JP6715568B2 - 睡眠異常をきたすうつ病のモデル動物 - Google Patents

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Description

本発明は、睡眠異常をきたすうつ病のモデル動物及びその作製方法に関する。
人間関係をはじめとした社会的関係性で生じるストレスは、気分障害やそれに伴う睡眠障害などの病態を引き起こす大きな要因の1つである。気分障害のうち、大うつ病では抑うつ気分や興味・喜びの喪失という中核症状以外にも、摂食障害、易疲労性、睡眠障害などの身体症状が出現する。特に、睡眠障害においては、睡眠潜時の延長などの入眠障害や中途覚醒、レム睡眠の増加や潜時の短縮などの特徴的な所見が認められる。これらの異常は睡眠薬の服薬のみでは十分に改善しないことが多く、その場合には抗うつ薬による治療の対象となる。
前述のように、大うつ病は、主観的気分の障害と行動面の障害に分けられ、後者については、これまで様々な動物モデルを用いた研究が盛んに行われてきた。近年、マウスを用いた「社会敗北ストレス」モデルが報告され、大きな注目を集めている1)。この動物モデルでは、マウスを別種の体の大きいマウスと10日間接触させて、社会的ストレスを負荷するという方法を用いるが、ストレスを受けた半分強のマウスがその後も長期にわたって他のマウスとの接触を回避するようになる。この回避行動は、うつ病の症状に類似しているうえ、抗うつ薬の慢性投与で改善されることから、うつ病様行動の1つの指標であると考えられている1)。社会敗北ストレスによる回避行動はマウスに特徴的な所見で、ストレスの負荷方法も方法論的に確立されつつあり、比較的簡便に回避行動を誘発させることができる。
一方、ラットにおいては、同様のストレスを適用しても回避行動を示すことに成功した事例はこれまで報告されていない。最近では、ラットが他個体の生存行動を援助するような、比較的高度な向社会性行動を示すことが報告2)されており、マウスで同様の報告は存在しないことから、ラットが社会心理的ストレスを受けた際の感受性は、マウスに比してより大きな影響を受けることが想定される。したがって、われわれはラットに社会的回避行動を誘発させる重要性を鑑みた。
また、うつ病に伴って高率に認められる睡眠障害について詳細な検討を行うためには、モデル動物を用いた解析が必要となるが、ヒトの病態を再現した適切な動物モデルはこれまで存在せず、睡眠障害発症のメカニズムは未解明なままであった。
Krishnan V, Han MH, Graham DL, Berton O, Renthal W, Russo SJ, Laplant Q, Graham A, Lutter M, Lagace DC, Ghose S, Reister R, Tannous P, Green TA, Neve RL, Chakravarty S, Kumar A, Eisch AJ, Self DW, Lee FS, Tamminga CA, Cooper DC, Gershenfeld HK, Nestler EJ. Molecular adaptations underlying susceptibility and resistance to social defeat in brain reward regions. Cell. 2007. 131(2): 391-404. Ben-Ami Bartal I, Decety J, Mason P. Empathy and pro-social behavior in rats. Science. 2011. 334(6061): 1427-30.
