以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1から図44を参照し、第1実施形態として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)10に適用した場合の一実施形態について説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
図1に示すように、パチンコ機10は、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の正面を球(遊技球)が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の正面領域に発射する球発射ユニット112a(図4参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の正面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の正面側には、その正面上側を覆う正面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。正面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として正面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と正面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
正面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。正面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の正面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
正面枠14には、球を貯留する上皿17が正面側へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112a(図4参照)へと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、第3図柄表示装置81(図2参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
正面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、正面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、正面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13正面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等がパチンコ機10の正面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その左側部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の正面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51及び操作デバイス300が配設される。なお、操作デバイス300については後述する。
操作ハンドル51の内部には、球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する発射停止スイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)などが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回動操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が回動操作量に対応して変化し、その可変抵抗器の抵抗値に対応した強さ(発射強度)で球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の正面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび発射停止スイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿(図示せず)が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工したベース板60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車(図示せず)の他、レール61,62、一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口640、可変入賞装置330、スルーゲート67、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12(図1参照)の裏面側に取り付けられる。ベース板60は光透過性の樹脂材料からなり、その正面側からベース板60の背面側に配設された各種構造体を遊技者に視認させることが可能に形成される。一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口640、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の正面側からタッピングネジ等により固定されている。
遊技盤13の正面中央部分は、正面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の正面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の正面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の正面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の正面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の正面であって2本のレール61,62とレール間を繋ぐ樹脂製の外縁部材73とにより区画して形成される領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図4参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。
遊技領域の正面視左側下部(図2の左側下部)には、発光手段である複数のLED及び7セグメント表示器を備える第1図柄表示装置37A,37Bが配設されている。第1図柄表示装置37A,37Bは、主制御装置110(図4参照)で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。本実施形態では、第1図柄表示装置37A,37Bは、球が、第1入賞口64へ入賞したか、第2入賞口640へ入賞したかに応じて使い分けられるように構成されている。具体的には、球が、第1入賞口64へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Aが作動し、一方で、球が、第2入賞口640へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Bが作動するように構成されている。
また、第1図柄表示装置37A,37Bは、LEDにより、パチンコ機10が確変中か時短中か通常中であるかを点灯状態により示したり、変動中であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が確変大当たりに対応した図柄か普通大当たりに対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すと共に、7セグメント表示装置により、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行う。なお、複数のLEDは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
尚、本パチンコ機10では、第1入賞口64及び第2入賞口640へ入賞があったことを契機として抽選が行われる。パチンコ機10は、その抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、15R確変大当たり、4R確変大当たり、15R通常大当たりが用意されている。第1図柄表示装置37A,37Bには、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
ここで、「15R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことであり、「4R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことである。また、「15R通常大当たり」は、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に、低確率状態へ移行すると共に、所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)は時短状態となる大当たりのことである。
また、「高確率状態」とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動中(確変中)の時をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。本実施形態における高確率状態(確変中)は、後述する第2図柄の当たり確率がアップして第2入賞口640へ球が入賞し易い遊技の状態を含む。「低確率状態」とは、確変中でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、確変の時より大当たり確率が低い状態をいう。また、「低確率状態」のうちの時短状態(時短中)とは、大当たり確率が通常の状態であると共に、大当たり確率がそのままで第2図柄の当たり確率のみがアップして第2入賞口640へ球が入賞し易い遊技の状態のことをいう。一方、パチンコ機10が通常中とは、確変中でも時短中でもない遊技の状態(大当たり確率も第2図柄の当たり確率もアップしていない状態)である。
確変中や時短中は、第2図柄の当たり確率がアップするだけではなく、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放される時間も変更され、通常中と比して長い時間が設定される。電動役物640aが開放された状態(開放状態)にある場合は、その電動役物640aが閉鎖された状態(閉鎖状態)にある場合と比して、第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態となる。よって、確変中や時短中は、第2入賞口640へ球が入賞し易い状態となり、大当たり抽選が行われる回数を増やすことができる。
なお、確変中や時短中において、第2入賞口640に付随する電動役物640aの開放時間を変更するのではなく、または、その開放時間を変更することに加えて、1回の当たりで電動役物640aが開放する回数を通常中よりも増やす変更を行うものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2図柄の当たり確率は変更せず、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放される時間および1回の当たりで電動役物640aが開放する回数の少なくとも一方を変更するものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放される時間や、1回の当たりで電動役物640aを開放する回数はせず、第2図柄の当たり確率だけを、通常中と比してアップするよう変更するものであってもよい。
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入賞口64及び第2入賞口640への入賞(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37A,37Bにおける変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、スルーゲート67の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置(図示せず)とが設けられている。また、可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は9インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、表示制御装置114(図4参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば上、中及び下の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に横スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110(図4参照)の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37A,37Bで行われるのに対して、その第1図柄表示装置37A,37Bの表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えばリール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
第2図柄表示装置は、球がスルーゲート67を通過する毎に表示図柄(第2図柄(図示せず))としての「○」の図柄と「×」の図柄とを所定時間交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機10では、球がスルーゲート67を通過したことが検出されると、当たり抽選が行われる。その当たり抽選の結果、当たりであれば、第2図柄表示装置において、第2図柄の変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、当たり抽選の結果、外れであれば、第2図柄表示装置において、第3図柄の変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。
パチンコ機10は、第2図柄表示装置における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に、第2入賞口640に付随された電動役物640aが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。
第2図柄の変動表示にかかる時間は、遊技状態が通常中の場合よりも、確変中または時短中の方が短くなるように設定される。これにより、確変中および時短中は、第2図柄の変動表示が短い時間で行われるので、当たり抽選を通常中よりも多く行うことができる。よって、当たり抽選において当たりとなる機会が増えるので、第2入賞口640の電動役物640aが開放状態となる機会を遊技者に多く与えることができる。よって、確変中および時短中は、第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態とすることができる。
なお、確変中または時短中において、当たり確率を高める、1回に当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を増やすなど、その他の方法によっても、確変中または時短中に第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態としている場合は、第2図柄の変動表示にかかる時間を遊技状態にかかわらず一定としてもよい。一方、第2図柄の変動表示にかかる時間を、確変中または時短中において通常中よりも短く設定する場合は、当たり確率を遊技状態にかかわらず一定にしてもよいし、また、1回の当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を遊技状態にかかわらず一定にしてもよい。
スルーゲート67は、可変表示装置ユニット80の左右の領域において遊技盤13に組み付けられ、遊技盤13に発射された球の一部が通過可能に構成されている。スルーゲート67を球が通過すると、第2図柄の当たり抽選が行われる。当たり抽選の後、第2図柄表示装置にて変動表示を行い、当たり抽選の結果が当たりであれば、変動表示の停止図柄として「○」の図柄を表示し、当たり抽選の結果が外れであれば、変動表示の停止図柄として「×」の図柄を表示する。
球のスルーゲート67の通過回数は、合計で最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37A,37Bにより表示されると共に第2図柄保留ランプ(図示せず)においても点灯表示される。第2図柄保留ランプは、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37A,37B及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプの点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、スルーゲート67の球の通過に対する最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、スルーゲート67の組み付け数は2つに限定されるものではなく、例えば1つであっても良い。また、スルーゲート67の組み付け位置は可変表示装置ユニット80の左右に限定されるものではなく、例えば、可変表示装置ユニット80の下方でも良い。また、第1図柄表示装置37A,37Bにより保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプにより点灯表示を行わないものとしてもよい。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入賞し得る第1入賞口64が配設されている。この第1入賞口64へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図4参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Aで示される。
一方、第1入賞口64の正面視下方には、球が入賞し得る第2入賞口640が配設されている。この第2入賞口640へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第2入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図4参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Bで示される。
また、第1入賞口64および第2入賞口640は、それぞれ、球が入賞すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、本実施形態においては、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを同じに構成したが、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを異なる数、例えば、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を3個とし、第2入賞口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を5個として構成してもよい。
第2入賞口640には電動役物640aが付随されている。この電動役物640aは開閉可能に構成されており、通常は電動役物640aが閉鎖状態(縮小状態)となって、球が第2入賞口640へ入賞しにくい状態となっている。一方、スルーゲート67への球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置に表示された場合、電動役物640aが開放状態(拡大状態)となり、球が第2入賞口640へ入賞しやすい状態となる。
上述した通り、確変中および時短中は、通常中と比して第2図柄の当たり確率が高く、また、第2図柄の変動表示にかかる時間も短いので、第2図柄の変動表示において「○」の図柄が表示され易くなって、電動役物640aが開放状態(拡大状態)となる回数が増える。更に、確変中および時短中は、電動役物640aが開放される時間も、通常中より長くなる。よって、確変中および時短中は、通常時と比して、第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態を作ることができる。
ここで、第1入賞口64に球が入賞した場合と第2入賞口640へ球が入賞した場合とで、大当たりとなる確率は、低確率状態であっても高確率状態でも同一である。しかしながら、大当たりとなった場合に選定される大当たりの種別として15R確変大当たりとなる確率は、第2入賞口640へ球が入賞した場合のほうが第1入賞口64へ球が入賞した場合よりも高く設定されている。一方、第1入賞口64は、第2入賞口640にあるような電動役物は有しておらず、球が常時入賞可能な状態となっている。
よって、通常中においては、第2入賞口640に付随する電動役物が閉鎖状態にある場合が多く、第2入賞口640に入賞しづらいので、電動役物のない第1入賞口64へ向けて、可変表示装置ユニット80の左方を球が通過するように球を発射し(所謂「左打ち」)、第1入賞口64への入賞によって大当たり抽選の機会を多く得て、大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
一方、確変中や時短中は、スルーゲート67に球を通過させることで、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放状態となりやすく、第2入賞口640に入賞しやすい状態であるので、第2入賞口640へ向けて、可変表示装置80の右方を球が通過するように球を発射し(所謂「右打ち」)、スルーゲート67を通過させて電動役物を開放状態にすると共に、第2入賞口640への入賞によって15R確変大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
なお、本実施形態におけるパチンコ機10は、遊技盤13の構成が左右対称とされるため、「右打ち」で第1入賞口64を狙うことも、「左打ち」で第2入賞口640を狙うこともできる。そのため、本実施形態のパチンコ機10は、パチンコ機10の遊技状態(確変中であるか、時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えさせることを不要にできる。よって、球の打ち方を変化させる煩わしさを解消することができる。
第1入賞口64の下方には可変入賞装置330(図11参照)が配設されており、その略中央部分に特定入賞口65aが設けられている。パチンコ機10においては、第1入賞口64又は第2入賞口640への入賞に起因して行われた大当たり抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37A又は第1図柄表示装置37Bを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、最高で例えば15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて大当たりに対応したLEDが点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。また、特定入賞口65aは1つに限るものではなく、1つ若しくは2以上の複数(例えば3つ)を配置しても良く、また配置位置も第1入賞口64の下方右側や、第1入賞口64の下方左側に限らず、例えば、可変表示装置ユニット80の左方でも良い。
遊技盤13の下側における右隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、正面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
遊技盤13には、アウト口71が設けられている。遊技領域を流下する球であって、いずれの入賞口63,64,65a,640にも入賞しなかった球は、アウト口71を通って図示しない球排出路へと案内される。アウト口71は、特定入賞口65aの左右に一対で配設される。
遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)とが配設されている。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図4参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図4参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図4を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図4は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。主制御装置110では、MPU201によって、大当たり抽選や第1図柄表示装置37A,37B及び第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。
なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
RAM203は、各種エリア、カウンタ、フラグのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図示せず)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図示せず)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37A,37B、第2図柄表示装置、第2図柄保留ランプ、特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として正面側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群およびスライド位置検出センサSや回転位置検出センサRを含むセンサ群などからなる各種スイッチ208、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回動操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための発射停止スイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、その他装置228、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。その他装置228には駆動モータ342や、ボイスコイルモータ352が含まれる。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から受信した各種のコマンド(変動パターンコマンド、停止種別コマンド等)に基づいて、第3図柄表示装置81の表示態様を決定し、決定した表示態様をコマンド(表示用変動パターンコマンド、表示用停止種別コマンド等)によって表示制御装置114へ通知する。また、音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。表示制御装置114は、この音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに従って、第3図柄表示装置81に各種の画像を表示する。
また、音声ランプ制御装置113は、表示制御装置114から第3図柄表示装置81の表示内容を表すコマンド(表示コマンド)を受信する。音声ランプ制御装置113では、表示制御装置114から受信した表示コマンドに基づき、第3図柄表示装置81の表示内容に合わせて、その表示内容に対応する音声を音声出力装置226から出力し、また、その表示内容に対応させてランプ表示装置227の点灯および消灯を制御する。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動演出などの表示を制御するものである。また、表示制御装置114は、第3図柄表示装置81の表示内容を通知する表示コマンドを適宜音声ランプ制御装置113へ送信する。音声ランプ制御装置113は、この表示コマンドによって示される表示内容にあわせて音声出力装置226から音声を出力することで、第3図柄表示装置81の表示と音声出力装置226からの音声出力とをあわせることができる。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図示せず)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
図5は、操作デバイス300の正面斜視図である。図5に示すように、操作デバイス300は、正面視における内枠12の左右方向中央部(即ち、パチンコ機10の左右方向中央部)に配置される。
操作デバイス300は、遊技者に押し込まれることにより傾倒動作可能に構成される傾倒装置310を備え、上皿17の外枠に沿って前後方向に凹設される収容凹部17aによって構成される領域に配設される。遊技者が傾倒装置310を傾倒(回転)操作することにより、パチンコ機10(図1参照)に信号が入力される。
傾倒装置310と収容凹部17aとの間には、少なくとも手の指が無理なく入る程度の隙間が空けられる。これにより、遊技者は、傾倒装置310の上面奥側に指先を配置する態様で傾倒装置310を操作する準備を行うことができる(図7参照)。
なお、遊技者は右手で操作ハンドル51を握るため、傾倒装置310の操作は左手で行われることが多くなる。そのため、以下の説明では、遊技者が傾倒装置310を左手で操作するという前提で、説明を行う。
図6(a)は、パチンコ機10の部分正面図であり、図6(b)は、図6(a)のVIb−VIb線におけるパチンコ機10の部分断面図であり、図7(a)は、パチンコ機10の部分正面図であり、図7(b)は、図7(a)のVIIb−VIIb線におけるパチンコ機10の部分断面図である。
図6及び図7では、パチンコ機10の、操作デバイス300付近が部分的に図示される。なお、図6では、傾倒装置310が操作面312a1が上下方向を向く第1状態(本実施形態における初期状態)に配置された状態が図示され、図7では、傾倒装置310が第1状態から軸部314を中心に起き上がることにより操作面312a1が上後方を向く第2状態に配置された状態が図示される。なお、図7では、傾倒装置310を操作する遊技者の手の一例が想像線で図示される。
傾倒装置310は、第1状態と第2状態との間を駆動装置340の駆動力によって自動動作可能に構成される。なお、駆動装置340の詳細については後述する。
傾倒装置310の操作の一例について説明する。傾倒装置310の操作は、例えば、第3図柄表示装置81(図2参照)に特定の表示(例えば、「ボタンを押せ」という表示)が現れた時に遊技者が行うものである。
ここで、例えば、上下に進退動作するボタンを押し込む場合のように、手を下方に勢いよく落とす方法で傾倒装置310の押し込み操作を行うと、傾倒の度合いによって操作面312a1の位置が手前側へ向けてずれ、手の平と操作面312a1とが擦れ易い態様となっている。そのため、遊技者に違和感を与えることができ、遊技者が手を下方に勢いよく落とす方法で押し込み操作をすることを抑制することができる。
本実施形態では、図7に示すように、指先を傾倒装置310の軸部314付近に置いて、指先を支点として手の平を下方へ下ろすことにより、手の平を操作面312a1と一体化させたまま、快適に傾倒装置310を押し込み操作することができる。
従って、手を下方に勢いよく落とす方法をさせないように、指先を支点として手の平を下方へ下ろす方法で操作を行うように遊技者を誘導することができる。これにより、遊技者の操作により傾倒装置310に加えられる衝撃の度合いを低減し、傾倒装置310が損傷する可能性を低減することができる。
図8及び図9を参照して、遊技者視点における傾倒装置310の見え方の違いについて説明する。図8は、図6の矢印VIII方向視における操作デバイス300の正面斜視図であり、図9は、図7の矢印IX方向視における操作デバイス300の正面斜視図である。なお、図8及び図9では、パチンコ機10の形状が想像線で部分的に図示される。また、図9では、傾倒装置310を押し込み操作する遊技者の手の一例が想像線で図示される。
図8及び図9に示すように、傾倒装置310の操作面312a1は、遊技者視点において、第1状態では視認可能とされる一方、第2状態では、視認不能となる程度まで面積が縮小される(操作面312a1が、遊技者視点の外側へ向けられる)。これにより、第1状態と第2状態とで傾倒装置310の見え方を大きく変えることができる。
本実施形態では、第1状態から第2状態へ変化する過程において、保護レンズ部材311iの面積が次第に大きくなる態様で構成され、それに伴って操作デバイス300の内側に配置されるLED装置341f(図12参照)の光量が次第に大きく視認されるので、第1状態と第2状態とで遊技者が視認可能な光の光量の違い(明暗の度合い)が大きくなり、第1状態と第2状態とで傾倒装置310の見え方を大きく変えることができる。
傾倒装置310の操作の一例について説明する。本実施形態では、図9に示すように、小指の外側の側面を傾倒装置310の軸部314(図7参照)付近に置いて、小指の外側の側面部分を支点として手の平を下方へ下ろすことにより(手首を軸に回転させることにより)、手の平を操作面312a1と一体化させたまま、快適に傾倒装置310を押し込み操作することができる。
従って、手を下方に勢いよく落とす方法をさせないように、小指の外側の側面部分を支点として手の平を下方へ下ろす方法で操作を行うように遊技者を誘導することができる。これにより、遊技者の操作により傾倒装置310に加えられる衝撃の度合いを低減し、傾倒装置310が損傷する可能性を低減することができる。
次いで、図10及び図11を参照して、操作デバイス300について説明する。図10は操作デバイス300の正面斜視図であり、図11は操作デバイス300の背面斜視図である。図10に示すように、操作デバイス300は、傾倒装置310が後側端部に配置される軸部314を中心に回転可能に軸支される。
また、図11に示すように、傾倒装置310に対して直道方向の衝撃を与えるボイスコイルモータ352と、第1状態からの押し込み操作を検出する検出センサ324L,324Rと、が傾倒装置310を下側から囲う下枠部材320の外側に配置される。
このように、傾倒装置310の位置を検出するセンサや、駆動力を与えるボイスコイルモータ等を下枠部材320の外側に配置することにより、下枠部材320の内側の領域を大きく使って、傾倒装置310を下枠部材320に収容することができる。これにより、傾倒装置310の移動可能量を大きく確保することができる。
図12は、操作デバイス300の正面分解斜視図であり、図13は、操作デバイス300の背面分解斜視図である。図12及び図13に示すように、操作デバイス300は、背面側端部(図12紙面奥側端部)で左右端部にそれぞれ配設されるリング部材BR1を備える傾倒装置310と、その傾倒装置310のリング部材BR1を下側から支持する下側軸受け部323を有すると共に傾倒装置310の押し込み終端を定める下枠部材320と、傾倒装置310のリング部材BR1を上側から支持し下枠部材320と向かい合わせで配置される凹設部を有し中央部に大きな開口を有する部材であって、下枠部材320との間に傾倒部材310を配置する態様で下枠部材320に締結固定されると共に傾倒装置310の第2状態における配置を定める上枠部材330と、下枠部材320の下側に締結固定されると共に傾倒装置310とリンク機構を構成するアーム部材345を介して傾倒装置310に駆動力を伝達する駆動装置340と、その駆動装置340に締結固定されると共に駆動装置340を左右方向と後方との三方から覆うことで保護する保護カバー装置350と、を主に備える。
下枠部材320は、底面のうち左右部分が手前側へ向かうほど下降傾斜する態様で構成されるカップ形状の部材であって、手前側へ向かうほど下降傾斜する底板部321と、その底板部321の奥側上端部において水平に配置される板状部材から構成される水平部322と、その水平部322の後端部付近において上方に開放された半円形状の受け部であり傾倒装置310の軸部314を下側から受ける下側軸受け部323と、底板部321の下側において左右一対で配置される左側検出センサ324Lと、右側検出センサ324Rと、底板部321の左右方向中心位置において水平部322の下側に配置される部分が削られることで空けられる開口である開口部325と、を主に備える。
底板部321は、傾倒装置310と当接することにより傾倒装置310の移動終端を定めると共に、複数の開口部を有し、その開口部を通して傾倒装置310の部分が底板部321を通過可能に構成される。
底板部321は、手前側中央部において穿設される伝達用孔321aと、左右の検出センサ324L,324Rの検出溝に沿って穿設される検出用孔321bと、開口部325の左右において左右対称に穿設される挿通用孔321cと、を主に備える。
伝達用孔321aは、保護カバー装置350のボイスコイルモータ352の正面位置に配置されると共に、傾倒装置310の張出凸設部311jが通過可能な大きさで形成される。傾倒装置310の張出凸設部311jが底板部321の下側に張り出した状態においてボイスコイルモータ352を駆動させることにより、傾倒装置310に直動方向の駆動力を与えることができる。
検出用孔321bは、傾倒装置310の下面から凸設される検出片311gL,311gRが挿通可能に構成される貫通孔である。検出用孔321bから張り出した検出片311gL,311gRが検出センサ324L,324Rの検出溝に配置されることで、傾倒装置310の姿勢を検出可能に構成される。
挿通用孔321cは、傾倒装置310のフランジに配設される軸部311cや駆動装置340のアーム部材345を挿通可能な大きさで構成されると共に、駆動装置340を動作させた際にアーム部材345との干渉を避けることができる位置まで貫通孔が形成される。
水平部322は、下枠部材320と駆動装置340とを締結固定する平面を構成すると共に、その上面から上方へ延設されると共に断面が手前側に開放部を有するコ字形状から構成される係止部322aを備える。
係止部322aは、傾倒装置310のねじりバネ315の一端を後方へ移動しないように係止する部分である。係止部322aがねじりバネ315を係止することにより、ねじりバネ322aの付勢力が傾倒装置310を第2状態へ移動させる方向に作用する。
検出センサ324L,324Rは、傾倒装置310の位置を検出するフォトカプラ形式のセンサである。なお、検出センサ324L,324Rは、下枠部材320の底板部321からの離間距離(検出溝の位置)が左右で同等となる位置に配置される。
また、フォトカプラ形式のセンサとは、光を投光する投光部と、この投光部からの光を受光する受光部とを備え、検出する部分を挿入可能な隙間(スリット、検出溝)を備えて略コ字状に配置されるセンサを意味する。
開口部325は、駆動装置340のLED装置341fや回転爪部材347等を下枠部材320の内方に侵入可能とするための貫通孔である。そのため、その左右幅は一対の回転爪部材347の左右幅よりも大きくされる。
一方で、上下幅に関しては、駆動装置340がLED装置341fを上前側に張り出して配置する構成(図17(b)参照)とされるため、LED装置341fが開口部325を通過した後に駆動装置340を上方に押し上げるようにすることで、LED装置341fを開口部325の上方に配置することができ、LED装置341fから回転爪部材347までを含んだ上下幅に比較して、開口部325の上下幅を短くする事ができる。
上枠部材330は、傾倒装置310の下端面から正面側へ延設される延設部311hが引っかかる大きさの開口である開口部331と、下枠部材320の下側受け部323と対向配置されると共に下側が開放された半円形状から構成され傾倒装置310のリング部材BR1を支持する上側軸受け部332と、を主に備える。
保護カバー装置350は、上下方向に分割可能に構成され手前側を除く3方向が覆われる態様で構成されると共に駆動装置340の下端部に締結固定される本体カバー351と、その本体カバー351の底板に支持されると共に正面側に配置され斜め前上方向に振動面が向けられるボイスコイルモータ352と、本体カバー351の底板の上側に検出溝を有する検出センサである左側検出センサ353Lと、右側検出センサ353Rと、を主に備える。
なお、図12では、左右中央に対して左側検出センサ353Lの反対側に配置される右側検出センサ353Rを視認可能とするために本体カバー351が部分的に破られた状態が図示される。
ボイスコイルモータ352は、組立状態(図10参照)において、振動面が下枠部材320の底板部321と略平行となる姿勢で配設される。これにより、傾倒装置310が伝達用孔321aを通して張出凸設部311jを下方に張り出した際にボイスコイルモータ352を駆動させることで、傾倒装置310に駆動力を効率良く伝達することができる。
検出センサ353L,353Rは、駆動装置340の円板カム344L,344Rの位相を検出するフォトカプラ形式のセンサである。駆動装置340の円板カム344L,344Rが検出センサ353L,353Rの検出溝の内側に配置される態様で配置される。円板カム344L,344Rの検出孔344eL,344eRが検出センサ353L,353Rの検出溝に配置されたか否かを検出し、円板カム344L,344Rが特定の位相に配置されたことを検出することができる。
なお、本実施形態では、駆動装置340の左右の円板カム344L,344Rが、検出孔344eL,344eRを異なった位相で備えているので、検出センサ353L,353Rによって検出可能な特定の位相は2種類となる。
次いで、図14から図16を参照して、傾倒装置310について説明する。図14(a)は、傾倒装置310の正面図であり、図14(b)は、図14(a)の矢印XIVb方向視における傾倒装置310の側面図であり、図14(c)は、図14(a)のXIVc−XIVc線における傾倒装置310の断面図である。図15は、傾倒装置310の正面分解斜視図であり、図16は、傾倒装置310の蓋312の背面分解斜視図である。
図14から図16に示すように、傾倒装置310は、側面扇型で上下に開口を有する箱状体から構成されるケース本体311と、そのケース本体311の上側の開口に蓋をする態様でケース本体311に締結固定される蓋312と、その蓋312の手前側端部に締結固定され下方に垂れ下げられる球状レンズ部材313と、ケース本体311と蓋312との後端部において挟まれる態様で配設される軸部314と、その軸部314に巻き付けられるねじりバネ315と、ケース本体311と蓋312との後端部においてケース本体311と蓋312とを分割不能に固定するリング形状のリング部材BR1と、を主に備える。
ケース本体311は、第1状態において奥側から手前側へ向けて下降傾斜する姿勢とされる底板部311aと、その底板部311aの中央に開口された開口部311bと、その開口部311bの左右の縁に沿って下方に張り出されるフランジから左右方向中央側へ延設される円柱形状の軸部311cと、後方端部において軸部314を支える断面半円形状の凹みである凹設部311dと、ねじりバネ315の両腕部315aが挿通可能な位置に配置される溝である挿通溝311eと、鉤形状に形成されると共にねじりバネ315の中央部315bを係止する鉤状部311fと、底板部311aの下方に左右一対で延設される左側検出片311gLと、右側検出片311gR(図15参照)と、底板部311aの手前側端部から所定量手前側に延設される延設部311hと、底板部311aの手前側端部の上側に配置され軸部314を中心とした円弧に沿った形状とされると共に光透過性材料から形成される保護レンズ部材311iと、底板部311aの手前側端部における左右方向中央部から下方へ凸設される張出凸設部311jと、を主に備える。
底板部311aは、傾倒装置310が遊技者から下方へ押し込まれた際に、下枠部材320の底板部321と面で当接する部分である。
開口部311bは、駆動装置340のLED装置341f及び駆動装置340のアーム部材345を挿通可能な開口として構成される。
軸部311cは、駆動装置340のアーム部材345(図17(b)参照)の案内孔345bに挿通される円柱部材であって、駆動装置340との間で駆動力を伝達する部分としての役割を備える。
左側検出片311gL及び右側検出片311gRは、それぞれ、下枠部材320の左側検出センサ324L及び右側検出センサ324R(図15参照)の検出溝に挿通される部分であって、左側検出片311gLの方が右側検出片311gRに比較して張出長さが長くされる。
なお、本実施形態では、右側検出片311gRの先端から、左側検出片311gLの先端までの、軸部314を中心とした角度がおよそ3°(第1状態(図22参照)から押し込み終端(図23参照)まで傾倒装置310が回転する回転角度)となるように、左側検出片311gLが右側検出片311gRに比較して張り出される。
延設部311hは、保護レンズ部材311iの下端部分から正面側に張り出す部分であって、組立状態(図10参照)において、上枠部材330の開口部331に係止される位置まで張り出す態様で構成される。
保護レンズ部材311iは、上面視において湾曲した形状で構成される(図14(a)参照)と共に、左右方向視において湾曲した形状で構成される(図14(c)参照)ので、遊技者が傾倒装置310を押す際の負荷を逃がしやすい(流しやすい)構成とされる。これにより、傾倒装置310の耐久性を向上させることができる。
張出凸設部311jは、底板部311aの下面から直角に凸設されると共に、下枠部材320の伝達用孔321aよりも小さな断面形状から構成され、遊技者が傾倒装置310を押し込み操作した状態(図29参照)において、伝達用孔321aに挿通され、先端が下枠部材320の下方へ張り出される。
図16に示すように、蓋312は、操作面312a1を有する天板部材312aと、その天板部材312aの下面に締結固定される中間板部材312bと、その中間板部材312bを天板部材312aに固定すると共に第1状態(図6参照)においてLED装置341fを囲う大きさの円筒形状から構成される円筒部材312cと、を主に備える。
円筒部材312cは、軸方向の剛性により蓋312の強度を向上させながら、第1状態(図6参照)において、その位置関係から、LED装置341fから傾倒装置310へ向けて照射される光を円筒部材312cの内側に留める一方で、第2状態(図7参照)において、そのような限定を解除し広範囲にLED装置341fからの光を照射可能とする態様で配設される。
レンズ部材313は、光透過性の材料から形成され、上下端部がフランジ状に前方へ延設されると共にその延設端部が保護レンズ部材311iの湾曲形状に合致した形状から構成されると共に、中央部に球殻形状から形成される球殻部313aを備える。
ねじりバネ315は、軸部314に左右一対のねじり部分で巻き付けられ、そのねじり部分の左右外側端部から後方へ延設される両腕部315aと、一対のねじり部分を連結する中央部315bと、を備える。
次いで、図17及び図18を参照して、駆動装置340について説明する。図17(a)は、駆動装置340の正面図であり、図17(b)は、図17(a)の矢印XVIIb方向視における駆動装置340の側面図であり、図18は、駆動装置340の正面分解斜視図である。
図17及び図18に示すように、駆動装置340は、板状の板金部材を折り曲げることにより骨組みを構成する本体部材341と、その本体部材341に締結固定されると共に駆動力を発生する駆動モータ342と、その駆動モータ342の駆動力を伝達する伝達軸棒343と、その伝達軸棒343の両端に回転不能に固定される一対の円板カム344(左円板カム344L、右円板カム344R)と、その円板カム344の連結ピン344dに軸支されるアーム部材345と、本体部材341の軸部341cに軸支されると共に円板カム344の第1張出部344c1や第2張出部344c3と回転方向で当接する解除部材346と、その解除部材346と同軸で軸支され解除部材346の回転に伴って相対動作する回転爪部材347と、その回転爪部材347を下倒れさせる方向へ向けた付勢力を発生するコイルスプリング状のバネ部材である第1スプリングSP1と、解除部材346と回転爪部材347との間で互いに離反させる方向の付勢力を発生するねじりバネ状のバネ部材である第2スプリングSP2と、を主に備える。
本体部材341は、左右で後方へ折曲され上面視コ字形状に形成されるモータ収容部341aと、そのモータ収容部341aの対向配置される板部分の同じ位置に穿設されると共に円板カム344を軸支する軸支孔341bと、その軸支孔341bの軸と平行な軸を有する態様で軸支孔341bから正面側にずれた位置において左右方向に凸設される軸部341cと、その軸部341cの下方においてモータ収容部341aから延設される延設部341dと、モータ収容部341aから前上方向へ向けて延設される照明支持部341eと、その照明支持部341eの上端部に配置されると共に内部にLED光源が配設されるLED装置341fと、を主に備える。
LED装置341fは、その上面部に三角形状の部材であって、光を屈折させる部分(光を屈折させる部分)を備える。これにより、LED装置341fの光を上方にも前方にも満遍なく照射可能となる。
駆動モータ342は、モータ収容部341aのコ字状の内側においてモータ収容部341aに締結固定される固定部材342aを備える。
固定部材342aは、駆動モータ342の回転ギアを軸支すると共に、その回転ギアに伝達ギア343bが歯合する態様で伝達軸棒343を支持する。
アーム部材345は、一方の端部に真円形状で穿設されると共に円板カム344の連結ピン344dに軸支される軸支孔345aと、他方の端部に長方形状で穿設されると共に傾倒装置310の軸部311c(図15参照)が挿通される案内孔345bと、を主に備える。
案内孔345bは、軸支孔345aの反対側の端部が傾倒装置310の第1状態において軸部311cと当接する位置に形成され、その反対側の端部は円板カム344が一回転以上回転可能となるのに十分な位置に形成される。
図19を参照して、伝達軸棒343について説明する。図19は、伝達軸棒343の正面分解斜視図である。伝達軸棒343は、両端部に円板カム344(図18参照)が固定される円柱部材343aと、その円柱部材343aに軸支されると共に駆動モータ342の回転ギアと歯合する伝達ギア343bと、その伝達ギア343bと円柱部材343aとの間で駆動力を伝達するか否かを軸方向の移動により切替可能な可動クラッチ343cと、その可動クラッチ343cを伝達ギア343bに押し付けるコイルバネ343dと、を主に備える。
円柱部材343aは、その両端部に円板カム344を固定する断面D字形状の固定部343a1,343a2を備え、右側の固定部343a2の方が左側の固定部343a1よりも中央側へ長く形成される。ここで、固定部343a2は、詳細には、可動クラッチ343cがコイルバネ343dの付勢力に抗して移動した場合に伝達ギア343bと干渉しない位置まで移動できる長さで形成される。
伝達ギア343bは、円柱部材343aが挿通される真円形状の挿通孔343b1と、可動クラッチ343cと対向配置される面から軸中心の円周位置において軸心方向に沿った凹凸が形成されるクラッチ部343b2と、を備える。
挿通孔343b1が真円形状なので、円柱部材343aが固定された場合にでも、伝達ギア343bは円柱部材343aに対して回転(空回り)することができる。
可動クラッチ343cは、円柱部材343aが挿通される断面D字形状の角度固定孔343c1と、伝達ギア343bと対向配置される面から軸中心の円周位置において軸心方向に沿った凹凸が形成されると共にクラッチ部343b2と係合可能に構成されるクラッチ部343c2と、を備える。
なお、本実施形態では、クラッチ部343b2,343c2は、頂部の角度が約100°の山型の凸部および凹部から構成される。
角度固定孔343c1が断面D字形状とされることで、可動クラッチ343cの円柱部材343aに対する相対回転が不能となるので、伝達ギア343bのクラッチ部343b2と可動クラッチ343cのクラッチ部343c2との係合により、駆動モータ342から伝達ギア343bに伝達される駆動力が、可動クラッチ343cを介して円柱部材343aに伝達される。これにより、駆動モータ342を回転させることにより、円板カム344(図18参照)を回転させることが可能になる。
なお、可動クラッチ343cは、通常はコイルバネ343dの付勢力により伝達ギア343bに近接する位置に配置され、クラッチ部343b2,343c2の係合関係が保たれる。一方で、可動クラッチ343cに軸方向の負荷がかけられることにより、固定部343a2に沿って伝達ギア343bから離反する態様で移動可能に構成される。
図20を参照して、円板カム344について説明する。なお、円板カム344は、左円板カム344Lと右円板カム344Rとが概略鏡写しの形状とされ、異なるのは検出孔344eL,344eRの位置のみであるので、左円板カム344Lのみ説明し、右円板カム344Rの説明は省略する。
図20(a)は、図18の矢印XXa方向視における左円板カム344Lの側面図であり、図20(b)は、図18の矢印XXb方向視における左円板カム344Lの側面図である。なお、図20(a)及び図20(b)では、図18に示すように駆動装置340が第1初期状態とされた状態が図示される。
図20(a)及び図20(b)に示すように、左円板カム344Lは、真円形状の円板の両面から凸設される部分を有する部材であって、円板の中心位置において内側方向へ円筒形状に凸設される中心軸部344aと、その中心軸部344aを中心としたリング形状のリブとして内側方向へ凸設される円形リブ344bと、その円形リブ344bの外側においてその円形リブ344bよりも高さの低いリブとして内側方向へ凸設されると共に2箇所において径方向外側に張り出す部分を有する係合リブ344cと、円形リブ344bと係合リブ344cとの間において外側方向へ円柱形状で凸設されると共にアーム部材345(図18参照)に連結される連結ピン344dと、外周付近において穿設される検出孔344eLと、を主に備える。
右円板カム344Rは、検出孔344eRが、検出孔344eLと60°の角度を成す位置に配置されることのみが異なり、その他は左円板カム344Lの形状を鏡写しした形状から構成される。
中心軸部344aは、内周が円柱部材343a(図19参照)の両端と係合する断面D字形状から構成され、外周が軸支孔341b(図18参照))に内嵌される形状で構成される。即ち、円板カム344は、軸支孔341bに回転可能に軸支される。
円径リブ344bは、円板カム344が軸支孔341bに軸支された状態において、モータ収容部341a(図18参照)の左右壁面に当接可能な位置まで凸設される。これにより、円板カム344の芯ずれを抑制することができる。
係合リブ344cは、第1初期状態において、検出孔344eLが配設される位置から後転方向(図20(a)時計回り)に80°ずれた位置において径方向外側へ張り出される第1張出部344c1と、その第1張出部344c1から角度θ1(本実施形態では角度θ1=50°)ずれた位置において径方向内側へ引っ込む第1引込部344c2と、第1張出部344c1から角度θ2(本実施形態では角度θ2=150°)ずれた位置において、再度径方向外側へ張り出される第2張出部344c3と、その第2張出部344c3から角度θ3(本実施形態では角度θ3=20°)ずれた位置において径方向内側へ引っ込む第2引込部344c4と、を主に備える。
連結ピン344dは、駆動装置340の第1初期状態において、第1状態における傾倒装置310の軸部311eと最も離間距離の長い位置に配置される(図22参照)。即ち、中心軸部344aに対して第1状態における傾倒装置310の軸部311eの反対側に連結ピン344dが配設される。
図21を参照して、解除部材346と回転爪部材347とについて説明する。なお、解除部材346と回転爪部材347とは左右一対で配設され、それらの構成は左右で同一なので、一方のみを説明する。
図21(a)及び図21(b)は、解除部材346及び回転爪部材347の正面図である。なお、図21(a)では、解除部材346に対して回転爪部材347が第2スプリングSP2の付勢方向終端位置まで回転した角度大状態が図示され、図21(b)では、解除部材346に対して回転爪部材347が第2スプリングSP2の付勢力に抗して終端位置まで回転した角度小状態が図示される。
なお、円板カム344に当接されることにより解除部材346が回転する状態は、角度大状態と角度小状態との間の状態(凸設ピン346bが案内長孔347bの中間位置に配置された状態)となる(図35参照)。
図21(a)及び図21(b)に示すように、解除部材346は、概略矩形状の板部材から形成され、軸部341c(図18参照)に軸支される軸支孔346aと、その軸支孔346aの中心軸を中心とする円弧形状で板厚方向に凸設される凸設ピン346bと、第2スプリングSP2の端部が挿通される挿通孔346cと、軸支孔346aから最大径で張り出す部分として構成される係合部346dと、を主に備える。
係合部346dは、組立状態(図10参照)において、円板カム344の係合リブ344c(図20参照)と当接可能に構成される部分である。本実施形態では、係合部346dの外周が湾曲して形成されることにより、係合リブ344との当接を滑らかに行うことができる。
回転爪部材347は、概略長方形状の板部材から形成され、軸部341c(図18参照)に軸支される軸支孔347aと、その軸支孔347aの中心軸を中心とする円弧形状に沿って解除部材346の凸設ピン346bを案内可能に穿設される(凸設ピン346bの移動軌跡を内側に含む大きさで穿設される)案内長孔347bと、第2スプリングSP2の端部が挿通される挿通孔347cと、軸支孔347aの反対側の端部において下方に鉤状に凸設される鉤状部347dと、第1スプリング(図18参照)の端部を挿通可能に穿設される引下用孔347eと、を主に備える。
本実施形態では、図21(a)に示す角度大状態において、解除部材346が回転爪部材347に対して後転方向(図21(a)時計回り方向)の終端位置に配置される。そのため、角度大状態において、係合部346dに押し下げ方向の負荷がかけられると、解除部材346及び回転爪部材347が一体となって後転方向に回転する一方、角度大状態において、係合部346dに押し上げ方向の負荷がかけられると、図21(b)に示す角度小状態に至るまでは解除部材346のみを回転させ回転爪部材347の姿勢を維持することができる。
次いで、操作デバイスの動作例について説明する。まず、図22から図24を参照して、傾倒装置310が第1状態に配置された状態において、遊技者が押し込み操作する場合の動作例について説明する。なお、以下の動作例の説明において、理解を容易にするために蓋312の図示が簡略化される。
図22から図24は、図6(a)のXXII−XXII線における操作デバイス300の断面図である。なお、図22では、傾倒装置310が第1状態とされた状態が図示され、図23では、図22に示す状態から遊技者が傾倒装置310を終端位置まで押し込んだ状態が図示され、図24では、図23の状態から第1状態に至るまで傾倒装置310が復帰動作した後の状態が図示される。また、図22から図24において、傾倒装置310を連打操作する遊技者の手の一例が図示される。
図22に示すように、傾倒装置310は、ねじりバネ315により後転方向(図22時計回り)の付勢力を受けると共に、底板部311aが回転爪部材347の鉤状部347dに引っ掛けられる。これにより、第1状態で傾倒装置310が姿勢維持される。即ち、第1状態において、傾倒装置310には後転方向(図22時計回り)の付勢力が常時作用している。
図22に示す状態において、左側検出片311gLは左側検出センサ324Lの検出溝に挿通されており(ON状態)、その一方、右側検出片311gRは右側検出センサ324Rの検出溝の手前に配置される(OFF状態、図11参照)。
図23に示すように、遊技者が傾倒装置310を押しこむ動作を行うと、傾倒装置310が前転方向(図23反時計回り)に約3°回転する。この状態において、左側検出片311gLは左側検出センサ324Lの検出溝に挿通されており(ON状態)、同様に、右側検出片311gRは右側検出センサ324Rの検出溝に挿通される(ON状態)。
従って、左側検出センサ324L及び右側検出センサ324Rの検出状態の変化を判定することにより、傾倒装置310が第1状態から遊技者に押し込み操作されたことを判定することができる。
ここで、傾倒装置310を連打操作する場合、図22に示す状態と図23に示す状態とを交互に繰り返すことになるが、遊技者が連打する時間間隔によっては、ねじりバネ315による傾倒装置310の復帰が間に合わず、中途半端な位置で押し込み操作をすることになり、遊技者が違和感を覚える恐れがある。
従来は、ねじりバネ315のバネ定数を上げることで対処することができたが、本実施形態では、ねじりバネ315のバネ定数を上げると、ねじりバネ315の付勢力に抗して傾倒装置310を押し下げる駆動モータ342(図18参照)の駆動力を上昇させることが必要となり、駆動モータ342の大型化を図る必要性がある。そのため、製品コストが上昇したり、省スペース化ができなくなったりする問題点があった。
これに対し、本実施形態では、傾倒装置310が押し込み操作された状態において、傾倒装置310の張出凸設部311jと対面する位置に振動動作により演出が可能なボイスコイルモータ352が配設される。
図24に示すように、このボイスコイルモータ352を、図23に示す状態から伸張方向に駆動することにより、ねじりバネ315のバネ定数を上げることなく、傾倒装置310の復帰動作を素早く行うことができる。
ここで、傾倒装置310が押し込み操作されると常にボイスコイルモータ352が駆動する場合、例えば、遊技者が傾倒装置310を長押し操作する場合にボイスコイルモータ352が駆動してしまい、遊技者に不要な負荷を与えることとなるので、遊技者が違和感を覚える恐れがある。
これに対し、本実施形態では、左側検出センサ324LがON状態の時に、所定期間に右側検出センサ324RがON状態とOFF状態とで切り替わる回数を算出し、その回数が閾値以上の場合にボイスコイルモータ352を駆動させることで、遊技者が連打操作する場合にだけ傾倒装置310を復帰させる負荷を向上させることができる。これにより、遊技者が傾倒装置310を快適に操作することができる。
次いで、図25から図30を参照して、傾倒装置310が第1状態から上下に往復する動作(煽り動作)を開始する場合(第1の動作態様)について説明する。図25から図30は、図6(a)のXXII−XXII線における操作デバイス300の断面図である。
なお、図25では、傾倒装置310が第1状態とされた状態が図示され、図26では、図25に示す状態から円板カム344が所定量だけ前転方向に回転し回転爪部材347が姿勢変化した状態が図示され、図27では、図26に示す状態から円板カム344が所定量だけ前転方向に回転し回転爪部材347の姿勢が戻った状態が図示され、図28では、傾倒装置310が往復回転動作する様子が図示され、図29では、図28の状態から遊技者が傾倒装置310を終端位置まで押し込んだ状態が図示され、図30では、図29に示す状態から円板カム344が、所定量だけ前転方向に回転することにより、係合リブ344cの第2張出部344c3が解除部材346の係合部346dに当接される第2初期状態に到達した状態が図示される。また、図28において図27の状態における傾倒装置310の位置が想像線で図示され、図29において、傾倒装置310を押し込み操作する遊技者の手の一例が想像線で図示される。
図25に示すように、傾倒装置310が第1状態である場合、蓋312の円筒部材312cの内側にLED装置341fの上端部(プリズム部分)が収容される。そのため、円筒部材312cの径方向に照射される光の光量が円筒部材312cの厚みにより抑えられる一方で、軸方向へ照射される光の光量は大きく確保することができる。これにより、円筒部材312cが、蓋312のリブとして強度を向上させる効果と、傾倒装置310の第1状態においてLED装置341fの光の照射強度を調節する効果とを奏することができる。
図26に示すように、傾倒装置310が第1状態とされ、且つ駆動装置340が第1初期状態とされる図25に示す状態から、円板カム344を前転方向(図26反時計回り方向)に回転させると、円板カム344の第1張出部344c1が解除部材346の係合部346dを押し下げることで解除部材346が後転方向(図26時計回り方向)に回転し、それに伴い回転爪部材347が傾倒装置310の底板部311aとの係合が外れる位置まで後転方向に回転する。
解除部材346の姿勢変化は、係合リブ344cの第1引込部344c2と係合部346dとが対面する状態まで円板カム344が回転されるまで持続されるので、その間に傾倒装置310がねじりバネ315の付勢力で上昇する(図26時計回りに回転する)。
このとき、図25及び図26の状態において、傾倒装置310の軸部311cがアーム部材345の案内孔345bの一方の終端位置(円板カム344の回転軸から遠い側の終端位置)に配置され、傾倒装置310の上昇方向の動作はアーム部材345により規制されるので、傾倒装置310の上昇動作が、円板カム344の回転角度に対応した動作態様となる。
図27に示すように、円板カム344が前転方向(図27反時計回り方向)に回転し、円板カム344の第1引込部344c2が解除部材346の係合部346dを通過すると、第1スプリングSP1の付勢力により、解除部材346と回転爪部材347とが前転方向(図27反時計回り方向)に回転し、回転爪部材347が傾倒装置310と係合可能な状態(図25に示す状態)に戻る。このとき、解除部材346と回転爪部材347との間の角度(図27における上側の角度)を大きくする方向へ向けて第2スプリングSP2の付勢力が作用するので、解除部材346と回転爪部材347とは、図26に示す状態(角度大状態)を維持したまま回転する。
この状態において、蓋312がLED装置341fの上方に退避すると共に、保護レンズ部材311iを遊技者視点で視認可能な面積が、第1状態とされる場合の傾倒装置310に比較して増加するので、LED装置341fの光を正面方向(遊技者へ向けた方向)へも照射可能となる。従って、傾倒装置310の姿勢が変化する事により、LED装置341fから照射される光の進行方向を変化させることができ、光の演出効果を向上させることができる。
この状態において、保護カバー装置350の右側検出センサ353RがON状態となり、上下往復動作の開始点を検出することができる。
図28に示すように、図27に示す状態から円板カム344を所定量だけ前転方向(図28反時計回り)に回転させ、それに続いて円板カム344を同じ量だけ後転方向(図28時計回り)に回転させるという動作を繰り返し行うことにより、図28に示す角度D1の範囲で傾倒装置310を上下に繰り返し動作させることができる。これにより、遊技者に対する傾倒装置310の見え方を変化させることができ、操作デバイス300に対する遊技者の注目度を向上させることができる。
また、角度D1の範囲で傾倒装置310が上下に繰り返し動作するその動作に対応して、保護レンズ部材313の上枠部材331の上方に張り出す部分の面積が変化する。そのため、LED装置341fから照射される光の内、保護レンズ部材313を通して視認できる光の光量を傾倒装置310の動作に対応して変化させることができる。そのため、傾倒装置310の明るさを変化させることができ、操作デバイス300に対する遊技者の注目度を向上させることができる。
なお、図28に示す状態において、レンズ部材313の球殻部313aがLED装置341fの正面側(図28左側)に配置されるので、LED装置341fから照射される光の照射範囲を、前後方向や上下方向だけでなく、左右方向(図28紙面垂直方向)にも広げることができる。
本実施形態によれば、上述したように、傾倒装置310が第1状態に配置される場合には、LED装置341fの光が上方へ向けて進行し、その照射範囲は円筒部材312cによって絞られていた(図25参照)。これに対し、傾倒装置310が第1状態から上昇動作すると、LED装置341fの光は遊技者へ向けた方向(正面方向)へも照射され、その照射範囲はレンズ部材313により広げられる。
即ち、本実施形態によれば、傾倒装置310の姿勢の変化に伴って、光の照射方向を変化させるだけでなく、その光の照射範囲をも同時に変化させることができる。これにより、傾倒装置310の注目度を向上させることができる。
図29に示すように、図28で傾倒装置310が上下動作している状態において、遊技者は傾倒装置310を押し込み操作することができる。図28の状態において、傾倒装置310に対してアーム部材345から与えられる負荷は、傾倒装置310を下降させる方向の負荷のみである(アーム部材345が上昇する方向に移動しても、軸部311cがアーム部材345の案内孔345bを移動するのみであり、負荷が生じない)。
そのため、図28の状態で遊技者が傾倒装置310を押し込み操作した場合に、遊技者に駆動モータ342(図18参照)の駆動力による負荷が与えられることを防止することができる。このとき、遊技者には、ねじりバネ315の付勢力による負荷のみが与えられる。これにより、遊技者が傾倒装置310を押し込み操作する際に、遊技者に対して大きな負荷が生じることが抑制されるので、遊技者が操作デバイス300を快適に操作することができる。
図29に示すように、図28に示す状態から、傾倒装置310の押し込み終端まで至る過程において、傾倒装置310の底板部311aが回転爪部材347の鉤状部347dを押進することにより回転爪部材347が後転方向(図29時計回り方向)に回転し、それに続けて傾倒装置310を押し込み操作することにより底板部311aが鉤状部347dを通過すると、回転爪部材347は傾倒装置310と係合可能な位置に戻る(前転方向に回転する)。従って、傾倒装置310が回転爪部材347に上昇方向の移動を規制される。
従って、図28に示す傾倒装置310を上下動作させる状態から遊技者が傾倒装置310を押し下げた後において、遊技者が手を離した場合に、傾倒装置310を第1状態に維持することができる。
図29に示す状態において、ボイスコイルモータ352が振動動作(伸張方向への移動と、縮小方向への移動とを繰り返す動作)を行う。これにより、傾倒装置310を押し込み終端まで押し込み操作した後、傾倒装置310に手を乗せ続けている遊技者に対して振動を伝える演出を行うことができる。
即ち、ボイスコイルモータ352を、傾倒装置310の上昇を補助する駆動力を発生させる目的(図24参照)と、押し込み終端位置に配置された傾倒装置310を振動させることにより振動演出を行う目的とに利用することができる。
なお、図30に示すように、遊技者が傾倒装置310から手を離して傾倒装置310が第1状態まで復帰した場合には、傾倒装置310の張出凸設部311jが下枠部材320の下面に埋没し、ボイスコイルモータ352との当接が解除される。そのため、振動演出は、遊技者が傾倒装置310を押し込み終端に押し込んでいる状態でのみ有効となる。
そのため、操作ボタンが単に振動する遊技機に比較して、傾倒装置310を押し込み操作する場合に押し込み終端でボイスコイルモータ352による振動が発生するか否かを、傾倒装置310を押し込み操作した遊技者のみに把握させることができる。
ここで、抽選が大当たりか否かは、傾倒装置310の押し込み操作に左右されるものではない。そのため、遊技者によっては、傾倒装置310を全く操作しない恐れがあり、その場合、傾倒装置310の操作手段としての価値は低くなってしまう。
これに対し、本実施形態では、傾倒装置310を押し込み操作することで初めてボイスコイルモータ352の振動を遊技者が感じることができる態様で構成される。
ここで、例えば、大当たりが確定した場合にボイスコイルモータ352が振動演出するように制御することで、遊技者が傾倒装置310を押し込み操作する時の期待感を向上させることができ、傾倒装置310の先読み手段としての価値を向上させることができる。これにより、遊技者が傾倒装置310を操作し易くすることができ、傾倒装置310の操作手段としての価値を高めることができる。
図30に示すように、図29に示す状態から、円板カム344を第2張出部344c1が解除部材346の係合部346dに当接するまで円板カム344を前転方向(図29反時計回り方向)に所定量回転させることにより、駆動装置340を第2初期状態とすることができる。
第2初期状態は、第1初期状態と同様に係合リブ344cと解除部材346とが回転方向で当接する状態である。第1初期状態では第1張出部344c1が係合リブ344cと当接する一方で、第2初期状態では第2張出部344c3と係合リブ344cとが当接する。
なお、図29の状態から、円板カム344を後転方向(図29時計回り方向)に回転させて係合リブ344cの第1張出部344c1が係合部346dを通過した後、逆回転させる方法で、駆動装置340を図29に示す状態から図25に示す第1初期状態に戻すことができる。この場合、解除部材346を押し上げる方向の負荷が解除部材346にかけられ、回転爪部材347の姿勢を維持した状態で解除部材346のみを前転方向(図29反時計回り方向)に回転させることができる。
次いで、図31から図34を参照して、傾倒装置310が第1状態とされ、且つ駆動装置340が第2初期状態とされた状態から、傾倒装置310を上下動作(煽り動作)させる場合(第2の動作態様)について説明する。この場合、傾倒装置310は、第2状態を経て上下に往復する動作(煽り動作)を開始する。
図31から図34は、図6(a)のXXII−XXII線における操作デバイス300の断面図である。図31では、図30に示す状態から円板カム344を前転方向(図31反時計回り)に回転させ解除部材346と回転爪部材347とを後転方向(図31時計回り)に回転させた状態が図示され、図32では、図31に示す状態から、円板カム344が所定量回転し傾倒装置310が第2状態へ到達した状態が図示され、図33では、図32に示す状態から円板カム344が往復回転動作する様子が図示され、図34では、図33に示す状態から遊技者が傾倒装置310を終端位置まで押し込んだ状態が図示される。また、図33において図32の状態における傾倒装置310の位置が想像線で図示され、図34において、傾倒装置310を押し込み操作する遊技者の手の一例が想像線で図示される。
図31に示すように、図30に示す状態から円板カム344を前転方向(図31反時計回り)に回転させると、回転爪部材347と傾倒装置310との係合が解除され、傾倒装置310が上昇方向に動作する。
このとき、傾倒装置310の軸部311cが移動する方向にアーム部材345の案内孔345bが延びている(空間を有している)ため、傾倒装置310がアーム部材345を介して円板カム344に引っ張られることはなく、傾倒装置310を低抵抗で上昇動作させることができ、傾倒装置310を第1状態から第2状態へ短時間で状態変化させることができる。
図32に示すように、図31に示す状態(傾倒装置310と回転爪部材347との係合を解除した状態)から約10度だけ回転させることにより、円板カム344の姿勢を、傾倒装置310を第2状態に配置可能な姿勢(第1初期状態から円板カム344を180°回転させた姿勢)にすることができる。そのため、傾倒装置310の上昇する速度が大きく、傾倒装置310が図30の状態から短期間で第2状態へ到達しようとする場合に、その状態変化を円板カム344が邪魔をする(円板カム344が所定角度回転するのが遅くて傾倒装置310が第2状態となるまでの期間が長くかかる)ことを予防することができる。
図33に示すように、図32に示す状態から円板カム344を所定量だけ前転方向(図32反時計回り)に回転させ、それに続いて円板カム344を同じ量だけ後転方向(図32時計回り)に回転させるという動作を繰り返し行うことにより、図33に示す角度D2の範囲で傾倒装置310を上下に繰り返し動作させることができる。これにより、遊技者に対する傾倒装置310の見え方を変化させることができ、操作デバイス300に対する遊技者の注目度を向上させることができる。
また、角度D2の範囲で傾倒装置310が上下に繰り返し動作するその動作に対応して、保護レンズ部材313の上枠部材331の上方に張り出す部分の面積が変化する。そのため、LED装置341fから照射される光の内、保護レンズ部材313を通して視認できる光の光量を傾倒装置310の動作に対応して変化させることができる。そのため、傾倒装置310の明るさを変化させることができ、操作デバイス300に対する遊技者の注目度を向上させることができる。
なお、図33に示す状態において、レンズ部材313の球殻部313aがLED装置341fの正面側(図33左側)に配置されるので、LED装置341fから照射される光の照射範囲を、前後方向や上下方向だけでなく、左右方向(図33紙面垂直方向)にも広げることができる。
即ち、本実施形態によれば、傾倒装置310の姿勢の変化に伴って、光の照射方向を変化させるだけでなく、その光の照射範囲をも同時に変化させることができる。これにより、傾倒装置310の注目度を向上させることができる。
図33に示す角度D2の範囲は、図28に示す角度D1の範囲とは異なっている。即ち、本実施形態では、傾倒装置310の上下動作の態様として、図28に示す上下動作と、図33に示す上下動作との2種類の上下動作(煽り動作)を、回転爪部材347による傾倒装置310の上昇方向への移動の規制の解除後、即座に行うことができる。従って、第1状態の傾倒装置310を駆動モータ342の駆動力により動作させる態様を2種類作ることができる。
これにより、操作部材310が毎回同じ動作をする場合に比較して、その動作態様に異なった意味(例えば、大当たりの期待感の違い)を持たせることができ、傾倒装置310に対する遊技者の注目度を向上させることができる。
図33に示すように、図32で傾倒装置310が上下動作している状態において、遊技者は傾倒装置310を押し込み操作することができる。図33の状態において、傾倒装置310に対してアーム部材345から与えられる負荷は、傾倒装置310を下方へ引き下げる方向の負荷のみである(アーム部材345が上昇する方向に移動しても、軸部311cがアーム部材345の案内孔345bを移動するのみであり、アーム部材345から軸部311cを持ち上げる負荷は生じない)。
そのため、図33の状態で遊技者が傾倒装置310を押し込み操作した場合に、遊技者に駆動モータ342(図18参照)の駆動力による負荷が与えられることを防止することができる。このとき、遊技者には、ねじりバネ315の付勢力による負荷のみが与えられる。これにより、遊技者が傾倒装置310を押し込み操作する際に、遊技者に対して大きな負荷が生じることが抑制されるので、遊技者が操作デバイス300を快適に操作することができる。
図34に示すように、傾倒装置310を押し込み操作した状態に至る過程において、傾倒装置310の底板部311aが回転爪部材347の鉤状部347dを押進することにより回転爪部材347が後転方向(図34時計回り方向)に回転し、それに続けて傾倒装置310を押し込み操作することにより底板部311aが鉤状部347dを通過すると。回転爪部材347は傾倒装置310と係合可能な位置に戻る(前転方向に回転する)。従って、傾倒装置310が回転爪部材347に上昇方向の移動を規制される。
従って、図33に示す傾倒装置310を上下動作させる状態から遊技者が傾倒装置310を押し下げた後(図34参照)において、遊技者が手を離した場合に、傾倒装置310を第1状態に維持することができる。
次いで、図35から図37を参照して、遊技者が押し込み操作した後に、回転爪部材347による傾倒装置310の規制を解除することなく、円板カム344を第2初期状態とする動作について説明する。この方法により、傾倒装置310の2種類の上下動作(煽り動作)を、交互に行ったり、片方を連続で行ったりすることが可能となる。
図35から図37は、図6(a)のXXII−XXII線における操作デバイス300の断面図である。図35では、図34に示す状態から円板カム344を後転方向(図35時計回り)に回転させ解除部材346を前転方向(図35反時計回り)に回転させた状態が図示され、図36では、図35に示す状態以上に回転カム344が後転方向(図35時計回り)に回転してから円板カム344が解除部材346の係合部346dに当接する位置まで前転方向(図35反時計回り)に回転した状態が図示され、図37では、図36に示す状態から円板カム344が前転方向(図36反時計回り)に回転し保護カバー装置350の左側検出センサ353LがON状態となった状態が図示される。なお、図35から図37において、傾倒装置310に上から振れる遊技者の手の一例が想像線で図示される。
図35に示すように、図34に示す状態から円板カム344を後転方向(図34時計回り)に回転させると、係合リブ344cの第2引込部344c4が解除部材346の係合部346dと当接する。この場合、係合リブ344cが解除部材346を押し上げることにより解除部材346の姿勢は変化するが、解除部材346の凸設ピン346bが回転爪部材347の案内長孔347bの空間部分を移動するに留まり、回転爪部材347は図35に示す姿勢で維持される。
即ち、図35に示す状態から更に円板カム344を後転方向(図35時計回り)に回転させ、係合リブ344cと解除部材346との係合を解除する過程において、回転爪部材347による傾倒装置310の上昇の規制を維持することができる。
図35に示す状態から、更に円板カム344を後転方向(図35時計回り)に回転させ、続けて回転カム344を前転方向(図35反時計回り)に回転させることで、図36に示すように、駆動装置340を第2初期状態とすることができる。
なお、本実施形態では、第2初期状態を検出するセンサが無いので、図36に示す状態で円板カム344を正確に停止させることは難しいが、図36に示す第2初期状態を経由することは可能である。従って、図36に示す状態から円板カム344を動作させることにより、上述したように、角度D2の範囲における、第2初期状態からの上下動作(煽り動作)を行うことが可能となる。
ここで、傾倒装置310を押し込み操作する遊技者は、「長押し」等の特段の表示がされていなくとも、押し込み操作したあとで手を傾倒装置310に置いたままにする動作を行うことがある。
これは、例えば、演出に集中する余り傾倒装置310を押し込み操作した手を離すのを忘れることにより起きる動作であるが、この場合、回転爪部材347による規制が解除されても傾倒装置310が上昇しないので、円板カム344が傾倒装置310を角度D2の範囲で上下動作(煽り動作)させるための往復動作(正逆切替動作)を行ったとしても、傾倒装置310の姿勢を変化させることができない。この場合、駆動モータ342の回転は無駄となり、その回転を省略することができれば、駆動モータ342の寿命を延ばすことができる。
そこで、本実施形態では、図36に示す状態から円板カム344を前転方向(図36反時計回り)に回転させる状態において、下枠部材320の左側検出センサ324L(図15参照)がON状態を維持する間(傾倒装置310が第1状態以下に傾倒する間)は、円板カム344を逆回転させることはせず、図37に示すように、保護カバー装置350の左側検出センサ353L(図14参照)がON状態とされる駆動装置340の第1初期状態において円板カム344の回転を停止する(駆動モータ342の駆動を停止する)態様で制御される。
図36及び図37に示す状態において、遊技者の手が傾倒装置310の上側におかれることにより傾倒装置310が上昇動作しないので、この場合、図36に示す状態から図37に示す状態までの変化が駆動モータ342を一方向に回転させることで生じる。
そのため、図35から図37に示すように、遊技者の手が傾倒装置310の上側に置かれ続け、傾倒装置310を上下動作させることができないときにまで駆動モータ342を往復動作(正逆切替動作)させることを避けることができ、駆動モータ342にかけられる負担を低減し、モータ寿命を延ばすことができる。
なお、図36に示す状態から、円板カム344を所定量(図31に示す状態まで)回転させた際に、左側検出センサ324L(図15参照)がON状態を維持する場合に、そのまま円板カム344を回転させるのでは無く、即座に逆回転させて図36に示す状態に戻すように制御しても良い。これにより、駆動装置340を早期に第2初期状態に戻すことができ、駆動装置340に無駄な負荷をかけずに済むので、駆動モータ342(図18参照)のモータ寿命を延ばすことができる。
図38及び図39を参照して、駆動装置340の破壊防止の工夫について説明する。図38は、図6(a)のXXII−XXII線における操作デバイス300の断面図であり、図39は、図38のXXXIX−XXXIX線における操作デバイス300の部分断面図である。なお、図38では、傾倒装置310が第2状態とされた状態で傾倒装置310を掴んで固定する遊技者の手が想像線で図示され、図39では、本体カバー351の上側部材の図示が省略される。
図38に示すように、遊技者が傾倒装置310を掴んで固定する場合、アーム部材345の移動が規制されるので、円板カム344を図38の状態から回転させることができない。そのため、駆動モータ342(図39参照)が回転を開始すると、駆動モータ342と伝達ギア343bとの間で高負荷が生じ、放っておくと、駆動モータ342(図18参照)が故障する恐れがある。
これに対し、本実施形態では、伝達ギア343bが円板カム344を固定する伝達軸棒343aに対して空回り可能に構成されるので、駆動モータ342が故障することを防止することができる。
即ち、図39に示すように、円板カム344が固定された状態で駆動モータ342が駆動を開始し、伝達ギア343bが回転方向に付勢されることにより、クラッチ部343b2,343c2を介して動力が伝達され、可動クラッチ343cが伝達ギア343bから離反する方向へ移動する。これにより、伝達ギア343bと可動クラッチ343cとの係合を解除し、伝達ギア343bを空回りさせることができる。これにより、駆動モータ342が故障することを防止することができる。
なお、遊技者が傾倒装置310を掴んでいない場合、操作デバイス300の構成上、円板カム344を一回転させれば傾倒装置310は第1状態を経由する。そのため、本実施形態では、駆動モータ342を所定角度(例えば、360°)回転させる間に下枠部材320の左側検出センサ324LがON状態とならない場合(傾倒装置310が第1状態とならない場合)に、遊技者が、傾倒装置310を把持固定するという不要な操作を故意に行っていると判断して、その把持動作を止めるように、例えば、第3図柄表示装置81に表示することにより報知しつつ、駆動モータ342の回転を停止する。
これにより、遊技者が故意に誤操作を行っている場合を選択して、その時にのみ、誤操作を止めるよう報知することが可能となると共に、早期に駆動モータ342を停止して、故障を防止することができる。
なお、伝達ギア343bと可動クラッチ343cとが離反して位相ずれが生じる場合、駆動モータの初期位相と、可動クラッチ343cと位相を同じくする円板カム344の初期位相とがずれる。そのため、位相ずれが生じる以前の状態から継続して(ステップ数などで)駆動モータ342を制御すると、円板カム344を正確に動作させることができない(位相ずれを修正できない)。
これに対し、本実施形態では、保護カバー部材350の左側検出センサ353LがON状態となったことを検出することにより、駆動装置340が第1初期状態となったことを特定することができるので、その状態を初期位置として駆動モータ352の制御を再開する(駆動モータ342の初期位相を再設定する)ことにより、伝達ギア343bと可動クラッチ343cとの間で位相ずれが生じた後においても、駆動モータ342の位相と円板カム344の位相とを再度合わせた状態で制御を行うことができる。
これにより、傾倒装置310を動作させることで演出を行う場合に、駆動モータ342の回転制御により傾倒装置310に行わせようとする動作と、実際に傾倒装置310が行う動作との間にずれが生じることが防止される。従って、伝達ギア343bと可動クラッチ343cとの間で位相ずれが生じた後においても、傾倒装置310を適正に動作させて演出を行うことができる。
ここで、図39に示すように、可動クラッチ343cは、伝達ギア343bの回転方向に関わらず、伝達ギア343bに対して空回りする形状から構成される。その必要性について、以下において説明する。
図40、図41、図42及び図43は、図6(a)のXXII−XXII線における操作デバイス300の断面図である。なお、図40では、図38に示す状態から円板カム344が前転方向(矢印CCW方向)に180度回転した状態が図示され、図41では、図40に示す状態から、更に円板カム344が矢印CCW方向に回転した状態が図示される。また、図42では、図38に示す状態から円板カム344が後転方向(矢印CW方向)に180度回転した状態が図示され、図43では、図42に示す状態から、更に円板カム344が矢印CW方向に回転した状態が図示される。
図41に示すように、円板カム344が矢印CCW方向に回転する場合、傾倒装置310は、図40に示す第1状態を経由して、第2状態へ向けて起立動作する。一方で、図43に示すように、円板カム344が矢印CW方向に回転する場合、傾倒装置310は、図42に示す第1状態のまま、その状態を維持する態様で構成される。
これは、図42に示す状態から図43に示す状態へ向かうにつれて係合リブ344cが解除部材346から離反する態様で動作すること、のみが原因ではなく、円板カム344が矢印CW方向に回転する場合、係合リブ344cが解除部材346に当接しても、回転爪部材347による固定が解除されないことが原因である。即ち、円板カム344が矢印CW方向に回転する場合、係合リブ344cが解除部材346に下方から当接するが、この場合、解除部材346が係合リブ344cに持ち上げられることになり、回転爪部材347を押し上げる方向の負荷が生じない。そのため、回転爪部材347による固定が解除されることは無い。
ここで、傾倒装置310の動作を遊技者視点で見る場合、図38から図40及び図42に示す第1状態までは、どちらも同様の動作に見え、第1状態となってから以降の動きが図41又は図43のどちらか異なる動作となる。
例えば、第1状態に傾倒装置310が到達してからの動作の違いを、駆動モータ342(図39参照)の制御により発生させても良いが、駆動モータ342の回転数の変化による駆動音の変化の違いで、行っている制御の態様に遊技者が気付き、これから実行される演出が遊技者に把握されてしまい、遊技者の興味を削ぐおそれがある。また、傾倒装置310を急停止させる動作を駆動モータ342の急停止で行う場合、駆動モータ342にかけられる負担が大きくなり、駆動モータ342の耐久性が低下するおそれがある。
これに対し、本実施形態によれば、図38に示す状態から、傾倒装置310が第1状態へ向けて移動し、その後の傾倒装置310の動作を異ならせる場合に、駆動モータ342の回転は、その方向が異なるのみなので、その駆動態様(振動や、音など)で、その回転方向を遊技者が把握することを困難にすることができる。そのため、例えば、第1状態から傾倒装置310が起き上がるか、第1状態に傾倒装置310が維持されるかにより、演出の期待度が変化する場合に、傾倒装置310が第1状態へ向かう動作中に、その期待度の変化を、遊技者が把握してしまうことを防止することができる。これにより、傾倒装置310の動作への注目力を向上させることができる。
一方で、傾倒装置310が第1状態に到達して、更に駆動モータ342が回転することにより、傾倒装置310が起き上がるか、第1状態を維持するかを確認することにより、遊技者は演出の期待度の変化を把握することができるので、遊技者に、傾倒装置310が第2状態(図38参照)となり、駆動モータ342により第1状態へ向けて移動する際の、傾倒装置310の動きを見守るように仕向けることができる。
即ち、傾倒装置310が第2状態である場合に、遊技者が傾倒装置310を把持することを抑制することができるので、駆動モータ342の駆動時に遊技者が誤操作することにより傾倒装置310及び駆動装置340に過負荷が与えられることを防止することができる。
また、傾倒装置310を急停止させる演出を行うために、駆動モータ342(図39参照)を急停止させる必要がないので、駆動モータ342を急停止する場合に駆動モータ342に与えられる負担を無くすことができ、駆動モータ342の耐久性を向上させることができる。
次いで、図44を参照して、遊技者が傾倒装置310を押し下げる動作をした場合にでも、傾倒装置310が回転爪部材347で規制されずに上下動作をおこなう場合(第3の動作態様)について説明する。
図44は、図6(a)のXXII−XXII線における操作デバイス300の断面図である。なお、図44では、駆動装置340の第1初期状態(図25参照)から円板カム344が所定量前転方向(図44反時計回り)に回転された状態が図示されると共に、第1張出部344c1が解除部材346の係合部346dを通過しない角度で円板カム344を後転方向(図44時計回り)に回転させた後における傾倒装置310の外形が想像線で図示される。
図44に示すように、円板カム344の第1張出部344c1により解除部材346が押し下げられた状態において、第1張出部344c1と第1引込部344c2とが解除部材346の係合部346dを通過しない位置関係を保ちながら円板カム344を往復回転させることにより、解除部材346の姿勢を維持したまま、傾倒装置310を上下に往復動作させることができる。
この場合、回転爪部材347の姿勢が、解除部材346の姿勢変化に伴って後転方向(図44時計回り)に回転された状態で維持されるので、図44に示す態様で傾倒装置310が上下動作する場合に、遊技者が傾倒装置310を押し込み操作したとしても、傾倒装置310と回転爪部材347とが係合せず、遊技者が手を離すことにより傾倒装置310が第1状態(回転爪部材347が傾倒装置310と係合する場合に傾倒装置310が上昇を規制される位置)よりも上方へ移動すると共に上下動作を継続する動作態様を実施することができる。
そのため、例えば、傾倒装置310の動作態様として、上述した第1の動作態様や、第2の動作態様と、図44に示す第3の動作態様とで、演出上の違いを設けることで、操作デバイス300の操作に従来とは違った意味を持たせることができる。即ち、本実施形態によれば、遊技者が傾倒装置310を押し込み操作して、その後、傾倒装置310を離すことで初めて、傾倒装置310が第1の動作態様または第2の動作態様で上下動作していたのか、第3の動作態様で上下動作していたのかを知ることができる。
演出上の違いとして、第1の動作態様や、第2の動作態様で傾倒装置310が上下動作する場合(傾倒装置310を押し込み操作した後で手を離すと傾倒装置310が第1状態で維持される場合)の方が、第3の動作態様で傾倒装置310が上下動作する場合(傾倒装置310を押し込み操作した後で手を離しても傾倒装置310が上下動作を継続する場合)に比較して大当たりの期待度が高いという違いを設けたとすると、遊技者が傾倒装置310を押し込む時だけでなく、傾倒装置310から手を離すときにも、大当たりするか否かの期待度を認識する機会を得ることができるので、操作デバイス300を遊技者が注目するタイミングを多く設けることができる。これにより、操作デバイス300の注目度を向上させることができる。
次いで、図45から図49を参照して第2実施形態について説明する。第1実施形態では、解除部材346が押し上げられた場合に回転爪部材347の状態が維持される場合を説明したが、第2実施形態における操作デバイス2300は、駆動装置2340がスライド爪部材2348を備え、解除部材2346が押し上げられた場合にスライド爪部材2348がスライド動作する態様で構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。まず、図45及び図46を参照して、第1実施形態との差異について説明する。
図45(a)は、第2実施形態におけるスライド爪部材2348の側面図であり、図45(b)は、回転板部材2347の側面図であり、図45(c)は、解除部材2346の側面図である。
図46(a)及び図46(b)は、解除部材2346と回転板部材2347とスライド爪部材2348との連動を示す解除部材2346と回転板部材2347とスライド爪部材2348との側面図である。
図46(a)では、解除部材2346に対して回転板部材2347が第2スプリングSP2の付勢方向終端位置まで回転した角度大状態が図示され、図46(b)では、解除部材2346に対して回転板部材2347が第2スプリングSP2の付勢力に抗して終端位置まで回転した角度小状態が図示される。なお、円板カム344に当接されることにより解除部材2346が回転する状態は、角度大状態と角度小状態との間の状態(凸設ピン346bが案内長孔347bの中間位置に配置された状態)となる(図48参照)。
図45及び図46に示すように、駆動装置2340(図47参照)は、軸部341c(図47参照)に軸支される機能部材として、解除部材2346と、回転板部材2347と、その回転板部材2347を挟んで解除部材2346の反対側に配設されると共に傾倒装置2310(図47参照)の回転軸を中心とする円弧軌道にそってスライド移動可能に構成されるスライド爪部材2348と、を主に備える。なお、解除部材2346と回転板部材2347とスライド爪部材2348とにおいて、第1実施形態と同様の機能を有する構成については、同一の符号を付し、その説明は省略する。
図45(a)に示すように、スライド爪部材2348は、レール部2347fにスライド可能に内嵌される態様で湾曲した形状から形成される湾曲部2348aと、その湾曲部2348aの上端部において前方(図45左方)へ鉤状に凸設される鉤状部2348bと、それら湾曲部2348a及び鉤状部2348bの厚み方向(図47(a)紙面垂直方向)に重ねて配設されると共に湾曲部2348aよりも幅広の湾曲した板形状から形成される補強部2348cと、その補強部2348cの下端部において解除部材2346へ向けて円柱状に凸設される凸設ピン2348dと、を主に備える。
湾曲部2348aは、その幅の長さが、レール部2347fの離間幅よりも若干短い長さに設定される。そのため、スライド爪部材2348の湾曲部2348aが、レール部2347fに内嵌される状態において、回転板部材2347に対してスライド移動可能に構成される。
鉤状部2348bは、形状が第1実施形態の鉤状部347dと同様であり、その下側面に磁性材料が配設される。この磁性材料は、後述する傾倒装置2310の底板部2311aと吸着する磁力を発生させるための磁性材料である。
補強部2348cは、組立状態(図46参照)において回転板部材2347のスライド爪部材2348と対面する面の反対側の面と対面する部分であり、湾曲部2348aよりも幅広に形成されることにより、スライド爪部材2348を補強する部分である。
凸設ピン2348dは、解除部材2346の機能長孔2346eに挿通される円柱部材であり、本体板部2348eに挿通固定される金属棒により構成される。解除部材2346が回転板部材2347に対して相対回転することで凸設ピン2348dが機能長孔2346eの側面に押され、スライド爪部材2348がスライド移動する。
回転板部材2347は、軸支孔347aと、案内長孔347bと、挿通孔347cと、引下用孔347eと、に加えて、スライド爪部材2348のスライド動作を案内するレール部2347fと、スライド爪部材2348の凸設ピン2348dが挿通される支持長孔2347gと、を備える。
レール部2347fは、回転板部材2347の上端部から延設される一対の板状部から形成され、それら一対の板状部の対向配置される側面は、回転板部材2347が前転方向(図46反時計回り)の終端位置に配置された状態において、軸部314(図47参照)を中心とする円弧に沿った湾曲形状から形成される。
支持長孔2347gは、レール部2347fと同様に、軸部314(図47参照)を中心とする円弧に沿った湾曲形状から形成される。支持長孔2347gに凸設ピン2348dが挿通された状態でスライド爪部材2348をスライド移動させる場合、スライド爪部材2348をレール部2347fと支持長孔2347gとで支持することができ、スライド爪部材2348がぐらつくことを抑制することができる。
解除部材2346は、軸支孔346aと、凸設ピン346bと、挿通孔346cと、係合部346dと、に加えて、厚さ方向に穿設される長孔である機能長孔2346eを備える。
機能長孔2346eは、スライド爪部材2348の凸設ピン2348dの直径よりも若干幅の広い長孔として構成され、軸支孔346aを中心とした円弧に沿った湾曲形状から構成される第1長孔部2346e1と、その第1長孔部2346eの一方の端部から軸支孔346aの反対方向へ向かって傾斜する方向に延設される第2長孔部2346e2と、を主に備える。
図46に示すように、解除部材2346が回転板部材2347に対して回転し、角度大状態と角度小状態との間で状態が変化すると、スライド爪部材2348がレール部2347fの湾曲形状に沿ってスライド移動する。
機能長孔2346eが凸設ピン2348dの直径よりも若干幅の広い長孔として構成されるので、解除部材2346の移動に対する時間遅れ無しに、解除部材2346の移動速度がそのまま凸設ピン2348dの移動速度に反映される。
即ち、解除部材2346を素早く回転させれば、スライド爪部材2348が素早くスライド動作する一方で、解除部材2346を回転させる速度を遅くすれば、スライド爪部材2348の動作速度も遅くなる。
図46(a)に示すように、角度大状態では、スライド爪部材2348がスライド方向に引っ張られたとしても、第1円弧部2346e1が軸支孔346aを中心とする円弧に沿った形状とされるので、凸設ピン2348dから機能長孔2346eにかけられる負荷が軸支孔346aを通る直線方向に向けられる。そのため、解除部材2346を回転させる力が発生せず、スライド爪部材2348がスライド移動することを防止することができる。
即ち、本実施形態では、解除部材2346が回転動作することによりスライド爪部材2347がスライド移動することはあっても、角度大状態の時にスライド爪部材2347が引っ張られることによりスライド爪部材2347がスライド移動することは無い。従って、第1実施形態と同様に、傾倒装置2310を第1状態に配置した場合においてスライド爪部材2348を傾倒装置2310に係合させることにより、傾倒装置2310の上昇を規制することができる。
図47から図49は、傾倒装置2310の姿勢の変化を時系列で図示する図面であって、図6(a)のXXII−XXII線に対応する線における操作デバイス2300の断面図である。なお、図47では、円板カム344の第2引込部344c4が解除部材2346の係合部346dの下方に配置された状態が図示され、図48では、図47に示す状態から円板カム344が後転方向(図47時計回り)に回転され解除部材2346の係合部346dが押し上げられた状態が図示され、図49では、図48に示す状態から円板カム344が後転方向(図48時計回り)に回転され解除部材2346が第2スプリングSP2の付勢力により復帰された状態が図示される。
本実施形態では、傾倒装置2310の底板部2311aが、開口部311bの下側縁部付近において上側側面に固定されると共に磁性材料から構成される磁石部2311a1を備える。
図47に示す状態において、磁石部2311a1と鉤状部2348bとが磁力により吸着する。この状態から傾倒装置2310を遊技者が押し込み操作する場合、傾倒装置2310の姿勢変化により磁石部2311a1と鉤状部2348bとの吸着が外れるので、傾倒装置2310からスライド爪部材2348に大きな負荷が与えられることは無い。
図48に示すように、解除部材2346が押し上げられると、その動作に連動してスライド爪部材2348が上昇方向にスライド動作する。このとき、磁石部2311a1と鉤状部2348bとは磁力により吸着しているので、解除部材2346が素早く動作すると、傾倒装置2310の動作も素早くなる。
従って、ねじりバネ315の付勢力により傾倒装置2310が上昇方向に回転する速度とは異なった速度でスライド爪部材2348をスライド動作させることにより、スライド爪部材2348を後転方向(図48時計回り)に回転させ傾倒装置2310の上昇移動の規制を解除する場合の上昇移動とは異なった速度で傾倒装置2310を上昇移動させることができる(第4の動作態様)。即ち、傾倒装置2310が上昇方向に移動する速度を変化させることができる。
図49に示すように、円板カム344と解除部材2346との係合が解除されると、解除部材2346は第2スプリングSP2の付勢力により後転方向(図48時計回り)に回転する。これによりスライド爪部材2348は第1状態へ復帰される。
図47から図49に示す動作態様を可能とすることにより、第1実施形態で説明した第1から第3の動作態様と合わせて、4個の動作態様で傾倒装置2310を動作させることができる。動作態様が増えるほど、動作態様と、大当たりの期待度との対応付けをしておくことにより、遊技者が操作デバイス2300を先読みの手段として利用しやすくなるので、遊技者にとっての操作デバイス2300の注目度を向上させることができる。
また、本実施形態によれば、図48に示すように、スライド爪部材2348が上昇することにより傾倒装置2310を上昇させる場合、スライド爪部材2348の鉤状部2348bと傾倒装置2310の磁石部2311a1との間の磁力吸着により傾倒装置2310が上昇することになるので、磁力を大きく確保することにより、ねじりバネ315の付勢力で傾倒装置2310を上昇させる場合に比較して、傾倒装置2310にかけられる負荷を上昇させることができる。
即ち、通常では、遊技者が傾倒装置2310の上部に手を置いている場合に、スライド爪部材2348による規制を解除した際に、手の重みにより傾倒装置2310が上昇することが防止されるとしても(ねじりバネ315による付勢力が手の重みを持ち上げるほどに大きくは無いとしても)、磁力が手の重みを持ち上げ可能な程度に大きければ、図48に示す状態において、遊技者の手を持ち上げる態様で傾倒装置2310を上昇させることができる。
これにより、傾倒装置2310を上昇させる際に、その上昇方向への負荷(下方への負荷に対して傾倒装置2310の姿勢を維持しようとする力)に違いを設けることができる。そのため、傾倒装置2310を押し込み操作する前に傾倒装置2310の上部に手を置く方法で遊技を行う遊技者が、その負荷の違いを感じることができる。
例えば、その負荷の違いと大当たりの期待度との対応付けをしておくことにより、遊技者が操作デバイス2300を先読みの手段として利用しやすくなるので、遊技者にとっての操作デバイス2300の注目度を向上させることができる。
次いで、図50から図52を参照して、第3実施形態について説明する。第1実施形態では、傾倒装置310が第1状態であるか遊技者に押し込まれた状態であるかを検出センサ324L,324Rで検出可能な場合を説明したが、第3実施形態における操作デバイス3300は、傾倒装置3310が第1状態と遊技者に押し込まれた状態との途中の状態にあるか遊技者に押し込まれた状態であるかを検出センサ324L,324Rで検出可能とする態様で構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図50は、第3実施形態における傾倒装置3310の側面図である。図50に示すように、傾倒装置3310は、ケース本体3311の底板部311aから下方に延設される右側検出片311gRと、第1実施形態における左側検出片311gLと同じ位置(傾倒装置3310の回転軸に垂直な面であって回転軸方向の中心位置に配置される面に対して右側検出片311gRの反対側の位置)において延設される左側検出片3311gLと、を備える。左側検出片3311gLは、右側検出片311gRよりも延設長さが長くされ、第1実施形態における左側検出片311gLに比較して、その延設長さが短くされる。
図51(a)及び図51(b)は、操作デバイス3300の側面図である。なお、図51(a)では、傾倒装置3310が第1状態とされ、図51(b)では、傾倒装置3310が押し込み操作される途中の状態が図示される。また、図51(a)及び図51(b)において、理解を容易にするために、下枠部材320、上枠部材330及び保護カバー装置350の外形が想像線で図示される一方で、各検出センサ324L,324R及びボイスコイルモータ352が実線で図示されると共に、各検出センサ324L,324Rと各検出片3311gL,311gRとが重なる部分は模式的に図示される。
図51(a)に示すように、傾倒装置3310が第1状態とされる場合、左側検出片3311gLは左側検出センサ324Lに挿通されていないと共に右側検出片311gRは右側検出センサ324Rに挿通されていない(左側検出センサ324LがOFF状態かつ右側検出センサ324RがOFF状態)。
図51(b)に示すように、傾倒装置3310が第1状態から押し込み終端まで押し込み操作される途中の状態である場合、左側検出片3311gLは左側検出センサ324Lに挿通されている一方で、右側検出片311gRは右側検出センサ324Rに挿通されていない(左側検出センサ324LがON状態かつ右側検出センサ324RがOFF状態)。
これら各検出センサ324L,324Rの状態の変化を検出することにより、傾倒装置3310が第1状態と押し込み終端まで押された状態との途中の状態とされた場合に、それが押し込み途中の状態なのか、戻る途中の状態なのかを検出することができる。
即ち、左側検出センサ324LがON状態かつ右側検出センサ324RがOFF状態であれば、傾倒装置3310は第1状態と押し込み終端まで押された状態との途中の状態となっているが、それが、左側検出センサ324LがOFF状態かつ右側検出センサ324RがOFF状態から変化した状態であることを検出することで、傾倒装置3310が押し込み操作の途中の状態であると判定することができる。
図52(a)及び図52(b)は、操作デバイス3300の側面図である。なお、図52(a)では、傾倒装置3310が押し込み終端まで押し込まれた状態が図示され、図52(b)では、傾倒装置3310が押し込み終端から第1状態へ向かう途中の状態が図示される。また、図51(a)及び図51(b)において、理解を容易にするために、下枠部材320、上枠部材330及び保護カバー装置350の外形が想像線で図示される一方で、各検出センサ324L,324R及びボイスコイルモータ352が実線で図示されると共に、各検出センサ324L,324Rと各検出片3311gL,311gRとが重なる部分は模式的に図示される。
図52(a)に示すように、傾倒装置3310が押し込み終端まで押し込まれた状態では、左側検出片3311gLは左側検出センサ324Lに挿通されると共に右側検出片311gRは右側検出センサ324Rに挿通される(左側検出センサ324LがON状態かつ右側検出センサ324RがON状態)。
図52(b)に示すように、傾倒装置3310が第1状態と押し込み終端に配置される状態との間の状態である場合、左側検出片3311gLは左側検出センサ324Lに挿通されている一方で、右側検出片311gRは右側検出センサ324Rに挿通されていない(左側検出センサ324LがON状態かつ右側検出センサ324RがOFF状態)。
左側検出センサ324LがON状態かつ右側検出センサ324RがOFF状態であれば、傾倒装置3310は第1状態と押し込み終端まで押された状態との途中の状態となっているが、それが、左側検出センサ324LがON状態かつ右側検出センサ324RがON状態から変化した状態であることを検出することで、傾倒装置3310が第1状態へ戻る途中の状態であると判定することができる。
ここで、ボイスコイルモータ352の駆動力を傾倒装置3310に伝達して傾倒装置3310を上昇させる補助的な負荷を与える場合、傾倒装置3310が下降動作する間にボイスコイルモータ352を傾倒装置3310に衝突させるよりも、傾倒装置3310が上昇動作する間にボイスコイルモータ352を傾倒装置3310に衝突させる方が、効果的に傾倒装置3310を上昇させる負荷を与えることができる。
そのため、図52(b)に示すように、各検出センサ324L,324Rの検出履歴から傾倒装置3310の動作方向を判定し、傾倒装置3310が上昇途中であって、かつ第1状態までは到達していない時にボイスコイルモータ352を駆動させることにより、ボイスコイルモータ352の駆動力を傾倒装置3310に効果的に伝達することができ、傾倒装置3310の上昇速度を向上させることができる。
ここで、駆動モータ342(図18参照)の駆動力を抑えるためにねじりバネ315の付勢力を抑えた場合、第1状態から傾倒装置3310を押し込み操作した後の傾倒装置3310の上昇速度が遅くなる。この場合、遊技者が傾倒装置3310を連打操作したとしても、傾倒装置3310の上昇動作が遊技者の手の動きに追従せず、連打操作を快適に行うことができない。
これに対し、本実施形態によれば、ボイスコイルモータ352の駆動力を効果的に用いることで、ねじりバネ315の付勢力のみで傾倒装置3310が上昇動作する場合に比較して傾倒装置3310が上昇する速度を向上させることができるので、傾倒装置3310の連打操作を快適に行わせることができる。
次いで、図53から図55を参照して、第4実施形態について説明する。第1実施形態では、傾倒装置310が第1状態であるか遊技者に押し込まれた状態であるかを検出センサ324L,324Rで検出可能な場合を説明したが、第4実施形態における操作デバイス4300は、傾倒装置4310が第2状態から第1状態へ変化する途中の動作速度を検出しその検出結果によってボイスコイルモータ352の駆動方法を変化させる態様とされる。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図53は、第4実施形態における傾倒装置4310の側面図である。図53に示すように、傾倒装置4310は、ケース本体4311の張出凸設部311jの正面側から板状に凸設される正面検出片4311kを備える。
正面検出片4311kは、下枠部材4320の底板部4321に配設される上側検出センサ4321dと下側検出センサ4321eと(図54参照)の検出溝(スリット)を通過可能に構成され、各検出センサ4321d,4321eの検出タイミングにより傾倒装置4310の動作速度を判定するための部分である。
図54(a)及び図54(b)は、操作デバイス4300の押し下げ操作を時系列で図示する操作デバイス4300の側面図である。なお、図54(a)では、傾倒装置4310が第2状態とされ、図54(b)では、図54(a)に示す状態から傾倒装置4310が押し込み操作され正面検出片4311kが下側検出センサ4321eを下方へ向けて通過した状態が図示される。また、図54(a)及び図54(b)において、理解を容易にするために、下枠部材4320、上枠部材330及び保護カバー装置350の外形が想像線で図示される一方で、各検出センサ324L,324R,4321d,4321e及びボイスコイルモータ352が実線で図示される。
図54(a)及び図54(b)に示すように、下枠部材4320は、底板部4321の正面側の部分に、上側検出センサ4321d及び下側検出センサ4321eを備える。上側検出センサ4321d及び下側検出センサ4321eはフォトカプラ形式のセンサであって、検出溝を正面検出片4311kが通過可能な向きに向けた姿勢で配設される。なお、本実施形態では上側検出センサ4321d及び下側検出センサ4321eが、傾倒装置4310の回転軸を中心とした円弧軌道上に20°間隔で配置される。
図54(a)に示す状態から、遊技者が傾倒装置4310を押し込み操作することにより、図54(b)に示す状態へ変化した場合、正面検出片4311kが上側検出センサ4321dと下側検出センサ4321eとを順番に通過する。その通過のタイミングの間隔を検出することにより、傾倒装置4310の動作速度の大小を判定することができ、その判定によりボイスコイルモータ352を駆動するか否かを選択する。
ここで、第2位置から傾倒装置4310を押し込み操作する場合、その押し込み長さが長くなることから(加速度をかけられる期間が長いので)、押し込み長さが短い操作ボタンに比較して、傾倒装置4310の動作速度の上限が高くなる。従って、減速の手段を何ら持たない場合、遊技者が全力で押し込み操作する時のための安全対策として、傾倒装置4310を丈夫に作っておく必要があり、傾倒装置4310が重くなりがちであるという課題が生じる。
また、傾倒装置4310が押し込み終端付近に配置された時にのみ傾倒装置4310に付勢力をかける弾性バネを内蔵し、その弾性バネの付勢力により傾倒装置4310を減速させることもできる。しかし、この場合、力の弱い遊技者や、そっと押し込み操作をすると決めている遊技者にとっては、押し込み位置付近で常に反力が大きくなることが押し込み操作の負担となり、疲労感を感じやすくなることから、傾倒装置4310の押し込み操作を快適に行うことができなくなる恐れがある。
これに対し、本実施形態では、上側検出センサ4321dと下側検出センサ4321eとが、それぞれON状態とOFF状態とで切り替わるタイミングの間隔により、ボイスコイルモータ352を駆動するか否かを決定することにより、必要の無いときにまで傾倒装置4310に強い反力がかけられることを防止することができる。
即ち、例えば、上側検出センサ4321dと下側検出センサ4321eとが、それぞれON状態とOFF状態とで切り替わるタイミングの間隔が、所定期間(例えば1秒)よりも長い場合には、ボイスコイルモータ352を駆動しない一方、上述したタイミングの間隔が、所定期間よりも短い場合にはボイスコイルモータ352を駆動する態様で制御する。
これにより、傾倒装置4310の押し込み操作の操作速度が遅い場合には、遊技者が傾倒装置4310から感じる反力は、ねじりバネ315が生じる付勢力のみであり、弱い力でも傾倒装置4310を容易に押し込み操作することができる。
更に、傾倒装置4310の押し込み操作の操作速度が速い場合には、傾倒装置4310に対する反力として、ねじりバネ315により生じる付勢力だけでなく、押し込み終端において、ボイスコイルモータ352が発生させる駆動力を加えることができる。そのため、傾倒装置4310の操作速度を抑制することができる。
なお、本実施形態では、図54(b)に示すように、傾倒装置4310の張出凸設部311jが下枠部材4320の下方に張り出すよりも前に、ボイスコイルモータ352を駆動しておき、ボイスコイルモータ352の可動部材を傾倒装置4310に近接する側に予め押し出しておく態様で制御される。
これにより、ボイスコイルモータ352の可動部材の押し出し途中に傾倒装置4310とボイスコイルモータ352とが衝突する場合に比較して、傾倒装置4310に加えられる衝撃を抑制することができる。
図55(a)及び図55(b)は、操作デバイス4300の側面図である。なお、図55(a)では、傾倒装置4310が第1状態から押し込み終端まで押し込まれる途中の状態が図示され、図55(b)では、傾倒装置4310が押し込み終端へ到達した状態が図示される。
また、図55(a)及び図55(b)において、理解を容易にするために、下枠部材4320、上枠部材330及び保護カバー装置350の外形が想像線で図示される一方で、各検出センサ324L,324R,4321d,4321e及びボイスコイルモータ352が実線で図示される。
図55(a)に示すように、傾倒装置4310を第2状態から高速で押し込み操作した場合、傾倒装置4310が第1状態から押し込み終端へ到達する途中の状態において、傾倒装置4310の張出凸設部311jとボイスコイルモータ352とが当接される。
傾倒装置4310を押し込み操作することにより、張出凸設部311jがボイスコイルモータ352を移動させる方向が、ボイスコイルモータ352の伸張方向D41に沿った方向となるので、ボイスコイルモータ352を縮小方向に移動させることに押し込み操作の力を消費することができる。従って、傾倒装置4310の移動は継続しつながら、ボイスコイルモータ352の駆動力で傾倒装置4310を押し上げる方向の負荷を加えることができ、傾倒装置4310を減速させることができる。
このとき、ボイスコイルモータ352は、ディスクブレーキのように摩擦で負荷を加える構造では無く、電磁力で負荷を加える構造であるため、部材の損傷が抑えられ、耐久性を確保することができる。
図55(a)に示す状態においては、傾倒装置4310の張出凸設部311jと、ボイスコイルモータ352とが既に当接しているので、図55(a)に示す状態(左側検出センサ324LはON状態)からボイスコイルモータ352に流す電流を徐々に増加させることにより、傾倒装置4310にボイスコイルモータ352から加えられる反力を徐々に増加させることができる。
従って、傾倒装置4310の張出凸設部311jと、ボイスコイルモータ352とが当接するタイミングで遊技者が感じる反力は抑制しながら、傾倒装置4310が第1状態から押し込み終端へ向かう途中における減速効果を向上させることができる。
図55(b)に示すように、傾倒装置4310が押し込み終端位置に配置されると、右側検出センサ324RがON状態となる。この状態において、傾倒装置4310は下枠部材4320に回転方向で当接し下降が停止する。そのため、ボイスコイルモータ352により傾倒装置4310を減速させることが不要となる。
本実施形態では、図55(b)に示す状態において、ボイスコイルモータ352が振動動作(伸張方向への移動と、縮小方向への移動とを繰り返す動作)を行う。これにより、傾倒装置4310を押し込み終端まで押し込み操作した後、傾倒装置4310に手を乗せ続けている遊技者に対して振動を伝える演出を行うことができる。
即ち、ボイスコイルモータ352を、傾倒装置4310の押し込み操作の速度を減少させる目的と、押し込み終端位置に配置された傾倒装置4310を振動させることにより振動演出を行う目的とに利用することができる。
次いで、図56から図68を参照して、第5実施形態における操作デバイス5300について説明する。
第1実施形態では、ボイスコイルモータ352を振動させることにより、傾倒装置310を押し込み操作する遊技者へ振動を伝える場合を説明したが、第5実施形態における操作デバイス5300は、下枠部材5320に、重心が偏心した位置に配置される錘部材5412を回転させる駆動モータ5411を備え、その駆動モータ5411の回転に基づいて、下枠部材5320に触れる遊技者へ振動を伝える態様で構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。まず、図56及び図57を参照して、第1実施形態との構成の差異について説明する。
図56は、第5実施形態における操作デバイス5300の分解正面斜視図であり、図57は、操作デバイス5300の分解背面斜視図である。
図56及び図57に示すように、操作デバイス5300は、第1実施形態における操作デバイス300と比較して、下枠部材320が下枠部材5320とされ、駆動装置340が駆動装置5340とされると共に、保護カバー部材350からボイスコイルモータ352が省略される。傾倒装置310及び上枠部材330は、第1実施形態と同様の構成とされる。
下枠部材5320には、駆動モータ5411を備える振動装置5400が配設され、駆動装置5340には、伝達軸棒5343にワンタッチで固定される円板カム5344が配設される。まず、図58から図61を参照して振動装置5400について説明し、その後、円板カム5344について説明する。
図58は、下枠部材5320及び振動装置5400の分解正面斜視図である。図58に示すように、振動装置5400は、扇形状の錘部材5412を回転駆動させる伝達装置5410と、伝達装置5410と、その伝達装置5410の駆動モータ5411を収容すると共に柔軟な材料から構成される柔軟部材5420と、上面が開放される有底皿状に形成され、錘部材5412と柔軟部材5420とを区画を分けて収容すると共に下枠部材5320の底板部5321に締結固定される収容部材5430と、を主に備える。
伝達装置5410は、回転駆動の電気モータから形成される駆動モータ5411と、外形が扇形状とされると共に駆動モータ5411の回転軸に、扇の要に該当する部分が軸支される錘部材5412と、を主に備える。
駆動モータ5411は、軸が張り出す側の側面に、左右一対で配設されると共に金属材料からフランジ状に形成される固定部5411aを備える。
錘部材5412は、その半径が半径Raとされ、駆動モータ5411の回転軸と偏心して軸支される。そのため、駆動モータ5411が回転駆動することで、錘部材5412の重心位置が変動し、駆動モータ5411ごと振動し得る態様で構成される。
柔軟部材5420は、駆動モータ5411が軸方向に沿って挿入されると共に、その挿入される側の反対側に底を有する円筒容器形状から構成される本体部5421と、組立状態において、本体部5421の径方向左右および下方に、それぞれ一対のリブ状に凸設されるリブ状脚部5422と、本体部5421の開放部側において左右に凸設されるリブ状脚部5422の間を連結すると共に固定部5411aが埋め込まれる姿勢維持部5423と、本体部5421の上面から上方へ向けて一対の柱状に凸設される凸設脚部5424と、を主に備える。
本体部5421は、駆動モータ5411の軸方向長さと同じ深さで容器形状の深さが構成される。そのため、駆動モータ5411を本体部5421に挿入しきった状態において、駆動モータ5411の軸側の端面と、本体部5421の開口側の端面とが同一面上に形成される。また、この状態において、固定部5411aが姿勢維持部5423に埋め込まれる。
リブ状脚部5422は、本体部5421の左右側と下側とに形成されるが、左右側には姿勢維持部5423が配設される分だけ、左右側のリブ状脚部5422の方が下側のリブ状脚部5422に比較して変形抵抗が大きくなる。
凸設脚部5424は、柱状に凸設されるので、後述する傾倒装置310との当接において、荷重を一点に集中させやすくすることができる。従って、柔軟部材5420を傾倒装置310の傾倒により変形させる際の、傾倒装置310の傾倒角度に対する柔軟部材5420の変形度合いの分解能を細かくすることができる。
収容部材5430は、組立状態において、駆動モータ5411及び柔軟部材5420が収容される第1収容部5431と、その第1収容部5431に隣設されると共に錘部材5412が収容される第2収容部5432と、それら第1収容部5431及び第2収容部5432の接続面において上面から下方へ向けて凹設される凹溝5433と、を主に備える。
第1収容部5431の深さは、下側のリブ状脚部5422が底に付くまで柔軟部材5420を挿入し、挿入する際にかけた負荷を解除した場合(組立負荷解除状態)に、上面から凸設脚部5424が張り出す深さとされる。
第2収容部5432の深さは、組立負荷解除状態において錘部材5412の回転軌跡よりも外方まで凹設される深さである一方、凸設脚部5424に遊技者が負荷をかけ柔軟部材5420が変形した場合(組立負荷状態)において錘部材5412の回転軌跡に干渉する深さとされる。
凹溝5433は、幅寸法が、駆動モータ5411の回転軸の直径よりも若干広い寸法とされ、深さ寸法が、組立負荷状態における駆動モータ5411の回転軸よりも若干下方に延びた寸法とされる。
図59(a)は、下枠部材5320の側面図であり、図59(b)は、図59(a)のLIXb−LIXb線における下枠部材5320の部分断面図であり、図59(c)は、図59(a)の矢印LIXc方向視における下枠部材5320の部分上面図である。なお、図59(a)では、振動装置5400に対応する部分が部分的に断面視される。また、図59(a)では、傾倒装置310が第1状態とされた場合に傾倒装置310が占有する領域である第1領域S51と、第1状態から遊技者に3度分だけ押し込まれ、押し込みの終端位置に配置された場合に傾倒装置310が占有する領域である終端領域S52と、が想像線で図示される。
図59(a)に示すように、下側軸受け部323の円弧の中心軸を回転軸として形成される円軌道に沿った方向に、凸設脚部5424が凸設される。そのため、傾倒装置310(図56参照)の角度変化に対する凸設脚部5424の変形量を最大限に確保することができる。
図59(b)に示すように、凸設脚部5424に負荷がかけられていない、組立負荷解除状態において、錘部材5412が第2収容部5432から離間される。
図59(c)に示すように、凸設脚部5424は、その延設方向視において、下枠部材5320の左右中心線を基準として左右対称に配置される。そのため、傾倒装置310の底面で凸設脚部5424を左右均等に押し込むことができるので、押し込み時に柔軟部材5420が左右に傾く(図59(b)紙面において左右に傾く)ことを防止することができ、図59(b)の姿勢を保ったまま凸設脚部5424を押し込むことができる。
図59(c)に示すように、下枠部材5320の底板部5321は、凸設脚部5424を挿入可能に穿設される一対の貫通孔5321dを備える。貫通孔5321dは、左右方向の幅寸法が、凸設脚部5424の直径寸法よりも若干大きい寸法とされることから、傾倒装置310が遊技者により押し込まれ、傾倒装置310の下側面が凸設脚部5424に押し付けられる場合に、凸設脚部5424の左右方向への変形を抑制することができる。従って、凸設脚部5424の形状の変形を抑制し、凸設脚部5424ごと本体部5421を、下方(図59(b)下方)へ平行移動させやすくすることができる。
図60(a)及び図60(b)は、図59(a)のLXa−LXa線における振動装置5400の断面図である。なお、図60(a)では、組立負荷解除状態が図示され、図60(b)では、傾倒装置310が終端領域S52(図59(a)参照)を占有する状態において凸設脚部5424が第1収容部5431の内方へ押し込まれた後における組立負荷状態が図示される。なお、第2収容部5432及び錘部材5412の外形が想像線で図示される。
図60(a)及び図60(b)に示すように、組立負荷解除状態から、振動装置5400に負荷が与えられ、組立負荷状態となると、凸設脚部5424及び下側のリブ状脚部5422が変形すると共に、駆動モータ5411及び錘部材5412が下方へ変位する。
組立負荷状態では、図60(b)に示すように、傾倒装置310(図57参照)に押されることにより柔軟部材5420が弾性的に変形する。この変形の弾性回復力は、傾倒装置310を押し返す力として働き、その力は傾倒装置310が柔軟部材5420に近接するほど大きくなるので、傾倒装置310が終端位置に押し込み操作された場合に傾倒装置310が下枠部材5320(図57参照)と衝突する際の衝撃を緩和することができる。また、弾性回復力による負荷なので、傾倒装置310が高速で移動する場合でも、時間遅れなく負荷を発生させることができる。
ここで、駆動モータ342(図57参照)の駆動力を抑えるためにねじりバネ315の付勢力を抑えた場合、第1状態(傾倒装置310が上昇端に配置された状態、図38参照)から傾倒装置310を押し込み操作した後の傾倒装置310の上昇速度が遅くなる。この場合、遊技者が傾倒装置310を連打操作したとしても、傾倒装置310の上昇動作が遊技者の手の動きに追従せず、連打操作を快適に行うことができない。
これに対し、本実施形態によれば、柔軟部材5420の弾性回復力を効果的に用いることで、ねじりバネ315の付勢力のみで傾倒装置310が上昇動作する場合に比較して傾倒装置310が上昇する速度を向上させることができるので、傾倒装置310の連打操作を快適に行わせることができる。
図60(a)に示すように、組立負荷解除状態において、錘部材5412は、その姿勢によらず、第2収容部5432の内壁と当接しない。そのため、組立負荷解除状態で、駆動モータ5411を駆動開始しても、錘部材5412と第2収容部5432とが当接することによる振動は、生じない。
また、駆動モータ5411自体の振動や、錘部材5412の重心移動により駆動モータ5411に生じる微振動は、柔軟部材5420の柔軟性により吸収され、収容部材5430への伝達が防止される。これにより、遊技者が、駆動モータ5411の駆動開始タイミングを把握し難くすることができる。
図60(b)に示すように、組立負荷状態において、柔軟部材5420の本体部5421は、上部の凸設脚部5424や、下方のリブ状脚部5422が変形することで、上下に変位が許容される態様で構成される。
柔軟部材5420が下方へ移動すると、本体部5421の下側に配置されるリブ状脚部5422の状態が、より上下に圧縮される状態へと変化し、リブ状脚部5422が若干硬化する。そのため、リブ状脚部5422による振動の減衰効果を弱めることができ、振動装置5400により生じる振動を、遊技者に伝えやすくすることができる。
また、柔軟部材5420の本体部5421が円筒状に形成され、下側のリブ状脚部5422が本体部5421の円筒の軸方向に沿って延設されると共に中心軸から左右に均一な間隔で左右一対に配置されるので、柔軟部材5420が下方へ移動することにより、リブ状脚部5422の径方向外側の端部が左右外方(本体部5421とリブ状脚部5422との接続位置において抵抗が小さい方)に移動する態様で変形する(図60(b)参照)。この場合、本体部5421の下側に配置されるリブ状脚部5422の凸設方向が左右方向成分を持つことになるので、リブ状脚部5422の弾性力を左右方向に作用させることができる。従って、組立負荷状態において、錘部材5421と第2収容部5432とが衝突する際に生じる可能性の有る左右方向の負荷を、本体部5421の下側のリブ状脚部5422の弾性力により部分的に吸収することができる。これにより、駆動モータ5411の左右方向への位置ずれを抑制することができる。
図61(a)及び図61(b)は、図59(a)のLIXb−LIXb線における伝達装置5410及び収容部材5430の断面図である。
図61(a)及び図61(b)では、組立負荷状態が図示され、図61(a)では、錘部材5412の重心位置が回転軸の上側に配置される状態が図示され、図61(b)では、錘部材5412の重心位置が回転軸の下側に配置される状態が図示される。なお、図61(a)及び図61(b)では、傾倒装置310が遊技者に押し込まれ、終端領域S52を占有する状態における振動装置5400の様子が図示される。
錘部材5412の回転に基づく伝達装置5410の動作について説明する。まず、本実施形態では、組立負荷状態で、錘部材5412の重心位置が上側に配置される時、第2収容部5432の下底部からの距離が距離Q1となる位置に、駆動モータ5411の回転軸が配置される。なお、本実施形態において、距離Q1は、錘部材5412の半径Raと等しい距離とされる(Q1=Ra)。
即ち、組立負荷状態で錘部材5412が回転すると、その外周側面が第2収容部5432と当接する(擦れる)。そのため、組立負荷解除状態に比較して、錘部材5412の回転により生じる振動が変化し、遊技者に異なった種類の振動を伝えることができる。
錘部材5412と第2収容部5432との当接により、反発力として、錘部材5412を上向き(図61(b)上向き)に移動させる力が発生する。ここで、錘部材5412と第2収容部5432が傾倒装置310(図57参照)の移動方向に沿って近接離反するので、反発力の方向を、傾倒装置310の移動方向に沿った方向(上向き)に向け易くできる。この反発力により、錘部材5412を支持する駆動モータ5411と共に柔軟部材5420が上向きに移動することになり、柔軟部材5420が傾倒装置310(図57参照)を上向き(傾倒装置310の移動方向に沿った方向)に押し返す力を補強することができる。
このように、傾倒装置310(図57参照)を上向きに押し返す力を、柔軟部材5420の弾性回復力として生じる力と、錘部材5412と第2収容部5432との当接により生じる力という別々に発生する力の組み合わせで構成することにより、傾倒装置310を押し返す力の調整を行うことができる。
即ち、傾倒装置310が凸設脚部5424に当接開始してから終端領域S52(図59(a)参照)へ向かうまでの間は、柔軟部材5420の弾性回復力が傾倒装置310を押し返す力として生じ、傾倒装置310が終端領域S52に到達した後は、錘部材5412と第2収容部5432との反発力が、傾倒装置310を押し返す力に加えられる。これにより、終端領域S52付近において、傾倒装置310を押し返す力を特に増加させることができるので、傾倒装置310の操作の軽さと、押し込み操作時の衝撃の緩和とを、良好に図ることができる。この調整は、駆動モータ5411の回転を維持した状態で行うことができる。そのため、複雑な制御を行うことを不要とできる。
本実施形態では、第1実施形態と同様に、左側検出片311gLの長さと、右側検出片311gRの長さとが異なっており(図57参照)、検出タイミングの違いにより傾倒装置310(図57参照)の動作速度が特定の速度(例えば時速40km)よりも大きいか否かを判定しており、この判定された動作速度により、錘部材5412の配置を変化させている。
例えば、傾倒装置310の動作速度が特定の速度よりも大きいと判定された場合、傾倒装置310が下枠部材5320に衝突する際の衝撃を緩和するために、柔軟部材5420が傾倒装置310に与える負荷を増大させることが望まれる。そのため、本実施形態では、傾倒装置310の動作速度が特定の速度よりも大きいと判定された場合、予め、錘部材5412を下向き(図61(b)参照)の姿勢となるように動作させる。
これにより、駆動モータ5411の下降動作の終端を、その回転軸が第2収容部5432の内壁下端から上方に半径Raだけ上がった位置まで上げることができる。これにより、錘部材5432が上向き(図61(a)参照)に配置される場合(図61(a)に示す状態から、下方に下降可能な場合)に比較して、駆動モータ5411の上側における柔軟部材5420の移動可能領域を、上下方向に狭めることができる。
即ち、凸設脚部5424を傾倒装置310で同じだけ押し下げた場合における、柔軟部材5420の部分であって駆動モータ5411の上側部分の圧縮寸法を、増加させることができる。従って、柔軟部材5420から傾倒装置310へ与えられる反発力を大きくすることができ、傾倒装置310を制動させる負荷を大きくすることができる。
なお、本実施形態では説明を省略したが、駆動モータ5411を上向きに停止したまま(図61(a)参照)とすることで、傾倒装置310を押し返す力を柔軟部材5420の弾性回復力により生じさせ、錘部材5412と第2収容部5432との当接による力が生じないようにすることもできる。
ここで、部材の当接は、伝達装置5410と下枠部材5320に締結固定される収容部材5430との間で生じるものであり、傾倒装置310との間で生じるものでは無い。そのため、傾倒装置310を押し込む遊技者の手に伝わる振動を変化させると共に、振動の伝達範囲を広げることができる。即ち、傾倒装置310に触れる部分以外の、例えば、パチンコ機10の框体に触っている部分にも振動を伝えることができる。
即ち、遊技者が傾倒装置310を押し込み操作した時に、下枠部材5320に振動を伝えることができるので、その下枠部材5320に押し込みの支点として置いている手の平や、手の側面の一部を介して、遊技者に振動を伝えることができる。これにより、遊技者に振動が伝達されない事態を回避することができる。
図61(a)及び図61(b)に示すように、遊技者が傾倒装置310(図56参照)を押し込み操作して、振動装置5400が組立負荷状態を形成する場合にのみ、錘部材5412と収容部材5430とが当接して、振動が発生する。
そのため、予め駆動モータ5411を回転状態としていたとしても、遊技者に振動が伝達されるタイミングを、傾倒装置310を押し込み操作したタイミングに限定することができるので、遊技者の押し込み操作を検出してから振動を発生させる場合に比較して、振動を遊技者に伝達し易くすることができる。
即ち、遊技者が傾倒装置310を押し込み操作した直後に手を離す態様(パルス的に押し込む態様)で押し込み操作する場合、傾倒装置310が押し込まれたことを検出してから振動を発生させていたのでは、遊技者が手を離すまでに振動を発生させることができない(振動開始が間に合わない)可能性があり、遊技者が振動による演出を体感できない恐れがある。これに対し、本実施形態では、傾倒装置310を押し込む前から、予め駆動モータ5411が回転し、振動発生の準備が整っているので、傾倒装置310の押し込みと同時に振動を伝達することができる。これにより、遊技者が、振動による演出を体感することができる。
また、柔軟部材5420の柔軟性により、駆動モータ5411の本体の振動が第1収容部5431に伝達することを防止することができる。そのため、予め駆動モータ5411を駆動させたとしても、傾倒装置310を押し込み操作する前から、遊技者に振動が伝達されることを防止することができる。
従って、傾倒装置310の押し込みにより振動が伝達する状態にすることを、駆動モータ5411を傾倒装置310の押し込み前から予め駆動させることにより、実現することができる。
次いで、駆動装置5340について説明する。駆動装置5340の、第1実施形態における駆動装置340との差異点は、円板カム5344と、伝達軸棒5343である。その他は、第1実施形態の駆動装置340と同一なので、同様の符号を付し、説明を省略する。
図62は、駆動装置5340の分解正面斜視図である。図62に示すように、左円板カム5344Lと右円板カム5344Rとから構成される一対の円板カム5344の中心部分に、長孔凹部C1が形成される。
図63(a)は、右円板カム5344Rの正面斜視図であり、図63(b)は、右円板カム5344Rの背面斜視図である。なお、右円板カム5344Rと、左円板カム5344Lとは、対称形状から構成されるので、右円板カム5344Rについてのみ説明し、左円板カム5344Lの説明を省略する。
右円板カム5344Rの、第1実施形態における右円板カム344Rとの差異点は、伝達軸棒5343との連結部分に、伝達軸棒5343を挟み込む一対の挟持腕部A1が配置されることである。
即ち、右円板カム5344Rは、その中心位置において、円板部分から円形リブ344bが配設される側へ筒状に延設される支持筒部P1と、その支持筒部P1の軸方向に沿って、延設距離の約半分の位置まで、軸対称の長孔形状で円板部分から凹設される長孔凹部C1と、その長孔凹部C1により凹設された支持筒部P1の軸方向の端部から、軸方向に沿って円板部分側へ向けて延設される一対の挟持腕部A1と、を主に備える。
支持筒部P1は、その内径が伝達軸棒5343の円柱部材5343aの直径と同等とされることにより、円柱部材5343aを支持する部分である。支持筒部P1は、長孔凹部C1に凹設された領域と軸方向の配置が同一とされる部分であって、長孔凹部C1に凹設されずに残存する変形部P1aを備える。
変形部P1aは、長孔凹部C1を挟んで配置される一対の連結棒部分であって、右円板カム5344Rが伝達軸棒5343(図62参照)に対して軸倒れ変形する際に弾性変形する部分として構成される。
長孔凹部C1は、凹設断面の形状が、挟持腕部A1の幅寸法よりも若干長い幅寸法で形成される。そのため、挟持腕部A1は、長孔凹部C1の凹設断面の幅方向と垂直な方向(長手方向)に変位可能に構成される。
また、長孔凹部C1の対向する面が、円柱部材5343aの固定部5343a1のD字形状と係合する形状から構成される。即ち、一方の側面が平面から形成され、他方の側面が円柱部材5343aの外形に沿った円弧形状から形成される。これにより、円柱部材5343aが、円板カム5344に対して相対回転することを防止することができる。
挟持腕部A1は、一対で形成される腕部分同士の、相手側の腕と対向する側の面から、相手側の腕部に近接する方向へ向けて凸設する係合凸部A1aを備える。係合凸部A1aは、伝達軸棒5343との連結時において、円柱部材5343aの先端部と係合し、円柱部材5343aが円板カム5344から抜けることを防止する。
係合凸部A1aの先端形状は、円柱部材5343a(図64参照)の係合溝5343a4の円弧形状に合致する形状から構成される。これにより、その先端形状が平らだったり、中心が凸の曲面だったりする場合に比較して、係合凸部A1aが係合溝5343a4に係合した状態における径方向の重なり長さ(図65(b)左右方向長さ)を長く確保することができる。
係合凸部A1aは、軸方向において、連結ピン344dに近接する側の側面が右円板カム5344Rの側面であって軸付近において軸に沿って凹設される凹設面部C2(長孔凹部C1の開口側の側面)と面位置となる位置に配置される。
これにより、円柱部材5343aと係合凸部A1aとの係合を、凹設面部C2よりも支持筒部P1側(図63(b)下側)で完結することができる(図65(b)参照)。そのため、凹設面部C2の外側(図63(b)上側)において、円柱部材5343aにeリングを嵌め込む場合に比較して、円柱部材5343aが凹設面部C2から張り出す長さを、eリングの厚み分短くすることができる(図65(b)参照)。
また、eリングを嵌め込むためのスペース(eリングを面に当てて、スライドさせるために必要なスペース)を右円板カム5344Rの延設方向(面に平行な方向)に確保する必要がないので、凹設面部C2の凹設広さ(径方向の広さ)を小さくすることができる。これにより、右円板カム5344Rの形状の設計自由度を向上させることができる。
図64を参照して、伝達軸棒5343について説明する。図64は、伝達軸棒5343の正面分解斜視図である。伝達軸棒5343と,第1実施形態における伝達軸棒353との差異点は、円柱部材5343aである。
円柱部材5343aは、その両端部形成される円板カム5344を固定する断面D字形状の固定部5343a1と、正面視左側の固定部5343a1から、嵌込溝5343a3を挟んで固定部5343a1と同一の断面形状から形成される断面D字形状のクラッチ動作部5343a2と、eリングを嵌め込む溝であると共にeリングにより円板カム5344の軸方向の位置決めをする嵌込溝5343a3と、その嵌込溝5343a3に嵌めこまれたeリングに到達するまで円板カム5344が嵌め入れられた場合に、挟持腕部A1の係合凸部A1aが係合する溝である係合溝5343a4と、を主に備える。なお、嵌込溝5343a3は、組立状態において、軸支孔341bが穿設される一対の板の左右方向外側に配置される。
クラッチ動作部5343a2は、可動クラッチ343cの角度固定孔343c1に挿通される部分であって、組立状態において、コイルバネ343dの付勢力により、可動クラッチ343cがスライド動作する部分である。
嵌込溝5343a3にeリングを後から嵌め込むことで円柱部材5343aに直径が部分的に大きくなる部分をeリングで形成する仕組みを採用していることから、eリングを嵌め込む前において、円柱部材5343aの直径を均一とできる。
この直径が均一な状態で、軸支孔341b(図62参照)に円柱部材5343aを所定量差し込み、その後でeリングを嵌め込むことにより、eリングで軸支孔341bに対する円柱部材5343aの軸方向に沿った位置ずれを防止すると共に、更に、eリングで円板カム5344の軸方向の位置ずれを防止することができる。
円板カム5344と、伝達軸棒5343との、上述した構成により、円板カム5344をワンタッチで伝達軸棒5343に組み付けることができる。即ち、円板カム5344を伝達軸棒5343に組み付ける場合には、円柱部材5343aを、円板カム5344の支持筒部P1の端部の内、係合凸部A1aが配設される側とは反対側の端部から、係合溝5343a4に係合凸部A1aが嵌り込む位置まで差し込む。この際、係合溝5343a4に係合凸部A1aが嵌り込む位置まで差し込む前は、円柱部材5343aの先端部が係合凸部A1aの間に入り込むことで、一対の係合凸部A1aが、互いの距離を押し広げられる態様で挟持腕部A1が弾性変形する。その後、円柱部材5343aの先端部が係合凸部A1aを通り過ぎると、係合凸部A1aと係合溝5343a4とが対向配置され、係合凸部A1aが係合溝5343a4に嵌り込むことに伴って、挟持腕部A1が弾性回復し、円板カム5344と伝達軸棒5343とが組み付けられる(図65(b)参照)。
一方で、円板カム5344と、伝達軸棒5343との構成は、ワンタッチ組立だけではなく、本実施形態において、破壊防止の構造としても機能する。これについて、図65及び図66を参照して説明する。
図65(a)は、図62の矢印LXVa方向視における右円板カム5344Rの正面図であり、図65(b)は、図65(a)のLXVb−LXVb線における右円板カム5344Rの断面図であり、図65(c)は、図65(a)のLXVc−LXVc線における右円板カム5344Rの断面図である。また、図66(a)は、図62の矢印LXVa方向視における右円板カム5344Rの正面図であり、図66(b)は、図66(a)のLXVIb−LXVIb線における右円板カム5344Rの断面図である。
なお、図66では、図65に図示する無負荷状態の右円板カム5344Rに対して、遊技者が過負荷を与えた場合における変形後の右円板カム5344Rが図示される。
図65及び図66に示すように、本実施形態において、円柱部材5343aは、右円板カム5344Rの円板部分から離間した位置で支持筒部P1の延設先端側部分で支持され、円板部分付近では、係合凸部A1aが係合溝5343a4に係合するのみとなる。そのため、円柱部材5343a又は右円板カム5344Rに過負荷が与えられた場合、円柱部材5343aが、支持筒部P1の延設先端部分を軸として、軸倒れ可能な態様とされる。
図65(b)に示すように、一対の挟持腕部A1が対向する方向には、長孔凹部C1の空間が配置されるので、円柱部材5343aの軸倒れ変位の抵抗は小さくなる。一方で、図65(c)に示すように、支持筒部P1と連結ピン344dとが連結される方向には、右円板カム5344Rの軸方向に亘って円柱部材5343aと右円板カム5344Rとが当接するので、円柱部材5343aの軸倒れ変位の抵抗は大きくなる。
従って、遊技者が傾倒装置310を無理に押さえ込む(引っ張り上げる)などして、過負荷が右円板カム5344Rに与えられた場合(アーム部材345(図62参照)を介して連結ピン344dの変位を規制する負荷が与えられた場合)、円柱部材5343aに対する右円板カム5344Rが変形する向きを、制限することができる。
即ち、右円板カム5344Rは、抵抗の小さい方向へ変形することになるので、図66(a)及び図66(b)に示すように、右円板カム5344Rに過負荷がかけられると、円板部分の面に平行な面上において連結ピン344dと支持筒部P1の中心とを結ぶ支持軸r1を中心として、円板部分が軸倒れ変形する。これにより、連結ピン344dの先端位置が、図65(a)に示す位置に比較して、右円板カム5344Rの周方向に沿って、変位する。
図67(a)は、図6(a)のXXII−XXII線に対応した線における操作デバイス5300の断面図であり、図67(b)は、図67(a)の矢印LXVIIb方向視における操作デバイス5300の部分背面図である。なお、図67(b)では、保護カバー装置350の図示が省略されると共に、円板カム5344、アーム部材345及び解除部材346のみが図示される。また、図67(a)では、理解を容易とするために、右円板カム5344Rの伝達軸棒5343に垂直に挿通固定された状態の外形が実線で図示され、過負荷が与えられ軸倒れした状態の外形が想像線で図示される。
図67(a)では、傾倒装置310の第2状態が図示されると共に、傾倒装置310を把持する遊技者の手が図示されると共に、連結ピン344dの付近の状態が拡大して図示される。
図67(a)に示す状態において、駆動モータ342(図62参照)が動作開始すると、左円板カム5344Lが回転開始しそうになるが、遊技者に傾倒装置310の変位を規制されることになるので、その場に留まろうとするアーム部材345と、回転しようとする左円板カム5344Lの連結ピン344dとの間で、負荷が生じる。この負荷発生時に、右円板カム5344Rが、上述した軸倒れ変形をすることが可能なので、その負荷を緩和することができる。
図67(a)では、その軸倒れ変形後の右円板カム5344Rの外形が想像線で図示される。軸倒れ変形によるアーム部材345との連結態様の変化について、拡大図を参照して説明する。
図67(a)において、駆動モータ342(図62参照)が動作開始することにより右円板カム5344Rの外周が時計回りに寸法Rdだけ回転した場合、この寸法Rdだけ、アーム部材345の軸支孔345aと、連結ピン344dとが位置ずれすることになり、これを吸収するために、右円板カム5344Rが軸倒れ変形にすることになる。
軸倒れ変形により、図67(a)の紙面垂直方向に対して連結ピン344dが倒れることになるので、連結ピン344dの根本側の中心Pbと、凸設先端側の中心Ptとが、右円板カム5344Rの周方向に沿って位置ずれする。この位置ずれが、右円板カム5344Rの寸法Rdの回転による連結ピン344dとアーム部材345との位置ずれを部分的に吸収することができるので、傾倒装置310が把持されている間に駆動モータ342(図62参照)を駆動させた場合に、駆動モータ342に与えられる負荷を緩和することができる。
図67(b)に示すように、円板カム5344が軸倒れ変形することにより、円板カム5344と解除部材346とが面当たりで当接する。これにより、解除部材346と円板カム5344との間で生じる摩擦力により駆動モータ342の駆動力が消耗されることから、遊技者が傾倒装置310を把持固定した状態で駆動モータ342を駆動させた場合において、円板カム5344と傾倒装置310とを連結するアーム部材345に加えられる負荷を低減することができる。
図67(a)に示すように、円板カム5344が後転方向(矢印CW方向)に回転する場合、解除部材346は摩擦力で上向きに押し上げられるが、それに反発する向きで、第2スプリングSP2の弾性力が解除部材346を介して円板カム5344に作用する。この場合、回転爪部材347は底板部5321に移動をせき止められ、停止することから、第1スプリングSP1の状態は変化しない(弾性力は変化しない)。
一方で、円板カム5344が前転方向(矢印CCW方向、図68参照)に回転する場合、解除部材346は摩擦力で下向きに押し下げられるが、それに反発する向きで第1スプリングSP1の弾性力が解除部材346と回転爪部材347とを介して円板カム5344に作用する。この場合、回転爪部材347と解除部材346との相対的な位置関係が変化しないことから、第2スプリングSP2の状態は変化しない(弾性力は変化しない)。
従って、解除部材346と円板カム5344とが当接し、円板カム5344の動作方向に沿って解除部材346が動作する場合に、円板カム5344の回転方向によらず、第1スプリングSP1又は第2スプリングSP2のいずれかの弾性力の内、円板カム5344の回転方向の反対方向に円板カム5344に作用する弾性力を増加させることができる。これにより、解除部材346が円板カム5344に与える負荷を大きくすることができ、駆動モータ342の駆動力の消耗量を大きくすることができることから、アーム部材345に加えられる負荷を円板カム5344の回転方向を問わず低減することができる。
なお、本実施形態では、右円板カム5344Rが連結ピン344dと中心点とを通る直線に対して線対称な形状から形成されるので(連結ピン344dと中心点とを通る直線に垂直な方向に長孔凹部C1が延設されるので)、右円板カム5344Rの回転方向に関わらず(連結ピン344dのアーム部材345に対する位置ずれ方向に関わらず)、右円板カム5344Rを同様の変形抵抗で軸倒れ変形させることができる。
図68(a)は、図6(a)のXXII−XXII線に対応した線における操作デバイス5300の断面図であり、図68(b)は、図68(a)の矢印LXVIIIb方向視における操作デバイス5300の部分背面図である。なお、図68(b)では、保護カバー装置350の図示が省略される。また、図68(a)では、理解を容易とするために、右円板カム5344Rの伝達軸棒5343に垂直に挿通固定された状態の外形が実線で図示され、過負荷が与えられ軸倒れした状態の外形が想像線で図示される。
図68(a)では、傾倒装置310が第2状態から駆動モータ342(図62参照)により駆動され角度D2だけ下倒れした状態が図示されると共に、駆動モータ342の動作の途中で傾倒装置310を把持する遊技者の手が図示される。
図68(a)に示すように、傾倒装置310の動作途中に、遊技者が傾倒装置310を把持する場合、傾倒装置310が第2状態であるか否かに関わらず、右円板カム5344Rの軸倒れにより連結ピン344dの先端を右円板カム5344Rの周方向に位置ずれさせることができ、これにより、アーム部材345と、右円板カム5344Rとの間で生じる負荷を低減することができるので、駆動モータ342にかけられる負荷を低減することができる。
なお、右円板カム5344Rとして説明した事項は、左円板カム5344Lにも同様に当てはまる事項である。
図67(b)及び図68(b)に示すように、本実施形態によれば、傾倒装置310を遊技者が把持した状態で駆動モータ342(図62参照)が動作し、過負荷が生じると、右円板カム5344Rが、軸方向に対して傾倒動作することになる。
従って、この軸方向に対する傾倒動作の度合いを検出することにより、過負荷の発生に早期に気付く事ができる。即ち、例えば、第1実施形態の構成によれば、駆動モータ342を右円板カム344Rが一回転する期間駆動させれば、右円板カム344Rの検出孔344eRが右側検出センサ353Rを通過するものの、遊技者が傾倒装置310を把持している場合には駆動モータ342を回転させても右円板カム344Rが回転しないので、検出孔344eRが右側検出センサ353Rを通過せず、右側検出センサ353Rへの入力が変化しないことから、過負荷が生じていることが検出される。
この場合、過負荷の発生を検出するまでに、過負荷が生じていない状態で右円板カム344Rを所定角度回転させるだけの期間を必要とするので、過負荷の検出が遅れるという問題点があった。
これに対し、本実施形態によれば、右円板カム5344Rに過負荷が生じ、右円板カム5344Rが軸方向に対して傾倒動作した時点で(図66(b)参照)、過負荷の発生を検出することができる。そのため、過負荷の発生を早期に検出することができる。検出の方法としては、例えば、支持筒部P1と係合リブ344cとの間において、係合リブ344cに固定される報知装置E1による方法が例示される(図66(a)に想像線で図示)。
報知装置E1は、対象物が入力部に接触することにより信号が出力される検出装置であって、一対の挟持腕部A1を結ぶ直線と係合リブ344cとが交差する位置に一対で配置されると共に入力部が支持筒部P1側に突出する態様で配置される。無負荷状態において、報知装置E1と支持筒部P1とは離間され(図65(b)参照)、過負荷状態において、報知装置E1と支持筒部P1とが当接する関係で形成される(図66(b)参照)。これにより、報知装置E1からの出力を判定することで、円板カム5344に過負荷が生じているか否かを、早期に判断することができる。
次いで、図69から図73を参照して、第6実施形態における操作デバイス6300について説明する。
第1実施形態では、円板カム344、連結ピン344d及び係合リブ344cが一体で形成される場合を説明したが、第6実施形態における操作デバイス6300は、円板カム344と、係合リブ344cとが別部材から構成され、互いに相対回転可能に構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。まず、図69及び図70を参照して、第1実施形態との構成の差異について説明する。
図69は、第6実施形態における駆動装置6340の分解正面斜視図であり、図70は、左円板カム6344Lの、円板部材6344L1、リング部材6344L2及び第2伝達部材6348の正面分解斜視図である。なお、右円板カム6344Rも第1実施形態の構成と異なるが、右円板カム6344Rは、左円板カム6344Lに対して鏡写しの形状から構成されるので、左円板カム6344Lの説明のみを行い、右円板カム6344Rの説明は省略する。
図69に示すように、本実施形態は、第1実施形態に対して、左円板カム6344Lの構成と、固定部材6342aの形状とが異なり、第2伝達装置6348が追加されている。
左円板カム6344Lは、第1実施形態と同様に円形リブ344b連結ピン344d、及び検出孔344eLが配設され、円柱部材343aに軸支される円板部材6344L1と、その円板部材6344L1と同軸で軸支され円板部材6344L1と相対回転するリング部材6344L2と、を備える。
円板部材6344L1は、第1実施形態の中心軸部344aが円板部分の中心位置に配置され、円形リブ344bの外周部分から径方向外方に離間した位置に、円環形状で軸方向に沿って凸設される円環リブ6344fを備える。
リング部材6344L2は、第1実施形態における係合リブ344cと外周径が同一であって内周径が円形リブ344bの外周径よりも若干大きいリング形状から構成される円環本体6344gと、その円環本体6344gの軸方向端部に配設されると共に円環本体6344gのリング形状の開口に蓋をする蓋板部6344hと、その蓋板部6344hから円環本体6344gの反対側へ厚みが増して形成され、その増厚部分において径方向外側に配設される受けギア歯6344iと、を備える。
円環本体6344gは、その内周径が、円形リブ344bの外周径よりも大きく形成されるので、組立状態において、円環本体6344gが円形リブ344bに外嵌されることにより、中心軸部344aを中心として相対回転可能にリング部材6344L2が支持される。
なお、円環本体6344gの軸方向の円板部材6344L1側の端面が、円環リブ6344fに当接する。これにより、円環リブ6344fが形成されず、面で円板部材6344L1と当接する場合に比較して、接触面積を低減することができ、摩擦抵抗を低減できる。従って、円板部材6344L1とリング部材6344L2との相対回転を滑らかに行わせることができる。
受けギア歯6344iは、第2伝達装置6348の減速伝達ギア6348cと歯合される。従って、第2伝達装置6348の回転に基づいて、リング部材6344L2が回転する。なお、本実施形態では、リング部材6344L2の回転数が、円板部材6344L1の回転数の3倍で構成される(リング部材6344L2が3回転する間に、円板部材6344L1が1回転する態様で、第2伝達ギア6348b、減速伝達ギア6348c及び受けギア歯6344iの歯数が設定される)。
第2伝達装置6348は、固定部材6342aに伝達軸棒343と並んで回転可能に軸支される装置であって、円柱部材343aと平行な姿勢で配置される補助柱部材6348aと、その補助柱部材6348aに固定されると共に伝達ギア343bに歯合される第2伝達ギア6348bと、補助柱部材6348の両端部に固定されると共にリング部材6344L2の受けギア歯6344iに歯合される減速伝達ギア6348cと、を主に備える。
図71から図73を参照して、傾倒装置310の第1状態から、回転爪部材347による固定を外した後の、傾倒装置310の上昇動作が複数種類で構成されることについて説明する。
図71、図72、及び図73は、図6(a)のXXII−XXII線に対応する線における操作デバイス6300の断面図である。なお、図71では、図36に示す状態と同様の状態が図示され、図72では、図71に示す状態から、リング部材6344R2が後転方向(矢印CW方向)に1回転した姿勢(正しくは、1回転を越えて回転した後で、その越えた分だけ逆回転した姿勢)とされると共に、円板部材6344R1が後転方向(矢印CW方向)に1/3回転した姿勢とされる状態が図示される。また、図73では、図72に示す状態から、リング部材6344L2が前転方向(矢印CCW方向)に所定角度だけ回転し、傾倒装置310が上昇動作した状態が図示される。
ここで、図71に示す状態から、リング部材6344R2を前転方向(矢印CCW方向)に回転させて、回転爪部材347による固定を解除する場合、傾倒装置310が、ねじりバネ315の付勢力により瞬時に上昇し、第2状態(図34参照)まで到達する。
第1実施形態における操作デバイス300では、回転爪部材347による固定を解除し、瞬時(円板カム344の回転を待たず)に傾倒装置310が上昇動作する場合の到達位置は、第2状態で配置される位置(図34参照)に限定されていた。
これに対し、本実施形態では、円板部材6344R1と、リング部材6344R2とが相対回転するので、傾倒装置310に連結されるアーム部材345の支持部分である連結ピン344dと、係合リブ344cとの相対関係を変化させることができ、傾倒装置310の到達位置の種類を増やすことができる。
即ち、図72に示す状態から回転爪部材347による固定を解除する場合、傾倒装置310が、ねじりバネ315の付勢力により瞬時に上昇し、第2状態よりも、角度D6だけ下方へ傾倒した状態まで到達する(図73参照)。このように、図71に示す状態から回転爪部材347による固定を解除する場合と、図72に示す状態から回転爪部材347による固定を解除する場合とで、傾倒装置310が瞬時(円板カム344の回転を待たず)に上昇し、到達する位置を、変化させることができる。
これにより、例えば、傾倒装置310が、第1状態から瞬時に上昇し到達する高さの違いにより、演出の期待度を変化させる態様で遊技機を構成する場合に、傾倒装置310の注目力を向上させることができる。この場合において、傾倒装置310が高く上昇する方の期待度を高くするか、傾倒装置310の上昇到達位置が低い方の期待度を高くするかは、限定されるものでは無い。
しかし、通常の傾倒装置310の上昇到達位置を低く抑えておき(図73参照)、期待度が最大となった場合に第2状態(図34参照)まで到達するようにすることで、期待度の大小と、遊技者が傾倒装置310を押し込み操作する変位量の大小とを、関連付けることができ、遊技者に、傾倒装置310の変位による期待度の違いを、分かり易くすることができる。
この場合、遊技者に、傾倒装置310がどの位置まで上昇してくるのかを確認したいという意欲を沸かせることができるので、傾倒装置310の操作タイミングまで、傾倒装置310の動きを遊技者に見守らせるように仕向けることができる。そのため、傾倒装置310の演出態様に構わず、無秩序に傾倒装置310を操作する遊技の方法を、抑止することができる。
次いで、図74から図85を参照して、第7実施形態における操作デバイス7300について説明する。
第1実施形態では、円板カム344、連結ピン344d及び係合リブ344cが一体で形成される場合を説明したが、第7実施形態における操作デバイス7300は、円板カム7344が、円板部材7344R1と連結ピン344dとを別部材に配設する態様とされ、それら別部材が、互いに固定される固定状態と、相対回転可能とされる滑り状態とを形成可能に構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。まず、図74及び図75を参照して、第1実施形態における円板カム344の代替品として用いられる円板カム7344の特徴について説明する。
図74(a)は、第7実施形態における右円板カム7344Rの正面図であり、図74(b)は、右円板カム7344Rの背面図であり、図75(a)は、図74(a)のLXXVa−LXXVa線における右円板カム7344Rの断面図であり、図75(b)は、図74(a)の矢印LXXVb方向視における右円板カム7344Rの部分側面図である。なお、右円板カム7344Lは右円板カム7344Rの鏡写しの対称形状から構成されるので、説明を省略する。
図74及び図75に示すように、右円板カム7344Rは、組立状態において円柱部材343a(図62参照)が挿通固定される中心軸部344aを有する円板部材7344R1と、その円板部材7344R1の開口側から軸方向に沿って挿入されるリング部材7344R2と、組立状態において円板部材7344R1の径方向に移動不能とされると共にリング部材7344R2の等分凹設部7522に嵌る係合部7630を有する係合部材7344R3と、を主に備える。
円板部材7344R1は、中心に中心軸部344aを有するカップ形状から形成され、そのカップの縁から径方向外側へ向けてフランジ状に延設される部分に検出孔344eRを備えると共に、係合リブ344cが部分的に省略される(第1張出部344c1と第1引込部344c2との間が省略される)形状から構成される部材である。
円板部材7344Rは、組立状態でリング部材7344R2のリング状板部7510を面で支持すると共に中心軸部344aを中心とする円形の凹設部である第1円形凹設部7410と、その第1円形凹設部7410よりも直径が小さく軸方向に深い円形の凹設部である第2円形凹設部7420と、第1張出部344c1と第1引込部344c2との間に径方向へ穿設されるL字形状の挿入孔7430と、その挿入孔7430の付近において第2円形凹設部7420の裏側の側面(円板部材7344R1の外周側)から径方向外側に凸設される固定突起7440と、を主に備える。
挿入孔7430は、第1張出部344c1と第1引込部344c2との中間位置から、ずれた位置において円板部材7344R1の軸方向に沿って長形の矩形状の長孔部分である第1長孔7431と、その第1長孔7431の円板部材7344R1の底側の端部から円板部材7344R1の周方向に沿って延設される矩形状の長孔部分である第2長孔7432と、その第2長孔7432の下端部の第1長孔7431側を支点として第2長孔7432側に張り出して構成される返し部7433と、を主に備える。
第2長孔7432の幅方向(短手方向)の寸法は、第1長孔7431の幅方向(短手方向)の寸法よりも小さくされ、かつ、係合部材7344R3の係合部7630の幅方向(短手方向)の寸法よりも小さくされる。
返し部7433は、第2長孔7432の下端部(図75(b)下側端部)を支点として、弾性変形可能に構成される。この弾性変形により、返し部7433は、第2長孔7432の外方へ移動可能に形成される。
固定突起7440は、係合部材7344R3のコイルスプリングCS1に挿入され、コイルスプリングSC1の位置を固定するのに十分な凸設高さで構成される。
次いで、図76を参照して、リング部材7344R2について説明する。図76(a)は、リング部材7344R2の正面図であり、図76(b)は、リング部材7344R2の背面図であり、図76(c)は、図76(a)の矢印LXXVIc方向視におけるリング部材7344R2の側面図である。
図76(a)から図76(c)に示すように、リング部材7344R2は、連結ピン344dが凸設されるリング板形状のリング状板部7510と、そのリング状板部7510の内周面に沿ってリング状板部7510の厚み方向に延設されると共に中心部に星形状の貫通孔が形成される厚肉部7520と、を主に備える。
リング状板部7510は、板厚寸法が、第1円形凹設部7410の凹設深さと同等の長さとされ、外径寸法が、第1円形凹設部7410の内径寸法よりも若干小さくされる。これにより、組立状態において、リング部材7344R2と円板部材7344R1との軸を一致させながら、相対回転の抵抗が過大となることを防止することができる。
厚肉部7520は、リング状板部7510の側面からの延設長さが、組立状態において第2長孔7432に差し掛かる(干渉しない)長さとされ(図75(a)参照)、外周径が、第2円形凹設部7420の内周径よりも若干小さくされる。これにより、組立状態において、係合部材7344R3を径方向(図75(a)上下方向)に動作可能としながら、リング部材7344R2と円板部材7344R1との相対回転の抵抗が過大となることを防止することができる。
厚肉部7520は、軸方向に沿って穿設される異形貫通孔7521と、その異形貫通孔7521に径方向外方へ向けて周方向等間隔(本実施形態では、5等分)に凹設される等分凹設部7522と、を主に備える。
異形貫通孔7521は、その内周形状が、後述する係合部材7344R3を、円板部材7344R1の径方向内方へ押し込んだ場合に、係合部7630よりも径方向外側に配置される形状から構成される。
図77(a)は、係合部材7344R3の正面図であり、図77(b)は、図77(a)の矢印LXXVIIb方向視における係合部材7344R3の側面図である。
図77(a)及び図77(b)に示すように、係合部材7344R3は、組立状態(図74(b)参照)において、第1張出部344c1及び第1引込部344c2の径方向外方に配置される円弧状板部7610と、その円弧状板部7610の背面側端部(図77(b)右側端部)から厚み方向へ延設される延設部7620と、その延設部7620の延設先端から前後方向(図77(b)左右方向)に沿って延設される係合部7630と、円弧状板部7610の係合部7630と対向する側に配設されるコイルスプリングから形成されるコイルスプリングCS1と、を主に備える。
円弧状板部7610は、内周側の側面の係合部7630の先端部と対向する位置に、コイルスプリングCS1を嵌め込む突起であるバネ固定突起7611を備える。
延設部7620は、組立状態において、第2長孔7432に挿通される部分であって、コイルスプリングCS1の弾性力に対向して径方向内方へ押し込んだ場合に、その延設先端が、リング部材7344R2の内周面よりも内方へ張り出す延設長さで構成される。
係合部7630は、幅方向の寸法が第1長孔7431の幅方向の寸法よりも若干短い寸法とされ、組立状態において、厚肉部7520の異形貫通孔7521を通過する長さで延設される(図75(a)参照)。
係合部材7344R3は、後述するように、解除部材346から負荷を受けて変位する部材としての機能と、円板部材7344R1に対するリング部材7344R2の位置決めを行う機能とを兼用する。そのため、部材個数を削減することができる。
図78を参照して、右円板カム7344Rの組立方法について説明する。図78(a)は、右円板カム7344Rの正面図であり、図78(b)は、図78(a)の矢印LXXVIIIb方向視における右円板カム7344Rの側面図であり、図78(c)は、右円板カム7344Rの正面図であり、図78(d)は、図78(c)の矢印LXXVIIId方向視における右円板カム7344Rの側面図であり、図78(e)は、右円板カム7344Rの正面図であり、図78(f)は、図78(e)の矢印LXXVIIIf方向視における右円板カム7344Rの側面図である。
なお、図78(a)、図78(b)、図78(c)及び図78(d)では、円板部材7344R1に係合部材7344R3のみが挿入された状態が図示され、図78(e)及び図78(f)では、円板部材7344R1にリング部材7344R2と係合部材7344R3とが挿入された状態が図示される。また、理解を容易とするために、図78(b)、図78(d)及び図78(f)では、円弧状板部7610及びコイルスプリングCS1の図示が省略される。
右円板カム7344Rの組立方法としては、まず、第1長孔7431に係合部材7344R3の係合部7630を挿入する(図78(a)及び図78(b)参照)。上述したように、第2長孔7432の幅方向の寸法が、係合部7630の幅方向の寸法よりも短くされるので、係合部7630が誤って第2長孔7432に挿入されることを防止することができる。従って、組立間違いを防ぐことができる。
次に、第2長孔7432の延設方向に沿って、図78(d)の奥行き方向で、係合部7630と、固定突起7440との位置が一致する位置まで、係合部材7344R3をスライド移動する。
この移動後の位置において、コイルスプリングCS1に固定突起7440が差し込まれ、係合部材7344R3が円板部材7344R1の周方向(図78(d)左右方向)の位置ずれが抑制されると共に、係合部材7344R3を、円板部材7344R1の径方向に移動不能に保持することができる。
また、係合部材7344R3は、返し部7433により周方向の移動が制限される。これについて説明する。まず、第1長孔7431に係合部7630を挿入した状態において、返し部7433は第2長孔7432の外方に追いやられる(図78(b)参照)。次いで、係合部材7344R3を第2長孔7432の延設方向へスライドさせると、係合部材7344R3と返し部7433との上下方向の当接が解除され、返し部7433が弾性回復力により第2長孔7432の内方へ入り込む(図78(d)参照)。
第2長孔7432の内方へ入り込んだ状態において、返し部7433の先端が係合部材7344R3の延設部7620に当接するが、その当接方向が返し部7433の長手方向(変形抵抗が大となる方向)に沿う態様で構成されるので(図78(d)参照)、延設部7620の移動(図78(f)右方への移動)が抑制される。これにより、係合部材7344R3の周方向の移動を制限することができるので、動作中に係合部材7344R3の位置がずれることを防止することができる。
係合部材7344R3を円板部材7344R1に保持したら、その後、係合部材7344R3を円板部材7344R1の径方向内方へ向けて押し込んだ状態で、円板部材7344R1の開口側からリング部材7344R2を挿入する。係合部材7344R3から負荷を解除することで、コイルスプリングCS1の弾性力によって、係合部7630が径方向外方へ向いた方向D7に沿って移動する。この移動により、係合部7630がリング部材7344R2の等分凹設部7522に収容され、これにより、リング部材7344R2が円板部材7344R1に対して固定される。
上述した工程により、右円板カム7344Rを容易に組み立てることができる。なお、右円板カム7344Lは、右円板カム7344Rの鏡写しの対称形状から構成されるものであり、右円板カム7344Rと同様の工程で組み立てることができる。
