JP6734317B2 - 放射性核種の除去方法 - Google Patents

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Description

本発明は、放射性核種除去用組成物およびこれを利用した放射性核種の除去方法に関する。
放射性核種は、原子力分野だけでなく、多様な研究および産業現場で使用されている。したがって、放射性核種を扱う施設、特に原子力施設では、必然的に、コンクリート、セメント、ペイント、金属などの表面が放射性核種で汚染される。一方、チェリノビルおよび福島の原子力発電所の事故時に多量の放射性核種が環境に流出され、人々が生きている居住地にある多様な建物および道路のような数多くの施設の表面が放射性核種で汚染された。したがって、多様な汚染表面に存在する放射性核種を経済的に且つ効果的に除去する除染技術の開発が活発に研究されている。
このうち、高圧水を利用した汚染表面から放射性核種を除去する方法が多く適用されたが、環境によって35〜90%の低い除去効率を示し、高圧水が使用後に放射性核種で汚染されて、大量の汚染水が発生する問題点がある。したがって、高圧水を利用した洗浄方法の低い除去効率を向上させるために、汚染表面に存在する放射性核種とのイオン交換を利用するイオン洗浄(例えば、アンモニウム塩)を利用した洗浄方法が試みられたが、大量の汚染水が発生する問題点が依然として存在する。
なお、汚染表面から放射性核種を除去する方法のうち、大量の汚染水が発生しない方法としてディコンジェル(DeconGel)のようなストリッパブルコート剤を利用した場合、70〜90%の優れた放射性核種の除去効率を示したが、二つの短所を有している。第一に、コート剤自体の構成成分であるキレートおよび溶媒として人体に有害な物質を使用しており、第二に、コート剤の溶媒乾燥に略24時間以上を必要とするので、除染の効率性が大きく低下する問題点がある。
その他、SDF、UDFのようなフォーム(foam)を利用したり、スーパージェル(SuperGel)を利用した場合、処理後、汚染表面内の残余物を除去する過程で大量の2次廃液が発生する(具体的に、EPA報告書によれば、EAI superGelの場合、放射性廃棄物の量=5〜10L/m;SDF、UDFの放射性廃棄物の量=40L/m)。
また、ディコンジェル(DeconGel)のようなストリッパブルコート剤およびスーパージェル(SuperGel)を利用した場合、汚染表面への適用時、Applied with paint brush、Applied by trowel(paint scraper)を使用しなければならないので、汚染表面に塗布されるのに不便さがある。
したがって、2次廃液の発生量が顕著に少ないながらも、汚染表面に塗布が容易な除染技術の開発が要求されているのが現況である。
最近、本発明者らは、2次廃液の発生量が少なく、汚染表面から放射性核種を除去するために、アルギネート基盤の吸着剤/ハイドロゲルを成功裏に開発したことがあるが,これもやはり二つの短所を有している。第一に、アルギネート基盤の吸着剤/ハイドロゲルで架橋結合させるためには、カルシウムイオンが必ず添加されなければならず、第二に、吸着剤/ハイドロゲルを使用した後、架橋結合を崩壊させるためには、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)のような有害な添加剤が必ず使用しなければならない短所を有している。
韓国特許公開第10−1658475号公報
本発明の目的は、ヒドロキシ基を含む第1高分子と、ボロン酸基が官能基として導入された第2高分子と、放射性核種除去用吸着剤とを含む放射性核種除去用組成物などを提供することにある。
しかし、本発明が解決しようとする技術的課題は、以上で言及した課題に制限されず、言及されていない他の課題は、下記の記載から当業者に明確に理解され得る。
本発明は、ヒドロキシ基を含む第1高分子と、ボロン酸基が官能基として導入された第2高分子と、放射性核種除去用吸着剤とを含む放射性核種除去用組成物を提供する。
本発明の一具現例において、(a)ヒドロキシ基を含む第1高分子を含有する第1溶液を準備する段階と、(b)ボロン酸基が官能基として導入された第2高分子を含有する第2溶液を準備する段階と、(c)放射性核種による汚染表面上に前記第1溶液および前記第2溶液をそれぞれ噴射または塗布した後、前記第1高分子および前記第2高分子を互いに架橋結合させて、放射性核種が吸着されたハイドロゲルを形成する段階とを含み、前記第1溶液または前記第2溶液に放射性核種除去用吸着剤をさらに含有することを特徴とする放射性核種の除去方法を提供する。
