以下、本発明の遊技機の第1実施形態を、図面を参照して具体的に説明する。参照される各図において、同一の部分には同一の符号を付し、同一の部分に関する重複する説明を原則として省略する。なお、本明細書では、記述の簡略化上、情報、信号、物理量又は部材等を参照する記号又は符号を記すことによって、該記号又は符号に対する情報、信号、物理量又は部材等の名称を省略又は略記することがある。また、後述の任意のフローチャートにおいて、任意の複数のステップにおける複数の処理は、処理内容に矛盾が生じない範囲で、任意に実行順序を変更できる又は並列に実行できる。
1.遊技機の構造
本発明の遊技機の第1実施形態であるパチンコ遊技機PY1について説明する。最初に、パチンコ遊技機PY1の構造について図1〜図5を用いて説明する。なお、以下の説明において、パチンコ遊技機PY1の各部の左右上下方向は、そのパチンコ遊技機PY1に対面する遊技者にとっての(正面視の)左右上下方向のことである。また、「前方」は、パチンコ遊技機PY1から当該パチンコ遊技機PY1に対面する遊技者に近づく方向とし、「後方」は、パチンコ遊技機PY1に対面する遊技者から当該パチンコ遊技機PY1に近づく方向とする。
図1に示すように、パチンコ遊技機PY1は、遊技機枠2を備えている。遊技機枠2は、外枠22と、その外枠22に対して開閉可能な前扉23とを備えている。さらに、前扉23は、後述する遊技盤ユニットYUが取り付けられる遊技盤取付枠2Aと、遊技盤取付枠2Aにヒンジ2Bを介して回転自在に支持される前枠23mと、を備える。前枠23mは遊技盤取付枠2Aに対して開閉が可能である。前枠23mには、透明板23tが取り付けられている。前枠23mが閉じられているとき、遊技盤取付枠2Aに取り付けられた遊技盤1と透明板23tとは対面する。よって、パチンコ遊技機PY1が遊技店に設置されると、当該パチンコ遊技機PY1の前方にいる遊技者は、透明板23tを通して、遊技盤1に形成された遊技領域6を視認することができる。透明板23tは、透明なガラス板や透明な合成樹脂板等を用いることができる。パチンコ遊技機PY1の前方から遊技領域6を視認可能であればよい。
前枠23mの前面の右下部には、遊技球を発射させるための回転操作が可能なハンドル72kが設けられている。ハンドル72kが操作された量(回転角度)が、遊技球を発射させるために遊技球に与えられる力(後述する発射装置72が発射ソレノイドに駆動させる量)の大きさ(発射強度)に対応付けられている。よって、遊技球は、ハンドル72kの回転操作に応じた発射強度で発射される。また、前枠23mの前面の下部中央には、前方に向けて大きく突出した下部装飾体36が設けられている。下部装飾体36の上面には、ハンドル72kに供給される遊技球を貯留するための上皿34が形成されている。また、下部装飾体36の正面の下部中央には、上皿34に収容しきれない余剰の遊技球を貯留するための下皿35が設けられている。
下部装飾体36の上面の上皿34より前方側には、操作可能な第1入力装置(以下「通常ボタン」)40が設けられている。通常ボタン40は、例えば押下面を有するボタン,把持部を有するレバー等で構成される。また、前枠23mの表面の右縁部から前方に突出して形成されている右部装飾体32において、操作可能な第2入力装置(以下「特殊ボタン」)41が設けられている。特殊ボタン41は、例えば押下面を有するボタン,把持部を有するレバー等で構成される。
また、前枠23mの表面の上部から前方に突出して形成されている上部装飾体31の底面に、音を出力可能なスピーカ52が設けられている。スピーカ52は、左側に配置された左スピーカ52Lと、右側に配置された右スピーカ52Rと、からなる。また、前枠23mの右縁部と、下部装飾体36における正面の下皿35の左側および右側とに、発光可能な枠ランプ53が設けられている。さらに、前枠23mの左縁部および右縁部の上側には、遊技興趣を高めることを目的とする演出装置としての可動式の枠可動装置58が取り付けられている。枠可動装置58は、左側に配置された左枠可動装置58Lと、右側に配置された右枠可動装置58Rと、で構成される。
なお、遊技機枠2に設けられる部材や装置の位置や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
次に、遊技盤ユニットYUについて、主に図2〜図5を用いて説明する。遊技盤ユニットYUは、遊技盤1と、遊技盤1の背面側に取り付けられた演出用ユニット1Uと、を有する。最初に、遊技盤1について説明する。遊技盤1は透明な合成樹脂板で構成されている。遊技盤1の略中央には正面視略円形の開口部1Aが形成されている。開口部1Aに沿って、遊技球が流下可能な遊技領域6を区画するための略リング状の内側壁部1Bが前方に突出して形成されている。また、内側壁部1Bの外側にも、遊技領域6を区画するための略リング状の外側壁部1Cが前方に突出して形成されている。
遊技盤1の前面には、内側壁部1B、外側壁部1Cなどで囲まれた遊技領域6が形成されている。すなわち、遊技盤1の前面が、内側壁部1Bおよび外側壁部1Cによって、遊技領域6とそれ以外の領域とに仕切られている。
遊技領域6は、ハンドル72kの操作によって発射された遊技球が流下可能な領域であり、パチンコ遊技機PY1で遊技を行うために設けられている。なお、遊技領域6には、多数の遊技くぎ(図示なし)が突設されている。遊技くぎは、遊技領域6に進入して遊技領域6を流下する遊技球を、後述する第1始動口11、第2始動口12、一般入賞口10、ゲート13、第1大入賞口14、および、第2大入賞口15などに適度に誘導する経路を構成している。
遊技領域6には、遊技球が入球可能な第1始動口11が形成された第1始動入賞装置11Dと、第2始動口12への入球を可能または不可能にさせる第2始動入賞装置(所謂「電チュー」)12Dと、が設けられている。
第1始動入賞装置11Dは不動である。そのため、第1始動口11は、遊技球の入球し易さが変化せずに一定(不変)である。遊技球の第1始動口11への入賞は、第1特別図柄(以下、「特図1」という)の抽選(後述の特図1関係乱数の取得と判定:以下、「特図1抽選」という)および特図1の可変表示の契機となっている。また、遊技球が第1始動口11へ入賞すると、所定個数(例えば4個)の遊技球が賞球として払い出される。
電チュー12Dは、作動可能な電チュー開閉部材12kを備えている。電チュー開閉部材12kは、通常は(通常状態では)、第2始動口12への遊技球の入球が不可能もしくは極めて困難な閉鎖位置にある。そして、特別状態になると、第2始動口12への遊技球の入球が可能な開放位置に移動する。このように、電チュー開閉部材12kが開放位置に移動することを第2始動口12または電チュー12Dの「開状態」ともいい、開状態であるときだけ遊技球の第2始動口12への入球が可能となる。一方、電チュー開閉部材12kが閉鎖位置にあることを第2始動口12または電チュー12Dの「閉状態」ともいう。また、第2始動口12または電チュー12Dが「開状態」になることを「電チュー12Dが開放する」ともいい、電チュー12Dが「閉状態」になることを「電チュー12Dが閉鎖する」ともいう。
遊技球の第2始動口12への入賞は、第2特別図柄(以下、「特図2」という)の抽選(後述の特図2関係乱数の取得と判定:以下、「特図2抽選」という)および特図2の可変表示の契機となっている。また、遊技球が第2始動口12へ入賞すると、所定個数(例えば4個)の遊技球が賞球として払い出される。
また、遊技領域6には、遊技球が入球可能な一般入賞口10が設けられている。遊技球が一般入賞口10へ入賞すると、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出される。
また、遊技領域6には、遊技球が通過可能なゲート13が設けられている。遊技球のゲート13の通過は、普通図柄(以下、「普図」という)の抽選(すなわち普通図柄乱数の取得と判定:以下、「普図抽選」という)および普図の可変表示の契機となっている。補助遊技が実行されることによって電チュー12Dを開放する。すなわち、補助遊技は、電チュー12Dの開放を伴う遊技である。
また、遊技領域6には、遊技球が入球可能な第1大入賞口14が形成された第1大入賞装置14D(以下、「通常AT14D」ともいう)が設けられている。
第1大入賞装置14Dは、開状態と閉状態とに作動可能な通常AT開閉部材14kを備える。通常AT開閉部材14kの作動により第1大入賞口14が開閉する。通常AT開閉部材14kは、通常では第1大入賞口14を塞ぐ閉状態になっており、遊技球が第1大入賞口14の中に入球することは不可能もしくは極めて困難である。通常AT開閉部材14kが開状態に作動すると、遊技球が第1大入賞口14の中に入球することが可能になる。このように、通常AT開閉部材14kが開状態であるときだけ遊技球の第1大入賞口14への入球が可能となる。遊技球が第1大入賞口14へ入賞すると、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。
また、遊技領域6には、遊技球を第2始動口12へ誘導する誘導ステージ12gが設けられている。なお、誘導ステージ12gの上面を転動する遊技球は、第2始動口12の方へ向かって流下可能である。
また、遊技領域6には、遊技球が入球可能な第2大入賞口15が形成された第2大入賞装置15D(以下、「VAT15D」ともいう)が設けられている。第2大入賞装置15Dは、作動可能なVAT開閉部材15kを備えている。VAT開閉部材15kは、通常では第2大入賞口15を塞いでおり、遊技球が第2大入賞口15に入球することは不可能もしくは極めて困難である。VAT開閉部材15kは開状態をとることができる。VAT開閉部材15kが開状態であると遊技球の第2大入賞口15への入球が容易となる。一方、VAT開閉部材15kが第2大入賞口15を塞いでいる状態を「閉状態」ともいう。このように、VAT開閉部材15kの作動によって第2大入賞口15が開閉する。遊技球が第2大入賞口15へ入賞すると、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。
ここで、図3を用いて、第2大入賞装置15Dについて詳細に説明する。第2大入賞装置15Dの内部には、第2大入賞口15に入球した遊技球を検知し、遊技球を下方へ通過させることが可能なゲート状の第2大入賞口センサ15aが設けられている。
第2大入賞口センサ15aの下流域には、遊技球が通過(進入)可能な特定領域16と非特定領域17とが設けられている。第2大入賞口センサ15aを通過した遊技球は、振分装置16Dによって、特定領域16か非特定領域17かに振り分けられる。振分装置16Dは、略矩形状の平板からなる振分部材16kと、振分部材16kを駆動する振分ソレノイド16sとを備えている。振分部材16kは、振分ソレノイド16sの駆動により、左右にスライド可能に構成されている。
振分ソレノイド16sが通電されていないとき、振分部材16kは特定領域16への遊技球の通過を妨げる第1状態(通過阻止状態:図3(A)の正面視で振分部材16kの左端が特定領域16の左端よりやや右側に位置し、振分部材16kが特定領域16をその直上で覆う状態)にある。振分部材16kが第1状態にあるときは、第2大入賞口15に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ15aを通過した後、特定領域16を通過することは不可能もしくは極めて困難であり、非特定領域17を通過する。この第2大入賞口15から非特定領域17まで流下する遊技球のルートを第1のルートという。
一方、振分ソレノイド16sが通電されているとき、振分部材16kは遊技球の特定領域16の通過(進入)を許容する第2状態(通過許容状態:図3(B)の正面視で振分部材16kの左端が特定領域16の右端よりやや左側に位置し、振分部材16kが特定領域16をその直上で覆わず、特定領域16の直上が開放している状態)にある。振分部材16kが第2状態にあるときは、第2大入賞口15に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ15aを通過したあと特定領域16を通過容易である。この第2大入賞口15から特定領域16まで流下する遊技球のルートを第2のルートという。
なお、基本的に、振分部材16kは第1状態で保持されている。すなわち、第1状態が、振分部材16kの通常の状態であるといえる。そして、所定のラウンド遊技(例えば16R)においてのみ、振分ソレノイド16sが通電され、第2状態に変化することができる。
特定領域16と非特定領域17には、各領域16、17を通過(進入)した遊技球を検知し、遊技球を下方へ通過させる特定領域センサ16a、非特定領域センサ17aが設けられている。
なお、第1大入賞装置14Dおよび第2大入賞装置15Dは、遊技に支障をきたさない範囲で、一方だけを設けるようにすることが可能である。
また、遊技領域6の略最下部には、遊技領域6へ打ち込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域6の外部へ排出する2つのアウト口19が設けられている。また、遊技盤1には、発光可能な盤ランプ54が設けられている。
ところで、遊技球が流下可能な遊技領域6は、左右方向の中央より左側の左遊技領域(第1遊技領域)と、右側の右遊技領域(第2遊技領域)と、に分けることができる。遊技球が左遊技領域を流下するように遊技球を発射させるハンドル72kの操作態様を「左打ち」という。一方、遊技球が右遊技領域を流下するように遊技球を発射させるハンドル72kの操作態様を「右打ち」という。パチンコ遊技機PY1において、左打ちにて遊技球を発射したときに遊技球が流下可能な流路を、第1流路R1といい、右打ちにて遊技球を発射したときに遊技球が流下可能な流路を、第2流路R2という。第1流路R1および第2流路R2は、多数の遊技くぎなどによっても構成されている。
第1流路R1上には、第1始動口11と、2つの一般入賞口10と、が設けられている。よって、遊技者は、左打ちにより第1流路R1を流下するように遊技球を発射させることで、第1始動口11、または、一般入賞口10への入賞を狙うことができる。一方、第2流路R2上には、第2始動口12と、ゲート13と、第1大入賞口14と、第2大入賞口15と、が設けられている。よって、遊技者は、右打ちにより第2流路R2を流下するように遊技球を発射させることで、ゲート13の通過や、第2始動口12、第1大入賞口14、または、第2大入賞口15への入賞を狙うことができる。
なお、何れの入賞口(第1始動口11、第2始動口12、一般入賞口10、第1大入賞口14、および第2大入賞口15)にも入球しなかった遊技球は、アウト口19へ誘導されて排出される。また、各入賞口への入賞による賞球数は、適宜に設定することが可能である。
また、遊技盤1の前面に形成された遊技領域6の下方の左隣(遊技領域6以外の部分)には表示器類8が配置されている。図4に示すように、表示器類8には、特図1を可変表示する特図1表示器81a、特図2を可変表示する特図2表示器81b、及び、普図を可変表示する普図表示器82が含まれている。また、表示器類8には、後述する特図1保留数(U1:特図1表示器81aによる特図1の可変表示が保留されている数)を表示する特図1保留表示器83a、および後述する特図2保留数(U2:特図2表示器81bによる特図2の可変表示が保留されている数)を表示する特図2保留表示器83bが含まれている。
特図1の可変表示は、第1始動口11への遊技球の入賞を契機に特図1抽選が行われると実行される。また、特図2の可変表示は、第2始動口12への遊技球の入賞を契機に特図2抽選が行われると実行される。なお、以下の説明では、特図1および特図2を総称して特図といい、特図1抽選および特図2抽選を総称して特図抽選という。また、特図1表示器81aおよび特図2表示器81bを総称して特図表示器81という。さらに、特図1保留表示器83aおよび特図2保留表示器83bを総称して特図保留表示器83という。
特図の可変表示は、特図抽選の結果を報知する。特図の可変表示では、特図が可変表示したあと停止表示する。停止表示される特図(停止特図、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特図抽選によって複数種類の特図の中から選択された一つの特図である。停止特図が予め定めた特定の特図(特定の停止態様の特図すなわち大当たり図柄)である場合には、大入賞口(第1大入賞口14及び第2大入賞口15)を開放させる大当たり遊技(特別遊技の一例)が行われる。
特図表示器81は、例えば横並びに配された8個のLED(Light Emitting Diode)から構成され、その点灯態様によって特図抽選の結果に応じた特図を表示する。例えば特図抽選の結果が大当たり(後述の複数種類の大当たりのうちの一つ)である場合には、特図表示器81は、「□□■■□□■■」(□:点灯、■:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDの点灯で構成される大当たり図柄を表示する。また、特図抽選の結果がハズレである場合には、特図表示器81「■■■■■■■□」というように一番右にあるLEDのみの点灯で構成されるハズレ図柄を表示する。なお、特図抽選の結果に対応するLEDの点灯態様は限定されず、適宜に設定することができる。よって、例えば、ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させてもよい。
また、特図の可変表示において、特図が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特図の可変表示がなされる。特図の可変表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯する態様である。なお、特図の可変表示の態様は、特に限定されず、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなど適宜に設定してよい。
ところで、パチンコ遊技機PY1では、第1始動口11または第2始動口12への遊技球の入賞(入球)があると、特図抽選などを行うための各種乱数(数値情報や判定情報の一例)が取得されることがある。この各種乱数は、特図保留として後述の特図保留記憶部105に一旦記憶される。なお、以下において、第1始動口11への遊技球の入賞(入球)により取得された各種乱数のことを「特図1関係乱数」といい、第2始動口12への遊技球の入賞(入球)により取得された各種乱数のことを「特図2関係乱数」という。ここで、特図1関係乱数は、特図1保留として、特図保留記憶部105の中の特図1保留記憶部105aに記憶される。一方、特図2関係乱数は、特図2保留として、特図保留記憶部105の中の特図2保留記憶部105bに記憶される。特図1保留記憶部105aに記憶可能な特図1保留の数(特図1保留数)および特図2保留記憶部105bに記憶可能な特図2保留の数(特図2保留数)には上限(例えば4個)を設定することが可能である。なお、以下において、特図1保留と特図2保留を総称して「特図保留」といい、特図1保留数と特図2保留数を総称して「特図保留数」という。また、特図1関係乱数と特図2関係乱数とを総称して「特図関係乱数」という。
パチンコ遊技機PY1では、遊技球が第1始動口11または第2始動口12へ入賞した後すぐに特図の可変表示が行われない場合、具体的には、特図の可変表示の実行中や大当たり遊技の実行中に入賞があった場合、その入賞に対する特図の可変表示(あるいは、特図抽選の権利)を留保することができる。特図保留記憶部105に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特図の可変表示が可能となったときに消化される。すなわち、特図保留の消化とは、その特図保留に対応する特図関係乱数等を判定して、その判定結果を示すための特図の可変表示を実行することをいう。
そして、特図保留数は、特図保留表示器83に表示される。特図1保留表示器83aと特図2保留表示器83bのそれぞれは、例えば4個のLEDで構成されており、特図保留数の分だけLEDを点灯させることにより特図保留数を表示することが可能である。
また、普図の可変表示は、普図抽選の結果を報知する。普図の可変表示では、普図が可変表示したあと停止表示する。停止表示される普図(停止普図、可変表示の表示結果として導出表示される普図)は、普図抽選によって複数種類の普図の中から選択された一つの普図である。停止表示された普図が予め定めた特定の普図(所定の停止態様の普図すなわち当たり図柄)である場合には、第2始動口12(電チュー12D)を開放させる補助遊技が行われる。
普図表示器82は、例えば2個のLEDから構成されており、その点灯態様によって普図抽選の結果に応じた普図を表示する。普図抽選の結果が当たりである場合には、普図表示器82は、「□□」(□:点灯、■:消灯)というように両LEDの点灯で構成される当たり図柄を表示する。また普図抽選の結果がハズレである場合には、「■□」というように右のLEDのみの点灯で構成されるハズレ図柄を表示する。ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なお、普図抽選の結果に対応するLEDの点灯態様は限定されず、適宜に設定することができる。
また、普図が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普図の可変表示が行われる。普図の可変表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯するという態様である。なお、普図の可変表示の態様は、特に限定されず、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなど適宜に設定してもよい。
パチンコ遊技機PY1では、遊技球がゲート13を通過すると、普図抽選を行うための普通図柄乱数(数値情報や判定情報の一例)が取得されることがある。この乱数は、普図の可変表示または補助遊技が実行されていないことを条件に、後述の普図保留記憶部106に記憶される。普図保留記憶部106に記憶可能な普図保留の数(普図保留数)には上限(例えば4個)を設定することが可能である。なお、以下において、遊技球がゲート13を通過することにより取得された普通図柄乱数のことを「普図関係乱数」ともいう。
次に、図5を用いて、遊技盤1の背面に取り付けられた演出用ユニット1Uについて説明する。演出用ユニット1Uは、主に演出を行う複数の装置をユニット化したものである。演出用ユニット1Uには、画像表示装置50、第1盤可動装置(以下「盤上可動装置」)55、第2盤可動装置(以下「盤下可動装置」)56が搭載されている。
画像表示装置50は、例えば20インチの3D液晶ディスプレイ,ドット表示器,7セグ表示器等で構成され、図柄等を表示可能な表示部50aを具備する。
盤上可動装置55は、表示部50aよりも前方に配置され、表示部50aに沿って移動可能であり、装飾が施された盤上可動体55kを具備する。盤下可動装置56は、表示部50aよりも前方に配置され、表示部50aに沿って移動可能であり、装飾が施された盤下可動体56kを具備する。
図5(A)は、盤上可動体55kおよび盤下可動体56kが作動していない通常の待機状態(初期位置)で保持されている様子を概略化して表している。盤上可動装置55の駆動源が駆動すると、盤上可動体55kは下向きに移動(下降)し、盤下可動装置56の駆動源が駆動すると、盤下可動体56kは上向きに移動(上昇)する。このとき、画像表示装置50は下降した盤上可動体55kまたは上昇した盤下可動体56kに覆われ、画像表示装置50は視認困難となる。
なお、遊技盤ユニットYUに設けられる部材や装置の位置や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
2.遊技機の電気的構成
次に、図6〜図7に基づいて、パチンコ遊技機PY1における電気的な構成を説明する。図6〜図7に示すように、パチンコ遊技機PY1は、特図抽選、特図の可変表示、大当たり遊技、後述する遊技状態の設定、普図抽選、普図の可変表示、補助遊技などの遊技利益に関する制御(遊技の進行)を行う遊技制御基板(以下「主制御基板」)100、主制御基板100による遊技の進行に応じた遊技演出(特図変動演出、保留演出、大当たり遊技演出)、客待ち演出、通常ボタン40や特殊ボタン41の操作が有効な期間(操作有効期間)において操作を促す操作促進演出などの演出に関する制御を行う演出制御基板、以下「サブ制御基板」)120、および、遊技球の払い出しに関する制御などを行う払出制御基板170等を、遊技盤1の画像表示装置50よりさらに背面側に備えている。主制御基板100を、遊技の制御を行う遊技制御部と位置づけることができる。また、サブ制御基板120を、後述する画像制御基板140、ランプ制御回路151、および音声制御回路161とともに、演出の制御を行う演出制御部と位置づけることができる。なお、演出制御部は、少なくともサブ制御基板120を備え、演出手段(画像表示装置50、スピーカ52、枠ランプ53、盤ランプ54、および、可動装置55,56等)を用いた遊技演出、客待ち演出、および操作促進演出を制御可能であればよい。
また、パチンコ遊技機PY1は、電源基板190を備えている。電源基板190は、主制御基板100、サブ制御基板120、及び払出制御基板170に対して電力を供給するとともに、これらの基板を介してその他の機器に対して必要な電力を供給する。電源基板190には、バックアップ電源回路192が設けられている。バックアップ電源回路192は、パチンコ遊技機PY1に対して電力が供給されていない場合に、後述する主制御基板100の遊技用RAM104やサブ制御基板120の演出用RAM124に対して電力を供給する。従って、主制御基板100の遊技用RAM104やサブ制御基板120の演出用RAM124に記憶されている情報は、パチンコ遊技機PY1の電断時であっても保持される。また、電源基板190には、電源スイッチ191が接続されている。電源スイッチ191のON操作またはOFF操作により、電源の投入と遮断とが切り換えられる。なお、主制御基板100の遊技用RAM104に対するバックアップ電源回路を主制御基板100に設けたり、サブ制御基板120の演出用RAM124に対するバックアップ電源回路をサブ制御基板120に設けたりしてもよい。
