JP6727962B2 - 癌の予防又は治療剤 - Google Patents

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Description

本発明は、癌の予防又は治療剤に関する。より詳細には、癌の予防又は治療剤、及び癌の予防又は治療用医薬組成物に関する。
従来の抗癌剤は、細胞増殖阻害剤であることが多く、正常細胞への作用から副作用が問題となる場合がある。
ところで、NAPペプチド(Davunetide)は、8アミノ酸からなる細胞膜透過性ペプチドであり、微小管に結合して様々な病態に伴う微小管の異常を抑制し保護することが知られている。NAPはこれまで、神経系の疾患に対する治療薬候補として10年以上研究されてきた。既に軽度認知機能障害、統合失調症、進行性核上性麻痺への適用を目指した臨床試験も行われており、ヒトへの投与での忍容性も示されている(例えば、非特許文献1を参照。)。
Morimoto B. H., et al., Davunetide: a review of safety and efficacy data with a focus on neurodegenerative diseases., Expert Rev. Clin. Pharmacol., 6 (5), 483-502, 2013.
癌は高齢化社会における重大な疾患の1つであり、副作用が低減された抗癌剤が求められている。そこで、本発明は、細胞増殖阻害とは異なるメカニズムによる癌の予防又は治療剤を提供することを目的とする。
本発明は以下の態様を含む。
[1]配列番号1に記載のアミノ酸配列からなるペプチド若しくはその誘導体、又は配列番号1に記載のアミノ酸配列において1若しくは複数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつ微小管結合活性を有するペプチド若しくはその誘導体、を有効成分として含有する癌の予防又は治療剤。
[2]前記癌が、βIIIチューブリンを発現する癌である、[1]に記載の癌の予防又は治療剤。
[3]前記癌が、下記式(1)で計算されるKL1/Tau比が1以上である癌である、[1]又は[2]に記載の癌の予防又は治療剤。
KL1/Tau比=(癌組織におけるKatanin−like 1(KL1)タンパク質の発現量/正常組織におけるKL1タンパク質の発現量)/(癌組織におけるTauタンパク質の発現量/正常組織におけるTauタンパク質の発現量) …(1)
[4]前記癌が、乳癌、唾液腺癌又は大腸癌である、[1]〜[3]のいずれかに記載の癌の予防又は治療剤。
[5][1]〜[4]のいずれかに記載の癌の予防又は治療剤、及び薬学的に許容される担体を含有する、癌の予防又は治療用医薬組成物。
本発明によれば、細胞増殖阻害とは異なるメカニズムによる癌の予防又は治療剤を提供することができる。
実験例1の免疫ブロットの結果を示す写真である。 実験例2の結果を示すグラフである。 (a)及び(b)は実験例3の結果を示すグラフである。(a)は紡錘体試料における1視野中の紡錘体の総数を示すグラフである。(b)は紡錘体試料における双極性紡錘体の割合を示すグラフである。 (a)〜(d)は、実験例4における正常な紡錘体を示す写真である。 (a)〜(f)は、実験例4の各条件下における紡錘体の状態を示す写真である。 (a)、(b)及び(c)は、実験例4において、Tauをノックダウンし、更にNAPを添加した細胞から調製した紡錘体の状態を示す写真である。 (a)は、p53ノックダウン細胞の異数体に検出された、各染色体毎の正常染色体数に対する増減頻度を示すグラフである。(b)は、p53及びTauノックダウン細胞の異数体に検出された、各染色体毎の正常染色体数に対する増減頻度を示すグラフである。
[癌の予防又は治療剤]
1実施形態において、本発明は、配列番号1に記載のアミノ酸配列からなるペプチド若しくはその誘導体、又は配列番号1に記載のアミノ酸配列において1若しくは複数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつ微小管結合活性を有するペプチド若しくはその誘導体、を有効成分として含有する癌の予防又は治療剤を提供する。本明細書において、癌の予防又は治療とは、正常細胞の癌化を抑制すること、発症した癌の進行を遅らせること等を含む。