本発明による放射性核種除去用組成物は、ヒドロキシ基を含む第1高分子と、ボロン酸基が官能基として導入された第2高分子と、放射性核種除去用吸着剤とを含み、これを放射性核種による汚染表面上に適用すると、前記第1高分子および前記第2高分子は、可逆的に互いに架橋結合されてハイドロゲルを形成することができる。前記ハイドロゲルは、汚染表面上に存在する放射性核種を溶解させた後、これを前記ハイドロゲルの内部に移動および封入させて、多様な放射性核種を除去できると共に、優れた点弾性特性によって汚染表面から容易に剥ぎ取ることができる利点を有する。
また、有害な添加剤を使用することなく、前記ハイドロゲルの架橋結合を崩壊させることができるため、以後、前記放射性核種除去用吸着剤は、フィルターまたは遠心分離機を用いて容易に分離および回収され得、残っている溶液は、一般廃棄物として処理したりリサイクルし得る利点を有するので、最終有機放射性廃棄物の発生量を顕著に減らすことができる。
なお、前記放射性核種除去用吸着剤として磁性吸着剤を導入する場合、前記放射性核種除去用吸着剤は、放射性核種を吸着した後、第1および第2高分子とは別に、外部磁石を用いて磁性分離および回収され得るので、フィルターや遠心分離機のような別の外部装備を必要とせず、汚染現場で容易に磁性吸着剤を回収することができる。特に、残っている溶液を汚染現場でリサイクルすることができる。
また、前記第2高分子がカルボキシル基またはカルボニル基を官能基として含む場合、このような官能基は、陽電荷を呈する多様な放射性核種(例:セシウム、コバルト、ストロンチウム等)をさらに吸着できる利点を有し得る。しかも、このようなカルボキシル基官能基は、1価、2価または3価イオン(Ag、Ca2+、Fe2+、Co2+、Cu2+、Fe3+等)との追加架橋結合(具体的に、キレート結合)が可能で、二重架橋結合を通じて優れた点弾性特性をさらに向上させることができる。したがって、前記ハイドロゲルを汚染表面から除去する前または後に、1価、2価または3価イオン溶液を噴射すると、汚染表面からさらに容易に剥ぎ取ることができる利点を有する。
本発明によれば、放射性核種で汚染された原子力施設の多様な汚染表面だけでなく、重大事故時に放射性核種で広範囲に汚染された住居地域内の道路、建物表面などを復元するのに効率的に対処することができる。
図1は、本発明の一具現例による汚染表面から放射性核種を除去する方法を示す模式図である。 図2は、実施例1で使用されたプルシアンブルーがコートされた磁性吸着剤の(a)TEM写真(スケール:500nm)、(b)XRDパターングラフ(赤色:Fe、青色:プルシアンブルー)および(c)振動型試料磁力計(vibrating sample magnetometer)を使用して測定された磁化曲線グラフである。 図3(a)は、実施例1で製造したボロン酸基が導入されたアルギネート基盤の第2高分子の合成過程を示す図(a−1);およびヒドロキシ基を含む第1高分子を含有する第1溶液および実施例1で製造したボロン酸基が導入されたアルギネート基盤の第2高分子および放射性セシウム除去用吸着剤を含有する第2溶液を混合した場合、二つの高分子が互いに架橋結合(ボラート−エステル結合)してハイドロゲルを形成し、その内部に放射性セシウム除去用吸着剤が物理的に封入される様子を示す図(a−2)である。 図3(b)は、実施例1で製造したボロン酸基が導入されたアルギネート基盤の第2高分子(a−1)をNMRを通じて分析した結果を示すグラフである。 図4は、実施例1で模擬汚染表面(ペイントおよびセメント)に放射性セシウムが吸着されたハイドロゲルを形成させ、3時間経過後、これを剥ぎ取る過程を示す写真である。 図5(a)は、実施例1で剥ぎ取った放射性セシウムが吸着されたハイドロゲルを蒸留水に添加した水溶液に、外部磁石を適用した過程を示す写真であり、図5(b)は、外部磁石により磁性分離する前と後の水溶液で放射能を測定した結果を示すグラフである。 図6は、本発明の一具現例によって放射性セシウムが吸着されたハイドロゲルの流変学的特性を把握するために、第1溶液内の第1高分子および放射性セシウム除去用吸着剤の含量と第2溶液内の第2高分子の含量を調節した後、第1溶液および第2溶液を混合した後、約120分間処理および乾燥することによりハイドロゲルを形成させ、その角周波数(angular frequency)別に貯蔵弾性率(storage modulus、G’)および損失弾性率(loss modulus、G”)を測定した結果を示すグラフである。 図7は、実施例2で製造したボロン酸基が導入されたポリスクシンイミド基盤の第2高分子の合成過程を示す図である。 図8は、実施例3で製造したボロン酸基が導入されたポリメチルビニルエーテル−alt−マレイン酸無水物基盤の第2高分子の合成過程を示す図である。 図9は、実施例4で製造したボロン酸基が導入されたポリアクリルアミド基盤の第2高分子の合成過程を示す図である。
