する後半変動グループ選択ポインタを取得する(A4208)。次いで、後半変動グループ選択オフセットテーブルを設定して(A4209)、対象の特図保留数と停止図柄パターンに対応するオフセットデータを取得する(A4210)。
次に、遊技制御装置100は、後半変動グループ選択ポインタとオフセットデータを加算して(A4211)、加算して得た値を変動振分情報2領域にセーブして(A4212)、特図情報設定処理を終了する。これにより変動振分情報2領域には、停止図柄の種類、保留数、及び演出モードに基づいて生成された変動振分情報2がセーブされる。この変動振分情報2は、後半変動(リーチの種類(リーチなしも含む。))を振り分けるためのテーブルポインタであり、後に変動グループを選択するために用いられる。ただし、はずれの場合のみ保留数に応じてリーチの発生率が変化する(保留数が多い時にリーチの発生率が低くなる)ため、はずれ以外の場合には、結果として保留数は後半変動の振り分けに影響しない。
〔変動パターン設定処理〕
次に、特図1変動開始処理及び特図2変動開始処理における変動パターン設定処理(A3406、A3506)の詳細について説明する。図37は、変動パターン設定処理の手順を示すフローチャートである。
変動パターンは、特図変動表示ゲームの開始からリーチ状態となるまでの変動態様である前半変動パターンと、リーチ状態となってから特図変動表示ゲームの終了までの変動態様である後半変動パターンとからなり、先に後半変動パターンを設定してから前半変動パターンを設定する。
遊技制御装置100は、まず、変動グループ選択アドレステーブルを設定し(A4301)、変動振分情報2に対応する後半変動グループテーブルのアドレスを取得し、準備して(A4302)、対象の変動パターン乱数1格納領域(保留数1用)から変動パターン乱数1をロードし、準備する(A4303)。本実施形態において、後半変動グループテーブルの構造は、当り用とはずれ用とで構造が異なる。具体的には、当り用は1バイトサイズ、はずれ用は2バイトサイズとなっている。はずれの発生率よりも当りの発生率が低く、1バイトでも足りるため、データ容量の節約の観点から、当り用は1バイトサイズになっている。したがって、当り時は、2バイトの変動パターン乱数1の下位の値だけを使用している。また、当りの発生率よりもはずれの発生率は高く、より多様な演出を出現させたいため、はずれ用は2バイトサイズになっている。
そして、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果がはずれであるかを判定し(A4304)、はずれである場合(A4304の結果が「Y」)、2バイト振り分け処理(A4305)を行って、ステップA4307の処理に移行する。また、はずれでない場合(A4304の結果が「N」)、振り分け処理(A4306)を行って、ステップA4307の処理に移行する。
次に、遊技制御装置100は、振り分けられた結果得られた後半変動選択テーブル(後半変動パターン選択テーブル)のアドレスを取得し、準備して(A4307)、対象の変動パターン乱数2格納領域(保留数1用)から変動パターン乱数2をロードし、準備する(A4308)。そして、振り分け処理を実行し(A4309)、振り分けられた結果得られた後半変動番号を取得し、後半変動番号領域にセーブする(A4310)。この処理により、後半変動パターンが設定されることとなる。
次に、遊技制御装置100は、前半変動グループテーブルを設定し(A4311)、変動振分情報1と後半変動番号を基にテーブル選択ポインタを算出する(A4312)。そして、算出したポインタに対応する前半変動選択テーブル(前半変動パターン選択テーブル)のアドレスを取得し、準備して(A4313)、対象の変動パターン乱数3格納領域(保留数1用)から変動パターン乱数3をロードし、準備する(A4314)。その後、振り分け処理(A4315)を行い、振り分けられた結果得られた前半変動番号を取得し、前半変動番号領域にセーブして(A4316)、変動パターン設定処理を終了する。この処理により、前半変動パターンが設定され、特図変動表示ゲームの変動パターンが設定されることとなる。すなわち、遊技制御装置100が、ゲームの実行態様である変動パターンを複数のうちから設定する変動パターン設定手段をなす。
〔2バイト振り分け処理〕
次に、変動パターン設定処理における2バイト振り分け処理(A4305)の詳細について説明する。図38は、2バイト振り分け処理の手順を示すフローチャートである。2バイト振り分け処理は、変動パターン乱数1に基づいて後半変動グループテーブルから特図変動表示ゲームの後半変動選択テーブルを選択するための処理である。
遊技制御装置100は、まず、選択テーブル(A4302にて準備した後半変動グループテーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコード(すなわち「0」)であるかをチェックする(A4401)。ここで、後半変動グループテーブルは、少なくとも一の後半変動選択テーブルと対応付けて所定の振り分け値を記憶しているが、後半変動パターンが「リーチなし」となる後半変動選択テーブルのみを規定する後半変動グループテーブル(例えば、結果がはずれの場合の一部の変動グループテーブル)にあっては、振り分けの必要がないため、振り分け値「0」、すなわち、振り分けなしのコードが先頭に規定されている。
そして、遊技制御装置100は、選択テーブル(後半変動グループテーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコードである場合(A4402の結果が「Y」)は、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新して(A4407)、2バイト振り分け処理を終了する。一方、選択テーブル(後半変動グループテーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコードでない場合(A4402の結果が「N」)は、選択テーブル(後半変動グループテーブル)に最初に規定されている一の振り分け値を取得する(A4403)。
続けて、ステップA4303にて準備した乱数値(変動パターン乱数1の値)からステップA4403にて取得した振り分け値を減算して新たな乱数値を算出し(A4404)、当該算出した新たな乱数値が「0」よりも小さいかを判定する(A4405)。そして、新たな乱数値が「0」よりも小さくない場合(A4405の結果が「N」)は、次の振り分け値のアドレスに更新した後(A4406)、ステップA4403の処理に移行して、それ以降の処理を行う。すなわち、選択テーブル(後半変動グループテーブル)に次に規定されている振り分け値を取得し(A4403)、その後、前回のステップA4405にて判定済みの乱数値から振り分け値を減算することで新たな乱数値を算出して(A4404)、算出した新たな乱数値が「0」よりも小さいか否かを判定する(A4405)。
上記の処理をステップA4405にて新たな乱数値が「0」よりも小さいと判定(A4405の結果が「Y」)するまで実行する。これにより、選択テーブル(後半変動グループテーブル)に規定されている少なくとも一の後半変動選択テーブルの中から何れか一の後半変動選択テーブルが選択される。そして、ステップA4405にて、新たな乱数値が「0」よりも小さいと判定すると(A4405の結果が「Y」)、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新して(A4407)、2バイト振り分け処理を終了する。
〔振り分け処理〕
次に、変動パターン設定処理における振り分け処理(A4306、A4309、A4315)の詳細について説明する。図39は、振り分け処理の手順を示すフローチャートである。振り分け処理は、変動パターン乱数2に基づいて、後半変動選択テーブル(後半変動パターングループ)から特図変動表示ゲームの後半変動パターンを選択したり、変動パターン乱数3に基づいて、前半変動選択テーブル(前半変動パターングループ)から特図変動表示ゲームの前半変動パターンを選択したりするための処理である。
遊技制御装置100は、まず、対象の選択テーブル(A4302にて準備した後半変動グループテーブル、ステップA4307にて準備した後半変動選択テーブル、又はステップA4313にて準備した前半変動選択テーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコード(すなわち「0」)であるかをチェックする(A4501)。ここで、後半変動グループテーブル、後半変動選択テーブル、及び前半変動選択テーブルは、少なくとも一の後半変動選択テーブルや後半変動パターン(後半変動番号)や前半変動パターン(前半変動番号)と対応付けて所定の振り分け値を記憶しているが、振り分けの必要がない選択テーブルの場合、振り分け値「0」、すなわち、振り分けなしのコードが先頭に規定されている。
そして、遊技制御装置100は、対象の選択テーブル(後半変動グループテーブルや後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコードである場合(A4502の結果が「Y」)、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新して(A4507)、振り分け処理を終了する。一方、対象の選択テーブル(後半変動グループテーブルや後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコードでない場合(A4502の結果が「N」)、対象の選択テーブル(後半変動グループテーブルや後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブル)に最初に規定されている一の振り分け値を取得する(A4503)。
続けて、遊技制御装置100は、ステップA4303やA4308やA4314にて準備した乱数値(変動パターン乱数1や変動パターン乱数2や変動パターン乱数3の値)からステップA4503にて取得した振り分け値を減算して新たな乱数値を算出し(A4504)、当該算出した新たな乱数値が「0」よりも小さいかを判定する(A4505)。そして、新たな乱数値が「0」よりも小さくない場合(A4505の結果が「N」)は、次の振り分け値のアドレスに更新した後(A4506)、ステップA4503の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
すなわち、対象の選択テーブル(後半変動グループテーブルや後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブル)に次に規定されている振り分け値を取得し(A4503)、その後、前回のステップA4505にて判定済みの乱数値から振り分け値を減算することで新たな乱数値を算出して(A4504)、算出した新たな乱数値が「0」よりも小さいか否かを判定する(A4505)。上記の処理をステップA4505にて新たな乱数値が「0」よりも小さいと判定(A4505の結果が「Y」)するまで実行する。これにより、対象の選択テーブル(後半変動グループテーブルや後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブル)に規定されている少なくとも一の後半変動選択テーブルや後半変動パターン(後半変動番号)や前半変動パターン(前半変動番号)の中から何れか一の後半変動選択テーブルや後半変動パターン(後半変動番号)や前半変動パターン(前半変動番号)が選択される。
そして、遊技制御装置100は、ステップA4505にて、新たな乱数値が「0」よりも小さいと判定すると(A4505の結果が「Y」)、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新して(A4507)、振り分け処理を終了する。
〔変動開始情報設定処理〕
次に、特図1変動開始処理及び特図2変動開始処理における変動開始情報設定処理(A3407、A3507)の詳細について説明する。図40は、変動開始情報設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、対象の変動パターン乱数1〜3の乱数格納領域をクリアする(A4601)。次に、前半変動時間値テーブルを設定し(A4602)、前半変動番号に対応する前半変動時間値を取得する(A4603)。さらに、後半変動時間値テーブルを設定し(A4604)、後半変動番号に対応する後半変動時間値を取得する(A4605)。
そして、遊技制御装置100は、前半変動時間値と後半変動時間値を加算し(A4606)、加算値を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(A4607)。その後、前半変動番号に対応する変動コマンド(MODE)を準備し(A4608)、後半変動番号に対応する変動コマンド(ACTION)を演出コマンドとして準備して(A4609)、演出コマンド設定処理を行う(A4610)。次に、変動図柄判別フラグに対応する特図保留数を−1更新して(A4611)、変動図柄判別フラグに対応する乱数格納領域のアドレスを設定する(A4612)。次いで、乱数格納領域をシフトし(A4613)、シフト後の空き領域をクリアして(A4614)、変動開始情報設定処理を終了する。
以上の処理により、特図変動表示ゲームの開始に関する情報が設定される。すなわち、遊技制御装置100が、始動記憶手段(遊技制御装置100)に記憶された各種の乱数値の判定を行う判定手段をなす。また、遊技制御装置100が、始動記憶の判定情報に基づいて、変動表示ゲームで実行する識別情報の変動パターンを決定することが可能な変動パターン決定手段をなす。
そして、これらの特図変動表示ゲームの開始に関する情報は後に演出制御装置300に送信され、演出制御装置300では、特図変動表示ゲームの開始に関する情報の受信に基づき、決定された変動パターンに応じて飾り特図変動表示ゲームでの詳細な演出内容を設定する。これらの特図変動表示ゲームの開始に関する情報としては、始動記憶数(保留数)に関する情報を含む飾り特図保留数コマンド、停止図柄に関する情報を含む飾り特図コマンド、特図変動表示ゲームの変動パターンに関する情報を含む変動コマンド、停止時間の延長に関する情報を含む停止情報コマンドが挙げられ、この順でコマンドが演出制御装置300に送信される。特に、飾り特図コマンドを変動コマンドよりも先に送信することで、演出制御装置300での処理を効率よく進めることができる。
〔特図変動中処理〕
次に、特図ゲーム処理における特図変動中処理(A2609)の詳細について説明する。図41は、特図変動中処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、変動中の図柄に対応する図柄停止コマンド(特図1図柄停止コマンド又は特図2図柄停止コマンド)を演出コマンドとして準備し(A4701)、演出コマンド設定処理を実行する(A4702)。変動中の図柄は、変動図柄判別フラグ(特図1変動フラグ又は特図2変動フラグ)から判別できる。図柄停止コマンドを受信した演出制御装置300は、対応する飾り特図変動表示ゲーム(飾り特図1変動表示ゲーム又は飾り特図2変動表示ゲーム)を停止する。
次に、遊技制御装置100は、停止図柄パターンを示す停止図柄パターン番号に対応する表示時間を設定して(A4703)、設定した表示時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(A4704)。本実施形態の場合、停止図柄パターンがはずれ図柄パターンである場合には表示時間として800msecを設定し、停止図柄パターンが大当り図柄パターンである場合には表示時間として2000msecを設定する。
次いで、遊技制御装置100は、特図表示中処理に係る処理番号「2」を設定し(A4705)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(A4706)。
次に、遊技制御装置100は、特図1の変動終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブし(A4707)、さらに、特図2の変動終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(A4708)。
続いて、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの実行回数に係る図柄確定回数信号を外部情報端子に出力する際に使用する図柄確定回数信号制御タイマ領域に制御タイマ初期値(例えば256msec)をセーブする(A4709)。
その後、遊技制御装置100は、特図1表示器51における特図1変動表示ゲームの制御用の情報として、特図1表示器51での変動停止に係る停止フラグを特図1変動制御フラグ領域にセーブする(A4710)。さらに、特図2表示器52における特図2変動表示ゲームの制御用の情報として、特図2表示器52での変動停止に係る停止フラグを特図2変動制御フラグ領域にセーブし(A4711)、特図変動中処理移行設定処理を終了する。
〔特図表示中処理〕
次に、特図ゲーム処理における特図表示中処理(A2610)の詳細について説明する。図42は、特図表示中処理の手順を示すフローチャートである。図42Aは、特図表示中処理の前半部分を示し、図42Bは、特図表示中処理の後半部分を示す。
遊技制御装置100は、まず、特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理にて設定された小当りフラグをロードして(A5101)、RWMの小当りフラグ領域をクリアする(A5102)。続いて、特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理にて設定された大当りフラグ1と、特図2変動開始処理における大当りフラグ2設定処理にて設定された大当りフラグ2と、をロードして(A5103)、RWMの大当りフラグ1領域及び大当りフラグ2領域をクリアする(A5104)。
そして、遊技制御装置100は、ロードされた大当りフラグ2が大当りか否かを判定して(A5105)、大当りである場合(A5105の結果が「Y」)、第2特図変動表示ゲームの大当り(特図2大当り)の開始に関する試験信号(例えば、条件装置作動中信号をオン、役物連続作動装置作動中信号をオン、特別図柄2当り信号をオン)をRWMの試験信号出力データ領域にセーブして(A5108)、ラウンド数上限値テーブルを設定する(A5109)。
一方、遊技制御装置100は、大当りフラグ2のチェックの結果、大当りでない場合(A5105の結果が「N」)、ロードされた大当りフラグ1が大当りか否かを判定して(A5106)、大当りである場合(A5106の結果が「Y」)、第1特図変動表示ゲームの大当り(特図1大当り)の開始に関する試験信号(例えば、条件装置作動中信号をオン、役物連続作動装置作動中信号をオン、特別図柄1当り信号をオン)をRWMの試験信号出力データ領域にセーブし(A5107)、ラウンド数上限値テーブルを設定する処理を実行する(A5109)。
その後、遊技制御装置100は、ラウンド数上限値情報に対応するラウンド数上限値(例えば、4、16)を取得し、RWMのラウンド数上限値領域にセーブする(A5110)。続けて、ラウンド数上限値情報に対応するラウンドLEDポインタを取得し、RWMのラウンドLEDポインタ領域にセーブする(A5111)。
次に、遊技制御装置100は、停止図柄パターンに対応した飾り特図コマンドをRWMの飾り特図コマンド領域からロードし、演出コマンドとして準備して(A5112)、演出コマンド設定処理を実行する(A5113)。その後、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報に係る確率情報コマンドを演出コマンドとして準備して(A5114)、演出コマンド設定処理を実行する(A5115)。続けて、ラウンド数上限値に対応するファンファーレコマンドを演出コマンドとして準備して(A5116)、演出コマンド設定処理を実行する(A5117)。
次に、遊技制御装置100は、停止図柄番号に対応する大入賞口開放情報と、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率の状態に対応する信号をRWMの外部情報出力データ領域にセーブする(A5118)。本実施形態において、大入賞口開放情報と確率の状態に対応する信号として、大当り2信号と大当り3信号をセーブする。なお、大当り2信号と大当り3信号のオン/オフは大入賞口開放情報と確率の状態とで決まる。例えば、大当り2信号は、出玉のある大当り(大入賞口開放情報が大入賞口開放情報1以外)である場合にはオン、出玉のない大当り(所謂、突確大当りなど。大入賞口開放情報が大入賞口開放情報1)である場合には、時短状態中での大当り時であればオン、それ以外ではオフとなる。また、大当り3信号は、出玉のある大当りである場合にはオン、出玉のない大当りである場合にはオフとなる。
その後、遊技制御装置100は、大入賞口開放情報と、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率の状態に対応する大当りファンファーレ時間(例えば5000msec、4700msec、7700msec又は300msec)を設定して(A5119)、設定した大当りファンファーレ時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(A5120)。そして、特図ゲームモードフラグをロードし、ロードしたフラグを特図ゲームモードフラグ退避領域にセーブする(A5121)。これにより特別結果が発生した際における特図の確率状態、時短状態(普電サポート状態)の情報が記憶される。そして、後に記憶した情報に基づき特別遊技状態の終了後の演出モードが決定される。
そして、遊技制御装置100は、大入賞口開放情報に対応する大入賞口(特別変動入賞装置39)の大入賞口不正入賞数領域をクリアし(A5122)、大入賞口開放情報に対応する大入賞口の大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブする(A5123)。その後、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1を実行し(A5124)、特図表示中処理を終了する。すなわち、遊技制御装置100が、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームの何れかで結果が特別結果となることに基づき、特別変動入賞装置39を開状態に変換する特別遊技状態を発生する特別遊技状態発生手段をなす。
一方、遊技制御装置100は、大当りフラグ1が大当りでない場合(A5106の結果が「N」)、ロードした小当りフラグが小当りか否かを判定する(A5125)。小当りフラグが小当りである場合(A5125の結果が「Y」)、特図高確率状態における特図変動表示ゲームの実行回数を管理する高確率変動回数を更新する高確率変動回数更新処理を実行する(A5126)。続いて、演出モードの設定に関する演出モード情報チェック処理を実行して(A5127)、特図高確率中(特図変動表示ゲームの特別結果(大当り)の発生確率が高確率状態中)であるか否かを判定する(A5128)。
遊技制御装置100は、特図高確率中でない場合(A5128の結果が「N」)、飾り特図コマンド領域から飾り特図コマンドをロードし、演出コマンドとして準備して(A5129)、演出コマンド設定処理を実行する(A5130)。次いで、小当りファンファーレコマンドを演出コマンドとして準備し(A5131)、演出コマンド設定処理を実行し(A5132)、ステップA5133の処理に移行する。
また、遊技制御装置100は、特図高確率中である場合(A5128の結果が「Y」)、ステップA5133の処理に移行する。このように、本実施形態の遊技機10においては、特図高確率中(確変状態中)である場合には、小当りの発生で大入賞口は開くが、小当りの発生を遊技者に意識させないようにするために、表示装置41に表示される画面を変化させないようになっている。
そして、遊技制御装置100は、特図ゲームモードフラグをロードし、ロードしたフラグを特図ゲームモードフラグ退避領域にセーブする(A5133)。その後、小当りファンファーレ中処理移行設定処理1(A5134)を行い、特図表示中処理を終了する。
一方、遊技制御装置100は、小当りフラグが小当りでない場合(A5125の結果が「N」)、高確率変動回数更新処理(A5135)、演出モードの設定に関する演出モード情報チェック処理を実行する(A5136)。そして、演出モード番号に対応する切替準備残り回転数(切替準備残りゲーム数)を設定して(A5137)、演出残り回転数(演出残りゲーム数)と切替準備残り回転数とが一致するか否かを判定する(A5138)。なお、切替準備残り回転数は、複数の演出モードのうちの全ての演出モードにおいて異なる値(回転数)であってもよいし、複数の演出モードのうちの何れかの演出モードにおいて同一の値(回転数)であってもよいし、複数の演出モードのうちの全ての演出モードにおいて同一の値(回転数)であってもよい。
遊技制御装置100は、演出残り回転数と切替準備残り回転数とが一致しない場合(A5138の結果が「N」)、処理番号として特図普段処理に係る「0」を設定する(A5141)。
一方、遊技制御装置100は、演出残り回転数と切替準備残り回転数とが一致する場合(A5138の結果が「Y」)、演出モード切替準備コマンドを演出コマンドとして準備して(A5139)、演出コマンド設定処理(A5140)を行った後に、処理番号として特図普段処理に係る「0」を設定する(A5141)。演出モード切替準備コマンドは、演出モードが切り替わる数回転前(数ゲーム前)から先読み演出を行わないようにするためのコマンドであり、演出モード切替準備コマンドを演出制御装置300に送信することによって、モードをまたいで演出に矛盾等が生じないようにすることができる。
その後、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブして(A5142)、変動図柄判別フラグ領域をクリアし(A5143)、特図表示中処理を終了する。
〔高確率変動回数更新処理〕
次に、特図表示中処理における高確率変動回数更新処理(A5126、A5135)の詳細について説明する。図43は、高確率変動回数更新処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、特図高確率中(確変状態中)であるか否かを判定する(A5201)。特図高確率中でない場合(A5201の結果が「N」)、高確率変動回数更新処理を終了する。
遊技制御装置100は、特図高確率中である場合(A5201の結果が「Y」)、高確率変動回数を−1更新(1だけ減算)して(A5202)、高確率変動回数が0となったか否かを判定する(A5203)。高確率変動回数が0でない場合(A5203の結果が「N」)、すなわち、次の特図変動表示ゲームでも高確率状態が継続する場合には、高確率変動回数更新処理を終了する。
遊技制御装置100は、高確率変動回数が0となった場合(A5203の結果が「Y」)、すなわち、今回の特図変動表示ゲームで高確率状態が終了する場合には、高確率報知フラグ領域をクリアして(A5204)、高確率状態の終了に関する信号(例えば、大当り2信号をオフ)を外部情報出力データ領域にセーブする(A5205)。
次に、遊技制御装置100は、高確率状態と時短状態の終了に関する信号(例えば、特別図柄1高確率状態信号をオフ、特別図柄2高確率状態信号をオフ、特別図柄1変動時間短縮状態信号をオフ、特別図柄2変動時間短縮状態信号をオフ、普通図柄1高確率状態信号をオフ)を試験信号出力データ領域にセーブする(A5206)。なお、特図高確率中でも、普図は確率状態しか変化しないので、普通図柄1変動時間短縮状態信号及び普通電動役物1開放延長状態信号は常時オフされている。その後、遊技状態表示番号領域に時短なしの番号をセーブして(A5207)、普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率フラグをセーブする(A5208)。
そして、遊技制御装置100は、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率&時短なしフラグをセーブする(A5209)。そして、左打ち指示に関する信号(例えば、発射位置指定信号1をオフ)を試験信号出力データ領域にセーブし(A5210)、第1遊技状態表示部57を消灯させるために遊技状態表示番号2領域に左打ち状態中の番号をセーブし(A5211)、高確率変動回数更新処理を終了する。
〔演出モード情報チェック処理〕
次に、特図表示中処理における演出モード情報チェック処理(A5127、A5136)の詳細について説明する。図44は、演出モード情報チェック処理の手順を示すフローチャートである。なお、演出モード情報チェック処理は、特図変動表示ゲームの結果が大当り以外(小当り又ははずれ)の場合に実行される。
遊技制御装置100は、まず、次モード移行情報が更新なしコードであるか否かを判定する(A5401)。次モード移行情報が更新なしコードである場合(A5401の結果が「Y」)は、演出モード情報チェック処理を終了する。この場合は、実行した特図変動表示ゲームの回数に応じた演出モードの変更が行われない場合であって、例えば高確率状態において次回の大当りまで継続する演出モードが選択されている場合である。
また、遊技制御装置100は、次モード移行情報が更新なしコードでない場合(A5401の結果が「N」)は、演出モードの変更までの特図変動表示ゲームの実行可能回数である演出残り回転数を−1更新し(A5402)、演出残り回転数が0となったか否かを判定する(A5403)。演出残り回転数が0となっていない場合(A5403の結果が「N」)には、演出モード情報チェック処理を終了する。また、演出残り回転数が0となった場合(A5403の結果が「Y」)、すなわち次の特図変動表示ゲームから演出モードを変更する場合は、演出モード情報アドレステーブルを設定し(A5404)、次モード移行情報に対応するテーブルのアドレスを取得する(A5405)。
そして、遊技制御装置100は、移行する演出モードの演出モード番号を取得し、RWM内の演出モード番号領域にセーブして(A5406)、移行する演出モードの演出残り回転数(初期値)を取得し、RWM内の演出残り回転数領域にセーブして(A5407)、移行する演出モードの次モード移行情報を取得し、RWM内の次モード移行情報領域にセーブする(A5408)。その後、新たに設定された演出モード番号に対応する確率情報コマンドを準備し(A5409)、準備した確率情報コマンドが停電復旧時送信コマンド領域の値と一致するか否かを判定する(A5410)。準備した確率情報コマンドが停電復旧時送信コマンド領域の値と一致する場合(A5410の結果が「Y」)、すなわち確率の状態が変化していない場合には、演出モード情報チェック処理を終了する。
また、準備した確率情報コマンドが停電復旧時送信コマンド領域の値と一致しない場合(A5410の結果が「N」)には、準備した確率情報コマンドを停電復旧時送信コマンド領域にセーブして(A5411)、演出コマンド設定処理を実行する(A5412)。 次いで、新しく設定された演出残り回転数に対応する演出回転数コマンドを演出コマンドとして準備して(A5413)、演出コマンド設定処理を実行する(A5414)。
次に、遊技制御装置100は、高確率変動回数に対応する高確率変動回数コマンドを演出コマンドとして準備して(A5415)、演出コマンド設定処理(A5416)を実行する。次いで、新たな演出モードは左打ちするモードであるか否かを判定し(A5417)、左打ちするモードでない場合(A5417の結果が「N」)には、演出モード情報チェック処理を終了する。また、左打ちするモードである場合(A5417の結果が「Y」)には、左打ち指示報知コマンドを演出コマンドとして準備し(A5418)、演出コマンド設定処理を実行して(A5419)、演出モード情報チェック処理を終了する。これにより、演出モードの切替の規定回転数前から切替を予告する演出を行うことが可能となる。このように遊技制御装置100で演出モードを管理するようにしたことで、例えば特定の演出モードでのみ特定のリーチを発生させる等の制御が可能となり、遊技の興趣を向上することができる。
〔ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1〕
次に、特図表示中処理におけるファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1(A5124)の詳細について説明する。図45は、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、ファンファーレ/インターバル中処理に係る処理番号である「3」を設定し(A5501)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(A5502)。
次に、遊技制御装置100は、大当り(特別遊技状態)の開始に関する信号(例えば、大当り1信号をオン(大当り+小当りで出力)、大当り4信号をオン(大当りで出力))を外部情報出力データ領域にセーブし(A5503)、高確率状態と時短状態の終了に関する信号(例えば、特別図柄1高確率状態信号をオフ、特別図柄2高確率状態信号をオフ、特別図柄1変動時間短縮状態信号をオフ、特別図柄2変動時間短縮状態信号をオフ、普通図柄1高確率状態信号をオフ)を試験信号出力データ領域にセーブする(A5504)。なお、特図高確率中でも、普図は確率状態しか変化しないので、普通図柄1変動時間短縮状態信号及び普通電動役物1開放延長状態信号は常時オフされている。その後、特別遊技状態で実行したラウンド数を管理するためのラウンド数領域をクリアし(A5505)、遊技状態表示番号領域に時短なしの番号をセーブして(A5506)、普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率フラグをセーブする(A5507)。
そして、遊技制御装置100は、変動図柄判別フラグ領域をクリアし(A5508)、高確率状態の表示に係る遊技盤30に設けた遊技状態表示LED(第3遊技状態表示部)59を消灯させるために高確率報知フラグ領域をクリアして(A5509)、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率&時短なしフラグをセーブする(A5510)。次に、停電復旧時に演出制御装置300に出力されるコマンドをセーブする停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(低確率)をセーブし(A5511)、高確率状態で実行可能な特図変動表示ゲームの回数を管理するための高確率変動回数領域をクリアする(A5512)。これにより高確率状態及び時短状態(普電サポート状態)が終了する。
その後、遊技制御装置100は、演出モード番号領域に演出モード1の番号をセーブし(A5513)、演出残り回転数領域をクリアして(A5514)、次モード移行情報領域に更新なしコードをセーブする(A5515)。そして、右打ち指示に関する信号(例えば、発射位置指定信号1をオン)を試験信号出力データ領域にセーブし(A5516)、右打ち中の表示LED(第1遊技状態表示部57)を点灯させるため、遊技状態表示番号2領域に右打ち状態中の番号をセーブして(A5517)、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1を終了する。これにより、特別遊技状態(大当り状態)の発生に伴い演出モードの情報が一旦クリアされることとなる。
〔小当りファンファーレ中処理移行設定処理1〕
次に、特図表示中処理における小当りファンファーレ中処理移行設定処理1(A5134)の詳細について説明する。図46は、小当りファンファーレ中処理移行設定処理1の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、処理番号として小当りファンファーレ中処理にかかる「7」を設定して(A5601)、当該処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(A5602)。
次に、遊技制御装置100は、小当りファンファーレ時間(例えば0.3秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(A5603)、小当り遊技の開始に関する信号(例えば、大当り1信号をオン(大当り+小当りで出力))を外部情報出力データ領域にセーブして(A5604)、小当り遊技の開始に関する信号(例えば、特別図柄1小当り信号をオン)を試験信号出力データ領域にセーブする(A5605)。
次いで、遊技制御装置100は、大入賞口不正入賞数領域をクリアして(A5606)、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブする(A5607)。次いで、右打ち指示に関する信号(発射位置指定信号1をオン)を試験信号出力データ領域にセーブし(A5608)、右打ち中の表示LED(第1遊技状態表示部57)を点灯させるため、遊技状態表示番号2領域に右打ち状態中の番号をセーブして(A5609)、小当りファンファーレ中処理移行設定処理1を終了する。
〔ファンファーレ/インターバル中処理〕
次に、特図ゲーム処理におけるファンファーレ/インターバル中処理(A2611)の詳細について説明する。図47は、ファンファーレ/インターバル中処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、特別遊技状態のラウンド数(R)を+1更新し(A5701)、特別遊技状態(大当り状態)のラウンド数に対応するラウンドコマンドを演出コマンドとして準備して(A5702)、演出コマンド設定処理(A5703)を行う。
その後、遊技制御装置100は、大入賞口動作判定テーブルを設定し(A5704)、停止図柄番号に対応する大入賞口開放情報に応じた開放切替判定値を取得する(A5705)。そして、特別遊技状態のラウンド数が、取得した開放切替判定値よりも大きいか否かを判定する(A5706)。ラウンド数が開放切替判定値よりも大きい場合(A5706の結果が「Y」)、短開放用の大入賞口開放時間(例えば0.2秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(A5707)、ラウンド数が開放切替判定値以下の場合(A5706の結果が「N」)、長開放用の大入賞口開放時間(例えば29秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(A5708)。
その後、遊技制御装置100は、処理番号を大入賞口開放中処理にかかる「4」に設定し(A5709)、処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(A5710)。その後、大入賞口の開放開始に関する信号(例えば、特別電動役物1作動中信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブして(A5711)、大入賞口への入賞数を記憶する大入賞口カウント数領域の情報をクリアする(A5712)。そして、大入賞口ソレノイド出力データ領域にオンデータをセーブして(A5713)、ファンファーレ/インターバル中処理を終了する。
なお、本実施形態においては、大当りパターンを示す大入賞口開放情報として、大入賞口開放情報1(4R:全て短開放)、大入賞口開放情報2(16R:全て長開放)、大入賞口開放情報3(16R:1〜4Rは長開放、5〜16Rは短開放)、大入賞口開放情報4(4R:全て長開放)、大入賞口開放情報5(16R:全て長開放)、大入賞口開放情報6(16R:1〜8Rは長開放、9〜16Rは短開放)、大入賞口開放情報7(16R:1〜4Rは長開放、5〜16Rは短開放)が設定されている。
従って、大入賞口動作判定テーブルには、大入賞口開放情報1データと開放切替判定値「0」とが、大入賞口開放情報2データと開放切替判定値「16」とが、大入賞口開放情報3データと開放切替判定値「4」とが、大入賞口開放情報4データと開放切替判定値「4」とが、大入賞口開放情報5データと開放切替判定値「16」とが、大入賞口開放情報6データと開放切替判定値「8」とが、大入賞口開放情報7データと開放切替判定値「4」とが対応付けて記憶されている。そして、ラウンド数が開放切替判定値以下である間は長開放、ラウンド数が開放切替判定値を上回ると短開放となる開放動作を行うようになっている。
〔大入賞口開放中処理〕
次に、特図ゲーム処理における大入賞口開放中処理(A2612)の詳細について説明する。図48は、本実施形態の大入賞口開放中処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、実行中の特別遊技状態における現在のラウンド数とRWMのラウンド数上限値領域のラウンド数上限値とを比較して現在のラウンドが最終ラウンドであるかを判定する(A5901)。そして、最終ラウンドでない場合(A5901の結果が「N」)、大入賞口動作判定テーブルを設定し(A5902)、大入賞口開放情報に対応する開放切替判定値を取得して(A5903)、特別遊技状態のラウンド数が、取得した開放切替判定値よりも大きいか否かを判定する(A5904)。
遊技制御装置100は、ラウンド数が開放切替判定値よりも大きい場合(A5904の結果が「Y」)には、短閉鎖用の残存球処理時間(例えば1.4秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(A5905)、ラウンド間のインターバルに係るインターバルコマンドを演出コマンドとして準備して(A5907)、演出コマンド設定処理を実行する(A5910)。
遊技制御装置100は、ラウンド数が開放切替判定値以下の場合(A5904の結果が「N」)には、長閉鎖用の残存球処理時間(例えば1.9秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(A5906)、インターバルコマンドを演出コマンドとして準備して(A5907)、演出コマンド設定処理を実行する(A5910)。