次いで、図79から図81を参照して、円板カム7344が後転方向に回転動作する場合の、係合部材7344R3の動作について説明する。図79(a)、図79(b)、図80(a)、図80(b)及び図81は、図6のXXII−XXII線に対応する線における操作デバイス7300の部分断面図である。なお、図79(a)、図79(b)、図80(a)、図80(b)及び図81において、解除部材7346、回転爪部材7347及び円板カム7344が中心として図示され、その他不要な部分の図示が省略される。
本実施形態における回転爪部材7347は、案内長孔7347bの長さが第1実施形態と異なる。即ち、図80(a)に示すように、係合リブ344cが下方から当接し通過する際の上昇位置において、凸設ピン346bが移動終端となる態様で構成される。
解除部材7346は、係合リブ344cとの干渉を最小限にするために、本体部分の後方上部(図80(a)右上部)が斜めに削られることが、第1実施形態と異なる。
図79(a)、図79(b)、図80(a)、図80(b)及び図81では、円板カム7344が後転方向(図79(a)時計回り方向)に回転する様子が時系列で図示される。
図79(a)では、解除部材7346に右円板カム7344Rの係合部材7344R3が当接し解除部材7346が回転動作をし始めた状態が図示され、図79(b)では、図79(a)に示す状態から右円板カム7344Rが更に回転した状態が図示され、図80(a)では、係合部材7344R3が円板部材7344R1に押し込み終端まで押し込まれた状態が図示され、M6−2(b)では、図80(a)に示す状態から、円板部材7344R1が更に後転方向に回転した状態が図示され、図81では、図80(b)に示す状態から、右円板カム7344Rが後転方向に回転し、係合部材7344R3が解除部材7346から離間した後の状態が図示される。なお、図79(a)、図79(b)、図80(a)及び図80(b)では、解除部材7346が回転爪部材7347に対して相対回転可能な範囲の終端に到達した状態(角度小状態)が図示される。
図79(a)に示すように、係合部材7344R3と解除部材7346とが当接開始した直後の状態では、コイルスプリングCS1の弾性力が第2スプリングSP2の弾性力よりも大きく設定されることから、係合部材7344R3が内方へ押し込まれる事はなく、外方へ張り出した状態が維持される。
図79(b)に示すように、係合部材7344R3の最外径の側面に、解除部材7346の係合部346dが当接する状態において、解除部材7346と回転爪部材7347とが角度小状態とされる。
本実施形態では、解除部材7346が前転方向に回転し、回転爪部材7347が下枠部材320の挿通用孔321cの側面に押し付けられて形成される角度小状態において、円弧状板部7610の内周面と係合リブ344cの第1張出部344c1及び第1引込部344c2とが当接した状態で係合部材7344R3の外周面が解除部材346に擦れる位置関係で、円板カム7344が配置される(図80(a)参照)。
即ち、図80(a)に示すように、円板カム7344の回転により解除部材7346が角度小状態へ向けて回転し、それ以上回転不可能となる状態(角度小状態)になると、解除部材7346から、係合部材7344R3に対して、その係合部材7344R3を円板カム7344の径方向内方へ押し込む負荷がかけられる。
そして、図79(b)に示すように、係合部材7344R3が径方向外方へ張り出した状態では、後転方向の回転を継続することができないことから、円板カム7344の回転に基づいて、係合部材7344R3が径方向内方へ向けて押し込まれる(図80(a)参照)。この押し込まれた状態において、係合部7630は、異形貫通孔7521の最小径部分よりも径方向内方に配置される。
そのため、係合部7630を介してリング部材7344R2に周方向の負荷が伝達されなくなるので、図80(b)に示すように、図80(a)に示す状態から円板部材7344R1を回転させても、リング部材7344R2は回転に追従せず、姿勢を維持する。
この回転量のずれにより、係合部7630は、元々配置されていた一の等分凹設部7522から、異なる他の等分凹設部7522へ移動するので、円板部材7344R1とリング部材7344R2との位相が一つの凹設部の分(72度)だけ相対回転する。
その後、図81に示すように、右円板カム7344Rが更に回転すると、係合部材7344R3と、解除部材7346との当接は解除されるので、係合部材7344R3が径方向外方へ張り出され、係合部7630が、再度、等分凹設部7522に収容される。この過程において、係合部7630が収容される等分凹設部7522が、一つ、ずれる。
即ち、図79(a)から図81に示す過程を経過することで、係合リブ344cの配置と、リング部材7344R2に配設されている連結ピン344dの配置とを、等分凹設部7522の凹設部の配設間隔分(72度)だけ、相対的にずらすことができる。
図82を参照して、円板カム7344が前転方向に回転動作する場合の、係合部材7344R3の動作について説明する。図82(a)、図82(b)、図83(a)及び図83(b)は、図6のXXII−XXII線に対応する線における操作デバイス7300の部分断面図である。なお、図82において、解除部材7346、回転爪部材7347及び円板カム7344が中心として図示され、その他不要な部分の図示が省略される。
図82(a)から図83(b)では、円板カム7344が前転方向(図82(a)反時計回り方向)に回転する様子が時系列で図示される。図82(a)では、解除部材7346と、右円板カム7344Rの係合部材7344R3とが当接する直前の状態が図示され、図82(b)では、係合部材7344R3が解除部材7346に上方から当接されることにより下降開始した状態が図示され、図83(a)では、図82(b)に示す状態から更に円板カム7344が前転方向に回転した状態が図示され、図83(b)では、解除部材7346と係合部材7344Rとが離間した後の状態が図示される。
図82(a)から図83(b)に示すように、円板カム7344が前転方向へ回転することにより、解除部材7346と回転爪部材7347とが後転方向(図82(a)時計回り方向)へ回転する場合、解除部材7346と回転爪部材7347との移動を規制する部材は無く、第1スプリングSP1の弾性力により解除部材7346及び回転爪部材7347が前転方向に負荷を与えられるのみとなる。
そのため、係合部材7344R3を径方向内方へ押し込む程の負荷は生じず、係合部材7344R3が解除部材7346と当接してから、離間するまでの間、係合部材7344R3は、径方向外方へ張り出した状態を維持する。従って、円板カム7344を前転方向に回転させる場合には、円板部材7344R1とリング部材7344R2とが相対回転することを防止することができる。
これらの構成から、円板カム7344の回転方向を切り替えることにより、円板部材7344R1とリング部材7344R2とが相対回転するか否かを切り替えることができる。そのため、相対回転が生じない回転方向(図82及び図83参照)では、第1実施形態と同様に、傾倒装置310を同様の傾倒幅で傾倒させる演出を繰り返し行うことが可能である一方で、相対回転を生じさせる回転方向(図79、図80及び図81参照)では、第1実施形態と異なり、傾倒装置310の傾倒幅を変更することができる。
また、本実施形態では、円板部材744R1とリング部材7344R2とを相対回転させる円板部材7344R1の回転方向が、回転爪部材7347による固定を解除する方向の逆方向(固定を解除しない方向)と一致するので、傾倒装置310が第1状態(図84参照)で維持された(姿勢が一定に維持された)状態で、円板部材7344R1とリング部材7344R2とを相対回転させることができる。
これにより、遊技者にとって注目されない状態(傾倒装置310が停止する状態)を、遊技者から見えないところで円板部材7344R1とリング部材7344R2との相対的な姿勢を変化させるための状態として、利用することができる。
図84及び図85を参照して、本実施形態によれば、傾倒装置310を第1状態から上昇動作させる態様を複数種類形成することができることについて、説明する。図84及び図85は、図6のXXII−XXII線に対応する線における操作デバイス7300の断面図である。なお、図84では、回転爪部材347による固定を解除することにより、第1状態から、図7(b)に示す第2状態まで傾倒装置310を即座に(円板カム7344を回転させることなく)変位させることが可能な位相関係でリング部材7344R2が円板部材7344R1に固定された状態が図示され、図85では、図84に示す状態から、図79で説明した過程を経てリング部材7344R2が、円板部材7344R1に対して等分凹設部7522の一つ分だけ相対回転した状態が図示され、図84及び図85では、どちらも、第2張出部344c3が係合部346dに当接した状態が図示される。
図84及び図85に示すように、本実施形態によれば、第1状態から回転爪部材347による固定を解除することにより、傾倒装置310が即座に(円板カム7344R2を回転させることなく)移動する移動範囲を変化させることができる。
即ち、図84に示す状態から、回転爪部材347を回転させることで固定を解除すると、傾倒装置310は第2状態(傾倒装置310が移動範囲の最上端まで移動した状態)まで移動する。
一方で、図85に示す状態から、回転爪部材347を回転させることで固定を解除すると、連結ピン344dの位置が図84に示す位置よりも後方下側に位置ずれしていることから、第2状態よりも下方に沈んだ状態まで、移動する。
従って、回転爪部材347による固定を解除することにより、第1状態から傾倒装置310が上昇動作により即座に(円板カム7344の回転無しに)到達する位置を、変化させることができる。これにより、傾倒装置310の動作による演出の種類を増やすことができ、操作デバイス7300の演出装置としての注目力を向上させることができる。
次いで、図86から図179を参照して、第8実施形態におけるパチンコ機8010について説明する。
第1実施形態では、操作デバイス300の正面側が露出する場合を説明したが、第8実施形態におけるパチンコ機8010は、操作デバイス300の下部を正面側から覆う被覆カバー370を備える。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
なお、以下の説明では、図86に示す状態のパチンコ機8010に対して、紙面手前側を前方(正面)側として、紙面奥側を後方(背面)側として説明する。また、図86に示す状態のパチンコ機8010に対して、上側を上方(上)側として、下側を下方(下)側として、右側を右方(右)側として、左側を左方(左)側としてそれぞれ説明する。さらに、図中(例えば、図86参照)の矢印U−D,L−R,F−Bは、パチンコ機8010の上下方向,左右方向,前後方向をそれぞれ示している。また、この方向の定義は、図86以前の図面を参照した説明においても同様である。
まず、図86から図90までを参照して、パチンコ機8010の全体構成について説明する。図86は、第8実施形態におけるパチンコ機8010の正面図であり、図87は、外枠11に対して内枠12を開放(展開)した状態を示すパチンコ機8010の正面斜視図であり、図88は、外枠11に対して内枠12を開放した状態で裏パック92を内枠12に対して開放した状態(展開)を示すパチンコ機8010の正面斜視図であり、図89は、外枠11に対して内枠12を閉鎖すると共に正面枠14を開放(展開)した状態を示すパチンコ機8010の正面斜視図であり、図90は、正面枠14を取り外した状態におけるパチンコ機8010の正面図である。なお、図90では、便宜上、遊技盤13の内部構成の符号を省略している。
外枠11は、木製の板材を上辺及び下辺とし、アルミ製の板材を左右の辺とした四辺を 固定した枠状に形成される。パチンコ機8010は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより遊技場に設置される。なお、パチンコ機8010において外枠11は必須の構成ではなく、外枠11又は外枠11と同一の内形を有し、外枠11の内枠12支持構造(ヒンジ18等)及び施錠構造を有する部材が遊技場に備え付けられた構成としても良い。
内枠12には、図89に示すように、正面枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側(開閉基端側)とし、右側を回動先端側(開閉先端側)として前方へ回動可能とされている。
また、内枠12には、図88に示すように、裏パックユニット94が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側(開閉基端側)とし、右側を回動先端側(開閉先端側)として後方へ回動可能とされている。
内枠12には、図87に示すように、その回動先端部に施錠機構20RKが設けられており、内枠12及び正面枠14を外枠11に対して開放不能に施錠状態とする機能と、正面枠14を内枠12に対して開放不能に施錠状態とする機能を有している。これらの各施錠状態は、図86に示すようにパチンコ機8010前面にて露出させて設けられた施錠機構20RKのシリンダ錠20の鍵穴21に対して、専用の鍵を差し込んで解錠操作を行うことにより、それぞれ解除される。
正面枠14は、内枠12の前面側に回動可能に取り付けられている。正面枠14の回動基端側には、図86に示すように、前扉取付金具57,58が設けられ、この前扉取付金具57,58(金具57は円柱状部、金具58は軸孔を有する金属板)が内枠12に係合することにより、内枠12に対して正面枠14が回動可能に支持される。
詳細には、前扉取付金具57は、内枠12の上側のヒンジ19の下方位置において内枠12の正面側端部から正面側へ延設され先端から背面側へ前扉取付金具57が内嵌可能な大きさで凹設される嵌合凹部12e1(図126参照)を有する軸支板部12eに軸支される。また、前扉取付金具58は、内枠12の下側のヒンジ19から上方に突設される段付き円柱形状(直径の違う円柱が上下に連設される構成において上側の円柱の直径の方が小さい形状)の支持ピン19aに外嵌されることで軸支される。
正面枠14は、図89に示すように、内枠12と外形がほぼ同一の長方形状に形成されている。正面枠14は、金属板によって縦長の矩形枠状に形成される本体枠14aを備える。その本体枠14aの正面側および背面側に各種部材(電飾部8029〜8033等)やユニット(操作デバイス300、操作ハンドル51等)が締結固定されることで正面枠14が構成される。
正面枠14には、ガラスユニット16の外周縁が正面視で露出しないようにガラスユニット16より小さく開口形成された窓部14cが設けられる(図86参照)。この窓部14cがガラスユニット16によって背面側から覆われることで、ガラスユニット16を取り付けた正面枠14によって内枠12の前面側のほぼ全域が覆われる。従って、遊技盤13の正面中央部分は、正面枠14の窓部14c(図89参照)を通じて内枠12の正面側から視認することができる。
ガラスユニット16は、図89に示すように、窓部14cより大きな外形で透明性を有する前後一対の透明ガラス16a,16bと、これら透明ガラス16a,16bを一体化する固定枠(図示せず)と、を備えている。固定枠は、合成樹脂により透明ガラス16a,16bより一回り大きな環状に形成され、透明ガラス16a,16bの外周縁が固定枠に接着されることでガラスユニット16は一体化された複層ガラスとされている。
なお、ガラスユニット16は、透明ガラス16a,16bによって無色透明に形成されているが、これに限定されることはなく合成樹脂によって無色透明に形成されていてもよく、パチンコ機8010前方からガラスユニット16を通じて遊技領域を視認可能であれば無色透明でなく有色透明に形成されていても良い。
正面枠14において窓部14cの周囲には、図86に示すように、LED等の発光手段を内蔵した電飾部8029〜8033が複数設けられている。これら電飾部8029〜8033では、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯や点滅が行われる。また、窓部14cの上側の電飾部8030には、払出球が不足する等の所定のエラー時に点灯する発光手段と、賞球払出中に点灯する発光手段とが内蔵されている。
また、窓部14cの右上側及び左上側には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカー組立体450を覆うスピーカーカバー27(パンチングメタルから形成される薄板部材)が設けられている。窓部14cの下方には、図86に示すように、上皿17と下皿50とが手前側へ膨出して配置されると共に上下に並設されている。
上皿17は、払出装置133(図87参照)より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら球発射ユニット112a側へ導く機能を有している。また、下皿50は、上皿17内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有している。下皿50の背面側側面には、前後方向に開口され球が下皿50に案内される球案内開口53が形成される。
なお、上皿17と下皿50とに分けて複数箇所に遊技球を貯留する部位を設ける必要はなく、下皿50を廃止して上皿17のみとした1つの貯留部のみを有する構成としても良い。
上皿17(遊技球の貯留領域)の手前側には、遊技者らにより手動操作される操作デバイス300が設けられている。操作デバイス300は、第3図柄表示装置81の表示画面等にて遊技者の操作に対応した演出が行われる場合に使用される操作装置である。この操作デバイス300は、上皿17以外に下皿50周辺等の別の部位に設けられても良いし、複数箇所に設けられても良く、また、操作方法として押しボタン式のスイッチであっても良く、タッチセンサ、非接触式のセンサ等の別の操作方法によって情報入力可能な構成としても良い。
正面枠14の背面側には、図89に示すように、通路形成ユニット140が取り付けられている。通路形成ユニット140は、合成樹脂により成形されており、上皿17に通じる前扉側上皿通路部141と、下皿50に通じる前扉側下皿通路部142と、ファール球通路部145(図92参照)と、を有している。
通路形成ユニット140の上側隅部(正面枠14の回動基端側の隅部)には後方に突出し上方に開放された払出球受口部143が形成されており、その払出球受口部143が仕切壁144によって左右に仕切られることで前扉側上皿通路部141の通路入口と前扉側下皿通路部142の通路入口とがそれぞれ形成されている。
ファール球通路部145(図92参照)は、球発射ユニット112aから発射された遊技球のうち遊技領域まで至らなかった遊技球をファール球として下皿50に排出する通路を形成する部位である。
ファール球通路部145には、図89に示すように、上方に開放されたファール球受口部146が設けられる。このファール球受口部146に受け入れられたファール球は、ファール球通路部145(図92参照)の内部通路を流下した後で、下皿50に排出される。なお、ファール球通路部145は、下皿50でなく、上皿17に接続され、ファール球が上皿17に排出される構成としても良い。
なお、ファール球通路部145は、遊技者が球抜き操作することにより上皿17から下皿50に流下する未発射球が案内される通路である球抜き通路147(図92参照)と合流するように形成される。
正面枠14の背面側には、上部の左右隅部に締結固定される樹脂製のカバー部材であって、背面側へ膨出する多機能カバー部材171,172が取り付けられている。多機能カバー部材171,172の正面側には、電飾部8030やスピーカー組立体450に電気を導通する配線のコネクタや、正面枠14伝いに電飾部8031,8032の内部基板と一方の端部が連結されるコネクタの他方の端部が連結される電子基板が配設され、この電子基板及びコネクタが多機能カバー部材171,172により覆われる。
正面枠14の多機能カバー部材171,172により覆われる箇所には、左右の電飾部8031,8032へ向けて連通される配線通し溝14hと、その配線通し溝14hを通り電飾部8031,8032から引き出された配線が連結される電子基板14iとが形成されており(図103参照)、各配線の端子は、それら配線通し溝14hを通して後方へ引き出され、背面側から電子基板14iに差し込まれる。
従って、多機能カバー部材171,172を取り外した状態(図103参照)とすれば、正面枠14の背面側から(図89紙面手前側から)、電飾部8030やスピーカー組立体450に電気を導通する配線のコネクタや、電飾部8031,8032の内部基板と一方の端部が連結されるコネクタを、電子基板14iに対して容易に抜き差しすることができる。
正面枠14の回動先端側に取り付けられる多機能カバー部材171は、内枠12の回動先端側の上下に一対で配設され、遊技盤13のベース板60を把持する盤面支持装置600(図126参照)の上側の装置と前後に対向する位置関係とされ、状況により互いに当接可能とされるが、詳細については後述する。
正面枠14の背面側には、樹脂材料により形成される正面側が開放された容器形状の部材であって、下隅部において正面枠14に当接配置されると共に正面枠14との間に形成される空間に配線を収容する長尺カバー部材173が背面側から取り付けられている。長尺カバー部材173は、正面枠14の回動先端側から回動基端側へ移動するにつれて断面積が小さくなる構成とされ、配線を収容する空間の下辺を構成する下壁部173aが、正面枠14の下辺と平行配置され、下壁部173aの上方に対向配置されると共に配線を収容する空間の上辺を構成する上壁部173bが、通路形成ユニット140の下壁と面で合致する形状で構成される。
長尺カバー部材173は、下壁部173a及び上壁部173bと同様に正面枠14に当接配置される壁部であって、正面枠14の回動基端側において下壁部173a及び上壁部173bから上方へ延設される上方延設壁部173cを備える。
上方延設壁部173cは、下壁部173a及び上壁部173bと連設される側の端部が、正面枠14の回動基端側へ向けて半円状に張り出す態様で湾曲し、その湾曲した部分の上端から更に反対方向に半円状に湾曲可能なスペースを確保して構成され、上端部において正面枠14の可動基端側が開放される。
即ち、上方延設壁部173cに収容される配線は、波状(サイン波の1周期に対応する波状)に緩やかに湾曲しながら、上方延設壁部173cの上端位置から正面枠14の回動基端側へ張り出される。従って、配線の湾曲部分において配線を撓ませることで、正面枠14の開閉時に生じる配線の位置変化(図96参照)を吸収することができるので、配線が伸縮し負荷が生じることを防止でき、配線が断線する虞を低減することができる。
正面枠14の背面側には、長尺カバー部材173の上方延設壁部173c(正面枠14の回動基端側へ最接近する部分)と、本体枠14aの一部であって正面枠14の回動基端側において上下に長尺の板部分との間に、樹脂材料により形成される部分であって下方へ開放する逆カップ形状の逆カップ部178が配設される。
逆カップ部178は、例えば、正面枠14の回動基端側を不正に押し広げ、下側のヒンジ18付近からピアノ線を差し込み、遊技領域へ進入させ行われる不正行為への対策をする部分である。即ち、下側のヒンジ18付近からピアノ線が正面枠14と内枠12との間に差し込まれた場合であっても、ピアノ線の先端が逆カップ部178の逆カップ形状に下方から入り込む場合、ピアノ線の進行を妨げることができるので、ピアノ線が遊技領域まで到達することを防止することができる。
また、逆カップ部178及び長尺カバー部材173は、樹脂材料から形成されるので、ピアノ線の先端を熱して行われる不正行為への対策をすることができる。即ち、先端を熱したピアノ線を進入させ、逆カップ部178に押し当てると、その熱で逆カップ部178を溶かし、逆カップ部178を通過することができるのと同様に、長尺カバー部材173も溶かせてしまう。そして、長尺カバー部材173を先端が熱されたピアノ線が通過することにより、長尺カバー部材173の正面側に収容される配線が焼き切られるので、配線が断線したことを検出することにより、不正行為を発見し易くすることができる。
特に、本実施形態では、逆カップ部178の長尺カバー173側の壁部178aが長尺カバー部材173の形状と合致する形状から構成され、互いに面で当接(近接)する。また、壁部178aにおける逆カップ部178の下面の法線が下方へ向く形状とされるので、ピアノ線が下方から逆カップ部178に進入した場合に、壁部178aの下面に押し当てられる可能性を高めることができ、逆カップ部178が溶かされたら高確率で長尺カバー173も溶かされることとできるので、不正行為を発見し易くすることができる。
壁部178aは、ピアノ線の先端が熱されていない場合には、ピアノ線を左右方向に案内する効果がある。即ち、正面枠14の回動基端側に無理やり開けられた隙間から差し込まれたピアノ線が逆カップ部178の上底に到達した場合、更にピアノ線が深く差し込まれると、その先端は壁部178aに押し当てられる。
壁部178aは上方延設壁部173cの湾曲部分に合致した形状とされるので、ピアノ線が更に深く差し込まれると、壁部178aに沿ってピアノ線の先端が移動し、ピアノ線の先端は下壁部173aの下方に案内される。更にピアノ線が深く差し込まれたとしても、ピアノ線の先端は下壁部173aの下方の空間を正面枠14の回動先端側へ進行する(左右方向に進行する)ことになるので、ピアノ線が遊技領域に到達することを防止することができる。
また、ピアノ線を介して不正行為を行う者に与えられる反力が大きくなることを防止しながら、ピアノ線の先端が遊技領域に到達することを防止することができるので、例えば、下壁部173aの下方の空間にピアノ線の進入を検出する検出装置を配置することにより、不正行為を行う者が逃亡する前に不正行為を発見し、不正行為を行う者を確保し易くすることができる。
即ち、ピアノ線が下壁部173aの下方の空間に案内されていても、不正行為を行う者はそれを判別することができないので、ピアノ線が遊技領域へ向かう途中であると思い込むことになる。そして、遊技領域へピアノ線の先端が到達するまで(例えば、窓部14cを通して正面側からピアノ線の先端が見えるまで)更にピアノ線を深く差し込む動作を不正行為を行う者に自然に(ピアノ線の差し込みがうまくいっていないという疑念を抱かせることなく)行わせることができる。従って、不正行為を行う者が、不正行為が発覚したと気づき、逃亡を図るまでの時間を長くすることができる。
なお、検出装置は、フォトカプラで構成される装置でも、磁気センサでも、ボタン装置でも良い。また、検出装置の配置は、下壁部173aの下方の空間に限られるものでは無く、種々の配置が許容される。例えば、施錠機構20RKに配設されても良いし、操作ハンドル51の背面側部に配設されても良い。操作ハンドル51に配設される場合には、例えば、操作ハンドル51に従来から配設される検出装置を、ピアノ線の進入の判定に兼用しても良い。
球発射ユニット112aは、図89に示すように、正面枠14を開放した場合に前面側に露出される装置であり、内枠12の前面側右下部分に設けられている。この球発射ユニット112aは、図90に示すように、発射装置として設けられた電磁式の発射用ソレノイド701と、その発射用ソレノイド701により打ち出された遊技球が内レール61と外レール62との間の領域へ向けて出射されるように遊技球を案内する発射レール730と、球送り装置720とを備えている。
球送り装置720は、上皿17(図89参照)に貯留された遊技球を発射レール730上に1個ずつ供給する。この場合、この供給される遊技球は発射用ソレノイド701において打出し部として設けられたプランジャ702の突出経路上に配置される。そして、発射用ソレノイド701への電気的な信号の入力により、プランジャ702が発射レール730上の遊技球に向けて移動し、その遊技球は遊技領域に向けて打ち出される。なお、球発射ユニット112aの電動アクチュエータは、発射用ソレノイド701に限定されることはなく、発射モータなどを用いても良い。なお、球発射ユニット112aの詳細構成については後述する。
内枠12の左側であって発射レール730の左方には、図90に示すように、皿通路形成部材160及びハーネスHN1〜HN3が連結される複数のコネクタCN1〜CN3を備える基板167が配設されている。内枠12には、皿通路形成部材160が設けられる部位を前後方向に貫通する貫通孔が設けられ、この貫通孔を前面側から覆うようにして皿通路形成部材160は、内枠12に締結固定されている。
皿通路形成部材160は、図90に示すように、本体側上皿通路部161と本体側下皿通路部162とを有している。本体側上皿通路部161及び本体側下皿通路部162は、一方の端部が内枠12に前後方向に貫通される貫通孔と連通可能となるように背面側へ向けて開放され、他方の端部が下方へ向けて開放されるように、内部で通路の方向が90度変化する(前後方向から上下方向に変化する)湾曲通路を形成する。この構成において、払出装置133から払い出された球は内枠12の貫通孔を通り、皿通路形成部材160の一方の端部から皿通路形成部材160に進入し、他方の端部から排出される。
正面枠14が閉鎖状態とされた場合には、皿通路形成部材160の下側部分に正面枠14に設けられる通路形成ユニット140の払出球受口部143(図89参照)が入り込む。そして、本体側上皿通路部161の下方には前扉側上皿通路部141が配置され、本体側下皿通路部162の下方には前扉側下皿通路部142が配置される。
皿通路形成部材160の下側部分には、図90に示すように、本体側上皿通路部161及び本体側下皿通路部162からの遊技球の流出を規制するシャッタ163が設けられている。シャッタ163は、両通路の出口部分を狭め遊技球の流出を阻止する阻止位置と、遊技球の流出を許容する許容位置との両位置に切り替え可能に設けられる。
また、内枠12には、シャッタ163を阻止位置に向けて付勢する付勢部材(コイルスプリング等)が取り付けられ、正面枠14を内枠12に対して開いた状態では付勢部材の付勢力によってシャッタ163が阻止位置に留まる構成となっている。これにより、本体側上皿通路部161又は本体側下皿通路部162に遊技球が貯留されている状態で正面枠14を開放した場合に、その貯留球がこぼれ落ちてしまうといった不都合が回避されている。
これに対し、正面枠14を内枠12に対して閉じた状態では、正面枠14の通路形成ユニット140に設けられた払出球受口部143の外周部分により上記付勢力に抗してシャッタ163が許容位置に押し戻される。この状態では、本体側上皿通路部161及び前扉側上皿通路部141が連通し、本体側下皿通路部162及び前扉側下皿通路部142が連通して、遊技球の流下が許容される。
基板167は、ハーネスHN1が接続されるコネクタCN1と、ハーネスHN2が接続されるコネクタCN2と、ハーネスHN3が接続されるコネクタCN3と、を備える。なお、基板167は、コネクタCN1,CN2が配設される箇所と、コネクタCN3が配設される箇所とが、別基板で構成される。これは、コネクタCN1,CN2が主制御装置110との伝送に使用される一方で、コネクタCN3は音声ランプ制御装置113との伝送に使用されるように、伝送の対象が違うので、基板を別とすることで誤作動を予め防止する意図による。
図91及び図92を参照して、正面枠14の窓部14cより下側の部分について説明する。図91は、正面枠14の窓部14cよりも下側に配設される構成部材が分解して図示される正面枠14の分解背面斜視図であり、図92は、正面枠14の窓部14cよりも下側に配設される構成部材が分解して図示される正面枠14の分解正面斜視図である。
図91及び図92に示すように、正面枠14の窓部14cよりも下側では、本体枠14cの正面側において、上皿17の正面側であり、下皿50の右斜め上方であると共に正面枠14の左右方向中央の位置に操作デバイス300が配設され、その操作デバイス300の正面側に被覆カバー370が配設される。
被覆カバー370は、操作デバイス300の下側部分を正面側から覆う位置関係で正面枠14に締結固定される部材であって正面枠14の左右幅と同程度の左右幅で構成される。即ち、被覆カバー370の左右端部は、それぞれ電飾部8031,8032の鉛直下方に配置される。
被覆カバー370は、少なくとも左右端部に形成される締結部370aで正面枠14に締結固定されると共に左右中央部分が正面側に張り出す湾曲形状に構成される本体湾曲部371と、その本体湾曲部371の左右中央部分と左右方向端部との中間位置における本体湾曲部371の下縁から下方へ、幅方向で互いに近接する側に向けて延設され、延設下端で合流し正面視V字形状に構成される垂下部372と、本体湾曲部371及び垂下部372が囲む開口を閉塞する板状部材であって光透過性の樹脂材料から形成されると共に本体湾曲部371又は垂下部372の少なくとも一方に締結固定される透光部373と、本体湾曲部371の左端部の上面に平面として形成される左側平面支持部374と、本体湾曲部371の右端部の上面に平面として形成される右側平面支持部375と、その右側平面支持部375に背面側から凹設される溝であって背面側へ向かうほど凹設幅が大きくなる(テーパの付いた)支持溝376と、を主に備える。
本体湾曲部371は、正面側縁部は丸みを帯びた湾曲形状から構成され、背面側縁部として、上皿17の正面側縁と合致する形状とされ組立状態(図86参照)において上皿17の正面側縁と前後方向で当接する背面左縁部371aと、その背面左縁部371aに連設され操作デバイス300の上枠部材330の正面側縁と合致する形状とされ組立状態において上枠部材330と前後方向で当接する背面中縁部371bと、その背面中縁部371bに背面左縁部371aの反対側で連設され貸球操作部40の正面側縁と合致する形状とされ組立状態において貸球操作部40と前後方向で当接する背面右縁部371cと、を主に備える。
垂下部372は、本体湾曲部371と共に操作デバイス300を正面側から覆い、操作ハンドル51が支持される板部であって正面枠14の右隅部に配置される右隅カバー380との間の隙間をつくらない形状(右隅カバー380との当接位置が互いに合致する形状)とされることで、正面側からの操作デバイス300へのアクセスを防止する部分である。なお、垂下部372は、後述する凹設部15aよりも正面側の位置において、凹設部15aが形成される底板に下方から挿通されるネジが螺入されることで、凹設部15aが形成される底板に締結固定される。
透光部373は、操作デバイス300から照射される光を正面側へ透過させ光による演出が可能な部分であって、操作デバイス300の下枠部材320の形状と合致する湾曲形状から形成されると共に組立状態(図86参照)において、下枠部材320と近接配置される。
第1実施形態では、LED装置341fが少なくとも上方に光を照射する配置とされる場合について説明した(図32参照)。LED装置の配置は任意に決められる事項であり、本実施形態では、LED装置341fが、少なくとも上方及び下方に光を照射する配置とされる。具体的には、上方に光を照射する(照明支持部341eの上面に配置される)LEDが6個、下向きに光を照射する(照明支持部341eの下面に配置される)LEDが2個、それぞれ配置される。
LED装置341fの内、下向きに光を照射するLEDから照射された光は、操作デバイス300の状態により異なる個数の部材を通過する。例えば、傾倒装置310が第1状態(図22参照)の時には、下向きに光を照射するLEDから照射された光は、傾倒装置310及び下枠部材320を通過した後、透光部373を通過する。一方で、傾倒装置310が第2状態(図32参照)の時には、下向きに光を照射するLEDから照射された光は、傾倒装置310は通過せず下枠部材320を通過した後、透光部373を通過する。
従って、例えば、下向きに光を照射するLEDから照射される光の光量を一定に保つ場合、透光部373を通して視認可能な光の光量は、傾倒装置310が第1状態とされる場合に比較して、傾倒装置310が第2状態とされる場合の方が強くなる。そのため、下向きに光を照射するLEDから照射される光の光量を変化させることを不要としながら(光量を変化させる制御を省くことにより制御負担を減らしながら)、傾倒装置310の状態変化に合わせて透光部373を通して視認可能な光の光量を変化させる演出を行うことができる。
また、別の演出制御方法として、傾倒装置310の状態の変化に合わせて下向きに光を照射するLEDから照射される光の光量を変化させる制御を行うことも可能である。例えば、傾倒装置310が第2状態(図32参照)から第1状態(図22参照)に変化するのに合わせて、光量を強めに(段階的に)変化させる一方で、傾倒装置310が第1状態から第2状態に変化するのに合わせて、光量を弱めに(段階的に)変化させるように制御することで、傾倒装置310の状態の変化に伴う透光部373を通して視認可能な光の光量の変化の度合いを小さくする(設定次第で無くす)ことができる。
左側平面支持部374は、組立状態(図86)において、電飾部8031の下端と上下で当接する。即ち、電飾部8031に下方へ向けた負荷がかけられ、電飾部8031が下方へ位置ずれする際には、左側平面支持部374から電飾部8031へ向けて上向きの反力が発生する。これにより、電飾部8031の下方への位置ずれを抑制することができる。
右側平面支持部375は、組立状態(図86)において、電飾部8032の下端と上下で当接する。即ち、電飾部8032に下方へ向けた負荷がかけられ、電飾部8032が下方へ位置ずれする際には、右側平面支持部375から電飾部8032へ向けて上向きの反力が発生する。これにより、電飾部8032の下方への位置ずれを抑制することができる。
なお、詳細は後述するが、電飾部8031,電飾部8032は、上パネルユニット400の下面と当接し、上パネルユニット400が下方へ位置ずれする際には、電飾部8031,8032から上パネルユニット400へ向けて上向きの反力が発生する。そのため、本実施形態によれば、上パネルユニット400を、本体枠14aに締結固定される電飾部8031,電飾部8032及び被覆カバー370で広範囲に亘って下支えすることができるので、上パネルユニット400を下支えするために必要な力を広範囲に分散させることができる。
支持溝376は、電飾部8032の下端部が背面側から進入することを受け入れる受け入れ溝として機能する。組立状態(図86参照)では、電飾部8032が支持溝376の最奥まで進入した状態とされ、この状態において電飾部8032の正面下隅端部と右側平面支持部375の正面側端部との位置が合致する。
支持溝376と、電飾部8032との係合関係の詳細については後述する。その後述する係合関係により被覆カバー370と電飾部8032とを連結することにより、被覆カバー370及び電飾部8032をそれぞれ本体枠14aに締結固定することで組立状態を構成することができ、被覆カバー370及び電飾部8032を互いに締結する別個の固定部分を不要とすることができる。
正面枠14の窓部14cよりも下側では、本体枠14aの背面において樹脂板状の板部材14dが本体枠14aに(又は本体枠14aの正面側に配設される別部材(上皿17を構成する部材等)に本体枠14aを挟んで)締結固定され、板部材14dの背面側において通路形成ユニット140が本体枠14a又は板部材14dに(又は本体枠14aの正面側に配設される別部材(上皿17を構成する部材等)に本体枠14aを挟んで)締結固定され、その通路形成ユニット140を背面側から覆う態様で金属板状の板金部材150が本体枠14a又は板部材14dに(又は本体枠14aの正面側に配設される別部材(上皿17を構成する部材等)に本体枠14aを挟んで)締結固定される。
板金部材150は、合成樹脂から形成される通路形成ユニット140が貫通される事態が生じた(例えば、先端を熱した針金やピアノ線などが押し付けられ溶かされる事態が生じた)としても、正面枠14の正面側から内枠12側への進入を不可能とする進入防止部材として機能する。即ち、金属で構成される板金部材150は先端を熱した針金などが押し付けられたとしても貫通することは無く、例示される針金が正面枠14の背面側へ進入することを防止することができる。
板金部材150は、正面視左方において前扉側下皿通路部142の下端部およびファール球通路部145の下端部の上下左右を覆う態様で形成されると共に、開放された正面側が通路形成ユニット140に嵌合される嵌合箱部151と、ファール球通路部145及び球抜き通路147の下側部の背面を覆う平面板状の板状部152と、を主に備える。
嵌合箱部151は、前扉側下皿通路部142の下端部およびファール球通路部145の下端部の上下左右を覆うので、前扉側下皿通路部142の下端部およびファール球通路部145の下端部において通路形成ユニット140が前後方向に貫通された場合に限らず、左右方向や上下方向に貫通された場合であっても、例示される針金が通路形成ユニット140を越えて進入することを防止することができる。
板状部152は、ファール球通路部145及び球抜き通路147の背面を覆うので、下皿50の右方において、通路形成ユニット140に例示される針金が押し当てられ貫通孔が開けられた場合であっても、不正部材が通路形成ユニット140の背面側へ進入することを防止することができる。このような事態が生じる場合としては、例えば、操作デバイス300が取り外され、それに伴い前後の厚みが薄くなった箇所(凹設部15aの後斜め上方の箇所)に、例示される針金が押し当てられることで貫通孔が開けられ、例示される針金が進入する場合が例示される。
更に、正面枠14は、通路形成ユニット140の左端部に背面側から締結される操作部背面部材155を備え、その操作部背面部材155は、組立状態(図86参照)でシリンダ錠20が配置される位置の上下位置において本体枠14aに締結固定される。
図89及び図91に示すように、操作部背面部材155は、左右長尺な板部材の主に外縁部から前後方向に形成されるリブにより前後方向の寸法を増すように構成される部材であって、シリンダ錠20が貫通可能に板部材に穿設される貫通孔156と、その貫通孔156の上下において穿設され、本体枠14aに操作部背面部材155を締結固定するネジが挿通される一対の挿通孔157と、通路形成ユニット140の背面側に重ねられる部分(左端部)に上下に並んで穿設される一対の連結用挿通孔158と、貫通孔156よりも回動基端側において背面側に突出される開閉規制部159と、を主に備える。
連結用挿通孔158は、通路形成ユニット140の左端部において形成される連結部148と前後方向で合致するように配設される。ここで、通路形成ユニット140の連結部148は、上側の連結用挿通孔158と前後方向で合致する位置において連結用挿通孔158の内径よりも若干小さな内径の円柱状で背面側に突設される突設部148aと、下側の連結用挿通孔158と前後方向で合致する位置において連結用挿通孔158に挿通されるネジを螺入可能な孔として穿設される螺入部148bと、を主に備える。
この構成により、操作部背面部材155を通路形成ユニット140の背面側に重ね、組み付ける際には、上側の連結用挿通孔158に突設部148aを通すことで、通路形成ユニット140と操作部背面部材155との位置合わせを行い、その後、下側の連結用挿通孔158を通したネジを螺入部148bに螺入することにより、容易に操作部背面部材155を通路形成ユニット140に締結固定することができる。
なお、連結用挿通孔158が穿設される操作部背面部材155の左端部の左側縁と、下側縁とが直角に形成されることでL字の壁部158aが形成される。一方で、通路形成ユニット140の連結部148は、領域を区画するように通路形成ユニット140の骨格を形成する板から背面側へ延設される延設壁部148cを備え、その延設壁部148cは、組立状態(図89参照)において、壁部158aと上下左右で面当たり可能なL字形状に形成される。
従って、通路形成ユニット140に操作部背面部材155を組み付ける際の位置合わせとして、突設部148aを連結用挿通孔158に通すことに加えて、壁部158aを延設壁部148cに対して上下左右で面当たりさせることで、通路形成ユニット140に対する操作部背面部材155の位置および姿勢を迅速かつ簡易に合わせることができる。
開閉規制部159は、組立状態(図86参照)において、内枠12に配設される盤面支持装置600(図90参照)と前後に対向配置される部分であって、詳細は後述するが、所定の条件において、盤面支持装置600又は遊技盤13と当接することにより正面枠14が閉鎖状態となるのを規制する効果を奏する。
開閉規制部159は、本実施形態では、操作部背面部材155の背面側へ向けて延設されると共に合成樹脂から形成される部分であって、剛性を確保するために延設方向視の断面形状がコ字状で形成される。そのため、同じ板厚で平板状に形成される場合よりも撓み難く、又、コ字状の開放部を埋める塊形状で延設される場合に比較して剛性を確保しながら必要な材料の量を減らすことができる。従って、操作部背面部材155の他の部分の厚みと同じ板厚(例えば、強度は本体枠14aに頼れば良いことから強度が低くても問題ない部分であって、できるだけ薄く形成される部分の板厚)で形成できることで成形性を向上しつつ、開閉規制部159の強度は確保することができる。
なお、開閉規制部159の断面形状は、剛性を確保し形状の維持を図ることができる形状であればよく、コの字形状に限るものでは無い。例えば、平板状の断面に比較して、湾曲(波)形状の断面にしても良いし、階段状断面としても良いし、矩形波状の断面としても良いし、円筒形状の断面としても良い。
また、開閉規制部159を、操作部背面部材155の一部としてでは無く、本体枠14aから背面側へ折れ曲がり延設される、又は、本体枠14aの背面側に固定される別部材から背面側へ延設される金属製の部分から構成しても良い。但し、本実施形態のように、開閉規制部159を合成樹脂から形成する方が、金属製の部材から形成される盤面支持装置600(図90参照)と当接した場合に盤面支持装置600が欠けたり、凹んだりすることを防止することができる。これにより、盤面支持装置600の状態を変化させて遊技盤13を脱着する作業者が、盤面支持装置600にできた欠けや凹みに触れてけがをする恐れを低くすることができる。
ここで、開閉規制部159が、シリンダ錠20が配置される貫通孔156よりも正面枠14の回動基端側に配置されているので、それ以上に回動先端側に配置されるシリンダ錠20の箇所における内枠12と正面枠14との間の間隔を長く確保することができる。従って、開閉規制部159が盤面支持装置600又は遊技盤13と当接している状態において、回動先端側に配置されるシリンダ錠20や施錠機構20RKが誤って施錠される可能性を低めることができる。
針金等の異物を進入させる経路としては、例えば、操作デバイス300の隙間を通った経路が想定される。これに対し、本実施形態では、図91及び図92に示すように、操作デバイス300は本体枠14aの正面側へ丸ごと分離可能に構成される。換言すれば、操作デバイス300の構造が本体枠14aの正面側で完結するため、操作デバイス300の隙間をたどっても、本体枠14aの背面に進入することが困難な構成とされる。
なお、操作デバイス300に電力を供給するハーネスHN3(図96参照)は、長尺カバー部材173の右端位置において本体枠14aの前後方向に穿設される配線通し孔14a1(図103参照)に挿通されるが、そのハーネスHN3は、保護カバー装置350(図57参照)の右側外周壁下隅に固定されるコネクタ(図示せず)を介して操作デバイス300と接続される。
これにより、操作デバイス300の隙間を通して操作デバイス300の内部に針金等の異物を進入させたとしても、略ケース状に構成される操作デバイス300の外部に接続されるハーネスHN3へ針金等を到達させることは困難であるので、針金等の異物が本体枠14aの背面側へ進入することを防止し易くすることができる。
なお、操作デバイス300に進入する異物として、液体が考えられる。例えば、遊技結果に気分を悪くした遊技者が、飲料水等をパチンコ機10にかけることがある。その際、手ごろな位置にある操作デバイス300は、飲料水をかけられる餌食になりやすく、対策を行わない場合、駆動モータ342(図18参照)や、ボイスコイルモータ352(図13参照)が故障するおそれがある。
更には、飲料水などの液体が本体枠14aの背後まで進入すると、電子基板などの故障を引き起こしかねないが、上述したように、本実施形態では、操作デバイス300が本体枠14aの正面側で分離可能に独立した構成となっているので、操作デバイス300にかけられた飲料水等の液体が本体枠14aの背面側へ浸入することを防止することができる。
なお、下皿ユニット15の底板上面(操作デバイス300と対向する面)には、上面視T字状に凹設部15aが凹設される。凹設部15aは、深底の凹設部として構成される。完全なケース状では無く、ところどころに抜け隙間が形成される(例えば、図13参照、伝達用孔321aや開口部325が抜け隙間に相当)操作デバイス300の内部を通り、操作デバイス300の下方へ落下する液体を一時的に溜める役割を凹設部15aは担う。
操作デバイス300では、駆動モータ342は、開口部325の後側寄りに配置されるので、傾倒装置310が傘の役割をし(図13、図17(b)参照)、更に、配線との接続部分はモータ収容部341eと照明支持部341eとの間に配置される水平板部分の下方に配置されるので(図17(b)及び図18参照)、飲料水などの液体が駆動モータ342に直接かけられ、故障することを防止することができる。
また、ボイスコイルモータ352は、伝達用孔321aを通して上下方向に連通するので、飲料水などの液体がかかる虞があるが、その他の部分は底板部321に覆われているので、飲料水などの液体が振動面(上面)に付着するに留まり、その付着した液体はボイスコイルモータ352の振動面自体の傾斜により正面側下方へ流れ落ちる(図13及び図22参照)。従って、ボイスコイルモータ352が故障することを防止することができる。
上述した構成により、帰り際の遊技者に飲料水などの液体をかけられたとしても、次の遊技者は操作デバイス300の上面であって触れる部分をふき取りさえすれば、通常通り遊技を行うことができるので、操作デバイス300のメンテナンス時間が営業時間を圧迫することを防止することができる。
正面枠14の窓部14cよりも下側では、本体枠14aの背面側における正面枠14の回動基端側において、板部材14dに結束可動部材180が締結固定される。次いで、図93から図96を参照して結束可動部材180について説明する。なお、図93から図96では、図91と同様に正面枠14から通路形成ユニット140及び板金部材150が取り外された状態が図示される。
図93(a)は、正面枠14の分解背面斜視図であり、図93(b)は、結束可動部材180の解除状態と固定状態とが並べて図示される結束可動部材180の正面斜視図である。なお、図93(b)では、上側に解除状態の結束可動部材180が、下側に固定状態の結束可動部材180がそれぞれ図示される。
結束可動部材180は、組立状態(図86参照)において固定状態とされると共に、上方延設壁部173cの上端部から左方へ引き延ばされるハーネスHN1〜HN3を結束する部材である。
なお、本実施形態では、操作ハンドル51(図92参照)に接続されるハーネスHN1及び貸球操作部40(図92参照)に接続されるハーネスHN2は、それぞれ中継基板なしで結束可動部材180まで案内され、それぞれ結束可動部材180に結束される。
一方で、各電飾部8029〜8033、操作デバイス300又は枠ボタン22(図86参照)にそれぞれ接続されるハーネスは、一度、長尺カバー部材173の正面側の空間に配設される中継基板に接続され(集合され)、その中継基板から一束の延長ハーネスHN3が結束可動部材180へ向かい、その延長ハーネスHN3が結束可動部材180に結束される(図96参照)。
結束可動部材180は、合成樹脂材料から形成される部材であって、板部材14dに背面側から締結固定される本体部181と、その本体部181に上下方向で締結固定されるビスに回動可能に軸支される可動腕部182と、その可動腕部182の下縁に沿って可動腕部182の回動方向の一側側面(図93(a)において本体部181と対向配置する側の反対側の側面)から延設される柔軟性の高い一対の結束腕部183と、可動腕部182の回動方向の他側側面(図93(a)において本体部181と対向配置する側の側面)に配設される上面視コ字状の部分であって結束腕部183を係止可能な一対の係止部184と、一対の結束腕部183の間の位置(中間位置)において可動腕部182の下縁から下方に延設されると共に開口を有する仮止め部185と、を主に備える。
なお、結束可動部材180は、結束腕部183の柔軟性が高く形成される一方で、それ以外の部分は、少なくとも結束腕部183よりも柔軟性が低く(高剛性で)形成される。
本体部181は、上辺が略馬蹄形状で構成される断面を有し中央にビスを通す貫通孔を有する被固定部181aと、その被固定部181aの左右下隅部から板部材14d側へそれぞれ突設される一対の回り止め凸部181bと、被固定部181aの正面側端部の下縁から下方へ延設される共にその延設先端が板部材14d側へ近接して湾曲する中間止め部181cと、被固定部181aの下縁に沿って左方に延設される板状の支持板部181d(図96(a)参照)と、その支持板部181dの上部に配設される部分であって締結されるビスの頭部の径よりも外形が小径の円筒形状から形成される円筒締結部181eと、を主に備える。
板部材14dは、結束可動部材180が固定される位置に、被固定部181a及び一対の回り止め部181bの配置と一致する配置の貫通孔から構成される孔群14d1を備える。
被固定部181aを貫通するビスを板部材14dの孔群14d1の対応する締結孔に締結固定する際に、一対の回り止め凸部181bが孔群14d1の対応する嵌合孔に嵌合することにより、締結時に結束可動部材180が被固定部181aを貫通するビスを中心に回転することを防止することができると共に、固定時の結束可動部材180の板部材14dに対する姿勢を定めることができる。
中間止め部181cは、各ハーネスHN1〜HN3を板部材14dとの間に維持する。本実施形態では、延設端部(下端部)において板部材14dとの間の間隔を狭めることによりハーネスHN1〜HN3が下方にずり落ちることを防止することができると共に、板部材14d側に中心が配置される円に沿って湾曲される形状により、変形による応力集中を抑制しながらハーネスHN1〜HN3を収容する領域(板部材14dと中間止め部181cとで挟まれる領域)の断面積を大きく確保することができる。
支持板部181dは可動腕部182の回動を案内する平面を形成し、円筒締結部181eは、その外周面が可動腕部182の基端側の部分に内嵌し、可動腕部182を軸支する(図96参照)。
可動腕部182は、円筒締結部181eに外嵌軸支される部分を基端として、円筒締結部181eの軸支位置からオフセットされる平面OS1に滑らかに連結される形状とされる基端部182aと、その基端部182aの軸支位置の反対側に連設される薄板長尺形状の薄板部182bと、を主に備える。
基端部182aは、円筒締結部181eに外嵌される円筒形状部の外周の内、左右端部(軸と結ぶ直線が平面OS1と平行となる部分)及び背面側端部(平面OS1と最接近する部分)から回転方向の側壁がそれぞれ延設される。それぞれの側壁は曲率半径の中心が同じ側に配置される円弧形状で形成され、互いの離間距離は、平面OS1へ近接するほど徐々に短くなり、平面OS1に到達する際には薄板部182bの厚みと同等となる。
従って、基端部182aの方が、薄板部182bよりも剛性が高く維持される。本実施形態では、基端部182aは弾性変形を意図しない(高剛性の)設計思想で設計され、薄板部182bは状況により弾性変形を意図して(低剛性の)設計思想で設計されている。
結束腕部183は、一対がそれぞれ同形状で構成されるので、一方について説明し、他方の説明を省略する。結束腕部183は、先端部付近に根元の幅と同等の幅で形成される幅小部183aと、その幅小部183aよりも幅広に形成される幅大部183bとが交互に等間隔で形成される。なお、結束腕部183は、固定状態において、係止部184が可動腕部182との間に形成する貫通孔に下方から差し込まれる(図93(b)参照)。
結束腕部183の幅大部183bは、幅小部183aに比較して厚みも若干大きく形成される。本実施形態では、増厚部分が固定状態(図93(b)下側参照)における外周側に形成されることにより、結束腕部183の内周側にスペースを確保することができる。
係止部184は、可動腕部182側に形成される大開口部184aと、その大開口部184aを挟んで可動腕部182の反対側に形成されると共に大開口部184aよりも開口幅の小さい小開口部184bと、を主に備える(図96参照)。
大開口部184aは、結束腕部183の位置に寄らず結束腕部183が通過可能な大きさとされ、小開口部184bは、結束腕部183の幅小部183aは通過可能とされる一方で、幅大部183bは通過不能な(係止される)大きさとされる。
本実施形態によれば、結束腕部183を、係止部184に対して相対動作させたい時は大開口部184a側(結束腕部183で囲われる内側の面積が小さくなる側)に配置し、結束腕部183を、係止部184に対して係止したい時は小開口部184b側に配置することで、容易に結束腕部183で囲われる内側の面積の大きさ(締め具合)を調整することができる。
仮止め部185は、その中央部に結束バンドを挿通可能な貫通孔を備える。長期使用により結束腕部183が破断し、ハーネスHN1〜HN3の結束をすることができなくなった場合であっても、仮止め部185の貫通孔に市販の結束バンドを挿通し、固定することで、ハーネスHN1〜HN3を結束可能とすることができる。
結束可動部材180の可動範囲について説明する。図94(a)は、正面枠14の左下隅部を示す正面枠14の部分背面図であり、図94(b)は、図94(a)のXCIVb−XCIVb線における正面枠14の部分断面図であり、図95(a)は、正面枠14の左下隅部を示す正面枠14の部分背面図であり、図95(b)は、図95(a)のXCVb−XCVb線における正面枠14の部分断面図である。
なお、図94(a)及び図94(b)では、可動腕部182が板部材14dに最接近した状態(可動範囲の一方の限界状態)が図示され、図95(a)及び図95(b)では、可動腕部182が板部材14dから離反する方向に回動し、本体枠14aの左側部分を構成する上下方向長尺の金属部分に当接する状態(可動範囲の他方の限界状態)が図示される。
図94及び図95に示すように、可動腕部182は、正面枠14の回動軸と平行な軸(上下方向を向く軸)を中心に、約160度回転可能に構成される。この角度は、遊技店でのパチンコ機8010の設置の状況(左右にパチンコ機8010が並設され90度以上回転させると隣のパチンコ機8010に衝突する虞がある状況)からすれば、通常使用する際に正面枠14に必要とされる開閉時の回動角度よりも十分大きい。
従って、通常使用する際には、可動腕部182が弾性変形せずに本体部181に対する回転が可能な範囲(図94に示す状態と図95に示す状態との間の範囲)を越えることは無いので、可動腕部182が弾性変形により劣化し破断する虞を低くすることができる。
次いで、ハーネスHN1〜HN3の支持態様について説明する。ハーネスHN1〜HN3は結束可動部材180に支持されることにより、配置が規定されるので、例えば、誤って外枠14と内枠12との間に挟まり、断線することを防止することができる。
図96(a)は、結束可動部材180及びハーネスHN1〜HN3を模式的に図示する背面模式図であり、図96(b)は、図96(a)の上面模式図であり、図96(c)は、結束可動部材180及びハーネスHN1〜HN3を模式的に図示する背面模式図であり、図96(d)は、図96(c)の上面模式図である。
なお、図96(a)及び図96(b)では、結束可動部材180の一方の限界状態が図示され、図96(c)及び図96(d)では、結束可動部材180の他方の限界状態が図示される。
図96に示すように、中間止め部181cは、上方延設壁部173cの上端部において左方へ向けて開放される開口から、正面枠14の回動基端側へ移動した位置に配置される。即ち、中間止め部181cと、上方延設壁部173cの上端部において左方へ向けて開放される開口との水平ラインが同じとされるので、上方延設壁部173cから引き延ばされたハーネスHN1〜HN3を略水平に延ばし、中間止め部181cで支持することができる。
ハーネスHN1〜HN3が可動腕部182の軸支位置である円筒締結部181e付近で中間止部181cに支持されるので、中間止め部181cを挟んだ上方延設壁部173cの反対側におけるハーネスHN1〜HN3の形状を、結束可動部材180の可動腕部182の形状に沿わせたものとすることができる。これにより、図96(b)及び図96(d)に示すように、ハーネスHN1〜HN3の曲がる部分の形状は、湾曲形状となり、極度の屈曲変形が生じることを防止することができる。
また、係止部184を板部材14dに近接する側に配置することにより、結束腕部183が囲う領域を、可動腕部182を挟んで板部材14dの反対側に配置することができる。従って、特に正面枠14を内枠12に対して閉鎖する状態において(図96(b)参照)、ハーネスHN1〜HN3を十分大きな曲率半径で湾曲させることができる。これにより、ハーネスHN1〜HN3が屈曲することによる断線を防止することができる。
図97(a)及び図97(b)は、結束可動部材180及びハーネスHN1〜HN3を模式的に図示する正面枠14、内枠12、結束可動部材180及びハーネスHN1〜HN3の上面模式図である。なお、図97(a)では、結束可動部材180の一方の限界状態が図示され、図97(b)では、結束可動部材180の他方の限界状態が図示される。
また、図97(a)及び図97(b)では、前扉取付金具57(図86参照)の中心軸位置を示す回転中心点P57が図示されると共に、正面枠14及び内枠12が模式的に想像線で、正面枠14及び内枠12のそれぞれに固定され回転中心点P57に軸支される部材が実線で、模式的に図示される。回転中心点P57は、正面枠14の回転軸として示されており、正面枠14に固定される結束可動部材180も正面枠14と同様に、回転中心点P57を中心に内枠12に対して回転する。
図97(a)に示す一方の限界状態から、図97(b)に示す他方の限界状態までは、可動腕部182の基端部182aが円筒締結部181eを中心に回動することで内枠12と正面枠14との開閉に対応するので、薄板部182bに大負荷が与えられることは無く、薄板部182bの形状変形を抑制できることで、耐久性を向上することができる(図96(b)、図96(d)も参照)。
図97(a)及び図97(b)に示すように、結束可動部材180に支持されるハーネスHN1〜HN3は、正面枠14の内枠12に対する開閉の状態に関わらず、正面枠14の本体枠14aの左側部分を構成する上下方向長尺の金属部分(図96(d)において、可動腕部182の基端部182aが当接する部分)の付近を通る経路で取り回される。即ち、ハーネスHN1〜HN3を強制的に迂回させるように取り回すことで、ハーネスHN1〜HN3の湾曲部分が正面枠14の回動先端側に寄ることを防止することができる。
これにより、正面枠14を開閉して行う作業時に、ハーネスHN1〜HN3が作業者の作業の妨げになることを防止することができると共に、正面枠14の閉鎖時のハーネスHN1〜HN3の収まり(回動基端側で一回のみ湾曲される収まり)を良くすることができる(図96(b)、図97(a)参照)。
本実施形態では、中間止め部181cは、可動腕部182の位置によらず、逆カップ部178の鉛直上方に配置される(図91参照)。逆カップ部178の鉛直上方に配置される中間止め部181cがハーネスHN1〜HN3を支持する支持態様により、例えば、針金やピアノ線の先端を高温に加熱して逆カップ部178を溶かして貫通させ、針金を正面枠14と内枠12との間に進入させる不正行為の対策を行うことができる。
即ち、逆カップ部178の下面に針金を押し当て、溶かして針金を貫通させ、遊技領域側へ針金を進行させる場合において、逆カップ部178の上底部分から鉛直上方へ針金が進行すると、高温に加熱された針金の先端が中間止め部181cに支持されるハーネスHN1〜HN3に押し当てられる。そのため、ハーネスHN1〜HN3が焼き切られ、導通が不能とされる。
ハーネスHN1〜HN3の導通が不通となることを契機として、エラー信号を出力すると共に警報を鳴らすように(エラー画面を表示するように)制御すること等で、不正を迅速に発見することができる。従って、不正行為を行う者が不正の利益を得ることを防止することができる。
詳述すると、ハーネスHN1は上述したように操作ハンドル51(図92参照)に接続されるので、ハーネスHN1が焼き切れた場合には、操作ハンドル51を回転させても球を発射することができなくなる。そのため、不正行為がされた後、その不正行為が発覚するまでの期間を短くすることができる(不正行為の早期発覚を図ることができる)。
この場合には、遊技領域に針金を進入させ、遊技領域をいじった後で(例えば、釘を曲げ、不正に入賞し易くした後で)、球を第1入賞口64(図2参照)等に入賞させることで賞球を不正に得る不正行為を行う者に対して、球の発射を不能とすることができるので、不正の利益を与えることを防止することができる。即ち、特定の不正行為を行うことを不可能とすることができる。
また、ハーネスHN2は、上述したように球貸操作部40(図92参照)に接続されるので、ハーネスHN2が焼き切れた場合には、球貸しボタン42(図89参照)の操作および返却ボタン43(図89参照)の操作が不能となる。従って、不正行為を行う者は、自らの不正行為により、上述したカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に投入した紙幣やカードの残額分の球を回収することができなくなる虞が生じるので、不正行為に対する抑止力を働かせることができる。
更に、カードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に投入した紙幣やカードの残高分の球を回収することができなくなる虞を解消して不正行為を行う場合には、カードユニット(球貸しユニット)の残額が0円であるにも関わらず、席を離れずに不正行為を行うことになるので、遊技機店側は不正行為に容易に気づくことができる。
そもそも、ハーネスHN2の接続が断たれると、カードユニット(球貸しユニット)(図示せず)の断線エラー(CRエラー)が出力される遊技機店では、その断線エラー(CRエラー)を確認することにより、容易に不正行為の可能性を把握することができる。
図98は、通路形成ユニット140の正面図である。なお、図98では、板金部材150の外形および球案内開口53の外形が想像線で図示される。
図98に示すように、球案内開口53は、前扉側下皿通路部142の下端部およびファール球通路部145の下端部に配置される。なお、本実施形態では、前扉側下皿通路部142の下端部は球案内開口53の左部において球案内開口53の左右幅寸法の2/3程度の領域を占め、ファール球通路部145の下端部は球案内開口53の右部において残りの領域(球案内開口53の左右幅寸法の1/3程度の領域)を占めるように仕切板部53aにより仕切られる。
前扉側下皿通路部142及びファール球通路部145は、球を下皿50へ向けて流下可能に、払出球受口部143及びファール球受口部146からそれぞれ延設される通路であって、左右両側へ少なくとも1回ずつ延設方向が向く(切替される)S字経路SL1,SL2をそれぞれ備える。
S字経路SL1により、通路形成ユニット140の上下寸法を短く維持しながら前扉側下皿通路部142の流路長を長くすることができるので、前扉側下皿通路部142の内部に滞留可能な球の個数を多くすることができる。これにより、窓部14c(図86参照)の上下寸法を大きく確保しながら、下皿50の上流側に滞留可能な球の個数を多くすることができるので、遊技領域および演出領域の上下寸法を大きく確保し、且つ下皿50(及びその上流側)に仮置き可能な球の個数が多いことにより、遊技者に与える球補充のストレス(下皿50分の球が無くなったら、千両箱から球を補充することを要求されること等によりストレス)を抑制可能なパチンコ機8010を構成することができる。
前扉側下皿通路部142及びファール球通路部145は、その延設方向が上下方向と左右方向とで曲げられる領域としての曲げ領域NEa1,NEa2,NEb1,NEb2をそれぞれ備え、それらは共通の特徴を備える。即ち、前扉側下皿通路部142は、下流側に形成される第1曲げ領域NEa1と、その第1曲げ領域NEa1の上流側に特徴部分の左右が反転して配設される第2曲げ領域NEa2と、を備える。
また、ファール球通路部145は、下流側に形成される第1曲げ領域NEb1と、その第1曲げ領域NEb1の上流側に特徴部分の左右が反転して配設される第2曲げ領域NEb2と、を備える。なお、特徴部分の説明においては、第1曲げ領域NEa1についてその特徴を説明し、他の曲げ領域NEa2,NEb1,NEb2の説明を省略する。
図99は、第1曲げ領域NEa1の拡大正面図である。図99に示すように、第1曲げ領域NEa1には、前扉側下皿通路部142の左右の側壁の内、S字経路SL1が左右へ延びる方向の反対側に配設される側壁Naと、その側壁Naの延設方向と交差する態様で側壁Naの上方に配設される天井壁Nbと、その天井壁Nbから下方へ延設されると共に延設端部へ向かうほど側壁Naに近接する近接壁Ncと、を主に備え、それら各壁Na,Nb,Ncは、通路形成ユニット140の背面側底板部から正面側へ延設される。
近接壁Ncは、天井壁Nbの反対側の面Nc1がS字経路SL1に沿って湾曲して形成されることにより、面Nc1は球の案内面として機能する。一方で、面Nc1の反対側の面Nc2(天井面Nbと対向する面)は、不正に挿入された針金HM(針金や、ピアノ線などに代表される細径の金属)の進行方向を規制する面として機能するが、詳細は後述する。なお、近接壁Ncは、延設下端における側壁Naとの間の隙間Ninの間隔が針金HMの幅寸法(直径)よりも大きく設定される。
図99に示すように、第1曲げ領域NEa1の形状により、不正に挿入された針金HMがより深く進入することを防止することができる。即ち、図99に示すように、不正に挿入される針金HMの進入経路として、球案内開口53を入口として前扉側下皿通路部142の上流側へ進行する経路が考えられるところ、この場合、不正行為を行う者は、針金HMを前扉側下皿通路部142の側壁に押し当てながら進行させることになる。
不正行為を行う者により針金HMが第1曲げ領域NEa1における側壁Naに押し当てられる場合には針金HMは隙間Ninに入る一方で、第1曲げ領域NEa1における側壁Naに針金HMが押し当てられない場合であっても、前扉側下皿通路部142のS字経路SL1により、針金HMが右方へ向けて進むことから、第2曲げ領域NEa2における側壁Naに押し当てられ、隙間Ninに入ることになる。即ち、1対の曲げ領域NEa1,NEa2が、左右反転して配置されることにより、針金HMをもれなく隙間Ninに進入させることができる。
隙間Ninに進入した場合の針金HMの進行経路の一例を図99に示す。なお、各タイミングでの針金HMの先端位置が黒丸で図示され、その際の針金HMの進行方向が矢印で図示される。図99に示すように、隙間Ninに進入した針金HMは、天井壁Nbと近接壁Ncとの間に形成される先細り形状の行き止まり部分に進入する。ここで針金HMが引っかかる(挟まる)場合には、それ以上の針金HMの進行を防止することができ、尚且つ、針金HMが持ちされられることを防止でき、不正行為を迅速に発見することができる。
一方で、針金HMが引っかからず、更に進行する場合であっても、隙間Ninから針金HMが張り出す場合には、先端が下方を向いた姿勢で張り出すので、それ以上、針金HMを進行させたとしても、針金HMの先端は下方へ進行することになる。従って、針金HMが払出球受口部143の上流側に配置される払出装置133や、ファール球受口部146の上流側に配置される遊技領域に到達することを防止することができる。
これにより、針金HMを払出装置133(図3参照)に到達させ払出装置133を誤動作させることにより不正な払出球を得たり、針金HMを遊技領域に到達させ電動役物640a(図2参照)等の可動装置を無理やり開放し不正に入賞し易くさせることで不正な払出球を得たりして、不正行為をする者が不正な利益を得ることを防止することができる。
図98に戻って説明する。ファール球通路部145は、球抜き通路147と合流する合流領域CEから下流の部分の上下幅が球の直径の2倍程度(本実施形態では2倍以上)の大きさで形成される。これにより、球抜き通路147を流下する球が合流領域CEに配置される時に、ファール球通路部145を流下する球が合流流路CEに進入し(球同士が同時に合流領域CEに進入し)、2個の球が縦に並んだとしても、球が上下壁部に挟まれて噛み合う可能性を極めて小さくすることができる。これにより、合流領域CEから下流の部分において球の流下が妨げられることを防止することができる。
ファール球通路部145は、第1曲げ領域NEb1と第2曲げ領域NEb2との間に形成され、各曲げ領域NEb1,NEb2を上下に連結する通路部145aを備える。通路部145aは、左右幅が球の直径よりも若干大きな寸法で設定され、通路形成ユニット140の背面側底板部が下方へ向かうほど正面側に張り出して形成される。
通路部145aよりも上流側の領域では、通路形成ユニット140の背面側底板部が通路部145aの上流側端部と面位置とされ、通路部145aよりも下流側の領域では、通路形成ユニット140の背面側底板部が通路部145aの下流側端部と面位置とされる。
即ち、ファール球通路部145は、通路部145aの上流側の領域の方が、通路部145aの下流側の領域に比較して、前後幅が大きく設定される。なお、本実施形態では、ファール球通路部145は、通路部145aの下流において前後幅が球の直径よりも若干大きく設定される。
一方で、本実施形態では、ファール球通路部145は、通路部145aの上流において前後幅が球の直径の2倍よりも若干小さく設定される。従って、ファール球通路部145に球が滞留する場合に、通路部145の上流では、複数の球が前後に位置をずらして配置可能であることから滞留可能な個数を多くすることができる共に、前後方向に球の中心が並ぶことは防止される(左右上下に若干ずれることになる)ので、2個の球が同時に通路部145aに進入することを防止することができる。
換言すれば、通路部145aへの球の進入を1個ずつに規制することができる。これにより、ファール球通路部145にファール球が2個以上連なって流入した場合であっても、ファール球が同時に合流領域CEに到達することを防止することができるので、合流領域CEで球が上下壁部に挟まれて噛み合う可能性を小さくすることができる。
ファール球受口部146は、通路形成ユニット140の背面側底板部から正面側に板状に延設され、左側壁部に左側端部が連結されると共に、球の流下面が右方へ向かうほど下降傾斜する傾斜板部146aと、その傾斜板部146aの鉛直下方でファール球受口部146を閉塞する閉塞部146bと、傾斜板部146aの下方における通路形成ユニット140の背面側底板部から背面側へ板状に延設され、その延設方向が背面側へ向かうほど上方へ向く態様で湾曲する湾曲案内板部146cと、を主に備える。
湾曲案内板部146cの上面に沿って球がファール球通路部145側(正面側)へ案内される一方で、傾斜板部146a及び閉塞部146bの作用により、ファール球受口部146を正面側へ通過する球の通過位置を、ファール球受口部146の右側部に寄せることができる。即ち、傾斜板部146aの上面を転動して流下する球を右方へ流すことができると共に、閉塞部146bにより、球がファール球受口部146の左側部を通過することを防止することができる。
これにより、ファール球受口部146を通過した球がS字経路SL2に到達するまでの期間を長くすることができる。即ち、S字経路SL2に球が到達するまでに、球の上下バウンドを終えさせることができることから(球の上下位置のばらつきを小さくすることができることから)、S字経路SL2におけるファール球通路部145の幅を小さく(球の直径よりも若干大きく)設定しながら、球の流下をスムーズにさせることができる。
ファール球通路部145は、S字経路SL2を形成する範囲(例えば、通路部145a)において、通路幅が小さく(球の直径よりも若干大きく)設定されることから、それよりも大きな外形の不正道具がファール球通路部145を通過することを防止することができる。
次いで、正面枠14の正面側の構造について説明する。図100は、正面枠14の正面分解斜視図であり、図101は、正面枠14の背面分解斜視図である。なお、図100及び図101では、電飾部8030を構成する上パネルユニット400の構成部材が本体枠14aから分解された状態が図示される。
上パネルユニット400は、左右に長尺に形成されるユニットであって、左右端部が電飾部8031及び電飾部8032を構成する右パネルユニット500に下支えされる。この下支えの構造において、上パネルユニット400の右側端部の下端部には、被覆カバー370の支持溝376と同様に、背面側から正面側へ向けて凹設されるテーパ形状の被支持溝417(図118参照)が形成され、その被支持溝417を構成する左右の爪部に右パネルユニット500の上端部に形成される嵌合溝522b,562b(図108及び図109参照)が嵌合されることにより、上パネルユニット400と右パネルユニット500とが連結される。
これにより、上パネルユニット400と右パネルユニット500とを直接締結固定することを不要としながら、それぞれ本体枠14aに締結固定することにより、互いに連結固定することができる。なお、上パネルユニット400の被支持溝417の形状から、本体枠14aへの組み付け順序が、右パネルユニット500を締結固定した後で、上パネルユニット400を締結固定する順序に規定される。なお、上パネルユニット400の詳細は後述する。
また、左右に分割される右パネルユニット500の重板ユニット500R,500Lにそれぞれ配設される嵌合溝522b,562b(図108及び図109参照)を、被支持溝417を構成する左右の爪部が挟んで嵌合する構成により、重板ユニット500R,500Lが左右に離間することを防止することができる。従って、組立状態(嵌合した状態、図86参照)において右パネルユニット500が分解されることを防止することができる。
図102は、正面枠14の分解正面斜視図であり、図103は、正面枠14の分解背面斜視図である。図102及び図103では、本体枠14aの正面側において本体枠14aと上パネルユニット400(図89参照)とに前後で挟まれる上辺板部材14eと、多機能カバー部材171,172とが本体枠14aから分解された状態が図示される。
上辺板部材14eは、スピーカー組立体450を上側枠部材410との間で挟み込む部材であって(図101参照)、スピーカー組立体450の凹設部462,482(図121及び図122参照)に嵌合される円柱形状の締結部14e1を備える。
締結部14e1は、その背面側からネジが挿通される貫通孔を備え、その貫通孔を通ったネジを上側枠部材410の第2締結部419b(図101参照)に締結することで、上側枠部材410と上辺板部材14eとを締結固定するための部分である。
図104は、正面枠14の分解正面斜視図である。なお、図104では、本体枠14aに穿設される挿入孔に背面側から挿入されるビスにより本体枠14aに締結固定される右パネルユニット500が本体枠14aから分解された状態が図示され、上パネルユニット400、上辺板部材14e及び多機能カバー部材171,172の図示が省略される一方、被覆カバー370は参考として図示される。
なお、被覆カバー370は、実際の組立手順としては、パネルユニット500が本体枠14aに組み付けられてから、本体枠14aに組み付けられる。また、右パネルユニット500は、右側壁部がパチンコ機8010の右側縁を形成する(図86参照)。
図105は、右パネルユニット500の分解正面斜視図であり、図106は、右パネルユニット500の分解背面斜視図であり、図107は、支持板部510の正面図であり、図108及び図109は、重板ユニット500L,500Rの分解正面斜視図である。なお、図108では、右側を正面側へ向けた斜視図が、図109では、左側を正面側へ向けた斜視図が、それぞれ図示される。
図105から図109に示すように、右パネルユニット500は、左右方向で重ね合わされる左重板ユニット500L及び右重板ユニット500Rと、それら重板ユニット500L,500Rが締結固定されると共に本体枠14a(図104参照)に締結固定される上下に長尺な板状の支持板部510と、を主に備える。
支持板部510に背面側から正面側へ向けて挿通されるビスにより重板ユニット500L,500Rは支持板部510に締結固定され、その状態で支持板部510は、本体枠14aに背面側から正面側へ向けて挿通されるビスにより本体枠14a(図104参照)に締結固定される。
支持板部510は、本体枠14aと対向する側の外側縁(右側縁)から背面側へ延設部511aが板状に延設されることで断面L字形状に形成されると共に、組立状態(図86参照)において延設部511aの内壁(左側壁)が本体枠14aの外側面に当接する固定板511と、その固定板511の正面側において固定板511に締結固定される基板部材512と、その基板部材512の左側において固定板511に穿設される複数のカバー側通し孔513と、基板部材512の右側において固定板511に穿設される複数のレンズ側通し孔514と、そのレンズ側通し孔514よりも右側において固定板511に穿設されるピン支持孔515と、を主に備える。
固定板511は、基板部材512と正面視で重なる形状で基板部材512側部分が正面側へ向けて台状にせり出す台部511bを備え、その台部511bの正面に面当たりする状態で基板部材512が固定板511に締結固定される。
台部511bは、組立状態(図86参照)において、重板ユニット500L,500Rに幅方向で当接可能とされるので(図115(b)参照)、重板ユニット500L,500Rの左右方向への倒れを抑制することができる。即ち、支持板部510に対する重板ユニット500L,500Rの姿勢を維持し易くすることができる。
本実施形態では、固定板511の右側側面においては、台部511bよりも延設部511aの方が、外カバー部材560の板厚分右側に位置ずれすることにより、延設部511aの正面側で前後方向で外カバー部材560が支持板部510に当接する一方、固定板511の左側側面においては、台部511bの側面とほぼ面位置の面として背面側端部まで形成されることにより、内カバー部材520の背面側端部が支持板部510の背面側端部の面位置に配置可能とされ、組立状態(図86参照)において、内カバー部材520の内側面521b1が支持板部510の左側面511cと当接する。
基板部材512は、正面側に複数のLED512aが配置される電子基板(プリント基板)である。本実施形態では、複数のLED512aは、隣同士で所定の間隔(本実施形態では、11[mm]間隔)を空けて、導光部材540の湾曲形状に合わせて湾曲する列上に配置される。即ち、複数のLED512aは、導光部材540が正面から投影された形状の内側に配置され、導光部材540の真後ろから導光部材540へ向けて互いの光軸を平行にする姿勢で光を照射する(図107参照)。
LED512aの幅(発光部分の左右幅)よりも、導光部材540のLED512a側の端面の幅が長く形成される(図107想像線参照)ので、LED512aから照射される光は漏れなく導光部材540に入射し、導光部材540のいずれかの面から出射することになるが、光の出入およびその経路に関しては後述する。
カバー側通し孔513は、内カバー部材520に配設される背面締結部527を位置決めすると共に、その背面締結部527に締結されるビスが背面側から挿通される孔である。背面締結部527にビスが締結されることにより、内カバー部材520が支持板部510に固定される。
レンズ側通し孔514は、外レンズ部材550に配設される背面締結部556を位置決めすると共に、その背面締結部556に締結されるビスが背面側から挿通される孔である。背面締結部556にビスが締結されることにより、外レンズ部材550が支持板部510に固定される。
ピン支持孔515は、外カバー部材560の突出部566が挿通される貫通孔である。ピン支持孔515は、左右幅が突出部566の直径よりも若干大きく設定される一方、上下幅が突出部566の直径の約2倍の長さで設定される。従って、外カバー部材560の左右位置を厳密に規定しながら、外カバー部材560を支持板部510に当接させ締結固定する際の作業効率を向上させることができる。
即ち、支持板部510に重板ユニット500L,500Rが正面側から当接する締結準備状態において、支持板部510に対して板ユニット500L,500Rが上下に若干位置ずれしている場合(突出部566の直径程度上下に位置ずれしている場合)であっても、突出部566をピン支持孔515に挿通することができる。これにより、突出部566をピン支持孔515に挿通させてから、支持板部510に対して重板ユニット500L,500Rを位置ずれ分だけ上下に移動させることで、位置ずれを無くし、容易に締結固定を行うことができる。
図108及び図109に示すように、左重板ユニット500Lは、窓部14c(図86参照)の右縁を構成すると共に光を非透過な樹脂材料から形成される内カバー部材520と、その内カバー部材520に右側から締結固定されると共に光透過性の無色の樹脂材料から形成される内レンズ部材530と、を備える。
右重板ユニット500Rは、左重板ユニット500Lと対向配置される導光部材540と、その導光部材540と左右方向で面当たりし、正面側端部が前後方向で対向配置されると共に光透過性の白色の樹脂材料から形成される外レンズ部材550と、その外レンズ部材550の右側に配置され、光を非透過な樹脂材料から形成されると共に導光部材540及び外レンズ部材550が締結固定される外カバー部材560と、を主に備える。
次いで、各部材の詳細について説明する。図110及び図111は、重板ユニット500L,500Rの分解正面斜視図である。なお、図110では、右側を正面側へ向けた斜視図が、図111では、左側を正面側へ向けた斜視図が、それぞれ図示され、重板ユニット500L,500Rを構成する5枚の板部材が分解して図示される。
内カバー部材520は、上下に長尺の板状に形成される本体板部521と、その本体板部521の上端に配設されると共に外カバー部材560に締結固定される上側締結部522と、本体板部521の下端に配設されると共に外カバー部材560に締結固定される下側締結部523と、本体板部521に開口される複数の開口部524と、内レンズ部材530に挿通される円筒部であって内レンズ部材530を内カバー部材520に固定するビスが螺入される複数の短締結部525と、その短締結部525よりも長尺に形成され、内レンズ部材530に挿通される円筒部であって外カバー部材560を内カバー部材520に固定するビスが螺入される複数の長締結部526と、本体板部521の右側に突設されると共に背面側から支持板部510を固定するネジが螺入される複数の背面締結部527と、を主に備える。
本体板部521は、正面側端部521aが波形状とされ、その波形状の短幅部分(背面側に寄る部分)において正面側端部521aと背面側基部521bとを連結する連結板部521cを備える。
背面側基部521bは、組立状態(図86参照)において支持板部510の台部511b左側面と面当たりする(形状が合致する)内側面521b1を備える。
連結板部521cは、背面側へ向かう程左方へ傾斜する姿勢で配設される板状部であり、この連結板部521cにより、開口部524が区画される。
連結板部521cは、本実施形態では、上下等間隔で配置されるものでは無く、下方側から上方側へ向かうにつれて順に間隔が広くなるように配置される(図114参照)。これにより、複数の開口部524の開口広さを異ならせ、光による演出効果を開口部524毎に異ならせることができる。
上側締結部522は、外カバー部材560を締結固定するネジが螺入される円筒部であって前後方向に並設される一対の締結部522aと、左外側面において左右方向に凹設される嵌合溝522bと、を備える。
嵌合溝522bは、上パネルユニット400の被支持溝417(図118参照)を構成する左右の爪部が嵌合される溝として形成される。
下側締結部523は、外カバー部材560を締結固定するネジが螺入される円筒部である締結部523aと、左外側面において左右方向に凹設される嵌合溝523bと、を備える。即ち、外カバー部材560は、上端部において2箇所、下端部において1箇所でネジが挿通され、内カバー部材520に締結固定される。
嵌合溝523bは、被覆カバー370(図92参照)の支持溝376を構成する左右の爪部が嵌合される溝として形成される。
開口部524は、上下4箇所で並設されると共に組立状態において内レンズ部材530を視認する窓として機能する。開口部524の各外形部は、連結板部521cを端部(左端部)として右方に張り出す湾曲形状から形成される。即ち、各開口部524は、連結板部521cの左端部よりも右方に凹んで配置される(図114参照)。
短締結部525は、背面側基部521bと連結板部521cとの境界部分に配設される(図110参照)。この境界部分は、本実施形態におけるデザイン状、内カバー部材520の表面(左側面)が左方に張り出す部分に対応する(図111参照)。背面側基部521bの表面は、上述した境界部分の間においては、デザイン状、右方に凹んで湾曲する。即ち、背面側基部521bの表面は、上下方向に進むにつれ、左右に波打つ波形状から形成される。
この場合、短締結部525を、デザイン状表面側に張り出す部分の裏面側に配置することになる。内カバー部材520を均一な厚みで形成する場合、デザイン状張り出す部分の裏面は、逆に、デッドスペースとなりやすい窪みが形成される。これに対し、本実施形態では、短締結部525を内カバー部材520の窪みに配設することで、デッドスペースを有効活用でき、内カバー部材520の裏面側(内レンズ部材530側)のスペース効率を向上させることができる。
内レンズ部材530は、前後端部の形状が内カバー部材520の前後端部の形状に倣って形成される。即ち、内レンズ部材530は、上下に長尺の板状に形成される本体板部531の正面側端部531aが、内カバー部材520の正面側端部521aの形状とほぼ合致する波形状とされる。
正面側端部531aは、本体板部531の正面側縁から右方に延設される湾曲面を形成し、波形状を構成する曲線の前後方向への切り替え位置において、前後方向に穿設されると共に外レンズ部材550の凸設部551b(図109参照)が挿通される支持孔531b,531cを備える。
支持孔531bは、正面側端部531aの波形状の前寄り部分に形成され、その背面側には内カバー部材520の短締結部525を締結固定するビスが通る貫通孔531b1が形成される。即ち、支持孔531bの背後においてビスが締結固定されるので、支持孔531b付近に負荷がかけられたとしても、支持孔531bが変形したり、位置ずれしたりすることを防止することができる。
支持孔531cは、正面側端部531aの波形状の後寄り部分に形成され、その背面側には導光部材540と当接可能な位置まで延設される傾斜リブ部532が配設される。即ち、支持孔531cの背後における剛性が傾斜リブ部532に強化されるので、支持孔531c付近に負荷がかけられたとしても、支持孔531cが変形したり、位置ずれしたりすることを防止することができる。
なお、本体板部531は、上下方向における支持孔531bと支持孔531cとの間の位置に、長締結部526を挿通可能な大きさで左右方向に穿設される貫通孔531dを備える。長締結部526が貫通孔531dに挿通されることにより、内カバー部材520と内レンズ部材530との位置合わせを行うことができる。
傾斜リブ部532は、内カバー部材520の連結板部521cに対応する位置(右側位置)に配置され、連結板部521cの上下縁部から右方に延設される一対の上下板部532aと、それら一対の上下板部532aの間を上下方向に連結する複数の補強板部532bと、を主に備える。
上下板部532aは、導光部材540との間の隙間を埋める態様で延設される。即ち、内レンズ部材530が内カバー部材520同様、背面側へ向かうにつれて左方に張り出す形状とされている関係上、背面側へ向かうにつれて左右幅が長くなる形状(上面視で正面側端部を先端とする三角形状)とされる。
内レンズ部材530は、開口部524を通る態様で本体板部531から左方へ張り出して形成される張出部533を備える。張出部533は、張り出す側とは反対側に、波状に凸設されると共に波状の湾曲面に光を散乱させる形状が形成される光散乱部533aを備える。
導光部材540は、熱可塑性樹脂からなり、背面側に配置されるLED512aから照射される光の進行方向を左右方向へ向け変える凹状部が格子状に配置された網点パターンとして左右両側面に形成される、いわゆる導光板である。即ち、LED512aから導光部材540の背面側端部に照射された光の少なくとも一部は、導光部材540を介して左右方向に向け変えられ、内レンズ部材530又は外レンズ部材550に照射される。なお、導光部材540は、LED512aの配置(図105及び図107参照)に対応した湾曲形状に熱曲げ加工され、厚み方向の幅寸法が、背面側(LED512a側)の端面から、正面側の端面へ向けて徐々に先細りする形状から形成される。
ここで、凹状部は、いわゆるエッジライト型の光源(本実施形態では、LED512a)からの光を均一な面発光に変えるための加工部である。凹状部は、左右側から窪む切り欠き状の凹部であり、LED512aからの入射光を反射または屈折させて、導光部材540の左右側面の表面から出射させる。
本実施形態では、一例として、凹状部は、底面に対する傾斜角度45°且つ底円の直径約1mmの円錐形状部が、約3mm間隔で格子状に分散配置されるパターンを有する型板を熱可塑性樹脂に押し当てる(熱プレスする)ことにより形成される。LED512aから照射された光の内、凹状部に到達した光は、凹状部により反射し、導光部材540の左右側面から概略垂直な方向へ出射される。
本発明に用いられる熱可塑性樹脂は特に限定されないが、透明性を有するものが好ましく、アクリル系樹脂(メタクリル系樹脂)、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、非晶性ポリエステル樹脂、非晶性オレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、AS樹脂(アクリロニトリル、スチレン共重合化合物)を例示することができる。このうち、特にアクリル系樹脂を用いることで、平均輝度が高く、輝度分布の低下が少ない導光部材540を得ることができる。
本実施形態では、導光部材540は、LED512a側端部の厚みが5mmに設定される。厚みを3mmから8mmまでで設定することで、LED512aからの光を効率的に誘導できると共に、熱曲げ加工後の形状の保持性が向上し、実用的な強度を得ることができる。
導光部材540は、組立状態(図86参照)において、正面側端部の形状が内レンズ部材530の正面側端部531aよりも若干背面側へ位置ずれした波形状から形成されると共に左右にも波打つ波形状から形成される。
左右の波形状については、本発明では厳密なものではない。波型の度合いについては、とくに制限はないが、曲面部分において、曲率半径(R)が200mm以上、700mm以下であるのが好ましい。このような曲率半径(R)とすることにより、熱曲げ加工後の歪が少なく、実用的な機械特性を良好に保ちつつ、立体的な自由度の付与の可能なデザインを提供することができる。
なお、左右に波打つ波形状の詳細は後述する(図114参照)が、内カバー部材520の連結板部521cに対応する位置で左方へ位置し、隣り合った連結板部521cに対応する位置の間の位置で右方へ位置する(内カバー部材520から離れて位置する)態様の波形状とされる。
左右方向への波形状は、上述したように、凹状部が形成された基材を熱曲げ加工することにより形成される。本発明の熱曲げ加工の方法としては、基材となる熱可塑性樹脂の荷重たわみ温度+10〜40℃の加熱温度に加熱した状態で湾曲した凹面(雌型)と凸面(雄型)をもつ金型に基材を押圧してなされる。より具体的には、熱可塑性樹脂がアクリル系樹脂を主成分とする場合には、加熱温度は110℃以上、150℃以下とすることができる。具体的には、130℃以上、150℃以下でなされることが好ましい。
このときの基材の加熱温度は、熱可塑性樹脂の融点以下とする。加熱時の基材の温度を荷重たわみ温度+40℃以下、かつ融点以下とすることで、基材の表面に設けられた導光パターンの形状を崩すことがなく、熱曲げ加工の前後において光源光の反射角度が変動することが抑制できる。これにより、導光板における輝度低下や輝度分布のムラを防ぐことができる。また、このような加熱温度条件とすることにより、導光板への歪を抑えることができる。
導光部材540は、導光板を構成する湾曲板形状の本体板部541と、その本体板部541の上下端部から上下方向に延設されると共に外カバー部材560に締結されるネジが挿通される締結部542と、を主に備える。
導光部材540は、締結部542と、長締結部526から退避するための凹部541a以外の位置では、左右方向に貫通する部分を持たない。即ち、導光部材540は、少なくとも開口部524を左右方向で投影する投影面の内側において孔の無い一枚板で構成されるので、開口部524を通した光による演出の演出効果を向上させることができる。導光部材540の背面側端部は、内レンズ部材530の背面側端部とほぼ面位置とされる。
外レンズ部材550は、上下に長尺の板状に形成される本体板部551と、その本体板部551の上下端部に配設され導光部材540の締結部542が内嵌支持される内嵌部552と、外カバー部材560に締結されるビスが挿通される貫通孔として構成されえる複数の挿通孔553と、それら複数の挿通孔553で囲まれる領域において右方へ張り出し、外カバー部材越しに視認可能とされる張出部554と、内カバー部材520の長締結部526が挿通される複数の貫通孔555と、本体板部551の背面側に突設されると共に背面側から支持板部510を固定するネジが螺入される複数の背面締結部556と、を主に備える。
外レンズ部材550は、前後端部の形状が導光部材540の前後端部の形状に倣って形成される。即ち、外レンズ部材550は、本体板部551の正面側縁から左方へ延設され湾曲面を構成する正面側端部551aが、導光部材540の正面側端部の形状とほぼ合致する波形状とされ、導光部材540の正面側端部に対して正面側に若干位置ずれして配置される。本実施形態では、導光部材540の正面側端部と、外レンズ部材550の正面側端部551aとが、上下方向のどの位置においても前後方向に等間隔を空けて配置されるよう形成される。
正面側端部551aは、波形状を構成する曲線の前後方向への切り替え位置において、正面側へ凸設され、組立状態(図86参照)において支持孔531b,531cに内嵌される複数の凸設部551bを備える。
正面側端部551aの導光部材540と対向配置する側の反対側の面には、正面側へ、側面視半円状に膨出する膨出部551a1(図115(a)参照)が上下に無数に形成される。この膨出部551a1が、導光部材540の正面側端面から出射される光を散乱するように機能することで、LED512aが所定の間隔で離間して配置されていても、導光部材540の正面側端面における発光を、上下に連なる帯状の発光態様とすることができる。
挿通孔553は、張出部554の形状として内側(本体板部551の面の内側)に凹む形状の凹設深部に配設される。これにより、外レンズ部材550の外カバー部材560に対する締結を強固なものとすることができ、外レンズ部材550が外カバー部材560から剥がされることを防止することができる。
右重板ユニット500Rでは、支持板部510と締結固定するビスが螺入する背面締結部556が外レンズ部材550に配設され、外カバー部材560には配設されない。そのため、外カバー部材560の配置を、支持板部510の右側縁(パチンコ機8010の外側縁)に最大限寄せて配置することができる(ビス直径や、ビスの配置によらず配置することができる)。これにより、遊技者と対向配置される領域(右パネルユニット500の左側の領域)を拡大することができる。
本体板部551は、導光部材540と対向配置される側の面が、導光部材540の面形状(湾曲形状)に合わせて湾曲形成され、組立状態(図86参照)において、導光部材540と本体板部551とが面で当接する(図114(b)参照)。
これにより、導光部材540が本体板部551に対して対向配置される方向に位置ずれすることを防止することができる。加えて、本体板部551は支持板部510に直接締結固定されているので、本体板部551を介して支持板部510と導光部材540とが位置合わせされる。
従って、支持板部510に固定される基板部材512に配設されるLED512aと、導光部材540とが位置ずれすることを防止することができ、LED512aから導光部材540へ光を精度よく入射させることができる。
外カバー部材560は、上下に長尺の板状に形成される本体板部561と、その本体板部561の上端部において、内カバー部材520の締結部522aを受け入れ可能とされる受入れ面であって、締結部522aのビス孔の直径よりも若干大きな縦幅と、その縦幅よりも長い横幅の長円形状で形成される長孔部を有すると共に反対側からビスが挿通される複数のビス受部562aを有する上側被締結部562と、本体板部561の下端部において、内カバー部材520の締結部523aを受け入れ可能とされる受入れ面であって、締結部523aのビス孔の直径よりも若干大きな縦幅と、その縦幅よりも長い横幅の長孔形状で形成されると共に反対側からビスが挿通されるビス受部563aを有する下側被締結部563と、本体板部561の正面側端部において、内カバー部材520の長締結部526を受け入れ可能とされる受入れ面であって、その長締結部526のビス孔の直径よりも若干大きな縦幅と、その縦幅よりも長い横幅の長孔形状で形成されると共に反対側からビスが挿通される複数のビス受部564と、外レンズ部材550の張出部554の外形よりも若干大きな内形で開口形成される開口部565と、本体板部561から背面側へ凸設される複数の突出部566と、を主に備える。
上側被締結部562は、上側締結部522の嵌合溝522bと対応する上下位置において、左右幅方向に凹設される嵌合溝562bを備える。嵌合溝562bは、上パネルユニット400の被支持溝417(図118参照)を構成する左右の爪部が嵌合される溝として形成される。
下側被締結部563は、下側締結部523の嵌合溝523bと対応する上下位置において、左右幅方向に凹設される嵌合溝563bを備える。嵌合溝563bは、被覆カバー370(図92参照)の支持溝376を構成する左右の爪部が嵌合される溝として形成される。
即ち、右パネルユニット500は、上下の嵌合溝562b,563bにより上パネルユニット400及び被覆カバー370と嵌合により連結される。ここで、右パネルユニット500は、上パネルユニット400及び被覆カバー370と上下方向に面で当接するので(図86参照)、被覆カバー370により、右パネルユニット500が正面側に張り出した形状であっても安定して支持することが可能となり、その安定して支持された右パネルユニット500により、上パネルユニット400を支持することができる。従って、上パネルユニット400の許容重量を増加させることができる。
開口部565は、外レンズ部材550の張出部554が内嵌される形状で形成される(張出部554の外形と同等の内側形状から形成される)。そのため、開口部565と張出部554との左右方向の隙間にアクセスする経路を狭めることができるので、外レンズ部材550を外カバー部材560から剥がす不正行為を抑制することができる。
図112及び図113を参照して、左重板ユニット500L及び右重板ユニット500Rの組立方法について説明する。図112(a)は、右パネルユニット500の側面図であり、図112(b)は、図112(a)のCXIIb−CXIIb線における右パネルユニット500の部分拡大断面図であり、図113(a)は、右パネルユニット500の側面図であり、図113(b)は、図113(a)のCXIIIb−CXIIIb線における右パネルユニット500の部分拡大断面図である。
なお、図112(a)及び図112(b)では、凸設部551bが支持孔531bの背面側に配置される状態が図示され、図113(a)及び図113(b)では、凸設部551bが支持孔531bに挿通された状態が図示される。
右パネルユニット500の組立は、左重板ユニット500Lの本体板部531と右重板ユニット500Rの正面側端部551aの左側端部を左右方向で当接させた状態(図112(b)参照)で、左重板ユニット500Lを右重板ユニット500Rの正面側から近づけ、凸設部551b,551cを支持孔531bに挿通することにより行うことができる。
このように、右パネルユニット500の正面側先端において、凸設部551b,551cを支持孔531bに挿通し嵌め合わすことで左重板ユニット500Lと右重板ユニット500Rとが固定される構成を採用することにより、右パネルユニット500の正面側先端の設計自由度を向上させることができる。
例えば、本実施形態では、上記構成を採用した結果、右パネルユニットの正面側端部(導光部材540の正面側面よりも正面側)に配置され左重板ユニット500Lと右重板ユニット500Rとを締結固定するネジの個数を低減することができ、それにより、ネジにより光が遮られる領域を減らすることができるので、導光部材540の正面側端面から出射される光を上下方向に亘る帯状に視認させ易くすることができる。
また、例えば、本実施形態では、右パネルユニット500の正面側先端において左重板ユニット500Lと右重板ユニット500Rとを締結固定するネジ(締結箇所)を減らしたことにより、締結時に誤って導光部材540に負荷が与えられることで導光部材540が破損する虞がある範囲を減らすことができる。そのため、導光部材540を、右パネルユニット500の正面側先端付近(先細り先端付近)まで配置可能な範囲を広げることができる。これにより、導光部材540が右パネルユニット500の正面側先端付近において途切れて視認されることを防止することができる。
なお、左重板ユニット500Lを右重板ユニット500Rの正面側から近づけ、凸設部551b,551cを支持孔531bに挿通する時には、左重板ユニット500Lの内レンズ部材530の傾斜リブ部532と、右重板ユニット500Rの導光部材540とが、前後方向に沿って互いに平行な関係の面を構成し、その面同士で当接可能な位置関係とされる。即ち、傾斜リブ部532と導光部材540との当接面が、左重板ユニット500Lを右重板ユニット500Rに対して前後方向に移動させる際の案内面(ガイド)として機能するので、右パネルユニット500の組立を容易に行うことができる。
ここで、メンテナンス等で、右パネルユニット500を分解する際の方法について説明する。右パネルユニット500は、上述したように、支持板部510に左重板ユニット500L及び右重板ユニット500Rがそれぞれ締結固定により組み付けられるところ、その組み付けの手順は、少なくとも2通りの手順が考えられる。
1つ目の手順は、左重板ユニット500L及び右重板ユニット500Rを互いに締結固定した後で、支持板部510に締結固定する方法であり、2つ目の手順は、右重板ユニット500Rを単独で支持板部510に締結固定し、その後、左重板ユニット500Lを右重板ユニット500Rに近づけ、凸設部551b,551cを支持孔531bに挿通し、左重板ユニット500Lを右重板ユニット500R及び支持板部510とそれぞれ締結固定する方法である。そして、この2通りの手順は、右パネルユニット500の分解時にも同様に採用することができる。
このように、2通りの手順で組み付け、分解を行うことができるので、メンテナンス等を行う作業者は、交換が必要な部品の箇所により、どちらの手順で右パネルユニット500を分解、組み付けを行うかを選択することができ、作業時間の短縮を図ることができる。
なお、どちらの手順で分解する場合であっても、左重板ユニット500L及び右重板ユニット500Rの分解のためには、左重板ユニット500L及び右重板ユニット500Rを面方向に互いにスライドする必要がある。凸設部551b,551cと支持孔531bとの嵌合を解除する必要があるからである。そして、左重板ユニット500L及び右重板ユニット500Rを面方向に互いにスライドする際には、少なくともどちらか一方を支持板部510から分解する必要がある。
このように、凸設部551b,551cと支持孔531bとを嵌合する構成は、右パネルユニット500をパチンコ機8010(図86参照)の外方からこじ開けて(分解して)、右パネルユニット500の内部を伝ってパチンコ機8010の内部に進入する不正行為の防止に役立っている。
即ち、右パネルユニット500の正面側部分をビスの締結で固定する場合には、そのビスを取り外すことで、容易に右パネルユニット500を分解でき、不正行為を容易に行うことができる一方で、本実施形態のように、右パネルユニット500の左重板ユニット500L及び右重板ユニット500Rが支持板部510の背面側から挿通されるネジで支持板部510に締結固定され、そのネジを正面枠14(図104参照)の背面側から取り外さなければ、左重板ユニット500L及び右重板ユニット500Rを分解することが困難な構成とすることで、パチンコ機8010の外方から右パネルユニット500を分解することを困難とすることができる。従って、右パネルユニット500の内部を伝ってパチンコ機8010の内部に進入する不正行為を防止することができる。
図114を参照して、右パネルユニット500の導光部材540の形状および、演出における効果について説明する。図114(a)は、右パネルユニット500の側面図であり、図114(b)は、右パネルユニット500の背面図であり、図114(c)は、右パネルユニット500の側面図である。なお、図114(a)から図114(c)では、支持板部510の図示が省略される。
導光部材540には、支持板部510のLED512a(図105参照)から発される光が背面側から照射され、導光部材540に入射された光は、導光部材540の作用により、左右方向に向け変えられる。この時、光は導光部材540の面と直交する方向に出射される。
導光部材540は左右方向に波打つ湾曲形状とされる(図114(b)参照)ので、凹面形状を形成する側は光が集光し、凸面形状を形成する側は光が拡散される。例えば、複数の開口部524の内、最も上方に配置される開口部524と対応する位置において、導光部材540は開口部524側(左側)が曲率半径R1の凹面形状とされるので、導光部材540から開口部524側へ出射される光を集光させて演出することができる。これにより、開口部524を通して視認される光の強度を向上させることができる。
加えて、その反対側(右側)は凸面形状とされるので、複数の開口部524の内、最も上方に配置される開口部524と対応する位置において、導光部材540から外レンズ部材550側へ出射される光を拡散させ、演出に用いることができる。
このように、本実施形態では、上下位置が同じであっても、導光部材540を境に左右で実行される光の演出の態様(集光されるか、拡散されるか)に違いを設けることができ、演出効果を向上させることができる。
なお、光の演出の態様の違いは、導光部材540の湾曲形状によってのみ生じるものでは無く、種々の態様が例示される。例えば、導光部材540に切り欠かれる凹状部の形状を領域によって分けたり、導光部材540の厚みを領域によって分けたりすることによっても、左右両面における光の演出の態様を異ならせることができる。
導光部材540は、開口部524と対向する位置において、常に開口部524側が凹面形状に形成され、その凹面形状の曲率半径は、開口部524の大きさに対応して変化する。即ち、上3箇所の開口部524について、開口部524が上側へ向かう程、上下幅が大きくされることに対応して、導光部材540の凹面の曲率半径も、上から2個目の開口部524に対応する位置における曲率半径R2の方が、曲率半径R1よりも短くされ(R1>R2)、同様に、上から3個目の開口部524に対応する位置における曲率半径R3の方が、曲率半径R2よりも短くされる(R1>R2>R3)。
これにより、基板部材512に配置されるLED512aの配設間隔に変化が無い場合であっても、開口部524毎に集光される光を出射するLED512aの個数が異なるので、開口部524を通して視認される光の光量を、開口部524毎に変化させることができる。即ち、本実施形態によれば、上側の開口部524の方が、下側の開口部524に比較して、視認される光の光量を大きくすることができる。
また、一番下の開口部524、即ち、上から4個目の開口部524に対応する位置における曲率半径R4は、曲率半径R1と同等に形成される(R4≒R1)と共に、凹面の中心から出る法線が若干斜め上を向く形状とされる。そのため、上下端の開口部524を通して視認される光の光量を強めにでき、光の演出にメリハリをつけることができると共に、一番下の開口部524を通して出射される光を遊技者の目線へ向けて上向きに出射することができる。
各開口部524の上下幅W1〜W4が、図114(c)に示すように、開口部524の上辺の中点と、下辺の中点とを側面視で結ぶ長さとして図示される。曲率半径R1の部分と対向配置される開口部524の幅が上下幅W1であり、曲率半径R2の部分と対向配置される開口部524の幅が上下幅W2であり、曲率半径R3の部分と対向配置される開口部524の幅が上下幅W3であり、曲率半径R4の部分と対向配置される開口部524の幅が上下幅W4である。
本実施形態では、各開口部524の内、下の開口部524程、上下幅W1〜W4が縮小される態様で形成される(W1>W2>W3>W4)。即ち、曲率半径R1〜R3の部分において、曲率半径R1〜R3の大小関係と、開口部524の上下幅W1〜W3の大小関係とを関係づけている。これにより、光の集光の度合いが弱い箇所(例えば、曲率半径R1の部分)においては開口部524の上下幅W1が大きくし開口部524に光が十分入射するようにする一方、光の集光の度合いが強い箇所(例えば、曲率半径R3の部分)においては開口部524の上下幅W3を上下幅W1に比較して小さくし、開口部524に光が入射しすぎることを避けている。従って、本実施形態の構成により、開口部524毎の発光態様を均一化することができる。
なお、図114(b)に示す各曲率半径R1〜R4の中心点は、導光部材540の左方に出射される光の焦点に対応する点であり、上下方向において各上下幅W1〜W4の略中間位置に配置される。
導光部材540は、開口部524の境目の領域KEにおいて、左側へ凸面形状とされる。ここで、領域KEは、前後方向に延びる帯状の領域であって、上下端が隣り合う開口部524と干渉しない領域として定義される。即ち、図114(c)に示すように、領域KEの上端は、その上方に隣設される開口部524の下端と一致し、領域KEの下端は、その下方に隣設される開口部524の上端と一致する。従って、領域KEに、LED512aから前後方向に照射された光は、右パネルユニット500の左側面視(図114(c)参照)において、連結板部521cに隠された状態で進行する。
領域KEにおいては、内レンズ部材530へ向けて出射された光は内カバー部材520の連結板部521cに遮られることとなるので、集光の作用を低くしたとしても、遊技者に視認される光の光量の差は少ない。
一方で、領域KEにおいて平坦面では無く左側へ凸面形状とすることで、導光部材540の形状を角部の無い湾曲形状から形成でき、応力集中を防止することができるので、導光部材540の耐久性を向上させることができる。
また、領域KEにおいて左側へ凸面形状とすることで、右側に凹面形状を形成することができ、外カバー部材560の開口部565の内側で光が拡散される部分と光が集光される部分を形成することができる。これにより、開口部565を通して視認される光の演出の演出効果を向上させることができる。
即ち、領域KEにLED512aから光を入射させるか否かによって、開口部524を通して視認される光に変化が生じることは抑制しながら、開口部565を通して視認される光に変化を生じさせることができる。
例えば、領域KEに光を入射させるLED512aをOFFにし、それ以外のLED512aをONとすることによっても、開口部524及び開口部565の内側に隙間なく光を照射することは可能である。この時、領域KEの上下において導光部材540の右側の形状が凹面形状とされることにより、領域KEの上下位置から右方に出射された光は外カバー部材560の右方で交わることとなるので、領域KEにおいて外レンズ部材550が暗く視認されることを防止することができる。
加えて、領域KEの内側に対応する位置に配置されるLED512aをONとすることによって、領域KEから出射された光が集光し、エッジ状に発光させ、そのエッジにおいて遊技者に視認される光量を大きくすることができる。従って、張出部554(図106参照)の発光態様にメリハリをつけることができる。
なお、開口部524の境目の部分において導光部材540を平坦面として構成しても良い。この場合には、領域KEの内側に対応する位置に配置されるLED512aをONとすることによって、張出部554(図106参照)の対応する箇所(領域KEに相当する箇所)を帯状に発光させることができる。
領域KEは、その上下の部分に比較して、右パネルユニット500の前後幅が短くされる(LED512aからの距離が短くされる)。従って、領域KEに入射された光は、光量が弱くても、前端部に到達し易い。この前端部に到達する光を利用して演出を行っても良い。
即ち、連結板部521c越しには視認できないが、内レンズ部材530の正面側端部531a(図105参照)越しには視認できる(右パネルユニット500の正面側から視認できる)光の演出を用意し、その演出の大当たり期待度を高く設定することによって、遊技者の目の位置を、右パネルユニット500の正面側端部よりも遊技盤13から離れる側へ移動させることができる。これにより、遊技者の目が疲れる度合いを下げることができ、遊技者は、長時間の遊技をストレスなく行うことができる。
ここで、領域KEに入射された光は、左側面から視認する場合には連結板部521cに遮られる一方、右側面からは外レンズ部材550(図106参照)を通して遊技者に視認される。従って、右パネルユニット500の左側で座り、パチンコ機8010を遊技する遊技者に対しては視認されずに、右パネルユニット500を右側から視認する店員に対しては視認可能な光による報知を行うことができる。
これにより、不正行為を行っている遊技者に気づかれない一方で、店員は容易に気づくことができるエラー報知を実行することができるので、不正行為を行っている遊技者が逃亡を図ることを防止することができる。
なお、右パネルユニット500の左右形状を反転させることによって、領域KEにおける光の演出を、遊技者にのみ視認可能であって、店員からは見えないものとしても良い。
図115(a)は、導光部材540の側面模式図であり、図115(b)は、図115(a)のCXVb−CXVb線における導光部材540の断面図である。
導光部材540は、LED512a側の端面(厚さ約5mm)から、正面側へ向けて徐々に先細りする形状とされる。なお、導光部材540の正面側の最大端部(LED512aから最も離れる部分)は、機械的強度を保つ目的から3mmで設計され、上下方向の全領域に亘って同様の勾配で左右幅寸法が縮小する。
従って、導光部材540の正面側端面は同様の幅寸法(厚さ)には形成されない。即ち、内レンズ部材530の支持孔531b(図111参照)と対向配置される部分の端面の方が、支持孔531c(図111参照)と対向配置される部分の端面に比較してLED512a側の端面からの距離が長くなることから、余計に先細りし、幅寸法(厚さ)が薄くなる。こうすることで、支持孔531b付近で視認される発光態様と、支持孔531c付近で視認される発光態様との差を抑えることができる。
ここで、本実施形態では、支持孔531c付近が支持孔531b付近の部分に上下で挟まれて背面側に窪んだ位置に配置されるので、前後方向の距離の違い及び支持孔531b付近の部分が作る影により、支持孔531c付近の部分の方が支持孔531b付近に比較して暗く視認され易い。
これに対して、本実施形態では、支持孔531bと対向配置される部分の導光部材540の端面に比較して、支持孔531cと対向配置される部分の導光部材540の端面の方が、幅寸法(厚さ)が大きく形成されることから、LED512aから照射される光を受けて発光する面の面積を大きく確保することができる。
従って、複数のLED512aのうち、どのLED512aから照射される光の光量も同じであるとしても、支持孔531c付近の部分において視認される光量を、支持孔531b付近の部分で視認される光量を大きくでき、前後方向の距離の違いや、影により暗くなる程度を和らげることができる。これにより、内レンズ部材530の正面側端部531aを最前面として、右パネルユニット500の正面側端部において視認される発光の程度を、上下に亘って一様にし易く(強弱の差を小さく)することができる。
図116は、右パネルユニット500の部分背面図である。なお、図116では、支持板部510の図示が省略され、導光部材540が視認可能とされる。また、図116では、導光部材540を通して出射される光の経路(進行方向)の一例が想像線の矢印で図示される。
図116に示すように、導光部材540から内レンズ部材530へ向けて出射される光は、導光部材540が湾曲形成される効果として集光され、内レンズ部材530を通過することで若干拡散され、外部へ進行する。
逆に、外レンズ部材550へ向けて出射される光は、導光部材540が湾曲形成される効果として拡散される。そのため、導光部材540へ入射する光を発生させるLED512aの配置は一定としながら、導光部材540の両面で、発光態様(粗密、明暗)を異ならせることができる。換言すれば、LED521aの配置間隔から予想される発光態様とは異なる発光態様で、遊技者に光を視認させることができる。
また、内レンズ部材530側(遊技者側)へ向けて出射される光は、内レンズ部材530が、図115(b)に示すように湾曲形成されることにより、真横では無く、遊技者側に屈折される(図115(b)の想像線の矢印参照。図115(b)の想像線の矢印は、導光部材540を通過する光の進行方向の一例を示す)。これにより、遊技者に光を視認させやすくすることができ、発光演出の演出効果を向上させることができる。
図100及び図101に戻って説明する。上パネルユニット400は、上辺板部材14eを介して本体枠14aに締結固定されると共に、その右端下部において右パネルユニット500の上端部に配置される嵌合溝522b,562b(図108及び図109参照)に嵌合され、下側から支持されるユニットであって、正面枠14の上端部に配置される。
図117は、上パネルユニット400の分解正面斜視図であり、図118は、上パネルユニット400の分解背面斜視図である。図117及び図118に示すように、上パネルユニット400は、上辺板部材14eにスピーカー組立体450を挟んで締結固定される(図100参照)上側枠部材410と、その上側枠部材410の正面側に配置され、上側枠部材410に締結固定される電飾ユニット401と、上側枠部材410の背面側に配設され、上側枠部材410及び上辺板部材14eに挟持されるスピーカー組立体450と、を主に備える。なお、図117及び図118では、スピーカー組立体450の図示が省略される(図100及び図101参照)。
電飾ユニット401は、正面側面に機種名等を示す装飾がされるユニットであって、LEDが複数配置された基板が内包される。内包されるLEDが光を出射することにより、光による演出を行う。
電飾ユニット401は、光透過性の樹脂材料から箱状に形成される本体部402と、その本体部402の背面外壁部において波状に形成される波状壁部403と、その波状壁部403の下縁から背面側へ横長の板状に延設される板状部404と、その板状部404の上方において波状壁部403から背面側へ筒状に突出する部分であって筒状の内側形状が波状壁部403を貫通して形成される筒状部405と、本体部402の背面側に配設されると共に上側枠部材410に挿通されたネジが締結される複数の締結部406と、を主に備える。
本体部402は、前後それぞれの皿状部材が開放側を重ね合わせる態様で箱状に形成され、内部に空間が形成される。なお、内包されるLEDは、電子基板に配設されており、その電子基板は本体部402に固定されている。
波状壁部403は、上側枠部材410の正面側壁に形成される波状壁部412と噛み合うことで、左右方向の組み付け位置を容易に定め、上側枠部材410への電飾ユニット401の組み付けの作業性を向上させる部分である。
板状部404は、上側枠部材410の波状壁部412の下面と当接可能に形成され、電飾ユニット401の上側枠部材410に対する上下の位置ずれを抑制する部分である。なお、上側枠部材410の正面側壁には、板状部404を上下に挟む横長溝形状が凹設形成される。
筒状部405は、本体部402に内包されるLEDが配設される電子基板の配線を上側枠部材410側へ通す配線通しの貫通孔としての機能を有する。
電飾ユニット401は、上側枠部材410を通って複数の締結部406にネジが締結されることにより、上側枠部材410に締結固定される。ここで、上側枠部材410は上辺板部材14e(図100参照)に締結固定されると、上辺板部材14eとの間でスピーカー組立体450を内包する閉空間を形成し、内側へのアクセスが困難となるように形成される。即ち、上側枠部材410は、電飾ユニット401が締結固定された後で、上辺板部材14e及び本体枠14aに締結固定される。
図119は、上側枠部材410の分解正面斜視図であり、図120は、上側枠部材410の分解背面斜視図である。図119及び図120に示すように、上側枠部材410は、電飾ユニット401が締結固定される本体部材411と、その本体部材411の下縁に沿った湾曲形状から形成され、本体部材411の下縁に沿って背面側から締結固定される下縁板部材420と、本体部材411の右隅部において下縁板部材420の背面側から本体部材411に締結固定される右隅支持部材430Rと、本体部材411の左隅部において下縁板部材420の正面側から本体部材411に締結固定される左隅支持部材430Lと、開口部414から正面側に張り出す位置まで本体部材411に背面側から嵌め入れられ、右隅支持部材430Rに背面側から押さえられることで背面側への脱落を規制されると共に電飾部8033を構成するレンズ部材440と、を主に備える。
本体部材411は、左右両側にスピーカー組立体450から発生する振動波(音声)を通過させる開口が形成され、その開口を覆うようにスピーカーカバー27が配設される左右に長尺の部材であって、正面側において、上面視で波状に形成される波状壁部412と、その波状壁部412の電飾ユニット401の筒状部405と対向配置される部分において筒状部405の外形よりも若干大きな内側形状で貫通形成される支持貫通孔413と、右隅上部において前後方向に貫通形成される開口部414と、を主に備える。
波状壁部412は、電飾ユニット401の波状壁部403と略同一の波形状で形成される。これにより、電飾ユニット401を上側枠部材410の正面側から本体部材411に嵌め入れる際の左右方向の位置合わせを容易に行うことができる。
支持貫通孔413は、組立状態(図86参照)において、筒状部405が挿通される。これにより、筒状部405を通して張り出される配線を、支持貫通孔413を通して本体部材411の背面側まで通すことができる。従って、電飾ユニット401に内包される電子基板に一端が接続される配線の他端を、本体部材411の背面側において端子と接続するようにすることができるので、正面枠14を閉鎖した状態で配線の他端を脱着することを防止することができる。
支持貫通孔413は、筒状部405が挿通される際、筒状部405の位置を規定する。これにより、支持貫通孔413を、電飾ユニット401の上側枠部材410に対する位置決めに利用することができる。
開口部414は、正面視でレンズ部材440を視認可能とする開口である。上辺板部材14e(図100参照)には、レンズ部材440と前後方向で一致する位置にLED14e2が配設され、このLED14e2の発光を開口部414伝いに遊技者に視認させることができる。
本体部材411は、背面側において、上面視で波状に形成される波状辺部416と、右隅下端面において背面側から凹設される被支持溝417と、左隅下端面において背面側から凹設される被支持溝418と、上端部付近において左右対称な位置に配置され、ネジが螺入可能に形成される締結部419と、上下寄りの位置にネジが螺入可能に形成される第2締結部419bと、を主に備える。
波状辺部416は、下縁板部材420の対向する位置の形状(下縁正面側端部に形成される波状壁部422の形状)と合致する形状とされる。これにより、下縁板部材420を本体部材411に締結固定する際の左右方向の位置決めを容易に行うことができる。
被支持溝417は、左右の爪部が右パネルユニット500の嵌合溝522b及び嵌合溝562b(図105及び図106参照)に嵌合可能な形状とされ、その嵌合状態(図86参照)において、被支持溝417が形成される面を介して、上パネルユニット400から与えられる負荷(重量等)を右パネルユニット500に付与可能に構成される。
被支持溝418は、電飾部8031の上端部に嵌合可能な形状とされ、その嵌合状態(図86参照)において、被支持溝418が形成される面を介して、上パネルユニット400から与えられる負荷(重量等)を電飾部8031に付与可能に構成される。
締結部419は、スピーカー組立体450の貫通孔463a,483a(図122参照)に挿通されたネジが締結可能な位置に配設され、基部から先端部へは到達しない位置までリブ状に突設される拡大リブ419aを備える。
拡大リブ419aは、後述するように、貫通孔463a,483aに挿通されたネジが締結部419に締結固定されることにより、前側組立460、後側組立480及び上辺板部材14eを、本体枠14aとの間で挟み込む部分である(図125(a)参照)が、詳細は後述する。
なお、本実施形態では、拡大リブ419aは、締結部419へのビスの締結方向に沿って締結部419の周囲に120°間隔で、3箇所に同一形状のリブが配設される。
第2締結部419b(図118参照)は、本体部材411の下寄り位置において上辺板部材14eの締結部14e1(図100参照)及びスピーカー組立体450の凹設部462,482(図122参照)と一致する位置に形成され、本体部材411の上寄り位置においてスピーカー組立体450の凹設部462,482(図122参照)と一致する位置に形成されるが、詳細は後述する。
下縁板部材420は、長尺の板が湾曲して形成される本体部材421と、その本体部材421の下縁正面側縁において下面視で波形状に形成される波状壁部422と、その波状壁部422の上縁から正面側に延設された後、その延設端部から上方へ延設され、断面L字形状に形成されるL字延設部423と、本体板部421の左右中央位置(湾曲形状の上端位置)から左右に等距離で離間した位置に配設されると共に上下方向に貫通した複数小径の貫通孔から構成される開口部424と、を主に備える。
波状壁部422と、本体部材411の波状辺部416とが前後で当接した状態において、L字延設部423の下面が波状辺部416を背面に有する下板416aの上面と当接し、L字延設部423の一部であって上方へ延設される部分が本体部材411に前後方向で締結固定される。
従って、L字延設部423と下板416aとが上下で当接する箇所における上パネルユニット400の実質的な板厚を増加させることができ、強度の向上を図ることができる。
開口部424は、スピーカー組立体450(図123参照)において、スピーカー451の背面側からスピーカー組立体450の内部に出力された振動波(音声)を通過させる(外部に放出する)開口である。右隅支持部材430R及び左隅支持部材430Lは、スピーカー組立体450において、正面側に向けて生じた振動を通過させる円形の開口である円形開口430R1,430L1を備える。
右隅支持部材430Rは、上側枠部材410の開口部414と前後方向で対応する位置に、前後方向に貫通形成される横長矩形の貫通孔430R2を備える。貫通孔430R2を通してレンズ部材440に照射される光が、開口部414を通して遊技者に視認可能とされる。
図121は、スピーカー組立体450の分解正面斜視図であって、図122は、スピーカー組立体450の分解背面斜視図である。なお、図121及び図122では、理解を容易とするために、スピーカー接続線453が想像線で図示される。
スピーカー組立体450は、左右一対の組立体450R,450Lから構成され、それらが、連結孔469に挿通されるネジで上辺板部材14e(図100参照)に共締めされると共に、左右端部、下端部において上辺板部材14eに締結固定される。なお、スピーカー組立体450は、略左右対称の形状からなる一対のスピーカー組立体450R,450Lから構成されるので、スピーカー組立体450Rの説明を行い、スピーカー組立体450Lの説明を省略する。
スピーカー組立体450Rは、電気信号を可聴音声波に変換して聴こえるようにする音響機器であるスピーカー(コーン型スピーカー)451と、そのスピーカー451が貫通孔466に挿通されスピーカー451の前面フランジ452が正面側から締結固定される前側組立460と、その前側組立460の外形と正面視でほぼ合致する外形で形成され、組立状態(図100参照)において前側組立460との間に空間を形成する後側組立480と、を主に備える。
スピーカー451は、前側組立460の貫通孔466を塞ぐようにして前側組立460に装着されると共に、遊技に関連して演出音を発するものであり、そのスピーカー451に一端が接続されて延出されたスピーカー接続線453(例えば、銅線と、その銅線を被覆する被覆部からなる電線)が上辺板部材14e(図102参照)に穿設される貫通孔を通り、スピーカー接続線453の端末コネクタが電子基板14iに接続される(図102参照)ことで、音声ランプ制御装置113(図4参照)に接続されるように構成される。
スピーカー451の前面部には、スピーカー451から発せられる音声の通過を許容する合成繊維素材からなる保護カバー454が被覆されている。そして、この保護カバー454が被覆されてなるスピーカー451は、前面部がスピーカーカバー27(図86参照)に位置合わせされた状態で前側組立460に装着されている。
そのため、スピーカー451の前面部は、スピーカーカバー27(図86参照)を介してパチンコ機8010(図86参照)外部の大気と直接接触していることになり、スピーカー451からの再生音を篭もらせることなく、高音質にして再生出力できる。また、保護カバー454により、スピーカー451の前面部を音質の低下を招くことなく好適に保護することができる。
前側組立460は、左右長尺で背面側が開放されたカップ形状に形成される本体部461と、その本体部461の上下側縁から上下幅中央へ向けて先端半円状に凹設される複数の凹設部462と、その凹設部462と同形状の凹設部463bの背面側縁から上下幅外側へ向けて本体部461の上下側縁まで板状に延設される延設板463と、本体部461の背面側端部から正面側へ凹設される配線通過凹部464と、本体部461の右上隅部において前後方向に貫通形成される光通過貫通孔465と、本体部461の右側部においてスピーカー451を挿通する円形で貫通される貫通孔466と、本体部461のカップ状の底板(正面側板)から背面側へリブ状に延設される複数の通路形成リブ467と、後側組立480に挿通されたネジが締結固定される複数の締結部468と、左右のスピーカー組立体450L,450Rを上辺板部材14e(図100参照)に共締めするネジが挿通される連結孔469と、先端側本体部461Tの下端部において背面側から正面側へ向けて凹設される前側凹設部471と、を主に備える。
本体部461は、左右方向に分割される領域として、貫通孔466が形成される側に配設される基端側本体部461Bと、その基端側本体部461Bの左右方向中央側(図121左側)に連設される中間本体部461Mと、その中間本体部461Mの左右方向中央側(図121左側)に連設される先端側本体部461Tと、を主に備える。なお、基端側本体部461B、中間本体部461M及び先端側本体部461Tは、後側組立480との間に形成される空間が連続的に形成される。
本体部461は、その正面視における外形のほぼ全周を囲う壁部として形成される背面側壁部461Hを備える。背面側壁部461Hは、内側に返しの無い縁部(内側にフランジなどが形成されない縁部)を備える。
凹設部462は、上辺板部材14e(図100及び図101参照)の締結部14e1が円の中心側に配設される凹設部であって、締結部14e1との間での位置決めに利用される。
延設板463は、背面側からビスが挿通される貫通孔463aを備える。貫通孔463aに挿通されるビスは、本体枠14aの背面側から、共締め孔14a2及び上辺板部材14eの共締め孔14e3(図102参照)に挿通され、後側組立480の貫通孔483a及び貫通孔463aを通過し、本体部材411の締結部419(図120参照)に螺入される。
即ち、スピーカー組立体450Rは、本体枠14aの背面側から、上辺板部材14eを通して貫通孔463aに挿通されるビスが本体部材411に螺入されることにより、ネジが締まるほど延設板463が後側組立480に押し付けられる。従って、スピーカー組立体450Rが、本体枠14a,上辺板部材14e及び本体部材411と共締めされることで、互いに強固に固定される。
この構成によれば、スピーカー組立体450は、上辺板部材14eを挟んで金属製の本体枠14aと締結固定される(樹脂材料を挟んで、硬質の材料に締結固定される)。これにより、スピーカー451の音響効果を向上させることができる。
配線通過凹部464は、スピーカー451に接続されるスピーカー接続線453を通す開口の一部を形成する。配線通過凹部464の凹設幅が、スピーカー接続線453の被覆部の断面外形よりも小さく形成される。これにより、配線通過凹部464を通過するスピーカー接続線453の被覆部に圧を加えることになり、配線通過凹部464とスピーカー接続線453との間に隙間が生じることを防止することができる。従って、スピーカー接続線453を通す開口からの音漏れによって音響効果が低下されるという不具合の発生を防止することができる。なお、図121及び図122では、背面側壁部461Hの図示が便宜上省略され(破られ)、配線通過凹部464を視認可能に図示される。
ここで、本実施形態では、配線通過凹部464が、後側組立480にではなく、スピーカー451が組み付けられる前側組立460に形成されているので、前側組立460及び後側組立480を組み付ける際に、予めスピーカー451に接続されるスピーカー接続線453を配線通過凹部464に通し易くすることができる。これにより、スピーカー組立体450の組立作業の作業性を向上させることができる。
光通過貫通孔465は、上辺板部材14e(図100参照)に配設されるLED14e2からレンズ部材440へ向けて照射される光を通過させる貫通孔である。
通路形成リブ467は、後側組立480の通路形成リブ487と前後で隙間なく当接し、前側組立460及び後側組立480の間に形成される空間に複数回屈曲する屈曲通路(図123参照)を形成するリブである。この屈曲通路は、スピーカー451から背面側に発せられる振動波(音声)が通過する通路である。通路形成リブ467の正面側端部は本体部461の正面側板と連結する。これにより、通路形成リブ467の正面側に隙間が生じることが防止される。
前側凹設部471は、下縁板部材420(図120参照)の開口部424の外形を囲う(外形から若干外側にはみ出た)大きさで形成される。
後側組立480は、左右長尺で正面側が開放されたカップ形状に形成される本体部481と、その本体部481の上下側縁から上下幅中央へ向けて先端半円状に凹設される複数の凹設部482と、その凹設部482と同形状の凹設部483bの背面側縁から上下幅外側へ向けて本体部481の上下側縁まで板状に延設される延設板483と、本体部481の正面側へ凸設される配線押圧凸部484と、本体部481の右上隅部において前後方向に貫通形成される光通過貫通孔485と、本体部481のカップ状の底板(背面側板)から正面側へリブ状に延設される複数の通路形成リブ487と、前側組立460の締結部468と前後方向に対応する位置においてビスが挿通される貫通孔として貫通形成される複数の貫通孔488と、前側組立460の前側凹設部471と前後方向で対応する位置において正面側から背面側へ向けて凹設される後側凹設部491と、を主に備える。
本体部481は、背面側板の外形よりも前側組立460の本体部461の板厚分内側に移動した位置において本体部481の外周を囲う態様で正面側に板状に延設され、前側組立460の背面側壁部461Hの内側面に内嵌される形状から形成される正面側壁部481Hを備える。
スピーカー組立体450Rは、その外周の全周において、背面側壁部461Hと正面側壁部481Hとで嵌合される2重の壁部を備えるので、外周位置から空気が漏れることを防止することができる。これにより、外周位置からの音漏れによって音響効果が低下されるという不具合の発生を抑制することができる。
正面側壁部481Hは、スピーカー接続線453を通過可能な間隔を空けて配線押圧凸部484を左右で挟む位置において、配線押圧凸部484を越えて正面側へ凸設される一対の補助凸部481Haを備える。
補助凸部481Haは、前側組立460に後側組立480を組み付ける際に、配線通過凹部464に仮止めしたスピーカー接続線453の位置がずれることを防止する一対の凸部である。即ち、一対の補助凸部481Haの内側側面が、正面側(先端側)へ向かうほど左右に広がるテーパ形状とされる(図124(c)参照)ので、スピーカー接続線453が配線通過凹部464から外れ、左右にずれかけたとしても、そのずれを一対の補助凸部481Haのテーパで修正することができる。
これにより、組み付けの過程で配線通過凹部464にスピーカー接続線453を戻すことができ、組立状態(図100参照)において、スピーカー接続線453を、配線通過凹部464及び配線押圧凸部484から形成される開口に容易に収容することができる。
凹設部482は、凹設部462の外形と正面視で同形状の外形で構成され、上辺板部材14e(図100及び図101参照)の締結部14e1が円の中心側に配設される凹設部であって、締結部14e1との間での位置決めに利用される。
延設板483は、背面側からビスが挿通される貫通孔483aを備える。貫通孔483aに挿通されるビスは、本体枠14aの背面側から、共締め孔14a2及び上辺板部材14eの共締め孔14e3(図102参照)に挿通され、貫通孔483a及び前側組立460の貫通孔463aを通過し、本体部材411の締結部419に螺入される(図101参照)。
即ち、スピーカー組立体450Rは、本体枠14aの背面側から、上辺板部材14eを通して貫通孔483aに挿通されるビスが本体部材411の締結部419に螺入されることにより、ネジが締まるほど延設板483が前側組立460の延設板463に押し付けられる。従って、スピーカー組立体450Rが、本体枠14a,上辺板部材14e及び本体部材411と共締めされ、互いに強固に固定される。
配線押圧凸部484は、本体部481の背面側板の上縁に沿って凸設され、配線通過凹部464に内嵌される幅で形成されると共に、配線通過凹部464の凹設深さよりも、スピーカー接続線453の被覆部の外周直径よりも若干短い長さだけ短い凸設長さで凸設される。
即ち、配線押圧凸部484と、配線通過凹部464とが囲う開口にスピーカー接続線453を通すことで、スピーカー接続線453の被覆部を圧縮することになり、配線押圧凸部484及び配線通過凹部464に囲われて形成される開口とスピーカー接続線453との間に隙間が生じることを防止することができる。これにより、スピーカー接続線453を通すための開口からの音漏れによって音響効果が低下されるという不具合の発生を抑制することができる。
光通過貫通孔485は、上辺板部材14e(図100参照)に配設されるLED14e2からレンズ部材440へ向けて照射される光を通過させる貫通孔である。光通過貫通孔485は、LEDを調度一個囲う程度の円形の開口から形成される。なお、光通過貫通孔465は、光通過貫通孔485よりも断面形状が大きな貫通孔であって、正面側へ向かう程断面形状が大きくなるテーパ形状から形成されると共に、組立状態(図100参照)において、光通過貫通孔465,485は前後方向に連通する。
通路形成リブ487は、前側組立460の通路形成リブ467と正面視で同一の位置に形成され、互いに前後で隙間なく当接し、前側組立460及び後側組立480の間に形成される空間に複数回屈曲する屈曲通路(図123参照)を形成するリブである。この屈曲通路は、スピーカー451から背面側に発せられる振動波(音声)が通過する通路である。
通路形成リブ487は、正面側壁部481Hに固着されると共に、正面側壁部481Hの前後端部と面位置で形成される。即ち、通路形成リブ487の背面側端部は本体部481の背面側板と連結する。これにより、通路形成リブ487の背面側に隙間が生じることが防止される。
ここで、通路形成リブ487は、正面側端部が通路形成リブ467と当接するが、その際、前後方向に圧縮力が発生する寸法で設計される。即ち、通路形成リブ487には、通路形成リブ467から背面側向きの圧縮力が負荷され、その圧縮力により通路形成リブ467,487が前後方向に弾性変形しながら間の隙間を塞ぐことになる(図124(b)参照)。
この時、通路形成リブ487の左右方向の剛性が弱く、左右に撓んでしまうことがあると、圧縮力がうまく作用せず、隙間を塞ぐことができない虞が生じる。これに対し、本実施形態では、通路形成リブ487が正面側壁部481Hに固着されるので、左右方向の剛性を正面側壁部481Hの強度(更に、組立状態(図100参照)において、重ねられる背面側壁部461Hに補強される強度)で強化することができる。従って、通路形成リブ487の左右方向の剛性を強化することができ、通路形成リブ487が左右に撓むことを抑制することができるので、通路形成リブ467との間の隙間を良好に塞ぐことができる。
後側凹設部491は、前側凹設部471と前後反転した形状から形成され、前側凹設部471と共同で開口を形成する。その開口は、下縁板部材420(図120参照)の開口部424の外形を囲う(外形から若干外側にはみ出た)大きさで形成され、組立状態(図86参照)において、開口部424の外形を囲う位置に配置される。
図123(a)は、前側組立460の背面図であり、図123(b)は、後側組立480の正面図である。図123(a)及び図123(b)では、理解を容易とするために、スピーカー接続線453が想像線で図示され、対向配置される前側組立460及び後側組立480が、互いに対向する面を紙面手前側に向けて展開された状態が図示される。即ち、図123(a)及び図123(b)を、紙面の左右中心に縦に引いた線(図示せず)を中心に折りたたむことで、前側組立460及び後側組立480の当接位置を合わせることができる。即ち、各リブ部467a,467b,467c,467d,467eと、各リブ部487a,487b,487c,487d,487eとを、それぞれ前後方向で当接させることができる。
前側組立460と後側組立480との組立状態(スピーカー組立体450、図100参照)において、スピーカー組立体450の内部には、前側組立460の基端側本体部461Bの背面側に音響室が形成されている。そして、その音響室を基端として、スピーカー451の背面側から出力される振動波Ws(音声)の通過経路としての音響通路が、先端側本体部461Tへ向けて延設される。この音響通路は、通路形成リブ467,487により屈曲通路として構成される。
図123(a)及び図123(b)に示すように、通路形成リブ467は、配線が通る配線通過凹部464よりも左右方向内側(左側)に形成されると共に、左側へ向けて上下に互い違いで複数箇所(本実施形態では5箇所)に配置されるリブ部467a,467b,467c,467d,467eを備える。
各リブ部467a,467b,467c,467d,467eを、配線が通る配線通過凹部464よりも左右方向内側(左側)に形成することにより、組立時に各リブ部467a,467b,467c,467d,467eと、後側組立480の各リブ部487a,487b,487c,487d,487eとの間に配線が挟まれることを防止することができる。
各リブ部467a,467b,467c,467d,467eは、本体部461及び背面側壁部461Hと連結されるので、各リブ部467a,467b,467c,467d,467eにより本体部461の剛性を強化することができる。
各リブ部467a,467b,467c,467d,467eは、後側組立480の通路形成リブ487と共同で、スピーカー451の背面側から発生する振動波Wsを通す屈曲通路を形成する。
ここで、通路形成リブ467が無く、横長の空洞が形成される場合、スピーカー451から発生した振動波は直線的に進行するところ、本実施形態では、通路形成リブ467を避けて振動波Wsが進行することになる。
即ち、図123(a)に進行経路の例示として図示されるように、振動波Wsは、通路形成リブ467のリブ部(例えば、リブ部467a)が上側に配置された後に、その左側(矢印L側)に配置され左右方向で最も近いリブ部(例えば、リブ部467b)が下側に配置される場合、リブ間での進行方向が左上方向(矢印L,U方向)となる。
一方で、振動波Wsは、通路形成リブ467のリブ部(例えば、リブ部467b)が下側に配置された後に、その左側(矢印L側)に配置され左右方向で最も近いリブ部(例えば、リブ部467c)が上側に配置される場合、進行方向が左下方向(矢印L,D方向向)となる。
従って、本実施形態のように、各リブ部467a,467b,467c,467d,467eが上下に互い違いに配置される場合、振動波Wsの進行経路を、上下に屈曲した経路とすることができ、空間の左右幅に比較して、振動波Wsの進行経路長を長めに確保することができる。
これにより、振動波Wsが一対の凹設部471,491から形成される開口を通過するまでの進行経路長を調整することを容易とすることができ、振動波Wsによる定常波の発生を抑制することができる。
また、本実施形態では、通路形成リブ467と同様の作用を、凹設部462,463bによっても生じさせることができる。即ち、前側凹設部471の直近に配設される凹設部462と、その上方であって右側(矢印R側)に配置される凹設部463bとの間を、振動波Wsを左上方向(矢印L,U方向)に進行させることができる。
従って、凹設部462,463bは、組立時に奏する効果に加えて、振動波Wsの進行方向を規定する効果をも奏する。
図123(b)に示すように、通路形成リブ487は、配線を押さえる配線押圧凸部484よりも左右方向内側(左側)に形成されると共に、左側へ向けて上下に互い違いで複数箇所(本実施形態では5箇所)に配置されるリブ部487a,487b,487c,487d,487eを備える。
各リブ部487a,487b,487c,487d,487eは、本体部481及び正面側壁部481Hと連結されるので、各リブ部487a,487b,487c,487d,487eにより本体部481の剛性を強化することができる。
ここで、各リブ部487a,487b,487c,487d,487eは、前側組立460の各リブ部467a,467b,467c,467d,467eと、前後方向で一致する形状から形成され、組立状態(図100参照)において前後方向に対向配置される。
なお、各リブ部487a,487b,487c,487d,487eの作用は、上述したリブ部467a,467b,467c,467d,467eの作用と類似なので、説明を省略する。
また、本実施形態では、通路形成リブ487と同様の作用を、凹設部482,483bによっても生じさせることができる。即ち、後側凹設部491の直近に配設される凹設部482と、その上方であって右側(矢印R側)に配置される凹設部483bとの間を、振動波Wsを左上方向(矢印L,U方向)に進行させることができる。従って、凹設部482,483bは、組立時に奏する効果に加えて、振動波Wsの進行方向を規定する効果をも奏する。
ここで、スピーカー組立体450Rの内部に形成される空間は、スピーカー451から離れるほど上下幅が縮小され、凹設部462,482と凹設部463b,483bとが上下に並ぶ位置で一度絞られ、更にスピーカー451から離れた位置で上下幅が一気に拡大され、その後、凹設部471,491により形成される開口と連通する。これにより、音響効果を向上させることができる。
本実施形態において、スピーカー組立体450の長手方向において、スピーカー451が組み付けられる基端側本体部461B側は、前側組立460及び後側組立480により密閉されているので、スピーカー451の背面側から出力された振動波Ws(音声)は、出口を求めて長手方向反対側である先端側本体部461T側へ進行する。先端側本体部461Tまで到達した振動波Ws(音声)は、前側凹設部471及び後側凹設部491により形成される開口、下縁板部材420の開口部424(図120参照)を順に通り、スピーカー組立体450Rの外部(パチンコ機8010(図86参照)の外部)へ放音される。
即ち、スピーカー組立体450は、バスレフ型のスピーカーボックスとして構成されると共に、スピーカー451の背面部は、スピーカー組立体450の内部経路、凹設部471,491により形成される開口および開口部424(図120参照)を介して、パチンコ機8010の外部の大気と直接接触していることになるので、スピーカー451の背面側から出力される音声を篭らせることなく、高音質で再生出力することができる。
バスレフ型のスピーカー組立体450は、スピーカー451の背面側から出力される音を共振させて位相を反転させ、スピーカー451の前面から出力される音と同位相にした音を凹設部471,491により形成される開口から放音させることが可能になる。つまり、バスレフ型のスピーカー組立体450は、スピーカー450の背面側から出力される音が前面側から出力される音と逆位相により打ち消しあわず、互いに同位相で重畳され強調させることができる。すなわち、重低音を増幅させることが可能になる。これにより、本実施形態に係るパチンコ機8010は、臨場感に溢れる演出を行うことが可能になり、遊技者の遊技に対する興味や興奮を高揚させることができる。
本実施形態では、開口部424が形成される上パネルユニット400は、ガラスユニット16の正面側に配置されるので(図91参照)、スピーカー451の背面側から出力された低音が、スピーカー組立体450の内部空間をエンクロージャとして利用し、正面枠14(図100参照)の前側に放出される(ガラスユニット16(図86参照)の正面側を下方へ放出される)。これにより、正面枠14から正面側へ放出される低音による遊技の演出を、正面枠14の正面側で遊技を行う遊技者に適切に提供することができる。
振動波Ws(音声)の音のチューニングは、スピーカー組立体450の容積の設定や、振動波Wsの経路長の設定により行うことができる。例えば、本実施形態では、前側組立460の各リブ部467a,467b,467c,467d,467e及び後側組立480の各リブ部487a,487b,487c,487d,487eを避ける経路として振動波Wsの経路が規定される。そのため、各リブ部467a,467b,467c,467d,467e及び各リブ部487a,487b,487c,487d,487eの配置や上下方向の延設長さを個別に設定することで、振動波Ws(音声)の音のチューニングを行うことができる。
なお、本実施形態では、前側組立460の各リブ部467a,467b,467c,467d,467e及び後側組立480の各リブ部487a,487b,487c,487d,487eは、上記の目的の他に、スピーカー組立体450の締結固定時に負荷がかけられる部分に配設され、スピーカー組立体450を補強している。
例えば、各リブ部467c,487c,467d,487dは、締結部468及び貫通孔488の付近に配置されることで、締結部468及び貫通孔488の付近を補強することができ、締結部468にネジが螺入される際に前側組立460及び後側組立480にかけられる負荷により前側組立460及び後側組立480が破損することを防止することができる。
また、延設板463,483は、組立状態において締結部419の拡大リブ419aと上辺板部材14eとに挟まれ、押圧される(図125(a)参照)ところ、各リブ部467c,487c,467d,487dは、直近の締結部468及び貫通孔488よりも延設板463,483側に配置される。そのため、締結部468にネジが螺入されることで前側組立460及び後側組立480が締結固定された後においても、延設板463,483の貫通孔463a,483aに挿通される締結部419にネジが螺入され、上側枠部材410、上辺板部材14e及び本体枠14aが締結固定される際に各リブ部467c,487c,467d,487d同士を当接させることで、前側組立460及び後側組立480の変形を防止することができる。即ち、各リブ部467c,487c,467d,487dにより、前側組立460及び後側組立480を補強することができる。
また、例えば、リブ部467b,487bは、凹設部462,482の上端部に連結される。ここで、凹設部462,482は、組立状態において、下方に上辺板部材14eの締結部14e1(図102及び図125参照)が位置合わせされる部分であり、スピーカー組立体450を上辺板部材14eと締結固定する前の状態では、スピーカー組立体450の凹設部462,482が締結部14e1に乗ることになる。そのため、凹設部462,482の上端部には、締結部14e1がスピーカー組立体450の重量を支える際に生じる反作用の力として、締結部14e1から上向きの負荷がかけられる。
そのため、凹設部462,482が破損し易くなると考えられるところ、本実施形態では、リブ部467b,487bが凹設部462,482の上端部に連結されるので、締結部14e1から、凹設部462,482に与えられる負荷に対する補強を行うことができ、凹設部462,482の耐久性を向上させることができる。
複数小径の貫通孔から形成される開口部424(図120参照)は、バスレフポートとして機能する。ここで、開口部424が、単数の大径の貫通孔から形成される場合に比較して、開口部424を通して針金やピアノ線等を不正にパチンコ機8010内に侵入させようとする不正行為を抑制し易くすることができる。
なお、このような不正行為では、針金やピアノ線等を不正に遊技領域に侵入させ、釘などを変形させることが行われるところ、本実施形態では、スピーカー組立体450が、前側凹設部471及び後側凹設部491により形成される開口と、配線通過凹部464及び配線押圧凸部484により形成される開口を除いて密閉された箱形状に形成されることに加え、配線通過凹部464及び配線押圧凸部484により形成される開口の隙間はスピーカー接続線453により塞がれている。そのため、針金やピアノ線等をスピーカー組立体450に前側凹設部471及び後側凹設部491により形成される開口を通して進入させた場合に、その進入した箇所とは別の開口を通してスピーカー組立体450から先端を出し、上辺板部材14eにスピーカー接続線453を通すための開口として形成される貫通孔を通して針金やピアノ線等の先端を遊技領域に到達させることを困難とすることができる。
加えて、上辺板部材14eにスピーカー接続線453を通すための開口として形成される貫通孔は、スピーカー451の配置に合わせて上辺板部材14eの左右端寄りに配置されるので、針金やピアノ線等をスピーカー組立体450に侵入させる箇所である前側凹設部471及び後側凹設部491により形成される開口との間の距離を長くすることができる。
従って、このような不正行為が行われた場合にも、その不正行為の成功率を下げることができ、不正の利益が生じることを防止し易くすることがdえきる。
図124(a)は、スピーカー組立体450Rの背面図であり、図124(b)は、図124(a)のCXXIVb−CXXIVb線におけるスピーカー組立体450Rの断面図であり、図124(c)は、図124(a)の矢印CXXIVc方向視におけるスピーカー組立体450Rの上面図であり、図124(d)は、図124(a)の矢印CXXIVd方向視におけるスピーカー組立体450Rの部分底面図である。なお、図124(a)及び図124(c)では、理解を容易とするためにスピーカー接続線453が想像線で図示される一方、図124(c)の部分拡大図では、スピーカー接続線453の図示が省略される。
図124(b)で拡大して図示されるように、前側組立460の背面側壁部461Hの内側面461Hi(図124(b)下面)は、背面側へ向かうほど内側へ傾斜するテーパ形状とされ、後側組立480の正面側壁部481Hの外側面481Ho(図124(b)上面)は、背面側へ向かうほど内側へ傾斜するテーパ形状とされると共に内側面461Hiと組立状態において嵌合する形状とされる。これにより、前側組立460の背面側壁部461Hに、後側組立480の正面側壁部481Hを挿入する作業の作業効率を向上させることができる。
図124(b)では、組立状態におけるリブ部487cの正面側端部の位置が実線で図示され、組立前におけるリブ部487cの正面側端部の位置が想像線で図示される。即ち、組立状態では、リブ部487cは、リブ部467cから圧縮負荷を受け、弾性変形している。この弾性変形により生じる復元力によりリブ部487cからリブ部467cへ向けて圧縮力が作用することになるので、リブ部467c,487c間の隙間を埋めることができる。なお、各リブ部467a,467b,467c,467d,467e,487a,487b,487c,487d,487eは、当接するリブ部同士で圧縮負荷が生じる寸法関係となるように設計される。
図124(c)に示すように、中間本体部461Mは、基端側本体部461B及び先端側本体部461Tに比較して、前後寸法が短く形成される。そのため、先端側本体部461Tに比較して、中間本体部461Mにおいて振動波Wsの通過可能な経路の断面積を小さくする(絞る)ことができる。これにより、音響効果の向上を図ることができる。
図124(d)に示すように、前側凹設部471及び後側凹設部491により形成される開口部の上方に配置される先端側本体部461Tの内部空間が、中間本体部461Mの内部空間に比較して前後方向に膨出する態様で大きく確保される。これにより、先端側本体部461Tに到達した振動波Wsを先端側本体部461Tで一時的に滞留させ、低速のまま放出することができる。これにより、振動波Wsにより重低音を聞かせ易くすることができるなど、音響効果の向上を図ることができる。
図125(a)は、図124(a)のCXXVa−CXXVa線における前側組立460、後側組立480、上側枠部材410、本体枠14a及び上辺板部材14eの部分断面図であり、図125(b)は、図124(a)のCXXVb−CXXVb線における前側組立460、後側組立480、上側枠部材410、本体枠14a及び上辺板部材14eの部分断面図である。
図125(a)に示すように、締結部419の拡大リブ419aは、貫通孔463a,483aに挿通されたネジが締結部419に締結固定されることにより、前側組立460、後側組立480及び上辺板部材14eを、本体枠14aとの間で挟み込む部分である。即ち、拡大リブ419aが延設板463の正面側の面位置に配置されることにより、前側組立460、後側組立480及び上辺板部材14eが前後方向に位置ずれすることを防止することができ、前側組立460、後側組立480、上辺板部材14e及び金属製の本体枠14aを強固に固定することができる。
図125(b)に示すように、第2締結部419bは、上側枠部材410の下寄り位置において上辺板部材14eの締結部14e1と締結され、上側枠部材410の上寄り位置においてスピーカー組立体450の凹設部462,482と一致する位置に形成される。
第2締結部419b及び締結部14e1は、凹設部462,482の内側に配設される(凹設部462,482と締結方向で当接せず素通りする)ことにより、前側組立460及び後側組立480を介することなく、上側枠部材410及び上辺板部材14eを締結固定する部分として構成される。
なお、本体部材411の上寄り位置の第2締結部419bには、本体枠14a及び上辺板部材14eが共締めされ、本体部材411の下寄り位置の第2締結部419bには、上辺板部材14eが締結固定され、本体枠14aは締結固定されない。
また、本体部材411の上寄り位置では、第2締結部419b(図118参照)が凹設部462,482の内側に配設される(背面側へ延びる部分が内側に配設される)一方で、本体部材411の下寄りの位置では締結部14e1(図100参照)が凹設部462,482の内側に配設される(正面側へ延びる部分が内側に配設される)。
なお、本実施形態では、左右別々のスピーカー451が、それぞれ独立したスピーカー組立体450R,450Lに配設されているので、相手側のスピーカー組立体450R,450Lに配設されたスピーカー451から再生出力される音との抵触が回避されると共に、再生音を篭らせることなく、透明感のある音として高品質で再生することができる。
本実施形態では、スピーカー組立体450の上部では後側組立480の延設板483と上辺板部材14eとが面で当接される(図125(a)参照)一方で、スピーカー組立体450の下部では、後側組立480の背面と上辺板部材14eの正面とは離間し、後側組立480の下端部と対向配置される部分において上辺板部材14eの正面部が正面側へ突設され、その突設される部分と後側組立480の下端部とが前後方向で当接する。即ち、スピーカー組立体450は上辺板部材14eに対して全面で当接(べた付け)される構成では無く、特に下端部においては、線接触する当接態様とされる。
この場合、上辺板部材14eから突設され、スピーカー組立体450の下端部と当接する部分をインシュレーターとして機能させることができるので、スピーカー451から出力される音の音響効果を向上させることができる。
なお、本実施形態では、上辺板部材14eから突設され、スピーカー組立体450の下端部と当接する部分を、上辺板部材14eと一体で形成した(合成樹脂により形成した)が、これに限定されるものでは無い。
例えば、スピーカー組立体450と上辺板部材14eとの間に金属製の部材を配設しても良いし、黒檀から形成される部材を配設しても良いし、ガラス製の部材を配設しても良いし、コンクリ製の部材を配設しても良いし、軟質の樹脂材料を配設しても良いし、他の市販の部材を配設しても良い。
特に、金属製の部材を配設する場合には、比重が高いものであることが望ましい。例えば、鋳鉄、亜鉛、黄銅、鉛、鋼などを採用することが望ましい。これらの金属を用いることで、音に厚みを出すことができる。
また、硬度が高い部材であることが望ましい。例えば、鋳鉄、鋼、ガラス、セラミックス(陶磁器)等が該当する。これらの部材を用いると、音の立ち上がり性能を良くすることができる。
また、形状に関しても、長尺板状に突設されても良いし、スパイク状に突設されても良いし、先丸状に点在する態様で突設されても良い。また、上辺板部材14eとスピーカー組立体450とが固定される場合に限らず、フローティング状に連結されても良い。
なお、上述したインシュレーターとして機能する部分の配置は、スピーカー組立体450の下端部の背面に限るものでは無い。例えば、スピーカー組立体450の上端部の背面でも良いし、スピーカー組立体450の左右端部の背面でも良いし、スピーカー組立体450の側面や正面でも良い。
例えば、上端部の背面に配置する場合には、インシュレーターとして機能する部材を筒状とし、後側組立480と上辺板部材14eとの間に配置し、貫通孔483aに挿通されるネジを挿通させることで位置決めしても良い。この場合には、インシュレーターとして機能する部材を位置決めする別個の係止部材を不要とできると共に、貫通孔483aに挿通されるネジの締め具合で、後側組立480、上辺板部材14e及びインシュレーターとして機能する部材との当たり具合(互いにかけられる負荷)を調整し、音響効果の調整を図ることができる。
この時、貫通孔483aに挿通されるネジを緩めた場合であっても、スピーカー組立体450は、連結孔469(図123(a)参照)に挿通されるネジや、その連結孔469と同一形状で左右方向の連結孔469の反対側に配設される貫通孔や、その貫通孔が配置される左右位置におけるスピーカー組立体450の下端に配設される貫通孔に挿通されるネジにより上辺板部材14eに締結固定されるので、スピーカー組立体450が上辺板部材14eから外れることを防止することができる。
また、上側枠部材410の上辺板部材14eに対する固定に関しては、上側枠部材410は貫通孔483aに挿通されるネジ以外に、上辺板部材14eの締結部14e1(図100参照)に背面側から挿通されるネジが締結部419(図125(b)参照)に螺入されることにより締結固定される。上述したように、締結部14e1と締結部419との締結固定においては、スピーカー組立450に負荷がかからない構成とされるので、締結部14e1と締結部419との締結固定を強固に行うことで、貫通孔483aに挿通されるネジを緩めに締結しながら(締結具合を調整しながら)、上側枠部材410が上辺板部材14eから外れることを防止することができる。
また、上述したスピーカー組立体450と上辺板部材14eとの関係と同様のことが、上辺板部材14eを介してスピーカー組立体450と連結固定される本体枠14aとの関係にも言える。即ち、金属製の本体枠14aを、インシュレーターとして機能させることができ、上述の内容と同様に、材質や、当接の関係について設計することができる。
図126は、遊技盤13及び内枠12の分解正面斜視図であり、図127(a)は、遊技盤13の背面図であり、図127(b)は、内枠12の正面図である。なお、図127(b)では、遊技盤13が取り外された状態における内枠12が図示される。
まず、遊技盤13を内枠12に固定する手順について説明するために、支持部12a,12bについて説明する。図126に示すように、内枠12の左側壁の内面の上下隅部には、遊技盤13の左端部を支持する目的で前後に離間して左端前支持部12a及び左端後支持部12bが配設される。
左端前支持部12aは、組立状態(図89参照)において遊技盤13と対向配置される後端面の右端部から、左方へ向かうほど後方に傾斜する傾斜面12a1が形成され、その傾斜面の左端から左方へ、左右方向に延設される平坦面12a2が形成される。組立状態では、その平坦面12a2と遊技盤13の前面とが面で当接する。
左端後支持部12bは、外形が正面視矩形状に形成され、前端面が遊技盤13の背面と面で当接可能に一面上に形成されると共に中央部が開放したカップ状に形成される。左端後支持部12bは、その内側に一方の端部が配置されると共にカップ状部の前端面から張り出す部分を有する弾性支持部12b1を備える。
弾性支持部12b1は、自然長の状態で左方へ向かうほど正面側へ張り出す姿勢で配置される。即ち、弾性支持部12b1は、左端前支持部12aの傾斜面12a1と共同で、左右方向で遊技盤13が配置される側(右方)に拡大するテーパ形状を形成する。これにより、作業者が遊技盤13を内枠12に組み付ける際の作業性を向上させることができる。次いで、図128及び図129を参照して、遊技盤13を内枠12に固定する手順について説明する。
図128(a)及び図128(b)は、図127(b)のCXXVIIIa―CXXVIIIa線における内枠12の断面図であり、図129(a)及び図129(b)は、盤面支持装置600及び遊技盤13を模式的に示した盤面支持装置600及び遊技盤13の側面図である。なお、図128及び図129では、遊技盤13を内枠12に組み付ける過程が時系列で図示され、図128(a)では、内枠12に左端部を押し入れられ始めた遊技盤13が図示され、図128(b)及び図129(a)では、内枠12に組み付け完了する直前の遊技盤13が図示され、図129(b)では、内枠12に組み付け完了した後の遊技盤13が図示される。なお、図128及びZ39では、理解を容易とするために、遊技盤13及び内枠12の一部の構成が省略されて図示される。
作業者が遊技盤13を内枠12に組み付ける場合、初めに、遊技盤13を皿通路形成部材160の上面に仮置きし、遊技盤13の上下位置をある程度合わせたのち、遊技盤13の左端部を左端前支持部12aと左端後支持部12bとの間に滑り込ませる。この時、遊技盤13を図128(a)に示すように、内枠12に対して上下方向を向く軸を中心に回転させた姿勢で滑り込ませることになるので、手前側にある左端前支持部12bと遊技盤13とが干渉する虞が考えられるが、本実施形態では、左端前支持部12aに傾斜面12a1が形成されているので、遊技盤13と左端前支持部12bとが干渉する範囲(位置)を減らすことができる。これにより、作業性の向上を図ることができる。
次いで、図128(b)に示すように、遊技盤13の左端部(詳細には、傾斜面12a1の背面側縁と遊技盤13の前面との当接位置)を軸にして遊技盤13を内枠12に対して近づけるように回転させる。この回転の過程で、遊技盤13の前面が平坦面12a2と対向配置され、弾性支持部12b1から遊技盤13へ向けて付勢力が与えられる。即ち、遊技盤13の前面は、弾性支持部12b1から与えられる付勢力により平坦面12a2に押し付けられる。これにより、遊技盤13を内枠12に仮固定することができる。
遊技盤13を回転させる過程においては、遊技盤13の上下位置は、内枠の支持底部12cによって規制される。支持底部12cは、遊技盤13の下底面と対応する配置および長さで左右方向に沿って内枠12に形成される板状部であって、組立状態(図90参照)において遊技盤13を下から支持すると共に前上端部が傾斜面として削られる案内リブ12c1を左右方向に亘って複数備える。
このように構成することで、図128(a)から図128(b)へ状態が変化する過程において、上面視で、遊技盤13の下底面の後縁が案内リブ12c1の前縁を通過する度に、遊技盤13が案内リブ12c1の傾斜面に乗り上げることになるので、左寄りの箇所から順に遊技盤13を案内リブ12c1に乗り上げさせることで遊技盤13の回転を滞りなく進行させることができる。そのため、遊技盤13を内枠12に組み付ける作業の作業性を向上させることができる。
なお、案内リブ12c1の上面に対する傾斜面の傾斜角度は、パチンコ機8010の遊技店における設置時の後傾斜(約10°)よりも大きな角度として、約15°に設定される。これにより、設置時のパチンコ機8013の後傾斜により、案内リブ12c1の傾斜面の傾斜が前後方向で逆転することを回避することができるので、設置時のパチンコ機8013の後傾斜に寄らず遊技盤13を内枠12に組み付ける際の作業性を向上させることができる。
また、これに限らず、案内リブ12c1の傾斜面の傾斜角度を、遊技店の設置時の後傾斜と同等の傾斜角度で形成しても良い。この場合は、遊技盤13が乗り上げる案内リブ12c1の傾斜面を水平とすることができる。
図128(b)に示す状態では、図129(a)に示すように、上下に配置されると共に後述する解除状態の盤面支持装置600に遊技盤13が挟まれ、遊技盤13の後面が回転後爪部材640の前面と当接する。
ここで、盤面支持装置600は、解除状態において、回転前爪部材620及び規制前爪部材630(遊技盤13が固定される位置よりも正面側に配設される部分)が遊技盤13の進入経路から退避するよう構成されているので、遊技盤13の組み付け作業の作業性を向上させることができる。
そして、図129(b)に示すように、遊技盤13の右端部付近を背面側へ押し込むことにより、遊技盤13を介して回転後爪部材640に負荷が与えられ、盤面支持装置600が後述する固定状態に変化し、遊技盤13が内枠12に固定される。即ち、遊技盤13の固定時には、上下の盤面支持装置600は、ほぼ同時に状態変化する。
なお、遊技盤13は支持底部12cに下支えされ上下位置を規制される。図129(a)及び図129(b)に示すように、盤面支持装置600の解除状態と固定状態との間で、遊技盤13の下端部に盤面支持装置600が当接することは無く(遊技盤13が盤面支持装置600に押し上げられることは無く)、遊技盤13の上下位置は変化しない。従って、盤面支持装置600を解除状態と固定状態との間で状態変化させることに伴って、フローティングコネクタ13a及び受側コネクタ12dを安定的に脱着させることができる。
ここで、遊技盤13の右端部付近を背面側へ押し込む際、遊技盤13は、左端部付近を支点として回転しているので、てこの原理により、遊技盤13を介して回転後爪部材640に負荷を与える際に必要となる力を遊技盤13の幅寸法が長いことにより弱くすることができ、非力な作業者でも問題なく遊技盤13を内枠12に組み付けることができる。
内枠12に遊技盤13を組み付ける際、遊技盤13は、左端部を、左端前支持部12a及び左端後支持部12bにより上下2箇所で支持されるので(図126参照)、例えば、遊技盤13の右端の固定が不十分な時(上下の盤面支持装置600の少なくとも一方が固定状態では無い時)に、正面枠14(図89参照)を内枠12に対して閉鎖した場合であっても、遊技盤13が前倒れする程度を低くすることができる。
例えば、上側の盤面支持装置600が解除状態の時(図134(a)参照)に、正面枠14(図89参照)を内枠12に対して閉鎖しようと押し込んだ反動で、遊技盤13が前後に傾倒する程度を低くすることができる。従って、正面枠14を内枠12に対して閉鎖しようと押し込んだ反動で盤面支持装置600の状態が変化することを防止することができる(可能性を低くすることができる)。
内枠12に遊技盤13が固定された状態において、遊技盤13の左端部は支持部12a,12bにより固定され、右端部は盤面支持装置600により固定され、下端部は支持底部12cに上下位置を規制される。
内枠12に遊技盤13が固定された状態(図129(b)参照)において、遊技盤13の背面側下端部に配置され、遊技盤13に配設される各種部材や各種装置に接続される配線と連結されると共に遊技盤13の面方向に位置変化可能に遊技盤13に支持されるフローティングコネクタ13aと、下側の盤面支持装置600付近において内枠12に配設されると共に制御基板ユニット91(図3参照)等と連結される配線が背面で接続される受側コネクタ12dとが遊技盤13の回転方向で接続される。
フローティングコネクタ13a及び受側コネクタ12dは、遊技盤13の回転方向での接続の抵抗を低減するために、遊技盤13の回転方向に沿った方向に接続方向を向ける態様で傾斜する姿勢で配設される(受側コネクタ12dについて図126参照)。