本発明者らは、ヒドロキシ基を含む第1高分子を含有する第1溶液を準備し、ボロン酸基が官能基として導入された第2高分子を含有する第2溶液を準備して、これらを放射性核種による汚染表面上にそれぞれ噴射または塗布することにより、放射性核種が吸着されたハイドロゲルを形成させることができ、放射性核種を効果的に除去することができることを確認し、本発明を完成した。
以下、本発明を詳細に説明する。
放射性核種除去用組成物
本発明は、ヒドロキシ基を含む第1高分子と、ボロン酸基が官能基として導入された第2高分子と、放射性核種除去用吸着剤とを含む放射性核種除去用組成物を提供する。
まず、本発明による放射性核種除去用組成物は、ヒドロキシ基を含む第1高分子を含むものであって、前記ヒドロキシ基は、陰イオン状態のボロン酸基と脱水縮合反応をし得る官能基に該当する。
具体的に、前記第1高分子は、ヒドロキシ基を含むものであって、前記ヒドロキシ基は、後述する第2高分子内ボロン酸基と脱水縮合反応を通じて架橋結合(ボラート−エステル結合)し得る官能基に該当する。具体的に、前記ヒドロキシ基は、ポリビニルアルコール、アラビアガム、グアーガム、ローカストビーンガムおよびこれらの誘導体よりなる群から選択された一つ以上であることが好ましく、ポリビニルアルコールであることがより好ましいが、これに限らない。その他、前記第1高分子は、ジオール基を含むか、カテコール基を含むか、または、サリチルヒドロキサム酸基を含んでいてもよい。
また、前記第1高分子は、前記放射性核種除去用組成物100重量部に対して、1重量部〜20重量部であることが好ましいが、これに限らない。この際、第1高分子の含量が前記範囲を維持することにより、前記第1高分子および前記第2高分子を効果的に互いに架橋結合させることができる。
次に、本発明による放射性核種除去用組成物は、ボロン酸基が官能基として導入された第2高分子を含むものであって、具体的に、前記ボロン酸基は、第2高分子の末端または内部に官能基として導入され得る。前記ボロン酸基は、−B(OH)を意味するものであり、前記ボロン酸基は、陰イオン状態で、ヒドロキシ基と脱水縮合反応を通じて架橋結合(ボラート−エステル結合)をし得る官能基に該当する。
具体的に、前記ボロン酸基を陰イオン状態に維持させるためには、その含量およびpHを制御する必要がある。この際、pHは、5〜12であることが好ましいが、これに限らない。このようなpHの範囲は、第2高分子の種類によって調節され得る。
また、前記第2高分子は、多様な官能基を有する骨格を含んでいてもよいが、一例として、カルボキシル基またはカルボニル基が骨格に含まれた場合、前記カルボキシル基またはカルボニル基は、陰イオン状態で陽電荷を呈する放射性核種をさらに吸着できる利点を有し得る。しかも、前記カルボキシル基は、1価、2価または3価イオン(Ag、Ca2+、Fe2+、Co2+、Cu2+、Fe3+等)との追加架橋結合(具体的に、キレート結合)が可能で、二重架橋結合を通じて優れた点弾性特性をさらに向上させることができる。
この際、前記第2高分子の骨格にカルボキシル基が含まれた例としては、アルギネート、ポリスクシンイミド、ポリメチルビニルエーテル−alt−マレイン酸無水物およびポリアクリル酸よりなる群から選択された一つ以上であることが好ましいが、これらに限らない。
前記第2高分子の具体的な種類によって、ハイドロゲルの膨潤比(swelling ratio)および高分子溶液の噴射時の容易点が変わることができる。例えば、前記第2高分子の骨格にカルボキシル基が多いほど、ハイドロゲルの膨潤比が向上するため、その分、水を吸収できる能力が向上するので、放射性核種とイオン交換可能なイオン交換体をさらに多く添加できる利点を有する。しかも、高分子溶液の噴射が容易になるという利点を有する。したがって、前記第2高分子としてバルキーで且つ粘度が高いアルギネートを使用する場合に比べて、ポリスクシンイミド、ポリメチルビニルエーテル−alt−マレイン酸無水物およびポリアクリル酸よりなる群から選択された一つ以上を使用する場合、膨潤比および高分子溶液の噴射時の容易点の観点から有利である。
特に、前記第2高分子骨格に二つ以上のカルボキシル基が隣接して含まれた場合には、1価、2価または3価イオン(Ag、Ca2+、Fe2+、Co2+、Cu2+、Fe3+等)とのさらに安定した追加架橋結合(具体的に、キレート結合)が可能であるという利点を有する。この際、前記第2高分子を含有する第2溶液のpHは、8〜11に維持して、ボロン酸基を陰イオン状態に維持させることができる。
この際、前記第2高分子の骨格にカルボニル基が含まれた例としては、ポリアクリルアミド、N、N−ジメチルアクリルアミドおよびポリビニルピロリドンよりなる群から選択された一つ以上であることが好ましいが、これらに限らない。この際、前記第2高分子を含有する第2溶液のpHは、5〜7に維持して、ボロン酸基を陰イオン状態に維持させることができる。
