<第1実施形態>
以下、本発明の第1の実施形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、第1の実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3は、パチンコ機10の背面図であり、図4は、第2可変入賞装置650の内部の正面図である。
パチンコ機10は、図1に示すように、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や、第1入球口64aを有する第1入球装置64や、第1特定入賞口65aを有する第1可変入賞装置65や、第2特定入賞口650aを有する第2可変入賞装置650等が設けられた遊技盤13(図2参照)が前面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を遊技球が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図11参照)やその球発射ユニット112aから発射された遊技球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13(図2参照)の前面がパチンコ機10の正面側から視認可能となっている。
前面枠14には、遊技球を貯留するための上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された遊技球が球発射ユニット112aへと案内される。
また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、後述する第3図柄表示装置81(図2参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
ステージとは、第3図柄表示装置81に表示される各種演出に統一性を持たせた演出モードのことで、本パチンコ機10では図示しない「街中ステージ」,「空ステージ」,「島ステージ」の3つのステージが設けられている。そして、後述する第1入球口64a、即ち、始動入賞口への入球(始動入賞)に伴って行われる変動演出やリーチ演出などの各種演出は、それぞれのステージに与えられたテーマに合わせて行われるように設計されている。ステージの変更は、変動演出が行われていない期間や高速変動中に遊技者によって枠ボタン22が操作された場合に行われ、枠ボタン22が操作される度に、例えば「街中ステージ」→「空ステージ」→「島ステージ」→「街中ステージ」→・・・の順で繰り返し変更される。また、電源投入後の直後は、初期ステージとして、例えば「街中ステージ」が設定される。
一方、第3図柄表示装置81には、疑似変動演出が開始された場合に、ノーマルリーチからスーパーリーチに発展させるときは、ノーマルリーチ中にスーパーリーチの演出態様の選択画面が表示されるように構成されており、その選択画面が表示されている間に、枠ボタン22が遊技者に操作されると、スーパーリーチ時の演出内容が変更される。
前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、前面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等がパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて遊技球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった遊技球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、遊技球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設され、かかる操作ハンドル51の内部には球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には遊技球の発射を停止する押しボタン式の打ち止めスイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル51の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで遊技球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび打ち止めスイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された遊技球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から遊技球が自然落下して排出される。かかる球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された遊技球を受け取る箱(一般に「千両箱」、又は「ドル箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、球案内用の多数の釘(一部のみ図示)や風車(図示せず)の他、レール61,62や、第1入球口64a、第1特定入賞口65aを有する第1可変入賞装置65、第2特定入賞口650aを有する第2可変入賞装置650、普通図柄始動口(スルーゲート)67、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12(図1参照)の裏面側に取り付けられる。第1入球口64aを有する第1入球装置64、第1特定入賞口65aを有する第1可変入賞装置65、第2特定入賞口650aを有する第2可変入賞装置650、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の正面側からタッピングネジ等により固定されている。
なお、ベース板60は光透過性の樹脂材料からなり、その正面側からベース板60の後面側に配設された各種構造体を遊技者に視認させることが可能に形成されている。よって、例えば、ベース板60の後面側に遊技に応じて可動する装飾用の可動役物を設けることで、その可動役物の動きを遊技者に視認させることが可能となるため、範囲が限られている遊技領域を立体的に使用することができ、遊技者に対して多彩な演出を提供することができるという効果がある。
遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、遊技球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62とレール間を繋ぐ樹脂製の外縁部材70とにより区画して形成される領域(入賞口等が配設され、発射された遊技球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図7参照)から発射された遊技球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された遊技球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、遊技球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された遊技球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。
本パチンコ機10では、第1入球口64aへ遊技球が入球可能な開放状態と、第1入球口64aへの遊技球の入球を妨げる閉鎖状態とに可変可能な開閉扉を有した第1入球装置64が設けられている。第1入球装置64の開閉扉は、長方形の外形で構成され、第1入球口64aの外周と略一致して、遊技盤13と平行に直立して第1入球口64aと対峙して配置されることで、第1入球口64aへ遊技球が入球しないように構成することができる。開閉扉は、下端側を回動可能に軸支されており、図示しないソレノイドが作動(オン)することで、軸を中心に遊技盤13の前面側方向へ90度回動するように構成されている。これにより、遊技盤13の前面側を流下する遊技球を開閉扉の上面で受け、受けた遊技球を第1入球口64aの内部へと誘導するように構成されている。なお、詳細は、後述するが、遊技球が第1入球口64aへ入球した場合に特別図柄(第1図柄)の抽選が行われ、遊技球がスルーゲート(普通図柄始動口)67を通過した場合に普通図柄(第2図柄)の抽選が行われる。具体的には、第1入球装置64の開閉扉は、常には、閉鎖状態に設定されており、普通図柄の当たりとなると、予め定められた開放パターン(開放期間、開放回数)で開放状態に可変される。第1入球口64aに遊技球が入球すると、特別図柄の抽選が実行され、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81で抽選結果に基づいた演出が実行される。
第1入球口64aへの入球に対して行われる特別図柄の抽選では、特別図柄が大当たり或いは小当たりに当選しているかの当否判別が行われると共に、特別図柄が大当たり或いは小当たりであると判別された場合にはその大当たり種別或いは小当たり種別の判別も行われる。
特別図柄の当否判別結果が大当たりになると、パチンコ機10が特別遊技状態(大当たり遊技)へ移行する。ここで、大当たり遊技が実行されると、所定期間(例えば、5秒間)の経過後(オープニング期間経過後)に、通常時は閉鎖されている第1可変入賞装置65の特定扉65fが所定期間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放され、その開放が所定回数(例えば、10回)繰り返される。そして、第1可変入賞装置65の特定扉65fの開放を所定回数繰り返した後に、所定期間(例えば、5秒間)が経過(エンディング期間経過)することで大当たり遊技が終了する。
なお、第1可変入賞装置65に遊技球が1個入賞することで、賞球として15個の遊技球が遊技者に払い出されるよう構成されている。また、大当たり遊技が実行されてから第1可変入賞装置65の特定扉65fが開放されるまでの期間(オープニング期間)や、第1可変入賞装置65の特定扉65fが所定回数(例えば、15回)繰り返されてから大当たり遊技が終了するまでの期間(エンディング期間)、また、繰り返し実行される特定扉65fの開放動作間の特定扉65fが閉鎖されている期間(インターバル期間)については、適宜設定すればよい。
大当たり遊技中は、第1可変入賞装置65の第1特定入賞口65aに多量の遊技球(例えば、約150個(1ラウンド10個×15ラウンド))が入賞するので、通常時より多量の賞球(約1500個(100個×10発))の払い出しが行われる。
詳細は後述するが、特別図柄の大当たりでは、「大当たりA」、「大当たりB」の2種類からいずれかの大当たり種別が決定され(図14(b)参照)、大当たり種別に設定されているラウンド回数(本実施形態では15R(ラウンド))で特定扉65fが開放される。また、特別遊技状態の終了後には、大当たり種別と大当たりした時の遊技状態とに基づいて、時短遊技状態が遊技者に所定回数(例えば、通常遊技状態時に大当たりAに当選した場合には3回)が付与される。
一方、スルーゲート(普通図柄始動口)67への遊技球の通過に対して実行される普通図柄の抽選では、普通図柄の当否判別が行われる。普通図柄(第2図柄)の当たりになると、所定時間(本実施形態では、2秒)、スルーゲート67の下方に位置する第1入球装置64の開閉扉が開放状態に可変され、第1入球口64aへ遊技球が入球し易い状態になる。つまり、普通図柄の当たりになると、遊技球が第1入球口64aへ入球し易くなり、その結果、特別図柄の抽選が行われ易くなる。
普通図柄(第2図柄)の抽選が行われると、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が開始されて、所定時間(例えば、5秒や10秒などの選択された変動時間)が経過した後に、抽選結果を示す普通図柄が停止表示される。第2図柄表示装置83において変動表示が行われている間に遊技球がスルーゲート67を通過すると、その通過回数は最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により表示される。なお、本実施形態では、第2図柄の変動表示は、第2図柄表示装置83だけでなく、第3図柄表示装置81でも第2図柄表示装置83の変動表示に同期して実行される。なお、本実施形態では、スルーゲート67を通過するとその通過回数を最大4回まで保留するように構成したが、それに限らず、保留されない構成としてもよいし、4回とは異なる回数としてもよい。
また、スルーゲート67の下方には、スルーゲート67を通過した遊技球が入球するクルーン部材660が配置されている。このクルーン部材は、円錐形状で構成されており、上部にスルーゲート67を通過した遊技球が入球する入球部を有している。なお、この入球部は、スルーゲート67を通過した以外の遊技球が入球することがないように、スルーゲート67と入球部との間隔が遊技球1球未満に構成されている。入球部に入球した遊技球をクルーン部材660の内壁に沿って螺旋状に流下させる螺旋流路660kが形成されており、螺旋流路660kの終端部には緩やかに中央へとすり鉢状に傾斜した底面部660tが形成されている。螺旋流路660kは、入球部に入球した遊技球を底面部660tの外側端部へと底面部660tの内周面に沿ってらせん状に遊技球が流下するように誘導するように構成されている。底面部660tは、既に公知であるクルーンの底面形状と同一であり、底面の内周に沿って遊技球を円運動させながら序々に中心部へと遊技球を誘導するものである。底面部660tの中心には、遊技球1球よりも若干大きい(本実施形態では、直径12mm)球出口660aが下方に円柱形状に突出して構成されている。さらに、球出口660aの内部には、螺旋状に流路が0.5mmの突出した流路壁により形成されており、遊技球が球出口660aの内部を螺旋状に回転しながら球出口660a外部へと排出されるように構成されている。
なお、本実施形態では、クルーン部材660内部には、スルーゲート67を通過した遊技球のみが通過する構成としたが、それに限らず、スルーゲート67を通過しなかった遊技球が入球可能な構成としてもよい。このように構成することで、クルーン部材660に入球する頻度が高くなり、より第1入球口64aに入球し易くすることができる。また、本実施形態では、クルーン部材660の内部には、螺旋流路660kを形成する構成としたが、それに限らず、螺旋流路660kを設けない構成であってもうよいし、クルーン形状の底面を形成せず、螺旋流路660kのみで構成してもよい。また、螺旋流路660kでなく、遊技球の流下速度を減速させる摩擦係数の高い素材等で構成した減速部を形成するように構成してもよい。遊技球の流下を遅延させるものであれば、適宜選択してよい。
これにより、クルーン部材660の入球部に入球した遊技球は、螺旋流路660kでクルーン部材660の内周壁に沿ってゆっくりと転動して底面部660tへと案内される。底面部660tに案内された遊技球は、底面部660t上を外周側から中心へと円運動をしながら序々に球出口660aへと案内される。また、球出口660aの直径は、遊技球よりも若干大きい直径となっており、さらに内部に形成された螺旋状の流路により、下方へ突出した球出口660a内部を遊技球が螺旋状に回転しながら球出口660aの外部へと排出される。よって、クルーン部材660の入球部に入球した遊技球は、球出口660aより排出されるまで、約10秒かかるように構成されている。なお、本実施形態では、普通図柄の当たりの変動時間は10秒で構成されているので(図17(a)参照)、スルーゲート67を通過して、抽選結果が当たりである場合には、その変動が終了するタイミングでクルーン部材660の球出口660aより入球した遊技球が排出されるので、第1入球装置64の開閉扉が開放状態となったタイミングに合わせて遊技球を第1入球装置64へと流下させることができる。従って、遊技者が遊技球の発射を止めている場合でも、開閉扉が開放状態となるタイミングで遊技球を第1入球口64aへと入球させることができるという効果がある。また、球出口660aの下方には球出口660aと対峙する位置に遊技釘KGが配置されている。これにより、球出口660aより排出され流下した遊技球は、第1入球装置64へと直接流下できず、遊技釘KGにより流下速度が減速され、さらに左右に振り分けられる。よって、さらに遊技球が第1入球装置64へと到達するまでの時間を遅延させることができるので、普通図柄が確定してから、開閉扉が開放状態となるまでのタイムラグに合わせることができ、第1入球口64aへ遊技球をより入球させ易くできる。
なお、本実施形態では、クルーン部材660により普通図柄の当たり変動の変動時間分遅延させるように構成したがそれに限らず、5秒等の時間であってもよい。このように構成することで、当たりの変動期間よりは短い期間ではあるが遅延させることができる。
本実施形態では、外れ(本実施形態では、外れの確率4/5)の場合に、大当たり(本実施形態では、大当たり1/5)とは異なる小当たりが所定の確率(本実施形態では、小当たり1/4)で設定されている。特別図柄が小当たりであると判別された場合にはその小当たり種別の判別も行われる。つまり、特別図柄が小当たりになると、パチンコ機10が特定の遊技状態(小当たり遊技)へと移行し、通常時は閉鎖されている第2可変入賞装置650の開閉片650bが所定期間(例えば、1.5秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまでの1ラウンド)開放される。
その結果、第2可変入賞装置650の第2特定入賞口650aに球が入賞可能な状態となる。なお、詳細は図4を参照して後述するが、上述した第2可変入賞装置650の内部には、V通過流路650e3が設けられており(図4参照)、球がV通過流路650e3を通過したことをV検出スイッチ650e5(図4参照)が検出(以下、特定領域を通過と称す)すると、大当たり遊技が付与されるよう構成されている。
詳細は後述するが、特別図柄の小当たりに当選すると、小当たり種別選択テーブル202c(図15参照)を参照して「小当たりA」、「小当たりB」、「小当たりC」の3種類からいずれかの小当たり種別が選択される。そして、選択された小当たり種別に基づいて小当たり遊技が実行される。また、詳細は後述するが、3種類の小当たり種別のうち「小当たりA」のみが、小当たり遊技の結果として第2可変入賞装置650の第2特定入賞口650aに球が入球した際に、V通過流路650e3を通過可能に設定されている。即ち、「小当たりA」のみが、小当たり遊技の結果として大当たりを付与可能に設定されている。
このように、本パチンコ機10は、特別図柄の抽選によって大当たりを目指す遊技(所謂、1種遊技)と、特別図柄の抽選によって小当たりに当選し、小当たり遊技によって第2可変入賞装置650へ入賞した球を特定領域(本実施形態では、V検出スイッチ650e5)へ通過させることで大当たりを目指す遊技(所謂、2種遊技)とを備えた遊技性(所謂、1種2種混合機)を有している。
このような遊技性を有することで、遊技者は複数の契機で大当たりを目指すことができるため、遊技への飽きの緩和を図ることが可能となる。
ここで、図2および図4(a)〜(b)を参照して、本実施形態における第2可変入賞装置650について説明する。この第2可変入賞装置650は、図2に示すように、第3図柄表示装置81の左下に配置されており、第3図柄表示装置81の左側を遊技球が通過するように発射ハンドル51が操作される遊技方法(以下、左打ち遊技と称す)で遊技が行われた場合に第2特定入賞口650aに遊技球が入賞し易く(第3図柄表示装置81の右側を遊技球が通過するように発射ハンドル51が操作される遊技方法(以下、右打ち遊技と称す)との比較)構成されている。この第2可変入賞装置650は、遊技盤前面側に配置されて、遊技盤13の遊技領域を流下する遊技球を受け入れる特定入賞口650aが形成された前面カバー体と、その前面カバー体に対して、回動可能に構成され、特定入賞口650aを開閉する開閉片650bと、遊技盤13の背面側に配置されて特定入賞口650aに入球した遊技球が流下する流路が形成された流路部材650hとで主に構成されている。第2可変入賞装置650は、遊技盤13をルータにより加工された貫通孔を遊技盤13の前面側より覆うように前面カバー体が遊技盤13にビスで固定されている。その前面カバー体には、遊技盤13の前面側を流下する遊技球が入球可能な開口部として第2特定入賞口650aが配置されており、その第2特定入賞口650aを覆う閉鎖状態と図2に示すように第2特定入賞口650aへと遊技球を誘導する開放状態とに可変可能な開閉片650bが取り付けられている。この開閉片650bは、図2に示すように爪形状で構成され、先端部が先細く形成されており、先端部の他端側が回動可能に前面カバー体に回動可能に軸支されている。開閉片650bの第2特定入賞口650aと対向する側は、開放状態となった場合に、第2特定入賞口650aへと遊技球を誘導するように円弧形状で凹んで構成されている。この開閉片650bは、第2可変入賞装置650に配置されているソレノイドにより閉鎖状態と開放状態とに可変されるように構成さている。なお、この開閉片650bを可変させる機構については、既に公知のものであるので、その詳細については省略する。
前面カバー体の左下方には、貫通孔の一部が露出して形成されており、遊技盤13の背面側が視認可能なように透明なプラスチック部材により遊技盤13の前面と同一面となるように閉塞されている。このプラスチック部材の背面側には、後述するV通過流路650e3やV検出スイッチ650e5が視認可能に構成されており、V検出スイッチ650e5に対応する位置に、V検出スイッチ650e5(特定領域)が配置されていることを示す「V」の文字が印字されている。これにより、遊技者が第2可変入賞装置650の第2特定入賞口650aに入球した遊技球がV検出スイッチ650e5により検出されたかを視認して確認することができ、より遊技の興趣を向上できる。
図4(a)〜(b)は、第2可変入賞装置650における遊技盤13の背面側に配置される流路部材650hについて示した図である。図4(a)は、第2可変入賞装置650の第2特定入賞口650aに入球した遊技球がV通過流路650を通過することが不可能(又は困難)となるように切換弁650b3が上方へ回動されている状態(ソレノイドは非作動)を示した図である。図4(b)は、第2可変入賞装置650の第2特定入賞口650aに入球した遊技球がV通過流路650e3を通過することが可能となるように切換弁650b3が下方へソレノイドが作動することにより回動されている状態を示した図である。
図4(a)を参照して、第2可変入賞装置650の背面側に形成された流路部材650hについて説明する。第2可変入賞装置650の第2特定入賞口650aに入賞した遊技球が前面カバー体の内部に形成された遊技盤13の貫通孔と連通する流路を転動して遊技盤13の背面側へと転動する。貫通孔に対向する位置に流路部材650hの流入口650a1が配置されるように遊技盤13の背面側に流路部材650hがビスで固定されている。流路部材650hは、背面側に突出した壁部により複数の遊技球が流下可能な流路を形成している。流入口650a1を通過した遊技球は排出流路650e1かV通過流路650e3のどちらかの流路に振り分けられるように流路が形成されている。排出流路650e1とV通過流路650e3との突き合わせ部には切換弁650b3が配置されており、切換弁650b3が回動して作動することで流入口650a1を通過した遊技球を排出流路650e1かV通過流路650e3に振り分けるように構成されている。
排出流路650e1は、図4(a)に示すように、流路部材650h内の上方の流路であり、流路部材650hの外周を形成する外周壁部650e7と流路部材650hの内部に形成され、外周壁部650e7よりも遊技球1球が通過可能な幅(本実施形態では、15mm)を空けた位置に内壁部650f3が遊技球1球通過可能な幅で背面側に突出して形成されている。内壁部650f3の下方には外周壁部650e7が遊技球1球以上通過可能な間隔を空けて配置されており、内壁部650f3とその下方に配置される外周壁部650e7とでV通過流路650e3が形成されている。また、排出流路650e1とV通過流路650e3とを区画するために区画壁650f4が設けられている。区画壁650f4の上部に遊技球が通過できないように、区画壁650f4から内壁部650f3までの間隔は遊技球1球未満に構成されており、流下した遊技球はV通過流路650e3へ確実に流下することができる。内壁部650f3は、流入口650a1の直下の手前位置まで緩やかに左下方に傾斜して形成されており、端部から右側に配置される外周壁部650e7まで遊技球1球が通過可能な幅(本実施形態では、15mm)を空けて形成されている。この外周壁部650e7と内壁部650f3の端部との間には、切換弁650b3がと同一上面となる位置に配置されている。
切換弁650b3は、図4(a)に示すように、上面に遊技球が1球通過可能な上面を有した板形状で構成されており、内壁部65f3と反対側の一端が流路部材650hに回動可能に固定されている。この軸部は、図示しないソレノイドにより作動するリンク部材と連結されており、ソレノイドが作動することで、このリンク部材が回動し、切換弁650b3が図4(a)に示した矢印の範囲内で回動するように構成されている。ソレノイドが非作動である場合には、図4(a)に示した実線の位置で切換弁650b3は付勢されて固定されており、遊技球の通過を検出可能な通過検出センサ650asに形成された流入口650a1を通過した遊技球を上面で受けて、排出流路650e1へと転動(誘導)させる。排出流路650e1を流下した遊技球は、排出流路650e1の終端に配置された排出検出スイッチ650e6に検出されて遊技球の外部へと排出される流路へと誘導される。なお、遊技球の通過可能な流入口650a1が形成された通過検出スイッチ650asが配置されており、この通過検出スイッチ650asにより遊技球が検出されることで、第2可変入賞装置650の第2特定入賞口650aに遊技球が入球したことが検知され、それに基づいて賞球の払い出しや入賞個数のカウント等が実行される。
一方、図4(b)に示すように、ソレノイドが作動して切換弁650b3が下方へ回動された状態となると、流入口650a1を通過した遊技球が下方へ流下すると、V通過流路650e3への入り口が開放された状態となっているため、V通過流路650e3へと流入する。V通過流路650e3の終端には、上述したV検出スイッチ650e5が配置されており、V検出スイッチ650e5により検出された後に、遊技球が外部へと排出される流路へと誘導される。
なお、本実施形態では、特別図柄の当否判定結果が小当たりである場合に、小当たり遊技の実行が開始される。小当たり遊技の開始は、小当たりシナリオa202g1または小当たりシナリオb202g2(図(a)〜(c)参照)が主制御装置110のMPU201が実行する小当たり開始設定処理(図27のS402またはS403)で設定されることで、主制御装置110のMPU201が実行するメイン処理(図33)内の小当たり制御処理(図36のS1005)で小当たりシナリオa202g1またはb202g2の設定がありと判別される(図36のS1301:Yes)ことで開始される。小当たりを示す図柄が確定停止して、図柄を確定して停止させる期間である確定期間(本実施形態では、1s)が経過した時点が小当たり遊技の開始として定義できる。
まず、小当たりシナリオa202g1および小当たりシナリオb202g2共通として、小当たり遊技の実行開始より、1.5秒後に切換弁650b3が下方に回動されV通過流路650e3へと遊技球が通過可能な状態に設定される。その後、小当たり遊技の開始から4秒後にソレノイドが非作動となり上方へと回動され、V通過流路650e3へ遊技球が流入不可能(困難)な状態に可変される。一方、第2可変入賞装置650の第2特定入賞口650aへと遊技球の入球が可能な状態に設定される開閉片650bの作動(開放)タイミングは、小当たり種別(即ち、小当たりシナリオa202g1が設定されるか、小当たりシナリオb202g2が設定される小当たり種別であるか)により可変して設定されている。具体的には、小当たり種別が小当たりA(小当たりシナリオa202g1が設定される小当たり種別)であれば、図16(b)に示すように、小当たり遊技の開始から1.5秒後に開放され、その後、小当たり遊技の開始から3秒後に閉鎖される。一方、小当たり種別が小当たりB及び小当たりC(小当たりシナリオb202g2が設定される小当たり種別)であれば、小当たり遊技の開始から4秒後に開放され、その後、小当たり遊技の開始から5.5秒後に閉鎖される。このように構成することで、小当たりAであれば、V通過流路650e3へと遊技球が流入可能な期間に、開閉片650bが開放状態となるので、V通過流路650e3へと遊技球を流下させて、V検出スイッチ650e5に遊技球が検出されて大当たり遊技を遊技者に付与することが可能となる。一方、小当たりB及びCでは、図16(c)に示すように、V通過流路650e3へ遊技球が流下可能な期間に開閉片650bが開放状態とならないので、V通過流路650e3へは遊技球を流入させることができず、第2特定入賞口650aへ入球した遊技球はすべて排出流路650e1へと誘導される。即ち、小当たりAは、V検出スイッチ650e5により遊技球を検出されることが可能な小当たりであり、小当たりB及び小当たりCは、V検出スイッチ650e5により遊技球が検出されることが不可能(困難)な小当たりに設定されている。
このように、小当たり種別により、V検出スイッチ650e5に検出されるか否かを制御することができるので、遊技者に大当たりが付与される小当たり(本実施形態では、小当たりA)と付与されない小当たり(本実施形態では、小当たりB及びC)とを小当たり種別により設定することができる。よって、小当たり種別における選択割合の調整や小当たりの判定確率の調整により、大当たりが付与される確率(頻度)を調整することができる。従って、特別図柄における大当たりの判定だけでなく、小当たりの判定についても期待を遊技者に持たせることができる。その結果、遊技者が飽きるのをより抑制できる。
なお、第2可変入賞装置650に入賞した遊技球は、流入口650a1に配置された通過検出スイッチ650asにて検出され、V通過流路650e3を流下した球はV検出スイッチ650e5にて検出され、排出流路650e1を流下した球は排出検出スイッチ650e6にて検出される。このように、入賞した遊技球の総数(流入口650a1の通過検出スイッチ650asが検出した遊技球の総数)と、排出された遊技球の総数(V検出スイッチ650e5,排出検出スイッチ650e6が検出した遊技球の総数)を検出可能とすることにより、入賞した遊技球が所定時間内に排出されているかを監視することができるため、例えば、第2可変入賞装置650内にて発生した球詰まりや、第2可変入賞装置650内に意図的に遊技球を残留させる不正行為を容易に発見することが可能となる。
第2可変入賞装置650内に以下の検出センサを設けてもよい。例えば、切換弁650b3の位置を検知可能なスイッチを設けてもよい。このようなスイッチを設けることで、切換弁650b3の不具合を容易に検出することが可能となる。
図2に戻って説明を続ける。遊技領域の正面視右側上部(図2の右側上部)には、発光手段である複数のLED及び7セグメント表示機を備える第1図柄表示装置37が配設されている。第1図柄表示装置37は、主制御装置110(図11参照)で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。本実施形態では、球が第1入球口64aへ入球した場合に、第1図柄表示装置37が作動するように構成されている。
第1図柄表示装置37は、LEDにより、パチンコ機10が時短中か通常中であるかを点灯状態により示したり、変動中であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が大当たりに対応した図柄か、小当たりに対応した図柄か、外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、大当たりの種別や小当たりの種別を点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すと共に、7セグメント表示装置により、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行う。なお、複数のLEDは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成されており、その発光色の組合せにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を報知するに構成されている。
また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、LEDで構成される第2図柄表示装置83とが設けられている。また、可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は、第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を行うものである。例えば、スルーゲート67を遊技球が通過すると、それをトリガとして、第2図柄表示装置83において普通図柄(第2図柄)の変動表示が実行される。さらに、第3図柄表示装置81では、その普通図柄の変動表示に同期して、その普通図柄(本実施形態では、例えば、図5に示す普通図柄表示領域Ds1に表示される「○×」の普図補助図柄)の変動表示が実行される。
また、本実施形態の構成では、特別図柄の変動開始の契機となる第1入球口64aへの入球は、普通図柄の当たりとなることで、第1入球装置64が開放状態にされる時のみに構成されている。即ち、本実施形態では、スルーゲート67を通過して、普通図柄が変動を開始して、当たり図柄で停止した後の、第1入球装置64の開放期間(普通図柄の当たり遊技期間)の間に、第1入球口64aに入球可能となる。第1入球口64aに入球したことをトリガとして、第1図柄表示装置37において特別図柄(第1図柄)の変動表示が実行される。更に、第3図柄表示装置81では、その特別図柄の変動表示に同期して、その特別図柄の変動表示に対応する第3図柄(本実施形態では、図5(a)に示す、特別図柄表示領域Ds2等)の変動表示が行われる。
なお、本実施形態では、普通図柄と特別図柄との変動を融合した融合図柄を第3図柄表示装置81の主図柄表示領域Dm(図5(a)参照)で変動表示させる。この主図柄表示領域Dmは、図5(a)に示すように、普通図柄表示領域Ds1、特別図柄表示領域Ds2よりも大きい表示領域で構成されており、遊技者が主に融合図柄を視認して遊技を実行するように構成されている。これにより、本実施形態では、普通図柄の当たりとなり、第1入球口64aに入球するまで、特別図柄の変動が開始されない構成であるので、特別図柄が変動する頻度が通常の遊技機(特別図柄の始動口が常時入球可能に構成された遊技機)よりも低くなってしまうが、スルーゲート67に遊技球が通過することを契機に融合図柄の変動が開始されるので、遊技者が退屈してしまい、遊技に早期に飽きてしまう不具合を抑制できる。また、第3図柄表示装置81には、融合図柄だけでなく、普通図柄と特別図柄とに対応した専用の図柄(普通図柄表示領域Ds1に表示される普図補助図柄、特別図柄表示領域Ds2に表示される特図補助図柄が対応)も表示されるので、普通図柄の変動状態、特別図柄の変動状態をそれぞれ個別に識別することもでき、遊技者に分かり易い遊技を提供することができる。なお、融合図柄についての詳細については、後述する。
第3図柄表示装置81は、15インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、後述する表示制御装置114によって表示内容が制御されることにより、例えば左、中及び右の3つの図柄列(融合図柄)が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列毎に縦スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態では、主制御装置110の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37で行われるのに対して、第3図柄表示装置81はその第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示が行われる。なお、表示装置に代えて、例えば、リール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。また、図5(a)に示すように、第3図柄表示装置81の表示領域下方には、普図保留個数表示領域Ds3が設定されている。この普図保留個数表示領域Ds3には、スルーゲート67を通過して普通図柄の変動を開始する権利が保留記憶された場合に、その保留個数を示す保留図柄を図5(b)に示す「黒丸図柄」で表示する領域である。保留個数1個に対して、「黒丸図柄」を一つ表示するように構成されている。
ここで、図5〜図9を参照して、第3図柄表示装置81の表示内容について説明する。第3図柄表示装置81の主図柄表示領域Dmに表示される融合図柄は、「0」から「9」の数字を付した10種類の主図柄により構成されている。各主図柄は、装飾された四角形状の装飾枠内部に「0」から「9」の数字を付して構成されている。さらに、各図柄列における図柄の下端部には、点滅表示される左点滅表示部DF1、中点滅表示部DF2、右点滅表示部DF3が形成されており、左図柄列の左点滅表示部DF1と右図柄列の右点滅表示部DF3とが普通図柄の当たり変動表示に対応して点滅表示するように構成されている。この場合、中図柄列の中点滅表示部DF2は、中図柄列の変動に対応して点滅表示される装飾的な機能を有している。一方、左図柄列の左点滅表示部DF1と中図柄列の中点滅表示部DF2と右図柄列の右点滅表示部DF3とが普通図柄の外れ変動表示に対応して点滅表示するように構成されている。
このように構成することで、融合図柄で特別図柄の変動と普通図柄の変動とを違和感を抑制して遊技者に報知することができる。よって、遊技者は、融合図柄を視認することで、容易に遊技を行うことができ、複雑な遊技性をシンプルにして、遊技者に報知することができる。
図5(b)は、普通図柄の保留個数が2個であり、普通図柄および特別図柄の変動が外れ図柄で停止し、融合図柄も停止表示している状態を示した図である。本実施形態では、普通図柄の外れでは、図5(b)に示すように「○×」図柄が停止表示される。一方、普通図柄の当たりでは「○○」図柄(図6(b)参照)が停止表示される。また、融合図柄において、普通図柄の外れである場合には、左点滅表示部DF1と右点滅表示部DF3とがそれぞれ消灯状態で維持された状態で停止表示される(図5(b)参照)。
図6(a)は、上述した図5(b)の状態から普図保留球数を一つ消化して普通図柄の変動が開始した場合の第3図柄表示装置81における表示態様の一例を示した図である。普通図柄の変動が開始されると、普通図柄表示領域Ds1の普図補助図柄が変動表示される。この普図補助図柄は、「○」図柄と「×」図柄で構成された図柄列で構成されており、普通図柄表示領域Ds1には、この図柄列が2列で表示される。変動表示が開始されると、「○」図柄と「×」図柄とが繰り返し高速で変動表示される。なお、「○」図柄がそれぞれの図柄列で揃って表示された場合に、普通図柄の当たりを示して表示される。
普通図柄の変動表示が開始されるのに同期して、主図柄表示領域Dmの融合図柄の各図柄列もスクロール表示を開始して変動表示される。各図柄列のスクロール表示が開始されると、各融合図柄の点滅表示部DF1〜DF3も点滅表示が開始される。
図6(b)は、上述した図6(a)の状態から、普通図柄の変動時間が経過して、当たり図柄で停止表示した場合における第3図柄表示装置81で表示される表示態様の一例について示した図である。普通図柄表示領域Ds1には、普通図柄の当たりを示す「○」図柄が揃った状態で停止表示されている。融合図柄は、左図柄列と右図柄列に「7」図柄が表示され、中図柄列がスクロール表示したリーチ表示態様で表示される。さらに、左図柄列と右図柄列に表示されたリーチ図柄の「7」図柄の左点滅表示部DF1と右点滅表示部DF3は点灯した状態を維持して表示される。なお、中図柄列の中点滅表示部DF2は、点滅した状態で表示されている。
このように、本実施形態では、普通図柄の変動表示に同期して融合図柄も変動表示を開始する。さらに、普通図柄の変動時間(変動期間)の経過に合わせて、普通図柄の当否判定結果が当たりであれば、リーチ表示態様で融合図柄が表示される。この場合には、左図柄列が先に変動を停止して、左点滅表示部DF1が点灯状態となり、その後、所定期間後(普通図柄の停止タイミングに合わせて)右点滅表示部DF3が停止表示し(リーチ図柄で停止表示)、右点滅表示部DF3が点灯状態で表示される。このように、左点滅表示部DF1と右点滅表示部DF3とは、普通図柄の変動と同期して変動表示が開始され、普通図柄の変動表示時間の経過に合わせて、右点滅表示部DF3の点滅表示が終了するように構成されている。これにより、遊技者が右点滅表示部DF3に注目することにより、普通図柄の変動表示の終了を判別することができる。
なお、普通図柄の当否判定結果が外れである場合には、融合図柄は、普通図柄の変動表示時間の経過に合わせて、非リーチの外れ図柄で全ての図柄列が停止表示するように構成されている。この場合には、左図柄列が先に停止し、その後、右図柄列、最後に、普通図柄の変動停止タイミングに合わせて中図柄列が停止表示されるように構成されている。この場合には、各点滅表示部も図柄列が停止するタイミングに基づいて消灯状態で点滅表示が終了して表示される。
図7(a)は、図6(b)を参照して上述した普通図柄が当たりを示す図柄で停止表示され、第1入球装置64の電動役物(開閉扉)が作動して、開閉扉が開放状態となる普通図柄の当たり遊技期間となった場合に第3図柄表示装置81に表示される表示態様の一例について示した図である。普通図柄の当たり遊技が開始されると、融合図柄はリーチ表示態様を維持した状態で「遊技球をスモールアタッカーに入れてスーパーリーチ突入」という文字を表示して、遊技者に第1入球装置64の第1入球口64aに遊技球を入球させるように促す報知態様が表示される。この場合、融合図柄はリーチ表示態様で表示され、中図柄列が低速でスクロール変動される状態が維持される。なお、本実施形態では、普通図柄が当たりとなったタイミングにより、第1入球口64aに遊技球を入球させるように遊技者に促す報知を表示したが、それに限らず、普通図柄の当たりとなる場合には、その所定秒数前(例えば、5秒前等)から報知を行うようにしてもよい。さらに、演出用の入球口(一般入賞口(入賞したら、1球を遊技者に払い出す))を配置しておき、遊技者がその入球口に入賞させることで、第3図柄表示装置81で表示される融合図柄の演出が可変するように構成しておいてもよい。このようにすることで、遊技者は、普通図柄の変動期間中にも遊技球を発射して遊技を行い易くできるので、普通図柄の当たりとなった場合に、第1入球口64aに遊技球を入球させることができないという不具合を抑制できる。
さらに、普通図柄の当たりとなり、第1入球口64aが開放状態となるまでのオープニング期間を長く設定しておく(例えば、10秒間等)ことで、そのオープニング期間を利用して、第1入球口64aへ向けて遊技球を発射させる演出を遊技者に行うことで遊技者に第1入球口64aへ入球させ易く構成してもよい。さらに、普通図柄の当たり遊技において、第1入球口64aを複数回開放するように構成して、最初の3回を短期間(例えば、0.5秒間の開放でインターバル期間(第1入球口64aが閉鎖される期間)を0.5秒)で開放して、その後、インターバル期間(第1入球口64aが閉鎖される期間)を5秒間設定して、その後に、第1入球口64aを1秒間開放させるように構成してもよい。このようにすることで、4回目の長期間開放されるまでの期間を利用して、第1入球口64aが開放する期間であることを、第1入球口64aを開放する動作を加えて演出することができる。よって、遊技者が第1入球口64aに入球することができる機会を分かり易く構成でき、入球させることができる機会を逃す不具合を抑制できる。
図7(b)は、図7(a)を参照して上述した、普通図柄の当たり遊技中に第1入球口64aに遊技球が入球して特別図柄の変動が開始された場合における第3図柄表示装置81で表示される表示態様について示した図である。第1入球口64aに遊技球が入球して特別図柄の変動が開始するタイミングで特別図柄表示領域Ds2に表示されている特図補助柄の動的表示を開始する。特図補助柄は、図7(b)に示すように「○」図柄と「×」図柄とで構成された図柄列が左右に配置されて構成されている。特別図柄の当たりは「○」図柄が左右に揃って停止表示されることで報知され、外れである場合には「○」図柄と「×」図柄の組み合わせで表示されることで報知される。また、小当たりである場合には、「×」図柄が左右に揃って停止表示されることで報知される。また、特別図柄が変動表示される場合には、各図柄列が高速で「○」図柄と「×」図柄とが切り替わって変動表示される。
図7(b)に示すように、特別図柄の変動表示が開始されたのに同期して、融合図柄は表示領域の左上方にリーチ表示態様を維持した状態で縮小して表示され、主図柄領域Dmにキャラクタ等が表示されるスーパーリーチの表示態様演出が表示される。図7(b)では、スーパーリーチの表示態様の一例を示しており、怪獣と勇者が対面して表示され、「勇者が勝てば大当たり!!」という文字が表示される。ここで、示したスーパーリーチの表示態様例では、怪獣と勇者が戦いを行い、勇者が勝つ表示態様が表示されることで、特別図柄の当否判定結果が大当たりであることが報知される。
本実施形態では、普通図柄の当たりとなる確率は、通常遊技状態(時短遊技状態以外)では、1/40で構成されている。よって、40回普通図柄の変動が開始されて1回の割合で、第1入球口64aに遊技球が入球することとなる。一方、特別図柄の当たり確率は、1/5で構成されており、当たりとなる確率が予め高く設定されている。従って、特別図柄の変動が開始されること自体、当たりが付与される確率が1/5となるチャンスであり、すべての特別図柄の変動が当たりへの期待度が高いスーパーリーチの表示態様が表示されるように構成されている。
図8(a)は、図7(b)を参照して上述した、特別図柄の変動が開始され、当否判定結果が外れである場合に、特別図柄の変動時間が終了した場合に第3図柄表示装置81で表示される表示態様の一例について示した図である。特別図柄の変動時間が経過したタイミングで特別図柄表示領域Ds2に表示されている特図補助図柄の変動が外れを示す「○」図柄と「×」図柄の組み合わせで停止される。また、融合図柄も特別図柄が停止するタイミングに合わせてリーチ図柄と異なる図柄(本実施形態では、「6」図柄)で停止表示され、中点滅表示部DF2も点灯状態を維持して表示される。さらに、「残念!!」という文字を表示して判定結果が外れであったことを分かり易く遊技者に報知される。なお、この図8(a)に示した表示態様が表示される前に、図7(b)に示したスーパーリーチの例であれば、勇者が怪獣に負ける表示態様が表示され、その後で縮小されていた融合図柄が拡大して主図柄表示領域Dmに表示される。
このように、本実施形態では、普通図柄と特別図柄とがそれぞれ変動表示されるが、融合図柄は、普通図柄と特別図柄の変動を1の変動として融合して変動表示して遊技者に報知する。これにより、本実施形態では、普通図柄の当たりとなり、普通図柄の当たり遊技中に第1入球口64aに入球しないと特別図柄の変動が開始されない構成であるが、普通図柄の変動開始に基づいて融合図柄の変動が開始されるので、特別図柄の変動が開始していない期間であっても融合図柄の演出で遊技を楽しむことができる。さらに、普通図柄の当たりを融合図柄のリーチ表示態様で表示するように構成したので、遊技者に普通図柄や特別図柄を切り分けて認識させる必要なく、特別図柄の当たりが付与される期待度が高くなった状態であることを分かり易く報知できる。さらに、普通図柄の当たり遊技中には、第1入球装置64(演出上は、スモールアタッカーに該当)へ遊技球を入球させることを遊技者に促す報知がされるので、融合図柄がリーチ表示態様となったことで、遊技者が遊技球の発射を停止してしまい、第1入球口64aへ入球させる機会を逃してしまう不具合を抑制できる。
また、図示は省略したが、特別図柄の当否判定結果が大当たりである場合には、図7(b)に示したスーパーリーチの例であれば、勇者が怪獣に勝つ表示態様が表示され、その後、縮小されていた融合図柄が拡大して表示される。その後、特図補助図柄が「○」図柄が揃って停止表示され、融合図柄は、リーチ図柄と同じ図柄が中図柄列に停止して、当否判定結果が当たり(大当たり)であったことが報知される。
なお、本実施形態では、普通図柄の当たりと外れにより対応する点滅表示部を可変するように構成したがそれに限らず、普通図柄の変動に対応して点滅する点滅表示部をすべての点滅表示部として、普通図柄の変動開始タイミングに基づいてすべてを点滅させ、変動停止タイミングで当否判定結果に対応する態様(例えば、当たりであれば、すべてを点灯状態、外れであればすべてを消灯状態)で確定表示するように構成してもよい。さらに、本実施形態では、点滅表示部を図柄の一部としたがそれに限らず、図柄全体の背景を点滅表示部としてもよいし、図柄にキャラクタを付して構成して、そのキャラクタの一部分(例えば、猫のキャラクタであれば、猫の鈴の部分のみ)を点滅表示部としてもうよい。このように構成することで、点滅表示部が遊技者に分かり難くなり、より融合図柄を一つの抽選結果(特別図柄の抽選結果)を報知する図柄として認識して遊技をさせることができる。よって、遊技者に分かり易く遊技を行わせることができる。
また、融合図柄に普通図柄の変動に対応する表示については、点滅表示だけでなく、図柄にエフェクトを付けてエフェクトが動くように表示することで普通図柄の変動中を表すように構成してもよいし、図柄の一部分を揺らしたりして報知するように構成してもよい。さらに、普図補助図柄を点滅表示部や、融合図柄のエフェクトで代用して表示するように構成してもよい。このように構成することで、普図補助図柄を表示していた領域を他の遊技の演出で利用でき、表示領域を有効に利用することができる。
次に、図8(b)および図10(a)〜(b)を参照して、融合図柄の疑似変動について説明する。本実施形態では、普通図柄と特別図柄との変動を一つの変動として遊技者に見せるために第3図柄表示装置81に融合図柄を表示するように構成した。しかしながら、特別図柄の変動が開始されると、それに対応して融合図柄はリーチ表示態様を維持し、特別図柄の変動停止タイミングで停止表示される。この場合には、普通図柄は、スルーゲート67に新たに遊技球が通過したり、普通図柄の保留球が記憶されている場合には、特別図柄の変動中にも新たに普通図柄の変動が開始される。よって、特別図柄の変動が停止した場合に、普通図柄の変動中である場合が発生し、融合図柄を普通図柄の変動開始タイミングで変動させることができない。
そこで、本実施形態のパチンコ機10では、特別図柄の変動中に新たに普通図柄の変動が開始され、特別図柄の変動が停止した際に普通図柄の変動中である場合、融合図柄の変動停止タイミングと普通図柄の変動開始タイミングを一致させるために、特別図柄の変動が停止した後に、融合図柄の疑似変動を実行するように構成されている。
図10(a)〜(b)を参照して、融合図柄の疑似変動の流れについて説明する。図10(a)は、特別図柄の抽選結果が外れであり、さらに普通図柄の保留球の中に抽選結果が外れである保留球が2個連続して記憶されている場合に第3図柄表示装置81で表示される融合図柄の疑似変動の流れを説明したタイミングチャートである。
図10(a)に示すように、まず、スルーゲート67への遊技球の通過を契機に普通図柄(第2図柄)の抽選が行われると、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が開始される(例えば、図6(a)に示した表示態様が表示される。)。そして、所定時間(例えば、5秒や10秒などの選択された変動時間)が経過して普図変動期間が終了すると、普通図柄の当たり図柄が停止表示される(例えば、図6(b)に示した表示態様が表示される。)。そして第1入球装置64の開閉扉が開放され、第3図柄表示装置81において、遊技者に第1入球装置64の第1入球口64aに遊技球を入球させるように促す報知態様が表示される(例えば、図7(a)に示した表示態様が表示される。)。
そして、遊技球が第1入球口64aへ入球すると特別図柄の抽選が行われ、特別図柄の抽選結果が外れである場合は、特別図柄の変動表示が設定される際に、疑似変動を設定するか否かを判別する(判別タイミング)。詳細は図43の変動パターン選択処理で後述するが、普通図柄の2保留内に当たりがあるか否かを判別し、普通図柄の2保留内に当たりがあると判別された場合に、疑似変動を設定する(疑似設定フラグ223hをオンに設定する)。即ち、図10(a)に示したように普通図柄の2保留が全て外れである場合は、この時点では疑似変動は設定されない。
このように構成することで、当該の普通図柄の変動における抽選結果は外れであるが、2保留内の変動で当たりとなる変動が開始される場合には、その変動まで疑似変動で継続して融合図柄の変動を継続することで、その期間を利用して多様な演出を遊技者に行うことができる。さらに、外れの変動であっても、遊技者に期待を持たせることができる。また、外れの抽選結果で停止する頻度を減らすことができ、遊技者に当たりの頻度(確率)が高いように思わせて、継続して遊技を行わせることができる。
さらに、第3図柄表示装置81において特別図柄の変動が開始され(例えば、図7(b)に示した表示態様が表示される。)、特別図柄の変動停止5秒前になると、疑似変動を設定するか否かを再び判別する。詳細は図45の疑似変動設定処理で後述するが、まず、既に疑似変動が設定されている(疑似設定フラグ223hをオンに設定されている)か否かを判別する。
疑似変動が設定されていない場合は、普通図柄の2保留内に当たりがあるか否かを判別し、2保留内に当たりがあると判別された場合は、疑似変動を設定する(疑似設定フラグ223hをオンに設定する)。一方、次に開始される普通図柄の変動表示に対応する普通図柄の2保留内に当たりがない場合は、特別図柄の変動表示の停止タイミングよりも後に停止する普通図柄変動が実行される実行期間であるか否かを判別し、特別図柄の変動表示の停止タイミングよりも後に停止する普通図柄変動が実行される実行期間である場合は、疑似変動を設定する。
即ち、図10(a)に示したように、普通図柄の2保留内に当たりはないが、特別図柄の変動表示の停止タイミングよりも後に停止する普通図柄変動が実行される実行期間である場合は、疑似変動を設定する。この時、実行中の普通図柄の変動と設定する疑似変動の終了タイミングを一致させるために、実行中の特別図柄の変動が終了してから普通図柄の変動が終了するまでの期間(差分時間t1)を疑似変動期間として設定する。
ここで、融合図柄の変動が特別図柄の変動期間の経過に基づいて停止した場合に、普通図柄の変動中であり、新たな普通図柄の変動契機まで、融合図柄の変動開始が行われないと、保留図柄が第3図柄表示装置81に表示されているのに、次の抽選遊技が開始されないことで、遊技者が退屈したり、遊技が行われないことへの不安感が発生するという不具合が考えられる。しかしながら、本実施形態では、特別図柄の変動停止タイミングに普通図柄の変動が実行されている期間であると、変動停止の5秒前に判断して、その終了までの期間で融合図柄の疑似変動を設定するように構成したので、テンポ良く、融合図柄の停止に伴い、次の融合図柄の変動が開始されることで、遊技者が気持ちよく遊技を行うことができる。
なお、本実施形態では、特別図柄の終了タイミングの5秒前に疑似変動を実行するか否かの判断をしているが、それに限らず、変動停止のタイミングで判断するように構成してもよい。このように構成することで、特別図柄の変動停止5秒前以降にスルーゲート67を通過して、普通図柄の変動が開始された場合に、その普通図柄の変動停止まで融合図柄の変動が開始されない不具合を防止することができる。また、5秒前等の事前タイミングと停止タイミングとの両方で判断して、事前に疑似変動を設定する機会を多くすることで、制御負荷を軽減できるように構成してもよい。
図10(b)は、特別図柄の抽選結果が外れであり、さらに普通図柄の保留球の中に抽選結果が外れと当たりである2個の保留球が順に記憶されている場合に第3図柄表示装置81で表示される融合図柄の疑似変動の流れを説明したタイミングチャートである。
図10(a)と同様に、普通図柄の抽選結果が当たりとなり、第1入球装置64の開閉扉が開放され、第1入球口64aへの遊技球の入球を契機とした特別図柄の抽選結果が外れである場合は、特別図柄の変動表示が設定される際に、疑似変動を設定するか否かを判別する。図10(b)に示すように、普通図柄の2保留内に当たりとなる保留がすでに記憶されている場合には、特別図柄の変動開始タイミングで、最大30秒の疑似変動が特別図柄の変動終了から設定される。ここで、最大30秒間の疑似変動とする理由は、普通図柄の変動時間として、当たりの場合は、10秒であり、外れの場合には、最長10秒が選択されるように構成されているので、当該変動されている普通図柄の変動と、2保留の変動とが最長の10秒がそれぞれ選択されたとしても、2保留目の普通図柄の変動終了までは、疑似変動が継続して実行される。よって、当たりとなる普通図柄の保留に対応する変動よりも疑似変動が先に終了してしまい、第1入球口64aが開放するまでに間ができてしまい、遊技がぎこちなくなってしまう不具合を抑制できる。なお、設定される最大30秒の疑似変動は、当たりとなる普通図柄の変動が終了し、第1入球口64aが開放し、遊技球が入球して特別図柄の変動開始を契機として強制的に終了する。その後、特別図柄の変動に対応する融合図柄の変動(本実施形態では、図8(b)に示す再変動するか否かの演出から、図7(a)に示す中図柄列が再変動する演出に切り替えられる表示)が実行される。
これにより、既に、特別図柄の変動開始時に、普通図柄の当たり変動が決定されている(2保留内に保留されている)場合には、外れの演出を表示せずに、再変動の演出を実行して、当たりとなる普通図柄の変動がされて、再び特別図柄が変動するか否かの演出を行うことができ、外れとなる演出の頻度を低くして、遊技者が残念な思いをする回数を少なくすることができる。なお、本実施形態では、疑似変動で当たりとなる普通図柄の変動まで疑似変動させたものの、第1入球口64aに遊技球を入球させることが出来なかった為に特別図柄の変動が30秒の疑似変動期間が経過しても開始されなかった場合には、図8(b)に示す疑似変動の演出のまま再変動が開始されず変動が終了される。
一方、特別図柄の変動開始時点では、普通図柄の保留個数が2個未満であり、当たりとなる保留が2保留内に記憶されていない場合には、疑似変動は特別図柄の変動開始時点では設定されないように構成されている。その場合には、図10(b)に示すように、特別図柄の変動期間が終了する5秒前に、現在記憶されている普通図柄の2保留内に当たりが有るかが判別され、記憶された場合には、変動開始時に記憶されている場合と同様に最大30秒の疑似変動が設定される。また、図柄の確定期間(本実施形態では、1s)に疑似変動を設定するか否かの判別を行うようにしてもよい。
なお、本実施形態では、特別図柄の変動開始時と、特別図柄の変動終了の5秒前とで疑似変動を設定するか否かの判別を実行するように構成したが、変動開始時、変動終了時であってもよいし、変動終了時のみであってもよい。さらに、変動開始時のみや、普図保留が成立する毎に判別するように構成してもよいし、所定期間(例えば100ms毎等)に判別してもよいし、上記の条件を適宜組み合わせてもよい。
次に、図8(b)を参照して、第3図柄表示装置81における融合図柄の疑似変動の表示内容について説明する。図8(b)は、図10(a)〜(b)を参照して上述した、疑似変動の判別タイミングにおいて疑似変動を設定すると判別された場合、特別図柄の変動停止後に第3図柄表示装置81で表示される表示態様の一例について示した図である。上述したように、特別図柄の変動中に新たに普通図柄の変動が開始され、特別図柄の変動が停止した際に普通図柄の変動中である場合、特別図柄の変動開始タイミングと普通図柄の変動開始タイミングを一致させるために、特別図柄の変動が停止し、特別図柄の外れ図柄(例えば、図8(a))が表示された後に、融合図柄の疑似変動演出を実行するように構成されている。
図8(b)に示すように、普通図柄の変動中であるため、普通図柄表示領域Ds1では普通図柄が変動表示される。そして、主図柄表示領域Dmの融合図柄の中図柄列が振動する等、融合図柄が再変動の兆候を示す態様が表示される。を連打することで特別図柄の再変動が起こる可能性があることについて、中図柄列が僅かにボタン押下また、「ボタン連打で再変動チャンス!!」という文字ともに、枠ボタン22を押す旨を示す態様が表示されることで、枠ボタン22に合わせて震える演出がされることで遊技者に分かり易く報知される。このように、疑似変動を行うことにより、特別図柄の変動開始タイミングと普通図柄の変動開始タイミングとを一致させ、普通図柄と特別図柄との変動を一つの変動として遊技者に見せることを可能にするだけでなく、特別図柄の再変動に対して期待を遊技者に与え、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうという事態を抑制することができるという効果がある。なお、再変動演出では、2保留内に当たりとなる保留が記憶されている場合に、疑似変動が設定されていると枠ボタン22を押下した場合の効果音が可変される確率が高く設定されたり、中図柄の震える大きさが高確率で大きくなったり、特殊な図柄が表示されたり、特殊なランプの点灯態様が実行される等の演出を実行するように構成してもよい。このような場合、当たりの保留が記憶されていない場合にも低確率で同様の演出が実行されるように構成することで、遊技者が再変動の開始が実行されるのではと期待して遊技を行うことができる。さらに、疑似変動が実行されている場合に、第1入球口64aが開放するタイミングで遊技球を発射していない不具合を抑制するために、遊技球を発射させるように報知して、遊技球を発射させることで、中図柄列が震えるように構成したり、スルーゲート67に遊技球を通過させるように報知して、クルーン部材660内に遊技球が入球する状態が維持するように報知する構成とするようにするとなおよい。
図9(a)は、上述した図6(a)の状態から、普通図柄の変動時間が経過して、外れ図柄で停止表示した場合における第3図柄表示装置81で表示される表示態様の一例について示した図である。普通図柄表示領域Ds1には、普通図柄の外れを示す「○」「×」図柄が揃った状態で停止表示されている。融合図柄は、左図柄列と右図柄列に「7」図柄と「5」図柄のばらけ目が表示されている。また、点滅表示領域DF1とDF3も点灯状態と消灯状態とで表示され、普通図柄の外れを示している。中図柄列は、点滅表示領域Df2が消灯して表示され、特別図柄が変動しなかったことが報知される。
図9(b)は、図7(b)を参照して上述した、特別図柄の変動が開始され、当否判定結果が小当たりである場合に、特別図柄の変動時間が終了した場合に第3図柄表示装置81で表示される表示態様の一例について示した図である。特別図柄の変動時間が経過したタイミングで特別図柄表示領域Ds2に表示されている特別図柄の変動が小当たりを示す「×」図柄が揃った状態で停止表示される。図9(b)に示すように、特別図柄の変動表示が開始されたのに同期して、融合図柄は表示領域の左上方にリーチ表示態様を維持した状態で縮小して表示され、主図柄領域Dmにキャラクタ等が表示されるスーパーリーチの表示態様演出が表示される。図9(b)では、スーパーリーチの表示態様の一例を示しており、怪獣と勇者が対面して表示され、「勇者が勝てば大当たり!!」という文字が表示される。ここで、示したスーパーリーチの表示態様例では、怪獣と勇者が戦いを行い、勇者が勝つ表示態様が表示されることで、特別図柄の当否判定結果が大当たりであることが報知される。ここで、小当たり変動である場合には、変動期間の終了前に第2可変入賞装置650を模した図柄が第3図柄表示装置81に表示され、第2特定入賞口650aに遊技球を入球させるように遊技球に促す報知が実行される。ここで、遊技者が第2特定入賞口650aに遊技球を入球させて、V検出スイッチ650e5に検出されると大当たり遊技のオープニング演出で勇者が必殺技を出して怪獣を倒す演出が実行される。第2特定入賞口650aに遊技球を入球させられなかった場合や、V検出スイッチ650e5に検出されなかった場合には、そのままブラックアウトし、次の変動が実行される。なお、本実施形態では、ブラックアウトする演出としたが、小当たり遊技のエンディング演出により勇者が怪獣に負ける演出等を表示するように構成して、遊技者に小当たり遊技の結果を表示するように構成してもよい。
次に、図3を参照してパチンコ機10の背面側の構成について説明する。図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとしたりすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図11参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ(図示せず)が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図11参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
<第1実施形態における電気的構成について>
次に、図11を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図11は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。なお、音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。一方、払出制御装置111に対しては、双方向でデータを送受信可能に構成されている。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37、遊技球の検出や、不正遊技を検知するためのセンサ(磁石センサ、電波センサ)等からなる各種スイッチ208、第2可変入賞装置650の開閉片650bを開閉駆動するための開閉片ソレノイド650f2や、第2可変入賞装置650内の切換弁650b3を駆動するための切換弁ソレノイド650c2等からなる各種ソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図31参照)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
なお、払出制御が実行された場合は、払出モータ216により賞球が1個ずつ連続的に払い出される。より具体的には、払出モータ216の回転量が所定量(例えば、1回転)となる毎に、賞球が1個払い出される。また、払出モータ216によって所定個数(100個)の賞球は所定時間(10秒)で払い出されるように払出モータ216の回転速度が設定されている。また、所定個数(100個)の賞球が払い出される度に、所定期間(1秒)だけ賞球の払い出しを休止するように構成されている。これにより、例えば、大当たり中等、多量の賞球を連続的に払い出す必要がある場合に、払出モータ216が休みなく賞球を払い出し続けてしまい、払出モータ216が発熱してしまうことを抑制することができる。よって、払出モータ216の発熱により、パチンコ機10の樹脂部分や弾性体部分が溶けてしまう等により、パチンコ機10が故障してしまうことを抑制することができる。また、払出モータ216において発生した熱がパチンコ機10の可触部(例えば、下皿ユニット15操作やハンドル51等の遊技者が触れる部分)に伝播し、遊技者に火傷等の怪我をさせてしまうことを抑制することができる。なお、払出モータ216により賞球の払い出しを休止するまでの払い出し個数や払い出しの休止期間は、これに限られるものではなく、払出モータ216の発熱を抑制することができる範囲で任意に定めることができる。例えば、払出モータ216によって5個や25個の賞球が払い出される度に払い出しを休止するように構成してもよい。また、例えば、休止期間を0.5秒や3秒としてもよい。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動パターン演出(変動表示)といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110からのコマンドや、音声ランプ制御装置113に接続された各種装置等の状況に応じてエラーを判定し、そのエラーの種別を含めてエラーコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114では、受信したエラーコマンドによって示されるエラー種別(例えば、振動エラー)に応じたエラーメッセージ画像を第3図柄表示装置81に遅滞無く表示させる制御が行われる。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動表示(変動演出)や連続予告演出を制御するものである。この表示制御装置114の詳細については、公知のものであるので、詳細な説明については省略する。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源回路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図31参照)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
次に、図12を参照し、主制御装置110に設けられているRAM203について説明する。主制御装置110では、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。そして、RAM203には、これらの処理を制御するための各種カウンタが設けられている。ここで、図12を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。これらのカウンタ等は、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。
特別図柄の抽選や、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定には、特別図柄の抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、特別図柄の大当たり種別を選択するために使用する第1当たり種別カウンタC2と、特別図柄における外れの停止種別を選択するために使用する停止種別選択カウンタC3と、特別図柄の小当たり種別を選択するために使用する小当たり種別カウンタCS3と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1とが用いられる。また、普通図柄の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4と、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2と、変動パターン選択に使用する普図変動種別カウンタCS2が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度、前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図24参照)の実行間隔である2ミリ秒間隔で更新され、また、一部のカウンタは、メイン処理(図33参照)の中で不定期に更新されて、その更新値がRAM203のカウンタ用バッファ203eに適宜格納される。RAM203には、1つの実行エリアからなる特別図柄保留球実行エリア203aが設けられており、このエリアには、第1入球口64aへの入球タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、および小当たり種別カウンタCS3の各値がそれぞれ格納される。また、RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる普通図柄保留球格納エリア203bが設けられており、これらの各エリアには、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過したタイミングに合わせて、第2当たり乱数カウンタC4の値が格納される。
各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、所定の範囲(例えば、0〜399)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜399の値を取り得るカウンタの場合は399)に達した後0に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。
