JP6725112B6 - 多成分系溶液の性状推定方法、装置、及びプログラム - Google Patents
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Description
(1)前記多成分系溶液を構成する各成分の分率、融点及びハンセン溶解度指数値を取得するステップと、
(2)前記多成分系溶液を構成する各成分のうちの所望の温度未満の融点を有する成分を液相成分として分類し、前記所望の温度以上の融点を有する成分を非液相成分として分類するステップと、
(3)前記液相成分として分類された各成分のハンセン溶解度指数値を各成分の当該液相における分率で重み付けした加重平均値として、液相全体の平均ハンセン溶解度指数値を算出するステップと、
(4)液相全体の前記平均ハンセン溶解度指数値と、非液相成分における各成分のハンセン溶解度指数値との差を算出するステップと、
(5)非液相成分における各成分を、前記差に基づいて、液相成分又は非液相成分として再分類し、液相成分として再分類された各成分を非液相成分から液相成分に編入して、液相成分及び非液相成分を更新するステップと、
(6)更新後の液相成分における各成分のハンセン溶解度指数値を各成分の当該液相における分率で重み付けした加重平均値として、更新後の液相全体の平均ハンセン溶解度指数値を算出するステップと、
(7)前記ステップ(4)〜(6)を、前記ステップ(5)において液相成分として再分類される非液相成分がなくなる最終段階まで繰り返すステップと
を含むことを特徴としている。
或いは、「成分」を「同一の分子種に属すると認められる分子の集合体」と捉えることも可能である。即ち、「同一の分子種に属すると認められる分子を集めて一括りにしたもの」と捉えることである。ここで「同一の分子種」とは、「分子構造を完全に特定し、その上で同一であると認められる分子の一括り」という意味と考えてもよく、また、「ある任意に設定した特定の条件を満たす分子の一括り」という意味で捉えてもよい。「ある任意に設定した特定の条件」とは、例えば、構造上同じ官能基を有していることのみを条件とする場合や、ある構造の芳香環を有していることのみを条件とする場合など、条件は任意に設定してもよいという意味である。
これにより、多成分系溶液の性状として、液相の量(溶液全体に対する分率)を推定することができる。
D(p,q) = MAS (K0 +K1 p +K2 q +K3 p2 +K4 pq +K5 q2+K6p3 +K7p2q +K8pq2 +K9 q3) ・・・(A)
ここで、pは、前記所望の温度Tが、T≦150℃のときに、p = (L0(T - 25) + L1)REDg、前記所望の温度Tが、150℃<T≦200℃のときに、p = (L0(150 - 25) + L1)REDg、前記所望の温度Tが、200℃<Tのときに、p = (L0(T - 25) + L2)REDgで表され、
L0、L1及びL2は、係数であり、
REDgは、RED≧0.3のときに、REDg=RED、RED<0.3のときに、REDg=0.3と表され、
REDは、RED=Δδ/R0で表され、
Δδは、液相全体の前記平均ハンセン溶解度指数値と前記非液相成分における各成分のハンセン溶解度指数値との差であり、
R0は、非液相成分における各成分の定数であり、
qは、q=logCで表され、
Cは、非液相成分における各成分の濃度であり、
MAS、及びK0〜K9は、係数である。
本発明は、溶剤等の溶媒が混合された多成分系溶液にも適用することができる。
これにより、重質油の性状を推定し、アスファルテンの凝集を制御して、重出油の処理に寄与することができる。
多成分系溶液を構成する各成分の分率、融点及びハンセン溶解度指数値を取得する成分情報取得部と、多成分系溶液を構成する各成分のうちの所望の温度未満の融点を有する成分を液相成分として分類し、前記所望の温度以上の融点を有する成分を非液相成分として分類する初期分類部と、液相の性状を推定する液相演算部とを備え、
液相演算部は、前記液相成分として分類された各成分のハンセン溶解度指数値を各成分の当該液相における分率で重み付けした加重平均値として、液相全体の平均ハンセン溶解度指数値を算出し、液相全体の前記平均ハンセン溶解度指数値と、非液相成分における各成分のハンセン溶解度指数値との差を算出し、非液相成分における各成分を、前記差に基づいて、液相成分又は非液相成分として再分類し、液相成分として再分類された各成分を非液相成分から液相成分に編入して、液相成分及び非液相成分を更新し、更新後の液相成分における各成分のハンセン溶解度指数値を各成分の当該液相における分率で重み付けした加重平均値として、更新後の液相全体の平均ハンセン溶解度指数値を算出し、液相成分として再分類される非液相成分がなくなる最終段階まで、平均ハンセン溶解度指数値、液相成分、及び非液相成分の更新を繰り返すことを特徴としている。