また、前記第2高分子は、前記放射性核種除去用組成物100重量部に対して、1重量部〜20重量部であることが好ましいが、これに限らない。この際、第2高分子の含量が前記範囲を維持することにより、前記第1高分子および前記第2高分子を効果的に互いに架橋結合させることができる。
次に、本発明による放射性核種除去用組成物は、放射性核種除去用吸着剤を含む。
前記放射性核種除去用吸着剤は、放射性核種の除去性能を増大させるためのものであって、前記放射性核種除去用吸着剤は、公知になっているものであれば、いずれも適用可能である。特に、前記放射性核種除去用吸着剤として放射性核種に対する分配係数に優れているものを使用することにより、放射性核種除去性能を向上させることができる。
具体的に、前記放射性セシウム除去用吸着剤としては、金属イオン−フェロシアナイド、ゼオライト(zeolite)、テトラフェニルボラート(tetraphenylborate)、リンモリブデン酸アンモニウム(ammonium phosphomolybdate)等が使用でき、放射性ストロンチウム除去用吸着剤としては、水酸化鉄(ferrous hydroxide)、カルシウムまたは鉄ホスフェート(calcium or iron phosphate)、カルシウムカーボネート(calcium carbonate)、水酸化燐灰石(hydroxyapatite)、二酸化マンガン(manganese dioxide)、硫酸バリウム(barium sulphate)等が使用できる。その他、Pu、Am、Cr−51、Mn−54、Co、Fe−59、Sb、Ru、Zr、Nb、Ce等の放射性核種を除去するための多様な吸着剤が使用できる。
また、前記放射性核種除去用吸着剤は、磁性吸着剤を含んでいてもよい。前記放射性核種除去用吸着剤は、通常フィルターまたは遠心分離機を利用して分離および回収することができる。しかも、前記放射性核種除去用吸着剤として磁性吸着剤を含む場合、フィルターや遠心分離機のような別の外部装備を必要とせず、外部磁石を適用して選択的に磁性分離および回収することも可能である。
また、前記放射性核種除去用吸着剤は、前記放射性核種除去用組成物100重量部に対して、0.1重量部〜10重量部であることが好ましいが、これに限らない。この際、放射性核種除去用吸着剤が前記含量未満の場合には、放射性核種除去性能が低下する問題点があり、放射性核種除去用吸着剤が前記含量を超過する場合には、放射性セシウムが吸着されたハイドロゲル内ジオール−ボラート架橋結合が十分に行われない問題点がある。
選択的に、本発明による放射性核種除去用組成物は、前記第2高分子と追加架橋結合するための1価、2価または3価イオンを含んでいてもよい。
前記1価、2価または3価イオンは、前記第2高分子、特に、前記第2高分子内カルボキシル基と追加架橋結合(具体的にキレート結合)するためのものであって、優れた点弾性特性をさらに向上させることができる。具体的に、前記1価、2価または3価イオンとしては、Ag、Ca2+、Fe2+、Co2+、Cu2+、Fe3+等がある。
選択的に、本発明による放射性核種除去用組成物は、放射性核種とイオン交換可能なイオン交換体をさらに含んでいてもよい。
具体的に、前記イオン交換体は、アンモニウムイオン、カリウムイオン、ナトリウムイオン、ルビジウムイオンまたは非放射性核種(セシウム等)イオンを含んでいてもよい。このようなイオン交換体は、汚染表面上に存在する放射性核種(セシウム等)とさらにイオン交換することにより、放射性核種除去性能をさらに向上させるための役割をする。
汚染表面から放射性核種の除去方法
本発明は、(a)ヒドロキシ基を含む第1高分子を含有する第1溶液を準備する段階と、(b)ボロン酸基が官能基として導入された第2高分子を含有する第2溶液を準備する段階と、(c)放射性核種による汚染表面上に前記第1溶液および前記第2溶液をそれぞれ噴射または塗布した後、前記第1高分子および前記第2高分子を互いに架橋結合させて、放射性核種が吸着されたハイドロゲルを形成させる段階とを含み、前記第1溶液または前記第2溶液に放射性核種除去用吸着剤をさらに含有することを特徴とする放射性核種の除去方法を提供する。
(d−1)前記放射性核種が吸着されたハイドロゲルを水に沈漬させた後、ハイドロゲルのみを選択的に溶解させるか、または(d−2)前記放射性核種が吸着されたハイドロゲルのpHを4以下に調節した後、ハイドロゲルのみを選択的に溶解させることができる。
まず、本発明による放射性核種の除去方法は、ヒドロキシ基を含む第1高分子を含有する第1溶液を準備する段階[段階(a)]を含む。
前記ヒドロキシ基を含む第1高分子については、前述したことがあるので、重複説明を省略することとする。