内枠12は、内枠12の右隅付近において上下一対が向かい合わせで配設される盤面支持装置600を備える。なお、上下一対の盤面支持装置600は、同一の構成のものが向かい合わせで配設されるので、一方の盤面支持装置600の説明を行い、他方の盤面支持装置600の説明を省略する。
図130(a)は、盤面支持装置600の正面斜視図であり、図130(b)は、盤面支持装置600の背面斜視図であり、図131(a)は、盤面支持装置600の正面斜視図であり、図131(b)は、盤面支持装置600の背面斜視図である。なお、図130(a)及び図130(b)では、盤面支持装置600が遊技盤13を固定する固定状態が図示され、図131(a)及び図131(b)では、盤面支持装置600による遊技盤13の固定が解除される解除状態が図示される。図130及び図131に示すように、盤面支持装置600は、回転前爪部材620及び回転後爪部材640が形成するコ字形状の開放側が前後方向に変位する。
図132は、盤面支持装置600の分解正面斜視図であり、図133は、盤面支持装置600の分解背面斜視図である。図132及び図133に示すように、盤面支持装置600は、上面視で矩形の枠状に形成される枠部材610と、その枠部材610に挿通固定される第1軸部材P61に回転可能に軸支される回転前爪部材620と、その回転前爪部材620の正面側に配置され回転前爪部材620に挿通固定される第2軸部材P62に回転可能に軸支される規制前爪部材630と、回転前爪部材620の背面側に配置され回転前爪部材620に挿通固定される第3軸部材P63に回転可能に軸支される回転後爪部材640と、を主に備える。
枠部材610は、板金部材が角部で直角に折り曲げられることで矩形の枠状に形成される本体板部611と、その本体板部611の一部であって左右に対向配置される一対の板部611aに一直線上に貫通形成される一対の支持孔612と、その支持孔612の正面側上方において支持孔612を中心とした円弧に沿って板部611aに穿設される円弧孔613と、支持孔612の背面側において支持孔612を中心とした円弧に沿って板部611aに下方から凹設される円弧凹部614と、支持孔612の鉛直上方位置で板部611aに挿通固定される棒状の規制棒615と、板部611aから左右にフランジ状に延設されると共に組立状態(図127(b)参照)において貫通孔616aに挿通されるビスにより内枠12に締結固定される一対の固定板616と、を主に備える。
支持孔612は、第1軸部材P61が挿通固定される貫通孔である。第1軸部材P61は、差し込み基端側の端部が拡径された円柱形状の金属棒状部材として形成され、支持孔612に挿通された後、差し込み先端側の端部がプレスされることにより、支持孔612に固定される。この固定方法および軸部材の形状は、第2軸部材P62及び第3軸部材P63も同様なので、説明を省略する。なお、第1軸部材P61が支持孔612に挿通される際には、同時に回転前爪部材620の被支持孔622にも第1軸部材P61が挿通される。
回転前爪部材620は、枠部材610と同様に、板金部材が角部で直角に折り曲げられ側面視T字形状に形成される本体板部621と、その本体板部621の一部であって左右に対向配置される板部621aに一直線上に貫通形成されると共に第1軸部材P61に軸支される一対の被支持孔622と、板部621aの正面側上隅部において一直線上に貫通形成されると共に第2軸部材P62が挿通固定される一対の支持孔623と、板部621aの背面側部において一直線上に貫通形成されると共に第3軸部材P63が挿通固定される一対の支持孔624と、を主に備える。
なお、第2軸部材P62が支持孔623に挿通される際には、同時に規制前爪部材630の被支持孔632にも第2軸部材P62が挿通され、第3軸部材P63が支持孔624に挿通される際には、同時に回転後爪部材640の被支持孔642にも第3軸部材P63が挿通される。
本体板部621は、左右に対向配置される部分であって前後に長尺の長尺部621a1と、その長尺部621a1の正面側先端から上下方向へ延設される延設部621a2とで側面視T字形状に形成される一対の板部621aと、その板部621aの上縁を連結固定する連結板部621bと、その連結板部621bの背面側端部から連結板部621bの面に対して約45度だけ下降傾斜して延設される背面側延設板621cと、延設部621a2の背面側端部から、逆側の板部621aへ向けて板部621aと垂直に延設される下垂背面板部621dと、その下垂背面板部621dの下端部から下垂背面板部621dの面に対して約45度だけ正面側へ傾斜して延設される正面側延設板621eと、を主に備える。
下垂背面板部621dは、長尺部621a1及び連結板部621bと直交する面に沿った平板状に形成される。長尺部621a1の側面と、連結板部621bとの角度は直角とされ、長尺部621a1の下面と、下垂背面板部621dの背面側面とは、互いに直角となるように形成される。
背面側延設板621cは、その下面でねじりバネNBbと当接可能に配置される。本実施形態において、解除状態においてねじりバネNBbと当接し、ねじりバネNBbの腕部を本体板部611から離間させる(図134(a)参照)一方、固定状態へ状態変化する過程で、ねじりバネNBbの上方へ退避することで、ねじりバネNBbは本体板部611と当接し始める。
これにより、作業者が遊技盤13を盤面支持装置600に押し込み始める際には、ねじりバネNBbの反発力が作業者側へ生じることを防止する一方で、遊技盤13が盤面支持装置600に固定され終える直前においては、ねじりバネNBbの反発力を作業者側へ生じさせることができる。即ち、押し込み開始時に必要な力を低くしながらも、盤面支持装置600に遊技盤13が固定される直前には、遊技盤13の回転の勢いを反発力により抑制することができる。
下垂背面板部621dは、組立状態(図89参照)において、遊技盤13と正面側から当接し、遊技盤13の前後位置を規制する部分である。正面側延設板621eは、遊技盤13を下垂背面板部621dの背面側に入れ込む際の案内ガイドとして機能する。
第2軸部材P62には、ねじりバネNBaが巻き付けられる。ねじりバネNBaは、規制前爪部材630と下垂背面板部621dとを近接させる方向の付勢力を発生させる。第3軸部材P63には、ねじりバネNBbが巻き付けられる。ねじりバネNBbは、回転後爪部材640の下端部を本体板部611の背面側壁から離反させる方向の付勢力を発生させる。
規制前爪部材630は、板金部材が角部で直角に折り曲げられることで側面視への字形状に形成される本体板部631と、その本体板部631の一部であって左右に対向配置される板部631aに一直線上に貫通形成されると共に第2軸部材P62に軸支される一対の被支持孔632と、板部631aを連結する正面連結板631bの下端部から正面側へ傾斜して延設される傾斜延設板633と、板部631aの上端面として湾曲形成される湾曲面634と、を主に備える。
傾斜延設板633は、正面枠14と対向配置される板部であって、盤面支持装置600が解除状態とされた場合に、正面枠14に前後方向で最接近する部分である。
湾曲面634は、組立状態(図126参照)において、規制棒615と当接する面であり、これにより、規制前爪部材630の自由な姿勢変化が規制される。
回転後爪部材640は、板金部材が角部で直角に折り曲げられることで側面視縦長矩形状に形成される本体板部641と、その本体板部641の一部であって左右に対向配置される板部641aに一直線上に貫通形成されると共に第3軸部材P63に軸支される一対の被支持孔642と、一対の板部641aを連結する正面連結板641bの下端部から背面側へ傾斜して延設される傾斜延設板643と、を主に備える。
正面連結板641bは、組立状態(図89参照)において、遊技盤13の背面側に当接し、遊技盤13の前後位置を規制する部分である。
傾斜延設板643は、遊技盤13を押し込む際に遊技盤13から負荷を受ける部分であって、解除状態(図129(a)参照)において、遊技盤13の背面と面当たりする傾斜角度で形成される。
図134(a)、図134(b)、図135(a)及び図135(b)は、盤面支持装置600の側面図である。なお、図134(a)、図134(b)、図135(a)及び図135(b)では、盤面支持装置600が解除状態から固定状態に変化する過程が時系列で図示される。また、図134(a)、図134(b)、図135(a)及び図135(b)では、盤面支持装置600と近接配置された多機能カバー部材171及び盤面支持装置600に固定される遊技盤13の配置が想像線で図示される。
即ち、図134(a)では、盤面支持装置600の解除状態が、図135(b)では、盤面支持装置600の固定状態が、それぞれ図示される。なお、図135(b)に示す固定状態において、第3軸部材P63は、第1軸部材P61の真後ろ(水平方向背面側)に配置される。これにより、遊技盤13を介して回転後爪部材640を背面側へ押進するという簡易な作業をするだけで、回転後爪部材640が第1軸部材P61を中心に回転しすぎる(第3軸部材P63が第1軸部材P61よりも上方へ移動する)ことを防止することができる。従って、回転後爪部材640を固定状態における位置に的確に移動させることができる。
ここで、規制前爪部材630は、上述したように、ねじりバネNBaにより下垂背面板部621dに近接する方向の付勢力を付加されている。そのため、他の外力が作用しない場合において、規制前爪部材630は下垂背面板部621dに近接配置される。一方で、規制前爪部材630の湾曲面634と規制棒615とが当接することにより、規制前爪部材630の姿勢変化が規制される。
即ち、図134(a)、図134(b)、図135(a)及び図135(b)に示すように、盤面支持装置600が解除状態から固定状態に変化するにつれて、回転前爪部材620は延設部621a2が配設される正面側が傾倒する一方、規制前爪部材630は下垂背面板部621dから離反する態様で正面側が起き上がる。
詳述すると、規制棒615が、湾曲面634の内、正面側部分であって、第2軸部材P62を中心とした円と交差する抵抗部634aと当接する間(図134(a)から図135(a)までの間)は、規制前爪部材630は回転前爪部材620の傾倒動作に伴い正面側端部が起き上がる。換言すれば、回転前爪部材620の移動方向とは逆方向へ、規制前爪部材630が移動する。
一方、その抵抗部634aの背面側に連設される部分であって、第2軸部材P62を中心とした円に沿った円弧形状とされる非抵抗部634bが規制棒615と対向配置され、規制棒615と湾曲面634とが第2軸部材P62を中心とする円方向で当接しなくなると、規制前爪部材630の起き上がり動作は解除され、規制前爪部材630の傾斜延設板633側先端部が下垂背面板部621dに近接配置される(図135(a)から図135(b)参照)。
規制前爪部材630が起き上がり動作する角度範囲(図134(a)から図135(a)の間の範囲)においては、規制前爪部材630に対して、規制前爪部材630の正面側端部を傾倒させる方向の負荷である下向き負荷を加えたとしても、その下向き負荷により動作する際の規制前爪部材630の姿勢変化が、その下向き負荷に対向する方向へ向けた姿勢変化(起き上がり方向の姿勢変化)となるので、下向き負荷に対する反力が過大となり下向き負荷に対する規制前爪部材630の姿勢変化が規制される。
加えて、遊技盤13が背面側延設板621cの背面と当接することで、遊技盤13が奥に押し込まれないままでは、回転前爪部材620の回転が遊技盤13により規制される。
これにより、規制前爪部材630に下向き負荷がかけられることで回転前爪部材620が回転することを抑制することができる。そのため、例えば、正面枠14から規制前爪部材630に負荷がかけられた場合に、回転前爪部材620が傾倒動作することを抑制することができる。なお、本実施形態では、盤面支持装置600の解除状態において、正面枠14に配設される多機能カバー部材171が規制前爪部材630の傾斜延設板633と当接する位置関係となるように、正面連結板631bの形状、傾斜延設板633の長さ及び傾斜角度が設定される。
また、図134(b)に示す状態では、遊技盤13が背面側延設板621cの背面と当接することにより、遊技盤13が正面側に移動(傾倒)する際には背面側延設板621cと遊技盤13との間に擦れ摩擦が生じる。これにより、図134(b)の状態で遊技盤13が正面側に移動(傾倒)することを防止することができる。従って、後述する下側の盤面支持装置600(図136から図139参照)が、遊技盤13に負荷を与えた場合に、その反動で遊技盤13の上端部付近が正面側に移動(傾倒)することを抑制することができる。
ここで、盤面支持装置600の解除状態において、正面枠14(図89参照)を閉鎖した場合に、正面枠14からの負荷により回転前爪部材620が回転する構造の場合、正面枠14に配設される多機能カバー部材171と規制前爪部材630の当接の態様によって、盤面支持装置600が固定状態まで達する場合と、盤面支持装置600が固定状態まで達せず、中途半端な角度で安定する場合とが生じる可能性がある。
盤面支持装置600が中途半端な角度で安定し、その状態で正面枠14(図89参照)を閉じられるものとすると、ガラスユニット16(図86参照)の背面と遊技盤13の前面との間の距離が短くなってしまい、遊技に支障をきたす可能性がある。
これに対し、本実施形態では、正面枠14(図89参照)からの負荷により回転前爪部材620が回転することを抑制する構成を採用することで、正面枠14に配設される多機能カバー部材171と規制前爪部材630とが当接する場合は、正面枠14が閉鎖することを防止している。これにより、盤面支持装置600が固定状態となっていないことに正面枠14を閉鎖させる作業を行っていた店員に気づかせることができる。
これに気づけば、店員は、盤面支持装置600が固定状態となるまで遊技盤13を押し込むことになり、正面枠14(図89参照)を閉鎖した時のガラスユニット16の背面と遊技盤13の正面との間隔を安定させることができる。
加えて、本実施形態では、図135(a)に示すように、回転前爪部材620が固定状態となる直前の状態では、正面枠14に配設される多機能カバー部材171と規制前爪部材630の当接の態様によって、盤面支持装置600が固定状態まで達する場合と、盤面支持装置600が固定状態まで達せず、中途半端な角度で安定する場合とが生じる可能性は低い(専ら、盤面支持装置600が固定状態まで達する)。
そのため、本実施形態では、正面枠14が閉鎖位置とされた時に規制前爪部材630と当接可能な位置まで多機能カバー部材171が張り出されると共に、図135(a)に示す状態では、規制前爪部材630は規制棒615に姿勢を規制されないように構成される。
加えて、図135(a)に示す状態では、背面側延設板621cの背面と遊技盤13との当接は解除され、遊技盤13により回転前爪部材620の回転が規制されることは無い。
即ち、回転前爪部材620が固定状態となる直前の状態において規制前爪部材630に下向き負荷がかけられる場合には、回転前爪部材620の正面側端部が傾倒動作することを許容している。
これにより、遊技盤13が、盤面支持装置600を固定状態とする直前の位置に配置された場合(例えば、店員が遊技盤13を押し込む力が若干足りなかった場合であって、9割方安定して設置されている場合)にまで、正面枠14が閉鎖しないという事態を解消し、この場合に、正面枠14に配設される多機能カバー部材171から盤面支持装置600に負荷が与えられる場合には、その負荷で盤面支持装置600を固定状態に変化させることができる。
従って、遊技盤13を盤面支持装置600に固定する作業の作業性を向上させることができる。なお、本実施形態では、解除状態の盤面支持装置600に、遊技盤13を、遊技盤13の背面と盤面支持装置600の傾斜延設板643とが当接するように配置し(図134(a)参照)、遊技盤13を背面側に押し込むことで遊技盤13を固定することができる。即ち、遊技盤13によって回転後爪部材640を変位させ、それに伴って回転前爪部材620を回転させ、盤面支持装置600を固定状態に変化させる。この方法によれば、規制前爪部材630の正面側端部に下向き負荷が与えられないので、抵抗少なく盤面支持装置600を解除状態から固定状態に状態変化させることができる。
図135(a)に示す状態では、遊技盤13の正面と、盤面支持装置600の下垂背面板部621dの遊技盤13と対向する面とが前後方向で当接する。この状態で遊技盤13が正面側へ移動(傾倒)する際には、下垂背面板部621dを押しのけながら移動(傾倒)することになるので、回転後爪部材640を介して回転前爪部材620に与えられるねじりバネNBbの付勢力が、遊技盤13の正面側への移動(傾倒)に対する抵抗として付与される。これにより、図135(a)に示す状態で、遊技盤13が正面側に移動(傾倒)する可能性を低くすることができる。従って、後述する下側の盤面支持装置600(図136から図139参照)が、遊技盤13に負荷を与えた場合に、その反動で遊技盤13の上端部付近が正面側に移動(傾倒)することを抑制することができる。
また、図135(a)に示す状態から図135(b)に示す状態の間では、規制前爪部材630がねじりバネNBaの付勢力で傾倒し、非抵抗部634bが規制棒615と対向配置される(図135(b)参照)。この状態において、遊技盤13が正面側に移動(傾倒)し、遊技盤13が下垂背面板部621dを押すことで回転前爪部材620が回転する場合には、第1軸部材P61を中心とする円弧に沿う方向で、非抵抗部634bが規制棒615と当接し、その分、遊技盤13の正面側への移動(傾倒)に対する抵抗が大きくなる。
これにより、図135(a)に示す状態から図135(b)に示す状態の間において、遊技盤13が正面側に移動(傾倒)する可能性を低くすることができる。従って、後述する下側の盤面支持装置600(図136から図139参照)が、遊技盤13に負荷を与えた場合に、その反動で遊技盤13の上端部付近が正面側に移動(傾倒)することを抑制することができる。
また、湾曲面634の非抵抗部634bは、図135(a)に示す状態で規制棒615と当接する部分から、図135(b)に示す状態で規制棒615と当接する部分へ向けて第2軸部材P62を中心とした半径が徐々に大きくなる態様の湾曲面が形成される。
これにより、図135(a)に示す状態から多機能カバー部材171により傾斜延設板633が背面側へ押進され、回転前爪部材620が回転することにより第2軸部材P62が変位すると、非抵抗部634bと規制棒615とが一瞬だけ離間する。そのため、規制前爪部材630に規制棒615から与えられる抵抗が一瞬だけ低減することにより、規制前爪部材630は、ねじりバネNBaの付勢力により勢いよく下垂背面板部621dに近接し、図135(b)に示す状態に状態変化する。
従って、本実施形態のように、図135(b)に示す盤面支持装置600の固定状態において、多機能カバー部材171が規制前爪部材630や傾斜延設板633と離間する寸法関係であったとしても、図135(a)に示す盤面支持装置600の固定状態の直前の状態において正面枠14を閉鎖位置とすることで、多機能カバー部材171を規制前爪部材630や傾斜延設板633に当接させ、その後、盤面支持装置600を固定状態とすることができる。
なお、本実施形態では、遊技盤13が盤面支持装置600に固定されていない場合には、盤面支持装置600の状態に関わらず正面枠14を閉鎖位置に配置可能に構成される。即ち、背面側延設板621cの背側面が遊技盤13と当接せず、遊技盤13により回転前爪部材620の回転が規制されない状態では、盤面支持装置600は、多機能カバー部材171との干渉を避けて動作可能とされる(例えば、図134(a)に示す状態から、図135(a)に示す状態まで状態変化可能とされる)。従って、遊技盤13が配置されていない場合(例えば、盤面の交換時に、一時的に正面枠14を閉鎖状態としたい場合)にまで、正面枠14の閉鎖を規制することを避けることができるので、作業者の作業効率を向上させることができる。
なお、盤面支持装置600を固定状態から解除状態とする場合には、傾斜延設板633を正面上方側に引き、ねじりバネNBaの付勢力に抗して規制前爪部材630を回転させる。この際、規制棒615から受ける負荷は小さい(回転方向で湾曲面634と規制棒615とが当接していない)ので、軽い力で規制前爪部材630を回転させることができ、そのまま回転を継続させることで、盤面支持装置600を解除状態とすることができる。
なお、遊技盤13が固定された状態で盤面支持装置600を解除状態とすると、遊技盤13は、変位する回転後爪部材640により正面側へ押し出される(図134(a)参照)。そのため、盤面支持装置600が解除状態となった時に遊技盤13の前後位置が変化しない場合に比較して、遊技盤13を取り外す作業の作業性を向上させることができる。
また、図129(a)及び図134(a)に示すように、解除状態において、遊技盤13の上端面が盤面支持装置600の背面側延設板621cの下面と当接する。これにより、上下の盤面支持装置600を両方とも解除状態とした場合において遊技盤13が正面側に倒れる虞を解消することができる。
なお、上下の盤面支持装置600は、片方ずつ解除状態と固定状態とを切り替える操作を行うことが可能である。ここで、本実施形態のように、盤面支持装置600の状態変化に伴い遊技盤13が前後に移動する構成において、片方ずつ盤面支持装置600を操作すると、遊技盤13の前後位置が上下で食い違い、遊技盤13にかけられる負荷が過大となる虞がある。
これに対し、本実施形態では、上述したように、盤面支持装置600を解除状態とする際に操作される規制前爪部材630の動作と、回転前爪部材620及び回転後爪部材640の動作とが一致しない。換言すれば、図135(a)及び図135(b)に示すように、規制前爪部材630を変位させる量に比較して、遊技盤13を支持する回転前爪部材620及び回転後爪部材640が変位する量の方が小さい。
従って、規制前爪部材630が固定状態に戻らない程度(規制棒615に戻りを規制される程度)に規制前爪部材630を変位させる場合の、回転前爪部材620及び回転後爪部材640の変位量を抑えることができるので、上下の盤面支持装置600に支持される箇所における遊技盤13の前後位置のずれを抑えることができる。従って、遊技盤13にかけられる負荷を抑制できる。
また、回転前爪部材620に回転後爪部材640が回転可能に軸支されていることからも、同様の効果が生じる。即ち、固定状態(図135(b)参照)から解除状態(図134(a)参照)に移行する間に、回転後爪部材640はねじりバネNBbの付勢力に抗して回転前爪部材620と回転後爪部材640との間の角度を広げる方向に変位可能とされる。
従って、回転前爪部材620の変位量に比較して、遊技盤13が回転後爪部材640に押し出される変位量を抑えることができるので、上下の盤面支持装置600に支持される箇所における遊技盤13の前後位置のずれを抑えることができる。これにより、遊技盤13にかけられる負荷を抑制できる。
次いで、図136から図139を参照して、下側に配置される盤面支持装置600と正面枠14との関係について説明する。図136から図139は、図86のCXXXVI−CXXXVI線におけるパチンコ機8010の部分断面図である。なお、図136から図139では、正面枠14が簡易な形状で図示されると共に正面枠14の閉鎖状態が図示される。
また、図136では、盤面支持装置600の解除状態が、図137では、盤面支持装置600の固定状態が、図138では、盤面支持装置600が解除状態から固定状態側へ所定角度(約25°)回転した状態が、図139では、盤面支持装置600が固定状態とされる直前の状態が、それぞれ図示されると共に、盤面支持装置600に支えられる遊技盤13の板厚部分が想像線で図示される。
図136から図139では、盤面支持装置600と、正面枠14に固定される開閉規制部159との関係について説明する。なお、理解を容易とするために、図136及び図137で断面視された開閉規制部159を、図138及び図139では想像線で図示する。
図136に示すように、盤面支持装置600が解除状態とされる場合、正面枠14を閉鎖位置に配置すると(図136参照)、開閉規制部159と盤面支持装置600との干渉は回避されているものの、遊技盤13と開閉規制部159の上方における操作部背面部材155とが干渉する。そのため、盤面支持装置600の解除状態においては、遊技盤13が外れた状態では正面枠14を閉鎖することが許容されるが、遊技盤13が配置された状態では、正面枠14を閉鎖することが規制される。
図137に示すように、盤面支持装置600が固定状態とされる場合、正面枠14を閉鎖位置に配置すると(図137参照)、開閉規制部159と盤面支持装置600との干渉は回避される。加えて、遊技盤13が盤面支持装置600の解除状態の時の配置に比較して背面側に配置されることにより、遊技盤13と開閉規制部159の上方における操作部背面部材155との干渉が回避される。そのため、盤面支持装置600の固定状態においては、遊技盤13の有無に関わらず、正面枠14を閉鎖することが許容される。
図138に示すように、盤面支持装置600の回転前爪部材620が解除状態から固定状態側へ所定角度回転した状態とされる場合、正面枠14を閉鎖位置に配置すると(図138参照)、開閉規制部159と、盤面支持装置600の傾斜延設板633とが干渉する。
また、この状態において、傾斜延設板633に対して背面側向きの負荷を与えることで回転前爪部材620を回転させようとしても、規制棒615の作用により、回転前爪部材620の回転方向(図138時計回り方向)と規制前爪部材630の回転方向(図138反時計回り方向)とが逆方向となることにより反力が過大となるので、通常の負荷では困難であることについては上述の通りである(図134(b)参照)。
従って、図138に示す盤面支持装置600の状態においては、遊技盤13の有無に関わらず、正面枠14を閉鎖することが規制される。特に、遊技盤13が配設された状態においては、遊技盤13の正面側下端部と、背面側延設板621cとが上下方向で当接する虞があることから(図138参照)、より正面枠14の閉鎖を規制する作用が強くなる。
図139に示すように、盤面支持装置600の回転前爪部材620が固定状態となる直前の状態とされる場合、正面枠14を閉鎖位置に配置すると(図139参照)、開閉規制部159と、盤面支持装置600の傾斜延設板633とが干渉する。
また、この状態において、傾斜延設板633に対して背面側向きの負荷を与えることで回転前爪部材620を回転させようとする場合、規制棒615の作用により、回転前爪部材620の回転方向(図138時計回り方向)と規制前爪部材630の回転方向(図138反時計回り方向)とが逆方向となることは無く、通常の負荷で容易に押し込めることについては、上述の通りである(図135(a)参照)。
従って、図139に示す盤面支持装置600の状態においては、正面枠14を押し込むことで、開閉規制部159を介して規制前爪部材630を押し込み、盤面支持装置600を固定状態とすることができるので、正面枠14を閉鎖することが許容される。
図140は、外枠11及び内枠12の分解正面斜視図であり、図141は、外枠11及び内枠12の分解背面斜視図である。なお、図140及び図141では、球発射ユニット112a及び裏パック92の背面を閉じるカバー部材が内枠12から分解された状態が図示される。
球発射ユニット112aの詳細な構造について、図142から図148を参照して説明する。図142(a)は、球発射ユニット112aの正面斜視図であり、図142(b)は、球発射ユニット112aの背面斜視図である。図143(a)及び図143(b)は、球発射ユニット112aの分解正面斜視図である。なお、図143(a)では、カバー部材721が開放された後に分解された状態が図示され、図143(b)では、球受部材731が分解された後に前後反転された状態が図示される。即ち、図143(b)では、球受部材731のみは、背面側が図示される。
図142及び図143に示すように、球発射ユニット112aは、金属またはダイカストから形成されるベース部材710と、そのベース部材710に組み付けられる樹脂製の基礎部材711の右側辺を中心として、ベース部材710の正面を部分的に被覆する閉鎖状態(図142(a)参照)と、ベース部材710の正面を開放する開放状態(図23(a)参照)との間で回動可能に軸支持されるカバー部材721を有する球送り装置720と、を主に備える。
ベース部材710は、カバー部材721を支持する部材であってベース部材710に弾性変形するフック等で係止されベース部材710の正面側に配設されると共に合成樹脂等から形成される基礎部材711と、正面側に配設される発射用ソレノイド701と、その発射用ソレノイド701によって打ち出された球P8を遊技領域へ向けて案内する発射レール730と、球受部材731の姿勢を規制するためにベース部材710から正面側へ一直線上に膨出される膨出部716aの中間位置において正面側へ円筒状に凸設され球受部材731を締結固定するネジが螺入される締結部716と、複数の取付孔718と、複数の位置決め凸部719と、を主に備える。
基礎部材711は、右隅部において棒状部722が挿通される一対の受部712と、その受部712の左右方向反対側においてフック部723を係止可能に穿設される係止部713と、その係止部713の右側に近接して正面側に凸設される凸設部714と、カバー部材721の閉鎖状態(図142(a)参照)において吸着力発生ソレノイド741と対向配置して凸設される不具合判定凸部715と、を主に備える。
凸設部714は、カバー部材721の閉鎖状態(図142(a)参照)において切断用金属部材725の上面側を覆う部分であって、カバー部材721の閉鎖状態において球通過開口724の左内側面724cと対向配置されると共に左内側面724cと平行な平面として形成される対向平面714aと、その対向平面714aと左右反対側の面であって、背面側へ向かうほど右方へ傾斜する傾斜面714bと、を主に備える。
不具合判定凸部715は、吸着力発生ソレノイド741がカバー部材721に締結固定される場合には、吸着力発生ソレノイド741とは当接しない一方で、吸着力発生ソレノイド741の締結が緩んだ状態(カバー部材721から浮いた状態)では当接し、カバー部材721の回転を規制する凸設高さで形成される。
そのため、吸着力発生ソレノイド741の締結が緩んだ状態でカバー部材721が閉鎖状態とされることを防止することができ、カバー部材721を閉鎖状態にできない場合を形成することにより、店員に吸着力発生ソレノイド741の締結が緩んでいることに気づかせることができる。従って、球発射ユニット112aの不具合が発生する前に、未然に修理(吸着力発生ソレノイド741をカバー部材721に緩みなく締結固定すること)を行うことができる。
球送り装置720は、基礎部材711に回転可能に軸支持されるカバー部材721と、そのカバー部材721の内部へ進入した球P8の流下を規制する規制状態と、球P8(図144参照)の発射レール730への流下を許容する許容状態とで状態変化するように制御される切替装置740と、を主に備える。
カバー部材721は、光透過性の樹脂材料から背面側(図143(a)の姿勢において紙面手前側)が開放されたカップ形状に形成され、基礎部材711の受部712に遊嵌される一対の棒状部722と、その棒状部722の左右反対側において鉤状に形成されるフック部723と、そのフック部723よりも棒状部722側へ変位した位置において球P8(図144参照)が通過可能な大きさで前後方向に穿設される球通過開口724と、その球通過開口724の内側端部における下縁から若干上方へ張り出す位置関係で配設される切断用金属部材725と、切替装置740の球案内腕部材742を軸支する軸棒部726と、を主に備える。
切替装置740は、カバー部材721に締結固定される吸着力発生ソレノイド741と、一端が軸棒部726に遊嵌される合成樹脂製の部材であって、吸着力発生ソレノイド741が磁力を発生するか否かにより回転し姿勢が変化する球案内腕部材742と、その球案内腕部材742の上面に係止される板金部材であって吸着力発生ソレノイド741に吸着される金属板743と、球案内腕部材742の一部であって球通過開口724の下方に配置され球通過開口724から離れるほど下降傾斜する案内傾斜部744と、その案内傾斜部744の基部から上方へ球P8を収容可能な間隔だけ延設され、延設端が軸棒部726と直交する平面に沿って球通過開口724側へ張り出される規制張出部745と、を主に備える。
球通過開口724は、球P8(図144参照)を案内可能な通路を形成する開口であって、回動径方向に沿ってフック部723から離反する方向に下降傾斜する流下板部724aと、その流下板部724aの上方に対向配置され球通過開口724の上面から下方にリブ状に延設され、延設先端面が背面側へ向かうにつれて下降傾斜するリブ部724bと、流下板部724aの左端部と連設され、面が上下方向に沿って形成される左内側面724cと、を主に備える。これらの構成により、球通過開口724に流入した球P8は、背面方向かつ右方へ向けて流下する。
カバー部材721の閉鎖状態(図142(a)参照)において、球P8(図144参照)が球通過開口724に進入した場合、その球P8は傾斜面714bと当接し、その傾斜面714bの傾斜に沿って右方へ位置ずれしながら背面側へ流下する。そのため、球P8は切断用金属部材725から左右方向に離反する態様で流下するので、切断用金属部材725を球通過開口724の内側に張り出す態様で配置しながらも、球P8と切断用金属部材725とが衝突することを防止することができる。
発射レール730は、ベース部材710の中間位置から左側に向けて上方に傾斜するように延設されるレール部材である。そのレール部材の下端付近において、球P8(図144参照)の直径よりも短い間隔を空けて配置される球受部材731が配設される。
球受部材731は、発射レール730の延設方向と、長尺とされる方向とを平行とする姿勢に規制されると共にベース部材710に締結固定される長尺板部材であって、長尺方向に沿って長い長孔として形成されると共に締結ネジを通過させるための貫通孔731aと、膨出部716aと同様に一直線(貫通孔731aを通り貫通孔731aの長孔方向を向く直線)状に形成され、膨出部716aの幅よりも若干大きな幅かつ膨出部716aの膨出高さよりも若干大きな溝深さで形成される規制溝731bと、を備える。
球受部材731をベース部材710に締結固定する際には、貫通孔731aのどの位置を締結部716と合わせて締結固定するかを選択する際に、球受部材731を膨出部716aが膨出される直線に沿ってスライドさせることができ、これにより、球P8(図144参照)の待機位置(プランジャ702との離間距離)を調整することができる。従って、球受部材731の位置を調整することにより、球P81の発射強度(操作ハンドル51(図86参照)を同じだけ回転させたときの発射強度)を容易に調整することができる。なお、球受部材731の規制溝731bが膨出部716aにガイドされるので、球受部材731の姿勢を不変とすることができる。
発射レール730は、金属板を屈曲することにより略M字形の断面形状に形成され、略V字形の断面形状に形成され左斜め上方に向けて延設される転動板部730aと、転動板部730aの前後辺から垂下される取付板部730b,730cとを有し、取付板部730b,730cに複数(本実施例では2つ)形成された取付孔732に挿通されるネジでベース部材710に取付けられる。
また、取付板部730b,730cの間における長手方向にかけて合成樹脂材から形成されるレールガード733が設けられており、金属製のレールと金属製の遊技球との接触により生じる音や振動等が抑制されている。
転動板部730aは、略V字形の断面形状をなす転動面を有し、球P8(図146(b)参照)の周面における前後の2箇所にそれぞれ接触して球P8を上方へ案内するように構成される。
図144(a)から図144(c)は、球送り装置720による球の送り出し状況を時系列で示す球発射ユニット112aの正面図である。なお、図144(a)から図144(c)では、理解を容易にするために、カバー部材721の図示が省略される。
球送り装置720は、図144(a)に示すように、切替装置740が規制状態(吸着力発生ソレノイド741への電力の供給が停止され、球案内腕部材742が重力で降りている状態)であるときは、球通過開口724の背面側開放端に対応する位置に規制張出部745が配置され、球通過開口724に進入した遊技球P8に当接して、背面側開放端からの流下が規制される。
次いで、図144(b)に示すように、切替装置740が許容状態(吸着力発生ソレノイド741へ電力が供給され、球案内腕部材742が上昇した状態)に変化されると規制張出部745が球の上方へ退避し、球P8の流下規制が解除されることにより、球P8が案内傾斜部744上方に流入する。この状態において、球P8は基礎部材711の正面側壁と当接することでそれ以上の流下が規制されており、案内傾斜部744の上面で滞留する。
次いで、図144(c)に示すように、再び球案内腕部材742が規制状態に復帰することにより、案内傾斜部744に乗った球P8が基礎部材711の正面側壁と当接しない位置まで下降される。これにより、球P8は、案内傾斜部744の傾斜に従って背面側に誘導され、発射レール730に誘導される。
なお、図144(c)における球案内腕部材742の状態は、図144(a)に図示される状態と同じなので、図144(c)に示す状態においても、球通過開口724に進入した球の流下が規制される。従って、球を1球ずつ、発射レール730へ供給することができる。なお、球通過開口724に進入する球P8は、上皿17(図86参照)の下流側端部に形成される開口から供給される球であって、上皿17に貯留されていた球である。
図145は、切断用金属部材725の正面斜視図である。切断用金属部材725は、カバー部材721に締結固定される金属製の板部材であって、カバー部材721に螺入されるネジが挿通可能に穿設される貫通孔725aと、流下板部724aの上面とほぼ沿う上辺を有する下側刃部725bと、その下側刃部725bとの間に先端が鋭角の切れ込みを形成すると共に、下側刃部725bの基端側の板と同一の板から延設される上側刃部725cと、を主に備える。
上側刃部725cは、先端が下側刃部725bよりも背面側へ向けて傾斜し、下辺が流下板部724aよりも上方へ張り出すように形成される。なお、上側刃部725cの下辺は基端側(左側)へ向かうほど下降傾斜し、下側刃部725bの上辺は基端側(左側)へ向かうほど上昇傾斜する。即ち、上側刃部725c及び下側刃部725bは、正面視でテーパ形状を形成する。
上側刃部725cと下側刃部725bとの間の切れ込みは、球に固着されたタコ糸などの糸部材を切断するためのものである。次いで、図146及び図147を参照して、球P8に糸Y8を固着させて進入させた場合に糸Y8がどのような扱いを受けるかについて説明する。
図146(a)は、球発射ユニット112aの正面図であり、図146(b)は、図146(a)の矢印CXLVIb方向視における球発射ユニット112aの部分上面図であり、図147(a)は、球発射ユニット112aの正面図であり、図147(b)は、図147(a)の状態における糸Y8と切断用金属部材725との関係を示す、切断用金属部材725の正面斜視図であり、図148は、球P8の発射後における球発射ユニット112a、内レール61及び外レール62の部分正面図である。なお、図146及び図147では、理解を容易とするために、球発射ユニット112aの一部の構成部材の図示が省略される。
図146(a)及び図146(b)に示すように、発射レール730へ誘導された球P8は、球受部材731の左側下縁部と当接した状態で留まり(図146(a)参照)、この状態から発射用ソレノイド701に電流が流され、プランジャ702が勢いよく張り出すことにより、球P8に発射力が与えられ、球P8が発射レール730に沿って打ち出される(図147(a)参照)。
ここで、球P8に糸Y8の一端を固着した状態で球P8を打ち出し、球P8を遊技領域に入れた状態で、手元に残してあった糸Y8の他端を動かし、糸Y8を引っ張ったり、緩めたりすることで、球P8を入賞口に繰り返し検出させる不正行為が知られている。
これに対し、本実施形態では、球P8に固着される糸Y8を、球P8の発射の勢いを利用して切断可能に構成される。詳述すると、球P8が発射待機位置に配置された場合(図146(a)参照)、糸Y8は流下板部724aの上面に、背面側に向かう程右側へ寄せられる姿勢で乗ることになる(図146(b)参照)。
この状態で球P8が打ち出されると、流下板部724aの下側を通り発射レール730を転動する球P8に引っ張られて糸Y8が移動するところ、糸Y8の中間部分は流下板部724aの上面に沿って移動するので、糸Y8が流下板部724aの上方に張り出す上側刃部725cの下側に入り込むことになり、下側刃部725b及び上側刃部725cで形成される切込みに入り込む。
糸Y8の手前側の端部(他端)は遊技者が把持しているところ、球P8に固着されている糸Y8の一端に球P8の発射に伴う負荷がかけられることで、糸Y8には大きな引張力がかけられる。これにより、糸Y8が下側刃部725b及び上側刃部725cで形成される切込みに押し付けられることになり、ついには切断される(図148参照)。これにより、球P8を入賞口に繰り返し検出させる不正行為を防止することができる。
なお、球P8の発射強度が弱い場合、糸Y8に十分な引張力が加わらず、糸Y8が切断されない虞が考えられるが、その場合には、球P8は遊技領域までは到達せず、内レール61及び外レール62の間を逆流し、ファール球受口部146を通過し、ファール球通路部145を流下し(図98参照)、下皿50へ排出される(図86参照)。そのため、この状態では、糸Y8にいくら負荷を加えても、球P8が入賞口を通過することは無いので、球P8を入賞口に繰り返し検出させる不正行為が発生することを無くすことができる。
次いで、図149から図179を参照して、演出動作ユニット1000について説明する。図149は、遊技盤13の正面図であり、図150及び図151は、演出動作ユニット1000の分解正面斜視図であり、図152は、演出動作ユニット1000の分解背面斜視図である。なお、図149に示す遊技盤13は、図2に示す遊技盤13との比較において、センターフレーム86の上枠部から花弁動作装置800が視認可能とされることが主な違いであり、その他の構成は、略同一とされる。
上記センターフレーム86の上枠部には、図150から図152に示す演出動作ユニット1000が配設されている。演出動作ユニット1000は、花弁動作装置800、側方基材1000S、基板カバー1000C、背面板1100及びその背面板1100に配設される進退動作ユニット900等を有して構成されている。
進退動作ユニット900は、駆動モータ921の駆動力により花弁動作装置800を上下に昇降動作(進退動作、即ち、第3図柄表示装置81の表示領域の内方へ向けて進出する動作と、第3図柄表示装置81の表示領域の外方へ向けて退避する動作との少なくとも一方を含む動作)させることに関わる複数の可動部材から構成され、一方の端部に花弁動作装置800が連結され、他方の端部が背面板1100に軸支されると共にアームギア924を介して駆動モータ921の駆動力が伝達されることで回動動作する駆動側アーム部材910と、その駆動側アーム部材910を駆動させる駆動力を発生する駆動モータ921と、その駆動モータ921の駆動力を駆動側アーム部材910に伝達する複数のギアから構成される伝達手段920と、駆動側アーム部材910の回動動作と連動して左右方向にスライド動作する薄板状のスライド板930と、そのスライド板930のスライド動作と連動して回動する薄板状の第2演出部材940と、駆動側アーム部材910の左右反対側において、背面板1100及び花弁動作装置800を連結する長尺板状の従動側アーム部材950と、を主に備える。
次いで、花弁動作装置800の構造について説明する。図153は、花弁動作装置800の正面図であり、図154は、図153のCLIV−CLIV線における花弁動作装置800の断面図である。なお、図154では、支持基材801が想像線で模式的に図示される。
花弁動作装置800は、支持基材801に、花弁802等の部材が支持されて構成されている。支持基材801は、図152にも示すように、花弁802等の背面側に配置され、全体形状は他の部材に隠れて図に表れていないが、樹脂材料から形成され、略矩形の板状部と、その板状部の背面に配設される基板とを備える。
支持基材801の中央本体部における上端部右寄りの位置には中央モータ804が後側から固定され、その中央モータ804の駆動軸が、支持基材801に形成される小幅の間隙部を通して前側に突出し、その先端に後述の第1ギア804G(図156参照)が固定されている。
支持基材801の中央本体部における中央モータ804のやや左下方の位置には開口801Pが穿設され、その開口801Pの右方に配設され、後方へ一対の円筒状に延出し、内部に挿入穴を有し、先端部に螺子挿通孔を有する螺子挿通部801Sが一体的に形成されている。螺子挿通部801Sの周囲には、後述する遊嵌装置880の検出用円弧板880dが通過可能なドーナツ状に正面側から背面側へ凹設されるドーナツ状凹設部801D(図152参照)が形成される。
中央モータ804が固定される支持基材801(図152参照)の、中央モータ804の下方には、オイルダンパ805が前側から固定されている(図156参照)。
支持基材801の前側には、中央部の縦長の概略長円状の領域を開放しつつその周縁領域を前方から覆うように、装飾部材807が配置固定されている。その装飾部材807は、上端部領域を構成する横長の上側部と、該上側部以下の領域を構成する概略U字形状の下側部とから分割構成されている。
本実施形態では、支持基材801は全体として上下にやや長く延びる形状となっているが、花弁動作装置800が後述するように上下に移動可能に配設されるものであるため、支持基材801が左右に長い形状に成形されるよりも上下に長い形状に成形されるほうが、動作スペースを少なくできる。
このとき、中央モータ804およびオイルダンパ805はそれぞれ、後述するように開口801Pの位置に重ねるように同心に配置される第2ギア830G及び第3ギア810Gに連動連結(リンク)されるため、それぞれ第2ギア830G及び第3ギア810Gの外周であって互いに干渉しない位置であれば任意の位置に配置することができるが、本実施形態では、第2ギア830G及び第3ギア810Gを介してそれぞれ右方に配置される(図156参照)。
これにより、図154に示すように、正面側に若干傾倒する姿勢で支持される花弁動作装置800の右半分に重量を集めることで、逆側の左半分が下方に垂れることを防止することができる。そのため、支持基材801と、その支持基材801の左半分に連結される駆動側アーム部材910(図152参照)との間隔が開くことを防止することができ、駆動側アーム部材910を介して支持基材801に適切に駆動力を伝達することができる。
図155は、花弁動作装置800の分解正面斜視図であり、図156は、花弁動作装置800の分解背面斜視図である。なお、図155及び図156では、理解を容易とするために、支持基材801の図示が省略される。
花弁802は、図155及び図156に示すように、全体として開花状態のハイビスカスの花を構成する、互いに分離した5枚の花弁のうちの1枚の形状をそれぞれ模して成形された樹脂製の部材として形成され、背面側に板状の平板部材803を備える。
図157(a)は、花弁802、平板部材803及びスライド部材820の分解正面斜視図であり、図157(b)は、花弁802、平板部材803及びスライド部材820の分解背面斜視図である。
花弁802のそれぞれは、配置状態で径方向に延びる略円弧形状の正面形状を有し、中心から外周へかけて、前方へ緩やかに膨出するように湾曲する形状となっている(図154参照)。
花弁802の表面には多数の皺を含む不規則な凹凸が形成され、周縁も正面視不定形に凹凸する形状となっている。5枚の花弁802は互いに厳密には同一形状とはなっておらず、凹凸等に僅かな相違があるが、おおよそ同様の形状に成形されている。花弁802の大部分は、特定色(赤色)を有するがほぼ透明に近く、外周縁部は、内側領域との間に特に境界を形成することなく、上記特定色(赤色)が濃くなるように着色がなされている。
各花弁802は、各花弁802の後側面における外周近傍と、径方向中央部との2箇所にそれぞれ、後方へ円筒状に延出し内部に螺子穴を有する螺入部802Sが一体的に形成されている。
花弁802は、平板部材803に締結固定される位置から先端丸形状側(正面視反時計回り側、図157(a)紙面右側)に配置される後側部802aよりも、その後側部802aから先端鋭利形状側(正面視時計回り側、図157(a)紙面左側)に配置される前側部802bの方が、正面側に配置される。換言すれば、前側部802bの方が、後側部802aよりも、遊嵌装置880の背面カバー886に近接配置される。
各花弁802の前側部802bは一方に隣接する花弁802の後側部802aの前側に重ねられ、後側部802aは他方に隣接する花弁802の前側部802bの後側に重ねられ、こうして5枚の花弁802が内周側の先端を同一中心にむけて集結するように配置されている。
花弁802は、後側部802aと前側部802bとが前後で位置ずれする形状とされることで、集結位置(図174及び図175参照)において後側部802aと前側部802bとを前後で重ね合わせる位置関係とすることができるので、集結位置と、全開位置(図178及び図179参照)とにおける花弁802全体での形状の差(大きさの差)を顕著にすることができる。
5個の花弁802は、配置状態で全体として、中心部に円状の開口部S1を有する円板形状(ドーナツ形状)の後側面を有する(図155参照)。
平板部材803は、図155、図156及び図157に示すように、上記5枚の花弁802にそれぞれ固定される、互いに分離した長尺板状の樹脂製の部材となっている。
平板部材803のそれぞれは、配置状態で中心から外周側へ概略長方形状に延設される正面形状を有し、さらにその外周縁部が前方へ延出する形状となっている。
また、配置状態にある平板部材803の後側面における開口部S1の近傍(内周近傍)には、後方へ円筒状に延出し内部に螺子穴を有する一対の螺入部803Sが、周方向(平板部材803の短手方向)に離れた位置に一体的に形成されている。
螺入部803Sは、各平板部材803の周方向(短手方向)の両側壁にほぼ面位置とされる配置で形成され、さらに、この平板部材803の両側壁に沿う部分に、一対の螺入部803Sを結ぶ直線に対し垂直であって平板部材803の後側面よりも後方へ矩形状に延出するスライドリブ803aが、螺入部803Sの周面に外接する面方向に沿って両側へ延出するように、螺入部803Sの周壁と一体的に形成されている。
図157(b)に示すように、各平板部材803の後側面には、上記花弁802の螺入部802Sに対応する2箇所にそれぞれ、内部に螺子挿通孔を有し、正面側で花弁802の螺入部802Sが位置決めされる挿入穴を有する螺子挿通部803Hが一体的に形成されている。
各平板部材803の螺子挿通部803Hにはそれぞれ、対応する花弁802の螺入部802Sが前方から当接されて、後側からネジが螺入され、これにより各平板部材803が対応する花弁802にそれぞれ固定される。
図158は、スリット部材810の正面図であり、図159は、スリット部材810の正面斜視図である。なお、図158及び図159の説明では、図155及び図156を適宜参照する。平板部材803の後側には、図155及び図156に示すように、スリット部材810が配置される。
スリット部材810は、図158に示すように、同様の5つの形状部分が円環状に連続する正面形状を有する樹脂製の板状部材となっており、中央部には円状開口811が穿設され、図159に示すように、その円状開口811の周縁から前後両方向に概略円筒状の前側周壁部812及び後側周壁部813(図156参照)が延出している。
図156に戻って説明する。後側周壁部813には、周方向に等間隔をおいた5箇所の内、隣り合う2箇所と、その2箇所を除く3箇所の内の真ん中の1箇所とにそれぞれ、前後に円筒状に延び内部に螺子穴を有する螺入部813Sが一体的に形成され、且つ、上述の5箇所の内、螺入部813Sが形成されなかった箇所の先端縁から、位置決めボス813aが延出される。それら螺入部813S及び位置決めボス813aに対応する5箇所で、後側周壁部813が外径方向に膨出するように構成される。この膨出部分の目的の一つとして、摺動摩擦を抑えることがあるが、詳細については後述する。
スリット部材810は、図158に示すように、中央スリット814及び両側スリット815を備える。中央スリット814はそれぞれ、円状開口811よりやや外側の位置からさらに外側へ直線状に延びるように形成されている。ただし、円状開口811の中心から外側へ向かう方向、すなわち円状開口811の径方向D11に対し、中央スリット814は正面視反時計回り方向に角度θ11(本パチンコ機8010では約15°)だけ傾斜した方向D12に沿って延びている。
両側スリット815は、中央スリット814の両側に若干の間隔をおいて平行に延びるように形成されている。
このように中央スリット814及びその両側の両側スリット815の3本のスリットよりなる組が、周方向に5箇所、互いに等間隔(72°間隔)で形成されている。なお、中央スリット814及び両側スリット815の各端部は正面視丸状(半円状)に形成されても良いし、矩形状に形成されても良い。
本実施形態では、これら3本のスリットよりなる組において最外側に位置する両側スリット815の外側縁の一端、即ち3本のスリットにおける4隅部の内、小径側の2隅部は、両側スリット815の延長方向に概ね矩形状をなしてやや延出する(矩形状の切れ目が入る)形状となっている。この矩形状の延出部(切れ目)は、平板部材803におけるスライドリブ803aを嵌入させるためのものである。
スリット部材810は、中央スリット814及び両側スリット815が形成される平板の側端部に連結され、中央スリット814及び両側スリット815の外周側端部よりも小さな外径で形成されると共に、外径が円状開口811の中心と中心が一致する円弧形状で形成される円弧板816を備える。
これにより、円弧板816により、中央スリット814及び両側スリット815が形成される平板の剛性が増強されている。従って、中央スリット814及び両側スリット815が形成される平板が周方向や軸方向に変形することを抑制することができる。
また、上述の通り、図158に示すように中央スリット814及び両側スリット815よりなる組が、それぞれ円状開口811の径方向D11に対して傾斜した方向D12に沿って延びているので、その分、5組の中央スリット814及び両側スリット815が内側へ寄り合うようにして、より密に配置形成されており、これによってもスリット部材810の外形がコンパクト化されている。
換言すれば、仮に5組の中央スリット814及び両側スリット815が円状開口811の径方向D11に対して傾斜せずにこの径方向D11に沿って放射状に延びるように配置形成されたとした場合よりも、上述の通り傾斜した方向D12に沿って延びるように配置形成された場合のほうが、5組の中央スリット814及び両側スリット815をより密にレイアウトすることができ、その分、スリット部材810の外周形状をより小さくすることができる。
中央スリット814及び両側スリット815には、図155および図156に示すように、スリット部材810の後側から、スライド部材820が配置される。スライド部材820は、図157に示すように、長尺板状の正面形状を有する樹脂製の部材であって、スライド部材820の両端部において厚みが小とされ先端部が正面視半円形状に成形される延出部と、その延出部の間の位置において演出部よりも厚みが大きく膨出される中央部と、延出部に穿設される螺子挿通孔821と、スライド部材820の中央から正面側に凸設され組立状態において中央スリット814に挿通される案内ピン822と、スライド部材820の中央から背面側へ突出する態様で前後に貫通させるようにして固定されるスライドピン823と、を備える。
スライド部材820は、図155及び図156に示すように、スリット部材820における中央スリット814及び両側スリット815の3本のスリットの延設方向と長尺方向を直角に交差させる姿勢で、中央スリット814及び両側スリット815に渡るように配置される。
一方、スリット部材810における中央スリット814及び両側スリット815には、平板部材803の螺入部803Sが前側から嵌入される。十分に嵌入した状態では、平板部材803の螺入部803Sはスリット部材810の後側面よりもごく僅かに後方へ突出する。この状態で、スライド部材820の両側の螺子挿通孔821にそれぞれ後側から座金付ネジ(ワッシャヘッドネジ)824が挿通され、平板部材803の螺入部803Sに螺入されて固定される。
これにより、スライド部材820が、間にスリット部材810を介在させて平板部材803の後側に固定される。このとき、スライド部材820の案内ピン822がスリット部材810における中央スリット814に殆ど隙間なく挿入され、平板部材803のスライドリブ803aが、スリット部材810における両側スリット815の対応する外側縁に沿って殆ど隙間なく挿入される。
これにより、平板部材803がスリット部材810における中央スリット814及び両側スリット815にスライド自在に保持され、このとき、平板部材803が、案内ピン822を中心に回ることなく一定の外側方向を向いた体勢でスライド移動するように、スライドリブ803aにより規制される。
図160は、スライド部材820及び中央モータ804の正面斜視図であり、図161(a)及び図161(b)は、スライド部材820及び中央モータ804の背面斜視図である。なお、図161(a)では、第4ギア880Gの図示が省略される。なお、図160及び図161の説明では、図155及び図156を適宜参照する。
上述のように平板部材803がスライド自在に取り付けられたスリット部材810には、さらに後側から回転板830が配置される。回転板830は、図160及び図161に示すように、中央に円状の枢支開口831を有する樹脂製の円板となっている。
回転板830は、図160に示すように、前面側において、枢支開口831の周縁から周壁が前方へ延出し、その周壁の周りに形成されるガイドレール832を備える。
ガイドレール832は、回転板830の前側面から周壁が前方へ延出し、この周壁が、回転板830の面方向に沿って、正面視細長のループ状に閉じるように延びる形状となるように、回転板830に一体的に形成されている。
ガイドレール832の周壁の延出高さは枢支開口831の周縁における周壁の延出高さと同一となっている。ガイドレール832の内側の幅は、遊び程度の僅かな隙間をもってスライドピン823を挿入し得る程度となっている。ガイドレール832の周壁の延出端における稜角部は角落ちするように形成されている。
ガイドレール832は、枢支開口831の周縁における周壁の外側に接する位置から、枢支開口831の接線と法線との略中間の方向に沿って正面視時計回り方向側へ延び出し、この後、この中間の方向よりも、さらに正面視時計回り方向側へ向けて弧状に湾曲しながら、回転板830の外周近傍の位置まで延びている(図175(a)参照)。
ガイドレール832における枢支開口831側端部、すなわち中心側端部において枢支開口831の周縁部に外接する部分の周壁は、枢支開口831の周縁における周壁と一体的に連続するように形成され、その前端部は枢支開口831の周縁における周壁の前端部よりの正面側に張り出している。
枢支開口831の周縁における周壁の周りには、上述と同様にしてあと4本のガイドレール832が形成され、全体として5本のガイドレール832が、等間隔をおいて、枢支開口831の周りから外側へ渦巻き状に拡がるように延びている。
回転板830の後側面においては、図161に示すように、枢支開口831の周縁から周壁状に後方へ延出し、その外周に歯を有する第2ギア830Gが一体的に形成されている。第2ギア830Gは、前記第1ギア804Gに噛み合うように配置され、中央モータ804により回転駆動される。
回転板830は、図154に示すように枢支開口831をスリット部材810の後側周壁部813に外嵌するようにして取り付けられる。このとき、前記スライド部材820から後方へ突出している5本のスライドピン823の後端部を、それぞれ5本のガイドレール832に挿入する(図174(c)参照)。
スリット部材810における後側周壁部813の外周面は前述の通り5箇所で局部的に膨出しているので、回転板830の枢支開口831の内周面に対して面的にではなく線的に接触し、これにより回転板830の枢支開口831がスリット部材810の後側周壁部813に摩擦抵抗の少ない状態で外嵌されて回転板830がスムーズに回転自在に枢支される。
第2ギア830Gの後側にはさらに、図161(a)に示すように、第2ギア830Gよりやや小径で枢支開口831より大径の第3ギア810Gが同心となるように配置固定され、オイルダンパ805のダンパギア805Gに噛み合うように配置される。
第3ギア810Gの中央には、円状の枢支開口810aが穿設され、その枢支開口810aの周囲には、前記スリット部材810(図156参照)の後側周壁部813における3箇所の螺入部813Sに対応する位置に螺子挿通孔810bが、2箇所の位置決めボス813aに対応する位置に位置決め孔810cが、それぞれが穿設されている。
第3ギア810Gは、前記スリット部材810の後側周壁部813に外嵌された第2ギア830Gの後側に重ねるようにして配置され、スリット部材810の後側周壁部813に対し、位置決めボス813a(図156参照)を位置決め孔810cに挿入することにより位置決めし、螺子挿通孔810bを通してネジ(図示せず)を螺入部813S(図156参照)に螺入することにより固定される。
これにより、スリット部材810が第3ギア810Gを介してオイルダンパ805のダンパギア805Gに連動連結(リンク)されてオイルダンパ805により制動されるとともに、第3ギア810Gが抜け止めとなって回転板830がスリット部材810の後側周壁部813に離脱しないように保持される。
図155及び図156に示すように、スリット部材810の前側からは、中央軸回転装置850が配置される。中央軸回転装置850は、支持基材801に締結固定される(図154参照)中央軸部材851と、その中央軸部材851を中心に回転可能に遊嵌される遊嵌装置880と、を主に備える。
図162は、中央軸回転装置850及び遊嵌装置880の分解正面斜視図であり、図163は、中央軸回転装置850及び遊嵌装置880の分解背面斜視図である。
図162及び図163に示すように、中央軸部材851は、円筒の周壁の一部が軸方向に沿って切り取られた不完全な円筒状に形成される軸部852と、その軸部852の前側端に拡径するように円板状に形成されるフランジ855と、を備え、軸部852及びフランジ855が一体的に形成される。
フランジ855の中央部は軸部852の内部と連通して円状に開口し、これにより軸部852の内部を前後に貫通する内腔部856が形成されている。フランジ855の前側面における内腔部856の周囲には、内腔部856を挟んだ左右2箇所に、内部に螺子穴を有する前側螺入部857と、その前側螺入部857から内腔部856側へずれた位置において座グリを有する形状で背面側へ向けて穿設される保持部858と、円柱状に前方へやや短く延出する2つの支持突起859とがそれぞれ一体的に形成されている。前側螺入部857の正面側先端と、支持突起859の基部とは、同一の延出高さを有している。
内腔部856の内周面には、対向する2箇所に並行するように軸部852の軸方向に沿って円柱状に延び、軸部852の後側端よりさらに後方まで延出し、内部に螺子穴を有する後側螺入部853が一体的に形成されている。また、軸部852の周壁の後側端において両後側螺入部853から等距離にある位置には、後側位置決めボス854が後方へ突出するように一体的に形成されている。
図162及び図163に示すように、中央軸部材851の前側には、LED基板861が配置される。LED基板861は、中央軸部材851のフランジ855より若干小径の略円板状の基板となっている。
LED基板861には、中央軸部材851の前側螺入部857および前側位置決めボス854に対応する位置に、螺子挿通孔862及び位置決め孔863がそれぞれ形成されている。
中央軸部材851の前側位置決めボス854をLED基板861の位置決め孔863に挿入して位置決めし、LED基板861の螺子挿通孔862を通してネジを中央軸部材851の前側螺入部857に螺入することにより、中央軸部材851のフランジ855の前側を覆うようにLED基板861が固定される。
また、LED基板861には、中央軸部材851の保持部858と対応する位置に、中心装飾部材868の螺入部869を内嵌可能な大きさで挿通孔864が穿設される。
LED基板861の前側面には、図162に示すように、中央の1箇所と、この1箇所の周囲に多重(2重)に拡がる同心円上に等間隔をおいて並ぶ多数箇所とに、前向きLED865がそれぞれ配置固定され、前方へ向けて発光するようになっている。
LED基板861の前側面および後側面における外周縁近傍には、周方向に等間隔をおいて並ぶ多数箇所に、横向きLED866が配置固定され、LED基板861の径方向に沿って外側へ向けて発光するようになっている。なお、LED基板861の前側面における横向きLED866は、前向きLED865と同心円状に交互に配設される。LED基板861の後側面には、コネクタ接続部867が後方へ向けて配置固定されている。
LED基板861の前側には、中心装飾部材868が配置される。中心装飾部材868は、特定色(黄色)を有するがほぼ透明に近い樹脂材料から形成され、長尺板状の土台から背面側に円柱状に延設され、中央部にネジを螺入可能な螺子穴が形成される一対の螺入部869を備える。
螺入部869は、LED基板861の挿通孔864と対応する位置に配置される。LED基板861を挟んでフランジ855の保持部858にLED基板861の挿通孔864を通過した螺入部869が正面側から当接され、螺入部869にフランジ855の背面側からネジが螺入されることにより、中心装飾部材868がフランジ855に締結固定される。これにより、中心装飾部材868はLED基板861の抜け止めとして機能する。
遊嵌装置880は、中央軸部材851の軸部852の外周直径よりも若干大きな内径の内周面を有するフランジ付きの円筒形状から形成される小径円筒部材881と、その小径円筒部材881と同軸で配置されると共にスリット部材810の前側周壁部812の内径よりも若干小さな外径の外周面を有するフランジ付きの円筒形状から形成される大径円筒部材882と、それら小径円筒部材881及び大径円筒部材882に挟まれるフランジ付きの円筒形状の部材であって小径円筒部材881及び大径円筒部材882と互いに回転可能に遊嵌される本体円筒部材883と、を主に備える。
本体円筒部材883は、円筒部分の周方向に等間隔をおいた4箇所の内、一つ飛ばしの2箇所にそれぞれ、前後に円筒状に延び内部に螺子穴を有する螺入部883Sが一体的に形成され、且つ、上述の4箇所の内、螺入部883Sが形成されなかった箇所の先端縁から、位置決めボス883aが延出される。
それら螺入部883S及び位置決めボス883aに対応する4箇所で、本体円筒部材883が外径方向に膨出するように構成される。加えて、本体円筒部材883には、対応する4箇所の周方向の中間の位置で、螺入部883S及び位置決めボス883aと同様の突出長さで外径方向にリブ状に突出されると共に軸方向にわたって延設される摺動リブ883bが形成される。
本体円筒部材883のフランジ部分には、LED基板861の外形よりも大きな外形から形成され、組立状態(図149参照)においてLED基板861を正面側から覆う装飾部材884と、その装飾部材884が外径付近で締結固定され、その締結部分よりも外周側が正面側へ立ち上がる底の抜けたカップ形状を構成すると共に本体円筒部材883のフランジ部分に背面側から当接し、締結固定される背面カバー886と、が配設される。
背面カバー886は、表裏の面に全体的にメッキ(本パチンコ機8010では黄色)が施され、これにより側面が鏡面状となっている。そのため、例えば、LED基板861の背側面に配設される横向きLED866の光を外周付近で反射することで、発光演出を行うことができる。
装飾部材884は、LED基板861に配設されるLED865,866から光が照射されることにより発光演出を行う部材であって、ハイビスカスの花の形状を構成し、特定色(赤色)で光透過性を有する樹脂材料から形成される正面側板部と、その背面側において周壁が背面側に立ち上がる円板形状を構成し、無色で光透過性を有する樹脂材料から形成される背面側板部と、を備え、中央部分に中心装飾部材868を挿通可能な大きさで開口部885が穿設される。
このように構成される本体円筒部材883は、中央軸部材851に対して相対回転可能とされる。遊嵌装置880は、第3ギア810Gの後側に配置される第4ギア880Gに締結固定される(図156参照)。
第3ギア810Gの後側には、図161(a)に示すように、第3ギア810Gよりやや小径で枢支開口831より大径の第4ギア880Gが同心となるように配置固定され、支持基材801に回転可能に軸支され互いに噛み合う一対の中間ギア808と歯合される。
中間ギア808は、一方のギアが第3ギア810Gと歯合し、その一方のギアと噛み合う他方のギアが、第4ギア880Gと歯合する。即ち、第4ギア880Gは、中間ギア808を介して第3ギア810Gと逆方向に回転する。
第4ギア880Gの中央には、円状の枢支開口880aが穿設され、その枢支開口880aの周囲には、本体円筒部材883の2箇所の螺入部883Sに対応する位置に螺子挿通孔880bが、2箇所の位置決めボス883aに対応する位置に位置決め孔880cが、それぞれが穿設されている。
第4ギア880Gは、中央軸回転装置850の本体円筒部材883に外嵌された第3ギア810Gの後側に重ねるようにして配置され、遊嵌装置880の本体円筒部材883に対し、位置決めボス883a(図163参照)を位置決め孔880cに挿入することにより位置決めし、螺子挿通孔880bを通してネジ(図示せず)を螺入部883S(図163参照)に螺入することにより固定される。
これにより、遊嵌装置880が第3ギア810Gを介してオイルダンパ805のダンパギア805Gに連動連結(リンク)されてオイルダンパ805により制動されるとともに、第4ギア880Gが抜け止めとなって、スリット部材810が遊嵌装置880の本体円筒部材883に離脱しないように保持される。
第4ギア880Gは、ネジ挿通孔880b及び位置決め孔880cよりも外周側において回転軸を中心とした円弧状に背面側へ延設される検出用円弧板880dを備える。検出用円弧板880dは、同一形状の板が、周方向に等間隔で5箇所に配置される。
検出用円弧板880dは、組立状態(図154参照)において、ドーナツ状凹設部801D(図152参照)に収容され、ドーナツ状凹設部801Dを通過する部材を検出可能に配設されるフォトカプラ方式の検出センサ801Cにより、検出される。即ち、本実施形態では、第4ギア880Gがどの姿勢から回転を開始したとしても、検出用円弧板880dの配置間隔(中心角度72°)に対応した回転角度を検出可能とされる(最小角度72°の検出を行うことができ、72°以上の回転を検出により確保することができる)。
中央軸回転装置850の組み付けについて説明する。LED基板861が配置固定された中央軸部材851の軸部852及び遊嵌装置880の本体円筒部材883は、スリット部材810の円状開口811に前側から挿入される。中央軸部材851の軸部852及び遊嵌装置880の本体円筒部材883が十分に挿入されると、それぞれの後端が第3ギア810Gの枢支開口810aから僅かに後方へ突出する。
軸部852の後端からさらに後方へ突出する後側位置決めボス854を支持基材801(図152参照)における位置決め切欠(図示せず)に挿入して位置決めし、同じく軸部852の後端からさらに後方へ突出する後側螺入部853を前記支持基材801における螺子挿通部801Sの挿入穴に挿入してネジ固定することにより、中央軸部材851が支持基材801に固定される。
このとき、LED基板861のコネクタ接続部867には配線が接続され、その配線は中央軸部材851の内腔部856および支持基材801の開口801Pを通して後方へ導出される(図示せず)。
以上の取付構造により、中央軸部材851の軸部852が支持基材801に対し前方へ突出するように固定され、図154にも示すように遊嵌装置880の本体円筒部材883にスリット部材810の後側周壁部813が外嵌し、大径円筒部材882に前側周壁部812が外嵌するようにして取り付けられる。
このとき、本体円筒部材883の外周面は周方向に沿って8箇所で、螺入部883S、位置決めボス883a及び摺動リブ883bにより局部的に膨出しているので、スリット部材810の後側周壁部813の内周面に対して面的にではなく線的に接触し、これによりスリット部材810の後側周壁部813が本体円筒部材883に摩擦抵抗の少ない状態で外嵌されてスリット部材810がスムーズに回転自在に枢支される。
図164は、花弁動作装置800、駆動側アーム部材910及び従動側アーム部材950の背面斜視図であり、図165は、背面板1100の正面斜視図である。花弁動作装置800は、駆動側アーム部材910から上下方向の負荷を与えられることにより、上下に昇降動作(進退動作)する。なお、図164以降の説明においては、図150から図152を適宜参照する。
背面板1100は、遊技盤13の背面に締結固定される背面ケース200(図88参照)の内側の最深部に締結固定される横に長尺矩形の部材であって、正面視左下隅部において正面側に円柱状に突出される支持柱1110と、その支持柱1110の上方において複数のギアが正面側から収容可能に凹設されるギア収容部1120と、左右中央位置において上下方向に一直線上に配置されるレール固定部1130と、そのレール固定部1130を挟んで支持柱1110の左右反対側においてレール固定部1130に近接するほど下降傾斜する長孔として穿設される支持長孔1140と、を主に備える。
支持柱1110は、駆動側アーム部材910を回動可能に軸支する円柱部分であって、その正面側端部における外周付近において、左右一対に配置される穴であってネジを螺入可能に形成される螺入部1111と、その螺入部1111の先端縁と同一面において上下一対で正面側に延出される位置決めボス1112と、を備える。
駆動側アーム部材910は、図164に示すように、背面視くの字に屈曲した長尺棒状の本体部材から構成され、一方の端部において前後方向に円状に穿設されると共に支持柱1110に回転可能に軸支される回動軸孔911と、長尺の本体部材において一方の端部寄りの位置において正面側に段付きの円柱状に凸設される連結凸部912と、長尺の本体部材の屈曲点から回動軸孔911側へ直線的な長孔状に穿設される伝達長孔913と、長尺の本体部材の他方の端部において花弁動作装置800を支持する支持部914と、を主に備える。
駆動側アーム部材910は、伝達長孔913に内嵌される内嵌凸部925と、検出センサ1162に検出される位置まで径外方向に張り出すフランジ部926と、を備えるアームギア924の回転と連動して支持柱1110を軸に回動する。
ギア収容部1120は、伝達手段920のギアが収容される凹設部であって、若干交差しながら連設される3つの円状凹部から構成され、左端側に配置されモータギア922が収容される第1収容部1121と、その第1収容部1121と連設される第2収容部1122と、その第2収容部1122を挟んで第1収容部1121の正反対に配置されると共に駆動側アーム部材910と嵌合されるアームギア924が収容される第3収容部1123と、を主に備える。
レール固定部1130は、複数枚の金属板が前後に重ねられ、上下にスライド動作可能に支持される動作レール1000R(図150参照、図165では図示を省略)を支持する部分であって、動作レール1000Rを背面板1100に締結固定するネジが挿通可能に穿設される挿通孔1131と、動作レール1000Rと嵌合し動作レール1000Rの位置決めを行う位置決めボス1132と、を備え、それらが上下一直線上に配置される。動作レール1000Rの剛性により、花弁動作装置800の姿勢が一定に維持される。
支持長孔1140は、従動側アーム部材950をスライド可能に支持する長孔であって、正面視で約50°の傾斜角度で左方へ向かう程に下降するように傾斜配置され、外周付近から正面側に延設される延設壁1141を備える。
従動側アーム部材950は、図164に示すように、背面視で略一直線状に形成される長尺棒状の本体部材から構成され、一方の端部において背面側へ円柱状に凸設され、背面板1100の支持長孔1140にスライド可能に支持される被支持凸部951と、他方の端部において花弁動作装置800を支持する支持部952と、を主に備える。
被支持凸部951は、円筒形状のカラーが遊嵌され、そのカラーが支持長孔1140に内嵌された状態で被支持凸部951の先端に形成される螺入部951aにネジが締結されることで、従動側アーム部材950が背面板1100にスライド可能に支持される。即ち、カラーの内径は被支持凸部951の外径よりも若干大きくされ、外径は支持長孔1140の幅よりも若干小さく形成される。
図166は、背面板1100、側方基材1000S及び第2演出部材940の分解正面斜視図であり、図167は、駆動側アーム部材910、スライド板930及び第2演出部材940の分解正面斜視図である。
スライド板930は、左右に延びる長孔状に前後方向に穿設される複数(本実施形態では3箇所の)被支持長孔931で側方基材1000Sに左右にスライド移動可能に支持されると共に、左端部側に配設される上下方向に延びる長孔状に前後方向に穿設される基端側長孔932で駆動側アーム部材910の連結凸部912と連結され、右端部側に配設され前後方向に穿設される先端側挿通孔933で第2演出部材940と連結される。
基端側長孔932は、上端部において連結凸部912が支持柱1110を中心に回転する軌跡に沿って形成される停留部932aと、その停留部932aの下端から鉛直下方に延設される変位部932bと、を主に備える。
側方基材1000Sは、図166に示すように、背面板1100の正面視左方側で正面視略三角形状に配設される円柱状部であって先端にネジを螺入可能な螺入部1151を有する支持柱部1150に締結固定される板状部材であって、その支持柱部1150と対応した位置に配設されると共にネジを挿通可能な挿通孔を有する締結板部1001Sと、スライド板930の被支持長孔931の配置関係と対応した位置関係(3箇所)で背面側へ円柱状に凸設される支持凸部1002Sと、正面視右隅部において前後方向に円形に穿設されると共に第2演出部材940を回転可能に軸支する軸支孔1003Sと、その軸支孔1003Sの中心と同一中心の円弧形状に凹設される円弧凹部1004Sと、同様に軸支孔1003Sの中心と同一中心の円弧形状に沿って正面側に凸設される凸条部1005Sと、を主に備える。
支持凸部1002Sは、スライド板930の被支持長孔931の幅よりも小さな直径の円柱状に形成され、その先端からフランジ付き円筒形状のカラーが、支持凸部1002Sと被支持長孔931の間の隙間に配置され、その状態で支持凸部1002Sの先端から抜け止め用のネジが螺入されることでスライド板930をスライド移動可能に支持する部分として構成される。
軸支孔1003Sは、第2演出部材940を回転可能に軸支する円形孔であって、円弧凹部1004S及び凸条部1005Sは、第2演出部材940の回転動作を滑らかにする目的で配置される部分である。なお、凸条部1005Sは、第2演出部材940が正規の位置にある場合には当接しないが、正規の位置から変位したり、撓んだりしたら当接可能となる凸設高さで形成される。
第2演出部材940は、下端部が二股に分かれて形成されると共に上端部が被軸支柱部941を中心とする円形に形成される本体部を有し、正面視右隅部において背面側に円柱状に凸設されると共に軸支孔1003Sにカラーを挟んで軸支される被軸支柱部941と、その被軸支柱部941に近接配置され背面側へ円柱状に凸設される補助凸部942と、を主に備える。
被軸支柱部941は、軸支孔1003Sの内径よりも若干外径の小さなカラーの内径よりも若干小さな外径で形成される円柱状の部分であって、先端にネジが螺入される螺入部941aを備える(図152参照)。被軸支柱部941がカラーを挟んで軸支孔1003Sに挿入された状態で先端に軸支孔1003Sの内径よりも外径の大きな円板形状の蓋部材945が配置された状態で螺入部941aにネジが螺入されることにより、蓋部材945が抜け止めの役割を果たす。これにより、第2演出部材940が側方基材1000Sに軸支される。
補助凸部942は、スライド板930の先端側挿通孔933に挿通され(図169参照)、先端に円形で樹脂製のカラーが締結固定されることにより、スライド板930から抜けることが防止される。即ち、補助凸部942及び先端側挿通孔933の連結により、スライド板930と第2演出部材940とは連動する。
補助凸部942は、円弧凹部1004Sの幅の中央付近を変位する凸部であって、円弧凹部1004Sの幅よりも若干小さな直径の円柱形状で形成される。これにより、第2演出部材940が撓みそうになっても、補助凸部942が円弧凹部1004Sと当接し、抵抗を生じることにより、撓み変形を抑制することができる。
図165を参照しながら説明する。背面板1100は、駆動モータ921を支持する板状の支持板921aの締結の際にネジを螺入可能に構成される3個の螺入部1161と、アームギア924から所定角度の範囲で径外方向に張り出されるフランジ部926を検出する検出センサ1162と、花弁動作装置800を持ち上げる方向の付勢力を生じるコイルスプリングSP8を案内するカラーが回転可能に軸支される軸支柱1163と、支持長孔1140の右下方において基板カバー1000Cを支持可能に正面視三角形状に配置されるカバー支持部1164と、そのカバー支持部1164に近接配置され基板カバー1000Cに正面視で隠される配線止め部1165と、基板カバー1000Cを締結するネジが螺入される螺入部1166と、を主に備える。
同様に、側方基材1000Sは、基板カバー1000Cを締結するネジが螺入される螺入部1006S,1007Sを備える。螺入部1006Sは、第2演出部材940の移動方向に、移動終端に配置された第2演出部材940と若干の間隔を空けて配置される(図168参照)。そのため、例えば、長期間の使用により補助凸部942が折れてしまい、第2演出部材940の正面視反時計回りの回転を規制する部分が欠けた場合であっても、螺入部1006Sにより、第2演出部材940の変位を規制することができる。
このように、基板カバー1000Cは、単一の部材に固定されるのでは無く、前後に積層配置され互いに締結固定される側方基材1000S及び背面板1100のそれぞれに締結固定されることにより、基板カバー1000Cと、側方基材1000S及び背面板1100とを、互いに強固に固定することができる。これにより、駆動側アーム部材910を回動させることにより花弁動作装置800という重量の重い装置を昇降動作させる場合であっても、基板カバー1000Cや側方基材1000Sの振動や変位を抑制し易くすることができる。
次いで、図168から図173を参照して、進退動作ユニット900による花弁動作装置800の昇降動作について説明する、図168、図170及び図172は、花弁動作装置800、進退動作ユニット900及び背面板1100の正面図であり、図169、図171及び図173は、花弁動作装置800及び進退動作ユニット900の背面図である。
なお、図168及び図169では、駆動側アーム部材910が移動範囲の上端側に配置された状態が図示され、図170及び図171では、駆動側アーム部材910の連結凸部912(図164参照)が基端側長孔932の停留部932aと変位部932bとの連結位置に配置された状態が図示され、図172及び図173では、駆動側アーム部材910が移動範囲の下端側に配置された状態が図示される。
図169及び図173に示すように、駆動側アーム部材910が移動範囲の端部に配置された状態において、駆動側アーム部材910の伝達長孔913は、アームギア924の内嵌凸部925(図151参照)を基点としてアームギア924の回転軸を中心とした円の接線方向に延びている。そのため、駆動モータ921の始動時においては、内嵌凸部925のみが変位し駆動側アーム部材910は姿勢を維持する範囲(空回りする範囲)が生じるので、駆動モータ921の始動時の抵抗を低減することができる。
図170及び図171では、図168及び図169に示す状態に比較して、花弁動作装置800は若干下降している一方、スライド板930及び第2演出部材940の配置は維持されている。即ち、駆動側アーム部材910が下降する方向に回動する際には、花弁動作装置800がスライド板930や第2演出部材940に先行して動作する。
図170及び図171から、図172及び図173の範囲においては、駆動側アーム部材910及びスライド板930が連動することにより、花弁動作装置800及び第2演出部材940が連動しているように視認させることができる。
ここで、第2演出部材940が花弁動作装置800の元々配置されていた位置へめがけて張り出す態様で移動することにより、あたかも、第2演出部材940が花弁動作装置800に追従して動作しているように視認させることができる。
次いで、花弁動作装置800の集散回転動作について説明する。図174(a)は、花弁動作装置800の正面斜視図であり、図174(b)は、花弁動作装置800の正面図であり、図174(c)は、中央軸回転装置850を省略し花弁動作装置800を透過して示す正面図であり、図174(d)は、スリット部材810及び回転板830の正面図である。
図175(a)は、回転板830の正面図であり、図175(b)は、花弁動作装置800の背面図であり、図175(c)は、花弁802及び平板部材803の背面図であり、図175(d)は、花弁動作装置800の背面斜視図である。
同様に、図176(a)は、花弁動作装置800の正面斜視図であり、図176(b)は、花弁動作装置800の正面図であり、図176(c)は、中央軸回転装置850を省略し花弁動作装置800を透過して示す正面図であり、図176(d)は、スリット部材810及び回転板830の正面図である。
図177(a)は、回転板830の正面図であり、図177(b)は、花弁動作装置800の背面図であり、図177(c)は、花弁802及び平板部材803の背面図であり、図177(d)は、花弁動作装置800の背面斜視図である。
同様に、図178(a)は、花弁動作装置800の正面斜視図であり、図178(b)は、花弁動作装置800の正面図であり、図178(c)は、中央軸回転装置850を省略し花弁動作装置800を透過して示す正面図であり、図178(d)は、スリット部材810及び回転板830の正面図である。
図179(a)は、回転板830の正面図であり、図179(b)は、花弁動作装置800の背面図であり、図179(c)は、花弁802及び平板部材803の背面図であり、図179(d)は、花弁動作装置800の背面斜視図である。
花弁動作装置800は、図172に示すように、昇降動作により降下して最下位置にあるとき、図174及び図175に示す初期位置(集結位置)から、図176及び図177に示す拡開中位置を経て、図178及び図179に示す全開位置へと拡開動作(第1動作)を行い、さらに全開位置で回転動作(第2動作)を行って、この後、集結動作(第3動作)を行い初期位置(集結位置)に復帰し得る構成となっている。
初期位置(集結位置)においては、図174(d)に示すように、スライド部材820(図157参照)のスライドピン823がスリット部材810における中央スリット814の内側端(円状開口811側端)に位置し、これにともない図174及び図175に示すように、5枚の花弁802が、中心部の中心装飾部材868にむけて最も集結した集結位置にあって、全体として開花状態のハイビスカスの花を構成する集結状態にある。
花弁802が上述のように初期位置(集結位置)にあるとき、中央モータ804で第1ギア804Gを図175(c)に矢印A9で示すように背面視反時計回り方向に回転させると、これに第2ギア830G(図175(d)参照)が連動することにより回転板830が矢印A10で示すように背面視時計回り方向に回転駆動される。
このとき、回転板830は前述の通り、枢支開口831でスリット部材810の前側周壁部812に摩擦抵抗の少ない状態で外嵌しているので、小さいトルクで容易に前側周壁部812の周りを回転することができる。他方、スリット部材810は、前述の通り円状開口811で遊嵌装置880の大径円筒部材882に回転可能に外嵌されているが、その一方で、前述の通り第3ギア810Gを介してオイルダンパ805のギア805Gに連動して制動されているので、上述の回転板830を初動させ得る程度の小さいトルクでは回転し得ないように保持されている。
従って、中央モータ804で第1ギア804Gを回転させると、当初は、まず回転板830のみが上述のように回転駆動され、スリット部材810は停止した状態に保持される(図176及び図177参照)。
回転板830が上述のように回転駆動されると、図175(a)に示すように、その前側面ではガイドレール832が矢印A11で示すように正面視反時計回り方向に回転し、これにともない、スライド部材820(図157参照)のスライドピン823に対し、ガイドレール832に案内されるようにして、径方向に沿って外側へ押し出される方向に力が付加される。
このとき、スライドピン823の移動は図174(d)に示すようにスリット部材810の中央スリット814により規制されているので、そのスライドピン823が中央スリット814に沿って内側端から外側へ直線的に案内されて移動する。
またこのとき、回転するガイドレール832によってスライドピン823が案内されることにより、スリット部材810に対しても多少ともトルクがかかるが、このトルクよりもオイルダンパ805の制動力が上回っており、従ってスリット部材810は停止した状態に保持されたまま、回転板830の回転とともにスライドピン823が中央スリット814に沿って外側へ直線的に移動することとなる。
これにより、図176及び図177に示すように、5組の花弁802が、集結位置から外側へ放射状に拡開する拡開動作を開始する。この拡開動作においては、スリット部材810の中央スリット814が、上述したように、図177に示すように円状開口811の径方向D11に対し正面視反時計回り方向に角度θ11だけ傾斜した方向D12に沿って延びているので、外側へ移動するスライドピン823に対して比較的に大きな負荷がかかることとなるが、その一方で、この傾斜がある分、スライドピン823の移動速度は比較的に速くなる。
即ち、このように中央スリット814を正面視反時計回り方向に傾斜させることにより、スライドピン823に対する負荷は比較的に大きくなる反面、回転板830の比較的に少ない回転量(角度)によってスライドピン823を所定距離だけ移動させることができ、これにより花弁802の拡開動作をより効率よく行うことができるようになっている。
ここで、例えば、この傾斜がなく中央スリット814が径方向D11に沿って放射状に延びていたと仮定すると、上述の場合に比して、スライドピン823に対する負荷は比較的に小となる一方、スライドピン823の移動速度は比較的に遅くなり、更には、例えば、中央スリット814が径方向D11に対し正面視時計回り方向に傾斜していたと仮定すると、スライドピン823に対する負荷の減少ならびに移動速度の低下はいずれもいっそう顕著となる。
また、このとき、ガイドレール832が前述の通り、図177に示すように中心側端部から枢支開口831の接線と法線との中間の方向D15に沿って正面視時計回り側へ延び出し、この後、方向D15よりも、さらに正面視時計回り側へ向けて弧状に湾曲しながら外側へ延び、5本のガイドレール832で全体として外側へ渦巻き状に拡がるように延びる形状となっている。
ガイドレール832がこのように正面視時計回り側へ傾斜するほど、スライドピン823に対する負荷が小さくなるとともに移動速度が遅くなる。さらに、ガイドレール832が方向D15よりも正面視時計回り側へ向けて弧状に湾曲するほど、スライドピン823に対する負荷の減少ならびに移動速度の低下がいずれもより顕著となる。
即ち、上述の中央スリット814の場合には、正面視反時計回り方向に傾斜させることにより、スライドピン823に対する負荷が比較的に大きくかつ移動速度が比較的に速くなっていたのに対し、ガイドレール832の場合には、正面視時計回り側へ傾斜させさらに弧状に湾曲させることにより、スライドピン823に対する負荷が比較的に小さくかつ移動速度が比較的に遅くなっている。
ガイドレール832の場合には、前述の通り回転板830の前側面から前方へ延出する周壁により溝状に形成されており、スライドピン823の先端が前側から嵌装されるようになっているので、ガイドレール832とスライドピン823との間に大きな負荷がかかると、スライドピン823が移動の際にガイドレール832から逸脱する虞がある。このため、スライドピン823の移動速度を犠牲にして低くしつつ、スライドピン823に対する負荷を小さくするように構成されている。
一方、中央スリット814の場合には、スライドピン823が貫通するようになっているので、逸脱の虞も少なく、このため、スライドピン823に対する負荷を大きくしながらスライドピン823の移動速度を上げるように構成されている。
このように、ガイドレール832でスライドピン823に対する負荷を小さくすることにより逸脱のような不具合を防止して動力伝達の確実性を確保する一方、中央スリット814でスライドピン823の移動速度を上げるという、役割分担がなされた構成になっている。
この後、図178及び図179に示すように、スライドピン823が中央スリット814における外側の移動限界である外側端まで到達すると(図178(d)参照)、5組の花弁802が全開位置まで放射状に拡開して全開状態となり、拡開動作が終了する。
この全開状態においては、図178及び図179に示すように、5枚の花弁802が放射状に離散するように移動することにより、正面視で装飾部材884の外方に連続的に視認される位置に花弁802が配置される。これにより、装飾部材884及び花弁802により装飾部材884のみが視認されていた場合(図174(b)参照)に比較して、一回り大きなハイビスカスの花のように一体的に視認される(図178(b)参照)。
このようにスライドピン823が中央スリット814における外側の移動限界である外側端まで到達してこれ以上は外側へ移動できなくなると、この後は、スライドピン823が中央スリット814の外側端に係止されるため、オイルダンパ805の制動力を下回る程度の小トルクによっては、回転板830がこれまでと同方向へこれ以上回転できない。そこで、中央モータ804の稼動を停止すると、拡開動作を終了した後の全開状態を維持することができる。
上記拡開動作の終了後に、中央モータ804からそれまでと同方向の回転動力を回転板830に伝達するようにし、回転板830にかかるトルクがオイルダンパ805の制動力よりも上回ると、スリット部材810が、オイルダンパ805による制動を振り切って回転板830と共に図178(d)に矢印A12で示す正面視反時計回り方向の回転を開始する。こうして、拡開動作の後に、花弁802が、図178(b)に矢印A13で示すように全開状態で正面視反時計回り方向に回転する。
このとき、拡開動作の後に中央モータ804を停止させずに引き続き回転板830に回転動力をかけ続けるようにするようにすれば、拡開動作から回転動作へと間をおかず連続するように直ちに移行させることができる。
花弁802が矢印A13で示すように全開状態で正面視反時計回り方向に回転する際、装飾部材884は、図178(b)に矢印A14で示すように、その逆方向(正面視時計回り)に回転する。従って、装飾部材884が停止している場合に比較して、装飾部材884の所定の位置を基準とした一枚の花弁802の移動量(相対的な移動量)が大きくなるので、花弁802の回転速度を実際の回転速度よりも高速に見せることができる。
上記回転動作を終了し、中央モータ804で第1ギア804Gを、これまでとは逆に、図179(b)に矢印A15で示すように背面視時計回り方向に回転させると、スリット部材810がオイルダンパ805により制動されて停止した状態に保持されながら、まず回転板830のみが図179(b)に矢印A15で示すように背面視時計回り方向に回転駆動され、これにより上記拡開動作とは逆方向の集結動作がなされる。
即ち、スライドピン823が中央スリット814における外側の移動限界である外側端から内側の移動限界である内側端まで復帰し、これとともに5組の花弁802が全開位置から中心部の中心装飾部材868にむけて集結して、図174及び図175に示す集結位置(初期位置)に復帰して集結状態に戻り、集結動作が終了する。
この後は、中央モータ804を停止して花弁動作装置800の動作を終了するようにしてもよいが、中央モータ804を停止させることなく連続して稼動させるか、あるいは中央モータ804を停止した後に再度稼動して、さらに中央モータ804で第1ギア804Gを図179(b)に矢印A15で示す背面視時計回り方向に回転させると、花弁802が、図174(b)に矢印A16で示すように集結状態で正面視時計回り方向に回転する。
花弁802が矢印A16で示すように集結状態で正面視時計回り方向に回転する際、装飾部材884は、図174(b)に矢印A17で示すように、その逆方向(正面視反時計回り)に回転する。従って、装飾部材884が停止している場合に比較して、装飾部材884の所定の位置を基準とした一枚の花弁802の移動量(相対的な移動量)が大きくなるので、花弁802の回転速度を実際の回転速度よりも高速に見せることができる。
この集結動作から回転動作へも、上述の通り中央モータ804を制御することにより、一旦停止して間をおいてから移行するようにすることも、あるいは間をおかず連続するように直ちに移行するようにすることもできる。
ここで、本実施形態では、検出用円弧板880dが検出センサ801c(図153参照)を通過することにより第4ギア880Gの回転が検出されるので、中央モータ804の回転角度を制御せずとも、検出センサ801cの出力を判定することにより、花弁動作装置800が回転動作を行っているか否かをMPU221(図4参照)が判断することができる。
次いで、図180から図183を参照して第9実施形態について説明する。第8実施形態では、通路形成ユニット140と板部材14dとの間に四方を壁で閉鎖されたトンネル状のファール球通路部145が形成される場合を説明したが、第9実施形態における通路形成ユニット9140は、ファール球通路部9145を形成する壁部に切り欠き9145bが形成され、その切り欠き9145bに沿って板金部材9150が張り出す態様で構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。図180から図183を参照して、第8実施形態との差異について説明する。
図180は、第9実施形態における通路形成ユニット9140の正面斜視図であり、図181は、通路形成ユニット9140の背面斜視図であり、図182及び図183は、球発射ユニット112aの正面図である。図180及び図181に示すように、通路形成ユニット9140は、第8実施形態における通路形成ユニット140との比較において、ファール球通路部9145の内部構成と、ファール球通路部9145の下端部および前扉側下皿通路部9142の下端部の上下位置関係と、前扉側下皿通路部9142の下端部の形状と、仕切板部53aの構成とが異なる。
即ち、第1に、ファール球通路部9145は、S字経路SL2の下側の湾曲内側部分において、通路形成ユニット9140の正面側端部から背面側へ向けて凹設される切り欠き9145bを備える。そして、板金部材9150が、切り欠き9145bを上から覆う態様で、板状部152の上部から上部へ延びる部分が正面側へ屈曲形成される薄板状の薄板刃部9153を備える。
切り欠き9145bは、S字経路SL2の凹設方向端部を含む一連の範囲に形成され、その凹設深さは球の半径Raと同程度とされる。
薄板刃部9153の上面は、板部材14d(図91参照)から背面側へ凸設される上止め凸部(図示せず)の下面と当接し、ファール球通路部9145の内部から生じる上向きの負荷に耐えるように構成される。
この薄板刃部9153は、ファール球通路部9145に糸Y8を通し、その糸Y8を引っ張ったり緩めたりすることで、遊技領域の内部の球を不正に操作し、不正な利益を得る不正に対策するためのものであり、ファール球通路部9145に通された糸Y8を切断する目的で配置される。ここで、考えられる不正行為について説明する。
図148に戻って説明する。上述したように、第8実施形態の球発射ユニット112aには、球に固着された糸Y8を切断するために、切断用金属部材725が配設されている。この切断用金属部材725は、球の発射の勢いを利用して、球に固着された糸Y8を切断しようとする部材であるところ、発射の勢いが弱い場合には、糸Y8が切断されることなく、球が発射されることがあった。
一方で、この球は、遊技領域には到達せず、ファール球受口部146へ流下し、ファール球通路部145を経て、下皿50へ排出される。そのため、この球が直接的に遊技領域に進入する虞は無い。
これに対し、例えば、糸Y8の両端に球P8,P9が固着される場合を考えると、新たな問題点が生じる。即ち、図182に示すように、糸Y8の一方の端部に固着された球P8を弱く打ち出し、球P8がファール球受口部146へ案内された状態において、糸Y9の他方の端部に固着された球P9が発射レール730まで案内されると、糸Y8は切断用金属部材725の背面側(発射用ソレノイド701側)に配置されるので、球P9を勢いよく打ち出したとしても、糸Y8は切断用金属部材725に切断されることは無い。
従って、図183に示すように、球P9を勢いよく打ち出せば、球P9は糸Y8を切断されることなく、遊技領域へ到達する。事前に発射された球P8は、ファール球通路部145を通過し、遊技者の正面側に排出され、下皿50(図86参照)に貯留される。
そのため、不正行為を行う者は、下皿50に貯留された球P8を掴んで、球P8を動かすことで、糸Y8を引っ張ったり、緩めたりすることができ、これにより、球P9を入賞口63(図2参照)等に繰り返し通すことができ、不正の利益を得ることができてしまう。
これに対し、本実施形態では、上述したように両端に球P8,P9を固着した糸Y8を利用して不正行為を行う場合に、糸Y8が必然的に通るファール球通路部145に薄板刃部9153を配設することにより、糸Y8を早期に切断することができるように構成される。
即ち、不正行為を行う者が糸Y8を引っ張る際に、糸Y8が薄板刃部9153に擦れることで、糸Y8に損傷が与えられ、早期に糸Y8の切断を図ることができる(図180参照)。このとき、本実施形態のように、薄板刃部9153を露出させる切り欠き9145bは、正面側寄り、即ち、糸Y8を正面側から引っ張る際に糸Y8が寄せられる側に形成されることで、糸Y8が引っ張られる際に糸Y8を切り欠き9145bの内部に配置させることができ、糸Y8を薄板刃部9153に擦らせることができる。
また、上述したように、薄板刃部9153は、ファール球通路部9145の反対側において板部材14d(図91参照)と当接することで、上向きの負荷に対する抵抗力を大きくすることができる。これにより、糸Y8が引っ張られた際に、薄板刃部9153にファール球通路部9145の外方へ向いた負荷が与えられた場合に薄板刃部9153が反ったり、曲がったりすることを防止することができる。そのため、糸Y8から薄板刃部9153へ向けて与えられる負荷の大半を、糸Y8に損傷を与えるために用いることができる。
また、本実施形態では、上述したように、切り欠き9145bの凹設深さは、球P8の半径Ra程度とされるので、球P8が切り欠き9145bの正面側を通過することが防止され、同時に、球P8が薄板刃部9153に衝突することが防止される。これにより、薄板刃部9153が球P8と衝突することにより割れたり、欠けたりすることを防止することができるので、薄板刃部9153の耐久性を向上させることができる。
第2に、通路形成ユニット9140では、ファール球通路部9145の下端部が、前扉側下皿通路部9142の下端部に比較して下側に配置される。詳細には、球の半径Ra程度の上下差を有して配置される。これにより、払出球により、糸Y8に損傷を与えやすくすることができる。即ち、不正行為を行う者は、不正行為の発覚を恐れているため、球P8を把持して以降は、店員に怪しまれることを防ぐために、球P8を体の近く(例えば、ズボンのポケットなど)に維持して、糸8を引っ張ったり、緩めたりという不正行為を行い易い。その場合には、糸Y8が下皿50の側壁の上面を伝って(上面に当接して)遊技者側に延びる状態が維持される。この時、糸Y8は、球案内開口53の底面よりも球の直径程度上方の位置を通り張られている(図86参照)。
この状態で、賞球の払出が行われると、前扉側下皿通路部9142の下端部から下皿50に排出される球は、下皿50に衝突して跳ね回る際に、球案内開口53の正面側に配置される糸Y8を踏んだり、糸Y8と当たったりしながら下皿50(図1参照)を右方へ向けて流下し、球抜きレバー52の後方に配置される底面口を通して流下する。即ち、前扉側下皿通路部9142の下端部をファール球通路部9145の下端部よりも上方に配置することにより(跳ね回る際の上昇限界位置を高くすることにより)、前扉側下皿通路部9142から下皿50へ排出される球が糸Y8と当接して、糸Y8に損傷を与える可能性を増加させることができ、糸Y8を早期に切断することができる。
そして、第3に、前扉側下皿通路部9142の下端部の底面には、右方へ向かう程下降傾斜する右傾斜面9142aが形成される。右傾斜面9142aにより、前扉側下皿通路部9142を経て球案内開口53から下皿50へ排出される球に右向きの速度を与えやすくすることができる。
これにより、下皿50へ払い出された球の勢い(運動エネルギー)が衰える前に糸Y8の方へ球を向けることができる。即ち、右傾斜面9142aにより、下皿50へ前後方向に沿って排出される球に強制的に右向き(ファール球通路部9145側向き)の速度成分を与えることができるので、払い出される球の内、糸Y8を踏んだり、糸Y8に当たったりする球の割合を増やすことができる。
加えて、第4に、本実施形態では、前扉側下皿通路部9142の下端部は球案内開口53の左部において球案内開口53の左右幅寸法の2/3程度の領域を占め、ファール球通路部9145の下端部は球案内開口53の右部において残りの領域(球案内開口53の左右幅寸法の1/3程度の領域)を占め、その境界には、乗上規制段部9053aが形成される。
図180に示すように、乗上規制段部9053aは、前扉側下皿通路部9142の下底部として形成される右傾斜面9142aの右端部(右端辺)と、その右側に配設されるファール球通路部9145の出口付近の下底部の左端部(左端辺)とを連結すると共に鉛直方向に延びる平面部として構成される。
球案内開口53の背面側における乗上規制段部9053aの上側において球の直径よりも大きな上下幅を有する空間V9が形成され、その空間V9により前扉側下皿通路部9142とファール球通路部9145とが連通される。従って、球案内開口53を通過する前から、前扉側下皿通路部9142を通過してきた球を、空間V9伝いに右方へ流下させることができる。そのため、球を糸Y8に近づけ易くすることができる。
なお、乗上規制段部9053aの鉛直方向の幅は、球の半径Raと同等に設定される。これにより、ファール球通路部9145を転動し、乗上規制段部9053aに当接した球が、右傾斜面9142a側まで乗り上がることを規制することができる。即ち、乗上規制段部9053aは、空間V9における球の左右方向への通過を、一方向(左から右へ向く方向)で許容し、他方向(右から左へ向く方向)で規制する一方向弁として機能する。
次いで、図184から図186を参照して、第10実施形態について説明する。第8実施形態では、通路形成ユニット140と板部材14dとの間に四方を壁で閉鎖されたトンネル状のファール球通路部145が形成される場合を説明したが、第10実施形態における通路形成ユニット10140は、ファール球通路部10145を形成する壁部に切り欠き10145cが形成され、その切り欠き10145cに沿って板金部材10150が張り出す態様で構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。図184から図186を参照して、第8実施形態との差異について説明する。
図184から図186は、第10実施形態における通路形成ユニット10140の正面斜視図である。図184では、通路形成ユニット10140を右斜め上から見た状態が図示され、図185では、通路形成ユニット10140を左斜め上から見た状態が図示され、図186では、通路形成ユニット10140を左斜め下から見た状態が図示される。
図184から図186に示すように、通路形成ユニット10140は、第8実施形態における通路形成ユニット140との比較において、ファール球通路部10145の内部構成のみが異なる。
即ち、ファール球通路部10145は、S字経路SL2の上側の湾曲内側部分において、通路形成ユニット10140の正面側端部から背面側へ向けて凹設される切り欠き10145cを備える。そして、板金部材10150が、切り欠き10145cの下方を覆う態様で正面側へ延設される薄板状の薄板刃部10153,10154を備える。
切り欠き10145cは、S字経路SL2の凹設方向端部を含む一連の範囲に形成され、その凹設深さは球の半径Ra(図180参照)の2倍(直径)と同程度とされる。加えて、切り欠き10145cは、通路部145aへ球が案内される転動板部10145dの下方においてその転動板部10145dに沿って前後方向に穿設される貫通孔を備え、その貫通孔に板金部材10150の薄板刃部10153,10154が背面側から挿通される。
板部材14d(図91参照)は、本実施形態において、切り欠き10145cの内側に配設されると共に切り欠き10145が形成される前のファール球通路部10145の正面視形状の外形で板部材14dの背面側の側面から背面側へ向けて凸設される補助凸部14d2を備える。なお、補助凸部14d2は、図184及び図185において、想像線で図示され、図186では図示が省略される。
補助凸部14d2は、切り欠き10145cを途中まで(球の半径Ra(図180参照)程度)埋める態様で凸設され、これにより薄板刃部10153,10154が露出する前後方向の長さは、球P8の半径Ra程度とされる。そのため、ファール球通路部10145を流下する球が薄板刃部10153,10154に衝突することを防止することができるので、薄板刃部10153,10154が球P8と衝突することにより割れたり、欠けたりすることを防止することができ、薄板刃部10153,10154の耐久性を向上させることができる。
補助凸部14d2の凸設先端14d3は、ファール球受口部146側へ向かうほど(右側ほど)背面側へ延びる傾斜形状から形成される。従って、切り欠き10145cにおいて補助凸部14d2の凸設先端14d3の背面側の隙間の広さ(前後幅)は、通路部145aに近いほど広くなる。これにより、通路部145aに配置された糸Y8を薄板刃部10153,10154が配置される隙間である補助凸部14d2の凸設先端14d3の背面側の隙間に入れ込みやすくなる。
第1薄板刃部10153は、切り欠き10145cの背面側縁から正面側に張り出す薄板部分であって、第2薄板刃部10154は、第1薄板刃部10153の正面側において第1薄板刃部10153と二股の刃部を構成する部分であって、第1薄板刃部10153の正面側縁の右端から若干上昇傾斜する態様で左方へ延設される。これにより、第1薄板刃部10153と第2薄板刃部10154との間には凹設深部が鋭角の鋭角凹部10155が形成される。
なお、薄板刃部10153,10154は、第9実施形態における薄板刃部9153と同様に、糸Y8を切断することを目的に配設される金属部材である。
鋭角凹部10155は、凸設先端14d3の背面側かつ切り欠き10145cの背面側縁よりも正面側に配置される。これにより、補助凸部14d2の凸設先端14d3の背面側に糸Y8が入り込んだ場合に、その糸Y8を鋭角凹部10155に入り込ませ、糸Y8に損傷を与えやすくすることができる。
なお、正面側に配置される第2薄板刃部10154の方が第1薄板刃部10153に比較して上側に配置されることにより、不正行為を行う者により正面側斜め下方に引っ張られる糸Y8が鋭角凹部10155の深部に入り込みやすくすることができる。
薄板刃部10153,10154の右方に連設される板状部は、転動板部10145dの下面と当接し、ファール球通路部10145の内部から生じる上向きの負荷に耐えるように構成される。
傾斜板部146aの下端側の延設端と、補助凸部14d2の下端面とが、ファール球通路部10145の内部通路が左右逆方向に屈曲する屈曲点において左右逆側を向いて配設される。即ち、この2点において、糸Y8は左右逆方向に引っ張られる。
例えば、不正行為を行う者が、手元に出てきていた球P8を手放して、球P8がファール球通路部10145を逆流して遊技領域を経て排出されることで不正行為の発覚を回避しようとする場合が考えられるが、本実施形態によれば、傾斜板部146aの下端側の延設端と、補助凸部14d2の下端面とにおいて糸Y8又は球P8に左右逆方向の負荷が与えられるので、逆流する球P8が補助凸部14d2の下端面に引っかかって停留する事態を生じやすくすることができる。
これにより、球P8及び糸Y8をファール球通路部10145の内部に留まらせ、糸Y8が遊技領域に露出する時間を長くすることにより、不正行為の発覚を早めることができる。
なお、鋭角凹部10155の深部に粘着性の部材(糊やトリモチ等)を配設して、鋭角凹部10155に入り込んだ糸Y8と接着するようにしても良い。この場合、不正行為をする者の手元に来た球P8に固着された糸Y8を切断しても、糸が鋭角凹部10155に配設される粘着性の部材に接着され、球P9が遊技領域から排出されずその場に維持されるので、糸Y8を用いた不正の発覚を早めることができる。
次いで、図187から図190を参照して、第11実施形態について説明する。第8実施形態では、発射強度が弱く遊技領域へ至らなかった球(ファール球)が下皿50に排出される場合を説明したが、第11実施形態における皿通路形成部材2160は、ファール球を受け入れるファール球受入口2164を備える。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図187は、第11実施形態における内枠12及び皿通路形成部材2160の正面図であり、図188は、外レール2062の部分拡大正面斜視図である。
図187及び図188に示すように、外レール2062は、遊技盤13の左下隅に配置されると共に第8実施形態における外レール62と同様の円弧形状を遊技領域側に有するように樹脂材料から形成され、球発射ユニット112aに近接配置される先端部材2062aと、その先端部材2062aとの間に球が流下可能幅の隙間V11を有する位置関係で内枠12の左端付近まで形成される案内部材2062bと、を備える。
隙間V11の下流には、本体側上皿通路部161の内部の右隅に形成されるファール球受入口2164に連通されるファール球通路2062cが形成される。ファール球通路2062cは、球1個が調度通過可能な幅よりも若干大きめの幅で形成され、その上方に戻り球防止部材68のスペアが配置される。
なお、本実施形態では、上述の実施形態において本体側下皿通路部162が配設された位置まで本体側上皿通路部161が左方へ移動されており、本体側下皿通路部162の形成が省略されている。即ち、遊技盤13の背面側に配設される払出装置133(図87参照)から払い出される球は専ら本体側上皿通路部161を経由して上皿17に供給される。そして、上皿17の球が許容量を超えると払出装置133の下流側において球の流路内側に張り出して配設される満タンスイッチ(図示せず)が球の負荷でONとなり、払出装置133からの球の払い出しが停止するように構成される。
即ち、本実施形態では、ファール球通路2062cを通過した球も、払出装置133(図87参照)から払い出される球も、上皿17に供給される。そのため、上述したような、糸Y8の両端に球を接着し、ファール球通路2062cに一方の球を通すことで糸Y8をファール球通路2062c伝いに遊技領域内部に入れ込ませる不正行為を考える際に、糸Y8に対して払出球を当てることで糸Y8を損傷させる作用を、上皿17の球のたまり具合に寄らず生じさせることができる。これにより、糸Y8を早期に切断し易くすることができる。
図189は、外レール2062の部分拡大正面斜視図である。なお、図189では、ファール球通路2062cの上部に配設される戻り球防止部材68のスペアが分解され、背面斜視図として並べて図示される。また、図189の説明においては、図188を適宜参照する。
戻り球防止部材68は、傾倒するゲート部材68aを支持する支持部材68bのベース部材68b1が、手前側に配置される姿勢で遊技盤13に金属製の長尺ビスB11により仮留めされる。
詳細には、戻り球防止部材68の背面側において、案内部材2062bは空洞とされる。その空洞には、案内部材2062bの背側面から正面側へ円筒状に突設されると共に内壁に長尺ビスB11を螺入する螺入溝が形成される支持円筒部2062b2が形成される。その支持円筒部2062b2の先端には案内部材2062bの空洞を正面側から閉塞する閉塞板2062b4が面当たりされ、その閉塞板2062b4の正面にベース部材68b1が当接した状態で、ベース部材68b1に予め取付孔として穿設される貫通孔と、その貫通孔に位置を合致させて閉塞板2062b4に穿設される貫通孔2062b5とに長尺ビスB11が挿通され、その状態で支持円筒部2062b2に螺入されることで、戻り球防止部材68が案内部材2062bに締結固定される。
なお、閉塞板2062b4は、案内部材2062bと当接する側である上面と左面とは、案内部材2062bの端面と形状が合致するように形成される一方で、下面は支持部材68bとの干渉を避ける程度に凹設され、右面(図189正面側の面)は、案内部材2062bの勾配増加部2062dと同様の勾配の傾斜面として形成される。
勾配増加部2062dは、案内部材2062bの遊技領域の外枠を構成する面に対して、先端部材2062aに近づくほど下降傾斜する勾配とされる。即ち、勾配増加部2062dの面に沿って先端部材2062a側へ延ばした直線L11は、先端部材2062aの遊技領域の外枠を構成する面(上面)の上端部よりも下側(本実施形態では、球の直径の1/3程度下側)で先端部材2062aと交差する。
このように構成することで、遊技領域へ向けて球を発射する場合には、勾配増加部2062dが球の経路から退避しており、勾配増加部2062dの下側先端部と球とが衝突することを回避することができる。一方で、遊技領域に至らなかった球が逆流する場合には、勾配増加部2062dを転動する球の経路の内側に先端部材2062aの上端部が張り出しているので、その球が隙間V11を左右に通過し先端部材2062aを越えて球発射ユニット112a側まで戻る可能性を低くすることができる。
勾配増加部2062dの正面側の側面2062d1は、閉塞板2062b4との間で、球の直径未満であって糸は進入可能な幅(本実施形態では約2[mm])の切込み2062b1を形成可能な位置まで背面側へ凹設される。なお、切込み2062b1が形成される箇所は、遊技領域へ打ち込まれる球の経路と、ファール球通路2062cとが鋭角に交差する箇所である。
正面視右側の支持円筒部2062b2には、側面2062d1よりも正面側において、勾配増加部2062dと対向配置される側に半円分の切り欠き2062b3が設けられる。この切り欠き2062bは、長尺ビスB11を露出させる目的で設けられる。
このように、切込み2062b1が形成される前後位置において正面視右側の支持円筒部2062b2に螺入される長尺ビスB11が露出するので、第9又は第10実施形態で上述した方法と同様に、ファール球通路2062cに、両端に球P8,P9が固着された糸Y8を通して行われる不正行為の際に、糸Y8が長尺ビスB11と擦れるようにすることができる。
即ち、切込み2062b1の配置から、糸Y8は両端を引っ張られる負荷をうける際に、切込み2062b1の深部に配置される長尺ビスB11に押し付けられる(図190(a)参照)。その状態で、糸Y8は長手方向にスライド動作することになるので、長尺ビスB11との間で擦れが生じ、糸Y8を早期に切断することができる。
なお、本実施形態では、切込み2062b1は、球の中心が通る位置よりも正面側に配置される。これにより、発射される球が外レール2062と当接する位置(球の中心の鉛直下部)に切込み2062b1が配置されることを防止することができるので、発射される球に切込み2062b1が衝突して球の向き等に影響を与えることを防止することができる。
また、ファール球通路2062cに、両端に球P8,P9が固着された糸Y8を通して行われる不正行為を行う者は、糸Y8の遊技者側に張り出している側の端(球P8が固着されている側の端、図182参照)を手前側に引き、遊技領域内の球P9の位置を調整するので、遊技者側に近い隙間V11付近では、糸Y8は正面側に寄ることになる。従って、切込み2062cを正面寄りに配置することにより、切込み2062cが背面側寄りに配置されている場合に比較して、糸Y8を切込み2062cに入り込み易くすることができる。
案内部材2062bに形成される空洞部には、下方に張り出す検出部を備えるボタン式スイッチSW11が配設される。ボタン式スイッチSW11は、ゲート部材68aが錘部68a2の重さで回転する際に発生する負荷よりも極端に弱い負荷で押し込み操作可能なスイッチとして構成される。そのため、ボタン式スイッチSW11がゲート部材68aの動作を妨害する可能性を低減することができる。ボタン式スイッチSW11は、ゲート部材68aの姿勢を検出するためのものであり、ゲート部材68aの姿勢が変わる際に、ON−OFFを切替可能に配設される。
図190(a)及び図190(b)は、ファール球通路2062cの部分正面拡大図である。なお、図190(a)では、戻り球防止部材68のゲート部材68aの錘部68a2の重さで錘部68a2側がファール球通路2062c側に傾倒した状態が図示され、図190(b)では、錘部68a2が、通過する球により押し上げられ、ゲート部材68aの開閉部68a1側がファール球通路2062c側に傾倒した状態が図示される。また、図190(a)では、不正行為で用いられる糸Y8の経路が参考として図示されると共にボタン式スイッチSW11がONとされていることが図示され、図190(b)では、ボタン式スイッチSW11がOFFとされていることが図示される。
図190(b)に示すように、戻り球防止部材68は、通過する球に対しては、若干の抵抗を与えるのみであり、ファール球通路2062cを通過する球を留めるほどの抵抗を与えるものでは無い。これは、球が自重で流れ去るものであり、図190(b)に示すように開閉部68a1が傾倒することでファール球通路2062cの幅が狭められても、球が流れ去れば即座に図190(a)に示す状態に復帰するので、次にファール球通路2062cに球が案内されるタイミング(最短で、0.6秒後)までには、図190(a)に示す状態に復帰させることができるためである。
一方で、球のように流れ去らない物体、例えば、内視鏡のように通路を埋めながら進行する物体に対しては、戻り球防止部材68が大きな抵抗となる。これは、不正行為対策としての構造である。
例えば、内視鏡のような装置の先端を、ファール球通路2062cを球の流下方向とは逆方向に進行させ、遊技領域の内部へ到達させ、遊技領域の内部に干渉しようとする(例えば、遊技盤13に植設される釘(図示せず)を曲げたり、球を把持して入賞口に入れたり、装置の先端を入賞口への案内板として利用したり、先端からレーザーを出して釘を切断したりする)不正行為が考えられる。
図191は、ファール球通路2062cの部分正面拡大図である。なお、図191では、不正に侵入する内視鏡などの装置の外形が想像線で図示される。
内視鏡などの装置の先端を、ファール球通路2062cを球の流下方向とは逆方向に進行させる際、本実施形態では、戻り球防止部材68のゲート部材68aを排斥しながら進行させることになる。ここで、図191に示す状態(錘部68a2が内視鏡の先端部により排斥された状態)から図190(a)に示す状態へ移行する際に、内視鏡の先端部に連結される挿入部(長尺な軟性部分)が、なお錘部68a2の下方に配置され、錘部68a2を押し上げた状態で維持することになる。そのため、開閉部68a1を排斥することを困難とでき、内視鏡の先端部がそれ以上奥に進行することを防止することができる。
ここで、内視鏡を強引に進行させ、ゲート部材68aを破壊して内部に進入される場合には、このままでは不正の防止を図ることができない。一方で、この場合には、ボタン式スイッチSW11がOFFの状態で維持されることになるので、ボタン式スイッチSW11がOFFの状態で所定時間維持された場合に警報を鳴らすように制御することで、不正行為を早期に発見することができる。
また、ボタン式スイッチSW11がOFFの状態の時には、払出装置133(図87参照)からの球の払い出しが停止するように制御しても良い。この場合であっても、通常使用においては、ボタン式スイッチSW11がOFFとされる状態は、ファール球が通過するタイミング(図190(b)参照)でのみ生じ、すぐにボタン式スイッチSW11はONとされるので(図190(a)参照)、払出装置133からの球の払い出しが停止する期間を極力短くすることができ、遊技者が違和感を覚えることを防止することができる。その一方で、不正にゲート部材68aを破壊した場合には、払出装置133からの球の払い出しが停止される状態を維持することができる。
なお、ファール球通路2062cの上方に配置される部材は、戻り球防止部材68である必要は無く、他の可動部材でも良い。ただし、本実施形態のように戻り球防止部材68を配置することにより、長期使用により、遊技盤13に配設されている側の戻り球防止部材68が割れたり、曲がったりした場合に、早期に交換を行うことができる。これにより、戻り球防止部材68の交換部材を単にオプションで購入する場合に比較して、交換前から不正行為の防止の役割を果たすことができるという効果と、保管場所を忘れて探す手間が省けるという効果とを奏することができる。また、戻り球防止部材68の全構成を備える必要は無く、例えば、固定の軸棒に、ゲート部材68aが軸支される構成でも良い(支持部材68bが配設されなくとも良い)。
また、戻り球防止部材68が割れたり、曲がったりして、交換した場合に、上述した不正行為の防止の効果を奏するか否かは、戻り球防止部材68の破損の程度によるものであるが、不正行為を行う者からすれば、交換が行われたか否かが分からないこと、および、交換されていたとしても破損の程度が分からないことにより、不正行為の抑止力をなお維持することができる。
次いで、図192から図197を参照して、第12実施形態について説明する。第8実施形態では、花弁動作装置800が集結位置または全開位置でのみ回転動作する場合を説明したが、第12実施形態における花弁動作装置2800は、拡開中位置においても回転動作が可能となる態様で構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図192は、第12実施形態における遊嵌装置2880の背面斜視図である。図192に示すように、遊嵌装置2880の背面カバー2886は、第8実施形態における背面カバー886の構成との比較において、後端外縁から径方向外側へ延設されるフランジ部2887と、そのフランジ部2887の延設先端から背面側へ突設される規制部2888と、を備える。本実施形態における遊嵌装置2880は、第8実施形態における遊嵌装置880との比較において背面カバー2886に差があるのみであり、他の部分においては遊嵌装置880と同じものを備えている。
規制部2888は、花弁802の後側部802aと前側部802bとの間の位置(中間位置)まで突設される。即ち、規制部2888は、前側部802bとは当接可能であるが、後側部802aとは当接不能な位置まで突設される。
なお、本実施形態では、フランジ部2887及び規制部2888が単数配置される場合を説明するが、これらを背面カバー2886の複数個所に点在させるようにしても良い。次いで、フランジ部2887及び規制部2888の作用について図193及び図194を参照して説明する。
図193(a)及び図193(b)は、花弁動作装置2800の正面図であり、図194(a)及び図194(b)は、スリット部材810及びスライド部材2820の部分拡大正面図である。なお、図193及び図194では、花弁動作装置2800の動作例が時系列で図示され、図193(a)及び図194(a)、図193(b)及び図194(b)にそれぞれ同時点の状態が図示される。
また、図194(a)及び図194(b)では、便宜的に案内ピン822及びスライドピン823が断面視され、同じ断面において、平板部材2803の一対の螺入部2803Sが断面視される。また、図193では、規制部2888の作用で姿勢を変化させる花弁802を白抜きして示す(図195、図196においても同様である)。
本実施形態では、図194(a)に示すように、両側スリット815の内側に配置される一対の螺入部2803Sは、互いに向かい合う側の面に、螺子挿通部803Hを中心として相手側の螺入部2803Sから遠ざかる態様で傾斜する傾斜面2803Tを備える。
傾斜面2803Tは、スライド部材2820がスライド移動する方向に対して約30°傾斜して形成される。規制部2888が花弁802に与える作用について説明する。
図193(a)及び図193(b)に示すように、花弁802の前側部802bの移動する方向に沿った径外方に規制部2888が配置される姿勢で、花弁802をスライド動作させる(回転板830(図155参照)を正面視反時計回りに回転させる)と、規制部2888と花弁802の前側部802bとが当接し、花弁802は規制部2888から負荷を受ける。
花弁802が規制部2888から負荷を受けている状態で、更に、花弁802をスライド動作させる(回転板830(図155参照)を正面視反時計回りに回転させる)と、花弁802は負荷を受け流すために、姿勢を変化させる。
この時、花弁802に締結固定されるスライド部材2820は、図194(a)に図示される平常時の姿勢(中央スリット814及び両側スリット815の長手方向と直交する方向に長手方向を向ける姿勢)から、図194(b)に示すように、中央スリット814及び両側スリット815に対して傾斜する傾斜姿勢への姿勢変化が可能とされる。花弁802には、可能な限りにおいて、姿勢変化が生じる。
このようにスライド部材2820及び花弁802が姿勢変化することにより規制部2888からの負荷が受け流される一方で、スライド部材2820とスリット部材810との間の抵抗が変化する。
即ち、図194(a)に示す平常時の姿勢では、スライド部材2820は小幅のスライドリブ803aが両側スリット815と当接するのみであるので、摩擦抵抗が抑制され、スライド部材2820はスリット814,815の長手方向に滑らかに移動可能とされる。
これに対し、図194(b)に示す傾斜姿勢では、スライド部材2820は、両側スリット815に対して、外側内壁とはスライドリブ803aが、内側内壁とは傾斜面2803Tが、それぞれ当接される(押し付けられる)ので、摩擦抵抗が増大する。加えて、傾斜面2803Tの幅がスライドリブ803aよりも大きく形成されていることからも、摩擦抵抗の増大が顕著となる。なお、傾斜面2803Tは、両側スリット815の内側内壁に対して、両側スリット815の短手方向における両方向から当接されているので、回転板830の回転方向に関わらず、摩擦抵抗の増大は生じる。
従って、図194(b)に示す傾斜姿勢では、スライド部材2820のスリット814,815の長手方向への移動に対する移動抵抗が増大することにより、スライド部材2820がスリット814,815の終端に到達することを待たずして、スライドピン823から回転板830(図156参照)にかかるトルクをオイルダンパ805(図156参照)の制動力よりも上回らせることができる(平常時の姿勢でのスライド部材2820の移動抵抗と、傾斜姿勢でのスライド部材2820の移動抵抗との間の大きさにオイルダンパ805の制動力を設定することができる)。
この場合、スリット部材810が、オイルダンパ805による制動を振り切って回転板830(図155参照)と共に回転を開始する。即ち、図193(b)に示す状態から、正面視反時計回り方向への回転を開始する。この方向は、花弁802が規制部2888から離反する方向に対応するので、規制部2888から花弁802へ与えられていた負荷を解除することができる。
図195は、花弁動作装置2800の正面図である。なお、図195では、図193(b)の状態から回転板830(図156参照)が同方向に回転を継続した後の状態が図示される。
図195に示すように、拡開中の位置において花弁動作装置2800を回転動作させることができる。このとき、回転板830(図155参照)の回転方向と逆方向(正面視時計回り方向)に背面カバー2886が回転する。なお、図195に示す状態では、スライドピン823から回転板830(図156参照)にかかるトルクがオイルダンパ805(図156参照)の制動力よりも上回っているので、拡開中の位置を維持した状態で、正逆両方向に花弁802を回転させることができる。
図196(a)、図196(b)及び図197は、花弁動作装置2800の正面図である。なお、図196(a)、図196(b)及び図197では、拡開中の位置から集結位置へ花弁802が移動する様子が時系列で図示される。
図196(a)では、図195に示す状態から、回転板830(図156参照)が正面視時計回りに回転され、花弁802の前側部802bが規制部2888に押し当てられる。この状態から更に同方向に回転板830が回転すると、図196(b)に示すように、規制部2888が前側部802bを押進し、花弁802及びスライド部材2820の姿勢が平常時の姿勢に戻される。
更に、回転板830(図156参照)が同方向に回転すると、スライドピン823から回転板830にかかるトルクよりもオイルダンパ805(図156参照)の制動力の方が上回っていることから、花弁802の回転動作は収まり、花弁802は集結位置へ向けてスライド移動する。
このように、本実施形態によれば、花弁802を拡開中の位置で回転動作させ、その後、集結位置へ向けて戻す動作を自動で行うことができる。
なお、花弁802の前側部802bが規制部2888と当接する位置で拡開動作する場合について説明したが、若干の角度だけ花弁802を回転させれば(回転板830を正面視時計回りに回転させれば)、前側部802bと規制部2888との当接を避けられるので、全開位置まで花弁802を移動させ、全開位置で回転動作をさせることは本実施形態でも可能である。
また、規制部2888の配置としては、集結位置または全開位置における花弁802と当接しない位置か、又は、全開位置で回転動作する花弁802と当接しても、花弁802が若干姿勢変化することにより規制部2888をすり抜けることができ、負荷を受け流せることができる位置とすることで、規制部2888が全開位置の花弁802の回転の障害となることを防止することができる。
また、本実施形態に示すように、規制部2888を正面視で背面カバー886からはみ出た位置に配置することにより、規制部2888を演出装置の一部として用いることができる。例えば、規制部2888の正面側に星型の模様を配設することにより、花弁802が拡開する際に、星型の模様に近い位置を通るか、遠い位置を通るかについての目印とすることができ、その遠近の違いで、花弁802が最大まで拡開して回転動作を行うか、途中までの拡開で回転動作を行うかの違いを生じさせることができる。
そして、例えば、回転時の拡開の程度により大当たり期待度が異なる演出を行うことにより、星型の模様と花弁802との遠近の程度に対する遊技者の注目力を向上させることができるので、星型の模様を演出部分として機能させることができる。これにより、規制部2888を演出装置の一部として用いることができる。
なお、規制部2888を、正面視で背面カバー886に隠される位置に配設しても良い。この場合には、規制部2888の形状をデザインの面から設計する必要が無いので、規制部2888の設計自由度を向上させることができる。
全開位置において、花弁802が規制部2888と当接して若干姿勢変化することを演出効果(例えば、大当たり期待度の大小を示唆する演出)として利用しても良い。この場合、花弁802が単に回転しているのか、規制部2888と当接して若干の姿勢変化を生じながら(ヒラヒラと)回転しているのかで、遊技者に伝える意味内容を変化させることができる。
本実施形態では、花弁802が規制部2888と当接する位置が先端位置であったが、当接する位置が中央寄りになれば(花弁802の配置が異なれば)、花弁802が姿勢変化する際の拡開の程度は変化する。そのため、規制部2888が背面カバー2886に固定される構成であっても、花弁802が姿勢変化する際の拡開の程度を複数種類で変化させることができる。
次いで、図198及び図199を参照して、第12実施形態の別例について説明する。第12実施形態では、拡開中位置において、回転板830の回転方向に関わらずスリット部材810が回転板830に連れ回り回転する場合を説明したが、第12実施形態の別例における花弁動作装置3800のスリット部材3810は、回転板830の回転方向によって、スリット部材3810が回転板830に連れ回り回転する場合と、回転板830が独立で回転する場合とを切替可能に構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図198(a)、図198(b)、図199(a)及び図199(b)は、第12実施形態の別例におけるスリット部材3810及びスライド部材2820の部分拡大正面図である。図198及び図199では、図198(a)に示す状態から回転板830が正面視時計回りに回転した場合の花弁動作装置3800の動作例が時系列で図示される。また、図198(a)、図198(b)、図199(a)及び図199(b)では、回転板830のガイドレール832の配置および形状が想像線で図示される。
なお、図198(a)に示す状態から回転板830を正面視反時計回りに回転させた場合に、スライド部材2820とスリット部材3810との間で生じる負荷がオイルダンパ805からスリット部材3810に与えられる抵抗を上回り、スリット部材3810と回転板830とが連れ回り回転することは第12実施形態と同様であるので、ここでは説明を省略する。
また、図198及び図199では、便宜的に案内ピン822及びスライドピン823が断面視され、同じ断面において、平板部材2803の一対の螺入部2803Sが断面視される。
ここで、回転板830を正面視時計回りに回転させる場合、回転板830のガイドレール832にスライドピン823が挿通されているためにガイドレール832から負荷を受けるスライド部材2820は、ガイドレール832の変位に伴い、図198(a)の右下方向に変位する(図198(b)参照)。そして、本実施形態では、このように変位するスライド部材2820を受け入れる側に追加の凹設部3814a,3815a,3815bが形成される。
即ち、スリット部材3810は、スリット部材810との差異点として、中央スリット814の径方向に沿って延びる壁部の内、正面視時計回り側の壁部に中央スリット814の幅を広げる態様で凹設される中央凹設部3814aと、中央スリット814の正面視時計回り側に配置される両側スリット815の径方向に沿って延びる壁部の内、正面視時計回り側の壁部に両側スリット815の短手方向の幅を広げる態様で凹設される時計回り側凹設部3815aと、中央スリット814の正面視反時計回り側に配置される両側スリット815の径方向に沿って延びる壁部の内、正面視時計回り側の壁部に両側スリット815の短手方向の幅を広げる態様で凹設される反時計回り側凹設部3815bと、を主に備える。
時計回り側凹設部3815aは、図198(a)に示す状態において、平板部材2803のスライドリブ803aと対向配置される。
中央凹設部3814aは、図198(a)に示す状態において、スライド部材2820の案内ピン822と対向配置される位置からスリット部材3810の回転中心側(図198(a)下側)へ連続的に形成される。
中央凹設部3814aは、凹設深さが時計回り側凹設部3815aよりも深くされ、径方向の長さが時計回り側凹設部3815aよりも長くされる。
反時計回り側凹設部3815bは、図198(a)に示す状態において、平板部材2803の傾斜面2803Tと対向配置される位置からスリット部材3810の回転中心側(図198(a)下側)へ連続的に形成される。
反時計回り側凹設部3815bは、凹設深さが時計回り側凹設部3815aよりも深くされ、径方向の長さが中央凹設部3814aよりも長くされる。
上述のように構成される花弁動作装置3800の回転板830が正面視時計回りに回転した場合の作用について説明する。まず、図198(a)に示す状態から、回転板830が正面視時計回りに回転開始すると、スライド部材2820及び平板部材2803が、図198(a)右下方向(右端のスライドリブ803aが時計回り側凹設部3815aに入り込む方向)に移動する(図198(b)参照)。
これにより、両側スリット815の正面視反時計回り側の壁部と平板部材2803との当接は解除されるので、平板部材2803とスリット部材3810との間の摩擦抵抗が低減される。
更に回転板830を正面視時計回りに回転させると、スライド部材2820及び平板部材2803は、時計回り側凹設部3815aとスライドリブ803aとの当接部分(スライド部材2820及び平板部材2803とスリット部材3810との間で、初めに当接する部分)を支点として、正面視反時計回りに回転する(図199(a)及び図199(b)参照)。
なお、中央スリット3814a及び反時計回り側凹設部3815bは、時計回り側凹設部3815aよりも凹設深さが深いので、上述のスライド部材2820及び平板部材2803の回転中の、案内ピン822と中央凹設部3814aとの当接、及び、螺入部2803Sと反時計回り側凹設部3815bとの当接は、回避される。
更に、スライド部材2820及び平板部材2803は、上述した回転中に、回転先端部分(図198及び図199の左側部分)が中央スリット814及び両側スリット815と当接しない程度の凹設深さで時計回り側凹設部3815aが凹設される。
従って、スリット部材3810にスライド部材2820及び平板部材2803を介して与えられる負荷は低減され、スライド部材2820とスリット部材3810との間で生じる負荷がオイルダンパ805からスリット部材3810に与えられる抵抗を下回る。これにより、スリット部材3810と回転板830とが連れ回り回転しなくなる。
図199(b)に示すように、スリット部材3810の中央スリット814の長手方向と、一対の螺入部2803Sを結ぶ方向(平板部材2803の長手方向)とが直交する姿勢に至る過程において、正面視時計回り側の両側スリット815に収容されている径方向中央側のスライドリブ803aが両側スリット815の壁部と当接することで、その当接部分を支点としてスライド部材2820及び平板部材2803が正面視反時計回りに回転する。これにより、時計回り側凹設部3815aに入り込んでいたスライドリブ803aが、時計回り側凹設部3815aの凹設基端よりも正面視反時計回り側に移動する。
即ち、スライド部材2820及び平板部材2803が径方向に移動する状態(図194(a)参照)となるので、回転板830を継続して正面視時計回り方向に回転させることで、スライド部材2820及び平板部材2803を径方向中心側へ移動させることができる。
従って、第12実施形態の別例によれば、図198(a)に示す状態となってから、回転板830の回転方向の違いにより、回転板830にスリット部材3810が連れ回り回転する場合と、回転板830が独立して回転しスリット部材3810の姿勢は維持される場合とを切り替えることができる。
これにより、スライド部材2820、平板部材2803及び平板部材2803に締結固定される花弁802(図193(a)参照)に、第12実施形態では実現不可能であった動作をさせることができる。
換言すれば、第12実施形態では、回転板830を正面視反時計回りに回転させることに伴う拡開動作の途中でスライド部材2820及び平板部材2803の姿勢が変化した後で(図194(b)参照)、その変化した姿勢を復帰させるまでの間に、平板部材2803及び平板部材2803に締結固定される花弁802(図193(a)参照)の回転動作(スリット部材3810に連れ回り回転する回転動作)が介在する(図195、図196(a)及び図196(b)参照)。
一方、第12実施形態の別例では、回転板830を正面視反時計回りに回転させることに伴う拡開動作の途中でスライド部材2820及び平板部材2803の姿勢が変化した後で(図198(a)参照)、回転板830を正面視時計回りに回転させることで、スライド部材2820及び平板部材2803の姿勢を戻すことができる(図199(b)参照)。即ち、変化した姿勢を復帰させるまでの間の平板部材2803及び平板部材2803に締結固定される花弁802(図193(a)参照)の回転動作(スリット部材3810に連れ回り回転する回転動作)を省略することができる。
従って、第12実施形態の別例によれば、回転板830を正面視反時計回りに回転させることに伴う拡開動作の途中でスライド部材2820及び平板部材2803の姿勢が変化した後において(図198(a)参照)、回転板830を任意の状態(位相または姿勢)から正面視時計回りに回転させることで、その任意の状態(位相または姿勢)に合致する平板部材2803及び平板部材2803に締結固定される花弁802の位置から、スライド部材2820及び平板部材2803を集結位置へ向けて移動開始させることができる。これにより、平板部材2803及び平板部材2803に締結固定される花弁802(図193(a)参照)が拡開途中(図198(a)参照)で回転動作(図195参照)した後、集結位置(図197参照)へ向けて集結動作する際の花弁802の配置を多様化することができるので、花弁動作装置3800の動作を多様化することができる。
次いで、図200から図203を参照して、第13実施形態について説明する。第1実施形態では、下枠部材320の正面側部を構成する湾曲面が開口の無い板から形成される場合を説明したが、第13実施形態における操作デバイス8300は、下枠部材8320の湾曲壁部8326に複数の貫通孔8326a〜8326cが貫通形成される態様で構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図200、図201、図202(a)及び図202(b)は、第13実施形態における操作デバイス8300の正面斜視図である。なお、図200及び図202(a)では、傾倒装置310の第2状態が図示され、図201では、傾倒装置310の第1状態が図示され、図202(b)では、傾倒装置310が第1状態から第2状態へ変化する途中の状態が図示される。
図200及び図201に示すように、本実施形態における操作デバイス8300は、上述した各実施形態における操作デバイス300〜7300との比較において、下枠部材8320の湾曲壁部8326における違いが未説明であり、その他の構成については、上述した各実施形態における操作デバイス300〜7300において、ほぼ説明済みである。従って、以下においては下枠部材8320の詳細について説明し、その他の構成については、若干の補足説明に留める。
下枠部材8320の湾曲壁部8326は、第1状態の傾倒装置310の保護レンズ部材311iと前後方向で対向配置される湾曲した板状部であって、左右中央位置において略卵形状に穿設される第1貫通孔8326aと、振動装置5400の左右において、傾倒装置310の回転軸に直交し底板部321の面に沿った方向視で横長矩形の断面形状で底板部321の上面の傾斜に沿って穿設され、底板部321の上面と下側面とが面位置でつながる一対の第2貫通孔8326bと、左右隅部において正面視で縦長矩形の断面形状で穿設される一対の第3貫通孔8326cと、を主に備える。
各貫通孔8326a〜8326cは、上述した飲料水などの液体を下方へ通過し易くする目的と、以下で説明する操作デバイス8300の隙間V13,V14に挿入されたコイン状の異物を取り出しやすくする目的とを有する貫通孔である。コイン状の異物は、例えば、傾倒装置300の動作を邪魔と感じた遊技者が傾倒装置300の動作を無理やり停止させるため、又は、興味本位の遊技者により意味もなく、傾倒装置310と上枠部材330との間の隙間V13,V14に嵌め入れられることがある。
ここで、操作デバイス8300は、動作可能に構成される傾倒装置310を備えるので、上枠部材330と傾倒装置310との間には若干の隙間V13,V14が形成される。こうすることで、傾倒装置310の動作をスムーズにすることができる反面、隙間V13,V14に異物が挿入される可能性が高くなる。
特に、本実施形態では、傾倒装置310が背面側端部に配置されるリング部材BR1(図14(b)参照)を軸に回転動作する構成とされる、即ち、上枠部材330に支持される位置が後端に寄っているので、傾倒装置310の前後方向長さが長いほど、正面側端部付近で左右に位置ずれ(変形)し易い構成となっている。なお、この位置ずれ(変形)には、例えば、部材間に設計段階から組み込まれる設計誤差が合算されることで生じるガタつきを利用した位置ずれや、各部材を若干変形させることで生じる位置ずれ(変形)が含まれる。
そのため、平常使用時には傾倒装置310の左右両側の上枠部材330との隙間V13が、コイン状の異物(例えば、1円玉)を挿入するほどの隙間V13にならないように設計した場合であっても、傾倒装置310を左右どちらか一方(例えば、左方)に位置ずれされた場合、他方(例えば、右方)にできる隙間V13は、平常使用時に傾倒装置310の左右両側に上枠部材330との間で形成された隙間V13を合算した大きさの隙間V13となり、コイン状の異物を挿入することが可能な大きさになり得る。
即ち、平常使用時の傾倒装置310の左右両側の上枠部材330との隙間V13をコイン状の異物の厚みの半分以下(例えば、1円玉であれば、0.5mm以下)に設定していなかった場合、傾倒装置310を左右どちらか一方に位置ずれされた場合、コイン状の異物が挿入され得る。
また、傾倒装置310の正面端部と上枠部材330との前後方向の隙間V14も、傾倒装置310のリング部材BR1(図14(b)参照)付近のガタを利用して、傾倒装置310に背面側向きの負荷を与えること位置ずれ(変形)させれば、容易に隙間V14を拡大可能とされるので、この隙間V14にもコイン状の異物が挿入され得る。
本実施形態では、傾倒装置310と上枠部材330との間の左右どちらかの隙間V13又は前後方向の隙間V14にコイン状の異物が挿入された状態で、傾倒装置310が傾倒動作すると、コイン状の異物が下枠部材8320に入り込む可能性がある。
特に、図202(a)及び図202(b)に示すように、傾倒装置310の左右壁部が上下中央ほど左右内側にくびれる形状で構成される場合には、遊技者の手指にフィットし易くなり良好な操作感を創出することができる一方、第2状態(図202(a)参照)で隙間V13に嵌め込まれたコイン状の異物がケース本体311のくびれの上から外方へ張り出す部分から下向きの負荷を与えられ、より下枠部材8320に入り込み易くなる。
コイン状の異物が隙間V13,V14に挿入された状態で傾倒装置310を動作させると、動作抵抗が過大となり、傾倒装置310の駆動に問題が生じる虞がある。また、コイン状の異物と保護レンズ部材311iが擦れることで、保護レンズ部材311iの透光性が悪くなり、発光演出に支障をきたす虞もある。
そもそも、コイン状の異物が内部で引っかかり、傾倒装置310の動作を規制する事態に陥ると、操作デバイス8300で意図する演出を実行不可能となるので、隙間V13,V14にコイン状の異物が挿入されたことが発覚したら、早急に取り除くことが望ましいが、下枠部材320に貫通孔が形成されていない状態では、コイン状の異物を取り除くために操作デバイス300を分解する必要があった。
これに対し、本実施形態では、湾曲壁部8326に貫通孔8326a〜8326cが形成されるので、貫通孔8326a〜8326cを通してコイン状の異物を取り除くことが可能となる。以下、貫通孔8326a〜8326cの形状や配置について説明する。
図203(a)は、操作デバイス8300の正面図であり、図203(b)は、図203(a)の矢印CCIIIb方向視における操作デバイス8300の側面図であり、図203(c)は、操作デバイス8300の底面図であり、図203(d)は、図203(a)のCCIIId−CCIIId線における操作デバイス8300の部分断面図であり、図203(e)は、図203(a)のCCIIIe−CCIIIe線における操作デバイス8300の断面図である。
第1貫通孔8326aは、振動装置5400の左右方向中心と同一の左右方向中心を有し、振動装置5400(の第1収容部5431、図58参照)の左右幅より大きな左右幅で穿設される。従って、隙間V14の左右中央位置付近に飲料水等の液体が注がれた場合であっても、その液体は振動装置5400に到達する前に第1貫通孔8326aを通って排出されるので、振動装置5400に液体が到達することを防止することができる。
第1貫通孔8326aの下縁は、第1状態の傾倒装置310の延設部311h(図12参照)の上面よりも下方に配置される。そのため、隙間V14に嵌め入れられたコイン状の異物が延設部311hの上面に乗っていた場合にあっては、その延設部311hの上面の傾斜(第2状態の上下方向視で左右に向けて湾曲形成されていることにより傾倒装置310の第1状態において左右中央へ向けて下降傾斜する傾斜D81、及び傾倒装置310が傾倒していることにより正面側へ向けて下降傾斜する傾斜D82、図201参照)に沿って、コイン状の異物が第1貫通孔8326aを通して取り除き易くすることができる。
これにより、コイン状の異物を取り除き易くしながら、第1貫通孔8326aの大きさとして要する大きさを必要最小限に抑えることができるので、下枠部材8320の設計自由度を維持することができる。例えば、第1貫通孔8326aを左右に大きく広げる必要がある場合に比較して、下枠部材8320の強度を確保し易くすることができる。
なお、本実施形態では、第1貫通孔8326aの大きさは、第1状態の傾倒装置310の延設部311h(図12参照)の上面よりも上側の部分が、コイン状の異物として想定される対象物の大きさ以上の大きさとされる。即ち、本実施形態では、第1状態の傾倒装置310の延設部311hの上面よりも上側の部分が、左右幅および上下幅が約30[mm]で形成される。
なお、第1貫通孔8326aは、傾倒装置310が第1状態とされる場合において、球殻部313a(図15参照)の正面側に位置する。球殻部313aはLED装置341f(図25参照)から照射される光を透光させる部分である。本実施形態では、球殻部313aを除き、球殻部313の左右上下に連設されるレンズ部材313の板部分は、本実施形態では鏡面加工が施される(鏡面加工の施された部材が固定される)ことにより、球殻部313を通過した光を反射させる。
この配置により、第1貫通孔8326aを用いて、傾倒装置310が第1状態とされた場合に球殻部313a(図15参照)を透過し遊技者に視認される光の光量に差を持たせることができ、特に、第1貫通孔8326aにより、光の光量を弱める樹脂部材を取り払ったことで、左右方向中央部を明るく視認させることができる。
なお、コイン状の異物が第1貫通孔8326aを部分的に閉塞する位置に配置される場合、球殻部313a(図15参照)を透過し遊技者に視認される光の光量は、コイン状の異物が無い場合に比較して弱くなる(コイン状の異物が影になる)。即ち、光量や、コイン状の異物の影を手掛かりとして、コイン状の異物が下枠部材8320に残留していることに気づき易くすることができるので、コイン状の異物が気づかれずに、下枠部材8320に残留し続ける可能性を低くすることができる。なお、この効果は、第1貫通孔8326aを通して視認した場合に限らず、第2貫通孔8326bや第3貫通孔8326cを通して視認した場合も同様である。
第2貫通孔8326bは、底板部321に乗って倒れたコイン状の異物を、底板部321の面に沿った方向で排出可能な貫通孔として構成される。そのため、コイン状の異物として考えられる最大のもの(例えば、500円玉)を排出可能な大きさとして、本実施形態では、第2貫通孔8326の左右幅が約30[mm]、底板部321の法線方向の幅が約2[mm]で形成される。
第2貫通孔8326bは、底板部321の左右中央付近に配置されることから、底板部321の前縁の湾曲形状に沿って下方にコイン状の異物がずり落ちた後であっても、容易にコイン状の異物を取り除くことができる。
第2貫通孔8326bは、振動装置5400の左右両側に配置されるので、例えば、湾曲壁部8326を伝い流れたり、底板部321を伝い流れたりする飲料水等の液体を振動装置5400に到達する前に外方へ排出することに第2貫通孔8326bを利用することができる。
第3貫通孔8326cは、傾倒装置310の左右縁に沿って中心軸が配置され(図203(a)参照)、傾倒装置310の左右側壁に沿って隙間V13に入り込んだコイン状の異物を、そのままの起立した状態(姿勢)で取り除くことができる貫通孔として形成される。
即ち、第3貫通孔8326cの長尺方向の長さは、底板部321の面に沿った方向視でコイン状の異物を排出可能な大きさで形成される必要があるところ、本実施形態では、第3貫通孔8326cの長尺方向の長さは、底板部321の面に沿った方向視において、約30[mm]とされ、左右方向幅は約2[mm]で形成される。
コイン状の異物を取り除く際には、被覆カバー370を取り外して操作デバイス8300を正面視で露出させるだけで(図92参照)、作業者は貫通孔8326a〜8326cにアクセスすることができる。なお、被覆カバー370は、本体湾曲部371の締結部370a(図91参照)が前後方向に挿通されるネジで正面枠14に締結固定され、垂下部372が上下方向に挿通されるネジで凹設部15aが形成される底板に締結固定されているだけなので、正面枠14を開放した状態(図89参照)でネジを取り外せば、容易に被覆カバー370を取り外すことができる。従って、作業時間を短く抑えることができる。
本実施形態の構成によれば、操作デバイス8300を分解することなく、操作デバイス8300の隙間V13,V14に入り込んだコイン状の異物を容易に取り除くことができる。
なお、操作デバイス8300に接続されるハーネスHN3は、本体カバー351の右下隅に右外方へ向けて開放されるコネクタ部8353に接続される(図203(b)参照)。上述した各実施形態も含め、MPU221(図4参照)と信号を送受信するために操作デバイス8300に接続されるのはハーネスHN3のみである。
従って、万が一、コイン状の異物が取り出せない事態が生じたとしても、正面枠14と操作デバイス8300とを締結するネジを取り外したうえで、ハーネスHN3をコネクタ部8353から取り外すことで、容易に操作デバイス8300を正面枠14から取り外すことができる。従って、正常な操作デバイス8300の替えを用意しておけば、コイン状の異物が挟まった操作デバイス8300を正常な操作デバイス8300と取り換えることを早急に行うことができる。
これにより、操作デバイス8300にコイン状の異物が入り込むことで正常な動作が行われずパチンコ機10の稼働を停止した事態が生じても、パチンコ機10の稼働を早急に再開させることができる。
次いで、図204を参照して、第14実施形態について説明する。第8実施形態では、盤面支持装置600が固定状態とされると正面枠14からの負荷を受けない場合を説明したが、第14実施形態における盤面支持装置600は、固定状態において、正面枠14と当接可能に配置される前後変位部材2652を介して、正面枠14からの負荷を受ける態様で配設される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図204(a)及び図204(b)は、図86のCXXXVI−CXXXVI線に対応する線における第14実施形態における内枠12の部分断面図である。なお、図204(a)では、正面枠14が内枠12に対して開放した状態が図示され(正面枠14の図示が省略され)、図204(b)では、正面枠14が内枠12に対して閉鎖した状態が図示される。また、図204(a)では内枠12の形状が、図204(b)では正面枠14及び内枠12の形状が、それぞれ簡略化され想像線で図示される。
図204(a)及び図204(b)に示すように、本実施形態における内枠12は、第8実施形態との差異点として、負荷伝達装置2650を備える。負荷伝達装置2650は、本体板部611のうちで内枠12に締結固定される板部(背面側に配置される板部)の正面側を上下変位可能に配置される上下変位部材2651と、その上下変位部材2651の下端に当接可能に配置され、前後方向に変位可能に支持される前後変位部材2652と、その前後変位部材2652から下方に突設される係止部2653と、前後変位部材2652を前後2箇所において変位可能に上下から挟持する部分であって板部611aに固定される支持部2654と、その支持部2654と係止部2653とに当接し前後変位部材2652に正面側へ向けた付勢力を付加するコイルスプリング等の付勢部材2655と、を備える。
上下変位部材2651は、盤面支持装置600の固定状態におけるねじりバネNBbと当接する状態と、離間する状態とで切り替えられる。即ち、図204(a)に示す下方位置では、ねじりバネNBbからは退避し、図204(b)に示す上方位置(下方位置よりも上方へ変位した位置)では、ねじりバネNBbに当接し、ねじりバネNBbを変形させる。なお、本実施形態では、図204(a)に示すように、下方位置において上下変位部材2651の上端が、ねじりバネNBbとの間に若干の隙間を空けた位置に、上下変位部材2651の位置が設定される。
前後変位部材2652は、付勢部材2655の付勢力により前方に押されることで配置される前方位置(図204(a)参照)と、正面枠14に押されて後方に押し込まれることで配置される後方位置(図204(b)参照)とで、変位可能に構成される。
ここで、前後変位部材2652の後方先端部には、先端側へ向かう程下降傾斜する傾斜面2652aが形成されている。傾斜面2652aは、前後変位部材2652が前方位置に配置された状態における上下変位部材2651の鉛直下方位置から、前後変位部材2652が後方位置に配置された状態における上下変位部材2651の鉛直下方位置まで、連続的につながる傾斜面である。
傾斜面2652aは、前後変位部材2652の前方位置において上下変位部材2651が下方位置とされ、前後変位部材2652の後方位置において上下変位部材2651が上方位置とされるように、傾斜角度や形成範囲が設定される。
上述した構成により、本実施形態では、正面枠14を閉鎖することにより、上下変位部材2651が上方位置に配置され、その前後方向の厚み分、ねじりバネNBbを負荷が大となる側に変形させることができる。
これにより、回転後爪部材640が遊技盤13に背面側から与える負荷を大きくすることができ、遊技盤13を回転前爪部材620の下垂背面板部621dに当接した状態を維持し易くすることができ、遊技盤13の正面と正面枠14の背面(正面枠14に固定されるガラスユニット16の背面)との間隔D14を規定し易くすることができる。従って、遊技領域の厚みを規定し易くすることができ、球の流下を安定させることができる。
ここで、第8実施形態における盤面支持装置600と、本実施形態における盤面支持装置600とに要求される仕様は同様であり、遊技盤13を固定することである。その固定の際に、盤面支持装置600は、遊技盤13をねじりバネNBbの付勢力で正面側へ押し込み、下垂背面板部621dに押し付けて固定する。
本実施形態の構成によれば、正面枠14を閉鎖することでねじりバネNBbを更に縮めるので、ねじりバネNBbに、第8実施形態で採用したバネに比較して、弾性係数の低いスプリングを採用することができる。
そのため、遊技盤13を盤面支持装置600に固定する際にねじりバネNBbから作業者に与えられる負荷(反力)を低減することができ、遊技盤13を盤面支持装置600に固定する際に必要となる力を小さくすることができるので、作業者の選択自由度、及び、作業性の向上を図ることができる。
次いで、図205を参照して、第15実施形態について説明する。第8実施形態では、逆カップ部178を熱したピアノ線で溶かし、そのまま内部へ浸入する不正に対して、逆カップ部178の上方にハーネスHN1〜HN3を這わし、そのハーネスHN1〜HN3が熱したピアノ線により焼損することを検出し、不正の早期発見を図る場合を説明したが、第15実施形態における不正検出装置2280は、逆カップ部178が熱したピアノ線で溶かされた場合に、その熱を検出すると共に、ハーネスHN1〜HN3の焼損を防止するように構成される。
図205(a)は、第15実施形態における正面枠14の部分背面図であり、図205(b)及び図205(c)は、不正検出装置2280の背面図である。なお、図205(b)では、形状記憶スプリング2288が縮小形状で維持された状態が図示され、図205(c)では、熱の付与により引張形状(記憶された形状)に復帰した状態が図示される。また、図205(b)及び図205(c)では、不正検出装置2280が、本体箱部2281の前後中間位置で断面視される。
不正検出装置2280は、背面側および下面側が開口する箱状に構成され逆カップ部2178の上方に重ねられる本体箱部2281と、その本体箱部2281の背面側開口に蓋をするように背面側から取り付けられる背面蓋部材2282と、を備え、本体箱部2281と背面蓋部材2282との間に空間が形成される。
本体箱部2281は、金属材料から構成され、右下隅部から延設され逆カップ部2178の壁部2178aの左面に当接する延設部2283と、下隅部から上方へ向けて開口を狭めるように内壁から延設される狭窄部2284と、その狭窄部2284の上端部開口の縁付近から上方に凸設される突設部2285と、本体箱部2281の左側壁部に背面側から凹設される凹部に収容され、一端が本体箱部2281の外部に張り出し、他端が本体箱部2281の内部において左右方向に延設される第1導通部2286と、本体箱部2281の右側壁部に背面側から凹設される凹部に収容され、一端が本体箱部2281の外部に張り出し、他端が本体箱部2281の内部において左右方向に延設されると共に第1導通部2286の上面に当接可能な長さで形成される第2導通部2287と、その第2導通部2287を第1導通部2286に押し付ける付勢力を発生させるねじりバネSP15と、狭窄部2284の上面に乗り、突設部2285に支持されると共に第2導通部2287の下方に配置される形状記憶スプリング2288と、を備える。
不正検出装置2280は、熱を検出した場合にエラー信号を出力するための装置である。第1導通部2286及び第2導通部2287は、本体箱部2281の外側に張り出す部分に別々の配線の一端が、それぞれ、はんだ付けなどの手法により連結され、配線の他端は主制御装置110(図4参照)に連結される。そして、第1導通部2286及び第2導通部2287が接触し導通する状態(図205(b)参照)から、第1導通部2286及び第2導通部2287の接触が解除される(図205(c)参照)ことで導通が断たれ、導通が断たれたことを入力としてエラー信号を出力するように制御される。
エラー信号が主制御装置から出力されると、スピーカー451(図120参照)から大音量で警報を出力したり、払出装置133(図87参照)からの球の払出を停止したりする等、継続して遊技を行うことが不可能となるように制御される。
不正検出装置2280の詳細について説明する。図205(a)から図205(c)に示すように、不正検出装置2280の本体箱部2281は、逆カップ部2178の左方および上方を覆う。ここで、本実施形態における逆カップ部2178は、第8実施形態に比較して、壁部2178aの形成箇所が左方にずれており、長尺カバー部材173との間に延設部2283を収容可能な隙間が生じている。
延設部2283が壁部2178aと長尺カバー部材173との間の隙間を埋めることで、熱したピアノ線の先端により壁部2178aを溶かされても、そのピアノ線がそのまま長尺カバー173を貫通することを防止することができる。
本構成によれば、逆カップ部2178に下方から進入し、上壁部を溶かして更に進行するピアノ線は、狭窄部2284に案内され狭窄部2284の上部開口に配置される形状記憶スプリング2288まで案内される。
形状記憶スプリング2288は、ニッケルチタン合金などの形状記憶合金から形成され、低温状態では変形後の形状を維持し、所定の変態温度以上に加熱されることで予め記憶した形状に復帰する特性を備える。なお、本実施形態では、形状記憶スプリング2288は、逆カップ部2178の融点程度の温度(約80°)に変態温度が設定され、予め引張形状(図205(c)参照)が記憶されている。
そのため、熱したピアノ線により形状記憶スプリング2288が変態温度以上に熱されると、形状記憶スプリング2288が引張形状に戻るので、第2導通部2287が押し上げられ、第1導通部2286と第2導通部2287との導通が解除され、エラー信号が出力される。従って、不正行為の早期発見を図ることができる。
形状記憶スプリング2288の上端部から正面側に延設される延設部2288aは、背面蓋部材2282に上下方向長尺形状で前後方向に穿設される案内長孔2282aに挿通され、正面側に張り出す。形状記憶スプリング2288が引張状態となった後、低温状態に戻ったら、作業者は、延設部2288aを下方に押し下げることで、形状記憶スプリング2288を変形させ、縮小状態(図205(b)参照)に再度戻すことができる。即ち、不正行為が発覚した後も、不正行為の早期発見を図るために繰り返し使用することができる。
次いで、図206を参照して、第16実施形態について説明する。第8実施形態では、導光部材540に凹設される凹状部の形状が一様でも、導光部材540を湾曲形成することで、両面に出射される光の進行方向に違いを生じさせる場合を説明したが、第16実施形態における右パネルユニット2500は、領域ごとに形状の異なる凹状部を備える。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図206(a)は、第16実施形態における右パネルユニット2500の部分背面図であり、図206(b)は、図206(a)の領域CCVIbにおいて導光部材2540に凹設される上向き凹状部2543bを模式的に表す導光部材2540の部分拡大斜視図であり、図206(c)は、図206(a)の領域CCVIcにおいて導光部材2540に凹設される下向き凹状部2543cを模式的に表す導光部材2540の部分拡大斜視図であり、図206(d)は、図206(a)の領域CCVIdにおいて導光部材2540に凹設される下向き凹状部2543dを模式的に表す導光部材2540の部分拡大斜視図であり、図206(e)は、図206(a)の領域CCVIeにおいて導光部材2540に凹設される上向き凹状部2543eを模式的に表す導光部材2540の部分拡大斜視図である。なお、図206(a)では、支持板部510の図示が省略される。
図206(a)に示すように、導光部材2540は、鉛直方向に真直に延びる板形状から形成される。なお、本実施形態では、基板部材512に配設されるLED512a(図107参照)は、導光部材2540の形状に合わせて、上下真直に並んで配置される。
導光部材2540の両面には、第8実施形態で上述した配置で凹状部が形成されるところ、本実施形態では、内レンズ部材530の湾曲を基準とした領域ごとに、凹状部2543の形状が変えられる。
即ち、内レンズ部材530の湾曲の底を基準として、上方かつ内レンズ部材530側に配置される領域CCVIbと、上方かつ外レンズ部材550側に配置される領域CCVIcと、下方かつ内レンズ部材530側に配置される領域CCVIdと、下方かつ外レンズ部材550側に配置される領域CCVIeとで、凹状部2543の形状が変えられる。
図206(b)に示すように、領域CCVIbには、球を1/8等分に分割した形状の凸部を熱プレスすることにより凹設される上向き凹状部2543bが形成される。上向き凹状部2543bは、下側と正面側(LED512a(図107参照)が配置される側の反対側)とに平面が配置され、上側および背面側に湾曲面が配置される姿勢で、熱プレスに用いられる凸部が形成される。
ここで、下側の平面はLED512a(図107参照)の光軸方向と平行であり、正面側の平面は、LED512aの光軸と垂直なので、LED512aから導光部材2540に入射する光は、この位置において左右方向には反射し難い。そのため、上向き凹状部2543bは専ら湾曲部分で光を屈折させ、外レンズ部材550側へ光を出射させるところ、その出射された光は、その湾曲形状の影響により、上向きに屈折されやすい。そのため、領域CCVIbで屈折して外レンズ部材550へ出射される光は、図206(a)に示すように、上方傾斜する方向へ出射される。
図206(c)に示すように、領域CCVIcには、球を1/8等分に分割した形状の凸部を熱プレスすることにより凹設される下向き凹状部2543cが形成される。下向き凹状部2543cは、上側と正面側(LED512a(図107参照)が配置される側の反対側)とに平面が配置され、下側および背面側に湾曲面が配置される姿勢で、熱プレスに用いられる凸部が形成される。
ここで、上側の平面はLED512a(図107参照)の光軸方向と平行であり、正面側の平面は、LED512aの光軸と垂直なので、LED512aから導光部材2540に入射する光は、この位置において左右方向には反射し難い。そのため、下向き凹状部2543cは専ら湾曲部分で光を屈折させ、内レンズ部材530側へ光を出射させるところ、その出射された光は、その湾曲形状の影響により、下向きに屈折されやすい。そのため、領域CCVIcで屈折して内レンズ部材530へ出射される光は、図206(a)に示すように、下方傾斜する方向へ出射される。
図206(d)に示すように、領域CCVIdには、球を1/8等分に分割した形状の凸部を熱プレスすることにより凹設される下向き凹状部2543dが形成される。下向き凹状部2543dは、上側と正面側(LED512a(図107参照)が配置される側の反対側)とに平面が配置され、下側および背面側に湾曲面が配置される姿勢で、熱プレスに用いられる凸部が形成される。
ここで、上側の平面はLED512a(図107参照)の光軸方向と平行であり、正面側の平面は、LED512aの光軸と垂直なので、LED512aから導光部材2540に入射する光は、この位置において左右方向には反射し難い。そのため、下向き凹状部2543dは専ら湾曲部分で光を屈折させ、外レンズ部材550側へ光を出射させるところ、その出射された光は、その湾曲形状の影響により、下向きに屈折されやすい。そのため、領域CCVIdで屈折して外レンズ部材550へ出射される光は、図206(a)に示すように、下方傾斜する方向へ出射される。
図206(e)に示すように、領域CCVIeには、球を1/8等分に分割した形状の凸部を熱プレスすることにより凹設される上向き凹状部2543eが形成される。上向き凹状部2543eは、上側と正面側(LED512a(図107参照)が配置される側の反対側)とに平面が配置され、下側および背面側に湾曲面が配置される姿勢で、熱プレスに用いられる凸部が形成される。
ここで、上側の平面はLED512a(図107参照)の光軸方向と平行であり、正面側の平面は、LED512aの光軸と垂直なので、LED512aから導光部材2540に入射する光は、この位置において左右方向には反射し難い。そのため、上向き凹状部2543eは専ら湾曲部分で光を屈折させ、内レンズ部材530側へ光を出射させるところ、その出射された光は、その湾曲形状の影響により、上向きに屈折されやすい。そのため、領域CCVIeで屈折して内レンズ部材530へ出射される光は、図206(a)に示すように、上方傾斜する方向へ出射される。
なお、内レンズ部材530の湾曲の底と対向する領域において導光部材2540の両面に形成される凹状部は、第8実施形態と同様の形状(底面に対する傾斜角度45°且つ底円の直径約1mmの円錐形状)から形成される。そのため、この部分から内レンズ部材530又は外レンズ部材550へ出射される光は上下に屈折される程度は弱く、ほぼ水平方向に進行する。
本実施形態によれば、上述した構成により、図206(a)に示すように、内レンズ部材530側へは光を集める方向に進行させ、外レンズ部材550側へは光を拡げる方向に進行させることができる。即ち、導光部材2540を平面板状に形成しながら、その両面から出射される光の進行方向に差を持たせることができるので、右パネルユニット2500の左右幅を抑えながら、発光演出の演出効果を向上させることができる。
次いで、図207から図281を参照して、第17実施形態について説明する。上述した第1実施形態では、下皿ユニット15の底面が平らに形成される場合を説明したが、第17実施形態におけるパチンコ機10010は、下皿ユニット6400の底面に凸形状部分が形成されることで、下皿ユニット6400を備える正面枠10014の運搬性が向上している。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図207は、第17実施形態におけるパチンコ機10010の正面図であり、図208は、パチンコ機10010の正面斜視図である。なお、以下の説明では、図207に示す状態のパチンコ機10010に対して、紙面手前側を前方(正面)側として、紙面奥側を後方(背面)側として説明する。また、図207に示す状態のパチンコ機10010に対して、上側を上方(上)側として、下側を下方(下)側として、右側を右方(右)側として、左側を左方(左)側としてそれぞれ説明する。さらに、図中の矢印U−D,L−R,F−Bは、パチンコ機10010の上下方向,左右方向,前後方向をそれぞれ示している。