本発明者は、ラットを用いた社会心理的ストレス、すなわち、社会敗北ストレスを改変した新しい社会心理的ストレスパラダイムを構築し、社会的回避行動を誘発し得る方法論を確立するとともに、睡眠障害を含めた、ヒトのうつ病の臨床症状をより精確に表現し得るモデル動物を開発することを本発明の目的とした。
そこで本発明は、睡眠異常をきたし、かつうつ病様の行動異常を示すモデル動物及びその作製方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意研究を行った結果、 ストレッサーラットとしてBrown Norwayラット(BNラット)を用い、BNラットとともに被検ラットを飼育することで、当該被検ラットにうつ病様症状を惹起し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
(1)被検ラットをBrown Norwayラットとともに飼育することを特徴とする、前記被検ラットにおける精神疾患モデルラットの作製方法。
(2)被検ラットがWistarラット又はSprague Dawleyラットである(1)に記載の方法。
(3)被検ラットのストレス負荷の開始時の週齢が8週齢である(2)に記載の方法。
(4)Brown Norwayラットが7か月齢以上のラットである(1)に記載の方法。
(5)精神疾患が、うつ病、急性ストレス性障害、睡眠障害、不安障害、摂食障害及び心的外傷後ストレス障害からなる群から選択される少なくとも1つである(1)〜(4)のいずれか1項に記載の方法。
(6)前記(1)〜(5)のいずれか1項に記載の方法により作製された、精神疾患モデルラット。
(7)Brown Norwayラット又は被検ラットと同種のラットに対する接触回避行動、総移動距離の減少、高架式十字迷路による不安様行動、体重減少、摂食量の低下、ショ糖に対する嗜好性低下、ノンレム睡眠の出現時間の減少、並びにノンレム睡眠及びレム睡眠の出現の断片化からなる群から選ばれる少なくとも1つの特徴を表す、(6)に記載のラット。
(8)精神疾患が、うつ病、急性ストレス性障害、睡眠障害、不安障害、摂食障害及び心的外傷後ストレス障害からなる群から選択される少なくとも1つである(6)又は(7)に記載のラット。
(9)前記(6)〜(8)のいずれか1項に記載のモデルラット又はその組織に候補物質を接触させることを特徴とする、抗精神疾患薬のスクリーニング方法。
(10)精神疾患が、うつ病、急性ストレス性障害、睡眠障害、不安障害、摂食障害及び心的外傷後ストレス障害からなる群から選択される少なくとも1つである(9)に記載の方法。
本発明により、うつ病等の精神疾患のモデルラット及びその作製方法が提供される。本発明のラットは、例えばうつ病のメカニズム解析、新規抗うつ薬のスクリーニング等に利用できる点で極めて有用である。
社会敗北ストレスの実施方法を示す図である。餌箱や行動量センサーを設置できる特殊な飼育ケージを使用する。水・ショ糖が入ったボトルを設置することもでき、水・ショ糖の選択摂取試験を行うことも可能である。 ストレス負荷後のinteraction試験結果を示す図である。 ストレス負荷後のinteraction試験における接触率の各群比較結果を示す図である。 ストレス負荷後のラットの体重推移を示す図である。 各群ラットにおけるアクトグラム記録を示す図である。 明期における各睡眠段階の出現時間の各群比較結果を示す図である。 明期における各群ラットの睡眠図である。 明期開始後のノンレム睡眠が出現するまでの群別潜時を示す図である。
1.概要
大うつ病は抑うつ気分または興味・喜びの喪失という中核症状のほか、食欲低下、易疲労性、睡眠障害などの身体症状が出現する精神疾患である。本発明では、社会敗北ストレスを改変した新しい社会心理的ストレスパラダイムを構築し、ヒトのうつ病の臨床症状をより精確に表現し得るモデル動物の開発を試みた。その結果、うつ病の行動学的指標とされる社会的回避をラットに誘発させることに初めて成功し、回避行動の客観的測定が可能となった。このラットモデルは、他にも、うつ病に特徴的な不安症状や身体的所見を示すのみでなく、これまでの社会的ストレスモデルでは報告されていなかった、睡眠覚醒リズム障害、特にレム睡眠に関わる異常が見出された。これらの知見は、従来のうつ病モデルに比してヒトの臨床症状を的確に反映していると考えられ、これまでの疾患概念とは異なる観点からのうつ病の診断、治療、予防法開発への有用性が期待される。