次に、本発明による放射性核種の除去方法は、ボロン酸基が官能基として導入された第2高分子を含有する第2溶液を準備する段階[段階(b)]を含む。
前記ボロン酸基が官能基として導入された第2高分子については、前述したことがあるので、重複説明を省略することとする。
前記第1溶液または前記第2溶液は、放射性核種除去用吸着剤をさらに含有することを特徴とし、選択的に、放射性核種とイオン交換可能なイオン交換体をさらに含むことにより、放射性核種除去性能をさらに向上させることができる。
次に、本発明による放射性核種の除去方法は、放射性核種による汚染表面上に前記第1溶液および前記第2溶液をそれぞれ噴射または塗布した後、前記第1高分子および前記第2高分子を互いに架橋結合させて、放射性核種が吸着されたハイドロゲルを形成させる段階[段階(c)]を含む。
前記第1溶液および前記第2溶液は、放射性核種による汚染表面上に噴射または塗布する前には、互いに分離した状態に維持しつつ、噴射または塗布を通じて前記第1高分子および前記第2高分子を可逆的に互いに架橋結合させることができる。
前記架橋結合は、前記第1高分子および前記第2高分子間の脱水縮合反応を通じて行われ得るが、具体的に、前記架橋結合は、前記第1高分子内ヒドロキシ基と、前記第2高分子内陰イオン状態のボロン酸基との脱水縮合反応を通じて行われ得る。前記脱水縮合反応は、ボロン酸基が陰イオン状態を維持できるように、pH5〜pH12条件で行われることが好ましいが、これに限らない。このようなpHの範囲は、第2高分子の種類によって調節され得る。
前記放射性核種が吸着されたハイドロゲルの形成後、汚染表面から除去する前または後に、前記第2高分子と追加架橋結合するための1価、2価または3価イオン溶液をさらに噴射することができる。これにより、汚染表面からさらに容易に剥ぎ取ることができる利点を有し得ると共に、有害な添加剤を使用しなくても、再使用が可能であるという利点を有する。
前記放射性核種が吸着されたハイドロゲルは、高い点弾性を有することを特徴とするが、その100rad/sで貯蔵弾性率は、2,000Pa〜10,000Paであり、損失弾性率は、100Pa〜5,000Paであることが好ましく、その100rad/sで貯蔵弾性率は、2,000Pa〜10,000Paであり、損失弾性率は、100Pa〜500Paであることがさらに好ましいが、これに限らない。したがって、前記放射性核種が吸着されたハイドロゲルは、高い貯蔵弾性率(特に、損失弾性率対比)を有するので、汚染表面から容易に剥ぎ取ることができるという利点を有する。
選択的に、本発明による本発明による放射性核種の除去方法は、前記放射性核種が吸着されたハイドロゲルを水に沈漬させた後、ハイドロゲルのみを選択的に溶解させる段階[段階(d−1)]をさらに含んでいてもよい。
あるいは、本発明による放射性核種の除去方法は、前記放射性核種が吸着されたハイドロゲルのpHを4以下に調節した後、ハイドロゲルのみを選択的に溶解させる段階[段階(d−2)]をさらに含んでいてもよい。
具体的に、前記選択的溶解は、前記第1高分子および前記第2高分子間の架橋結合を崩壊させることにより行われ得るが、前記架橋結合は、可逆的反応として、別の添加剤なしに水を過量添加することにより崩壊され得るという利点を有する。この際、前記放射性核種が吸着されたハイドロゲルに比べて3倍以上、好ましくは、5倍〜20倍の水に沈漬させることが好ましいが、これに限らない。あるいは、前記架橋結合は、pHを4以下に調節することにより崩壊されてもよい。
以後、放射性核種が吸着された放射性核種除去用吸着剤は、フィルター、遠心分離機または外部磁石を用いて分離および回収され得る。
次に、残っている溶液を再使用することができる。具体的に、前記第2高分子としてカルボキシル基を含む骨格を含む場合、残っている溶液に新しい放射性核種除去用吸着剤を混合し、汚染表面上にさらに噴射または塗布した後、1価、2価または3価イオン(Ag、Ca2+、Fe2+、Co2+、Cu2+、Fe3+等)を添加すると、キレート結合によりハイドロゲルをさらに形成することができ、再使用が可能である。特に、前記第2高分子としてアルギネート基盤の第2高分子を使用する場合、残っている溶液に新しい放射性核種除去用吸着剤を混合し、汚染表面上に噴射または塗布した後、Ca2+イオンを添加すると、アルギネートとCa2+との架橋結合によりハイドロゲルをさらに形成することができ、再使用が可能である。
上記したように、本発明による放射性核種除去用組成物は、ヒドロキシ基を含む第1高分子と、ボロン酸基が官能基として導入された第2高分子と、放射性核種除去用吸着剤とを含むので、これを放射性核種による汚染表面上に適用すると、前記第1高分子および前記第2高分子は、可逆的に互いに架橋結合されて、ハイドロゲルを形成することができる。前記ハイドロゲルは、汚染表面上に存在する放射性核種を溶解させた後、これを前記ハイドロゲル内部に移動および封入させて、多様な放射性核種を除去できると共に、優れた点弾性特性によって汚染表面から容易に剥ぎ取ることができるという利点を有する。