また、第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。即ち、例えば、第1当たり乱数カウンタC1が0〜399の値を取り得るループカウンタである場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1もまた、0〜399の範囲のループカウンタである。この第1初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図24参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図33参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64aに入賞したタイミングでRAM203の特別図柄保留球実行エリア203aに格納される。そして、特別図柄の大当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される第1当たり乱数テーブル202aによって設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値が、第1当たり乱数テーブル202aによって設定された大当たりとなる乱数の値と一致する場合に、特別図柄の大当たりと判定する。
第1当たり種別カウンタC2は、特別図柄の大当たりとなった場合に、第1図柄表示装置37の表示態様を決定するものであり、所定の範囲(例えば、0〜99)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜99の値を取り得るカウンタの場合は99)に達した後0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64aに入賞したタイミングでRAM203の特別図柄保留球実行エリア203aに格納される。
ここで、特別図柄保留球実行エリア203aに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数でなければ、即ち、特別図柄の外れとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の外れ時のものとなる。
一方で、特別図柄保留球実行エリア203aに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の大当たり時のものとなる。この場合、その大当たり時の具体的な表示態様は、同じ特別図柄保留球実行エリア203aに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値が示す表示態様となる。
本実施形態のパチンコ機10における第1当たり乱数カウンタC1は、0〜399の範囲の2バイトのループカウンタとして構成されている。この第1当たり乱数カウンタC1において、特別図柄の大当たりとなる乱数値は80個あり、その乱数値である「0〜79」は、第1当たり乱数テーブル202a(図14(a)参照)に格納されている。このように、乱数値の総数が400ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が80なので、特別図柄の大当たりとなる確率は「1/5」となる。
また、本実施形態のパチンコ機10における第1当たり種別カウンタC2の値は、0〜99の範囲のループカウンタとして構成されており、この第1当たり種別カウンタC2の値と、ROM202内に設けられている第1大当たり種別選択テーブル202b(図14(b)参照)とに基づいて大当たり種別が決定される。図14(b)に示すように、特別図柄の大当たりである場合には、第1当たり種別カウンタC2において、乱数値が「0〜49」であった場合の大当たり種別は、「大当たりA」となる。また、値が「50〜99」であった場合の大当たり種別は、「大当たりB」となる。
また、本実施形態では、特別図柄の外れ(大当たり以外)の一種として、第2可変入賞装置650の第2特定入賞口650aが開放状態となる小当たりが設けられている。第1当たり乱数カウンタC1において、特別図柄の小当たりとなる乱数は100個あり、その乱数値である「300〜399」は、第1当たり乱数テ−ブル202a(図14(a)参照)に格納されている。このように乱数の総数が400ある中で、小当たりとなる乱数値の総数が100なので、特別図柄の小当たりとなる確率は「1/4」となる。
また、本実施形態のパチンコ機10における小当たり種別カウンタCS3の値は、0〜199の範囲のループカウンタとして構成されており、この小当たり種別カウンタCS3の値と、ROM202内に設けられている第1小当たり種別選択テーブル202c(図15参照)とに基づいて小当たり種別が決定される。なお、各小当たり種別に応じた小当たり遊技の内容については、図15を参照して後述する。
次に、停止種別選択カウンタC3は、例えば0〜99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。本実施形態では、停止種別選択カウンタC3によって、第3図柄表示装置81で表示される外れ時の融合図柄の停止図柄が決定される。「0」〜「9」図柄に対してそれぞれ停止種別選択カウンタC3の値が振り分けられている。なお、リーチ図柄と同一の図柄が選択された場合には、決定された図柄に1加算した図柄が決定される(例えば、リーチ図柄と同様の「9」図柄が決定された場合には、「0」図柄が決定される)。
変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS1によって、特別図柄の変動パターン(融合図柄の変動パターン)としてスーパーリーチの変動種別が決定される。主制御装置110のMPU201のROM202に記憶されている変動パターン選択テーブル202eには、大当たり用変動パターン選択テーブル202e1と外れ用変動パターン選択テーブル202e2と小当たり用変動パターン選択テーブル202e3とがそれぞれ記憶されており、それぞれの選択テーブルに複数のスーパーリーチの変動パターン種別が記憶されている。それぞれの選択テーブルの各スーパーリーチ種別には、変動種別カウンタCS1の値が設定されており、当否判定結果(当たり、外れ、小当たりの何れか)に対応する選択テーブルから取得している変動種別カウンタCS1の値に基づいて、スーパーリーチの種別が決定される。各スーパーリーチ種別には、変動時間が設定されており、変動パターンコマンドによりその変動時間と、スーパーリーチの種別が音声ランプ制御装置113に通知される。音声ランプ制御装置113では、通知された変動パターンコマンドと取得している演出カウンタ223gの値とに基づいて更に詳細なスーパーリーチの詳細が決定される。これにより、主制御装置110では、大まかな選択を実行し、音声ランプ制御装置113でさらに詳細な選択を実行することで、主制御装置110の制御負荷を軽減できる。なお、本実施形態では、主制御装置110で決定されるスーパーリーチの変動時間は各スーパーリーチで同一としたが、それに限らず、複数の変動時間のスーパーリーチを設定して選択するように構成してもよい。さらに、音声ランプ制御装置113で変動時間を決定するように構成してもよい。
第2当たり乱数カウンタC4は、例えば0〜239の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり239)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。また、第2当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該第2当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。第2当たり乱数カウンタC4の値は、本実施形態ではタイマ割込処理毎に、例えば定期的に更新され、球が中央か右の何れかの普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過したことが検知された時に取得され、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203bに格納される。
そして、普通図柄の当たりとなる乱数の値は、主制御装置のROM202に格納される第2当たり乱数テーブル202dによって設定されており、第2当たり乱数カウンタC4の値が、第2当たり乱数テーブルによって設定された当たりとなる乱数の値と一致する場合に、普通図柄の当たりと判定する。
通常遊技状態における普通図柄の当たりとなる乱数値は6個あり、その範囲は「0〜5」となっている。これら乱数値は、普通図柄当たり乱数テーブル202d(図14(c)参照)に格納されている。このように普通図柄には、乱数値の総数が240ある中で、普通図柄の当たりとなる乱数値の総数が6なので、普通図柄の当たりとなる確率は「1/40」となる。
一方、時短遊技状態における普通図柄の当たりとなる乱数値は240個あり、その範囲は「0〜239」となっている。これら乱数値は、普通図柄当たり乱数テーブル202d(図14(c)参照)に格納されている。このように普通図柄には、乱数値の総数が240ある中で、普通図柄の当たりとなる乱数値の総数が240なので、普通図柄の当たりとなる確率は「1/1」となり、必ず普通図柄の当たりなる。
本パチンコ機10では、通常遊技状態である場合は、球が普通図柄始動口67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、普通図柄の変動表示が普図変動種別カウンタCS2の値に応じた期間(5〜10秒間)実行される。そして、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「0〜5」の範囲であれば当たりと判別されて、変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)が点灯表示されると共に、第1入球口64aが「2秒間×1回」だけ開放される。なお、本実施形態では、パチンコ機10が通常遊技状態ある場合に、普通図柄の当たりとなったら第1入球口64aが「2秒間×1回」だけ開放されるが、開放時間や回数は任意に設定すれば良い。例えば、「3秒間×2回」開放しても良い。
なお、本パチンコ機10が時短遊技状態(時短中)である場合には、必ず普通図柄の当たりとなり、普通図柄が変動表示される時間が3秒に設定される。また、普通図柄が当たりとなった場合に、第1入球口64aが「2秒間×2回」開放されるよう開放パターンが設定される。このように、時短遊技状態においては、通常遊技状態よりも第1入球口64aに遊技球が入球しやすくなるよう構成されている。
第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜239)、タイマ割込処理(図24参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図33照)の残余時間内で繰り返し更新される。
このように構成することは、時短遊技中は、特別図柄の変動が実行され易く、小当たり又は大当たりとなる可能性が高くなる。よって、遊技者に大当たりが実行される可能性が通常遊技状態よりも高くなり、時短遊技中に連続して大当たりを遊技者に付与することができる。よって、時短遊技が実行されることを期待して遊技者が遊技することができ、遊技の興趣をより向上できる。また、時短遊技状態では、小当たり種別選択テーブル202cが時短遊技専用のテーブルとなり、そのテーブルでは、小当たりAが選択される割合を高く設定しておくことで、時短中に小当たり遊技が実行された場合にV検出スイッチ650e5により遊技球が検出され易くなり、大当たり遊技が時短中に実行される確率をより高くすることができる。
このように、RAM203には種々のカウンタ等が設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値に応じて特別図柄の抽選や変動パターンの設定および普通図柄の抽選や変動パターンの設定といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。
RAM203は、図12に図示した各種カウンタのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。
なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図33参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図32参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図31参照)が即座に実行される。
つぎに、図13〜図17を参照して、主制御装置110のMPU201に設けられているROM202について説明する。図13(a)は、主制御装置110に設けられているROM202の内容を模式的に示した図である。図13(a)に示した通り、ROM202には、第1当たり乱数テーブル202aと、第1大当たり種別選択テーブル202bと、小当たり種別選択テーブル202cと、第2当たり乱数テーブル202dと、変動パターン選択テーブル202eと、大当たりシナリオテーブル202fと小当たりシナリオテーブル202gと、普図変動パターン選択テーブル202hとが少なくとも設けられている。
第1当たり乱数テーブル202aは、上述した通り、特別図柄の大当たりとなる乱数の値が規定されたテーブルである。この第1当たり乱数テーブル202aに規定されている乱数値と、第1当たり乱数カウンタC1の値とが一致する場合に、特別図柄の大当たりと判定する。なお、第1当たり乱数テーブル202aには、特別図柄の小当たりとなる乱数の値も設定されている。なお、第1当たり乱数テーブル202aの詳細な内容については、図14(a)を参照して後述する。
第1大当たり種別選択テーブル202bは、大当たり種別を決定するための第1当たり種別カウンタC2の判定値が、大当たり種別毎にそれぞれ設定されているデータテーブルである。なお、第1大当たり種別選択テーブル202bの詳細な内容については、図14(b)を参照して後述する。
小当たり種別選択テーブル202cは、小当たり種別を決定するための小当たり種別カウンタCS3の判定値が、小当たり種別毎にそれぞれ設定されているデータテーブルである。なお、第1小当たり種別選択テーブル202cの詳細な内容については、図15を参照して後述する。
第2当たり乱数テーブル202dは、普通図柄の当たり判定値が記憶されているデータテーブルである。この第2当たり乱数テーブル202dに規定されている乱数値と、第2当たり乱数カウンタC4の値とが一致する場合に、普通図柄の大当たりと判定する。なお、第2当たり乱数テーブル202dの詳細な内容については、図14(c)を参照して後述する。なお、上述の通り、通常遊技状態において普通図柄の当たりと判定された場合は、所定時間(10秒)の変動表示が終了した後に、停止図柄が点灯表示されると共に、第1入球口64aに付随する電動役物(開閉扉)が「2秒間×1回」だけ開放される。
一方、時短遊技状態(時短中)では、必ず普通図柄の当たりとなり、変動時間が3秒に設定され、その変動表示が終了した後に、停止図柄が点灯表示されると共に、第1入球口64aに付随する電動役物(開閉扉)が「2秒間×2回」開放される。
なお、通常遊技状態と時短遊技状態(時短中)とで、普通図柄の当たりと判定される第2当たり乱数カウンタC4の値を変更してもよい。
変動パターン選択テーブル202eは、特別図柄の変動パターンの表示態様を決定するために用いられるデータテーブルであり、変動種別カウンタCS1の値毎に表示態様が規定されている。この変動パターン選択テーブル202eには、特別図柄の抽選結果に対応した複数の異なるテーブルが規定されている。具体的には、図14(d)に示すように、変動パターン選択テーブル202eは、当否判定結果が大当たりである場合専用の大当たり用変動パターン選択テーブル202e1(図示せず)と、当否判定結果が外れであり、通常遊技状態である場合専用の外れ用変動パターン選択テーブル202e2(図示せず)と、当否判定結果が小当たりである場合専用の小当たり変動パターン選択テーブル202e3(図示せず)によりそれぞれ少なくとも構成されている。
大当たりシナリオテーブル202fは、大当たり遊技中に第1可変入賞装置65の特定扉65fを開放させる開放シナリオを決定するために用いられるデータテーブルであり、当選した大当たり種別に対応した複数の異なるテーブルが規定されている。図示しないが、大当たりシナリオテーブル202fは、大当たり種別が大当たりAである場合専用の大当たりシナリオa202f1と、大当たり種別が大当たりBである場合専用の大当たりシナリオb202f2により構成されている。
この大当たりシナリオには、大当たりシナリオが設定されるとカウントが実行される大当たりシナリオカウンタ203g(図13(b)参照)のカウンタ値に基づいて各種イベント(シナリオ内容)が規定されており、シナリオの内容に基づいて特定扉65fの開閉制御が実行される。
小当たりシナリオテーブル202gは、小当たり遊技中に第2可変入賞装置650の開閉片650bを開放させる第2特定入賞口650aに遊技球が入球可能なように開閉片650bを右方向へ回動させる開放シナリオと切換弁650b3を動作させる動作シナリオを決定するために用いられるデータテーブルであり、当選した小当たり種別に対応した複数の異なるテーブルが規定されている。具体的には図16(a)に示すように、小当たりシナリオテーブル202gは、小当たり種別が小当たりAである場合専用の小当たりシナリオa202g1(図16(b)参照)と、小当たり種別が小当たりB又Cである場合専用の小当たりシナリオb202g2(図16(c)参照)とにより構成されている。
この小当たりシナリオには、小当たりシナリオが設定されるとカウントが実行される小当たりシナリオカウンタ203h(図13(b)参照)のカウンタ値に基づいて各種イベント(シナリオ内容)が規定されており、シナリオの内容に基づいて開閉片650bの開閉制御が実行されるとともに、第2可変入賞装置650内に設けられた切換弁650b3の動作制御が実行される。また、第2特定入賞口650aおよびV通過流路650e3内への球の通過が正常であるかを判別する処理において、球の通過を許容する範囲も小当たりシナリオカウンタ203hのカウンタ値に基づいて規定されている。
普図変動パターン選択テーブル202hは、普通図柄の変動パターンの表示態様を決定するために用いられるデータテーブルであり、普図変動種別カウンタCS2の値毎に表示態様が規定されている。この普図変動パターン選択テーブル202hには、普通図柄の抽選結果に対応した複数の異なるテーブルが規定されている。具体的には、普図変動パターン選択テーブル202hは、通常遊技状態である場合専用の普図変動パターン選択テーブル(通常)(図17(a)参照)と、時短遊技状態である場合専用の普図変動パターン選択テーブル(時短)(図17(b)参照)によりそれぞれ少なくとも構成されている。
つぎに、図13(b)を参照して、主制御装置110のMPU201に設けられているRAM203について説明する。図13(b)は、主制御装置110に設けられているRAM203の内容を模式的に示した図である。図13(b)に示した通り、RAM203は、特別図柄保留球実行エリア203aと、普通図柄保留球格納エリア203bと、普通図柄保留球数カウンタ203cと、時短中カウンタ203dと、カウンタ用バッファ203eと、Vフラグ203fと、大当たりシナリオカウンタ203gと、小当たりシナリオカウンタ203hと、その他メモリエリア203zを有している。
特別図柄保留球実行エリア203aは、第1入球口64a専用の記憶エリアであり、1つの実行エリアを有しており、これらの各エリアには、第1当たり乱数カウンタC1、第1大当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、及び小当たり種別カウンタCS3の各値がそれぞれ格納される。
より具体的には、球が第1入球口64aへ入賞(始動入賞)したタイミングで、各カウンタC1〜C3およびCS3の各値が取得され、その取得されたデータが、実行エリアに記憶される。
普通図柄保留球格納エリア203bは、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)とを有している。これらの各エリアには、第2当たり乱数カウンタC4が格納される。
より具体的には、球が普通図柄始動口67を通過したタイミングで、カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、保留第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。なお、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、普通図柄の当たりの抽選が行われる場合には、普通図柄保留球格納エリア203bの保留第1エリアに記憶されているカウンタC4の値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶されたカウンタC4の値に基づいて、普通図柄の当たりの抽選などの判定が行われる。
なお、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となる。そこで、他の保留エリア(保留第2エリア〜保留第4エリア)に記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリア(保留第1エリア〜保留第3エリア)に詰めるシフト処理が行われる。本実施形態では、普通図柄保留球格納エリア203bにおいて、入賞のデータが記憶されている保留エリア(第2保留エリア〜第4保留エリア)についてのみデータのシフトが行われる。
本パチンコ機10では、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過し、そのスルーゲート通過に応じてカウンタC4の値が取得されると直ちに、それらの値を含む入賞情報コマンドが音声ランプ制御装置113へ送信される。普図入賞情報コマンドが音声ランプ制御装置113によって受信されると、音声ランプ制御装置113は、普図入賞情報コマンドから、カウンタC4の値を抽出し、それらを普図入賞情報としてRAM223の普図入賞情報格納エリア223aに格納する。
普通図柄保留球数カウンタ203cは、普通図柄始動口67における球の通過に基づいて第2図柄表示装置83で行われる普通図柄(第2図柄)の変動表示の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この普通図柄保留球数カウンタ203cは、初期値がゼロに設定されており、球がスルーゲート(普通図柄始動口)67を通過して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算され(図29のS604参照)、新たに普通図柄(第2図柄)の変動表示が実行される毎に、1減算される(図28のS505参照)。
球がスルーゲート(普通図柄始動口)67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203cの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)が4未満であれば、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、普通図柄保留球格納エリア203bに記憶される(図29のS606)。一方、球がスルーゲート(普通図柄始動口)67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203cの値が4であれば、普通図柄保留球格納エリア203bには新たに何も記憶されない(図29のS603:No)。
この普通図柄保留球数カウンタ203cの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)は、保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される(図28のS506、図29のS605参照)。保留球数コマンドは、普通図柄保留球数カウンタ203cの値が変更される度に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
音声ランプ制御装置113は、普通図柄保留球数カウンタ203cの値が変更される度に、主制御装置110より送信される保留球数コマンドによって、主制御装置110に保留された変動表示の保留球数そのものの値を取得することができる。これにより、音声ランプ制御装置113の普通図柄保留球数カウンタ223dによって管理される変動表示の保留球数が、ノイズ等の影響によって、主制御装置110に保留された実際の変動表示の保留球数からずれてしまった場合であっても、次に受信する保留球数コマンドによって、そのずれを修正することができる。
なお、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドに基づいて保留球数を管理し、保留球数が変化する度に表示制御装置114に対して、保留球数を通知するための表示用保留球数コマンドを送信する。表示制御装置114は、この表示用保留球数コマンドによって通知された保留球数を基に、第3図柄表示装置81の普図保留個数表示領域Ds3に保留球数図柄を表示する。
時短中カウンタ203dは、パチンコ機10が時短遊技状態(時短中)であるか否かを示すカウンタであり、時短中カウンタ203dの値が1以上であれば、パチンコ機10が時短遊技状態であることを示し、時短中カウンタ203dの値が0であれば、パチンコ機10が普通図柄の通常状態(通常遊技状態)であることを示す。この時短中カウンタ203dは、初期値がゼロに設定されており、主制御装置110において、大当たりのエンディング終了時(即ち、大当たりの終了タイミング)に大当たり種別に応じた値が設定される。具体的には、通常遊技状態においては、大当たり種別が「大当たりA」の場合は3が設定され、「大当たりB」の場合は0が設定され、時短遊技状態においては、大当たり種別が「大当たりA」の場合は9が設定され、「大当たりB」の場合は3が設定される。その後、時短中カウンタ203dの値が0になるまで、特別図柄の変動演出が終了する毎に1が減算される(図25のS213)。
普通図柄の抽選が行われる場合には、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が0よりも大きいと、時短中カウンタ203dの値が参照される。そして、その値が1以上であれば、時短遊技状態における(高確率用)普通図柄当たり乱数テーブルに基づいて抽選結果を取得し(図28のS510)、さらに、普通図柄の変動時間を3秒に設定し(図28のS518)、第1入球口64aに付随する電動役物(開閉扉)の開放パターンとして2秒×2回の開放パターンを設定する(図28のS519)。一方、時短中カウンタ203hの値が0であれば、通常遊技状態における(低確率用)普通図柄当たり乱数テーブルに基づいて抽選結果を取得し(図28のS511)、さらに、普通図柄の変動時間を10秒に設定され(図28のS520)、第1入球口64aに付随する電動役物(開閉扉)の開放パターンとして2秒×1回の開放パターンが設定される(図28のS521)。
カウンタ用バッファ203eは、上述したように、各カウンタ値がカウントされる為に用いられるバッファエリアである。
Vフラグ203fは、第2可変入賞装置650の特定領域であるV通過流路650e3に球が通過したことを検出したことを記憶するためのフラグであり、小当たり終了時にこのVフラグ203fの値に基づいて、大当たりを付与するものである。このVフラグ203fは、V通過時処理において、小当たり種別に基づく大当たりの種別を示すように設定され(図30のS705)、小当たりエンディング制御処理において参照され(図37のS1405)、その後にオフに設定される(図37のS1406)。
なお、本実施形態においては、各種カウンタ値の値をタイマ割込処理にて加算する構成を示したが、正確な期間を計測できる構成であればよく、例えば、RTC(リアルタイムクロック)によって計時される期間を用いて計測してもよい。
大当たりシナリオカウンタ203gは、特定扉65fの開閉タイミング等が規定されている大当たりシナリオを更新させるためのカウンタであり、この大当たりシナリオカウンタ203gによって更新される大当たりシナリオに基づいて大当たり中に特定扉65fの開放制御が実行される。この大当たりシナリオカウンタ203gは、大当たり制御処理において、大当たりシナリオの設定があると判別された場合に1加算され(図34のS1102)、大当たりエンディング制御処理において、大当たりシナリオに基づく制御が終了し大当たりシナリオの設定がクリアされた後にリセットされる(図35のS1205)。
小当たりシナリオカウンタ203hは、各種装置(第2可変入賞装置650の開閉片650b、切換弁650b3)の動作タイミング等が規定されている小当たりシナリオを更新させるためのカウンタであり、この小当たりシナリオカウンタ203hによって更新される小当たりシナリオに基づいて小当たり中に各種装置の動作制御が実行される。この小当たりシナリオカウンタ203hは、小当たり制御処理において、小当たりシナリオの設定があると判別された場合に1加算され(図36のS1302)、小当たりエンディング制御処理において、小当たりシナリオに基づく制御が終了し、小当たりシナリオの設定がクリアされた後にリセットされる(図37のS1404)。
つぎに、図14から図17を参照して、主制御装置110のMPU201に設けられているROM202が有する各種テーブルの詳細について説明する。
まず、図14(a)を参照して第1当たり乱数テーブル202aについて説明する。図14(a)は、第1当たり乱数テーブル202aの内容を模式的に示した模式図である。図14(a)に示すように、第1当たり乱数テーブル202aは、大当たりの判定値として第1当たり乱数カウンタC1の値「0〜79」が、小当たりの判定値として第1当たり乱数カウンタC1の値「300〜399」が、大当たりと小当たり以外(外れ)の判定値として第1当たり乱数カウンタC1の値「80〜299」が設定されている。
つまり、本実施形態におけるパチンコ機10は特別図柄の抽選が、「1/5」の確率で大当たりに、「1/4」の確率で小当たりとなるよう構成されており、特別図柄の抽選結果が高確率で小当たりとなる。このように構成することで、特別図柄の変動で大当たりとならなかった場合にも、小当たりとなりやすく小当たり遊技でV検出スイッチ650e5へ遊技球を通過させられるか否かを遊技者に期待させる機会を多く実行でき、遊技の興趣をより向上できる。なお、本実施形態では、特別図柄の大当たりとなる確率や小当たりの確率は遊技状態が可変しても一定としたが、大当たりの確率が高くなる高確率遊技状態を設定する期間や、時短遊技中には小当たりの確率を高くするように構成してもよい。また、第2特別図柄の始動する入賞口を設けて、第2特別図柄では、小当たりの確率を高くするように構成してもよい。また、V検出スイッチ650e5に遊技球が検出されると大当たりが実行される構成としたが、それに限らず、高確率遊技状態(確変)を所定条件が成立するまで(次の大当たりまでや、所定回数の特別図柄の変動まで)付与するように構成してもよい。
次に、図14(b)を参照して第1大当たり種別選択テーブル202bについて説明する。図14(b)は、第1当たり乱数テーブル202bの内容を模式的に示した模式図である。図14(b)に示すように、第1大当たり種別選択テーブル202bは、大当たりAの判定値として第1当たり種別カウンタC2の値「0〜49」が、大当たりBの判定値として「50〜99」が設定されている。
ここで、本パチンコ機10では大当たり遊技が開始されると第1可変入賞装置65の特定扉65fが開状態となり、第1特定入賞口65aへ遊技球を入球させることで多量の賞球を獲得する遊技が実行される。また、大当たり種別に応じて大当たり遊技終了後に遊技者に有利な時短遊技状態が付与される。
次に、各大当たり種別の内容について説明する。大当たりAが選択された場合、通常遊技状態においては、第1可変入賞装置65が15ラウンド(15R)開放する大当たり遊技が開始され、その大当たり遊技の終了後、時短遊技状態(時短)が3回付与される。一方、時短遊技状態においては、第1可変入賞装置65が15ラウンド(15R)開放する大当たり遊技が開始され、その大当たり遊技の終了後、時短遊技状態(時短)が9回付与される。
大当たりBが選択された場合、通常遊技状態においては、第1可変入賞装置65が15ラウンド(15R)開放する大当たり遊技が開始され、その大当たり遊技の終了後、時短遊技状態(時短)は付与されない。一方、時短遊技状態においては、第1可変入賞装置65が15ラウンド(15R)開放する大当たり遊技が開始され、その大当たり遊技の終了後、時短遊技状態(時短)が3回付与される。なお、本実施形態では、時短回数を制限して付与したが、次の大当たりまで付与するように構成してもよい。この場合、時短が付与されない(または、時短回数が制限されている)大当たり種別を設定することで、大当たりが過剰に連続することを抑制できる。
以上、説明をしたように、本パチンコ機10においては、特別図柄の大当たり(大当たりAまたは大当たりB)に当選することで、大当たり遊技終了後に必ず時短遊技状態へと移行するが、大当たり遊技のラウンド数が大当たりCまたは大当たりDよりも少なく設定されている。これは、小当たり遊技中に遊技球が特定領域を追加することで実行される大当たり(大当たりCまたは大当たりD)のほうが、遊技者に自力で大当たりを獲得したと思わせることができるため、大当たりCまたは大当たりDによる特典を遊技者にとってより有利な特典とするためである。
図14(c)は、第2当たり乱数テーブル202dの内容を模式的に示した模式図である。図14(d)に示すように、第2当たり乱数テーブル202dは、普通図柄の当たりの判定値として、通常遊技状態では第2当たり乱数カウンタC4の値「0〜5」が、時短遊技状態では第2当たり乱数カウンタC4の値「0〜239」が設定されている。
つまり、本実施形態におけるパチンコ機10は普通図柄の抽選が、通常遊技状態では「1/40」の確率で当たりとなり、時短遊技状態では「1/1」の確率で当たりとなる。
図14(d)は、変動パターン選択テーブル202eの内容を模式的に示した模式図である。この変動パターン選択テーブル202eには、図14(d)に示すように、大当たり用変動パターン選択テーブル202e1(図示せず)と、外れ用変動パターン選択テーブル202e2(図示せず)と、小当たり用変動パターン選択テーブル202e3(図示せず)とが少なくとも設定されている。大当たり用変動パターン選択テーブル202e1は、特別図柄の抽選結果が大当たりである場合に選択される変動パターンの表示態様(変動時間)が規定されたデータテーブルであり、変動種別カウンタCS1の値に基づいて各種大当たりの変動パターンが選択される。外れ用変動パターン選択テーブル202e2および小当たり用変動パターン選択テーブル202e3も上述した大当たり用変動パターン選択テーブル同様に、変動種別カウンタCS1の値に基づいて各種外れ用の変動パターンおよび各種小当たり用変動パターンが選択される。
次に、図15を参照して小当たり種別選択テーブル202cについて説明する。図15は、小当たり種別選択テーブル202cの内容を模式的に示した模式図である。
図15に示すように、特別図柄の小当たりである場合には、小当たり種別カウンタCS3において、乱数値が「0〜4」であった場合の小当たり種別は、「小当たりA」となる。また、乱数値が「5〜9」であった場合の小当たり種別は、「小当たりB」となる。また、乱数値が「10〜199」であった場合の小当たり種別は、「小当たりC」となる。
ここで、小当たり種別について図15を参照して説明する。まず、「小当たりA」が選択された場合は、図16(a)の小当たりシナリオテーブル202gに示すように小当たりシナリオa202g1に対応する小当たり遊技が実行される。小当たりシナリオa202g1に対応する小当たり遊技では、図16(b)に示すように、第2可変入賞装置650内のV通過流路650e3へと遊技球が流入可能な期間に、開閉片650bを1.5秒間開放させる開放シナリオが設定されている。即ち、小当たり遊技の結果として、V検出スイッチ650e5に遊技球が検出されることが可能であり、その場合には大当たりを付与可能に設定されている。
一方、「小当たりB」およびが「小当たりC」選択された場合は、小当たりシナリオb202g2(図16(a参照)に対応する小当たり遊技が実行される。小当たりシナリオb202g2に対応する小当たり遊技では、図16(c)に示すように、第2可変入賞装置650内のV通過流路650e3へ遊技球が流入可能な期間に、開閉片650bが閉鎖状態となるように設定されている。即ち、V検出スイッチ650e5に入賞させることが困難に構成されている小当たり遊技の結果として大当たりを付与不可能(困難)に設定されている。また、「小当たりA」、「小当たりB」、「小当たりC」ともに、20秒間の特別図柄の変動時間が設定されている。
このように各小当たり種別によって、小当たり遊技中の開閉片650bの開放パターンを異ならせることにより、小当たり遊技の遊技者に有利な小当たりである、V通過流路650e3へ遊技球が流入可能な小当たり遊技と、不利な小当たりである、V通過流路650e3へ遊技球が流入不可能(困難)な小当たり遊技を設定することができ、多様な遊技性を提供することができる。
次に、図16を参照して、小当たりシナリオテーブル202gについて説明をする。図16(a)は、小当たりシナリオテーブル202gの内容を模式的に示す模式図である。この小当たりシナリオテーブル202gは、小当たり種別選択テーブル202cによって選択された小当たり種別にそれぞれ対応した小当たりシナリオが選択可能に規定されており、選択された小当たりシナリオに基づいて小当たり遊技が実行される。
小当たりシナリオテーブル202gは、選択される小当たりシナリオとして、小当たりA専用の小当たりシナリオa202g1と、小当たりBまたはC専用の小当たりシナリオb202g2とを有する。
まず、図16(b)を参照して、小当たりシナリオa202g1について説明をする。図16(b)は、小当たりシナリオa202g1の内容を模式的に示す模式図である。小当たりシナリオa202g1が設定されると、小当たりシナリオカウンタ203hがカウントを開始し(図36のS1302)、その小当たりシナリオカウンタ203hのカウンタ値に対応して設定されている各種制御が実行される。なお、カウンタ値は4ミリ秒周期で実行される主制御装置110のメイン処理にて加算されており、カウンタ値の値が1加算されると4ミリ秒経過したことになる。
小当たりシナリオa202g1が設定され、カウンタ値が1になると、小当たりのオープニング期間が開始される。カウンタ値が375(1.5秒経過)になると、小当たりのオープニング期間を終了し、第2可変入賞装置650内のV通過流路650e3へと遊技球が通過可能な状態(Vルート開放状態)になるよう切換弁650b3を下方に回動するために切換弁ソレノイド650c2をオンに設定する。そして、カウンタ値が376に更新されると、第2可変入賞装置650の開閉片650bを開放するために開閉片ソレノイド650f2をオンに設定する(1ラウンド開始)。その後、カウンタ値が750(3秒経過)に到達すると、つまり開閉片650bが開放されてから1.5秒経過した場合に、開閉片650bを閉鎖するために開閉片ソレノイド650f2をオフに設定する(1ラウンド終了)。
なお、本パチンコ機10の1ラウンドにおける開閉片650bの閉鎖条件(終了条件)は、開閉片650bが開放してから1.5秒経過した場合と、第2特定入賞口650aに10個の球が入賞した場合である。詳細は後述するが、開閉片650bが開放してから1.5秒経過するまでに、第2特定入賞口650aに10個の球が入賞した場合は、小当たりシナリオカウンタ203hの値を749(1ラウンド終了の1個前)まで更新する処理を実行するよう構成している。なお、小当たり遊技では、1ラウンドの開放期間が短く設定されている為、現実的には、10球入球することはなく、開放期間が経過することで、10球入球するよりも前に1ラウンドが終了するように構成されている。これにより、小当たり遊技で過剰に賞球が付与されることがないように構成されており、大当たり遊技との差異がでるように構成されている。
このように構成することで、その後、カウンタ値が1加算されることで、カウンタ値が750となり開閉片650bを閉鎖させる動作制御が実行されるため、複数のラウンド終了条件毎に開閉片閉鎖制御を実行させる必要がなくなり、処理負担を軽減できるとともに、それぞれのラウンド終了条件が略同時タイミングで発生した場合において、開閉片ソレノイド650f2の動作制御に不具合が生じてしまうことを防ぐことが可能となる。
そして、カウンタ値が751に更新されると、小当たりのエンディング期間を開始され第3図柄表示装置81にエンディング表示態様が表示され、カウンタ値が1000(4秒経過)になると、第2可変入賞装置650内のV通過流路650e3へと遊技球が通過不可能(困難)な状態(Vルート閉鎖状態)になるよう切換弁650b3を上方に回動するために切換弁ソレノイド650c2をオフに設定する。そして、カウンタ値が1500(6秒経過)になると小当たりのエンディング期間を終了する。
上記のように設定することで、切換弁ソレノイド650c2がオンに設定されてVルート開放状態になってから、切換弁ソレノイド650c2がオフに設定されてVルート閉鎖状態になるまでのV有効期間において、開閉片ソレノイド650f2がオンに設定されて開閉片650bが開放状態になるため、第2特定入賞口650aに入球した遊技球をV通過流路650e3へと流下させることが可能となる。すなわち、開閉片ソレノイド650f2がオンに設定されて開閉片650bが開放状態になってから、開閉片ソレノイド650f2がオフに設定されて開閉片650bが閉鎖状態になるまでの期間(カウンタ値376〜750)は、第2特定入賞口650aに入球した遊技球をV通過流路650e3へと流下させて、V検出スイッチ650e5に遊技球が検出されて大当たり遊技を遊技者に付与することが可能な小当たり遊技を提供することとなる。
次に、図16(c)を参照して小当たりシナリオb202g2について説明をする。図16(c)は、小当たりシナリオb202g2の内容を模式的に示した模式図である。この小当たりシナリオb202g2は、上述したように小当たり種別が小当たりBまたは小当たりCに対して設定される小当たりシナリオであって、V検出スイッチ650e5により遊技球が検出されることが困難な小当たり遊技を提供するシナリオである。
小当たりシナリオb202g2が設定され、カウンタ値が1になると、小当たりのオープニング期間が開始される。カウンタ値が375(1.5秒経過)になると、小当たりのオープニング期間を終了し、第2可変入賞装置650内のV通過流路650e3へと遊技球が通過可能な状態(Vルート開放状態)になるよう切換弁650b3を下方に回動するために切換弁ソレノイド650c2をオンに設定する。
そして、カウンタ値が1000(4秒経過)になると、小当たりのオープニング期間を終了し、第2可変入賞装置650内のV通過流路650e3へと遊技球が通過不可能(困難)な状態(Vルート閉鎖状態)になるよう切換弁650b3を上方に回動するために切換弁ソレノイド650c2をオフに設定する。
カウンタ値が1001に更新されると、第2可変入賞装置650の開閉片650bを開放するために開閉片ソレノイド650f2をオンに設定する(1ラウンド開始)。その後、カウンタ値が1375(5.5秒経過)に到達すると、つまり開閉片650bが開放されてから1.5秒経過すると、開閉片650bを閉鎖するために開閉片ソレノイド650f2をオフに設定する(1ラウンド終了)。
そして、1ラウンド目が終了すると、カウンタ値が1500(6秒経過)になるまで小当たりエンディング期間が実行される。
上記のように設定することで、切換弁ソレノイド650c2がオンに設定されてVルート開放状態になってから、切換弁ソレノイド650c2がオフに設定されてVルート閉鎖状態になるまでのV有効期間において、開閉片ソレノイド650f2が非作動で開閉片650bが閉鎖状態であるため、第2特定入賞口650aに入球した遊技球をV通過流路650e3へと流下させることできず、第2特定入賞口650aに入球した遊技球はすべて排出流路650e1へと誘導される。すなわち、第2特定入賞口650aに入球した遊技球をV通過流路650e3へと流下させて、V検出スイッチ650e5に遊技球が検出されて大当たり遊技を遊技者に付与することが不可能(困難)な小当たり遊技を提供することとなる。
上述したように、小当たりシナリオa202g1と小当たりシナリオb202g2とでは、切替弁ソレノイド650c2をオン及びオフに設定するタイミングは小当たりの開始タイミング(特図停止タイミング)と同じであるが、開閉片ソレノイド650f2をオン及びオフにするタイミングが異なる。このように小当たり種別により開閉片ソレノイド650f2をオン及びオフにするタイミングを異ならせることによって、V検出スイッチ650e5に検出されるか否かを制御することができるので、遊技者に大当たりが付与される小当たり(本実施形態では、小当たりA)と、遊技者に大当たりが付与されない小当たり(本実施形態では、小当たりBおよびC)を設定することができ、多様な遊技性を提供することができる。
なお、本実施形態では、小当たり遊技のオープニング演出における第3図柄表示装置81で表示される表示態様の開始タイミングが小当たりシナリオa202g1、b202g2ともに、開閉片650bの開放動作の1秒前となっており、その期間までは、第3図柄表示装置81では、融合図柄の演出(怪獣と勇者とのバトル演出)が表示されているので、小当たりシナリオa202g1に対応する小当たり遊技であるか、小当たりシナリオb202g2に対応する小当たり遊技であるかを判別困難であるように構成されている。よって、遊技者にオープニング演出の表示期間等で小当たり種別を判別されて、V検出スイッチ650e5に検出されることが可能な小当たりであるかを事前に認識させることを困難にして、小当たり遊技を実際に遊技して、V検出スイッチ650e5に遊技球が検出されることを期待して遊技を行わせることができる。
次に、図17を参照して普図変動パターン選択テーブル202hについて説明する。この普図変動パターン選択テーブル202hには、図17に示すように、普図変動パターン選択テーブル(通常)(図17(a)参照)と、普図変動パターン選択テーブル(時短)(図17(b)参照)とが少なくとも設定されている。
まず、図17(a)を参照して、普図変動パターン選択テーブル(通常)について説明する。図17(a)は、普図変動パターン選択テーブル(通常)の内容を模式的に示した模式図である。普図変動パターン選択テーブル(通常)は、通常遊技状態である場合に選択される普図変動パターンの表示態様(変動時間)が規定されたデータテーブルであり、普通図柄変動種別カウンタCS2の値に基づいて各種変動パターン(変動時間と当たり演出時間)が選択される。
普図変動パターン選択テーブル(通常)は、通常遊技状態における普通図柄の抽選結果が当たりである場合に選択される変動パターンとして普通図柄当たり変動パターンA〜Cが設定されており、通常遊技状態における普通図柄の抽選結果が外れである場合に選択される変動パターンとして普通図柄外れ変動パターンA〜Cが設定されている。
まず、通常遊技状態における普通図柄の抽選結果が当たりである場合に選択される普通図柄当たり変動パターンA〜Cについて説明する。普通図柄当たり変動パターンAは、普通図柄変動種別カウンタCS2の値が「0〜79」の場合に設定され、普通図柄当たり変動パターンBは、普通図柄変動種別カウンタCS2の値が「80〜149」に場合に設定され、普通図柄当たり変動パターンCは、普通図柄変動種別カウンタCS2の値が「150〜198」に場合に設定される。普通図柄当たり変動パターンA〜Cの変動パターンはいずれも、10秒の変動時間と3秒の当たり演出時間が設定されている。
このように、本実施形態では、普通図柄の当たりの変動時間は10秒で構成されており、上述したように、クルーン部材660の入球部に入球した遊技球は、球出口660aより排出されるまで約10秒かかるように構成されている。よって、スルーゲート67を通過して、抽選結果が当たりである場合には、その変動が終了するタイミングでクルーン部材660の球出口660aより入球した遊技球が排出されるので、第1入球装置64の開閉扉が開放状態となったタイミングに合わせて遊技球を第1入球装置64へと流下させることができる。従って、遊技者が遊技球の発射を止めている場合でも、開閉扉が開放状態となるタイミングで遊技球を第1入球口64aへと入球させることができるという効果がある。
次に、通常遊技状態における普通図柄の抽選結果が外れである場合に選択される普通図柄外れ変動パターンA〜Cについて説明する。普通図柄外れ変動パターンAは、普通図柄変動種別カウンタCS2の値が「0〜29」の場合に設定される変動時間が10秒の変動パターンであり、普通図柄外れ変動パターンBは、普通図柄変動種別カウンタCS2の値が「30〜99」の場合に設定される変動時間が7秒の変動パターンであり、普通図柄外れ変動パターンCは、普図変動種別カウンタCS2の値が「100〜198」の場合に設定される変動時間が5秒の変動パターンである。
次に、図17(b)を参照して、普図変動パターン選択テーブル(時短)について説明する。図17(b)は、普図変動パターン選択テーブル(時短)の内容を模式的に示した模式図である。普図変動パターン選択テーブル(時短)は、時短遊技状態である場合に選択される普図変動パターンの表示態様(変動時間)が規定されたデータテーブルである。また、上述したように、本実施形態では、時短遊技状態における普通図柄の当たりとなる確率は「1/1」となり、必ず普通図柄の当たりなる。
この普図変動パターン選択テーブル(時短)も上述した普図変動パターン選択テーブル(通常)同様に、普通図柄変動種別カウンタCS2の値に基づいて各種変動パターンが選択され、大当たり用変動パターンに対して選択される変動パターン(変動時間)が異なる点で相違するのみであるため、説明を省略する。
次に、図18を参照して、音声ランプ制御装置113のROM222、およびRAM223について説明を行う。図18(a)は、音声ランプ制御装置113のROM222の内容を模式的に示す模式図である。音声ランプ制御装置113のROM222には、変動パターン選択テーブル222aと、普図変動パターン選択テーブル222bと、小当たり変動パターン選択テーブル222cと、疑似変動パターン選択テーブル222dとが少なくとも格納されている。変動パターン選択テーブル222aについては、既に公知のものであるため簡単に説明するが、主制御装置110から出力された変動パターンコマンドに基づいて、その変動パターンコマンドが示す大まかな変動内容(変動時間)から更に詳細な変動内容を決定する際に参照される。これにより、さらに多様な変動態様を決定することができる。
普図変動パターン選択テーブル222bおよび小当たり変動パターン選択テーブル222cも、変動パターンテーブル222aと同様に、主制御装置110から出力された普図変動パターンコマンドまたは変動パターンコマンドに基づいて、その変動パターンコマンドが示す大まかな変動内容(変動時間、変動種別)から更に詳細な変動内容を決定する際にそれぞれ参照される。これにより、さらに多様な変動態様を決定することができる。
疑似変動パターン選択テーブル222dは、所定条件を満たすと実行される疑似変動の演出表示内容を規定したテーブルである。ここで、疑似変動とは、特別図柄の変動中に新たに普通図柄の変動が開始され、特別図柄の変動が停止した際に普通図柄の変動中である場合、特別図柄の変動開始タイミングと普通図柄の変動開始タイミングを一致させるために、特別図柄の変動が停止した後に実行される変動である。
詳細な説明については図18(b)を参照して後述するが、この疑似変動パターン選択テーブル222dを用いて、設定されている演出種別と演出カウンタ223gの値に基づいて、疑似変動パターンが選択される。
次に、図18(b)を参照して疑似変動パターン選択テーブル222dについて説明する。図18(b)は、疑似変動パターン選択テーブル222dの内容を模式的に示した模式図である。この疑似変動パターン選択テーブル222dは、疑似変動パターンの表示態様を決定するために用いられるデータテーブルであり、疑似変動の演出種別と演出カウンタ223gの値毎に表示態様が規定されている。
ここで、疑似変動の演出種別について説明する。図10(a)を参照して上述したように、特別図柄の変動が停止する5秒前に、普通図柄の2保留内に当たりがなく、次の特別図柄の停止タイミングよりも後に停止する普通図柄の変動が実行中である場合、特別図柄の変動が停止してから普通図柄の変動が停止するまでの差分時間t1の変動時間で外れ疑似変動が設定される。
一方、図10(b)を参照して上述したように、変動が開始する特別図柄の当否判定結果が外れであり、次の普通図柄の2保留内に当たりがある場合、最大30秒間で継続疑似変動が設定される。
疑似変動パターン選択テーブル222dは、疑似変動開始設定処理において、設定されている演出種別と演出カウンタ223gの値に基づいて疑似変動パターンを選択する際に参照される(図44のS2102)。具体的には、演出種別が外れである場合においては、演出カウンタ223gの値が「0〜30」であった場合は、「外れ疑似変動パターンA」が選択され、演出カウンタ223gの値が「31〜100」であった場合は、「外れ疑似変動パターンB」が選択され、また、演出カウンタ223gの値が「101〜198」であった場合は、「外れ疑似変動パターンC」が選択される。
一方で、演出種別が継続である場合においては、演出カウンタ223gの値が「0〜50」であった場合は、「継続疑似変動パターンA」が選択され、演出カウンタ223gの値が「51〜130」であった場合は、「継続疑似変動パターンB」が選択され、また、演出カウンタ223gの値が「131〜198」であった場合は、「継続疑似変動パターンC」が選択される。
継続疑似変動パターン各種では、最大30秒の疑似変動であり、特別図柄の変動が開始したタイミングで、再変動の演出(特別図柄の変動に対応した融合図柄の変動演出)に切り替えられる演出態様で構成されている。一方、外れ疑似変動パターン各種では、設定される疑似変動期間でブラックアウトするように設定される。
次に、図18(c)を参照して、音声ランプ制御装置113のRAM223について説明をする。図18(c)は、音声ランプ制御装置113のRAM223の内容を模式的に示した模式図である。音声ランプ制御装置113のRAM223には、普図入賞情報格納エリア223aと、普図変動開始フラグ223bと、疑似変動フラグ223cと、普通図柄保留球数カウンタ223dと、変動開始フラグ223eと、停止種別選択フラグ223fと、演出カウンタ223gと、疑似設定フラグ223hと、疑似変動設定エリア23iとが少なくとも設けられている。
普図入賞情報格納エリア223aは、1つの実行エリアと、4つのエリア(第1エリア〜第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、入賞情報である第2当たり乱数カウンタC4の値が格納される。本パチンコ機10では、遊技球がスルーゲート(普通図柄始動口)67を通過した場合に、そのスルーゲート通過に応じて取得された第2当たり乱数カウンタC4の値から、そのスルーゲート通過に対応する普通図柄の抽選が行われた場合に得られる各種情報(当否、停止種別、変動パターン)が主制御装置110において予測(推定)され、その予測された各種情報が、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ入賞情報コマンドによって通知される。
音声ランプ制御装置113では、入賞情報コマンドが受信されると、その入賞情報コマンドにより通知された各種情報(当否、停止種別、変動パターン)が入賞情報として抽出されて、その入賞情報が、普図入賞情報格納エリア223aに記憶される。より具体的には、抽出された入賞情報が、4つのエリア(第1エリア〜第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。
普図変動開始フラグ223bは、主制御装置110から送信される普図変動パターンコマンドを受信した場合にオンに設定され(図40のS1713)、普図変動パターン選択処理において、第3図柄表示装置81における普通図柄の変動表示の設定がなされるときにオフに設定される(図44のS2001)。普図変動開始フラグ223bがオンになると、受信した普図変動パターンコマンドから抽出された普図変動パターンに基づいて、表示用普図変動パターンコマンドが設定される。
ここで設定された表示用普図変動パターンコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理のコマンド出力処理(図39のS1602)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114では、この表示用普図変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用普図変動パターンコマンドによって示される普図変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の普図変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
疑似変動フラグ223cは、第3図柄表示装置81における融合図柄の表示態様が疑似変動中であるか否かを判定するために用いるフラグであり、疑似変動開始設定処理においてオンに設定され(図44のS2104)、変動パターン設定処理においてオフに設定される(図43のS1904)。この疑似変動フラグ223cがオンに設定されている時は、普通図柄の変動開始タイミングとなっても、融合図柄における新たな変動は開始されず、普図補助図柄(普通図柄表示領域Ds1に表示される図柄)のみで変動開始が実行される。
普通図柄保留球数カウンタ223dは、主制御装置110の普通図柄保留球数カウンタ203cと同様に、第1図柄表示装置37(および第3図柄表示装置81)で行われる変動演出(変動表示)であって、主制御装置110において保留されている変動演出の普図保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。即ち、普通図柄に対応する保留球の数が、主制御装置110より出力される保留球数コマンドに基づいて設定される。
上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110に直接アクセスして、主制御装置110のRAM203に格納されている普通図柄保留球数カウンタ203cの値を取得することができない。よって、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から送信される普図保留球数コマンドに基づいて保留球数をカウントし、普通図柄保留球数カウンタ223dにて、その普通図柄の保留球数を管理するようになっている。
具体的には、主制御装置110では、スルーゲート67への通過によって変動表示の普図保留球数が加算された場合、又は、主制御装置110において普通図柄における変動表示が実行されて保留球数が減算された場合に、加算後または減算後の普通図柄保留球数カウンタ203cの値を示す普図保留球数コマンドを、音声ランプ制御装置113へ送信する。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より送信される普図保留球数コマンドを受信すると、その普図保留球数コマンドから、主制御装置110の普通図柄保留球数カウンタ203cの値を取得して、普通図柄保留球数カウンタ223dに格納する(図40のS1710)。このように、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信される普図保留球数コマンドに従って、普通図柄保留球数カウンタ223dの値を更新するので、主制御装置110の普通図柄保留球数カウンタ203cと同期させながら、その値を更新することができる。
普通図柄保留球数カウンタ223dの値は、第3図柄表示装置81における普図保留球数図柄の表示に用いられる。即ち、音声ランプ制御装置113は、普図保留球数コマンドの受信に応じて、そのコマンドにより示される保留球数を普通図柄保留球数カウンタ223dに格納すると共に、格納後の普通図柄保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114に通知するべく、表示用普図保留球数コマンドを表示制御装置114に対して送信する。
表示制御装置114では、この表示用普図保留球数コマンドを受信すると、そのコマンドにより示される保留球数の値、即ち、音声ランプ制御装置113の普通図柄保留球数カウンタ223dの値分の保留球数図柄を第3図柄表示装置81の普図保留個数表示領域Ds3に表示するように、画像の描画を制御する。上述したように、普通図柄保留球数カウンタ223dは、主制御装置110の普通図柄保留球数カウンタ203cと同期しながら、その値が変更される。従って、第3図柄表示装置81に表示される普図保留球数図柄の数も、主制御装置110の普通図柄保留球数カウンタ203cの値に同期させながら、変化させることができる。よって、第3図柄表示装置81には、変動表示が保留されている保留球の数を正確に表示させることができる。
変動開始フラグ223eは、主制御装置110から送信される特別図柄の変動パターンコマンドを受信した場合にオンに設定され(図40のS1702)、変動パターン選択処理(図42のS1802参照)において、第3図柄表示装置81における特別図柄の変動表示の設定がなされるときにオフに設定される(図43のS1901)。変動開始フラグ223eがオンになると、受信した変動パターンコマンドから抽出された変動パターンに基づいて、表示用変動パターンコマンドが設定される。
ここで設定された表示用変動パターンコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理のコマンド出力処理(図39のS1602)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
停止種別選択フラグ223fは、主制御装置110から送信される停止種別コマンドを受信した場合にオンされ(図40のS1705)、第3図柄表示装置81における停止種別の設定がなされるときにオフされる(図42のS1808)。停止種別選択フラグ223fがオンになると、受信した停止種別コマンドから抽出された停止種別に対応した融合図柄の停止図柄(大当たりの場合には大当たり種別)が設定される。また、設定された停止図柄は、表示用停止種別コマンドによって、表示制御装置114に通知される。表示制御装置114では、音声ランプ制御装置113より受信した表示用停止種別コマンドによって示される停止種別に応じた停止図柄が、第3図柄表示装置81で停止表示されるように、変動演出の停止表示が制御される。
演出カウンタ223gは、疑似変動や各種変動の変動パターンを決定する際に使用されるカウンタである。0〜198の範囲で繰り返し更新される。図示は省略したが、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行するメイン処理が実行される毎に1ずつ更新される(図39のS1611)。
疑似設定フラグ223hは、疑似変動を実行するためにオンに設定されるフラグである。この疑似設定フラグ223hは、変動パターン選択処理(図42のS1802参照)において、変動表示の開始が設定される(変動開始時における)特別図柄の抽選結果が外れであり、次の普通図柄の2保留内に当たりがある場合にオンに設定される(図43のS1910)。即ち、疑似設定フラグ223hは、特別図柄の変動中に、疑似変動を特別図柄の停止後に実行すると決定されたことを示すフラグである。また、疑似変動設定処理(図45のS1614参照)において、特図変動の停止5秒前に疑似設定フラグ223hがオフに設定されており、次の普通図柄の2保留内に当たりがある場合、または、特図の停止タイミングよりも後に停止する普図変動が実行される期間である場合にオンに設定される(図45のS2210、2213)。一方、疑似変動開始設定処理においてオフに設定される(図41のS2107)。この疑似設定フラグ223hがオンに設定されることにより、特別図柄の変動が停止した後に疑似変動の開始が実行される。これにより、融合図柄が外れ図柄で停止する頻度を減らして、遊技者が外れの判定結果に落胆する頻度を少なくすることができる。よって、遊技の興趣を向上できる。さらに、外れの融合図柄の変動であっても、遊技者に期待をより持たせて遊技を行わせることで、遊技者が飽きるのを抑制できる。
疑似変動設定エリア223iは、疑似変動の変動データ(変動期間、変動パターン等)が設定される記憶エリアである。
保留数カウンタ223jは、第3図柄表示装置81に表示される保留図柄の個数を設定するためのカウンタである。本実施形態では、上述したように、特別図柄の変動中や、疑似変動中には、普通図柄の新たな変動は融合図柄では開始されず、普図補助図柄のみで実行される。この場合には、第3図柄表示装置81で表示されている普通図柄の保留図柄の更新はあえてせず、融合図柄の1変動が保留図柄の1変動に対応しているように見せるように構成している。しかしながら、この場合には、実際の保留個数と、表示されている保留図柄の個数に差異が発生してしまう。よって、保留図柄を表示するためのカウンタを独立して設けることで、実際の保留数との差異を把握できるように構成し、後述するように差異が発生した場合には、普通図柄の新たな変動開始に対応する融合図柄の変動において、疑似停止を行う疑似連普図変動を実行させて、疑似停止のタイミングで保留数カウンタ223jの減算を実行して、実際の保留数と一致するように補正を行うように構成されている。よって、実際の保留数と差異が発生しても、補正を行うことができる。なお、差異が発生した状態で、普通図柄の保留が記憶されていない場合には、疑似的に外れ態様で融合図柄を1変動するように構成することで、実際の保留との差異を補正するように構成することで、補正すると良い。
RAM223は、その他、主制御装置110より受信したコマンドを、そのコマンドに対応した処理が行われるまで一時的に記憶するコマンド記憶領域(図示せず)などを有している。なお、コマンド記憶領域はリングバッファで構成され、FIFO(First In First Out)方式によってデータの読み書きが行われる。音声ランプ制御装置113のコマンド判定処理(図36参照)が実行されると、コマンド記憶領域に記憶された未処理のコマンドのうち、最初に格納されたコマンドが読み出され、コマンド判定処理によって、そのコマンドが解析されて、そのコマンドに応じた処理が行われる。
次に、図19〜図23を参照して、本第1制御例における表示制御装置114の電気的構成について説明する。図20は、表示制御装置114の電気的構成を示すブロック図である。表示制御装置114は、MPU231と、ワークRAM233と、キャラクタROM234と、常駐用ビデオRAM235と、通常用ビデオRAM236と、画像コントローラ237と、入力ポート238と、出力ポート239と、バスライン240,241とを有している。
入力ポート238の入力側には音声ランプ制御装置113の出力側が接続され、入力ポート238の出力側には、MPU231、ワークRAM233、キャラクタROM234、画像コントローラ237がバスライン240を介して接続されている。画像コントローラ237には、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が接続されると共に、バスライン241を介して出力ポート239が接続されている。また、出力ポート239の出力側には、第3図柄表示装置81が接続されている。
なお、パチンコ機10は、特別図柄の大当たりとなる抽選確率や、1回の特別図柄の大当たりで払い出される賞球数が異なる別機種であっても、第3図柄表示装置81で表示される図柄構成が全く同じ仕様の機種があるので、表示制御装置114は共通部品化されコスト低減が図られている。
以下では、先にMPU231、キャラクタROM234、画像コントローラ237、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236について説明し、次いで、ワークRAM233について説明する。
まず、MPU231は、主制御装置110の変動パターンコマンドに基づく音声ランプ制御装置113から出力された表示用変動パターンコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81の表示内容を制御するものである。MPU231は、命令ポインタ231aを内蔵しており、命令ポインタ231aで示されるアドレスに格納された命令コードを読み出してフェッチし、その命令コードに従って各種処理を実行する。MPU231には、電源投入(停電からの復電を含む。以下、同じ。)直後に、電源装置115からシステムリセットがかけられるようになっており、そのシステムリセットが解除されると、命令ポインタ231aは、MPU231のハードウェアによって自動的に「0000H」に設定される。そして、命令コードがフェッチされる度に、命令ポインタ231aは、その値が1ずつ加算される。また、MPU231が命令ポインタの設定命令を実行した場合は、その設定命令により指示されたポインタの値が命令ポインタ231aにセットされる。
なお、詳細については後述するが、本実施形態において、MPU231によって実行される制御プログラムや、その制御プログラムで使用される各種の固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。
詳細については後述するが、キャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されている。これにより、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる。そして、キャラクタROM234に制御プログラム等を記憶させておけば、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方で、NAND型フラッシュメモリ234aは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅くなるという問題点がある。例えば、複数のページに連続して並んだデータの読み出しを行う場合において、2ページ目以降のデータは高速読み出しが可能であるが、最初の1ページ目のデータの読み出しには、アドレスが指定されてからデータが出力されるまでに大きな時間を要する。また、連続していないデータを読み出す場合は、そのデータを読み出す度に大きな時間を要する。このように、NAND型フラッシュメモリ234aは、その読み出しに係る速度が遅いため、MPU231が直接キャラクタROM234から制御プログラムを読み出して各種処理を実行するように構成すると、制御プログラムを構成する命令の読み出しに時間がかかる場合が発生し、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。
そこで、本実施形態では、MPU231のシステムリセットが解除されると、まず、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに記憶されている制御プログラムを、各種データの一時記憶用に設けたワークRAM233に転送して格納する。そして、MPU231はワークRAM233に格納された制御プログラムに従って、各種処理を実行する。ワークRAM233は、後述するようにDRAM(Dynamic RAM)によって構成され、高速でデータの読み書きが行われるので、MPU231は遅滞なく制御プログラムを構成する命令の読み出しを行うことができる。よって、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
キャラクタROM234は、MPU231において実行される制御プログラムや、第3図柄表示装置81に表示される画像のデータを記憶したメモリであり、MPU231とバスライン240を介して接続されている。MPU231は、バスライン240を介してシステムリセット解除後にキャラクタROM234に直接アクセスし、そのキャラクタROM234の後述する第2プログラム記憶エリア234a1に記憶された制御プログラムを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aへ転送する。また、バスライン240には画像コントローラ237も接続されており、画像コントローラ237はキャラクタROM234の後述するキャラクタ記憶エリア234a2に格納された画像データを、画像コントローラ237に接続されている常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236へ転送する。
このキャラクタROM234は、NAND型フラッシュメモリ234a、ROMコントローラ234b、バッファRAM234c、NOR型ROM234dをモジュール化して構成されている。
NAND型フラッシュメモリ234aは、キャラクタROM234におけるメインの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、MPU231によって実行される制御プログラムの大部分や第3図柄表示装置81を駆動させるための固定値データを記憶する第2プログラム記憶エリア234a1と、第3図柄表示装置81に表示させる画像(キャラクタ等)のデータを格納するキャラクタ記憶エリア234a2とを少なくとも有している。
