<第1実施形態>
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1〜図26を参照し、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)10に適用した場合の第1実施形態について説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の背面図であり、図3はパチンコ機10の遊技盤13の正面図である。
パチンコ機10は、図1に示すように、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口(入球口)63,65a,77,78等を有する遊技盤13(図3参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図13参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。なお、遊技盤13の詳細については、図3において後述する。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112a(図13参照)へと案内される。また、上皿17の上面の正面視左側には、枠ボタン22が設けられている。
枠ボタン22は、例えば、後述する第3図柄表示装置81(図3参照)で表示される演出のステージを変更する場合に、遊技者により押下操作されるボタンである。また、枠ボタン22は、第1抽選遊技で使用する第1特別図柄に対応する、又は、第2抽選遊技で使用する第2特別図柄に対応する第3図柄の変動表示(以下、第3図柄の変動表示を「変動演出」という。)において実行される予告表示での演出内容を遊技者に選択させるための操作ボタンとしても使用される。
なお、第1抽選遊技とは、後述する交互振分ユニット71(図3参照)に設けられた特図1第1入賞口77a又は特図1第2入賞口77b(図4参照。以下、特図1第1入賞口77aと特図1第2入賞口77bとを総称して、「特図1入賞口77」と称する場合がある。)への球の入球(以下、球の入球を「入賞」と称する場合がある)に起因する抽選遊技である。また、第2抽選遊技とは、同じく交互振分ユニット71(図3参照)に設けられた特図2入賞口78(図4参照)への入賞に起因する抽選遊技である。
また、変動演出とは、後述する第3図柄表示装置81(図3参照)にて表示される演出であり、後述の通り、遊技盤13の前面領域に発射された球が特定の入賞口(例えば、後述の特図1入賞口77又は特図2入賞口78。図3及び図4参照。)へ入賞したことを契機として実行され、図柄(後述の第3図柄)が所定時間変動された後、停止表示された図柄の組み合わせによって、当該入賞に対して行われる抽選の結果(大当たりか否か)を遊技者に提示する演出である。なお、第1実施形態では、第3図柄表示装置81では、1の抽選遊技のみが実行可能に構成されており、第1抽選遊技に基づく第1特別図柄と、第2抽選遊技に基づく第2特別図柄とで、第3図柄を共通して使用して、第1抽選遊技に基づく抽選結果又は第2抽選遊技に基づく抽選結果を表示するように構成されている。
さらに、ステージとは、後述する第3図柄表示装置81(図3参照)に表示される各種演出に統一性を持たせた演出モードのことで、本パチンコ機10では「街中ステージ」、「空ステージ」、「島ステージ」の3つのステージが設けられている。上述の変動演出や、変動演出中に実行される「リーチ表示」などの各種演出は、それぞれのステージに与えられたテーマに合わせて行われるように設計されている。
また、「リーチ表示」とは、後述する第3図柄表示装置81(図3参照)において実行される変動演出において、大当たりが発生することを示す「大当たり表示」の一歩手前の表示のことをいう。具体的には、後述する左図柄列Z1及び右図柄列Z3(図12参照)の第3図柄が同一図柄で停止し、中図柄列Z2(図12参照)が未だ停止せず変動を継続している状態のことをいう。
本実施形態のパチンコ機10では、「リーチ表示」として、大別して、「ノーマルリーチ」の演出を構成する一単位の要素(以下、演出を構成する一単位の要素を「変動要素」という)と、該「ノーマルリーチ」の変動要素から発展して実行され、該「ノーマルリーチ」の変動要素より大当たり期待度が高い「スーパーリーチ」の変動要素と、同じく「ノーマルリーチ」の変動要素から発展して実行され、「スーパーリーチ」の変動要素より大当たり期待度が高い「スペシャルリーチ」の変動要素とが用意されている。
ステージの変更は、変動演出が行われていない期間(即ち、デモ表示中)や、変動演出において第3図柄が遊技者に視認不能に高速に変動される「高速変動」の変動要素中に、遊技者によって枠ボタン22が押下操作された場合に行われる。そして、枠ボタン22が操作される度に「街中ステージ」→「空ステージ」→「島ステージ」→「街中ステージ」→・・・の順で繰り返し変更される。また、電源投入直後は、初期ステージとして「街中ステージ」が設定される。
また、後述する第3図柄表示装置81(図3参照)にて行われる変動演出において「ノーマルリーチ」の変動要素が開始された場合に、「ノーマルリーチ」の変動要素から「スーパーリーチ」の変動要素又は「スペシャルリーチ」の変動要素に発展するときは、「ノーマルリーチ」の変動要素中に「スーパーリーチ」の変動要素又は「スペシャルリーチ」の変動要素の選択画面が第3図柄表示装置81に表示されるように構成してもよい。
具体的には、選択画面では、「スーパーリーチ」の変動要素又は「スペシャルリーチ」の変動要素として選択可能な複数の候補が表示され、その選択画面が表示されている間に、枠ボタン22が遊技者に押下操作された場合に、選択された候補が変更されるように構成する。そして、「スーパーリーチ」の変動要素又は「スペシャルリーチ」の変動要素へ発展するときに選択されていた演出候補に基づいて、「スーパーリーチ」の変動要素又は「スペシャルリーチ」の変動要素が決定され、その決定に従って「スーパーリーチ」の変動要素は「スペシャルリーチ」の変動要素が第3図柄表示装置81にて実行される。
なお、第1実施形態では、枠ボタン22を押下操作されるボタンとして構成したが、枠ボタン22に代えて、遊技者によりパチンコ機10に対して所定方向(例えば、パチンコ機10に対して、前方、後方、右方および左方)に傾倒操作可能な、操作レバーにより構成してもよい。そして、操作レバーが傾倒操作された方向に基づいて、演出ステージが選択変更されたり、「スーパーリーチ」の変動要素又は「スペシャルリーチ」の変動要素が決定されたりしてもよい。
また、枠ボタン22を上皿17の側面視正面側に配置するように構成しているが、枠ボタン22の配置位置は、遊技者が押下操作可能な位置であれば如何様な配置位置でも良く、例えば、上皿17の上面側に配置してもよいし、後述する下皿50の近傍(上面又は側面)に配置してもよい。
前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定の「リーチ表示」時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、発光ダイオード(ライト・エミッティング・ダイオード(Light Emitting Diode)。以下、「LED」と略す。)等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。
パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時や「リーチ表示」時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前の「リーチ表示」中である旨が報知される。また、前面枠14の正面視左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図3参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(Acrylonitrile Butadiene Styrene。以下、「ABS」と略す。)樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット。図示せず。)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。
なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設され、かかる操作ハンドル51の内部には球発射ユニット112a(図13参照)の駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する押しボタン式の打ち止めスイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とが内蔵されている。
操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル51の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび打ち止めスイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「ドル箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
次に、図2に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのマイクロ・プロセッシング・ユニット(Micro−Processing Unit。以下、「MPU」と略す)、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図13参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図13参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図3乃至図5を参照して遊技盤13の具体的構成、並びに、交互振分ユニット71及び普通電役ユニット79の詳細な構成について説明する。まず、図3に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、球案内用の多数の釘や風車およびレール61,62、球が入賞することで所定の賞球を得ることができる一般入賞口63、第1抽選遊技による大当たりが発生した場合に開放される中央可変入賞装置65、第2抽選遊技による大当たりが発生した場合に開放される右側可変入賞装置67、第1抽選遊技用の特図1入賞口77と第2抽選遊技用の特図2入賞口78と後述するユニット内普通図柄ゲート76a(図4参照)とを有した交互振分ユニット71、後述する右側普通図柄ゲート76b及び出没式普通電役79a(共に図4参照)を有した普通電役ユニット79、第3図柄表示装置81を有した可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12の裏面側に取り付けられる。
一般入賞口63、中央可変入賞装置65、右側可変入賞装置67、交互振分ユニット71、普通電役ユニット79、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側から木ネジ等により固定されている。また、遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。以下に、主に図3を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図13参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図3の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球を再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図3の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される(以下、返しゴム69に当たる勢い等で球を発射して、該球を可変表示装置ユニット80の正面視右側を通過させる行為を「右打ち」と称する一方、発射した球が可変表示装置ユニット80の正面視左側を通過させる行為を「左打ち」と称する)。第1実施形態では、左打ちの遊技において、交互振分ユニット71へ球が入球し得る一方、普通電役ユニット79に球が入球し難いように構成されている。また、右打ちの遊技において、普通電役ユニット79へ球が入球し得る一方、交互振分ユニット71に球が入球し難いように構成されている。具体的な構成については後述する。
また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
遊技領域の正面視右側上部(図3の右側上部)には、発光手段である複数のLED37aと7セグメント表示器37bとが設けられた特別図柄表示装置37が配設されている。特別図柄表示装置37は、後述する主制御装置110(図13参照)で行われる各制御に応じた各特別図柄の変動表示(以下、特別図柄の変動表示を「動的表示」という)がなされると共に、パチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。
複数のLED37aは、後述する特図1第1入賞口77a、特図1第2入賞口77b、特図2入賞口78に入賞(入球)した球のうち、変動表示が未実行である球(保留球)の数である保留球数を点灯状態により示すものである。また、大当たりのラウンド数やエラー表示も、該状態に対応するLED37aの点灯状態により示される。なお、LED37aは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるように構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
7セグメント表示器37bは、左右に2つの7セグメントLEDで構成されている。左側の7セグメントLEDは、第1抽選遊技の判定結果を示す第1特別図柄(以下、第1特別図柄を、「特図1」と略す場合がある)が変動表示される。また、右側の7セグメントLEDは、第2抽選遊技の判定結果を示す第2特別図柄(以下、第2特別図柄を、「特図2」と略す場合がある)が変動表示される。
具体的には、左側の7セグメントLEDには、後述する交互振分ユニット71に設けられた特図1第1入賞口77a又は特図1第2入賞口77bへの入賞に基づいて決定された変動時間(動的表示時間)が経過するまで変動表示(第1実施形態では、7セグメントの中央のセグメントが点滅表示)した後に、判定結果を示す図柄で停止表示される。また、右側の7セグメントLEDには、後述する交互振分ユニット71に設けられた特図2入賞口78への入賞に基づいて決定された変動時間(動的表示時間)が経過するまで変動表示した後に、判定結果を示す図柄で停止表示される。いずれの7セグメントLEDにおいても、判定結果がハズレである場合には、中央の1セグメントのみが点灯表示する「−」図柄が表示され、判定結果が大当たりである場合には、大当たりに対応した「3」、「7」などの図柄が表示される。
なお、本パチンコ機10では、特図1入賞口77又は特図2入賞口78への入球に対して大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合は、入賞した入賞口77,78に応じてその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、特図1入賞口77への入賞に基づいて、「15R確変大当たり」又は「7R潜伏確変大当たり」が用意され、特図2入賞口78への入賞に基づいて、「15R確変大当たり」のみが用意されている。
ここで、「15R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に「確率変動状態」へ移行する確変大当たりのことであり、「7R潜伏確変大当たり」とは、最大ラウンド数が7ラウンドの大当たりの後に「潜伏確率変動状態」へ移行する確変大当たりのことである。
第1実施形態では、遊技状態として次の3つの遊技状態が設定されるように構成されている。1つ目の遊技状態として、特別図柄の大当たり確率が低確率(第1実施形態では、1/300)であると共に、出没式普通電役79aの駆動有無の判定結果を示す普通図柄の当たり確率も低確率(第1実施形態では、1/10)である「通常遊技状態」が設けられている。即ち、「通常遊技状態」は、他の遊技状態(後述する「確率変動状態」及び「潜伏確率変動状態」)と比べて特別図柄が大当たりし難く、かつ、普通図柄の変動表示(以下、普通図柄の変動表示を「可変表示」という)の可変表示時間が長時間(第1実施形態では、「3秒」)であって、出没式普通電役79aに設けられた出没板79bの突出時間は短時間(第1実施形態では、「2秒」)となるように構成されている。よって、「通常遊技状態」は、パチンコ機10の初期状態として設定されると共に、後述する「確率変動状態」又は「潜伏確率変動状態」における特別図柄の変動表示が規定回数(第1実施形態では、100回)行われた場合に発生するように設定されている。
2つ目の遊技状態として、特別図柄の大当たり確率が「通常遊技状態」より高確率(第1実施形態では、1/100)であると共に、普通図柄の当たり確率も「通常遊技状態」より高確率(第1実施形態では、9/10)である「確率変動状態」が設けられている。即ち、「確率変動状態」は、「通常遊技状態」と比べて特別図柄が大当たりし易く、普通図柄の変動時間が「通常遊技状態」より短時間(第1実施形態では、「0.5秒」)であって、出没式普通電役79aに設けられた出没板79bの突出時間が「通常遊技状態」より長時間(第1実施形態では、「5秒」)となるように構成されている。この「確率変動状態」は、第1特別図柄の第1抽選遊技に基づいて大当たりが発生した場合に、該第1特別図柄の第1抽選遊技に基づく大当たり後に10%の割合で発生するように設定されていると共に、第2特別図柄の第2抽選遊技に基づいて大当たりが発生した場合に、該第2特別図柄の第2抽選遊技に基づく大当たり後にもれなく(即ち、100%)発生するように設定されている(図15参照)。
3つ目の遊技状態として、特別図柄の大当たり確率が「通常遊技状態」より高確率(第1実施形態では、1/100)であると共に、普通図柄の当たり確率も「通常遊技状態」より高確率(第1実施形態では、9/10)である「潜伏確率変動状態」が設けられている。即ち、「潜伏確率変動状態」は、「確率変動状態」と特別図柄の大当たり確率が同等であって、普通図柄の変動時間が短時間(第1実施形態では、「0.5秒」)である一方、出没式普通電役79aの出没板79bの突出時間が「通常遊技状態」と同一の短時間(第1実施形態では、「2秒」)となるように構成されている。よって、「潜伏確率変動状態」は、特別図柄の大当たり確率、普通図柄の当たり確率、及び、普通図柄の変動時間が「確率変動状態」と同一であって、出没式普通電役79aの出没板79bの突出時間が「通常遊技状態」と同一となるように設定されている。この「潜伏確率変動状態」は、第1特別図柄の第1抽選遊技に基づいて大当たりが発生した場合に、該第1特別図柄の第1抽選遊技に基づく大当たり後に90%の割合で発生するように設定されている(図15参照)。
従って、第1実施形態のパチンコ機10では、「通常遊技状態」が遊技者にとって最も不利な遊技状態であり、「潜伏確率変動状態」が「通常遊技状態」よりも遊技者にとって有利な遊技状態であり、「確率変動状態」が「潜伏確率変動状態」よりも遊技者にとって有利な遊技状態、即ち、最も有利な遊技状態となる。
遊技領域の中央下部には、遊技領域を流下する球が入球し得る交互振分ユニット71が配設されている。この交互振分ユニット71は、主に、遊技領域を流下する球が入球可能な振分入球口72と、該振分入球口72に入球した球を交互振分ユニット71内の左側経路74又は右側経路75に交互に振り分ける振分装置73と、右側経路75に埋設されたユニット内普通図柄ゲート76aと、振分装置73によって左側経路74に振り分けられた球が入球可能な特図1第1入賞口77aと、振分装置73によって右側経路75に振り分けられた球が入球可能な特図1第2入賞口77bと、特図1第1入賞口77aと特図1第2入賞口77bとの間に配設された特図2入賞口78と、により構成されている。
この交互振分ユニット71に設けられた特図1第1入賞口77a又は特図1第2入賞口77bへ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる特図1入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その特図1入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図13参照)で第1特別図柄の大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた特別図柄の動的表示が特別図柄表示装置37の7セグメント表示器37bで示されると共に、第3図柄表示装置81にて第3図柄の変動演出が実行される。
また、交互振分ユニット71に設けられた特図2入賞口78へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる特図2入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その特図2入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図13参照)で第2特別図柄の大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた特別図柄の動的表示が特別図柄表示装置37の7セグメント表示器37bで示されると共に、第3図柄表示装置81にて第3図柄の変動演出が実行される。
なお、特図1第1入賞口77a、特図1第2入賞口77b及び特図2入賞口78は、それぞれ、球が入賞すると2個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。この交互振分ユニット71の詳細については、図4を参照して後述する。
交互振分ユニット71の右側には、普通電役ユニット79が配設されている。この普通電役ユニット79は、主に、右側普通図柄ゲート76bと、交互振分ユニット71に向けて傾斜された出没板79bを有する出没式普通電役79aと、奥側減速部79c1,79c3,79c5及び手前側減速部79c2,79c4で構成された減速部79cと、により構成されている。
出没式普通電役79aは、普通図柄の可変表示結果に応じて1枚の出没板79bを突出状態又は没入状態に駆動制御するように構成されている。そして、出没板79bが突出状態である場合に、該出没板79bの上面を傾斜に沿って左方向へ転動し、該出没板79bが突出状態を維持している間に球が該出没板79bの左端まで転動されると、交互振分ユニット71内の特図2入賞口78側へ球を誘導可能に構成されている。この普通電役ユニット79の詳細については、図5を参照して後述する。
ここで、図4を参照して、第1実施形態の交互振分ユニット71と普通電役ユニット79との構成について具体的に説明する。図4は、交互振分ユニット71および普通電役ユニット79周辺の正面視における模式的断面図である。なお、図4において、説明の便宜上、交互振分ユニット71及び普通電役ユニット79の正面視手前側の部品(後述するカバー部79x(図5参照))を除外した構図であって、交互振分ユニット71及び普通電役ユニット79の内部構造を表した模式的断面図で該交互振分ユニット71及び普通電役ユニット79を表現し、これらを構成する各部材(部位)についてそれぞれ説明する。
上述したように、交互振分ユニット71には、球を交互振分ユニット71内に入球させる振分入球口72と、該振分入球口72に入球した球を振り分け可能な振分装置73と、振分装置73によって交互振分ユニット71の正面視左側に振り分けられた球が流下する左側経路74と、振分装置73によって交互振分ユニット71の正面視右側に振り分けられた球が流下する右側経路75と、該右側経路75の振分装置73近傍に設けられて球が通過することによって普通図柄の抽選契機を取得するユニット内普通図柄ゲート76aと、左側経路74を流下する球が入賞し得る特図1第1入賞口77aと、右側経路75を流下する球が入賞し得る特図1第2入賞口77bと、特図1第1入賞口77aと特図1第2入賞口77bとの間に設けられて交互振分ユニット71の正面視中心位置に設けられた特図2入賞口78とが設けられている。
また、普通電役ユニット79には、上述したように、球が普通電役ユニット79内に入球し得る唯一のルートを構成する右側普通図柄ゲート76bと、突出状態又は没入状態に変位可能に構成された出没板79bを備えた出没式普通電役79aと、出没板79bの上面を球が転動する場合に該球が衝突する複数の減速部79c(奥側減速部79c1,79c3,79c5及び手前側減速部79c2,79c4(ともに図5参照))とが設けられている。
なお、上述したように、この普通電役ユニット79において、該普通電役ユニット79の右側側面を形成する側壁と、該普通電役ユニット79の上方位置に植設された釘87とによって、右側普通図柄ゲート76bに入球するルート以外からは該普通電役ユニット79内部に球が入球しないように構成されている。
また、第1実施形態のパチンコ機10において、交互振分ユニット71の振分入球口72と普通電役ユニット79の右側普通図柄ゲート76bとの間には、振分入球口72の右側に流入した球を遊技盤13外に排出するアウト口(図示せず)が設けられている。従って、左打ちの遊技において、交互振分ユニット71に入球せずに普通電役ユニット79側に流下した球を、右側普通図柄ゲート76bに到達させないようにすることができる。
交互振分ユニット71の振分入球口72は、遊技領域を流下した球が交互振分ユニット71内に流入する際に通過し得る経路であり、該振分入球口72に流入した球は、下流側(交互振分ユニット71の下部方向)に設けられた振分装置73へ案内されるように構成されている。
交互振分ユニット71の振分装置73は、上述したように、振分入球口72から流下した球を、左側経路74又は右側経路75に交互に振り分けるための装置であり、回転軸部73aと、該回転軸部73aの外周から上方に向けて延設される中央板部73bと、回転軸部73aの外周から左右に向けて延設される左側受板73c及び右側受板73dと、中央板部73bに内蔵された振分側磁石(図示せず)と、により構成されている。また、交互振分ユニット71の遊技盤13背面側の壁部には、上記振分側磁石と反発(例えば、振分側磁石がN極であった場合は、S極)するユニット側磁石(図示せず)が内蔵されている。
この振分装置73は、回転軸部73aを回転中心として左右回りに30度ずつ回動可能に構成されており、図4の状態では、左側受板73cの先端側が交互振分ユニット71の壁部に当接して該左側受板73c全体が回転軸部73aより下方側であって右側受板73dが回転軸部73aより上方側となる右側案内位置となって、振分入球口72から流下された球を右側経路75へ案内する状態となっている。そして、振分側磁石とユニット側磁石との反発作用によって、上記右側案内位置が維持されるように構成されている。
ここで、交互振分ユニット71に入球した球が、振分装置73によって左側経路74又は右側経路75に交互に振り分けられる態様について説明する。まず、図4の状態のように、左側受板73cの先端側が交互振分ユニット71の壁部に当接して該左側受板73c全体が回転軸部73aより下方側であって右側受板73dが回転軸部73aより上方側となる位置の場合、交互振分ユニット71に入球して振分入球口72から流下した球は、振分装置73の中央板部73b及び右側受板73dによって形成された空間に収まる。そして、球の自重により右側受板73dを押し下げることで振分装置73が回動し、右側受板73dの先端側が交互振分ユニット71の壁部に当接して該右側受板73d全体が回転軸部73aより下方側であって左側受板73cが回転軸部73aより上方側の状態となる。従って、振分装置73が球を右側経路75側へ流下可能な状態となり、その状態において球が右側受板73dの上面を転動することで右側経路75へと案内される。このとき、振分側磁石(図示せず)とユニット側磁石(図示せず)との反発力よりも、球の自重によって右側受板73dを押し下げる(振分装置73を回動させる)力の方が大きいことで、上記磁石の反発力に抗って振分装置73が回動される。そして、再び、上記磁石の反発力によって、左側受板73cが回転軸部73aより上方側であって右側受板73dが回転軸部73aより下方側となる状態、即ち、左側案内位置の状態が維持される。
そして、次に交互振分ユニット71に入球して振分入球口72から流下した球は、振分装置73の中央板部73b及び左側受板73cによって形成された空間に収まる。そして、球の自重により左側受板73cを押し下げることで振分装置73が回動し、左側受板73cの先端側が交互振分ユニット71の壁部に当接して該左側受板73c全体が回転軸部73aより下方側であって右側受板73dが回転軸部73aより上方側の状態となる。従って、振分装置73が球を左側経路74側へ流下可能な状態となり、その状態において球が左側受板73cの上面を転動することで左側経路74へと案内される。このときも、振分側磁石(図示せず)とユニット側磁石(図示せず)との反発力よりも、球の自重によって左側受板73cを押し下げる(振分装置73を回動させる)力の方が大きいことで、上記磁石の反発力に抗って振分装置73が回動される。そして、再び、上記磁石の反発力によって、左側受板73cが回転軸部73aより下方側であって右側受板73dが回転軸部73aより上方側となる状態、即ち、右側案内位置の状態が維持される。これらの動きを交互に繰り返すことにより、交互振分ユニット71に入球した球が左側経路74と右側経路75とに交互に振り分けられる。
交互振分ユニット71の左側経路74は、上記振分装置73によって交互振分ユニット71内の左側に案内された球が流下する経路である。この左側経路74の左側下方には、該左側経路74を流下する球が流出する左側出口が設けられ、該左側出口の下方位置には、特図1第1入賞口77aが配設されている。よって、左側経路74に案内された球は、左側経路74内を流下した後、左側出口から排出され、特図1第1入賞口77aへ入賞するように構成されている。
また、左側経路74は、球の流下通路として所定の長さを有しており、第1実施形態のパチンコ機10では、振分装置73によって左側経路74に振り分けられた球が、該左側経路74に流入してから左側出口に到達するまで「2秒」の時間を要するように構成されている。即ち、振分装置73によって左側に振り分けられた球は、そのタイミングから「2秒」後に左側経路74の左側出口から流出して、特図1第1入賞口77aに入賞することとなる。
交互振分ユニット71の右側経路75は、上記振分装置73によって交互振分ユニット71内の右側に案内された球が流下する経路である。この右側経路75の右側下方には、該右側経路75を流下する球が流出する右側出口が設けられ、該右側出口の下方位置には、特図1第2入賞口77bが配設されている。また、この右側出口の下方位置には、後述する普通電役ユニット79の出没板79bの左端部が位置するように出没板79bが配設されている。
従って、第1実施形態のパチンコ機10では、右側経路75に案内された球は、右側経路75内を流下した後、出没板79bが突出状態でない場合(即ち、没入状態である場合)には、右側経路75の右側出口から流出した球が特図1第2入賞口77bへ入賞するように構成されている。一方、出没板79bが突出状態の場合には、右側経路75の右側出口から排出された球が突出状態の出没板79bと衝突して流下方向が変更され、出没板79bの上面を左端方向へ転動して特図2入賞口78側へ案内されるように構成されている。特図2入賞口78側へ案内された球は、特図2入賞口78へ案内され易いように植設された複数の釘と衝突しながら特図2入賞口78に入賞し得るように構成されている。
また、右側経路75は、左側経路74と同様、球の流下通路として所定の長さを有しており、第1実施形態のパチンコ機10では、振分装置73によって右側経路75に振り分けられた球が、該右側経路75に流入してから右側出口に到達するまで「2秒」の時間を要するように構成されている。即ち、振分装置73によって右側に振り分けられた球は、そのタイミングから「2秒」後に右側経路75の右側出口から流出して、特図1第2入賞口77b又は特図2入賞口78に入賞することとなる。
右側経路75の振分装置73近傍(球1個分程度右側)には、ユニット内普通図柄ゲート76aが埋設されている。このユニット内普通図柄ゲート76aは、球が通過するための貫通孔(図示せず)が設けられている。交互振分ユニット71の右側経路75に流入された球が、このユニット内普通図柄ゲート76aを通過すると、貫通孔に設けられた第2入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、そのオンに起因して主制御装置110で普通図柄の当たり抽選が行われる。このユニット内普通図柄ゲート76aは、普通図柄の可変表示の抽選契機となるのみであり、球が通過した場合であっても賞球等の払い出しは行われないように構成されている。
第1実施形態のパチンコ機10では、上述したように、ユニット内普通図柄ゲート76aが右側経路75に埋設されているため、振分装置73によって右側経路75に振り分けられた球は、必ずユニット内普通図柄ゲート76aを通過するように構成されている。
ユニット内普通図柄ゲート76aを通過した球に基づいて行われた普通図柄の抽選の結果、当たりと判定された場合には、普通図柄表示装置83における可変表示を経て「○」の図柄が停止表示された後に、出没式普通電役79aの出没板79bが作動する。これにより、遊技盤13内に没入して球を転動(誘導)不可状態となっている出没板79bが、該没入状態から突出状態に可動(変位)して、遊技状態ごとに異なる所定時間だけ球が出没板79bの上面を転動可能な状態となり、特図2入賞口78へ入球し得る状態となる。
ここで、振分装置73によって振り分けられた直後の球は、球の流下方向が直角に切り替えられ、振り分けられた勢いによって右側経路75内で上下に揺れ動き、該右側経路75を形成する壁部と複数回の衝突を繰り返しながら流下される。よって、振分装置73によって振り分けられた直後の球をユニット内普通図柄ゲート76aの第2入球口スイッチ(図示せず)によって検知しようとした場合、ユニット内普通図柄ゲート76aの通過中に球が揺れ動き複数回に亘り第2入球口スイッチにて検知されてしまう事象(以下、ユニット内普通図柄ゲート76a等のスイッチによる複数回の誤検知を、「チャタリング」という)の発生が懸念される。
そこで、第1実施形態のように、振分装置73から少なくとも球1個以上程度離れた位置にユニット内普通図柄ゲート76aを設けることで、少なくとも球1個分設けられた右側経路75の通路壁(図示せず)によって球の挙動が安定し、振分装置73によって振り分けられた直後の球の揺れ動きが減少した状態でユニット内普通図柄ゲート76aを球が通過するように構成することで、振分装置73によって振り分けられた球によるチャタリングの発生を防止することができる。なお、ユニット内普通図柄ゲート76aの位置は、振分装置73から離れた位置に配設すればするほど、チャタリングの発生を防ぐ上で好適である。
第1実施形態のパチンコ機10では、右側経路75に埋設されたユニット内普通図柄ゲート76aを球が通過してから、該右側経路75の右側出口から流出されるまで、「1.9秒」の時間を要するように構成されている。即ち、振分装置73によって右側に振り分けられた球は、そのタイミングから「0.1秒」後にユニット内普通図柄ゲート76aを通過し、該ユニット内普通図柄ゲート76aを通過したタイミングから「1.9秒」後に、右側経路75を流下し、その後、右側経路75の右側出口から流出して特図1第2入賞口77b又は特図2入賞口78に入賞することとなる。
従って、第1実施形態のパチンコ機10では、右側経路75に球が流入した場合に、ユニット内普通図柄ゲート76aの通過に基づいて普通図柄の抽選契機が取得される。また、球がユニット内普通図柄ゲート76aを通過したタイミングから右側経路75の右側出口へ流出するまでの時間より長い可変表示時間となる遊技状態(第1実施形態では、「通常遊技状態」。図16(b)を参照して後述する。)と、球がユニット内普通図柄ゲート76aを通過したタイミングから右側経路75の右側出口へ流出するまでの時間より短い可変表示時間となる遊技状態(第1実施形態では、「潜伏確率変動状態」(及び「確率変動状態」)。図16(b)を参照して後述する。)とが設けられている。即ち、第1実施形態のパチンコ機10では、ユニット内普通図柄ゲート76aを球が通過して普通図柄の可変表示が開始されてから該可変表示が終了するまでの間に、該球が右側経路75の右側出口から流出する遊技状態(即ち、「通常遊技状態」)と、該球が右側経路75の右側出口から流出せず右側経路75内を流下している途中となる遊技状態(即ち、「潜伏確率変動状態」(及び「確率変動状態」))とが設けられている。
そして、「通常遊技状態」と、「潜伏確率変動状態」(及び「確率変動状態」)とで、普通図柄の当選確率を変更し、「通常遊技状態」では、普通図柄の可変表示で当たりに当選し難くしつつ(第1実施形態では、1/10。図16(a)において後述する。)、「潜伏確率変動状態」(及び「確率変動状態」)では、「通常遊技状態」より普通図柄の可変表示で当たりに当選し易く(第1実施形態では、9/10。図16(a)において後述する。)する。
よって、「通常遊技状態」では、仮に、普通図柄の可変表示で当たりに当選した場合であっても出没板79bが突出状態になったタイミングでは、球が既に特図1第2入賞口77bへ入賞しているので、右側経路75に流入した球が特図2入賞口78側へは誘導されないように構成されている。また、「通常遊技状態」では、普通図柄の可変表示で当たりに当選し難いように構成されているため、複数の球が連続的に右側経路75に流入した場合であっても、それらの球が特図2入賞口78側へ誘導される可能性は低くなるように構成されている。
