〔第1実施形態〕
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態の遊技機の説明図である。
本実施形態の遊技機10は前面枠12を備え、該前面枠12は外枠(支持枠)11にヒンジ13を介して開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(図2参照)は前面枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠(本体枠)12には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠15(透明板保持枠)が取り付けられている。
また、ガラス枠15の上部には、内部にランプ及びモータを内蔵した照明装置(ムービングライト)16や払出異常報知用のランプ(LED)17が設けられている。また、ガラス枠15の左右には内部にランプ等を内蔵し装飾や演出のための発光をする枠装飾装置18や、音響(例えば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、前面枠12の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。
また、前面枠12の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿21(貯留皿)、遊技機10の裏面側に設けられている払出ユニットから払い出された遊技球が流出する上皿球出口22、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿(受皿)23及び打球発射装置の操作部24等が設けられている。さらに、上皿21の上縁部には、遊技者からの操作入力を受け付ける操作手段をなす演出操作部550が設けられている。この演出操作部550は、遊技者からの押圧操作入力を受け付けるための演出ボタンスイッチ25aを内蔵した演出ボタン25であり、さらに、演出ボタン25の上面(押圧面)には、遊技者からの接触操作入力を受け付けるためのタッチパネル29が設けられている。また、前面枠12下部右側には、前面枠12やガラス枠15を開放したり施錠したりするための鍵26が設けられている。
なお、本実施形態ではタッチパネル29を演出ボタン25と一体的に設けたが、タッチパネル29は、演出ボタン25と別体であってもよく、例えば、演出ボタン25の近傍にサブ表示装置を設け、そのサブ表示装置の表示面にタッチパネル29を設けてもよい。
また、上皿21上方のガラス枠15の前面には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン27、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作する排出ボタン28、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部(図示省略)等が設けられている。この実施形態の遊技機10においては、遊技者が上記操作部24を回動操作することによって、打球発射装置が上皿21から供給される遊技球を遊技盤30前面の遊技領域32に向かって発射する。また、遊技者が演出操作部550を操作することによって、表示装置41(図2参照)における変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)において、遊技者の操作を介入させた演出等を行うことができる。
次に、図2を用いて遊技盤30の一例について説明する。図2は、本実施形態の遊技盤30の正面図である。
遊技盤30の表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成されている。遊技領域32は、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33及びガイドレール31に囲繞されて構成される。遊技領域32には、ほぼ中央に表示装置41を備えたセンターケース(遊技演出構成体)40が配置されている。表示装置41は、センターケース40に設けられた凹部に、センターケース40の前面より奥まった位置に取り付けられている。すなわち、センターケース40は表示装置41の表示領域の周囲を囲い、表示装置41の表示面よりも前方へ突出し周囲の遊技領域32から遊技球が飛び込みにくくするように形成されている。
表示装置41(変動表示装置)は、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等の遊技に関する情報が表示される。表示装置41の表示画面においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームが行われる。また、表示画面には遊技の進行に基づく演出のための画像(例えば、大当り表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。
また、センターケース40の右上部には、動作することによって遊技の演出を行う盤演出装置44が備えられている。盤演出装置44は、先端部にサブ表示装置42が取り付けられたアームを2本備えており、アームが基端部を中心に回動することによって、サブ表示装置42を、表示装置41に対して前後方向に重なる状態と重ならない状態とに変換させることが可能となっている。
遊技領域32におけるセンターケース40の下方右側には、普図変動表示ゲームの開始条件を与える普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。普図始動ゲート34に入賞した遊技球は、ゲートスイッチ34a(図4参照)により検出される。
また、遊技領域32におけるセンターケース40の下方左側には、三つの一般入賞口35が配置され、センターケース40の下方右側であって普図始動ゲート34よりも下側には、一つの一般入賞口35が配置されている。これら一般入賞口35に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ35a(図4参照)により検出される。
また、普図始動ゲート34の左方には、第2特図変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)の開始条件を与える普通変動入賞装置37(始動入賞口、始動入賞領域)が設けられている。
普通変動入賞装置37は、上端側が右側に倒れる方向に回動することで開放して遊技球が流入し易い状態に変換可能な可動部材37bと、遊技球の流入を規制する隔壁37dとを備えている。可動部材37bは、常時は起立することで隔壁37dとの間隔を遊技球の直径以下にした状態、すなわち遊技球が流入できない閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド37c(図4参照)によって、普通変動入賞装置37に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。普通変動入賞装置37に入賞した遊技球は、始動口2スイッチ37a(図4参照)により検出される。
さらに、普通変動入賞装置37の下方には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な特別変動入賞装置(大入賞口)38が配設されている。
特別変動入賞装置38は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉38cを有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。すなわち、特別変動入賞装置38は、例えば、駆動装置としての大入賞口ソレノイド38b(図4参照)により駆動される開閉扉38cによって開閉される大入賞口を備え、特別遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としての大入賞口スイッチ(カウントスイッチ)38a(図4参照)が配設されている。本実施形態の遊技機では、大入賞口スイッチ38aが2つ設けられ、大入賞口内に流入した遊技球は何れかの大入賞口スイッチ38aに検出されるようになっている。このように大入賞口スイッチ38aを複数設けることで、大入賞口内に流入した遊技球を迅速に検出できる。
また、センターケース40の下方には、第1特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)の開始条件を与える第1始動入賞口36(始動入賞口、始動入賞領域)および第2特図変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)の開始条件を与える第2始動入賞口97(始動入賞口、始動入賞領域)を備える入賞装置90が設けられている。
入賞装置90は、上部の流入口90aに流入した遊技球を内部で第1始動入賞口36と第2始動入賞口97とに交互に振り分ける振分部材92を備えている(図3参照)。第1始動入賞口36に入賞した遊技球は、始動口1スイッチ36a(図4参照)によって検出され、第2始動入賞口97に入賞した遊技球は、始動口3スイッチ97a(図4参照)によって検出される。
また、入賞装置90の下方には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口30aが設けられている。
図3(a)〜(c)は、本実施形態の入賞装置90の正面図であって、前カバー部材を取り外した状態を示す図である。
図3(a)に示すように、入賞装置90は、その内部のうち、流入口90aの直下となる位置に振分部材92を備えている。また、振分部材92の左下方には第1始動入賞口36が配され、振分部材92の右下方には第2始動入賞口97が配されている。
さらに、振分部材92や第1始動入賞口36、第2始動入賞口97の前方を覆うように前カバー部材が設けられている。この前カバー部材は、入賞装置90内の遊技球の挙動を視認可能なように透明又は半透明となっている。
振分部材92は、前後方向に沿った軸ピン92aを中心として回動可能であり、軸ピン92aが配される位置から上方へ延出する上腕部92bと左方へ延出する左腕部92cと右方へ延出する右腕部92dとを有している。3つの腕部のうちの上腕部92bの左方には、当該上腕部92bと左腕部92cとによって遊技球を一時的に保持する左保持部92eが形成され、上腕部92bの右方には、当該上腕部92bと右腕部92dとによって遊技球を一時的に保持する右保持部92fが形成されている。
振分部材92は、上腕部92bが常に上を向いた状態で、図3(b)に示すように左保持部92eが流入口90aに流入した遊技球を受け入れ可能な位置と、図3(c)に示すように右保持部92fが流入口90aに流入した遊技球を受け入れ可能な位置との間で回動可能となっている。
図3(b)に示すように、左保持部92eが流入口90aに流入した遊技球を受け入れ可能な位置にある場合は、右保持部92fが第2始動入賞口97へ向けて遊技球を流下させた状態となる。
また、図3(c)に示すように、右保持部92fが流入口90aに流入した遊技球を受け入れ可能な位置にある場合は、左保持部92eが第1始動入賞口36へ向けて遊技球を流下させた状態となる。
また、図3(a)に示すように、振分部材92のうち、上腕部92bの後方には、振分部材側磁石96aが取り付けられている。また、振分部材92が前方から装着されるベース部材93のうち、上腕部92bが垂直になった際に振分部材側磁石96aと対向する位置には、ベース部材側磁石96bが取り付けられている。振分部材側磁石96aとベース部材側磁石96bとは対向する側の極が同じ極となるように取り付けられており、磁石96a,96bの反発力によって、振分部材92は上腕部92bが垂直になった状態で留まらずに左右の何れかへ回動するように付勢されている。これにより、振分部材92の回動が停止した状態では、左保持部92eと右保持部92fの何れかが必ず流入口90aに流入した遊技球を受け入れ可能な状態となる。
図3(b),(c)に示すように、流入口90aに流入した遊技球は、左保持部92eと右保持部92fのうちの流入口90aに向いて受け入れ可能な状態となっている一方の保持部で保持される。一方の保持部で遊技球が保持されると、遊技球の重さによって振分部材92は当該一方の保持部の方向へ回動し、保持された遊技球は振分部材92が回動した方向にある第1始動入賞口36または第2始動入賞口97へ向けて流下する。
すなわち、図3(b)に示すように左保持部92eで流入した遊技球を受けると振分部材92が遊技球の重さによって左に回動して第1始動入賞口36へ遊技球を案内した後、図3(c)に示すように右保持部92fが次の遊技球を受入可能な状態で停止する。そして、図3(c)に示すように右保持部92fで流入した遊技球を受けると振分部材92が遊技球の重さによって右に回動して第2始動入賞口97へ遊技球を案内した後、図3(b)に示すように左保持部92eが次の遊技球を受入可能な状態で停止する。
保持部92e,92fから流下した遊技球は第1始動入賞口36または第2始動入賞口97へ流入する可能性が高いが流入しないこともあり、流入しなかった場合は入賞装置90の外へ流出する。特に、保持部92e,92fへ流入する際の勢いが強いと第1始動入賞口36または第2始動入賞口97へ流入しない可能性が高い。なお、必ず何れかの始動入賞口に入賞するように構成しても良い。
また、振分部材92が回動することによって、遊技球を保持していた保持部ではない他方の保持部が流入口90aに向いて受け入れ可能な状態となる。そして、次回受け入れられた遊技球は当該他方の保持部側にある入賞口へ誘導される。これにより、順次流入口90aへ流入する遊技球は第1始動入賞口36と第2始動入賞口97とに交互に振り分けられることとなる。
本実施形態の遊技機10においては、遊技球が流下する遊技領域32のうち、センターケース40の左方の領域が左側遊技領域とされ、センターケース40の右方の領域が右側遊技領域とされている。そして、遊技者が発射勢を調節して左側遊技領域へ遊技球を発射(いわゆる左打ち)することで入賞装置90への入賞を狙うことができ、右側遊技領域へ遊技球を発射(いわゆる右打ち)することで普図始動ゲート34や普通変動入賞装置37や特別変動入賞装置38への入賞を狙うことができるようになっている。
また、遊技領域32の外側(ここでは遊技盤30の右下部)には、特図変動表示ゲームをなす第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲーム及び普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームの表示や、各種情報を表示する一括表示装置50が設けられている。
一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された第1特図変動表示ゲーム用の特図1表示器(第1特図変動表示部)51a(D1)及び第2特図変動表示ゲーム用の特図2表示器(第2特図変動表示部)51b(D2)と、LEDランプで構成された普図変動表示ゲーム用の変動表示部(普図表示器)52(D10,D18)と、同じくLEDランプで構成された各変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部53,54,55(D11〜D16)とを備える。
また、一括表示装置50には、左打ちよりも右打ちの方が有利な遊技状態であることを報知する第1遊技状態表示部(第1遊技状態表示器、右打ち報知部)56(D8)、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示部(第2遊技状態表示器、時短状態報知部)57(D9)、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっていることを表示する第3遊技状態表示部(第3遊技状態表示器、確率状態表示部)58(D17)、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置38の開閉回数)を表示するラウンド表示部59(D3〜D7)が設けられている。なお、一括表示装置50には、更に、大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知する表示部(表示器)等が設けられていてもよい。
特図1表示器51aと特図2表示器51bにおける特図変動表示ゲームは、例えば変動表示ゲームの実行中、すなわち、表示装置41において飾り特図変動表示ゲームを行っている間は、中央のセグメントを点滅駆動させて変動中であることを表示する。なお、本実施形態の場合、特図1表示器51aにおける特図変動表示ゲームにおいては、中央のセグメントに加えて7セグの右方下側に設けられた8番目のセグメントも点滅駆動させて変動中であることを表示するようにし、特図1と特図2との区別が可能なように構成されている。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、はずれの結果態様として例えば中央のセグメント(特図1であれば加えて右方下側の8番目のセグメント)を点灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときは、当りの結果態様(特別結果態様)としてはずれの結果態様以外の結果態様(例えば、数字や記号)を点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
普図表示器52は、変動中はランプを点滅させて変動中であることを表示し、所定時間後にゲームの結果に応じた点灯態様や点灯色としてゲーム結果を表示する。
また、普図保留表示器55は、普図表示器52の変動開始条件となる普図始動ゲート34の始動記憶数(=保留数)を複数のLEDの消灯、点滅、点灯により表示する。
特図1保留表示器53は、特図1表示器51aにおいて表示される第1特図変動表示ゲームの実行権利である第1始動記憶(特図1保留)の数を複数のLEDの消灯、点滅、点灯により表示する。
特図2保留表示器54は、特図2表示器51bにおいて表示される第2特図変動表示ゲームの実行権利である第2始動記憶(特図2保留)の数を、複数のLEDの消灯、点滅、点灯により表示する。
第1遊技状態表示部(右打ち報知部)56は、LEDランプ等で構成され、例えば、右打ちよりも左打ちの方が有利な遊技状態(通常打ち状態)の場合にはランプを消灯状態にし、左打ちよりも右打ちの方が有利な遊技状態(右打ち状態)の場合にはランプを点灯状態にする。
第2遊技状態表示部(時短状態報知部)57は、LEDランプ等で構成され、例えば、時短状態が発生していない通常の遊技状態の場合(時短未作動時)にはランプを消灯状態にし、時短状態が発生している場合(時短作動時)にはランプを点灯状態にする。
第3遊技状態表示部(確率状態表示部)58は、LEDランプ等で構成され、例えば、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が低確率状態(通常確率状態)の場合にはランプを消灯状態にし、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態(確変状態)の場合にはランプを点灯状態にする。
ラウンド表示部59は、LEDランプ等で構成され、例えば、大当りに基づく特別遊技状態中でない場合にはランプを消灯状態にし、特別遊技状態中には特別結果に応じて選択されたラウンド数に対応するランプを点灯状態にする。
本実施形態の遊技機10では、図示しない発射装置から遊技領域32に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口35、第1始動入賞口36、第2始動入賞口97、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口30aへ流入し遊技領域32から排出される。そして、一般入賞口35、第1始動入賞口36、第2始動入賞口97、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置200(図4参照)によって制御される払出ユニットから、ガラス枠15の上皿21又は下皿23に排出される。
一方、普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するための非接触型のスイッチなどからなるゲートスイッチ34a(図4参照)が設けられており、遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aにより検出されて普図変動表示ゲームが行われる。また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない状態や、普図変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置37が開状態に変換されている場合に、普図始動ゲート34を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数(例えば、4個)未満ならば、普図始動記憶数が加算(+1)されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。この普図始動入賞の記憶数は、一括表示装置50の普図保留表示器55に表示される。また、普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの結果を決定するための当り判定用乱数値(当り乱数値)が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値を判定値に参照して当該普図変動表示ゲームの結果を決定する。この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(普図特定結果)が導出されることとなる。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられ、LEDにより構成された変動表示部(普図表示器)52で表示されるようになっており、このLEDの点灯態様や点灯色が普通識別情報(普図、普通図柄)をなす。なお、普図表示器52を表示装置で構成し、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させて結果を表示するように構成しても良い。この普図変動表示ゲームの停止表示が普図特定結果となれば、普図の当りとなって、普通変動入賞装置37の可動部材37bが所定時間開放される開状態となる。これにより、普通変動入賞装置37の内部の第2始動入賞口へ遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームが実行される回数が多くなる。
第1始動入賞口36への入賞球、第2始動入賞口97への入賞球、及び普通変動入賞装置37への入賞球は、それぞれは内部に設けられた始動口1スイッチ36a、始動口3スイッチ97a、及び始動口2スイッチ37aによって検出される。第1始動入賞口36へ入賞した遊技球は第1特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、第1始動記憶として所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶されるとともに、第2始動入賞口97や普通変動入賞装置37へ入賞した遊技球は第2特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、第2始動記憶として所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶される。また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ始動記憶情報として大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置100(図4参照)内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図始動記憶として各々所定回数(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特図始動記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部(特図1保留表示器53、特図2保留表示器54)に表示されるとともに、センターケース40の表示装置41においても飾り特図始動記憶表示として表示される。
遊技制御装置100は、第1始動入賞口36、第2始動入賞口97、若しくは普通変動入賞装置37への入賞、又はそれらの始動記憶に基づいて、特図1表示器51a(変動表示装置)又は特図2表示器51b(変動表示装置)で第1又は第2特図変動表示ゲームを行う。第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームは、複数の特別図柄(特図、識別情報)を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置(画像表示装置)41にて複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄等)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。そして、特図変動表示ゲームの結果として、特図1表示器51a若しくは特図2表示器51bの表示態様が特別結果態様(特別結果)となった場合には、大当りとなって特別遊技状態(いわゆる、大当り状態)となる。また、これに対応して表示装置41に表示される飾り特図変動表示ゲームの結果態様も特別結果態様となる。
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームは、例えば、表示装置41において前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)を左変動表示領域(第1特別図柄)、右変動表示領域(第2特別図柄)、中変動表示領域(第3特別図柄)のそれぞれにおいて各図柄を識別困難な速さで変動表示(高速変動)する。そして、所定時間後に変動している図柄を左変動表示領域、右変動表示領域、中変動表示領域の順に順次停止させて、左変動表示領域、右変動表示領域、中変動表示領域の各々で停止表示された識別情報により構成される結果態様により特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置41では、特図始動記憶数に対応する飾り特別図柄による変動表示ゲームを行うとともに、興趣向上のためにキャラクタの出現など多様な演出表示が行われる。
なお、特図1表示器51a、特図2表示器51bは、別々の表示器でも良いし同一の表示器でも良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように各特図変動表示ゲームが表示される。また、表示装置41も、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームで別々の表示装置や別々の表示領域を使用するとしても良いし、同一の表示装置や表示領域を使用するとしても良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように飾り特図変動表示ゲームが表示される。また、遊技機10に特図1表示器51a、特図2表示器51bを備えずに、表示装置41のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。
また、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態で、且つ、始動記憶数が0の状態で、第1始動入賞口36(若しくは、第2始動入賞口97や普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶が記憶されて、始動記憶数が1加算されるととともに、直ちに始動記憶に基づいて、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始され、この際に始動記憶数が1減算される。一方、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が直ちに開始できない状態、例えば、既に第1若しくは第2特図変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、第1始動入賞口36(若しくは、第2始動入賞口97や普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶されることになる。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始される。以下の説明において、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
なお、特に限定されるわけではないが、第1始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、第2始動入賞口97内の始動口3スイッチ97a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ38aには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。また、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63や前面枠(本体枠)12等に設けられた本体枠開放検出スイッチ64には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
図4は、本実施形態のパチンコ遊技機10の制御システムのブロック図である。
遊技機10は遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130と、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140などからなる。
上記CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)111と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
電源装置400は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路を有し、遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号やリセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
この実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、本実施形態のように、電源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
上記バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
また、遊技制御装置100にはRAM初期化スイッチ112が設けられている。このRAM初期化スイッチ112が操作されると初期化スイッチ信号が生成され、これに基づき遊技用マイコン111内のRAM111C及び払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する処理が行われる。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111B及び随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)111Cを備える。
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111B又はRAM111Cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM111Bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターン(変動態様)を決定するための変動パターンテーブルを記憶している。変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU111Aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が大当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。
ここでリーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしても良い。
そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(期待値が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ(Nリーチ)、スペシャル1リーチ(SP1リーチ)、スペシャル2リーチ(SP2リーチ)、スペシャル3リーチ(SP3リーチ)が設定されている。なお、期待値は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチの順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。すなわち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定する場合(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機10全体の制御を行う。また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの当りを判定するための大当り乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数、普図変動表示ゲームの当りを判定するための当り乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU111Aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU111Aは、特図変動表示ゲームに関する処理において、ROM111Bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当り或いははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態或いは高確率状態)、現在の遊技状態としての普通変動入賞装置37の動作状態(時短動作状態(普電サポート状態))、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。ここで、CPU111Aは、特図変動表示ゲームを実行する場合に、ROM111Bに記憶された複数の変動パターンテーブルのうち、何れか一の変動パターンテーブルを取得する変動振り分け情報取得手段をなす。
払出制御装置200は、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
遊技用マイコン111の入力部120には、遊技機に対する電波の発射を検出する盤電波センサ62、第1始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、第2始動入賞口97内の始動口3スイッチ97a、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、特別変動入賞装置38の大入賞口スイッチ38aに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。近接I/F121は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、センサや近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、センサやスイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
近接I/F121の出力は、第2入力ポート123又は第3入力ポート124へ供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれる。なお、近接I/F121の出力のうち、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、始動口3スイッチ97a、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a及び大入賞口スイッチ38aの検出信号は第2入力ポート123へ入力される。また、近接I/F121の出力のうち、盤電波センサ62の検出信号及びセンサやスイッチの異常を検出した際に出力される異常検知信号は第3入力ポート124に入力される。また、第3入力ポート124には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサ61の検出信号や、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63の検出信号、遊技機10の前面枠(本体枠)12等に設けられた本体枠開放検出スイッチ64の検出信号も入力されるようになっている。なお、振動を検出する振動センサスイッチを遊技機に設け、検出信号が第3入力ポート124に入力されるようにしても良い。
また、近接I/F121の出力のうち、第2入力ポート123への出力は、主基板100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へも供給されるようになっている。さらに、近接I/F121の出力のうち始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aと始動口3スイッチ97aの検出信号は、第2入力ポート123の他、遊技用マイコン111へ入力されるように構成されている。
上記のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
第2入力ポート123が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポート123に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE2をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。第3入力ポート124や後述の第1入力ポート122も同様である。
また、入力部120には、払出制御装置200からの枠電波不正信号(前面枠12に設けられた枠電波センサが電波を検出することに基づき出力される信号)、払出ビジー信号(払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号)、払出異常ステータス信号(払出異常を示すステータス信号)、シュート球切れスイッチ信号(払出し前の遊技球の不足を示す信号)、オーバーフロースイッチ信号(下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号)、タッチスイッチ信号(操作部24に設けられたタッチスイッチの入力に基づく信号)を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート122が設けられている。
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号やリセット信号などの信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットバッファ125が設けられており、シュミットバッファ125はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの停電監視信号や、RAM初期化スイッチ112からの初期化スイッチ信号は、一旦第1入力ポート122に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットバッファ125によりノイズ除去されたリセット信号RESETは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RESETは出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RESETを中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RESETは入力部120の各ポート122,123,124には供給されない。リセット信号RESETが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RESETが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
出力部130には、遊技用マイコン111から演出制御装置300への通信経路及び遊技用マイコン111から払出制御装置200への通信経路に配されるシュミットバッファ132が設けられている。遊技制御装置100から演出制御装置300及び払出制御装置200へは、シリアル通信でデータが送信される。なお、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにした片方向通信とされている。
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板70を介して出力するバッファ133が実装可能に構成されている。このバッファ133は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、前記近接I/F121から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ133を通さずに中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサ61や盤電波センサ62のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ133、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板70には、上記バッファ133から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また、出力部130には、データバス140に接続され特別変動入賞装置38を開成させるソレノイド(大入賞口ソレノイド)38b及び普通変動入賞装置37の可動部材37bを開成させるソレノイド(普電ソレノイド)37cの開閉データを出力するための第2出力ポート134が設けられている。また、出力部130には、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート135、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート136が設けられている。
また、出力部130には、大当り情報など遊技機10に関する情報を外部情報端子板71へ出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子板71にはフォトリレーが備えられ、例えば遊技店に設置された外部装置(情報収集端末や遊技場内部管理装置(ホールコンピュータ)など)に接続可能であり、遊技機10に関する情報を外部装置に供給することができるようになっている。また、第5出力ポート137からはシュミットバッファ132を介して払出制御装置200に発射許可信号も出力される。
さらに、出力部130には、第2出力ポート134から出力される大入賞口ソレノイド38bや普電ソレノイド37cの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子板71へ出力する第4ドライバ138dが設けられている。
上記第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第2ドライバ138bには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第3ドライバ138cは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。
12Vを出力する第2ドライバ138bによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第3ドライバ138cによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子板71へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ133や第2出力ポート134、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、すなわち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、外部の検査装置500へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置500との間でシリアル通信によってデータの送受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用して行われるため、入力ポート122,123,124のようなポートは設けられていない。
次に、図5を用いて、演出制御装置300の構成について説明する。
演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(CPU)311と、主制御用マイコン311からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)312と、各種のメロディや効果音などをスピーカ19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
上記主制御用マイコン311には、CPUが実行するプログラムや各種データを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、作業領域を提供するRAM322、停電時に電力が供給されなくとも記憶内容を保持可能なFeRAM323、現在の日時(年月日や曜日、時刻など)を示す情報を生成する計時手段をなすRTC(リアルタイムクロック)338が接続されている。なお、主制御用マイコン311の内部にも作業領域を提供するRAMが設けられている。また、主制御用マイコン311にはWDT(ウォッチドッグ・タイマ)回路324が接続されている。主制御用マイコン311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定してVDP312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータやソレノイドの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。
VDP312には、作業領域を提供するRAM312aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ312bが設けられている。また、VDP312にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM325や、画像ROM325から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)326が接続されている。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン311とVDP312との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。
VDP312から主制御用マイコン311へは、表示装置41の映像とガラス枠15や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるための垂直同期信号VSYNC、データの送信タイミングを与える同期信号STSが入力される。なお、VDP312から主制御用マイコン311へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び主制御用マイコン311からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITなども入力される。
演出制御装置300には、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41へ送信する映像信号を生成する信号変換回路313が設けられている。VDP312から信号変換回路313へは、映像データ、水平同期信号HSYNC及び垂直同期信号VSYNCが入力されるようになっており、VDP312で生成された映像は、信号変換回路313を介して表示装置41に表示される。
音源LSI314には音声データが記憶された音声ROM327が接続されている。主制御用マイコン311と音源LSI314は、アドレス/データバス340を介して接続されている。また、音源LSI314から主制御用マイコン311へは割込み信号INTが入力されるようになっている。演出制御装置に300には、ガラス枠15に設けられた上スピーカ19a及び前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路337が設けられており、音源LSI314で生成された音声はアンプ回路337を介して上スピーカ19a及び下スピーカ19bから出力される。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された飾り特図保留数コマンド、飾り特図コマンド、変動コマンド、停止情報コマンド等を、演出制御指令信号(演出コマンド)として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置46を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、ガラス枠15に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(例えば、枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置44(例えば、表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める可動役物等)を駆動制御する盤演出可動体制御回路334が設けられている。ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332〜334は、アドレス/データバス340を介して主制御用マイコン311と接続されている。なお、ガラス枠15にモータ(例えば、演出用の装置を動作させるモータ)等の駆動源を備えた枠演出装置を設け、この枠演出装置を駆動制御する枠演出可動体制御回路を備えていても良い。
さらに、演出制御装置300には、ガラス枠15に設けられた演出ボタン25に内蔵されている演出ボタンスイッチ25a、ガラス枠15に設けられたタッチパネル29、盤演出装置44内のモータの初期位置等を検出する演出役物スイッチ47(演出モータスイッチ)のオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン311へ検出信号を入力する機能や、演出制御装置300に設けられた音量調節スイッチ335の状態を検出して主制御用マイコン311へ検出信号を入力するスイッチ入力回路336が設けられている。
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41、モータやLEDを駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、モータやLED、スピーカを駆動するためのDC15Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン311として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号は、主制御用マイコン311に供給され、当該デバイスをリセット状態にする。また、主制御用マイコン311から出力される形で、VDP312(VDPRESET信号)、音源LSI314、スピーカを駆動するアンプ回路337(SNDRESET信号)、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路332〜334(IORESET信号)に供給され、これらをリセット状態にする。また、演出制御装置300には遊技機10の各所を冷却する冷却FAN45が接続され、演出制御装置300の電源が投入された状態では冷却FAN45が駆動するようにされている。
次に、これらの制御回路において行われる遊技制御について説明する。
遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理を行う。そして、普図表示器52に、識別図柄(識別情報)を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理を行う。この普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図表示器52に第1当り停止図柄〜第3当り停止図柄の各々に対応した特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の可動部材37bを所定時間(例えば、0.5秒間又は1.7秒間)上述のように開放する制御を行う。すなわち、遊技制御装置100が、変換部材(可動部材37b)の変換制御を行う変換制御実行手段をなす。なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図表示器52にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、第1始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)を記憶し、この始動記憶に基づき、第1特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第1特図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理を行う。また、普通変動入賞装置37に備えられた始動口2スイッチ37aや第2始動入賞口97に備えられた始動口3スイッチ97aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶し、この始動記憶に基づき、第2特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第2特図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理を行う。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、上記の第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置300に出力する。そして、特図1表示器51aや特図2表示器51bに、識別図柄(識別情報)を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。すなわち、遊技制御装置100が、遊技領域32を流下する遊技球の始動入賞領域(第1始動入賞口36、第2始動入賞口97、普通変動入賞装置37)への入賞に基づき変動表示ゲームの進行制御を行う遊技制御手段をなす。
また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、演出状態の設定や、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。すなわち、演出制御装置300が、遊技(変動表示ゲーム等)に関する演出を制御する演出制御手段をなす。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果が大当りの場合は、特図1表示器51aや特図2表示器51bに特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる処理を行う。特別遊技状態を発生させる処理においては、CPU111Aは、例えば、大入賞口ソレノイド38bにより特別変動入賞装置38の開閉扉38cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。そして、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定の開放可能時間が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。すなわち、遊技制御装置100が、停止結果態様が特別結果態様となった場合に、大入賞口を開閉する制御を行う大入賞口開閉制御手段をなす。また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器51aや特図2表示器51bにはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として高確率状態を発生可能となっている。この高確率状態は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態(低確率状態)に比べて高い状態である。また、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様に基づき高確率状態となっても、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームの両方が高確率状態となる。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として時短状態(普図高確率状態、普電サポート状態ともいう)を発生可能となっている。この時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図当り確率)を通常確率(普図低確率状態)である0よりも高い高確率(普図高確率状態)とすることが可能である。これにより、普通変動入賞装置37が普図低確率状態である場合よりも、単位時間あたりの普通変動入賞装置37の開放時間が多くなるように制御するようになっている。
なお、普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37を時短動作状態とする制御を行うよう適宜普図変動表示ゲームの実行時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間を設定しても良く、例えば、時短状態においては、上述の普図変動表示ゲームの実行時間(普図変動時間)を第1変動表示時間よりも短い第2変動表示時間となるように制御することが可能である(例えば、10000m秒が1000m秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図停止時間を第1停止時間よりも短い第2停止時間となるように制御することが可能である(例えば、1604m秒が704m秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、開放時間(普電開放時間)を通常状態(普図低確率状態)の第1開放時間よりも長い第2開放時間となるように制御することが可能である(例えば、100m秒が1352m秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置37の開放回数(普電開放回数)を第1開放回数(例えば、2回)よりも多い回数(例えば、4回)の第2開放回数に設定することが可能である。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図当り確率)を通常動作状態である場合の通常確率(普図低確率状態、例えば、0/251)よりも高い高確率(普図高確率状態、例えば、250/251)とすることが可能である。
時短状態においては、普図変動時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間、普図当り確率の何れか一つ又は複数を変化させることで普通変動入賞装置37を開状態に状態変換する時間を通常よりも延長するようにする。また、変化させるものが異なる複数種類の時短状態を設定することも可能である。また、当りとなった場合に第1開放態様と第2開放態様の何れかを選択するようにしても良い。この場合、第1開放態様と第2開放態様の選択確率を異ならせても良い。また、高確率状態と時短状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし一方のみを発生させることも可能である。
以下、このような遊技を行う遊技機の制御について説明する。まず、上記遊技制御装置100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される制御について説明する。遊技用マイコン111による制御処理は、主に図6及び図7に示すメイン処理と、所定時間周期(例えば、4m秒)で行われる図9に示すタイマ割込み処理とからなる。
〔メイン処理〕
先ず、メイン処理について説明する。メイン処理は、電源が投入されることで開始される。このメイン処理においては、図6及び図7に示すように、まず、割込みを禁止する処理(ステップS1)を行ってから、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップS2)を行う。次に、レジスタバンク0を指定し(ステップS3)、所定のレジスタ(例えば、Dレジスタ)にRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(ステップS4)。本実施形態の場合、RAMのアドレスの範囲は0000h〜01FFhで、上位としては00hか01hをとり、ステップS4では先頭の00hをセットする。次に、発射停止の信号を出力して発射許可信号を禁止状態に設定する(ステップS5)。発射許可信号は遊技制御装置100と払出制御装置200の少なくとも一方が発射停止の信号を出力している場合に禁止状態に設定され、遊技球の発射が禁止されるようになっている。
その後、入力ポート1(第1入力ポート122)の状態を読み込み(ステップS6)、電源投入ディレイタイマを設定する処理を行う(ステップS7)。この処理では所定の初期値を設定することにより、主制御手段をなす遊技制御装置100からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段(例えば、払出制御装置200や演出制御装置300)のプログラムが正常に起動するのを待つための待機時間(例えば、3秒)が設定される。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって従制御装置(例えば、払出制御装置200や演出制御装置300)が立ち上がる前にコマンドを従制御装置へ送ってしまい、従制御装置がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。すなわち、遊技制御装置100が、電源投入時において、主制御手段(遊技制御装置100)の起動を遅らせて従制御装置(払出制御装置200、演出制御装置300等)の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段をなす。
また、電源投入ディレイタイマの計時は、RAMの正当性判定(チェックサム算出)の対象とならない記憶領域(正当性判定対象外のRAM領域又はレジスタ等)を用いて行われる。これにより、RAM領域のチェックサム等のチェックデータを算出する際に、一部のRAM領域を除外して算出する必要がないため電源投入時の制御が複雑になることを防止することができる。