図6に示すように、主制御基板100には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)101が実装されている。遊技制御用マイコン101には、遊技の進行を制御するためのプログラムやテーブル等を記憶した遊技用ROM(Read Only Memory)103、ワークメモリとして使用される遊技用RAM(Random Access Memory)104、および遊技用ROM103に記憶されたプログラムを実行する遊技用CPU(Central Processing Unit)102が含まれている。
遊技用ROM103には、後述する主制御メイン処理やメイン側タイマ割り込み処理などを行うためのプログラムが格納されている。また、遊技用ROM103には、後述する大当たり判定テーブル、大当たり図柄種別判定テーブル、リーチ判定テーブル、特図変動パターン判定テーブル、先読み判定テーブル、大当たり遊技制御テーブル、当たり判定テーブル、普図変動パターン判定テーブル、補助遊技制御テーブルなどが格納されている。なお、遊技用ROM103は外付けであってもよい。また、遊技用RAM104には、前述した特図保留記憶部105や普図保留記憶部106などが設けられている。
また、主制御基板100には、データや信号の入出力を行うための遊技用I/O(Input/Output)ポート部118、および遊技用RAM104に記憶されている情報を遊技用CPU102にクリアさせるためのRAMクリアスイッチ119が実装されている。
主制御基板100には、所定の中継基板(図示なし)を介して各種センサ類MSや各種アクチュエータ類MAが接続されている。そのため、主制御基板100には、各種センサ類MSが出力した信号が入力する。また、主制御基板100は、各種アクチュエータ類MAに信号を出力する。
主制御基板100に接続されている各種センサ類MSには、第1始動口11に入賞した遊技球を検知する第1始動口センサ、第2始動口12に入賞した遊技球を検知する第2始動口センサ、一般入賞口10に入賞した遊技球を検知する一般入賞口センサ、ゲート13を通過した遊技球を検知するゲートセンサ、第1大入賞口14に入賞した遊技球を検知する第1大入賞口センサ、第2大入賞口15に入賞した遊技球を検知する第2大入賞口センサ15a、特定領域16を通過(特定領域16に進入)した遊技球を検知する特定領域センサ16a、および、非特定領域17を通過(非特定領域17に進入)した遊技球を検知する非特定領域センサ17aが含まれている。各センサは、遊技球を検知すると、その検知内容に応じた信号を主制御基板100に出力する。なお、主制御基板100に接続されるセンサの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
また、主制御基板100に接続されている各種アクチュエータ類MAには、電チュー12Dの電チュー開閉部材12kを駆動する電チューソレノイド、第1大入賞装置14Dの通常AT開閉部材14kを駆動する第1大入賞口ソレノイド、第2大入賞装置15DのVAT開閉部材15kを駆動する第2大入賞口ソレノイド、および、振分装置16Dの振分部材16kを駆動する振分ソレノイド16sが含まれている。なお、主制御基板100に接続されるアクチュエータの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
さらに主制御基板100には、表示器類8(特図表示器81、普図表示器82、および、特図保留表示器83)が接続されている。これらの表示器類8の表示制御は、遊技制御用マイコン101によりなされる。
また主制御基板100は、払出制御基板170に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板170から信号を受信する。払出制御基板170には、カードユニットCU(パチンコ遊技機PY1に隣接して設置され、挿入されているプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)、および賞球払出装置73が接続されているとともに、発射制御回路175を介して発射装置72が接続されている。なお、発射装置72には、ハンドル72k(図1参照)が含まれる。
払出制御基板170は、遊技制御用マイコン101からの信号や、接続されたカードユニットCUからの信号に基づいて、賞球払出装置73や貸球払出装置74を用いて、賞球の払い出しを行ったり、貸球の払い出しを行ったりする。払い出される遊技球の数は、払出制御基板170に出力される。
また、発射装置72には、遊技者などの人のハンドル72k(図1参照)への接触を検知可能なタッチスイッチが設けられている。遊技者によるハンドル72kの操作があった場合には、タッチスイッチが遊技者のハンドル72kへの接触を検知し、検知信号を払出制御基板170に出力する。また、発射装置72には、ハンドル72kの回転角度(操作量)を検出可能な発射ボリュームつまみが接続されている。発射装置72は、発射ボリュームつまみが検出したハンドル72kの回転角度に応じた強さで遊技球が発射されるよう発射ソレノイドを駆動させる。なお、パチンコ遊技機PY1においては、ハンドル72kへの回転操作が維持されている状態では、約0.6秒毎に1球の遊技球が発射されるようになっている。
また主制御基板100は、遊技の進行に応じて、サブ制御基板120に対し、遊技に関する情報を含んだ各種コマンドを送信する。サブ制御基板120は、主制御基板100から送られる各種コマンドに基づいて、主制御基板100による遊技の進行状況(遊技の制御内容)を把握することができる。なお、主制御基板100とサブ制御基板120との接続は、主制御基板100からサブ制御基板120への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板100とサブ制御基板120との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図7に示すように、サブ制御基板120には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)121が実装されている。演出制御用マイコン121には、主制御基板100による遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶した演出用ROM123、ワークメモリとして使用される演出用RAM124、および演出用ROM123に記憶されたプログラムを実行する演出用CPU122が含まれている。
また、演出用ROM123には、後述するサブ制御メイン処理、受信割り込み処理、および、サブ側タイマ割り込み処理などを行うためのプログラムが格納されている。なお、演出用ROM123は外付けであってもよい。
また、サブ制御基板120には、データや信号の入出力を行うための演出用I/Oポート部138、およびRTC(Real Time Clock)139が実装されている。RTC139は、現時点の日時(日付及び時刻)を計測する。RTC139は、パチンコ遊技機PY1に、所定の島電源供給装置(図示なし)から電力が供給されているときにはその電力によって動作し、島電源供給装置から電力が供給されていないときには、電源基板190が備えるバックアップ電源回路192から供給される電力によって動作する。このため、RTC139は、パチンコ遊技機PY1の電源が投入されていないときにも現在の日時を計測することが可能である。なお、RTC139に対するバックアップ電源回路をサブ制御基板120に設けてもよい。バックアップ電源回路には、コンデンサや内蔵電池(ボタン電池等)を含む回路を採用することができる。
サブ制御基板120には、画像制御基板140が接続されている。サブ制御基板120の演出制御用マイコン121は、主制御基板100から受信したコマンドに基づいて、すなわち、主制御基板100による遊技の進行に応じて、画像制御基板140の画像用CPU141に画像表示装置50の表示制御を行わせる。なお、サブ制御基板120と画像制御基板140との接続は、サブ制御基板120から画像制御基板140への信号の送信と、画像制御基板140からサブ制御基板120への信号の送信の双方が可能な双方向通信接続となっている。
画像制御基板140は、画像制御のためのプログラム等を記憶した画像用ROM142、ワークメモリとして使用される画像用RAM143、及び、画像用ROM142に記憶されたプログラムを実行する画像用CPU141を備えている。また、画像制御基板140は、画像表示装置50に表示される画像のデータを記憶したCGROM145、CGROM145に記憶されている画像データの展開等に使用されるVRAM146、及び、VDP(Video Display Processor)144を備えている。勿論、これらの電子部品の全部又は一部がワンチップで構成されていてもよい。CGROM145には、例えば、画像表示装置50に表示される画像を表示するための画像データ(静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像等の画像データ)が格納されている。
VDP144は、演出制御用マイコン121からの指令に基づき画像用CPU141によって作成されるディスプレイリストに従って、CGROM145から画像データを読み出してVRAM146内の展開領域に展開する。そして、展開した画像データを適宜合成してVRAM146内のフレームバッファに画像を描画する。そしてフレームバッファに描画した画像をRGB信号として画像表示装置50に出力する。これにより、種々の演出画像が表示部50aに表示される。
なお、ディスプレイリストは、フレーム単位で描画の実行を指示するためのコマンド群で構成されている。ディスプレイリストには、描画する画像の種類、画像を描画する位置、表示の優先順位、表示倍率、画像の透過率等の種々のパラメータの情報が含まれている。
演出制御用マイコン121は、主制御基板100から受信したコマンドに基づいて、すなわち、主制御基板100による遊技の進行に応じて、音声制御回路161を介してスピーカ52から音声、楽曲、効果音等を出力する。
スピーカ52から出力する音声等の音声データは、サブ制御基板120の演出用ROM123に格納されている。なお、音声制御回路161を、基板にしてCPUを実装してもよい。この場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、基板にROMを実装し、そのROMに音声データを格納してもよい。また、スピーカ52を画像制御基板140に接続し、画像制御基板140の画像用CPU141に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板140の画像用ROM142に音声データを格納してもよい。
また、サブ制御基板120には、所定の中継基板(図示なし)を介して、入力部となる各種スイッチ類、駆動源となる各種アクチュエータ類SA、各種ランプ類SLが接続されている。サブ制御基板120には、各種スイッチ類が出力した信号が入力する。また、サブ制御基板120は、各種アクチュエータ類SAに信号を出力する。また、サブ制御基板120は、主制御基板100から受信したコマンドなどに基づいて、ランプ制御回路151を介して各種ランプ類SLの点灯制御を行う。
サブ制御基板120に接続されている各種スイッチ類には、通常ボタン検出スイッチ40aおよび特殊ボタン検出スイッチ41aが含まれている。通常ボタン検出スイッチ40aは、通常ボタン40が押下操作されたことを検出する。特殊ボタン検出スイッチ41aは、特殊ボタン41が押下操作されたことを検出する。各検出スイッチ40a,41aは、検出内容に応じた信号をサブ制御基板120に出力する。なお、サブ制御基板120に接続されるスイッチの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
サブ制御基板120に接続された各種アクチュエータ類SAには、盤上可動装置55,盤下可動装置56,枠可動装置58等を駆動するモータが含まれ、モータを駆動して、各可動装置に所定の動作を行わせることが可能である。詳細には演出制御用マイコン121は、各可動装置の動作態様を決める動作パターンデータを作成し、ランプ制御回路151を介して、各可動装置の動作を制御する。なお、サブ制御基板120に接続されるアクチュエータの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
サブ制御基板120に接続された各種ランプ類SLには、枠ランプ53,盤ランプ54等が含まれ、各ランプを発光させる。詳細には演出制御用マイコン121は、各ランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って各ランプの発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成にはサブ制御基板120の演出用ROM123に格納されているデータを用いる。
なお、ランプ制御回路151を基板にしてCPUを実装してもよい。この場合、そのCPUに、各ランプの点灯制御、および、各可動装置の動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、基板にROMを実装して、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。また、サブ制御基板120に接続されるランプの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
3.遊技機による主な遊技
次に、パチンコ遊技機PY1により行われる主な遊技について、図8〜図15を用いて説明する。
3−1.普図に関わる遊技
最初に、普図に関わる遊技について説明する。パチンコ遊技機PY1は、発射された遊技球がゲート13を通過すると、普図抽選を行う。普図抽選を行うと、普図表示器82において、普図の可変表示(変動表示を行った後に停止表示)を行う。ここで、停止表示される普図には、当たり図柄とハズレ図柄とがある。なお、普図のハズレ図柄については、後述する特図のハズレ図柄と区別をするために「ハズレ普図」ともいう。当たり図柄が停止表示されると補助遊技が実行されて、当該ゲート13の通過に係る遊技が終了する。一方、ハズレ普図が停止表示されると、補助遊技は行われず、当該ゲート13の通過に係る遊技が終了する。また、以下において、普図の可変表示または補助遊技が行われていないときに遊技球がゲート13を通過することを「普図変動始動条件の成立」という。
パチンコ遊技機PY1は、このような一連の遊技(普図抽選、普図の可変表示、補助遊技)を行うにあたり、普図変動始動条件の成立により、普図関係乱数を取得する。取得する普図関係乱数には、図8(A)に示すように、普通図柄乱数がある。普通図柄乱数は当たり判定を行うための乱数(判定情報)である。各乱数には、適宜に範囲が設けられている。
3−1−1.当たり判定
当たり判定は、図9(A)に示すような1または複数の当たり判定テーブルを用いて、当たりか否か(補助遊技を実行するか否か)を決定するための判定である。当たり判定テーブルは、後述する遊技状態に関連付けることが可能である。すなわち、遊技状態には非時短状態と時短状態とが含まれ、当たり判定テーブルとして、非時短状態で用いる当たり判定テーブル(非時短用当たり判定テーブル)と、時短状態で用いる当たり判定テーブル(時短用当たり判定テーブル)と、を区別することが可能である。各当たり判定テーブルでは、当たり判定の結果である当たりとハズレに、普通図柄乱数の判定値(普通図柄乱数値)が振り分けられている。よって、パチンコ遊技機PY1は、取得した普通図柄乱数を当たり判定テーブルに照合して、当たりかハズレかの当たり判定を行う。そして、当たり判定の結果に基づいて、普図の可変表示を行うための普図変動パターン判定を行う。当たり判定の結果が当たりであると、基本的には、普図の可変表示で当たり図柄が停止表示される。一方、当たり判定の結果がハズレであると、基本的には、普図の可変表示でハズレ普図が停止表示される。また、当たりの当選確率については、適宜に変更することが可能である。
3−1−2.普図変動
普図変動パターン判定は、図9(B)に示すような1または複数の普図変動パターン判定テーブルを用いて、普図変動パターンを決定するための判定である。普図変動パターンとは、普図変動時間などの普図の可変表示に関する所定事項に関する識別情報である。
普図変動パターン判定テーブルは、遊技状態に関連付けることが可能である。すなわち、普図変動パターン判定テーブルとして、非時短状態のときに用いられる普図変動パターン判定テーブル(非時短普図変動パターン判定テーブル)と、時短状態のときに用いられる普図変動パターン判定テーブル(時短普図変動パターン判定テーブル)と、を区別することが可能である。
各普図変動パターン判定テーブルには、普図変動パターン判定の結果である普図変動パターンが、停止される普図毎に1つ格納されている。すなわち、パチンコ遊技機PY1は、非時短状態においてと時短状態においてとで、普図変動時間を異ならせることが可能である。例えば、非時短状態においては、ハズレの普図(ハズレ普図)を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が例えば30秒となる普図変動パターンに決定し、当たり図柄を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が例えば30秒となる普図変動パターンに決定する。また、時短状態においては、ハズレ普図を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が例えば5秒となる普図変動パターンに決定し、当たり図柄を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が例えば5秒となる普図変動パターンに決定する。この判定で決定された普図変動パターンに対応付けられた普図変動時間の普図の可変表示が、普図表示器82で行われる。また、これら普図変動時間については、適宜に変更することが可能である。このように、当たり判定、および、普図変動パターン判定が行われることによって、普図表示器82において普図の可変表示が行われる。
3−1−3.補助遊技
補助遊技は、普図の可変表示で、表示結果(普図抽選の結果)として、当たり図柄が停止表示(導出)されると実行される。
補助遊技は、補助遊技を構成する要素(補助遊技構成要素)、すなわち、電チュー12Dが開放する回数、および各開放についての開放時間などの様々な要素が含まれている。そして、これらの各要素は、遊技状態に対応付けられている。パチンコ遊技機PY1は、遊技状態に基づいて、図9(C)に示すような1または複数の補助遊技制御テーブルを用いて補助遊技を制御する。補助遊技制御テーブルは、遊技状態に対応付けられている。各補助遊技制御テーブルには、補助遊技構成要素が格納されている。また、これらの各要素における開放回数や開放時間については、適宜に変更することが可能である。
パチンコ遊技機PY1は、非時短状態における補助遊技と時短状態における補助遊技とで、電チュー12Dの開放時間を異ならせることが可能である。例えば、非時短状態における補助遊技では、第1の開放時間(遊技球を電チュー12Dに入賞させるのが困難な時間(例えば0.08秒))だけ電チュー12Dを開放する。なお、以下において、非時短状態における補助遊技のことを「ショート開放補助遊技」ともいう。また、時短状態における補助遊技では、第1の開放時間よりも長い第2の開放時間(遊技球を電チュー12Dに入賞させるのが容易な時間(例えば3.00秒))だけ電チュー12Dを開放する。なお、以下において、時短状態における補助遊技のことを「ロング開放補助遊技」ともいう。
3−2.特図に関わる遊技
次に、特図に関わる遊技について説明する。パチンコ遊技機PY1は、発射された遊技球が第1始動口11に入賞すると、特図1抽選を行う。特図1抽選が行われると、特図1表示器81aにおいて、特図1の可変表示(変動表示を行った後に停止表示)を行って、特図1抽選の結果を報知する。ここで、停止表示される特図1には、大当たり図柄およびハズレ図柄がある。すなわち、特図1抽選の結果には大当たり、およびハズレがある。大当たり図柄が停止表示されると大当たり遊技が実行され、新たな遊技状態が設定されて、当該入賞に基づく遊技が終了する。一方、ハズレ図柄が停止表示されると、大当たり遊技が行われず、当該入賞に基づく遊技が終了する。
同様に、パチンコ遊技機PY1は、発射された遊技球が第2始動口12に入賞すると、特図2抽選を行う。特図2抽選が行われると、特図2表示器81bにおいて、特図2の可変表示(変動表示を行った後に停止表示)を行って、特図2抽選の結果を報知する。ここで、停止表示される特図2には、大当たり図柄、およびハズレ図柄がある。すなわち、特図2抽選の結果には、大当たり、およびハズレがある。大当たり図柄が停止表示されると大当たり遊技が実行され、新たな遊技状態が設定されて、当該入賞に基づく遊技が終了する。一方、ハズレ図柄が停止表示されると大当たり遊技が行われず、当該入賞に基づく遊技が終了する。
なお、以下において、第1始動口11に遊技球が入賞することを「第1始動条件の成立」といい、第2始動口12に遊技球が入賞することを「第2始動条件の成立」という。また、「第1始動条件の成立」と「第2始動条件の成立」をまとめて「始動条件の成立」と総称する。また、特別図柄のハズレ図柄については、前述の普図のハズレ図柄と区別するために「ハズレ特図」ともいう。
パチンコ遊技機PY1は、このような一連の遊技(特図抽選、特図の可変表示、大当たり遊技、遊技状態の設定)を行うにあたり、始動条件の成立により、特図関係乱数を取得し、当該乱数について種々の判定を行う。取得する特図関係乱数には、図8(B)に示すように、特別図柄乱数(大当たり乱数)、大当たり図柄種別乱数、リーチ乱数および特図変動パターン乱数がある。特別図柄乱数は大当たり判定を行うための乱数である。大当たり図柄種別乱数は大当たり図柄種別判定を行うための乱数である。リーチ乱数はリーチ判定を行うための乱数である。特図変動パターン乱数は特別図柄の変動パターン判定を行うための乱数である。各乱数には、適宜に範囲が設けられている。なお、乱数を判定情報と言うこともある。
3−2−1.大当たり判定
大当たり判定は、図10(A)に示すような1または複数の大当たり判定テーブルを用いて、大当たりか否か(大当たり遊技を実行するか否か)を決定するための判定である。遊技状態には、通常確率状態と高確率状態とが含まれ、大当たり判定テーブルは、通常確率状態であるか高確率状態であるかに関連付けられている。すなわち、大当たり判定テーブルとして、通常確率状態において用いられる大当たり判定テーブル(通常確率用大当たり判定テーブル)と、高確率状態において用いられる大当たり判定テーブル(高確率用大当たり判定テーブル)と、を区別することが可能である。
各大当たり判定テーブルでは、大当たり判定の結果である大当たり、およびハズレに、特別図柄乱数の判定値(特別図柄乱数値)が振り分けられている。パチンコ遊技機PY1は、取得した特別図柄乱数を大当たり判定テーブルに照合して、大当たり、またはハズレの何れであるかを判定する。図10(A)に示すように、高確率用大当たり判定テーブルの方が、通常確率用大当たり判定テーブルよりも、大当たりと判定される特別図柄乱数判定値が多く設定されている。また、大当たりの当選確率については、適宜に変更することが可能である。
3−2−2.大当たり図柄種別判定
大当たり図柄種別判定は、大当たり判定の結果が大当たりである場合に、図10(B)に示すような1または複数の大当たり図柄種別判定テーブルを用いて大当たり図柄の種別(大当たり図柄種別)を決定するための判定である。大当たり図柄の種別毎に、大当たりの内容、換言すれば、遊技者に付与される遊技特典などで構成される大当たりの構成要素を対応付けることが可能である。
大当たり図柄種別判定テーブルは、可変表示される特別図柄の種別、言い換えれば、当該大当たり図柄種別判定が起因する(当該大当たり図柄種別判定を発生させた)入賞が行われた始動口の種別に関連付けることが可能である。すなわち、大当たり図柄種別判定テーブルとして、特図1の可変表示を行うときに用いられる大当たり図柄種別判定テーブル(第1大当たり図柄種別判定テーブル)と、特図2の可変表示を行うときに用いられる大当たり図柄種別判定テーブル(第2大当たり図柄種別判定テーブル)と、を区別することが可能である。
大当たり図柄には複数種類の種別があり、各大当たり図柄種別判定テーブルでは、大当たり図柄種別判定の結果である大当たり図柄種別に、大当たり図柄種別乱数の判定値(大当たり図柄種別乱数値)が振り分けられている。よって、パチンコ遊技機PY1は、取得した大当たり図柄種別乱数を大当たり図柄種別判定テーブルに照合して、大当たり図柄の種別を判定する。そして、第1大当たり図柄種別判定テーブルおよび第2大当たり図柄種別判定テーブルでは、大当たり図柄種別乱数値が各種大当たり図柄に適宜に振り分けられている。また、大当たり図柄種別の振分率については、適宜に変更することが可能である。また、大当たり図柄の種別については、適宜に増加したり減少したりすることが可能である。
例えば、図10(B)に示すように、特図1についての大当たり図柄種別判定による大当たり図柄種別の振分率を、大当たり図柄Xが50%、大当たり図柄Yが50%にし、特図2についての大当たり図柄種別判定による大当たり図柄種別の振分率を、大当たり図柄Zが100%にすることが可能である。このように、第1始動口11に遊技球が入賞して行われる特図1抽選と、第2始動口12に遊技球が入賞して行われる特図2抽選とで、大当たり図柄種別の振分率を異ならせることが可能である。
3−2−3.リーチ判定
リーチ判定は、大当たり判定の結果がハズレである場合に、図10(C)に示すような1または複数のリーチ判定テーブルを用いて、後述する特図変動演出でリーチを発生させるか否かを決定するための判定である。
リーチ判定テーブルは、遊技状態に関連付けることが可能である。すなわち、リーチ判定テーブルとして、非時短状態のときに用いられるリーチ判定テーブル(非時短用リーチ判定テーブル)と、時短状態のときに用いられるリーチ判定テーブル(時短用リーチ判定テーブル)と、を区別することが可能である。