図207及び図208に示すように、パチンコ機10010は、図207において首振り装置部材10310が上向き位置に配置された状態が図示される操作デバイス10300と、その操作デバイス10300の下方に配置され正面枠10014の下側を覆う下皿ユニット6400と、正面枠10014の左右部分を覆い、主に発光演出が実行される横演出装置6700と、正面枠10014の上部分を覆い、主に発光演出および音響演出が実行される上演出装置6500と、を主に備える。
なお、横演出装置6700と上演出装置6500とに囲われる領域に上述したガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16の背面側に遊技球が流下する遊技領域が構成されることは上記各実施形態と同様である。なお、図面が複雑となることを避けるために、図207では、ガラスユニット16の背面側の状態の図示が省略され、図208では、ガラスユニット16及び遊技盤13(図2参照)の図示が省略され、ガラスユニット16が配設される開口から外枠11(図3参照)の内側が視認可能とされる。
図209は、パチンコ機10010の正面斜視図である。なお、図209では、操作デバイス10300のレバー部材(例えば、レバー部材10340(図80参照))の長手方向に沿った方向視(操作デバイス10300のレバー部材の回転軸の径方向視)が図示される。
操作デバイス10300は、薄肉板状に形成され撓み変形可能な程度の柔軟性を備えて形成される左前カバー10321、右前カバー10322を備える。図209に示すように、収容凹部17aは、左右中心へ近づくほど背面側へ向けた窪みの程度が大きくなる略左右対称形状の凹部として形成され、且つ、収容凹部17aの左右中心と、操作デバイス10300の左右中心とが一致するように配置される。
左前カバー10321及び右前カバー10322の背面側端部は、収容凹部17aに嵌合支持される。そのため、その嵌合位置は、左右中心へ近づくほど背面側へ移動する。換言すれば、嵌合位置は、左右中心へ近づくほど、正面枠10014の本体枠(金属本体部10014a)側へ移動する。
従って、操作デバイス10300の操作時の負荷の伝達量が大きくなり易い左右中心位置においては、金属本体部10014aから嵌合位置までの前後位置を短くすることで、嵌合位置の上下変位を抑制して操作デバイス10300が上下方向(負荷方向)に変位することを抑制することができる。
一方で、操作デバイス10300の操作時の負荷の伝達量が小さくなり易い左右位置(中心から左右に離れた位置)においては、金属本体部10014aから嵌合位置までの前後位置を長くしても操作デバイス10300の上下方向の変位の抑制効果に支障がなく、又、このように嵌合位置を配置することで、嵌合位置と金属本体部10014aとの間に空間を形成することができるので、上皿17や、枠ボタン22等の配置領域を広く確保することができる。
図210は、パチンコ機10010の正面斜視図である。なお、図210では、外枠11に対して、正面枠10014がヒンジ19に軸支される左端部を中心に手前側に開放された状態が図示される。
正面枠10014は、ヒンジ19に軸支される棒状部を備えており、その棒状部はヒンジ19に着脱可能に構成される。棒状部をヒンジ19から取り外すことにより、正面枠10014を内枠12から分離させることができる。新たに説明する構成は、それぞれ正面枠10014に配設されるので、以下では、正面枠10014に注目して説明を進める。
図211は、正面枠10014の分解背面斜視図であり、図212は、正面枠10014の分解正面斜視図である。なお、図211及び図212では、下皿ユニット6400及び操作デバイス10300が正面枠10014から取り外された状態が図示される。
正面枠10014は、骨格を形成する枠状の金属部材であり、前扉取付金具58と一体的に構成される金属本体部10014aを備え、下皿ユニット6400及び操作デバイス10300は、金属本体部10014aに締結固定される。即ち、下皿ユニット6400にも、操作デバイス10300にも、金属本体部10014a側(背面側)に開放する締結部(雌ネジ形成部)が構成されており、金属本体部10014aには、締結部と対応する位置に貫通孔が穿設されている。金属本体部10014aの背面側から締結部材(雄ネジ)を貫通孔に挿通し、締結部に螺合させ締め付けることにより、下皿ユニット6400や、操作デバイス10300が正面枠10014に締結固定される。
図211及び図212に示すように、操作デバイス10300は、上皿17と下皿ユニット6400とに挟み込まれる態様で保持される。即ち、上皿17は、操作デバイス10300の上部後方から操作デバイス10300を保持し、下皿ユニット6400は、操作デバイス10300の下部前方から操作デバイス10300を保持する。以下で、操作デバイス10300が正面枠10014に保持される構成について順に説明する。
図213は、正面枠10014の分解正面斜視図であり、図214は、正面枠10014の分解正面図である。なお、図213及び図214では、正面枠10014の上半部および下皿ユニット6400の図示が省略される。また、図213では、操作デバイス10300は、金属本体部10014aから分解された上で、背面側からの方向視で図示されると共に、理解を容易とするために、挿通孔6801R,6801Lと、その締結箇所とを繋ぐ組み付け方向線が想像線で図示される。
操作デバイス10300を正面枠10014に正面側からはめ込むように組み付ける際、内側ケース部材10330の下方に配置される底部材Deの下面が、正面枠10014の正面側に板状に突設される板状凸部T10の上面に乗り上げるように当接する。
操作デバイス10300の下側には、内側ケース部材10330の底面に下方から締結固定される底部材Deが配設されている。底部材Deは、正面側へ開口形成される嵌合凹部De1(図212参照)と、内側ケース部材10330側の反対側(下側)および背面側が開放される凹設部De2と、を主に備える。
凹設部De2は、下方が開放される背面視コ字状に形成されるものであり、板状凸部T10に嵌合可能な大きさで形成される即ち、板状凸部T10と凹設部De2との嵌合により、操作デバイス10300の正面枠10014に対する位置合わせを行うことができる。また、板状凸部T10が厚肉板状に形成されることから、板状凸部T10の剛性により操作デバイス10300の上下位置を維持することができる。なお、ここでの嵌合とは、隙間の有無に関係なく、板状凸部T10に対する底部材Deの位置合わせが可能とされていれば良い。
板状凸部T10の先端には、左右一対で正面側へ細い円柱状に突設される円柱突設部と、一対の円柱突設部の中間位置において締結ネジを螺入可能に形成される雌ネジ孔とが形成される。
一対の円柱突設部は、凹設部De2の対応する壁部(正面側壁部)に凹設される窪みに差し込まれることで板状凸部T10と底部材Deとの位置合わせを行う目的で形成されるものであり、雌ネジ孔に螺入される締結ネジは凹設部De2の対応する位置に穿設される挿通孔に挿通され、この締結ネジを締めることにより板状凸部T10と底部材Deとが締結固定される。
上述のように、底部材Deの後半部に形成される凹設部De2が板状凸部T10に乗る一方で、その反対側の前側半部(図215(a)参照)が、板状支持部6426の平面板状部6426aの上方に配置される。即ち、底部材Deの前側半部は、樹脂部材6427を挟んで平面板状部6426aと上下方向で対向配置され、樹脂部材6427と当接可能に形成される。
なお、ここでの当接可能とは、何ら状況が限定されるものではない。例えば、操作デバイス10300の自重で普段から樹脂部材6427と当接している態様でも良いし、普段は樹脂部材6427と底部材Deとは離間している一方、操作デバイス10300に負荷が与えられたり、振動演出を実行したりして操作デバイス10300が下降変位した場合に樹脂部材6427と底部材Deとが当接する態様でも良い。
操作デバイス10300を正面枠10014にはめ込んだ後、正面枠10014に背面側から挿通される締結ネジが締結されることにより、操作デバイス10300が正面枠10014に固定される。
即ち、操作デバイス10300の内側ケース部材10330は、締結ネジを螺入可能に形成される複数(本実施形態では3箇所)の締結部10333と、その締結部10333の内の一つに覆設される金属板であり、締結ネジを挿通可能な挿通孔が穿設され、締結固定に伴い圧縮力を受け得る金属板部10334と、を主に備える。
締結部10333は、金属本体部10014aに締結ネジを挿通可能な直径で穿設される挿通孔H10aの縁部に当接可能に形成される。金属本体部10014aの正面側には、硬質樹脂製の中間板が配設されているが、挿通孔H10a周辺において中間板に貫通孔が穿設されることで、その貫通孔を通して締結部10333を金属本体部10014aに当接させることができる。
ここで、金属板部10334が配置される締結部10333と対応する挿通孔H10aの周囲は、他の挿通孔H10aに比較して、中間板の貫通孔が大きくされる。この貫通孔の形状は、締結部10333の背面側に覆設される金属板部10334と干渉しない大きさとして設計される。
これにより、操作デバイス10300を正面枠10014に締結固定することに伴い、金属板部10334を金属本体部10014aに密着させることができる。即ち、金属板部10334と金属本体部10014aとを電気的に導通させることができるので、所謂アース線と同じ役割を持たせることができる。これにより、操作デバイス10300を操作する遊技者の安全を担保することができる。
また、間に金属板部10334を配置することにより、金属板部10334に座金の機能を持たせることができる。これにより、操作デバイス10300を金属本体部10014aに強固に固定することができる。
なお、金属板部10334の形状は、本実施形態に限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、貫通孔が形成される代わりに、締結部10333の螺入孔を跨ぐ一対の爪を備えるように構成しても良い。加えて、この爪が前後に位置ずれて形成される場合には、スプリングワッシャの機能を持たせることができ、締結強度を増大させることができる。
操作デバイス10300が正面枠10014に締結される箇所は、挿通孔6801R,6801Lを除き背面側に集中している。締結に必要な箇所を背面側に集中させることにより、正面側の設計自由度を向上させることができ、意匠性の向上を図ることができる。
一方で、背面側で締結固定するだけでは、操作デバイス10300の正面側に沈み込み方向(下方向)の負荷がかけられた場合に、操作デバイス10300が下降変位し易くなるので問題である。そこで、本実施形態では、締結箇所を背面側に集中させながら、操作デバイス10300の正面側の沈み込み変位を抑制するような構造を採用している。これについて、以下で順に説明する。
まず、嵌合凹部De1の作用について説明する。操作デバイス10300は、正面下側に形成される嵌合凹部De1が嵌合部6426dと嵌合する(図211及び図212参照)。これにより、操作デバイス10300の正面側部は嵌合部6426dに上下方向の移動が規制されることになり、沈み込み変位が抑制される。
次いで、左前カバー10321及び右前カバー10322の作用について説明する。図213及び図214に示すように、左前カバー10321及び右前カバー10322は、首振り操作部材10310の背面側に配置される上半部の背面側縁に、板状に張り出す部分を備える。
即ち、左前カバー10321は、上半部の背面側縁に沿って板状に張り出す板状張出部10321cと、その板状張出部10321cから更に張り出す複数の部分張出部10321dと、を主に備える。
また、同様に、右前カバー10322は、上半部の背面側縁に沿って板状に張り出す板状張出部10322cを備える。なお、右前カバー10322には、部分張出部10321dに対応する部分は形成されておらず、板状張出部10322cの周辺を任意に設計することができる。
板状張出部10321c,10322c及び部分張出部10321dは、収容凹部17aに差し込まれ、嵌合される部分として構成される。ここで、本実施形態の収容凹部17aの構成について説明する。
図213及び図214に示すように、収容凹部17aは、下縁が収容凹部17aの左右に亘り略同等の張出幅で正面側に張り出す下縁張出部10017bと、収容凹部17aの左右両側で下縁張出部10017bの下方に板状張出部10321c,10322cの板厚よりも若干長い間隔を空けた位置において、正面側へ張り出す態様で下縁張出部10017bと対向配置され下縁張出部10017bとの間に溝を形成する複数の対向張出部10017cと、上辺が下縁張出部10017bと面位置の長孔として前後方向に穿設される複数の位置決め孔10017dと、右側の対向張出部10017cと横並びとされる位置において前後方向に穿設される逃げ孔10017eと、を主に備える。
操作デバイス10300を収容凹部17aに組み付ける際には、板状張出部10321c,10322cが下縁張出部10017bと対向張出部10017cとの間の溝に差し込まれ、複数の部分張出部10321dが複数の位置決め孔10017dにそれぞれ挿入されることで、左前カバー10321及び右前カバー10322が収容凹部17aに嵌合支持される。
この場合において、板状張出部10321c,10322cが下縁張出部10017bと対向張出部10017cとの間の溝に嵌合されることで、左前カバー10321及び右前カバー10322が上下方向に変位することが抑制される。
加えて、複数の部分張出部10321dが複数の位置決め孔10017dにそれぞれ挿入される(嵌合される)ことで、収容凹部17aに対する左前カバー10321及び右前カバー10322の位置合わせを容易に行うことができ、左前カバー10321及び右前カバー10322が上下左右方向に変位することを抑制することができる。
更に、収容凹部17aが正面側の開放されるアーチ状に形成されており、そのアーチの内側に左前カバー10321及び右前カバー10322が面で当接して収容されるので、左前カバー10321及び右前カバー10322が左右方向や背面側方向へ変位することを抑制することができる。
この構成により、操作デバイス10300の首振り操作部材10310が上向き位置とされ、遊技者が首振り操作部材10310に対して後方へ向けた負荷を与えた場合の、操作デバイス10300の位置ずれを抑制する(早期に元の位置に復帰させる)ことができる。
ここで、遊技者が首振り操作部材10310を操作する場合、主に左手で操作することになるところ、一般的な遊技姿勢(パチンコ機10010に正対する姿勢)では、パチンコ機10010の左右中央に配置される操作デバイス10300の操作にあたり、左手を斜め右前へ伸ばすことになるので、その操作時の負荷が左右方向成分を有しないことは稀である。
そのため、首振り操作部材10310に対して後方へ向けた負荷が与えられるのと同時に、左右方向の負荷が与えられることから、操作デバイス10300は後方および左右方向に位置ずれする虞がある。
これに対し、本実施形態では、操作デバイス10300が収容凹部17aのアーチ状部に囲われており、間に左前カバー10321及び右前カバー10322が配置されるので、操作デバイス10300が位置ずれした場合に生じ得る左前カバー10321、右前カバー10322の変形の復元力は、左右方向および前後方向で、操作デバイス10300を基の位置に復帰させる方向へ生じる。これにより、操作デバイス10300に位置ずれが生じても、早期に位置を復帰させることができる。
上記各構成から、収容凹部17aに対する左前カバー10321及び右前カバー10322の変位の抑制を図ることができる。即ち、収容凹部17aに対する操作デバイス10300の変位の抑制を図ることができる。
なお、逃げ孔10017eは、左前カバー10321及び右前カバー10322の後述する固定組部6802が挿通される貫通孔として機能する。逃げ孔10017eが形成されることにより、固定組部6802を板状張出部10321cよりも外方に張り出す位置に配設することができる。
次いで、操作デバイス10300周りについて説明する。まず、操作デバイス10300の内部構造の概略について説明する。図215(a)、図215(b)、図216(a)及び図216(b)は、図207のCCXVa−CCXVa線における操作デバイス10300の部分断面図である。
図215(a)では、首振り操作部材10310が上向き位置(本実施形態における初期位置)に配置された状態が図示され、図215(b)、図216(a)及び図216(b)では、首振り操作部材10310が下向き位置(本実施形態における押し下げ位置)に配置された状態が図示される。
図215(a)及び図215(b)に示すように、操作デバイス10300は、首振り操作部材10310を軸支棒10363で軸支するレバー部材10340が内側ケース部材10330に固定されるレバー支持軸10331d1で軸支される。従って、遊技者が操作可能な首振り操作部材10310は、レバー支持軸10331d1を中心とした円弧軌跡上に配置される軸支棒10363の移動に伴う変位と、その軸支棒10363を中心とする回転方向の変位とが組み合わされた態様で変位可能とされ、遊技者の操作によりその変位を生じさせるように構成される。
即ち、上向き位置に配置された首振り操作部材10310を把持し、後方へ向けて負荷を加えることで、首振り操作部材10310を軸支棒10363を中心とした回転変位の態様で押し込むことができる(押し込み操作)。
また、上向き位置に配置された首振り操作部材10310を把持し、手前側下方へ向けて負荷を加えることで、首振り操作部材10310を、レバー支持軸10331d1を中心とした回転変位の態様で押し下げることができる(押し下げ操作)。
また、首振り操作部材10310が下向き位置に配置された状態では、姿勢修正装置10312の作用(首振り操作部材10310に対して壁部材10322bから離反する方向の負荷を与える作用)により、首振り操作部材10310がレバー部材10340に対して後方に押し込まれた姿勢(後転姿勢、初期位置からレバー部材10340に対して角度θ17yだけ後転した姿勢)とされる。そのため、レバー支持軸10331d1の回転角度に比較して、首振り操作部材10310の姿勢変化の角度は小さいので、レバー部材10340の回転変位による振動装置10366の振動方向の変化の抑制を図ることができる。
また、首振り操作部材10310が下向き位置に配置された状態で首振り操作部材10310に変位可能に支持されるレンズ部材10317を押す操作(プッシュ操作)を行うと、その操作時の負荷により首振り操作部材10310が軸支棒10363を中心に回転変位し、前側へ倒れ込む態様で変位させ、振動装置10366の振動方向を方向Y17cに変化させることができる(図216(b)参照)。
このように、本実施形態では、首振り操作部材10310に複数の方向から操作のための負荷を付与可能に構成されており、負荷の態様が異なれば、首振り操作部材10310の変位の態様も異なるように構成することができる。
レバー部材10340は、駆動モータによってレバー支持軸10331d1を中心として回転駆動される。これにより、首振り操作部材10310を押し下げ操作され、下向き位置に配置されたとしても、駆動モータによりレバー部材10340を回転制御することにより、首振り操作部材10310を上向き位置に復帰させることができる。
レバー部材10340の先端部には、直線的な振動を発生させるボイスコイルモータから構成される振動装置10366が配設され、振動装置10366の振動は直接的または間接的な当接によりレンズ部材10317に伝達されるよう構成される。
振動装置10366は、電磁力により一対の部材を直線方向に近接離反させる態様で互いに動作させる装置であって、周囲に銅線が巻き付けられた筒状部材であるボビン部材(レバー部材10340側に配置される部材)と、そのボビン部材の内周面よりも外径が小径とされる円筒およびボビン部材の外周面よりも内径が大径とされる円筒が同軸で配置され円板形状の板で連結される押し付け部材(レンズ部材10317側に配置される部材)と、を主に備える。なお、押し付け部材は、内側の円筒が軸心方向で極性が変化する磁性体材料から形成される。
振動装置10366は、軸支棒10363の中心を通る直線に沿う方向Y17aに沿った直線的な振動を発生可能に構成される。加えて、本実施形態では、方向Y17aがレンズ部材10317の変位の方向と一致するように構成される。
これにより、振動装置10366の振動のエネルギーを最大限に利用して、レンズ部材10317を振動(変位)させることができ、振動装置10366の振動による演出効果を向上させることができる。
次いで、左前カバー10321及び右前カバー10322の詳細について順に説明する。図217は、操作デバイス10300の正面斜視図であり、図218は、操作デバイス10300の背面斜視図である。
図217に示すように、操作デバイス10300の首振り操作部材10310の後方に左前カバー10321及び右前カバー10322が配設されている。左前カバー10321及び右前カバー10322は、外側端部(首振り操作部材10310の反対側の端部)が湾曲形成されるところ、その湾曲面の曲率半径の中心が首振り操作部材10310側に配置される。これにより、首振り操作部材10310の周囲に空間を大きく確保することができるので、首振り操作部材10310の可動域を確保することができると共に、首振り操作部材10310を遊技者が把持するために指を入れるスペースを確保することができる。
また、端部の湾曲は、首振り操作部材10310を囲うように一連で構成されるので、意匠性を向上させることができると共に、湾曲形状部の変形を全体に分けて生じさせることができるので、湾曲部の変形の許容幅を広げることができる。
図217及び図218に示すように、左前カバー10321及び右前カバー10322は、収容凹部17aの左右両端部に締結される締結ネジを挿通可能に前後方向へ穿設される挿通孔6801R,6801Lと、締結ネジにより左前カバー10321及び右前カバー10322を内側ケース部材10330から分離不能に固定するための固定組部6802と、を備える。
左前カバー10321及び右前カバー10322は、左右両端部に配置される挿通孔6801R,6801Lで収容凹部17aに締結固定される。左右両端部は、操作デバイス10300に与えられる負荷(主に、左右方向中心を通り左右方向と直交する平面に沿う方向の負荷)から最も離れた箇所であり、負荷が伝達されにくいので、挿通孔6801R,6801Lに挿通され収容凹部17aに締結固定される締結ネジの緩みの発生を抑えることができる。
固定組部6802は、左前カバー10321及び右前カバー10322の境界面に形成されるところ、図218に示すように、固定組部6802の形成位置は、左前カバー10321及び右前カバー10322の左右方向中心(板状張出部10321c,10322cが最も背面側に位置する箇所)から右側にずれた位置とされる。即ち、左前カバー10321及び右前カバー10322は左右中心で分解される形状では形成されておらず、左前カバー10321が左右中心を超えて右側まで形成され、右前カバー10322の形成が左右中心よりも右側の位置に留まる。換言すれば、左前カバー10321の方が、右前カバー10322よりも広い範囲で形成される。
本実施形態では、左前カバー10321及び右前カバー10322の後側の境界が左右方向の中心からずれていることにより、収容凹部17aの中央部(最も背面側に位置する部分)に一方の部材(本実施形態では、左前カバー10321)を差し込むことで収容凹部17aとの位置合わせを完了させることができるので、両部材で位置合わせを行う場合に比較して、組み付け易くすることができる。
また、固定組部6802の位置を左右方向の中心からずらすことにより、操作デバイス10300の操作時に伝達される負荷を低減することができるという効果を奏する。ここで、左前カバー10321及び右前カバー10322の背面側の箇所は、遊技者が操作する箇所としての首振り操作部材10310が近接配置され得る(特に上向き位置(図218参照)で近接配置される)箇所なので、操作デバイス10300の操作時の負荷の伝達により、締結ネジが緩む虞がある。これに対し、本実施形態では、固定組部6802を操作時の負荷が最大となる左右中心から左右にずらして配置したことで、伝達される負荷を操作時の負荷に比較して低減することができる結果、固定組部6802における締結ネジの緩みの発生を抑えることができる。
このように、固定組部6802を左右中心から左右にずらすと共に左前カバー10321及び右前カバー10322の境界を同様にずらすことで、組み付け効率を向上することができ、且つ、締結ネジの緩みの発生を生じにくくすることができる。
なお、左前カバー10321及び右前カバー10322は、両方とも、固定組部6802において内側ケース部材10330に直接は締結固定されない。即ち、固定組部6802において、右前カバー10322に挿通された締結ネジが左前カバー10321に締結される。
しかし、内側ケース部材10330に対しては、固定組部6802が内側ケース部材10330の上側板部に形成される貫通孔に挿通される(図220にて想像線で図示)と共に、その上側板部を固定組部6802が両側から挟むに留まる(図218参照)。このように構成することで、左前カバー10321及び右前カバー10322をそれぞれ内側ケース部材10330に締結する場合に比較して、左前カバー10321及び右前カバー10322に形成される締結箇所を減らすことができる。
これにより、左前カバー10321及び右前カバー10322の撓みを活用することができる。即ち、左前カバー10321及び右前カバー10322に締結箇所が多く設けられる場合、締結ネジの剛性により左前カバー10321及び右前カバー10322が撓みにくくなり、破損し易くなる虞がある。
一方で、締結箇所を維持したままで撓み易くするには左前カバー10321及び右前カバー10322の板厚を薄くすればいいが、この場合には、耐久性の低下を招いたり、不正行為を惹起したりする虞がある。
これに対し、本実施形態のように、締結箇所を減らすことにより、締結ネジの剛性に影響されることなく、左前カバー10321及び右前カバー10322を十分に撓ませることが可能となる。これにより、左前カバー10321及び右前カバー10322の板厚を過度に薄くすることなく、左前カバー10321及び右前カバー10322の撓みを活用することができる。
図219及び図221は、操作デバイス10300の分解正面斜視図であり、図220及び図222は、操作デバイス10300の分解背面斜視図である。図219及び図220に示すように、左前カバー10321及び右前カバー10322は左カバー部材10323及び右カバー部材10324とそれぞれ一体の状態で左右に分解可能な構成とされる。
また、図221及び図222に示すように、左前カバー10321は左カバー部材10323に、右前カバー10322は右カバー部材10324に、それぞれ前後方向で1点(調整長孔10323a,10324a)にて締結固定される。
そのため、左前カバー10321及び右前カバー10322を互いに締結固定する前においては、左前カバー10321は左カバー部材10323に対して、右前カバー10322は右カバー部材10324に対して、それぞれ相対移動可能とされるので、左前カバー10321及び右前カバー10322の組み付け位置の調整を行いやすくすることができる。これについて、以下で説明する。
操作デバイス10300は、カバー部材10344,10345(図215参照)の曲面に沿った形状で背面側が形成されカバー部材10344,10345の左右の縁を隠す態様で内側ケース部材10330の正面側に配設される左前カバー10321、右前カバー10322と、内側ケース部材10330に左右方向から締結固定される左カバー部材10323,右カバー部材10324と、を備える。
左カバー部材10323及び右カバー部材10324は、外側上端部において、前後方向に穿設され左右方向に長尺に延設される調整長孔10323a,10324aをそれぞれ備える。
調整長孔10323a,10324aは、それぞれ左前カバー10321及び右前カバー10322を締結固定するための孔であり、左右方向に長尺とされることで、成型のばらつき等により左前カバー10321及び右前カバー10322の形状がばらついた場合でも、首振り操作部材10310に対する左前カバー10321及び右前カバー10322の左右方向の位置を容易に調整することができる。
左前カバー10321及び右前カバー10322は、調整長孔10323a,10324aに前後方向で締結固定されると共に、左右方向で対向する端面で、左右方向に締結固定される。
図219に示すように、右前カバー10322は、右前カバー10322の左前カバー10321と当接する端面から右方向に凹設される嵌合凹部10322aと、その嵌合凹部10322aに前後方向に抜け止めされる態様で装着される壁部材10322bと、を備え、右前カバー10322と左前カバー10321とが組み立てられた状態(図217参照)において、左方への移動を左前カバー10321の端面によって止められることにより壁部材10322bが嵌合凹部10322aの内部に保持される。
このような構成により、壁部材10322bを交換する際には、右前カバー10322を取り外すのみで壁部材10322bを交換することができる(壁部材10322bは、姿勢修正装置10312(図215参照)からの負荷を繰り返し受ける箇所である)。従って、メンテナンス効率を向上させることができる。
まず、組み付け作業の手順を説明すると、左前カバー10321及び右前カバー10322が左カバー部材10323、右カバー部材10324にそれぞれ組み付けられ(図221及び図222から図219及び図220へ移行することに相当)、締結固定された後、左カバー部材10323及び右カバー部材10324が内側ケース部材10330に締結されることにより左前カバー10321及び右前カバー10322が位置合わせされ、その後、左前カバー10321及び右前カバー10322が締結固定される。
ここで、左前カバー10321や右前カバー10322が左カバー部材10323や右カバー部材10324に対して相対移動できない場合、左前カバー10321や右前カバー10322の位置ずれを修正する際に、わざわざ左カバー部材10323や右カバー部材10324の内側ケース部材10330に対する締結を緩めて、左カバー部材10323や右カバー部材10324の配置をずらすことで修正を行う必要が生じる。
また、これを見越して左カバー部材10323や右カバー部材10324を内側ケース部材10330に本締めせず、弱めに締結固定して左前カバー10321や右前カバー10322の位置を決める場合には、左前カバー10321及び右前カバー10322を締結固定した(組立手順の下流側)後で、左カバー部材10323及び右カバー部材10324を内側ケース部材10330に締結固定する(組立手順の上流側)という作業手順の戻りが発生し、作業自体が複雑化するので、作業の単純化(簡素化)という面で好ましくない。
これに対し、本実施形態では、左前カバー10321や右前カバー10322が、左カバー部材10323や右カバー部材10324に対して相対移動可能とされるので、左カバー部材10323及び右カバー部材10324を内側ケース部材10330に締結固定した後で、左前カバー10321及び右前カバー10322の位置調整を行うことができる。従って、組立作業を単純化することができる。
左前カバー10321及び右前カバー部材10322は、上部カバー部材10344のガイド部10344aと前縁部が対向配置される遮蔽板部6803L,6803Rをそれぞれ備える。遮蔽板部6803L,6803Rは、上部カバー部材10344と内側ケース部材10330との間に生じる隙間を塞ぐ役割を有するところ(図220参照)、その隙間にピアノ線を進入させパチンコ機10010の内部に進入しようとする不正行為や液体を流し込む悪戯行為への対策として、ガイド部10344aとの間の隙間を小さく設計している(本実施形態では、0.3mmのクリアランスで設計している)。
一方で、操作時の負荷(衝撃)などの影響で、遮蔽板部6803L,6803Rとガイド部10344aとの位置関係がずれ、隙間が塞がると、操作デバイス10300の動作時にガイド部10344aと遮蔽板部6803L,6803Rとが擦れ、樹脂の削り粉が発生する虞がある。樹脂の削り粉は、少ないうちは影響が少ないが、所謂フォトカプラ形式に代表される光透過タイプのスイッチの検出溝に大量に詰まると、削り粉が光を遮蔽し、誤検出を誘引する虞があると考えられる。そのため、採用できるスイッチの選択自由度が制限される虞があった。
これに対し、本実施形態では、上述のように、左前カバー10321及び右前カバー10322の締結箇所としての固定組部6802が左右中心位置(操作時の負荷や、動作時負荷が最大で生じる箇所)から左右に離れた位置に配置されるので、締結箇所に伝達される衝撃や負荷を低減することができ、締結ネジの緩みを生じ難くすることができる。
これにより、遮蔽板部6803L,6803Rとガイド部10344aとの位置関係がずれることを抑制することができ、樹脂の削り粉の発生を防止することができ、誤検出を抑制することができるので、本実施形態では、遮蔽板部6803L,6803Rの正面側にフォトカプラ形式の検出スイッチFCを配設するようにしている。
なお、検出スイッチFCは、首振り操作部材10310の後転方向への押し込み操作を検出するためのスイッチであり、連結部10344cに固定されている。その検出スイッチFCと向かい合うようにして、首振り操作部材10310の内部に薄肉の金属板MBが固定される。
そして、首振り操作部材10310に対して後転方向への押し込み操作がされると、金属板MBが検出スイッチFCの検出溝に進入し検出光が遮蔽されるので、押し込み操作がされたと判定することができる。本実施形態では、検出スイッチFCにも金属板MBにも負荷は与えられないので、負荷が与えられる場合に比較して、耐久性の向上を図ることができる。
左前カバー10321及び右前カバー10322は、遮蔽板部6803L,6803Rの正面側に連続的な湾曲面として形成される湾曲板部6804L,6804Rと、その湾曲板部6804L,6804Rの下側に正面視扇状の板部として連続的に形成される下板部6805L,6805Rと、を主に備える。
湾曲板部6804L,6804Rは、背面側の面が、左カバー部材10323及び右カバー部材10324の正面側上部の湾曲形状部分と面で当接可能な湾曲形状(即ち、レバー支持軸10331d1(図215参照)を中心とする中心角度約90度の円弧形状)の面として形成される。
下板部6805L,6805Rは、背面側の面から背面側へ突出される突出干渉部6805aを備える。突出干渉部6805aは、左右方向において、左カバー部材13331及び右カバー部材13332の内側縁部Rm1よりも若干内側に配置され、前後方向において、左カバー部材13331及び右カバー部材13332の正面側の面よりも背面側へ張り出して形成される。
これにより、突出干渉部6805aは、左前カバー10321及び右前カバー10322と、左カバー部材10323及び右カバー部材10324とがそれぞれ組み立てられた状態(図220参照)において、左右外側への変位を内側縁部Rm1に規制される。従って、左前カバー10321又は右前カバー10322が左右方向外側へ変位することを防止することができるので、左前カバー10321及び右前カバー10322が互いに離反する態様で分解することを防止することができる。
左前カバー10321及び右前カバー10322は、湾曲板部6804L,6804R及び下板部6805L,6805Rの外周をそれぞれ連結する部分であって正面視外側へ向けて広がり、その広がり先端で正面側へ湾曲する連結湾曲部6806L,6806Rを備える。
左前カバー10321は、右端部において締結ネジを螺入可能に形成され上下に複数配設される締結部6802L,6807L,6808Lを備える。また、右前カバー10322は、左端部において上下に複数配設され締結ネジが挿通可能に穿設される挿通孔6802R,6807R,6808Rを備える。
これら上下方向(操作デバイス10300の操作方向に沿う方向)に分散配置された複数の締結部、挿通孔により、左前カバー10321、右前カバー10322及び内側ケース部材10330が互いに固定される。これにより、操作デバイス10300の操作に伴う負荷や衝撃を各締結部に分散させることができ、締結ネジの緩みの発生を抑制することができる。
更に、左前カバー10321と右前カバー10322との間の切れ目の位置で、位置ずれが生じることを抑制することができるので、遊技者に視認されやすい意匠部分(特に、正面視で容易に視認可能な下板部6805L,6805Rや連結湾曲部6806L,6806R、図207参照)としての性能が低下することを防止できる。これら締結部、挿通孔は、それぞれ役割が異なる。以下、順に説明する。
締結部6802L及び挿通孔6802Rは、内側ケース部材10330の上面から張り出す部分に左右方向に穿設される挿通孔H23aを挟み込む態様で組み付けられ、締結ネジにより内側ケース部材10330を挟んで固定される。なお、所謂「共締め」の態様では無く、締結部6802Lから右方へ延設される筒状部の先端が、挿通孔6802Rの形成される板部の左面に当接する態様で締結固定される。換言すれば、締結により、挿通孔H23aの穿設される部分に対して圧縮負荷が生じない態様とされる。
加えて、締結部6802Lから右方へ延設される筒状部の外径が挿通孔H23aの内径よりも若干短く設計することにより隙間を設けている。操作デバイス10300への操作時の負荷により内側ケース部材10330が下方へ変位した場合であっても、上述の隙間の範囲であれば締結部6802Lと内側ケース部材10330との動作を独立させることができるので、内側ケース部材10330に生じ得る微小な変位の発生時に、固定組部6802が同じように変位することを避けることができる。
なお、締結部6802Lから右方へ延設される筒状部の延設長さを若干短くして、締結時に挿通孔H23aの穿設される部分に対して圧縮負荷をかけるようにしても良い。この場合、挿通孔H23aの穿設される部分の復元力が締結力を増大させるので、固定組部6802における締結ネジの緩みを回避することができる。
締結部6807Lは、内側ケース部材10330の正面側に張り出す部分において左右方向に穿設される挿通孔H23bに挿通される締結ネジが螺入される部分である。この締結ネジの螺入により、左前カバー10321が内側ケース部材10330に締結固定される。なお、本実施形態において、左前カバー10321及び内側ケース部材10330のみが締結固定される箇所は、締結部6807L及び挿通孔H23bによる締結箇所のみである。
挿通孔6807Rは、内側ケース部材10330の正面側に張り出す部分において左右方向に沿って螺入可能に形成される締結部T23aに締結固定される締結ネジが挿通される貫通孔である。この締結ネジの螺入により、右前カバー10322が内側ケース部材10330に締結固定される。なお、本実施形態において、右前カバー10322及び内側ケース部材10330のみが締結固定される箇所は、締結部T23b及び挿通孔6807Rによる締結箇所のみである。
締結部6808L及び挿通孔6808Rは、挿通孔6808Rに挿通される締結ネジが締結部6808Lに螺入されることにより直接的に締結固定される部分である。なお、本実施形態において、左前カバー10321及び右前カバー10322のみが締結固定される箇所は、締結部6808L及び挿通孔6808Rによる締結箇所のみである。
このように、本実施形態では、左前カバー10321及び右前カバー10322の対向部の形成方向に沿って複数箇所で締結部および挿通孔が形成されるが、各箇所において、締結される対象の組み合わせが異なるように構成されている。これにより、内側ケース部材10330への左前カバー10321及び右前カバー10322への組み付けにおいて、左前カバー10321及び右前カバー10322を一度に締結することが不要となるので、組み付け作業を容易とすることができる。組み付け手順について以下で説明する。
まず初めに、左前カバー10321又は右前カバー10322の一方を内側ケース部材10330に取り付けて、1箇所でも締結固定すれば、左前カバー10321又は右前カバー10322の一方が内側ケース部材10330から外れることを防止することができる。
この場合において、左前カバー10321又は右前カバー10322のどちらを先に取り付けても良い。左前カバー10321を先に取り付ける場合には、挿通孔H23bを通して締結部6807Lに締結ネジを螺入する態様で締結固定することで、左前カバー10321を内側ケース部材10330に固定することができるし、右前カバー10322を先に取り付ける場合には、挿通孔6807Rを通して締結部T23aに締結ネジを螺入する態様で締結固定することで、右前カバー10322を内側ケース部材10330に固定することができる。
次いで、左前カバー10321又は右前カバー10322の他方を内側ケース部材10330に取り付け、同様に1箇所締結固定すれば、左前カバー10321及び右前カバー10322をそれぞれ独立して内側ケース部材10330に締結した状態を構成できる。
この後は、順序に指定は無いが、固定組部6802において締結ネジを螺入し締結固定することにより、左前カバー10321及び右前カバー10322を内側ケース部材10330に一体的に固定することができる。また、締結部6808L及び挿通孔6808Rにおいて締結ネジを螺入し締結固定することにより、左前カバー10321及び右前カバー10322のみを互いに締結固定することができる。
このように、左前カバー10321及び右前カバー10322を互いに締結する箇所も形成することにより、左前カバー10321及び右前カバー10322をそれぞれ内側ケース部材10330に締結固定する締結態様のみで組み付ける場合に比較して、締結箇所の個数を減らすことができる。
なお、本実施形態では、左前カバー10321及び右前カバー10322の締結作業において、締結ネジは全て右から左へ挿通するように構成される。従って、締結ネジの挿通方向が左右双方向で構成される場合に比較して、締結作業の効率化を図ることができる。
また、締結部6802L,6807L,6808Lに固定される締結ネジの螺入方向は、レバー部材10340の回転軸に沿う左右方向に統一されている。操作デバイス10300は、各操作部の操作方向がレバー部材10340の回転軸の方向と直交する平面に沿う方向とされるので、レバー部材10340の回転軸に沿う方向は、操作デバイス10300の各操作部の操作方向と直交する方向である。即ち、操作時の負荷や衝撃が操作方向に沿って発生した場合、締結ネジの螺入方向の成分は生じない。これにより、操作デバイス10300の操作時の負荷や衝撃によって、締結ネジに緩みが発生することを抑制することができる。
本実施形態では、操作デバイス10300が複数の操作部分(操作により動作する部分を含む。例えば、首振り操作部材10310、レンズ部材10317、レバー部材10340等)を備えるが、全ての操作部分が、レバー部材10340の回転軸と直交する方向に動作する設計なので、締結ネジの螺入方向をレバー部材10340の回転軸に沿う左右方向とした。
一方で、操作部分によって、レバー部材10340の回転軸の方向と直交する平面上を動作しない場合には(例えば、左右斜め方向に押し込む動作をする操作部分がある場合には)、各操作部分の操作方向のバランス(平均)として見出される方向(例えば、中間の角度方向)を締結の方向として設定しても良いし、操作指示の頻度が多い操作部分を対象にして(操作指示が稀に発生するだけの操作部分は無視して)締結の方向を設定しても良い。
図223(a)は、左前カバー10321及び右前カバー10322の正面斜視図であり、図223(b)は、左前カバー10321及び右前カバー10322の背面斜視図である。図223(a)及び図223(b)に示すように、左前カバー10321及び右前カバー10322は、湾曲板部6804L,6804Rの間にレバー部材10340(図220参照)を配置するための隙間が形成される部分、及び嵌合凹部10322aが形成される部分を除いて、互いに対向配置される複数の面で上下に亘って接触する。
接触する部分では、遊技者から視認されない側において、左前カバー10321から右方に板状の部分が延設される。即ち、例えば、遮蔽板部6803Lは、その下面に沿って右方へ延設される下重ね部6803Laを備える(図223(a)参照)。
下重ね部6803Laにより、遮蔽板部6803Rが下支えされるので、遮蔽板部6803Rが遮蔽板部6803Lに対して下方へ変位することが規制される。これにより、遮蔽板部6803R,6803Lの間に隙間が生じることを防止することができ、遮蔽板部6803R,6803Lの間を液体が通過することを抑制することができる。
本実施形態では、遮蔽板部6803R,6803Lの下方に配置される内側ケース部材10330や(図218参照)、その内部に背面側部が収容されるレバー部材10340や、そのレバー部材10340を駆動する駆動モータや、駆動モータの駆動力を伝達するカムやギアなどの伝達機構や、駆動モータを駆動させる電気系統(基板等)に液体が触れることを防止することができる。
加えて、遮蔽板部6803R,6803Lの切れ目が首振り操作部材10310の左右中央よりも右側に形成される一方で、内側ケース部材10330を構成する左右部材の切れ目(結合面)は首振り操作部材10310の左右中央位置と同様の面に配置される。そのため、遮蔽板部6803R,6803Lの間を液体が通過した場合であっても、その液体が内側ケース部材10330を構成する左右部材の切れ目に即座に到達することを防止することができる。
更に、本実施形態では、レバー部材10340を駆動する駆動モータは、内側ケース部材10330の左右中央に対して左側に寄って配置されているので(内側ケース部材10330から左方への膨出部分に対応、図218参照)、遮蔽板部6803R,6803Lの間の下方が濡れた場合であっても、その箇所を濡らす液体を内側ケース部材10330の右外面を伝って下方へ流すことができるので、駆動モータが濡れることを回避することができる。
また、例えば、下板部6805Lは、嵌合凹部10322aの下方において、背面に沿って右方へ延設される後重ね部6805Lbを備える。後重ね部6805Lbにより、下板部6805Rが後ろから支えられるので、下板部6805Rが下板部6805Lに対して後方へ変位することが規制される。これにより、下板部6805R,6805Lの間に隙間が生じることを防止することができ、下板部6805R,6805Lの間を液体が通過することを抑制することができる。
下板部6805R,6805Lの下方へ通過した液体は板状支持部6426に到達し(図232,234参照)、更に多量の液体が通過を続けると覆設基礎部材6410の本体部6411と下皿形成部材6420の本体箱部6421の間を通り、貫通孔6412へ向けて流れたり、凹設形状部6414を伝って流れたりする可能性がある。特に、貫通孔6412から液体が下方へ流れると、その液体は正面枠10014の外枠下面から下方へ流れ、遊技者にかかったり、千両箱を濡らしたりする可能性がある。
本実施形態では、後述するように、貫通孔6412を下皿形成部材6420と球排出装置6430とで挟み込む構成としているので、隙間なく挟み込むことで液体の通過を防止し易くしているが、本実施形態のように、下板部6805R,6805Lの間を液体が通過することを抑制することで、液体が遊技者にかかったり千両箱を濡らしたりする可能性を減らすことができるので、遊技者が快適に遊技できるパチンコ機10010を構成することができる。
図223(a)及び図223(b)に示すように、遮蔽板部6803L,6803R、湾曲板部6804L,6804R及び下板部6805L,6805Rは、表面側から裏面側へ押し出される態様で筋状に形成される筋状部D23を備える。筋状部D23は、その形成態様から、表面においては凹部として、裏面においては凸部として視認される。
筋状部D23は、遮蔽板部6803L,6803R、湾曲板部6804L,6804R及び下板部6805L,6805Rの剛性の調整を行う部分としての役割を持つ。即ち、肉薄の単なる板として形成する場合に比較して、筋状部D23と直交する方向の剛性は維持しながら(又は低下させながら)、筋状部D23が形成される方向に沿った剛性を向上させる(異方性)。これについて、湾曲板部6804L,6804Rを例にして説明する。
湾曲板部6804L,6804Rは、レバー部材10340と収容凹部17aとの間に配置され(図213参照)、その隙間を埋める部分としての役割を備える。ここで、レバー部材10340を含む操作デバイス10300は、操作時に遊技者に返される反力が過大となることを防止する目的から、操作時の負荷や衝撃により若干量だけ下方に変位可能に構成されている一方で、上皿17の配置を不変とする目的から、収容凹部17aを変位不能に構成している。
即ち、操作デバイス10300の操作時に、レバー部材10340と収容凹部17aとの間に隙間が生じる虞がある。本実施形態では、湾曲板部6804L,6804Rが上下方向に延ばされる(弾性変形する、撓む)ことにより、レバー部材10340と収容凹部17aとの間の距離の変化に対応することができ、隙間の発生を防止することができる。
加えて、本実施形態では、筋状部D23が湾曲板部6804L,6804Rが変形する上下方向(操作時の負荷が主に向く方向)に沿って形成されることにより、上下方向の変形抵抗を大きくしているので(剛性を大きくしているので)、形状復帰時に振動が生じたり、必要以上に変形したりすることを抑制することができる。このように、本実施形態における筋状部D23の設計は、操作デバイス10300の操作時に生じ得る不具合への対策を行うことを一つの目的として行われる。
下板部6805L,6805Rの筋状部D23は、正面視U字に形成されているので、中央で下向きの負荷がかけられた場合、左右両側で上向きに耐える(引っ張り力が生じる)ことになる。即ち、操作デバイス10300の操作時に下向きの負荷がかけられ、変位が生じたとしても、その変位を早期に戻すことができる。
一方で、筋状部D23と直交する方向へ負荷が生じたとしても、樹脂の柔軟性に基づき許容される変形が生じることで、下流側に配置されるV字意匠部材6450へ伝達される負荷を低減することができる。
連結湾曲部6806L,6806Rは、表面側から裏面側へ押し出される態様で筋状に形成される端筋状部D24を備える。筋状部D24は、その形成態様から、表面においては凹部として、裏面においては凸部として視認される。
端筋状部D24は、左右側に形成される左右筋部D24aと、中央側に形成される中央筋部D24bと、を主に備え、それぞれ、異なる方向の負荷への対策として形成される。
左右筋部D24aは、締結部6807L(正面側の締結箇所の内の最上部)よりも上側に配置される筋状部であり、背面側へ向かう程に下降傾斜する形状から形成される。この下降傾斜は、首振り操作部材10310のレンズ部材10317を押し込む操作などの負荷の方向に対応する(負荷の方向に沿う)。即ち、左右筋部D24aにより連結湾曲部6806L,6806Rの剛性を左右筋部D24aの方向で向上させることにより、操作負荷への抵抗力を向上させることができる。
なお、左右筋部D24aの傾斜角度は、左右側に配置されるものの方が、左右中央側に配置されるものに比較して、前後方向に対する角度が段階的に大きく形成される。即ち、複数の方向に筋状部が延びている。これにより、首振り操作部材10310の配置に関わらず、レンズ部材10317の操作時の負荷に対する抵抗力を向上させることができる。
且つ、左右筋部D24aが形成される連結湾曲部6806L,6806Rの形成幅は、左右側に配置されるものの方が、左右中央側に配置されるものに比較して短くされる。即ち、前後方向に対する傾斜が大きな力に対応する側(左右側)ほど、形成幅が短くされていることから、連結湾曲部6806L,6806Rに許容される変形量が小さくなり、抵抗力を大きくすることができる。これにより、操作時の負荷が大きくなり易い方向(手を振り下ろす方向)としての前後方向に対する傾斜が大きな方向への負荷に対する抵抗力を向上させることができる。
一方、中央筋部D24bは、締結部6807L(正面側の締結箇所の内の最上部)と同等の位置から下側に配置される筋状部であり、背面側へ向かう程に上昇傾斜する形状から形成される。この上昇傾斜は、操作デバイス10300(の内側ケース部材10330)が前倒れする際の負荷の方向に対応する。
即ち、中央筋部D24bにより連結湾曲部6806L,6806Rの剛性を中央筋部D24bの方向で向上させることにより、レバー部材10340の回転軸を中心とした傾倒操作時の負荷により操作デバイス10300(の内側ケース部材10330)が前倒れ変位することに対する抵抗力を向上させることができる。
且つ、中央筋部D24bは中央に1本、左右側に3本ずつの計7本で形成され、左右の中央筋部D24bは背面側へ向かう程に左右中央側へ傾斜する。これにより、レバー部材10340の回転軸を中心とした傾倒操作時の負荷で操作デバイス10300(の内側ケース部材10330)が前倒れ変位する場合に、合わせて左右方向の変位が生じたとしても、その変位に対する抵抗力(左右方向の抵抗力)を向上させることができる。
中央筋部D24bは、左右筋部D24aよりも密に形成される。これにより、特に連結湾曲部6806L,6806Rにおいて、上下方向の撓み(上下方向に沿って伸縮する変形)に比較して、左右方向の撓み(左右方向に沿って伸縮する変形)の方が程度の大きな撓みとなる。
そのため、例えば、下皿ユニット6400(図208,212参照)に下方向の負荷が与えられ、V字意匠部材6450に連結湾曲部6806L,6806Rの下縁部が押し下げられる場合(下縁部の位置が下方に変位する態様で連結湾曲部6806L,6806Rが変形する場合)には、連結湾曲部6806L,6806Rの上下中間部や上縁部が左右方向に撓むことで左前カバー10321及び右前カバー10322にかけられる負荷(応力)を逃がすことができる(応力集中を避けることができる)。
このように撓み変形する場合であっても、連結湾曲部6806L,6806Rから連続的に形成される板状張出部10321c,10322cが背面側から左右前側へ亘り取り囲まれるように下縁張出部10017b及び対向張出部10017cの間に支持されており(図213,214参照)、板状張出部10321c,10322cは左右外側ほど形成長さが前後方向に長くされているので、左前カバー10321及び右前カバー10322と収容凹部17aとの間に隙間が生じ難くすることができる。
また、連結湾曲部6806L,6806Rの撓み易さを方向により異ならせていることで、操作デバイス10300の振動装置10366の振動や、操作デバイス10300の操作により生じる負荷の、下流側(V字意匠部材6450、図232参照)への伝達のし易さを振動や負荷の方向によって変化させることができる。
即ち、上下方向に沿う振動や、操作負荷を、V字意匠部材6450を介して操作ハンドル51(図207参照)や下皿50へ伝達し易くすることができる一方で、左右方向の振動や操作負荷(例えば、下皿50から上皿17へ球を移し替える際に、球をつかんでいる手が首振り操作部材10310に衝突する際に生じる負荷等)は操作ハンドル51や下皿50へ伝達し難くすることができる。これにより、遊技者が意図せず首振り操作部材10310に負荷をかけた場合にまで操作ハンドル51や下皿50に振動や負荷が伝達されて、遊技者に違和感を与えることを防止することができる。
また、湾曲板部6804L,6804Rの左右外側には連結湾曲部6806L,6806Rが連続的に形成されているところ、その上縁に形成される板状張出部10321c,10322cは、左右に長尺な下縁張出部10017bと対向張出部10017cとの間に差し込まれる(図214参照)。
ここで、板状張出部10321c,10322cの形状と、下縁張出部10017b及び対向張出部10017cの形状との対比において、成形誤差等により左右端部付近が前後方向にずれている場合(例えば、連結湾曲部6806L,6806Rの正面側上端部が収容凹部17aの正面側にはみ出している場合)、板状張出部10321c,10322cの湾曲を緩くする(左右端部を背面側へ変位させる)ように変形させることで、成形誤差に対応できることが好ましい。
この点において、本実施形態では、湾曲板部6804L,6804Rに筋状部D23が上下に沿って形成されるので、湾曲板部6804L,6804Rの左右方向の剛性が、上下方向の剛性に比較して低くされる。そのため、板状張出部10321c,10322cを、湾曲が緩くなる側へ変形をさせる際に、湾曲板部6804L,6804Rの変形で板状張出部10321c,10322cの変形を補助することができるので、板状張出部10321c,10322cの変形幅を大きくすることができる。従って、対応可能な成形誤差の寸法を大きくすることができる。
このように、筋状部D23は、形成方向と垂直方向(左右方向)の剛性を向上させないこと(弱くすること)によって、左前カバー10321及び右前カバー10322の組み付け時に生じ得る不具合への対策を行うことができる。
これらのことから、筋状部D23によって、左前カバー10321及び右前カバー10322の組み付け時(操作デバイス10300の組み付け時と同じ、図213参照)に生じ得る不具合と、操作デバイス10300の操作時に生じ得る不具合との両方に対応することができる。
図212に戻って説明する。本実施形態では、正面枠10014の金属本体部10014aの左下側正面部に、金属本体部10014aに沿う平板状の平面板部(球案内開口53(図214参照)が形成される板状部)と、その平面板部の上部の内、右へ向かうほど下降傾斜する態様で構成される上端部において折曲形成されるように正面側に延設される板状の上板部と、を備える態様で樹脂材料から形成される背後覆設部10014bが配設される。即ち、背後覆設部10014bは、矢印L−Rに沿う直線と直交する平面における断面形状が略L字形状に形成されている。
背後覆設部10014bは、下皿50の上方限界位置および右方限界位置を規定する部分である。即ち、下皿50は、その後端部で平面板部と当接され(連結され)、その右端部で上板部と当接される(連結される)。このようにして形成される、下皿50と背後覆設部10014bとが対向する側に形成される領域(空間)に、上皿17に貯留しきれなかった球や所謂ファール球等が貯留されることになる。次いで、下皿50を構成する下皿ユニット6400の詳細について説明する。
図224は、下皿ユニット6400の分解正面斜視図であり、図225は、下皿ユニット6400の分解背面斜視図である。なお、図225では、下皿ユニット6400の各部を下から見上げる角度で図示される。
図224及び図225に示すように、下皿ユニット6400は、正面枠10014(図211又は図212参照)の金属本体部10014aの正面側を覆う態様で金属本体部10014aに締結固定される覆設基礎部材6410と、その覆設基礎部材6410に上側から嵌合され下皿50を形成する下皿形成部材6420と、覆設基礎部材6410に下側から取り付けられる板形状の装置であって下皿形成部材6420に締結固定される球排出装置6430と、覆設基礎部材6410の左端部において背面側からの下皿形成部材6420の抜け止めを可能とする態様で覆設基礎部材6410に組み付けられる一方、その反対側(後ろ側)において金属本体部10014aに締結固定される中間保持部材6440と、覆設基礎部材6410の正面側上部に配設され樹脂材料から正面視V字形状に形成されるV字意匠部材6450と、を主に備える。
覆設基礎部材6410は、下底面が略平面状に形成され、背面および上面を開放した略箱状に形成される本体部6411と、その本体部6411の下底部において前後に若干の骨組み部分を残して貫通形成される貫通孔6412と、その貫通孔6412を基準として本体部6411の左右方向中心側において、その本体部6411の下面から下方に突設される突設形状部6413と、その突設形状部6413の裏側において、突設形状部6413における板厚が本体部6411の他の部分と略同等となるように凹設される凹設形状部6414と、を主に備える。
凹設形状部6414を構成することで、突設形状部6413付近において板厚が過度に大きくなることを防止できるので、樹脂成型の歩留まりを向上させると共に、突設形状部6413において応力集中が生じることを抑制することができる。突設形状部6413及び凹設形状部6414は、操作デバイス10300を下から保持する箇所において、複数な有利な効果を奏するものであるが、詳細は後述する。
貫通孔6412は、後述する下皿50の底面形状の広さと略同等の大きさとされ、球抜きレバー52をスライドさせることで開放される底面口6432の大きさよりも、遥かに大きく形成される。
このように、貫通孔6412を予め大きく形成しておくことで、覆設基礎部材6410を交換することなく、下皿50からの球の排出速度を、パチンコ機10010で実現される遊技性に対応する球の排出速度に対応させることができる。
即ち、下皿50からの球の排出速度は、底面口6432の開口面積に依存するところ、例えば貫通孔6412の大きさが底面口6432と同等の大きさである場合、球の排出速度をそれ以上大きくすることができない。これに対し、本実施形態では、貫通孔6412が予め大きく形成されるので、貫通孔6412を超えない範囲で底面口6432の大きさを変えたり、底面口6432の配置を変更したりすれば(下皿形成部材6420及び球排出装置6430の設計変更を行えば)、覆設基礎部材6410の交換を行うことなく下皿50からの球の排出速度(排出態様)を変更することができる。換言すれば、遊技者が視認する下皿ユニット6400の外観を変化させることなく(意匠を変化させることなく)、球の排出速度(排出態様)を変更することができる。
球の排出速度の変更の需要は、パチンコ機10010の遊技性が変更された場合に限られない。例えば、遊技店では、パチンコ機10010が払い出し球を千両箱に移し替えることを要する態様で設置される場合と、払い出し球を千両箱に移し替えることが不要な態様で設置される場合(所謂「パーソナル」の場合)とがある。
払い出し球を千両箱に移し替えることを要する場合、球の排出が高速で行われると千両箱から球が溢れる事態が頻発する虞があるので、球の排出が所定の速度よりも低速となるように設計されることが望ましい。
なお、本実施形態では、底面口6432は、直径が約35[mm]の円形開口から形成されており、開口面積と球の形状(直径約11[mm]の球形状)との対比から、開口から同時に排出される球の上限が約7個に制限されている。
これに対し、払い出し球を千両箱に移し替えることが不要な場合、千両箱から球が溢れることに対する心配は無くなるので、望まれる球の排出速度の上限は増大方向に大きく変化する。このような設置態様では、払い出された球がパチンコ機10010各台に配設される自動計数機に流入することになるので、排出速度の上限の一例としては、自動計数機に内蔵される球流し装置の動作速度が例示される。
このように、貫通孔6412を大きく形成することにより、正面視における意匠を変更することなく、球の排出速度を変更することができるという利点がある一方で、本体部6411の強度が低下する虞がある。特に、本体部6411の底面部は、遊技者が操作デバイス10300を操作した場合の負荷(主に下方向への負荷)が伝達される虞がある箇所であるので、貫通孔6412の大きさや配置が、操作時の負荷を耐えられる程度までに制限される虞がある。
これに対し、本実施形態では、貫通孔6412による強度低下を補う態様で、下皿形成部材6420及び球排出装置6430が覆設基礎部材6410に組み付けられる。下皿形成部材6420及び球排出装置6430は、覆設基礎部材6410を上下から挟む態様で、図224及び図225に想像線で図示する線を締結方向として互いに締結固定されるところ、この締結により、貫通孔6412の縁部分が下皿形成部材6420及び球排出装置6430に押さえつけられる。これにより、貫通孔6412の周囲部分(例えば、貫通孔6412の背後に位置する左右に長尺の骨組み部分)を、下皿形成部材6420及び球排出装置6430の強度で補強することができる。
なお、貫通孔6412の縁部分が下皿形成部材6420及び球排出装置6430に押さえつけられる設計態様は、何ら限定されるものでは無い。例えば、下皿形成部材6420及び球排出装置6430の締結前(締結準備位置に配置した状態)から貫通孔6412の縁部分と下皿形成部材6420及び球排出装置6430とが当接する設計でも良いし(図233参照)、締結前は互いに隙間が生じているが、締結ネジを締め付けることにより隙間を埋めることができ圧をかけられる設計態様でも良い。
また、押さえつけられる箇所は貫通孔6412の縁部分の全周である必要はなく、縁部分の一部であっても良い。この場合、特に操作デバイス10300付近(突設形状部6413付近の右辺部)や、開閉の度に衝撃を受ける虞がある背面側部分(貫通孔6412の背後に配置される長尺板部)では、大きな負荷が発生し易いので、押さえつける設計態様を取り入れることが好ましい。
このように、貫通孔6412の縁部分を下皿形成部材6420と球排出装置6430とで挟み込むことで、貫通孔6412の縁部分の強度を十分に確保することができるので、底面口6432を形成することによる強度低下を気にすることなく、底面口6432を任意位置で配置することができる。即ち、底面口6432の配置の自由度を向上することができる。
下皿形成部材6420は、下皿50が上面を開放した略箱状に形成される本体箱部6421と、その本体箱部6421の底面に上下方向で開口される排出口6422と、本体箱部6421の底面裏側から下面視L字形状で突設されるL字板部6423と、そのL字板部6423で囲われる範囲の内側(前側)において下方に円筒形状で突設され球排出装置6430を締結する締結ネジが螺合される複数の締結部6424と、排出口6422の縁部を基端として左右方向に沿ってリブ状に延設される一対の案内リブ6425と、本体箱部6421の右端部から右方へ延設される板状支持部6426と、その板状支持部6426の上面に載置される柔軟な樹脂部材6427と、を主に備える。
排出口6422は、下皿50の前側端部であって右側端部である位置に形成される。下皿50の底部上面は、排出口6422へ向けて下降傾斜する態様の傾斜面として構成されており、パチンコ機10010から下皿50に流入した球は排出口6422へ向けて流下するところ、排出口6422が遊技者に近い正面側に配設されるので、下皿50に貯留される球が少数である場合であっても下皿50から球をスムーズに取り出すことができる。
排出口6422は、操作デバイス10300からの負荷が生じ易い板状支持部6426の付近に形成されており、貫通孔を構成したことによる強度低下の影響が考えられるところ、球排出装置6430との組み合わせにより対策を図っているが、詳細については後述する。
L字板部6423は、図225に示すように、その突設長さが左右位置で違うが、これは、下皿50の傾斜に対応したものである。即ち、本体部6411の下底部上面が略平面状に形成される一方、下皿50は下底部下面が右へ向かう程下降傾斜して形成されるので、本体部6411の下底部上面(貫通孔6412の縁部の上面)と当接させるためには、L字板部6423の突設長さを右方へ向かう程短くする必要があり、それに対応したものである。この対応により、組立状態(図207参照)において、L字板部6423の突設端部(下端部)が、貫通孔6412の縁部に当接される(線接触または面接触で当接される)。
締結部6424は、遊技者からの負荷が生じやすい正面側端部に2箇所と、正面枠10014の開閉時に負荷が生じやすい背面側端部に1箇所とが形成される。負荷が生じ易い箇所に優先的に締結箇所を設けることで、締結箇所を限定しつつも、負荷の発生時に固定がずれて、下皿形成部材6420の位置ずれが生じることを防止することができる。
また、締結部6424は、L字板部6423付近に配置されているので、貫通孔6412の内側における締結でありながら(即ち、本体部6411に通す締結ネジの位置決めを行うための貫通孔を別で形成することなく行われる締結ながら)、L字板部6423と覆設基礎部材6410の貫通孔6412の縁部との当接を維持し易くすることができる(相対位置を維持し易くすることができる)。従って、貫通孔6412以外の貫通孔の形成を不要としつつ、下皿形成部材6420の位置安定性を向上することができる。
案内リブ6425は、球抜きレバー52の移動を案内する目的と、下皿50の底面部を補強する目的とに兼用されている。特に、本実施形態では、下皿50の底面部が左右に長尺の板形状から形成され、左右方向に沿った補強が必要となることが考えられるところ、球抜きレバー52は、長尺方向と一致する左右方向に沿ってスライドするので、球抜きレバー52の移動の案内と、下皿50の底面部の補強とが好適に実現される。
なお、上述したように案内リブ6425は一対で形成されるので、与えられる負荷を分散させることができる。また、一方が破損しても、他方が残る限り使用には問題ないので、下皿ユニット6400の耐用年数を延ばすことができる。
樹脂部材6427の材質については、任意に設計することができる。例えば、ウレタン製でも良いし、シリコーン製でも良いし、他の柔軟であって適度な反発力(形状復元力)のある部材でも良い。
球排出装置6430は、上述の球抜きレバー52が配設される板状の本体板部6431と、その本体板部6431に上下方向に貫通形成される円形の底面口6432と、下皿形成部材6420の締結部6424と上下に重なる位置に配置され締結部6424に締結ネジが螺入されることにより締め付けられる複数の締結孔6433と、その締結孔6433を囲う矩形の枠状とされ、その枠の外形が覆設基礎部材6410の貫通孔6412の内形よりも若干小さく形成される嵌合枠部6434と、を主に備える。
球抜きレバー52は、左右にスライド移動する態様で遊技者が操作可能とするために前方に張り出される把持部52aと、組立状態(図207参照)において排出口6422を閉塞する閉塞板部52bと、その閉塞板部52bの上面から上方に突設され左右方向に沿って延設される一対のリブ状部であって、案内リブ6425に案内される被案内リブ52cと、を備え、それらが一体的に硬質樹脂材料から成型される。
底面口6432は、下皿形成部材6420の排出口6422と上下で対向配置され、間に球抜きレバー52の閉塞板部52bが配設される。上述したように、非操作時においては、球抜きレバー52は排出口6422と底面口6432との間に配置されることになるので、開口を形成したことにより強度が低下する度合いを、閉塞板部52bの剛性によって低減することができる。
これにより、排出口6422及び底面口6432が脆弱になることを防止できるので、本実施形態のように、排出口6422及び底面口6432を操作デバイス10300の下部付近に配置する(操作デバイス10300に近接配置する)構成を採用しながらも、下皿ユニット6400の耐久性が低下することを防止することができる。
下皿形成部材6420と球排出装置6430との締結態様の詳細について説明する。本体板部6431は、正面側を除く3方向(平面側および左右両側)に嵌合枠部6434よりも外方に張り出す鍔部6431aを備えている。嵌合枠部6434は、組立状態(図207参照)において、覆設基礎部材6410の貫通孔6412に隙間を有して内嵌され、そのまま球排出装置6430を貫通孔6412に嵌め入れると、鍔部6431aが貫通孔6412の縁部分の下面部に当接する。
一方で、下皿形成部材6420のL字板部6423の内側面は、嵌合枠部6434の外方から前後左右方向で当接可能な形状で形成され、L字板部6423の下端部は、上述したように、貫通孔6412の縁部分と上下方向で当接する。
このように、覆設基礎部材6410に球排出装置6430を位置決め可能とされ、その球排出装置6430に下皿形成部材6420を位置決め可能に構成されており、各構成の位置を合わせた後で締結孔6433に締結ネジを通し締め付けることで各構成を固定することができる。従って、組立作業を容易とすることができる。
中間保持部材6440は、覆設基礎部材6410に締結固定される締結ネジが挿通される部分であって正面側に突設される複数の貫通孔6441と、金属本体部10014a(図211参照)に形成される貫通孔に挿通されるネジが締結固定される部分であって背面側に突設される複数の締結部6442と、覆設基礎部材6410の左側上端部と前後方向で干渉する部分であり板状に形成される干渉部6443と、を主に備える。
図226は、下皿ユニット6400の分解正面斜視図であり、図227は、下皿ユニット6400の分解背面斜視図である。図226及び図227では、図224及び図225からV字意匠部材6450を分解した状態が図示される。
V字意匠部材6450は、背面側が開放され、左右中央へ向かう程に開放幅が狭くされる溝形状を有し、左右中央へ向かう程に下方に配置されるV字形状の本体部6451と、その本体部6451の下縁に締結ネジを挿通可能な貫通孔として形成される複数の挿通孔6452と、本体部6451の下縁中央部付近において形成される位置決め部6453と、本体部6451の左右端部付近において背面側へ張り出され締結ネジを螺入可能に形成される複数の張出締結部6454と、本体部6451の右側部において本体部6451の溝の幅方向に延びる板形状で形成され本体部6451の長尺方向に整列する複数の右側補強リブ6455と、本体部6451の左側部において本体部6451の溝の幅方向に延びる板形状で形成され本体部6451の長尺方向に整列する複数の左側補強リブ6456と、を主に備える。
V字意匠部材6450は、上述した左前カバー10321や右前カバー10322に比較して、剛性が高く形成される。これにより、不正行為を行う者が、不正な部材をパチンコ機10010の内部に侵入させるために貫通孔を形成されやすい箇所を限定することができる。即ち、V字意匠部材6450に貫通孔をあける場合に比較して、左前カバー10321や右前カバー10322に貫通孔をあける場合の方が、難易度が低いので、不正な貫通孔が左前カバー10321や右前カバー10322に空けられるように仕向けることができる。
そのため、不正を発見するために定期的にチェックする箇所を狭めることができる。即ち、本実施形態によれば、貫通孔は左前カバー10321や右前カバー10322に形成される可能性が高いので、V字意匠部材6450をチェックすることを不要とすることができる。これにより、V字意匠部材6450およびカバー10321,10322を平等にチェックする必要がある場合に比較して、チェック負担を下げることができる。
本体部6451は、薄肉で形成されており、溝幅を狭める方向に撓み変形可能(上下につぶれる態様で撓み変形可能)とされる。V字意匠部材6450は、操作デバイス10300の左前カバー10321及び右前カバー10322の下縁と嵌合することから、操作デバイス10300の操作時に発生し得る上下変位が左前カバー10321及び右前カバー10322を介して伝達される。この上下変位の発生時に、本体部6451の溝の溝幅を狭める方向にV字意匠部材6450が撓み変形することにより、操作デバイス10300の上下変位の少なくとも一部をV字意匠部材6450の撓みで吸収することができる。
即ち、操作デバイス10300から伝達される負荷の少なくとも一部をV字意匠部材6450の変形で操作した後で、その下流(例えば、覆設基礎部材6410)へ伝達することができる。従って、V字意匠部材6450の下方に配置される覆設基礎部材6410の本体部6411に伝達される負荷を抑制することができるので、操作により、V字意匠部材6450の下方の部材の変位量や、振動の度合いを抑制することができる。
位置決め部6453は、左右中央を基準として左側に締結ネジを螺入可能に形成される締結部6453Lと、その締結部6453Lの反対側において背面側へ板状に突設される板状突設部6453Rとを主に備える。
挿通孔6452は、正面側に形成される窪みに覆設基礎部材6410の締結部が正面側から入り込んだ状態で締結ネジが螺入されることで、覆設基礎部材6410と固定される部分である。即ち、V字意匠部材6450は、覆設基礎部材6410の背面側から近づく態様で組み付けられる(図226及び図227でV字意匠部材6450の移動軌跡の一例を想像線で図示)。
なお、複数の挿通孔6452の少なくとも一部(本実施形態において、右下の挿通孔6452)は、組立状態において、下皿形成部材6420に締結ネジの挿通方向視で視認不能とされる(図230(b)参照)。即ち、下皿形成部材6420が覆設基礎部材6410に組み付けられた状態では、少なくとも一部の挿通孔6452に挿通される締結ネジを緩めることができず、覆設基礎部材6410からV字意匠部材6450を分解する前段階として下皿形成部材6420を分解する必要が生じることから、V字意匠部材6450を分解するまでに必要な工数を増やすことができる。
加えて、下皿形成部材6420は、後述する前側縦長部6426cに前後方向に穿設され、左下の締結部6453Lに螺入される締結ネジが挿通され、その螺入により右下の締結部6453Lと固定される挿通部6426c1を備える。加えて、その挿通部6426c1を背面視で遮蔽する態様で操作デバイス10300が配設される(図232参照)。
そのため、下皿形成部材6420を分解する前提として、操作デバイス10300を取り外して、挿通部6426c1を遮蔽する位置から移動させることが必要とされる。即ち、V字意匠部材6450を分解するために、操作デバイス10300を取り外し、下皿形成部材6420を分解するといった必要な工数を増やすことができる。これにより、不正にV字意匠部材6450を取り外し、できた隙間から内部に進入する不正行為を抑制することができる。
板状突設部6453Rは、組立状態において板状支持部6426の前側縦長部6426cの上面に当接する(図230(b)参照)。即ち、板状突設部6453Rの下降変位は板状支持部6426により抑制され、逆に、板状支持部6426の上昇変位は板状突設部6453Rにより抑制される。
これにより、例えば、操作デバイス10300(図208参照)が遊技者からを持ち上げ方向の負荷を与えられた場合であっても、操作デバイス10300の嵌合凹部De1(図219参照)と嵌合部6426dとが嵌合していることから、操作デバイス10300の上昇方向の変位に伴い板状支持部6426の前側部が上昇方向に変位する。
この変位が板状突設部6453Rにより抑制されることから、操作デバイス10300の上昇変位を抑制することができる。
左右の張出締結部6454は、正面枠10014の金属本体部10014aに固定される樹脂製の中間部材(図示せず)に挿通される締結ネジが螺入される部分であり、その締結位置は、締結部6453Lの締結位置よりも背面側(金属本体部10014aに近接する側)とされる。
右側補強リブ6455及び左側補強リブ6456は、本体部6451の溝幅方向の補強を行うリブとしての機能と、自らも撓み変形可能な薄肉形状とされることにより自らの変形により下流への変位伝達を抑制する緩衝手段(変位伝達抑制手段)としての機能とを併せ持つ。図227に示すように、左側補強リブ6456の方が、右側補強リブ6455に比較して、密集した配置とされる。以下、順に説明する。
図228(a)は、右側補強リブ6455の模式断面図であり、図228(b)は、左側補強リブ6456の模式断面図である。なお、図228(a)及び図228(b)では、補強リブ6455,6456を厚さ方向で分断する平面における断面が図示される。また、補強リブ6455,6456は、厚さは共通で形成される一方で、本体部6451の溝幅に対応して溝幅方向や溝深さ方向の寸法を変化させるように設計されるが、基本的な構成は共通であるので代表的な例を説明する。
図228(a)に示すように、右側補強リブ6455は、本体部6451の溝底部から背面側に延設される板状部であって、本体部6451の上板部と結合される結合部6455aと、本体部6451の上板部に対して平行に対向配置され隙間を形成する上対向部6455bと、本体部6451の下板部に対して背面側へ向かう程に離間幅が大きくなる態様で傾斜する態様で対向配置される下対向部6455cと、を主に備える。
上対向部6455bは、本体部6451の上板部との間に右前カバー10322の下縁部が嵌合され、右前カバー10322からの負荷が伝達される部分である。本体部6451と上対向部6455bとが略平行に配置されるので、右前カバー10322と一点で接触することを避けることができ、負荷を前後位置で分散させることができる。これにより、右側補強リブ6455の耐荷重を増大させることができる。
なお、本実施形態では、上対向部6455bと本体部6451の上板部との間の隙間が、右前カバー10322の下縁部の厚みと同等となるように形成される。これにより、嵌合後の右前カバー10322の下縁部が、上対向部6455bや本体部6451の上板部から離間することを防止することができ、互いに衝突し擦れることを防止することができるので、粉(粉塵)の発生を抑制することができる。
下対向部6455cは、操作デバイス10300に近い側(背面側、右前カバー10322の変位が大きくなりがちな側)へ向かうほど本体部6451の下板との離間幅が長くされているので、右側補強リブ6455自体の下方変位の許容量を大きくすることができると共に、変位発生時に本体部6451の下板部と衝突(当接)することを回避することができる。
従って、右側補強リブ6455が緩衝部材としての役割を果たすので、右前カバー10322を介して伝達される変位や負荷が、本体部6451の下板部に伝達される割合を低減することができる。
本実施形態では、右前カバー10322を起点とした右側補強リブ6455の下流側(右下側)に操作ハンドル51が配置されるが、右側補強リブ6455が緩衝部材としての役割を果たすことにより、操作デバイス10300の操作や駆動に伴う、負荷や変位や振動が、操作ハンドル51に伝達される割合を低減することができる。これにより、遊技者が違和感なく操作ハンドル51を自由に操作可能な遊技性を担保することができる。
図228(b)に示すように、左側補強リブ6456は、本体部6451の溝底部から背面側に延設される板状部であって、本体部6451の上板部と結合される結合部6456aと、本体部6451の上板部に対して平行に対向配置され隙間を形成する上対向部6456bと、本体部6451の上板部の背面側縁よりも背面側へ張り出す張出部6456cと、本体部6451の下板部に対して平行に対向配置され隙間を形成する下対向部6456dと、を主に備える。
上対向部6456bは、本体部6451の上板部との間に左前カバー10321の下縁部が嵌合され、左前カバー10321からの負荷が伝達される部分である。本体部6451と上対向部6456bとが略平行に配置されるので、左前カバー10321と一点で接触することを避けることができ、負荷を前後位置で分散させることができる。これにより、左側補強リブ6456の耐荷重を増大させることができる。
なお、本実施形態では、上対向部6456bと本体部6451の上板部との間の隙間が、左前カバー10321の下縁部の厚みと同等となるように形成される。これにより、嵌合後の左前カバー10321の下縁部が、上対向部6456bや本体部6451の上板部から離間することを防止することができ、互いに衝突し擦れることを防止することができるので、粉(粉塵)の発生を抑制することができる。
張出部6456cは、背面側へ向かう程に本体部6451の上面部から離反する方向(下方)に傾斜する上縁部を備える。これにより、張出部6456cは、左前カバー10321の下縁部と常時当接する部分では無く、左前カバー10321の下方への変位量がある程度大きくされた際に初めて当接する部分として形成される。即ち、張出部6456cを、左前カバー10321の変位量が異常に大きくなった際にその変位を抑制するための部分(フェイルセーフ)として機能させることができる。
なお、張出部6456cの上面を上対向部6456bの上面と面位置で形成しても良い。この場合、左前カバー10321を介して伝達される負荷を分散可能な前後位置の長さを長くすることができるので、左側補強リブ6456の耐荷重を更に増大させることができる。
下対向部6456dは、本体部6451の下板部との間に正面枠10014の背後覆設部10014b(図212参照)が差し込まれた場合に、その背後覆設部10014bの上面と当接する部分である。背後覆設部10014bに複数の左側補強リブ6456の下対向部6456dが当接するので、伝達される負荷を分散させることができ、背後覆設部10014bの下方への変位量を低減することができる。
これにより、背後覆設部10014bの配置を維持し易くすることができるので、下皿50の上方の空間(球が貯留される空間であり、遊技者が手を入れる可能性がある空間)が狭められることを防止することができる。
即ち、背後覆設部10014bはV字意匠部材6450を介して左前カバー10321と連結されるが、左前カバー10321を介して操作デバイス10300側から伝達される負荷が背後覆設部10014bを変位させることを抑制することができる。これにより、例えば、下皿50を構成する面が変位し、遊技球と衝突して異音を発生させる事態を回避することができる。
上述したように、左側補強リブ6456は、右側補強リブに6455の配置間隔に比較して、密集して配置される。そのため、より大きな荷重に対して対応可能に構成される。本実施形態では、左側に配置される上皿17に貯留された球に触れる遊技者の手の重さがかけられやすく、左右で荷重の不均等が生じやすいところ、左側補強リブ6456を密集して配置することで、荷重の不均等に対応することができる。
上述したように、本実施形態では、右側補強リブ6455と左側補強リブ6456とで形状を異ならせることで、異なる態様の荷重に対応することができる。即ち、右側補強リブ6455では、本体部6451の下板部と下対向部6455cとの間に十分な隙間を形成し負荷の伝達を遮断することで、操作デバイス10300を介する瞬間的な負荷や衝撃が操作ハンドル51に伝達することを防止できる一方、左側補強リブ6456では、負荷を分散して支持することにより、上皿17を介して長時間にわたって体重がかけられた場合であっても、背後覆設部10014bが変位することを防止できる。このように、本実施形態では、問題となりやすい負荷の態様に対応できるように、補強リブ6455,6456の形状を設計している。
図229(a)は、下皿ユニット6400の上面図であり、図229(b)は、下皿ユニット6400の正面図であり、図230(a)は、下皿ユニット6400の下面図であり、図230(b)は、下皿ユニット6400の背面図であり、図231(a)は、下皿ユニット6400の矢印L方向視における右面図であり、図231(b)は、下皿ユニット6400の矢印R方向視における左面図である。
図229(a)及び図230(b)に示すように、覆設基礎部材6410の凹設形状部6414を左右に跨ぐ態様で下皿形成部材6420の板状支持部6426が配設されており、その板状支持部6426は、本体部6411の底面上部に面接触する態様で載置される一方、凹設形状部6414からは離れて配置される。以下で、突設形状部6413及び凹設形状部6414の詳細について説明する。
突設形状部6413及び凹設形状部6414は、覆設基礎部材6410の本体部6411の一部を上から押圧する場合の変形と同様に、下面から下方に膨出(延出)する部分の表裏を構成する部分であり、表裏の一方の形状と他方の形状とが類似している。換言すれば、突設形状部6413の下面視の外形と、凹設形状部6414の上面視の内側形状とは、本体部6411の板厚を確保できる分だけ縮尺が変更された形状として形成される。そのため、一方の形状から、他方の形状を容易に想像することができる。
図230(a)に示すように、突設形状部6413は、正面側へ向かう程、左右幅が漸増する。そして、図229(a)に示すように、下皿形成部材6420の板状支持部6426は、凹設形状部6414の前後方向中心よりも前側に寄って配置されているので、突設形状部6413及び凹設形状部6414の左右幅が大きい箇所で板状支持部6426を下支えすることができる。これにより、板状支持部6426が下方へ沈み込む態様で変位する場合に、本体部6411を部分的に十分に撓ませることができることになるが、詳細は後述する。
ここで、遊技可能な状態においては、板状支持部6426に操作デバイス10300が載置され、操作デバイス10300を遊技者が操作することに伴って、板状支持部6426が上下に変位し得る。この変位に関連して、板状支持部6426及び本体部6411は樹脂材料から形成されており、板状支持部6426と覆設基礎部材6410の本体部6411との間で負荷が発生したり、衝突したり、擦れたりすることにより、削り粉が発生する虞がある。
操作デバイス10300の周囲で削り粉が発生すると、例えば、隙間に削り粉が入り込みクリアランスが確保できなくなることにより動作不良が発生したり、検出センサの検出領域に削り粉が入り込み誤検知を誘発させたりすることが考えられるので、削り粉の発生は抑制することが望ましい。
これに対し、本実施形態では、板状支持部6426と本体部6411との接触面積を減らすことにより、削り粉の発生を抑制したり、その発生量を減らしたりすることができる。
上述したように、本実施形態では、板状支持部6426と本体部6411とは直接的には締結固定されていない。これは、板状支持部6426の変位が本体部6411に直接的に伝達されることを防止する目的に基づく。
即ち、操作デバイス10300に押し下げ方向の負荷が与えられ、板状支持部6426が下降変位する場合には、その変位が突設形状部6413及び凹設形状部6414に受け止められることで、本体部6411等の他の部分の変位を不要とすることができる。
一方で、操作デバイス10300に持ち上げ方向の負荷が与えられ、板状支持部6426が上昇変位する場合には、その変位が板状突設部6453R(図232参照)に受け止められ、V字意匠部材6450の変形に変換されるので、本体部6411等の他の部分の変位を不要とすることができる。
このように、本実施形態では、板状支持部6426と本体部6411とを直接的に締結固定しておらず、操作デバイス10300に与えられる負荷が間接的に本体部6411に伝達されるに留まるように構成することで、本体部6411が変形したり、破損したりすることを防止することができる。
図231(a)及び図231(b)に示すように、突設形状部6413の下面は前後方向に沿う平面として形成される一方、覆設基礎部材6410の本体部6411の下面は、正面側へ向かう程上昇傾斜する傾斜平面として形成される。この構成は、例えば、正面枠10014を単体で保管する場合に好適に作用する。
正面枠10014を単体で保管する場合、一般的には、正面枠10014の下面を床と当接させる態様でコンクリートやフローリングの床に置くことが多いと考えられる。この時、下面全体が床と当接する方が、安定感や、負荷の集中を避けるという観点から好ましいとも考えられるが、この場合、下面全体に床の汚れが付着する可能性が生じる。本体部6411の下面は遊技者からは見え難い位置であるが、製品である以上、汚れが付着することは避けることが好ましい。
これに対し、本実施形態では、突設形状部6413の下面が前後方向に沿う平面として形成され、本体部6411の下面は正面側へ向かう程、上昇傾斜する傾斜面として形成されるので、突設形状部6413が床面と当接すると、床面と本体部6411の下面との間に隙間が生じることになるので、床面と当接し汚れが付着する箇所を突設形状部6413に限定することができる。従って、遊技店側は、正面枠10014を遊技可能な状態に設置する際に、突設形状部6413の汚れのみを拭き取れば良く、本体部6411の下面全体を拭くことを不要とすることができる。
また、突設形状部6413は、正面枠10014を持ち運ぶ際に指を掛ける指掛け部としても機能する。従来は、下皿部分が正面枠の左右中央に配置されていたので、下皿部分に手を引っかけて正面枠を持ち上げ、背後の枠(外枠11、内枠12)に組み付けることが容易にできたが、本実施形態の正面枠10014では、下皿50が左右方向左側(開閉軸側)に配置されているので、下皿50に手を引っかけて正面枠10014を持ち上げ、組み付けることが困難な構成とされている。
一方で、操作ハンドル51に手を引っかけて正面枠10014を持ち上げると、正面枠10014の自重が操作ハンドル41の根元側にかけられることになるので、操作ハンドル51が破損する虞があり、推奨することは好ましくない。
そこで、本実施形態では、下皿ユニット6400の底面に手を引っかけて正面枠10014を持ち上げることを推奨できるように、指掛け部としても機能する突設形状部6413が左右中央位置に配置される。作業者は、突設形状部6413に手を引っかけて正面枠10014を持ち上げ、背後の枠に軸支させることで、正面枠10014を背後の枠に容易に組み付けることができる。
そして、指を掛ける時点の前後に汚れを拭き取る作業を入れる作業手順とすることで、汚れの拭き取りが必要な箇所を持ち運び動作と関連して作業者に意識させることができる。従って、汚れの拭き取り忘れを防止することができる。
ここで、床面と本体部6411との隙間は、突設形状部6413に予想される変形量の大小に対応して、過不足ない隙間として構成される。詳述すれば、本体部6411の下面の形状から、正面側に向かう程、床面との間の隙間が大きくなるところ、これは、突設形状部6413が正面側に向かう程、幅広に形成されており、負荷による変形可能量(撓み量)が大きくなることに対応している。
即ち、正面枠10014を床面に置く場合に、突設形状部6413が正面枠10014の重みで撓み変形した場合にも、本体部6411の下面と床との間の隙間を確保し易くすることができる。一方で、突設形状部6413が限界まで撓み変形し、本体部6411の下面と床面との間の隙間が無くなる場合には、本体部6411の下面全体が床面と当接し易くすることができるので、本体部6411の下面全体で正面枠10014の重さを支えることができる。
従って、床面に載置された正面枠10014が想定以上の重さとなっていたり、床面に載置された正面枠10014に過大な荷重がかけられたりしても、本体部6411の一部に負荷が集中することを防止することができる。
また、突設形状部6413の正面側ほど変形可能量を大きく形成していることは。遊技実行中においても好適に作用する。例えば、千両箱の交換時には、遊技店の店員が、本体部6411の下面および突設形状部6413の下側において千両箱を前後にスライド移動させるが、この際に、千両箱と正面枠10014の下面とが衝突することがある。この衝突による衝撃や負荷が疲労として構成部材に蓄積されると、その許容量を超えた時点で構成部材が破壊される(例えば、割れる)ことになり、遊技を継続することが困難になる虞がある。
これに対し、本実施形態では、千両箱と衝突し易い正面側に向かう程、突設形状部6413の変形可能量が大きくなるように構成されている。従って、千両箱との衝突による衝撃や負荷を変形(撓み変形)により逃がしやすくすることができ、突設形状部6413の破壊を抑制することができる。従って、遊技者の快適な遊技環境を維持し易くすることができる。
また、突設形状部6413の左右側において、本体部6411の下底面は正面側へ向けてせり上がる態様で傾斜形成される(図231(a)参照)。これにより、千両箱の交換時に突設形状部6413の左右側において千両箱と本体部6411とが衝突する可能性を低くすることができる。これにより、本体部6411の下底面が破損する可能性を低くすることができるので、遊技者の快適な遊技環境を維持し易くすることができる。
図232は、下皿ユニット6400の背面図である。なお、図232では、左前カバー10321及び右側カバー10322の組立状態が図示され、それ以外の操作デバイス10300の外形が模式的に想像線で図示される。
図232に図示されるように、左前カバー10321及び右側カバー10322の下縁部が、V字意匠部材6450の補強リブ6455,6456(上対向部6455b,6456b(図228(a)及び図228(b)参照))に下支えされる。
V字意匠部材6450の本体部6451が背面視V字形状に形成され、補強リブ6455,6456が本体部6451の溝幅方向に延びる板状とされるので、補強リブ6455,6456からの反力は、左前カバー10321及び右側カバー10322を左右中央へ返す方向成分を有する方向(上斜め方向)へ向けられる。例えば、補強リブ6455,6456の撓み変形からの復元力が上斜め方向へ向けられる。
これにより、操作デバイス10300の上下方向の変位だけでなく、左右方向への変位にも対応することができる。例えば、本実施形態のように、操作デバイス10300の操作部分(例えば、首振り操作部材10310)の移動方向が左右方向成分を持たない場合であっても、遊技者から与えられる下向きの負荷は左右方向成分を備えることがあり、そのような負荷が与えられた場合には、操作デバイス10300全体が下降変位すると共に左右方向に若干変位する(振動する)可能性がある。
これに対して、左前カバー10321及び右側カバー10322は、自身の湾曲形状に基づき撓み変形することで操作デバイス10300の左右方向の変位に対応でき(左右方向の変位分を吸収したり、復元力で操作デバイス10300の配置を戻したりでき)、更に、補強リブ6455,6456からの反力が上向き且つ左右中央を向くことにより、操作デバイス10300を変位前の位置に早期に復帰させることができる。従って、正面枠10014の正面視における意匠(図207参照)を維持し易くすることができる。
図233(a)は、図229(a)のCCXXXIIIa−CCXXXIIIa線における下皿ユニット6400の断面図であり、図233(b)は、図229(a)のCCXXXIIIb−CCXXXIIIb線における下皿ユニット6400の断面図であり、図233(c)は、図229(a)のCCXXXIIIc−CCXXXIIIc線における下皿ユニット6400の断面図である。なお、図233(a)から図233(c)では、断面における貫通孔6412の縁部付近が拡大して図示される。
図233(a)から図233(c)に示すように、下皿ユニット6400の組立状態において、貫通孔6412の縁部分が下皿形成部材6420(背面側部分において、L字板部6423の突設端部(下端部))及び球排出装置6430(の鍔部6431a)に押さえつけられる。これにより、貫通孔6412の周囲部分を、下皿形成部材6420及び球排出装置6430の強度で補強することができる。
下皿形成部材6420のL字板部6423(図225参照)の内側面は、嵌合枠部6434(図224参照)の外方から前後左右方向で当接可能な形状で形成され、L字板部6423の下端部は、上述したように、貫通孔6412の縁部分と上下方向で当接する(図233(c)参照)。これにより、貫通孔6412の縁部分を補強することができるので、貫通孔6412の設計自由度を向上させることができる。
上述したように、球抜きレバー52は、非操作時において、排出口6422と底面口6432との間に配置されることになるので、開口を形成したことにより強度が低下する度合いを、閉塞板部52bの剛性によって低減することができる(図233(b)参照)。
これにより、排出口6422及び底面口6432が脆弱になることを防止できるので、本実施形態のように、排出口6422及び底面口6432を操作デバイス10300の下部付近に配置する(操作デバイス10300に近接配置する)構成を採用しながらも、下皿ユニット6400の耐久性が低下することを防止することができる。
図233(a)から図233(c)に示すように、凹設形状部6414の形状は、正面側へ向かうほど、幅が広くされ、凹設深さが増す態様で形成される。即ち、正面側へ向かうほど、凹設形状部6414が撓みやすくなるように形成される。
これにより、遊技者が操作デバイス10300を操作する際に生じる負荷が大きくなり易い正面側付近において、凹設形状部6414に十分な撓み性能を付与することができるので、操作デバイス10300の操作時の負荷により操作デバイス10300を支持する覆設基礎部材6410が破損する(例えば、割れる)事態の発生を抑制することができる。これについて、詳しく説明する。
操作デバイス10300は、上述したように、複数の操作態様で操作可能なデバイスである。表示装置などにより操作タイミング及び操作態様が報知され、その報知に合わせて遊技者に操作デバイス10300を操作させ、遊技者を遊技に引き込む役割を有している。ここで、報知における操作態様ごとの頻度は、一定では無い。
例えば、制御の一例として、遊技の開始時から特定のリーチ演出が実行されるまでの間は、首振り操作部材10310が初期位置に停止制御される(図215(a)参照)。この状態が、営業時間における首振り操作部材10310の配置の大半を占める。
この状態において、表示演出における操作を促す報知(「ボタンを押せ!」等の報知)に対する操作や、ステージの切り替え等のために、レンズ部材10317の押し込み操作(プッシュ操作)が遊技者によって実行される。従って、操作に伴い生じる負荷は、大半がレンズ部材10317を押し込み操作する時に生じる負荷であり、方向Y17a(図215(a)参照)に沿った負荷となる。報知の発生頻度が高いことから、この負荷の発生頻度が高くなる。
これに対し、特定のリーチ演出が実行される場合には、操作デバイス10300は、首振り操作部材10310を上下に変位させるように駆動制御され、例えば、下向き位置に首振り操作部材10310が配置される状態(図215(b)参照)で操作を促す報知が実行される。
この場合の操作方向は、首振り操作部材10310が上向き位置に配置される状態に比較して、前後方向に更に角度θ17yだけ傾斜した方向Y17b(図215(b)参照)となり、その方向Y17bに沿った負荷が発生する。報知の発生が特定のリーチ演出実行時に限られることから、発生頻度は低いものとなる。
即ち、方向Y17aに沿う負荷の発生頻度の方が、方向Y17bに沿う負荷の発生頻度に比較して高くなるように制御される。これに対し、本実施形態において、凹設形状部6414の形状は、正面側へ向かうほど、幅が広くされ、凹設深さが増す態様とされているので、正面側へ向かうほど、負荷への対応性能が高くなるように形成されている。
即ち、前後方向で共通形状とされる場合に比較して、負荷の発生頻度の違いに適所で対応できるように構成することができ、与えられる負荷により変形のしすぎが生じたり、変形不足となり破損し易くなったりすることを回避し易くすることができる。
なお、上述したように、本実施形態では、遊技者に近い側、及び操作時の負荷の発生頻度が高い側が共に正面側であることから、凹設形状部6414が正面側へ向かう程に幅広、深底に形成されたが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、首振り操作部材10310の初期位置が下向き位置に設定される場合には、操作時の負荷の発生頻度が逆となるので、この場合には、凹設形状を背面側へ向かう程に幅広、深底に形成することで、前後方向で共通形状とされる場合に比較して、負荷の発生頻度の違いに適所で対応できるように構成することができ、与えられる負荷により変形のしすぎが生じたり、変形不足となり破損し易くなったりすることを回避し易くすることができる。
樹脂部材6427の中心断面に相当する図233(b)に示すように、垂下板状部6426bは、凹設形状部6414の左右幅両端部よりも左右外側の位置で本体部6411に上下で当接する。
これにより、凹設形状部6414の上縁部に垂下板状部6426bが当接する場合に比較して、操作デバイス10300からの負荷の凹設形状部6414に伝達される割合を低くすることができる。これにより、凹設形状部6414が操作デバイス10300を操作する際の負荷により破損することを抑制することができる。
また、負荷に対する対応として、凹設形状部6414の撓みだけでなく、凹設形状部6414の上縁部から垂下板状部6426b及び本体部6411の当接位置までの板状部の撓みも利用することができるので、負荷の許容量を大きくすることができる。
図234は、図229(a)のCCXXXIV−CCXXXIV線における下皿ユニット6400の断面図である。図234に示すように、下皿形成部材6420の板状支持部6426は、樹脂部材6427が載置される平面板状部6426aと、その平面板状部6426aの左右および後ろ縁部から下方へ板状に垂下される垂下板状部6426bと、平面板状部6426aの正面側縁に結合され平面板状部6426aよりも背が高く形成される部分であって下方が開放される前側縦長部6426cと、その前側縦長部6426cから背面側へ延設され操作デバイス10300と嵌合される嵌合部6426dと、を主に備える。なお、図234の説明においては、図224から図229を適宜参照する。
平面板状部6426aは、凹設形状部6414の左右幅よりも幅広に形成され、凹設形状部6414の前側半部を覆うように構成される。平面板状部6426aと覆設基礎部材6410の本体部6411との間(上下間)には、垂下板状部6426bが形成される。即ち、平面板状部6426aは本体部6411に当接せず、下面視コの字に形成される(図225参照)垂下板状部6426bの延設端部が本体部6411と当接することで、平面板状部6426aの覆設基礎部材6410に対する位置が決まる。
このように、平面板状部6426a及び垂下板状部6426bがブロック状では無く、下方が開放された箱状に形成されるので、平面板状部6426a及び垂下板状部6426bは撓み変形し易い構成とされる。従って、操作デバイス10300(図211参照)を介する負荷に対して、本体部6411の突設形状部6413及び凹設形状部6414が撓み変形するだけでなく、平面板状部6426a及び垂下板状部6426bも撓み変形することができ、操作デバイス10300の下方に配置される板状支持部6426や覆設基礎部材6410(の本体部6411や、突設形状部6413や、凹設形状部6414)が破損することを更に防止することができる。
垂下板状部6426bは、本体部6411の底部上面まで延設される一方、凹設形状部6414に入り込むまで延設されるものでは無い。即ち、垂下板状部6426bと凹設形状部6414との間には、空間が生じている(図234の平面板状部6426aの後端部の下方を参照)。これにより、凹設形状部6414の内部に骨組みが無い状態を維持することができるので、突設形状部6413の変形が阻害されないようにすることができる。
また、垂下板状部6426bと凹設形状部6414との間の空間は、水抜きとしての役割も果たしている。例えば、操作デバイス10300と下皿ユニット6400との隙間から液体が浸入した場合であっても、板状支持部6426の後ろ側を伝った液体が凹設形状部6414の前部へ浸入可能に構成されるので、液体が背後へ浸入する流れを弱くすることができる。これにより、液体の浸入を正面枠10014で留め易くすることができる。
前側縦長部6426cは、背面側へ延設される嵌合部6426dにより操作デバイス10300を介した負荷を受ける部分であり、正面側下部がV字意匠部材6450に下支えされる。これにより、操作デバイス10300へ遊技者から与えられる負荷を、本体部6411だけでなく、V字意匠部材6450にも受け持たせることで負荷を分散できるので、各構成に与えられる荷重を弱めることができる。
また、前側縦長部6426cと、凹設形状部6414との間にも空間が生じている。これにより、凹設形状部6414の内部に骨組みが無い状態を維持することができるので、突設形状部6413の変形が阻害されないようにすることができる。
また、前側縦長部6426cと凹設形状部6414との間の空間は、水抜きとしての役割も果たしている。例えば、操作デバイス10300と下皿ユニット6400との隙間から液体が浸入した場合であっても、板状支持部6426の後ろ側を伝った液体が凹設形状部6414の前部へ浸入可能に構成されるので、液体が背後へ浸入する流れを弱くすることができる。これにより、液体の浸入を正面枠10014で留め易くすることができる。
嵌合部6426dは、嵌合凹部De1(図212参照)と嵌合可能に横方向に長尺で形成され、操作デバイス10300から負荷を受ける部分である。嵌合部6426dは、下面と延設基端側に形成される前側縦長部6426cとに結合される一対の板状の補強リブ6426d1を備える。
補強リブ6426d1により、嵌合部6426dの上下変位(変形)を抑制することができるので、操作デバイス10300を下方へ変位させる負荷がかけられた場合であっても、嵌合部6426dの剛性で耐えられることで、操作デバイス10300の変位が過度に生じないようにすることができる。
ここで、樹脂部材6427の上側に操作部材10300が載置される。そのため、遊技者の操作部材10300の操作や振動に伴う負荷は、樹脂部材を介して板状支持部6426に伝達され、その下流に配置される覆設基礎部材6410へ伝達されるところ、板状支持部6426は、本体部6411の底面に下支えされる(図233参照)。
本実施形態では、本体部6411の底面は、正面側へ向かう程上昇傾斜する傾斜面として形成されているので(図234参照)、操作部材10300から本体部6411へ伝達される負荷の方向の前後方向の成分を正面側へ向けることができる(負荷を正面側へ逃がすことができる)。
即ち、操作デバイス10300から生じる負荷が背面側(外枠11及び内枠12側)へ伝達されることにより生じ得る不具合を回避することができる。例えば、遊技盤13(図2参照)が揺れてしまい、発射された球の流下態様に影響を与えたり、基板ボックス100〜104や電子基板に負荷が伝達されることで基板が割れるなどの不具合が発生したりすることを防止することができる。
次いで、図235から図264を参照して、上演出装置6500について説明する。図235は、正面枠10014の分解正面斜視図であり、図236は、正面枠10014の分解背面斜視図である。なお、図235及び図236では、上述した下皿ユニット6400及び操作デバイス10300の図示が省略され、上演出装置6500が金属本体部10014aから前方に分解された状態が図示される。
図235に示すように、上演出装置6500は、左右一対で配設される音響装置6610の正面側を覆う装置であって、内部にLED等の発光手段が配設される電飾基板6570と、LEDから照射された光を遊技者へ届ける仲立ちとなる各構成部材とが配設される。
図236に示すように、上演出装置6500の背面側には、金属本体部10014aとの間で離反方向の付勢力を生じる板状金属バネ部材(板バネ)6584dが配設される。これにより、上演出装置6500を金属本体部10014aに固定する締結ネジの締結力を増大させる(安定して締結固定する)ことができる。
図237は、上演出装置6500の分解正面斜視図であり、図238は、上演出装置6500の分解背面斜視図である。なお、図237及び図238では、上演出装置6500の上蓋部材6510が上方へ分解された状態が図示される。
上演出装置6500は、板状の上蓋部材6510と、その上蓋部材6510の下方において前側部分を占める前側ユニット6520〜6550と、その前側ユニット6520〜6550の後方に配設される後側ユニット6560〜6580と、を主に備える。
上蓋部材6510は、上演出装置6500の上面を覆い、金属本体部10014aに締結固定される部材であって、左右に長い楕円を前後で分断した半楕円形状の板状部として構成される本体板部6511と、その本体板部6511の正面側縁部付近に上下に穿設され締結ネジを挿通可能に構成される複数の挿通孔6512と、本体板部6511の背面側部分から下方に延設され、延設先端の背面から雌ネジ孔が形成され、その雌ネジ孔へ金属本体部10014aに挿通される締結ネジを締結可能に構成される複数の締結部6513と、を主に備える。
上蓋部材6510は、締結部6513が延設される背面側部分が金属本体部10014aに締結固定され、挿通孔6512に挿通される締結ネジにより上演出装置6500の他の構成部材が支持される。即ち、上蓋部材6510の機械的剛性を利用して、上演出装置6500の正面端側部分の下方への変位を抑制することができる。
締結部6513は、その正面側に、本体板部6511と連結される板状の板部6513aを備える。これにより、本体板部6511が前倒れする態様で変形したり、変位したりすることを抑制することができる。
締結部6513は、音響装置6610に挿通され、板部6513は音響装置6610の挿通孔が形成される板の前面と対向配置される。このような構成により(上述した対応する図125(a)参照、締結部419が締結部6513に、板部6513aが拡大リブ419aに相当)、上蓋部材6510は、音響装置6610が金属本体部10014aから外れることを防止することができる。
上蓋部材6510は、上面から下面側へ凹設され、下面からは下方へ張り出す態様で形成される凹凸形状部6514が、面全体に装飾として形成される。この凹凸形状部6514により、同じ厚さの上蓋部材6510が平滑な表面の板状部材で構成する場合に比較して、面垂直方向に対する負荷に抵抗する力を大きくすることができる(形状維持し易くすることができる)。
図239は、上演出装置6500の分解正面斜視図であり、図240は、上演出装置6500の分解背面斜視図である。なお、図239及び図240では、上演出装置6500の上蓋部材6510の図示が省略され、前側ユニット6520〜6550が後側ユニット6560〜6580の前方に分解された状態が図示される。なお、本実施形態では、前側ユニット6520〜6550を後側ユニット6560〜6580に対して前斜め下方向(延設板部6552の形成方向、面が沿う方向)に移動させることで上演出装置6500を分解可能に構成されるが、詳細は後述する。
本実施形態では、前側ユニット6520〜6550が、LED等の発光手段から照射された光を受光し、屈折させたり、透過させたりする役割を備え、後側ユニット6560〜6580が、LED等の発光手段としての役割や、LED等の発光手段が配設される電飾基板を支持する役割を備える。まず、後側ユニット6560〜6580について、詳述する。
図241(a)は、後側ユニット6560〜6580の正面図であり、図241(b)は、電飾基板6570の正面図であり、図242は、後側ユニット6560〜6580の分解正面斜視図であり、図243は、後側ユニット6560〜6580の分解背面斜視図である。
図241から図243に示すように、後側ユニット6560〜6580は、内部空間を正面視で複数に区画する態様で形成される区画部材6560と、その区画部材6560へ光を照射するLEDが複数配設される電飾基板6570と、区画部材6560の背面側に積層配置され外形の内部領域では電飾基板6570に対して若干の隙間を有して配置されており外形部において面支持する一対の背面支持部材6580と、を主に備える。
なお、若干の隙間を有した状態で面支持するとは、電飾基板6570の姿勢を維持可能であって、区画部材6560と背面支持部材6580との間で隙間分だけ前後に変位可能に支持することを意味する。
区画部材6560は、電飾基板6570の正面側に近接して対向配置され、電飾基板6570の各照明部6574〜6576から照射される光を電飾基板6570付近から区画分けするように構成される。このように区画することで、各照明部6574〜6576から照射される光を区画ごとに視認させることができ、各照明部6574〜6576から照射される光の発光態様が大きく異なる場合であっても、遊技者に与える違和感を少なくすることができる。
区画部材6560は、電飾基板6570と対向配置される対向板部6561と、その対向板部6561の左右中央部において穿設される中央光用孔6562と、対向板部6561の左右下部において穿設される左右光用孔6563と、背面支持部材6580に挿通される締結ネジが締結される複数の締結部6564と、対向板部6561の背面へ延設される一対の大径円筒部6565と、中央光用孔6562を囲う矩形筒状に対向板部6561の正面側へ延設される中央筒部6566と、左右光用孔6563を囲う長尺筒状に対向板部6561の正面側へ延設される左右筒部6567と、正面視T字状の板状部から形成され対向板部6561の正面側において対向板部6561、中央筒部6566及び左右筒部6567を結合する板状結合部6568と、を主に備える。
対向板部6561は、その上縁部から背面側に左右長尺形状で突設されるフランジ部6561a〜6561cを備える。第1フランジ部6561aは、中央光用孔6562の上方に形成される。第2フランジ部6561bは、左右一対で形成され、第1フランジ部6561aの左右端部から切れ目を空けた位置から締結部6564の近傍まで延設される。第3フランジ部6561cは、左右一対で形成され、締結部6564を挟んで第2フランジ部6561bの端部の反対側の位置から、板状結合部6568の左右端部近傍まで延設される。
各フランジ部6561a〜6561cは、区画部材6560と電飾基板6570との間から光が出入りすることを防止する遮蔽板としての役割を備えており、その切れ目は、少なくとも電飾基板6570に配設されるLEDから照射される光が漏れにくい箇所に構成される。この箇所は、換言すれば、外部から光が入射しても、その光がLEDから照射される光と混じりにくい箇所である。
第1フランジ部6561aと第2フランジ部6561bとの間の切れ目は、中央光用孔6562と左右光用孔6563との間の箇所に形成されるものであり、敢えて電飾基板6570にLEDが配置されない箇所を切れ目としたものである。そのため、光漏れの原因となるLEDがそもそも無いので、切れ目から光が漏れる事象の発生を抑制することができる。
第2フランジ部6561bと第3フランジ部6561cとの間の切れ目は、締結部6564が配設される箇所に形成されるものであり、敢えて、光を遮る代替部が配置される箇所を切れ目としたものである。即ち、光が切れ目へ進行したとしても、その切れ目を通過しようとする光が締結部6564に遮られることになるので、切れ目から光が漏れる事象の発生を抑制することができる。
ここで、フランジ部6561a〜6561cを、切れ目の無い一連の部分として構成することもできるが、その場合、フランジ部6561a〜6561cの剛性を十分に確保できず、区画部材6560にかけられる下方向の負荷(区画部材6560よりも前方に配置される部材にかけられる下方向の負荷、重力や遊技者から与えられる負荷を想定)に、締結部6564を締結固定する締結ネジが発生する力のみで対抗する必要が生じる。本実施形態では、締結部6564の個数が増えるほど、締結ネジを締め付ける作業工数が増えるばかりか、電飾基板6570の表面積が減り、LEDを配置できる箇所が制限されることになり、電飾基板6570の設計自由度を減らすことになる。
これに対し、フランジ部6561a〜6561cを、剛性を確保できる程度の長さに分断することにより、フランジ部6561a〜6561cの剛性で区画部材6560にかけられる下方向の負荷に対抗することができる。従って、締結部6564の個数を限定することができ、作業工数の削減、電飾基板6570の設計自由度の向上を図ることができる。
また、本実施形態では、フランジ部6561a〜6561cに要求される剛性の程度により、長尺方向の長さを設計している。本実施形態では、上演出装置6500の形状が、上面視で左右中央へ向かう程に前後方向の幅が長くなる半楕円形状から形成されている(図237参照)。一般的に、遊技者から与えられる負荷(例えば、ぶら下がりの負荷)は、上演出装置6500の正面側端部においてかけられるので、上演出装置6500の左右中央部において遊技者から与えられる負荷は最大となり、左右端部へ近づくにつれて徐々に小さくなる。
これに対し、フランジ部6561a〜6561cは、敢えて長さを異ならせている。詳述すると、負荷が最大となる中央部に形成される第1フランジ部6561aの左右長さに比較して、その左右に配置される第2フランジ部6561bの左右長さの方が長くされ、また、第2フランジ部6561bの左右長さに比較して、その左右に配置される第3フランジ部6561cの方が長くされる。即ち、左右中央部において左右長さが最短となり、左右端部へ近づくにつれて徐々に長くなる。これにより、上演出装置6500に与えられる負荷に過不足無く対抗力を発生させることができる。
これにより、区画部材6560の変形および変位を抑制することができるので、区画部材6560と電飾基板6570との相対関係(位置関係)を安定的に維持することができる。なお、相対関係(位置関係)の維持は、離間方向の変形や変位により電飾基板6570を保持する力が低下し電飾基板6570が変位することを防止する場合に限らず、近づく方向の変形や変位により電飾基板6570に圧縮方向の負荷が生じ電飾基板6570が破壊されたり変形したりすることを防止する場合も含む。
中央光用孔6562及び左右光用孔6563は、電飾基板6570に配置されるLEDのパターンに対応して穿設される複数の貫通孔である。中央光用孔6562は、単一のLEDの外形よりも若干大きな貫通孔の組として構成される一方、左右光用孔6563は、複数のLEDを囲う大きさの貫通孔の組として構成される。
締結部6564は、背面支持部材6580の前板部6581に締結固定され、大径円筒部6565は、締結部6564よりも背面側へ張り出して形成される。これにより、大径円筒部6565が前板部6581の位置決め孔6581bに挿通され、区画部材6560と背面支持部材6580とが位置合わせされる。
大径円筒部6565は、同径の円筒状に正面側へ延設される正面側筒部を備え、その先端底部に締結ネジを挿通可能に穿設される挿通孔6565aを備える。この挿通孔6565aには、背面側から大径円筒部6565の内側を通った締結ネジが挿通され、その締結ネジが後述する区画ユニット6540に締結固定される。このように構成されることで、挿通孔6565aに締結ネジを挿通し、区画ユニット6540に螺入する工程を、後側ユニット6560〜6580の組立状態(図239及び図240参照)で行うことができる。
中央筒部6566及び左右筒部6567は、前側ユニット6520〜6550の背面側端部に到達するまで延設される。そのため、中央筒部6566及び左右筒部6567を通る光は、大部分(又は全て)が、前側ユニット6520〜6550へ入射する。
板状結合部6568は、上演出装置6500に負荷(例えば、ぶら下がりの負荷)が与えられた場合に上蓋部材6510(図237参照)を介して負荷が伝達される部分であり、中央筒部6566の上端部よりも若干高い位置に上面が配置される。これにより、中央筒部6566に先立って板状結合部6568が負荷を受け持つことになるので、中央筒部6566に負荷が与えられる事態の発生を抑制でき、中央筒部6566が変形したり変位したりする事態を回避し易くすることができる。
板状結合部6568は、下方へ向けて板状部が左右筒部6567に到達するまで延設される。これにより、板状結合部6568に上蓋部材6510(図237参照)を介して負荷が伝達された場合には、この左右筒部6567に到達する板状部が発生する抵抗力によっても負荷に対抗することができる。この場合、板状部で形成されることから、板状部自体の撓み変形により対抗力を発生させることができるので、左右筒部6567の変位や変形を抑制することができる。
電飾基板6570は、所謂プリント基板であって、板状の基板部6571と、その基板部6571に穿設され、又は切り欠かれる部分であって区画部材6560の締結部6564が挿通される締結挿通部6572と、基板部6571に穿設され区画部材6560の大径円筒部6565が挿通される大径挿通部6573と、基板部6571の左右中央部に配置される複数のLED(図241(b)に画一的な長方形で図示)から形成される第1照明部6574と、その第1照明部6574を基準として左右対称に配置される複数のLEDから形成され、基板部6571の上下中央部付近に配置される第2照明部6575と、基板部6571の下端部に沿って左右対称で配置される第3照明部6576と、電気配線(図示せず)を連結するコネクタ6577と、を主に備える。
図241(a)及び図241(b)に示すように、各照明部6574〜6576は、前後方向に沿って正面側に光を出射可能な複数のLEDから形成され、区画部材6560との相対的な位置関係に応じて配置されている。即ち、第1照明部6574は、中央光用孔6562と対応する位置に、第2照明部6575は、左右光用孔6563に囲われる位置に、第3照明部6576は、区画部材6560の下縁よりも下方の位置に、それぞれ配置される。これにより、各照明部6574〜6576は、区画部材6560により区画される別々の領域を光らせる。なお、第1照明部6574及び第2照明部6575は、区画部材6560の内側の領域を光らせるのに対し、第3照明部6576は、区画部材6560の外側の領域を光らせる。
なお、第3照明部6576は、正面視で区画部材6560に部分的に遮蔽されているように図示される。後述するように、第3照明部6576から照射された光は受光部材6558により斜め下方へ向けて進行するので、第3照明部6576から照射される光が区画部材6560により遮られる事態を避けることができ、これにより、第3照明部6576と区画部材6560とが、少なくとも部分的に前後方向で重なる配置とすることができる。
基板部6571の厚さは、締結挿通部6572において区画部材6560の締結部6564と背面支持部材6580との締結における締結力が作用しない寸法で設計される。即ち、電飾基板6570は、締結固定されることなく区画部材6560と背面支持部材6580との間に支持される。
締結挿通部6572は、正面視で縦長の長円形状(又は長円を半分にした形状)から形成される。これにより、組立効率の向上を図ることができるが、詳細については後述する。
背面支持部材6580は、音響装置6610を正面側から覆う部材であり、互いに略対称形状から構成される一対の部材であって、電飾基板6570と対向配置される前板部6581と、その前板部6581の上縁から正面側へ延設されるフランジ部6582と、そのフランジ部6582の上面と同平面を有して背面側へ板状に延設される上板部6583と、前板部6581の左右縁部(一対の部材が対向する側の反対側の縁部)および下縁部に連結され背面側へ開放される箱状に形成される後面箱部6584と、一対の後面箱部6584の部分であって相手側の後面箱部6584に近い側において平滑な上面を有し下方へ開放される箱状に形成される下面箱部6585と、その下面箱部6585と前板部6581とに連結される板状部であって相手部材(背面支持部材6580)と対向配置される対向板部6586と、その対向板部6586と下面箱部6585との間において上下に貫通する切欠きである切欠き部6587と、を主に備える。
前板部6581は、区画部材6560の締結部6564を支持可能な長円形状のリブと締結部6564に締結される締結ネジが挿通される挿通孔とが組で構成される複数の締結用支持部6581aと、区画部材6560の大径円筒部6565の直径よりも若干長い左右幅の縦長の長円形状から形成される貫通孔であって大径円筒部6565と前後で重なる位置に配置される複数の位置決め孔6581bと、後面箱部6584との境界を構成する下縁部に主に穿設され前側ユニット6520〜6550を締結固定する締結ネジを挿通可能な複数のネジ挿通部6581cと、そのネジ挿通部6581cと同様に後面箱部6584との境界を構成する下縁部に沿って長孔状に穿設され前側ユニット6520〜6550の位置決めに利用される複数の位置決め長孔6581dと、電飾基板6570のコネクタ6577と対応する箇所に穿設され、電気配線を前後に通すことができる配線用孔6581eと、を主に備える。
締結用支持部6581aのリブは、短径を構成する左右方向の内幅が、区画部材6560の締結部6564の外径よりも若干長くされる一方、左右方向の外幅が、電飾基板6570の締結挿通部6572の左右幅よりも長くされる。従って、組立状態(図235参照)において、締結部6564が締結用支持部6581aの長円形状のリブの内側に差し込まれ、電飾基板6570は長円形状のリブの先端部に面支持される(図244(a)参照)。
ネジ挿通部6581c及び位置決め長孔6581dは、背面支持部材6580と前側ユニット6520〜6550との組み付けに用いられる孔部であり、前側ユニット6520〜6550の移動方向に沿って開口される。即ち、ネジ挿通部6581c及び位置決め長孔6581dは、正面側へ向かう程に下降傾斜する態様で形成される(図244(a)及び図246(b)参照)。
前側ユニット6520〜6550は、ネジ挿通部6581c及び位置決め長孔6581dの形成される傾斜方向に沿って後側ユニット6560〜6580に組み付けられ、締結ネジが、その下降傾斜の方向に沿って螺入される(図247参照)。
これにより、前後方向に開口される場合に比較して前側ユニット6520〜6550と電飾基板6570との干渉を避け易くなり、ネジ挿通部6581c及び位置決め長孔6581dの位置を電飾基板6570に寄せることができるので、前板部6581が同じ大きさで形成される場合に電飾基板6570の配設領域を広く確保することができると共に、電飾基板6570が同じ大きさで形成される場合にネジ挿通部6581c及び位置決め長孔6581dを形成する領域を狭めることができる(コンパクトに形成することができる)。
フランジ部6582は、区画部材6560のフランジ部6561a〜6561cの上面と当接する部分である。区画部材6560に下方向の負荷(ぶら下がり方向の負荷)がかけられた場合には、フランジ部6582が区画部材6560の前倒れを抑制する部分として機能する。
上板部6583は、締結部6513(図238参照)と対応する位置に配置され、締結部6513と嵌合可能に凹設される複数の嵌合凹設部6583aを備える。嵌合凹設部6583aは、上方および後方が開放され左右方向視矩形(締結部6513の正面側の板部6513aの形状に対応する形状)に形成される。
後面箱部6584は、前板部6581よりも正面側へ張り出す張出部6584aと、その張出部6584aに形成される開口に覆設されるパンチングメタルからなる音伝送部6584bと、右側部材の張出部6584aの右端部に配設される光透過性部材から形成される受光部6584cと、上端部の最も中央寄りの位置(前板部6581寄りの位置)において配設され、組立状態(図207参照)において金属本体部10014aから反発する方向の付勢力を発生可能に形成される一対の板状金属バネ部材6584dと、上蓋部材6510の挿通孔6512(図237参照)に挿通される締結ネジが締結される一対の締結部6584eと、を主に備える。
張出部6584aは、上縁部が電飾基板6570の下縁形状に沿う形状から形成され(図241参照)、その上面が前側ユニット6520〜6550を案内する案内面を構成する。
音伝送部6584bは、音響装置6610(図235参照)から発生する音声の波が通過する部分である。この音伝送部6584bは、音響装置6610の振動膜6611(図235参照)と対向する位置に配設される。
受光部6584cは、正面枠10014の右上隅部に配設される単一のLEDから形成される照明部10014c(図235参照)から照射される光を受光し、遊技者に発光演出として見せる部分である。この照明部10014cは、本実施形態では、電飾基板6570とは異なる態様で発光制御される。即ち、電飾基板6570の発光演出が、発生確率の高い変動演出や、通常の変動演出およびリーチ演出や、デモ演出などの時に実行される一方で、照明部10014cの発光演出は、発生確率が極めて低く遊技者にとって極めて有利な演出の発生時に実行される。従って、遊技者の照明部10014cに対する注目力を向上させることができる。
下面箱部6585は、前側ユニット6520〜6550が下側から進入する部分であって、金属本体部10014aに背面側から挿通される締結ネジが締結される締結部6585aを備える。
切欠き部6587は、音響装置6610の左右中央部分(振動膜6611から最も距離が離れた部分)の下面に上下に穿設される排圧伝送孔6612から出射される音声を通す通孔の一辺を形成する。即ち、音響装置6610の背面側を支持する支持板部10014dと切欠き部6587とが周囲を形成する通孔を排圧伝送孔6612から出射される音声が通過する。
排圧伝送孔6612を通過する音声は、振動膜6611の振動に伴い正面側へ向かう音声として出力されるものとは逆に、振動膜6611の振動に伴い背面側へ向かう音声として出力されるものであって、音響装置6610の内部空洞(バスレフ型スピーカーのダクトに対応)を通り排圧伝送孔6612から外部へ出射される音声である。このように音声を出射する経路を複数設けることで、音色の異なる音声を同時に発生させることができる。
図244(a)は、図241のCCXLIVa−CCXLIVa線における区画部材6560、電飾基板6570、背面支持部材6580及び音響装置6610の部分断面図であり、図244(b)は、図241のCCXLIVb−CCXLIVb線における区画部材6560、電飾基板6570、背面支持部材6580及び音響装置6610の部分断面図であり、図245(a)は、図241のCCXLVa−CCXLVa線における区画部材6560、電飾基板6570、背面支持部材6580及び音響装置6610の部分断面図であり、図245(b)は、図241のCCXLVb−CCXLVb線における区画部材6560、電飾基板6570、背面支持部材6580及び音響装置6610の部分断面図であり、図246(a)は、図241のCCXLVIa−CCXLVIa線における区画部材6560、電飾基板6570、背面支持部材6580及び音響装置6610の部分断面図であり、図246(b)は、図241のCCXLVIb−CCXLVIb線における区画部材6560、電飾基板6570、背面支持部材6580及び音響装置6610の部分断面図である。
なお、図244(a)から図246(b)において、フランジ部6582周辺が拡大して図示される。この拡大図からわかるように、電飾基板6570の上端と、フランジ部6582の下縁とには、若干の隙間が形成される。これにより、音響装置6610の振動の伝達により背面支持部材6580が振動した場合であっても、背面支持部材6580の振動により電飾基板6570が振動すること(振動の幅)を抑制することができる。
図244(a)及び図245(a)に示すように、電飾基板6570を挟んで、区画部材6560の締結部6564に背面支持部材6580の締結用支持部6581aに挿通された締結ネジが螺入されることにより、区画部材6560と背面支持部材6580とが締結固定されるが、その締結力は電飾基板6570に伝えられない。即ち、電飾基板6570は、締結部6564に締結挿通部6572が位置合わせされるのみであり、締結箇所において、区画部材6560及び背面支持部材6580に対して非固定とされる。
また、締結用支持部6581aのリブが電飾基板6570の背面と当接する一方で、その前後位置において区画部材6560は電飾基板6570から離れている。即ち、本実施形態では、電飾基板6570が前後位置で挟まれているわけでは無いので、電飾基板6570は前後方向に変位(例えば、傾倒変位)することができる。
また、電飾基板6570の下縁部は、背面支持部材6580にも、区画部材6560にも支えられていない。これは、以下で説明する図244(b)から図246(b)においても同様である。
図244(b)に示すように、大径円筒部6565は、電飾基板6570の大径挿通部6573と、背面支持部材6580の位置決め孔6581bとに挿通される。ここで、大径挿通部6573及び位置決め孔6581bは、大径円筒部6565の下方に隙間を形成可能な程度の長円形状で形成されている。同様に、締結用支持部6581aのリブは、締結部6564の下方に隙間を形成可能な程度の長円形状で形成されている(図244(a)参照)。このように形成することで、背面支持部材6580への区画部材6560の組み付けの容易化を図っていることについて説明する。
従来のように、例えば、締結部6564の外形よりも若干大きな内形で締結用支持部6581aのリブが形成される場合、背面支持部材6580に対して上下左右位置を合わせた状態で区画部材6560を組み付ける必要が生じる。
しかし、本実施形態では、区画部材6560と背面支持部材6580との間に電飾基板6570が非固定の状態で配置されることから、区画部材6560の組み付け時には電飾基板6570の背面支持部材6580に対する位置合わせもする必要があり、作業が困難となる虞がある。
そこで、本実施形態では、上述のように締結挿通部6572、大径挿通部6573、締結用支持部6581aのリブ及び位置決め孔6581bが縦長の長円形状(又は長円形状を半分にした形状)で形成されるので、上下の位置合わせが正確でなくても、組み立てることが可能となる。
組立順序の一例としては、まず区画部材6560の大径円筒部6565を電飾基板6570の大径挿通部6573に挿通させるように電飾基板6570を区画部材6560に取り付ける。この際、電飾基板6570の区画部材6560に対する配置は大径挿通部6573の長尺方向に定める必要はなく、任意位置で良い。
なお、本実施形態では、フランジ部6561a〜6561cが電飾基板6570と当接可能な位置に形成されることで、電飾基板6570を区画部材6560に組み付けた時点で電飾基板6570の区画部材6560に対する位置ずれは大幅に抑制される。
次に、区画部材6560の締結部6564を背面支持部材6580の締結用支持部6581aのリブの内側に挿通する。この際、締結部6564の締結用支持部6581aに対する配置は、締結用支持部6581aのリブの長尺方向に定める必要はなく、任意位置で良い。即ち、大まかな位置決め(例えば、配線用孔6581e(図242参照)にコネクタ6577(図243参照)を通す程度の位置決め、上下方向の許容幅が十分に長い位置決め)を行えば良いので、締結部6564を締結用支持部6581aのリブの内側に挿通する作業効率を向上させることができる。
次に、区画部材6560を背面支持部材6580に対して、締結用支持部6581aのリブの長尺方向(上下方向)に移動させ、締結部6564と締結用支持部6581aの貫通孔とを位置合わせし、締結ネジを螺入する(図244(a)参照)。
この状態で、電飾基板5670の位置がずれていても、大径円筒部6565に大径挿通部6573が支えられる位置(図244(b)参照)まで自重で下降することで、区画部材6560及び背面支持部材6580に対し位置合わせされる。
このように、本実施形態によれば、電飾基板6570が区画部材6560と背面支持部材との間に非固定で配置されるという、一般的には電飾基板6570の位置合わせに苦労し易い組立態様でありながら、締結挿通部6572、大径挿通部6573、締結用支持部6581aのリブ及び位置決め孔6581bを縦長の長円形状(又は長円形状を半分にした形状)で形成することにより、組立効率の向上を図ることができる。加えて、電飾基板5670が位置ずれしても、自重により元の位置に修正されるよう構成されているので、電飾基板5670の位置ずれにより遊技中における発光演出の演出効果が長期に亘り低下することを防止することができる。
図245(b)を参照して、拡大孔6562aについて説明する。中央光用孔6562は、左右中央部において逆T字状に配置される(4箇所で配置される、図241参照)拡大孔6562aと、その外方で略瓢箪形状(略壺形状)で配置される(8箇所で配置される、図241参照)直入孔6562bとを主に備える。なお、直入孔6562bについては、図263で後述する。
拡大孔6562aは、第1照明部6574から出射した光を通過させる長尺矩形の貫通孔であって、外縁を形成する部分が正面側へ嵩上げされ、内壁が、正面側(光源から離れる側)へ向かう程に対向間隔が広がる態様に傾斜して形成される。
これにより、第1照明部6574から出射した光の照射幅を規定することができる。即ち、拡大孔6562aの設計態様(内壁の傾斜角度や、嵩上げ高さ等)により、遊技者への光の見せ方を変化させることができる。
なお、本実施形態では、拡大孔6562aの正面側へ嵩上げされる部分の先端部は、透明筒状部材6521の閉塞部6521cと当接する位置まで嵩上げされる(図263参照)。これにより、拡大孔6562aを通過した光を漏らさず透明筒状部材6521の内側へ入射させることができる。
図246(a)では、ネジ挿通部6581cが図示され、図246(b)では、位置決め長孔6581dが図示される。ネジ挿通部6581c及び位置決め長孔6581dは、上述したように、正面側へ向かう程に下降傾斜する態様で形成されており、この傾斜方向に沿って、前側ユニット6520〜6550が後側ユニット6560〜6580に組み付けられ、締結固定される。
ネジ挿通部6581c及び位置決め長孔6581dに沿って前側ユニット6520〜6550が組み付けられることから、前後方向で組み付けられる場合に比較して、構成部材の配置の自由度を向上させることができる。
例えば、図246(a)に示すように、ネジ挿通部6581cの正面側の領域に被る程度まで電飾基板6570を位置させることができるので、電飾基板6570の大きさを確保することができる。一方で、前側ユニット6520〜6550の後側下方の領域も広く利用することができることから、後面箱部6584や、収容される音響装置6610の大きさを確保することができる。
特に、本実施形態では、スピーカーの振動膜6611が配置される左右外側においてネジ挿通部6581c及び位置決め長孔6581dが正面側へ向かう程に下降傾斜する態様で形成されるので、振動膜6611を大きく形成することができる(図235及び図246参照)。
なお、図246(a)及び図246(b)に示すように、ネジ挿通部6581cの上縁および位置決め長孔6581dの下縁が正面側へ向かう程に下降傾斜する一方、上縁が前後方向に沿って形成される(傾斜していない)のは、背面支持部材6580を製造する際に利用する樹脂型の抜き方向が前後方向であることに起因している。
換言すれば、樹脂型を簡素に構成する(前後方向に離反させる2つの樹脂型から構成する)ためには、ネジ挿通部6581cや位置決め長孔6581dを、背面支持部材6580に形成される締結用支持部6581aや嵌合凹設部6583a等と同じ抜き方向で形成できる形状にする必要がある。本実施形態では、この抜き方向を締結用支持部6581aや嵌合凹設部6583aの形成方向と同じ前後方向に設定した関係上、ネジ挿通部6581cや位置決め長孔6581dの形状が、いびつな形状(孔の形成方向(深さ方向)で形状が変化する形状)で形成されている。
特に、ネジ挿通部6581cは、背面側締結部6555(図240参照)に螺入される締結ネジが挿通される貫通孔であって、締結固定に伴い発生する負荷を受ける部分である。ネジ挿通部6581cの形状は、締結に伴う負荷がかけられる部分の上縁部の肉厚が、孔の中心部に向かう程に薄くされているので、上縁とそれ以外とで負荷の不均衡が生じ易く、使用状態や使用年数によっては締結ネジの緩みが生じる虞がある。
締結ネジの緩みを防止するために、頭部の直径が大きな締結ネジを採用しても良いが、他の締結箇所に使用する締結ネジの要する品質との違いにより、コスト高を招く結果となる。即ち、問題となる締結箇所だけに頭部の直径の大きな締結ネジを採用すると、締結ネジを共通部品化できないことによるコスト高を招く一方で、全ての締結箇所に頭部の直径の大きな締結ネジを採用すると、締結ネジに必要な材料が嵩むことになり、材料費用の面でコスト高を招くことになる。
これに対し、本実施形態では、ネジ挿通部6581cに挿通される締結ネジの頭部を挟んで対向配置される音響装置6610の前壁6620が、その前壁6620に窪み状に形成される(凹設形成される)部分の一部であって、ネジ挿通部6581cが形成される板部と平行な板上部として形成される抜け止め板部6621を備える。
抜け止め板部6621により、背面支持部材6580との間に締結ネジの頭部を配置可能な領域を確保することができる。また、締結ネジに緩みが生じた場合に締結ネジの頭部が変位する方向に抜け止め板部6621が配置されることから、締結ネジのそれ以上の進行を規制し、締結ネジが抜け落ちることを防止することができる。
抜け止め板部6621は、締結ネジが緩んでいない場合にはネジの頭部と若干の間隔を空ける寸法で形成される。そのため、締結ネジの頭部を介して音響装置6610の振動が伝達することを回避することができる。
一方、締結ネジが緩んだ場合には、その締結ネジの進行を当接により規制することから、抜け止め板部6621と締結ネジの頭部との間隔は埋められる。この時に音響装置6610から音声を出力する場合には、締結ネジの頭部を介して音響装置6610の振動を前側ユニットに6520〜6550に伝達することができる。
また、前壁6620は、組立状態(図207参照)における締結用支持部6581a(図242参照)の貫通孔の背面位置で凹設される複数の接触回避凹部6622を備える。接触回避凹部6622は、締結用支持部6581aに挿通され締結部6564(図243参照)に螺入される締結ネジの頭部との接触を回避可能な程度(頭部との間に若干の隙間ができる寸法)に凹設される。
これにより、音響装置6610の振動が締結ネジを介して区画部材6560に伝達されることを防止することができる。また、締結用支持部6581aの貫通孔の軸方向は、樹脂型の抜き方向と同じ前後方向なので、締結ネジの締結力が付与される板部の肉厚は孔方向で一定であり、十分な締結力を生じさせることができる。そのため、締結用支持部6581aに挿通される締結ネジに緩みが生じる可能性は低いが、もしも締結ネジに緩みが発生した場合には、上述した抜け止め板部6621と同様の機能を、接触回避凹部6622に生じさせることができる。
即ち、締結ネジが緩んだ場合には、その締結ネジの進行を当接により規制することから、接触回避凹部6622と締結ネジの頭部との間隔は埋められる。この時に音響装置6610から音声を出力する場合には、締結ネジの頭部を介して音響装置6610の振動を前側ユニットに6520〜6550に伝達することができる。
上述のように、締結ネジの緩みの発生により締結ネジの頭部と抜け止め板部6621又は接触回避凹部6622とが接触することで生じる振動の伝達を把握可能に構成することで、締結ネジの緩みの発生に気付くことができ、締結ネジが緩んだまま放置される事態を回避し易くすることができる。
例えば、振動の伝達により、異音が発生するように構成したり、振動を検出するようにしたりすることが例示される。
図244(a)から図246(b)で説明したように、本実施形態では、電飾基板6570が背面支持部材6580に近接配置される一方で、背面支持部材6580に固定されることなく配置される。これにより、背面支持部材6580を挟んで音響装置6610と電飾基板6570とを近接配置できる一方で、音響装置6610の振動に起因する背面支持部材6580の振動が電飾基板6570に伝達され電飾基板6570が割れることを回避することができる。
ここで、区画部材6560は、電飾基板6570の演出部分(即ち、照明部6574〜6576)を除く位置で背面支持部材6580に連結されるところ、電飾基板6570の表面における演出部分の割合を大きく確保する目的から、区画部材6560と背面支持部材6580との連結部分の面積が狭められ易い。
そのため、区画部材6560の固定が不十分になり易いという課題が生じ易く、対策なしでは、区画部材6560は背面支持部材6580を介して音響装置6610の振動が伝達される可能性があり、区画部材6560が振動することで、演出効果が不良となったり、締結箇所が緩んだり、区画部材6560自体が破損する虞がある。
これに対し、本実施形態では、区画部材6560を別方向から固定することで、区画部材6560の振動の抑制を図っている。これに対し、図247を参照して説明する。
図247は、上演出装置6500の側面模式図である。図247では、上演出装置6500の各構成部材の締結箇所と、締結の方向と、締結の向きとが模式的に図示される。即ち、図247において、締結ネジがT字で示され、T字の横線が締結ネジの頭部を示し、その横線の中央から延びる縦線が締結ネジのネジ部を示している。
図247に示すように、上演出装置6500は、後側ユニット6560〜6580の正面および下面を前側ユニット6520〜6550が取り囲み、その前側ユニット6520〜6550を上蓋部材6510が支持する態様で構成されているが、上蓋部材6510は、背面支持部材6580と前側ユニット6520〜6550とに締結されるに留まり、区画部材6560とは締結固定されていない。
これにより、上蓋部材6510の剛性が補強されることを回避している。本実施形態では、上蓋部材6510が薄肉の板形状から形成されているので(図238参照)、音響装置6610の振動が背面支持部材6580を介して伝達されると、上蓋部材6510は厚み方向(上下方向)に変位(変形)し易い。
この変位(変形)に伴い、上蓋部材6510の前後方向幅が短縮される。例えば、上蓋部材6510の前後中央を基準として湾曲するように変形する場合、前後に離れて形成されている挿通孔6512の前後間隔が短縮される。これにより、区画ユニット6540を背面側に変位させる負荷が生じ、区画部材6560に対して前後方向への圧縮負荷を加えることができる。
即ち、背面支持部材6580と区画ユニット6540とで区画部材6560を挟み込み負荷を与えることができるので、音響装置6610の振動により区画部材6560が振動する場合であっても、その振動の抑制を図ることができる。
ここで、上蓋部材6510の前後方向幅が短縮されたとしても、区画ユニット6540の下側が正面側へ変位(区画部材6560から離反する側へ変位)する場合、区画ユニット6540から区画部材6560へ与えられる負荷は不十分となり易く、区画部材6560の振動の抑制を図る作用が不十分となる虞がある。
これに対し、本実施形態では、区画ユニット6540の下端の前後方向の変位が被案内ユニット6550により規制されるので、区画ユニット6540の下側が正面側へ変位することを防止することができる。これにより、区画ユニット6540から区画部材6560へ与えられる負荷を十分確保することができる。
この時、被案内ユニット6550の端部において延設板部6552の板面に沿う方向で締結ネジが締結固定されることから(図254(a)参照)、背面支持部材6580を介する音響装置6610の振動の伝達方向を延設板部6552の板面に沿う方向とすることができる。
これにより、被案内ユニット6550の湾曲変形を抑制することができ、前後の締結箇所が前後方向に移動することを抑制することができる。従って、被案内ユニット6550に振動が伝達された場合であっても、区画ユニット6540の下端の前後方向の変位を抑制する機能を十分に確保することができる。
図247で示すように締結箇所を工夫することにより、振動が発生し易い音響装置6610に電飾基板6570を非固定の状態で近接配置することで電飾基板6570の破損防止を図りながら、その電飾基板6570が音響装置6610(又は背面支持部材6580)から許容量以上に離間することを防止する区画部材6560に振動が伝達されることによる区画部材6560の振動の抑制を図ることができる。
即ち、音響装置6610に近接配置される電飾基板6570の耐久性を向上させながら、上演出装置6500の形状維持性能を向上させることができる。
また、本実施形態における締結ネジの締結方向の設定の一つの目的には、上蓋部材6510の変位量に対応することが挙げられる。即ち、上蓋部材6510は、締結部6513で背面側が固定され、前後に薄板状に延設されているという構成から、背面側に比較して正面側の変位量が大きくなる態様で湾曲変位し易いことに対するものである。
例えば、上蓋部材6510の正面側先端部に下向きの負荷が与えられた場合、上蓋部材6510の形状から、背面側端部を起点として、上蓋部材6510の下方に曲率半径の中心が配置される態様で湾曲変位し得る。この場合、上蓋部材6510自体には前後方向への引っ張り負荷が与えられる一方、その下方に配置される他の部材には圧縮負荷が与えられる。
この圧縮負荷の方向は、上蓋部材6510の面に沿うので、基端側となる背面側では前後方向に沿っているが、変位量が大きくなるにつれて(正面側へ向かうにつれて)前後方向に対して正面側へ向けて下降傾斜する方向に沿うようになる。
本実施形態では、挿通板部6547の挿通孔6547bに挿通される締結ネジの締結方向が前後方向に対して正面側へ向けて下降傾斜する方向とされるので、締結ネジの締結方向と、上蓋部材6510の変位に伴い生じる圧縮負荷の方向とを近づけることができる。
これにより、圧縮負荷に対する抵抗力を締結位置で十分発生させることができることに加え、締結ネジをせん断する方向(締結方向と直交する方向)に与えられる圧縮負荷の成分が小さくなるので締結ネジの破断を抑制することができる。
正面側へ向けて下降傾斜する方向に締結方向が形成される締結ビスは板案内ユニット6550の締結に利用されるところ、板案内ユニット6550は電飾基板6570の下側および背面側に近接配置される(図246(a)のネジ挿通部6581c等参照)。本実施形態では、電飾基板6570が非固定で配設され、変位し易い構成とされるところ、板案内ユニット6550により電飾基板6570の変位許容量を制限することができる。即ち、電飾基板6570が変位したとしても、変位量が過大となった場合には板案内ユニット6550と当接可能とすることにより、電飾基板6570の過度な変位を規制することができる。
また、板案内ユニット6550が電飾基板6570の背面側(音響装置6610が配置される側)に近接配置されるので、電飾基板6570の背面側への変位を特に抑制することができる。これにより、振動発生源としての音響装置6610に電飾基板6570が近づくことを抑制することができる。
本実施形態では、締結方向が前後方向に沿う締結部(締結用支持部6581a、挿通孔6565a等)は、左右中心側に集まっており(図242参照)、締結方向が正面側へ向けて下降傾斜する方向に沿う締結部(ネジ挿通部6581c、挿通板部6547等)は、左右外側に集まっており(図242及び図256参照)、それらは、近接配置はされていない。
これにより、一方の締結部に生じる変形(変位)が、他方の締結部に与える影響を抑制することができる。即ち、前後方向に沿う締結部に緩みが生じ、前後方向への変位が生じた場合であっても、その影響を受ける箇所を前後方向に沿う締結部に限定することができるので、下降傾斜する方向に沿う締結部に対して、締結方向と傾斜する(前後方向に沿う)方向の負荷が生じることを回避することができる。これにより、ネジの緩みの発生を抑制することができる。
また、左右中央側という前後方向に長尺となる箇所を、締結方向が前後方向に沿う締結部で固定することにより、押し下げ方向の負荷に対する上演出装置6500の抵抗力を向上させることができる。
一方で、締結方向が正面側へ向けて下降傾斜する方向に沿う締結部は、締結方向が前後方向に沿う締結部に比較して押し下げ方向の負荷に対する抵抗力が低下し易いと考えられるところ、本実施形態では、締結方向が正面側へ向けて下降傾斜する方向に沿う締結部を、前後方向に沿って短く形成される左右外側に配置することによって、押し下げ方向の負荷に対する抵抗力が低下することの影響を最小限に抑えながら、電飾基板6570や音響装置6610の配置領域を確保することができる。
図248は、図241(a)のCCXLVIII−CCXLVIII線における後側ユニット6560〜6580の断面図である。なお、特定箇所が拡大して図示される。
図248に示すように、電飾基板6570は、大径挿通部6573が区画部材6560の大径円筒部6565と左右方向で当接する。また、前後の面が区画部材6560の左右側部、背面支持部材6580の左右側部とそれぞれ当接する一方、その当接位置は前後で一致しないように形成される。
このように構成することで、電飾基板6570の耐久性の向上と、変位の生じ易さの調整とを行うことができる。以下で順に説明する。まず、電飾基板6570の耐久性の向上について説明する。
ここで、電飾基板6570の前後の面が、前後で一致する位置で区画部材6560及び背面支持部材6580とそれぞれ当接する場合、何らかの理由(樹脂成型時の誤差や、締結不良など)により、区画部材6560及び背面支持部材6580のそれぞれの当接部どうしの間隔が、電飾基板6570の板厚よりも短くなると、電飾基板6570に圧縮力が付与され、付与される負荷が大きいと、電飾基板6570が割れる虞がある。
また、組立時には電飾基板6570に圧縮力が付与されていない場合であっても、可動中の音響装置6610の振動により背面支持部材6580が振動することで、負荷(例えば、圧縮方向の負荷)が付与される可能性もあり、この負荷により電飾基板6570が割れる虞がある。
これに対し、本実施形態では、電飾基板6570の前後の面で、区画部材6560や背面支持部材6580と当接する位置は、前後で一致しない(ずれた位置で当接する箇所がある)ので、上述したような態様で電飾基板6570に荷重が付与されても、その荷重は電飾基板6570を圧縮する負荷ではなく、電飾基板6570を湾曲させる負荷となる。そのため、電飾基板6570が撓み変形することで対処することができるので、電飾基板6570の割れが生じる可能性を低くすることができる。
次に、電飾基板6570の変位の生じ易さの調整について説明する。電飾基板6570は、区画部材6560の締結部6564(図243参照)や大径円筒部6565が挿通され、位置ずれの防止が図られるところ、それらは本実施形態では左右中央付近に密集して配置される(図243参照)。
加えて、大径円筒部6565に対して電飾基板6570が左右方向で当接(接触)しているので、電飾基板6570と大径円筒部6565との接触抵抗が確保される。大径円筒部65656は締結部6564よりも大径に形成されるので、当然のことながら、接触面積が大きくなり、摩擦抵抗を十分に確保することができる。
従って、電飾基板6570の左右中央部付近において、電飾基板6570の変位の発生を抑制し易くすることができる。そのため、音響装置6610の振動により周辺の部材が振動する場合であっても、電飾基板6570の第1照明部6574から出射される光の方向を維持し易くすることができる。
これに対し、電飾基板6570の左右側(特に下側)は、大径円筒部6565も締結部6564は配置されておらず、前後から圧縮される負荷が生じるわけでもないので、電飾基板6570の左右中央部に比較して、変位を発生し易くすることができる。
そのため、音響装置6610の振動により周辺の部材が振動する場合に、電飾基板6570の第2照明部6575や、第3照明部6576から出射される光の方向を変化させ易くすることができる。
本実施形態では、音響装置6610が左右一対で配置されているので、各音響装置6610の振動態様に基づいて電飾基板6570の振動態様が変化することになる。即ち、右側の音響装置6610からのみ音声を出力させ電飾基板6570の右側を優先的に振動させる場合と、左側の音響装置6610からのみ音声を出力させ電飾基板6570の左側を優先的に振動させる場合と、左右両方の音響装置6610から音声を出力させ電飾基板6570の左右両側を振動させる場合とで、少なくとも3種類の異なる振動態様で電飾基板6570を振動させることができる。
次いで、前側ユニット6520〜6550について説明する。図249は、前側ユニット6520〜6550の分解正面斜視図であり、図250は、前側ユニット6520〜6550の分解背面斜視図である。なお、図249及び図250では、理解を容易とするために、細部構成の符号の図示が省略される。
図249及び図250では、電飾基板6570の第1照明部6574から入射する光を正面側へ伝える光伝送ユニット6520と、その光伝送ユニット6520を囲うように形成され外枠を形成する外枠部材6530と、区画部材6560と前後で当接し同様に光を区画する区画ユニット6540及び背面支持部材6580の張出部6584aの上面に案内される被案内ユニット6550とが分解された状態が図示される。
前側ユニット6520〜6550を介する発光演出の際には、光伝送ユニット6520が第1照明部6574からの光を受光し、区画ユニット6540が第2照明部6575からの光を受光し、被案内ユニット6550が第3照明部6576からの光を受光する。次いで、区画ユニット6540及び被案内ユニット6550について詳しく説明する。
図251(a)は、区画ユニット6540及び被案内ユニット6550の正面図であり、図251(b)は、区画ユニット6540及び被案内ユニット6550の背面図であり、図252(a)は、区画ユニット6540の正面図であり、図252(b)は、区画ユニット6540の背面図であり、図253(a)は、板案内ユニット6550の正面図であり、図253(b)は、板案内ユニット6550の背面図である。
図254(a)は、図251(b)のCCLIVa−CCLIVa線における区画ユニット6540及び被案内ユニット6550の断面図であり、図254(b)は、図251(b)のCCLIVb−CCLIVb線における区画ユニット6540及び被案内ユニット6550の断面図であり、図254(c)は、図251(b)のCCLIVc−CCLIVc線における区画ユニット6540及び被案内ユニット6550の断面図である。
図255は、区画ユニット6540及び被案内ユニット6550の分解正面斜視図であり、図256は、区画ユニット6540及び被案内ユニット6550の分解背面斜視図である。
区画ユニット6540は、乳白色の光透過性の樹脂材料から形成され正面視で略逆三角形に形成される乳白色部材6541と、その乳白色部材6541の中央部において前後方向に貫通形成され光伝送ユニット6520の後側部分を挿通可能に形成される貫通孔6542と、その貫通孔6542の内方へ張り出す部分であって光伝送ユニット6520が締結固定される一対の締結部6543と、外枠部材6530を締結固定する締結ネジが挿通可能に穿設される複数の挿通孔6544と、背面側へ筒状に延設され区画部材6560の挿通孔6565aを通る締結ネジが締結される一対の案内後締結部6545と、乳白色部材6541の左右下縁に沿って背面側へ開放される箱状に形成される一対の箱状受光部6546と、その箱状受光部6546の下縁から下方へ延設される板状部であって、板案内ユニット6550に区画ユニット6540を締結固定するための締結ネジが挿通可能に穿設される挿通孔6547bが形成される複数の挿通板部6547と、無色透明の光透過性の樹脂材料から箱状受光部6546の正面側を覆う形状で形成され、乳白色部材6541に嵌合支持される透明覆設部材6548と、を主に備える。
区画ユニット6540は、正面側縁部が、上蓋部材6510と同様に上面視で正面側へ膨らむ湾曲形状から形成され、正面視で略逆三角形に形成され、側面視で背面側に中心が配置される略円弧形状から形成される(図254(a)参照)。
乳白色部材6541は、上面に上蓋部材6510の挿通孔6512(図237参照)に挿通される締結ネジが締結される一対の締結部6541aを備える。この締結部6541aと上蓋部材6510とが締結固定される。
貫通孔6542の正面側は、後述する光伝送ユニット6520の当接板部6525(図258(b)参照)の傾斜に対応して、背面側へ向けて下降傾斜して形成される。これにより、貫通孔6542の正面側端部と当接板部6525(図258(b)参照)とを面で当接させることができ、光伝送ユニット6520の姿勢が変化することを防止することができる。
締結部6543は、正面側へ締結孔を向けた状態で形成される。即ち、締結ネジは、正面側から螺入される。また、案内後締結部6545は、背面側へ締結孔を向けた状態で形成される。即ち、締結ネジは、背面側から螺入される。
箱状受光部6546は、電飾基板6570の第2照明部6575(図241(b)参照)と対向配置される部分であり、箱状受光部6546の前底部背面と下板部上面とには、左右幅が短いギザギザ形状の装飾が形成される。このギザギザ形状は、断面三角形状の突条が密に整列する態様の凹凸形状により形成される。
この形状によって、背面側から入射した光を散乱(拡散)させることができるので、正面視において箱状受光部6546及びその前面を覆う透明覆設部材6548を均一に発光させることができる。
なお、このギザギザ形状は、光が照射される面に施される加工として説明されるものであり、その形状は何ら限定されるものでは無い。例えば、ドット形状が密に形成される形状加工でも良いし、波状の縞形状加工でも良い。
挿通板部6547は、背面視形状で上方が開放されるコの字形状で形成されるコの字壁部6547aと、前後方向に穿設される挿通孔6547bと、その挿通孔6547bの下側を囲う半長円形状で正面側へ突設される突設リブ6547cと、を主に備える。
コの字壁部6547aが被案内ユニット6550の正面側締結部6554に位置合わせされることで、区画ユニット6540を被案内ユニット6550に容易に組み付けることができる。
挿通板部6547は、螺入部6554a(図256参照)に螺入される締結ネジが挿通される挿通孔が形成され、締結固定に伴い発生する負荷を受ける部分である。挿通板部6547に形成される挿通孔の形状は、樹脂型の抜き方向(本実施形態では、前後方向)との関係で、締結に伴う負荷がかけられる部分の上縁部の肉厚が、孔の中心部に向かう程に薄くされている(図254(b)参照)。
この場合、上縁部とそれ以外とで負荷の不均衡が生じ易いので、区画ユニット6540と板案内ユニット6550との間で小さな位置ずれが繰り返し発生した場合に締結ネジの緩みが発生する虞がある。
締結ネジの緩みを防止するために、頭部の直径が大きな締結ネジを採用しても良いが、他の締結箇所に使用する締結ネジの要する品質との違いにより、コスト高を招く結果となる。即ち、問題となる締結箇所だけに頭部の直径の大きな締結ネジを採用すると、締結ネジを共通部品化できないことによるコスト高を招く一方で、全ての締結箇所に頭部の直径の大きな締結ネジを採用すると、締結ネジに必要な材料が嵩むことになり、材料費用の面でコスト高を招くことになる。
これに対し、本実施形態では、区画ユニット6540に対する板案内ユニット6550の位置ずれを複数箇所で防止するように構成されている。即ち、第1に板案内ユニット6550の螺入部6554aが区画ユニット6540の突設リブ6547cで下支えされることで、板案内ユニット6550の下方への変位を防止することができる(図247及び図254(b)参照)。
第2に、板案内ユニット6550の正面側上端部が、乳白色部材6541に係止凸部6548bで係止される透明覆設部材6548の背面側下端部と前後方向で係合する構成とされる(図254(b)参照)。これにより、板案内ユニット6550の区画ユニット6540に対する正面側への変位を防止することができる。
第3に、挿通板部6547の下端部が、板案内ユニット6550の本体樹脂部材6551の上面と面で当接する構成とされる(図254(b)参照)。これにより、板案内ユニット6550の区画ユニット6540に対する上方への変位を防止することができる。
これら主に第1から第3の当接構造により、板案内ユニット6550の区画ユニット6540に対する変位を抑制することができるので、螺入部6554aに螺入される締結ネジの緩みの発生を抑制することができる。
透明覆設部材6548は、正面視略V字形状に形成されており、V字の下縁連結部分において背面側へ板状に延設される下縁板状部6548aと、上縁部から背面側へ板状に突設される複数の係止凸部6548bと、を備える。箱状受光部6546の左右中央部が背面側から正面側へ切り欠かれており、この空隙を埋めるように下縁板状部6548aが進入する。
下縁板状部6548aの上面には、箱状受光部6546と同様にギザギザ形状の装飾が形成される。これにより、箱状受光部6546の中央部分を切り欠く設計であっても、切欠き部分を下縁板状部6548aの装飾形状で補うことができるので、透明覆設部材6548の左右方向に亘って均一に発光させることができる。
なお、このギザギザ形状は、光が照射される面に施される加工として説明されるものであり、その形状は何ら限定されるものでは無い。例えば、ドット形状が密に形成される形状加工でも良いし、波状の縞形状加工でも良い。
ここで、本実施形態では、後述するように被案内ユニット6550の下底面が背面側へ向かう程に上昇傾斜する傾斜面として形成されるところ(図254(c)参照)、下縁板状部6548aを被案内ユニット6550の下底面と面位置で形成するために、下縁板状部6548aが被案内ユニット6550の下底面と同様に背面側へ向かう程に上昇傾斜する傾斜面として形成される。
この傾斜面を箱状受光部6546で形成しようとすると、箱状受光部6546を形成するための金型の抜き方向が複雑になる。即ち、抜き方向が、貫通孔6542付近では前後方向となる一方、箱状受光部6546の下縁付近では背面側へ向かう程に上昇傾斜する方向となるので、金型設計の難易度が上がるだけでなく、製造工程も複雑になる虞がある。
これに対し、本実施形態では、傾斜面を乳白色部材6541で形成することはせず、代わりに透明覆設部材6548で形成している(図254(c)参照)。更に、組立状態において、傾斜面を構成する透明覆設部材6548の下縁板状部6548aの裏側には白色の区画部材6560が対向配置されるので、遊技者に対して、透明覆設部材6548の全体を均一な色味(白色)で視認させることができる。
これにより、乳白色部材6541の成形金型の抜き方向を前後方向に統一し、乳白色部材6541の正面側に覆設される透明覆設部材6548の形状を前後の抜き方向で干渉する側に傾斜する形状(透明覆設部材6548の下縁板状部6548aが、正面視で区画ユニット6540の内方に入り込む方向に傾斜する形状)としながら、透明覆設部材6548の発光を均一な発光態様で遊技者に視認させることができる。
換言すれば、区画ユニット6540を、背面側へ向けて先細りする(上下の間隔が狭まる)形状としながら、互いに隣接される乳白色部材6541の背面部と透明覆設部材6548の下縁板状部6548aの上面部とに同様の装飾形状(カット)を連続的に施すことができる(図240の拡大図参照)ので、均一な発光態様の発光演出を行うことができる。
この場合、透明覆設部材6548の成形金型の抜き方向を前後方向とすることが難しくなるが、そもそも透明覆設部材6548には前後方向に沿って形成される部分があるわけでは無い。そのため、下縁板状部6548aに沿う方向(上昇傾斜する方向)を成形金型の抜き方向として設定することで、抜き方向が前後方向(一方向)の金型で樹脂成型される製造工程と何ら変わらない製造工程で透明覆設部材6548を製造することができる。
従って、乳白色部材6541及び透明覆設部材6548を容易に製造できるようにできると共に、透明覆設部材6548を通して視認される箇所を均一に発光させることができる。
係止凸部6548bは、乳白色部材6541の箱状受光部6546と対応する位置における正面側への膨出部の上縁に係止される部分である。即ち、透明覆設部材6548が乳白色部材6541に組み付けられる際には、係止凸部6548bが乳白色部材6541に係止される。
被案内ユニット6550は、有色不透明の樹脂材料から正面視略V字形状で形成され背面支持部材6580の張出部6584aの上面に沿って案内される本体樹脂部材6551と、その本体樹脂部材6551の左右中央部の下縁に沿って背面側に板状に延設される延設板部6552と、その延設板部6552の背面側端部において穿設される左右一対の排圧通孔6553と、本体樹脂部材6551の左右上縁部に沿って配置され区画ユニット6540の挿通板部6547と対向配置され締結ネジが締結固定される複数の正面側締結部6554と、本体樹脂部材6551の左右下縁部に沿って配置され背面支持部材6580のネジ挿通部6581c(図241(a)参照)を通った締結ネジが締結固定される複数の背面側締結部6555と、その背面側締結部6555の間においてリブ状に突設され背面支持部材6580の位置決め長孔6581d(図241(a)参照)に差し込まれる複数の差し込みリブ部6556と、左右腕部において前後方向に穿設される複数の貫通孔6557と、無色透明の光透過性樹脂材料から形成され複数の貫通孔6557に嵌入固定される一対の受光部材6558と、を主に備える。
被案内ユニット6550は、背面支持部材6580の張出部6584aの上面に沿って案内される方向が金型の抜き方向とされる。即ち、各構成部材は、背面側へ向かう程に上昇傾斜する傾斜方向か、その傾斜方向と垂直な方向に沿って形成される。
排圧通孔6553は、音響装置6610の排圧伝送孔6612(図235参照)と対向する位置に形成される。即ち、排圧伝送孔6612を通して出力される音声は、排圧通孔6553を通過してから遊技者へ到達する。
排圧通孔6553は、排圧伝送孔6612(図235参照)と対向する範囲において、単一の大きな孔として形成されるのではなく、複数の小さい孔形状で形成される(範囲を小分けにして形成される)。これにより、ピアノ線などの細線材を進入させる不正行為を抑制することができる。
また、排圧通孔6553は、孔の端に近づくほど、また、背面側へ向かうほど、孔幅が狭められるように形成される。これにより、孔に細線材を詰まらせることができるので、排圧通孔6553に進入させた後、更に細線材を奥へ進行させたり、特定の部材に引っかけて負荷をかけたりする場合の、細線材の移動抵抗を高めることができる。これにより、不正行為に要する時間を引き延ばすことができるので、不正行為の抑制を図ることができる。
正面側締結部6554は、締結ネジが締結される螺入部6554aと、その螺入部6554aの左右に一対の壁状に形成される位置決め壁部6554bと、を備える。位置決め壁部6554bは、コの字壁部6547aの幅長さよりも若干長い間隔で対向配置される。そのため、位置決め壁部6554bにコの字壁部6547aを挿入することにより、区画ユニット6540と被案内ユニット6550との位置合わせを行うことができる。
受光部材6558は、本体樹脂部材6551の下縁の上面に沿って(前後方向に対して傾斜する方向に沿って)案内される部分であって長尺方向と垂直な断面がL字形状から形成される被案内部6558aと、その被案内部6558aの正面側に膨出し背面側が開放される箱状に形成され貫通孔6557に嵌入可能に形成される複数の後面箱状部6558bと、被案内部6558aの中央側端部(一対の受光部材6558が対向する側の端部)の上縁に沿って背面側へ板状に延設される上縁延設部6558cと、を主に備える。
受光部材6558は、電飾基板6570の第3照明部6576(図241(b)参照)から照射される光を受ける部材である。後面箱状部6558bの内面には、上述した装飾用のギザギザ形状が形成される。これにより、後面箱状部6558bの内部において何度も光を屈折させることができるので、貫通孔6557に対応するLEDの個数が少ない(図241(b)では、1〜2個)場合であっても、後面箱状部6558b全体に均一な光として視認させることができる。従って、LEDの個数が少ないことに遊技者が気づき難くすることができる(点光源感を薄れさせることができる)。
また、上述のように、受光部材6558は前後方向に対して傾斜する姿勢で取り付けられる(板案内ユニット6550の組み付け方向に光の進行方向が沿うように傾斜する姿勢(受光面が板案内ユニット6550の組み付け方向と交差する姿勢)で取り付けられる)ので、受光部材6558の背面側において電飾基板6570の第3照明部6576に配設されるLEDから前後方向に沿って出射される光を、受光部材6558の通過時に屈折させ、受光部材6558の正面側へ向けて斜め下方へ傾斜する方向に進行させることができる。
なお、このギザギザ形状は、光が照射される面に施される加工として説明されるものであり、その形状は何ら限定されるものでは無い。例えば、ドット形状が密に形成される形状加工でも良いし、波状の縞形状加工でも良い。
後面箱状部6558bは、左右外側に配置される物の方が、左右内側に配置される物に比較して、正面側への膨出長さが短くなるように形成される。これにより、後面箱状部6558bの正面を、区画ユニット6540や、その下方に連結される被案内ユニット6550の正面側縁の湾曲形状に沿って形成することができる。
上縁延設部6558cは、被案内ユニット6550と区画部材6560とを組立易くするための部分である。区画部材6560と対向配置される被案内ユニット6550の本体樹脂部材6551は、特に中央部分の延設板部6552において平面形状から形成されており、仕切りが無いので、区画部材6560との位置合わせを行い難い。これに対し、本実施形態では、上縁延設部6558cが、延設板部6552の上方の領域を区画する仕切りとしての役割を果たすので、区画部材6560を容易に位置合わせすることができる。
図249に戻って説明する。ここまでの説明で、左右に配置される第2照明部6575及び第3照明部6576から照射される光を受光する部分については説明した。以降、第1照明部6574から照射される光を受光する部分である光伝送ユニット6520について説明する。
図257(a)は、光伝送ユニット6520及び外枠部材6530の正面図であり、図257(b)は、光伝送ユニット6520及び外枠部材6530の背面図であり、図258(a)は、光伝送ユニット6520及び外枠部材6530の分解正面斜視図であり、図258(b)は、光伝送ユニット6520及び外枠部材6530の分解背面斜視図である。
外枠部材6530は、有色(本実施形態では橙色)の光不透過の樹脂材料から形成される部材であって、正面視略逆三角形状に形成される本体部6531と、その本体部6531の中央部において略瓢箪形状(略壺形状)で前後方向に穿設される開口部6532と、本体部6531の下縁部に沿う形状で背面側にリブ状に突設される突設リブ6533と、区画ユニット6540の挿通孔6544(図254参照)と対応する位置に配設され挿通孔6544に挿通される締結ネジを螺入可能に形成される複数の締結部6534と、を主に備える。
外枠部材6530は、本体部6531が光を不透過とされるので、外形の内側において光を透過する箇所は、開口部6532に限定される。この開口部6532の形状は、第1照明部6574の配置パターンと対応する。換言すれば、開口部6532の縁が、第1照明部6574のLEDを正面視(図241(a)参照)で囲う形状と相似な形状(拡大された形状)から形成される。
第1照明部6574から照射された光は透明筒状部材6521を通過することになるが、透明筒状部材6521の形状が前後位置の違いにより異なるように形成されるので、開口部6532の手前から視認する遊技者に対して、第1照明部6574の配置パターンと異なるパターンの光を視認させることができる。
例えば、透明筒状部材6521の上板部は、開口部6532へ近づくにつれて横幅が長くなるように(左右両縁が幅広方向に傾斜するように)形成されているので、透明筒状部材6521の上板部と前後で重なる位置の周辺において開口部6532の手前から視認される光は、第1照明部6574の配置パターンに比較して横に広がったパターンで視認されることになる。