本発明の実施形態の説明に先立ち、本発明が立脚する多成分凝集モデルについて説明する。以下、「ハンセン溶解度指数値」を「HSP値」と記すことがある。
(1)まず、各成分の分率、融点及びハンセン溶解度指数値を取得する。(2)次にある所望の温度Tを設定したとする。A分子、B分子、C分子、D分子及びE分子のうち、温度Tよりも融点が低いA分子及びB分子は液体となるので液相を形成し、C分子、D分子及びE分子は非液相を形成する。(3)これにより、液相のHSP値は、A分子のHSP値とB分子のHSP値をそれぞれの存在割合(好ましくは容量分率)により加重平均した値となる。(4)この時点までは、C分子、D分子及びE分子は非液相成分であったが、液相のHSP値とC分子、D分子及びE分子の各々のHSP値との差を見ると、(5)液相のHSP値との差が極めて小さいC分子は液相に移ることになる。(6)その結果、液相のHSP値は、A分子、B分子及びC分子の各々のHSP値の各々の存在割合(好ましくは容量分率) により加重平均した値に変化する。(7)その結果、D分子は、当該更新後の液相とのHSP値差が小さくなったため、固相を維持できなくなり、凝集相となる。一方、E分子は、液相のHSP値が変化したにもかかわらずHSP値差が大きいため、依然として、固相を維持している。
現実の重質油というものは、何十万種という成分から成っているものであるので、液相のHSP値及び各成分のHSP値に基づいて液相成分と非液相成分の再分類が次々と行われ、最終的に、液相、凝集相及び固相に分類された状態となる。
次に、図1を参照して、本発明の多成分系溶液の性状推定装置の実施形態を説明する。図1は、実施形態の多成分系溶液の性状推定装置の機能ブロック図である。コンピュータに本発明のプログラムを実行させることにより、コンピュータが多成分系溶液の性状推定装置として機能する。
なお、図1では、情報の入力及び出力を行うインタフェースの図示を省略している。
成分情報取得部10は、対象とする多成分系溶液を構成する各成分について、その分率、融点、及びHSP値を取得する。これらの成分の情報は、多成分系溶液についての情報がデータベースとして格納された記憶部2から取得するとよい。
即ち、「ある特定の物理的又は化学的性状を基準として分画された分画物(フラクション)」の各々について、NMR、元素分析、質量スペクトル等を測定することにより、公知の方法を用いて、その分画物(フラクション)の「平均分子構造」を得ることができる。こうして得られた「平均分子構造」を用いれば、この方法を適用することができる。
前記のように「平均分子構造」を用いる場合も、当該構造を基に原子団寄与法を用いて、当該「ある特定の物理的又は化学的性状を基準として分画された分画物(フラクション)」の融点を算出する。
これらについては、分子構造から推算するプログラムを利用することもできる。このようなプログラムとして、例えば、HSPiP(http://www.hansen-solubility.Com/)がある。
さらには、これらの諸方法で得た値を参考にして、適宜修正を加えて得た値を用いることもできる。
i.まず、物質のHSP値(δt)は、次の式で求められることが広く知られている。
また、Vはモル体積(cm3・mol-1)であり、RheineckおよびLinが提案した以下の式(3)により求めることができる。
D.W.van Krevelen , K.te Nijenhuis著「Properties of Polymers(4ed.2009)」の文献によれば、多くの基について、Fd値, Fp値, Eh値, Vc値が示されているので、当該文献にて値が記載されている基については、その値を用いればよい。(D.W.van Krevelen , K.te Nijenhuis著「Properties of Polymers(4ed.2009)」195〜197ページ及び215ページ)。値が記載されていない基については、構造的に近似する他の基の情報を用いて推定した値を用いるなどを行えばよい。
iii.以上により、Krevelen & Hoftyzer法によりHSP値(δt)を算出することができる。