各リーチ判定テーブルでは、リーチ判定の結果である「リーチ有り(リーチを発生させる)」と「リーチ無し(リーチを発生させない)」に、リーチ乱数の判定値(リーチ乱数値)が振り分けられている。よって、パチンコ遊技機PY1は、取得したリーチ乱数をリーチ判定テーブルに照合して、リーチ有りかリーチ無しか(リーチを発生させる否か)を判定する。図10(C)に示すように、非時短用リーチ判定テーブルと時短用リーチ判定テーブルとで、「リーチ有り(リーチを発生させる)」と判定されるリーチ乱数値の数を異ならせることが可能である。なお、以下において、大当たり判定の結果が「ハズレ」であることを前提に行われる「リーチ有り(リーチを発生させる)」のことを「リーチ有りハズレ」といい、「リーチ無し(リーチを発生させない)」のことを「リーチ無しハズレ」ということもある。
3−2−4.特図変動
特図変動パターン判定は、図11〜図12に示すような1または複数の特別図柄の変動パターン判定テーブル(特図変動パターン判定テーブル)を用いて、特図の可変表示の変動パターン(特図変動パターン)を決定するための判定であり、大当たり判定の結果が大当たり、およびハズレの何れの場合にも行われる。特図変動パターンとは、特図変動時間や後述する特図変動演出の演出フロー(演出内容)などに関する所定事項を識別するための識別情報である。なお、特図変動パターンには、特図変動時間や特図変動演出の演出フロー(演出内容)の他、大当たり判定の結果とリーチ判定の結果に関する識別情報を含ませることが可能である。特図変動パターンとして、それぞれ識別情報が異なる複数種類の特図変動パターンを用いることが可能であり、その数は適宜に変更することが可能である。
特図変動パターン判定テーブルは、判定対象となる可変表示を行う特別図柄の種別、言い換えれば、当該特図変動パターン判定が起因する入賞が行われた始動口の種別に関連付けることが可能である。すなわち、特図変動パターン判定テーブルとして、特図1の可変表示を行うときに用いられる特図変動パターン判定テーブル(特図1変動パターン判定テーブル:図11)と、特図2の可変表示を行うときに用いられる特図変動パターン判定テーブル(特図2変動パターン判定テーブル:図12)と、を区別することが可能である。
そして、各特図変動パターン判定テーブルは、遊技状態にも関連付けることが可能である。すなわち、特図1変動パターン判定テーブルとして、非時短状態のときに用いられる特図1変動パターン判定テーブル(非時短用特図1変動パターン判定テーブル)と、時短状態のときに用いられる特図1変動パターン判定テーブル(時短用特図1変動パターン判定テーブル)と、を区別することが可能である。一方、特図2変動パターン判定テーブルについても同様に、非時短状態のときに用いられる特図2変動パターン判定テーブル(非時短用特図2変動パターン判定テーブル)と、時短状態のときに用いられる特図2変動パターン判定テーブル(時短用特図2変動パターン判定テーブル)と、を区別することが可能である。
また、遊技状態に関連付けられた各特図変動パターン判定テーブルは、さらに、大当たり判定結果、大当たり図柄種別判定結果またはリーチ判定結果にも関連付けることが可能である。すなわち、非時短用特図1変動パターン判定テーブルおよび非時短用特図2変動パターン判定テーブルにはそれぞれ、大当たり用(大当たり図柄種別ごと)、リーチ有りハズレ用、およびリーチ無しハズレ用などがある。同様に、時短用特図1変動パターン判定テーブルおよび時短用特図2変動パターン判定テーブルにもそれぞれ、大当たり用(大当たり図柄種別ごと)、リーチ有りハズレ用、およびリーチ無しハズレ用などがある。
さらに、各リーチ無しハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルは、特図保留数にも関連付けることが可能である。例えば、特図1保留数(U1)が0〜2のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルと、特図1保留数(U1)が3〜4のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルと、を区別することが可能である。また、各リーチ無しハズレ用の特図2変動パターン判定テーブルは、特図保留数にも関連付けることが可能である。例えば、特図2保留数(U2)が0〜2のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図2変動パターン判定テーブルと、特図2保留数(U2)が3〜4のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図2変動パターン判定テーブルと、を区別することが可能である。
そして、各特図変動パターン判定で決定された特図変動パターンに応じた特図変動時間の特図の可変表示が、特図表示器81で行われる。そして、特図の可変表示で、表示結果(特図抽選の結果)として、大当たり図柄が停止表示されると、即座に次の特図の可変表示が行われず、引き続いて、大当たり遊技が実行される。
また、各特図変動パターンには、図11〜図12の表の右から2番目の欄に示すような特図変動演出の演出フローに関連付けることが可能である。
なお、図11〜図12の表の一番右の欄に示すように、特図変動パターンについて、特図(大当たり判定結果)および特図変動演出の演出内容などに関連付けて名称を付すことがある。例えば、大当たりに係る特図変動パターンのことを「大当たり変動」という。一方、リーチ有りハズレの中で、リーチの一種であるSPリーチが行われる特図変動パターンのことを「SPハズレ変動」、リーチ有りハズレの中で、リーチの一種であるLリーチが行われる特図変動パターンのことを「Lハズレ変動」、リーチ有りハズレの中で、リーチの一種であるNリーチで特図変動演出が終わる特図変動パターンのことを「Nハズレ変動」、リーチ無しハズレに係る特図変動パターンのことを「通常ハズレ変動」という。
3−2−5.先読み判定
パチンコ遊技機PY1は、取得した特図関係乱数に基づいて、図13に示すような1または複数の先読み判定テーブルを用いて先読み判定を行う。先読み判定には、例えば、特別図柄乱数が大当たり判定で大当たりと判定されるか否かの判定、大当たり図柄種別乱数が大当たり図柄種別判定で何れの大当たり図柄の種別に決定されるかの判定、特図変動パターン乱数が特図変動パターン判定で何れの特図変動パターンに決定されるかの判定、などがある。先読み判定テーブルは、その始動入賞に係る始動口の種別に関連付けることが可能である。すなわち、先読み判定テーブルとして、第1始動口11に入賞した場合の先読み判定テーブル(第1先読み判定テーブル)と、第2始動口12に入賞した場合の先読み判定テーブル(第2先読み判定テーブル)と、を区別することが可能である。
また、先読み判定テーブルは、遊技状態にも関連付けることが可能である。すなわち、先読み判定テーブルとして、非時短状態のときに用いられる先読み判定テーブル(非時短用先読み判定テーブル)と、時短状態のときに用いられる先読み判定テーブル(時短用先読み判定テーブル)と、を区別することが可能である。
つまり、先読み判定テーブルには、非時短状態のときに用いられる第1先読み判定テーブルと、時短状態のときに用いられる第1先読み判定テーブルと、非時短状態のときに用いられる第2先読み判定テーブルと、時短状態のときに用いられる第2先読み判定テーブルと、を区別することが可能である。なお、先読み判定にどのような判定を含ませるかは適宜に変更可能である。
3−3.大当たり遊技
次に、大当たり遊技について説明する。大当たり遊技は、大入賞口(第1大入賞口14または第2大入賞口15)の開閉を伴う複数回のラウンド遊技と、大当たり遊技が開始してから初回のラウンド遊技が開始されるまでのオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了してから大当たり遊技が終了するまでのエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、オープニングの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はエンディングの開始によって終了する。また、OPやEDを設けないようすることが可能である。なお、以下において、所定回数目(所定の順番)のラウンド遊技を、単に「ラウンド」という。例えば、初回(1回目)のラウンド遊技のことを「1ラウンド(1R)」といい、10回目のラウンド遊技のことを「10ラウンド(10R)」という。
このような大当たり遊技を構成する要素(大当たり遊技構成要素)には、ラウンド遊技の回数、各回のラウンド遊技における大入賞口(第1大入賞口14または第2大入賞口15)の開放回数、各開放が行われる大入賞口の種別および開放時間(開放パターン)、次回の開放まで閉鎖させる時間(閉鎖時間)、オープニングの時間(オープニング時間)、およびエンディングの時間(エンディング時間)などが含まれている。パチンコ遊技機PY1は、特図の停止表示後、図14に示すような1または複数の大当たり遊技制御テーブルを用いて大当たり遊技を制御する。大当たり遊技制御テーブルには、大当たり遊技毎に大当たり遊技構成要素が格納されている。大当たり遊技として、1種類又は複数種類の大当たり遊技を制御することが可能である。
例えば、図14に示すように、1Rから15Rまでは、最大で29.5秒にわたって第1大入賞口14が開放するラウンド遊技、または、最大で0.1秒にわたって第1大入賞口14が開放するラウンド遊技、が行われる。そして、16R(最終ラウンド)では、最大で29.5秒にわたって第2大入賞口15が開放するラウンド遊技、または、最大で0.1秒にわたって第2大入賞口15が開放するラウンド遊技、が行われる。また、各ラウンド遊技では、予め定めた所定個数(例えば10個)の遊技球が大入賞口センサに検知されると、大入賞口14,15の最大開放時間が経過する前であっても、ラウンド遊技を終了させる。
また、各要素における回数や時間については、適宜に変更することが可能である。また、大当たり遊技を、第1大入賞口14および第2大入賞口15の両方を用いて行うことも一方だけを用いて行うことも可能である。
ここで、特定領域16について詳細に説明する。特定領域16は、振分部材16kによって、入賞不可能な閉状態と、入賞可能な開状態とをとるので、振分部材16kの作動態様は、特定領域16の開閉態様ということができる。以下において、振分部材16kの作動態様のことを「特定領域16の開閉態様」ともいう。このように、振分部材16kが一定の作動態様(特定領域16が一定の開閉態様)で制御されるが、振分部材16kの一定の作動態様(特定領域16の一定の開閉態様)と、大当たり遊技における第2大入賞口15の開閉態様との組み合わせで、大当たり遊技において遊技球を特定領域16に進入させることの困難性(容易性)が設定されることになる。なお、以下において、特定領域16が開状態にあることを「V開放」ともいう。
第2大入賞口の開放が開始してから15秒間、振分ソレノイド16sが通電され、振分部材16kが第2状態(図3(B))に制御される。よって、最大で29.5秒にわたって第2大入賞口15が開放するラウンド遊技では、第2大入賞口15の開放時間およびタイミングと、振分部材16kの第2状態に制御されている時間およびタイミングとの関係から、遊技球が特定領域16を通過する(遊技球を特定領域16に進入させる)ことが容易である。一方、最大で0.1秒にわたって第2大入賞口15が開放するラウンド遊技では、第2大入賞口15の開放時間およびタイミングと、振分部材16kの第2状態に制御されている時間およびタイミングとの関係から、遊技球が特定領域16を通過する(遊技球を特定領域16に進入させる)ことはほぼ不可能(困難)である。このように、大当たり遊技には、当該大当たり遊技中に、遊技球の特定領域16の通過(以下、「V通過」ともいう)が容易な第1開放パターン(Vロング開放パターン)でVAT開閉部材15k及び振分部材16kが作動する大当たり遊技と、遊技球の特定領域16の通過が不可能又は困難な第2開放パターン(Vショート開放パターン)でVAT開閉部材15k及び振分部材16kが作動する大当たり遊技と、を実行することが可能である。このように、Vロング開放パターンでVAT開閉部材15k及び振分部材16kが作動する大当たり遊技を「Vロング大当たり」という。一方、Vショート開放パターンでVAT開閉部材15k及び振分部材16kが作動する大当たり遊技を「Vショート大当たり」という。
3−4.遊技状態
次に、遊技状態について説明する。パチンコ遊技機PY1は、図15に示すように、「低確率低ベース遊技状態」、「低確率高ベース遊技状態」、「高確率低ベース遊技状態」、「高確率高ベース遊技状態」および「大当たり遊技状態」の何れかの遊技状態にすることが可能である。なお、「低確率低ベース遊技状態」を「低確低ベース状態」と、「低確率高ベース遊技状態」を「低確高ベース状態」と、「高確率低ベース遊技状態」を「高確低ベース状態」と、「高確率高ベース遊技状態」を「高確高ベース状態」と、それぞれ略称することができる。遊技状態を構成する状態として、大当たり判定において「大当たり」と判定される確率に係る状態と、電チュー12Dの開放の容易性に係る状態とがある。前者としては、通常確率状態と高確率状態とがある。一方、後者としては非時短状態と時短状態とがある。
通常確率状態は、「低確率低ベース遊技状態」または「低確率高ベース遊技状態」において設定され、大当たり判定で大当たりと判定される確率が通常の確率である状態である。高確率状態は、「高確率低ベース遊技状態」または「高確率高ベース遊技状態」において設定され、大当たり判定で大当たりと判定される確率が通常確率より高い高確率である状態である。従って、高確率状態は通常確率状態よりも遊技者に有利な状態であると言える。パチンコ遊技機PY1で初めて電源投入されたときには通常確率状態が設定される。そして、大当たりに当選することによって通常確率状態から高確率状態に切り替えることが可能になる。例えば、大当たり遊技において遊技球が特定領域16を通過することによって高確率状態に切り替えることが可能である。また、大当たり図柄の種別によって高確率状態に切り替えることも可能である。高確率状態は、大当たりに当選することなく所定回数の大当たり判定が行われることや、次回の大当たりに当選することで、高確率状態から通常確率状態に切り替えることが可能である。
非時短状態は、「低確率低ベース遊技状態」、「高確率低ベース遊技状態」または「大当たり遊技状態」において設定される。時短状態は、「低確率高ベース遊技状態」または「高確率高ベース遊技状態」において設定され、非時短状態に比べて、1回の補助遊技における電チュー12Dの開放時間が長くなり易い遊技状態である。例えば、時短状態においては、非時短状態における電チュー12Dの開放時間(例えば0.08秒)よりも長い開放時間(例えば3.00秒)となる。また、時短状態では、特図変動時間の短い特図変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた特図変動パターン判定テーブルを用いて、特図変動パターン判定が行われるようにすることも可能である(図11〜図12参照)。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことができる。
また、時短状態は、非時短状態に比べて、普図変動時間が短くなり易くすることが可能である。例えば、時短状態においては、非時短状態において決定される普図変動時間(30秒)よりも短い普図変動時間(5秒)が決定される。よって、時短状態の方が、単位時間当たりにおける普図抽選の実行回数が多い。
また、時短状態は、非時短状態に比べて、当たり判定で当たりと判定され易くすることが可能である。例えば、時短状態では、非時短状態で当たりと判定される確率(例えば6600/65536)よりも高い確率(例えば59936/65536)で当たりと判定される。よって、時短状態の方が、単位時間当たりにおいて当たり判定で当たりと判定される回数が多い。
このように時短状態では、非時短状態に比して、単位時間当たりの電チュー12Dの開放時間が長くなり、第2始動口12へ遊技球が頻繁に入賞し易くなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。そのため、ベースの高い時短状態では、所持する遊技球を大きく減らすことなく大当たり当選を狙うことができる。従って、時短状態は非時短状態よりも遊技者に有利な状態であると言える。
パチンコ遊技機PY1で初めて電源投入されたときには非時短状態が設定される。そして、例えば、大当たりに当選することによって時短状態が設定可能になる。時短状態は、大当たりに当選することなく所定回数の大当たり判定が行われることや、次回の大当たりに当選することで、時短状態から非時短状態に変更することが可能である。
なお、時短状態では、非時短状態に比して、当たりに当選し易く、普図変動時間が短くなり易く、且つ、1回の補助遊技における電チュー12Dの開放時間が長くなり易い。普図に係る遊技について3つの点で、遊技者に有利に設定されている。しかし、この遊技者に有利に設定されている点はこれらの中の一部であってもよい。
なお、パチンコ遊技機PY1で初めて電源投入された後の遊技状態は、通常確率状態且つ非時短状態が設定される「低確率低ベース遊技状態」である。この遊技状態を「通常遊技状態」ともいう。なお、「大当たり遊技状態」では、当たり判定は行われるが大当たり判定は行われないため、大当たり遊技の開始に伴って、非時短状態が設定される。また、遊技状態については、前述した遊技状態の全てを用いることも一部だけを用いることも可能である。
4.遊技機による主な演出
次に、パチンコ遊技機PY1により行われる主な演出について、図16〜図22を用いて説明する。
4−1.演出モード
最初に、演出モードについて説明する。演出モードは、演出の区分(あるいは、上位概念的な属性)のことである。パチンコ遊技機PY1は、演出モードとして、客待ち演出モード、通常演出モードと、確変演出モード、時短演出モードおよび大当たり演出モードを設定することが可能である。
客待ち演出モードは、「低確率低ベース遊技状態」、「低確率高ベース遊技状態」、「高確率低ベース遊技状態」および「高確率高ベース遊技状態」において特図変動演出が行われていないときに設定可能であり、特図変動演出が行われていない待機状態であることを示す演出モードである。客待ち演出モードが設定されているときに客待ち演出が行われる。客待ち演出では、例えば、図16(A−1)に示すように、表示部50aにおいてパチンコ遊技機PY1を紹介する客待ちデモ動画G100が表示される。また、客待ちデモ動画G100が表示されているときに通常ボタン40が操作されると、図16(A−2)に示すように、パチンコ遊技機PY1の演出に関する設定を行うための設定画面G101が表示される。演出に関する設定には、スピーカ52から出力される音の音量設定、表示部50aの輝度設定(「光量設定」)、実行される演出の頻度設定(「演出設定」)などがある。
通常演出モードは、「低確率低ベース遊技状態」または「高確率低ベース遊技状態」において特図変動演出が行われているときに設定可能であり、非時短状態であることを示す演出モードである。通常演出モードには、例えば、図16(B−1)に示すように、表示部50aにおいて昼間の山の景色を表す背景画像(昼間通常用背景画像G102)が表示される第1通常演出モードと、図16(B−2)に示すように、表示部50aにおいて夕方の山の景色を表す背景画像(夕方通常用背景画像G103)が表示される第2通常演出モードと、図16(B−3)に示すように、表示部50aにおいて夜間の山の景色を表す背景画像(夜間通常用背景画像G104)が表示される第3通常演出モードと、があり、大当たりに当選することなく1回または複数回の特図変動演出が行われることを1つの条件として切り替えられる。さらに、第1〜第3通常演出モードのそれぞれには、特図変動演出において、リーチが成立する前の通常前段演出モードと、リーチが成立した後の通常後段演出モードと、がある。通常前段演出モードでは、表示部50aにおいて、昼間通常用背景画像G102、夕方通常用背景画像G103および夜間通常用背景画像G104の何れかが表示されるが、通常後段演出モードでは、リーチの種類に応じた専用の背景画像が表示される。また、「高確率低ベース遊技状態」においてのみ設定される特殊演出モードを設けても良い。
確変演出モードは、「高確率高ベース遊技状態」において特図変動演出が行われているときに設定可能な演出モードであり、高確率状態且つ時短状態であることを示す演出モードである。確変演出モードでは、例えば、図16(B−4)に示すように、表示部50aにおいて宇宙を表す背景画像(確変用背景画像G105)が表示される。さらに、確変演出モードには、特図変動演出において、リーチが成立する前の確変前段演出モードと、リーチが成立した後の確変後段演出モードと、がある。確変前段演出モードでは、表示部50aにおいて、確変用背景画像G105が表示されるが、確変後段演出モードでは、リーチの種類に応じた専用の背景画像が表示される。
時短演出モードは、「低確率高ベース遊技状態」において特図変動演出が行われているときに設定可能な演出モードであり、通常確率状態且つ時短状態であることを示す演出モードである。時短演出モードでは、例えば、図16(B−5)に示すように、表示部50aにおいて空を表す背景画像(時短用背景画像G106)が表示される。さらに、時短演出モードには、特図変動演出において、リーチが成立する前の時短前段演出モードと、リーチが成立した後の時短後段演出モードと、がある。時短前段演出モードでは、表示部50aにおいて、時短用背景画像G106が表示されるが、時短後段演出モードでは、リーチの種類に応じた専用の背景画像が表示される。
大当たり演出モードは、「大当たり遊技状態」において大当たり遊技が行われているときに設定可能な演出モードであり、大当たり遊技が行われていることを示す演出モードである。大当たり演出モードでは、例えば、大当たり遊技におけるオープニング中には、図16(C−1)に示すように、表示部50aにおいて、大当たり遊技の開始を示唆するオープニング画像G107や「右打ち」を促す右打ち画像G108が表示される大当たりオープニング演出が行われる。大当たり遊技におけるラウンド中には、図16(C−2)に示すように、表示部50aにおいて、ラウンド数を示すラウンド画像G109や払い出された賞球数を示唆する賞球数画像G110が表示されるラウンド演出が行われる。大当たり遊技におけるエンディング中には、図16(C−3)に示すように、表示部50aにおいて、大当たり遊技後に設定される演出モードを示唆するエンディング画像G111や払い出された総賞球数を示唆する総賞球数画像G112が表示される大当たりエンディング演出が行われる。
なお、演出モードの種類については、適宜に変更または追加することが可能である。
4−2.特図変動演出
次に、特図変動演出(単に「変動演出」とも言う)について説明する。パチンコ遊技機PY1は、特図の可変表示が開始されると、特図の可変表示に係る特図変動パターンおよび特図抽選結果(大当たり判定結果、大当たり図柄種別判定結果、リーチ判定結果、および、特図変動パターン判定結果)などに基づいて、特図変動演出を実行する。特図変動演出では、表示部50aにおいて、所定の背景画像に重畳的に、演出図柄の変動表示が行われる。演出図柄は、例えば1〜9の数字図柄で構成され、演出図柄の変動表示では、特図の可変表示の開始に伴って演出図柄が変動し、特図の可変表示の終了に伴って演出図柄が停止する。すなわち、特図変動時間、演出図柄の変動表示が行われた後に、当該変動が停止して、演出図柄の停止表示が行われる。そして、演出図柄の停止表示によって特図抽選の結果が報知される。
なお、特図変動演出では、演出図柄の変動表示以外に、画像表示装置50、スピーカ52、枠ランプ53、盤ランプ54、可動装置55,56,58、通常ボタン40、特殊ボタン41などの様々な演出装置を用いた他の演出を行うことが可能である。この場合、演出図柄の停止表示後も、他の演出を継続して行うことが可能である。
4−2−1.演出図柄表示領域
画像表示装置50の表示部50aには、図17(A)に示すように、表示部50aを水平方向に3つに略均等に分けた左側、中央および右側それぞれに、左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、および右演出図柄領域50b3を設けることが可能である。左演出図柄領域50b1は、特図変動演出における演出図柄の停止表示のときに、左演出図柄EZ1を表示する領域である。同様に、中演出図柄領域50b2および右演出図柄領域50b3は、中演出図柄EZ2および右演出図柄EZ3を表示する領域である。
また、図17(A)に示すように、表示部50aの上端部の左端(左上隅)の一区画に、小図柄領域50cを設けることが可能である。小図柄領域50cは、特図の可変表示が行われているときに小図柄KZ1,KZ2,KZ3を変動表示する領域である。小図柄KZ1,KZ2,KZ3は、例えば、1〜9の数字図柄で構成される。
なお、図17(A)において、左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、右演出図柄領域50b3、および小図柄領域50cは二点鎖線で明示されているが、これは左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、右演出図柄領域50b3、および小図柄領域50cの範囲を表すために記載したものであり、実際には表示されていない。
4−2−2.通常変動
パチンコ遊技機PY1は、特図変動演出において、先ず通常変動を行うことが可能である。通常変動は、特図の可変表示が開始されたことを示唆する演出として機能する。
