JP6727600B1 - 広帯域デジタルマイクロ波放射計 - Google Patents

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【課題】人工電波の干渉を除外して自然由来のマイクロ波を正しく計測することができると共に、リップルによる輝度温度の計測誤差を補正することができ、広い周波数帯域について正確に輝度温度を計測することが可能なマイクロ波放射計を提供する。【解決手段】測定対象が放射する電波を受信する単一のアンテナ1と、アンテナで電圧として受信されたマイクロ波電力を所定のサンプリング周波数でデジタル化するAD変換器と、デジタル信号に変換されたマイクロ波電力に対してフーリエ変換を行い、マイクロ波電力を周波数成分に分解すると共に周波数成分毎に複素フーリエ係数を積算して輝度温度TBを導き出す信号処理部2と、を備えている。【選択図】図1

Description

本発明は、環境中のあらゆる物質から放射される自然由来のマイクロ波電力を計測するマイクロ波放射計に関する。
例えば、人工衛星や航空機などから地球の表面付近を観測するリモートセンシング分野では、マイクロ波放射計を用いて環境中のマイクロ波帯の電磁波を受信し、受信した電磁波の電力から物体の輝度温度を観測した後に、当該輝度温度から計測対象の温度や総量を推定することが行われている。マイクロ波は、赤外線よりもさらに波長の長い電磁波であり、微小な水滴によって減衰しにくい。このため、前記マイクロ波放射計を用いれば、適切な波長を選択することにより、赤外線では観測できなかった雲下の海面水温や土壌水分量等の物理量を観測可能である。
図5は従来公知の全電力マイクロ波放射計の受信器の構成を示すブロック図である。所望の周波数帯域B(数100MHz〜1GHz程度)のマイクロ波電力は狭帯域アンテナ10で受信され、低雑音受信機(LNA)で増幅された後に、バンドパスフィルタ(BPF)で特定の帯域幅に切り出されて、更にダイオード検波器(Diode Detector)で検出される。その後、検出された電力は時間積分(∫)され、求められたカウント値(C)が輝度温度(TB)に校正される。図示はされてないが、前記低雑音受信機(LNA)とバンドパスフィルタ(BPF)の間に周波数変換部が設けられ、必要に応じて周波数変換がなされる場合もある。
環境中に存在する自然物由来のマイクロ波電力は微弱である一方、近年では無線通信分野におけるマイクロ波帯の活用が進んでいる。このため、計測対象である周波数帯域Bの近傍の周波数帯域で無線通信が行われた場合に、人工電波による干渉(RFI)が混入し、輝度温度を正しく計測できないといったリスクが懸念される。計測された輝度温度がRFIで汚染されている場合、そこから汚染前の輝度温度を復元することは困難であり、マイクロ波を利用したリモートセンシングに深刻な問題である。
一方、人工的に放射されるマイクロ波の帯域幅はせいぜい数10MHzである。このため、輝度温度を計測する帯域幅を狭くし、可及的に広い周波数範囲にわたって連続的に多数の輝度温度を計測すれば、前記RFIで汚染された周波数帯域の識別が可能になる。そして、図6に示すように、前記RFIで汚染された周波数帯域の輝度温度を取り除き、当該周波数帯域の前後に存在する汚染されていない周波数帯域の輝度温度で補間することにより、汚染された周波数帯域についてもRFI汚染のない正しい輝度温度を得ることができる。
しかし、図5に示された従来公知のマイクロ波放射計では、アンテナ10、バンドパスフィルタ(BPF)及びダイオード検波器(Diode Detector)を含む受信機一式につき、周波数帯域Bについて一つの輝度温度を計測できるのみである。このため、複数の周波数帯域についてそれぞれの輝度温度を計測するためには、周波数帯域毎に受信機が必要となるが、マイクロ波放射計のシステム全体で搭載可能な受信機の数は搭載スペースの制限により十数程度であり、計測可能な周波数帯域の個数には制約があった。
単一のアンテナを用いながら複数の周波数帯域の夫々について輝度温度を計測する手段としては、例えば非特許文献1や非特許文献2に示されるように、アンテナによって広い周波数帯域のマイクロ波電力を受信する一方、この受信周波数帯域を連続的にカバーするように帯域幅の狭いバンドパスフィルタ(BPF)を複数設け、各バンドパスフィルタ(BPF)が切り出した周波数帯域毎に輝度温度を計測することが考えられる。しかし、マイクロ波放射計のシステム全体で計測可能な輝度温度の周波数帯域の個数は数10個が限界であり、計測する輝度温度の周波数帯域の個数に比例して装置構成が大型化してしまうといった課題がある。