本発明者は、社会心理的ストレスを負荷する実験系を用いて、ラットではじめて他個体に対する回避行動を誘発させることに成功した。その回避行動は、ストレッサーと同系統のラットに対してだけでなく、試験ラットと同じ系統のラットに対しても示されたことから、われわれが開発したモデル動物は回避行動における汎化を引き起こすことが明らかとなった。
マウスにおける社会敗北ストレスでは、他個体への回避行動は抗うつ薬の慢性投与で完全に回復するとの報告1)があり、そのため、この回避行動はうつ様状態を示す行動学的指標と考えられている。われわれのモデル動物における回避行動に対しては、三環系抗うつ薬のimipramineの慢性投与で部分的な回復を示すに留まった。したがって、回避行動の誘発には脳内モノアミン系以外の機序も関与している可能性が指摘できる。
前述の回避行動以外にも、一定時間あたりの総移動距離が有意に短縮するなど自発運動活性の低下がみられた。これはヒトの精神運動性の抑止状態を反映していると思われる。また、体重減少や摂食行動の低下などのうつ病に特徴的な身体症状に類似した異常も確認され、ショ糖摂取量の低下や嗜好性の低下も生じていた。この嗜好性低下はヒトの無快楽症様状態(anhedonia)を反映すると考えられており、抗うつ薬の投与により改善を示すことから、これらの諸現象を呈する本モデルはヒトのうつ病の身体症状の側面を非常によく模していると推察される。
これまで報告されてきたうつ病の動物モデルにおいては、うつ様状態を伴う場合における睡眠構築の異常、特にレム睡眠の異常については、あまり検証されて来なかった。われわれのモデルでは、ノンレム睡眠の出現時間が顕著に減少し、逆にレム睡眠が増加するという睡眠浅化が生じており、異なる2つの睡眠要素はそれぞれ断片化が促進するなど、睡眠の質は著しく低下していた。また、ノンレム睡眠の出現潜時は延長傾向を示し、いわゆる入眠障害が生じている可能性が示唆され、さらに、レム睡眠潜時は顕著に短縮しているなど、うつ病にみられる睡眠異常と非常に類似した知見が得られた。これらの睡眠異常は抗うつ薬の慢性投与により、大幅な改善が認められている。うつ病態における睡眠異常については、ノンレム睡眠が動物に対する様々なストレスによって断片化するとの事例がこれまでにも散見されてはいたが、レム睡眠異常、特に、潜時の短縮や断片化、出現時間の顕著な増加、という現象を示す動物モデルに関する報告はこれまでなかった。本発明により、うつ症状に伴うレム睡眠障害を呈する動物モデルを初めて構築することができた。
さらに、本モデルでは、ストレスを受けたすべての動物が他個体を回避するという行動特性を示した。これはマウスでの社会敗北ストレスによる回避率は約50%とする従来の報告1)とは大きく異なる点である。したがって、本モデルで用いた動物系統の組み合わせによるストレスの負荷方法が、動物の回避行動を確実に惹起させるのに有効であり、それは抗うつ薬のスクリーニングを行う上で、薬効判定の際に非常に優れた利点を持つことを示している。この有用性は新規薬剤の開発のみでなく、開発後の様々な安全性試験に対しても期待できるものである。
うつ病における神経病理については、精神疾患における死後脳研究により、脳内オリゴデンドロサイト系の異常と気分障害との関連が示唆されている。オリゴデンドロサイトは神経細胞の軸索における髄鞘(ミエリン鞘)を構成する要素として、神経インパルスの正常な跳躍伝導形成に重要な働きを担っているが、本発明者は、ヒト気分障害死後脳の前頭極においてオリゴデンドロサイト系譜細胞が特異的に減少していることを見出した4)。また、最近では、レム睡眠中にオリゴデンドロサイト前駆細胞の再生が促進しているとの知見が報告5)されており、オリゴデンドロサイト系譜細胞とレム睡眠異常との関連は非常に興味深い点である。したがって、レム睡眠異常を呈した本モデルの詳細な病理学的検討により、これまでのモノアミン系の病態仮説に依存しない、新しいうつ病の病態メカニズムが明らかとなる可能性がある。
近年、抗うつ薬による治療が奏功しない難治性うつ病が臨床的にも問題になっている。本発明のモデル動物は、このような難治性うつ病に対する医薬品をスクリーニングすることが可能である。
2.精神疾患モデルラットの作製
本発明は、被検ラットをBrown Norwayラットとともに飼育することを特徴とする、前記被検ラットにおける精神疾患モデルラットの作製方法である
(1)被検ラット