遊技制御装置100は、最終ラウンドである場合(A5901の結果が「Y」)、残存球処理時間(最終用)(例えば1.9秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(A5908)、特別遊技状態の終了の際におけるエンディング表示画面の表示制御等に係るエンディングコマンドを演出コマンドとして準備して(A5909)、演出コマンド設定処理を実行する(A5910)。
その後、遊技制御装置100は、処理番号を大入賞口残存球処理に係る「5」に設定し(A5911)、処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(A5912)。その後、大入賞口ソレノイド39bをオフさせるためのオフデータを大入賞口ソレノイド出力データ領域にセーブし(A5913)、大入賞口開放中処理を終了する。
〔大入賞口残存球処理〕
次に、特図ゲーム処理における大入賞口残存球処理(A2613)の詳細について説明する。図49は、大入賞口残存球処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、実行中の特別遊技状態における現在のラウンド数とRWMのラウンド数上限値領域のラウンド数上限値とを比較して現在のラウンドが最終ラウンドであるかを判定する(A6101)。
そして、遊技制御装置100は、特別遊技状態における現在のラウンドが最終ラウンドでない場合(A6101の結果が「N」)、大入賞口動作判定テーブルを設定し(A6102)、大入賞口開放情報に対応する開放切替判定値を取得して(A6103)、通常用のインターバル時間(例えば0.1秒)を設定する(A6104)。
次に、遊技制御装置100は、特別遊技状態のラウンド数が、取得した開放切替判定値よりも大きいか否かを判定し(A6105)、ラウンド数が開放切替判定値よりも大きい場合(A6105の結果が「Y」)、ステップA6109の処理に移行する。また、ラウンド数が開放切替判定値以下の場合(A6105の結果が「N」)、大入賞口開放情報がランクダウン演出系の値であるか否かを判定する(ステップA6106)。
ここで、ランクダウン演出とは、大当りラウンドが継続するか否かを報知するラウンド継続報知演出を実行し、該ラウンド継続報知演出において大当りラウンドが継続されないことを報知する演出が該当する。具体的には、大当りパターンを示す大入賞口開放情報が、大入賞口開放情報2(16R:全て長開放)と大入賞口開放情報3(16R:1〜4Rは長開放、5〜16Rは短開放)との何れかが選択された場合に、大当りラウンドの1R〜3Rまで表示装置41の表示画面に所定の大当りラウンド演出を表示し、4R目でラウンド継続報知演出を実行する。大入賞口開放情報が大入賞口開放情報2であれば、ラウンド継続報知演出においてラウンド継続が報知され、5R目以降のラウンドにおいても大入賞口が長開放で開放され、大入賞口開放情報が大入賞口開放情報3であれば、ラウンド継続報知演出においてラウンド非継続が報知され、5R目以降のラウンドにおいて大入賞口が短開放で開放されることとなる。
遊技制御装置100は、大入賞口開放情報がランクダウン演出系の値でない場合(A6106の結果が「N」)、ステップA6109の処理に移行する。また、大入賞口開放情報がランクダウン演出系の値である場合(A6106の結果が「Y」)、ラウンド数が特殊演出ラウンドの値(例えば、4R)であるかを判定する(A6107)。ラウンド数が特殊演出ラウンドの値でない場合(A6107の結果が「N」)は、ステップA6109の処理に移行する。
また、遊技制御装置100は、ラウンド数が特殊演出ラウンドの値である場合(A6107の結果が「Y」)、例えばラウンド数が4Rである場合は、ランクダウン演出用のインターバル時間(例えば3.6秒)を設定して(A6108)、ステップA6109の処理に移行する。なお、特殊ラウンド数は1種類に限らず、例えば4Rと8Rというように複数種類設けても良い。
そして、遊技制御装置100は、ステップA6104又はA6108にて設定したインターバル時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA6109)、ファンファーレ/インターバル中処理に係る処理番号である「3」を設定する(A6110)。次に、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブし(A6111)、大入賞口(特別変動入賞装置39)の開放終了に関する信号(例えば、特別電動役物1作動中信号をオフ)を試験信号出力データ領域にセーブし(A6122)、大入賞口残存球処理を終了する。
一方、遊技制御装置100は、特別遊技状態における現在のラウンドが最終ラウンドである場合(A6101の結果が「Y」)、特別結果が導出された際の演出モードを記憶する特図ゲームモードフラグ退避領域からフラグをロードし(A6112)、ロードしたフラグと大入賞口開放情報と停止図柄パターンとに対応するエンディング時間を設定して(A6113)、設定したエンディング時間(例えば1.9秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(A6114)。
その後、遊技制御装置100は、大当り終了処理に係る処理番号として「6」を設定し(A6115)、処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(A6116)。その後、大入賞口への入賞数を記憶する大入賞口カウント数領域の情報をクリアし(A6117)、特別遊技状態のラウンド数を記憶するラウンド数領域の情報をクリアして(A6118)、特別遊技状態のラウンド数の上限値を記憶するラウンド数上限値領域の情報をクリアする(A6119)。
そして、遊技制御装置100は、ラウンド数の上限値判定用のフラグを記憶するラウンド数上限値情報領域の情報をクリアし(A6120)、大入賞口の開放情報判定用のフラグを記憶する大入賞口開放情報領域の情報をクリアして(A6121)、大入賞口(特別変動入賞装置39)の開放終了に関する信号(例えば、特別電動役物1作動中信号をオフ)を試験信号出力データ領域にセーブし(A6122)、大入賞口残存球処理を終了する。
〔大当り終了処理〕
次に、特図ゲーム処理における大当り終了処理(A2614)の詳細について説明する。図50は、大当り終了処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、時間短縮判定データが、時短作動データあるか否かを判定する(A6201)。時短作動データでない場合(A6201の結果が「N」)は、大当り終了設定処理1を実行し(A6202)、時短作動データである場合(A6201の結果が「Y」)は、大当り終了設定処理2を実行する(A6203)。
次に、遊技制御装置100は、演出モード情報アドレステーブルを設定し(A6204)、変動開始時の停止図柄設定処理(特にA4009、A4109)で設定した演出モード移行情報に対応するテーブルのアドレスを取得し(A6205)、特別遊技状態(大当り状態)の終了後に設定される演出モードの演出モード番号(演出モードの番号)を取得してセーブする(A6206)。
次に、遊技制御装置100は、特別遊技状態の終了後に設定される演出モードの演出残り回転数(初期値)を取得してセーブし(A6207)、特別遊技状態の終了後に設定される演出モードの次モード移行情報を取得してセーブする(A6208)。
続いて、遊技制御装置100は、新たに設定された演出モード番号に対応する確率情報コマンドを準備し(A6209)、準備した確率情報コマンドを停電復旧時送信コマンド領域に演出コマンドとしてセーブし(A6210)、演出コマンド設定処理を実行する(A6211)。
ここで、確率情報コマンドには、特別遊技状態(大当り状態)の終了後における確率状態、時短(普電サポート)の有無、演出モードの情報が含まれる。確率情報コマンドとして、「高確率・時短あり」、「高確率・時短なし」の何れかに、更に演出モードの情報が含まれた複数のコマンドがある。本実施形態では、大当りが終了すると必ず確変状態になる(所謂ST状態に必ずなる)ので、確率情報コマンドとして、「高確率・時短あり・演出モードA」、「高確率・時短あり・演出モードB」、「高確率・時短あり・演出モードC」、「高確率・時短なし・演出モードA」がある。なお、この処理では使われないが、他に「低確率・時短なし・演出モードA」、「低確率・時短なし・演出モードB」、「低確率・時短なし・演出モードC」がある。
次に、遊技制御装置100は、演出残り回転数に対応する演出回転数コマンドを演出コマンドとして準備し(A6212)、演出コマンド設定処理を実行する(A6213)。そして、高確率変動回数に対応する高確率変動回数コマンドを演出コマンドとして準備し(A6214)、演出コマンド設定処理を実行する(A6215)。
次に、遊技制御装置100は、大当り終了後に時短(普電サポート)があるか否かを判定する(A6216)。時短(普電サポート)がある場合(A6216の結果が「Y」)、ステップA6219の処理に移行する。時短(普電サポート)がない場合(A6216の結果が「N」)、左打ち指示報知コマンドを演出コマンドとして準備し(A6217)、演出コマンド設定処理を実行し(A6218)、ステップA6219の処理に移行する。
次に、遊技制御装置100は、特図普段処理移行設定処理2を実行し(A6219)、大当り終了処理を終了する。
〔大当り終了設定処理1〕
次に、大当り終了処理における大当り終了設定処理1(A6202)の詳細について説明する。図51は、大当り終了設定処理1の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、時短状態なしに関する信号(例えば、大当り2信号をオフ)を外部情報出力データ領域にセーブして(A6301)、高確率状態と時短状態なしの開始に関する信号(例えば、特別図柄1高確率状態信号をオン、特別図柄2高確率状態信号をオン、特別図柄1変動時間短縮状態信号をオフ、特別図柄2変動時間短縮状態信号をオフ、普通図柄1高確率状態信号をオフ)を試験信号出力データ領域にセーブする(A6302)。
次に、遊技状態表示番号領域に時短状態なしの番号をセーブし(A6303)、普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率フラグをセーブして(A6304)、特図ゲームモードフラグ領域に特図高確率&時短なしフラグをセーブする(A6305)。その後、高確率変動回数領域に初期値(例えば100回)をセーブし(A6306)、左打ち指示に関する信号(例えば、発射位置指定信号1をオフ)を試験信号出力データ領域にセーブし(A6307)、右打ち中の表示LED(第1遊技状態表示部57)を消灯させるため、遊技状態表示番号2領域に左打ち状態中の番号をセーブして(A6308)、大当り終了設定処理1を終了する。
〔大当り終了設定処理2〕
次に、大当り終了処理における大当り終了設定処理2(A6203)の詳細について説明する。図52は、大当り終了設定処理2の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、時短状態の開始に関する信号(例えば、大当り2信号をオン)を外部情報出力データ領域にセーブする(A6401)。時短状態の開始に関する信号は、大当り中から出力されているので継続する形で、外部情報出力データ領域にセーブされる。次いで、高確率状態と時短状態の開始に関する信号(例えば、特別図柄1高確率状態信号をオン、特別図柄2高確率状態信号をオン、特別図柄1変動時間短縮状態信号をオン、特別図柄2変動時間短縮状態信号をオン、普通図柄1高確率状態信号をオン)を試験信号出力データ領域にセーブする(A6402)。
次に、遊技状態表示番号領域に時短状態ありの番号をセーブし(A6403)、普図ゲームモードフラグ領域に普図高確率フラグをセーブして(A6404)、特図ゲームモードフラグ領域に特図高確率&時短ありフラグをセーブする(A6405)。その後、高確率変動回数領域に初期値(例えば100回)をセーブして(A6406)、大当り終了設定処理2を終了する。なお、本実施形態の場合、時短状態中は右打ちモードであるが、大当り中から右打ちモードが設定されているので、大当り終了設定処理2では右打ちに関する設定を行わない。
〔特図普段処理移行設定処理2〕
図53は、特図普段処理移行設定処理2の手順を示すフローチャートである。特図普段処理移行設定処理2は、図50に示した大当り終了処理におけるステップA6219にて実行される。
遊技制御装置100は、まず、特図普段処理に係る処理番号として「0」を設定し(A6501)、処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(A6502)。
その後、遊技制御装置100は、大当りの終了に関する信号(例えば、大当り1信号をオフ、大当り3信号をオフ、大当り4信号をオフ)を外部情報出力データ領域にセーブして(A6503)、大当りの終了に関する信号(例えば、条件装置作動中信号をオフ、役物連続作動装置作動中信号をオフ、特別図柄1当り信号をオフ、特別図柄2当り信号をオフ)を試験信号出力データ領域にセーブする(A6504)。
続いて、遊技制御装置100は、時間短縮判定フラグ領域の情報をクリアし(A6505)、大当りのラウンド回数を示すラウンドLEDのポインタ領域の情報をクリアして(A6506)、演出モード移行情報領域の情報をクリアする(A6507)。そして、特図ゲームモードフラグ退避領域の情報をクリアし(A6508)、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブする(A6509)。
次に、遊技制御装置100は、RWMの排出球数領域を0クリアし(A6510)、排出球数の「00」表示のセグメントデータを排出球数表示部66のセグメントに対応するセグメント領域にセーブする(A6511)。これにより、出力処理(図11のA1610)を介して、大当り終了の際に排出球数表示部66において排出球数を「00」と表示することができる。
また、遊技制御装置100は、RWMの獲得球数領域を0クリアし(A6512)、セグメントカラーナンバー領域の値を初期値(例えば赤に対応)に設定し(A6513)、出玉率の「00」表示のセグメントデータをカラーナンバーに対応するセグメント領域(例えば赤表示領域)にセーブする(A6514)。なお、カラーナンバーに対応しないセグメント領域(例えば緑表示領域)は0クリアする。これにより、出力処理(図11のA1610)を介して、大当り終了の際に出玉率表示部67において出玉率を「00」と表示することができる。その後、特図普段処理移行設定処理2を終了する。
なお、大当り状態(特別遊技状態)中では、排出球数100個当りの賞球数の合計である獲得球数(即ち出玉率)が非常に大きくなっている。このため、大当り状態終了の際に、排出球数領域(ひいては排出球数)と獲得球数領域(ひいては出玉率)を0クリアして、再度、獲得球数(即ち出玉率)の正確な計測を開始するようにしている。また、大当り状態終了の際に、排出球数表示と出玉率表示は、リセットされ「00」表示となる。しかし、役物比率は、遊技機10の電源投入から継続して計測した方が正確であるため、大当り状態終了後も役物別獲得球数領域(ひいては役物比率)は0クリアしない。そして、役物比率表示は、リセットされず大当りの前後で継続して表示される。
以上のように、ステップA6510〜A6514の処理は、大当り終了の際(大当り終了時)に、排出球数、出玉率(賞球数の合計)、排出球数表示、及び、出玉率表示をリセットして初期値(ここでは0又は「00」)に設定するリセット手段を構成する。
〔小当りファンファーレ中処理〕
次に、特図ゲーム処理における小当りファンファーレ中処理(A2615)の詳細について説明する。図54は、小当りファンファーレ中処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、処理番号として小当り中処理にかかる「8」を設定して(A6701)、当該処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(A6702)。
次いで、遊技制御装置100は、小当り遊技における大入賞口の開放時間(例えば0.2秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブして(A6703)、小当り動作の開始に関する信号(例えば、特別電動役物1作動中信号をオン)を試験信号出力データ領域にセーブする(A6704)。次いで、特別変動入賞装置39の開閉扉39cを開放するために、大入賞口ソレノイド39bをオンさせるためのオンデータを大入賞口ソレノイド出力データ領域にセーブする(A6705)。
その後、遊技制御装置100は、大入賞口への入賞数を記憶する大入賞口カウント数領域の情報をクリアし(A6706)、小当り中制御ポインタ領域に小当り動作初期値(例えば「0」)をセーブして(A6707)、小当りファンファーレ中処理を終了する。
〔小当り中処理〕
次に、特図ゲーム処理における小当り中処理(A2616)の詳細について説明する。図55は、小当り中処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、小当り中制御ポインタの値をロードして(A6801)、ロードした値が小当り動作終了値(例えば「6」)以上であるか否かを判定する(A6802)。ロードした値が小当り動作終了値以上でない場合(A6802の結果が「N」)、小当り中制御ポインタを+1更新し(A6803)、小当り動作移行設定処理を実行して(A6804)、小当り中処理を終了する。
一方、遊技制御装置100は、ロードした値が小当り動作終了値以上である場合(A6802の結果が「Y」)には、特図ゲームモードフラグ退避領域からフラグをロードし(A6805)、ロードしたフラグが特図高確率中に関するフラグであるか否かを判定する(A6806)。これにより、特図高確率中での小当りか否かを判定する。なお、ここでは、時短状態中であるか否かは問わない。
遊技制御装置100は、ロードしたフラグが特図高確率中に関するフラグである場合(A6806の結果が「Y」)、処理番号として小当り残存球処理にかかる「9」を設定する(A6809)。また、ロードしたフラグが特図高確率中に関するフラグでない場合(A6806の結果が「N」)、小当り終了画面のコマンドを演出コマンドとして準備し(A6807)、演出コマンド設定処理を実行して(A6808)、処理番号として小当り残存球処理にかかる「9」を設定する(A6809)。
その後、遊技制御装置100は、当該処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(A6810)。次いで、小当り残存球処理時間(例えば1.9秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(A6811)、大入賞口ソレノイド出力データ領域にオフデータをセーブして(A6812)、小当り中処理を終了する。
〔小当り動作移行設定処理〕
次に、小当り中処理における小当り動作移行設定処理(A6804)の詳細について説明する。図56は、小当り動作移行設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、制御ポインタ(小当り中制御ポインタ)に応じて分岐処理を実行する(A6901)。制御ポインタが0、2、4の場合は、制御ポインタに対応するウェイト時間(例えば1500msec)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(A6902)、大入賞口ソレノイド出力データ領域にオフデータをセーブして(A6903)、小当り動作移行設定処理を終了する。
一方、遊技制御装置100は、制御ポインタが1、3、5の場合は、制御ポインタに対応する大入賞口開放時間(例えば200msec)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(A6904)、大入賞口ソレノイド出力データ領域にオンデータをセーブして(A6905)、小当り動作移行設定処理を終了する。
ここで、本実施形態の場合、300msecの小当りファンファーレ時間の後に、200msecの開放と1500msecの閉鎖とを交互に行い、開放の終了時及び閉鎖の終了時に小当り中制御ポインタが順次更新される。具体的には、1回目の200msec開放の終了時(すなわち、1回目の200msec開放から1回目の1500msec閉鎖への切り替わり時)に小当り中制御ポインタが0に更新され、1回目の1500msec閉鎖の終了時(すなわち、1回目の1500msec閉鎖から2回目の200msec開放への切り替わり時)に小当り中制御ポインタが1に更新され、2回目の200msec開放の終了時に小当り中制御ポインタが2に更新され、2回目の1500msec閉鎖の終了時に小当り中制御ポインタが3に更新され、3回目の200msec開放の終了時に小当り中制御ポインタが4に更新され、3回目の1500msec閉鎖の終了時に小当り中制御ポインタが5に更新される。そして、4回目の200msec開放の終了時に小当り中制御ポインタが6に更新され、1900msecの小当り残存球時間と、その後の100msecの小当りエンディング時間との経過後に、小当り状態が終了する。したがって、4回目の200msec開放の後に、2000msec間閉鎖されるので、見た目のエンディング時間は2000msecとなる。
〔小当り残存球処理〕
次に、特図ゲーム処理における小当り残存球処理(A2617)の詳細について説明する。図57は、小当り残存球処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、処理番号として小当り終了処理にかかる「10」を設定して(A7201)、当該処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(A7202)。
次に、遊技制御装置100は、小当りエンディング時間(例えば0.1秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブして(A7203)、小当り動作の終了に関する信号(例えば、特別電動役物1作動中信号をオフ)を試験信号出力データ領域にセーブする(A7204)。次いで、大入賞口カウント数領域の情報をクリアし(A7205)、小当り中制御ポインタ領域の情報をクリア(例えば0クリア)して(A7206)、小当り残存球処理を終了する。
〔小当り終了処理〕
次に、特図ゲーム処理における小当り終了処理(A2618)の詳細について説明する。図58は、小当り終了処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、特図ゲームモードフラグ退避領域からフラグをロードし(A7301)、ロードしたフラグが特図高確率中に関するフラグであるかを判定する(A7302)。ロードしたフラグが特図高確率中に関するフラグでない場合(A7302の結果が「N」)は、演出モード情報アドレステーブルを設定して(A7303)、変動開始時(停止図柄設定時)に設定された演出モード移行情報に対応するテーブルのアドレスを取得する(A7304)。
そして、遊技制御装置100は、移行する演出モードの演出モード番号を取得し、RWM内の演出モード番号領域にセーブして(A7305)、移行する演出モードの演出残り回転数を取得し、RAM内の演出残り回転数領域にセーブして(A7306)、移行する演出モードの次モード移行情報を取得し、RWM内の次モード移行情報領域にセーブする(A7307)。その後、演出モード番号に対応する確率情報コマンドを準備し(A7308)、準備した確率情報コマンドが停電復旧時送信コマンド領域の値と一致するかを判定する(A7309)。準備した確率情報コマンドが停電復旧時送信コマンド領域の値と一致する場合(A7309の結果が「Y」)は、ステップA7319の処理に移行する。
また、遊技制御装置100は、準備した確率情報コマンドが停電復旧時送信コマンド領域の値と一致しない場合(A7309の結果が「N」)には、準備した確率情報コマンドを停電復旧時送信コマンド領域にセーブして(A7310)、演出コマンド設定処理を実行する(A7311)。次に、演出残り回転数に対応する演出回転数コマンドを演出コマンドとして準備して(A7312)、演出コマンド設定処理を実行する(A7313)。さらに、高確率変動回数に対応する高確率変動回数コマンドを演出コマンドとして準備して(A7314)、演出コマンド設定処理を実行する(A7315)。
次に、遊技制御装置100は、新たな演出モードは左打ちするモードであるかを判定し(A7316)、左打ちするモードでない場合(A7316の結果が「N」)、ステップA7319の処理に移行する。また、左打ちするモードである場合(A7316の結果が「Y」)には、左打ち指示報知コマンドを演出コマンドとして準備して(A7317)、演出コマンド設定処理(A7318)を行った後に、ステップA7319の処理に移行する。
そして、遊技制御装置100は、特図ゲームモードフラグ退避領域からフラグをロードし(A7319)、ロードしたフラグが特図時短中(時短状態中)に関するフラグであるかを判定する(A7320)。ロードしたフラグが特図時短中に関するフラグである場合(A7320の結果が「Y」)には、ステップA7323の処理に移行する。また、ロードしたフラグが特図時短中に関するフラグでない場合(A7320の結果が「N」)、左打ち指示に関する信号(例えば、発射位置指定信号1をオフ)を試験信号出力データ領域にセーブし(A7321)、右打ち中の表示LED(第1遊技状態表示部57)を消灯させるため、遊技状態表示番号2領域に左打ち状態中の番号をセーブして(A7322)、ステップA7323の処理に移行する。
次に、遊技制御装置100は、処理番号として特図普段処理にかかる「0」を設定して(A7323)、当該処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(A7324)。小当りの終了に関する信号(例えば、大当り1信号をオフ)を外部情報出力データ領域にセーブして(A7325)、小当りの終了に関する信号(例えば、特別図柄1小当り信号をオフ)を試験信号出力データ領域にセーブする(A7326)。
次に、遊技制御装置100は、変動図柄判別フラグ領域の情報をクリアし(A7327)、演出モード移行情報領域の情報をクリアして(A7328)、特図ゲームモードフラグ退避領域の情報をクリアする(A7329)。そして、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(A7330)、小当り終了処理を終了する。
〔演出コマンド設定処理〕
図59は、演出制御装置300に送信する演出コマンドを設定するための演出コマンド設定処理の手順を示すフローチャートである。この演出コマンド設定処理は、タイマ割込み処理中に実行される処理における演出コマンド設定処理に共通する処理である。
遊技制御装置100は、まず、演出用シリアル送信バッファのステータスを読み込む(A7401)。さらに、送信バッファが満杯か否かを判定する(A7402)。
また、遊技制御装置100は、送信バッファが満杯でない場合には(A7402の結果が「N」)、コマンドデータ(MODE(上位バイト))をシリアル送信バッファに書き込む(A7403)。
遊技制御装置100は、送信バッファが満杯である場合には(A7402の結果が「Y」)、ステップA7401の処理に戻る。
さらに、遊技制御装置100は、演出用シリアル送信バッファのステータスを読み込み(A7404)、送信バッファが満杯か否かを判定する(A7405)。送信バッファが満杯である場合には(A7405の結果が「Y」)、ステップA7404の処理に戻る。
また、遊技制御装置100は、送信バッファが満杯でない場合には(A7405の結果が「N」)、コマンドデータ(ACTION(下位バイト))をシリアル送信バッファに書き込んだ後(A7406)、演出コマンド設定処理を終了する。
以上のように、演出制御装置300に対してはシリアル通信で演出コマンドを送信するようにしたことで、遊技制御装置100の負担を軽減できるとともに、演出コマンドの解析を困難にすることができる。また、コマンドの送出タイミングが早まるとともに、データ線の本数を減らすことができる。さらに、演出制御装置300においてもストローブ内でのコマンドの取り込みが必要なくなり、負担を軽減することができる。
〔図柄変動制御処理〕
図60に、前述の特図ゲーム処理における図柄変動制御処理(A2620、A2622)、後述の普図ゲーム処理における図柄変動制御処理を示した。図柄変動制御処理は、特別図柄(第1特図、第2特図等)や普通図柄(普図)の変動の制御と、特別図柄や普通図柄の表示データの設定を行う処理である。
遊技制御装置100は、まず、制御対象の図柄(例えば、第1特図、第2特図、及び普図の何れか)にかかる変動制御フラグが変動中であるかチェックし判定する(A7501、A7502)。本実施形態の場合、ステップA2619、ステップA2621、ステップA7614にて準備した変動制御テーブル上に、変動制御フラグ領域の下位アドレス、点滅制御タイマの初期値、変動図柄番号上限判定値、表示テーブル2(停止用)のアドレス、表示テーブル1(変動用)のアドレスが定義されている。
遊技制御装置100は、制御対象の図柄にかかる変動中フラグが変動中である場合(A7502の結果が「Y」)、制御対象の図柄に対応する図柄表示テーブル(変動用)を取得する(A7503)。本実施形態の場合、ステップA2619、ステップA2621、ステップA7614にて準備した変動制御テーブル上に、図柄表示テーブル(変動用)のアドレスが定義されている。
次に、遊技制御装置100は、制御対象の点滅制御タイマを−1更新し(A7504)、更新後の点滅制御タイマが0であるかを判定して(A7505)、更新後の点滅制御タイマが0でない場合(A7505の結果が「N」)、制御対象の変動図柄番号領域の値に対応する表示データを取得する(A7508)。そして、取得した表示データを対象のセグメント領域にセーブして(A7511)、図柄変動制御処理を終了する。
また、更新後の点滅制御タイマが0である場合(A7505の結果が「Y」)は、対象の点滅タイマ領域に対応する点滅制御タイマ初期値をセーブし(A7506)、制御対象の変動図柄番号を対応する範囲で+1更新して(A7507)、制御対象の変動図柄番号領域の値に対応する表示データを取得する(A7508)。そして、取得した表示データを対象のセグメント領域にセーブして(A7511)、図柄変動制御処理を終了する。
一方、遊技制御装置100は、制御対象の図柄にかかる変動中フラグが変動中でない場合(A7502の結果が「N」)は、制御対象の図柄に対応する図柄表示テーブル(停止用)を取得する(A7509)。本実施形態の場合、ステップA2619、ステップA2621、ステップA7614にて準備した変動制御テーブル上に、図柄表示テーブル(停止用)のアドレスが定義されている。次に、制御対象の停止図柄番号領域の値に対応する表示データを取得し(A7510)、取得した表示データを対象のセグメント領域にセーブして(A7511)、図柄変動制御処理を終了する。
ステップA7506でセーブする点滅制御タイマ初期値は、処理対象のゲームに応じて準備されている変動制御テーブルにおいて定義された値がセーブされる。ここでは、点滅制御タイマ初期値として100msecに相当する値が定義されている。この点滅制御タイマ初期値は、一括表示装置50において変動時間中に点灯パターンを更新する間隔である。
また、ステップA7507における対応する範囲は、処理対象のゲームに応じて準備されている変動制御テーブルにおいて定義された変動図柄番号上限判定値により規定される。ステップA7507において変動図柄番号を+1更新することで変動図柄番号上限値に達した場合は変動図柄番号を0にするようにされており、変動図柄番号は0〜(変動図柄番号上限判定値−1)の範囲で順次更新される。ステップA7508、A7511ではこの変動図柄番号に応じた表示データ(点灯パターン)を取得して表示する設定を行うようになっており、変動図柄番号上限判定値に等しい回数の点灯パターンの更新(変更)が行われることで一巡する表示が繰り返し行われることとなる。
このように処理対象のゲームに応じて準備されている変動制御テーブルにおいて点滅制御タイマ初期値と変動図柄番号上限値を定義することで、一括表示装置50において点灯パターンを更新させる間隔や表示が一巡する更新回数をゲームごとに設定することができる。
〔普図ゲーム処理〕
次に、タイマ割込み処理における普図ゲーム処理(A1310)の詳細について説明する。図61は、普図ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。普図ゲーム処理では、ゲートスイッチ34aの入力の監視と、普図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、普図の表示の設定等を行う。
遊技制御装置100は、まず、ゲートスイッチ34aからの入力を監視するゲートスイッチ監視処理を実行する(A7601)。ゲートスイッチ監視処理の詳細については、後述する。
続いて、遊技制御装置100は、始動口2スイッチ37aからの入力を監視する普電入賞スイッチ監視処理を実行する(A7602)。普電入賞スイッチ監視処理の詳細については、後述する。
次に、遊技制御装置100は、普図ゲーム処理タイマが0でなければ−1更新する(1だけ減算する)(A7603)。なお、普図ゲーム処理タイマの最小値は0に設定されている。そして、遊技制御装置100は、普図ゲーム処理タイマの値が0となったか否かを判定する(A7604)。
遊技制御装置100は、普図ゲーム処理タイマの値が0である場合(A7604の結果が「Y」)、すなわち、タイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合には、普図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する普図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する(A7605)。
さらに、遊技制御装置100は、設定された普図ゲームシーケンス分岐テーブルに基づいて普図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(A7606)。そして、普図ゲーム処理番号によるサブルーチンコールを行って、普図ゲーム処理番号に応じたゲーム分岐処理を実行する(A7607)。
遊技制御装置100は、ステップA7607にてゲーム処理番号が「0」の場合には、普図変動表示ゲームの変動開始を監視し、普図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、普図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図普段処理を実行する(A7608)。普図普段処理の詳細については、図64にて後述する。
また、遊技制御装置100は、ステップA7607にてゲーム処理番号が「1」の場合には、普図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図変動中処理を実行する(A7609)。普図変動中処理の詳細については、図66にて後述する。
また、遊技制御装置100は、ステップA7607にてゲーム処理番号が「2」の場合には、普図変動表示ゲームの結果が当りであれば、時短状態中であるか否かに応じた普電開放時間の設定や、普図当り中処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図表示中処理を実行する(A7610)。普図表示中処理の詳細については、図67にて後述する。
また、遊技制御装置100は、ステップA7607にてゲーム処理番号が「3」の場合は、普図当り中処理の継続、あるいは普電残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図当り中処理を実行する(A7611)。普図当り中処理の詳細については、図68にて後述する。
また、遊技制御装置100は、ステップA7607にてゲーム処理番号が「4」の場合は、普図当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う普電残存球処理を実行する(A7612)。普図残存球処理の詳細については、図70にて後述する。
また、遊技制御装置100は、ステップA7607にてゲーム処理番号が「5」の場合は、普図普段処理(A7608)を行うために必要な情報の設定等を行う普図当り終了処理を実行する(A7613)。普図当り終了処理の詳細については、図71にて後述する。
その後、遊技制御装置100は、普図表示器53による普通図柄の変動を制御するための普図変動制御テーブルを準備する(A7614)。その後、普図表示器53による普通図柄の変動の制御に係る図柄変動制御処理を実行し(A7615)、普図ゲーム処理を終了する。
一方、遊技制御装置100は、普図ゲーム処理タイマの値が0でない場合(A7604の結果が「N」)、すなわち、タイムアップしていない場合には、ステップA7614以降の処理を実行する。
〔ゲートスイッチ監視処理〕
図62は、ゲートスイッチ監視処理の手順を示すフローチャートである。ゲートスイッチ監視処理は、図61に示した普図ゲーム処理におけるステップA7601にて実行される。
遊技制御装置100は、まず、ゲートスイッチ34aに入力があるか否かを判定する(A7701)。そして、ゲートスイッチ34aに入力がある場合(A7701の結果が「Y」)、右打ちする遊技状態であるか否かを判定する(A7702)。右打ちする遊技状態は、大当り状態、小当り状態、時短状態(普電サポート状態)である。右打ちする遊技状態である場合(A7702の結果が「Y」)、ステップA7705の処理に移行する。右打ちする遊技状態でない場合(A7702の結果が「N」)、左打ち指示報知コマンド(左打ち指示コマンド)を演出コマンドとして準備し(A7703)、演出コマンド設定処理を実行する(A7704)。左打ち指示報知コマンドを受信した演出制御装置300は、左打ちするよう指示する報知(警告)を表示装置41等によって実行する。
次に、遊技制御装置100は、普図保留数を取得して当該普図保留数が上限値(例えば4)未満であるか否かを判定する(A7705)。遊技制御装置100は、普図保留数が上限値未満である場合には(A7705の結果が「Y」)、普図保留数を+1更新し(A7706)、更新後の普図保留数に対応する当り乱数格納領域のアドレスを算出する(A7707)。そして、当り乱数を抽出してRWMの当り乱数格納領域にセーブし(A7708)、当り図柄乱数を抽出し、当り図柄乱数格納領域にセーブし(A7709)、ゲートスイッチ監視処理を終了する。
一方、遊技制御装置100は、ゲートスイッチ34aに入力がない場合(A7701の結果が「N」)、又は、普図保留数が上限値未満でないと判定された場合には(A7705の結果が「N」)、ゲートスイッチ監視処理を終了する。
〔普電入賞スイッチ監視処理〕
次に、普図ゲーム処理における普電入賞スイッチ監視処理(A7602)の詳細について説明する。図63は、普電入賞スイッチ監視処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、普図当り中か否か、すなわち、普図変動表示ゲームが当り状態となって普通変動入賞装置37が所定回数の開放動作を実行中であるか否かを判定する(A7801)。そして、普図当り中である場合には(A7801の結果が「Y」)、始動口2スイッチ37aに入力があるか否かを判定する(A7802)。始動口2スイッチ37aに入力がある場合には(A7802の結果が「Y」)、普電カウンタのカウント数を+1更新する(A7803)。
次に、遊技制御装置100は、更新後の普電カウンタのカウント数が上限値(例えば、6)に達したか否かを判定する(A7804)。そして、カウント数が上限値に達した場合には(A7804の結果が「Y」)、普図当り中制御ポインタ領域に当り動作終了の値(例えば、4)をセーブする(A7805)。
そして、遊技制御装置100は、ロードしたポインタを普図当り中制御ポインタ領域にセーブする(A7805)。最後に、普図ゲーム処理タイマをクリアし(A7806)、普電入賞スイッチ監視処理を終了する。すなわち、普図の当り状態中に上限値以上の普電入賞があった場合には、その時点で普図当り中処理制御ポインタ領域に当り終了の値をセーブし、普通変動入賞装置37が閉じられて普図の当り状態が途中で終了するようにする。
一方、遊技制御装置100は、普図当り中でないと判定された場合(A7801の結果が「N」)、始動口2スイッチ37aに入力がないと判定された場合(A7802の結果が「N」)、又は、カウント数が上限値に達していないと判定された場合には(A7804の結果が「N」)、普電入賞スイッチ監視処理を終了する。
〔普図普段処理〕
次に、普図ゲーム処理における普図普段処理(A7608)の詳細について説明する。図64は、普図普段処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、普図保留数が0であるか否かを判定する(A7901)。普図保留数が0である場合には(A7901の結果が「Y」)、普図普段処理に移行するための処理番号として「0」を設定し(A7921)、処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(A7922)。その後、普電不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブし(A7923)、普図普段処理を終了する。
また、遊技制御装置100は、普図保留数が0でない場合には(A7901の結果が「N」)、RWMの普図当り乱数格納領域(保留数1用)から当り乱数をロードし、RWMの普図当り図柄乱数格納領域(保留数1用)から当り図柄乱数をロードする(A7902)。そして、普図当り乱数格納領域(保留数1用)と普図当り図柄乱数格納領域(保留数1用)を0クリアする(A7903)。さらに、普図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が通常よりも高い普図高確率中(高確率状態中)であるか否か、すなわち、時短状態(普電サポート状態)であるか否かを判定する(A7904)。なお、高確率中の普図当り確率は250/251であり、低確率中での普図当り確率は0/251である。
遊技制御装置100は、普図高確率中でない場合(A7904の結果が「N」)、普図低確率中の下限判定値である低確率下限判定値(ここでは251)を設定し(A7905)、普図高確率中である場合(A7904の結果が「Y」)、普図高確率中の下限判定値である高確率下限判定値(ここでは1)を設定し(A7906)、ステップA7907の処理に移行する。