また、図5に示した従来のマイクロ波放射計のように高周波を受信する装置では、アンテナからダイオード検波器に向かう信号と、機器のアナログ信号経路内で反射して逆方向に向かう信号とが干渉して定在波が発生してしまい(図2(a)中の実線)、輝度温度のスペクトルに系統的誤差が発生する現象(リップル)が不可避である。この現象は輝度温度を周波数方向に連続的に取得することで初めて認識できるため、広い周波数帯域について輝度温度を一つ又は数個しか計測できない従来のマイクロ波放射計ではリップル現象の存在を識別することができず、計測された輝度温度に潜在的な系統誤差が含まれてしまう課題がある。
Microwave radiometer for cloud carthography: A 22-channel ground-based microwave radiometer for atmospheric research A multichannel radiometric profiler of temperature, humidity, and cloud liquid
本発明はこのような課題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、人工電波の干渉を除外して自然由来のマイクロ波を正しく計測することができると共に、リップルによる輝度温度の系統誤差を補正することができ、広い周波数帯域について正確に輝度温度を計測することが可能なマイクロ波放射計を提供することにある。
すなわち、本発明のマイクロ波放射計は、測定対象が放射する電波の周波数帯域に対応して当該電波を受信する単一のアンテナと、前記アンテナで電圧として受信されたマイクロ波電力を所定のサンプリング周波数でデジタル化するAD変換器と、デジタル信号に変換された前記マイクロ波電力に対してフーリエ変換を行い、当該マイクロ波電力を周波数成分に分解すると共に周波数成分毎に複素フーリエ係数を積算して輝度温度TBを導き出す信号処理部と、を備えたことを特徴とするものである。
本発明によれば、輝度温度を計測する帯域幅を狭くしつつも、可及的に広い周波数範囲にわたって連続的に輝度温度を計測することが可能であり、人工電波の干渉を除外して自然由来のマイクロ波を正しく計測することができると共に、リップルによる輝度温度の系統誤差を補正することができ、広い周波数帯域について正確に輝度温度を計測することが可能となる。
本発明方法が適用されるマイクロ波放射計の第一実施形態を示すブロック図である。 リップル補正の前後における輝度温度のスペクトルを示す図である。 本発明方法が適用されるマイクロ波放射計の第二実施形態を示すブロック図である。 本発明方法が適用されるマイクロ波放射計の第三実施形態を示すブロック図である。 従来公知のマイクロ波放射計を示すブロック図である。 人工電波干渉(RFI)によって汚染された輝度温度と周辺の輝度温度から補間したRFI汚染前の輝度温度との関係を示す図である。
以下、添付図面を用いて本発明のマイクロ波放射計を詳細に説明する。
図1は本発明を適用したマイクロ波放射計の第一実施形態を示すブロック図であり、本発明の基本的構成を示している。
このマイクロ波放射計は、測定対象が放射する電波を受信するアンテナ1と、前記アンテナ1で電圧として受信されたマイクロ波電力(以下、「受信信号」という)を増幅する低雑音受信機(LNA)と、受信信号の周波数成分を特定の帯域幅で抽出するバンドパスフィルタ(BPF)と、受信信号を所定のサンプリング周波数でデジタル化するAD変換器(ADC)と、AD変換器によってデジタル信号に変換された受信信号を周波数成分に分解すると共に周波数成分毎に輝度温度を導き出す信号処理部2と、を備えている。
前記アンテナ1としては観測する周波数帯域に最適な単一のアンテナを選択して使用することが可能であり、例えばマイクロ波のCバンドからKaバンドを受信できる超広帯域アンテナを選択することができる。具体的には、マイクロ波電力の水平・垂直偏波成分を同時に受信できるクアッドリッジフィードホーンを使用した。