一方、「潜伏確率変動状態」では、右側経路75に流入した球が右側出口から流出するタイミングでは、ユニット内普通図柄ゲート76aの通過に基づく普通図柄の可変表示が終了しており、さらに、該可変表示において当選して出没板79bが突出状態となっている可能性が高い。よって、該球が出没板79bと衝突し、該出没板79bの上面を左端方向へ転動することによって特図2入賞口78側に誘導される。
このように構成することで、「通常遊技状態」では、交互振分ユニット71に入球した球が、特図1第1入賞口77a又は特図1第2入賞口77bのいずれかに入賞して、第1特別図柄の第1抽選遊技が実行され得るように構成される。一方、「潜伏確率変動状態」(及び「確率変動状態」)では、交互振分ユニット71に入球した球が、左側経路74に振り分けられた場合は特図1第1入賞口77aに入賞し、右側経路75に振り分けられた場合は特図2入賞口78に入賞して、第1特別図柄の第1抽選遊技と第2特別図柄の第2抽選遊技とが交互に実行されるように構成される。従って、同じ左打ちの遊技において「通常遊技状態」と「潜伏確率変動状態」とで入賞し得る入賞口77,78のパターンを異ならせることで、遊技にバリエーションを設け、遊技の興趣を向上することができる。
普通電役ユニット79の右側普通図柄ゲート76bは、普通電役ユニット79の右上部に一体的に形成されており、球が通過するための貫通孔(図示せず)が上下方向に設けられている。この右側普通図柄ゲート76bを球が通過すると、貫通孔に設けられた第2入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、そのオンに起因して主制御装置110で普通図柄の当たり抽選が行われる。この右側普通図柄ゲート76bは、ユニット内普通図柄ゲート76aと同様、普通図柄の可変表示の抽選契機となるのみであり、球が通過した場合であっても賞球等の払い出しは行われないように構成されている。
なお、第1実施形態において、右側普通図柄ゲート76bは、「通常遊技状態」及び「潜伏確率変動状態」において右打ちされた場合における警報機能を有している。具体的には、「通常遊技状態」及び「潜伏確率変動状態」において右側普通図柄ゲート76bによって球の通過を検知した場合に、右打ち遊技が実行されていると判別し、音声出力装置226(図13参照)から警報音を出力するように構成されている。このように構成することで、右打ち遊技が奨励されていない「通常遊技状態」及び「潜伏確率変動状態」において遊技者による右打ち遊技の実行を抑制することができ、本発明の遊技性を維持することができる。
普通電役ユニット79の出没式普通電役79aは、普通電役ユニット79の下部に一体的に形成されている。この出没式普通電役79aには、普通電役ユニット79内に流入した球を交互振分ユニット71側へ誘導可能な1枚の出没板79bが交互振分ユニット71側に傾斜(例えば、10度)した状態で設けられると共に、該出没板79bを突出状態又は没入状態に変位駆動可能な出没板用ソレノイド(図示せず)が設けられている。
この出没板79bは、横幅55mm、奥行き幅20mmで形成されると共に、全長にわたって一定幅の厚み(例えば、1mm)で形成され、通常時(非作動時)は遊技盤13に設けられた貫通孔(図示せず)内に収納されている。そして、普通図柄の可変表示に当選することで出没板用ソレノイドが駆動して貫通孔から突出することより、出没板79bが遊技盤13の盤面からパチンコ機10手前側に突出した状態となる。そして、該出没板79bの突出状態の場合に、普通電役ユニット79の下部を塞ぎ、上流側から流下した球を左方向(即ち、交互振分ユニット71側)へ誘導するように配設されている。
第1実施形態の主制御装置110は、普通図柄の可変表示で当たりに当選した場合に、上記出没板用ソレノイドを所定時間駆動し、出没板79bを上記所定時間の間、普通電役ユニット79の基部79y(図5参照)に設けられた貫通孔から突出した状態に維持する。普通電役ユニット79内に流入した球は、出没板79bが突出状態の場合には、該出没板79bの上面を傾斜に沿って転動して、交互振分ユニット71側に案内される。一方、出没板79bが基部79y(図5参照)に没入した状態の場合には、没入状態の出没板79bの上面を転動せず、該球が普通電役ユニット79の下方側へ排出される。
普通電役ユニット79の減速部79cは、普通電役ユニット79が遊技盤13と接する基部79y(図5参照)に設けられたリブ形状の複数の奥側減速部79c1,79c3,79c5(図5(c)参照)と、該基部79y(図5参照)の対面側に位置するカバー部79x(図5参照)の裏面側(基部79y側)に設けられたリブ形状の複数の手前側減速部79c2,79c4(図5(c)参照)とにより構成されている。
この奥側減速部79c1,79c3,79c5及び手前側減速部79c2,79c4(以下、奥側減速部79c1,79c3,79c5と手前側減速部79c2,79c4とを総称して、単に「減速部79c」と表現する場合がある)は、交互に均等に配置され、出没板79bの上面を球が転動する際に、球が減速部79cと衝突を繰り返して蛇行して減速しながら転動するように構成されている。このように構成することで、出没板79b上を流下する球の流下速度を効率よく減速させることができ、球詰まり等が発生することを抑制できる。
これにより、第1実施形態のパチンコ機10では、出没板79bの右端に到達した球が、該出没板79bの上面を左端方向へ転動し、該出没板79bの左端まで到達するまでに「2.5秒」の時間を要するように構成されている。その結果、出没板79bが突出状態であっても、球が減速部79cと衝突している間に、該出没板79bが没入状態に切り替わった場合、出没板79bの上面を転動していた球は普通電役ユニット79の下方側へ流出するように構成されている。
ここで、図5を参照して、普通電役ユニット79における出没板79bの変位態様と、該出没板79bの上面を転動する球の挙動について説明する。上述したように、図5(a)は、出没板79bが没入状態(非突出状態)である場合の球の挙動を説明するための普通電役ユニット79の模式的斜視図であり、図5(b)は、出没板79bが突出状態である場合の球の挙動を説明するための普通電役ユニット79の模式的斜視図であり、図5(c)は、図5(b)のVc−Vc線における普通電役ユニット79の模式的断面図である。
図5(a)で示すように、出没板79bが没入状態である場合に、右側普通図柄ゲート76bから普通電役ユニット79内に流入した球は、出没板79bと接触せず、そのまま普通電役ユニット79の下方側に排出され、いずれの入賞口77,78にも入賞しない。
一方、図5(b)及び図5(c)で示すように、出没板79bが突出状態である場合には、右側普通図柄ゲート76bから普通電役ユニット79内に流入した球は、突出状態の出没板79bの右端部と衝突し、該出没板79bの傾斜によって該出没板79bの上面を遊技盤13(図3参照)の正面視左側、即ち、交互振分ユニット71側へと転動する。
具体的には、出没板79bの右端部から該出没板79bの上面を左端方向へ転動する球は、まず、普通電役ユニット79の基部79y側に設けられた第1奥側減速部79c1と衝突して、その衝突によって進行方向が変更されて出没板79bの上面をカバー部79x側へと転動する。そして、次に、普通電役ユニット79のカバー部79x側に設けられた第1手前側減速部79c2と衝突して、その衝突によって再び進行方向が変更されて出没板79bの上面を基部79y側へと転動する。その後、普通電役ユニット79の基部79y側に設けられた第2奥側減速部79c3と衝突して、その衝突によって再度進行方向が変更されて出没板79bの上面をカバー部79x側へと転動する。そして、次に、普通電役ユニット79のカバー部79x側に設けられた第2手前側減速部79c4と衝突して、その衝突によって再度進行方向が変更されて出没板79bの上面を基部79y側へと転動する。その後、普通電役ユニット79の基部79y側に設けられた第3奥側減速部79c5と衝突して、その衝突によって再度進行方向が変更されて出没板79bの上面をカバー部79x側へと転動しながら、出没板79bの左端部から流出する。
なお、出没板79bの左端部から流出した球は、植設された複数の釘と衝突しながら、交互振分ユニット71に設けられた特図2入賞口78に入賞し得るように構成されている。
よって、出没板79bの上面を転動する球は、複数の奥側減速部79c1,79c3,79c5と複数の手前側減速部79c2,79c4との衝突を繰り返しながら、出没板79bの上面を所謂ジグザグに転動する。従って、第1実施形態のパチンコ機10では、出没板79bの上面に存在(滞留)している時間が「2.5秒」かかるように構成されている。その結果、「通常遊技状態」や「潜伏確率変動状態」のように、出没板79bの突出時間が短い遊技状態は、出没板79bの上面を球が転動している状態で、該出没板79bが突出状態から没入状態に切り替わった場合、該球は、出没板79bの上面を転動している位置から鉛直方向下方側に落下(流下)して、普通電役ユニット79の下部(外部)に排出される。また、特図1第2入賞口77bの上部位置に対応する出没板79bの上面を転動している場合には、この特図1第2入賞口77bに入賞する。
この減速部79cの構成により、出没板79bの上面を転動する球の流下速度を減速しつつ、出没板79bの上面を転動する時間を一定にすることができる。これにより、球が出没板79bの上面に滞留する時間を一定かつ長時間化することができる。よって、減速部79cがない場合と比べて出没板79b上での滞留時間を長くすることで、本発明の遊技性を実現する上で、遊技状態毎に出没板79bの突出時間の調整等の遊技仕様を設計し易くすることができる。
さらに、減速部79cによる球の流下速度を遅らせれば遅らせるほど、出没板79b上を転動する球の転動時間を長くすることができるので、出没板79bの全長を短くすることができ、その分、普通電役ユニット79全体をコンパクト化することができる。よって、パチンコ機10の左右方向(横方向)での出没板79bの占有領域を小さくすることができる。その結果、パチンコ機10の設計自由度の向上に貢献することができる。
ここで、第1実施形態のパチンコ機10では、普通電役ユニット79の右側普通図柄ゲート76bを球が通過してから、該球が出没板79bの右端部の位置に流下されるまで、「1秒」の時間を要するように構成されている。即ち、右側普通図柄ゲート76bを通過した球は、そのタイミングから「1秒」後に出没板79bの右端部の位置に到達し、出没板79bが非突出状態であれば、そのまま下流側へ流下して普通電役ユニット79から流出する一方、出没板79bが突出状態であれば、出没板79bと衝突し、該出没板79bの上面を傾斜に沿って転動するように構成されている。
第1実施形態のパチンコ機10では、交互振分ユニット71の構成に対して、出没板79bを備えた普通電役ユニット79を連係(連動)可能に構成しつつ、遊技状態毎に普通図柄及び出没板79bに関する制御を異ならせることによって、「通常遊技状態」又は「潜伏確率変動状態」においては左打ちの遊技の方が遊技価値が得易いように構成されていると共に、「確率変動状態」においては右打ちの遊技の方が遊技価値が得易いように構成されている。
具体的には、遊技状態に応じて普通図柄及び出没板79bに関する制御を異ならせることで、「通常遊技状態」では、特図1第1入賞口77a又は特図1第2入賞口77bに入賞し易く、第1特別図柄の第1抽選遊技が発生し易い遊技状態とし、「潜伏確率変動状態」では、特図1第1入賞口77aと特図2入賞口78とに交互に入賞し易く、第1特別図柄の第1抽選遊技と第2特別図柄の第2抽選遊技とが交互に発生し得る遊技状態とし、「確率変動状態」では、特図2入賞口78に入賞し易く、第2特別図柄の第2抽選遊技が発生し易い遊技状態とする。そして、第1特別図柄の第1抽選遊技で得られる遊技価値より第2特別図柄の第2抽選遊技で得られる遊技価値の方が、遊技者にとって有利な状況となり易いように構成する。
このように構成することで、遊技状態ごとに入賞し得る(し易い)入賞口77,78のパターンをそれぞれ異ならせ、遊技のバリエーションを豊富にして興趣を向上することができると共に、遊技状態ごとに得られる遊技価値を段階的に変化し得るように構成することで、段階的に高価値な遊技状態に遷移するという興趣を遊技者に提供し、遊技の興趣を向上することができる。
従来、複数の特別図柄(例えば、第1特別図柄および第2特別図柄)と1つの普通図柄とを用いた一般的なパチンコ機において、「通常遊技状態」以外の他の2つ以上の遊技状態(例えば、「確率変動状態」、「時間短縮状態」又は「潜伏確率変動状態」のいずれか2つ以上の遊技状態)を発生可能なパチンコ機が存在する。
具体的には、例えば、第1特別図柄に対応する特図1入賞口に入賞し得るように構成されつつ、第2特別図柄に対応する特図2入賞口に入賞し難いように構成された「通常遊技状態」が設けられている。
また、該「通常遊技状態」より特別図柄と普通図柄との当選確率が上昇して、特別図柄の大当たりが発生し易く、かつ、普通図柄の当選(当たり)に基づく普通電役の駆動によって第2特別図柄に対応する特図2入賞口へ入賞し易いように構成された「確率変動状態」が設けられている。
さらに、「通常遊技状態」より普通図柄の当選確率のみが上昇して特別図柄の当選確率は「通常遊技状態」と同等であって、普通図柄の当選(当たり)に基づく普通電役の駆動によって第2特別図柄に対応する特図2入賞口に入賞し易いように構成された所謂「時間短縮状態」が設けらている。これらの遊技状態が発生可能に構成されたパチンコ機が従来から多数存在している。そして、第1特別図柄の第1抽選遊技で得られる遊技価値と、第2特別図柄の第2抽選遊技で得られる遊技価値とに差を設ける(例えば、第2抽選遊技の方が「15R確変大当たり」に当選し易い等)ことで、遊技にバリエーションを設け、遊技の興趣を高めている。
このようなパチンコ機では、「通常遊技状態」では特図1入賞口に入賞し得る(し易い)ように構成され、「確率変動状態」又は「時間短縮状態」では特図2入賞口に入賞し易い(し得る)ように構成されており、遊技状態に応じて入賞し易い(し得る)入賞口がそれぞれ固定的である。また、第1特別図柄の第1抽選遊技で得られる遊技価値と、第2特別図柄の第2抽選遊技で得られる遊技価値とに差を設けたとしても、各遊技状態ごとに固定的な入賞口に球を入賞させて大当たりするか否かの遊技性となってしまい、遊技が単調になるおそれがある。
そこで、昨今のパチンコ機では、第1特別図柄の第1抽選遊技が得られる特図1入賞口と、第2特別図柄の第2抽選遊技が得られる特図2入賞口とに交互に球を入賞させる機能を備えた旧来型交互振分ユニットが採用されている。具体的には、旧来型交互振分ユニット内に振分装置と特図1入賞口と特図2入賞口とを設け、該旧来型交互振分ユニットに入球した球が振分装置により特図1入賞口と特図2入賞口とに交互に入賞するように構成して、1の遊技状態において複数の特別図柄の始動条件が成立し得るように構成されたパチンコ機が存在する。
この旧来型交互振分ユニットを採用したパチンコ機では、所定の遊技状態(例えば、「通常遊技状態」)において、旧来型交互振分ユニットに球が入球した場合には、第1特別図柄の第1抽選遊技と第2特別図柄の第2抽選遊技とが交互に付与されるため、該遊技状態において複数の特別図柄の抽選が得られ、1の遊技状態で異なる抽選遊技が交互に実行されるという遊技性を備え、遊技の興趣を高めている。
また、この旧来型交互振分ユニットを備えたパチンコ機において、いずれかの入賞口へ入賞し易い「確率変動状態」や「時間短縮状態」の遊技状態を実現する場合には、遊技領域の右側に普通図柄ゲートを設けると共に、旧来型交互振分ユニットの特図2入賞口近辺(例えば、特図2入賞口右側)に普通電役を設けたり、別途、普通電役付きの特図2入賞口を設けている。そして、上記「確率変動状態」又は「時間短縮状態」において遊技者に右打ちをさせて、普通図柄ゲートを球が通過した場合に、普通図柄の当選確率が上昇していることによって普通電役が駆動し易いように構成しつつ、該普通電役が駆動されることで特図2入賞口にのみ球が入賞し易い状態を実現している。
即ち、上述した旧来型交互振分ユニットを用いたパチンコ機では、「通常遊技状態」では、遊技者に左打ちを行わせ、左打ちされた球が旧来型交互振分ユニットに入球し、特図1入賞口と特図2入賞口とに交互に入賞し得るように構成されている。また、「確率変動状態」では、遊技者に右打ちを行わせ、右打ちされた球が遊技領域右側に設けられた普通図柄ゲートを通過し易いように構成する。そして、該普通図柄ゲートの通過に起因して実行される普通図柄の可変表示において当選することで、特図2入賞口近辺に設けられた普通電役が駆動して、該普通電役の駆動中、特図2入賞口に球が入賞し易いように構成されている。また、「時間短縮状態」では、「確率変動状態」と同様、遊技者に右打ちを行わせ、特図2入賞口に球が入賞し易いように構成されている。
一方、上述した旧来型交互振分ユニットを備えたパチンコ機では、「確率変動状態」と「時間短縮状態」との複数の遊技状態で、特図2入賞口へのみ入賞がし易い状態となり、複数の遊技状態において入賞し易い入賞口が固定的であるため、遊技が単調になるおそれがある。
また、上述した旧来型交互振分ユニットを備えたパチンコ機において、第1特別図柄の第1抽選遊技と第2特別図柄の第2抽選遊技とで得られる遊技価値に差を設けた(例えば、第2抽選遊技の方が「15R確変大当たり」に当選し易い等)場合、遊技者にとって最も不利な「通常遊技状態」において、特図1入賞口と特図2入賞口とに交互に球が入賞することで、不利な遊技状態であるにも関わらず得られる遊技価値に差が生じたチグハグな遊技状態となってしまう。そして、仮に、「通常遊技状態」において得られる遊技価値が低い特図1入賞口への入賞に基づく大当たりが発生した場合に、遊技者は、特図2入賞口への入賞に基づく大当たりが得られなかったことによる喪失感を感じ、折角大当たりしたにも関わらず遊技に興醒めするおそれがある。
従って、旧来型交互振分ユニットを備えたパチンコ機では、「通常遊技状態」において第1特別図柄の第1抽選遊技と第2特別図柄の第2抽選遊技とに得られる遊技価値の差を設けず、遊技状態が変化した場合、即ち、「確率変動状態」又は「時間短縮状態」において第2特別図柄の第2抽選遊技が得られた場合に、得られる遊技価値を「通常遊技状態」から変化させるように構成して、遊技者が遊技に興醒めしないような遊技仕様としつつ、遊技のバリエーションを設けている。
その結果、この旧来型交互振分ユニットを備えたパチンコ機では、「通常遊技状態」において、入賞口ごとに得られる遊技価値が変化しない構成の場合、旧来型交互振分ユニットに特図2入賞口を設ける必要性が乏しくなり、旧来型交互振分ユニットを採用する意義が失われるおそれがある。
ここで、遊技状態ごとに入賞し得る入賞口を明確に異ならせるために、複数の非電動役物(例えば、電気的動力によって駆動される電動役物以外の役物をいう)を活用して遊技状態ごとに入賞し得る(し易い)入賞口を異ならせるパチンコ機が存在する。
具体的には、所定の普通図柄ゲートと、該普通図柄ゲートへの球の通過に起因して駆動し得る普通電役と、それぞれ特別図柄の入賞口を有した複数の非電動役物と、普通電役内を通過する球の自重によって対応する非電動役物をそれぞれ作動させる複数の作動部材とを設ける。そして、遊技状態に応じて普通電役の開放態様を変更(例えば、短開放又は長開放)することで球が通過し得る作動部材を異ならせるように構成し、遊技状態に応じて開放される非電動役物を異ならせることで、遊技状態に応じて入賞し得る特別図柄の入賞口を異ならせるよう構成されたパチンコ機が存在する(例えば、特開2014−100432号参照)。
このようなパチンコ機では、例えば、「通常遊技状態」での左打ち時において球が入賞し得る第1特別図柄用の特図1第1入賞口と、「第1確率変動状態(潜伏確率変動状態)」での右打ち時において球が入賞し得る第1特別図柄用の特図1第2入賞口が内蔵された第1非電動役物と、「第2確率変動状態」での右打ち時において球が入賞し得る第2特別図柄用の特図2入賞口が内蔵された第2非電動役物とを設ける。また、「通常遊技状態」では、普通図柄の当選確率を低く設定しつつ、「第1確率変動状態(潜伏確率変動状態)」及び「第2確率変動状態」では、普通図柄の当選確率を高く設定する。そして、右打ち時において、普通図柄ゲートへの球の通過に基づく普通図柄の可変表示に当選することで作動状態となる普通電役の内部に、第1非電動役物に対応する第1作動部材と、第2非電動役物に対応する第2作動部材とをそれぞれ設ける。また、普通電役には、遊技状態に応じて普通電役の開放パターン(例えば、「第1確率変動状態」では短開放で駆動、「第2確率変動状態」では長開放で駆動)が変化する作動レバーを設ける。この作動レバーは、普通電役の開放パターンが短開放の場合には、普通電役内に流入した球を第1作動部材に誘導するように構成され、また、普通電役が長開放の開放パターンの場合には、普通電役内に流入した球を第2作動部材に誘導するように構成されている。このように構成することで、「通常遊技状態」では特図1第1入賞口にのみ入賞し得るように構成し、「第1確率変動状態」では特図1第2入賞口にのみ入賞し易いように構成し、「第2確率変動状態」では特図2入賞口にのみ入賞し易いように構成されている。
しかしながら、上記非電動役物を用いたパチンコ機では、該非電動役物を活用することで遊技状態ごとに入賞し得る入賞口を変更するように構成されているが、一般的に遊技者に馴染みが薄い非電動役物を用いて遊技性を構築しているため、その遊技仕様を遊技者が理解させることが困難である。その結果、遊技者は、遊技仕様が理解困難なパチンコ機での遊技を敬遠してしまい、パチンコ機の稼働が上がらないおそれがある。
また、上述した非電動役物を備えたパチンコ機において、普通電役の内部において作動部材を設け、該作動部材と非電動役物とを機械的に連動させる特殊な機構によって入賞口への入賞態様を変更するように構成されている。このため、作動部材と非電動役物とを機械的に連動させる特殊な機構分、パチンコ機に使用する部品点数が増加し、製造コストが増加してしまうおそれがある。
さらに、上述した非電動役物を備えたパチンコ機において、「通常遊技状態」と「第1確率変動状態」との複数の遊技状態で、第1特別図柄用の特図1第1入賞口へ入賞し得る状態か、特図1第2入賞口へのみ入賞がし易い状態である。よって、複数の遊技状態において第1特別図柄の抽選契機のみが得られる構成であるため、得られる抽選契機が同一の特別図柄であることによって、遊技が単調になるおそれがある。
また、上述した非電動役物を備えたパチンコ機において、特別図柄の抽選契機を得るために、一旦、普通図柄の入球口に球を入賞させて普通図柄に当選し、その後、普通図柄に当選に基づく電動役物の開放に伴って、電動役物に球を入賞させ、電動役物内に設けられた作動部材に球を入球(入賞)させることで、ようやく特別図柄に対応する入賞口へ球を入賞し得る状態となり、上記複数の段階を経なければ特別図柄の抽選契機を得ることができないように構成されている。よって、いずれかの段階の装置(例えば、作動部材)が故障した場合、特別図柄の抽選契機を得ることができなくなるおそれがある。
そこで、第1実施形態のパチンコ機10では、一般的なパチンコ機に採用される頻度が高い2つの特別図柄(第1特別図柄と第2特別図柄)と1つの普通図柄とを用い、さらに、従来から存在する交互振分ユニット71に対して、出没式普通電役79aを有する普通電役ユニット79を有機的に連係するように配設することで、3つの遊技状態において入賞し得る(し易い)入賞口77,78のパターンをそれぞれ異ならせるように構成されている。
なお、第1実施形態における各経路74,75の球の流下時間や、出没板79bへの球の到達時間、出没板79bの上面を転動する時間、又は、出没板79bの駆動時間(突出時間)は、あくまで一例を示したにすぎず、第1実施形態における遊技性を実現するためであれば、上記各時間を如何様に設定することは当然に可能であり、第1実施形態で想定している効果と同等の効果を奏する。
ここで、図6から図11を参照して、各遊技状態における遊技性、即ち、球の発射態様に基づく球の挙動と、それに伴う出没板79bの挙動とを説明する。まず、図6及び図7を参照して、「通常遊技状態」における遊技性について説明する。
図6は、「通常遊技状態」における左打ち時において、交互振分ユニット71の振分入球口72から入球した球の挙動と、出没板79bの挙動とを説明するための模式図である。図6(a)は、「通常遊技状態」における左打ち時に、交互振分ユニット71に入球した球が、振分装置73によって左側経路74に振り分けられた場合の球の挙動を示している。また、図6(b)は、「通常遊技状態」における左打ち時に、交互振分ユニット71に入球した球が、振分装置73によって右側経路75に振り分けられた場合の球の挙動を示している。
また、図7(a)は、「通常遊技状態」における左打ち時において、交互振分ユニット71の右側経路75に振り分けられた球の流下タイミングと、普通図柄の可変表示と、出没板79bの突出時間とを示したタイミングチャートであり、図7(b)は、「通常遊技状態」における右打ち時において、普通電役ユニット79内に流入した(右側普通図柄ゲート76bを通過した)球の流下タイミングと、普通図柄の可変表示と、出没板79bの突出時間とを示したタイミングチャートである。
まず、図6(a)で示すように、「通常遊技状態」において振分装置73によって左側経路74に振り分けられた球は、振分装置73から振り分けられてから「2秒」後に左側経路74の左側出口から流出し、該左側出口の下方に配置された特図1第1入賞口77aに入賞する。
一方、図6(b)で示すように、「通常遊技状態」において振分装置73によって右側経路75に振り分けられた球は、まず、振分装置73から振り分けられた「0.1秒」後にユニット内普通図柄ゲート76aを通過し、該ユニット内普通図柄ゲート76aを通過してから「1.9秒」後に右側経路75の右側出口から流出する。
この場合に、図7(a)で示すように、球が振分装置73により右側経路75に振り分けられた場合、振り分けられたタイミングから「2秒」後に右側経路75の右側出口から流出するように構成されている。また、球が右側経路75に振り分けられてから「0.1秒」後に右側経路75に埋設されたユニット内普通図柄ゲート76aを通過し、該ユニット内普通図柄ゲート76aを通過したことによって普通図柄の抽選契機が得られ、普通図柄の保留球が存在しないことを条件に普通図柄の可変表示が開始される。
「通常遊技状態」における可変表示は、「3秒」行われる。よって、球がユニット内普通図柄ゲート76aを通過したタイミングから右側経路75の右側出口から流出するまでに要する時間より、普通図柄の可変表示時間の方が長いため、可変表示の結果が導出される前に出没板79bの配設位置を通過して、そのまま特図1第2入賞口77bへ入賞する。
なお、図7(b)で示すように、「通常遊技状態」において右打ちが行われた場合は、右側普通図柄ゲート76bを通過した球は、「1秒」後に出没板79bの右端の位置に到達する。また、「通常遊技状態」における普通図柄の可変表示時間は「3秒」行われるため、右側普通図柄ゲート76bの通過に基づく普通図柄の可変表示が終了する前、即ち、可変表示に基づいて出没板79bが突出状態となる前に、普通電役ユニット79の下流側(遊技盤13下方側)へ流出する。
また、球が連続的に入球した場合であっても、「通常遊技状態」では普通図柄の当たりが発生し難く、また、当たりとなって出没板79bが突出状態を維持する時間が「2秒」であって(図15(c)参照)、出没板79bの上面を右端部から左端部まで転動するために要する時間は「2.5秒」となるように構成されている。
その結果、出没板79bが突出状態を維持している間に特図2入賞口78(特図1第2入賞口77b)側まで転動することなく、該出没板79bの上面を転動している最中に該出没板79bが没入状態に変位した場合に普通電役ユニット79の下流側へと流下する。さらに、「通常遊技状態」において右側普通図柄ゲート76bが球の通過を検知した場合には、警報音を鳴らすように構成されている。その結果、遊技者に、「通常遊技状態」において右打ち遊技を行わせることなく、左打ち遊技を行わせることができる。
このように、「通常遊技状態」では、左打ちの遊技によって交互振分ユニット71に入球した球は、特図1第1入賞口77aか、特図1第2入賞口77bかのいずれかに交互に入賞し得るため、第1特別図柄の第1抽選遊技が実行され得る遊技が行われるように構成されている。なお、交互振分ユニット71に対して3つ以上の球が連続的に入球する事象が発生した場合、普通図柄の可変表示時間の終了タイミングと、右側経路75の右側出口から流出する球の流出タイミングとが変更されるため、上述した遊技性が崩壊してしまう。しかし、交互振分ユニット71の振分入球口72に対しては、出没板79bのような入賞補助機能が備わっていないため、該事情自体がレアケースであり、交互振分ユニット71に対する連続した球の入球に関しては度外視して本発明を説明する。
次いで、図8及び図9を参照して、「潜伏確率変動状態」における遊技性について説明する。
図8は、「潜伏確率変動状態」における左打ち時において、交互振分ユニット71の振分入球口72から入球した球の挙動と、出没板79bの挙動と、該出没板79bの上面を転動する球の挙動とを説明するための模式図である。図8(a)は、「潜伏確率変動状態」における左打ち時に、交互振分ユニット71に入球した球が、振分装置73によって左側経路74に振り分けられた球の挙動を示している。また、図8(b)は、「潜伏確率変動状態」における左打ち時に、交互振分ユニット71に入球した球が、振分装置73によって右側経路75に振り分けられた球の挙動を示している。
また、図9(a)は、「潜伏確率変動状態」における左打ち時において、交互振分ユニット71の右側経路75に振り分けられた球の流下タイミングと、普通図柄の可変表示と、出没板79bの突出時間とを示したタイミングチャートであり、図9(b)は、「潜伏確率変動状態」における右打ち時において、普通電役ユニット79内に流入した(右側普通図柄ゲート76bを通過した)球の流下タイミングと、普通図柄の可変表示と、出没板79bの突出時間とを示したタイミングチャートである。
まず、図8(a)で示すように、「潜伏確率変動状態」において振分装置73によって左側経路74に振り分けられた球は、「通常遊技状態」と同様、振分装置73から振り分けられてから「2秒」後に左側経路74の左側出口から流出し、該左側出口の下方に配置された特図1第1入賞口77aに入賞する。
一方、図8(b)で示すように、「潜伏確率変動状態」において振分装置73によって右側経路75に振り分けられた球は、まず、振分装置73から振り分けられた「0.1秒」後にユニット内普通図柄ゲート76aを通過し、該ユニット内普通図柄ゲート76aを通過してから「1.9秒」後に右側経路75の右側出口から流出する。
この場合に、図9(a)で示すように、球が振分装置73により右側経路75に振り分けられた場合、振り分けられたタイミングから「2秒」後に右側経路75の右側出口から流出するように構成されている。また、球が右側経路75に振り分けられてから「0.1秒」後に右側経路75に埋設されたユニット内普通図柄ゲート76aを通過し、該ユニット内普通図柄ゲート76aを通過したことによって普通図柄の抽選契機が得られ、普通図柄の可変表示が開始される。
「潜伏確率変動状態」における可変表示は、「0.5秒」行われる。よって、球がユニット内普通図柄ゲート76aを通過したタイミングから右側経路75の右側出口から流出するまでに要する時間より、普通図柄の可変表示時間の方が短いため、球が出没板79bの配設位置に到達するタイミングでは、可変表示の結果が導出されている。
また、「潜伏確率変動状態」では、普通図柄の当選確率が「通常遊技状態」よりも当選し易く構成されている。さらに、「潜伏確率変動状態」における出没板79bの突出時間は「通常遊技状態」と同様の「2秒」であるが、可変表示が開始されてから出没板79bが突出して没入するまでの合計時間は「2.5秒」となっている。
よって、球がユニット内普通図柄ゲート76aを通過してから出没板79bの配設位置に到達するまでの間に、出没板79bが突出状態となり、その状態を維持している可能性が高い。その結果、出没板79bの配設位置に到達した球は、突出状態の出没板79bの左側部分と衝突し、その位置から出没板79bの上面を左端方向へ転動し、特図2入賞口78側へと案内される。
なお、図9(b)で示すように、「潜伏確率変動状態」において右打ちが行われた場合は、右側普通図柄ゲート76bを通過した球は、「1秒」後に出没板79bの右端部の位置に到達する。また、「潜伏確率変動状態」における普通図柄の可変表示時間は「0.5秒」行われる。さらに、「潜伏確率変動状態」における普通図柄の当選確率は「通常遊技状態」より高く設定されている。
これにより、普通図柄の可変表示時間は、右側普通図柄ゲート76bを通過してから出没板79bの右端部の位置に到達するまでの時間より短く、普通図柄の当選確率も高いため、右側普通図柄ゲート76bを通過した球が出没板79bの右端部の位置に到達した場合に、出没板79bが突出状態となっている可能性が高い。
しかしながら、当たりとなって出没板79bが突出状態を維持する時間が「2秒」である一方、出没板79bの上面を右端部から左端部まで転動するために要する時間は「2.5秒」となるように構成されている。その結果、出没板79bの右端部から左端部へ向けて転動した球は、出没板79bが突出状態を維持している間に特図2入賞口78(特図1第2入賞口77b)側まで転動することなく、該出没板79bが没入状態に変位した場合にその転動位置から普通電役ユニット79の下流側(遊技盤13下方側)へと流下する。
なお、「潜伏確率変動状態」において右側普通図柄ゲート76bが球の通過を検知した場合には、「通常遊技状態」と同様、警報音を鳴らすように構成されている。その結果、遊技者に、「潜伏確率変動状態」において右打ち遊技を行わせることなく、左打ち遊技を行わせることができる。
このように、「潜伏確率変動状態」では、左打ちの遊技によって交互振分ユニット71に入球した球は、特図1第1入賞口77aか、特図2入賞口78かのいずれかに交互に入賞するため、第1特別図柄の第1抽選遊技と、第2特別図柄の第2抽選遊技とが交互に実行される遊技が行われるように構成されている。
次いで、図10及び図11を参照して、「確率変動状態」における遊技性について説明する。図10は、「確率変動状態」における右打ち時において、出没板79bの挙動と、該出没板79bの上面を転動する球の挙動とを説明するための模式図である。
また、図11(a)は、「確率変動状態」における左打ち時において、交互振分ユニット71の右側経路75に振り分けられた球の流下タイミングと、普通図柄の可変表示と、出没板79bの突出時間とを示したタイミングチャートであり、図11(b)は、「確率変動状態」における右打ち時において、普通電役ユニット79内に流入した(右側普通図柄ゲート76bを通過した)球の流下タイミングと、普通図柄の可変表示と、出没板79bの突出時間とを示したタイミングチャートである。
まず、図10で示すように、「確率変動状態」において右側普通図柄ゲート76bを通過して普通電役ユニット79内に流入した球は、そのまま下流側へと流下し、右側普通図柄ゲート76bを通過してから「1秒」後に出没板79bの右端部の位置へと到達する。
この場合に、図11(b)で示すように、球が右側普通図柄ゲート76bを通過したことによって普通図柄の抽選契機が得られ、普通図柄の可変表示が開始される。そして、「確率変動状態」における可変表示は、「0.5秒」行われる。右側普通図柄ゲート76bを通過した球は、該右側普通図柄ゲート76bを通過したタイミングから「1秒」後に出没板79bの右端部の位置に到達するように構成されている。よって、球が、右側普通図柄ゲート76bを通過したタイミングから出没板79bの右端部に到達する時間より、普通図柄の可変表示時間の方が短いため、球が出没板79bの右端部の位置に到達するタイミングでは、可変表示の結果が導出されている。
また、「確率変動状態」では、普通図柄の当選確率が「通常遊技状態」よりも当選し易く構成されている。さらに、「確率変動状態」における出没板79bの突出時間は「5秒」であり、可変表示が開始されてから出没板79bが突出して没入するまでの合計時間は「5.5秒」となっている。
よって、球が右側普通図柄ゲート76bを通過してから出没板79bの右端部の位置に到達するまでの間に、出没板79bが突出状態となり、その状態を維持している可能性が高い。その結果、出没板79bの右端部の位置に到達した球は、出没板79bの右端部と衝突し、その位置から出没板79bの上面を左端方向へ転動し、特図2入賞口78側へと案内され始める。
さらに、出没板79bの右端部から左端部まで球が転動するために要する時間は「2.5秒」であるが、上述したように、「確率変動状態」における可変表示の開始から出没板79bが突出して没入するまでの時間は「5.5秒」であるため、右側普通図柄ゲート76bを通過した球は、出没板79bが突出状態を維持している間に該出没板79bの上面を右端部から左端部まで転動しきり、特図2入賞口78側へと案内される。
また、普通図柄の可変表示の実行契機となった球から連続的に普通電役ユニット79内に流入した複数の球は、出没板79bが突出状態を維持している間、特図2入賞口78側へと案内され、特図2入賞口78へ入賞し得るように構成されている。具体的には、第1実施形態では、球の発射間隔が「0.6秒」間隔であって、当該間隔毎に必ず右側普通図柄ゲート76bを通過した場合、3個の球が追加的に特図2入賞口78側へと案内される。即ち、第1実施形態では、出没板79bが1回突出状態となった場合に、第2特別図柄の第2抽選遊技の抽選契機を4回得ることができるように構成されている。よって、「確率変動状態」において右打ち遊技を実行することで、第2特別図柄の第2抽選遊技の抽選契機を複数取得し易くしつつ、所定の賞球(即ち、2個/1入賞)を付与して、遊技者の所持球を著しく損わせることなく遊技を行わせることができる。
なお、図11(a)で示すように、「確率変動状態」において左打ちが行われた場合は、「潜伏確率変動状態」と同様、球が振分装置73により右側経路75に振り分けられた場合、振り分けられたタイミングから「2秒」後に右側経路75の右側出口から流出するように構成されている。また、球が右側経路75に振り分けられてから「0.1秒」後に右側経路75に埋設されたユニット内普通図柄ゲート76aを通過し、該ユニット内普通図柄ゲート76aを通過したことによって普通図柄の抽選契機が得られ、普通図柄の可変表示が開始される。