また、有害な添加剤を使用しなくても、前記ハイドロゲルの架橋結合を崩壊させることができるため、以後、前記放射性核種除去用吸着剤は、フィルターまたは遠心分離機を用いて容易に分離および回収され得、残っている溶液は、一般廃棄物として処理したり、リサイクルし得るという利点を有するので、最終有機放射性廃棄物の発生量を顕著に減らすことができる。
なお、前記放射性核種除去用吸着剤として磁性吸着剤を導入する場合、前記放射性核種除去用吸着剤は、放射性核種を吸着された後、第1および第2高分子とは別に、外部磁石を用いて磁性分離および回収され得るので、フィルターや遠心分離機のような別の外部装備を必要とせず、汚染現場で容易に磁性吸着剤を回収することができる。特に、残っている溶液を汚染現場でリサイクルすることができる。
また、前記第2高分子がカルボキシル基またはカルボニル基を官能基として含む場合、このような官能基は、陽電荷を呈する多様な放射性核種(例:セシウム、コバルト、ストロンチウムなど)をさらに吸着できるという利点を有し得る。しかも、このようなカルボキシル基官能基は、1価、2価または3価イオン(Ag、Ca2+、Fe2+、Co2+、Cu2+、Fe3+等)との追加架橋結合(具体的に、キレート結合)が可能で、二重架橋結合を通じて優れた点弾性特性をさらに向上させることができる。したがって、前記ハイドロゲルを汚染表面から除去する前または後に、1価、2価または3価イオン溶液を噴射すると、汚染表面からさらに容易に剥ぎ取ることができるという利点を有する。
本発明によれば、放射性核種で汚染された原子力施設の多様な汚染表面だけでなく、重大事故時に放射性核種で広範囲に汚染された住居地域内の道路、建物表面などを復元するのに効率的に対処することができる。
以下、本発明の理解を助けるために好ましい実施例を提示する。しかし、下記実施例は、本発明を容易に理解するために提供されるものに過ぎず、下記実施例によって本発明の内容が限定されるわけではない。
[実施例]
実施例1
第1高分子としてポリビニルアルコール8重量%および放射性セシウム除去用吸着剤としてプルシアンブルーがコートされた磁性吸着剤(図2を参照)0.5重量%を含む水溶液(第1溶液)を準備した。
ソジウムアルギネート(Sigma Aldrich社、製品番号180947)(粘度=1%のHO内15〜25cP)1g、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミドハイドロクロリド0.96gおよび3−アミノフェニルボロン酸0.39gを水100mLに溶かした後、24時間反応させた。以後、透析を通じて未反応物を除去して、第2高分子を製造し(図3(a)を参照)、その結果は、NMRを通じて分析した(図3(b)を参照)。図3(b)に示されたように、アルギネート骨格にフェニルボロン酸が成功裏に導入されたことが確認される。これを2重量%で含む水溶液(第2溶液)(pH=8.5)を準備した。
放射性セシウムによる模擬汚染表面(ペイント、アルミニウム、ステンレススチールおよびセメント)上にスプレーを利用して第1溶液および第2溶液を噴射した後、一定時間放置することにより、自発的に放射性セシウムが吸着されたハイドロゲルを形成させた。
次に、模擬汚染表面から放射性セシウムが吸着されたハイドロゲル3gを剥ぎ取った。以後、残余物を除去することにより、放射性セシウムを除去した。
図4は、模擬汚染表面(ペイントおよびセメント)に放射性セシウムが吸着されたハイドロゲルを形成させ、3時間経過後、これを剥ぎ取る過程を示した写真であり、放射性セシウムが吸着されたハイドロゲルは、点弾性に優れていて、模擬汚染表面から容易に除去され得るものと確認される。
次に、模擬汚染表面から剥ぎ取り、ビーカー内で放射性セシウムが吸着されたハイドロゲルを蒸留水20gに添加して架橋結合を崩壊させることにより、ハイドロゲルのみを選択的に溶解させた。次に、外部磁石をビーカーの外部壁面に位置させて、放射性セシウムが吸着され、プルシアンブルーがコートされた吸着剤のみを選択的に磁性分離させ(図5(a)を参照)、外部磁石により磁性分離する前と後の水溶液で放射能を測定した結果は、図5(b)に示した。この際、残った溶液を希釈させて、第1高分子および第2高分子を再使用した。
図5(a)に示されたように、蒸留水の添加によって放射性セシウムが吸着されたハイドロゲル内ジオール−ボラート架橋結合が成功裏に崩壊されて、ハイドロゲルが溶解しつつ、その内部に存在するプルシアン ブルーがコートされた磁性吸着剤は、水溶液側に徐々に放出されて、水溶液が青色に変化することが確認される。以後、外部磁石の導入により放射性セシウムを吸着しているプルシアンブルーがコートされた磁性吸着剤が、外部磁石が位置した側に分離しつつ、水溶液がさらに清くなることが確認される。