遊技制御装置100は、当り乱数が上限判定値(ここでは251)以上であるか否か判定する(A7907)。なお、ここでの上限判定値は、普図高確率中と普図低確率中とで共通する。当り乱数が上限判定値以上である場合(A7907の結果が「Y」)、即ち、はずれの場合、ステップA7909の処理に移行する。当り乱数が上限判定値未満である場合(A7907の結果が「N」)、当り乱数が下限判定値未満であるか否かを判定する(A7908)。
遊技制御装置100は、当り乱数が下限判定値未満である場合(A7908の結果が「Y」)、即ち、はずれの場合、当りフラグ領域にはずれ情報をセーブする(A7909)。さらに、普図停止図柄番号としてはずれ停止図柄番号を設定し(A7910)、はずれ図柄情報を普図停止図柄情報領域にセーブし(A7911)、ステップA7915の処理に移行する。
遊技制御装置100は、当り乱数が下限判定値未満でない場合(A7908の結果が「N」)、即ち、当りの場合、当りフラグ領域に当り情報をセーブし(A7912)、ロードした当り図柄乱数に対応する当り停止図柄番号を設定し(A7913)、当り停止図柄番号に対応する当り停止図柄情報を普図停止図柄情報領域にセーブし(A7914)、ステップA7915の処理に移行する。なお、当り停止図柄は、数種類存在してよい。
次に、遊技制御装置100は、停止図柄番号を普図停止図柄領域にセーブし(A7915)、停止図柄番号を試験信号出力データ領域にセーブし(A7916)、普図当り乱数格納領域をシフトし(A7917)、シフト後の空き領域を0クリアした後(A7918)、普図保留数を−1更新する(A7919)。
すなわち、最も古い普図保留数1に関する普図変動表示ゲームが実行されることに伴い、普図保留数1以降に保留となっている普図保留数2〜4の順位を1つずつ繰り上げる。この処理により、普図当り乱数格納領域の普図保留数2用から普図保留数4用の値が、普図当り乱数格納領域の普図保留数1用から普図保留数3用に移動することとなる。そして、普図当り乱数格納領域の普図保留数4用の値がクリアされて、普図保留数が1デクリメントされる。
次に、遊技制御装置100は、普図変動中処理移行設定処理を実行し(A7920)、普図普段処理を終了する。なお、普図変動中処理移行設定処理については後述する。
〔普図変動中処理移行設定処理〕
図65は、普図変動中処理移行設定処理の手順を示すフローチャートである。普図変動中処理移行設定処理は、図64に示した普図普段処理におけるステップA7920にて実行される。
遊技制御装置100は、まず、普図変動中処理に移行するための処理番号として「1」を設定し(A8101)、処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(A8102)。
その後、遊技制御装置100は、普図変動時間(例えば500msec)を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(A8103)。ここでの普図変動時間は、普図高確率中と普図低確率中とで共通する。普図変動表示ゲームの開始に関する信号(普通図柄1変動中信号をオン)を試験信号出力データ領域にセーブし(A8104)、普図変動表示ゲームが変動中であることを示す変動中フラグを普図変動制御フラグ領域にセーブする(A8105)。そして、普図表示器の点滅周期のタイマの初期値である点滅制御タイマ初期値(例えば100msec)を普図点滅制御タイマ領域にセーブし(A8106)、普図変動中図柄番号領域に初期値(ここでは、ブランク図柄を示す「0」)をセーブし(A8107)、その後、普図変動中処理移行設定処理を終了する。
〔普図変動中処理〕
次に、普図ゲーム処理における普図変動中処理(A7609)の詳細について説明する。図66は、普図変動中処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、普図表示中処理に移行するための設定処理として処理番号を「2」に設定し(A8301)、処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(A8302)。その後、遊技制御装置100は、普図表示器における普図変動表示ゲームの結果の表示時間である普図表示時間(例えば、0.6秒)を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(A8303)。
さらに、遊技制御装置100は、普図の変動終了に関する信号(普通図柄1変動中信号をオフ)を試験信号出力データ領域にセーブする(A8304)。そして、普図変動表示ゲームが停止中であることを示す停止フラグを普図変動制御フラグ領域にセーブし(A8305)、普図変動中処理を終了する。
〔普図表示中処理〕
次に、普図ゲーム処理における普図表示中処理(A7610)の詳細について説明する。図67は、普図表示中処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、普図普段処理にて設定された当りフラグ(当り情報又ははずれ情報)をロードし(A8401)、RWMの当りフラグ領域をクリアする(A8402)。そして、ロードされた当りフラグに当り情報が設定されているか否かを判定する(A8403)。
遊技制御装置100は、当りフラグに当り情報が設定されていない場合には(A8403の結果が「N」)、普図普段処理に移行するための処理番号として「0」を設定し(A8414)、処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(A8415)。その後、普電不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブし(A8416)、普図表示中処理を終了する。
一方、遊技制御装置100は、当りフラグに当り情報が設定されている場合には(A8403の結果が「Y」)、当り中処理設定テーブルを設定し(A8404)、普図停止図柄情報に対応する当り開始ポインタ値(ここでは0、2、4のいずれか)を取得し、普図当り中制御ポインタ領域にセーブする(A8405)。次いで、普図停止図柄情報に対応する普電開放時間(例えば500msec又は1700msec)を取得し、普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(A8406)。以上の処理により時短状態中での普通変動入賞装置37の開放態様が設定され、例えば3回の開放が可能となる。
続いて、遊技制御装置100は、普図当り中処理に移行するための処理番号として「3」を設定し(A8407)、処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(A8408)。その後、普図変動表示ゲームの当りに関する信号(普通図柄1当り中信号をオン)と、普電作動開始に関する信号(普通電動役物1作動中信号をオン)を試験信号出力データ領域にセーブする(A8409)。さらに、普電ソレノイドを駆動(オン)する信号を出力するために普電ソレノイド出力データ領域にオンデータをセーブする(A8410)。
さらに、遊技制御装置100は、普通変動入賞装置37への入賞数を記憶する普電カウント数領域の情報をクリアし(A8411)、普電不正監視期間における普通変動入賞装置37への入賞数を記憶する普電不正入賞数領域の情報をクリアする(A8412)。最後に、普通変動入賞装置37の不正監視期間外を規定するフラグを普電不正監視期間フラグ領域にセーブし(A8413)、普図表示中処理を終了する。
〔普図当り中処理〕
次に、普図ゲーム処理における普図当り中処理(A7611)の詳細について説明する。図68は、普図当り中処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、普図当り中制御ポインタをロードして準備し(A8601)、ロードされた普図当り中制御ポインタの値が普図当り中制御ポインタ上限値領域の値(当り終了の値)に達したか否かを判定する(A8602)。
そして、遊技制御装置100は、普図当り中制御ポインタの値が普図当り中制御ポインタ上限値領域の値に達していない場合には(A8602の結果が「N」)、普図当り中制御ポインタを+1更新する(A8603)。さらに、普電作動移行設定処理を実行し(A8604)、普図当り中処理を終了する。なお、普電作動移行設定処理の詳細については後述する。
また、遊技制御装置100は、普図当り中制御ポインタの値が普図当り中制御ポインタ上限値領域の値(当り終了の値)に達した場合には(A8602の結果が「Y」)、ステップA8603における普図当り中処理制御ポインタ領域を更新(+1)する処理を実行せずに、普電作動移行設定処理を実行し(A8604)、普図当り中処理を終了する。
〔普電作動移行設定処理〕
次に、普図当り中処理における普電作動移行設定処理(A8604)の詳細について説明する。図69は、普電作動移行設定処理の手順を示すフローチャートである。普電作動移行設定処理は、普通変動入賞装置37を開閉するための普電ソレノイド37cの駆動制御を行う処理であり、制御ポインタの値に応じて処理を分岐するようにしている。
遊技制御装置100は、まず、制御ポインタの値に応じて処理を分岐させる(A8701)。制御ポインタの値が0,2のいずれかであった場合には、ステップA8702の処理に移行して普通変動入賞装置37の閉塞を制御するため、制御ポインタに対応する普通変動入賞装置37の閉塞後のウェイト時間(例えば、200msec)を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(A8702)。
さらに、遊技制御装置100は、普電ソレノイド37cをオフさせるために普電ソレノイド出力データ領域にオフデータを設定し(A8703)、普電作動移行設定処理を終了する。
また、制御ポインタの値が1,3のいずれかであった場合には、遊技制御装置100は、ステップA8704の処理に移行して普通変動入賞装置37の開放を制御するため、制御ポインタに対応する普通変動入賞装置37の開放時間である普電開放時間(例えば、1700msec)を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(A8704)。さらに、普電ソレノイド37cをオンさせるために普電ソレノイド出力データ領域にオンデータを設定し(A8705)、普電作動移行設定処理を終了する。
さらに、制御ポインタの値が4のいずれかであった場合には、遊技制御装置100は、ステップA8706に移行して普通変動入賞装置37の開放制御を終了して普電残存球処理(A7612)を実行するために、処理番号として「4」を設定し(A8706)、処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(A8707)。
続いて、遊技制御装置100は、普電残存球処理時間(例えば600msec)を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(A8708)。その後、普電ソレノイド37cをオフに設定するために普電ソレノイド出力データ領域にオフデータをセーブし(A8709)、普電作動移行設定処理を終了する。
〔普電残存球処理〕
次に、普図ゲーム処理における普電残存球処理(A7612)の詳細について説明する。図70は、普電残存球処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、普図当り終了処理に係る処理番号「5」を設定し(A8901)、処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(A8902)。その後、普図エンディング時間(例えば、100msec)を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(A8903)。
さらに、遊技制御装置100は、普通変動入賞装置37の作動終了に関する信号(普通電動役物1作動中信号をオフ)を試験信号出力データ領域にセーブする(A8904)。続いて、普通変動入賞装置37への入賞数を計数する普電カウント数領域をクリアし(A8905)、さらに、普図当り中制御ポインタ領域をクリアする(A8906)。その後、普電残存球処理を終了する。
〔普図当り終了処理〕
次に、普図ゲーム処理における普図当り終了処理(A7613)の詳細について説明する。図71は、普図当り終了処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、普図普段処理に係る処理番号「0」を設定し(A9101)、さらに、処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(A9102)。その後、普図変動ゲームの当り終了に関する信号(普通図柄1当り中信号をオフ)を試験信号出力データ領域にセーブする(A9103)。
さらに、遊技制御装置100は、普通変動入賞装置37の不正監視期間を規定するフラグ(不正監視期間中フラグ)を普電不正監視期間フラグ領域にセーブし(A9104)、その後、普図当り終了処理を終了する。
〔セグメントLED編集処理〕
次に、タイマ割込み処理におけるセグメントLED編集処理(A1311)の詳細について説明する。図72は、セグメントLED編集処理の手順を示すフローチャートである。セグメントLED編集処理では、一括表示装置50に設けられた特図1保留表示器54、特図2保留表示器55、普図保留表示器56、第1遊技状態表示部57、第2遊技状態表示部58、第3遊技状態表示部59、ラウンド表示部60を構成するセグメントLEDの駆動に関する設定等を行う。
遊技制御装置100は、まず、点滅制御タイマを+1更新し(A9201)、出力オンタイミングであるか否かを判定する(A9202)。点滅制御タイマの特定ビットが1である場合に、出力オンタイミングであると判定する。本実施形態では、特定ビットはビット5であるため、128msの点滅周期を作ることができる(図2B参照)。
遊技制御装置100は、出力オンタイミングである場合(A9202の結果が「Y」)、普図保留数表示テーブル1を設定し(A9203)、出力オンタイミングでない場合(A9202の結果が「N」)、普図保留数表示テーブル2を設定し(A9204)、普図保留数に対応する表示データを取得して普図保留表示器56(ランプD15、D16)のセグメント領域にセーブする(A9205)。保留数が0〜2なら、普図保留数表示テーブル1、2のどちらのテーブルでも表示データは同じになるため、普図保留表示器56は点滅しないが、保留数が3〜4なら、普図保留数表示テーブル1の表示データと普図保留数表示テーブル2の表示データは異なるため、普図保留表示器56は点滅する(図2B参照)。
次に、遊技制御装置100は、出力オンタイミングであるか否かを判定する(A9206)。出力オンタイミングである場合(A9206の結果が「Y」)、特図1保留数表示テーブル1を設定し(A9207)、出力オンタイミングでない場合(A9206の結果が「N」)、特図1保留数表示テーブル2を設定し(A9208)、特図1保留数に対応する表示データを取得して特図1保留表示器54(ランプD11、D12)のセグメント領域にセーブする(A9209)。
次に、遊技制御装置100は、出力オンタイミングであるか否かを判定する(A9210)。出力オンタイミングである場合(A9210の結果が「Y」)、特図2保留数表示テーブル1を設定し(A9211)、出力オンタイミングでない場合(A9210の結果が「N」)、特図2保留数表示テーブル2を設定し(A9212)、特図2保留数に対応する表示データを取得して特図2保留表示器55(ランプD13、D14)のセグメント領域にセーブする(A9213)。
その後、遊技制御装置100は、ラウンド表示部60(ランプD3−D7)での表示態様が規定されたラウンド表示LED表示テーブルを設定し(A9214)、ラウンド表示LED出力ポインタに対応する表示データを取得してラウンド表示部60のセグメント領域にセーブする(A9215)。
次に、遊技制御装置100は、第2遊技状態表示部58(ランプD9)や第3遊技状態表示部59(ランプD17)等での表示態様が規定された遊技状態表示テーブル1を設定する(A9216)。さらに、遊技状態表示番号に対応する表示データを取得して各遊技状態表示部のセグメント領域にセーブする(A9217)。
次いで、遊技制御装置100は、第1遊技状態表示部57(ランプD8)での表示態様が規定された遊技状態表示テーブル2を設定する(A9218)。さらに、遊技状態表示番号2に対応する表示データを取得して第1遊技状態表示部57のセグメント領域にセーブする(A9219)。その後、セグメントLED編集処理を終了する。
〔磁石不正監視処理〕
次に、タイマ割込み処理における磁石不正監視処理(A1312)において行われる磁石不正監視処理の詳細について説明する。図73は、磁石不正監視処理の手順を示すフローチャートである。磁石不正監視処理では、磁気センサスイッチ61からの検出信号に基づき異常の有無を判定し、不正報知の開始や終了の設定等を行う。
遊技制御装置100は、まず、磁気センサスイッチ61から出力されて第2入力ポート123(入力ポート2)に取り込まれる検出信号の状態から、磁石センサ(磁気センサスイッチ61)がオン、すなわち、異常な磁気を検出した状態であるか否かを判定する(A9301)。
遊技制御装置100は、磁石センサがオンである場合(A9301の結果が「Y」)、すなわち、異常な磁気を検出した場合には、異常な磁気の検出期間を計時する磁石不正監視タイマを+1更新し(A9302)、当該タイマがタイムアップしたか否かを判定する(A9303)。
遊技制御装置100は、磁石不正監視タイマがタイムアップした場合(A9303の結果が「Y」)、すなわち、異常な磁気を一定期間継続して検出した場合には、磁石不正監視タイマをクリアし(A9304)、磁石不正報知タイマ初期値(例えば60秒)を磁石不正報知タイマ領域にセーブする(A9305)。
そして、遊技制御装置100は、磁石不正報知のコマンドを演出コマンドとして準備し(A9306)、磁石不正が発生したことを示す磁石不正発生フラグを磁石不正フラグとして準備する(A9307)。さらに、準備した磁石不正フラグが磁石不正フラグ領域の値と一致するか否かを判定する(A9313)。すなわち、磁気センサスイッチ61が磁石不正監視タイマで設定した一定期間(例えば8回の割込み)連続してオンであった場合に、異常が発生していると判定するようにしている。
一方、遊技制御装置100は、磁石センサ(磁気センサスイッチ61)がオンでない場合(A9301の結果が「N」)、すなわち、異常な磁気を検出していない場合には、磁石不正監視タイマをクリアする(A9308)。そして、磁石不正の報知時間を規定する磁石不正報知タイマが0でなければ−1更新する(A9309)。なお、磁石不正報知タイマの最小値は0に設定されている。
そして、遊技制御装置100は、磁石不正報知タイマの値が0であるか否かを判定する(A9310)。なお、磁石不正監視タイマがタイムアップしていない場合についても(A9303の結果が「N」)、ステップA9309の処理に移行する。
遊技制御装置100は、磁石不正報知タイマの値が0でない場合(A9310の結果が「N」)、すなわち、タイムアップしていない場合には、磁石不正監視処理を終了する。
また、遊技制御装置100は、磁石不正報知タイマの値が0である場合(A9310の結果が「Y」)、すなわち、タイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合であって、不正報知の期間が終了した場合又は当初から不正報知が行われていない場合には、磁石不正報知終了のコマンドを演出コマンドとして準備する(A9311)。
さらに、遊技制御装置100は、磁石不正フラグとして磁石不正解除フラグを準備し(A9312)、準備した磁石不正フラグが磁石不正フラグ領域の値と一致するか否かを判定する(A9313)。
そして、遊技制御装置100は、準備した磁石不正フラグが磁石不正フラグ領域の値と一致する場合には(A9313の結果が「Y」)、磁石不正監視処理を終了する。一方、準備した磁石不正フラグが磁石不正フラグ領域の値と一致しない場合には(A9313の結果が「N」)、準備した磁石不正フラグを磁石不正フラグ領域にセーブし(A9314)、演出コマンド設定処理を実行する(A9315)。その後、磁石不正監視処理を終了する。
〔盤電波不正監視処理〕
次に、タイマ割込み処理における盤電波不正監視処理(A1313)の詳細について説明する。図74は、盤電波不正監視処理の手順を示すフローチャートである。盤電波不正監視処理では、遊技盤の電波センサ62(盤電波センサ)からの検出信号に基づき異常の有無を判定し不正報知の開始や終了の設定等を行う。
遊技制御装置100は、まず、電波センサ62から出力されて近接I/F121を経由して第2入力ポート123(入力ポート2)に取り込まれる検出信号の状態から、電波センサ62がオン、すなわち、異常な電波を検出した状態であるか否かを判定する(A9401)。電波センサがオンである場合(A9401の結果が「Y」)、すなわち、異常な電波を検出した場合には、電波不正報知タイマ初期値(例えば60秒)を電波不正報知タイマ領域にセーブする(A9402)。
そして、遊技制御装置100は、盤電波不正報知のコマンドを演出コマンドとして準備し(A9403)、盤電波不正が発生したことを示す盤電波不正発生フラグを盤電波不正フラグとして準備する(A9404)。さらに、準備した盤電波不正フラグが盤電波不正フラグ領域の値と一致するか否かを判定する(A9409)。すなわち、電波不正の場合は磁気不正の場合とは異なり、異常な電波を検出した時点で異常が発生していると判定している。
一方、遊技制御装置100は、電波センサがオンでない場合(A9401の結果が「N」)、すなわち、異常な電波を検出していない場合には、電波不正の報知時間を規定する電波不正報知タイマが0でなければ−1更新する(A9405)。なお、電波不正報知タイマの最小値は0に設定されている。
そして、遊技制御装置100は、電波不正報知タイマの値が0であるか否かを判定する(A9406)。電波不正報知タイマの値が0でない場合(A9406の結果が「N」)、すなわち、タイムアップしていない場合には、盤電波不正監視処理を終了する。
また、遊技制御装置100は、電波不正報知タイマの値が0である場合(A9406の結果が「Y」)、すなわち、タイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合であって、不正報知の期間が終了した場合又は当初から不正報知が行われていない場合には、電波不正報知終了のコマンドを演出コマンドとして準備する(A9407)。さらに、盤電波不正フラグとして盤電波不正解除フラグを準備し(A9408)、準備した盤電波不正フラグが盤電波不正フラグ領域の値と一致するか否かを判定する(A9409)。
そして、遊技制御装置100は、準備した盤電波不正フラグが盤電波不正フラグ領域の値と一致する場合には(A9409の結果が「Y」)、盤電波不正監視処理を終了する。また、値が一致しない場合には(A9409の結果が「N」)、準備した盤電波不正フラグを盤電波不正フラグ領域にセーブし(A9410)、演出コマンド設定処理を実行する(A9411)。その後、盤電波不正監視処理を終了する。
〔外部情報編集処理〕
次に、タイマ割込み処理における外部情報編集処理(A1314)の詳細について説明する。図75は、外部情報編集処理の手順を示すフローチャートである。図75Aは外部情報編集処理の前半部分を示し、図75Bは外部情報編集処理の後半部分を示す。外部情報編集処理では、払出コマンド送信処理(A1305)、入賞口スイッチ/状態監視処理(A1308)、磁石不正監視処理(A1312)、盤電波不正監視処理(A1313)での監視結果に基づいて、情報収集端末や遊技場内部管理装置等の外部装置や試射試験装置に出力する情報を作成して出力バッファにセットする処理等を行う。
遊技制御装置100は、まず、ガラス枠開放エラーが発生中であるか否かを判定する(A9501)。ガラス枠開放エラーが発生中でない場合(A9501の結果が「N」)、本体枠開放エラー(前面枠開放エラー)が発生中であるか否かを判定する(A9502)。本体枠開放エラーが発生中でない場合(A9502の結果が「N」)、扉・枠開放信号のオフデータを外部情報出力データ領域にセーブし(A9503)、セキュリティ信号のオフデータを外部情報出力データ領域にセーブする(A9504)。
遊技制御装置100は、ガラス枠開放エラーが発生中である場合(A9501の結果が「Y」)、又は、本体枠開放エラーが発生中である場合(A9502の結果が「Y」)、扉・枠開放信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブし(A9505)、遊技機エラー状態信号のオンデータを試験信号出力データ領域にセーブする(A9506)。
遊技制御装置100は、ステップA9504、A9506の後、セキュリティ信号制御タイマが0でなければ−1更新し(A9507)、セキュリティ信号制御タイマが0であるか否か(タイムアップしたか否か)を判定する(A9508)。セキュリティ信号制御タイマの初期値は、初期化スイッチの操作等によりRAMに記憶されたデータが初期化されたときに、所定時間(例えば256msec)が設定される(メイン処理のA1029)。そして、セキュリティ信号制御タイマはRAM初期化時から計時されることになる。
遊技制御装置100は、セキュリティ信号制御タイマが0でない場合(A9508の結果が「N」)、セキュリティ信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブし(A9509)、ステップA9510の処理に移行する。即ち、RAMに記憶されたデータの初期化が行われたことが外部情報として出力される。
遊技制御装置100は、セキュリティ信号制御タイマが0である場合(A9508の結果が「Y」)、磁石不正が発生中であるか否かを判定する(A9510)。なお、磁石不正フラグ領域に磁石不正発生フラグがセーブされている場合に、磁石不正が発生中であると判定できる。磁石不正が発生中でない場合(A9510の結果が「N」)、さらに、盤電波不正が発生中であるか否かを判定する(A9511)。なお、盤電波不正フラグ領域に盤電波不正発生フラグがセーブされている場合に、盤電波不正が発生中であると判定できる。
遊技制御装置100は、盤電波不正が発生中でない場合(A9511の結果が「N」)、さらに、枠電波不正が発生中であるか否かを判定する(A9512)。枠電波不正が発生中でない場合(A9512の結果が「N」)、さらに、普電不正発生中であるか否かを判定する(A9513)。普電不正発生中でない場合(A9513の結果が「N」)、さらに、大入賞口不正が発生中であるか否か判定する(A9514)。なお、大入賞口に関しての不正入賞発生フラグが不正フラグ領域にセーブされている場合、大入賞口不正が発生中であると判定できる。大入賞口不正が発生中でない場合(A9514の結果が「N」)、遊技機エラー状態信号のオフデータを試験信号出力データ領域にセーブする(A9515)。
一方、遊技制御装置100は、磁石不正が発生中である場合(A9510の結果が「Y」)、盤電波不正が発生中である場合(A9511の結果が「Y」)、枠電波不正が発生中である場合(A9512の結果が「Y」)、普電不正発生中である場合(A9513の結果が「Y」)、又は、大入賞口不正が発生中である場合(A9514の結果が「Y」)、セキュリティ信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブし(A9516)、遊技機エラー状態信号のオンデータを試験信号出力データ領域にセーブする(A9517)。セキュリティ信号のオンデータの設定によって、セキュリティ信号が外部情報として外部装置(ホールコンピュータなど)に出力される。
遊技制御装置100は、ステップA9515、A9517の後、払出予定の賞球数に関する情報を設定するメイン賞球信号編集処理を実行する(A9518)。メイン賞球信号編集処理の詳細については後述する。続いて、遊技制御装置100は、始動口の入賞信号を編集する始動口信号編集処理を実行する(A9519)。始動口信号編集処理の詳細については後述する。
次に、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの実行回数に係る情報の出力時間を制御するための図柄確定回数制御タイマが0でなければ−1更新する(A9520)。なお、図柄確定回数制御タイマの最小値は0に設定されている。
そして、遊技制御装置100は、図柄確定回数制御タイマの値が0であるか否かを判定する(A9521)。図柄確定回数制御タイマの値が0である場合(A9521の結果が「Y」)、すなわち、タイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合には、図柄確定回数信号のオフデータを外部情報出力データ領域にセーブし(A9522)、外部情報編集処理を終了する。
また、遊技制御装置100は、図柄確定回数制御タイマの値が0でない場合(A9521の結果が「N」)、すなわち、タイムアップしていない場合には、図柄確定回数信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブし(A9523)、外部情報編集処理を終了する。
〔メイン賞球信号編集処理〕
次に、外部情報編集処理におけるメイン賞球信号編集処理(A9518)の詳細について説明する。図76は、メイン賞球信号編集処理の手順を示すフローチャートである。メイン賞球信号編集処理は、入賞口への入賞により発生した賞球数(払出予定数)が所定数(ここでは10個)になる毎に生成されるメイン賞球信号を外部装置に出力する処理である。
遊技制御装置100は、まず、メイン賞球信号出力制御タイマが0でなければ−1更新する(A9601)。なお、メイン賞球信号出力制御タイマの最小値は0に設定されている。そして、遊技制御装置100は、メイン賞球信号出力制御タイマの値が0であるか否かを判定する(A9602)。
遊技制御装置100は、メイン賞球信号出力制御タイマの値が0である場合には(A9602の結果が「Y」)、さらに、メイン賞球信号出力回数が0であるか否かを判定する(A9603)。
そして、遊技制御装置100は、メイン賞球信号出力回数が0でない場合には(A9603の結果が「N」)、メイン賞球信号出力回数を−1更新し(A9604)、メイン賞球信号出力制御タイマ領域にメイン賞球信号出力制御タイマ初期値(例えば、128msec)をセーブする(A9605)。
その後、遊技制御装置100は、メイン賞球信号をオン状態にするオンデータをRWMの外部情報出力データ領域にセーブし(A9607)、メイン賞球信号編集処理を終了する。また、メイン賞球信号出力回数が0である場合には(A9603の結果が「Y」)、外部装置用のメイン賞球信号をオフ状態にするオフデータをRWMの外部情報出力データ領域にセーブし(A9608)、メイン賞球信号編集処理を終了する。
一方、遊技制御装置100は、メイン賞球信号出力制御タイマの値が0でない場合には(A9602の結果が「N」)、メイン賞球信号出力制御タイマが出力オン区間中であるか否かを判定する(A9606)。なお、メイン賞球信号出力制御タイマが出力オン区間中であるとは、メイン賞球信号出力制御タイマの値が所定時間(例えば64msec)以上であることである。
遊技制御装置100は、メイン賞球信号出力制御タイマが出力オン区間中である場合には(A9606の結果が「Y」)、メイン賞球信号をオン状態にするオンデータをRWMの外部情報出力データ領域にセーブする(A9607)。また、メイン賞球信号出力制御タイマが出力オン区間中でない場合には(A9606の結果が「N」)、外部装置用のメイン賞球信号をオフ状態にするオフデータをRWMの外部情報出力データ領域にセーブして(A9608)、メイン賞球信号編集処理を終了する。
〔始動口信号編集処理〕
次に、外部情報編集処理における始動口信号編集処理(A9519)の詳細について説明する。図77は、始動口信号編集処理の手順を示すフローチャートである。始動口信号編集処理は、始動口1スイッチ36aや始動口2スイッチ37aの入力があった場合に、各々の入力について共通して行われる処理である。
遊技制御装置100は、まず、始動口信号出力制御タイマが0でなければ−1更新する(A9701)。なお、始動口信号出力制御タイマの最小値は0に設定されている。そして、遊技制御装置100は、始動口信号出力制御タイマの値が0であるか否かを判定する(A9702)。
遊技制御装置100は、始動口信号出力制御タイマの値が0である場合には(A9702の結果が「Y」)、始動口信号出力回数が0であるか否かを判定する(A9703)。そして、始動口信号出力回数が0でない場合には(A9703の結果が「N」)、始動口信号出力回数を−1更新し(A9704)、始動口信号出力制御タイマ領域に始動口信号出力制御タイマ初期値(例えば、128msec)をセーブする(A9705)。
その後、遊技制御装置100は、始動口信号をオン状態にするオンデータをRWMの外部情報出力データ領域にセーブし(A9707)、始動口信号編集処理を終了する。
また、遊技制御装置100は、始動口信号出力回数が0である場合には(A9703の結果が「Y」)、外部装置用の始動口信号をオフ状態にするオフデータをRWMの外部情報出力データ領域にセーブし(A9708)、始動口信号編集処理を終了する。
一方、遊技制御装置100は、始動口信号出力制御タイマの値が0でない場合には(A9702の結果が「N」)、始動口信号出力制御タイマが出力オン区間中であるか否かを判定する(A9706)。なお、始動口信号出力制御タイマが出力オン区間中であることとは、始動口信号出力制御タイマの値が所定時間(例えば64ms)以上であることである。
遊技制御装置100は、始動口信号出力制御タイマが出力オン区間中である場合には(A9706の結果が「Y」)、始動口信号をオン状態にするオンデータをRWMの外部情報出力データ領域にセーブし(A9707)、始動口信号編集処理を終了する。
また、遊技制御装置100は、始動口信号出力制御タイマが出力オン区間中でない場合には(A9706の結果が「N」)、外部装置用の始動口信号をオフ状態にするオフデータをRWMの外部情報出力データ領域にセーブし(A9708)、始動口信号編集処理を終了する。
[演出制御装置の制御]
以下に、演出制御装置300が演出制御用プログラムによって実行する制御(処理)を説明する。
〔メイン処理(演出制御装置)〕
最初に、演出制御装置300によって実行されるメイン処理の詳細を説明する。図78は、演出制御装置300によって実行されるメイン処理(メインプログラム)の手順を示すフローチャートである。メイン処理は、遊技機10に電源が投入されると主制御用マイコン311(演出用マイコン)によって実行される。なお、演出制御装置300が実行する処理のフローチャートにおいて、ステップの符号(番号)は「B****」と表されている。
演出制御装置300は、メイン処理の実行が開始されると、まず、割込みを禁止する(B1001)。次にCPU311及びVDP312の初期設定を実行し(B1002、B1003)、割込みを許可する(B1004)。割込みが許可されると、遊技制御装置100から送信されたコマンドを受信するコマンド受信割込み処理を実行可能な状態となる。
次に、演出制御装置300は、表示装置41等に表示する表示用データの生成を許可し(B1005)、乱数生成に用いる乱数シードを設定する(B1006)。そして、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(B1007)。
続いて、演出制御装置300は、WDT(ウォッチドックタイマ)をクリアする(B1008)。WDTは、上述したCPU初期設定(B1002)で起動され、CPU311が正常に動作しているかどうかを監視する。WDTが一定周期を経過してもクリアされない場合は、WDTがタイムアップしてCPU311がリセットされる。
次に、演出制御装置300は、遊技者による演出ボタン25の操作信号(演出ボタンスイッチ25a又はタッチパネル25bの信号)を検出したり、検出した信号に応じて演出内容(設定)を変更したりする演出ボタン入力処理を実行する(B1009)。続いて、遊技者や遊技店(ホール)関係者等によるLEDや液晶の輝度、音量の変更などの操作(演出ボタン25などの操作手段の操作)を受け付けるホール・遊技者設定モード処理を実行する(B1010)。また、ホール・遊技者設定モードにおいて、遊技者は表示装置41での表示や演出をカスタマイズすることができる。
次に、演出制御装置300は、演出ポイントの加算やクリアを実行する演出ポイント制御処理を実行する(B1011)。演出ポイントの加算対象となる演出や操作が実行されることで演出ポイントが加算される処理がされ、また、演出ポイントを次回の遊技に繰り越せるよう遊技終了時などに、例えば、演出ポイントの情報等を含む情報をQRコード(登録商標)として表示装置41に表示できる。例えば、演出制御装置300は、ホール・遊技者設定モード処理において、QRコード(登録商標)を表示装置41に表示できる。
次に、演出制御装置300は、演出乱数などの乱数を更新するための乱数更新処理を実行し(B1012)、遊技制御装置100から受信した受信コマンドを解析して対応する受信コマンドチェック処理を実行する(B1013)。なお、受信コマンドチェック処理の詳細については、図79にて後述する。
次に、演出制御装置300は、表示装置41等に表示する内容(演出)に合わせて各種データの更新を行ったり、表示装置41に表示する描画を表示フレームバッファに設定したりする演出表示編集処理を実行する(B1014)。このとき設定される描画データは、フレーム周期1/30秒(約33.3msec)以内にVDP312が描画を完了することができるものであれば問題なく表示装置41の画像を更新することができる。そして、表示フレームバッファへの描画準備を完了させて描画コマンド準備終了設定を実行する(B1015)。
続いて、演出制御装置300は、フレーム切替タイミングであるか否かを判定する(B1015)。フレーム切替タイミングでない場合は(B1016の結果が「N」)、フレーム切替タイミングになるまでB1016の処理を繰り返し、フレーム切替タイミングである場合は(B1016の結果が「Y」)、表示装置41への画面描画を指示する(B1017)。本実施形態のフレーム周期は1/30秒なので、例えば1/60秒(フレーム周期の1/2)毎の周期的なVブランク(画像更新)が2回実行されるとフレームの切り替えが行われる。なお、1/60秒で画像を更新せず、さらに間隔を大きくしてもよい。
また、演出制御装置300は、スピーカ19から出力される音を制御するサウンド制御処理を実行する(B1018)。
また、演出制御装置300は、LED等からなる装飾装置(盤装飾装置46、枠装飾装置18)を制御する装飾制御処理を実行する(B1019)。装飾制御処理では、例えば、LED等の装飾装置の発光制御を実行する。
さらに、演出制御装置300は、モータ及びソレノイドで駆動される電動役物などの演出装置(盤演出装置44)を制御する可動体制御処理を実行する(B1020)。可動体制御処理では、例えば、ソレノイドを駆動して役物動作演出を実行する。
そして、演出制御装置300は、前述のB1020の処理を終えると、B1008の処理に戻る。以降、B1008からB1020までの処理を繰り返す。
〔受信コマンドチェック処理〕
次に、図79を参照して、上述したメイン処理(図78)における受信コマンドチェック処理(B1013)の詳細について説明する。図79は、演出制御装置300によって実行される受信コマンドチェック処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、遊技制御装置100から受信したコマンド数をチェックするためにRAMのコマンド受信カウンタ領域のコマンド受信カウンタの値をコマンド受信数としてロードする(B1101)。そして、コマンド受信数が0でないか否かを判定する(B1102)。コマンド受信数が0である場合、すなわち、遊技制御装置100から受信したコマンドがない場合には(B1102の結果が「N」)、解析するコマンドがないので、受信コマンドチェック処理を終了する。
一方、演出制御装置300は、コマンド受信数が0でない場合、すなわち、遊技制御装置100からコマンドを受信している場合には(B1102の結果が「Y」)、コマンド受信カウンタ領域のコマンド受信カウンタ値をコマンド受信数分減算した後(B1103)、RAMの受信コマンドバッファの内容を解析用のコマンド領域にコピーする(B1104)。ここで、受信コマンドバッファはリングバッファなので、バッファ内の内容をコマンド領域にコピーする前にコマンド受信数を減算しても問題ない。また、コピー中に新たにコマンドを受信してもデータが上書きされることはない。
そして、演出制御装置300は、コマンド読出インデックスを0〜31の範囲で+1更新(1だけ加算)する(B1105)。受信コマンドバッファは受信したコマンドを32個まで保存できるよう構成されている。受信したコマンドは、コマンド読出インデックス0〜31の順に受信コマンドバッファに格納されており、ここではインデックス順に受信したコマンドを読み出して、解析用のコマンド領域にコピーする。なお、解析用のコマンド領域へのコピーが完了したタイミングで、読みだしたコマンド読出インデックスに対応する受信コマンドバッファの格納領域内はクリアされる。
演出制御装置300は、ステップB1101の処理にてロードしたコマンド受信数分のコマンドのコピーが完了したか否かを判定し(B1106)、コピーが完了していない場合は(B1106の結果が「N」)、ステップB1104からB1106の処理を繰り返す。
遊技制御装置100から送信されたコマンドを演出制御装置300が受信すると、受信コマンドバッファに受信したコマンドの内容が保存されると同時にコマンド受信カウンタ領域のコマンド受信カウンタ値が加算更新される。受信コマンドバッファには32個分のコマンドを保存することができるが、受信したコマンドの解析は、別途、解析用のコマンド領域で行われる。そして、解析用のコマンド領域に受信したコマンドの内容がコピーされると、受信コマンドバッファ及びコマンド受信カウンタ値はクリアされる。このように、受信コマンドバッファ内で直接解析を行わずに常に空き領域を確保しておくことで、コマンドの大量受信に備えることができる。
