JP6705528B2 - 医用画像表示処理方法、医用画像表示処理装置およびプログラム - Google Patents

医用画像表示処理方法、医用画像表示処理装置およびプログラム Download PDF

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Description

本発明は、MRI等により撮像された脳画像に基づき脳疾患の診断支援を行う診断支援技術に関し、特に、複数の疾患が想定される場合に適した診断支援を行う技術に関する。
近年、SPECT(Single Photon Emission Computed Tomography)やPET(Positron Emission Tomogarphy)等の核医学検査や、CT(Computerized Tomography)やMRI(Magnetic Resonace Imaging)によって脳の状態に関する情報が取得可能になってきている。
特に、脳の組織の萎縮に関しては、MRI画像によって特定部位の容積を求め、その相対的な大きさを比較して異常の有無を判別できる。例えば、特許文献1では、アルツハイマー型認知症の診断支援を行うシステムが開示されており、MRI画像を用いて内側側頭部の萎縮を定量的に評価することで、アルツハイマー型認知症の診断支援を行うことを可能としている。
特許4025823号 特開2013−66632号公報
しかしながら、従来の診断支援システム等においては、特定の疾患を対象とした有効な診断支援情報は得られるものの、同時に異なる疾患が想定される場合に、これら疾患を比較する有効な診断支援情報を提供するまでには至っていない。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、異なる疾患の比較に適した診断支援装置等を提供することにある。
前述した目的を達成するための第1の発明は、想定される複数の疾患から特定の疾患を判定する診断支援装置であって、脳画像から、特定の疾患の関心領域における脳の萎縮の評価値を、複数の組織で算出する算出手段と、算出した各組織の萎縮の評価値のそれぞれに前記特定の疾患を判定するための条件を設定する設定手段と、算出した各組織の萎縮の評価値のそれぞれが対応する前記条件を満たす場合に、前記特定の疾患であると判定する判定手段と、を備え、前記算出手段は、前記萎縮の評価値として、前記特定の疾患とは異なる他の疾患の関心領域における萎縮度に対する前記特定の疾患の関心領域における萎縮度の比である萎縮比を複数の組織で算出することを特徴とする診断支援装置である。
前述した目的を達成するための第2の発明は、コンピュータが、想定される複数の疾患から特定の疾患を判定する診断支援方法であって、前記コンピュータが、脳画像から、特定の疾患の関心領域における脳の萎縮の評価値を、複数の組織で算出する算出ステップと、算出した各組織の萎縮の評価値のそれぞれに前記特定の疾患を判定するための条件を設定する設定ステップと、算出した各組織の萎縮の評価値のそれぞれが対応する前記条件を満たす場合に、前記特定の疾患であると判定する判定ステップと、を実行し、前記算出ステップは、前記萎縮の評価値として、前記特定の疾患とは異なる他の疾患の関心領域における萎縮度に対する前記特定の疾患の関心領域における萎縮度の比である萎縮比を複数の組織で算出することを特徴とする診断支援方法である。
前述した目的を達成するための第3の発明は、コンピュータを、想定される複数の疾患から特定の疾患を判定する診断支援装置として機能させるプログラムであって、前記コンピュータを、脳画像から、特定の疾患の関心領域における脳の萎縮の評価値を、複数の組織で算出する算出手段、算出した各組織の萎縮の評価値のそれぞれに前記特定の疾患を判定するための条件を設定する設定手段、算出した各組織の萎縮の評価値のそれぞれが対応する前記条件を満たす場合に、前記特定の疾患であると判定する判定手段、として機能させ、前記算出手段は、前記萎縮の評価値として、前記特定の疾患とは異なる他の疾患の関心領域における萎縮度に対する前記特定の疾患の関心領域における萎縮度の比である萎縮比を複数の組織で算出することを特徴とするプログラムである。
本発明により、異なる疾患の比較に適した診断支援装置等を提供することができる。特に、複数の疾患が想定される場合において、特定の疾患を精度よく判別することができる。