なお、第1入力ポート122には初期化スイッチ信号が入力されるようになっており、待機時間の開始前に第1入力ポート122の状態を読み込むことで、初期化スイッチ112の操作を確実に検出できる。すなわち、待機時間の経過後に初期化スイッチ112の状態を読み込むようにすると、待機時間の経過を待ってから初期化スイッチ112を操作したり、電源投入から待機時間の経過まで初期化スイッチ112を操作し続けたりする必要がある。しかし、待機時間の開始前に状態を読み込むことで、このような煩わしい操作を行わなくても電源投入後すぐに操作を行うことで検出されるようになり、電源投入時に行った初期化の操作が受け付けられないような事態を防止できる。
電源投入ディレイタイマを設定する処理(ステップS7)を行った後、待機時間の計時と、待機時間中における停電の発生を監視する処理(ステップS8からS12)を行う。まず、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数(例えば、2回)を設定し(ステップS8)、停電監視信号がオンであるかの判定を行う(ステップS9)。
停電監視信号がオンである場合(ステップS9;Y)は、ステップS8で設定したチェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているかを判定する(ステップS10)。そして、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合(ステップS10;N)は、停電監視信号がオンであるかの判定(ステップS9)に戻る。また、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場合(ステップS10;Y)、すなわち、停電が発生していると判定した場合は、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、所定期間に亘り停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定することで、ノイズなどにより停電を誤検知することを防止でき、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。
すなわち、遊技制御装置100が、所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段をなす。これにより、主制御手段をなす遊技制御装置100の起動を遅らせている期間において発生した停電に対応することが可能となり、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。なお、待機時間の終了まではRAMへのアクセスが許可されておらず、前回の電源遮断時の記憶内容が保持されたままとなっているため、ここでの停電発生時にはバックアップの処理等は行う必要がない。このため、待機時間中に停電が発生してもRAMのバックアップを取る必要がなく、制御の負担を軽減することができる。
一方、停電監視信号がオンでない場合(ステップS9;N)、すなわち、停電が発生していない場合には、電源投入ディレイタイマを−1更新し(ステップS11)、タイマの値が0であるかを判定する(ステップS12)。タイマの値が0でない場合(ステップS12;N)、すなわち、待機時間が終了していない場合は、停電監視信号のチェック回数を設定する処理(ステップS8)に戻る。また、タイマの値が0である場合(ステップS12;Y)、すなわち、待機時間が終了した場合は、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセス許可をし(ステップS13)、全出力ポートにオフデータを出力(出力が無い状態に設定)する(ステップS14)。
次に、シリアルポート(遊技用マイコン111に予め搭載されているポートで、この実施形態では、演出制御装置300や払出制御装置200との通信に使用)を設定し(ステップS15)、先に読み込んだ入力ポート1(第1入力ポート122)の状態から初期化スイッチがオンにされたかを判定する(ステップS16)。
初期化スイッチがオフである場合(ステップS16;N)は、RWM内の停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータ1(例えば、5Ah)であるかを判定し(ステップS17)、正常であれば(ステップS17;Y)、RWM内の停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータ2(例えば、A5h)であるかを判定する(ステップS18)。そして、停電検査領域2の値が正常であれば(ステップS18;Y)、RWM内の所定領域のチェックサムを算出するチェックサム算出処理を行い(ステップS19)、算出したチェックサムと電源断時のチェックサムが一致するかを判定する(ステップS20)。チェックサムが一致する場合(ステップS20;Y)は、図7のステップS21へ移行し、停電から正常に復旧した場合の処理を行う。
また、初期化スイッチがオンである場合(ステップS16;Y)と判定された場合や、停電検査領域の値が正常な停電検査領域チェックデータでないと判定された場合(ステップS17;NもしくはステップS18;N)、チェックサムが一致しないと判定された場合(ステップS20;N)は、図7のステップS26へ移行して初期化の処理を行う。すなわち、初期化スイッチが外部からの操作が可能な初期化操作部をなし、遊技制御装置100が、初期化操作部が操作されたことに基づきRAMに記憶されたデータを初期化する初期化手段をなす。
図7のステップS21では、初期化すべき領域に停電復旧時の初期値をセーブする(ステップS21)。ここでの初期化すべき領域とは、停電検査領域、チェックサム領域及びエラー不正監視に係る領域である。なお、払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号である払出ビジー信号の状態を記憶するビジー信号ステータス領域もクリアされ、払出ビジー信号の状態を確定していないことを示す不定状態とされる。同様にタッチスイッチ信号の状態を記憶するタッチスイッチ信号状態監視領域もクリアされ、タッチスイッチ信号の状態を確定していないことを示す不定状態とされる。その後、RWM内の遊技状態を記憶する領域を調べて特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態であるか否かを判定する(ステップS22)。ここで、特図の高確率中でない場合(ステップS22;N)は、ステップS23,S24をスキップしてステップS25へ移行する。また、特図の高確率中である場合(ステップS22;Y)は、高確率報知フラグ領域にオン情報をセーブし(ステップS23)、遊技盤30に設けられる高確率報知LED(エラー表示器)のオン(点灯)データをセグメント領域にセーブする(ステップS24)。そして、後述の特図ゲーム処理を合理的に実行するために用意されている処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)へ送信し(ステップS25)、ステップS31へ進む。本実施形態の場合、ステップS25では、機種指定コマンド、特図1保留数コマンド、特図2保留数コマンド、確率情報コマンド、画面指定のコマンド(客待ち中なら客待ちデモ画面のコマンド、それ以外なら復旧画面のコマンド)等の複数のコマンドを送信する。
一方、ステップS16、S17、S18、S20からステップS26へジャンプした場合には、RAMアクセス禁止領域をアクセス許可に設定し(ステップS26)、ビジー信号ステータス領域やタッチスイッチ信号状態監視領域を含む全てのRAM領域を0クリアして(ステップS27)、RAMアクセス禁止領域をアクセス禁止に設定する(ステップS28)。そして、初期化すべき領域にRAM初期化時の初期値をセーブする(ステップS29)。ここでの初期化すべき領域とは、客待ちデモ領域及び演出モードの設定に係る領域である。そして、RAM初期化時のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)へ送信して(ステップS30)、ステップS31へ進む。本実施形態の場合、ステップS30では、機種指定コマンド、特図1保留数コマンド、特図2保留数コマンド、確率情報コマンド、RAM初期化のコマンド(客待ちデモ画面を表示させるとともに、所定時間(例えば、30秒間)光と音でRAM初期化の報知を行わせるためのコマンド)等の複数のコマンドを送信する。
ステップS31では、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動する処理を行う。なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU111Aに対して所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路へ供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
上記ステップS31のCTC起動処理の後は、乱数生成回路を起動設定する処理を行う(ステップS32)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)へ乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPU111Aによって行われる。また、乱数生成回路のハードウェアで生成されるハード乱数(ここでは大当り乱数)のビット転置パターンの設定も行われる。ビット転置パターンとは、抽出した乱数のビット配置(上段のビット転置前の配置)を、予め定められた順で入れ替えて異なるビット配置(下段のビット転置後の配置)として格納する際の入れ替え方を定めるパターンである。このビット転置パターンに従い乱数のビットを入れ替えることで、乱数の規則性を崩すことができるとともに、乱数の秘匿性を高めることができる。なお、ビット転置パターンは、固定された単一のパターンであっても良いし、予め用意された複数のパターンから選択するようにしても良い。また、ユーザーが任意に設定できるようにしても良い。
その後、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を抽出し、対応する各種初期値乱数(本実施形態の場合、特図の当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数)、普図の当りを決定する乱数(当り乱数)、普図の当り図柄を決定する乱数(当り図柄乱数))の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブしてから(ステップS33)、割込みを許可する(ステップS34)。本実施形態で使用するCPU111A内の乱数生成回路においては、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値を各種初期値乱数の初期値(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
続いて、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップS35)を行う。なお、特に限定されるわけではないが、本実施形態においては、大当り乱数、大当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数は乱数生成回路において生成される乱数を使用して生成するように構成されている。ただし、大当り乱数はCPUの動作クロックと同等以上の速度のクロックを基にして更新される所謂「高速カウンタ」であり、大当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数はプログラムの処理単位であるタイマ割込み処理と同周期となるCTC出力(タイマ割込み処理のCTC(CTC0)とは別のCTC(CTC2))を基にして更新される「低速カウンタ」である。また、大当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数においては、乱数が一巡する毎に各々の初期値乱数(ソフトウェアで生成)を用いてスタート値を変更する所謂「初期値変更方式」を採用している。なお、前記各乱数は、+1或いは−1によるカウンタ式更新でもよいし、一巡するまで範囲内の全ての値が重複なくバラバラに出現するランダム式更新でもよい。つまり、大当り乱数はハードウェアのみで更新される乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数はハードウェア及びソフトウェアで更新される乱数である。
上記ステップS35の初期値乱数更新処理の後、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数(例えば、2回)を設定し(ステップS36)、停電監視信号がオンであるかの判定を行う(ステップS37)。停電監視信号がオンでない場合(ステップS37;N)は、初期値乱数更新処理(ステップS35)に戻る。すなわち、停電が発生していない場合には、初期値乱数更新処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返し行う。初期値乱数更新処理(ステップS35)の前に割り込みを許可する(ステップS34)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待たされることで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
なお、上記ステップS35での初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込み処理の中においても初期値乱数更新処理を行う方法もあり、そのような方法を採用した場合には両方で初期値乱数更新処理が実行されるのを回避するため、メイン処理で初期値乱数更新処理を行う場合には割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要があるが、本実施形態のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内のみにした場合には初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それによってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
停電監視信号がオンである場合(ステップS37;Y)は、ステップS36で設定したチェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているかを判定する(ステップS38)。そして、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合(ステップS38;N)は、停電監視信号がオンであるかの判定(ステップS37)に戻る。また、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場合(ステップS38;Y)、すなわち、停電が発生していると判定した場合は、一旦割込みを禁止する処理(ステップS39)、全出力ポートにオフデータを出力する処理(ステップS40)を行う。
その後、停電検査領域1に停電検査領域チェックデータ1をセーブし(ステップS41)、停電検査領域2に停電検査領域チェックデータ2をセーブする(ステップS42)。さらに、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理(ステップS43)、算出したチェックサムをセーブする処理(ステップS44)を行った後、RWMへのアクセスを禁止する処理(ステップS45)を行ってから、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、停電検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判断することができる。
以上のことから、遊技を統括的に制御する主制御手段(遊技制御装置100)と、該主制御手段からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段(払出制御装置200、演出制御装置300等)と、を備える遊技機において、主制御手段は、電源投入時において、当該主制御手段の起動を遅らせて従制御装置の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段(遊技制御装置100)と、当該所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段(遊技制御装置100)と、を備えていることとなる。
また、各種装置に電力を供給する電源装置400を備え、当該電源装置400は、停電の発生を検出した際に停電監視信号を出力するように構成され、停電監視手段(遊技制御装置100)は、所定期間に亘り停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定するようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、データを記憶可能なRAM111Cと、外部からの操作が可能な初期化操作部(初期化スイッチ)と、初期化操作部が操作されたことに基づきRAM111Cに記憶されたデータを初期化する初期化手段(遊技制御装置100)と、を備え、当該初期化手段の操作状態を待機時間の開始前に読み込むようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、待機時間の経過後にRAM111Cへのアクセスを許可するようにしていることとなる。
〔初期値乱数更新処理〕
図8には、上述のメイン処理における初期値乱数更新処理(ステップS35)を示した。この初期値乱数更新処理では、まず、大当り図柄初期値乱数を+1更新する(ステップS61)。そして、当り初期値乱数を+1更新し(ステップS62)、当り図柄初期値乱数を+1更新して(ステップS63)、初期値乱数更新処理を終了する。
ここで、「大当り図柄初期値乱数」は、特図変動表示ゲームの大当り停止図柄を決定する乱数の初期値となる乱数のことである。また、「当り初期値乱数」は、普図変動表示ゲームの当りを決定する乱数の初期値となる乱数、「当り図柄初期値乱数」は、普図変動表示ゲームの当り停止図柄を決定する乱数の初期値となる乱数のことである。このように、メイン処理の中で時間が許す限り初期値乱数をインクリメントし続けることによって、乱数のランダム性を高めることができるようにしている。
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。図9に示すように、タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111Aに入力されることで開始される。遊技用マイコン111においてタイマ割込みが発生すると、自動的に割込み禁止状態になって、図9のタイマ割込み処理が開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、まず、レジスタバンク1を指定する(ステップS101)。レジスタバンク1に切り替えたことで、所定のレジスタ(例えば、メイン処理で使っているレジスタ)に保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理を行ったのと同等になる。次に、所定のレジスタ(例えば、Dレジスタ)にRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(ステップS102)。ステップS102では、メイン処理におけるステップS4と同じ処理を行っているが、レジスタバンクが異なる。次に、各種センサやスイッチからの入力や、信号の取込み、すなわち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理(ステップS103)を行う。それから、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(大入賞口ソレノイド38b、普電ソレノイド37c)等のアクチュエータの駆動制御などを行うための出力処理(ステップS104)を行う。
なお、メイン処理におけるステップS5で発射停止の信号を出力すると、この出力処理が行われることで発射許可の信号が出力され、発射許可信号を許可状態に設定可能な状態とされる。この発射許可信号は払出制御装置を経由して発射制御装置に出力される。その際、信号の加工等は行われない。また、当該発射許可信号は遊技制御装置から見た発射許可の状態を示す第1の信号であり、払出制御装置から見た発射許可の状態を示す第2の信号(発射許可信号)も払出制御装置内で生成され、発射制御装置に出力される。つまり、2つの発射許可信号が発射制御装置に出力されており、両者が共に発射許可となっている場合に、遊技球が発射可能な状態となるよう構成されている。
次に、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを払出制御装置200に出力する払出コマンド送信処理(ステップS105)、乱数更新処理1(ステップS106)、乱数更新処理2(ステップS107)を行う。その後、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、始動口3スイッチ97a、普図のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ38aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が開放されていないかなど)を行う入賞口スイッチ/状態監視処理(ステップS108)を行う。また、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理(ステップS109)、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理(ステップS110)を行う。
次に、遊技機10に設けられ、特図変動表示ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップS111)、磁気センサ61からの検出信号をチェックして異常がないか判定する処理を行う磁石不正監視処理(ステップS112)、盤電波センサ62からの検出信号をチェックして異常がないか判定する処理を行う盤電波不正監視処理(ステップS113)を行う。それから、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップS114)を行って、タイマ割込み処理を終了する。
ここで、本実施形態では、割込み禁止状態を復元する処理(すなわち、割込みを許可する処理)や、レジスタバンクの指定を復元する処理(すなわち、レジスタバンク0を指定する処理)は、割込みリターンの際(タイマ割込み処理の終了時)に自動的に行う。なお、使用するCPUによっては、割込み禁止状態を復元する処理やレジスタバンクの指定を復元する処理の実行を命令する必要がある遊技機もある。
〔払出コマンド送信処理〕
次に、前述のタイマ割込み処理における払出コマンド送信処理(ステップS105)の詳細について説明する。図10に示すように払出コマンド送信処理では、まず、入賞数カウンタ領域2にカウントがあるかをチェックする(ステップS181)。
入賞数カウンタ領域は遊技制御装置100のRAM111Cに設けられ、入賞数カウンタ領域1と入賞数カウンタ領域2が設けられている。入賞数カウンタ領域1は、払出制御装置200に対して賞球の払い出しを指示するための払出コマンド(賞球指令)を送信するために用いる領域であって、払出コマンドを未だ送信していない賞球に対応する入賞のデータが記憶される。すなわち、入賞数カウンタ領域1が、賞球指令に関する情報を記憶可能な賞球指令カウンタをなす。
入賞数カウンタ領域2は、入賞口への入賞により発生した賞球数(払出予定数)が所定数(ここでは10個)になる毎に外部装置へ出力するメイン賞球信号を送信するために用いる領域であって、メイン賞球信号の生成処理を行っていない賞球に対応する入賞のデータが記憶される。すなわち、入賞数カウンタ領域2が、メイン賞球信号に関する情報を記憶可能なメイン賞球信号カウンタをなす。なお、外部装置には、このメイン賞球信号の他に、払出制御装置200からも実際に払い出した賞球数が所定数(ここでは10個)になる毎に払出賞球信号が出力されるようになっており、この二つの信号を照合することで、不正な払い出しを監視することが可能となっている。
これらの入賞数カウンタ領域にはそれぞれ、各入賞口に対して設定された賞球数別(本実施形態の場合、3個賞球、10個賞球、14個賞球)に入賞数カウンタ領域が設けられており、入賞口への入賞に基づき対応する入賞数カウンタ領域のカウント数が1加算されるようになっている。つまり、入賞領域への一の入賞を単位として当該入賞の情報を記憶可能とされている。なお、入賞数カウンタ領域1は入賞数カウンタ領域2よりも広い領域が割り当てられ、より多くの入賞のデータを記憶できるようにされている。これは、メイン賞球信号が送信先の状態に関係なく送信可能であるのに対し、払出コマンドが送信先である払出制御装置200の状態により送信を保留する場合もあり、より多くの未送信データが蓄積される可能性があるためである。
具体的には、本実施形態の場合、入賞数カウンタ領域1の3個賞球カウンタ領域、10個賞球カウンタ領域、及び14個賞球カウンタ領域には、それぞれ65535入賞まで記憶することができ、入賞数カウンタ領域2の3個賞球カウンタ領域、10個賞球カウンタ領域、及び14個賞球カウンタ領域には、それぞれ255入賞まで記憶することができるよう構成されている。
入賞数カウンタ領域2にカウントがあるかをチェックする処理(ステップS181)においては、賞球数別に設けられた複数の入賞数カウンタ領域のうち、チェック対象とされた入賞数カウンタ領域に「0」でないカウント数があるかを判定する。そして、カウント数がない場合(ステップS181;N)は、チェック対象となる入賞数カウンタ領域2のアドレスを更新し(ステップS182)、すべての入賞数カウンタ領域のカウント数のチェックが終了したかを判定する(ステップS183)。この判定で、すべてのチェックが終了した(ステップS183;Y)と判定すると、ステップS192に移行する。一方、すべてのチェックが終了していない(ステップS183;N)と判定すると、ステップS181へ戻って上記処理を繰り返す。本実施形態の場合、3個賞球カウンタ領域→10個賞球カウンタ領域→14個賞球カウンタ領域の順にチェック対象となる入賞数カウンタ領域2のアドレスを更新する。
また、上記ステップS181で、カウント数がある(ステップS181;Y)と判定した場合には、対象の入賞数カウンタ領域のカウント数を−1更新し(ステップS184)、対象の入賞数カウンタ領域2のアドレスに対応する払出数を取得する(ステップS185)。そして、賞球残数領域の値と取得した払出数を加算し(ステップS186)、加算結果を賞球残数領域にセーブする(ステップS187)。なお、この処理の前における賞球残数領域の値としては、メイン賞球信号の出力の基準となる所定数に満たなかった端数が記憶されている。
その後、加算結果から10を減算して(ステップS188)、減算結果が0以上かを判定し(ステップS189)、0以上でない場合(ステップS189;N)は、ステップS192の処理に移行する。また、0以上である場合(ステップS189;Y)は、メイン賞球信号出力回数領域の値を+1更新する(ステップS190)。すなわち、賞球残数が10個になる度に、メイン賞球信号の出力回数を+1更新する。
そして、減算結果を賞球残数領域にセーブして(ステップS191)、ステップS188の処理に戻る。これにより、ホールコンピュータなどの外部の装置にメイン賞球信号が出力されるようになる。すなわち、遊技制御装置100が、所定の入賞領域への遊技球の入賞に伴い払い出しが決定された賞球数に関する情報を含むメイン賞球信号を遊技機の外部に出力する外部情報出力手段をなす。なお、メイン賞球信号を出力するようにすることで、大当り中などの遊技球の払い出しが集中する場合に、遊技球の払い出しとともに賞球信号の出力が遅延して、大当り中に発生した正確な賞球数が計数することができないといった不具合を防止することができる。
ここで、ステップS181〜S191の処理は、メイン賞球信号の出力回数を更新する(増やす)処理であり、ステップS192〜S201の処理は、払出コマンドを送信する処理である。
ステップS192では、払出コマンド送信タイマが「0」でなければ−1更新し(ステップS192)、払出コマンド送信タイマが「0」になったかを判定する(ステップS193)。払出コマンド送信タイマが「0」でない場合(ステップS193;N)は、払出コマンド送信処理を終了する。また、払出コマンド送信タイマが「0」である場合(ステップS193;Y)は、払出ビジー信号フラグをチェックして、払出ビジー信号がビジー状態であるかを判定する(ステップS194)。
払出ビジー信号は払出制御装置200が払出制御を即座に開始可能な状態か否かを示す信号であって、払出制御を即座に開始可能でない場合には払出ビジー信号がオン状態(ビジー状態)とされる。つまり、払出ビジー信号は、払出コマンド(賞球指令)を受付可能な状態であるか否かを示す信号とも言える。すなわち、払出ビジー信号が、払出制御手段(払出制御装置200)が払出制御を開始可能であるか否を示す状態信号をなす。
この払出ビジー信号がビジー状態である場合(ステップS194;Y)は、払出コマンド送信処理を終了する。すなわち、本実施形態では、タイマ割込み毎に払出コマンドを送信するのではなく、所定時間が経過し(払出コマンド送信タイマの値が0になり)、且つ、払出制御装置200側が賞球を払い出せる状態である場合に、払出コマンドを送信するよう構成されている。このように払出制御装置200が払出制御を即座に開始可能でなく、払出コマンドを送信しない場合は、払出コマンドの送信に関する以降の処理を行わないようにすることで、無駄な処理を行うことを防止し制御の負担を軽減するようにしている。
払出ビジー信号がオン状態(ビジー状態)になる条件は、例えば、払出動作中、球貸し動作中、シュート球切れエラー中、オーバーフローエラー中、枠電波不正発生中、払出球検出スイッチ(払い出された球を監視するスイッチ)の異常中、払出不足エラー中、払出過剰エラー中、払出制御装置200のメモリ内に払い出すべき賞球数のカウント(未払い出しの賞球数=獲得遊技球数残)があるとき(=0でないとき)等である。
払出ビジー信号がビジー状態でない場合(ステップS194;N)は、入賞数カウンタ領域1にカウントがあるかをチェックする(ステップS195)。入賞数カウンタ領域1にカウントがあるかをチェックする処理(ステップS195)においては、賞球数別に設けられた複数の入賞数カウンタ領域のうち、チェック対象とされた入賞数カウンタ領域に「0」でないカウント数があるかを判定する。
そして、カウント数がない場合(ステップS195;N)は、チェック対象となる入賞数カウンタ領域1のアドレスを更新し(ステップS196)、すべての入賞数カウンタ領域のカウント数のチェックが終了したかを判定する(ステップS197)。この判定で、すべてのチェックが終了した(ステップS197;Y)と判定すると、払出コマンド送信処理を終了する。一方、すべてのチェックが終了していない(ステップS197;N)と判定すると、ステップS195へ戻って上記処理を繰り返す。本実施形態の場合、3個賞球カウンタ領域→10個賞球カウンタ領域→14個賞球カウンタ領域の順にチェック対象となる入賞数カウンタ領域1のアドレスを更新する。
また、上記ステップS195で、カウント数がある(ステップS195;Y)と判定した場合には、対象の入賞数カウンタ領域のカウント数を−1更新し(ステップS198)、対象の入賞数カウンタ領域1のアドレスに対応する払出数コマンドを取得する(ステップS199)。そして、取得した払出数コマンドを払出用シリアル送信バッファに書き込み(ステップS200)、払出コマンド送信タイマ領域に初期値をセーブして(ステップS201)、払出コマンド送信処理を終了する。払出コマンド送信タイマは送信間隔を管理するためのもので、初期値として、例えば200m秒が設定される。