ここで、NAND型フラッシュメモリ234aは、小さな面積で大きな記憶容量が得られる特徴を有しており、キャラクタROM234を容易に大容量化することができる。これにより、本パチンコ機において、例えば2ギガバイトの容量を持つNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより、第3図柄表示装置81に表示させる画像として、多くの画像をキャラクタ記憶エリア234a2に記憶させることができる。よって、遊技者の興趣をより高めるために、第3図柄表示装置81に表示される画像を多様化、複雑化することができる。
また、NAND型フラッシュメモリ234aは、多くの画像データをキャラクタ記憶エリア234a2に記憶させた状態で、更に、制御プログラムや固定値データも第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させることができる。このように、制御プログラムや固定値データを、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させることなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させることができるので、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
ROMコントローラ234bは、キャラクタROM234の動作を制御するためのコントローラであり、例えば、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237から伝達されたアドレスに基づいて、NAND型フラッシュメモリ234a等から該当するデータを読み出し、バスライン240を介してMPU231又は画像コントローラ237へ出力する。
ここで、NAND型フラッシュメモリ234aは、その性質上、データの書き込み時にエラービット(誤ったデータが書き込まれたビット)が比較的多く発生したり、データを書き込むことができない不良データブロックが発生したりする。そこで、ROMコントローラ234bは、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータに対して公知の誤り訂正を施し、また、不良データブロックを避けてNAND型フラッシュメモリ234aへのデータの読み書きが行われるように公知のデータアドレスの変換を実行する。
このROMコントローラ234bにより、エラービットを含むNAND型フラッシュメモリ234aから読み出されたデータに対して誤り訂正が行われるので、キャラクタROM234としてNAND型フラッシュメモリ234aを用いたとしても、誤ったデータに基づいてMPU231が処理を行ったり、画像コントローラ237が各種画像を生成したりすることを抑制することができる。
また、ROMコントローラ234bによってNAND型フラッシュメモリ234aの不良データブロックが解析され、その不良データブロックへのアクセスが回避されるので、MPU231や画像コントローラ237は、個々のNAND型フラッシュメモリ234aで異なる不良データブロックのアドレス位置を考慮することなく、キャラクタROM234へのアクセスを容易に行うことができる。よって、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタROM234へのアクセス制御が複雑化することを抑制することができる。
バッファRAM234cは、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータを一時的に記憶するバッファとして用いられるメモリである。MPU231や画像コントローラ237からバスライン240を介してキャラクタROM234に割り振られたアドレスが指定されると、ROMコントローラ234bは、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータがバッファRAM234cにセットされているか否かを判断する。そして、セットされていなければ、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータをNAND型フラッシュメモリ234a(またはNOR型ROM234d)より読み出してバッファRAM234cに一旦セットする。そして、ROMコントローラ234bは、公知の誤り訂正処理を施した上で、指定されたアドレスに対応するデータを、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237に出力する。
このバッファRAM234cは、2バンクで構成されており、1バンク当たりNAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分のデータがセットできるようになっている。これにより、ROMコントローラ234bは、例えば、一方のバンクにデータをセットした状態のまま他方のバンクを使用して、NAND型フラッシュメモリ234aのデータを外部に出力したり、MPU231や画像コントローラ237より指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから一方のバンクに転送してセットする処理と、MPU231や画像コントローラ237によって指定されたアドレスに対応するデータを他方のバンクから読み出してMPU231や画像コントローラ237に対して出力する処理を、並列して処理したりすることができる。よって、キャラクタROM234の読み出しにおける応答性を向上させることができる。
NOR型ROM234dは、キャラクタROM234におけるサブの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、NAND型フラッシュメモリ234aを補完することを目的にそのNAND型フラッシュメモリ234aよりも極めて小容量(例えば、2キロバイト)に構成されている。このNOR型ROM234dには、キャラクタROM234に記憶される制御プログラムのうち、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されていないプログラム、具体的には、MPU231においてシステムリセット解除後に最初に実行されるブートプログラムの一部を格納する第1プログラム記憶エリア234d1が少なくとも設けられている。
ブートプログラムは、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動するための制御プログラムであり、システムリセット解除後にMPU231が先ずこのブートプログラムを実行する。これにより、表示制御装置114において各種制御が実行可能に状態とすることができる。第1プログラム記憶エリア234d1は、このブートプログラムのうち、バッファRAM234cの1バンク分(即ち、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分)の容量の範囲で、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令(例えば、1ページの容量が2キロバイトであれば、1024ワード(1ワード=2バイト)分の命令)を格納する。なお、第1プログラム記憶エリア234d1に格納されるブートプログラムの命令数は、バッファRAM234cの1バンク分の容量以下に収まっていればよく、表示制御装置114の仕様に合わせて適宜設定されるものであってもよい。
MPU231は、システムリセットが解除されると、ハードウェアによって命令ポインタ231aの値を「0000H」に設定すると共に、バスライン240に対して命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」を指定するように構成されている。一方、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240にアドレス「0000H」が指定されたことを検知すると、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cの一方のバンクにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。
MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチすると、そのフェッチした命令コードに従って各種処理を実行するとともに、命令ポインタ231aを1だけ加算し、命令ポインタ231aにて示されるアドレスをバスライン240に対して指定する。そして、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240によって指定されたアドレスがNOR型ROM234dに記憶されたプログラムを指し示すアドレスである間、先にNOR型ROM234dからバッファRAM234cにセットされたプログラムの中から、対応するアドレスの命令コードをバッファRAM234cより読み出して、MPU231に対して出力する。
ここで、本実施形態において、制御プログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに格納するのではなく、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234dに格納するのは、次の理由による。即ち、NAND型フラッシュメモリ234aは、上述したように、最初の1ページ目のデータの読み出しにおいて、アドレスを指定してからデータが出力されるまでに大きな時間を要する、というNAND型フラッシュメモリ特有の問題がある。
このようなNAND型フラッシュメモリ234aに対して制御プログラムを全て格納すると、システムリセット解除後にMPU231が最初に実行すべき命令コードをフェッチするためにMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定された場合、キャラクタROM234はアドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならい。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要することになるので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費する。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
これに対し、NOR型ROM234dは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるので、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234dに格納することによって、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができ、MPU231の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
さて、ブートプログラムは、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム、即ち、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムを除く制御プログラムや、その制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を、所定量(例えば、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分の容量)ずつワークRAM233のプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送するようにプログラミングされている。そして、MPU231は、まず、システムリセット解除後に第1プログラム記憶エリア234d1から読み出したブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがセットされているバッファRAM234cのバンクとは異なるバンクを使用しながら、所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、格納する。
ここで、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、上述したように、バッファRAM234cの1バンク分に相当する容量で構成されているので、内部バスのアドレスが「0000H」に指定されたことを受けて第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがバッファRAM234cにセットされる場合、そのブートプログラムはバッファRAM234cの一方のバンクにのみセットされる。よって、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムをプログラム格納エリア233aに転送する場合は、バッファRAM234cの一方のバンクにセットされた第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを残したまま、他方のバンクを使用してその転送処理を実行することができる。従って、その転送処理後に、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを再度バッファRAM234cにセットし直すといった処理が不要であるので、ブート処理に係る時間を短くすることができる。
第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送すると、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第1の所定番地に設定するようにプログラミングされている。これにより、システムリセット解除後、MPU231によって第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムが所定量だけプログラム格納エリア233aに転送されると、命令ポインタ231aがプログラム格納エリア233aの第1の所定番地に設定される。
よって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち所定量のプログラムがプログラム格納エリア233aに格納されると、MPU231は、そのプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出して、各種処理を実行することができる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行することになる。後述するように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aに記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
ここで、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれている。一方、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに所定量だけ第2プログラム記憶エリア234a1から転送される制御プログラムの中に、その残りのブートプログラムが含まれるようにプログラミングされていると共に、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを第1の所定番地として命令ポインタ231aを設定するようにプログラミングされている。
これにより、MPU231は、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送した後、その転送した制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムを実行する。
この残りのブートプログラムでは、プログラム格納エリア233aに転送されていない残りの制御プログラムやその制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を全て第2プログラム記憶エリア234a1から所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送する処理を実行する。また、ブートプログラムの最後で、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第2の所定番地に設定する。具体的には、この第2の所定番地として、プログラム格納エリア233aに格納された、ブートプログラムによるブート処理(図46のS2301)の終了後に実行される初期化処理(図46のS2302参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定する。
MPU231は、この残りのブートプログラムを実行することによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムや固定値データが全てプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送される。そして、ブートプログラムがMPU231により最後まで実行されると、命令ポインタ231aが第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムをワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムを読み出して各種制御を行うことができる。従って、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
また、上述したように、NOR型ROM234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
画像コントローラ237は、画像を描画し、その描画した画像を所定のタイミングで第3図柄表示装置81に表示させるデジタル信号プロセッサ(DSP)である。画像コントローラ237は、MPU231から送信される後述の描画リスト(図23参照)に基づき1フレーム分の画像を描画して、後述する第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに描画した画像を展開すると共に、他方のフレームバッファにおいて先に展開された1フレーム分の画像情報を第3図柄表示装置81へ出力することによって、第3図柄表示装置81に画像を表示させる。画像コントローラ237は、この1フレーム分の画像の描画処理と1フレーム分の画像の表示処理とを、第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本実施形態では、20ミリ秒)の中で並列処理する。
画像コントローラ237は、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231に対して垂直同期割込信号(以下、「V割込信号」と称す)を送信する。MPU231は、このV割込信号を検出する度に、V割込処理(図48(b))を実行し、画像コントローラ237に対して、次の1フレーム分の画像の描画を指示する。この指示により、画像コントローラ237は、次の1フレーム分の画像の描画処理を実行すると共に、先に描画によって展開された画像を第3図柄表示装置81に表示させる処理を実行する。
このように、MPU231は、画像コントローラ237からのV割込信号に伴ってV割込処理を実行し、画像コントローラ237に対して描画指示を行うので、画像コントローラ237は、画像の描画処理および表示処理間隔(20ミリ秒)毎に、画像の描画指示をMPU231より受け取ることができる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
画像コントローラ237は、また、MPU231からの転送指示や、描画リストに含まれる転送データ情報に基づいて、画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236に転送する処理も実行する。
尚、画像の描画は、常駐用ビデオRAM235および通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて行われる。即ち、描画の際に必要となる画像データは、その描画が行われる前に、MPU231からの指示に基づき、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236へ転送される。
ここで、NAND型フラッシュメモリ234aは、ROMの大容量化を容易にする一方、読み出し速度がその他のROM(マスクROMやEEPROMなど)と比して遅い。これに対し、表示制御装置114では、MPU231が、キャラクタROM234に格納されている画像データのうち一部の画像データを電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送するように、画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。そして、後述するように、常駐用ビデオRAM235に格納された画像データは、上書きされることなく常駐されるように制御される。
これにより、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データの転送が終了した後は、常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。よって、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110または表示制御装置114によって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
また、表示制御装置114は、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データを用いて画像の描画を行う場合は、その描画が行われる前に、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して描画に必要な画像データを転送するように、MPU231が画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。後述するように、通常用ビデオRAM236に転送された画像データは、画像の描画に用いられた後、上書きによって削除される可能性はあるものの、画像描画時には、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がなく、その読み出しにかかる時間を省略できるので、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
また、通常用ビデオRAM236にも画像データを格納することによって、全ての画像データを常駐用ビデオRAM235に常駐させておく必要がないため、大容量の常駐用ビデオRAM235を用意する必要がない。よって、常駐用ビデオRAM235を設けたことによるコスト増大を抑えることができる。
画像コントローラ237は、NAND型フラッシュメモリ234aの1ブロック分の容量である132キロバイトのSRAMによって構成されたバッファRAM237aを有している。
MPU231が、転送指示や描画リストの転送データ情報によって画像コントローラ237に対して行う画像データの転送指示には、転送すべき画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、転送先の情報(常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236のいずれに転送するかを示す情報)、及び転送先(常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。なお、格納元最終アドレスに代えて、転送すべき画像データのデータサイズを含めてもよい。
画像コントローラ237は、この転送指示の各種情報に従って、キャラクタROM234の所定アドレスから1ブロック分のデータを読み出して一旦バッファRAM237aに格納し、常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236の未使用時に、バッファRAM237aに格納された画像データを常駐RAM235または通常用ビデオRAM236に転送する。そして、転送指示により示された格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスに格納された画像データが全て転送されるまで、その処理を繰り返し実行する。
これにより、キャラクタROM234から時間をかけて読み出された画像データを一旦そのバッファRAM237aに格納し、その後、その画像データをバッファRAM237aから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ短時間で転送することができる。よって、キャラクタROM234から画像データが常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ転送される間に、常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236が、その画像データの転送で長時間占有されるのを防止することができる。従って、画像データの転送により常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236が占有されることで、画像の描画処理にそれらのビデオRAM235,236が使用できず、結果として必要な時間までに画像の描画や、第3図柄表示装置81への表示が間に合わないことを防止することができる。
また、バッファRAM237aから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236への画像データへの転送は、画像コントローラ237によって行われるので、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が画像の描画処理や第3図柄表示装置81への表示処理に未使用である期間を容易に判定することができ、処理の単純化を図ることができる。
常駐用ビデオRAM235は、キャラクタROM234より転送された画像データが、電源投入中、上書きされることがなく保持され続けるように用いられ、電源投入時主画像エリア235a、背面画像エリア235c、キャラクタ図柄エリア235e、エラーメッセージ画像エリア235fが設けられているほか、電源投入時変動画像エリア235b、第3図柄エリア235dが少なくとも設けられている。
電源投入時主画像エリア235aは、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが格納されるまでの間に第3図柄表示装置81に表示する電源投入時主画像に対応するデータを格納する領域である。また、電源投入時変動画像エリア235bは、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示されている間に遊技者によって遊技が開始され、第1入球口64aへの入球が検出された場合に、主制御装置110において行われた抽選結果を変動演出によって表示する電源投入時変動画像に対応する画像データを格納する領域である。
MPU231は、電源部251から電源供給が開始されたときに、キャラクタROM234から電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237へ転送指示を送信する(図46のS2303,S2304参照)。
電源投入時変動画像について説明する。表示制御装置114は、電源投入直後に、キャラクタROM234から電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを、電源投入時主画像エリア235aおよび電源投入時変動画像エリア235bへ転送すると、続いて、常駐用ビデオRAM235に格納すべき残りの画像データを、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送する。この残りの画像データの転送が行われている間、表示制御装置114は、先に電源投入時主画像エリア235aに格納された画像データを用いて、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させる(第3図柄表示装置81に「○」と「×」の表示)。
このとき、変動開始の指示コマンドである主制御装置110からの変動パターンコマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドを受信すると、表示制御装置114は、電源投入時主画像の表示画面上に、画面に向かって右下の位置に「○」図柄の電源投入時変動画像と、「○」図柄と同位置に「×」図柄の電源投入時変動画像とを、変動期間中、交互に繰り返して表示する。そして、主制御装置110からの変動パターンコマンドや停止種別コマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドから、主制御装置110にて行われた抽選の結果を判断し、「特別図柄の大当たり」である場合は画像を変動演出の停止後に一定期間表示させ、「特別図柄の外れ」である場合は、画像を変動演出の停止後に一定期間表示させる。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に対して転送されるまで、画像コントローラ237に対し、電源投入時主画像エリア235aに格納された画像データを用いて電源投入時主画像の描画を行うよう指示する。これにより、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。また、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、常駐用ビデオRAM235への画像データの転送が完了するまで待機することができる。
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、更に、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始し、第1入球口64aに入球が検出された場合は、電源投入時変動画像エリア235bに常駐された電源投入時変動画像に対応する画像データを用いて電源投入時変動画像が描画され、画像が交互に第3図柄表示装置81に表示されるように、MPU231から画像コントローラ237に対して指示される。これにより、電源投入時変動画像を用いて簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示される段階で、すでに電源投入時変動演出画像に対応する画像データが電源投入時変動画像エリア235bに常駐されているので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に第1入球口64aに入球が検出された場合は、対応する変動演出を第3図柄表示装置81に即座に表示させることができる。
図19に戻って、説明を続ける。背面画像エリア235cは、第3図柄表示装置81に表示される背面画像に対応する画像データを格納する領域である。ここで、図20を参照して、背面画像と、その背面画像のうち、背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲について説明する。図20は、2種類の背面画像と、各背面画像に対して常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲を説明する説明図であり、図20(a)は、「街中ステージ」に対応する背面Aに対して、図20(b)は、「空ステージ」に対応する背面Bに対してそれぞれ示したものである。
各背面A,Bに対応する背面画像は、図21に示すように、いずれも第3図柄表示装置81において表示される表示領域よりも水平方向に長い画像が、キャラクタROM234に用意されている。画像コントローラ237は、その画像を水平方向に左から右へスクロールさせながら背面画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、画像の描画をおこなう。
各背面A及びBに用意された画像(以下、「スクロール用画像」と称す。)は、いずれも位置aおよび位置cのところで背面画像が連続するように画像が構成されている。そして、位置cから位置dの間の画像および位置aから位置a’の間の画像は、表示領域の水平方向の幅分の画像によって構成されており、位置cから位置dの間にある画像が表示領域として第3図柄表示装置81に表示された後に、位置aから位置a’の間にある画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示させると、第3図柄表示装置81にスムーズなつながりで背面画像がスクロール表示されるようになっている。
遊技者によって枠ボタン22が操作されてステージが「街中ステージ」または「空ステージ」に変更されると、MPU231は、対応する背面画像のまず位置aから位置a’の間を表示領域の初期位置として設定し、その初期位置の画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、画像コントローラ237を制御する。そして、時間の経過とともに、表示領域をスクロール用画像に対して左から右に移動させ、順次その表示領域が第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御し、更に、表示領域が位置cから位置dの間の画像に到達した場合、再び表示領域を位置aから位置a’の画像として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御する。よって、第3図柄表示装置81には、位置a〜位置cの間の画像を、左方向に向かって流れるように、スムーズなつながりで繰り返しスクロールされて表示させることができる。
次いで、各背面画像において、背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲について説明する。初期ステージである街中ステージに対応する背面Aは、図20(a)に示すように、その背面Aの全範囲、即ち、位置aから位置dに対応する画像データが全て常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される。通常、初期ステージである街中ステージを表示させたまま、ステージを変更せずに遊技が行われる場合が多いので、多頻度で表示される街中ステージに対応する背面Aの画像データを全て背面画像エリア235cに常駐させておくことで、キャラクタROM234へのデータアクセス回数を減らすことができ、表示制御装置114にかかる負荷を軽減することができる。
一方、空ステージに対応する背面Bは、図20(b)に示すように、その背面の一部領域、即ち、位置aから位置bの間の画像に対応する画像データだけを常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納する。
ここで、ステージを変更するために遊技者によって行われる枠ボタン22の操作は、遊技者の意思に基づき任意のタイミングで行われるものであるので、任意のタイミングで枠ボタン22が操作されても即座に背面画像を変更するためには、全ての背面画像について全範囲の画像データを常駐用ビデオRAM235に常駐させておくことが理想的であるが、そのようにすると常駐用ビデオRAM235として非常に大きな容量のRAMを用いなければならず、コストの増大につながるおそれがある。
これに対し、本パチンコ機10では、ステージが変更された場合に最初に表示される背面画像の初期位置を、位置aから位置a’の範囲に固定し、その初期位置を含む位置aから位置bの間の画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納しておくので、キャラクタROM234を読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、遊技者による枠ボタン22の操作によって任意のタイミングでステージが変更された場合に、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されている画像データを用いることによって、即座にその背面Bの初期位置を第3図柄表示装置81に表示させることができ、また、時間経過とともにスクロール表示または色調を変化させながら表示させることができる。また、背面Bについては、一部範囲の画像に対応する画像データだけを格納するので、常駐用ビデオRAM235の記憶容量の増大を抑制でき、コストの増大を抑えることができる。
また、背面Bは、初期位置の画像が表示された後、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐された画像データを用いて位置aから位置bの範囲を左から右に向けてスクロールさせている間に、位置b’から位置dの画像に対応する画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送完了できるように、その位置aから位置bの範囲が設定されている。これにより、位置aから位置bの範囲をスクロールさせる間に位置b’から位置dの画像データを通常用ビデオRAM236へ転送できるので、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納された画像データを用いて位置aから位置bの範囲をスクロールさせた後、遅滞なく通常用ビデオRAM236に格納された背面画像に対応する画像データを用いて、位置b’から位置dの範囲をスクロールさせて第3図柄表示装置81に表示させることができる。
なお、背面Bにおいて、通常用ビデオRAM236に格納される画像データは、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236a(図19参照)に設けられた背面画像専用のサブエリアに格納される。これにより、背面画像専用のサブエリアに格納された背面画像データが、他の画像データによって上書きされることがないので、背面画像を確実に表示させることができる。
また、背面Bにおいて、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される画像データと、通常用ビデオRAM236に格納される画像データとでは、位置b’から位置bの間の画像に対応する画像データが重複して格納される。そして、MPU231による画像コントローラ237の制御により、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納された画像データを用いて位置bまでの画像を第3図柄表示装置81に表示させ、次いで、通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて位置b’からの画像を第3図柄表示装置81に表示させることで、第3図柄表示装置81にスムーズなつながりで背面画像がスクロール表示されるようになっている。
更に、MPU231は、通常用ビデオRAM236の画像データを用いて、位置cから位置dの間の画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御すると、次いで、MPU231は、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cの画像データを用いて、位置aから位置a’の間の画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御する。これにより、第3図柄表示装置81には、位置a〜位置cの間の画像が、左方向に向かって流れるように、スムーズなつながりで繰り返しスクロールされて表示させることができる。
図19に戻って、説明を続ける。第3図柄エリア235dは、第3図柄表示装置81に表示される変動演出において使用される第3図柄を常駐するためのエリアである。即ち、第3図柄エリア235dには、第3図柄である「0」から「9」の数字を付した上述の10種類の主図柄に対応する画像データが常駐される。これにより、第3図柄表示装置81にて変動演出を行う場合、逐一キャラクタROM234から画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、第3図柄表示装置81において素早く変動演出を開始することができる。よって、スルーゲート67への入球が発生してから、第1図柄表示装置37では変動演出が開始されているにも関わらず、第3図柄表示装置81において変動演出が即座に開始されないような状態が発生するのを抑制することができる。
キャラクタ図柄エリア235eは、第3図柄表示装置81に表示される各種演出で使用されるキャラクタ図柄に対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、「少年」をはじめとする様々なキャラクタが各種演出にあわせて表示されるようになっており、これらに対応するデータがキャラクタ図柄エリア235eに常駐されることにより、表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容に基づいてキャラクタ図柄を変更する場合、キャラクタROM234から対応の画像データを新たに読み出すのではなく、常駐用ビデオRAM235のキャラクタ図柄エリア235eに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて所定の画像を描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から対応の画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタ図柄を即座に変更することができる。
エラーメッセージ画象エリア235fは、パチンコ機10内にエラーが発生した場合に表示されるエラーメッセージに対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、例えば、遊技盤13の裏面に取り付けられた振動センサ(図示せず)の出力から、音声ランプ制御装置113によって振動を検出すると、音声ランプ制御装置113は振動エラーの発生をエラーコマンドによって表示制御装置114に通知する。また、音声ランプ制御装置113により、その他のエラーの発生が検出された場合にも、音声ランプ制御装置113は、エラーコマンドによって、そのエラーの発生をそのエラー種別と共に表示制御装置114へ通知する。表示制御装置114では、エラーコマンドを受信すると、その受信したエラーに対応するエラーメッセージを第3図柄表示装置81に表示させるように構成されている。
ここで、エラーメッセージは、遊技者の不正防止やエラーに対する遊技者の保護の観点から、エラーの発生とほぼ同時に表示されることが求められる。本パチンコ機10では、エラーメッセージ画像エリア235fに、各種エラーメッセージに対応する画像データが予め常駐されているので、表示制御装置114は、受信したエラーコマンドに基づいて、常駐用ビデオRAM235のエラーメッセージ画象エリア235fに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて各エラーメッセージ画像を即座に描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から逐次エラーメッセージに対応する画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、エラーコマンドを受信してから対応するエラーメッセージを即座に表示させることができる。
通常用ビデオRAM236は、データが随時上書きされ更新されるように用いられるもので、画像格納エリア236a、第1フレームバッファ236b、第2フレームバッファ236cが少なくとも設けられている。
画像格納エリア236aは、第3図柄表示装置81に表示させる画像の描画に必要な画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを格納するためのエリアである。画像格納エリア236aは、複数のサブエリアに分割されており、各サブエリア毎に、そのサブエリアに格納される画像データの種別が予め定められている。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データのうち、その後の画像の描画で必要となる画像データを、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリアのうち、その画像データの種別を格納すべき所定のサブエリアに転送するように、画像コントローラ237に対して指示をする。これにより画像コントローラ237は、MPU231により指示された画像データをキャラクタROM234から読み出し、バッファRAM237aを介して、画像格納エリア236aの指定された所定のサブエリアにその読み出した画像データを転送する。
尚、画像データの転送指示は、MPU231が画像コントローラ237に対して画像の描画を指示する後述の描画リストの中に、転送データ情報を含めることによって行われる。これにより、MPU231は、画像の描画指示と、画像データの転送指示とを、描画リストを画像コントローラ237に送信するだけで行うことができるので、処理負荷を低減することができる。
第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cは、第3図柄表示装置81に表示すべき画像を展開するためのバッファである。画像コントローラ237は、MPU231からの指示に従って描画した1フレーム分の画像を、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに書き込むことによって、そのフレームバッファに1フレーム分の画像を展開すると共に、その一方のフレームバッファに画像を展開している間、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対してその画像情報を送信することによって、第3図柄表示装置81に、その1フレーム分の画像を表示させる処理を実行する。
このように、フレームバッファとして、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cの2つを設けることによって、画像コントローラ237は、一方のフレームバッファに描画した1フレーム分の画像を展開しながら、同時に、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像を読み出して、第3図柄表示装置81にその読み出した1フレーム分の画像を表示させることができる。
そして、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、第3図柄表示装置81に画像を表示させるために1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとは、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231によって、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかが交互に入れ替えて指定される。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
ワークRAM233は、キャラクタROM234に記憶された制御プログラムや固定値データを格納したり、MPU231による各種制御プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリであり、DRAMによって構成される。このワークRAM233は、プログラム格納エリア233a、データテーブル格納エリア233b、簡易画像表示フラグ233c、表示データテーブルバッファ233d、転送データテーブルバッファ233e、ポインタ233f、描画リストエリア233g、計時カウンタ233h、格納画像データ判別フラグ233i、描画対象バッファフラグ233jを少なくとも有している。
プログラム格納エリア233aは、MPU231によって実行される制御プログラムを格納するためのエリアである。MPU231は、システムリセットが解除されると、キャラクタROM234から制御プログラムを読み出してワークRAM233へ転送し、このプログラム格納エリア233aに格納する。そして、全ての制御プログラムをプログラム格納エリア233aに格納すると、以後、MPU231はプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを用いて各種制御を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
データテーブル格納エリア233bは、主制御装置110からのコマンドに基づき表示させる一の演出に対し、時間経過に伴い第3図柄表示装置81に表示すべき表示内容を記載した表示データテーブルと、表示データテーブルにより表示される一の演出において使用される画像データのうち常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データの転送データ情報ならびに転送タイミングを規定した転送データテーブルとが格納される領域である。
これらのデータテーブルは、通常、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに設けられた第2プログラム記憶エリア234a1に固定値データの一種として記憶されており、システムリセット解除後にMPU231によって実行されるブートプログラムに従って、これらのデータテーブルがキャラクタROM234からワークRAM233へ転送され、このデータテーブル格納エリア233bに格納される。そして、全てのデータテーブルがデータテーブル格納エリア233bに格納されると、以後、MPU231は、データテーブル格納エリア233bに格納されたデータテーブルを用いて第3図柄表示装置81の表示を制御する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、各種データテーブルを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
ここで、各種データテーブルの詳細について説明する。まず、表示データテーブルは、主制御装置110からのコマンドに基づいて第3図柄表示装置81に表示される各演出の演出態様毎に1つずつ用意されるもので、例えば、変動演出、ラウンド演出、エンディング演出、デモ演出に対応する表示データテーブルが用意されている。
変動演出は、音声ランプ制御装置113からの表示用変動パターンコマンドを受信した場合に、第3図柄表示装置81おいて開始される演出である。尚、表示用変動パターンコマンドが受信される場合には、変動演出の停止種別を示す表示用停止種別コマンドも受信される。例えば、変動演出が開始された場合に、その変動演出の停止種別が外れであれば、外れを示す停止図柄が最終的に停止表示される一方、その変動演出の停止種別が大当たりA、大当たりBのいずれかであれば、それぞれの大当たりを示す停止図柄が最終的に停止表示される。遊技者は、この変動演出における停止図柄を視認することで大当たり種別を認識でき、大当たり種別に応じて付与される遊技価値を容易に判断することができる。
エンディング演出において普通図柄の時短期間を報知することによって、遊技者は、普通図柄の時短期間を容易に認識することができる。この普通図柄の時短期間が長ければ長い程、遊技球が第1入球口64aを通過する機会が多くなるので、特別図柄の抽選が行われる機会が多くなり、特別図柄の当たりになる機会も多くなる。よって、特別図柄の大当たりとなって第1入球口64aに付随する開閉扉が開放される機会も多くなるので、遊技球が特定入賞口65aへ入球し易くなる。また、特別図柄の小当たりとなって開閉片650bが開放される機会も多くなるので、遊技球が第2特定入賞口650aへ入球し易くなり、V通過流路650e3へ遊技球が流入し易くなる。従って、表示される普通図柄の時短期間が長いほど、大当たり遊技が付与されるという期待感を強く、遊技者に対して持たせることができるので、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができる。故に、遊技者に遊技への参加意欲を継続して持たせることができる。
また、第1入球口64aは、遊技球が入球すると5個の遊技球が賞球として払い出される入賞口であるので、普通図柄の大当たりとなって第1入球口64aに付随する開閉扉が開放され、遊技球が第1入球口64aへ入り易くなると賞球が多くなる。これにより、パチンコ機10は、遊技を行っても、持ち玉が減りにくい状態、又は、持ち玉が減らない状態になるので、遊技者は、持ち玉が減りにくい状態、又は、持ち玉が減らない状態で特別図柄の大当たりを得られるという期待感を得ることができる。従って、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができるので、遊技者に遊技への参加意欲を継続して持たせることができる。
また、エンディング演出において、保留されている特別図柄の抽選のうち何れかの抽選結果が特別図柄の大当たりになることを報知することによって、遊技者は、保留されている特別図柄の抽選において特別図柄の大当たりになることを認識できるので、確実に特別図柄の大当たりになるという期待感を、遊技者に対して持たせることができる。よって、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができるので、遊技者に遊技への参加意欲を継続して持たせることができる。
尚、デモ演出は、上述したように、一の変動演出が停止してから所定時間経過しても、始動入賞に伴う次の変動演出が開始されない場合に、第3図柄表示装置81に表示される演出であり、「0」から「9」の数字が付されていない主図柄からなる第3図柄が停止表示されると共に、背面画像のみが変化する。第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されていれば、遊技者やホール関係者が、当該パチンコ機10において遊技が行われていないことを認識することができる。
データテーブル格納エリア233bには、ラウンド演出、エンディング演出およびデモ演出に対応する表示データテーブルをそれぞれ1つずつ格納する。また、変動演出用の表示データテーブルである変動表示データテーブルは、設定される変動演出パターンが32パターンあれば、1変動演出パターンに1テーブル、合計で32テーブルが用意される。
ここで、図21を参照して、表示データテーブルの詳細について説明する。図21は、表示データテーブルのうち、変動表示データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。表示データテーブルは、第3図柄表示装置81において1フレーム分の画像が表示される時間(本実施形態では、20ミリ秒)を1単位として表したアドレスに対応させて、その時間に表示すべき1フレーム分の画像の内容(描画内容)を詳細に規定したものである。
描画内容には、1フレーム分の画像を構成する表示物であるスプライト毎に、そのスプライトの種別を規定すると共に、そのスプライトの種別に応じて、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報といった、スプライトを第3図柄表示装置81に描画させるための描画情報が規定されている。
スプライトの種別は、表示すべきスプライトを特定するための情報である。表示位置座標は、そのスプライトを表示すべき第3図柄表示装置81上の座標を特定するための情報である。拡大率は、そのスプライトに対して予め設定された標準的な表示サイズに対する拡大率を指定するための情報で、その拡大率に従って表示されるスプライトの大きさが特定される。尚、拡大率が100%より大きい場合は、そのスプライトが標準的な大きさよりも拡大されて表示され、拡大率が100%未満の場合は、そのスプライトが標準的な大きさもよりも縮小されて表示される。
回転角度は、スプライトを回転させて表示させる場合の回転角度を特定するための情報である。半透明値は、スプライト全体の透明度を特定するためのものであり、半透明値が高いほど、スプライトの背面側に表示される画像が透けて見えるように画像が表示される。αブレンディング情報は、他のスプライトとの重ね合わせ処理を行う場合に用いられる既知のαブレンディング係数を特定するための情報である。色情報は、表示すべきスプライトの色調を指定するための情報である。そして、フィルタ指定情報は、指定されたスプライトを描画する場合に、そのスプライトに対して施すべき画像フィルタを指定するための情報である。
変動表示データテーブルでは、各アドレスに対応して規定される1フレーム分の描画内容として、1つの背面画像、9個の第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、その画像において光の差し込みなどを表現するエフェクト、少年画像や文字などの各種演出に用いられるキャラクタといった各スプライトに対する描画情報が、アドレス毎に規定されている。尚、エフェクトやキャラクタに関する情報は、そのフレームに表示すべき内容に合わせて、1つ又は複数規定される。
ここで、背面画像は、表示位置が第3図柄表示装置81の画面全体に固定され、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報が、時間経過に対して一定とされるので、変動表示データテーブルでは、背面画像の種別を特定するための情報である背面種別のみが規定されている。この背面種別は、遊技者によって選択されているステージ(「街中ステージ」、「空ステージ」、「島ステージ」のいずれか)に対応する背面A〜Cのいずれかを表示させるか、背面A〜Cとは異なる背面画像を表示させるかを特定する情報が記載されている。また、背面種別は、背面A〜Cとは異なる背面画像を表示させることを特定する場合、どの背面画像を表示させるかを特定する情報も合わせて記載されている。
MPU231は、この背面種別によって、背面A〜Cのいずれかを表示させることが特定される場合は、背面A〜Cのうち遊技者によって指定されたステージに対応する背面画像を描画対象として特定し、また、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定する。一方、背面A〜Cとは異なる背面画像を表示させることが特定される場合は、背面種別から表示させるべき背面画像を特定する。
尚、本実施形態では、表示データテーブルにおいて、背面画像の描画内容として背面種別のみを規定する場合について説明するが、これに代えて、背面種別と、その背面種別に対応する背面画像のどの範囲を表示すべきかを示す位置情報とを規定するようにしてもよい。この位置情報は、例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、位置情報により示される初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間に基づいて特定する。
また、位置情報は、この表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、表示用データベースに基づき画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始された段階で表示されていた背面画像の位置と、位置情報により示される該画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間とに基づいて特定する。
更に、位置情報は、背面種別に応じて、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報および表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報のいずれかを示すものであってもよいし、背面種別および位置情報とともに、その位置情報の種別情報(例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であるか、表示用データベースに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であるかを示す情報)を、背面画像の描画内容として規定してもよい。その他、位置情報は、経過時間を示す情報ではなく、表示すべき背面画像の範囲が格納されたアドレスを示す情報であってもよい。
第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)は、表示すべき第3図柄を特定するための図柄種別情報として、図柄種別オフセット情報が記載されている。このオフセット情報は、各第3図柄に付された数字の差分を表す情報である。第3図柄の種別を直接特定するのではなく、オフセット情報を特定するのは、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄および今回行われる変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動が開始されてから所定時間経過するまでの図柄オフセット情報では、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、変動が開始されてから所定時間経過後は、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より受信した停止種別コマンド(表示用停止種別コマンド)に応じて設定される停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、変動演出を、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄で停止させることができる。
なお、各第3図柄には固有の数字が付されているので、1つ前の変動演出における変動図柄や、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄を、その第3図柄に付された数字で管理し、また、オフセット情報を、各第3図柄に付された数字の差分で表すことにより、そのオフセット情報から容易に表示すべき第3図柄を特定することができる。
また、図柄オフセット情報において、1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えられる所定時間は、第3図柄が高速に変動表示されている時間となるように設定されている。第3図柄が高速に変動表示されている間は、その第3図柄が遊技者に視認不能な状態であるので、その間に、図柄オフセット情報を1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えることによって、第3図柄の数字の連続性が途切れても、その数字の連続性の途切れを遊技者に認識させないようにすることができる。
表示データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、表示データテーブルの最終アドレス(図22の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その表示データテーブルで規定すべき演出態様に対応させた描画内容が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定し、その選定した表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに格納すると共に、ポインタ233fを初期化する。そして、1フレーム分の描画処理が完了する度にポインタ233fを1加算し、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容に基づき、次に描画すべき画像内容を特定して後述する描画リスト(図23)を作成する。この描画リストを画像コントローラ237に送信することで、その画像の描画指示を行う。これにより、ポインタ233fの更新に従って、表示データテーブルで規定された順に描画内容が特定されるので、その表示データテーブルで規定された通りの画像が第3図柄表示装置81に表示される。
このように、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、MPU231により実行すべきプログラムを変更するのではなく、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができる。
ここで、従来のパチンコ機のように、第3図柄表示装置81に表示させる演出画像を変更する度にMPU231で実行されるプログラムを起動するように構成した場合、演出画像の多種多様化に伴って複雑かつ膨大化するプログラムの起動や実行の処理に多大な負荷がかかるため、表示制御装置114における処理能力が制限となって、制御可能な演出画像の多様化に限界が生じてしまうおそれがあった。これに対し、本パチンコ機10では、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができるので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種多様な演出画像を第3図柄表示81に表示させることができる。
また、このように各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファ233dを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成することができるのは、パチンコ機10では、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づいて、予め第3図柄表示装置81に表示させる演出が決定されるためである。これに対し、パチンコ機といった遊技機を除くゲーム機などでは、ユーザの操作に基づいてその場その場で表示内容が変わるため、表示内容を予測することができず、よって、上述したような各演出態様に対応する表示データテーブルを持たせることはできない。このように、各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファ233dを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成する構成は、パチンコ機10が、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づき予め第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を決定する構成であることに基づいて初めて実現できるものである。
次いで、図22を参照して、転送データテーブルの詳細について説明する。図22は、転送データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。転送データテーブルは、各演出毎に用意された表示データテーブルに対応して用意されるもので、上述したように、表示データテーブルで規定されている演出において使用されるスプライトの画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送するための転送データ情報ならびにその転送タイミングが規定されている。
尚、表示データテーブルに規定された演出において使用されるスプライトの画像データが、全て常駐用ビデオRAM235に格納されていれば、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルは用意されていない。これにより、データテーブル格納エリア233bの容量増大を抑制することができる。
転送データテーブルは、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべきスプライトの画像データ(以下、「転送対象画像データ」と称す)の転送データ情報が記載されている(図23のアドレス「0001H」及び「0097H」が該当)。ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、その転送対象画像データの転送開始タイミングが設定されており、転送データテーブルでは、その転送開始タイミングに対応するアドレスに対応させて、転送対象画像データの転送データ情報が規定される。
一方、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスで示される時間に、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しない場合は、そのアドレスに対応して転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータが規定される。
転送データ情報としては、その転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。
尚、転送データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、表示データテーブルと同様に、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、転送データテーブルの最終アドレス(図22の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その転送データテーブルで規定すべき転送対象画像データの転送データ情報が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定すると、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが存在する場合は、その転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、後述するワークRAM233の転送データテーブルバッファ233eに格納する。そして、ポインタ233fの更新毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルから、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図23)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
例えば、図22の例では、ポインタ233fが「0001H」や「0097H」となった場合に、MPU231は、転送データテーブルの当該アドレスに規定された転送データ情報を、表示データテーブルに基づいて作成した描画リストに追加して、その追加後の描画リストを画像コントローラ237へ送信する。一方、ポインタ233fが「0002H」である場合、転送データテーブルのアドレス「0002H」には、Nullデータが規定されているので、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないと判断し、生成した描画リストに転送データ情報を追加せずに、描画リストを画像コントローラ237へ送信する。
そして、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。
ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。そして、その画像格納エリア236aに格納された画像データを用いて、表示データテーブルに基づき、所定のスプライトの描画を行うことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定されるので、その表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
また、転送データテーブルは、表示データテーブルと同様のデータ構造を有し、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべき転送対象画像データの転送データ情報が規定されているので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルに基づいて所定のスプライトの画像データが用いられる前に、確実にその画像データが通常用ビデオRAM236へ格納されるように、転送開始のタイミングを指示することができるので、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、多種多様な演出画像を容易に第3図柄表示装置81に表示させることができる。