そして、「確率変動状態」における可変表示は、「0.5秒」行われる。よって、球がユニット内普通図柄ゲート76aを通過したタイミングから右側経路75の右側出口から流出するまでに要する時間より、普通図柄の可変表示時間の方が短いため、球が出没板79bの配設位置に到達するタイミングでは、可変表示の結果が導出されている。
また、「確率変動状態」では、普通図柄の当選確率が「通常遊技状態」よりも当選し易く構成されている。さらに、「確率変動状態」における出没板79bの突出時間は「通常遊技状態」より長く「5秒」突出する。従って、可変表示が開始されてから出没板79bが突出して没入するまでの合計時間は「5.5秒」となっている。
よって、球がユニット内普通図柄ゲート76aを通過してから出没板79bの配設位置に到達するまでの間に、出没板79bが突出状態となり、その状態を維持している可能性が高い。その結果、出没板79bの配設位置に到達した球は、出没板79bの左側部分と衝突し、その位置から出没板79bの上面を左端方向へ転動し、特図2入賞口78側へと案内される。
従って、「確率変動状態」では、左打ちの遊技によって交互振分ユニット71内に入球した球は、特図1第1入賞口77aと特図2入賞口78とに交互に入賞する一方、右打ちの遊技によって右側普通図柄ゲート76bから普通電役ユニット79内に入球した球は、特図2入賞口78へ入賞し易いように構成されている。また、「確率変動状態」は、右側普通図柄ゲート76bを球が通過した場合でも警報音が出力されないように構成されており、右打ち遊技が実行可能な状態となっている。よって、「確率変動状態」では、左打ち遊技を行うより右打ち遊技を継続的に行った方が、遊技者にとって有利な第2特別図柄の第2抽選遊技が実行され易い遊技が行われるように構成されている。
このように、第1実施形態のパチンコ機10では、左打ちの遊技においては、「通常遊技状態」において特図1第1入賞口77a又は特図1第2入賞口77bへの入賞に基づく第1特別図柄の第1抽選遊技による遊技を行わせ、「潜伏確率変動状態」において特図1第1入賞口77aへの入賞に基づく第1特別図柄の第1抽選遊技と特図2入賞口78への入賞に基づく第2特別図柄の第2抽選遊技とによる遊技を行わせることができる。また、右打ちの遊技においては、「確率変動状態」において特図2入賞口78への入賞に基づく第2特別図柄の第2抽選遊技による遊技を行わせることができる。よって、3つの遊技状態それぞれで入賞し得る入賞口77、78のバリエーションを異ならせることで、遊技にバリエーションを設け、遊技の興趣を向上することができる。
なお、「潜伏確率変動状態」や「確率変動状態」のように、普通図柄の当たり確率を「通常遊技状態」から変更する代わりに、パチンコ機10の遊技状態に応じて、出没式普通電役79aの出没板79bが突出する時間や、1回の当たりで出没式普通電役79aの出没板79bが突出する回数を変更するものとしても良い。具体的には、「潜伏確率変動状態」又は「確率変動状態」において、出没式普通電役79aの出没板79bが突出する時間を「通常遊技状態」よりも長くしたり、1回の当たりで出没式普通電役79aの出没板79bが突出する回数を「通常遊技状態」よりも多くしたりしてもよい。また、「潜伏確率変動状態」又は「確率変動状態」において、普通図柄の当たり確率のアップと、出没式普通電役79aの出没板79bの突出時間の長時間化と、出没式普通電役79aの出没板79bの突出回数の多回数化との少なくとも2つを同時に行うようにしてもよい。
図3に戻って、説明を続ける。遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、上述したように、遊技領域の中央部分から右側領域にかけて、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、特図1入賞口77又は特図2入賞口78への入球(始動入賞)をトリガとして、特別図柄表示装置37における動的表示と同期させながら、第3図柄の変動演出を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、ユニット内普通図柄ゲート76a又は右側普通図柄ゲート76bの球の通過をトリガとして普通図柄を可変表示するLEDで構成される普通図柄表示装置83とが設けられている。また、可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は17インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、後述する表示制御装置114(図13参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば左、中及び右の3つの図柄列Z1〜Z3(図12参照)が表示される。
各図柄列Z1〜Z3(図12参照)は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列Z1〜Z3毎に縦スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変的に表示されるようになっている。第1実施形態の第3図柄表示装置81は、第1特別図柄の第1抽選遊技および第2特別図柄の第2抽選遊技で共通的に使用されるものであり、主制御装置110の制御に伴った遊技状態の表示が特別図柄表示装置37で行われるのに対して、その特別図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を第3図柄表示装置81の第3図柄を用いて行うものである。なお、表示装置に代えて、例えば、リール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
ここで、図12を参照して、第3図柄表示装置81の表示内容について説明する。図12は、第3図柄表示装置81の表示画面を説明するための図面であり、図12(a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図であり、図12(b)は、実際の表示画面を例示した図である。
第3図柄は、「0」から「9」の数字を付した10種類の主図柄により構成されている。各主図柄は、木箱よりなる後方図柄の上に「0」から「9」の数字を付して構成され、そのうち奇数番号(「1」,「3」,「5」,「7」,「9」)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯に大きな数字が付加されている。これに対し、偶数番号(「0」,「2」,「4」,「6」,「8」)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯にかんな、風呂敷、ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄が付加されており、付属図柄の右下側に偶数の数字が緑色で小さく、且つ、付属図柄の前側に表示されるように付加されている。
また、第1実施形態のパチンコ機10においては、後述する主制御装置110(図13参照)によるいずれかの特別図柄の抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う変動演出が行われ、その変動演出が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。大当たり終了後に「確率変動状態(確変状態)」に移行すると共に最大15ラウンドの大当たりが付与される場合は、奇数番号が付加された主図柄(「確変図柄」に相当)が揃う変動演出が行われる。一方、大当たり終了後に「潜伏確率変動状態」に移行する場合は、偶数番号が付加された主図柄(「潜伏確変図柄」に相当)が揃う変動演出が行われる。
図12(a)に示すように、第3図柄表示装置81の表示画面は、大きくは上下方向に3分割され、下側の2/3が第3図柄を変動演出する主表示領域Dmと保留球数などを表示するコクピット表示領域Dbとで構成され、それ以外の上側の1/3が予告演出、キャラクタなどを表示する副表示領域Dsとなっている。
主表示領域Dmは、左・中・右の3つの表示領域Dm1〜Dm3に区分けされており、その表示領域Dm1に左図柄列Z1が表示され、表示領域Dm2に中図柄列Z2が表示され、表示領域Dm3に右図柄列Z3が表示される。
各図柄列Z1〜Z3には、上述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列Z1〜Z3には、数字の昇順(または降順)に主図柄が配列され、各図柄列Z1〜Z3毎に周期性をもって上から下へとスクロールして変動演出が行われる。なお、各図柄列Z1〜Z3において、数字の配列をそれぞれ異ならせるように構成してもよい。例えば、左図柄列Z1においては主図柄の数字が降順に現れるように配列する一方、中図柄列Z2及び右図柄列Z3においては主図柄の数字が昇順に現れるように配列してもよい。
また、主表示領域Dmには、各図柄列Z1〜Z3毎に上・中・下の3段に第3図柄が表示される。この主表示領域Dmの中段部が有効ラインL1として設定されており、毎回の変動演出に際して、左図柄列Z1→右図柄列Z3→中図柄列Z2の順に、有効ラインL1上に第3図柄が停止表示される。その第3図柄の停止時に有効ラインL1上に大当たり図柄の組合せ(同一の主図柄の組合せ。以下、「大当たり表示」という。)で揃えば、大当たりとして大当たり動画が表示される。
一方、第3図柄表示装置81(特別図柄表示装置37)にて第1特別図柄又は第2特別図柄に対応する第3図柄の変動演出(動的表示)が行われている間に球が特図1入賞口77へ入球した場合、その入球回数(保留球数)は最大4回まで保留される。その保留球数は特別図柄表示装置37により示されると共に、コクピット表示領域Dbの第1特別図柄に対応する第1保留図柄表示領域Db1の特図1第1〜第4保留図柄表示領域Db1a〜Db1dおいても示される。特図1第1〜第4保留図柄表示領域Db1a〜Db1dには、第1特別図柄の保留球1球(保留球数1回)につき1つの保留図柄(通常の表示態様では「○」図柄(白丸図柄))がそれぞれ表示され、特図1第1〜第4保留図柄表示領域Db1a〜Db1dに表示された保留図柄の表示数に応じて、保留球数が表示される。
即ち、特図1第1〜第4保留図柄表示領域Db1a〜Db1dにおいて、特図1第1保留図柄表示領域Db1aに1つの保留図柄が表示されている場合は、第1特別図柄の保留球数が1回であることを示し、特図1第1・第2保留図柄表示領域Db1a,Db1bにそれぞれ1つずつ計2つの保留図柄が表示されている場合は、第1特別図柄の保留球数が2回であることを示し、特図1第1〜第3保留図柄表示領域Db1a〜Db1cにそれぞれ1つずつ計3つの保留図柄が表示されている場合は、第1特別図柄の保留球数が3回であることを示し、特図1第1〜第4保留図柄表示領域Db1a〜Db1dにそれぞれ1つずつ計4つの保留図柄が表示されている場合は、第1特別図柄の保留球数が4回であることを示す。また、特図1第1〜第4保留図柄表示領域Db1a〜Db1dに保留図柄が表示されていない場合は、第1特別図柄の保留球数が0回であって保留されている変動演出が存在しないことを示す。
また、第3図柄表示装置81(特別図柄表示装置37)にて第1特別図柄又は第2特別図柄に対応する第3図柄の変動演出(動的表示)が行われている間に球が特図2入賞口78へ入球した場合、その入球回数(保留球数)は最大4回まで保留される。その保留球数は特別図柄表示装置37により示されると共に、コクピット表示領域Dbの第2特別図柄に対応する第2保留図柄表示領域Db2の特図2第1〜第4保留図柄表示領域Db2a〜Db2dおいても示される。特図2第1〜第4保留図柄表示領域Db2a〜Db2dには、第2特別図柄の保留球1球(保留球数1回)につき1つの保留図柄(通常の表示態様では「○」図柄(白丸図柄))がそれぞれ表示され、特図2第1〜第4保留図柄表示領域Db2a〜Db2dに表示された保留図柄の表示数に応じて、保留球数が表示される。
即ち、特図2第1〜第4保留図柄表示領域Db2a〜Db2dにおいて、特図2第1保留図柄表示領域Db2aに1つの保留図柄が表示されている場合は、第2特別図柄の保留球数が1回であることを示し、特図2第1・第2保留図柄表示領域Db2a,Db2bにそれぞれ1つずつ計2つの保留図柄が表示されている場合は、第2特別図柄の保留球数が2回であることを示し、特図2第1〜第3保留図柄表示領域Db2a〜Db2cにそれぞれ1つずつ計3つの保留図柄が表示されている場合は、第2特別図柄の保留球数が3回であることを示し、特図2第1〜第4保留図柄表示領域Db2a〜Db2dにそれぞれ1つずつ計4つの保留図柄が表示されている場合は、第2特別図柄の保留球数が4回であることを示す。また、特図2第1〜第4保留図柄表示領域Db2a〜Db2dに保留図柄が表示されていない場合は、第2特別図柄の保留球数が0回であって保留されている変動演出が存在しないことを示す。
なお、第1実施形態のパチンコ機10では、第1特別図柄の第1抽選遊技と第2特別図柄の第2抽選遊技とが同時に実行されず、いずれか一方の抽選遊技のみが実行されるように構成されている。また、第1実施形態のパチンコ機10では、実行中のいずれかの抽選遊技が終了した場合に、第1特別図柄の保留球と第2特別図柄の保留球とがそれぞれ記憶されている場合には、第2特別図柄の第2抽選遊技を第1特別図柄の第1抽選遊技より優先的に実行(所謂、特図2優先変動)するように構成されている。なお、入賞した順で抽選遊技を実行してもよいし、第1特別図柄の第1抽選遊技と第2特別図柄の第2抽選遊技とを同時に実行させるように構成してもよい。
コクピット表示領域Dbの中央部分には、主表示領域Dmで変動演出が実行されていることを示す実行図柄が表示される実行図柄表示領域Db0が設けられている。この実行図柄表示領域Db0は、コクピット表示領域Dbの中央部分、即ち、特図1第1保留図柄表示領域Db1aの右側であって、特図2第1保留図柄表示領域Db2aの左側に設けられ、各保留図柄表示領域Db1a〜Db1d,Db2a〜Db2dに表示される各保留図柄より大きい実行図柄が表示されるように構成されている。また、この実行図柄表示領域Db0は、特図1第1保留図柄表示領域Db1a又は特図2第1保留図柄表示領域Db2aに表示されていた保留図柄が移動(シフト)して実行図柄として表示される。
実行図柄表示領域Db0に表示される実行図柄は、変動演出が終了すると消去され、その実行図柄の消去に伴って、表示されている保留図柄が下位側(第1特別図柄であれば右側、第2特別図柄であれば左側)の保留図柄として移動して表示される。具体的には、例えば、第2特別図柄の保留図柄が存在しない状況であって第1特別図柄の保留図柄が4つ存在する状況において、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動演出の終了に伴って実行図柄表示領域Db0に表示されていた実行図柄が消去された場合、特図1第1保留図柄表示領域Db1aに表示されていた保留図柄が、実行図柄表示領域Db0における実行図柄として移動(シフト)して表示される。また、特図1第2保留図柄表示領域Db1bに表示されていた保留図柄が、特図1第1保留図柄表示領域Db1aにおける保留図柄として移動(シフト)して表示される。さらに、特図1第3保留図柄表示領域Db1cに表示されていた保留図柄が、特図1第2保留図柄表示領域Db1bにおける保留図柄として移動(シフト)して表示される。また、特図1第4保留図柄表示領域Db1dに表示されていた保留図柄が、特図1第3保留図柄表示領域Db1cにおける保留図柄として移動(シフト)して表示される。
また、例えば、第2特別図柄の保留図柄が4つ存在する状況において、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動演出の終了に伴って実行図柄表示領域Db0に表示されていた実行図柄が消去された場合、特図2第1保留図柄表示領域Db2aに表示されていた保留図柄が、実行図柄表示領域Db0における実行図柄として移動(シフト)して表示される。また、特図2第2保留図柄表示領域Db2bに表示されていた保留図柄が、特図2第1保留図柄表示領域Db2aにおける保留図柄として移動(シフト)して表示される。さらに、特図2第3保留図柄表示領域Db2cに表示されていた保留図柄が、特図2第2保留図柄表示領域Db2bにおける保留図柄として移動(シフト)して表示される。また、特図2第4保留図柄表示領域Db2dに表示されていた保留図柄が、特図2第3保留図柄表示領域Db2cにおける保留図柄として移動(シフト)して表示される。
第1実施形態のパチンコ機10では、主表示領域Dmにおいて変動演出が実行されている間、実行図柄表示領域Db0に実行図柄を表示し続ける(「スーパーリーチ」の変動要素中又は「スペシャルリーチ」の変動要素中を除く)。一方、該変動演出が終了した場合、又は、「スーパーリーチ」の変動要素若しくは「スペシャルリーチ」の変動要素の実行中の場合には、実行図柄が消去されるように構成されている。即ち、実行図柄表示領域Db0に実行図柄が表示されている場合は、主表示領域Dmで変動演出が実行されている(継続している)ことを示し、実行図柄表示領域Db0に実行図柄が表示されていない場合は、主表示領域Dmで変動演出が実行されていない(継続されていない)か、「スーパーリーチ」の変動要素又は「スペシャルリーチ」の変動要素が実行されていることを示す。
また、コクピット表示領域Dbでは、該コクピット表示領域Dbに表示される保留図柄及び実行図柄を用いて、「保留変化予告」を実行可能に構成されている。この「保留変化予告」とは、主表示領域Dmで実行される変動演出の大当たり期待度を、該変動演出の実行前から実行中にかけて保留図柄及び実行図柄の表示色を複数段階に変化させることで示唆する予告である。
第1実施形態のパチンコ機10では、「保留変化予告」として、保留図柄及び実行図柄の表示色を、通常の表示態様である「白色」から、青色の表示態様の「青色」、赤色の表示態様の「赤色」、又は、虹色の表示態様の「虹色」に変化可能に構成されている。本パチンコ機10では、変動演出において「大当たり表示」が発生する場合や、「リーチ表示」が発生する場合に、保留図柄及び実行図柄の表示色の選択割合が異なるように構成されているため、この保留図柄及び実行図柄の表示色が、通常の表示態様(「白色」)から別の表示態様(例えば、「青色」)に変化することで、その保留図柄及び実行図柄が示す変動演出において「リーチ表示」や「大当たり表示」が発生する可能性を各表示色ごとに遊技者に示唆することができる。
具体的には、「保留変化予告」において、保留図柄及び実行図柄が、通常の表示態様(「白色」)より「青色」の表示態様である場合の方がその保留図柄及び実行図柄が示す変動演出において「リーチ表示」や「大当たり表示」となる割合が高く設定される。また、保留図柄及び実行図柄が、「青色」より「赤色」の表示態様である場合の方がその保留図柄及び実行図柄が示す変動演出において「リーチ表示」や「大当たり表示」となる割合が高く設定される。さらに、保留図柄及び実行図柄が、「赤色」より「虹色」の表示態様である場合の方がその保留図柄及び実行図柄が示す変動演出において「リーチ表示」や「大当たり表示」となる割合が高く設定される。
また、保留図柄及び実行図柄の表示態様が「赤色」である場合には、その「赤色」の保留図柄又は実行図柄が示す変動演出において「スーパーリーチ」を主とする演出の態様(主とする演出の態様を「演出態様」という)又は「スペシャルリーチ」演出態様(以下、「スーパーリーチ」演出態様又は「スペシャルリーチ」演出態様のことを総称して「スーパーリーチ以上」演出態様という場合がある)の実行が確定するように設定されている。さらに、保留図柄及び実行図柄の表示態様が「虹色」である場合には、その「虹色」の保留図柄又は実行図柄が示す変動演出において「大当たり表示」の現出が確定するように設定されている。従って、本実施形態では、保留図柄及び実行図柄の表示態様が、通常(「白色」)→「青色」→「赤色」→「虹色」の順に段階的に「リーチ表示」や「大当たり表示」の現出期待度が高いように設定されている。
なお、「保留変化予告」の「虹色」の表示態様は、保留図柄では現出せず、実行図柄でのみ現出可能に設定されている。これは、保留図柄で大当たりの発生が確定する「虹色」の表示態様を現出させた後に、何らかの異常(例えば、電源断)によりその保留図柄が実行されなかった場合、遊技者は、得られるべき大当たりが得られないことによる不満が発生してしまう。よって、保留図柄において、大当たりの発生が確定する「虹色」の表示態様を予め現出しないように構成しておくことで、上記不満が発生することを未然に防止することができる。
また、この「保留変化予告」により、保留図柄の表示態様が変化した状態において、変動演出の実行(消化)に伴って保留図柄がシフトする場合に、その変化した保留図柄の表示態様が、シフト先の保留図柄又は実行図柄に対しても引き継がれて(受け継いで)反映されるように構成されている。即ち、保留図柄の表示態様が変化した場合、その変化した保留図柄が変動演出の実行に伴って他の保留図柄表示領域Db1〜Db3又は実行図柄表示領域Db0へシフトしたときも、シフト前の表示態様がシフト後の保留図柄又は実行図柄の表示態様としてそのまま維持されるように構成されている。
従って、例えば、特図1第4保留図柄表示領域Db1dにおいて保留図柄の表示色が「赤色」に変化した場合、該保留図柄が特図1第3保留図柄表示領域Db1c→特図1第2保留図柄表示領域Db1b→特図1第1保留図柄表示領域Db1a→実行図柄表示領域Db0とそれぞれシフトしていくときに、「赤色」の保留図柄又は実行図柄が継続して表示され続けるように構成される。
なお、第1実施形態においては、特図1入賞口77又は特図2入賞口78への入球に基づく変動演出の保留球数は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、それぞれ3回以下、又は、それぞれ5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、コクピット表示領域Dbにおける保留図柄の表示に代えて、保留球数を第3図柄表示装置81の一部に数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、特別図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第3図柄表示装置81に保留球数を表示させなくてもよい。なお、第3図柄表示装置81に保留球数に関する情報(保留図柄等)を表示させない場合は、保留図柄による「保留変化予告」を実行することができないため、他のキャラクタ図柄等を追加的に現出させることによって「保留変化予告」と同様の先読み予告を実行させるように構成してもよい。
さらに、可変表示装置ユニット80に、保留球数を示す保留ランプを第1特別図柄および第2特別図柄の最大保留数分の4つそれぞれ設け、点灯状態の保留ランプの数に応じて、保留球数を表示するものとしてもよい。なお、保留ランプによって保留球数を表示するように構成した場合、保留ランプの表示色を複数種類設けることによって、第1実施形態の「保留変化予告」と同様の先読み予告を実行することは当然に可能である。
副表示領域Dsは、主表示領域Dmよりも上方に横長に設けられており、さらに左右方向に3つの小領域Ds1〜Ds3に等区分されている。小領域Ds1〜Ds3は、それぞれ、キャラクタや予告演出画像を表示する領域である。小領域Ds1〜Ds3のそれぞれに表示される画像によって、主表示領域Dmにて行われる変動演出の結果として大当たりとなる期待感を遊技者に与えている。コクピット表示領域Dbは、特図1入賞口77又は特図2入賞口78に入球された球のうち変動演出が未実行である球(保留球)の数である保留球数を示す保留図柄と、実行中の変動演出に関する実行図柄とを表示する領域である。
実際の表示画面では、図12(b)に示すように、主表示領域Dmに第3図柄の主図柄が合計9個表示される。副表示領域Dsにおいては、左小領域Ds1では、予告図柄が現出する等の動画が表示され、主表示領域Dmにおいて行われている変動演出が通常より大当たりへ遷移し易い状態であることが遊技者に示唆される。
また、副表示領域Dsにおいて、中央小領域Ds2では、通常は、所定のキャラクタ(第1実施形態ではハチマキを付けた少年)が所定動作をし、主表示領域Dmで行われている変動演出に基づいて所定動作とは別の特別な動作をしたり、通常は黒色の少年の髪の毛の色や、通常は白色のハチマキの色が変化したり、別のキャラクタが現出するなどして予告演出が行われる。
さらに、副表示領域Dsにおいて、右小領域Ds3では、主表示領域Dmで行われている変動演出において大当たりが発生するか否かを段階的に示唆するレベルメータ(図示せず)が現出して表示される。このレベルメータは、変動演出において、予告図柄等が現出することに基づいて実行中の変動演出における「リーチ表示」の発生期待度や大当たり期待度が増す毎に増加(加算)していき、該レベルメータの表示限度(MAX表示)まで到達した場合に大当たりが確定することを示唆するように構成されている。従って、副表示領域Dsは、主表示領域Dmにおける「リーチ表示」の発生を示唆する機能を担っている。
図3に戻って、説明を続ける。普通図柄表示装置83は、球がユニット内普通図柄ゲート76a又は右側普通図柄ゲート76b(以下、ユニット内普通図柄ゲート76aと右側普通図柄ゲート76bとを総称して、「普通図柄ゲート76」と称する場合がある)を通過する毎に表示図柄(普通図柄)としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる可変表示を行うものである。パチンコ機10は、普通図柄表示装置83における可変表示が所定図柄(第1実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に、出没式普通電役79aが遊技状態に応じた時間だけ作動状態となる(出没板79bが突出される)よう構成されている。
普通図柄ゲート76の保留球数は最大4回まで保留され、その保留球数がセンターフレーム86に設けられた普通図柄保留ランプ84において点灯表示される。普通図柄保留ランプ84は、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の上方に配設されている。そして、普通図柄保留ランプ84の点灯された数により、保留数を表示する。
なお、普通図柄の可変表示は、第1実施形態のように、普通図柄表示装置83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、特別図柄表示装置37又は第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、普通図柄保留ランプ84の点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、普通図柄ゲート76の通過は、特図1入賞口77又は特図2入賞口78と同様に、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、特別図柄表示装置37により保留球数を示す場合は、普通図柄保留ランプ84により点灯表示を行わないものとしても良い。
交互振分ユニット71の正面視下方には中央可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の中央大入賞口(大開放口)65aが設けられている。また、普通電役ユニット79の正面視右側には右側可変入賞装置67が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の右側大入賞口(大開放口)67aが設けられている。
第1実施形態のパチンコ機10においては、主制御装置110(図6参照)での第1特別図柄又は第2特別図柄の抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるように特別図柄表示装置37の7セグメント表示器37bを点灯表示させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、第1特別図柄における抽選結果として大当たりが発生した場合には、通常時には閉鎖されている中央大入賞口65aが、所定時間(例えば、「30秒」経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放され、第2特別図柄における抽選結果として大当たりが発生した場合には、通常時には閉鎖されている右側大入賞口67aが、所定時間(例えば、「30秒」経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この中央大入賞口65a又は右側大入賞口67aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その中央大入賞口65a又は右側大入賞口67aが所定時間開放される。この中央大入賞口65a又は右側大入賞口67aの開閉動作は、最高で例えば15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態(大当たり状態)の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
中央可変入賞装置65は、中央大入賞口65aを覆う横長矩形状の中央開閉板(図示せず)と、その中央開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための中央大入賞口ソレノイド(図示せず)とを備えている。中央大入賞口65aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。そして、第1特別図柄の第1抽選遊技に基づく大当たりの際には中央大入賞口ソレノイドを駆動して中央開閉板を前面下側に傾倒し、左打ちで発射された球が中央大入賞口65aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。即ち、「通常遊技状態」又は「潜伏確率変動状態」における左打ち時において、第1特別図柄の第1抽選遊技に基づく大当たりに当選した場合、この中央大入賞口65aが開閉制御されるため、遊技者は、左打ちの遊技を継続した状態で以降の遊技を行うことができるように構成されている。
右側可変入賞装置67は、中央可変入賞装置65と同様の構成を有し、右側大入賞口67aを覆う横長矩形状の右側開閉板(図示せず)と、その右側開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための右側大入賞口ソレノイド(図示せず)とを備えている。右側大入賞口67aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。そして、第2特別図柄の第2抽選遊技に基づく大当たりの際には右側大入賞口ソレノイドを駆動して右側開閉板を前方下側に傾倒し、右打ちで発射された球が右側大入賞口67aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。即ち、「潜伏確率変動状態」における右打ち時、又は、「確率変動状態」における右打ち時において、第2特別図柄の第2抽選遊技に基づく大当たりに当選した場合、この右側大入賞口67aが開閉制御され、その後、「確率変動状態」に突入するため、遊技者は、右打ちの遊技を継続した状態で以降の遊技を行うことができるように構成されている。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。中央大入賞口65a又は右側大入賞口67aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、特別図柄表示装置37において大当たりに対応した7セグメント表示器37bが点灯した場合に、中央大入賞口65a又は右側大入賞口67aが所定時間開放され、その中央大入賞口65a又は右側大入賞口67aの開放中に、球が中央大入賞口65a又は右側大入賞口67a内へ入賞することを契機として中央大入賞口65a又は右側大入賞口67aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。
遊技盤13の下側における左右の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
さらに、遊技盤13には、アウト口66が設けられている。いずれの入賞口(入球口)63,64,65aにも入球しなかった球はアウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
次に、図13を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図13は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したリード・オンリー・メモリー(Read Only Memory。以下、「ROM」と略す)202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるランダム・アクセス・メモリー(Random Access Memory。以下、「RAM」と略す。)203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。
なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
主制御装置110では、大当たり抽選や特別図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における動的表示および変動演出の設定、普通図柄表示装置83における可変表示の表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。RAM203には、これらの処理を制御するための各種カウンタを格納するカウンタ用バッファ203cが設けられている。
また、ROM202は、大当たり乱数テーブル202a、大当たり種別テーブル202b、保留数テーブル202c、停止パターンテーブル202d、変動パターンテーブル202e、普図当たり乱数テーブル202f、普図変動時間テーブル202g、普通電役制御テーブル202hを少なくとも格納している。RAM203に格納された各種カウンタと、ROM202に格納された各種テーブルとによって、主制御装置110は、上記の主要な制御を実行する。
ここで、図14を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。これらのカウンタ等は、大当たり抽選や、特別図柄表示装置37の動的表示の設定、および第3図柄表示装置81の変動演出の設定、普通図柄表示装置83における可変表示の表示結果の抽選などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。また、各種カウンタの説明の中で、図15及び図16を参照して、主制御装置110のROM202に格納された各種テーブルについても説明する。
大当たり抽選や、特別図柄表示装置37の動的表示の設定、および、第3図柄表示装置81の変動演出の設定には、大当たりの抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、大当たり図柄の停止種別の選択に使用する大当たり種別カウンタC2と、変動演出の演出態様の選択に使用する停止パターン選択カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1とが用いられる。
また、普通図柄表示装置83の抽選には、普図当たり乱数カウンタC4が用いられ、普図当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後「0」に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図17参照)の実行間隔である4ミリ秒間隔で更新され、また、一部のカウンタは、メイン処理(図28参照)の中で不定期に更新されて、その更新値がRAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファ203cに適宜格納される。詳細については後述するが、RAM203には、第1特別図柄に関する4つの保留エリア(第1保留第1〜第4エリア)からなる第1保留球格納エリア203dと、第2特別図柄に関する4つの保留エリア(第2保留第1〜第4エリア)からなる第2保留球格納エリア203eとが設けられており、これらの各エリアには、特図1入賞口77又は特図2入賞口78への入球タイミングに合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び変動種別カウンタCS1の各値がそれぞれ格納される。
各カウンタについて詳しく説明する。大当たり乱数カウンタC1は、所定の範囲(例えば、「0〜899」)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、「0〜899」の値を取り得るカウンタの場合は「899」)に達した後「0」に戻る構成となっている。特に、大当たり乱数カウンタC1の更新が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれ、その初期値から大当たり乱数カウンタC1の更新が行われる。
第1初期値乱数カウンタCINI1は、大当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。即ち、例えば、大当たり乱数カウンタC1が「0〜899」の値を取り得るループカウンタである場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1もまた、「0〜899」の範囲のループカウンタである。この第1初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図17参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図28参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