前記バンドパスフィルタ(BPF)としては、受信信号の周波数成分を帯域幅8192MHzで抽出するものを使用した。このバンドパスフィルタ(BPF)は後段のAD変換器(ADC)での処理の際に生じる雑音成分を抑制する目的に特化したアンチエイリアシングフィルタ(AAF)としても機能する。尚、前記バンドパスフィルタ(BPF)の帯域幅はAD変換機のサンプリング周波数に応じて設計変更することが可能であり、例えば帯域幅16384MHzのバンドパスフィルタ(BPF)を使用しても良い。
従って、前記アンテナ1から入力された受信信号は前記低雑音受信機(LNA)で増幅された後、前記バンドパスフィルタ(BPF)によって帯域制限され、更に前記AD変換器(ADC)によってアナログ信号からデジタル信号に変換される。変換されたデジタル信号はアンテナで受信されたマイクロ波電力の時間波形を示しており、これが後段の信号処理部に入力される。尚、図示はされてないが、前記低雑音受信機(LNA)とバンドパスフィルタ(BPF)の間に周波数変換部を設け、必要に応じて周波数変換を行ってもよい。
一方、前記信号処理部2はPLDの一種であるFPGA(field−programmable gate array)によって構成されている。このFPGAには高速フーリエ変換(以下、「FFT」という)が実装されており、前段のAD変換機によってデジタル化された受信信号を各周波数成分に分解すると共に、各周波数成分の複素フーリエ係数を計算する。求められた複素フーリエ係数は周波数毎に積分部(∫)において積算され、各周波数成分の帯域幅に対応するカウント値(C1〜Cm)が出力された後、当該カウント値が周波数毎の輝度温度(TB1〜TBm)に校正されて外部に出力される。尚、前記信号処理部2は前述のFPGA以外に、別な種類の集積回路(IC)や、ソフトウェアで実現することも可能である。
ここで、mは分解された周波数成分の数を表しており、FFT点数の1/2の数値である。前記AD変換器のサンプリング周波数をx、FFT点数を2mとすれば、x/2の周波数範囲をm区間に分割した各々帯域幅についてマイクロ波の輝度温度TBを計測できる。例えば典型的な例として、前記AD変換器のサンプリング速度を16384MHz、FFT点数を1024点とした場合、8192MHzの広い周波数範囲を16MHzの狭い帯域幅で512個に分割し、512個の帯域幅のそれぞれについて輝度温度TBを同時に計測することが可能となる。
このようにして取得された512個の輝度温度TB(輝度温度TBのスペクトル)を分析すれば、人工電波の干渉(RFI)で汚染された周波数帯域を識別し、当該帯域に対応する輝度温度TBを補正することで、自然由来のマイクロ波放射による輝度温度を正しく抽出することが可能となる。
以上説明してきたように、図1に示した本実施形態のマイクロ波放射計は単一のアンテナ1、単一のAD変換器(ADC)及び単一の信号処理用LSI(例えばFPGA)で実現可能であり、複数の周波数帯域の夫々について輝度温度を計測しつつも装置の小型化を図ることが可能である。
次に、本発明を適用したマイクロ波放射計の第二実施形態について説明する。この第二実施形態では第一実施形態のマイクロ波放射計と基本的な考え方は同じであるが、リップル現象の補正を行っている点において第一実施形態のマイクロ波放射計と異なる。
マイクロ波放射計におけるアナログ信号の経路内、すなわち前記アンテナ1から前記AD変換機(ADC)までの経路内においては、受信信号の特定の周波数成分が反射して干渉を生じる場合がある。このような干渉が生じると、本来は受信信号から計測された輝度温度TBのスペクトルが図2(b)中に実線で示されるように周波数方向に緩やかに変化するのに対し、図2(a)中に実線で示すように、計測された輝度温度TBのスペクトルが周波数方向に乱れてしまう。この現象がリップルである。
このリップルを補正するため、図3に示すように、第二実施形態のマイクロ波放射計では前記信号処理部2にリップル補正部を設けている。前記リップル補正部2には各マイクロ波放射計に固有のリップルパターンが予め格納されており、当該リップル補正部は前記リップルパターンを用いて計測によって得られた輝度温度TBのスペクトルを補正する。
前記リップルパターンは前記実施形態1で取得された輝度温度TBのスペクトルから生成することができる。具体的には、受信信号から得られた輝度温度の周波数方向のスペクトルを用いて低次の多項式近似式を導き出し、図2(a)に点線で示される回帰曲線を得る。既に説明したように、第1実施形態のマイクロ波放射計では、広い周波数範囲について狭い帯域幅毎に輝度温度TBを連続的に計測可能なので、これら輝度温度の実測値から回帰曲線を容易に求めることが可能である。