簡易画像表示フラグ233cは、第3図柄表示装置81に、電源投入時画像(電源投入時主画像および電源投入時変動画像)を表示するか否かを示すフラグである。この簡易画像表示フラグ233cは、電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データが常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235a又は電源投入時変動画像エリア235bに転送された後に、MPU231により実行されるメイン処理(図46参照)の中でオンに設定される(図46のS2305)。そして、転送設定処理の常駐画像転送処理によって、全ての常駐対象画像データが常駐用ビデオRAM235に格納された段階で、第3図柄表示装置81に電源投入時画像以外の画像を表示させるために、オフに設定される(図60(b)のS4605)。
この簡易画像表示フラグ233cは、画像コントローラ237から送信されるV割込信号を検出する毎にMPU231によって実行されるV割込処理の中で参照され(図48(b)のS2601)、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、電源投入時画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、簡易コマンド判定処理(図48(b)のS2608参照)および簡易表示設定処理(図48(b)のS2609参照)が実行される。一方、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに応じて、種々の画像が表示されるように、コマンド判定処理(図49〜図57)および表示設定処理(図58)が実行される。
また、簡易画像表示フラグ233cは、V割込処理の中でMPU231により実行される転送設定処理の中で参照され(図60(a)のS4501)、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、常駐用ビデオRAM235に格納されていない常駐対象画像データが存在するため、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送する常駐画像転送設定処理(図60(b))を実行し、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、描画処理に必要な画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する通常画像転送設定処理(図61)を実行する。
表示データテーブルバッファ233dは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて第3図柄表示装置81に表示させる演出態様に対応する表示データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、その音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に基づいて、第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を判断し、その演出態様に対応する表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに格納する。そして、MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図23)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が表示される。
MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図23)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルに対応する演出が表示される。
転送データテーブルバッファ233eは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに格納する。尚、表示データテーブルバッファ233dに格納される表示データテーブルにおいて用いられるスプライトの画像データが全て常駐用ビデオRAM235に格納されている場合は、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが用意されていないので、MPU231は、転送データテーブルバッファ233eに転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする。
そして、MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された転送対象画像データの転送データ情報が規定されていれば(即ち、Nullデータが記載されていなければ)、1フレーム毎に生成される画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図23)に、その転送データ情報を追加する。
これにより、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されている。よって、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ポインタ233fは、表示データテーブルバッファ233dおよび転送データテーブルバッファ233eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するためのものである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルが格納されるのに合わせて、ポインタ233fを一旦0に初期化する。そして、画像コントローラ237から1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒ごとに送信されるV割込信号に基づいてMPU231により実行されるV割込処理の表示設定処理(図58のS2603)の中で、ポインタ更新処理(図58のS4205)が実行され、ポインタ233fの値が1ずつ加算される。
MPU231は、このようなポインタ233fの更新が行われる毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルから、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図23参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
これにより、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が第3図柄表示装置81に表示される。よって、表示データテーブルバッファ233dに格納する表示データテーブルを変更するだけで、容易に第3図柄表示装置81に表示させる演出を変更することができる。従って、表示制御装置114の処理能力に関わらず、多種多様な演出を表示させることができる。
また、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルが格納されている場合は、その転送データテーブルに基づいて、対応する表示データテーブルによって所定のスプライトの描画が開始されるまでに、そのスプライトの描画で用いられる常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
描画リストエリア233gは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブル、及び、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルに基づいて生成される、1フレーム分の画像の描画を画像コントローラ237に指示する描画リストを格納するためのエリアである。
ここで、図23を参照して、描画リストの詳細について説明する。図23は、描画リストの内容を模式的に示した模式図である。描画リストは、画像コントローラ237に対して、1フレーム分の画像の描画を指示する指示表であり、図23に示すように、1フレームの画像で使用する背面画像、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)といった各スプライト毎に、そのスプライトの詳細な描画情報(詳細情報)を記述したものである。また、描画リストには、画像コントローラ237に対して所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送させるための転送データ情報もあわせて記述される。
各スプライトの詳細な描画情報(詳細情報)には、対応するスプライト(表示物)の画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)を示す情報と、そのアドレスとが記述されており、画像コントローラ237は、そのRAM種別およびアドレスによって指定されるメモリ領域から、当該スプライトの画像データを取得する。また、その詳細な描画情報(詳細情報)には、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報が含まれており、画像コントローラ237は、各種ビデオRAMより読み出した当該スプライトの画像データにより生成される標準的な画像に対し、拡大率に応じて拡大縮小処理を施し、回転角度に応じて回転処理を施し、半透明値に応じて半透明化処理を施し、αブレンディング情報に応じて他のスプライトとの合成処理を施し、色情報に応じて色調補正処理を施し、フィルタ指定情報に応じてその情報により指定された方法でフィルタリング処理を施した上で、表示位置座標に示される表示位置に各種処理を施して得られた画像を描画する。そして、描画した画像は、画像コントローラ237によって、描画対象バッファフラグ233jで指定される第1フレームバッファ236b又は第2フレームバッファ236cのいずれかに展開される。
MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233fによって示されるアドレスに規定された描画内容と、その他の描画すべき画像の内容(例えば、保留球数図柄を表示する保留画像や、エラーの発生を通知する警告画像など)とに基づき、1フレーム分の画像の描画に用いられる全スプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を生成すると共に、その詳細情報をスプライト毎に並び替えることによって描画リストを作成する。
ここで、各スプライトの詳細情報のうち、スプライト(表示物)のデータの格納RAM種別とアドレスとは、表示データテーブルに規定されるスプライト種別や、その他の画像の内容から特定されるスプライト種別に応じて生成される。即ち、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
また、MPU231は、各スプライトの詳細情報のうち、その他の情報(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報)について、表示データテーブルに規定されるそれらの情報をそのままコピーする。
また、MPU231は、描画リストを生成するにあたり、1フレーム分の画像の中で、最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えて、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を記述する。即ち、描画リストでは、最初に背面画像に対応する詳細情報が記述され、次いで、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)の順に、それぞれのスプライトに対応する詳細情報が記述される。
画像コントローラ237では、描画リストに記述された順番に従って、各スプライトの描画処理を実行し、フレームバッファにその描画されたスプライトを上書きによって展開していく。従って、描画リストによって生成した1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができるのである。
また、MPU231は、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルにおいて、ポインタ233fによって示されるアドレスに転送データ情報が記載されている場合、その転送データ情報(転送対象画像データが格納されたキャラクタROM234における格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスと、その転送対象画像データを格納すべき画像格納エリア236aに設けられたサブエリアの格納先先頭アドレス)を、描画リストの最後に追加する。画像コントローラ237は、描画リストにこの転送データ情報が含まれていれば、その転送データ情報に基づいて、キャラクタROM234の所定の領域(格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスによって示される領域)から画像データを読み出して、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられた所定のサブエリア(格納先アドレス)に、転送対象となる画像データを転送する。
計時カウンタ233hは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより第3図柄表示装置81にて表示される演出の演出時間をカウントするカウンタである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに一の表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに基づいて表示される演出の演出時間を示す時間データを設定する。この時間データは、演出時間を第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本実施形態では、20ミリ秒)で割った値である。
そして、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理の表示設定処理が実行される度に、計時カウンタ233hが1ずつ減算される(図58のS4207)。その結果、計時カウンタ233hの値が0以下となった場合、MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより表示される演出が終了したことを判断し、演出終了に合わせて行うべき種々の処理を実行する。
格納画像データ判別フラグ233iは、対応する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されない全てのスプライトに対して、それぞれ、そのスプライトに対応する画像データが通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納されているか否かを表す格納状態を示すフラグである。
この格納画像データ判別フラグ233iは、電源投入時にメイン処理の中でMPU231により実行される初期設定処理(図46のS2302)によって生成される。ここで生成される格納画像データ判別フラグ233iは、全てのスプライトに対する格納状態が、画像格納エリア236aに格納されていないことを示す「オフ」に設定される。
そして、格納画像データ判別フラグ233iの更新は、MPU231により実行される通常画像転送設定処理(図61)の中で、一のスプライトに対応する転送対象画像データの転送指示を設定した場合に行われる。この更新では、転送指示が設定された一のスプライトに対応する格納状態を、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていることを示す「オン」に設定する。また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトの画像データは、一のスプライトの画像データが格納されることによって必ず未格納状態となるので、その他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定する。
また、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に画像データが常駐されていないスプライトの画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する際に、格納画像データ判別フラグ233iを参照し、転送対象のスプライトの画像データが、既に通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納されているか否かを判断する(図61のS4713)。そして、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オフ」であり、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていなければ、その画像データの転送指示を設定し(図61のS4714)、画像コントローラ237に対して、その画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定サブエリアに転送させる。一方、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オン」であれば、既に対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されているので、その画像データの転送処理を中止する。これにより、無駄にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
描画対象バッファフラグ233jは、2つのフレームバッファ(第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236c)の中から、画像コントローラ237によって描画された画像を展開するフレームバッファ(以下、「描画対象バッファ」と称す)を指定するためのフラグで、描画対象バッファフラグ233jが0である場合は描画対象バッファとして第1フレームバッファ236bを指定し、1である場合は第2フレームバッファ236cを指定する。そして、この指定された描画対象バッファの情報は、描画リストと共に画像コントローラ237に送信される(図62のS4802)。
これにより、画像コントローラ237は、描画リストに基づいて描画した画像を、指定された描画対象バッファ上に展開する描画処理を実行する。また、画像コントローラ237は、描画処理と同時並列的に、描画対象バッファとは異なるフレームバッファから先に展開済みの描画画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対して、その画像情報を転送することで、第3図柄表示装置81に画像を表示させる表示処理を実行する。
描画対象バッファフラグ233jは、描画対象バッファ情報が描画リストと共に画像コントローラ237に対して送信されるのに合わせて、更新される。この更新は、描画対象バッファフラグ233jの値を反転させることにより、即ち、その値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。また、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図48(b))の描画処理が実行される度に、行われる(図62のS4803)。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
<第1実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図24から図37のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2ミリ秒間隔で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後、立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。
図24は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、2ミリ秒毎に実行される定期処理である。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S101)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S102)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では399)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では239)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するバッファ領域に格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、第2当たり乱数カウンタC4および小当たり種別カウンタC5の更新を実行する(S103)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、第2当たり乱数カウンタC4および小当たり種別カウンタCS3をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態ではそれぞれ、399,99,99,239,199)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4,CS3の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域(カウンタ用バッファ203i)に格納する。
次に、第1図柄表示装置37において表示を行うための処理であると共に、第3図柄表示装置81にて変動表示される第3図柄の変動パターン(変動時間)などを設定する特別図柄変動処理を実行し(S104)、その後、第1入球口64aへの入賞(始動入賞)に伴う始動入賞処理を実行する(S105)。尚、特別図柄変動処理(S104)の詳細は、図25〜図27を参照して後述する。
始動入賞処理を実行した後は、第2図柄表示装置83(図11参照)において表示を行うための処理である普通図柄変動処理を実行し(S106)、普通図柄始動口(スルーゲート)67における球の通過に伴うスルーゲート通過処理を実行する(S107)。尚、普通図柄変動処理(S106)、及び、スルーゲート通過処理(S107)の詳細は、図28及び図29を参照して後述する。スルーゲート通過処理を実行した後は、発射制御処理を実行し(S108)、更に、V通過時処理(S109)を実行する。このV通過時処理(S109)の詳細は、図30を参照して後述する。
S109の処理を終えると、次いで、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(S110)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、且つ、発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。
次に、図25を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動処理(S104)について説明する。図25は、この特別図柄変動処理(S104)を示すフローチャートである。この特別図柄変動処理(S104)は、タイマ割込処理(図24参照)の中で実行され、第1図柄表示装置37において行う特別図柄(第1図柄)の変動表示や、第3図柄表示装置81において行う第3図柄の変動表示などを制御するための処理である。
この特別図柄変動処理では、まず、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S201)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S201:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、特別図柄の大当たり中でなければ(S201:No)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S202)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中でなければ(S202:No)、球が第1入球口64a(始動口)に入賞したか否かを判定する(S203)。ここでは、第1入球口64aへの入球を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が第1入球口64aに入球していないと判別された場合は(S203:No)、そのまま本処理を終了する。一方、球が第1入球口64aに入賞したと判別されると(S203:Yes)、上述したタイマ割込処理のS103で更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別カウンタC3および小当たり種別カウンタCS3の値を取得し、特別図柄1保留球実行エリアに格納する(S204)。
S204の処理を終えると、第1図柄表示装置37において変動表示を開始するための特別図柄変動開始処理を実行し(S205)、本処理を終了する。なお、特別図柄変動開始処理については、図26を参照して後述する。
S202の処理において、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であれば(S202:Yes)、第1図柄表示装置37において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S206)。第1図柄表示装置37において実行される変動表示の変動時間は、変動種別カウンタCS1により選択された変動パターンに応じて決められており(変動パターンコマンドに応じて決められており)、この変動時間が経過していなければ(S206:No)、第1図柄表示装置37の表示を更新し(図示せず)、本処理を終了する。
一方、S206の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S206:Yes)、第1図柄表示装置37の停止図柄に対応した表示態様を設定する(S207)。停止図柄の設定は、図26を参照して後述する特別図柄変動開始処理(S205)によって予め行われる。この特別図柄変動開始処理(S205)が実行されると、特別図柄保留球実行エリア203aに格納された各種カウンタの値に基づいて、特別図柄の停止図柄が設定される。より具体的には、特別図柄の大当たりである場合には、第1当たり種別カウンタC2の値に応じて大当たりAまたは大当たりBのいずれの大当たりとなるかが決定される。
なお、本実施形態では、大当たりAになる場合には、第1図柄表示装置37のLED37aの所定のLEDにおいて青色のLEDを点灯させ、大当たりBになる場合には赤色のLEDを点灯させる。また、外れである場合には赤色のLEDと緑色のLEDとを点灯させる。なお、各LEDの表示は、次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。
S207の処理が終了した後は、第1図柄表示装置37において実行中の変動表示が開始されたときに、特別図柄変動開始処理(図26参照)によって行われた特別図柄の表示(今回の抽選結果)が、特別図柄の大当たりであるかを判定する(S208)。そして、今回の抽選結果が特別図柄の大当たりであれば(S208:Yes)、大当たりシナリオテーブル(図示せず)を用いて、大当たり種別に対応した大当たりシナリオを設定する(S209)。S209の処理を終えると、大当たり種別と遊技状態遊技状態(通常遊技状態、時短遊技状態)に基づき、第1大当たり種別選択テーブル202b(図14(b)参照)から時短中カウンタ203dの値を設定して(S210)、S215の処理へ移行する。
一方、S208の処理において、今回の抽選結果が特別図柄の外れであれば(S208:No)、次いで、今回の抽選結果が特別図柄の小当たりであるか否かを判別する(S211)。S211の処理において、今回の抽選結果が特別図柄の小当たりであると判別された場合は(S211:Yes)、小当たりを開始するために小当たり開始設定処理を実行して(S212)、S213の処理へ移行する。小当たり開始設定処理の詳細については、図27を参照して後述する。
S211の処理において、今回の抽選結果が特別図柄の小当たりでないと判別された場合は(S211:No)、今回の抽選結果は特別図柄の外れであるので、そのままS213の処理へ移行する。
S213の処理では、時短中カウンタ203dの値が0より大きいか否かを判別し(S213)、時短中カウンタ203dの値が1以上(0より大きい)と判別した場合は(S213:Yes)、時短中カウンタ203dの値を1減算して(S214)、S215の処理へと移行する。一方、時短中カウンタ203dの値が1以上ではない(0である)と判別した場合は(S213:No)、S214の処理をスキップして、S215処理へ移行する。
S210、S213、またはS214の処理後に実行されるS215の処理では、S207の処理で設定された停止図柄に対応した第1図柄表示装置37の表示態様であるLEDの点灯と第3図柄表示装置81で表示される特別図柄、特図補助図柄等の変動停止を同調させるために停止コマンドが設定される(S215)。
次に、図26を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動開始処理(S205)について説明する。図26は、特別図柄変動開始処理(S205)を示したフローチャートである。この特別図柄変動開始処理(S205)は、タイマ割込処理(図24参照)の特別図柄変動処理(図25参照)の中で実行される処理であり、特別図柄保留球実行エリア203aに格納された各種カウンタの値に基づいて、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81で行われる変動演出の演出パターン(変動パターン)を決定するための処理である。
特別図柄変動開始処理では、まず、変動種別カウンタCS1の値を取得し、特別図柄保留球実行エリア203aに格納する(S301)。次いで、S301の処理で変動種別カウンタCS1の値を格納した特別図柄保留球実行エリア203aに格納されているデータを取得する(S302)。具体的には、特別図柄の第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3及び小当たり種別カウンタCS3の各値を取得する。
S302の処理を終えると、S302の処理で取得した特別図柄の種別に対応した第1当たり乱数テーブル202aに基づいて抽選結果を取得する(S303)。より具体的には、S302の処理で取得した第1当たり乱数カウンタC1の値と、第1当たり乱数テーブル202aに格納されている大当たり判定値とを比較し、抽選結果を取得する。上述したように、第1当たり乱数カウンタC1の値が「0〜79」の場合には大当たりの抽選結果となり、「300〜399」の場合には小当たりの抽選結果となる(図14(a)参照)。
次に、S303の処理において取得された抽選結果が大当たりであるか否かを判別する(S304)。S304の処理において、抽選結果が大当たりであると判別された場合は(S304:Yes)、特別図柄と大当たり種別とに対応した表示態様を設定する(S305)。
より具体的には、S302の処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値を参照し、第1大当たり種別選択テーブル202bにて規定されている乱数値と比較し、2種類ある特別図柄の大当たり種別(大当たりA、大当たりB)のうち、大当たり種別が何であるかを判定する。上述したように、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜49」の範囲にあれば、大当たりA(15R大当たり)を設定し、「50〜99」の範囲にあれば、大当たりB(15R大当たり)を設定する(図10(b)参照)。
S305の処理では、設定された大当たり種別(大当たりA、大当たりB)に応じて、第1図柄表示装置37の表示態様(LED37aの点灯状態)が設定される。また、大当たり種別に対応した停止図柄を、第3図柄表示装置81において停止表示させるべく、大当たり種別(大当たりA、大当たりB)が停止種別として設定される。
S305の処理を終えると、S301の処理において取得した変動種別カウンタCS1の値に基づいて、大当たり用変動パターン選択テーブル202e1(図14(d)参照)を参照して大当たり変動パターンを決定し(S306)、S312の処理へ移行する。
S306の処理で変動パターンが決定されると、第1図柄表示装置37における変動演出の変動時間(表示時間)が決定されると共に、第3図柄表示装置81において大当たり図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。
一方、S304の処理において、抽選結果が大当たりではないと判別された場合は(S304:No)、次いで、抽選結果が小当たりであるかを判別する(S307)。S307の処理において、抽選結果が小当たりであると判別された場合には(S307:Yes)、特別図柄と小当たり種別とに対応した表示態様を設定し(S308)、S301の処理において取得した変動種別カウンタCS1の値に基づいて小当たり変動パターンを決定し(S309)、S312の処理へ移行する。
S307の処理において、抽選結果が小当たりでないと判別された場合には(S307:No)、特別図柄に対応した表示態様を設定する(S310)。
S310の処理を終えると、S301の処理において取得した変動種別カウンタCS1の値に基づいて外れ変動パターンを決定し(S311)、S312の処理へ移行する。
S311の処理では、第1図柄表示装置37の表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81において外れ図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、S306の処理と同様に、S301の処理で取得した変動種別カウンタCS1の値を確認し、変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ等の図柄変動の変動時間を決定する。
S306,S309またはS311の処理を終えると、S306,S309またはS311の処理で決定した変動パターンを表示制御装置114へ通知するための変動パターンコマンドを設定する(S312)。次いで、S305,S308またはS310の処理で設定された停止種別を表示制御装置114へ通知するための停止種別コマンドを設定する(S313)。これらの変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、メイン処理(図33)のS1001の処理で、これらのコマンドが音声ランプ制御装置113に送信される。S313の処理が終わると、特別図柄変動処理へ戻る。
次に、図27を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される小当たり開始設定処理(S212)について説明する。図27は、この小当たり開始設定処理(S212)を示すフローチャートである。この小当たり開始設定処理(S212)は、特別図柄変動処理(図25参照)の中で実行され、小当たり遊技の開始を設定するための処理である。
ここで、本パチンコ機10は、小当たり遊技が開始されると第2可変入賞装置650を球が入賞可能(容易)な開放状態に可変し、その第2可変入賞装置650に入賞した球が特定領域(V検出スイッチ650e5)を通過することで、その小当たり遊技終了後に大当たり遊技が実行されるよう構成されている。
即ち、小当たり遊技が実行される遊技状態は、第2可変入賞装置650に球が入賞可能となる(賞球を得ることが出来る)有利状態、且つ、通常遊技状態に比べて大当たり遊技が実行される可能性が高くなる有利状態となるよう構成されている。
図27に戻り説明を続ける。小当たり開始設定処理(S212)では、まず、今回の抽選結果が小当たりAであるか否かを判別する(S401)。S401の処理において、小当たりAであると判別された場合は(S401:Yes)、小当たりシナリオテーブル202gを用いて、小当たり種別(小当たりA)に対応する小当たりシナリオa202g1を設定し(S402)、本処理を終了する。
一方、S401の処理において、小当たりAでないと判別された場合は(S401:No)、小当たりシナリオテーブル202gを用いて、小当たり種別(小当たりB、C)に対応する小当たりシナリオb202g2を設定し(S403)、本処理を終了する。
次に、図28を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される普通図柄変動処理(S106)について説明する。図28は、この普通図柄変動処理(S106)を示すフローチャートである。この普通図柄変動処理(S106)は、タイマ割込処理(図24参照)の中で実行され、第2図柄表示装置83(図11参照)において行う第2図柄の変動表示や、第1入球口64aに付随する電動役物(開閉扉)の開放時間などを制御するための処理である。
この普通図柄変動処理(S106)では、まず、今現在が、普通図柄(第2図柄)の当たり中であるか否かを判別する(S501)。普通図柄(第2図柄)の当たり中としては、第2図柄表示装置83において当たりを示す表示がなされている最中と、第1入球口64aに付随する電動役物(開閉扉)の開閉制御がなされている最中とが含まれる。判定の結果、普通図柄(第2図柄)の当たり中であれば(S501:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、普通図柄(第2図柄)の当たり中でなければ(S501:No)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であるかを判別し(S502)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中でなければ(S502:No)、普通図柄保留球数カウンタ203cの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S503)。次に、普通図柄保留球数カウンタ203cの値(M)が0よりも大きいかを判別し(S504)、普通図柄保留球数カウンタ203cの値(M)が0よりも大きくない(0でない)と判別された場合(S504:No)、そのまま本処理を終了する。一方、普通図柄保留球数カウンタ203cの値(M)が0よりも大きい場合は(S504:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203cの値(M)を1減算する(S505)。
次に、普通図柄保留球格納エリア203bに格納されたデータをシフトし、普図保留球数コマンドを設定する(S506)。S506の処理では、普通図柄保留球格納エリア203bの保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、普通図柄保留球格納エリア203bの実行エリアに格納されている第2当たり乱数カウンタC4の値を取得する(S507)。
S507の処理を終えると、次に、パチンコ機10が普通図柄の時短中であるか(時短中カウンタ203dの値が0より大きいか否か)を判定する(S508)。パチンコ機10が普通図柄の時短中である(時短中カウンタ203dの値が0より大きい)と判別した場合は(S508:Yes)、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S509)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。
S509の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S509:No)、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中でなくて、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるので、S507の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルと基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S510)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「0〜239」の範囲にあれば、普通図柄の当たりである判定する。即ち、時短状態では、必ず普通図柄の当たりとなる。(図14(c)参照)。
一方、S509の処理において、特別図柄の大当たり中であれば(S509:Yes)、S511の処理に移行する。
また、S508の処理において、パチンコ機10が普通図柄の時短中ではない(時短中カウンタ203dの値が0である)と判別した場合は(S508:No)、S511の処理へ移行する。S511の処理では、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中であるか、又は、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であるので、S507の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の第2当たり乱数テーブルとに基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S511)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の第2当たり乱数テーブルに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「0〜5」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、「6〜239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判定する(図14(c)参照)。
次に、S510またはS511の処理によって取得した普通図柄の抽選結果が、普通図柄の当たりであるかを判定する(S512)。普通図柄の当たりであると判定された場合には(S512:Yes)、当たり時の表示態様を第2図柄表示装置83に設定し(S513)、S515の処理に移行する。このS513の処理では、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されるように設定する。
一方、S512の処理において、普通図柄の外れであると判別した場合には(S512:No)、外れ時の表示態様を第2図柄表示装置83に設定し(S514)、S515の処理に移行する。このS514の処理では、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「×」の図柄が点灯表示されるように設定する。
S515の処理では、普通図柄変動種別カウンタCS2の値を取得し(S515)、次に、時短中であるか(時短中カウンタ203dの値が0より大きいか否か)を判別する(S516)。
パチンコ機10が普通図柄の時短中である(時短中カウンタ203dの値が0より大きい)と判別した場合は(S516:Yes)、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S517)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。
S517の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S517:No)、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中でなくて、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるので、S515の処理で取得した普通図柄変動種別カウンタCS2の値と、時短状態用の普図変動パターン選択テーブルとに基づいて、普通図柄当たり変動パターンを選択し、決定した変動パターンを表示制御装置114へ通知するための普図変動パターンコマンドを設定する(S518)。具体的には、普通図柄変動種別カウンタCS2の値と、時短状態用の普図変動パターン選択テーブルに格納されている乱数値と比較する。例えば、普通図柄変動種別カウンタCS2の値が「0〜79」の範囲にあれば、普通図柄変動パターンD(変動時間3秒)を選択し、「80〜149」の範囲にあれば、普通図柄変動パターンE(変動時間3秒)を選択する。また、普通図柄変動種別カウンタCS2の値が「150〜198」の範囲にあれば、普通図柄変動パターンF(変動時間3秒)を選択する(図17(b)参照)。なお、普図変動パターンコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、メイン処理(図33)のS1001の処理で、音声ランプ制御装置113に送信される。
S518の処理が終了すると、遊技状態が時短中であるので、第1入球口64aに付随する電動役物(開閉扉)の開放時間を2秒、開放回数を2回に設定し(S519)、本処理を終了する。
一方、S516の処理において、パチンコ機10が普通図柄の時短中ではない(時短中カウンタ203dの値が0である)と判別した場合(S516:No)、および、S517の処理において、特別図柄の大当たり中である場合(S517:Yes)は、S520の処理に移行する。
S520の処理では、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であるか、又は、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中であるので、S515の処理で取得した普通図柄変動種別カウンタCS2の値と、通常遊技状態用の普図変動パターン選択テーブルとに基づいて、普通図柄当たり変動パターンを選択すし、決定した変動パターンを表示制御装置114へ通知するための普図変動パターンコマンドを設定する(S520)。具体的には、普通図柄変動種別カウンタCS2の値と、通常遊技状態用の普図変動パターン選択テーブルに格納されている乱数値と比較する。例えば、普通図柄変動種別カウンタCS2の値が「0〜79」の範囲にあれば、普通図柄変動パターンA(変動時間10秒)を選択し、「80〜149」の範囲にあれば、普通図柄変動パターンB(変動時間10秒)を選択する。また、普通図柄変動種別カウンタCS2の値が「150〜198」の範囲にあれば、普通図柄変動パターンC(変動時間10秒)を選択する(図17(a)参照)。なお、普図変動パターンコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、メイン処理(図33)のS1001の処理で、音声ランプ制御装置113に送信される。
S520の処理が終了すると、遊技状態が時短中ではないので、第1入球口64aに付随する電動役物(開閉扉)の開放時間を2秒、開放回数を1回に設定し(S521)、本処理を終了する。
このように、普通図柄の遊技状態が時短遊技状態(時短中)の場合には、普通図柄の遊技状態が通常遊技状態(非時短中)と比較して、変動表示の時間が「10秒→3秒」と短くなり、更に、第1入球口64aに付随する電動役物(開閉扉)の開放期間が「2秒×1回→2秒間×2回」と長くなるので、第1入球口64aへ球が入球し易い状態となる。
また、S502の処理において、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であれば(S502:Yes)、第2図柄表示装置83において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S522)。尚、ここでの変動時間は、第2図柄表示装置83において変動表示が開始される前に、S518の処理またはS520の処理によって予め設定された時間である。
S522の処理において、変動時間が経過していなければ(S522:No)、本処理を終了する。一方、S522の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S522:Yes)、第2図柄表示装置83の停止表示を設定する(S523)。S523の処理では、普通図柄の抽選が当たりとなって、S513の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「○」図柄が、第2図柄表示装置83において停止表示(点灯表示)されるように設定される。一方、普通図柄の抽選が外れとなって、S514の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「×」図柄が、第2図柄表示装置83において停止表示(点灯表示)されるように設定される。S523の処理により、停止表示が設定されると、次にメイン処理(図33参照)の第2図柄表示更新処理(S1008参照)が実行された場合に、第2図柄表示装置83における変動表示が終了し、S513の処理またはS514の処理で設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)が第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)される。
次に、第2図柄表示装置83において実行中の変動表示が開始されたときに、普通図柄変動処理によって行われた普通図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、普通図柄の当たりであるかを判定する(S524)。今回の抽選結果が普通図柄の外れであれば(S524:No)、本処理を終了する。一方、今回の抽選結果が普通図柄の当たりであれば(S524:Yes)、第1入球口64aに付随する電動役物(開閉扉)の開閉制御開始を設定し(S525)、本処理を終了する。
S525の処理によって、電動役物(開閉扉)の開閉制御開始が設定されると、次にメイン処理(図33参照)の電動役物開閉処理(S1006参照)が実行された場合に、電動役物(開閉扉)の開閉制御が開始され、S519の処理またはS521の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで電動役物(開閉扉)の開閉制御が継続される。S525の処理が実行された後には、普通図柄の停止を示す普図停止コマンドが設定される(S526)。この普図停止コマンドは、音声ランプ制御装置113に対して、普通図柄の停止を通知する為のコマンドである。
次に、図29のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるスルーゲート通過処理(S107)を説明する。図29は、このスルーゲート通過処理(S107)を示すフローチャートである。このスルーゲート通過処理(S107)は、タイマ割込処理(図24参照)の中で実行され、普通図柄始動口(スルーゲート)67における球の通過の有無を判断し、球の通過があった場合に、第2当たり乱数カウンタC4が示す値を取得し保留するための処理である。
スルーゲート通過処理では、まず、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過したか否かを判別する(S601)。ここでは、普通図柄始動口(スルーゲート)67における球の通過を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過したと判別されると(S601:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203cの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S602)。そして、普通図柄保留球数カウンタ203cの値(M)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判別する(S603)。
球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過していないか(S601:No)、或いは、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過していても普通図柄保留球数カウンタ203cの値(M)が4未満でなければ(S603:No)、本処理を終了する。一方、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過し(S601:Yes)、且つ、普通図柄保留球数カウンタ203cの値(M)が4未満であれば(S603:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203cの値(M)を1加算する(S604)。そして、S604の処理において加算された普通図柄保留球数カウンタ203cの値(M)に基づいて、普図保留球数コマンドを設定する(S605)。
ここで設定された普図保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図33参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、普図保留球数コマンドを受信すると、その普図保留球数コマンドから普通図柄保留球数カウンタ203cの値を抽出し、抽出した値をRAM223の普図保留球数カウンタ223dに格納する。
S605の処理を終えると、上述したタイマ割込処理(図24参照)のS103で更新した第2当たり乱数カウンタC4の値を、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203bの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納する(S606)。尚、S606の処理では、普通図柄保留球数カウンタ203cの値を参照し、その値が1であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
次いで、S606の処理において格納した第2当たり乱数カウンタC4の値と、第2当たり乱数テーブル202dとに基づいて普図事前判定結果を取得し(S607)、普図事前判定結果に基づいて普図入賞情報コマンドを設定して(S608)、本処理を終了する。
ここで設定された普図入賞情報コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図33参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、普図入賞情報コマンドを受信すると、その普図入賞情報コマンドから普図事前判定結果を抽出し、抽出した値をRAM223の普図入賞情報格納エリア223aに格納する。これにより、音声ランプ制御装置113において普図事前判定結果に基づく演出を実行することができる。
次に、図30を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるV通過時処理(S109)について説明する。図30は、このV通過時処理(S109)を示すフローチャートである。このV通過時処理(S109)は、タイマ割込処理(図24参照)の中で実行され、第2可変入賞装置650内の特定領域(V検出スイッチ650e5)への遊技球の通過が正常かを判別する処理である。
このV通過時処理(S109)では、まず、第2可変入賞装置650のV通過流路650e3内に設けられたV検出スイッチ650e5が遊技球を検出したかを判別する(S701)。S701の処理において、V検出スイッチ650e5が遊技球を検出していないと判別された場合、つまり、V検出スイッチ650e5がオンに設定されていないと判別された場合は(S701:No)、本処理を終了する。一方、S701の処理において、V検出スイッチ650e5が遊技球を検出したと判別された場合は(S701:Yes)、次いで、今現在が小当たりシナリオに設定されているV通過可能期間内(図16(b)〜(c)参照)であるかを判別する(S702)。
S702の処理において、小当たりシナリオに設定されているV通過可能期間内ではないと判別された場合は(S702:No)、エラーコマンドを設定し(S703)、本処理を終了する。
一方、S702の処理において、小当たりシナリオに設定されているV通過可能期間内であると判別された場合には(S702:Yes)、取得している第1当たり種別カウンタの値を読み込む(S704)。つまり、S302の処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値を参照し、第1大当たり種別選択テーブル202bにて規定されている乱数値と比較し、2種類ある特別図柄の大当たり種別(大当たりA、大当たりB)のうち、大当たり種別が何であるかを判定する。上述したように、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜49」の範囲にあれば、大当たりA(15R大当たり)と判別し、「50〜99」の範囲にあれば、大当たりB(15R大当たり)と判別する(図14(b)参照)。
次に、S704にて読み込まれた大当たり種別を示すVフラグ203fをオンに設定し(S705)、V通過コマンドを設定する(S706)。その後、大当たり種別と遊技状態とに対応する時短中カウンタ203dの値を設定する(S707)。
このように、第2可変入賞装置650への入賞に対して小当たり遊技中であっても、その入賞を有効にする(正常)期間と有効にしない(異常)期間とを設けることにより、小当たり遊技中に不正に球を特定領域(V検出スイッチ650e5)へ通過させる行為を防止させることが可能となる。
また、本実施形態では、通過可能期間外にV検出スイッチ650e5が遊技球を検出した場合に、Vフラグ203fをオンに設定することなくエラーコマンドを設定し本処理を終了するよう構成しているため、通過可能期間外に遊技球が特定領域を通過したとしてもVフラグ203fがオンに設定されないことから、小当たり遊技中に不正に遊技球を特定領域へ通過させたとしても、小当たり遊技終了後に大当たり遊技が実行されることがない。よって、不正遊技を防止することができるという効果がある。
なお、本実施形態では遊技球が特定領域を通過するタイミングが正常であるかを判別し、異常(エラー)の有無を判別する構成を用いたが、異常判別が出来る構成であれば、これ以外の構成を用いてもよい。
例えば、V検出スイッチ650e5が1回の小当たり遊技で2個以上の遊技球を検出した場合を異常と判別してもよい。これは、本実施形態では第2可変入賞装置650が有する各構成の動作制御により、1回の小当たり遊技中に特定領域(V検出スイッチ650e5)を通過可能な遊技球を1個にする構成を採用している。よって、V検出スイッチ650e5が1回の小当たり遊技で2個以上の遊技球を検出した場合を異常と判別してもよい。
また、本実施形態では、V検出スイッチ650e5が遊技球を検出したと判別されてから、その遊技球の検出(特定領域の通過)が通過可能期間内かを判別する構成にしているため、通過可能期間外の遊技球の検出(特定領域の通過)を異常として処理できるようにしているが、例えば、今現在が通過可能期間内かを先に判別し、通過可能期間内であれば、V検出スイッチ650e5が遊技球を検出したかを判別するように構成してもよい。
さらに、上述した第2可変入賞装置650の流入口650a1への入球を検出する通過検出スイッチ650asと、特定領域であるV検出スイッチ650e5との検出結果に基づいて、1回の小当たり遊技中に通過検出スイッチ650asが遊技球を検出していないにも関わらず、V検出スイッチ650e5が遊技球を検出した場合を異常と判別するようにしてもよい。
このようにすることで、例えば、V通過流路650e3内に遊技球を滞留させ、通過可能期間内に滞留させた遊技球を特定領域へ通過させるといった不正遊技を監視することが可能となる。
また、今回の小当たり遊技がV通過可能な小当たりか否かの判別を行う手段を設け、その判別結果を用いて、V通過不可能(困難)な小当たりの場合にも関わらず、V検出スイッチ650e5が遊技球を検出した場合を異常と判別してもよい。
尚、上述した複数の異常監視処理を、本実施形態のように小当たり遊技が実行されてから第2可変入賞装置650に最初に入賞した遊技球がV通過流路650e3に入賞可能とする構成に用いることで、より確実に不正遊技を監視することが可能となる。
つまり、不正に特定領域であるV検出スイッチ650e5に遊技球を通過させようとした場合、小当たり遊技中に第2可変入賞装置650に1球も入賞させていないにも関わらず、V検出スイッチ650e5が遊技球を検出すると異常と判別することが可能となり、さらに、小当たり遊技中に第2可変入賞装置650に1球でも入賞させるとV検出スイッチ650e5が遊技球を2個検出することになり異常と判別することが可能となる。
また、今回の小当たり遊技がV通過不可能な小当たり遊技の場合は、第2可変入賞装置650に入賞させた遊技球がV検出スイッチ650e5を通過することが無いため、V検出スイッチ650e5を通過する遊技球が1個となるがV通過不可能な小当たり遊技中にV検出スイッチ650e5が遊技球を検出したことになるため異常と判別することができる。
なお、上述した各異常判別処理の判別結果が異常と判別された場合はエラーコマンドを設定し、外部に出力可能に構成すればよい。この場合、エラーコマンドには異常の原因を識別可能な識別情報や、発生した異常の優先度を示す優先度情報が含まれるよう構成するとよい。
ここで、優先度情報とは、発生した異常が不正遊技によって発生した異常であるか否かを簡易的に判別するための情報であり、例えば、第2可変入賞装置650に入賞した球数(通過検出スイッチ650as)よりも特定領域を通過した球数(V検出スイッチ650e5)のほうが多いと判別された異常は、不正遊技の可能性が高いため優先度が高い優先度情報が設定され、小当たり遊技中における通過可能期間外に球が特定領域を通過したと判別された異常は、球遊びが原因の可能性もあることから優先度が低い優先度情報が設定される。
このように、どの異常も適正な遊技では起き得ない事態ではあるが、その中で優先度を設けることにより、1つのパチンコ機10で複数の異常が同時に発生した場合に、優先度の高い異常を優先的に報知させることができ、異常発生後の処理を円滑に行うことができるという効果がある。
なお、特定領域への遊技球の通過に対する各異常判別処理は、その全てを組み合わせてもよいし、その一部を適宜組み合わせてもよい。
ここで上述した各異常判別処理の結果、異常と判別した場合に設定されるエラーコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図33参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113や、外部出力端子板(図示せず)を介してパチンコ機10の外部に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、エラーコマンドを受信すると、そのエラーコマンドからエラーの内容を抽出し、抽出した内容に基づいた報知を第3図柄表示装置81と、音声出力装置226と、ランプ表示装置227とを用いて実行する。
図31は、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S801)、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
次に、図32を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図32は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S901)。例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(本実施形態では1秒)を実行する(S902)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S903)。
その後、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図3参照)がオンされているか否かを判別し(S904)、オンされていれば(S904:Yes)、処理をS912へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S904:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S905)、記憶されていなければ(S905:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS912へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S905:Yes)、RAM判定値を算出し(S906)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S907:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS912へ移行する。なお、メイン処理(図33参照)のS1015の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S912の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S912)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S913,S914)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAMの初期化処理(S913,S914)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S913,S914)を実行する。RAMの初期化処理(S913,S914)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S913)、その後、RAM203の初期値を設定する(S914)。RAM203の初期化処理の実行後は、S910の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S904:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S905:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S907:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S908)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S909)、S910の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。
S910の処理では、演出許可コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信し、音声ランプ制御装置113および表示制御装置114に対して各種演出の実行を許可する。次いで、割込みを許可して(S911)、後述するメイン処理に移行する。
次に、図33を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図33は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4ミリ秒周期の定期処理としてS1001〜S1008の各処理が実行され、その残余時間でS1011,S1012のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
メイン処理においては、まず、タイマ割込処理(図24参照)の実行中に、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する外部出力処理を実行する(S1001)。具体的には、タイマ割込処理(図24参照)におけるS101のスイッチ読み込み処理で検出した入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、スルーゲート通過処理(図29参照)で設定された普通図柄保留球数コマンドや普図入賞情報コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。更に、この外部出力処理により、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、停止種別コマンド等を音声ランプ制御装置113に送信する。また、大当たり制御処理(図34参照)で設定されたオープニングコマンド等、小当たり制御処理(図36参照)で設定された小当たりオープニングコマンド等を音声ランプ制御装置113へ送信する。更に、V通過時処理(図30参照)にて設定されたエラーコマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する。加えて、球の発射を行う場合には、発射制御装置112へ球発射信号を送信する。
なお、本パチンコ機10における外部出力処理は、図示しない外部端子板によってパチンコ機10の外部に各種コマンドを出力可能に構成されており、例えば、各種エラーコマンドをパチンコ機10の外部に出力可能としている。
次に、変動種別カウンタCS1の値を更新する(S1002)。具体的には、変動種別カウンタCS1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では198)に達した際、0にリセットする。そして、変動種別カウンタCS1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
変動種別カウンタCS1の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S1003)、次いで、特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たり演出の実行や、第1可変入賞装置65の第1特定入賞口65aを開放又は閉鎖するための大当たり制御処理を実行する(S1004)。大当たり制御処理の詳細については、図34を参照して後述する。なお、本実施形態では、大当たり制御処理(S1004)をメイン処理において実行しているが、タイマ割込処理において実行しても良い。
S1004の処理を終えると、小当たり制御処理を実行する(S1005)。小当たり制御処理の詳細については、図36を参照して後述する。なお、本実施形態では、小当たり制御処理(S1005)をメイン処理において実行しているが、タイマ割込処理において実行しても良い。
次に、第1入球口64aに付随する電動役物64bの開閉制御を行う電動役物開閉処理を実行する(S1006)。電動役物開閉処理では、普通図柄変動処理(図28参照)のS524の処理によって電動役物64bの開閉制御開始が設定された場合に、電動役物64bの開閉制御を開始する。尚、この電動役物64bの開閉制御は、普通図柄変動処理におけるS516の処理またはS518の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで継続される。
次に、第1図柄表示装置37の表示を更新する第1図柄表示更新処理を実行する(S507)。第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動開始処理(図26参照)によって変動パターンが設定された場合に、その変動パターンに応じた変動表示を、第1図柄表示装置37において開始する。本実施形態では、第1図柄表示装置37のLED37aの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる。
なお、メイン処理は4ミリ秒毎に実行されるが、そのメイン処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、メイン処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが100に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行う。尚、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
また、第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動開始処理(図26参照)によって設定された変動パターンに対応する変動時間が終了した場合に、第1図柄表示装置37において実行されている変動表示を終了し、停止図柄(第1図柄)を第1図柄表示装置37に停止表示(点灯表示)する。