このように、本実施形態によれば、遊技者に視認される光の範囲を広げながら、その後方で光を出射する第1照明部6574の配置範囲を狭めることができる。従って、第1照明部6574(や電飾基板6570)の大きさを抑えながら、広範な範囲で光を視認させる演出を行うことができる。なお、透明筒状部材6521の形状の詳細については、後述する。
突設リブ6533は、透明覆設部材6548の係止凸部6548b(図255参照)と対応する位置で切り欠かれ、係止凸部6548bの形成が省略される箇所において配設される。本実施形態では、突設リブ6533及び係止凸部6548bは、正面視で同一曲線上に形成される(互いに補完し合うようにして外枠部材6530の下縁と同形状の曲線上に形成される)。
図259は、光伝送ユニット6520の分解正面斜視図であり、図260は、光伝送ユニット6520の分解背面斜視図である。光伝送ユニット6520は、無色透明の光透過性樹脂から前後方向に延設される有底筒状に形成される透明筒状部材6521と、その透明筒状部材6521の途中位置に配置される平面に沿って外周に亘って外方へフランジ状に延設されるフランジ部6522と、無色で光透過性の樹脂から透明筒状部材6521に被されるカップ状に形成されるカップ状部材6523と、有色(本実施形態では白色)で光不透過の樹脂材料からカップ状部材6523が被される側の反対側部分を挿通可能に筒状に形成される遮蔽部材6524と、その遮蔽部材6524の正面側端部においてフランジ部6522と面当接可能な平板面部として形成される当接板部6525と、その当接板部6525の左右縁および下縁に沿って正面側に延設される外枠延設部6526と、を主に備える。
有底筒状部材6521は、前後に筒状に延設される部材であって、左右壁部が内側に括れる態様で湾曲した形状とされ、第1照明部6574に配置されるLEDと前後で重なる外形から形成される背面外形部6521aと、LEDと対向配置される位置において背面外形部6521aから背面側へ突設される複数の受光突設部6521bと、背面外形部6521aに囲われる領域を板状に塞ぐ閉塞部6521cと、LEDと対向配置される位置において閉塞部6521cに穿設される複数の通光孔6521dと、少なくとも上壁の左右幅および左右壁部の間隔が正面側へ向かう程に長くなる本体筒部6521eと、その本体筒部6521eの形状に沿ってフランジ部6522の正面側へ延設される枠状延設部6521fと、を主に備える。
受光突設部6521bは、区画部材6560の中央光用孔6562に差し込まれる部分である。即ち、区画部材6560と電飾基板6570との間隔を縮めることで(図263参照)、区画部材6560の対向板部6561の厚みほども隙間を空けることなく受光突設部6521bに第1照明部6574のLEDから光を入射させることができる。これにより、全反射を発生させ易くすることができる。
このように、第1照明部6574のLEDから照射される光は至近距離で入射し、全反射して正面側へ進行することに比べ、上述した第2照明部6575及び第3照明部6576のLEDから照射される光は、LEDから離反する方向に向けて凹設される箱状受光部6546や後面箱状部6558bの凹設の内側の領域分だけ空気中を進行し、箱状受光部6546や後面箱状部6558bの正面側壁部を発光させる。そのため、第1照明部6574から照射される光に比較して、第2照射部6575や第3照射部6576から照射される光を、光量が低く、均一な光として遊技者に視認させることができる。
また、箱状受光部6546が形成される区画ユニット6540は光透過性の乳白色の樹脂材料から形成され、後面箱状部6558bが形成される受光部材6558は無色透明で光透過性の樹脂材料から形成されるので、第2照射部6575や第3照射部6576から照射される光の見え方を段階的に変化させることができる。
枠状延設部6521fは、概ね背面外形部6521aの相似形状から形成されるが、本体筒部6521eを介する関係上、枠状延設部6521fの外形の方が背面外形部6521aの外形に比較して大きくされる。
そのため、第1照明部6574におけるLEDが配置される領域の大きさに比較して、大きな領域を光らせる光として遊技者に視認させることができる。
枠状延設部6521fの延設先端の形状は、各箇所が、カップ状部材6523の底部裏側面(背面)と概ね同じ距離だけ離れて配置されるような形状とされる。即ち、カップ状部材6523の形状に依存して、枠状延設部6521fの延設先端の形状が設計される。これにより、枠状延設部6521fを一様な発光態様で光らせることができる。
フランジ部6522は、区画ユニット6540の締結部6543(図251(a)参照)の円形の螺入部を挿通可能な大きさで穿設される左右一対の挿通孔6522aを備える。
カップ状部材6523は、背面側が平面状に形成されると共に、挿通孔6522aと前後方向で重なる位置に締結部6543を支持可能な有底筒状に形成され、底部に挿通される締結ネジで締結部6543が締結固定される一対の終端締結部6523aと、カップ形状の裏底部に光拡散形状(断面三角形状の突条よりなる装飾形状)が形成される装飾形状部6523bと、その装飾形状部6523bの周囲を囲う領域において平坦面状に形成される平坦面部6523cと、を主に備える。
装飾形状部6523bは、カップ状部材6523に背面から照射される光を乱反射させる。これにより、カップ状部材6523を正面側から見る遊技者に対して、面発光しているように視認させることができるので、正面視におけるカップ状部材6523の視認性を向上させることができる。
平坦面部6523cは、枠状延設部6521fと対向配置される領域に形成されているので(図263参照)、枠状延設部6521fの肉厚の内部を通過した光を乱反射させずに正面側へ通過させることができる。これにより、枠状延設部6521fを通過して進行する光を、くっきりとした光として遊技者に視認させることができる。
遮蔽部材6524は、背面側端部が区画部材6560の中央筒部6566と同等の形状から形成され、区画ユニット6540の締結部6543(図251(a)参照)を案内可能な大きさで凹設される左右一対の案内凹設部6524aを備える。
当接板部6525は、区画ユニット6540の締結部6543(図251(a)参照)の円形の螺入部を挿通可能な大きさで穿設される左右一対の挿通孔6525aを備える。
外枠延設部6526は、フランジ部6522を収容可能にフランジ部6522よりも若干大きな内側形状から形成されており、その延設長さは、フランジ部6522の厚みと、カップ状部材6523の背面側板状部の縁部の厚みとを足した長さ以上とされる。
即ち、光伝送ユニット6520の組立状態において、外枠延設部6526の内側にフランジ部6522及びカップ状部材6523の板状部が収容される(図258(a)参照)ので、光伝送ユニット6520の組立状態を安定して維持することができる。更に、区画ユニット6540の締結部6543(図251(a)参照)の円形の螺入部が、挿通孔6525a、挿通孔6522a、終端締結部6523aの順に挿通され、締結固定されるので、光伝送ユニット6520の組立状態をより強固に維持することができる。
光伝送ユニット6520によれば、受光突設部6521bの背面側端面から入射した光を本体筒部6521eの厚み内で全反射させて前方へ進ませ、枠状延設部6521fの正面側端部から出射させ、カップ状部材6523に照射することができる。カップ状部材6523は、枠状延設部6521fとの間隔が短く設定されるので、カップ状部材6523の正面側から光を視認する遊技者に対して、ライン状(カップ状部材6523の角に沿った外形線状)に光らせる発光態様で視認させることができる。これにより、カップ状部材6523の発光態様と、上述した透明覆設部材6548で見られる均一な発光態様との違いを際立たせることができるので、メリハリのある発光演出を実行することができる。これについて、以下で詳述する。
図261では、透明筒状部材6521の6面図が図示され、図262では、組立状態における光伝送ユニット6520の6面図が図示される。なお、光伝送ユニット6520が左右対称に構成されていることから、左側面図の図示が省略される。
図261(a)は、透明筒状部材6521の正面図であり、図261(b)は、透明筒状部材6521の上面図であり、図261(c)は、透明筒状部材6521の底面図であり、図261(d)は、透明筒状部材6521の矢印L方向視における右面図であり、図261(e)は、透明筒状部材6521の背面図である。
図262(a)は、光伝送ユニット6520の正面図であり、図262(b)は、光伝送ユニット6520の上面図であり、図262(c)は、光伝送ユニット6520の底面図であり、図262(d)は、光伝送ユニット6520の矢印L方向視における右面図であり、図262(e)は、光伝送ユニット6520の背面図である。なお、図262(e)では、理解を容易とするために、装飾形状部6523bの模様の図示が省略される。
図261(b)及び図261(d)に示すように、透明筒状部材6521は、正面側へ向かう程に左右幅や、上下幅が漸増するように左右面部や下底面部が傾斜する形状とされる。一方で、樹脂型の抜き方向を前後方向で設定する関係上、抜き方向で樹脂型と干渉する部分を傾斜面として形成することはできない。
例えば、本体筒部6521eの外面は、傾斜面として形成しても、抜き方向(後方)に背面側の樹脂型を移動させる際に干渉しないが、その後側部に形成される外形部6521aの内面を同様の傾斜とすると、背面側の樹脂型を移動させる際に干渉することになるので、外形部6521aの内面は前後方向に沿った面(非傾斜の面)として形成される(図263参照)。
また、同様に、本体筒部6521eの内面は、傾斜面として形成しても、抜き方向(前方)に正面側の樹脂型を移動させる際に干渉しないが、その前側部に形成される枠状延設部6521fの外面を同様の傾斜とすると、樹脂型を移動させる際に干渉することになるので、枠状延設部6521fの外面は前後方向に沿った面(非傾斜の面)として形成される(図263参照)。
ここで、本実施形態では、前方へ抜く正面側の樹脂型と、後方へ抜く背面側の樹脂型との境界が、閉塞部6521c及びフランジ部6522で構成され、その前後の一方で上述の傾斜面が形成され、他方で上述の非傾斜の面が形成されるところ、閉塞部6521c及びフランジ部6522は、非傾斜の面の前後方向の長さが、傾斜面の前後方向の長さに比較して短くなる側に形成されている。
これにより、透明筒状部材6521を上述したような漸増形状としながら、前後位置の変化による板厚の変化の抑制を図ることができるので、透明筒状部材6521の肉厚内部を通過する光の進行態様の前後位置での変化を抑制することができる。従って、肉厚内部に光を入射させ、最初に光が到達する境界で全反射が生じたら、その後、透明筒状部材6521の前端に到達するまで全反射を繰り返させ易くすることができ、光の漏れを抑制できるので、透明筒状部材6521を正面側から見る遊技者に十分な光を視認させることができる。
案内凹設部6524aは、正面側へ向かうほど上下幅が小さくなる(先細りする)ように形成される。これにより、前後方向で上下幅が同等で形成される場合に比較して、光伝送ユニット6520と区画ユニット6540との組み付け時(図249及び図250参照)に、案内凹設部6524aに締結部6543(図255参照)を容易に入れ込むことができるようになるので、組み付けの難易度を低くすることができる。
図263は、図241のCCLXIII−CCLXIII線における後側ユニット6560〜6580、音響装置6610及び光伝送ユニット6520の部分断面図である。図263では、説明の便宜上、光伝送ユニット6520及び音響装置6610が後側ユニット6560〜6580に対する組立位置に配置された状態が図示される。
図263に示すように、透明筒状部材6521の受光突設部6521bは、区画部材6560の直入孔6562bに挿通する際に若干の隙間が生じる寸法で形成されており、その先端が対向板部6561の面位置まで差し入れられる。これにより、対向板部6561の板厚に影響されることなく、第1照明部6574と受光突設部6521bとの間の距離を設定することができる。
受光突設部6521bは、背面外形部6521aの形状に沿う方向が長手方向とされる板形状から形成されている(図260参照)。長手方向と交差する短手方向の寸法は、対向配置される第1照明部6574のLEDの幅寸法と略同等に設定されている。
これにより、受光突設部6521bの短手方向においては、第1照明部6574から正面側へ略直進する光(光軸に対する角度が非常に小さい光)のみを入射させ、その他の光の入射を防止することができる。
このように入射した光は、透明筒状部材6521の肉厚内部を正面側へ進行し易いし、境界で反射する場合にも透明筒状部材6521と光の方向との成す角度が小さいことから全反射を生じ易いので、透明筒状部材6521の正面側端部に到達する前に光が弱まることを抑制することができる。
受光突設部6521bの長手方向の寸法は、短手方向の寸法の約2倍で設定される。従って、透明筒状部材6521の面の広がり方向に関しては、面の肉厚方向で説明した場合に比較して、第1照明部6574から出射される光であって光軸からの角度が大きな光も受光突設部6521bに入射可能とされる。
一方で、受光突設部6521bの長手方向と結合される背面外形部6521aは、対向板部6561と当接せず、若干間隔を空けて配置される。これにより、第1照明部6574から出射される光の内、背面外形部6521aの端面から入射する光(光軸と光の進行方向との成す角度が大きい光)を反射して、遊技者に視認されることを回避することができる。
即ち、受光突設部6521b内を通り、そのまま本体筒部6521eの肉厚内を進行する光のみを遊技者に視認させ、それ以外の光(弱光)をカットすることができる。換言すれば、受光突設部6521bの長手方向を設定することで、本体筒部6521eへ入射させる光の光軸を基準とした角度の限界値の設定を行うことができる。
受光突設部6521bと対向配置されていない第1照明部6574のLEDから照射される光は、拡大孔6562aの内部を通過し、透明筒状部材6521の通光孔6521d(図260参照)を通過し、カップ状部材6523(図260参照)へ照射される。この光は、部材の肉厚内を通過するものでは無く、空気中を進行するので、遊技者に均一な光として視認させることができる。
なお、拡大孔6562aの嵩上げ先端と閉塞部6521cとは前後で当接される。そのため、嵩上げ先端と閉塞部6521cとの隙間から光が漏れることを抑制することができる。
次いで、図264を参照して、光伝送ユニット6520の透明筒状部材6521の肉厚内を通過した光の見え方について説明する。図264(a)は、第1照明部6574の配置を模式的に図示した正面模式図であり、図264(b)は、光伝送ユニット6520越しに視認される光の配置を模式的に図示した正面模式図である。なお、図264の説明では、適宜、図261及び図263を参照する。
まず、上述したように、透明筒状部材6521の形状は、正面側へ向かうにつれて幅が漸増するように形成されているので、透明筒状部材6521の肉厚内を(全反射して)通過する光(左右外側の8箇所のエッジ発光部6574aから照射された光)は、エッジ発光部6574aが配置により成す形状(略瓢箪形状)が拡大されたような形状で視認される。
加えて、上述したように、透明筒状部材6521の肉厚方向の光は弱められることなく正面側端部へ進行するので、光伝送ユニット6520の正面視においてもエッジ発光部6574aの配置に対応する位置が強発光(点光源のように発光)する。
ここで、光源間距離は、エッジ発光部6574aの実際の配置間距離L17aに比較して、光伝送ユニット6520の正面視における強発光配置間距離L17bの方が長いので、このままでは光を点としてしか視認させることができず、光の演出効果が不十分となりやすい。この問題点は、エッジ発光部6574aの実際の配置間距離L17aに比較して、視認される光の強発光配置間距離L17bが長くなることに起因するので、実際に配置するLEDの数を増やしたり、LEDの間隔を狭めたりしても解決し難いものである。
これに対し、本実施形態では、上述したように、エッジ発光部6574aの光を透明筒状部材6521の側面に沿う方向(受光突設部6521bの長手方向)には放射状に進行させているので、隣合うLEDから照射された光が重なり、光源間位置において視認される光の強度が補強される。
これにより、第1照明部6574のLEDが配置されていない箇所(LED間)においても、光伝送ユニット6520の正面視でライン状の光を視認させることができる(図264(b)の想像線参照)。従って、光が点として視認される状態を改善することができる。
特に、第1照明部6574の下端に配置される左右2箇所のLEDは、本体筒部6521eの側面6521e1と、底面6521e2との境界位置に配置されている(図262(e)参照)。そのため、光軸よりも上側を進行する光は、その上方のLEDの光と重なり、光軸よりも下側を進行する光は、底面6521e2を通過することで枠状延設部6521fの下側左右中央で重なる。
これにより、図264(a)に示すように、第1照明部6574の下端部左右中央にLEDが配置されていないにも関わらず、図264(b)に示すように、光伝送ユニット6520を介すると、下側左右中央にライン状の光が視認可能とされる。
このように、本実施形態によれば、第1照明部6574の配置スペースを小さくしながら、光伝送ユニット6520を介して視認される光が形成する形状を大きくし、加えて、光が点として視認される程度を弱め、くっきりとしたライン状の光を視認させることができる。
なお、光伝送ユニット6520を正面視で見る際、その内部はカップ状部材6523の底部に施される装飾形状により見え難くされているので、透明筒状部材6521の肉厚の内側を進行する光が交差する位置を把握することは困難とされる。従って、光が交差する位置が不定であっても、発光演出の演出効果が低下することを防止することができる。
また、光が重なる位置を枠状延設部6521fの先端付近とすると、あたかもエッジ発光部6574aのLED間に新たな点光源が配置されたかのように視認させることができる。即ち、実際のLEDの個数よりも多くのLED光源が配設されているかのように錯覚させることができるので、少数のLEDであっても、多数のLEDを使用した場合と同程度にまで発光演出の演出効果を向上させることができる。
正面視で透明筒状部材6521の内方に配置される面発光部6574b(第1照明部6574の左右中央側の4箇所のLED)から照射される光は、透明筒状部材6521の内方を通過する。ここで、面発光部6574bから出射される光は透明筒状部材6521の肉厚内を進行するものでは無く、加えて、対向配置される拡大孔6562aの形状(図245(b)参照)に沿って放射状に進行する。
従って、面発光部6574bから照射された光は、正面視において、面発光部6574bのLEDを中心とする領域A17として広がる面状の光として視認される。また、その光はカップ状部材6523の背面側のギザギザ形状からなる装飾形状部6523b(図260参照)に照射されることで乱反射し、正面視において面状の光として視認される。
即ち、面発光部6574bから放射状に照射される光が到達する領域(図264(b)想像線参照)に限らず、その外方であってカップ状部材6523の背面側の装飾形状部6523bが形成される領域(例えば、正面視における領域A17と枠状延設部6521fとの間の領域)を明るく光らせることができる。
このように、本実施形態によれば、第1照明部6574から照射される光をエッジ状の光と、面状の光という、それぞれ印象の異なる光として視認させることができる。加えて、エッジ状の光と面状の光との境界に乱反射した光が照射されるように構成することで、境界が暗くなることを回避することができる。従って、段階的に、且つ連続的に、視認される光の印象を変化させることができる。
ここで、視認される光の印象の変化としては、種々の態様が例示される。例えば、明暗や点滅などの発光事態の印象の変化でも良いし、光の色の変化でも良い。
なお、このギザギザ形状は、光が照射される面に施される加工として説明されるものであり、その形状は何ら限定されるものでは無い。例えば、ドット形状が密に形成される形状加工でも良いし、波状の縞形状加工でも良い。
カップ状部材6523の左右において正面視で視認される区画ユニット6540は、上述のように、正面視および側面視において正面側へ膨らむ湾曲形状とされる。そのため、カップ状部材6523の左右において視認される光は、カップ状部材6523から左右および上下に離れる向き(背面側の点を基準として拡散する向き)に進行する。
更に、区画ユニット6540の左右下方に配置される受光部材6558は、上述のように、左右外側ほど正面側縁が背面側に位置することと、取り付けられる姿勢から、受光部材6558を通過する光は、カップ状部材6523から左右および上下に離れる向き(背面側の点を基準として拡散する向き)に進行する。
これにより、光を前後方向に沿って進行させる態様のみで演出する場合に比較して、遊技者に近づくほどに光が大きくなるような印象を遊技者に与えることができ、光の演出効果を向上させることができる。
次いで、図265から図281を参照して、横演出装置6700について説明する。図265は、正面枠10014の分解正面斜視図であり、図266は、横演出装置6700の分解正面斜視図である。
なお、図265では、上演出装置6500、操作デバイス10300及び下皿ユニット6400の図示が省略され、金属本体部10014aから横演出装置6700が分解された状態における右斜め前方からの方向視が図示され、図266では、横演出装置6700の左斜め前方からの方向視が図示される。
図265及び図266に示すように、横演出装置6700は、金属本体部10014aの左右の縦長部分の正面側に配設される演出装置であって、側面視で縦長の楕円形状を半分に分断した形状から形成される。
なお、横演出装置6700は、類似の形状の装置が左右一対で配設されるが、内部の構成は同等であるので、右側の横演出装置6700について詳しく説明し、左側の横演出装置6700の説明は省略する。
図266の上端部分において前後の積層関係が視認されるように、横演出装置6700は、金属本体部10014aに嵌合されるベース部材6710の前側に、そのベース部材6710の正面側を覆う覆設ユニット6730〜6760が配設される態様で構成される。
ベース部材6710と金属本体部10014aとの締結について説明する。ベース部材6710を金属本体部10014aに組み付ける際には、ベース部材6710の背面から突設される位置決め凸部(図示せず)を金属本体部10014aに形成される位置決め凹部10014eに挿通することで位置決めし、ベース部材6710の背面側に形成される締結孔(図示せず)に金属本体部10014aの貫通孔に挿通された締結ネジを締結固定する。
なお、横演出装置6700の構成部材の内、金属本体部10014aに締結固定されるのはベース部材6710のみである。換言すれば、横演出装置6700の構成部材の内、ベース部材6710を除いて、金属本体部10014aに締結固定される構成部材は無い。
図266に示すように、遊技領域に向かう側において、湾曲板部材6750の本体湾曲部6751がベース部材6710の側面を完全に覆う位置(ベース部材6710の背面側端部と面位置となる位置)まで形成されている。湾曲板部材6750の後端部は、図265において左側のユニットで示すように、ガラスユニット16と前後で近接して対向配置される。
このように配置されることから、湾曲板部材6750の後端部付近から出射された光と、ガラスユニット16の背面側から出射される光とが一体的に視認可能な演出を、容易に実行することができる。
図267は、横演出装置6700の分解正面斜視図であり、図268は、横演出装置6700の分解背面斜視図である。図267及び図268では、覆設ユニット6730〜6760がベース部材6710から正面側へ分解された状態が図示される。
図267に示すように、ベース部材6710の正面側には発光可能に構成される複数のLEDチップD1が実装される電飾基板6720が配設されており、その電飾基板6720に正面側から被さる態様で覆設ユニット6730〜6760がベース部材6710に組み付けられる。
即ち、横演出装置6700は、ランプ表示装置227(図4参照)の一つとして機能する装置であって、音声ランプ制御装置113により発光制御される電飾基板6720及びその電飾基板6720を支持するベース部材6710から構成される発光側ユニットと、その発光側ユニットから照射された光を受光し、遊技者に視認させる覆設ユニット6730〜6760から構成される受光側ユニットと、を主に備える。まず、発光側ユニットについて説明する。
図269(a)は、ベース部材6710及び電飾基板6720の正面図であり、図269(b)は、ベース部材6710の左側面図であり、図269(c)は、ベース部材6710の右側面図であり、図269(d)は、ベース部材6710の上面図であり、図269(e)は、ベース部材6710の下面図であり、図269(f)は、図269(a)のCCLXIXf−CCLXIXf線におけるベース部材6710及び電飾基板6720の断面図である。
図269(a)から図269(f)に示すように、ベース部材6710は、電飾基板6720と対向配置され電飾基板6720の背面側に配置される平板状の支持板部6711と、電飾基板6720の外形に沿う枠状に支持板部6711の正面側へ突設される枠状突設部6712と、その枠状突設部6712よりも正面側へ突設される位置決め突設部6713と、電飾基板6720の外方であって電飾基板6720と正面視で近接する位置において締結ネジが挿通可能に穿設される複数の挿通孔6714と、上下2箇所において挿通孔6736に挿通される締結ネジが締結される一対の締結部6715と、その支持板部6711の部分(外枠板部6717の段部)であって枠状突設部6712よりも右側(遊技領域を囲う窓部の反対側、ガラスユニット16の反対側)の領域において上下に長い長孔として穿設される複数の位置合わせ孔6716と、支持板部6711の右縁から背面側へ段付きの板状に延設される外枠板部6717と、支持板部6711の左縁から背面側へ板状に延設される内枠板部6718と、を主に備える。
枠状突設部6712は、突設先端が電飾基板6720の外形部付近の背面部と対向配置され、電飾基板6720と面接触する。これにより、電飾基板6720の外形部付近を除く箇所の背面側には、支持板部6711との間に空隙が設けられる(図269(f)参照)。そのため、支持板部6711と電飾基板6720との間に空気の層(断熱層)を設けることができる。
これにより、金属本体部10014aにベース部材6710が締結固定され、金属本体部10014aに伝達された熱がベース部材6710に伝達し得る構成であっても、電飾基板6720に伝達される熱の量を抑制する(低く抑える)ことができるので、電飾基板6720が高温になり誤作動が生じるなどの不具合の発生を抑制することができる。
位置決め突設部6713は、電飾基板6720の2箇所に形成される位置決め孔6722に挿通されることで、ベース部材6710に対する電飾基板6720の位置合わせをするための部分である。即ち、電飾基板6720には、ベース部材6710と電飾基板6720との組立状態における配置(図269(a)参照)を基準として、位置決め突設部6713に対応する位置に位置決め孔6722が穿設される。
挿通孔6714は、覆設ユニット6730〜6760の平板部材6740の締結部6744や、湾曲板部材6750の締結部6753が正面から嵌合可能なカップ状部を備え(図268参照)、それらを位置合わせ可能に形成されると共に、締結固定される締結ネジが挿通される貫通孔である。
締結部6715は、受光部材6730の挿通孔6736と嵌合して位置合わせされ(図271参照)、挿通孔6736に挿通される締結ネジを螺入可能に形成される。受光部材6730は、上下2箇所の締結部6715に締結固定されることで、ベース部材に固定される。
位置合わせ孔6716は、覆設ユニット6730〜6760の突設部6743,6766(図268参照)が挿通される孔である。覆設ユニット6730〜6760は、薄肉板状の1対の部材(平板部材6740及び湾曲板部材6750)が左右で対向配置され、背面側に開放する略カップ形状から形成されるところ(図268参照)、背面側部(エッジ状部)でベース部材6710と固定される。
ここで、ベース部材6710と覆設ユニット6730〜6760との結合部は、遊技者が触ることができる部分(外形部)に位置しており、遊技者から与えられる負荷(例えば、遊技者が衝突することで発生する負荷)により変位し得る。上述の通り、ベース部材6710に薄肉形状の背面側端部で固定されることから、平板部材6740又は湾曲板部材6750の厚み方向(例えば、左右方向)を向く負荷が与えられた場合に、変形したり、ベース部材6710に対する位置ずれが生じたりする虞がある。これを防止するために、平板部材6740及び湾曲板部材6750とベース部材6710との固定箇所(締結箇所)を増やしても良いが、組立作業の工数が増えるという問題が生じる虞がある。
これに対し、本実施形態では、固定箇所の個数増加は抑制する一方で、複数の位置合わせ孔6716に突設部6743,6766を挿通することにより、平板部材6740及び湾曲板部材6750がベース部材6710に対して位置ずれ(左右方向へ位置ずれ)することの抑制を図ることができる。
加えて、平板部材6740の本体板部6741の内側面(左側面)が枠状突設部6712の外側面(右側面)と対向して近接配置されるので、遊技者から平板部材6740に左方向の負荷がかけられたとしても、平板部材6740は枠状突設部6712に面で当接するので、平板部材6740の移動が規制される。従って、覆設ユニット6730〜6760がベース部材6710に対して変形したり、位置ずれしたりすることを抑制することができる。
従って、組立作業の工数が増えることを抑制しながら、横演出装置6700の耐久性を向上させることができる。なお、本体板部6741は、枠状突設部6712との当接範囲に細かな凹凸形状が形成される凹凸形成部6741aを備えることで、負荷を分散することができるが、詳細は後述する。
外枠板部6717は、金属本体部10014aの右側面と対向配置され面接触し、金属本体部10014aの右側を覆う(カバーする)。これにより、金属本体部10014aが遊技者から視認されることを防止することができる。
外枠板部6717は、一部の位置合わせ孔6716から前後方向に沿って凹設される支持凹部6717aを備える。支持凹部6717aは、位置合わせ孔6716の正面側において位置合わせ孔6716の左側に沿って凹設される一方、位置合わせ孔6716の背面側において位置合わせ孔6716の右側に沿って凹設される。
支持凹部6717aは、横演出装置6700の組立状態(図265参照)において、突設部6743と嵌合する、又は若干の隙間を空けて対向配置される寸法で形成されている。そのため、突設部6743を位置合わせ孔6716のみで支持する場合に比較して、突設部6743を支持可能な面積を増大させる(支持凹部6717aの面で支持する)ことができるので、平板部材6740がベース部材6710に対して位置ずれすることを抑制することができる。換言すれば、平板部材6740を、ベース部材6710に対して安定して支持することができる。
内枠板部6718は、湾曲板部材6750の本体湾曲部6751と対向配置される部分であり、遊技領域側(内側)を向く面状に形成されている。
電飾基板6720は、所謂プリント基板であって、板状に形成される本体板部6721と、その本体板部6721の2箇所に穿設される位置決め孔6722と、本体板部6721に任意のパターンで複数が実装されるLEDチップD1と、を主に備える。
本体板部6721は、締結固定されることなく、ベース部材6710に保持される。即ち、位置決め突設部6713(図269(c)参照)が位置決め孔6722に挿通されることで左右上下への移動を規制され、前後への移動は、ベース部材6710及び受光部材6730(図280参照)に挟まれることで移動を規制される。
本実施形態におけるLEDチップD1は、同様のチップが実装されているが、受光側ユニット6730〜6760の構成を示す領域の境界として図269(a)において想像線で図示される領域との関係で、2種類に分けられる。
即ち、LEDチップD1は、図269(a)に示される想像線の枠の内側に配設されるエッジ発光部D1aと、想像線の枠の外側に配設される面発光部D1bと、を主に備える。これら発光部D1a,D1bの違いは、発光部D1aから出射された光がライン状(エッジ状)の光として視認され易い一方、発光部D1bから出射された光が面状の光として視認され易いという、遊技者に視認させる発光態様の違いと対応するが、詳しくは後述する。
次いで、電飾基板6720の正面側に配設される覆設ユニット6730〜6760(図267参照)について説明する。図270は、覆設ユニット6730〜6760の分解正面斜視図であり、図271は、覆設ユニット6730〜6760の分解背面斜視図である。
図267及び図268に示す状態から、図270及び図271に分解して示すことで明らかなように、覆設ユニット6730〜6760は、その内部に光透過性樹脂から形成され内部を通過する光を屈折可能とされ電飾基板6720を前側から覆う受光部材6730を備え、その前方を他の構成部材で覆うように構成される。
図272(a)は、受光部材6730の正面斜視図であり、図272(b)は、受光部材6730の正面図であり、図272(c)は、受光部材6730の正面斜視図であり、図273(a)は、図272(a)の範囲CCLXXIIIaにおける受光部材6730の部分拡大図であり、図273(b)は、図272(b)の範囲CCLXXIIIbにおける受光部材6730の部分拡大図である。
また、図274(a)は、受光部材6730の背面斜視図であり、図274(b)は、受光部材6730の背面図であり、図274(c)は、受光部材6730の背面斜視図である。
なお、図272(a)は、受光部材6730を左側から見た正面斜視図であり、図272(c)は、受光部材6730を右側から見た正面斜視図であり、図274(a)は、受光部材6730を右側から見た背面斜視図であり、図274(c)は、受光部材6730を左側から見た背面斜視図である。また、図272(b)では、理解を容易とするために覆設ユニット6730〜6760がまとめて図示される。
受光部材6730は、光透過性の樹脂材料から形成される部材であって、電飾基板6720の外形と同等の外形で平板状に形成され電飾基板6720に対向配置される受光面部6731と、組立状態(図207)における受光面部6731の内側縁(図272における左側縁)から折曲されるように背面側へ延設される内側延設部6732と、組立状態における受光面部6731の外側縁(図274における右側縁)から折曲されるように背面側へ延設される外側延設部6733と、受光面部6731の背面から長尺のリブ状に突設される複数(本実施形態では5箇所)の長尺リブ6734と、その長尺リブ6734の基端(受光面部6731と結合される側)と受光面部6731の表裏で合致する位置の正面から長尺のフィン状に延設される複数(本実施形態では5箇所)のフィン6735と、上下端部に配置され締結部6715(図269(a)参照)に締結される締結ネジが挿通される複数の挿通孔6736と、湾曲板部材6750の装飾突設部6751a(図276参照)と嵌合可能な形状から形成される嵌合部6737と、を主に備える。
受光面部6731は、LEDチップD1からの照射される光を屈折させる部分であって、背面側に複雑なカットが入った装飾模様が形成されている。その装飾模様は、面発光部D1bと対向配置される箇所を中心として、同心で直径の異なる複数の円に沿って並ぶ長尺の突起が形成されている(図274(b)の拡大図参照)。ここで、面発光部D1bと対向配置される位置における小径の突起の外周面は外向きに傾斜しており(背後から照射された光を受光面部6731の面に沿って外向きに屈折させる態様で傾斜しており、図275(b)参照)、大径の突起の外周面も同様に傾斜している(受光面部6731の面に沿って進行した光を受光面部6731の正面側へ屈折させる態様で傾斜している、図275(b)参照)。
そのため、面発光部D1bから照射された光が、長尺の突起の軸部付近で屈折し、長尺の突起の外径側へ進行した後に、更に長尺の突起の軸から離れた大径箇所で屈折し正面側へ進行することで、受光面部6731の広い範囲を発光させることができる。
更に、受光面部6731の正面側には、正面視三角形状であり略中央部が正面側へ膨らむ基本形状が規則的に密に整列する態様で形成されており、受光面部6731は、面発光部D1bの正面側位置に略6角錐形状で凹設される装飾凹設部6731aを備える。
装飾凹設部6731aにより、受光面部6731における面発光に強弱をつけることができる(段階的な強弱をつけることができる)。即ち、装飾凹設部6731aの形状により光が凹部の中央側に集められることになるので、装飾凹設部6731aを、他の部分に比較して、強い発光態様で視認させることができる。
内側延設部6732及び外側延設部6733は、延設端部が電飾基板6720と前後で当接するように構成されており、内側延設部6732の延設端部が上下全体に亘って電飾基板6720と当接する一方、外側延設部6733の延設端部には一部当接しない箇所が形成される。
即ち、外側延設部6733は、延設長さが電飾基板6720の板厚程度短く形成されることで電飾基板6720と当接せず離間する離間端部6733aを備える。本実施形態では、離間端部6733aにより、電飾基板6720と受光部材6730との間の領域に対する空気の出入りを良好にできるので熱がこもることを防止することができる。
また、内側延設部6732のように、上下全体に亘って電飾基板6720と当接する場合、電飾基板6720の本体板部6721の表面から張り出すように配設されるLEDチップD1を内側延設部6732の背後に配置することはできない。そのため、内側延設部6732の板厚を厚くするほど、LEDチップD1を配置する領域が制限される。
これに対し、外側延設部6733の離間端部6733aと電飾基板6720との間には隙間が形成されることになるので、LEDチップD1を外側延設部6732の離間端部6733aの背後に配置することができる。従って、外側延設部6733の板圧を十分に確保しながら、LEDチップD1の配置領域を最大限確保することができる。
外側延設部6733の左右壁部は平滑面として形成される一方、内側延設部6732の左側(外側延設部6733と反対側)の壁部には、断面半円形状の突条が密に整列される態様で形成される凹凸形状が形成される。これにより、内側延設部6732を通り左方へ出射される光は、面発光する(放射状に広がる)ことになり、遊技者に対して一様な光を視認させ易くすることができる。
内側延設部6732には、後述するように、電飾基板6720から正面側へ出射される光の一部が通過するところ、その光の強度が領域ごとに変化する。即ち、フィン6735の端部の周辺位置においては、エッジ発光部D1aから出射され長尺リブ6734を進行する光と面発光部D1bから出射された光との両方が合わさった光D1mが視認されるが、フィン6735から離れた位置においては、長尺リブ6734を進行する光が到達せず、面発光部D1bから出射された光D1pが視認されることになり、光D1mの方が光D1pよりも強い光として視認される(光の強度の大小が、矢印の長短に対応)。
これにより、内側延設部6732を介して視認される光の強度の大小を、上下に並ぶ領域ごとに変化させて視認させることができる。なお、内側延設部6732を介して視認される光の態様の違いは、何も強度に限ったことでは無い。
例えば、エッジ発光部D1aから出射される光の色と、面発光部D1bから出射される光の色とを異ならせることにより、内側延設部6732を介して視認される光の色を、上下に並ぶ領域ごとに変化させて視認させることができる。
長尺リブ6734は、横演出装置6700の組立状態(図265参照)でエッジ発光部D1a(図269(a)参照)の正面側に配置され、前後で先細りせず同等の厚さで形成されるものであって、背面視略直線状に形成される複数の直線状リブ6734aと、背面視で折曲され略V字形状に形成されるV字状リブ6734bと、を主に備える。
長尺リブ6734の側面は、平滑面として形成される。即ち、長尺リブ6734の表面にライン上のギザギザ加工が形成される場合と異なり、長尺リブ6734の側面に光が到達し通過する際には、広がらず(面発光せず)、一方向へ進行する。従って、長尺リブ6734の側面が一様に発光することを回避することができるので、左右方向から横演出装置6700を見た場合に、エッジ発光部D1aから照射された光と、面発光部D1bから照射された光とが混じって視認される程度を下げることができる。
即ち、長尺リブ6734を上下に長く形成され、左右方向視で見ることができる部分として構成しながら、長尺リブ6734を通過した光が面発光の態様で遊技者の目に届くことを抑制することができるので、左右から横演出装置6700を視認する遊技者が、面発光部D1bから照射される光の色や明るさを視認し易くすることができる。
なお、このギザギザ形状は、光が照射される面に施される加工として説明されるものであり、その形状は何ら限定されるものでは無い。例えば、ドット形状が密に形成される形状加工でも良いし、波状の縞形状加工でも良い。
直線状リブ6734aは、上下2本ずつで配置され、左方(正面枠10014の中央側、図265参照)へ向かう程上下中央位置へ向けて傾斜する方向へ延びる態様で形成され、左側端部6734a1が内側延設部6732と連結される一方、右側端部6734a2は外側延設部6733に対して離間する。
そのため、直線状リブ6734aの内部を進行する光は、左側端部6734a1を通り内側延設部6732に直接的に入射可能とされる一方、右側端部6734a2を通過する光は外側延設部6733との間の隙間で光のエネルギーが低下する。
これにより、直線状リブ6734aの左右端部付近において視認される明るさが異なることになる。即ち、内側延設部6732を通して視認される箇所が明るく視認され、それに比較して外側延設部6733を通して視認される箇所が暗く視認される。
上述したように、本実施形態において、長尺リブ6734の側面を通した面発光が抑制され、左右方向からの光の視認性が悪くされる一方、直線状リブ6734aの左側端部6734a1を通って内側延設部6732に進入した光は、内側延設部6732の表面を通して面発光される。
従って、エッジ発光部D1aから照射される光は、左側端部6734a1を通って内側延設部6732に進入した光に限って、左右方向視で視認し易くなる。即ち、左側端部6734a1付近ではエッジ発光部D1aから照射される光の色や明るさで視認され、左側端部6734a1から離れた位置(間の位置)では面発光部D1bから照射される光の色や明るさで視認されるようにすることができるので、左右方向から横演出装置6700を視認する遊技者に対して、異なる色や明るさの光を視認させることができる。
V字状リブ6734bは、上下中央位置に配置され、折曲位置付近の中間連結部6734b1で内側延設部6732と連結される一方、両端部6734b2は外側延設部6733に対して離間する。なお、折曲位置と中間連結部6734b1とを若干ずらしたのは、エッジ発光部D1a(図269(a)参照)が折曲位置と対向配置されていることによる。
即ち、エッジ発光部D1aから照射される光を受光する位置を中間連結部6734b1からずらすことにより、エッジ発光部D1aから前後方向に直線的に照射される光(主となる光)が連結位置に入射することを抑制することができるので、V字状リブ6734bからフィン6735へ入射させる光の損失を少なくすることができる。
V字状リブ6734bは、上述した直線状リブ6734aの機能と同様の機能を備える。即ち、V字状リブ6734bの内部を進行する光は、中間連結部6734b1を通り内側延設部6732に直接的に入射可能とされる一方、両端部6734b2を通過する光は外側延設部6733との間の隙間で光のエネルギーが低下する。
これにより、V字状リブ6734bの左右端部付近において視認される明るさが異なることになる。即ち、内側延設部6732を通して視認される箇所が明るく視認され、それに比較して外側延設部6733を通して視認される箇所が暗く視認される。
上述したように、本実施形態において、長尺リブ6734の側面を通した面発光が抑制され、左右方向からの光の視認性が悪くされる一方、V字状リブ6734bの中間連結部6734b1を通って内側延設部6732に進入した光は、内側延設部6732の表面を通して面発光される。
従って、エッジ発光部D1aから照射される光は、中間連結部6734b1を通って内側延設部6732に進入した光に限って、左右方向視で視認し易くなる。即ち、中間連結部6734b1付近ではエッジ発光部D1aから照射される光の色や明るさで視認され、中間連結部6734b1から離れた位置(間の位置)では面発光部D1bから照射される光の色や明るさで視認されるようにすることができるので、左右方向から横演出装置6700を視認する遊技者に対して、異なる色や明るさの光を視認させることができる。
フィン6735は、延設基端から先端側へ向けて厚みが薄くなるよう形成されており、直線状リブ6734aと対応する先端湾曲フィン6735aと、V字状リブ6734bと対応する先端屈曲フィン6735bと、を主に備える。
先端湾曲フィン6735aは、上下内側の縁部が湾曲形成され、左側面(正面枠10014の内側面)に三角波状(ギザギザ形状)の切欠きが密に形成されることにより光拡散部が形成され、右側面(正面枠10014の外側面)が平滑面として形成される。
先端屈曲フィン6735bは、延設先端が、上下端部から上下中央へ向かうにつれて背面側へ傾斜し、V字状リブ6734bの折曲位置の正面側で交わる傾斜面を備え、左側面(正面枠10014の内側面)に三角波状(ギザギザ形状)の切欠きが密に形成されることにより光拡散部が形成され、右側面(正面枠10014の外側面)が平滑面として形成される。
これらフィン6735は、左面側へ向かう程に延設長さが短くなるように形成されている。特に、先端湾曲フィン6735aでは、左面側の端部が受光面部6731と結合していることから、エッジ発光部D1aから照射され先端湾曲フィン6735aの正面側端部から出射する光量の大きな光(主となる光)が受光面部6731付近でフィン6735から出射されることになる。そのため、その光を内側延設部6732側(背面側、根元側)まで到達させることが可能となり、受光部材6730の左面側を明るくし易くすることができる。
加えて、先端湾曲フィン6735aが受光面部6731と結合する位置の背後において、長尺リブ6734と内側延設部6732とが結合されており、長尺リブ6734の内側を通過する光によっても内側延設部6732を照らすことができる。即ち、先端湾曲フィン6735aが受光面部6731と結合する位置の付近において、長尺リブ6734の内側を通過する光と、先端湾曲フィン6735aを通過する光とで合わせて発光演出を行うことができるので、発光演出の演出効果を向上させることができる。
なお、このギザギザ形状は、光が照射される面に施される加工として説明されるものであり、その形状は何ら限定されるものでは無い。例えば、ドット形状が密に形成される形状加工でも良いし、波状の縞形状加工でも良い。
フィン6735の左側面と右側面との形成態様の違いから、側面を通過する光の通過態様を変化させることができる。即ち、切欠きによる面発光作用から、左側面を通過する光を一様な光として視認させることができる一方、右側面を通過する光には面発光作用は及ばないことから、右側面を通過する光は局所的な光として視認させることができる。また、長尺リブ6734及びフィン6735は、その形状から、ベース部材6710の補強する補強部分として機能することは言うまでもない。
挿通孔6736は、横演出装置6700の組立状態(図266)において1箇所が露出した状態とされ、且つ、受光部材6730の上下端部に2箇所だけが配置される。そのため、露出している挿通孔6736に挿通されている締結ネジを緩め、受光面部6731に負荷を与えることで、受光部材6730を位置ずれさせることができる。
これにより、長尺リブ6734及びフィン6735と、LEDチップD1のエッジ発光部D1aとの位置関係がずれた場合(例えば、遊技者の操作による振動や、正面枠10014の開閉に伴う振動によりずれた場合)に位置を戻すメンテナンス作業を、横演出装置6700を分解することなく行うことができるので、メンテナンス性の向上を図る(難易度は低く、時間は短縮する)ことができる。
嵌合部6737は、背面側へ向かう程先細りする傾斜形状で左右方向に凹設され、受光部材6730と、その受光部材6730以外の覆設ユニット6730〜6760の構成部材との位置合わせ及び姿勢合わせを嵌合により行う部分であって、更に凹設されるようにして単一の凹部6737aを備える。
このように、本実施形態では、内側延設部6732側における凹部6737aの配設箇所(締結部6753が配設される箇所)を1箇所に限定しながら(少なくしながら)、受光部材6730と、その受光部材6730以外の覆設ユニット6730〜6760の構成部材との位置ずれ及び姿勢ずれの抑制を図っている。これについて以下で詳述する。
ここで、横演出装置6700の左右側面を締結固定する場合において、締結ネジは光を透過させないので、締結箇所が多いほど、影が生じ易くなる。そのため、横演出装置6700の表面積を大きく形成しても、締結箇所で光が区切られることになってしまい、光演出の演出効果が低くなる虞があった。一方で、締結箇所を減らすと支持力の低下を招き、遊技者から与えられる負荷や、正面枠10014の開閉時に生じる負荷によって横演出装置6700が根元から変形する可能性が高まる虞がある。
これに対し、本実施形態によれば、締結箇所は凹部6737aに限定しながら、嵌合部6737と装飾突設部6751a(図276参照)とを嵌合させることにより、支持力の維持を図っている。
これにより、遊技領域(ガラスユニット16、図265参照)側における横演出装置6700の締結箇所(本実施形態において、光演出箇所としての本体湾曲部6751と電飾基板6720との間に配設される締結箇所)を減らしながら、横演出装置6700の耐久性の向上を図ることができる。
また、本実施形態では、凹部6737aを介して光が背面側へ進行可能に形成されている。このことについて、図275を参照して説明する。
図275(a)は、図274(b)のCCLXXVa−CCLXXVa線における横演出装置6700の断面図であり、図275(b)は、図274(b)のCCLXXVb−CCLXXVb線における受光部材6730の断面図である。
図275(a)に示すように、凹部6737aは、エッジ発光部D1aと対向配置されるV字状リブ6734bの中間連結部6734b1と同一断面に配置されている。V字状リブ6734bは、エッジ発光部D1aから照射された光が進行可能な部分であり(図281参照)、凹部6737aに嵌合される締結部6753を介して、縞状装飾部6751eが形成される本体湾曲部6751の背面側部へ光を進行可能に形成される。即ち、電飾基板6720の背面側(光の照射方向の反対側)へ向けて光が進行可能に形成されている。
ここで、締結部6753は締結ネジが締結される箇所であり、締結ネジが影になり易いことから発光演出には不向きと考えられるが、本実施形態では、締結部6753の上下両側において中間連結部6734b1が形成されているので、光が締結ネジを上下に避けることで、締結ネジの影ができる影響を抑えながら遊技者に光を視認させることができる。即ち、締結ネジの上下両側から光を進行させることで、遊技者に視認される締結ネジの影を消失させる(薄める)ことができる。
図275(b)では、受光面部6731が拡大して図示される。面発光部D1bから照射された光の内、前後方向に沿う光軸に対する角度が小さい方向に進行する光は、緩く屈折しながら受光面部6731の内部に進入し、装飾凹設部6731aを通過する際に更に屈折され、集光される。これにより、装飾凹設部6731aを介して視認される光の発光強度を増大させることができる。
このように、受光面部6731の正面側の発光態様は、集光により光の強度が増大される装飾凹設部6731aを中心として、その装飾凹設部6731aからの距離が長くなるほど光の強度が低くなる態様とされる。
この時、装飾凹設部6731aでは光が集光されているので、面発光部D1bを単品で視認する場合に比較して光が光軸側に寄せ集められることになることから、面発光部D1bから照射される光を受光面部6731無しで視認する場合に比較して、視認される光の強度を上げることができる。
即ち、受光面部6731の作用により、面発光部D1bから照射される光を直接見る場合によりも強度の高い光(装飾凹設部6731a付近で視認可能な光)から、面発光部D1bから照射される光を直接見るよりも強度の低い光まで段階的に光の強度が落とされ、それら強度の異なる光を受光面部6731の表面を介して遊技者に視認させることができる。
図270に戻って受光部材6730を覆う部材について説明する。受光部材6730の正面側には、背面側が開放したカップ状の部材が配設される。そのカップ状の部材を構成する平板部材6740、湾曲板部材6750及びカバー部材6760について説明する。
図276は、平板部材6740、湾曲板部材6750及びカバー部材6760の分解正面斜視図であり、図277は、平板部材6740、湾曲板部材6750及びカバー部材6760の分解正面斜視図であり、図278は、平板部材6740、湾曲板部材6750及びカバー部材6760の分解背面斜視図であり、図279は、平板部材6740、湾曲板部材6750及びカバー部材6760の分解背面斜視図である。
平板部材6740及び湾曲板部材6750が左右方向から組み付けられ締結固定により合体した後、カバー部材6760が正面側から組み付けられ嵌合されることにより、各部材が分離不能に固定される。
平板部材6740は、無色透明で光透過性の樹脂から形成される部材であって、長円形状を分割した形状の平板から形成される本体板部6741と、その本体板部6741が形成される平面から左側に平行移動した平面に配設される平板部であって本体板部6741の正面側縁に段差を付けて連結される被嵌合板部6742と、本体板部6741の背面側端部から背面側へ突設される複数の突設部6743と、その突設部6743から離間する位置において配設され背面側から締結ネジが螺入可能に構成される複数の締結部6744と、本体板部6741に締結ネジを挿通可能な大きさで穿設される複数の挿通孔6745と、を主に備える。
本体板部6741は、左側の面から左方へ凹設され、その凹設と対応して右側の面から右方へ突設される装飾形状を備えており、本体板部6741の右端部は、本体板部6741の右側の面と一致する。
凹凸形成部6741aは、左方へ先細りするように配設される6角錐が充填される態様でハニカム構造を形成し、反射板と類似の作用を生じる。これにより、本体板部6741の後側部(組立状態においてベース部材6710の外枠板部6717(図268参照)と当接し得る箇所)の強度を向上させることができるので、外力が与えられることで割れたりかけたりすることを防止することができる。また、ベース部材6710に平板部材6740、湾曲板部材6750及びカバー部材6760の組立体を組み付けるためにスライド移動させる時の接触摩擦を低減することができる。
従って、横演出装置6700が正面枠10014に組み付けられた後で、遊技者から衝撃を与えられたり、正面枠10014の開閉の際に負荷が与えられたりした場合に外枠板部6717が破損し難くすることで耐久性の向上を図ることができることに加え、横演出装置6700の組み立てを容易にすることができる。
被嵌合板部6742は、右側の面に、前後方向に沿う細溝として切り欠かれる複数の溝部6742aと、本体板部6741との間の段に溝部6742aに沿う方向で穿設される前後方向孔6742bと、を備える。溝部6742a及び前後方向孔6742bは、平板部材6740とカバー部材6760との位置合わせの機能を備えるが、詳細は後述する。
突設部6743は、ベース部材6710の位置合わせ孔6716(図269(a)参照)に挿通される部分であり、締結部6744は、ベース部材6710の挿通孔6714(図269(a)参照)を通る締結ネジにより締結固定される部分である。
また、突設部6743及び締結部6744は、電飾基板6720及び受光部材6730の右縁の外側に正面視で近接する位置に配置される。特に締結部6744は、電飾基板6720及び受光部材6730の凹部に入り込む態様で配置される(図269(a)、図274(b)参照)ので、平板部材6740に対する電飾基板6720及び受光部材6730の位置ずれを抑制することができる。
挿通孔6745は、湾曲板部材6750に螺入する締結ネジが挿通される貫通孔であり、上下に4箇所配設される。4箇所の締結位置で湾曲板部材6750を平板部材6740に対して強固に締結可能であるので、湾曲板部材6750の背面側に形成される締結部6753が少ない場合であっても、固定力不足となることを回避することができる。
湾曲板部材6750は、平板部材6740の本体板部6741と対向配置され背面側へ向かう程に左方へ膨らむ態様で湾曲形成され受光部材6730の正面側を覆うように形成され無色透明で光透過性の樹脂から形成され内側面に複数の縞形状を有する本体湾曲部6751と、その本体湾曲部6751から右側に平行移動して配設される湾曲板部であって本体湾曲部6751の正面側縁に段差を付けて連結され被嵌合板部6742と対向配置される被嵌合板部6752と、背面側から締結ネジが螺入可能に構成される複数の締結部6753と、挿通孔6745と対応する位置において締結ネジが螺入可能に形成される複数の締結部6754と、本体湾曲部6751の正面側縁部において締結ネジが前後方向に挿通可能に穿設される複数の挿通孔6755と、被嵌合板部6752の正面側縁部において締結ネジが前後方向に挿通可能に穿設される複数の挿通孔6756と、を主に備える。
本体湾曲部6751は、上下中央の締結部6753を含む領域において、背面側へ向かう程先細りする三角形状で右側面から右方へ突設される装飾突設部6751aと、その装飾突設部6751aの正面側部分において前後方向に穿設される前後方向孔6751bと、縞形状を平坦面で区画する平坦区画部6751cと、上下中央位置で前後方向を向く平坦面から形成される中央平坦部6751dと、後側端部付近の内側面に細い縞状に形成される縞状装飾部6751eと、を主に備える。
装飾突設部6751aは、受光部材6730の嵌合部6737と嵌合する部分として構成される。また、前後方向孔6751bは、連結延設部6763と湾曲板部材6750との位置合わせをする機能を備える。
これにより、装飾突設部6751aを、装飾部としての機能と、受光部材6730との位置合わせをする部分としての機能とを併せ持つ部分として構成することができる。これにより、本実施形態のように締結部6753が上下中央部に1箇所しか配設されていない(少ない)構成であっても、湾曲板部材6750がぐらつくことを抑制することができる。
平坦区画部6751cは、先端湾曲フィン6735a(図272(a)参照)の前縁部と前後方向視および側面視で合致する位置を含む領域に形成される。これにより、先端湾曲フィン6735aの前縁部から出射される光を正面から視認する場合(図207参照)、その光は平坦区画部6751cを通過することになるので、くっきりとした光のまま視認させることができる。
一方で、先端湾曲フィン6735aの内側側面(遊技領域に臨む側面)へ出射された光は、平坦区画部6751cに区画される複数の縞形状部で乱反射することになる。そのため、先端湾曲フィン6735aの内側側面から出射される光を側面から視認する場合、その光の発光態様を面発光とすることができ、光をぼやかせて視認させることができる。
中央平坦部6751dは、先端屈曲フィン6735b(図272(a)参照)の前縁部と前後方向視および側面視で合致する位置を含む領域に形成される。これにより、先端屈曲フィン6735bの前縁部から出射される光を正面から視認する場合(図207参照)、その光は中央平坦部6751dを通過することになるので、くっきりとした光のまま視認させることができる。
一方で、先端屈曲フィン6735bの内側側面(遊技領域に臨む側面)へ出射された光は、複数の縞形状部で乱反射することになる。そのため、先端屈曲フィン6735bの内側側面から出射される光を側面から視認する場合、その光の発光態様を面発光とすることができ、光をぼやかせて視認させることができる。
被嵌合板部6752は、平板部材6740の被嵌合板部6742と同様に、左側の面に、前後方向に沿う細溝として切り欠かれる複数の溝部6752aと、本体湾曲部6751との間の段に溝部6752aに沿う方向で穿設される前後方向孔6752bと、を備える。溝部6752a及び前後方向孔6752bは、湾曲板部材6750とカバー部材6760との位置合わせの機能を備えるが、詳細は後述する。
締結部6753は、ベース部材6710の挿通孔6714(図269(a)参照)を通る締結ネジにより締結固定される部分である。締結部6753は、電飾基板6720及び受光部材6730の左縁の外側に正面視で近接する位置に配置され、電飾基板6720及び受光部材6730の凹部に入り込む態様で配置される(図269(a)、図274(b)参照)ので、湾曲板部材6750に対する電飾基板6720及び受光部材6730の位置ずれを抑制することができる。
締結部6754は、挿通孔6745に挿通された締結ネジが螺入する部分であり、挿通孔6745と対応する位置(4箇所)に配設される。締結部6754が複数配置されることから、左右方向の締結のみで、平板部材6740と湾曲板部材6750とを強固に固定することができる。
一方で、平板部材6740は、突設部6743及び締結部6744によりベース部材6710に強固に固定されるので、湾曲板部材6750の締結部6753の配設個数を少なくした場合に、湾曲板部材6750がぐらつくことを抑制することができる。これにより、湾曲板部材6750の背面側端部付近における締結部6753の数を減らせるので、締結ネジにより光が遮られる箇所を減らすことができる結果、光が遮られることなく発光演出を視認可能な領域を大きく確保することができる。
挿通孔6755及び挿通孔6756は、締結ネジを背面側から挿通可能な貫通孔であり、その正面側に、カバー部材6760の締結部6764(図279参照)を案内する案内壁部6755a,6756aが形成される(図277参照)。
案内壁部6755a,6756aは、カバー部材6760の締結部6764の外径よりも若干大きな直径の内側面が、締結部6764の右側(平板部材6740に近接する側)に対向配置されるように形成される。これにより、横演出装置6700の組立状態(図265参照)における湾曲板部材6750の左方向への移動をカバー部材6760の締結部6764により規制することができるので、湾曲板部材6750が不用意に取り外されることを防止することができる。
カバー部材6760は、締結部6764が案内壁部6755a,6756aに沿う態様で前後にスライド移動することで平板部材6740及び湾曲板部材6750に組み付けられる。カバー部材6760は、平板部材6740の被嵌合板部6742を右側から覆う形状の平板部である本体板部6761と、その本体板部6761の正面側縁で折曲形成され湾曲板部材6750の被嵌合板部6742を左側から覆う形状の湾曲板部である湾曲板部6762と、上下中央位置から上下に略同等な距離離間した2位置から湾曲板部6762の左後方へ延設され、延設端部で連結される連結延設部6763と、湾曲板部6762の背面に配設され、湾曲板部材6750の挿通孔6755,6756に挿通される締結ネジが螺入可能に形成される複数の締結部6764と、湾曲板部6762の上端部の背面側端部に配設されベース部材6710の上端部付近の挿通孔6714に挿通される締結ネジを螺入可能に形成される基端締結部6765(図279参照)と、本体板部6761の背面側端部から背面側へ突設される複数の突設部6766と、を主に備える。
本体板部6761は、平板部材6740の溝部6742aと対応する位置において、その溝部6742aの内側を摺動可能な態様とされ、前後方向の直線に沿うリブ形状で左方へ向けて突設される複数の突設リブ6761aを備える。
突設リブ6761aは、本体板部6761の背面側縁部よりも後方へ張り出して形成されており、この張出部分が前後方向孔6742bに挿通される。即ち、張出部分が本体板部6741の左側面と対向配置され、本体板部6741の移動を規制することができる。これにより、横演出装置6700の組立状態(図265)において、平板部材6740がカバー部材6760に対して左方へ位置ずれすることを防止することができる。
湾曲板部6762は、湾曲板部材6750の溝部6752aと対応する位置において、その溝部6752aの内側を摺動可能な態様とされ、前後方向の直線に沿うリブ形状で右方へ向けて突設される複数の突設リブ6762aを備える。
突設リブ6762aは、湾曲板部6762の背面側縁部よりも後方へ張り出して形成されており、この張出部分が前後方向孔6752bに挿通される。即ち、張出部分が本体湾曲部6751の右側面と対向配置され、本体湾曲部6751の移動を規制することができる。これにより、横演出装置6700の組立状態(図265)において、湾曲板部材6750がカバー部材6760に対して右方へ位置ずれすることを防止することができる。
連結延設部6763は、前後方向孔6751bと対応する位置において、前後方向の直線に沿うリブ形状で右方へ向けて突設される突設リブ6763aを備える。
突設リブ6763aは、連結延設部6763の連結位置における背面側縁部よりも後方へ張り出して形成されており、この張出部分が前後方向孔6751bに挿通される。即ち、張出部分が装飾突設部6751aの右側面と対向配置され、本体湾曲部6751の移動を規制することができる。これにより、横演出装置6700の組立状態(図265)において、湾曲板部材6750がカバー部材6760に対して右方へ位置ずれすることを防止することができる。
締結部6764は、上述のように、横演出装置6700の組立状態(図265参照)における湾曲板部材6750の左方向への移動を規制可能な部分として構成され、これにより、湾曲板部材6750が不用意に取り外されることを防止することができる。
このように、カバー部材6760は、湾曲板部材6750の左右への移動を構造的に規制する。即ち、突設リブ6762a,6763aと前後方向孔6751b,6752bとの関係により湾曲板部材6750の右方への移動を規制し、締結部6764と案内壁部6755a,6756aとの関係により湾曲板部材6750の左方への移動を規制している。従って、カバー部材6760に対する湾曲板部材6750の配置を安定させることができる。
基端締結部6765は、湾曲板部6762の上端部の背面側端部に配設され、ベース部材6710の上端部付近の挿通孔6714(図267参照)に挿通される締結ネジが螺入可能に形成される。即ち、ベース部材6710の挿通孔6714(図269(a)参照)を通る締結ネジが基端締結部6765に螺入され、基端締結部6765はベース部材6710に締結固定される。
突設部6766は、ベース部材6710の位置合わせ孔6716(図269(a)参照)に挿通される部分である。また、突設部6766及び基端締結部6765は、電飾基板6720及び受光部材6730の右縁または上縁の外側に正面視で近接する位置に配置されるカバー部材6760に対する電飾基板6720及び受光部材6730の位置ずれを抑制することができる。
図280(a)は、図272(b)のCCLXXXa−CCLXXXa線におけるベース部材6710、電飾基板6720及び受光部材6730の断面図であり、図280(b)は、図272(b)のCCLXXXb−CCLXXXb線におけるベース部材6710、電飾基板6720及び受光部材6730の断面図であり、図280(c)は、図272(b)のCCLXXXc−CCLXXXc線におけるベース部材6710、電飾基板6720及び受光部材6730の断面図である。
図280(a)に示すように、長尺リブ6734とLEDチップD1との前後間隔は、LEDチップD1が本体板部6721の表面から隆起する高さ程度に抑えられている。そのため、エッジ発光部D1aから照射される光を漏れなく長尺リブ6734へ入射させ、且つ、長尺リブ6734の内部を全反射(図281参照)して正面側へ進行させ易くすることができる。
また、長尺リブ6734が配置されていない箇所において、面発光部D1bと受光面部6731との前後間隔は長尺リブ6734の前後幅(形成長さ)以上に維持される。そのため、LEDチップD1から照射される光が受光面部6731に到達可能な箇所としての面積を広くすることができる。
このように、本実施形態によれば、LEDチップD1から照射される光が放射状に出射されるとの前提の基で、エッジ発光部D1aから照射される光と、面発光部D1bから照射される光とを区別して視認させ易くすることができる。
即ち、エッジ発光部D1aから照射される光は、長尺リブ6734及びフィン6735の内部を全反射して進行するライン状のくっきりとした光として、又は長尺リブ6734を介して光が進行可能な小規模な範囲を明るくする光として視認される一方で、面発光部D1bから照射される光は、受光面部6731や内側延設部6732の光屈折面部を介して一様な光(淡い光)として視認される。
これにより、従来のように、電飾基板6720から出射した光を集光させるレンズを電飾基板6720に対向配置させ、小面積で煌びやかな光を視認させる演出態様に比較して、本実施形態によれば、小面積で煌びやかな光(ライン状の光)を視認させながらも、電飾基板6720の面積で広がる光(面状の光)を視認させることができる。そして、これら異なる光は、一方のみを視認させたり、両方ともを視認させたりする演出を、制御で容易に実行することができる。従って、光演出の演出自由度を向上させることができる。
そのため、例えば、エッジ発光部D1a及び面発光部D1bに同じLEDチップを採用する場合であっても、エッジ発光部D1aから照射される光と、面発光部D1bから照射される光とで、光の色味や、明るさを異ならせることにより、グラデーションに富む発光演出(異なる色や明るさの発光演出)を実行することができる。
図280(b)に示すように、フィン6735の板厚方向の側面は、右側面(正面枠10014の外側面)が長尺リブ6734と前後方向で面位置とされ、左側面(正面枠10014の内側面)が正面側端部へ向けて先細りする(右側面側へ寄る)傾斜面とされる。そのため、左側面の法線は、真横(電飾基板6720の本体板部6721の面と平行な方向、即ち、前後方向と直交する方向)を向くわけでは無く、正面側を向く成分を有する方向を向く。これにより、フィン6735の左側面から出射する光を、真横だけでは無く、正面側へも向けることができる。
図280(c)に示すように、長尺リブ6734は内側延設部6732に連結されるので、エッジ発光部D1aから照射され長尺リブ6734へ入射した光は、内側延設部6732へ向けて進行され得る。この光の進行について模式図を利用して説明する。
図281は、図280(a)の断面を模式的に示すベース部材6710、電飾基板6720及び受光部材6730の模式図である。図281では、エッジ発光部D1aから照射される光を示す矢印L23a〜L23eが模式的に図示される。
LEDから照射される光の強度は、電飾基板6720の面と直交する軸線X23との間の角度が大きくなるほど小さくなるものの、光自体は放射状に照射される。本実施形態では、光の進行方向で、その後の到達位置が異なるので、以下、順に説明する。
矢印L23aは、長尺リブ6734の端部に入射し、長尺リブ6734及びフィン6735の内部を全反射して進行し、フィン6735の正面側端部まで到達する光の進行方向を示している。矢印23aに沿ってフィン6735に到達した光は、全反射して進行しているため、長尺リブ6734やフィン6735の側面から光が部分的に透過する(出射される)場合に比較して、光のエネルギー損失を減らすことができる。従って、エッジ発光部D1aからの距離が遠い場合であっても、十分な明るさの光を遊技者に視認させ易くすることができる。
矢印L23bは、フィン6735の正面側端部に到達する前に、左側(正面枠10014の内側)側面から出射される光の進行方向を示している。フィン6735の左側面には、上述したように、ギザギザ形状の加工が施してあるので、光は面発光の態様で出射される。
矢印L23cは、長尺リブ6734を通り、直接的に内側延設部6732に進行し、その表面から出射される光の進行方向を示している。この光は長尺リブ6734に進入してから端面での屈折が生じておらず、光のエネルギー損失が抑制されているので、明るく視認させることができる。また、内側延設部6732の外側面(外側延設部6733の反対側の面)には、ギザギザ形状の加工が施してあるので、光は面発光の態様で出射される。
矢印L23dは、長尺リブ6734とフィン6735との結合位置としての受光面部6731に到達した後で、フィン6735の内部に進行することができず反射される光の進行方向を示している。即ち、上述したように、フィン6735は、正面側へ向かう程に厚さ方向の長さが長尺リブ6734に比較して短く形成され、且つ、左側面(正面枠10014の内側面)に、ギザギザ形状の凹設部が形成されるので、前後方向視で、長尺リブ6734がフィン6735から部分的にはみ出る態様とされる。
従って、同じように前後方向へ進行する光であっても、長尺リブ6734と受光面部6731との結合位置の全てにおいてフィン6735に進入可能であるわけでは無く、一部(特に、長尺リブ6734の左側面付近)の領域においてはフィン6735への進入が抑制されることになり、この領域に到達した光は受光面部6731で反射されることになる。
その後、矢印L23dは、内側延設部6732に到達し、出射される。なお、内側延設部6732の外側面(外側延設部6733の反対側の面)には、ギザギザ形状の加工が施してあるので、光は面発光の態様で出射される。
ここで、図281に示すように、矢印L23dの光には、電飾基板6720の背面側へ進行する光が含まれる。従って、本実施形態によれば、正面側へ光を照射するLEDチップD1を正面側に備える電飾基板6720により、電飾基板6720の背面側の部分を発光させることができる(少なくとも、電飾基板6720の背面側へ光を進行させることができる、図281参照)。
そして、矢印L23dの下流側に配置される湾曲板部材6750の背面側端部の内面は、背面視で細かな半円形状断面が上下に並ぶレンズ形状から形成される(図276参照)。これにより、矢印L23dで進行し湾曲板部材6750の背面側端部へ到達した光を上下に均一な態様で左方へ出射させることができ、この光によりガラスユニット16を明るく照らすことができる。
そのため、ガラスユニット16の背面側に配置される照射装置からガラスユニット16へ向けて照射される光と、矢印L23dで進行した光とを組み合わせて光演出を実行することができるので、光による演出の設計自由度を向上させることができる。
なお、本実施形態によれば、矢印L23cで示される光と、矢印L23dで示される光との明るさの違いを緩和することができる。即ち、長尺リブ6734への入射時においては、軸線X23との間の角度の違いから、矢印L23dで示される光の方が矢印L23cで示される光に比較して明るいが、矢印L23で示される光は受光面部6731で反射する際に透過する光の分のエネルギー損失が生じるので、内側延設部6732に光が到達する際には、略同等の明るさの光として視認される。このように、照射方向に伴う光の明るさの違いを緩和することができ、内側延設部6732の明るさを前後に亘り一様にし易くすることができる。
ここで、本実施形態では、左側に配設される横演出装置6700の構成において、右側の横演出装置6700の構成とほとんどが略左右対称の形状(又は相似形状)に形成されるが、左右対称ではない特別な部分として、長尺リブ6734の形成(背面への突設)が省略されている(フィン6735の形成は維持される)。これにより、遊技領域(ガラスユニット16、図265参照)の範囲ごとに光演出の態様を調整している。
本調整は、遊技者の視認性の確保のための調整である。即ち、フィン6735に光を進行させることに伴う演出効果は左側でも維持したいが、一方で、長尺リブ6734に進行する光により遊技領域側へ光が進行することは抑制したいという意図である。
即ち、遊技領域の左側という、発射球が遊技領域に進入する箇所における遊技球の視認性を向上させるために横演出装置6700から内側(遊技領域側)へ出射される光の強度を低減させることを狙うものである。これにより、光演出が眩しいことで発射球を視認し難くなり、発射強度の調整や遊技球の発射の確認が困難となることを事前に防止することができる。
一方で、遊技領域の右側は、右打ち(最強の発射強度)で発射された球が流下することがほとんどであり、遊技者にとって、球の発射強度の調整のために視認する必要性に乏しい。加えて、短い時間にまとまった個数の遊技球が狭い箇所を連続で流下することになるので、その箇所に光を照射して、遊技球に反射させることにより、光を用いた演出の演出効果を容易に向上させることができる。従って、遊技領域の右側においては光の強度を弱める必要はなく、本実施形態のように、横演出装置6700から遊技領域(ガラスユニット16、図265参照)側へ光を出射し易くすることにより、演出効果の向上を図ることができる。
矢印L23eは、長尺リブ6734の長手方向と交差する方向に出射される光であって、軸線X23との間の角度が大きい方向に照射される光(長尺リブ6734に進入しない光)の進行方向を示している。この光は、左右の延設部6732,6733の内側面で反射されるか、受光面部6731に到達して面発光をすることになるが、長尺リブ6734がエッジ発光部D1aに非常に近い位置まで延設されている関係上、矢印L23eで進行する光の強度がそもそも非常に小さいので、遊技者からは視認され難い光として構成することができる。
従って、矢印L23eに沿って進行する光が、面発光部D1bから照射される光と混じって視認されることにより、光の演出効果が低下することを防止することができる。
図280(a)に戻って、嵌合部6737の役割と、嵌合部6737付近の発光演出について説明する。V字状リブ6734bは、中間連結部6734b1において嵌合部6737の内部に形成される凹部6737aと連結される(図274参照)。そのため、矢印L23c,L23dで上述した内容と同様に、V字状リブ6734bに入射した光の一部は、凹部6737aの両壁部を通り嵌合部6737の左側表面まで到達する。
凹部6737aは、湾曲板部材6750の締結部6753(図278参照)が前後にスライド可能な凹部として構成され、締結部6753には締結ネジが螺入されるので、凹部6737a付近において締結ネジが光を遮ることになるので、発光演出の演出効果が低下する虞がある。
これに対し、本実施形態では、嵌合部6737と装飾突設部6751aとの形状の合致により十分な位置合わせ(位置ずれ防止)を行うことができるので、受光部材6730とLEDチップD1との位置ずれの防止を図りながら締結ネジの個数を削減することができ、発光演出の演出効果が低下する箇所を削減することができる。
加えて、締結ネジの付近に凹部6737aが締結ネジとの干渉を避けて配設され、その凹部6737aを通る光が内側延設部6732の表面から出射されるように構成することで締結ネジの付近が暗くなりすぎることを防止している。これにより、発光演出の演出効果の低下の程度を抑えることができる。
次いで、図282から図284を参照して、第18実施形態について説明する。上述した第17実施形態では、正面枠10014上部の音響装置6610の正面側に電飾基板6570が配設される場合を説明したが、第18実施形態におけるパチンコ機18010は、操作デバイス10300の右下方に電飾基板18830を備える演出装置18800が配設されることで、正面枠18014の下部においても発光演出を実行可能とされる。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図282は、第18実施形態におけるパチンコ機18010の正面図であり、図283は、パチンコ機18010の正面斜視図である。パチンコ機18010は、正面枠18014が第17実施形態における正面枠10014と対比して演出装置18800を備えていることが第17実施形態におけるパチンコ機10010と異なり、それ以外の構成は同じなので、演出装置18800についてのみ説明し、その他の構成についての説明は省略する。
図282及び図283に示すように、演出装置18800は、下皿ユニット6400の正面側において背面側および上面側が覆設基礎部材6410に結合される発光演出用の装置であって、操作デバイス10300と操作ハンドル51との間に配設される。
この演出装置18800は、構造的な工夫により、操作デバイス10300の操作演出への参加の有無により、発光演出の見え方が変化するように構成されている。次いで、構造的な工夫についての説明をするために、演出装置18800の内部構造について説明する。
図284(a)は、図282のCCLXXXIVa−CCLXXXIVa線における演出装置18800の断面図であり、図284(b)は、図284(a)の矢印CCLXXXIVb方向視における演出装置18800の電飾基板18830の模式図である。なお、図284(b)では、電飾基板18830の支持態様が模式的に示されている。
図284(a)に示すように、演出装置18800は、下皿ユニット6400に結合されている結合基礎部材18810と、その結合基礎部材18810の正面側に面状の隙間を空けて配設される枠状の部材であって結合基礎部材18810に固定される中間固定部材18820と、結合基礎部材18810と中間固定部材18820との間の隙間に配置される電飾基板18830と、その電飾基板18830のLEDチップD1から照射される光が内部を進行可能に形成され中間固定部材18820の正面側に固定される受光部材18840と、その受光部材18840の外面を覆うように貼り付けられる覆設部材18850と、を主に備える。
結合基礎部材18810は、電飾基板18830と対向配置される正面側の壁面が、背面側へ向かう程、下降傾斜する傾斜面として形成される。この傾斜面の傾斜角度は、操作デバイス10300の首振り装置部材10310が上向き位置に配置され、且つ、操作前の姿勢とされている場合の振動装置10366の振動の方向Y17a(図215参照)と傾斜面とが平行となる傾斜角度で形成される。
電飾基板18830は結合基礎部材18810の正面側の壁面と平行に配設される。そのため、振動装置10366の振動の方向Y17aは、電飾基板18830の面と平行となる。電飾基板18830は、LEDチップD1と、上下方向に長尺な形状で穿設される長孔18831と、上向きの付勢力を発生する板バネ18832と、を主に備える。
長孔18831は、電飾基板18830の支持のために中間固定部材18820の固定部18821が挿通される孔である。そのため、長孔18831の上下方向の長さと、固定部18821の直径との違い(長さ)が、電飾基板18830が機械的に位置ずれ可能な長さ(許容長さ)として設計される。
電飾基板18830の正面側にはLEDチップD1が任意のパターン(本実施形態では、5角形の頂点)で配設され、電飾基板18830の面の法線方向に光を照射する。そのため、LEDチップD1から照射される光は、正面側へ向かうにつれて下降傾斜する方向に照射される。一方で、この光を受光する受光部材18840は、光の進行方向を前後方向に沿う向きに変化させるように形成される。
即ち、遊技者は、受光部材18840により進行方向が変化した光を視認することになるので、LEDチップD1から照射される光の進行方向が正面側へ向けて下降傾斜する方向(遊技者の目線から離れる方向)であっても、光演出の演出効果が下がることを防止することができる。
受光部材18840は、無色透明の光透過性の樹脂材料から形成され、中間固定部材18820の正面側の開口を閉塞可能に構成される板状部18841と、その板状部18841の背面から板状に延設される複数の延設板部18842とを主に備える。
中間固定部材18820は、光透過性の低い樹脂材料から正面側が開放される容器状に形成され、結合基礎部材18810側へ円柱形状で突設され結合基礎部材18810と締結固定される複数の固定部18821と、背面側底部に延設板部18842を受け入れ可能な位置および大きさで穿設される複数の挿通孔18822とを主に備える。
なお、本実施形態では、受光部材18840の樹脂型の抜き方向が左右方向で設定される関係上、延設板部18842が左右方向で同一断面の板状で形成される。そのため、LEDチップD1が5角形の頂点で配置されることに対し、中間位置と下位置とで左右に並ぶLEDチップD1を共通の延設板部18842に対応付けることができる。これにより、延設板部18842を、上下3本のそれぞれ幅の異なる板状部として形成することができる。同様に、中間固定部材18820の挿通孔18822も、上下3箇所でそれぞれ幅の異なる形状で穿設される。
ここで、延設板部18842は、図284に示すように、板状部18841の法線方向に沿って延設され始めるものの、緩やかに湾曲する湾曲板状に形成される。湾曲の曲率半径は任意に設定可能であるが、本実施形態では、電飾基板18830のLEDチップD1から照射される光を板状部18841に到達させるまで全反射を継続させられる程度に、曲率半径が大きな湾曲形状で設計される。これにより、延設板部18842の延設先端(背面側端部)に入射した光を、強度を維持した状態で板状部18841に到達させ易くすることができる。
覆設部材18850は、受光部材18840の外面において光演出を望まない部位の光漏れを抑制するための部材であり、種々の態様で実現可能である。例えば、貼り付け可能に形成される遮光テープ(絶縁テープ)でも良いし、樹脂材料からカップ状に形成される部材でも良い。
本実施形態では、覆設部材18850が、正面側から嵌合可能に形成されるカップ状の部材として構成され、正面側に配置されるカップの底部には、LEDチップD1の配置に基づく5角形の頂点位置に光通過用に穿設される複数の貫通孔18851が形成されている。
なお、貫通孔18851の配置は、LEDチップD1の配置と同一配置とする必要はなく、若干大きさの異なる相似形状とすることが可能であることは、上述の通りである。LEDチップD1から照射される光の進行態様を考慮すれば、LEDチップD1の配置よりも、受光部材18840の形成態様の方が、貫通孔18851の配置を設計する際に重要となる。そのため、本実施形態では、受光部材18840の延設板部18842の根元の位置と正面視で合致する位置に貫通孔18851が形成されるよう、設計される。
演出装置18800の作用について説明する。上述したように、電飾基板18830はLEDチップD1が配設される面と平行な第1ずれ方向に長孔18831分の許容幅で移動可能とされており、その第1ずれ方向は、操作デバイス10300の振動装置10366の振動の方向Y17aと一致している。
即ち、操作デバイス10300が振動演出を行うと、その振動により電飾基板18830がスライド可能に構成されている。電飾基板18830がスライドすると、LEDチップD1の位置と延設板部18842の端部との位置関係がずれるので、LEDチップD1から出射される光が延設板部18842に入射し難くなる。
この場合、LEDチップD1から光が出射している状態でも、光が延設板部18842を進行し難いために、貫通孔18851が暗く視認される。即ち、LEDチップD1が発光しているか否かを把握することができない。一方で、操作デバイス10300では、上述のように、首振り操作部材10310を操作することで振動装置10366の振動の方向Y17aが第1ずれ方向とは異なる方向に変化する。
この場合、操作デバイス10300の振動による電飾基板18830への影響が抑制されることとなり、板バネ18832の付勢力で電飾基板18830が初期位置(上端位置)に復帰する。電飾基板18830の初期位置では、LEDチップD1と延設板部18842の背面側端部とが対向配置され、LEDチップD1から出射された光が延設板部18842に入射し、その後全反射で正面側へ進行可能に形成される。
即ち、LEDチップD1から光が出射している状態で、操作デバイス10300が振動演出を行っている場合(貫通孔18851が暗く視認される場合)でも、首振り操作部材10310を押し込み操作することで、貫通孔18851を明るく視認させることが可能となる。
そのため、振動演出を行っている場合であって、貫通孔18851が暗く視認される場合に、LEDチップD1が発光しているのか否かを、首振り操作部材10310を操作することにより把握することができる。ここで、例えば、LEDチップD1を、大当たりが発生する場合や、遊技者にとって有利な遊技状態へ移行する場合など(即ち、遊技者にとって有利な変化が生じる場合)に発光させるように制御することで、LEDチップD1の発光の有無に対する遊技者の興味を向上させることができる。
これにより、遊技者の首振り操作部材10310への操作意欲を高めることができるので、首振り操作部材10310を操作する演出を実行した際に、遊技者の参加意欲を高め、実際に遊技者に首振り操作部材10310を操作するように仕向けることができる。
なお、本実施形態では、電飾基板18830が覆設基礎部材6410の外側に配置される場合について説明したが、これに限られるものでは無い。例えば、電飾基板18830が覆設基礎部材6410を貫通して内部に進入する態様で配設され、操作デバイス10300と当接可能とされても良い。
この場合、操作デバイス10300の振動を電飾基板18830に伝達し易くすることができ、振動だけでなく、レンズ部材10317への押し込み操作(プッシュ操作)に伴っても電飾基板18830がスライド移動するように構成することができる。
この場合において、例えば、報知演出としての押し込み指示が発生するタイミング以外のタイミングでLEDチップD1が発光するように制御しても良い。LEDチップD1が発光するタイミングでレンズ部材10317を押し込み操作(プッシュ操作)すると、LEDチップD1の発光の有無を正面視で把握することが困難となる構成を実現することができる。
換言すれば、報知外のタイミングでレンズ部材10317を押し込み操作(プッシュ操作)した場合に、遊技者にとって有利な報知を見逃しやすくなるように構成することができる。押し込み指示が発生するタイミング以外でのレンズ部材10317への押し込み操作を抑制し易くすることができるので、操作デバイス10300が早期に故障したり、操作デバイスを不必要に多く操作して騒音を発生させる迷惑行為を抑制したりすることができる。
次いで、図285を参照して第19実施形態について説明する。上述した第17実施形態では、操作デバイス10300のカバー10321,10322が左右に分割可能に形成される場合を説明したが、第19実施形態におけるカバー19321,19322は、前後に分割可能に形成されている。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図285は、第19実施形態におけるカバー19321,19322の側面図である。図285に示すように、本実施形態では、上側カバー19321及び下側カバー19322が首振り操作部材10310(図207参照)を囲うように配設される。なお、カバー19321,19322の主要な構成は、上述したカバー10321,10322と略同一の形状とされており、主に分割の方向を変えた例として説明される。
カバー19321,19322は、図285に示す基準線X19と一致する分割面で分割可能に形成されており、上側カバー19321に穿設される挿通孔19321aに分割面に直交する方向で挿通され下側カバー19322の締結部19322aに螺入される締結ネジにより締結固定可能に形成される。
ここで、基準線X19は、首振り操作部材10310が上向き位置における操作前の振動装置10366の振動の方向Y17a(図215参照)と平行な方向として設定される。即ち、締結部19322aに締結される締結ネジの締結方向は、振動の方向Y17aと側面視(図285参照)で直交するので、振動の衝撃で締結ネジが緩むことを抑制することができる。
また、首振り操作部材10310は、振動の方向Y17aがレンズ部材10317の押し込み操作方向(プッシュ方向)と同じとされるので(図216(a)参照)、レンズ部材10317の押し込み操作方向と締結ネジの締結方向とが側面視(図285参照)で直交するので、レンズ部材10317の操作により発生する衝撃で締結ネジが緩むことを抑制することができる。
次いで、図286を参照して第20実施形態について説明する。上述した第17実施形態では、突設形状部6413及び凹設形状部6414が断面視で平たい皿状に形成され、傾斜部分において板厚が略一定とされる場合について説明したが、第20実施形態における突設形状部16413及び凹設形状部16414は、若干傾斜が上下方向寄りに形成されている。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図286は、図229のCCXXXIIIb−CCXXXIIIb線に対応する線における第20実施形態における下皿ユニット16400の断面図である。図286に示すように、本実施形態では、突設形状部16413及び凹設形状部16414の左右端の傾斜が第17実施形態で上述した突設形状部6413及び凹設形状部6414に比較して上下方向寄りに設定される。
加えて、突設形状部16413(第17実施形態の突設形状部6413に対応)の下端部と、凹設形状部16414(第17実施形態の凹設形状部6414に対応)の上端部(凹設の基端)とが、上下方向(鉛直方向)で同一線上に配置される。
下皿形成部材6420の板状支持部6426の垂下板状部6426bが凹設形状部16414の基端部(本体部6411の上面)に当接され、支持されるところ、その支持位置において本体部6411の上下方向(鉛直方向)の支持厚さを十分に確保することができるので、操作デバイス10300(図207参照)の操作時の負荷による本体部6411の変形を抑制することができる。
なお、本実施形態では、突設形状部6413及び凹設形状部6414に比較して左右端部の傾斜が変更される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、傾斜が全くなく、突設形状部6413の左右外面および凹設形状部6414左右内面が上下方向(断面視において上下方向)に沿って形成されても良い。この場合であっても、本体部6411の支持厚さを十分確保することができる。
一方、本実施形態のように、断面視逆ハの字に傾斜して形成することにより、突設形状部6413及び凹設形状部6414が外力を受けた場合に変形する方向を、左右中央側へ向け易くすることができる。これにより、左右両方向に変形可能な場合に比較して、外力により与えられる疲労の度合いを低くすることができ、突設形状部6413及び凹設形状部6414を形成する板部分が早期に破損することを防止することができる。換言すれば、下皿ユニット6400の耐久性を向上することができる。
次いで、図287から図301を参照して、第21実施形態について説明する。上述した第17実施形態では、下皿ユニット6400への電気の供給が不要とされる場合について説明したが、第21実施形態における下皿ユニット21400は、電気の導通により振動可能に構成される振動装置21500を備えており、下皿ユニット21400への電気の供給が必要となる。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図287は、第21実施形態における正面枠10014、操作デバイス10300及び下皿ユニット21400の分解正面斜視図である。なお、図287では、正面枠10014の上半部の図示が省略され、下皿ユニット21400及び操作デバイス10300は、金属本体部10014aから分解された上で、背面側からの方向視で図示される。
また、理解を容易とするために、挿通孔6801R,6801Lと、その締結箇所とを繋ぐ組み付け方向線が想像線で図示され、更に、振動装置21500に電気を供給可能に接続される電気配線21513の正面枠10014、操作デバイス10300及び下皿ユニット21400に対する配置の関係が部分的に図示される。
図287に示すように、操作デバイス10300の下底側に、上述の底部材Deを設計変更した底部材21Deが締結固定される。底部材21Deは、上述の底部材Deの構成に加えて、右側へ張り出し形成される張出部De3を備える。
張出部De3は、振動装置21500に負荷を与える機能と、振動装置21500に連結される電気配線21513の変位を規制する機能とを併せ持つ。即ち、図287に示すように、電気配線21513が張出部De3の下側を這うように取り回されることで、メンテナンスのために下皿ユニット21400を取り外す際に、電気配線21513と右前カバー10322とが擦れることを防止することができる。
張出部De3は、張出端へ向けて細幅となる態様で背面側が傾斜して形成される一方、正面側は、前後方向と直交する平面と平行な平面を構成する。このように構成することで、張出部De3の剛性の確保を図りながら、張出部De3の背面側に金属本体部10014aとの間の隙間を作ることができる。
この隙間は、メンテナンス時に下皿ユニット21400を取り外す際に必要な長さの電気配線21513(下皿ユニット21400が金属本体部10014aから離れる長さ分を埋める長さの配線)を、下皿ユニット21400の非取り外し時(金属本体部10014aに締結固定されている時)において弛ませて配置させておく領域として有効利用される。これにより、下皿ユニット21400の非取り外し時において電気配線21513が窮屈に配置される場合に比較して、電気配線21513が周囲から受ける負荷を小さく抑えることができる。
図287に示すように、操作ハンドル51はハンドル支持板21051に内嵌支持されており、そのハンドル支持板21051は、金属本体部10014aに締結固定されている。組立状態(図208参照)では、ハンドル支持板21051の左側縁部と、下皿ユニット21400の右側縁部とが前後で重ねられることになるが、ハンドル支持板21051の左側縁部の全域に亘り締結部は形成されておらず、下皿ユニット21400との連結は締結では無く係合(前後方向への嵌め込みによる嵌合)により行われる。
そのため、下皿ユニット21400とハンドル支持板21051とは、機械的に固定されているものでは無く、前後方向に相対変位可能に構成される。
これにより、下皿ユニット21400の右側縁部とハンドル支持板21051の左側縁部が全域に亘り締結固定される場合に比較して、下皿ユニット21400の右側縁部が前後方向に変位することに伴ってハンドル支持板21051の左側縁部が前後方向に変位することを抑制することができる。従って、後述する振動装置21500の振動がハンドル支持板21051を介して操作ハンドル51に伝達されることを防止することができる。
即ち、振動装置21500の振動を、あくまで下皿ユニット21400から遊技者へ伝達するものとして構成することができる。例えば、操作ハンドル51を把持する遊技者に対して伝達される振動の伝達経路を、操作ハンドル51を介する経路としてでは無く、操作ハンドル51を把持する遊技者の手指または腕が接触する下皿ユニット21400の右側面部を介する経路に限定することができる。
図288は、下皿ユニット21400の分解正面斜視図であり、図289は、下皿ユニット21400の分解背面斜視図である。図288及び図289では、覆設基礎部材21410、下皿形成部材21420及びV字意匠部材21450と、振動装置21500との固定箇所に対応する部分が想像線で対応付けて図示される。
覆設基礎部材21410は、上述の覆設基礎部材6410の構成に加え、本体部6411の凹設形状部6414の右側の領域において締結ネジを螺入可能に形成される複数(本実施形態では一対)の締結部21415を備える。締結部21415には、振動装置21500の右側に上下一対で配設される挿通部21535に挿通された締結ネジが螺入される。即ち、右側の挿通部21535は、覆設基礎部材21410に締結固定される。
下皿形成部材21420は、上述の下皿形成部材6420の構成に加え、前側縦長部6426cの上面から上方へ延設される板状部に前後方向に穿設される支持孔21428を備える。支持孔21428は、V字意匠部材21450と振動装置21500との連結部分であるV字意匠部材21450の締結部21457が挿通される。
V字意匠部材21450は、上述のV字意匠部材6450の構成に加え、板状突設部6453R(図227参照)の代替部として背面側へ柱状に突設され、締結ネジを螺入可能に形成される締結部21457と、板状に形成され締結部21457と挿通孔6452との間を連結する連結板状部21458とを備える。
締結部21457は、組立状態(図208参照)において、支持孔21428に挿通され、振動装置21500の左側の挿通部21535に挿通された締結ネジが螺入され、締結固定される。即ち、左側の挿通部21535は、下皿形成部材21420及びV字意匠部材21450に締結固定される。
従って、振動装置21500は、単一の部材に締結固定されるものではなく、複数の部材(覆設基礎部材21410、下皿形成部材21420及びV字意匠部材21450)に締結固定されている。これにより、これらの部材の締結強度を、振動装置21500により補強することができる。
ここで、V字意匠部材21450は、上述のように、左右端部に配設される張出締結部6454が中間部材を介して金属本体部10014aに締結固定されている。そのため、背面側へ開口する略袋状に構成され、主に背面側縁部で金属本体部10014aに締結固定される覆設基礎部材21410に比べて構造的に固い。
即ち、覆設基礎部材21410は、金属本体部10014aに対して背面側下端部および左端部における複数位置で締結固定される一方、上部や右縁部における締結位置の個数は抑制され(無いか、あっても少数に限定され)ており、肉薄の略箱状(略袋状)に形成されていることから、特に右縁部における変位自由度が高い(低抵抗な)構造とされている。
更に、覆設基礎部材21410の正面上側の縁部にV字意匠部材21450が締結固定されていることから、覆設基礎部材21410の上下方向(鉛直方向)変位をV字意匠部材21450で抑制でき、覆設基礎部材21410の変位自由度を前後方向(水平方向)で向上させることができる。これにより、覆設基礎部材21410が変位することで、例えば、下皿50が上下に変位して下皿50に貯留されている球が跳ねる不具合の発生を防止することができる。
本実施形態によれば、固く構成されるV字意匠部材21450を土台(基準)として、V字意匠部材21450に比較して柔軟な(変位自由度の高い)覆設基礎部材21410を振動させることができるので、振動装置21500の駆動によって覆設基礎部材21410の右側部を集中的に振動(強振動)させることができる。
加えて、V字意匠部材21450や下皿形成部材21420への振動伝達を抑制することができるので、操作デバイス10300が振動装置21500の振動により振動したり、下皿50に貯留された球が振動装置21500の振動により振動したりすることを回避でき、このことからも、振動装置21500の駆動によって覆設基礎部材21410の右側部を集中的に振動(強振動)させることができるといえる。
連結板状部21458は、後述する殻状張出部21541の長手方向に沿って長尺の板状に形成される。これにより、殻状張出部21541の長手方向に亘り連結板状部21458と殻状張出部21541とを当接させることができ、負荷発生面積を大きく確保することができるので、当接時(押し付け時)の応力集中を回避することができる。
本実施形態では、組立状態(図208参照)において、殻状張出部21541が連結板状部21458に当接する(押し付けられる)寸法関係で構成される(図298参照)。そのため、少なくとも殻状張出部21541と連結板状部21458との当接位置を介して振動を受けることができる。
この構成は、本実施形態のように、複数の部材に振動装置21500を締結固定する構成において効果的である。即ち、単一の部材に締結固定する場合に比較して、複数の部材に振動装置21500を締結固定する場合の方が、各部材の設計寸法からのずれが積み重なる可能性がある分、寸法のずれが大きくなり易い。そのため、振動装置21500の配置が不安定となり、振動の伝達強度を安定させることが困難となる。
これに対し、本実施形態では、寸法のずれが生じる可能性があることを見越して、寸法のずれがどのように生じたとしても(大小の限界値内のどの寸法となったとしても)殻状張出部21541が連結板状部21458と当接する(間隔が短い場合には、殻状張出部21541を押しつぶすように変形させながら当接する)寸法に設計することで、安定して殻状張出部21541と連結板状部21458とを接触させることができる。従って、振動を安定して受けることができる。
なお、本実施形態では、殻状張出部21541と連結板状部21458との当接方向が、締結ネジの螺入方向と同様に前後方向に設定される。そのため、上述したような操作デバイス10300の操作によってV字意匠部材21450が下方へ変位した場合であっても、V字意匠部材21450は殻状張出部21541に対して滑るようにして変位することになり、押し下げ変位が伝達することを回避することができる。従って、振動装置21500が操作デバイス10300の操作に伴い押し下げられることを抑制することができる。
なお、本実施形態において振動装置21500が配設される箇所は、覆設基礎部材21410の柔軟な箇所であるので、パチンコ機A10の外殻を破壊して内部に侵入する(例えば、金属細線を侵入させる)不正行為の際に破られ易い箇所である。即ち、本実施形態では、不正行為を行う者が侵入経路として選択し易い箇所に振動装置21500が配設される。
そのため、覆設基礎部材21410を破る際に、同時に振動装置21500が破壊されたり、断線したりする可能性があり、この場合、振動装置21500に接続され電気配線21513の導通が遮断される。これを音声ランプ制御装置113が検知することに伴いエラー信号を出力するように制御することで、不正行為の早期発見を図ることができる。
また、振動装置21500の代わりに、エラー信号を出力する装置を配設しても良いが、本実施形態では敢えて振動装置21500を配設することで、不正行為が発生していない場合には振動演出に利用することができる。即ち、振動装置21500を、振動演出と、不正行為の発見とに兼用することができる(多機能な装置として構成できる)ので、装置の配設スペースの抑制を図ることができる。
図290は、振動装置21500の分解正面斜視図であり、図291は、振動装置21500の分解背面斜視図である。図290及び図291に図示されるように、振動装置21500は、偏心錘21512が回転するように制御されることで振動を発生可能な振動モータ21510と、軟質性の樹脂材料(シリコン樹脂等)から形成され、振動モータ21510を被覆する被覆部材21520と、その被覆部材21520に比較して硬質な材料(例えば、樹脂材料または金属材料)から形成され、被覆部材21520を背面側から部分的に覆うことが可能な形状で形成される覆設カバー部材21530と、被覆部材21520を挟んで覆設カバー部材21530に対向配置される平板状の対向板部材21540とを備える。
覆設カバー部材21530及び対向板部材21540は、振動モータ21510と被覆部材21520とを前後から囲うように保持し、締結ネジにより締結固定される。即ち、覆設カバー21530は、締結ネジのネジ部を挿通可能な複数(本実施形態では2箇所)の挿通孔21532を備え、対向板部材21540は、挿通孔21532に挿通した締結ネジを螺入可能に形成される複数の締結部21542を備える。以下、保持される対象である振動モータ21510及び被覆部材21520を先に説明し、その後で覆設カバー部材21530及び対向板部材21540の詳細を説明する。
図292は、振動モータ21510及び被覆部材21520の分解正面斜視図であり、図293は、振動モータ21510及び被覆部材21520の分解背面斜視図であり、図294は、被覆部材21520の正面斜視図である。図294では、被覆部材21520を斜め前上方から見下げる方向視の斜視図が図示される。
振動モータ21510は、通電により軸部が回転制御される本体部21511と、軸部に固定され軸部とは異なる位置に重心が配置される上面視扇状の偏心錘21512と、本体部21511の下面から下方へ向けて延設される(下面に形成される端子に電気的に接続される)電気配線21513とを備える。
被覆部材21520は、振動モータ21510の本体部21511の外形よりも若干小さな内形の筒状に形成される筒状本体部21521と、その筒状本体部21521の背面に沿って上下に亘り突条として形成される一対の突条部21522と、筒状本体部21521の下面に沿って左右方向に板状に突設される板状突部21523と、筒状本体部21521の下面から下面視長円形状で下方に張り出す張出部21524とを備える。
張出部21524は、振動モータ21510の本体部21511と電気配線21513との連結位置を下面視で囲う大きさの長円形状で形成され、上面側が電気配線21513を受け入れ可能に凹設される。
即ち、図294で示すように、張出部21524は、筒状本体部21521の下面側から下方へ凹設される凹設部21524aと、その凹設部21524aに挟まれた領域において上下方向に穿設される配線通し孔21524bと、凹設部21524aを挟んだ配線通し孔21524bの反対側位置において上下方向に穿設される一対の予備孔21524cとを備える。
上記の構成により、電気配線21513は、凹設部21524aに保持されながら配線通し孔21524bへ案内され、配線通し孔21524bの開口方向(下方)へ案内される。即ち、本実施形態では、被覆部材21520に、電気配線21513の自重による垂れ下がりを防止して保持する機能、電気配線21513を束ねる機能および電気配線21513を案内する機能を賄わせることができる。これにより、必要な結束バンドの個数を削減することができ、材料コストの低減や、製造工数の削減を図ることができる。
また、被覆部材21520を組み付けていない状態では覆設カバー21530と対向板部21540との間に隙間が生じることから、組み付け作業を行う者が被覆部材21520を付け忘れることの防止を図ることができる。そのため、結束バンドを別で用意して電気配線21513の保持を行う場合に比較して、電気配線21513の保持のための部材の組み付け忘れを抑制することができる。
なお、本実施形態では、電気配線21513は音声ランプ制御装置113の入出力ポート225に接続される(図4参照)。即ち、振動装置21500の振動モータ21510はその他装置228の一部として構成され、音声ランプ制御装置113から伝送される制御信号により振動制御される。
予備孔21524cは、電気配線21513と本体部21511との連結位置と上下方向で対応する位置に形成される。即ち、電気配線21513が本体部21511から抜けそうになった場合であっても、予備孔21524cを通して細い棒を入れ込み、電気配線21513を押し込むことで、電気配線21513を本体部21511側に押し込むことができる。これにより、電気配線21513の本体部21511からの脱落を回避することができる。
本実施形態では、振動装置21500が下皿ユニット21400に配設されている(図287参照)。下皿ユニット21400は、金属本体部10014aから脱着可能に形成されているので、メンテナンス作業を行う作業者が下皿ユニット21400を取り外す際に誤って金属本体部10014aから離しすぎると、電気配線21513に過度な負荷がかけられ、断線する虞がある。また、振動装置21500の振動発生時に電気配線21513に過度な負荷がかけられる場合にも、断線する虞がある。
これに対し、本実施形態では、電気配線21513と本体部21511との連結位置を覆うようにして張出部21524が形成されているので、電気配線21513と本体部21511との連結位置が過度に変位することを防止することができる。
更に、配線通し孔21524bの手前において、凹設部21524aに保持される長さの電気配線21513が確保されているので、この長さ分は、電気配線21513に断線が生じないようにすることができる(余裕を持たせることができる)。また、電気配線21513に負荷がかけられても、電気配線21513と本体部21511との連結方向では無く、凹設部21524aに保持される電気配線21513の長さ方向(即ち、張出部21524の長尺方向)に沿って負荷がかけられるので、電気配線21513が本体部21511から抜け落ちることを回避することができる。
加えて、上述したように、電気配線21513が本体部21511から抜け落ちた場合であっても、予備孔21524cを通して細い棒を入れ込めば、容易に電気配線21513を本体部21511に再連結させることができる。従って、下皿ユニット21400を取り外す工程を含むメンテナンス作業の作業効率の向上を図ることができる。
なお、振動モータ21510を被覆部材21520に挿入する(組み付ける)工程において、電気配線21513は本体部21511に対して被覆部材21520側に配置されている。そのため、振動モータ21510を被覆部材21520に挿入する作業と同時に、電気配線21513を配線通し孔21524bに挿通する作業を行うことができるので、組立作業の効率化を図ることができる。
図295は、覆設カバー部材21530の正面図である。なお、図295の説明では、適宜、図290及び図291を参照する。覆設カバー部材21530は、正面側および下側が開放される枠を形成する本体部21531と、上述の挿通孔21532と、本体部21531の正面側に凹設され振動モータ21510を受け入れる受入凹部21533と、その受入凹部21533の左右内側面から内側に突設される突条であって前後方向に亘り延設される複数の突条部21534と、挿通孔21532の上下位置において前後方向に穿設され、覆設基礎部材21410、下皿形成部材21420及びV字意匠部材21450(図288及び図289参照)に締結固定される締結ネジを挿通可能とされる複数の挿通部21535とを備える。
受入凹部21533は、偏心錘21512を受け入れる錘受入凹部21533aと、本体部21511を受け入れる本体受入凹部21533bと、本体部21511の回転軸を左右方向の中心位置に配置する態様で錘受入凹部21533a及び本体受入凹部21533bを連結する軸受入凹部21533cとを備える。
本体受入凹部21533bは、軸受入凹部21533cに対して、右側の方が、左側に比較して余分な長さ凹設されている。逆に、突条部21534は、右側の方が、左側に比較して、余分な長さ突設されることで、突条部21534の突設先端は、軸受入凹部21533cに対して略左右対称位置に配置される。
これにより、被覆部材21520の保持態様として、振動モータ21510の非励磁状態(停止状態)においては突条部21534の突設先端で保持する一方、振動モータ21510の励磁状態(振動状態)では、本体受入凹部21533bの右側に形成される深い凹部(上下に並列配置される突条部21534間に形成される凹部)によって被覆部材21520の変形(変位、流動)に対応することができる。これにより、覆設カバー部材21530に過負荷が与えられることを防止することができ、覆設カバー部材21530の耐久性を向上することができる。
突条部21534が前後方向に沿って形成されることから、突条部21534に対して左右に当接して支持される被覆部材21520の変位は、突条部21534との係合や食い込みの影響で、前後左右(水平方向)に生じ易く、上下方向へは抑制される。
従って、偏心錘21512を本体部21511の上端に配設するような、振動発生時に本体部21511が下端を支点に傾倒動作しがちな構成においても、その振動の上下方向成分が抑制されることで、振動モータ21510の変位方向を水平方向に矯正することができる。
突条部21534は、本体部21531の左右中間部において左右側部の半分の上下幅の平面板状に形成される中間部21531a側(背面側)へ近づくにつれて突設長さが増す態様(被覆部材21520の外形に倣う態様)で形成されることから、被覆部材21520を左右および背面側から支持することができる。
加えて、突条部21534は、中間部21531aの下面を構成する中間下面21531bよりも下側において直近の突条部21534から、中間下面21531bへ向けてせり上がる奥傾斜部21534aを備える。
奥傾斜部21534aと、その真上の突条部21534との間隔は背面側へ向かう程に狭まる。そのため、上下の突条部21534同士の間隔が狭まらない場合に比較して、振動モータ21510の励磁状態において振動モータ21510が背面側へ変位し被覆部材21520が変形する場合に、奥傾斜部21534aと、その真上の突条部21534との間に入り込む被覆部材21520の部分に与えられる負荷(反力)を増大させることができる。これにより、被覆部材21520が背面側へ過度に変位することを防止することができる。
突条部21534は、完全に左右対称となる配置では無く、部分的に上下にずれて配置される。これにより、突条部21534が完全に左右対称な位置に配置される場合に比較して、被覆部材21520へ、同じ水平面上で左右両方向から負荷が与えられることを回避し易くすることができるので、被覆部材21520に与えられる圧縮負荷を小さくすることができる。
なお、突条部21534は、完全に左右対称に配置しても良い。この場合には、被覆部材21520の材料として、脆弱でない材料を選択することが好ましい。
本体部21531の背面側壁部は、下半部の形成が省略される。従って、被覆部材21520の保持態様として、本体部21531の上半部においては被覆部材21520の変位を規制する一方、本体部21531の下半部においては被覆部材21520の変位を許容する。
そのため、振動モータ21510の励磁に伴い被覆部材21520が背面側へ変位した場合、本体部21531の上半部に規制される突条部21522の上半部と、変位を許容される下半部とが、共に本体部21531の下半部において開放される領域へ進行する(流動する)ように変形させることができ、振動装置21500の振動演出を向上させるように働くが、詳細は後述する。
被覆部材21520の板状突部21523は、右側部が覆設カバー部材21530の突条部21534に下側から支持される。また、左側部は覆設カバー部材21530に対して開放される一方で、対向板部材21540の支持延設部21543に支持される(図291参照)。これにより、振動モータ21510及び被覆部材21520の自重を支えることができることに加え、被覆部材21520の下側に外方からアクセス可能な開放部を構成することができる。
即ち、被覆部材21520に対して、覆設カバー部材21530は右側後方から下部を覆い、対向板部材21540は左側前方から下部を覆う態様で被覆部材21520の下面が支持されることになるので、被覆部材21520の下部の左側後方部を開放部として開放することができる。この開放部は、張出部De3と被覆部材21520との当接を確保する箇所として機能する。
対向板部材21540は、覆設カバー部材21530の開放部側から覆設カバー部材21530に対向配置される板状の部材であって、正面側に張り出して形成される殻状張出部21541と、上述の締結部21542と、左下端部から背面側へ延設される支持延設部21543とを備える。
殻状張出部21541は、対向板部材21540と同様に肉薄で形成されており、その張出先端部と被覆部材21520との間に隙間が形成されるので、殻状張出部21541に対して押し込まれる方向(背面向き)の負荷が与えられ、殻状張出部21541が変形したとしても、被覆部材21520に大きな負荷が伝達されることを回避することができる。
図296(a)は、下皿ユニット21400の上面図であり、図296(b)は、図296(a)のCCXCVIb−CCXCVIb線における下皿ユニット21400の断面図であり、図297は、下皿ユニット21400の背面図であり、図298は、図296(a)のCCXCVIII−CCXCVIII線における下皿ユニット21400の断面図である。
図296(b)に示すように、被覆部材21520の突条部21522と底部材21Deの張出部De3とが前後方向で当接する寸法関係で構成され、振動モータ21510が非励磁状態(停止状態)とされる場合において、突条部21522に張出部De3が若干食い込む(突条部21522が若干変形している)。
張出部De3から突条部21522へ負荷が与えられることにより、振動装置21500内における振動モータ21510及び被覆部材21520の配置を前側へ寄せることができる。これにより、意図せず振動モータ21510や被覆部材21520が背面側へ寄る位置で停止することを防止することができる。
図299(a)は、下皿ユニット21400を模式的に図示する下皿ユニット21400の部分上面模式図であり、図299(b)は、図299(a)の矢印CCXCIXb方向視における下皿ユニット21400の部分側面模式図であり、図300(a)は、下皿ユニット21400を模式的に図示する下皿ユニット21400の部分上面模式図であり、図300(b)は、図300(a)の矢印CCCb方向視における下皿ユニット21400の部分側面模式図である。
図299(a)及び図299(b)では、振動モータ21510の非励磁状態と同様に、振動装置21500が振動変位の正面側限界位置に配置された状態が図示され、図300(a)及び図300(b)では、振動モータ21510が励磁状態とされ、振動装置21500が振動変位の背面側限界位置に配置された状態が図示される。即ち、振動モータ21510が励磁され、偏心錘21512が回転し振動が生じると、振動装置21500は図299に示す状態と図300に示す状態とで繰り返し変位する。なお、図300に示す状態では、偏心錘21512が本体部21531と前後方向で当接しており、直接的にも振動が伝達される。
図299及び図300を参照して、振動装置21500の振動の伝達態様について説明する。上述のように、振動装置21500は、意図的に、複数の部位が剛性の異なる部材に締結固定される。これは、振動装置21500の振動を特定の部位に効果的に生じさせることを目的とする。
詳述すると、振動装置21500の全体が固定される部材が硬すぎると、振動が抑制され過ぎる一方で、柔らかすぎると、振動が減衰され過ぎてしまう虞があることから、振動装置21500の一部を固い側の部材に固定し、その固定位置を軸として振動装置21500の他部に固定される柔らかい側の部材を振動させるように構成している。これにより、振動装置21500の他部に固定される部分を十分に変位させることができる。
即ち、振動装置21500の左側に形成される挿通部21535がV字意匠部材21450(固い側)に締結固定されると共に殻状張出部21541が連結板状部21458と当接される一方、振動装置21500の右側に形成される挿通部21535が覆設基礎部材21410(柔らかい側)に締結固定される。
そのため、振動装置21500の振動は、左側に形成される挿通部21535を固定された基準(振動の軸)として、右側に形成される挿通部21535が変位(回転変位)する態様で覆設基礎部材21410に伝達されることで、操作ハンドル51を握る遊技者の手指に近い位置を振動させることができる。
振動装置21500の振動に伴い振動装置21500が背面側へ変位すると、被覆部材21520の突条部21522が張出部De3に押し当てられる(図300参照)。これにより、突条部21522は張出部De3から正面側へ向けた負荷を受けることになるので、張出部De3が形成されていない場合に比較して振動装置21500が正面側へ復帰する勢いを増大させることができる。
また、振動装置21500が振動に伴い、左端部を軸として後方に回転する態様で変位するところ、この変位に伴い左側の板状突部21523が底部材21Deの左側面に押し当てられる(図300(a)参照)。これにより、板状突部21523は底部材21Deから右側へ向けた負荷を受けることになり、振動装置21500が左端部を軸とした回転方向前方へ復帰する勢いを増大させることができる。
振動モータ21510及び被覆部材21520が背面側へ変位した場合、覆設カバー部材21530の中間部21531に変位を規制された分の被覆部材21520の体積は中間下面21531bよりも下方へ流動可能とされることから、被覆部材21520を構成する樹脂材料を張出部De3との間に集中させることで部分的に被覆部材21520を固くすることができるので、張出部De3から受ける反力を増大させることができる。なお、張出部De3を備える底部材21Deは、前後方向の変位が想定される部材ではないので、張出部De3の変位により被覆部材21520が変形する事態は想定し難い。
これにより、振動装置21500と張出部De3との間で生じる負荷を、振動モータ21510の励磁状態において限定的に増大させることができる。この場合、操作デバイス10300の操作時や、操作デバイス10300の振動装置10366(図216参照)の振動演出時において、振動装置21500が非励磁とされる状態では、振動装置21500と張出部De3との間で生じる負荷を小さく維持することで振動装置21500側へ振動が伝達されることを抑制できる一方で、振動モータ21510の励磁状態においては、振動装置21500と張出部De3との間で生じる負荷を増大させることで振動装置21500の振動を補助する作用を大きくすることができる。
従って、振動装置21500の非励磁状態においては、被覆部材21520を介して振動装置21500へ伝達される負荷を十分に抑制できるように構成する(被覆部材21520の柔軟性を十分に発揮させる)一方で、振動装置21500の励磁状態においては突条部21522に圧縮変形(ひずみ)が生じることで、被覆部材21520を介して振動装置21500へ伝達される負荷(反力)を大きくすることができる。
一方で、突条部21522は柔軟な樹脂材料から形成される突条であるので、突条部21522が押し当てられることで張出部De3に変位が生じることを抑制することができる。従って、張出部De3に振動が伝達されることを抑制することができるので、振動装置21500の振動に伴って操作デバイス10300に振動が生じることを避けることができる。
振動装置21500の振動に伴い振動装置21500が背面側へ変位してから、正面側へ戻るように変位すると、殻状張出部21541が連結板状部21458に押し当てられる。これにより、殻状張出部21541は連結板状部21458から背面側へ向けた負荷を受けることになるので、殻状張出部21541が形成されていない場合に比較して振動装置21500が背面側へ再復帰する勢いを増大させることができる。
このように、本実施形態では、振動装置21500の前後両方向への変位を補助するように構成されるので、振動装置21500を励磁状態としてから、遊技者が体感する程度にまで振動が強くなるまでの期間を短縮することができる。
なお、上述の説明では、操作デバイス10300の操作時や、操作デバイス10300の振動装置10366の振動演出時において振動装置21500が非励磁とされる状態について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、振動装置21500の振動中に、操作デバイス10300の操作が実行されても良い。
この場合、被覆装部材21520と張出部De3との間に生じる負荷は増大することになるが、操作デバイス10300の操作に伴う張出部De3の変位方向(上下方向)と、被覆装部材21520と張出部De3との間に生じる負荷の方向とが交差することから、振動装置21500から生じる負荷と操作デバイス10300に与えられる負荷との相互作用を抑制することができる。従って、振動装置21500と操作デバイス10300とから同時に負荷が生じることで振動装置21500や操作デバイス10300が故障する事態(悪影響)の発生を回避することができる。
図301は、下皿ユニット21400を模式的に図示する下皿ユニット21400の部分上面模式図である。図301では、振動モータ21510の本体部21511が覆設カバー部材21530の軸受入凹部21533cの右端部に規制された状態、即ち、振動モータ21510が変位可能領域の右側限界位置に配置された状態が図示される。
本実施形態において、振動モータ21510は被覆部材21520を介して覆設カバー部材21530に保持されているので、被覆部材21520の変形等により振動モータ21510が覆設カバー21530に対して変位可能に構成されている。更に、上述したように、振動装置21500は左側の挿通部21535(図290参照)を基準(振動の軸)として、右側に形成される挿通部21535が変位(回転変位)するので、変位の遠心力は右向きに負荷される。
即ち、振動装置21500の振動が激しくなると、振動装置21500に生じる遠心力によって振動モータ21510が右向きに変位する(図301参照)。覆設カバー21530の右側に形成される突条部21534は、背面側端部において左方へ寄る湾曲形状に形成されているので(図295参照)、振動モータ21510が右方へ寄るほど、振動モータ21510が背面側へ変位する際に覆設カバー21530から受ける抵抗が増大する。これにより、振動モータ21510の前後方向の変位を抑制することができる。
従って、本実施形態によれば、振動モータ21510の振動が過大となった場合であっても、振動モータ21510が主な振動方向(前後方向)と交差する方向に変位することで振動を抑制する作用が生じるので、振動モータ21510の制御を行わずとも(例えば、制御による振動モータ21510の停止が実行される前から)振動を抑制することができる。これにより、振動モータ21510の過振動による不具合の発生を抑制することができる。
また、振動モータ21510の過振動に伴う振動モータ21510の変位により振動を抑制可能に構成することで、振動モータ21510の過振動による変位を検出するための検出センサの配置を不要とすることができる。これにより、本実施形態における下皿ユニット21400の製品コストを低減することができると共に、検出センサの配設を省略することで空いた領域を、配線が通ったり、振動モータ21510から生じる熱を放散したりするための空間として有効利用することができる。
次いで、図302から図381を参照して、第22実施形態について説明する。上記第1実施形態では、主に遊技機枠について説明したが、第22実施形態では、窓部14cを通して視認される動作ユニットA300について説明する。
図302は、第22実施形態におけるパチンコ機A10の遊技盤A13の正面図である。図302に示すように、遊技盤A13は、正面視略正方形状に切削加工したベース板A60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車(図示せず)の他、レール61,62、一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口640、可変入賞装置65、スルーゲート67、可変表示装置ユニットA80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12(図1参照)に固定される。
ベース板A60は光透過性の樹脂材料からなり、その正面側からベース板A60の背面側に配設された各種構造体を遊技者に視認させることが可能に形成される。一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口640、可変表示装置ユニットA80は、ルータ加工によってベース板A60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤A13の正面側からタッピングネジ等により固定されている。
遊技盤A13の正面中央部分は、正面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の正面側から視認することができる。以下に、主に図302を参照して、遊技盤A13の構成について説明する。
遊技盤A13の正面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤A13の正面外周が囲まれ、遊技盤A13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤A13の正面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤A13の正面であって2本のレール61,62とレール間を繋ぐ樹脂製の外縁部材A73とにより区画して形成される領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
なお、本実施形態では、外縁部材A73に金属製の金属板状部材75(図308参照)が組み込まれることにより遊技盤A13及び外縁部材A73を合わせた強度(剛性)が強化するよう構成されているが、詳細は後述する。
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。本実施形態では、配置ごとに一般入賞口63を配設する狙いが異なっている。以下、このことについて説明する。
本実施形態では、通常中の遊技では、第3図柄表示装置81の左側を通るルートで第1入賞口64へ球を入賞させることを狙って球の発射を行うことになるが、第1入賞口64に到達することなく第1入賞口64の左側の領域を流下する球の一部が、遊技領域の左側に配設される一般入賞口63に入賞する。即ち、遊技領域の左側に配設される一般入賞口63は、通常中の遊技に影響を与えることを狙って配設されている。例えば、この一般入賞口63への入賞可能性が高いほど、通常中に、少ない個数の球で第1入賞口64への入賞回数を多く発生させ易くなる。
一方で、時短中または確変中の遊技では、第3図柄表示装置81の右側を通るルートで第2入賞口640へ球を入賞させることを狙って球の発射を行うことになるが、第2入賞口640に到達することなく第2入賞口640の右側の領域を流下する球の一部が、遊技領域の右側に配設される一般入賞口63に入賞する。即ち、遊技領域の右側に配設される一般入賞口63は、確変中または時短中の遊技に影響を与えることを狙って配設されている。例えば、この一般入賞口63への入賞可能性が高いほど、確変中や時短中の球減りを抑制することができる。
球減りを抑制することで、確変中にタイミングよく球の発射を止める発射態様で遊技をしなくとも(打ちっぱなしでも)、上皿17に保持された球が無くなる前に次の大当たりを獲得し易くなるので、遊技に伴い遊技者が受けるストレス(疲労感)を低減することができる。そのため、確変中に次の大当たりまでの回転数が頻繁に多くなる(例えば、100回転以上になる)場合であっても、遊技者に快適に遊技を実行させることができる。
特別遊技状態における遊技では、第3図柄表示装置81の右側を通るルートで特定入賞口65aへ球を入賞させることを狙って球の発射を行うことになるが、第2入賞口640の右側の領域を流下する球の一部が、特定入賞口65a側(左側)ではなく、一般入賞口63側(右側)へ流下し、一般入賞口63aへ入賞する。この一般入賞口63への入賞に伴う賞球は、特定入賞口65aへの賞球とは別の賞球として払い出されるので、遊技者は、特別遊技状態の終了までに、その特別遊技状態により予定される特定入賞口65aへの入賞個数に基づく賞球に加えて、一般入賞口63への入賞個数に基づく賞球を得ることができる。
即ち、遊技領域の右側に配設される一般入賞口63は、特別遊技状態において遊技者が獲得可能な払い出し賞球個数を増大させることを狙って配設されている。ここで、一般入賞口63への入賞個数が多くなるほど、特定入賞口65aへの入賞の時間効率が下がることから、特別遊技状態が終了するまでの経過時間が長くなる傾向になる。換言すれば、この一般入賞口63の配設箇所、配設個数および上流側流路の設計により、特別遊技状態のラウンド数やカウント数(ラウンド毎の規定入賞個数)が制御上同一であっても、特別遊技状態の終了までに要する時間(長短)や、遊技者に払い出される賞球個数(多少)を異ならせることができる。
なお、特別遊技状態において第3図柄表示装置81に払い出し賞球個数に対応する数字を表示する場合の表示態様は何ら限定されるものではない。例えば、特定入賞口65aへの入賞に基づく払い出し賞球個数と一般入賞口63への入賞に基づく払い出し賞球個数とを分けて表示しても良いし、特定入賞口65aへの入賞に基づく払い出し賞球個数と一般入賞口63への入賞に基づく払い出し賞球個数とを合計した数字を表示しても良いし、それらを組み合わせて表示しても良い。
上述した通り、確変中および時短中は、通常中と比して第2図柄の当たり確率が高く、また、第2図柄の変動表示にかかる時間も短いので、第2図柄の変動表示において「○」の図柄が表示され易くなって、電動役物640aが開放状態(拡大状態)となる回数が増える。更に、確変中および時短中は、電動役物640aが開放される時間も、通常中より長くなる。よって、確変中および時短中は、通常時と比して、第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態を作ることができる。
ここで、第1入賞口64に球が入賞した場合と第2入賞口640へ球が入賞した場合とで、大当たりとなる確率は、低確率状態であっても高確率状態でも同一である。しかしながら、大当たりとなった場合に選定される大当たりの種別として15R確変大当たりとなる確率は、第2入賞口640へ球が入賞した場合のほうが第1入賞口64へ球が入賞した場合よりも高く設定されている。一方、第1入賞口64は、第2入賞口640にあるような電動役物は有しておらず、球が常時入賞可能な状態となっている。
よって、通常中においては、第2入賞口640に付随する電動役物640aが閉鎖状態にある場合が多く、第2入賞口640に入賞しづらいので、電動役物のない第1入賞口64へ向けて、可変表示装置ユニットA80の左方を球が通過するように球を発射し(所謂「左打ち」)、第1入賞口64への入賞によって大当たり抽選の機会を多く得て、大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
一方、確変中や時短中は、スルーゲート67に球を通過させることで、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放状態となりやすく、第2入賞口640に入賞しやすい状態であるので、第2入賞口640へ向けて、可変表示装置80の右方を球が通過するように球を発射し(所謂「右打ち」)、スルーゲート67を通過させて電動役物640aを開放状態にすると共に、第2入賞口640への入賞によって15R確変大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
なお、本実施形態におけるパチンコ機A10は、遊技盤A13の構成が左右非対称とされ、遊技状態に応じて球を左右で打ち分けることが要求されたが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、遊技盤A13の構成を左右対称としても良い(図302参照)。この場合、「右打ち」で第1入賞口64を狙うことも、「左打ち」で第2入賞口640を狙うこともできる。そのため、遊技状態(確変中であるか、時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えさせることを不要にできる。よって、球の打ち方を変化させる煩わしさを解消することができる。
なお、本実施形態では、音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、その他装置228、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている(図4参照)。その他装置228には、駆動モータAMT1や、駆動モータAMT2や、演出ユニットA710を昇降動作させるための駆動モータ等が含まれる。
図303は、内枠12に対して正面枠14を開放(展開)した状態を示すパチンコ機A10の正面斜視図であり、図304は、正面枠14を取り外した状態におけるパチンコ機A10の正面斜視図である。なお、図304では、内枠12から遊技盤A13が分離された状態が図示され、図303及び図304では、便宜上、遊技盤A13の内部構成の符号を省略している。
次いで、図305から図323を参照して、遊技盤A13及び動作ユニットA300の構造について説明する。図305は、遊技盤A13、センターフレームA86、抽選ユニットA600及び動作ユニットA300の分解正面斜視図であり、図306は、遊技盤A13、センターフレームA86、抽選ユニットA600及び動作ユニットA300の分解背面斜視図である。なお、図305及び図306では、遊技盤A13の右側面の一部が拡大視される。また、図305及び図306の説明においては、図302を適宜参照する。
センターフレームA86は、光透過性の樹脂材料から形成され、遊技盤A13に穿設される貫通孔13aに正面側から嵌合され周縁部付近で締結固定される環状部材であって、遊技盤A13に覆設される覆設部86hと、左側部において球を振分可能に覆設部86hから正面側へ延設される振分延設部86aと、上端部から左方へ向けて下降傾斜する形状で覆設部86hから正面側へ延設される左傾斜部86bと、上端部から右方へ向けて下降傾斜する形状で覆設部86hから正面側へ延設される右傾斜部86cと、その右傾斜部86cの下側端部に連結され返しゴム69と対向配置される位置から下方へ延びる態様で覆設部86hから正面側へ延設される右流路形成壁部86dと、その右流路形成壁部86dの前後幅に亘る突条として流路側(右側)へ突設される複数の横突条部86eと、その横突条部86eと互い違い(てれこ)となる位置関係で右流路形成壁部86d及び外縁部材A73の間の領域の流路幅に亘る突条として覆設部86hから流路側(正面側)へ突設される複数の前突条部86fと、右流路形成壁部86dの下端部から下方へ延設され貫通孔13aの右下隅部をその他の部分と分離可能に構成される分離壁部86gと、を主に備える。
図307(a)は、図302の範囲A5aにおける遊技盤A13の拡大正面図であり、図307(b)は、図307(a)のCCCVIIb−CCCVIIb線における遊技盤A13の部分断面図である。
遊技者が操作ハンドル51を強度に右回転し、右打ち遊技をする場合、球は、右流路形成壁部86dと外縁部材A73との間を流下する。図307(a)に示すように、右流路形成壁部86dと外縁部材A73との間の間隔は球が流下可能な間隔(球の直径が11mmであるのに対し、間隔は約16mmという若干の隙間を有する長さ)となるように設定されるので、球は右流路形成壁部86d又は外縁部材A73に接触しつつ流下することになる。
より詳細に説明すると、返しゴム69に到達した球は、返しゴム69からの反力で遊技領域の左右中央側へ跳ね返され、右流路形成壁部86dに衝突する。右流路形成壁部86dが右方へ向かうほど下降傾斜する傾斜壁として形成されているので、自重で流下する球は右流路形成壁部86dを転がるように流下しようとする。
流下の過程において、球は横突条部86eに乗り上げる。本実施形態では、横突条部86eの突設長さが約2mm(球の直径の20%弱の長さ)、配設間隔が16mm(流路幅と同様の長さ)で設計されるので、流下する球の減速と、球詰まりの発生の防止とをバランスよく達成することができる。
加えて、本実施形態では、複数の横突条部86eの中間位置において、前突条部86fが横突条部86eと同様の突設長さ(2mm)で形成される。これにより、突条部の形成間隔を流路幅の半分として減速作用を向上させながら、球詰まりの発生を防止し易くすることができる。
通常、パチンコ機A10が遊技店に設置される際には、垂直の状態から奥側へ若干(1度弱程度)寝かせて設置される。そのため、覆設部86hは正面側へ向かうほど下降傾斜する傾斜壁として配設されることになり、自重で流下する球は覆設部86hを転がるように流下しようとする。このように構成されることから、ガラスユニット16側(正面側)から流路へ向けて突設部を形成する場合に比較して、覆設部86hから突設される前突条部86fと球との衝突を良好に生じさせることができる。なお、図307(b)では、傾斜を把握し易くするために、遊技盤A13の傾斜角度が通常よりも大きく図示される(約5度)。
分離壁部86gは、抽選ユニットA600と対向配置される壁部であり、貫通孔13aの領域の内、抽選ユニットA600が配設される領域を閉塞し分離する役割を持つ。以下、抽選ユニットA600の遊技盤A13への組み付けについて説明する。
抽選ユニットA600が配設される領域において、遊技盤A13の貫通孔13aには、センターフレームA86を受け入れる略円形部から右方へ張り出す小凹部13bと、その小凹部13bの下方において右下方へ張り出す大凹部13cとが形成される。このように、抽選ユニットA600の配設領域としての小凹部13b及び大凹部13cを、貫通孔13aのセンターフレームA86を受け入れる開放部とつながる凹設部として形成することによって、独立の貫通孔を複数形成する場合(境界を形成する部分の幅として必要となる領域を占める場合)に比較してセンターフレームA86や抽選ユニットA600の配設領域として利用できる領域を広く確保することができる。なお、抽選ユニットA600の詳細については後述する。
図305及び図306に示すように、動作ユニットA300は、底壁部A311と、その底壁部A311の外縁から立設される外壁部A312とから正面側が開放された箱状に形成される背面ケースA310を備える。
背面ケースA310は、底壁部A311の中央に矩形状の開口A311aが開口形成されることで、正面視矩形の枠状に形成される。開口A311aは、第3図柄表示装置81の表示領域の外形(外縁)に対応した(即ち、第3図柄表示装置81の表示領域を正面視で区切ることが可能な)大きさに形成される。
動作ユニットA300は、背面ケースA310の内部空間に、略同等の構成の可動装置が内部空間の上側周縁部を覆う態様で配設される複数の第1動作ユニットA400と、その第1動作ユニットA400の配設が省略される下側において配設される第2動作ユニットA700とがそれぞれ収容され、これを1ユニットとして構成される。
具体的には、第1動作ユニットA400は、開口A311aの上側および左右側となる位置において、第2動作ユニットA700は、開口A311aの下方となる位置において、それぞれ背面ケースA310の底壁部A311に配設される。なお、図305及び図306では、第1動作ユニットA400及び第2動作ユニットA700が背面ケースA310に装着された状態が図示される。
背面ケースA310は、外壁部A312の正面側端部に遊技盤A13の背面に沿う(例えば、平行に配置される)平面板として延設され、組立状態(図304参照)において遊技盤A13を面支持する支持板部A313を備える。
支持板部A313は、遊技盤A13の背面から背面側へ向けて突設される円柱状部であって中央に雌ネジ部が形成される締結凸部13dを位置決め可能な形状で突設される位置決め凸部A313aを備え、その位置決め凸部A313aの略中心位置(締結凸部13dの雌ネジと合致する位置)には締結凸部13dに螺入される締結ネジを挿通可能な大きさの挿通孔A313bが穿設されている。
即ち、締結凸部13dを位置決め凸部A313aにより位置決めし、締結ネジを締結凸部13dに螺入することにより、遊技盤A13と動作ユニットA300とを一体的に固定することができるので、遊技盤A13及び動作ユニットA300の全体としての剛性の向上を図ることができる。
なお、位置決め凸部A313aの形状は何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、締結凸部13dの外形(本実施形態では、円形)よりも若干大きな内径の円環形状に沿う形状の凸部でも良いし、組み付け時の作業性を考慮して、支持板部A313が形成される方向に沿う長円形状に沿う凸部でも良い。また、締結凸部13dが矩形の柱状に形成される場合には、それに対応して位置決め凸部A313aの形状も矩形状に沿う形状とされることは当然想定される。
図305及び図306に示すように、本実施形態では、背面ケースA310の左側および上側に支持板部A313が多く配設され、右側および下側では支持板部A313の形成が少なくされるが、これは遊技盤A13及び動作ユニットA300の全体としての剛性の向上と、スペース効率とのバランスを考慮して設計した結果である。
即ち、本実施形態のように遊技盤A13を光透過性の樹脂材料から形成する場合、遊技盤A13の背面側に配設される可動部材は遊技盤A13を通して視認可能となるので、可動部材を配設する演出用の領域として遊技盤A13の背面側全体が有効となる。これに対し、支持板部A313を形成する箇所においては、支持板部A313の正面視における面積の分だけ背面ケースA310の内部空間が内側に侵食されることになるので、その分、可動部材を配設可能な領域が狭まることになる。そのため、支持板部A313を省略しても強度的な問題が解消されたまま維持可能であれば、支持板部A313を省略することで可動部材の配設範囲が制限されることを回避できるということである。
本実施形態において背面ケースA310の左側および上側に支持板部A313が多く配設されているのは、遊技領域等の発射された球を遊技者が視認可能な領域の範囲と関連がある。即ち、発射された球が視認される範囲以外の箇所において、支持板部A313を形成している。
より詳しく説明すると、本実施形態において、発射装置112a(図304)から発射された球は、内レール61及び外レール62の間を通り、戻り球防止部材68を通過するようにして遊技領域に導入され、それ以降は遊技領域を流下するように構成される。弾球遊技において、もっとも注目が集まると考えられる箇所は球が通る箇所であり、その他の外方領域(例えば、外レール62や内レール61を挟んで第3図柄表示装置81の反対側の領域)への注目力は低いことが通常である。
そのため、球が到達し得ない範囲としての、外レール62により形成される左に凸の円弧を基準とした左下部および左上部と、上に凸の円弧を基準とした左上部および右上部とへの遊技者の注目力は低くなると考えられる。
加えて、本実施形態では、上述の外縁部材A73と、外レール62の左下部および左上部における外レール62に対する面が外レール62に沿う形状に形成され遊技盤A13の正面側に配設されるブロック状部材74とは、光不透過の樹脂材料から形成されるので、遊技盤A13の正面側から外縁部材A73やブロック状部材74を介して遊技盤A13の背面側を視認することはできないように構成されている。
本実施形態では、これらの注目力が低くなる箇所や、視認不能な箇所に、優先的に支持板部A313を配設している。現に、支持板部A313が多く形成される左側部および上側部においても、支持板部A313は、外レール62の張出端部としての中央部は避けて、背面ケースA310の隅部付近に形成される。
換言すれば、支持板部A313を形成することによりスペースが侵食される箇所を、そもそも視認性の低い(演出能力の低い)箇所から選択することにより、動作ユニットA300及び遊技盤A13全体の剛性の確保を図るという効果を奏しながら、球に注目する遊技者の視界に入る領域は依然として広く確保することができる。
この観点において、球発射ユニット112aにより発射された球を外レール62に沿って転動させ遊技領域に導入するというパチンコ機に共通の構成があることから、球が流下しない範囲を左下部、左上部および右上部に求めることは容易である。一方で、その球の運動エネルギーを一端吸収し、その後の流下の態様を調整可能な部分としての返しゴム69の下流側においては、球が流下しない共通の範囲を特定することは困難である。
即ち、返しゴム69の下流では、遊技領域の外縁を形成する部材との関係だけでは無く、抽選ユニットA600や可変入賞装置65の構成や状態に応じて球の流下経路が変化することになるので、遊技盤A13側の仕様が決まるまで支持板部A313の配置箇所を決定することができなくなる。
パチンコ機A10の出球性能に関わる遊技盤A13の構成に比較して、動作ユニットA300は自由に設計できることから、動作ユニットA300の設計の方が遊技盤A13の設計に比較して先に進行することが通常であり、また、これによって動作ユニットA300の内部構成を入念に作り込むことができる。仮に、遊技盤A13の仕様変更(構成変更)が開発スケジュールの終盤に発生した場合、それによって支持板部A313の位置を変更することになると、背面ケースA310だけでなく、動作ユニットA300の内部空間に配設される他の装置の設計変更を招くことになり、設計変更のコストが大きくなる。
これに対し、本実施形態では、返しゴム69の下流に対応する位置において支持板部A313の形成を省略している。これにより、遊技盤A13の仕様変更(構成変更)によって支持板部A313の配置を変化させる事態が発生することを回避することができる。
加えて、返しゴム69の下流の領域において背面ケースA310の内部空間が支持板部A313に侵食されることを避け、演出用の第1動作ユニットA400を配設するための十分なスペースを確保することができると共に、球が流下する経路と第1動作ユニットA400が配設される範囲とを前後で重ねることができることから、球に注目する遊技者の視界に第1動作ユニットA400を自然に入り込ませることができる。
また、本実施形態では、外縁部材A73の背後位置に形成される支持板部A313は、外壁部A312の右側最外端よりも内側(左側)に形成されている。一方で、背面ケースA310の左側部に形成される支持板部A313は、外壁部A312の左側最外短よりも外側(左側)に形成されている。即ち、支持板部A313の形成態様(外壁部A312に対する形成方向)が左右非対称とされる。
これにより、外壁部A312の左側最外端と遊技盤A13の左側端部との距離に比べて、外壁部A312の右側最外端と遊技盤A13の右側端部との距離を短くすることができるので、背面ケースA310の内部空間の右端を、遊技盤A13の右端に寄せることができる。
右側の外壁部A312は、支持板部A313を除き遊技盤A13と対向配置される面が形成されておらず、正面側の縁部が遊技盤A13の背面と当接する。換言すれば、右側の外壁部A312は、遊技盤A13に対して線接触で当接する。
右側の外壁部A312の略下半部には、背面側へ向けて切り欠かれる(切欠き形成される)切り欠き部A312aを備える。この切り欠き部A312aは、抽選ユニットA600の上端縁よりも下方において切り欠かれており、組立状態(図304参照)において、遊技盤A13との間に隙間を形成する。
このように切り欠き部A312aが形成されることにより、以下のような効果を奏することができる。例えば、切り欠き部A312aにより形成される隙間を、抽選ユニットA600や、可変入賞装置65に連結される配線が背面ケースA310の外方へ通過する配線通しとして機能させることができる。これにより、配線を上下へ引き回す場合に比較して、配線が第1動作ユニットA400や第2動作ユニットA700側と干渉する可能性を低くすることができる。
また、切り欠き部A312aにより形成される隙間を、抽選ユニットA600や可変入賞装置65に必要となる構成の配置スペースとして利用することができる。なお、抽選ユニットA600や可変入賞装置65に必要となる構成としては、例えば、駆動力を発生させるソレノイドや、球を流す流路や、発光演出に伴う基板や、球を検出する検出センサや、その他構造物等が例示される。本実施形態では、抽選ユニットA600の第2入賞口640に入賞した球が排出される排出路ERが切り欠き部A312aと遊技盤A13との間の隙間を通るようにして構成される(図317参照)。
また、切欠き部A312aの近傍にLED等の発光手段を配置することで、その発光手段から照射される光を、輪郭のぼやけた光として遊技者に視認させ易くすることができる。換言すると、背面ケースA310の全周が遊技盤A13と連結されている場合(遊技盤A13の背面側から照射される光の境界が背面ケースA310の形状に沿って形成される場合)に比較して、遊技盤A13を通して視認される光の境界を曖昧にすることができる。これにより、遊技盤A13を通して視認される光の境界が背面ケースA310の形状に依存することを避けることができ、発光演出の自由度を向上することができる。
なお、切り欠き部A312aの形成長さ(上下方向長さ)は何ら限定されるものではない。例えば、上下の支持板部A313の間の全領域(上下幅)に亘って切り欠き部A312aが形成されるようにしても良い。
上述したように、本実施形態では、背面ケースA310の右側部において遊技盤A13との締結固定が省略されるので、遊技盤A13の右側部における剛性を考えるにあたり、動作ユニットA300の剛性に頼ることはできない。
この対策として、本実施形態では、遊技盤A13の右端部に対応する位置において外縁部73に金属製の金属板状部材75が配設される。以下、金属板状部材75について説明する。
図308は、遊技盤A13、外縁部材A73及び金属板状部材75の分解正面斜視図であり、図309は、遊技盤A13、外縁部材A73及び金属板状部材75の分解背面斜視図である。なお、図308及び図309では、理解を容易とするために、遊技盤A13が単体で図示され、遊技盤A13に配設される他の部材の図示が省略される。
外縁部材A73は、樹脂材料から形成され、上側部を構成し内側面が円弧形状とされる円弧壁部73aと、その円弧壁部73aの下端部から下方へ向けて薄壁状に延設される縦壁部73bと、その縦壁部73bの下端部から左方へ向けて下降傾斜する上面を有して形成される傾斜壁部73cと、を備える。このように、外縁部材A73を、上下方向のほぼ全域を覆う単一の部材で構成することで、外縁部材A73が上下に分かれる複数の部材から形成される場合に比較して、外縁部材A73の遊技盤A13への組み付け工数を少なくすることができる。
縦壁部73bは、右面部に沿って背面側へ板状に突設される複数の板状突設部73b1と、右面部の正面側縁部から上下方向視コ字状に折曲形成される複数の折曲部73b2と、円弧壁部73a及び傾斜壁部73cとの継ぎ目部分において背面側へ円柱状に突設される円柱突設部73b3と、その円柱突設部73b3に併設され締結ネジを螺入可能に形成される締結部73b4と、を備える。
折曲部73b2は、板状突設部73b1の配設間隔の中間位置に配置される。これにより、後述する金属板状部材75との関係において、金属板状部材75に形成される継ぎ目貫通部75cの形成個数の抑制を図りながら、縦壁部73bに対する金属板状部材75の保持力を向上させることができる。
換言すれば、3箇所の板状突設部73b1のみで金属板状部材75の湾曲に抵抗する場合に比較して、板状突設部73b1と、折り曲げ部73b2とで金属板状部材75の湾曲に対する抵抗力を生じさせることができるので、一箇所に発生する負荷を低減することができる。加えて、板状突設部73b1及び折り曲げ部73b2が等間隔で配設されることで、金属板状部材75の湾曲発生時に生じる負荷を均等に割り当てることができるので、いずれか一か所に過大な負荷が生じることを防止することができる。
金属板状部材75は、短手方向が複数回折り返される一方、長手方向には折り目無く形成される本体板部75aと、その本体板部75aの背面側縁において左方へ折曲形成される折曲部75bと、本体板部75a及び折曲部75bとの継ぎ目部分に前後方向へ貫通形成される複数の継ぎ目貫通部75cと、折曲部75bの上下端部において前後方向に貫通形成される貫通孔75dと、その貫通孔75dの形成された板部に併設され正面側へ段付けされた板部に締結ネジが挿通可能に穿設される挿通孔75eと、を備える。
金属板状部材75は、本体板部75aの折り目の付き方に加えて、折曲部75bが上下方向に亘って形成されることから長尺方向の湾曲に特に強い抵抗を発生させる。そのため、長尺方向で湾曲し易い縦壁部73bと一体的に配設することで、縦壁部73bを効率的に補強することができる。
継ぎ目貫通部75cは、縦壁部73bの板状突設部73b1を挿通可能な大きさで形成される。本実施形態では、継ぎ目貫通部75cに板状突設部73b1を挿通させることで、縦壁部73bと金属板状部材75を一体化することができるように形成される。
金属板状部材75を縦壁部73bに一体化するように組み付けると、本体板部75aの正面側縁は折曲部73b2と縦壁部73bの外側面との間に挟まれ、円柱突設部73b3が貫通孔75dに挿通される。このように、金属板状部材75と縦壁部73bとは、上下方向に亘り複数箇所で互いに位置決めされる。この状態で、挿通孔75eに挿通した締結ネジを締結部73b4に螺入することで、外縁部材A73と金属板状部材75とを締結固定することができる。
上記構成から、金属板状部材75は縦壁部73bの上下に亘って配設されるので、縦壁部73bの全体を補強することができる。ここで、縦壁部73bの板状突設部73b1及び円柱突設部73b3は、金属板状部材75を突き抜け、背面側まで延びており、その先端部は遊技盤A13に係合する。以下、金属板状部材75と遊技盤A13との係合について説明する。
遊技盤A13は、正面の右側縁に板状突設部73b1を受け入れ可能に凹設される複数の凹設部13eと、その凹設部13eの上側および下側において円柱突設部73b3を受け入れ可能な上下に長い長孔として貫通形成される複数の位置決め孔13fと、を備える。
外縁部材A73及び金属板状部材75が一体化した状態で遊技盤A13に組み付けられると、板状突設部73b1が凹設部13eに、円状突設部73b3が位置決め孔13fに、それぞれ受け入れられ、位置決めされる。即ち、板状突設部73b1及び円状突設部73b3は、金属板状部材75との位置決めだけでなく、遊技盤A13との位置決めにも兼用される。これにより、位置決め個数の低減を図ることができる。
本実施形態では、上述のように、金属板状部材75が縦壁部73bの湾曲を抑制するように組み付けられるので、縦壁部73bに単体で十分な剛性を付与する必要が無く、縦壁部73bを、単体では容易に左右方向へ湾曲する程に薄く形成することができる。
更に、金属板部材75の剛性により遊技盤A13の変形を抑制できる(剛性を向上することができる)ので、遊技盤A13と背面ケースA310(図306参照)とを離した状態においても、遊技盤A13の形状を維持することができる。これにより、図309に示すように、遊技盤A13の右端位置において、締結凸部13dの形成を省略することができる。
従って、遊技盤A13の右端との距離が短い位置(右端に極めて近い位置)に小凹部13bや大凹部13cの右縁を配置することができる。これにより、遊技盤A13に対する貫通孔13a、小凹部13b及び大凹部13cの右側限界位置を、より右側へ移動させることができると共に、その開口形状を大きくすることができる。
この場合、上下幅および左右幅が同じ長さの遊技盤A13と、同じ開口の大きさのセンターフレームA86とを利用して遊技領域を形成する場合に、遊技盤A13に対する遊技領域の右端を右方へ移動させることができるので、センターフレームA86の左側の領域を広げることができる。即ち、左打ちの際に遊技球が流下する経路の設計自由度(釘の位置、球案内流路、球通過口の位置等の設計自由度)を向上することができる。
更に、右打ち遊技の際に球が流下する不図示の振分装置(例えば、球の到達順に経路を切り替えて流下させる装置)や、抽選ユニットA600や、可変入賞装置65(図305参照)の配設領域を大きく確保することができるので、不図示の振分装置、抽選ユニットA600及び可変入賞装置65の設計自由度を向上することができる。
図310は、抽選ユニットA600の分解正面斜視図であり、図311は、抽選ユニットA600の分解背面斜視図である。抽選ユニットA600は、上述した電動役物640aと、その電動役物640aが開放状態となるか閉鎖状態となるかによって球が通過可能な状態と通過不能な状態とが切り替えられる第2入賞口640を構成する組立体である。
抽選ユニットA600は、第2入賞口640が貫通形成され正面側に球が流下する流下経路を構成し遊技盤A13(図305参照)に締結固定される本体部材A610と、その本体部材A610の背面側に回転可能に軸支され電動役物640aと係合する係合部材A620と、その係合部材A620を動作させる駆動力を発生する駆動装置ユニットA630と、本体部材A610の正面側に配置され球の流下経路を規定する覆設部材A650と、本体部材A610の背面側に配設され球の流下経路に対応する領域に光を照射する主照射装置A660と、本体部材A610の背面側に配設され覆設部材A650によって視認性が低くされる領域であって球の流下経路とは異なる領域に光を照射する補助照射装置A670とを備える。
本体部材A610は、遊技盤A13の正面と平行な平面を正面側に有する本体板部A611と、その本体板部A611の左縁部から正面側へ壁状に延設される左延設壁部A612と、本体板部A611の右縁部を含む位置から正面側へ壁状に延設される右延設障害壁部A613と、第2入賞口640を背面視で囲う矩形枠状に背面側へ延設される延設矩形枠A614と、その延設矩形枠A614の内側の第2入賞口640の上方において背面側へ突設される突設受け部A615と、延設矩形枠A614の右辺部を含む枠状で背面側へ延設される主発光保持枠A616と、延設矩形枠A614の左方において枠状で背面側へ延設される補助発光保持枠A617と、を備える。
本体板部A611の上端位置には、スルーゲート67が挿通固定されている。即ち、本実施形態では、抽選ユニットA600の内部へ進入しようとする球の少なくとも一部が、スルーゲート67を通過して下流へ流れる。
左延設壁部A612は、センターフレームA86の分離壁部86g(図305参照)と対向配置される壁部である。即ち、組立状態(図304参照)において、センターフレームA86の分離壁部86gと左延設壁部A612とが係合(当接)し、剛性を確保することになる。これにより、貫通孔13aをセンターフレームA86も抽選ユニットA600も共に入る十分大きな形状で形成しながら、センターフレームA86及び抽選ユニットA600の位置ずれを抑制する態様で安定して保持することができる。
右延設障害壁部A613は、球の転動面を構成する壁部である。即ち、抽選ユニットA600を流下する球は、右延設障害壁部A613の上面を転動して下流へ流れる。
延設矩形枠A614は、係合部材A620を回転可能に軸支する部位として穿設される軸支孔A614aを備え、その延設端縁が駆動装置ユニットA630の正面側端部を受け入れ可能な形状から形成される。即ち、延設矩形枠A614の延設端に駆動装置ユニットA630の正面側端部が組み付けられた状態で締結することで、駆動装置ユニットA630が延設矩形枠A614に固定される。
突設受け部A615は、係合部材A620や、駆動装置ユニットA630の駆動装置としての電磁ソレノイドASOLの動作部材A632と当接可能に構成され、その移動終端位置を規定する部分であるが、詳細は後述する。
主発光保持枠A616は、主照射装置A660から照射される光の外枠を構成する枠であり、その内側に締結ネジが挿通される挿通孔A616aが穿設される。この挿通孔A616aに挿通される締結ネジは覆設部材A650の締結部A652aに螺入されるが、後述するように、締結部A652aは、覆設部材A650の低透過範囲A651bと正面視で重なる位置に形成される。これにより、挿通孔A616aに挿通される締結ネジが正面視で視認され難くすることができ、抽選ユニットA600の意匠を損なうことを回避することができる。
補助発光保持枠A617は、補助照射装置A670から照射される光の外枠を構成する枠であり、覆設部材A650の低透過範囲A651bと正面視で重なる位置に形成される。
係合部材A620は、延設矩形枠A614の軸支孔A614aに回転可能に軸支され、回転先端部に配置される爪状部A622と電動役物640aとが係合するように構成される。これにより、係合部材A620の姿勢の変化に伴って、電動役物640aの状態(開放状態または閉鎖状態)の変化が生じるように構成される。次いで、図312を参照して係合部材A620の詳細について説明する。
図312(a)は、係合部材A620を回転軸J1方向から視認した係合部材A620の側面図であり、図312(b)は、図312(a)の矢印CCCXIIb方向視における係合部材A620の正面図であり、図312(c)は、図312(b)のCCCXIIc−CCCXIIc線における係合部材A620の断面図である。
係合部材A620は、可撓性を有する樹脂材料から形成され、回転軸J1と交差(直交)する板状部から構成される一対の回転腕部A621と、その回転腕部A621の回転先端にC字の爪状に形成される爪状部A622と、回転軸J1を中心とする円柱状に回転腕部A621から突設される一対の突設軸部A623と、回転腕部A621の回転基端側から径方向に延設される棒状部であって、その延設端で相手側へ向けて湾曲した後に結合される態様で正面視U字形状に形成される基端側連結棒部A624と、回転腕部A621の回転先端側から基端側連結棒部A624と平行な方向に延設される棒状部であって、その延設端部で相手側へ向けて湾曲した後に結合される態様で正面視U字形状に形成される先端側連結棒部A625と、を備える。
一対の回転腕部A621は、球の直径よりも大きな間隔を空けて対向配置される。これにより、回転腕部A621の間を球が通過するように球の流路を形成することができるので(図313参照)、抽選ユニットA600で構成する球の流下経路の設計自由度を向上することができる。
基端側連結棒部A624は、棒の長尺方向に沿って略同一の断面形状から形成される本体棒部A624aと、その本体棒部A624aの中間位置において先端側連結棒部A625側へ突設される突設規制部A624bと、を備える。突設規制部A624bは、係合部材A620の過回転を規制するための部分として構成されるが詳細は後述する。
先端側連結棒部A625は、回転軸J1と平行に延びる棒状部A625aにおいて、断面形状が基端側連結棒部A624とは異なるように形成される。即ち、棒状部A625aは、回転腕部A621と対向する側の面が、回転腕部A621との間隔を維持する平面状に形成される一方、回転腕部A621の反対側の面が、回転先端側へ向かう程に回転腕部A621から離れる方向へ向けて傾斜する傾斜面A625bとして形成される。即ち、棒状部A625aは、回転先端側へ向かう程に厚みが増し、剛性が高くなる(変形抵抗が増加する)ように形成される。
加えて、棒状部A625aは、回転腕部A621の反対側の面が、回転軸J1方向中央側へ向かうにつれて、回転腕部A621と対向する側の面へ向けて近づく態様で傾斜する態様で凹設される凹設面A625cとして形成される。
この凹設面A625cは、傾斜面A625bの傾斜に沿って凹設される。即ち、傾斜面A625bの傾斜方向視で視認した場合、先端側連結棒部A625の厚み方向(回転腕部A621と対向する側の面の幅方向)のみが違う凹設面A625cの各点が同じ点として視認される。
凹設面A625cは、駆動装置ユニットA630の動作部材A632を受け入れ可能となるように、動作部材A632の形状に対応して凹設されるが、詳細は後述する。
図313は、本体部材A610、係合部材A620及び駆動装置ユニットA630の分解背面斜視図である。図313では、係合部材A620が本体部材A610の軸支孔A614aに軸支された状態が図示される。
本体部材A610への係合部材A620の組み付けは、係合部材A620に圧縮力を負荷し変形させた状態で延設矩形枠A614の内側へ嵌め入れ、軸支孔A614aと係合部材A620の突設軸部A623との位置を合わせた状態で負荷を取り除き変形を解除することで実行される。
即ち、係合部材A620を回転軸J1方向から指で挟むようにしてつかみ、圧縮力を加え、突設軸部A623の配置幅が延設矩形枠A614の内幅よりも短くなる程度まで変形させてから延設矩形枠A614の内側に係合部材A620を進入させ、位置を合わせて指を離すことで、係合部材A620を本体部材A610に組み付けることができる。
本実施形態では、一対の回転腕部A621が、その回転腕部A621よりも細幅で変形し易い基端側連結棒部A624及び先端側連結棒部A625で連結されるように形成されることから、組み付けのための負荷を与える場合の変形の大半を基端側連結棒部A624及び先端側連結棒部A625に生じさせることができる。そのため、電動役物640aを開閉する機能に関わる回転腕部A621の変形を抑制することができるので、組み付け時の変形で係合部材A620が機能不良となることを防止することができる。
加えて、一対の回転腕部A621が、単一の棒状部ではなく、一対の棒状部(基端側連結棒部A624及び先端側連結棒部A625)により連結されているので、負荷が解除された後で回転腕部A621同士の姿勢がずれることを回避し易くすることができる。
更に、一対の棒状部の内、動作時の負荷が大きくなり易い回転先端側に、回転基端側よりも幅広の棒状部を配設することで(図312(c)参照)、電磁ソレノイドASOLの駆動力により動作する場合に回転腕部A621同士の姿勢がずれることを抑制することができる。
更に加えて、回転基端側の棒状部の幅を狭くすることで(図312(c)参照)、組み付け時に必要な係合部材A620の変形を回転基端側の突設軸部A623付近に集中的に生じさせることができる。従って、係合部材A620を利用した安定した動作を実現しながら、係合部材A620の組み付けの容易化を図ることができる。
図313に示すように、係合部材A620の前端は突設受け部A615の下端部と当接することで、それ以上の回転が規制される。係合部材A620は、上述したように、電動役物640aを開閉動作させるための部分であり、電動役物640aの開放状態において球が第2入賞口640へ入球する可能性がある。第2入賞口640へ入球した球は、係合部材A620と、延設矩形枠A614を構成する面であって係合部材A620に対向配置され、背面側へ向かう程に下降傾斜する傾斜面として形成される下底傾斜面A614bとの間を流下して、駆動装置ユニットA630へ流入する。
本実施形態では、上述したように、回転腕部A621が球の直径(11mm)よりも長い間隔を空けて配置されるので、回転腕部A621の対向間に球を流すことができる。これにより、球の流下経路を上側から囲う態様で係合部材A620を配置することができるので、係合部材A620と球の流下経路とをコンパクトに配置することができる。
駆動装置ユニットA630は、本体部材A610の延設矩形枠A614の背面側端部に連結固定される正面側が開放された箱状の本体箱部A631と、その本体箱部A631の上側部に保持される電磁ソレノイドASOLと、その電磁ソレノイドASOLの励磁によって前後方向にスライド移動する動作部材A632と、その動作部材A632に付勢力を負荷するコイルスプリングA633と、本体箱部A631の下側部に保持され球の通過を検出する検出センサA634と、を備える。
電磁ソレノイドASOLが非励磁の状態では、コイルスプリングA633の付勢力により動作部材A632は正面側位置(図314(a)参照)に配置され、電磁ソレノイドASOLが励磁された状態では、コイルスプリングA633の付勢力に抗して動作部材A632が駆動され背面側位置(図314(b)参照)に配置される。動作部材A632の正面側位置は、動作部材A632の先端に固定される円盤形状の円盤部A632aが突設受け部A615と当接する状態の位置として構成される。次いで、図314を参照して、電磁ソレノイドASOLの駆動力の伝達経路について説明する。
図314(a)及び図314(b)は、電動役物640a、係合部材A620及び電磁ソレノイドASOLの側面図である。図314(a)及び図314(b)では、理解を容易とするために、電動役物640a、係合部材A620及び電磁ソレノイドASOLのみを図示し、これらの部材を保持する他の構成についての図示を省略している。
また、図314(a)では、電磁ソレノイドASOLの非励磁の状態(電動役物640aの閉鎖状態)が図示され、図314(b)では、電磁ソレノイドASOLの励磁状態(電動役物640aの開放状態)が図示される。
電磁ソレノイドASOLが非励磁の状態とされ、動作部材A632が正面側位置に配置されると、係合部材A620は下傾斜姿勢とされ(図314(a)参照)、電磁ソレノイドASOLが励磁状態とされ、動作部材A632が背面側位置に配置されると、係合部材A620は上傾斜姿勢とされる(図314(b)参照)。
電動役物640aは、覆設部材A650の軸支柱状部A653に回転可能に軸支され、その回転軸に対して偏心する位置から背面側へ突設される偏心突設部640bを備える。この偏心突設部640bは、係合部材A620の爪状部A622と上下で当接可能に配置されており、偏心突設部640bが爪状部A622と連動して変位することに伴って、電動役物640aの状態が変化する。
なお、本実施形態では、電動役物640aが単一の羽根状部材から構成されたが、係合部材A620の爪状部A622が2組あることからも分かるように、電動役物640aを互いに向かい合う一対の羽根状部材から構成するようにしても良い。この場合において、本実施形態の係合部材A620を流用することができる。
図310及び図311に戻って説明する。覆設部材A650は、無色で光透過性を有する樹脂材料から形成され、電動役物640aを挟んで本体部材A610の正面側に配設される部材であって、本体部材A610の本体板部A611との間に球の流下経路を構成する本体板部A651と、その本体板部A651の背面側へ壁状に突設され球の流下を規制する規制壁部A652と、本体板部A651の背面側へ柱状に突設され電動役物640aを回転可能に軸支する軸支柱状部A653と、を備える。
本体板部A651は、正面視において背面側を視認し易い高透過範囲A651aと、その高透過範囲A651aよりも光透過性が低く、背面側が視認し難い低透過範囲A651bとを備える。
なお、本実施形態では、本体板部A651の正面側に透過性の高い範囲と透過性の低い範囲とを構成する態様で印刷面が設計されたシールが張り付けられることで、高透過範囲A651aと低透過範囲A651bとを構成するようにしているが、その方法はこれに限られるものではない。例えば、本体板部A651を樹脂の二色成形で製造しても良いし、本体板部A651に削り加工を施し表面を荒くすることで透過性の低い範囲を形成するようにしても良い。