大当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(第1実施形態では、タイマ割込処理(図17参照)毎に1回)更新される。そして、球が特図1入賞口77に入賞(始動入賞)したタイミングで、特図1入賞口77(第1特別図柄)に対応して設けられたRAM203の第1保留球格納エリア203dに設けられた第1保留第1〜第4エリアのいずれかの第1保留エリアの大当たり乱数カウンタ格納エリア203d1に格納される。また、球が特図2入賞口78に入賞(始動入賞)したタイミングで、特図2入賞口78(第2特別図柄)に対応して設けられたRAM203の第2保留球格納エリア203eに設けられた第2保留第1〜第4エリアのいずれかの第2保留エリアの大当たり乱数カウンタ格納エリア203e1に格納される。
大当たり乱数カウンタC1が大当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される大当たり乱数テーブル202aによって設定されており、保留エリアの大当たり乱数カウンタ格納エリア203d1,203e1に格納されている大当たり乱数カウンタC1の値が、大当たり乱数テーブル202aによって設定された大当たりとなる乱数の値と一致する場合に、大当たりと判定される。
ここで、図15(a)を参照して、大当たり乱数テーブル202aの詳細について説明する。図15(a)は、ROM202に記憶される大当たり乱数テーブル202aの一例を模式的に示した模式図である。大当たり乱数テーブル202aは、パチンコ機10の遊技状態が、「通常遊技状態」である低確率状態(「確率変動状態」又は「潜伏確率変動状態」ではない期間)の場合に使用される低確率状態用と、パチンコ機10の遊技状態が、低確率状態より大当たりとなる確率の高い高確率状態である「確率変動状態(確変中)」又は「潜伏確率変動状態(潜伏確変中)」の場合に使用される高確率状態用との2種類に分けられる。そして、低確率状態用と高確率状態用とのそれぞれに含まれる大当たりとなる乱数の数が異なって設定されている。このように、大当たりとなる乱数の数を異ならせることにより、低確率状態と高確率状態とで、大当たりとなる確率が変更される。
第1実施形態のパチンコ機10では、低確率状態の場合に大当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値(大当たり乱数値)の数は3個で、その値「7,307,582」が、大当たり乱数テーブル202aに格納されている。つまり、低確率状態(即ち、「通常遊技状態」)における特別図柄の大当たり確率は、3/900=1/300となるように設定されている。
一方で、高確率状態の場合に大当たりとなる乱数の値(大当たり乱数値)の数は9個で、その値「28,122,298,390,486,567,656,750,866」が、大当たり乱数テーブル202aに格納されている。つまり、高確率状態(即ち、「確率変動状態」又は「潜伏確率変動状態」)における特別図柄の大当たり確率は、9/900=1/100となるように設定されている。
なお、第1実施形態では、大当たり乱数テーブル202aに格納されている低確率状態用の大当たり乱数値と、高確率状態用の大当たり乱数値とで、重複した値とならないように、それぞれ大当たり乱数値を設定している。ここで、パチンコ機10の状況にかかわらず大当たり乱数値となる値が存在すれば、その値が外部から予測されやすくなるので、不正に大当たりを引き当てられる可能性が高くなる恐れがある。これに対して、第1実施形態のように、状況に応じて(即ち、パチンコ機10が高確率状態か低確率状態か、に応じて)、大当たりとなる乱数の値を変えることで、大当たりとなる乱数の値が予測され難くすることができるので、不正に対する抑制を図ることができる。
図14に戻って、説明を続ける。大当たり種別カウンタC2は、大当たりとなった場合の大当たり種別を決定するものであり、所定の範囲(例えば、「0〜99」)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、「0〜99」の値を取り得るカウンタの場合は「99」)に達した後に「0」に戻る構成となっている。大当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(第1実施形態では、タイマ割込処理(図17参照)毎に1回)更新される。そして、球が特図1入賞口77に入賞(始動入賞)したタイミングで、特図1入賞口77(第1特別図柄)に対応して設けられたRAM203の第1保留球格納エリア203dの第1保留第1〜第4エリアのうち大当たり乱数カウンタC1が格納される第1保留エリアと同じ第1保留エリアの大当たり種別カウンタ格納エリア203d2に格納される。また、球が特図2入賞口78に入賞(始動入賞)したタイミングで、特図2入賞口78(第2特別図柄)に対応して設けられたRAM203の第2保留球格納エリア203eの第2保留第1〜第4エリアのうち大当たり乱数カウンタC1が格納される第2保留エリアと同じ第2保留エリアの大当たり種別カウンタ格納エリア203e2に格納される。
ここで、例えば、第1保留球格納エリア203d又は第2保留球格納エリア203e内の1の保留エリアに格納された大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる乱数でなければ、即ち、ハズレとなる乱数であれば、変動演出における変動パターンや、停止図柄の種別(以下「停止種別」と称す)は、ハズレ時のものとなる。一方で、第1保留球格納エリア203d又は第2保留球格納エリア203e内の1の保留エリアに格納された大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる乱数であれば、変動演出における変動パターンや停止種別は大当たり時のものとなる。この場合、その大当たり時の変動パターンおよび停止種別は、同じ保留エリアに格納された大当たり種別カウンタC2の値が示す大当たり種別に対応して決定される。
第1実施形態のパチンコ機10における大当たり種別カウンタC2の値は、「0〜99」の範囲のループカウンタとして構成されている。この大当たり種別カウンタC2とROM202に格納された大当たり種別テーブル202bとに基づいて、大当たり種別が決定される。この大当たり種別テーブル202bには、第1特別図柄の第1抽選遊技で参照される特図1用大当たり種別テーブル202b1と、第2特別図柄の第2抽選遊技で参照される特図2用大当たり種別テーブル202b2とが設けられている。
ここで、図15(b)及び図15(c)を参照して、特図1用大当たり種別テーブル202b1及び特図2用大当たり種別テーブル202b2について説明する。図15(b)は、ROM202に記憶される第1特別図柄に対応する特図1用大当たり種別テーブル202b1の一例を模式的に示した図であり、図15(c)は、同じくROM202に記憶される第2特別図柄に対応する特図2用大当たり種別テーブル202b2の一例を模式的に示した図である。図15(b)及び図15(c)に示すように、大当たり種別テーブル202bは、特別図柄の種別と、該特別図柄の種別に応じた大当たり種別と大当たり種別カウンタC2の値とを対応付けたテーブルである。
大当たり種別としては、上述したように、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たり後に、特別図柄の変動演出が100回実行されるまで(所謂、スペシャル・タイム・100回。以下、Special Time(スペシャル・タイム)の頭文字を略して「ST」と略す場合がある。)の間、特別図柄の大当たり確率及び普通図柄の当たり確率が高確率状態となると共に、普通図柄の変動時間が短縮(第1実施形態では、「3秒」から「0.5秒」へ変更)されつつ出没式普通電役79aの出没板79bの突出時間が長時間(第1実施形態では、「2秒」から「5秒」へ変更)となる「確率変動状態」へ移行する「15R確変大当たり」と、最大ラウンド数が7ラウンドの大当たりの後に、特別図柄の変動演出が100回実行されるまで(所謂、ST100回)の間、特別図柄の大当たり確率及び普通図柄の当たり確率が高確率状態となると共に、普通図柄の変動時間が短縮(第1実施形態では、「3秒」から「0.5秒」へ変更)される一方、出没式普通電役79aの出没板79bの突出時間が短時間(第1実施形態では、「2秒」)のままとなる「潜伏確率変動状態」へ移行する「7R潜伏確変大当たり」とがある。
特図1用大当たり種別テーブル202b1及び特図2用大当たり種別テーブル202b2では、それぞれ、各大当たり種別に対して、その大当たり種別を決定する大当たり種別カウンタC2の取り得る値が対応付けられている。
図15(b)の特図1用大当たり種別テーブル202b1の例では、「7R潜伏確変大当たり」に対して大当たり種別カウンタC2の値「0〜89」が対応付けられ、「15R確変大当たり」に対して大当たり種別カウンタC2の値「90〜99」が対応付けられている。
第1実施形態における第1特別図柄の当否抽選において、第1保留球格納エリア203dのいずれかの第1保留エリアの大当たり乱数カウンタ格納エリア203d1に格納された大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる値であった場合に、同じ第1保留エリアの大当たり種別カウンタ格納エリア203d2に格納された大当たり種別カウンタC2の値に対応付けられた大当たり種別が特図1用大当たり種別テーブル202b1から決定される。例えば、大当たり種別カウンタC2の値が「20」であれば、大当たり種別として「7R潜伏確変大当たり」が決定され、大当たり種別カウンタC2の値が「95」であれば、大当たり種別として「15R確変大当たり」が決定される。即ち、第1特別図柄の第1抽選遊技(即ち、特図1入賞口77への入球に基づく抽選)において大当たりに当選した場合には、90%の確率で「7R潜伏確変大当たり」が選択され、10%の確率で「15R確変大当たり」が選択されるように設定されている。
また、図15(c)の特図2用大当たり種別テーブル202b2の例では、「15R確変大当たり」に対して大当たり種別カウンタC2の値「0〜99」が対応付けられている。
第1実施形態における第2特別図柄の当否抽選において、第1特別図柄の当否抽選と同様、第2保留球格納エリア203eのいずれかの保留エリアの大当たり乱数カウンタ格納エリア203e1に格納された大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる値であった場合に、同じ保留エリアの大当たり種別カウンタ格納エリア203e2に格納された大当たり種別カウンタC2の値に対応付けられた大当たり種別が特図2用大当たり種別テーブル202b2から決定される。例えば、大当たり種別カウンタC2の値がいずれの値(「0〜99」)であっても、大当たり種別として「15R確変大当たり」が決定される。即ち、第2特別図柄の第2抽選遊技(即ち、特図2入賞口78への入球に基づく抽選)において大当たりに当選した場合には、100%の確率で「15R確変大当たり」が選択されるように設定されている。
従って、第1実施形態のパチンコ機10では、第1特別図柄による抽選遊技より、第2特別図柄による抽選遊技の方が、遊技者にとって遊技価値が大きいため、遊技者は、如何にして第2特別図柄による抽選を受けるか、即ち、特図1入賞口77へ入球させるより特図2入賞口78へ入球させるかという遊技性が生まれ、遊技にバリエーションを設け、遊技の興趣が高められている。
なお、大当たりとなった場合にそれぞれの大当たり種別が選択される確率は、機種によって適宜設定される。そして、その設定された確率に応じて、大当たり種別テーブル202bにて、各大当たり種別に対して対応付けられる大当たり種別カウンタC2の値が規定される。
また、大当たり種別が選択される確率は、パチンコ機10の遊技状態に応じて変更されてもよい。この場合、各遊技状態に対応する大当たり種別テーブル202bを用意し、それぞれの大当たり種別テーブル202bにおいて、各大当たり種別に対して対応付ける大当たり種別カウンタC2の値の数を変更すればよい。
図14に戻って、各種カウンタの説明を続ける。停止パターン選択カウンタC3は、例えば「0〜99」の範囲内で順に「1」ずつ加算され、最大値(つまり「99」)に達した後「0」に戻る構成となっている。
第1実施形態では、保留されている変動演出の保留数と停止パターン選択カウンタC3の値とによって、第3図柄表示装置81で表示される大当たり時およびハズレ時の変動演出の大まかな演出態様が選択される。具体的には、「リーチ表示」が発生しない「非リーチ(短縮)」演出態様又は「非リーチ(通常)」演出態様と、「リーチ表示」として「ノーマルリーチ」の変動要素のみが実行される「ノーマルリーチ」演出態様と、該「ノーマルリーチ」の変動要素から発展して「スーパーリーチ」の変動要素が実行される「スーパーリーチ」演出態様と、同じく「ノーマルリーチ」の変動要素から発展して「スペシャルリーチ」の変動要素が実行される「スペシャルリーチ」演出態様との5つの演出態様が選択される。
ここで、各演出態様について詳細に説明する。演出態様の中で、「非リーチ(短縮)」演出態様と「非リーチ(通常)」演出態様とは、主表示領域Dmの各表示領域Dm1〜Dm3(図12(a)参照)にて「高速変動」の変動要素が行われた後に、該左表示領域Dm1及び右表示領域Dm3に同一の第3図柄が停止せずに「リーチ表示」を発生しない演出態様である。
「高速変動」の変動要素とは、第3図柄表示装置81の主表示領域Dm(図12参照)で行われる変動演出において、各図柄列Z1〜Z3(図12(a)参照)に表示される第3図柄が、表示画面縦方向下方に高速にスクロールされている変動要素をいう。この「高速変動」では、遊技者によって第3図柄の表示内容を明確に認識できないように第3図柄を変動させ、前回停止表示された変動演出の停止結果を不規則に混ぜる(シャッフルする)演出として実行される。
第1実施形態のパチンコ機10では、「高速変動」の変動要素が行われた後、特定の演出態様(「非リーチ(短縮)」演出態様)を除いて「低速変動」の変動要素が行われるように構成されている。「低速変動」の変動要素とは、第3図柄表示装置81の主表示領域Dm(図12(a)参照)で行われる変動演出において、上記「高速変動」の変動要素後、遊技者に視認可能な速度で第3図柄を低速にスクロールしている変動要素をいう。この「低速変動」の変動要素では、遊技者に第3図柄の表示内容を認識させながら、左図柄列Z1→右図柄列Z3→中図柄列Z2(図12(a)参照)の順に第3図柄を停止表示する。左図柄列Z1及び右図柄列Z3において同一の第3図柄が停止した場合は「リーチ表示」が発生したとして「ノーマルリーチ」の変動要素へと発展する一方、左図柄列Z1及び右図柄列Z3において異なる第3図柄が停止した場合は、中図柄列Z2を停止表示して、その変動演出を終了するように構成されている(後述する「疑似連」に発展する場合は除く)。
従って、「非リーチ(通常)」演出態様では、「高速変動」の変動要素が行われた後に「低速変動」の変動要素が行われて、各図柄列Z1〜Z3(図12(a)参照)がそれぞれ順番に停止し、1の変動演出が終了する。一方、「非リーチ(短縮)」演出態様では、「高速変動」が行われた後に「低速変動」の変動要素が行われず、該「高速変動」の変動要素の終了後、各図柄列Z1〜Z3が同時に停止し、1の変動演出が終了する。
演出態様の中で、「ノーマルリーチ」演出態様とは、主表示領域Dmの各図柄列Z1〜Z3(図12(a)参照)の変動演出において、左図柄列Z1及び右図柄列Z3に同一の第3図柄が停止した直後に「ノーマルリーチ」の変動要素が実行され、他の「リーチ表示」、即ち、「スーパーリーチ」の変動要素や「スペシャルリーチ」の変動要素に発展しない「リーチ表示」の演出態様の1つである。この「ノーマルリーチ」の変動要素では、上述したように、主表示領域Dmの左図柄列Z1(左表示領域Dm1)及び右図柄列Z3(右表示領域Dm3)に停止表示している第3図柄が通常時より拡大して表示される。また、中図柄列Z2(中表示領域Dm2)の第3図柄が低速で表示画面縦方向下方へスクロールして、遊技者により該中表示領域Dm2の第3図柄が視認可能な状態で表示される。さらに、この「ノーマルリーチ」の変動要素では、主表示領域Dmの拡大表示に伴って、副表示領域Dsが消去される(図示せず)。
演出態様の中で、「スーパーリーチ」演出態様とは、「ノーマルリーチ」の変動要素から発展して「スーパーリーチ」の変動要素が実行される「リーチ表示」の演出態様の1つである。この「スーパーリーチ」演出態様において、「スーパーリーチ」の変動要素の実行中は、「ノーマルリーチ」の変動要素の表示状態から、コクピット表示領域Db(図12(a)参照)が消去され、この「リーチ表示」の発生要因であった第3図柄のリーチ形成図柄が表示画面の表示領域左上に縮小表示される。そして、主表示領域Dmの背景表示が「ノーマルリーチ」の変動要素から変化すると共に、複数のキャラクタ図柄を現出させて「バトル演出(例えば、キックボクシング)」を行う(図示せず)。
第1実施形態では、その「バトル演出」の結果(勝敗)に基づいて、変動演出の当否を示唆するように構成されている。具体的には、例えば、上記「バトル演出」において、遊技者側のキャラクタ図柄が敵側のキャラクタ図柄に勝利した場合には、その変動演出が「大当たり表示」となることを示唆し、遊技者側のキャラクタ図柄が敵側のキャラクタ図柄に負けた場合には、その変動演出が「ハズレ表示」となることを示唆するように構成されている。
演出態様の中で、「スペシャルリーチ」演出態様とは、「ノーマルリーチ」の変動要素から発展して「スペシャルリーチ」の変動要素が実行される「リーチ表示」の演出態様の1つである。この「スペシャルリーチ」演出態様において、「スペシャルリーチ」の変動要素の実行中は、上記「スーパーリーチ」の変動要素と同様、「ノーマルリーチ」の変動要素の表示状態から、コクピット表示領域Db(図12(a)参照)が消去され、この「リーチ表示」の発生要因であった第3図柄のリーチ形成図柄が表示画面の表示領域左上に縮小表示される。そして、主表示領域Dm(図12(a)参照)の背景表示が「ノーマルリーチ」の変動要素から変化すると共に、「スーパーリーチ」の変動要素とは異なる複数のキャラクタを現出させて「競争演出(例えば、自動車レース)」を行う(図示せず)。
第1実施形態では、その「競争演出」の結果(勝敗)に基づいて、変動演出の当否を示唆するように構成されている。具体的には、例えば、上記「競争演出」において、遊技者側のキャラクタ図柄が敵側のキャラクタ図柄に勝利した場合には、その変動演出が「大当たり表示」となることを示唆し、遊技者側のキャラクタ図柄が敵側のキャラクタ図柄に負けた場合には、その変動演出が「ハズレ表示」となることを示唆するように構成されている。
停止パターン選択カウンタC3の値は、例えば定期的に(第1実施形態では、タイマ割込処理(図17参照)毎に1回)更新される。そして、球が特図1入賞口77に入賞(始動入賞)したタイミングで、特図1入賞口77(第1特別図柄)に対応して設けられたRAM203の第1保留球格納エリア203dに設けられた第1保留第1〜第4エリアのうち大当たり乱数カウンタC1が格納される第1保留エリアの停止パターン選択カウンタ格納エリア203d3に格納される。また、球が特図2入賞口78に入賞(始動入賞)したタイミングで、特図2入賞口78(第2特別図柄)に対応して設けられたRAM203の第2保留球格納エリア203eに設けられた第2保留第1〜第4エリアのうち大当たり乱数カウンタC1が格納される第2保留エリアの停止パターン選択カウンタ格納エリア203e3に格納される。
第1実施形態のパチンコ機10では、変動演出の当否と、現在の遊技状態と、現在保留中の変動演出の数(保留球数)とに応じて、停止パターン選択カウンタC3の値を参照する停止パターンテーブル202dが異なるように構成されている。即ち、停止パターンテーブル202dは、複数種類設けられ、待機中の変動演出の数(保留球数)等によって選択されるように構成されている。
また、第1実施形態では、変動演出の詳細な変動パターンを決定する場合に、まず、ROM202に備えられた保留数テーブル202cに基づいて、変動演出の当否と、現在の遊技状態と、現在の変動演出の数(保留球数)とに対応したいずれかの停止パターンテーブル202dが選択される。そして、選択された停止パターンテーブル202dと停止パターン選択カウンタC3の値とに基づいて変動演出の大まかな演出態様を選択する。その後、選択された演出態様と後述する変動種別カウンタCS1の値とに基づいて、変動演出の詳細な変動パターン(変動時間)が決定される。
この複数種類設けられた停止パターンテーブル202dは、各停止パターンテーブル202d毎に演出態様が選択される停止パターン選択カウンタC3の乱数値の範囲が異なるように設定されている。この停止パターンテーブル202dが複数用意されているのは、変動演出の当否、遊技状態及び保留球数に応じて変動演出の演出態様の選択比率を変更するためである。即ち、(1)取得した第3図柄の変動演出において大当たりが発生するか、(2)現在のパチンコ機10の遊技状態が「確率変動状態」、「潜伏確率変動状態」又は「通常遊技状態」であるか、及び、(3)保留されている変動演出の保留球数がいくつあるか、に応じて、演出態様の選択比率を変更するためである。
これは、第1の理由として、各演出態様毎に大当たりとなる期待度を変化させるためである。即ち、大当たり抽選に当選した場合と大当たり抽選にハズレた場合とで、停止パターン、即ち、「非リーチ」演出態様、「ノーマルリーチ」演出態様、「スーパーリーチ」演出態様、及び、「スペシャルリーチ」演出態様の選択する割合を異ならせるように構成することで、各演出態様毎に大当たりとなる期待度を変化させる。具体的には、例えば、大当たり抽選に当選した場合に「スーパーリーチ」演出態様や「スペシャルリーチ」演出態様を選択し易く構成し、大当たり抽選に当選しなかった場合には、「非リーチ」演出態様や「ノーマルリーチ」演出態様を選択し易く構成する。このように構成することで、「スーパーリーチ」演出態様や「スペシャルリーチ」演出態様は、大当たりし易い演出とすることができ、「ノーマルリーチ」演出態様や「非リーチ」演出態様は、大当たりし難い演出若しくは大当たりしない演出とすることができ、各演出態様毎の大当たり期待度を差別化することができる。従って、変動演出に大当たりし易い演出が現出した場合に、その大当たりし易い演出が行われている間、大当たりが発生する可能性が高いことを遊技者に示唆し、遊技の興趣を高めている。
そこで、第1実施形態のパチンコ機10では、取得した抽選結果が大当たりである場合には、大当たりし易い演出を選択し易く、かつ、大当たりし難い演出を選択し難い停止パターンテーブル202dに基づいて変動演出の大まかな内容である演出態様(停止パターン)を選択するように構成する。一方、取得した抽選結果がハズレである場合には、大当たりし易い演出を選択し難く、かつ、大当たりし難い演出を選択し易い停止パターンテーブル202dに基づいて変動演出の演出態様(停止パターン)を選択するように構成する。これにより、変動演出において第3図柄の抽選結果を遊技者に報知する場合に、大当たりし易い演出が実行されている場合にはその変動演出で大当たりが発生し易く、大当たりし難い演出が実行されている場合にはその変動演出で大当たりが発生し難くし、演出態様(停止パターン)ごとに大当たり期待値に差を設けることで、その変動演出の実行中に遊技の興趣を高めることができる。
また、第2の理由として、第1特別図柄の変動演出の待機回数が上限に達している状態における特図1入賞口77への入球、又は、第2特別図柄の変動演出の待機回数が上限に達している状態における特図2入賞口78への入球に基づく無駄球(所謂、オーバーフロー入賞による無抽選)を極力削減するためである。具体的に説明すると、第1特別図柄及び第2特別図柄の変動演出の待機回数はそれぞれ最大4回と上限が設けられていると共に、変動演出は少なくとも一定時間が実行されることから、「確率変動状態」における特図2入賞口78へ球が入球し易い遊技状態では、第2特別図柄の最大保留球数に到達し易い。これらの遊技状態において、長い変動時間の変動演出を選択すると、第2特別図柄の最大保留球数に到達した状態での特図2入賞口78への入球が頻発し、折角、特図2入賞口78へ入球したにもかかわらず、第2特別図柄の抽選契機を取得できない。また、「通常遊技状態」においても、第1特別図柄の最大保留球数に到達している状態で、長い変動時間の変動演出を選択すると、その変動演出の実行中は第1特別図柄の保留球数が消化されないため、その間に特図1入賞口77への入球が発生しても、第1特別図柄の抽選契機を取得できない。このような状態になると、遊技者は、特図1入賞口77へ球を入球させても遊技価値が得られないと判断し、変動演出が消化されて再び保留球数を取得できる状態になるまで球の発射を停止して遊技を中断してしまう。遊技が中断されると、パチンコ機10の稼働率が低下してしまい、遊技場の経営に影響を与えてしまう。
そこで、第1実施形態のパチンコ機10では、第3図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)の最大保留球数へ到達し易い遊技状態や、最大保留球数に近い(又は一致する)保留球数では、短い変動時間が選択され易い停止パターンテーブル202dに基づいて変動演出の演出態様を選択するように構成されている。これにより、第3図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)の最大保留球数に到達している状態での特図1入賞口77又は特図2入賞口78への入球を防止することができる。
さらに、第3の理由として、実行時間を長く設定して、変動演出の終了を遅らせることで、変動演出が実行されている状態を長く維持するためである。具体的に説明すると、変動演出の保留球数が少ない(無い)場合に、実行中の変動演出の変動時間内に新たに特図1入賞口77又は特図2入賞口78のいずれかに球を入球させないと、次の変動演出を開始することができず、第3図柄表示装置81でデモ画面等を表示しなければいけない。遊技者は、球を発射して遊技を行っているにもかかわらず第3図柄表示装置81において変動演出が行われない場合、遊技者が求めている大当たりの抽選に係る興趣を得ることができず、遊技に興醒めしてしまう。また、遊技者は、第3図柄表示装置81において変動演出が行われていないことで、特図1入賞口77又は特図2入賞口78へ球が入球し難いパチンコ機10であると認識し、遊技価値を得難い台と判断して、そのパチンコ機10での遊技を止めてしまうおそれがある。
そこで、第1実施形態のパチンコ機10では、変動演出の保留球数が少ない場合に、長い変動時間が選択され易い停止パターンテーブル202dに基づいて変動演出の演出態様を選択するように構成されている。これにより、第3図柄表示装置81において変動演出が行われていない状況を起こり難く構成し、第3図柄表示装置81における変動演出の実行状態を長く維持することができる。
変動種別カウンタCS1は、例えば「0〜199」の範囲内で順に「1」ずつ加算され、最大値(つまり「199」)に達した後「0」に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS1の値は、後述するタイマ割込処理(図17参照)が1回実行される毎に1回更新され、メイン処理(図28参照)内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、球が特図1入賞口77に入賞(始動入賞)したタイミングで、特図1入賞口77(第1特別図柄)に対応して設けられたRAM203の第1保留球格納エリア203dに設けられた第1保留第1〜第4エリアのうち大当たり乱数カウンタC1が格納される第1保留エリアの変動種別カウンタ格納エリア203d4に格納される。また、球が特図2入賞口78に入賞(始動入賞)したタイミングで、特図2入賞口78(第2特別図柄)に対応して設けられたRAM203の第2保留球格納エリア203eに設けられた第2保留第1〜第4エリアのうち大当たり乱数カウンタC1が格納される第2保留エリアの変動種別カウンタ格納エリア203e4に格納される。
変動種別カウンタCS1は、変動演出の詳細な変動パターンの決定に用いられる。即ち、主制御装置110のMPU201は、停止パターンテーブル202d及び停止パターン選択カウンタC3によって選択された演出態様において、変動種別カウンタCS1の値と、ROM202に格納された変動パターンテーブル202eとによって、詳細な変動パターンを決定する。変動パターンの決定は、具体的には、変動演出の変動時間の決定である。音声ランプ制御装置113および表示制御装置114は、変動種別カウンタCS1により決定された変動パターン(変動時間)に基づいて、第3図柄表示装置81で表示される第3図柄のリーチ種別や細かな図柄変動態様を決定し、また予告演出実行の有無や予告演出の実行態様を決定する。
このように、主制御装置110のMPU201は、変動演出の大まかな変動パターンを選択して変動時間のみを決定する。このように構成することで、主制御装置110のMPU201において、変動演出を実行するために必要な詳細な予告抽選等の制御を行う必要がなくなるので、変動演出に関するMPU201の処理を軽減することができる。また、主制御装置110において変動演出の全変動パターンのコマンドを用意する必要がなくなり、主制御装置110のROM容量を削減することができる。
また、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114において、主制御装置110で決定された変動時間(大まかな変動パターン)に基づいて、変動演出における詳細な変動パターンを決定することで、変動演出を選択する自由度を高めるができる。さらに、遊技状態が刻々と変化するパチンコ機10において、該変化に対応して随時、変動演出の演出内容の選択又は変更することが可能となり、遊技状態に応じて適切な演出を実行することができる。
ここで、変動パターンを構成する各変動要素について説明する。変動要素とは、1の変動演出の一部分を構成するものであり、各変動要素を組み合わせて1の変動演出が構成される。第1実施形態のパチンコ機10では、変動要素として、「高速変動」の変動要素、「低速変動」の変動要素、「疑似連」の変動要素、「ノーマルリーチ」の変動要素、「スーパーリーチ」の変動要素、「スペシャルリーチ」の変動要素および「再変動」の変動要素が設けられている。
「高速変動」の変動要素とは、遊技者によって第3図柄の内容を明確に認識できないように高速にスクロール変動する変動要素である。この「高速変動」の変動要素は、「非リーチ(短縮)」演出態様が選択された場合は、変動演出の冒頭に「3秒」行われ、「非リーチ(短縮)」以外の変動要素(例えば、「非リーチ(通常)」)の演出態様が選択された場合は、変動演出の冒頭に「7秒」行われる。なお、この「高速変動」の変動要素が終了した場合、後述する「低速変動」の変動要素が開始(実行)されるか、或いは、そのまま変動演出が終了するように構成されている。
「低速変動」の変動要素とは、「7秒」の「高速変動」の変動要素の実行後に開始され、第3図柄を視認可能にスクロール変動して「リーチ表示」を発生するか否かを見せる変動要素である。この「低速変動」の変動要素は、「非リーチ(短縮)」演出態様が選択された場合は実行されず、「非リーチ(短縮)」演出態様以外の演出態様(例えば、「非リーチ(通常)」演出態様)が選択された場合は、「高速変動」の変動要素の後に「3秒」行われる。即ち、「非リーチ(短縮)」演出態様では、「高速変動」の変動要素が行われた後、主表示領域Dmの各図柄列Z1〜Z3が「低速変動」の変動要素を経由せずに急速に停止(所謂、ビタ止まり)するように構成されている。なお、この「低速変動」の変動要素が終了した場合は、後述する「疑似連」の変動要素が開始(実行)されるか、後述する「ノーマルリーチ」の変動要素が開始(実行)されるか、或いは、そのまま変動演出が終了するように構成されている。
従って、第1実施形態のパチンコ機10では、「非リーチ(通常)」演出態様は、「7秒」の「高速変動」の変動要素と「3秒」の「低速変動」の変動要素とを含む変動パターンで変動演出が構成される。また、「非リーチ(短縮)」演出態様は、「3秒」の「高速変動」の変動要素のみの変動パターンで変動演出が構成される。
「疑似連」の変動要素とは、1回の変動演出の中で変動演出の開始が複数回(疑似停止が1回)発生する変動要素である。具体的には、第3図柄表示装置81の各図柄列Z1〜Z3にて「高速変動」の変動要素が開始されて「低速変動」の変動要素に切り替わり、その後に全図柄列Z1〜Z3における変動演出が終了されて所定の停止結果(例えば、疑似連チャンス目「677」)が表示されるという単位の演出が行われる変動要素である。この「疑似連」の変動要素は、「低速変動」の変動要素後に、上記所定の停止結果が停止することで、その停止結果から再び「高速変動」の変動要素が始まって、あたかももう1回変動演出が開始されたかのような演出が実行される。
この「疑似連」の変動要素は、「低速変動」の変動要素の実行後に所定の停止結果(所謂、疑似連チャンス目)が現出し、再び2回目の「高速変動」の変動要素が実行され、その後、「ノーマルリーチ」の変動要素に発展する変動要素である。即ち、「疑似連」の変動要素は、疑似連チャンス目が表示される疑似的な変動停止(以下、「疑似停止」という)が1回行われ、その後、その疑似停止において所定の停止結果が現出して、再度、「高速変動」の変動要素を開始する変動要素である。第1実施形態のパチンコ機10では、この「疑似連」の変動要素の終了後は、少なくとも「ノーマルリーチ」の変動要素に必ず発展するように構成されている。この「疑似連」の変動要素は、「低速変動」の変動要素後に「10秒」行われる。
なお、第1実施形態では、「疑似連」の変動要素において、疑似停止の回数を1回としたが、疑似停止の回数を2回以上行われる「疑似連」の変動要素を実行するように構成してもよい。また、「疑似連」の変動要素の発生前に、疑似連チャンス目が停止するか否かの演出を行う変動要素(所謂、「疑似ガセ」の変動要素)を行うように構成してもよい。この「疑似ガセ」の変動要素では、「低速変動」の変動要素の実行後に所定の停止結果が現出するか否かの演出(例えば、上記所定の停止結果を形成する図柄が有効ラインL1(図12(a)参照)上を往復変動して停止するか否かの演出。以下、「疑似変動」という。)を行い、その「疑似変動」にて上記所定の停止結果が現出せず、「疑似連」の変動要素まで発展しないように構成してもよい。この「疑似ガセ」の変動要素を設けることで、該「疑似ガセ」の変動要素の終了後、「ノーマルリーチ」の変動要素に発展するか、或いは、「ハズレ表示」が現出(例えば、「687」)してそのまま変動演出が終了するかの遊技性を付与することができる。
「ノーマルリーチ」の変動要素は、「低速変動」の変動要素又は「疑似連」の変動要素(以下、「「低速変動」の変動要素又は「疑似連」の変動要素」を総称して、「低速変動等」の変動要素という場合がある)において左図柄列Z1及び右図柄列Z3にリーチ形成図柄が停止表示した場合に、中図柄列Z2の変動結果によって大当たりが発生するか否かを見せる変動要素である。この「ノーマルリーチ」の変動要素は、「低速変動等」の変動要素後に「10秒」行われる。
第1実施形態のパチンコ機10では、「ノーマルリーチ」の変動要素の実行後は、直接「ハズレ表示」を現出するパターンと、直接「大当たり表示」を現出するパターンと、「スーパーリーチ」の変動要素に発展するパターンと、「スペシャルリーチ」の変動要素に発展するパターンと、一旦、仮の「ハズレ表示」を現出させた後に「再変動」の変動要素を実行するパターンと、が用意されている。
「スーパーリーチ」の変動要素は、「ノーマルリーチ」の変動要素において「ハズレ表示」が停止せずに中図柄列Z2の変動が継続された場合に発展して実行され、主表示領域Dmにおいて「バトル演出」を行って大当たりが発生するか否かを見せる変動要素である。この「スーパーリーチ」の変動要素は、「ノーマルリーチ」の変動要素の実行後に「10秒」行われる。
第1実施形態のパチンコ機10では、「スーパーリーチ」の変動要素の実行後は、直接「ハズレ表示」を現出するパターンと、直接「大当たり表示」を現出するパターンと、一旦、仮の「ハズレ表示」を現出させた後に「再変動」の変動要素を実行するパターンと、が用意されている。
「スペシャルリーチ」の変動要素は、「ノーマルリーチ」の変動要素において「ハズレ表示」が停止せずに中図柄列Z2の変動が継続された場合に発展して実行され、主表示領域Dmにおいて「競争演出」を行って大当たりが発生するか否かを見せる変動要素である。この「スペシャルリーチ」の変動要素は、「ノーマルリーチ」の変動要素の実行後に「20秒」行われる。
第1実施形態のパチンコ機10では、「スペシャルリーチ」の変動要素の実行後は、直接「ハズレ表示」を現出するパターンと、直接「大当たり表示」を現出するパターンと、一旦、仮の「ハズレ表示」を現出させた後に「再変動」するパターンと、が用意されている。
なお、「ノーマルリーチ」の変動要素の実行後に「スーパーリーチ」の変動要素又は「スペシャルリーチ」の変動要素に発展するように構成されているが、この構成に代えて、「低速変動」後にリーチ形成図柄が停止した場合に、「ノーマルリーチ」の変動要素を経由せず、いきなり「スーパーリーチ」の変動要素や「スペシャルリーチ」の変動要素に発展するように構成してもよい。また、「スーパーリーチ」の変動要素の実行後に「スペシャルリーチ」の変動要素が行われるように構成してもよい。
「再変動」の変動要素は、いずれかの「リーチ表示」において一旦「ハズレ表示」が現出した後に発展して実行され、「大当たり表示」を現出する変動要素である。この「再変動」の変動要素は、いずれかの「リーチ表示」後に「10秒」行われる。
第1実施形態のパチンコ機10では、「再変動」の変動要素の実行後は、「大当たり表示」が現出するパターンが用意されている。
また、この「再変動」の変動要素は、「15R確変大当たり」又は「7R潜伏確変大当たり」に当選した場合にのみ発生するように構成されている。即ち、「ハズレ表示」の場合には、「再変動」の変動要素は実行されないように構成されている。これは、「再変動」の変動要素は、仮に停止表示された「ハズレ表示」をいずれかの「大当たり表示」に変更する変動要素であるため、大当たりに当選していない「ハズレ表示」の場合に行ってしまうと、演出上の齟齬が発生してしまう。よって、この「再変動」の変動要素は、大当たり用の変動パターンテーブル202eでのみ選定され、ハズレ用の変動パターンテーブル202eでは選定されないように構成されている。