特図の可変表示が開始されると、例えば、図17(A)に示すように、表示部50aにおいて、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2および右演出図柄EZ3が停止表示されていると共に、左小図柄KZ1、中小図柄KZ2および右小図柄KZ3が停止表示されており、特図の可変表示が行われておらず、特図の可変表示を待機している状態から、図17(B)に示すように、その開始に伴って演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示が開始されると共に、小図柄KZ1,KZ2,KZ3の変動表示が開始される。なお、図17中の「↓」は、図柄の変動表示中であることを示している。そして、この特図の可変表示の特図変動パターンが、例えば「通常ハズレ変動」の場合には、図17(C−1)に示すように、左演出図柄EZ1と右演出図柄EZ3とが異なる停止態様で仮停止してから、図17(D)に示すように、ハズレを示唆する停止態様(所謂バラケ目)で演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3もハズレを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。ハズレを示唆する停止態様には、「1・1・2」や「2・4・6」など、左右の図柄が同一ではない停止態様が複数種類ある。一方、特図の可変表示の特図変動パターンが、例えば「Nハズレ変動」などのリーチ有りの特図変動パターンの場合には、図17(C−2)に示すように、左演出図柄EZ1と右演出図柄EZ3とが同じ停止態様(所謂リーチ目)で仮停止して、リーチが成立する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3の変動表示は継続して行われ、特図変動パターンに応じたリーチ演出が行われる。なお、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の停止順序や停止態様は、適宜に変更することが可能である。
4−2−3.Nリーチ
パチンコ遊技機PY1は、通常変動においてリーチが成立するとNリーチを行うことが可能である。Nリーチは、大当たり判定の結果が「大当たり」であった可能性があることを示唆する演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。
Nリーチでは、図18(A)に示すように、リーチが成立した状態が所定時間(例えば、10秒)維持され、図18(B)に示すように、中演出図柄EZ2の変動速度が徐々に減速していく。そして、特図の可変表示の特図変動パターンが、例えば「Nハズレ変動」の場合には、図18(C−1)に示すように、リーチハズレを示唆する停止態様(所謂リーチハズレ目)で演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3もリーチハズレを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。リーチハズレを示唆する停止態様には、「7・6・7」や「5・3・5」など、左右の図柄が同一且つ中の図柄が左右の図柄と異なる停止態様が複数種類ある。一方、特図の可変表示の特図変動パターンが、例えば「N大当たり変動」の場合には、図18(C−2)に示すように、大当たりを示唆する停止態様(所謂ゾロ目)で停止表示する。大当たりを示唆する停止態様には、「7・7・7」や「2・2・2」など、左右中の図柄が同一の停止態様が複数種類ある。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3も大当たりを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。なお、Nリーチの演出内容は、中演出図柄EZ2が徐々に減速することに限られず、適宜に変更または追加することが可能である。
4−2−4.SPリーチ
パチンコ遊技機PY1は、Nリーチの後にSPリーチを行うことが可能である。SPリーチは、大当たり判定の結果が「大当たり」であった可能性が、Nリーチよりも高いことを示唆する演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。
SPリーチでは、Nリーチの後に、例えば、図19(A)に示すように、表示部50aにSPリーチ専用の背景画像(SPリーチ用背景画像G113)が表示され、表示部50aの中央にSPリーチが開始されたことを表す画像(SPリーチ開始タイトル画像)G1が表示される。その後、図19(B)に示すように、SPリーチ専用演出(例えばバトル演出)が行われる。そして、SPリーチ専用演出の最終局面を迎えると、特図の可変表示の特図変動パターンが、例えば「SP大当たり変動」の場合には、図19(C−1)に示すように、表示部50aに、大当たりを示唆する演出(例えば、主人公キャラクタがバトルに勝利して喜んでいる表示)が行われるとともに、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が大当たりを示唆する停止態様(所謂ゾロ目)で停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3も大当たりを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。一方、特図の可変表示の特図変動パターンが、例えば「SPハズレ変動」の場合には、図19(C−2)に示すように、ハズレを示唆する演出(例えば、敵キャラクタがバトルに勝利して喜んでいる表示)が行われるとともに、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がリーチハズレを示唆する停止態様で停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3もハズレを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。なお、SPリーチの演出内容は、適宜に変更または追加することが可能である。
ここで、各リーチに対する演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が大当たりを示す態様で停止される可能性(大当たり期待度)について詳細に説明する。各リーチに対する大当たり期待度は、大当たり判定の結果に基づく実行確率によって定められる。例えば、Nリーチの実行確率を、大当たり判定の結果が「ハズレ」の場合には10%とし、大当たり判定の結果が「大当たり」の場合には100%とした場合、SPリーチの実行確率を、大当たり判定の結果が「ハズレ」の場合には4%とし、大当たり判定の結果が「大当たり」の場合には100%とすれば、SPリーチの大当たり期待度を、Nリーチの大当たり期待度よりも高く設定することが可能である。また、SPリーチとしてSPリーチAとSPリーチBとを実行可能にし、SPリーチAの実行確率を、大当たり判定の結果が「ハズレ」の場合には2%とし、大当たり判定の結果が「大当たり」の場合には20%とした場合、SPリーチBの実行確率を、大当たり判定の結果が「ハズレ」の場合には2%とし、大当たり判定の結果が「大当たり」の場合には30%とすれば、SPリーチBの大当たり期待度を、SPリーチAの大当たり期待度よりも高く設定することが可能である。このように、大当たり判定の結果に応じた実行確率を適宜に設定することで、大当たり期待度を設定することが可能である。
4−3.保留アイコン表示領域
画像表示装置50の表示部50aには、図20(A)に示すように、4つの表示領域からなる保留アイコン表示領域50dを設けることが可能である。保留アイコン表示領域50dは、第1表示領域50d1、第2表示領域50d2、第3表示領域50d3および第4表示領域50d4で構成され、特図1保留数または特図2保留数に応じて、各表示領域50d1,50d2,50d3,50d4に、保留アイコンHAを表示することが可能である。例えば、特図1保留数が『1』の場合には、第1表示領域50d1に保留アイコンHAが表示され、特図1保留数が『2』の場合には、第1表示領域50d1と第2表示領域50d2とに保留アイコンHAが表示される。
また、保留アイコン表示領域50dの近傍に、図20(A)に示すように、1つの表示領域からなる当該アイコン表示領域50eを設けることが可能である。当該アイコン表示領域50eは、特図変動演出が開始されることに応じて、保留アイコンHAと同じまたは異なる当該アイコンTAを表示することが可能である。
なお、保留アイコン表示領域50dを構成する表示領域の数については、適宜に変更することが可能である。また、保留アイコン表示領域50dを、特図1保留数および特図2保留数の両方を表示する表示領域とすることも一方だけを表示する表示領域とすることも可能である。
4−3−1.保留演出
パチンコ遊技機PY1は、遊技球が第1始動口11または第2始動口12に入賞することに応じて、保留演出を行うことが可能である。保留演出は、特図1保留または特図2保留の数を遊技者に報知することが可能である。
保留演出では、特図1保留数が『0』のときに遊技球が第1始動口11に入賞すると、特図変動演出が開始され、例えば、図20(B)に示すように、当該アイコン表示領域50eに当該アイコンTAが表示される。そして、特図変動演出中に更に2個の遊技球が第1始動口11に入賞すると、図20(C)に示すように、保留アイコン表示領域50dの第1表示領域50d1と第2表示領域50d2とに保留アイコンHAが表示され、特図1保留数が『2』であることが遊技者に報知される。その後、特図変動演出が終了し、新たな特図変動演出が開始されると、図20(D)に示すように、保留アイコン表示領域50dの第1表示領域50d1に表示されていた保留アイコンHAが、当該アイコン表示領域50eに移動して当該アイコンTAとして表示され、保留アイコン表示領域50dの第2表示領域50d2に表示されていた保留アイコンHAが、第1表示領域50d1に移動して表示され、特図1保留数が『1』であることが遊技者に報知される。
4−4.予告演出
パチンコ遊技機PY1は、特図変動演出中の任意のタイミングで予告演出を行うことが可能である。予告演出は、画像表示装置50、スピーカ52、枠ランプ53、盤ランプ54、可動装置55,56,58、入力装置40,41等を用いた演出であり、大当たり判定の結果や特図変動パターン判定の結果を示唆することが可能である。
4−4−1.可動体演出
パチンコ遊技機PY1は、予告演出として、可動装置55,56,58を用いた可動体演出を行うことが可能である。可動体演出は、可動装置55,56,58を作動させる演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。
可動体演出では、例えば、NリーチからSPリーチに発展する際に、図21(A)に示すように、盤上可動装置55および盤下可動装置56が作動し、盤上可動体55kと盤下可動体56kとが、遊技者から見て、表示部50a上に重なるように移動して、SPリーチに発展することが示唆される。このとき、表示部50aの盤上可動体55kおよび盤下可動体56kと重なっていないスペースにはエフェクト画像が表示される。その後、図21(B)に示すように、盤上可動体55kと盤下可動体56kとが、通常の待機状態(初期位置)に戻ってSPリーチに発展する。なお、可動体演出については、SPリーチへの発展示唆に限られず、適宜に変更または追加することが可能である。また、可動体演出における可動装置の作動内容は、適宜に変更または追加することが可能である。
4−4−2.操作演出
パチンコ遊技機PY1は、予告演出として、通常ボタン40や特殊ボタン41を用いた操作演出を行うことが可能である。操作演出は、遊技者が通常ボタン40や特殊ボタン41を操作する演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。
操作演出では、例えば、SPリーチにおいて、特殊ボタン41の押下操作が有効な期間(ボタン操作有効期間)が発生し、このボタン操作有効期間の発生に伴って、図22(A)に示すように、特殊ボタン41の操作を促す演出(ボタン操作促進演出)が行われる。ボタン操作促進演出において、表示部50aに、ボタン操作促進画像G3が表示される。ボタン操作促進画像G3は、特殊ボタン41を模した画像(特殊ボタン画像G31)と、特殊ボタン41の操作態様(すなわち、押下操作)を表す画像(押下操作画像G32)と、ボタン操作有効期間の残り時間を表す画像(操作有効期間残り時間画像G33)と、を含む。なお、操作有効期間残り時間画像G33は、おおむね曲線状のプログレスバーからなり、時間の経過に伴って、遊技者が操作有効期間の残り時間を容易に理解できるように変化する。その後、ボタン操作有効期間において特殊ボタン41が押下操作されることに応じて、または、ボタン操作有効期間において特殊ボタン41が操作されることなくボタン操作有効期間が経過した後、図22(B)に示すように、盤上可動装置55が作動し、遊技者から見て、盤上可動体55kが表示部50a上に重なるように移動して、大当たり期待度が示唆される。なお、操作演出については、盤上可動装置55の作動に限られず、適宜に変更または追加することが可能である。
4−4−3.先読み演出
パチンコ遊技機PY1は、予告演出として、特図抽選が行われていない特図1保留または特図2保留に対する先読み演出を行うことが可能である。先読み演出は、特図1保留または特図2保留に対する特図抽選の抽選結果を事前に示唆するための演出として機能する。
先読み演出では、例えば、特図1保留に対する先読み判定の結果が「大当たり」の場合、図20(C)に示すように、保留アイコン表示領域50dに通常は「〇」で表示される保留アイコンHAを「☆」で表示することがある。また、先読み判定の結果が「ハズレ」の場合に、所謂ガセ演出として、保留アイコンHAを「☆」で表示することがある。なお、先読み演出は、特図1保留および特図2保留の両方または一方に対して行うことが可能である。また、保留アイコンHAの表示態様の変化に限られず、適宜に変更または追加することが可能である。例えば、特図変動演出における演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の停止態様を変化させることも可能である。
5.遊技制御用マイコン101による遊技の制御
次に図23〜図24に基づいて遊技制御用マイコン101による遊技の制御について説明する。なお、以下において説明する遊技制御用マイコン101による遊技の制御において登場するカウンタ、タイマ、バッファ等は、遊技用RAM104に設けられている。
[1.主制御メイン処理]
主制御基板100に備えられた遊技制御用マイコン101は、パチンコ遊技機PY1が電源投入されると、遊技用ROM103から図23に示した主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず、電源投入時処理(S001)を行う。電源投入時処理では、遊技用RAM104へのアクセスの許可設定、遊技用CPU102の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)の設定等が行われる。
電源投入時処理に次いで、割り込みを禁止し(S002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)では、図8(A)および図8(B)に示した種々の乱数のカウンタ値を1加算して更新する。各乱数のカウンタ値は上限値に達すると「0」に戻って再び加算される。なお各乱数のカウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また各乱数のうちの少なくとも一部は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成される所謂ハードウェア乱数であってもよい。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)が終了すると、割り込みを許可する(S004)。割り込み許可中は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行が可能となる。メイン側タイマ割り込み処理(S005)は、例えば4msec周期で遊技用CPU102に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、メイン側タイマ割り込み処理(S005)は4msec周期で実行される。そして、メイン側タイマ割り込み処理(S005)が終了してから、次にメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)による種々の乱数のカウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときに遊技用CPU102に割り込みパルスが入力された場合は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)はすぐには開始されず、割り込み許可(S004)がされてから開始される。
[2.メイン側タイマ割り込み処理]
次に、メイン側タイマ割り込み処理(S005)について説明する。図24に示すように、メイン側タイマ割り込み処理(S005)では、まず出力処理(S101)を実行する。出力処理(S101)では、以下に説明する各処理において主制御基板100の遊技用RAM104に設けられた出力バッファにセットされたコマンド等を、サブ制御基板120や払出制御基板170等に出力する。
出力処理(S101)に次いで行われる入力処理(S102)では、遊技制御用マイコン101は、例えば、下皿35の満杯を検出する下皿満杯スイッチからの検出信号を取り込み、下皿満杯データとして遊技用RAM104の出力バッファに記憶する。
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)は、図23の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)と同じである。即ち、図8(A)および図8(B)に示した各種乱数のカウンタ値の更新処理は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割り込み処理(S005)の終了後、次のメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)に次いで、遊技制御用マイコン101は、センサ検出処理(S104)を行い、続いて普通動作処理(S105)を行い、さらに特別動作処理(S106)を行う。センサ検出処理、普通動作処理および特別動作処理については後述する。
特別動作処理(S106)に次いで、振分装置16Dを制御するための振分装置制御処理を行う(S107)。
次に、遊技制御用マイコン101は、その他の処理(S108)を実行して、メイン側タイマ割り込み処理(S005)を終了する。その他の処理(S108)としては、電源が断たれる際の電源断監視処理、遊技用RAM104に設けられているタイマの更新などが行われる。また、その他の処理(S108)として、遊技者に賞球を払い出す払出制御処理が行われる。払出制御処理では、各入賞口への遊技球の入賞に応じて、賞球要求信号を払出制御基板170に送信する。つまり、払出制御基板170は、賞球要求信号に基づいて、賞球を払い出す。
そして、遊技制御用マイコン101は、次に遊技用CPU102に割り込みパルスが入力されるまでは主制御メイン処理のステップS002〜S004の処理を繰り返し実行し(図23参照)、割り込みパルスが入力されると(約4msec後)、再びメイン側タイマ割り込み処理(S005)を実行する。遊技制御用マイコン101は、再び実行されたメイン側タイマ割り込み処理(S005)の出力処理(S101)において、前回のメイン側タイマ割り込み処理(S005)にて遊技用RAM104の出力バッファにセットされたコマンド等を出力する。
[2−1.センサ検出処理]
センサ検出処理(S104)では、一般入賞口センサ処理、ゲートセンサ処理、第2始動口センサ処理、第1始動口センサ処理、第1大入賞口センサ処理、第2大入賞口センサ処理、特定領域センサ処理を順次行う。そして、各処理において生成されたコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
一般入賞口センサ処理では、一般入賞口センサによって遊技球が検出されたか否かを判定する。また、当該処理の結果に応じて、一般入賞口センサ用コマンドを生成する。
ゲートセンサ処理では、ゲートセンサによって遊技球が検出されたか否かを判定する。遊技球が検出されたと判定されると、普通図柄乱数カウンタのカウンタ値が示す普通図柄乱数を取得し、取得した普通図柄乱数を、遊技用RAM104に設けられた普図保留記憶部106に記憶する。なお、普図保留記憶部106に普通図柄乱数が所定数(例えば4個)記憶されている場合には、新たに取得された普通図柄乱数は記憶されない。また、当該処理の結果に応じて、ゲートセンサ用コマンドを生成する。
第2始動口センサ処理では、第2始動口センサによって遊技球が検出されたか否かを判定する。遊技球が検出されたと判定されると、特別図柄乱数カウンタ、大当たり図柄種別乱数カウンタ、リーチ乱数カウンタ及び特図変動パターン乱数カウンタからなる特図2関係乱数を取得し、取得した特図2関係乱数を、遊技用RAM104に設けられた特図2保留記憶部105bに記憶する。特図2保留記憶部105bは、第1領域から第n領域まで(nは2以上の整数)の複数の記憶領域があり、取得された特図2関係乱数は、第1領域から順に記憶される。なお、第n領域まで特図2関係乱数が記憶されている場合には、新たに取得された特図2関係乱数は記憶されない。また、取得した特図2関係乱数と第2先読み判定テーブルとを用いて第2先読み判定を行う。また、当該処理の結果に応じて、特図2保留記憶部105bに記憶されている特図2関係乱数の数(特図2保留数)を表す特図2保留数コマンドおよび第2先読み判定の結果を表す第2始動入賞コマンドを含む第2始動口センサ用コマンドを生成する。
第1始動口センサ処理では、第1始動口センサによって遊技球が検出されたか否かを判定する。遊技球が検出されたと判定されると、特別図柄乱数カウンタ、大当たり図柄種別乱数カウンタ、リーチ乱数カウンタ及び特図変動パターン乱数カウンタからなる特図1関係乱数を取得し、取得した特図1関係乱数を、遊技用RAM104に設けられた特図1保留記憶部105aに記憶する。特図1保留記憶部105aは、第1領域から第n領域まで(nは2以上の整数)の複数の記憶領域があり、取得された特図1関係乱数は、第1領域から順に記憶される。なお、第n領域まで特図1関係乱数が記憶されている場合には、新たに取得した特図1関係乱数は記憶されない。また、取得した特図1関係乱数と第1先読み判定テーブルとを用いて第1先読み判定を行う。また、当該処理の結果に応じて、特図1保留記憶部105aに記憶されている特図1関係乱数の数(特図1保留数)を表す特図1保留数コマンドおよび第1先読み判定の結果を表す第1始動入賞コマンドを含む第1始動口センサ用コマンドを生成する。
第1大入賞口センサ処理では、第1大入賞口センサによって遊技球が検出されたか否かを判定する。また、当該処理の結果に応じた第1大入賞口センサ用コマンドを生成する。
第2大入賞口センサ処理では、第2大入賞口センサによって遊技球が検出されたか否かを判定する。また、当該処理の結果に応じた第2大入賞口センサ用コマンドを生成する。
特定領域センサ処理では、特定領域センサによって遊技球が検出されたか否か判定する。また、当該処理の結果に応じて、特定領域センサ用コマンドを生成する。
[2−2.普通動作処理]
普通動作処理(S105)では、普通図柄待機処理、普通図柄変動処理、普通図柄確定処理、補助遊技制御処理を順次行う。そして、各処理において生成されたコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
普通図柄待機処理は、普図の可変表示および補助遊技が行われていない待機中に行われる処理である。普通図柄待機処理では、普図保留記憶部106に記憶された普通図柄乱数に基づいて当たり判定を行う。また、現在の遊技状態に基づいて普図変動パターン判定を行って普図変動パターンを決定する。そして、当たり判定および普図変動パターンの結果に関する情報を含む普図変動開始コマンドを生成する。それから、決定した普図変動パターンに対応付けられた普図変動時間に基づいて、普図の可変表示を普図表示器82に開始させる。
普通図柄変動処理は、普図の可変表示中に行われる処理である。普通図柄変動処理では、実行中の普図の可変表示が開始してから普図変動時間が経過することに応じて、当たり判定結果に基づいて普図の停止表示を行う。そして、普図の可変表示の終了を示す普図変動停止コマンドを生成する。
普通図柄確定処理は、普図が停止表示しているときに行われる処理である。普通図柄確定処理では、実行中の普図の停止表示が開始してから所定の停止時間(例えば、0.8秒)が経過することに応じて、停止表示している普図が当たり図柄であるか否かを判定する。当たり図柄が停止表示していれば、現在の遊技状態および補助遊技制御テーブルに基づいて補助遊技を開始させ、補助遊技の開始を示す補助遊技開始コマンドを生成する。
補助遊技制御処理は、補助遊技が行われているときに行われる処理である。補助遊技制御処理では、現在の遊技状態および補助遊技制御テーブルに基づいて補助遊技を制御する。また、当該処理の結果に応じて、補助遊技制御用コマンドを生成する。
[2−3.特別動作処理]
特別動作処理(S106)では、特別図柄待機処理、特別図柄変動処理、特別図柄確定処理、大当たり遊技制御処理、遊技状態設定処理を順次行う。そして、各処理において生成されたコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
[2−3−1.特別図柄待機処理]
特別図柄待機処理は、大当たり遊技状態ではなく、特図の可変表示が行われていない待機中に行われる処理である。特別図柄待機処理では、特図2保留記憶部105bに記憶されている特図2関係乱数に基づいて、特図2判定処理及び特図2変動パターン判定処理を行うとともに、特図2保留記憶部シフト処理を行う。また、特図1保留記憶部105aに記憶されている特図1関係乱数に基づいて、特図1判定処理及び特図1変動パターン判定処理を行うとともに、特図1保留記憶部シフト処理を行う。
特図2判定処理では、特図2保留記憶部105bの第1領域に記憶されていた特図2関係乱数のうちの特別図柄乱数と、現在の遊技状態に応じた大当たり判定テーブルと、を用いて、大当たり、または、ハズレの何れであるかを判定する大当たり判定を行う。大当たり判定の結果が大当たりであれば、特図2関係乱数のうちの大当たり図柄種別乱数と特図2大当たり図柄種別判定テーブルとを用いて、大当たり図柄の種別を判定する大当たり図柄種別判定を行う。そして、判定された大当たり図柄種別を表す図柄指定コマンドを生成する。また、大当たり判定の結果がハズレであれば、ハズレを表す図柄指定コマンドを生成する。