ここで、配列番号1に記載のアミノ酸配列は、NAPのアミノ酸配列である。実施例において後述するように、発明者らは、NAPが癌の予防又は治療剤として有効であることを明らかにした。また、後述するように、NAPの作用点は細胞増殖阻害とは異なっているため、副作用も少ない。
本実施形態の癌の予防又は治療剤としては、NAPだけでなく、NAP誘導体、NAPのアミノ酸配列において1若しくは複数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつ微小管結合活性を有するペプチド(以下、「NAP変異体」という場合がある。)又はその誘導体等が挙げられる。ここで、1若しくは複数個とは、1〜5個、1〜4個、1〜3個又は1〜2個を意味する。
より具体的な癌の予防又は治療剤の例としては、NAP、配列番号2に記載のアミノ酸配列からなるペプチド、配列番号3に記載のアミノ酸配列からなるペプチド(「NAT」と呼ばれる場合がある。)、配列番号4に記載のアミノ酸配列からなるペプチド(「TAP」と呼ばれる場合がある。)、配列番号5に記載のアミノ酸配列からなるペプチド(「SAL」と呼ばれる場合がある。)、上記のペプチドの誘導体等が挙げられる。
ここで、誘導体としては、例えば、一部又は全部をD−アミノ酸に置換したペプチド、アセチル化したペプチド、C末端をアミノ化したペプチド等が挙げられる。より具体的には、例えば、NAPを構成する全てのアミノ酸をD−アミノ酸に置換したペプチド(「D−NAP」と呼ばれる場合がある。)、上記のSALを構成する全てのアミノ酸をD−アミノ酸に置換したペプチド(「D−SAL」と呼ばれる場合がある。)、配列番号2に記載のアミノ酸配列からなるペプチドにおいてN末端をアセチル化したペプチド、配列番号2に記載のアミノ酸配列からなるペプチドにおいてC末端をアミノ化したペプチド、配列番号2に記載のアミノ酸配列からなるペプチドにおいてN末端をアセチル化しC末端をアミノ化したペプチド等が挙げられる。
これらのNAP誘導体、NAP変異体、NAP変異体の誘導体等は、微小管に結合し、NAPと同様の作用を示す。
本実施形態の癌の予防又は治療剤が対象とする癌は、βIIIチューブリンを発現する癌であることが好ましい。
NAPが作用するためには、細胞中にβIIIチューブリンが存在することが好ましい。βIIIチューブリンは、本来ニューロン特異的に発現することが知られているタンパク質であり、微小管や中心体の構成成分である。
発明者らは、ヒト培養正常乳腺上皮細胞(Human Mammary Epithelial Cells、HMEC)が、本来ニューロン特異的なβIIIチューブリンを発現していることを明らかにした。したがって、ヒト乳腺上皮細胞に由来する癌は、βIIIチューブリンを発現しており、NAPの投与により予防又は治療することができる。
本実施形態の癌の予防又は治療剤が対象とする癌は、下記式(1)で計算されるKL1/Tau比が1以上、より好ましくは、1.3以上、更に好ましくは1.6以上である癌であることが好ましい。下記式(1)中、正常組織は、例えば、対象とする癌組織に隣接する正常組織であってもよい。
KL1/Tau比=(癌組織におけるKL1タンパク質の発現量/正常組織におけるKL1タンパク質の発現量)/(癌組織におけるTauタンパク質の発現量/正常組織におけるTauタンパク質の発現量) …(1)
いいかえると、本実施形態の癌の予防又は治療剤が対象とする癌は、癌組織におけるTauタンパク質の発現量の正常組織のそれに対する比に対する、KL1タンパク質の発現量の正常組織のそれに対する比の比が1以上、より好ましくは、1.3以上、更に好ましくは1.6以上である癌であることが好ましい。
Tauタンパク質は、神経軸索内に多く存在する分子量約3.4〜12万の微小管結合タンパク質であり、微小管の重合を促進したり安定化したりすることが知られている。乳癌細胞にもTauタンパク質の発現が見られ、従来、Tauタンパク質の発現レベルが低い乳癌患者と予後不良との相関が報告されてきたが、その関連性は不明であった。