本実施形態では、高透過範囲A651aは、球の流下経路の正面側(主に右側部)に形成されており、低透過範囲A651bは、球の流下を規制する規制壁部A652が配設される側(主に左側部)に形成される。これにより、球の流下経路の視認性を確保しながら、球が流下しない範囲においては遊技者から内部構造が視認されないように視界を遮ることができる。
規制壁部A652は、本体部材A610との締結固定のために例えば挿通孔A616aに挿通される締結ネジが螺入される締結部A652aを備える。締結部A652aに螺入される締結ネジは金属製で非透過のため、正面視において影を作り易い。これに対し、本実施形態では、締結部A652aが球の流下経路の外方に配置されるので、締結ネジにより生じる影が球の流下経路に入ることで、遊技者に違和感を与えることを防止することができる。これによって、球の流下態様を視認する遊技者の集中力が締結ネジの影により削がれることを防止することができる。
主照射装置A660は、本体部材A610の主発光保持枠A616の内部に収容される拡散板A661と、その拡散板A661側にLED等の発光手段A663が配設される電飾基板A662と、その電飾基板A662の外形と略同形状の外形で形成され、主発光支持枠A616の背面側端部に締結固定される後蓋部A664と、を備える。
拡散板A661は、主発光保持枠A616の内形よりも若干小さい外形とされ、前後両面に光を拡散する拡散形状が形成される板状部材であって、外形縁部から背面側へ向けて板状に延設される複数の延設部A661aを備える。この延設部A661aは、拡散板A661が主発光保持枠A616に収容された状態で拡散板A661が傾かないようにするための姿勢維持用部である。拡散板A661が傾きそうになると、いずれかの延設部A661aが主発光保持枠A616の内側面と当接し、傾きを戻す方向への抵抗が生じるので、拡散板A661の姿勢が維持される。
なお、主照射装置A660を本体部材A610に組み付けた状態では、電飾基板A662の正面が延設部A661aの延設端部と当接することで拡散板A661の背面側への抜けが規制される。
電飾基板A662の外形は、主発光保持枠A616の外側面の外形と略同形状とされ、後蓋部A664の外形は、電飾基板A662の外形と略同形状の外形で形成されている。即ち、電飾基板A662の外周縁部付近が、主発光保持枠A616と後蓋部A664とに前後から挟まれる態様で保持される(面での当接で保持される)。
これにより、後蓋部A664の厚みが薄く、後蓋部A664単体では剛性が低い場合であっても、主発光保持枠A616の剛性を利用して電飾基板A662を安定的に保持することができる。
ここで、締結ネジが挿通される挿通孔A616aが、拡散板A661の正面側に形成される。そのため、締結ネジを外すには、拡散板A661を主発光保持枠A616から抜き取る必要があるので、締結ネジを外すまでに必要な工数を増やすことで悪戯行為を抑制することができる。
また、上述したように、締結ネジは非透過であり、影を生じ易いが、本実施形態によれば、締結ネジの背面側に複数の発光手段A663と、その発光手段A663から出射される光を拡散可能な拡散板A661が配置される。従って、拡散光によって締結ネジの影を薄くする(影を飛ばす)ことができ、締結ネジの影を目立たなくすることができる。
特に、発光手段A663は、前後方向に沿って向けられる光軸上に挿通孔A616aが重ならない位置(前後方向で投影した外形が重ならない位置)に配設される。これにより、締結ネジの影を薄くする(影を飛ばす)ことができ、締結ネジの影を目立たなくすることができる効果をより顕著にすることができる。
主照射装置A660は、上述したように球の流下経路の背面側に配置されており、発光手段A663から出射される光は球の流下経路に照射されるところ、本実施形態では拡散板A661を介して光が流下経路に到達する。従って、発光手段A663から拡散板を介さずに照射される光に比較して、淡く広がりのある光とすることができる。これにより、球の流下経路に注目する遊技者の目に与える疲労感を低減することができる。
補助照射装置A670は、補助発光保持枠A617の背面側に配設され複数の発光手段A672が配設される電飾基板A671と、その電飾基板A671の背面側に配置され電飾基板A671の外形と略同形状の外形から形成される後蓋部A673と、を備える。
電飾基板A671は、電飾基板A662の保持態様と同様の保持態様で固定される。即ち、電飾基板A671の外周縁部付近が、補助発光保持枠A617と後蓋部A673とに前後から挟まれる態様で保持される(面での当接で保持される)。
これにより、後蓋部A673の厚みが薄く、後蓋部A673単体では剛性が低い場合であっても、補助発光保持枠A617の剛性を利用して電飾基板A671を安定的に保持することができる。
ここで、主照射装置A660と異なり、補助照射装置A670では、電飾基板A671の正面側に拡散板が配設されない。即ち、発光手段A672から出射される光は、拡散されることなく発光強度を維持した状態で本体部材A610へ照射される。
このような態様で光を照射しているが、本実施形態では、発光手段A672が、正面視で低透過範囲A651bと重なる位置に配置されているので、発光手段A672から出射された光は低透過範囲A651bを通り遊技者に視認される。従って、遊技者は、低透過範囲A651bで弱められた光を視認することになるので、その光を見た遊技者の目に過度な疲労感を与えることを避けることができる。
加えて、発光強度を維持した光とすることで、低透過範囲A651bで完全に光が遮られることを防止することができる。これにより、例えば、低透過範囲A651bにパチンコ機A10に応じたキャラクターが描かれている場合に、そのキャラクターを、発光手段A672から出射される光によって明るく照らす演出を実行することができる。
図315(a)及び図315(b)は、図312(b)のCCCXIIc−CCCXIIc線に対応する線における抽選ユニットA600の断面図である。図315(a)では、電磁ソレノイドASOLの非励磁の状態、即ち、電動役物640aの閉鎖状態(図314(a)参照)が図示され、図315(b)では、電磁ソレノイドASOLの励磁状態、即ち、電動役物640aの開放状態(図314(b)参照)が図示される。
図315(a)に示すように、電磁ソレノイドASOLの非励磁の状態において、動作部材A632の先端の円盤部の下端部と、係合部材A620の凹設面A625cとが当接している。ここで、動作部材A632の円盤部は凹設面A625cの幅方向中間位置付近と対向配置する程度まで正面側へ進行していることに加え、凹設面A625cが動作部材A632の移動する前後方向と略平行な面とされることによって、係合部材A620から動作部材A632へ与えられる負荷が、上下方向(前後方向と直交する方向)の成分を主とする負荷となる。
そのため、係合部材A620からの負荷で動作部材A632を移動(退避)させるようにして、係合部材A620の姿勢を変化させることを困難とすることができるので、パチンコ機A10の隙間からピアノ線等の線材を進入させ可動役物640aに負荷を与えることで開放状態へ変化させようとする不正行為への対策を行うことができる。
ここで、従来からパチンコ機には、不正行為が検出された場合にはエラー報知を出力する機能が備わっているが、正面側から視認できる可動役物640aに不正に負荷を与えることで電磁ソレノイドASOLの状態に関わらず可動役物640を開放状態にすることができる場合、不正行為への抑止力が十分では無かった。
これに対し、本実施形態のパチンコ機A10では、可動役物640に負荷が与えられ状態が変化されそうになっても、可動役物640aの偏心突設部640bを介して可動役物640aと係合部材A620とが係合しているので(図314(a)参照)、係合部材A620の姿勢変化が困難とされる本実施形態の構成においては、可動役物640aに負荷を与えることで可動役物640aを開放させることも困難とすることができる。
また、可動役物640aに負荷を与える上記の不正行為に対して、本実施形態では、係合部材A620の回転先端側へ向かう程に棒状部A625aが厚肉となるように凹設面A625cが傾斜しているので、図315(a)の状態から係合部材A620が無理矢理に(例えば、先端側連結棒部A625を変形させながら)起き上がり方向へ変位する場合には、動作部材A632との棒状部A625aの当接位置が厚肉側(回転先端側)へ移行し、先端側連結棒部A625が変形し難くなる。
そのため、係合部材A620が起き上がり方向へ変位するごとに、更に係合部材A620を変位させるために必要な負荷を増大させるように構成することができるので、可動役物640aに負荷を与えることで可動役物640aを開放させようとする不正行為を抑制することができる。
また、棒状部A625aの凹設面A625cの反対側の平面は、正面側へ向かうほど下降傾斜する傾斜面とされている。従って、図315(a)に示す状態で、棒状部A625aが動作部材A632から受ける負荷により厚さ方向に撓み変形する場合に動作部材A632へ与える反力を正面側へ向かう程に上昇傾斜する方向へ向けることができる。
これにより、棒状部A625aから動作部材A632へ与えられる前後方向の負荷を正面側への負荷として生じさせることができ、棒状部A625aからの負荷により動作部材A632が後方へ退避することを防止することができるので、より確実に係合部材A620の起き上がり変位を規制することができる。
図315(b)に示すように、電磁ソレノイドASOLの励磁状態では、動作部材A632の円盤部の下端と係合部材A620の突設規制部A624bとが当接することで、電磁ソレノイドASOLの本体ボックス部と衝突する前に、係合部材A620のそれ以上の後転動作(起き上がり方向の動作)が規制される。即ち、基端側連結棒部A624の回転の規制を、電磁ソレノイドASOLの本体ボックス部との衝突を生じさせることなく行うことができるので、基端側連結棒部A624が電磁ソレノイドASOLの本体ボックス部と衝突して割れたり、曲がったりする不具合を回避することができる。
図316(a)は、動作ユニットA300の上面図であり、図316(b)は、図302の矢印L方向視における動作ユニットA300の側面図であり、図317は、遊技盤A13及び動作ユニットA300の背面図である。
図316(a)及び図316(b)に示すように、第1動作ユニットA400の前端面は、背面ケースA310の前端よりも正面側へ張り出すように配設される。このように第1動作ユニットA400を配設しながら、遊技盤A13をベニヤ板から形成する場合、遊技盤A13の背面側に第1動作ユニットA400との干渉を避けるための窪みや孔を形成する必要があるが、本実施形態では、遊技盤A13が樹脂製のベース板A60から形成されているので、第1動作ユニットA400との干渉を避けられる形状で予め設計し、金型を製造すれば、干渉を避ける形状で遊技盤A13を容易に形成することができる。
即ち、本実施形態では、遊技盤A13のベース板A60の左右および上部の面に沿って背面側から正面側へ凹設されているので(図306参照)、第1動作ユニットA400の前端面を背面ケースA310の前端よりも正面側へ張り出すように構成しながら、遊技盤A13と第1動作ユニットA400との干渉を容易に避けることができる。これにより、第1動作ユニットA400の配置を遊技者側に近づけることができるので、第1動作ユニットA400を視認させる演出の演出効果を向上することができる。
図316(b)及び図317に示すように、背面ケースA310の上部に配置される支持板部A313は、外壁部A312の外側面(上面)よりも内側(下側)に配置される。これにより、支持板部A313の配設されない左右中央における外壁部A312の配置をより外側(上側)に寄せながら、その外壁部A312の外方に支持板部A313が配設される場合に比較して背面ケースA310の上端位置を下げることができる。
即ち、背面ケースA310に対する第1動作ユニットA400(や、第2動作ユニットA700)の配設自由度を向上しながら、遊技盤A13に対する背面ケースA310の配設自由度を向上することができる。
加えて、背面ケースA310上部の支持板部A313が配設されている左右位置は、上述したように、正面視において遊技領域の外側に位置するので、支持板部A313が外壁部A312の下側に配置されることによって遊技に与える影響(不利益)を少なく抑えることができる。
図317に示すように、背面ケースA310の右面側には、左面側と異なり、支持板部A313の配設が上端位置を除いて省略される。即ち、上端位置よりも下側において、支持板部A313が配設される場合に占めるスペースを省略することができるので、その分、背面ケースA310の外壁部A312を遊技盤A13の右端に寄せることができる。
図318は、図302のCCCXVIII−CCCXVIII線における遊技盤A13及び動作ユニットA300の部分断面図である。図318に示すように、ベース板A60は、外縁に沿って背面側へ延設される外縁延設部60aに比較して、外縁延設部60aよりも内側の領域であって遊技領域と少なくとも一部が前後で重なる領域において背面側へ張り出す中央張出部60bの方が、前後幅が短く形成される。
ベース板A60の前端面は略同一平面上に形成されるので、外縁延設部60aの背面側端部よりも、中央張出部60bの背面側端部の方が正面側は配置され、これによりベース板A60と第1動作ユニットA400との干渉が回避される。
外縁延設部60aと中央張出部60bとの間には正面側へ向けて凹設される凹設部60cが形成されており、この凹設部60cの形成範囲において、ベース板A60は、外縁延設部60a及び中央張出部60bよりも薄肉に形成される。即ち、ベース板A60を通過する光のエネルギーの減少の度合いを、凹設部60cの形成範囲において、外縁延設部60a及び中央張出部60bよりも低くすることができる。
ベース板A60の正面側にはセンターフレームA86が覆設されるところ、そのセンターフレームA86の覆設部86hは、図318に示すように、外縁部材A73との間に隙間を保って形成されており、この隙間が、前後方向視で凹設部60cと重なる位置に配置される。即ち、ベース板A60を通る光のエネルギー減少を抑える効果を、ベース板A60の正面側においても維持することができる。
これらエネルギー減少が抑制された光は、センターフレームA86と外縁部材A73との間を流下する球に照射されることで、球を照らす演出に利用される。このように、本実施形態では、球に光を照射する演出で利用される光が遊技盤A13を通過する際のエネルギーの減少度合いを低くすることができるので、より弱い光で、効果的に球を光らせる演出を実行することができる。
加えて、図318に示すように、外縁部材A73の内側面がベース板A60の外縁延設部60aの内側面よりも正面視で外方に配置されているので、球の流下経路を、凹設部60cと前後で重なる位置に配置し易くすることができる。従って、凹設部60cを通過した光を球に照射し易くすることができる。
図318に示すように、外縁部材A73とベース板A60とに金属板状部材75の折曲部75bが挟み込まれている。これにより、外縁部材A73、ベース板A60及び金属板状部材75を、剛性の観点から、一体的に、且つ相互に補助し合うように構成することができる。
また、折曲部75bに光を照射すると金属に光が反射することを利用して、外縁部材A73とベース板A60との間における発光強度を局所的に高くすることができる。この局所的に強度を高くした発光は、折曲部75bの幅方向内側端部(左端部)が外縁部材A73を介して視認し得る箇所で発生することから、その発光の箇所を縦壁部73b(図308参照)の形成範囲に限定することができる(円弧壁部73aや傾斜壁部73cを除くことができる)。
これにより、背面側から金属板状部材75の上下全体へ向けて光を照射する場合であっても、局所的に発光強度が高くなる箇所を縦壁部73bの上下長さ範囲に限定することができるので、遊技者の視線を縦壁部73bと対向配置される抽選ユニットA600や、その上方の流路の形成範囲に集中させ易くすることができる。
図319、図320、図321及び図322は、動作ユニットA300の正面図である。なお、図319、図320、図321及び図322の説明において、全ての第1動作ユニットA400や複数の第1動作ユニットA400との記載は、5個の第1動作ユニットA400,A400A,A400B,A400C,A400Dのことを意味する。また、5個の第1動作ユニットA400,A400A,A400B,A400C,A400Dに共通して採用可能な構成や機能を代表して第1動作ユニットA400で説明する場合がある。
図319では、全ての第1動作ユニットA400及び第2動作ユニットA700が第3図柄表示装置81側に張り出さず、退避する退避状態を維持する様子が図示され、図320では、全ての第1動作ユニットA400が励磁され第3図柄表示装置81側に張り出す張出状態とされ、第2動作ユニットA700は退避状態を維持する様子が図示される。
図321では、全ての第1動作ユニットA400が退避状態を維持し、第2動作ユニットA700が第3図柄表示装置81側に張り出す張出状態とされる様子が図示され、図322では、一部の第1動作ユニットA400B,A400Cが退避状態とされ、その他の第1動作ユニットA400,A400A,A400Dが張出状態とされ、第2動作ユニットA700が張出状態で維持される様子が図示される。
図319から図322で示すように、複数の第1動作ユニットA400は、有色(本実施形態では、群青色)のカバー部材A591により区画される範囲において、遊技者に、目立つ色で形成される(本実施形態では、前表面に金メッキの施された)正面カバーA410及び第1変位部材A440が主に視認されるように構成され、第1変位部材A440の第3図柄表示装置81側の縁部が隣の第1動作ユニットA400と最接近する箇所となるように配置される。
即ち、正面カバーA410及び第1変位部材A440は、第3図柄表示装置81の内方(中央)から外方へ向けて広がる放射線に沿う姿勢で配設されているので、この放射線の中心としての第3図柄表示装置81の内方へ向けて遊技者の視線を集中させることができる。
第1変位部材A440の第3図柄表示装置81側の側面が、隣の第1変位部材A440と最も近接することになるので、図319に示すように、第1変位部材A440の横側面(隣の第1変位部材A440と隣合う側面を含む側面)は、先端側(第3図柄表示装置81側)へ向かう程に先細りするように面取りされる。これにより、隣の第1変位部材A440と干渉することを避けている。
なお、面取りの開始点については何ら限定されるものでは無いが、本実施形態では、第1変位部材A440の横側面に沿って伸ばした直線が、隣の第1変位部材A440から同様に伸ばした直線と交差する交差点の直前までは面取りをせず、その交差点の直前から面取りするようにしている。これにより、第1変位部材A440同士の干渉を避けながら、第1変位部材A440を視認させる範囲を広く確保することができる。
図319に示すように、第1動作ユニットA400の退避状態では、第1変位部材A440が遊技盤A13の背面側から第3図柄表示装置81の正面側までに亘る範囲を占めるように前後に幅広となる姿勢で配置されている。そのため、第1変位部材A440の姿勢が発光側面(図320において正面側を向く面)を正面側へ向けた姿勢に限定される場合に比較して、第1変位部材A440が正面視で占める面積を抑制できると共に、正面視における変位量を抑制しながら視覚的な変化を大きくすることができる。
本構成は、駆動モータAMT1により回転する駆動ギアAMG1(図335参照)の回転角度範囲において、第1変位部材A440の変位に利用可能な範囲が限定される事情がある場合に有効となるが、詳細については後述する。
図320に示すように、第1動作ユニットA400の張出状態では、第2変位部材A490が張出位置に配置される一方で、第1変位部材A440が張出位置(第3図柄表示装置81から離れた位置)に配置される。
詳細に説明すると、第1変位部材A440は、遊技盤A13の背面側から第3図柄表示装置81の正面側までに亘る範囲を占めるように前後に幅広となる姿勢で配置され、第2変位部材A490の移動軌跡と干渉する状態(第1動作ユニットA400の退避状態)から、第2変位部材A490の移動を許容するために遊技盤A13側に寄り、第2変位部材A490よりも正面側に配置される状態(第1動作ユニットA400の張出状態)に状態変化する。
これにより、第1変位部材A440は、第1動作ユニットA400が退避状態なのか、張出状態なのかに関わらず、第2変位部材A490に光を遮断されることなく、遊技者側へ光を出射する発光演出を行うことが可能とされる。特に、第1変位部材A440の張出状態において、第3図柄表示装置81の周囲に配置される長孔A412a(図325参照)の発光態様を切替可能とされ、第3図柄表示装置81へ視線を誘導可能に構成されるが、詳細については後述する。
図321に示すように、第2動作ユニットA700は、演出ユニットA710が第3図柄表示装置81の中央側へ上下移動可能とされている。また、第2動作ユニットA700は、演出ユニットA710の上下位置に関わらず動作可能に構成される回転体A720を備えており、この回転体A720の回転により光を多方向に進行させる発光演出を実行可能とされるが、詳細については後述する。
図322に示すように、複数の第1動作ユニットA400は、それぞれ個別の駆動装置を備えているので、各第1動作ユニットA400で独立して状態変化、状態維持を行うことができる。即ち、第1動作ユニットA400で退避状態と張出状態とを構成する組み合わせは、図322に図示されるものに限られず、任意に設定することができる。
例えば、いずれか一つの第1動作ユニットA400の状態変化のみを実行することも可能であるし、その状態変化を順番に異なる第1動作ユニットA400で実行することも可能である。例えば、左下の第1動作ユニットA400から、正面視時計回りに順に状態変化を実行することもできるし、左下から時計回りに3個目の第1動作ユニットA400Bから、両回りに順に状態変化を実行することもできる。このように、第1動作ユニットA400を用いて多様な演出を実行することができる。
また、例えば、図322において退避状態とされる第1動作ユニットA400B,A400Cの第2変位部材A490が張出位置に配置されることで第2動作ユニットA700と干渉するように構成される場合には、第2動作ユニットA700と干渉する虞のある第1動作ユニットA400B,A400Cについては退避状態とし、それ以外の第1動作ユニットA400,A400A,A400Dは張出状態とすることができる。これにより、全ての第1動作ユニットA400が同一の駆動装置で同期動作する場合に比較して、第1動作ユニットA400と第2動作ユニットA700との動作(状態)の組み合わせのバリエーションを増やすことができる。
図323は、動作ユニットA300の正面図である。図323では、遊技盤A13の外形、内レール61及び外レール62が想像線で図示される。図323に示すように、第1動作ユニットA400の正面カバーA410は、遊技領域を効果的に装飾可能に配設される。これについて、以下で説明する。
まず、内レール61と外レール62との間を通過した球が流下する領域として遊技領域を定義する場合に、内レール61と外レール62とが対向配置され球を案内する区間(球発射ユニット112a側から球戻り防止部材68(図302参照)までの区間)は遊技領域には含まれず、この区間において遊技領域の外枠は内レール61となる。そのため、内レール61の背面側に配置される第1動作ユニットA400,A400A(左下から2個目まで)の正面カバーA410の外側端部は、内レール61の付近(外方側)に配置される(外レール62まで伸ばすことは不要とされる)。
一方、内レール61と外レール62との間を球が通過した後の領域(特に、右打ちされた球が流下する領域)における遊技領域の外枠は外レール62となる。そのため、外レール62の背面側に配置される第1動作ユニットA400B,A400C(左下から3個目および4個目)の正面カバーA410の外側端部は、外レール62の付近(外方側)に配置される。
更に、外レール62が途切れ、外縁部材A73が配設される領域における遊技領域の外枠は外縁部材A73となる。そのため、外縁部材A73の背面側に配置される第1動作ユニットA400D(右下1個目)の正面カバーA410の外側端部は、外縁部材A73の内側面付近(外方側)に配置される。これは、本実施形態において、背面ケースA310の右側中腹部で支持板部A313の配設を省略し、遊技盤A13の右端部に背面ケースA310の右端部を寄せていることから、実現可能となるものである。
即ち、背面ケースA310の内部領域を、正面視で遊技盤A13の右端部に寄せて形成することで、第1動作ユニットA400Dを遊技盤A13の右端部付近に詰めて配置することができる。これにより、右打ちされた球が流下する流路として遊技盤A13の右端部付近に配置される流路(右流路形成壁部86dと外縁部材A73とに挟まれる流路、図302参照)よりも外方(右側)に正面カバーA410の外方側端部を配置する態様で第1動作ユニットA400Dを配設することができる。
換言すれば、一般的な右打ち機(例えば、左右対称機では無いパチンコ機)のように、右打ち流路が左打ち流路に比較して極端に細くされ、遊技盤A13の右端に寄せて配設される場合には、本実施形態のように、背面ケースA310の内部領域に右詰めで第1動作ユニットA400のような可動装置を配設できるように構成することで遊技領域の背面側全域に可動装置を配置できるようになる。
その一方で、背面ケースA310の左側においては、正面視で内レール61と外レール62とに挟まれた案内部が形成されることになり、この案内部にまでは遊技者の視線は集中し難いことから、本実施形態のように背面ケースA310の左側に支持板部A313を配設したとしても、遊技領域の装飾の向上度合いを下げることを回避できる。従って、本実施形態において、支持板部A313を背面ケースA310の左側に配設し、背面ケースA310の右側では支持板部A313を省略することが、遊技領域の装飾の向上という観点から、最適な選択であるといえる。
図323で複数通り上述したように、複数の正面カバーA410が効果的に遊技領域内に配置されているので、遊技領域に注目する遊技者に視認させる模様や図形を、遊技盤A13を通して視認される複数の正面カバーA410で構成することができる。
これにより、遊技盤A13の表面にキャラクター等が印刷されたシール等を貼り付けることで遊技領域に装飾を行うことを不要とすることができる。また、正面カバーA410が配設される領域は、第1動作ユニットA400の一部として各変位部材の配置や発光手段の発光態様によって見え方が変化可能に構成されているので、上述したように遊技盤A13にシール等を貼り付ける場合に比較して遊技領域を装飾する態様のバリエーションを増やすことができる。なお、見え方の変化の詳細については後述する。
なお、遊技領域の外方は、ブロック状部材74(図305参照)により隠されるので、ここに構造が露出する部分や、駆動装置を配置したとしても、見栄えが悪くなることを回避することができる。
図323に示すように、隣り合う第1動作ユニットA400は、若干の隙間を空けて近接配置され、間に配置されるカバー部材A591は、隣り合う第1動作ユニットA400同士を連結する態様で第1動作ユニットA400に締結固定される。即ち、本実施形態では、第3図柄表示装置81の周りに配置される複数(本実施形態では、5個)の第1動作ユニットA400が互いに結合し合うことで、一体構造として構成される。
更に、第1動作ユニットA400の外方側面は、背面ケースA310の内側面に近接配置される(図324参照)。従って、第1動作ユニットA400全体の剛性を向上させることができると共に、背面ケースA310の変形を第1動作ユニットA400の剛性で補助することができるので、上述した背面ケースA310を補強するという観点において、金属板状部材75(図308参照)に頼り過ぎることを回避することができる。従って、金属板状部材75に必要とされる強度(剛性、板厚)を低くすることができるので、金属板状部材75の設計自由度を向上することができる。
これにより、金属板状部材75の本来の機能としての、ノイズ対策や、内枠12の内側面と接触することによるアース(図303及び図304参照)を行い易い形状に容易に設計することができる。
図324は、動作ユニットA300の分解正面斜視図である。図324では、複数(本実施形態では、5個)の第1動作ユニットA400が背面ケースA310から正面側に取り外され、第2動作ユニットA700が背面ケースA310に装着された状態が図示される。
第1動作ユニットA400は、それぞれが概略共通の動作態様で動作可能に構成され、複数が背面ケースA310の内部空間の周囲の一部を囲うように配設される。各第1動作ユニットA400は、図319及び図320に示すように、背面ケースA310の内部空間の中央へ向けた移動方向(背面ケースA310の内部空間の中央から放射される放射線に沿った方向)で移動するように構成される。
従って、例えば、重力から与えられる影響は各第1動作ユニットA400で変化し得るので、本実施形態では、重力に頼らずに動作を実現できるように構成を工夫しているが、詳細については後述する。上述したように、各第1動作ユニットA400は、概略共通の構成を備えているので、左下に配設される第1動作ユニットA400について詳しく説明し、その他の第1動作ユニットA400についての説明を省略する。
図325は、第1動作ユニットA400の正面斜視図であり、図326は、第1動作ユニットA400の背面斜視図である。図325及び図326に示すように、第1動作ユニットA400の領域は、正面カバーA410に覆われる正面視略矩形の領域であって、主に発光演出が実行される本体領域A400bと、その本体領域A400bの端部に併設される併設領域A400vとから構成される。
併設領域A400vは、組立状態において遊技者に視認されることを想定した領域では無い。特に、遊技者から視認される虞のある中央側には目隠しのカバー部材A591が覆設され、そのカバー部材A591の背面側が遊技者から視認不能となるように構成している。
この併設領域A400vに、遊技者に視認させる目的では無く、本体領域A400bで実行する演出に伴い必然的に生じる構成(例えば、駆動モータAMT1、位置を検出する検出センサA426、配線やコネクタ等)を配設することで、本体領域A400bを遊技者に視認させることを想定した部材の配設のために最大限利用することができる。即ち、本体領域A400bが遊技者に視認させる目的では無い構成に侵食されることを回避できるので、本体領域A400bの広さを精一杯利用して、大きな部材を配置することができる。
図327は、第1動作ユニットA400の分解正面斜視図であり、図328は、第1動作ユニットA400の分解背面斜視図である。なお、図327及び図328では、正面カバーA410が取り外された状態が図示される。
図327及び図328に示すように、第1動作ユニットA400は、正面カバーA410と、その正面カバーA410との間に進入する態様で変位可能な第1変位部材A440を備える前側ユニットFUと、その前側ユニットFUの背面側に配設される後側ユニットBUと、を主に備える。
正面カバーA410は、前側ユニットFUの正面側において前側ユニットFUの正面側を覆うように薄板がコの字形状に折曲された形状から構成され、後側ユニットBUに締結固定される本体部A411と、前側ユニットFUとの関係で規定される位置に穿設される複数の貫通孔A412と、前側ユニットFUの第1変位部材A440の変位を案内する案内部A413と、を主に備える。
正面カバーA410は、上述した構成により、前側ユニットFUの大半の領域を遊技者から視認不能に隠す一方で貫通孔A412を通して特定の領域を視認可能とする機能と、前側ユニットFUの第1変位部材A440の変位を案内する機能とを主に備える。
図329は、正面カバーA410の分解正面斜視図であり、図330は、正面カバーA410の分解背面斜視図である。図329及び図330に示すように、正面カバーA410は、本体部A411の演出中央部A411aの背面側に積層配置される構成として、演出中央部A411aに対向配置され、演出中央部A411aの形状に対応した外形の板状に光透過性の樹脂材料から形成される拡散板A415と、その拡散板A415に対向配置され拡散板A415側へ光軸を向けたLED(図329において略正方形のチップ形状で図示される)等の発光手段A416aが配設される電飾基板A416と、その電飾基板A416に対向配置され、電飾基板A416を固定し、前側ユニットFUに締結固定される基板固定板A417と、を主に備える。
以下、拡散板A415、電飾基板A416及び基板固定板A417の構成と、その構成により位置ずれが抑制されることについて説明する。
拡散板A415は、締結ネジ等で締結されるのではなく、本体部A411と基板固定板A417とで前後方向から挟むことで支持され、背面側に発光手段A416aと対向配置される軸対応位置A415aを中心として同心円状に広がる形状の突条から形成される波模様が形成され、外形縁から内側へ凹設される凹設部A415bと、発光手段よりも小さい細径の貫通孔として穿設される複数の細径孔A415cと、上下端を構成する辺から背面側へ板状に突設される複数の突設板部A415dと、を主に備える。
拡散板A415の背面側に波模様を形成する突条は、軸対応位置A415a側に照射された光を屈折させることで、軸対応位置A415aを中心とする円の径方向に進行させた後で正面側へ進行させる形状から形成される。即ち、軸対応位置A415a側に入射した光は軸対応位置A415aから離れた(径方向外側)位置において遊技者に視認されるが、その逆は無いように構成される。即ち、軸対応位置A415aから離れた位置に入射した光が軸対応位置A415a側に進行することを防止するように形成される。
凹設部A415bは、部材の干渉を避けるために形成される切り欠きであり、本実施形態では、基板固定板A417に電飾基板A416を締結固定する締結ネジのネジ頭との干渉を避ける目的で形成される。
細径部415cは、正面視で視認困難とするために、本体部A411の貫通孔A412に対向しない位置(本体部A411の板部に対向する位置)であって、基板固定板A417の挿通柱状部A417fと対応する位置に形成される貫通孔であり、拡散板A415、電飾基板A416及び基板固定板A417の位置合わせに利用されるものであるが、詳細は後述する。
突設板部A415dは、基板固定板A417の切欠き部A417hに嵌め入れられることで、基板固定板A417に対する拡散板A415の位置合わせが可能に形成される。突設板部A415dの突設長さが約4mm、幅が約10mmを上限に形成されており、ある程度の剛性を備えているので、組立時やメンテナンス時に生じる負荷(例えば、他の部材との衝突、擦れ等で生じる負荷)で突設板部A415dが撓んだり、折れたりすることを防止することができ、位置合わせの機能を長く維持することができる。
拡散板A415は、背面側全域に波模様が形成され全域において光拡散の機能を奏することができるが、演出態様からは、第1領域AC1と、第2領域AC2に明確に分けられる。即ち、第1領域AC1は、正面視で電飾基板A416と重なる領域であり、第2領域AC2は、正面視で電飾基板A416と重ならない領域である。
第1領域AC1は、電飾基板A416の発光手段A416aの光軸が通り、発光演出としても強い発光態様で遊技者に視認させることが可能である。一方、第2領域AC2は、基板固定板A417の右側の側壁A417a3から基板固定板A417の外方(右方)にはみ出るように形成される領域に相当し、電飾基板A416の発光手段A416aの光軸は通らず、発光手段A416aからの光は弱まって到達する。
一方、第2領域AC2は、前側ユニットFUの第1変位部材A440による発光演出において演出効果を高める機能を備えるが、詳細は後述する。
電飾基板A416は、上述した発光手段A416aと、外形縁から内側へ凹設される凹設部A416bと、位置決め用に大径で穿設される複数の大径孔A416cと、細径の貫通孔の組として配設される複数の組締結孔416dと、表裏に配設され配線の端部が連結される複数のコネクタA416eと、第1変位部材A440へ電気を供給する電気配線FC(本実施形態では、平型(フラット)ケーブル)が連結される中間コネクタA416fと、を主に備える。
発光手段A416aは、遊技者に視認させる光の強度が最大となり易い位置であり、本実施形態では、正面カバーA410の貫通孔A412が形成される位置と前後方向で合う位置に優先的に配置される。これにより、貫通孔A412を通して遊技者が視認する光の強度を確保し易くすることができる。
凹設部A416bは、基板固定板A417を前側ユニットFUに締結固定するために貫通孔A417bに挿通される締結ネジのネジ頭との干渉を避けるために形成される切り欠きである。
大径孔A416cは、基板固定板A417の挿通柱状部A417fの最外径よりも若干大きな内径で穿設される貫通孔であり、挿通柱状部A417fと対応する位置に穿設される。大径孔A416cに挿通柱状部A417fを挿通することにより、電飾基板A416を基板固定板A417に対して位置合わせすることができる。
組締結部A416dは、上下に沿って並ぶ一対の小径の貫通孔から構成される。一対の貫通孔の内、上側の貫通孔に締結ネジが挿通されるよう構成することで、メンテナンス効率の向上を図っている。
例えば、メンテナンス対応として、背面ケースA310に第1動作ユニットA400が固定された状態で本体部A411及び拡散板A415を取り外し、故障した電飾基板A416を基板固定板A417から取り外し、正常な電飾基板A416を基板固定板A417に取り付ける作業が想定されるところ、締結固定の前においては電飾基板A416が自重で前倒れしている。これに対し、本実施形態では、組締結部A416dの上下一対の貫通孔の内の上側の貫通孔(前倒れによる正面側への変位が大きい側)を締結ネジで固定するので、自重により前倒れしているのを締結ネジにより良好に後ろ倒れ方向に姿勢を戻すことができる。従って、メンテナンスの締結固定時に電飾基板A416の姿勢が誤って固定されることを防止することができる。
なお、組締結部A416dの内、下側の貫通孔は、基板固定板A417の正面側に突設される基板締結部A417cの柱状部が挿通され電飾基板A416の位置決め及び電飾基板A416の仮留めを行う機能を備える。即ち、締結ネジの締結前においても、下側の貫通孔が基板締結部A417cの柱状部に引っかけられることで、電飾基板A416が自重で落下することを抑制することができる。
コネクタA416eは、表側に配置され、電力の供給と発光手段A416aの発光制御を行うための配線が連結される第1コネクタA416e1と、前側ユニットFUに固定される検出センサA426に連結される配線が連結される第2コネクタA416e2と、後側ユニットBUに配設される第2変位部材A490に連結される配線が連結される第3コネクタA416e3と、を主に備える。
これらのコネクタA416eは、配線が連結される相手部材の位置が固定されていたり(第1コネクタA416e1、第2コネクタA416e2)、相手部材が可動であってもコネクタ間に十分な距離があったり(第3コネクタA416e3)との理由から、任意位置に配置可能である。本実施形態では、他の部材との干渉が生じ難く、遊技者から視認される虞も生じないように、電飾基板A416の下端部に相当する位置であって併設領域A400vに含まれる箇所に配置されている。
一方で、中間コネクタA416fが配線により連結される相手部材としての第1変位部材A440は、基板固定板A417を挟み電飾基板A416の反対側の領域(基板固定板A417と案内板部A430(図335参照)との間に形成される隙間)を変位するように構成されていることから、コネクタ間の間隔(前後間隔)が短くなるため、コネクタの配置の仕方を誤ると配線に過度な負荷を与える虞がある。
本実施形態では、配線の方向が任意の方向でよいコネクタA416e(本実施形態では、配線はコネクタA416eに下方から連結される)とは異なり、中間コネクタA416fの姿勢を、前側ユニットFUの第1変位部材A440の移動方向である方向A416xと、電気配線FCの伸縮可能な(平型(フラット)ケーブルの帯が延び、容易に折れ曲がり可能で、断線の可能性が少ない)方向とが沿うように設定している。
基板固定板A417は、正面側が開放され電飾基板A416を収容可能な箱状に形成される本体部A417aと、その本体部A417aの背面側に前側ユニットFUの締結部を受け入れる突条部を有し、その締結部に螺入される締結ネジが挿通可能に構成される複数の貫通孔A417bと、締結ネジが螺入される締結部およびその締結部の先端面と共通の平面から正面側へ突設される細径の柱状部の組で構成される複数の基板締結部A417cと、を備える。
また、基板固定板A417の本体部A417aは、基板締結部A417cの後端部に連結される板状の深底板状部A417a1と、その深底板状部A417a1と平行であり正面が基板締結部A417cの締結部の先端面と同一の平面上に形成される浅底板状部A417a2と、を備える。
即ち、複数の基板締結部A417cの締結部の先端面と、浅底板状部A417a2とにより電飾基板A416の背面を面支持することができる。
基板固定板A417は、深底板状部A417a1から先端が鋭利な形状で正面側へ張り出される鋭利張出部A417dと、その鋭利張出部A417dの左下部において鋭利張出部A417dの上下幅と同等の幅の矩形状で穿設される挿通孔A417eとを備える。
鋭利張出部A417dは、組立状態における中間コネクタA416fの左下部に配置され、電飾基板A416との間に平型(フラット)ケーブルである電気配線FCの厚み程度の間隔を空ける態様で断面三角形状の直線的に延びる突条として形成され、その突条の延設方向が方向A416xに対して正面視で交差する(直交する)。そして、中間コネクタA416fに連結している配線は、挿通孔A417eを通り背面側へ引き回されるので、中間コネクタA416fに連結される電気配線FCは、基板固定板A417と鋭利張出部A417dとの間に挟まれる。
このように、電気配線FCを基板固定板A417と鋭利張出部A417dとの間で挟み支持することで、第1変位部材A440の変位により電気配線FCの変位を受ける箇所を、中間コネクタA416fに連結される電気配線FCの端部位置から、基板固定板A417と鋭利張出部A417dとの間に挟まれる位置にずらすことができる。これにより、中間コネクタA416fから電気配線FCが脱落する事態を回避することができる。
基板固定板A417は、大径孔A416cに対応する位置において浅底板状部A417a2から正面側へ柱状に突設される複数の挿通柱状部A417fと、浅底板状部A417a2や、その浅底板状部A417a2及び深底板状部A417a1の境界において貫通形成される複数の貫通孔A417gと、本体部A417aの外形から正面側へ延設される側壁A417a3に拡散板A415の突設板部A415dを受け入れ可能な幅で形成される複数の切欠き部A417hと、正面視右側において斜めに形成される側壁A417a3の正面側端部に沿って本体部A417aの内側へ向けて突設される複数の突設片A417iと、を備える。
挿通柱状部A417fは、電飾基板A416cの大径孔A416cの内径よりも若干小さな直径で電飾基板A416の厚さを超えて、側壁A417a3の先端が形成する平面めで突設される大径基部と、その大径基部の先端から拡散板A415の細径孔A415cの内径よりも若干小さな直径で突設される細径先端部とを備える。
これにより、大径基部で電飾基板A416の位置合わせ及び拡散板A415の面支持を行い、細径先端部で拡散板A415の位置合わせを行うことができる。即ち、拡散板A415は、細径先端部で位置合わせされ、側壁A417a3と、挿通柱状部A417fの大径基部の先端とに面支持される。このように構成することで、直接的には締結固定していない態様ながらも、拡散板A415の姿勢がずれることを抑制することができる。
貫通孔A417gは、空気の通り道を形成し、電飾基板A416の発熱を抑える機能を持つ。本実施形態では、電飾基板A416の発光手段A416aの正面側を塞ぐ態様で拡散板A415が配置され、正面側へは空気の通り道を形成し難い構成であることから、背面側において貫通孔A417gを形成している。これにより、発光手段A416aによる演出効果を低くすることなく、電飾基板A416の発熱を抑えることができる。
切欠き部A417hは、拡散板A415の突設板部A415dを受け入れ、側壁A417a3に沿う方向で係合する。これにより、経年劣化により挿通柱状部A417fの細径先端部が折れたり、製造不良で細径先端部が脱落したりする場合であっても、拡散板A415が基板固定板A417に対して突設板部A415dの長手方向(側壁A417a3の形成方向に沿う方向、右上方向)に位置ずれすることを防止することができる。従って、上述のように拡散板A415を締結固定しない支持態様において、拡散板A415が位置ずれすることを防止することができる。
突設片A417iは、浅底板状部A417a2との間に電飾基板A416を進入可能な薄板状に形成される。本実施形態では、組立状態において、突設片A417iが電飾基板A416と正面視で干渉する突設長さで形成されていることに加えて、突設片A417iが側壁A417a3から下方(斜め下方)へ突設されているので、電飾基板A416が重力などにより前倒れする方向の負荷を受けた場合であっても、この突設片A417iが電飾基板A416の傾倒先端側(右上側)を係止する(正面側から止める)ことになるので、電飾基板A416が前倒れすることを防止することができる。
突設片A417iは、動作ユニットA300の内部空間内側に形成され、電飾基板A416の正面側への変位を規制する(バタつきを抑制する)。そのため、動作ユニットA300の内部空間内側における締結ネジの配設を省略しながら、電飾基板A416を安定して固定することができる。これにより、遊技者の注目力が高くなり易い動作ユニットA300の内部空間内側に締結ネジを配設することによる(締結ネジにより影が生じてしまうことによる)発光演出効果の低減を回避しながら、電飾基板A416を基板固定板A417に安定して固定することができる。
電飾基板A416を基板固定板A417に組み付ける際には、電飾基板A416の右側縁部を浅底板状部A417a2と突設片A417iとの間に斜めに進入させる態様で奥まで差し込み、差し込み先端を起点として電飾基板A416を後方へ押し込むことでスムーズに組み付けることができる。このことについて、図331及び図332を参照して説明する。
図331(a)は、電飾基板A416及び基板固定板A417の正面図であり、図331(b)は、図331(a)のCCCXXXIb−CCCXXXIb線における電飾基板A416及び基板固定板A417の断面図であり、図332(a)は、電飾基板A416及び基板固定板A417の正面図であり、図332(b)は、図332(a)のCCCXXXIIb−CCCXXXIIb線における電飾基板A416及び基板固定板A417の断面図である。
図331(a)及び図331(b)では、電飾基板A416が基板固定板A417に対して差し入れられた状態が図示され、図332(a)及び図332(b)では、電飾基板A416が基板固定板A417に組み付けられた状態が図示される。
電飾基板A416は、基板本体の右側辺の上下端から面取りされる面取り部A416g,A416hを備えている。面取り部A416g,A416hの形成態様は、基板固定板A417の右側辺の上下端から近接する切欠き部A417hまでの長さに対応する。即ち、基板固定板A417の右側辺の上端における切欠き部A417hまでの長さに比較して、下端における切欠き部A417hまでの長さの方が短いことに対応して、電飾基板A416の上端部の第1面取り部A416gに比較して、下端部の第2面取り部A416hの方が、電飾基板A416の右側辺からの距離が短く形成される。
図331では、図332に示す状態に比較して、電飾基板A416が基板固定板A417の左側辺の傾斜に沿って上方に変位した状態が図示される。この変位の程度は、第1面取り部A416gにより基板固定板A417の上側面との間に形成される空間の長さが上限とされるものであり、図331の状態において、第1面取り部A416gの縁部は切欠き部A417hが形成する隙間に入り込んでいる。
図331に図示する状態とは逆に、電飾基板A416を下方へ変位させる場合には、第2面取り部A416hにより基板固定板A417の下側面との間に形成される空間の長さを上限として図332の状態から電飾基板A416を下方へずらすことができ、その下方へずれた状態において第2面取り部A416hの縁部は切欠き部A417hが形成する隙間に入り込むことになる。
このように、電飾基板A416に面取り部A416g,A416hを形成することにより、電飾基板A416を基板固定板A417に差し入れる際の電飾基板A416の位置の自由度を向上することができる。即ち、電飾基板A416の右側辺と基板固定板A417の右側辺とを図332に示すような位置関係としなくても、若干の上下方向のずれを許容して、電飾基板A416を基板固定板A417に差し入れることができる。これにより、電飾基板A416を基板固定板A417に容易に差し入れることができる。
図331で示す状態から図332で示す状態とするには、電飾基板A416を、その右側辺を傾倒の軸として基板固定板A417に近づけるように傾倒させればいい。この際、図331に示すように、電飾基板A416の大径孔A416cを通して基板固定板A417の挿通柱状部A417fが見えていることからも分かるように、先細り形状の挿通柱状部A417f(図329参照)により大径孔417cが案内されることで、電飾基板A416の上下方向の位置ずれが修正され、図332の状態に収まる。従って、意図的に電飾基板A416の上下ずれを修正せずとも電飾基板A416の上下ずれが修正されるので、電飾基板A416を基板固定板A417に容易に組み付けることができる。
なお、切欠き部A417hには、組立状態(図325参照)において突設板部A415dが嵌め入れられ、隙間が埋められる。従って、組立後に切欠き部A417hに電飾基板A416が入り込むことを回避することができる。即ち、切欠き部A417hに対して、電飾基板A416の組み付け時における隙間を広げる機能を持たせながら、組立状態となった後は、その隙間を埋めることで電飾基板A416の配置を維持する機能を持たせることができる。
図332(b)に示すように、電飾基板A416が基板固定板A417に組み付けられた状態において、突設片A417iが電飾基板A416の正面側に張り出して電飾基板A416の抜けに対して干渉しているので、電飾基板A416の右側辺が基板固定板A417から脱落することを防止することができる。
このような抜け止め構造により電飾基板A416の脱落防止を図ることにより、本実施形態では、電飾基板A416及び基板固定板A417の右側辺付近に基板締結部A417cを配設しないよう構成している(締結ネジの配設を省略している)。これにより、電飾基板A416及び基板固定板A417の右側辺付近における発光手段A416aの配設領域を確保することができると共に、締結ネジにより影が生じることを回避することができる。従って、電飾基板A416及び基板固定板A417の右側辺付近における発光演出の演出効果を向上することができる。
電飾基板A416が不良となり、電飾基板A416を取り替えるメンテナンス作業の際には、図332(b)に示す状態から図331(b)に示すように電飾基板A416を基板固定板A417に対して傾ける必要がある。この時、電飾基板A416は基板固定板A417に周囲を囲われているので、電飾基板A416を直接傾けることは困難である。これに対し、本実施形態では、正面側に第1コネクタA416e1が配設されており、その第1コネクタA416e1に連結される配線を手前に引くようにすることで、容易に電飾基板A416を基板固定板A417に対して傾けることができる。
更に、第1コネクタA416e1は、電飾基板A416の姿勢変化の起点となる右側端部(側壁A417a3と対向配置される端部)とは反対側の位置に配設されているので、第1コネクタA416e1に連結される配線に与えられる負荷により効率的に電飾基板A416を回転変位させることができる。換言すれば、配線に与えられる負荷により電飾基板A416に与えられる力のモーメントを大きくすることができる。これにより、メンテナンス作業時に電飾基板A416や配線に余計(過大)な負荷が与えられることを回避することができる。
図333は、前側ユニットFU及び後側ユニットBUの分解正面斜視図であり、図334は、前側ユニットFU及び後側ユニットBUの分解背面斜視図である。図333及び図334に示すように、後側ユニットBUは、正面側が開放された箱状に形成され、その開放された正面側に前側ユニットFUが蓋をする態様で固定される。即ち、後側ユニットBUの正面側に配設されている第2変位部材A490は、後側ユニットBUと前側ユニットFUとの間の隙間を進退可能に構成される。
図333に示すように、それぞれの第1動作ユニットA400に配設される駆動装置は、駆動モータAMT1の1つのみである。駆動モータAMT1の駆動力が前側ユニットFUの第1変位部材A440と、後側ユニットBUの第2変位部材A490とに伝達されることで、第1動作ユニットA400の可動演出が実行される。
なお、本実施形態では、ユニットとして分解可能な単位として、前側ユニットFU、後側ユニットBUと呼んでいるに過ぎず、可動演出を実行する際には、前側ユニットFU及び後側ユニットBUの構成がそれぞれ単独で動作するのではなく、関連して動作する。例えば、駆動モータAMT1は前側ユニットFUに配設されている一方で、その駆動モータAMT1の駆動力を伝達する伝達ギアA461は後側ユニットBUに配設されている。
図335は、第1動作ユニットA400の前側ユニットFU及び後側ユニットBUの分解正面斜視図であり、図336は、第1動作ユニットA400の前側ユニットFU及び後側ユニットBUの分解背面斜視図である。即ち、図335及びB11は、正面カバーA410を取り外した状態における第1動作ユニットA400の分解斜視図である。なお、図335及び図336では、配線HC等の図示が省略されている。まず、第1動作ユニットA400の構成の概要について説明する。
図335及び図336に示すように、第1動作ユニットA400は、前側ユニットFUを構成するものとして、光透過性で有色(本実施形態では黒色)の樹脂材料から板状に形成される支持板部A420と、光透過性で無色の樹脂材料から形成され、支持板部A420の正面側に第1変位部材A440が進退可能な隙間を空けて配設され、支持板部A420に対して締結固定される案内板部A430と、その案内板部A430と支持板部A420との間の隙間に案内されて進退変位(スライド変位、図339から図344参照)する第1変位部材A440と、その第1変位部材A440に駆動モータAMT1の駆動力を伝達する機構であって第1変位部材A440の変位と連動して変位するスライドリンクA450と、支持板部A420に締結固定される駆動モータAMT1及びその駆動モータAMT1に締結固定される駆動ギアAMG1と、を主に備える。
また、第1動作ユニットA400は、後側ユニットBUを構成するものとして、駆動ギアAMG1と歯合しており駆動ギアAMG1の回転に伴い各構成部材が回転動作する伝達ギア群A460と、その伝達ギア群A460を回転可能に軸支し、光透過性で有色(本実施形態では黒色)の樹脂材料から正面側が開放された箱状に形成される支持箱部A470と、光透過性で無色の樹脂材料から形成され、支持箱部A470の背面側に隙間を空けて配設され支持箱部A470に締結固定される後板部A480と、支持箱部A470の正面側に形成される隙間(支持板部A420及び支持箱部A470の間の隙間)に進退変位(回動変位、回転変位、図356から図358参照)する第2変位部材A490と、その第2変位部材A490に駆動モータAMT1の駆動力を伝達するラックピニオン機構であり支持箱部A470の背面側に締結固定されるラックピニオンA510と、を主に備える。
上述したように、第1変位部材A440及び第2変位部材A490は、その背面側に配設される板状部(支持板部A420、支持箱部A470の底部)を挟んで背面側に伝達機構(スライドリンクA450、ラックピニオンA510)が配設されるという共通の構成を備えており、支持板部A420と支持箱部A470との間の隙間にスライドリンクA450と第2変位部材A490とが共に配設される。
即ち、板状部を挟んで変位部材A440,A490と伝達機構(スライドリンクA450、ラックピニオンA510)とを前後に配設するという前後に嵩張り易い構成としながら、正面側の第1変位部材A440の伝達機構としてのスライドリンクA450と、第2変位部材A490とを前後に独立した隙間に配設する場合に比較して、その独立した隙間を形成するための板部材の配設を省略することができるので、第1変位部材A440及び第2変位部材A490の変位機構部の占める前後幅を抑制することができる。これにより、前後幅を抑制できた分で形成可能な前後隙間に他の演出機構部を配置することができるので、第1動作ユニットA400の演出効果を向上することができる。
次いで、第1動作ユニットA400の各構成について詳しく説明する。上述したように、第1動作ユニットA400は、変位態様の異なる第1変位部材A440及び第2変位部材A490を備えており、それぞれの変位に必要な構成が部分的に異なるので、先に第1変位部材A440の変位を実現するために必要となる構成を説明し、後で第2変位部材A490の変位に必要となる残りの構成を説明する。
支持板部A420は、第1動作ユニットA400の骨組みを構成すると共に第1変位部材A440の変位方向を案内する部分であって、駆動モータAMT1が締結固定される矩形板状に構成される本体板部A421と、方向A416xと平行に延びる長孔として貫通形成される複数の案内孔A422と、その案内孔A422の一つに同様の長孔として併設される抜き孔A423と、方向A416xと平行な突条として正面側に突設される複数の案内凸条A424と、本体板部A421の右側縁部から方向A416xに沿って凹設され凹設端部が正面側へ向かう程に本体板部A421の右側縁部から離反する方向に傾斜する傾斜面として形成される凹設部A425と、第1変位部材A440が初期位置に配置されていることを検出する検出センサA426と、スライドリンクA450の被軸支孔A452を軸支可能な断面円形状で本体板部A421から背面側へ突設される軸支部A427と、伝達ギア群A460の配置に対応する位置で本体板部A421から背面側へ円筒状に突設される複数の抜け止め円筒部A428と、を主に備える。
案内孔A422は、第1変位部材A440の変位を案内する第1案内孔A422aと、スライドリンクA450の被案内突設部A455cの変位を案内する複数の第2案内孔A422bと、を備える。
抜き孔A423は、スライドリンクA450のバネ掛け部A455dが正面側へ向けて通過するための貫通孔であって、そのバネ掛け部A455dは本体板部A421の正面側に張り出した状態でコイルスプリングASP1の端部を係止する(引っかける)。
コイルスプリングASP1のもう一方の端部は本体板部A421の左下隅部に係止されており(引っかけられており)、コイルスプリングASP1は、縮む方向(左下方向)への付勢力を発生する。
案内凸条A424は、第1変位部材A440の案内溝A441gに跨がれ、第1変位部材A440の変位を案内する機能を備える。凹設部A425は、第1変位部材A440に連結される電気配線FCの撓みを案内するために形成されているが、詳細については後述する。
検出センサA426は、第1変位部材A440が初期位置に配置されていることを判定可能に配設されるフォトカプラ式のセンサである。検出センサA426は、本実施形態では、第1変位部材A440の位置を直接検出しているのではなく、スライドリンクA450の被検出板部A455eの位置を検出している。
本実施形態では、第1変位部材A440及び第2変位部材A490の配置を判定するために配置されるセンサは検出センサA426であり、第1変位部材A440及び第2変位部材A490が張出位置に配置されたことを判定する検出センサの配設が省略されている。
これにより、部材コストの低減や、他の変位部材を配設するためのスペースの捻出を行うことができる一方で、第1変位部材A440や第2変位部材A490が張出位置に既に配置されているにもかかわらず、駆動モータAMT1が停止しない等の不具合が生じることも想定される。これに対し、駆動モータAMT1が停止しない場合であっても、第1変位部材A440の変位に関わる箇所に過負荷が生じることを回避し、第1変位部材A440の配置も維持できるよう対策しているが、詳細は後述する。
抜け止め円筒部A428は、伝達ギア群A460の伝達ギアA461の最外径の略半分の内径で形成される円筒形状で突設されており、その突設先端が若干の隙間を空けて伝達ギア群A460に対向配置される。即ち、抜け止め円筒部A428は、伝達ギアA461が軸側脱落方向に変位することを抑制する機能を奏する。
なお、本実施形態では、伝達ギアA461の軸支部の先端に抜け止め用のネジが固定される(図示せず)。そのため、ネジが緩んだり、脱落したりしない限りは、そのネジによって伝達ギアA461が軸側脱落方向に変位することを規制することができる。このように、本実施形態では、ネジと、抜け止め円筒部A428とによって、伝達ギアA461の抜け止めを2段階で抑制するように構成しているので、伝達ギアA461が軸から抜け落ちることの確実な防止を図ることができる。
案内板部A430は、右側縁が本体板部A421の右側縁と平行とされ、本体板部A421の形成する面と平行な面上に沿う姿勢で対向配置される板状の本体板部A431と、その本体板部A431の背面側に方向A416xに沿う長尺矩形状に凹設される複数の長尺凹部A432と、本体板部A431の正面において右側縁に方向A416xに沿って左下方へ向かうほど正面側へ向かう態様で傾斜形成され、第1変位部材A440(の後蓋部443)の変位を補助可能に構成される傾斜面A433と、支持板部A420の凹設部A425の幅に対応する幅で方向A416xに沿う長尺板状に形成される案内板部A434と、を主に備える。
本体板部A431は、周縁部に締結ネジが挿通される複数の挿通孔部A431aを備えている。本体板部A431の左側縁部は、支持板部A420の本体板部A421の左側縁から正面側へ嵩上げされる側壁部A421aに面(辺)で支えられているので、本体板部A431の左側縁部に配設される挿通孔部A431aを1箇所としながらも、案内板部A430を支持板部A420に安定して締結固定することができる。
また、第1変位部材A440が進退動作する際に表裏を通る位置としての本体板部A431の右縁部においては、挿通孔部A431aを上下幅の略中央位置に1箇所のみ配置しているので、挿通孔部A431aを偏った位置に配置する場合に比較して本体板部A431の右縁部と支持板部A420との間隔のずれを右縁部の全箇所に亘って抑制することができると共に、挿通孔部A431aが複数配置される場合に比較して第1変位部材A440の設計自由度を向上させることができる。
長尺凹部A432は、第1変位部材A440の変位止め突設部A441eを変位する方向である方向A416xに案内する凹部であって、第1変位部材A440の変位止め突設部A441eの変位可能長さと略同等の長さで凹設される。即ち、第1変位部材A440は、支持板部A420の案内孔A422に背面側が案内されるのみではなく、長尺凹部A432によって正面側も案内される。
案内板部A434は、右縁側に平型(フラット)ケーブルから構成される電気配線FCの厚みよりも若干広い間隔を空けて配設される複数の爪部A434aを備え、この爪部A434aの間の隙間に第1変位部材A440に端部が連結される電気配線FCが通され仮止めされる。これにより。第1変位部材A440の変位により撓み変位する電気配線FCの撓み変位の一端を爪部A434aの位置とすることができ、爪部A434aよりも左方における電気配線FCの位置を安定させることができる。
そのため、平型(フラット)ケーブルから構成される電気配線FCを案内板部A434に接するほどに近づけた状態で維持することができるので、第1変位部材A440が案内板部A434の正面側まで変位し、電気配線FCも同様に変位する場合に(図346参照)、第1変位部材A440と電気配線FCとが干渉することを回避することができる。第1変位部材A440については、図337及び図338を参照して、詳しく説明する。
図337は、第1変位部材A440の分解正面斜視図であり、図338は、第1変位部材A440の分解背面斜視図である。なお、図338では、説明の便宜上、図336とは異なる方向視で図示される。
図337及び図338に示すように、第1変位部材A440は、支持板部A420及び案内板部A430の間を方向A416xに沿って案内される板状部である被案内板部A441と、有色(本実施形態では金色のメッキが施される)で光不透過の樹脂材料から形成され、被案内板部A441に軸支され、被案内板部A441と連動して変位する板状部である連動板部A442と、その連動板部A442の背面側に締結固定され連動板部A442との間に隙間を形成する後蓋部443と、無色の光透過性の樹脂材料から板状に形成され連動板部A442の背面側に対向配置される拡散板A444と、その拡散板A444の背面側に対向配置され拡散板A444の外形と略同等の外形で形成され、後蓋部443に対向配置される電飾基板A445と、を主に備える。
ここで、連動板部A442、後蓋部443、拡散板A444及び電飾基板A445は、ひとまとまりに固定されるので、これらについて先に説明する。即ち、連動板部A442の背面から突設される複数の位置決めピンA442aが拡散板A444の複数の挿通孔A444aに挿通されることで連動板部A442及び拡散板A444が互いに位置決めされ、拡散板A444の背面から突設される複数の位置決めピンA444bが電飾基板A445の複数の挿通孔A445aに挿通されることで拡散板A444及び電飾基板A445が互いに位置決めされる。
そして、連動板部A442の複数の螺入部A442bに後蓋部443の複数の挿通孔443aを通過した締結ネジが締結固定されることで連動板部A442と後蓋部443との間に拡散板A444及び電飾基板A445が位置決めピンA442a,A444bの脱落が生じない程度の変位(位置決めピンの高さ未満の変位)を許容する態様で保持される。これにより、拡散板A444や電飾基板A445に直接締結ネジを挿通することなく、拡散板A444及び電飾基板A445を安定して固定することができる。
なお、本実施形態では、後蓋部443の外周付近において正面側へ突設される複数の突設リブ443bが電飾基板A445に当接して、連動板部A442及び拡散板A444に対して押し付ける負荷が生じる寸法関係で形成される。この押し付け力により、拡散板A444及び電飾基板A445を連動板部A442に安定して固定することができる。
電飾基板A445は、正面側に拡散板A444側へ光軸を向けたLED(図337において略正方形のチップ形状で図示される)等の複数の発光手段A445bを備える。
拡散板A444は、背面側に発光手段A445bと対向配置される軸対応位置A444cを中心として同心円状に広がる形状の突条から形成される波模様が形成され、その波模様の外縁は連動板部A442の開口A442cと対応する位置に形成される。
拡散板A444の正面側には、連動板部A442の開口A442cの内形状よりも若干小さな外形で正面側へ張り出す嵌め込み部A444dが形成され、組立状態において、嵌め込み部A444dは、開口A442cに嵌め込まれる。
このように構成することで、発光手段A445bから出射される光で、拡散板A444を通過した光の内、開口A442cを通過した光を遊技者は視認可能となる。
電飾基板A445は、背面側に配設され、平型(フラット)ケーブルから構成される電気配線FCが連結されるコネクタA445cを備える。コネクタA445cに連結される電気配線FCは、連動板部A442の回転先端側からコネクタA445cに連結される。これにより、電気配線FCの湾曲位置を連動板部A442の回転先端側に構成することができ、その湾曲の程度を緩やかにすることができる。
後蓋部443は、コネクタA445cや不図示の回路構成装置(コンデンサや抵抗等)と対応する位置に開口形成される通気開口443cと、その通気開口416cに対して方向A416xの方向に併設して貫通形成される通し孔A443dと、を備える。
コネクタA445cに連結される電気配線FCの先端はコネクタA445cが位置する通気開口443cに配置されることになるが、電気配線FCは通し孔A443dを通り後蓋部443の背面側へ引き回される。これにより、電気配線FCを通気開口443c及び通し孔A443dの間を仕切る細径棒状部443eと、電飾基板A445とで挟み込むことができるので、コネクタA445cと細径棒状部443eとの間において電気配線FCが変位することを防止することができる。なお、通し孔A443dは電気配線FCを配置する空間を形成する役割も有しており、通し孔A443dが方向A416xに沿って十分な長さで形成されていない場合に比較して、電気配線FCに与えられる負荷を低減することができる。
加えて、本実施形態では、細径棒状部443eが、突設リブ443bと同様に電飾基板A445側へ張り出して形成される。そのため、細径棒状部443eと電飾基板A445との間の間隔が狭められることになる。このような構成から、後蓋部443から電飾基板A445へ負荷が与えられる点を限定することができる。即ち、後蓋部443から電飾基板A445へは、突設リブ443b及び細径棒状部443eのみが負荷を与えるように構成される。
これにより、第1変位部材A440の変位により電気配線FCが変位した場合であっても、コネクタA445cから電気配線FCが抜けることを回避することができる。
次に、連動板部A442と被案内板部A441との連結態様と、被案内板部A441の詳細について説明する。連動板部A442は、外形円状に突設される支持軸部A442dと、その支持軸部A442dの中心軸と同軸の円形開口である被軸支孔A442eと、支持軸部A442dの中心軸と平行な軸を中心に回転可能に連動板部A442に軸支される樹脂製部材であって外形円状に形成されるローラー部材A442fと、を備える。
被案内板部A441は、樹脂材料から長尺板状に形成される本体板部A441aと、その本体板部A441aの上方の端部から外形円状に突設される支持軸部A441bと、その支持軸部A441bの中心軸と同軸の円形状で本体板部A441aの下方の端部に穿設される被軸支孔A441cと、本体板部A441aの正面から正面側へ長尺の直線状に突設される複数の案内突条部A441dと、その案内突条部A441dと交差(直交)する方向に沿う長尺形状で正面側へ突設される複数の変位止め突設部A441eと、電飾基板A445のコネクタA445cに連結される電気配線FCに対向配置される位置において正面側へ向かうほど外側(左下側)へ向けて傾斜する傾斜面A441fと、本体板部A441aの背面側において方向A416xに沿う細径溝として形成される複数の案内溝A441gと、本体板部A441aの右上側縁部から方向A416xに沿って凹設される凹設部A441hと、本体板部A441aの背面側へ締結ネジを締結可能な態様で突設される締結部A441iと、を備える。
支持軸部A441b及び被軸支孔A441cは、連動板部A442との連結に利用される。組み付け方としては、連動板部A442の被軸支孔A442eが支持軸部A441bの軸状に配置されるように連動板部A442を配置した後で、その軸に沿って連動板部A442を被案内板部A441に対して移動させることで被軸支孔A442eに支持軸部A441bを、被軸支孔A441cに支持軸部A442dをそれぞれ挿通し、軸支状態を構成することができる。なお、被軸支孔A442e及び支持軸部A441bや、被軸支孔A441c及び支持軸部A442dは、回転可能に間に若干の隙間が形成される寸法で構成される。
なお、本実施形態では、上述の方法で連動板部A442と被案内板部A441との軸支状態を構成した後で、支持軸部A441bの先端に抜け止め用のビスが固定され、そのビスの頭部の直径が被軸支孔A442eの内径よりも大きく構成されることにより、連動板部A442が被案内板部A441から抜けることを防止している。
案内突条部A441dは、案内板部A430の背面との当接面積を狭くするための細径部である。これにより、案内板部A430の本体板部A431との間で生じる摩擦力を低減することができ、被案内板部A441を滑らかに変位させることができる。
変位止め突設部A441eは、案内板部A430の長尺凹部A432の幅よりも若干短い幅で形成され、第1動作ユニットA400の組立状態(図324参照)において、長尺凹部A432に進入する突設長さで形成される。
被案内板部A441が変位終端に配置された場合に、変位止め突設部A441eが長尺凹部A432の長尺方向の端部に配置されるように変位止め突設部A441eの形成位置が設計される。従って、被案内板部A441が変位終端で正常に停止しなかった場合であっても、変位止め突設部A441eを長尺凹部A432で係止することで被案内板部A441の変位を規制することができる。
傾斜面A441fは、電飾基板A445のコネクタA445cに連結される電気配線FCを受け入れ、案内するための平面である。傾斜して形成することにより、被案内板部A441の変位に伴い電気配線FCに与えられる負荷を抑えることができる。なお、平型(フラット)ケーブルから構成される電気配線FCの撓みの態様については後述する。
案内溝A441gは、支持板部A420の案内凸条A424を跨ぐ溝であり、案内凸条A424の厚みよりも大きな溝幅で形成され、各溝の終端付近に溝内側へ向けて両側から断面半円状に張り出す張出部を備える。この張出部の先端間の間隔は、案内凸条A424の厚みよりも若干長い寸法とされる。これにより、案内溝A441gの延びる方向が案内凸条A424の長尺方向からずれることを抑制しつつ、案内溝A441gと案内凸条A424との間に生じる摩擦力を低減することができる。
凹設部A441hは、案内板部A430の右側の挿通孔部A431aに挿通される締結ネジによる締結に利用される箇所との干渉を避けるために凹設される逃げ部である。これにより、本実施形態では、被案内板部A441の右端部が挿通孔部A431aよりも右側に配置可能に構成される。
締結部A441iは、組立状態(図324参照)において支持板部A420の第1案内孔A422aに挿通され、スライドリンクA450の変位側長孔A453に連結される。即ち、スライドリンクA450を介して、締結部A441iに駆動力が伝達されることで、被案内板部A441を含む第1変位部材A440が変位する。
図335及び図336に戻って説明する。スライドリンクA450は、支持板部A420の軸支部A427に回転可能に軸支される長尺リンクA451と、その長尺リンクA451と連結され方向A416xに沿って平行移動可能に支持される異形スライド部材A455と、を備える。
長尺リンクA451は、長尺棒状に形成される部材であって、軸支部A427を挿通可能な直径で穿設される被軸支孔A452と、その被軸支孔A452を基準として長い側の端部に長尺方向に沿う長孔状に穿設される変位側長孔A453と、その変位側長孔A453が配設される側の反対側の端部に長尺方向に沿う長孔状に穿設される伝達側長孔A454と、を備える。
異形スライド部材A455は、支持板部A420の軸支部A427が突設される基端面よりも正面側に凹設される本体板部A421の凹み部A421bに配置され本体板部A421と長尺リンクA451との間に挟まれる板状の本体板部A455aと、その本体板部A455aの背面側へ外形円状に突設され長尺リンクA451の伝達側長孔A454に挿通される伝達突設部A455bと、本体板部A455aの正面側へ外形円状に突設され支持板部A420の第2案内孔A422bに挿通される複数の被案内突設部A455cと、本体板部A455aの正面側へ先端鉤状に突設され支持板部A420の抜き孔A423に挿通されコイルスプリングASP1の端部が引っかけられる(係止される)バネ掛け部A455dと、検出センサA426の検出隙間に進入可能な薄さの板状に形成される被検出板部A455eと、伝達ギア群A460から駆動力が伝達される異形被伝達部A456と、を備える。
伝達ギア群A460は、支持箱部A470に回転可能に軸支される一対のギアから構成され一方のギアが駆動ギアAMG1と歯合される一対の伝達ギアA461と、その一対の伝達ギアA461に対して駆動ギアAMG1の反対側で歯合されるピン付きギアA462と、そのピン付きギアA462に位相を合わせて追従する同位相部材A465とを備える。
ピン付きギアA462は、偏心した位置から正面側へ外形円状に突設される伝達突部A463と、その伝達突部A463を基端としてピン付きギアA462の回転軸を中心とした円弧形状の壁部として形成される円弧壁部A464とを備える。
円弧壁部A464は、中心角度が約230度とされ、伝達突部A463に比較して正面側への形成長さが短くされる。従って、後述するように、伝達突部A463も円弧壁部A464も同様に異形被伝達部A456への負荷伝達を行う部分でありながら、その負荷発生箇所は前後方向で異なる。即ち、伝達突部A463を介した負荷の発生位置(複数点で負荷が生じる場合はその中間点または平均点)の方が、円弧壁部A464を介した負荷の発生位置に比較して正面側となる。上述した構成により、第1変位部材A440の変位態様について説明することができるので、以下において、第1変位部材A440の変位態様について説明する。
図339(a)は、前側ユニットFUの正面図であり、図339(b)は、前側ユニットFUの背面図であり、図339(c)は、図319のCCCXXXIXc−CCCXXXIXc線における第1動作ユニットA400の部分断面図である。
なお、理解を容易とするため、図339(a)では、案内板部A430が想像線で図示され、図339(b)では、伝達ギアA461及び電気配線FCの図示が省略され、ピン付きギアA462については伝達突部A463及び円弧壁部A464のみが図示され、図339(c)では、正面カバーA410が想像線で図示される。また、図339(a)及び図339(b)では、特に説明する場合を除き後側ユニットBUの図示が省略される。また、以下の図340から図345においても同じである。
図339(a)から図339(c)では、第1変位部材A440が駆動モータAMT1の励磁前における退避位置に配置された状態が図示される。この状態では、異形スライド部材A455は、最も外方(左方)に配置されており、コイルスプリングASP1の長さが最も短くされることから、コイルスプリングASP1から異形スライド部材A455に負荷される付勢力は最弱となる。
図339(b)に示すように、異形被伝達部A456は、ピン付きギアA462と係合する部分であって、伝達突部A463よりも張出位置(右上)側において本体板部A455aから背面側へ板状に突設される突設板部A456aと、その突設板部A456aの退避位置(左下)側において伝達突部A463の直径以上の間隔を空けて突設板部A456aに対向配置される対向配置部A456bと、それら突設板部A456aと対向配置部A456bとの間に形成される挿通隙間A456cと、を備える。
突設板部A456aの突設長さは、対向配置部A456bの同方向の長さに比較して長く形成され、組立状態(図324参照)において、伝達突部A463及び円弧壁部A464に対して移動方向で当接可能とされる。
対向配置部A456bは、伝達突部A463aに対して移動方向で当接可能とされる(重なる)一方、円弧壁部A464に対しては移動方向で非当接とされる(重ならない)。即ち、対向配置部A456bと円弧壁部A464とは、前後隙間が生じる寸法関係で形成される。
挿通隙間A456cは、伝達突部A463を受け入れ可能に構成されており、開放端側に、伝達突部A463の移動方向に沿う形状として形成される逃げ部A456dが形成される。この逃げ部A456dにより、伝達突部A463の挿通隙間A456cに対する進退変位を滑らかに(低抵抗で)行うことができる。
図339(b)では、伝達ギアA461の図示が省略されているが、実際の組立状態(図324参照)では、同形状のギアである一対の伝達ギアA461が駆動ギアAMG1とピン付きギアA462との間に配置され、駆動ギアAMG1の駆動力をピン付きギアA462に伝達する。
図339(b)に示すように、第1案内孔A422aに案内される第1変位部材A440と、第2案内孔A422bに案内される異形スライド部材A455とが、長尺リンクA451により連結される。即ち、軸支部A427を軸に回転変位する長尺リンクA451によって、第1変位部材A440と異形スライド部材A455とが方向A416xと平行の逆方向にそれぞれ変位する。
図339(b)に示すように、第1変位部材A440が退避位置に配置される状態において被検出板部A455eは検出センサA426の検出隙間に進入している。
図339(c)に示すように、第1変位部材A440は、支持箱部A470の案内壁部A471bと正面カバーA410の案内部A413との間にローラー部材A442fが配置されており、このローラー部材A442fの配置が支持箱部A470の案内壁部A471bと正面カバーA410の案内部A413との間に規制されるので、被案内板部A441のスライド変位に伴って連動板部A442が被軸支孔A442eを起点に回転するよう構成される。第1変位部材A440の変位態様を時系列で説明するための作用図について説明する。
図340(a)は、前側ユニットFUの正面図であり、図340(b)は、前側ユニットFUの背面図であり、図340(c)は、図319のCCCXXXIXc−CCCXXXIXc線における第1動作ユニットA400の部分断面図である。
図340(a)から図340(c)では、駆動モータAMT1が励磁回転され、ローラー部材A442fが図339(c)に対して前後方向視で同位置とされ、支持箱部A470の案内壁部A471bの折れ曲がり角部に当接した状態が図示される。
図339の状態から図340の状態に変位するまでに、ピン付きギアA462は初期角度d0から第1角度d1だけ回転している。この回転に伴って伝達突部A463が突設板部A456aを押進することで、異形スライド部材A455がスライド変位し、そのスライド変位が長尺リンクA451を介して第1変位部材A440に伝達される。なお、上述したように、円弧壁部A464と対向配置部A456bとの間には前後隙間が空けられているので、円弧壁部A464は対向配置部A456bに対して前後に重なって配置可能とされる(図340(b)参照)。
なお、本実施形態では、初期角度d0においてピン付きギアA462の回転軸と伝達突部A463の中心とを結ぶ直線が方向A416xと平行となるように構成されるが、これに限られるものではない。
例えば、初期角度d0においてピン付きギアA462の回転軸と伝達突部A463の中心とを結ぶ直線が方向A416xに対して10度だけ傾いた(ピン付きギアA462の回転方向の逆方向に10度だけ傾いた)直線として形成されてもいい。この場合、初期角度d0から10度分の区間は、突設板部A456aに対して進行方向の負荷を与えない区間として構成することができるので、回転開始直後に過大な駆動抵抗が生じることを回避することができる。
即ち、初期角度d0から10度分の区間を助走区間として利用することができ、初期角度d0から10度回転してから突設板部A456aを勢いよく押進させることができるので、駆動抵抗の抑制を図ることができる。また、初期角度d0へ戻る方向に駆動する場合には、10度分の区間を減速区間として利用することができる。
図341(a)は、前側ユニットFUの正面図であり、図341(b)は、前側ユニットFUの背面図であり、図341(c)は、図319のCCCXXXIXc−CCCXXXIXc線における第1動作ユニットA400の部分断面図である。
図341(a)から図341(c)では、駆動モータAMT1が励磁回転され、ローラー部材A442fが支持箱部A470の案内壁部A471bの中間部と当接した状態が図示される。
図339の状態から図341の状態に変位するまでに、ピン付きギアA462は初期角度d0から第2角度d2だけ回転している。この回転に伴って伝達突部A463が突設板部A456aを押進することで、異形スライド部材A455がスライド変位し、そのスライド変位が長尺リンクA451を介して第1変位部材A440に伝達される。なお、上述したように、円弧壁部A464と対向配置部A456bとの間には前後隙間が空けられているので、円弧壁部A464は対向配置部A456bに対して前後に重なって配置可能とされる(図341(b)参照)。
図342(a)は、前側ユニットFUの正面図であり、図342(b)は、前側ユニットFUの背面図であり、図342(c)は、図319のCCCXXXIXc−CCCXXXIXc線における第1動作ユニットA400の部分断面図である。
図342(a)から図342(c)では、駆動モータAMT1が励磁回転され、長尺リンクA451の長尺方向が方向A416xと略直交している状態が図示される。
図339の状態から図342の状態に変位するまでに、ピン付きギアA462は初期角度d0から第3角度d3だけ回転している。この回転に伴って伝達突部A463が突設板部A456aを押進することで、異形スライド部材A455がスライド変位し、そのスライド変位が長尺リンクA451を介して第1変位部材A440に伝達される。なお、上述したように、円弧壁部A464と対向配置部A456bとの間には前後隙間が空けられているので、円弧壁部A464は対向配置部A456bに対して前後に重なって配置可能とされる(図342(b)参照)。
なお、本実施形態では、第1変位部材A440が前後方向に直交する平面に沿うスライド移動を開始する状態(図342参照)において、長尺リンクA451の長手方向と、異形スライド部材A455の変位方向(方向A416xと平行な方向)とが略直交するように構成されることから、第1変位部材A440の一方向(同一平面)でのスライド変位を滑らかに実行することができる。
即ち、変位側長孔A453から締結部A441iへ与えられる負荷の方向を、異形スライド部材A455の変位方向(方向A416xと平行な方向)を基準とする一側(本実施形態では、下側)に限定することができる。これにより、第1変位部材A440のスライド変位中に、第1変位部材A440の変位方向と交差する方向で第1変位部材A440へ与えられる負荷が反転する場合に比較して、第1変位部材A440のスライド変位のがたつきを抑制することができる。
図343(a)は、前側ユニットFUの正面図であり、図343(b)は、前側ユニットFUの背面図であり、図343(c)は、図319のCCCXXXIXc−CCCXXXIXc線における第1動作ユニットA400の部分断面図である。
図343(a)から図343(c)では、駆動モータAMT1が励磁回転され、ローラー部材A442fが、図342(c)の状態から第1変位部材A440の張出位置(図344(c)参照)の状態へ到達するまでの変位の略中間位置に配置された状態が図示される。
図339の状態から図343の状態に変位するまでに、ピン付きギアA462は初期角度d0から第4角度d4だけ回転している。この回転に伴って伝達突部A463が突設板部A456aを押進することで、異形スライド部材A455がスライド変位し、そのスライド変位が長尺リンクA451を介して第1変位部材A440に伝達される。なお、上述したように、円弧壁部A464と対向配置部A456bとの間には前後隙間が空けられているので、円弧壁部A464は対向配置部A456bに対して前後に重なって配置可能とされる(図343(b)参照)。
図344(a)は、前側ユニットFUの正面図であり、図344(b)は、前側ユニットFUの背面図であり、図344(c)は、図319のCCCXXXIXc−CCCXXXIXc線における第1動作ユニットA400の部分断面図である。
図344(a)から図344(c)では、駆動モータAMT1が励磁回転され、第1変位部材A440が張出位置に配置された状態(張出状態とも称する)が図示される。
図339の状態から図344の状態に変位するまでに、ピン付きギアA462は初期角度d0から第5角度d5だけ回転している。この回転に伴って伝達突部A463が突設板部A456aを押進することで、異形スライド部材A455がスライド変位し、そのスライド変位が長尺リンクA451を介して第1変位部材A440に伝達される。なお、上述したように、円弧壁部A464と対向配置部A456bとの間には前後隙間が空けられているので、円弧壁部A464は対向配置部A456bに対して前後に重なって配置可能とされる(図344(b)参照)。
図344に示す状態から更にピン付きギアA462が回転すると、方向A416xに対して、伝達突部A463は反対方向へ変位し始める。ここで、円弧壁部A464と突設板部A456aとは方向A416xで当接する寸法関係で形成されているので、伝達突部A463が突設板部A456aから離反した後においても、円弧壁部A464が突設板部A456aと当接した状態で異形スライド部材A455の変位が規制される。
円弧壁部A464と突設板部A456aとの当接点は、ピン付きギアA462の回転軸を通り方向A416xと平行な直線状に配置される。そのため、突設板部A456aから円弧壁部A464へ与えられる負荷がピン付きギアA462の回転軸を通るように構成されるので、突設板部A456aからの負荷でピン付きギアA462が回転することを防止することができる。
更に、円弧壁部A464が湾曲形成されていることから、円弧壁部A464と突設板部A456aとの当接面積を抑制することができる(理論上、線接触とすることができるので接触面積は0)。従って、図344に示す状態から更にピン付きギアA462が回転する際に、円弧壁部A464と突設板部A456aとの間で生じる摩擦力を低減することができる(理論上、0にすることができる)ので、異形スライド部材A455の変位を規制するための駆動力が余計に必要となることを回避することができる。即ち、ピン付きギアA462を回転させるのに必要な駆動力のみで、異形スライド部材A455の変位を規制することができる。
加えて、実際は円弧壁部A464や突設板部A456aを構成する樹脂材料の摩耗による変形を考慮すれば、経年的に接触面積は増大し、円弧壁部A464と突設板部A456aとの間で生じる摩擦力が大きくなると考えられる。これに対し、円弧壁部A464及び突設板部A456aに低摩擦シールを貼ったり、潤滑材(グリス等)を塗ったりして対策しても良い。本実施形態では、理想的な接触面積を小さく形成しているので、低摩擦シールや潤滑剤で対策する必要がある面積を小さくできる。従って、対策費用を抑えることができる。
なお、図344(b)に示すように、伝達突部A463の外側面と円弧壁部A464の外側面とは、ピン付きギアA462の回転軸と同軸の同じ円形状に形成されるので、伝達突部A463との当接状態から円弧壁部A464との当接状態へ移行するタイミングを遊技者が把握することを困難とすることができる。
図345は、前側ユニットFUの背面図である。図345では、駆動モータAMT1が励磁回転され、第1変位部材A440が張出位置に配置され、伝達突部A463が異形被伝達部A456と当接した状態が図示される。
図339の状態から図345の状態に変位するまでに、ピン付きギアA462は初期角度d0から第6角度d6だけ(360度以上)回転している(図360参照)。図344の状態以降は、伝達突部A463は突設板部A456aを押進することなく、他の部材とも非当接で変位する。また、突設板部A456aは、図345に示すように、円弧壁部A464と当接することで変位を規制され、図344(b)の状態で維持される(戻り方向の変位が規制される)。即ち、伝達突部A463と異形被伝達部A456との当接は、第1変位部材A440が張出位置に配置された状態で生じる。
図345に示すように、伝達突部A463と異形被伝達部A456との当接位置は、挿通隙間A456cに対して第1変位部材A440の張出位置側の位置とされる。即ち、第1変位部材A440の変位のために異形被伝達部A456に負荷が与えられる箇所(挿通隙間A456c)と、図345において異形被伝達部A456に負荷が与えられる箇所を異ならせている。これにより、ピン付きギアA462が意図せず過回転し、伝達突部A463や異形被伝達部A456に過負荷が生じた場合であっても、挿通隙間A456cの形状が変化することを回避することができる。従って、過負荷が生じた後において、異形スライド部材A455の変位が影響を受ける可能性を低くすることができる。
図345の状態において、伝達突部A463から異形スライド部材A455へ与えられる負荷の方向は第1変位部材A440の退避位置側へ向かう方向(右上方向)とされる。この方向の移動範囲の端部に異形スライド部材A455は配置されているので、伝達突部A463から与えられる負荷によって異形スライド部材A455が変位することは回避される。
このように、異形スライド部材A455が変位することを回避しながら、伝達突部A463から与えられる負荷を対向配置部A456bの弾性変形(撓みや伸縮)により和らげることができる。
図345に示すように、伝達突部A463が当接する箇所は、対向配置部A456bの被検出板部A455e側の側壁であり、伝達突部A463は当接により被検出板部A455eに負荷を与えている。本実施形態では、ピン付きギアA462の過回転により異形被伝達部A456に過負荷が生じた場合に、優先的に被検出板部A455eが折れるように構成される。即ち、伝達突部A463に比較して、被検出板部A455eの方が脆弱に構成される。
これにより、ピン付きギアA462の過回転による負荷で、異形被伝達部A456の構造のうち異形スライド部材A455の変位に関わる構造が破壊されることを回避することができる。従って、異形スライド部材A455の耐久性を向上することができる。
被検出板部A455eが折れると、第1変位部材A440が退避位置に戻っても被検出板部A455eが検出センサA426に検出されないようになることから、被検出板部A455eの検出不良を基に、ピン付きギアA462の過回転が生じた可能性を想定することができ、適時のメンテナンスを実行することができる。
なお、被検出板部A455eの設計態様は、何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、第1変位部材A440の一連の変位動作毎に伝達突部A463が異形被伝達部A456と当接し、若干の負荷を与えるまで駆動モータAMT1を励磁するように制御し、長期使用により疲労破壊が生じやすい箇所(例えば、伝達突部A463)の耐用動作回数と同程度の当接回数の負荷の蓄積により被検出板部A455eが折れるように設計しても良い。この場合、ピン付きギアA462の過回転の発生の可能性を想定できることに加え、伝達突部A463の交換時期を知らせることができるので、適時のメンテナンスを実行させることができる。
図346(a)は、図339(a)のCCCXLVIa−CCCXLVIa線における第1動作ユニットA400の断面図であり、図346(b)は、図344(a)のCCCXLVIb−CCCXLVIb線における第1動作ユニットA400の断面図である。図346(a)では、第1変位部材A440が退避位置の状態(退避状態とも称する)が図示され、図346(b)では、第1変位部材A440が張出位置の状態(張出状態とも称する)が図示される。
図346(a)及び図346(b)に示すように、第1変位部材A440のコネクタA445cには、平型(フラット)ケーブルとして形成される電気配線FCが連結される。電気配線FCは、被案内板部A441と後蓋部443との間の空間に弛み配置されている。
図346(a)に示すように、被案内板部A441の傾斜面A441fは電気配線FCと当接しないように形成される。即ち、傾斜面A441fの上縁は、案内板部A430の傾斜面A433の端部(第1変位部材A440に対向する端部)よりも若干奥まった位置(第1変位部材A440から離れる側へ引き込んだ位置)に形成されており、傾斜面A441fと電気配線FCとの間隔を確保することができる。
電気配線FCは、第1変位部材A440の張出状態では第2変位部材A490の変位軌跡から退避する一方、第1変位部材A440の退避状態では第2変位部材A490の変位軌跡に入り込んで配置される。これにより、後述する空間VEを、電気配線FCが進入する空間と、第2変位部材A490が進入する空間とに兼用することができるので、配置に必要なスペースを小さくすることができる。
電気配線FCは、第1変位部材A440の退避状態において、第1変位部材A440の背面側に形成される空間VEに配置される。これにより、第1変位部材A440が電気配線FCへの視界を遮蔽する遮蔽手段として機能し、前後左右からの方向視で電気配線FCが視認されることを防止することができる。空間VEについて説明する。
空間VEは、第1変位部材A440が退避状態において、遊技者に視認させる側の面(連動板部A442側の開口A442cが形成される面)を第3図柄表示装置81側へ向けた傾斜姿勢で構成されることに付随して形成される背後の空間である。このように空間VEは、第1変位部材A440が板状に形成されること、及び第1変位部材A440が前後方向に幅広な姿勢とされる退避状態において遊技者に見せやすい傾斜姿勢で構成されることで容易に形成される。
一方で、この空間VEは、後述する第2変位部材A490が変位により進入する空間でもあるので、第2変位部材A490の視認性を考慮すれば、正面視における視界を広く維持できる方が好ましい。正面視における視界は遊技者の目を中心として角度をもって広がるので、空間VEの外郭は背面側へ向かう程第3図柄表示装置81から離れる方向に傾斜するように形成されることが好ましいが、本実施形態では、製造の容易さから、空間VEの外郭(第3図柄表示装置81から遠い側の境界面)が前後方向に非傾斜の面で形成される。
このように、本実施形態によれば、第1変位部材A440及び第2変位部材A490の視認性向上のために生じる空間VEが、配線を弛ませ配置する領域として有効利用される。これにより、電気配線FCの弛む部分を張出位置の第1変位部材A440に対して第3図柄表示装置81の反対側に配置する場合に配線を弛ませるために必要となる領域(換言すれば、背面ケースA310の外壁部A312と第1変位部材A440との間の領域)の確保を不要とすることができる。
従って、電気配線FCの弛む部分を張出位置の第1変位部材A440に対して第3図柄表示装置81の反対側に配置する場合に比較して、電気配線FCを背面ケースA310の内方に収容可能としながら、第1変位部材A440の変位終端を背面ケースA310の外壁部A312に近接させる(寄せる)ことができる。
図346に示すように、第1変位部材A440は、張出位置(図346(b)参照)において連動板部A442の正面が正面限界線FL上に配置され、退避位置(図346(a)参照)までの変位過程において、連動板部A442の少なくとも一部(主に、張出位置側部)が正面限界線FLよりも正面側に張り出す。この張り出しは、第1変位部材A440が退避位置から変位する過程において、第1変位部材A440が退避位置(図339(c)参照)の状態から、第1変位部材A440の姿勢変化が完了する(図342(c)参照)までの間に生じるので、特に第1変位部材A440の退避位置側(図346左側)において、正面限界線FLを超えて正面側へ第1変位部材A440が張り出し得る。
そのため、正面限界線FLの正面側に第1変位部材A440との衝突を避けるための空間を形成する必要があるので、電飾基板A416の配置が第1変位部材A440から余計に離す(正面側へ寄せる)必要性が生じるが、本実施形態では、電飾基板A416を第1変位部材A440の退避位置側(図346左側)に形成しないことで、第1変位部材A440が張り出すための空間を形成している。加えて、拡散板A415のみを第1変位部材A440の退避位置側に張り出し形成することで、電飾基板A416に配設される発光手段A416aから照射される光が視認される領域が電飾基板A416の形成範囲に限定されることを回避している。
このように、電飾基板A416の形成範囲を限定すると共に拡散板A415は電飾基板A416の外縁から張り出して形成することで、電飾基板A416と第1変位部材A440との配置の前後間隔を狭めながら、電飾基板A416による発光演出を視認させる範囲を十分確保することができる。
図347から図352を参照して、発光演出の観点から第1変位部材A440の変位に伴い生じる第1動作ユニットA400の外観の変化について説明する。この外観の変化は、第1変位部材A440が張出位置(励磁後の位置)に配置された状態において、正面カバーA410の貫通孔A412を通して部分的に視認可能に構成されることから生じる変化である。
図347(a)、図347(b)及び図348は、第1動作ユニットA400の正面図である。図347(a)では、第1変位部材A440の退避状態が図示され、図347(b)では、第1変位部材A440が変位区間の途中位置(図342で図示される位置)に配置された状態が図示され、図348では、第1変位部材A440の張出状態が図示される。なお、図347(b)及び図348では、第1変位部材A440の正面カバーA410に隠される部分の形状が隠れ線で図示される。
正面カバーA410の背面側には電飾基板A416に配設される発光手段A416aから照射される光を拡散する拡散板A415が配設されているところ、拡散板A415は、上述した第1領域AC1と第2領域AC2とに区分けされる(図330参照)。
第1変位手段440は、少なくとも張出位置において拡散板A415の背面側に配置され、発光手段A445b(図337参照)から照射され開口A442cを通過した光が拡散板A415へ向けて進行する。ここで、第1変位手段440の開口A442cは正面視で第1領域AC1と重なる位置まで変位するものの、第1領域AC1には電飾基板A416が配設されているので、開口A442cを通過した光は電飾基板A416で遮蔽される。
従って、開口A442cを通過した光は、第2領域AC2において拡散板A415に到達し得る。換言すれば、第2領域AC2においては、電飾基板A416に配設される発光手段A416a(図329参照)から照射され拡散板A415に拡散された光と、第1変位手段440の発光手段A445b(図337参照)から照射された光とが混ざった状態で視認され得る。
詳細に説明すれば、第2領域AC2の態様は、発光手段A416aを点灯し発光手段A445bを消灯する態様と、発光手段A416aを消灯し発光手段A445bを点灯する態様と、発光手段A416a及び発光手段A445bの双方を点灯する態様と、発光手段A416a及び発光手段A445bの双方を消灯する態様という少なくとも4種類の態様で切替可能に構成される。
本実施形態では、第2領域AC2の態様を正面カバーA410の貫通孔A412を通して視認可能とされており、正面カバーA410は、貫通孔A412として、正面カバーA410の第3図柄表示装置81側の縁部に沿って一直線上に3箇所で形成される複数の長孔A412aを備えている。
図348に示すように、複数の長孔A412aの内、中央の長孔A412aが第1変位手段440の開口A442cに対向配置され、その両側の長孔A412aは開口A442cの外方に配置される(対向配置しない)。これにより、両側の長孔A412aを通して視認する場合に比較して、中央の長孔A412aを通して視認する場合の方が発光手段A445bから照射される光の視認性を高くすることができる。
例えば、第1変位部材A440が張出位置に配置された状態において、発光手段A445bから照射された光を、中央の長孔A412aを通して視認可能とする一方で、両側の長孔A412aを通しては視認不能とするように構成することができる。これにより、中央の長孔A412aを通しては、発光手段A416a及び発光手段A445bから照射された光が混ざった状態で視認され、両側の長孔A412aを通しては、発光手段A416aから照射された光が視認される(発光手段A445bから照射された光が視認困難とされる)ように構成することができる。
ここで、正面カバーA410の態様(発光色や、明るさ等)は、第1変位部材A440の発光手段A445bが消灯している間は、発光手段A416a(図329参照)の発光態様に依存する。そのため、第1変位部材A440が張出位置(図348参照)に配置された状態においても、発光手段A445bが消灯していれば、発光手段416bによる発光演出に与える影響を少なくすることができる。即ち、正面カバーA410の正面視での態様の変化を生じさせることなく、第1変位部材A440を張出位置に変位させることが可能とされる。
一方で、張出位置440に配置された状態で発光手段A445bを点灯させると、各第1動作ユニットA400に共通して第3図柄表示装置81側に寄る位置に形成されている長孔A412aの発光態様が変化することから、遊技者の視線を第3図柄表示装置81側に誘導することができる。
なお、貫通孔A412を通して視認される態様の変化の効果は、これに限定されるものでは無い。例えば、5個1セットで配設される第1動作ユニットA400の第1変位部材A440を張出位置に配置した状態で、まず、左下に配置される第1変位部材A440の発光手段A445bを点灯し、その発光手段A445bを消灯させるタイミングで、次は正面視時計回りに隣り合う第1変位部材A440の発光手段A445bを点灯し、消灯させるタイミングで、次は正面視時計回りに隣り合う第1変位部材A440の発光手段A445bを点灯するというように、発光手段A445bを正面視時計回りに順に点灯させる態様で発光させても良い。
この場合、発光手段416bを点灯させたままにすることで、正面カバーA410自体の明るさは維持しながら、長孔A412aを通して視認される光の態様のみを正面視時計回りに順に変化させる演出を実行することができる。
ここで、他の第1動作ユニットA400A,A400B,A400C,A400Dの発光態様について説明する。第1動作ユニットA400Aは、正面視左下から時計回りに2個目のユニットであり、第1動作ユニットA400Bは、正面視左下から時計回りに3個目のユニットであり、第1動作ユニットA400Cは、正面視左下から時計回りに4個目のユニットであり、第1動作ユニットA400Dは、正面視左下から時計回りに5個目のユニットである。第1動作ユニットA400A,A400B,A400C,A400Dの第1動作ユニットA400との主な違いは、第1変位部材A440の変位方向および開口A442cの形状である。そのため、第1動作ユニットA400A,A400B,A400C,A400Dの開口A442cと対応する開口を、それぞれ開口WA,WB,WC,WDとして図示し、その他の構成については便宜的に第1動作ユニットA400と同様の符号を付す。
図349(a)及び図349(b)は、第1動作ユニットA400Aの正面図である。なお、図349(a)では、第1変位部材A440が途中位置(図342で図示される位置と同様の位置)に配置された状態が図示され、図349(b)では、第1変位部材A440が張出位置に配置された状態が図示される。
図349(a)及び図349(b)に示すように、第1動作ユニットA400Aでは、第1動作ユニットA400と異なり、正面視で開口WAが両端の長孔A412aと重なるように構成される。更に、開口WAの幅長さが第1変位部材A440の変位方向に沿って変化する(退避位置側の方が長い)ので、第1変位部材A440が張出位置へ近づくにつれて開口WAと両端の長孔A412aとの重なる面積を増加させることができる。これにより、第1変位部材A440の配置と、長孔A412aを通して視認される光の見え方とを連動して変化させることができる。
図350(a)及び図350(b)は、第1動作ユニットA400Bの正面図である。なお、図350(a)では、第1変位部材A440が途中位置(図342で図示される位置と同様の位置)に配置された状態が図示され、図350(b)では、第1変位部材A440が張出位置に配置された状態が図示される。
図350(a)及び図350(b)に示すように、第1動作ユニットA400Bでは、第1動作ユニットA400と異なり、正面視で開口WBが両端の長孔A412aと重なる場合が生じるように構成されることに加え、開口WBの幅長さが第1変位部材A440の変位方向に沿って拡大と縮小を繰り返すように変化するように構成される。これにより、第1変位部材A440が退避位置から張出位置まで変位する間における中央の長孔A412aと開口WBとが重なる面積を、図350(a)に示す状態を最大として、第1変位部材A440の変位に伴い一端減少させ、再度図350(b)に示す状態で増大するように構成することができる。これにより、第1変位部材A440が一方向へ変位する間に、中央の長孔A412aを通して視認される光の見え方の変化を2方向(拡大方向と縮小方向)で構成することができる。
図351(a)及び図351(b)は、第1動作ユニットA400Cの正面図である。なお、図351(a)では、第1変位部材A440が途中位置(図342で図示される位置と同様の位置)に配置された状態が図示され、図351(b)では、第1変位部材A440が張出位置に配置された状態が図示される。
図351(a)及び図351(b)に示すように、第1動作ユニットA400Cでは、第1動作ユニットA400と異なり、正面視で開口WCが両端の長孔A412aと重なる場合が生じるように構成されることに加え、開口WCの幅長さが第1変位部材A440の変位方向に沿って拡大と縮小を繰り返すように変化するように構成される。即ち、開口WCが、上端部付近において第1変位部材A440の変位方向と交差する方向に先細り形状で拡幅されている。
これにより、第1変位部材A440が退避位置から張出位置まで変位する間における左右の長孔A412aと開口WCとが重なる面積を、第1変位部材A440の変位に伴い一端減少させ、再び増大するように構成することができる。これにより、第1変位部材A440が一方向へ変位する間に、両端の長孔A412aを通して視認される光の見え方の変化を2方向(拡大方向と縮小方向)で構成することができる。
図352(a)及び図352(b)は、第1動作ユニットA400Dの正面図である。なお、図352(a)では、第1変位部材A440が途中位置(図342で図示される位置と同様の位置)に配置された状態が図示され、図352(b)では、第1変位部材A440が張出位置に配置された状態が図示される。
図352(a)及び図352(b)に示すように、第1動作ユニットA400Dでは、第1動作ユニットA400と異なり、正面視で開口WDが枝分かれする形状で構成される。即ち、開口WDが、下端部付近において第1変位部材A440の退避位置側へ向けて広がる態様で枝分かれする形状で構成されている。
これにより、第1変位部材A440が退避位置から張出位置まで変位する間における中央の長孔A412aと開口WDとが重なる範囲を分断することができる。即ち、中央の長孔A412aを通して視認される光の態様を、中央の長孔A412a全体が一様に発光する態様(図352(a)参照)から、中央の長孔A412aが複数の範囲に分断されて発光する態様(図352(b)参照)に変化させることができる。
なお、第1動作ユニットA400Dでは、中央の長孔A412aを開口WDの縁部が分断する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、3個の長孔A412a全体を対象として、光を視認可能な範囲を分断するように構成しても良い。即ち、3個の長孔A412aと開口WDとが重なり3個の長孔A412aを通して一様な光を視認可能な場合と、開口WDが、3個の長孔A412aの内、中央の長孔A412aとは重ならず両端の長孔A412aとのみ重なることで、光を視認可能な範囲が中央の長孔A412aに分断され、両側の長孔A412aに限定される場合とを切換可能に構成しても良い。
図335及び図336に戻って説明する。支持箱部A470は、正面および右上側が開放された箱状に形成される本体箱部A471と、その本体箱部A471に穿設され伝達ギア群A460のピン付きギアA462の回転軸が通る軸孔A472と、第2変位部材A490を軸支可能に穿設される軸支孔A473と、その軸支孔A473を中心とした円弧に沿う形状で切り欠き形成される切欠き部A474と、その切欠き部A474の近傍において柱状に突設され後板部A480の貫通孔A482に挿通される締結ネジが螺入可能となるように先端が形成される締結部A475と、ラックピニオンA510のスライドラックA511をスライド移動可能に支持するラック支持部A476と、そのラック支持部A476に支持されるスライドラックA511と歯合するピニオンA517を支持するピニオン支持部A477と、を備える。
本体箱部A471は、裏底縁部から背面側へ壁状に突設される突設壁部A471aと、正面上縁部から正面側へ壁状に突設され、第1動作ユニットA400の組立状態(図324参照)においてローラー部材A442fと対向配置される案内壁部A471bと、切欠き部A474を挟んで軸孔A472(図335参照)の反対側において突設壁部A471aに対向配置される配線案内部A471cとを備える。
案内壁部A471bの詳細形状については後述するが、この案内壁部A471bの縁部にローラー部材A442fが当接し、滑る又は転動する態様で第1変位部材A440の変位が案内される(図339から図344参照)。
配線案内部A471cは、その形状が後述する配線HCの配置を適切に矯正可能に設計されるが、詳細は後述する。
軸支孔A473及び切欠き部A474を通して第2変位部材A490とラックピニオンA510の補強腕部A518とが連結される。特に、切欠き部A474は、第2変位部材A490に連結される配線が通る領域として幅広に形成されるが、詳細は後述する。
ラック支持部A476は、本体箱部A471の背面側へ突設される一対の柱状部であってラックピニオンA510の支持孔A512に挿通される支持柱状部A476aと、ラックピニオンA510のスライドラックA511のスライド移動方向(方向A416xと平行な方向)に沿って延び、支持柱状部A476aが配設される側の面よりも背面側へ向けて張り出す段状に形成される段状部A476bと、を備える。
ピニオン支持部A477は、ラックピニオンA510のピニオンA517が回転可能に支持されるピニオン軸A477aと、そのピニオン軸A477aを中心とした円弧に沿って本体箱部A471の底部から背面側へ壁状(板状)に延設される円弧壁部A477bとを備える。
軸孔A472を通して、伝達ギア群A460のピン付きギアA462と、同位相部材A465とが連結される。ここで、図353を参照して、ピン付きギアA462及び同位相部材A465の連結態様について説明する。
図353(a)は、ピン付きギアA462及び同位相部材A465の分解斜視図であり、図353(b)は、左側がピン付きギアA462及び同位相部材A465の正面斜視図であり、右側がピン付きギアA462及び同位相部材A465の背面斜視図である。なお、図353(a)では、ピン付きギアA462及び同位相部材A465が、互いに連結される側が手前となる姿勢で図示される。
図353(a)に示すように、ピン付きギアA462は、同位相部材A465と対向配置される側の面から同位相部材A465側へ向けて突設される複数の位相合わせ周突部A462aを備える。
同位相部材A465は、ピン付きギアA462と対向配置される側の面からピン付きギアA462側へ向けて突設される位相合わせ径突部A465aと、偏心した位置から背面側へ外形円状に突設される伝達突部A466と、その伝達突部A466を基端として同位相部材A465の回転軸を中心とした円弧形状の壁部として形成される円弧壁部A467とを備える。伝達突部A466に比較して、円弧壁部A467は背面側への形成長さが短くされる。
位相合わせ周突部A462a及び位相合わせ径突部A465aについて説明する。位相合わせ周突部A462aは、ピン付きギアA462の回転軸を中心とした円状の壁部に軸方向に沿って切り込みが入れられることによって複数の円弧形状の壁部が形成されている。
また、位相合わせ径突部A465aは、位相合わせ周突部A462aの内径よりも若干短い外径の円筒状の突設部から径方向外側へ突設される突条を備え、その突条が位相合わせ周突部A462aに切り込みが入れられる角度(位相)と合致するように形成されている。その突条を位相合わせ周突部A462aの切り込みに進入させることで、ピン付きギアA462に対する同位相部材A465の位相を合わせた状態でピン付きギアA462及び同位相部材A465を連結することができ、ピン付きギアA462の中心軸に沿って締結ギアを挿通し位相合わせ径突部A465aの先端部に螺入することでピン付きギアA462及び同位相部材A465を固定することができる。
ここで、本実施形態では、位相合わせ周突部A462aの切り込み間の角度を均等(本実施形態のように3分割であれば120度間隔)にするのではなく、不均等とすることで、特定の角度関係(図353(b)参照)でのみピン付きギアA462と同位相部材A465とが連結されるように構成している。
即ち、位相合わせ周突部A462aの切り込み間の角度を100度、120度、140度で組み合わせることで(不均等とすることで)、ピン付きギアA462と同位相部材A465とが連結可能な角度関係を1種類に限定することができる。
なお、本実施形態では、位相合わせ周突部A462aの切り込み(位相合わせ径突部A465a)が3箇所に形成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、1箇所や2箇所でも良く、また、4以上の複数箇所でも良く、ピン付きギアA462と同位相部材A465との組み付け状態における剛性を考慮して適宜選択可能である。
図335及び図336に戻って説明する。後板部A480は、無色の光透過性の樹脂材料から板状に形成される本体板部A481と、その本体板部A481に穿設され支持箱部A470の締結部A475に螺入される締結ネジが挿通される貫通孔A482と、支持箱部A470の円弧壁部A477bの外周側へ向けて突設され、その外周側と当接することで位置合わせに利用される複数の位置合わせ突部A483と、ラックピニオンA510のスライドラックA511の移動範囲の外形に沿う板状となるように本体板部A481から正面側へ突設される複数の突設板部A484と、を備える。
後板部A480の外側縁部(図335及び図336において、左側縁部)は、本体箱部A471の突設壁部A471aの背面側端部と面で当接し、左右方向の位置決めとしては突設板部A484のみが機能する。
これに対し、後板部A480の内側縁部(図335及び図336において、右側縁部)においては、位置合わせ突部A483と円弧壁部A477bとの当接により、複数方向(上下左右方向)の位置合わせを行うことができる。これにより、後板部A480の支持箱部A470に対する位置合わせを良好に行いながら、外側縁部付近から位置合わせ用の部分を排除することで外側縁部付近の空間を広く確保することができる。本実施形態では、この確保した空間が配線HC(図356(a)参照)の配設スペースとして活用されるが、詳細は後述する。
突設板部A484は、その突設先端が本体箱部A471の裏底部に近接して(当接するか、又は配線が通過不能な程度の若干の隙間を空けて)対向配置され、ラックピニオンA510のスライドラックA511の移動範囲と、外方の領域とを区画するように機能する。これにより、第2変位部材A490に連結される配線HCがラックピニオンA510のスライドラックA511の移動範囲に入り込むことを防止することができるが、詳細は後述する。
図354は、第2変位部材A490の分解正面斜視図であり、図355は、第2変位部材A490の分解背面斜視図である。図354及び図355に示すように、第2変位部材A490は、無色で光透過性の樹脂材料から形成され支持箱部A470の軸支孔A473に軸支される被軸支板A491と、その被軸支板A491の外形と同様の内形で形成され被軸支板A491を正面側から覆う態様で被軸支板A491に嵌合され、無色の光透過性の樹脂材料から形成される覆設部材A492と、LED等から構成される発光部A493aが配設され被軸支板A491及び覆設部材A492に収容される電飾基板A493と、を備える。
被軸支板A491は、背面側へ外形円状に突設され軸支孔A473に挿通される被軸支突部A491aと、その被軸支突部A491aよりも突設長さの短く突設される締結突部A491bと、締結ネジが挿通可能に穿設される複数の挿通孔A491cと、被軸支突部A491aの径方向に沿って長尺矩形に穿設される長尺孔A491dと、挿通孔A491cを中心とした円(弧)形状で正面側へ突設される複数の円状支持部A491eと、外周を形成する側壁部に沿って細形突形状で正面側へ突設される複数の細形突部A491fとを備える。
円状支持部A491e及び細形突部A491fは、第2変位部材A490の組立状態(図335及び図336参照)において、電飾基板A493の外周縁部と当接され電飾基板A493を背面側から支持する。
特に、細形突部A491fは、収容される電飾基板A493の形状が括れる箇所、即ち、被軸支板A491の外周側壁が内側へ向けて凹む箇所において形成されているので、電飾基板A493の形状が括れる箇所を選択的に支持することができる。これにより、幅寸法が短くなることで剛性が低下し易いと想定される括れ箇所における電飾基板A493の変形の抑制を図ることができ、電飾基板A493が破断することを回避することができる。
覆設部材A492は、電飾基板A493の被支持部A493bに挿通され、挿通孔A491cに挿通される締結ネジが螺入される複数の締結部A492aと、その締結部A492aの基部側において径方向に突設され覆設部材A492の板状部と結合している複数の突設支持部A492bと、被軸支板A491の細形突部A491fと態様する位置において、外周を形成する側壁部に沿って細形突形状で背面側へ突設される複数の細形突部A492cとを備える。
上記構成により、電飾基板A493は、外周縁部を細形突部A491f,A492cにより支持され、締結ネジの周囲において円状支持部A491e及び突設支持部A492bにより支持される。これにより、電飾基板A493を被軸支板A491及び覆設部材A492に対して良好に固定することができる。
なお、電飾基板A493の支持態様は何ら限定されるものではない。例えば、電飾基板A493に締結方向に沿って負荷がかけられることで固定されるものでも良いし、圧縮負荷の生じない寸法関係(例えば、細形突部A491f,A492cの前後間隔が電飾基板A493の厚みと同等の寸法関係)で形成されることで負荷が生じることなく電飾基板A493の配置を維持するものでも良い。
電飾基板A493は、上述の複数の発光部A493aと、締結部A492aと前後方向視で非干渉となるように穿設または凹設形成される複数の被支持部A493bと、背面側に配設され配線の端部(コネクタ)が連結される基板側コネクタA493cとを備える。
基板側コネクタA493は、被軸支板A491の長尺孔A491dの長尺方向に沿って配線が延びる姿勢で固定されており、長尺孔A491dには、短手方向側の内縁部から長尺方向と交差する方向へ、反対側の内縁部との間隔が基板側コネクタA493c(又は連結される配線束)の幅寸法よりも短くなるまで延びる区画延設部A491d1と、その区画延設部A491d1を基準として基板側コネクタA493cの反対側の縁部から背面側へ幅広で突設される突条部A491d2とが形成される。
区画延設部A491d1を基準として、第3図柄表示装置81の視認領域側(図355左側)に基板側コネクタA493cが配設され、その逆側において基板側コネクタA493cに連結された配線が長尺孔A491dを通過する。即ち、基板側コネクタA493cに連結された配線は区画延設部A491d1と電飾基板A493との間に挟まれ、支持される。
これにより、第2変位部材A490が変位しても、基板側コネクタA493cと区画延設部A491d1との間における配線の変位を抑制することができるので、第2変位部材A490の変位時に基板側コネクタA493cから配線が抜ける可能性を低くすることができる。
突条部A491d2は、支持箱部A470の切欠き部A474に進入する程度の突設長さで形成される。これにより、基板側コネクタA493cに端部が連結される配線HCを、被軸支板A491の背面側へ(突条部A491d2の突設方向へ)向けて立ち上がるように引き回すことができるので、配線が被軸支板A491の背面に近接配置され支持箱部A470の裏面へ引き回される場合に比較して、配線HCが切欠き部A474と接触することを回避することができる。従って、配線が断線することを回避することができる。
加えて、突条部A491d2は、被軸支板A491の背面に対して直角に突設されているので、配線HCの立ち上がりの角度を直角側に寄せることができ、配線HCとの接触を避けるための切欠き部A474の幅を抑制することができる。これにより、本体箱部A471の締結部A475側の領域(面積)を大きく確保することができるので、本体箱部A471の剛性を確保することができると共に、締結部A475の配置自由度を向上することができる。
図335及び図336に戻って説明する。ラックピニオンA510は、方向A416xに沿ってスライド移動可能に支持されるスライドラックA511と、そのスライドラックA511のギア部と歯合され、支持箱部A470のピニオン軸A477aに軸支され、スライドラックA511のスライド移動と同期して回転するピニオンA517と、そのピニオンA517と歯合されピニオンA517の回転と同期して回転する補強腕部A518と、を備える。
補強腕部A518は、上述した第2変位部材A490と連結固定され、これにより第2変位部材A490が支持箱部A470に引き抜き不能に支持される。即ち、補強腕部A518の回転中心位置において第2変位部材A490の被軸支突部A491aと締結され、補強腕部A518の回転先端側部において締結突部A491bと締結される(図355参照)。従って、補強腕部A518が回転変位することは、第2変位部材A490が回転変位することと同義である。
スライドラックA511は、支持箱部A470の支持柱状部A476aが挿通可能な大きさで方向A416xに沿って延びる長孔状に形成される一対の支持孔A512と、ギア部に沿う板状に形成される被支持板部A513と、支持孔A512から支持孔A512の長手方向に離れた位置において正面側へ板状に突設される突設板部A514と、同位相部材A465と対向配置され同位相部材A465から駆動力が伝達される異形被伝達部A515とを備える。
支持孔A512は、支持箱部A470の支持柱状部A476aの先端細径部が挿通され、基端側の大径部は支持孔A512の幅よりも大きな直径で形成される。この大径部が支持孔A512の正面側に配置されることで、スライドラックA511が正面側へ変位しそうになったとしても、その変位を支持柱状部A476aの大径部で防止することができる。このように、スライドラックA511は、本体箱部A471の裏底部との間に、少なくとも支持柱状部A476aの大径部の高さ程度の隙間を空けて板状部が対向配置され、その間隔を保った状態で方向A416xに沿ってスライド移動可能に構成される。
被支持板部A513は、支持箱部A470の段状部A476bの背面側端部と若干の隙間を空けて対向配置され、突設板部A514は、本体箱部A471の裏底部と若干の隙間を空けて対向配置される。即ち、スライドラックA511が正面側へ変位しそうになったとしても、被支持板部A513及び突設板部A514により、その変位の発生を防止することができる。
なお、スライドラックA511が前後方向に変位する原因としては、種々のものが例示される。例えば、遊技者がパチンコ機A10に衝撃を与える(所謂、ドツキ)場合や、隙間に細かな粒子が詰まるなどして歯合抵抗が過多となり歯合位置において過剰な負荷が生じる場合等が例示される。
図356(a)、図356(b)、図357(a)、図357(b)、図358は、後側ユニットBUの背面図である。なお、図356(a)、図356(b)、図357(a)、図357(b)、図358では、理解を容易とするために、後板部A480の図示が省略され、異形被伝達部A515を視認できるようにスライドラックA511の板部が破られた状態が図示される。また、図358では、理解を容易とするために、同位相部材A465及び異形被伝達部A515が拡大して図示される。
図356(a)、図356(b)、図357(a)、図357(b)、図358では、第2変位部材A490が退避位置(図356(a)参照)から張出位置(図358参照)へ変位する様子が時系列で図示される。
第2変位部材A490は、補強腕部A518に固定されている。同位相部材A465が回転すると、その回転に伴い伝達突部A466がスライドラックA511を押進する。スライドラックA511が押進されると、ピニオンA517を介して補強腕部A518へ駆動力が伝達される。このように、第2変位部材A490の変位は、同位相部材A465の回転によって生じる。
同位相部材A465は、上述したようにピン付きギアA462と同位相で回転するの。従って、図356(a)、図356(b)、図357(a)、図357(b)、図358で説明する同位相部材A465の回転と同期して、図339から図345で上述したピン付きギアA462の回転が生じることになるが、これらの関係については後述する。
図356(b)に示すように、異形被伝達部A515は、同位相部材A465と係合する部分であって、伝達突部A466が進入可能とされ単独で移動可能(スライドラックA511に負荷を与えることなく移動可能)に凹設される非伝達凹部A515aと、その非伝達凹部A515aの端部に連結される同じ深さの凹部である連結凹部A515bと、その連結凹部A515bよりも細幅であって、連結凹部A515bに対して非伝達凹部A515aの反対側に連結される同じ深さの凹部である挿通隙間A515cと、伝達突部A466よりも退避位置(左下)側においてスライドラックA511から正面側へ板状に突設され、挿通隙間A515cの左側面を構成する突設板部A515dと、その突設板部A515dの張出位置(右上)側において伝達突部A466の直径以上の間隔を空けて突設板部A515dに対向配置され、挿通隙間A515cの右側面を構成する対向配置部A515eとを備える。
突設板部A515dの突設長さは、対向配置部A515eの同方向の長さに比較して長く形成され、組立状態(図324参照)において、伝達突部A466及び円弧壁部A467に対して移動方向で当接可能とされる。
対向配置部A515eは、伝達突部A466に対して移動方向で当接可能とされる(重なる)一方、円弧壁部A467に対しては移動方向で非当接とされる(重ならない)。即ち、対向配置部A515eと円弧壁部A467とは、前後隙間が生じる寸法関係で形成される。
突設板部A515d及び対向配置部A515eの側面は、スライドラックA511の移動方向(方向A416xと平行な方向)と直交する平面として構成される。
連結凹部A515bは、異形被伝達部A456の逃げ部A456dと同様の機能を持つ。即ち、連結凹部A515bは、伝達突部A466を受け入れ可能に構成されており、非伝達凹部A515aと連結される側が伝達突部A466の移動方向に沿う形状として形成される。これにより、伝達突部A466の挿通隙間A515cに対する進退変位を滑らかに(低抵抗で)行うことができる。
図356(a)、図356(b)、図357(a)、図357(b)、図358には図示されていないが、同位相部材A465は、ピン付きギアA462と同様に、駆動モータAMT1の駆動力が駆動ギアAMG1及び一対の伝達ギアA461により伝達されることで、回転する(図335参照)。以下、駆動モータAMT1が励磁され駆動ギアAMG1が回転し、第2変位部材A490が退避位置から張出位置へ向けて変位する変位態様を時系列に沿って説明する。
図356(a)では、駆動ギアAMG1が回転する前の状態であって、スライドラックA511が移動範囲の退避位置側端部に配置されており、それに伴い第2変位部材A490が退避位置に配置された状態が図示される。
この状態では、伝達突部A466は異形被伝達部A515と移動方向(方向A416x)で非当接とされる一方で、円弧壁部A467が、突設板部A515dに対向配置される当接部A467aで突設板部A515dに対して移動方向(方向A416x)に沿って右上(張出位置側)から当接する。これにより、円弧壁部A467により突設板部A515dの変位を規制することができるので、駆動モータAMT1が非励磁(非駆動)の状態において負荷される外力によって、スライドラックA511が意図せず変位することを防止することができる。
円弧壁部A467と突設板部A515dとの当接点は、同位相部材A465の回転軸を通り方向A416xと平行な直線状に配置される。そのため、突設板部A515dから円弧壁部A467へ与えられる負荷が同位相部材A465の回転軸を通るように構成されるので、突設板部A515dからの負荷で同位相部材A465が回転することを防止することができる。
更に、円弧壁部A467が湾曲形成されていることから、円弧壁部A467と突設板部A515dとの当接面積を抑制することができる(理論上、線接触とすることができるので接触面積は0)。従って、図356(a)に示す状態から同位相部材A465が回転する際に、円弧壁部A467と突設板部A515dとの間で生じる摩擦力を低減することができる(理論上、0にすることができる)ので、スライドラックA511の変位を規制するための駆動力が余計に必要となることを回避することができる。即ち、同位相部材A465を回転させるのに必要な駆動力のみで、スライドラックA511の変位を規制することができる。
加えて、実際は円弧壁部A467や突設板部A515dを構成する樹脂材料の摩耗による変形を考慮すれば、経年的に接触面積は増大し、円弧壁部A467と突設板部A515dとの間で生じる摩擦力が大きくなると考えられる。これに対し、円弧壁部A467及び突設板部A515dに低摩擦シールを貼ったり、潤滑剤(グリス等)を塗ったりして対策しても良い。本実施形態では、理想的な接触面積を小さく形成しているので、低摩擦シールや潤滑剤で対策する必要がある面積を小さくできる。従って、対策費用を抑えることができる。
なお、外力としては、重力や、地震時の振動によって生じる負荷や、遊技者がパチンコ機A10を叩いたり揺らしたりする場合に生じる力等が例示される。
図356(b)では、駆動モータAMT1が励磁回転され、伝達突部A466が連結凹部A515bに進入を開始した状態が図示される。図356(a)の状態から図356(b)の状態に変位するまでに、同位相部材A465は初期角度d10から第1角度d11だけ回転しているが、伝達突部A466は依然として異形被伝達部A515と移動方向(方向A416x)で非当接とされる。
一方、円弧壁部A467は、依然として、当接部A467aで突設板部A515dに対して移動方向(方向A416x)に沿って右上(張出位置側)から当接している。図356(a)及び図356(b)に示すように、当接部A467aが円弧壁部A467の外側面に形成されることから、当接部A467aはスライドラックA511の移動方向(方向A416x)で変位しない。従って、図356(b)の状態においても、図356(a)に示す状態と同様に、スライドラックA511の配置は、移動範囲の退避位置側端部に維持される。
なお、上述したように、円弧壁部A467と対向配置部A515eとの間には前後隙間が空けられているので、円弧壁部A467は対向配置部A515eに対して前後に重なって配置可能とされる(図356(b)参照)。
図357(a)では、駆動モータAMT1が励磁回転され、伝達突部A466が挿通隙間A515cに進入開始した状態が図示される。図356(a)の状態から図357(a)の状態に変位するまでに、同位相部材A465は初期角度d10から第2角度d12だけ回転し、伝達突部A466が突設板部A515dと当接する。
図357(a)では、同位相部材A465の回転中心および伝達突部A466の中心を通る直線と、スライドラックA511の移動方向(方向A416xと平行な方向)とが平行である。即ち、伝達突部A466は、同位相部材A465の回転中心から最も遠い部分が、突設板部A515dと当接するので、同位相部材A465が図357(a)に示す状態を超えて回転すると、同位相部材A465による規制が解除され、スライドラックA511が張出位置側(右上側)へ変位可能となる。
なお、上述したように、円弧壁部A467と対向配置部A515eとの間には前後隙間が空けられているので、円弧壁部A467は対向配置部A515eに対して前後に重なって配置可能とされる(図357(a)参照)。
図357(b)では、駆動モータAMT1が励磁回転され、伝達突部A466が挿通隙間A515cの内部に進入した状態が図示される。図356(a)の状態から図357(b)の状態に変位するまでに、同位相部材A465は初期角度d10から第3角度d13だけ回転する。この回転に伴って伝達突部A466が対向配置部A515eを押進することで、スライドラックA511がスライド変位し、そのスライド変位がピニオンA517を介して第2変位部材A490に伝達される。
図357(b)では、同位相部材A465の回転中心および伝達突部A466の中心を通る直線と、スライドラックA511の移動方向(方向A416xと平行な方向)とが直交する。即ち、第3角度d13から第2角度d12を差し引いた角度は90度とされる。
なお、上述したように、円弧壁部A467と対向配置部A515eとの間には前後隙間が空けられているので、円弧壁部A467は対向配置部A515eに対して前後に重なって配置可能とされる(図357(b)参照)。
図358では、駆動モータAMT1が励磁回転され、伝達突部A466が対向配置部A515eを押進し、スライドラックA511が移動範囲の張出位置側端部に配置され、第2変位部材A490が張出位置に配置された状態が図示される。
図356(a)の状態から図358の状態に変位するまでに、同位相部材A465は初期角度d10から第4角度d14だけ回転する(1回転以上の回転をする)。この回転に伴って伝達突部A466が対向配置部A515eを押進することで、スライドラックA511がスライド変位し、そのスライド変位がピニオンA517を介して第2変位部材A490に伝達される。
図358では、同位相部材A465の回転中心および伝達突部A466の中心を通る直線と、スライドラックA511の移動方向(方向A416xと平行な方向)とが平行となる。即ち、第4角度d14から第3角度d13を差し引いた角度は90度とされる。
なお、上述したように、円弧壁部A467と対向配置部A515eとの間には前後隙間が空けられているので、円弧壁部A467は対向配置部A515eに対して前後に重なって配置可能とされる(図358参照)。
図358において、伝達突部A466は、同位相部材A465の回転中心から最も遠い部分が、対向配置部A515eと当接するので、同位相部材A465が図358に示す状態を超えて回転すると、スライドラックA511が退避位置側(左下側)へ変位する虞がある。本実施形態では、図358に拡大して図示されるように、スライドラックA511が移動範囲の張出位置側端部に配置された状態において、第4角度d14(図358参照)の配置から許容角度dd1までは同位相部材A465の回転を許容できるように構成される。
即ち、許容角度dd1だけ同位相部材A465が回転して初めて伝達突部A466と突設板部A515dとが当接するように構成されるので、許容角度dd1の回転までは、伝達突部A466と突設板部A515dとが非当接とされ負荷の伝達が生じないことから、スライドラックA511の配置を移動範囲の張出位置側端部に維持することができる。
従って、図356から図358に図示する一連の変位態様において、同位相部材A465の回転を第4角度d14で停止させる制御において、実際は同位相部材A465が第4角度d14を超えて回転する場合であっても、回転角度の超過が許容角度dd1までであればスライドラックA511を移動範囲の張出位置側端部に維持することができ、第2変位部材A490を張出位置で維持することができる。
換言すれば、同位相部材A465の停止位置の精度が厳密でなくても(許容角度dd1以下の誤差があっても)、第2変位部材A490の配置を張出位置に維持することができるので、簡易な構成で、同位相部材A465の回転速度の増加および第2変位部材A490の高精度な変位の実現を図ることができる(同位相部材A465を急激に減速させ停止させずとも第2変位部材A490を張出位置で急激に減速させ停止させることができる)。
また、第4角度d14から許容角度dd1以下の回転角度超過を敢えて生じさせることにより、その超過分を、第2変位部材A490を退避位置へ向けて駆動させる場合(駆動方向が反転する場合)の助走区間として利用することができる。
また、同位相部材A465の伝達突部A466が第4角度d14の位置(図358参照)に配置されると、伝達突部A466と対向配置部A515eとがスライドラックA511の移動方向(方向A416xと平行な方向)で当接することで、スライドラックA511が退避位置側へ戻り動作(バウンド変位)することを防止することができる。
これにより、図358の状態でピニオンA517の回転を規定することができる(戻り回転を防止できる)ので、そのピニオンA517と歯合されている補強腕部A518及びその補強腕部A518に締結固定される第2変位部材A490が張出位置(図358参照)から戻り回転することを防止することができる。
図359は、図356(a)のCCCLIX−CCCLIX線における後側ユニットBUの断面図である。なお、図359では、理解を容易にするために、後板部A480の位置合わせ突部A483の図示を省略し、主に本体板部A481の形状を図示している。
以下、図359を参照して、第2変位部材A490に連結される配線HCについて説明する。なお、配線HCの説明においては、図356から図358を適宜参照する。配線HCは、第2変位部材A490の基板側コネクタA493cに連結される断面丸形の複数本のケーブルから構成される電気配線であって、支持箱部A470と後板部A480とに囲まれる空間に配設される。
図359に示すように、配線HCの基板側コネクタA493cに連結される側の部分は、区画延設部A491d1と電飾基板A493との間を通り、突条部A491d2に沿って支持箱部A470と後板部A480とに囲まれる空間に案内される。
上述したように、突条部A491d2が支持箱部A470の切欠き部A474に進入する程度の突設長さで形成されているので、配線HCは、切欠き部A474から離反するように案内され、切欠き部A474との接触が回避される。これにより、配線HCが切欠き部A474と擦れて断線することを回避することができる。
一方、配線HCが突条部A491d2に案内されることで後板部A480に近接するように案内されることになり、対策なしでは配線HCが後板部A480と擦れ、短期間で断線する虞があるところ、本実施形態では、後板部A480との間に配線HCの中間部HCaを好適に入り込ませることで、後板部A480との間の摩擦を抑制するようにしている。これについて、以下で詳述する。
本実施形態では、支持箱部A470の締結部A475に、配線HCが一周巻きつけられている。詳述すると、電飾基板A416(図330参照)の第3コネクタA416e3から延びる配線HCは、突設壁部A471aの中間位置に結束バンドKBを巻きつけ可能に形成される巻き部A471a1に巻き付けられた結束バンドKBにより結束され、その結束位置を基準として第2変位部材A490の基板側コネクタA493cに連結される側が締結部A475に1周巻きつけられ、その先端が基板側コネクタA493cに連結される。
配線HCは、締結部A475に巻き付けられることにより、弛んだ状態(図356(a)参照)においても、配線HCが締結部A475から離れる上方(結束バンドKBで結束される配線HCが延びる方向)への変位量を抑制することができる。これにより、締結部A475の上方に大きな隙間を形成せずとも、配線HCに与えられる負荷を低減することができる。
本実施形態では、配線HCを巻き付ける箇所を締結部A475としていることで、組立易さの面でも有利な点がある。即ち、支持箱部A470に後板部A480を締結固定する組立工程において、配線HCを締結部A475に巻き付けた後で、後板部A480を通して締結部A475に締結ネジを螺入することになるが、この際、締結固定が完了する前に配線HCが締結部A475から脱落することを螺入途中の締結ネジによって防止することができる。
加えて、この締結固定の際、支持箱部A470の背面側(締結部A475が張り出す側)を上向きにし、配線HCを締結部A475に巻き付けた後で、支持箱部A470に後板部A480を乗せて締結部A475に締結ネジを螺入することで、本体箱部A471で配線HCが重力方向に垂れることを防止しながら組み付けを行うことができるので、組立を容易に完了することができる。即ち、締結部A475が下向きの姿勢での組み付けを強いられるように設計されている場合に比較して、配線HCを締結部A475に巻き付けて支持箱部A470と後板部A480との組み立てを容易にすることができる。
巻き部A471a1は、突設壁部A471aの突設端側に形成されているので、結束バンドKBによって仮留めされた配線HCは、後板部A480側へ案内される(寄せられる)。これにより、配線HCが締結部A475に巻き付けられる際に、締結部A475と最も近接する締結部A475の上部において、配線HCは後板部A480と最接近することになる(図359参照)。
そして、第2変位部材A490の変位時に配線HCに引っ張り負荷が与えられないように配線HCの長さに余裕を持たせつつ基板側コネクタA493cへ向けて配線HCを延ばし、配線HC同士が交差する位置においては、基板側コネクタA493cに連結される側の配線HCの端部を、既に配置されている配線HCと支持箱部A470との間に滑り込ませる態様で巻かれている。
これにより、中間部HCaが基板側コネクタA493c側の配線HCの後板部A480側から当接する状態を構成することができ(図356(a)参照)、配線HCが突条部A491d2により後板部A480側へ近接する度合いを抑制することができる。
第2変位部材A490の変位発生時における、配線HCの変位態様について説明する。配線HCは、結束バンドKBと第2変位部材A490の基板側コネクタA493cとの間において、支持箱部A470や後板部A480により位置固定されてはいない。そのため、結束バンドKBと第2変位部材A490の基板側コネクタA493cとの間の配線HCの長さ全体を利用して第2変位部材A490の変位に対応した変位(撓み)を生じさせることで変位に伴う負荷(疲労)を均一化することができるので、配線HCに局所的に大負荷が生じることを回避することができる。
基板側コネクタA493cは、第2変位部材A490の回転軸として機能する被軸支突部491aや、第2変位部材A490の張出位置側に形成される補強腕部A518に比較して、退避位置側に配設される。即ち、第2変位部材A490が退避位置に配置された場合において第2変位部材A490へ向けた視線を遮蔽する支持板部420の部材内方(図346(a)参照、右方)に基板側コネクタA493が配設される。
これにより、支持板部A420や支持箱部A470の外形の外方へ配線HCがはみ出す可能性を低くすることができる。即ち、被軸支突部A491aや補強腕部A518を張出位置側(第3図柄表示装置81側)に寄せて配置することで第2変位部材A490の張出量を大きく確保しながら、配線HCが遊技者に視認されることを回避することができる。
図356(a)に示すように、基板側コネクタA493cは、被軸支突部A491aを中心とした円の径方向に沿って配線HCの端部を受け入れ可能に構成される。そして、基板側コネクタA493cは、被軸支突部A491aの中心と締結部A475の中心とを結ぶ直線に対して、一側に配置される場合(右下側、図356(a)参照)と、他側に配置される場合(左上側、図358参照)とが、第2変位部材A490の変位により切り替えられる。
これにより、第2変位部材A490の往路、復路で配線HCの、基板側コネクタA493cに連結される側の部分の変位態様に違いが生じることを抑制することができる。これにより、配線HCにかけられる負荷の変動を抑制することができるので、配線HCの断線を防止することができる。
また、配線HCの、基板側コネクタA493cに連結される側の部分の変位態様を、被軸支突部A491aの中心と締結部A475の中心とを結ぶ直線側への変位に寄せやすくできることから変位量を低減することができ、配線HCにかけられる負荷の絶対値を低減することができる。これについて、以下に詳述する。
図357(b)では、第2変位部材A490が、退避位置から張出位置へ変位を開始し、約45度回転した状態が図示されている。この状態において、基板側コネクタA493cに連結される配線HCが延びる方向は、被軸支突部A491aの中心と締結部A475の中心とを結ぶ直線と略平行となっている。
換言すれば、本実施形態では、締結部A475は、被軸支突部A491の中心を通る第2変位部材A490の回転角度の二等分線上に配設される。即ち、配線HCが緩く巻き付けられる位置としての締結部A475が、第2変位部材A490の回転角度の中間位置とされることで、配線HCの変形量(撓み量)を最小限に抑えることができる。
退避状態(図357(a)参照)との比較において、配線HCの局所的な変位を説明すると、締結部A475の上部に当接していた箇所および締結部A475の下方に配置されていた箇所が若干上昇している。また、中間部HCaは、基板側コネクタA493cから延びる配線HCとの前後方向で干渉しない位置に配置されている。
即ち、第2変位部材A490が、図357(b)に示す状態から張出位置側へ変位する際には、基板側コネクタA493c側の配線HCは、中間部HCaが後板部A480との間に入り込むことによる効果は得られない一方で、配線HC同士が擦れることなく第2変位部材A490を高速変位させることができる。
ここで、第2変位部材A490が図357(b)の状態から図358に示す張出位置へ変位するに伴って、基板側コネクタA493cに連結される側の配線HCが左右方向に沿う姿勢となる。そのため、配線HCへ与えられる負荷として、左右方向に沿う姿勢に維持するための負荷が生じることになり、第2変位部材A490が退避位置とされる場合(図357(a)参照)に比較して、突条部A491d2により与えられる負荷が配線HCの配置に与える影響が小さくなる。
従って、中間部HCaが後板部A480との間に入り込んでいなくとも、配線HCと後板部A480との間に過度な摩擦力が生じることが防止される。即ち、本実施形態では、後板部A480との間に過度な摩擦力が生じる虞がある場合に限って、後板部A480と基板側コネクタA493cから延びる配線HCとの間に中間部HCaを入り込ませ、配線HCを後板部A480から離す作用が生じるようにしている。
一方で、過度な摩擦力が生じる可能性が低い場合には、図357(b)に示すように、中間部HCaと基板側コネクタA493cから延びる配線HCとの前後の重なりを解消することで、第2変位部材A490の変位に余分な抵抗が生じることを防止することができ、第2変位部材A490の高速変位を図ることができる。
第2変位部材A490の張出状態(図358参照)では、図357(b)に示す状態との比較において、配線HCの局所的な変位を説明すると、締結部A475の上方に配置されていた箇所が若干下降し、締結部A475の下方に配置されていた箇所が若干上昇している。即ち、配線HCの変位が、被軸支突部A491aの中心と締結部A475の中心とを結ぶ直線側へ近接する態様の変位とされる。
図358に示すように、第2変位部材A490が張出位置に配置された状態(即ち、退避位置から90度回転した状態)において、配線HCは配線案内部A471cに接触することで、その配置が矯正される。配線案内部A471cは、この矯正される配置における配線HCに与えられる負荷を低減させることを一つの目的として設計される。
詳述すると、第2変位部材A490の張出状態において、基板側コネクタA493cを通り、配線案内部A471cの下端部に接する円弧が、配線HCの通り道である締結部A475と突設壁部A471aとの間を通過するように構成される。これにより、配線HCに過度な負荷が与えられることを回避することができ、配線HCの耐久性向上を図ることができる。
図360は、初期角度d0,d10を基準とするピン付きギアA462及び同位相部材A465の回転角度を示す模式図である。なお、図360の説明では、別途説明しない場合は、角度d0〜d6,d10〜d14,dd1は、ピン付きギアA462及び同位相部材A465の回転角度を示す。
上述したように、第1変位部材A440は、初期角度d0から第5角度d5までの間、継続して変位し、第5角度d5以降は停止する一方で、第2変位部材A490は、初期角度d10から第2角度d12までの間は停止する一方で、第2角度d12から第4角度d14まで継続して変位する。
ここで、図360に示すように、第5角度d5と第2角度d12との間に10度分の隙間が構成されている。即ち、本実施形態では、第1変位部材A440を変位させるための駆動力を発生させるピン付きギアA462及び同位相部材A465の回転角度範囲と、第2変位部材A490を変位させるための駆動力を発生させるためのピン付きギアA462及び同位相部材A465の回転角度範囲との間に、駆動力を発生させない角度範囲が挿入される。これにより、第1変位部材A440及び第2変位部材A490を安定的に駆動することができる。
なお、角度範囲の設定態様はこれに限られるものではない。例えば、第5角度d5及び第2角度d12が同じ角度で構成されても良い。この場合、第1変位部材A440が変位を継続する状態から停止状態に切り替えられるのと同時に、第2変位部材A490が停止状態から変位を開始する。従って、駆動モータAMT1の駆動力で第1変位部材A440及び第2変位部材A490を同時に変位させるタイミングが生じないように構成されるので、単一の駆動モータAMT1で複数の部材(第1変位部材A440及び第2変位部材A490)を駆動する構成を採用しながら、駆動モータAMT1が受ける負荷を低減することができる(単一の部材から加えられる負荷に留めることができる)。
また、例えば、初期角度d0と第5角度d5との間に第2角度d12が配置されても良い。この場合、第1変位部材A440と第2変位部材A490とが同時変位する区間を構成しながら、第1変位部材A440及び第2変位部材A490の両部材の駆動力を発生させる必要がある区間を第2角度d12から第5角度d5の間に限定することができる。
本実施形態によれば、第5角度d5又は第2角度d12を境に変位が生じる部材が切り替えられるので、第5角度d5又は第2角度d12を基準とする片側の角度範囲においてピン付きギアA462及び同位相部材A465を反転して回転することで、一方の部材(第1変位部材A440又は第2変位部材A490)を停止させたまま、他方の部材(第2変位部材A490又は第1変位部材A440)を反転動作させることができる。
なお、一方の部材(第1変位部材A440又は第2変位部材A490)を停止させるために大きな駆動力を追加する必要が無いように構成されていることは、上述の通りである。即ち、一方の部材の変位を規制するための当接位置において、部材同士が線接触で当接する(擦れる)ため、理論上摩擦力が発生しない。これにより、駆動モータAMT1に必要な駆動力を抑制できるので、駆動モータAMT1として小型の駆動装置を選定することができる。
また、第5角度d5又は第2角度d12まで駆動させ、停止し、駆動モータAMT1を逆回転させることで、第1変位部材A440の変位のみを生じさせ、第2変位部材A490は退避状態で維持するという駆動態様も可能となる。
図360に示すように、第6角度d6は、第4角度d14に許容角度dd1を加えた角度を超えない角度として設定される。従って、ピン付きギアA462及び同位相部材A465が、第4角度d14から許容角度dd1だけ回転するよりも前に、第6角度d6回転した時点で機械的に回転が規制される(図345参照)。従って、許容角度dd1を超えて回転することが無いので、同位相部材A465を第4角度d14で停止させる精度が低く、過回転し易い構成(制御態様)であっても、第2変位部材A490を張出位置(図358参照)に維持することができる。
なお、第6角度d6の数値はこれに限定されるものではない。例えば、第6角度d6が、第4角度d14に許容角度dd1を加えた角度を若干超えた角度として設定されても良い(例えば、第4角度d14を約20度超えた角度として設定されても良い)。この場合、ピン付きギアA462及び同位相部材A465が第4角度d14を超えて許容角度dd1の分だけ回転することは許容しつつ、許容角度dd1を超えて回転を継続し、第6角度d6に到達した場合には、機械的な規制により即座に第2変位部材A490の変位を停止されることができる。
これにより、駆動モータAMT1の停止タイミングのずれに対する許容量(即ち、第4角度d14を若干超える角度(許容量)で停止制御することで、第2変位手段A490が張出位置まで到達しないことを避け、第2変位手段A490を張出位置で停止可能)を大きく確保することができると共に、駆動モータAMT1の停止タイミングのずれが意図せず大きくなった場合において第2変位部材A490が誤って大変位することの防止を図ることができる。
円弧壁部A464は、上述したように中心角度が約230度で形成されるので、回転角度が第6角度まで到達した場合でも、第1変位部材A440を規制する位置(第5角度d5の位置で第1変位部材A440と当接する位置)にまで円弧壁部A464が配設されることになることから、第1変位部材A440の張出位置での変位規制を維持することができる。
なお、同位相部材A465の円弧壁部A467が突設板部A515dと当接する状態は、検出センサA426に被検出板部A455eが検出されることで停止制御された状態に対応することから、円弧壁部A467が突設板部A515dと当接する角度状態付近で駆動モータAMT1の停止タイミングのずれが意図せず大きくなる蓋然性は少ない。そのため、円弧壁部A467は、初期角度d10から第2角度d12まで第2変位部材A490を退避位置で維持するために最低限必要な角度範囲として、円弧壁部A464よりも小さな角度(本実施形態では、約210度)で形成される。これにより、円弧壁部A467に必要な材料費用を抑制することができる。
次いで、図361から図381を参照して、第2動作ユニットA700について説明する。図361は、第2動作ユニットA700及び背面ケースA310の正面分解斜視図である。図361に示すように、第2動作ユニットA700は、第3図柄表示装置81の表示の視認領域の左右幅を超える左右幅で形成され、第3図柄表示装置81の表示の視認領域の下側に配置される。
図362は、第2動作ユニットA700の正面分解斜視図であり、図363は、第2動作ユニットA700の背面分解斜視図である。図362及び図363に示すように、第2動作ユニットA700は、左右長尺の矩形状の板状部材に保持され、昇降動作可能に構成される昇降部A702を備える昇降ユニットA701と、昇降部A702の昇降動作により退避位置と張出位置との間で変位可能とされ、複数態様で動作可能(演出可能)に構成される演出ユニットA710とを備える。
昇降ユニットA701は、左右長尺の昇降部A702を左右で支持し、左右側端部を軸に回転可能に軸支される一対のアーム部材A703と、不図示の駆動機構を介してアーム部材A703に駆動力を伝達する一対の駆動モータA704とを備える。
なお、駆動モータA704からアーム部材A703へ駆動力を伝達する機構としては、例えば、アーム部材A703の回転軸側端部にギア歯が形成され、そのギア歯に駆動モータA704の駆動軸に固定されるギアが歯合するギア伝達機構が例示される。
また、アーム部材A703に長孔が形成され、その長孔に挿通されるピンが偏心する位置で軸方向に突設されると共に外周にギア歯が形成される回転体が配設され、その回転体のギア歯と駆動モータA704の駆動軸に固定されるギアとが歯合するギアリンク伝達機構でも良い。
また、アーム部材A703に長孔が形成され、その長孔に駆動モータA704の駆動軸に固定される不図示の補助アーム部材の回転外径方向端部に形成されるピンが挿通されることで、補助アーム部材からアーム部材A703へ駆動力が伝達されるリンク伝達機構でも良い。
なお、本実施形態では、第2動作ユニットA700の正面側に対向配置される遊技盤A13の背面側形状が左右非対称であることに対応して(図306参照)、駆動モータA704の配置が左右非対称とされている。即ち、遊技盤A13の背面側構成の隙間(空間)に駆動モータA704を入れ込むことで、遊技盤A13と第2動作ユニットA700との配置に必要な前後幅の抑制を図っている。
このように、駆動モータA704の配置を遊技盤A13の形状に合わせて設定したいという事情があるので、本実施形態においては、リンク伝達機構よりも、ギアリンク伝達機構や、ギア伝達機構を採用する方が好ましい。
図364は、演出ユニットA710の正面分解斜視図であり、図365は、演出ユニットA710の背面分解斜視図である。図364及び図365では、演出ユニットA710の演出範囲を区画する環状フロントカバーA711と、その環状フロントカバーA711の下方に配置され後述する上蓋部A740に締結固定されるスカート形状の上カバーA712と、その上カバーA712の下側において背面側に重ねて配置され昇降ユニットA701の昇降部に締結固定されるスカート形状の下カバーA713とが分解され、正面側へ離された状態が図示される。
図364及び図365では、環状フロントカバーA711と前後方向視で略同等の環状に形成され環状フロントカバーA711との間に環状の内部空間IEを構成する環状リアカバーA714が上蓋部A740に固定され、その環状リアカバーA714の円中心部において回転可能に配設される回転体A720が図示される。
回転体A720は、環状フロントカバーA711の内周面が構成する円に正面視で収まる大きさの部材が、上下方向に延びる軸を中心に回転可能に構成されており、環状リアカバーA714に固定される複数の電飾基板A715に配設されるLED等の発光手段A715aから出射される光を受光可能とされる。発光手段A715aは、電飾基板A715が形作る五角形の一辺に、辺方向に等間隔で3個ずつ配置される。
なお、本実施形態では、電飾基板A715は、発光手段A715aと同様に5角形の一辺に、辺方向に等間隔で3個ずつ配置されるLED等から構成され、正面側へ光軸を向ける前発光手段A715bを備える。前発光手段A715bは、環状フロントカバーA711の背面側に光を照射することで、環状フロントカバーA711を発光させる。即ち、環状フロントカバーA711に部分的に形成される光透過性の部分を通して、遊技者に発光演出を視認させることができる。
本実施形態では、5枚の平板状の電飾基板A715のそれぞれが五角形の一辺を構成する態様で、回転体A720の上方の電飾基板A715が水平な姿勢で、且つ左右下方の電飾基板A715の下側端部が回転軸側を向く姿勢で配置され、各電飾基板A715の内向きの面の法線方向に光軸を向ける態様で発光手段A715aが配設される。即ち、発光手段A715aから出射される光は、五角形の中心付近で交差するように五角形の中心側へ向けて出射される。
そのため、回転体A720が回転する際に、回転体A720の回転外側部が発光手段A715aから出射される光の光軸を横切るように構成することができる。これにより、発光手段A715aから出射される光が回転体A720に反射される場合の光の進行方向を、回転体A720の回転に伴い変化させることができるので、煌びやかな演出を実行することができる。
なお、本実施形態では、回転体A720により光を反射させ易くするために、回転体A720の外側面に鍍金(金メッキや銀メッキ等)が施される。外側面の態様は、鍍金に限らず、その他種々の態様とすることができる。例えば、反射し易い色のテープを貼り付けるようにしても良い。
上述したように、回転体A720が上下方向に延びる回転軸を中心に回転するので、その回転軸上を進行する光は、回転体A720の回転の有無に関わらず、回転体A720の回転軸上の同じ箇所に照射される。本実施形態では、その箇所に光通過凹部A722aが形成されることで回転体A720の上部が開放され、光が通過するように構成されるが、詳細は後述する。
環状フロントカバーA711及び環状リアカバーA714は、対向側の縁部に発光手段A715aから出射される光を通過させる窓部を構成する凹設部A711a,A714aと、回転体A720の回転軸を囲うために断面半円状に凹設される半円凹設部A711b,A714bとを備える。
その凹設部A711a,A714aにより構成される窓部を除く円環の内周面と、その他外側の面とは、鍍金加工が施される。そのため、発光手段A715aから出射され、回転体A720に当たり反射した光を、更に環状フロントカバーA711や環状リアカバーA714に当てて反射させることができるので、同一の発光手段A715aから出射された光を、複数の点から進む(反射する)光として遊技者に視認させることができる。これにより、煌びやかな演出を実行しながら、発光手段A715aの配設個数を削減することができる。
この点において、発光手段A715aからの光を通過させるために必要となる窓部を可能な限度で小さく形成する方が、その他の光を反射させる領域(鍍金加工が施される領域)を広く確保できることから有利である。本実施形態では、凹設部A711a,A714aにより構成される窓部の形状が発光手段A715aを構成するLEDの外形よりも若干大きく形成されており、発光手段A715aから出射される光の明るさを損なうことなく、光を反射させる領域を広く確保することができる。
図366は、演出ユニットA710の回転体A720の分解正面斜視図であり、図367は、演出ユニットA710の回転体A720の分解背面斜視図である。図366及び図367では、演出ユニットA710の環状フロントカバーA711、上カバーA712及び下カバーA713の図示が省略される。
回転体A720は、複数の回転部材から構成され、その複数の回転部材を支持する複数の支持部A730にそれぞれ支持される部材の組であって、一対の略半球形状の外形を有する部材を有する第1回転部材A721と、その第1回転体721の外側を回転可能な形状で有色(本実施形態では青色)の光透過性の樹脂材料から形成され一対の部材から構成される第2回転部材A728とを備える。
第1回転部材A721は、前後に分割され光透過性の低い樹脂材料から略半球形状の殻状の骨格を有して形成され下側部において支持部A730に締結固定される一対の殻部A722と、正面側の殻部A722の背面側に形成される円環状の凹設部に回転可能に支持される円環状部材であって、背面側にギア歯が刻設される環状ギア部材A723と、その環状ギア部材A723の背面側に配置され、一対の殻部A722に挟まれる態様で回転可能に軸支され、軸部に刻設されるギア歯A724aが環状ギア部材A723のギア歯と歯合される中央回転部材A724とを主に備える。
一対の殻部A722は、その上部において互いに離れる方向へ凹設される光通過凹部A722aを備える。少なくとも正面側の殻部A722においては、この光通過凹部A722aは、環状ギア部材A723の上下双方共に形成され、この光通過凹部A722aの凹設端よりも正面側に環状ギア部材A723の大半が進入する態様で配置される。
即ち、上面視で光通過凹部A722aにより囲まれる貫通孔を覗いたとしても、その方向視では環状ギア部材A723の大半が視認されないので、環状ギア部材A723の内方に配置される中央回転部材A724を視認することができる。従って、上下方向に進行する光が光通過凹部A722aにより囲まれる貫通孔を通過する際に、環状ギア部材A723がその光を遮蔽することを回避することができ、その光を中央回転部材A724へ到達させることができる。ここで、図368を参照して、第1回転部材A721の動作態様の概要について説明する。
図368は、第1回転部材A721の背面図である。図368では、内部を視認可能とするために、背面側の殻部A722の図示が省略され、説明の便宜のために、支持部A730の上方において回転不能に配置される固定ギアSGが環状ギア部材A723と歯合した状態で図示される。
第1回転部材A721の動作態様の概要について説明する。上述したように、第1回転部材A721は上下方向に延びる回転軸(固定ギアSGの中心軸と同軸)を中心に回転するように構成されている。この回転が生じると、第1回転部材A721の内部に配置される環状ギア部材A723と固定ギアSGとの相対位置が変化することになり、それに伴って環状ギア部材A723と固定ギアSGとが相対変位する(歯合関係が変化する)。
本実施形態では、固定ギアSGは箱状部A750の軸棒部A751の先端に回転不能に固定されているので、環状ギア部材A723が回転することで固定ギアSGとの相対変位が確保される。環状ギア部材A723が回転すると、その回転に伴って環状ギア部材A723と歯合される中央回転部材A724が回転する。中央回転部材A724の回転軸は、第1回転部材A721の回転軸としての上下方向に延びる軸(固定ギアSGの中心軸と同軸)と交差する方向(直交する方向)に延びているので、第1回転部材A721の殻部A722の回転(鉛直方向軸の横回転)に伴って、中央回転部材A724が異なる態様で回転(水平方向軸の縦回転)する。なお、回転方向の関係については後述する。
中央回転部材A724の回転軸は、殻部A722の回転と共に(回転角度と同期して)同一平面内で変化し続けるので、遊技者に対して、中央回転部材A724を上下左右の複数の回転軸で回転するように見せることができる。従って、殻部A722に一方向の回転を生じさせることで、中央回転部材A724に複数方向の回転を生じさせることができる。
なお、本実施形態では、ギア歯A724aの歯数と、固定ギアSGの歯数とが同数(共に10歯)で構成されるので、殻部A722の回転角度の絶対値と中央回転部材A724の回転角度の絶対値とが同期する。これにより、殻部A722の回転中に、図368で図示されるように正面視でリング形状が視認可能となる姿勢に殻部A722がなる度(半回転毎)に、中央回転部材A724が図368で図示されるように円板部側を正面側へ向ける姿勢になる(復帰する)。従って、回転演出の再現性を維持することができる。
図366及び図367に戻って説明する。第2回転部材A728は、第1回転部材A721よりも下側で支持部A730に締結固定される略対称形状の一対の部材から構成され、第1回転部材A721の下側から第1回転部材A721の外側を通り第1回転部材A721に上側から被さる位置に到達する態様で上方へ延びる棒状に形成される棒状延設部A728aを備える。
棒状延設部A728aは、第1回転部材A721の外形よりも細幅に形成されており、配置の違いによって、第1回転部材A721の一部を隠す場合と、第1回転部材A721の外側に見える場合(第1回転部材A721とほとんど重ならない場合)とを構成することができるが、詳細は後述する。
なお、第1回転部材A721及び第2回転部材A728の外形は、環状リアカバーA714の内周径よりも若干小さく構成されており、上下方向の隙間が短くされる。これにより、環状リアカバーA714が第1回転部材A721及び第2回転部材A728に対する抜け止めとしての機能を果たし、環状リアカバーA714が配設されている状態で第1回転部材A721や第2回転部材A728を上方へ引き抜く(分解する)という不用意な分解を防止することができる。
上述したように、回転体A720は、支持部A730に締結固定される複数の回転部材(第1回転部材A721及び第2回転部材A728)から構成され、それらは支持部A730の回転に伴って回転する。次いで、この支持部A730について説明する。
図369(a)は、支持部A730の正面分解斜視図であり、図369(b)は、第2支持部A735の正面分解斜視図である。図370(a)は、支持部A730の背面分解斜視図であり、図370(b)は、第2支持部A735の背面分解斜視図である。
図369及び図370に示すように、支持部A730は、有色(本実施形態では白色)で光非透過性の樹脂材料から本体が円筒状に形成される第1支持部A731と、無色で光透過性の樹脂材料から本体が第1支持部A731の本体の外径よりも若干長い内径の円筒状に形成され、径方向に2分割される分割体の組として構成される第2支持部A735とを備え、それら第1支持部A731及び第2支持部A735の内側に後述する箱状部A750に固定される軸棒部A751が差し込まれ、その軸棒部A751の先端側部において異形の軸との嵌合により回転不能に固定される金属リング状のCリングC1及び固定ギアSGにより抜去不能に支持される。
第1支持部A731は、箱状部A750の軸棒部A751の直径よりも若干長い内径とされ軸棒部A751が挿通可能に形成される貫通孔A731aを有する円筒状の本体部と、その本体部の上端部から一直線上の両方向へ板状に延設され締結ネジを挿通可能な貫通孔が形成される複数の支持板部A732と、本体部の下端における2位置から下方へ突設される一対の突設部A733とを備える。
突設部A733は、後述する下層伝達機構A770の切欠き部A772aと対応する位置に配設され、嵌合によって回転方向の力の伝達を可能とする部分であって、互いに幅違いに形成される。これにより、一対の突設部A733の幅を同じで形成する場合に比較して、嵌合時における下層伝達機構A770の筒状延設部A772と第1支持部A731との角度合致を行い易くすることができる。
図369(b)及び図370(b)に示すように、第2支持部A735は、筒状部を構成する半筒部A736と、その半筒部A736の上端部から一直線上の両方向へ板状に延設され締結ネジを挿通可能な貫通孔が形成される複数の半支持板部A737とを備える略対称形状の一対の分割体から構成される。
半筒部A736は、下端側部において円弧の中心位置で下端から上方へ矩形状に凹設される凹設嵌合部A736aと、円弧の端部から径方向外方へ矩形状に突設される突設嵌合部A736bとを備える。
凹設嵌合部A736aは、後述する上層伝達機構A760の内側突部A762d(図373参照)に嵌合する凹部であり、突設嵌合部A736bは、上層伝達機構A760の切欠き部A762cに嵌合する突部である。
凹設嵌合部A736aの嵌合位置では、凹設嵌合部A736aの周囲の壁部が円筒突条部A762bの内壁と対向配置されており、その内壁に半筒部A736の径方向外方への変位が規制され、突設嵌合部A736bが切欠き部A762cと嵌合することで、第2支持部A735を構成する分割体を分割不能に支持することができる。
更に、凹設嵌合部A736a及び突設嵌合部A736bは、上層伝達機構A760の切欠き部A762cと軸棒部A751を回転軸とした回転の周方向で当接する態様で嵌合されることから、大径ギアLG12の回転が第2支持部A735へ伝達されるための伝達部としても機能する。従って、凹設嵌合部A736a及び突設嵌合部A736bを、第2支持部A736の分割防止と、第2支持部A736への回転伝達との両方に機能させることができる。
半支持板部A737が形成される半筒形状部の内面には、周方向に沿って凹設される溝部A735aが形成される。溝部A735aにより、第2支持部A735の内側面と第1支持部A731の外側面との接触面積を減らすことができ、発生する摩擦力を低減することができる。
特に、半支持板部A737の間に配置される箇所においては、第2回転部材A728の締結固定の際の負荷が生じる虞があり、設計時の寸法に比較して内径が締まる可能性がある。これに対し、本実施形態では、半支持板部A737の間の位置において溝部A735aが形成されるので、第2支持部A735と第1支持部A731との間で摺動摩擦が生じやすい箇所で接触面積を低減することができる。これにより、溝部A735aを形成することによる剛性の低下を最小限に抑えながら、第2支持部A735と第1支持部A731との間で生じる摩擦力を効果的に低減することができる。
半支持板部A737は、第2支持部A735が分割される方向に沿って相手部材の反対側へ突設される一対の組み付け突部A737aと、一方の分割体から突設される一対の位置合わせ突部A737bと、その位置合わせ突部A737bを挿通可能な大きさの貫通孔として他方の分割体に穿設される挿通孔A737cと、厚さ方向に穿設され第2回転部材A728の締結部A728b(図367参照)が挿通可能な大きさで形成される一対の締結用孔A737dとを備える。
半支持板部A737は、位置合わせ突部A737bを挿通孔A737cに挿通することで互いに位置合わせされ、その分割方向外側から組み付けられる第2回転部材A728(図367参照)を締結部A728bに締結ネジを螺入して締結固定することで、互いに結合される。即ち、第2回転部材A728の締結固定に利用される締結ネジを、半支持板部A737の締結固定にも兼用することができるので、締結ネジの個数を削減することができる。
組み付け突部A737aは、第2回転部材A728の対応する位置に形成される凹部に挿通され位置決めに利用されるものであり、その突設間隔は、第2支持部A735を構成する一対の分割体同士で異なる。即ち、正面側に配置される分割体に配設される組み付け突部A737aの間隔の方が、背面側に配置される分割体に配設される組み付け突部A737aの間隔よりも広い。
組み付け突部A737aを間隔違いで形成することにより、第2回転部材A728を構成する一対の部材のそれぞれを、第2支持部A735の正しい方向から組み付けさせることができる。即ち、正しい方向から組み付けた場合にのみ、組み付け突部A737aと第2回転部材A728とが適切に嵌合するようにすることができ、誤った方向である場合には、組み付け突部A737aと第2回転部材A728の凹部との位置が合わず、組み付けられないことにより組み付け方向の誤りに気付かせることができる。
また、第2回転部材A728は、締結部A728bの有無が大きな違いであり、その他の構成が略同等であるため、取り扱いの際に一対の部材の組で組み付けを行うつもりが、一対の部材の組の一方の部材を2つ組み付けようとする誤りが生じる虞がある。本実施形態によれば、組み付け突部A737aの形成間隔が異なるので(共通の態様では無いので)、第2支持部A735に組み付ける第2回転部材A728の部材を、双方共に一方の部材(組み合わせの片側の部材)にして組み付けようとする誤りに、締結ネジの挿通前に気付かせることができる。
第2支持部A735は、分解前は径方向の離間を上層伝達機構A760の円筒突条部A762bに規制される(図366参照)ので、第1支持部A731及び第2支持部A735の組み付けは、専ら、軸方向への平行移動により行われ、その平行移動に伴い突設部A733が切欠き部A772aと、凹設嵌合部A736aが内側突部A762d(図373参照)と、突設嵌合部A736bが切欠き部A762cと、それぞれ嵌合される。ここで、その形状から、先に第2支持部A735が組み付けられ、その状態で第1支持部A731が組み付けられる。
