JP6716407B2 - 重金属の固定化方法および植物への重金属移行抑制方法 - Google Patents

重金属の固定化方法および植物への重金属移行抑制方法 Download PDF

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本発明は、例えば土壌中の重金属の固定化方法、当該重金属の植物への移行抑制方法に係る。
例えば特許文献1には、シュベルトマナイトを用いて、汚染土壌中に含有される砒素や重金属を不動態化して汚染土壌を浄化する汚染土壌の浄化方法が記載されている。
また、例えば特許文献2には、シュベルトマナイトの構造内に存在する硫酸イオンをケイ酸イオンに置換し、シュベルトマナイトの構造を安定化することにより、安定化したヒ素収着能を有するシュベルトマナイトが提案されている。
特開2003−112162号公報 特許第3859001号公報
しかしながら、特許文献1の方法では、シュベルトマナイト中に重金属をある程度まで吸着、補足できることが開示されているものの、どの程度まで固定化、不溶化できるかは明らかではなかった。そこで、本発明者らが検討を行ったところ、さらなる改善が求められるものであった。一方、特許文献2の方法は、シュベルトマナイトとケイ酸化合物との混合処理工程を要するものであるが、生産効率、コスト面といった観点から実用性が低いという課題があった。
本発明は上述の状況の下でなされたものであり、その解決しようとする課題は、土壌等に含まれる重金属を十分に固定化、不溶化可能な重金属の固定化方法、植物への重金属移行抑制方法の提供、および、当該固定化、不溶化を可能にする重金属の固定化剤およびその製造方法を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、シュベルトマナイトへ炭酸カルシウムを反応させて成る中和シュベルトマナイトに想到した。そして当該中和シュベルトマナイトは化学的に安定で、土壌を初めとする環境中における重金属の固定化、不溶化に優れることを知見し、当該中和シュベルトマナイトを用いた重金属の固定化方法、植物への重金属移行抑制方法に想到し、本発明を完成した。
すなわち、上述の課題を解決するための第1の発明は、
Fe(OH)8−2x(SO(但し、xは1≦x≦1.75である。)の構造を示すシュベルトマナイトへ炭酸カルシウムを反応させて成る中和シュベルトマナイトを用いて、重金属を固定化することを特徴とする重金属の固定化方法である。
第2の発明は、
重金属を含む土壌へ第1の発明に記載の中和シュベルトマナイトを添加し、前記重金属を固定化することを特徴とする重金属の固定化方法である。
第3の発明は、
前記重金属を含む土壌への、中和シュベルトマナイトの添加濃度を0.1質量%以上とすることを特徴とする第2の発明に記載の重金属の固定化方法である。
第4の発明は、
前記重金属がヒ素であることを特徴とする第1から第3の発明のいずれかに記載の重金属の固定化方法である。
第5の発明は、
第1から第4の発明のいずれかに記載の重金属の固定化方法を用いて、土壌から植物への重金属の移行を抑制することを特徴とする植物への重金属移行抑制方法である。
第6の発明は、
前記植物がイネ科植物であることを特徴とする第5の発明に記載の植物への重金属移行抑制方法である。
第7の発明は、
前記植物の種子または果実への重金属移行を抑制することを特徴とする第5の発明に記載の植物への重金属移行抑制方法である。
本発明によれば、中和シュベルトマナイトを添加することで、土壌等の環境中における重金属を十分に固定化、不溶化できた。