また、KL1タンパク質とは、カタニンファミリータンパク質の一種である。カタニンファミリータンパク質には、カタニン、KL1及びKL2が存在することが知られている。これらのカタニンファミリータンパク質のうち、カタニン及びKL1には微小管切断活性があることが知られている。一方、KL2に微小管切断活性があるか否かは未だ明らかにされていない。また、カタニンは中心体及び紡錘体極に局在する。これに対し、KL1は紡錘体極のみに局在する。また、KL2は紡錘体全体に局在する。
発明者らは、Tauタンパク質の発現量を高低二群に二分した場合に、Tauタンパク質の発現量が低い乳癌患者群は、予後不良である傾向にあることを確認した。また、ラット線維芽細胞及びヒト正常乳腺上皮細胞でKL1/Tau比を実験的に増大させたところ、分裂期紡錘体において微小管切断タンパク質であるKL1の脱抑制を誘導し、過剰な切断による微小管喪失、染色体分配の異常が生じ、癌化の原因となる異数体形成を惹起することを見出した。
上記の実験において、KL1/Tau比の増大の方法として、Tauのノックダウン及びKL1の強制発現の双方について検討した。その結果、いずれの方法によりKL1/Tau比を増大させた場合においても同様の結果が見られた。
実施例において後述するように、発明者らはまた、Tauを実験的に減少させた乳腺上皮細胞に対し、NAPを投与したところ、非投与群と比較して有意に微小核形成が抑制されることを明らかにした。発明者らはまた、Tauの減少で生じた、染色体と紡錘体を連結する微小管束(キネトコアファイバー)の喪失も、NAPの投与により抑制されることを明らかにした。発明者らはまた、単離した、微小管のみからなる紡錘体において、Tau減少時に認められた物理的な脆弱化がNAPの投与により顕著に回復することを明らかにした。
これらの結果は、NAPが乳癌発生につながるTauタンパク質の減少を人工的に補い、微小管を保護することにより腫瘍の進展を阻害することを示している。異数体化に最も関連すると考えられる、微小核形成、分裂期紡錘体・キネトコアファイバーの喪失、及び単離紡錘体の物理的脆弱化がNAPの作用により抑制されることから、NAPは、KL1/Tau比が1以上である癌の予防又は治療剤として有用である。ここで、上記の癌は、Tauタンパク質の発現量が低下することによりKL1/Tau比が1以上となっていてもよいし、KL1タンパク質の発現量が増加することによりKL1/Tau比が1以上となっていてもよい。
上述した、βIIIチューブリンを発現する癌又はKL1/Tau比が1以上である癌としては、乳癌、唾液腺癌及び大腸癌が挙げられる。
[癌の予防又は治療用医薬組成物]
1実施形態において、本発明は、上述した癌の予防又は治療剤、及び薬学的に許容される担体を含有する、癌の予防又は治療用医薬組成物を提供する。
本実施形態の医薬組成物は、経口的に使用される剤型又は非経口的に使用される剤型に製剤化されていてもよい。経口的に使用される剤型としては、例えば錠剤、カプセル剤、エリキシル剤、マイクロカプセル剤等が挙げられる。非経口的に使用される剤型としては例えば注射剤、軟膏剤、貼付剤等が挙げられる。
薬学的に許容される担体としては、通常製剤に用いられるものを特に制限なく用いることができ、例えば、滅菌水、生理食塩水等の溶媒;ゼラチン、コーンスターチ、トラガントガム、アラビアゴム等の結合剤、結晶性セルロース等の賦形剤;アルギン酸等の膨化剤等が挙げられる。
医薬組成物は添加剤を含んでいてもよい。添加剤としては、ステアリン酸マグネシウム等の潤滑剤;ショ糖、乳糖、サッカリン等の甘味剤;ペパーミント、アカモノ油等の香味剤;ベンジルアルコール、フェノール等の安定剤;リン酸塩、酢酸ナトリウム等の緩衝剤;安息香酸ベンジル、ベンジルアルコール等の溶解補助剤;酸化防止剤;防腐剤;界面活性剤;乳化剤等が挙げられる。
医薬組成物は、上記の薬学的に許容される担体及び添加剤を適宜組み合わせて、一般に認められた単位用量形態で混和することによって製剤化することができる。
注射剤用の溶媒としては、例えば生理食塩水、ブドウ糖、D−ソルビトール、D−マンノース、D−マンニトール、塩化ナトリウム等の補助薬を含む等張液が挙げられる。注射剤用の溶媒は、エタノール等のアルコール;プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等のポリアルコール;ポリソルベート80(商標)、HCO−50等の非イオン性界面活性剤等を含有していてもよい。