本実施形態に係る診断支援装置の機能を示すブロック図 本実施形態に係る診断支援装置の処理の手順を示すフローチャート 萎縮スコアの算出処理の手順を示すフローチャート 診断支援情報等の表示の一例を示す図 スライス画像を拡大した図 組織毎の萎縮比を組み合わせて疾患の判別を行う例を示す図 ADとDLBの萎縮比のプロット図
以下図面に基づいて、本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1は、診断支援装置1の機能を示すブロック図である。診断支援装置1は、ユーザインターフェース部10、処理部20、データベース部30を有している。
ユーザインターフェース部10は、主に、MRI画像の入力を受付ける画像入力機能11と、処理部20で処理された結果を表示する表示機能13とを有する。
処理部20は、主に、ユーザインターフェース部10から入力されたMRI画像を処理する画像処理機能21と、Zスコア等の各種統計指標を算出する統計処理機能23と、比較する各疾患に特異的な部位(関心領域)を特定する部位特定機能25、萎縮度を算出する萎縮度算出機能27、萎縮比を算出する萎縮比算出機能29等を有する。
また、データベース部30には、処理部20の処理に供する灰白質脳画像テンプレート31、白質脳画像テンプレート33、健常者画像データベース35、関心領域ROI37等が保存されている。
上記の灰白質脳画像テンプレート31、白質脳画像テンプレート33は、灰白質と白質それぞれについて作成されたものが予め前記データベース部30に保存されているものとする。各テンプレートは年齢や性別などの被験者の属性に応じて層別に作成されていてもよい。
尚、本実施形態においては、上記テンプレートを作成する際の解剖学的標準化の手法としてDARTEL(Diffeomorphic Anatomical Registration Through Exponentiated Lie algebra)を採用する。DARTELを用いたテンプレート作成の処理は、特許文献1と同様であるため、記載を省略する。
[診断支援装置1の処理]
図2は、本実施形態に係る診断支援装置1の処理を示すフローチャートである。尚、この処理はコンピュータからなる処理部20においてプログラムにより実行可能なものである。
ステップS1において、診断支援装置1(画像入力機能11)は、被験者のMRI脳画像の入力を受付ける。
ステップS2において、診断支援装置1は、ステップS1において入力された被験者のMRI脳画像に基づき脳の萎縮の程度を表す「萎縮スコア」を算出する。
<萎縮スコア算出処理>
ここで、図3のフローチャートを参照しながら、上記ステップS2における萎縮スコアの算出処理を説明する。
(画像再構成)
診断支援装置1は、入力された被験者のMRI脳画像に対し「画像再構成」を行う(ステップS21)。
画像再構成は、最初に、入力された被験者のMRI脳画像を、脳全体を含むように所定の厚さのスライス状に撮像した、例えば100〜200枚のT1強調MRI画像に変換する。この際、各スライス画像におけるボクセルの各辺の長さが予め等しくなるようにスライス画像のリサンプリングを行う。
そして、上記処理を施した被験者のMRI脳画像に対し、標準的な脳画像と空間的な位置合わせを行う。具体的には、被験者のMRI脳画像に対して、線形変換(アフィン変換)、トリミング等を施し、標準的な脳画像と位置、角度、サイズ等を合わせる。これにより、MRI撮影時の被験者の頭の位置のずれ等が画像上で補正され、標準的な脳画像と比較する際の精度が向上する。
(組織分割)
ステップS21の画像再構成がなされた後、診断支援装置1は「組織分割」を行い、灰白質と白質を抽出した灰白質脳画像と白質脳画像を作成する(ステップS22)。
前述のT1強調MRI脳画像には、神経線維に対応する高い信号値を呈する白質、神経細胞に対応する中間の信号値を呈する灰白質、低い信号値を呈する脳脊髄液の3種類の組織が含まれているため、この信号値の差に着目して灰白質と白質とをそれぞれ抽出する処理を行う。この処理は、特許文献1や特許文献1より抽出精度を高めた特許文献2に記載されている処理と同様であるため、記載を省略する。
(解剖学的標準化)
そして、診断支援装置1は、ステップS22において作成された灰白質脳画像及び白質脳画像に対し「解剖学的標準化」を行う(ステップS23)。