被検ラットとは、精神疾患モデルラットを作製する対象となるラットであり、その種類は限定されるものではない。被検ラットとしては、Wistar(WI)ラット、Sprague Dawley(SD)ラット、Long-Evansラットなどが挙げられ、SDラットであることが好ましい。
ラットの週齢も限定されるものではなく、好ましくは5週齢〜8週齢、さらに好ましくは8週齢である。本発明においては、ストレスの負荷を開始するときの週齢が5週齢〜8週齢、例えば8週齢であることが好ましい。
上記ラットは、自ら繁殖させてもよく、市販のもの(日本チャールス・リバー社)を使用することもできる。
但し、被検ラットは後述のストレッサーに使用するBrown Norwayラットではないことが必要である。
(2)ストレッサーラット
ストレッサーラットとは、上記被検ラットに対しストレスを与えるラットを意味する。ストレスには多数の種類があるが、本発明では、例えば社会敗北ストレスなどの、他個体との直接的、間接的接触を含む社会心理的な負荷方法を用いたストレスが挙げられる。
ストレッサーラットとしては、Brown Norway(BN)ラットが挙げられ、使用する週齢は、被検ラットよりも身体が大きく、攻撃性を有する限り特に限定されるものではないが、例えば、7ヶ月齢〜9ヶ月齢、さらに好ましくは9ヶ月齢以上である。
(3)飼育
被検ラットにストレスを負荷するには、被検ラットとストレッサーラットとをケージ内で一緒に飼育する。飼育法は直接法でも間接法でもよく、両者を併用してもよい。直接法の場合、ストレスを負荷するための飼育期間は、5分〜1時間、好ましくは10分〜15分である。直接法では、飼育することにより、ストレッサーラットが被検ラットを追跡したり覆い被さるなどの接触を起こす(「interaction」という)。
また、間接法では、被検ラットとストレッサーラットとを、しきり板で隔てた飼育ケージの中で1時間〜48時間程度滞在させる。好ましくは24時間である。この場合、しきり板は透明板であることが好ましい。
(4)精神疾患
本発明において、対象となる精神疾患は特に限定されるものではなく、例えばうつ病、急性ストレス性障害、睡眠障害、不安障害、摂食障害、心的外傷後ストレス障害などが挙げられ、1つ又は複数を対象とすることができる。本発明においては、これらの精神疾患のうちうつ病が好ましい。これらの疾患は、互いに共通した症状、もしくはそれらの一部を有していることが多いため、後述の行動学的評価を行うことで、上記疾患のモデルとすることができる。
(5)行動学的評価
ストレス負荷後のラットが、うつ病などの所定の精神疾患症状を呈したかどうかの確認、すなわちモデルラットとなったことの確認は、例えば以下の手法から選択することができる。評価項目は単独でも複数個を組み合わせてもよい。
(i) 回避行動
オープンフィールドで行なう接触行動測定で、ストレッサーラット(BNラット)又は被検ラットと同種のラット(SDラットが好ましい)に対する接触割合(図ではRatioと表示)が100%を下回るときは、精神疾患(うつ病や急性ストレス性障害、心的外傷後ストレス障害など)の指標とする。被検ラットにストレス負荷がかかると、ストレッサーラットに対してのみならず、被検ラットと同種のラットに対しても回避行動をとるようになる。
(ii) 行動の軌跡、移動距離
ストレス負荷群での値が対照に比して有意差を持って短縮したときは、うつ病や急性ストレス性障害、不安障害、心的外傷後ストレス障害などの指標とする。
(iii) 高架式十字迷路を用いた不安様行動試験
ストレス負荷群におけるOpen arms上での滞在時間が、対照に比して有意差を持って短縮されたときは、うつ病や急性ストレス性障害、不安障害、心的外傷後ストレス障害などの指標とする。
(iv) 体重測定
体重が対照と比較して20%程度減少したときは、うつ病や急性ストレス性障害、不安障害、摂食障害、心的外傷後ストレス障害などの指標とする。
(v) 摂食量測定
摂食量が対照と比較して40%程度減少したときは、うつ病や急性ストレス性障害、不安障害、摂食障害、心的外傷後ストレス障害などの指標とする。
(vi) ショ糖に対する嗜好性観察
嗜好性が対照と比較して有意差を持って低下したときは、うつ病や急性ストレス性障害、不安障害、摂食障害、心的外傷後ストレス障害などの指標とする。
(vii) レム睡眠及び/又はノンレム睡眠の出現時間