特図2変動パターン判定処理は、特図2判定処理の後に行われる処理である。特図2変動パターン判定処理では、特図2保留記憶部105bの第1領域に記憶されていた特図2関係乱数のうちの特図変動パターン乱数と、現在の遊技状態に応じた特図2変動パターンテーブルと、を用いて、特図2変動パターンを判定する。なお、特図2変動パターンの判定は、特図2保留記憶部105bに記憶されている特図2関係乱数の数(特図2保留数)にも関連付けられる。そして、判定された特図2変動パターンを表す特図2変動開始コマンドを生成する。特図2変動開始コマンドには、特図2であることに関する情報、大当たり判定の結果に関する情報、リーチ判定の結果に関する情報、特図2変動パターンに対応付けられた特図変動時間の情報などが含まれる。そして、判定された特図2変動パターンに対応付けられた特図変動時間に基づいて特図2表示器81bに特図2の可変表示を開始させる。
特図2保留記憶部シフト処理は、特図2判定処理及び特図2変動パターン判定処理が行われる際に行われる処理である。特図2保留記憶部シフト処理では、特図2保留記憶部105bに記憶されていた特図2関係乱数を第1領域側に一つシフトするとともに、第1領域の特図2関係乱数を特図2保留記憶部105bからクリアする。このようにして、特図2関係乱数は取得された順に消化される。そして、当該処理後の特図2保留数を表す特図2保留数コマンド生成をする。
特図1判定処理では、特図1保留記憶部105aの第1領域に記憶されていた特図1関係乱数のうちの特別図柄乱数と、現在の遊技状態に応じた大当たり判定テーブルと、を用いて、大当たり、または、ハズレの何れであるかを判定する大当たり判定を行う。大当たり判定の結果が大当たりであれば、特図1関係乱数のうちの大当たり図柄種別乱数と特図1大当たり図柄種別判定テーブルとを用いて、大当たり図柄の種別を判定する大当たり図柄種別判定を行う。そして、判定された大当たり図柄種別を表す図柄指定コマンドを生成する。また、大当たり判定の結果がハズレであれば、ハズレを表す図柄指定コマンドを生成する。
特図1変動パターン判定処理は、特図1判定処理の後に行われる処理である。特図1変動パターン判定処理では、特図1保留記憶部105aの第1領域に記憶されていた特図1関係乱数のうちの特図変動パターン乱数と、現在の遊技状態に応じた特図1変動パターンテーブルと、を用いて、特図1変動パターンを判定する。なお、特図1変動パターンの判定は、特図1保留記憶部105aに記憶されている特図1関係乱数の数(特図1保留数)にも関連付けられる。そして、判定された特図1変動パターンを表す特図1変動開始コマンドを生成する。特図1変動開始コマンドには、特図1であることに関する情報、大当たり判定の結果に関する情報、リーチ判定の結果に関する情報、大当たり種別判定の結果に関する情報、特図1変動パターンに対応付けられた特図変動時間の情報などが含まれる。そして、判定された特図1変動パターンに対応付けられた特図変動時間に基づいて特図1表示器81aに特図1の可変表示を開始させる。
特図1保留記憶部シフト処理は、特図1判定処理及び特図1変動パターン判定処理が行われる際に行われる処理である。特図1保留記憶部シフト処理では、特図1保留記憶部105aに記憶されていた特図1関係乱数を第1領域側に一つシフトするとともに、第1領域の特図1関係乱数を特図1保留記憶部105aからクリアする。このようにして、特図1関係乱数は取得された順に消化される。そして、当該処理後の特図1保留数を表す特図1保留数コマンドを生成する。
なお、本実施形態では、特図2保留数および特図1保留数の何れも存在する場合、特図2判定処理が優先して行われ、特図2の可変表示と特図1の可変表示とが並行して行われないようになっている。
[2−3−2.特別図柄変動処理]
特別図柄変動処理は、特図の可変表示中に行われる処理である。特別図柄変動処理では、特図変動時間が経過することに応じて、特図表示器81に、特図の可変表示を終了させるとともに、大当たり判定の結果に応じた特図を停止表示させる。大当たり判定の結果が大当たりであれば、大当たりを示す大当たり図柄を停止表示させ、大当たり判定の結果がハズレであれば、ハズレを示すハズレ図柄を停止表示させる。そして、特図の可変表示の終了を示す特図変動停止コマンドを生成する。
[2−3−3.特別図柄確定処理]
特別図柄確定処理は、特図が停止表示しているときに行われる処理である。特別図柄確定処理では、現在停止表示している特図が大当たり図柄である場合には、大当たり遊技状態に移行させる。そして、大当たり遊技の開始を示すオープニングコマンドを生成する。オープニングコマンドには、大当たり種別判定の結果に関する情報が含まれる。また、現在停止表示している特図がハズレ図柄であり且つ高確率状態を終了させる場合には、通常確率状態を設定する。そして、通常確率状態への移行を示す高確率終了コマンドを生成する。また、現在停止表示している特図がハズレ図柄であり且つ時短状態を終了させる場合には、非時短状態を設定する。そして、非時短状態への移行を示す時短終了コマンドを生成する。なお、現在停止表示している特図がハズレ図柄であり且つ特図2保留数および特図1保留数が「0」の場合には、パチンコ遊技機PY1が待機状態であることを示す客待ちコマンドを生成する。
[2−3−4.大当たり遊技制御処理]
大当たり遊技制御処理は、大当たり遊技状態において行われる処理である。大当たり遊技制御処理では、大当たり遊技制御テーブルを用いて、大当たり遊技を行う。大当たり遊技状態への移行後、オープニング時間または閉鎖時間の経過に応じて、各ラウンド遊技を開始する。そして、ラウンド遊技の開始を示すラウンド遊技コマンドを生成する。また、最終のラウンド遊技を終了させることに応じて、エンディングを開始する。そして、大当たり遊技の終了を示すエンディングコマンドを生成する。エンディングコマンドには、大当たり種別判定の結果に関する情報が含まれる。
[2−3−5.遊技状態設定処理]
遊技状態設定処理は、大当たり遊技状態が終了する際に行われる処理である。遊技状態設定処理では、通常確率状態から高確率状態に変更する場合は、大当たり遊技状態の終了の際に高確率状態を設定する。高確率状態の継続期間を制限する場合には、高確率状態の継続期間(例えば、大当たりに当選することなく高確率状態が継続できる特図の可変表示の回数)も併せて設定する。そして、高確率状態の設定を示す高確率設定コマンドを生成する。また、非時短状態から時短状態に変更する場合は、大当たり遊技状態の終了の際に時短状態を設定する。時短状態の継続期間を制限する場合には、時短状態の継続期間(例えば、大当たりに当選することなく時短状態が継続できる特図の可変表示の回数)も併せて設定する。そして、時短状態の設定を示す時短設定コマンドを生成する。
なお、遊技制御用マイコン101が各処理において生成するコマンドは、適宜に追加または変更することが可能である。
6.演出制御用マイコン121による演出の制御
次に、図25および図26に基づいて演出制御用マイコン121による演出の制御について説明する。なお、以下の演出制御用マイコン121による演出の制御の説明において登場するカウンタ、タイマ、フラグ、バッファ等は、演出用RAM124に設けられている。
[1.サブ制御メイン処理]
サブ制御基板120に備えられた演出制御用マイコン121は、パチンコ遊技機PY1が電源投入されると、図25に示したサブ制御メイン処理のプログラムを演出用ROM123から読み出して実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、最初に、電源投入に応じた電源投入時処理を行う(S4001)。電源投入時処理では、例えば、演出用CPU122の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定等を行う。
次に、割り込みを禁止し(S4002)、乱数シード更新処理を実行する(S4003)。乱数シード更新処理(S4003)では、種々の演出に関する判定を行うための種々の演出判定用乱数カウンタの値を更新する。種々の演出についての演出判定用乱数カウンタの更新方法は、一例として、前述の主制御基板100が行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。これは、前述の主制御基板100が行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理においても同様である。
乱数シード更新処理が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4004)。コマンド送信処理では、サブ制御基板120の演出用RAM124内の出力バッファに格納されている各種のコマンドを、画像制御基板140に送信する。コマンドを受信した画像制御基板140は、受信したコマンドに従って、表示部50aに画像を表示する(画像による種々の演出を実行する)。また、サブ制御基板120は、画像制御基板140によって行われる種々の演出とともに、音声制御回路161を介してスピーカ52から音声を出力させたり(音声による種々の音演出を実行したり)、ランプ制御回路151を介して枠ランプ53、および盤ランプ54を発光させたり(発光による種々の発光演出を実行したり)、可動装置55,56,58を作動させたり(動作による種々の可動体演出を実行したり)する。
演出制御用マイコン121は続いて、割り込みを許可する(S4005)。以降、ステップS4002〜ステップS4005をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4010)、および、サブ側タイマ割り込み処理(S4011)の実行が可能となる。
受信割り込み処理(S4010)は、主制御基板100から送られた各種のコマンドが演出制御用マイコン121に入力される度に実行される。受信割り込み処理(S4010)では、演出制御用マイコン121は主制御基板100の出力処理(S101)により送信されてきて受信した各種のコマンドを演出用RAM124の受信バッファに格納する。この受信割り込み処理は、他の割り込み処理(S4011)に優先して実行される。
[2.サブ側タイマ割り込み処理]
サブ側タイマ割り込み処理(S4011)は、サブ制御基板120に所定の周期(例えば、1msec周期)の割り込みパルスが入力される度に実行される。サブ側タイマ割り込み処理(S4011)では、図26に示すように、入力処理(S4101)、発光データ出力処理(S4102)、可動装置制御処理(S4103)、ウォッチドッグタイマ処理(S4104)、受信コマンド解析処理(S4105)、演出タイマ更新処理(S4106)、音声制御処理(S4107)、演出用データ作成処理(S4108)を順次行う。
入力処理では、通常ボタン検出スイッチ40aや特殊ボタン検出スイッチ41aなどの遊技者が操作可能な操作部に対する操作を検出する。発光データ出力処理では、後述する演出データ作成処理で作成された演出用データに基づいて、画像による演出等に合うタイミングなどで枠ランプ53、および盤ランプ54などのランプを発光させるべく、発光データをランプ制御回路151に出力する。つまり、演出制御用マイコン121は、発光データに従って枠ランプ53、および盤ランプ54などを所定の発光態様で発光させる。可動装置制御処理では、演出データ作成処理で作成された演出用データに基づいて、所定のタイミングで可動装置55,56,58などの可動装置を動作させる可動体演出を行うべく、駆動データを出力する。つまり、演出制御用マイコン121は、駆動データに従って、可動装置55,56,58などを所定の動作態様で動作させる可動体演出を行う。ウォッチドッグタイマ処理では、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行う。
受信コマンド解析処理では、受信割り込み処理(S4010)によって演出用RAM124の受信バッファに格納されたコマンドを解析し、そのコマンドに応じた処理(例えば演出の選択や演出モードの設定、コマンドのセット等)を行う。演出タイマ更新処理では、各演出に関する時間を計測するためのタイマを更新する。音声制御処理では、受信コマンド解析処理の処理結果に基づいて、音声データ(スピーカ52からの音声の出力を制御するデータ)の作成と音声制御回路161への出力が行われる。演出用データ作成処理では、受信コマンド解析処理の処理結果に基づいて、演出用データの作成が行われる。
7.第1実施形態の特徴点の説明
第1実施形態のパチンコ遊技機PY1における特徴点に関して、さらなる詳細な説明を以下に加える。本実施形態(第1実施形態)のパチンコ遊技機PY1では、特別図柄の可変表示に伴う特図変動演出の実行中に擬似連演出(擬似連続変動演出)が実行可能となっている。また、擬似連演出が実行される場合には、その擬似連演出として順次実行される通常変動の順番(回数目)を報知する報知演出が実行可能となっている。
7−1.擬似連演出
まず、本実施形態における擬似連演出について図27および図28を用いて説明する。擬似連演出とは、後述の通常変動が複数回実行され得る演出である。
具体的には、1回の特別図柄の可変表示中に、図27(A)に示すように画像表示装置50の表示部50a上で変動表示中の3つの演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が、図27(B)に示すように一旦仮停止表示した後に、図27(D)に示すように再変動表示する。
なお、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3は、上述したように特別図柄の可変表示の開始とともに変動表示が開始する。そのため、特別図柄の可変表示中に擬似連演出が行われる場合には、その特別図柄の可変表示の開始時に行われる演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示の開始が初回(1回目)の変動表示の開始となり、その後の擬似連演出による演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示の開始が、2回目以降の変動表示の開始となる。
本実施形態で擬似連演出が行われる場合には、1回の特別図柄の可変表示中に、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示の開始から仮停止表示(或いはリーチ)までの通常変動が複数回繰り返し行われることになる。本実施形態の擬似連演出には、1回の特別図柄の可変表示中における通常変動の回数が異なる3種類のもの(「第1擬似連」、「第2擬似連」および「第3擬似連」)がある。
第1擬似連とは、図28(A)に示すように、1回の特別図柄の可変表示中に演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の再変動表示が1回行われ、1回の特別図柄の可変表示において2回の通常変動が行われる擬似連演出である。本実施形態では、2回の通常変動はいずれも特図変動演出の開始からリーチまでの期間(以下「通常変動期間」ともいう)に行われる。1回目の通常変動は、特別図柄の可変表示の開始とともに行われる演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示(1回目の変動表示)の開始から2回目の変動表示の開始直前の仮停止表示(1回目の仮停止表示)まで行われる(図28(A)参照)。また、2回目の通常変動は、2回目の変動表示の開始からリーチまで行われる(図28(A)参照)。
第2擬似連とは、図28(B)に示すように、1回の特別図柄の可変表示中に演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の再変動表示が2回行われ、1回の特別図柄の可変表示において3回の通常変動が行われる擬似連演出である。本実施形態では、3回の通常変動はいずれも、上述の第1擬似連と同じく通常変動期間に行われる。1回目の通常変動は、特別図柄の可変表示の開始とともに行われる演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示(1回目の変動表示)の開始から2回目の変動表示の開始直前の仮停止表示(1回目の仮停止表示)まで行われ、2回目の通常変動は2回目の変動表示の開始から3回目の変動表示の開始直前の仮停止表示(2回目の仮停止表示)まで行われる(図28(B)参照)。そして、3回目の通常変動は3回目の変動表示の開始からリーチまで行われる(図28(B)参照)。
第3擬似連とは、図28(C)に示すように、1回の特別図柄の可変表示中に演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の再変動表示が3回行われ、1回の特別図柄の可変表示において4回の通常変動が行われる擬似連演出である。本実施形態では、4回の通常変動はいずれも、上述の第1擬似連および第2擬似連と同じく通常変動期間に行われる。1回目の通常変動は特別図柄の可変表示の開始とともに行われる演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示(1回目の変動表示)の開始から2回目の変動表示の開始直前の仮停止表示(1回目の仮停止表示)まで行われ、2回目の通常変動は2回目の変動表示の開始から3回目の変動表示の開始直前の仮停止表示(2回目の仮停止表示)まで行われる(図28(C)参照)。また、3回目の通常変動は3回目の変動表示の開始から4回目の変動表示の開始直前の仮停止表示(3回目の仮停止表示)まで行われ、4回目の通常変動は4回目の変動表示の開始からリーチまで行われる(図28(C)参照)。
本実施形態の擬似連演出は、非時短状態の場合でも時短状態の場合でも実行可能となっている。具体的に例えば、非時短状態である通常遊技状態(低確率低ベース遊技状態)における特図1の可変表示に伴い擬似連演出が実行可能となっている。また例えば、時短状態である高確率高ベース遊技状態における特図2の可変表示に伴い擬似連演出が実行可能となっている。本実施形態で、非時短状態は通常遊技状態(低確率低ベース遊技状態)のことを指し、時短状態は高確率高ベース遊技状態のことを指す。
本実施形態では、非時短状態で実行可能な擬似連演出が上述の第1擬似連、第2擬似連および第3擬似連の3種類あるのに対し、時短状態で実行可能な擬似連演出は第3擬似連を除く第1擬似連および第2擬似連の2種類しかない。
7−2.報知演出
次に報知演出について図27および図29および図30を用いて説明する。報知演出とは、実行が開始される通常変動が、1回の通常変動期間において行われる複数回(2〜4回)の通常変動のうちの何回目(「2回目」、「3回目」又は「4回目」)のものであるかを報知する演出である。
本実施形態の報知演出には、図27(C)に示す文字列「×2」の画像G121を用いたもの、図29(A)に示す文字列「×3」の画像G122を用いたもの、および、図29(B)に示す文字列「×4」の画像G123を用いたものがある。画像G121を用いた報知演出は、1回の通常変動期間における2回目の通常変動であることを報知する演出であり、画像G122を用いた報知演出は、1回の通常変動期間における3回目の通常変動であることを報知する演出であり、画像G123を用いた報知演出は、1回の通常変動期間における4回目の通常変動であることを報知する演出である。
よって、上記の第1擬似連が行われる場合には、その実行に伴って画像G121を用いた報知演出が行われる。また、上記の第2擬似連が行われる場合には、その実行に伴って画像G121を用いた報知演出および画像G122を用いた報知演出が順次行われる。さらに、上記の第3擬似連が行われる場合には、その実行に伴って画像G121を用いた報知演出、画像G122を用いた報知演出および画像G123を用いた報知演出が順次行われる。
また、本実施形態の報知演出は、通常変動の実行(演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示)の開始とともに行われる。具体的に、図27(C)に示す画像G121を用いた報知演出は2回目の通常変動の実行(演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の2回目の変動表示)の開始とともに行われる。また、図29(A)に示す画像G122を用いた報知演出は3回目の通常変動の実行(演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の3回目の変動表示)の開始とともに行われる。そして、図29(B)に示す画像G123を用いた報知演出は4回目の通常変動の実行(演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の4回目の変動表示)の開始とともに行われる。
また、報知演出の態様のうち文字列の表示色については、図30に示すように実行時の遊技状態や画像G121、G122、G123毎に種類が異なる。
具体的に、画像G121に用いられる文字列「×2」の表示色として、報知演出が非時短状態で行われるときには「緑色」および「赤色」の2種類のものがあるけれども、時短状態で行われるときには「赤色」の1種類のものしかない(図30参照)。そのため、非時短状態で画像G121を用いた報知演出が行われる場合には、その画像G121の文字列「×2」が「緑色」又は「赤色」の表示色で表示されるのに対し、時短状態で画像G121を用いた報知演出が行われる場合には、その画像G121の文字列「×2」は必ず「赤色」の表示色で表示される。
また、画像G122に用いられる文字列「×3」の表示色として、報知演出が非時短状態で行われるときには「赤色」の1種類のものしかなく、時短状態で行われるときには「金色」の1種類のものしかない(図30参照)。そのため、非時短状態で画像G122を用いた報知演出が行われる場合には、その画像G122の文字列「×3」が必ず「赤色」の表示色で表示される一方、時短状態で画像G122を用いた報知演出が行われる場合にはその画像G122の文字列「×3」は必ず「金色」の表示色で表示される。
なお、非時短状態でのみ実行可能な、画像G123に用いられる文字列「×4」の表示色としては「虹色」の1種類のものしかない(図30参照)。そのため、非時短状態で画像G123を用いた報知演出が行われる場合には、その画像G123の文字列「×4」は必ず「虹色」の表示色で表示される。
なお本実施形態では、画像G121、画像G122および画像G123について、文字列の表示色以外の態様(例えば、大きさや字体や濃淡や柄の有無や表示位置)は同じである。
7−3.特図変動パターン判定
次に、本実施形態における特図変動パターン判定について、図31〜図33に基づいてさらに説明する。本実施形態では、遊技制御用マイコン101が特図1の特図変動パターン判定を行う場合には、図31に示す特図1変動パターン判定テーブルを用いる。また、特図2の特図変動パターン判定を行う場合には、図32に示す特図2変動パターン判定テーブルを用いる。
図31に示す特図1変動パターン判定テーブルには、上述の特図変動パターン以外に、遊技状態が「非時短状態」で特図抽選の結果が「大当たり」の場合に選択可能な特図変動パターン「P21」、「P22」、「P23」、「P24」および「P25」がある。また、遊技状態が「非時短状態」で特図抽選の結果が「ハズレ」、且つ、リーチ判定の結果が「リーチ有り」の場合、つまり「リーチ有りハズレ」の場合に選択可能な特図変動パターン「P26」、「P27」、「P28」および「P29」がある。
特図変動パターン「P21」には、特図変動演出の開始からリーチまでの通常変動期間において上記第1擬似連(すなわち2回の通常変動)が行われた後、リーチに移行する演出フロー(演出内容)の特図変動演出が関連付けられている(図31参照)。この特図変動パターン「P21」が選択された場合には、1回の特図1の可変表示中に第1擬似連が実行された後、リーチ、Nリーチ、発展演出およびSPリーチが順次行われて、最終的に特図抽選の結果(つまり「大当たり」であること)が報知される。この特図変動パターン「P21」のことを「第1擬似連SP大当たり変動」ともいう。
特図変動パターン「P22」には、通常変動期間において上記第2擬似連(すなわち3回の通常変動)が行われた後、リーチに移行する演出フローの特図変動演出が関連付けられている(図31参照)。この特図変動パターン「P22」が選択された場合には、1回の特図1の可変表示中に第2擬似連が実行された後、リーチ、Nリーチ、発展演出およびSPリーチが順次行われて、最終的に「大当たり」であることが報知される。この特図変動パターン「P22」のことを「第2擬似連SP大当たり変動」ともいう。
特図変動パターン「P23」には、通常変動期間において上記第3擬似連(すなわち4回の通常変動)が行われた後、リーチに移行する演出フローの特図変動演出が関連付けられている(図31参照)。この特図変動パターン「P23」が選択された場合には、1回の特図1の可変表示中に第3擬似連が実行された後、リーチ、Nリーチ、発展演出およびSPリーチが順次行われて、最終的に「大当たり」であることが報知される。この特図変動パターン「P23」のことを「第3擬似連SP大当たり変動」ともいう。
特図変動パターン「P24」には、通常変動期間において第1擬似連(すなわち2回の通常変動)が行われた後、リーチに移行する演出フローの特図変動演出が関連付けられている(図31参照)。この特図変動パターン「P24」が選択された場合には、上記特図変動パターン「P21」とは異なり、1回の特図1の可変表示中に第1擬似連が実行された後、リーチおよびNリーチが順次行われ、発展演出およびSPリーチを介さずに「大当たり」であることが最終的に報知される。この特図変動パターン「P24」のことを「第1擬似連N大当たり変動」ともいう。
特図変動パターン「P25」には、通常変動期間において第2擬似連(すなわち3回の通常変動)が行われた後、リーチに移行する演出フローの特図変動演出が関連付けられている(図31参照)。この特図変動パターン「P25」が選択された場合には、上記特図変動パターン「P22」とは異なり、1回の特図1の可変表示中に第2擬似連が実行された後、リーチおよびNリーチが順次行われ、発展演出およびSPリーチを介さずに「大当たり」であることが最終的に報知される。この特図変動パターン「P25」のことを「第2擬似連N大当たり変動」ともいう。