続いて、演出制御装置300は、コピーが完了した場合には(B1106の結果が「Y])、解析用のコマンド領域の受信したコマンド内容をロードし(B1107)、内容を解析する受信コマンド解析処理を実行する(B1108)。なお、受信コマンド解析処理の詳細については、次の図80にて後述する。また、解析用のコマンド領域のアドレスを更新する(B1109)。その後、ステップB1101の処理にてロードしたコマンド受信数分のコマンドの解析が完了したか否かを判定し(B1110)、解析が完了していない場合は(B1110の結果が「N」)、ステップB1107からB1110の処理を繰り返す。解析が完了した場合には(B1110の結果が「Y])、受信コマンドチェック処理を終了する。
〔受信コマンド解析処理〕
次に、図80を参照して、前述した受信コマンドチェック処理(図79)における受信コマンド解析処理(B1108)の詳細について説明する。図80は、演出制御装置300によって実行される受信コマンド解析処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、受信したコマンドの上位バイトをMODE部、下位バイトをACTION部(ACT部)として分離する(B1201)。遊技制御装置100から演出制御装置300に送信されるコマンドは、MODE部(MODEコマンド)及びACTION部(ACTIONコマンド)によって構成されており、通常、コマンドの種類を示すMODE部から連続して送信される。従って、受信したコマンドの上位、下位はMODE部、ACTION部の順に構成される。
次に、演出制御装置300は、MODE部が正常範囲であるか否かを判定する(B1202)。すなわち、コマンドの種類を示すMODE部が取り得る値(種類を示すコマンド仕様として割り当てられた値)であるか否かを判定する。そして、MODE部が正常範囲である場合には(B1202の結果が「Y」)、同様にACTION部が正常範囲であるか否かを判定する(B1203)。すなわち、コマンドの内容(具体的な演出指示等)を示すACTION部が取り得る値(内容を示すコマンド仕様として割り当てられた値)であるか否かを判定する。そして、ACTION部が正常範囲である場合には(B1203の結果が「Y」)、さらに、MODE部に対するACTION部は正しい組み合せか否かを判定する(B1204)。すなわち、ACTION部の値が、MODE部によって特定される種類のコマンドが取り得る値であるのか否かを判定する。そして、正しい組み合せである場合には(B1204の結果が「Y」)、B1205以降の処理でコマンドの系統に応じたコマンド処理を実行する。
演出制御装置300は、まず、MODE部の値が変動系コマンドの範囲か否かを判定する(B1205)。なお、変動系コマンドは、飾り特別図柄の変動パターンを指令するコマンドであり、変動コマンド(A4608とA4609)がある。そして、MODE部が変動系コマンドを表す場合には(B1205の結果が「Y」)、変動系コマンド処理を実行し(B1206)、受信コマンド解析処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が変動系コマンドを表していない場合には(B1205の結果が「N」)、次に、MODE部が大当り系コマンドの範囲か否かを判定する(B1207)。なお、大当り系コマンドは、大当り中の演出に関する動作(ファンファーレ画面やラウンド画面の表示など)を指令するコマンドであり、例えば、ファンファーレコマンド(A5116)、ラウンドコマンド(A5702)、インターバルコマンド(A5907)、エンディングコマンド(A5909)などである。そして、MODE部が大当り系コマンドを表す場合には(B1207の結果が「Y」)、大当り系コマンド処理を実行し(B1208)、受信コマンド解析処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が大当り系コマンドを表していない場合には(B1207の結果が「N」)、次に、MODE部が図柄系コマンドの範囲か否かを判定する(B1209)。なお、図柄系コマンドには、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンド(A4018、A4112)がある。そして、MODE部が図柄系コマンドを表す場合には(B1209の結果が「Y」)、図柄系コマンド処理を実行し(B1210)、受信コマンド解析処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が図柄系コマンドを表していない場合には(B1209の結果が「N」)、次に、MODE部が単発系コマンドの範囲か否かを判定する(B1211)。そして、MODE部が単発系コマンドを表す場合には(B1211の結果が「Y」)、単発系コマンド処理を実行し(B1212)、受信コマンド解析処理を終了する。
なお、演出制御装置300は、排出球数に関するコマンド(図18のA2323)、出玉率(獲得球数)に対応するコマンド(図18のA2308)、役物比率の算出結果に対応するコマンド(図18のA2317)を演出コマンド(単発系コマンド)として受信し、単発系コマンド処理において、排出球数、出玉率、役物比率を表示するための表示設定処理を行ってよい。なお、演出制御装置300は、停電時でも記憶内容を保持可能なFeRAM323に、排出球数、出玉率、役物比率をバックアップ(記憶)してよい。
その他、単発系コマンド処理において、演出制御装置300は、例えば、以下のような処理を実行する。MODE部がRAM初期化のコマンドを表す場合に、RAM初期化の報知等を行うRAM初期化設定処理を実行する。MODE部が停電復旧時のコマンドや客待ちデモコマンドを表す場合に、停電復旧のための停電復旧設定処理や、表示装置41等に客待ちデモを表示するための客待ちデモ設定処理を実行する。MODE部が飾り特図1保留数コマンドや飾り特図2保留数コマンドを表す場合に、特図1保留情報設定処理や特図2保留情報設定処理を実行する。MODE部が確率情報コマンドを表す場合に、確率情報設定処理を実行する。MODE部がエラー/不正系のコマンドを表す場合に、エラーや不正の報知や報知解除をするためのエラー/不正設定処理を実行する。なお、エラー/不正系のコマンドとして、例えば、不正発生コマンド(A2108)、不正解除コマンド(A2116)、状態オフコマンド(A2404)、状態オンコマンド(A2407)がある。MODE部が演出モード切替用のコマンドを表す場合には、演出モード切替設定処理を実行する。
演出制御装置300は、MODE部が単発系コマンドを表していない場合には(B1211の結果が「N」)、次に、MODE部が先読み図柄系コマンドの範囲か否かを判定する(B1213)。先読み図柄系コマンドには、前述の先読み停止図柄コマンド(A3014)がある。そして、MODE部が先読み図柄系コマンドを表す場合には(B1213の結果が「Y」)、先読み図柄系コマンド処理を実行し(B1214)、受信コマンド解析処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が先読み図柄系コマンドを表していない場合には(B1213の結果が「N」)、次に、MODE部が先読み変動系コマンドの範囲か否かを判定する(B1215)。先読み変動系コマンドには、前述の先読み変動パターンコマンド(A3018)がある。そして、MODE部が先読み変動系コマンドを表す場合には(B1215の結果が「Y」)、先読み変動系コマンド処理を実行し(B1216)、受信コマンド解析処理を終了する。
一方、演出制御装置300は、MODE部が先読み変動系コマンドを表していない場合には(B1215の結果が「N」)、予期しないコマンド(例えば、テストモード中のみ使用するコマンド)を受信した可能性があるので、受信コマンド解析処理を終了する。また、MODE部が正常範囲でない場合(B1202の結果が「N」)、ACTION部が正常範囲でない場合(B1203の結果が「N」)、もしくは、MODE部に対するACTION部が正しい組合せでない場合も(B1204の結果が「N」)、受信コマンド解析処理を終了する。
〔表示画面のレイアウト例〕
図81は、表示装置41の表示画面(表示部)のレイアウト例を示す図である。
表示装置41の表示画面には、排出球数を表示する排出球数表示部691、出玉率を表示する出玉率表示部692、役物比率を表示する役物比率表示部693が設けられる。図81では、排出球数、出玉率、役物比率は、各々、57、36、59.3の値が表示されている。
なお、排出球数、出玉率、役物比率を表示装置41の表示画面に常時表示しても邪魔になるので、例えば、ガラス枠や前面枠を開放した時にエラーメッセージ(ガラス枠開放エラー、前面枠開放エラーの表示)とともに、排出球数、出玉率、役物比率を表示するようにしてもよい。
その他、遊技者等による操作を受け付けるホール・遊技者設定モード(B1010)で、遊技者等による選択によって、排出球数、出玉率、役物比率の表示/非表示を切り替えたり、排出球数、出玉率、役物比率のいずれを表示するか選択できるようにしてもよい。また、ホール・遊技者設定モード(B1010)で、遊技者等による選択によって、排出球数を表示装置41でカウントダウン表示するかカウントアップ表示するか選択できるようにしてもよい。なお、選択は、選択肢を表示装置41にメニュー表示して、遊技者による演出ボタン25等の操作手段の操作により行ってよい。
さらに、客待ちデモ中に、表示装置41での排出球数、出玉率、役物比率は、非表示にしてもよい。なお、表示装置41での客待ちデモ中に、直近(最新)の排出球数、出玉率、役物比率を表示してもよいが、この場合には、客待ちデモ中のみ表示サイズをそれ以外の場合よりも大きくすれば、遊技していない遊技店の来店者にアピールできる。
表示装置41の表示画面には、複数の変動表示領域610(左領域610a、右領域610b、中領域610c)が設けられ、左領域610aでは第一特別図柄、右領域610bでは第二特別図柄、中領域610cでは第三特別図柄が変動表示される(図81では、停止図柄が表示されている)。なお、排出球数表示部691、出玉率表示部692、役物比率表示部693は、変動表示領域610の上側に設けられるが、これに限定されない。
また、排出球数、出玉率、役物比率は、変動表示領域610の変動表示や表示装置41でのその他の演出の邪魔になる場合に非表示にしたり表示サイズを小さくしてよいし、変動表示が停止して停止図柄が表示された場合のみ表示したり表示サイズを大きくしてよい。
また、同様に、表示装置41の表示画面の右下隅の複数の変動表示領域615において、三つの飾り縮小図柄(飾り特別図柄より小さい特別図柄)が変動表示される。表示画面の中央でムービー系のリーチ演出などが行われる場合に、変動表示領域615において飾り縮小図柄が変動表示されてよい。また、変動表示領域615において、常時、飾り縮小図柄が変動表示されてもよい。変動表示領域615は、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームで共通に使用される。変動表示領域610の大きい飾り特別図柄と、変動表示領域615の小さい特別図柄は、相似形でも良いし、全く異なるものでもよい。
保留表示部630(始動記憶表示部)に表示される保留表示633(始動記憶表示)は、飾り特図1保留数コマンドから設定された特図1保留情報と、飾り特図2保留数コマンドから設定された特図2保留情報とに基づいて、画面描画されるものである(B1014−B1017)。保留表示633は、実行前の特図変動表示ゲームに係る保留(始動記憶)を示す。保留表示633として、特図1保留表示と特図2保留表示を入賞順(保留発生順)に保留表示部630に並べまとめて表示する。
保留表示部630には、球状(円状)の保留表示633が、左側を低くして傾斜した樋635に並べた態様で表示される。さらに、実行中の特図変動表示ゲームに係る保留(消化中の保留)に対応する保留対応表示633a(変動中保留表示)が、地球儀の枠を模した保留消化領域640に表示される(枠内の地球として)。保留表示部630に表示された保留表示633は、特図変動表示ゲームの開始毎に、樋635の左側から保留消化領域640に移動する。
さらに、表示装置41の表示画面の右上隅には、特図1保留数を数字で表示する特図1保留数表示部650と、特図2保留数を数字で表示する特図2保留数表示部660が設けられている。
表示装置41の表示画面の中央下部において、ナビキャラ670が表示される。ナビキャラ670は、通常、消化中の保留を示す保留対応表示633a(保留消化領域640)に隣り合わせで隣接するように配置されている。ナビキャラ670は、本体670aの他に、キャラクタ名の表示部分670bやメータ表示部を含む。また、ナビキャラ670に関連付けて、ナビキャラ670が発するように見せたセリフ(セリフ予告でもよい)がセリフ表示部680に表示される。なお、セリフは、表示するだけでなく、音声としても出力されてよい。また、ナビキャラ670の画面上での動作に応じて、排出球数、出玉率、役物比率を表示してよい(ナビキャラ670が動いて排出球数、出玉率、役物比率を表示するような演出を行う)。
[第1実施形態の作用・効果]
上記の第1実施形態では、払出制御手段(払出制御装置200等)は、遊技球が入賞領域(一般入賞口35や始動入賞口36)又は変動入賞装置(普通変動入賞装置37や特別変動入賞装置39)に入賞すると、入賞領域と変動入賞装置ごとに定められた数の賞球を払い出し可能である。表示手段(役物比率表示部68、表示装置41等)は、払い出された賞球の合計数のうち、変動入賞装置に入賞したことによって払い出された賞球の数が占める割合(役物比率)を表示可能である。従って、遊技の興趣が向上するとともに、遊技者は変動入賞装置へ入賞し易い印象(開状態が多く発生する印象)を持つため、遊技者が継続して遊技を行う動機(指標)となる。
カウント手段(ステップA2015とA2210の処理を実行する遊技制御装置100等)は、遊技領域から排出された遊技球の数である排出球数、又は、遊技領域に発射された遊技球の数である発射球数をカウントする。表示手段(出玉率表示部67、表示装置41等)は、排出球数又は発射球数に対する、入賞により得られた賞球数の合計の比率(出玉率)を表示可能である。従って、遊技者に一般入賞口35への興味と関心を抱かせることができる。そして、遊技の興趣を高めることができる。
表示手段(排出球数表示部66、出玉率表示部67、役物比率表示部68、表示装置41等)は、遊技機が客待ち状態である場合に、排出球数、出玉率、役物比率を非表示の状態としてよい。即ち、遊技機が客待ち状態でない場合のみ、表示手段は、排出球数、出玉率、役物比率の表示を行ってよい。これは、遊技中の遊技者に対する特典となり、遊技機10の稼働を上げることができる。
表示手段(出玉率表示部67、表示装置41等)は、カウント手段によってカウントされた遊技球の数が所定個数になる毎に、当該所定個数の遊技球によって得られた賞球数の合計を表示可能である。従って、賞球数の合計として出玉率を簡易に表示できる。また、遊技者に一般入賞口35への興味と関心を抱かせることができ、遊技の興趣を高めることができる。
算出手段(入賞口スイッチ/状態監視処理を実行する遊技制御装置100等)は、所定個数となるタイミングで各入賞領域と変動入賞装置のうちいずれか複数に同時に入賞があった場合に、各入賞領域と変動入賞装置に対して定められた優先順位に基づいて、当該複数の入賞のうちの一つの入賞によって得られた賞球数を加算して賞球数の合計を算出する。従って、特に、普電サポート状態以外の通常遊技状態と特別遊技状態において、カウント手段によってカウントされた遊技球の数が所定個数になるタイミングで、可能な限り大きな賞球数の合計(出玉率)が求められ、遊技者の遊技に対する期待感を向上できる。
算出手段(入賞口スイッチ/状態監視処理を実行する遊技制御装置100等)は、特定遊技状態(普電サポート状態)が発生したか否かに応じて、賞球数を加算する対象の入賞領域(各入賞領域又は変動入賞装置)の優先順位を変更可能である。従って、特定遊技状態(普電サポート状態)では、普通変動入賞装置37への入賞が多いため、普通変動入賞装置37への入賞を優先して採用し、賞球数の合計を算出できる。
リセット手段(ステップA6510〜A6514の処理を実行する遊技制御装置100等)は、特別遊技状態の終了の際に、賞球数の合計(出玉率)をリセットして初期値に設定可能である。大当り状態(特別遊技状態)中では、賞球数の合計が非常に大きくなっているが、大当り状態終了後に賞球数の合計(出玉率)の正確な計測を開始できる。また、リセット手段は、特別遊技状態の終了の際に、払い出された賞球の合計数のうち変動入賞装置に入賞したことによって払い出された賞球の数が占める割合(役物比率)はリセットせずそのまま維持する。これにより、大当り状態(特別遊技状態)に関係なく、役物比率を正確に計測できる。
遊技情報出力手段(出力処理を実行する遊技制御装置100等)は、賞球数の合計(出玉率)に関する情報と、役物比率に関する情報とを外部の装置に出力可能である。従って、試射試験装置等の外部の装置に出力した賞球数の合計(出玉率)と外部の装置で求めた賞球数の合計(出玉率)を比較して不一致が生じていないか確認できる。
監視手段(入賞口スイッチ/状態監視処理を実行する遊技制御装置100等)は、得られる賞球数の多い順に各入賞領域と前記変動入賞装置への入賞を監視して、監視している際に入賞があった場合には当該入賞の賞球数を加算して賞球数の合計を算出する。従って、可能な限り大きな賞球数の合計(出玉率)が優先的に求められ、遊技者の遊技に対する期待感を向上できる。
[第2実施形態]
図82と図83を参照して、第2実施形態について説明する。第2実施形態では、遊技制御装置100により表示制御が実行される排出球数表示部66、出玉率表示部67、役物比率表示部68の他に、払出制御装置200により表示制御が実行される排出球数表示部851、出玉率表示部852、役物比率表示部853が備えられる。なお、以下で述べる以外の構成は、第1実施形態と同様でよい。
第2実施形態では、排出球数表示部66、出玉率表示部67、役物比率表示部68は、第1実施形態と同様に、遊技機10の前面の一括表示装置50に設けられ、排出球数表示部851、出玉率表示部852、役物比率表示部853は、遊技機10の裏面に設けられた払出制御装置200に備えられる。なお、これに限られず、払出制御装置200により表示制御される排出球数表示部851、出玉率表示部852、役物比率表示部853は、上皿ユニットに設けてもよい。このように、排出球数表示部851、出玉率表示部852、役物比率表示部853は、払出制御装置200や上皿ユニットに設けられる場合、遊技盤30を他の遊技盤と交換しても、廃棄されることなくそのまま使用が継続できるため、コストの削減につながる。
また、排出球数表示部851、出玉率表示部852、役物比率表示部853は、それぞれ、排出球数表示部66、出玉率表示部67、役物比率表示部68と同じく、複数(2つ又は3つ)の7セグメント型(点部分を含めると8セグメント型)の表示器(LEDランプ、表示装置)から構成される。
図82は、遊技機10の裏面図である。遊技盤30の裏面には、スイッチベース738を介して遊技を統括的に制御する遊技制御装置100(主基板)が配設され、スイッチベース738の上方の制御ベース733を介して遊技制御装置100から送信される演出制御指令に基づいて表示装置41等を制御する演出制御装置300が配設される。演出制御装置300の後方には、演出制御装置300の裏面及び遊技制御装置100の裏面上部を覆う保護カバー737が設けられる。このように構成された遊技盤30が前面枠12の収納部に収納された状態では、遊技盤30の裏面に配設された保護カバー737及び遊技制御装置100は、前面枠12の後方に突出する。
前面枠12の裏面上部には、島設備に設けられた補給装置(図示省略)から補給される遊技球を貯留するとともに、貯留した遊技球を整列させて流下させる貯留ユニット750が配設される。前面枠12の一方の内側部には、貯留ユニット750から流下してきた遊技球を上皿21(図1参照)に払い出す払出ユニット790が配設される。
また、前面枠12の裏面下部には、遊技制御装置100から送信されるデータに基づいて払出ユニット790の動作を制御する払出制御装置200と、操作ハンドル24の回動操作に基づいて遊技球を発射する球発射装置742と、カードユニット(図示省略)と接続する接続端子743と、各種装置に電力を供給する電源装置400とが配設される。
排出球数表示部851、出玉率表示部852、役物比率表示部853は、払出制御装置200(払出制御基板)の後面(背面)に配置され、排出球数表示部66、出玉率表示部67、役物比率表示部68と異なり、遊技機10の裏面側からのみ視認可能である。排出球数表示部851、出玉率表示部852、役物比率表示部853は、一般の遊技者に見せず、遊技店の関係者(従業員等)だけに視認可能である。なお、排出球数表示部66、出玉率表示部67、役物比率表示部68は、遊技機10の前面側からのみ視認可能となっている。
なお、排出球数、出玉率、役物比率の表示を一般の遊技者に見せたくない場合には、遊技機10の前面の排出球数表示部66、出玉率表示部67、役物比率表示部68を省略できる。この場合には、遊技機10の裏面側からのみ、排出球数表示部851、出玉率表示部852、役物比率表示部853によって排出球数、出玉率、役物比率の表示を確認できる。
また、払出制御装置200は、払出コマンドに基づいて、排出球数、出玉率(獲得球数、賞球数の合計)、役物比率を算出するとともに、払出制御装置200に設けられた排出球数表示部851、出玉率表示部852、役物比率表示部853に表示する表示制御を行う。なお、ここでの払出コマンドには、入賞口(入賞領域)への一の入賞を単位とした払出コマンド(A1719)とアウト球検出コマンド(A2017)の両方を含むものとする。なお、払出制御装置200が、遊技制御装置100で算出した排出球数、出玉率、役物比率を受信して、払出制御装置200に設けられた排出球数表示部851、出玉率表示部852、役物比率表示部853に表示する構成も可能である。
払出制御装置200は、CPU(マイコン)やRAM等のメモリから構成され、遊技制御装置100と同様に、排出球数を記憶する排出球数領域、排出球数100個当りにおける獲得球数(賞球数の合計)を記憶する獲得球数領域、役物別獲得球数を記憶する役物別獲得球数領域をメモリ内に有する(図17B参照)。排出球数、出玉率(獲得球数、賞球数の合計)、役物比率の計算方法は、第1実施形態と同じである。なお、アウト球検出コマンドは、排出球数の+1更新に用いられる。
図83は、払出コマンド(払出数コマンド)の構成例を示す。払出コマンドは、1バイト(8ビット)で構成される。払出コマンドにおいて、最上位ビット(第1ビット)は、アウト口30bへの入球があったことを示すアウト球フラグであり、第2ビットから第4ビットは、入賞口への入賞があった場合にその入賞口を特定するための入賞口情報を示し、第5ビットから第8ビットは、賞球数をそのまま示す。第2ビットから第4ビットの入賞口情報は、「001」が一般入賞口35を、「010」が始動口1(始動入賞口36)を、「011」が普通変動入賞装置37(始動口2)を、「100」が大入賞口(大当り中に入賞)を、「101」が大入賞口(小当り等の大当り中以外に入賞)を示す。なお、アウト球フラグが1(オン)に設定された場合、即ちアウト口30bへの入球があった場合には、賞球数は0である。第1実施形態と同じく、賞球数の合計は、獲得球数領域に記憶され、入賞口ごとの賞球数の合計は、役物別獲得球数として役物別獲得球数領域に記憶される。
例えば、払出コマンドは、16進数で表現すると、一般入賞口35への入賞による10個賞球は「1AH」であり、始動口1への入賞による3個賞球は「23H」であり、始動口2への入賞による2個賞球は「32H」であり、大入賞口への入賞による14個賞球(大当り)は「4EH」であり、大入賞口への入賞による14個賞球(小当り)は「5EH」であり、アウト球検出による通知(アウト球検出コマンド)は「80H」である。
[第2実施形態の作用・効果]
上記の第2実施形態では、第1実施形態と同様の作用効果を奏するとともに、払出制御装置200の後面(背面)に配置された排出球数表示部851、出玉率表示部852、役物比率表示部853によって、排出球数、出玉率、役物比率が、遊技機10の裏面側からでも視認できるようになる。
〔第1実施形態と第2実施形態のその他の変形例〕
第1実施形態と第2実施形態を以下のように変形した実施形態も可能である。
図84のように、遊技制御装置100により制御される排出球数表示部66、出玉率表示部67、役物比率表示部68は、遊技機10の前面ではなく、遊技機10の裏面に配置されてもよい。図84では、排出球数表示部66、出玉率表示部67、役物比率表示部68は、遊技機10の裏面に設けられる遊技制御装置100の後面(背面)に設けられ、遊技機10の裏面側からのみ視認可能である。この場合に、排出球数表示部66、出玉率表示部67、役物比率表示部68も、一般の遊技者に見せず、遊技店の関係者(従業員等)だけに見せることができる。なお、排出球数表示部66、出玉率表示部67、役物比率表示部68を遊技機10の裏面に配置すると、一般の遊技者に対して遊技機10の美観を損なわない可能性もある。また、排出球数表示部66、出玉率表示部67、役物比率表示部68は、遊技制御装置100の基板(主基板)上に設置される。遊技制御装置100の基板(主基板)はケース内に開封できないように密封されているため(かしめられているため)、排出球数表示部66、出玉率表示部67、役物比率表示部68の表示に対して不正を行うことはできない。
排出球数、出玉率、役物比率は、遊技機10の前面の一括表示装置50に設けた表示部(排出球数表示部66、出玉率表示部67、役物比率表示部68)と、遊技機10の裏面の払出制御装置200に設けた表示部(排出球数表示部851、出玉率表示部852、役物比率表示部853)と、表示装置41のうち全部ではなく1つ又は2つのみに表示してよい。さらに、排出球数、出玉率、役物比率の全てを表示せず、少なくとも一つを表示する構成でもよい。即ち、排出球数表示部66、出玉率表示部67、役物比率表示部68のいずれかを省略したり、排出球数表示部851、出玉率表示部852、役物比率表示部853のいずれかを省略してもよい。また、7セグメント型の表示器(LEDランプ)の数を増やして、役物比率表示部68として、連続役物比率を表示する第1表示部と、一般的に使用されるいわゆる役物比率(全役物比率)を表示する第2表示部との2つを設けて、連続役物比率といわゆる役物比率(全役物比率)の両方を同時に表示する構成も可能である。また、初期化スイッチ(RAMクリアスイッチ)(A1016)が押されてオンすることによって、役物比率表示部853において、全役物比率と連続役物比率を交互に表示切替できるようにしてもよい。
さらに、排出球数表示部66、出玉率表示部67、役物比率表示部68を個別に設けずに、4個の7セグメント型の表示器を横方向に並べた共通の表示器を1つだけ設けて、排出球数、出玉率、役物比率を表示する構成も可能である。このような共通の表示器では、初期化スイッチ(RAMクリアスイッチ)をオンする毎に、排出球数、出玉率、役物比率のうちいずれを表示するか順次切り替えられる。この場合、共通の表示器では、何を表示しているかを示す識別記号(アルファベット等)と一緒に排出球数、出玉率、役物比率のいずれか一つを表示する。例えば、排出球数は「h55」、出玉率は「d30」、全役物比率は「y50.8」、連続役物比率「r58.4」のように表示する。
また、遊技機10の遊技制御装置100や払出制御装置200のマイコン(CPU)の内部に排出球数、出玉率、役物比率を情報として保持しておき、遊技機10の表示部や表示装置41では排出球数、出玉率、役物比率を一切表示せず、外部の装置(試射試験装置等)に排出球数、出玉率、役物比率を出力(又は表示)するだけでもよい(もちろん、排出球数、出玉率、役物比率を、遊技機10の表示部や表示装置41で表示しつつ、外部の装置に出力してもよい)。
さらに、排出球数、出玉率、役物比率は、第1実施形態及び第2実施形態のように、遊技制御装置100、払出制御装置200、及び/又は、演出制御装置300においてユーザプログラムによって算出する以外に、遊技制御装置100、払出制御装置200、及び/又は、演出制御装置300のCPU自身に算出機能(ハード的な算出機能)を持たせて、内部レジスタにパラメータをセットすること(遊技球の発射(排出)、入賞を検知する毎に情報をセットするなど)によって、排出球数、出玉率、役物比率が自動的に算出されるようにしてもよい。そして、遊技制御装置100、払出制御装置200、及び/又は、演出制御装置300から外部の装置(検査装置500など)にハード的な算出機能(算出手段)によって算出された排出球数、出玉率、役物比率を出力してもよい。
電源投入からの排出球数の総計が所定個数(例えば、5000個)を超えた場合や、電源投入からの変動表示ゲームの実行回数が所定回数(例えば、100)を超えた場合に、特典として出玉率、役物比率を表示する構成としてよい。このようにすれば、遊技店の開店直後などに遊技機の稼働が上昇する可能性があるし、正確な役物比率を表示できる。
第1実施形態及び第2実施形態において、役物比率は、遊技機10の電源投入から現在までの全期間での賞球数(全賞球数)に対して算出されるが、所定期間や所定回数(例えば400回)の特図変動表示ゲームにおいて獲得した賞球数に対して計算されてもよい。例えば、所定期間は、1回分の大当りに関連する期間(大当り前の通常遊技状態から大当り終了まで)や、1回の連チャン(連荘)に関連する期間(大当り前の通常遊技状態から確変・時短(電サポ)が完全に終了するまで)であり、役物比率はこのような所定期間ごとに分けて算出されるようにしてもよい。
演出制御装置300は、払出コマンド(A1719)とアウト球検出コマンド(A2017)を受信して、自ら、排出球数、出玉率(獲得球数、賞球数の合計)、役物比率を計算してもよい。この場合に、演出制御装置300は、停電時でも記憶内容を保持可能なFeRAM323に、排出球数、出玉率、役物比率の計算結果をバックアップ(記憶)してよい。このようにすれば、停電復旧後(電源投入後)にすぐに表示装置41に排出球数、出玉率、役物比率を表示できる。また、この場合には、ホール・遊技者設定モード(B1010)で、遊技者等による選択によって、表示装置41に表示する役物比率の計算方法を切り替えて、演出制御装置300は、選択された計算方法に従って役物比率の計算し、表示装置41に表示してよい。なお、前述のように、役物比率の計算方法は、役物比率に、大当り状態中に大入賞口に入賞したことで得られた賞球数の全賞球数に対する割合(%)だけでなく、普通変動入賞装置37や小当り状態中の大入賞口に入賞したことで得られた賞球数の割合(%)を含めるかなどによって異なる。
また、獲得球数(払出賞球数)100個を1セット(1単位)として、1セットごとの役物による獲得球数(役物獲得球数)や役物以外の入賞口による獲得球数(入賞口獲得球数)をリングバッファに保存して、役物比率や出玉率などの算出に利用する構成が可能である。ここでの役物は、特別変動入賞装置39(大入賞口)及び普通変動入賞装置37(第2始動入賞口)であり、役物以外の入賞口は、一般入賞口35と始動入賞口36(第1始動入賞口)である。リングバッファは不正を防止するためクリア不可とし、時間や特図変動表示ゲーム回数に関係なく常に獲得球数を蓄積する。リングバッファに保存した役物獲得球数や入賞口獲得球数によって、所定期間や所定の獲得球数(払出賞球数)ごとに柔軟に役物比率や出玉率などを算出できる。
なお、保存形態として、役物獲得球数と入賞口獲得球数の両者を、例えば、各1バイトずつ合計2バイトのセット(ブロック)にして、リングバッファに保存してよい。また、役物獲得球数と入賞口獲得球数のうち一方を100から減算すれば他方を算出できるため、役物獲得球数と入賞口獲得球数のうち一方だけをリングバッファに保存してよい。さらに、役物獲得球数と入賞口獲得球数として、前述の役物(入賞口)ごとの役物別獲得球数(図17B参照)をリングバッファに保存してもよい。
リングバッファは、遊技制御装置100(主基板)、払出制御装置200(払出基板)、演出制御装置300(サブ基板)の何れかに搭載したフラッシュメモリなどの不揮発性メモリに設けてよい。これにより、役物獲得球数と入賞口獲得球数を特別にバックアップする必要がなくなる。リングバッファのサイズは、例えば、600セット分とする。球発射装置の1分間の発射球数が約100個で出玉率100%と仮定すると、1分間に100個(1セット)の賞球の払い出しがあるため、600セットなら出玉率100%で約10時間分の獲得球数の保存が可能になる。
リングバッファに空きがある場合は、その旨を報知してもよい。演出用の表示装置41は、画面上にリングバッファに空きがあること示す表示を出して報知してよい。この報知は、遊技中(客待ち状態以外)、客待ち状態、又は、ホール設定モードでのみ行ってよい。また、一括表示装置50や遊技制御装置100などに専用のLEDを設け、点灯や点滅による報知を行ってよい。専用のLEDを設けず、既存のLEDを通常と異なる点灯態様(色や点滅)にして報知してもよい。リングバッファに空きがあることを示す空き情報を試射試験信号や外部情報信号として送信し、試射試験装置や外部装置に表示してリングバッファに空きがあることを報知してよい。その他、上スピーカ19a又は下スピーカ19bの音声によって、報知を行ってよい。
[第3実施形態]
図85から図99を参照して、第3実施形態について説明する。なお、以下で述べる以外の構成は、第1実施形態又は第2実施形態と共通の構成が適用できる。
第3実施形態では、大当り終了タイミング、高確率終了タイミング、及び/又は、時短終了タイミングにおいて、表示装置41に役物比率(全役物比率(いわゆる役物比率)と連続役物比率)が表示される。また、役物比率は、所定ラウンド回数のラウンド遊技からなる特別遊技(大当り)毎に区分けした値(特別遊技終了毎にリセットして計測した値)が特別遊技に関する大当り履歴情報に含めて保存され、大当り履歴情報に含めて表示装置41に表示可能である。
〔第3実施形態の出玉性能監視処理〕
図85は、第3実施形態に係る出玉性能監視処理の手順を示すフローチャートである。出玉性能監視処理は、入賞数カウンタ更新処理(図17A)のステップA2211にて、遊技制御装置100によって実行される。なお、図18の出玉性能監視処理と同じ内容のステップは、ステップ番号を同じにして説明を省略する。
遊技制御装置100は、ステップA2313において、図17B(III)に示した各役物別獲得球数領域の値の合計値(全賞球数)を算出した後、各役物獲得球数を各役物別獲得球数領域からロードする(A9801)。ここでの各役物獲得球数は、大当り中の大入賞口への入賞による賞球数の合計、小当り中(大当り中以外)の大入賞口への入賞による賞球数の合計、普通変動入賞装置37(始動口2)への入賞による賞球数の合計である。
次に、遊技制御装置100は、役物獲得球数に基づいて、役物比率として(役物獲得球数÷合計値)×100(%)を算出する(A9802)。ここで、役物比率として、いわゆる連続役物比率(大当り状態中に大入賞口に入賞したことで得られた賞球数の割合(%))と、一般的に使用されるいわゆる役物比率(全役物比率:大入賞口及び普通変動入賞装置37に入賞したことで得られた賞球数の割合(%))の両方が算出される。連続役物比率を算出する場合に、役物獲得球数として、大当り中の大入賞口への入賞による賞球数の合計を用いる。全役物比率を算出する場合に、役物獲得球数として、大当り中の大入賞口への入賞による賞球数の合計、小当り中(大当り中以外)の大入賞口への入賞による賞球数の合計、及び、普通変動入賞装置37(始動口2)への入賞による賞球数の合計を足し合わせたもの(総計)を用いる。なお、ここで、連続役物比率と全役物比率の他に、大入賞口比率(全賞球数のうち大当り状態中と小当り状態中に大入賞口に入賞したことで得られた賞球数の割合)など、他の役物比率を算出してもよい。
続いて、遊技制御装置100は、連続役物比率と全役物比率の算出結果うち一方の算出結果を役物比率表示部68に表示するために、この一方の算出結果に対応するセグメントデータを、役物比率表示部68のセグメントに対応するセグメント領域にセーブする(A9803)。
そして、遊技制御装置100は、現在、大当り終了タイミングであるか否かを判定する(A9804)。ここで、大当り終了タイミングは、大当り状態(特別遊技状態)が終了したと認識できるタイミングであれば種々に設定可能である。例えば、大当り終了タイミングは、残存球処理時間(最終用)が経過することによって(A5908)、大入賞口残存球処理(図49)で最終ラウンドであると判定され(A6101の結果が「Y」)、ステップA6112からA6122の処理が実行されたタイミング(エンディング開始時)でよい。また、大当り終了タイミングは、エンディング中や、エンディング終了時、即ちエンディング時間(A6114)の経過時でもよい。
遊技制御装置100は、現在、大当り終了タイミングである場合(A9804の結果が「Y」)、連続役物比率と全役物比率の算出結果(A9802)に対応するコマンドを演出コマンドとして準備し(A2317)、演出コマンド設定処理を実行する(A2318)。
これにより、特別遊技状態が終了するタイミング(大当り終了タイミング)において、演出制御装置300は、表示装置41において連続役物比率と全役物比率(いわゆる役物比率)を表示できる。なお、特別遊技状態(大当り状態)中において、特別変動入賞装置39(大入賞口)の開放によって連続役物比率と全役物比率が通常遊技状態よりも大きく変化するため、ここでの役物比率を表示しても遊技者が混乱するだけであり無駄が多い。そこで、大きく変化した直後の大当り終了タイミングで連続役物比率と全役物比率を表示している。
遊技制御装置100は、現在、大当り終了タイミングでない場合(A9804の結果が「N」)、現在、高確率終了タイミング又は時短終了タイミングであるか否かを判定する(A9805)。ここで、高確率終了タイミング又は時短終了タイミング(特定遊技状態終了タイミング)は、高確率状態又は時短状態(普電サポート状態)が終了したと認識できるタイミングであれば種々に設定可能である。第1実施形態のように大当りが終了すると必ず確変状態になる(所謂ST状態に必ずなる)場合には、高確率終了タイミングと時短終了タイミングとは同じタイミングであり、例えば、高確率変動回数が0となり(A5203の結果が「Y」)、ステップA5204からA5211までの処理が実行されたタイミングである。なお、第1実施形態と異なり、低確率での時短状態(普電サポート状態)が存在する機種では、高確率終了タイミングとは異なる時短終了タイミングが存在することになる。
遊技制御装置100は、現在、高確率終了タイミング又は時短終了タイミングである場合(A9805の結果が「Y」)、連続役物比率と全役物比率の算出結果(A9802)に対応するコマンドを演出コマンドとして準備し(A2317)、演出コマンド設定処理を実行する(A2318)。
これにより、特定遊技状態が終了するタイミング(高確率終了タイミング又は時短終了タイミング)において、演出制御装置300は、表示装置41において連続役物比率と全役物比率(いわゆる役物比率)を表示できる。なお、特定遊技状態中において、普電サポートによる普通変動入賞装置37(第2始動入賞口)の開放によって連続役物比率と全役物比率の変化が通常遊技状態よりも大きくなるため、ここでの比率を表示しても遊技者が混乱するだけであり無駄が多い。そこで、大きく変化した直後の特定遊技状態終了タイミングで連続役物比率と全役物比率を表示している。
遊技制御装置100は、現在、高確率終了タイミングでも時短終了タイミングでもない場合(A9805の結果が「N」)、ステップA2317とステップA2318の処理を実行せずに、ステップA2319に移行する。
以上の処理によって、出玉性能監視処理が実行された場合(入賞が発生した場合)に、常に連続役物比率と全役物比率を算出しておき、大当り終了タイミング、高確率終了タイミング、及び、時短終了タイミング(役物比率が大きく変化した直後のタイミング)において、演出制御装置300は、連続役物比率と全役物比率を表示装置41に表示できる。なお、大当り終了タイミング、高確率終了タイミング、及び、時短終了タイミングのいずれかのみにおいて、連続役物比率と全役物比率が表示装置41に表示される構成としてもよい。
なお、大当り終了設定処理1(図51)が実行された場合に高確率且つ時短なし(普電サポートなし)の潜伏確変状態となるが、大当り終了後に潜伏確変状態となり所定回数の特図変動表示ゲームが実行された場合には、連続役物比率と全役物比率の算出結果(A9802)に対応するコマンドを演出コマンドとして準備し(A2317)、演出コマンド設定処理を実行する構成としてもよい(A2318)。
図86は、第3実施形態に係る出玉性能監視処理の変形例を示すフローチャートである。
図86では、ステップA9804、A9805と、ステップA2313、A9801−A9803の順序が入れ替わっており、大当り終了タイミング、高確率終了タイミング、及び、時短終了タイミングでのみ、連続役物比率と全役物比率を算出し(A9802)、算出結果に対応するコマンドを演出コマンドとして準備し(A2317)、演出コマンド設定処理を実行する。図86では、出玉性能監視処理が実行された場合に、常に連続役物比率と全役物比率が算出されるわけではなく、計算の負荷が減少する。
以上のように、大当り終了タイミング、高確率終了タイミング、及び、時短終了タイミング(役物比率が大きく変化した直後のタイミング)において、連続役物比率と全役物比率が算出され、演出制御装置300は、連続役物比率と全役物比率を表示装置41に表示できる。なお、大当り終了タイミング、高確率終了タイミング、及び、時短終了タイミングのいずれかのみにおいて、連続役物比率と全役物比率が算出され、表示装置41に表示される構成としてもよい。
〔第3実施形態の特図普段処理移行設定処理2〕
図87は、第3実施形態に係る特図普段処理移行設定処理2の手順を示すフローチャートである。特図普段処理移行設定処理2は、大当り終了処理(図50)のステップA6219にて、遊技制御装置100によって実行される。なお、図53の特図普段処理移行設定処理2と同じ内容のステップは、ステップ番号を同じにして説明を省略する。
大当り終了の際に、ステップA6510からA6514において、遊技制御装置100は、排出球数領域と獲得球数領域を0クリア(リセット)し、排出球数と出玉率の表示を初期表示(「00」)にする設定を行う。