ここで、組み付けられる相手側の部材との形状の関係上、第1支持部A731及び第2支持部A735共に組み付けられる際の姿勢は任意の姿勢では無く、特定の姿勢に限定される。そのため、第1支持部A731を組み付ける際に第2支持部A735が視界を遮り第1支持部A731を組み付け難くなる可能性が考えられる。
これに対し、本実施形態では、第2支持部A735が光透過性の樹脂材料から形成され、第1支持部A731が光非透過性の樹脂材料から形成されるので、第2支持部A735を組み付けた後において第2支持部A735の内側を視認することができる。加えて、第1支持部A731を組み付ける下層伝達機構A770の筒状延設部A772は上蓋部A740の上方に長く張り出して配設されるので、第1支持部A731の突設部A733が嵌合する位置を上蓋部A740に隠されることが無く、視認し易く構成することができる。
そのため、第1支持部A731を組み付ける際に、適した姿勢に容易に調整することができるので、第1支持部A731及び第2支持部A735の組み付けを容易に行うことができる。
ここで、後述する上層伝達機構A760や下層伝達機構A770を箱状部A750との間に配置する(収容する)上蓋部A740には、支持部A730の中心軸を囲う貫通孔A741が穿設されているので、上蓋部A740を分解して上層伝達機構A760や下層伝達機構A770に手を加えるためには、貫通孔A741から箱状部A750に固定される軸棒部A751を抜去するために上蓋部A740を箱状部A750に対して上方へ変位させる必要がある。
この時、支持部A730が組み付けられたままでは、支持板部A732や半支持板部A737が干渉して上蓋部A740を上方へ変位させることができない。従って、上蓋部A740を分解する前に、支持部A730を分解する必要がある。そして、上述したように、支持部A730を分解するためにはCリングC1及び固定ギアSGを分解する必要があり、固定ギアSGは第1回転部材A721の内側に配置されるので(図368参照)、固定ギアSGを分解するために回転体A720を分解する必要がある。
このように、上層伝達機構A760や下層伝達機構A770へアクセスするために、複数の部材を順番に分解することが必要な構成とすることで、上層伝達機構A760や下層伝達機構A770へ不正にアクセスし難くすることができ、上層伝達機構A760や下層伝達機構A770をいじることで誤作動を起こさせる不正行為を防止し易くすることができる。
図371及び図372は、上蓋部A740及び箱状部A750の正面分解斜視図である。なお、図371では、斜め上方から見下げる方向視が図示され、図372では、斜め下方から見上げる方向視(鉛直方向に対して22.5度傾斜する方向視)が図示される。
図371及び図372に示すように、上蓋部A740は、左右中央位置に上下に穿設される貫通孔A741を備え、箱状部A750と対向する下面に上層伝達機構A760の各伝達部材を支持するための形状(凹凸等の形状)が形成される。
箱状部A750は、上蓋部A740の下方に配置され少なくとも上面側が開放される箱状に形成され、その開放位置に上層伝達機構A760及び下層伝達機構A770が配設されるものであって、箱の底板部A750aに固定され、上蓋部A740の貫通孔A741の中心軸と同軸で上下方向に延びる金属製(本実施形態では、真鍮製)の軸棒部A751と、箱状部A750の上面側に配設されるフォトカプラ方式で構成される検出装置からなる第1検出センサA752と、箱状部A750の下面側に配設されるフォトカプラ方式で構成される検出装置からなる第2検出センサA753と、下面側へ本体部が張り出して締結固定される駆動モータAMT2と、その駆動モータAMT2の励磁により回転する駆動ギアAMG2と、底板部A750aの下方に配置され各種センサA752,A753や駆動モータAMT2等に連結される配線が中継される中継基板A754とを備える。
図373及び図374は、箱状部A750、上層伝達機構A760及び下層伝達機構A770の分解正面斜視図である。図373及び図374では、上層伝達機構A760が下層伝達機構A770から上下方向に離された状態が図示され、図373では、斜め上方から見下げた方向視で図示され、図374では、斜め下方から見上げた方向視で図示される。
上層伝達機構A760及び下層伝達機構A770は、双方共に4個のギアが歯合されることで構成され、各ギアは2種類の形状(大きさ)のギアに限定されている。即ち、下層伝達機構A770は、駆動ギアAMG2と、その駆動ギアAMG2と歯合される小型の小径ギアPG1と、その小径ギアPG1に歯合される同形状の小径ギアPG2と、その小径ギアPG2に歯合され駆動ギアAMG2と同形状の大径ギアLG1とで構成される。
また、上層伝達機構A760は、駆動ギアAMG2と同形状の大径ギアLG11と、その大径ギアLG11に歯合される同形状の大径ギアLG12と、その大径ギアLG12に歯合され小径ギアPG1と同形状の小径ギアPG11と、その小径ギアPG11に歯合され駆動ギアAMG2と同形状の大径ギアLG13とで構成される。
駆動ギアAMG2側を上流として、最も下流側に配置される大径ギアLG13,LG1に、それぞれ第1検出センサA752及び第2検出センサA753に検出される被検出片A763,A773が形成される。
伝達機構A760,A770のそれぞれの駆動力伝達の過程で、小径のギアを介するが、下流側で再度大径のギアを配置していることから、大径ギアLG13,LG1の双方が回転している場合の回転角度の絶対値は、駆動ギアAMG2の回転角度の絶対値と等しくなる。
本実施形態では、大径ギアLG13のギア歯を上方から覆設する傘部から径方向外側へ延設される被検出片A763が円周上等間隔で2箇所(180度間隔)に形成されており、大径ギアLG1のギア歯を下方から覆設する傘部から軸方向へ延設される被検出片A773が円周上等間隔で4箇所(90度間隔)に形成されているので、第1検出センサA752及び第2検出センサA753の双方に被検出片A763,A773が検出されている状態(図372参照)から、駆動ギアAMG2が180度回転することで、再び第1検出センサA752及び第2検出センサA753の双方に被検出片A763,A773が検出されている状態に戻ることになる。このように、本実施形態では、第1検出センサA752及び第2検出センサA753の検出タイミングを関連させることができる。
一方で、第1検出センサA752と第2検出センサA753との複数の検出センサを配設しているのは、片方の検出センサのみを機能させるタイミングが生じるためであるが、詳細については後述する。
上層伝達機構A760及び下層伝達機構A770の詳細の説明において、上層伝達機構A760は、複数箇所で下層伝達機構A770に支持されるので、理解を容易とするために、まず下層伝達機構A770について説明する。下層伝達機構A770は、箱状部A750の下層に配設され、上述したように4個の互いに歯合されるギアAMG2,PG1,PG2,LG1から構成される伝達機構である。
下層伝達機構A770の駆動ギアAMG2の上面側には、嵌合用の凹部A771が周方向等間隔で複数形成され、その内の一つの凹部A771に径方向内側へ突設される突部A771aが形成される。これにより、一つの凹部A771の内部形状が他の凹部A771の内部形状と異なるように形成される。
下層伝達機構A770の小径ギアPG2は、軸棒部A751を囲うように上面から上方へ筒状に延設される筒状延設部A772を備える。筒状延設部A772の上端部には、軸棒部A751を挟んだ対称位置において矩形状に切り欠かれる一対の切欠き部A772aが形成される。この切欠き部A772aは、支持部の突設部A733と嵌合する部分であって、突設部A733の形成態様と対応して、互いに幅の異なる切欠きとして形成される。
大径ギアLG1は、箱状部A750の底板部A750aよりも上層に形成される中間板部A750bの下側に配置されており、その中間板部A750bによって上方への抜き取りが規制される。即ち、大径ギアLG1を抜き取るためには、上下方向視で干渉する第2検出センサA753を取り外す必要があるので、大径ギアLG1を抜き取るまでに要する工数を増加することができる。これにより、大径ギアLG1が不用意に抜き取られることを回避し易くすることができる。
また、中間板部A750bが領域を区画することによって、大径ギアLG1と、上層伝達機構A760の構成部材との接触を回避し易くすることができる。これにより、大径ギアLG1と上層伝達機構A760とで(駆動力の伝達経路の下流側で)駆動力の伝達が行われることを回避することができる。
次いで、上層伝達機構A760の詳細について説明する。上層伝達機構A760は、箱状部A750の上層に配設され、上述したように4個の互いに歯合されるギアLG11,LG12,PG11,LG13から構成される伝達機構である。
上層伝達機構A760の大径ギアLG11は、内部に収容されるワンウェイクラッチにより一方向(上面視時計回り)に回転する場合にのみ駆動力が伝達され、その反対方向(上面視反時計回り)に回転する場合には空回りするように構成されており、ワンウェイクラッチの下側面から下方へ突設される複数の突条部A761を備える。
突条部A761は、駆動ギアAMG2の凹部A771と嵌合する湾曲壁形状の突部であり、突部A771aに対応する対応部A761aが、径方向内側に入り込んだ形状(径方向外方への張り出しが抑えられた直線形状)とされる。これにより、駆動ギアAMG2の突部A771aと大径ギアLG11の対応部A761aとが合致する姿勢でのみ組み付け可能に構成することができる。
上層伝達機構A760の大径ギアLG12は、中央部に小径ギアPG2の筒状延設部A772の外径よりも若干長い内径の貫通孔A762aが穿設され、上面側から大径円筒状に突設される円筒突条部A762bと、その円筒突条部A762bの突設先端において軸棒部A751の中心軸を挟んで反対位置に矩形状に切欠き形成される一対の切欠き部A762cと、その切欠き部A762cと軸棒部A751の中心軸とを上面視で通る直線に対して、軸棒部A751の中心軸を通り上面視で直交する直線に沿って突設される一対の内側突部A762dとを備える。
円筒突条部A762bは、第2支持部A735の下端部を受け入れ(図366参照)、第2支持部A735の分割方向への変位を規制する部分であり、切欠き部A762c及び内側突部A762dは、それぞれ第2支持部A735の突設嵌合部A736b及び凹設嵌合部A736aと嵌合し、駆動力を伝達可能に構成される部分である。
上層伝達機構A760の大径ギアLG13は、上述した一対の被検出片A763と、その被検出片A763から同方向に同角度ずれが位置において傘部の形成が省略され軸方向に亘って形成される長尺化ギア歯A764と、同軸回転可能に大径ギアLG13の内側に配設され、大径ギアLG13と相対回転可能に構成される円柱状機能部A765とを備える。
円柱状機能部A765は、回転軸を挟んで対称の位置に配設され、箱状部A750の上面に溝状に形成される支持溝部A750cに支持される一対の回転規制突部A765aを備える。ここで、円柱状機能部A765の内部には、大径ギアLG13との間で所謂トルクリミッタ(安全クラッチ)として機能する機能装置が収容される。
即ち、大径ギアLG13と円柱状機能部A765との間で生じる負荷が基準よりも小さい(僅かである)場合にはトルクの伝達を維持し、大径ギアLG13と円柱状機能部A765との間で生じる負荷が過大である場合にはトルクの伝達を遮断するように構成されている。
本実施形態では、駆動ギアAMG2が上面視反時計回りに回転し、大径ギアLG11の内部のワンウェイクラッチが空回りすることで上層伝達機構A760への駆動力伝達を遮断する際の上層伝達機構A760の回転の防止を、より確実にするための抵抗を生じるものとしてトルクリミッタが利用される。そのため、この観点で言えば、常時抵抗を生じる抵抗部材や、ダンパギアなどの粘性抵抗を生じる部材と同様に機能する。
一方で、駆動ギアAMG2が上面視時計回りに回転し、大径ギアLG11の内部のワンウェイクラッチが空回りせずに回転することで上層伝達機構A760を通して駆動力が伝達される際には、トルクリミッタによりトルクの伝達が遮断され、大径ギアLG13側からの抵抗を減らすことができるので、駆動モータAMT2にかけられる負荷を抑制し駆動モータAMT2の発熱を抑えることができる。
ここで、駆動ギアAMG2が上面視時計回りに回転し、大径ギアLG11の内部のワンウェイクラッチが空回りせずに回転する際に、回転開始時はトルクリミッタがトルクを伝達する状態とされており、ある程度回転が持続した後(ある程度の角度回転した後)でトルク伝達を解除する状態に切り替わる。そのため、その切り替えが生じる前においては、小径ギアPG11と大径ギアLG13との間に大きな負荷が生じる。
本実施形態では、この大きな負荷を受ける部位として、長尺化ギア歯A764が形成される。即ち、駆動ギアAMG2が上面視時計回りに回転開始する際の大径ギアLG13の姿勢を、被検出片A763が第1検出センサA752の隙間に進入している姿勢(図373参照)に限定するように制御することで、駆動ギアAMG2が上面視時計回りに回転を開始する時に小径ギアPG11と歯合するギア歯を特定のギア歯に限定することができる。
その特定のギア歯を長尺化ギア歯A764として軸方向に長尺で形成することで、軸方向の単位長さ当たりで生じる負荷を下げることができる。これにより、大径ギアLG13の耐久性を向上することができる。
なお、第1検出センサA752は、大径ギアLG13の被検出片A763の検出を行うことにより、複数の対象を検出することができる。まず、第1に、上層伝達機構A760が駆動力伝達のために回転動作し、その後で停止する場合において、上層伝達機構A760が適切な姿勢(角度)で停止したことを検出することができる。
第2に、大径ギアLG11の内部に配設されるワンウェイクラッチを空回りさせて上層伝達機構A760への駆動力伝達を解除している場合(駆動ギアAMG2が上面視反時計回りに回転する場合)において、その駆動力伝達の解除が良好に機能していることを検出することができる。即ち、例えば、ワンウェイクラッチの内部構造の損傷などにより駆動力伝達の遮断(空回り)が不十分となっている場合や、トルクリミッタのトルク発生機能が不具合により不十分となっている場合に、大径ギアLG13に伝達される駆動力がトルクリミッタの抵抗を超えると、大径ギアLG13が回転することになる。
駆動ギアAMG2を上面視反時計回りに回転制御している場合に、被検出片A763が変位したことを第1検出センサA752により検出した場合にエラー信号を報知することで、第1検出センサA752を利用して、ワンウェイクラッチや、トルクリミッタに生じている不具合を発見することができる。
なお、上述のような、ワンウェイクラッチを利用した駆動力伝達の解除を、トルクリミッタの機能で補う機構は、本実施形態のように、伝達される駆動力が水平方向を向く場合に効果的である。即ち、本実施形態では、上下方向に延びる回転軸を中心に回転する複数の伝達部材によって駆動力が伝達されることになるが、この構成においては、重力を利用することができない。
伝達される駆動力が重力方向の成分を有する場合、駆動力が伝達される部材の自重を利用して駆動力伝達が解除される方向への移動を抑制する構造とすることもできるが、本実施形態では自重を利用することができず、ワンウェイクラッチの解除方向の空回りで生じる弱い負荷によっても駆動力の伝達が生じる虞がある。
また、空回りによる変位を抑制する構造として、他の部材との摩擦を生じさせることも考えられるが、この場合、摩擦以上の駆動力を発生させて部材を駆動する必要が生じるので、別の問題が生じる虞がある。このような観点から、本実施形態では、トルクリミッタを採用して、駆動方向の切り替えに伴う駆動力伝達の解除を確実に発生させられるように構成している。
図375(a)は、上蓋部A740、箱状部A750、上層伝達機構A760及び下層伝達機構A770の上面図であり、図375(b)は、上蓋部A740、箱状部A750、上層伝達機構A760及び下層伝達機構A770の正面図である。
図375(a)及び図375(b)を参照して、駆動モータAMT2の駆動力の伝達について説明する。駆動モータAMT2の励磁により駆動ギアAMG2が回転すると、その駆動ギアAMG2の凹部A771(図373参照)と嵌合する突条部A761(図374参照)も回転する。
駆動ギアAMG2の回転方向が、上面視反時計回りの場合、上述したように、大径ギアLG11の内部に収容されるワンウェイクラッチが空回りし、突条部A761と大径ギアLG11とが相対回転することで、駆動ギアAMG2が回転しても、大径ギアLG11はそのままの状態を維持する。
即ち、下層伝達機構A770を伝わる下伝達経路DL1でのみ駆動力が伝達され、上層伝達機構A760を伝わる上伝達経路UL1での駆動力伝達が遮断される。従って、支持部A730(図369参照)に嵌合する筒状延設部A772及び円筒突条部A762bの内、筒状延設部A772のみが回転し、円筒突条部A762bはそのままの状態を維持する。
これにより、演出ユニットA710の組立状態(図362参照)においては、第1支持部A731及び第2支持部A735の内、筒状延設部A772に嵌合する第1支持部A731(図369参照)のみが回転し、第2支持部A735はそのままの状態を維持するので、第1回転部材A721及び第2回転部材A728の内、第1支持部A731に締結固定される第1回転部材A721(図367参照)のみが回転し、第2回転部材A728はそのままの状態を維持する。
一方、駆動ギアAMG2の回転方向が、上面視時計回りの場合、上述したように、大径ギアLG11の内部に収容されるワンウェイクラッチにより十分に駆動力が伝達され、突条部A761と大径ギアLG11とが同期して(一体的に)回転する。即ち、駆動ギアAMG2が回転すると、大径ギアLG11も同様に回転する。
即ち、下伝達経路DL1のみでなく、上伝達経路UL1でも駆動力が伝達される。従って、支持部A730(図369参照)に嵌合する筒状延設部A772及び円筒突条部A762bの双方が回転する。
これにより、演出ユニットA710の組立状態(図362参照)においては、第1支持部A731及び第2支持部A735(図369参照)の双方が回転し、第1支持部A731及び第2支持部A735にそれぞれ締結固定される第1回転部材A721及び第2回転部材A728(図367参照)の双方が回転する。
ここで、第1回転部材A721及び第2回転部材A728の回転方向について説明する。まず、第2回転部材A728(図367参照)は、上伝達経路UL1で伝達される駆動により回転する。駆動ギアAMG2が上面視時計回りに回転することに伴い大径ギアLG11が上面視時計回りに回転し、その大径ギアLG11と歯合する大径ギアLG12は逆方向の上面視反時計回りに回転するので、第2回転部材A728の回転方向は、上面視反時計回りとなる。
次に、第1回転部材A721(図367参照)は、下伝達経路DL1で伝達される駆動により回転する。駆動ギアAMG2が上面視時計回りに回転することに伴い、駆動ギアAMG2と歯合される小径ギアPG1が上面視反時計回りに回転し、小径ギアPG1と歯合される小径ギアPG2(図373参照)が上面視時計回りに回転するので、第1回転部材A721の回転方向は、上面視時計回りとなる。
即ち、第1回転部材A721及び第2回転部材A728の回転方向は、軸棒部A751を回転軸とする逆方向となる。これにより、第1回転部材A721及び第2回転部材A728の回転方向が同方向である場合に比較して、高速で回転しているように(大きな角度変化で)遊技者に視認させることができたり、第1回転部材A721と第2回転部材A728とが独立して回転しているように見せることができたりする演出を実行し易くすることができる。
図376(a)は、第1回転部材A721の正面図であり、図376(b)は、図376(a)の矢印D方向視における第1回転部材A721の上面図であり、図376(c)は、第1回転部材A721の正面図であり、図376(d)は、図376(c)の矢印D方向視における第1回転部材A721の上面図である。
図376(a)及び図376(b)では、第1回転部材A721の初期状態が図示され、図376(c)及び図376(d)では、第1回転部材A721の殻部A722が初期状態から上面視反時計回りに45度回転した後の状態(第1状態)が図示される。
図377(a)は、第1回転部材A721の正面図であり、図377(b)は、図377(a)の矢印D方向視における第1回転部材A721の上面図であり、図377(c)は、第1回転部材A721の正面図であり、図377(d)は、図377(c)の矢印D方向視における第1回転部材A721の上面図である。
図377(a)及び図377(b)では、第1回転部材A721の殻部A722が第1状態から上面視反時計回りに45度回転した後の状態(第2状態)が図示され、図377(c)及び図377(d)では、第1回転部材A721の殻部A722が第2状態から上面視反時計回りに45度回転した後の状態(第3状態)が図示される。
図378(a)は、第1回転部材A721の正面図であり、図378(b)は、図378(a)の矢印D方向視における第1回転部材A721の上面図であり、図378(c)は、第1回転部材A721の正面図であり、図378(d)は、図378(c)の矢印D方向視における第1回転部材A721の上面図である。
図378(a)及び図378(b)では、第1回転部材A721の殻部A722が第3状態から上面視反時計回りに45度回転した後の状態(第4状態)が図示され、図378(c)及び図378(d)では、第1回転部材A721の殻部A722が第4状態から上面視反時計回りに45度回転した後の状態(第5状態)が図示される。
図379(a)は、第1回転部材A721の正面図であり、図379(b)は、図379(a)の矢印D方向視における第1回転部材A721の上面図であり、図379(c)は、第1回転部材A721の正面図であり、図379(d)は、図379(c)の矢印D方向視における第1回転部材A721の上面図である。
図379(a)及び図379(b)では、第1回転部材A721の殻部A722が第5状態から上面視反時計回りに45度回転した後の状態(第6状態)が図示され、図379(c)及び図379(d)では、第1回転部材A721の殻部A722が第6状態から上面視反時計回りに45度回転した後の状態(第7状態)が図示される。
第7状態から殻部A722が上面視反時計回りに45度回転すると、第1回転部材A721は初期状態に戻る。即ち、図376から図379では、第1回転部材A721の回転の一区間(一周期)が図示される。
なお、第1回転部材A721の初期状態(図376(a)参照)において、殻部A722の正面視で視認される側を正面殻部A722F、その逆側を背面殻部A722Bとして説明する。また、同様に、第1回転部材A721の初期状態において、中央回転部材A724の正面視で視認される側を部材正面A724F、その逆側を部材背面A724Bとして説明する。
なお、図376(a)、図376(c)、図377(a)、図377(c)、図378(a)、図378(c)、図379(a)及び図379(c)では、電飾基板A715(図364参照)の発光手段A715aを構成するLEDの光軸KJが想像線で図示され、図376(b)、図376(d)、図377(b)、図377(d)、図378(b)、図378(d)、図379(b)及び図379(d)では、所定の仮想平面VSが図示される。この仮想平面VS上を光軸KJが通ることになる。
また、図376(d)、図377(d)、図378(d)及び図379(d)では、光の反射方向を模式的に示す矢印HL,VLが図示される。矢印HLは、中央回転部材A724の左右側に配置される発光手段A715aから照射される光が殻部A722で反射されて進行する方向を表しており、矢印VLは、中央回転部材A724の上側に配置される発光手段A715aから照射される光が中央回転部材A724で反射されて進行する方向を表している。
図376(d)、図377(d)、図378(d)及び図379(d)に示すように、第1回転部材A721が上面視で反時計回りに1回転することに対応して、矢印VLの方向は、上面視で時計回りに1回転分変化する。即ち、本実施形態では、中央回転部材A724の上方に配置される発光手段A715aから照射される光を、中央回転部材A724を介して第1回転部材A721の回転軸を中心とした円の径方向に進行させることができると共に、その方向を第1回転部材A721の回転方向とは逆回りに変化させることができる。
これは、例えば、殻部A722や中央回転部材A724の側面に発光手段を配設するような構成では実現し難いものである。例えば、殻部A722の側面に発光手段を配設する場合、発光手段から照射される光の方向の変化は第1回転部材A721の回転方向と同じ回転方向で変化することになる。
また、例えば、中央回転部材A724の部材正面A724Fが第1回転部材A721の回転に際し常に正面側を向いていることから、部材正面A724Fや部材背面A724Bに発光手段を配置した場合に面の法線方向に照射される光の進行方向の変化は、第1回転部材A721の回転軸を中心とした変化とはならない(前後方向に回転軸を有する回転方向の変化となる)。
従って、第1回転部材A721の側面に発光手段を配置して発光演出を行う構成を採用する場合に比較して、意外性のある発光演出を実行することができる。例えば、光の進行方向の変化の回転方向と、第1回転部材A721の回転方向とが逆であることで、実際の回転速度に比較して、高速で回転しているかのように遊技者に感じさせることができる。
図376から図379に示すように、第1回転部材A721の回転に伴って中央回転部材A724も回転するが、遊技者から視認される面は、部材正面A724Fに限定されている。そのため、中央回転部材A724を締結固定するための締結ネジが背面側に露出していたとしても(図368参照)、締結ネジが遊技者に視認されることを防止することができる。
即ち、中央回転部材A724の部材背面A724Bは、遊技者に視認させる領域としてではなく、別のことを目的とした領域として構成できるので、見栄えは問わず、その目的(本実施形態では、光を反射させる目的)をより達成し易い構成を選択することができる。例えば、本実施形態では、締結ネジを敢えて露出させることで、締結ネジの部材表面の光沢を利用した光の反射を生じさせることができる。
なお、締結ネジの部材表面の態様は任意に設定可能である。例えば、締結ネジの部材表面を黒色に塗装して影を作り易くしても良いし、締結ネジの部材表面を有色で塗装してその色を反射するようにしても良いし、締結ネジにLED等の発光手段を付けても良い。
第1回転部材A721へ照射される光の作用について説明する。なお、以下の説明では、図364を適宜参照する。第1回転部材A721へ光を照射する発光手段A715aを備える電飾基板A715は、上述したように、5角形の各辺を構成するように配置されており、各辺と直交する方向(互いに傾斜する方向)に沿って光軸KJが配置されている。先に第1回転部材A721の上方に配置される電飾基板A715(図364参照)について説明し、後で第1回転部材A721の左右に配置される電飾基板A715について説明する。
第1回転部材A721の上方に配置される電飾基板A715は、発光手段A715aから下方へ向けて光が照射される。この光は、第1回転部材A721の状態に関わらず、光通過凹部A722aを通り中央回転部材A724まで到達する。即ち、第1回転部材A721の上方に配置される電飾基板A715に配置される発光手段A715aから光を照射することにより、常に中央回転部材A724に光を当て続けることができる。
なお、発光手段A715aは3個のLEDが横に並列配置されるところ、第1回転部材A721の状態によって中央回転部材A724に到達する光の光量は変化し得る。即ち、初期状態(図376(b)参照)では、発光手段A715aが並列配置される方向と同じ方向に光通過凹部A722aが長尺に形成されるので左右の発光手段A715aから照射された光も中央回転部材A724へ届き易い。
一方で、第2状態(図377(b)参照)では、発光手段A715aが並列配置される方向に光通過凹部A722aが延びておらず、左右の発光手段A715aから照射された光が光通過凹部A722aに入り難いため、中央回転部材A724の上方に配置される電飾基板A715から照射される光のうち、中央回転部材A724へ到達する光は中央の発光手段A715aから照射された光が主となる。従って、第1回転部材A721の状態の違いと、中央回転部材A724の発光強度の違いとを対応付けることができる。
この観点において、中央回転部材A724の部材正面A724Fを正面視で視認し易い初期状態や第4状態において、中央回転部材A724の上方に配置される電飾基板A715から照射され中央回転部材A724に到達する光の強度を最大とし、中央回転部材A724の部材正面A724Fを正面視で視認し難い第2状態や第6状態において、中央回転部材A724の上方に配置される電飾基板A715から照射され中央回転部材A724に到達する光の強度を最小とすることができる。即ち、中央回転部材A724の正面視での見易さと、中央回転部材A724に到達する光の強度の大きさとを対応して変化させることができる。
第1回転部材A721の左右に配置される電飾基板A715は、殻部A722の回転軸を通る平面(仮想平面VS)上に光軸KJが配置される発光手段A715aを備えている。この発光手段A715aから、第1回転部材A721へ向けて光が照射されるが、第1回転部材A721の状態に応じて、光が到達する箇所が異なる。
即ち、殻部A722が中央回転部材A724と発光手段A715aとの間に配置される状態(初期状態(図376(a)及び図376(b)参照)又は第4状態(図378(a)及び図378(b)参照))では、発光手段A715aから照射される光が殻部A722で反射されることになり、中央回転部材A724まで到達しない。
殻部A722は、外周縁部において径方向外方へ向かう程に幅小となる態様で湾曲しており、殻部A722の開口の縁同士を異形のアーチ状の橋渡しで連結する連結部A722bを備える。従って、第1回転部材A721の初期状態や第4状態においても、発光手段A715aから殻部A722へ照射された光の一部を、殻部A722の外周縁部の湾曲や、連結部A722bのアーチの湾曲に反射させることで、遊技者へ向けて進行させることができる。
加えて、殻部A722が第1回転部材A721の初期状態と第4状態との間の状態において、発光手段A715aから照射された光を遊技者側へ向けて反射させる(矢印HLに沿って反射させる)傾斜姿勢とされるので、初期状態および第4状態からわずかに角度ずれした状態において遊技者側へ進行する光の光量と、その他の状態における光量との違いを際立たせることができる。即ち、第1回転部材A721の初期状態および第4状態において瞬間的(パルス的)に中央回転部材A724を暗く視認させ、初期状態および第4状態からわずかに角度ずれした状態では中央回転部材A724を明るく視認させる状態に切り替えるという発光演出を実行することができる。
一方で、第1回転部材A721の回転変位における初期状態と第4状態との間の状態では、発光手段A715aの光軸の全てと殻部A722とが重なっているわけでは無いので、少なくとも一部の光は中央回転部材A724に到達する。
このように、第1回転部材A721の左右に配置される電飾基板A715の発光手段A715aから照射される光が中央回転部材A724に到達する状態と、中央回転部材A724に到達しない状態とを、第1回転部材A721の状態で切り替えることができる。これにより、発光手段A715aの発光態様(例えば、点滅態様)を制御せずとも、中央回転部材A724に到達する光が点滅しているように視認させる発光演出を実行することができる。
例えば、発光手段A715aから照射される光は点灯状態を維持しつつ、第1回転部材A721の回転速度を変更することで、異なる点灯または消灯時間で点滅しているように視認させることができる(異なる点滅周期の発光演出として視認させることができる)。
この場合において、中央回転部材A724を静止画として追うことができず、残像が生じる程度の速度(例えば、20[rps])を超える速度で中央回転部材A724が回転するように駆動する場合、その速度の大小に寄らず、中央回転部材A724はあたかも停止しているように視認される一方で、速度の違いにより、中央回転部材A724に照射される光の点滅周期を異ならせることができる。
即ち、第1回転部材A721の回転速度が高速であるほど、第1回転部材A721の初期状態や第4状態に到達するまでの間隔を短くすることができ、殻部A722により発光手段A715a(中央回転部材A724の左右に配置される発光手段A715a)から照射される光が遮られる周期を短くすることができるので、中央回転部材A724に照射される光の点滅周期を短くすることができる。従って、本実施形態では、第1回転部材A721の回転速度を変化させることにより、中央回転部材A724に照射される光の点滅周期を変化させる演出を行うことができる。
なお、本実施形態では、第1回転部材A721の初期状態や第4状態として図示されるように、発光手段A715aの光軸と殻部A722とが対向配置される状態において、中央回転部材A724は、回転軸方向視(又は発光手段A715aの光軸方向視)において、長手方向が殻部A722に重なるように構成される。本実施形態では、中央回転部材A724の長手方向が部材正面A724Fや部材背面A724Bと平行な方向(例えば、図376(a)の矢印L−R方向、矢印U−D方向、又は矢印F−Bに直交する方向)として定義され、短手方向が部材正面A724Fと部材背面A724Bとを結ぶ方向(図376(b)の矢印F−B方向)として定義される。
換言すれば、中央回転部材A724は、第1回転部材A721の初期状態や第4状態において、回転軸方向視(又は発光手段A715aの光軸方向視)で長手方向が殻部A722の肉厚の内側に入り込む(収まる)姿勢となる。これにより、第1回転部材A721の初期状態や第4状態における殻部A722の光遮蔽効果を向上させることができる。即ち、殻部A722により光を遮蔽することで、発光手段A715aから照射される光を中央回転部材A724へ到達させないようにし易くすることができるので、例えば、発光手段A715aからの光は殻部A722を照らす一方で中央回転部材A724は照らさないという状況を構成し易くすることができる。
なお、第1回転部材A721を等速回転させる場合、回転が継続される時間に対して第1回転部材A721が初期状態または第4状態に維持される時間の合計(割合)は、その回転速度に寄らず同じである。これにより、第1回転部材A721の回転速度が変化することで、遊技者が視認する第1回転部材A721の明るさが変化しないようにすることができる。即ち、第1回転部材A721を高速回転させた場合に、第1回転部材A721が暗く視認されることを回避することができる。
なお、本実施形態では、発光手段A715aを点灯させた状態で、第1回転部材A721を回転させることによって中央回転部材A724に到達する光の点滅周期を変化させることができる。これによれば、発光手段A715a自体を点滅させる場合と同様の効果を奏しながら、発光手段A715aの点滅を生じさせるための回路の形成を不要とすることができる。従って、電飾基板A715の小型化を図ることができる。
上述のように、中央回転部材A724の上方から光を照射する発光手段A715aと、中央回転部材A724の左右から光を照射する発光手段A715aとは、第1回転部材A721の状態に対して第1回転部材A721をどのように照らすかが異なるように構成されている。そのため、別々で制御することで、以下で例示する発光演出を実行することができる。
例えば、第1回転部材A721の初期状態(図376(a)及び図376(b)参照)または第4状態(図378(a)及び図378(b)参照)において、中央回転部材A724の上方に配置される発光手段A715aは消灯し、中央回転部材A724の左右に配置される発光手段A715aを点灯または点滅するように制御することで、中央回転部材A724は暗く視認させ、殻部A722を明るく照らす光演出を実行することができる。
また、例えば、中央回転部材A724の上方に配置される発光手段A715a(の中央の発光手段A715a)のみを点灯または点滅し、中央回転部材A724の左右に配置される発光手段A715aを消灯するように制御することで、中央回転部材A724を明るく照らし、殻部A722を暗く視認させる光演出を実行することができる。
また、例えば、左右方向は両方向から光が照射されているが、上下方向は片側方向(上側)からしか光が照射されていない(半回転毎に、中央回転部材A724から正面側へ反射される場合と、背面側へ反射される場合とが切り替わる)という違いを利用して、複雑な発光演出を実行することができる。例えば、中央回転部材A724の左右に配置される発光手段A715aからは青色光を照射し、中央回転部材A724の上方に配置される発光手段A715aからは赤色光を照射するように構成することで、正面から視認する遊技者に対して、青色の光で視認される状況と、青色の光と赤色の光とが混ざって視認される状況とを、第1回転部材A721の半回転毎に切り替えることができる。
この場合、光を点滅させずとも、継続的に点灯する制御を実行しながら、第1回転部材A721の回転速度を変化させることによって、光の見え方が変わる周期を任意に変化させることができる。
第1回転部材A721の停止制御の一例について説明する。上述のように、第1回転部材A721を回転駆動する駆動力は、下伝達経路DL1(図375(b)参照)を通り伝達されるところ、下伝達経路DL1に配置される大径ギアLG1の被検出片A773(図374参照)が90度間隔で第2検出センサA753に検出されるので、音声ランプ制御装置113(図4参照)は、第1回転部材A721が90度回転する毎に、回転の発生を判定することができる。この判定を第1回転部材A721の回転方向別で分け、結果を累積し、その累積結果を別途判定することで、第1回転部材A721の状態を判定することができる。
即ち、例えば、上面視で殻部A722が反時計回りに回転する回転方向(正方向)で駆動モータAMT2が回転駆動されている場合に被検出片A773が第2検出センサA753に検出される毎に累積カウンタの数値を1加算する一方、上面視で殻部A722が時計回りに回転する回転方向(逆方向)で駆動モータAMT2が回転駆動されている場合に被検出片A773が第2検出センサA753に検出される毎に累積カウンタの数値を1減算する。
そして、累積カウンタの数値が、0又は4の倍数であれば初期状態であり、(0又は4の倍数)+1であれば第2状態であり、(0又は4の倍数)+2であれば第4状態であり、(0又は4の倍数)+3であれば第6状態であると判定することができる。
従って、本実施形態によれば、駆動モータAMT2の回転角度を指定することができない場合であっても、累積カウンタの数値を判定して駆動モータAMT2の停止制御を行うことで、初期状態、第2状態、第4状態または第6状態のいずれかで第1回転部材A721を停止させることができる。
従って、第1回転部材A721が停止する姿勢が、別々の意味を持つように演出を実行することができる。例えば、大当たり期待度の違いを報知したり、時間の情報を報知したり(2時間ごとに停止姿勢が変化する等)する演出手段として活用することができる。
なお、本実施形態では被検出片A773が等間隔で4箇所に形成される場合について説明したが、必ずしもこれに限るものではない。被検出片A773の配置は非等間隔でも良いし、3箇所や、5以上の複数箇所に形成されても良いし、1箇所に形成されても良い。
図380(a)は、演出ユニットA710の正面図であり、図380(b)は、図380(a)の矢印D方向視における演出ユニットA710の上面図であり、図380(c)は、演出ユニットA710の正面図であり、図380(d)は、図380(c)の矢印D方向視における演出ユニットA710の上面図である。
図381(a)は、演出ユニットA710の正面図であり、図381(b)は、図381(a)の矢印D方向視における演出ユニットA710の上面図であり、図381(c)は、演出ユニットA710の正面図であり、図381(d)は、図381(c)の矢印D方向視における演出ユニットA710の上面図である。
図380及び図381では、回転体A720の回転の様子が時系列で図示される。即ち、第1回転部材A721が上面視反時計回りに回転する回転方向で駆動され、図380(a)及び図380(b)では第1回転部材A721の初期状態が、図380(c)及び図380(d)では第1回転部材A721の第1状態が、図381(a)及び図381(b)では第1回転部材A721の第2状態が、図381(c)及び図381(d)では第1回転部材A721の第3状態が、それぞれ図示される。
第1回転部材A721が上面視反時計回りに回転する回転方向で駆動される場合、上述のように、上伝達経路UL1を通り駆動力が伝達されるので、第2回転部材A728も第1回転部材A721と同じ回転角度で逆回転する。
即ち、図380(a)及び図380(b)では、棒状延設部A728aが第1回転部材A721の左右側に配置される第2回転部材A728の初期状態が図示され、図380(c)及び図380(d)では、棒状延設部A728aが初期状態から上面視時計回りに45度回転した第2回転部材A728の第1状態が図示され、図381(a)及び図381(b)では、棒状延設部A728aが第1状態から上面視時計回りに45度回転した第2回転部材A728の第2状態が図示され、図381(c)及び図381(d)では、棒状延設部A728aが第2状態から上面視時計回りに45度回転した第2回転部材A728の第3状態が図示される。
なお、一対の棒状延設部A728aは、略回転対称な形状から形成されているので、第2回転部材A728は、第3状態から更に上面視時計回りに45度回転することで初期状態に復帰する。
なお、図380(b)、図380(d)、図381(b)及び図381(d)では、理解を容易とするために、環状フロントカバーA711及び環状リアカバーA714が模式図(簡易形状図)として想像線で図示される。
なお、図380(a)、図380(c)、図381(a)及び図381(c)では、電飾基板A715の外形が想像線で図示され、図380(b)、図380(d)、図381(b)及び図381(d)では、仮想平面VSが図示される。
図380及び図381に示すように、第2回転部材A728は、その回転に伴い、第1回転部材A721の左右側に配置される電飾基板A715(左右に2枚ずつ配設される基板)から照射される光の光軸を通過する。そのため、第1回転部材A721と同様に、電飾基板A715の発光手段A715aから照射される光の進行態様を、第2回転部材A728の回転に対応して変化させることができる。
ここで、第1回転部材A721の殻部A722が光透過性の低い樹脂材料から形成されていたのと異なり、第2回転部材A728は、光透過性の樹脂材料から形成されているので、光の光軸を通過する際に光を遮蔽するのではなく、光の屈折態様や、光の色の変化を生じさせるように作用する。本実施形態では、第2回転部材A728が青色の樹脂材料から形成されているので、第2回転部材A728が光軸を通過するタイミングで、第1回転部材A721に到達する光を青寄りの色(青が混ざった色)に変化させることができる。
本実施形態では、第2回転部材A728が回転軸に沿った方向へ延び、且つ回転の周方向に沿って屈曲する棒状に形成されており、中央回転部材A724の左右に配置される発光手段A715aの光軸の全てとは重ならないように構成される。
例えば、図380(d)に示す状態では、中央回転部材A724の左右上側に配置される電飾基板A715に配設される発光手段A715aの光軸と第2回転部材A728とが重なり、その他の電飾基板A715に配設される発光手段A715aの光軸と第2回転部材A728とは重ならないが、一方で、図381(d)に示す状態では、中央回転部材A724の左右下側に配置される電飾基板A715に配設される発光手段A715aの光軸と第2回転部材A728とが重なり、その他の電飾基板A715に配設される発光手段A715aの光軸と第2回転部材A728とは重ならない。なお、図380(b)及び図381(b)に示す状態では、いずれの発光手段A715aの光軸とも第2回転部材A728が重ならないように構成される。
これにより、中央回転部材A724の左右に配置される全ての発光手段A715aの光軸と、第2回転部材A728とが重なるか、重ならないかが切り替えられる場合に比較して、中央回転部材A724に到達する光の態様の種類を増やすことができる。即ち、第2回転部材A728を通過した光が中央回転部材A724に到達する態様を、左右上側から到達する光のみが第2回転部材A728を通過する態様と、左右下側から到達する光のみが第2回転部材A728を通過する態様とに増やすことができる。
この場合において、第2回転部材A728と光軸が重なる発光手段A715aを点灯させて第2回転部材A728と光軸が重ならない発光手段A715aは消灯するか、逆に第2回転部材A728と光軸が重なる発光手段A715aを消灯させて第2回転部材A728と光軸が重ならない発光手段A715aは点灯するかによって、中央回転部材A724の見え方を変化させることができる。即ち、中央回転部材A724を第2回転部材A728の色が混じった態様で発光させるか、第2回転部材A728の色とは無関係で発光させるかを切り替えることができる。
加えて、第2回転部材A728と重なる光軸の方向を、第2回転部材A728の配置によって、左右上側から左右下側かで変化させられることから、同様に、第2回転部材A728の色が混じった態様に発光させられる中央回転部材A724の部位を切り替えることができる。
なお、図380及び図381で図示されるように、上面視において、第2回転部材A728は光通過凹部A722aと重ならないように構成される。これにより、中央回転部材A724の上方に配置される発光手段A715aから照射される光の光軸は、第2回転部材A728の配置に寄らず、第2回転部材A728を通過することなく光通過凹部A722aへ向かう。
従って、例えば、中央回転部材A724の上方に配置される発光手段A715aから照射される光のみを点灯させ、中央回転部材A724の左右に配置される発光手段A715aは消灯するように構成することで、中央回転部材A724に到達する光の色が第2回転部材A728により変化することを回避することができる。
これを中央回転部材A724の左右に配置される発光手段A715aにより実現しようとすると、第2回転部材A728が発光手段A715aの光軸と交差しないタイミングにおいて発光手段A715aを点灯させ、第2回転部材A728が光軸と交差するタイミングにおいて発光手段A715aを消灯させるという制御(第2回転部材A728の回転と同期した制御)が必要になるが、本実施形態では、中央回転部材A724の上方に配置される発光手段A715aの働きにより、このような制御を不要とすることができる。
第2回転部材A728は、中央回転部材A724の部材正面A724Fが正面を向いておらず、中央回転部材A724の演出機能が低くなる姿勢において、遊技者の視界から中央回転部材A724を部分的に隠すように配置され(図381(a)参照)、第2回転部材A728により屈折される光を遊技者へ進行させ易く構成される。これにより、回転継続中における回転体A720の演出機能の低下を抑制することができる。
ここで、第2回転部材A728の棒状延設部A728aは回転対称形状から形成されているため、正面視における形状(外形)は180度間隔で切り替えられる。即ち、図381(a)に示す第2回転部材A728の形状(外形)は、図381(a)に示す状態から第2回転部材A728が180度回転した状態における形状(外形)と同等となる。
一方で、第2回転部材A728の内方で回転する第1回転部材A721は、180度間隔で同じ状態とはならない。即ち、図381(a)に示す第2状態(図377(a)参照)から第1回転部材A721が180度回転すると、第6状態(図379(a)参照)になる。本実施形態では、上述したように、第2回転部材A728が第1回転部材A721の前後に配置されるような姿勢(図381(a)参照)では、第2回転部材A728により第1回転部材A721が部分的に隠されることから、遊技者に対して第1回転部材A721が第2状態なのか、第6状態なのかを判定し難くさせることができる。
そして、第2回転部材A728が図381(a)に図示される配置とされる状態から、第2回転部材A728と第1回転部材A721とを同期して45度回転させる間において、第1回転部材A721が第2状態(図377(a)参照)であった場合には、第1回転部材A721の上方に配置される発光手段A715aから照射される光が中央回転部材A724により反射される方向は正面側へ向いた方向(図377(d)の矢印VL参照)となり、中央回転部材A724が遊技者に明るく視認される一方で、第1回転部材A721が第6状態(図379(a)参照)であった場合には、第1回転部材A721の上方に配置される発光手段A715aから照射される光が中央回転部材A724により反射される方向は背面側へ向いた方向(図379(d)の矢印VL参照)となり、中央回転部材A724が遊技者に暗く視認される。
即ち、視認される第2回転部材A728の変位中の外形を同等としながら、第1回転部材A721の見え方(中央回転部材A724の明るさ)を変化させることを、発光手段A715aの点灯態様を変化させることなく生じさせることができる。この場合において、中央回転部材A724が明るく見えるか、暗く見えるかの違いを、例えば、特別図柄の抽選の大当たり期待度の高低と関連付けることにより、図381(a)の状態で第2回転部材A728が停止した場合に、その後の動作態様に対する期待感を高めることができ、回転体A720に対する注目力を向上することができる。
また、この場合において、第2回転部材A728が図381(a)に図示される配置とされる状態から、第2回転部材A728と第1回転部材A721とを同期して90度回転させる間に、中央回転部材A724の部材正面A724Fが上向きの姿勢から、前後向きの姿勢に90度回転する。これに伴い、第1回転部材A721及び第2回転部材A728の回転角度が90度に到達する直前まで、中央回転部材A724を介して反射される光の向きが鉛直方向から前後方向へ向けて徐々に変化する(第1回転部材A721の回転角度と同期して変化する)一方で、第1回転部材A721及び第2回転部材A728の回転角度が90度に到達すると、部材正面A724Fが前後方向を向くことから(上方からの光軸KJに対する傾斜が無くなることから)、中央回転部材A724を介して反射される光の向きの前後方向成分は0に近くなり、光の反射方向は鉛直方向に戻る。
このように、第1回転部材A721を第2状態または第6状態から回転させることに同期して、中央回転部材A724の上方に配置される発光手段A715aから照射される光が中央回転部材A724で反射した場合における光の前後方向の成分を漸増させることができる。これにより、第1回転部材A721の回転時間が長くなるほど、第1回転部材A721が第2状態であったのか、第6状態であったのかを判別し易くなるので、第1回転部材A721が回転し始めた瞬間だけでなく、回転した後においても第1回転部材A721への注目力を高く維持することができる。
なお、本実施形態では、図381(a)に示す状態から、第1回転部材A721が上面視時計回りで回転する方向に回転体A720を駆動することで、第2回転部材A728を停止させたまま、第1回転部材A721を回転させることも可能である。この場合には、中央回転部材A724に反射された光(矢印VLに沿う光)が第2回転部材A728を通り遊技者の目に届きやすいことから、中央回転部材A724が色付きで視認され易くなる。
即ち、図381(a)に示す状態において第1回転部材A721の姿勢が180度間隔の2通りで構成可能とされ、図381(a)に示す状態から第2回転部材A728の回転と同期させて第1回転部材A721を回転させる態様と、図381(a)に示す状態から第2回転部材A728の姿勢を維持し第1回転部材A721のみ回転させる態様とで構成可能とされるので、中央回転部材A724の遊技者への見せ方として、合計4通りの見せ方を実行することができる。
なお、中央回転部材A724を介して反射する光は、中央回転部材A724自体の明るさを変化させるものとして機能するだけでなく、中央回転部材A724の周りに配置される部材を照らす機能を備える。
例えば、中央回転部材A724を介して左方正面側へ光が反射される場合(図377(d)参照)には、遊技盤A13の正面側に形成される遊技領域における、左側流路(遊技領域の左右幅の中心を基準として左側の領域に構成される流路)を明るく照らす光として利用することができ、中央回転部材A724を介して右方正面側へ光が反射される場合(図376(d)参照)には、遊技盤A13の正面側に形成される遊技領域における、右側流路(遊技領域の左右幅の中心を基準として右側の領域に構成される流路、主に右打ちで発射された球が通過する流路)を明るく照らす光として利用することができる。
また、例えば、中央回転部材A724を介して左方背面側へ光が反射される場合(図378(d)参照)には、第3図柄表示装置81の正面側左方に配置される第1動作ユニットA400,A400A,A400B等を明るく照らす光として利用することができ、中央回転部材A724を介して右方背面側へ光が反射される場合(図379(d)参照)には、第3図柄表示装置81の正面側右方に配置される第1動作ユニットA400C,A400D等を明るく照らす光として利用することができる。このように、中央回転部材A724を介して反射する光を、異なる部材へ向く方向に切り替えることができるので、光の向きを切り替えることで、異なる部材(箇所)へ遊技者の視線を誘導することができる。
また、第2回転部材A728は、正面視における環状フロントカバーA711の内側領域を左右に区切ることが可能な上下長さで構成される(図381(a)参照)。これにより、第2回転部材A728が停止している状態において、例えば、演出ユニットA710が第3図柄表示装置81の正面側に配置されている状態で(図321参照)、環状フロントカバーA711の内側領域を通して視認される第3図柄表示装置81の表示領域を左右に分断するように仕切ることができる。即ち、第2回転部材A728を、回転動作による演出を実行する部材としてだけでなく、その停止時において、表示装置の表示領域を分断する部材として活用することができる。
また、本実施形態では、上述したように、駆動ギアAMG2の回転方向が上面視反時計回りである場合に、第2回転部材A728を停止したまま第1回転部材A721を回転させることができるので、表示装置の表示領域を分断した状態で第1回転部材A721を回転させる演出を実行することができる。
本実施形態では、第2回転部材A728は、第1回転部材A721が上面視反時計回りの回転方向で駆動される場合にのみ回転するように構成され、逆回り(第1回転部材A721が上面視時計回りの回転方向)の駆動態様では第2回転部材A728は停止する。
換言すれば、一方の回転方向では、第1回転部材A721が左右に配置される発光手段A715aの光軸を通過することによる中央回転部材A724に到達する光の点滅周期を任意に変化させる作用が生じ、他方の回転方向では、点滅周期を変化させる作用に加えて、第2回転部材A728が左右に配置される光軸を通過することによる中央回転部材A724に到達する光の発光態様(色、幅等)の変化を生じさせることができる。
このように、回転駆動の方向を異ならせることで、発光演出の視認性を変化させることができる。第2回転部材A728が光軸を通過する頻度は第2回転部材A728の回転速度に依存するので、中央回転部材A724に到達する光の発光態様(色、幅等)の変化のバリエーションは、第2回転部材A728の回転速度の分解能(切替可能数)に依存する。
第2回転部材A728の回転速度には、当然許容限界があり、この許容限界が光の発光態様の変化のバリエーションの限界を規定することになるが、本実施形態では、回転方向を異ならせることで第2回転部材A728が動作するか停止するかが切り替えられるので、同じ回転速度であっても、回転方向を異ならせれば、中央回転部材A724に到達する光の発光態様(色、幅等)を異ならせることができる。
従って、第1回転部材A721や第2回転部材A728が一方向にしか回転しない場合や、回転方向が異なっても光に対する影響が変化しない場合(例えば、第2回転部材A728が無い場合や、第1回転部材A721の回転方向のみが変化して第2回転部材A728は回転を維持する場合等)に比較して、中央回転部材A724に到達する光の視認性の変化態様を2倍に増やすことができるので、中央回転部材A724の見え方のバリエーションを増加させることができる。
中央回転部材A724の見え方の詳細について説明する。上述したように、中央回転部材A724は部材正面A724Fが正面側を向く姿勢を維持しながら、部材正面A724Fの上下が反転する動作を繰り返す。
従って、中央回転部材A724を静止画として追うことができず、残像が生じる程度の速度(例えば、20[rps])を超える速度で中央回転部材A724が回転するように駆動する場合、中央回転部材A724は、正面視で、部材正面A724Fの上下が反転した形状が合体したかのように視認される。即ち、本実施形態で中央回転部材A724が角を5個有する星形状に形成されているものが、角を10個有する星形状に視認される。
なお、本実施形態では、中央回転部材A724の部材正面A724Fが上下非対称の形状から形成されたが、これに限るものではない。例えば、中央回転部材A724の部材正面A724Fを上下対称の形状から形成しても良い。この場合には、回転中に残像として視認される形状(上下反転した形状が合体した形状)と、部材正面A724Fの形状とに差が無いので、中央回転部材A724があたかも停止しているかのように視認させることができる。
また、例えば、中央回転部材A724の回転軸を境に上下いずれか一方に特徴的な形状や図形が形成され、この形状や図形を上下反転させ合体させることで別の概念を想起させるように構成しても良い。
例えば、中央回転部材A724の回転軸の上方において正面視で回転軸に一辺が重なる態様で部材正面A724Fに正三角形状の図形を描画しておくことで、中央回転部材A724を回転させると正三角形が上下で合体することで菱形の図形を視認させることができるし、中央回転部材A724の回転軸の上方において正面視で回転軸に下端部が重なる態様で部材正面A724Fに平仮名の「つ」の文字(図形)を描画しておくことで、中央回転部材A724を回転させると反転した形状が上下で合体することで数字の「3」の文字(図形)を視認させることができる。これにより、意外性のある演出を実行することができる。
図382において、第2動作ユニットA700を用いた演出の一例について説明する。図382は、環状フロントカバーA711及び回転体A720の正面図である。図382では、演出ユニットA710が張出位置(図321参照)に配置された状態、即ち、第3図柄表示装置81の正面側に環状フロントカバーA711及び回転体A720が配置された状態が図示される。
図382では、第1回転部材A721及び第2回転部材A728の第2状態(図381(a)参照)が図示され、第1回転部材A721及び第2回転部材A728の左右側であって環状フロントカバーA711の内方(円形開口の内側)の領域においては、第3図柄表示装置81により表示される画像が図示される。
即ち、第3図柄表示装置81には、回転する表示上の第2回転部材A728Vが表示される。これにより、第2回転部材A728を停止させている状態においても、あたかも第2回転部材A728が回転しているかのように遊技者に視認させることができる。
なお、表示上の第2回転部材A728Vを表示する手段は、第2回転部材A728の背面側に配置される第3図柄表示装置81に限定されるものではない。例えば、第2回転部材A728の正面側に透過液晶が配設され、その透過液晶で第2回転部材A728が回転する様子を表示しても良いし、第2回転部材A728の正面側または背面側にイルミネーションプレートを配設し、そのイルミネーションプレートに形成される図形と第3図柄表示装置81の画像とを組み合わせて表示上の第2回転部材A728Vとして視認可能に構成しても良いし、これらの手段を含む複数の表示手段の組み合わせで表示上の第2回転部材A728Vを表示するようにしても良い。
この状態で電飾基板A715の発光手段A715aから光を照射する場合、遊技者としては第2回転部材A728の回転状態における光演出の態様を予想しているが、第2回転部材A728の停止状態における態様で光演出を実行することができるので、意外性の高い演出を実行することができる。
また、このことは第2動作ユニットA700の演出ユニットA710が張出位置に停止している状態に限られるものではなく、演出ユニットA710が昇降変位する間においても同様である。例えば、演出ユニットA710は、退避位置では回転体A720の左右位置を通して第3図柄表示装置81を視認することはできないように構成されている(図320参照)一方で、張出位置では回転体A720の左右位置を通して第3図柄表示装置81を視認することができる(図321参照)。
即ち、演出ユニットA710が張出位置へ向けて上昇動作することに対応して、第1回転部材A721及び第2回転部材A728の左右側であって環状フロントカバーA711の内方(円形開口の内側)の領域を通して視認される第3図柄表示装置81の表示領域が徐々に広くなる。この徐々に視認される第3図柄表示装置81の領域に、上述した表示上の第2回転部材A728Vを表示することで、第2回転部材A728が停止した状態で演出ユニットA710を上昇動作させるように制御した場合に、遊技者に、第2回転部材A728がいつの間にか回転開始していたと感じさせるような演出を実行することができる(目の錯覚を利用して演出を行うことができる)。
この場合の演出ユニットA710の上昇動作時において、第2回転部材A728が実際に回転している場合と、第2回転部材A728が停止している場合とで遊技者に視認させる回転体A720の外形を同様に保つことができる一方で、発光手段A715aから光を照射した場合においては、第2回転部材A728が実際に回転している場合と、第2回転部材A728が停止している場合とで遊技者に視認させる回転体A720の発光態様(光の反射態様)を変化させることができる。これにより、意外性の高い演出を実行することができる。
次いで、図383を参照して、第23実施形態について説明する。第22実施形態では、発光手段A715aから照射された光の光軸KJを第2回転部材A728が通過する場合について説明したが、第23実施形態では、光軸KJを通過する部材が前後方向へ平行移動するスライド部材A2729として構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図383は、第23実施形態における第1回転部材A2721を模式的に示す上面模式図である。図383に示すように、スライド部材A2729は、仮想平面VSと交差する背面側位置と、仮想平面VSと交差しない正面側位置とでスライド移動可能に構成される。
従って、スライド部材A2729が背面側位置において光軸KJと交差する位置に配置されていた場合であっても、正面側位置に移動することで光軸KJとの交差が解消することができ、第1回転部材A2721への光の到達の仕方を変化させることができる。そして、スライド部材A2729の移動は前後方向へのスライド移動であるので、スライド部材A2729を正面側から視認する遊技者が、スライド部材A2729が移動していることを把握し難くすることができる。
即ち、第1回転部材A2721及びスライド部材A2729の正面視における形状(外形)を維持しながら(残しながら)、発光手段A715aを構成するLED等を点灯させた場合における第1回転部材A2721の演出態様(光り方)を変化させることができる。これにより、点灯させるLEDを変化させる制御を行うことなく意外性のある演出を構成することができる。
なお、スライド部材A2729の材料は何ら限定されるものではない。例えば、光透過性の樹脂材料から形成されても良いし、光不透過の樹脂材料から形成されても良いし、金属材料から形成されても良い。
次いで、第24実施形態について説明する。第22実施形態では、ピン付きギアA462の円弧壁部A464の外側面が伝達突部A463の移動軌跡に沿う円弧形状で形成される場合について説明したが、第24実施形態では、ピン付きギアA3462が、円弧壁部A464の外側面から径方向外方へ向けて断面半円形状で突設される複数の外径突部A3464を備える。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図384は、第24実施形態における前側ユニットFUの背面図である。図384に示すように、外径突部A3464は、円弧壁部A464の周方向の長さを背面視で略5等分する4箇所に形成される。
なお、第24実施形態では、第1変位部材A440を変位させるために形成される長孔(第1長孔A422a、第2長孔A422b、変位側長孔A453及び伝達側長孔A454)が第22実施形態に比較して長尺に形成されることで、第22実施形態における張出位置側の変位終端を超えて第1変位部材A440が変位可能に構成される。
図384に示す状態において、異形スライド部材A455が円弧壁部A464に当接し、移動を規制されることで、第1変位部材A440が張出位置で停止する。ピン付きギアA3462を背面視反時計回り方向に回転させると、外径突部A3464が突設板部A456aと当接する度に図384に示す状態から異形スライド部材A455が右上方向へ押進され、それに伴い長尺リンクA451が回転し、第1変位部材A440が張出位置よりも左方へ変位するように構成することができる。
これにより、第2変位部材A490が変位するタイミング(図360参照)において、第1変位部材A440が変位するように構成することができる。
なお、図384では、外径突部A3464の大きさがランダムに図示されているが、これに限られるものではない。例えば、全て同じ大きさで突設されても良いし、大きさ違いの外形突部A3464が形成されても良い。この場合において、全て異なる大きさである必要はない。
本実施形態では、外径突部A3464が、伝達突部A463に近い側の2個の方が伝達突部A463から遠い側の2個に比較して大きく形成される。従って、第1変位部材A440が張出位置に到達した後に継続してピン付きギアA3462を回転させる場合に外形突部A3464と異形スライド部材A455とが当接することで生じる変位は、先の2回に比較して、後の2回の方が小さくなる。即ち、張出位置に到達した後の第1変位部材A440の変位(往復微小変位)が徐々に収まるように演出することができる。
この観点で、外径突部A3464を、伝達突部A463側から円弧壁部A464に沿って遠ざかるほど小さくなるように形成しても良いし、その逆で形成しても良い。これにより、第1変位部材A440の変位(往復微小変位)の変位幅が徐々に変化する演出を実行することができる。
また、外径突部A3464の形成箇所に、円弧壁部A464から径方向内方へ向けて凹設される凹設部が形成されても良い。この場合、第24実施形態での説明とは逆に、凹設部が突設板部A456aと対向配置される度に図384に示す状態から異形スライド部材A455が左下方向へコイルスプリングSP1の付勢力で引き戻され、それに伴い長尺リンクA451が回転し、第1変位部材A440が張出位置よりも右方(退避位置側)へ変位するように構成することができる。
また、外径突部A3464の形成位置を、第1動作ユニットA400,A400A,A400B,A400C,A400D(図319参照)で異ならせる(ずらす)ようにしても良い。これにより、第1動作ユニットA400,A400A,A400B,A400C,A400Dに構成される各駆動モータAMT1の動作タイミングを同期させる場合(第1変位部材A440や第2変位部材A490が同じタイミングで動作開始する場合)において、外径突部A3464との関係で第1変位部材A440が変位するタイミングを異ならせることができる。即ち、各駆動モータAMT1を一斉に励磁する制御態様において、外径突部A3464の配置により予め規定されたずれ幅で、外径突部A3464との関係で第1変位部材A440に生じる変位(微小変位)のタイミングをずらすことができる。
例えば、各第1動作ユニットA400,A400A,A400B,A400C,A400D(図319参照)の各第1変位部材A440が張出位置(図320参照)に到達するタイミング及び各第2変位部材A490が張出位置(図320参照)に到達するタイミングは同じとしつつ、第1変位部材A440が張出位置に到達した後において外径突部A3464との関係で第1変位部材A440に生じる変位(微小変位)の発生タイミングを、正面視左下方に配置される第1動作ユニットA400から時計回りに順次発生させるように調整することができる。
これにより、第1変位部材A440の変位に注目する遊技者の視線を正面視時計回り方向に誘導し易くすることができる。また、上述したように、第1変位部材A440の変位と連動して、長孔A412a(図320参照)を通して視認される光の態様を変化させることができるので、その光を視認する遊技者の視線を正面視時計回り方向に誘導し易くすることができる。例えば、大当たり遊技(特別遊技)時に第3図柄表示装置81等で実行される右打ちを示唆する演出を、第1変位部材A440の変位の順序を利用して行うことができる。
次いで、第25実施形態について説明する。第22実施形態では、第1変位部材A440が電飾基板A416の背面側を変位する場合について説明したが、第25実施形態では、電飾基板A416の正面側へ変位する装飾部材A4550を備える。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図385(a)は、第25実施形態における第1動作ユニットA4400の図339(a)のCCCXLVIa−CCCXLVIa線に対応する線における断面図であり、図385(b)は、図344(a)のCCCXLVIb−CCCXLVIb線に対応する線における第1動作ユニットA4400の断面図である。
図385(a)及び図385(b)に示すように、装飾部材A4550は、正面カバーA410の正面側を変位可能に配設される板状の装飾板部A4551と、本体部A411の側面に方向A416xに平行な直線に沿って穿設される長孔A4411bに案内される一対の被案内部A4552とを備え、それらが正面カバーA410の外側に形成される一対の連結腕部A4553に一体的に連結固定されている。
一対の被案内部A4552は、双方共に長孔A4411bに挿通されていることから、被案内部A4552は長孔A4411bに沿った変位のみが許容される。これにより、装飾板部A4551の姿勢変化を抑制することができる。即ち、装飾板部A4551の変位は、長孔A4411bの延設方向である方向A416xと平行な方向へのスライド変位に限定される。
第1変位部材A4440は、連動板部A4442の左右端部から正面側に突設される一対の突設部A4442gを備えており、これを除き第1変位部材A440の構成と同様である。
本実施形態では、被案内部A4552が、突設部A4442gと変位方向で当接可能な位置まで正面カバーA410の内方に張り出し形成される。これにより、第1変位部材A4440の変位中の、突設部A4442gと被案内部A4552とが当接するタイミングにおいて、装飾部材A4550が第1変位部材A4440と連動する。
第1変位部材A4440の連動板部A4442は、被案内板部A441の変位中に姿勢変化を伴い変位するよう構成されているところ、この姿勢変化に伴い被案内部A4552の間に突設部A4442gが進入可能なように突設部A4442gの配置が設定される。これにより、第1変位部材A4440の進退両方向の変位に連動して、装飾部材A4550を進退両方向(図385(a)左右両方向)へ変位させることができる。
本実施形態によれば、装飾板部A4551が正面カバーA410の正面側に配設されるので、貫通孔A412を装飾板部A4551で隠すタイミングを構成することができる。これにより、貫通孔A412を通って進行する光を物理的に遮蔽することができる。
また、張出位置において正面カバーA410の背面側に隠れる第1変位部材A4440と異なり、装飾板部A4551は常に正面カバーA410に隠されることなく遊技者が視認可能に配置される。そのため、装飾板部A4551を、第1変位部材A4440の開口A442cが、各第1動作ユニットA4400で異なる形状で構成されており、退避位置においてはこれらが一連の意味を成すように構成されるが、隠される張出位置においては一連の意味で遊技者に視認させることができなくなる一方で、発光態様の一体感も出しにくいという問題点を解決する手段として利用することができる。
即ち、各第1動作ユニットA4440の装飾板部A4551の形状や、描かれる図形を同様に構成することで、第1変位部材A4440が張出位置に配置され正面カバーA410に隠される状態(図385(b)参照)における各第1動作ユニットA4440の一体感を、装飾板部A4551により創出することができる。
また、複数の第1動作ユニットA4400の第1変位部材A4440における同様の位置であって、第1変位部材A4440が張出位置に配置された状態で貫通孔A412を通して視認可能な位置に予め発光手段A445bを配設しておき、上述のように第1変位部材A4440が隠されている状態で、その発光手段A445bを複数の第1動作ユニットA4400で一斉に点灯させることで一体感のある発光演出を実現することができる。
本実施形態では、長孔A4411bが、電飾基板A416が形成されないことで確保される隙間領域(第1変位部材A4440の退避位置側の領域)を利用して形成される。即ち、電飾基板A416の形成範囲を限定することで生まれた空間を、装飾部材A4550の変位を実現するための構造を配置する空間として有効利用することができる。
装飾部材A4550の変位可能な範囲は、長孔A4411bの形成範囲に限定される。即ち、電飾基板A416の形成範囲を限定することで生まれた空間に限り、第1変位部材A4440だけでなく、装飾部材A4550も変位させることができる範囲とすることができる。従って、電飾基板A416が形成されていない範囲(正面視の該当範囲)において、変位する部材の個数を増大させることができる。
また、装飾部材A4550の変位の前後には、第1変位部材A4440に姿勢変化(前後方向への変位)が生じる。従って、電飾基板A416が形成されていない範囲(正面視の該当範囲)において、第1変位部材A4440の変位量(前後方向への変位量)を大きく確保することができる。
なお、装飾部材A4550の態様は何ら限定されるものではない。例えば、光透過性の樹脂材料から形成されても良いし、光透過性の低い樹脂材料から形成されても良いし、内部にLED等や電飾基板が配置されても良い。また、装飾部材A4550に前後方向に穿設される貫通孔を形成するようにしても良い。これにより、その貫通孔を通して電飾基板A416から照射される光を視認可能とすることができる。
次いで、図386を参照して、第26実施形態について説明する。第22実施形態では、円弧壁部A464が伝達突部A463の変位軌跡に沿って回転変位することで、伝達突部A463が異形スライド部材A455から離れた後においても異形スライド部材A455の変位を規制する場合について説明したが、第26実施形態では、変位態様が回転に限定されない場合について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図386(a)及び図386(b)は、第26実施形態における変位装置A5000の正面図である。図386(a)では、変位装置A5000の変位部材A5001の変位途中の状態が図示され、図386(b)では、変位部材A5001が変位終端に配置された状態が図示される。
変位装置A5000は、直線に沿ってスライド移動可能に構成され不図示の付勢部材(コイルスプリング等)により左方へ付勢される変位部材A5001と、その変位部材A5001の変位方向に沿って変位するための駆動力が伝達される伝達部材A5002と、その伝達部材A5002の端部において回転可能に軸支される被軸支部材A5003と、その被軸支部材A5003の両端部から回転方向片側に延設され互いに連結される薄肉部A5004と、被軸支部材A5003の軸支される端部の反対側の端部に配設されるローラー部材A5005と、そのローラー部材A5005が案内される案内溝A5006,A5007とを備える。
案内溝A5006,A5007は、変位部材A5001の変位方向に沿って延びる第1領域A5006と、その第1領域A5006の端部を起点として変位部材A5001の変位方向に対して逸れる第2領域A5007とで構成される。本実施形態では、第2領域A5007が円弧形状に構成されるが、変位部材A5001の変位方向に対して逸れる形状であれば良く、円弧形状に限定されるものではない。
変位装置5000の作用について説明する。ローラー部材A5005が案内溝の第1領域A5006を案内される間において、変位部材A5001は伝達部材A5002の端部に押進される(図386(a)参照)。
一方で、ローラー部材A5005が案内溝の第2領域A5007を案内される段階では(図386(b)参照)、変位部材A5001と当接する箇所が薄肉部A5004に切り替えられ、この状態において変位部材A5001の左方への変位を規制することができる。
また、薄肉部A5004の外形を、ローラー部材A5005が案内溝の第2領域A5007を変位する間の少なくとも一区間において変位部材A5001の位置を不変とする(変位部材A5001の当接位置が変位部材A5001の変位方向で不変となる)ように構成することで、被伝達部材A5003の変位中における変位部材A5001の変位を上述の一区間において規制することができる。
また、薄肉部A5004が被軸支部材A5003側につぶれるように変形可能に構成する場合には、変形を受けた薄肉部A5004の反発力と、変位部材A5001にかけられる付勢力とがバランスする位置で変位部材A5001を維持することができる。これにより、被軸支部材A5003と変位部材A5001との当接が解除された後においても、変位部材A5001の変位を抑制することができる。
次いで、図387及び図388を参照して、第27実施形態について説明する。第22実施形態では、配線HCが締結部A475の周囲に緩く巻かれることで締結部A475から脱落不能に支えられる場合について説明したが、第27実施形態では、支持箱部A470に変位可能に支持される配線案内部材A6560に配線HCが相対変位可能に支えられる場合について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図387(a)、図387(b)及び図388は、第27実施形態における後側ユニットBUの背面図である。図387(a)では、第2変位部材A490が退避位置に配置される状態が、図388では、第2変位部材A490が張出位置に配置される状態が、図387(b)では、第2変位部材A490が退避位置と張出位置との中間の位置(約45度回転位置)に配置される状態が図示される。なお、図387(a)、図387(b)及び図388では、後側ユニットBUの構造の理解を容易とするために後板部A480の図示が省略される。
図387(a)、図387(b)及び図388に示すように、本実施形態では、締結部A475(図356参照)が形成されず、その代わりに配線案内部材A6560が支持箱部A6470と後板部A480(図359参照)との間に支持される。
配線案内部材A6560は、その上端部が支持箱部A6470又は後板部A480の少なくとも一方に回転可能に支持される。本実施形態では、支持箱部A6470の背面側へ円柱形状で突設される支持突部A6471dが配線案内部材A6560の上端部に穿設される貫通孔に挿通された状態で後板部A480を固定することで、配線案内部材A6560が支持突部A6471dに脱落不能に軸支される。
配線案内部材A6560は、長尺板状に形成され、支持箱部A6470の背面と間隔を空けて対向配置される本体板部A6561と、その本体板部A6561の下端部と、中腹部とから正面側(支持箱部A6470側)へ突設される複数の突設部A6562とを備える。
本体板部A6561は、後板部A480に近接配置される。これにより、本体板部A6561の正面側のスペースを大きくすることができるので、配線HCの配置スペースを大きく確保することができる。従って、配線HCに余計な負荷がかかることを回避することができる。
加えて、本体板部A6561が配線HCと後板部A480との間に配置されることから、配線HCと後板部A480とが擦れることを防止することができる。特に本実施形態においては、配線HCが、突条部A491d2と結束バンドKBとによって背面側(後板部A480側)へ向けて案内されるところ、それらの間の位置(左右方向で挟む位置)に本体板部A6561が配置されているので、配線HCが後板部A480により近接する位置において本体板部A6561を配線HCと後板部A480との間に配置することができ、配線HCと後板部A480との擦れを効果的に抑制することができる。
更に、配線HCが後板部A480側に押し付けられる箇所を本体板部A6561と重なる位置に設定することで、配線HCの変位と同期して、その変位に沿った方向に本体板部A6561が変位する状況を生じ易くすることができる。この場合、配線HCと本体板部A6561との相対変位の絶対値を低減することができるので、擦れの発生を抑制することができる。従って、配線HCの摩耗を防ぎ、配線HCの耐久性を向上することができる。
配線案内部材A6560の変位態様について説明する。図387(a)に示す状態では、配線案内部材A6560が退避位置側の限界位置に配置される。図387(b)に示す状態では、第2変位部材A490が変位を開始するものの、基板側コネクタA493cの左右方向の変位は小さく、上下方向の変位が大きいことから、配線HCの変位が主に上下方向に生じる。そのため、配線案内部材A6560は図387(a)に示す姿勢を維持している。
なお、図387(b)に示す状態において、配線HCの上方への変位が上側の突設部A6562に規定されている。即ち、突設部A6562を配線HCの上下方向変位限界を規制する部分として機能させることができる。
図388に示す状態では、基板側コネクタA493cの変位が主に左右方向に生じることから、配線HCも左右方向に変位するので、配線HCに押される態様で配線案内部材A6560の姿勢が変化する。この場合において、配線HCは余裕をもって配線案内部材A6560に巻き付けられているものの、その変位の下限を下側の突設部A6562により規定することができる。従って、配線HCが勢い余ってピニオンA517や補強腕部A518側へ進入する(垂れ落ちる)ことを防止することができる。
このように、配線HCが巻き付く箇所(本体板部A6561の先端側の突設部A6562)の配置を変化可能に構成することで、配線HCが巻き付く箇所の配置が固定される場合(締結部A475、図356(a)参照)に比較して、配線HCの設計長さを短くすることができる。
配線HCが巻き付く箇所(本体板部A6561の先端側の突設部A6562)の配置を変化させる方針として、別視点で説明すると、図387(a)から図387(b)への変位では、突設部A6552に近づく態様で基板側コネクタA493cが変位する(配線HCが突設部A6552側へ変位する)ことで、配線HCの突設部A6552に巻かれている部分が緩む側へ変位する一方で、図387(b)から図388への変位では、突設部A6552から遠ざかる態様で基板側コネクタA493cが変位する(配線HCが突設部A6552から遠ざかる側へ変位する)ことで配線HCの突設部A6552に巻かれている部分が締まる側へ変位する。本実施形態では、配線案内部材A6560は、図387(b)と図388との状態変化の際に変位可能に構成されている。
このことから、配線案内部材A6560は、配線HCの突設部A6552に巻かれている部分が締まる側へ変位する場合において、その配線HCの締まり側への変位を抑える(配線HCを拡げる側へ変位させる)側へ変位可能に構成されているといえる。これにより、配線HCの突設部A6552に巻かれる部分の湾曲の曲率半径が過度に小さくなることを回避することができ、配線HCの過度な変形(折れや欠け等)を防止することができる。
本実施形態によれば、第2変位部材A490と非連結とされる配線案内部材A6560が配線HCの変位に伴い変位する。そのため、例えば、配線案内部材A6560と連動する部材であって、図387(a)、図387(b)又は図388のいずれかの状態において遊技者が視認可能に配置される(例えば、第3図柄表示装置81側(図387(a)右側)に張り出し可能に構成される)装飾部材を配設することで、配線HCの変位により変位する装飾部材で演出を実行することができる。
この場合、上述のように、第2変位部材A490と配線案内部材A6560とが完全に連動するわけでは無く、第2変位部材A490が退避位置から45度回転する間は配線案内部材A6560が停止し、第2変位部材A490がそれ以上に回転する場合に配線案内部材A6560が変位するように構成されるので(変位のタイミングがずれて構成されるので)、あたかも装飾部材が第2変位部材A490と独立して変位しているように視認させることができる。
なお、説明の便宜上、配線HCを一回転巻く態様(一対の突設部A6562の間を配線が2度通る態様)で図示したが、これに限られるものではない。例えば、複数の突設部A6562の間を配線HCが一度だけ通る(巻かれない)ように構成しても良い。
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
上記各実施形態において、一の実施形態における構成の一部または全部を、他の実施形態における構成の一部または全部の構成と組み合わせて或いは置き換えて、別の実施形態としても良い。
上記第1実施形態では、傾倒装置310が下方に押し下げ操作される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、傾倒装置310が下方へ垂れ下がった状態が初期位置とされ、傾倒装置310を押し上げ操作する態様でも良い。この場合、傾倒装置310を初期位置へ戻す力を重力によりまかなうことができるので、ねじりバネ315を不要とすることができる。
上記第1実施形態では、傾倒装置310が押し込み終端まで移動した後でボイスコイルモータ352を駆動させる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、傾倒装置310が第1状態とされる場合に予めボイスコイルモータ352を駆動させておいても良い。この場合、第1状態から傾倒装置310を押し込むのに必要な負荷を大きくすることができ、その負荷の変化を演出に利用することができる(例えば、「押し込めないボタン」の演出を行うことができる)。
なお、この場合、ボイスコイルモータ352が動作終端(張り出し動作の終端)まで移動したとしても、ボイスコイルモータ352と下枠部材320との間に若干の隙間が生じる寸法関係で、ボイスコイルモータ352と下枠部材320とを配置することが好ましい。これにより、ボイスコイルモータ352の動作時に下枠部材320との衝突の衝撃音が生じることを抑制することができる。従って、ボイスコイルモータ352が予め張り出していることに遊技者が気付いてしまうことを防止でき、傾倒装置310を押し込み操作して初めて「押し込めないボタン」の状態になっていることに気付かせることができる。
上記第1実施形態では、円板カム344の係合リブ344cと連結ピン344dとが相対的に固定される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、係合リブ344cが別部材から構成され、円板カム344に対して相対回転する態様で構成しても良い。この場合、例えば、第1張出部344c1と係合部346dとが当接する状態における連結ピン344dの位置を変化させることができるので、その状態から係合リブ344cを前転方向に回転させて回転爪部材347の姿勢を変化させた直後に傾倒装置310が上昇する度合いを変化させることができる。従って、傾倒装置310の煽り動作の動作状態を、第1実施形態よりも多く形成することができる。
また、円板カム344を前転方向に回転させ続ける駆動態様により、傾倒装置310の動作状態を順次切り替えることができる(上昇終端を順次切り替えることができる)。これにより、駆動モータ342を一方向動作させることで駆動モータ342の劣化を抑えながら、傾倒装置310の上昇位置が順次切り替わる複雑な動作態様で演出を行うことができる。
上記第3実施形態では、傾倒装置310に駆動力を付与するボイスコイルモータ352の動作タイミングを、傾倒装置310の動作速度や、動作の向きによって制御する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、錘部材5412を回転駆動する駆動モータ5411の駆動態様を、傾倒装置310の動作速度や、動作の向きによって制御するようにしても良い。例えば、傾倒装置310が押し込み終端に到達するまで(下降動作している間)は錘部材5412の重心位置が回転軸の上方に配置される姿勢で駆動モータ5411を固定し、傾倒装置310が押し込み終端に到達してから上向きに移動し始める直前に、駆動モータ5411の回転動作を開始するようにしても良い。この場合、傾倒装置310を連打する際の押し込み中は、傾倒装置310を押し返す反発力を小さくする一方で、傾倒装置310の上向き動作開始時において傾倒装置310を押し返す反発力を大きくすることができる。
上記第5実施形態では、底板部5321に収容部材5430が固定される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、傾倒装置310に収容部材5430を固定し、その内部で振動装置5400を動作させるようにしても良い。傾倒装置310に収容部材5430を固定する場合には、例えば、凸設脚部5424を底板部5321に対向する側に配置し、傾倒装置310を下方の押し込み終端に移動させた場合に凸設脚部5424が底板部5321に押し付けられる態様とすることで、振動装置5400内における柔軟部材5420の形状を変化させ、錘部材5412が収容部材5430に当接可能か否かを切り替えるように構成すれば良い。
この場合、収容部材5430の内部に配置される柔軟部材5420が傾倒装置310の傾倒動作と連動して移動し、この際に、柔軟部材5420の形状の変化が生じる。柔軟部材5420の形状の変化の度合いは、傾倒装置310を操作する際の傾倒速度の大小と連動して変化することになるので、傾倒装置310を所定速度以上で動作させることにより、柔軟部材5420の変形量を大きくして、錘部材5412が収容部材5430に当接する状態を形成することができる。即ち、傾倒装置310を押し込み終端まで押し込む場合だけでなく、傾倒装置310を高速で動作させる場合にも遊技者に振動を感じさせることができるので、遊技者に傾倒装置310の操作を行わせるための演出のバリエーションを増加させることができる。
例えば、傾倒装置310の操作を遊技者に行わせる場合、第3図柄表示装置81に「ボタンを押せ。」などの表示を行うが、そこに「ボタンを押せ。高速で押し込め、振動を感じたら大チャンス。」のように表示を行うことで、遊技者にボタン(傾倒装置310)の押し方を指定する演出を行うことができる。この場合に、指定の押し方で遊技者がボタン(傾倒装置310)を押したかどうかを、遊技者に振動が伝達される条件とすることで、指定の押し方でボタン(傾倒装置310)を操作することに対する遊技者の意欲を高めることができると共に、ボタン(傾倒装置310)の操作が単調となることを防止することができる。
なお、柔軟部材5420の形状の変化の度合いについては、傾倒装置310の押し込み速度の度合いと、大小関係が反転しても良い。即ち、傾倒装置310の傾倒速度が遅い場合に、柔軟部材5420の変形量が大きくなり、錘部材5412と収容部材5430とが当接可能となる態様で形成されても良い。この場合、傾倒装置310の押し込み速度が小さいことを、振動装置5400から生じる振動が遊技者に伝達される条件とすることができ、遊技者に、傾倒装置310の押し込み速度を遅くするように推奨することができる。これにより、遊技者が傾倒装置310を力任せに押し込み操作することを抑制することができ、傾倒装置310を力任せに押し込むことにより発生する故障を防止することができる。
上記第5実施形態では、傾倒装置310を押し込むことにより、振動装置5400から発生する振動を遊技者が感じることができるようになる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、傾倒装置310が押し込まれていない状態において振動装置5400の錘部材5412が収容部材5430に当接可能な配置とされる一方で、傾倒装置310が移動終端まで押し込まれることを条件として錘部材5412が収容部材5430に当接不能な配置となり得る態様で形成されても良い。この場合、傾倒装置310が操作されていない状態において振動を遊技者に伝達し演出を賑やかにできる一方で、押し込み時に振動を止めるという周囲に気づかれにくい方法で遊技者に演出態様の変化(期待度の違い)を認識させることができるので、周囲の遊技者を除いて、本機を遊技しているその遊技者だけが演出態様の変化を感じ取ることができるという、プレミア感を演出することができる。
なお、演出のバリエーションとして、傾倒装置310を遊技者が押し込み操作することにより、錘部材5412と収容部材5430とが当接不能な配置となる場合と、錘部材5412と収容部材5430とが継続して当接可能な配置となる場合との両方を生じさせることが望まれるが、これは、錘部材5412の動作態様を変化させることで実現することができる。例えば、錘部材5412の回転方向の違いにより、異なる2つの場合を生じさせることができる。
上記第5実施形態では、円板カム5344が軸倒れ変形することにより、円板カム5344と解除部材346とが当接することで摩擦力が生じる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、本体部材341の軸支孔341bが穿設される板部分が、部分的に円板カム5344に近接する方向に張り出し、円板カム5344が軸倒れ変形した場合に当接する態様で構成されても良い。この場合、本体部材341は動作する部分では無いので、円板カム5344と動作可能な解除部材346とが当接する場合と比較して、円板カム5344との間で生じる摩擦力を大きく確保することができる。従って、円板カム5344と傾倒装置310とを連結するアーム部材345に加えられる負荷を十分に低減することができる。
上記第8実施形態では、内枠12の上下に配置される盤面支持装置600の双方が正面枠14と当接可能に構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、上下どちらかの盤面支持装置600のみが正面枠14と当接可能に構成されていても良い。例えば、上位置において、多機能カバー部材171の盤面支持装置600と干渉する部分に面取りを行い、上位置に配置される盤面支持装置600とは当接しないように構成しても良い。
上記第8実施形態では、盤面支持装置600に遊技盤13を取り付ける際、遊技盤13の上下位置が変化しない場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、遊技盤13の下端面を下支えする支持底部12cが、正面側へ向かうほど下降傾斜する傾斜面として構成され、その正面側端部が、解除状態における盤面支持装置600の背面側延設板621cの上面よりも下方に配置されるように構成しても良い。この場合、解除状態の盤面支持装置600に遊技盤13を乗せる際には、遊技盤13は背面側延設板621cに下支えされ、そこから盤面支持装置600を固定状態とする過程において、遊技盤13を支持底部12cに乗り上げさせることができる。従って、遊技盤13を解除状態の盤面支持装置600に乗せる高さを、遊技盤13が固定される際の高さに比較して低くすることができるので、遊技盤13を固定する作業の作業効率を向上することができる。
上記第8実施形態では、ファール球通路部145が左右に屈曲する通路として構成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、前後への屈曲でも良いし、前後左右の屈曲の組み合わせでも良い。この場合において、球案内開口53の真後ろにおいては、前後に長い経路が形成される方が、球の排出がスムーズとなることから、好ましい。また、前後へ屈曲する経路とすることで、遊技盤13の面に沿ったファール球通路部145の範囲を狭めることができるので、発射経路と、ファール球通路部145とが干渉することを防止し易くすることができる。
上記第8実施形態では、導光部材540が開口部524に対向する位置が凹面となるように湾曲する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、開口部524に対向する位置が凸面とされても良い。この場合、開口部524を通して遊技者に到達する光が、淡く視認される。また、導光部材540は上下に亘って湾曲する必要は無く、例えば、湾曲する部分と、真直ぐ延びる部分とが上下位置で混在しても良い。
上記第8実施形態では、通路形成リブ467,487により上下に屈曲する経路を形成する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、経路の屈曲の方向は左右でも良いし、上下左右の組み合わせでも良い。
上記第8実施形態では、後側組立480の補助凸部481Haが、前側組立460の内側面461Hiと厚み方向で当接する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、補助凸部481Haと内側面461Hiとが背面側壁部461Hの厚み方向でスピーカー接続線453の直径程度離間する構成としても良い。この場合、補助凸部481Haと内側面461Hiとの間にスピーカー接続線453を挟み挟持することができるので、その挟持の抵抗により、スピーカー接続線453に、スピーカー組立体450の外方に引き抜く方向の負荷がかけられた場合であっても、スピーカー接続線453がスピーカー451から外れることを防止することができる。
また、補助凸部481Haは、配線通過凹部464の凹設深さに対応した突設長さの範囲では内側面461Hiと背面側壁部461Hの厚さ方向で当接する一方で、それ以上の突設長さの範囲では内側面461Hiと背面側壁部461Hの厚さ方向でスピーカー接続線453の直径程度離間するように途中で段が付く構成としても良い。この場合、背面側壁部461Hと正面側壁部481Hとで2重壁を形成する範囲は十分確保し、音漏れを抑制しながら、スピーカー接続線453を挟持することができる。
上記第8実施形態では、スピーカー組立体450が、基端側本体部461B及び先端側本体部461Tがスピーカー室に対応し、中間本体部461Mがダクトに対応するダブルバスレフ型のスピーカーを構成する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、中間本体部461Mの前後方向の幅を基端側本体部461B及び先端側本体部461Tと同等に拡張することで、基端側本体部461B、中間本体部461M及び先端側本体部461T共同で大きなスピーカー室を構成するようにしても良い。
また、基端側本体部461Bの方が先端側本体部461Tよりも容積が大きいものとして説明したが、大小関係は逆でも良いし、同様の容積で構成しても良い。スピーカー451の配置は左右端部に限らず、左右方向中央でも良いし、左右端部と左右方向中央との間の位置でも良い。
上記第8実施形態では、通路形成リブ467,487を構成する各リブ部467a〜467e,487a〜487eの内、隣り合うリブ部が左右方向(基端側本体部461B及び先端側本体部461Tを結ぶ方向、前側凹設部471及び後側凹設部491が形成する開口の開口方向と交差する方向)視で重ならない場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、隣り合うリブ部(例えば、リブ部467d及びリブ部467c)同士を左右方向視で重なるように構成しても良い。この場合、スピーカー組立体450の内部の経路を迷路状に屈曲させることができるので、例えば、前側凹設部471及び後側凹設部491が形成する開口からピアノ線等の金属細線を入れ、その先端を遊技領域へ侵入させる不正行為をやり難くさせ、その不正行為に要する時間を長期化させることで、不正行為の抑制を図ることができる。なお、ここで不正行為の抑制としては、不正行為自体の抑制や、不正行為により不正の利益を得ること(不正行為に成功すること)の抑制などが例示される。
上記第8実施形態では、遊嵌装置880の第4ギア880Gが中間ギア808を介してスリット部材810の第3ギア810Gと連動する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、中間ギア808が、回転板830の第2ギア830G及び遊嵌装置880の第4ギア880Gと歯合するように構成しても良い。この場合、回転板830と遊嵌装置880とを連動させることができるので、花弁動作装置800の回転動作中のみでなく、拡開動作中や、集結動作中にも、遊嵌装置880を回転させることができる。これにより、花弁802の径方向へのスライド動作と、装飾部材884の回転動作とを同時に行わせることができ、演出効果の向上を図ることができる。
なお、遊嵌装置880を回転板830と同軸で回転する装置として構成したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、回転板830の回転に伴い伸縮動作する構成としても良いし、回転板830の回転軸とは異なった軸で回転する構成としても良い。
上記第8実施形態では、第2演出部材940が駆動側アーム部材910の動作によりスライド移動するスライド板930を介して駆動力が伝達されることにより動作する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、花弁動作装置800の支持基材801の上部と第2演出部材940の先端部とが連結されることにより、花弁動作装置800の変位に基づいて、第2演出部材940が動作するようにしても良い。この場合、スライド板930を省略することができる。
上記第8実施形態では、内枠12の下側に配置される盤面支持装置600が固定状態の時には、開閉規制部159の上方において操作部背面部材155と遊技盤13とが離間する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、内枠12の下側に配置される盤面支持装置600が固定状態の時に、開閉規制部159の上方において操作部背面部材155と遊技盤13とが前後方向で当接するように構成しても良い。この場合、下側の盤面支持装置600が固定状態となっていても、上側の盤面支持装置600が固定状態となっていない場合には、遊技盤13の上端部が正面側に変位する(遊技盤13の右側辺が正面側に傾倒する)ことに伴い操作部背面部材155と対向配置する遊技盤13の部分も正面側に変位するので、操作部背面部材155と遊技盤13とを干渉させることができる。これにより、正面枠14が内枠12に対して閉鎖されることを防止することができる。
この場合、内枠12に遊技盤13が設置されると共に、内枠12の下側に配置される盤面支持装置600が固定状態とされる時に、内枠12の上側に配置される盤面支持装置600が固定状態となっているか否かを、下側の盤面支持装置600と対向配置される操作部背面部材155と遊技盤13との関係により判定し、内枠12の上側に配置される盤面支持装置600が固定状態では無い場合には、正面枠14が内枠12に対して閉鎖することを規制できる。これにより、多機能カバー部材171から、内枠12の上側に設置される盤面支持装置600の状態を判定する機能を外すことができるので、多機能カバー部材171の設計自由度を向上させることができる。例えば、多機能カバー部材171を、盤面支持装置600の状態に関わらず盤面支持装置600と当接しない位置まで凹ませる(面取りする)ように構成しても良い。この場合、合成樹脂から形成される多機能カバー部材171が金属製の盤面支持装置600と衝突することにより、多機能カバー部材171が破損する虞を低くすることができることから、多機能カバー部材171を他の用途(例えば、配線カバーとしての用途)で長期間使用することができる。
上記第8実施形態では、導光部材540の端面に照射された光が導光部材540の両面から出射される右パネルユニット500が、正面枠14の右端かつ正面側に配置される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、センターフレーム86の内方に配置されても良い。この場合、例えば、右パネルユニット500の一面が正面側に配置される状態と、他面が正面側に配置される場合とで切替可能に構成する(例えば、支持板部510の長手方向と平行な軸を中心に右パネルユニット500が回転するように構成する)ことで、センターフレーム86に照射される光の態様を切り替えることができる。また、センターフレーム86に照射される光の態様と、センターフレーム86の内方に張り出し動作する移動役物と対応を切り替えることにより、演出の多様化を図ることができる。
即ち、例えば、複数の開口部524の内、最上部の開口部524に対応する上下位置のLED512aのみを発光させ、右パネルユニット500を、一面が正面側に配置される状態と、他面が正面側に配置される場合とで切り替えることを考える。内カバー部材520側の面が移動役物側を向いた時には、最上部の開口部524に対応する箇所(端寄りの箇所)と対向配置される移動役物が発光する一方で、外カバー部材560側の面が移動役物側を向いた時には、開口部565の広域にわたって(最上部の開口部524に比較して広い範囲で)対向配置される移動役物が発光する。従って、発光させるLED512aを切り替えることなく、右パネルユニット500の姿勢を切り替えることで、移動役物の発光箇所を切り替えることができる。
この場合、例えば、移動役物を、発光箇所の変化のタイミングと合わせて動作させることで、演出効果を向上させることができる。例えば、内カバー部材520側の面が移動役物を向くタイミングでは、最上部の開口部524に対応する箇所に収まるように縮小変化する一方で、外カバー部材560側の面が移動役物側を向くタイミングでは、右パネルユニット500の長手方向に沿った方向に拡大(伸張)変化するように、移動役物を伸縮動作するように構成しても良い。これにより、移動役物の動作に合わせて発光させる箇所を変化させる切替を、発光制御するLED512aの切り替えを不要としながら、右パネルユニット500の姿勢を切り替えることにより実現することができる。
また、右パネルユニット500は、内カバー部材520側から出射される光は集光され(輝度が高くなり、光量が大となり、明瞭な発光となり)、外カバー部材560側から出射される光は拡散される(輝度が低くなる、光量が小となる、淡い発光となる)。そのため、右パネルユニット500の姿勢を切り替えることで、発光対象(液晶や、移動役物)の発光態様を変化させることができる。
更に、外レンズ部材550の正面側端部551aを移動役物や液晶に向ける姿勢に右パネルユニット500を変化させる(例えば、右パネルユニット500が移動役物や液晶の正面側に配置される場合において、外レンズ部材550の正面側端部551aが支持板部510の背面側に配置される姿勢に変化させる)ことで、移動役物や液晶にはビーム状(幅の細い状態)の光を照射しながら、移動役物や液晶へ向かう方向と垂直な方向に向かって広範囲に光を出射することができる。これにより、移動役物や液晶の細部のみを発光させつつ、移動役物や液晶とは離れた位置を広範に発光させることができる。
上記第9実施形態および第10実施形態では、ファール球通路部9145,10145に配置される板金部材9150,10150により、糸Y8を切断する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、板金部材が糸Y8からの負荷により部分的に折れ、折れた部分が落下する程に脆弱な構成とされ、その折れた部分が落下する際に通る位置に検出センサが配置される構成としても良い。この場合、板金部材が検出センサにより検出されることに起因して、警報を出すと共に球の打ち出しを強制的に停止するように制御することで、不正行為の早期発見を図ると共に、不正行為により不正行為を行う者が得られる利益(遊技機ホールが受ける損失)を最小限に抑えることができる。
上記第12実施形態では、傾斜面2803Tを傾斜する面として形成する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、摩擦力を向上する各種構成を加えても良い。例えば、傾斜面2803Tに、ラバーシートを張り付けることで摩擦力の向上を図っても良いし、スパイク状の硬質部材(スリット部材810の材質よりも固い部材)を配置することで、樹脂製のスリット部材810に食い込むことによる動作抵抗の向上を図っても良い。
また、例えば、スライド部材2820が中央スリット814の長手方向に対して傾斜する姿勢となった場合に傾斜面2803Tと対向配置される両側スリット815の壁部に、傾斜面2803Tが入り込むことができる程度の凹設部を形成しても良い。この場合、傾斜面2803Tが凹設部ぶ入り込むことによる動作抵抗の向上を図ることができる。
上記第16実施形態では、導光部材2540の各領域に形成される凹状部2543の形状を変えることにより、光の進行方向を、光を集める方向としたり、光を拡げる方向としたりする場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、各領域CCVIb〜CCVIe全てに上向き凹状部2543b,2543eを形成しても良い。この場合、導光部材2540の両面から出射される光の進行方向は、各領域CCVIb〜CCVIe全てにおいて上方傾斜する方向となるので、遊技する機体を選ぶために歩いている人の目線の高さへ向けて、光を進行させやすくすることができる。これにより、パチンコ機8010の集客効果の向上を図ることができる。
また、例えば、内レンズ部材530へ光を出射する領域である領域CCVIc,CCVIeに下向き凹状部2543cを形成し、外レンズ部材550へ光を出射する領域である領域CCVIb,CCVIdに上向き凹状部2543bを形成しても良い。この場合、パチンコ8010を遊技している遊技者とは反対側の方向に進行する光であって、外レンズ部材550へ出射される光は上方傾斜する方向となるので、遊技する機体を選ぶために歩いている人の目線の高さへ向けて、光を進行させやすくすることができる一方、遊技者側に進行する光であって、内レンズ部材530へ出射される光は下方傾斜する方向となるので、例えば、上皿17に貯留される球を光で照らし、球を煌びやかに見せる演出を行うことができる。従って、パチンコ機8010の集客効果の向上を図りながら、遊技している遊技者の興趣の向上を図ることができる。
上記第17実施形態において、突設形状部6413及び凹設形状部6414が左右中央付近に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、操作デバイス10300の配置に対応して位置を変更しても良い。
また、操作デバイス10300の配置に対応して形成するものと、左右中央付近に形成するものとの両方を設けても良い。即ち、操作デバイス10300の操作負荷に対応するための突設形状部6413及び凹設形状部6414と、正面枠10014単体での課題(持ちやすさや耐久性等)に対応するための突設形状部6413及び凹設形状部6414とを別で設けても良い。
上記第17実施形態において、突設形状部6413及び凹設形状部6414の上方に遊技者が操作可能に構成される操作デバイス10300が組み付け(交換)可能に配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。即ち、組み付け(交換)可能なものであれば何でも良い。例えば、音声を出力するスピーカーボックス等の音響装置でも良いし、遊技者の操作は不可能に構成され振動演出を行う振動装置でも良いし、発光演出を実行する電飾基板でも良いし、基板ボックスなどの直接的には遊技者に視認させることを目的としない物でも良い。
上記第17実施形態において、突設形状部6413及び凹設形状部6414が前後方向に亘り形成される溝状に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、上面視で三角形状や円形状の凹部および凸部が形成されても良い。この場合、凹部および凸部を複数形成しても良く、各凹部および凸部の大きさを、操作デバイス10300の操作負荷の内で向けられる量や負荷が与えられる頻度の大小に基づいて設計しても良い。
また、同じ溝状であっても複数の溝が形成されるものであっても良い。この場合、溝の幅を狭く形成しながら、溝の本数を多く形成することで、操作デバイス10300との接触面積を減らすことに関して幅広の溝が1本形成される場合と同様の効果を奏することができる。複数の溝を形成する場合、各溝は必ずしも前後方向に沿う必要はなく、例えば、上面視で放射状に形成されるものでも良い。
上記第17実施形態において、突設形状部6413が正面枠10014の外形下方に突設されることで、正面枠10014を持ち運ぶ際の指かけ部として利用できる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、板状支持部6426の下面と凹設形状部6414との間の隙間を、正面枠10014を持ち運ぶ作業員の指よりも上下方向に長く形成しても良い。この場合、板状支持部6426の下面と凹設形状部6414との間の隙間に指を入れることが可能となる(指かけ部として利用できる)ので、正面枠10014を持ち運びやすくすることができる。
上記第17実施形態において、樹脂部材6427が操作デバイス10300の下方に配置され、操作デバイス10300の負荷の伝達を和らげる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、弾性的な付勢力を生じる部材(コイルスプリング、トーションスプリング等)でも良いし、ダンパ等の制振を目的とした装置でも良い。
上記第17実施形態において、左前カバー10321及び右前カバー10322が上皿17や下皿ユニット6400に締結固定される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、左前カバー10321及び右前カバー10322が上皿17や下皿ユニット6400にフローティング機構を介して連結されても良い。この場合、左前カバー10321や右前カバー10322に柔軟性や可撓性が乏しくても、操作デバイス10300に生じる負荷が上皿17や下皿ユニット6400に伝達されることを抑制することができる。
上記第17実施形態において、レバー部材10340は、駆動モータによってレバー支持軸10331d1を中心として回転駆動される場合について説明したが、駆動モータの態様は、種々の態様が例示される。例えば、駆動モータで回転する回転ギアから、簡易な歯車機構の負荷伝達によりレバー部材10340に負荷が伝達されても良いし、伝達経路に歯車機構に寄らない機構(例えば、回転カム)が介在しレバー部材10340に負荷が伝達されても良いし、可動クラッチ343c及び伝達ギア343bを介してレバー部材10340に負荷を伝達することで過負荷発生時には空回り可能に形成されても良い。
上記第17実施形態において、左前カバー10321及び右前カバー10322が操作デバイス10300の操作時負荷がかけられる平面と直交する方向で締結固定される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、その平面上を動作しない操作部分が配設される場合には(例えば、左右斜め方向に押し込む動作をする操作部分がある場合には)、各操作部分の操作方向のバランス(平均)として見出される方向(例えば、中間の角度方向)を締結の方向として設定しても良いし、操作指示の頻度が多い操作部分を対象にして(操作指示が稀の操作部分は無視して)締結の方向を設定しても良い。これにより、操作時負荷による締結緩みの発生を抑制することができる。
上記第17実施形態において、左前カバー10321及び右前カバー10322が締結により合体する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、接着材で合体する態様でも良いし、形状の合致による嵌合で合体しても良い。
上記第17実施形態において、左前カバー10321及び右前カバー10322の剛性が高い方向(上下に沿う方向)と、振動装置10366の振動方向とが沿う場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、振動装置10366の振動方向を左右方向としても良い。この場合、振動装置10366の振動の発生により左前カバー10321及び右前カバー10322の形状が変化し易くすることができるので、振動発生時に操作デバイス10300周辺の意匠を動的に変化させる演出を行うことができる。また、振動装置10366の態様は何ら限られるものではない。例えば、ボイスコイルモータ等に代表される直動式のものでも良いし、バイブレータ等に代表される回転式のものでも良いし、それらを組み合わせたものでも良い。
また、左前カバー10321及び右前カバー10322を不透明の樹脂では無く、透明な樹脂材料から形成しても良い。この場合、所定の照射装置から照射される光が左前カバー10321や右前カバー10322に照射されるように構成することで、左前カバー10321及び右前カバー10322の形状の変化に伴って左前カバー10321や右前カバー10322を介して視認される光の見え方を変えるように演出することができる。
上記第17実施形態では、左右筋部D24aを傾斜違いで形成することで首振り操作部材10310の配置によらず撓みを抑制し易い場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、左右筋部D24aの傾斜角度を位置に寄らず同様とすることで、左右筋部D24aにより剛性が向上される方向と、その方向に対して剛性が弱くなる方向との、剛性の程度の差を大きくすることができる。
この場合、例えば、左右筋部D24aの形成方向を方向Y17aに沿う方向とすることで、首振り操作部材10310が上向き位置に配置される場合に振動装置10366が発生する振動による左前カバー10321及び右前カバー10322の撓みを抑制する一方で、その撓みに対して、首振り操作部材10310が下向き位置に配置される場合に振動装置10366が発生する振動による左前カバー10321及び右前カバー10322の撓みを大きくすることができる。即ち、首振り操作部材10310の配置が変化することにより、振動装置10366の振動により生じる左前カバー10321及び右前カバー10322の撓みの程度を異ならせることができる。
なお、逆に、左右筋部D24aの形成方向を、方向Y17bに沿う方向としても良い。この場合、首振り操作部材10310が下向き位置に配置される場合に振動装置10366が発生する振動による左前カバー10321及び右前カバー10322の撓みを抑制する一方で、その撓みに対して、首振り操作部材10310が上向き位置に配置される場合に振動装置10366が発生する振動による左前カバー10321及び右前カバー10322の撓みを大きくすることができる。即ち、首振り操作部材10310の配置が変化することにより、振動装置10366の振動により生じる左前カバー10321及び右前カバー10322の撓みの程度を異ならせることができる。
上記第17実施形態において、左カバー部材10323及び右カバー部材10324が内側ケース部材10330から取り外すことができ、左前カバー10321及び右前カバー10322の取り付けが容易である場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、左カバー部材10323及び右カバー部材10324が内側ケース部材10330と一体形成されており、そこに左前カバー10321及び右前カバー10322を組み付ける構成でも良い。この場合、内側ケース部材10330への組み付け時には、左前カバー10321及び右前カバー10322の撓みにより容易に組み付けることができ、その後の正面枠10014への組み付け後は左前カバー10321及び右前カバー10322の撓みが抑制されることで、突出干渉部6805aと内側縁部Rm1との干渉による変位抑制効果を効かせることができる。
上記第17実施形態において、V字意匠部材6450の板状突設部6453Rが板状支持部6426と上下で当接する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、板状突設部6453Rの位置に前後方向で締結ネジが螺入される締結部が形成され、その締結ネジは締結部に対応して板状支持部6426の上方に延設される板部に形成される挿通孔に挿通されるように構成しても良い。この場合、板状支持部6426の上昇変位時のみならず、下降変位時にも、変位の基となる負荷をV字意匠部材6450へ伝達させることができ、負荷の分散を図ることができる。
上記第17実施形態において、V字意匠部材6450は、本体部6451と、上対向部6455b,6456bとの間の隙間の寸法が、差し込まれるカバー10321,10322の厚さ寸法に対して、嵌合可能な厚み(隙間がほとんどない寸法関係)で形成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、隙間の寸法に対して、差し込まれるカバー10321,10322の厚さ寸法が短いように構成しても良い(組立時に部材間隙間が形成される寸法関係で構成しても良い)。この場合、カバー10321,10322の変位(操作デバイス10300の変位)が、部材間隙間よりも小さい場合には、カバー10321,10322とV字意匠部材6450とで当接(衝突)が生じることを防止することができるので、粉(粉塵)の発生を抑制することができる。
上記第17実施形態において、フランジ部6582が平面板状に形成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、フランジ部6582の正面側縁から下方に突設される鉤状の断面形状で形成され、区画部材6560の対向板部6561がその形状とかみ合う形状で形成され、組み付け時に互いに嵌合するようにしても良い。この場合、組立状態の位置に区画部材6560を位置させた状態で、区画部材6560が背面支持部材6580から正面側へ離反することを防止することができる。
上記第17実施形態において、拡大孔6562aの対向する両側面が断面視で前後方向に対して傾斜する場合について説明したが、正面側へ向かうにつれて間隔が広がることが要点であり、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、両側面のうち片側の側面のみが傾斜するようにしても良いし、両側面が湾曲形状から形成されても良い。
上記第17実施形態において、無色透明の樹脂材料から形成される透明覆設部材6548の下縁板状部6548aを視認する遊技者に対して、その背後に配置される乳白色部材6541や区画部材6560の色味を視認可能とすることで、下縁板状部6548aと箱状受光部6546の下縁とが一連の領域として視認され易いように構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、透明覆設部材6548を2色成形により形成することにより、下縁板状部6548aを予め乳白色に形成しても良い。
上記第17実施形態において、板案内ユニット6550が正面側へ向かう程に下降傾斜する締結方向の締結ネジで締結される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、背面側へ向かう程に下降傾斜する締結方向の締結ネジで締結されても良い。この締結方向は、締結位置付近に配置される部品が必要とする配置スペースや、変位を抑制したい側の選択により、任意に設定することができる。
上記第17実施形態において、上蓋部材6510の変形に伴い区画部材6560と背面支持部材6580との間に圧縮力を発生する構成について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、区画部材6560を、その前後幅が変化可能に駆動される態様で構成し、上蓋部材6510の変形に伴い発生し得る圧縮力の程度を変化させるようにしても良い。
即ち、区画部材6560の背面側縁を正面側へ変位させる態様で区画部材6560の前後幅を短くするように駆動すれば、上蓋部材6510が変形しても区画部材6560と背面支持部材6580との間に依然として隙間を発生させることができ、圧縮力が生じにくくすることができる。圧縮力が生じにくいことで、電飾基板6570を保持する程度を下げることができることから、上蓋部材6510が同様に変形する状況において、電飾基板6570の変位の程度を変化させることができる。
換言すれば、区画部材6560の前後幅を制御することで、上蓋部材6510の変形が生じ得る状況における電飾基板6570の挙動を変化させることができ、同様に、電飾基板6570の正面側へ照射される光の見え方を変化させることができる。
なお、区画部材6560の前後幅を通常時に短くしておき(区画部材6560と背面支持部材6580との間の間隔を空けておき)、駆動制御により前後幅を広げて、区画部材6560と背面支持部材6580との間に圧縮力が生じ得る状況に変化させるように構成しても良い。
上記第17実施形態において、電飾基板6570を挟んで支持する区画部材6560及び背面支持部材6580が、正面枠10014の正面側に積層配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、電飾基板6570が背面支持部材6580の下方に配置されても良いし、電飾基板6570が区画部材6560(音響装置6610から離れている部材)に締結固定されても良いし、電飾基板6570が区画部材6560に挿通される透明筒状部材6521の受光突設部6521bに挿通(固定)されても良い。いずれの場合であっても、電飾基板6570に対して音響装置6610から振動が伝達されることを抑制することができる。
また、背面支持部材6580(及び音響装置6610)は正面枠10014よりも背面側に配置される外枠11又は内枠12に固定される一方で、区画部材6560は正面枠10014に固定されるようにしても良い。この場合、正面枠10014を開放することで、背面支持部材6580と区画部材6560との間を離すことができるので、正面枠10014の閉鎖状態で背面支持部材6580と区画部材6560との間に挟まれる電飾基板6570を取り替えたり、位置ずれを戻したりすることを容易とすることができる。
上記第17実施形態において、締結ビスの頭部に対して音響装置6610の板部を対向配置し、締結ビスが緩むと振動が伝達され異音が発生し得る構成とすることで締結ビスの緩みの把握を可能とする場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、締結ビスの頭部付近に光が進行し、締結ビスが緩むと締結ビスの影を正面側から視認できるように構成しても良い。この場合、影の有無を確認することで、締結ビスの緩みの発生を把握することができるので、騒がしい環境においては、異音で把握する場合に比較して、締結ビスの緩みの発生を発見し易くすることができる。
上記第17実施形態において、締結ビスの締結方向を前後方向に対して上下に傾斜する方向とする場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、前後方向に対して左右に傾斜する方向としても良いし、上下や左右に傾斜する箇所が混在しても良い。
上記第17実施形態において、長尺リブ6734やフィン6735が正面視で直線的に延びる形状から形成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、曲線的に延びる形状から形成されても良いし、網目状や格子状に形成されても良い。
上記第17実施形態において、長尺リブ6734の側面は平滑面とされ、側面からの光が拡散されることを抑制する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、長尺リブ6734の側面に遮光テープを貼り付けることで、側面からの光漏れを防止するようにしても良い。この場合、フィン6735へ進行する光りのエネルギーの低下を抑制し易くすることができる。また、遮光テープをフィン6735の側面に貼り付けても良い。この場合、側面全体を覆うようにすると正面側縁部の光を強調することができるし、側面の一部を覆うようにすると(例えば、水玉模様の孔が開いた遮光テープを用いると)、遮光テープの形状に準ずる光として遊技者に視認させることができるので、フィン6735の側面を介して進行する光の演出効果を向上させることができる。
上記第17実施形態において、パチンコ機10010の左側の横演出装置6700では、長尺リブ6734が背面側に延設されない場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、長尺リブ6734が背面側に延設されるが、左右端部において内側延設部6732と結合しないように形成しても良い。この場合においても、ガラスユニット16付近における光の強度を抑制することができる。
上記第17実施形態において、長尺リブ6734を前後方向に沿って進行する光がフィン6735の正面側端部から出射されることで、フィン6735の正面視における光の演出効果を向上する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、フィン6735を進行する光の少なくとも一部をフィン6735の前後幅の途中でフィン6735の側面から出射するための形状(切欠き(カット)等)が形成されても良い。
例えば、本実施形態で示すように、フィン6735が正面側へ向かう程に徐々に厚みが薄くなる態様で側面が傾斜することで、フィン6735の正面側先端に到達する前に光がフィン6735の側面の繰り返し到達し易く構成されることで、フィン6735の側面から光が出射し易いように構成しても良い。
上記第17実施形態において、ベース部材6710に対する湾曲板部材6750の締結位置を少なく構成する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、形状関係に基づく爪の嵌合や、噛み合いで固定するようにしても良い。この場合、締結ネジを無くすことができるので、締結ネジの影により光の演出効果が下がることを防止することができる。
上記第18実施形態において、電飾基板18830が操作デバイス10300の振動の影響でスライドする場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、結合基礎部材18810の背面側に音響装置6610に類似するスピーカーボックスが近接配置され、このスピーカーボックスの振動によっても電飾基板18830がスライドし得るように構成しても良い。この場合、操作デバイス10300の振動方向(方向Y17aに沿う方向)と、スピーカーボックスの振動方向(概ね前後方向)とが異なるので、電飾基板18830の変位態様を複雑化することができる。
また、スピーカーから可聴音域外の振動数の音声を発生させることで、遊技者は音声を聞くことができない状態を維持しながら、電飾基板18830のスライド移動を発生させることができるサイレント演出を実行することができる。この時、電飾基板18830の振動が操作デバイス10300へ伝達されるように構成することで、操作デバイス10300に触れる遊技者は、スピーカーから出力される音声由来の振動を把握することができる。これにより、例えば、サイレント演出が遊技者にとって有利な状況の変化が生じる場合に実行されるように制御することで、操作デバイス10300に触ることに対する興味を向上させることができる。
上記第18実施形態において、電飾基板18830が操作デバイス10300付近でフローティング可能(スライド可能)に支持される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、上演出装置6500の電飾基板6570をフローティング可能に支持するようにしても良い。この場合において、正面枠10014に固定され左右一対の音響装置6610の間の隙間から正面側へ延びる棒部材にフローティング可能に支持されても良いし、音響装置6610の壁部に固定される棒部材にフローティング可能に支持されても良い。また、スライド方向は、上下に限らず、左右や斜めでも良い。
上記第19実施形態において、基準線X19が、振動の方向Y17aに沿う場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、振動の方向Y17aが複数設定される場合には、そのいずれかの振動の方向Y17aに基準線X19が沿うように構成しても良いし、複数の振動の方向Y17aの間(たとえば、中間の角度)の方向に基準線X19が沿うように構成しても良い。
また、振動の発生の頻度や、レンズ部材10317の操作頻度を考慮して、基準線X19の方向を設定しても良い。例えば、振動の方向Y17aや操作方向が第1の方向とその他の方向とで複数設定される場合に、第1の方向での振動や操作の発生頻度が極端に高く、その他の方向での振動や操作の発生頻度が低い場合には、第1の方向に沿って基準線X19を設定することで、挿通孔19321a及び締結部19322aを締結固定する締結ネジの緩みの発生を抑制することができる。
上記第21実施形態では、振動装置21500の振動が操作デバイス10300側へ伝達され難いように構成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、操作デバイス10300へも、覆設基礎部材21410の本体部6411への振動伝達と同程度に振動が伝達されるように構成しても良い。この場合、振動装置21500によって複数の対象を振動させることができる。
上記第21実施形態では、振動装置21500の振動に伴い突条部21522が押し付けられる張出部De3の正面部が前後方向と直交する平面で形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、張出部De3の正面部を前後方向に対して上下に傾斜する平面で形成しても良い。この場合、振動装置21500に対して張出部De3から与えられる負荷の方向(張出部De3の正面部の法線方向)が前後方向に対して傾斜する方向となるので、振動装置21500の振動時の変位(特に正面側へ向かう変位)に、前後方向と交差する方向(上下方向)の成分を付加することができる。これにより、振動装置21500の振動モータ21510を上下方向へ変位させることができるので、偏心錘21512と覆設カバー部材21530との衝突態様として前後方向で衝突する場合に加え、上下方向(突条部21534の案内方向と交差する非案内方向)で衝突する態様を構成することができ、振動の態様を複雑化することができる。
上記第21実施形態では、覆設カバー部材21530の突条部21534が、振動モータ21510が振動する方向(偏心錘21512の回転軸と直交する方向)である前後方向に沿って形成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、突条部21534が前後方向に対して傾斜する方向に沿って形成されても良いし、湾曲する線に沿って形成されても良いし、任意形状の線に沿って形成されても良い。これにより、振動装置21500の振動発生時における振動モータ21510及び被覆部材21520が突条部21534に案内される方向を任意に設定することができる。
上記第21実施形態では、V字意匠部材21450の締結部21457が下皿形成部材21420の支持孔21428を通して共締めされる場合について説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、締結部21457の長さを若干長くし、支持孔21428に締結力が加えられないように構成しても良い。これにより、振動装置21500の振動が支持孔21428を有する板部を通して下皿形成部材21420に伝達し難くすることができ、振動装置21500が振動することに伴い下皿50に貯留された球が振動することを回避できるので、遊技者に違和感を与えることなく振動装置21500による振動演出を実行することができる。
上記第22実施形態では、背面ケースA310において切り欠き部A312aが形成される側において支持板部A313の形成が省略され、端面がベース板A60に対向配置される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、切り欠き部A312aが形成される側において支持板部A313の形成を維持しても良い。この場合、ベース板A60と背面ケースA310とを組み付けた状態における剛性を維持しながら、遊技盤A13のベース板A60を通して視認される光の境界を曖昧にすることができるという効果を保持することができる。
上記第22実施形態では、背面ケースA310は正面側が開口する箱状に形成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、背面ケースA310が複数の部材から(分割部材の組立体として)構成されても良いし、背面側底部から正面側へ延設される柱状部で外縁が構成される(壁部が形成されない)ように構成しても良い。この場合において、背面ケースA310を第3図柄表示装置81や、その他の可動ユニット(第1動作ユニットA400や第2動作ユニットA700)と締結固定することで、剛性の確保を図ることができる。
上記第22実施形態では、右側部において遊技盤A13と近接する部分が面ではなく線状に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、線状の部分は左側部に形成されても良い。また、線状の部分が左右両側に形成される場合において、左右一方の形成割合(比率)を他方に比較して低くするように構成しても良い。
上記第22実施形態では、金属板状部材75が遊技盤A13の外周側に配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、金属板が、外縁部材A73の内方側(遊技領域側)に配設されるようにしても良い。この場合において、外縁部材A73の内方側の湾曲形状に沿って金属板が形成されることで、金属板に対して、遊技盤A13及び動作ユニットA300の剛性を向上する機能と、遊技領域を流下する球を案内する機能とを付与することができる。また、外縁部材A73の内部に隙間を設け、その隙間に金属製の部材を配設するようにしても良い。
上記第22実施形態では、遊技球に当接可能な前突条部A86fが、遊技領域の背面側から正面側へ向けて突設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、センターフレームA86の右流路形成壁部A86dの前端部から遊技領域側へ延設されるフランジ部を備え、そのフランジ部の背面から背面側へ突条部が突設されても良い。この場合、遊技領域の前側寄りの位置を遊技球が流下する場合においても突条部を遊技球に当接させることができるので、遊技球の減速を効率よく生じさせることができる。
上記第22実施形態では、電飾基板A416が基板固定板A417に組み付けられた状態において、電飾基板A416の正面と突設片A417iとが当接せず、隙間が空く場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、電飾基板A416の正面と突設片A417iとが当接するようにしても良いし、電飾基板A416の正面と突設片A417iとの間に別の部材(例えば、柔軟なゴム状部材)を介在させて、突設片A417iから電飾基板A416へ負荷を伝達可能に構成しても良い。これにより、電飾基板A416を安定して支持することができる。
上記第22実施形態では、第1動作ユニットA400の拡散板A415の領域の内、第2領域AC2が第3図柄表示装置81側に寄って配置され、複数の第1動作ユニットA400の第2領域AC2で第3図柄表示装置81を上側から囲う態様で構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第2領域AC2が第3図柄表示装置81の周りに点在するように構成しても良いし、第2領域AC2が第3図柄表示装置81の前後に到達するように変位可能に構成されても良く、任意の配置で構成すれば良い。
上記第22実施形態では、第1変位部材A440に電飾基板A445が内包される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、正面側へ光を照射するLED等の発光手段が配設される電飾基板および拡散板が、案内板部A430や支持板部A420に配設されても良い。これにより、第1変位部材A440の配置により、発光手段を遊技者から隠すように構成することができる。
また、第1変位部材A440が電飾基板A416や拡散板A415の正面側を移動するように構成されても良い。このように構成しても、同様の効果を奏することができる。この場合において、第1変位部材A440に電飾基板A445が配設されないように構成しても良い。例えば、第1変位部材A440の厚さ方向に単数または複数の貫通孔が形成され、その貫通孔を通して光が通過可能に構成されても良い。これによれば、第1変位部材A440の配置が異なることで貫通孔の位置が変わるので、第1変位部材A440の背面側へ照射される光が漏れる位置を変化させることができる。
上記第22実施形態では、第1変位部材A440が電飾基板A416又は拡散板A415の片側を変位する(電飾基板A416を正面視で突っ切らない)場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、電飾基板A416又は拡散板A415を正面視で通過する(突っ切る)ように変位しても良い。また、第1変位部材A440の全体が正面視で拡散板A415の背面側に入り込む必要は無く、第1変位部材A440の一部は正面視で拡散板A415の背面側まで到達しないように構成しても良い。
上記第22実施形態では、第1変位部材A440に電飾基板A445が内包される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第1変位部材A440に電飾基板A445が配設されていなくても良い。この場合において、第1変位部材A440の背面側に電飾基板を配置し、正面側に光を照射するように構成することで、後蓋部A443の通気開口A443cや連動板部A442の開口A442cを通った光を遊技者が視認可能に構成することができる。
上記第22実施形態では、ピン付きギアA462の伝達突部A463が異形スライド部材A455から離れた後も、ピン付きギアA462の円弧壁部A464により異形スライド部材A455の変位が規制される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、円弧壁部A464が形成されない場合において、伝達突部A463が異形スライド部材A455から離れた位置に配置されることに伴い、円弧壁部A464が配置されるはずだった位置へピン付きギアA462とは別部材として構成されるシャッター部材が張り出すように構成され、そのシャッター部材と当接することで異形スライド部材A455の変位を規制しても良い。
上記第22実施形態では、異形スライド部材A455に配設される複数の被案内突設部A455cが、方向A416xと交差する方向(左右)にずれて配置される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、複数の被案内突設部A455cを方向A416xと平行な直線であって同一の直線上に配置しても良いし、方向A416xと前後に交差する方向にずらして配置しても良い。いずれの場合であっても、異形スライド部材A455の姿勢を安定させることができる。
上記第22実施形態では、第1変位部材A440と第2変位部材A490とが別々のタイミングで変位する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、ピン付きギアA462の円弧壁部A464の伝達突部A463からの長さを短くし(同時に、突設板部A456aを円弧壁部A464との当接に支障が無いように長くし)、異形スライド部材A455が円弧壁部A464に規制される角度幅を減らすことで、第2変位部材A490が退避位置から張出位置へ向けて変位するのと同期して、第1変位部材A440を張出位置から退避位置側へ変位させることができる。この時、第1変位部材A440の姿勢が維持される区間で第1変位部材A440の変位が収まるように円弧壁部A464の長さを調整することで、第1変位部材A440と第2変位部材A490とが干渉することを回避することができる。
また、この場合において、第1変位部材A440が退避位置側へ変位した後で、伝達突部A463と当接するのか、円弧壁部A464の伝達突部A463とは反対側の端部と当接するのかは、ピン付きギアA462の動作態様、即ち、駆動モータAMT1の駆動態様に依存する。即ち、駆動モータAMT1の駆動速度(一定速度でも良いし速度可変でも良い)や、停止タイミングを異なるように制御することで、第1変位部材A440が退避位置側へ変位した後の停止位置を、異形スライド部材A455(異形被伝達部A456)が円弧壁部A464に当接する場合と、伝達突部A463に当接する場合とで異ならせることができる。
なお、ここでは第1変位部材A440に駆動力を伝達する異形スライド部材A455(異形被伝達部A456)が円弧壁部A464又は伝達突部A463の少なくとも一方と当接することを前提としたが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、円弧壁部A464及び伝達突部A463が所定の配置である場合において、そのいずれよりも方向A416xに沿って異形スライド部材A455(異形被伝達部A456)側へ張り出す固定壁部が形成されていても良い。この場合、第1変位部材A440が退避位置側へ変位した後の停止位置を、異形スライド部材A455(異形被伝達部A456)が円弧壁部A464に当接する場合と、伝達突部A463に当接する場合と、固定壁部に当接する場合とで異ならせることができる。
上記第22実施形態では、配線HCが第2変位部材A490の回転軸外方部に配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、補強腕部A518の回転軸が筒状に形成され、その筒内部を配線HCが通り基板側コネクタA493cに到達するように構成しても良い。この場合、第2変位部材A490の変位により、筒を介して第2変位部材A490の反対側に配置される配線HCの部分が変位する(引っ張られる)ことを防止することができる。
上記第22実施形態では、固定の締結部A475の周りに配線HCが巻き付けられる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、締結部A475と同様の形状で柔軟材料から形成される柔軟部材が後板部A480の正面側に固着され、その柔軟部材の周りに配線HCが巻き付けられても良い。また、柔軟部材の個数は1個である必要は無く、複数個でも良い。この場合、配線HCが過度に引っ張られ柔軟部材と当接することがあっても、柔軟部材が変形することで、配線HCに生じる負荷を緩和することができる。
また、配線HCを支持するのは、締結部A475では無く、単なる柱状部(締結に利用されない部分)でも良い。この場合において、柱状部と後板部A480との間に隙間(配線HCの幅よりも狭い隙間)があっても良い。また、本体箱部A471、後板部A480又は配線案内部材A6560等に別途形成される固定部に緩く巻き付けられる結束バンドでも良い。この場合、結束バンドに許容される変位により配線HCの変位を吸収することができるので、配線HCに与えられる負荷を低減することができる。
また、締結部A475が固定されるものではなく、配線HCの変位方向に沿って変位可能に構成されるものでも良い。この場合、変位の方向はこれに限定されるものではなく、種々の態様が例示される。
また、締結部A475の変位が、第1変位部材A440や第2変位部材A490の変位と同期して生じるようにしても良い。例えば、第2変位部材A490が張出位置へ近づくほど、それとは逆方向に変位するようにすることで、配線HCが遊技者の目に入ることを防止することができる。
なお、締結部A475の変位の方法は、長孔に締結部A475が変位可能に支持されるものでも良いし、締結部A475が本体箱部A471側を支点に傾倒可能に構成されても良い。この場合において、後板部A480には、締結部A475との結合状態を維持しながら締結部A475の変位を許容するように案内溝、切欠き又は連動部が形成されることが望ましい。
また、締結部A475は配線HCが巻き付けられる部分として説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、配線HCの上下両側に壁状に形成され配線HCの通過を規制する一対の支持壁部として構成されても良い。この場合、配線HCが変位可能な範囲の幅を支持壁部で規定することができる。
上記第22実施形態では、配線HCの一方の端部が、第2変位部材A490の基板側コネクタA493cに背面側から連結され、他方の端部が基板側コネクタA493cよりも正面側に配設される第3コネクタA416e3に背面側から連結される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、他方の端部が連結される基板を、背面ケースA310の側面に内向きで配設するようにしても良い。この場合、配線HCを背面ケースA310の側面へ延ばすことで基板に接続することができるので、配線HCを正面側に取り廻すために必要な長さを省くことができる。
また、例えば、他方の端部が連結される基板を、基板側コネクタA493cよりも背面側に配置される後板部A480に配設するようにしても良い。この場合、配線HCを正面側に取り廻すために必要な長さを省くことができる。
上記第22実施形態では、駆動モータAMT1が一方向に駆動(励磁)されることで第2変位部材A490が退避位置から張出位置へ変位する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、伝達突部A463と当接する被検出板部A455eの端面から対向配置部A456b側へ向けて凹設するように構成し、ピン付きギアA462の回転角度が第6角度を超えて許容されるように構成しても良い。この場合、同位相部材A465が第4角度d14から許容角度dd1を超えて回転可能となることから、駆動モータAMT1を一方向に駆動(励磁)することで、第2変位部材A490を退避位置から張出位置へ変位させ、更に退避位置側へ戻り変位させることができる。これにより、駆動モータAMT1を駆動(励磁)する長さを切り替えることで、第2変位部材A490の変位態様を、退避位置から張出位置へ変位し配置が維持される態様と、退避位置から張出位置へ変位した後で更に退避位置側へ戻り変位する態様とで切り替えることができる。
上記第22実施形態では、上伝達経路UL1及び下伝達経路DL1をギアにより駆動力が伝達される経路として説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、カムでも良いし、ギアベルトでも良いし、直動のスライダでも良い。
上記第22実施形態では、回転体A720へ光を照射する電飾基板A715が平板状の部材から形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、可撓性の材料からシート状に形成されるシート状基板として構成しても良い。この場合、回転体A720へ光を照射する発光手段を有する基板を、回転体A720を囲う円周上に配置し易くすることができる。
上記第22実施形態では、回転体A720が遊技者から常時視認可能な位置に配置される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、回転体A720を遊技者が視認不能な視認不能位置に移動可能に構成されても良い。この場合、回転体A720を視認不能位置に配置した状態で、第1回転部材A721を第2回転部材A728に対して縦軸で横回転させ(第2回転部材A728は停止している)、その状態で同期回転を開始させ、回転を継続したまま遊技者から視認可能な位置まで移動させることで、回転中の第1回転部材A721と第2回転部材A728との相対関係に注目させることができる。これにより、停止時の第1回転部材A721及び第2回転部材A728の相対関係に遊技者にとって有益な情報(例えば、大当たり期待度)を対応付ける演出を実行する場合における、回転体A720の回転継続中の回転体A720への注目力を向上させることができる。
上記第22実施形態では、第1動作ユニットA400と第2動作ユニットA700とが独立して動作する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第2動作ユニットA700の演出ユニットA710を下端部から前方へ傾倒可能に構成し、第1動作ユニットA400の第2変位部材A490が張出位置の時に演出ユニットA710を昇降させることで互いに当接し負荷を受けることで演出ユニットA710が傾斜姿勢に変化するように構成しても良い。この場合、第2変位部材A490の配置によって演出ユニットA710の姿勢を変化させる演出を実行することができる。なお、演出ユニットA710を傾倒可能とする構成は何ら限定されるものではない。例えば、柔軟な部材で演出ユニットA710と昇降部とが連結されるようにしても良いし、昇降部に軸支されるように構成しても良い。
上記第22実施形態では、殻部A722が不透過な材料から構成され、第1回転部材A721の初期状態または第4状態において中央回転部材A724へ向けて照射される光を遮蔽する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、殻部A722が光透過性の部分を有するように構成しても良い。これにより、第1回転部材A721の姿勢と中央回転部材A724へ到達する光の光量との関係を細かく調整することができる。
上記第22実施形態では、固定ギアSGと歯合される環状ギア部材A723の回転軸が固定ギアSGの軸と交差する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、環状ギア部材A723が直線状に延びるラック形状とされても良いし(曲率半径が無限大に相当)、歯合されるギア部材の回転軸が固定ギアSGと平行に配置されても良い。歯合されるギア部材の回転軸が固定ギアSGの軸と交差する第1演出部材と、歯合されるギア部材の回転軸が固定ギアSGの軸と平行な第2演出部材とを組み合わせることで、複雑な演出を実行することができる。
上記第22実施形態では、拡散板A415の第1領域AC1が動作ユニットA300の外側寄りで形成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、電飾基板A416を正面視で外方から内方へ向けて凹むC字形状に形成することで、第1領域AC1を動作ユニットA300の内側寄りに形成し、第2領域AC2を動作ユニットA300の外側寄りの位置に形成しても良い。この場合、遊技者の視線を動作ユニットA300の外側寄りの位置に誘導し易くすることができる。
上記第22実施形態では、第2回転部材A728に対して左右および上方から光が照射される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、回転体A720の下方に電飾基板が配設され、その電飾基板に配設されるLED等の発光手段から照射される光が、第2支持部A735に導通され、第2支持部A735に支持される第2回転部材A728にまで到達し、第2回転部材A728を導通した後に遊技者に視認されるようにしても良い。この場合において、第2支持部A735と異なり第1回転部材A721を支持する第1支持部A731は光を透過し難いので、第1回転部材A721を光らせることなく、第2回転部材A728を光らせる演出を実行することができる。
これは、発光手段A715aから照射される光では実現困難な演出を想定している。即ち、発光手段A715aから照射される光の光軸KJは第1回転部材A721へ向かっており、第1回転部材A721と発光手段A715aとの間に配置可能な第2回転部材A728は光を透過するので、発光手段A715aから照射される光を第2回転部材A728のみに到達させ、第1回転部材A721に到達させないように制御することは困難である。従って、第2支持部A735を導通させて光を第2回転部材A728に到達させることで、発光手段A715aから照射される光では実現困難な演出を実行することができる。
上記第22実施形態では、回転軸内側に配置される第1支持部A731に支持される第1回転部材A721が、回転軸外側に配置される第2支持部A735に支持される第2回転部材A728の回転軸内側に配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第1回転部材A721が、第1支持部A731に支持される側の反対側が回転軸外側に延設され、その延設端側から第2回転部材A728を回転軸外側から覆うように回転軸と平行な方向に延設部が形成されても良い。この場合、回転軸内側で支持される第1回転部材A721を、第2回転部材A728の回転軸外側を回るように構成することができ、意外性のある演出を実行することができる。
上記第22実施形態では、中央回転部材A724が回転変位することで、発光手段A715aの光軸方向視における中央回転部材A724の面積が変化する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、中央回転部材A724が姿勢変化しない状態で膨張したり、内部から移動体が張り出したりすることで、発光手段A715aの光軸方向視における中央回転部材A724の面積が変化するように構成されてもいい。
上記第22実施形態では、中央回転部材A724と発光手段A715aとの間に介在する殻部A722が回転変位する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、所定の部材が中央回転部材A724と発光手段A715aとの間に直動(スライド移動)により進退するよう構成されても良い。また、その所定の部材に発光手段A715aが配設されるように構成しても良い。
上記第22実施形態では、発光手段A715aの光軸が常に中央回転部材A724へ向けられる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、発光手段A715aの光軸が中央回転部材A724の周囲で揺れ動くように構成され、所定のタイミングで中央回転部材A724へ向くように構成しても良い。
上記第22実施形態では、中央回転部材A724と殻部A722とが同じ駆動源で駆動される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、別駆動でも良いし、同じ駆動源で駆動されるタイミングと、別駆動のタイミングとが切り替えられるように構成しても良い。
上記第22実施形態では、第2回転部材A728が中央回転部材A724の左右に配置される発光手段A715aの光軸の全てとは重ならないように構成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第2回転部材A728が回転軸方向視で回転軸を通る平面を覆うように形成される板状部材から構成され、光軸の全てと重なるタイミングが生じるように構成しても良い。この場合、中央回転部材A724の左右に配置される発光手段A715aから光が照射される場合に第2回転部材A728の姿勢により中央回転部材A724が受ける影響を大きくすることができる。
上記第22実施形態では、第1回転部材A721の殻部A722が180度姿勢変化した場合に、正面視における形状が異なるように構成されているが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、180度姿勢変化した場合に、正面視における形状が同じになる形状から形成しても良い。これにより、第1回転部材A721の第2状態と第6状態とを、殻部A722の形状の違いから認識することをできなくすることができる。
上記第22実施形態では、発光手段A715aが仮想平面VS上に光軸KJを向けて配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、光軸KJが配置される平面を複数設定しても良い。また、この場合において、光軸KJが通る平面が回転体A720の回転軸を通らなくても良い。
上記第23実施形態では、スライド部材A2729が前後方向に変位する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第1回転部材A2721が前後方向に変位可能に構成されても良いし、発光手段A715が変位可能に構成され、発光手段A715の変位(前後方向に限らず、前後左右上下の混ざった変位でも良い)によって仮想平面VSが変化するように構成しても良い。いずれの場合であっても、正面視における第1回転部材A2721及びスライド部材A2729の外形(形状)の変化を抑制しながら、発光手段A715の点灯時における第1回転部材A2721の見え方を変化させることができる。
上記第24実施形態では、異形スライド部材A455に対するピン付きギアA3462の当接位置が円周方向に複数配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、伝達突部A463の突設先端部が大径に形成されることで、伝達突部A463が異形スライド部材A455と当接する位置と、外形突部A3464が異形スライド部材A455と当接する位置とが前後方向でずれるように構成しても良い。
上記第24実施形態では、異形スライド部材A455に対してピン付きギアA3462の複数の外径突部A3464が同じ位置で当接する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、突設板部A456aの長手方向(背面視で方向A416xと直交する方向)内側(被検出板部A455eの反対側)の端部から長手方向に沿って更に延設され、その延設された部分の側面と背面視で直交する壁部がピン付きギアA3462側に延びるように構成されても良い。
この場合において、上記直交する壁部を、円弧壁部A464とは当接せず、外径突部A3464とは当接するように配置することで、上記直交する壁部と外径突部A3464との当接時に、異形スライド部材A455が方向A416xと交差する方向に変位することを抑制しながら、ピン付きギアA3462に回転方向の負荷(制動させる方向の負荷)を生じさせることができる。
更に、第2案内孔A422bを、長手方向端部において短手方向に延びるように(L字形状に)変形することで、異形スライド部材A455が方向A416xと交差する方向に変位可能とし、その変位に連動して第1変位部材A440が変位するように構成しても良い。即ち、外径突部A3464に押進された異形スライド部材A455が、第2案内孔A422bの短手方向に延びる部分に進入することで、伝達突設部A455bが方向A416xに対して交差する方向に変位し、その変位が長尺リンクA451を介して第1変位部材A440へ伝達されるように構成しても良い。
この場合、異形スライド部材A455が第2案内孔A422bの短手方向に延びる部分に進入した場合に、第2案内孔A422bと被案内突設部A455cとを方向A416xで係合させることで、異形スライド部材A455の方向A416xに沿った変位を規制することができる。これにより、突設板部A456aと円弧壁部A464との当接が解除した後においても、異形スライド部材A455の方向A416xに沿った変位を規制することができる。
なお、異形スライド部材A455が第2案内孔A422bの短手方向に延びる部分に進入した場合に第1変位部材A440に生じる変位は何ら限定されるものではない。例えば、方向A416xに沿った変位を生じるように構成しても良いし、方向A416xと交差する方向への変位を生じるように構成しても良い。
上記第24実施形態では、外径突部A3464を半円形状で説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、矩形状でも良いし、三角形状でも良いし、半楕円形状でも良く、任意形状で良い。一方で、耐久性を考慮すれば、外径突部A3464の形状は、径外方へ向かうほど先細りする(幅が大きくならない)ように構成されることが好ましい。
なお、これは外径突部A3464の代わりとして凹部を形成する場合も同様である。即ち、形状は任意形状でよい一方で、径内方へ向かう程先細りする(幅が大きくならない)ように構成されることが好ましい。
外径突部A3464の形状は、回転軸を通る直線に対して対称形状でも良いし、非対称形状でも良い。この場合において、非対称形状で構成すると、第1変位部材A440の変位速度を方向ごとに変化させることができる。
例えば、外形突部A3464の背面視において、円弧壁部A464の延設先端側(円弧壁部A464の円周に沿って伝達突部A463の反対側)の側面の方が、延設基端側(円弧壁部A464の円周に沿って伝達突部A463側)の側面に比較して、円弧壁部A464の外周面に対する角度が小さくなるように構成しても良い。
この場合、ピン付きギアA3462を等速回転させる状況下で外径突部A3464と当接することで生じる第1変位部材A440の変位として、張出位置から退避位置の反対側(張出位置を超えて張り出す側)へ向けて変位する場合の速度に比較して、退避位置側へ向けて変位する場合の速度を大きくすることができる。即ち、第1変位部材A440の変位速度を、変位の方向ごとに変えることができる。
なお、第1変位部材A440が退避位置の反対側へ向けて変位する場合としては、外径突部A3464が突設形状であれば張出位置を超えて退避位置の反対側へ変位する場合が例示され、外形突部A3464の代わりに凹設部が形成される場合には、その凹設部の寸法分だけ異形スライド部材A455がスライド移動することに伴い第1変位部材A440が退避位置側へ変位した後で、円弧壁部A464の外側面に異形スライド部材A455が押し出されてスライド移動することに伴い第1変位部材A440が張出位置へ変位する場合が例示される。
また、第1変位部材A440が退避位置側へ向けて変位する場合としては、外径突部A3464が突設形状であれば、突設寸法分だけ異形スライド部材A455がスライド移動することに伴い第1変位部材A440が退避位置の反対側へ変位した後で、外径突部A3464と異形スライド部材A455との当接が解除されることで異形スライド部材A455がスライド移動することに伴い第1変位部材A440が張出位置(退避位置側)へ変位する場合が例示され、外形突部A3464の代わりに凹設部が形成される場合には、その凹設部の寸法分だけ異形スライド部材A455が変位することに伴い、第1変位部材A440が張出位置から退避位置側へ変位する場合が例示される。
上記第27実施形態では、本体板部A6561が後板部A480側に寄って配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、本体板部A6561が後板部A480から離れた位置(支持箱部A6470に寄った位置)に配設され、後板部A480側へ突設部A6562が突設されるようにしても良い。また、本体板部A6561は、薄肉(例えば、シート状)に構成されても良い。この場合、配線HCの変位する領域を広く確保することができる。
また、本体板部A6561が長尺形状から形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、本体板部A6561を幅広の板形状にしても良い。この場合、広い範囲で後板部A480と配線HCとの間に部材を配置することができるので、配線HCと本体板部A6561とが同期して変位することで擦れを抑制できる可能性を上昇することができる。
上記第27実施形態では、突設部A6562が本体板部A6561に固定配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、突設部A6562が本体板部A6561の長尺方向に変位可能に保持され、配線HCから受ける負荷で突設部A6562が変位することに応じて本体板部A6561Aが回転するように構成しても良い。即ち、例えば、突設部A6562が挿通される長孔(溝)が本体箱部A471に形成され、その長孔(溝)が、突設部A6562が本体板部A6561の長尺方向に変位することに伴い本体板部A6561を回転変位させる形状で形成されるようにしても良い。この場合、配線HCから配線案内部材A6560に与えられる負荷の大きさに応じて、配線案内部材A6560の配置を適切に変化させることができるので、配線HCと配線案内部材A6560との間に生じる負荷を程よく低減することができる。
また、本体板部A6561が回転可能に軸支される場合を説明したが、これに限られるものではない。例えば、スライド移動するものでも良いし、回転とスライドとを組み合わせた経路で移動するものでも良い。
なお、第2変位部材A490が往復回転変位する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第2変位部材A490がスライド変位するものでも良いし、第2回転部材A490が1回転以上の回転変位をするものでも良い。
上記第27実施形態では、配線案内部材A6560が支持箱部A6470の背面側に配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、本体板部A6561は支持箱部A6470の正面側に配置される一方で、支持箱部A6470に突設部A6562を案内する貫通長孔(本体板部A6561の回転軸を中心とする円弧形状に沿う長孔)が穿設され、その貫通長孔を通り突設部A6562が支持箱部A6470の背面側へ突き出るように構成しても良い。この場合、支持箱部A6470と後板部A480との間に本体板部A6561を配置する場合に比較して、本体板部A6561の体積分の空間を空けることができる。これにより、配線HCが変位する空間を確保し易くすることができると共に、本体板部A6561の設計自由度を向上することができる(例えば、支持箱部A6470と後板部A480との隙間寸法よりも肉厚の部材として構成することができる)。
本発明を上記各実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
<遊技者の押し込み方向を、奥から手前方向とするポイント>
遊技者が押し込み操作する操作手段を有する操作デバイスにおいて、その操作デバイスは、通常時の第1状態と、その第1状態よりも前記操作手段が遊技者に対して張り出した位置に配置される第2状態とを構成可能とされ、前記操作手段を第1状態から第2状態へ向けて付勢する付勢手段を備え、前記第2状態における操作手段の押し込み方向が遊技者にとって奥側から手前側へ向けた方向とされることを特徴とする遊技機A1。
パチンコ機等の遊技機において、遊技者が操作可能な操作手段が第1位置と第2位置との間を進退移動する態様で構成される遊技機がある(例えば、特開2014−144218号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、進出位置において遊技者に対して大当たりの期待感を高める態様で演出を行うことから、遊技者は進出位置にある操作手段を大きな加速度で操作し易くなるため、操作手段の強度を高く設計しておく必要があった。この場合、操作手段が全体として重くなり、操作手段を駆動させる駆動手段が大型化するという問題点があった。
これに対し、遊技機A1によれば、第2状態で押し込み操作する場合に、操作手段の押し込み方向が遊技者にとって奥側から手前側へ向けた方向とされるので、素直な上下の直動では操作仕切れない分を、遊技者の手と操作手段との間の滑りとして生じさせることにより、押し込みの勢いを逃がすことができる。
また、遊技者の遊技姿勢からして、肩や肘を中心に操作手段を押し込み操作する場合、手前方向へは力をかけづらくなるので、遊技者が操作手段にかける力を自然と弱めさせることができる。
遊技機A1において、前記操作デバイスは、遊技者にとって奥側に配置される軸棒を中心に回転可能とされ、その軸棒を中心に上下に傾倒動作可能に構成されると共に前記操作手段を有する傾倒手段を備え、その傾倒手段は、前記第2状態において前記操作手段を遊技者の反対方向へ向けて配置することを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、操作手段を有する傾倒手段を回転動作する態様で構成し、第2状態において操作手段を遊技者の反対方向へ向けて配置することにより、第2状態のときに、遊技者が操作手段を叩きつける操作を行うことを抑制することができる。
また、軸棒付近に手を置き、その位置を支点として手を傾倒動作させることにより、操作手段を押し込み操作し易い構成となるので、押し込みの加速度の付きにくい新たな押し込み操作の方法を提供でき、遊技者の押し込み操作により操作デバイスが破損することを防止することができる。
新たな押し込み操作の方法とは、例えば、左手小指の外側の側面を軸棒付近に置き、手の平が上下方向に起つ姿勢で手を操作手段付近に配置した状態から親指側を操作手段へ向けて倒す態様で操作する方法や、中指の先端を軸棒付近に置き、手の平が操作手段と対向配置する姿勢で配置した状態から、手の平を操作手段へ向けて落とす態様で操作する方法等が例示される。
遊技機A1又はA2において、前記第1状態において、操作手段の押し込み操作の方向が、上下方向とされることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A1又はA2の奏する効果に加え、第1状態における操作手段の押し込み操作の方向が上下方向とされるので、第1状態における操作性を確保しながら、第2状態での押し込み操作による破壊防止を図ることができる。
遊技機A3において、前記操作デバイスは、前記操作手段が自動動作可能に構成されると共に、その自動動作の駆動力を発生する駆動手段を備え、その駆動装置の駆動力は、遊技者が押し込み操作する方向へ作用し、その逆方向へは作用しない態様とされることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A3の奏する効果に加え、操作デバイスを自動動作させる駆動手段の駆動力が、押し込み操作方向にのみ作用するので、遊技者の操作方向と対向する方向へ駆動力が作用することを防止することができる。従って、駆動手段が遊技者の操作により損傷することを防止することができる。
例えば、ボタンを押し込み操作のみが可能な構成とすることで、ボタンを退避させる動作をおこなうときに逆方向に遊技者から引っ張られて、駆動手段が高負荷を受けることを防止することができる。
遊技機A4において、前記操作デバイスを第1状態または第2状態で維持する維持状態を形成可能とすると共に、前記駆動手段で動作する維持手段を備え、前記駆動手段は、偏心部分を介して前記操作手段に駆動力を伝達する回転手段を有し、前記維持手段を維持状態としたまま、前記回転手段が第1位相と、その第1位相と異なる第2位相とで位相変化可能とされ、それら第1位相と第2位相とでは、前記維持状態が解除された場合に前記操作手段が移動可能な範囲が変化され、それら第1位相と第2位相とのいずれにおいても、同一の回転により前記維持状態を解除可能に構成される遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A4の奏する効果に加え、維持手段を維持状態としたまま、駆動手段の位相を変化可能とされ、その変化後の位相において、維持状態を解除する動きを回転手段にさせることにより、付勢手段により操作デバイスが移動する移動幅を変化させることができる。従って、付勢手段による動作態様を複数通り構成することができる。
遊技機A5において、前記維持手段は、前記維持状態において前記付勢手段の付勢方向に移動可能とされ、その維持手段の移動速度が前記回転手段の回転速度に対応して増減する態様とされ、前記維持手段の移動に追従して前記操作手段が移動する態様で構成される遊技機A6。
遊技機A6によれば、遊技機A5の奏する効果に加え、付勢手段の付勢力の方向への移動は、その付勢力によってのみ生じていたために、移動の態様が一通りに限定されていた操作手段に対して、維持手段に追従して移動するという移動態様を追加することができるので、操作手段の移動態様の種類を増加させることができる。これにより、操作デバイスの注目度を向上させることができる。
遊技機A1からA6のいずれかにおいて、前記操作デバイスの内部に配設されると共に遊技者へ向けて光を照射する発光手段を備え、前記第1状態に比較して、前記第2状態の方が、遊技者視点において、前記操作手段の面積が減少すると共に、前記発光手段により照射される光の照射範囲が拡大されることを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、遊技機A1からA6のいずれかの奏する効果に加え、発光手段を備え、第1状態に比較して、第2状態の方が、遊技者視点において、発光手段により照射される光の照射範囲が拡大されると共に操作手段の面積が減少するので、遊技者に光に注目させることができ演出効果を向上させることができると共に、狙わなければ操作手段を押すことが困難である態様とすることで操作時の遊技者の力を軽減させることができる。