レム睡眠が対照と比較して出現時間の有意な増加が認められたとき、又はノンレム睡眠が対照と比較して有意な短縮が認められたときは、うつ病や急性ストレス性障害、睡眠障害、不安障害、心的外傷後ストレス障害などの指標とする。この場合、さらに一定時間以上の連続した睡眠相の出現数のカウントが、対照群に比して有意に増加したときは、レム睡眠及び/又はノンレム睡眠が断片化したと判定する。
3.抗精神疾患薬のスクリーニング方法
本発明は、上記のとおり作製された精神疾患モデルラット又はその組織に候補物質を接触させることを特徴とする、抗精神疾患薬のスクリーニング方法を提供する。
本発明者らは、本発明のモデルラットがうつ病の表現型(精神・神経疾患症状)を呈することを見い出した。この知見に基づき、任意の物質について、当該モデルラットのうつ病症状を緩和又は軽減する効果を有することを確認できれば、その物質は、抗精神疾患薬として使用可能である。
候補物質は特に限定されず、既存の薬剤(例えば既存の抗うつ薬、他の神経変性疾患治療薬、抗炎症薬、各種受容体作動薬および拮抗薬、イオンチャンネル促進剤および阻害剤、血液成分に反映されるうつ病関連物質に作用する各種薬剤)でもよく、その他に、例えばペプチド、低分子化合物、高分子化合物、これらの塩又は前駆体等のあらゆる形態にあってもよい。
本発明は、具体的には以下の工程を含む。
(a)本発明のモデルラット又はその組織に候補物質を接触させる工程
(b)前記投与したラットのうつ病症状の軽減を検査する工程
本発明のスクリーニング方法では、うつ病、急性ストレス性障害、睡眠障害、不安障害、摂食障害、心的外傷後ストレス障害などの疾患の治療薬をスクリーニングすることができ、好ましくはうつ病の治療薬がスクリーニングされる。
モデルラット自体を用いる場合、「接触」とは、候補物質をモデルラットに投与する態様がある。投与には経口であると非経口であるとを問わない。すなわち、候補物質の投与経路は、薬剤の投与に一般的に採用されている経路であれば、特に限定されるものではなく、例えば経口、舌下、経鼻、経肺、経消化管、経皮、点眼、静脈内注射、皮下注射、筋肉内注射、腹腔内注射、局所注射、外科的移植が挙げられ、好ましくは経口投与である。
工程(b)で検査の対象となる項目は、以下の(i)〜(vii)の少なくとも一つである。
(i) 接触回避行動
(ii) 行動の軌跡、移動距離
(iii) 高架式十字迷路を用いた不安様行動試験
(iv) 体重測定
(v) 摂食量測定
(vi) ショ糖に対する嗜好性観察
(vii) レム睡眠及び/又はノンレム睡眠の出現時間
前記述べた上記項目の少なくとも1つが、候補物質の接触により改善した場合は、候補物質は、抗うつ薬として選択することができる。
本発明のスクリーニング方法において、モデル動物の組織を使用する場合は、当該モデル動物から組織を採取して、その組織に候補物質を接触させればよい。接触方法は、組織切片に候補物質を添加する態様、候補物質の存在下で組織を培養する態様、候補物質の接触後に組織の構成成分を抽出する様態、などがある。
接触後は、グリア細胞系の異常、特にオリゴデンドロサイト系譜細胞の減少等に伴う神経軸索のミエリン鞘異常の軽減などを指標とする。例えば、候補薬剤を投与したモデルラットから脳切片を調製し、この脳切片に被検物質を接触させ、その後抗体免疫染色法などにより標識し、標識した切片を顕微鏡観察する。この観察の結果、候補薬剤使用組織が、非接触組織と比べて、上記指標を含めた異常の変化を呈する場合は、症状が軽減したと言える。また、接触後のモデルラットの血液成分を抽出・調整し、各構成成分におけるうつ病関連物質の量などを調べることにより、うつ病関連物質が非接触時と同等の範囲内まで変化した場合は、症状が軽減したと言える。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
方法
1.ストレス負荷の方法
実験に使用する被検ラット(本実施例において「試験ラット」という)は基本的に個飼い飼育とした。新しい社会敗北ストレス負荷の基準となる手続きは以下の通りに実施した(図1)。まず、実験対象となる小型の試験ラット1匹を、より身体が大きく攻撃性の高い大型のストレッサーラット1匹が飼育されているケージの中に侵入させた。10分間にわたって、2匹のラットにinteractionさせて、ストレッサーラットが試験ラットを追跡したり、覆い被さるなどの接触をしたこと(直接的接触)及び必要以上の外傷を与えていないこと(直接的接触の中止条件)を確認し、その後、試験ラットとストレッサーラットをしきり板で隔てた飼育ケージの中で24時間一緒に滞在させた(間接的接触)。しきり板は透明色で、所々に孔が空いている形状のものを使用し、2匹のラットが直接的な接触はできないものの、互いのにおいや鳴き声、視覚などの感覚的な情報は遮断されない状態とした。翌日も同様の手続きでストレス負荷を行うが、ストレッサーラットは、前日使用したラットとは別の個体を使用した。この条件にて、1日1回5日間連続でストレス負荷を行った後、2日間は間接的接触のみを呈示する方法を用い、これを2回行った。したがって、直接的接触と間接的接触を組み合わせた条件によるストレス負荷は合計10回実施する形式とした。