次に、遊技制御装置100は、全ての役物別獲得球数領域を0クリア(リセット)し(A6515)、役物比率の初期表示「00.0」のセグメントデータを役物比率表示部68のセグメントに対応するセグメント領域にセーブする(A6516)。これにより、出力処理(図11のA1610)を介して、大当り終了の際に役物比率表示部68において役物比率を「00.0」と表示することができる。
また、特別遊技(大当り)が終了する度に全ての役物別獲得球数領域が0クリアされるため、各役物別獲得球数領域は、前回の特別遊技の終了時(初回の特別遊技終了前は遊技機10の電源投入時)からの賞球数を記憶する。従って、ステップA9802によって算出される役物比率(連続役物比率と全役物比率)や、ステップA2318によって演出制御装置300に送信される役物比率(連続役物比率と全役物比率)は、所定ラウンド回数のラウンド遊技からなる特別遊技毎に区分けされた役物比率(特別遊技毎にリセットして計測された役物比率)となる。即ち、特別遊技(大当り)毎に区分けされた役物比率は、1つの特別遊技の終了時から(初回の特別遊技終了前は遊技機10の電源投入時から)、次の特別遊技の終了時又は特定遊技状態(高確率状態や時短状態)の終了時までの期間における賞球数に対して算出された役物比率である。
役物比率(連続役物比率と全役物比率)は基準値(例えば、連続役物比率で60%、全役物比率で70%)以下にすることが規則等で要請されているが、遊技機10の電源投入から現在までの全期間での賞球数に対する役物比率は、遊技機10の稼働時間が長くならないと安定しない。例えば、稼働時間が短い間に特別遊技(大当り)が発生して役物比率が基準値を超えた場合に、全期間での賞球数に対する役物比率が異常値を示していると遊技者等に誤判断されてしまう可能性がある。
一方、特別遊技毎に区分けされた役物比率は、不安定な値であり、基準値から大きく離れた値になり得ることが予めわかっている。そこで、全期間での役物比率ではなく、最初から、特別遊技毎に区分けされた役物比率を算出して表示装置41に表示しておくことにより、遊技者等は、基準値以外に自身の知識や情報に基づいて役物比率が異常値であるか否か判断することになり、誤判断が少なくなる。
なお、第1実施形態と第2実施形態と同様に、図53の特図普段処理移行設定処理2(ステップA6515とA6516がない)を実行して、遊技制御装置100は、遊技機10の電源投入から現在までの全期間での賞球数(獲得球数)に対して役物比率を算出する構成としてもよい。また、RWM内に、各役物別獲得球数領域の役物獲得球数を累積して記憶する領域を各役物別獲得球数領域に対応して設けて、遊技制御装置100は、遊技機10の電源投入から現在までの全期間での賞球数(獲得球数)に対する役物比率を、特別遊技(大当り)毎に区分けされた役物比率と共に算出する構成としてもよい。
〔単発系コマンド処理〕
図88は、第3実施形態に係る単発系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。単発系コマンド処理は、受信コマンド解析処理(図80)のステップB1212にて、演出制御装置300によって実行される。
演出制御装置300は、まず、MODE部が遊技機の種類を示す機種指定コマンドを表すか否かを判定する(B1301)。そして、MODE部が機種指定コマンドを表す場合には(B1301の結果が「Y」)、遊技機の種類を設定する機種設定処理を実行し(B1302)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が機種指定コマンドを表していない場合には(B1301の結果が「N」)、次に、MODE部がRAM初期化のコマンドを表すか否かを判定する(B1303)。そして、MODE部がRAM初期化のコマンドを表す場合には(B1303の結果が「Y」)、RAM初期化の報知等を行うRAM初期化設定処理を実行し(B1304)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部がRAM初期化のコマンドを表していない場合には(B1303の結果が「N」)、次に、MODE部が停電復旧時のコマンドを表すか否かを判定する(B1305)。そして、MODE部が停電復旧時のコマンドを表す場合には(B1305の結果が「Y」)、停電復旧設定処理を実行し(B1306)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が停電復旧時のコマンドを表していない場合には(B1305の結果が「N」)、次に、MODE部が客待ちデモコマンドを表すか否かを判定する(B1307)。そして、MODE部が客待ちデモコマンドを表す場合には(B1307の結果が「Y」)、客待ちデモ設定処理を実行し(B1308)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が客待ちデモコマンドを表していない場合には(B1307の結果が「N」)、次に、MODE部が飾り特図1保留数コマンド(A3207)を表すか否かを判定する(B1309)。そして、MODE部が飾り特図1保留数コマンドを表す場合には(B1309の結果が「Y」)、特図1保留情報設定処理を実行し(B1310)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が飾り特図1保留数コマンドを表していない場合には(B1309の結果が「N」)、次に、MODE部が飾り特図2保留数コマンド(A3203)を表すか否かを判定する(B1311)。そして、MODE部が飾り特図2保留数コマンドを表す場合には(B1311の結果が「Y」)、特図2保留情報設定処理を実行し(B1312)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が飾り特図2保留数コマンドを表していない場合には(B1311の結果が「N」)、次に、MODE部が確率情報コマンドを表すか否かを判定する(B1313)。そして、MODE部が確率情報コマンドを表す場合には(B1313の結果が「Y」)、確率情報設定処理を実行し(B1314)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が確率情報コマンドを表していない場合には(B1313の結果が「N」)、次に、MODE部がエラー/不正系のコマンドを表すか否かを判定する(B1315)。なお、エラー/不正系のコマンドとして、例えば、不正発生コマンド(A2108)、不正解除コマンド(A2116)、状態オフコマンド(A2404)、状態オンコマンド(A2407)がある。そして、MODE部がエラー/不正系のコマンドを表す場合には(B1315の結果が「Y」)、エラーや不正の報知や報知解除をするためのエラー/不正設定処理を実行し(B1316)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部がエラー/不正系のコマンドを表していない場合には(B1315の結果が「N」)、次に、MODE部が演出モード切替用のコマンド(例えば、A5139の演出モード切替準備コマンド)を表すか否かを判定する(B1317)。そして、MODE部が演出モード切替用のコマンドを表す場合には(B1317の結果が「Y」)、演出モード切替設定処理を実行し(B1318)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が演出モード切替用のコマンドを表していない場合には(B1317の結果が「N」)、次に、MODE部がカウントのコマンド(A3107、A3111の大入賞口カウントコマンド)を表すか否かを判定する(B1319)。そして、MODE部がカウントのコマンドを表す場合には(B1319の結果が「Y」)、カウント情報設定処理を実行し(B1320)、単発系コマンド処理を終了する。カウント情報設定処理の詳細は、後述する。
演出制御装置300は、MODE部がカウントのコマンドを表していない場合には(B1319の結果が「N」)、次に、MODE部が賞球に関する情報(A2317の役物比率の算出結果に対応するコマンド)を表すか否かを判定する(B1321)。そして、MODE部が賞球に関する情報を表す場合には(B1321の結果が「Y」)、役物比率設定処理を実行し(B1322)、単発系コマンド処理を終了する。役物比率設定処理の詳細は、後述する。
演出制御装置300は、MODE部が賞球に関する情報を表していない場合には(B1321の結果が「N」)、次に、MODE部が図柄停止のコマンドを表すか否かを判定する(B1323)。なお、図柄停止のコマンドには、例えば、特図1の図柄停止コマンドと特図2の図柄停止コマンドがある。そして、MODE部が図柄停止のコマンドを表す場合には(B1323の結果が「Y」)、演出制御装置300は、次に、MODE部のコマンドが正常なコマンドであるか否かを判定する(B1324)。
MODE部のコマンドが正常なコマンドである場合には(B1324の結果が「Y」)、演出制御装置300は、対応する特図の停止態様を設定し(B1325)、全図柄が停止した後に遊技状態フラグを通常状態に設定して(B1326)、単発系コマンド処理を終了する。B1326の処理では、一例として、遊技状態フラグを通常状態に設定しているが、本処理が実行されるタイミングによって、遊技状態フラグは、「変動中」「大当り中」「小当り中」のフラグが設定される。
一方、MODE部が図柄停止のコマンドを表していない場合(B1323の結果が「N」)、または、MODE部のコマンドが正常ではない場合(B1324の結果が「N」)には、演出制御装置300は、単発系コマンド処理を終了する。
〔カウント情報設定処理〕
次に、図89を参照して、前述した単発系コマンド処理(図88)におけるカウント情報設定処理(B1320)の詳細について説明する。図89は、演出制御装置300によって実行されるカウント情報設定処理の手順を示すフローチャートである。カウント情報設定処理は、特別遊技状態における獲得出玉数をカウントするものであり、単発系のコマンドとして受信したコマンドのうち、MODE部がカウントを表す場合に実行される。
演出制御装置300は、まず、受信したカウントのコマンド(大入賞口カウントコマンド)が正常なコマンドであるか否かを判定する(B1401)。コマンドが正常である場合には(B1401の結果が「Y」)、演出制御装置300は、次に、現在の遊技機10が大当り動作中(大当り状態中)であるか否かを判定する(B1402)。
大当り動作中である場合には(B1402の結果が「Y」)、演出制御装置300は、現在のラウンド中のカウント数を+1更新して、獲得出玉数に大入賞口の賞球数(ここでは14)を加算する(B1403、B1404)。なお、大当りのエンディングが終了する時点で、獲得出玉数は0クリアされる。獲得出玉数は、RAM内(例えばRAM322内)の出玉数領域に保存される。
次に、演出制御装置300は、出玉数表示の更新設定を行い(B1405)、カウント情報設定処理を終了する。出玉数表示として、獲得出玉数を表示装置41等に表示する。
一方、受信したコマンドが正常ではない場合(B1401の結果が「N」)、又は現在の遊技機1が大当り動作中ではない場合には(B1402の結果が「N」)、カウント情報設定処理を終了する。
〔役物比率設定処理〕
次に、図90を参照して、前述した単発系コマンド処理(図88)における役物比率設定処理(B1322)の詳細について説明する。図90は、演出制御装置300によって実行される役物比率設定処理の手順を示すフローチャートである。役物比率設定処理は、全役物比率(いわゆる役物比率)と連続役物比率を保存し、これらを表示設定するものであり、演出制御装置300が単発系のコマンドとして賞球に関する情報(A2317の役物比率の算出結果に対応するコマンド)を受信した場合に実行される。
演出制御装置300は、まず、受信した賞球に関する情報のコマンドが正常なコマンドであるか否かを判定する(B1501)。コマンドが正常でない場合には(B1501の結果が「N」)、役物比率設定処理を終了する。
演出制御装置300は、コマンドが正常である場合(B1501の結果が「Y」)、受信したコマンドが全役物比率の算出結果に対応するか否か判定する(B1502)。受信したコマンドが全役物比率の算出結果に対応しない場合(B1502の結果が「N」)、ステップB1505の処理に移行する。受信したコマンドが全役物比率の算出結果に対応する場合(B1502の結果が「Y」)、全役物比率をRAM内に保存し(B1503)、全役物比率を表示装置41に表示するための表示設定を実行する(B1504)。
次に、演出制御装置300は、受信したコマンドが連続役物比率の算出結果に対応するか否か判定する(B1505)。受信したコマンドが連続役物比率の算出結果に対応しない場合(B1505の結果が「N」)、役物比率設定処理を終了する。受信したコマンドが連続役物比率の算出結果に対応する場合(B1505の結果が「Y」)、連続役物比率をRAM内に保存し(B1506)、連続役物比率を表示装置41に表示するための表示設定を実行し(B1507)、役物比率設定処理を終了する。
なお、大当り終了タイミングで受信した全役物比率と連続役物比率は、大当り終了タイミングでの獲得出玉数(大当り中の最終的な獲得出玉数)と共に、1つのセットとして、RAM内(例えばRAM322内)の大当り履歴領域に保存される(B1503、B1506)。なお、大当り履歴領域には、遊技機10の電源投入から発生した大当りの順に、大当り履歴1、大当り履歴2、大当り履歴3、・・・が保存されており、大当り履歴毎に、全役物比率と連続役物比率と獲得出玉数がセットになって保存されている。また、全役物比率と連続役物比率は、表示設定(B1504、B1507)によって、大当り終了タイミングにおいて、大当り履歴として表示装置41に表示される。大当り終了タイミングにおいて表示される役物比率は、ある1つの特別遊技の終了時(初回の特別遊技終了前は遊技機10の電源投入時)から、次の特別遊技(大当り)の終了時までの期間に得た賞球数に対して算出される役物比率である。
また、RAM内において、高確率終了タイミングや時短終了タイミングにおいて略同じタイミングで受信した全役物比率と連続役物比率は1つのセット(ペア)として関連付けて保存される。また、全役物比率と連続役物比率は、表示設定(B1504、B1507)によって、高確率終了タイミング、及び、時短終了タイミングにおいて同時に表示装置41に表示される。高確率終了タイミングや時短終了タイミングにおいて表示される役物比率は、前回の特別遊技の終了時から、特定遊技状態(高確率状態や時短状態)が終了するまでの期間に得た賞球数に対して算出される役物比率である。
〔図柄系コマンド処理〕
次に、図91を参照して、第3実施形態に係る図柄系コマンド処理の詳細について説明する。図柄系コマンド処理は、受信コマンド解析処理(図80)のステップB1210で実行される。図91は、演出制御装置300によって実行される図柄系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、受信した図柄系コマンド(飾り特図1コマンド又は飾り特図2コマンド)のMODE部に対応する特図種別を設定する(B1801)。特図種別は、特図1又は特図2である。そして、図柄系コマンドのMODE部とACTION部(ACT部)の組合せに対応する図柄種別を設定し、RAM内の所定領域にセーブする(B1802)。ここで、特図1と特図2では、図柄の振分け割合が変わるので、MODE毎にテーブルを使用して、図柄種別を設定する。なお、本実施形態において、図柄種別は、はずれ図柄や、4R確変大当り図柄、16R確変大当り図柄などがある。
〔変動系コマンド処理〕
次に、図92を参照して、第3実施形態に係る変動系コマンド処理の詳細について説明する。変動系コマンド処理は、受信コマンド解析処理(図80)におけるステップB1206において実行される。図92は、演出制御装置300によって実行される変動系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、受信した変動系コマンド(変動コマンド)の特図種別(特図1又は特図2)が未確定であるか否かを判定する(B1901)。特図種別が未確定である場合(B1901の結果が「Y」)、変動系コマンド処理を終了する。特図種別が未確定でない場合(B1901の結果が「N」)、受信した変動系コマンドと図柄系コマンドの組合せをチェックし(B1902)、変動系コマンドと図柄種別が不整合であるか否かを判定する(B1903)。ここで、不整合とは、はずれの変動系コマンドを受信したのに大当り図柄の図柄系コマンドを受信していた場合など、演出を行う上で矛盾してしまうことである。変動系コマンドと図柄種別が不整合である場合(B1903の結果が「Y」)、変動系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、変動系コマンドと図柄種別が不整合でない場合(B1903の結果が「N」)、変動系コマンド(変動コマンド)から変動パターン種別を判別し(B1904)、変動中の演出である変動演出を設定する変動演出設定処理を実行する(B1905)。なお、同じ変動系コマンドに対して、複数の演出が存在する。続いて、遊技状態(P機状態)を示す遊技状態フラグに特図変動中を設定し(B1906)、連続演出等の先読み演出回数が0でなければ−1更新する(B1907)。そして、特図変動回数を+1更新し(B1908)、変動系コマンド処理を終了する。なお、特図変動回数は、遊技機10の電源投入からの特図変動表示ゲームの実行回数(スタート数)であり、更新後の特図変動回数は、RAM内(例えばRAM322内)の特図変動回数領域に保存される。
〔大当り系コマンド処理〕
次に、図93を参照して、第3実施形態に係る大当り系コマンド処理の詳細について説明する。大当り系コマンド処理は、受信コマンド解析処理(図80)におけるステップB1208において実行される。図93は、演出制御装置300によって実行される大当り系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、受信した大当り系コマンドのMODE部がファンファーレを表すか否かを判定する(B2101)。大当り系コマンドのMODE部がファンファーレを表す場合(B2101の結果が「Y」)、即ち、大当り系コマンドがファンファーレコマンドである場合、ファンファーレ演出を設定するためのファンファーレ演出設定処理を実行する(B2102)。なお、ファンファーレコマンドには、今回の大当りのラウンド数上限値の情報が含まれている。続いて、現在の遊技機10の遊技状態(P機状態)を示す遊技状態フラグにファンファーレ中を設定し(B2103)、大当り系コマンド処理を終了する。なお、ラウンド数上限値は、図柄系コマンド(停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンド)から判定される図柄種別からも得ることができる。
演出制御装置300は、受信した大当り系コマンドのMODE部がファンファーレを表さない場合には(B2101の結果が「N」)、大当り系コマンドのMODE部がラウンドを表すか否かを判定する(B2104)。MODE部がラウンドを表す場合(B2104の結果が「Y」)、即ち、大当り系コマンドがラウンドコマンドである場合、演出制御装置300は、ラウンド演出設定処理を実行し、現在の遊技機10の遊技状態(P機状態)を示す遊技状態フラグにラウンド中を設定し(B2105、B2106)、大当り系コマンド処理を終了する。
受信した大当り系コマンドのMODE部がラウンドを表さない場合には(B2104の結果が「N」)、演出制御装置300は、大当り系コマンドのMODE部がインターバルを表すか否かを判定する(B2107)。MODE部がインターバルを表す場合(B2107の結果が「Y」)、即ち、大当り系コマンドがインターバルコマンドである場合、演出制御装置300は、インターバル演出設定処理を実行し、現在の遊技機10の遊技状態(P機状態)を示す遊技状態フラグにインターバル中を設定し(B2108、B2109)、大当り系コマンド処理を終了する。
受信した大当り系コマンドのMODE部がインターバルを表さない場合には(B2107の結果が「N」)、演出制御装置300は、大当り系コマンドのMODE部がエンディングを表すか否かを判定する(B2110)。MODE部がエンディングを表す場合(B2110の結果が「Y」)、即ち、大当り系コマンドがエンディングコマンドである場合、演出制御装置300は、役物比率と大当り中の獲得出玉数に対応する演出ポイントを加算する際の演出表示としてポイント加算演出表示を設定する(B2111)。なお、ポイント加算演出表示では、例えば、表示装置41にキャラクタを出現させる。
続いて、演出制御装置300は、役物比率(全役物比率と連続役物比率の両方またはいずれか)に対応したエンディング演出を設定するためのエンディング演出設定処理を実行し(B2112)、現在の遊技機10の遊技状態(P機状態)を示す遊技状態フラグにエンディング中を設定し(B2113)、大当り系コマンド処理を終了する。なお、エンディング演出を最終的な獲得出玉数にも対応させて設定してもよい。
なお、受信した大当り系コマンドのMODE部がエンディングを表さない場合には(B2110の結果が「N」)、演出制御装置300は、いずれの処理も実行せずに、大当り系コマンド処理を終了する。
〔演出ポイント制御処理〕
次に、図94を参照して、第3実施形態に係る演出ポイント制御処理の詳細について説明する。演出ポイント制御処理は、メイン処理(図78)におけるステップB1011において実行される。図94は、演出制御装置300によって実行される演出ポイント制御処理の手順を示すフローチャートである。なお、演出ポイントには、過去の遊技から現在までに獲得したポイントの累計である所有ポイントと、今回の遊技中(所定期間)に獲得したポイントである遊技中獲得ポイントがある。
演出制御装置300は、まず、演出ポイント対象(演出ポイントを付与する対象)の先読み演出が実行されたか否かを判定する(B2501)。なお、先読み演出は、先読み図柄系コマンドと先読み変動系コマンドに基づいて実行される演出であって、連続演出(連続予告)、保留変化予告、先読みゾーン予告などの演出である。演出ポイント対象の先読み演出が実行されていない場合(B2501の結果が「N」)、ステップB2504の処理に移行する。演出ポイント対象の先読み演出が実行された場合(B2501の結果が「Y」)、所有ポイント数に演出に対応するポイントを加算し(B2502)、遊技中獲得ポイント数に演出に対応するポイントを加算する(B2503)。
次に、演出制御装置300は、演出ポイント対象の変動演出が実行されたか否かを判定する(B2504)。ここで、変動演出は、現在実行中の特図変動表示ゲームの結果に関連する演出(予告演出等)である。演出ポイント対象の変動演出が実行されていない場合
(B2504の結果が「N」)、ステップB2507の処理に移行する。演出ポイント対象の変動演出が実行された場合(B2504の結果が「Y」)、所有ポイント数に演出に対応するポイントを加算し(B2505)、遊技中獲得ポイント数に演出に対応するポイントを加算する(B2506)。
続いて、演出制御装置300は、演出ポイント対象となる入力条件が成立したか否かを判定する(B2507)。演出ポイントが付与される演出ポイント対象の演出ボタン操作があった場合、この入力条件が成立したと判定される。演出ポイント対象となる入力条件が成立していない場合(B2507の結果が「N」)、ステップB2510の処理に移行する。演出ポイント対象となる入力条件が成立した場合(B2507の結果が「Y」)、所有ポイント数に入力(ここでは演出ボタン操作)に対応するポイントを加算し(B2508)、遊技中獲得ポイント数に入力(ここでは演出ボタン操作)に対応するポイントを加算する(B2509)。
その後、演出制御装置300は、大当りのエンディングでの加算タイミングであるか否かを判定する(B2510)。大当りのエンディングでの加算タイミングでない場合(B2510の結果が「N」)、ステップB2513の処理に移行する。大当りのエンディングでの加算タイミングである場合(B2510の結果が「Y」)、所有ポイント数に役物比率(全役物比率と連続役物比率の両方またはいずれか)と今回の大当りにおける獲得出玉数に対応するポイントを加算し(B2511)、遊技中獲得ポイント数に役物比率(全役物比率と連続役物比率の両方またはいずれか)と今回の大当りにおける獲得出玉数に対応するポイントを加算する(B2512)。
次に、演出制御装置300は、遊技中獲得ポイント数に関してキャラクタレベルアップ条件が成立したか否かを判定する(B2513)。例えば、遊技中獲得ポイント数が所定値以上の場合にキャラクタレベルアップ条件が成立したと判定できる。キャラクタレベルアップ条件が成立していない場合(B2513の結果が「N」)、ステップB2516の処理に移行する。遊技中獲得ポイント数に関してキャラクタレベルアップ条件が成立した場合(B2513の結果が「Y」)、キャラクタの態様(例えばコスチューム)に対応するキャラクタレベル(Lv)を更新し(B2514)、キャラクタの態様のレベルアップ(態様変化)に関連するキャラクタレベルアップ演出の描画設定を行う(B2515)。なお、キャラクタレベルアップ演出は、前述のナビキャラ670のレベルアップでもよいし、ナビキャラ670以外のキャラクタの態様のレベルアップに使用されるものでよい。
続いて、演出制御装置300は、パスワード入力によるポイント復活条件が成立したか否かを判定する(B2516)。パスワード入力は、例えば、演出ボタン25の操作による入力であり、パスワードは携帯端末連動サービスによって携帯端末(携帯電話等)によって取得できる。ポイント復活条件は、例えば、パスワードが正しいものであることである。ポイント復活条件が成立していない場合(B2516の結果が「N」)、ステップB2519に移行する。ポイント復活条件が成立している場合(B2516の結果が「Y」)、所有ポイント数をパスワード内容に対応した値に設定し(B2517)、パスワード内容に対応するキャラクタレベル(Lv)や演出カスタマイズ情報を復元する(B2518)。なお、演出カスタマイズ情報は機種毎の情報である。
次に、演出制御装置300は、二次元コードを表示装置41に描画するための二次元コード描画操作があった否かを判定する(B2519)。例えば、二次元コード描画操作は、演出ボタン25の所定操作(タッチパネルへの操作や押下操作など)である。二次元コード描画操作がない場合(B2519の結果が「N」)、演出ポイント制御処理を終了する。二次元コード描画操作があった場合(B2520の結果が「Y」)、所有ポイント数、キャラクタLv、演出カスタマイズ情報に基づいてパスワードを生成し(B2520)、生成したパスワードに対応する二次元コードの描画設定を行う(B2521)。その後、演出ポイント制御処理を終了する。
〔ホール・遊技者設定モード処理〕
まず、図95を参照して、前述したメイン処理(図78)における第3実施形態に係るホール・遊技者設定モード処理(B1010)の詳細について説明する。図95は、演出制御装置300によって実行されるホール・遊技者設定モード処理の手順を示すフローチャートである。ホール・遊技者設定モード処理によって、ホール(遊技店)の係員等が遊技機10の各種設定を行えるホール設定モード、又は、遊技者が遊技機10の各種設定を行える遊技者設定モードを起動させることができる。
演出制御装置300は、まず、ホール設定モード中であるか否か判定する(B2701)。後述のホール設定モード中フラグが設定されている場合に、ホール設定モード中であると判定できる。ホール設定モード中である場合に(B2701の結果が「Y」)、B2706−B2716の処理を行って、ホール(遊技店)の係員等による演出ボタン25(演出ボタンスイッチ25a、タッチパネル25b)の操作に基づいて、各種設定や各種調整を行う。
演出制御装置300は、ホール設定モード中でない場合に(B2701の結果が「N」)、遊技者設定モード中であるか否か判定する(B2702)。後述の遊技者設定モード中フラグが設定されている場合に、遊技者設定モード中であると判定できる。遊技者設定モード中である場合に(B2702の結果が「Y」)、B2720−B2725の処理を行って、遊技者による演出ボタン25の操作に基づいて各種設定や各種調整を行う。
演出制御装置300は、遊技者設定モード中でない場合に(B2702の結果が「N」)、ホール設定モード開始条件が成立したか否か判定する(B2703)。例えば、客待ち中に、ホール設定モードに入るための演出ボタン25の操作が操作信号として演出ボタン入力処理(B1009)で検出された場合などに、ホール設定モード開始条件が成立したと判定できる。なお、客待ち中とは、例えば、前述の客待ち状態中のことであり、表示装置41に客待ち用の映像(客待ちデモ)が表示されるような客待ちデモ状態を含む。ホール設定モード開始条件が成立していない場合に(B2703の結果が「N」)、B2717の処理を実行する。
演出制御装置300は、ホール設定モード開始条件が成立した場合に(B2703の結果が「Y」)、ホール設定モードにおける表示装置41に対する画面描画(ホール設定画面の描画)を開始するための画面描画開始設定を行う(B2704)。そして、ホール設定モード中フラグを設定する(B2705)。
次に、演出制御装置300は、ホールの係員等による演出ボタン25の操作に基づいて、上スピーカ19a及び下スピーカ19bの音量を調整するホール音量調整処理(B2706)、枠装飾装置18や盤装飾装置46のLEDの輝度を調整するホールLED輝度調整処理(B2707)、表示装置41の表示部(液晶ディスプレイ等)の輝度を調整する液晶輝度調整処理(B2708)、省電力の設定を行う省電力設定処理(B2709)を実行する。
次に、演出制御装置300は、ロゴ役物の発行色等を設定するロゴカラー設定処理を実行する(B2710)。そして、設定確定操作入力があったか否か判定する(B2711)。演出ボタン25の設定確定操作による操作信号が演出ボタン入力処理(B1009)で検出された場合に、設定確定操作入力があったと判定できる。設定確定操作入力がない場合に(B2711の結果が「N」)、ホール・遊技者設定モード処理を終了する。
演出制御装置300は、設定確定操作入力があった場合に(B2711の結果が「Y」)、工場出荷時の設定で確定したか否か判定する(B2712)。設定確定操作以外に演出ボタン25の操作がなかった場合に、工場出荷時の設定で確定したと判定できる。工場出荷時の設定で確定しなかった場合に(B2712の結果が「N」)、B2714の処理に進む。工場出荷時の設定で確定した場合に(B2712の結果が「Y」)、工場出荷時の設定で各種設定や各種調整を行う工場出荷時設定処理を実行する(B2713)。工場出荷時の設定は、ROM321等のメモリに記憶されているデフォルトの設定である。次に、B2706−B2710やB2713で決定された音量や各種輝度などのホール設定データ(又はホール調整データ)をバックアップメモリ(例えばFeRAM323)に書き込む(B2714)。
次に、演出制御装置300は、ホール設定モードにおける表示装置41に対する画面描画を終了するための画面描画終了設定を行う(B2715)。そして、ホール設定モード中フラグをクリアする(B2716)。
演出制御装置300は、ホール設定モード開始条件が成立していない場合に(B2703の結果が「N」)、遊技者設定モード開始条件が成立したか否か判定する(B2717)。客待ち中において、遊技者設定モードに入るための演出ボタン25の操作が操作信号として演出ボタン入力処理(B1009)で検出された場合などに、遊技者設定モード開始条件が成立したと判定できる。なお、客待ち中とは、例えば、前述の客待ち状態中のことであり、表示装置41に客待ち用の映像(客待ちデモ)が表示されるような客待ちデモ状態を含む。遊技者設定モード開始条件が成立していない場合に(B2717の結果が「N」)、ホール・遊技者設定モード処理を終了する。
演出制御装置300は、遊技者設定モード開始条件が成立した場合に(B2717の結果が「Y」)、遊技者設定モードにおける表示装置41に対する画面描画を開始するための画面描画開始設定を行う(B2718)。なお、この画面描画によって、各種選択をするためのメニュー表示と役物比率(連続役物比率と全役物比率)が、音量調整のための音量調整表示(ゲージ、メータ等)、LED輝度調整のための輝度調整表示(ゲージ、メータ等)などと共に、表示装置41に表示される。そして、遊技者設定モード中フラグを設定する(B2719)。
次に、演出制御装置300は、遊技者による演出ボタン25の操作に基づいて、上スピーカ10a及び下スピーカ10bの音量を調整する遊技者音量調整処理(B2720)と、枠装飾装置18や盤装飾装置46のLEDの輝度を調整する遊技者LED輝度調整処理(B2721)を実行する。
次に、演出制御装置300は、遊技者による演出ボタン25等の操作に基づいて演出をカスタマイズ(個別設定)する演出カスタマイズ処理を実行する(B2722)。そして、設定確定操作入力があったか否か判定する(B2723)。設定確定操作入力がない場合に(B2723の結果が「N」)、ホール・遊技者設定モード処理を終了する。設定確定操作入力があった場合に(B2723の結果が「Y」)、遊技者設定モードにおける表示装置41に対する画面描画を終了するための画面描画終了設定を行う(B2724)。そして、遊技者設定モード中フラグをクリアする(B2725)。なお、B2720−B2721で決定された音量や輝度などの遊技者設定データ(又は遊技者調整データ)は、消えてもよいため、バックアップメモリに書き込まない。
なお、上記において、一旦ホール設定モード又は遊技者設定モードに入った後の描画更新設定(メニュー表示におけるハイライト項目の更新など)は、演出ボタン入力処理(B1009)の方で行うものとする。
[画面遷移]
図96Aと図96Bは、第3実施形態において、表示装置41の表示画面を時系列で示した画面遷移図であり、遊技全体の画面遷移の一例である。
図96Aの(ア)は、特図変動表示ゲームを開始する直前の表示画面である。複数の変動表示領域610(左領域610a、右領域610b、中領域610c)には、前回の特図変動表示ゲームのはずれ停止図柄が表示されている。また、四角形枠の保留消化領域640が表示画面の中央下部に表示される。
第3実施形態において、保留表示部630(始動記憶表示部)は、第1始動記憶を第1保留表示(第1始動記憶表示)として表示する第1保留表示部630aと、第2始動記憶を第2保留表示(第2始動記憶表示)として表示する第2保留表示部630bからなる。第1保留表示部630aに第1保留表示として保留表示633が3つ表示されている。第2保留表示部630bには、現時点で、保留表示633は表示されていない。なお、保留表示633b(黒)は、保留変化予告により通常態様から色が変化した保留表示である。
表示装置41の表示画面の右上隅の特図1保留数表示部650と特図2保留数表示部660には、それぞれ、特図1保留数を示す数字「3」と特図2保留数を示す数字「0」が表示されている。
(イ)は、特図変動表示ゲームを開始するタイミングでの表示画面である。保留消化領域640に第1保留表示部630aの右端の保留表示633が移動するような演出が行われる。以後、実行中の特図変動表示ゲームに係る保留(この特図変動表示ゲームの実行権利となっていた始動記憶)を示す保留対応表示633a(変動中保留表示)が、保留消化領域640に表示されることになる。そして、飾り特別図柄の変動(↓↓↓)が変動表示領域610で開始し、同時に、飾り縮小図柄の変動(↓↓↓)が変動表示領域615で開始する。また、特図1保留数表示部650において、特図1保留数を示す数字が「2」に減少する。なお、特図変動表示ゲームの結果が大当りの場合に、変動表示領域615と変動表示領域610の停止結果(停止図柄)は共通の態様(共通の数字)となるが、はずれの場合には、共通の態様でなくてよい。
その後、(ウ)では、左領域610aと右領域610bにおいて、同一の飾り特別図柄(識別情報)が停止して、リーチが発生している。そして、種々のリーチ演出が実行された後、(エ)では、大当りの停止図柄が表示され、以降、特別遊技状態(大当り状態)において、所定ラウンド回数(ここでは16回)だけ特別変動入賞装置39の開閉回数が繰り返されることによって、所定ラウンド回数分のラウンド遊技が実行される。
(オ)は、大当り状態(特別遊技状態)中の途中の8Rの表示画面を示す。ここで、大当りラウンド演出が行われるとともに、大当り状態中に獲得した獲得出玉数(図89のB1404、B1405)が大入賞口への入賞が発生する度に更新されて表示されている。(カ)は、最終ラウンド(16R)の画面を示す。
図96Bの(キ)は、大当り状態終了の際のエンディング中における表示装置41の表示画面を示す。エンディング中に、大当り履歴として、大当り中に獲得した獲得出玉数と、大当り終了タイミングで演出制御装置300が受信した全役物比率と連続役物比率が、大当り履歴表示部760に表示されている。大当り履歴表示部760は、役物比率を表示する役物比率表示領域800を含む。なお、全役物比率は、一般的に使用されるいわゆる役物比率であるため、「役物比率」と表示されている。ここで表示される役物比率は、1つの特別遊技の終了時(初回の特別遊技終了前は遊技機10の電源投入時)から次の特別遊技(大当り)が終了するまでの期間に得た賞球数に対して算出される役物比率であるが、遊技機10の電源投入から各特別遊技の終了までの全期間に得た賞球数に対して算出される役物比率でもよい。
また、大当り履歴(履歴情報)は、直近の3つ(ここでは、大当り履歴1、大当り履歴2、大当り履歴3)が表示されているが、大当り履歴を大当り履歴表示部760に何個表示するかは、遊技者設定モードで遊技者が設定可能である。大当り履歴(獲得出玉数、全役物比率、連続役物比率)は、他の表示と重ならないように表示されるか、重なっても前面側に優先して表示される。なお、全役物比率と連続役物比率を数字ではなく、円グラフや棒グラフで表示することも可能である。
また、大当り中の獲得出玉数と役物比率に応じた演出ポイントを加算する際のポイント加算演出として、例えば、表示装置41にキャラクタ770を出現させるとともに、キャラクタ770のセリフを表示するセリフ表示部770aに、獲得出玉数と演出ポイントの加算値(ここでは100ポイント)が表示される。キャラクタ770やその形態は、演出ポイントの加算値(ひいては獲得出玉数と役物比率)に応じて設定されてよい。
さらに、エンディング中に実行されるエンディング演出(図93のB2112)として、流れ星が流れるような演出(装飾)が表示されている。エンディング演出(背景含む)は、獲得出玉数などの賞球に関連する情報や役物比率に応じて、設定されてよい。役物比率に応じた演出によって、役物比率さらには遊技機の状態を判断可能となるとともに、遊技の興趣が向上する。なお、エンディング演出は、遊技盤30のセンターケース40の近傍に設けられているLED(盤装飾装置46)を役物比率に応じた色(例えば、「緑」、「黄」、「青」の順に役物比率が低くなる)で発光させる装飾演出を含んでよい。また、役物比率が低いほど、大当りまでに消化した特図変動表示ゲームの回数が多い可能性があるため、労をねぎらうために、遊技者に対して良い印象を与えるエンディング演出が設定されてよい。また、獲得出玉数が大きいほど、讃えるために遊技者に対して良い印象を与えるエンディング演出が設定されてよい。なお、エンディング演出以外の演出(例えば変動演出)を役物比率に応じて設定する構成も可能である。
(ク)では、大当り状態終了後に特定遊技状態(高確率状態又は時短状態)「RUSH」が発生した場合の表示画面を示す。(ケ)では、特定遊技状態において、特図1特図変動表示ゲーム又は特図2特図変動表示ゲームが実行されている。第1保留表示部630aに第1保留表示として保留表示633が1つ表示されている。第2保留表示部630bには、第2保留表示として保留表示633が2つ表示されている。
(コ)では、特定遊技状態(高確率状態又は時短状態)「RUSH」の終了の際における表示装置41の表示画面を示す。特定遊技状態終了タイミング(高確率終了タイミング又は時短終了タイミング)において演出制御装置300が受信した全役物比率と連続役物比率が、役物比率表示領域800に表示されている。特定遊技状態終了タイミングは、例えば、高確率変動回数が0となるタイミングである。ここで表示される役物比率は、1つの特別遊技の終了時から特定遊技状態が終了するまでの期間に得た賞球数に対して算出される役物比率であるが、遊技機10の電源投入から特定遊技状態が終了するまでの全期間に得た賞球数に対して算出される役物比率でもよい。また、この特定遊技状態終了タイミングにおいて、役物比率に応じた演出を実行してもよい。
なお、全役物比率は、一般的に使用されるいわゆる役物比率であるため、「役物比率」と表示されている。全役物比率と連続役物比率は、他の表示と重ならないように表示されるか、重なっても前面側に優先して表示される。なお、全役物比率と連続役物比率を数字ではなく、円グラフや棒グラフで表示することも可能である。その後、通常遊技状態に移行する。
図97は、図96Bの(キ)に対応し、大当り状態終了の際のエンディングにおける表示装置41の表示画面の他の例を示す。図97では、獲得出玉数と全役物比率と連続役物比率に追加して、遊技機10の電源投入からの特図変動表示ゲームの実行回数であるスタート数(図92のB1908の特図変動回数)が、大当り履歴表示部760に表示されている。これにより、遊技者等は、基準値以外にスタート数に基づいて役物比率が異常値であるか否か判断することになり、誤判断が少なくなる。例えば、スタート数が少ない場合(例えば図97では10)に大当りが発生していれば、役物比率が基準値(例えば、連続役物比率で60%、全役物比率で70%)を超えても、異常でないと判断できる。
なお、この場合に、大当り終了タイミングで受信した全役物比率と連続役物比率は、大当り終了タイミングでの獲得出玉数とスタート数と共に、1つのセットとして、RAM内(例えばRAM322内)の大当り履歴領域に保存される(B1503、B1506)。
また、図97では、全役物比率と連続役物比率が遊技者に馴染みのないものである可能性があるため、ナビキャラ670が登場して、セリフ表示部680に全役物比率と連続役物比率の説明や定義が表示されている。これにより、遊技者が役物比率に興味を抱くことになる。
なお、図96Bの(コ)においても、特定遊技状態(高確率状態又は時短状態)「RUSH」の終了の際における表示装置41の表示画面で、全役物比率と連続役物比率に追加して、スタート数を役物比率表示領域800に表示してもよい。
[客待ち中の表示画面]