次に、第2図柄表示装置83の表示を更新する第2図柄表示更新処理を実行する(S1008)。第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動処理(図28参照)のS517の処理またはS519の処理によって第2図柄の変動時間が設定された場合に、第2図柄表示装置83において変動表示を開始する。これにより、第2図柄表示装置83では、第2図柄としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。また、第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動処理(図28参照)のS522の処理によって第2図柄表示装置83の停止表示が設定された場合に、第2図柄表示装置83において実行されている変動表示を終了し、普通図柄変動処理(図28参照)のS513の処理またはS514の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)を第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)する。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1009)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1009:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち今回のメイン処理の開始から所定時間(本実施形態では4ミリ秒)が経過したか否かを判別し(S1010)、既に所定時間が経過していれば(S1010:Yes)、処理をS1001へ移行し、上述したS1001以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、今回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S1010:No)、所定時間に至るまでの間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(S1011,S1012)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S1011)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では399、239)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、S1002の処理と同一の方法によって実行する(S1012)。
ここで、S1001〜S1008の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1についてもランダムに更新することができる。
また、S1009の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1009:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図31のNMI割込処理が実行されたということなので、S1013以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S1013)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S1014)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S1015)、RAM203のアクセスを禁止して(S1016)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S1009の処理は、S1001〜S1008で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS1011とS1012の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS1001の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS1001の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避させたり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(図32のS901)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S1001の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走したりすることなく正確な制御を行うことができる。
次に、図34のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり制御処理(S1004)を説明する。図34は、この大当たり制御処理(S1004)を示すフローチャートである。この大当たり制御処理(S1004)は、メイン処理(図33参照)の中で実行され、パチンコ機10が特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たりに応じた各種演出の実行や、第1可変入賞装置65の第1特定入賞口65aを開放又は閉鎖するための処理である。
大当たり制御処理では、まず、大当たりシナリオが設定されているかを判別する(S1101)。具体的には、特別図柄変動処理(図25参照)のS209の処理、または、後述する小当たりエンディング制御処理(図37参照)のS1406の処理を実行し、大当たりシナリオが設定されているかを判別する。つまり、特別図柄の抽選の結果が大当たりとなり、その抽選結果に基づいて大当たりシナリオが設定されたか、或いは、小当たり遊技中に特定領域(V検出スイッチ650e5)を通過したことに基づいて大当たりシナリオが設定されたかを判別する。S1101の処理において、大当たりシナリオが設定されていないと判別された場合は(S1101:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S1101の処理において、大当たりシナリオが設定されていると判別された場合は(S1101:Yes)、大当たりシナリオカウンタ203gのカウンタ値に1を加算し(S1102)、大当たりシナリオカウンタ203gのカウンタ値が大当たりシナリオのオープニング開始のタイミングであるかを判別する(S1103)。例えば、大当たりシナリオaが設定されている場合(図示せず)、オープニング開始(オープニングスタート)に該当する大当たりシナリオカウンタ203gのカウンタ値は1であるため、大当たりシナリオカウンタ203gのカウンタ値が1であるかを判別する。
S1103の処理において、大当たりシナリオカウンタ203gのカウンタ値がオープニング開始に対応する値(大当たりシナリオaであれば、カウンタ値が1)であると判別された場合は(S1103:Yes)、大当たり用オープニングコマンドを設定し(S1104)、本処理を終了する。一方、大当たりシナリオカウンタ203gのカウンタ値がオープニング開始に対応しない値であると判別した場合は(S1103:No)、次いで、大当たりシナリオカウンタ203gのカウンタ値がラウンド開始に対応する値(大当たりシナリオaであれば、カウンタ値が1251)であるかを判別する(S1105)。
S1105の処理において、大当たりシナリオカウンタ203gのカウンタ値がラウンド開始に対応する値であると判別した場合は(S1105:Yes)、S1106の処理にて特定入賞口(第1特定入賞口)65aが開放されるよう設定し(第1特定入賞口65aの特定扉65fが開状態となるよう特定扉ソレノイド65f2をオンに設定し)、次いで、新たに開始するラウンド数を示すラウンド数コマンドを設定し(S1107)、本処理を終了する。
ここで設定されたラウンド数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図33参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、ラウンド数コマンドを受信すると、そのラウンド数コマンドからラウンド数を抽出する。そして、抽出したラウンド数に応じた表示用ラウンド数コマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用ラウンド数コマンドが受信されると、第3図柄表示装置81において新たなラウンド演出が開始される。
一方、S1105の処理において、大当たりシナリオカウンタ203gのカウンタ値がラウンド開始に対応する値ではないと判別した場合は(S1105:No)、次に、特定入賞口(第1特定入賞口)65aの閉鎖条件が成立したかを判別する(S1108)。ここで、本実施形態における特定入賞口(第1特定入賞口)65aの閉鎖条件としては、特定入賞口(第1特定入賞口)65aが開放されてから30秒が経過した場合、または、特定入賞口(第1特定入賞口)65aが開放されてから、球が所定数(例えば、10個)入賞した場合に、閉鎖条件が成立したと判別する。
S1108の処理において、特定入賞口(第1特定入賞口)65aの閉鎖条件が成立していると判別した場合は(S1108:Yes)、大当たりシナリオカウンタ203gのカウンタ値を、現在実行されているラウンドのラウンド終了に対応するカウンタ値から1減算した値まで更新し(S1109)、本処理を終了する。なお、S1108の処理で閉鎖条件が成立していると判別された場合は、その閉鎖条件はクリアされ、次回以降の大当たり制御処理において再度閉鎖条件が成立していると判別されないよう構成されている。
ここで、大当たりシナリオは、大当たりシナリオカウンタ203gのカウンタ値を更新(加算)し、その更新(加算)されたカウンタ値に対応する動作を実行させるように構成されている。よって、特定入賞口(第1特定入賞口)65aに球が所定数(例えば、10個)入賞したことで閉鎖条件が成立する場合、つまり、時間の経過(カウンタ値の更新)に伴わない要因で特定入賞口(第1特定入賞口)65aを閉鎖する場合には、大当たりシナリオカウンタ203gのカウンタ値を対応する動作制御が実行されるカウンタ値の1つ前の値まで更新するよう構成している(次回の大当たり制御処理にて動作制御が実行されるよう構成している)。
このようにすることで、時間の経過(カウンタ値の更新)に伴わない要因で実行される動作制御(例えば、球が所定数入賞したことにより特定入賞口を閉鎖させる動作制御)を大当たりシナリオに基づいて実行することが可能となる。よって、特定入賞口(第1特定入賞口)65aの閉鎖条件として、所定時間が経過した場合は大当たりシナリオに基づいて動作制御を行い、所定数の入賞があった場合は大当たりシナリオに基づくことなく動作制御を実行するといった複雑な制御を行う必要がなくなり、設計を容易にすることができるとともに両方の動作制御が混在してしまうという事態を防ぐことができるという効果がある。
図34に戻り説明を続ける。S1108の処理において、特定入賞口(第1特定入賞口)65の閉鎖条件が成立していないと判別した場合は(S1108:No)、つぎに、大当たりシナリオカウンタ203gのカウンタ値がラウンド終了に対応する値(大当たりシナリオaであればカウンタ値が8750)であるかを判別する(S1110)。
S1110の処理において、大当たりシナリオカウンタ203gのカウンタ値がラウンド終了に対応する値であると判別した場合は(S1110:Yes)、S1111の処理にて特定入賞口(第1特定入賞口)65aが閉鎖されるよう設定し(第1特定入賞口65aの特定扉65fが閉状態となるよう特定扉ソレノイド65f2をオフに設定し)、本処理を終了する。なお、上述したS1105〜S1110までの判別処理は、大当たりシナリオに設定されている大当たりのラウンド数分繰り返し実行される。
一方、S1110の処理において、大当たりシナリオカウンタ203gのカウンタ値がラウンド終了に対応する値ではないと判別した場合は(S1110:No)、次いで、大当たりシナリオカウンタ203gのカウンタ値がインターバル開始(に対応する値大当たりシナリオaであればカウンタ値が8751)であるかを判別する(S1112)。S1112の処理において、大当たりシナリオカウンタ203gのカウンタ値がインターバル開始に対応する値であると判別した場合は(S1112:Yes)、インターバルコマンドを設定し(S1113)、本処理を終了する。
一方、S1112の処理において、大当たりシナリオカウンタ203gのカウンタ値がインターバル開始に対応する値ではないと判別した場合には(S1112:No)、次に、大当たりエンディング制御処理(S1114)を実行する。この大当たりエンディング制御処理は、大当たり遊技におけるエンディング期間、つまり大当たり遊技の最終ラウンドが終了してから特別図柄の変動が開始されるまでの所定期間(例えば5秒)の間に実行される処理である。
次に、図35のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たりエンディング制御処理(S1114)を説明する。図35は、この大当たりエンディング制御処理(S1114)を示すフローチャートである。この大当たりエンディング制御処理(S1114)は、大当たり制御処理(図34参照)の中で実行される処理である。
大当たりエンディング制御処理では、まず、大当たりシナリオカウンタ203gのカウンタ値がエンディング開始に対応する値(大当たりシナリオaであればカウンタ値が40751)であるかを判別する(S1201)。S1201の処理において、大当たりシナリオカウンタ203gのカウンタ値がエンディング開始に対応する値であると判別した場合は(S1201:Yes)、大当たりエンディングコマンドを設定し(S1202)、本処理を終了する。
一方、大当たりシナリオカウンタ203gのカウンタ値がエンディング開始に対応する値ではないと判別した場合は(S1201:No)、次いで、大当たりシナリオカウンタ203gのカウンタ値がエンディング終了に対応する値(大当たりシナリオaであれば、カウンタ値が42000)であるかを判別する(S1203)。S1203の処理において、大当たりシナリオカウンタ203gのカウンタ値がエンディング終了に対応する値ではないと判別した場合には(S1203:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S1203の処理において、大当たりシナリオカウンタ203gのカウンタ値がエンディング終了に対応する値であると判別した場合には(S1203:Yes)、大当たりシナリオの設定をクリアし(S1204)、次に、大当たりシナリオカウンタ203gを0にリセットする(S1205)。つまり、大当たりシナリオに基づく大当たり遊技の動作制御を終了する。そして、本処理を終了する。
次に、図36のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される小当たり制御処理(S1005)を説明する。図36は、この小当たり制御処理(S1005)を示すフローチャートである。この小当たり制御処理(S1005)は、メイン処理(図33参照)の中で実行され、小当たりに応じた各種演出を音声ランプ制御装置113にて実行させるためのコマンドの設定や、第2特定入賞口650aに付随する開閉片650bを開閉するための開閉片ソレノイド650f2、また、流路を切替える切換弁650b3を回動するための切替弁ソレノイド650c2の動作を制御する処理である。
小当たり制御処理では、まず、小当たりシナリオが設定されているかを判別する(S1301)。具体的には、小当たり開始設定処理(図27参照)のS402,S403の処理が実行され、小当たりシナリオが設定されているかを判別する。S1301の処理において、小当たりシナリオが設定されていなければ(S1301:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S1301の処理において、小当たりシナリオが設定されていれば(S1301:Yes)、小当たりシナリオカウンタ203hのカウンタ値に1を加算し(S1302)、小当たりシナリオカウンタ203hのカウンタ値が小当たりシナリオのオープニング開始のタイミングであるかを判別する(S1303)。例えば、小当たりシナリオa202g1が設定されている場合(図16(b)参照)、オープニング開始(オープニングスタート)に該当する小当たりシナリオカウンタ203hのカウンタ値が1であるため、カウンタ203hの値が1であるかを判別する。
S1303の処理において、小当たりシナリオカウンタ203hのカウンタ値がオープニング開始に対応する値(小当たりシナリオa202g1であれば、カウンタ値が1)である場合は(S1303:Yes)、S1304の処理によって、小当たり用オープニングコマンドを設定し(S1304)、S1305の処理に移行する。ここで、小当たりのオープニングでは、開閉片650bの開放タイミングの1秒前に第3図柄表示装置81に小当たり遊技の開始を示す表示態様が小当たり種別によらず設定される。これにより、オープニングの表示態様の長さの違いで小当たり種別が遊技者に判別されるのを防止できる。また、小当たり時にはオープニング演出を表示せずに融合図柄の演出(勇者と怪獣のバトル)演出を表示し続けるように構成してもよい。このように構成することで、小当たり遊技の開始は、開閉片650bの開放タイミングとして遊技者は認識するので、小当たり種別が識別され難くできる。
一方、小当たりシナリオカウンタ203hのカウンタ値がオープニング開始に対応しない値である場合は(S1303:No)、S1305の処理に移行する。S1305の処理では、小当たりシナリオカウンタ203hのカウンタ値が小当たりシナリオの切替弁ソレノイド650c2をオン(V通過流路650e3開放)のタイミングであるかを判別する(S1305)。例えば、小当たりシナリオa202g1が設定されている場合(図16(b)参照)、切替弁ソレノイドオン(V通過流路650e3開放)に該当する小当たりシナリオカウンタ203hのカウンタ値が375であるため、小当たりシナリオカウンタ203hの値が375であるかを判別する。
S1305の処理において、小当たりシナリオカウンタ203hのカウンタ値が切替弁ソレノイド650c2をオンにする値(小当たりシナリオa202g1であれば、カウンタ値が375)である場合は(S1305:Yes)、S1306の処理によって、切替弁ソレノイド650c2をオンに設定する(V通過流路650e3を開放するため、切換弁650b3が下方に回動するように切替弁ソレノイド650c2をオンに設定する)。そして、S1307の処理へ移行する。
一方、S1305の処理において、小当たりシナリオカウンタ203hのカウンタ値が切替弁ソレノイドオンに対応する値(小当たりシナリオa202g1であれば、カウンタ値が375)でない場合は(S1305:No)、S1307の処理へ移行する。
S1307の処理では、小当たりシナリオカウンタ203hのカウンタ値が小当たりシナリオの切替弁ソレノイドオフ(V通過流路650e3閉鎖)のタイミングであるかを判別する(S1307)。例えば、小当たりシナリオa202g1が設定されている場合(図16(b)参照)、切替弁ソレノイドオフ(V通過流路650e3閉鎖)に該当する小当たりシナリオカウンタ203hのカウンタ値が1000であるため、小当たりシナリオカウンタ203hの値が1000であるかを判別する。
S1307の処理において、小当たりシナリオカウンタ203hのカウンタ値が切替弁ソレノイドオフに対応する値(小当たりシナリオa202g1であれば、カウンタ値が1000)である場合は(S1307:Yes)、S1308の処理によって、切替弁ソレノイド650c2をオフに設定する(V通過流路650e3を閉鎖するため、切換弁650b3が上方に回動するように切替弁ソレノイド650c2をオフに設定する)。そして、S1309の処理へ移行する。
S1309の処理では、小当たりシナリオカウンタ203hのカウンタ値が小当たりシナリオのラウンド開始のタイミングであるかを判別する(S1309)。例えば、小当たりシナリオa202g1が設定されている場合(図16(b)参照)、ラウンド開始(ラウンドスタート)に該当する小当たりシナリオカウンタ203hのカウンタ値が376であるため、小当たりシナリオカウンタ203hの値が376であるかを判別する。
S1309の処理において、小当たりシナリオカウンタ203hのカウンタ値がラウンド開始に対応する値(小当たりシナリオa202g1であれば、カウンタ値が376)である場合は(S1309:Yes)、S1310の処理によって、小当たりシナリオに基づいて第2特定入賞口650aが開閉されるよう設定し(第2特定入賞口650aの開閉片650bが開放状態となるよう開閉片ソレノイド650f2をオンに設定し)、S1311の処理へ移行する。
一方、S1309の処理において、小当たりシナリオカウンタ203hのカウンタ値がラウンド開始に対応する値ではない場合は(S1309:No)、S1311の処理へ移行する。
S1311の処理では、ラウンド終了条件が成立したかを判別する(S1311)。ここで、本実施形態では、第2特定入賞口650aが開放されている間に、合計で球が所定数(例えば、10個)入賞した場合に、ラウンド終了条件が成立したと判別する。
S1311の処理において、第2特定入賞口650aのラウンド終了条件が成立していると判定した場合は(S1311:Yes)、小当たりシナリオカウンタ203hのカウンタ値を、ラウンド終了に対応するカウンタ値から1減算した値まで更新し(S1312)、S1313の処理へ移行する。なお、S1311の処理でラウンド終了条件が成立していると判別された場合は、そのラウンド終了条件はクリアされ、次回以降の制御において再度ラウンド終了条件が成立していると判別されないよう構成されている。
ここで、小当たりシナリオは上述した大当たりシナリオと同様に、小当たりカウンタ203hのカウンタ値を更新(加算)し、その更新(加算)されたカウンタ値に対応する動作を実行させるように構成されている。よって、第2特定入賞口650aに球が所定数(例えば、10個)入賞したことでラウンド終了条件が成立する場合、つまり、時間の経過(カウンタ値の更新)に伴わない要因でラウンドが終了する(第2特定入賞口650aを閉鎖する)場合には、小当たりシナリオカウンタ203hのカウンタ値を対応する動作制御が実行されるカウンタ値の1つ前の値まで更新するよう構成している(次回の小当たり制御処理にて動作制御が実行されるよう構成している)。
このようにすることで、時間の経過(カウンタ値の更新)に伴わない要因で実行される動作制御(例えば、球が所定数入賞したことによりラウンドを終了させる動作制御)を小当たりシナリオに基づいて実行することが可能となる。よって、第2特定入賞口650aのラウンド終了条件として、所定時間が経過した場合は小当たりシナリオに基づいて動作制御を行い、所定数の入賞があった場合は小当たりシナリオに基づくことなく動作制御を実行するといった複雑な制御を行う必要がなくなり、設計を容易にすることができるとともに両方の動作制御が混在してしまうという事態を防ぐことができるという効果がある。
S1311の処理において、第2特定入賞口650aのラウンド終了条件が成立していないと判別した場合は(S1311:No)、S1313の処理へ移行する。S1313の処理では、小当たりシナリオカウンタ203hのカウンタ値がラウンド終了に対応する値(小当たりシナリオa202g1であればカウンタ値が750)であるかを判別する(S1313)。S1313の処理において、小当たりシナリオカウンタ203hのカウンタ値がラウンド終了に対応する値であると判別した場合は(S1313:Yes)、S1313の処理にて第2特定入賞口650aが閉鎖されるよう設定し(第2特定入賞口650aの開閉片650bが閉鎖状態となるよう開閉片ソレノイド650f2をオフに設定し)、S1315の処理へ移行する。
一方、S1313の処理において、小当たりシナリオカウンタ203hのカウンタ値がラウンド終了に対応する値ではないと判別した場合には(S1313:No)、S1315の処理へ移行する。
S1315の処理では、小当たりエンディング制御処理(S1315)を実行する。この小当たりエンディング制御処理は、小当たり遊技におけるエンディング期間、つまり小当たり遊技のラウンドが終了してから特別図柄の変動が開始されるまでの所定期間(例えば5秒)の間に実行される処理である。
次に、図37のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される小当たりエンディング制御処理(S1314)を説明する。図37は、この小当たりエンディング制御処理(S1314)を示すフローチャートである。この小当たりエンディング制御処理(S1314)は、小当たり制御処理(図36参照)の中で実行される処理である。
小当たりエンディング制御処理では、まず、小当たりシナリオカウンタ203hのカウンタ値がエンディング開始に対応する値(小当たりシナリオa202g1であればカウンタ値が751)であるかを判別する(S1401)。S1401の処理において、小当たりシナリオカウンタ203hのカウンタ値がエンディング開始に対応する値であると判別した場合は(S1401:Yes)、小当たりエンディングコマンドを設定し(S1402)、本処理を終了する。
一方、小当たりシナリオカウンタ203hのカウンタ値がエンディング開始に対応する値ではないと判別した場合は(S1401:No)、次いで、小当たりシナリオカウンタ203hのカウンタ値がエンディング終了に対応する値(小当たりシナリオa202g1であれば、カウンタ値が1500)であるかを判別する(S1403)。S1403の処理において、小当たりシナリオカウンタ203hのカウンタ値がエンディング終了に対応する値ではないと判別した場合には(S1403:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、小当たりシナリオカウンタ203hのカウンタ値がエンディング終了に対応する値であると判別した場合は(S1403:Yes)、小当たりシナリオの設定をクリアし、小当たりシナリオカウンタ203hを0にリセットする(S1404)。そしてS1405の処理に移行する。
S1405では、Vフラグ203fがオンに設定されているかを判別する(S1405)。S1405の処理において、Vフラグ203fがオンに設定されていないと判別された場合は(S1405:No)、本処理を終了する。一方、Vフラグ203fがオンに設定されていると判別された場合は(S1405:Yes)、次いで、図30のS705にて設定されたVフラグ203fの値が示す大当たり種別に対応する大当たりシナリオを設定する(S1406)。そして、Vフラグ203fをオフに設定し(S1407)、本処理を終了する。
なお、本実施形態では小当たり遊技をすべて1ラウンドの遊技として設定しているため、大当たり遊技の動作制御を実行する大当たりシナリオと異なり、ラウンド数に関するコマンドを設定する処理、及び、インターバル期間(ラウンド間インターバル期間)に対応したシナリオを有していないが、複数ラウンドを有する小当たり遊技を設ける場合には、上述した大当たり遊技にて用いた大当たりシナリオと同様なシナリオを設定すればよい。
また、本実施形態では小当たり遊技が実行される期間を対象に小当たりシナリオが設定されるよう構成しているが、例えば、小当たり遊技終了後、所定期間(例えば1秒)が経過するまでの間を対象に小当たりシナリオを設定してもよい。このように構成することにより、例えば、小当たり遊技終了後1秒経過するまでをV通過有効期間と設定することが可能となる。よって、異なる遊技状態を跨って設定される期間を1つのシナリオによって設定することが可能となり、制御処理の容量を削減することができるという効果がある。
なお、本実施形態では、小当たり遊技においてV検出スイッチ650e5により遊技球が検出された場合には、その小当たりとなった変動で取得していた第1当たり種別カウンタC2の値に基づいて大当たり種別を決定するように構成したが、それに限らず、V検出スイッチ650e5により遊技球が検出されたことに基づいて第1当たり種別カウンタC2の値を取得して大当たり種別を決定するように構成してもよい。
<第1実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図38から図45を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理とがある。
まず、図38を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。図38は、この立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1501)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、メイン処理の電源断処理(図39のS1618参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S1502)。図39を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断コマンドを受信すると(図39のS1615参照)、S1618の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、S1618の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
電源断処理中フラグがオフであれば(S1502:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS1618の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S1503)。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S1506の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S1503:Yes)、S1504へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S1503:No)、S1508へ移行する。
なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(S1503:Yes)、S1504へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1618の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(S1503:No)、S1508へ移行する。
電源断処理中フラグがオンであれば(S1502:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S1618の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS1504へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
S1504の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックする(S1504)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が0クリアされる。
RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S1505:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S1506)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S1505:No)、RAM223の異常を報知して(S1507)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良いし、表示制御装置114にエラーコマンドを送信して、第3図柄表示装置81にエラーメッセージを表示させるようにしてもよい。
S1508の処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S1508)。電源断フラグはS1618の電源断処理の実行時にオンされる(図39のS1617参照)。つまり、電源断フラグは、S1618の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグがオンされた状態でS1508の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1618の電源断処理の実行を完了した状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S1508:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAMの作業エリアをクリアし(S1509)、RAM223の初期値を設定した後(S1510)、割込み許可を設定して(S2211)、メイン処理へ移行する。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
一方、電源断フラグがオフされた状態でS1508の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始された為にS1504からS1506の処理を経由してS1508の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S1508:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS1509をスキップして、処理をS1510へ移行し、RAM223の初期値を設定した後(S1510)、割込み許可を設定する(S1511)。そして、メイン処理へ移行する。
なお、S1509のクリア処理をスキップするのは、S1504からS1506の処理を経由してS1508の処理へ至った場合には、S1504の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
次に、図39を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図39は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理が実行されると、まず、メイン処理が開始されてから、又は、前回のS1601の処理が実行されてから1ミリ秒以上が経過したか否かが判別され(S1601)、1ミリ秒以上経過していなければ(S1601:No)、S1602〜S1610の処理を行わずにS1611の処理へ移行する。S1601の処理で、1ミリ秒経過したか否かを判別するのは、S1602〜S1610が主に表示(演出)に関する処理であり、短い周期(1ミリ秒以内)で編集する必要がないのに対して、S1612のコマンド判定処理や、S1613の変動表示設定処理、また、S1614の疑似変動設定処理は短い周期で実行する方が好ましいからである。S1612の処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止でき、S2313およびS1614の処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理によって受信されたコマンドに基づき、変動演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。
S1601の処理で1ミリ秒以上経過していれば(S1601:Yes)、まず、S1603〜S1614の処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信する(S1602)。次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS1608の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S1603)、その後電源投入報知処理を実行する(S1604)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS1605の処理へ移行する。
S1605の処理では客待ち演出処理が実行され、その後、保留球数表示更新処理が実行される(S1606)。客待ち演出処理では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間(例えば、60秒)経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などが行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。保留球数表示更新処理では、普通図柄保留球数カウンタ223dの値に応じて保留ランプ(Ds3)を点灯させる処理が行われる。
その後、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S1607)。この枠ボタン入力監視・演出処理では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22が押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。この処理では、枠ボタン22の遊技者による操作が検出されると、表示制御装置114に対して枠ボタン22が操作されたことを通知する枠ボタン操作コマンドを設定する。
枠ボタン入力監視・演出処理が終わると、ランプ編集処理を実行し(S1608)、その後、音編集・出力処理を実行する(S1609)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29〜34の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。
S1609の処理後、液晶演出実行管理処理が実行される(S1610)。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS1608のランプ編集処理が実行される。なお、S1609の音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間で実行される。
S1610の処理を終えると、演出カウンタ223gを更新し(S1611)、S1612の処理へ移行する。
S1612の処理では、主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理を行う(S1612)。このコマンド判定処理の詳細については、図40を参照して後述する。
そして、コマンド判定処理の後、変動表示設定処理が実行される(S1613)。変動表示設定処理では、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドが生成されて設定される。その結果、そのコマンドが表示制御装置114に送信される。尚、この変動表示設定処理の詳細については、図42を参照して後述する。
S1613の処理後、疑似変動設定処理が実行される(S1614)。疑似変動とは、特別図柄の変動中に新たに普通図柄の変動が開始され、特別図柄の変動が停止した際に普通図柄の変動中である場合、特別図柄の変動開始タイミングと普通図柄の変動開始タイミングを一致させるために実行される変動演出のことである。疑似変動設定処理については、図45を参照して詳細な説明は後述するが、特別図柄の変動に対応する融合図柄の変動が停止した以降も疑似変動を融合図柄により実行するか否かの決定が実行される処理が実行される。
S1614の処理が終わると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S1615)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S1615の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S1615:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S1617)、電源断処理を実行する(S1618)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S1619)、その後、処理を、無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、S1615の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1615:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S1616)、RAM223が破壊されていなければ(S1616:No)、S1601の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S1616:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図40を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S1612)について説明する。図40は、このコマンド判定処理(S1612)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S1612)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図39参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したコマンドを判定する。
コマンド判定処理(S1612)では、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域から、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出し、解析して、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信したか否かを判定する(S1701)。変動パターンコマンドを受信した場合には(S1701:Yes)、変動開始フラグ223eをオンにし(S1702)、変動パターンコマンドから変動パターン種別を抽出し(S1703)、メイン処理に戻る。ここで抽出された変動パターン種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示設定処理(図42参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の開始とその変動パターン種別を通知する表示用変動パターンコマンドを設定するために用いられる。
変動パターンコマンドを受信していない場合には(S1701:No)、次いで、主制御装置110より停止種別コマンドを受信したか否かを判定する(S1704)。そして、停止種別コマンドを受信した場合には(S1704:Yes)、RAM223の停止種別選択フラグ223fをオンに設定し(S1705)、受信した停止種別コマンドから停止種別を抽出して(S1706)、メイン処理に戻る。ここで抽出された停止種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示設定処理(図42参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の停止種別を通知する表示用停止種別コマンドを設定するために用いられる。
一方、停止種別コマンドを受信していない場合には(S1704:No)、次いで、主制御装置110より特別図柄に対応する停止コマンドを受信したか否かを判定する(S1707)。そして、停止コマンドを受信した場合には(S1707:Yes)、疑似変動開始設定処理を実行し(S1708)、本処理を終了する。この疑似変動開始設定処理(S1708)については、図41を参照して、詳細を説明するが、特別図柄の停止タイミングに合わせて、疑似変動が設定されている場合には、その疑似変動を融合図柄により実行する処理が実行される。
ここで、図41を参照して、疑似変動開始設定処理(S1708)について説明する。疑似変動開始設定処理(S1708)では、まず、疑似設定フラグ223hがオンに設定されているか判別する(S2101)。疑似設定フラグ223hがオンに設定されていると判別した場合には(S2101:Yes)、疑似変動の設定が疑似変動設定エリア223iに設定されているので、疑似変動の開始を設定する処理として、S2103〜S2107の処理を実行する。S2103の処理では、演出カウンタ223gの値を取得し(S2103)、疑似変動設定エリア223iに設定されている演出種別(継続の演出または外れの演出、変動期間)と取得した演出カウンタ223gの値とに基づいて、疑似変動パターンを疑似変動パターン選択テーブル222d(図18(b)参照)より演出種別に対応して選択する(S2104)。選択した疑似変動パターンを示す表示用疑似開始コマンドを設定する(S2105)。この表示用疑似変動開始コマンドは、表示制御装置114に対して、選択した疑似変動パターンの内容を通知するためのコマンドである。その後、疑似変動フラグ223cをオンに設定し(S2106)、疑似設定フラグ223hをオフに設定する(S2107)。その後、この処理を終了する。なお、疑似変動パターンは継続の場合は、最大30秒が継続するように設定されており、外れの疑似変動パターンは、疑似変動設定エリア223iに設定されている疑似変動期間が経過するとブラックアウトする演出に加工して設定される。
一方、S2101の処理において、疑似設定フラグ223hがオフであると判別した場合には(S2101:No)、表示用停止コマンドを設定して(S2102)、この処理を終了する。ここで設定される表示用停止コマンドは、特別図柄の停止を示すコマンドである。このコマンドに基づいて、融合図柄と特図補助図柄とが同期して停止表示(確定停止表示)される。
このように、本実施形態では、特別図柄の停止タイミング(停止コマンドを受信したタイミング)で疑似変動の実行が設定されている場合には、疑似変動の開始が設定される。よって、スムーズに疑似変動を継続して実行することができ、自然な融合演出の変動を遊技者に提供できる。
ここで、図40に戻って説明を続ける。S1707の処理において、停止コマンドを受信していない場合には(S1707:No)、次に、主制御装置110より普図保留球数コマンドを受信したか否かを判定する(S1709)。S1709の処理において、普図保留球数コマンドを受信した場合には(S1709:Yes)、受信した普図保留球数コマンドに対応する普通図柄保留球数カウンタに、受信した普図保留球数コマンドに含まれている値を格納し、保留球数カウンタ223jを1加算して更新する(S1710)。具体的には、受信した普図保留球数コマンドから、主制御装置110の普通図柄保留球数カウンタ203cの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を抽出し、これを音声ランプ制御装置113の普通図柄保留球数カウンタ223dに格納する。その後、更新された普通図柄保留球数カウンタ223dの値と保留数カウンタ223jの値とをそれぞれ表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドを設定し(S1711)、本処理を終了する。
ここで、本実施形態では、表示制御装置114では、保留数カウンタ223jの値に基づいて、保留図柄の表示が設定される。本実施形態の構成では、既に上述したように、特定の条件が成立すると複数の普通図柄の変動に跨って疑似変動が融合図柄で実行される。その間、1変動であるかのように見せるために、普図の保留図柄の表示は減算(「黒丸図柄」が減る(消化される)演出が実行)されず、実際の普通図柄の保留数と表示されている保留図柄の数とに差異が生じる。しかしながら、後述するように、実際の普通図柄の保留数と、表示されている保留数とに差異が生じると、普通図柄の変動に対応する融合図柄の変動開始時に特殊変動が設定されて、2秒で疑似停止する短変動が実行されて、そのタイミングで保留数カウンタ223jの値が減算され、第3図柄表示装置81で表示されている保留図柄もそれに基づいて更新される。これにより、差異を正常な状態に補正することができ、遊技者に違和感を与える不具合を抑制できる。なお、本実施形態では、実際の普通図柄の変動中に疑似停止させる構成としたが、差異が発生した次の変動に対応する保留が記憶されていない場合には、融合図柄を疑似的に2秒間で1変動させて差異が発生している保留を消化する演出を実行するように構成してもよい。
ここで、普図保留球数コマンドは、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過したとき、又は、普通図柄の抽選が行われたときに主制御装置110から送信されるので、スルーゲート通過が検出される毎に、又は、普通図柄の抽選が行われる毎に、S1710の処理によって音声ランプ制御装置113の普通図柄保留球数カウンタ223dの値を主制御装置110の普通図柄保留球数カウンタ203cの値に合わせることができる。よって、例えば、ノイズなどの影響により、音声ランプ制御装置113の普通図柄保留球数カウンタ223dの値が主制御装置110の普通図柄保留球数カウンタ203cの値とずれても、スルーゲート通過の検出時や普通図柄の抽選時に、音声ランプ制御装置113の普通図柄保留球数カウンタ223dの値を修正し、主制御装置110の普通図柄保留球数カウンタ203cの値に合わせることができる。また、例えば、S1711の処理が実行されると、更新された普通図柄保留球数カウンタ223dの値と保留数カウンタ223jの値とを表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドが設定される。これにより、表示制御装置114では、保留数カウンタ223jの値に応じた保留球数図柄が第3図柄表示装置81に表示される。
S1709の処理において、普図保留球数コマンドを受信していない場合には(S1709:No)、次いで、主制御装置110より普図変動パターンコマンドを受信したか否かを判定する(S1712)。そして、普図変動パターンコマンドを受信した場合には(S1712:Yes)、普図変動開始フラグ223bをオンに設定し(S1713)、受信した普図変動パターンコマンドから普図変動パターンを抽出する(S1714)。その後、本処理を終了する。
S1712の処理において、普図変動パターンコマンドを受信していない場合には(S1712:No)、次いで、主制御装置110より普図入賞情報コマンドを受信したか否かを判定する(S1715)。そして、普図入賞情報コマンドを受信した場合には(S1715:Yes)、受信した普図入賞情報コマンドに基づく入賞情報を普図入賞情報格納エリア223aに格納し(S1716)、本処理を終了する。ここで、入賞情報には第2当たり乱数カウンタC4および普図変動種別カウンタCS2の各値に基づく情報が含まれている。
S1715の処理において、普図入賞情報コマンドを受信していない場合には(S1715:No)普図停止コマンドを受信したか判別する(S1717)。普図停止コマンドを受信したと判別した場合には(S1717:Yes)、表示用普図停止コマンドを設定する(S1718)。この表示用普図停止コマンドは、表示制御装置114に対して、普図の停止タイミングであることを通知するためのコマンドである。一方、普図停止コマンドを受信していないと判別した場合には(S1717:No)、その他のコマンドを受信したか否かを判定し、その受信したコマンドに応じた処理を実行して(S1717)、本処理を終了する。S1719の処理は、例えば、その他のコマンドが音声ランプ制御装置113で用いるコマンドであれば、そのコマンドに対応した処理を行い、処理結果をRAM223に記憶し、表示制御装置114で用いるコマンドであればそのコマンドを表示制御装置114に送信するように、コマンドの設定を行うものである。
次に、図42を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示設定処理(S1613)について説明する。図42は、この変動表示設定処理(S1613)を示したフローチャートである。この変動表示設定処理(S1613)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図39参照)の中で実行され、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した各種変動パターンコマンドに基づいて表示用各種変動パターンコマンドを生成し設定する。また、疑似設定フラグ223hがオンに設定されている場合は、疑似変動開始設定処理(図41のS1708参照)が実行される。
変動表示設定処理(S1613)では、まず、RAM223に設けられた変動開始フラグ223eがオンに設定されているかを判別する(S1801)。そして、変動開始フラグ223eがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S1801:No)、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、S1804の処理へ移行する。一方、変動開始フラグ223eがオンであると判別された場合(S1801:Yes)、変動パターン選択処理を実行する(S1802)。この変動パターン選択処理(S1802)の詳細については、図43を参照して後述する。
S1802の処理を終えると、取得した変動パターン種別に基づいて、表示制御装置114へ通知するための表示用変動パターンコマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(S1803)。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
次に、S1804の処理では、RAM233に設けられた普図変動開始フラグ223bがオンに設定されているかを判別する(S1804)。そして、普図変動開始フラグ223bがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S1804:No)、主制御装置110より普図変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、S1807の処理へ移行する。一方、普図変動開始フラグ223bがオンであると判別された場合(S1804:Yes)、普図変動パターン選択処理を実行する(S1805)。この普図変動パターン選択処理(S1805)の詳細については、図43を参照して後述する。
S1805の処理を終えると、取得した普図変動パターン種別に基づいて、表示制御装置114へ通知するための表示用普図変動パターンコマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(S1806)。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
次に、S1807の処理では、RAM233に設けられた停止種別選択フラグ223fがオンに設定されているかを判別する(S1807)。そして、停止種別選択フラグ223fがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S1807:No)、主制御装置110より停止種別コマンドを受信していない状態であるので、この変動表示設定処理を終了し、S1812の処理を実行する。一方、停止種別選択フラグ223fがオンであると判別された場合(S1807:Yes)、停止種別選択フラグ223fをオフし(S1808)、次いで、コマンド判定処理(図40参照)のS1706の処理において、停止種別コマンドから抽出された変動演出における融合図柄の中図柄列における停止図柄を抽出する(S1809)。
次に、主制御装置110からの停止種別コマンドによって指示された融合図柄の中図柄列における停止図柄に基づいて、第3図柄表示装置81における変動演出の融合図柄の中図柄列における停止図柄を設定し(S1810)、表示用停止種別コマンドを設定する(S1811)。その後、S1812の処理を実行する。表示用停止種別コマンドは、表示制御装置114に対して、融合図柄の中図柄列の停止図柄を通知するためのコマンドである。
S1812の処理では、疑似連普図変動の疑似停止タイミングであるは判別する(S1812)。疑似連普図変動とは、普通図柄保留球数カウンタ223dと保留数カウンタ223jとの値とに差異が発生した場合に、普通図柄に対応する融合図柄の変動が設定される際に、2秒で疑似停止した後に、普通図柄が再び変動開始する特殊な変動パターンである。S1802の処理では、この疑似停止のタイミングであるか判別される。疑似停止のタイミングであると判別した場合には(S1812:Yes)、保留数カウンタ223jの値を1減算して更新し(S1813)、普通図柄保留球数カウンタ223dと保留数カウンタ223jとの値に基づく表示用保留球数コマンドを設定する(S1814)。その後、この処理を終了する。このように構成することで、疑似停止のタイミングで保留数カウンタ223jが1減算され、保留図柄も1つ消化される。よって、実際の保留数と、表示されている保留数の個数を補正することができる。一方、S1812の処理で、疑似連普図変動の疑似停止タイミングでないと判別した場合には(S1812:No)、この処理を終了する。
次に、図43を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動パターン選択処理(S1802)について説明する。図43は、この変動パターン選択処理(S1802)を示したフローチャートである。変動パターン選択処理(S1802)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示設定処理(図42参照)の中で実行される処理である。
変動パターン選択処理が実行されると、まず、変動開始フラグ223eをオフに設定し(S1901)、次いで、コマンド判定処理(図40参照)のS1703の処理において、変動パターンコマンドから抽出した変動演出における変動パターン種別を、RAM223より取得する(S1902)。
そして、RAM223に設けられた疑似変動フラグ223cがオンに設定されているかを判別する(S1903)。疑似変動フラグ223cがオンに設定されていると判別した場合(S1903:Yes)、疑似変動フラグ223cをオフに設定する(S1904)。次に、疑似変動の終了を設定し、疑似変動の終了を示す表示用コマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定(1905)した後、S1906の処理へ移行する。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
一方、S1903の処理において、疑似変動フラグ223cがオンではない(即ち、オフである)と判別した場合は(S1903:No)、S1904およびS1905の処理をスキップし、S1906の処理へ移行する。S1906の処理では、演出カウンタ223gの値を取得する(S1906)。次いで、取得した変動パターンと演出カウンタ223gの値とに基づいて、特別図柄の抽選結果に対応する変動パターン選択テーブル222aまたは小当たり変動パターン選択テーブル222cから変動パターンを決定する(S1907)。
S1907の処理を終えると、当該変動の特別図柄の当否判定結果が外れであるかを判別する(S1908)。当該変動の特別図柄の当否判定結果が外れでない(即ち、当たりである)場合は(S1908:No)、本処理を終了する。一方、当該変動の特別図柄の当否判定結果が外れである場合(S1908:Yes)は、次の普通図柄の2保留内に当たりがあるかを判別する(S1909)。次の普通図柄の2保留内に当たりがない場合は(S1909:No)、本処理を終了する。次の普通図柄の2保留内に当たりがある場合は(S1909:Yes)、疑似設定フラグ223hをオンに設定し(S1910:Yes)、継続疑似変動を最大30秒間で疑似変動設定エリア223iに設定(S1911)した後、本処理を終了する。
次に、図44を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される普図変動パターン選択処理(S1805)について説明する。図44は、この普図変動パターン選択処理(S1805)を示したフローチャートである。この普図変動パターン選択処理(S1805)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示設定処理(図42参照)の中で実行される処理である。
普図変動パターン選択処理が実行されると、まず、普図変動開始フラグ223bをオフし(S2001)、次いで、コマンド判定処理(図40参照)のS1714の処理において、普図変動パターンコマンドから抽出した変動演出における普図変動パターン種別を、RAM223より取得する(S2002)。S2002の処理を終えると、普通図柄保留球数カウンタ223dの値を1減算して更新する(S2003)。その後、特別図柄の変動中であるか否かを判定する(S2004)。特別図柄の変動中でなければ(S2004:No)、次に、疑似変動フラグ223cがオンに設定されているか(即ち、融合図柄が疑似変動の実行中であるか)を判別する(S2006)。疑似変動フラグ223cがオンに設定されていない(即ち、融合図柄が疑似変動されていない)と判別した場合は(S2006:No)、次に、疑似設定フラグ223hがオンに設定されているか(即ち、疑似変動の実行開始が確定されているか)を判別する(S2007)。
疑似設定フラグ223hがオフであると判別した場合は(S2007:No)、保留数カウンタ223jの値を1減算して更新する(S2008)。ここで、普通図柄の新たな変動を開始させる処理である普図変動パターン選択処理(S1805)を実行しているタイミングで、融合図柄が疑似変動されておらず、疑似変動の開始も決定されていない場合には、普通図柄の変動開始タイミングで融合図柄もそれに対応して変動表示することとなるので、保留数カウンタ223jの値を減算して、第3図柄表示装置81で表示されている普通図柄の個数も消化して(一つ消去して)更新する。
保留数カウンタ223jの値と普通図柄保留球数カウンタ223dの値とが等しい値であるか判別する(S2009)。保留球数カウンタ223dの値と普通図柄保留球数カウンタ223dの値とが異なる値であると判別した場合には(S2009:No)、抽出した普図変動パターンの種別に対応する疑似連普図変動パターンを設定する(S2011)。その後、S2012の処理を実行する。この疑似連普図変動パターンは、図17(a)〜(b)に示した各変動パターンに対応して設けられており、変動開始から2秒後に仮停止して、その後、変動が再開され、対応する普通図柄の変動パターンと同様の融合図柄の変動演出が実行される。なお、本実施形態では、時短遊技中は、2秒で仮停止したのち、1秒間再変動してまた停止する表示が実行される。
一方、S2009の処理において、保留球数カウンタ223dの値と普通図柄保留球数カウンタ223dの値とが同じ値であると判別した場合には(S2009:Yes)、演出カウンタ223gの値を取得し、普図変動パターン種別と演出カウンタ223gの値とに基づいて普図変動パターン選択テーブル222bから普図変動パターンの種別(融合図柄の変動演出)を選択する(S2010)。その後、本処理を終了する。
一方、S2004の処理において、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中である場合(S2004:Yes)、および、S2006の処理において、疑似変動フラグ223cがオンに設定されていると判別した場合(S2006:Yes)、および、S2007の処理において、疑似設定フラグ223hがオンに設定されていると判別した場合は(S2007:Yes)、取得した普図変動パターン種別に基づいた変動期間で、第3図柄表示装置81の普通図柄表示領域Ds1に表示される普図補助図柄の変動表示を設定し(S2005)、その後、本処理を終了する。このように、融合図柄で疑似変動が実行されている場合には、新たな普通図柄の変動開始に対応して、融合図柄の変動は開始されず、普図補助図柄のみで変動を開始させることで、融合図柄の疑似変動が複雑になってしまう不具合を抑制できる。
次に、図45を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される疑似変動設定処理(S1614)について説明する。図45は、この疑似変動設定処理(S1614)を示したフローチャートである。この疑似変動設定処理(S1614)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図39参照)の中で実行される処理である。
疑似変動設定処理が実行されると、まず、RAM223に設けられた疑似変動フラグ223cがオンに設定されているかを判別する(S2201)。疑似変動フラグ223cがオンに設定されていると判別した場合は(S2201:Yes)、第3図柄表示装置81において実行している疑似変動の変動時間が経過したか否かを判別する(S2202)。第3図柄表示装置81において実行される疑似変動の変動時間は、図43のS1911または図45のS2209またはS2212で設定されており、この変動時間が経過していなければ(S2202:No)、本処理を終了し、メイン処理に戻る。
一方、S2202の処理において、実行している疑似変動の変動時間が経過していれば(S2202:Yes)、疑似変動フラグ223cをオフに設定し(S2203)、疑似変動の停止を停止種別コマンドで設定されている停止図柄(疑似変動で中図柄で表示されている図柄)で停止を設定する(S2204)。次いで、疑似変動の停止を示す表示用コマンドを設定し(S2205)、本処理を終了する。
一方、S2201の処理で疑似変動フラグ223cがオンに設定されていない(即ち、オフに設定されている)と判別した場合は(S2201:No)、外れの特別図柄の変動が停止する5秒前であるかを判別する(S2206)。外れの特別図柄の変動が停止する5秒前でないと判別した場合は(S2206:No)、本処理を終了する。
外れの特別図柄の変動が停止する5秒前であると判別した場合は(S2206:Yes)、RAM223に設けられた疑似設定フラグ223hがオンに設定されているかを判別する(S2207)。疑似設定フラグ223hがオンに設定されていると判別した場合は(S2207:Yes)、本処理を終了する。
一方、疑似設定フラグ223hがオンに設定されていない(即ち、オフに設定されている)と判別した場合は(S2207:No)、次の普通図柄の2保留内に当たりがあるかを判別する(S2208)。次の普通図柄の2保留内に当たりがあると判別された場合は(S2208:Yes)、継続疑似変動を最大30秒間で設定する(S2209)。次いで、疑似設定フラグ223hをオンに設定し(S2210)、本処理を終了する。
一方、次の普通図柄の2保留内に当たりがないと判別された場合は(S2208:No)、特別図柄の変動が停止するタイミングよりも、後に停止する普通図柄の変動が実行される期間であるかを判別する(S2211)。ここで、特別図柄の変動が停止するタイミングよりも、後に停止する普通図柄の変動が実行される期間とは、現在変動している普通図柄の変動が変動を実行している特別図柄の変動よりも後に停止する場合と、特別図柄の変動中に今後新たに変動開始する普通図柄の変動が現在変動中の特別図柄の変動停止後も変動され続けることとなることが判別できる期間である。
S2211の処理で、特別図柄の変動が停止するタイミングよりも、後に停止する普通図柄の変動が実行される期間でないと判別された場合は(S2211:No)、本処理を終了する。一方、特別図柄の変動が停止するタイミングよりも、後に停止する普通図柄の変動が実行される期間であると判別した場合は(S2211:Yes)、実行中の普通図柄の変動と外れ疑似変動の停止タイミングが一致するように、外れ疑似変動を、実行中の特別図柄の変動が終了してから普通図柄の変動が終了するまでの差分秒間t1(図10(a)参照)で設定する(S2212)。次いで、疑似設定フラグ223hをオンに設定し(S2213)、本処理を終了する。
このように、本実施形態では、普通図柄と特別図柄との変動を1の変動として融合図柄で合わせて表示することで、複雑な遊技性を簡単に遊技者に報知して、容易に遊技を行わせることができる。さらに、スルーゲート67を通過した遊技球は、クルーン部材660により普通図柄の当たりとなる期間に対応されるように第1入球口650aの上流で流下速度が低下されるので、発射装置により遊技球が発射されていない期間であっても、第1入球口65aへ入賞する機会が増加するように構成されている。
さらに、特別図柄の外れ変動が実行される場合には、普通図柄の2保留内の判定結果を判別して、当たりとなる保留球が記憶されていれば、その変動が終了するよりも長い期間で外れとなる判定結果が報知されず、疑似変動が実行されるので、次の普通図柄の当たりにより特別図柄の変動を1変動の融合図柄の変動で繋げて演出することができる。
<第1実施形態における表示制御装置の制御処理について>
次に、図46〜図62を参照して、表示制御装置114のMPU231により実行される各制御について説明する。かかるMPU231の処理としては大別して、電源投入後から繰り返し実行されるメイン処理と、音声ランプ制御装置113よりコマンドを受信した場合に実行されるコマンド割込処理と、画像コントローラ237より1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に送信されるV割込信号をMPU231が検出した場合に実行されるV割込処理とがある。MPU231は、通常、メイン処理を実行し、コマンドの受信やV割込信号の検出に合わせて、コマンド割込処理やV割込処理を実行する。尚、コマンドの受信とV割込信号の検出とが同時に行われた場合は、コマンド受信処理を優先的に実行する。これにより、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容を素早く反映して、V割込処理を実行させることができる。
まず、図46を参照して、表示制御装置114内のMPU231により実行されるメイン処理について説明する。図46は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理は、電源投入時の初期化処理を実行するものである。
このメイン処理の起動は、具体的には、以下の流れに従って行われる。電源回路115から表示制御装置114に対して電源が投入され、システムリセットが解除されると、MPU231は、そのハードウェア構成によって、MPU231内に設けられた命令ポインタ231aを「0000H」に設定すると共に、命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」をバスライン240に対して指定する。キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。そして、MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチし、そのフェッチした命令に応じた処理の実行を開始することで、メイン処理を起動する。
ここで、仮にシステムリセット解除後にMPU231によって最初に処理されるブートプログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに記憶させた場合、キャラクタROM234は、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、アドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならない。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要するので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費することとなる。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
これに対し、本実施形態のように、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令がNOR型ROM234dに格納されることにより、NOR型ROMは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるため、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができるので、MPU231においてメイン処理の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
以上のようにしてメイン処理が実行されると、まず、ブートプログラムによって実行されるブート処理を実行し(S2301)、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動する。
ここで、図47を参照して、ブート処理(S2301)について説明する。図47は、表示制御装置114のMPU231において、メイン処理の中で実行されるブート処理(S2301)を示すフローチャートである。