解剖学的標準化とは、標準脳画像へのボクセルの位置合わせを行うものである。本実施形態では、DARTELによる解剖学的標準化を実行する。DARTELの処理については特許文献1と同様であるため、記載を省略する。
DARTELによる解剖学的標準化を施した灰白質脳画像と白質脳画像に対して、S/N比の向上等を目的に、画像平滑化の処理を行う。このように画像平滑化を行うことにより、解剖学的標準化処理で完全に一致しない個体差を低減させることができる。こちらも具体的な処理については、特許文献1と同様である。
また、その後、比較対象となる健常者の画像群におけるボクセル値の分布と合わせるために、脳全体のボクセル値を補正する濃度値補正を行う。
(比較)
ステップS24において、診断支援装置1は、健常者のMRI画像との比較を行い、被験者の脳の萎縮の程度を示す「萎縮スコア」を算出する。本実施形態では、萎縮スコアとして統計的指標である「Zスコア」を用いる。
具体的には、上記したステップS23により解剖学的標準化、画像平滑化等を施した被験者の灰白質脳画像及び白質脳画像と、予め収集して前記データベース部30の健常者画像データベース35に保存してある健常者の灰白質及び白質のMRI脳画像群との統計的比較を行い、MRI脳画像の全ボクセル又は特定領域のボクセルについて灰白質及び白質のZスコアを次のように算出する。以降、灰白質のZスコアをZ[灰白質]、白質のZスコアをZ[白質]と表す。
上式に示すように、Zスコアは、被験者画像のボクセル値と、健常者画像群の対応するボクセル値の平均との差を、標準偏差によってスケーリングした値であり、灰白質及び白質の容積の相対的低下の度合を示すものである。
尚、Zスコアに限らず、被験者画像と健常者画像とのボクセル値の大小が判断できるその他の指標を萎縮の程度を示す萎縮スコアとして用いてもよい(例えばtスコア等)。
また、ステップS24において使用した健常者画像データベース35に保存される健常者の灰白質及び白質のMRI脳画像は、予め収集した健常者の画像群のそれぞれに対しステップS21〜ステップS23の「画像再構成」→「組織分割」→「解剖学的標準化」及び画像平滑化等の同様の処理を順次適用して作成されたものである。尚、この処理はコンピュータからなる処理部20においてプログラムにより実行可能なものである。
以上説明した処理により、被験者のMRI脳画像から萎縮スコア(本実施形態ではZスコア)が算出される。
図2のフローチャートに戻る。ステップS3において、診断支援装置1は、比較する各疾患に特異的な脳の部位(関心領域)を特定する。これは主に、処理部20の部位特定機能25により実現される。
例えば、診断支援装置1は、統計的処理に基づいて各疾患に関連する関心領域を特定する。具体的には、ある疾患に対応する関心領域を特定する場合、その疾患を持つ患者のMRI画像群(疾患画像群)と、それ以外の人の画像群(非疾患者画像群)とについて、ボクセル単位で2群間の有意差を統計的に検定する2標本t検定を行い、有意差が認められたボクセルを、その疾患における特徴的なボクセルとみなし、その座標の集合をその疾患に対応する関心領域(Region Of Interest:ROI)として特定する。
また、特許5098393号記載のように有意水準と経験則の両方を考慮してROIを特定してもよい。
また、疾患画像(群)のみからROIを特定してもよい。例えば、疾患画像(群)について、脳全体における萎縮の大きさに相関して萎縮が大きい部位をROIとして特定してもよい。
その他、診断者等の主観により手動でROIを特定してもよい。
以降、本実施形態においては異なる疾患Aと疾患Bを想定し、疾患Aの関心領域ROI、疾患Bの関心領域ROIが、ステップS3において特定されたものとして説明を行う。
(比較表示)
ステップS4において、診断支援装置1は、ステップS3において特定した各部位の診断支援情報等を比較表示する。
ここで、ステップS4において表示される「萎縮度」及び「萎縮比」について説明する。これらの指標は、主に、処理部20の主に萎縮度算出機能25、萎縮比算出機能27により算出される。
<萎縮度>
診断支援装置1は、「関心領域内」における萎縮の程度を示す「萎縮度」を算出する。また、萎縮度を灰白質及び白質の組織毎に算出することで、各疾患に関連する部位の萎縮の程度を組織毎に定量的に評価することができるようにする。
具体的には、関心領域ROI内の「灰白質」の萎縮度(数式3)、及び「白質」の萎縮度(数式4)は次のようにZスコアから算出される。