これにより、入賞領域への一の入賞を単位とした払出コマンド(賞球指令)が生成され、払出制御装置200に送信されるようになる。払出制御装置200はこの払出コマンドに基づき所定数の賞球を払い出す制御を行う。すなわち、遊技制御装置100が、払出制御手段(払出制御装置200)から出力される当該払出制御手段が払出制御を開始可能であるか否を示す状態信号が払出制御を開始可能であることを示している場合に賞球指令を払出制御手段に送信する賞球指令送信手段をなす。
このように遊技制御装置100が、払出制御装置200から出力される状態信号に基づいて賞球指令を送信する制御を行うので、払出制御装置200が即座に払出制御を実行可能な場合にのみ賞球指令が送信されることとなる。これにより、未だ払い出しが行われていない入賞に対応するデータは遊技制御装置100側で保持されるようになるので停電発生時には遊技制御装置100でバックアップされるようになり、払出制御装置200にバックアップするための機能を備えなくとも正確な払出制御を実現できる。
従来の遊技機(例えば、特開2000−312759号公報の遊技機)では、何らかの原因により電源の遮断状態が発生した場合、払出制御装置200は自身の記憶手段にデータをバックアップし、電源遮断直前のデータによる払出制御状態を維持するようにしている。しかしながら、従来の遊技機では、バックアップするための機能が必要となるため、コストアップにつながるという問題があった。本発明によれば、払出制御装置200にバックアップするための機能を備えなくとも正確な払出制御を実現できるようにすることができる。
また、外部の装置に送信されるメイン賞球信号は払出ビジー信号の状態に関係なく出力されるので、遅滞なくメイン賞球信号を出力でき、ホールコンピュータなどの外部の装置では賞球の払い出しの時期を正確に把握でき、例えばベース値を正確に把握できるようになる。また、賞球指令に関する情報を記憶可能な賞球指令カウンタと、メイン賞球信号に関する情報を記憶可能なメイン賞球信号カウンタとを別々に備えるので、送信タイミングが異なる賞球指令とメイン賞球信号の情報を別々に管理でき、情報を確実に管理することができる。
以上のことから、統括的に遊技制御を行うとともに、遊技領域32に設けられた入賞領域(第1始動入賞口36、第2始動入賞口97、普通変動入賞装置37、一般入賞口35、特別変動入賞装置38)への遊技球の入賞に基づいて賞球指令を送信する遊技制御手段(遊技制御装置100)と、遊技制御手段から送信される賞球指令に基づいて、遊技球の払出制御を行う払出制御手段(払出制御装置200)と、を備え、遊技制御手段は、払出制御手段から出力される当該払出制御手段が払出制御を開始可能であるか否を示す状態信号(ビジー信号)に基づいて賞球指令を払出制御手段に送信する制御を行い、停電が発生し該停電から復帰した場合には、払出制御手段から払出制御を開始可能であることを示す状態信号が出力されていたとしても、直ちに賞球指令を払出制御手段に送信せず、払出制御手段から払出制御を開始可能であることを示す状態信号が所定期間に亘って継続して出力されたことに対応して賞球指令を払出制御手段に送信するようにしていることとなる。
また、遊技領域32に賞球数の異なる入賞領域(第1始動入賞口36、第2始動入賞口97、普通変動入賞装置37、一般入賞口35、特別変動入賞装置38)を複数設け、遊技制御手段(遊技制御装置100)は、賞球数毎に、遊技球の払出制御を指示する賞球指令の未送信の有無を特定可能な賞球指令カウンタ(遊技制御装置100)を備え、状態信号が払出制御を開始可能であることを示し、かつ、各賞球指令カウンタに未送信の賞球指令がある場合に、賞球指令を払出制御手段(払出制御装置200)に送信するようにし、状態信号が当該払出制御手段が払出制御を開始可能であるか否かの特定を、各賞球指令カウンタに未送信の賞球指令があるか否かの特定よりも先に行うようにしていることとなる。
また、統括的に遊技制御を行うとともに、所定の入賞領域(第1始動入賞口36、第2始動入賞口97、普通変動入賞装置37、一般入賞口35、特別変動入賞装置38)への遊技球の入賞に基づいて賞球指令を送信する遊技制御手段(遊技制御装置100)と、遊技制御手段から送信される賞球指令に基づいて、遊技球の払出制御を行う払出制御手段(払出制御装置200)と、を備え、遊技制御手段は、払出制御手段から出力される当該払出制御手段が払出制御を開始可能であるか否を示す状態信号が払出制御を開始可能であることを示している場合に賞球指令を払出制御手段に送信する賞球指令送信手段(遊技制御装置100)と、所定の入賞領域への遊技球の入賞に伴い払い出しが決定された賞球数に関する情報を含む賞球信号(メイン賞球信号)を遊技機の外部に出力する外部情報出力手段(遊技制御装置100)と、を備え、外部情報出力手段は、払出制御手段から出力される状態信号が、払出制御手段が払出制御を開始可能であるか否かに関係なく賞球信号の出力を行うようにしたこととなる。
また、賞球指令送信手段(遊技制御装置100)は、停電が発生し該停電から復帰した場合には、状態信号が払出制御を開始可能であることを示していたとしても、直ちに賞球指令を払出制御手段(払出制御装置200)に送信せず、状態信号が払出制御を開始可能であることを示している状態が所定期間に亘って継続していることに対応して賞球指令を払出制御手段に送信するようにしたこととなる。
また、遊技制御手段(遊技制御装置100)は、賞球指令に関する情報を記憶可能な賞球指令カウンタ(遊技制御装置100)と、賞球信号(メイン賞球信号)に関する情報を記憶可能な賞球信号カウンタ(遊技制御装置100)と、を備え、賞球指令送信手段(遊技制御装置100)は、所定の入賞領域(第1始動入賞口36、第2始動入賞口97、普通変動入賞装置37、一般入賞口35、特別変動入賞装置38)への一の入賞を単位として賞球指令を生成し、状態信号が払出制御を開始可能であることを示している場合に一の賞球指令を払出制御手段(払出制御装置200)に送信するように構成され、賞球指令カウンタ(遊技制御装置100)は、所定の入賞領域への一の入賞を単位として当該入賞の情報を記憶可能であり、所定の入賞領域への遊技球の入賞時に更新を行うとともに、払出制御手段への賞球指令への送信に対応させて更新を行うことで、送信していない賞球指令の数を記憶可能とし、外部情報出力手段は、所定の入賞領域への遊技球の入賞に伴い払い出しが決定された賞球数を累積し、累積値が所定数に達する毎に賞球信号を遊技機の外部に出力するように構成され、賞球信号カウンタは、所定の入賞領域への一の入賞を単位として当該入賞の情報を記憶可能であり、所定の入賞領域への遊技球の入賞時に更新を行うとともに、外部情報出力手段による賞球数の累積処理に対応させて更新を行うことで、未だ累積処理を行っていない賞球数を記憶可能であることとなる。
〔入賞口スイッチ/状態監視処理〕
図11には、タイマ割込み処理における入賞口スイッチ/状態監視処理(ステップS108)を示した。この入賞口スイッチ/状態監視処理では、まず、大入賞口(特別変動入賞装置38)内の一方の大入賞口スイッチ38aに対応する入賞口監視テーブル1を準備し(ステップS301)、大入賞口が開いていないにもかかわらず大入賞口に不正な入賞がないか監視するとともに正常な入賞を検出する不正&入賞監視処理(ステップS302)を実行する。
その後、大入賞口(特別変動入賞装置38)内の他方の大入賞口スイッチ38aに対応する入賞口監視テーブル2を準備し(ステップS303)、不正な入賞がないか監視するとともに正常な入賞を検出する不正&入賞監視処理(ステップS304)を実行する。
入賞口監視テーブルには、対象のスイッチに入力があるかを判定するデータの位置を示す監視スイッチビット、不正監視情報の下位アドレス、不正入賞数領域の下位アドレス、不正入賞エラー報知コマンド、不正入賞数上限値(不正発生判定個数)、入賞口スイッチテーブルのアドレス、報知タイマ更新情報(許可/更新)の情報が定義されている。また、入賞口監視テーブルのうちの入賞テーブルには、監視の繰り返し回数(スイッチの数)に加えて、各スイッチ毎に、監視スイッチビット、入賞数カウンタ領域1の下位アドレス、入賞数カウンタ領域2の下位アドレスの情報が定義されている。入賞口監視テーブルは、監視対象のスイッチのそれぞれに応じたものが用意されている。
次に、普電内の入賞口スイッチ(始動口2スイッチ37a)の入賞口監視テーブルを準備し(ステップS305)、不正な入賞がないか監視するとともに正常な入賞を検出する不正&入賞監視処理(ステップS306)を実行する。そして、常時入賞可能(不正監視処理が不要)な入賞口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a、始動口3スイッチ97a、一般入賞口35の入賞口スイッチ35a(左入賞口スイッチ、右入賞口スイッチ))の入賞口監視テーブルを準備し(ステップS307)、入賞数を更新する入賞数カウンタ更新処理(ステップS308)を行って、始動口エラー監視処理(ステップS309)を行う。
次に、状態を監視すべき複数のスイッチ並びに信号のうちいずれのスイッチ又は信号を今回の監視の対象とするかを順番に指定するための状態スキャンカウンタを更新する(ステップS310)。本実施形態の場合、状態スキャンカウンタは0から3の範囲で更新される。その後、状態スキャンカウンタの値に応じて、監視する状態を設定するための遊技機状態監視テーブル1を準備する(ステップS311)。そして、エラーが発生しているかなどの状態を判定する遊技機状態チェック処理(ステップS312)を行う。
本実施形態の場合、状態スキャンカウンタの値を遊技機状態監視テーブル1に参照することで、状態スキャンカウンタの値が「0」である場合はスイッチのコネクタ抜けなどの発生により出力されるスイッチ異常1信号に基づく状態の監視が設定され、状態スキャンカウンタの値が「1」である場合は払出制御装置200からのシュート球切れスイッチ信号に基づく状態の監視が設定される。状態スキャンカウンタの値が「2」である場合はオーバーフロースイッチ信号に基づく状態の監視が設定され、状態スキャンカウンタの値が「3」である場合は払出異常ステータス信号に基づく状態の監視が設定される。
次に、状態スキャンカウンタの値に応じて、監視する状態を設定するための遊技機状態監視テーブル2を準備する(ステップS313)。そして、エラーが発生しているかなどの状態を判定する遊技機状態チェック処理(ステップS314)を行う。
本実施形態の場合、状態スキャンカウンタの値を遊技機状態監視テーブル2に参照することで、状態スキャンカウンタの値が「0」である場合はガラス枠開放検出スイッチ63から出力される信号に基づく状態の監視が設定され、状態スキャンカウンタの値が「1」である場合は本体枠開放検出スイッチ64から出力される信号に基づく状態の監視が設定される。また、状態スキャンカウンタの値が「2」である場合は枠電波不正信号に基づく状態の監視が設定され、状態スキャンカウンタの値が「3」である場合はタッチスイッチ信号に基づく状態の監視が設定される。
次に、状態スキャンカウンタの値が「0」であるかを判定し(ステップS315)、エラースキャンカウンタの値が「0」でない場合(ステップS315;N)は、入賞口スイッチ/状態監視処理を終了する。この場合は、次に参照する遊技機状態監視テーブル3に状態の監視対象がない場合である。また、エラースキャンカウンタの値が「0」である場合(ステップS315;Y)は、遊技機状態監視テーブル3を準備し(ステップS316)、エラーが発生しているかなどの状態を判定する遊技機状態チェック処理(ステップS317)を行う。
本実施形態の場合、状態スキャンカウンタの値を遊技機状態監視テーブル3に参照することで、状態スキャンカウンタの値が「0」である場合はスイッチのコネクタ抜けなどの発生により出力されるスイッチ異常2信号に基づく状態の監視が設定される。なお、遊技機状態監視テーブル3には状態スキャンカウンタが「1」から「3」の場合は定義されていない。
その後、払出制御装置200が払出制御を開始可能であるかを示す払出ビジー信号をチェックする払出ビジー信号チェック処理(ステップS318)を行って、入賞口スイッチ/状態監視処理を終了する。なお、ステップS316からS318の処理は、タイマ割込み毎に更新される状態スキャンカウンタの値が「0」の場合のみ実行されるため、4回のタイマ割込みに1回の割合で実行されることとなる。すなわち、タイマ割込みが4m秒毎に行われる場合は、16m秒毎にステップS316からS318の処理が行われることとなる。
〔特図ゲーム処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(ステップS109)の詳細について説明する。特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、及び始動口3スイッチ97aの入力の監視と、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図の表示の設定を行う。
図12に示すように、特図ゲーム処理では、先ず、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、及び始動口3スイッチ97aの入賞を監視する始動口スイッチ監視処理(ステップA1)を行う。始動口スイッチ監視処理では、第1始動入賞口36、第2始動入賞口97、普通変動入賞装置37に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。
次に、大入賞口スイッチ監視処理(ステップA2)を行う。この大入賞口スイッチ監視処理では、特別変動入賞装置38内に設けられた大入賞口スイッチ38aでの遊技球の検出を監視する処理を行う。
次に、特図ゲーム処理タイマが「0」でなければ−1更新する(ステップA3)。なお、特図ゲーム処理タイマの最小値は「0」に設定されている。そして、特図ゲーム処理タイマの値が「0」であるかを判定する(ステップA4)。特図ゲーム処理タイマの値が「0」である場合(ステップA4;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合は、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定し(ステップA5)、当該テーブルを用いて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(ステップA6)。そして、特図ゲーム処理番号に応じてサブルーチンコールを行う(ステップA7)。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図普段処理(ステップA8)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図変動中処理(ステップA9)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図表示中処理(ステップA10)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理(ステップA11)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであればエンディングコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理(ステップA12)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理(ステップA13)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う大当り終了処理(ステップA14)を行う。
その後、特図1表示器51aの変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA15)、特図1表示器51aに係る図柄変動制御処理(ステップA16)を行う。そして、特図2表示器51bの変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA17)、特図2表示器51bに係る図柄変動制御処理(ステップA18)を行い、特図ゲーム処理を終了する。一方、ステップA4にて、特図ゲーム処理タイマの値が「0」でない場合(ステップA4;N)、すなわちタイムアップしていない場合は、ステップA15の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
なお、大当りとは条件装置の作動を伴う特別結果である。条件装置とは、特図変動表示ゲームで大当りが発生(大当り図柄の停止表示)した場合に作動するもので、条件装置が作動するとは、例えば大当り状態が発生して特別電動役物としての特別変動入賞装置38を連続して作動させるための特定のフラグがセットされる(役物連続作動装置が作動される)ことを意味する。なお、「条件装置」は上記のようなソフトウェア的にオンオフされるフラグのようなソフトウェア手段であっても良いし、電気的にオンオフされるスイッチのようなハードウェア手段であっても良い。また、「条件装置」は、その作動が電動役物の連続作動に必要条件とされる装置として、パチンコ遊技機の分野においては一般的に使用されている用語であり、本明細書においても同様な意味を有する用語として使用している。
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(ステップA1)の詳細について説明する。図13に示すように、始動口スイッチ監視処理では、先ず、第1始動口(第1始動入賞口36)入賞監視テーブルを準備し(ステップA101)、ハード乱数取得処理(ステップA102)を行う。このハード乱数取得処理では、対象となる始動口スイッチ(ここでは始動口1スイッチ36a)に入力があった場合にラッチレジスタに抽出された大当り乱数をロードして準備し、対象となる始動口への入賞があったことを示す情報の設定を行う。その後、特図1の始動口である第1始動口への入賞があるか否かを判定する(ステップA103)。
ステップA103にて、第1始動口への入賞がないと判定した場合(ステップA103;N)には、ステップA109の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
一方、ステップA103にて、第1始動口への入賞があると判定した場合(ステップA103;Y)には、特図時短中(普電サポート中)であるか否かを判定する(ステップA104)。
ステップA104にて、特図時短中でないと判定した場合(ステップA104;N)には、ステップA107の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
一方、ステップA104にて、特図時短中であると判定した場合(ステップA104;Y)には、右打ち指示報知コマンドを準備して(ステップA105)、演出コマンド設定処理(ステップA106)を行う。すなわち、時短状態であれば、特図変動表示ゲームの確率状態にかかわらず、右打ち指示報知コマンドを準備して(ステップA105)、演出コマンド設定処理(ステップA106)を行う。本実施形態の遊技機10の場合、第1始動口(第1始動入賞口36)へは左打ちでないと入賞せず、普通変動入賞装置37へは右打ちでないと入賞しない。したがって、時短状態は、左打ちよりも右打ちの方が有利な遊技状態となるが、時短状態中に第1始動口に入賞があった場合(すなわち、時短状態中に左打ちされた場合)には、右打ち指示報知コマンドを演出制御装置300に送信して、右打ちするよう指示する報知(警告)を演出制御装置300によって行うよう構成されている。
次いで、第1始動口(第1始動入賞口36)による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA107)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA108)を行う。
次に、第2始動口(普通変動入賞装置37)入賞監視テーブルを準備し(ステップA109)、ハード乱数取得処理(ステップA110)を行う。このハード乱数取得処理では、対象となる始動口スイッチ(ここでは始動口2スイッチ37a)に入力があった場合にラッチレジスタに抽出された大当り乱数をロードして準備し、対象となる始動口への入賞があったことを示す情報の設定を行う。その後、特図2の始動口である第2始動口への入賞があるか否かを判定する(ステップA111)。
ステップA111にて、第2始動口への入賞がないと判定した場合(ステップA111;N)には、ステップA116の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
一方、ステップA111にて、第2始動口への入賞があると判定した場合(ステップA111;Y)には、普通電動役物(普通変動入賞装置37)が作動中である、すなわち、普通変動入賞装置37が作動して遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かを判定し(ステップA112)、普通電動役物が作動中である(ステップA112;Y)と判定すると、ステップA114の処理に移行して、それ以降の処理を行う。一方、ステップA112にて、普通電動役物が作動中でない(ステップA112;N)と判定すると、普電不正発生中であるかを判定する(ステップA113)。
ステップA113では、普通変動入賞装置37への不正入賞数が不正発生判定個数(例えば、5個)以上である場合に不正発生中であると判定する。普通変動入賞装置37は、閉状態では遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合は何らかの異常や不正が発生した場合であり、このような閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数する。そして、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上である場合に不正発生中と判定する。
ステップA113にて、普電不正発生中でないと判定した場合(ステップA113;N)は、第2始動口(普通変動入賞装置37)による保留の情報を設定するテーブルを準備し(ステップA114)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA115)を行った後、ステップA116の処理に移行して、それ以降の処理を行う。また、ステップA113にて、普電不正発生中であると判定した場合(ステップA113;Y)は、ステップA116の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
次に、第3始動口(第2始動入賞口97)入賞監視テーブルを準備し(ステップA116)、ハード乱数取得処理(ステップA117)を行う。このハード乱数取得処理では、対象となる始動口スイッチ(ここでは始動口3スイッチ97a)に入力があった場合にラッチレジスタに抽出された大当り乱数をロードして準備し、対象となる始動口への入賞があったことを示す情報の設定を行う。その後、特図2の始動口である第3始動口への入賞があるか否かを判定する(ステップA118)。
ステップA118にて、第3始動口への入賞がないと判定した場合(ステップA118;N)は、始動口スイッチ監視処理を終了する。
一方、ステップA118にて、第3始動口への入賞があると判定した場合(ステップA118;Y)には、特図時短中(普電サポート中)であるか否かを判定する(ステップA119)。
ステップA119にて、特図時短中でないと判定した場合(ステップA119;N)には、ステップA122の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
一方、ステップA119にて、特図時短中であると判定した場合(ステップA119;Y)には、右打ち指示報知コマンドを準備して(ステップA120)、演出コマンド設定処理(ステップA121)を行う。すなわち、時短状態であれば、特図変動表示ゲームの確率状態にかかわらず、右打ち指示報知コマンドを準備して(ステップA120)、演出コマンド設定処理(ステップA121)を行う。本実施形態の遊技機10の場合、第3始動口(第2始動入賞口97)へは左打ちでないと入賞せず、普通変動入賞装置37へは右打ちでないと入賞しない。したがって、時短状態は、左打ちよりも右打ちの方が有利な遊技状態となるが、時短状態中に第3始動口に入賞があった場合(すなわち、時短状態中に左打ちされた場合)には、右打ち指示報知コマンドを演出制御装置300に送信して、右打ちするよう指示する報知(警告)を演出制御装置300によって行うよう構成されている。
次いで、第3始動口(第2始動入賞口97)による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA122)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA123)を行って、始動口スイッチ監視処理を終了する。
〔ハード乱数取得処理〕
次に、上述の始動口スイッチ監視処理におけるハード乱数取得処理(ステップA102,A110,A117)の詳細について説明する。図14に示すように、ハード乱数取得処理では、まず、第1始動口(第1始動入賞口36)、第2始動口(普通変動入賞装置37)、及び第3始動口(第2始動入賞口97)のうち、監視対象の始動口の入賞なし情報を設定して(ステップA131)、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、及び始動口3スイッチ97aのうち、監視対象の始動口スイッチに入力があるか否かを判定する(ステップA132)。
そして、監視対象の始動口スイッチに入力がない場合(ステップA132;N)は、ハード乱数取得処理を終了する。
一方、監視対象の始動口スイッチに入力がある場合(ステップA132;Y)は、乱数ラッチレジスタステータスを読み込み(ステップA133)、対象の乱数ラッチレジスタにラッチデータがあるかを判定する(ステップA134)。
対象の乱数ラッチレジスタにラッチデータがない場合(ステップA134;N)、すなわち乱数が抽出されていない場合は、ハード乱数取得処理を終了する。
また、対象の乱数ラッチレジスタにラッチデータがある場合(ステップA134;Y)は、監視対象のハード乱数ラッチレジスタに抽出された大当り乱数をロードし、準備する(ステップA135)。そして、第1始動口(第1始動入賞口36)、第2始動口(普通変動入賞装置37)、及び第3始動口(第2始動入賞口97)のうち、監視対象の始動口の入賞あり情報を設定して(ステップA136)、ハード乱数取得処理を終了する。
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、上述の始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(ステップA108,A115,A123)の詳細について説明する。特図始動口スイッチ共通処理は、始動口1スイッチ36aや始動口2スイッチ37aや始動口3スイッチ97aの入力があった場合に、各々の入力について共通して行われる処理である。
図15に示すように、特図始動口スイッチ共通処理では、先ず、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、及び始動口3スイッチ97aのうち、監視対象の始動口スイッチへの入賞の回数に関する情報を遊技機10の外部の管理装置に対して出力する回数である始動口信号出力回数をロードし(ステップA141)、ロードした値を+1更新して(ステップA142)、出力回数がオーバーフローするかを判定する(ステップA143)。
出力回数がオーバーフローしない場合(ステップA143;N)は、更新後の値をRWMの始動口信号出力回数領域にセーブして(ステップA144)、ステップA145の処理に移行する。
一方、出力回数がオーバーフローする場合(ステップA143;Y)は、ステップA145の処理に移行する。本実施形態では、始動口信号出力回数領域に「0」から「255」までの値を記憶することができる。そして、ロードした値が「255」である場合には+1更新によって更新後の値は「0」になり、出力回数がオーバーフローすると判定して、セーブしないよう構成されている。
次に、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、及び始動口3スイッチ97aのうち、監視対象の始動口スイッチに対応する更新対象の特図保留(始動記憶)数が上限値未満かを判定する(ステップA145)。
更新対象の特図保留数が上限値未満でない場合(ステップA145;N)は、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
また、更新対象の特図保留数が上限値未満である場合(ステップA145;Y)は、更新対象の特図保留数(特図1保留数又は特図2保留数)を+1更新して(ステップA146)、監視対象の始動口スイッチ及び特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備し(ステップA147)、演出コマンド設定処理(ステップA148)を行って、対象の始動口入賞フラグをセーブする(ステップA149)。続けて、監視対象の始動口スイッチ及び特図保留数に対応する乱数格納領域のアドレスを算出して(ステップA150)、ステップA102,A110,A117のハード乱数取得処理にて準備した大当り乱数をRWMの大当り乱数格納領域にセーブする(ステップA151)。次に、監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数を抽出し、準備して(ステップA152)、RWMの大当り図柄乱数格納領域にセーブする(ステップA153)。この大当り図柄乱数は、特図保留情報判定処理(ステップA157)で使用する。
次いで、変動パターン乱数(本実施形態の場合、変動パターン乱数1から2)を対応するRWMの変動パターン乱数格納領域にセーブする(ステップA154)。
次いで、特図1保留数と特図2保留数の合計に対応する変動順序フラグ格納領域のアドレス(保留1から8までの何れかの場所)を算出し(ステップA155)、算出した領域に対象(特図1または特図2)の変動順序フラグをセーブし(ステップA156)、特図保留情報判定処理(ステップA157)を行って、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
ここで、遊技制御装置100(RAM111C)は、第1始動入賞口36、第2始動入賞口97、普通変動入賞装置37の始動入賞領域への遊技球の流入に基づき、所定の乱数を抽出し変動表示ゲームの実行権利となる始動記憶として所定数を上限に記憶する始動記憶手段をなす。また、始動記憶手段(遊技制御装置100)は、特図1の始動口である第1始動入賞口36への遊技球の入賞に基づき抽出した各種の乱数値を、所定数を上限に第1始動記憶として記憶し、特図2の始動口である第2始動入賞口97や普通変動入賞装置37への遊技球の入賞に基づき抽出した各種の乱数値を、所定数を上限に第2始動記憶として記憶する。
〔特図保留情報判定処理〕
次に、上述の特図始動口スイッチ共通処理における特図保留情報判定処理(ステップA157)の詳細について説明する。特図保留情報判定処理は、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理である。
図16に示すように、まず、低確率判定フラグを準備して(ステップA161)、大当り乱数値が大当り判定値(大当り低確率判定値)と一致するか否かにより大当りであるか判定する先読み大当り判定処理(ステップA162)を行い、判定結果として大当りが設定されたか判定する(ステップA163)。
ステップA163で、判定結果として大当りが設定されたと判定した場合(ステップA163;Y)は、対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄乱数チェックテーブルを設定し(ステップA164)、ステップA152にて準備した大当り図柄乱数に対応する停止図柄情報を取得して(ステップA165)、ステップA167の処理に移行する。
一方、ステップA163で、判定結果として大当りが設定されていないと判定した場合(ステップA163;N)、すなわち判定結果としてはずれが設定された場合は、はずれの停止図柄情報を設定して(ステップA166)、ステップA167の処理に移行する。