遊技機A7において、操作手段が非透過性の材料から構成され、操作手段が表示手段との間において表示手段と近接離反する移動を行うことにより前記発光手段の露光部分の面積が変化することを特徴とする遊技機A8。
遊技機A8によれば、遊技機A7の奏する効果に加え、操作手段が非透過性の材料から構成され、操作手段が表示手段との間において表示手段と近接離反する移動を行うことにより発光手段の露光部分の面積が変化するので、発光した光が表示手段に写り込み、表示手段の映像が見づらくなることを防止することができる。
<連打への対応を可能としながら、通常時の反発力は小とするポイント>
遊技者が終端位置までの操作を行うことが可能とされる操作手段を有する操作デバイスにおいて、第1状態と、その第1状態に比較して終端位置までの操作の可動域が広い第2状態とを形成可能とされ、第2状態から第1状態へ移動させる駆動力を発生する第1駆動手段を備え、第1状態から第2状態へ移動させる付勢力を発生する付勢手段を備える遊技機において、遊技者の操作に応じて、第1状態から第2状態へ向けて操作手段を移動させる駆動力を発生させる第2駆動手段を備えることを特徴とする遊技機B1。
パチンコ機等の遊技機において、遊技者が操作可能な操作手段が第1位置と第2位置との間を進退移動する態様で構成される遊技機がある(例えば、特開2014−144218号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、操作手段を初期位置に復帰する力はバネにより発生され、操作手段を自動動作させるのは駆動モータで行うところ、バネの弾性定数を低くした方が駆動モータの駆動力を低く抑えられるが、その場合、操作手段の復帰が遅くなり、遊技者の操作が速い場合に操作手段が遊技者の操作に追随しないので、遊技者が連打操作をしづらくなるという問題点があった。
遊技機B1によれば、付勢力を弱く設定する事で、第1駆動手段で操作手段を移動させる際にはモータの駆動力を低減できる一方で、操作手段の復帰を速くしたい場合には第2駆動手段で操作手段を押し戻すことで復帰を速くできるので、遊技者に連打操作を楽しませることができる。
遊技機B1において、所定時間内のストロークの操作手段のセンサ検出値により連打操作を行っているか否かの判別を行う連打判別手段を備え、その連打判別手段の検出値により、第2駆動手段を駆動させるか否かを決定することを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、連打判別手段の検出値により、第2駆動手段を駆動させるか否かを決定するので、遊技者が連打操作を行っていない(例えば、単発の押し込み操作や、長押し操作などを行っている)場合にまで第2駆動手段が動作し、遊技者が手を押し戻される負荷を感じることを防止することができる。
遊技機B2において、操作手段の位置を検出すると共に操作手段が終端位置に配置されたか否かを検出する終端検出手段と、操作手段が終端位置から所定量変化した位置に配置されたか否かを検出する位置差検出手段と、それら終端検出手段の検出値と位置差検出手段の検出値との時間関係から操作手段の移動の向きを判断する移動向き判断手段と、を備え、移動向き判断手段によって判断される移動の向きが押し込み終端から第1状態へ戻る向きである場合に、前記第2駆動手段が駆動されることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B2の奏する効果に加え、移動向き判断手段によって判断される移動の向きが押し込み終端から第1状態へ戻る向きである場合、即ち、遊技者の手がボタンから離反する方向に移動するタイミングで、前記第2駆動手段が駆動されるので、遊技者の動きにシンクロする形で操作手段を押し返す負荷を発生させることができる。
従って、遊技者の手の移動向きと対向する向きに第2駆動装置が動作して、遊技者の手に高負荷がかけられることを抑制することができる。
遊技機B1からB3のいずれかにおいて、第2駆動手段が、前記操作手段の前記第1状態と前記第2状態とを結ぶ方向に沿って振動変位するボイスコイルモータにより構成されることを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技機B1からB3のいずれかの奏する効果に加え、ボイスコイルモータの振動変位を効果的に利用して、操作手段を移動させる駆動力を発生させることができる。
遊技機B1からB3のいずれかにおいて、前記操作手段を支持する支持枠を備え、前記第2駆動手段は、偏心錘を回転させる駆動モータと、その駆動モータを前記支持枠に弾性的に支持する支持手段と、を備え、その支持手段は、前記操作手段が前記終端位置に近づくほどその操作手段を前記第1状態の位置から前記第2状態の位置へ向けて移動させる駆動力が大きくなる態様とされ、前記偏心錘は、前記操作手段が前記終端位置に配置された状態において前記支持枠に当接し、駆動力を発生させることを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、遊技機B1からB3のいずれかの奏する効果に加え、第2駆動手段による駆動力を、支持手段により発生する駆動力と、偏心錘と支持枠との当接により生じる駆動力とで別々に発生させることにより、駆動モータの回転を維持したままで、操作手段に与えられる駆動力の調節を行うことができる。このとき、駆動モータの回転を、開始または停止させる制御を行うことは不要であり、駆動モータの回転を維持したままで行うことができる。
遊技機B5において、前記偏心錘は、前記操作手段が前記終端位置に配置されることに基づいて、前記操作手段の移動方向で前記支持枠に対して近接動作し、前記支持枠と当接することを特徴とする遊技機B6。
遊技機B6によれば、遊技機B5の奏する効果に加え、偏心錘が操作手段の移動方向で支持枠に対して近接動作し、支持枠と当接するので、その当接により生じる反発力を利用して駆動モータを操作手段の移動方向で支持枠から離反する方向に移動させることができる。これにより、駆動モータを支持する支持手段ごと支持枠から離反する方向(操作手段に近接する方向)に移動するので、操作手段を押し戻す駆動力をより上昇させることができる。
<VCMを制動装置、兼、振動演出装置として用いるポイント>
操作手段の終端位置付近の位置を検出する検出センサを備え、その検出センサは、複数個のセンサから構成され、前記検出センサの検出間隔から操作手段の速度を測定する測定手段と、その測定手段により測定された測定値が所定の閾値以上か否かを判断する閾値判定手段と、操作手段の押し込み方向の反対方向へ向けた駆動力を発生する反発手段と、を備え、前記閾値判定手段により測定される閾値が所定の閾値以上である場合の方が、前記閾値判定手段により測定される閾値が所定の閾値以下の場合に比較して、前記反発手段が発生する駆動力が増加することを特徴とする遊技機C1。
パチンコ機等の遊技機において、遊技者が操作可能な操作手段が第1位置と第2位置との間を進退移動する態様で構成される遊技機がある(例えば、特開2014−144218号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、遊技者が軽く操作できることを重視すると操作抵抗が低くなり遊技者の操作により操作手段が破損する恐れがある一方で、固めに支持すると操作手段の動き自体を低速にでき操作手段が破損する可能性を低減させることができるが、遊技者の操作に必要な力が増加し、非力な遊技者にとっては操作手段の操作が負担となるという問題点があった。
これに対し、遊技機C1によれば、閾値判定手段により、操作手段の速度が閾値以上かを判定し、閾値以上である場合には、反発手段が発生する駆動力を増加させる態様で構成されるので、操作手段の速度が閾値以下の時の操作抵抗は軽くしつつ、必要時にのみ操作手段の減速を行うことができる。従って、反発手段により操作性の向上と、破壊防止とを図ることができる。
遊技機C1において、前記反発手段は、前記操作手段の押し込み方向の反対方向へ向けた駆動力を発生するボイスコイルモータを備え、閾値判定手段により測定される閾値が所定の閾値以上である場合に、前記ボイスコイルモータを伸張位置に押し出す制御が実行され、前記操作手段が前記ボイスコイルモータと当接可能な位置に配置されるよりも前に、前記ボイスコイルモータを予め駆動することを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、ボイスコイルモータを駆動制御し、操作手段の減速を行うことができると共に、操作手段がボイスコイルモータと当接可能な位置に配置される前にボイスコイルモータを駆動させておくことにより、操作手段とボイスコイルモータとの間で生じる衝撃を抑制することができる。
遊技機C1又はC2において、前記操作手段と前記ボイスコイルモータとが当接した後で、そのボイスコイルモータに流す電流を増強させる制御を行うことを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、遊技機C1又はC2の奏する効果に加え、操作手段とボイスコイルモータとが当接した後で、そのボイスコイルモータに流す電流を増強させる制御を行うことにより、操作手段とボイスコイルモータとの当接の瞬間に大きな負荷が生じることを抑制しながら、操作手段を制動させる度合いを徐々に向上させることができ、操作時に遊技者が感じる違和感を低減することができる。
遊技機C1において、前記反発手段は、前記操作手段と当接可能に配置され、前記操作手段の移動により変形する変形量に対応した駆動力をバネ弾性により発生させることを特徴とする遊技機C4。
遊技機C4によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、反発手段が変形量に対応した駆動力をバネ弾性により発生させるので、操作手段の移動速度が高速な場合でも、時間遅れなく駆動力を発生させることができる。
遊技機C4において、前記反発手段は、前記閾値判定手段により測定される値が所定の閾値以上である場合の方が、前記閾値判定手段により測定される値が所定の閾値以下の場合に比較して、前記反発手段の端部であって前記操作手段と当接する側の反対側の端部の移動可能領域が、狭められることを特徴とする遊技機C5。
遊技機C5によれば、遊技機C4の奏する効果に加え、反発手段の端部であって操作手段と当接する側の反対側の端部の移動可能領域が狭められることにより、操作手段の操作速度が速い場合の方が、反発手段が生じる弾性力を増加させることができる。
<クラッチで駆動力の伝達を遮断することにより、駆動手段の破損を防止>
遊技者が操作する操作手段を有する操作デバイスにおいて、その操作デバイスは、前記操作手段を動作させる駆動力を発生する駆動手段と、その駆動手段の駆動力を前記操作手段に伝達する伝達手段と、駆動力の伝達を解除する解除手段と、を備え、その解除手段は、前記伝達手段を介して前記駆動手段と前記操作手段との間に生じる負荷が所定量以上となった場合に駆動力の伝達を解除することを特徴とする遊技機D1。
パチンコ機等の遊技機において、遊技者が操作可能な操作手段が第1位置と第2位置との間を進退移動する態様で構成される遊技機がある(例えば、特開2014−144218号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、演出のために操作手段を自動で動作させる場合の、その自動動作中に、操作手段が操作された場合に、駆動系に大きな負荷が生じる恐れがあるという問題点があった。
これに対し、遊技機D1によれば、解除手段が、伝達手段を介して駆動手段と操作手段との間に生じる負荷が所定量以上となった場合に駆動力の伝達を解除する態様で構成されるので、操作手段が自動動作している場合に遊技者が操作手段を操作したとしても、駆動系への負荷の伝達が解除(不通と)され、駆動系にかけられる負荷を抑制することができる。
遊技機D1において、前記駆動手段は、第1方向への駆動と、その第1方向とは逆方向である第2方向への駆動とを可能とされ、前記第1方向への駆動中か、前記第2方向への駆動中かによらず、前記解除手段による解除が機能することを特徴とする遊技機D2。
ここで、駆動手段の動作方向によって駆動力の伝達を解除可能か否かが分かれる場合、駆動力の伝達を解除不能な動作方向で駆動手段を駆動する際に操作手段が遊技者に操作されると、駆動手段に大きな負荷が生じる恐れがある。そのため、操作手段を動作させて演出する際の演出自由度が低減される。
ボタンを第1位置と第2位置との間で駆動する場合に、駆動手段が正回転するか、逆回転するかにより、ボタンをロックするロック部材を解除方向へ移動させるか、その解除方向の逆方向へ移動させるかを切り替える。この場合、ボタンの動作を2態様つくることができる(解除パターンと、解除しないパターンとの2通り)が、その両方において、駆動力の不通は行われる必要がある。
これに対し、遊技機D2によれば、遊技機D1の奏する効果に加え、駆動手段の駆動方向によらず、駆動方向の両方向において、駆動力の伝達を解除(不通と)することができるので、操作手段を自動動作させる演出の、動作の自由度を向上させることができる。
なお、伝達の解除の方法としては、駆動手段の動作方向と交差する方向にクラッチが移動することが例示される。交差する方向とは、例えば、駆動手段が回転動作する場合の周方向を除く趣旨であって、クラッチが回転軸方向に移動しても良いし、径方向に移動しても良い。
遊技機D1又はD2において、前記駆動手段と前記伝達手段とを駆動力伝達が可能な状態へ付勢する付勢手段を備え、前記解除手段が、前記駆動手段と前記伝達手段との当接部にそれぞれ形成される凸設部分であると共に、それらが噛み合う状態において駆動力を伝達させる係合歯を備え、その係合歯は、前記駆動手段の動作方向と対向する両面が前記当接面から遠ざかるほど先細りする態様で前記当接面に対して傾斜する形状から構成されることを特徴とする遊技機D3。
遊技機D3によれば、遊技機D1又はD2の奏する効果に加え、付勢手段が駆動手段と伝達手段とを押し付け、その押し付けられる当接面において、解除手段が、噛み合った状態で駆動力を伝達する一方で、駆動手段の動作方向と対向する両面が当接面から遠ざかる程に先細りする態様で傾斜する係合歯を備えるので、係合歯同士の係合により、伝達手段を駆動手段から離反させることができ、これにより、駆動力の伝達を解除することができる。
また、駆動手段と伝達手段との間において、付勢手段による付勢力が常時かけられており、伝達手段が駆動手段から離反する際において係合歯を介して駆動手段の動作方向に付勢力による負荷がかけられる。そのため、駆動力が伝達される状態と、伝達が解除された状態との間で駆動手段にかけられる負荷が急変することを抑制することができる。
なお、係合歯の係合部分の大きさは、伝達手段が駆動手段から遠ざかる程、伝達手段の周方向において小さくなる。そのため、伝達手段と駆動手段との位相差が大きくなった際に、伝達手段の周方向に生じる負荷が、過大となることを防止することができる。
加えて、解除状態において、離れて完全に抵抗がなくなるのではなく、周期的に抵抗が復活する。これにより、遊技者が手を離すと、短時間の内にボタンを動作させ始めることができる。
即ち、「演出として」、ボタンが駆動する場合に、遊技者がボタンを把持していると、ボタンの動作の1フェーズを経過してしまう。そして、途中で遊技者が手を離した場合に、その1フェーズの終わりから動くのでは、ボタンが停止している期間が長くなるし、「遊技者の負荷が解けたから動き出した」感が削がれる。
これに対し、遊技機D3によれば、遊技者が手を離し、負荷が解除された後、短時間の内に操作手段を始動させることができる。これにより、遊技者の負荷が解けたから動き出した感を演出できる。
遊技機D1からD3のいずれかにおいて、前記伝達手段と前記解除手段との係合面は、互いに係合しあう鋸歯形状から形成されることを特徴とする遊技機D4。
遊技機D4によれば、遊技機D1からD3のいずれかの奏する効果に加え、遊技者からの負荷が解除された場合に解除手段を伝達手段との係合位置に早期に復帰し易くできる。即ち、係合面の先端部に、伝達手段と解除手段とが近接離反する方向に対して平行な平面が有る場合、伝達手段と解除手段とが、その平面で突き当たって、解除手段の、伝達手段に対して近接離反する方向に沿っての移動が停止されることを抑制することができる。そのため、遊技者からの負荷が解除された後に、操作手段を早期に動作開始させることができる。
遊技機D1からD4のいずれかにおいて、前記駆動手段を正方向に継続して動作させる場合と、前記駆動手段を逆方向に継続して動作させる場合とで、前記操作手段の動作態様が異なることを特徴とする遊技機D5。
遊技機D5によれば、遊技機D1からD4のいずれかの奏する効果に加え、操作手段の動作態様を複数用意しながら、いずれかの動作態様に限定されることなく、駆動力伝達の解除を行うことができる。
遊技機D5において、前記操作手段の動作態様は、前記駆動手段が正方向に動作するか逆方向に動作するかの違いがある場合に、前記駆動手段の動作開始時から所定期間の動作態様は同様で、その所定期間経過後の動作が異なることを特徴とする遊技機D6。
遊技機D6によれば、遊技機D5の奏する効果に加え、操作手段の動作態様で、駆動手段の動作方向の違いがある場合に、駆動手段の動作開始時から所定期間の動作態様は同様で、その所定期間経過後の動作が異なるので、操作手段に対する遊技者の注目力を向上させることができる。
ここで、操作手段の動作態様の違いを、大当たり期待度などの、遊技者にとって利益となる情報と絡めることにより、操作手段の動作態様が変化するまでの所定期間、遊技者に操作手段の動作を見守らせることができる。
また、この動作態様の違いは駆動手段の動作方向の違いにより生じるので、駆動手段の動作方向を予め確認できれば、遊技者は操作手段の動作を見守ることなく大当たり期待度などの違いを把握することができる。しかし、通常、駆動手段は遊技者から隠されるものであり、また、動作方向の違いは振動音などからは認識不可能なため、駆動手段の動作方向を予め確認することはできず、遊技者に操作手段の動作を見守らせることができる。
<カムの突起の位置を、カムの回転に基づいて変化させる>
遊技者が操作する操作手段を有する操作デバイスにおいて、その操作デバイスは、前記操作手段を動作させる駆動力を発生する駆動手段と、その駆動手段の駆動力を前記操作手段に伝達する伝達手段と、前記操作手段を第1位置と、その第1位置とは異なる第2位置との間で動作する態様で構成され前記操作手段の位置が前記第1位置から変化することを抑制する第1手段と、前記操作手段を前記第1位置から前記第2位置へ向けた方向へ付勢する付勢手段と、その付勢手段の付勢力により前記第1位置から第2位置へ向けて移動する操作手段の移動終端を変化可能に形成する終端手段と、を備える遊技機において、前記第1手段は、前記操作手段と係合することで前記操作手段の位置変化を抑制するものであって、前記第1手段の、前記操作手段との係合を解除する負荷を前記第1手段に与える解除負荷手段を備え、その解除負荷手段による係合の解除と、前記終端手段における前記操作手段の移動終端の変化とが、単一の駆動手段により行われることを特徴とする遊技機E1。
パチンコ機等の遊技機において、カムにより動作され、移動可能な操作手段を第1位置で固定し、その固定を解除負荷手段により解除することにより、付勢手段の付勢力で張出動作させると共に、その張出動作の変位量を終端手段により変化可能な遊技機がある(例えば、特開2014−144218号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、固定解除時のカムの位相により操作手段の張出動作の変位量を変えることから、固定解除時のカムの位相を様々に変化させることになるので、操作手段を移動させるカムと、固定を解除する解除負荷手段とが別々の駆動力で動作していた。従って、駆動手段が複数個必要であり、駆動手段の配置スペースが大きくなるという問題点があった。
これに対し、遊技機E1では、操作手段の固定を解除する解除負荷手段が、操作手段を駆動させる駆動手段により駆動される。これにより、終端手段により操作手段の終端位置を変化させる駆動手段と、解除負荷手段を動かす駆動手段と、を兼用できるので、駆動手段の個数を減少させることができる。
遊技機E1において、前記解除負荷手段の位置の変化が、前記伝達手段の動作に基づいて行われることを特徴とする遊技機E2。
遊技機E2によれば、遊技機E1の奏する効果に加え、解除負荷手段の位置の変化を伝達手段の動作に基づいて生じさせることができるので、伝達手段の動作量を検出することにより、解除負荷手段の状態を判定することができる。これにより、解除負荷手段の状態を検出する位置センサ等の検出手段の配設個数を削減することができ、部品個数を低減することができる。
なお、解除負荷手段の状態の切替方法としては、伝達手段をカムから構成し、解除負荷手段をそのカムと同軸で回転する突起から構成する場合において、カムと突起との回転周期をずらす方法や、カムが所定の位相に配置された場合においてカムの回転と突起の回転との同期を外し、その他の位相ではカムの回転と突起の回転とを同期させる方法などが、例示される。
遊技機E2において、前記解除負荷手段は、前記第1手段から与えられる負荷により、前記伝達手段に対して動作可能に配設され、その解除負荷手段の動作により、前記解除負荷手段と前記伝達手段とが同期動作するか否かが切り替えられることを特徴とする遊技機E3。
遊技機E3によれば、遊技機E2の奏する効果に加え、解除負荷手段が第1手段からの負荷により伝達手段に対して動作可能に配設され、その解除負荷手段の動作により、解除負荷手段と伝達手段とが同期動作するか否かが切り替わるので、部材を追加することなく解除負荷手段と伝達手段との同期状態を変化させることができる。
遊技機E2において、前記伝達手段は、回転する第1回転部材を備え、その第1回転部材の回転軸に対して偏心して前記操作手段が支持され、前記解除負荷手段は、回転する第2回転部材を備え、前記第1回転部材と、前記第2回転部材との回転周期が異なることを特徴とする遊技機E4。
遊技機E4によれば、遊技機E2の奏する効果に加え、第1回転部材と第2回転部材とは単一の駆動手段により動作するが、回転周期が異なるので、第2回転手段が所定の位相で第1手段と当接することにより第1手段が解除される場合の、第1回転部材の位相を複数種類用意することができる。
本構成によれば、操作手段が第1位置で維持された状態から、第1手段の作用が解除され、第2位置へ向けて移動する場合の、終端位置を複数種類用意することができるので、演出の幅を広げることができる。例えば、終端位置を第1位置から徐々に離す演出や、第1位置へ徐々に近づける演出を、同様の構成で実現することができる。
<ソフトケースに支持される振動装置>
遊技者が操作する操作手段を有する操作デバイスにおいて、その操作デバイスは、前記操作手段が第1位置と、その第1位置から遊技者が操作を行うことにより前記操作手段が到達する第2位置との間を移動可能に構成され、振動する振動部を有する振動手段と、前記振動部と当接可能に配置される受け手段と、を備える遊技機において、前記操作手段が前記第1位置に配置されると、前記振動部が前記受け手段に当接不能な離間状態となる一方で、前記操作手段が前記第2位置に配置されると、前記振動部が前記受け手段に当接可能な当接状態となることを特徴とする遊技機F1。
パチンコ機等の遊技機において、遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段または遊技機の框体を介して遊技者に振動を伝える振動手段とを備える遊技機がある(例えば、特開2014−144218号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、操作手段を操作しているか否かに関わらず、振動手段が振動すると、その振動が操作手段または遊技機の框体に伝達されることから、その操作手段または遊技機の框体に触れる遊技者に伝達されるので、操作手段を操作した直後に振動を伝達させるという演出を行う場合、操作手段の操作を検出してから振動手段を動作させる必要がある。そのため、遊技者が操作手段を操作した後、操作手段から手を離す前に振動手段を動作させる必要があり、遊技者の操作の態様(例えば、操作手段を押し込んだ瞬間に離すというような操作の態様)によっては、振動の開始が手を離す前に間に合わないことがあり、振動に遊技者が気付かない恐れがあるという問題点があった。
これに対し、遊技機F1によれば、操作手段が第1位置に配置されるか、遊技者に操作され第2位置に配置されるかによって、振動部が受け手段に当接するか否かが変化するので、振動部を継続的に振動させる場合においても、遊技者が操作手段を操作することにより初めて振動を遊技者に感じさせることができる。また、振動部の振動は遊技者が押し込み操作する前から生じているので、遊技者の操作の態様に関わらず、遊技者が手を離す前から振動部を振動させておくことができ、遊技者に振動を伝達させることができる。
遊技機F1において、前記振動手段は、前記離間状態において、前記操作手段が前記第2位置に配置された場合に占める占有領域に張り出して配置され、前記操作手段が前記第2位置へ移動することにより、前記振動手段が前記占有領域から出されることにより、前記当接状態へ変化することを特徴とする遊技機F2。
遊技機F2によれば、遊技機F1の奏する効果に加え、操作手段の移動に基づいて振動手段が移動することにより、離間状態から当接状態へ変化するので、操作手段の移動の程度によって、操作手段または受け手段と、振動部との当接強度を変化させることができ、伝わる振動の強度も変化させることができる。従って、遊技者の操作強度に対して、伝わる振動の強度を変化させる演出を、特段の駆動態様の変化無く、振動手段を同様に振動させることで行うことができる。
遊技機F1又はF2において、前記振動手段が、バネ弾性を有する支持手段を介して前記受け手段に支持されることを特徴とする遊技機F3。
遊技機F3によれば、遊技機F1又はF2の奏する効果に加え、支持手段によって、振動手段の振動が受け手段に伝達されることを抑制しながら、受け手段に対する位置決めを行うことができる。これにより、受け手段と振動手段とを離間させ、振動の伝達を防止することができると共に、振動時に振動手段に生じる変位を抑制することができる。
遊技機F3において、前記当接状態において、前記振動部の振動に基づいて、前記支持手段が伸縮することを特徴とする遊技機F4。
遊技機F4によれば、遊技機F3の奏する効果に加え、支持手段の弾性を利用して、振動部と受け手段との当接時に生じる負荷を増加させることができる。即ち、支持手段の伸縮により、振動部が受け手段に近接する方向に移動する際に、勢いを付けることができる。
遊技機F3において、前記支持手段は、前記操作手段の動作方向に沿った変形抵抗が、前記操作手段の動作方向と垂直な方向の変形抵抗に比較して低くされることを特徴とする遊技機F5。
遊技機F5によれば、遊技機F3の奏する効果に加え、支持手段の変形抵抗の違いによって、操作手段が操作され支持手段と干渉した場合に、支持手段が変形する方向を細かく設定することができる。
これにより、操作手段の移動量の違いが僅かであっても、支持手段の伸縮量に違いを持たせることができ、振動部と受け手段との間で生じる負荷に違いを持たせることができる。
なお、変形抵抗を異ならせる方法としては、支持手段が振動手段を囲うゴム部材から構成される場合において操作手段の動作方向に沿ってゴム脚を延設する方法や、支持手段が振動手段を囲うゴム部材から構成される場合においてゴム部材を二色成型で製造し方向ごとの変形抵抗を変化させる方法や、支持手段を、操作手段を動作方向に沿った方向に動作するようにガイドするレールと、操作手段の動作方向に沿って振動手段を付勢するコイルスプリングと、から構成する方法などが例示される。
遊技機F3において、前記振動部が当接する部分が、前記受け手段であって、前記受け手段が前記操作手段とは別手段として構成されることを特徴とする遊技機F6。
遊技機F6によれば、遊技機F3の奏する効果に加え、操作手段を介して遊技者に振動が伝わるのでは無く、操作手段とは別手段である受け手段を介して遊技者に振動が伝わるので、振動手段の振動が操作手段と伝達手段とを介して駆動手段に伝わることを抑制することができるので、駆動手段に負荷がかかる状態となることを抑制することができる。これにより、駆動手段の耐久性を向上させることができる。
また、操作手段を操作する遊技者の手に振動が伝わることを抑制できるので、操作時に、振動に驚いた遊技者が操作を止めてしまうことを防止することができる。
なお、受け手段としては、例えば、遊技機の框体の部分の内、遊技球が供給される上皿付近の部分や、ガラス枠の縁部分など、遊技中に遊技者が、意識せずに手を触れる可能性がある部分や、操作手段を部分的に囲う収容部分等が例示される。
<カムと軸とのワンタッチ取り付け。取り付け部分で形状変形(弾性変形)可能>
遊技者が操作する操作手段を有する操作デバイスにおいて、その操作デバイスは、前記操作手段が第1位置と、その第1位置と異なる第2位置との間を移動可能に構成され、前記操作手段を駆動させる駆動力を発生させる駆動手段と、その駆動手段の駆動力を前記操作手段に伝達する伝達手段と、を備え、前記伝達手段は、過負荷により弾性変形する変形部を備えることを特徴とする遊技機G1。
パチンコ機等の遊技機において、遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段を駆動する駆動力を発生させる駆動手段と、その駆動手段から操作手段へ駆動力を伝達させる伝達手段と、を備える遊技機がある(例えば、特開2014−144218号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、操作手段を遊技者が把持固定した場合に、駆動手段が操作手段を駆動させる駆動力を発生させると、伝達手段と操作手段との連結部分や、伝達手段と駆動手段との連結部分に負荷が蓄積され、これらの連結部分が破損する恐れがあるという問題点があった。
これに対し、遊技機G1によれば、操作デバイスに過負荷がかけられた場合、伝達手段の変形部が弾性変形することにより、操作手段と伝達手段との連結部分や、駆動手段と伝達手段との連結部分に与えられる負荷を緩和することができる。
遊技機G1において、前記伝達手段が、回転可能に支持されるカム部材を備え、前記変形部が、前記カム部材の回転軸との連結部分を構成し、前記変形部の弾性により、回転軸への固定力が生じることを特徴とする遊技機G2。
遊技機G2によれば、変形部が、伝達手段の回転軸に対するカム部材の弾性変形を担う部分としての役割と、回転軸に対するカム部材の支持力を発生する部分としての役割と、を備える。そのため、機能の兼用により、伝達部材の構成を簡素化することができる。例えば、eリングなどの個別の固定部材を省略できる。
遊技機G2において、前記カム部材は、回転軸と平行に凸設される凸設部を備え、その凸設部と前記操作手段とが連結され、前記変形部の弾性変形は、前記カム部材に対して前記回転軸が傾倒する態様とされることを特徴とする遊技機G3。
ここで、伝達手段の弾性変形は、例えば、凸設部をカム部材の周方向に沿って変位させることによっても行うことができる。しかし、この場合、カム部材と凸設部とを1部材で構成することが困難となり、部材個数が増加する恐れがある。
これに対し、遊技機G3によれば、遊技機G2の奏する効果に加え、変形部の弾性変形は、カム部材に対して回転軸が傾倒する態様とされるので、凸設部をカム部材に対してスライド移動させる場合に比較して、カム部材を単一部材から容易に構成でき、部材の簡素化をすることができる。
遊技機G3において、前記変形部の弾性変形の抵抗が、前記カム部材を、前記回転軸と前記凸設部とを結ぶ直線を軸に回転させる第1回転方向に比較して、前記回転軸と前記凸設部とを結ぶ直線と前記回転軸の延設方向との両方に対して直角な直線を軸に回転させる第2回転方向の方が、変形抵抗が大きくなることを特徴とする遊技機G4。
遊技機G4によれば、遊技機G3の奏する効果に加え、変形部の変形抵抗を、方向ごとに異ならせることによって、回転軸方向視において、変形部が弾性変形した後の状態の方が、弾性変形する前の状態に比較して、凸設部の凸設先端をカム部材の周方向に沿った方向へ変位させることができる。これにより、カム部材の凸設部が移動しようとする方向に沿って凸設部を変位させることができるので、変形部の弾性変形により、凸設部と操作手段との間に生じる負荷を緩和することができる。
遊技機G3又はG4において、前記カム部材の回転軸と平行な方向に沿って所定距離だけ離間配置される摩擦部材を備え、前記変形部が弾性変形することにより、前記カム部材が姿勢変化し、前記カム部材と前記摩擦部材とが当接することを特徴とする遊技機G5。
遊技機G5によれば、遊技機G3又はG4の奏する効果に加え、操作手段に過負荷が与えられると、変形部が弾性変形することにより、カム部材が姿勢変化され、カム部材と摩擦部材とが当接するので、カム部材自体の動作抵抗を増加させることができ、これにより、カム部材と操作手段との連結部分にかけられる負荷を低減することができる。
遊技機G3からG5のいずれかにおいて、前記カム部材の少なくとも一部が軸に対して傾斜変位することを検出する検出手段を備えることを特徴とする遊技機G6。
ここで、操作デバイスに過負荷が与えられ、駆動手段が動作しているのに操作手段が動作していない状況において、例えば、駆動手段の駆動により予想される変位と、操作手段の実際の変位とのずれを根拠として過負荷が生じていることを検出する場合、過負荷の発生を検出するまでに、駆動手段を所定期間駆動させる必要がある。この期間は、変位のずれを検出する検出手段の配置間隔が小さい程、短くできるが、検出手段の配置間隔を小さくする程、検出手段の構成が複雑になり、高価になってしまう。そのため、安価に、尚かつ、過負荷の発生を早期に検出する構成とすることが困難であるという問題点があった。
これに対し、遊技機G6によれば、遊技機G3からG5のいずれかの奏する効果に加え、検出手段が、カム部材の少なくとも一部が軸に対して傾斜変位したか否かを検出することで、検出手段の追加個数を抑えながら、駆動手段を所定期間駆動させる必要なく、検出手段がカム部材の少なくとも一部を検出すると同時に過負荷が生じていると判定することができる。これにより、過負荷の発生時に、駆動手段にかけられる負荷を低減することができる。
<糸付き球ゴト防止構造。遊技機H>
遊技領域へ発射された遊技球の内、発射装置へ向けて戻り流下するファール球が通過可能なファール球通路を備える遊技機において、そのファール球通路は、流下する遊技球の通過は許容すると共に逆流する物体の進行を妨害する一方向妨害手段を備えることを特徴とする遊技機H1。
パチンコ機等の遊技機において、上皿から発射装置へ遊技球を案内する案内経路内部に糸切り刃を配設し、糸が連結された遊技球を遊技領域内へ打ち込むことで行われる不正行為を防止する(糸を切断する)機能を備えた遊技機がある(例えば、特開2015−024179号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、発射時に糸が糸切り歯に押し付けられ、その際に生じる張力で糸を切断するところ、遊技球の発射強度が弱い場合、糸を切断しきれないまま遊技球がファール球として遊技者側へ返却されることがある。そのため、例えば、糸の両端に遊技球を連結した不正道具を用意し、糸の一端に連結された一方の遊技球を発射強度弱で発射することでファール球通路へ流し、遊技者側へ返却されたその一方の遊技球を把持した状態で、糸の他端に連結された他方の遊技球を遊技領域へ打ち込むことで、案内経路からは糸を外すことができると共に、ファール球通路を通して一方の遊技球と他方の遊技球とが糸で連結された状態を作ることができるので、他方の遊技球に連結された糸に外部から負荷を与え、遊技領域内に配置される他方の遊技球を操り、不正の利益を得ることができる虞があるという問題点があった。
これに対し、遊技機H1によれば、ファール球通路を通して遊技領域に案内された糸を利用して他方の遊技球に負荷を与える不正行為が行われた場合であっても、一方向妨害手段が、遊技球の逆流方向への糸の移動を妨害することにより、不正の利益を発生し難くすることができる。
遊技機H1において、前記ファール球通路は、遊技球の流下経路を折り曲げる折曲部を備えることを特徴とする遊技機H2。
遊技機H2によれば、遊技機H1の奏する効果に加え、遊技球の経路に沿って案内される糸を折曲部と擦れさせることができるので、糸を早期に切断できる。
遊技機H2において、前記折曲部は、折れ曲がりの内角側に、流下する遊技球に負荷を与えず、逆流する前記物体に負荷を与える負荷手段を備えることを特徴とする遊技機H3。
遊技機H3によれば、遊技機H2の奏する効果に加え、負荷手段によって、逆流する物体(例えば、糸状の部材)に負荷を与えることができる。
遊技機H3において、前記負荷手段は、遊技球の直径未満の幅で凹設される凹設部に配置されることを特徴とする遊技機H4。
遊技機H4によれば、遊技機H3の奏する効果に加え、凹設部の凹みに遊技球が入り込むことを防止することで、負荷手段と遊技球とが衝突することを避け、負荷手段が破損することを防止することができる。
遊技機H3又はH4において、前記ファール球通路の外方への前記負荷手段の移動を規制する規制手段を備えることを特徴とする遊技機H5。
遊技機H5によれば、遊技機H3又はH4の奏する効果に加え、規制手段により、負荷手段のファール球通路の外方への移動が規制されるので、糸状の部材と負荷手段との間で負荷が生じる際に、負荷手段がファール球通路の外方へ変形することで、糸上の部材に与えられる負荷が弱まることを防止することができる。
遊技機H1からH5のいずれかにおいて、ファール球が前扉の手前側において初めに到達する皿である受容皿を備え、その受容皿に、払出装置から払い出される遊技球を排出する部分である払出球排出部は、前記ファール球通路の排出側出口よりも上方に配置されることを特徴とする遊技機H6。
遊技機H6によれば、遊技機H1からH5のいずれかの奏する効果に加え、払出装置から払い出される遊技球がファール球通路の排出側出口の手前を通る態様とすることで、ファール球通路を通して遊技領域に案内された糸を利用して他方の遊技球に負荷を与える不正行為が行われた場合に、払い出される遊技球を意図的に当てて、負荷を与え、糸の耐久性を低下させることができる。
遊技機H1からH6のいずれかにおいて、ファール球が前扉の手前側において初めに到達する皿である受容皿に、払出装置から払い出される遊技球を排出する部分である払出球排出部の下端は、前記ファール球通路の排出側出口の下端よりも下方とされることを特徴とする遊技機H7。
遊技機H7によれば、遊技機H1からH6のいずれかの奏する効果に加え、ファール球通路を通して遊技領域に案内された糸を利用して他方の遊技球に負荷を与える不正行為が行われた場合に、払い出される遊技球により糸に損傷を与えやすくすることができる。
<盤面押さえの構造。遊技機I>
遊技中に使用される遊技手段と、その遊技手段と対向する側である一側が開口し、その一側から遊技手段を受け入れ可能な受入手段と、を備え、その受入手段は、前記遊技手段を使用不可能な状態である使用不可能状態から、前記遊技手段を使用可能な状態である使用可能状態にすることができる状態変化手段を備え、その状態変化手段は、前記遊技手段を前記使用状態とする際に、前記遊技手段に対して前記一側から近接する近接手段を備えることを特徴とする遊技機I1。
パチンコ機等の遊技機において、遊技盤の前面に平行な回転方向で回転可能とされ、遊技盤を内枠に固定する固定状態と、遊技盤を内枠から取り外し可能な解除状態とで状態変化する固定手段を備える遊技機がある(例えば、特開2005−230420号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、遊技盤を使用状態の位置に押し込んだ後でのみ固定手段が状態変化可能に構成されるので、遊技盤の押し込みが中途半端だった場合に、再度の押し込みという繰り返しの作業を行う必要が生じ、作業効率が低下する虞があるという問題点があった。
これに対し、遊技機I1によれば、状態変化手段が、遊技手段を使用状態とする際に遊技手段に対して受け入れ側(一側)から近接する近接手段を備えるので、遊技盤の押し込みが中途半端であったとしても、近接手段が遊技盤と当接し、押進力を付加することで、遊技盤を使用状態の位置まで押し込むことができるという効果を奏する。
遊技機I1において、前記状態変化手段は、前記遊技手段を使用不可能とする使用不可能状態に状態変化することに伴い、前記遊技手段を前記一側へ変位させることを特徴とする遊技機I2。
遊技機I2によれば、遊技機I1の奏する効果に加え、遊技手段が使用不可能状態に状態変化されることに伴い、遊技手段が受け入れ側(一側)へ変位するので、遊技手段の取り外し作業の作業効率を向上させることができるという効果を奏する。
遊技機I1又はI2において、前記状態変化手段は、前記遊技手段を使用不可能とする使用不可能状態とすることに伴い、前記近接手段が、前記遊技手段の外方へ退避することを特徴とする遊技機I3。
遊技機I3によれば、遊技機I1又はI2の奏する効果に加え、近接手段が遊技手段の外方へ退避するので、遊技手段の取り外し作業の作業効率を向上させることができると共に、それが遊技手段を使用不可能状態とすることに伴い行われるので、作業効率をより向上させることができる。
遊技機I1からI3のいずれかにおいて、前記状態変化手段は、使用可能状態へ状態変化する際に前記遊技手段から負荷を受ける当接手段を備える遊技機I4。
遊技機I4によれば、当接手段が遊技手段から負荷を受けることで状態変化手段が使用可能状態へ状態変化するので、状態変化手段に遊技手段を押しつける操作により、一連の流れとして使用可能状態へ状態変化させることができる。
遊技機I4において、前記遊技手段は、前記受入手段の一側を軸に支持され、他側を近接されることで前記受入手段に受け入れられるように構成され、前記状態変化手段は、前記受入手段の前記他側に配設されることを特徴とする遊技機I5。
遊技機I5によれば、遊技機I4の奏する効果に加え、遊技手段の幅寸法を利用して、遊技手段を介して当接手段に効率的に負荷を与えることができる。
遊技機I1からI5のいずれかにおいて、前記受入手段の前記一側の開口を閉塞する閉塞手段を備え、その閉塞手段は、前記状態変化手段が、前記遊技手段を使用不可能とする使用不可能状態を維持する際には、前記遊技手段の一側の開口を閉塞不能とする閉塞規制部を備えることを特徴とする遊技機I6。
遊技機I6によれば、遊技機I1からI5のいずれかの奏する効果に加え、閉塞手段が遊技手段の一側の開口を閉塞できるか否かにより、状態変化手段が遊技手段を使用可能状態とするか否かを判別することができる。これにより、遊技手段が使用不可能状態を維持しているにも関わらず、閉塞手段が遊技手段の一側の開口を閉塞する事態の発生を防止することができる。
<逆カップとハーネスバンドとで、ピアノ線ゴト防止。遊技機J>
遊技中に使用される遊技手段と、その遊技手段と対向する側である一側が開口し、その一側から遊技手段を受け入れ可能な受入手段と、を備え、その受入手段は、前記遊技手段と外部との間で連通される経路に配設される配置手段を備え、その配置手段は、外部からの物体の進入を複数個所で抑制可能に構成されることを特徴とする遊技機J1。
パチンコ機等の遊技機において、正面枠の回転軸側からピアノ線を挿入する不正行為に対する不正防止を図るための不正防止部を備える遊技機がある(例えば、特開2016−26573号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、不正防止部が1箇所にしかなく、不正防止の効果が十分でないという問題点があった。
これに対し、遊技機J1では、ピアノ線が挿入される虞のある経路に配置手段が配設され、その配置手段は、ピアノ線の進入を複数個所で抑制可能に構成されるので、不正防止の効果を向上させることができる。
遊技機J1において、前記配置手段は、第1の箇所において外部からの部材の進入を抑制する第1手段と、第2の箇所において外部からの部材の進入を抑制する第2手段とが、異なる方法で外部からの部材の進入を抑制することを特徴とする遊技機J2。
遊技機J2によれば、遊技機J1の奏する効果に加え、配置手段が、第1の箇所と、第2の箇所とで、外部からの部材の進入を抑制する方法が異なるので、単に配置手段の数を増やした場合に比較して、外部からの部材の進入を更に抑制することができる。
なお、外部からの進入を抑制する方法は何ら限定されるものでは無い。例えば、経路を塞ぐことで進入を抑制する方法でも良いし、熱を検出して警報を鳴らすことで不正行為を抑制する方法でも良い。
遊技機J1又はJ2において、前記配置手段は、前記受入手段の外方へ向けて開放されるカップ形状から形成される侵入規制部を備えることを特徴とする遊技機J3。
遊技機J3によれば、遊技機J1又はJ2の奏する効果に加え、侵入規制部がカップ形状から形成されることにより、侵入してきた部材の、それ以上の侵入を防止することができる。
遊技機J3において、前記配置手段は、電気配線を支持する支持手段を備え、その支持手段は、前記外部から前記遊技手段へ向かう経路において、前記進入規制部よりも下流側に配置されることを特徴とする遊技機J4。
遊技機J4によれば、遊技機J3の奏する効果に加え、進入規制部を高熱により貫通させる不正の発生時に、その高熱により配線に生じる変化(熱による断線等)を検出することで外部からの部材の進入を抑制する効果を生じやすくすることができる。
遊技機J1からJ4のいずれかにおいて、前記配置手段は、外部から進入した部材を、遊技手段から遠い解消領域へ案内する解消手段を備えることを特徴とする遊技機J5。
遊技機J5によれば、遊技機J1からJ4のいずれかの奏する効果に加え、配置手段により外部から進入した部材が遊技手段から遠い解消領域へ案内されるため、外部から進入した部材の進入の度合いが強くなったとしても、外部から進入した部材が遊技手段へ到達することを防止することができる。
<5枚構造の装飾板の構造。不正防止も絡めて。遊技機K>
第1方向に沿って対向配置されると共に少なくとも一の辺が連結される第1手段および第2手段と、前記第1方向に沿って前記第1手段と第2手段との間に配設される第3手段と、を備える遊技機において、前記第1手段および第2手段を連結する連結部を備え、その連結部の連結方向が、前記第1方向と交差する第2方向に設定されることを特徴とする遊技機K1。
パチンコ機等の遊技機において、対向配置されると共に少なくとも一の辺で連結される第1手段および第2手段と、第1方向に沿って第1手段と第2手段との間に配設される第3手段と、を備える遊技機がある(例えば、特開2016−26573号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、接着やビス止めなどの既存の方法で各部材の連結が行われるところ、第1手段と第2手段との連結時に、第1方向に沿った負荷が第3手段にかけられ、第3手段が破損する虞があるという問題点があった。
これに対し、遊技機K1によれば、第1手段および第2手段を連結する連結部の連結方向が、第1方向と交差する第2方向に設定されるので、第3手段に第1方向からかけられる負荷を低減することができる。これにより、第3手段が破損することを防止することができる。
遊技機K1において、前記連結部は、前記第3手段と離間して配置されることを特徴とする遊技機K2。
遊技機K2によれば、遊技機K1の奏する効果に加え、連結部から第3手段へ負荷が与えられることを防止することができる。
遊技機K1又はK2において、前記第1手段および第2手段の他の辺と連結固定される被連結手段を備え、前記第1手段および第2手段の前記一の辺は、前記被連結手段に近接する第3方向に前記第1手段に対して前記第2手段を変位させ、互いに嵌合させることで連結されることを特徴とする遊技機K3。
遊技機K3によれば、遊技機K1又はK2の奏する効果に加え、第1手段および第2手段の他の辺と連結される被連結手段を備え、第1手段および第2手段の一の辺は、被連結手段に近接する第3方向に第1手段に対して第2手段を変位させることにより生じる嵌合により連結固定されるので、第3方向と交差する方向に向けた第1手段および第2手段の分解に対する抵抗を向上させることができる。
遊技機K3において、前記第1手段および第2手段の前記一の辺が、外方に露出して配置されることを特徴とする遊技機K4。
遊技機K4によれば、遊技機K3の奏する効果に加え、第1手段および第2手段の一の辺が、外方に露出して配置されるので、嵌合部分の状態を容易に確認することができる。これにより、嵌合部分を破壊して、第1手段および第2手段を分解する不正行為が生じた場合であっても、その不正行為の発覚を早めることができる。
遊技機K3又はK4において、前記第1手段および第2手段は、前記被連結手段に締結固定され、その締結固定の方向は、前記第3方向と同方向であることを特徴とする遊技機K5。
遊技機K5によれば、遊技機K3又はK4の奏する効果に加え、第1手段および第2手段と、被連結手段との締結方向が、第3方向と同方向に設定されるので、締結による締め強度により、嵌合強さを補強することができる。
遊技機K3からK5のいずれかにおいて、前記第1手段または第2手段側へ向けて光を照射すると共に前記被連結手段に固定される光照射手段と、前記第1手段または第2手段の一方の部材に固定されると共に前記光照射手段が照射した光を内部に導入可能に構成される導光手段と、を備えることを特徴とする遊技機K6。
遊技機K6によれば、遊技機K3からK5のいずれかの奏する効果に加え、第1手段および第2手段と、導光手段との位置ずれを防止することができる。
遊技機K6において、前記第1手段または第2手段の他方の部材と、前記導光手段との対向する領域に、面当接する当接手段を備えることを特徴とする遊技機K7。
遊技機K7によれば、遊技機K6の奏する効果に加え、第1手段または第2手段の他方の部材と、導光手段との対向領域に、当接手段の寸法分の間隔を維持することができる。これにより、第1手段または第2手段が対向方向に負荷を受け変位した場合に第1手段または第2手段の他方の部材と、導光手段との間の間隔が変化することを防止することができる。
これにより、第1手段または第2手段が不正に分解を試みられる際に、対向方向に負荷を受けたとしても、第1手段、第2手段および導光手段の位置関係が変化することを防止することができる。
<湾曲する導光手段を活用するポイントL。ポイントとしては、未達>
内部を通過する光の照射方向視で湾曲波状に形成される導光手段と、その導光手段と対向配置され前記導光手段を通過した光が投影される被投影手段と、を備え、前記被投影手段は、前記導光手段の凹面部と対向配置される凹面対向部と、前記導光手段の凸面部と対向配置される凸面対向部とを備えることを特徴とする遊技機L1。
パチンコ機等の遊技機において、端面より入れた光を均一に面発光させる導光板を備える遊技機がある(例えば、特開2016−26573号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、導光板は平面板状に形成されるので、面発光する光の強度を部分的に変化させるためには、入射する光の強度を変化させる必要があるという問題点があった。
これに対し、遊技機L1によれば、被投影手段が凹面対向部と、凸面対向部とを備えるので、導光手段に入射される光の強度を一定としても、凹面対向部と、凸面対向部とで、被投影手段の発光強度を変化させることができる。
遊技機L1において、前記被投影手段は、前記凹面対向部が光透過性の材料から構成され、前記凸面対向部が、前記凹面対向部よりも光を透過し難い材料から構成されることを特徴とする遊技機L2。
遊技機L2によれば、遊技機L1の奏する効果に加え、凸面対向部を透過する光の強度を意識的に弱くすることで、導光手段から出射された光が集光する凹面対向部での光による演出の演出効果を向上させることができる。
遊技機L2において、前記導光手段を挟んで前記被投影手段の反対側に配設されると共に導光手段を通過した光が投影される反対投影手段を備え、その反対投影手段は、前記導光手段の凹面部と対向配置される部分と、前記導光手段の凸面部と対向配置される部分とが、光透過性が略同一の材料から形成されることを特徴とする遊技機L3。
遊技機L3によれば、遊技機L2の奏する効果に加え、反対投影手段の導光手段の凹面部と対向配置される部分と、導光手段の凸面部と対向配置される部分とが、光透過性が略同一の材料から形成されるので、導光手段に同一の光を入射させることで、被投影手段を通して視認される光の演出態様と、反対投影手段を通して視認される光の演出態様とを異ならせることができる。
<バスレフスピーカーの配置構造。遊技機M>
対向配置されると共に互いに固定され、固定された状態で内部空間を構成する第1手段および第2手段と、前記内部空間に少なくとも一部を進入させた状態で配設される音響手段と、前記内部空間に屈曲経路を構成する屈曲手段と、を備えることを特徴とする遊技機M1。
パチンコ機等の遊技機において、正面枠の左右両端部にスピーカーが配設され、そのスピーカーから出力される音声により演出を行う遊技機がある(例えば、特開2016−16088号公報を参照)。そして、このような遊技機では、スピーカー本体の背面側へ進行する振動波を遊技機左右中央位置まで進行させ、遊技機の外方へ送出することにより、低音を聞かせる演出が行われやすいところ、振動波の経路長が遊技機の左右幅に規定されるという問題点があった。
これに対し、遊技機M1によれば、屈曲手段により第1手段および第2手段の内部空間に屈曲経路が構成されるので、一片の長さ以上に長い経路を構成することで、遊技機の左右幅の規定を解除して、振動波を任意の距離で進行させることができる。
遊技機M1において、前記第1手段および第2手段は対向する方向に負荷がかかる態様で締結固定され、前記屈曲手段は、前記第1手段または第2手段の少なくとも一方から他方へ向けてリブ状に突設される突設部を備え、その突設部の突設先端が、前記第1手段または第2手段の他方と当接することを特徴とする遊技機M2。
遊技機M2によれば、遊技機M1の奏する効果に加え、第1手段および第2手段に締結力がかけられる方向で、突設部の突設先端と、第1手段または第2手段の他方とが当接されることにより、締結固定を行うことに伴って、突設部と、第1手段または第2手段の他方との間で隙間が発生することを防止することができる。従って、屈曲経路の隙間から振動波などの流体が通過することを防止することができる。
遊技機M1又はM2において、前記内部空間と、外部とを連結する開口部を備え、その開口部は、その開口部を通して前記内部空間と外部とに渡されると共に前記音響手段に接続される通過部材により閉塞されることを特徴とする遊技機M3。
遊技機M3によれば、遊技機M1又はM2の奏する効果に加え、音響手段に接続される通過部材によって開口部が閉塞されるので、追加の閉塞用の部材を用意することを不要としながら、内部空間から外部へ通過部材を通した状態で内部空間を構成する壁を適切に閉塞することができる。
遊技機M3において、前記開口部は、前記突設部よりも前記音響手段に近接する側に配設されることを特徴とする遊技機M4。
遊技機M4によれば、遊技機M3の奏する効果に加え、開口部を通して音響手段の配線を内部空間から外部へ通す場合に、音響手段の配線が突設部に挟まれ断線することを防止することができる。
遊技機M1からM4のいずれかにおいて、前記第1手段または第2手段の少なくとも一方が締結固定される支持締結手段と、その支持締結手段の下方に配置されると共に遊技に伴う演出を行う演出手段と、を備え、その演出手段が前記支持締結手段を下方から支持することを特徴とする遊技機M5。
遊技機M5によれば、遊技機M1からM4のいずれかの奏する効果に加え、支持締結手段が演出手段に下方から支えられる構成により、演出に用いるスペースを圧迫することなく、支持締結手段に重量物を採用することができる。
<可動ユニット、逆回転する花。途中で止まる花びら。遊技機N>
ベース部材と、そのベース部材に変位可能に支持される第1変位手段と、その第1変位手段に駆動力を付与する駆動手段と、前記第1変位手段の変位方向に変位する追従状態と、前記第1変位手段の変位方向とは異なる方向に変位する非追従状態とで切替可能な第2変位手段と、を備える遊技機において、少なくとも前記第2変位手段が追従状態とされる場合において、前記駆動手段の駆動力により記第2変位手段の変位方向の逆方向に変位する第3変位手段を備えることを特徴とする遊技機N1。
パチンコ機等の遊技機において、第1変位手段が伸縮動作するのに伴って第2変位手段が第1変位手段の伸縮動作方向に変位する一方で、第1変位手段が伸張端部付近において動作する際に、第2変位手段が第1変位手段の伸縮動作方向とは異なる方向に変位する遊技機がある(例えば、特開2011−229580号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、第1変位手段が伸縮動作する際に第1変位手段と第2変位手段の変位の方向が同じなので、緩慢な演出となり、演出効果が十分で無いという問題点があった。
これに対し、遊技機N1によれば、少なくとも第2変位手段の追従状態において、第3変位手段が、第2変位手段の変位方向の逆方向に変位するので、第2変位手段の変位速度を、第3変位手段を基準とした速度として視認させることができる。そのため、第2変位手段が実際に駆動される速度に比較して、遊技者が体感として感じる第2変位手段の速度を大きくすることができる。
遊技機N1において、前記第2変位手段の変位に対する抵抗を発生させる抵抗手段を備え、その抵抗手段は、前記追従状態と前記非追従状態との切り替え点を変化可能に構成されることを特徴とする遊技機N2。
遊技機N2によれば、遊技機N1の奏する効果に加え、抵抗手段の作用により、第1変位手段に対して第2変位手段が追従動作する追従状態と、追従状態から外れる非追従状態との切り替え点が変化可能とされるので、第1変位手段に対する第2変位手段の変位の態様の種類を増加させることができる。これにより、演出効果を向上させることができる。
遊技機N2において、前記抵抗手段は、前記第2変位手段を前記非追従状態で動作させる際の駆動力を利用して前記第2変位手段の状態を変化可能に構成されることを特徴とする遊技機N3。
遊技機N3によれば、遊技機N2の奏する効果に加え、第2変位手段の状態を切り替える駆動力を、第1変位手段を駆動させる駆動手段により発生させることができるので、駆動手段を兼用することができる。
遊技機N2又はN3において、前記抵抗手段は、前面から視認可能に配設されることを特徴とする遊技機N4。
遊技機N4によれば、遊技機N2又はN3の奏する効果に加え、抵抗手段を視認可能に構成することにより、抵抗手段を、第1変位手段の状態を変化させる機能と、遊技者に視認させる演出装置としての機能とで兼用することができる。
遊技機N4において、前記ベース部材に固定される棒状の軸手段を備え、その軸手段は、前記第1変位手段、第2変位手段および前記抵抗手段を同軸で回転可能に軸支することを特徴とする遊技機N5。
遊技機N5によれば、遊技機N4の奏する効果に加え、第1変位手段、第2変位手段および抵抗手段の回転軸として機能する軸手段がベース部材に固定されるので、第1変位手段、第2変位手段または抵抗手段のいずれか一つの姿勢が変化することに伴い、その他の部材または手段の姿勢も追従して変化することになるので、変位抵抗が過度に上昇することを防止することができる。
<貝ボタン、抜き孔の活用。ポイントとしては、未達>
第1手段と、その第1手段を収容可能に構成される収容手段と、を備える遊技機において、前記収容手段は、前記第1手段を収容する際にその第1手段を受け入れる開口である第1開口部と、その第1開口部と前記第1手段との間の隙間の幅以上の幅で開口される第2開口部と、を備えることを特徴とする遊技機O1。
パチンコ機等の遊技機において、遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段を下方から覆う上皿とを備え、上皿に対して操作手段が昇降動作する遊技機がある(例えば、特開2012−048970号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、上皿と操作手段との間の隙間に異物が挿入された場合、その異物が内部に残留し、誤作動を誘引する虞があるという問題点があった。
これに対し、遊技機O1では、収容手段の第1開口部と第1手段との間の隙間の幅以上の幅で形成される第2開口部を備えるので、第2開口部を通して異物を収容手段の外部に容易に取り除くことができる。これにより、異物が内部に残留する事態を避けることができる。
遊技機O1において、前記収容手段は、前記第1手段を支持する支持部を備え、前記第2開口部は、前記第1手段を挟んで前記支持部の反対側に配置されることを特徴とする遊技機O2。
遊技機O2によれば、遊技機O1の奏する効果に加え、前記支持部の支持強度を維持しながら、第2開口部を形成することができる。
遊技機O1又はO2において、前記収容手段は、耐水性の低い低耐水部を備え、前記第2開口部は、前記低耐水部の周囲に配設されることを特徴とする遊技機O3。
遊技機O3によれば、遊技機O1又はO2の奏する効果に加え、水が低耐水部に到達する前に、その水を第2開口部伝いに外方へ排出することができる。即ち、第2開口部を所定の固形の対象物を通過させる目的と、水などの液体を排出する目的とで兼用することができる。
遊技機O1からO3のいずれかにおいて、前記第2開口部は複数形成され、それら複数の第2開口部は、前記固形の対象物の方向違いで投影される形状に基づく形状から構成されることを特徴とする遊技機O4。
遊技機O4によれば、遊技機O1からO3のいずれかの奏する効果に加え、複数の第2開口部が、固形の対象物の方向違いの形状に基づく形状から構成されるので、第2開口部を通して固形の対象物を取り除き易くすることができる。
遊技機O1からO4のいずれかにおいて、前記第2開口部は、前記第1手段よりも遊技者に近接する側に配設されることを特徴とする遊技機O5。
遊技機O5によれば、遊技機O1からO4のいずれかの奏する効果に加え、第2開口部の一部を固形の対象物が閉塞した状態において、固形の対象物の影を遊技者に視認させることができる。これにより、固形の対象物が第1手段と収容手段との間に挿入されていることを遊技者に気づかせることができるので、固形の対象物が残留し続ける可能性を低くすることができる。
<ガラス枠(正面枠)の底部形状の工夫に関するポイント>
第1手段と、その第1手段を支持する第1支持手段と、を備える遊技機において、前記第1支持手段は、下面から突設される突設形状部を備えることを特徴とする遊技機P1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、操作ハンドルが配設されるガラス枠(正面枠)が、遊技盤が配設される外枠から取り外し可能に構成される遊技機がある(例えば特開2015−159837号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、ガラス枠の底面が平面形状から形成されているため、底面に指をかけて持つ際に滑る虞があり、取り扱い易さの観点から改良の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機P1によれば、第1支持手段の底面から突設される突設形状部が指を掛ける部分として機能することで、第1支持手段が手から滑り落ちる事態の発生を抑制することができるので、取り扱い易さの観点から改良することができる。
なお、突設形状部の配置は、何ら限定されるものでは無く、第1支持手段の外方へ突設されるものであれば良い。例えば、上下方向へ突設されるものでも良いし、正面側へ突設されるものでも良い。
遊技機P1において、前記第1支持手段を着脱可能に支持する前記第2支持手段を備え、前記突設形状部は、前記第1支持手段が前記第2支持手段に支持される支持位置から離れて配置されることを特徴とする遊技機P2。
遊技機P2によれば、遊技機P1の奏する効果に加え、支持位置として第1支持手段の重量が中心的にかかる位置から離れた位置において、突設形状部が下底面から下方へ突設されるので、第1支持手段を更に持ちやすくすることができる。これにより、第1支持手段の第2支持手段への着脱作業を容易にすることができる。
なお、支持位置から離れた位置としては、何ら限定されるものでは無い。例えば、第1支持手段が第2支持手段の前側において支持される場合における前側寄りの位置でも良いし、第1支持手段が第2支持手段に一方の端部で軸支される場合における他方の端部寄りの位置でも良いし、遊技球を貯留する皿を基準とする軸支位置の反対側の位置でも良い。
遊技機P1又はP2において、前記第1支持手段は、内側から外方へ凹設される凹設形状部を備え、前記第1手段は、前記凹設形状部との間に隙間を空けて前記凹設形状部と対向配置されることを特徴とする遊技機P3。
遊技機P3によれば、遊技機P1又はP2の奏する効果に加え、第1手段と第1支持手段との支持位置の一部が凹設形状部による隙間とされることで、第1手段が位置ずれすることにより第1手段と第1支持手段とが擦れる際に発生する虞のある粉(削れ粉、粉塵)の、発生量を低減することができる。即ち、粉が溜まり可動部分に詰まって動作不良を起こしたり、検出装置の検出箇所に粉が溜まり誤感知したりすることを抑制することができる。
このように、凹設形状部は、非動作時(例えば、エラー解除のためにガラス枠を開放している時、メンテナンス時、又はガラス枠交換時など)だけでなく、動作時(例えば、遊技中、又は遊技待ち状態(デモ画面表示状態)など)においても、効果を奏する。
遊技機P3において、前記凹設形状部は、前記突設形状部が突設される範囲の内側に配設されることを特徴とする遊技機P4。
遊技機P4によれば、遊技機P3の奏する効果に加え、凹設形状部が形成されている箇所が、他の箇所に比較して極端に薄くなり、強度不足に陥ることを防止することができる。また、突設形状部の裏に凹設形状部が形成されることにより、突設形状部が内外方向に撓み変形可能となるので、突設形状部に大きな負荷が加えられたとしても、突設形状部の割れを抑制することができる。
なお、突設形状部に加えられる負荷としては、例えば、搬送時や仮置き時に加えられる可能性がある第1支持手段の自重や、第1支持手段を動かす際に加えられる負荷や、第1支持手段の近くで遊技者や店員により動かされるもの(千両箱など)が衝突することで加えられる負荷等が例示される。
遊技機P4において、前記第1手段は、前記凹設形状部の外方における第1支持手段の部分であって前記突設形状部と内外方向で重なる重なり部に当接する態様で支持される当接手段と、その当接手段に位置決めされ遊技者が操作可能に構成される操作部と、を備えることを特徴とする遊技機P5。
遊技機P5によれば、遊技機P4の奏する効果に加え、凹設形状部の効果を維持しつつも、当接手段を支持する重なり位置の支持厚さを十分に確保できるので、操作部の操作時に第1支持手段が変形することを抑制することができる。
遊技機P5において、前記当接手段は、前記操作部との間に連続的に形成され、衝撃を減衰可能に構成される衝撃減衰手段を備え、その衝撃減衰手段は、前記凹設形状部の幅に比較して短い幅で形成されることを特徴とする遊技機P6。
遊技機P6によれば、遊技機P5の奏する効果に加え、操作部から当接手段へ伝達される衝撃を衝撃減衰手段によって減衰できることに加え、衝撃減衰手段と重なり部との間の距離を空けることで、衝撃を当接手段の変形(撓み)によっても減衰させることができる。
なお、衝撃減衰手段としては、種々の態様が例示される。例えば、可撓性材料から形成される塊部材でも良いし、コイルスプリング等の弾性部材でも良いし、ダンパ等の装置でも減衰装置でも良い。
遊技機P3からP6のいずれかにおいて、前記凹設形状部は、前記第1手段と対向する第1部分と、その第1部分から延設される第2部分とを備え、前記第1部分の方が、前記第2部分に比較して、凹設度合いが大きく形成されることを特徴とする遊技機P7。
遊技機P7によれば、遊技機P3からP6のいずれかの奏する効果に加え、大負荷が付与されることが予想される第1部分には十分な空間を用意し、第1部分に比較して付与される負荷が小さいと予想される第2部分の空間は小さく形成することで、耐久性を高く維持しながら、凹設形状部の設計自由度を向上することができる。
なお、凹設度合いとは、例えば、凹設深さ(凹設度合いが大きいほど、深い)や、凹設幅(凹設度合いが大きいほど、幅広)などが例示される。
なお、第1手段の構造が複雑であり、第1手段と対向する部分の方が、他の部分に比較して、付与される負荷が小さい場合には、他の部分に対応する凹設形状部の凹設度合いを大きく形成しても良い。
また、負荷の大小に限定されず、例えば、負荷の発生頻度の大小に基づいて、凹設形状部を設計しても良い。この場合、負荷の発生頻度は、遊技店の営業時間全体における発生頻度の大小を基準としても良いし、遊技機の所定状態(所定の演出状態や、特定遊技状態などの遊技状態)における発生頻度の大小を基準としても良い。
遊技機P1からP7のいずれかにおいて、前記突設形状部は、前記第1支持手段の底面部の下方に前後方向に沿って形成され、前方へ向かう程、形成範囲が幅広になることを特徴とする遊技機P8。
遊技機P8によれば、遊技機P1からP7のいずれかの奏する効果に加え、第1支持手段を単体で立たせる際に負荷が集中する前方部分の耐荷重を向上させることができるので、第1支持手段を単体で床置きする保管方法でも第1支持手段が倒れることなく、第1支持手段を長期間保管することができる。
なお、突設形状部の設計の際に検討するのは、第1支持手段の自重に限定されるものでは無い。例えば、第1手段の操作時に生じる負荷の大きさや、負荷発生の頻度を検討して突設形状部の形状を設計しても良い。
遊技機P1からP8のいずれかにおいて、前記第1支持手段の下面は、前記第2支持手段から離反する方向へ向けて上昇傾斜する傾斜面として形成されることを特徴とする遊技機P9。
遊技機P9によれば、遊技機P1からP8のいずれかの奏する効果に加え、第1支持手段を単体で自立し易くすることができ、更に、床との接触部分を突設形状部に限定することができるので、突設形状部以外の部分が汚れることを回避することができる。
<襟巻の支持構造および形状に基づく変形態様に関するポイント>
遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段を支持する第1支持手段と、その第1支持手段又は前記操作手段の少なくとも一方を支持する第2支持手段と、を備える遊技機において、前記第1支持手段は、前記操作手段と前記第2支持手段との間の隙間を狭める方向に変形可能に構成されることを特徴とする遊技機Q1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、演出ボタン等の操作手段がガラス枠に支持される遊技機がある(例えば特開2016−106830号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、操作手段の操作時の負荷により操作手段の周囲の領域に生じる位置ずれに対する対策が不十分であり、操作手段の周囲の領域に生じる位置ずれへの対策という観点で改良の余地があるという問題点があった。
例えば、操作手段に遊技者の体重がかけられ、操作手段が下降した場合に、第2支持手段も同時に下降する。この時、第2支持手段の正面側部の下降距離は、操作手段の下降距離よりも長くなりがちである。この時、下降距離の違いによって、正面側部分において、操作手段と第2支持手段との間に隙間が生じる可能性がある。
これに対し、遊技機Q1によれば、第2支持手段が余分に下降したとしても、第1支持手段が変形することで、操作手段と第2支持手段との間に隙間が生じることを抑制することができる。即ち、操作手段が余分に下降すること(沈み込み)を許容できることから、操作手段の支持態様を簡素化することができる。
なお、操作方向は何ら限定されるものでは無い。例えば、下降する方向でも良いし、上昇する方向でも良いし、前後に沿って押し込む方向でも良いし、回転(回動)方向でも良いし、それらの組み合わせでも良い。
また、操作方向から当接する態様としては、当接面から延びる法線が操作方向と一致する場合の他、様々な態様が例示される。例えば、当接面が、操作方向に対してすり鉢形状(断面V字形状)に広がる面として形成されても良い。この場合、操作方向を当接面が形成するすり鉢(V字形状)の底部中心側へ寄せることができ、加えて底部中心側へ寄るほど反力が大きくなることから、操作手段の支持を効果的に行うことができる。
また、第1支持手段と第2支持手段とを共通で支持する共通支持手段を備えるようにしても良い。この場合において、第1支持手段と第2支持手段とが、共通支持手段により支持される支持位置の反対側の位置において連結(結合、嵌合)されるようにしても良い。
遊技機Q1において、前記第1支持手段は、可撓性材料から構成され、前記操作手段を支持する支持部と、遊技球を保持可能に構成され、前記第1支持手段を介して前記操作手段と連結される遊技球保持部とを備えることを特徴とする遊技機Q2。
遊技機Q2によれば、遊技機Q1の奏する効果に加え、操作手段と遊技球保持部との間に隙間が生じることを抑制することができる。
また、第1支持手段が柔軟な部材により構成される場合や、操作手段または遊技球保持部に対してフローティング構造で連結される場合には、操作手段を操作した際の振動がそのまま遊技球保持部に伝達されることを防止することができるので、操作手段を操作する度に遊技球保持部に保持される遊技球が位置ずれして異音が発生することを防止することができる。
なお、振動伝達防止(抑制)の構造としては、種々の態様が例示される。例えば、第1の方向では振動伝達が防止される一方、第2の方向では振動伝達が維持されるように構成しても良い。この場合、第2の方向で振動を発生させることにより、敢えて異音を発生させることができ、音による演出を実行することができる。
遊技機Q2において、前記操作手段は、遊技者が操作可能に構成される操作部を備え、前記第1支持手段は、前記遊技球保持部との連結位置が、前記操作部から遠くなるほど、正面側に配置されることを特徴とする遊技機Q3。
遊技機Q3では、遊技機Q2の奏する効果に加え、操作に伴い位置ずれし易い位置である操作部周辺においては、連結位置を背面側に寄せることで位置ずれの絶対量を低減することで遊技球保持部および第1支持手段の隙間の発生を抑制する一方で、操作に伴い位置ずれし難い位置である操作部遠方においては、連結位置を正面側に配置する(遊技者に近づける)ことで、意匠性の向上を図ることができる。
遊技機Q1からQ3のいずれかにおいて、前記操作手段は、遊技者が操作可能に構成される操作部と、前記第1支持手段に支持される本体部と、前記操作部と前記本体部とを連結する連結部と、を備え、前記操作部は、前記連結部よりも幅広に形成され、前記第1支持手段は、複数の分割体から形成され、前記連結部を挟む方向で付け外し可能とさえ、前記連結部を囲う態様で構成されることを特徴とする遊技機Q4。
遊技機Q4によれば、遊技機Q1からQ3のいずれかの奏する効果に加え、操作部の大きさを十分に確保しながら、第1支持手段の組み付けを容易とすることができる。
なお、分割体から形成される第1支持手段の固定の手法は、種々の態様が例示される。例えば、複数の分割体がそれぞれ操作手段に連結されても良いし、複数の分割体の内で操作手段に連結される一の分割体と、分割体に連結される他の分割体とを備えさせても良い。
また、分割体の固定位置および固定態様は、種々の態様が例示される。例えば、嵌め合わせで行っても良いし、締結で行っても良い。
なお、締結で行う場合、操作部の操作方向に沿う複数位置で分割体を固定することにより、操作部が操作された時に生じる衝撃を複数の固定位置で分散して受け持たせることができ、分割体の固定の耐久性を向上させることができるので、第1支持手段の位置ずれの発生を抑制することができる。
更に、締結方向を操作部の操作方向と交差(例えば、直交)する方向に設定することで、操作部の操作による負荷の方向と、締結ネジの締め付けの方向とを異ならせることができるので、操作時の衝撃で締結ネジが緩むことを抑制することができる。
遊技機Q4において、前記分割体を締結する締結手段の締結方向が、前記操作部の操作方向に対して交差することを特徴とする遊技機Q5。
遊技機Q5によれば、遊技機Q4の奏する効果に加え、操作部の操作時の負荷が締結方向にかけられることを抑制することができるので、操作時に締結手段による締結が緩み、分割体の固定が解除されることを防止することができる。
なお、操作方向に対して交差する方向としては、種々の態様が例示される。例えば、操作方向が所定の回転軸を中心とした円に沿った回転方向である場合、操作方向に対して交差する方向は、所定の回転軸と直交する平面と交差する方向(例えば、所定の回転軸に沿った方向)が例示される。
また、例えば、操作方向が所定の直線に沿った方向である場合(押し込み操作や、引き出し操作である場合)、操作方向に対して交差する方向は、所定の直線に対して交差する平面に沿った方向が例示される。
この場合において、遊技中に、所定の直線(操作における割合(頻度)が高い操作方向に沿う直線)が複数想定される場合には、それぞれの直線に対して交差する複数の平面の内、少なくとも一つの平面に沿った方向に締結方向が設定されても良いし、複数の平面の交差部分、即ち、複数の所定の直線のいずれとも交差する方向に締結方向が設定されても良い。
遊技機Q4又はQ5において、前記分割体の締結箇所が複数箇所で構成され、一の締結箇所を含む第1平面と、他の締結箇所を含む第2平面とが、異なる平面として構成されることを特徴とする遊技機Q6。
遊技機Q6によれば、遊技機Q4又はQ5の奏する効果に加え、一の締結箇所(を含む第1平面)に大きな負荷がかけられた場合であっても、同時に他の締結箇所に大きな負荷がかけられることを防止することができるので、双方の締結箇所において分割体が同時に位置ずれしたり、締結が緩んだりすることを防止することができる。
なお、分割体の締結箇所は、操作部が操作される際に、負荷が集中する箇所に配置されても良い。この場合においても、別の締結箇所が負荷の集中する平面とは別の平面に配置されることになるので、操作時の負荷によって分割体が位置ずれしたり、締結が緩んだりすることを未然に防ぐことができる。
遊技機Q4からQ6のいずれかにおいて、操作手段は、前記操作部の所定の操作を検出可能に構成される検出手段を備え、その検出手段は、前記分割体の分割位置から離れた位置に配設されることを特徴とする遊技機Q7。
遊技機Q7によれば、遊技機Q4からQ6のいずれかの奏する効果に加え、分割位置では保持力が不十分となりがちであり、分割位置において操作部の操作に伴う操作部の移動に際して操作部と分割体とが擦れ、粉(粉塵など)が発生する虞があるところ、分割位置から検出手段を離して配設しているので、粉(粉塵など)が検出手段に検出されることを抑制することができる。これにより、誤検出の発生を抑制することができる。
遊技機Q4からQ7のいずれかにおいて、前記操作手段は、遊技可能時において、前記分割体の分割方向(近接離反方向)で離反する側において前記分割体に対して分割方向視で干渉する干渉手段を備えることを特徴とする遊技機Q8。
遊技機Q8によれば、遊技機Q4からQ7のいずれかの奏する効果に加え、干渉手段によって、分割体に対する操作手段の分割方向への位置ずれを抑制することができる。
なお、干渉手段は、組立状態において操作手段と干渉する一方、組立状態となる前の前の、例えば、組み付け作業時には、操作手段と干渉しないように形成しても良い。例えば、分割体が可撓性の材料から形成される場合には、組む付け作業時に分割体を撓ませることができるので、干渉手段との干渉を避けやすくすることができ、組立易さを維持することができる。
また、例えば、分割体が硬質材料から形成されている場合であっても、組み付ける過程においては干渉手段と干渉しないように構成しても良い。即ち、締結前における組み付け方向視(例えば、分割体同士を組み付けのために近づける方向の方向視)で非干渉となる形状から形成しても良い。この場合、組み付け容易性を担保しながら、遊技可能時における分割体の位置ずれの抑制を図ることができる。
遊技機Q1からQ8のいずれかにおいて、前記第2支持手段は、前記第1支持手段を受け入れ可能に凹設される受入凹設部を備えることを特徴とする遊技機Q9。
遊技機Q9によれば、遊技機Q1からQ8のいずれかの奏する効果に加え、第1支持手段が受入凹設部に受け入れられているので、操作手段が位置ずれする影響で第1支持手段が位置ずれした場合であっても、受入凹設部からの反発力により操作手段および第1支持手段を早期に元の位置に復帰させることができる。
遊技機Q1からQ9のいずれかにおいて、前記第1支持手段は、前記操作手段の操作部側に曲率半径の中心が配置される円に沿った湾曲形状で形成されることを特徴とする遊技機Q10。
遊技機Q10によれば、遊技機Q1からQ9のいずれかの奏する効果に加え、操作部を配置可能な領域を大きく確保することができ、加えて、遊技者が操作部を把持した際に窮屈に感じることを防止することができる。これにより、操作部の意匠性の向上と、操作部の操作性の向上とを図ることができる。
遊技機Q1からQ10のいずれかにおいて、前記第1支持手段は、補強のために筋状に加工される筋状部を備え、その筋状部の延設方向が、領域ごとに異なる方向で形成されることを特徴とする遊技機Q11。
遊技機Q11によれば、遊技機Q1からQ10のいずれかの奏する効果に加え、筋状部の延設方向が領域ごとに異なる方向とされるので、剛性に異方性のある第1支持手段を構成することができる。
なお、筋状部の延設方向の設計基準は何ら限定されるものでは無い。例えば、第1支持手段の形状から歩留まりの良い延設方向として設計しても良いし、操作手段の操作時に生じる負荷が領域ごとに異なる態様で作用する場合に、その負荷への対応として最善な方向として筋状部の延設方向を設計しても良い。
<スピーカーと基板との支持構造に関するポイント>
振動手段と、その振動が伝達される位置に配置され発光可能に構成される発光手段と、を備える遊技機において、前記発光手段は、前記振動手段に対して変位可能幅を備えることを特徴とする遊技機R1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、スピーカーと発光素子とが横並びに配置される遊技機がある(例えば特開2016−16088号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、発光演出の観点から改良の余地があるという問題点があった。
詳述すると、上述した従来の遊技機では、スピーカーの振動を基板が受けることを避けるために、スピーカーの背後に発光素子(LED、蛍光ランプ、放電管等)が配置されており、スピーカーが配置される箇所では発光演出ができないために暗くなる。この場合、遊技機が視認されやすい正面領域において、煌びやかに演出できる領域が狭くなる。そもそも、パチンコ機等に代表される遊技機は、規格から大体の大きさが決まっているので、発光演出領域を確保することは重要な課題と認められる。
これに対し、遊技機R1によれば、発光手段が振動手段に対して変位可能幅を持つので、発光手段は振動装置の振動を受け流すことができ、発光手段の配置を振動手段の振動発生箇所に近づけることができる。これにより、振動手段の振動発生箇所に関わらず、正面領域を明るく視認させることができるので、発光演出の観点から改良することができる。
なお、振動手段の態様は、何ら限定されるものでは無い。例えば、音声を出力可能に構成される音響手段でも良いし、振動装置を内蔵する操作手段でも良い。また、能動的に振動可能な手段に限られず、外力の負荷に対して振動可能(受動的に振動可能)に構成される手段でも良い。
音響手段としては、種々の態様が例示される。例えば、スピーカーが備える振動膜や、例えば、バスレフ型スピーカーにみられるスピーカーの振動の背圧が排出される排出口や、その排出口まで振動部分から連結される経路などが例示される。
振動装置としては、回転駆動による振動装置(例えば、バイブレーター)でも良いし、直線的な駆動により振動を発生させる振動装置(例えば、ボイスコイルモーター)でも良い。
なお、近接配置の態様は、何ら限定されるものでは無く、遊技者が発光手段の光を視認可能な態様であれば良い。例えば、振動手段に発光手段が積層配置されるものでもよく、その場合の積層方向は、前後方向でも良いし、前後方向に対して上または下へ傾斜する方向でも良いし、左右端から左右内向きに傾斜する方向でも良い。
遊技機R1において、前記振動手段を複数備え、前記発光手段が配設される発光用基板を備え、前記発光用基板は、複数の前記振動手段に積層配置されることを特徴とする遊技機R2。
遊技機R2によれば、遊技機R1の奏する効果に加え、振動手段が音声を出力する際に生じる振動の影響で発光用基板が変位(振動や、位置ずれ等)しがちになり、これにより発光手段の演出態様を変化させることができるところ、音声を出力する振動手段を異ならせることによって、発光用基板の変位態様を異ならせることができるので、発光手段の演出態様の変化の種類(バリエーション)を増やすことができる。
なお、発光用基板は1枚でも良いし、複数枚でも良い。複数枚の時は、少なくとも一枚の発光用基板が複数の振動手段に積層配置されていれば良い。この場合、振動手段から生じる振動で変位する発光用基板と、変位しない発光用基板との組み合わせを設けることができるので、発光手段の演出態様の変化の種類を更に増やすことができる。
遊技機R2において、前記振動手段を保持する保持手段を備え、前記発光用基板は、前記保持手段に対して前記積層方向に非固定とされ、前記保持手段は、前記積層方向に沿って前記発光用基板の変位を抑制する方向の負荷が生じるように構成されることを特徴とする遊技機R3。
遊技機R3によれば、遊技機R2の奏する効果に加え、発光用基板が変位すると共に保持手段が変位することを抑制することができる。
なお、非固定の態様は、発光用基板と保持手段とが機械的に連結されていない場合に限定されない。例えば、発光用基板と保持手段とがビスで連結されてはいても、締結力が作用しない(例えば、単なる抜け止め)状態であれば、非固定であるといえる。
また、非固定との表現は、大きな変位を許容することを想定するものでは無い。例えば、発光用基板の前後位置を規定する2枚の板部材を保持手段に固定することで発光用基板の前後位置を規定(前後位置安定、小さな振動を許容)し、発光用基板の形状よりも若干大きな枠形状の枠部材で前後と直交する方向を囲うことで、前後方向とは別方向(上下左右)への変位を抑制することができる。
これにより、振動手段と同様に発光用基板が保持手段に固定される場合に比較して振動手段から生じる振動が発光用基板へ与える影響を小さくすることができるので、発光用基板の位置安定性を高めることができる。
遊技機R2又はR3において、前記積層方向における前記発光用基板の両側に配置される第1部材および第2部材と、それら第1部材および第2部材を前記保持手段へ固定する固定手段と、前記第1部材および第2部材の移動方向を前記積層方向に規制する規制手段と、を備え、前記固定手段は、前記積層方向に対して傾斜する方向に沿って前記保持手段へ向けて進行することを特徴とする遊技機R4。
遊技機R4によれば、遊技機R2又はR3の奏する効果に加え、第1部材および第2部材が積層される方向と、固定手段の進行方向とが一致せず、第1部材および第2部材は固定手段の進行方向への移動が規制されることから、固定手段による固定に緩みが発生しても(一部の固定手段が緩んだ場合であっても)、固定手段の変位に比較して第1部材および第2部材の変位を小さくすることができる。
これにより、第1部材および第2部材の位置関係を維持し易くすることができる。換言すれば、第1部材および第2部材が想定以上に離間したり、近づいたりすることを防止することができる。
なお、進行する態様としては、種々の態様が例示される。例えば、貫通孔に棒状部材が挿通される態様でも良いし、ネジ穴に締結ネジが締結される態様でも良い。
遊技機R2からR4のいずれかにおいて、前記発光用基板は、変位可能に構成される第1変位領域と、その第1変位領域に比較して変位が抑制される第2変位領域と、を備えることを特徴とする遊技機R5。
遊技機R5によれば、遊技機R2からR4のいずれかの奏する効果に加え、振動手段の振動の影響で発光用基板が変位する場合における発光態様の変化を、発光用基板の領域ごとに変化させることができる。
これにより、第1変位領域における発光演出の態様と、第2変位領域における発光演出の態様とを異なる態様で設計することで、優れた演出効果を奏することができる。例えば、第1変位領域から照射される光を受け屈折させる第1屈折手段として、面発光により均一な発光演出を行う面発光手段を配置する一方、第2変位領域から照射される光を受け屈折ささせる第2屈折手段として、一方の端部(エッジ)から入射した光を全反射させ他方の端部(エッジ)から出射させることで遊技者に高輝度の光を見せるエッジ発光手段を配置することで、領域ごとに発光態様(例えば、輝度)の異なる斬新な発光演出を行うことができる。
なお、変位の抑制の態様は、何ら限定されるものではない。例えば、発光用基板と複数の振動手段との位置関係から規定される抑制の態様でも良いし、発光用基板の保持態様から規定される態様でも良い。
例えば、複数の振動手段と発光用基板との位置関係として、各振動手段から等位置とされる領域は、一方の振動手段からの影響が、他方の振動手段からの影響により相殺されることで、変位が抑制される場合がある。
遊技機R1からR5のいずれかにおいて、締結固定用の締結ネジと、その締結ネジの頭部と対向配置される対向部と、を備え、前記締結ネジに緩みが生じると、前記締結ネジの頭部と前記対向部とが当接可能に配置されることを特徴とする遊技機R6。
遊技機R6によれば、遊技機R1からR5のいずれかの奏する効果に加え、対向部により締結ネジの進行を規制することにより、締結ネジに緩みが発生した場合に、締結関係がそれ以上悪化することを防止することができる。
なお、締結ネジに緩みが発生した後の対応については、種々の態様が例示される。例えば、締結ネジに緩みが発生した場合には、電気的にその緩みを検出できるように構成しても良いし、対向部を振動装置の表面に形成することにより締結ネジに緩みが発生している場合に振動させると異音が発生し緩みに気付けるように構成しても良いし、特別な報知を設けず定期メンテナンスで緩んだ箇所を直すように構成しても良い。
遊技機R1からR6のいずれかにおいて、前記発光用基板の両側に配置される第1部材および第2部材と、前記第1部材および第2部材に締結固定される連結手段と、を備え、前記連結手段は、前記第1部材と前記第2部材とを結ぶ連結方向への変形に比較して、その連結方向と交差する方向への変形の方が容易に生じる態様で構成されることを特徴とする遊技機R7。
ここで、連結手段を連結方向への変形が容易に生じる態様で構成する場合、連結位置の間隔は延びたり縮んだりする両方向の変化が生じることになり、有利な影響と不利な影響とが周期的に生じるようになり、好ましくない。
これに対し、遊技機R7によれば、遊技機R1からR6のいずれかの奏する効果に加え、連結方向と交差する方向へ連結手段が変形することで、連結位置の間隔を縮む側のみに変化させることができ、第1部材および第2部材を互いに押し付け合う方向の負荷を優先的に生じさせることができる。
これにより、連結手段が変形する状況(例えば、連結手段に負荷が生じる状況)に限定して、第1部材および第2部材を押し付け合う方向の負荷を増大させることができるので、通常は第1部材および第2部材の対向方向の負荷を低く設定しながら、振動手段による振動で発光用基板が揺れやすい時にのみ第1部材および第2部材を押し付け合う方向の負荷を増大することができ、発光用基板の揺れの抑制を図ることができる。
なお、所定の方向で変形が容易に生じる態様は、何ら限定されるものでは無い。例えば、連結手段の形状が、方向毎に厚みが異なる態様で形成されるようにしても良いし、連結手段に生じる負荷の大きさが方向毎に変わるように構成しても良い。
また、押し付け合う方向の負荷の切り替え態様は、何ら限定されるものでは無い。例えば、第1部材または第2部材のいずれかを変位させる駆動装置を備えるようにしても良い。これによれば、駆動装置の制御により、任意のタイミングで、第1部材および第2部材を押し付け合う方向の負荷を変化させることができる。
遊技機R1からR7のいずれかにおいて、前記振動手段は、振動の方向を前記変位可能幅に沿う第1方向と、その第1方向と交差する第2方向とで変更可能に構成されることを特徴とする遊技機R8。
遊技機R8によれば、遊技機R1からR7のいずれかの奏する効果に加え、振動手段の振動の発光手段への作用を複数種類構成することができる。
<サイドの発光手段の技術思想。エッジ光が、部材の側面や背面へ進行>
発光可能に構成される発光手段と、光を導光可能とする導光手段と、を備え、その導光手段は、前記発光手段から照射される光を第1の態様で導光する第1導光手段と、前記発光手段から照射される光を前記第1の態様とは異なる態様で導光する第2導光手段とを備えることを特徴とする遊技機S1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、LED光を板状部材の端部から入射させ、その板状部材の表面から出射させるように構成される遊技機がある(例えば特開2015−159875号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、発光演出の演出効果の観点から改良の余地があるという問題点があった。
詳述すると、上述した従来の遊技機のように、平板から形成されるLED基板で発光演出を行う場合、基板の価格を安くできるのでコストダウンには役立つが、そのままでは立体的な発光演出との両立を図ることが困難であった。
即ち、LEDを基準として近い位置と、遠い位置とで発光態様(明暗、強度、輝度など)に差が生じることにより演出効果が低下しがちであり、これを解消するために、発光態様が弱く(暗く)なりがちな部分のLEDを増やしても良いが、その場合には、演出に必要なLED素子の個数がLED基板の面積に対して増加してしまい、コストダウンを阻害する結果を招くことになる。従って、演出効果の向上か、コストダウンかを、選択することを避けられなかった。
これに対し、遊技機S1によれば、導光手段が、発光手段からの光を異なる態様で導光可能に構成されるので、発光手段を基準とした距離が違っても、演出効果が下がる(変化する)ことを抑制できる。従って、コストダウンを図りながら、発光演出の演出効果の観点から改良することができる。
なお、導光手段の態様としては、種々の態様が例示される。例えば、無色または有色の透明部材からなる光透過性の部材でも良いし、擦りガラスのように光を均一に近い形で面発光させる部材でも良いし、乳白色材料の樹脂等を硬化することで形成される白色部材でも良いし、網戸や障子に類似して隙間から光を通過させる部材でも良いし、透過液晶に類似してその部材自体に表示が映写(投影)されるものでも良いし、その他の態様の部材でも良い。
遊技機S1において、前記導光手段は、前記発光手段からの距離の違いに対応して、光らせ方が段階的に変化するように構成されることを特徴とする遊技機S2。
遊技機S2によれば、遊技機S1の奏する効果に加え、導光手段が配設される基板が平板から形成される場合であっても、導光手段が曲面を形成する板状に構成される場合に、その曲面を一様(均一)に発光させる演出を実行することができる。
遊技機S1又はS2において、前記発光手段を収容する収容手段と、前記発光手段が配設される発光用基板と、を備え、前記収容手段は、前記発光用基板を支持し、前記導光手段が少なくとも第1位置で固定される支持手段と、前記導光手段と遊技者との間を遮蔽可能に構成される遮蔽手段と、を備え、前記第1位置は、前記遮蔽手段の外形の外方に配置されることを特徴とする遊技機S3。
遊技機S3では、遊技機S1又はS2の奏する効果に加え、遮蔽手段が組み付けられたままの状態で、第1位置における固定を緩めることができるので、支持手段に対する導光手段の位置を容易に調整することができる。従って、発光手段と導光手段との位置ずれを修復することが容易となり、メンテナンス性の向上を図ることができる。
なお、遮蔽手段の遮蔽の態様は、何ら限定されるものでは無い。例えば、遊技者が導光手段に触れることができないように遮蔽する一方で、見ることはできるように構成しても良いし、遊技者が導光手段に触れることも見ることもできないように構成しても良い。
なお、第1位置が複数箇所で形成される場合は、全ての第1位置が遮蔽手段の外形の外方に配置されるようにしても良いし、複数の第1位置の内、少なくとも一つが遮蔽手段の外形の外方に配置されるようにしても良い。
遊技機S3において、前記発光用基板は、前記支持手段および導光手段に対して非固定とされ、前記導光手段は、長尺板形状とされ、前記第1位置は、前記導光手段の長尺方向の端部に配置されることを特徴とする遊技機S4。
遊技機S4によれば、遊技機S3の奏する効果に加え、導光手段が長尺板形状とされ、長尺方向の端部に第1位置が配置されるので、第1位置の固定を緩め導光手段の短手方向に負荷を与えることで導光手段の位置ずれを容易に補正することができる。
詳述すれば、導光手段の位置ずれの補正を、導光手段の短手方向への変形で補ったり、強い負荷を与えることに寄る滑りで補ったりすることで、長尺方向の一方の端部だけ固定を緩め、他方の端部において固定が維持されている場合であっても、導光手段の位置ずれを容易に修復することができる。
また、導光手段によって発光用基板を支持手段に押し付ける支持態様の場合、導光手段の撓み変形に伴って、発光用基板を支持手段に支持する度合いを弱くすることができる。そのため、導光手段を支持手段から取り外さなくとも、第1位置での固定を緩めて導光手段を撓み変形させることによって、発光用基板の支持度合いを弱くでき、その状態で発光用基板に負荷を与えることで、発光用基板の位置ずれを修正することができる。
なお、位置調整の調整幅は、何ら限定されるものでは無い。例えば、発光用基板に配設される発光手段の外形から導光手段の照射対象となる部分が、照射方向視で完全に外れるほどには位置ずれしないように機械的に規制される設計の基での位置ずれを修正する程度の調整幅でも良いし(調整幅小)、予め調整幅を大きく確保する設計の基で、発光手段の外形から導光手段の照射対象となる部分が、照射方向視で完全に外れる位置に導光手段の位置を調整可能としても良い(調整幅大)。
この場合、発光手段および導光手段は同じ構造のままで、同じ演出の時に視認される発光演出の態様を変化させることができる。この場合、例えば、同じ構成の遊技機を、別の遊技性で遊技可能に用意する場合(例えば、スペック違いの遊技機を構成する場合)に、各部の機械的構成を大きく変化させることなく、導光手段の位置調整で発光演出の態様を変化させることができるので、遊技機の製造に係る負担(例えば、コスト)を低減することができる。
なお、非固定の態様は何ら限定されるものでは無い。例えば、締結ネジなどの固定具により固定される場合以外の態様を、総じて非固定と表現しても良い。また、端部とは、端に限定されることを避ける意図の表現である。即ち、長尺方向端の周辺を含む位置に、第1位置が配置されれば良い。
遊技機S3又はS4において、前記遮蔽手段は、前記支持手段に固定され、前記導光手段および前記遮蔽手段は、互いの距離を短くするほど相対位置のずれを縮小可能に構成される位置ずれ防止部を備え、その位置ずれ防止部は、前記支持手段との固定部を備えることを特徴とする遊技機S5。
ここで、発光用基板には電気を導通する配線を接続する必要があるところ、配線のずれや欠けは発光手段の動作不良に直接的に影響するので、それを防止する目的からも、発光用基板と支持手段との位置ずれが容易に生じないように構成することが好ましい。
演出効果を考えると、導光手段は、発光用基板との位置ずれが容易に生じないようにすることは前提として、位置ずれが生じてしまった場合には位置合わせが容易であることが好ましく、支持手段側に保持させることが良いとも考えられる。一方で、導光手段と遮蔽手段との間で位置ずれが生じると、導光手段と遮蔽手段とが衝突し見栄えが悪くなる虞があり、遮蔽手段側に保持させることが良いとも考えられる。
遮蔽手段は、遊技者が触れることができる箇所であるので、強度面を考えて、ベースとなる支持手段に固定することが好ましい。このように、各手段に期待される支持態様が様々であった。
遊技機S5によれば、遊技機S3又はS4の奏する効果に加え、位置ずれ防止部の作用により、導光手段と遮蔽手段とを直接固定しないでも、組み付け時の互いの位置合わせを容易に行うことができるだけでなく、遊技中における導光手段と遮蔽手段との位置関係を維持し易くすることができる。
なお、位置ずれ防止部の態様は、何ら限定されるものでは無い。例えば、同様の形状とされ嵌合可能な凹凸でも良いし、また、嵌合可能な凹凸は、組み付け方向に沿う形状が不変とされるものでも良いし、相手部材に近い側程、先細りする凸形状と拡大する凹形状とで構成されるものでも良い。
遊技機S1からS5のいずれかにおいて、前記導光手段は、本体部と、前記発光手段から離反する側へ前記本体部から延設される離反延設部と、その延設部の外形に相当する断面形状で前記発光手段へ向けて延設される対向延設部と、を備え、前記発光手段は、前記対向延設部に入射した光が全反射する態様で配設される全反射発光部を備えることを特徴とする遊技機S6。
遊技機S6によれば、全反射発光部から照射される光が対向延設部以外の部分に入ることを抑制することができるので、離反延設部および対向延設部と、それ以外の部分との境界を明確にでき、短い幅の境界で光の態様を変化させる(光を分離する)演出を実行可能とすることができる。
なお、全反射する態様としては、何ら限定されるものでは無い。例えば、導光手段と発光手段との位置関係、照射される光の方向、照射される光の幅、導光手段の材質や形状、及びそれらの組み合わせ等で特定することができる。
遊技機S6において、前記導光手段は、前記発光用基板に覆設される覆設部と、その覆設部の外形を形成し、前記発光用基板の外形と同様の形状の枠形状から形成される枠部と、を備え、前記対向延設部は、前記覆設部から延設され、前記枠部に結合されていることを特徴とする遊技機S7。
遊技機S7によれば、遊技機S6の奏する効果に加え、結合箇所から枠部へ光を入射させることができるので、枠部の発光演出の演出効果を向上でき、且つ、対向延設部が補強用のリブとして機能することで、導光手段の強度向上を図ることができる。
これによれば、枠部が発光手段から出射される光の方向に沿って発光手段の背後まで延設されていれば、出射方向の反対側を光らせる演出を行うことができる。
遊技機S7において、前記対向延設部は、前記覆設部に沿って長尺形状に形成され、長手方向の一方の端部において前記枠部と結合し、他方の端部において前記枠部から離間することを特徴とする遊技機S8。
遊技機S8によれば、遊技機S7の奏する効果に加え、対向延設部の設計に基づいて、長手方向で枠部に光を入射可能な端部と、入射が規制される端部とを構成することができるので、枠部を用いた発光演出の設計自由度を向上することができる。
遊技機S6からS8のいずれかにおいて、前記発光手段は、前記対向延設部および前記離反延設部の投影位置に配置され、前記離反延設部の先端形状の光の照射方向に対する傾斜角度が小さいほど、前記対向延設部および前記離反延設部の断面形状の端寄りに配置されることを特徴とする遊技機S9。
遊技機S9によれば、遊技機S6からS8のいずれかの奏する効果に加え、離反延設部の先端形状が発光用基板の平面に対して傾斜する形状であっても、発光手段の発光強度を一律としたままで、遊技者に違和感を与えることなく発光演出を行うことができる。即ち、離反延設部の断面形状の全体を同程度に発光させることができる。
<トップの発光手段の技術思想。発光手段からの距離で光らせ方を変えるポイント>
発光可能に構成される発光手段と、光を受光可能とする受光手段と、を備え、その受光手段は、前記発光手段から照射される光を第1の態様で受光する第1受光手段と、前記発光手段から照射される光を前記第1の態様とは異なる態様で受光する第2受光手段とを備えることを特徴とする遊技機T1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、LED光を面状部材のエッジから入射させ、その面状部材の表面から出射させるように構成される遊技機がある(例えば特開2015−159875号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、発光演出の演出効果の観点から改良の余地があるという問題点があった。
詳述すると、上述した従来の遊技機のように、平板から形成されるLED基板で発光演出を行う場合、基板の価格を安くできるのでコストダウンには役立つが、そのままでは立体的な発光演出との両立を図ることが困難であった。
即ち、LEDを基準として近い位置と、遠い位置とで発光態様(明暗、強度、輝度など)に差が生じることにより演出効果が低下しがちであり、これを解消するために、発光態様が弱く(暗く)なりがちな部分のLEDを増やしても良いが、その場合には、演出に必要なLED素子の個数がLED基板の面積に対して増加してしまい、コストダウンを阻害する結果を招くことになる。従って、演出効果の向上か、コストダウンかを、選択することを避けられなかった。
これに対し、遊技機T1によれば、受光手段が、発光手段からの光を異なる態様で受光可能に構成されるので、発光手段を基準とした距離が違っても、演出効果が下がる(変化する)ことを抑制できる。従って、コストダウンを図りながら、発光演出の演出効果の観点から改良することができる。
なお、受光手段の態様としては、種々の態様が例示される。例えば、無色または有色の透明部材からなる光透過性の部材でも良いし、擦りガラスのように光を均一に近い形で面発光させる部材でも良いし、乳白色材料の樹脂等を硬化することで形成される白色部材でも良いし、網戸や障子に類似して隙間から光を通過させる部材でも良いし、透過液晶に類似してその部材自体に表示が映写(投影)されるものでも良いし、その他の態様の部材でも良い。
遊技機T1において、前記受光手段は、前記発光手段からの距離の違いに対応して、光らせ方が段階的に変化するように構成されることを特徴とする遊技機T2。
遊技機T2によれば、遊技機T1の奏する効果に加え、受光手段が配設される基板が平板から形成される場合であっても、受光手段が曲面を形成する板状に構成される場合に、その曲面を一様(均一)に発光させる演出を実行することができる。
遊技機T1又はT2において、前記発光手段を収容する収容手段と、前記発光手段が配設される発光用基板と、を備え、前記収容手段は、前記発光用基板の一方の面と対向配置される領域を区画する区画手段を備え、前記受光手段は、前記区画手段で区画される領域ごとに光らせ方が変化するように構成されることを特徴とする遊技機T3。
遊技機T3によれば、遊技機T1又はT2の奏する効果に加え、受光手段の光らせ方が変化する境界に区画手段の枠が配置されることになるので、受光手段の光らせ方を急激に変化させた場合に遊技者に与える違和感を少なくすることができる。これにより、発光用基板の枚数が少ない場合であっても、発光用基板を用いた発光演出の演出効果を向上させることができる。
遊技機T3において、前記発光用基板に与えられる付勢力に対抗する方向から、前記発光用基板を前記区画手段が支えることで位置合わせされることを特徴とする遊技機T4。
遊技機T4によれば、遊技機T3の奏する効果に加え、発光用基板と区画手段との位置合わせを容易とすることで組立作業の容易化を図ることができることに加え、使用時に発光用基板と区画手段とが位置ずれすることを抑制することができる。
遊技機T3又はT4において、前記区画手段は、前記発光用基板に配設される発光部の形状に対応して形成される貫通孔を備え、前記受光手段は、前記貫通孔に挿通される挿通部を備えることを特徴とする遊技機T5。
遊技機T5によれば、遊技機T3又はT4の奏する効果に加え、区画手段の寸法に影響されず、発光部と受光手段との間隔を狭めることができ、挿通部の内部に入射した光を全反射させ易くなり、発光手段から出射される光の強度が落ちることを防止することができる。
遊技機T5において、前記区画手段は、前記発光用基板に配設される発光部の形状に対応して穿設され、前記挿通部を受け入れない非挿通貫通孔を備え、その非挿通貫通孔は、前記発光用基板から離反するほど開口が拡大する態様で形成され、前記発光用基板の反対側から前記受光手段に面で当接されることを特徴とする遊技機T6。
遊技機T6によれば、遊技機T5の奏する効果に加え、挿通部が挿通されない貫通孔を、発光部から出射された光を広い角度で出射させる手段として構成することができ、加えて受光手段との間の隙間を狭めることで光の漏れを抑制することができる。
遊技機T1からT6のいずれかにおいて、前記受光手段は、前記発光手段に近い側よりも、前記発光手段から遠い側の方が、断面形状の外形が大きく形成されることを特徴とする遊技機T7。
遊技機T7によれば、遊技機T1からT6のいずれかの奏する効果に加え、発光手段が形成される領域に比較して、受光手段を介して遊技者が光を視認する領域を大きくすることができる。
遊技機T7において、前記受光手段は、前記発光手段側から延設される光導通部と、その光導通部と交差する抜き境界面部とを備え、その抜き境界面は、前記光導通部の、延設方向における前後方向面部の方が傾斜面部よりも短くなる位置に配置されることを特徴とする遊技機T8。
遊技機T8によれば、遊技機T7の奏する効果に加え、受光手段が前方へ向かうほど断面形状の外形が大きくなる態様で形成される場合であっても、抜き境界面部を形成した場合であっても、光導通部の肉厚を均一にし易くすることができる。これにより、光導通部の延設方向に亘って全反射を維持し易くすることができる。
遊技機T7又はT8において、前記受光手段は、前記発光手段側から延設される光導通部を備え、その光導通部は、前記挿通部の基端部を含むライン状に形成されることを特徴とする遊技機T9。
遊技機T9によれば、遊技機T7又はT8の奏する効果に加え、発光手段のLEDから出射される光をライン状の光(点光源からの光が交じりあった光)として視認させ易くすることができるので、LEDの配設個数を増加させることなく、点光源のような感じを低下させることができる。
<締結方向が傾斜する2方向で構成されるポイント>
第1手段と、その第1手段に固定手段で固定される第2手段と、を備える遊技機において、前記固定手段は、第1方向に固定力を発生させる第1固定手段と、前記第1方向に対し傾斜する第2方向で固定力を発生させる第2固定手段と、を備えることを特徴とする遊技機U1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、正面枠を、前後方向で挿通される締結ネジで複数の構造体を合体して構成する遊技機がある(例えば特開2016−41185号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、固定手段の配置に構造体の形状が規定されてしまい、構造体の設計自由度が低くなるという問題点があった。
例えば、固定手段に前後方向で挿通する締結ネジを挿通させる場合、締結ネジが挿通される一の断面において正面視で締結ネジと干渉する位置にLED等の発光部材を配置することはできない。即ち、固定手段を配置可能な領域が、事実上、発光部材の外形の限界位置と一致することになるため、固定手段の配置可能な位置に構造体の大きさが制限されることになる。
換言すれば、発光用基板を背面側から支持する支持板の形状を、固定手段を配置する分だけ発光用基板よりも大きく形成する必要があるので、支持板の配置可能な領域の大きさに発光用基板の大きさが制限されることになる。
これに対し、遊技機U1によれば、固定手段を固定する締結ネジの挿通方向が、互いに傾斜する第1方向と第2方向とで構成されるので、全ての固定手段が前後方向に沿って挿通される場合に比較して、遊技者に視認させる側の演出領域を広く確保することができる。
遊技機U1において、前記固定手段は、前記第1方向に沿って形成される第1面と、前記第2方向に沿って形成される第2面と、を外形面に備えることを特徴とする遊技機U2。
遊技機U2によれば、遊技機1の奏する効果に加え、外形面が固定手段にかけられる固定力の方向に沿って形成されるので、外力により外形面が変形しそうになっても、十分な抵抗力を生じさせることができ、外形面の変形を抑制することができる。
遊技機U1又はU2において、前記固定手段の固定箇所の少なくとも一つにおいて、固定力の低下を抑制する抑制手段を備えることを特徴とする遊技機U3。
ここで、第1手段や第2手段が樹脂成型品から構成され、製造用の樹脂型の抜き方向が1方向であるとすると、互いに傾斜する第1方向または第2方向と、抜き方向とが傾斜することになるので、その傾斜した側に対応する第1又は第2固定手段で固定力が弱くなる虞がある。
これに対し、遊技機U3によれば、遊技機U1又はU2の奏する効果に加え、抑制手段により固定力の低下を抑制することができるので、固定手段の締結に利用する締結ネジを共通部品とすることができる。
なお、前記抑制手段の構成は何ら限定されるものではない。例えば、固定の緩みが生じることを防止する緩み防止手段でも良いし、固定の緩みが生じた場合にそれ以上の緩みを規制する緩み規制手段であっても良い。
遊技機U3において、前記抑制手段は、前記固定手段の固定不良を報知可能な報知手段を備えることを特徴とする遊技機U4。
遊技機U4によれば、遊技機U3の奏する効果に加え、報知手段により固定手段の固定不良が報知されるので、締結ネジに緩みが生じたことの早期発見を図ることができる。
なお、報知手段の構成は何ら限定されるものではない。例えば、センサ等の検出手段のように電気的に報知する手段でも良いし、外観の変化を惹起する構造的な手段でも良い。構造的な手段としては、例えば、遊技機内部で生じる振動の遊技機外側への伝達強度を変化させる伝達変化手段や、内部からの発光を遮り外観で分かる影を発生させる光演出変化手段や、振動装置の振動箇所と当接させ異音を発生させたり振動を強化させたりして遊技者に気付かせる振動報知手段などが例示される。
前記遊技機U2からU4のいずれかにおいて、前記第1手段と前記第2手段との間に配設される第3手段を備え、その第3手段は、前記第1面と第2面との間に配設されることを特徴とする遊技機U5。
遊技機U5によれば、遊技機U2からU4のいずれかの奏する効果に加え、第1手段および第2手段が固定手段の固定力の成分方向として抵抗力を発生可能な方向を複数方向とすることができるので、第3手段を安全に保持し易くすることができる。
なお、第3手段の構成は何ら限定されるものではない。例えば、第3手段を、第1手段側を遊技者に視認させる一方、第2手段側を遊技者に視認させない構成としても良い。この場合、第1面と第2面との間隔が広がる側を第1手段側、狭まる側を第2手段側とすることで、遊技者に視認させる領域を広く確保しながら、視認させない側の構成の占める領域を狭めることができる。
遊技機U5において、前記第1面を挟んで前記第3手段の反対側に配設される第4手段を備え、前記第1面は、前後方向に対して傾斜して形成されることを特徴とする遊技機U6。
遊技機U6によれば、遊技機U5の奏する効果に加え、正面視における第3手段の占める領域と第4手段の占める領域とを干渉可能とすることができるので、第3手段および第4手段の配置可能領域を大きく確保することができる。
遊技機U1からU6のいずれかにおいて、前記第1固定手段および第2固定手段は、それぞれ、所定の間隔を空けて組で配置されることを特徴とする遊技機U7。
遊技機U7によれば、遊技機U1からU6のいずれかの奏する効果に加え、第1固定手段および第2固定手段がそれぞれ所定の間隔を空けて組で配置されるので、一方の固定手段における固定力の発生方向に沿う変形が、他方の固定手段に生じることを回避することができる。即ち、固定力の発生方向と交差する方向への変形を抑制することができるので、固定手段に緩みが生じることを回避することができる。
<背面ケース横の切り欠き(貫通孔)による剛性低下を遊技盤の剛性で補助>
遊技盤と、その遊技盤に縁部が対向配置される対向手段とを備える遊技機において、前記対向手段は、左右側の前記縁部に前記遊技盤に近接配置される近接部が配設され、その近接部の形成態様が左右非対称とされることを特徴とする遊技機ZA1。
パチンコ機等の遊技機において、遊技領域を構成する遊技盤と、可動ユニット等が配設される背面ケースとを備える遊技機がある(例えば、特開2016−77627号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、背面ケースの内部スペースが遊技盤と背面ケースとの連結位置が占めるスペースに侵食されることが原因で、可動ユニット等の配置スペースを十分に確保することが困難となるという問題点があった。
特に、確変状態(高確率状態)や大当たり遊技(特別遊技状態)において右打ちで遊技を行うような右打ち機においては、遊技者の視線が遊技領域の右側に集中する場合が多いため、右打ちされた遊技球が流下する流路(液晶装置の右側の流路)の背面側における背面ケースの内部スペースを確保することが求められていた。
これに対し、遊技機ZA1によれば、近接部の形成態様が左右非対称とされることで、遊技盤に対する対向手段の左右縁部の配置を左右非対称とすることができることから、左右いずれか一方の対向手段の内部領域を犠牲にする代わりに、左右いずれか他方の対向手段の内部領域を確保し易くすることができる。これにより、遊技盤に対する対向手段の配置自由度を向上することができ、可動ユニット等の配置スペースを十分に確保することができ、遊技盤を通して遊技者に視認させる演出の自由度の向上を図ることができる。例えば、遊技盤の端部付近(例えば、右打ち流路)を移動役物の発光手段で照らしたり、液晶表示装置から出射される光で照らしたりすることができる。
なお、近接部の形成の態様は、何ら限定されるものではない。例えば、遊技盤に接触しているものでも良いし、遊技盤から離れて配置されているものでも良いし、それらの組み合わせでも良い。
なお、近接部の形成態様は何ら限定されるものではない。例えば、遊技盤との連結に用いられる連結部(接触部)を広い範囲で形成しない領域を確保するようにしても良いし、連結部(接触部)の占める面積を抑制した上で連結部(接触部)を配置するようにしても良い。
また、左右非対称の態様としては、何ら限定されるものではない。例えば、近接部が形成される面積を非対称としても良いし、近接部の形成の向きを左右非対称としても良いし、近接部に配設される機能部(締結ネジが締結固定される雌ネジが形成される締結部など)の形成位置、形成方向(例えば、締結ネジの挿通方向が前後方向、左右方向またはその他の方向で設定されるための方向)または形成個数を左右非対称としても良い。
遊技機ZA1において、前記対向手段は、前記近接部が前記遊技盤側の端部に形成され、左右方向で対向配置される配置部を備え、前記近接部は、前記配置部に対する形成方向が左右非対称に構成されることを特徴とする遊技機ZA2。
遊技機ZA2によれば、遊技機ZA1の奏する効果に加え、配置部の間の領域を、遊技盤に対して左右非対称に構成することができる。なお、形成方向が左右非対称とされる態様は何ら限定されるものではない。例えば、左右対称方向に対して逆向き(左右とも同方向)の形成方向とされても良いし、左右で交差する方向(例えば、直交する方向)の形成方向とされても良い。
また、形成方向としては、例えば、板状部が延設される延設方向(設ける方向)や、切欠きとして凹設される凹設部の凹設方向(削る方向)等が例示される。
遊技機ZA1又はZA2において、前記近接部は、前記遊技盤に対向する面である対向面と、前記遊技盤に対向する辺である対向辺とを備え、前記遊技盤の左側部に対する部分に比較して、前記遊技盤の右側部に対する部分の方が、前記対向面よりも前記対向辺の割合が多いことを特徴とする遊技機ZA3。
遊技機ZA3によれば、遊技機ZA1又はZA2の奏する効果に加え、近接部の占める左右幅を、遊技盤の左側部に比較して、遊技盤の右側部の方が狭くすることができる。
遊技機ZA1からZA3のいずれかにおいて、前記遊技盤または対向手段の、対向方向への変位を抑制する抑制手段を備えることを特徴とする遊技機ZA4。
遊技機ZA4によれば、遊技機ZA1からZA3のいずれかの奏する効果に加え、抑制手段により対向手段の剛性を補強することができる。なお、抑制手段の配置は何ら限定されるものではない。例えば、遊技盤から離れた位置(対向手段に当接する位置を含む)に配設されても良いし、対向手段から離れた位置(遊技盤に当接する位置を含む)に配設されても良いし、遊技盤と対向手段との間の位置(遊技盤または対向手段の少なくとも一方と当接する位置を含む)に配設されても良い。
遊技機ZA4において、前記抑制手段は、前記遊技盤側に配設されることを特徴とする遊技機ZA5。
遊技機ZA5によれば、遊技機ZA4の奏する効果に加え、対向手段に特別な部材を設けることなく、遊技ユニット全体としての強度の維持(剛性の確保)を図ることができる。
遊技機ZA4又はZA5において、前記抑制手段は、前記対向手段の最外側面と正面視で重なる重なり部を備えることを特徴とする遊技機ZA6。
遊技機ZA6によれば、遊技機ZA4又はZA5の奏する効果に加え、遊技盤の内部の設計自由度を犠牲にすることを防止できるので、遊技領域における右打ち流路のスペースを確保しながら、遊技ユニット全体としての強度の維持(剛性の確保)を図ることができる。
遊技機ZA1からZA6のいずれかにおいて、前記対向手段は、前記所定方向の最外側面の前記遊技盤側の縁部に、前記遊技盤に対して非当接な非当接部を備えることを特徴とする遊技機ZA7。
遊技機ZA7によれば、遊技機ZA1からZA6のいずれかの奏する効果に加え、遊技盤と非当接部との間の隙間を、可変入賞口の駆動装置の配置箇所としたり、その駆動装置や入賞センサや発光装置に連結される配線の通り道としたり、発光装置の配置箇所としたりすることで有効に活用することができる。
遊技機ZA1からZA7のいずれかにおいて、前記遊技盤は、樹脂材料から形成され、前記対向手段は、前記遊技盤との間に配設される演出手段を備え、その演出手段の前端は、前記対向手段の前端よりも前側に配置可能に構成されることを特徴とする遊技機ZA8。
遊技機ZA8によれば、遊技機ZA1からZA7のいずれかの奏する効果に加え、演出手段の配置スペースを前側にも広げることができる。
<可動役物に多様な発光態様>
所定の発光領域へ光を照射する発光手段と、所定方向視で前記発光領域と少なくとも一部が重なる第1位置が変位区間の少なくとも一部に含まれるよう構成される変位手段と、を備える遊技機において、前記発光領域は、前記変位手段の配置に対応して複数種類の発光態様で視認可能に構成される可能領域を備えることを特徴とする遊技機ZB1。
パチンコ機等の遊技機において、正面視において発光手段と変位手段とが重なるように構成される遊技機がある(例えば、特開2016−159178号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、発光手段および変位手段がそれぞれ単独で視認されるに留まり、重なることを利用した演出効果が不十分となるという問題点があった。即ち、変位手段が発光手段の手前側に配置されることで発光手段が変位手段に隠される構成であり、演出効果が不十分となるという問題点があった。
これに対し、遊技機ZB1によれば、発光手段が、変位手段の態様との絡みで異なる発光態様で視認可能に構成されるので、演出態様の多様化を図ることができる。
なお、変位手段の態様としては、例えば、変位手段の配置態様や、変位手段の変位態様や、変位手段の向き(姿勢)の態様や、変位手段に配設された発光手段の発光態様等が例示される。変位手段の配置態様としては、変位手段の一部が発光手段と重なる場合や、変位手段の全体が発光手段と重なる場合などが例示される。変位手段の変位態様としては、変位手段が発光手段側へ変位する場合や、変位手段が発光手段から離反して変位する場合などが例示される。変位手段の向き(姿勢)の態様としては、変位手段の表面が発光手段側を向く場合や、変位手段の裏面が発光手段側を向く場合や、その間の面が発光手段側を向く場合などが例示される。
発光手段の発光態様としては、変位手段側へ向けて発光する発光手段が点灯、点滅または消灯する態様や、変位手段から離反する側へ向けて発光する発光手段が点灯、点滅または消灯する態様などが例示される。
遊技機ZB1において、前記可能領域は、前記変位手段が前記第1位置に配置される第1状態と、前記変位手段が前記第1位置と異なる第2位置に配置される第2状態とで、前記所定方向から視認される発光態様が異なる場合を構成可能とされることを特徴とする遊技機ZB2。
遊技機ZB2によれば、遊技機ZB1の奏する効果に加え、変位手段の位置の変化によって発光態様を異ならせることができるので、変位手段単体の発光態様が同じままとしながら、遊技者に与える印象を突然変化させることができる。
遊技機ZB1又はZB2において、前記発光手段は、発光部が配設される基板と、前記発光部から出射される光を屈折可能に配置される屈折手段と、を備え、前記基板は、前記所定方向視で前記可能領域の外側に配置され、前記屈折手段は、前記所定方向視で前記可能領域と重なる第1屈折部を備えることを特徴とする遊技機ZB3。
遊技機ZB3によれば、遊技機ZB1又はZB2の奏する効果に加え、第1屈折部を通して視認される光の態様を、発光部から出射される光と、変位手段に基づく色や明暗との組み合わせにより現すことができる。
また、基板の形成範囲を狭めることにより、他の構成部材、例えば変位手段の駆動力を発生する駆動装置を配置する領域や、変位手段が変位するための空間を確保することができる。
遊技機ZB3において、前記変位手段は、前記所定方向視で前記可能領域と重なる位置における変位の方が、その他の位置における変位に比較して大きいことを特徴とする遊技機ZB4。
遊技機ZB4によれば、遊技機ZB3の奏する効果に加え、発光手段が大きな空間を占める位置では変位手段の変位を抑制し、発光手段が占める空間が小さな位置では変位手段の変位を大きくすることができるので、発光手段および変位手段が共同で占める空間を抑えながら、変位手段の変位の自由度を最大限確保することができる。
なお、変位の大小の態様は何ら限定されるものではない。例えば、変位手段の変位の絶対値で比較しても良いし、相反する方向に正負を設けて比較しても良いし、変位手段の所定方向(成分)の変位で比較しても良いし、変位手段に構成され変位する部材の個数の多少を含めて比較しても良い。
遊技機ZB1からZB4のいずれかにおいて、前記変位手段は、前記所定方向から視認可能な態様で発光する第2発光手段と、その第2発光手段から出射される光を透過させる透過手段と、を備え、前記透過手段は、前記変位手段の変位方向に沿って、その方向と交差する方向の幅が変化する形状であることを特徴とする遊技機ZB5。
遊技機ZB5によれば、遊技機ZB1からZB4のいずれかの奏する効果に加え、可能領域を通して視認される第2発光手段の光の幅を、変位手段が変位区間のどの位置に配置されているかによって変化させることができる。
遊技機ZB1からZB5のいずれかにおいて、前記可能領域は、液晶表示領域を視認可能に開口される窓部の中央側に配置されることを特徴とする遊技機ZB6。
遊技機ZB6によれば、遊技機ZB1からZB5のいずれかの奏する効果に加え、可能領域の発光態様の変化を、液晶表示領域側へ遊技者の視線を誘導することに利用することができる。
なお、可能領域の配置態様は何ら限定されるものではなく、様々な態様が例示される。例えば、窓部の周囲に点在する(可能領域が一か所である場合を含む)態様でも良いし、窓部を囲う円(弧)状の態様でも良い。
遊技機ZB1からZB6のいずれかにおいて、前記発光手段が配設される基板を備え、その基板は、前記可能領域側の端部において締結用の締結手段が配設されないことを特徴とする遊技機ZB7。
遊技機ZB7によれば、遊技機ZB1からZB6のいずれかの奏する効果に加え、可能領域側部における発光手段の配置スペースを確保することができると共に、締結手段の影が可能領域に生じることを回避することができる。
遊技機ZB7において、前記所定方向視で、前記可能領域と前記基板との間を覆う態様で覆設される覆設手段を備えることを特徴とする遊技機ZB8。
遊技機ZB8によれば、遊技機ZB7の奏する効果に加え、覆設手段により、可能領域と基板との境界位置を隠しているので、基板の端部付近において光の視認性が悪化する場合であっても、それを遊技者に見せることを回避することができる。
遊技機ZB7又はZB8において、前記基板を保持する基板保持手段を備え、その基板保持手段は、前記基板の組み付けを容易にするために隙間を形成する隙間形成部を備え、その隙間形成部は、組立状態において閉塞されることを特徴とする遊技機ZB9。
遊技機ZB9によれば、遊技機ZB7又はZB8の奏する効果に加え、隙間形成部によって基板の組み付けを容易にする効果を奏しながら、隙間形成部から光が漏れるなどの不具合を回避することができる。また、この隙間形成部を他の部材との係合に利用し、他の部材の位置合わせに活用しても良い。
遊技機ZB7からZB9のいずれかにおいて、前記基板は、配線が連結されるコネクタ部を備え、そのコネクタ部は、前記可能領域側の端部から離れた位置に配設されることを特徴とする遊技機ZB10。
遊技機ZB10によれば、遊技機ZB7からZB9のいずれかの奏する効果に加え、コネクタ部に連結される配線に負荷を与えることで、可能領域側の端部を起点とするモーメントを生じさせることができるので、基板を直接取り出せない状況であっても、基板を容易に取り出すことができる。
<複数部材への駆動力の伝達、伝達と遮断との切替>
変位可能に構成される変位手段と、その変位手段を変位させるための駆動力を発生させる駆動手段と、その駆動手段が発生させる駆動力を所定の状態で前記変位手段へ伝達可能に構成される伝達手段と、を備える遊技機において、前記伝達手段は、前記変位手段の所定の被伝達部に駆動力を伝達する伝達部を備え、前記駆動手段の駆動状態において、前記伝達部が前記被伝達部に非当接とされる場合に前記変位手段の変位を抑制可能に構成されることを特徴とする遊技機ZC1。
パチンコ機等の遊技機において、駆動力伝達に利用される円柱部が変位部材の凹部に案内されるよう構成され、円柱部の配置と変位部材の姿勢とが対応する遊技機がある(例えば、特開2010−234152号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、変位部材の姿勢の維持が円柱部による支持で行われることから、変位部材の姿勢を維持した状態において円柱部を利用した他の演出を行うことが困難となるという問題点があった。
これに対し、遊技機ZC1によれば、伝達部が非当接の状態でも変位手段の変位を抑制可能に構成されているので、変位手段の姿勢を維持した状態において伝達部を他の演出に利用することができる。
なお、伝達手段の態様は、何ら限定されるものではない。例えば、変位手段と駆動手段との間に配置される単一または複数のギアでも良いし、複数の部材が相互に影響し合うスライダクランクやカム等の機構に例示される態様でも良い。
なお、変位を抑制可能とする態様は、何ら限定されるものではない。例えば、重力やバネ部材に基づく弾性力により付勢される態様でも良いし、爪状の部材で係止(係合)される態様でも良いし、ストッパとしての機能を有する部材に当接して抑制される態様でも良い。また、抑制可能としては、変位手段の変位を低減する態様や、変位手段の変位を防止する(規制する)態様等が例示される。
遊技機ZC1において、前記伝達手段は、前記伝達部の移動軌跡に沿って形成される形成部を備え、その形成部は、前記伝達部が前記変位手段に対して前記変位手段の移動方向で非当接である状態において前記変位手段と当接可能に構成されることを特徴とする遊技機ZC2。
遊技機ZC2によれば、遊技機ZC1の奏する効果に加え、形成部と変位手段との当接により変位手段の変位を抑制することができるので、外力に対する変位手段の配置の安定性を向上することができる。
遊技機ZC2において、前記形成部は、前記伝達部から前記伝達手段の変位方向に沿って延設され、前記変位手段との間隔が前記伝達部と前記変位手段との間隔に比較して長くなるよう構成されることを特徴とする遊技機ZC3。
遊技機ZC3によれば、遊技機ZC2の奏する効果に加え、変位手段と伝達手段との対向方向において、駆動力の伝達時に負荷が発生する箇所と、変位抑制時に負荷が発生する箇所とを部分的にずらすことができる。
遊技機ZC3において、前記変位手段は、前記被伝達部に対して前記変位手段の移動方向一側に形成される一側機能部と、前記被伝達部に対して前記変位手段の移動方向他側に形成される他側機能部と、を備え、前記一側機能部は、前記形成部の移動軌跡と同一平面で構成され、前記他側機能部は、前記形成部の移動軌跡の外方に構成されることを特徴とする遊技機ZC4。
遊技機ZC4によれば、遊技機ZC3の奏する効果に加え、形成部により移動が抑制される移動方向を、片側方向に設定することができる。
遊技機ZC1からZC4のいずれかにおいて、前記変位手段は、第1変位手段と、その第1変位手段とは異なる第2変位手段とを備え、前記伝達手段は、前記第1変位手段および第2変位手段への伝達態様を動作区間ごとに変化可能に構成されることを特徴とする遊技機ZC5。
なお、伝達態様の切り替え方は何ら限定されるものではない。例えば、第1変位手段または第2変位手段の一方に駆動力が伝達される場合には、他方への駆動力伝達を遮断する態様でも良いし、第1変位手段と第2変位手段とに伝達される駆動力の割合を変化させる態様でも良い。
遊技機ZC5によれば、遊技機ZC1からZC4のいずれかの奏する効果に加え、一の伝達手段により複数の変位手段を異なる変位態様で変位させることができる。
遊技機ZC5において、前記第1変位手段は、前記伝達手段の一側に配設され、前記第2変位手段は、前記伝達手段の他側に配設されることを特徴とする遊技機ZC6。
遊技機ZC6によれば、遊技機ZC5の奏する効果に加え、第1変位手段と第2変位手段の変位態様の組み合わせの設定自由度を向上することができる。
なお、第1変位手段と第2変位手段との変位態様の組み合わせは何ら限定されるものではない。例えば、第1変位手段と第2変位手段とが同期して変位するタイミングを含むものでも良いし、第1変位手段と第2変位手段とに対する駆動力の伝達または遮断が反転するよう構成され同期して変位することは無いものでも良い。
また、同期して変位するタイミングを含む場合において、第1変位手段および第2変位手段の相対速度が変化することで変位態様を変化させるものでも良い。
遊技機ZC5又はZC6において、前記第1変位手段の変位の方向と、前記第2変位手段の変位の方向とが逆方向に設定されることを特徴とする遊技機ZC7。
遊技機ZC7によれば、遊技機ZC5又はZC6の奏する効果に加え、共通の領域において第1変位手段と第2変位手段とを相互に視認させることができるので、第1変位手段および第2変位手段が変位する演出領域が狭い場合であっても、効果的な演出を実行することができる。
なお、第1変位手段と第2変位手段との態様は何ら限定されるものではない。例えば、前後積層される複数の変位手段を別タイミングで共通の領域に張り出させる態様でも良いし、初期の配置は前後積層としながら複数の可動部材の移動中に共通の範囲を通過するように構成しても良い。
<負荷発生部が追い付いて当接することで停止位置のずれを防止>
変位可能に構成される第1変位手段と、所定方向に変位することで前記第1変位手段を変位可能に構成される第2変位手段と、を備える遊技機において、前記第2変位手段は、前記第1変位手段を変位させるために前記所定方向に沿う方向の負荷を与える負荷発生部を備え、前記第1変位手段は、前記負荷発生部から負荷を受ける被負荷部を備え、前記負荷発生部は、前記所定方向に沿った変位中に前記被負荷部から離れ、前記第1変位手段の被負荷部とは異なる所定部に対して当接可能に構成されることを特徴とする遊技機ZD1。
パチンコ機等の遊技機において、駆動力伝達に利用される円柱部が変位部材の凹部に案内されるよう構成され、円柱部の配置と変位部材の姿勢とが対応する遊技機がある(例えば、特開2010−234152号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、駆動伝達の不具合で円柱部が過度に移動した場合、変位部材の位置が移動端からずれてしまい、遊技者に対して違和感を与える虞があるという問題点があった。
これに対し、遊技機ZD1によれば、負荷発生部は変位中に被負荷部から離れ、被負荷部とは異なる所定部に当接されることから、第2変位手段に過度な変位が生じても、それによって第1変位手段が意図しない位置に配置されることを回避することができる。
遊技機ZD1において、前記負荷発生部は、前記第1変位手段が変位可能区間の一方側の端部に配置された状態で、前記所定方向の他方側から一方側へ向けた負荷を前記所定部に対して付与可能に構成されることを特徴とする遊技機ZD2。
遊技機ZD2によれば、遊技機ZD1の奏する効果に加え、第1変位手段が所定方向の一方の端部に配置された場合に、負荷発生部から第1変位手段に対して、所定方向の他方側から一方側へ向かう方向の負荷が与えられるので、第1変位手段を所定方向の一方側の端部に負荷により押し付けることができる。
遊技機ZD1又はZD2において、前記第2変位手段を駆動可能に構成される駆動手段を備え、前記負荷発生部は、前記被負荷部よりも前記所定方向の他方側において前記第1変位手段に当接することを特徴とする遊技機ZD3。
遊技機ZD3によれば、遊技機ZD1又はZD2の奏する効果に加え、負荷発生部と第1変位手段との当接により第2変位手段を機械的に停止させることができるので、駆動力停止のタイミングの精度が低くとも第1変位手段および第2変位手段の終端位置を一定とし易くすることができる。これにより、第1変位手段および第2変位手段の停止を急激に設定しながら、第1変位手段および第2変位手段が終端位置から位置ずれすることを抑制することができる。
また、第2変位手段が過度に移動するという稀に発生する事象への対策を行う部位を、毎回の駆動力伝達で負荷を受ける被負荷部とは別の箇所に設けることにより、被負荷部が変形していても、問題なくフェイルセーフ機能が発揮できる。
遊技機ZD1からZD3のいずれかにおいて、前記第1変位手段を前記所定方向の一方の端部で規制可能な規制手段を備えることを特徴とする遊技機ZD4。
遊技機ZD4によれば、遊技機ZD1からZD3のいずれかの奏する効果に加え、規制手段により第1変位手段を所定方向の一方の端部で規制している間において、第2変位手段を第1変位手段に対して独立して変位させることができる。
なお、規制手段の態様は何ら限定されるものではない。例えば、第1変位手段の変位方向と交差する方向で出入りし、係合する爪状の部材でも良いし、重力や弾性部材による付勢力で規制しても良いし、第2変位手段の一部により構成されても良い。
遊技機ZD1からZD4のいずれかにおいて、前記第1変位手段が前記所定方向の一方の端部に配置されたことを検出可能に構成される検出手段を備え、前記第1変位手段は、前記検出手段に位置を検出される被検出部を備え、前記負荷発生部は、前記被検出部と当接することを特徴とする遊技機ZD5。
遊技機ZD5によれば、遊技機ZD1からZD4のいずれかの奏する効果に加え、当接時の負荷により破損する箇所を被検出部に限定することができる。
なお、第2変位手段の変位回数(駆動回数)から算出可能な寿命と、検出片の耐久性とをリンクさせておくことで、検出片の破損に基づく検出不良を判定することで、第2変位手段の交換時期(メンテナンス時期)を把握することができる。
遊技機ZD1からZD5のいずれかにおいて、前記負荷発生部から前記所定部に対して与えられる負荷の方向が、前記負荷発生部から前記被負荷部に対して与えられる負荷の方向に対して交差することを特徴とする遊技機ZD6。
遊技機ZD6によれば、遊技機ZD1からZD5のいずれかの奏する効果に加え、第1変位手段の動作方向を複数通り容易することができる。
遊技機ZD1からZD6のいずれかにおいて、前記被負荷部と前記所定部とは、前記所定方向に対して直交する方向に所定間隔離れて配設されることを特徴とする遊技機ZD7。
遊技機ZD7によれば、遊技機ZD1からZD6のいずれかにおいて、被負荷部と所定部とが、所定方向に対して直交する方向から視認した場合に同じ位置に配置されるので、被負荷部と所定部との配置に必要な領域を狭めることができる。
<追従手段の柔軟性を利用して保持する技術思想>
所定領域を変位可能に構成される変位手段と、前記変位手段の変位に追従する追従手段と、を備える遊技機において、前記追従手段の所定部が前記所定領域側に進入することを防止する防止手段を備えることを特徴とする遊技機ZE1。
パチンコ機等の遊技機において、柔軟な配線が変位手段の変位の方向に沿って取り回されるよう構成される遊技機がある(例えば、特開2012−157474号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、配線の長さを変位手段との対比で設定することで変位手段の変位時に配線の撓みが生じにくいというメリットがある反面、変位手段への配線の噛み込みを防止するために変位手段の各所に配線が相対変位しないように仮固定する仮固定部を形成する必要が生じることに加え、その仮固定部に配線を這わせつつ変位手段を所定位置に配置しつつという組み付けとなるので組立に時間がかかるのが通常である。これにより、設計自由度の低下および組立効率の低下を招く可能性があるという問題点があった。
これに対し、遊技機ZE1によれば、防止手段によって、配線などに例示される追従手段が、所定領域側に変位することが防止されるので、追従手段が変位手段と擦れて損傷することを抑制することができる。これにより、変位手段に複数の仮固定部を形成する必要を無くすことができ、変位手段の設計自由度の向上および組立効率の向上を図ることができる。
遊技機ZE1において、前記防止手段は、前記変位手段の変位に伴い変位手段との距離の変化が生じる所定方向に前記追従手段を相対変位可能に支えることを特徴とする遊技機ZE2。
遊技機ZE2によれば、遊技機ZE1の奏する効果に加え、防止手段は、変位手段の変位に伴い防止手段と変位手段との距離に変化が生じる方向に変位可能な態様で追従手段を支えるので、結束バンドなどの固定部材で追従手段の位置を固定する場合に比較して、追従手段に与えられる負荷を低減することができる。
なお、防止手段の態様は何ら限定されるものではない。例えば、追従手段を巻き付け可能な柱状部でも良いし、追従手段を挟み込み可能な爪状部でも良い。また、防止手段を柱状部として形成する場合に、例えば、その柱状部が部材同士を締結固定する場合に用いられる締結部として形成されても良いし、部材同士を組み付ける際の位置合わせに用いられる位置決め部として形成されても良い。
また、追従手段の態様は何ら限定されるものではない。例えば、変位手段に電気を供給する電気配線でも良いし、変位手段の変位に基づいて変位する帯状部材であって、表面に図形や模様が描画され、その図形や模様を遊技者に視認させて演出を補助する帯状演出部材でも良いし、変位手段の変位を補助する付勢力を発生するコイルスプリング等の弾性手段でも良い。
遊技機ZE1又はZE2において、前記追従手段は、前記変位手段に電気を供給可能に構成されることを特徴とする遊技機ZE3。
遊技機ZE3によれば、遊技機ZE1又はZE2の奏する効果に加え、変位手段に良好に電気を供給することができる。
遊技機ZE1からZE3のいずれかにおいて、前記所定方向は、前記変位手段が変位する方向と交差する方向であって、前記追従手段は、前記防止手段の周りを囲むように構成されることを特徴とする遊技機ZE4。
遊技機ZE4によれば、遊技機ZE1からZE3のいずれかの奏する効果に加え、追従手段が片側に大きく張り出す事態を避けることができる。即ち、追従手段が変位可能な範囲を防止手段の両側に配置することができるので、追従手段と他の部材との干渉を避ける必要がある領域を防止手段の周囲の範囲に限定することができる。
また、変位手段の変位終端から変位方向外側に、追従手段を進入させるための逃げ部を構成することを不要にできる。これにより、変位手段を省スペースで配設することができる。
遊技機ZE1からZE4のいずれかにおいて、前記変位手段の少なくとも一部を遮蔽する遮蔽手段を備え、前記追従手段は、前記変位手段に対して前記遮蔽手段の内方位置において連結されることを特徴とする遊技機ZE5。
遊技機ZE5によれば、遊技機ZE1からZE4のいずれかの奏する効果に加え、追従手段と変位手段との連結部が遊技者に視認されることを、遮蔽手段で回避することができる。なお、ここでいう内方とは、正面視における縁部を外形とした場合における、内側方向を意味する。
遊技機ZE5において、前記変位手段は、第1軸を中心に回転可能に構成され、その第1軸は、前記遮蔽手段の外縁部に配設されることを特徴とする遊技機ZE6。
遊技機ZE6によれば、遊技機ZE5の奏する効果に加え、追従手段を遊技者の視界に入らないようにしながら、変位手段の遮蔽手段の外形(外縁部)からの張出量を大きく確保することができる。
遊技機ZE5又はZE6において、前記防止手段は、前記第1軸を中心とする前記変位手段の回転可能角度を等分する直線であって、前記第1軸を通る直線上に配設されることを特徴とする遊技機ZE7。
遊技機ZE7によれば、遊技機ZE5又はZE6の奏する効果に加え、追従手段の変位量の絶対値を抑えることができる。
遊技機ZE1からZE7のいずれかにおいて、前記変位手段は、前記追従手段を変位軌跡から離反する方向に案内する案内部を備えることを特徴とする遊技機ZE8。
遊技機ZE8によれば、遊技機ZE1からZE7のいずれかの奏する効果に加え、変位手段と擦れることを防止することができ、追従手段の耐久性の向上を図ることができる。
遊技機ZE8において、前記案内部は、前記所定領域の外形と直交する方向へ延設されることを特徴とする遊技機ZE9。
遊技機ZE9によれば、遊技機ZE8の奏する効果に加え、変位手段の付近において追従手段が占める領域を狭くすることができ、追従手段が通過可能な空隙の領域を狭くすることができるので、空隙が大きい場合に比較して変位手段を保持する外部手段の剛性を向上することができる。
遊技機ZE1からZE9のいずれかにおいて、前記追従手段は、紐状または帯状に形成され、一方の端部が前記変位手段に連結され、他方の端部が遊技機に連結され、両端部へ向けて前記所定領域の一側から案内されることを特徴とする遊技機ZE10。
遊技機ZE10によれば、遊技機ZE1からZE9のいずれかの奏する効果に加え、追従手段の両端部において、所定領域の一側から引っ張る方向の負荷をかけることができる。これにより、追従手段全体で、案内部から与えられる負荷とのバランスをとることができる。
遊技機ZE1からZE10のいずれかにおいて、前記追従手段は、前記変位手段が変位前位置から変位後位置へ変位することにより緩む向きで前記防止手段に巻かれるよう構成されることを特徴とする遊技機ZE11。
遊技機ZE11によれば、遊技機ZE1からZE10のいずれかの奏する効果に加え、変位手段の変位を追従手段の緩み(たるみ)で吸収することにより、追従手段に過大な負荷が生じることを抑制することができる。
遊技機ZE1からZE11のいずれかにおいて、前記変位手段との間に前記追従手段が配置される配置手段を備え、その配置手段の位置合わせを行う位置合わせ部を備え、その位置合わせ部は、前記追従手段の移動軌跡の外方に配置されることを特徴とする遊技機ZE12。
遊技機ZE12によれば、遊技機ZE1からZE11のいずれかの奏する効果に加え、位置合わせ部が追従手段の変位スペースを侵食することを回避できるので、変位手段の変位に伴って追従手段に与えられる負荷を最小限に抑えることができる。
遊技機ZE12において、前記追従手段は、前記防止手段の周囲に巻かれるよう構成され、前記追従手段は、第1変位部(弱変位部)と、その第1変位部よりも変位が大きく設定される第2変位部(強変位部)とを備え、前記第1変位部は、前記第2変位部と前記配置手段との間に配置されることを特徴とする遊技機ZE13。
遊技機ZE13によれば、遊技機ZE12の奏する効果に加え、追従手段の配置手段と当接して損傷が生じやすい箇所を限定することができる。そのため、補強の必要な箇所を限定することができるので、低コストで耐久性向上を図ることができる。
なお、第1変位部および第2変位部の変位の大小の比較の態様は何ら限定されるものではない。例えば、変位前後の位置の直線距離を比較するものでも良いし、変位が複数方向で生じる場合に、所定方向(又は所定面上)の変位に限定して比較するものでも良い。
遊技機ZE12又はZE13において、前記防止手段は、前記配置手段から突設される突設部を備え、その突設部に前記追従手段が巻かれることを特徴とする遊技機ZE14。
遊技機ZE14によれば、遊技機ZE12又はZE13の奏する効果に加え、配置手段により自重で垂れる追従手段を下支えしながら、上方から固定手段を配置手段に組み付けることができるので、追従手段、配置手段および固定手段の組み付けを容易に行うことができる。
<正逆回転で変位態様(伝達態様)が変わる技術思想>
駆動手段と、その駆動手段の駆動力により変位可能に構成される変位手段と、前記駆動手段が発生する駆動力を前記変位手段へ伝達可能に構成される伝達手段と、を備える遊技機において、前記駆動手段は、第1方向へ駆動力を発生させる第1駆動態様と、前記第1方向と異なる第2方向へ駆動力を発生させる第2駆動態様とで動作可能に構成され、前記変位手段は、前記第1駆動態様で駆動される第1変位態様と、前記第2駆動態様で駆動される第2変位態様とで変位可能に構成されることを特徴とする遊技機ZF1。
パチンコ機等の遊技機において、共通の駆動装置による駆動力で変位する第1変位手段と第2変位手段とを備え、駆動装置の駆動方向を正逆で反転することで変位の向きが反転するよう構成される遊技機がある(例えば、特開2013−146413号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、駆動装置を正方向に駆動させる長さによって第1変位手段と第2変位手段との変位態様が変化するに留まり、駆動装置の駆動方向を正逆で入れ替たとしても、第1変位手段と第2変位手段とが共に変位するものであった。そのため、駆動装置として正逆方向に駆動可能な装置を採用したことによる演出効果の向上の程度が不十分であるという問題点があった。
これに対し、遊技機ZF1によれば、駆動力を発生させる方向を変化させることで、変位手段の変位態様を変化可能に構成されるので、駆動力の発生方向を複数設定可能な駆動装置を利用した演出効果を十分に向上させることができる。
遊技機ZF1において、前記変位手段へ向けた光を発射する発光手段を備え、前記変位手段は、前記発光手段から発射される光の光軸を通過する態様で変位可能に構成されることを特徴とする遊技機ZF2。
遊技機ZF2によれば、遊技機ZF1の奏する効果に加え、発光手段から発射される光が変位手段と交差する位置を変位手段の変位中に変化させることができるので、変位手段の照らされる位置が時間経過で変化する煌びやかな演出を行うことができる。
遊技機ZF1又はZF2において、前記伝達手段の少なくとも一部の変位を抑制する変位抑制手段を備え、前記伝達手段は、前記第1駆動態様または前記第2駆動態様の少なくとも一方において、前記駆動手段の駆動力の伝達が抑制される抑制領域を備え、前記変位抑制手段は、前記抑制領域における所定の変位を抑制可能に構成されることを特徴とする遊技機ZF3。
遊技機ZF3によれば、遊技機ZF1又はZF2の奏する効果に加え、変位抑制手段によって、伝達手段が駆動力の伝達が抑制されている時に意図せず変位することにより、意図しない変位態様で変位手段が変位することを防止することができる。
また、変位手段を他の部材に直接的に当接させることで変位手段を停止させる場合に比較して、変位手段の視認性を高く維持することができる。そのため、適切な変位態様の変位手段を遊技者から見やすく構成することができる。
なお、変位抑制手段の態様は何ら限定されるものではない。例えば、ダンパ装置などに代表される粘性の抵抗を生じる係合装置でも良いし、自重により抵抗力を生じる抵抗装置でも良いし、自重による抵抗力が不十分となり易い場合(例えば、変位手段の変位方向が水平方向に沿う場合)では、重力の付勢で空回り動作を抑制することできないので、例えば、トルクリミッタ等の変位態様に応じて抵抗が可変となる装置でも良い。
遊技機ZF3において、前記変位抑制手段の変位を検出可能に構成される検出手段を備え、前記変位抑制手段は、前記抑制領域における伝達手段の動作速度が所定速度よりも低い場合に抵抗を発生させ、前記抑制領域における伝達手段の動作速度が所定速度以上の場合に抵抗が抑制されるよう構成され、前記検出手段は、前記変位抑制手段が抵抗を発生させる位置において前記変位抑制手段の被検出部を検出可能に配置されることを特徴とする遊技機ZF4。
遊技機ZF4によれば、遊技機ZF3の奏する効果に加え、検出手段を、変位抑制手段の停止位置の検出と、変位抑制手段における伝達手段の抑制領域における変位の抑制が良好に機能しているかの検出との両方に利用することができる。
遊技機ZF1からZF4のいずれかにおいて、前記変位手段は、第1軸を中心に回転変位する第1変位手段と、前記第1軸を中心として前記第1変位手段の外側を回転変位する第2変位手段を備え、前記第1駆動態様または前記第2駆動態様において、前記第2変位手段の変位を抑制可能に構成されることを特徴とする遊技機ZF5。
遊技機ZF5によれば、遊技機ZF1からZF4のいずれかの奏する効果に加え、第1駆動態様または第2駆動態様において、第2変位手段の変位を抑制可能に構成されるので、この抑制される状態において、第2変位手段が遊技者と第1変位手段との間に配置され視界を遮る場合と、第2変位手段が遊技者と第1変位手段との間の外方に配置され視界を遮らない場合の2通りの演出態様を構成可能であり、加えて、第2変位手段の変位を抑制しない駆動態様でも変位可能なので、合わせて3通りの変位態様で変位手段による演出を構成することができる。
遊技機ZF1からZF5のいずれかにおいて、前記伝達手段は、前記変位手段との連結位置側に光透過性材料から形成される光透過手段を備えることを特徴とする遊技機ZF6。
遊技機ZF6によれば、遊技機ZF1からZF5のいずれかの奏する効果に加え、光透過手段により、変位手段の組み付けを容易にする効果と、変位手段へ向けて光を導通させることによる発光演出を可能とする効果とを奏することができる。
遊技機ZF1からZF6のいずれかにおいて、前記変位手段は、第1軸を中心に回転変位する第1変位手段と、前記第1軸を中心として回転変位し前記第1変位手段の前記伝達手段との連結位置よりも外方で前記伝達手段に連結される第2変位手段とを備え、前記第1軸方向視において、前記第2変位手段が前記第1変位手段と重なって構成されることを特徴とする遊技機ZF7。
遊技機ZF7によれば、遊技機ZF1からZF6のいずれかの奏する効果に加え、第2変位手段の抜け止めを第1変位手段で行うことができる。これにより、別途の抜け止め部材の配設を不要とすることができる。
<デバイスの隣に振動装置(P9方針1)>
遊技者が操作可能に構成される第1操作手段と、その第1操作手段とは違う位置に配設され遊技者が操作可能に構成される第2操作手段と、前記第1操作手段に対して前記第2操作手段側に配設され、前記第1操作手段および第2操作手段へ向けた負荷を発生可能に構成される負荷発生手段とを備えることを特徴とする遊技機ZG1。
パチンコ機等の遊技機において、複数の操作デバイスと、それら操作デバイスを駆動させる演出をするための駆動装置とを備える遊技機がある(例えば、特開2016−159178号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、各操作デバイスに振動装置が配設されているので、各操作デバイスを配置するために必要なスペースが嵩み、配置可能な操作デバイスの個数が限定され易かったり、駆動装置の個数が多くなることでコスト高になったりするという問題点があった。
これに対し、遊技機ZG1によれば、負荷発生手段が、第1操作手段に対して第2操作手段側に配設されるので、負荷発生手段を第1操作手段および第2操作手段(即ち、複数の操作手段)を駆動させるために兼用することができる。これにより、第1操作手段および第2操作手段の配置に必要なスペースを削減することができ、配置可能な操作手段の個数の上限を引き上げることができる。加えて、負荷発生手段の個数も低減することができるので、遊技機を構成するための費用を抑えることができる。
なお、負荷発生手段の態様は何ら限定されるものではない。例えば、振動(高速繰り返し変位)可能に構成される手段でも良いし、ポンプのように所定の周期で負荷を発生させる手段でも良いし、カムの変位により姿勢変化するアーム部材から構成される手段でも良い。また、負荷の態様は何ら限定されるものではない。例えば、当接状態で機械的に伝達される負荷でも良いし、非当接の状態で伝達される負荷(風圧、音圧、高圧等)でも良い。
遊技機ZG1において、前記負荷発生手段は、前記第1操作手段と前記第2操作手段との間に配設されることを特徴とする遊技機ZG2。
遊技機ZG2によれば、遊技機ZG1の奏する効果に加え、第1操作手段および第2操作手段の双方に同程度に負荷を伝達することができる。
遊技機ZG1又はZG2において、前記第1操作手段は、遊技領域へ向けて遊技球を発射させるために操作され、前記負荷発生手段は、前記第1操作手段を所定方向から少なくとも部分的に覆う覆設手段に配設されることを特徴とする遊技機ZG3。
遊技機ZG3によれば、遊技機ZG1又はZG2の奏する効果に加え、第1操作手段を操作する遊技者の手指を第1操作手段との間に挟む位置に負荷発生手段が配設されることで、遊技者の手指に負荷発生手段から発生する負荷が伝達し易く構成することができる。
例えば、第1操作手段に手指を近づけ操作し、操作終了後に第1操作手段から手指を離すという遊技者の手指の移動の過程において、遊技者の手指が通り易い位置に覆設手段を配置する(手指と干渉し易い方向から覆うように覆設手段を配置する)ことで、手指の移動中に特に負荷発生手段の負荷を遊技者に伝達し易いように構成することができる。
また、例えば、覆設手段を、遊技者が第1操作手段を操作する際に高い確率で手指が接触する位置に配置することで、第1操作手段の操作中に亘り負荷発生手段の負荷が遊技者に伝達し易い状態を構成することができる。
なお、本思想は、第1操作手段に負荷発生手段を配設する思想とは異なるものである。即ち、負荷発生手段は、第1操作手段に対して第2操作手段側に配設されているので、負荷発生手段は、第1操作手段とは異なる位置に配設されている。
遊技機ZG3において、前記負荷発生手段と、前記第1操作手段および前記第2操作手段との間に介在し、前記第1操作手段および第2操作手段へ負荷を伝達可能に構成される介在手段を備え、その介在手段は、前記第1操作手段への振動伝達の強度が、前記第2操作手段への振動伝達の強度よりも高くなるように構成されることを特徴とする遊技機ZG4。
遊技機ZG4によれば、遊技機ZG3の奏する効果に加え、負荷伝達を第1操作手段側へ集中させることができる。
遊技機ZG4において、介在手段は、前記負荷発生手段の駆動に伴いその負荷発生手段が変位することにより、負荷伝達の強度を変化可能に構成されることを特徴とする遊技機ZG5。
遊技機ZG5によれば、遊技機ZG4の奏する効果に加え、負荷発生手段の非駆動時に比較して、負荷発生手段の駆動時の方が、介在手段を介して伝達される負荷の強度を向上することができるので、遊技者がパチンコ機に与える負荷等で第1操作手段と第2操作手段とが連動して動作(振動)する度合いを抑制しつつ、負荷発生手段の駆動時には、第1操作手段と第2操作手段とを強く動作(振動)させる演出を実行することができる。
遊技機ZG1からZG5のいずれかにおいて、前記負荷発生手段を変位可能に保持する保持手段を備え、その保持手段は、負荷発生手段の変位を案内する案内部を備えることを特徴とする遊技機ZG6。
遊技機ZG6によれば、遊技機ZG1からZG5のいずれかの奏する効果に加え、負荷発生手段の変位方向を規定することで、遊技者の安全を確保することができる。即ち、負荷発生手段の振動により変位する被変位部材が、意図せず遊技者に衝突する等の不具合の発生を防止することができる。
また、負荷発生手段自体の構造に関わらず、望みの方向に案内すれば負荷発生手段を望みの方向に変位させることができるので、望みの動作(振動)演出を実現するために採用する負荷発生手段の自由度を向上させることができる。
遊技機ZG6において、前記保持手段は、前記案内部に案内される方向と交差する交差方向への前記負荷発生手段の変位を許容する態様で構成されることを特徴とする遊技機ZG7。
遊技機ZG7によれば、遊技機ZG6の奏する効果に加え、非駆動状態と駆動状態との切替時に交差方向へ変位するように負荷発生手段を構成でき、切替時と、駆動状態(安定状態)とで異なる態様で負荷発生手段を変位させることができる。これにより、負荷発生手段による演出効果を向上することができる。
なお、変位を許容する態様としては、種々の態様が例示される。例えば、保持手段を案内する第2保持手段を備え、その第2保持手段による案内方向が案内部の案内方向と交差するように構成しても良いし、負荷発生手段が保持手段との間に柔軟な部材を介在するように構成され、その柔軟な部材の変形により変位が生じるものでも良い。
<覆設手段に振動手段(P9方針2)>
枠形状に構成される枠手段と、前記枠手段の少なくとも一部を正面側から覆う覆設手段と、その覆設手段に配設され振動可能に構成される振動手段とを備え、前記覆設手段は、変位が許容される許容部を備え、その許容部を介して前記振動手段の振動を伝達可能に構成されることを特徴とする遊技機ZH1。
パチンコ機等の遊技機において、正面枠と、その正面枠の前側に配設される振動手段とを備える遊技機がある(例えば、特開2015−159837号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、振動手段の振動を正面枠側(内部機構側)に所定強度以上の振動が伝達しない程度に抑える必要があり、振動演出の観点から改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機ZH1によれば、振動手段が、覆設手段に配設され、覆設手段の変位が許容されることから、覆設手段を介して遊技者側へ振動を伝達可能な一方、覆設手段の変位により振動を吸収することで、枠手段側への振動の伝達を抑制することができる。これにより、振動手段の振動強度として許容される程度を高めることができる。
なお、許容部の態様は何ら限定されるものではない。例えば、スライド、リン又はギア等の変位を前提とした連結態様で構成され、スライド、リンク又はギア等が動作することで変位が生じるものでも良いし、他の部分に比較して材質または構造から柔軟に構成され、過負荷が与えられることで変位が生じるものでも良い。
遊技機ZH1において、前記覆設手段は、水平方向への変位の許容量に比較して、鉛直方向への変位の許容量の方が小さくなるように構成されることを特徴とする遊技機ZH2。
遊技機ZH2によれば、遊技機ZH1の奏する効果に加え、許容部の効果は水平方向の変位で維持しながら、遊技者が覆設手段に手を乗せるなど覆設手段に対して重力方向の負荷が与えられた場合に、覆設手段が過度に変位して、遊技者の姿勢が乱れることを防止することができる。即ち、鉛直方向の変位の許容量を小さく抑えることで、製品としての構造安定化を図ることができる。
遊技機ZH1又はZH2において、前記覆設手段は、前記枠手段側が開放した袋状に構成されることを特徴とする遊技機ZH3。
遊技機ZH3によれば、遊技機ZH1又はZH2の奏する効果に加え、枠手段側が開放した袋状に構成されることから、その袋の縁部と枠手段とが対向配置されることになり、接触し振動伝達が行われる覆設手段と枠手段との接触面積を小さくすることができる。これにより、枠手段側への振動伝達を抑制することができるので、枠手段側に配設される主要基板や球通路や主要な電気構成に振動が伝達されることを回避できる。
遊技機ZH1からZH3のいずれかにおいて、前記振動手段は、前記枠手段側に配設される配設部を備え、前記枠手段は、前記配設部を支持する支持部を備え、前記配設部は、前記支持部に比較して変形抵抗が低く構成されることを特徴とする遊技機ZH4。
遊技機ZH4によれば、遊技機ZH1からZH3のいずれかの奏する効果に加え、枠手段側への振動伝達の抑制を維持しながら、振動手段の変位範囲を制限し、更に、配設部が硬く構成される場合に比較して、変形抵抗が低いことを利用して食い込みを生じさせることができ、振動手段の枠手段側への変位量の絶対値を大きく確保することができる。これにより、振動手段が配設される覆設手段を大きく変位させ易くすることができる。
遊技機ZH1からZH4のいずれかにおいて、前記覆設手段は、第1覆設部と、その第1覆設部に比較して変形抵抗の低い第2覆設部とを備え、前記振動手段は、前記第1覆設部および第2覆設部に連結され、前記第1覆設部と局所的に当接可能な当接部を備えることを特徴とする遊技機ZH5。
遊技機ZH5によれば、遊技機ZH1からZH4のいずれかの奏する効果に加え、変形抵抗の高い第1覆設部と、当接部とを局所的に当接させることにより、その当接位置を振動の不動点(基準点)として利用することができる。即ち、当接位置を基準とした振動手段および第2覆設部の変位の絶対値を大きくすることができる。
遊技機ZH1からZH5のいずれかにおいて、遊技領域へ向けて遊技球を発射させるために操作される球発射用操作手段を備え、前記覆設手段は、前記球発射用操作手段との間に少なくとも所定部材を介することを特徴とする遊技機ZH6。
遊技機ZH6によれば、遊技機ZH1からZH5のいずれかの奏する効果に加え、球発射用操作手段への振動伝達を抑制することができる。
<役物の変位により光自体を遮ることを特徴としたポイント>
発光手段と、前記発光手段からの光が照射される被照射手段とを備える遊技機において、前記被照射手段の所定方向視における外形を残しながら、前記被照射手段の見え方を変化させることを特徴とする遊技機ZI1。
パチンコ機等の遊技機において、可動役物に搭載され、発光演出を実行可能に構成される発光手段を備える遊技機がある(例えば、特開2015−208360号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、発光手段の光軸に干渉するように変位する部材は配設されておらず、発光演出の態様を変化させるためには発光手段の制御をおこなう必要があり、その制御のためにデータ容量が圧迫されたり、基板が大型化したりすることから、発光演出の実現手法に関して改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機ZI1によれば、例えば、変位手段が第1位置と第2位置とを変位可能に構成され、変位手段が変位することで発光手段から照射される光に干渉することができるよう構成することで、発光演出の態様を変位手段の変位で切り替えることができる。従って、発光手段の制御を行うことなく発光演出の態様を変化させることができ、制御のためのデータを不要としたり、制御のための回路を不要とすることで基板を小型化したりすることができる。これにより、発光演出の実現手法に関して改善することができる。
なお、変位の態様は何ら限定されるものでは無く種々の態様が例示される。例えば、回転でも良いし、直線的なスライドでも良いし、所定の曲線に沿う変位でも良い。変位手段の変位の態様が直線的なスライドの場合において、そのスライドの方向が所定方向と一致する場合の方が、スライドの方向が所定方向に対して交差する場合に比較して、変位手段の外形の維持を行い易くすることができる。
なお、被照射手段の態様は、何ら限定されるものではない。例えば、光軸と交差する回転軸で回転するように構成され、姿勢の違いで投影面積が変化しても良いし、姿勢変化が生じずとも、内部から部材が張り出すように構成され拡大縮小変位することで相対的な投影面積が変化するとしても良い。
変位手段の態様は、何ら限定されるものではない。例えば、被照射手段の周りを回転変位するように構成されても良いし、平面上をスライドして被照射手段の側方(発光手段との間)に入り込むようにしても良い。
また、変位手段の外形を残すようにする場合の態様は、何ら限定されるものではない。例えば、変位手段が停止しているように視認される態様でも良いし、被照射手段に比較して変位量の絶対値が小さくされ、変位手段の変位が遊技者に認識されないように構成される態様でも良い。
また、発光手段に関連して変位手段が変位するようにしても良い。その変位のいずれかのタイミングで発光手段が被照射手段側へ向くように構成すればよい。
発光手段の態様は、何ら限定されるものではない。例えば、位置を固定されるものでも良いし、変位可能に構成されても良い。変位可能な状態において、発光手段が変位手段に配設されていても良いし、発光手段と変位手段とが別々に(独立して)変位するものでも良い。また、照射方向を固定されるものでも良いし、照射方向を可変とするものでも良い。
発光手段の変位の態様は、被照射手段へ光軸を向けて被照射手段に近接離反する態様でスライドするものでも良いし、被照射手段へ光軸を向けた状態で被照射手段の周りを回転するものでも良い。
発光手段の発光態様は何ら限定されるものではない。例えば、常に点灯状態を維持するものでも良いし、点灯と消灯とが切り替えられるものでも良い。
遊技機ZI1において、前記被照射手段の見え方の違いは、前記被照射手段が前記発光手段から照射される光を反射することで生じることを特徴とする遊技機ZI2。
遊技機ZI2によれば、遊技機ZI1の奏する効果に加え、発光手段が光を照射したら直ちに被照射手段の違いを認識することができるので、光照射のタイミングに対する注目力を向上することができる。なお、これによれば、被照射手段は、変位可能な手段でも、変位不可能な手段でも良い。
遊技機ZI1又はZI2において、前記被照射手段の見え方の違いの程度は、前記被照射手段の変位に基づいて変化することを特徴とする遊技機ZI3。
遊技機ZI3によれば、遊技機ZI1又はZI2の奏する効果に加え、被照射手段に対する注目力を向上させることができる。
なお、被照射手段の見え方の違いの基礎となる変位の態様は、何ら限定されるものではない。例えば、一定速度で継続する一定(周期)の変位でも良いし、不規則な変位でも良い。また、瞬間的な変位でも良いし、遅速(遊技者が変位を把握し難い程に遅速、例えば、1[mm/min]の変位等でも良い。
遊技機ZI1からZI3のいずれかにおいて、前記被照射手段は、前記発光手段からの光を反射させる向きを変化させるように構成可能であることを特徴とする遊技機ZI4。
遊技機ZI4によれば、遊技機ZI1からZI3のいずれかにおいて、被照射手段の外形を維持しながら、被照射手段を介して反射する光によって照らして目立たせる箇所を異ならせることができる。
遊技機ZI1からZI3のいずれかにおいて、前記被照射手段が光を反射させる向きは同一である一方、光の光量または色の少なくとも一方が異なるように構成可能であることを特徴とする遊技機ZI5。
遊技機ZI5によれば、遊技機ZI1からZI3のいずれかの奏する効果に加え、被照射手段の発光態様に対する注目力を向上することができる。
遊技機ZI1からZI5のいずれかにおいて、光軸が前記被照射手段の周囲に配置される変位手段の移動軌跡と非干渉となる照射態様で前記被照射手段に光を照射可能に構成される非遮蔽発光手段を備えることを特徴とする遊技機ZI6。
遊技機ZI6によれば、遊技機ZI1からZI5のいずれかの奏する効果に加え、非遮蔽発光手段から光を照射することで変位手段の配置に寄らず被照射手段に光を当てることができるので、被照射手段が必要以上に暗く視認されることを回避することができる。
遊技機ZI1からZI6のいずれかにおいて、前記被照射手段は、第1被照射手段と、その第1被照射手段へ向けて前記発光手段から照射される光を遮蔽可能な遮蔽位置に配置可能に構成される第2被照射手段とを備え、前記第1被照射手段は、前記発光手段の光軸方向視の面積が、前記第2被照射手段が前記遮蔽位置に配置されない場合に比較して、前記第2被照射手段が前記遮蔽位置に配置される場合の方が小さくなるように構成されることを特徴とする遊技機ZI7。
遊技機ZI7によれば、遊技機ZI1からZI6のいずれかの奏する効果に加え、第1被照射手段へ光が到達し難くすることができる。即ち、光を遮蔽する効果を向上することができる。なお、第1被照射手段の面積の変化は、発光手段から光が照射されている場合に限り生じるようにしても良い。
遊技機ZI1からZI7のいずれかにおいて、前記発光手段は、複数の光軸で前記被照射手段へ光を照射するよう構成され、前記被照射手段は、所定位置において複数の光軸と交差可能に構成されることを特徴とする遊技機ZI8。
遊技機ZI8によれば、遊技機ZI1からZI7のいずれかの奏する効果に加え、発光手段の光軸を増加させる(例えば、LEDの個数を増やす)ことによって被照射手段が受ける光の光量を増加させることができる。
遊技機ZI1からZI8のいずれかにおいて、前記被照射手段と、その被照射手段の周囲に配置される変位手段とを同期駆動可能に構成される駆動手段を備え、前記被照射手段は、変位中に所定の第1面が同じ側へ向くように構成され、前記変位手段は、前記第1位置と前記第2位置とを周期的に変位するように構成されることを特徴とする遊技機ZI9。
遊技機ZI9によれば、遊技機ZI1からZI8のいずれかの奏する効果に加え、被照射手段の視認性が大きく変化することを抑制しつつ、変位手段の配置により生じる被照射手段の発光態様(例えば、明暗)の切り替えタイミングを変位手段の速度変化により変化させることができる。
なお、被照射手段の変位態様は何ら限定されるものではない。例えば、スライド変位でも良いし、回転変位でも良いし。回転変位としては、例えば、表示装置の表示面に沿う回転軸で生じる回転変位でも良いし、表示領域の表示面に直交する回転軸で生じる回転変位でも良い。
遊技機ZI1からZI9のいずれかにおいて、前記被照射手段の周囲に配置される変位手段または前記被照射手段の少なくとも一方は、発光手段側の面が、前記変位手段が前記第2位置に配置されることに伴って前記発光手段から照射される光の進行方向を遊技者側へ変化可能に構成されることを特徴とする遊技機ZI10。
遊技機ZI10によれば、遊技機ZI1からZI9のいずれかの奏する効果に加え、変位手段が第1位置に配置される場合と、第2位置に配置される場合とで、発光手段から照射される光が遊技者側へ進行する程度の差を大きくすることができる。
遊技機A1からA8,B1からB3,C1からC3,D1からD6,E1からE4,F1からF6,G1からG6,H1からH7,I1からI6,J1からJ5,K1からK7,L1からL3,M1からM5,N1からN5,O1からO5,P1からP9,Q1からQ11,R1からR8,S1からS9,T1からT9,U1からU7,ZA1からZA8,ZB1からZB10,ZC1からZC7,ZD1からZD7,ZE1からZE14,ZF1からZF7,ZG1からZG7,ZH1からZH6,ZI1からZI10のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機Z1。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機A1からA8,B1からB3,C1からC3,D1からD6,E1からE4,F1からF6,G1からG6,H1からH7,I1からI6,J1からJ5,K1からK7,L1からL3,M1からM5,N1からN5,O1からO5,P1からP9,Q1からQ11,R1からR8,S1からS9,T1からT9,U1からU7,ZA1からZA8,ZB1からZB10,ZC1からZC7,ZD1からZD7,ZE1からZE14,ZF1からZF7,ZG1からZG7,ZH1からZH6,ZI1からZI10のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機Z2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機A1からA8,B1からB3,C1からC3,D1からD6,E1からE4,F1からF6,G1からG6,H1からH7,I1からI6,J1からJ5,K1からK7,L1からL3,M1からM5,N1からN5,O1からO5,P1からP9,Q1からQ11,R1からR8,S1からS9,T1からT9,U1からU7,ZA1からZA8,ZB1からZB10,ZC1からZC7,ZD1からZD7,ZE1からZE14,ZF1からZF7,ZG1からZG7,ZH1からZH6,ZI1からZI10のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機Z3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
<その他>
パチンコ機などの遊技機において、柔軟な配線が変位手段の変位の方向に沿って取り回されるよう構成される遊技機がある(例えば、特許文献1:特開2012−157474号公報)。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、組立性に改善の余地があるという問題点があった。本技術的思想は、上記例示した問題点などを解決するためになされたものであり、組立性を改善することができる遊技機を提供することを目的とする。
<手段>
この目的を達成するために技術的思想1の遊技機は、所定領域を変位可能に構成される変位手段と、前記変位手段の変位に追従する追従手段と、を備える遊技機であって、前記追従手段の所定部が前記所定領域側に進入することを防止する防止手段を備える。
技術的思想2の遊技機は、技術的思想1記載の遊技機において、前記防止手段は、前記変位手段の変位に伴い変位手段との距離の変化が生じる所定方向に前記追従手段を相対変位可能に支える。
技術的思想3の遊技機は、技術的思想2記載の遊技機において、前記追従手段は、前記変位手段に電気を供給可能に構成され、前記所定方向は、前記変位手段が変位する方向と交差する方向であって、前記追従手段は、前記防止手段の周りを囲むように構成される。
<効果>
技術的思想1記載の遊技機によれば、組立性を改善することができる。
技術的思想2記載の遊技機によれば、技術的思想1記載の遊技機の奏する効果に加え、追従手段と防止手段との相対変位により擦れを抑制することができる。
技術的思想3記載の遊技機によれば、技術的思想2記載の遊技機の奏する効果に加え、追従手段の変位範囲を抑えることができる。