玄米におけるヒ素吸収抑制効果の検証結果を示すグラフである。 もみ殻におけるヒ素吸収抑制効果の検証結果を示すグラフである。 稲わらにおけるヒ素吸収抑制効果の検証結果を示すグラフである。 玄米の圃場試験におけるヒ素吸収抑制効果の検証結果を示すグラフである。 稲わらの圃場試験におけるヒ素吸収抑制効果の検証結果を示すグラフである。
以下、本発明を実施するための形態について、1.中和シュベルトマナイト、2.重金属の固定化剤としての中和シュベルトマナイト、3.中和シュベルトマナイトの施工方法、4.まとめ、の順に説明する。
1.中和シュベルトマナイト
本発明に係る中和シュベルトマナイトは、Fe(OH)8−2x(SO(但し、xは1≦x≦1.75である。)構造を示すシュベルトマナイトへ、炭酸カルシウムを反応させて、当該シュベルトマナイトの分子構造中に存在する硫酸イオンの少なくとも一部をカルシウムイオンに置換したものである。
ここで、中和シュベルトマナイトの製造方法例について説明する。
硫化鉄鉱床の鉱山から得られる排水へ第二鉄塩を添加し、さらにアルカリを添加してpHを3〜4の範囲とする。そして水酸化第二鉄の沈殿を形成させた後、当該排水を殿物スラリーと上澄水とに分離する(除去工程)。
前記除去工程で得られた上澄水へ鉄酸化細菌を添加し、前記上澄水に含まれる2価鉄を3価鉄へ酸化して処理液を得る(酸化工程)。
前記酸化工程後の処理液をバクテリア酸化殿物スラリーと上澄水とに分離し、得られた酸化工程後の上澄水へ炭酸カルシウムを添加して中和し、pHを4〜5の範囲とする(第一の中和工程)。そして、前記第一の中和工程後の液へ消石灰を添加して中和し、pHを7〜9の範囲とすることで(第二の中和工程)、中和シュベルトマナイトが得られる。
シュベルトマナイトは、ヒ素を初めとする重金属に対して高い吸着能を有する。しかし、当該シュベルトマナイトは水等に溶解し易く、溶解そして再析出を経ることによりゲータイトへ変異し易い。この結果、当該シュベルトマナイトを、低濃度の重金属汚染水や重金属汚染土壌へ添加した場合や、長期間の保存又は輸送を行った場合には、ゲータイトへの変異が起こり、重金属に対する吸着能を発揮できないことがあった。
ここで、上述したように、シュベルトマナイト中に存在する硫酸イオンの少なくとも一部をケイ酸イオンに置換し、ゲータイトへの変異を抑制することが公知である。
しかしながら本発明者らの検討によると、シュベルトマナイト中に存在する硫酸イオンの少なくとも一部をケイ酸イオンに置換することは、当該シュベルトマナイトへのケイ酸塩の添加工程、生成物回収のための固液分離等の工程が必要となる。そして、ケイ酸塩の添加工程においては添加条件調整が求められ、固液分離工程は大量合成に不向きでる。この結果、シュベルトマナイト中に存在する硫酸イオンの少なくとも一部をケイ酸イオンに置換することは、生産効率面、コスト面といった観点から実施が困難であると考えられた。さらに、シュベルトマナイトは、たとえ一部ケイ酸化しても酸性物質である。この結果、環境保全資材、特に農業用資材としての使用は、土壌酸性化の懸念も有り使い難いと考えられた。
これに対し、本発明は、酸性化合物であるシュベルトマナイトを炭酸カルシウムで中和し、カルシウム塩として存在させるもので、当該反応は容易に進み、生産効率面、コスト面といった観点から実施が容易である。さらに、シュベルトマナイトのカルシウム塩は中性である。この結果、特に農業用資材として使用する際、土壌の酸性化への悪影響を考える必要が無く好ましい。
2.重金属の固定化剤としての中和シュベルトマナイト
本発明に係る中和シュベルトマナイトは、重金属を十分に固定化、不溶化出来るものであった。
ここで、当該土壌に含まれる重金属としては、ヒ素(As)を初めとして、鉛、水銀、カドミウム、クロム、スズ、亜鉛、バリウム、ビスマス、ニッケル、コバルト、マンガン、バナジウム、さらに、セシウム、ストロンチウム、ウラニウム、等が挙げられる。