ステップA167では、ステップA165にて取得した停止図柄情報またはステップA166にて設定した停止図柄情報を図柄情報領域にセーブする(ステップA167)。
次いで、対象の始動口スイッチ及び停止図柄情報に対応する先読み停止図柄コマンド(低確率)を準備し(ステップA168)、演出コマンド設定処理(ステップA169)を行う。
次いで、高確率判定フラグを準備して(ステップA170)、大当り乱数値が大当り判定値(大当り高確率判定値)と一致するか否かにより大当りであるか判定する先読み大当り判定処理(ステップA171)を行い、判定結果として大当りが設定されたか判定する(ステップA172)。
ステップA172で、判定結果として大当りが設定されたと判定した場合(ステップA172;Y)には、対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄乱数チェックテーブルを設定し(ステップA173)、ステップA152にて準備した大当り図柄乱数に対応する停止図柄情報を取得して(ステップA174)、ステップA176の処理に移行する。
一方、ステップA172で、判定結果として大当りが設定されていないと判定した場合(ステップA172;N)、すなわち判定結果としてはずれが設定された場合には、はずれの停止図柄情報を設定して(ステップA175)、ステップA176の処理に移行する。
ステップA176では、特図の高確率中であるか判定する(ステップA176)。
ステップA176で、特図の高確率中でないと判定した場合(ステップA176;N)には、ステップA178の処理に移行する。
一方、ステップA176で、特図の高確率中であると判定した場合(ステップA176;Y)には、ステップA167にて停止図柄情報をセーブした図柄情報領域に、ステップA174にて取得した停止図柄情報またはステップA175にて設定した停止図柄情報を上書きしてセーブし(ステップA177)、ステップA178の処理に移行する。なお、図柄情報領域にセーブされる停止図柄情報は、変動パターンの先読み等で使用される。
ステップA178では、対象の始動口スイッチ及び停止図柄情報に対応する先読み停止図柄コマンド(高確率)を準備して(ステップA178)、演出コマンド設定処理(ステップA179)を行う。このように、本実施形態では、特図保留情報判定処理を実行する度に、大当り低確率判定値で判定した結果と、大当り高確率判定値で判定した結果とが、演出制御装置300が送信される。
次に、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA180)を行い、特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理を行う(ステップA181)。
その後、特図変動表示ゲームの変動態様における変動パターンを示す変動パターン番号に対応する先読み変動パターンコマンドを準備して(ステップA182)、演出コマンド設定処理を行い(ステップA183)、特図保留情報判定処理を終了する。なお、ステップA180における特図情報設定処理、ステップA181における変動パターン設定処理は、特図普段処理で特図変動表示ゲームの開始時に実行される処理と同様である。
以上の処理により、先読み対象の始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果を含む先読み停止図柄コマンドと、当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームでの変動パターンの情報を含む先読み変動パターンコマンドが準備され、演出制御装置300に送信される。これにより、始動記憶に対応した結果関連情報(大当りか否かや変動パターンの種類)の判定結果(先読み結果)を、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に演出制御装置300に対して知らせることができ、特に表示装置41に表示される飾り特図始動記憶表示を変化させるなどして、その特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に遊技者に結果関連情報を報知することが可能となる。
すなわち、遊技制御装置100が、始動記憶手段(遊技制御装置100)に始動記憶として記憶される乱数を、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行前に判定する(例えば、特別結果となるか否か等を判定)事前判定手段をなす。なお、始動記憶に対応して記憶された乱数値を事前に判定する時期は、当該始動記憶が発生した始動入賞時だけではなく、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームが行われる前であればいつでもよい。
〔特図普段処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図普段処理(ステップA8)の詳細について説明する。図17に示すように、特図普段処理では、先ず、特図1保留数及び特図2保留数は共に「0」であるか判定する(ステップA301)。
ステップA301で、特図1保留数及び特図2保留数は共に「0」でないと判定した場合(ステップA301;N)には、変動順序フラグ格納領域(保留数合計1用)からフラグをロードして(ステップA302)、今回の変動が特図1の変動であるか判定する(ステップA303)。
ステップA303で、今回の変動が特図1の変動であると判定した場合(ステップA303;Y)には、特図1保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備し(ステップA304)、演出コマンド設定処理(ステップA305)を行い、特図1変動開始処理(ステップA306)を行って、特図普段処理を終了する。なお、この時点では、特図1保留数は−1更新されていないが、ステップA304では、−1更新された値に対応するコマンド(飾り特図保留数コマンド)を準備する。
一方、ステップA303で、今回の変動が特図1の変動でないと判定した場合(ステップA303;N)、すなわち今回の変動が特図2の変動である場合には、特図2保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備し(ステップA307)、演出コマンド設定処理(ステップA308)を行い、特図2変動開始処理(ステップA309)を行って、特図普段処理を終了する。なお、この時点では、特図2保留数は−1更新されていないが、ステップA307では、−1更新された値に対応するコマンド(飾り特図保留数コマンド)を準備する。
また、ステップA301で、特図1保留数及び特図2保留数は共に「0」であると判定した場合(ステップA301;Y)には、客待ちデモが開始済みであるかを判定し(ステップA310)、既に客待ちデモが開始済みである場合(ステップA310;Y)は、ステップA315に移行する。
また、客待ちデモが開始済みでない場合(ステップA310;N)は、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグをセットする(ステップA311)。
続けて、客待ちデモコマンドを準備して(ステップA312)、演出コマンド設定処理(ステップA313)を行う。その後、客待ち状態の開始からの一定時間の経過を監視するための客待ちデモ経過タイマ領域に初期値(例えば5分に相当する値)をセーブし(ステップA314)、ステップA315に移行する。
そして、客待ちデモ経過タイマが0でなければ−1更新し(ステップA315)、処理番号として特図普段処理にかかる「0」を設定し(ステップA316)、その処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブして(ステップA317)、変動図柄判別フラグ領域をクリアする(ステップA318)。そして、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(ステップA319)、特図普段処理を終了する。
〔特図1変動開始処理〕
次に、上述の特図普段処理における特図1変動開始処理(ステップA306)の詳細について説明する。特図1変動開始処理は、第1特図変動表示ゲームの開始時に行う処理である。図18(a)に示すように、まず、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特図1)を示す特図1変動フラグを変動図柄判別フラグ領域にセーブし(ステップA321)、第1特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判別するための大当りフラグ1にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ1設定処理(ステップA322)を行う。
次に、特図1停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図1停止図柄設定処理(ステップA323)を行った後、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA324)を行い、第1特図変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定されたテーブルである特図1変動パターン設定情報テーブルを準備する(ステップA325)。その後、第1特図変動表示ゲームにおける変動態様である変動パターンを設定する変動パターン設定処理(ステップA326)を行い、第1特図変動表示ゲームの変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA327)を行う。
次いで、処理番号として特図変動中処理にかかる「1」を設定し(ステップA328)、その処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA329)。
次いで、客待ちデモフラグ領域をクリアし(ステップA330)、特図1の変動開始に関する信号(例えば、特別図柄1変動中信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA331)。その後、特図1変動制御フラグ領域に変動中フラグをセーブし(ステップA332)、特図1点滅制御タイマ領域に点滅制御タイマ(特図1表示器51aの点滅の周期のタイマ)の初期値(例えば、100m秒)をセーブし(ステップA333)、特図1変動図柄番号領域に初期値(例えば、0)をセーブして(ステップA334)、特図1変動開始処理を終了する。
〔特図2変動開始処理〕
次に、上述の特図普段処理における特図2変動開始処理(ステップA309)の詳細について説明する。特図2変動開始処理は、第2特図変動表示ゲームの開始時に行う処理であって、図18(a)に示した特図1変動開始処理での処理と同様の処理を、第2始動記憶を対象として行うものである。
図18(b)に示すように、まず、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特図2)を示す特図2変動フラグを変動図柄判別フラグ領域にセーブし(ステップA341)、第2特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判別するための大当りフラグ2にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ2設定処理(ステップA342)を行う。
次に、特図2停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図2停止図柄設定処理(ステップA343)を行った後、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA344)を行い、第2特図変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定されたテーブルである特図2変動パターン設定情報テーブルを準備する(ステップA345)。その後、第2特図変動表示ゲームにおける変動態様である変動パターンを設定する変動パターン設定処理(ステップA346)を行い、第2特図変動表示ゲームの変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA347)を行う。
次いで、処理番号として特図変動中処理にかかる「1」を設定し(ステップA348)、その処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA349)。
次いで、客待ちデモフラグ領域をクリアし(ステップA350)、特図2の変動開始に関する信号(例えば、特別図柄2変動中信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA351)。その後、特図2変動制御フラグ領域に変動中フラグをセーブし(ステップA352)、特図2点滅制御タイマ領域に点滅制御タイマ(特図2表示器51bの点滅の周期のタイマ)の初期値(例えば、100m秒)をセーブし(ステップA353)、特図2変動図柄番号領域に初期値(例えば、0)をセーブして(ステップA354)、特図2変動開始処理を終了する。
〔特図変動中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図変動中処理(ステップA9)の詳細について説明する。
図19に示すように、特図変動中処理では、まず、変動図柄判別フラグに対応する図柄停止コマンドを準備して(ステップA501)、演出コマンド設定処理(ステップA502)を行う。
次いで、停止図柄パターン番号に対応する表示時間を設定して(ステップA503)、設定した表示時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA504)。本実施形態の場合、停止図柄パターンがはずれ図柄パターンである場合には表示時間として800m秒を設定し、停止図柄パターンが大当り図柄パターンである場合には表示時間として2000m秒を設定する。
なお、お座り一発演出が行われる場合には表示時間を短い時間(例えば500ms)としても良い。
次いで、処理番号として特図表示中処理にかかる「2」を設定し(ステップA505)、その処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA506)。
次いで、特図1の変動終了に関する信号(例えば、特別図柄1変動中信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA507)、特図2の変動終了に関する信号(例えば、特別図柄2変動中信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブして(ステップA508)、外部情報端子に出力用の特図変動表示ゲームの実行回数に係る図柄確定回数信号制御タイマ領域に制御タイマ初期値(例えば、256m秒)をセーブする(ステップA509)。その後、特図1表示器51aにおける特図1変動表示ゲームの制御用の情報として、特図1表示器51aでの変動停止に係る停止フラグを特図1変動制御フラグ領域にセーブし(ステップA510)、特図2表示器51bにおける特図2変動表示ゲームの制御用の情報として、特図2表示器51bでの変動停止に係る停止フラグを特図2変動制御フラグ領域にセーブして(ステップA511)、特図変動中処理を終了する。
〔特図表示中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図表示中処理(ステップA10)の詳細について説明する。図20に示すように、特図表示中処理では、まず、特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理にて設定された大当りフラグ1と、特図2変動開始処理における大当りフラグ2設定処理にて設定された大当りフラグ2と、をロードして(ステップA601)、RWMの大当りフラグ1領域及び大当りフラグ2領域をクリアする処理(ステップA602)を行う。そして、ロードされた大当りフラグ2が大当りかを判定して(ステップA603)、大当りである(ステップA603;Y)と判定すると、第2特図変動表示ゲームの大当り(特図2大当り)の開始に関する試験信号(例えば、条件装置作動中信号をON、役物連続作動装置作動中信号をON、特別図柄2当り信号をON)をRWMの試験信号出力データ領域にセーブして(ステップA606)、ラウンド数上限値テーブルを設定する(ステップA607)。
一方、ステップA603にて、大当りフラグ2のチェックの結果、大当りでない(ステップA603;N)と判定すると、ロードされた大当りフラグ1が大当りかを判定して(ステップA604)、大当りである(ステップA604;Y)と判定すると、第1特図変動表示ゲームの大当り(特図1大当り)の開始に関する試験信号(例えば、条件装置作動中信号をON、役物連続作動装置作動中信号をON、特別図柄1当り信号をON)をRWMの試験信号出力データ領域にセーブして(ステップA605)、ラウンド数上限値テーブルを設定する(ステップA607)。
ラウンド数上限値テーブルを設定する処理(ステップA607)を行った後、ラウンド数上限値情報に対応するラウンド数上限値(本実施形態の場合、16Rまたは6R)を取得し、RWMのラウンド数上限値領域にセーブする(ステップA608)。続けて、ラウンド数上限値情報に対応するラウンドLEDポインタを取得し、RWMのラウンドLEDポインタ領域にセーブする(ステップA609)。
次に、停止図柄パターンに対応した飾り特図コマンドをRWMの飾り特図コマンド領域からロードし、準備して(ステップA610)、演出コマンド設定処理(ステップA613)を行う。その後、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報に係る確率情報コマンドを準備して(ステップA612)、演出コマンド設定処理(ステップA613)を行う。続けて、特図情報設定処理にて設定されるお座り一発演出実行フラグの有無に対応してファンファーレコマンドを準備して(ステップA614)、演出コマンド設定処理(ステップA615)を行う。
その後、お座り一発演出実行フラグの有無に対応してファンファーレ時間を設定し(ステップA616)、お座り一発演出実行フラグをクリアする(ステップA617)。ファンファーレ時間としては、お座り一発演出実行フラグがない場合は10000msを設定し、お座り一発演出実行フラグがある場合は100msを設定する。
そして、ファンファーレ時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA618)、大入賞口開放情報に対応する大入賞口(特別変動入賞装置38)の大入賞口不正入賞数領域をクリアして(ステップA619)、大入賞口開放情報に対応する大入賞口の大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブする(ステップA620)。その後、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1(ステップA621)を行い、特図表示中処理を終了する。
一方、ステップA604にて、大当りフラグ1が大当りでない場合(ステップA604;N)は、高確率状態で実行可能な特図変動表示ゲームの回数を管理する処理である高確率変動回数更新処理を行い(ステップA622)、処理番号として特図普段処理にかかる「0」を設定して(ステップA623)、その処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA624)。
次いで、変動図柄判別フラグ領域をクリアし(ステップA625)、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(ステップA626)、特図表示中処理を終了する。
〔普図ゲーム処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における普図ゲーム処理(ステップS110)の詳細について説明する。普図ゲーム処理では、ゲートスイッチ34aの入力の監視と、普図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、普図の表示の設定等を行う。
図21に示すように、普図ゲーム処理では、まず、ゲートスイッチ34aからの入力を監視するゲートスイッチ監視処理(ステップB1)を行い、始動口2スイッチ37aからの入力を監視する普電入賞スイッチ監視処理(ステップB2)を行う。次に、普図ゲーム処理タイマが「0」でなければ−1更新する(ステップB3)。なお、普図ゲーム処理タイマの最小値は「0」に設定されている。そして、普図ゲーム処理タイマの値が「0」であるかを判定する(ステップB4)。
普図ゲーム処理タイマの値が「0」である(ステップB4;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていたと判定すると、普図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する普図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する処理(ステップB5)を行って、当該テーブルを用いて普図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する処理(ステップB6)を行う。そして、普図ゲーム処理番号に応じてサブルーチンコールを行う(ステップB7)。
ステップB7にて、普図ゲーム処理番号が「0」の場合は、普図変動表示ゲームの変動開始を監視し、普図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、普図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図普段処理(ステップB8)を行う。
また、ステップB7にて、普図ゲーム処理番号が「1」の場合は、普図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図変動中処理(ステップB9)を行う。
また、ステップB7にて、普図ゲーム処理番号が「2」の場合は、普図変動表示ゲームの結果が当りであれば、時短状態中であるか否かに応じた普電開放時間の設定や、普図当り中処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図表示中処理(ステップB10)を行う。
また、ステップB7にて、普図ゲーム処理番号が「3」の場合は、普図当り中処理の継続、或いは普電残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図当り中処理(ステップB11)を行う。
また、ステップB7にて、普図ゲーム処理番号が「4」の場合は、普図当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う普電残存球処理(ステップB12)を行う。
また、ステップB7にて、普図ゲーム処理番号が「5」の場合は、普図普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図当り終了処理(ステップB13)を行う。
その後、普図表示器52による普通図柄の変動を制御するための普図変動制御テーブルを準備した後(ステップB14)、普図表示器52による普通図柄の変動の制御に係る図柄変動制御処理(ステップB15)を行って、普図ゲーム処理を終了する。
一方、ステップB4にて、普図ゲーム処理タイマの値が「0」でない(ステップB4;N)、すなわちタイムアップしていないと判定すると、ステップB14の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
〔普図普段処理〕
次に、上述の普図ゲーム処理における普図普段処理(ステップB8)の詳細について説明する。図22に示すように、普図普段処理では、まず、普図保留数が「0」であるかを判定し(ステップB301)、普図保留数が「0」である場合(ステップB301;Y)は、処理番号として普図普段処理にかかる「0」を設定し(ステップB322)、その処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブし(ステップB323)、普電不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(ステップB324)、普図普段処理を終了する。
一方、普図保留数が「0」でない場合(ステップB301;N)は、RWMの当り乱数格納領域(保留数1用)、当り図柄乱数格納領域(保留数1用)から乱数をロードし、ロードした領域(すなわち、当り乱数格納領域(保留数1用)、当り図柄乱数格納領域(保留数1用))を0クリアして(ステップB302)、普図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が通常確率(すなわち、普図低確率)よりも高くされた普図高確率中であるか、すなわち時短状態中であるかを判定する(ステップB303)。
普図高確率中でない場合(ステップB303;N)は、普図低確率時の下限判定値(低確率下限判定値)を設定し(ステップB304)、普図高確率中である場合(ステップB303;Y)は、普図高確率時の下限判定値(高確率下限判定値)を設定する(ステップB305)。
その後、当り乱数の値が上限判定値以上であるかを判定し(ステップB306)、当り乱数の値が上限判定値以上でない場合(ステップB306;N)、当り乱数の値がステップB304又はB305にて設定した下限判定値未満であるかを判定する(ステップB307)。
当り乱数の値が上限判定値以上である場合(ステップB306;Y)や、当り乱数の値がステップB304又はB305にて設定した下限判定値未満である場合(ステップB307;Y)は、当りフラグ領域にはずれ情報をセーブし(ステップB308)、はずれ停止図柄番号を設定し(ステップB309)、はずれ図柄情報を普図停止図柄情報領域にセーブして(ステップB310)、停止図柄番号を普図停止図柄領域にセーブする(ステップB314)。
一方、当り乱数の値がステップB304又はB305にて設定した下限判定値未満でない場合(ステップB307;N)は、当りフラグ領域に当り情報をセーブし(ステップB311)、ステップB302にてロードした当り図柄乱数に対応する当り停止図柄番号を設定し(ステップB312)、停止図柄番号に対応する停止図柄情報を普図停止図柄情報領域にセーブして(ステップB313)、停止図柄番号を普図停止図柄領域にセーブする(ステップB314)。本実施形態では、普図の当り図柄として2種類の図柄(「当り図柄1」及び「当り図柄2」)が用意されている。
本実施形態の場合、普図低確率時における当りの確率は0/251、普図高確率時における当りの確率は250/251であり、上限判定値は「251」、低確率下限判定値は「251」、高確率下限判定値は「1」である。
したがって、普図低確率時は、当り乱数の値が「0」〜「250」全ての場合ではずれとなる。
また、普図高確率時は、当り乱数の値が「1」〜「250」の何れかである場合が当り、当り乱数の値が「0」である場合がはずれとなる。
停止図柄番号を普図停止図柄領域にセーブ(ステップB314)した後、停止図柄番号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップB315)。
その後、当り乱数格納領域をシフトし(ステップB316)、シフト後の空き領域を0クリアして(ステップB317)、普図保留数を−1更新する(ステップB318)。すなわち、最も古い普図保留数1に関する普図変動表示ゲームが実行されることに伴い、普図保留数1以降に保留となっている普図保留数2〜4の順位を1つずつ繰り上げる処理を行う。この処理により、普図当り乱数格納領域の普図保留数2用から普図保留数4用の値が、普図当り乱数格納領域の普図保留数1用から普図保留数3用に移動することとなる。そして、普図当り乱数格納領域の普図保留数4用の値がクリアされて、普図保留数が1デクリメントされる。
次いで、変動パターン乱数3を抽出して(ステップB319)、変動パターン乱数3に対応する変動時間を設定し、普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップB320)。本実施形態の場合、変動パターン乱数3に対応する変動時間として、200/256の確率で「500m秒」が設定され、40/256の確率で「1500m秒」が設定され、16/256の確率で「3000m秒」が設定される。
そして、普図変動中処理移行設定処理(ステップB321)を行って、普図普段処理を終了する。
〔普図変動中処理〕
次に、上述の普図ゲーム処理における普図変動中処理(ステップB9)の詳細について説明する。図23に示すように、普図変動中処理では、まず、処理番号として普図表示中処理にかかる「2」に設定し(ステップB401)、その処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップB402)。その後、普図表示器52における普図変動表示ゲームの結果の表示時間である普図表示時間(例えば、600m秒)を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップB403)、普図の変動終了に関する信号(例えば、普通図柄1変動中信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップB404)、普図変動表示ゲームが停止中であることを示す停止フラグを普図変動制御フラグ領域にセーブして(ステップB405)、普図変動中処理を終了する。
〔普図表示中処理〕
次に、上述の普図ゲーム処理における普図表示中処理(ステップB10)の詳細について説明する。図24に示すように、普図表示中処理では、まず、普図普段処理にて設定された当りフラグ(当り情報又ははずれ情報)をロードし(ステップB501)、RWMの当りフラグ領域をクリアして(ステップB502)、ロードされた当りフラグが当り情報かを判定する(ステップB503)
当りフラグが当り情報でない場合(ステップB503;N)は、処理番号として普図普段処理にかかる「0」を設定し(ステップB515)、その処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブし(ステップB516)、普電不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(ステップB517)、普図表示中処理を終了する。
一方、当りフラグが当り情報である場合(ステップB503;Y)は、当り中処理設定テーブルを設定して(ステップB504)、普図停止図柄情報に対応する当り開始ポインタの値(例えば、「0」,「5」の何れか)を取得し、普図当り中制御ポインタ領域にセーブして(ステップB505)、普図停止図柄情報に対応する当り終了ポインタの値(例えば、「4」,「7」の何れか)を取得し、普図当り終了ポインタ領域にセーブする(ステップB506)。次いで、普図停止図柄情報に対応する普電開放時間(例えば、1700m秒または2600m秒)を取得し、普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップB507)。
次いで、処理番号として普図当り中処理にかかる「3」を設定し(ステップB508)、その処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップB509)。
次いで、普図変動表示ゲームの当り開始に関する信号(例えば、普通図柄1当り中信号をON)と、普電作動開始に関する信号(例えば、普通電動役物1作動中信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブして(ステップB510)、普電ソレノイドを駆動(オン)する信号を出力するため、普電ソレノイド出力データ領域にオンデータをセーブする(ステップB511)。
次いで、普通変動入賞装置37への入賞数を記憶する普電カウント数領域の情報をクリアして(ステップB512)、普電不正監視期間における普通変動入賞装置37への入賞数を記憶する普電不正入賞数領域の情報をクリアする(ステップB513)。
次いで、普通変動入賞装置37の不正監視期間外を規定するフラグ(不正監視期間外フラグ)を普電不正監視期間フラグ領域にセーブして(ステップB514)、普図表示中処理を終了する。