図98は、客待ち中の遊技者設定モード(図95のB2718)での表示画面の一例を示す。大当り履歴が大当り履歴表示部760に表示される。連続役物比率と全役物比率(「役物比率」と表示)が、大当り履歴表示部760内の役物比率表示領域800に表示される。音量調整のための音量調整表示810(ゲージ)とLED輝度調整のための輝度調整表示815(ゲージ)が、表示画面に表示されている。
なお、演出制御装置300は、客待ち中(客待ち状態中)にのみ連続役物比率と全役物比率を表示装置41の表示画面に表示し、客待ち中以外の状態、即ち、客待ちデモ中でない状態や遊技球の発射中の状態では、連続役物比率と全役物比率を表示装置41の表示画面に表示しない構成としてもよい。つまり、役物比率設定処理(図90)のB1504、B1507を省略する構成も可能である。
さらに、表示装置41の表示画面において、メニュー表示として、大当り履歴の表示個数を選択する第1選択部820と、役物比率の表示内容(表示態様)を選択する第2選択部825が表示されている。第1選択部820により、RAM内の大当り履歴領域に保存された大当り履歴(獲得出玉数、全役物比率(役物比率)、連続役物比率、スタート数のセット)のうち何個の大当り履歴(図96B、図97、図98では3つ)を表示するか選択できる。第2選択部825により、全役物比率と連続役物比率のいずれか又は両方を表示するか選択できる。
遊技者は、演出ボタン25のタッチパネル25bでの上下方向の指の動き(タッチ箇所の動き)によるタッチ操作を行い、設定する対象を選択する。このタッチ操作によって、ハイライト表示等の特定表示態様(音量調整表示810の黒枠参照)で表示される設定対象の項目(設定項目)が、選択される。即ち、ハイライト表示等の特定表示態様で表示される項目が、タッチ操作によって変更されていく。なお、メニュー表示としての第1選択部820と第2選択部825などにおけるハイライト項目の更新は、演出ボタン入力処理(B1009)で実行される。なお、左右方向の指の動き(タッチ箇所の動き)によるタッチ操作で、音量や明るさの値の選択(図95のB2720、B2721)を行う。また、タッチパネル25bの中央部にタッチすることによって、表示された値やキャラクタの選択が確定するようにしてよい(図95のB2723等)。また、上下方向又は左右方向の指の動きを促すように、演出ボタン25のLED690部が点灯されてよい。
このように、客待ち中の遊技者設定モードでは、メニュー表示によって、遊技者は、大当り履歴の表示個数や役物比率の表示内容(表示態様)を選択できる。また、客待ち中の遊技者設定モードでは、音量調整表示810(ゲージ)と輝度調整表示815(ゲージ)が表示され、遊技者の好みの音量や明るさに調整できる。
[サブ表示装置]
図99は、サブ表示装置830を備えた遊技盤30を示す。上記では、表示装置41の表示画面で、全役物比率と連続役物比率等を表示する例を示したが、図99に示すように動作可能なサブ表示装置830(可動役物)に全役物比率と連続役物比率等を表示する構成も可能である。なお、サブ表示装置830(可動役物)は、盤演出装置44として、演出制御装置300によって動作が制御される。
サブ表示装置830は、通常位置では、上部演出ユニット40cの裏側の空間に収容されて正面視で大部分が視認できないが、動作位置では、表示装置41の前側に移動して全部が正面視で視認できる。そして、大当り終了タイミング、高確率終了タイミング、及び、時短終了タイミングにおいて、演出制御装置300は、サブ表示装置830を動作位置に動作させ、サブ表示装置830において連続役物比率と全役物比率を表示する。従って、大当り終了タイミング、高確率終了タイミング、及び、時短終了タイミングにおいて、遊技者は、サブ表示装置830に表示された連続役物比率と全役物比率に注目することになる。
[第3実施形態の作用・効果]
上記の第3実施形態では、遊技制御手段(遊技制御装置100)は、賞球に関連する情報を演出制御手段(演出制御装置300)に送信する。演出制御手段(演出制御装置300)は、払出制御手段(払出制御装置200等)によって払い出された賞球の合計数のうち、変動入賞装置に入賞したことによって払い出された賞球の数が占める割合である役物比率を表示手段(例えば、表示装置41又はサブ表示装置830)に表示可能である。なお、賞球に関連する情報は、役物比率の算出結果そのものや、役物比率の算出するための情報(役物比率の元となる賞球数)などである。
従って、役物比率に関する表示によって遊技機の状態(変動入賞装置に入賞し易いか、一般入賞口35等に入賞し易いかなど)を判断可能となる。また、遊技の興趣が向上するとともに、遊技者は変動入賞装置へ入賞し易い印象(開状態が多く発生する印象)を持つため、遊技者が継続して遊技を行う動機(指標)となる。さらに、役物比率が低い場合には一般入賞口35等への入賞が比較的多いため、表示手段に役物比率を表示することによって、遊技者は一般入賞口35にも関心を持つことになり、遊技の興趣が向上する。
演出制御手段(演出制御装置300)は、所定回数分(例えば3回)の特別遊技に関する履歴情報(大当り履歴)を表示手段(例えば、表示装置41又はサブ表示装置830)に表示可能である。この場合、所定ラウンド回数のラウンド遊技からなる特別遊技毎に区分けした役物比率を履歴情報に含めて表示可能である。ここで、特別遊技毎に区分けした役物比率は、特別遊技の終了毎にリセットして計測した役物比率を含む。
従って、全期間での役物比率ではなく、特別遊技毎に区分けされた役物比率(不安定な値となることが予めわかっている)を算出して表示手段に表示しておくことにより、遊技者等は、基準値以外に自身の知識や情報に基づいて役物比率が異常値であるか否か判断することを促され、誤判断が少なくなる。
また、遊技制御手段(遊技制御装置100)は、所定の条件を満たすと所定回数(例えば100回)の特図変動表示ゲームの間、特定遊技(高確率状態や時短状態)を発生させてよい。さらに、遊技制御手段(遊技制御装置100)は、役物比率の算出を行い、算出された役物比率を賞球に関する情報として、特別遊技又は前記特定遊技が終了した際に演出制御手段(演出制御装置300)に送信してよい。この場合、役物比率が大きく変化した直後のタイミング(特別遊技又は前記特定遊技が終了したタイミング)において、役物比率を表示できる。また、算出された役物比率をそのまま演出制御手段(演出制御装置300)に送信して表示手段に表示すると、遊技制御手段(遊技制御装置100)から演出制御装置300への送信の回数が最小限になり、送信負荷が減少する。
[第4実施形態]
図100から図106を参照して、第4実施形態について説明する。なお、以下で述べる以外の構成は、第1実施形態から第3実施形態までのいずれかの実施形態と共通の構成が適用できる。
第4実施形態は第3実施形態をベースとするものであるが、第3実施形態と異なり、演出制御装置300は、払出コマンド(図101)(払出コマンド(A1719)とアウト球検出コマンド(A2017)の両方を含む)を受信して、自ら、役物比率(連続役物比率と全役物比率)を算出する。さらに、演出制御装置300は、一般入賞口35の賞球数合計や入賞回数を算出(計数)したり、一般入賞口比率を算出してもよい。なお、一般入賞口比率は、全賞球数(賞球の合計数)のうち、一般入賞口35に入賞したことで得られた賞球数の割合である。図85の出玉性能監視処理のうち、役物比率の算出結果を演出制御装置300に送信する処理(ステップA9804、A9805、A2317、A2318)は不要なため、第4実施形態では実行されない。
図100は、第4実施形態に係る排出球数領域、獲得球数領域、役物別獲得球数領域について説明する図である。排出球数領域、獲得球数領域、役物別獲得球数領域は、遊技制御装置100のRWM(リードライトメモリ:RAMやEEPROM等)に設けられる。排出球数領域、獲得球数領域に関しては、第1実施形態の図17Bと同じであるが、役物別獲得球数領域に関して、一般入賞口35に関して、2つの領域、即ち、左の一般入賞口35への入賞による賞球数の合計を記憶する領域と、右の一般入賞口35への入賞による賞球数の合計を記憶する領域とが、設けられている。これにより、遊技制御装置100は、左右別々に一般入賞口35の賞球数の合計を算出(計数)できる。
図101は、第4実施形態に係る払出コマンドを示す図である。第4実施形態に係る払出コマンド(図101)は、第2実施形態の図83の払出コマンドと異なり、一般入賞口35への入賞による払出コマンドが、左右の一般入賞口に対応して2種類ある。例えば、入賞口情報は、「000」が左一般入賞口35を示し、「001」が右一般入賞口35を示し、払出コマンドは、16進数で表現すると、左一般入賞口35への入賞による10個賞球は「0AH」であり、右一般入賞口35への入賞による10個賞球は「1AH」である。
第4実施形態において、遊技制御装置100は、払出制御装置200だけでなく、演出制御装置300にも、図101の払出コマンドを送信する。遊技制御装置100は、払出コマンド送信処理(図12)のステップA1719において、払出制御装置200へ送信する払出コマンドだけでなく、演出制御装置300へ送信する払出コマンドを演出コマンドとして準備し、その後、払出コマンド送信処理において演出コマンド設定処理(図59)を実行する構成とする。同様に、遊技制御装置100は、入賞口スイッチ/状態監視処理(図15A)のステップA2017において、払出制御装置200へ送信するアウト球検出コマンドだけでなく、演出制御装置300へ送信するアウト球検出コマンドを演出コマンドとして準備し、その後、入賞口スイッチ/状態監視処理において演出コマンド設定処理(図59)を実行する構成とする。なお、演出制御装置300へ送信する払出コマンドとアウト球検出コマンドには、賞球に関する情報であることを表すMODE部が付与される。
また、第4実施形態において、演出制御装置300は、払出コマンド(図101)から取得した役物獲得球数を記憶する役物別獲得球数領域を図100(III)と同様にRAM内(例えばRAM322内)に有する。
〔単発系コマンド処理〕
図102は、第4実施形態に係る単発系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。単発系コマンド処理は、受信コマンド解析処理(図80)のステップB1212にて、演出制御装置300によって実行される。なお、第3実施形態に係る単発系コマンド処理(図88)と同じ処理には同じステップ番号を付して説明を省略する。
なお、第4実施形態に係る図103の賞球に関する情報は、遊技制御装置100から送信される図101の払出コマンドであり、第3実施形態に係る図88の賞球に関する情報が、役物比率の算出結果に対応するコマンドであることとは異なっている。
演出制御装置300は、MODE部が図柄停止のコマンドを表していない場合には(B1323の結果が「N」)、MODE部が高確率変動回数に対応する高確率変動回数コマンドを表すか否かを判定する(B1327)。MODE部が高確率変動回数コマンドを表わす場合(B1327の結果が「Y」)、演出制御装置300は、高確率(時短)終了処理を実行して(B1328)、単発系コマンド処理を終了する。MODE部が高確率変動回数コマンドを表していない場合(B1327の結果が「N」)、演出制御装置300は、そのまま単発系コマンド処理を終了する。
〔役物比率設定処理〕
図103は、第4実施形態に係る役物比率設定処理の手順を示すフローチャートである。役物比率設定処理は、単発系コマンド処理(図102)のステップB1322にて、演出制御装置300によって実行される。
第4実施形態に係る役物比率設定処理において、演出制御装置300は、払出コマンドに示された賞球数に基づいて、演出制御装置300のRAM内の役物別獲得球数領域に役物獲得球数を加算・累積する。そして、全役物比率と連続役物比率の他、左右一般入賞口比率を算出、保存する。役物比率設定処理は、演出制御装置300が賞球に関する情報として払出コマンド(図101)を受信した場合に実行される。
演出制御装置300は、まず、受信した払出コマンド(図101)が正常なコマンドであるか否かを判定する(B3001)。払出コマンドが正常ではない場合(B3001の結果が「N」)、役物比率設定処理を終了する。払出コマンドが正常である場合(B3001の結果が「Y」)、演出制御装置300のRAM内において、払出コマンド(即ち、払出コマンドに示された入賞口情報)に対応する役物別獲得球数領域の値に、払出コマンドに示された賞球数を加算する(B3002)。次に、各役物別獲得球数領域の値から全役物比率と連続役物比率を算出して、RAM内の全役物比率領域と連続役物比率領域に保存する(B3003)。
なお、遊技機10の電源投入から現在までの全期間で役物獲得球数(役物別賞球数)を役物別獲得球数領域に加算、累積する場合に、演出制御装置300は、遊技機10の電源投入から現在までの全期間での賞球数(獲得球数)に対する役物比率を算出できる。特別遊技(大当り)が終了する度に全ての役物別獲得球数領域(演出制御装置300のRAM内にある)を0クリア(リセット)する場合、演出制御装置300は、前回の特別遊技の終了時から(初回の特別遊技終了前は遊技機10の電源投入時から)現在までの期間での役物比率を算出できる。
続いて、演出制御装置300は、左右の一般入賞口用の役物別獲得球数領域の値から左一般入賞口比率と右一般入賞口比率を算出して、RAM内の左一般入賞口比率領域と右一般入賞口比率領域に保存する(B3004)。ここで、左一般入賞口比率と右一般入賞口比率は、それぞれ、全賞球数のうち、左と右の一般入賞口35に入賞したことで得られた賞球数の割合である。なお、全賞球数は、全ての役物別獲得球数領域の値の合計である。
演出制御装置300は、遊技機10の電源投入から現在までの全期間での一般入賞口比率を算出できる。特別遊技(大当り)が終了する度に全ての役物別獲得球数領域(演出制御装置300のRAM内にある)を0クリアする場合、演出制御装置300は、前回の特別遊技の終了時から(初回の特別遊技終了前は遊技機10の電源投入時から)現在までの期間での一般入賞口比率を算出できる。
また、ステップB3004において、左一般入賞口比率と右一般入賞口比率を足し合わせて一般入賞口比率を算出してもよい。さらに、左右の一般入賞口比率に加えて、一般入賞口以外の各入賞口(始動口1、始動口2、大入賞口)の入賞口比率を算出して、RAM内の対応する領域に保存してもよい。ここで、入賞口比率は、全賞球数のうち、該当する入賞口に入賞したことで得られた賞球数の割合である。
次に、演出制御装置300は、ステップB3002で賞球数が加算された役物別獲得球数領域が、左又は右の一般入賞口35の賞球用であるか否かを判定する(B3005)。即ち、左又は右の一般入賞口35に入賞があったか否かを判定する。加算された役物別獲得球数領域が、一般入賞口35の賞球用でない場合(B3005の結果が「N」)、即ち、左又は右の一般入賞口35に入賞がなかった場合、役物比率設定処理を終了する。
演出制御装置300は、加算された役物別獲得球数領域が、一般入賞口35の賞球用である場合(B3005の結果が「Y」)、即ち、左又は右の一般入賞口35に入賞があった場合、ステップB3002で加算された役物別獲得球数領域の値を表示設定する(B3006)。ここで、加算された役物別獲得球数領域は、左一般入賞口35に入賞があった場合に左一般入賞口35の賞球用の役物別獲得球数領域であり、右一般入賞口35に入賞があった場合に右一般入賞口35の賞球用の役物別獲得球数領域である。加算された役物別獲得球数領域の値は、左又は右の一般入賞口35への入賞による賞球数の合計である。なお、一方の一般入賞口35だけに入賞があった場合でも、両方の一般入賞口35の役物別獲得球数領域の値を表示設定するようにしてもよい。また、ここで、左又は右の一般入賞口35の賞球数の合計だけでなく、左又は右の一般入賞口35への入賞回数又は全一般入賞口35への入賞回数を計数して、表示設定する構成も可能である。
以上により、一般入賞口35に入賞があり一般入賞口用の役物別獲得球数領域の値に賞球数が加算された場合に、少なくとも今回入賞があった一般入賞口35の賞球数合計(獲得球数)が表示装置41(又は、図99のサブ表示装置830)に表示できる。
演出制御装置300は、遊技機10の電源投入から現在までの全期間での一般入賞口35の賞球数合計を表示できる。特別遊技(大当り)が終了する度に全ての役物別獲得球数領域(演出制御装置300のRAM内にある)を0クリアする場合、演出制御装置300は、前回の特別遊技の終了時から(初回の特別遊技終了前は遊技機10の電源投入時から)現在までの期間での一般入賞口35の賞球数合計を表示できる。
続いて、一般入賞口35への入賞に対応して演出を行う演出設定を実行し(B3007)、役物比率設定処理を終了する。一般入賞口35への入賞に対応する演出として、一般入賞口35近傍に設けられたLED(盤装飾装置46)が発光したり、スピーカから音が出力されたり、可動役物(盤演出装置44)が動作する。この演出により、遊技の興趣を高めることができるとともに、遊技者の一般入賞口35への関心が増加する。
なお、演出制御装置300は、一般入賞口35以外の各入賞口(始動口1、始動口2、大入賞口)の役物別獲得球数領域が加算された場合にも、加算された役物別獲得球数領域の値を表示設定してもよい。これにより、表示装置41(又は、図99のサブ表示装置830)に、各入賞口の賞球数合計(獲得球数)を表示できる。
さらに、役物比率設定処理において、演出制御装置300は、払出コマンドに基づいて、排出球数、出玉率も算出してよい。この場合に、演出制御装置300は、排出球数を記憶する排出球数領域、賞球数の合計(獲得球数)を記憶する獲得球数領域をRAM内に有する。なお、排出球数は払出コマンド(図101)を受信した回数に相当し、出玉率は、全賞球数の排出球数に対する比率(割合)%である。
また、演出制御装置300は、FeRAM323に、役物比率設定処理における算出結果(役物別獲得球数領域の値、役物比率、一般入賞口比率など)をバックアップするようにしてよい。
〔高確率(時短)終了処理〕
図104は、第4実施形態に係る高確率(時短)終了処理の手順を示すフローチャートである。高確率(時短)終了処理は、単発系コマンド処理(図103)のステップB1328にて、演出制御装置300によって実行される。
演出制御装置300は、まず、受信した高確率変動回数コマンドが正常なコマンドであるか否かを判定する(B3201)。高確率変動回数コマンドが正常ではない場合(B3201の結果が「N」)、高確率(時短)終了処理を終了する。高確率変動回数コマンドが正常である場合(B3201の結果が「Y」)、高確率変動回数が0であるか否かを判定する(B3202)。なお、本実施形態では、高確率変動回数は、時短変動回数にもなっている。
演出制御装置300は、高確率変動回数(時短変動回数)が0でない場合(B3202の結果が「N」)、そのまま高確率(時短)終了処理を終了する。一方、高確率変動回数(時短変動回数)が0である場合(B3202の結果が「Y」)、役物比率(連続役物比率と全役物比率)と左右の一般入賞口比率の表示設定を実行して、高確率(時短)終了処理を終了する。なお、左右の一般入賞口比率の和を一般入賞口比率として表示設定してもよい。
このようにして、演出制御装置300は、払出コマンドを受信する度に常に役物比率(連続役物比率と全役物比率)と左右一般入賞口比率を算出しておき、高確率終了タイミング、及び、時短終了タイミングにおいて、表示装置41やサブ表示装置830において役物比率と左右一般入賞口比率を表示できる。
〔大当り系コマンド処理〕
図105は、第4実施形態に係る大当り系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。大当り系コマンド処理は、受信コマンド解析処理(図80)におけるステップB1208において実行される。なお、第3実施形態の大当り系コマンド処理(図93)と同じ内容のステップは、ステップ番号を同じにして説明を省略する。
演出制御装置300は、大当り系コマンドのMODE部がエンディングを表すか否かを判定する(B2110)。MODE部がエンディングを表す場合(B2110の結果が「Y」)、即ち、大当り系コマンドがエンディングコマンドである場合、演出制御装置300は、役物比率と大当り中の獲得出玉数に対応する演出ポイントを加算する際の演出表示としてポイント加算演出表示を設定する(B2111)。
次に、演出制御装置300は、最終的な獲得出玉数を役物比率(連続役物比率と全役物比率)と左右一般入賞口比率と共に、1セットの大当り履歴として、RAM内の大当り履歴領域に保存する(B3401)。そして、エンディング演出を設定するためのエンディング演出設定処理を実行する(B3402)。エンディング演出設定処理において、エンディング演出の一環として、役物比率(連続役物比率と全役物比率)と左右一般入賞口比率の表示の設定も実行される。なお、左右の一般入賞口比率の和を一般入賞口比率として表示設定してもよい。エンディング演出は、最終的な獲得出玉数、役物比率、左右一般入賞口比率に対応させて設定してもよい。
このようにして、演出制御装置300は、払出コマンドを受信する度に常に役物比率(連続役物比率と全役物比率)と左右一般入賞口比率を算出しておき、大当り終了タイミング(エンディング)において、表示装置41やサブ表示装置830において役物比率と左右一般入賞口比率を表示できる。
なお、演出制御装置300は、大当り終了タイミング、高確率終了タイミング、及び、時短終了タイミングにおいてのみ、役物比率と左右一般入賞口比率を算出して、表示装置41やサブ表示装置830において役物比率と左右一般入賞口比率を表示する構成も可能である。
[画面遷移]
図106Aと図106Bは、第4実施形態において、表示装置41の表示画面を時系列で示した画面遷移図であり、遊技全体の画面遷移の一例である。図106A(ア)−(カ)と図106B(キ)−(コ)は、各々、図96A(ア)−(カ)と図96B(キ)−(コ)に対応するため、以下で説明する構成以外は、図106Aと図106Bと同じである。
図106Aの(ウ)では、左一般入賞口35に入賞があったため、左一般入賞口35の賞球用の役物別獲得球数領域(演出制御装置300のRAM内)の値が表示される(図103のB3006)。即ち、左一般入賞口35への入賞により獲得した賞球数の合計が、賞球数合計表示「左一般入賞口賞球合計122個」によって表示されている。ここで、左一般入賞口35への入賞回数を表示する構成も可能である。また、賞球数合計表示は、他の演出(ここではリーチ演出)と重ならないように表示されているが、表示範囲が他の演出に重なり邪魔になる時は、賞球数合計表示は表示されなくてもよい。
なお、一般入賞口以外の各入賞口(始動口1、始動口2)に入賞があった場合にも、各入賞口への入賞により獲得した賞球数の合計や、入賞回数を表示してもよい。
図106Bの(キ)では、図96Bの(キ)の大当り履歴表示部760において、左右の一般入賞口比率を表示する一般入賞口比率表示領域842が設けられ、大当り終了タイミング(エンディング)で一般入賞口比率表示領域842に左右の一般入賞口比率が表示される。なお、1つの大当り履歴中に、獲得出玉数と役物比率(連続役物比率と全役物比率)と左右一般入賞口比率が含まれて保存されている(図106のB3401)。また、連続役物比率の表示は、省略しているが、表示されてよい。さらに、客待ち中の遊技者設定モード(図98)において、メニュー表示(第2選択部825)によって、一般入賞口比率を表示するか否か選択できる構成としてもよい。
一般入賞口比率は、遊技機10の電源投入から各特別遊技の終了までの全期間に一般入賞口への入賞により得た賞球数に対して算出されたものでもよいし、1つの特別遊技の終了時から(初回の特別遊技終了前は遊技機10の電源投入時から)、次の特別遊技の終了までの期間に一般入賞口への入賞により得た賞球数に対して算出されたものでもよい。
図106Bの(ケ)では、右一般入賞口35に入賞があったため、右一般入賞口35の賞球用の役物別獲得球数領域(演出制御装置300のRAM内)の値が表示される(図103のB3006)。即ち、右一般入賞口35への入賞により獲得した賞球数の合計が、賞球数合計表示「右一般入賞口賞球合計152個」によって表示されている。ここで、右一般入賞口35への入賞回数を表示する構成も可能である。
図106Bの(コ)では、特定遊技状態(高確率状態又は時短状態)の終了の際に、役物比率に加えて、一般入賞口比率表示領域842において、左右の一般入賞口比率を表示される。なお、連続役物比率の表示は省略しているが、表示されてよい。一般入賞口比率は、遊技機10の電源投入から特定遊技状態の終了までの全期間に一般入賞口への入賞により得た賞球数に対して算出されたものでもよいし、特別遊技の終了時から(初回の特別遊技終了前は遊技機10の電源投入時から)特定遊技状態の終了までの期間に一般入賞口への入賞により得た賞球数に対して算出されたものでもよい。
[第4実施形態の作用・効果]
上記の第4実施形態では、遊技制御手段(遊技制御装置100)は、賞球に関連する情報として、払出コマンド(図101)を演出制御手段(演出制御装置300)に送信する。演出制御手段(演出制御装置300)は、払出コマンド(図101)を受信して、自ら役物比率を算出して、表示手段(表示装置41又はサブ表示装置830)に表示可能である。従って、役物比率に関する表示によって遊技機の状態(変動入賞装置に入賞し易いか、一般入賞口35等に入賞し易いかなど)を判断可能となる。また、役物比率が低い場合には一般入賞口35等への入賞が比較的多いため、表示手段に役物比率を表示することによって、遊技者は一般入賞口35にも関心を持つことになる。
さらに、演出制御手段(演出制御装置300)は、受信した払出コマンドから一般入賞口比率を算出して表示手段に表示可能である。このため、遊技者はさらに一般入賞口35にも関心を持つことになる。また、一般入賞口35に入賞があった場合に、受信した払出コマンドから一般入賞口35の賞球数合計や入賞回数を算出して表示手段に表示できる。これにより、遊技者の一般入賞口35への関心が増加する。
[第5実施形態]
図107と図108を参照して、第5実施形態について説明する。なお、以下で述べる以外の構成は、第1実施形態から第4実施形態までの実施形態と共通の構成でよい。
図107は、第5実施形態に係る遊技盤の正面図である。図107では、図2Aの遊技盤に対して、一括表示装置50の排出球数表示部66、出玉率表示部67、役物比率表示部68が削除されている一方、一括表示装置50に第1役物比率警告表示部844(第1表示器)と第2役物比率警告表示部846(第2表示器)が設けられている。
なお、演出制御装置300は、排出球数、出玉率、及び/又は、役物比率の具体的な数値を、図81、図96−図98のように表示装置41に表示する。この場合、演出制御装置300は、客待ち中(客待ち状態中)にのみ役物比率を表示装置41の表示画面に表示し、客待ち中以外の状態、即ち、客待ちデモ中でない状態や遊技球の発射中の状態では、役物比率を表示装置41の表示画面に表示しない構成としてもよい。つまり、図90のステップB1504、B1507、図104の高確率(時短)終了処理、図105のステップB3402における役物比率の表示設定等を省略する構成も可能である。
第1警告報知部としての第1役物比率警告表示部844は、一つのLED(発光部)から構成され、全役物比率が基準値(所定値70%)を超えた場合に点灯して、全役物比率が基準値を超えたことを示す警告表示を実行する。第2警告報知部としての第2役物比率警告表示部846は、一つのLED(発光部)から構成され、連続役物比率が基準値(所定値60%)を超えた場合に点灯して、連続役物比率が基準値を超えたことを示す警告表示を実行する。
排出球数表示部66、出玉率表示部67、役物比率表示部68は、数値を表示するため7セグメント型の表示器から構成され高コストとなるが、排出球数表示部66、出玉率表示部67、役物比率表示部68をなくして、第1役物比率警告表示部844(LED)と第2役物比率警告表示部846(LED)を設けたため、コストが低下する。また、一括表示装置50の第1役物比率警告表示部844と第2役物比率警告表示部846は、試射試験機関での検査の対象となる遊技制御装置100(主基板)により制御されるため、表示の信頼性が担保される。
なお、第1役物比率警告表示部844と第2役物比率警告表示部846は、遊技機10の裏面に設けられる遊技制御装置100の後面(背面)に設けられ、遊技機10の裏面側からのみ視認可能としてもよい。そして、第1役物比率警告表示部844と第2役物比率警告表示部846は、遊技制御装置100の基板(主基板)上に設置されてよい。この場合に、遊技制御装置100の基板(主基板)はケース内に開封できないように密封されているため(かしめられているため)、第1役物比率警告表示部844と第2役物比率警告表示部846の表示に対して不正を行うことができなくなる。
また、役物比率の警告表示を常時表示せずに、例えば、ガラス枠や前面枠を開放した時にエラーメッセージ(ガラス枠開放エラー、前面枠開放エラーの表示)とともに、役物比率の警告を表示するようにしてもよい。
〔出玉性能監視処理〕
図108は、第5実施形態に係る出玉性能監視処理の手順を示すフローチャートである。出玉性能監視処理は、入賞数カウンタ更新処理(図17A)のステップA2211にて、遊技制御装置100によって実行される。図108は、図85のステップA9803をステップA9803a、A9803bに置き換えたものである。なお、図85の出玉性能監視処理と同じ内容のステップは、ステップ番号を同じにして説明を省略する。
遊技制御装置100は、役物獲得球数に基づいて、全役物比率と連続役物比率の両方を算出した後(A9801、A9802)、算出結果が基準値を超えた場合に警告表示を設定する(A9803a)。全役物比率の算出結果が基準値(70%)を超えた場合に、第1役物比率警告表示部844(LED)を点灯させる警告表示を設定する。連続役物比率の算出結果が基準値(60%)を超えた場合に、第2役物比率警告表示部846(LED)を点灯させる警告表示を設定する。全役物比率と連続役物比率の算出結果がそれぞれの基準値を超えた場合には、第1役物比率警告表示部844(LED)と第2役物比率警告表示部846(LED)の両方を点灯させる警告表示を設定する。
次に、遊技制御装置100は、警告表示に対応するセグメントデータをセグメント領域にセーブする。これによって、警告表示を行う場合には、第1役物比率警告表示部844及び/又は第2役物比率警告表示部846が点灯する。
なお、第1役物比率警告表示部844と第2役物比率警告表示部846に追加して、第2実施形態と同様に、払出制御装置200により表示制御が実行される第1役物比率警告表示部と第2役物比率警告表示部が払出制御装置200にも設けられてもよい。払出制御装置200は、払出コマンドに基づいて、役物比率を算出し、役物比率の算出結果が基準値を超えた場合に、第1役物比率警告表示部と第2役物比率警告表示部を点灯させる。第1役物比率警告表示部と第2役物比率警告表示部は、上皿ユニットに設けてもよい。
また、表示装置41の表示画面に警告報知部(第1役物比率警告表示部844及び/又は第2役物比率警告表示部846)を設けて、役物比率が基準値(所定値)を超えた場合に、表示装置41の警告報知部に、役物比率が基準値を超えたことを示す警告表示を表示してよい。この場合、演出制御装置300は、払出コマンド(図101)に基づいて自ら算出した役物比率、又は、遊技制御装置100から受信した役物比率が、基準値を超えたか否か判定し、役物比率が基準値を超えた場合に表示装置41の警告報知部に警告表示を表示する。さらに、上スピーカ19a及び/又は下スピーカ19bを警告報知部として使用し、演出制御装置300は、役物比率が基準値を超えた場合に、警告報知部からの音声によって報知する構成も可能である。また、役物比率が基準値を超えた場合に、外部情報端子71を介して外部装置(ホールコンピュータなど)に、役物比率が基準値を超えたことを報知してもよい。
[第5実施形態の作用・効果]
上記の第5実施形態では、遊技制御手段(遊技制御装置100)は、役物比率が所定値を超えた場合に、役物比率が所定値を超えたことを報知可能である。このように、役物比率が所定値を超えたことが報知(表示)された場合には、役物比率に関する報知(表示)によって遊技機の状態(変動入賞装置に入賞し易いか、一般入賞口35等に入賞し易いかなど)を判断可能となる。また、役物比率が所定値を超えたことが報知された場合、一般入賞口35等への入賞が少ない可能性があるため、遊技者は一般入賞口35にも関心を持つことになり、遊技の興趣が向上する。
警告表示手段(第1役物比率警告表示部844及び/又は第2役物比率警告表示部846)は、遊技制御手段(遊技制御装置100)によって制御されて役物比率が所定値を超えたことを表示可能である。警告表示手段は例えば1つのLEDから構成できるが、役物比率の数値を直接表示する表示器(役物比率表示部68)が不要となり、コストが削減できる。なお、遊技制御手段(遊技制御装置100)は、賞球に関連する情報を演出制御手段(演出制御装置300)に送信し、演出制御手段(演出制御装置300)は、役物比率を表示手段にも表示可能である。従って、遊技者等は、数値で役物比率を確認できるが、演出制御手段(演出制御装置300)によって制御される表示手段は通常の遊技機に備わっているものであり、大きなコストの増加はない。
演出制御手段(演出制御装置300)は、客待ち中(客待ち状態中)にのみ役物比率を表示手段(表示装置41又はサブ表示装置830)の表示画面に表示してよい。この場合に、使用する遊技機(遊技台)を選択中の遊技者等のみに役物比率を示し、遊技中は役物比率を表示しない。従って、遊技中の表示装置41の演出に対して役物比率の表示が邪魔になるようなことがない。また、演出制御手段(演出制御装置300)の制御が簡単な構成となる。
また、演出制御手段(演出制御装置300)は、所定回数分(例えば3回)の特別遊技に関する履歴情報(大当り履歴)を表示手段(例えば、表示装置41又はサブ表示装置830)に表示可能である。この場合、所定ラウンド回数のラウンド遊技からなる特別遊技毎に区分けした役物比率を履歴情報に含めて表示可能である。ここで、特別遊技毎に区分けした役物比率は、特別遊技の終了毎にリセットして計測した役物比率を含む。
従って、全期間での役物比率ではなく、特別遊技毎に区分けされた役物比率(不安定な値となることが予めわかっている)を算出して表示手段に表示しておくことにより、遊技者等は、基準値以外に自身の知識や情報に基づいて役物比率が異常値であるか否か判断しようとし、誤判断が少なくなる。
[第6実施形態]
図109から図111を参照して、第6実施形態について説明する。なお、以下で述べる以外の構成は、第1実施形態から第5実施形態までの実施形態と共通の構成でよい。
図109は、第6実施形態に係る演出制御系の構成例を示すブロック図である。第6の実施形態では、演出制御装置300にメイン電池351及びサブ電池352を備える。メイン電池351及びサブ電池352は、例えば、計時手段たるRTC338に電力を供給するものであり、RTC338が電池を内蔵するタイプである場合には、メイン電池351もしくはサブ電池352のいずれかは実装されなくてもよい。
メイン電池351及びサブ電池352は、ともにRTC338と電気的に接続され、RTC338へ電力を供給する。メイン電池351及びサブ電池352は、一次電池でも二次電池でもよいが、ここでは二次電池であるとして説明する。また、電池の形状としては、円筒形、角形、シート状等いずれの形状でもよいが、本実施形態では、例えば、ボタン型として説明する。また、メイン電池351、サブ電池352は、電気二重層コンデンサ等のキャパシタであってもよく、蓄電機能及び放電機能を備えるものである。
図110は、第6実施形態に係るRTC338への給電を説明する簡単な回路図である。(A)は、メイン電池351及びサブ電池352がともに充電可能な二次電池である場合の回路の一例であり、(B)は、メイン電池351のみ二次電池である場合の回路の一例である。ここでは、RTC338とCPU311との接続線は記載を省く。
図110に示す(A)(B)の回路図は、メイン電池351及びサブ電池352が、電力供給部として並列に配置される。メイン電池351の正極(プラス)側には抵抗器353が配置され、サブ電池352の正極側には抵抗器354が配置される。抵抗器353と抵抗器354との関係は、例えば、抵抗器354の抵抗値の方が大きく設定される。
そして、メイン電池351及び抵抗器353の配線とサブ電池352及び抵抗器354の配線は合流し、RTC338に接続される。さらに、当該RTC338と接続する正極側の配線は、通常電源部410への配線とも合流する。
また、メイン電池351の負極(マイナス)側、及び、サブ電池352の負極側の配線は、RTC338に接続される。なお、メイン電池351の負極側、及び、サブ電池352の負極側は、RTC338と接続されずにアース(GND)されてもよい。
(B)では、抵抗器353と抵抗器354の間にダイオード355が設けられる。ダイオード355は、通常電源部410からサブ電池352へ電気が流れないようにするために設けられ、一次電池として設けられたサブ電池352を保護するものである。
かかる配線によって、遊技機10の主電源がONである場合には、RTC410は、通常電源部410から電力の供給を受け、また(A)では、通常電源部410からメイン電池351、サブ電池352に充電される。(B)では、通常電源部410からメイン電池351に充電される。
遊技機10の主電源がOFFである場合には、メイン電池351及びサブ電池352からRTC338へ電気が流れるが、抵抗器354の方が抵抗器353よりも抵抗値が大きいため、メイン電池351の電圧が低くなった場合に、サブ電池352から電気供給がもたらされる。
メイン電池351は、遊技機10の主電源がOFFとなる遊技場の営業時間外において、RTC338へ電力を供給することが主目的であり、サブ電池352は、メイン電池351の交換時にRTC338へ電力を供給することが主目的であるため、メイン電池351及びサブ電池352の電池容量は、例えば、サブ電池352は省スペースのために、メイン電池351よりも小さな容量である。ただし、容量の大小は逆でもよく、また同じ容量でもよい。
サブ電池352は、光、熱、もしくは振動を電力に変換する物理電池であってもよく、例えばサブ電池352が光を電気に変換する電池(いわゆる太陽電池)である場合、メイン電池351の交換作業は、おそらく照明下において実施されるため、当該照明を電気に変換してRTC338へ電力を供給することで、RTC338の計時を継続させることができる。ソーラーパネルの寿命は長寿命であることから、メイン電池351による電力供給が停止している時だけ電力供給を果たせばよいサブ電池352として好適である。
また、メイン電池351及びサブ電池352は、RTC338以外にもRAM(例えばRAM322)等の揮発性の記憶素子(記憶手段、メモリ)に給電してもよく、揮発性メモリのSRAMやDRAMを実質的な不揮発性メモリとして使用することができる。メイン電池351及びサブ電池352によって瞬断時等に遊技機10が必要とする最低限の電力を供給できる場合には、バックアップ電源部420や無停電々源装置の設置が省略できる。なお、回路図の記載を省略するが、遊技制御装置100にも電池を取り付けて、例えば、遊技制御装置100が備える発振回路113や記憶素子(記憶手段)に給電する構成も考えられる。
このような用途から、メイン電池351及びサブ電池352の電圧は、回路部品に適した3V前後が適当であるが、電力供給先に適した電圧の電池として3Vよりも高い電圧の電池であってもよく、RTC338へ給電する回路には低圧化する回路部品が配置されてもよい。
図111は、第6実施形態に係るメイン電池351の固定を示す図である。(A)は、基板350に固定されたメイン電池351の側面断面図、(B)及び(C)は、基板350に固定されたメイン電池351の平面図である。
遊技機10の遊技制御系(遊技制御装置100)の基板や、演出制御系(演出制御装置300)の基板350等は、透明なハウジングで封止されることが一般的であるが、ハウジングの蓋部材362は基板350に対して所定の高さを持つため、遊技機10の運搬、設置時の振動や開閉枠(前面枠12、ガラス枠15)の開閉に伴う衝撃によって基板350から電池が外れるおそれがある。
そこで、本実施形態では、ハウジングの蓋部材362に突出部361を設け、メイン電池351を上面から押さえるようにした。なお、メイン電池351は、例えば、基板350に設けられた電池ホルダーや、電池ボックスに固定される。
図111の(A)に示すように、基板350を覆うハウジングの蓋部材362は、ハウジングの軸部363を軸として開閉可能である。そして、蓋部材362の内側であってメイン電池351に対応する位置に、メイン電池351を押さえる突出部361が設けられる。
突出部361は、円筒状の構造であり、当該円筒の円周は、例えば、メイン電池351の外周よりも小さな円周である。突出部361もハウジングと同様に透明な部材で構成されるため、メイン電池351の上面に刻印された電池の型番やメーカー名、電圧等をハウジングを開かずに確認することができる。外れないようにメイン電池351を押さえるという機能だけであれば、突出部361の断面形状は円形ではなく十字形や星形でもよいが、電池上面の刻印は、一般に円周に沿った刻印や横方向への刻印であるため、以下に述べるように断面形状は円形が好適である。
図111の(B)に示すメイン電池351の上面には、外周部の対向する位置に型番が「XYZ−9876」と2ヶ所刻印されているが、突出部361の断面形状が円周に沿って刻印された文字と同じ様に円形であることから、突出部361と刻印とが重なる場合であっても当該刻印の視認を過度に妨げず、当該刻印の記載を十分に認識可能である。仮に、突出部361と刻印とが重なった場合であって、突出部361の断面形状が円形とは異なる形状であると、突出部361に入った光の屈折により、刻印の視認が難しくなる場合がある。
また、図111の(C)に示すメイン電池351の上面には、横方向に型番が刻印されているが、突出部361の内周は十分な直径があるため、基板350を真上から視認する分には当該刻印の視認を妨げない。
突出部361は、メイン電池351の形状である円形に対応して円筒形に形成されるが、メイン電池351が矩形であれば、突出部361の断面形状も矩形であることが望ましく、メイン電池351の形状や電池の刻印等の表面記載方法(記載の方向、記載の大きさ)に対応した形状として形成される。
突出部361は、サブ電池352を押さえるためにサブ電池352に対応する位置に設けられてもよく、他の基板取付部品を固定するために設けられてもよい。また、突出部361は、演出制御装置300のハウジング以外にも、遊技制御装置100の基板を覆うハウジングや払出制御装置200の基板を覆うハウジングに設けられてもよい。