上述したように、本実施形態では、MPU231によって実行される制御プログラムや固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。そしてキャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されているため、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる一方、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方、NAND型フラッシュメモリは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅いため、MPU231がNAND型フラッシュメモリ234aに格納された制御プログラムや固定値データを直接読み出して処理していては、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。そこで、本ブート処理では、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データを、DRAMによって構成されるワークRAM233に設けられたプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送し格納する処理を実行する。
具体的には、まず、上述のMPU231及びキャラクタROM234のハードウェアによる動作に基づき、システムリセット解除後にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1より読み出されバッファRAM234cにセットされたブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち、所定量だけプログラム格納エリア233aへ転送する(S2401)。ここで転送される所定量の制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれる。
そして、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第1の所定番地、即ち、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを設定する(S2402)。これにより、MPU231は、S2401の処理によってプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムの実行を開始する。
また、S2402の処理により命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの所定番地に設定することで、MPU231は、そのワークRAM233のプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出しながら、各種処理を実行することになる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
S2402の処理により命令ポインタ231aが設定されると、続いて、その設定された命令ポインタ231aによって実行が開始される残りのブートプログラムに従って、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうちプログラム格納エリア233aに未転送である残りの制御プログラムと固定値データとを、所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bへ転送する(S2403)。具体的には、制御プログラムおよび一部の固定データを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに格納し、また、固定値データのうち上述の各種データテーブル(表示データテーブル、転送データテーブル)をデータテーブル格納エリア233bに転送する。
そして、ブート処理に必要なその他の処理を実行(S2404)した後、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第2の所定番地、即ち、このブート処理(図46のS2301参照)の終了後に実行すべき初期化処理(図46のS2302参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定することで(S2405)、ブートプログラムの実行を終え、本ブート処理を終了する。
このように、ブート処理(S2301)が実行されることによって、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データは、全てDRAMによって構成されたワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送され、格納される。そして、ブート処理の終了時に、命令ポインタ231aが上述の第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムや固定値データをワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムや固定値データを読み出して各種制御を行うことができるので、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができるので、補助演出部を用いて多様化または複雑化させた演出を容易に実行することができる。
一方、NOR型ROM234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
尚、図47に示すブート処理では、S2401の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムに、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されている残りのブートプログラムが全て含まれるように構成されているが、必ずしもこれに限られるものではなく、S2401の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムは、S2402の処理に続いて処理すべきブート処理を実行するブートプログラムの一部としてもよい。ここで転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムを全て含む制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、更に、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、プログラム格納エリア233aに格納された残り全てのブートプログラムによって、S2403〜S2405の処理を実行するようにしてもよい。
また、S2401の処理によって転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムの一部を更に所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。また、この処理によってプログラム格納エリア233aに格納された一部のブートプログラムは、更に残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を、S2401及びS2402の処理を含めて複数回繰り返した後、S2403〜S2405の処理を実行するようにしてもよい。
これにより、ブートプログラムのプログラムサイズが大きく、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが一度にプログラム格納エリア233aへ転送できなくても、MPU231はプログラム格納エリア233aに既に格納されたブートプログラムを使用して、所定量ずつプログラム格納エリア233aに転送することができる。
また、本実施形態では、第1プログラム記憶エリア234d1に、ブートプログラムのうち、システムリセット解除時にまずMPU231によって実行されるブートプログラムの一部を記憶させる場合について説明したが、全てのブートプログラムを第1プログラム記憶エリア234d1に記憶させてもよい。この場合、MPU231は、ブート処理を開始すると、S2401及びS2402の処理を行わずに、S2403〜S2405の処理を実行してもよい。これにより、ブートプログラムをプログラム格納エリア233aへ転送する処理が不要となるので、キャラクタROM234かプログラム格納エリア233aへのプログラムの転送処理回数が減るため、ブート処理の処理時間を減らすことができる。よって、ブート処理後に可能となるMPU231における補助演出部の制御の開始をより早く行うことができる。
ここで、図46の説明に戻る。ブート処理を終了すると、次いで、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに従って、初期設定処理を実行する(S2302)。具体的には、スタックポインタの値をMPU231内に設定すると共に、MPU231内のレジスタ群や、I/O装置等に対する各種の設定などを行う。また、ワークRAM233、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236の記憶をクリアする処理などが行われる。更に、ワークRAM233に各種フラグを設け、それぞれのフラグに初期値を設定する。尚、各フラグの初期値として、特に明示した場合を除き、「オフ」又は「0」が設定される。
更に、初期設定処理では、画像コントローラ237の初期設定を行った後、第3図柄表示装置81に特定の色の画像が画面全体に表示されるように、画像コントローラ237に対して、画像の描画および表示処理の実行を指示する。これにより、電源投入直後において、第3図柄表示装置81には、まず、特定の色の画像が画面全体に表示される。ここで、電源投入直後に第3図柄表示装置81の画面全体に表示される画像の色が、パチンコ機の機種に応じて異なる色となるように設定されている。これにより、製造時の工場等における動作チェックにおいて、電源投入直後に、その機種に応じた色の画像が第3図柄表示装置81に表示されるか否かを検査することで、パチンコ機10が正常に起動開始できるか否かを簡易かつ即座に判断することができる。
次いで、電源投入時主画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237に対して転送指示を送信する(S2303)。この転送指示には、電源投入時主画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスおよび最終アドレスと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時主画像エリア235aの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラ237は、この転送指示に従って、電源投入時主画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aに転送される。
そして、転送指示により示された画像データの転送が全て完了すると、画像コントローラ237は、MPU231に対して転送終了を示す転送終了信号を送信する。MPU231はこの転送終了信号を受信することにより、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握することができる。なお、画像コントローラ237は、転送指示により示された画像データの転送を全て完了した場合、画像コントローラ237の内部に設けられたレジスタまたは内蔵メモリの一部領域に、転送終了を示す転送終了情報を書き込むようにしてもよい。そして、MPU231は随時このレジスタまたは内蔵メモリの一部領域の情報を読み出し、画像コントローラ237による転送終了情報の書き込みを検出することによって、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握するようにしてもよい。
電源投入時主画像エリア235aに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。S2303の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時主画像に対応する画像データの電源投入時主画像エリア235aへの転送が終了すると、次いで、電源投入時変動画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bへ転送するように、画像コントローラ237に対して転送指示を送信する(S2304)。この転送指示には、電源投入時変動画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと、その画像データのデータサイズと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時変動画像エリア235bの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラ237は、この転送指示に従って、電源投入時変動画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bに転送される。そして、電源投入時変動画像エリア235bに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。
S2304の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時変動画像に対応する画像データの電源投入時変動画像エリア235bへの転送が終了すると、次いで、簡易画像表示フラグ233cをオンする(S2305)。これにより、簡易画像表示フラグ233cがオンの間は、後述する転送設定処理(図60(a)参照)において、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように画像コントローラ237へ転送を指示する常駐画像転送設定処理が実行される(図60(b)のS4502参照)。
また、簡易画像表示フラグ233cは、この常駐画像転送設定処理による画像コントローラ237への転送指示に基づき、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データのキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235への転送が終了するまでの間、オンに維持される。これにより、その間は、V割込処理(図48(b)参照)において、電源投入時画像(電源投入時主画像や電源投入時変動画像)が描画されるように、簡易コマンド判定処理(図48(b)のS2608参照)および簡易表示設定処理(図48(b)のS2609参照)が実行される。
上述したように、本パチンコ機10では、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いているため、その読み出し速度が遅いことに起因して、常駐用ビデオRAM235に格納すべき全ての画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでに多くの時間を要する。そこで、本メイン処理のように、電源が投入された後、まず先に電源投入時主画像および電源投入時変動画像をキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送し、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示することで、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置114に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。一方、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの初期化処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、初期化が完了するまで待機することができる。
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
また、パチンコ機10の表示制御装置114では、電源投入後に電源投入時主画像とあわせて電源投入時変動画像もキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始したことにより、第1入球口64aへ入球(始動入賞)があり、変動演出の開始指示が主制御装置110より音声ランプ制御装置113を介してあった場合、即ち、表示用変動パターンコマンドを受信した場合は、電源投入時変動画像をその変動演出期間中に即座に表示させ、簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
また、上述したように、残りの常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている間は、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示され続けるが、キャラクタROM234は読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されているので、その転送に時間がかかるので、電源投入後、電源投入時主画像が表示され続ける時間も長くなる。しかしながら、本パチンコ機10では、電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送された電源投入時変動画像を用いて簡易的な変動演出を行うことができるので、電源が投入された直後、例えば、停電復帰直後などにおいて、電源投入時主画像が表示されている間であっても、遊技者に安心して遊技を行わせることができる。
S2305の処理の後、割込許可を設定し(S2306)、以後、メイン処理は電源が切断されるまで、無限ループ処理を実行する。これにより、S2306の処理によって割込許可が設定されて以降、コマンドの受信およびV割込信号の検出に従って、コマンド割込処理およびV割込処理を実行する。
次いで、図48(a)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるコマンド割込処理について説明する。図48(a)は、そのコマンド割込処理を示すフローチャートである。上述したように、音声ランプ制御装置113からコマンドを受信すると、MPU231によってコマンド割込処理が実行される。
このコマンド割込処理では、受信したコマンドデータを抽出し、ワークRAM233に設けられたコマンドバッファ領域に、その抽出したコマンドデータを順次格納して(S2501)、終了する。このコマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された各種コマンドは、後述するV割込処理のコマンド判定処理または簡易コマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに応じた処理が行われる。
次いで、図48(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理について説明する。図48(b)は、そのV割込処理を示すフローチャートである。このV割込処理では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納されたコマンドに対応する各種処理を実行すると共に、第3図柄表示装置81に表示させる画像を特定した上で、その画像の描画リスト(図23参照)を作成し、その描画リストを画像コントローラ237に送信することで、画像コントローラ237に対し、その画像の描画処理および表示処理の実行を指示するものである。
上述したように、このV割込処理は、画像コントローラ237からのV割込信号が検出されることによって実行が開始される。このV割込信号は、画像コントローラ237において、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に生成され、MPU231に対して送信される信号である。よって、このV割込信号に同期させてV割込処理を実行することにより、画像コントローラ237に対して描画指示が、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に行われることになる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
ここでは、まず、V割込処理のフローの概略について説明し、次いで、各処理の詳細について他の図面を参照して説明する。このV割込処理では、図48(b)に示すように、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンであるか否かを判別し(S2601)、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば(S2601:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していることを意味するので、電源投入時画像ではなく、通常の演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、コマンド判定処理(S2602)を実行し、次いで、表示設定処理(S2603)を実行する。
コマンド判定処理(S2602)では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された音声ランプ制御装置113からのコマンドの内容を解析し、そのコマンドに応じた処理を実行すると共に、表示用デモコマンドや表示用変動パターンコマンドが格納されていた場合は、デモ用表示データテーブル又は変動パターン種別に応じた変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定すると共に、設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに設定する。
このコマンド判定処理(S2602)では、その時点でコマンドバッファ領域に格納されている全てのコマンドを解析して、処理を実行する。これは、コマンド判定処理が、V割込処理の実行される20ミリ秒間隔で行われるため、その20ミリ秒の間に複数のコマンドがコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高いためである。特に、主制御装置110において、変動演出の開始が決定された場合、表示用変動パターンコマンドや表示用停止種別コマンドなどが同時にコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高い。従って、これらのコマンドを一度に解析して実行することによって、主制御装置110や音声ランプ制御装置113によって選定された変動演出の態様や停止種別を素早く把握し、その態様に応じた演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるように、画像の描画を制御することができる。尚、このコマンド判定処理の詳細については、図49〜図57を参照して後述する。
表示設定処理(S2603)では、コマンド判定処理(S2602)などによって表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルの内容に基づき、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を具体的に特定する。また、処理の状況などに応じて、第3図柄表示装置81に表示すべき演出態様を決定し、その決定した演出態様に対応する表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。尚、この表示設定処理の詳細については、図58および図59を参照して後述する。
表示設定処理が実行された後、次いで、タスク処理を実行する(S2604)。このタスク処理では、表示設定処理(S2603)もしくは簡易表示設定処理(S2609)によって特定された、第3図柄表示装置81に表示すべき次の1フレーム分の画像の内容に基づき、その画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次に、転送設定処理を実行する(S2605)。この転送設定処理では、簡易画像表示フラグ233cがオンである間は、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の所定エリアへ転送させる転送指示を設定する。また、簡易画像表示フラグ233cがオフである間は、転送データテーブルバッファ233eに設定される転送データテーブルの転送データ情報に基づき、画像コントローラ237に対して、所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定すると共に、音声ランプ制御装置113から連続予告コマンドや背面画像変更コマンドを受信した場合にも、画像コントローラ237に対して、連続予告演出で使用する連続予告画像の画像データや変更後の背面画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定する。尚、転送設定処理の詳細については、図60および図61を参照して後述する。
次いで、描画処理を実行する(S2606)。この描画処理では、タスク処理(S2604)で決定された、1フレームを構成する各種スプライトの種別やそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータと、転送設定処理(S2605)により設定された転送指示とから、図23に示す描画リストを生成し、描画対象バッファ情報と共に、その描画リストを画像コントローラ237に対して送信する。これにより、画像コントローラ237では、描画リストに従って、画像の描画処理を実行する。尚、描画処理の詳細については、図62を参照して後述する。
次いで、表示制御装置114に設けられた各種カウンタの更新処理を実行する(S2607)。そして、V割込処理を終了する。S2607の処理によって更新されるカウンタとしては、例えば、停止図柄を決定するための停止図柄カウンタ(図示せず)がある。この停止図柄カウンタの値は、ワークRAM233に格納され、V割込処理が実行される度に、更新処理が行われる。そして、コマンド判定処理において、表示用停止種別コマンドの受信が検出されると、表示用停止種別コマンドにより示される停止種別に対応する停止種別テーブルと停止図柄カウンタとが比較され、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄が最終的に設定される。
一方、S2601の処理において、簡易画像表示フラグ233cがオンであると判別されると(S2601:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していないことを意味するので、電源投入時画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、簡易コマンド判定処理(S2608)を実行し、次いで、簡易表示設定処理(S2609)を実行して、S2604の処理へ移行する。
次いで、図49〜図57を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述のコマンド判定処理(S2602)の詳細について説明する。まず、図49は、このコマンド判定処理を示すフローチャートである。
このコマンド判定処理では、図49に示すように、まず、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し(S2701)、未処理の新規コマンドがなければ(S2701:No)、コマンド判定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、未処理の新規コマンドがあれば(S2701:Yes)、オン状態で新規コマンドを処理したことを表示設定処理(S2603)に通知する新規コマンドフラグをオンに設定し(S2702)、次いで、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドすべてについて、そのコマンドの種別を解析する(S2703)。
そして、未処理のコマンドの中に、まず、表示用変動パターンコマンドがあるか否かを判別し(S2704)、表示用変動パターンコマンドがあれば(S2704:Yes)、変動パターンコマンド処理を実行して(S2705)、S2701の処理へ戻る。
ここで、図50(a)を参照して、変動パターンコマンド処理(S2705)の詳細について説明する。図50(a)は、変動パターンコマンド処理を示すフローチャートである。この変動パターンコマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用変動パターンコマンドに対応する処理を実行するものである。
変動パターンコマンド処理では、まず、表示用変動パターンコマンドによって示される変動演出パターンに対応した変動表示データテーブルを決定し、その決定した変動表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S2801)。
ここで、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用変動パターンコマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用変動パターンコマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用変動パターンコマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S2801の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用変動パターンコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。
仮に、変動時間の長い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定してしまうと、実際には、設定した表示データテーブルよりも短い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合に、設定された変動表示データテーブルに従った変動演出を第3図柄表示装置81に表示させている最中に主制御装置110から次の表示用変動パターンコマンドを受信することとなり、別の変動表示が急に開始されてしまうので、遊技者に対して違和感を持たせるおそれがあった。
これに対し、本実施形態のように、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定することで、実際には、設定した表示データテーブルよりも長い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合であっても、後述するように、表示データテーブルバッファ233dに従った変動演出が終了したのち、主制御装置110から次の表示用パターンコマンドを受信するまでの間、デモ演出が表示されるように、表示設定処理によって、第3図柄表示装置81の表示が制御されるので、遊技者は違和感なく第3図柄表示装置81における第3図柄の変動を見続けることができる。
次いで、S2801で設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを決定してデータテーブル格納エリア233bから読み出し、それを転送データテーブルバッファ233eに設定する(S2802)。
次いで、S2801の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルに対応する変動パターンの変動時間を基に、その変動時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S2803)、ポインタ233fを0に初期化して(S2804)、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S2805))、本処理を終了する。
変動パターンコマンド処理(図50(a)参照)が実行されることにより、表示設定処理では、S2804の処理によって初期化されたポインタ233fを更新しながら、S2801の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された描画内容を抽出し、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定すると同時に、S2802の処理によって転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された転送データ情報を抽出し、設定された変動表示データテーブルにおいて必要なスプライトの画像データが、予めキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送されるように、画像コントローラ237を制御する。
また、表示設定処理では、S2803の処理によって時間データが設定された計時カウンタ233hを用いて、変動表示データテーブルで規定された変動演出の時間を計時し、変動表示データテーブルにおける変動演出が終了すると判断された場合、主制御装置110からの表示用停止種別コマンドに応じた停止図柄を第3図柄表示装置81に表示するように、その停止表示の設定を制御する。
ここで、図49の説明に戻る。S2704の処理において、表示用変動パターンコマンドがないと判別されると(S2704:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用停止種別コマンドがあるか否かを判別し(S2706)、表示用変動種別コマンドがあれば(S2706:Yes)、停止種別コマンド処理を実行して(S2707)、S2701の処理へ戻る。
ここで、図50(b)を参照して、停止種別コマンド処理(S2707)の詳細について説明する。図50(b)は、停止種別コマンド処理を示すフローチャートである。この停止種別コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用変動種別コマンドに対応する処理を実行するものである。
停止種別コマンド処理では、まず、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報(に対応する停止種別テーブルを決定し(S2901)、その停止種別テーブルと、V割込処理(図48(b)参照)が実行されるたびに更新される停止図柄カウンタの値とを比較して、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄を最終的に設定する(S2902)。
そして、各停止図柄毎に設けられた停止図柄判別フラグのうち、S2902の処理によって設定された停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオンすると共に、その他の停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオンに設定して(S2903)、この停止種別コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
ここで、上述したように、変動表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過後において、第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定する種別情報として、S2902の処理によって設定された停止図柄からのオフセット情報(図柄オフセット情報)が記載されている。上述のタスク処理(S2604)では、変動が開始されてから所定時間が経過した後、S2903によって設定された停止図柄判別フラグからS2902の処理によって設定された停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。そして、この特定された第3図柄に対応する画像データが格納されたアドレスを特定する。尚、第3図柄に対応する画像データは、上述したように、常駐用ビデオRAM235の第3図柄エリア235dに格納されている。
尚、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用停止種別コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用停止種別コマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用停止種別コマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S2901の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用停止種別コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、停止種別が完全外れであると仮定して、停止種別テーブルを決定する。これにより、完全外れに対応する停止図柄がS2902の処理によって設定される。
仮に、「特別図柄の大当たり」に対応する停止図柄が設定されてしまうと、実際には、「特別図柄の外れ」であった場合であっても、第3図柄表示装置81には「特別図柄の大当たり」に対応する停止図柄が表示されることとなり、遊技者にパチンコ機10が「特別図柄の大当たり」となったと勘違いさせてしまい、パチンコ機10の信頼性を低下させるおそれがあった。これに対し、本実施形態のように、完全外れに対応する停止図柄が設定されることで、実際には、「特別図柄の大当たり」であれば、第3図柄表示装置81に完全外れの停止図柄が表示されても、パチンコ機10が「特別図柄の大当たり」になるので、遊技者を喜ばせることができる。
図49に戻り、説明を続ける。S2706の処理において、表示用停止種別コマンドがないと判別されると(S2706:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、当たり関連コマンドがあるか否かを判別し(S2708)、当たり関連コマンドがあれば(S2708:Yes)、当たり関連コマンド処理を実行して(S2709)、S2701の処理へ戻る。
ここで、図51を参照して、当たり関連コマンド処理(S2709)の詳細について説明する。図51は、当たり関連コマンド処理を示すフローチャートである。この当たり関連コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した当たり関連コマンド(表示用大当たりオープニングコマンド、表示用ラウンド数コマンド、表示用最終ラウンドコマンド、表示用大当たりインターバルコマンド、表示用大当たりエンディングコマンド、表示用小当たりオープニングコマンド、表示用小当たりエンディングコマンド、表示用V通過コマンド)に対応する処理を実行するための処理である。
当たり関連コマンド処理(S2709)では、まず、未処理の新規コマンドの中に、表示用大当たりオープニングコマンドがあるか否かを判別し(S3001)、表示用大当たりオープニングコマンドがあれば(S3001:Yes)、大当たりオープニングコマンド処理を実行して(S3002)、S3003の処理へ移行する。
ここで、図52(a)を参照して、大当たりオープニングコマンド処理(S3002)の詳細について説明する。図52(a)は、大当たりオープニングコマンド処理(S3002)を示すフローチャートである。この大当たりオープニングコマンド処理(S3002)は、音声ランプ制御装置113より受信した大当たりオープニングコマンドに対応する処理を実行するためのものである。
大当たりオープニングコマンド処理では、まず、大当たりオープニング表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する(S3101)。その後、大当たりオープニング表示データテーブルに対応する転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに設定し(S3102)、設定した大当たりオープニング表示データテーブルを基に、時間データを計時カウンタ233hに設定する(S3103)。その後、ポインタ233fを0に初期化する(S3104)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S3105)、大当たりオープニングコマンド処理を終了し、当たり関連コマンド処理に戻る。
図51に戻り、説明を続ける。S3001の処理において未処理の新規コマンドの中に、表示用大当たりオープニングコマンドがないと判別された場合は(S3001:No)、S3002の処理をスキップしてS3003の処理へ移行する。S3003の処理では、未処理のコマンドの中に、表示用ラウンド数コマンドがあるか否かを判別し(S3003)、表示用ラウンド数コマンドがあれば(S3003:Yes)、ラウンド数コマンド処理を実行して(S3004)、S3005の処理へ移行する。
ここで、図52(b)を参照して、ラウンド数コマンド処理(S3004)の詳細について説明する。図52(b)は、ラウンド数コマンド処理(S3004)を示すフローチャートである。このラウンド数コマンド処理(S3004)は、音声ランプ制御装置113より受信したラウンド数コマンドに対応する処理を実行するためのものである。
ラウンド数コマンド処理では、まず、受信したコマンドに対応したラウンド数表示データテーブルを決定して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S3201)。その後、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S3202)。そして、設定したラウンド数表示データテーブルを基に、時間データを計時カウンタ233hに設定する(S3203)。その後、ポインタ233fを0に初期化する(S3204)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S3205)、ラウンド数コマンド処理を終了し、当たり関連コマンド処理に戻る。
図51に戻り、説明を続ける。S3003の処理において未処理の新規コマンドの中に、表示用ラウンド数コマンドがないと判別された場合は(S3003:No)、S3004の処理をスキップしてS3005の処理へ移行する。S3005の処理では、未処理のコマンドの中に、表示用最終ラウンドコマンドがあるか否かを判別し(S3005)、表示用最終ラウンドコマンドがあれば(S3005:Yes)、最終ラウンドコマンド処理を実行して(S3006)、S3007の処理へ移行する。
ここで、図53(a)を参照して、最終ラウンドコマンド処理(S3006)の詳細について説明する。図53(a)は、最終ラウンドコマンド処理(S3006)を示すフローチャートである。この最終ラウンドコマンド処理(S3006)は、音声ランプ制御装置113より受信した最終ラウンドコマンドに対応する処理を実行するためのものである。
最終ラウンドコマンド処理では、まず、受信したコマンドに対応した最終ラウンド表示データテーブルを決定して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S3301)。その後、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S3302)。そして、設定した最終ラウンド表示データテーブルを基に、時間データを計時カウンタ233hに設定する(S3303)。その後、ポインタ233fを0に初期化する(S3304)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S3305)、最終ラウンドコマンド処理を終了し、当たり関連コマンド処理に戻る。
図51に戻り、説明を続ける。S3005の処理において未処理の新規コマンドの中に、表示用最終ラウンドコマンドがないと判別された場合は(S3005:No)、S3006の処理をスキップしてS3007の処理へ移行する。S3007の処理では、未処理のコマンドの中に、表示用大当たりインターバルコマンドがあるか否かを判別し(S3007)、表示用大当たりインターバルコマンドがあれば(S3007:Yes)、大当たりインターバルコマンド処理を実行して(S3008)、S3009の処理へ移行する。
ここで、図53(b)を参照して、大当たりインターバルコマンド処理(S3008)の詳細について説明する。図53(b)は、大当たりインターバルコマンド処理(S3008)を示すフローチャートである。この大当たりインターバルコマンド処理(S3008)は、音声ランプ制御装置113より受信した大当たりインターバルコマンドに対応する処理を実行するためのものである。
大当たりインターバルコマンド処理では、まず、受信したコマンドに対応した大当たりインターバル表示データテーブルを決定して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S3401)。その後、大当たりインターバル表示データテーブルに対応する転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに設定し(S3402)、設定した大当たりインターバル表示データテーブルを基に、時間データを計時カウンタ233hに設定する(S3403)。その後、ポインタ233fを0に初期化する(S3404)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S3405)、大当たりインターバルコマンド処理を終了し、当たり関連コマンド処理に戻る。
図51に戻り、説明を続ける。S3007の処理において未処理の新規コマンドの中に、表示用大当たりインターバルコマンドがないと判別された場合は(S3007:No)、S3008の処理をスキップしてS3009の処理へ移行する。S3009の処理では、未処理のコマンドの中に、表示用大当たりエンディングコマンドがあるか否かを判別し(S3009)、表示用大当たりエンディングコマンドがあれば(S3009:Yes)、大当たりエンディングコマンド処理を実行して(S3010)、S3011の処理へ移行する。
ここで、図54(a)を参照して、大当たりエンディングコマンド処理(S3010)の詳細について説明する。図54(a)は、大当たりエンディングコマンド処理(S3010)を示すフローチャートである。この大当たりエンディングコマンド処理(S3010)は、音声ランプ制御装置113より受信した大当たりエンディングコマンドに対応する処理を実行するためのものである。
大当たりエンディングコマンド処理では、まず、受信したコマンドに対応した大当たりエンディング表示データテーブルを決定して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S3501)。その後、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S3502)。そして、設定した大当たりエンディング表示データテーブルを基に、時間データを計時カウンタ233hに設定する(S3503)。その後、ポインタ233fを0に初期化する(S3504)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S3505)、大当たりエンディングコマンド処理を終了し、当たり関連コマンド処理に戻る。
図51に戻り、説明を続ける。S3009の処理において未処理の新規コマンドの中に、表示用大当たりエンディングコマンドがないと判別された場合は(S3009:No)、S3010の処理をスキップしてS3011の処理へ移行する。S3011の処理では、未処理のコマンドの中に、表示用小当たりオープニングコマンドがあるか否かを判別し(S3011)、表示用小当たりオープニングコマンドがあれば(S3011:Yes)、小当たりオープニングコマンド処理を実行して(S3012)、S3013の処理へ移行する。
ここで、図54(b)を参照して、小当たりオープニングコマンド処理(S3012)の詳細について説明する。図54(b)は、小当たりオープニングコマンド処理(S3012)を示すフローチャートである。この小当たりオープニングコマンド処理(S3012)は、音声ランプ制御装置113より受信した小当たりオープニングコマンドに対応する処理を実行するためのものである。
小当たりオープニングコマンド処理では、まず、受信したコマンドに対応した小当たりオープニング表示データテーブルを決定して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S3601)。その後、小当たりオープニング表示データテーブルに対応する転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに設定し(S3602)、設定した小当たりオープニング表示データテーブルを基に、時間データを計時カウンタ233hに設定する(S3603)。その後、ポインタ233fを0に初期化する(S3604)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S3605)、小当たりオープニングコマンド処理を終了し、当たり関連コマンド処理に戻る。
図51に戻り、説明を続ける。S3011の処理において未処理の新規コマンドの中に、表示用小当たりオープニングコマンドがないと判別された場合は(S3011:No)、S3012の処理をスキップしてS3013の処理へ移行する。S3013の処理では、未処理のコマンドの中に、表示用小当たりエンディングコマンドがあるか否かを判別し(S3013)、表示用小当たりエンディングコマンドがあれば(S3013:Yes)、小当たりエンディングコマンド処理を実行して(S3014)、S3015の処理へ移行する。
ここで、図55(a)を参照して、小当たりエンディングコマンド処理(S3014)の詳細について説明する。図55(a)は、小当たりエンディングコマンド処理(S3014)を示すフローチャートである。この小当たりエンディングコマンド処理(S3014)は、音声ランプ制御装置113より受信した小当たりエンディングコマンドに対応する処理を実行するためのものである。
小当たりエンディングコマンド処理では、まず、受信したコマンドに対応した小当たりエンディング表示データテーブルを決定して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S3701)。その後、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S3702)。そして、設定した小当たりエンディング表示データテーブルを基に、時間データを計時カウンタ233hに設定する(S3703)。その後、ポインタ233fを0に初期化する(S3704)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S3705)、小当たりエンディングコマンド処理を終了し、当たり関連コマンド処理に戻る。
図51に戻り、説明を続ける。S3013の処理において未処理の新規コマンドの中に、表示用小当たりエンディングコマンドがないと判別された場合は(S3013:No)、S3014の処理をスキップしてS3015の処理へ移行する。S3015の処理では、未処理のコマンドの中に、表示用V通過コマンドがあるか否かを判別し(S3015)、表示用V通過コマンドがあれば(S3015:Yes)、V通過コマンド処理を実行して(S3016)、本処理を終了する。
ここで、図55(b)を参照して、V通過コマンド処理(S3016)の詳細について説明する。S3015は、V通過コマンド処理(S3016)を示すフローチャートである。このV通過コマンド処理(S3016)は、音声ランプ制御装置113より受信したV通過コマンドに対応する処理を実行するためのものである。
V通過コマンド処理では、まず、受信したコマンドに対応したV通過表示データテーブルを決定して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S3801)。その後、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S3802)。そして、設定したV通過表示データテーブルを基に、時間データを計時カウンタ233hに設定する(S3803)。その後、ポインタ233fを0に初期化する(S3804)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S3805)、V通過コマンド処理を終了し、当たり関連コマンド処理に戻る。
図51に戻り、説明を続ける。S3015の処理において未処理の新規コマンドの中に、表示用V通過コマンドがないと判別された場合は(S3015:No)、本処理を終了し、コマンド判定処理へ戻る。
図49に戻り、説明を続ける。S2708の処理において、当たり関連コマンドがないと判別されると(S2708:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用疑似開始コマンドがあるか否かを判別し(S2710)、表示用疑似開始コマンドがあれば(S2710:Yes)、疑似変動表示処理を実行して(S2711)、S2701の処理へ戻る。
ここで、図56を参照して、疑似変動表示処理(S2711)の詳細について説明する。図56は、疑似変動表示処理を示すフローチャートである。この疑似変動表示処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用疑似開始コマンドに対応する処理を実行するための処理である。
疑似変動表示処理では、まず、受信したコマンドに対応した停止種別に基づく疑似変動パターンの疑似表示データテーブルを決定して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S3901)。その後、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S3902)。そして、設定した疑似表示データテーブルを基に、時間データを計時カウンタ233hに設定する(S3903)。その後、ポインタ233fを0に初期化する(S3904)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S3905)、ラウンド数コマンド処理を終了し、当たり関連コマンド処理に戻る。
図49に戻り、説明を続ける。S2710の処理において、表示用疑似開始コマンドがないと判別されると(S2710:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、背面画像変更コマンドがあるか否かを判別し(S2712)、背面画像変更コマンドがあれば(S2712:Yes)、背面画像変更コマンド処理を実行して(S2713)、S2701の処理へ戻る。
ここで、図57(a)を参照して、背面画像変更コマンド処理(S2713)の詳細について説明する。図57(a)は、背面画像変更コマンド処理を示すフローチャートである。この背面画像変更コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した背面画像変更コマンドに対応する処理を実行するものである。
背面画像変更コマンド処理(S2713)では、まず、オン状態で背面画像変更コマンドを受信したことに伴う背面画像の変更を通常画像転送設定処理(S4503)に通知する背面画像変更フラグをオンに設定する(S4001)。そして、背面画像種別(背面A、背面B)毎に設けられた背面画像判別フラグのうち、背面画像変更コマンドによって示された背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンすると共に、その他の背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオフに設定して(S4002)、この背面画像変更コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
通常画像転送設定処理では、S4001の処理により設定される背面画像変更フラグがオンされていることを検出すると、S4002の処理によって設定される背面画像判別フラグから、変更後の背面画像種別を特定する。そして、その特定された背面画像種別が背面Bである場合は、上述したように、それらの背面画像に対応する画像データの一部が常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されていないので、所定の範囲の背面画像に対応する画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送するよう、画像コントローラ237に対する転送指示の設定を行う。
また、タスク処理(S2604)では、表示データテーブルに規定された背面画像の背面種別によって、背面A、背面Bのいずれかを表示させることが規定されていた場合、S4002によって設定された背面画像判別フラグから、その時点において表示すべき背面画像種別を特定し、更に、表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定して、その背面画像の範囲に対応する画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)と、そのRAMのアドレスを特定する。
尚、遊技者が枠ボタン22を20ミリ秒以下で連続して操作することはないので、20ミリ秒以内に2以上の背面画像変更コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の背面画像変更コマンドが格納されている場合はないはずであるが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って背面画像変更コマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S4002の処理では、2以上の背面画像コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、先に受信した背面画像コマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよいし、後に受信した背面画像コマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよい。また、任意の1の背面画像変更コマンドを抽出し、そのコマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよい。この背面画像の変更は、パチンコ機10における遊技価値の直接影響を与えるものではないので、パチンコ機10の特性や操作性に応じて、適宜設定するのが好ましい。
ここで、図49の説明に戻る。S2712の処理において、背面画像変更コマンドがないと判別されると(S2712:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、エラーコマンドがあるか否かを判別し(S2714)、エラーコマンドがあれば(S2714:Yes)、エラーコマンド処理を実行して(S2715)、S2701の処理へ戻る。
ここで、図57(b)を参照して、エラーコマンド処理(S2715)の詳細について説明する。図57(b)は、エラーコマンド処理を示すフローチャートである。このエラーコマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信したエラーコマンドに対応する処理を実行するものである。
エラーコマンド処理では、まず、オン状態でエラーが発生していることを示すエラー発生フラグをオンに設定する(S4101)。そして、エラー種別毎に設けられたエラー判別フラグのうち、エラーコマンドによって示されるエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンすると共に、その他のエラー判別フラグをオフに設定して(S4102)、エラーコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
表示設定処理では、S4101の処理によって設定されたエラー発生フラグに基づいて、エラーの発生を検出すると、S4102の処理によって設定されたエラー判別フラグから発生したエラー種別を判断し、そのエラー種別に対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させるように処理を実行する。
尚、2以上のエラーコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、S4102に処理では、それぞれのエラーコマンドによって示される全てのエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンに設定する。これにより、全てのエラー種別に対応する警告画像が第3図柄表示装置81に表示されるので、遊技者やホール関係者が、エラーの発生状況を正しく把握することができる。
ここで、図49の説明に戻る。S2714の処理において、エラーコマンドがないと判別されると(S2714:No)、次いで、その他の未処理のコマンドに対応する処理を実行し(S2716)、S2701の処理へ戻る。
各コマンドの処理が実行された後に再び実行されるS2701の処理では、再度、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し、未処理の新規コマンドがあれば(S2701:Yes)、再びS2702〜S2716の処理を実行する。そして、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがなくなるまで、S2701〜S2716の処理が繰り返し実行され、S2701の処理で、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがないと判別されると(S2701:No)、このコマンド判定処理を終了する。
尚、V割込処理(図48(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易コマンド判定処理(S2608)も、コマンド判定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易コマンド判定処理では、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドから、電源投入時画像を表示するのに必要なコマンド、即ち、表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドだけを抽出して、それぞれのコマンドに対応する処理である、変動パターンコマンド処理(図50(a)参照)および停止種別コマンド処理(図50(b)参照)を実行すると共に、その他のコマンドについては、そのコマンドに対応する処理を実行せずに破棄する処理を行う。
ここで、この場合に実行される、変動パターンコマンド処理(図50(a)参照)では、S2801の処理で、電源投入時変動画像の表示に対応した表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに設定され、また、その場合に必要となる電源投入時主画像および電源投入時変動画像の画像データは常駐用ビデオRAM235の電源投入時主動画像エリア235aおよび電源投入時変動動画像エリア235bに格納されているので、S2802の処理では、転送データテーブルバッファ233eにはNullデータを書き込み、その内容をクリアする処理が行われる。
次いで、図58および図59を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の表示設定処理(S2603)の詳細について説明する。図58は、この表示設定処理を示すフローチャートである。
この表示設定処理では、図58に示すように、新規コマンドフラグがオンであるか否かを判別し(S4201)、新規コマンドフラグがオンではない、即ち、オフであれば(S4201:No)、先に実行されるコマンド判定処理おいて新規コマンドが処理されていないと判断して、S4202〜S4204の処理をスキップし、S4205の処理へ移行する。一方、新規フラグがオンであれば(S4201:Yes)、先に実行されるコマンド判定処理おいて新規コマンドが処理されたと判断し、新規コマンドフラグをオフに設定した後(S4202)、S4203〜S4204の処理によって、新規コマンドに対応する処理を実行する。
S4203の処理では、エラー発生フラグがオンであるか否かを判別する(S4203)。そして、エラー発生フラグがオンであれば(S4203:Yes)、警告画像設定処理を実行する(S4204)。
ここで、図59(a)を参照して、警告画像設定処理の詳細について説明する。図59(a)は、警告画像設定処理を示すフローチャートである。この処理は、発生したエラーに対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる画像データを展開するための処理で、まず、エラー判別フラグを参照し、オンが設定された全てのエラー判別フラグに対応したエラーの警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる警告画像データを展開する(S4301)。
タスク処理(S2604)では、この展開された警告画像データを元に、その警告画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
そして、警告画像設定処理では、S4301の処理の後、エラー発生フラグをオフに設定して(S4302)、表示設定処理に戻る。
ここで、図58の説明に戻る。警告画像設定処理(S4204)の後、又は、S4203の処理において、エラー発生フラグがオンではない、即ち、オフであると判別されると(S4203:No)、次いで、S4205の処理へ移行する。
S4205では、ポインタ更新処理を実行する(S4205)。ここで、図59(b)を参照して、ポインタ更新処理の詳細について説明する。図59(b)は、ポインタ更新処理を示すフローチャートである。このポインタ更新処理は、表示データテーブルバッファ233dおよび転送データテーブルバッファ233eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するポインタ233fの更新を行う処理である。
このポインタ更新処理では、まず、ポインタ233fに1を加算する(S4401)。即ち、ポインタ233fは、原則、V割込処理が実行される度に1だけ加算されるように更新処理が行われる。また、上述したように、各種データテーブルは、アドレス「0000H」には、Start情報が記載されており、それぞれのデータの実体はアドレス「0001H」以降に規定されているところ、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに格納されるのに合わせてポインタ233fの値が0に初期化された場合は、このポインタ更新処理によってその値が1に更新されるので、アドレス「0001H」から順に、それぞれのデータテーブルから実体的なデータを読み出すことができる。
S4401の処理によって、ポインタ233fの値を更新した後、次いで、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その更新後のポインタ233fで示されるアドレスのデータがEnd情報であるか否かを判別する(S4402)。その結果、End情報であれば(S4402:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その実体データが記載されたアドレスを過ぎてポインタ233fが更新されたことを意味する。
そこで、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ用表示データテーブルであるか否かを判別して(S4403)、デモ用表示データテーブルであれば(S4403:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されているデモ用表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S4404)、ポインタ233fを1に設定して初期化し(S4405)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、デモ用表示データテーブルの先頭から順に描画内容を展開することができるので、第3図柄表示装置81には、デモ演出を繰り返し表示させることができる。
一方、S4403の処理において、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ用表示データテーブルでないと判別された場合は(S4403:No)、ポインタ233fの値を1だけ減算して(S4406)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、表示データテーブルバッファ233dにデモ用表示データテーブル以外の表示データテーブル、例えば、変動表示データテーブルが設定されている場合は、End情報が記載された1つ前のアドレスの描画内容が常に展開されるので、第3図柄表示装置81には、その表示データテーブルで規定される最後の画像を停止させた状態で表示させることができる。一方、S3202の処理において、更新後のポインタ233fで示されるアドレスのデータがEnd情報でなければ(S4402:No)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。
ここで、図58に戻り説明を続ける。ポインタ更新処理の後、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルから、ポインタ更新処理によって更新されたポインタ233fで示されるアドレスの描画内容を展開する(S4206)。タスク処理では、先に展開された警告画像などと共に、S4206の処理で展開された描画内容を元に、画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次いで、計時カウンタ233hの値を1だけ減算し(S4207)、減算後の計時カウンタ233hの値が0以下であるか否かを判別する(S4208)。そして、計時カウンタ233hの値が1以上である場合は(S4208:No)、そのまま表示設定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、計時カウンタ233hの値が0以下である場合は(S4208:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルに対応する演出の演出時間が経過したことを意味する。このとき、表示データテーブルバッファ233dに変動表示データテーブルが設定されている場合は、その変動表示を終了すると共に停止表示を行うタイミングであるので、確定表示フラグがオンであるか否かを確認する(S4209)。
その結果、確定表示フラグがオフであれば(S4209:Yes)、まだ確定表示の演出を行っておらず、確定表示の演出を行うタイミングなので、まず、確定表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定し(S4210)、次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S4211)。そして、確定表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S4212)、更に、ポインタ233fの値を0に初期化する(S4213)。そして、オン状態で確定表示演出中であることを示す確定表示フラグをオンに設定した後(S4214)、停止図柄判別フラグの内容をそのままワークRAM233に設けられた前回停止図柄判別フラグにコピーして(S4215)、V割込処理に戻る。
これにより、表示データテーブルバッファ233dに変動表示データテーブルが設定されている場合などにおいて、その演出の終了に合わせて、変動演出における停止図柄の確定表示演出が第3図柄表示装置81に表示されるように、その描画内容を設定することができる。また、表示データテーブルバッファ233dに設定される表示データテーブルを確定表示データテーブルに変更するだけで、容易に、第3図柄表示装置81に表示させる演出を確定表示演出に変更することができる。そして、従来のように、別のプログラムを起動させることによって表示内容を変更する場合と比較して、プログラムが複雑かつ肥大化することなく、よって、MPU231に多大な負荷がかかることがないので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種多様な演出画像を第3図柄表示81に表示させることができる。