患者への投与は、例えば、動脈内注射、静脈内注射、皮下注射等のほか、鼻腔内的、経気管支的、筋内的、経皮的、または経口的に当業者に公知の方法により行いうる。投与量は、患者の体重や年齢、投与方法などにより変動するが、当業者であれば適当な投与量を適宜選択することが可能である。
医薬組成物の投与量は、症状により差異はあるが、経口投与の場合、一般的に成人(体重60kgとして)においては、1日あたり約0.1から1000mg、例えば約1.0から500mg、例えば約10から400mgの有効成分(癌の予防又は治療剤)であってもよい。また、上記の量を1日あたり1回又は数回に分けて投与してもよい。
また、非経口的に投与する場合には、その1回あたりの投与量は、投与対象、対象臓器、症状、投与方法によっても異なるが、例えば注射剤の形では通常成人(体重60kgとして)においては、1日あたり約0.01から300mg、例えば約0.1から200mg、例えば約0.1から100mgの有効成分(癌の予防又は治療剤)を静脈注射又は局所投与により投与することが考えられる。また、上記の量を1日あたり1回又は数回に分けて投与してもよい。
[その他の実施形態]
1実施形態において、本発明は、配列番号1に記載のアミノ酸配列からなるペプチド若しくはその誘導体、又は配列番号1に記載のアミノ酸配列において1若しくは複数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつ微小管結合活性を有するペプチド若しくはその誘導体の有効量を、治療を必要とする患者に投与する工程を含む、癌の予防又は治療方法を提供する。
1実施形態において、本発明は、癌の予防又は治療のための、配列番号1に記載のアミノ酸配列からなるペプチド若しくはその誘導体、又は配列番号1に記載のアミノ酸配列において1若しくは複数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつ微小管結合活性を有するペプチド若しくはその誘導体を提供する。
1実施形態において、本発明は、癌の予防又は治療剤を製造するための、配列番号1に記載のアミノ酸配列からなるペプチド若しくはその誘導体、又は配列番号1に記載のアミノ酸配列において1若しくは複数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつ微小管結合活性を有するペプチド若しくはその誘導体の使用を提供する。
上記の各実施形態において、配列番号1に記載のアミノ酸配列からなるペプチド若しくはその誘導体、又は配列番号1に記載のアミノ酸配列において1若しくは複数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつ微小管結合活性を有するペプチド若しくはその誘導体としては、上述したものが挙げられる。また、対象とする癌としては、上述したものが挙げられる。
次に実施例を示して本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実験例1]
(乳癌組織におけるKL1タンパク質とTauタンパク質の発現量の検討)
市販されている、ヒト女性乳癌組織及び隣接正常組織の組織ライセート・ストリップアレイ(5症例:乳管癌、Proteus Biosciences社)を使用した。
症例1として、上記ストリップアレイの型式「ST2−6X−1」、「T2−005−T/N−1」を使用した。また、症例2として、上記ストリップアレイの型式「ST2−6X−1」、「T2−034−T/N−1」を使用した。また、症例3として、上記ストリップアレイの型式「ST2−6X−2」、「T2−017−T/N−1」を使用した。また、症例4として、上記ストリップアレイの型式「ST2−6X−2」、「T2−018−T/N−1」を使用した。また、症例5として、上記ストリップアレイの型式「ST2−6X−2」、「T2−029−T/N−1」を使用した。