普図当たり乱数カウンタC4は、例えば「0〜99」の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり「99」)に達した後「0」に戻るループカウンタとして構成されている。また、普図当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該普図当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。
なお、第2初期値乱数カウンタCINI2は、普図当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=「0〜99」)、タイマ割込処理(図17参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図28参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
普図当たり乱数カウンタC4の値は、例えば定期的(第1実施形態では、タイマ割込処理(図17参照)毎に1回)更新され、球がいずれかの普通図柄ゲート76(ユニット内普通図柄ゲート76a又は右側普通図柄ゲート76b)を通過したことが検知されたタイミングで、RAM203の普図保留球格納エリア203hに設けられた普図保留第1〜第4エリアのいずれかの普図保留エリアに格納される。そして、普図保留球格納エリア203hに格納された順に順次普図保留球実行エリア203iにデータをシフトし、該普図保留球実行エリア203iに格納されている普図当たり乱数カウンタC4の値に対して当たり判定を行う。
普通図柄の当たりとなる乱数の値は、遊技状態毎に主制御装置110のROM202に格納される普図当たり乱数テーブル202f(図16(a)参照)によって設定されており、普図保留エリアに格納されている普図当たりカウンタC4の値が、普図当たり乱数テーブル202fによって設定された当たりとなる乱数の値と一致する場合に、当たりと判定される。そして、遊技状態に応じて普図変動時間テーブル202g(図16(b)参照)が参照されて、普通図柄の可変表示時間が設定され、普通図柄表示装置83において該可変表示時間の経過後、停止図柄(普通図柄)として「○」の図柄が点灯表示される。その後、遊技状態に応じて普通電役制御テーブル202h(図16(c)参照)が参照されて、出没式普通電役79aの出没板79bの突出時間が設定され、該突出時間の間、出没板79bが突出作動し、その間、出没板79bの上面を球が転動可能に構成される。
一方、普図保留エリアに格納されている普図当たりカウンタC4の値が、普図当たり乱数テーブル202fによって設定された当たりとなる乱数の値と一致しない場合には、ハズレと判定される。そして、遊技状態に応じて普図変動時間テーブル202g(図16(b)参照)が参照されて可変表示時間が設定され、普通図柄表示装置83において該可変表示時間の経過後、停止図柄(普通図柄)として「×」の図柄が点灯表示される。
ここで、図16(a)を参照して、普図当たり乱数テーブル202fの詳細について説明する。図16(a)は、ROM202に記憶される普図当たり乱数テーブル202fの一例を模式的に示した模式図である。
普図当たり乱数テーブル202fは、パチンコ機10の遊技状態が、「通常遊技状態」である低確率状態(「確率変動状態」又は「潜伏確率変動状態」ではない期間(特別図柄の大当たり中を含む))の場合に使用される低確率状態用と、パチンコ機10の遊技状態が、低確率状態より特別図柄が大当たりとなる確率の高い高確率状態である「確率変動状態」又は「潜伏確率変動状態」の場合に使用される高確率状態用との2種類に分けられる。そして、低確率状態用と高確率状態用とのそれぞれに含まれる当たりとなる乱数の数が異なって設定されている。このように、低確率状態と高確率状態とで当たりとなる乱数の数を異ならせることにより、低確率状態と高確率状態とで、当たりとなる確率が変更される。
図16(a)で示すように、第1実施形態のパチンコ機10では、低確率状態の場合に当たりとなる普図当たり乱数カウンタC4の値の数は10個で、その値「90〜99」が、普図当たり乱数テーブル202fに格納されている。つまり、低確率状態(即ち、「通常遊技状態」)における普通図柄の当たり確率は、10/100=1/10となるように設定されている。
一方で、高確率状態の場合に当たりとなる普図当たり乱数カウンタC4の値の数は90個で、その値「10〜99」が、普図当たり乱数テーブル202fに格納されている。つまり、高確率状態(即ち、「確率変動状態」又は「潜伏確率変動状態」)における普通図柄の当たり確率は、90/100=9/10となるように設定されている。
これにより、遊技状態に応じて普通図柄の当否確率を変更することで、遊技者が左打ちした場合に、交互振分ユニット71内のユニット内普通図柄ゲート76aを球が通過したとき、出没板79bが突出し易いか否かの違いを生じさせることができる。その結果、ユニット内普通図柄ゲート76aを球が通過した場合に、出没板79bが突出し易い状況であって、突出状態である出没板79bによって特図2入賞口78側へ誘導され得る状況か、出没板79bが突出し難い状況であって、出没板79bが没入状態(非突出状態)であることで球が該出没板79bによって誘導されず、特図1第2入賞口77bへそのまま入賞する状況か、を遊技状態によって異ならせることで、遊技状態毎に異なる遊技性を生むことができる。
また、遊技者が右打ちした場合においても、普通電役ユニット79に設けられた右側普通図柄ゲート76bを球が通過した場合に、出没板79bが突出し易いか否かの違いを生じさせることができる。その結果、右側普通図柄ゲート76bを球が通過した場合に、出没板79bが突出し易い状況であって、突出状態である出没板79bによって特図2入賞口78側へ誘導され得る状況か、出没板79bが突出し難い状況であって、そのまま遊技盤13下方の遊技領域に流下される状況か、を遊技状態によって異ならせることで、遊技状態毎に異なる遊技性を生むことができる。
次いで、図16(b)を参照して、普図変動時間テーブル202gの詳細について説明する。図16(b)は、ROM202に記憶される普図変動時間テーブル202gの一例を模式的に示した模式図である。
普図変動時間テーブル202gは、普図当たり乱数テーブル202fと同様、低確率状態用と高確率状態用との2種類に分けられる。そして、低確率状態用(即ち、「通常遊技状態」用)と高確率状態用(即ち、「確率変動状態」又は「潜伏確率変動状態」用)とで設定される普通図柄の可変表示時間が異なって設定されている。このように、低確率状態と高確率状態で普通図柄の可変表示時間を異ならせることにより、低確率状態と高確率状態とで、普通図柄の当否結果が導出される時間が変更される。
図16(b)で示すように、第1実施形態のパチンコ機10では、低確率状態の場合に設定される普通図柄の可変表示時間は「3秒」となるように普図変動時間テーブル202gで規定されている。つまり、低確率状態において普通図柄の可変表示が開始されてから停止図柄が導出されるまでの時間は、もれなく「3秒」となるように設定されている。
一方で、高確率状態の場合に設定される普通図柄の可変表示時間は「0.5秒」となるように普図変動時間テーブル202gで規定されている。つまり、高確率状態において普通図柄の可変表示が開始されてから停止図柄が導出されるまでの時間は、もれなく「0.5秒」となるように設定されている。
これにより、遊技状態に応じて普通図柄の可変表示時間を変更することで、遊技者が左打ちした場合に、交互振分ユニット71内のユニット内普通図柄ゲート76aを通過した球が出没板79bの配設位置に到達するまでの時間内に、普通図柄の可変表示が終了するか否かの違いを生じさせることができる。その結果、ユニット内普通図柄ゲート76aを球が通過して、該通過に基づく普通図柄の可変表示が実行された場合に、球が出没板79bの配設位置に到達するまでに普通図柄の可変表示が終了し、該可変表示結果に基づいて突出状態である出没板79bによって特図2入賞口78側へ誘導され得る状況か、球が出没板79bの配設位置に到達した時には未だ普通図柄の可変表示が継続して実行されていて、出没板79bが没入状態(非突出状態)であることで球が該出没板79bによって誘導されず、特図1第2入賞口77bへそのまま入賞する状況か、を遊技状態によって異ならせることで、遊技状態毎に異なる遊技性を生むことができる。
また、遊技者が右打ちした場合においても、普通電役ユニット79に設けられた右側普通図柄ゲート76bを通過した球が出没板79bの配設位置に到達するまでの時間内に、普通図柄の可変表示が終了するか否かの違いを生じさせることができる。その結果、右側普通図柄ゲート76bを通過して、該通過に基づく普通図柄の可変表示が実行された場合に、球が出没板79bの配設位置に到達するまでに普通図柄の可変表示が終了し、該可変表示結果に基づいて突出状態である出没板79bによって特図2入賞口78側(交互振分ユニット71側)へ誘導され得る状況か、球が出没板79bの配設位置に到達した時には未だ普通図柄の可変表示が継続して実行されていて、出没板79bが没入状態(非突出状態)であることで球が該出没板79bによって誘導されず、そのまま遊技盤13(図3参照)下方の遊技領域に流下される状況か、を遊技状態によって異ならせることで、遊技状態毎に異なる遊技性を生むことができる。
次いで、図16(c)を参照して、普通電役制御テーブル202hについて説明する。図16(c)は、ROM202に記憶される普通電役制御テーブル202hの一例を模式的に示した模式図である。普通電役制御テーブル202hは、普通図柄の当たり時に参照され、普通図柄の当たりが発生したタイミングにおける遊技状態に基づいて、出没板79bの突出時間が規定されている。
普通電役制御テーブル202hは、普通図柄が抽選された遊技状態に基づいてグループ毎に区分けされている。具体的には、左打ち時の遊技状態である「通常遊技状態」と「潜伏確率変動状態」とで参照される左打ち状態用と、右打ち時の遊技状態である「確率変動状態」で参照される右打ち状態用とで、出没板79bの突出時間が変更される。
図16(c)で示すように、第1実施形態のパチンコ機10では、左打ち状態の遊技状態、即ち、「通常遊技状態」又は「潜伏確率変動状態」において普通図柄に当選した場合に設定される出没板79bの突出時間は「2秒」となるように普通電役制御テーブル202hで規定されている。つまり、「確率変動状態」以外の遊技状態(即ち、「通常遊技状態」又は「潜伏確率変動状態」)において、普通図柄に当選した場合には、出没板79bの突出時間は、もれなく「2秒」となるように設定されている。
一方で、右打ち状態の遊技状態、即ち、「確率変動状態」において普通図柄に当選した場合に設定される出没板79bの突出時間は「5秒」となるように普通電役制御テーブル202hで規定されている。つまり、「確率変動状態」において、普通図柄に当選した場合には、出没板79bの突出時間は、もれなく「5秒」となるように設定されている。
従って、第1実施形態のパチンコ機10では、普通図柄の当否確率、普通図柄の可変表示時間および出没板79bの突出時間のバリエーションが各遊技状態に応じてそれぞれ異なるように構成される。具体的には、「通常遊技状態」では、普通図柄の当否確率が低確率であって、普通図柄の可変表示時間が長時間であり、出没板79bの突出時間が短時間となるように設定されている。また、「潜伏確率変動状態」では、普通図柄の当否確率が高確率であって、普通図柄の可変表示時間が短時間であり、出没板79bの突出時間が短時間となるように設定されている。さらに、「確率変動状態」では、普通図柄の当否確率が高確率であって、普通図柄の可変表示時間が短時間であり、出没板79bの突出時間が長時間となるように設定されている。
このように、主制御装置110のRAM203には種々のカウンタ等が設けられていると共に、主制御装置110のROM202には各種テーブルが設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値と上述した各テーブル202a〜202hとに応じて大当たり抽選や特別図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における動的表示および変動演出の設定、普通図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。
図13に戻り、説明を続ける。RAM203は、図14に図示したカウンタ用バッファ203cのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、インプット/アウトプット(Input/Output。以下、「I/O」と略す。)等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図28参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図27参照)において実行される。なお、MPU201のノンマスカブル割込(Non−Maskable Interrupt。以下、「NMI」と略す。)端子には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図26参照)が即座に実行される。
RAM203は、さらに、第1保留球数カウンタ203a、第2保留球数カウンタ203b、第1保留球格納エリア203d、第2保留球格納エリア203e、保留球実行エリア203f、普図保留球数カウンタ203g、普図保留球格納エリア203h、普図保留球実行エリア203iを少なくとも有している。
第1保留球数カウンタ203aは、4ミリ秒毎に定期的に実行されるタイマ割込処理(図17参照)の中で検出される特図1第1入賞口77a又は特図1第2入賞口77bへの入球(以下、特図1第1入賞口77a若しくは特図1第2入賞口77b、又は、特図2入賞口78への球の入球を「始動入賞」という場合がある)に基づいて、特別図柄表示装置37で行われる第1特別図柄の動的表示(第3図柄表示装置81で行われる第1特別図柄に対応する第3図柄の変動演出)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。
この第1保留球数カウンタ203aは、電源投入後のRAM203の初期設定処理(図27のS913)によって、初期値として「0」が設定される。そして、いずれかの特図1入賞口77への始動入賞が検出されて第1特別図柄に関する動的表示(変動演出)の保留球数が増加する毎に、最大値「4」まで1加算される(図18のS203参照)。一方、第1保留球数カウンタ203aは、第1特別図柄の動的表示(変動演出)が実行される毎に1減算される(図20のS308参照)。
第2保留球数カウンタ203bは、第1保留球数カウンタ203aと同様、4ミリ秒毎に定期的に実行されるタイマ割込処理(図17参照)の中で検出される特図2入賞口78への始動入賞に基づいて、特別図柄表示装置37で行われる第2特別図柄の動的表示(第3図柄表示装置81で行われる第2特別図柄に対応する第3図柄の変動演出)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。
この第2保留球数カウンタ203bは、第1保留球数カウンタ203aと同様、電源投入後のRAM203の初期設定処理(図27のS913)によって、初期値として「0」が設定される。そして、特図2入賞口78への始動入賞が検出されて第2特別図柄に関する動的表示(変動演出)の保留球数が増加する毎に、最大値「4」まで1加算される(図18のS207参照)。一方、第2保留球数カウンタ203bは、第2特別図柄の動的表示(変動演出)が実行される毎に1減算される(図20のS305参照)。
この第1保留球数カウンタ203aの値(即ち、第1特別図柄の保留球数)又は第2保留球数カウンタ203bの値(即ち、第2特別図柄の保留球数)は、保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される(図18のS210参照)。保留球数コマンドは、始動入賞が検出されて第1保留球数カウンタ203a又は第2保留球数カウンタ203bが1加算される毎に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドによって、主制御装置110に保留された第1特別図柄又は第2特別図柄の動的表示(変動演出)の保留球数そのものの値を取得することができる。これにより、音声ランプ制御装置113において、主制御装置110へアクセスすることなく各特別図柄の動的表示(変動演出)の保留回数を管理することができる。また、始動入賞が検出される毎に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ保留球数コマンドを送信することにより、音声ランプ制御装置113において管理される各特別図柄の動的表示(変動演出)の保留球数が、ノイズ等の影響によって主制御装置110に保留された実際の動的表示(変動演出)の保留球数からずれてしまった場合であっても、次に受信する保留球数コマンドによって、そのずれを修正することができる。
なお、音声ランプ制御装置113は、その内部で管理する保留球数が変化する度に、表示制御装置114に対して、保留球数を通知するための表示用保留球数コマンドを送信する。表示制御装置114は、この表示用保留球数コマンドによって通知された保留球数を基に、第3図柄表示装置81のコクピット表示領域Dbに保留図柄を表示する。
また、第1実施形態では、主制御装置110が音声ランプ制御装置113に対して保留球数コマンドを送信する場合、その保留球数コマンドにおいて、1加算された第1保留球数カウンタ203a又は第2保留球数カウンタ203bの値だけでなく、その第1保留球数カウンタ203a又は第2保留球数カウンタ203bの加算の契機となった上記始動入賞に伴い、カウンタ用バッファ203c(図14参照)より取得される大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値も含める。
つまり、始動入賞があった場合に、主制御装置110にてカウンタ用バッファ203cより取得した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値が、保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に伝えられる。
音声ランプ制御装置113では、保留球数コマンドにより伝えられた大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値を、その各値に基づく変動演出が実行される前に先読みし、当該変動演出がどうなるか(大当たりとなるか否か、変動時間はどうなるか等)をその変動演出の実行前に判断する。そして、その先読みによる判断結果に基づき、各種の演出の実行を決定したり、「保留変化予告」の演出内容及び実行時期(タイミング)を決定できるようになっている。
なお、変動演出の保留球数を示す保留球数コマンドと、大当たり乱数カウンタC1等の値を示すコマンドとを別々に送信するように構成してもよい。保留球数コマンドとは別の大当たり乱数カウンタC1等の値を示すコマンドとしては、特図1入賞口77又は特図2入賞口78への球の入球タイミングで保留球数コマンドを生成すると共に、該入球に基づく変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドに類するコマンド(事前変動パターンコマンド及び事前停止種別コマンド)を生成し、音声ランプ制御装置113へ送信するように構成してもよい。この場合に、事前変動パターンコマンド及び事前停止種別コマンドの生成のプログラムに関し、変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドのプログラムを流用することで、プログラムの作成を容易にすることができる。
第1保留球格納エリア203dは、上述したように、いずれかの特図1入賞口77への始動入賞の検出に伴ってカウンタ用バッファ203cより取得した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値をそれぞれ記憶するためのメモリである。MPU201は、タイマ割込処理(図17参照)の中で、球が特図1入賞口77のいずれかへ入賞(始動入賞)したことを検出すると、カウンタ用バッファ203cから各カウンタC1〜C3,CS1の値を取得し、第1保留球格納エリア203dに格納する。第1保留球格納エリア203dは、第1特別図柄の一の始動入賞に対応するデータ(カウンタC1〜C3,CS1の各値)が、最大4回分まで記憶(保留)できるように、4つの保留エリア(第1保留第1〜第4エリア)を有している(図14参照)。
第2保留球格納エリア203eは、上述したように、特図2入賞口78への始動入賞の検出に伴ってカウンタ用バッファ203cより取得した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値をそれぞれ記憶するためのメモリである。MPU201は、タイマ割込処理(図17参照)の中で、球が特図2入賞口78へ入賞(始動入賞)したことを検出すると、カウンタ用バッファ203cから各カウンタC1〜C3,CS1の値を取得し、第2保留球格納エリア203eに格納する。第2保留球格納エリア203eは、第2特別図柄の一の始動入賞に対応するデータ(カウンタC1〜C3,CS1の各値)が、最大4回分まで記憶(保留)できるように、4つの保留エリア(第2保留第1〜第4エリア)を有している(図14参照)。
保留球実行エリア203fは、上述したように、実行を開始する、或いは、実行中の第1特別図柄又は第2特別図柄の大当たり抽選や、特別図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の動的表示および変動演出の設定等の処理において参照すべきデータ(カウンタC1〜C3,CS1の各値)を記憶するためのメモリである。
MPU201は、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動演出の実行開始タイミングであることを検出すると、第1特別図柄又は第2特別図柄の大当たり抽選や、特別図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の動的表示および変動演出の設定等の処理を実行するために、上述した第1保留球格納エリア203d又は第2保留球格納エリア203eに記憶されている各始動入賞に対応するデータ(カウンタC1〜C3,CS1の各値)のうち、第2保留球格納エリア203eに第2特別図柄に関する始動入賞に対応するデータが記憶されている場合は、該データの一の始動入賞に対応するデータを、この保留球実行エリア203fへシフトする。一方、第2保留球格納エリア203eに第2特別図柄に関する始動入賞に対応するデータが記憶されておらず、第1保留球格納エリア203dに第1特別図柄に関する始動入賞に対応するデータが記憶されている場合は、該データの一の始動入賞に対応するデータを、この保留球実行エリア203fへシフトする。即ち、第1実施形態のパチンコ機10では、第2特別図柄に関する動的表示(変動演出)が優先的に実行され、第1特別図柄に関する動的表示(変動演出)は、第2特別図柄に関する動的表示(変動演出)が保留されていないことを条件に実行されるように構成されている。なお、第1実施形態におけるシフトとは、一の領域に記憶されているデータを別の領域へ移動させることを示す。
ここで、再び図14を参照して、第1保留球格納エリア203d、第2保留球格納エリア203eおよび保留球実行エリア203fの詳細について説明する。第1保留球格納エリア203d、第2保留球格納エリア203eおよび保留球実行エリア203fは、第1特別図柄又は第2特別図柄の大当たり抽選や特別図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の動的表示および変動演出の設定等を行うために、主制御装置110のMPU201により使用される。
上述したように、第1特別図柄又は第2特別図柄の大当たり抽選や特別図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の動的表示および変動演出の設定には、大当たり抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、大当たり種別の決定に使用する大当たり種別カウンタC2と、変動演出の演出態様の決定に使用する停止パターン選択カウンタC3と、変動パターンの決定に使用する変動種別カウンタCS1とが用いられる。第1保留球格納エリア203dは、球が特図1入賞口77へ入賞(始動入賞)した場合にMPU201によってカウンタ用バッファ203cから取得される上記カウンタC1〜C3,CS1の各値をそれぞれ記憶し、第2保留球格納エリア203eは、球が特図2入賞口78へ入賞(始動入賞)した場合にMPU201によってカウンタ用バッファ203cから取得される上記カウンタC1〜C3,CS1の各値を記憶する。
第1保留球格納エリア203dは、4つの保留エリア(第1保留第1〜第4エリア)で構成されている。4つの保留エリア(第1保留第1〜第4エリア)にはそれぞれ、大当たり乱数カウンタC1の値を格納する大当たり乱数カウンタ格納エリア203d1と、大当たり種別カウンタC2の値を格納する大当たり種別カウンタ格納エリア203d2と、停止パターン選択カウンタC3の値を格納する停止パターン選択カウンタ格納エリア203d3と、変動種別カウンタCS1の値を格納する変動種別カウンタ格納エリア203d4とが設けられている。
また、第2保留球格納エリア203eは、第1保留球格納エリア203dと同様、4つの保留エリア(第2保留第1〜第4エリア)で構成されている。4つの保留エリア(第2保留第1〜第4エリア)にはそれぞれ、第1保留球格納エリア203dと同様、大当たり乱数カウンタC1の値を格納する大当たり乱数カウンタ格納エリア203e1と、大当たり種別カウンタC2の値を格納する大当たり種別カウンタ格納エリア203e2と、停止パターン選択カウンタC3の値を格納する停止パターン選択カウンタ格納エリア203e3と、変動種別カウンタCS1の値を格納する変動種別カウンタ格納エリア203e4とが設けられている。
なお、第1実施形態では、大当たり乱数カウンタ格納エリア203d1,203e1と、大当たり種別カウンタ格納エリア203d2,203e2と、停止パターン選択カウンタ格納エリア203d3,203e3と、変動種別カウンタ格納エリア203d4,203e4とを1つの保留球格納エリア203d,203eの中にそれぞれまとめて設けているが、各カウンタC1〜C3,CS1毎に保留球格納エリアを複数設けるようにしてもよい。
上述した通り、第1保留球格納エリア203dには、球がいずれかの特図1入賞口77へ入賞(始動入賞)したタイミングで取得されるデータ(各カウンタC1〜C3,CS1の各値)が最大4回分まで記憶されるが、その場合、4つの保留エリア(第1保留第1〜第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番にデータが記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い特図1入賞口77への始動入賞に対応するデータが記憶され、第1保留第1エリアには、時間的に最も古い特図1入賞口77への始動入賞に対応するデータが記憶されることになる。
また、第2保留球格納エリア203eには、球が特図2入賞口78へ入賞(始動入賞)したタイミングで取得されるデータ(各カウンタC1〜C3,CS1の各値)が最大4回分まで記憶されるが、その場合、4つの保留エリア(第2保留第1〜第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番にデータが記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い特図2入賞口78への始動入賞に対応するデータが記憶され、第2保留第1エリアには、時間的に最も古い特図2入賞口78への始動入賞に対応するデータが記憶されることになる。
一方、保留球実行エリア203fは、1つのエリアのみで構成されている。この保留球実行エリア203fには、第1保留球格納エリア203d又は第2保留球格納エリア203eと同様に、大当たり乱数カウンタC1の値を格納する大当たり乱数カウンタ格納エリア203f1と、大当たり種別カウンタC2の値を格納する大当たり種別カウンタ格納エリア203f2と、停止パターン選択カウンタC3の値を格納する停止パターン選択カウンタ格納エリア203f3、変動種別カウンタCS1の値を格納する変動種別カウンタ格納エリア203f4とが設けられている。
MPU201は、変動演出の実行開始タイミングになったことを判断すると、第2保留球格納エリア203eの第2保留第1エリアにデータ(各カウンタC1〜C3,CS1の各値)が記憶されている場合は、該第2保留第1エリアに記憶されているデータを、この保留球実行エリア203fの各エリア203f1〜203f4にそれぞれシフトする。一方、MPU201は、変動演出の実行開始タイミングとなった場合に、第2保留球格納エリア203eの第2保留第1エリアにデータが記憶されておらず、第1保留球格納エリア203dの第1保留第1エリアにデータが記憶されているとき、該第1保留第1エリアに記憶されているデータを、この保留球実行エリア203fの各エリア203f1〜203f4にそれぞれシフトする。
そして、保留球実行エリア203fにシフトされたデータを、変動開始処理(図21参照)において参照し、その参照データと遊技状態とに基づいて大当たり抽選を行うと共に、その抽選結果に対応する変動パターン及び停止種別を決定する。特別図柄表示装置37では、主制御装置110の制御により、この決定された変動パターンおよび停止種別に基づいて、動的表示が行われる。
また、ここで決定された変動パターン及び停止種別は、変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドによって、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114へ通知される。そして、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114の制御によって、第3図柄表示装置81では、変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドにより通知された変動パターンおよび停止種別に基づいて、変動演出が行われる。
データのシフトの詳細について説明する。MPU201は、変動演出の実行開始タイミングとなったことを判断すると、第2保留球格納エリア203eの第2保留第1エリアにデータが格納されているか否かを判断する。判断の結果、第2保留第1エリアにデータが格納されていると判断された場合は、第2保留第1エリアの大当たり乱数カウンタ格納エリア203e1の乱数値を、保留球実行エリア203fの大当たり乱数カウンタ格納エリア203f1へシフトする。同様に、第2保留第1エリアの大当たり種別カウンタ格納エリア203e2の乱数値を、大当たり種別カウンタ格納エリア203f2へシフトし、第2保留第1エリアの停止パターン選択カウンタ格納エリア203e3の乱数値を、停止パターン選択カウンタ格納エリア203f3へシフトし、第2保留第1エリアの変動種別カウンタ格納エリア203e4の乱数値を、変動種別カウンタ格納エリア203f4へシフトする。
そして、保留球実行エリア203fへのデータのシフトが終了すると、第2保留第1エリアが空き状態となるため、第2保留球格納エリア203eの各エリア(第2〜第4)に記憶(保留)されているデータを、エリア番号の1小さいエリア(第1〜第3)に詰めるシフト処理を行う。なお、第1実施形態では、第2保留球格納エリア203eにおいて、データが記憶(保留)されている第2保留エリア(第1〜第4)についてのみデータのシフトを行う。
ここで、第2保留球格納エリア203e内の各保留エリアに対して行われるデータシフトについて説明する。例えば、変動演出の開始判断が行われた時の第2保留球数カウンタ203bの値が「4」であり、第2保留球格納エリア203eの全エリア(第1〜第4)にデータが記憶されているとする。この状態で、第2保留第1エリアのデータが、保留球実行エリア203fへシフトされ、第2保留第1エリアが空き状態となると、MPU201は、他のエリア(第2〜第4)のデータをそれぞれ、エリア番号の1小さいエリア(第1〜第3)にシフトする。すなわち、第2保留第2エリアのデータを、第2保留第1エリアへシフトし、第2保留第3エリアのデータを、第2保留第2エリアへシフトし、第2保留第4エリアのデータを、第2保留第3エリアへシフトする。
また、例えば、変動演出の開始判断が行われた時の第2保留球数カウンタ203bの値が「2」であれば、MPU201は、第2保留第2エリアのデータのみを、第2保留第1エリアへシフトして、データのシフトを終了する。上述したように、第1実施形態では、データが記憶(保留)されていない第2保留エリア(第3〜第4)については、データのシフト処理を行わないので、データのシフト回数を軽減することができ、制御的負担を軽減することができる。
なお、データの有無に関わらず、第2保留エリア(第2〜第4)の各データを、エリア番号が1小さいエリアにそれぞれシフトするように構成しても良い。その場合は、第2保留エリア(第2〜第4)にデータが記憶(保留)されているか否かの判定が不用となるので、プログラムの作成を容易とすることができる。
一方、MPU201は、変動演出の実行開始タイミングとなったときに、第2保留球格納エリア203eの第2保留第1エリアにデータが格納されていないと判断された場合は、次いで、第1保留球格納エリア203dの第1保留第1エリアにデータが格納されているか否かを判断する。判断の結果、第1保留第1エリアにデータが格納されていれば、該第1保留第1エリアの大当たり乱数カウンタ格納エリア203d1の乱数値を、保留球実行エリア203fの大当たり乱数カウンタ格納エリア203f1へシフトする。同様に、第1保留第1エリアの大当たり種別カウンタ格納エリア203d2の乱数値を、大当たり種別カウンタ格納エリア203f2へシフトし、第1保留第1エリアの停止パターン選択カウンタ格納エリア203d3の乱数値を、停止パターン選択カウンタ格納エリア203f3へシフトし、第1保留第1エリアの変動種別カウンタ格納エリア203d4の乱数値を、変動種別カウンタ格納エリア203f4へシフトする。
そして、保留球実行エリア203fへのデータのシフトが終了すると、第1保留第1エリアが空き状態となるため、第1保留球格納エリア203dの各エリア(第2〜第4)に記憶(保留)されているデータを、エリア番号の1小さいエリア(第1〜第3)に詰めるシフト処理を行う。なお、第1実施形態では、第1保留球格納エリア203dにおいて、データが記憶(保留)されている第1保留エリア(第1〜第4)についてのみデータのシフトを行う。
ここで、第1保留球格納エリア203d内の各保留エリアに対して行われるデータシフトについて説明する。例えば、変動演出の開始判断が行われた時の第1保留球数カウンタ203aの値が「4」であり、第1保留球格納エリア203dの全エリア(第1〜第4)にデータが記憶されているとする。この状態で、第1保留第1エリアのデータが、保留球実行エリア203fへシフトされ、第1保留第1エリアが空き状態となると、MPU201は、他のエリア(第2〜第4)のデータをそれぞれ、エリア番号の1小さいエリア(第1〜第3)にシフトする。すなわち、第1保留第2エリアのデータを、第1保留第1エリアへシフトし、第1保留第3エリアのデータを、第1保留第2エリアへシフトし、第1保留第4エリアのデータを、第1保留第3エリアへシフトする。
また、例えば、変動演出の開始判断が行われた時の第1保留球数カウンタ203aの値が「2」であれば、MPU201は、第1保留第2エリアのデータのみを、第1保留第1エリアへシフトして、データのシフトを終了する。上述したように、第1実施形態では、データが記憶(保留)されていない第1保留エリア(第3〜第4)については、データのシフト処理を行わないので、データのシフト回数を軽減することができ、制御的負担を軽減することができる。
なお、データの有無に関わらず、第1保留エリア(第2〜第4)の各データを、エリア番号が1小さいエリアにそれぞれシフトするように構成しても良い。その場合は、第1保留エリア(第2〜第4)にデータが記憶(保留)されているか否かの判定が不用となるので、プログラムの作成を容易とすることができる。
図13に戻って、説明を続ける。普図保留球数カウンタ203gは、4ミリ秒毎に定期的に実行されるタイマ割込処理(図17参照)の中で検出される普通図柄ゲート76(ユニット内普通図柄ゲート76a又は右側普通図柄ゲート76b)への球の通過に基づいて、普通図柄表示装置83で行われる普通図柄の可変表示の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するためのカウンタである。
この普図保留球数カウンタ203gは、保留球数カウンタ203a,203bと同様、電源投入後のRAM203の初期設定処理(図27のS913参照)によって、初期値として「0」が設定される。そして、いずれかの普通図柄ゲート76への球の通過が検出されて普通図柄に関する可変表示の保留球数が増加する毎に、最大値「4」まで1加算される(図19のS223参照)。一方、普図保留球数カウンタ203gは、普通図柄の可変表示が実行される毎に1減算される(図22のS405参照)。
普図保留球格納エリア203hは、いずれかの普通図柄ゲート76への球の通過の検出に伴ってカウンタ用バッファ203cより取得した普図当たりカウンタC4を記憶するためのメモリである。MPU201は、タイマ割込処理(図17参照)の中で、球が普通図柄ゲート76を通過したことを検出すると、カウンタ用バッファ203cから普図当たりカウンタC4の値を取得し、普図保留球格納エリア203hに格納する。普図保留球格納エリア203hは、普通図柄の一の保留球に対応するデータ(普図当たりカウンタC4の値)が、最大4回分まで記憶(保留)できるように、4つの保留エリア(普図保留第1〜第4エリア)を有している(図14参照)。