そして、当該カルシウム塩を得るためのカルシウム化合物としては、CaO、Ca(OH)、CaCOおよびCaSOから選択されるいずれか1種以上であることが好ましい。
中和シュベルトマナイトは、優れた重金属の吸着能を発揮する。このメカニズムは現在確認中であるが、シュベルトマナイトの重金属吸着能とカルシウム塩との相乗効果の発現、添加されたカルシウム塩による中和シュベルトマナイトのさらなる安定化効果の発揮、等によるものではないかと推察できる。
以上の知見から、シュベルトマナイトと前記カルシウム塩とを、予め混合して本発明に係る重金属の固定化剤である中和シュベルトマナイトを得、当該重金属の固定化剤を施工することも好ましい構成である。
3.中和シュベルトマナイトの施工方法
重金属を含む土壌中へ、中和シュベルトマナイトを施工する際の添加量は、当該土壌量に対する中和シュベルトマナイト量を0.1質量%以上とすることが好ましい。
中和シュベルトマナイトの添加量が0.1質量%以上あれば、当該土壌中の重金属を十分に固定化、不溶化出来るからである。一方、添加量の上限は当該土壌に含まれる重金属濃度にもよる。例えば、土壌中の重金属濃度が50mg/kg程度であれば0.1質量%〜1質量%の中和シュベルトマナイト量を添加すれば、土壌中の重金属を十分に固定化、不溶化出来る。
さらに、土壌に含まれる対象重金属がヒ素化合物であるときは、重金属の固定化剤として中和シュベルトマナイトを当該土壌に混合し、ヒ素化合物の形態の一つであるヒ酸とカルシウムイオンとを反応させて、ヒ酸カルシウム(Ca(AsO)を生成させてしまうことが好ましい。この結果、中和シュベルトマナイトによるヒ素吸着のみならず、ヒ酸カルシウム化によってもヒ素が固定化、不溶化されることとなり、さらなるヒ素の固定化、不溶化効果が得られる。尚、ヒ酸カルシウムの溶解度は0.00363g/100g−HOであり、水に極めて難容性である。環境におけるヒ素化合物の形態としては、亜ヒ酸等も知られているが、ヒ酸への変換反応も起こるため、結果として上記の固定化、不溶化効果が得られる。
4.まとめ
本発明に係る中和シュベルトマナイトの施工による、土壌から植物へのヒ素を初めとする重金属移行抑制方法は、上述した重金属の固定化方法を、イネ科植物等に代表される植物が栽培されている土壌で用いることが出来る。当該施工により、土壌中の重金属がイネ科を初めとする植物、その種子、その果実へ取り込まれることを抑制し、安全な栽培が実現できる。即ち、イネ科を初めとする植物の種子または果実への重金属移行を抑制することを実現したものである。
以下、本発明について実施例を参照しながら具体的に説明する。尤も、本発明は当該実施例に限定されるものではない。
尚、農作物サンプルにおけるヒ素の定量分析は、一般社団法人・日本食品分析センターにおける原子吸光スペクトル測定により、分析下限値は0.1mg/kgである。また、土壌のヒ素濃度分析は、誘導結合プラズマ発光分析(ICP−AES)を用い、分析下限値は0.1mg/kgで測定した。
(中和シュベルトマナイトの製造)
まず、中和シュベルトマナイトの製造方法の具体的一例を説明する。
硫化鉄鉱床の鉱山から得られる排水を28℃とし、当該排水へ第二鉄塩としてのポリ硫酸第二鉄(卯根倉鉱業株式会社製 バイオフェリック)を、添加濃度が7g/Lとなるよう添加する。そして、当該ポリ硫酸第二鉄を含む排水を撹拌し、次いで24質量%の苛性ソーダ溶液を添加してpHを3.6とした。
当該排水のpHとして3.6の状態を保持しながら、水酸化第二鉄の沈殿を形成させた。そして、シックナーを用いて、当該排水を殿物スラリーと上澄水とに分離した(除去工程)。尚、排水のpHは、pHメーター(株式会社堀場製作所製、HORIBA 9625−10D)を用いて測定した。