2.ストレスの行動学的評価
前述のストレス負荷の開始前と終了後には、オープンフィールドにて、試験ラットのinteraction試験を実施した。オープンフィールド内に試験ラットの接触対象となるSocial target(ストレッサーラットもしくは被検ラットと同系統のラット)をいれるための小さな箱を設置し、最初は接触対象となるラットを入れない条件で、試験ラットを2.5分間自由に行動させ、行動解析ソフトウェアTime OFCR4(O’HARA & CO, Ltd.)を用いて行動の軌跡や移動距離等を計測した。その後、小さな箱にSocial targetを入れた条件にて同様の計測を行い、箱周辺領域(interaction zone)内に試験ラットが侵入した時間を測定した。なお、他個体への回避行動の指標となる接触率は、箱内にSocial targetがいない場合におけるinteraction zone内の滞在時間を100%として、箱内にSocial targetがいる場合のinteraction zone内の滞在時間の割合(図ではRatioと表示)を算出して求めた。
また、ストレス負荷後に高架式十字迷路を用いた不安様行動試験を実施した。Open armsおよびClosed arms(110cm×110cm)は高さ50cmの位置に設置されており、arm上で動物を5分間自由に行動させた。なお、不安様行動の評価は、Open armsにおける滞在時間によって算出した。
3.ストレスの生理学的評価
ストレス負荷前後を含めた一連の実験中は常時、行動量の計測を行った。ストレス負荷後には一部のグループに対して恒暗条件で行動量の計測を行い、自由継続リズムを確認した。また、ストレス負荷に伴う摂食行動の異常の有無を確認するため、ストレス負荷前後において体重測定や餌の摂食量を測定した。また、ラットに水と1%ショ糖溶液の摂取選択を行わせて、それぞれの摂取量を計測した。ショ糖の嗜好性は、水と1%ショ糖溶液を含めた全溶液の摂取量に対する1%ショ糖溶液の摂取量の割合として算出した。さらに、ストレスによる睡眠覚醒パターンへの影響について調べるため、ラットに脳波を記録するための慢性電極埋込手術を実施し、ストレス負荷前後24時間の睡眠覚醒脳波を記録した。なお、脳波記録は長時間に及ぶため、動物の動きや外来からのノイズの発生を抑える必要があることから、自作したオペアンプ内蔵型の脳波ケーブル3)を用いて精緻な計測を行った。
4.薬物投与実験
ストレス負荷が終了した翌日より、1日1回の頻度でimipramine(20mg/kg, i.p.)の慢性投与を25日間実施し、他個体との回避行動や睡眠覚醒リズムに対する行動学的・生理学的評価を行った。なお、薬物投与実験の対照群に対しては、0.9%生理食塩水の腹腔内慢性投与を行った。
結果
1.ストレス負荷に用いる系統の選定
改変した新規社会敗北ストレスにより、回避行動を惹起させるためのストレッサーラットおよび試験ラットの系統の選定を行った。
(i)ストレス開始時に6週齢のWistar(WI)ラットを試験ラット、8週齢のWIラットをストレッサーとして用いた場合には、ストレス期間終了後のinteraction試験における接触率は149.0±13.6%となり、interaction zone内への接触率は促進した。
(ii)試験ラットに5週齢のSprague Dawley(SD)ラット、ストレッサーに8週齢のWIラットの組み合わせでは、接触率が137.9±8.5%となり、前述と同様に接触行動の亢進が認められた。
(iii) 試験ラットに8週齢のSDラット、ストレッサーに7ヶ月齢のBrown Norway(BN)ラットを用いると、接触率が6.2±5.1%となり、接触回避行動が誘発された。これらを総合的に判断し、試験ラットにSDラットを、ストレッサーとしてBNラットを用いる方法を適切な系統の組み合わせとして選定した。さらに、BNラットは他個体に対して接触率や感受性の高い退役ラットを使用した。