普図保留球実行エリア203iは、実行を開始する、或いは、実行中の普通図柄の当たり抽選や可変表示の処理において参照すべきデータ(普図当たり乱数カウンタC4の値)を記憶するためのメモリである。
MPU201は、普通図柄の可変表示の実行開始タイミングであることを検出すると、普通図柄の当たり抽選や普通図柄表示装置83の可変表示の設定等の処理を実行するために、上述した普図保留球格納エリア203hに記憶されているデータ(普図当たり乱数カウンタC4の値)のうち、一のデータをこの普図保留球実行エリア203iへシフトする。なお、第1実施形態におけるシフトとは、一の領域に記憶されているデータを別の領域へ移動させることを示す。
ここで、再び図14を参照して、普図保留球格納エリア203hおよび普図保留球実行エリア203iの詳細について説明する。普図保留球格納エリア203hおよび普図保留球実行エリア203iは、普通図柄の当たり抽選や普通図柄表示装置83の可変表示の設定等の処理を行うために、主制御装置110のMPU201により使用される。
上述したように、普通図柄の当たり抽選や普通図柄表示装置83の可変表示の設定には、普通図柄の当たり抽選に使用する普図当たり乱数カウンタC4が用いられる。普図保留球格納エリア203hは、球がいずれかの普通図柄ゲート76を通過した場合にMPU201によってカウンタ用バッファ203cから取得される普図当たり乱数カウンタC4の値を記憶する。
普図保留球格納エリア203hは、4つの保留エリア(普図保留第1〜第4エリア)で構成されている。4つの保留エリア(普図保留第1〜第4エリア)にはそれぞれ、普図当たり乱数カウンタC4の値を格納する普図当たり乱数カウンタ格納エリア(図示せず)が設けられている。
上述した通り、普図保留球格納エリア203hには、球がいずれかの普通図柄ゲート76を通過したタイミングで取得されるデータ(普図当たり乱数カウンタC4の値)が最大4回分まで記憶されるが、その場合、4つの保留エリア(普図保留第1〜第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番にデータが記憶される。つまり、エリア番号が小さいエリアほど、時間的に古い普通図柄ゲート76への球の通過に対応するデータが記憶され、普図保留第1エリアには、時間的に最も古い普通図柄ゲート76への球の通過に対応するデータが記憶されることになる。
一方、普図保留球実行エリア203iは、1つのエリアのみで構成されている。この普図保留球実行エリア203iには、普図保留球格納エリア203hと同様に、普図当たり乱数カウンタC4の値を格納する普図当たり乱数カウンタ格納エリア(図示せず)が設けられている。
MPU201は、普通図柄の可変表示の実行タイミングになったことを判断すると、普図保留球格納エリア203hの普図保留第1エリアに記憶されているデータを、この普図保留球実行エリア203iにシフトする。
そして、普図保留球実行エリア203iにシフトされたデータを、普図変動処理(図22参照)において参照し、その参照データと遊技状態とに基づいて、当たり抽選を行うと共に、可変表示の内容を決定する。普通図柄表示装置83では、主制御装置110の制御により、この決定された内容に基づいて、可変表示が行われる。
データのシフトの詳細について説明する。MPU201は、普通図柄の可変表示の実行開始タイミングとなったことを判断すると、普図保留球格納エリア203hの普図保留第1エリアの普図当たり乱数カウンタ格納エリア(図示せず)の乱数値を、普図保留球実行エリア203iの普図当たり乱数カウンタ格納エリア(図示せず)へシフトする。
そして、普図保留球実行エリア203iへのデータのシフトが終了すると、普図保留第1エリアが空き状態となるため、普図保留球格納エリア203hの各エリア(第2〜第4)に記憶(保留)されているデータを、エリア番号が1小さいエリア(第1〜第3)に詰めるシフト処理を行う。なお、第1実施形態では、普図保留球格納エリア203hにおいて、データが記憶(保留)されている普図保留エリア(第1〜第4)についてのみデータのシフトを行う。
ここで、普図保留球格納エリア203h内の各保留エリアに対して行われるデータシフトについて説明する。例えば、普通図柄の可変表示の開始判断が行われた時の普図保留球数カウンタ203gの値が「4」であり、普図保留球格納エリア203hの全エリア(第1〜第4)にデータが記憶されているとする。この状態で、普図保留第1エリアのデータが、普図保留球実行エリア203iへシフトされ、普図保留第1エリアが空き状態となると、MPU201は、他のエリア(第2〜第4)のデータをそれぞれ、エリア番号の1小さいエリア(第1〜第3)にシフトする。すなわち、普図保留第2エリアのデータを、普図保留第1エリアへシフトし、普図保留第3エリアのデータを、普図保留第2エリアへシフトし、普図保留第4エリアのデータを、普図保留第3エリアへシフトする。
また、例えば、普通図柄の可変表示の開始判断が行われた時の普図保留球数カウンタ203gの値が「2」であれば、MPU201は、普図保留第2エリアのデータのみを、普図保留第1エリアへシフトして、データのシフトを終了する。上述したように、第1実施形態では、データが記憶(保留)されていない普図保留エリア(第3〜第4)については、データのシフト処理を行わないので、データのシフト回数を軽減することができ、制御的負担を軽減することができる。
なお、データの有無に関わらず、普図保留エリア(第2〜第4)の各データを、エリア番号が1小さいエリアにそれぞれシフトするように構成しても良い。その場合は、普図保留エリア(第2〜第4)にデータが記憶(保留)されているか否かの判定が不用となるので、プログラムの作成を容易とすることができる。
図13に戻り、説明を続ける。主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、特別図柄表示装置37、普通図柄表示装置83、普通図柄保留ランプ84、中央大入賞口65aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための中央大入賞口ソレノイドや、右側大入賞口67aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動させるための右側大入賞口ソレノイドや、出没式普通電役79aの出没板79bを駆動するための出没板ソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ208や、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図26参照)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチ217が接続されている。なお、該賞球検出スイッチ217は、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるように球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出や連続予告演出といった第3図柄表示装置81にて行われる演出の表示態様の設定などを制御するものである。
演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、及び、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。第1実施形態では、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ一方向にのみコマンドが送信されるように構成され、音声ランプ制御装置113から主制御装置110へコマンド送信ができないように構成されている。一方、音声ランプ制御装置113と表示制御装置114とは、互いにコマンドの送受信が可能に構成されている。
また、音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示される演出のステージを変更したり、「スーパーリーチ」演出態様等の背面画像を変更したりするように、音声出力装置226、ランプ表示装置227を制御すると共に、表示制御装置114へ枠ボタン22の押下に基づいた表示を第3図柄表示装置81に表示させるように指示する。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動演出や連続予告演出を制御するものである。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図2参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111のNMI端子へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理(図26参照)を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図2参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
次に、図17から図28のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理(図27参照)と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理(図28参照)と、定期的(第1実施形態では、4ミリ秒周期)に起動されるタイマ割込処理(図17参照)と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理(図26参照)とがある。ここでは、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理(図17参照)とNMI割込処理(図26参照)とを説明し、その後立ち上げ処理(図27参照)とメイン処理(図28参照)とを説明する。
図17は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば4ミリ秒毎に繰り返し実行される定期処理である。MPU201がこのタイマ割込処理を実行することによって、定期的に実行すべき各種の処理が行われる。
このタイマ割込処理では、まず、外部出力処理を実行する(S101)。タイマ割込処理やメイン処理では、各種処理に基づいて、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等へ送信すべきコマンド等を生成し、RAM203に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦記憶する。S101の外部出力処理では、このコマンド送信用リングバッファに記憶されたコマンド等の出力データを、サブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する。
例えば、後述する始動入賞処理(図18参照)で設定された保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。また、特図変動処理(図20参照)や特図変動処理の一処理である変動開始処理(図21)で設定された変動パターンコマンド、停止種別コマンド、確定コマンド等を音声ランプ制御装置113に送信する。その他、後述のS112の発射制御処理において球の発射を行う場合に設定された球発射信号を、発射制御装置112に送信する。
次に、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S102)、次いで、第1特別図柄又は第2特別図柄に基づく大当たり時における処理を実行する大当たり処理を実行する(S103)。この大当たり処理(S103)の詳細は、図23を参照して後述する。
次いで、出没式普通電役79aの出没板79bの駆動制御処理を実行する普通電役制御処理を実行する(S104)。簡単に説明すると、球がいずれかの普通図柄ゲート76を通過したことを条件に普通図柄表示装置83にて普通図柄の可変表示が実施され、普通図柄の可変表示の結果、普通図柄の当たり図柄(例えば、「○」図柄)が現出して当たり状態になると、出没式普通電役79aの出没板79bを所定時間突出駆動する。この普通電役制御処理(S104)の詳細は、図25を参照して後述する。
次いで、各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S105)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチ208の状態を読み込むと共に、当該スイッチ208の状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。また、入賞検知情報に基づいて払出制御装置111に対して送信すべき獲得球数に対応する賞球コマンドをRAM203に設けられたコマンド送信用リングバッファに設定する。これにより、次に実行されるタイマ割込処理のS101の処理によって、賞球コマンドが払出制御装置111に向けて送信される。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S106)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(第1実施形態では、「899」)に達した際、「0」にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するカウンタ用バッファ203c領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(第1実施形態では、「99」)に達した際、「0」にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するカウンタ用バッファ203c領域に格納する。
さらに、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1及び普図当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S107)。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1及び普図当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(第1実施形態では、それぞれ、「899」,「99」,「99」,「199」,「99」)に達した際、それぞれ「0」にクリアする。また、大当たり乱数カウンタC1又は普図当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1又は第2初期値乱数カウンタCINI2の値を当該大当たり乱数カウンタC1又は普図当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込み、その初期値を大当たり乱数カウンタC1又は普図当たり乱数カウンタC4に設定する。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM203の該当するカウンタ用バッファ203c領域に格納する。
次に、特図1入賞口77又は特図2入賞口78への入賞に伴う始動入賞処理を実行し(S108)、次いで、ユニット内普通図柄ゲート76a又は右側普通図柄ゲート76bへの球の通過に伴うゲート通過処理を実行する(S109)。なお、始動入賞処理の詳細は、図18を参照して後述し、ゲート通過処理(S109)の詳細は、図19を参照して後述する。
ゲート通過処理(S109)を実行した後は、上記始動入賞処理(S108)の処理内容に基づいて特別図柄表示装置37による特別図柄の動的表示を行うための処理や第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する特図変動処理を実行する(S110)。なお、特図変動処理(S110)の詳細は図20を参照して後述する。
次いで、上記ゲート通過処理(S109)の処理内容に基づいて普通図柄表示装置83による普通図柄の可変表示を行うための処理を実行する普図変動処理を実行する(S111)。なお、普図変動処理(S111)の詳細は図22を参照して後述する。
普図変動処理(S111)を実行した後は、発射制御処理を実行し(S112)、さらに、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(S113)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理(S112)は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、且つ、発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。そして、球の発射がオンである場合、発射制御装置112へ球発射信号を送信するために、その球発射信号の情報を、RAM203に設けられたコマンド送信用リングバッファに設定する。これにより、次に実行されるタイマ割込処理のS101の処理によって、球発射信号が払出制御装置111を介して発射制御装置112へ送信される。
次に、図18のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理(図17参照)の一処理である始動入賞処理(S108)を説明する。図18は、この始動入賞処理(S108)を示すフローチャートである。始動入賞処理は、特図1第1入賞口77a若しくは特図1第2入賞口77b又は特図2入賞口78への球の入賞の有無を判断し、入賞があった場合は、各カウンタC1〜C3,CS1の値を入賞した入賞口77,78に対応する第1保留球格納エリア203d又は第2保留球格納エリア203eに格納する(保留する)処理を実行する。また、保留する各カウンタC1〜C3,CS1の値を保留球数と合わせて音声ランプ制御装置113へ送信するための処理を実行する。
MPU201は、この始動入賞処理(S108)では、まず、球が特図1第1入賞口77a又は特図1第2入賞口77bのいずれかに入賞(始動入賞)したか否かを判別する(S201)。ここでは、スイッチ読み込み処理(図17のS105参照)において読み込んだ、特図1第1入賞口77a又は特図1第2入賞口77bへの入球(入賞)を検出する特図1入球口スイッチ(図示せず)の出力信号に基づいて、特図1第1入賞口77a又は特図1第2入賞口77bへの入球を3回のタイマ割込処理(図17参照)にわたって検出する。
球が特図1第1入賞口77a又は特図1第2入賞口77bに入賞した(始動入賞があった)と判別されると(S201:Yes)、次いで、第1保留球数カウンタ203aの値(主制御装置110において保留されている第1特別図柄の動的表示(変動演出)の作動保留球数N1)が上限値(第1実施形態では、「4」)未満であるか否かを判別する(S202)。そして、特図1第1入賞口77a又は特図1第2入賞口77bへの入賞があっても作動保留球数N1<4でなければ(S202:No)、この始動入賞処理(S108)を終了し、タイマ割込処理(図17参照)へ戻る。
一方、作動保留球数N1<4であれば(S202:Yes)、第1保留球数カウンタ203aの値(作動保留球数N1)を1加算する(S203)。そして、今回、第1特別図柄に対応する特図1第1入賞口77a又は特図1第2入賞口77bへの入賞であるので、第1保留球格納エリア203dを各乱数値C1〜C3,CS1の格納先として設定し(S204)、処理をS209へ移行する。
S201の処理において、球が特図1入賞口77へ入賞していないと判別された場合(S201:No)、次いで、球が特図2入賞口78に入賞(始動入賞)したか否かを判別する(S205)。ここでは、特図1入賞口77と同様、スイッチ読み込み処理(図17のS105参照)において読み込んだ、特図2入賞口78への入球(入賞)を検出する特図2入球口スイッチ(図示せず)の出力信号に基づいて、特図2入賞口78への入球を3回のタイマ割込処理(図17参照)にわたって検出する。
球が特図2入賞口78に入賞した(始動入賞があった)と判別されると(S205:Yes)、次いで、第2保留球数カウンタ203bの値(主制御装置110において保留されている第2特別図柄の動的表示(変動演出)の作動保留球数N2)が上限値(第1実施形態では、「4」)未満であるか否かを判別する(S206)。そして、特図2入賞口78への入賞がないか(S205:No)、或いは、特図2入賞口78への入賞があっても作動保留球数N2<4でなければ(S206:No)、この始動入賞処理(S108)を終了して、タイマ割込処理(図17参照)へ戻る。
一方、作動保留球数N2<4であれば(S206:Yes)、第2保留球数カウンタ203bの値(作動保留球数N2)を1加算する(S207)。そして、今回、第2特別図柄に対応する特図2入賞口78への入賞であるので、第2保留球格納エリア203eを各乱数値C1〜C3,CS1の格納先として設定し(S208)、処理をS209へ移行する。
S209の処理では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び変動種別カウンタCS1の各値をカウンタ用バッファ203c(図14参照)から読み出し、S204又はS208で格納先として設定された第1保留球格納エリア203d又は第2保留球格納エリア203eに設けられた第1保留第1〜第4エリア又は第2保留第1〜第4エリアのうち、第1保留球格納エリア203dが格納先として指定されている場合は第1保留球数カウンタ203aで示される値に対応するエリアの大当たり乱数カウンタ格納エリア203d1、大当たり種別カウンタ格納エリア203d2、停止パターン選択カウンタ格納エリア203d3及び変動種別カウンタ格納エリア203d4に各々保留(格納)する(S209)。また、第2保留球格納エリア203eが格納先として指定されている場合は第2保留球数カウンタ203bで示される値に対応するエリアの大当たり乱数カウンタ格納エリア203e1、大当たり種別カウンタ格納エリア203e2、停止パターン選択カウンタ格納エリア203e3及び変動種別カウンタ格納エリア203e4に各々保留(格納)する(S209)。
具体的には、例えば、特図1入賞口77への入賞に基づいてS204の処理において第1保留球格納エリア203dが格納先として設定され、また、S203の処理による加算後の第1保留球数カウンタ203aの値が「1」であれば、第1保留第1エリアの各格納エリアにそれぞれカウンタC1〜C3,CS1の値が保留される。また、加算後の第1保留球数カウンタ203aの値が「2」であれば第1保留第2エリアの各格納エリアに、加算後の第1保留球数カウンタ203aの値が「3」であれば第1保留第3エリアの各格納エリアに、加算後の第1保留球数カウンタ203aの値が「4」であれば第1保留第4エリアの各格納エリアに、各々カウンタC1〜C3,CS1の値が保留される。
また、例えば、特図2入賞口78への入賞に基づいてS208の処理において第2保留球格納エリア203eが格納先として設定され、また、S207の処理による加算後の第2保留球数カウンタ203bの値が「1」であれば、第2保留第1エリアの各格納エリアにそれぞれカウンタC1〜C3,CS1の値が保留される。また、加算後の第2保留球数カウンタ203bの値が「2」であれば第2保留第2エリアの各格納エリアに、加算後の第2保留球数カウンタ203bの値が「3」であれば第2保留第3エリアの各格納エリアに、加算後の第2保留球数カウンタ203bの値が「4」であれば第2保留第4エリアの各格納エリアに、各々カウンタC1〜C3,CS1の値が保留される。
次に、S203又はS207の処理による加算後の第1保留球数カウンタ203a又は第2保留球数カウンタ203bの値(作動保留球数N1又は作動保留球数N2)と、S209の処理により第1保留球格納エリア203d又は第2保留球格納エリア203eに格納(保留)した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び変動種別カウンタCS1の各値を含む保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信するために、該保留球数コマンドをRAM203に設けられたコマンド送信用リングバッファに設定する(S210)。これにより、次に実行されるタイマ割込処理(図17参照)のS101の外部出力処理によって、保留球数コマンドが音声ランプ制御装置113に対して送信される。S210の処理を終えると、タイマ割込処理(図17参照)に戻る。
なお、S210の処理において保留球数コマンドに含める各カウンタC1〜C3,CS1の値は、S209の処理によりカウンタ用バッファ203cから読み出した値そのものを用いてもよいし、S209の処理において第1保留球格納エリア203d又は第2保留球格納エリア203eに格納(保留)された値を読み出したものを用いてもよい。
また、S201及びS205の処理において、特図1入賞口77及び特図2入賞口78に同時に球が入賞した場合は、特図1入賞口77への球の入賞処理を優先的に実行し、特図2入賞口78への球の入賞処理を待機し、次のタイマ割込処理(図17参照)における始動入賞処理(S108)において、該待機した特図2入賞口78への球の入賞処理を実行するように構成してもよい。
次に、図19を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理(図17参照)の一処理であるゲート通過処理(S109)を説明する。図19は、このゲート通過処理(S109)を示すフローチャートである。ゲート通過処理(S109)は、ユニット内普通図柄ゲート76a又は右側普通図柄ゲート76bへの球の通過(入球)の有無を判断し、球が通過(入球)した場合は、普図当たり乱数カウンタC4の値を普図保留球格納エリア203hに格納する(保留する)処理を実行する。
このゲート通過処理(S109)では、まず、球がユニット内普通図柄ゲート76a又は右側普通図柄ゲート76bを通過したか否かを判別する(S221)。ここでは、スイッチ読み込み処理(図17のS105参照)において読み込んだユニット内普通図柄ゲート76a又は右側普通図柄ゲート76bへの球の通過(入球)を検出する普図ゲートスイッチ(図示せず)の出力信号に基づいて、ユニット内普通図柄ゲート76a又は右側普通図柄ゲート76bへの通過(入球)を3回のタイマ割込処理(図17参照)にわたって検出する。
球がユニット内普通図柄ゲート76a又は右側普通図柄ゲート76bを通過(入球)したと判別されると(S221:Yes)、次いで、普図保留球数カウンタ203gの値(主制御装置110において保留されている普通図柄の可変表示の作動保留球数HN)が上限値(第1実施形態では、「4」)未満であるか否かを判別する(S222)。そして、ユニット内普通図柄ゲート76a又は右側普通図柄ゲート76bへの通過(入球)がないか(S221:No)、或いは、ユニット内普通図柄ゲート76a又は右側普通図柄ゲート76bへの通過(入球)があっても作動保留球数HN<4でなければ(S222:No)、このゲート通過処理(S109)を終了して、タイマ割込処理(図17参照)へ戻る。
一方、作動保留球数HN<4であれば(S222:Yes)、普図保留球数カウンタ203gの値(作動保留球数HN)を1加算する(S223)。そして、普図当たりカウンタC4の値をカウンタ用バッファ203c(図14参照)から読み出し、読み出したデータを、普図保留球格納エリア203hに設けられた普図保留第1〜第4エリアのうち、普図保留球数カウンタ203gで示される値に対応するエリアに格納する(S224)。
具体的には、例えば、S223の処理による加算後の普図保留球数カウンタ203gの値が「1」であれば、普図保留第1エリアに普図当たりカウンタC4の値が保留される。また、加算後の普図保留球数カウンタ203gの値が「2」であれば普図保留第2エリアに、加算後の普図保留球数カウンタ203gの値が「3」であれば普図保留第3エリアに、加算後の普図保留球数カウンタ203gの値が「4」であれば普図保留第4エリアのに、普図当たりカウンタC4の値が保留される。S224の処理の終了後は、このゲート通過処理(S109)を終了し、タイマ割込処理(図17参照)に戻る。
なお、第1実施形態では、普通図柄の可変表示に関する保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信しないように構成されているが、普通図柄の可変表示に関する保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信して、普通図柄の可変表示に関する保留図柄等に関する演出(報知)を行うように構成してもよい。この場合に、普図当たりカウンタC4の値を保留球数コマンドに含めて送信することで、音声ランプ制御装置113で普通図柄に関する所謂先読み処理を実行可能に構成し、普通図柄に関する演出のバリエーションを設けるように構成してもよい。
また、第1実施形態では、「通常遊技状態」又は「潜伏確率変動状態」において、右側普通図柄ゲート76bへの球の通過を検知した場合に、音声ランプ制御装置113に対して警報音コマンドを送信し、「通常遊技状態」又は「潜伏確率変動状態」における右打ちが奨励されていないことを遊技者に報知するため、或いは、奨励されていない遊技が実行されていることを遊技場の店員に報知するために、音声出力装置226から警報音を出力するように構成されている。
これは、「通常遊技状態」又は「潜伏確率変動状態」において、普通図柄の可変表示が取得し易い右打ちによって普通図柄の可変表示の保留球数を取得した状態で、その後、左打ち遊技を行い、交互振分ユニット71に球が入球し、右側経路75に振り分けられた場合、各遊技状態で想定されている球の流下タイミングと普通図柄の可変表示時間と出没板79bとの実行バランスが崩れ、遊技性が崩壊してしまうためである。よって、「通常遊技状態」又は「潜伏確率変動状態」において右側普通図柄ゲート76bで球が検知された場合に警報音を出力することで、遊技者に右打ち遊技の実行を敬遠させ、「通常遊技状態」又は「潜伏確率変動状態」において普通図柄の可変表示の保留球数が溜まっている状態でユニット内普通図柄ゲート76aで球が検知されてしまうことを極力排除し、各遊技状態において想定されている遊技性を実現することができる。
次に、図20を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理(図17参照)の一処理である特図変動処理(S110)について説明する。図20は、この特図変動処理(S110)を示すフローチャートである。この特図変動処理(S110)は、特別図柄表示装置37における動的表示や第3図柄表示装置81にて行う変動演出に関する制御を行うものである。
この特図変動処理(S110)では、まず、今現在大当たり中であるか否かを判別する(S301)。大当たり中としては、大当たりの際に第3図柄表示装置81及び特別図柄表示装置37で表示される大当たり遊技の最中と大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判別の結果、大当たり中であれば(S301:Yes)、そのまま特図変動処理(S110)を終了し、タイマ割込処理(図17参照)に戻る。
大当たり中でなければ(S301:No)、特別図柄表示装置37の表示態様が動的表示中であるか否かを判別し(S302)、特別図柄表示装置37の表示態様が動的表示中でなければ(S302:No)、次いで、特別図柄表示装置37における動的表示が停止後、所定時間経過したか否かを判別する(S303)。その結果、動的表示の停止後、所定時間経過していなければ(S303:No)、タイマ割込処理(図17参照)へ戻る。これにより、動的表示(変動演出)における停止図柄が所定時間だけ特別図柄表示装置37および第3図柄表示装置81に表示されるので、遊技者に対して、その停止図柄を視認させることができる。
一方、S303の処理の結果、動的表示の停止後、所定時間経過していれば(S303:Yes)、第2保留球数カウンタ203bの値(主制御装置110において保留されている第2特別図柄に関する動的表示(変動演出)の作動保留球数N2)が「0」よりも大きいか否かを判別する(S304)。その結果、第2保留球数カウンタ203bの値(作動保留球数N2)が「0」でなければ(S304:Yes)、第2特別図柄に関する動的表示(変動演出)の実行開始タイミングであると判断し、まず、第2保留球数カウンタ203bの値(作動保留球数N2)を1減算する(S305)。これは、後述する変動開始処理(S310)によって、保留されていた第2特別図柄に関する動的表示(変動演出)のうち1の動的表示(変動演出)の実行が開始されるため、第2特別図柄に関する保留球数が1つ減少するためである。
次いで、第2保留球格納エリア203eに格納されたデータをシフト処理する(S306)。このデータシフト処理は、第2保留球格納エリア203eの第2保留第1〜第4エリアに格納されているデータを保留球実行エリア203fへ向けて順にシフトさせる処理であって、第2保留第1エリア→保留球実行エリア203f、第2保留第2エリア→第2保留第1エリア、第2保留第3エリア→第2保留第2エリア、第2保留第4エリア→第2保留第3エリアといった具合に、各エリア内のデータがシフトされる。
一方、S304の処理において、第2保留球数カウンタ203bの値(作動保留球数N2)が「0」であると判別されると(S304:No)、次に、第1保留球数カウンタ203aの値(主制御装置110において保留されている第1特別図柄に関する動的表示(変動演出)の作動保留球数N1)が「0」よりも大きいか否かを判別する(S307)。その結果、第1保留球数カウンタ203aの値(作動保留球数N1)が「0」でなければ(S307:Yes)、第1特別図柄に関する動的表示(変動演出)の実行開始タイミングであると判断し、まず、第1保留球数カウンタ203aの値(作動保留球数N1)を1減算する(S308)。これは、後述する変動開始処理(S310)によって、保留されていた第1特別図柄に関する動的表示(変動演出)のうち1の動的表示(変動演出)の実行が開始されるため、保留球数が1つ減少するためである。
次いで、第1保留球格納エリア203dに格納されたデータをシフト処理する(S309)。このデータシフト処理は、第1保留球格納エリア203dの第1保留第1〜第4エリアに格納されているデータを保留球実行エリア203fへ向けて順にシフトさせる処理であって、第1保留第1エリア→保留球実行エリア203f、第1保留第2エリア→第1保留第1エリア、第1保留第3エリア→第1保留第2エリア、第1保留第4エリア→第1保留第3エリアといった具合に、各エリア内のデータがシフトされる。
S306又はS309のデータシフト処理の後は、データシフト処理により保留球実行エリア203fに格納された各種カウンタの値に基づいて、特別図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81に対する変動開始処理を実行し(S310)、タイマ割込処理(図17参照)に戻る。なお、変動開始処理(S310)については、図21を参照して後述する。
S307の処理において、第1保留球数カウンタ203aの値(作動保留球数N1)が「0」であると判別されると(S307:No)、第3図柄表示装置81においてデモ演出が行われている状態であるか否か、即ち、デモ中であるか否かを判別する(S311)。この判別処理では、音声ランプ制御装置113を介して表示制御装置114にデモコマンドを送信した後、第1保留球数カウンタ203a又は第2保留球数カウンタ203bの値(作動保留球数N1又は作動保留球数N2)のいずれかの値が「0」より大きいと判断されるまでの間をデモ中として判別する。
そして、デモ中ではないと判別された場合は(S311:No)、音声ランプ制御装置113へ送信すべきデモコマンドを設定して(S312)、タイマ割込処理(図17参照)に戻る。一方、デモ中であると判別された場合は(S311:Yes)、そのままタイマ割込処理(図17参照)に戻る。S312の処理で設定されたデモコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、次に実行されるタイマ割込処理の外部出力処理(図17のS101参照)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。
音声ランプ制御装置113は、デモコマンドを受信すると、表示用デモコマンドを表示制御装置114へ送信し、表示制御装置114は、表示用デモコマンドの受信に基づいて、第3図柄表示装置81にデモ演出を表示するように制御を行う。
ここで、デモコマンドが設定されるのは、上述したように、変動停止後、所定時間が経過したときに保留球が1つも存在しない場合である。よって、変動停止後、所定時間経過しても変動演出が開始されない場合は、第3図柄表示装置81にデモ演出が表示される。
なお、S311の処理においてデモ中ではない(S311:No)と判断された場合に、さらに、変動停止後、前記所定時間よりも長い第2の所定時間が経過したか否かを判断する処理を実行し、変動停止後、第2の所定時間が経過したことをもってS312の処理を実行してデモコマンドを設定するようにしてもよい。これにより、変動停止後、保留球が1つも存在しない場合に、すぐにデモ演出を開始することなく、比較的長い時間、その停止した変動演出の停止図柄を遊技者に見せることができる。
S302の処理において、特別図柄表示装置37の表示態様が動的表示中であると判別されると(S302:Yes)、動的表示時間(変動時間)が経過したか否かを判別する(S313)。特別図柄表示装置37の動的表示中の表示時間は、変動種別カウンタCS1により選択された変動パターンに応じて決められており(変動パターンコマンドに応じて決められており)、この動的表示時間(変動時間)が経過していなければ(S313:No)、特別図柄表示装置37の表示を更新して(S314)、タイマ割込処理(図17参照)に戻る。
第1実施形態では、特別図柄表示装置37の7セグメント表示器37bにおいて、動的表示が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、7セグメント表示器37bの中央のセグメントが点滅表示する表示態様が設定される。