特図変動パターン「P26」には、上述の特図変動パターン「P21」と同じように、通常変動期間において第1擬似連が行われた後、リーチに移行する演出フローの特図変動演出が関連付けられている(図31参照)。そのため、特図変動パターン「P26」が選択された場合には、特図変動パターン「P21」と同じように、1回の特図1の可変表示中に第1擬似連が実行され、その後、リーチ、Nリーチ、発展演出およびSPリーチが順次行われる。そして、特図抽選の結果(つまり「ハズレ」であること)が最終的に報知される。この特図変動パターン「P26」のことを「第1擬似連SPハズレ変動」ともいう。
特図変動パターン「P27」には、上述の特図変動パターン「P22」と同じように、通常変動期間において第2擬似連が行われた後、リーチに移行する演出フローの特図変動演出が関連付けられている(図31参照)。そのため、特図変動パターン「P27」が選択された場合には、特図変動パターン「P22」と同じように、1回の特図1の可変表示中に第2擬似連が実行され、その後、リーチ、Nリーチ、発展演出およびSPリーチが順次行われる。そして「ハズレ」であることが最終的に報知される。この特図変動パターン「P27」のことを「第2擬似連SPハズレ変動」ともいう。
特図変動パターン「P28」には、上述の特図変動パターン「P24」と同じように、通常変動期間において第1擬似連が行われた後、リーチに移行する演出フローの特図変動演出が関連付けられている(図31参照)。この特図変動パターン「P28」が選択された場合には、1回の特図1の可変表示中に第1擬似連が実行された後、リーチおよびNリーチが順次行われ、「ハズレ」であることが最終的に報知される。この特図変動パターン「P28」のことを「第1擬似連Nハズレ変動」ともいう。
特図変動パターン「P29」には、上述の特図変動パターン「P25」と同じように、通常変動期間において第2擬似連が行われた後、リーチに移行する演出フローの特図変動演出が関連付けられている(図31参照)。この特図変動パターン「P29」が選択された場合には、1回の特図1の可変表示中に第2擬似連が実行された後、リーチおよびNリーチが順次行われ、「ハズレ」であることが最終的に報知される。この特図変動パターン「P29」のことを「第2擬似連Nハズレ変動」ともいう。
図31によれば、非時短状態での特図抽選の結果が「リーチ有りハズレ」の場合における特図1変動パターン判定テーブルには、その特図抽選の結果が「大当たり」の場合とは異なり、通常変動期間において第3擬似連(すなわち4回の通常変動)が行われる特図変動パターンがない。よって、非時短状態における3回目の通常変動で演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の仮停止表示が行われた時点で、遊技者は可変表示中の特図1抽選の結果が「大当たり」であることを把握可能であり、大当たりの当選を確信しながら以降の特図変動演出を楽しむことが可能となっている。
図32に示す特図2変動パターン判定テーブルには、上述の特図変動パターン以外に、遊技状態が「時短状態」で特図抽選の結果が「大当たり」の場合に選択可能な特図変動パターン「P81」および「P82」がある。また、遊技状態が「時短状態」で特図抽選の結果が「ハズレ」、且つ、リーチ判定の結果が「リーチ有り」の場合、つまり「リーチ有りハズレ」の場合に選択可能な特図変動パターン「P83」がある。
特図変動パターン「P81」および「P83」には、特図変動パターン「P21」および「P26」と同じように、通常変動期間において上記第1擬似連(すなわち2回の通常変動)が行われた後、リーチに移行する演出フローの特図変動演出が関連付けられている(図32参照)。なお、特図変動パターン「P81」の場合には最終的に「大当たり」であることが報知され、特図変動パターン「P83」の場合には最終的に「ハズレ」であることが報知される。特図変動パターン「P81」のことを特図変動パターン「P21」と同様「第1擬似連SP大当たり変動」ともいい、特図変動パターン「P83」のことを特図変動パターン「P26」と同様「第1擬似連SPハズレ変動」ともいう。
特図変動パターン「P82」には、特図変動パターン「P22」と同じように、通常変動期間において第2擬似連(すなわち3回の通常変動)が行われた後、リーチに移行する演出フローの特図変動演出が関連付けられている(図32参照)。特図変動パターン「P82」の場合には最終的に「大当たり」であることが報知される。特図変動パターン「P82」のことを特図変動パターン「P22」と同様「第2擬似連SP大当たり変動」ともいう。
図32によれば、時短状態での特図抽選の結果が「リーチ有りハズレ」の場合における特図2変動パターン判定テーブルには、その特図抽選の結果が「大当たり」の場合とは異なり、通常変動に「第2擬似連」を含む特図変動パターンがない。よって、時短状態における2回目の通常変動で演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の仮停止表示が行われた時点で、遊技者は、可変表示中の特図2抽選の結果が「大当たり」であることを把握可能であり、大当たりの当選を確信しながら以降の特図変動演出を楽しむことが可能となっている。
続いて、図33(A)および図33(B)には、図32に示す特図1変動パターン判定テーブルにおける特図変動パターンの振分率(実行確率)を示す。また、図33(C)および図33(D)には、図33に示す特図2変動パターン判定テーブルにおける特図変動パターンの振分率(実行確率)を示す。本実施形態では、特図1抽選の判定結果が「大当たり」の場合に、図33(A)に示す振分率で特図変動パターンが遊技制御用マイコン101によって選択され、「リーチ有りハズレ」の場合に、図33(B)に示す振分率で特図変動パターンが遊技制御用マイコン101によって選択される。また、特図2抽選の判定結果が「大当たり」の場合に、図33(C)に示す振分率で特図変動パターンが遊技制御用マイコン101によって選択され、「リーチ有りハズレ」の場合に、図33(D)に示す振分率で特図変動パターンが遊技制御用マイコン101によって選択される。
上述したように、非時短状態での特図1の抽選結果が「大当たり」の場合に選択可能な特図変動パターン「P21」、「P22」、「P23」および「P01」には、Nリーチを経てSPリーチまで行われる特図変動演出が関連付けられている(図31参照)。図33(A)によれば、これら特図変動パターンの振分率の合計の値は「89%」である。この値は、非時短状態での特図1の抽選結果が「大当たり」の場合に選択可能な、Nリーチまで行われる(つまりSPリーチは行われない)特図変動演出が関連付けられている特図変動パターン「P24」、「P25」および「P03」の振分率の合計の値(「11%」)よりも大きい。
また、非時短状態での特図1の抽選結果が「リーチ有りハズレ」の場合に選択可能な特図変動パターン「P26」、「P27」および「P04」には、Nリーチを経てSPリーチまで行われる特図変動演出が関連付けられている(図31参照)。図33(B)によれば、これら特図変動パターンの振分率の合計の値は「42%」である。この値は、非時短状態での特図1の抽選結果が「リーチ有りハズレ」の場合に選択可能な、Nリーチまで行われる(つまりSPリーチは行われない)特図変動演出が関連付けられている特図変動パターン「P28」、「P29」および「P06」の振分率の合計の値(「58%」)よりも小さい。
以上により、本実施形態では、非時短状態での特図1抽選の結果が「大当たり」の場合には、SPリーチまで行われる特図変動演出が選択され易い。そのため、SPリーチの大当たり期待度の方が、Nリーチの大当たり期待度よりも高くなっている。
また、上述したように、非時短状態での特図1の抽選結果が「大当たり」の場合に選択可能な特図変動パターン「P21」、「P22」、「P23」、「P24」および「P25」には、擬似連演出を伴う特図変動演出が関連付けられている(図31参照)。図33(A)によれば、これら特図変動パターンの振分率の合計の値は「88%」である。この値は、非時短状態での特図1の抽選結果が「大当たり」の場合に選択可能な、擬似連演出を伴わない特図変動演出が関連付けられている特図変動パターン「P01」および「P03」の振分率の合計の値(「12%」)よりも大きい。
また、非時短状態での特図1の抽選結果が「リーチ有りハズレ」の場合に選択可能な特図変動パターン「P26」、「P27」、「P28」および「P29」には、擬似連演出を伴う特図変動演出が関連付けられている(図31参照)。図33(B)によれば、これら特図変動パターンの振分率の合計の値は「44%」である。この値は、非時短状態での特図1の抽選結果が「リーチ有りハズレ」の場合に選択可能な、擬似連演出を伴わない特図変動演出が関連付けられている特図変動パターン「P04」および「P06」の振分率の合計の値(「56%」)よりも小さい。
以上により本実施形態では、非時短状態での特図1抽選の結果が「ハズレ(リーチ有りハズレ)」の場合よりも「大当たり」の場合の方が擬似連演出を伴う特図変動演出が選択され易い。そのため擬似連演出の実行による大当たり期待度が、擬似連演出が行われない場合よりも相対的に高くなっている。
また上述したように、非時短状態での特図1の抽選結果が「大当たり」の場合に選択可能な特図変動パターン「P21」および「P24」には、第1擬似連を伴う特図変動演出が関連付けられている(図31参照)。図33(A)によれば、これら特図変動パターンの振分率の合計の値は「27%」である。この値は、非時短状態での特図1の抽選結果が「大当たり」の場合に選択可能な、第2擬似連を伴う特図変動演出が関連付けられている特図変動パターン「P22」および「P25」の振分率の合計の値(「57%」)よりも小さい。
一方、非時短状態での特図1の抽選結果が「リーチ有りハズレ」の場合に選択可能な特図変動パターン「P26」および「P28」には、第1擬似連を伴う特図変動演出が関連付けられており(図31参照)、これら特図変動パターンの振分率の合計の値は「27%」である(図33(B)参照)。この値は、非時短状態での特図1の抽選結果が「リーチ有りハズレ」の場合に選択可能な、第2擬似連を伴う特図変動演出が関連付けられている特図変動パターン「P27」および「P29」の振分率の合計の値(「17%」)よりも大きい。
よって、非時短状態での特図1の抽選結果が「大当たり」のときに擬似連演出を伴う特図変動演出が実行される場合には、その擬似連演出として第1擬似連よりも第2擬似連が選択され易い。それに対し、非時短状態での特図1の抽選結果が「ハズレ(リーチ有りハズレ)」のときに擬似連演出を伴う特図変動演出が実行される場合には、その擬似連演出として第2擬似連よりも第1擬似連が選択され易い。以上により本実施形態では、第1擬似連よりも第2擬似連の方が大当たり期待度が高くなっている。
また上述したように、時短状態での特図2の抽選結果が「大当たり」の場合に選択可能な特図変動パターン「P81」および「P82」には、擬似連演出を伴う特図変動演出が関連付けられている(図32参照)。図33(C)によれば、これら特図変動パターンの振分率の合計の値は「70%」である。この値は、時短状態での特図2の抽選結果が「大当たり」の場合に選択可能な、擬似連演出を伴わない特図変動演出が関連付けられている特図変動パターン「P61」の振分率の値(「30%」)よりも大きい。
また、時短状態での特図2の抽選結果が「リーチ有りハズレ」の場合に選択可能な特図変動パターン「P83」には、擬似連演出を伴う特図変動演出が関連付けられている(図32参照)。図33(D)によれば、これら特図変動パターンの振分率の値は「20%」である。この値は、時短状態での特図2の抽選結果が「リーチ有りハズレ」の場合に選択可能な、擬似連演出を伴わない特図変動演出が関連付けられている特図変動パターン「P63」の振分率の値(「80%」)よりも小さい。
以上により本実施形態では、時短状態での特図2抽選の結果が「ハズレ(リーチ有りハズレ)」の場合よりも「大当たり」の場合の方が擬似連演出を伴う特図変動演出が選択され易い。そのため擬似連演出の実行による大当たり期待度が相対的に高くなっている。
また図33(B)によれば、非時短状態(通常遊技状態)での特図1の抽選結果が「リーチ有りハズレ」の場合に、その特図1の可変表示中に第1擬似連が行われる「P26」および「P28」の振分率の合計の値は「27%」である。この値は、同じ非時短状態での特図1の可変表示中に第2擬似連が行われる「P27」および「P29」の振分率の合計の値(「17%」)よりも大きい。一方、図33(A)によれば、非時短状態での特図1の抽選結果が「大当たり」の場合に、その特図1の可変表示中に第1擬似連が行われる「P21」および「P24」の振分率の合計の値は「27%」である。この値は、非時短状態での特図1の可変表示中に第2擬似連が行われる「P22」および「P25」の振分率の合計の値(「57%」)よりも小さい。以上により、非時短状態で第1擬似連が行われた後に遊技状態が大当たり遊技状態に移行する期待度よりも、第2擬似連が行われた後に遊技状態が大当たり遊技状態に移行する期待度の方が高い。
さらに、図33(B)および図33(D)によれば、非時短状態での特図1の抽選結果が「リーチ有りハズレ」の場合に、その特図1の可変表示中に第1擬似連が行われる「P26」および「P28」の振分率の合計の値は「27%」である。この値は、時短状態での特図2の抽選結果が「リーチ有りハズレ」の場合に、その特図2の可変表示中に第1擬似連が行われる「P83」の振分率の値(「20%」)よりも大きい。一方、図33(A)および図34(C)によれば、非時短状態での特図1の抽選結果が「大当たり」の場合に、その特図1の可変表示中に第1擬似連が行われる「P21」および「P24」の振分率の合計の値は「27%」である。この値は、時短状態での特図2の抽選結果が「大当たり」の場合に、その特図2の可変表示中に第1擬似連が行われる「P81」の振分率の値(「50%」)よりも小さい。以上により、非時短状態で第1擬似連が行われた後に遊技状態が大当たり遊技状態に移行する期待度よりも、時短状態で第1擬似連が行われた後に遊技状態が大当たり遊技状態に移行する期待度の方が高い。
7−4.表示色選択テーブル
次に、報知演出に用いる各画像の表示色の決定(選択)に関する処理について、図34に基づいて説明する。
図34には、報知演出に用いる各画像についての表示色選択テーブルを示す。演出制御用マイコン121は、主制御基板100にて決定した特図変動パターンに基づいて、第1擬似連、第2擬似連又は第3擬似連の実行を決定した場合には、それら擬似連演出に伴って実行する報知演出の各種画像の表示態様(表示色)について表示色選択テーブルを参照して決定する。
具体的に演出制御用マイコン121は、特図変動パターンに基づいて第1擬似連の実行を決定した場合には、その第1擬似連に伴って実行する報知演出に用いる画像G121(文字列「×2」)の表示色について、図34(A)に示す表示色選択テーブルおよび遊技状態を参照して決定する。本実施形態では、非時短状態で第1擬似連が行われる場合、その第1擬似連に伴う報知演出に用いる画像G121の表示色として「緑色」の振分率が「100%」であり「赤色」の振分率が「0%」である。逆に、時短状態で第1擬似連が行われる場合、それに伴う報知演出に用いる画像G121の表示色として「緑色」の振分率が「0%」であり「赤色」の振分率が「100%」である。従って、非時短状態で第1擬似連が行われる場合には、それに伴って実行される報知演出の画像G121の文字列「×2」は必ず「緑色」で表示される。一方、時短状態で第1擬似連が行われる場合には、それに伴う報知演出の画像G121の文字列「×2」は必ず「赤色」で表示される。
また、演出制御用マイコン121は、第2擬似連の実行を決定した場合には、その第2擬似連に伴って実行する報知演出に用いる画像G121の表示色については図34(B)に示す表示色選択テーブルおよび遊技状態を参照して決定し、画像G122(文字列「×3」)の表示色については図34(C)に示す表示色選択テーブルおよび遊技状態を参照して決定する。本実施形態では、非時短状態で第2擬似連が行われる場合、それに伴う報知演出に用いる画像G121の表示色として「緑色」の振分率が「75%」であり「赤色」の振分率が「25%」である。また、非時短状態で第2擬似連が行われる場合、それに伴う報知演出に用いる画像G122の表示色として「赤色」の振分率が「100%」である。従って、非時短状態で第2擬似連が行われる場合には、それに伴って実行される報知演出の画像G121の文字列「×2」は「緑色」の表示色のほかに「赤色」の表示色で表示されるときがある。それに対し、報知演出の画像G122の文字列「×3」は必ず「赤色」の表示色で表示される。
また、時短状態で第2擬似連が行われる場合、それに伴う報知演出に用いる画像G121の表示色として「緑色」の振分率が0%であり「赤色」の振分率が100%である。また、時短状態で第2擬似連が行われる場合、それに伴う報知演出に用いる画像G122の表示色として「金色」の振分率が「100%」である。従って、時短状態で第2擬似連が行われる場合には、それに伴って実行される報知演出の画像G121の文字列「×2」は必ず「赤色」の表示色で表示され、報知演出の画像G122の文字列「×3」は必ず「金色」の表示色で表示される。
また、演出制御用マイコン121は、第3擬似連の実行を決定した場合には、その第3擬似連に伴って実行する報知演出の画像G121の表示色については図34(D)に示す表示色選択テーブルを参照して決定し、画像G122の表示色については図34(E)に示す表示色選択テーブルを参照して決定し、画像G123(文字列「×4」)の表示色については図34(F)に示す表示色選択テーブルを参照して決定する。本実施形態では、第3擬似連が行われる場合、それに伴う報知演出に用いる画像G121の表示色として「緑色」の振分率が「60%」であり「赤色」の振分率が「40%」である。それに対し、第3擬似連が行われる場合、それに伴う報知演出に用いる画像G122の表示色として「赤色」の振分率が「100%」であり、報知演出に用いる画像G123の表示色として「虹色」の振分率が「100%」である。従って、第3擬似連が行われる場合には、それに伴って実行される報知演出の画像G121の文字列「×2」は「緑色」の表示色のほかに「赤色」の表示色で表示されるときがあるのに対し、報知演出の画像G122の文字列「×3」は必ず「赤色」の表示色で、報知演出の画像G123の文字列「×4」は必ず「虹色」の表示色で表示される。
本実施形態では、非時短状態で行われるときの報知演出に用いる画像G121の文字列の表示色について、実行中の擬似連演出の種類によって異なるときがある。具体的に、非時短状態(通常遊技状態)で行われている擬似連演出が「第1擬似連」の場合には、それとともに実行される報知演出に用いる画像G121の文字列の表示色が必ず「緑色」であるのに対し、「第2擬似連」又は「第3擬似連」の場合には、それとともに実行される報知演出に用いる画像G121の文字列の表示色が「赤色」のときがある。
上述したように「第2擬似連」および「第3擬似連」では、画像G121を用いた報知演出の後には必ず画像G122を用いた報知演出が行われる。そしてその画像G122の文字列の表示色は「赤色」である。そこで、非時短状態で行われている擬似連演出が「第2擬似連」又は「第3擬似連」の場合には、画像G121の文字列の表示色を、画像G122の文字列の表示色と同じ「赤色」にすることで、リーチ前までに、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の仮停止表示および際変動がもう一回ずつ行われることを遊技者に示唆可能となっている。つまり、2回目の通常変動に加えて、3回目の通常変動も行われることを遊技者に事前に示唆可能となっている。
また、図34(A)によれば、遊技状態が非時短状態の場合に、第1擬似連とともに行われる報知演出の画像G121が「緑色」の表示色のときはあっても「赤色」の表示色のときはない。さらに図34(B)および図34(D)によれば、遊技状態が非時短状態の場合に、第2擬似連又は第3擬似連とともに行われる報知演出の画像G121が「緑色」のときもあれば「赤色」のときもある。
それに対し、図34(A)および図34(B)によれば、遊技状態が時短状態の場合には、第1擬似連又は第2擬似連とともに行なわれる報知演出の画像G121が「赤色」のときはあっても「緑色」のときはない。
以上により、本実施形態では、非時短状態での擬似連演出の実行中に「赤色」の表示色の画像G121を用いた報知演出が実行される確率よりも、時短状態での擬似連演出の実行中に「赤色」の表示色の画像G121を用いた報知演出で実行される確率の方が高い。
また、非時短状態で行われる報知演出に関して、その報知演出に用いる画像G121の文字列「×2」の表示色が「緑色」の場合にその後、大当たり遊技が実行される確率よりも、文字列「×2」の表示色が「赤色」の場合にその後、大当たりになる確率の方が高いことを以下に説明する。
図10(A)によれば、非時短状態(通常遊技状態)で特図1の抽選結果が「大当たり」となる確率は「220/65536」(「0.336%」)である。一方、その特図1の抽選結果が「ハズレ」となる確率は「65316/65536」(「99.664%」)である。また、図10(C)によれば、非時短状態で「リーチ有りハズレ」となる確率は「30/100」である。よって、非時短状態で特図1の抽選結果が「リーチ有りハズレ」となる確率は「65316/65536」および「30/100」の積(「29.899%」)である。
次に図33(A)によれば、非時短状態での特図1の抽選結果が「大当たり」の場合に第1擬似連が行われる「P21」および「P24」の振分率(確率)の合計の値は「27%」、第2擬似連が行われる「P22」および「P25」の振分率(確率)の合計の値は「57%」、第3擬似連が行われる「P23」の振分率(確率)の値は「4%」である。
また図33(B)によれば、非時短状態での特図1の抽選結果が「リーチ有りハズレ」の場合に第1擬似連が行われる「P26」および「P28」の振分率(確率)の合計の値は「27%」、第2擬似連が行われる「P27」および「P29」の振分率(確率)の合計の値は「17%」である。
上述したように、第2擬似連に伴って画像G121を用いた報知演出が行われる場合には、特図1の抽選結果によらず、その画像G121の文字列「×2」の表示色は、図34(B)に示す表示色選択テーブルに基づいて決まる。よって、特図1の抽選結果によらず第2擬似連の実行に伴って「緑色」での画像G121の報知演出が行われる確率は「75%」であり、「赤色」での画像G121の報知演出が行われる確率は「25%」である。
また、第3擬似連に伴って画像G121を用いた報知演出が行われる場合にも、特図1の抽選結果によらず、その画像G121の文字列の表示色は、図34(D)に示す表示色選択テーブルに基づいて決まる。よって、特図1の抽選結果によらず第3擬似連の実行に伴って「緑色」での画像G121の報知演出が行われる確率は「60%」であり、「赤色」での画像G121の報知演出が行われる確率は「40%」である。
以上により、非時短状態で特図1抽選の結果が「大当たり」の場合に第1擬似連の実行に伴って「緑色」の表示色での画像G121の報知演出が行われる確率は、「220/65536」および「27%」の積(「0.091%」)である。なお上述したように、非時短状態での第1擬似連に伴う報知演出の画像G121の表示色が「赤色」になることはない(図34(A)参照)。よって、非時短状態で特図1抽選の結果が「大当たり」の場合に第1擬似連に伴って「赤色」での画像G121の報知演出が行われる確率は「0%」である。
また、非時短状態で特図1抽選の結果が「大当たり」の場合に第2擬似連の実行に伴って「緑色」での画像G121の報知演出が行われる確率は、「220/65536」、「57%」および「75%」の積(「0.144%」)である。それに対し、非時短状態で特図1抽選の結果が「大当たり」の場合に第2擬似連の実行に伴って「赤色」での画像G121の報知演出が行われる確率は、「220/65536」、「57%」および「25%」の積(「0.048%」)である。
また、非時短状態で特図1抽選の結果が「大当たり」の場合に第3擬似連の実行に伴って「緑色」での画像G121の報知演出が行われる確率は、「220/65536」、「4%」および「60%」の積(「0.008%」)である。それに対し、非時短状態で特図1抽選の結果が「大当たり」の場合に第3擬似連の実行に伴って「赤色」での画像G121の報知演出が行われる確率は、「220/65536」、「4%」および「40%」の積(「0.005%」)である。
一方、非時短状態で特図1抽選の結果が「リーチ有りハズレ」の場合に第1擬似連の実行に伴って「緑色」での画像G121の報知演出が行われる確率は「65316/65536」、「30/100」および「27%」の積(「8.073%」)である。なお、非時短状態で特図1抽選の結果が「リーチ有りハズレ」の場合に第1擬似連の実行に伴って「赤色」での画像G121の報知演出が行われる確率は「0%」である。
また、非時短状態で特図1抽選の結果が「リーチ有りハズレ」の場合に第2擬似連の実行に伴って「緑色」での画像G121の報知演出が行われる確率は「65316/65536」、「30/100」、「17%」および「75%」の積(「3.812%」)である。それに対し、非時短状態で特図1抽選の結果が「リーチ有りハズレ」の場合に第2擬似連の実行に伴って「赤色」での画像G121の報知演出が行われる確率は、「65316/65536」、「30/100」、「17%」および「25%」の積(「1.271%」)である。
そして、非時短状態で特図1抽選の結果によらず擬似連演出の実行に伴って「緑色」での画像G121の報知演出が行われる確率は「0.091%」、「0.144%」、「0.008%」、「7.073%」および「3.812%」の総和(「12.127%」)である。そのうち、非時短状態で特図1抽選の結果が「大当たり」の場合に擬似連演出の実行に伴って「緑色」での画像G121の報知演出が行われる確率は「0.091%」、「0.144%」および「0.008%」の総和(「0.243%」)である。従って、非時短状態で擬似連演出に伴って「緑色」での画像G121の報知演出が行われた後に「大当たり」になる割合は「1.997%」である。