各ストリップアレイを、抗KL1抗体(型式「HPA046205」、シグマ社)及び抗Tau抗体(型式「T1029」、USBiological社)を用いてそれぞれ免疫ブロットし、各組織中のKL1タンパク質及びTauタンパク質を検出した。まず、ストリップアレイのプロトコルにしたがい、ストリップアレイをメタノール処理後、ブロッキング処理した。続いて、各ストリップアレイを抗KL1抗体及び抗Tau抗体と4℃で一晩振盪しながら反応させた。続いて、各ストリップアレイを洗浄し、セイヨウワサビペルオキシダーゼ(HRP)結合2次抗体を室温で1時間反応させた。続いて各ストリップアレイを洗浄し、ECL試薬(GEヘルスケア社)を反応させて化学発光させX線フィルムに現像した。
図1は、免疫ブロットの結果を示す写真である。図中、「T」は癌組織を示し、「N」は隣接正常組織を示す。また、「KL1」は抗KL1抗体を反応させた結果であることを示し、「Tau」は抗Tau抗体を反応させた結果であることを示す。
その結果、正常組織におけるKL1タンパク質の発現量に対する、癌組織におけるKL1タンパク質の発現量の比は、症例1〜5の順にそれぞれ1.90、0.92、1.00、2.10及び2.83であった。また、正常組織におけるTauタンパク質の発現量に対する、癌組織におけるTauタンパク質の発現量の比は、症例1〜5の順にそれぞれ1.04、0.51、0.18、0.60及び0.82であった。
これらの結果から、各癌組織におけるKL1/Tau比を計算すると、症例1〜5の順に1.8、1.8、5.6、3.5及び3.5と算出された。
以上の結果から、ヒト乳癌組織でKL1タンパク質が発現していることが明らかとなった。また、ヒト乳癌組織では、KL1/Tau比が高い傾向にあることが明らかとなった。
[実験例2]
(Tauノックダウンによる微小核形成の検討)
ヒト培養正常乳腺上皮細胞(HMEC、型式「CC−2251」、ロンザ社)に、Tauに対するsiRNA(センス鎖の塩基配列を配列番号6に示し、アンチセンス鎖の塩基配列を配列番号7に示す。以下、「siTau」という場合がある。)、KL1に対するsiRNA(型式「siRNA smart pools」、Dharmacon社、以下、「siKL1」という場合がある。)、p53に対するsiRNA(センス鎖の塩基配列を配列番号8に示し、アンチセンス鎖の塩基配列を配列番号9に示す。以下、「sip53」という場合がある。)、対照としてのノンターゲッティングコントロールsiRNA(以下、「Ctrl」という場合がある。)、上記siTauに非感受性のTau発現ベクター(Tau rst.mt)、対照としての空の発現ベクター(mock)、NAPペプチド(Biorbit社)を様々な組み合わせで導入し、全細胞に対する抗セントロメア抗体染色陽性の微小核を有する細胞の割合(%)を測定した。
Tau rst.mtは、R.Brandt博士(オスナブリュック大学、ドイツ)より分与された野生型Tauの発現ベクター(pRC/CMV−Flag−htau441)におけるsiTauの標的領域に、変異プライマーを使用した部位特異的突然変異誘発により3塩基の変異を導入して作製した。
siKL1は、終濃度35nMで使用した。siTauは、終濃度50nMで使用した。sip53は、終濃度10nMで使用した。NAPは、終濃度30nMで使用した。
各siRNA又は発現ベクターによる処理は2日間行った。その後、細胞をパラホルムアルデヒド固定し、抗チューブリン抗体(シグマ社)、抗セントロメア抗体(Antibodies社)、及びDAPI(4,6−diamidino−2−phenylindole dihydrochloride hydrate、シグマ社)で染色した。
続いて、200個以上の間期の細胞を共焦点レーザー顕微鏡で観察し、全細胞に対する抗セントロメア抗体染色陽性の微小核を持つ細胞の割合を計算した(n=3)。
図2は、測定結果を示すグラフである。グラフ中、「*」はスチューデントt検定により危険率1%未満で有意差が存在することを意味する。
その結果、ヒト培養正常乳腺上皮細胞においてTauをノックダウン(siTau)することにより、対照(Ctrl)と比較して有意な微小核形成の増加が認められた。これは、更にsiTauに非感受性のTauの発現ベクターを導入することにより抑制された(Tau rst.mt+siTau)。