除去工程で得られた上澄水へ、鉄酸化細菌としてチオバチルス・フェロオキシダンス(Thiobachillus ferrooxidans)を添加し、前記上澄水に含まれる2価鉄を3価鉄へ酸化して処理液を得た(酸化工程)。そこで、シックナーを用いて、当該酸化工程後の処理液をバクテリア酸化殿物スラリーと上澄水とに分離した。
得られた、酸化工程後の上澄水を炭酸カルシウムで中和し、pHを4.0〜4.5の範囲とした(第一の中和工程)。この後、第一の中和工程後の液へ消石灰を添加して中和し、pHを7.3〜8.3の範囲とした(第二の中和工程)。そこで、シックナーを用いて、第二の中和工程後の液を固液分離し固形物を得た。
得られた固形物をフィルタープレスに通し、含水率60%以下で、水酸化鉄と硫酸塩を含有する固形分を含む中和シュベルトマナイトが得られた。
(A)ポット試験水稲栽培によるヒ素移行抑制試験
面積0.75m、深さ0.5mのポットへ、土壌90kgとヒ酸ナトリウムとを加えて混合し、土壌ヒ素濃度を50mg/kgとした。当該ポットを6個用意した。
上述の製造方法により製造した中和シュベルトマナイト(本実施例において「NS」と記載する場合がある。)を準備した。
(実施例1)
上述したポット内へNSを0.9kg添加し耕耘し、土壌(比重約1)中におけるNSが1質量%となるように調製した。
次に、ポットにイネ(品種:ヒノヒカリ)を12束(稲苗3本を1束)ずつ、束は0.2m間隔で2列となるように播苗し、栽培した。適宜施肥を行ない、約4カ月後に稲刈りを行い、2週間程度乾燥させ、脱穀、籾摺りを経た後、実施例1に係る玄米のサンプルを得た。
玄米収量は0.33kg/mであった。当該玄米のサンプルに含有されるヒ素濃度を図1に示す。
(実施例2)
実施例1にて説明した脱穀、籾摺りを経た後、もみ殻のサンプルを得た以外は、実施例1と同様の操作を行って、実施例2に係るもみ殻のサンプルを得た。当該もみ殻のサンプルに含有されるヒ素濃度を図2に示す。
(実施例3)
実施例1にて説明した脱穀、籾摺りを経た後、稲わらのサンプルを得た以外は、実施例1と同様の操作を行って、実施例3に係る稲わらのサンプルを得た。当該稲わらのサンプルに含有されるヒ素濃度を図3に示す。
(実施例4)
上述したポット内へNSを2.7kg添加し耕耘し、土壌(比重約1)中におけるNSが3質量%となるように調製した以外は、実施例1と同様の操作を行って、実施例4に係る玄米のサンプルを得た。
玄米収量は0.30kg/mであった。当該玄米のサンプルに含有されるヒ素濃度を図1に示す。
(実施例5)
上述したポット内へNSを2.7kg添加し耕耘し、土壌(比重約1)中におけるNSが3質量%となるように調製した以外は、実施例2と同様の操作を行って、実施例5に係るもみ殻のサンプルを得た。当該もみ殻のサンプルに含有されるヒ素濃度を図2に示す。
(実施例6)
上述したポット内へNSを2.7kg添加し耕耘し、土壌(比重約1)中におけるNSが3質量%となるように調製した以外は、実施例3と同様の操作を行って、実施例6に係る稲わらのサンプルを得た。当該稲わらのサンプルに含有されるヒ素濃度を図3に示す。
(比較例1)
上述したポット内へNSを添加しなかった以外は、実施例1と同様の操作を行って、比較例1に係る玄米のサンプルを得た。
玄米収量は0.30kg/mであった。当該玄米のサンプルに含有されるヒ素濃度を図1に示す。
(比較例2)
上述したポット内へNSを添加しなかった以外は、実施例2と同様の操作を行って、比較例2に係るもみ殻のサンプルを得た。当該もみ殻のサンプルに含有されるヒ素濃度を図2に示す。
(比較例3)
上述したポット内へNSを添加しなかった以外は、実施例3と同様の操作を行って、比較例3に係る稲わらのサンプルを得た。当該稲わらのサンプルに含有されるヒ素濃度を図3に示す。
(実施例1−6、比較例1−3のまとめ)