初期分類部20は、多成分系溶液を構成する各成分のうちの所望の温度未満の融点を有する成分を液相成分として分類し、所望の温度以上の融点を有する成分を非液相成分として分類する。すなわち、溶媒の融点以上のある任意の温度以上において、その温度における「液相」の量及び組成を求める。融点がその温度より低い成分は、液相に存在する成分となる。このときの「液相」の量及び成分が求まる。
液相演算部30は、液相の性状を推定するために、平均HSP算出部31と、Δδ(HSP値差)算出部32と、再分類部33と、液相成分情報算出部34とを備えている。
再分類部33は、溶解する成分があればそれを液相に加えて液相全体のHSP値を再計算する。
非液相演算部40は、非液相の性状を推定するために、凝集度算出部41、凝集相、固相分類部42、凝集相情報算出部43、及び固相情報算出部44を有する。非液相演算部40は、非液相の性状として、例えば、凝集相の量、成分、凝集している成分それぞれの凝集度及び凝集相の平均凝集度並びに固相の量及び組成を決定する。
L0 =−0.0031262、 L1 = 1.07815、 L2 = 1.15631
K0=−1.26929、K1= 9.42231、K2= 0.363439、K3=−11.1925、K4= 0.093622、K5=−0.15436、K6= 5.337433、K7=−0.20868、K8= 0.077223、K9= 0.019492である。
尚、上記において数値で示したL0、L1、L2、MAS及びK0〜K9等の値は、対象により種々の数値を採り得るものであり、上記の数値に限定されるものではない。
次に、図2を参照して、本発明の多成分系溶液の性状推定方法の実施形態を説明する。図2は、実施形態の多成分系溶液の性状推定方法のフローチャートである。本方法は、本発明のプログラムによりコンピュータによって実行される。
まず、モデル重質油の性状推定にあたり、先ず、モデル重質油を構成する各成分の分率、融点及びHSP値(δt)を取得する(S1)。
以下に、HSP値(δt)及び融点を原子団寄与法により算出する一例を説明する。
(1)「O−01」分子の場合
前出のKrevelen & Hoftyzerの文献において、分子を形成している基について示されているFd値, Fp値, Eh値及びVc値の数値を用いて、Krevelen & Hoftyzerの方法により算出できる。
融点の推算は、原子団寄与法の一つであり、「Joback, K. G., Reid, R. C., Chem. Eng. Comm., 57, 233 (1987).」に記載されているJoback法を用いればよい。
例えば、当該モデル重質油の場合、その液温が250℃である場合、この温度よりも低い融点を有する「O−01」〜「O−03」、「O−09」及び「O−10」分子が液相成分として分類され、一方、この温度よりも高い融点を有する「O−04」〜「O−08」及び「O−11」分子が非液相成分として分類される。
なお、この再分類における更新は、非液相成分における各成分について、1つずつ順番に行ってもよし、複数の成分ごとに行ってもよい。
このようにして、最終段階での更新後の液相成分をモデル重質油のその温度における液相の成分とし、また、最終段階での更新後の平均HSP値をモデル重質油のその温度での液相全体の平均HSP値として決定する。また、最終段階での更新後の液相成分における分類された各成分の分率の合計を液相分率として算出する。
表2に、各温度において、各分子がいかなる相に存在するかを示す。これはまた、各相の分子組成を示しているものである。
次に、本発明の多成分系溶液の処理方法の実施形態を説明する。
処理にあっては、上記のように、原多成分系溶液としてモデル重質油の性状を推定し、さらに、モデル重質油に、溶媒を混合したり、温度を変更したりしたときに新モデル重質油の性状を、上記の方法により予測する。そして、予測と同じ条件で、溶媒をその分率でモデル重質油に混合したり、モデル重質油の温度の予測時の温度に変更することによって、溶液の処理を行う。
まず、処理例として、溶液における凝集相及び固相の溶解、又は成分の凝集若しくは析出抑制のための処理を説明する。溶液中における液相、凝集相及び固相の各々の量及び組成並びに凝集相における各成分の凝集度及び凝集相の平均凝集度が判ったならば、凝集相及び固相の全部又は一部を溶解し、又は成分の凝集若しくは析出を抑制するためには、いかなる措置をとればよいのかという指針を得ることが可能となる。