〔普図当り中処理〕
次に、上述の普図ゲーム処理における普図当り中処理(ステップB11)の詳細について説明する。図25に示すように、普図当り中処理では、まず、普図当り中制御ポインタをロードし、準備して(ステップB601)、ロードした普図当り中制御ポインタの値が上限値以上であるかを判定する(ステップB602)。
そして、普図当り中制御ポインタの値が上限値以上でない場合(ステップB602;N)は、普図当り中制御ポインタを+1更新し(ステップB603)、普電作動移行設定処理(ステップB604)を行って、普図当り中処理を終了する。
また、普図当り中制御ポインタの値が上限値以上である場合(ステップB602;Y)は、ステップB603における普図当り中制御ポインタを+1更新する処理を行わずに、普電作動移行設定処理(ステップB604)を行って、普図当り中処理を終了する。
〔外部情報編集処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における外部情報編集処理(ステップS114)の詳細について説明する。外部情報編集処理では、払出コマンド送信処理(ステップS105)、入賞口スイッチ/状態監視処理(ステップS108)、磁石不正監視処理(ステップS112)、盤電波不正監視処理(ステップS113)での監視結果に基づいて、情報収集端末や遊技場内部管理装置等の外部装置や試射試験装置に出力する情報を作成して出力バッファにセットする処理等を行う。
図26及び図27に示すように、外部情報編集処理では、まず、スイッチ異常の発生中であるかを判定する(ステップS801)。
ステップS801で、スイッチ異常の発生中でないと判定した場合(ステップS801;N)には、遊技機エラー状態信号のオフデータを試験信号出力データ領域にセーブして(ステップS802)、ステップS804の処理に移行する。
一方、ステップS801で、スイッチ異常の発生中であると判定した場合(ステップS801;Y)には、遊技機エラー状態信号のオンデータを試験信号出力データ領域にセーブして(ステップS803)、ステップS804の処理に移行する。
次いで、ガラス枠開放エラーの発生中でもなく(ステップS804;N)、本体枠開放エラーの発生中でもない場合(ステップS805;N)には、扉・枠開放信号のオフデータを外部情報出力データ領域にセーブし(ステップS806)、セキュリティ信号のオフデータを外部情報出力データ領域にセーブして(ステップS807)、ステップS810の処理に移行する。
一方、ガラス枠開放エラーの発生中である場合(ステップS804;Y)、あるいは、本体枠開放エラーの発生中である場合(ステップS805;Y)には、扉・枠開放信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブし(ステップS808)、遊技機エラー状態信号のオンデータを試験信号出力データ領域にセーブして(ステップS809)、ステップS810の処理に移行する。
そして、初期化スイッチの操作等によりRAMに記憶されたデータの初期化が行われた時から所定時間(例えば、256m秒)を計時するセキュリティ信号制御タイマが「0」でなければ−1更新する(ステップS810)。なお、セキュリティ信号制御タイマの初期値は、メイン処理においてRAMクリアで起動したときのRAM初期値設定時に設定され、セキュリティ信号制御タイマの最小値は「0」に設定されている。そして、セキュリティ信号制御タイマの値が「0」であるかを判定する(ステップS811)。
セキュリティ信号制御タイマの値が「0」でない場合(ステップS811;N)、すなわちタイムアップしていない場合は、セキュリティ信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブして(ステップS812)、ステップS813の処理に移行する。また、セキュリティ信号制御タイマの値が「0」である場合(ステップS811;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合は、ステップS812の処理を行わずに、ステップS813の処理に移行する。
そして、磁石不正の発生中である場合(ステップS813;Y)、盤電波不正の発生中である場合(ステップS814;Y)、大入賞口不正の発生中である場合(ステップS815;Y)、普電不正の発生中である場合(ステップS816;Y)、あるいは、始動口エラーの発生中である場合(ステップS817;Y)は、遊技機エラー状態信号のオンデータを試験信号出力データ領域にセーブし(ステップS819)、セキュリティ信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブして(ステップS820)、ステップS821の処理に移行する。また、枠電波不正の発生中である場合(ステップS818;Y)は、ステップS819の処理を行わずに、セキュリティ信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブして(ステップS820)、ステップS821の処理に移行する。
一方、磁石不正の発生中でもなく(ステップS813;N)、盤電波不正の発生中でもなく(ステップS814;N)、大入賞口不正の発生中でもなく(ステップS815;N)、普電不正の発生中でもなく(ステップS816;N)、始動口エラーの発生中でもなく(ステップS817;N)、枠電波不正の発生中でもない場合(ステップS818;N)は、ステップS819及びステップS820の処理を行わずに、ステップS821の処理に移行する。
そして、払出予定の賞球数に関する情報を設定するメイン賞球信号編集処理(ステップS821)を行い、始動口の入賞信号を編集する始動口信号編集処理(ステップS822)を行う。
次に、特図変動表示ゲームの実行回数に係る情報の出力時間を制御するための図柄確定回数制御タイマが「0」でなければ−1更新する(ステップS823)。なお、図柄確定回数制御タイマの最小値は「0」に設定されている。そして、図柄確定回数制御タイマの値が「0」であるかを判定する(ステップS824)。
図柄確定回数制御タイマの値が「0」である場合(ステップS824;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合は、図柄確定回数信号のオフデータを外部情報出力データ領域にセーブして(ステップS825)、外部情報編集処理を終了する。
また、図柄確定回数制御タイマの値が「0」でない場合(ステップS824;N)、すなわちタイムアップしていない場合は、図柄確定回数信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブして(ステップS826)、外部情報編集処理を終了する。
次に演出制御装置300での制御について説明する。演出制御装置300の主制御用マイコン(CPU)311では、図28に示すメイン処理と、図示しないタイマ割込み処理を行う。
〔メイン処理〕
図28に示すようにメイン処理では、はじめにプログラム開始時の処理を行う。このプログラム開始時の処理では、まず、割込みを禁止し(ステップC1)、CPUの初期設定を行う(ステップC2)。次に、VDP312の初期設定を行って(ステップC3)、割込みを許可する(ステップC4)。次いで、表示用データの生成を許可して(ステップC5)、乱数シードを設定し(ステップC6)、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(ステップC7)。これにより、停電発生検出済みフラグ等がクリアされる。
ステップC1からC7のプログラム開始時の処理を行った後、メインループ処理としてループの処理を行う。このループ処理では、まず、WDT(watchdog timer)をクリアする(ステップC8)。次いで、演出ボタン25やタッチパネル29の操作に基づく入力信号(立ち上がりエッジ)から入力情報を作成する演出ボタン入力処理(ステップC9)を行う。演出ボタン25やタッチパネル29からの入力の読み込みはタイマ割込み処理内で行い、この演出ボタン入力処理では演出ボタン25やタッチパネル29からの入力があった時に、演出内容を変更する処理等を行う。
そして、LEDや液晶の輝度、音量などの変更可能範囲の設定や、遊技者によるLEDや液晶の輝度、音量の変更などの操作を受け付けるホール・遊技者設定モード処理を行う(ステップC10)。次に、飾り特図変動表示ゲームの変動態様の詳細を決定する乱数を更新する乱数更新処理(ステップC11)を行う。
次いで、遊技制御装置100からのコマンドを解析して対応を行う受信コマンドチェック処理(ステップC12)を行い、演出の進行を制御するための設定や描画コマンドの編集を行う演出表示編集処理(ステップC13)を行って、描画コマンドの準備終了を設定する(ステップC14)。これらの処理では、描画する内容に合わせ各種データの更新を行う等して、最終的に描画データをフレームバッファに設定するところまで行う。1/30秒(約33.3m秒)以内に描画する画面の描画データを準備できていれば問題なく画像更新できる。
そして、フレーム切替タイミングであるか否かを判定する(ステップC15)。本実施形態では、システム周期(1フレーム1/30秒)を作るため、Vブランク割込(1/60秒)が2回入るとフレーム切替タイミングであると判定する。なお、フレーム切替タイミングは適宜任意に変更可能であり、例えば、1/60秒で画像の更新(フレームの切り替え)を行ってもよいし、1/60秒よりも遅いタイミングで画像の更新(フレームの切り替え)を行ってもよい。ステップC15で、フレーム切替タイミングでないと判定した場合(ステップC15;N)には、ステップC15の処理を繰り返して行う。一方、ステップC15で、フレーム切替タイミングであると判定した場合(ステップC15;Y)には、画面描画を指示する(ステップC16)。
その後、スピーカ(上スピーカ19a、下スピーカ19b)からの音声の出力に関する制御を行うサウンド制御処理(ステップC17)、盤装飾装置46や枠装飾装置18、サブ情報表示装置90などのLEDの制御を行う装飾制御処理(ステップC18)、盤演出装置44のモータやソレノイドの制御を行う可動体制御処理(ステップC19)を行い、WDTをクリアする処理(ステップC8)に戻る。
〔受信コマンドチェック処理〕
図29には、上述のメイン処理における受信コマンドチェック処理を示した。この受信コマンドチェック処理では、まず、1フレーム(1/30秒間)の間に何個のコマンドを受信したかをカウントするコマンド受信カウンタの値をコマンド受信数としてロードし(ステップC201)、コマンド受信数が0でないか否かを判定する(ステップC202)。そして、コマンド受信数が0であると判定した場合(ステップC202;N)は、受信コマンドチェック処理を終了する。また、受信コマンド数が0でないと判定した場合(ステップC202;Y)には、コマンド受信カウンタ領域の内容をコマンド受信数分減算する(ステップC203)。
次いで、受信コマンドバッファの内容をコマンド領域にコピーして(ステップC204)、コマンド読出インデックスを0〜31の範囲で+1更新し(ステップC205)、コマンド受信数分のコマンドのコピーが完了したか否かを判定する(ステップC206)。このように、本実施形態では、受信コマンドバッファ内で直接コマンドの解析を行わず、受信コマンドバッファの内容をコマンド領域(解析用のRAM領域)にコピーし、コマンド領域でコマンドの解析作業を行うよう構成されている。これにより、コマンドの解析中に遊技制御装置100からコマンドが送信されてくる場合に備えて、コマンド(データ)を移動して空きを作っておくことができる。また、コマンドの解析をメイン処理一巡単位でまとめて行うことができる。
ステップC206で、コマンド受信数分のコマンドのコピーが完了していないと判定した場合(ステップC206;N)には、ステップC204の処理に戻る。また、コマンド受信数分のコマンドのコピーが完了したと判定した場合(ステップC206;Y)には、コマンド領域の内容をロードして(ステップC207)、受信コマンド解析処理(ステップC208)を行う。
次いで、コマンド領域のアドレスを更新し(ステップC209)、コマンド受信数分のコマンドの解析が完了したか否か判定する(ステップC210)。そして、コマンド受信数分のコマンドの解析が完了していないと判定した場合(ステップC210;N)には、ステップC207の処理に戻る。また、コマンド受信数分のコマンドの解析が完了したと判定した場合(ステップC210;Y)には、受信コマンドチェック処理を終了する。このように、受信コマンドチェック処理では、1フレーム(1/30秒間)の間に受信したコマンドをまとめて解析する。なお、本実施形態では、コマンドを32個分まで保存できる構成としている。
〔受信コマンド解析処理〕
図30には、上述の受信コマンドチェック処理における受信コマンド解析処理を示した。この受信コマンド解析処理では、まず、コマンド上位バイトをMODE、下位バイトをACT(ACTION)として分離し(ステップC231)、MODE及びACTは正常範囲であるか否かを判定する(ステップC232、ステップC233)。MODE及びACTは正常範囲であると判定した場合(ステップC232;Y、ステップC233;Y)には、MODEに対するACTは正しい組合せであるか否かを判定する(ステップC234)。
また、ステップC232、ステップC233で、MODE又はACTは正常範囲でないと判定した場合(ステップC232;N、ステップC233;N)、あるいは、ステップC234でMODEに対するACTは正しい組合せでないと判定した場合(ステップC234;N)には、受信コマンド解析処理を終了する。
ステップC234で、MODEに対するACTは正しい組合せであると判定した場合(ステップC234;Y)には、MODEは変動系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC235)。変動系コマンドは、特図の変動パターンを指令するコマンドである。そして、MODEは変動系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC235;Y)には、変動系コマンド処理(ステップC236)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC235で、MODEは変動系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC235;N)には、MODEは大当り系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC237)。大当り系コマンドは、大当り中演出に関する動作(ファンファーレ画面やラウンド画面の表示など)を指令するコマンドや、小当り中演出に関する動作(ファンファーレ画面や終了画面の表示など)を指令するコマンドである。そして、MODEは大当り系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC237;Y)には、大当り系コマンド処理(ステップC238)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC237で、MODEは大当り系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC237;N)には、MODEは図柄系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC239)。図柄系コマンドは、特図の図柄に関する情報(例えば、特図の停止図柄を何にするかなど)を指令するコマンドである。そして、MODEは図柄系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC239;Y)には、図柄系コマンド処理(ステップC240)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC239で、MODEは図柄系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC239;N)には、MODEは保留数コマンドやエラーコマンドなどの単発系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC241)。単発系コマンドは、図柄コマンドと変動系コマンドのように組合せで意味をなすコマンドと違い、単独で成立するコマンドである。この単発系コマンドには、客待ちデモコマンド、保留数コマンド、図柄停止コマンド、確率情報系コマンド、エラー/不正系コマンド、機種指定コマンドなどがある。そして、MODEは単発系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC241;Y)には、単発系コマンド処理(ステップC242)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC241で、MODEは単発系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC241;N)には、MODEは先読み図柄系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC243)。そして、MODEは先読み図柄系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC243;Y)には、先読み図柄系コマンド処理(ステップC244)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC243で、MODEは先読み図柄系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC243;N)には、MODEは先読み変動系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC245)。そして、MODEは先読み変動系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC245;Y)には、先読み変動系コマンド処理(ステップC246)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。また、ステップC245で、MODEは先読み変動系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC245;N)には、受信コマンド解析処理を終了する。
なお、先読み変動系コマンド及び先読み図柄系コマンドは、先読み演出を実行するために必要な情報を含むコマンドである。先読み演出(先読み予告、あるいは先読み予告演出ともいう)とは、特図変動表示ゲームが未実行の始動記憶(保留)に対応する特図変動表示ゲームがその後実行された時に大当りになるか否か(あるいはどんな変動パターンになるか)を、所定の信頼度で遊技者に事前報知すべく、表示装置41に表示する飾り特図始動記憶表示等を通常と異なる態様で行うことや、表示装置41に演出表示を行うなどの演出である。そして、先読み系コマンド(先読み変動系コマンド及び先読み図柄系コマンド)は、先読み演出の対象となる始動記憶に対応する変動パターンや停止図柄を事前に知らせるコマンドであり、始動入賞時に遊技制御装置100から演出制御装置300に送信される。なお、先読みでない通常の変動系コマンドや図柄系コマンドは、変動表示開始時に遊技制御装置100から演出制御装置300に送信される。
〔先読み図柄系コマンド処理〕
図31には、上述の受信コマンド解析処理における先読み図柄系コマンド処理(ステップC244)を示した。この先読み図柄系コマンド処理では、まず、最新の保留情報が特図1保留であるかを判定する(ステップC301)。最新の保留情報が特図1保留である場合(ステップC301;Y)、すなわち、受信した先読み図柄系コマンドが特図1保留に関するものである場合は、コマンドを特図1保留数に対応する特図1先読み図柄コマンド領域にセーブし(ステップC302)、先読み変動コマンド受信待ちフラグをセットして(ステップC304)、先読み図柄系コマンド処理を終了する。
また、最新の保留情報が特図1保留でない場合(ステップC301;N)、すなわち、受信した先読み図柄系コマンドが特図2保留に関するものである場合は、コマンドを特図2保留数に対応する特図2先読み図柄コマンド領域にセーブし(ステップC303)、先読み変動コマンド受信待ちフラグをセットして(ステップC304)、先読み図柄系コマンド処理を終了する。ステップC304で先読み変動コマンド受信待ちフラグをセットするのは、先読み図柄コマンドと先読み変動コマンド(先読み変動パターンコマンド)とがセット(ペア)のためである。
〔先読み変動系コマンド処理〕
図32には、上述の受信コマンド解析処理における先読み変動系コマンド処理(ステップC246)を示した。この先読み変動系コマンド処理では、まず、先読み変動コマンド受信待ち中であるかを判定する(ステップC311)。ここでは、上述の先読み図柄系コマンド処理で設定される先読み変動コマンド受信待ちフラグがある場合に受信待ち中と判定するようになっている。先読み変動コマンド受信待ち中でない場合(ステップC311;N)は、先読み変動系コマンド処理を終了する。一方、先読み変動コマンド受信待ち中である場合(ステップC311;Y)は、先読み変動コマンド受信待ちフラグをクリアする(ステップC312)。
その後、ステップC313〜C316の処理では、遊技制御装置100から受信した先読み変動コマンド(先読み変動パターンコマンド)を、演出制御装置300での処理に便利なように変換する処理を行う。まず、最新保留情報の図柄の保留数に対応する先読み変動MODE変換テーブルを設定する処理(ステップC313)を行って、今回受信した先読み変動系コマンドに対応する始動記憶の特図種別の情報と当該特図種別の現在の保留数とに応じて、MODEを変換するためのMODE変換テーブルを設定する。
次いで、設定したMODE変換テーブルを参照して、先読み変動コマンドのMODEに対応するサブ内先読み変動コマンドMODEを取得する(ステップC314)。さらに、先読み変動ACT変換テーブルを設定して(ステップC315)、先読み変動コマンドのACTに対応するサブ内先読み変換コマンドACTを取得する(ステップC316)。
MODEには前半変動の情報が含まれているが、このMODEに基づき設定される前半変動の内容や時間は判定時における保留数によって変化するので、事前判定時の判定と特図変動表示ゲーム開始時の判定とで判定結果が異なる場合がある。よって、判定時の保留数に影響されずに先読み予告演出の処理を容易かつ確実に行うことができるようにするために、現在の保留数に応じた変換態様でMODEを変換し、判定時の保留数によらずに共通して扱うことができるようにしている。例えば、リーチなしはずれ変動であって保留の状況によっては短い前半変動時間になる可能性があるものや、リーチなしはずれ変動であって保留の状況にかかわらず長い前半変動時間となるもののように、先読み予告演出の設定で考慮する事項で区分けしたMODEに変換しておき、先読み予告演出の処理を容易かつ確実に行うことができるようにする。
また、ACTにはリーチの有無やリーチの種類などの後半変動の情報が含まれている。このACTに基づき設定される後半変動の内容は判定時の保留数によって変化することはない。しかし、例えばノーマルリーチでも、最終停止図柄がリーチ図柄の1コマ手前で停止するはずれと、1コマ先で停止するはずれと、当りの場合とが設定されているように、同種のリーチでも様々な態様があり、このそれぞれに対応したACTが設定されているため、値の範囲が広いものとなっている。このため、同一系統のリーチに対応するACTを同一のACTに変換することで数を減らし、先読み予告演出の処理におけるチェックなどの処理負担を軽減するようにしている。
次いで、変換後のMODE、ACTは共に0以外であるかを判定する(ステップC317)。変換後のMODE、ACTは共に0以外でない場合(ステップC317;N)は、異常なコマンド値であるので先読み変動系コマンド処理を終了する。一方、変換後のMODE、ACTは共に0以外である場合(ステップC317;Y)は、変換後コマンドを最新保留情報、保留数に対応する先読み変動コマンド領域にセーブして(ステップC318)、MODEとACTの組合せ(コマンド組合せ)が正常であるかを判定する先読みコマンド整合チェック処理(ステップC319)を行う。
先読みコマンド整合チェック処理(ステップC319)の結果、コマンド組合せが正常でない場合(ステップC320;N)は、先読み変動系コマンド処理を終了する。一方、コマンド組合せが正常である場合(ステップC320;Y)は、先読み予告演出の実行を抽選する先読み抽選処理(ステップC321)を行い、先読み予告演出を発生するかを判定する(ステップC322)。
そして、先読み予告演出を発生しない場合(ステップC322;N)は、先読み変動系コマンド処理を終了する。一方、先読み予告演出を発生する場合(ステップC322;Y)は、当該発生する先読み予告演出(すなわち、先読み抽選処理(ステップC321)で選出された先読み予告演出)が、直ちに開始する演出であるかを判定する(ステップC323)。直ちに開始する演出とは、例えば、表示装置41に表示される飾り特図始動記憶表示の表示態様を現時点から変更する保留変化予告である。また、直ちに開始しない演出とは、特図変動表示ゲームの実行中に行う先読み予告演出であって、複数の特図変動表示ゲームに亘り連続で特定の演出やリーチ状態を発生させる演出や、変動表示中に登場するキャラクタによって予告を行う演出、飾り特図始動記憶表示の表示態様を現時点よりも後のタイミングで変更する保留変化予告などである。なお、このような直ちに開始しない演出の実行を開始するタイミングとしては、特図変動表示ゲームの実行中であればその特図変動表示ゲームが終了し、次の特図変動表示ゲームの実行が開始されるタイミングなどが該当する。
直ちに開始する演出でない場合(ステップC323;N)は、先読み変動系コマンド処理を終了する。この場合は、先読み予告演出を実行する特図変動表示ゲームの開始時などに予告の設定を行う。一方、直ちに開始する演出である場合(ステップC323;Y)は、選出された先読み予告演出に対応する表示を設定し(ステップC324)、先読み変動系コマンド処理を終了する。
〔変動系コマンド処理〕
図33には、上述の受信コマンド解析処理における変動系コマンド処理(ステップC236)を示した。この変動系コマンド処理では、まず、特図種別が未確定であるかを判定する(ステップC361)。特図種別とは、特図の種別が特図1か特図2かを示す情報であり、上述の図柄系コマンド処理のステップC251で設定される情報である。
この特図種別が未確定である場合(ステップC361;Y)は、変動系コマンド処理を終了する。また、特図種別が未確定でない場合(ステップC361;N)、すなわち特図種別が設定されている場合は、変動コマンドと図柄コマンドの組み合わせをチェックし(ステップC362)、変動コマンドと図柄種別が不整合であるかを判定する(ステップC363)。
変動コマンドと図柄種別が不整合である場合(ステップC363;Y)は、変動系コマンド処理を終了する。また、変動コマンドと図柄種別が不整合でない場合(ステップC363;N)は、変動コマンドから変動パターン種別を判別する(ステップC364)。図柄種別とは図柄のカテゴリを意味し、図柄種別には例えば、はずれ図柄、16R確変A大当り図柄、16R確変B大当り図柄、16R通常A大当り図柄、16R通常B大当り図柄、4R確変大当り図柄、小当り図柄などがある。変動コマンドと図柄種別が不整合である場合とは、はずれの変動コマンド(変動パターンコマンド)を受信したのに、16R確変A大当り図柄の図柄コマンドを受信していた時のような、演出を行う上で矛盾してしまう組み合わせ(変動コマンドと図柄種別の組み合わせ)であることを意味する。
変動コマンドから変動パターン種別を判別する処理(ステップC364)では、受信したコマンドに応じて、特図の変動表示演出の大まかな分類である変動パターン種別を判別する。そして、変動コマンドに応じた演出を行うための情報を設定する変動演出設定処理を行う(ステップC365)。
次に、P機状態(パチンコ機の状態)として特図変動中を設定する(ステップC366)。ここで、特図変動中とは、特図の変動中(客待ちデモ中や大当り中、あるいはファンファーレ中等でないこと)を表している。さらに、先読み演出回数(先読み実行回数)がゼロでなければ先読み演出回数を−1更新(先読み演出回数を1だけ減らす処理)し(ステップC367)、変動系コマンド処理を終了する。
〔変動演出設定処理〕
図34には、上述の変動系コマンド処理における変動演出設定処理(ステップC365)を示した。この変動演出設定処理では、まず、変動パターン種別がリーチなし変動であるかを判定する(ステップC381)。変動パターン種別がリーチなし変動である場合(ステップC381;Y)は、機種コード及び特図種別とその時点の演出モードに対応する前半予告振分グループアドレステーブルを設定する(ステップC382)。なお、リーチなし変動であるので図柄種別は必ずはずれ図柄であり、ここでは図柄種別を特に参照しなくてもよい。なお演出モードは、演出制御装置300が管理する遊技モードに相当し、機種によって当然異なるが、ここでは通常モード、確変モード、時短モード及び潜伏モードなどがある。さらに、各モード内に予告演出の振り分け率や表示装置41における飾り特図変動表示ゲームの演出態様を異ならせた複数のモードを設けている。
次に、前半予告振分グループアドレステーブルを参照して、MODE、特図種別の保留数に対応する前半予告振分グループテーブルのアドレスを取得する(ステップC383)。これによりリーチなし変動の場合には、各変動中に出現する予告演出の抽選内容(具体的には各予告演出態様の出現率)を保留数に応じて変化させることが可能となる。その後、前半予告振分グループテーブルを使って前半変動中に出現する予告の抽選を行う(ステップC386)。
一方、変動パターン種別がリーチなし変動でない場合(ステップC381;N)は、機種コード、特図種別、演出モード及び図柄種別に対応する前半予告振分グループアドレステーブルを設定する(ステップC384)。そして、前半予告振分グループアドレステーブルを参照して、MODE、変動パターン種別に対応する前半予告振分グループテーブルのアドレスを取得し(ステップC385)、前半予告振分グループテーブルを使って前半変動中に出現する予告の抽選を行う(ステップC386)。
次に、後半変動の予告演出を抽選する。なお、特図変動表示ゲームの後半変動とはいわゆるリーチアクション(例えば、特図の複数列の表示領域のうち特定領域を除く表示領域が大当りとなる特別結果態様(特別な図柄の組合せ)で変動表示が停止していて、特定領域のみで変動表示している状態)の変動表示である。一方、特図変動表示ゲームの前半変動とはリーチアクション開始前までの変動表示である。
まず、機種コード、特図種別、演出モード及び図柄種別に対応する後半予告振分グループアドレステーブルを設定する(ステップC387)。後半予告振分グループアドレステーブルは、後半予告振分グループテーブルのアドレスを選択するためのテーブルである。そして、後半予告振分グループアドレステーブルを参照してACTに対応する後半予告振分グループテーブルのアドレスを取得し(ステップC388)、後半予告振分グループテーブルを使って後半変動中(リーチ中)に出現する予告の抽選を行う(ステップC389)。
その後、MODE、ACTに対応する変動演出の内容を決定し(ステップC390)、予告抽選結果に対応する演出の内容を決定する(ステップC391)。これにより、飾り特図変動表示ゲームの変動時間や主なリーチ内容などの演出や予告、実行中記憶表示部84の表示態様などが決定されることとなる。
次いで、決定された特図変動表示ゲームの変動パターン(リーチ演出など)や予告内容も参照して停止図柄を決定する停止図柄設定処理を行う(ステップC392)。次に、変動演出の表示設定を行い(ステップC393)、予告演出の表示設定を行う(ステップC394)。これらの処理により、上述したように設定された飾り特図変動表示ゲームでの演出や予告が実行可能となる。その後、特図種別に対応する保留減少の表示設定を行う(ステップC395)。この処理では特図変動表示ゲームを開始する際に対応する始動記憶の減少に対応して飾り特図始動記憶表示を減少させる設定を行う。