また、関心領域ROI内の「灰白質」の萎縮度(数式5)、及び「白質」の萎縮度(数式6)は次のように算出される。
尚、本実施形態では、萎縮度として関心領域内の「正のZスコアの平均値」を採用しているが、これに限らず、任意に閾値を定めた「閾値を超えるZスコアの平均値」または単に「Zスコアの平均値」を採用してもよい。また、ROI内の総ボクセル数に対してZスコアが閾値を超えるボクセルが占める割合を採用してもよい。
<萎縮比>
診断支援装置1は、上記した萎縮度に基づき更に「萎縮比」を算出する。ここで、「萎縮比」とは異なる疾患が想定されるときにある疾患を基準として他の疾患の特徴がどれだけ大きいかを示す指標のことを言う。前述した萎縮度は、疾患毎の関心領域における萎縮の程度を個別的に把握できるものの、各疾患の関連性を一意に把握できる指標ではないため、各疾患を鑑別支援する指標としては十分ではない。そこで、本実施形態では、更に、上記算出した各疾患の萎縮度の比である「萎縮比」を定義し、これを各疾患の鑑別支援の指標として用いる。
例えば、疾患A、疾患Bが想定される場合、疾患Aを基準とした疾患Bの萎縮比は次のように算出される。
萎縮比も萎縮度と同様に、灰白質及び白質について算出する。尚、基準となる疾患Aの萎縮度(数式の分母)については、疾患Aの患者においてROI内で萎縮の傾向が強く現れる組織(「灰白質」又は「白質」のいずれか)を選択することが望ましい。
上式により、萎縮比の値が小さいと疾患Aの傾向が強く、萎縮比の値が大きいと疾患Bの傾向が強いものと判断でき、各疾患の鑑別を支援する指標となりうる。例えば、適切な閾値を設定し、数式(7)(8)の萎縮比が閾値より小さい場合には疾患A、萎縮比が閾値より大きい場合には疾患B、といった具合に各疾患を判別可能である。
尚、本実施形態においては、灰白質と白質の萎縮度及び萎縮比を個別的に算出しているが、灰白質と白質を合成して1つの萎縮度及び萎縮比を算出してもよい。これにより、両方の組織の萎縮を1つの指標を用いて評価できる。これは、例えば、ある疾患において灰白質及び白質の両方の組織が萎縮するような場合、若しくは、灰白質及び白質のいずれの組織が萎縮するかを判断できないような場合に有効な指標となりうる。
但し、この場合、健常者データベース35には予め灰白質脳画像と白質脳画像を合成した健常者画像群が予め用意されており、これら画像群と被験者の灰白質脳画像及び白質脳画像を合成した被験者画像との比較により、Zスコアを算出し、当該Zスコアから萎縮度及び萎縮比を算出する。
例えば、Zスコアは下記のように算出される。
また、疾患Aの関心領域ROI、疾患Bの関心領域ROIにおける萎縮度は次のように算出される。
さらに、上記した萎縮度から例えば疾患Aを基準とした疾患Bの萎縮比は次のように算出される。
尚、基準となる疾患Aの萎縮度(数式の分母)については、疾患Aの患者においてROI内で萎縮の傾向が強く現れる組織の形態(「灰白質及び白質」、「灰白質」、又は「白質」のいずれか)を選択することが望ましい。
以上説明した種々の指標(Zスコア、萎縮度、萎縮比)は、ユーザインターフェース部10(表示機能13)に表示される。
図4は、診断支援装置1のユーザインターフェース部10の表示例を示す。
図4の表示エリア41には、脳のスライス画像が所定間隔おきに並べて表示される。そして、スライス画像上に「灰白質」のZスコア(数式1)の分布(Zスコアマップ)が重ねて表示され、また、スライス画像上に疾患Aの関心領域と疾患Bの関心領域が表示される。
図5は、一枚のスライス画像を拡大した図である。スライス画像上に、Zスコアマップ5aが表示され、また、スライス画像面での疾患Aの関心領域5bが実線、疾患Bの関心領域5cが破線で表示される。これにより、スライス画像全体での萎縮の程度を把握できるとともに、スライス画像中の着目部位(関心領域5b、5c)の萎縮の程度を把握することができる。
図4の表示エリア42には、表示エリア41と同様に脳のスライス画像が所定間隔おきに並べて表示される。但し、表示エリア42においては、スライス画像上に「白質」のZスコア(数式2)の分布が重ねて表示される。
このように表示エリア41及び表示エリア42において、組織毎(灰白質、白質)にZスコアの分布を表示することで、組織毎の萎縮の違いを把握することができる。