2.新規社会敗北ストレスによる行動学的評価と抗うつ薬imipramineの効果
オープンフィールド内にSocial targetとなるラット(この場合ではストレッサーとなった大型のラット)を入れることができる小さな箱を設置する。Social targetへの接触は、その箱周辺領域に設けたinteraction zone内への侵入時間で評価する(接触率=Social targetの存在時の滞在時間/非存在時の滞在時間×100として算出した)。対照群では、Social targetが存在すると、存在しない場合に比べてinteraction zone内への侵入時間が増加する。一方、ストレスを負荷された試験ラットは、Social targetが存在すると、interaction zone内への侵入時間が顕著に減少し、Social targetに対する回避行動をとる。
interaction試験でBNラットをオープンフィールドの箱内に滞在させた(Social targetとした)場合、ストレス初回後より、試験ラットがinteraction zone内に侵入する時間が有意に低下するという、接触回避行動が誘発された(図2)。
この接触回避行動は、ストレス負荷後、約3ヶ月間持続した。さらに、interaction試験におけるSocial targetを、試験ラットと同系統のSDラットにした場合でも、ストレス初回後より接触回避行動が誘発され、ストレス終了後3ヶ月の時点においても顕著な接触率の低下が確認された。
具体的には、図3において、ストレス負荷後のinteraction試験における接触率の各群比較を示した。対照群ではSocial targetに対して平均200%を超える接触率を示した。ストレス初回後のinteraction試験では、ストレス群でストレッサーラットに対する著しい接触率の低下が生じた(図3A)。さらに試験ラットと同系統のラットに対しても同様に接触行動の低下が起きた(図3B)。その現象はストレス負荷終了後1週間(図3C,D)、1ヶ月経過後(図3E, F)においても持続的に確認された(注:CとEはストレッサーラット、DとFは試験ラットと同系統のラットをSocial targetとした際の結果を示した)。
ストレス終了後に三環系抗うつ薬のimipramineを慢性投与すると、ストレス終了後1週間の時点で、投与されていないストレス群に比べてSocial target(BNラットおよびSDラット)に対する接触回避行動が有意に改善され(図3C, D)、Social targetがBNラットの場合には、ストレス後1ヶ月の時点でも同様の傾向が認められた(図3E)。Social targetが試験ラットと同系統の場合には有意差は認められなかった(図3F)。ストレス後1ヶ月では、投与群と対照群との間には有意差が確認され、対照群のレベルまでの完全な改善効果は得られないことがわかった。
オープンフィールド内での2.5分間における試験ラットの総移動距離は、ストレス終了後1週間で、ストレス群では628±62 cmとなり、対照群での値(839±79 cm)に比べて有意に減少した。
ストレス終了後、高架式十字迷路による不安様行動の評価を行った。ストレス群のOpen armsにおける滞在時間は21.7±9.87秒であり、対照群における滞在時間(68.8±22.8秒)に比して有意に減少した。また、imipramineの慢性投与群ではその滞在時間は44.4±11.5秒となり、回復傾向は示すものの、対照群レベルまでの完全回復には至らなかった。
3.生理学的指標・睡眠覚醒リズムの計測
ストレス初回後より体重は顕著に減少(P < 0.01)し、対照群に比べて、ストレス終了後23日間有意に低く推移した(図4A)。また、摂食行動については、体重での知見と同様にストレス初回後より有意に摂取量が低下(P < 0.01)し、ストレス終了後1週間まで持続した。水と1%ショ糖溶液の摂取選択試験においては、ストレス終了後1ヶ月のショ糖摂取量は、対照群に比べて有意に低下(P < 0.01)し、それはimipramineの慢性投与で有意な改善(P < 0.01)を示したが、対照群レベルまでの完全回復には至らなかった。さらに、ストレス終了から1ヶ月後のショ糖の嗜好性は、ストレス群では対照群に比べて有意な低下(P < 0.05)を示し、imipramineの慢性投与で対照群レベルまで完全に回復(P < 0.05)した(図4B)。