とりうる措置は様々であるが、具体的には、例えば、現状と同じ溶媒を添加する、或いは、新たに別種の溶媒(溶剤)を添加する、溶液の温度を上げる等が考えられる。特に、溶媒(溶剤)の添加については、現状の溶液、追加する溶媒(溶剤)、凝集相及び固相の各々のHSP値に基づいて溶媒(溶剤)追加後の性状を予測することにより、いかなるHSP値を有する溶媒(溶剤)を、いかなる量を添加すればよいのかを決めることができる。
次に、処理例として、溶液における析出促進のための処理を説明する。
溶液中における液相、凝集相及び固相の各々の量及び組成並びに凝集相における各成分の凝集度及び凝集相の平均凝集度が判ったならば、推定された溶液中における液相、凝集相及び固相の各々の量及び組成並びに凝集相における各成分の凝集度及び凝集相の平均凝集度に基づいて、一種以上の成分を析出させるためには、いかなる措置をとればよいのかという指針を得ることが可能となる。
Claims (15)
- コンピュータによる多成分系溶液の性状推定方法であって、
(1)前記多成分系溶液を構成する各成分の分率、融点及びハンセン溶解度指数値を取得するステップと、
(2)前記多成分系溶液を構成する各成分のうち、所望の温度未満の融点を有する成分を液相成分として分類し、前記所望の温度以上の融点を有する成分を非液相成分として分類するステップと、
(3)前記液相成分として分類された各成分のハンセン溶解度指数値を各成分の当該液相における分率で重み付けした加重平均値として、液相全体の平均ハンセン溶解度指数値を算出するステップと、
(4)液相全体の前記平均ハンセン溶解度指数値と、非液相成分における各成分のハンセン溶解度指数値との差を算出するステップと、
(5)非液相成分における各成分を、前記差に基づいて、液相成分又は非液相成分として再分類し、液相成分として再分類された各成分を非液相成分から液相成分に編入して、液相成分及び非液相成分を更新するステップと、
(6)更新後の液相成分における各成分のハンセン溶解度指数値を各成分の当該液相における分率で重み付けした加重平均値として、更新後の液相全体の平均ハンセン溶解度指数値を算出するステップと、
(7)前記ステップ(4)〜(6)を、前記ステップ(5)において液相成分として再分類される非液相成分がなくなる最終段階まで繰り返すステップとを含むことを特徴とする、多成分系溶液の性状推定方法。 - 前記最終段階での更新後の液相成分における各成分の分率の合計を液相分率として算出するステップを更に含む
ことを特徴とする、請求項1記載の多成分系溶液の性状推定方法。 - 前記所望の温度における前記最終段階での更新後の非液相成分における各成分の凝集度を、前記最終段階での更新後の液相全体の前記平均ハンセン溶解度指数値と前記最終段階での更新後の非液相成分における各成分のハンセン溶解度指数値との差及び前記最終段階での更新後の非液相成分における各成分の濃度に基づいて算出するステップを更に有する
ことを特徴とする、請求項1又は2記載の多成分系溶液の性状推定方法。 - 前記非液相成分における各成分の凝集度(D)を下記の式(A)により算出する
ことを特徴とする、請求項3記載の多成分系溶液の性状推定方法。
D(p,q) = MAS (K0 +K1 p +K2 q +K3 p2 +K4 pq +K5 q2+K6p3 +K7p2q +K8pq2 +K9 q3) ・・・(A)
ここで、pは、前記所望の温度Tが、T≦150℃のときに、p = (L0(T - 25) + L1)REDg、前記所望の温度Tが、150℃<T≦200℃のときに、p = (L0(150 - 25) + L1)REDg、前記所望の温度Tが、200℃<Tのときに、p = (L0(T - 25) + L2)REDgで表され、
L0、L1及びL2は、係数であり、
REDgは、RED≧0.3のときに、REDg=RED、RED<0.3のときに、REDg=0.3と表され、
REDは、RED=Δδ/R0で表され、
Δδは、液相全体の前記平均ハンセン溶解度指数値と前記非液相成分における各成分のハンセン溶解度指数値との差であり、
R0は、非液相成分における各成分の定数であり、
qは、q=logCで表され、
Cは、非液相成分における各成分の濃度であり、
MAS、及びK0〜K9は、係数である。 - 前記最終段階での更新後の非液相成分における各成分のうち、前記凝集度が所定の閾値未満の成分を凝集相成分として分類し、前記凝集度が前記所定の閾値以上の成分を固相成分として分類するステップを更に有する
ことを特徴とする、請求項3又は4記載の多成分系溶液の性状推定方法。 - 前記凝集相成分として分類された各成分の分率の合計を凝集相分率として算出するステップと、