一方、特別図柄表示装置37における動的表示の動的表示時間(変動時間)が経過していれば(S313:Yes)、特別図柄表示装置37に対して、停止図柄に対応した表示態様を設定する(S315)。停止図柄は、図21を参照して後述する変動開始処理(S310)によって予め設定される。変動開始処理では、S306又はS309の処理によって保留球実行エリア203fに格納された大当たり乱数カウンタC1の値に応じて大当たりか否かが決定され、大当たりである場合には、大当たり種別カウンタC2の値により、大当たり後に「15R確変大当たり」となる図柄か、「7R確変大当たり」となる図柄かが決定される。
第1実施形態では、大当たり後に「15R確変大当たり」になる場合には、7セグメント表示器37bにおいて「7」の図柄を表示させ、「7R確変大当たり」になる場合には、7セグメント表示器37bにおいて「3」の図柄を表示させる。また、ハズレである場合には、7セグメント表示器37bの中央のセグメントのみを表示(即ち、「−」)させる。
S315の処理で停止図柄に対応した特別図柄表示装置37の表示態様が設定されると、第3図柄表示装置81における変動演出の停止図柄を、特別図柄表示装置37における7セグメント表示器37bの表示と同調して確定表示させるために、確定コマンドを設定して(S316)、処理をS317へ移行する。確定コマンドは、第3図柄表示装置81にて実行中の変動演出を確定表示させるためコマンドである。音声ランプ制御装置113は、この確定コマンドを受信すると、表示制御装置114に対して表示用確定コマンドを送信する。表示制御装置114は、表示用確定コマンドを受信することによって、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動演出を停止して、停止図柄を確定表示させるように構成されている。
S317の処理では、「確率変動状態」又は「潜伏確率変動状態」か否かを判別するために、RAM203に設けられたSTカウンタ(図示せず)の値が「0」よりも大きいか否かを判別する(S317)。
このSTカウンタは、「確率変動状態」又は「潜伏確率変動状態」であることを示すためのカウンタであり、「確率変動状態」又は「潜伏確率変動状態」の大当たり終了時に所定数(第1実施形態では、「100」)の値が設定され、該STカウンタの値が「0」より大きい値の場合に、遊技状態が「確率変動状態」又は「潜伏確率変動状態」として判定される。具体的には、後述する大当たり処理(図23参照)において、大当たり状態が終了して「確率変動状態」又は「潜伏確率状態」が開始される場合に「100」がセットされるように構成されている。
S317の処理において、STカウンタの値が「0」でなければ(S317:Yes)、「確率変動状態」又は「潜伏確率変動状態」であり、いずれかの特別図柄の動的表示(変動演出)が1回終了したので、STカウンタの値を1減算し(S318)、この特図変動処理(S110)を終了し、タイマ割込処理(図17参照)に戻る。
一方、S317の処理において、STカウンタの値が「0」であれば(S317:No)、「通常遊技状態」であるので、S318の処理をスキップして、この特図変動処理(S110)を終了し、タイマ割込処理(図17参照)に戻る。
次に、図21を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特図変動処理(S110)の一処理である変動開始処理(S310)について説明する。図21は、変動開始処理(S310)を示したフローチャートである。この変動開始処理(S310)は、遊技状態に応じて保留球実行エリア203fに格納された各種カウンタの値に基づき、大当たり又はハズレの抽選(大当たり抽選)を行うと共に、特別図柄表示装置37および第3図柄表示装置81で行われる動的表示および変動演出の動的パターン(変動パターン及び停止種別)等を決定する。
変動開始処理(S310)では、まず、遊技状態を判別するために、RAM203に設けられたSTカウンタ(図示せず)の値が「0」よりも大きいか否かを判別する(S321)。判別の結果、STカウンタの値が「0」であれば(S321:No)、遊技状態が「通常遊技状態」であり、特別図柄の大当たり確率が低確率状態であるので、低確率状態用の大当たり乱数テーブル202aを設定し(S322)、処理をS324へ移行する。一方、STカウンタの値が「0」よりも大きい値であると判別された場合は(S323:Yes)、遊技状態が「確率変動状態」又は「潜伏確率変動状態」であり、特別図柄の大当たり確率が高確率状態であるので、高確率状態用の大当たり乱数テーブル202aを設定し(S323)、処理をS324へ移行する。
S324の処理では、保留球実行エリア203fに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値と、S322又はS323において設定された大当たり乱数テーブル202a(図15(a)参照)とに基づいて大当たりか否かを判別する大当たり抽選(当否判定)処理を行う(S324)。
第1実施形態のパチンコ機10では、大当たりか否かは大当たり乱数カウンタC1の値とその時々の遊技状態(モード)との関係に基づいて判別される。上述した通り、大当たり乱数テーブル202aにおいて、パチンコ機10の取りうる遊技状態(モード)が通常の低確率状態(「通常遊技状態」)にある場合には、「7,307,582」が大当たり乱数値として規定される。また、パチンコ機10の取りうる遊技状態(モード)が高確率状態(「確率変動状態」又は「潜伏確率変動状態」)にある場合には「28,122,298,390,486,567,656,750,866」が大当たり乱数値として規定される。
S324の処理では、保留球実行エリア203fに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値と、これら大当たり乱数テーブル202aにて規定される大当たり乱数値とを比較して、それらが一致する場合に、大当たりであると判別する。S324の処理の結果、大当たりであると判別された場合(S324:Yes)、保留球実行エリア203fに格納されている大当たり種別カウンタC2の値と、第1特別図柄に対応する特図1用大当たり種別テーブル202b1(図15(b)参照)又は第2特別図柄に対応する特図2用大当たり種別テーブル202b2(図15(c)参照)とに基づいて、大当たり時の表示態様を設定する(S325)。
この処理では、大当たり種別テーブル202bによって、保留球実行エリア203fに格納されている大当たり種別カウンタC2の値に対応付けられた大当たり種別、即ち、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たり後に「確率変動状態」へ移行する「15R確変大当たり」か、最大ラウンド数が7ラウンドの大当たり後に「潜伏確率変動状態」へ移行する「7R潜伏確変大当たり」か、が判別される。そして、判別された大当たり種別に基づいて、特別図柄表示装置37における大当たり時の表示態様(7セグメント表示器37bの表示態様)が設定される。
具体的には、保留球実行エリア203fに格納されているデータが、第1保留球格納エリア203dからシフトされたデータか第2保留球格納エリア203eからシフトされたデータかを保留球実行エリア203fのシフト元バッファ(図示せず)に記憶しておき、第1保留球格納エリア203dからシフトされたデータであった場合、保留球実行エリア203fに格納されている大当たり種別カウンタC2の値と、特図1用大当たり種別テーブル202b1(図15(b)参照)とに基づいて大当たり種別が決定される。また、保留球実行エリア203fに格納されているデータが第2保留球格納エリア203eからシフトされたデータであった場合、保留球実行エリア203fに格納されている大当たり種別カウンタC2の値と、特図2用大当たり種別テーブル202b2(図15(c)参照)とに基づいて大当たり種別が決定される。
次に、大当たり時の変動パターンを決定し(S326)、S329の処理へ移行する。具体的には、特別図柄表示装置37および第3図柄表示装置81において、大当たり時の表示態様(停止種別)と、保留球実行エリア203fに格納されている停止パターン選択カウンタC3の値とに基づいて演出態様を選択し、その選択された演出態様の中から変動種別カウンタCS1の値に基づいて動的表示(変動演出)の動的時間(変動時間)が決定される。この大当たり時の変動パターンの決定では、まず、その大当たりの停止種別に応じて、使用する停止パターンテーブル202d(図13参照)を選択する。
具体的には、S325の処理において大当たり種別として「15R確変大当たり」が設定された場合は、「15R確変大当たり」用に設けられた停止パターンテーブル202d(例えば、15R確変用停止パターンテーブル)において、保留球実行エリア203fに格納されている停止パターン選択カウンタC3の値に対応付けられた演出態様を選択する。また、大当たり種別として「7R潜伏確変大当たり」が設定された場合は、「7R潜伏確変大当たり」用に設けられた停止パターンテーブル202d(例えば、7R潜伏確変用停止パターンテーブル)において、保留球実行エリア203fに格納されている停止パターン選択カウンタC3の値に対応付けられた演出態様を選択する。
そして、S325の処理において設定された演出態様毎に設けられた変動パターンテーブル202eにおいて、保留球実行エリア203fに格納されている変動種別カウンタCS1の値に対応付けられた変動パターンを選択する。そして、予め規定された変動パターンと変動時間との関係に基づいて、変動時間が設定される。
一方、S324の処理で大当たりではないと判別された場合には(S324:No)、ハズレ時の表示態様を設定する(S327)。S327の処理では、特別図柄表示装置37の表示態様をハズレ図柄に対応した表示態様に設定すると共に、保留球実行エリア203fに格納されている停止パターン選択カウンタC3の値と第1保留球数カウンタ203a又は(及び)第2保留球数カウンタ203bの値と現在の遊技状態とに基づいて、第3図柄表示装置81において表示させる演出態様として、「非リーチ(短縮)」演出態様、「非リーチ(通常)」演出態様、「ノーマルリーチ」演出態様、「スーパーリーチ」演出態様、「スペシャルリーチ」演出態様のいずれかを設定する。第1実施形態では、パチンコ機10の遊技状態が「確率変動状態」であるか、「潜伏確率変動状態」であるか、「通常遊技状態」であるかに応じて、各演出態様に対応する停止パターン選択カウンタC3の値の範囲が異なるように停止パターンテーブル202dが設定されている。
次に、ハズレ時の変動パターンを決定し(S328)、S329の処理へ移行する。S328の処理では、特別図柄表示装置37および第3図柄表示装置81において、ハズレ図柄で停止表示するまでの変動時間が決定される。具体的には、S327の処理において決定されたハズレ時の表示態様(演出態様)毎に設けられた変動パターンテーブル202eにおいて、保留球実行エリア203fに格納されている変動種別カウンタCS1の値に対応付けられた変動パターンを選択する。そして、予め規定された変動パターンと変動時間との関係に基づいて、変動時間が設定される。
このように、大当たり時における演出態様および変動パターンの設定処理と、ハズレ時における演出態様および変動パターンの設定処理とを、同じ乱数値C3,CS1を用いて同じ判定プログラムによって判定して決定することで、プログラムを共通化することができ、開発時における開発工数を削減することができる。
S329の処理では、S326及びS328の処理によって決定された変動パターンの応じた変動時間に基づいて、音声ランプ制御装置113を介してその変動パターンに応じた変動時間を表示制御装置114へ通知する変動パターンコマンドを設定する(S329)。具体的には、例えば、大当たり抽選に当選し、該大当たりが「15R確変大当たり」であって、さらに、「25秒」の「スーパーリーチ」の変動パターンが選択されていた場合は、大当たり・「15R確変大当たり」・「25秒」の「スーパーリーチ」を示す変動パターンコマンドが設定される。また、大当たり抽選にハズレて、さらに、「25秒」の「スーパーリーチ」の変動パターンが選択されていた場合は、ハズレ・「25秒」の「スーパーリーチ」を示す変動パターンコマンドが設定される。このように、変動演出が同じ変動時間であっても、変動パターンコマンドに変動演出の当否と大まかな変動パターンの内容も併せて設定することで、音声ランプ制御装置113は、当否を含む演出態様の内容と変動時間とを把握して、それらの情報を基により詳細は変動演出の変動パターンを決定することができる。
また、S325又はS327の処理で設定された停止種別を、音声ランプ制御装置113を介して表示制御装置114へ通知するための停止種別コマンドを設定し(S330)、特図変動処理(図20参照)へ戻る。具体的には、例えば、大当たりに当選し、その大当たりの内容が「15R確変大当たり」であれば、具体的な第3図柄の停止態様(例えば、「7」図柄等)は特定せずに、「15R確変大当たり」であることを示す停止種別コマンドを設定する。また、大当たりに当選し、その大当たりの内容が「7R潜伏確変大当たり」であれば、具体的な第3図柄の停止態様(例えば、「3」図柄等)は特定せずに、「7R潜伏確変大当たり」であることを示す停止種別コマンドを設定する。
一方、大当たりに当選せず、さらに、「スーパーリーチ」演出態様が選択されていれば、具体的な第3図柄の停止態様(例えば、「787」等)は特定せずに、ハズレ時の「スーパーリーチ」演出態様であることを示す停止種別コマンドを設定する。また、大当たりに当選せず、さらに、「ノーマルリーチ」演出態様が選択されていれば、具体的な第3図柄の停止態様(例えば、「737」等)は特定せずに、ハズレ時の「ノーマルリーチ」演出態様であることを示す停止種別コマンドを設定する。さらに、大当たりに当選せず、さらに、「非リーチ」演出態様が選択されていれば、具体的な第3図柄の停止態様(例えば、「258」等)は特定せずに、ハズレ時の「非リーチ」演出態様であることを示す停止種別コマンドを設定する。
このように、停止種別コマンドに変動演出の当否に基づいた大まかな停止種別を設定することで、音声ランプ制御装置113(表示制御装置114)は、当否に基づいた停止種別を把握して、それらの情報を基により詳細は変動演出の停止結果を決定することができる。
これらの変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、次に実行されるタイマ割込処理(図17参照)のS101の処理で、これらのコマンドが音声ランプ制御装置113に送信される。音声ランプ制御装置113は、変動パターンコマンドや停止種別コマンドを受信すると、それに基づき表示用変動パターンコマンドや表示種別コマンドを生成して、表示制御装置114へ送信する。
次に、図22を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理の一処理である普図変動処理(S111)について説明する。図22は、普図変動処理(S111)を示したフローチャートである。この普図変動処理(S111)は、普通図柄表示装置83における普通図柄の可変表示を制御するものである。
この普図変動処理(S111)では、まず、今現在、出没式普通電役79aの出没板79bが突出中か否か、即ち、普通図柄の当たり中であるか否かを判別する(S401)。判別の結果、出没板79bが突出中であれば(S401:Yes)、普通図柄の当たり中であるので、そのまま普図変動処理(S111)を終了して、タイマ割込処理(図17参照)へ戻る。
一方、出没板79bが突出中でなければ(S401:No)、普通図柄の当たり中ではないため、次いで、普通図柄表示装置83の表示態様が普通図柄の可変表示中であるか否かを判別する(S402)。普通図柄表示装置83の表示態様が普通図柄の可変表示中でなければ(S402:No)、次いで、普通図柄表示装置83における可変表示が停止後、所定時間経過したか否かを判別する(S403)。その結果、可変表示の停止後、所定時間経過していなければ(S403:No)、この普図変動処理(S111)を終了して、タイマ割込処理(図17参照)に戻る。これにより、可変表示における停止図柄が所定時間だけ普通図柄表示装置83に表示されるので、遊技者に対して、その停止図柄を視認させることができる。
一方、S403の処理の結果、可変表示の停止後、所定時間経過していれば(S403:Yes)、普図保留球数カウンタ203gの値(主制御装置110において保留されている普通図柄に関する可変表示の作動保留球数HN)が「0」よりも大きいか否かを判別する(S404)。その結果、普図保留球数カウンタ203gの値(作動保留球数HN)が「0」でなければ(S404:Yes)、普通図柄に関する可変表示の実行開始タイミングであると判断し、まず、普図保留球数カウンタ203gの値(作動保留球数HN)を1減算する(S405)。これは、後述する処理(S406〜S413)によって、保留されていた普通図柄に関する可変表示のうち1の可変表示の実行が開始されるため、普通図柄に関する保留球数が1つ減少するためである。
次いで、普図保留球格納エリア203hに格納されたデータをシフト処理する(S406)。このデータシフト処理は、普図保留球格納エリア203hの普図保留第1〜第4エリアに格納されているデータを普図保留球実行エリア203iへ向けて順にシフトさせる処理であって、普図保留第1エリア→普図保留球実行エリア203i、普図保留第2エリア→普図保留第1エリア、普図保留第3エリア→普図保留第2エリア、普図保留第4エリア→普図保留第3エリアといった具合に、各エリア内のデータがシフトされる。
S406のデータシフト処理の後は、データシフト処理により普図保留球実行エリア203iに格納されたデータ(即ち、普図当たりカウンタC4の値)に基づいて、普通図柄表示装置83における普通図柄の可変表示を実行するために、まず、遊技状態が「通常遊技状態」か否かを判別する(S407)。判別の結果、「通常遊技状態」と判別された場合は(S407:Yes)、普通図柄の可変表示時間を「3秒」に設定し(S408)、処理をS410へ移行する。一方、遊技状態が「通常遊技状態」ではないと判別された場合、即ち、「確率変動状態」又は「潜伏確率変動状態」と判別された場合は(S407:No)、普通図柄の可変表示時間を「通常遊技状態」時より短い「0.5秒」に設定し(S409)、処理をS410へ移行する。
これにより、遊技状態に応じて普通図柄の可変表示時間を変更することで、遊技者が左打ちした場合に、交互振分ユニット71内のユニット内普通図柄ゲート76aを通過した球が出没板79bの配設位置に到達するまでの時間内に、普通図柄の可変表示が終了するか否かの違いを生じさせることができる。その結果、ユニット内普通図柄ゲート76aを球が通過して、該通過に基づく普通図柄の可変表示が実行された場合に、球が出没板79bの配設位置に到達するまでに普通図柄の可変表示が終了し、該可変表示結果に基づいて突出された出没板79bによって特図2入賞口78側へ誘導され得る状況か、球が出没板79bの配設位置に到達した時には未だ普通図柄の可変表示が継続して実行されていて、出没板79bが没入状態(非突出状態)であることで球が該出没板79bによって誘導されず、特図1第2入賞口77bへそのまま入賞する状況か、を遊技状態によって異ならせることで、遊技状態毎に異なる遊技性を生むことができる。
また、遊技者が右打ちした場合においても、普通電役ユニット79に設けられた右側普通図柄ゲート76bを通過した球が出没板79bの配設位置に到達するまでの時間内に、普通図柄の可変表示が終了するか否かの違いを生じさせることができる。その結果、右側普通図柄ゲート76bを通過して、該通過に基づく普通図柄の可変表示が実行された場合に、球が出没板79bの配設位置に到達するまでに普通図柄の可変表示が終了し、該可変表示結果に基づいて突出された出没板79bによって特図2入賞口78側(交互振分ユニット71側)へ誘導され得る状況か、球が出没板79bの配設位置に到達した時には未だ普通図柄の可変表示が継続して実行されていて、出没板79bが没入状態(非突出状態)であることで球が該出没板79bによって誘導されず、そのまま遊技盤13下方の遊技領域に流下される状況か、を遊技状態によって異ならせることで、遊技状態毎に異なる遊技性を生むことができる。
S410の処理では、遊技状態に応じて普図当たり乱数テーブル202fを参照して普通図柄の可変表示における停止図柄、即ち、普通図柄の可変表示の当否を決定する(S410)。具体的には、「通常遊技状態」、即ち、低確率状態では、普図当たり乱数テーブル202fにおける低確率状態用のグループを参照して、普図保留球実行エリア203iに格納されている普図当たり乱数カウンタC4の値を判定し、普通図柄の可変表示の停止図柄(即ち、普通図柄の当否)を決定する。また、「潜伏確率変動状態」又は「確率変動状態」、即ち、高確率状態では、普図当たり乱数テーブル202fにおける高確率状態用のグループを参照して、普図保留球実行エリア203iに格納されている普図当たり乱数カウンタC4の値を判定し、普通図柄の可変表示の停止図柄(即ち、普通図柄の当否)を決定する。S410の処理の後は、この普図変動処理(S111)を終了して、タイマ割込処理(図17参照)に戻る。
よって、遊技状態に応じて普通図柄の当否確率を変更することで、遊技者が左打ちした場合に、交互振分ユニット71内のユニット内普通図柄ゲート76aを球が通過したとき、右側出口から球が排出されるタイミングで出没板79bが突出状態であるか否かの違いを生じさせることができる。その結果、ユニット内普通図柄ゲート76aを球が通過した場合に、出没板79bが突出し易い状況であって、突出された出没板79bによって特図2入賞口78側へ誘導され得る状況か、出没板79bが突出し難い状況であって、出没板79bが没入状態(非突出状態)であることで球が該出没板79bによって誘導されず、特図1第2入賞口77bへそのまま入賞する状況か、を遊技状態によって異ならせることで、遊技状態毎に異なる遊技性を生むことができる。
また、遊技者が右打ちした場合においても、普通電役ユニット79に設けられた右側普通図柄ゲート76bを球が通過したとき、出没板79bが突出し易いか否かの違いを生じさせることができる。その結果、右側普通図柄ゲート76bを球が通過した場合に、出没板79bが突出し易い状況であって、突出された出没板79bによって特図2入賞口78側へ誘導され得る状況か、出没板79bが突出し難い状況であって、そのまま遊技盤13下方の遊技領域に流下される状況か、を遊技状態によって異ならせることで、遊技状態毎に異なる遊技性を生むことができる。
S402の処理において、普通図柄表示装置83の表示態様が可変表示中であると判別されると(S402:Yes)、可変表示時間が経過したか否かを判別する(S411)。普通図柄表示装置83の可変表示時間は、S408又はS409の処理により遊技状態に応じて決定されており、この可変表示時間が経過していなければ(S411:No)、普通図柄表示装置83の表示を更新して(S412)、この普図変動処理(S111)を終了して、タイマ割込処理(図17参照)に戻る。
一方、普通図柄表示装置83における可変表示の可変表示時間が経過していれば(S411:Yes)、普通図柄表示装置83に対して、S410によって予め設定された停止図柄に対応した表示態様を設定し(S413)、この普図変動処理(S111)を終了して、タイマ割込処理(図17参照)に戻る。
これにより、第1実施形態のパチンコ機10では、球がいずれかの普通図柄ゲート76を通過した場合に、この普図変動処理(S111)に基づいて普通図柄表示装置83における可変表示が設定され、該普通図柄表示装置83において可変表示が開始されてから可変表示時間が経過するまでは、「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる。そして、可変表示結果が当たりである場合には「○」の図柄を点灯する一方、ハズレである場合には「×」の図柄を点灯させる。
また、第1実施形態のパチンコ機10では、普通図柄の可変表示の当否確率及び可変表示時間を遊技状態に応じて変更すると共に、出没式普通電役79aの出没板79bの突出時間を遊技状態に応じて変更するように構成されている。このように構成することで、左打ち時における「通常遊技状態」か「潜伏確率変動状態」かに応じて、ユニット内普通図柄ゲート76aを通過した球が特図1第2入賞口77bに入賞するか特図2入賞口78に入賞するかを変更させることができる。また、右打ち時における「確率変動状態」か否かに応じて、右側普通図柄ゲート76bを通過した球が出没板79bの上面を転動して特図2入賞口78側まで誘導させることができるか否かを変更させることができる。これにより、普通図柄の当否確率及び可変表示時間並びに出没板79bの突出時間を、その時の遊技状態に応じて変更し、遊技状態毎に入賞可能な入賞口77,78を変更して遊技のバリエーションを豊富にすることで、遊技の興趣を高めることができる。
次に、図23を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理の一処理である大当たり処理(S103)について説明する。図23は、大当たり処理(S103)を示したフローチャートである。
この大当たり処理(S103)は、上述したように、特別図柄の大当たりが発生する場合に、大当たりの種類に応じて大入賞口65a,67aの開放回数(ラウンド数)を設定すると共に、中央大入賞口65a又は右側大入賞口67a(以下、中央大入賞口65aと右側大入賞口67aとを総称して、「大入賞口65a,67a」と称する場合がある)の開放時間を設定する。そして、大当たり状態である場合において、大入賞口65a,67aを開放又は閉鎖するための大入賞口開閉制御処理(図24参照)を実行する。
即ち、大当たり状態のラウンド毎に大入賞口65a,67aを開放し、大入賞口65a,67aの最大開放時間(第1実施形態では、「30秒」)が経過したか、又は、大入賞口65a,67aに球が規定数(第1実施形態では、10個)入賞したか、の閉鎖条件を判定する。そして、これら何れかの閉鎖条件が成立すると大入賞口65a,67aを閉鎖する。この大入賞口65a,67aの開放に関する制御と閉鎖に関する制御とを所定ラウンド数繰り返し実行する。
大当たり処理(S103)では、まず、大当たり中か否かを判別する(S501)。判別の結果、大当たり中でない場合には(S501:No)、次に、特別図柄の動的表示(変動演出)が終了したか否かを判別する(S502)。
S502における判別の結果、特別図柄の動的表示(変動演出)が終了していなければ(S502:No)、この大当たり処理(S103)を終了して、タイマ割込処理(図17参照)へ戻る一方、特別図柄の動的表示(変動演出)が終了していれば(S502:Yes)、次いで、該動的表示(変動演出)において大当たりに当選したか否かを判別する(S503)。
S503における判別の結果、動的表示(変動演出)において大当たりに当選していないと判別された場合は(S503:No)、この大当たり処理(S103)を終了して、タイマ割込処理(図17参照)へ戻る。一方、動的表示(変動演出)において大当たりに当選していると判別された場合は(S503:Yes)、当選した大当たりに関する制御を実行するために、まず、当選した大当たりのラウンド数は15Rか否か、即ち、「15R確変大当たり」に当選したか否かを判別する(S504)。
S504における判別の結果、「15R確変大当たり」に当選していれば(S504:Yes)、本大当たりにおいて大入賞口65a,67aの開放制御を15回行うべく、ラウンドカウンタに「15」をセットして(S505)、処理をS507へ移行する。一方、「15R確変大当たり」に当選していない場合、即ち、「7R潜伏確変大当たり」に当選していた場合は(S504:No)、本大当たりにおいて大入賞口65a,67aの開放制御を7回行うべく、ラウンドカウンタに「7」をセットして(S506)、処理をS507へ移行する。MPU201は、該ラウンドカウンタの値を確認して、ラウンドカウンタに値が設定されている場合(即ち、「1」以上)は、大入賞口65a,67aを開放制御しつつ、該ラウンドカウンタの値を1減算する。そして、ラウンドカウンタの値が「0」になった場合に、実行中の大当たりを終了するように構成されている。
S507の処理では、オープニングコマンドを音声ランプ制御装置113へ送信するために、オープニングコマンドをRAM203に設けられたコマンド送信用リングバッファに設定する(S507)。次いで、該大当たりのオープニング時間(例えば、「10秒」)を設定し(S508)、この大当たり処理(S103)を終了して、タイマ割込処理(図17参照)に戻る。
S501の処理において、既に大当たり中であると判別された場合は(S501:Yes)、大入賞口65a,67aの開閉制御を実行する大入賞口開閉制御処理(S509)を実行する。
ここで、図24を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり処理の一処理である大入賞口開閉制御処理(S509)について説明する。図24は、大入賞口開閉制御処理(S509)を示したフローチャートである。上述したように、この大入賞口開閉制御処理(S509)では、大当たり処理(S103)で設定された大入賞口65a,67aの開放回数に基づいて、大入賞口65a,67aの開閉制御を実行する。
この大入賞口開閉制御処理(S509)では、まず、いずれかの大入賞口65a,67aが開放中であるか否かを判別する(S601)。大入賞口65a,67aが開放中でなければ(S601:No)、大入賞口65a,67aが開放中ではなく、インターバル時間中であるので、処理をS612へ移行する一方、大入賞口65a,67aが開放中であれば(S601:Yes)、次いで、後述する開放時間設定処理(後述するS615参照)で設定された大入賞口65a,67aの1回の開放時間が経過したタイミングか否かを判別する(S602)。
S602の処理において、大入賞口65a,67aの開放時間が経過したタイミングであれば(S602:Yes)、大入賞口65a,67aの閉鎖条件が成立し、そのラウンドにおける大入賞口65a,67aの閉鎖タイミングであるため、入賞カウンタの値を「0」クリアして(S603)、大入賞口65a,67aを閉鎖させるために、処理をS607へ移行する。S607からの大入賞口65a,67aの閉鎖処理については、後述する。一方、S602の処理において、大入賞口65a,67aの開放時間が経過したタイミングでなければ(S602:No)、次いで、大入賞口65a,67aへ球が入賞したか否かを判断する(S604)。
S604の処理において、大入賞口65a,67aへ球が入賞していれば(S604:Yes)、入賞カウンタの値を1減算して(S605)、次いで、1減算した入賞カウンタの値が「0」より大きい値か否かを判別する(S606)。入賞カウンタの値が「0」より大きい値でない場合(S606:No)、即ち、入賞カウンタの値が「0」以下である場合は、大入賞口65a,67aに球が10個入賞して大入賞口65a,67aの閉鎖条件が成立しているので、大入賞口65a,67aを閉鎖させるために、処理をS607へ移行する。
なお、S604の処理において、大入賞口65a,67aへ球が入賞していないと判別された場合(S604:No)、又は、S606の処理において、入賞カウンタの値が「0」より大きい値であると判別された場合は(S606:Yes)、大入賞口65a,67aの閉鎖条件が成立しておらず、大入賞口65a,67aの開放を継続するために、S607〜S616の処理をスキップして、この大入賞口開閉制御処理(S509)を終了する。この大入賞口開閉制御処理(S509)の終了後は、大当たり処理(図23参照)へ戻る。
S607からの大入賞口65a,67aの閉鎖処理では、まず、大入賞口65a,67aの閉鎖設定を行い(S607)、次いで、音声ランプ制御装置113に対して大入賞口65a,67aが閉鎖されたことを示す閉鎖コマンドを設定して(S608)、処理をS609へ移行する。なお、S608の処理で設定された閉鎖コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、次に実行されるタイマ割込処理の外部出力処理(図17のS101参照)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。
次いで、S609の処理では、大入賞口65a,67aの1のラウンドが消化されたことから、ラウンドカウンタの値を1減算し(S609)、1減算したラウンドカウンタの値が「0」より大きい値か否かを判別する(S610)。ラウンドカウンタの値が「0」より大きい値である場合(S610:Yes)、該大当たりにおけるラウンド回数(大入賞口65a,67aの残り開放回数)が残存している状態であるので、次の大入賞口65a,67aを開放させるまでのインターバル時間(例えば、「2秒」)を設定し(S611)、処理をS612へ移行する。
一方、S610の処理において、ラウンドカウンタの値が「0」より大きい値でない場合(S610:No)、即ち、ラウンドカウンタの値が「0」以下である場合は、この大当たりにおける大入賞口65a,67aの開放動作がすべて終了したので、大当たり状態を終了させるために、この大入賞口開放制御処理(S509)を終了して、大当たり処理(図23参照)に戻る。
S612の処理では、大当たり処理(図23参照)のS508で設定されたオープニング時間又はS611で設定されたインターバル時間が経過したか否かを判別する(S612)。判別の結果、オープニング時間又はインターバル時間が経過していなければ(S612:No)、S613〜S616の処理をスキップして、この大入賞口開閉制御処理(S509)を終了し、大当たり処理(図23参照)に戻る。
一方、オープニング時間又はインターバル時間が経過していると判別された場合は(S612:Yes)、大入賞口65a,67aを開放するタイミングであるため、まず、大入賞口65a,67aの開放設定を行う(S613)。次いで、開放された大入賞口65a,67aへ入賞した球を計数するため、入賞カウンタに「10」をセットして(S614)、処理をS615へ移行する。第1実施形態において、この入賞カウンタの値は、大入賞口65a,67aへ球が1球入球する毎に1減算されるように構成され、MPU201は、大入賞口65a,67aの開放後、所定の開放時間が経過した場合か、或いは、該入賞カウンタの値が「0」になった場合に、大入賞口65a,67aを閉鎖するように構成されている。
S615の処理では、大入賞口65a,67aの最大開放時間(例えば、「30秒」)の設定を行い(S615)、音声ランプ制御装置113に対して大入賞口65a,67aが開放中であることを示す開放コマンドを設定し(S616)、この大入賞口開閉制御処理(S509)を終了する。この大入賞口開閉制御処理(S509)の終了後は、大当たり処理(図23参照)へ戻る。
なお、S616の処理で設定された開放コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、次に実行されるタイマ割込処理の外部出力処理(図17のS101参照)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。
図23に戻って、説明を続ける。大入賞口開放制御処理(S509)の処理の実行後は、ラウンドカウンタの値が「0」より大きい値であるか否かを判別する(S510)。上述した大入賞口開閉制御処理では、大入賞口65a,67aの閉鎖に伴ってラウンドカウンタの値が減算されるように構成されているため(図24のS609参照)、ラウンドカウンタの値が「0」より大きい値である場合は(S510:Yes)、継続して大当たりを実行するために、S511〜S516の処理をスキップして、この大当たり処理(S103)を終了し、タイマ割込処理(図17参照)に戻る。
一方、ラウンドカウンタの値が「0」より大きい値でない場合、即ち、ラウンドカウンタの値が「0」以下であれば(S510:No)、大当たりの終了条件が成立しているので、該大当たりを終了させるために、まず、音声ランプ制御装置113に対して大当たりのエンディング演出の開始を示すエンディングコマンドを設定する(S511)。そして、大当たり終了時の遊技状態を特別図柄の動的表示(変動演出)が100回実行されるまで「確率変動状態」又は「潜伏確率変動状態」にするため、STカウンタの値に「100」をセットし(S512)、エンディング時間等を設定する大当たりの終了設定処理を行い(S513)、処理をS514へ移行する。なお、S511の処理で設定されたエンディングコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、次に実行されるタイマ割込処理の外部出力処理(図17のS101参照)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。
S514の処理では、この大当たりにおける大当たり種別が「潜伏確率変動状態」を発生させる「7R潜伏確変大当たり」であったか否かを判別する(S514)。判別の結果、大当たり種別が「潜伏確率変動状態」を発生させる「7R潜伏確変大当たり」であると判別された場合は(S514:Yes)、遊技状態を「潜伏確率変動状態」に移行させて(S515)、この大当たり処理(S103)を終了する。一方、大当たり種別が「潜伏確率変動状態」を発生させる「7R潜伏確変大当たり」でないと判別された場合、即ち、大当たり種別が「15R確変大当たり」である場合は(S514:No)、遊技状態を「確率変動状態」に移行させて(S516)、この大当たり処理(S103)を終了する。大当たり処理の終了後は、タイマ割込処理(図17参照)に戻る。
このように、大当たり処理(図23参照)と、該大当たり処理の中で大入賞口65a,67aの開閉制御を行う大入賞口開閉制御処理(図24参照)とを実行することで、主制御装置110のMPU201によって大当たり時における大入賞口65a,67aの開閉する処理と、大当たり時における各種状態を音声ランプ制御装置113へ伝達する処理とが行われる。
次に、図25を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理(図17参照)の一処理である普通電役制御処理(S104)について説明する。図25は、普通電役制御処理(S104)を示したフローチャートである。この普通電役制御処理(S104)は、普通図柄の当たりが発生する場合に、遊技状態に応じて出没式普通電役79aの出没板79bを出没(突出及び没入)駆動制御を実行する。即ち、遊技状態に応じて出没板79bの突出時間を設定すると共に、該出没板79bを突出駆動し、設定した突出時間が経過した場合に、突出中の出没板79bを没入させる制御を実行する。