そして、BGMの番号である音番号、装飾ランプ等による演出の種類を示す番号である装飾番号を設定し(ステップC396)、特図種別に対応する飾り特図変動(識別情報の変動表示)の表示設定を行う(ステップC397)。さらに、サブ情報表示装置90において、識別情報の変動表示とは別に飾り特図変動表示ゲームを表示する第4図柄の変動表示を設定するために、特図種別に対応する第4図柄変動の表示設定を行い(ステップC398)、変動演出設定処理を終了する。
図35、図36には、本実施形態における変動グループテーブルと変動パターン選択テーブルの内容の一部を示した。遊技制御装置100は、変動パターン(変動態様)を決定する際に、変動パターンテーブルとして、変動グループテーブルと変動パターン選択テーブルを使用する。
図35には、結果が大当りである場合の変動グループテーブルと変動パターン選択テーブルの内容の一部を示した。
図35(a)には、演出モードが通常演出モードである場合、すなわち「通常確率状態」かつ「時短状態でない状態」である場合の変動グループテーブルを示した。
この変動グループテーブルにより選択可能な変動グループ(変動パターン選択テーブル)としては、ノーマルリーチ系、SP0リーチ系、SP1リーチ系、SP2リーチ系、SP3リーチ系、全回転リーチ系があり、それぞれ振り分け値が設定されている。
変動グループは選択された変動グループテーブルと変動パターン乱数1により選択される。変動パターン乱数1は0〜65535の値をとるものであり、例えば結果が16R確変A大当りである場合のノーマルリーチ系に対しては2008個の値が割り当てられている。すなわち、結果が16R確変A大当りである場合は2008/65536の確率でノーマルリーチ系の変動グループが選択される。
図35(b)には、図35(a)の変動グループテーブルにおいてノーマルリーチ系の変動グループが選択された場合に用いられるノーマルリーチ系の変動パターン選択テーブルの内容を示した。
この変動パターン選択テーブルにより選択可能な変動パターンには、何れもノーマルリーチである変動パターン番号が77〜79の3つの変動パターンがあり、それぞれ振り分け値が設定されている。
変動パターンは選択された変動パターン選択テーブルと変動パターン乱数2により選択される。変動パターン乱数2は0〜255の値をとるものであり、例えば変動パターン番号77に対しては216個の値が割り当てられている。すなわち、216/256の確率で変動パターン番号77の変動パターンが選択される。
図36には、結果がはずれである場合の変動グループテーブルと変動パターン選択テーブルの内容の一部を示した。
図36(a)には、演出モードが通常演出モードである場合、すなわち「通常確率状態」かつ「時短状態でない状態」である場合の変動グループテーブルを示した。
この変動グループテーブルにより選択可能な変動グループ(変動パターン選択テーブル)としては、通常変動(リーチなし)1系、通常変動(リーチなし)2系、ノーマルリーチ系、SP0リーチ系、SP2リーチ系、SP3リーチ系がある。
図36(b)には、図36(a)の変動グループテーブルにおいて通常変動(リーチなし)1系の変動グループが選択された場合に用いられる通常変動(リーチなし)1系の変動パターン選択テーブルの内容を示した。
この変動パターン選択テーブルにより選択可能な変動パターンには、何れもリーチなしである変動パターン番号が2〜4の3つの変動パターンがある。特図1と特図2の保留数(始動記憶数)の合計が0〜2である場合と3である場合は、変動パターン番号2の変動パターン(変動時間が最も短い超短縮変動の変動パターン)は選択されないようになっており、特図1と特図2の保留数の合計が4〜6である場合と7〜8である場合は、変動パターン番号2の変動パターン(変動時間が最も短い超短縮変動の変動パターン)を選択可能になっている。また、特図1と特図2の保留数の合計が7〜8である場合に、変動パターン番号2の変動パターン(変動時間が最も短い超短縮変動の変動パターン)が最も選択されやすくなっている。例えば、特図1と特図2の保留数の合計が0である場合とは、保留数の合計が0の状態(例えば客待ち中)において入賞した場合である。
<前兆演出>
本実施形態の遊技機10は、盤演出装置44及び表示装置41を用いた前兆演出を実行可能である。この前兆演出は、先読み結果を示唆する先読み予告演出の一種であり、1回の特図変動表示ゲームの変動表示中に開始して終了する。本実施形態では、前兆演出として、盤演出装置44の可動役物44aを動作させるとともに、当該動作に連動して、表示装置41に表示されている飾り特図始動記憶表示の表示態様を切り替える演出を実行する。
図37に、前兆演出を実行する際のタイミングチャートの一例を示す。また、図38及び図39に、その際の可動役物44aの動作及び表示装置41の表示の一例を示す。
図38の[ア]に示すように、表示装置41の表示領域の中央部には、飾り特図変動表示ゲームを表示する飾り特図変動表示ゲーム表示部41aが設けられる。飾り特図変動表示ゲーム表示部41aでは、左,中,右の変動表示領域の各々で飾り特別図柄(識別情報)を変動表示した後に停止表示することで飾り特図変動表示ゲームを実行する。
また、表示装置41の表示領域の下部には、未消化の始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示を表示する待機保留表示部41bが設けられる。待機保留表示部41bに表示される飾り特図始動記憶表示は、始動記憶と一対一で対応し、記憶順に並んでいる。左端の飾り特図始動記憶表示が最先に記憶された始動記憶(第1始動記憶又は第2始動記憶)に対応する飾り特図始動記憶表示であり、消化される毎に左へ移行(シフト)するようになっている。また、それぞれの始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果や変動パターンなどの先読み結果を、対応する飾り特図始動記憶表示の表示態様によって示唆することが可能である。
待機保留表示部41bの左方には、消化中の始動記憶(現在実行中の特図変動表示ゲームに対応する始動記憶)に関する情報を表示する実行中保留表示部41cが設けられる。実行中保留表示部41cには、特図変動表示ゲームの開始時に、待機保留表示部41bの左端にある飾り特図始動記憶表示が移行(シフト)するようになっている。また、実行中の特図変動表示ゲームの結果や変動パターンなどを、実行中保留表示部41cに表示されている飾り特図始動記憶表示の表示態様によって示唆することが可能である。
また、表示装置41の表示領域の隅部(例えば左上隅部)には、飾り特図変動表示ゲーム表示部41aにて変動表示される飾り特別図柄(識別図柄)よりも相対的に小さい小図柄を変動表示させる小図柄用変動表示部41dが設けられる。
また、表示装置41の表示領域の隅部(例えば右上隅部)には、未消化の始動記憶の数を数字にて表示する数字保留表示部41eが設けられる。
また、図38の[ア]に示すように、盤演出装置44は、槍を持った味方キャラクタを模した形状の可動役物44aを備えている。この可動役物44aは、例えば、表示装置41の表示領域と前後に重ならない位置と重なる位置との間を上下に移動可能であり、さらに、表示装置41の表示領域と前後に重ならない状態で左右に移動可能であるとともに、表示装置41の表示領域と前後に重なる状態で左右に移動可能であるよう構成されている。
ここで、表示装置41の表示領域と前後に重ならない位置(重ならない状態)とは、可動役物44aの大部分(例えば半分以上)が表示領域と前後に重ならない位置(重ならない状態)である。また、表示装置41の表示領域と前後に重なる位置(重なる状態)とは、可動役物44aの大部分(例えば半分以上)が表示領域と前後に重なる位置(重なる状態)である。
本実施形態では、前兆演出として、待機保留表示部41bに表示されている飾り特図始動記憶表示のうちの特定の飾り特図始動記憶表示(以下「特定保留表示」という。)に可動役物44aを作用させ、当該特定保留表示に可動役物44aが作用したことによって当該特定保留表示の表示態様が示唆態様に変化するか否かの演出を実行する。
ここで、待機保留表示部41bに表示されている飾り特図始動記憶表示を示唆態様で表示することによって、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果や変動パターンなどの先読み結果を示唆することができる。また、実行中保留表示部41cに表示されている飾り特図始動記憶表示を示唆態様で表示することによって、実行中の特図変動表示ゲームの結果や変動パターンなどを示唆することができる。
なお、本実施形態では、所定のタイミング(本実施形態の場合、前兆演出の開始時)にて、特定保留表示の表示態様を、敵キャラクタを模した表示態様に変化させ、その後、当該特定保留表示に可動役物44aを作用させる(本実施形態の場合、槍を突き刺す)よう構成するが、これに限定されない。例えば、特定保留表示の表示態様は、敵キャラクタを模した表示態様に変化しなくても良い。
図37に示すように、演出制御装置300は、特図変動表示ゲームの変動表示が開始すると、飾り特図始動記憶表示が隣にシフトする保留シフト演出を開始する(t11)。具体的には、図38の[ア]に示すように、特図変動表示ゲームが終了し、図38の[イ]に示すように、次の特図変動表示ゲームが開始すると、飾り特図始動記憶表示が左へシフトする。
次に、図37に示すように、演出制御装置300は、今回の特図変動表示ゲームが前兆演出の抽選に当選した特図変動表示ゲームである場合には、保留シフト演出が終了すると、前兆演出を開始する(t12)。
前兆演出の抽選は、前兆演出を実行するか否か決定するための抽選であり、前兆演出の抽選に当選した場合に、その当選した特図変動表示ゲームの変動表示中に前兆演出が実行される。前兆演出の抽選は、例えば、変動演出設定処理(図34)の予告抽選(ステップC386又はステップC389)にて行われる。
前兆演出が開始すると、まず、図38の[ウ]に示すように、特定保留表示の表示態様が、通常の表示態様から敵キャラクタを模した表示態様に変化するとともに、可動役物44aが、表示領域と前後に重ならない初期位置(第1位置)から重なる位置(第2位置)へと移動する。
次いで、図39の[エ]に示すように、可動役物44aが、表示領域と前後に重なる状態(すなわち、表示領域の前方)で、第2位置から、槍の先端が特定保留表示と前後に重なる位置、すなわち可動役物44aが特定保留表示に作用可能な作用位置(第3位置)へと移動する。なお、可動役物44aは、例えば、槍を振り下ろす動作が可能であっても良く、その場合には、可動役物44aが作用位置に到着した状態で槍を振り下ろすと、槍の先端が特定保留表示と前後に重なるよう構成しても良い。
次いで、特定保留表示が、待機保留変化演出(飾り特図始動記憶表示の表示態様を変化させて先読み結果を示唆する演出)の抽選に当選した始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示である場合には、図39の[オ]に示すように、当該特定保留表示の表示態様が敵キャラクタを模した表示態様から示唆態様に変化して、前兆演出が終了する。一方、特定保留表示が、待機保留変化演出の抽選に落選した始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示である場合には、当該特定保留表示の表示態様が示唆態様に変化せずに(すなわち、敵キャラクタを模した表示態様が維持されたまま、あるいは敵キャラクタを模した表示態様から通常の表示態様に戻って)、前兆演出が終了する。
待機保留変化演出の抽選は、待機保留変化演出を実行するか否か決定するための抽選であり、待機保留変化演出の抽選に当選した場合に、その当選した始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示の表示態様が所定のタイミングにて示唆態様に変化する。待機保留変化演出の抽選は、例えば、先読み変動系コマンド処理(図32)の先読み抽選処理(ステップC321)にて行う。
次に、図37に示すように、演出制御装置300は、前兆演出が終了すると、可動役物44aが初期位置(第1位置)に戻る役物復帰演出を開始する(t13)。具体的には、図39の[カ]に示すように、可動役物44aが、表示領域と前後に重なる作用位置(第3位置)から重ならない位置(第4位置)へと移動する。次いで、可動役物44aが、表示領域と前後に重ならない状態で、第4位置から初期位置(第1位置)へと移動する。
このように、前兆演出は、特図変動表示ゲームの変動表示中に実行される。したがって、前兆演出の実行時間が、特図変動表示ゲームの変動時間よりも長い場合には、前兆演出の終了タイミングが、特図変動表示ゲームの変動終了タイミングよりも後になるため、前兆演出が原因で、変動終了後に実行する予定の演出が予定通りに実行できない等の不都合が生じる。よって、従来の遊技機では、前兆演出の抽選に当選した特図変動表示ゲームの変動時間が当該前兆演出の実行時間よりも短い場合には、当該前兆演出の実行をキャンセルする制御や、当該前兆演出を途中で終了する制御を行っていた。そこで、本実施形態では、このような制御を行わなくても、変動終了後に実行する予定の演出が予定通りに実行できない等の不都合を生じないようにするために、前兆演出の実行時間を、特図変動表示ゲームの変動時間よりも短くする。
さらに、本実施形態では、図37に示すように、前兆演出の実行時間(t12〜t13)を、特図1と特図2の保留数の合計が上限数である際に開始される特図変動表示ゲームの変動時間(t11〜t14)よりも短くする。特図変動表示ゲームの変動時間には様々あるが、前兆演出の抽選に当選可能な特図変動表示ゲームの中で最も変動時間が短い特図変動表示ゲームは、結果がはずれで変動パターンがリーチなしで通常演出モードにおいて実行される特図変動表示ゲームであって特図1と特図2の保留数の合計が上限数(本実施形態の場合、8)である際に開始される特図変動表示ゲームである(図36(b)参照)。よって、本実施形態では、前兆演出の実行時間値を、結果がはずれで変動パターンがリーチなしで通常演出モードにおいて実行される特図変動表示ゲームであって特図1と特図2の保留数の合計が上限数である際に開始される特図変動表示ゲーム(以下「保留MAX変動」という。)の変動時間値よりも小さく設定する。これにより、特図変動表示ゲームを開始する際における未消化の始動記憶数(特図1と特図2の保留数の合計)にかかわらず、前兆演出の終了タイミングが特図変動表示ゲームの変動終了タイミングよりも前になる。すなわち、いかなる特図変動表示ゲームにおいても前兆演出を実行(最初から最後まで実行)可能となる。
また、本実施形態では、特図変動表示ゲームの変動表示が開始すると、飾り特図始動記憶表示が隣にシフトする保留シフト演出が開始し、保留シフト演出が終了すると、前兆演出が開始する。すなわち、本実施形態では、保留シフト演出中は前兆演出の実行が禁止され、変動開始時から遅れて前兆演出が開始するようになっている。したがって、前兆演出の実行時間を保留MAX変動の変動時間よりも短くしても、前兆演出の実行時間の長さや、前兆演出の開始タイミングによっては、前兆演出の終了タイミングが、特図変動表示ゲームの変動終了タイミングよりも後になる場合がある。
そこで、本実施形態では、保留シフト演出の後に前兆演出を開始しても、前兆演出の終了タイミングが、特図変動表示ゲームの変動終了タイミングよりも前になるよう、図37に示すように、保留シフト演出の開始から前兆演出の終了までの時間(t11〜t13)を、保留MAX変動の変動時間(t11〜t14)よりも短くする。すなわち、保留シフト演出の実行時間値と前兆演出の実行時間値との和を、保留MAX変動の変動時間値よりも小さく設定する。
なお、保留シフト演出の実行時間値と前兆演出の実行時間値との和を、保留MAX変動の変動時間値と同一に設定してもよいが、飾り特図変動表示ゲームの結果態様が可動役物44aで見え難くなる等の不都合を回避する観点から、特図変動表示ゲームの変動表示の終了時には、可動役物44aは表示装置41の表示領域と前後に重ならない状態であることが好ましい。また、飾り特図変動表示ゲームの結果態様が停止表示されていることが分かり難くなる等の不都合を回避する観点から、特図変動表示ゲームの変動表示の終了時には、特定保留表示の表示態様の切替(変化)は完了していることが好ましい。
さらに、前兆演出が終了すると、可動役物44aが初期位置(第1位置)に戻る役物復帰演出が開始する。本実施形態の場合、役物復帰演出が、図37に示すように、次の特図変動表示ゲームが開始するタイミング(t15)よりも後に終了するようになっている。役物復帰演出が終了するタイミングを、次の特図変動表示ゲームが開始するタイミングと同一にしたり、次の特図変動表示ゲームが開始するタイミングよりも前にしたりすることも可能であるが、役物復帰演出が終了するタイミングを次の特図変動表示ゲームが開始するタイミングよりも後にすることで、前兆演出の実行時間を十分に確保することが可能となる。
なお、前兆演出は、盤演出装置44及び表示装置41を用いたものに限定されず適宜変更可能であり、枠装飾装置18、スピーカ19a,19b、表示装置41、サブ表示装置42、盤演出装置44、盤装飾装置46等を少なくとも一つ用いたものであればよい。
例えば、盤演出装置44の可動役物44aに替えて、表示装置41に槍を持った味方キャラクタのキャラクタ画像G1を表示し、キャラクタ画像G1を特定保留表示に作用させても良い。その一例を、図40に示す。
前兆演出が開始すると、まず、図40の[サ]に示すように、表示装置41の表示領域にキャラクタ画像G1が出現する。次いで、図40の[シ]に示すように、キャラクタ画像G1が特定保留表示に作用可能な位置(作用位置)へと移動する。次いで、特定保留表示が、待機保留変化演出の抽選に当選した始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示である場合には、図40の[ス]に示すように、当該特定保留表示の表示態様が示唆態様に変化して、前兆演出が終了する。一方、特定保留表示が、待機保留変化演出の抽選に落選した始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示である場合には、当該特定保留表示の表示態様が示唆態様に変化せずに、前兆演出が終了する。そして、前兆演出が終了すると、キャラクタ画像G1が作用位置から退場するキャラクタ退場演出(役物復帰演出に相当する演出)を開始する。これにより、キャラクタ画像G1が表示領域から消える。
なお、キャラクタ画像G1の表示を開始するタイミングは、適宜変更可能であり、例えば、前兆演出の開始前にキャラクタ画像G1が出現しても良い。
また、飾り特図変動表示ゲームの結果態様が停止表示されていることが分かり難くなる等の不都合を回避する観点から、特図変動表示ゲームの停止表示中には、キャラクタ画像G1も停止表示されていることが好ましい。よって、キャラクタ退場演出を開始するタイミングは、特図変動表示ゲームの停止表示が終了した後(例えば、次の特図変動表示ゲームの開始時)が好ましい。
また、盤演出装置44の可動役物44aに替えて表示装置41に表示されるキャラクタ画像は、槍を持った味方キャラクタのキャラクタ画像G1に限定されず適宜変更可能である。また、キャラクタ画像G1の動き方も適宜変更可能である。
また、可動役物44aの形状は、槍を持った味方キャラクタを模した形状に限定されず適宜変更可能である。また、可動役物44aの動き方も適宜変更可能である。
また、例えば図41(a)に示すように、表示装置41の表示領域と前後の重ならない状態の可動役物44aの前方に、カバー部材40aを設けても良い。この場合、例えば図41(a)の上図に示すように、可動役物44aが表示装置41の表示領域と前後の重ならない状態である場合には、当該可動役物44aの全部(あるいは、半分以上)がカバー部材44aで隠れて視認不能(視認困難)となる。一方、例えば図41(a)の下図に示すように、可動役物44aが表示装置41の表示領域と前後の重なる状態である場合には、当該可動役物44aの全部(あるいは、半分以上)が、カバー部材44aで隠れることなく視認可能となる。
また、実行時間値が異なる複数の前兆演出を実行可能である場合には、当該複数の前兆演出のうち全部の実行時間値を保留MAX変動の変動時間値よりも小さく設定しても良いし、当該複数の前兆演出のうち一部の実行時間値のみを保留MAX変動の変動時間値よりも小さく設定しても良い。
複数の前兆演出のうち一部の実行時間値のみを保留MAX変動の変動時間値よりも小さく設定する場合の一例を、図41(b)に示す。
図41(b)に示すように、実行時間が2秒の前兆演出Aと、実行時間が3秒の前兆演出Bと、実行時間が8秒の前兆演出Cとを実行可能であり、前兆演出の抽選に当選した特図変動表示ゲームの変動時間値よりも実行時間値が小さい前兆演出を実行する。すなわち、前兆演出の抽選に当選した特図変動表示ゲームが、図36(b)に示す超短縮変動(変動時間4秒)や短縮変動(変動時間8秒)などである場合には、前兆演出A及び前兆演出Bの中から選択した前兆演出を当該特図変動表示ゲームの変動表示中に実行し、前兆演出の抽選に当選した特図変動表示ゲームが、図36(b)に示す通常変動(変動時間13.6秒)等である場合には、前兆演出A、前兆演出B及び前兆演出Cの中から選択した前兆演出を当該特図変動表示ゲームの変動表示中に実行するよう構成しても良い。
無論、この場合も、保留シフト演出の実行時間値と前兆演出の実行時間値との和が、前兆演出の抽選に当選した特図変動表示ゲームの変動時間値よりも小さくなるように、前兆演出を選択することも可能である。
また、前兆演出の抽選に当選した特図変動表示ゲームが保留MAX変動である場合には、実行時間の最も短い前兆演出が実行されるようにしても良い。すなわち、図41(b)に示す例において、前兆演出の抽選に当選した特図変動表示ゲームが、変動時間4秒の超短縮変動(本実施形態における保留MAX変動)である場合には、前兆演出Aのみを選択可能とし、前兆演出Bや前兆演出Cは選択できないようにしても良い。
また、複数回の特図変動表示ゲームに亘って連続的に前兆演出を実行する場合、連続的に実行される複数の前兆演出のうち全部の実行時間値を保留MAX変動の変動時間値より小さく設定しても良いし、連続的に実行される複数の前兆演出のうち一部の実行時間値のみを保留MAX変動の変動時間値より小さく設定しても良い。
また、連続的に実行される複数の前兆演出のうち1回目に実行される前兆演出は、2回目以降に実行される前兆演出よりも、保留MAX変動中に実行される可能性が高いため、連続的に実行される複数の前兆演出のうち一部の実行時間値のみを保留MAX変動の変動時間値より小さく設定する場合には、少なくとも1回目に実行される前兆演出の実行時間値を、保留MAX変動の変動時間値より小さく設定することが好ましい。
また、本実施形態の演出制御装置300は、飾り特図変動表示ゲームを、識別情報を変動表示した後に仮停止する単位変動表示を複数回行って結果態様を導出する擬似連変動態様で実行可能であるが、擬似連変動態様における単位変動表示の変動時間値の中に保留MAX時の変動時間値よりも小さい値がある場合には、前兆演出の実行時間値を、擬似連変動態様における単位変動表示の変動時間値のうちのいずれか(例えば変動時間が最も短い単位変動表示の変動時間値)より小さく設定することも可能である。
また、擬似連変動態様における仮停止時間(単位変動表示と次の単位変動表示との間の時間)よりも、実行時間が短い前兆演出を実行することも可能である。その一例を、図42に示す。
擬似連変動態様の飾り特図変動表示ゲームにおいては、例えば、図42の[タ]に示すように、擬似連変動態様における1回目の単位変動表示が終了し、図42の[チ]に示すように、左,中,右の変動表示領域の各々に表示されている飾り特別図柄(識別情報)のうち擬似連変動中のみに出現する擬似連専用図柄(例えば「連」という文字を含んで構成される図柄)のみが残って、擬似連変動中である旨が報知され、その後、図42の[ツ]に示すように、2回目の単位変動表示が開始する。この場合、擬似連変動中である旨が報知されている間に前兆演出を実行する。具体的には、例えば、図42の[チ]に示すように、擬似連変動中である旨が報知されている間に、キャラクタ画像G1(あるいは可動役物44a等)が作用位置まで移動する。すなわち、擬似連変動中である旨が報知されている間に、キャラクタ画像G1(あるいは可動役物44a等)が特定保留表示に作用する。そして、図42の[ツ]に示すように、2回目の単位変動表示が開始すると、キャラクタ画像G1(あるいは可動役物44a等)が作用位置から退場する。
また、特定保留表示に作用するキャラクタ画像は、飾り特別図柄を構成するキャラクタ画像であっても良い。擬似連変動態様における仮停止時間よりも実行時間が短い前兆演出において、飾り特別図柄を構成するキャラクタ画像が特定保留表示に作用する場合の一例を、図43に示す。
例えば、擬似連専用図柄を、図43の[ナ]に示すように、文字画像(例えば「連」という文字画像)とキャラクタ画像(例えば傘を模した画像)で構成する。そして、図43の[ニ]に示すように、擬似連変動中である旨が報知されている間に、擬似連専用図柄を構成するキャラクタ画像が特定保留表示に作用する。そして、当該特定保留表示が、待機保留変化演出の抽選に当選した始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示である場合には、図43の[ヌ]に示すように、当該特定保留表示の表示態様が示唆態様に変化する。
無論、擬似連変動態様における仮停止時間中に実行される前兆演出(仮停止時間よりも実行時間が短い前兆演出)だけでなく、特図変動表示ゲームの変動表示中に実行される前兆演出(保留MAX変動の変動時間よりも実行時間が短い前兆演出等)において、可動役物44aやキャラクタ画像G1に替えて、飾り特別図柄を構成するキャラクタ画像を特定保留表示に作用させても良い。
また、本実施形態では、前兆演出として、待機保留表示部41bに表示されている飾り特図始動記憶表示の表示態様が示唆態様に変化するか否かの演出を行うようにしたが、これに限定されない。前兆演出は、例えば、実行中保留表示部41cに表示されている飾り特図始動記憶表示の表示態様が示唆態様に変化するか否かの演出であっても良い。
このように、本実施形態の遊技機10によれば、始動条件の成立に基づき複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)を実行し、当該変動表示ゲームの結果が特別結果となった場合に遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態を発生する遊技機であって、始動条件の成立に基づき所定の乱数を抽出し変動表示ゲームの始動記憶として記憶する始動記憶手段(遊技制御装置100)と、変動表示ゲームの実行中に所定の予告演出(前兆演出)を実行する演出制御手段(演出制御装置300)と、を備え、所定の予告演出の実行時間値が、始動記憶手段に記憶されている始動記憶の数が所定の上限数(本実施形態の場合、8)に達している状態で開始される変動表示ゲーム(保留MAX変動)の変動時間値よりも小さい。
したがって、前兆演出の実行時間が、保留MAX変動(すなわち、変動時間が最も短い特図変動表示ゲーム)の変動時間よりも短いため、いかなる変動表示ゲームにおいても予告演出(前兆演出)を実行することができる。
また、本実施形態の遊技機10において、演出制御手段(演出制御装置300)は、変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)の開始から所定時間が経過した後(本実施形態の場合、保留シフト演出が終了した後)に所定の予告演出(前兆演出)を開始し、所定の予告演出の実行時間値と所定時間の値(本実施形態の場合、保留シフト演出の実行時間値)との和は、始動記憶手段(遊技制御手段100)に記憶されている始動記憶の数が所定の上限数(本実施形態の場合、8)に達している状態で開始される変動表示ゲーム(保留MAX変動)の変動時間値よりも小さくなるよう構成可能である。
このように構成することで、特図変動表示ゲームの開始よりも遅れて前兆演出が開始するため、遊技者に前兆演出の実行に対する期待を持たせつつ前兆演出を実行しない期間を設けることができ、遊技の興趣を高めることが可能となる。
なお、特図変動表示ゲームの開始時に前兆演出を開始しても良い。
また、本実施形態の遊技機10において、演出制御手段(演出制御装置300)は、所定の予告演出(前兆演出)に用いられる可動役物44aの動作を制御可能であり、所定の予告演出の後に、可動役物44aを初期位置に戻す復帰演出(役物復帰演出)を実行可能であり、復帰演出は、所定の予告演出が実行される変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)よりも後に開始する変動表示ゲームの実行中に終了するよう構成可能である。
このように構成することで、前兆演出の実行時間を十分に確保することが可能となる。
なお、役物復帰演出を終了する際に実行中の特図変動表示ゲームは、前兆演出が実行される特図変動表示ゲームの次に実行される特図変動表示ゲームに限定されない。
また、前兆演出が実行される特図変動表示ゲームの実行中(前兆演出が実行される特図変動表示ゲームの終了時も含む)に、役物復帰演出を終了しても良い。
また、本実施形態の遊技機10によれば、始動入賞領域への遊技球の入賞に基づき複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)を実行し、当該変動表示ゲームの結果が特別結果となった場合に遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態を発生する遊技機であって、始動入賞領域は、第1始動入賞領域(第1始動入賞口36)と、第2始動入賞領域(第2始動入賞口97、普通変動入賞装置37)とを備え、第1始動入賞領域への遊技球の入賞に基づき所定の乱数を抽出し第1始動記憶として記憶するとともに、第2始動入賞領域への遊技球の入賞に基づき所定の乱数を抽出し第2始動記憶として記憶する始動記憶手段(遊技制御装置100)と、変動表示ゲームの実行中に所定の予告演出(前兆演出)を実行する演出制御手段(演出制御装置300)と、を備え、所定の予告演出の実行時間は、第1始動記憶の数と第2始動記憶の数との合計が所定の上限数(本実施形態の場合、8)に達している状態で開始される変動表示ゲーム(保留MAX変動)の変動時間よりも短い。
したがって、前兆演出の実行時間が、保留MAX変動(すなわち、変動時間が最も短い特図変動表示ゲーム)の変動時間よりも短いため、いかなる変動表示ゲームにおいても予告演出(前兆演出)を実行することができる。
なお、本実施形態では、第1特図変動表示ゲームの変動パターンも第2特図変動表示ゲームの変動パターンも、特図1と特図2の保留数(始動記憶数)の合計を考慮して選択するよう構成したが、これに限定されない。例えば、第1特図変動表示ゲームの変動パターンは、特図1の保留数(第1始動記憶の数)を考慮して選択し、第2特図特図変動表示ゲームの変動パターンは、特図2の保留数(第2始動記憶の数)を考慮して選択するよう構成することも可能である。この場合、前兆演出の抽選に当選可能な第1特図変動表示ゲームの中で最も変動時間が短い第1特図変動表示ゲームは、特図1の保留数が上限数(例えば4)である際に開始される第1特図変動表示ゲーム(保留MAX変動)であり、前兆演出の抽選に当選可能な第2特図変動表示ゲームの中で最も変動時間が短い第2特図変動表示ゲームは、特図2の保留数が上限数(例えば4)である際に開始される第2特図変動表示ゲーム(保留MAX変動)である。
すなわち、本実施形態の遊技機10において、所定の予告演出(前兆演出)の実行時間は、第1始動記憶の数又は第2始動記憶の数が所定の上限数(例えば、4)に達している状態で開始される変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)の変動時間よりも短くなるよう構成可能である。
このように構成することで、前兆演出の実行時間が、保留MAX変動(すなわち、変動時間が最も短い特図変動表示ゲーム)の変動時間よりも短くなるため、いかなる変動表示ゲームにおいても予告演出(前兆演出)を実行することができる。
なお、本実施形態では、始動入賞領域への入賞順に特図変動表示ゲームを実行するよう構成したが、これに限定されず、例えば、一方の特図変動表示ゲーム(例えば第2特図変動表示ゲーム)を優先的に実行するよう構成しても良い。