また、Tauのノックダウンによる微小核形成の増加は、更にKL1ノックダウンを同時に行うと有意に抑制された(siKL1+siTau)。
また、Tauのノックダウンによる微小核形成の増加は、NAPの添加により有意に抑制された(siTau+NAP)。この結果は、NAPがTauの減少(KL1/Tau比の上昇)に起因する微小核形成を抑制することを示し、癌の予防又は治療剤として有効であることを示す。
また、上記と同様の実験をp53のノックダウンと共に行うと、Tauノックダウン単独に対し、約2倍の微小核が形成され(sip53+siTau)、これは上記と同様に、KL1ノックダウンと、NAP処理により有意に抑制された。p53のノックダウンにより、Tauノックダウンの効果がより顕著に表れたものと考えられた。
[実験例3]
(Tauノックダウンによる紡錘体への影響の検討)
ヒト培養正常乳腺上皮細胞(HMEC、型式「CC−2251」、ロンザ社)に、上述したCtrl、siTau、siKL1又はNAPを様々な組み合わせで導入し2日間処理した。続いて、MG132(セルシグナリングテクノロジー社)処理により細胞を分裂期に同調させた。続いて、定法(例えば、Sillje H.H. and Nigg E.A.Purification of mitotic spindles from cultured human cells., Methods, 38, 25-28, 2006.を参照。)により、各細胞から微小管成分のみにより構成される分裂期紡錘体を単離し、遠心分離(1500×g、15分間)による物理ストレスを加え、液体低融点アガロースゲルと共にガラスボトムディッシュに添加して撹拌後固化した。続いて、紡錘体の構造的強度を評価した。
紡錘体の構造的強度の指標として、(1)全紡錘体数、(2)双極性紡錘体(bipolar spindle)が占める割合、(3)紡錘体の各部分の状態を評価した。(3)紡錘体の各部分の状態は、紡錘体を免疫染色し、中心体、紡錘体極、及び極を基準とする遠位部分を観察することにより評価した。
中心体マーカーとしては、γ−チューブリンを抗γ−チューブリン抗体(シグマ社)で免疫染色した。紡錘体極マーカーとしては、ダイニン(DYNC1LI1)を、抗ダイニン抗体(型式「GTX120114」、ジーンテックス社)で免疫染色した。極を基準とする遠位部分のマーカーとしては、Eg5(KIF11)を抗Eg5抗体(型式「GTX109054」、ジーンテックス社)で免疫染色した。
図3(a)は各紡錘体試料における1視野中の紡錘体の総数を示すグラフである。グラフ中、「*」はスチューデントt検定により危険率1%未満で有意差が存在することを意味する。
その結果、対照(Ctrl)と比較して、Tauをノックダウンすることにより紡錘体の総数が約90%減少することが明らかとなった(siTau)。
また、上記の紡錘体数の減少は、KL1の同時ノックダウン(siKL1)により有意に抑制された(siTau+siKL1)。また、上記の紡錘体数の減少は、NAPの添加によっても有意に抑制された(NAP+siTau)。この結果は、NAPがTauの減少(KL1/Tau比の上昇)に起因する紡錘体の異常を抑制することを示し、癌の予防又は治療剤として有効であることを示す。
図3(b)は各紡錘体試料における双極性紡錘体の割合を示すグラフである。グラフ中、「*」はスチューデントt検定により危険率1%未満で有意差が存在することを意味する。
その結果、対照(Ctrl)では、双極性紡錘体が約25%の割合で存在するのに対し、Tauをノックダウンすることにより双極性紡錘体がほとんど検出されなくなることが明らかとなった(siTau)。
また、上記の双極性紡錘体数の減少は、KL1の同時ノックダウン(siKL1)により有意に抑制された(siTau+siKL1)。また、上記の双極性紡錘体数の減少は、NAPの添加によっても有意に抑制された(NAP+siTau)。この結果は、NAPがTauの減少(KL1/Tau比の上昇)に起因する紡錘体の異常を抑制することを示し、癌の予防又は治療剤として有効であることを更に支持するものである。
図4(a)は、上述した方法により単離した双極性紡錘体の形状を示す代表的な微分干渉顕微鏡写真である。