[第6実施形態の効果]
このように、第6実施形態の遊技機によれば、RTC338を備える演出制御系の基板にメイン電池351及びサブ電池352が設けられることで、メイン電池351が交換等で取り外されてもサブ電池352がRTC338へ電気を供給するため、RTC338は計時を継続することができ、電池交換に伴うRTC338への時間情報の再設定作業が不要となる。
さらに、メイン電池351及びサブ電池352がRTC338以外の記憶素子に給電することで、揮発性メモリを不揮発性のメモリとして扱うことができる。さらに、メイン電池351及びサブ電池352によって瞬断時等に遊技機10が必要とする最低限の電力を供給することで、バックアップ電源部420や無停電々源装置の設置が省略できる。
また、第6実施形態の遊技機によれば、円筒形状の突出部361が基板を覆うハウジングの内側に設けられるため、突出部361によって電池を上面から押さえつつ、電池上面に刻印された文字の視認を妨げない。そのため、電池が基板から外れることを抑制し、電池の型番等を事前に確認できるため、ハウジングの開封前に交換用の電池を用意することができる。また、突出部361の位置を確認することで、電池の位置を素早く把握することができる。
[第7実施形態]
図112Aから図120を参照して、第7実施形態について説明する。なお、以下で述べる以外の構成は、第1実施形態から第6実施形態までの実施形態と共通の構成でよい。
第7実施形態では、遊技制御装置100が実行するメイン処理において、タイマ割込み処理が発生する期間となるループ処理(例えば、第1実施形態でのA1035〜A1037に対応)を、割込許可のステップ(割込許可区間)と割込禁止のステップ(割込禁止区間)に分け、割込許可区間では一部のレジスタのみを使用し、タイマ割込み時にこの一部のレジスタの情報をスタックに退避する。そのため、第7実施形態では、タイマ割込み処理の発生時に当該一部のレジスタの値のみをスタックに退避させれば、メイン処理(及びメイン処理を呼出元とする呼出先のサブルーチン)で使用中のレジスタの値が保護され、第1実施形態から第6実施形態までの処理によってもたらされる制御と同様の制御が実現される。
図112A及び図112Bは、第7実施形態に係る遊技制御装置100によるメイン処理の手順を示すフローチャートである。第7実施形態における遊技制御系での処理において第1実施形態から第6実施形態までと処理内容が相違するステップ番号については、下2桁を51以降とする。
第7実施形態では、CPU111aは、例えば、Z80系の8ビットマイクロプロセッサが採用され、CPU111aは、汎用レジスタ(演算用レジスタ)として、1バイト(8ビット)の幅のWレジスタ、Aレジスタ、Bレジスタ、Cレジスタ、Dレジスタ、Eレジスタ、Hレジスタ、Lレジスタを、1つのレジスタ群において備えている(特開2014−161422等参照)。なお、これらの汎用レジスタは、2つのレジスタを組み合わせて、2バイト(16ビット)の幅を有するレジスタとして使用することも可能である。第7実施形態では、CPU111a(図3参照)に2系統のレジスタ群(レジスタバンク0、1)が設けられないか、レジスタ群の切り替えを行わないため、図112Aに示すように、A1003において実行されたレジスタバンク0を指定する手順が省略され(A1003に該当するコードの記載が削除され)、メイン処理の前半部ではA1002の処理に続いてA1004の処理が実行される。
メイン処理の後半部では、図112Bに示すように、A1033までの手順に変更はないが、停電が発生しない間繰り返し実行される乱数更新のループ処理が本実施形態特有の処理として変更される。本実施形態では、当該ループ処理の前半部(A1051、A1036、A1037、A1038、A1052の割込禁止区間)が割込禁止のステップとしてレジスタの退避が不要であり、当該ループ処理の後半部(A1053、A1054の割込許可区間)が割込許可のステップとしてレジスタの退避が必要となる。
具体的には、割込許可のステップとなるA1034の処理が省略され(A1034に該当するコードの記載が削除され)、停電監視信号がOFF(オフ)の間、ループ処理の内側となるA1051からA1054の処理が繰り返し実行される。以下では本実施形態におけるメイン処理での各処理手順の詳細を説明する。
A1033に続いて、遊技制御装置100は、ループ処理の前半部として割込みを禁止する処理を実行し(A1051)、停電監視信号のチェック回数に「2」を設定する(A1036)。
次に、遊技制御装置100は、停電監視信号がON(オン)であるか否かを判定し(A1037)、停電監視信号がONでない場合、つまり停電が発生していない場合には(A1037の結果が「N」)、第7実施形態の初期値乱数更新処理を実行する(A1052)。本実施形態における初期値乱数更新処理の詳細は後述する。ここまでがループ処理の前半部として割込禁止となる。
次に、遊技制御装置100は、ループ処理の後半部として割込みを許可する処理を実行し(A1053)、演出用乱数更新処理を実行する(A1054)。演出用乱数更新処理は、第1実施形態ではタイマ割込み処理において実行されていた変動パターン乱数の更新処理をメイン処理において実行する処理である。A1053及びA1054がループ処理の後半部として割込許可となる。演出用乱数更新処理を実行した遊技制御装置100は、再びA1051以降の処理を実行する。
続いて、当該ループ処理を抜ける場合の処理手順について説明する。停電監視信号がONである場合、つまり停電が発生した場合には(A1037の結果が「Y」)、遊技制御装置100は、チェック回数分にわたって停電監視信号のONが継続しているか否かを判定する(A1038)。チェック回数は「2」に設定されるため、停電監視信号が2回続けて検出されない場合には(A1038の結果が「N」)、遊技制御装置100はA1037以降の処理を再び実行する。
停電監視信号が2回続けて検出された場合には(A1038の結果が「Y」)、遊技制御装置100は、A1040以降の処理を実行して停電発生時のセーブ処理を実行する。なお、第1実施形態から第6実施形態までのメイン処理では、割込みを禁止するA1039の処理が実行されていたが、本実施形態では、A1051において割込禁止に設定されたままであるため、A1039の処理は省略される。
このように、本実施形態では、初期値乱数更新処理の実行中ではタイマ割込み処理が実行できないように割込禁止が設定される。これは、ゲームの当りはずれに関する乱数の初期値を更新する初期値乱数更新処理の実行中に割込み処理が発生してゲームの当りはずれに関する乱数にイレギュラー(異常)が生じないようにするためである。
一方、変動パターン乱数を更新する演出用乱数更新処理の実行期間中は、割込み許可となっているが、変動パターン乱数の更新時にイレギュラーが発生しても遊技における大きな部分に影響が及ぶものではないため、当該期間が割込許可として設定される。
以上のように、本実施形態では、メイン処理におけるループ処理において、当該ループ処理の中に割込禁止の処理が設けられるため、当該割込禁止のステップにおいては割込み発生時に必要なレジスタの退避(レジスタに保持されている情報の保護)が不要となる。
続いて、図113から図116を参照して本実施形態の遊技制御系のプログラムの処理手順について説明する。
図113は、第7実施形態に係る初期値乱数更新処理の手順を示すフローチャートである。
本処理において更新される「大当り図柄初期値乱数」及び「小当り図柄初期値乱数」は特図の大当り停止図柄、小当り停止図柄を決定する乱数の初期値である。また、「当り初期値乱数」、「当り図柄初期値乱数」は普図の当り、普図の当り停止図柄を決定する乱数の初期値であり、第7実施形態では、これら4個の乱数に上限値が設けられる。
A1251及びA1252は、特図系の当りに関する乱数の初期値である「大当り図柄初期値乱数」及び「小当り図柄初期値乱数」について各乱数値のとり得る範囲内において初期値をインクリメントする処理であり、A1253及びA1254は、普図系の当りに関する乱数の初期値である「当り初期値乱数」、「当り図柄初期値乱数」について各乱数値のとり得る範囲内において初期値をインクリメントする処理である。
なお、本実施形態の遊技機は、小当りを発生可能な遊技機であるため、小当り図柄初期値乱数が設けられるが、小当りの発生しない遊技機では「小当り図柄初期値乱数」が設けられないか、設けられても乱数が取得されない(記憶保持領域に乱数値が記憶されない)構成が採用される。
また、普図の当り停止図柄を決定する乱数の初期値である「当り図柄初期値乱数」も機種によっては設けられなかったり、設けられても乱数が取得されない(記憶保持領域に乱数値が記憶されない)構成が採用される。
図114は、第7実施形態に係る演出用乱数更新処理の手順を示すフローチャートである。演出用乱数更新処理は、「乱数更新処理2」と同様に、変動パターン乱数1、変動パターン乱数2、変動パターン乱数3を更新する処理である。
本処理において、遊技制御装置100は、まず、変動パターン乱数1をインクリメントして更新する(A1751)。ここで、変動パターン乱数1は、2バイトのデータサイズであり、0〜65535の範囲を循環する。
次に、遊技制御装置100は、変動パターン乱数2をインクリメントして更新し(A1752)、続いて、変動パターン乱数3をインクリメントして更新する(A1753)。変動パターン乱数2及び変動パターン乱数3は1バイトであり、0から255の範囲を循環する。
第7実施形態の変動パターン乱数1〜変動パターン乱数3は、いずれも上限値が設けられないため、値が循環する乱数となる。
図115は、第7実施形態に係るタイマ割込み処理の手順を示すフローチャートである。
本実施形態では複数のレジスタ群が設けられないか、レジスタバンクの切り替えを行わないため、第6実施形態までのタイマ割込み処理との対比において、レジスタバンクの切り替えのためにレジスタバンク1を指定するA1301の処理が省略される。そして、レジスタバンク切替手段(レジスタバンクセレクタRBS)を切り替えるA1301の処理に代わって本処理の最初にレジスタの退避処理(A1351)が実行され、本処理の最後にレジスタの復帰処理(A1352)が実行される。
ここで、値がスタックに退避及びスタックから復帰されるレジスタは、Wレジスタ、Aレジスタ、Hレジスタ、Lレジスタの4バイト分のレジスタであり、当該レジスタの退避については、後述するアセンブリ言語で記載したソースコードの説明(図120)においても再度説明する。なお、退避されないレジスタは、ループ処理の割込みが禁止される領域(割込禁止区間)の処理で使用するもので、タイマ割込み処理内において、種々の乱数更新用と種々のタイマ用(特図ゲーム処理タイマや普図ゲーム処理タイマ用等)に使用される。即ち、タイマ割込み処理内での種々の乱数更新用と種々のタイマ用のレジスタは、ループ処理の割込みが許可される領域(割込許可区間)の処理で使用するレジスタと異なるため、タイマ割込み処理内でのタイマ値の更新や乱数の更新にさらに混乱が生じない。
図116は、第7実施形態に係る乱数更新処理2の手順を示すフローチャートである。
本実施形態での乱数更新処理2は、変動パターン乱数1〜3のとり得る値に上限値を設けないため、現在の乱数値が上限値を超えているか否かの判定処理が不要となる。また、2バイト乱数である変動パターン乱数1について、更新対象が上位バイトか下位バイトであるかを個別に判定せずに、乱数更新スキャンカウンタから直接更新対象を特定して上位バイト又は下位バイトに加算処理を実行するため、変動パターン乱数1の更新対象が上位バイトか下位バイトかの判定処理が不要となる。
遊技制御装置100は、まず、更新すべき複数の乱数のうちいずれの乱数を今回の更新処理の対象とするかを順番に指定するための乱数更新スキャンカウンタを更新する(A1901)。乱数更新スキャンカウンタは、0から3の範囲において更新され、「0」は変動パターン乱数1の上位バイトが更新の対象となる。「1」は変動パターン乱数1の下位バイトが、「2」は変動パターン乱数2が、「3」は変動パターン乱数3が更新対象となる。
次に、乱数更新スキャンカウンタの値に対応する演出乱数更新テーブルのアドレスを算出する(A1902)。演出乱数更新テーブルは、それぞれ更新する乱数の種類分(つまり4種類分として4ブロック)について、更新領域のアドレスとM1カウンタのマスク値が定義されている。
次に、遊技制御装置100は、乱数更新スキャンカウンタの値に基づいて更新対象となる乱数領域のアドレス値を取得して乱数値を取得し(A1951)、ランダムな値が設定されるM1カウンタの値をロードする(A1904)。M1カウンタは、CPU111aにおいてRレジスタに代わるものとしてCPU111aが内蔵するものである。
次に、遊技制御装置100は、M1カウンタの値をマスクするためのマスク値をテーブルから取得し、M1カウンタの値をマスクする(A1905)。なお、マスク値は、更新対象の乱数によって異なるビット数、例えば、変動パターン乱数1の下位1バイトを更新する場合には、M1カウンタの下位3ビットに、また、変動パターン乱数1の上位1バイトを更新する場合には、M1カウンタの下位4ビットに設定されている。なお、マスク値として、変動パターン乱数1の下位1バイトを更新する場合には、M1カウンタの下位3ビットを、また、変動パターン乱数1の上位1バイトを更新する場合には、M1カウンタの下位4ビットを例示したが、数値は一例であってこれに限られるものではない。
次に、遊技制御装置100は、マスクした値をインクリメントして更新し(A1952)、インクリメント後の値と取得した乱数領域の値を加算する(A1953)。
次に、遊技制御装置100は、加算後の値を乱数領域にセーブし(A1954)、本処理を終了する。このようにして、各乱数領域の値が0〜255の範囲で上限の判定なく更新される。
なお、演出用乱数更新処理によって変動パターン乱数1から3が循環的に更新されるので、乱数更新処理2を実行しない制御も考えられるが、本実施形態の乱数更新処理2は、ランダム性をもって変動パターン乱数が更新されるため、演出用乱数更新処理とともに、又は演出用乱数更新処理に代えて変動パターン乱数の更新処理を実行する。
[ソースコード(プログラムコード)]
次に、図117から図120を参照して、第7実施形態の遊技制御系のプログラムのうち、メイン処理やタイマ割込み処理等の一部のプログラム構造についてソースコードに基づいて説明する。いずれも8ビットマイクロプロセッサであるZ80に対応したアセンブリ言語による記述であり、ROM111b(遊技制御プログラム記憶手段)に記憶される。
各図における記載は、左側より、便宜のために付した「行番号」、飛び先を指定する「ラベル」、命令セットである「ニーモニック」、説明の便宜のために付した「コメント」の4つの記載部に分けられる。ニーモニックは、命令部のオペコードと命令対象のオペランドとに分けることができる。
ここで、Z80用のニーモニック(命令セット)を簡単に説明すると、「LD B,2」は、Bレジスタに2をロードする(格納する)命令であり、「JR MA200」は、MA200のラベルへ相対ジャンプする(移動する)命令である。また、ニーモニックの「DI」は、割込禁止の命令であり、「EI」は割込許可の命令である。
図117は、第7実施形態に係るメイン処理のループ処理部のプログラム構造を説明する図である。ここでは、第7実施形態のメイン処理のループ処理部であるA1051からA1054(図112B参照)に対応するコードを簡潔に記載している。そのため、メイン処理のA1001からA1033までとA1040以降に対応するコードは記載を省略する。
ループ処理部のプログラムは、ラベル「MA200」〜「MA230」の4つパートから成り、ラベル「MA200」のパートは、メイン処理のA1051及びA1036に対応する。
また、ラベル「MA210」のパートがメイン処理のA1037及びA1038に対応し、ラベル「MA220」のパートがメイン処理のA1052、A1053、A1054に対応する。また、ラベル「MA230」のパートがメイン処理のA1040に対応する。
まず、ラベル「MA200」のパートについて説明すると、行番号0520の命令「DI」により、割込禁止が設定される。当該コードはメイン処理のA1051にあたる。
次に、行番号0530におけるコード「LD B,2」では、Bレジスタに停電監視信号のチェック回数である「2」が格納される。当該コードはメイン処理のA1036にあたる。
次に、ラベル「MA210」のパートについて説明すると、行番号0550から0570までがA1037の判定処理におけるコードであり、停電監視信号がOFFである場合には(A1037の結果が「N」)、MA220へジャンプし、停電監視信号がOFFではない場合には(A1037の結果が「Y」)、次の行のコードを読み込む。
続いて、行番号0590から0600は、メイン処理のA1038におけるコードであり、停電監視信号が2回継続してONではない場合には(A1038の結果が「N」)、MA210へジャンプし、停電監視信号が2回継続してONである場合には(A1038の結果が「Y」)、MA230へジャンプする命令である。
次に、ラベル「MA220」のパートについて説明すると、行番号0620のコードにより、「IRNDINC」とラベルされた初期値乱数更新処理のサブルーチンが呼び出される。当該コードは、メイン処理のA1052にあたる。初期値乱数更新処理が呼び出される期間は割込禁止であるため、初期値乱数更新処理の実行中は初期値乱数更新処理で使用するレジスタの情報の保護が必要ない。
次に、行番号0630の命令語「EI」により、割込許可が設定される。当該コードはメイン処理のA1053にあたる。
続けて、行番号0640のコードにより、「ERNDINC」とラベルされた演出用乱数更新処理のサブルーチンが呼び出される。当該コードはメイン処理のA1054にあたる。演出用乱数更新処理が呼び出される期間は割込許可であるため、演出用乱数更新処理の実行中にタイマ割込み処理が実行されると、演出用乱数更新処理で使用されているWAレジスタとHLレジスタがタイマ割込み処理において退避される。
次に、行番号0650のコード「JR MA200」により、MA200へジャンプし、再び行番号0010以降のコードが読み込まれる。つまり、再びA1051以降の処理が実行される。
次に、ラベル「MA230」のパートについて説明すると、当該パートは、A1040にあたるコードであり、停電発生時の制御処理が記述されている。具体的には、行番号0670のコードにより、Aレジスタがクリアされ、行番号0680のコードによって全出力ポートにオフデータが出力される。
このように、メイン処理のループ処理部分に割込禁止の領域が設けられるため、割込禁止区間でのレジスタの保護(レジスタの退避)が不要となる。
なお、ループ処理内における割込許可区間においては、一部のレジスタが退避されるが、割込み処理が発生してもレジスタが破壊されないプログラム構成とすることで、レジスタの退避を不要とすることもできる。このことは第7実施形態の変形例として説明する。
図118は、第7実施形態に係る初期値乱数更新処理のプログラム構造を説明する図である。初期値乱数更新処理は、「IRNDINC」とラベルされ、メイン処理によって呼び出される。
初期値乱数更新処理は、「IRNDINC」とラベルされたパートにおいて大当り図柄初期値乱数をインクリメントし、「IR10」とラベルされたパートにおいて小当り図柄初期値乱数をインクリメントする。また、「IR20」とラベルされたパートにおいて普図の当り初期値乱数をインクリメントし、「IR30」とラベルされたパートにおいて普図の当り図柄初期値乱数をインクリメントする。また、「IR40」とラベルされたパートにおいて呼出し元のメイン処理へ戻る。
上述のとおり、初期値乱数更新処理が呼び出される期間は割込禁止の期間(行番号0520でDI命令が実行された後の期間)であるため、図118に開示するコードにはレジスタの値をスタックに退避させるコード(例えば、PUSH WA)とスタックから復帰させるコード(例えば、POP WA)の記載がない。また、そもそも第7実施形態のCPU111aはRBSを備えないが、割込み発生時に使用中のレジスタを保護するためにレジスタバンクを切り替えるコード(例えば、LD RBS,1)の記載もない。
図119は、第7実施形態に係る演出用乱数更新処理のプログラム構造を説明する図である。演出用乱数更新処理は、「ERNDINC」とラベルされ、メイン処理によって呼び出される。
演出用乱数更新処理は、1つのラベルのもとにコードされており、2バイト乱数である変動パターン乱数1がHLレジスタにロードされてインクリメントされ、1バイト乱数である変動パターン乱数2、変動パターン乱数3が演算用のレジスタであるAレジスタに順にロードされてインクリメントされる。当該インクリメントの仕方については、後述する第7実施形態の変形例との対比箇所となる。
図120は、第7実施形態に係るタイマ割込み処理のプログラム構造を説明する図である。ここでは、本実施形態のタイマ割込み処理(図115参照)のコードのうち、A1351からA1304に対応する部分のコードが開示される。
行番号2010のコード「PUSH WA」は、WレジスタとAレジスタの値をスタックに退避させるコードであり、行番号2020のコード「PUSH HL」は、HレジスタとLレジスタの値をスタックに退避させるコードである。当該4個のレジスタは、演出用乱数更新処理において使用されるレジスタ(Aレジスタ、Hレジスタ、Lレジスタ)を含むが、退避させるレジスタを当該4個のレジスタに限定できる点において、退避及び復帰させるレジスタが必要最小限に抑えられている。なお、Z80系のマイクロプロセッサにおいて、「PUSH」は、2バイト単位で処理する命令であるため、割込許可区間の演出用乱数更新処理において使用されるHレジスタ、Lレジスタ、Aレジスタの3個のレジスタだけではなく、最小限の当該4個の特定の一部の汎用レジスタ(演算用レジスタ)が退避されている。しかし、CPU111aがZ80系のマイクロプロセッサでない場合には、1バイト単位でレジスタを退避する命令を有することも考えられるため、そのような場合には、演出用乱数更新処理において使用される3個の汎用レジスタ(演算用レジスタ)を退避するだけでよい。
行番号2030のコードは、タイマ割込み処理のA1302に対応するコードであり、行番号2050のコードは、入力処理を呼び出すコードである。また、行番号2060は、出力処理を呼び出すコードである。
[第7実施形態の効果]
このように、第7実施形態の遊技機では、メイン処理において割込許可に設定される期間に実行される処理が演出用乱数更新処理のみであることから、演出用乱数更新処理において使用されるレジスタのみが、タイマ割込み処理において保護されればよく、退避すべきレジスタを必要最小限に抑えることができる。また、第6実施形態までのメイン処理等のプログラムとの対比において、コード量もコンパクトにすることができるため、遊技制御系のプログラム容量をコンパクトにすることができる。また、遊技制御装置100における処理の高速化が実現される。
また、第7実施形態の遊技機では、レジスタバンクセレクタ(RBS)を使用しなくてもよいため、RBSを備えるプロセッサよりも構成が簡略化され、つまり、複数のレジスタ群を備える必要がなく、廉価なプロセッサでも本願に記載の遊技機の制御が可能である。
[第7実施形態の変形例]
次に、図121及び図122を参照して第7実施形態の変形例について説明する。第7実施形態では、メイン処理の中のループ処理部に割込禁止区間と割込許可区間を設け、割込許可区間では、タイマ割込み処理の発生時に必要最小限のレジスタのみを退避させていた。これに対して第7実施形態の変形例では、割込み発生時に実行中の処理においてレジスタを使用しないコードに変更することで、タイマ割込み処理が発生してレジスタの値が変更されても支障のないプログラム構造とした。
図121は、第7実施形態の変形例に係る演出用乱数更新処理のプログラム構造を説明する図である。
図119に示す第7実施形態の演出用乱数更新処理では、乱数記憶領域からレジスタへ乱数値をロードしてから変動パターン乱数をインクリメントして更新していたが、図121に示すように、本変形例では、乱数記憶領域の乱数値を直接インクリメントするコードへと変更している。
図121に示す行番号1510のニーモニック「INCW」は、2バイトを一括でインクリメントする命令であり、「INCW (HRND01)」というコードによって、2バイトの変動パターン乱数1を直接インクリメントして更新している。
同様に、変動パターン乱数2、変動パターン乱数3も直接インクリメントされることで、乱数値を一度レジスタに取り込むことがないため、演出用乱数更新処理の実行中に割込みが発生してもレジスタの保護が不要となる。
図122は、第7実施形態の変形例に係るタイマ割込み処理のプログラム構造を説明する図である。
図120に示す第7実施形態のタイマ割込み処理との対比において、「PUSH WA」と「PUSH HL」のコードが本変形例では記述がない。図122に示すように、割込み元となる演出用乱数更新処理において汎用レジスタへのロードがなく、割込み発生時に使用中の汎用レジスタがないことから本変形例ではレジスタの退避が必要ない。
汎用レジスタのスタック領域へのPUSH(退避)がないことから、本変形例のプログラム構造ではスタック領域からのPOP(復帰)もなく、図115に示すタイマ割込み処理のフローチャートでは、A1351とA1352の処理が省略される。
なお、初期値乱数更新処理においても、乱数値をレジスタに取り込まずに乱数値の記憶領域に直接インクリメントするようにコードすることで、メイン処理における割込みの禁止(A1051)と割込みの許可(A1053)のステップを省略することも可能である。つまり、割込み処理に対してメイン処理及びメイン処理が呼び出すサブルーチンにおいてレジスタの保護の必要性がなくなる。
[第7実施形態の変形例の効果]
このように、第7実施形態の変形例では、割込許可区間で実行される演出用乱数更新処理において汎用レジスタ(演算用レジスタ)を使用しないため、割込み処理が発生してもレジスタを退避させる必要がない。そのため、第7実施形態のプログラム容量よりもさらにコンパクトなプログラム容量によって同等の制御が可能であり、処理の高速化が実現される。
[第8実施形態]
図123から図132を参照して、第8実施形態について説明する。第8実施形態は、一括表示装置50(第1特図変動表示部51、第2特図変動表示部52、排出球数表示部66、出玉率表示部67、役物比率表示部68を含む)、及び、その点灯制御や点灯駆動方法に関するものである。なお、以下で述べる以外の構成は、第1実施形態から第7実施形態までの実施形態と共通の構成でよい。
〔遊技制御装置〕
図123は、第8実施形態に係る遊技制御系のブロック図である。第1実施形態の図3と異なり、第3出力ポート135−1、135−2、第4出力ポート136は削除されている。第2ドライバ138b−1、138b−2、第3ドライバ138cの代わりに、LEDドライバとして、一括用ドライバ153a(一括用IC)、役比用ドライバ153b(役比用IC)、出玉率/排出球数用ドライバ153c(出玉率/排出球数用IC)が設けられる。一括用ドライバ153a、役比用ドライバ153b、出玉率/排出球数用ドライバ153cは、カスケード接続(多段接続)され、制御用データ、点灯パターンデータ、キャラクタコード(文字コード)などのシリアルデータが、遊技用マイコン111(CPU111a)からシリアル通信方式で伝送される。なお、点灯パターンデータとキャラクタコードをまとめて表示データと呼んでよいが、点灯パターンデータ(第1表示データ)とキャラクタコード(第2表示データ)は互いに形式の異なる表示データとなる。
なお、払出制御装置200と演出制御装置300へシリアルデータを送信するシリアル通信回路は、遊技用マイコン111のCPU111aに内蔵のものとするが、LEDドライバ153(一括用ドライバ153a、役比用ドライバ153b、出玉率/排出球数用ドライバ153c)へシリアルデータを送信するシリアル通信回路は、遊技用マイコン111のCPU111aに内蔵するものでもよいし、外付けのICで構成してもよい。
制御用データ、点灯パターンデータ(第1表示データ)、キャラクタコード(第2表示データ)自体は、8ビットのデータであるが、上位8ビットのアドレス部(LEDドライバ内の各部を指定するもの)が付加されて全体で16ビットのコマンド(送信データ)として送信される。即ち、16ビットのコマンドのうち、上位8ビットが、LEDドライバ内での各部のアドレスを示すアドレス部となり、下位8ビットが、制御用データ、点灯パターンデータ、キャラクタコード等に対応するデータ部となる。
〔LEDドライバのカスケード接続〕
図124は、第8実施形態に係るLEDドライバ153a、153b、153cのカスケード接続の詳細を示す。カスケード接続において、一括用ドライバ153aが第1段、役比用ドライバ153bが第2段、出玉率/排出球数用ドライバ153cが第3段を構成する。遊技用マイコン111から送信されたシリアルデータは、一括用ドライバ153aに送信され、一括用ドライバ153aから役比用ドライバ153bにそのまま送信され、役比用ドライバ153bから出玉率/排出球数用ドライバ153cにそのまま送信される。即ち、遊技用マイコン111から送信される制御用データ、点灯パターンデータ、キャラクタコード(文字コード)などのシリアルデータは、順番に一括用ドライバ153a、役比用ドライバ153b、出玉率/排出球数用ドライバ153cに伝送される。従って、遊技用マイコン111は、一つのシリアル通信回路を用いて、制御用データ、点灯パターンデータ、キャラクタコードをシリアル方式で送信できる。なお、遊技用マイコン111は、一括用ドライバ153a、役比用ドライバ153b、出玉率/排出球数用ドライバ153cに、クロック信号とラッチ信号(ロード信号)を並列的(パラレル)に送信する。
〔一括表示装置〕
図125(A)は、第8実施形態に係る一括表示装置50(第1特図変動表示部51、第2特図変動表示部52、排出球数表示部66、出玉率表示部67、役物比率表示部68を含む)の詳細を示す図である。なお、一括表示装置50の排出球数表示部66、出玉率表示部67、役物比率表示部68以外の部分を一括表示部50aとする。一括表示部50aには、第1実施形態と同様に、第1特図変動表示部51(D1)及び第2特図変動表示部52(D2)と、普図変動表示ゲーム用の変動表示部53(D10、D18)と、各変動表示ゲームの保留記憶数報知用の保留記憶表示部(特図1保留表示器54、特図2保留表示器55、普図保留表示器56)(D11−D16)と、第1遊技状態表示部57(D8)と、第2遊技状態表示部58(D9)と、第3遊技状態表示部59(D17)と、ラウンド表示部60(D3−D7)が設けられている。
一括用ドライバ153a(第2駆動手段)は、遊技用マイコン111から受信した点灯パターンデータに応じて、一括表示部50aの点灯を制御する。一括用ドライバ153aは、7セグメント型(点部分を含めると8セグメント型)の表示器(LEDランプ)として、第1特図変動表示部51(D1)を桁0の表示器、第2特図変動表示部52(D2)を桁1の表示器として制御する。なお、第1特図変動表示部51又は第2特図変動表示部52は、ゲーム表示手段を構成する。
一括用ドライバ153aは、本来、4桁の7セグメント型(点部分を含めると8セグメント型)の表示器そのものを制御するものであるが、普図変動表示ゲーム用の変動表示部53と、ラウンド表示部60と、第1遊技状態表示部57の点状の8つのLEDランプ(D3−D7、D8、D10、D18)を桁2の表示器のセグメント(a−g、Dp)とみなして制御する。また、一括用ドライバ153aは、保留記憶表示部(特図1保留表示器54、特図2保留表示器55、普図保留表示器56)と、第2遊技状態表示部58、第3遊技状態表示部59の点状の8つのLEDランプ(D9、D11−D16、D17)を桁3の表示器のセグメント(a−g、Dp)とみなして制御する。
図125(B)は、役物比率を表示する役物比率表示部68の詳細を示す図である。第1実施形態の図2Dと異なり、役物比率表示部68は、4個の7セグメント型(点部分を含めると8セグメント型)の表示器を横方向に並べたものであり、右から桁0、桁1、桁2、桁3を示す4桁の7セグメント型の表示器である。第1実施形態と第2実施形態の変形例で述べたのと同様に、役物比率表示部68は、全役物比率の表示(例えば「y50.8」)と連続役物比率の表示(例えば「r58.4」)を切り換えて表示する。なお、桁3(右から第4番目の桁)は、全役物比率を示す文字「y」、又は、連続役物比率を示す文字「r」を表示してよい。
役比用ドライバ153b(第1駆動手段)は、一括用ドライバ153aを介して遊技用マイコン111から受信したキャラクタコード(文字コード)を、そのキャラクタコードが示すキャラクタ(文字)の点灯パターンデータに変換して、点灯パターンデータに基づいて役物比率表示部68の各桁の表示器の点灯を制御する。このキャラクタコードは、遊技制御装置100の遊技用マイコン111が算出した役物比率(図18のA2315)の各桁の数値に対応する。役比用ドライバ153bは、デコードによって、キャラクタコードからそのキャラクタコードが示すキャラクタの点灯パターンデータを生成するキャラクタジェネレータ185(デコーダ)を有するとともに、キャラクタジェネレータ185によるデコードデータの使用/不使用を設定できる場合には、デコードデータを使用するように設定される。即ち、役比用ドライバ153bは、文字コードから役物比率表示部68の点灯データを生成するデコード機能の使用の有無を設定可能である。
図125(C)は、排出球数を表示する排出球数表示部66と出玉率を表示する出玉率表示部67の詳細を示す図である。排出球数表示部66と出玉率表示部67は、4個の7セグメント型(点部分を含めると8セグメント型)の表示器を横方向に並べたものであり、右から桁0、桁1を示す2桁の表示器が排出球数表示部66に対応し、右から桁2、桁3を示す2桁の表示器が出玉率表示部67に対応する。排出球数表示部66と出玉率表示部67は同時に表示可能である。
出玉率/排出球数用ドライバ153c(第3駆動手段)は、一括用ドライバ153a及び役比用ドライバ153bを介して遊技用マイコン111から受信したキャラクタコード(文字コード)を、そのキャラクタコードが示すキャラクタ(文字)の点灯パターンデータに変換して、点灯パターンデータに基づいて排出球数表示部66と出玉率表示部67の各桁の表示器の点灯を制御する。出玉率/排出球数用ドライバ153cは、デコードによって、キャラクタコードをそのキャラクタコードが示すキャラクタの点灯パターンデータに変換するキャラクタジェネレータ185(デコーダ)を有するとともに、キャラクタジェネレータ185によるデコードデータの使用/不使用を設定できる場合には、デコードデータを使用するように設定される。即ち、出玉率/排出球数用ドライバ153cは、文字コードから排出球数表示部66と出玉率表示部67の点灯データを生成するデコード機能の使用の有無を設定可能である。
なお、本実施形態では、実際には、一括用ドライバ153aは、役比用ドライバ153bと出玉率/排出球数用ドライバ153cと同種のLEDドライバ(同じIC)であるが、一括用ドライバ153aは、キャラクタジェネレータ185を有しても、キャラクタジェネレータ185によるデコードデータを使用しない設定(不使用設定)とされている。
第1特図変動表示部51(D1)と第2特図変動表示部52(D2)は、特図変動表示ゲームの大当り図柄を遊技者に認識し難くさせた上、遊技機10の機種ごとに大当り図柄を異なる点灯パターン(点灯態様)にしたいため、一括用ドライバ153aは、キャラクタジェネレータ185によるデコードデータを使用せず、遊技用マイコン111から受信した点灯パターンデータそのものを使用する。一方、排出球数表示部66、出玉率表示部67、役物比率表示部68の表示は、数値に限られるため、遊技用マイコン111のCPU111aの負担を軽減するために、役比用ドライバ153bと出玉率/排出球数用ドライバ153cは、キャラクタジェネレータ185によるデコードデータを使用する。なお、特図変動表示ゲームの表示用のLEDドライバ(一括用ドライバ153a)と、排出球数表示部66、出玉率表示部67、役物比率表示部68の表示用のLEDドライバ(役比用ドライバ153bと出玉率/排出球数用ドライバ153c)を分けたため、デコードデータの使用/不使用を設定するだけで効率の良い制御が可能になっている。
〔送信タイミングチャート〕
図126は、第8実施形態に係る一括用ドライバ153a、役比用ドライバ153b、及び、出玉率/排出球数用ドライバ153cに送られるコマンド(16ビット)を示すタイミングチャートである。なお、図126において、コマンドは、アドレス部(8ビット)を省略して示されている。遊技用マイコン111は、出玉率/排出球数用ドライバ153c用のキャラクタコード(8ビット)を最初として、役比用ドライバ153b用のキャラクタコード(8ビット)、一括用ドライバ153aの点灯パターンデータ(8ビット)を順番にコマンド(16ビット)に含めた形で送信する。
例えば、図126では、出玉率/排出球数用ドライバ153c用のキャラクタコードc−1、役比用ドライバ153b用のキャラクタコードb−1、一括用ドライバ153aの点灯パターンデータa−1に続いて、出玉率/排出球数用ドライバ153c用のキャラクタコードc−2、役比用ドライバ153b用のキャラクタコードb−2、一括用ドライバ153aの点灯パターンデータa−2が送信されている。
各LEDドライバ153は、遊技用マイコン111から同じタイミング(ラッチタイミング)で送信されたラッチ信号を受信する。各LEDドライバ153は、自身用のデータを、自身用のデータが到達完了した直後となるラッチタイミングで、ラッチ回路164にラッチ(保持)して取り込む(セットする)。なお、到達完了とは、後述のシフトレジスタ163に取り込まれた時点をいう。
一括用ドライバ153aに到達完了したキャラクタコードc−1、c−2は、その後、16ビットに相当する16クロック周期遅れて、役比用ドライバ153bに到達完了し、さらに、16クロック周期遅れて、出玉率/排出球数用ドライバ153cに到達完了する。出玉率/排出球数用ドライバ153cは、キャラクタコードc−1、c−2の到達完了時にラッチ信号を受信して、自身用のキャラクタコードc−1、c−2を取り込むことができる。
一括用ドライバ153aに到達完了したキャラクタコードb−1、b−2は、その後、16ビットに相当する16クロック周期遅れて、役比用ドライバ153bに到達完了し、さらに、16クロック周期遅れて、出玉率/排出球数用ドライバ153cに到達完了する。役比用ドライバ153bは、キャラクタコードb−1、b−2の到達完了時にラッチ信号を受信して、自身用のキャラクタコードb−1、b−2を取り込むことができる。
一括用ドライバ153aに到達完了した点灯パターンデータa−1,a−2は、その後、16ビットに相当する16クロック周期遅れて、役比用ドライバ153bに到達完了し、さらに、16クロック周期遅れて、出玉率/排出球数用ドライバ153cに到達完了する。一括用ドライバ153aは、点灯パターンデータa−1,a−2の到達完了時にラッチ信号を受信して、自身用の点灯パターンデータa−1,a−2を取り込むことができる。
〔LEDドライバ〕
図127は、第8実施形態に係るLEDドライバ153の構成を示す図である。なお、本実施形態では、一括用ドライバ153a、役比用ドライバ153b、及び、出玉率/排出球数用ドライバ153cは、同じ構成のICであるため、総称してLEDドライバ153と呼ぶ。
LEDドライバ153は、ダイナミック駆動方式(ダイナミック点灯方式)で順次選択された桁の表示器900のLEDに通電して点灯する。桁の表示器900は、7セグメント型(又は8セグメント型)の他、点状の8つのLEDランプをまとめたものを含む。LEDドライバ153は、アノードコモンでもカソードコモンのどちらでもよい。
LEDドライバ153が、役比用ドライバ153bや出玉率/排出球数用ドライバ153cである場合には、点線のように、前段のLEDドライバ153(第1段の一括用ドライバ153aや第2段の役比用ドライバ153b)を介して、遊技用マイコン111から16ビットのコマンドが送信される。LEDドライバ153が一括用ドライバ153aである場合には、前段のLEDドライバ153を介さずに、遊技用マイコン111から直接16ビットのコマンドが送信される。
LEDドライバ153は、16ビットシフトレジスタ163、16ビットラッチ回路164、ラッチセレクタ165、4つの8ビットラッチ(ラッチ回路:桁0、桁1、桁2、桁3用)167a―167d、制御部173、発振部174、4対1のデータセレクタ183、キャラクタジェネレータ(デコーダ)185、2対1のデータセレクタ187、セグメント駆動部193、デジット駆動部195を備える。なお、制御部173は、桁数設定部175、デューティ設定部176、データ選択部177、スタンバイモード設定部178を備える。発振部174は、制御部173(特に桁数設定部175やデューティ設定部176)等において使用する信号を発生して送信する。8ビットラッチは、データレジスタとして機能する。さらに、LEDドライバ153は、LED(又はセグメント)の発光色を制御する発光色制御部を備えてよい。
16ビットのコマンドは、データ入力端子からLEDドライバ153の16ビットシフトレジスタ163に入力され、そのまま他のLEDドライバ153にデータ出力端子から出力可能である。16ビットシフトレジスタ163のデータは、16ビットラッチ回路164が遊技用マイコン111からのラッチ信号(ロード信号)を受信したタイミング(ラッチタイミング)で、16ビットラッチ回路164に保持される(セットされる)。
16ビットラッチ回路164に保持されたコマンドのうち、上位8ビットは、ラッチセレクタ165、桁数設定部175、デューティ設定部176、データ選択部177、及び、スタンバイモード設定部178に送られる。16ビットラッチ回路164に保持されたコマンドのうち、下位8ビット(データ部)は、8ビットラッチ167a―167dに送られる。また、下位8ビットのデータ(必要なビット(例えば4ビット)だけでも可)が桁数設定部175、デューティ設定部176、データ選択部177、スタンバイモード設定部178にも送られる。
上位8ビット(アドレス部)が桁数設定部175のアドレス(例えば21H(16進数表現))を示す場合に、桁数設定部175は、16ビットラッチ回路164に保持された制御用データのうち、下位8ビット(必要なビットだけでも可)を取込み、対応する桁数を設定する。なお、この設定される桁数は、LEDドライバ153が駆動する表示器の個数(桁数)であり、本実施形態では4である。