尚、Zスコアの表示の手段は様々であり、例えば、Zスコアの値に応じて濃淡を変えて表示してもよいし、等高線を用いて表示してもよい。また、各疾患における関心領域の表示の手段も様々であり、例えば、疾患ごとに関心領域を色分けして表示するようにしてもよい。
図4の表示エリア43には、疾患Aの関心領域(図4では部位Aと示す)の「灰白質」の萎縮度(数式3)、及び「白質」の萎縮度(数式4)が数値表示され、また、疾患Bの関心領域(図4では部位Bと示す)の「灰白質」の萎縮度(数式5)、及び「白質」の萎縮度(数式6)が数値表示される。
そして、図4の表示エリア44には、疾患Aを基準とした疾患Bの「灰白質」の萎縮比(数式7)、及び「白質」の萎縮比(数式8)が数値表示される。
以上、本実施形態においては、診断支援装置1によって、各疾患の関心領域が特定され、特定した各疾患の関心領域に関する種々の指標を用いて各疾患を比較表示する。これにより、異なる疾患を比較又は鑑別支援する有効な診断支援情報が診断者に提供される。
[実施例]
ここでは、一実施例として、アルツハイマー型認知症(以下、「AD」と呼ぶ)とレビー小体型認知症(以下、「DLB」と呼ぶ)の2つの疾患を対象として鑑別支援の可能性を検証した。
このうち、ADにおいては、内側側頭部の灰白質に強い萎縮が観測されるため、MRI画像を用いて内側側頭部の萎縮を定量的に評価することで、ADの診断支援が可能であることは既に知られている。
一方、DLBに関しては、MRIにおける疾患特異性について未だエビデンスが少ないのが現状である。しかしながら、近年の研究により、DLBは中脳(背側)の灰白質が萎縮するとの報告がなされている( Whitwell, Jennifer L.et al.”Focal atrophy in dementia with Lewy bodies on MRI: a distinct
pattern from Alzeimer’s disease.” Brain(2007) )。また、別の研究によれば、DLBは中脳(背側)・橋(背側)・小脳の白質が萎縮するとの報告がなされている( Nakatsuka, et al.
“Discrimination of dementia with Lewy
bodies from Alzheimer’s disease using voxel-based
morphometry of white matter by statistical parametric mapping 8 plus
diffeomorphic anatomic registration through exponentiated Lie algebra.
”Neuroradiology(2013) )。これら先行研究の知見によれば、DLBにおいては後部脳幹付近に特異な傾向があるものと推測される。
実際に、診断支援装置1の部位特定機能25によりAD及びDLBに特異的な部位(萎縮が大きい部位)を特定した結果、ADの場合は「内側側頭部」付近が特異的な部位として現れ、DLBの場合は「後部脳幹」付近が特異的な部位として現れた。そこで、本実施例では、これら部位をADとDLBの関心領域に設定した。ここで、ADの関心領域(内側側頭部付近)をROI、DLBの関心領域(後部脳幹付近)をROIとする。
次に、診断支援装置1の萎縮度算出機能27により算出する萎縮度を検討する。ADにおいては、前述したように内側側頭部付近の灰白質の萎縮が大きいため、数式3に基づく「灰白質」の萎縮度を採用した。DLBにおいては、前述した先行研究によれば、後部脳幹付近の灰白質、白質のいずれか又はその両方に影響が出る可能性があるため、組織毎に評価することとした。そこで、DLBの萎縮度として、数式5に基づく「灰白質」の萎縮度、及び数式6に基づく「白質」の萎縮度の両方を利用することとした。
そして、診断支援装置1の萎縮比算出機能29により算出する萎縮比として、数式7に基づく灰白質の萎縮比(以降、「τ1」と示す)、及び数式8に基づく白質の萎縮比(以降、「τ2」と示す)を採用した。ここで、数式7、8の萎縮比の分母に相当するROI(内側側頭部付近)内のADの萎縮度は、AD患者に萎縮の傾向が大きく表れる「灰白質」の萎縮度を用いた。
図6は、上記した灰白質の萎縮比τ1及び白質の萎縮比τ2によりADとDLBを判別する一例を示す。
図6に示すように、萎縮比τ1に対して閾値α1、萎縮比τ2に対して閾値α2を設定し、τ1>α1及びτ2>α2の両方を満たす場合、DLBの疑いがあると判別できる。それ以外の場合は、ADの疑いがあると判別できる。