図1−3のグラフに示された、玄米、もみ殻、稲わら中のヒ素含有量のデータより、NS無施用の場合と、NS1質量%、3質量%施用との間に統計的有意差が認められた。
特に、玄米においてはNS1質量%、3質量%施用により、NS無施用の場合に比較して、ヒ素移行を80%程度抑制するデータが得られた。
一方、玄米収量においては、NS1質量%施用で0.33kg/m、NS3質量%施用、無施用で0.30kg/mであり、NS1質量%施用が高収量という結果も得られた。
(B)水稲栽培によるヒ素移行抑制試験(津山市内圃場)
(実施例7)
面積約14mの試験圃場を準備した。当該試験圃場の土壌中のヒ素濃度は、10mg/kgであった。当該試験圃場において、NSを1m当たり2kg施用し、深さ0.2mで耕耘し、土壌(比重約1)中におけるNS1質量%の施用区を調製した。
田植前のそれぞれの圃場に、肥料である登録商標「ツバメコート」(サンアグロ社)と、登録商標「SRコート」(住友化学社)との混合肥料を0.4kg散布した。
栽培した米の品種は「あきたこまち」とした。
田植機による田植えを行い、田植直後のそれぞれの圃場に、除草剤である登録商標「忍」(住友化学社)を約7ml滴下した。そして田植えから2ヶ月後、2.5ヶ月後に、除草剤である登録商標「スミチオン」(住友化学社)を適量散布した。
田植えから5ヶ月に区画ごと(それぞれn=3)に収穫を行い、3週間程度自然乾燥させた後、脱穀、籾摺りを実施し、玄米および稲わらのサンプルを採取した。
当該玄米のサンプルに含有されるヒ素濃度を図4に、稲わらのサンプルに含有されるヒ素濃度を図5に示す。
(比較例4)
NSを施用しなかった以外は、実施例7と同様の操作を行って玄米および稲わらのサンプルを採取した。
当該玄米のサンプルに含有されるヒ素濃度を図4に、稲わらのサンプルに含有されるヒ素濃度を図5に示す。
(実施例7、比較例4のまとめ)
図4のグラフに示された玄米のサンプルにおけるヒ素含有量の結果より、NS1質量%の施用により、ヒ素移行を20%程度抑制するデータが得られた。
玄米の収量においては、NS施用区と非施用区で顕著な差は見られなかった。
図5のグラフに示された稲わらのサンプルにおけるヒ素含有量の結果より、NS1質量%施用区の稲わらは基準値以下のヒ素濃度に低減された。一方、無施用区のものは基準値を超え、飼料として適さないことが判明した。

Claims (7)

  1. Fe(OH)8−2x(SO(但し、xは1≦x≦1.75である。)の構造を示すシュベルトマナイトへ炭酸カルシウムを反応させて成る中和シュベルトマナイトを用いて、重金属を固定化することを特徴とする重金属の固定化方法。
  2. 重金属を含む土壌へ請求項1に記載の中和シュベルトマナイトを添加し、前記重金属を固定化することを特徴とする重金属の固定化方法。
  3. 前記重金属を含む土壌への、中和シュベルトマナイトの添加濃度を0.1質量%以上とすることを特徴とする請求項2に記載の重金属の固定化方法。
  4. 前記重金属がヒ素であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の重金属の固定化方法。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の重金属の固定化方法を用いて、土壌から植物への重金属の移行を抑制することを特徴とする植物への重金属移行抑制方法。
  6. 前記植物がイネ科植物であることを特徴とする請求項5に記載の植物への重金属移行抑制方法。
  7. 前記植物の種子または果実への重金属移行を抑制することを特徴とする請求項5に記載の植物への重金属移行抑制方法。
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