一方、非時短状態で特図1抽選の結果によらず擬似連演出の実行に伴って「赤色」での画像G121の報知演出が行われる確率は「0.000%」、「0.048%」、「0.005%」、「0.000%」および「1.271%」の総和(「1.324%」)である。そのうち、非時短状態で特図1抽選の結果が「大当たり」の場合に擬似連演出の実行に伴って「赤色」での画像G121の報知演出が行われる確率は「0.000%」、「0.048%」および「0.005%」の総和(「0.053%」)である。従って、非時短状態で擬似連演出に伴って「赤色」での画像G121の報知演出が行われた後に「大当たり」になる割合は「4.019%」である。この値は、非時短状態で擬似連演出に伴って「緑色」での画像G121の報知演出が行われた後に「大当たり」になる上記割合よりも大きい。かくして、非時短状態で「緑色」での画像G121の報知演出が行われた後に大当たり遊技が実行される確率よりも、「赤色」での画像G121の報知演出が行われた後に大当たり遊技が実行される確率の方が高い。
7−5.演出の流れ
次に、本実施形態の擬似連演出および報知演出の流れについて、上述した図27〜図34を用いて説明する。
7−5−1.非時短状態での第1擬似連および報知演出
非時短状態で第1擬似連が実行される場合には、特別図柄の可変表示の開始とともに行われる演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示の開始からリーチまでの期間(上記の通常変動期間)に2回の通常変動が行われ(図28(A)参照)、2回目の通常変動の開始とともに、図27(C)に示す文字列「×2」を示す画像G121を用いた報知演出が行われる。
具体的に、図27(A)に示すように特別図柄の可変表示とともに演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示が開始した後に、先ず変動表示中の演出図柄EZ1,EZ2,EZ3のうちの左演出図柄EZ1および右演出図柄EZ3が「リーチ目」以外の停止態様で仮停止する。次いで、図27(B)に示すように文字列「擬似連」を示す画像G120を用いた中演出図柄EZ2が仮停止する。これにより特別図柄の可変表示の開始から続いていた1回目の通常変動が終了することになる。
所定の期間(例えば2秒間)の経過後、表示部50a上では演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が再変動する。これにより2回目の通常変動の実行が開始されることになる。
この通常変動の実行(演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の再変動)の開始とともに、図27(C)に示すような、文字列「×2」を示す画像G121を用いた報知演出が所定の期間(例えば2秒間)行われる。この画像G121を用いた報知演出によって、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が変動表示中の通常変動の順番(回数目)が「2回目」であることを遊技者に報知可能であり、擬似連演出(第1擬似連)として2回目の通常変動の実行が開始したことを遊技者が把握可能となっている。
上述したように、非時短状態で実行される第1擬似連に伴う報知演出では、画像G121の文字列「×2」の表示色が「緑色」しかない(図34(A)参照)。そのため、この場合の第1擬似連に伴う報知演出では、「緑色」の表示色で画像G121が表示部50a上に表示される。
画像G121を用いた報知演出の実行後、図27(D)に示すように、表示部50a上から報知演出が消えて、変動中の演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が視認可能になる。その後、左演出図柄EZ1と右演出図柄EZ3とが「ゾロ目」となりリーチになる。
7−5−2.非時短状態での第2擬似連および報知演出
非時短状態で第2擬似連が実行される場合には、通常変動期間に3回の通常変動が行われ(図28(B)参照)、2回目の通常変動の開始とともに、図27(C)に示す文字列「×2」を示す画像G121を用いた報知演出が行われ、3回目の通常変動の開始とともに、図29(A)に示す文字列「×3」を示す画像G122を用いた報知演出が行われる。
具体的に、特別図柄の可変表示とともに変動表示中の演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が図27(B)に示すように仮停止する。これにより特別図柄の可変表示の開始から続いていた1回目の通常変動が終了する。そして、所定の期間(例えば2秒間)の経過後、表示部50a上では演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が再変動する。これにより2回目の通常変動の実行が開始される。
この通常変動の実行の開始とともに、第1擬似連の場合と同様、図27(C)に示すような、文字列「×2」を示す画像G121を用いた報知演出が所定の期間(例えば2秒間)行われる。この画像G121を用いた報知演出によって、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が変動表示中である通常変動の順番(回数目)が「2回目」であることを遊技者に報知可能となっている。
上述したように、非時短状態で実行される第2擬似連に伴う報知演出では、画像G121の文字列「×2」の表示色が「緑色」に加えて「赤色」も選択可能となっている(図34(B)参照)。そのため、この場合の第2擬似連に伴う報知演出では表示部50a上に画像G121が「緑色」で表示されるときと「赤色」で表示されるときとがある。
画像G121を用いた報知演出の実行後、図27(D)に示すように、表示部50a上から報知演出が消えて、変動中の演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が視認可能になる。
第2擬似連の場合には、その後、さらに変動表示中の演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が仮停止する(図28(B)参照)。これにより2回目の通常変動が終了する。
所定の期間(例えば2秒間)の経過後、表示部50a上では演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が再び変動を開始する。これにより3回目の通常変動の実行が開始される。
この通常変動の実行の開始とともに、図29(A)に示すような、文字列「×3」を示す画像G122を用いた報知演出が所定の期間(例えば2秒間)行われる。この画像G122を用いた報知演出によって、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が変動表示中である通常変動の順番(回数目)が「3回目」であることを遊技者に報知可能であり、擬似連演出(第2擬似連)の実行に伴い3回目の通常変動の実行が開始したことを遊技者が把握可能となっている。
上述したように、非時短状態で実行される第2擬似連に伴う報知演出では、画像G122の文字列「×3」の表示色が「赤色」しかない(図34(C)参照)。そのため、この場合の第2擬似連に伴う報知演出では、表示色「赤色」で画像G122が表示部50a上に表示される。
画像G122を用いた報知演出の実行後、表示部50a上からその報知演出が消えて、変動中の演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が視認可能になる。その後、左演出図柄EZ1と右演出図柄EZ3とが「ゾロ目」となりリーチになる。
非時短状態で第1擬似連が行われる場合の、2回目の通常変動の開始時に行われる報知演出の画像G121の表示色が「緑色」であるのに対し、非時短状態で第2擬似連が行われる場合の、2回目の通常変動の開始時に行われる報知演出の画像G121の表示色には、非時短状態での第1擬似連と同じ「緑色」のほかに「赤色」がある。そのため、非時短状態時において2回目の通常変動での報知演出の画像G121の表示色が「緑色」の場合には、その後に3回目の通常変動が行われるかもしれないことを遊技者に期待させ得る。
一方、非時短状態時において2回目の通常変動での報知演出の画像G121の表示色が「赤色」の場合には、その後に3回目の通常変動が行われることを遊技者が事前に把握可能となっている。
しかも、2回目の通常変動の開始時に行われる報知演出の画像G121の表示色として選択可能な「赤色」とは、3回目の通常変動の開始時に行われる報知演出の画像G122の表示色と同じ態様である。そのため、非時短状態時において2回目の通常変動での報知演出の画像G121の表示色が「赤色」の場合には、その後の3回目の通常変動を報知する報知演出に用いる画像G122の表示色である「赤色」を遊技者が連想可能となっている。よってこのことからも、この後に3回目の通常変動が行われること(さらに、これを報知する報知演出が行われること)を事前に遊技者が把握可能となっている。
7−5−3.非時短状態での第3擬似連および報知演出
非時短状態で第3擬似連が実行される場合には、通常変動期間に4回の通常変動が行われ(図28(C)参照)、2回目の通常変動の開始とともに図27(C)に示す文字列「×2」を示す画像G121を用いた報知演出が行われ、3回目の通常変動の開始とともに図29(A)に示す文字列「×3」を示す画像G122を用いた報知演出が行われ、さらに、4回目の通常変動の開始とともに図29(B)に示す文字列「×4」を示す画像G123を用いた報知演出が行われる。
具体的に、特別図柄の可変表示とともに変動表示中の演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が図27(B)に示すように仮停止する。これにより特別図柄の可変表示の開始から続いていた1回目の通常変動が終了する。そして所定の期間(例えば2秒間)の経過後、表示部50a上では演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が再変動する。これにより2回目の通常変動の実行が開始される。
この通常変動の実行の開始とともに、第1擬似連等の場合と同様、図27(C)に示すような、文字列「×2」を示す画像G121を用いた報知演出が所定の期間(例えば2秒間)行われる。この画像G121を用いた報知演出によって、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が変動表示する通常変動の順番(回数目)が「2回目」であることを遊技者に報知可能となっている。
上述したように、非時短状態で実行される第3擬似連に伴う報知演出では、第2擬似連と同じように、画像G121の文字列「×2」の表示色が「緑色」に加えて「赤色」も選択可能となっている(図34(D)参照)。そのため、第3擬似連に伴う報知演出では表示部50a上に画像G121が「緑色」で表示されるときと「赤色」で表示されるときとがある。
画像G121を用いた報知演出の実行後、図27(D)に示すように表示部50a上から報知演出が消えて、変動中の演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が視認可能になる。
第3擬似連の場合には、その後、さらに変動表示中の演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が仮停止する(図28(C)参照)。これにより2回目の通常変動が終了する。そして、所定の期間(例えば2秒間)の経過後、表示部50a上では演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が再び変動を開始する。これにより3回目の通常変動の実行が開始される。
この通常変動の実行の開始とともに、第2擬似連の場合と同様、図29(A)に示すような、文字列「×3」を示す画像G122を用いた報知演出が所定の期間(例えば2秒間)行われる。この画像G122を用いた報知演出によって、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が変動表示する通常変動の順番(回数目)が「3回目」であることを遊技者に報知可能となっている。
上述したように、非時短状態で実行される第3擬似連に伴う報知演出では、画像G122の文字列「×3」の表示色が「赤色」しかない(図34(E)参照)。そのため、第3擬似連に伴う報知演出では「赤色」で画像G122が表示部50a上に表示される。
画像G122を用いた報知演出の実行後、表示部50a上からその報知演出が消えて、変動中の演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が視認可能になる。
第3擬似連の場合には、その後、さらに変動表示中の演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が仮停止する(図28(C)参照)。これにより3回目の通常変動が終了する。そして、所定の期間(例えば2秒間)の経過後、表示部50a上では演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が再び変動を開始する。これにより4回目の通常変動の実行が開始される。
この通常変動の実行の開始とともに、図29(B)に示すような、文字列「×4」を示す画像G123を用いた報知演出が所定の期間(例えば2秒間)行われる。この画像G123を用いた報知演出によって、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が変動表示する通常変動の順番(回数目)が「4回目」であることを遊技者に報知可能となっている。
上述したように、非時短状態で実行される第3擬似連に伴う報知演出では、画像G123の文字列「×4」の表示色が「虹色」しかない(図34(F)参照)。そのため、第3擬似連に伴う報知演出では「虹色」で画像G123が表示部50a上に表示される。
画像G123を用いた報知演出の実行後、表示部50a上からその報知演出が消えて、変動中の演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が視認可能になる。その後、左演出図柄EZ1と右演出図柄EZ3とが「ゾロ目」となりリーチになる。
非時短状態で第1擬似連が行われる場合の、2回目の通常変動の開始時に行われる報知演出の画像G121の表示色が「緑色」であるのに対し、非時短状態で第3擬似連が行われる場合の、2回目の通常変動の開始時に行われる報知演出の画像G121の表示色には、第2擬似連と同様、非時短状態での第1擬似連と同じ「緑色」のほかに「赤色」がある。そのため、非時短状態時において2回目の通常変動での報知演出の画像G121の表示色が「緑色」の場合には、その後に3回目の通常変動が行われる可能性、さらには4回目の通常変動が行われる可能性がそれぞれあることを遊技者に期待させることが可能となっている。
一方、非時短状態時において2回目の通常変動での報知演出の画像G121の表示色が「赤色」の場合には、その後に3回目の通常変動が行われることを遊技者が事前に把握可能となっている。
しかも、2回目の通常変動の開始時に行われる報知演出の画像G121の表示色として選択可能な「赤色」とは、3回目の通常変動の開始時に行われる報知演出の画像G122の表示色と同じ態様である。そのため、第2擬似連と同様、非時短状態時において2回目の通常変動での報知演出の画像G121の表示色が「赤色」の場合には、その後の3回目の通常変動を報知する報知演出に用いる画像G122の表示色である「赤色」を遊技者が連想可能となっている。よってこのことからも、この後に3回目の通常変動が行われること(さらに、それを報知する報知演出も行われること)を事前に遊技者が把握可能となっている。
また第3擬似連は、上述したように特図1の抽選結果が「大当たり」の場合にしか行われない擬似連演出である。よって、リーチにならずに3回目の通常変動が終了した(演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が仮停止表示した)時点や、その後の4回目の通常変動の開始を報知する画像G123を用いた報知演出が行われた時点で、遊技者はその後に大当たり遊技が実行されることを事前に確信することが可能である。
7−5−4.時短状態での第1擬似連および報知演出
時短状態で第1擬似連が実行される場合には、非時短状態と同様、通常変動期間に2回の通常変動が行われ(図28(A)参照)、2回目の通常変動の開始とともに、図27(C)に示す文字列「×2」を示す画像G121を用いた報知演出が行われる。
但し、非時短状態とは異なり、時短状態で実行される第1擬似連に伴う報知演出では、画像G121の文字列「×2」の表示色が「赤色」しかない(図30および図34(A)参照)。そのため、時短状態での第1擬似連に伴う報知演出では「赤色」で画像G121が表示部50a上に表示される。
非時短状態で第1擬似連が行われる場合の、2回目の通常変動の開始時に行われる報知演出の画像G121の表示色が「緑色」であるのに対し、時短状態で第1擬似連が行われる場合の、2回目の通常変動の開始時に行われる報知演出の画像G121の表示色は「赤色」がある。そしてこの「赤色」とは、非時短状態で3回目の通常変動の開始時に行われる報知演出の画像G122の表示色と同じ態様である。
上述したように、非時短状態では、第1擬似連が行われるよりも第2擬似連および第3擬似連が行われた方がその後に大当たり遊技が実行され易い。つまり、通常変動の2回目の開始を報知する「緑色」での報知演出のみよりも、それに加えて、さらに通常変動の3回目の開始を報知する「赤色」での報知演出も実行された方が、遊技者はその後の大当たり遊技の実行を期待し易い。よって遊技者は、非時短状態での報知演出の態様として「緑色」よりも「赤色」に注目しがちである。従って、2回目の通常変動での報知演出に関して、非時短状態時における「緑色」での報知演出よりも、時短状態時における「赤色」での報知演出の方が、その後の大当たり遊技への遊技者の期待感を煽ることが可能となっている。
7−5−5.時短状態での第2擬似連および報知演出
時短状態で第2擬似連が実行される場合には、非時短状態と同様、通常変動期間に3回の通常変動が行われ(図28(B)参照)、2回目の通常変動の開始とともに図27(C)に示す文字列「×2」を示す画像G121を用いた報知演出が行われ、3回目の通常変動の開始とともに図29(A)に示す文字列「×3」を示す画像G122を用いた報知演出が行われる。
但し、非時短状態とは異なり、時短状態で実行される第2擬似連に伴う報知演出では、画像G121の文字列「×2」の表示色が「赤色」しかなく(図30および図34(A)参照)、画像G122の文字列「×3」の表示色が「金色」しかない(図30および図34(C)参照)。そのため、時短状態での第1擬似連に伴う報知演出では「赤色」で画像G121が、「金色」で画像G122が表示部50a上に表示される。
上述したように、時短状態における第2擬似連は特図2の抽選結果が「大当たり」の場合にしか行われない擬似連演出である。よって、リーチにならずに2回目の通常変動が終了した(演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が仮停止表示した)時点や、その後の3回目の通常変動の開始を報知する画像G122を用いた報知演出が行われた時点で、遊技者はその後に大当たり遊技が実行されることを事前に確信することが可能である。
8.第1実施形態の効果
以上詳細に説明したように、第1実施形態のパチンコ遊技機PY1の擬似連演出では、通常変動期間における通常変動の実行回数が多くなるほど、その後に大当たり遊技が実行され易い。そのため、2回目の通常変動の順番を報知する画像G121を用いる報知演出よりも、その後の3回目の通常変動の順番を報知する画像G122を用いる報知演出の方が、遊技者に注目され易い。よって、非時短状態(通常遊技状態)の場合には、報知演出に用いられる画像G121の表示色である「緑色」よりも、画像G122の表示色である「赤色」の方が、大当たり遊技になり易い表示色であるという印象(イメージ)を遊技者が持ち易く、報知演出の表示色として「緑色」よりも「赤色」に注目しがちである。
そのようなパチンコ遊技機PY1で、時短状態(高確率高ベース遊技状態)での擬似連演出における画像G121を用いた報知演出の態様が、非時短状態での画像G122を用いた報知演出の態様(「赤色」)と同じである。よって、時短状態での擬似連演出における画像G121を用いた報知演出の態様が「赤色」で行われた場合には、非時短状態での擬似連演出および報知演出の実行に基づく上述の印象を持っている遊技者の大当たり遊技への期待感を煽ることができる。
また、上述したように非時短状態での第1擬似連の実行中、通常変動の2回目を報知する報知演出の態様が「緑色」で行われた後に報知演出が行われないで大当たり遊技が行われる確率よりも、時短状態での第1擬似連の実行中、通常変動の2回目を報知する報知演出の態様が「赤色」で行われた後に報知演出が行われないで大当たり遊技が行われる確率の方が高い。よって、非時短状態での擬似連演出における画像G121を用いた報知演出の態様が「緑色」で行われるよりも、時短状態での特殊演出における画像G121を用いた報知演出の態様が「赤色」で行われる方が、その後の大当たり遊技の実行を遊技者は期待し易い。そのため、時短状態での画像G121を用いた報知演出の態様が「赤色」で行われた場合には、そのような報知演出によって大当たり遊技への期待感を確実に煽ることができる。
また、非時短状態(通常遊技状態)よりも時短状態(高確率高ベース遊技状態)の方がその後に大当たり遊技状態に設定され易い(大当たり遊技が実行され易い)ので、時短状態における画像G121を用いた報知演出の実行によって、非時短状態のときよりも、その後の大当たり遊技の実行への遊技者の期待感を助長可能となっている。従って、時短状態での擬似連演出の実行中に画像G121を用いた報知演出の態様が「赤色」で行われた場合には、そのような報知演出によって、その後に大当たり遊技が実行され易いことを認識している遊技者の大当たり遊技への期待感を確実に煽ることができる。
また、擬似連演出では1回の通常変動期間における通常変動の実行回数が多くなるほど、その後に大当たり遊技が実行され易いため、擬似連演出として行われる部分演出毎に順番を報知する報知演出が行われた場合に、遊技者はその報知演出によって通常変動の回数(順番)を把握し易い。
特に、画像G122を用いた報知演出が実行された場合には、その報知演出とともに実行が開始された3回目の通常変動の順番を遊技者が把握し易い。そのため、擬似連演出として3回目の通常変動が行われたことによる大当たり遊技の実行期待度と、そのときの画像G122を用いた報知演出の態様(「赤色」)との関連付けが可能となっている。従って、時短状態での擬似連演出における画像G121を用いた報知演出の態様が「赤色」の場合には、大当たり遊技の実行期待度と「赤色」との関連付けができている遊技者の大当たり遊技への期待感を確実に煽ることができる。
また、1回の特別図柄の可変表示中において擬似連演出が実行可能であるため、その1回の特別図柄の可変表示中に通常変動が複数回行われる賑やかな演出とすることが可能である。
それに加えて、報知演出によって、遊技者は通常変動の回数(順番)を容易に把握可能であるため、画像G122を用いた報知演出が実行された場合には、非時短状態にて3回目の通常変動が行われたことによる大当たり遊技の実行期待度と、そのときの報知演出の「赤色」との関連付けが遊技者にとって容易となっている。よって、時短状態での擬似連演出における画像G121を用いた報知演出の態様が「赤色」の場合には、より多くの遊技者の大当たり遊技への期待感を確実に煽ることが可能となっている。
また、非時短状態および時短状態の両方において擬似連演出を実行可能であり、擬似連演出の実行機会を増やすことが可能となっている。さらに、非時短状態での擬似連演出における画像G121を用いた報知演出が「赤色」で実行される頻度(割合)と、時短状態での擬似連演出における画像G121を用いた報知演出が「赤色」で実行される頻度とを異ならせることが可能であり、非時短状態および時短状態を含む遊技全体にわたって実行される報知演出の単調化を防ぐことが可能となっている。
また、上述したように、画像G121を用いた報知演出が「緑色」の表示色で行われた後に大当たり遊技が実行される確率よりも、その報知演出が「赤色」の表示色で行われた後に大当たり遊技が実行される確率の方が高い。そのため遊技者は、画像G121を用いた報知演出の態様が「緑色」よりも「赤色」の場合にはその後に大当たり遊技が実行されることを期待可能となっている。
また、非時短状態よりも時短状態の方が、その後に大当たり遊技が実行され易い上、画像G121を用いた報知演出が「赤色」の表示色で実行され易い。そのため、時短状態において「赤色」で報知演出が行われた場合には、非時短状態において「赤色」で報知演出が行われた場合よりも、その後の大当たり遊技の実行への遊技者の期待感を高揚させることが可能となっている。
また、非時短状態にて画像G121を用いた報知演出が「赤色」の表示色で行われた時点で、遊技者は、その後に画像G122を用いた報知演出が行われることを事前に把握可能である。しかも、1回の擬似連演出における通常変動の回数が1回増えることになるため、その後の大当たり遊技の実行を遊技者に期待させることが可能となっている。
また、非時短状態にて通常変動の2回目の開始を報知する報知演出が、3回目の開始を報知する報知演出と同じ「赤色」で行われた時点で、遊技者は、その後に3回目の開始を報知する報知演出が行われることを事前に把握し易い。よって、遊技者はより確実に、その後の大当たり遊技の実行に大いに期待しながら遊技を楽しむことができる。
9.変更例