最終的に、汚染表面上に存在する放射性セシウムは、プルシアンブルーがコートされた磁性吸着剤に吸着され、これは、外部磁石により約100%回収されて除去された。この際、最終除去された放射性セシウムのうち約99.5%以上(19.814Bq/g→0.086Bq/g)は、プルシアンブルーがコートされた磁性吸着剤に吸着されたことが確認され(図5(b))、このような結果より、水溶液に残っている放射性セシウムの残存量は0.086Bq/gであるから、自体処分基準である0.1Bq/g以下に該当することが確認される。したがって、第1高分子および第2高分子を再使用することができる。
なお、本発明の一具現例によって放射性セシウムが吸着されたハイドロゲルの流変学的特性を把握するために、第1溶液内の第1高分子および放射性セシウム除去用吸着剤の含量と第2溶液内の第2高分子の含量を下記表1のように調節した後、第1溶液および第2溶液を混合した後、約120分間処理することによりハイドロゲルを形成させ、その角周波数(angular frequency)別に貯蔵弾性率(storage modulus、G’)および損失弾性率(loss modulus、G”)を測定した結果は、表1および図6(a)〜(d)に示した。
表1および図6(a)〜(d)に示されたように、第2溶液内の第2高分子の含量が小さいほど、貯蔵弾性率および損失弾性率の値がさらに大きくなることが確認されるところ、優れた点弾性特性によって放射性セシウムによる模擬汚染表面から除去が容易であるという利点を有する。ただし、第1溶液内放射性セシウム除去用吸着剤を含む場合、貯蔵弾性率および損失弾性率の値は減少することが確認される。
実施例2
まず、ポリスクシンイミドを下記のような方法で合成した:L−アスパラギン酸40gをスルホラン200mLに溶かした後、これにリン酸15mmolを添加した後、N雰囲気下に170℃で10時間撹拌した。撹拌する中に生成される水は、ディーン・スターク・トラップ(Dean−stark trap)を利用して除去した。次に、過量のメタノールに沈殿させて合成物を回収し、水に分散させて、水溶液のpHが中性になるまで沈殿および分散を繰り返した後、乾燥させて、ポリスクシンイミドを最終的に合成した。
次に、最終的に合成されたポリスクシンイミド0.97gおよび3−アミノフェニルボロン酸0.4gをジメチルスルホキシド100mLに溶かした後、24時間反応させた。以後、透析を通じて未反応物を除去して第2高分子を製造した(図7を参照)。これを2重量%で含む水溶液(第2溶液)(pH8.5)を準備したことを除いて、実施例1と同じ方法で放射性セシウムを除去した。
実施例3
ポリメチルビニルエーテル−alt−マレイン酸無水物(Sigma Aldrich社、製品番号416320)(Mw=1,080,000)1gおよび3−アミノフェニルボロン酸0.3gを水100mLに溶かした後、24時間反応させた。以後、透析を通じて未反応物を除去して、第2高分子を製造した(図8を参照)。これを2重量%で含む水溶液(第2溶液)(pH8.5)を準備したことを除いて、実施例1と同じ方法で放射性セシウムを除去した。
実施例4
アクリルアミド614mg、4−ビニルフェニルボロン酸142mgおよび2、2’−アゾビスイソブチロニトリル10mgをN、N’−ジメチルホルムアミド6mLに溶かした。以後、アルゴンガスまたは窒素ガスに1時間以上パージングした後、70℃で12時間以上撹拌した。以後、透析を通じて未反応物を除去して、第2高分子を製造した(図9を参照)。これを2重量%で含む水溶液(第2溶液)(pH10)を準備したことを除いて、実施例1と同じ方法で放射性セシウムを除去した。
実施例5
アクリルアミドの代わりに、N、N−ジメチルアクリルアミドを使用し、第2溶液のpHを7.5で準備したことを除いて、実施例4と同じ方法で放射性セシウムを除去した。
比較例1
放射性セシウムによる汚染表面(ペイント、アルミニウム、ステンレススチールおよびセメント)上にスプレーを利用して水を噴射して、放射性セシウムを除去した。
比較例2
放射性セシウムによる汚染表面(ペイント、アルミニウム、ステンレススチールおよびセメント)上にスプレーを利用して0.1MのNHClを噴射して、放射性セシウムを除去した。
比較例3
第1溶液において放射性セシウム除去用吸着剤として、韓国特許登録第10−1658475号の実施例1によって製造されたプルシアンブルーがコートされた磁性吸着剤0.5重量%を排除したことを除いて、実施例1と同じ方法で行った。
比較例4