この回帰曲線を自然由来の輝度温度のスペクトルの近似値とし、計測されたリップルを含む輝度温度TBのスペクトルから差し引くことで、放射計の内部で発生したリップルのパターンを得ることが出来る。すなわち、基準時刻における輝度温度TBのスペクトルをTB0(f)、回帰曲線の関数をM(f)とすると、リップルパターンR(f)は以下のように表すことができる。
R(f)=TB0(f)−M(f)
そして、以降の時刻において計測された輝度温度TBのスペクトルから前記リップルパターンR(f)を差し引くことで、図2(b)に示すように、リップルの影響を取り除いた自然由来のマイクロ波による輝度温度TBのスペクトルを得ることができ、輝度温度をより正確に計測することが可能となる。
前記リップルは放射計内部のアナログ経路の反射による定在波に由来しているため、当該アナログ経路の構造に依存しており、前記リップルパターンは個々のマイクロ波放射計に固有のものである。このため、前記リップルパターンが経時的に大きく変動することはなく、前記リップル補正部によるリップルパターンの取得及び格納は、例えばマイクロ波の計測の開始時または一定の時間間隔で行えば十分である。
尚、前記リップル補正部に格納されるリップルパターンを得るための回帰曲線としては、前述の如く受信信号から得られた多数の計測値を利用して多項近似式を導き出しても良いが、マイクロ波放射計の測定対象の放射伝達モデルが解っている場合、その放射伝達モデルを利用して前記回帰曲線を生成してもよい。
次に、本発明を適用したマイクロ波放射計の第三実施形態について説明する。
アナログ信号をデジタル信号に変換する際、前記AD変換器(ADC)のサンプリング周波数としてはアナログ信号の帯域幅の2倍よりも高い周波数を用いることが必要である。このため、前記アンテナ1で受信したマイクロ波の周波数範囲が著しく広く、前記AD変換器(ADC)のサンプリング周波数xの1/2を超える場合は、受信信号を単一のAD変換器(ADC)でデジタル信号に変換することが困難となる。
広帯域の受信信号に対応するため、この第三実施形態のマイクロ波放射計では、図4に示すように、前記アンテナ1から入力された受信信号は低雑音受信機(LNA)で増幅後に5系統に分割された後に、バンドパスフィルタ(BPF1〜BPF5)を介してAD変換機(ADC1〜ADC5)に入力されており、この点において第一実施形態又は第二実施形態のマイクロ波放射計と相違している。各AD変換器(ADC1〜ADC5)の後段に設けられた信号処理部(DM1〜DM5)は前記第一実施形態又は第二実施形態の信号処理部と同一である。
図4に示すマイクロ波放射計では、アンテナ1から入力される受信信号の周波数帯は0〜40GHzであり、8GHzの帯域幅をデジタル化可能なAD変換器および信号処理部を5セット使用することによって0〜40GHzの帯域幅を広げて有する受信信号の処理を可能としている。使用するAD変換器は、0〜24GHzの周波数帯のアナログ信号を入力することができ、このアナログ信号を16GHzのサンプリング周波数でデジタル化することが可能である。広帯域アンテナ1から入力された0〜40GHzの受信信号は、低雑音受信機(LNA)で増幅された後に、先ずは分配器で0〜8GHz、8〜16GHz、16〜24GHz及び24〜40GHzの四つの周波数帯に分配される。
分配された四つの周波数帯のうち、帯域幅が8GHzの最初の3系統では、入力された受信信号がアンチエイリアシングフィルタ(AAF)を兼ねるバンドパスフィルタ(BPF1〜BPF3)に入力され、更にAD変換器(ADC1〜ADC3)によってデジタル化され、後段の信号処理部(DM1〜DM3)に入力される。
一方、4番目の系統が処理すべき周波数帯は24〜40GHzであって、前記AD変換器に入力可能な最高周波数を超えている。このため、4番目の系統に入力された受信信号は局部発振器及びミキサからなる周波数変換部を介して0〜16GHzの周波数帯に周波数変換され、その後に分配器によって0〜8GHz及び8〜16GHzの2系統に分配される。この後、これらの受信信号はバンドパスフィルタ(BPF4〜BPF5)に入力され、更にAD変換器(ADC4〜ADC5)によってデジタル化され、後段の信号処理部(DM4〜DM5)に入力される。