図4(b)上段は、対照(Ctrl)において単離された半紡錘体(half spindle)の微分干渉顕微鏡写真を示す。図4(b)下段は、図4(b)上段に示す半紡錘体を抗Eg5抗体で免疫染色した結果を示す蛍光顕微鏡写真である。
図4(c)上段は、対照(Ctrl)において単離された半紡錘体の微分干渉顕微鏡写真を示す。図4(c)下段は、図4(c)上段に示す半紡錘体を抗γ−チューブリン抗体で免疫染色した結果を示す蛍光顕微鏡写真である。
図4(d)上段は、対照(Ctrl)において単離された半紡錘体の微分干渉顕微鏡写真を示す。図4(d)下段は、図4(d)上段に示す半紡錘体を抗ダイニン抗体で免疫染色した結果を示す蛍光顕微鏡写真である。図4(a)〜(d)は、正常な紡錘体の形状を示している。
図5(a)及び(b)は、siTauを導入した細胞から調製した紡錘体を示す写真である。図5(a)上段は、単離された半紡錘体の微分干渉顕微鏡写真を示す。図5(a)中段は、図5(a)上段に示す半紡錘体を抗γ−チューブリン抗体で免疫染色した結果を示す蛍光顕微鏡写真である。図5(a)下段は、図5(a)上段に示す半紡錘体を抗ダイニン抗体で免疫染色した結果を示す蛍光顕微鏡写真である。また、図5(b)上段は、単離された半紡錘体の微分干渉顕微鏡写真を示す。図5(b)下段は、図5(b)上段に示す半紡錘体を抗Eg5抗体で免疫染色した結果を示す蛍光顕微鏡写真である。
また、図5(c)及び(d)は、siKL1を導入した細胞から調製した紡錘体を示す写真である。図5(c)上段は、単離された半紡錘体の微分干渉顕微鏡写真を示す。図5(c)中段は、図5(c)上段に示す半紡錘体を抗γ−チューブリン抗体で免疫染色した結果を示す蛍光顕微鏡写真である。図5(c)下段は、図5(c)上段に示す半紡錘体を抗ダイニン抗体で免疫染色した結果を示す蛍光顕微鏡写真である。また、図5(c)上段は、単離された半紡錘体の微分干渉顕微鏡写真を示す。図5(c)下段は、図5(c)上段に示す半紡錘体を抗Eg5抗体で免疫染色した結果を示す蛍光顕微鏡写真である。
また、図5(e)及び(f)は、siTau及びsiKL1を導入した細胞から調製した紡錘体を示す写真である(siTau+siKL1)。図5(e)上段は、単離された半紡錘体の微分干渉顕微鏡写真を示す。図5(e)中段は、図5(e)上段に示す半紡錘体を抗γ−チューブリン抗体で免疫染色した結果を示す蛍光顕微鏡写真である。図5(e)下段は、図5(e)上段に示す半紡錘体を抗ダイニン抗体で免疫染色した結果を示す蛍光顕微鏡写真である。また、図5(f)上段は、単離された半紡錘体の微分干渉顕微鏡写真を示す。図5(f)下段は、図5(f)上段に示す半紡錘体を抗Eg5抗体で免疫染色した結果を示す蛍光顕微鏡写真である。
また、図6(a)、(b)及び(c)は、siTauを導入し、更にNAPを添加した細胞から調製した紡錘体を示す写真である(NAP+siTau)。図6(a)上段は、単離された半紡錘体の微分干渉顕微鏡写真を示す。図6(a)中段は、図6(a)上段に示す半紡錘体を抗γ−チューブリン抗体で免疫染色した結果を示す蛍光顕微鏡写真である。図6(a)下段は、図6(a)上段に示す半紡錘体を抗ダイニン抗体で免疫染色した結果を示す蛍光顕微鏡写真である。また、図6(b)上段は、単離された半紡錘体の微分干渉顕微鏡写真を示す。図6(b)下段は、図6(b)上段に示す半紡錘体を抗Eg5抗体で免疫染色した結果を示す蛍光顕微鏡写真である。また、図6(c)は、単離された双極性紡錘体の形状を示す代表的な微分干渉顕微鏡写真である。
図5(a)に示すように、Tauノックダウンにおいて見出された半紡錘体の約半数は、微小管の中心部への収斂に欠く形態を示し(図5(a)上段)、中心体マーカーの欠損(図5(a)中段)と紡錘体極マーカーの減少(図5(a)下段)を伴っていた。また、図5(b)に示すように、残る約半数の半紡錘体では、遠位マーカーの欠損(図5(b)下段)が見出された。
図5(e)及び(f)に示すように、Tauノックダウンによる紡錘体の異常はKL1の同時ノックダウン(siTau+siKL1)により回復した。