尚、S4215の処理によって設定された前回停止図柄判別フラグは、次に行われる変動演出において第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定するために用いられる。即ち、上述したように、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過するまでは、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からの図柄オフセット情報が記載されている。タスク処理(S2604)では、変動が開始されてから所定時間が経過するまで、S4215によって設定された前回停止図柄判別フラグから、1つ前に行われた変動演出の停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、S4209の処理において、確定表示フラグがオンであれば(S4209:No)、デモ表示フラグがオンであるか否かを判別する(S4216)。そして、デモ表示フラグがオフであれば(S4216:Yes)、確定表示演出の終了に伴って計時カウンタ233hの値が0以下になったことを意味するので、デモ用表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定し(S4217)、次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S4218)。そして、デモ表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定する(S4219)。そして、ポインタ233fを0に初期化し(S4220)、オン状態でデモ演出中であることを示すデモ表示フラグをオンに設定して(S4221)、本処理を終了し、V割込処理に戻る。
これにより、確定表示演出が終了した後に、次の変動演出開始を示す表示用変動パターンコマンド、または、オープニングコマンドを受信しなかった場合には、自動的に、第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されるように、描画内容を設定することができる。
S4216の処理において、デモ表示フラグがオンであれば(S4216:No)、確定表示演出が終了した後にデモ演出が行われ、そのデモ演出が終了したことを意味するので、そのまま表示設定処理を終了し、V割込処理に戻る。そして、この場合、次回のV割込処理の中で実行されるポインタ更新処理によって、上述したように、再びデモ演出が開始されるように、各種設定が行われるので、音声ランプ制御装置113より新たな表示用変動パターンコマンドを受信するまでは、デモ演出を繰り返し第3図柄表示装置81に表示させることができる。
尚、V割込処理(図48(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易表示設定処理(S2609)でも、表示設定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易表示設定処理では、電源投入時変動画像による変動演出の演出時間が終了した後、所定時間、表示用停止種別コマンドに基づいて設定された停止図柄に応じた電源投入時変動画像の画像を停止表示させることを規定した表示データテーブルを、表示データテーブルバッファ233dに設定する処理が行われる。
次いで、図60及び図61を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の転送設定処理(S2605)の詳細について説明する。まず、図60(a)は、この転送設定処理を示すフローチャートである。
この転送設定処理では、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンか否かを判別する(S4501)。そして、簡易画像表示フラグ233cがオンであれば、(S4501:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されていないので、常駐画像転送設定処理を実行して(S4502)、転送設定処理を終了し、V割込処理へ戻る。これにより、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送させるための転送指示が設定される。なお、常駐画像転送設定処理の詳細については、図60(b)を参照して後述する。
一方、S4501の処理の結果、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば、(S4501:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている。この場合は、通常画像転送設定処理を実行し(S4503)、転送設定処理を終了して、V割込処理へ戻る。これにより、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常用ビデオRAM236に対して行われるように転送指示が設定される。なお、通常画像転送設定処理の詳細については、図61を参照して後述する。
次いで、図60(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S2605)の一処理である常駐画像転送設定処理(S4502)について説明する。図60(b)は、この常駐画像転送設定処理(S4502)を示すフローチャートである。
この常駐画像転送設定処理(S4502)では、まず、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示をしているか否かを判別し(S4601)、転送指示を送信していれば(S4601:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送処理が終了したか否かを判別する(S4602)。このS4602の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を行った後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S4602の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合(S4602:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この常駐画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合(S4602:Yes)、S4603の処理へ移行する。また、S4601の処理の結果、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示を送信していない場合も(S4601:No)、S4603の処理へ移行する。
S4603の処理では、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データを転送したか否かを判別し(S4603)、未転送の常駐対象画像データがあれば(S4603:No)、その未転送の常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように、画像コントローラ237に対する転送指示を設定し(S4604)、常駐画像転送設定処理を終了する。
これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、未転送の常駐対象画像データに関する転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送することができる。尚、転送データ情報には、常駐対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、常駐用ビデオRAM235)、及び転送先(ここで転送される常駐対象画像データを格納すべき常駐用ビデオRAM235に設けられたエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して一旦バッファRAM237aに格納した後、常駐用ビデオRAM235の未使用期間中に、常駐用ビデオRAM235の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
S4603の処理の結果、全ての常駐対象画像データが転送されていれば(S4603:Yes)、簡易画像表示フラグ233cをオフに設定して(S4605)、常駐画像転送設定処理を終了する。これにより、V割込処理(図48(b)参照)において、簡易コマンド判定処理(図48(b)のS2608参照)および簡易表示設定処理(図48(b)のS2609参照)ではなく、コマンド判定処理(図49〜図57参照)および表示設定処理(図58および図59参照)が実行されるので、通常時の画像の描画が設定されることになり、第3図柄表示装置81には通常時の画像が表示される。また、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常画像転送設定処理(図61参照)により、通常用ビデオRAM236に対して行われる(図60(a)のS4501:No参照)。
MPU231は、この常駐画像転送設定処理を実行することにより、既にメイン処理の中で転送されている電源投入時主画像および電源投入時変動画像を除く、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送することができる。そして、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に転送された画像データを、電源投入中、上書きすることなく保持され続けるよう制御する。これにより、常駐画像転送設定処理によって常駐用ビデオRAM235に転送された画像データは、電源投入中、常駐用ビデオRAM235に常駐されることになる。
よって、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に転送された後、表示制御装置114は、この常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。これにより、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、背面画像や、第3図柄、キャラクタ図柄、エラーメッセージといった、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114などによって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、遊技者によって任意のタイミングで行われる種々の操作から、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
次いで、図61を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S2605)の一処理である通常画像転送設定処理(S4503)について説明する。図89は、この通常画像転送設定処理(S4503)を示すフローチャートである。
この通常画像転送設定処理では、まず、転送データテーブルバッファ233eに設定されている転送データテーブルから、先に実行された表示設定処理(S2603)のポインタ更新処理(S4205)によって更新されたポインタ233fで示されるアドレスに記載された情報を取得する(S4701)。そして、取得した情報が転送データ情報であるか否かを判別し(S4702)、転送データ情報であれば(S4702:Yes)、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出して、ワークRAM233に設けられた転送データバッファに格納し(S4703)、更に、ワークRAM233に設けられ、オン状態で転送開始すべき画像データが存在することを示す転送開始フラグをオンに設定して(S4704)、S4705の処理へ移行する。
また、S6502の処理において、取得した情報が転送データ情報ではなく、Nullデータであれば(S4702:No)、S4703及びS4704の処理をスキップして、S4705の処理へ移行する。S4705の処理では、画像コントローラ237に対して、前回行われた画像データの転送が終了した後に、新たに画像データの転送指示を設定したか否かを判別し(S4705)、転送指示を設定していれば(S4705:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送が終了したか否かを判別する(S4706)。
このS4706の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定した後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S4706の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合(S4706:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この通常画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合(S4706:Yes)、S4707の処理へ移行する。また、S4705の処理の結果、前回の転送処理の終了後に、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定していない場合も(S4705:No)、S4707の処理へ移行する。
S4707の処理では、転送開始フラグがオンか否かを判別し(S4707)、転送開始フラグがオンであれば(S4707:Yes)、転送開始すべき画像データが存在しているので、転送開始フラグをオフにし(S4708)、S4703の処理によって転送データバッファに格納した各種情報によって示されるスプライトの画像データを転送対象画像データに設定した上で、S4713の処理へ移行する。一方、転送開始フラグがオンではなく、オフであれば(S4707:No)、次いで、背面画像変更フラグはオンか否かを判別する(S4709)。
そして、背面画像変更フラグがオンであれば(S4709:Yes)、背面画像の変更を意味するので、背面画像変更フラグをオフに設定した後(S4710)、背面画像種別毎に設けられた背面画像判別フラグのうち、オン状態にある背面画像判別フラグに対応する背面画像の画像データを特定し、その画像データを転送対象画像データに設定する(S4711)。更に、オン状態にある背面画像判別フラグに対応する背面画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを取得し(S4712)、S4713の処理へ移行する。
S4709の処理において、背面画像変更フラグがオンではなく、オフであれば(S4709:No)、転送開始すべき画像データが存在していないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。
尚、オン状態にある背面画像判別フラグが背面Aのものである場合、対応する画像データは全て常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されているので、通常用ビデオRAM236に転送すべき画像データが存在しない。よって、S4709の処理では、オン状態にある背面画像判別フラグが背面Aのものであれば、そのまま通常画像転送処理を終了する。
S4713の処理では、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に既に格納されているか否かを判別する(S4713)。このS4713の処理における判別では、格納画像データ判別フラグ233iを参照することによって行われる。即ち、転送対象画像データとされたスプライトに対応する格納状態を格納画像データ判別フラグ233iより読み出して、その格納状態が「オン」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていると判断し、格納状態が「オフ」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていないと判断する。
そして、S4713の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていれば(S4713:No)、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して、その画像データを転送する必要がないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。これにより、無駄に画像データがキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
一方、S4713の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていなければ(S4713:Yes)、その転送対象画像データの転送指示を設定する(S4714)。これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、転送対象画像データの転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、転送対象画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。尚、転送データ情報には、転送対象画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、通常用ビデオRAM236)、及び転送先(ここで転送される転送対象画像の画像データを格納すべき通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して、指定されたビデオRAM(ここでは、通常用ビデオRAM236)の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
S4714の処理の後、格納画像データ判別フラグ233iを更新し(S4715)、この通常用転送設定処理を終了する。格納画像データ判別フラグ233iの更新は、上述したように、転送対象画像データとなったスプライトに対応する格納状態を「オン」に設定し、また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定することによって行われる。
このように、この通常用画像転送処理を実行することによって、先に実行されたコマンド判定処理の中で、表示用停止種別コマンドに対応する処理が実行され、その結果、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報が大当たりの停止種別であると判別された場合は、オープニング演出において使用する画像データを遅滞なくキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送させることができる。また、先に実行されたコマンド判定処理の中で背面画像変更コマンドの受信に基づいて背面画像の変更が行われた場合は、その背面画像で用いられる画像データのうち、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納されていない画像データを、遅滞なく、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送させることができる。
また、本実施形態では、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに設定されるのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定される。そして、MPU231は、通常画像転送設定処理を実行することにより、転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルのポインタ233fで示されるエリアに記載されている転送データ情報に従って、画像コントローラ237に対し転送対象画像データの転送指示を設定するので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
次いで、図62を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の描画処理(S2606)の詳細について説明する。図62は、この描画処理を示すフローチャートである。
描画処理では、タスク処理(S2604)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別ならびにそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータ(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報)、及び、転送設定処理(S2605)により設定された転送指示から、図23に示す描画リストを生成する(S4801)。即ち、S6601の処理では、タスク処理(S2604)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別から、各スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを特定し、その特定された格納RAM種別とアドレスとに対して、タスク処理で決定されたそのスプライトに必要なパラメータを対応付ける。そして、各スプライトを、1フレーム分の画像の中で最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えた上で、その並び替え後のスプライト順に、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)として、スプライトの画像データが格納されている格納RAM種別ならびにアドレスおよびそのスプライトの描画に必要なパラメータを記述することで、描画リストを生成する。また、転送設定処理(S2605)により転送指示が設定された場合は、その描画リストの末尾に、転送データ情報として、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを追記する。
尚、上述したように、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
描画リストを生成すると、その生成した描画リストと、描画対象バッファフラグ233jによって特定される描画対象バッファ情報とを画像コントローラ237へ送信する(S4802)。ここでは、描画対象バッファフラグ233jが0である場合は、描画対象バッファ情報として第1フレームバッファ236bに描画された画像を展開するよう指示する情報を含め、描画対象バッファフラグ233jが1である場合は、描画対象バッファ情報として第2フレームバッファ236cに描画された画像を展開するよう指示する情報を含める。
画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに基づいて、その描画リストの先頭に記述されたスプライトから順に画像を描画し、それを描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファに上書きによって展開する。これにより、描画リストによって生成された1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができる。
また、描画リストに転送データ情報が含まれている場合は、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出し、その格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスまでに格納された画像データを順にキャラクタROM234から読み出してバッファRAM237aに一時的に格納した後、通常用ビデオRAM236が未使用状態にあるときを見計らって、バッファRAM237aに格納した画像データを通常用ビデオRAM236の転送先先頭アドレスによって示されるエリアに順次転送する。そして、この通常用ビデオRAM236に格納された画像データは、その後にMPU231より送信される描画リストに基づいて使用され、描画リストに従った画像の描画が行われる。
尚、画像コントローラ237は、描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファとは異なるフレームバッファから、先に展開された画像の画像情報を読み出して、駆動信号と共にその画像情報を第3図柄表示装置81に送信する。これにより、第3図柄表示装置81に対して、フレームバッファに展開した画像を表示させることができる。また、一方のフレームバッファに描画した画像を展開しながら、一方のフレームバッファから展開した画像を第3図柄表示81に表示させることができ、描画処理と表示処理とを同時並列的に処理することができる。
描画処理は、S4802の処理の後、描画対象バッファフラグ233jを更新する(S4803)。そして、描画処理を終了して、V割込処理に戻る。描画対象バッファフラグ233jの更新は、その値を反転させることにより、即ち、値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。
ここで、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図48(b)参照)の描画処理が実行される度に、行われることになる。これにより、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。よって、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。よって、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
以上、説明をしたように本実施形態は、特別図柄の抽選の結果が特定の抽選結果(小当たり)となった場合に、球が入賞可能となる可変入球手段(第2可変入賞装置650)を有し、その可変入球手段内に、球が通過することにより遊技者に特典を付与する特定領域(V検出スイッチ650e5)と、その特定領域へ球が通過可能な誘導状態と通過困難な規制状態とに所定間隔で可変可能な誘導手段(Vゲート650d)とが設けられている。そして、特定の抽選結果に連続して当選した場合に、その連続して当選した特定の抽選結果のうち、少なくとも何れかにおいて、球が特定領域を通過しやすい遊技状態となるように構成している。
これにより、遊技者に対して、連続して特定の抽選結果に当選した場合に、単独で特定の抽選結果に当選した場合よりも有利な遊技状態を提供することが可能となり、連続して特定の抽選結果に当選したことによる遊技意欲の低下を抑制することができるという効果がある。
なお、上述した本実施形態では特定の抽選結果である小当たり(小当たりA)に連続して当選した場合に、つまり、特定の抽選結果に連続して当選した場合に、球が特定領域を通過しやすい小当たり遊技(有利特典遊技)が実行されやすくなる構成を示したが、特定の抽選結果に複数回当選することで有利特典遊技が実行されやすくなる構成であれば、本実施形態で用いた構成以外の構成を用いても良い。
例えば、特定の抽選結果に所定の順序で複数回当選した場合に、有利特典遊技が実行されやすくなる構成を用いても良い。なお、所定の順序としては、本実施形態にて用いた特定の抽選結果に複数回連続して当選する場合や、特定の抽選結果と外れとを交互に繰り返す場合など、予め定められている順序で特定の抽選結果に複数回当選するものが含まれる。特に、特別図柄の抽選結果が外れの場合を含む順序を、所定の順序として予め設定することで、特別図柄の抽選結果が外れであったとしても、遊技者に有利な有利特典遊技が実行されやすくなる可能性があるため、遊技者に対して常に期待を持たせることができるという効果がある。
さらに、連続して小当たりに当選した場合において、小当たり遊技の遊技時間と、連続する小当たりのうち、2回目の小当たりに対応する特別図柄の変動時間との合計時間がVゲート650dの動作周期の整数倍にならないように構成している。
これにより、連続して小当たりが発生する場合において、その連続した小当たりが、所定の動作周期で動作しているVゲート650dに対して同一のタイミングで球を流下させることが無くなる。即ち、連続して小当たり遊技を発生させることで所定の動作周期で動作しているVゲート650dに対して異なるタイミングで球を流下させることを可能とすることができる。よって、遊技者に対して、連続して小当たり遊技に当選した場合に、単独で小当たり遊技に当選した場合よりも有利な遊技状態を提供することが可能となり、連続して小当たりに当選したことによる遊技意欲の低下を抑制することができるという効果がある。
また、本実施形態では、小当たり遊技の遊技時間と、連続する小当たりのうち、2回目の特図変動表示の変動時間との合計時間をVゲート650dの動作周期の整数倍に該当する時間に対し、Vゲート650dが誘導状態となる時間分(1.5秒分)以上相違するように構成している。
これにより、連続する小当たり遊技のうち、1回目の小当たり遊技にてVゲート650dに球を流下させるタイミングが、Vゲート650dが規制状態である場合に、2回目の小当たり遊技にてVゲート650dに球を流下させるタイミングが、Vゲート650dが誘導状態となる確率を高めることができ、遊技者に対して、連続して小当たり遊技に当選した場合に、単独で小当たり遊技に当選した場合よりも有利な遊技状態を提供することが可能となり、連続して小当たりに当選したことによる遊技意欲の低下を抑制することができるという効果がある。
なお、相違させる時間としては、Vゲート650dの動作周期の整数倍に対して、Vゲート650dが誘導状態となる時間分(1.5秒分)以上相違させることが望ましいが、それ未満でもよい。このような構成として、例えば、Vゲート650dの動作周期(5秒)に対して、Vゲート650dが誘導状態となる時間(1.5秒)よりも短い時間(例えば1秒)相違させる場合は、所定回数(例えば5回)連続して小当たりに当選することで、Vゲート650dの動作周期1周分(5秒)相違させるよう構成するとよい。
このように構成することにより、例えば小当たり遊技が5回連続した場合は、連続して実行される小当たり遊技のうち、少なくとも1回はV通過可能な小当たり遊技が実行されるため、遊技者に対して、連続して小当たりに当選した場合に、単独で小当たりに当選した場合よりも有利な遊技状態を提供することができるという効果がある。
また、本実施形態では、Vゲート650dが誘導状態となる期間(1.5秒)の整数倍とならない期間をVゲート650dの動作周期として設定している。このようにすることで、例えば、連続する小当たり遊技において、前回の小当たり遊技に対して、Vゲート650dに球を流下させるタイミングをVゲート650dが誘導状態となる時間分(1.5秒分)相違させる小当たり遊技が複数回(例えば5回)連続した場合に(合計でVゲート650dの動作周期の1周期分以上相違させる場合に)、Vゲート650dの異なる動作周期に対しても小当たり遊技にてVゲート650dに球を流下させるタイミングを異ならせることができる。よって、遊技者に対してより有利な遊技状態を提供することができるという効果がある。
また、本実施形態では、連続当選した小当たりに対応する特別図柄の変動が実行されるタイミングにおいて、所定条件(保留球が7個)を満たしている場合に、連続当選した小当たりが遊技者に対して有利な遊技状態を提供するように構成している。これにより、遊技者に対して、常に所定条件を満たそうと意欲的に遊技を行わせることができ、遊技の稼働を向上させることができるという効果がある。
なお、所定条件として、本実施形態では保留球が7個であることを示したが、それ以外の条件を設定してもよく、所定条件を満たす保留球の数を変更してもよい。また、保留球数以外の要件を所定条件としてもよく、例えば、特別図柄の抽選結果が所定の抽選結果となり、遊技状態が通常とは異なる遊技状態となっていることを所定条件として定めてもよいし、大当たり遊技といった特定遊技状態が終了してから所定期間(例えば、特別図柄の変動が50回実行されるまでの期間)の間であることを所定条件として定めてもよい。
このように構成したとしても、遊技者は所定条件を満たすよう意欲的に遊技を行うことになり、遊技の稼働を向上させることができるという効果がある。
さらに、本実施形態では、小当たりに連続して当選した場合において、特定領域に球を通過させることが可能(容易)な小当たりを判定し、その判定結果に基づいて、連続した小当たり期間およびその小当たりに対応した特別図柄の変動表示期間を用いて一連の演出(連続)を実行可能に構成している。このように構成することで、例えば、1回目の小当たりが特定領域に球を通過させることが不可能(困難)な小当たりで、2回目の小当たりが特定領域に球を通過させることが可能(容易)な小当たりである場合に、1回目の小当たりに対応する演出として、今回の小当たりが特定領域に球を通過させることが不可能(困難)な小当たりであることに基づく演出ではなく、次回の小当たりが特定領域に球を通過させることが可能(容易)な小当たりであることに基づく演出(例えば、チャンス継続演出)を実行することが可能となる。よって、遊技者に有利な遊技状態を提供できない(し辛い)小当たりに基づいた演出を実行する頻度を抑えることが可能となるため、遊技者が不満に感じる演出を抑制することができ、遊技者が遊技に飽きてしまう事態を抑制することができるという効果がある。
なお、本実施形態では特定の抽選結果となった場合に実行される小当たりが連続する場合において、単独で小当たりが実行される場合よりも有利な遊技状態を提供可能に構成しているが、小当たりが複数回実行されることに基づいて、単独で小当たりが実行される場合よりも有利な遊技状態を提供可能に構成する構成であればよい。
例えば、所定期間(例えば、保留記憶される上限数である8回)内に、小当たりが複数回実行されたことに基づいて、単独で小当たりが実行される場合よりも有利な遊技状態を提供可能に構成してもよい。このようにすることで、頻繁に小当たりに当選したことによる遊技意欲の低下を抑制することができるという効果がある。
また、予め定められた順序に沿って小当たりが複数回実行(例えば、小当たりと外れが交互となるように実行)されたことに基づいて、単独で小当たりが実行される場合よりも有利な遊技状態を提供可能に構成してもよい。このようにすることで、頻繁に小当たりに当選したことによる遊技意欲の低下を抑制することができるという効果がある。さらに、予め定められた順序を小当たりと外れとを組み合わせて規定することにより、複数回の特別図柄の抽選結果として外れとなった場合でも遊技者に有利な遊技状態を提供可能とすることができるという効果がある。
なお、予め定められた順序に沿って小当たりが複数回実行(例えば、小当たりと外れが交互となるように実行)されたことに基づいて、単独で小当たりが実行される場合よりも有利な遊技状態を提供可能に構成する場合には、本実施形態に記載した小当たりに対応する特別図柄の特殊変動時間(特殊変動B〜C)と同様に、外れに対応する特別図柄の変動時間に特殊変動時間を設定し、複数回の小当たりが実行されるタイミングと誘導手段の開放タイミングとを異ならせるように構成すればよい。これにより、特別図柄の抽選結果が外れであったとしても遊技者に有利な遊技状態が提供される可能性が残ることになる。よって、遊技者は特別図柄の抽選結果とは別に、有利な遊技状態が提供されるかを期待しながら遊技を行うことができるため、遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
この場合、小当たりに対応する特別図柄の特殊変動時間と、外れに対応する特別図柄の特殊変動とを統一(少なくとも、一部を統一)させるとよい。これにより、小当たりが連続した場合と予め定められた順序に沿って小当たりが複数回実行(例えば、小当たりと外れが交互となるように実行)された場合とで、連続演出中における特別図柄の変動演出として同一の演出を実行可能にすることができ、第3図柄表示装置81にて表示される表示データの容量を削減できるという効果がある。
具体的には、特別図柄の抽選結果が外れの場合に参照される外れ用変動パターン選択テーブル202cに、保留記憶されている入球数が5から6の場合に変動時間が5.5秒となる特殊変動パターン(外れ用特殊変動パターン)を規定する。このように構成することにより、例えば、保留記憶されている入球数が7→6→5と減少しながら、小当たりA(1回目)→外れ→小当たりA(2回目)の順序で特別図柄の抽選が実行された場合には、1回目の小当たりAが終了してから、外れの変動表示(5.5秒)が実行され、その後、小当たりAの変動表示(5.5秒)後に小当たりAが実行される。よって、1回目の小当たりAの入賞球Vゲート到達タイミングと、2回目の小当たりAの入賞球Vゲート到達タイミングとの間隔は、17秒となる。Vゲート650dの動作周期は5秒であることから、1回目の小当たりAの入賞球Vゲート到達タイミングに対して、2回目の小当たりAの入賞球Vゲート到達タイミングは、Vゲート650dの動作周期に対して2秒異なる(2秒遅らせる)タイミングとなる。
なお、上述した例では、特別図柄の変動パターン(変動時間)を特別図柄の抽選結果が外れの場合と小当たりの場合とで統一する構成を示したが、外れの場合における特別図柄の変動パターン(変動時間)として、特殊変動B(5.5秒)と小当たりAの遊技時間(6秒)とを合計した時間となる変動時間を有する変動パターンにしてもよい。このようにすることで、上述した例のように小当たり間に外れ変動が実行される場合であっても、その外れ変動を小当たり変動に要する時間(特別図柄の変動時間と小当たり遊技時間)と統一することができる。よって、特別図柄の抽選結果が小当たりA→外れ→小当たりAという順序になる場合と、3回連続して小当たりAに当選した場合とで同一の連続演出時間を確保することができる。したがって、連続演出の共通化を図ることにより、第3図柄表示装置81にて表示される表示データの容量を削減できるという効果がある。
また、連続演出中における特別図柄の抽選結果が小当たりであるか外れであるかを認識し難い演出にすることで、連続演出の最後まで遊技者に対して期待を持たせることができるという効果がある。
以上、例示した構成は、小当たり以外の特別図柄の抽選結果として外れの場合を示したものであるが、それに限定されるものではなく、例えば、特別図柄の抽選結果が外れではなく、特殊変動Bが設定されない小当たり(小当たりB〜C)であってもよい。この場合は、小当たりB〜Cの小当たり遊技時間を小当たりAと統一させ、連続演出の共通化を図るとよい。
また、本実施形態では、特別図柄の変動時間として特殊変動時間を設定することにより、連続して小当たりが実行された場合(複数回小当たりが実行された場合)に、単独で小当たりが実行される場合よりも有利な遊技状態を提供可能に構成しているが、それ以外の構成を用いてもよく、例えば、小当たりが実行された場合に開放される扉650f(可変手段)が開放される期間や開放されるタイミングを変更したり、Vゲート650d(誘導手段)の動作周期を変更したり、ストッパ650cの動作タイミングを変更したりしてもよい。
さらに、本第1実施形態では、小当たりが複数回実行された場合にそのうちの1の小当たりがV通過可能な小当たりとなるように特別図柄の変動パターン(変動時間)を予め設定しているが、それ以外の構成として、小当たりが複数回実行された場合にそのうちの1の小当たりがV通過可能となるように、Vゲート650dの動作パターンを設定するように構成しいてもよい。このような構成を用いたとしても本第1実施形態と同様の効果を奏することが可能となる。
<第2実施形態におけるパチンコ機10について>
次に、図63を参照して、第2実施形態について説明する。第1実施形態では、スルーゲート67を通過した遊技球がクルーン部材660に入球するように構成して、普通図柄の変動期間の間、流下する速度(遊技領域の垂直下方へ移動する速度)を遅延させて、普通図柄の当たりとなる期間に合わせて第1入球口64aへ入球させ易く構成した。本第2実施形態では、クルーン部材660に代えて、回転保持装置690がスルーゲート67の下方に配置されている。その他の構成については、第1実施形態と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
回転保持部材690は、遊技球を入球可能な第1凹部690aと第2凹部690bとが中心軸690zを介して向かい合う位置に配置された回転部690cと、その回転部690cを左右両側より第1凹部690aまたは第2凹部690bに遊技球が入球(保持)した状態で回転可能な位置に側面カバー体690d1,690d2が配置されている。側面カバー体690d1,690d2は、上部より回転部690cの第1凹部690aまたは第2凹部690bに遊技球が入球可能なように、開口して配置されている。また、回転部690cの下方には、側面カバー体690d1,690d2が配置されておらず、回転部690cの第1凹部690aまたは第2凹部690bが下方の位置となった場合には、入球している遊技球を第1入球口64aに向かって流下させることができる。
回転部690aは、回転軸690zにより、図示しない回動モータで正面視右回りに回動するように構成されている。この場合に、20秒で1周回転する速度で構成されており、スルーゲート67を通過した遊技球が第1凹部690aまたは第2凹部690bに入球すると、普通図柄の当たり変動時間が10秒であるので、そのタイミングに合わせて、下方より排出されるように構成される。排出された遊技球は、第1実施形態と同様に、釘KGに衝突して流下が遅延されて、釘KGの右または左に振り分けられて第1入球口64aへと入球するように構成されている。なお、本実施形態では、回転部690cの第1凹部690aまたは第2凹部690bが上部を向いていない場合には、入球することなく下方へと流下するように構成したが、それに限らず、側面カバー体690d1,690d2により保持され、上部へと第1凹部690aまたは第2凹部690bが回動するまで待機するように構成してもよい。また、遊技球が入球可能な凹部を更に2箇所設けて、遊技球が凹部へと入球して回転部690cに入球する可能性を高くするように構成してもよい。また、第2実施形態と同様の回転保持部材690を複数配置して、遊技領域に複数の遊技球が保持されて、流下が遅延されるように構成してもよい。
次に、図64〜67を参照して、第3実施形態について説明する。図64は、本第3実施形態における遊技盤13の正面図を示した図である。本第3実施形態では、第1実施形態に対して、クルーン部材660と第1入球装置64との間(釘KGよりは上部)に開始ゲート680が配置されている。その他の構成については、第1実施形態と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
開始ゲート680は、普通図柄の当たりとなった場合に、普通図柄の当たり遊技を開始させる始動スイッチである。普通図柄の判定結果が当たりであり、その変動時間が経過して、当たり図柄で停止表示した後に、開始ゲート680に遊技球を通過させると、普通図柄の当たり遊技が開始される。なお、開始される普通図柄の当たり遊技としては、第1実施形態と同一であるのでその詳細な説明は省略する。
開始ゲート680を通過した後に0.5秒後に、第1入球装置64の開閉扉が開放状態となり、第1入球口64aへの入球が可能となる。開始ゲート680を通過した遊技球は、釘KGと衝突して、釘KGの左右方向に振り分けられて第1入球装置64へと流下する。開始ゲート680を通過してから第1入球装置64へ誘導されるまでに要する期間は、0.6秒〜1秒程度で構成されており、第1入球装置64が開放状態である期間に合わせて構成されており、開始ゲート680を通過した遊技球が第1入球口64aへ入球し易く構成されている。
なお、本実施形態では、開始ゲート680の下方に釘KGを配置することで、第1入球口64aが開放となるまでのタイミングに合わせるように遅延させて構成したが、それに限らず、第2実施形態のような回転保持部材や、クルーン部材等を配置してもよいし、遊技球の流下速度が低下するゴム部材等に当接しながら流下するように構成してもよい。また、普通図柄の当たり遊技のオープニング期間を5秒等長く設定して、その期間に合わせた遅延部材を配置したりするように構成してもよい。
<第3実施形態におけるパチンコ機10について>
次に、図65を参照して、本第3実施形態における主制御装置110のRAM203について説明する。図65は、第3実施形態におけるRAM203の内容を示した模式図である。本第3実施形態では、第1実施形態に対して、普通図柄当たりフラグ203iが追加されている。その他の構成については、第1実施形態と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
普通図柄当たりフラグ203iは、普通図柄の当たり遊技が開始される権利が付与されたことを示すフラグである。この普通図柄当たりフラグ203iがオンに設定された後に、開始ゲート680に遊技球を通過させると、普通図柄の当たり遊技が開始される。なお、この普通図柄当たりフラグ203iは、第3実施形態における主制御装置110のMPU201が実行するタイマ割込処理内の一処理である普通図柄変動処理2(図66参照)内のS527の処理において、普通図柄の当たり変動期間が終了した場合にオンに設定される。なお、第3実施形態の主制御装置110のMPU201が実行するタイマ割込処理では、第1実施形態におけるタイマ割込処理(図24参照)の普通図柄変動処理(図28のS106)が普通図柄変動処理2(図66参照)に変更されている点で相違する。その他の処理については、第1実施形態と同一の処理が実行されるので、その詳細な説明を省略する。
次に、図66を参照して、第3実施形態における普通図柄変動処理2(S111)について説明する。図66は、この普通図柄変動処理2(S111)の内容を示したフローチャートである。本第3実施形態における普通図柄変動処理2(S111)では、普通図柄変動処理(図24のS106)に対して、S519とS521の処理が削除され、S527の処理が追加されている点で相違する。その他の処理については、第1実施形態と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
S519の処理とS521の処理と(図24参照)は、第1入球口装置64の開放を設定(普通図柄の当たり遊技を設定)する処理であるが、本実施形態では、開始ゲート680を通過した場合に、普通図柄の当たりが開始される構成であるので、削除し、開始ゲート680を通過した場合に設定されるように構成されている(図67のS1458,S1460参照)。また、S527の処理では、普通図柄当たりフラグ203iがオンに設定され、開始ゲート680に遊技球が通過した場合に普通図柄の当たり遊技が開始されるように設定される。なお、S527の処理は、S522の処理で設定されている普通図柄の変動時間が経過したと判定された場合であり、さらに、S524の処理で抽選結果が当たりであると判定された場合である。
次に、図67を参照して、本第3実施形態における主制御装置110のMPU201により実行されるメイン処理内の一処理である電動役物開閉処理2(S1020)について説明する。図67は、この電動役物開閉処理2(S1020)の内容を示した模式図である。なお、第3実施形態における主制御装置110のMPU201により実行されるメイン処理は、第2実施形態におけるメイン処理(図33参照)内の電動役物開閉処理(S1006)が電動役物開閉処理2(S1020)に変更する点で相違する。その他の点については、第1実施形態と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
電動役物開閉処理2(図67のS1020)では、まず、普通図柄当たりフラグ203iがオンであるか判別する(S1451)。普通図柄当たりフラグ203iがオフである場合には(S1451:No)、電動役物(第1入球装置64の開閉扉に相当)が開閉作動中であるか(即ち、開放または閉鎖から開放動作への待機中であるか)判別する(S1452)。電動役物が作動中である場合には(S1452:Yes)、開放時間が経過したか判別する(S1453)。開放時間が経過したと判別した場合には(S1453:Yes)、電動役物を対応する開閉動作を設定する(S1454)。その後、この処理を終了する。一方、S1452,S1453の処理でNoと判別された場合には、この処理を終了する。
一方、S1451の処理において、普通図柄当たりフラグ203iがオンであると判別した場合には(S1451:Yes)、開始ゲート680を遊技球が通過したか判別する(S1455)。開始ゲート680を通過していないと判別した場合には(S1455:No)、この処理を終了する。一方、S1455の処理において、開始ゲート680を通過したと判別した場合には(S1455:Yes)、普通図柄当たりフラグ203iをオンに設定し(S1456)、時短中カウンタ203dが1以上であるか、即ち、時短中であるか判別する(S1457)。時短中であると判別された場合には(S1457:Yes)、大当たり遊技中であるか判別する(S1458)。大当たり中でなければ、普通図柄当たり開放期間を2秒間としてインターバル1秒で2回を設定する(S1459)。その後、この処理を終了する。一方、S1457の処理で、時短中でないと判別された場合(S1457:No)、またはS1458の処理で特別図柄の大当たり遊技中であると判別された場合には、開放期間を2秒で1回に設定する。なお、開放が開始されるまでの期間(オープニング期間)は、0.5秒に状態によらず設定されている。
このように、普通図柄の当たり開始が開始ゲート680を通過した場合に開始されるので、普通図柄の変動中に、遊技球の発射を停止していた遊技者にも、第1入球口64への入球機会を逃すことを抑制でき、遊技を行い易くできる。
なお、第3実施形態における例では、図68に示すように、クルーン部材660等を設けずに、開始ゲート680を遊技球が通過し易い位置に配置して、遊技球が発射してから早期に通過させるように構成してもよい。
<第4実施形態におけるパチンコ機10について>
次に、図69〜図86を参照して、第4実施形態におけるパチンコ機10について説明する。第1実施形態におけるパチンコ機10では、特別図柄について保留球は記憶されないように構成されていたが、本第4実施形態におけるパチンコ機10では、特別図柄についても保留球が記憶されるように構成した点で第1実施形態とは相違する。なお、第1実施形態と同一の要素、構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
まず、図69〜図72を参照して、本第4実施形態における特別図柄の保留球が記憶されている場合における第3図柄表示装置81で表示される融合図柄の表示内容の例について説明する。図69は、普通図柄の保留球が3球記憶されており、特別図柄の保留球が1球記憶されている場合における普通図柄と特別図柄との各変動が実行されるタイミング(期間)と、それに対応して融合図柄が変動表示するタイミング(期間)とを示したタイミングチャートである。
図69に示すように、まず、普通図柄の変動開始タイミングと同期して、融合図柄の変動表示が開始される(図6(a)参照)。第1実施形態でも示したように普通図柄の当たりである場合には、融合図柄はリーチ表示態様で表示され(図6(b)参照)、普通図柄の当たり遊技の実行期間(普図当たり期間)で図7(a)に示すように第1入球口64aが開放されている期間でリーチ表示態様が表示され、第1入球口64aに遊技球が入球したことに基づいて、特別図柄の変動表示が開始されるのと同期して、融合図柄でスーパーリーチの表示態様が表示される。図69に示した例では、第1入球口64aが開放されている普通図柄の当たり期間に第1入球口64aに遊技球が2球入球して特別図柄の保留球が1球記憶された場合の例を示している。特別図柄の変動表示期間中(特図変動A中)に普通図柄の当たり期間が終了し、普通図柄の保留球のうち、1球目の保留球に対応する変動表示が特別図柄の変動表示が行われている期間(特図変動Aが行われている期間)に開始される。この場合には、普通図柄に対応する融合図柄の変動表示は、点滅表示部のみであり、補助普通図柄が変動表示して表示される。
第1実施形態では、特別図柄の変動が開始される場合には、その変動開始時と変動表示の終了タイミングの5秒前に特別図柄の変動期間が終了した後にも、融合図柄を疑似的に変動表示(揺れ等の演出)させるかの判別を実行するように構成した。一方、本第4実施形態では、特別図柄の変動開始時と、変動表示の終了タイミングで疑似変動を実行するか判別するように構成されている。本第4実施形態では、融合図柄を疑似変動させる条件は、特別図柄の保留球が記憶されていない場合に限られており、特別図柄の保留が記憶されている場合には、疑似変動が実行されることがないように構成されている。このように構成することで、特別図柄に対応する融合図柄の変動(特別図柄の抽選結果を示す融合図柄の変動)が優先的に実行することができ、大当たり遊技の開始の直接的な契機となる特別図柄の変動に対応する報知を融合図柄で行うことができる。
ここで、図69に示すように、第1入球口64aに1球目の遊技球が入球したタイミングでは、特別図柄の保留球はまだ記憶されていない状態であるので、特別図柄の変動開始時(特図変動Aの変動開始時)の変動タイミングで、当該変動後に、融合図柄の疑似変動を実行することを設定するか否かの判別が実行される。詳細は後述するが、本第4実施形態では、当該の特別図柄の変動(特図変動A)における抽選結果が外れである場合に、特別図柄の保留球が無く、普通図柄の2保留内に当たりとなる保留が記憶されていれば、疑似変動の実行が設定(特別図柄の変動時間終了後に設定される予約として)される。このように構成することで、普通図柄の当たりとなる保留球が2保留内に記憶されていれば、特別図柄の変動終了後にも、すぐに第1入球口64aが開放状態となり、特別図柄の変動が開始(第1入球口64aに遊技球が入球したタイミング)されても、疑似変動で融合図柄の前変動が継続して実行されているので、その変動と繋げて、次に開始された特別図柄の変動と同期して融合図柄の変動を実行させて、外れの抽選結果を報知する融合図柄の変動回数を減らし、遊技者に当たりの確率が高いように思わせることができる。よって、遊技者が早期に遊技に飽きてしまう不具合を抑制できる。
図69に示した例では、特別図柄の変動開始時(特図変動Bの変動開始時)には、普通図柄の2保留内に当たりとなる保留は記憶されていないので、疑似変動は設定されない。特別図柄の変動期間が停止するタイミング(特別変動Bの変動期間が経過したタイミング)で疑似変動の設定をするか否かの判別が実行される。変動開始時と同様の判定が実行されるのに加えて、特別図柄の保留球が記憶されていない状態で、普通図柄の2保留内にも当たりとなる保留が記憶されていなければ、特別図柄が停止した後にも、普通図柄の変動が継続して実行されるか判別され、継続して実行される場合には、その変動が終了するタイミングまで融合図柄の疑似変動が設定される。図69に示した例では、特図変動Aが変動停止するタイミングでは、特図変動Bに対応する保留球が記憶されているので、疑似変動は設定されず、融合図柄もリーチ表示態様で表示されているリーチ図柄(左右停止図柄)とは異なる図柄で中図柄が停止表示されて、抽選結果が外れであることが遊技者に報知されるように構成されている。
特図変動Aの変動が停止すると、特図変動Bの変動が開始するのに同期して停止表示されていた融合図柄の変動表示が開始される。融合図柄は、変動が開始されると、低速(各図柄が視認可能な速度)で上下方向に各図柄列がスクロール表示された後に、高速(各図柄が視認不可能な速度)でスクロール表示される。特別図柄の変動開始時に、特別変動Aと同様に疑似変動の設定をするか否かの判別が実行される。図69に示した例では、特図変動Bが変動開始される場合には、特別図柄の保留球が記憶されていない状態だが、普通図柄の2保留内に当たりとなる保留球も記憶されていないので、疑似変動が設定されることはない。
特図変動Aに対応する融合図柄の変動表示では、スーパーリーチの開始(図7(b)参照)から表示されるが、特図変動Bに対応する融合図柄の変動表示では、融合図柄の停止状態から上記したように変動表示が開始され、リーチ表示となった後に、スーパーリーチ表示態様が表示される特定変動パターンが設定されるように構成されている。この場合には、主制御装置110側で特別図柄の変動時間は決定されるので、音声ランプ制御装置113の変動パターン選択テーブル222aには、特図変動が保留球によって実行される変動であるか否かに対応させてそれぞれ選択され得る変動時間に対応させてスーパーリーチの開始が実行される融合図柄の変動パターン(保留球が無い状態で、第1入球口64aに遊技球が入球して開始される場合に選択される)と、融合図柄が停止状態している状態から変動開始されて、リーチ表示態様を経て抽選結果を示す表示態様で停止表示する融合図柄の変動パターンとが設定されている。
このように構成することで、特別図柄の変動が保留球により変動開始する場合と、第1入球口64aに入球したタイミングで変動開始となる場合とで、それまでに実行されている融合図柄の変動状態(リーチ状態で表示されている場合と、停止表示されている場合との違い)により対応する融合図柄の変動表示をさせることができ、遊技者に違和感を与える不具合を抑制できる。
また、融合図柄の変動が開始するタイミングを普通図柄の変動を開始するタイミングに合わせたり、特別図柄の変動を開始するタイミングに合わせたりすることができ、さらに、融合図柄の変動が停止するタイミングを普通図柄の変動を停止するタイミングに合わせたり、特別図柄の変動を停止するタイミングに合わせたりすることができるため、融合図柄の変動表示に対して遊技者に興味を持たせることができる。
次に、図70を参照して、特別図柄の変動開始時に普通図柄の2保留内に当たりとなる保留球が記憶されている場合における融合図柄の変動内容について説明する。図70は、特別図柄の変動開始時(特図変動Cの変動開始時)に普通図柄の2保留内に当たりとなる保留球が記憶されている場合における融合図柄の変動タイミングを示したタイミングチャートである。図70に示した例では、普通図柄に保留球が3球記憶されており、第2番目に記憶されている保留球が当たりとなる保留球が記憶されている。当該変動中(特図変動Cの変動中)の普通図柄の変動が当たりであり、第1入球口64aが開放されると、第1入球口64aへ遊技球が2球入球し、特別図柄の保留球が1球記憶された場合における融合図柄の変動態様について示した例である。特図変動Cの変動開始時に、普通図柄の2保留内に当たりとなる保留球が記憶されており、変動開始時(特図変動Cの変動開始時)には、まだ特別図柄の保留球が記憶されているとは判別されいない(連続で第1入球口64aに入球した場合にも、後から入球した遊技球が判別されるよりも前に、特別図柄の変動開始の設定処理が実行される)ので、特図変動Cの終了後に最大30秒の疑似変動が融合図柄で実行されるように設定される。一方、特別図柄の変動開始設定がされた後(疑似変動の開始設定(疑似設定フラグ223hがオンの処理を含む)がされた)に、主制御装置110より特図変動Dに対応する特別図柄の保留コマンドを受信すると、設定されている疑似変動の開始設定が解除(疑似設定フラグ223hをオフに設定する処理)が実行される。
特図変動Cに対応する融合図柄の変動では、図69で説明した特図変動Aと同様にスーパーリーチの開始からの表示態様が融合図柄で表示される。特図変動Cの変動時間が経過(変動期間が終了)するタイミングで融合図柄の変動表示も停止表示される。なお、特図変動Cの抽選結果は外れである場合の例を示しているので、融合図柄は、抽選結果が外れであることを示すリーチ図柄とは異なる図柄が中図柄列に停止表示される(図8(a)参照)。特図変動Cの変動時間の終了タイミングで疑似変動を行うかの判別が実行され、図70で示した例では、特別図柄の保留球が記憶されている例で示してあるので、疑似変動の設定は実行されない。
次に、特図変動Dの変動開始タイミングに基づいて、疑似変動の設定を実行するか判別が実行され、図70で示した例では、普通図柄の第2番目の保留(保留2)に当たりとなる保留球が記憶されているので、最大30秒の疑似変動が特図変動Dの終了後に実行されるように設定される。この場合には、普通図柄の保留2に対応する当たり遊技が特図変動Dに対応する融合図柄の変動期間(疑似変動期間含む)で実行されるので、融合図柄の変動期間で第3図柄表示装置81に普通図柄の当たり遊技が実行されることを事前に報知する予告表示態様が表示されるように設定される(開放予告が設定される)。本実施形態では、普通図柄の当たり遊技の3秒前に図72(b)に示すように「遊技球を発射させて保留チャージチャンス!!」という文字が融合図柄(演出図柄(怪獣等の図柄)含む)よりも前面側のレイヤで表示されるように設定される。図72(b)に示す予告表示態様は、特別図柄の変動期間に実行される表示態様であり、遊技球を発射させると保留球が増加することが報知される。また、特別図柄の変動期間が終了した後の、疑似変動が実行されている期間(特別図柄の保留球が無い状態)には、図72(a)に示すように、遊技球が発射することで、融合図柄が再変動することを示す予告表示態様として「遊技球を発射させて再変動チャンス!!」という表示態様が表示される。図70に示すように、融合図柄の変動期間から疑似変動期間に跨って予告表示態様が設定される場合には、疑似変動となったタイミングで予告表示態様が切り替えられて表示されるように構成されている。
このように構成することで、融合図柄の変動期間中に、遊技球の発射を停止している遊技者に対しても、普通図柄の当たりとなり第1入球口64aへ遊技球を入球させる機会を逃す不具合を抑制できる。なお、本実施形態では、特別図柄の変動に対応する融合図柄の変動表示が実行されている場合に、普通図柄の当たりとなる場合に予告表示態様を表示するように設定したが、特別図柄の保留球数が上限値(本実施形態では4個)である場合には、予告表示態様を設定しないように構成してもよい。このように構成することで、遊技者に無駄に遊技球を発射させて、利益を損ねる不具合を低減できる。
なお、本実施形態では、特別図柄の変動期間と停止期間とで予告表示態様を切り替えたが、第1入球口64aが開放する期間(図70に示した開放期間に相当)と開放期間前とで予告表示態様を切り替えるように構成してもよい。このように構成することで、遊技球を第1入球口64aに入球することができる期間であることを遊技者に報知でき、遊技者に第1入球口64aへの入球することへの期待度を高めることができる。
特図変動Dの変動期間が終了するタイミングで、疑似変動の設定を実行するかの判別が実行され、既に、変動開始時に疑似変動の設定が実行されているので、その設定に基づいて最大30秒の疑似変動(図8(b)参照)が実行される。第1実施形態で既に説明したのと同様に、第1入球口64aに入球した場合には、特別図柄の変動が新たに開始されるのに基づいて、融合図柄も再変動が開始される。一方、普通図柄の開放期間(第1入球口64aに遊技球が入球して検出スイッチにより検出されるまでの期間である球はけ期間含む)が終了しても第1入球口64aに入球した遊技球を検出する検出スイッチにより遊技球が検出されない場合には、融合図柄の疑似変動(変動表示)が確定停止表示して表示される。なお、特図変動Dに対応する融合図柄の変動は、特図変動Bと同様に、融合図柄が停止表示している状態からスクロール表示が開始され、リーチ表示態様を経て、スーパーリーチの表示態様が実行される。
また、本実施形態では、特別図柄の変動表示をスーパーリーチとなる例について説明したが、リーチとならない非リーチ外れを設定してもよいし、多種多様に特別図柄の当否判定結果に対応する変動態様で構成すればよい。
このように、本実施形態では、特別図柄の保留球が変動開始される場合と、保留球が記憶されていない状態で第1入球口64aに入球して普通図柄に対応する融合図柄の変動(スクロール表示)が実行されている状態から特別図柄に対応する融合図柄の変動に切り替えて表示する場合とで変動態様を切り替えて設定するように構成したので、融合図柄が変動表示を開始して当たり(特別図柄の判定結果)となるか否かを報知するまでの一連の演出を同様の流れで毎変動実行できる(融合図柄の停止状態からスクロール表示が開始して、リーチ表示態様を経て、リーチ図柄と同一の中図柄が停止されてぞろ目で当たりが報知される流れ)。よって、遊技者に違和感を与える不具合を抑制できる。
なお、特別図柄の保留球が記憶されている場合には、当該の変動に対する抽選結果が外れである場合には、保留球で記憶されている特別図柄の変動期間に跨って融合図柄を変動表示させて1の変動表示をして演出するように構成してもよい。このように構成することで、融合図柄が外れで停止する回数を減らすことができ、当たりで報知される頻度が実際の当たりとなる確率よりも高いように遊技者に思わせることができる。
また、普通図柄の複数の連続する変動表示を実行する期間に跨って、融合図柄の1変動を実行するように構成してもよい。このように構成することで、当たりとなる普通図柄の保留球まで変動時間を繋げて融合図柄の1変動内とすることで、融合図柄が外れで停止する頻度を低くすることができる。さらに、普通図柄の外れに対応する変動時間を短くして複数の外れ変動を短い期間で終了できるように構成してもよい。
次に、図71から図72を参照して、本第4実施形態における第3図柄表示装置81で表示される表示態様について説明する。図72(a)は、第3図柄表示装置81における表示領域について示した図である。本第4実施形態における第3図柄表示装置81の表示領域は、第1実施形態における第3図柄表示装置81の表示領域に対して普通図柄表示領域Ds1の下部に普図保留実個数表示領域Ds4が、特別図柄表示領域Ds2の下部に特図保留実個数表示領域Ds5が追加され、普図保留個数表示領域Ds3が融合保留個数表示領域Ds6に変更されている点で、第1実施形態と相違する。同一の構成については、その説明を省略する。
普図保留実個数表示領域Ds4には、普通図柄の保留個数を示す報知態様が表示される表示領域である。本実施形態では、保留個数が0である場合には「a」が、保留個数が1である場合には「b」が、保留個数が2である場合には「c」が、保留個数が3である場合には「d」が、保留個数が4である場合には「e」が、それぞれ表示されるように構成されている(図71(b)参照)。このように、記号で表示されることで、普通図柄の実際の保留個数が遊技者に一見して分り難いように構成されている。このように構成することで、本実施形態では、疑似変動等が実行されることで、後述する融合保留個数表示領域Ds6で表示される保留個数と相違する場合が発生するが、相違していることを遊技者が気づき難くすることができ、融合保留個数表示領域Ds6に表示される保留個数を実際の保留個数と認識して遊技者が遊技することができる。
また、特図実保留個数表示領域Ds5では、特別図柄の保留個数が表示される。ここで示される表示は、上述した普図保留実個数表示領域Ds4で表示されるのと同様の表示形態で保留個数が報知される。このように構成することで、特別図柄の実際の保留個数を遊技者にわかり難くして、融合図柄がスクロール表示して変動しているのは、普通図柄に対応する変動表示であるか、特別図柄に対応する変動表示であるかをわかり難く構成している。よって、遊技者は、融合図柄で報知される結果のみに集中でき、複雑なゲーム性を理解することなく遊技を行うことができる。
ここで、融合保留個数表示領域Ds6に表示される保留図柄について図71(b)を参照して説明する。スルーゲート67を遊技球が通過して保留が新たに記憶されるのみ基づいて、融合保留個数表示領域Ds6には「黒丸」図柄が表示されて、融合図柄が変動表示される権利(保留)が記憶されていることが報知される。融合保留個数表示領域Ds6には、最大4個まで「黒丸」図柄が表示可能に構成されており、融合図柄が変動する保留回数は4回であることを報知できるように構成されている。融合保留個数表示領域Ds6に「黒丸」図柄が表示されている状態、即ち、普通図柄の保留が記憶されている状態で、特別図柄の変動中に第1入球口64aに遊技球が入球して特別図柄の保留球が記憶された場合には、図71(b)に示すように最前に記憶されている保留図柄(変動順序が最も早い保留図柄)の保留図柄の色が可変して表示される(例えば赤色等)。このように構成することで、変動中の特別図柄が変動停止した後に、保留されている特図変動が開始されるが、そのタイミングで表示されている保留図柄を消化(表示されている最前列の保留図柄を消して、次以降に表示されている保留図柄の表示位置をスライドして表示させる)して表示することができる。なお、既に可変して表示されている保留図柄が表示されている場合には、その次に表示されている未可変状態(「黒丸」図柄)で表示されている保留図柄を可変して表示する。なお、次に表示されている保留図柄がない場合には、新たに可変した保留図柄を表示して表示させる。融合保留個数表示領域Ds6に保留図柄が表示されていない場合に、特別図柄の保留が記憶された場合にも、同様に新たに可変した保留図柄を表示するように構成されている。
このように構成することで、特別図柄の変動開始タイミングに合わせて、融合保留個数表示領域Ds6で表示されている保留図柄を更新(消化)して表示することができ、遊技者に違和感を抑制した遊技を提供できる。さらに、特別図柄に保留球が記憶された場合には、保留図柄の色が可変して表示されるので、遊技者に大当たりへの期待感を持たせることができる。なお、本実施形態では、特別図柄の大当たりとなる抽選確率は、普通図柄の当たりとなる抽選確率よりも高く設定されているので、実際の大当たり期待度も高く構成されている。なお、本実施形態では、保留図柄の色を可変するように構成したが、特別図柄の保留球の抽選結果に基づいて、保留図柄の色をそれぞれ期待度の異なる色(例えば、赤色は期待度が高く、青色は低い等)で表示するように構成してもよい。
また、このように構成することで、普通図柄の実際の保留数と、融合保留個数表示領域Ds6で表示される保留個数と差異が生じるが、差異が生じた場合には、普通図柄の外れ変動に対応して変動表示される融合図柄の変動で疑似停止を伴う疑似連続変動を実行し、疑似停止タイミング後から再変動するタイミングで融合保留個数表示領域Ds6に表示されている保留図柄を消化することで、保留個数の差異を合わせることができる。
なお、本実施形態では、融合保留個数表示領域Ds6で表示される保留個数は最大4個としたが、それに限らず、8個の上限数として実際の普通図柄、特別図柄のそれぞれの保留数に対応させて報知するように構成してもよい。この場合には、特別図柄が変動するタイミング、普通図柄が変動開始するタイミングで表示されている融合保留個数表示領域Ds6の保留図柄を更新するように構成すればよい。
図72(a)〜(b)は、上述したように、特別図柄の変動期間中(疑似変動期間含む)に普通図柄の当たりとなる場合の予告表示態様の例を示した図であり、上述した通りであるので、その詳細な説明を省略する。
<第4実施形態における電気的構成について>
次に、図73を参照して本第4実施形態における電気的構成を説明する。本第4実施形態では、第1実施形態に対して主制御装置110のMPU201のRAM203の内容が変更されている点で相違する。その他の点については、第1制御例と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
また、本第4実施形態では、第1実施形態に対して音声ランプ制御装置113のMPU221のRAM223の内容が変更されている点で相違する。なお、音声ランプ制御装置113のMPU221のRAM223の相違点については、図73(b)を参照してその詳細な説明を後述する。その他の点については、第1制御例とで同一であるので、その詳細な説明は省略する。
図73(a)は、第4実施形態における主制御装置110の電気的構成を示したブロック図である。第4実施形態における主制御装置110のRAM203には、第1実施形態に対して、特別図柄保留球格納エリア203jおよび特別図柄保留球数カウンタ203kが追加されている。その他の構成については、第1実施形態と同一であるのでその詳細な説明については省略する。
特別図柄保留球格納エリア203jは、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)を有しており、これらの各エリアには、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、及び小当たり種別カウンタCS3の各値がそれぞれ格納される。
より具体的には、球が第1入球口64aへ入賞(始動入賞)したタイミングで、各カウンタC1〜C3およびCS3の各値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、保留第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。なお、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、特別図柄の抽選が行われる場合には、特別図柄保留球格納エリア203jの保留第1エリアに記憶されている各カウンタC1〜C3,CS1の各値が、特別図柄保留球実行エリア203aへシフトされ(移動させられ)、その特別図柄保留球実行エリア203aに記憶された各カウンタC1〜C3,CS3の各値に基づいて、特別図柄の抽選などの判定が行われる。