ストレスによる自由継続リズムへの影響について検討するため、対照群、ストレス群およびimipramine投与群の行動量を恒暗条件にて測定した。図5において、対照群(図5A)、ストレス群(図5B)、imipramine投与群(図5C)のアクトグラムの記録を示す。記録の青色部分はストレスを負荷した期間を示す(図5B, C)。ストレス期間中は明期における行動量が増加した。ストレス負荷後に恒暗条件に変えて各群の自由継続リズムを測定した。対照群(図5A)では恒暗条件により緩やかなリズム後退が生じていたが、ストレス群においては、その後退がより顕著であった(図5B)。
imipramineの投与により、ストレス群に生じていたリズムの後退は対照群レベルにまで前進した(図5C)。各個体の行動量を1時間ごとに平均化すると、ストレス群では明期の初期に行動量の増加が認められ、imipramineの投与はそれを減少させる効果があった(図5D)。
さらに、脳波解析により、ストレスによる睡眠覚醒パターンへの影響について詳細な検討を行った。図6において、明期における各睡眠段階の出現時間の各群比較を示す。明期における睡眠時間には各群で大きな違いは認められないが、ノンレム睡眠の出現時間は有意に減少(P < 0.01)しており、逆に、レム睡眠は、対照群に比して有意に出現時間が増加(P < 0.01)した。imipramineの慢性投与により、これらの現象は対照群レベルに改善した(図6)。
図7において、明期における対照群とストレス群の睡眠図の典型例を示す(図7A)。ストレス群ではレム睡眠の出現数が明らかに増加している。各睡眠段階の総出現時間と断片化の数値をプロット(図7B)すると、レム睡眠においては対照群に比べてストレス群で出現時間の増加と断片化が促進しており、imipramine投与群は対照群の分布パターンと類似していた。ノンレム睡眠においてはストレス群で総出現時間の減少と断片化の亢進が認められ、imipramine投与により対照群に類似した分布パターンを示した。
図8において、明期開始後に初めてノンレム睡眠が出現するまでの群別潜時を示す(図8A)。対照群に比べて、ストレス群では延長傾向を示し、遅れて出現した。imipramineの投与は出現潜時の延長を短縮する作用を示した。ノンレム睡眠出現後にレム睡眠が出現するまでの時間(図8B)は、ストレス群で有意に短縮(P < 0.05)した。imipramineはレム睡眠の出現潜時を延長する作用を示した。
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Claims (7)

  1. Wistarラット又はSprague Dawleyラットを当該ラットよりも身体が大きいBrown Norwayラットとともに飼育することを特徴とする、前記Wistarラット又はSprague Dawleyラットにおける睡眠障害モデルラットの作製方法。
  2. Wistarラット又はSprague Dawleyラットのストレス負荷の開始時の週齢が8週齢である請求項1に記載の方法。
  3. Brown Norwayラットが7か月齢以上のラットである請求項1に記載の方法。
  4. 睡眠障害が、概日リズム障害、レム睡眠の増加、ノンレム睡眠の出現時間の減少、並びにノンレム睡眠及びレム睡眠の出現の断片化からなる群から選ばれる少なくとも1つである請求項1に記載の方法。
  5. Wistarラット又はSprague Dawleyラットを当該ラットよりも身体が大きいBrown Norwayラットとともに飼育することによりストレスが負荷された睡眠障害モデルWistarラット又はSprague Dawleyラットであって、概日リズム障害、レム睡眠の増加、ノンレム睡眠の出現時間の減少、並びにノンレム睡眠及びレム睡眠の出現の断片化からなる群から選ばれる少なくとも1つの特徴を表す、前記ラット
  6. Brown Norwayラット又はWistarラット若しくはSprague Dawleyラットに対する接触回避行動、総移動距離の減少、高架式十字迷路による不安様行動、体重減少、摂食量の低下及びショ糖に対する嗜好性低下からなる群から選ばれる少なくとも1つの特徴を表す、請求項5に記載のラット。
  7. 請求項5又は6に記載の睡眠障害モデルWistarラット若しくはSprague Dawleyラット又はその組織に候補物質を接触させることを特徴とする、抗睡眠障害薬のスクリーニング方法。
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