次に、上記第1実施形態のパチンコ遊技機PY1の変更例について説明する。なお、変更例の説明において、第1実施形態のパチンコ遊技機PY1と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。勿論、変更例に係る構成同士を適宜組み合わせて構成してもよい。また、上記第1実施形態および下記変更例中の技術的特徴は、本明細書において必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
上記第1実施形態では特殊演出を擬似連演出とした。しかしながら、特殊演出を擬似連以外の演出としてもよい。具体的に例えば、複数回の進展(発展)が可能な「ステップアップ演出」としてもよい。この場合の部分演出としては例えば「ステップ1演出」、それに続く「ステップ2演出」、それに続く「ステップ3演出」といった、ステップアップ演出を構成する演出が挙げられる。また例えば、複数回の掛け合いが可能な「セリフ(会話)演出」としてもよい。この場合の部分演出としては例えば「第1セリフ演出」、その回答にあたる「第2セリフ演出」、その回答にあたる「第3セリフ演出」といった、セリフ(会話)演出を構成するセリフ演出が挙げられる。また例えば、複数のミニストーリー(部分演出に相当)が継続して実行可能な「ストーリー演出」としてもよい。
また、上記第1実施形態では補助演出を、通常変動(部分演出)の順番(回数目)を報知する報知演出とした。しかしながら、部分演出の順番を報知する演出以外のものとしてもよい。具体的に例えば、部分演出毎に実行可能な、所定の態様でのカットイン演出としてもよい。また例えば、部分演出毎に実行可能な、所定の態様で背景画像を表示する演出としてもよい。また例えば、部分演出毎に実行可能な、所定の態様のエフェクトを標示する演出としてもよい。また例えば、部分演出毎に実行可能な、所定の態様で枠(フレーム)を表示する演出でもよい。
また、補助演出を、部分演出毎ではなく部分演出全体に関連した演出としてもよい。具体的に例えば、部分演出の実行にわたって実行される、部分演出のタイトルを所定の態様で表示する演出でもよい。また例えば、部分演出の実行にわたって実行される、所定の態様で背景画像を表示する演出でもよい。また例えば、部分演出の実行にわたって実行される、所定の態様のエフェクトを用いた画像演出としてもよい。また例えば、部分演出の実行にわたって実行される、所定の態様で枠(フレーム)を表示する演出でもよい。
また、補助演出を、複数回の部分演出のうちの一部の部分演出に関連した演出としてもよい。
また、上記第1実施形態では、補助演出を、表示部を用いた演出とした。しかしながら、例えばスピーカを用いた演出としてもよい。また、例えばランプ類を用いた演出としてもよい。また、例えば可動体を用いた演出としてもよい。また、例えば振動体を用いた演出としてもよい。また、例えばエア発生装置を用いた演出としてもよい。
また、上記第1実施形態の擬似連演出(特殊演出)では、左演出図柄EZ1と右演出図柄EZ3とが「リーチ目」以外の停止態様で仮停止表示された後、文字列「擬似連」を示す画像G120を用いた中演出図柄EZ2が仮停止表示される構成とした。しかしながら、左演出図柄EZ1と右演出図柄EZ3とが「リーチ目」の停止態様で仮停止表示される構成でもよい。さらに、左演出図柄EZ1と中演出図柄EZ2とが仮停止表示された後、画像G120を用いた右演出図柄EZ3が仮停止表示される構成でもよい。また、中演出図柄EZ2と右演出図柄EZ3とが仮停止表示された後、画像G120を用いた左演出図柄EZ1が仮停止表示される構成でもよい。
また、中演出図柄EZ2として、例えば、文字列「擬似連」以外の文字列や、キャラクタ等の絵(イラスト)や、図形といった上記画像G120以外の表示態様の画像を仮停止表示してもよい。また、通常用いる中演出図柄EZ2を仮停止表示してもよい。
また、上記第1実施形態の報知演出(補助演出)では、文字列「×2」を示す画像G121を表示部上に表示する構成とした。しかしながら、例えば文字列「2回目」、文字列「NEXT2」、文字「2」、漢数字「二」、文字「弐」、文字列「継続」といった、画像G121に示す文字列以外のものを示す画像を表示する構成でもよい。また、キャラクタ等の絵(イラスト)や、図形といった文字列以外のものを示す画像を表示部50a上に表示する構成でもよい。文字列「×3」を示す画像G122、および、文字列「×4」を示す画像G123についても同様である。
また、上記第1実施形態では、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の再変動表示の開始後に報知演出(補助演出)が行われる構成とした。つまり、通常変動(部分演出)の実行が開始した後に補助演出の実行が開始する構成とした。しかしながら、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の仮停止表示後、再変動表示の開始前に報知演出が行われる構成としてもよい。つまり、新たな部分演出の実行が開始する前に、補助演出の実行が開始する構成でもよい。また、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の再変動表示の開始時に合わせて報知演出が行われる構成としてもよい。つまり、部分演出の実行の開始とともに補助演出の実行も開始する構成でもよい。
また、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の少なくとも1つの演出図柄が仮停止しないで、その後、報知演出(補助演出)が行われる構成としてもよい。
また、上記第1実施形態では、第1遊技状態を非時短状態(低確率低ベース遊技状態)とした。しかしながら、第1遊技状態を低確率低ベース遊技状態以外の遊技状態(高確率高ベース遊技状態,低確率高ベース遊技状態,高確率低ベース遊技状態,大当たり遊技状態)としてもよい。なお、そのときの第2遊技状態としては、その第1遊技状態と異なる遊技状態であればよい。また、第1遊技状態を、例えば低確率低ベース遊技状態および高確率低ベース遊技状態の両方とするなど、複数の遊技状態としてもよい。
また、上記第1実施形態では、第2遊技状態を時短状態の高確率高ベース遊技状態とした。しかしながら、第2遊技状態を高確率高ベース遊技状態以外の遊技状態(低確率低高ベース遊技状態,低確率高ベース遊技状態,高確率低ベース遊技状態,大当たり遊技状態)としてもよい。なお、そのときの第1遊技状態としては、その第2遊技状態と異なる遊技状態であればよい。また、第2遊技状態を、例えば低確率高ベース遊技状態および高確率高ベース遊技状態の両方とするなど、複数の遊技状態としてもよい。
また、上記第1実施形態では特別遊技を大当たり遊技(大当たり遊技X,大当たり遊技Y又は大当たり遊技Z)とした。しかしながら、大当たり遊技に代えて小当たり遊技としてもよい。なお、この場合の特別遊技状態としては、小当たり遊技の実行が可能な小当たり遊技状態が挙げられる。また、大当たり遊技X、大当たり遊技Yおよび大当たり遊技Zのラウンド遊技の回数をいずれも「16(16ラウンド)」としたがこれに限らない。具体的に例えば「2(2ラウンド)」以上「10(10ラウンド)」以下のいずれかの回数としてもよい。また、大当たり遊技X、大当たり遊技Yおよび大当たり遊技Zのラウンド遊技の回数を異ならせてもよい。
また、上記第1実施形態では、第1遊技状態での擬似連演出(特殊演出)における2回目の通常変動(第1部分演出)の実行に関連した報知演出(補助演出)の第1態様と、3回目の通常変動(第2部分演出)の実行に関連した報知演出(補助演出)の第2態様との違いを、文字列を示す画像の表示色の違いとした。しかしながら文字列を示す画像の表示色の違いに代えて、文字列を示す画像の大きさの違いや、文字列を示す画像の字体の違いや、文字列を示す画像の柄の違いや、文字列を示す画像の濃淡の違いや、表示部上における文字列を示す画像の表示位置の違いとしてもよい。或いは、文字列を示す画像の表示色の違い、文字列を示す画像の大きさの違い、文字列を示す画像の字体の違い、文字列を示す画像の柄の違い、文字列を示す画像の濃淡の違い、および、表示部上における文字列を示す画像の表示位置の違いのうちの2つ以上の違いとしてもよい。
また、上記第1実施形態では、第1遊技状態での擬似連演出(特殊演出)における2回目の通常変動(第1部分演出)の実行に関連した報知演出(補助演出)の第1態様と、第2遊技状態での擬似連演出(特殊演出)における2回目の通常変動(第1部分演出)に関連した報知演出(補助演出)の第3態様との違いを、文字列を示す画像の表示色の違いとした。しかしながら文字列を示す画像の表示色の違いに代えて、文字列を示す画像の大きさの違いや、文字列を示す画像の字体の違いや、文字列を示す画像の柄の違いや、文字列を示す画像の濃淡の違いや、表示部上における文字列を示す画像の表示位置の違いとしてもよい。或いは、文字列を示す画像の表示色の違い、文字列を示す画像の大きさの違い、文字列を示す画像の字体の違い、文字列を示す画像の柄の違い、文字列を示す画像の濃淡の違い、および、表示部上における文字列を示す画像の表示位置の違いのうちの2つ以上の違いとしてもよい。
また、上記第1実施形態では、第1遊技状態での擬似連演出(特殊演出)における3回目の通常変動(第2部分演出)の実行に関連した報知演出(補助演出)の第2態様と、第2遊技状態での擬似連演出(特殊演出)における2回目の通常変動(第1部分演出)の実行に関連した報知演出(補助演出)の第3態様とを同じとした。しかしながら第2態様と第3態様とを類似としてもよい。具体的に例えば、文字列を示す画像の表示色は同じであるけれども、文字列を示す画像の大きさの違い、文字列を示す画像の字体の違い、文字列を示す画像の柄の違い、文字列を示す画像の濃淡の違い、又は、表示部上における文字列を示す画像の表示位置の違いがある場合が挙げられる。
また、上記第1実施形態では、第1態様を「緑色」の表示色とし、第2態様を「赤色」の表示色とした。しかしながら、第1態様を緑色以外、且つ、第2態様とは異なる表示色としてもよい。また、第2態様を赤色以外、且つ、第1態様とは異なる表示色としてもよい。
また、上記第1実施形態では、第1部分演出(又は特定の部分演出)を、通常変動期間における2回目の変動演出(部分演出)とした。しかしながら、実行可能な複数回の部分演出のうちの2回目以外の順番(回数目)のものとしてもよい。また、第2部分演出(後続部分演出)を、通常変動期間における3回目の変動演出(部分演出)とした。しかしながら、実行可能な複数回の部分演出のうちの3回目以外の順番(回数目)で、第1部分演出(特定の部分演出)よりも後の順番のものとしてもよい。
また、上記第1実施形態では、非時短状態(第1遊技状態)での擬似連演出(特殊演出)における2回目の通常変動(第1部分演出)の実行に関連した報知演出(補助演出)が「緑色」の表示色(第1態様)で行われた後、補助演出が行われないで大当たり遊技(特別遊技)が実行される確率よりも、時短状態(第2遊技状態)での特殊演出における第1部分演出の実行に関連した補助演出が「赤色」の表示色(第3態様)で行われた後、補助演出が行われないで特別遊技が実行される確率の方が高い構成とした。しかしながら、第2遊技状態での特殊演出における第1部分演出の実行に関連した補助演出が第3態様で行われた後、補助演出が行われないで特別遊技が実行される確率の方が逆に低い構成でもよい。或いは、第1遊技状態での特殊演出における第1部分演出の実行に関連した補助演出が第1態様で行われた後、補助演出が行われないで特別遊技が実行される確率と、第2遊技状態での特殊演出における第1部分演出の実行に関連した補助演出が第3態様で行われた後、補助演出が行われないで特別遊技が実行される確率とが同じ構成でもよい。
また、上記第1実施形態では、非時短状態(第1遊技状態)よりも時短状態(第2遊技状態)の方が、その後に大当たり遊技(特別遊技)が実行され易い構成とした。しかしながら、第2遊技状態よりも第1遊技状態の方が、その後に特別遊技が実行され易い構成でもよい。或いは、第1遊技状態の後でも第2遊技状態の後でも特別遊技の実行し易さが変わらない(同程度である)構成でもよい。
また、上記第1実施形態では、非時短状態(第1遊技状態)での擬似連演出(特殊演出)における2回目の通常変動(第1部分演出,特定の部分演出)の実行に関連した報知演出(補助演出)が「赤色」の表示色(特定態様)で行われる確率よりも、時短状態(第2遊技状態)での特殊演出における特定の部分演出の実行に関連した補助演出が特定態様で行われる確率の方が高い構成とした。しかしながら、第2遊技状態での特殊演出における特定の部分演出の実行に関連した補助演出が特定態様で行われる確率の方が逆に低い構成でもよい。
また、上記第1実施形態では、2回目の通常変動(第1部分演出,特定の部分演出)の実行に関連した報知演出(補助演出)が「緑色」の表示色(通常態様)で行われた後に大当たり遊技(特別遊技)が実行される確率よりも、その補助演出が「赤色」の表示色(特定態様)で行われた後に特別遊技が実行される確率の方が高い構成とした。しかしながら、特定の部分演出の実行に関連した補助演出が特定態様で行われた後に特別遊技が実行される確率の方が逆に低い構成でもよい。或いは、特定の部分演出の実行に関連した補助演出が通常態様で行われた後に特別遊技が実行される確率と、その補助演出が特定態様で行われた後に特別遊技が実行される確率とが同じ構成でもよい。
また、上記第1実施形態では、非時短状態(第1遊技状態)で擬似連演出(特殊演出)における2回目の通常変動(第1部分演出,特定の部分演出)の実行に関連した報知演出(補助演出)が「赤色」の表示色(特定態様)で行われた場合には、その特定の部分演出の実行後に3回目の通常変動(第2部分演出,後続部分演出)が実行される構成とした。しかしながら、その特定の部分演出の実行後に後続部分演出が必ずしも実行されない構成としてもよい。
また、上記第1実施形態では、3回目の通常変動(第2部分演出,後続部分演出)の実行に関連した報知演出(補助演出)が「赤色」の表示色(特定態様)で行われる構成とした。しかしながら、後続部分演出の実行に関連した補助演出が特定態様で必ずしも行われない構成としてもよい。
また、上記第1実施形態では、特殊演出とは、1回の特別図柄の可変表示中に通常変動(部分演出)が複数回実行可能な演出としたが、1回の通常図柄の可変表示中に部分演出が複数回実行可能な演出でもよい。
また、上記第1実施形態では、所謂「第1種」,「デジパチ」といわれるパチンコ遊技機PY1を遊技機として示した。しかしながら遊技機を、所謂「第3種」,「権利物」といわれるパチンコ遊技機や、「第1種」のパチンコ遊技機の特徴と「第2種」のパチンコ遊技機の特徴とを併せ持つ所謂「1種2種混合」といわれるパチンコ遊技機としてもよい。また、ST(スペシャルタイム)の期間、当選確率が高確率状態に制御される所謂「ST機」といわれるパチンコ遊技機としてもよい。
10.上記の実施形態に示されている発明
上記の実施形態には、以下の発明(発明A1〜A5および発明B1〜B5)が示されている。以下に記す発明の説明では、上記した実施の形態における対応する構成名や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各発明の構成要素はこの付記に限定されるものではない。
発明A1は、
第1遊技状態(低確率低ベース遊技状態)および第2遊技状態(高確率高ベース遊技状態)を含む複数の遊技状態のうちから1の遊技状態に設定する設定手段(特別動作処理S106の遊技状態設定処理を実行する遊技制御用マイコン101)と、
所定の演出を実行可能な演出実行手段(演出制御基板120)と、を備え、
前記演出実行手段は、
部分演出(特図変動演出の通常変動)が複数回実行され得る特殊演出(擬似連演出)を実行するときがあり、
前記特殊演出における前記部分演出の実行に関連した補助演出(報知演出)を実行するときがあり、
前記第1遊技状態の場合に前記特殊演出を実行するときと、前記第2遊技状態の場合に前記特殊演出を実行するときと、があり、
前記特殊演出とは、前記部分演出の実行回数が多くなるほど、遊技者に有利な特別遊技(大当たり遊技)がその後に実行され易い演出であり、
前記部分演出には、第1部分演出(2回目の通常変動)とその第1部分演出よりも後に実行され得る第2部分演出(3回目の通常変動)とがあり、
前記第1遊技状態での前記特殊演出における前記第1部分演出の実行に関連した前記補助演出が第1態様(「緑色」の表示色)で行われるときがあり、
前記第1遊技状態での前記特殊演出における前記第2部分演出の実行に関連した前記補助演出が第2態様(「赤色」の表示色)で行われるときがあり、
前記第2遊技状態での前記特殊演出における前記第1部分演出の実行に関連した前記補助演出が第3態様(「赤色」の表示色)で行われるときがあり、
前記第3態様が前記第2態様と同じ又は類似であることを特徴とする遊技機(パチンコ遊技機PY1)である。
この構成の遊技機によれば、特殊演出では部分演出の実行回数が多くなるほど、その後に特別遊技が実行され易いため、第1部分演出の実行に関連した補助演出よりもその後の第2部分演出の実行に関連した補助演出の方が、遊技者に注目され易い。よって、第1遊技状態の場合には、第1部分演出の実行に関連した補助演出の第1態様よりも、第2部分演出の実行に関連した補助演出の第2態様の方が、特別遊技になり易い態様であるという印象(イメージ)を遊技者が持ち易く、補助演出の態様として第1態様よりも第2態様に注目しがちである。
そのような遊技機で、第2遊技状態での特殊演出における第1部分演出の実行に関連した補助演出が、第2態様と同じ又は類似の態様(第3態様)で行われた場合には、第1遊技状態での特殊演出および補助演出の実行に基づいて上述の印象を持っている遊技者の特別遊技への期待感を煽ることが可能である。
発明A2は、
上述の発明A1に記載の遊技機であって、
前記第1遊技状態での前記特殊演出における前記第1部分演出の実行に関連した前記補助演出が前記第1態様で行われた後に前記補助演出が行われないで前記特別遊技が実行される確率よりも、前記第2遊技状態での前記特殊演出における前記第1部分演出の実行に関連した前記補助演出が前記第3態様で行われた後に前記補助演出が行われないで前記特別遊技が実行される確率の方が高いことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、遊技者は、第1遊技状態での特殊演出における第1部分演出の実行に関連した補助演出が第1態様で行われるよりも、第2遊技状態での特殊演出における第1部分演出の実行に関連した補助演出が第3態様で行われる方が、その後の特別遊技の実行を期待し易い。そのため、第2遊技状態での第1部分演出の実行に関連した補助演出が第3態様で行われた場合には、そのような補助演出によって特別遊技への期待感を確実に煽ることが可能である。
発明A3は、
上述の発明A2に記載の遊技機であって、
前記第1遊技状態よりも前記第2遊技状態の方が、その後に前記特別遊技が実行され易いことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、第1遊技状態よりも第2遊技状態の方が、その後に特別遊技が実行され易いため、第2遊技状態における第1部分演出の実行に関連した補助演出の実行によって、第1遊技状態のときよりも、その後の特別遊技の実行への遊技者の期待感を助長可能である。従って、第2遊技状態での特殊演出の実行中に第1部分演出の実行に関連した補助演出が第3態様で行われた場合には、そのような補助演出によって、その後に特別遊技の実行がされ易いことを認識している遊技者の特別遊技への期待感を確実に煽ることが可能である。
発明A4は、
上述の発明A3に記載の遊技機であって、
前記補助演出とは、1回の前記特殊演出として行われる前記部分演出毎に関連づいた演出であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、特殊演出では部分演出の実行回数が多くなるほど、その後に特別遊技が実行され易いため、1回の特殊演出として行われる部分演出毎に関連づいた補助演出が行われた場合に、遊技者はその補助演出によって部分演出の回数(順番)を把握し易い。
特に、第2部分演出の実行に関連した補助演出が実行された場合には、その補助演出によって第2部分演出の回数(順番)を遊技者が把握し易いため、第2部分演出が行われたことによる特別遊技の実行期待度と、そのときの補助演出の第2態様との関連付けが可能である。従って、第2遊技状態での特殊演出における第1部分演出の実行に関連した補助演出が第2態様と同じ又は類似の態様で行われた場合には、特別遊技の実行期待度と第2態様との関連付けができている遊技者の特別遊技への期待感を確実に煽ることが可能である。
発明A5は、
上述の発明A4に記載の遊技機であって、
特別図柄を可変表示可能な特図可変表示手段(特図表示器81)を備え、
前記特殊演出とは、1回の特別図柄の可変表示中に前記部分演出が複数回行われる擬似連演出であり、
前記補助演出とは、実行される前記部分演出に係る順番を報知する演出であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、特殊演出とは1回の特別図柄の可変表示中に部分演出が複数回行われる擬似連演出であり、補助演出とは擬似連演出として行われる部分演出に係る順番を報知する演出であるため、1回の特別図柄の可変表示中に部分演出が複数回行われる賑やかな演出とすることが可能であるとともに、行われる補助演出によって、遊技者は部分演出の回数(順番)を容易に把握可能である。よって、第2部分演出の実行に関連した補助演出が実行された場合には、第2部分演出が行われたことによる特別遊技の実行期待度と、そのときの補助演出の第2態様との関連付けが遊技者にとって容易である。そのため、第2遊技状態での特殊演出における第1部分演出の実行に関連した補助演出が第2態様と同じ又は類似の態様で行われた場合には、より多くの遊技者の特別遊技への期待感を確実に煽ることが可能である。
発明B1は、
第1遊技状態(低確率低ベース遊技状態)および第2遊技状態(高確率高ベース遊技状態)を含む複数の遊技状態のうちから1の遊技状態に設定する設定手段(特別動作処理S106の遊技状態設定処理を実行する遊技制御用マイコン101)と、
所定の演出を実行可能な演出実行手段(演出制御基板120)と、を備え、
前記演出実行手段は、
部分演出(特図変動演出の通常変動)が複数回実行され得る特殊演出(擬似連演出)を実行するときがあり、
前記特殊演出における前記部分演出の実行に関連した補助演出(報知演出)を所定の態様で実行するときがあり、
前記第1遊技状態の場合に前記特殊演出を実行するときと、前記第2遊技状態の場合に前記特殊演出を実行するときと、があり、
前記特殊演出とは、前記部分演出の実行回数が多くなるほど、遊技者に有利な特別遊技がその後に実行され易い演出であり、
前記所定の態様には、通常態様(「緑色」の表示色)とこの通常態様とは異なる特定態様(「赤色」の表示色)とがあり、
前記第1遊技状態での前記特殊演出における特定の部分演出(2回目の通常変動)の実行に関連した補助演出が前記特定態様で行われる確率と、前記第2遊技状態での前記特殊演出における前記特定の部分演出の実行に関連した補助演出が前記特定態様で行われる確率とが異なることを特徴とする遊技機(パチンコ遊技機PY1)である。
この構成の遊技機によれば、1つの遊技状態に限らず複数の遊技状態(第1遊技状態および第2遊技状態)において特殊演出を実行可能であり、特殊演出の実行機会を増やすことが可能である。さらに、遊技状態(第1遊技状態,第2遊技状態)毎に、特定態様での補助演出の実行頻度(割合)を異ならせることが可能であり、第1遊技状態および第2遊技状態を含む遊技全体にわたり、実行される補助演出の単調化を防ぐことが可能である。
発明B2は、
上述の発明B1に記載の遊技機であって、
前記特定の部分演出の実行に関連した補助演出が前記通常態様で行われた後に前記特別遊技が実行される確率よりも、その補助演出が前記特定態様で行われた後に前記特別遊技が実行される確率の方が高いことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、特定の部分演出の実行に関連した補助演出が通常態様よりも特定態様で行われた場合に、遊技者はその後に特別遊技が実行されることを大いに期待できる。
発明B3は、
上述の発明B2に記載の遊技機であって、
前記第1遊技状態よりも前記第2遊技状態の方が、その後に前記特別遊技が実行され易く、
前記第1遊技状態での前記特殊演出における前記特定の部分演出の実行に関連した補助演出が前記特定態様で実行される確率よりも、前記第2遊技状態での前記特殊演出における前記特定の部分演出の実行に関連した補助演出が前記特定態様で実行される確率の方が高いことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、第1遊技状態よりも第2遊技状態の方が、その後に特別遊技が実行され易く、特定の部分演出の実行に関連した補助演出が特定態様で実行され易いため、第2遊技状態にて特定態様で補助演出が実行された場合には、第1遊技状態のときよりも、その後の特別遊技の実行への遊技者の期待感を高揚させることが可能である。
発明B4は、
上述の発明B3に記載の遊技機であって、
前記部分演出には、前記特定の部分演出の後に実行され得る後続部分演出があり、
前記第1遊技状態での前記特殊演出における前記特定の部分演出の実行に関連した補助演出が前記特定態様で行われた場合には、前記特定の部分演出の実行後に前記後続部分演出が実行されることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、第1遊技状態にて特定の部分演出の実行に関連した補助演出が特定態様で行われた時点で、遊技者は、その後に後続部分演出が行われることを事前に把握可能である。そして、実行中の特殊演出における部分演出の実行回数が1つ増えることになるため、その後の特別遊技の実行を遊技者に期待させることが可能である。
発明B5は、
上述の発明B4に記載の遊技機であって、
前記後続部分演出の実行に関連した補助演出が前記特定態様で行われることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、第1遊技状態にて特定の部分演出の実行に関連した補助演出が、後続部分演出の実行に関連した補助演出と同じ特定態様で行われた時点で、遊技者は、その後に後続部分演出が実行されることを事前に把握し易い。よって、その後の特別遊技の実行を遊技者により確実に期待させることが可能である。