また、図6(a)及び(b)に示すように、Tauノックダウンによる紡錘体の異常はNAPの添加によっても(NAP+siTau)回復した。また、図3(b)及び図6(c)に示すように、NAPを添加することにより、Tauノックダウンに起因する双極性紡錘体の減少が回復した。これらの結果は、NAPがTauの減少(KL1/Tau比の上昇)に起因する紡錘体の異常を抑制することを示し、癌の予防又は治療剤として有効であることを更に支持するものである。
[実験例4]
(Tauノックダウンによる核型への影響の検討)
ヒト培養正常乳腺上皮細胞(HMEC、型式「CC−2251」、ロンザ社)に、上述したsip53単独、又はsip53及びsiTauを導入し3日間処理した。
続いて、定法に基づきGバンド法による核型解析を行った。顕微鏡下でメタフェーズ展開像を取得し、解析システム(型式「GenASIs BandView」、Applied Spectral Imaging社)を用いて画像解析した。64個の対照細胞、98個のp53ノックダウン細胞、136個のTau及びp53ノックダウン細胞、127個のTauノックダウン細胞を解析した。
図7(a)は、p53ノックダウン細胞(sip53)の異数体に検出された、各染色体毎の正常染色体数に対する増減頻度を示すグラフである。また、図7(b)は、p53及びTauノックダウン細胞(sip53+siTau)の異数体に検出された、各染色体毎の正常染色体数に対する増減頻度を示すグラフである。
その結果、対照細胞の約9割は正常核型(46XX)であり、約1割に異数体(正常2倍体から数個の染色体増加又は減少)が認められた。
また、図7(a)に示すように、p53ノックダウン単独では、この傾向は大きくは変化せず、対照同様、約9割の細胞で正常核型を検出した。
これに対し、p53及びTauノックダウン(sip53+siTau)では、25%に異数体が認められた。これらの異数体の核型は各染色体に関してランダムではなく、図7(b)に示すように、1個のX染色体の喪失(図中、「2−1」と示す。)にピークが認められ(14%)、次いで21番染色体のトリソミー(図中、「2+1」と示す。)にピークが認められた(9%)。
また、Tauノックダウン単独では、p53及びTauノックダウンと比較して程度は小さくなるものの(異数体:18%)、同様な傾向(X染色体喪失:8%、21番染色体トリソミー:5%)が認められた。
上述した実験例1〜4の結果から、Tauの減少(KL1/Tau比の上昇)により細胞に紡錘体異常が生じ、染色体分配異常が起こり、癌化につながることが明らかとなった。また、NAPはTauの減少(KL1/Tau比の上昇)に起因する紡錘体の異常を抑制することが明らかとなった。
本発明によれば、細胞増殖阻害とは異なるメカニズムによる癌の予防又は治療剤を提供することができる。

Claims (4)

  1. 配列番号1〜5のいずれかに記載のアミノ酸配列からなるペプチド、配列番号1に記載のアミノ酸配列からなるペプチドにおいて全てのアミノ酸をD−アミノ酸に置換したペプチド、配列番号2に記載のアミノ酸配列からなるペプチドにおいてN末端をアセチル化したペプチド、配列番号2に記載のアミノ酸配列からなるペプチドにおいてC末端をアミノ化したペプチド、配列番号2に記載のアミノ酸配列からなるペプチドにおいてN末端をアセチル化しC末端をアミノ化したペプチド、又は、配列番号5に記載のアミノ酸配列の全てのアミノ酸をD−アミノ酸に置換したペプチドを有効成分として含有する、βIIIチューブリンを発現し且つ下記式(1)で計算されるKL1/Tau比が1以上である癌の予防又は治療剤。
    KL1/Tau比=(癌組織におけるKatanin−like 1(KL1)タンパク質の発現量/正常組織におけるKL1タンパク質の発現量)/(癌組織におけるTauタンパク質の発現量/正常組織におけるTauタンパク質の発現量) …(1)
  2. 配列番号1に記載のアミノ酸配列からなるペプチドを有効成分として含有する、請求項1に記載の癌の予防又は治療剤。
  3. 前記癌が、乳癌、唾液腺癌又は大腸癌である、請求項1又は2に記載の癌の予防又は治療剤。
  4. 請求項1〜のいずれか一項に記載の癌の予防又は治療剤、及び薬学的に許容される担体を含有する、癌の予防又は治療用医薬組成物。
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