前記固相成分として分類された各成分の分率の合計を固相分率として算出するステップとを更に有する
ことを特徴とする、請求項5記載の多成分系溶液の性状推定方法。 - 前記凝集相成分として分類された各成分の凝集度の和を当該成分の数で除した値として、凝集相全体の平均凝集度を算出するステップを更に有する
ことを特徴とする、請求項5又は6記載の多成分系溶液の性状推定方法。 - 前記多成分系溶液には、所望の種類の溶媒が所望の分率で混合されている
ことを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の多成分系溶液の性状推定方法。 - 前記多成分系溶液は、重質油、又は重質油と溶媒との混合液である
ことを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の多成分系溶液の性状推定方法。 - 多成分系溶液の性状推定装置であって、
前記多成分系溶液を構成する各成分の分率、融点及びハンセン溶解度指数値を取得する成分情報取得部と、
前記多成分系溶液を構成する各成分のうちの所望の温度未満の融点を有する成分を液相成分として分類し、前記所望の温度以上の融点を有する成分を非液相成分として分類する初期分類部と、
液相の性状を推定する液相演算部と
を備え、
前記液相演算部は、
前記液相成分として分類された各成分のハンセン溶解度指数値を各成分の当該液相における分率で重み付けした加重平均値として、液相全体の平均ハンセン溶解度指数値を算出し、
液相全体の前記平均ハンセン溶解度指数値と、前記非液相成分における各成分のハンセン溶解度指数値との差を算出し、
非液相成分における各成分を、前記差に基づいて、液相成分又は非液相成分として再分類し、液相成分として再分類された各成分を非液相成分から液相成分に編入して、液相成分及び非液相成分を更新し、
更新後の液相成分における各成分のハンセン溶解度指数値を各成分の当該液相における分率で重み付けした加重平均値として、更新後の液相全体の平均ハンセン溶解度指数値を算出し、
液相成分として再分類される非液相成分がなくなる最終段階まで、平均ハンセン溶解度指数値、液相成分、及び非液相成分の更新を繰り返すことを特徴とする多成分系溶液の性状推定装置。 - 非液相の性状を推定する非液相演算部を更に備え、
前記非液相演算部は、前記所望の温度における前記最終段階での更新後の非液相成分における各成分の凝集度を、液相全体の前記平均ハンセン溶解度指数値と前記非液相成分における各成分のハンセン溶解度指数値との差と、前記最終段階での更新後の非液相成分における各成分の濃度とに基づいて算出することを特徴とする請求項10記載の多成分系溶液の性状推定装置。 - コンピュータに、請求項1〜9のいずれか一項に記載の多成分系溶液の性状推定方法を実行させるためのプログラム。
- 請求項1〜8記載の多成分系溶液の性状推定方法により、原多成分系溶液の性状を推定し、さらに当該性状推定結果に基づいて、前記原多成分系溶液に所望の種類の溶媒を所望の分率で混合した場合、前記原多成分系溶液の温度を所望の温度に変更した場合、又は前記原多成分系溶液に所望の種類の溶媒を所望の分率で混合しかつ前記原多成分系溶液の温度を所望の温度に変更した場合における新多成分系溶液の性状を予測し、その予測を基に、前記所望の種類の溶媒を前記所望の分率で前記原多成分系溶液に混合する、又は前記原多成分系溶液の温度を前記所望の温度に変更する、又は前記所望の種類の溶媒を前記所望の分率で前記原多成分系溶液に混合しかつ前記原多成分系溶液の温度を前記所望の温度に変更する
ことを特徴とする、多成分系溶液の処理方法。 - 前記所望の種類の溶媒及び前記所望の分率、及び/又は前記所望の温度は、予測された前記新多成分系溶液の性状が、推定された前記原多成分系溶液における凝集相成分及び固相成分の全部又は一部が溶解し、又は、凝集相成分及び固相成分の凝集又は析出が抑制された性状となる溶媒及び分率、及び/又は温度である
ことを特徴とする、請求項13記載の多成分系溶液の処理方法。 - 前記所望の種類の溶媒及び前記所望の分率、及び/又は前記所望の温度は、予測された前記新多成分系溶液の性状が、推定された前記原多成分系溶液における非固相成分のうちの一種類以上の成分が析出した性状となる溶媒及び分率、及び/又は温度である
ことを特徴とする、請求項13記載の多成分系溶液の処理方法。
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