図7は、実際にADの患者とDLBの患者を対象として上記した萎縮比τ1及び萎縮比τ2を診断支援装置1により算出した値を、模式的にプロットした図を
示す。灰色のドットがADと診断された患者を示し、黒色のドットがDLBと診断された患者を示す。本実施形態では閾値α1、α2はともに0.2に設定した。
図7に示すようにτ1>α1及びτ2>α2を満たすエリアにDLB患者が多く分布し、それ以外のエリアにAD患者が多く分布しているのが分かり、良好な判別結果が得られた。これにより「萎縮比」がADとDLBを対象とした鑑別支援の指標として有効であることが確認された。
以上、添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1・・・・診断支援装置
10・・・ユーザインターフェース部
11・・・画像入力機能
13・・・表示機能
20・・・処理部
21・・・画像処理機能
23・・・統計処理機能
25・・・部位特定機能
27・・・萎縮度算出機能
29・・・萎縮比算出機能
30・・・データベース部
31・・・灰白質脳画像テンプレート
33・・・白質脳画像テンプレート
35・・・健常者データベース
37・・・関心領域ROI

Claims (5)

  1. 想定される複数の疾患から特定の疾患を判定する診断支援装置であって、
    脳画像から、特定の疾患の関心領域における脳の萎縮の評価値を、複数の組織で算出する算出手段と、
    算出した各組織の萎縮の評価値のそれぞれに前記特定の疾患を判定するための条件を設定する設定手段と、
    算出した各組織の萎縮の評価値のそれぞれが対応する前記条件を満たす場合に、前記特定の疾患であると判定する判定手段と、
    を備え
    前記算出手段は、前記萎縮の評価値として、前記特定の疾患とは異なる他の疾患の関心領域における萎縮度に対する前記特定の疾患の関心領域における萎縮度の比である萎縮比を複数の組織で算出する
    ことを特徴とする診断支援装置。
  2. 前記算出手段は、前記萎縮比を算出する際に、前記他の疾患の関心領域における萎縮度として、当該他の疾患の関心領域において萎縮の傾向が強く現れる組織の萎縮度を用いる
    ことを特徴とする請求項に記載の診断支援装置。
  3. 前記特定の疾患はレビー小体型認知症であり、前記他の疾患はアルツハイマー型認知症であり、
    前記設定手段は、各組織の萎縮比がともに0.2以下の閾値より大きいことを、レビー小体型認知症を判定するための条件として設定する
    ことを特徴とする請求項または請求項に記載の診断支援装置。
  4. コンピュータが、想定される複数の疾患から特定の疾患を判定する診断支援方法であって、
    前記コンピュータが、
    脳画像から、特定の疾患の関心領域における脳の萎縮の評価値を、複数の組織で算出する算出ステップと、
    算出した各組織の萎縮の評価値のそれぞれに前記特定の疾患を判定するための条件を設定する設定ステップと、
    算出した各組織の萎縮の評価値のそれぞれが対応する前記条件を満たす場合に、前記特定の疾患であると判定する判定ステップと、
    を実行し、
    前記算出ステップは、前記萎縮の評価値として、前記特定の疾患とは異なる他の疾患の関心領域における萎縮度に対する前記特定の疾患の関心領域における萎縮度の比である萎縮比を複数の組織で算出する
    ことを特徴とする診断支援方法。
  5. コンピュータを、想定される複数の疾患から特定の疾患を判定する診断支援装置として機能させるプログラムであって、
    前記コンピュータを、
    脳画像から、特定の疾患の関心領域における脳の萎縮の評価値を、複数の組織で算出する算出手段、
    算出した各組織の萎縮の評価値のそれぞれに前記特定の疾患を判定するための条件を設定する設定手段、
    算出した各組織の萎縮の評価値のそれぞれが対応する前記条件を満たす場合に、前記特定の疾患であると判定する判定手段、
    として機能させ
    前記算出手段は、前記萎縮の評価値として、前記特定の疾患とは異なる他の疾患の関心領域における萎縮度に対する前記特定の疾患の関心領域における萎縮度の比である萎縮比を複数の組織で算出する
    ことを特徴とするプログラム。
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