上位8ビットがデューティ設定部176のアドレス(例えば20H(16進数表現))を示す場合に、デューティ設定部176は、16ビットラッチ回路164に保持された制御用データのうち、下位8ビット(必要なビットだけでも可)を取込み、対応するデューティ比を設定する。なお、デューティ比は、ソースドライバの出力時間幅に対応する。ソースドライバは、アノードコモンの場合にはデジット駆動部195が対応し、カソードコモンの場合にはセグメント駆動部193が対応する。
上位8ビットがデータ選択部177のアドレス(例えば27H(16進数表現))を示す場合に、データ選択部177は、16ビットラッチ回路164に保持された制御用データのうち、下位8ビット(必要なビットだけでも可)を取込み、キャラクタジェネレータ185によるデコードデータの使用/不使用を設定する。なお、データ選択部177と桁数設定部175のアドレスを同じにして、データ選択部177によるデコードデータの使用/不使用の設定と桁数設定部175の桁数設定を同時に行ってもよい(データ選択部177と桁数設定部175は下位8ビットで区別する)。
即ち、データ選択部177は、8ビットラッチのデータをキャラクタジェネレータ185によってデコードしてデコードデータとして使用するか、8ビットラッチのデータをそのまま非デコードデータとして使用するか否かを選択する。デコードされる場合には、8ビットラッチのデータは、キャラクタコードとみなされてキャラクタの点灯パターンデータにデコードされる。データ選択部177は、8ビットラッチのデータをそのまま非デコードデータとして使用する場合には、非デコードデータの選択を示すデータ選択信号を2対1のデータセレクタ187に送る。このように、データ選択部177は、デコード機能の使用の有無を、遊技制御装置100(遊技用マイコン111)からのコマンド(指令、制御用データを含む)に基づいて設定可能である。
上位8ビットがスタンバイモード設定部178のアドレス又はスタンバイモード設定部178向けのコマンド(例えば41H、1XH、0XH(16進数表現:Xは任意)など)を示す場合に、スタンバイモード設定部178は、16ビットラッチ回路164に保持された制御用データのうち、下位8ビット(必要なビットだけでも可)を取込む。そして、スタンバイモード設定部178は、例えば、セグメント駆動部193又はデジット駆動部195にオフ状態とするようスタンバイ信号を送信しLEDドライバ153をスタンバイモードに移行させたり(41Hの場合)、セグメント駆動部193とデジット駆動部195を強制的にオフし全ての桁の表示器を消灯したり(0XH(BLANKデータ)の場合)、LEDドライバ153のセグメント駆動部193とデジット駆動部195をダイナミック駆動方式で通常動作させたりする(1XHの場合)。なお、スタンバイモードでは、各設定はクリアされず、直前の設定が保持される。また、通常動作では、セグメント駆動部193とデジット駆動部195を一度駆動させた後は、8ビットラッチにデータを格納するだけで、即、8ビットラッチのデータが表示器の表示に反映される。
上位8ビットが8ビットラッチ167aのアドレス(例えば22H(16進数表現))を示す場合に、ラッチセレクタ165は、8ビットラッチ167aにラッチ信号を転送する。これによって、8ビットラッチ167aは、下位8ビット(データ部)の点灯パターンデータ又はキャラクタコードをラッチ(保持)して取り込む(セットする)。同様に、上位8ビットが8ビットラッチ167b−167dのいずれかのアドレス(例えば23H、24H、25H(16進数表現))を示す場合に、ラッチセレクタ165は、アドレスに対応する8ビットラッチ167b−167dのいずれかにラッチ信号を転送する。これによって、8ビットラッチ167b−167dは、自身宛ての下位8ビット(データ部)の点灯パターンデータ又はキャラクタコードをラッチして取り込むことができる。
なお、ラッチセレクタ165には、遊技用マイコン111からのラッチ信号(ロード信号)が入力され、ラッチセレクタ165は、ラッチ信号を8ビットラッチ167a―167dのいずれか一つに転送して、8ビットラッチ167a―167dのいずれか一つを選択する。そして、8ビットラッチ167a―167dは、それぞれ自身宛ての桁0、桁1、桁2、桁3の表示器用の表示データを保持できる。
4対1のデータセレクタ183は、ダイナミック駆動方式(ダイナミック点灯方式)を実現するため、デジット駆動部195が選択した各桁のデジット線に対応して、順次8ビットラッチ167a―167dのデータを選択する。4対1のデータセレクタ183は、選択した8ビットラッチ167a―167dのいずれか一つのデータを、キャラクタジェネレータ185及び2対1のデータセレクタ187に出力する。デジット線を選択は、デジット線にオン/オフ駆動信号を出力することにより行われ、アノードコモンの場合はデジット線にオン電圧が印加され、カソードコモンの場合はデジット線に電流引き込み電圧(オフ電圧)が印加される。なお、デジット駆動部195がどの桁のデジット線を選択しているかを示す情報が、4対1のデータセレクタ183に送信されてよい。
例えば、デジット駆動部195が駆動信号を出力して桁0のデジット線を選択している場合には、8ビットラッチ167aのデータが選択される。同様に、デジット駆動部195が駆動信号を出力して桁1、桁2、桁3のデジット線を選択している場合には、8ビットラッチ167b、167c、167dのデータがそれぞれ選択される。
キャラクタジェネレータ185は、4対1のデータセレクタ183から送られたデータをデコードする。4対1のデータセレクタ183から送られたデータがキャラクタコードである場合に、キャラクタジェネレータ185は、デコード処理によって、キャラクタコード(文字コード)を、そのキャラクタコードが示すキャラクタ(文字)の点灯パターンデータに変換する。
図128は、キャラクタコード(文字コード)とそれに対応するキャラクタの点灯パターンを例示する図である。なお、図128において、Xは任意(0又は1)であり、キャラクタコード「X10・・・・・B」は、小数点(Dp)を点灯させる場合の点灯パターンデータに対応する。キャラクタをどのようなキャラクタコードに対応付けるかは種々に定義可能であるが、キャラクタジェネレータ185は、キャラクタコード(入力)とキャラクタ(出力)(キャラクタの点灯パターンデータ)の対応付け関係を定義する論理回路などを備えている。例えば、キャラクタコード「X0011010B」は、キャラクタ「−」に対応し、セグメントgだけを点灯(オン)させる点灯パターンデータ((a,b,c,d,e,f,g,Dp)=(0,0,0,0,0,0,1,0))(例えば「00000010B」)に対応する。なお、一括用ドライバ153aは、非デコードデータを使用するため、セグメントgだけを点灯(オン)させる場合には、遊技用マイコン111から送信された点灯パターンデータ(例えば「00000010B」)をそのまま使用する。
なお、LEDドライバ153が役比用ドライバ153b又は出玉率/排出球数用ドライバ153cであれば、遊技用マイコン111から送信されたキャラクタコードが8ビットラッチ167a―167dに保持されているため、キャラクタジェネレータ185は、キャラクタコードが示すキャラクタ(文字)の点灯パターンデータを出力する。しかし、LEDドライバ153が一括用ドライバ153aであれば、遊技用マイコン111から送信された適切な点灯パターンデータが8ビットラッチ167a―167dに既に保持されているため、偶発的な場合を除いて、キャラクタジェネレータ185は、デコード処理によって、適切な点灯パターンデータを不適切な点灯パターンデータに変換するだけになってしまう。なお、偶発的にこの適切な点灯パターンデータがキャラクタコードのいずれかに一致する場合には、一括用ドライバ153aのキャラクタジェネレータ185がキャラクタ(文字)の点灯パターンデータを出力することもある。
2対1のデータセレクタ187は、データ選択部177からのデータ選択信号に対応して、キャラクタジェネレータ185から出力されるデコードされたデータ(デコードデータ)と、4対1のデータセレクタ183から直接出力される非デコードデータのいずれか一つを選択してセグメント駆動部193に出力する。非デコードデータは、キャラクタジェネレータ185を介さずに4対1のデータセレクタ183から出力されるデータであり、8ビットラッチ167a―167dの8ビットデータそのものである。非デコードデータの選択を示すデータ選択信号が入力された場合に、2対1のデータセレクタ187は、非デコードデータを出力し、データ選択信号が入力されない場合には、デコードデータを出力する。
LEDドライバ153が一括用ドライバ153aであれば、2対1のデータセレクタ187は、非デコードデータの選択を示すデータ選択信号が入力され、常に8ビットラッチ167a―167dに保持された適切な点灯パターンデータをセグメント駆動部193に出力することになる。一方、LEDドライバ153が役比用ドライバ153b又は出玉率/排出球数用ドライバ153cであれば、2対1のデータセレクタ187は、データ選択信号が入力されず、常にキャラクタ(文字)の点灯パターンデータ(デコードデータ)をセグメント駆動部193に出力することになる。
セグメント駆動部193は、2対1のデータセレクタ187からの点灯パターンデータ(デコードデータ又は非デコードデータ)を、デジット駆動部で選択されたデジット線に対応する桁の表示器900に出力する(ダイナミック駆動方式)。点灯パターンデータは、選択された桁(即ち選択されたデジット線)の表示器900の8つのLED(セグメントa−g、Dp又は点状の8つのLED)の発光のオンオフデータとなる。セグメント駆動部193は、アノードコモンの場合はセグメント線に電流引き込み電圧(オフ電圧)を駆動電圧として印加することによってLEDをオン状態(発光状態)とする。カソードコモンの場合はセグメント線にオン電圧を駆動電圧として印加することによってLEDをオン状態(発光状態)とする。
表示器900の8つのLEDは、7セグメント型(点部分を含めると8セグメント型)の表示器では、セグメントa−g、Dpとなる。一方、図125(A)の場合では、表示器900の8つのLEDは、点状の8つのLEDランプの集合(D3−D7、D8、D10、D18)、又は、点状の8つのLEDランプの集合(D9、D11−D16、D17)となり得る。
デジット駆動部195は、駆動信号を出力して各桁のデジット線を選択する。デジット駆動部195は、駆動信号として、アノードコモンの場合はデジット線にオン電圧を印加し、カソードコモンの場合はデジット線に電流引き込み電圧(オフ電圧)を印加する。
抵抗接続端子197(R−EXT端子)は、この端子とグランド(GND)間に外付け抵抗1個を接続することで、セグメント駆動部193とセグメント駆動部193から構成される定電流回路によってセグメント線に流れる電流値が設定可能になる。これにより、全LEDに共通の電流値を供給可能である。
さらに、LEDドライバ153の発光色制御部(図示せず)は、LED(又はセグメント)の発光色を制御する。発光色制御部は、LEDのカラー(色)に関するコマンド(制御用データ)を受信して、セグメント駆動部193に指令信号を送ってLEDの発光色を制御する。セグメント駆動部193は、発光色制御部からの指令信号に応じた色のセグメント線に駆動電圧を印加して駆動する。なお、セグメント線は、表示器の各色のLED(又はセグメント)に対して設けられている。
〔メイン処理(遊技制御装置)〕
図129A及び図129Bを参照して、第8実施形態に係るメイン処理を説明する。図129A及び図129Bは、遊技制御装置100によるメイン処理の手順を示すフローチャートの前半部分と後半部分である。第8実施形態のメイン処理は、ステップA15001が追加されただけで、他は第7実施形態のメイン処理(図112)と同じであるため、同じステップには同じステップ番号を付して説明を省略する。なお、本実施形態では詳細に記載しないが、初期値乱数更新処理と演出用乱数更新処理は、第7実施形態と同様に実行される。
遊技制御装置100は、ステップA1015の後、各LEDドライバ153を初期設定する(A15001)。遊技制御装置100は、初期設定の内容に対応する制御用データを含むコマンドを、シリアル通信回路の送信バッファに書き込んで各LEDドライバ153に送信する。具体的には、まず、遊技制御装置100は、初期設定においてデューティ比を設定する。デューティ比に対応する制御用データは、各LEDドライバ153のデューティ設定部176で使用される。デューティ比は、一括用ドライバ153aと、役比用ドライバ153b又は出玉率/排出球数用ドライバ153cとで、異ならせてもよい。特に、排出球数表示部66、出玉率表示部67、役物比率表示部68が遊技機10の裏面に設けられる場合に、排出球数表示部66、出玉率表示部67、役物比率表示部68を省電力で暗めにするため、役比用ドライバ153b又は出玉率/排出球数用ドライバ153cのデューティ比を一括用ドライバ153aに比較して小さくしてよい。
次に、遊技制御装置100は、初期設定において使用桁数を設定する。本実施形態では、使用桁数は4である。使用桁数に対応する制御用データは、各LEDドライバ153の桁数設定部175で使用される。遊技制御装置100は、初期設定において、キャラクタジェネレータ185によるデコードデータの使用/不使用を設定する。なお、デコードデータの使用/不使用に対応する制御用データは、各LEDドライバ153のデータ選択部177で使用される。なお、一括用ドライバ153aは、デコードデータの不使用が設定され、役比用ドライバ153bと出玉率/排出球数用ドライバ153cは、デコードデータの使用が設定される。
続いて、遊技制御装置100は、初期設定において、各桁の表示器を消灯するための制御用データとしてBLANKデータ(例えば0XH(16進数表現:Xは任意))を設定する。BLANKデータは、LEDドライバ153のスタンバイモード設定部178で使用され、セグメント駆動部193とデジット駆動部195が強制的にオフされて、各桁の表示器は消灯して何も表示しない状態(BLANK状態、ブランク状態)となる。最後に、遊技制御装置100は、初期設定において、表示開始設定を実行する。この表示開始設定では、LEDドライバ153のセグメント駆動部193とデジット駆動部195をダイナミック駆動方式で通常動作させるようなコマンド(上位8ビットが1XH)をシリアル通信回路の送信バッファに書き込んで各LEDドライバ153に送信する。このコマンドは、各LEDドライバ153に表示器の表示を更新又は開始させるための所定の表示更新指示(所定の表示開始指示)となる。
このようにして、各LEDドライバ153は、遊技機10が電源投入(又は電源復旧)された場合に、8ビットラッチ(データレジスタ)にデータが格納されても、遊技制御装置100からの所定の表示更新指示(表示開始設定のコマンド)が送信されるまで表示器を点灯表示しない状態(BLANK状態)にする。そして、各LEDドライバ153は、所定の表示更新指示(表示開始設定のコマンド)が送信された後は、8ビットラッチ(データレジスタ)にデータを格納するだけで表示器を点灯表示可能にする(通常動作状態にする)。従って、電源投入直後に表示器900に表示するデータが0クリアされているか存在しない場合に、表示器900を点灯させて混乱を招くことを避けられる。また、所定の更新指示が送信された後は、データレジスタ(8ビットラッチ)にデータを格納するとすぐに表示器900を点灯表示できる。
なお、ステップA1021において、役物別獲得球数領域(ひいては役物比率)は、消去されず、0クリアしない構成も可能である。この場合には、遊技制御装置100は、初期設定において、役比用ドライバ153bに送信するデータとして、BLANKデータでなく役物比率を表示するためのキャラクタコードを設定してよい。なお、一括用ドライバ153aに送信するデータとしてはBLANKデータを設定する。
〔タイマ割込み処理〕
図130を参照して、第8実施形態に係るタイマ割込み処理を説明する。図130は、遊技制御装置100によるタイマ割込み処理の手順を示すフローチャートである。第8実施形態のタイマ割込み処理は、ステップA16001のLEDデータ送信処理が追加されただけで、他は第7実施形態のタイマ割込み処理(図115)と同じであるため、同じステップには同じステップ番号を付して説明を省略する。なお、本実施形態では詳細に記載しないが、乱数更新処理1、2も、第7実施形態と同様に実行される。
〔LEDデータ送信処理〕
図131を参照して、第8実施形態に係るLEDデータ送信処理を説明する。図131は、遊技制御装置100によるLEDデータ送信処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、第1特図変動表示部51(D1)(7セグメント型の特図1LED)の表示データに関するコマンドを生成する(A17001)。このコマンド(送信データ)は、セグメント領域からロードした値としての点灯パターンデータを表示データとして含む。そして、桁0の役物比率表示データに関するコマンドを生成する(A17002)。このコマンドは、表示対象となっている全役物比率又は連続役物比率の一方の桁0のキャラクタコードを役物比率表示データとして含む。その後、桁0の排出球数表示データに関するコマンドを生成する(A17003)。このコマンドは、排出球数の桁0のキャラクタコードを排出球数表示データとして含む。
次に、排出球数表示データに関するコマンド(出玉率/排出球数用ドライバ153c用)を最初として、次に役物比率表示データに関するコマンド(役比用ドライバ153b用)、次に第1特図変動表示部51(特図1LED)の表示データに関するコマンド(一括用ドライバ153a用)を、順番にシリアル通信回路の送信バッファに書き込んでこれらLEDコマンドを送信する(A17004)。
続いて、遊技制御装置100は、第1特図変動表示部51(D1)(特図1LED)のカラー(発光色)に関するコマンドを生成する(A17005)。この場合の発光色は、赤一色であるが、状況に応じて変更可能である。そして、カラーナンバー領域の値に基づいて役物比率のカラーに関するコマンドを生成する(A17006)。その後、カラーナンバー領域の値に基づいて排出球数のカラーに関するコマンドを生成する(A17007)。これらのカラーに関するコマンドは、LEDドライバ153の発光色制御部(図示せず)で使用される。また、役物比率と排出球数とのカラー(発光色)は、基本的に状況に応じて変更可能である。
次に、排出球数のカラーに関するコマンド(出玉率/排出球数用ドライバ153c用)を最初として、次に役物比率のカラーに関するコマンド(役比用ドライバ153b用)、次に第1特図変動表示部51(特図1LED)のカラーに関するコマンド(一括用ドライバ153a用)を、順番にシリアル通信回路の送信バッファに書き込んでこれらLEDコマンドを送信する(A17008)。
ステップA17009からA17016までの処理は、それぞれステップA17001からA17008までの処理と同様であるが、遊技制御装置100は、第2特図変動表示部52(D2)(7セグメント型の特図2LED)の表示データ(点灯パターンデータ)、桁1の役物比率表示データ(キャラクタコード)、桁1の排出球数表示データ(キャラクタコード)に関するコマンドを生成する(A17009、A17010、A17011)。
次に、排出球数表示データ(桁1)に関するコマンド(出玉率/排出球数用ドライバ153c用)を最初として、次に役物比率表示データ(桁1)に関するコマンド(役比用ドライバ153b用)、次に第2特図変動表示部52(特図2LED)の表示データに関するコマンド(一括用ドライバ153a用)を、順番にシリアル通信回路の送信バッファに書き込んでこれらLEDコマンドを送信する(A17012)。
続いて、遊技制御装置100は、第2特図変動表示部52(D2)(特図2LED)、役物比率、排出球数のカラー(発光色)に関するコマンドを生成する(A17013、A17014、A17015)。
次に、排出球数のカラーに関するコマンド(出玉率/排出球数用ドライバ153c用)を最初として、次に役物比率のカラーに関するコマンド(役比用ドライバ153b用)、次に第2特図変動表示部52(特図2LED)のカラーに関するコマンド(一括用ドライバ153a用)を、順番にシリアル通信回路の送信バッファに書き込んでこれらLEDコマンドを送信する(A17016)。
ステップA17017からA17024までの処理は、それぞれステップA17001からA17008までの処理と同様であるが、遊技制御装置100は、普図変動表示ゲーム用の変動表示部53と、ラウンド表示部60と、第1遊技状態表示部57の点状の8つのLEDの表示データ(点灯パターンデータ)、桁2の役物比率表示データ(キャラクタコード)、桁2の出玉率表示データ(キャラクタコード)に関するコマンドを生成する(A17017、A17018、A17019)。
次に、出玉率表示データ(桁2)に関するコマンド(出玉率/排出球数用ドライバ153c用)を最初として、次に役物比率表示データ(桁2)に関するコマンド(役比用ドライバ153b用)、次に点状の8つのLED(D3−D7、D8、D10、D18)の表示データに関するコマンド(一括用ドライバ153a用)を、順番にシリアル通信回路の送信バッファに書き込んでこれらLEDコマンドを送信する(A17020)。
続いて、遊技制御装置100は、点状の8つのLED、役物比率、出玉率のカラー(発光色)に関するコマンドを生成する(A17021、A17022、A17023)。
次に、出玉率のカラーに関するコマンド(出玉率/排出球数用ドライバ153c用)を最初として、次に役物比率のカラーに関するコマンド(役比用ドライバ153b用)、次に点状の8つのLEDのカラーに関するコマンド(一括用ドライバ153a用)を、順番にシリアル通信回路の送信バッファに書き込んでこれらLEDコマンドを送信する(A17024)。
ステップA17025からA17032までの処理は、それぞれステップA17001からA17008までの処理と同様であるが、遊技制御装置100は、保留記憶表示部(特図1保留表示器54、特図2保留表示器55、普図保留表示器56)と、第2遊技状態表示部58、第3遊技状態表示部59の点状の8つのLEDの表示データ(点灯パターンデータ)、桁3の役物比率表示データ(キャラクタコード)、桁3の出玉率表示データ(キャラクタコード)に関するコマンドを生成する(A17025、A17026、A17027)。
次に、出玉率表示データ(桁3)に関するコマンド(出玉率/排出球数用ドライバ153c用)を最初として、次に役物比率表示データ(桁3)に関するコマンド(役比用ドライバ153b用)、次に点状の8つのLED(D9、D11−D16、D17)の表示データに関するコマンド(一括用ドライバ153a用)を、順番にシリアル通信回路の送信バッファに書き込んでこれらLEDコマンドを送信する(A17028)。
続いて、遊技制御装置100は、点状の8つのLED、役物比率、出玉率のカラー(発光色)に関するコマンドを生成する(A17029、A17030、A17031)。
次に、出玉率のカラーに関するコマンド(出玉率/排出球数用ドライバ153c用)を最初として、次に役物比率のカラーに関するコマンド(役比用ドライバ153b用)、次に点状の8つのLEDのカラーに関するコマンド(一括用ドライバ153a用)を、順番にシリアル通信回路の送信バッファに書き込んでこれらLEDコマンドを送信する(A17032)。
〔出力処理〕
図132を参照して、第8実施形態に係る出力処理を説明する。図132は、遊技制御装置100による出力処理の手順を示すフローチャートである。図132は、図11のステップA1601−A1612を削除して、ステップA18001とA18002を追加したものである。
遊技制御装置100は、まず、各種ソレノイドデータと外部情報データを合成し(A18001)、合成したデータをソレノイド・外部情報出力ポートに出力する(A18002)。その後、図11と同様にステップA1613からA1622の処理を実行する。
[第8実施形態の作用・効果]
第8実施形態によると、遊技制御手段(遊技制御装置100の遊技用マイコン111)は、役物比率を算出して(図18のA2315)、当該役物比率の数値に対応する文字コードをシリアル方式で第1駆動手段(役比用ドライバ153b)に送信する。第1駆動手段は、文字コード(キャラクタコード)から役物比率表示手段(役物比率表示部68)の点灯データ(点灯パターンデータ)を生成可能である。第1駆動手段は、役物比率表示手段(役物比率表示部68)を点灯データ(点灯パターンデータ)に基づいて駆動する。従って、役物比率の数値を役物比率表示手段に効率良く点灯表示できる。なお、文字コードを使用しない場合には、数値ごとに点灯パターンデータを定義する必要が生じる。
また、第8実施形態によると、ゲーム表示手段(第1特図変動表示部51又は第2特図変動表示部52)は、特図変動表示ゲームを点灯表示可能であり、第2駆動手段(一括用ドライバ153a)は、ゲーム表示手段を点灯データ(点灯パターンデータ)に基づいて駆動する。遊技制御手段は、ゲーム表示手段の点灯データをシリアル方式で第2駆動手段に送信する。このように、第2駆動手段(一括用ドライバ153a)は、点灯パターン(点灯態様)の数を限定するような文字コード(種類が少ない)を使用せず、遊技制御手段(遊技用マイコン111)から受信した点灯データそのものを使用する。従って、ゲーム表示手段が特図変動表示ゲームの所定の結果(例えば大当り図柄)を遊技者に認識し難くできるとともに、遊技機10の機種ごとに所定の結果を異なる点灯パターン(点灯態様)にすることが容易になる。
また、第8実施形態によると、第1駆動手段(役比用ドライバ153b)と第2駆動手段(一括用ドライバ153a)はカスケード接続される。第1駆動手段は遊技制御手段から送信された文字コードを保持可能であり、第2駆動手段は遊技制御手段から送信されたゲーム表示手段の点灯データを保持可能である。従って、遊技制御手段から、一つのシリアル通信回路を用いて、第1駆動手段用の文字コードと第2駆動手段用のゲーム表示手段の点灯データとをシリアル方式で送信できる。
また、第8実施形態によると、第1駆動手段(役比用ドライバ153b)と第2駆動手段(一括用ドライバ153a)は、各々、文字コードをデコードすることによって点灯データに対応するデコードデータを生成可能なデコーダ(キャラクタジェネレータ)を備える。第1駆動手段は、デコードデータの使用を許可する一方、第2駆動手段は、デコードデータの使用を禁止する。従って、デコードデータの使用/不使用の設定を変えるだけで、第1駆動手段(役比用ドライバ153b)と第2駆動手段(一括用ドライバ153a)として、同じ種類のLEDドライバ(同じIC)を使用することができ、簡便である。
また、第8実施形態によると、第1駆動手段(役比用ドライバ153b)は、文字コードから役物比率表示手段(役物比率表示部68)の点灯データを生成するデコード機能の使用の有無を、遊技制御手段からの指令(コマンド)に基づいて設定可能である。従って、第1駆動手段の外部から、状況に応じてデコード機能の使用の有無を適宜選択又は設定でき、非常に簡便である。
また、第8実施形態によると、第1駆動手段(役比用ドライバ153b)は、遊技機10が電源投入(又は電源復旧)された場合に、データレジスタ(8ビットラッチ)に文字コードのデータが格納されても、遊技制御手段からの所定の更新指示(表示開始設定のコマンド)が送信されるまで役物比率表示手段を点灯表示しないようにする。そして、第1駆動手段は、所定の更新指示(表示開始設定のコマンド)が送信された後は、データレジスタ(8ビットラッチ)に文字コードのデータを格納するだけで役物比率表示手段を点灯表示可能にする。従って、電源投入直後に役物比率の数値データが0クリアされているか存在しない場合に、役物比率表示手段(役物比率表示部68)を点灯させて混乱を招くことを避けられる。また、所定の更新指示が送信された後は、データレジスタ(8ビットラッチ)にデータを格納するとすぐに役物比率表示手段に役物比率を点灯表示できる。
[第9実施形態]
図133から図136を参照して、第9実施形態について説明する。なお、以下で述べる以外の構成は、第1実施形態から第8実施形態までの実施形態と共通の構成でよい。
第9実施形態は、盤演出装置44(電動役物、可動役物)内の演出用ステッピングモータの制御に関するものである。演出用ステッピングモータは、例えば、盤演出装置44(電動役物、可動役物)として側部演出ユニット40dを移動動作させる。
図133は、第9実施形態において、演出制御装置300(詳細にはCPU311)によって実行される可動体制御タイマ割込み処理の手順を示すフローチャートである。可動体制御タイマ割込み処理(図133)は、演出制御装置300のメイン処理(図78)に対するタイマ割込み処理の一つとして、制御基本周期(割込み周期)ごとに実行される。本実施形態では、制御基本周期(割込み周期)は1ms(msec:ミリ秒)である。
演出制御装置300は、まず、割込みを禁止状態に設定する(B20001)。次に、演出用ステッピングモータ(ここではモータAとモータBとする)に関する制御データに基づいて、モータA制御処理(B20002)とモータB制御処理(B20003)を実行する。モータA制御処理とモータB制御処理は、同様の処理である。なお、可動体制御処理(図78のB1020)は、変動演出設定処理(図92のB1905)等で設定される演出に基づいて、可動役物(盤演出装置44、可動体)の動作態様として、可動役物を動作可能な演出用ステッピングモータに関する制御データを設定する。また、制御対象の演出用ステッピングモータが2つより多くなる場合には、モータA制御処理とモータB制御処理と同様のモータ制御処理を追加してよい。
演出制御装置300は、次に、モータAの出力データとモータBの出力データとを合成し(B20004)、合成したデータを対応するポートへ出力する(B20005)これによって、盤演出装置44を駆動制御する盤演出可動体制御回路334(モータドライバ)に合成したデータが送られる。ここで、「合成」とは、例えば複数ビットのデータのうち上位の数ビットにモータAの出力データを入れ、下位の数ビットにモータBの出力データを入れるような処理を意味する。その後、割込みを許可する状態に設定して(B20006)、可動体制御タイマ割込み処理を終了する。
次に、図134を参照して、可動体制御タイマ割込み処理(図133)におけるモータA制御処理(B20002)における詳細について説明する。図134は、第9実施形態において、演出制御装置300によって実行されるモータA制御処理の手順を示すフローチャートである。モータA制御処理では、モータAの出力データが取得(設定)される。なお、モータBの出力データが取得(設定)されるモータB制御処理もモータA制御処理と同様に実行される。
演出制御装置300は、まず、モータ制御コードをロードする(B21001)。モータ制御コードは、可動体制御処理(図78のB1020)において、演出用ステッピングモータに関する制御データとして設定されている。モータ制御コードは、モータをどのように制御するかを示す情報であり、「停止」、「CW」、「CCW」などを示すコードがある。なお、「CW」は時計回り方向もモータの回転を意味し、「CCW」は反時計回り方向のモータの回転を意味する。
次に、演出制御装置300は、まず、モータ制御コードが、モータの「停止」を指示する停止コードであるか否かを判定する(B21002)。モータ制御コードが停止コードである場合(B21002の結果が「Y」)、モータへの出力データとしてオフ出力データを設定する(B21003)。そして、可動体制御タイマ割込み処理ごとに更新(加算)されるカウンタ値(カウント値、計数値)の初期値として0を設定しておき、前回の可動体制御タイマ割込み処理におけるカウンタ値の整数部を示す変数N(前回)に初期値として0を設定しておく(B21004)。その後、出力データ(ここではオフ出力データ)をモータ出力データ領域にセーブし(B21011)、モータA制御処理を終了する。従って、演出用ステッピングモータ(ここではモータA)は、停止状態に維持される。
一方、モータ制御コードが停止コードでない場合(B21002の結果が「N」)、演出制御装置300は、遊技状態に応じた一定の加算値を設定する(B21005)。遊技状態として、通常遊技状態、特別遊技状態、特定遊技状態(時短状態や確変状態などの普電サポート状態)がある。次に、カウンタ値に加算値を加算して更新する(B21006)。なお、カウンタ値を2進数表現で表現して、加算処理は、固定小数点演算により実行すると高速になる。ステップB21006の処理は、カウンタ値(又はタイマ値)を変化させて更新するカウンタ手段(又はタイマ手段)を構成する。
例えば、時間短縮変動などにおいて可動役物の動作速度(演出用ステッピングモータの速度)を早くした方が好適になる特定遊技状態において、加算値は0.666に設定し、その他の時間短縮変動のない通常遊技状態や特別遊技状態において、加算値は0.5に設定してよい。なお、後述のように、カウンタ値に対する加算値が大きくなると、演出用ステッピングモータの速度(モータ制御用の出力データの更新速度)が速まり、可動役物(可動体)の動作速度も速まることになる。また、加算値が1未満であるため、後述のように、演出用ステッピングモータの制御周期が、制御基本周期(割込み周期=1ms)よりも大きくなる。
次に、演出制御装置300は、いわゆるfloor関数(=床関数)によってカウンタ値の小数部分を切り捨ててカウンタ値の整数部を取得し、変数N(今回)に格納する(N(今回)←floor(カウンタ値))(B21007)。なお、N(今回)は、現在実行中の今回の可動体制御タイマ割込み処理におけるカウンタ値の整数部を示す。そして、演出制御装置300は、カウンタ値の整数部Nが変化して更新されたか否かを判定する(B21008)。即ち、演出制御装置300は、カウンタ値の整数部が繰り上がったか否かを判定する。具体的には、今回のタイマ割込みにおける整数部であるN(今回)の値が前回のタイマ割込みにおける整数部であるN(前回)の値よりも大きいか否か、又はN(前回)と異なるか否かを判定する。
演出制御装置300は、カウンタ値の整数部Nが変化して更新された場合(B21008の結果が「Y」)、演出用ステッピングモータへの出力データ(ここではモータAを駆動するための出力データ)を設定又は更新する(B21009)。なお、出力データテーブル内の出力データのアドレスを示す出力データポインタを更新することによって、出力データを次のデータに更新してよい。このように、カウンタ値の整数部Nが変化して更新されることが、出力データが設定又は更新される所定条件となる。
例えば、カウンタ値の整数部Nが変化して更新された場合に、出力データをオン設定することによって、演出用ステッピングモータの基準クロック(盤演出可動体制御回路334に送られるもの)が生成されるようにしてよい(カウンタ値の整数部Nが変化しない場合はオフ設定)。或は、出力データの更新によって、直接的にステップ更新(励磁される相(励磁相)の更新)が行われてもよい。
そして、演出制御装置300は、変数N(前回)にN(今回)の値を格納する(B21010)。次に、取得した出力データをモータ出力データ領域にセーブし(B21011)、モータA制御処理を終了する。
以上のように、カウンタ値の整数部Nが変化すると、演出用ステッピングモータを駆動するための出力データが更新又は設定され、演出用ステッピングモータの基準クロックが生成されてよい。別例では、カウンタ値の整数部Nが変化すると、出力データの更新又は設定によって、直接的に励磁される相(励磁相)を更新し、演出用ステッピングモータのロータ(回転軸)を1ステップ(即ち、所定のステップ角度)だけ回転してもよい(ステップ更新)。従って、カウンタ値に対する加算値が大きくなるほど、演出用ステッピングモータの速度、ひいては可動役物の動作速度も速めることができる。
なお、加算値が制御基本周期(割込み周期=1ms)におけるカウンタ値の増加量となるため、加算値をDとすると、モータの制御周期は擬似的に1/D[ms]が可能となり、モータ速度(パルス速度)は擬似的に1000×D[pps]が可能となり、ステップ更新の周期は擬似的に1/D[ms/step]が可能となる。加算値D=0.4では、モータの制御周期は擬似的に2.5[ms]が可能となり、モータ速度は擬似的に400[pps]が可能となる。加算値D=0.666では、モータの制御周期は擬似的に1.5[ms]が可能となり、モータ速度は擬似的に666[pps]が可能となる。制御基本周期(割込み周期)が1msであるため、モータの制御周期の最小値は1[ms]となり、モータ速度(パルス速度)の最高速度は1000[pps]である。
さらに、より一般的には、制御基本周期をTB[ms]とすると、モータの制御周期は擬似的にTB/D[ms]が可能となり、モータ速度(パルス速度)は、擬似的に1000×D/TB[pps]が可能となる。
また、本実施形態では、加算値(変化値)が1未満であるため、演出用ステッピングモータの制御周期(例えば出力データの更新周期)が、制御基本周期(割込み周期=1ms)よりも大きくなる。さらに、加算値が、1を非整数で除算した値(1/非整数)であるため、演出用ステッピングモータの制御周期は、制御基本周期(割込み周期=1ms)の非整数倍(整数倍以外)の周期を取り得るとともに、モータ速度(パルス速度)は、最高速度を非整数で除算した値の速度も取り得る。なお、非整数は、整数以外の数、即ち、小数部を含む数である。なお、従来は、演出用ステッピングモータの制御周期は、制御基本周期の整数倍の周期しか取り得ず、モータ速度は、最高速度を整数で除算した値の速度しか取り得なかった。従って、本実施形態では、従来と異なり、演出用ステッピングモータの速度設定の自由度が向上していることになる。
また、本実施形態では、遊技状態に応じて加算値を設定(変更)できるため、時間短縮変動がある遊技状態(特定遊技状態)において、その他の時間短縮変動がない遊技状態よりも加算値を増加して、演出用ステッピングモータの速度を増加して、可動役物の動作速度を速めることができる。
図135は、可動体制御タイマ割込み処理内のモータ制御処理(図134)によるカウンタ値の更新(増加)と演出用ステッピングモータのステップ更新(出力データの設定又は更新)の態様を経過時間に対して示す図である。なお、ここでは、加算値=0.666であり、基準クロックを生成する例では、ステップ更新はステップオン(クロックのオン状態)を意味してよい。
モータ制御コードが、停止コードから変化して、モータの回転動作を指示する動作コード(CWコード又はCCWコード)になると(B21002の結果が「N」)、カウンタ値によるカウントが開始しカウンタ値が増加(変化)し始める。なお、図135の経過時間は、モータ制御コードが動作コードに変化する直前のタイマ割込み時(直前の可動体制御タイマ割込み処理)において基準値0となっている。
所定の時間区間(1〜3[ms]、501〜503[ms]、1001〜1003[ms]など)を除いて、2連続で出力データの更新又は設定が行われる(基準クロックの場合にはオン状態が連続する設定してよい)。所定の区間(1〜3[ms]、501〜503[ms]、1001〜1003[ms]など)では、単発で出力データの更新又は設定が行われる(基準クロックの場合にはオン状態が短期間設定)。
図136は、可動体制御タイマ割込み処理内のモータ制御処理(図134)による励磁方式(モータ駆動方式)の一例を示すタイミングチャートである。なお、ここでは、加算値=0.666で、4相の演出用ステッピングモータを駆動する場合を示す。
4相(φ1、φ2、φ3、φ4)のうち、φ1が基準クロックに対応し、φ2、φ3、φ4は、基準クロックに対応するφ1からそれぞれ90度、180度、270度位相がずれている。基準クロックに対応するφ1は、所定の区間(1〜3[ms]、501〜503[ms]、1001〜1003[ms]など)を除いて、1[ms]単位の2区間連続(長パルス)でオン状態となる。所定の区間(1〜3[ms]、501〜503[ms]、1001〜1003[ms]など)では、1[ms]単位の単区間(短パルス)でオン状態となる。パルスの間は1[ms]単位の単区間でオフ状態となる。
なお、上記の実施形態ではカウンタ値(タイマ値)を加算する構成を示したが、加算に限られず、カウンタ値(タイマ値)を減算することによって、変化更新する構成も可能である。また、演出用ステッピングモータ以外のステッピングモータにも本実施形態を適用可能である。ステッピングモータは回転するモータだけではなく、リニアモータでも良い。
[第9実施形態の作用・効果]
第9実施形態によると、制御手段(演出制御装置300のCPU311)は、可動体(可動役物)を動作可能なモータ(例えばモータA)を駆動制御するための出力データを設定又は更新可能である。制御手段は、基本周期(割込み周期)ごとに一定の加算値をカウンタ値に加算するカウンタ手段(図134のB21006)を備え、カウンタ値が所定条件を満たした場合に、出力データを設定又は更新可能である(図134のB21008、B21009)。従って、モータの制御周期(出力データの設定又は更新の周期)の自由度ひいてはモータの速度設定の自由度を高めることができる。
第9実施形態によると、加算値が1未満の小数であるため、モータの制御周期を制御基本周期(割込み周期)よりも大きくできる。
第9実施形態によると、カウンタ値の整数部が変化した場合に、モータを駆動制御するための出力データを設定又は更新可能であるため、制御基本周期をTB[ms]とすると、モータの制御周期は擬似的にTB/D[ms]となり得る。従って、モータの制御周期の自由度ひいてはモータの速度設定の自由度を大きく向上できる。
第9実施形態によると、制御手段は、基本周期の非整数倍の周期で、出力データを設定又は更新可能であるため、モータ速度(パルス速度)は、最高速度を非整数で除算した値の速度も取り得る。
なお、本発明は、以上説明した実施形態に限定されることなく、その技術的思想の範囲内において種々の変形や変更が可能であり、それらも本発明の技術的範囲に含まれることが明白である。例えば、複数の実施形態の組合せることも可能である。また、パチンコ機以外のパチスロ機等の遊技機(例えば役物比率や出玉率が定義できるもの)にも本発明を適用可能である。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び内容の範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。