なお、特別図柄保留球格納エリア203jの保留第1エリアから特別図柄保留球実行エリア203aへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となる。そこで、他の保留エリア(保留第2エリア〜保留第4エリア)に記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリア(保留第1エリア〜保留第3エリア)に詰めるシフト処理が行われる。本実施形態は、特別図柄保留球格納エリア203jにおいて、入賞のデータが記憶されている保留エリア(第2保留エリア〜第4保留エリア)についてのみデータのシフトが行われる。
本パチンコ機10では、球が第1入球口64aへ入賞(始動入賞)し、その始動入賞に応じて各カウンタC1〜C3,CS3の各値が取得されると直ちに、それらの値を含む特図入賞情報コマンド(大当たり、はずれリーチ、または、はずれ入賞情報コマンド)が音声ランプ制御装置113へ送信される。特図入賞情報コマンドが音声ランプ制御装置113によって受信されると、音声ランプ制御装置113は、特図入賞情報コマンド(大当たり、はずれリーチ、または、はずれ入賞情報コマンド)から、各カウンタC1〜C3,CS3の各値を抽出し、それらを特図入賞情報としてRAM223の特図入賞情報格納エリア223kに格納する。
特別図柄保留球数カウンタ203kは、第1入球口64aへの入球(始動入賞)に基づいて第1図柄表示装置37で行われる特別図柄の変動表示(第3図柄表示装置81で行われる変動表示)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この特別図柄保留球数カウンタ203kの値Nは、初期値がゼロに設定されており、第1入球口64aへ球が入球して特別図柄の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算され(図76のS424参照)、新たに特別図柄の変動表示が実行される毎に、1減算される(図75のS223参照)。
球が第1入球口64aへ入賞(始動入賞)した場合に、この特別図柄保留球数カウンタ203kの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)が4未満であれば、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、及び小当たり種別カウンタCS3の各値が取得され、その取得されたデータが、特別図柄保留球格納エリア203jに記憶される(図76のS426)。一方、球が第1入球口64aへ入賞(始動入賞)した場合に、この特別図柄保留球数カウンタ203kの値が4であれば、特別図柄保留球格納エリア203jには新たに何も記憶されない(図76のS423:No)。
この特別図柄保留球数カウンタ203kの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)は、保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される(図75のS224、図76のS425参照)。特図保留球数コマンドは、特別図柄保留球数カウンタ203kの値が変更される度に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
音声ランプ制御装置113は、特別図柄保留球数カウンタ203kの値が変更される度に、主制御装置110より送信される特図保留球数コマンドによって、主制御装置110に保留された特別図柄の変動表示の保留球数そのものの値を取得することができる。これにより、音声ランプ制御装置113の特図保留球数カウンタ223mによって管理される変動表示の保留球数が、ノイズ等の影響によって、主制御装置110に保留された実際の変動表示の保留球数からずれてしまった場合であっても、次に受信する特図保留球数コマンドによって、そのずれを修正することができる。
なお、音声ランプ制御装置113は、特図保留球数コマンドに基づいて保留球数を管理し、保留球数が変化する度に表示制御装置114に対して、特図の保留球数を通知するための表示用保留球数コマンドを送信する。表示制御装置114は、この表示用保留球数コマンドによって通知された特図の保留球数を基に、第3図柄表示装置81の特図保留実個数表示領域Ds5に特図保留球数図柄を表示する。
次に、図73(b)を参照して、音声ランプ制御装置113の電気的構成の詳細について説明する。図73(b)は、第4実施形態における音声ランプ制御装置113の電気的構成を示したブロック図である。第4実施形態における音声ランプ制御装置113のRAM223には、第1実施形態に対して、特図入賞情報格納エリア223k、特図保留球数カウンタ223m、特図疑似変動フラグ223p及び特図疑似設定フラグ223qが追加されている。その他の構成については、第1実施形態と同一であるのでその詳細な説明については省略する。
特図入賞情報格納エリア223kは、1つの実行エリアと、4つのエリア(第1エリア〜第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、入賞情報がそれぞれ格納される。本パチンコ機10では、主制御装置110において第1入球口64aに対する始動入賞が検出された場合に、その始動入賞に応じて取得された第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、及び小当たり種別カウンタCS3の各値から、その始動入賞に対応する特別図柄の抽選が行われた場合に得られる各種情報(当否、大当たりまたは小当たりの場合の大当たりまたは小当たり種別、変動パターン)が主制御装置110において予測(推定)され、その予測された各種情報が、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ特図入賞情報コマンド(大当たり、はずれリーチ、または、はずれ入賞情報コマンド)によって通知される。
音声ランプ制御装置113では、特図入賞情報コマンドが受信されると、その特図入賞情報コマンドにより通知された各種情報(当否、大当たりまたは小当たりの場合の大当たりまたは小当たり種別、変動パターン)が入賞情報として抽出されて、その入賞情報が、特図入賞情報格納エリア223kに記憶される。より具体的には、抽出された入賞情報が、4つのエリア(第1エリア〜第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。
特図保留球数カウンタ223mは、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203kと同様に、第1図柄表示装置37(および第3図柄表示装置81)で行われる特別図柄の変動演出(変動表示)であって、主制御装置110において保留されている特別図柄の変動演出の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。即ち、特別図柄に対応する保留球の数が、主制御装置110より出力される特図保留球数コマンドに基づいて設定される。
上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110に直接アクセスして、主制御装置110のRAM203に格納されている特別図柄保留球数カウンタ203kの値を取得することができない。よって、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から送信される特図保留球数コマンドに基づいて保留球数をカウントし、特図保留球数カウンタ223mにて、その特別図柄の保留球数を管理するようになっている。
具体的には、主制御装置110では、始動入賞を検出して変動表示の保留球数が加算された場合、又は、主制御装置110において特別図柄における変動表示が実行されて保留球数が減算された場合に、加算後または減算後の特別図柄保留球数カウンタ203kの値を示す特図保留球数コマンドを、音声ランプ制御装置113へ送信する。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より送信される特図保留球数コマンドを受信すると、その特図保留球数コマンドから、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203kの値を取得して、特図保留球数カウンタ223mに格納する(図81のS1736参照)。このように、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信される特図保留球数コマンドに従って、特図保留球数カウンタ223mの値を更新するので、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203kの値と同期させながら、その値を更新することができる。
特図保留球数カウンタ223mの値は、第3図柄表示装置81における特図保留球数図柄の表示に用いられる。即ち、音声ランプ制御装置113は、特図保留球数コマンドの受信に応じて、そのコマンドにより示される保留球数を特図保留球数カウンタ223mに格納すると共に、格納後の特図保留球数カウンタ223mの値を表示制御装置114に通知するべく、表示用保留球数コマンドを表示制御装置114に対して送信する。
表示制御装置114では、この表示用保留球数コマンドを受信すると、そのコマンドにより示される保留球数の値、即ち、音声ランプ制御装置113の特図保留球数カウンタ223mの値分の保留球数図柄を第3図柄表示装置81の特図保留実個数表示領域Ds5に表示するように、画像の描画を制御する。上述したように、特図保留球数カウンタ223mは、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203kと同期しながら、その値が変更される。従って、第3図柄表示装置81に表示される特図保留球数図柄の数も、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203kの値に同期させながら、変化させることができる。よって、第3図柄表示装置81には、変動表示が保留されている保留球の数を正確に表示させることができる。
<第4実施形態における主制御装置110で実行される制御処理について>
次に、図74〜図76を参照して、第4実施形態における主制御装置110により実行される制御処理について説明する。なお、第1実施形態と同様の処理については、図示とその説明を省略して、異なる制御処理についてのみ、図示とその説明をする。
図74を参照して、主制御装置110のMPU201により実行されるタイマ割込処理2について説明する。図74は、このタイマ割込処理2の内容を示したフローチャートである。タイマ割込処理2(図74)は、第1実施形態におけるタイマ割込処理(図24)に対して、特別図柄変動処理(S104)が特別図柄変動処理2(S120)に変更され、特別図柄変動処理2の後に始動入賞処理(S105)が追加されている点で相違する。その他の処理については、第1実施形態と同一の処理が実行されるので、その詳細な説明は省略する。特別図柄変動処理2(S120)および始動入賞処理(S105)の詳細については、図75および図76を参照して後述する。
まず、図75を参照して、第4実施形態における主制御装置110のMPU201により実行される特別図柄変動処理2(S120)について説明する。図75は、この特別図柄変動処理2(S120)を示すフローチャートである。この第4実施形態における特別図柄変動処理2(図75、S104)は、第1実施形態における特別図柄変動処理(図25、S104)に対して、S203〜S204までの処理がS221〜S225の処理に変更されている点で相違する。その他の処理については、第1実施形態と同一の処理が実行されるので、その詳細な説明は省略する。
S202の処理において、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中でなければ(S202:No)、特別図柄保留球数カウンタ203kの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)を取得する(S221)。次に、特別図柄保留球数カウンタ203kの値(N)が0よりも大きいか否かを判別し(S222)、特別図柄保留球数カウンタ203kの値(N)が0であれば(S222:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、特別図柄保留球数カウンタ203kの値(N)が0でなければ(S222:Yes)、特別図柄保留球数カウンタ203kの値(N)を1減算し(S223)、演算により変更された特別図柄保留球数カウンタ203kの値を示す特図保留球数コマンドを設定する(S224)。ここで設定された特図保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図33参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、特図保留球数コマンドを受信すると、その特図保留球数コマンドから特別図柄保留球数カウンタ203kの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特図保留球数カウンタ223mに格納する。
S224の処理により特図保留球数コマンドを設定した後は、特別図柄保留球格納エリア203jに格納されたデータをシフトする(S225)。S225の処理では、特別図柄保留球格納エリア203jの保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。
次に、図76を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される始動入賞処理(S105)を説明する。図76は、この始動入賞処理(S105)を示すフローチャートである。この始動入賞処理(S105)は、タイマ割込処理2(図74参照)の中で実行され、第1入球口64aへの入賞(始動入賞)の有無を判断し、始動入賞があった場合に、各種乱数カウンタが示す値の保留処理を実行するための処理である。
始動入賞処理が実行されると、まず、球が第1入球口64aに入賞(始動入賞)したか否かを判定する(S421)。ここでは、第1入球口64aへの入球を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が第1入球口64aに入賞したと判別されると(S421:Yes)、特別図柄保留球数カウンタ203kの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)を取得する(S422)。そして、特別図柄保留球数カウンタ203kの値(N)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S423)。
そして、第1入球口64aへの入賞がないか(S421:No)、或いは、第1入球口64aへの入賞があっても特別図柄保留球数カウンタ203kの値(N)が4未満でなければ(S423:No)、本処理を終了する。一方、第1入球口64aへの入賞があり(S421:Yes)、且つ、特別図柄保留球数カウンタ203kの値(N)が4未満であれば(S423:Yes)、特別図柄保留球数カウンタ203kの値(N)を1加算する(S424)。そして、演算により変更された特別図柄保留球数カウンタ203kの値を示す特図保留球数コマンドを設定する(S425)。
ここで設定された特図保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図33参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、特図保留球数コマンドを受信すると、その特図保留球数コマンドから特別図柄保留球数カウンタ203kの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特図保留球数カウンタ223mに格納する。
S425の処理により特図保留球数コマンドを設定した後は、上述したタイマ割込処理2のS103で更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、第2当たり乱数カウンタC4及び小当たり種別カウンタCS3の各値を、RAM203の特別図柄保留球格納エリア203jの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納する(S426)。尚、S426の処理では、特別図柄保留球カウンタ203kの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。その後、S427の処理を実行する。
S427の処理では、S426で取得した第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値が変動開始時に大当たりと判定されるか否かが判別される。変動開始時の遊技状態が高確率遊技状態であるか、低確率遊技状態であるかが、特別図柄保留球格納エリア203jに格納されている保留球の判定結果から判別して、当否の判定を事前に行う(当否判定結果の先読み判定)。S427の処理では、当否判定結果だけでなく、停止種別、変動パターンまでが判別されて特別図柄保留球格納エリア203jの対応する保留エリアに記憶される。
S427の処理において、大当たりであると判別された場合には(S427:Yes)、停止種別、変動パターンに基づいて、入賞情報コマンドの一種である大当たり入賞情報コマンドが設定される(S428)。ここでは、例えば、大当たりAでスーパーリーチであれば、それに対応する大当たり入賞情報コマンドが設定される。一方、S427の処理で、はずれであると判別された場合には(S427:No)、変動パターンがスーパーリーチであるか判別される(S429)。S429の処理において、変動パターンがスーパーリーチであると判別された場合には(S429:Yes)、入賞情報コマンドの一種であるはずれリーチ入賞情報コマンドが設定される(S430)。一方、変動パターンがスーパーリーチと異なるの変動パターンであると判別された場合には(S429:No)、入賞情報コマンドの一種であるはずれ入賞情報コマンドが設定される(S431)。なお、この入賞情報コマンドは、選択される変動パターンの種別を音声ランプ制御装置113のMPU221がそれぞれ識別可能に構成されている。
なお、入賞情報コマンドは、設定されると主制御装置110のMPU201が実行するメイン処理(図33)の外部出力処理(S1001)の処理で音声ランプ制御装置113に対して出力される。
<第4実施形態における音声ランプ制御装置113で実行される制御処理について>
次に、図77〜図86を参照して、第4実施形態における音声ランプ制御装置113により実行される制御処理について説明する。なお、第1実施形態と同様の処理については、図示とその説明を省略して、異なる制御処理についてのみ、図示とその説明をする。
図77を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるメイン処理2について説明する。図77は、このメイン処理2の内容を示したフローチャートである。メイン処理2(図77)は、第1実施形態におけるメイン処理(図39)に対して、コマンド判定処理(S1612)がコマンド判定処理2(S1620)に変更され、変動表示設定処理(S1613)が変動表示設定処理2(S1630)に変更され、疑似変動設定処理(S1614)が疑似変動設定処理2(S1640)に変更されている点で相違する。その他の処理については、第1実施形態と同一の処理が実行されるので、その詳細な説明は省略する。コマンド判定処理2(S1620)、変動表示設定処理2(S1630)および疑似変動設定処理2(S1640)の詳細については、図78〜図86を参照して後述する。
まず、図78を参照して、第4実施形態における主制御装置110のMPU201により実行されるコマンド判定処理2(S1620)について説明する。図78は、このコマンド判定処理2(S1620)を示すフローチャートである。この第4実施形態におけるコマンド判定処理2(図78、S1620)は、第1実施形態におけるコマンド判定処理(図40、S1612)に対して、疑似変動開始設定処理(S1708)が疑似変動開始設定処理2(S1720)に変更され、S1709〜S1711の処理がS1729〜S1730の処理に変更され、S1715〜S1716の処理がS1731〜S1732の処理に変更されている点で相違する。その他の処理については、第1実施形態と同一の処理が実行されるので、その詳細な説明は省略する。
S1707の処理において、停止コマンドを受信した場合には(S1707:Yes)、疑似変動開始設定処理2を実行し(S1720)、本処理を終了する。この疑似変動開始設定処理2(S1720)については、図79を参照して、詳細を説明するが、特別図柄の変動停止タイミングに合わせて、疑似変動が設定されている場合には、その疑似変動(図8(b)参照)を融合図柄により実行する処理が実行される。
ここで、図79を参照して、疑似変動開始設定処理2(S1720)について説明する。この第4実施形態における疑似変動開始設定処理2(図79、S1720)は、第1実施形態における疑似変動開始設定処理(図41、S1708)に対して、S2120の処理が追加され、S2120およびS2107の処理の後にS2102の処理が実行されている点で相違する。その他の処理については、第1実施形態と同一の処理が実行されるので、その詳細な説明は省略する。
S2101の処理において、疑似設定フラグ223hがオフであると判別した場合(即ち、疑似変動の設定が実行されていない場合)には(S2101:No)、変動停止時疑似設定処理を実行して(S2120)、この処理を終了する。
ここで、図80を参照して、この変動停止時疑似設定処理(S2120)について説明する。図80は、変動停止時疑似設定処理(S2120)の内容を示したフローチャートである。変動停止時疑似設定処理(図80、S2120)では、まず、変動停止する特別図柄の抽選結果が、特別図柄の外れであるかを判定する(S2121)。特別図柄の当たりであると判別した場合には(S2121:No)、そのまま本処理を終了する。一方、特別図柄の外れであると判定された場合には(S2121:Yes)、特図保留球数の値、すなわち、特図保留球数カウンタ223mの値が0であるかを判定する(S2122)。
S2122の処理において、特図保留球数の値が0でない、すなわち、1以上であると判定した場合は(S2122:No)、そのまま本処理を終了する。ここで、本実施形態では、特別図柄の保留球が記憶されている場合には、特別図柄停止後に連続して、特別図柄の変動が開始されるので、疑似変動等を実行する必要がない為、疑似変動の設定等が実行されることはない。
一方、特図保留球数の値が0であると判定した場合は(S2122:Yes)、次の普通図柄の2保留内に当たりがあるかを判別する(S2123)。次の普通図柄の2保留内に当たりがあると判別された場合は(S2123:Yes)、継続疑似変動を最大30秒間で設定する(S2124)。次いで、S2127の処理へ移行する。このように、特別図柄の保留球がない状態で、停止させる特別図柄の当否判定結果も外れである場合には、融合図柄も外れを報知する態様で停止させることとなるが、普通図柄の2保留内に当たりがある場合には、それまで、外れ態様で確定停止されるのを疑似変動で引き延ばすことで、次回の特別図柄の変動に対応する融合図柄の変動と一体化して表示することができる。これにより、融合図柄の報知結果が外れで停止表示される頻度を低くできる。
一方、次の普通図柄の2保留内に当たりがないと判別された場合は(S2123:No)、特別図柄の変動が停止するタイミングよりも、後に停止する普通図柄の変動が実行される期間であるかを判別する(S2125)。ここで、特別図柄の変動が停止するタイミングよりも、後に停止する普通図柄の変動が実行される期間とは、現在変動している普通図柄の変動が変動を実行している特別図柄の変動よりも後に停止する場合と、特別図柄の変動中に今後新たに変動開始する普通図柄の変動が現在変動中の特別図柄の変動停止後も変動され続けることとなることが判別できる期間である。
S2125の処理で、特別図柄の変動が停止するタイミングよりも、後に停止する普通図柄の変動が実行される期間でないと判別された場合は(S2125:No)、本処理を終了する。一方、特別図柄の変動が停止するタイミングよりも、後に停止する普通図柄の変動が実行される期間であると判別した場合は(S2125:Yes)、第1実施形態の疑似変動設定処理(図45、S1614)におけるS212と同様に、実行中の普通図柄の変動と外れ疑似変動の停止タイミングが一致するように、外れ疑似変動を、実行中の特別図柄の変動が終了してから普通図柄の変動が終了するまでの差分秒間t1(図10(a)参照)で設定する(S2212)。次いで、S2127の処理へ移行する。
S2127の処理では、演出カウンタ223gの値を取得し(S2127)、疑似変動設定エリア223iに設定されている演出種別(継続の演出または外れの演出、変動期間)と取得した演出カウンタ223gの値とに基づいて、疑似変動パターンを、疑似変動パターン選択テーブル222d(図18(b)参照)より演出種別に対応して選択する(S2128)。そして、選択した疑似変動パターンを示す表示用疑似開始コマンドを設定する(S2129)。この表示用疑似変動開始コマンドは、表示制御装置114に対して、選択した疑似変動パターンの内容を通知するためのコマンドである。その後、疑似変動フラグ223cをオンに設定し(S2130)、本処理を終了する。なお、疑似変動パターンは継続の場合は、最大30秒が継続するように設定されており、外れの疑似変動パターンは、疑似変動設定エリア223iに設定されている疑似変動期間が経過するとブラックアウトする演出に加工して設定される。
このように、本実施形態では、普通図柄と特別図柄との変動を1の変動として融合図柄で合わせて表示することで、複雑な遊技性を簡単に遊技者に報知して、容易に遊技を行わせることができる。さらに、スルーゲート67を通過した遊技球は、クルーン部材660により普通図柄の当たりとなる期間に対応されるように第1入球口650aの上流で流下速度が低下されるので、発射装置により遊技球が発射されていない期間であっても、第1入球口65aへ入賞する機会が増加するように構成されている。
さらに、特別図柄の外れ変動が実行される場合には、普通図柄の2保留内の判定結果を判別して、当たりとなる保留球が記憶されていれば、その変動が終了するよりも長い期間で外れとなる判定結果が報知されず、疑似変動が実行されるので、次の普通図柄の当たりにより特別図柄の変動を1変動の融合図柄の変動で繋げて演出することができる。
図79に戻って説明を続ける。変動停止時疑似設定処理(S2120)の処理が実行された後には、S2102の処理が実行される。ここでは、特別図柄の停止と、疑似変動させる場合には、疑似変動が実行されることを示すコマンド、疑似変動させずに融合図柄を停止表示させる場合には、融合図柄を停止表示させるこを示すコマンドがそれぞれ表示用停止コマンドとして設定される(S2102)。その後、この処理を終了する。
次に、図78に戻って説明を続ける。S1707の処理において、停止コマンドを受信していないと判別した場合には(S1707:No)、普図(普通図柄)または特図(特別図柄)の保留球球数コマンドを受信したか判別する(S1729)。普図または特図の保留球数コマンドを受信していると判別した場合には(S1729:Yes)、保留球数コマンド受信処理を実行する(S1730)。保留球数コマンド受信処理(S1730)では、普図、特図の保留球数を示すコマンドを受信した場合に、その保留球数を更新して記憶する処理と、第3図柄表示装置81で表示されるそれぞれの実保留個数の表示をコマンドに対応する個数に更新して表示するために設定する処理、融合保留個数表示領域に表示する保留図柄の表示を指示する処理等が実行される。
ここで、図81を参照して、本第4実施形態における保留球数コマンド受信処理(S1730)について説明する。図81は、この保留球数コマンド受信処理(S1730)の制御処理の内容を示したフローチャートである。
保留球数コマンド受信処理(図81、S1730)では、まず、普図保留球数コマンドを主制御装置110より受信したか判別する(S1731)。普図保留球数コマンドを受信していないと判別した場合には(S1733)の処理を実行する。一方、普図保留球数コマンドを受信したと判別した場合には(S1731:Yes)、受信したコマンドから普図の保留球数を抽出して対応する保留数を普通図柄保留球数カウンタ223dに格納(記憶)し、保留数カウンタ223jの値に1加算して更新する。ここで保留球数カウンタ223jは、融合保留個数表示領域Ds6に保留図柄を表示するためのカウンタであり、保留球数カウンタ223jの値に対応した保留図柄が表示されるように構成されている。
S1732の処理を実行した後には、S1733の処理を実行する。S1733の処理では、特図保留球数コマンドを主制御装置110より受信したか判別する(S1733)。特図保留球数コマンドを受信していないと判別した場合には(S1733:No)、この処理を終了する。一方、特図保留球数コマンドを受信したと判別した場合には(S1733:Yes)、受信したコマンドから特図(特別図柄)の保留球数を抽出して、対応する保留球数に対応する値を特図保留球数カウンタ223mに格納する(S1734)。特図保留球数カウンタ223mの値は0より大きい値でありか、即ち、特別図柄の保留球が記憶されている状態であるか判別する(S1735)。特図保留球数カウンタ223mの値が0であると判別した場合には(S1735:No)、この処理を終了する。一方、特図保留球数カウンタ223mの値が0より大きい値であると判別した場合には(S1735:Yes)、疑似変動設定フラグ223hはオンであるか、即ち、既に疑似変動の実行が設定されているか判別する(S1736)。疑似変動設定フラグ223hがオンに設定されている場合には(S1736:Yes)、疑似変動設定フラグ223hをオフに設定して(S1737)、S1738の処理を実行する。一方、疑似設定フラグ223hがオフであると判別した場合には(S1736:No)、S1738の処理を実行する。
ここで、特図保留球数コマンドを受信して、特別図柄の保留球が無い状態から新たに記憶された場合には、既に設定されている疑似変動の設定がされていれば、その設定を解除する処理(S1737の処理に相当)を実行するように構成した。これにより、連続して特別図柄の変動が開始される場合に、融合図柄で疑似変動が実行されてしまう不具合を抑制できる。
S1738の処理では、特別図柄の変動期間中であるか判別する(S1738)。特別図柄の変動期間中であると判別した場合には(S1738:Yes)、保留数カウンタ223jの値が0より大きい値であるか、即ち、融合保留個数表示領域Ds6に保留図柄が表示されている状態であるか判別する(S1739)。保留個数カウンタ223jの値が0より大きい値であると判別した場合には(S1739:Yes)、特図保留球数カウンタ223mに対応する融合保留図柄(融合保留個数表示領域Ds6に表示される保留図柄)の表示を特図入賞情報格納エリア223kに記憶されている抽選結果に基づいて選択する(S1740)。ここでは、新たに入球した特別図柄の抽選結果が当たりである場合には、保留球が赤色等の期待度の高い保留図柄に可変され易く、外れである場合には、青色等の期待度の低い保留図柄に可変され易い抽選が実行される。なお、特別図柄の保留球が記憶された場合には、必ず、表示されている保留図柄の色が可変して表示される。一方、保留数カウンタ223jの値が0である場合には(S1739:No)、保留数カウンタ223jの値に1加算して更新する(S1741)。その後、S1740の処理を実行する。保留数カウンタ223jの値が0である場合には、融合保留個数表示領域Ds6に保留図柄が表示されていない場合であるので、新たに保留図柄を表示するために保留数カウンタ223jの値に1加算されて、新たに表示される保留図柄の色がS1740の処理で決定される。S1741の処理では、特図保留数カウンタ223mの値と保留数カウンタ223jの値とを示す表示用保留数コマンドが設定される。なお、S1749の処理においても保留図柄を可変して表示するための表示用コマンドが設定される。
図78に戻って説明を続ける。S1712の処理において、普図変動パターンコマンドを受信していないと判別した場合には(S1712:No)、S1731の処理を実行する。S1731の処理では、普図または特図入賞情報コマンドを受信したか判別する(S1731)。普図または特図入賞情コマンドを受信したと判別した場合には(S1731:Yes)、受信した普図または特図入賞情報コマンドが示す情報を普図入賞情報格納エリア223a、特図入賞情報格納エリア223kにそれぞれ格納する(S1732)。その後、この処理を終了する。
次に、図82を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるメイン処理2(図77参照)内の一処理である変動表示設定処理2(S1630)について説明する。図82は、この変動表示設定処理2(S1630)の制御処理の内容を示したフローチャートである。本第4実施形態における変動表示設定処理2(S1630)は、第1実施形態における変動表示設定処理(図42、S1613)に対して、変動パターン選択処理(S1803)が変動パターン選択処理2(S1820)に、普図変動パターン選択処理(S1805)が普図変動パターン選択処理2(S1830)に、それぞれ変更されている点で第1実施形態と相違する。その他の処理については、第1実施形態と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
S1801の処理において変動開始フラグ223eがオンであると判別した場合には(S1801:Yes)、変動パターン選択処理2を実行する(S1820)。変動パターン選択処理2(S1820)では、特別図柄の変動パターン(変動時間)に対応して融合図柄の変動パターンを選択する処理が実行される。
次に、図83を参照して、変動パターン選択処理2(S1820)について説明する。図83は、この変動パターン選択処理2(S1820)の制御処理の内容を示したフローチャートである。本第4実施形態における変動パターン選択処理2(S1820)では、第1実施形態における変動パターン選択処理(図43、S1802)に対して、S1908〜S1911までの処理が削除されて、疑似変動開始時判別処理(S1920)が追加されている点で相違する。
次に、図84を参照して、本第4実施形態における変動パターン選択処理2(図83、S1820)内の一処理である疑似変動開始時判別処理(S1920)について説明する。図84は、疑似変動開始時判別処理(S1920)の制御処理の内容を示したフローチャートである。疑似変動開始時判別処理(S1920)では、特別図柄の変動開始タイミングにその変動が終了した後に融合図柄で疑似変動を実行するか否かの設定が実行される。
疑似変動開始時判別処理(S1920)では、まず、当該変動の特別図柄の当否判定結果は外れであるか判別する(S1921)。当否判定結果が当たりであると判別した場合には(S1921:No)、この処理を終了する。一方、当否判定結果が外れであると判別した場合には、特図保留球数カウンタ223mの値は0より大きい値であるか判別する(S1922)。特図保留球数カウンタ223mの値は0より大きい値であると判別した場合には(S1922:Yes)、連続して特図変動が実行され、疑似変動を実行する必要がないので、疑似変動を設定せずにこの処理を終了する。一方、特図保留球数カウンタ223mの値が0であると判別した場合には(S1922:No)、普通図柄の2保留内に当たりとなる保留が記憶されているか、普図入賞情報格納エリア223aの情報に基づいて判別する(S1923)。普通図柄の2保留内に当たりとなる保留が記憶されていると判別した場合には(S1923:Yes)、疑似設定フラグ223hをオンに設定する(S1924)。疑似変動の変動時間を最大30秒で設定する(S1925)。その後、この処理を終了する。一方、S1923の処理において、普通図柄の2保留内に当たりとなる保留が記憶されていないと判別した場合には(S1923:No)、この処理を終了する。
このように、本第4実施形態では、特別図柄の変動開始時に、変動開始する当否判定結果が外れであり、特別図柄の保留球が記憶されていない状態において、普通図柄の2保留内に当たりとなる保留球が記憶されていれば、変動開始する特図変動時間の終了後に融合図柄の疑似変動を設定する処理が実行される。よって、外れの判定結果が報知される融合図柄の変動であっても、次の当たりとなる普通図柄の変動が終了し、当たり遊技が実行される期間終了まで融合図柄の変動が確定停止せずに、疑似変動で継続されるので、外れが報知される頻度を抑制でき、遊技者が落胆し、遊技に対する意欲が低下してしまう不具合を抑制できる。
なお、本実施形態では、普通図柄の2保留内に当たりがある場合に疑似変動を設定したが、1保留でもよいし、4保留内等適宜判別して設定してもよい。さらに、特別図柄の保留球が記憶されている場合には、疑似変動を設定しないように構成したが、保留されている特別図柄の変動期間と合成するように融合図柄の変動期間を設定するように構成してもよい。このような場合には、当たりとなる特別図柄の保留が記憶されている場合に、合成しやすく構成することで、融合図柄の変動期間が長いほど、当たりへの期待度を高めることができる。
図82に戻って説明を続ける。S1804の処理において、普図変動開始フラグ223bがオンに設定されている場合には(S1804:Yes)、普図変動パターン選択処理2を実行する(S1830)。普図変動パターン選択処理2(S1830)では、普通図柄の変動開始時に、普通図柄の変動パターン(変動時間)に対応して融合図柄や補助図柄の変動パターンが選択される処理が実行される。
ここで、図85を参照して、変動表示設定処理2(図82、S1630)内の一処理である普図変動パターン選択処理2(S1830)について説明する。図85は、この普図変動パターン選択処理2(S1830)の制御処理の内容を示したフローチャートである。本第4実施形態における普図変動パターン選択処理2(S1830)は、第1実施形態における普図変動パターン選択処理(図44、S1805)に対して、S2021〜S2022の各処理が追加されている点で相違する。その他の処理については、第1実施形態と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
S2005の処理を実行した後には、変動開始する普通図柄の当否判定結果は当たりであるか判別する(S2021)。変動開始する普通図柄の当否判定結果が当たりであると判別した場合には(S2021:Yes)、普図変動時間に対応して開放予告を設定する(S2022)。なお、この開放予告は、特別図柄が変動中であり、その特別図柄の変動が実行されている期間(対応する融合図柄が疑似変動される期間含む)に当たりとなる場合にのみ設定される。ここで設定される開放予告は、図72(a)〜(b)に示す遊技球の発射を遊技者に報知する予告態様である。
このように構成することで、特別図柄が変動している場合には、特別図柄の変動に対応して融合図柄がスクロール表示されており、普通図柄の当否判定結果を判別し難く構成されているが、普通図柄の当たりとなる3秒前に開放予告が実行されるので、第1入球口64aに遊技球を入球させる機会を逃してしまう不具合を抑制できる。
図77に戻って説明を続ける。変動表示設定処理2(S1630)の処理が実行された後には、疑似変動設定処理2(S1640)の処理を実行する。疑似変動設定処理2(S1640)では、疑似変動を実行するタイミングかを判別して、疑似変動の表示設定等を実行する処理を実行する。
ここで、図86を参照して、疑似変動設定処理2(S1640)について説明する。図86は、疑似変動設定処理2の制御処理の内容を示したフローチャートである。本第4実施形態における疑似変動設定処理2(S1640)は、第1実施形態における疑似変動設定処理(図45、S1614)に対してS2221〜S2222の処理が追加されている点で第1実施形態とは相違する。その他の処理については、第1実施形態と同一の処理であるので、その詳細な説明を省略する。
S2201の処理において、疑似変動フラグ223cがオフである、即ち、融合図柄で疑似変動が実行されていない場合には(S2201:No)、外れの特図変動の停止タイミングであるか判別する(S2221)。外れの特図変動の停止タイミングでないと判別した場合には(S2221:No)、この処理を終了する。特図保留球数カウンタ223mの値が0より大きい値であるか判別する(S2222)。特図保留球数カウンタ223mの値が0より大きい値であると判別した場合には(S2222:Yes)、この処理を終了する。一方、特図保留球数カウンタ223mの値が0であると判別した場合には(S222:No)、S2207の処理を実行する。
S2207〜S2213の処理については、第1実施形態で既に説明したが、疑似変動を設定するか判別して疑似変動を設定する条件に一致した場合には、疑似変動の設定が実行される。
このように、本実施形態では、特別図柄にも保留球が記憶されるように構成して、融合図柄で普通図柄と特別図柄との変動に対応した変動が1変動で実行されるように構成した。これにより、複雑なゲーム性であっても、遊技者は、融合図柄を見て遊技を行うことで、容易に遊技を行うことができる。
また、特別図柄の変動に対応する融合図柄を停止表示する場合に、次の普図変動が開始されるタイミングまで普図が変動中で期間がある場合には、変動中の普図が停止表示されるまでの期間で疑似変動が実行されるので、テンポよく融合図柄の停止と開始とが連続するようにすることができる。
また、特別図柄の変動に対応する融合図柄を停止表示する場合に、普通図柄の2保留内に当たりとなる保留が記憶されている場合には、その当たりとなる保留の変動が停止し、当たり遊技が実行される期間が終了するまで疑似変動で融合図柄の変動が確定停止されず、さらに第1入球口64aに入球した場合には、その特図変動の期間まで継続して融合図柄の変動が実行されるので、外れを示す報知結果で融合図柄が停止表示される機会を減らすことができ、遊技者の意欲を低下させる不具合を抑制できる。
なお、本実施形態では、特別図柄の変動に対応する融合図柄の変動停止時に疑似変動を実行するように構成したが、普通図柄の変動に対応する融合図柄の変動停止時に疑似変動を実行するように構成してもよい。
なお、上記した各実施形態の一部またはすべてをそれぞれ組み合わせたパチンコ機としてもよい。
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
以下に、本発明の遊技機に加えて、上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
<特徴A群>(普図、特図を融合した図柄を表示)
第1判定条件の成立に基づいて第1判定を実行する第1判定手段と、前記第1判定条件とは異なる第2判定条件の成立に基づいて、第2判定を実行する第2判定手段と、前記第1判定手段による第1判定結果が特定の判定結果である場合に、前記第2判定条件が成立し易くなる特定期間を付与する付与手段と、前記第2判定手段による第2判定結果が特定の第2判定結果である場合に、遊技者に有利となる特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を有した遊技機において、前記第1判定条件の成立に基づいて、第1識別情報が動的表示される表示手段と、その第1識別情報が動的表示されている期間に前記第2判定条件が成立した場合には、前記第2判定手段による第2判定の結果に基づいた情報を前記第1識別情報により報知させる報知制御手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機A1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、遊技盤に設けられた始動口の状態を、遊技球が入球し難い第1状態から、遊技球が入球し易い第2状態に変更するか否かの第1抽選を実行するものがある。かかる従来型の遊技機では、始動口への始動入賞に基づいて第2抽選を実行し、その第2抽選で特定の抽選結果となった場合に遊技者に有利な当たり遊技が実行される。この種の遊技機では、液晶ディスプレイ等で構成された表示装置が設けられ、第2抽選が実行される毎に、その第2抽選の結果を示す図柄の変動表示を表示装置で実行するのが一般的である。また、上述した従来型の遊技機の中には、遊技球が第1状態で始動口に入球したのか、第2状態で入球したのかによって、その入球に基づいて実行される図柄の変動表示の表示態様を異ならせることにより、興趣向上を図っているものも提案されている(例えば、特開2012−147965号公報)。
しかしながら、上述した従来型の遊技機では、第2状態で始動口に入球したか否かに応じて第2抽選の結果を示す図柄の変動表示の態様を可変させるに過ぎず、第1抽選の結果自体は第2抽選の結果と無関係に表示されていた。よって、第1抽選の結果と、第2抽選の結果とが表示装置上で別々に表示されるので、遊技中に各抽選の結果を理解し難くなってしまう場合があった。よって、遊技者が遊技を容易に行うことができなくなってしまう虞があるという問題点があった。
遊技機A1によれば、第1判定条件の成立に基づいて動的表示される第1識別情報により第2判定結果も報知されるので、遊技者は、第1識別情報に注目して遊技を行えば、第1判定条件の成立タイミングと、第2判定結果とをそれぞれ知ることができ、遊技を容易に行うことができる。
遊技機A1において、前記第1識別情報は、前記第1判定の結果が特定の判定結果である場合には、予め決定された期間が経過したことに基づいて特定の表示態様で前記第1識別情報の一部を表示させる第1表示制御手段を有するものであることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、第1識別情報により第1判定の結果に基づいた情報が表示されるので、遊技者に第1識別情報により第1判定と第2判定との結果を合わせて報知することができるという効果がある。
遊技機A2において、前記第1判定の結果に基づいて、第1期間を決定する第1期間決定手段を有し、前記予め決定された期間は、前記第1期間であることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A2またはA3において、前記第1識別情報により前記特定の表示態様が表示された後、前記特定期間が経過した後も前記第2判定条件が所定期間成立しない場合には、前記第1識別情報の動的表示が停止されるものであることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A2またはA3のいずれかの奏する効果に加え、第1識別情報が長時間動的表示されて、次の第1判定の結果が表示できない不具合を抑制できるという効果がある。
遊技機A1からA4のいずれかにおいて、遊技球が入球可能な第1状態と、その第1状態よりも遊技球の入球が困難となる第2状態とに可変可能な可変入球手段を有し、前記第2判定手段は、前記可変入球手段に遊技球が入球したことに基づいて成立するものであり、前記付与手段は、前記可変入球手段を前記特定期間で前記第1状態に可変させるものであることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A1からA4のいずれかの奏する効果に加え、第1判定が特定の判定結果である場合に、可変入球手段が第1状態に可変されるので、遊技者に可変入球手段へ入球し易い期間を設定することができ、遊技に変化があり、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機A1からA5のいずれかにおいて、前記第1識別情報は複数の識別図柄列を組み合わせて表示することで構成されており、前記複数の識別図柄列のうち少なくとも一つの図柄列に表示される情報により前記第1判定の結果が報知され、前記第1判定の結果が報知された前記識別図柄列を含む他の図柄列により前記第2判定の結果が報知されるものであることを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、遊技機A1からA5のいずれかの奏する効果に加え、複数の識別図柄列で構成された第1識別情報により第1判定結果と第2判定結果とを共通する図柄列で報知でき、図柄列を少なくして分かり易く構成できるという効果がある。
<特徴B群>(普図当たりに合わせて入賞させる構造)
遊技球を発射可能な発射手段と、その発射手段により発射された遊技球が入球可能な第1状態とその第1状態よりも遊技球の入球が困難となる第2状態とに可変可能な可変入球手段と、その可変入球手段に遊技球が入球したことに基づいて、第1判定を実行する第1判定手段と、その第1判定手段による前記第1判定が特定の第1判定結果であることに基づいて、遊技者に有利となる特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、判定条件の成立に基づいて、第2判定を実行する第2判定手段と、その第2判定手段による前記第2判定が特定の第2判定結果であることに基づいて、前記可変入球手段を前記第2状態から前記第1状態に可変させる可変制御手段と、前記可変入球手段よりも上流側に配置され、遊技球を特定期間以上転動させた後に、前記可変入球手段が配置されている方向へ遊技球を排出する遅延手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機B1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、遊技盤に設けられた始動口の状態を、遊技球が入球し難い第1状態から、遊技球が入球し易い第2状態に変更するか否かの第1抽選を実行するものがある。かかる従来型の遊技機では、始動口への始動入賞に基づいて第2抽選を実行し、その第2抽選で特定の抽選結果となった場合に遊技者に有利な当たり遊技が実行される。この種の遊技機では、液晶ディスプレイ等で構成された表示装置が設けられ、第2抽選が実行される毎に、その第2抽選の結果を示す図柄の変動表示を表示装置で実行するのが一般的である。また、上述した従来型の遊技機の中には、遊技球が第1状態で始動口に入球したのか、第2状態で入球したのかによって、その入球に基づいて実行される図柄の変動表示の表示態様を異ならせることにより、興趣向上を図っているものも提案されている(例えば、特開2012−147965号公報)。
しかしながら、上述した従来型の遊技機では、第1の抽選に基づいて始動口の状態が第2状態に変更されたとしても、その第2状態の間に遊技球をタイミング良く始動口へと到達させなければ、第2抽選が実行されることが無かった。よって、遊技者が遊技球を発射していない期間に始動口が第2状態となった場合に、遊技球を始動口に入球させることが困難になってしまうという問題点があった。
遊技機B1によれば、遅延手段により可変入球手段の上流で遊技球が特定期間以上転動させた後に排出されるので、遊技球が発射手段により発射されていない期間に可変入球手段が第1状態となった場合にも、遊技球が可変入球手段に入球し易くできるという効果がある。
遊技機B1において、遊技球が通過可能な特定領域と、その特定領域を遊技球が通過したことを検出可能な検出手段と、を有し、前記検出手段により遊技球が検出したことに基づいて、前記判定条件が成立するものであることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれは、遊技機B1の奏する効果に加え、遊技球が特定領域を通過することで、判定条件が成立するので、遊技球の転動について遊技者に興味を持たせることができるという効果がある。
遊技機B2において、前記遅延手段は、遊技球が入球可能な入球部と、その入球部に入球した遊技球の流下速度を低下させる流下速度減速部と、その流下速度減速部より前記遅延手段外部へと遊技球が排出される排出部と、を少なくとも有し、前記入球部は、前記特定領域を通過した遊技球が誘導され易い位置に配置されているものであることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3において、前記遊技球減速部は、遊技球が螺旋状に転動する転動路を少なくとも有しているものであることを特徴とする遊技機B4。
遊技機B3またはB4において、前記遊技球減速部は、遊技球が円周状に転動するすり鉢形状の転動路を少なくとも有しているものであることを特徴とする遊技機B5。
遊技機B1からB5のいずれかにおいて、前記第2判定条件による第2判定の結果に基づいた識別情報が表示される表示手段と、その表示手段に表示される前記識別情報を動的表示した後、前記第2判定の結果に基づいた識別情報で停止表示させる動的表示手段と、を有し、前記可変制御手段は、前記動的表示手段により前記特定の第2判定結果に基づいた前記識別情報が停止表示された場合に、前記可変入球手段を前記第2状態から前記第1状態可変させるものであり、前記特定期間は、前記動的表示手段により前記識別情報が動的表示される動的表示期間よりも短い期間で構成されているものであることを特徴とする遊技機B6。
遊技機B6において、前記特定期間は、前記動的表示期間から前記遅延手段から排出された遊技球が前記可変入球手段に入球するのに必要な期間が控除された期間で構成されていうものであることを特徴とする遊技機B7。
<特徴C群>(普図変動開始タイミングに合わせて特図変動後に疑似変動)
第1取得条件が成立したことに基づいて、情報を取得する取得手段と、その取得手段により取得された前記情報を所定数まで記憶することが可能な記憶手段と、第1判定条件の成立に基づいて、前記記憶手段に記憶されている情報に基づいて第1判定を実行する第1判定手段と、その第1判定手段により前記第1判定が実行された場合に、第1演出を第1演出期間で実行した後に、前記第1判定の結果を表示する第1表示手段と、その第1表示手段により前記第1判定が特定の結果であることが表示された場合に、遊技球の入球が容易となる入球手段と、その入球手段に遊技球が入球したことに基づいて、第2判定を実行する第2判定手段と、その第2判定手段による第2判定が実行された場合に、第2演出を第2演出期間で実行した後に、前記第2判定の結果を表示する第2表示手段と、その第2表示手段により前記第2判定が特定の結果であることが表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を有した遊技機において、特定条件が成立した場合に、前記第2演出期間の終了タイミングと前記第1演出期間の開始タイミングとの差を小さくするように補正する補正手段を有するものであることを特徴とする遊技機C1。
遊技機C1によれば、第2演出期間の終了タイミングと前記第1演出期間の開始タイミングの差が小さくなるように補正されるので、第1演出と第2演出とが交互に実行され易くなり、遊技者が相互の演出を楽しむことで遊技に飽きてしまう不具合を抑制できる。さらに、第1判定が特定の判定結果である場合に入球手段に遊技球が入球し易くなるので、第1演出期間の終了タイミングと第2演出期間の開始タイミングとに関連性が増し、より交互に演出を実行させることができるという効果がある。
遊技機C1において、前記第2判定が実行されたことに基づいて、前記第2演出期間を決定する第2演出期間決定手段と、その第2演出期間決定手段により決定された第2演出期間から期間外に跨って前記第1演出が実行されるか所定条件の成立に基づいて判別する重複判別手段と、を有し、前記補正手段は、前記重複判別手段により期間外に跨って第1演出が実行されると判別された場合に、前記補正を実行するものであることを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、第1演出の実行開始と差がある場合にのみ補正が実行されるので、第1演出の開始タイミングと第2演出の終了タイミングとをより近づけることができるという効果がある。
遊技機C1またはC2において、前記記憶手段に記憶されている前記情報に対する前記第1判定条件が成立するよりも前に、前記第1判定手段により判定される判定結果を事前に判定する事前第1判定手段と、その事前第1判定手段により前記特定の判定結果と判定されると事前に判定された場合に、その情報に対する前記第1判定に基づく第1演出の終了まで実行されている前記第2演出期間を延長する延長手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、第2演出が次に入球手段に遊技球が入球するタイミングまで延長されるので、第2演出が連続して実行される間隔が短くなり、遊技者が早期に飽きてしまう不具合を抑制できる。
遊技機C2またはC3のいずれかにおいて、前記重複判別手段は、前記第2演出の実行開始タイミングを前記所定条件の成立として、判別を実行するものであることを特徴とする遊技機C4。
遊技機C4において、前記第2演出の実行開始タイミングで第2演出期間を第1演出の実行開始タイミングに合わせて予め決定できるので、制御を容易に行うことができるという効果がある。
遊技機C2からC4のいずれかにおいて、前記重複判別手段は、前記第2演出期間が開始されてから予め定められた期間となったことを前記所定条件の成立として、前記判別を実行するものであることを特徴とする遊技機C5。
遊技機C5によれば、第2演出期間中に第2演出の終了タイミングを第1演出の開始タイミングに合わせることができるので、第2演出が開始されてから後に第1演出が実行された場合にも補正をすることができるという効果がある。
<特徴D群>(普通図柄の判定結果を先読みして、特図変動後に疑似変動を実行)
第1取得条件が成立したことに基づいて、情報を取得する取得手段と、その取得手段により取得された前記情報を所定数まで記憶することが可能な記憶手段と、第1判定条件の成立に基づいて、前記記憶手段に記憶されている情報に基づいて第1判定を実行する第1判定手段と、その第1判定手段により前記第1判定が実行された場合に、第1演出を第1演出期間で実行した後に、前記第1判定の結果を表示する第1表示手段と、その第1表示手段により前記第1判定が特定の結果であることが表示された場合に、遊技球の入球が容易となる入球手段と、その入球手段に遊技球が入球したことに基づいて、第2判定を実行する第2判定手段と、その第2判定手段による第2判定が実行された場合に、第2演出を第2演出期間で実行した後に、前記第2判定の結果を表示する第2表示手段と、その第2表示手段により前記第2判定が特定の結果であることが表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を有した遊技機において、前記第1判定条件が成立するよりも前に、前記記憶手段に記憶された情報に基づいて、前記第1判定手段により判定される判定結果を事前に判別する事前判別手段と、前記事前判別手段により判別された判別結果に基づいて、前記第2演出期間を可変して設定する可変設定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機D1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、遊技盤に設けられた始動口の状態を、遊技球が入球し難い第1状態から、遊技球が入球し易い第2状態に変更するか否かの第1抽選を実行するものがある。かかる従来型の遊技機では、始動口への始動入賞に基づいて第2抽選を実行し、その第2抽選で特定の抽選結果となった場合に遊技者に有利な当たり遊技が実行される。この種の遊技機では、液晶ディスプレイ等で構成された表示装置が設けられ、第2抽選が実行される毎に、その第2抽選の結果を示す図柄の変動表示を表示装置で実行するのが一般的である。また、上述した従来型の遊技機の中には、遊技球が第1状態で始動口に入球したのか、第2状態で入球したのかによって、その入球に基づいて実行される図柄の変動表示の表示態様を異ならせることにより、興趣向上を図っているものも提案されている(例えば、特開2012−147965号公報)。
しかしながら、上述した従来型の遊技機では、第2状態で始動口に入球したか否かに応じて第2抽選の結果を示す図柄の変動表示の態様を可変させるに過ぎず、第1抽選の結果自体は第2抽選の結果と無関係に表示されていた。よって、第1抽選の結果と、第2抽選の結果とが表示装置上で別個独立に表示されるので、第1抽選と第2抽選との関連性を向上させ難いという問題点があった。
遊技機D1によれば、第1判定の判定結果を事前に判定して、第2演出期間を可変させるので、第2演出の実行開始よりも後に実行される第1判定の判定結果に合わせて第2演出期間を可変させることができ、第1演出と第2演出とをそれぞれ遊技者に分かり易く実行できるという効果がある。
遊技機D1において、前記第1判定が実行された場合に、前記第1演出期間を複数の期間より1の演出期間を決定する第1演出期間決定手段を有し、前記可変設定手段は、前記事前判別手段により前記第1判定が特定の結果となると判別された場合に、その判別された前記第1判定に対応する第1演出期間が少なくとも終了するまで継続するように、前記第1演出期間決定手段により決定されうる最長の期間に基づいて実行中または実行する前記第2演出の前記第2演出期間を可変させて設定するものであることを特徴とする遊技機D2。
遊技機D2によれば、第2演出期間が次の第1判定が特定の判定結果となる第1演出の終了まで少なくとも継続されるので、遊技者に第2演出が短期間で連続して実行され易くなり遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機D1またはD2において、前記第2判定が前記特定の判定結果である場合には、前記可変設定手段により前記第2演出期間が可変されることを禁止する禁止手段を有するものであることを特徴とする遊技機D3。
遊技機D3によれば、遊技機D1またはD2の奏する効果に加え、前記第2判定が特定の判定結果である場合には、禁止手段により前記第2演出期間が可変されないので、特典遊技の実行開始タイミングが可変されることを抑制できるという効果がある。
遊技機D1からD3のいずれかにおいて、前記第1演出と前記第2演出とは、共通の演出図柄を表示手段に動的表示することで少なくとも実行されるものであることを特徴とする遊技機D4。
遊技機D4によれば、遊技機D1からD3のいずれかの奏する効果に加え、第1演出と第2演出とが共通の演出図柄を動的表示することで実行されるので、遊技者に第1演出と第2演出とを分かり易く報知できるという効果がある。
<特徴E群>(普図変動と特図変動とで大当たり判定を報知)
第1取得条件が成立したことに基づいて、情報を取得する取得手段と、その取得手段により取得された前記情報を所定数まで記憶することが可能な記憶手段と、第1判定条件の成立に基づいて、前記記憶手段に記憶されている情報に基づいて第1判定を実行する第1判定手段と、その第1判定手段により前記第1判定が実行された場合に、その第1判定の結果に基づいた第1演出を実行する第1演出実行手段と、前記第1判定が特定の結果である場合に、遊技球の入球が容易となる入球手段と、その入球手段に遊技球が入球したことに基づいて、第2判定を実行する第2判定手段と、その第2判定手段による第2判定が特定の判定結果である場合に、遊技者に有利となる特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記第2判定手段による第2判定が実行された場合に、前記第1演出を継続した前記第2判定の結果に基づいた継続演出を実行する継続演出実行手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機E1。
遊技機E1によれば、第1判定と第2判定との結果が継続した演出で実行されるので、遊技者に2つの判定を一つの判定の結果であるかのように見せることができるという効果がある。
遊技機E1において、前記第1判定が特定の結果であることに基づいて実行される第1演出は、前記入球手段が入球容易である期間の間、少なくとも継続して実行されるものであることを特徴とする遊技機E2。
遊技機E2によれば、遊技機E1の奏する効果に加え、球手段が入球容易である期間の間、第1演出が継続して実行されるので入球手段に遊技球が入球して第2判定が実行された場合に実行される継続演出と連続し易くできるという効果がある。
遊技機E1またはE2において、前記第1演出として複数の図柄列が動的表示される表示手段を有し、前記第1演出実行手段は、前記第1判定の結果に基づいて前記複数の図柄列のうち、少なくとも2つを前記第1判定の結果を示す組み合わせで停止させるものであり、前記継続演出実行手段は、前記第1演出実行手段で停止された図柄列以外の図柄列を前記第2判定の結果に基づいて前期第1演出実行手段により停止された図柄の組み合わせと関連する図柄の組み合わせで停止するものであることを特徴とする遊技機E3。
遊技機E3によれば、遊技機E1またはE2の奏する効果に加え、複数の図柄を組み合わせて第1判定と第2判定とをそれぞれ順に報知することができるので、別々に図柄を設定する場合よりも簡略化して報知できるという効果がある。
遊技機E1からE3のいずれかにおいて、前記入球手段は、前記入球が容易となる期間以外では入球ができない構成であることを特徴とする遊技機E4。
遊技機E4によれば、遊技機E1からE3のいずれかの奏する効果に加え、第1判定が特定の判定結果となった場合以外に、第2判定が実行されないので、第2判定が実行されるタイミングを分かり易くすることができるという効果がある。
<特徴F群>(ゲーム性)
第1判定条件の成立に基づいて、特定の第1判定結果となる判定確率が第1確率に設定された判定を実行する第1判定手段と、その第1判定手段により前記特定の第1判定結果と判別された場合に、遊技球の入球が容易となる期間が設定される入球手段と、その入球手段に遊技球が入球した場合に、特定の第2判定結果となる判定確率が第2確率に設定された判定を実行する第2判定手段と、その第2判定手段により前記特定の第2判定結果と判定された場合に、遊技者に有利となる特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機F1。
遊技機F1によれば、第1判定確率と第2判定確率とを組み合わせて特典遊技が実行される確率を設定できるので斬新な遊技を遊技者に提供できるという効果がある。
遊技機F1において、前記第2判定手段により前記特定の第2判定結果とは異なる特殊な第2判定結果と判定された場合に、遊技球の入球が可能となる領域と、その領域に入球した遊技球が通過可能な特定領域と、を有し、前記特典遊技実行手段は、前記特定領域に遊技球が通過したことに基づいて、前記特典遊技を実行するものであることを特徴とする遊技機F2。
遊技機F2によれば、遊技機F1の奏する効果に加え、特定の第2判定結果と判定されなかった場合にも特殊な第2判定結果となることにより、特定領域に遊技球が通過可能となる機会が与えられるので、遊技の興趣をより向上できるという効果がある。
遊技機F2において、前記特殊な第2判定結果と判定される確率は前記第2確率よりも高く設定されているものであることを特徴とする遊技機F3。
遊技機F3によれば、遊技機F2の奏する効果に加え、特殊な第2判定結果と判定される頻度が高くなり、遊技者に特定領域へ入球させようとする遊技を実行させて飽きるのを防止させることができる。
遊技機F2またはF3において、前記領域へ入球した遊技球が前記特定領域へ通過可能となる第1状態と、その第1状態よりも通過困難となる第2状態とに可変可能な可変部材と、その可変部材を、所定条件の成立に基づいて前記第2状態から前記第1状態へと可変させる可変制御手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機F4。
遊技機F4によれば、遊技機F2またはF3の奏する効果に加え、特定領域へ通過可能な状態と困難状態とに可変できるので、領域へ通過した場合に特定領域へ遊技球が通過する割合を制御することができるという効果がある。
遊技機F4において、前記第2判定手段により前記特殊な第2判定結果と判定されたことに基づいて、前記領域に遊技球が入球可能となるタイミングを決定するタイミング決定手段を有し、前記所定条件は、前記特殊な第2判定結果となったことに基づいて、予め定められた所定タイミングで成立するものであることを特徴とする遊技機F5。
遊技機F5によれば、遊技機F4の奏する効果に加え、タイミング決定手段により決定されたタイミングにより特定領域へ遊技球が通過可能となるか否かを可変できるので、容易に特定領域へ遊技球を通過させる割合を制御できるという効果がある。
前記各遊技機は、パチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機Z1。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された入賞口に入賞(又は入賞口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
前記各遊技機は、スロットマシンであることを特徴とする遊技機Z2。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
前記各遊技機は、パチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機Z3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
<その他>
ここで、パチンコ機等の遊技機には、遊技盤に設けられた始動口の状態を、遊技球が入球し難い第1状態から、遊技球が入球し易い第2状態に変更するか否かの第1抽選を実行するものがある。かかる従来型の遊技機では、始動口への始動入賞に基づいて第2抽選を実行し、その第2抽選で特定の抽選結果となった場合に遊技者に有利な当たり遊技が実行される。これにより、第1抽選の結果と、第2抽選の結果との両方に注目させ、遊技者の興趣向上を図っていた(例えば、特許文献1:特開2003−325886号公報)。
しかしながら、上記例示等の遊技機においては、遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
本技術的思想は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的としている。
<手段>
この目的を達成するために技術的思想1の遊技機は、第1判定条件の成立に基づいて、特定の第1判定結果となる判定確率が第1確率に設定された判定を実行する第1判定手段と、その第1判定手段により前記特定の第1判定結果と判別された場合に、遊技球の入球が容易となる期間が設定される入球手段と、その入球手段に遊技球が入球した場合に、特定の第2判定結果となる判定確率が第2確率に設定された判定を実行する第2判定手段と、その第2判定手段により前記特定の第2判定結果と判定された場合に、遊技者に有利となる特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を有するものである。
技術的思想2の遊技機は、技術的思想1に記載の遊技機において、前記第2判定手段により前記特定の第2判定結果とは異なる特殊な第2判定結果と判定された場合に、遊技球の入球が可能となる領域と、その領域に入球した遊技球が通過可能な特定領域と、を有し、前記特典遊技実行手段は、前記特定領域に遊技球が通過したことに基づいて、前記特典遊技を実行するものである。
技術的思想3の遊技機は、技術的思想1または2に記載の遊技機において、前記特殊な第2判定結果と判定される確率は前記第2確率よりも高く設定されているものである。
<効果>
技術的思想1記載の遊技機によれば、第1判定条件の成立に基づいて、特定の第1判定結果となる判定確率が第1確率に設定された判定を実行する第1判定手段と、その第1判定手段により前記特定の第1判定結果と判別された場合に、遊技球の入球が容易となる期間が設定される入球手段と、その入球手段に遊技球が入球した場合に、特定の第2判定結果となる判定確率が第2確率に設定された判定を実行する第2判定手段と、その第2判定手段により前記特定の第2判定結果と判定された場合に、遊技者に有利となる特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を有するものである。よって、興趣を向上できるという効果がある。
技術的思想2記載の遊技機によれば、技術的思想1記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、前記第2判定手段により前記特定の第2判定結果とは異なる特殊な第2判定結果と判定された場合に、遊技球の入球が可能となる領域と、その領域に入球した遊技球が通過可能な特定領域と、を有し、前記特典遊技実行手段は、前記特定領域に遊技球が通過したことに基づいて、前記特典遊技を実行するものである。よって、興趣を向上できるという効果がある。
技術的思想3記載の遊技機によれば、技術的思想1または2記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、前記特殊な第2判定結果と判定される確率は前記第2確率よりも高く設定されているものである。よって、興趣を向上できるという効果がある。