そして、各信号処理部(DM1〜DM5)では、前述の第一実施形態で説明したように、1024点のFFTが実行されて512個の輝度温度TBに変換される。すなわち、この第三実施形態のマイクロ波放射計によれば、0〜40GHzの広範囲な周波数帯におけるマイクロ波から約16MHzの狭い帯域幅で合計2560個の輝度温度TBを連続的に計測することが可能となる。
尚、前述の第一実施形態乃至第三実施形態においては、デジタル化された受信信号に対して前記信号処理部で高速フーリエ変換(FFT)を行っているが、FFTにおける周波数の分割点数は2のべき乗に制限される。このため、前記AD変換器から出力された受信信号の帯域全体を2のべき乗で分割することになり、一つ一つの輝度温度TBに対応する周波数は一般的に端数を含んで解りにくくなる。例えば、AD変換器のサンプリング周波数を16000MHzとした場合、取得される信号の周波数は第一ナイキスト領域において0〜8000MHzとなり、これを1024点について高速フーリエ変換した場合、各輝度温度TBの周波数は以下のようになる。
8000/512×n(MHz) (但し、n=0,1,2,…,511)
これを実際の周波数として表現すると、順番に0MHz、15.625MHz、31.25MHz、…、7984.375MHzとなり、直感的に把握しにくい結果となる。
そこで、前記AD変換器のサンプリング周波数を2のべき乗に相当する周波数、例えば16384MHzとすることで、取得される信号の周波数は0〜8192MHzとなる。これを1024点について高速フーリエ変換した場合、各輝度温度TBの周波数は0、16.0、32.0、…、8176.0MHzとなり、直感的に把握し易い結果となる。このように前述の第一実施形態乃至第三実施形態のマイクロ波放射計を構築する際には、前記アンテナ1が受信するマイクロ波の周波数帯をカバーする範囲で、前記AD変換器(ADC)のサンプリング周波数を2のべき乗に相当する周波数に設定するのが好ましい。
以上説明してきたように、本発明のマイクロ波放射計によれば、輝度温度を計測する帯域幅を狭くしつつも、可及的に広い周波数範囲にわたって連続的に多数の輝度温度を計測することが可能であり、RFIで汚染された周波数帯域を識別することが可能になると共に、当該周波数帯域の前後に存在する汚染されていない周波数帯域の輝度温度を用いることで、汚染された周波数帯域についてもRFI汚染のない正しい輝度温度を得ることが可能となる。
また、本発明によれば、可及的に広い周波数範囲にわたって連続的に多数の輝度温度を計測しつつも、単一のアンテナ及び単一の受信機でこれを実現することができ、人工衛星や航空機を用いたリモートセンシングに好適な小型のマイクロ波放射計を提供することが可能となる。
更に、本発明によれば、可及的に広い周波数範囲にわたって連続的に多数の輝度温度を計測することが可能なので、計測された輝度温度TBのスペクトルを補正するためのリップルパターンを容易に取得することができ、リップルの影響を取り除いて輝度温度をより正確に計測することが可能となる。

Claims (4)

  1. 測定対象が放射する電波の周波数帯域に対応して当該電波を受信する単一のアンテナと、
    前記アンテナで電圧として受信されたマイクロ波電力を所定のサンプリング周波数でデジタル化するAD変換器と、
    デジタル信号に変換された前記マイクロ波電力に対してフーリエ変換を行い、当該マイクロ波電力を周波数成分に分解すると共に周波数成分毎に複素フーリエ係数を積算して輝度温度TBを導き出す信号処理部と、
    を備えたことを特徴とするマイクロ波放射計。
  2. 前記信号処理部はリップル補正部を備え、
    前記リップル補正部は計測された輝度温度TBのスペクトルを補正するためのリップルパターンを備え、当該リップルパターンを用いて計測された輝度温度TBを補正することを特徴とする請求項1記載のマイクロ波放射計。
  3. 前記AD変換器及び前記信号処理部からなる処理系統を複数備えると共に、前記アンテナで受信したマイクロ波電力を複数の周波数帯に分配する分配器を備え、前記分配器の出力を各処理系統に入力したことを特徴とする請求項1記載のマイクロ波放射計。
  4. 前記AD変換器でのサンプリング周波数を2のべき乗に相当する周波数で行うことを特徴とする請求項1記載のマイクロ波放射計。
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