<前兆演出の変形例>
図37〜図43に示す前兆演出は、表示装置41の表示領域に出現したキャラクタ画像(あるいは、表示領域と前後に重なる位置に出現した可動役物等)が必ず作用位置へと移動するタイプの前兆演出(以下「第1タイプの前兆演出」という)である。この第1タイプの前兆演出に加えて(あるいは替えて)、出現したキャラクタ画像(あるいは、出現した可動役物等)が作用位置へと移動する場合と移動しない場合とがあるタイプの前兆演出(以下「第2タイプの前兆演出」という)を実行するよう構成することも可能である。
第2タイプの前兆演出では、前兆演出の抽選に当選した場合に、作用可否抽選を行う。作用可否抽選は、キャラクタ画像を作用位置へと移動させるか否か決定するための抽選であり、作用可否演出の抽選に当選した場合には、その当選した特図変動表示ゲームの実行中にキャラクタ画像が作用位置へ移動する。すなわち、作用可否抽選に当選した場合には、キャラクタ画像が出現して、作用位置へと移動する。一方、作用可否抽選に落選した場合には、キャラクタ画像は出現するが、作用位置へと移動しない。
さらに、第2タイプの前兆演出では、作用可否抽選を行った後に、実行中保留変化演出の抽選を行う。実行中保留変化演出の抽選は、実行中保留変化演出(飾り特図始動記憶表示の表示態様を変化させて実行中の特図変動表示ゲームの結果や変動パターンなどを示唆する演出)を実行するか否か決定するための抽選であり、実行中保留変化演出の抽選に当選した場合には、その当選した特図変動表示ゲームの実行中に、実行中保留表示部41cに表示されている飾り特図始動記憶表示(本変形例における特定保留表示)の表示態様が示唆態様に変化する。すなわち、実行中保留変化演出の抽選に当選した場合には、特定保留表示の表示態様が示唆態様に変化する。一方、実行中保留変化演出の抽選に落選した場合には、特定保留表示の表示態様が示唆態様に変化しない。
作用可否抽選及び実行中保留変化演出の抽選は、例えば、変動演出設定処理(図34)の予告抽選(ステップC386又はステップC389)にて行う。
作用可否抽選テーブルの一例を、図44(a)〜(c)に示す。
作用可否抽選テーブルには、今回実行する特図変動表示ゲームの結果が大当りである場合と、結果がはずれである場合とにおける、作用ありが選択される確率(すなわち当選確率)及び作用なしが選択される確率(すなわち落選確率)が定義されている。
例えば、図44(a)に示す作用可否抽選テーブルが設定されている場合において、今回実行する特図変動表示ゲームの結果が大当りである場合には50%の確率で当選し、今回実行する特図変動表示ゲームの結果がはずれである場合には60%の確率で当選する。
演出制御装置300は、例えば遊技状態に基づいて、複数の作用可否抽選テーブル(図44(a)〜(c)に示す3種類の作用可否抽選テーブル)の中から一の作用可否抽選テーブルを選択して設定する。
実行中保留変化演出抽選テーブルの一例を、図44(d)〜(g)に示す。
実行中保留変化演出抽選テーブルには、作用可否抽選に当選し、かつ、今回実行する特図変動表示ゲームの結果が大当りである場合と、作用可否抽選に当選し、かつ、今回実行する特図変動表示ゲームの結果がはずれである場合と、作用可否抽選に落選し、かつ、今回実行する特図変動表示ゲームの結果が大当りである場合と、作用可否抽選に落選し、かつ、今回実行する特図変動表示ゲームの結果がはずれである場合とにおける、保留変化ありが選択される確率(すなわち当選確率)及び保留変化なしが選択される確率(すなわち落選確率)が定義されている。
例えば、図44(d)に示す実行中保留変化演出抽選テーブルが設定されている場合において、作用可否抽選に当選し、かつ、今回実行する特図変動表示ゲームの結果が大当りである場合には60%の確率で当選し、作用可否抽選に当選し、かつ、今回実行する特図変動表示ゲームの結果がはずれである場合には70%の確率で当選し、作用可否抽選に落選し、かつ、今回実行する特図変動表示ゲームの結果が大当りである場合には5%の確率で当選し、作用可否抽選に落選し、かつ、今回実行する特図変動表示ゲームの結果がはずれである場合には当選しない。
また、図44(d)〜(g)に示す4種類の実行中保留変化演出抽選テーブルのうちいずれが設定されていても、作用可否抽選に落選した場合に、実行中保留変化演出の抽選に当選するのは、今回実行する特図変動表示ゲームの結果が大当りである場合だけであるため、キャラクタ画像G2が特定保留表示に作用しない一方で、当該特定保留表示の表示態様が示唆態様に変化することによって、大当り確定を示唆できる。
演出制御装置300は、例えば遊技状態に基づいて、複数の実行中保留変化演出抽選テーブル(図44(d)〜(g)に示す4種類の実行中保留変化演出抽選テーブル)の中から一の実行中保留変化演出抽選テーブルを選択して設定する。
なお、本変形例では、第2タイプの前兆演出として、実行中保留表示部41cに表示されている飾り特図始動記憶表示の表示態様が示唆態様に変化するか否かの演出を行うが、これに限定されない。第2タイプの前兆演出は、例えば、待機保留表示部41bに表示されている飾り特図始動記憶表示の表示態様が示唆態様に変化するか否かの演出であっても良い。
また、本変形例では、特定保留表示に作用するキャラクタ画像として、棒を持った味方キャラクタのキャラクタ画像G2を表示するが、表示装置41に表示されるキャラクタ画像は、これに限定されず適宜変更可能であり、例えば、槍を持った味方キャラクタのキャラクタ画像G1であっても良い。また、キャラクタ画像G2の動き方も適宜変更可能である。
また、所定のタイミング(本変形例の場合、前兆演出の開始時)にて、特定保留表示の表示態様を、敵キャラクタを模した表示態様に変化させ、その後、当該特定保留表示にキャラクタ画像G2を作用させる(本変形例の場合、棒でたたく)よう構成するが、これに限定されない。例えば、特定保留表示の表示態様は、敵キャラクタを模した表示態様に変化しなくても良い。
図45に、前兆演出の抽選に当選し、かつ、作用可否抽選に当選した場合における、第2タイプ前兆演出の一例を示す。
前兆演出が開始すると、まず、図45の[ハ]に示すように、表示装置41の表示領域にキャラクタ画像G2が出現する。次いで、図45の[ヒ]に示すように、キャラクタ画像G2が作用位置へと移動して、棒の先端が特定保留表示に重なるよう棒を振り下ろす。次いで、実行中の特図変動表示ゲームが、実行中保留変化演出の抽選に当選した特図変動表示ゲームである場合には、図45の[フ]に示すように、特定保留表示の表示態様が示唆態様に変化して、前兆演出が終了する。一方、実行中の特図変動表示ゲームが、実行中保留変化演出の抽選に落選した特図変動表示ゲームである場合には、図45の[ヘ]に示すように、特定保留表示の表示態様が示唆態様に変化せずに、前兆演出が終了する。そして、前兆演出が終了すると、キャラクタ画像G2が作用位置から退場して、表示領域から消える。
なお、図45に示す例では、キャラクタ画像G2が特定保留表示に作用した後(棒が特定保留表示と重なっていない状態に戻った後)に、特定保留表示の表示態様が示唆態様に変化しているが、特定保留表示の表示態様が変化するタイミングは適宜変更可能であり、例えば、キャラクタ画像G2が特定保留表示に作用している最中(棒が特定保留表示と重なっている時)に、特定保留表示の表示態様が示唆態様に変化しても良い。
図46に、前兆演出の抽選に当選し、かつ、作用可否抽選に落選した場合における、第2タイプの前兆演出の一例を示す。
前兆演出が開始すると、まず、図46の[マ]に示すように、表示装置41の表示領域にキャラクタ画像G1が出現する。次いで、図46の[ミ]に示すように、キャラクタ画像G2が作用位置へと移動せずに表示領域から消える。次いで、実行中の特図変動表示ゲームが、実行中保留変化演出の抽選に当選した特図変動表示ゲームである場合には、図46の[ム]に示すように、特定保留表示の表示態様が示唆態様に変化して、前兆演出が終了する。一方、実行中の特図変動表示ゲームが、実行中保留変化演出の抽選に落選した特図変動表示ゲームである場合には、図46の[メ]に示すように、特定保留表示の表示態様が示唆態様に変化せずに、前兆演出が終了する。
作用可否抽選に当選した場合における前兆演出の実行時間の長さと、作用可否抽選に落選した場合における前兆演出の実行時間の長さは、同じであっても良いし、異なっていても良い。本変形例において、前兆演出の実行時間の長さは、例えば、キャラクタ画像G2の表示を開始するタイミングから、特定保留表示の示唆態様での表示を開始するタイミングまでの長さである。
また、作用可否抽選に落選した場合、キャラクタ画像G2が表示領域から消えた後に、特定保留表示の表示態様が示唆態様に変化するのではなく、キャラクタ画像G2が表示領域から消える前に、特定保留表示の表示態様が示唆態様に変化しても良い。この場合、キャラクタ画像G2が表示領域から消えるタイミングは、作用可否抽選に当選した場合と落選した場合とで同じであっても良いし、異なっても良い。
また、前兆演出中は、前兆演出が実行されていることを目立たせるために、背景画像を暗転(ブラックアウト)させる等して、変動表示中の飾り特別図柄(識別情報)を視認困難な状態にさせても良い。第1タイプの前兆演出においても同様である。
また、第2タイプの前兆演出として、実行中保留表示部41cに表示されている飾り特図始動記憶表示の表示態様が示唆態様に変化するか否かの前兆演出と、待機保留表示部41bに表示されている飾り特図始動記憶表示の表示態様が示唆態様に変化するか否かの前兆演出との双方を実行可能に構成しても良い。さらに、この場合、実行中保留表示部41cに表示されている飾り特図始動記憶表示の表示態様が変化するか否かの前兆演出の実行時間の長さと、待機保留表示部41bに表示されている飾り特図始動記憶表示の表示態様が変化するか否かの前兆演出の実行時間の長さは、同じであっても良いし、異なっていても良い。第1タイプの前兆演出においても同様である。
キャラクタ画像G2の表示を開始するタイミングは、適宜変更可能であり、飾り特図始動記憶表示が隣にシフトする保留シフト演出中は、キャラクタ画像G2の表示開始を禁止することが好ましい。すなわち、キャラクタ画像G2の表示を開始するタイミングは、保留シフト演出の前、あるいは、保留シフト演出の後が好ましい。第1タイプの前兆演出においても同様である。
また、前兆演出中に特定保留表示の表示態様が変化する回数を、所定条件に基づいて決定しても良い。すなわち、特定保留表示の表示態様を変化させる回数を決定する変化回数抽選を行ってもよい。第1タイプの前兆演出においても同様である。
また、前兆演出中に出現するキャラクタ画像を、所定条件に基づいて複数種類のキャラクタ画像の中から選択しても良い。すなわち、複数種類のキャラクタ画像の中から一のキャラクタ画像を選択するキャラクタ抽選を行っても良い。第1タイプの前兆演出においても同様である。
また、前兆演出中にキャラクタ画像(あるいは可動役物等)が特定保留表示に作用する回数を、所定条件に基づいて決定しても良い。すなわち、キャラクタ画像(あるいは可動役物等)を特定保留表示に作用させる回数を決定する作用回数抽選を行っても良い。第1タイプの前兆演出においても同様である。
また、変化回数抽選とキャラクタ抽選と作用回数抽選とは、組み合わせて行うことも可能である。その一例を、図47に示す。
前述したように、演出制御装置300は、第2タイプの前兆演出の演出態様を決定するために、作用可否抽選と実行中保留変化演出の抽選を行う。これらの抽選に加えて、変化回数抽選とキャラクタ抽選と作用回数抽選とを組み合わせて行うことで、出現するキャラクタ画像の種類によって、特定保留表示の表示態様が変化する回数(あるいは変化する回数の選択割合)や、キャラクタ画像が特定保留表示に作用する回数(あるいは作用する回数の選択割合)などを異ならせることができる。
作用可否抽選及び実行中保留変化演出の抽選に加えて、変化回数抽選とキャラクタ抽選と作用回数抽選とを組み合わせて行う場合には、例えば、実行中保留変化演出の抽選に当選した際に、特定保留表示の表示態様を変化させる回数を決定する変化回数抽選を行い、変化回数抽選の結果に基づいて、複数種類のキャラクタ画像の中から一のキャラクタ画像を選択するキャラクタ抽選を行い、変化回数抽選の結果とキャラクタ抽選の結果とに基づいて、キャラクタ画像を特定保留表示に作用させる回数(例えば、棒で特定保留表示をたたく回数)を決定する作用回数抽選を行う。この場合、変化回数抽選、キャラクタ抽選及び作用回数抽選は、例えば変動演出設定処理(図34)の予告抽選(ステップC386又はステップC389)にて行う。
キャラクタ抽選テーブルの一例を、図47(a)に示す。
キャラクタ抽選テーブルには、変化回数抽選によって「保留変化1回」が選択された場合と、「保留変化2回」が選択された場合とにおける、キャラクタ画像Aが選択される確率とキャラクタ画像Bが選択される確率とが規定されている。
ここで、「保留変化1回」とは、特定保留表示の表示態様を1回変化させること、すなわち通常の表示態様(例えば、青色の丸)から第1の示唆態様(例えば、緑色の丸)へと変化させることであり、「保留変化2回」とは、特定保留表示の表示態様を2回変化させること、すなわち通常の表示態様から第1の示唆態様へと変化させ、その後、第1の示唆態様から第2の示唆態様(例えば、赤色の丸)へと変化させることである。
作用回数抽選テーブルの一例を、図47(b)に示す。
作用回数抽選テーブルには、キャラクタ抽選によって「キャラクタ画像A」が選択され、かつ、変化回数抽選によって「保留変化1回」が選択された場合と、キャラクタ抽選によって「キャラクタ画像A」が選択され、かつ、変化回数抽選によって「保留変化2回」が選択された場合と、キャラクタ抽選によって「キャラクタ画像B」が選択され、かつ、変化回数抽選によって「保留変化1回」が選択された場合と、キャラクタ抽選によって「キャラクタ画像B」が選択され、かつ、変化回数抽選によって「保留変化2回」が選択された場合における、「1回作用」が選択される確率と「2回作用」が選択される確率とが規定されている。
ここで、「1回作用」とは、キャラクタ画像を特定保留表示に1回作用させること(例えば、棒で特定保留表示を1回たたくこと)であり、「2回作用」とは、キャラクタ画像を特定保留表示に2回作用させること(例えば、棒で特定保留表示を2回たたくこと)である。
例えば、変化回数抽選によって「保留変化1回」が選択され、作用回数抽選によって「2回作用」が選択された場合には、キャラクタ画像を特定保留表示に2回作用させるうちの1回目の作用で、特定保留表示の表示態様を変化させても良いし、2回作用させるうちの2回目の作用で、特定保留表示の表示態様を変化させても良い。
また、変化回数抽選によって「保留変化2回」が選択され、作用回数抽選によって「1回作用」が選択された場合には、第1の示唆態様へと変化させてから第2の示唆態様へと変化させても良いし、第1の示唆態様へと変化させずにいきなり第2の示唆態様へと変化させても良い。
このように、本実施形態の遊技機10によれば、始動条件の成立に基づき複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)を実行し、当該変動表示ゲームの結果が特別結果となった場合に遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態を発生する遊技機であって、始動条件の成立に基づき所定の乱数を抽出し変動表示ゲームの始動記憶として記憶する始動記憶手段(遊技制御装置100)と、変動表示ゲームに関連した演出を実行する演出制御手段(演出制御装置300)と、を備え、演出制御手段は、所定の画像(キャラクタ画像G1)と、始動記憶に対応する始動記憶表示(飾り特図始動記憶表示)とを表示装置41に表示可能であり、所定の予告演出(前兆演出)として、所定の画像が始動記憶表示に作用する第1パターンの予告演出と、所定の画像が始動記憶表示に作用しない第2パターンの予告演出とを実行可能である。
本実施形態の場合、第1パターンの予告演出は、作用可否抽選に当選した場合の第2タイプの前兆演出であり、第2パターンの予告演出は、作用可否抽選に落選した場合の第2タイプの前兆演出である。
したがって、キャラクタ画像G2が飾り特図始動記憶表示に作用する場合と作用しない場合とがあり、飾り特図始動記憶表示に作用可能な画像(キャラクタ画像G2)の動きがワンパターンでないため、飾り特図始動記憶表示に作用可能な画像によって遊技の興趣を高めることができる。
なお、本実施形態の場合、キャラクタ画像G2が作用位置へと移動して飾り特図始動記憶表示に作用するパターンと、キャラクタ画像G2が作用位置へと移動しないパターンの2パターン設けたが、これに限定されず、例えば、これらのパターンに加えて、キャラクタ画像G2が作用位置へと移動するが飾り特図始動記憶表示に作用しない(棒を振り下ろさない)パターン等を設けても良い。
また、本実施形態の遊技機10において、演出制御手段(演出制御装置300)は、所定の予告演出(前兆演出)において始動記憶表示(飾り特図始動記憶表示)の表示態様を変化させることが可能であり、第1パターンの予告演出において始動記憶表示の表示態様が変化する割合が、第2パターンの予告演出において始動記憶表示の表示態様が変化する割合よりも高くなるよう構成可能である(図44(d)〜(g)参照)。
このように構成することで、前兆演出のパターンによって(すなわち、飾り特図始動記憶表示に作用可能な画像の動きによって)、当該前兆演出が飾り特図始動記憶表示の表示態様の変化しやすい前兆演出であるか否か示唆できる。したがって、遊技者は、当該示唆によって、飾り特図始動記憶表示の表示態様が変化しやすい前兆演出であると認識できた段階で、期待感を持って遊技をすることができるため、遊技の興趣が向上する。また、飾り特図始動記憶表示の表示態様が変化するか否かという最終段階だけでなく、飾り特図始動記憶表示に作用可能な画像(キャラクタ画像G2)がどのような動きをするかという途中段階にも、遊技者の興味を引き付けることができるため、興趣の高い前兆演出を実行することが可能となる。
<保留変化演出>
前述したように、本実施形態の遊技機10は、保留変化演出として、待機保留表示部41bに表示されている飾り特図始動記憶表示の表示態様を変化させて先読み結果を示唆する待機保留変化演出や、実行中保留表示部41cに表示されている飾り特図始動記憶表示の表示態様を変化させて実行中の特図変動表示ゲームの結果や変動パターンなどを示唆する実行中保留変化演出を実行可能である。
例えば、可動役物44aが保留表示部41b,41cと前後に重なる状態である場合(すなわち、可動役物44aが保留表示部41b,41cの前方に位置する状態である場合)に保留変化演出を実行すると、可動役物44aによって、飾り特図始動記憶表示の表示態様が変化している様子が視認不能(視認困難)になる虞がある。しかし、本実施形態では、可動役物44aが保留表示部41b,41cと前後に重なる状態であるか否かにかかわらず、すなわち飾り特図始動記憶表示の表示態様が変化している様子が視認不能(視認困難)であるか否かにかかわらず、保留変化演出の実行タイミングが到来した場合には、保留変化演出を開始して、変化対象の飾り特図始動記憶表示の表示態様を変化させることとする。
具体的には、演出制御装置300は、例えば、図48の(a)に示すように、可動役物44aが、変化対象の飾り特図始動記憶表示(ここでは右端の飾り特図始動記憶表示)と前後に重なる状態であっても、保留変化演出(ここでは待機保留変化演出)を実行して、変化対象の飾り特図始動記憶表示の表示態様を変化させる。
無論、可動役物44aが保留表示部41b,41cと前後に重なる期間中は、保留変化演出の実行を禁止するよう構成することも可能である。しかし、このように構成した場合、可動役物44aの動作不良によって、可動役物44aが保留表示部41b,41cと前後に重なる期間に、可動役物44aが保留表示部41b,41cと前後に重ならない状態になるという不都合が生じた際には、遊技者は、役物動作演出を楽しむこともできないし、保留変化演出を楽しむこともできない。
これに対し、本実施形態では、可動役物44aが保留表示部41b,41cと前後に重なる期間であるか否かにかかわらず、すなわち可動役物44aの状態にかかわらず、保留変化演出の実行タイミングが到来した場合には、保留変化演出を開始して変化対象の飾り特図始動記憶表示の表示態様を変化させるよう構成する。これにより、可動役物44aの動作不良が生じて役物動作演出を楽しむことができなくなったとしても、保留変化演出を楽しむことができるため、遊技の興趣が低下することを防止できる。
ここで、飾り特図始動記憶表示が可動役物44aで隠れて視認不能(視認困難)になると、保留表示部41b,41cにおける表示を見ても正確な始動記憶数を把握できない虞があるが、本実施形態では、保留表示部41b,41cとは別に数字保留表示部41eを設けているため、飾り特図始動記憶表示が視認不能(視認困難)であっても正確な始動記憶数を把握できる。
また、本実施形態の場合、可動役物44aの状態にかかわらず保留変化演出を実行するため、保留変化演出の実行中に、可動役物44aが保留表示部41b,41cと前後に重なる状態から重ならない状態に変化することもあるし、可動役物44aが保留表示部41b,41cと前後に重ならない状態から重なる状態に変化することもある。
なお、表示装置41の表示領域内の、可動役物44aのサイズ(可動役物44aを前方から見た際のサイズ)よりも広い領域で、保留変化演出を実行することも可能である。具体的には、例えば、図48の(b)に示すように、保留変化演出の演出効果を高める演出画像として、前方から見て可動役物44aからはみ出るサイズの画像(エフェクト画像E等)を表示しても良い。
これにより、可動役物44aが保留表示部41b,41cと前後に重なる状態であって、保留変化演出に関連した表示(変化対象の飾り特図始動記憶表示や、飾り特図始動記憶表示の表示態様の変化に関連した画像(エフェクト画像E等)など)の少なくとも一部は可動役物で隠れないため、保留変化演出が実行されていることを遊技者は認識可能となる。
また、図48に示す例では、変化対象の飾り特図始動記憶表示の一部のみが、可動役物44aで隠れて視認不能(視認困難)になっているが、変化対象の飾り特図始動記憶表示の全部を、可動役物44aで隠して視認不能(視認困難)にしてもよい。
また、保留変化演出の演出効果を高める演出画像として、キャラクタ画像(保留変化演出に関連した所定のキャラクタ画像)を表示し、可動役物44aの状態にかかわらず、当該キャラクタ画像が飾り特図始動記憶表示に作用する演出を行っても良い。
また、可動役物44aの動作時間は、保留変化演出の実行時間よりも長くても良いし、短くても良い。また、可動役物44aの動作時間は、保留変化演出の実行時間と同じであっても良い。
また、可動役物44aに替えて、保留表示部41b,41cに重畳表示可能なキャラクタ画像を表示しても良い。この場合、キャラクタ画像を、飾り特図始動記憶表示よりも手前側に表示しても良いし、飾り特図始動記憶表示よりも奥側に表示しても良い。
キャラクタ画像を、飾り特図始動記憶表示よりも手前側に表示する場合、キャラクタ画像と飾り特図始動記憶表示が重なった際には、キャラクタ画像で、飾り特図始動記憶表示のうちの当該キャラクタ画像と重なっている部分が隠れることとなる。一方、キャラクタ画像を、飾り特図始動記憶表示よりも奥側に表示する場合、キャラクタ画像と飾り特図始動記憶表示が重なった際には、飾り特図始動記憶表示で、キャラクタ画像のうちの当該飾り特図始動記憶表示と重なっている部分が隠れることとなる。
また、可動役物44aを、透明や半透明な部材で構成し、可動役物44aを透して、飾り特図始動記憶表示の表示態様が変化している様子や保留変化演出に関連した表示を視認できるよう構成しても良い。あるいは、可動役物44aに、孔や隙間を設け、当該孔や隙間から、飾り特図始動記憶表示の表示態様が変化している様子や保留変化演出に関連した表示を視認できるよう構成しても良い。
また、保留表示部41b,41cと前後に重なる状態になり得る可動役物は、例えば図49に示すように、複数のパーツに分割可能であって、パーツ同士の間に間隙が形成されない第1状態(割れていない状態)から、パーツ同士の間に所定幅の間隙が形成される第2状態(割れ完了状態)へと変換可能な可動役物44bであっても良い。
この場合、図50に示すように、保留変化演出の実行期間は、可動役物44bが割れ完了状態である期間(t22〜t24)の少なくとも一部と重複することが好ましい。これにより、例えば図49に示すように、可動役物44bに形成される隙間(すなわち、可動役物44bが割れていない状態である期間(t21〜t25)中に形成される隙間)から飾り特図始動記憶表示の表示態様が変化している様子や保留変化演出に関連した表示を視認できる。ここで、保留変化演出によって、飾り特図始動記憶表示の表示態様は、変化前の表示態様から変化後の表示態様に切り替わるが、本願において、保留変化演出は、変化後の表示態様での表示を開始するタイミングにて終了する。したがって、保留変化演出には、表示態様の変化時(変化直前から変化直後までの期間(変化直前と変化直後とを含む))は含まれるが、表示態様の変化後は含まれない。また、飾り特図始動記憶表示の表示態様の変化前に、当該飾り特図始動記憶表示を点滅等させて、表示態様がもうすぐ変化することを示唆する演出を行う場合には、当該演出も保留変化演出に含んでも良い。
なお、図50に示す例では、保留変化演出の開始タイミングが、可動役物44bが割れ完了状態への変換動作を開始するタイミング(t21)と同時になるよう設定されているが、保留変化演出の開始タイミングは、適宜変更可能であり、可動役物44bが割れていない状態である期間(t21〜t25)内に設定することが好ましい。
また、図50に示す例では、保留変化演出の終了タイミングが、可動役物44bが割れ完了状態である期間(t22〜t24)内に設定されているが、保留変化演出の終了タイミングは、適宜変更可能であり、可動役物44bが割れていない状態である期間(t21〜t25)内に設定することが好ましい。
また、保留表示部41b,41cと前後に重なる状態になり得る可動役物が、割れていない状態と割れ完了状態とに変換可能な可動役物44bである場合、可動役物44bが開閉動作(割れ完了状態への変換動作、割れていない状態に戻る復帰動作)を行う位置を、変化対象の飾り特図始動記憶表示の位置に基づき決定しても良い。
図49に示す例において、待機保留表示部41bに表示されている3つの飾り特図始動記憶表示のうち、右端の飾り特図始動記憶表示は、可動役物44bが割れ完了状態の方が視認しやすく、真ん中の飾り特図始動記憶表示は、可動役物44bが割れていない状態の方が視認しやすい。
よって、例えば、可動役物44bが開閉動作を行う位置を、変化対象の飾り特図始動記憶表示と前後に重なる位置に設定することで、可動役物44bに形成される隙間から飾り特図始動記憶表示の表示態様が変化している様子を視認することが可能となる。
このように、本実施形態の遊技機10によれば、始動条件の成立に基づき複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)を実行し、当該変動表示ゲームの結果が特別結果となった場合に遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態を発生する遊技機であって、始動条件の成立に基づき所定の乱数を抽出し変動表示ゲームの始動記憶として記憶する始動記憶手段(遊技制御装置100)と、始動記憶に対応する始動記憶表示(飾り特図始動記憶表示)を表示装置41の表示領域に設けた始動記憶表示領域(待機保留表示部41b、実行中保留表示部41c)に表示する始動記憶表示制御手段(演出制御装置300)と、始動記憶表示領域の前方に位置する状態(前後に重なる状態)と、始動記憶表示領域の前方から退避した状態(前後に重ならない状態)と、に変換可能な可動役物44aと、を備え、始動記憶表示制御手段は、可動役物44aの状態にかかわらず、始動記憶表示の表示態様を変化させる始動記憶表示変化演出(保留変化演出)を実行可能である。
したがって、可動役物の動作不良が生じて役物動作演出を楽しむことができなくなったとしても、保留変化演出を楽しむことができるため、保留変化演出によって遊技の興趣を高めることができる。
また、本実施形態の遊技機10によれば、始動条件の成立に基づき複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)を実行し、当該変動表示ゲームの結果が特別結果となった場合に遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態を発生する遊技機であって、始動条件の成立に基づき所定の乱数を抽出し変動表示ゲームの始動記憶として記憶する始動記憶手段(遊技制御装置100)と、表示装置41の表示領域に設けた始動記憶表示領域(待機保留表示部41b、実行中保留表示部41c)の前方に位置する状態(前後に重なる状態)と、当該始動記憶表示領域の前方から退避した状態(前後に重ならない状態)と、に変換可能な可動役物44aと、表示領域に表示される表示内容を制御する表示制御手段(演出制御装置300)と、を備え、表示制御手段は、始動記憶表示領域に、始動記憶に対応する始動記憶表示(飾り特図始動記憶表示)を表示し、表示領域内の所定領域で、始動記憶表示の表示態様を変化させるとともに当該変化に関連した画像(エフェクト画像E等)を表示する始動記憶表示変化演出(保留変化演出)を実行可能であり、所定領域の少なくとも一部は、可動役物44aが始動記憶表示領域の前方に位置する状態であっても、前方から視認可能であるよう構成可能である(図48の(b)参照)。
したがって、可動役物44aが保留表示部41b,41cの前方に位置する状態であっても、保留変化演出に関連した表示の少なくとも一部は可動役物で隠れないため、保留変化演出によって遊技の興趣を高めることができる。
なお、所定領域は、可動役物44aのサイズ(可動役物44aを前方から見た際のサイズ)よりも広い領域でなくても良く、可動役物44aが保留表示部41b,41cの前方に位置する状態である場合に少なくとも一部が視認可能であれば、当該所定領域のサイズは適宜変更可能である。
また、本実施形態の遊技機10によれば、始動条件の成立に基づき複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)を実行し、当該変動表示ゲームの結果が特別結果となった場合に遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態を発生する遊技機であって、始動条件の成立に基づき所定の乱数を抽出し変動表示ゲームの始動記憶として記憶する始動記憶手段(遊技制御装置100)と、始動記憶に対応する始動記憶表示(飾り特図始動記憶表示)を表示装置41の表示領域に設けた始動記憶表示領域(待機保留表示部41b、実行中保留表示部41c)に表示する始動記憶表示制御手段(演出制御装置300)と、始動記憶表示領域の前方に位置する状態(前後に重なる状態)と、始動記憶表示領域の前方から退避した状態(前後に重ならない状態)と、に変換可能な可動役物44bと、を備え、可動役物44bは、複数のパーツに分割可能であって、パーツ同士の間に間隙が形成されない第1状態(割れていない状態)から、パーツ同士の間に所定幅の間隙が形成される第2状態(割れ完了状態)へと変換可能であり、始動記憶表示制御手段は、始動記憶表示の表示態様を変化させる始動記憶表示変化演出(保留変化演出)を実行可能であり、始動記憶表示変化演出の実行期間(t21〜t23)は、可動役物44bが第1状態である期間(t22〜t24)の少なくとも一部と重複するよう構成可能である(図50参照)。
したがって、可動役物44bが保留表示部41b,41cの前方に位置する状態であっても、可動役物44bに形成される間隙(隙間)から飾り特図始動記憶表示の表示態様が変化している様子や保留変化演出に関連した表示を視認できるため、保留変化演出によって遊技の興趣を高めることができる。
なお、本発明の遊技機は、遊技機として、前記実施の形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技球を使用する全ての遊技機に適用可能である。また、本発明をスロットマシンに適用することも可能である。このスロットマシンとしてはメダルを使用するスロットマシンに限られるものではなく、例えば、遊技球を使用するスロットマシンなどの全てのスロットマシンが含まれる。
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。