第1溶液において放射性セシウム除去用吸着剤として、韓国特許登録第10−1658475号の実施例1によって製造されたプルシアンブルーがコートされた磁性吸着剤0.5重量%の代わりに、0.1MのNHClを使用したことを除いて、実施例1と同じ方法で行った。
比較例5
放射性セシウムによる汚染表面(ペイント、アルミニウム、ステンレススチールおよびセメント)上に市販のストリッパブルコート剤として、ディコンジェル(DeconGel)1101を処理して、放射性セシウムを除去した。
実施例1および比較例1〜4により模擬汚染表面(ペイント、アルミニウム、ステンレススチールおよびセメント)に塗布された放射性セシウムを約3時間処理および乾燥して除去した結果、放射性セシウム除去性能を評価した結果は、下記表2に示した。
*R=(A−A)/A×100(A=放射性セシウム除去前の模擬汚染表面の放射性セシウム濃度、A=放射性セシウム除去後の模擬汚染表面の放射性セシウム濃度)
表2に示されたように、実施例1によって模擬汚染表面(ペイントおよびセメント)に塗布された放射性セシウムを除去した結果、比較例1〜4に比べて、放射性セシウム除去性能(R)に顕著に優れていることが確認される。しかも、比較例1〜2とは異なって、大量の汚染水を発生させないという利点を有する。一方で、比較例3〜4の場合、ある程度放射性セシウム除去がなされることが確認されるが、これは、第2高分子内カルボキシル基が陰イオン状態で、陽電荷を呈する放射性セシウムを一部吸着した結果であると見られる。
実施例1および比較例5によって模擬汚染表面(ペイントおよびセメント)に塗布された放射性セシウムを約24時間処理および乾燥して除去した結果、放射性セシウム除去性能を評価した結果は、下記表3に示した。
*R=(A−A)/A×100
*D=A/A
(A=放射性セシウム除去前の模擬汚染表面の放射性セシウム濃度、A=放射性セシウム除去後の模擬汚染表面の放射性セシウム濃度)
表3に示されたように、比較例5の場合、処理時間が24時間であっても、実施例1のように処理時間が24時間である場合だけでなく、3時間である場合に比べても、放射性セシウム除去性能(R)および除染係数(DF)が全部実施例1に比べて低いことが確認される。
前述した本発明の説明は、例示のためのものであり、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者は、本発明の技術的思想や必須の特徴を変更することなく、他の具体的な形態で容易に変形が可能であることが理解できる。したがって、以上で記述した実施例は、すべての面において例示的なものであり、限定的でないものと理解すべきである。

Claims (6)

  1. (a)ヒドロキシ基を含む第1高分子を含有する第1溶液を準備する段階と、
    (b)ボロン酸基が官能基として導入された第2高分子を含有する第2溶液を準備する段階と、
    (c)放射性核種による汚染表面上に前記第1溶液および前記第2溶液をそれぞれ噴射または塗布した後、pH5〜12条件で脱水縮合反応を通じて前記第1高分子および前記第2高分子を互いに架橋結合させて、放射性核種が吸着されたハイドロゲルを形成させる段階とを含み、
    (d)前記放射性核種が吸着されたハイドロゲルを水に沈漬させた後、ハイドロゲルのみを選択的に溶解させるか、または前記放射性核種が吸着されたハイドロゲルのpHを4以下に調節した後、ハイドロゲルのみを選択的に溶解させ、
    前記第1溶液または前記第2溶液に放射性核種除去用吸着剤をさらに含有することを特徴とする、放射性核種の除去方法。
  2. 前記(a)段階で前記第1高分子は、 ポリビニルアルコール、アラビアガム、グアーガム、ローカストビーンガムおよびこれらの誘導体よりなる群から選択された一つ以上である、請求項1に記載の放射性核種の除去方法。
  3. 前記(b)段階で前記第2高分子は、カルボキシル基またはカルボニル基を含む骨格を含む、請求項1に記載の放射性核種の除去方法。
  4. 前記骨格は、アルギネート、ポリスクシンイミド、ポリメチルビニルエーテル−alt−マレイン酸無水物、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリ(N、N−ジメチルアクリルアミド)およびポリビニルピロリドンよりなる群から選択された一つ以上である、請求項3に記載の放射性核種の除去方法。
  5. 前記第1溶液または前記第2溶液に放射性核種とイオン交換可能なイオン交換体をさらに含む、請求項1に記載の放射性核種の除去方法。
  6. 前記(c)段階で放射性核種が吸着されたハイドロゲルの形成後、前記第2高分子と追加架橋結合するための1価、2価または3価イオン溶液をさらに噴射する、請求項に記載の放射性核種の除去方法。
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