普通電役制御処理(S104)では、まず、出没板79bが突出中か否か、即ち、普通図柄の当たり中か否かを判別する(S701)。判別の結果、出没板79bが突出中でないと判別された場合、即ち、普通図柄の当たり中でないと判別された場合は(S701:No)、次に、普通図柄の可変表示が終了したか否かを判別する(S702)。
S702における判別の結果、普通図柄の可変表示が終了していなければ(S702:No)、この普通電役制御処理(S104)を終了して、タイマ割込処理(図17参照)に戻る一方、普通図柄の可変表示が終了していれば(S702:Yes)、次いで、該可変表示において当たりに当選したか否かを判別する(S703)。
S703における判別の結果、可変表示において当たりに当選していないと判別された場合は(S703:No)、この普通電役制御処理(S104)を終了して、タイマ割込処理(図17参照)へ戻る。一方、可変表示において当たりに当選していると判別された場合は(S703:Yes)、当選した当たりに関する制御を実行するために、まず、当選した時の遊技状態が「確率変動状態」であるか否かを判別する(S704)。
S704における判別の結果、「確率変動状態」でないと判別された場合、即ち、遊技状態が「通常遊技状態」又は「潜伏確率変動状態」である場合は(S704:No)、普通電役制御テーブル202hの規定内容に基づいて当たり状態における出没板79bの突出時間を「2秒」に設定し(S705)、処理をS707へ移行する。一方、「確率変動状態」であると判別された場合は(S704:Yes)、普通電役制御テーブル202hの規定内容に基づいて当たり状態における出没板79bの突出時間を「5秒」に設定し(S706)、処理をS707へ移行する。
S707の処理では、出没板79bの突出処理を行い(S707)、没入状態であった出没板79bを突出状態に駆動し、この普通電役制御処理(S104)を終了して、タイマ割込処理(図17参照)に戻る。
これにより、遊技状態に応じて普通図柄の当たりに基づく出没板79bの突出時間を変更することで、遊技者が左打ちした場合に、交互振分ユニット71内のユニット内普通図柄ゲート76aを通過した球が出没板79bの配設位置に到達したとき、出没板79bが突出状態を維持しているか否かの違いを生じさせることができる。その結果、ユニット内普通図柄ゲート76aを球が通過して、該通過に基づく普通図柄の可変表示において当たりに当選した場合に、該球が出没板79bの配設位置に到達したとき、出没板79bが突出状態であって、該出没板79bによって特図2入賞口78側へ誘導され得る状況か、該球が出没板79bの配設位置に到達したとき、出没板79bが没入状態(非突出状態)であることで球が該出没板79bによって誘導されず、特図1第2入賞口77bへそのまま入賞する状況か、を遊技状態によって異ならせることで、遊技状態毎に異なる遊技性を生むことができる。
また、遊技者が右打ちした場合においても、普通電役ユニット79に設けられた右側普通図柄ゲート76bを通過した球が出没板79bの配設位置に到達し、該出没板79bの上面を転動している間に、出没板79bが没入状態(非突出状態)となるか否かの違いを生じさせることができる。その結果、右側普通図柄ゲート76bを通過した球が出没板79bの配設位置、即ち、出没板79bの右端部に到達して、該出没板79bの上面を球が転動している間中、出没板79bの突出状態が維持されて、該出没板79bの上面を左端方向へ転動した球が特図2入賞口78側へ誘導され得る状況か、該出没板79bの上面を球が転動している間に出没板79bの突出時間が終了して出没板79bが没入することで、該出没板79bの上面を転動していた球がそのまま遊技領域下方側へ流下される状況か、を遊技状態によって異ならせることで、遊技状態毎に異なる遊技性を生むことができる。
S701の処理において、出没板79bが突出中であると判別された場合、即ち、普通図柄の当たり中であると判別された場合は(S701:Yes)、次いで、S705又はS706において設定された出没板79bの突出時間が経過しているかを判別する(S708)。判別の結果、設定された出没板79bの突出時間が経過していないと判別された場合は(S708:No)、出没板79bの突出状態を維持するため、S709の処理をスキップして、この普通電役制御処理(S104)を終了して、タイマ割込処理(図17参照)に戻る。
一方、S708の処理において、設定された出没板79bの突出時間が経過していると判別された場合は(S708:Yes)、出没板79bの没入処理を行い(S709)、突出状態であった出没板79bを没入状態に駆動し、この普通電役制御処理(S104)を終了して、タイマ割込処理(図17参照)に戻る。
このように、第1実施形態のパチンコ機10では、遊技状態に応じて普通図柄の当選確率および変動時間と、その当選に伴う出没板79bの突出時間とを異ならせることで、左打ちの遊技においては、「通常遊技状態」において特図1第1入賞口77a又は特図1第2入賞口77bへの入賞に基づく第1特別図柄の第1抽選遊技による遊技を行わせ、「潜伏確率変動状態」において特図1第1入賞口77aへの入賞に基づく第1特別図柄の第1抽選遊技と特図2入賞口78への入賞に基づく第2特別図柄の第2抽選遊技とによる遊技を行わせることができる。また、右打ちの遊技においては、「確率変動状態」において特図2入賞口78への入賞に基づく第2特別図柄の第2抽選遊技による遊技を行わせることができる。よって、3つの遊技状態それぞれで入賞し得る入賞口77,78のバリエーションを異ならせることで、遊技にバリエーションを設け、遊技の興趣を向上することができる。
次いで、図26を参照して、停電等の発生した場合に主制御装置110において実行されるNMI割込処理について説明する。図26は、主制御装置110内のMPUにより実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。
このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。NMI端子に停電信号SG1が入力されたMPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S801)、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
次に、図27を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図27は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。
立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S901)。例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(第1実施形態では、「1秒」)を実行する(S902)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S903)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図2参照)がオンされているか否かを判別し(S904)、オンされていれば(S904:Yes)、処理をS911へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S904:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S905)、記憶されていなければ(S905:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS911へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S905:Yes)、RAM判定値を算出し(S906)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S907:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS911へ移行する。
なお、図28のS926でも説明するが、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S911の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S911)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S912,S913)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAM203の初期化処理(S912,S913)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S912,S913)を実行する。RAM203の初期化処理(S912,S913)では、RAM203の使用領域を「0」クリアし(S912)、その後、RAM203に初期値を設定する(S913)。RAM203の初期化処理の実行後は、S910の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S904:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S905:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S907:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S908)。そして、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S909)、S910の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、球の払い出し制御を開始可能な状態となる。
S910の処理では、割込みを許可する(S910)。そして、後述するメイン処理(図28参照)に移行する。
次に、図28を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図28は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では、大別してカウンタの更新処理と電源断時処理とが実行される。
メイン処理では、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S921)。そして、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S921:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(S922,S923)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S922)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(第1実施形態では「899」、「99」)に達した際、「0」にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203の該当するカウンタ用バッファ203c領域にそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、S107(図17参照)の処理と同一の方法によって実行し(S923)、S921の処理へ移行する。
ここで、このメイン処理が実行されている間、図17を参照して説明したタイマ割込処理が所定時間間隔(第1実施形態では、「4ミリ秒」)で起動され実行される。タイマ割込処理では、遊技の状態に応じて異なる処理が実行される。例えば、大当たり中には、大入賞口65a,67aの開閉を制御する実行が行われ、普通図柄ゲート76への球の通過があれば、普通図柄表示装置83による普通図柄の可変表示に関する表示制御が行われる。また、特別図柄表示装置37での動的表示を開始する場合に実行される大当たり抽選では、高確率状態か低確率状態かによって、取得した大当たり乱数カウンタC1と比較する大当たり乱数値の数が異なってくる。よって、1回のタイマ割込処理の実行にかかる時間は、遊技の状態に応じて変化することになる。従って、一のタイマ割込処理が終了してから次のタイマ割込処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく、その時々の遊技の状態に応じて変化する。
メイン処理の一処理である上記のS922,S923の処理は、このタイマ割込処理の残余時間の中で実行されることになる。つまり、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新が繰り返し実行されることになるので、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、大当たり乱数カウンタC1の初期値、普図当たり乱数カウンタC4の初期値)とをランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1についてもランダムに更新することができる。特に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2とをランダムに更新することによって、これらを更新の初期値として使用する大当たり乱数カウンタC1及び普図当たり乱数カウンタC4の更新に、ランダム性を持たせることができる。
また、S921の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S921:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図26のNMI割込処理が実行されたということなので、S924以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S924)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S925)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S926)、RAM203のアクセスを禁止して(S927)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S921の処理は、タイマ割込処理(図17参照)の残余時間内に行われるS922とS923の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。これにより、主制御装置110のメイン処理において、タイマ割込処理(図17参照)による各種設定が終了し、また、各カウンタCINI1,CINI2,CS1の更新が終わったタイミングで、電源断の発生情報を確認している。よって、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理(図27参照)の終了後、処理をS921の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS921の処理から開始することができる。
従って、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S901)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S921の処理から開始することができる。その結果、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
第1実施形態では、定期的に実行する処理をタイマ割込処理(図17参照)で実行し、メイン処理(図28参照)において、タイマ割込処理(図17参照)の残余時間に各カウンタCINI1,CINI2,CS1の更新を実行する場合について説明したが、タイマ割込処理(図17参照)にて実行していた処理の一部または全部を、メイン処理(図28参照)の中で所定時間(例えば、4ミリ秒)毎に実行するように構成してもよい。例えば、第1実施形態においてタイマ割込処理(図17参照)にて実行していた賞球計数信号,払出異常信号読み込み処理(S102)、大当たり処理(S103)、普通電役制御処理(S104)及びスイッチ読み込み処理(S105)、始動入賞処理(S108)、ゲート通過処理(S109)、特図変動処理(S110)、普図変動処理(S111)、発射制御処理(S112)の一部または全部を、タイマ割込処理(図17参照)ではなく、メイン処理(図28参照)の中で4ミリ秒毎に実行するように構成してもよい。
この場合、メイン処理(図28参照)の中で所定時間(4ミリ秒)経過したか否かを判断するステップを設け、所定時間経過したと判断された場合のみ、所定時間毎に実行する処理を実行し、各カウンタCINI1,CINI2,CS1の更新は、所定時間の経過の有無にかかわらず実行するようにしてもよい。これにより、各カウンタCINI1,CINI2,CS1の更新は、所定時間毎に実行する処理の残余時間に実行されることになるが、所定時間毎に実行する処理は、遊技の状態に応じてその実行にかかる時間が変化するため、このように構成した場合であっても、各カウンタCINI1,CINI2,CS1をランダムに更新することができる。
以上、説明したように、第1実施形態のパチンコ機10によれば、左打ちの遊技においては、「通常遊技状態」において特図1第1入賞口77a又は特図1第2入賞口77bへの入賞に基づく第1特別図柄の第1抽選遊技による遊技を行わせ、「潜伏確率変動状態」において特図1第1入賞口77aへの入賞に基づく第1特別図柄の第1抽選遊技と特図2入賞口78への入賞に基づく第2特別図柄の第2抽選遊技とによる遊技を行わせることができる。また、右打ちの遊技においては、「確率変動状態」において特図2入賞口78への入賞に基づく第2特別図柄の第2抽選遊技による遊技を行わせることができる。よって、3つの遊技状態それぞれで入賞し得る入賞口77,78のバリエーションを異ならせることで、遊技にバリエーションを設け、遊技の興趣を向上することができる。
また、第1特別図柄の第1抽選遊技において得られる遊技価値より第2特別図柄の第2抽選遊技において得られる遊技価値の方が遊技者にとって有利な設定とすることで、遊技状態ごとに入賞し得る(し易い)入賞口77,78を異ならせることと相俟って、段階的に高価値な遊技状態に遷移するという興趣を遊技者に提供し、遊技の興趣を向上することができる。即ち、「通常遊技状態」では、遊技者にとって不利な第1抽選遊技を取得し易くし、「通常遊技状態」から遷移され易い「潜伏確率変動状態」では、遊技者にとって不利な第1抽選遊技と、遊技者にとって有利な第2抽選遊技とを交互に取得し得るように構成し、「潜伏確率変動状態」から遷移され易い「確率変動状態」では、遊技者にとって有利な第2抽選遊技を取得し易くして、段階的に高価値な遊技状態に遷移するという興趣を遊技者に提供することができる。
さらに、従来から遊技者に馴染み深い特別図柄と普通図柄とを用い、また、複数の入賞口77に交互に振り分ける交互振分ユニット71に対して出没板79bを連係するように構成して上記遊技性を実現することで、遊技者に遊技の仕様を理解させ易くすることができ、遊技仕様が理解困難なことによって遊技が敬遠されて稼働が上がらないという問題を解消することができる。
また、非電動役物等の特殊な機構を用いず上記遊技性を実現していることから、特殊な機構分の部品点数が増加することを未然に防止し、パチンコ機10のコストを増加させずに、上記遊技性を実現することができる。
さらに、減速部79cの構成により、出没板79bの上面を左端方向へ転動する球の流下速度を減速しつつ、出没板79bの上面を転動する時間を一定にすることができる。これにより、球が出没板79bの上面に滞留する時間を一定かつ長時間化することができる。よって、減速部79cがない場合と比べて出没板79b上での滞留時間を長くすることで、本発明の遊技性を実現する上で、遊技状態毎に出没板79bの突出時間の調整等を遊技仕様を設計し易くすることができる。さらに、減速部79cによる球の流下速度を遅らせれば遅らせるほど、出没板79bの全長を短くすることができ、その分、普通電役ユニット79全体をコンパクト化することができる。
<第2実施形態>
次いで、図29から図34を参照して、第2実施形態におけるパチンコ機10について説明する。第1実施形態におけるパチンコ機10では、交互振分ユニット71の中央部分に特図2入賞口78を配設すると共に、右側経路75における振分装置73寄りにユニット内普通図柄ゲート76aを埋設している。
また、第1実施形態のパチンコ機10では、本発明の遊技仕様を実現させるために、普通電役ユニット79の出没板79bを左右方向(横方向)に一定の距離(幅)を有するように構成すると共に、普通電役ユニット79の出没板79bの左側部分が、交互振分ユニット71の右側に設けられた特図1第2入賞口77bの上方位置に配置されるように、交互振分ユニット71に対して普通電役ユニット79を配設するように構成している。
さらに、第1実施形態のパチンコ機10では、交互振分ユニット71の右側経路75の右側出口と特図1第2入賞口77bとの間の位置に、出没板79bが位置すると共に、普通電役ユニット79の減速部79cが位置するように構成されている。
しかしながら、ユニット内普通図柄ゲート76aは、振分装置73から球1個分程度しか離れておらず、振分装置73によって球の流下方向が切り替えられた直後である。また、正面視横方向に右側経路75を転動する球を検知するため、球が右側経路75の下部通路壁(図示せず)と衝突して跳ね返っている可能性があり、振り分けられた球の動きが安定していない可能性があるため、ユニット内普通図柄ゲート76aによるチャタリングが発生してしまうおそれがある。
また、交互振分ユニット71に対し普通電役ユニット79を横方向に並列的に配置した場合、出没板79bの左端部分が交互振分ユニット71の右側に位置する特図1第2入賞口77bの上方位置と重なる程度の構成であるとき、交互振分ユニット71に対する普通電役ユニット79の正面視横方向の重複度合いが薄く、交互振分ユニット71の横幅と普通電役ユニット79の横幅との設置幅がそれぞれ必要となり、遊技領域における盤面設計の自由度が下がるおそれがある。
さらに、交互振分ユニット71の特図1第2入賞口77bの上方位置に、普通電役ユニット79の減速部79cが位置すると、右側経路75の右側出口から流出した球が減速部79cと衝突し、該衝突に基づいて球の挙動が乱れ、出没板79bが突出していないにもかかわらず特図2入賞口78側へ流出してしまうおそれがある。
これに対し、第2実施形態のパチンコ機10では、ユニット内普通図柄ゲート76aの埋設位置を、右側経路75の右側出口近傍にし、鉛直下向きに流下する球を検知するように構成する。また、普通電役ユニット79の出没板79bの中央部分が、右側経路75の右側出口と特図1第2入賞口77bとの間に位置するように構成する。さらに、右側経路75の右側出口と特図1第2入賞口77bとの間に形成される球の流下空間に減速部79d,79eを配置しないように構成する。
このように構成することで、鉛直下向きに自由落下している球をユニット内普通図柄ゲート76aで検出することができるので、右側経路75を流下する球の挙動が安定した状態の球を検出することで、ユニット内普通図柄ゲート76aにおけるチャタリングの発生を解消できる。
また、出没板79bの中央部分が特図1第2入賞口77bの上方部分に位置することで、交互振分ユニット71に対する普通電役ユニット79の正面視横方向の重複部分が多くなり、交互振分ユニット71と普通電役ユニット79との設置領域を小さくすることができ、遊技領域における盤面設計の自由度を高めることができる。
さらに、右側経路75の右側出口と特図1第2入賞口75との間の球の流下空間に減速部79d,79eを配置しないことで、右側経路75の右側出口から流下した球の予期せぬ挙動(例えば、特図2入賞口78側への流入)を発生を防止することができる。
また、減速部79d,79eが右側経路75の右側出口から球が流下する空間の両側に配置されていることで、出没板79bが没入状態である場合に、右側経路75の右側出口から流出した球の挙動が乱れ、該球が特図1第2入賞口77bに入流せずに交互振分ユニット71外へ排出されそうになった場合、該球が減速部79d,79eと衝突して再び特図1第2入賞口77b側へ流下するように構成することができる。
以下、第2実施形態におけるパチンコ機10について、第1実施形態におけるパチンコ機10と相違する点を中心に説明する。以下の説明では、第1実施形態と同一の要素に同一の符号を付し、その図示と説明を省略する。
まず、図29を参照して、第2実施形態における普図変動時間テーブル202gについて説明する。図29は、第2実施形態のROM202に記憶される普図変動時間テーブル202gの一例を模式的に示した模式図である。
図29で示すように、第2実施形態の普図変動時間テーブル202gでは、低確率状態の場合に設定される普通図柄の可変表示時間は「3秒」となるように普図変動時間テーブル202gで規定されている。つまり、低確率状態において普通図柄の可変表示が開始されてから停止図柄が導出されるまでの時間は、もれなく「3秒」となるように設定されている。
一方で、高確率状態の場合に設定される普通図柄の可変表示時間は「0.1秒」となるように普図変動時間テーブル202gで規定されている。つまり、高確率状態において普通図柄の可変表示が開始されてから停止図柄が導出されるまでの時間は、もれなく「0.1秒」となるように設定されている。
次いで、図30から図34を参照して、第2実施形態の各遊技状態における遊技性、即ち、球の発射態様に基づく球の挙動と、それに伴う出没板79bの挙動とを説明する。
図30は、第2実施形態の各遊技状態において、左打ち時において交互振分ユニット71の振分入球口72から入球した球の挙動、又は、右打ち時において普通電役ユニット79の右側普通図柄ゲート76bから入球した球の挙動と、出没板79bの挙動とを説明するための模式図である。図30(a)は、第2実施形態の「通常遊技状態」における左打ち時に、交互振分ユニット71の振分入球口72から入球した球の挙動と、出没板79bの挙動とを説明するための図であり、図30(b)は、第2実施形態の「潜伏確率変動状態」における左打ち時に、交互振分ユニット71の振分入球口72から入球した球の挙動と、出没板79bの挙動と、該出没板79bの上面を転動する球の挙動とを説明するための図であり、図30(c)は、第2実施形態の「確率変動状態」における右打ち時に、出没板79bの挙動と、該出没板79bの上面を転動する球の挙動とを説明するための図である。
また、図31は、図30(a)のA−A線における普通電役ユニット79の模式的断面図である。
さらに、図32(a)は、第2実施形態の「通常遊技状態」における左打ち時において、交互振分ユニット71の右側経路75に振り分けられた球の流下タイミングと、普通図柄の可変表示と、出没板79bの突出時間とを示したタイミングチャートであり、図32(b)は、第2実施形態の「通常遊技状態」における右打ち時において、普通電役ユニット79内に流入した(右側普通図柄ゲート76bを通過した)球の流下タイミングと、普通図柄の可変表示と、出没板79bの突出時間とを示したタイミングチャートである。また、図33(a)は、第2実施形態の「潜伏確率変動状態」における左打ち時において、交互振分ユニット71の右側経路75に振り分けられた球の流下タイミングと、普通図柄の可変表示と、出没板79bの突出時間とを示したタイミングチャートであり、図33(b)は、第2実施形態の「潜伏確率変動状態」における右打ち時において、普通電役ユニット79内に流入した(右側普通図柄ゲート76bを通過した)球の流下タイミングと、普通図柄の可変表示と、出没板79bの突出時間とを示したタイミングチャートである。 さらに、図34(a)は、第2実施形態の「確率変動状態」における左打ち時において、交互振分ユニット71の右側経路75に振り分けられた球の流下タイミングと、普通図柄の可変表示と、出没板79bの突出時間とを示したタイミングチャートであり、図34(b)は、第2実施形態の「確率変動状態」における右打ち時において、普通電役ユニット79内に流入した(右側普通図柄ゲート76bを通過した)球の流下タイミングと、普通図柄の可変表示と、出没板79bの突出時間とを示したタイミングチャートである。
なお、第2実施形態における交互振分ユニット71および普通電役ユニット79の構成において、第1実施形態と相違する点は、ユニット内普通図柄ゲート76aの配設位置と、交互振分ユニット71に対する普通電役ユニット79(出没板79b)の配設位置と、普通電役ユニット79における減速部79d,79eの配設位置とが異なっている点である。即ち、図30(a)〜図30(c)及び図31で示すように、第2実施形態では、ユニット内普通図柄ゲート76aが右側経路75の右側出口付近に配設され、普通電役ユニット79の出没板79bが交互振分ユニット71内に配設される部分が増え、普通電役ユニット79の減速部79d,79eが右側経路75の右側出口からの球の流下空間の両側にそれぞれ配設されている。その他の構成については、第1実施形態と同一であるため、その説明を省略する。
まず、図30(a)で示すように、第2実施形態の「通常遊技状態」において振分装置73によって左側経路74に振り分けられた球は、振分装置73から振り分けられてから「2秒」後に左側経路74の左側出口から流出し、該左側出口の下方に配置された特図1第1入賞口77aに入賞する。
一方、第2実施形態の「通常遊技状態」において振分装置73によって右側経路75に振り分けられた球は、まず、振分装置73から振り分けられてから「1.8秒」後にユニット内普通図柄ゲート76aを通過し、該ユニット内普通図柄ゲート76aを通過してから「0.2秒」後に右側経路75の右側出口から流出する。
この場合に、図32(a)で示すように、球が振分装置73により右側経路75に振り分けられた場合、振り分けられたタイミングから「2秒」後に右側経路75の右側出口から流出するように構成されている。また、球が右側経路75に振り分けられてから「1.8秒」後に右側経路75に配設されたユニット内普通図柄ゲート76aを通過し、該ユニット内普通図柄ゲート76aを通過したことによって普通図柄の抽選契機が得られ、普通図柄の保留球が存在しないことを条件に普通図柄の可変表示が開始される。
第2実施形態の「通常遊技状態」における可変表示は、「3秒」行われる。よって、球がユニット内普通図柄ゲート76aを通過したタイミングから右側経路75の右側出口から流出するまでに要する時間より、普通図柄の可変表示時間の方が長いため、可変表示の結果が導出される前に出没板79bの配設位置を通過して、そのまま特図1第2入賞口77bへ入賞する。
ここで、第2実施形態では、ユニット内普通図柄ゲート76aの埋設位置が、右側経路75の右側出口近傍となっており、球が振分装置73によって振り分けられてから暫く流下し、右側経路75内を自由落下していることから、球の挙動が安定している蓋然性が高い。よって、ユニット内普通図柄ゲート76aによって安定した挙動となっている球を検知することができ、チャタリングの発生を防止することができる。
なお、図32(b)で示すように、第2実施形態の「通常遊技状態」において右打ちが行われた場合は、右側普通図柄ゲート76bを通過した球は、「1秒」後に出没板79bの右端部の位置に到達する。また、第2実施形態の「通常遊技状態」における普通図柄の可変表示時間は「3秒」行われる。よって、「通常遊技状態」において右側普通図柄ゲート76bを通過した球は、右側普通図柄ゲート76bの通過に基づく普通図柄の可変表示が終了する前、即ち、可変表示に基づいて出没板79bが突出状態となる前に、普通電役ユニット79の下流側(遊技盤13下方側)へ流出する。
また、球が連続的に入球した場合であっても、「通常遊技状態」では普通図柄の当たりが発生し難く、また、当たりとなって出没板79bが突出状態を維持する時間が「2秒」であって(図15(c)参照)、出没板79bの上面を右端部から左端部まで転動するために要する時間は「2.5秒」となる。
その結果、出没板79bが突出状態を維持している間に特図2入賞口78(特図1第2入賞口77b)側まで転動することなく、該出没板79bの上面を左端方向へ転動している最中に該出没板79bが没入状態に変位した場合に、該球が普通電役ユニット79の下流側へと流下する。さらに、「通常遊技状態」において右側普通図柄ゲート76bが球の通過を検知した場合には、警報音を鳴らすように構成されている。その結果、遊技者に、「通常遊技状態」において右打ち遊技を行わせることなく、左打ち遊技を行わせることができる。
このように、第2実施形態の「通常遊技状態」では、左打ちの遊技によって交互振分ユニット71に入球した球は、特図1第1入賞口77aか、特図1第2入賞口77bかのいずれかに交互に入賞するため、第1特別図柄の第1抽選遊技が実行され得る遊技が行われるように構成されている。
次いで、図30(b)及び図33を参照して、第2実施形態の「潜伏確率変動状態」における遊技性について説明する。
まず、図30(b)で示すように、第2実施形態の「潜伏確率変動状態」において振分装置73によって左側経路74に振り分けられた球は、「通常遊技状態」と同様、振分装置73から振り分けられてから「2秒」後に左側経路74の左側出口から流出し、該左側出口の下方に配置された特図1第1入賞口77aに入賞する。
一方、第2実施形態の「潜伏確率変動状態」において振分装置73によって右側経路75に振り分けられた球は、まず、振分装置73から振り分けられてから「1.8秒」後にユニット内普通図柄ゲート76aを通過し、該ユニット内普通図柄ゲート76aを通過してから「0.2秒」後に右側経路75の右側出口から流出する。
この場合に、図33(a)で示すように、球が振分装置73により右側経路75に振り分けられた場合、振り分けられたタイミングから「2秒」後に右側経路75の右側出口から流出するように構成されている。また、球が右側経路75に振り分けられてから「1.8秒」後に右側経路75に埋設されたユニット内普通図柄ゲート76aを通過し、該ユニット内普通図柄ゲート76aを通過したことによって普通図柄の抽選契機が得られ、普通図柄の可変表示が開始される。
第2実施形態の「潜伏確率変動状態」における可変表示は、「0.1秒」行われる(図29参照)。よって、球がユニット内普通図柄ゲート76aを通過したタイミングから右側経路75の右側出口から流出するまでに要する時間より、普通図柄の可変表示時間の方が短いため、球が出没板79bの配設位置に到達するタイミングでは、可変表示の結果が導出されている。
また、第2実施形態の「潜伏確率変動状態」では、普通図柄の当選確率が「通常遊技状態」よりも当選し易く構成されている。さらに、第2実施形態の「潜伏確率変動状態」における出没板79bの突出時間は「通常遊技状態」と同様の「2秒」であるが、可変表示が開始されてから出没板79bが突出して没入するまでの合計時間は「2.1秒」となっている。
よって、球がユニット内普通図柄ゲート76aを通過してから出没板79bの配設位置に到達するまでの間に、出没板79bが突出状態となり、その状態を維持している可能性が高い。その結果、右側経路75の右側出口から流出して出没板79bの配設位置に到達した球は、出没板79bの中央部分と衝突し、その後、突出状態の出没板79bの上面を転動し、特図2入賞口78側へと案内される。
ここで、第2実施形態のパチンコ機10では、出没板79bの中央部分が特図1第2入球口77bの上方位置に配置されている。また、出没板79bの中央部分の右側、即ち、交互振分ユニット71外側に設けられた外側減速部79dと、上記中央部分の左側、即ち、交互振分ユニット71内側に設けられた内側減速部79eとが配置され、出没板79bの中央部分には外側減速部79d及び内側減速部79eが配設されていない。
即ち、第2実施形態では、出没板79bの中央部分、即ち、右側経路75の右側出口と交差する部分には、外側減速部79d及び内側減速部79eのいずれも配置されないように構成されている。
ここで、図31を参照して、第2実施形態の普通電役ユニット79の構成について説明する。図31は、図30(a)のA−A線における普通電役ユニット79の模式的断面図である。
図31で示すように、出没板79bが突出状態である場合に、交互振分ユニット71の右側経路75に流入した球は、突出状態の出没板79bの中央部分と衝突し、該出没板79bの傾斜によって該出没板79bの上面を遊技盤13(図3参照)の正面視左側、即ち、特図2入賞口78側へと転動する。
具体的には、出没板79bの中央部分から該出没板79bの上面を転動する球は、まず、普通電役ユニット79の基部79y側に設けられた奥内側減速部79e1と衝突して、その衝突によって進行方向が変更されて出没板79bの上面をカバー部79x側へと転動する。そして、次に、普通電役ユニット79のカバー部79x側に設けられた手前内側減速部79e2と衝突して、その衝突によって再び進行方向が変更されて出没板79bの上面を基部79y側へと転動しながら、出没板79bの左端から流出する。第2実施形態では、出没板79bの中央部分から左端部まで転動するために要する時間は「1秒」かかるように構成されている。
また、図31で示すように、出没板79bが突出状態である場合に、普通電役ユニット79の右側普通図柄ゲート76bを通過した球は、突出状態の出没板79bの右端部と衝突し、該出没板79bの傾斜によって該出没板79bの上面を遊技盤13(図3参照)の正面視左側、即ち、交互振分ユニット71側へと転動する。
具体的には、出没板79bの右端部から該出没板79bの上面を左端方向へ転動する球は、まず、普通電役ユニット79の基部79y側に設けられた第1奥外側減速部79d1と衝突して、その衝突によって進行方向が変更されて出没板79bの上面をカバー部79x側へと転動する。そして、次に、普通電役ユニット79のカバー部79x側に設けられた第1手前外側減速部79d2と衝突して、その衝突によって再び進行方向が変更されて出没板79bの上面を基部79y側へと転動する。その後、普通電役ユニット79の基部79y側に設けられた第2奥外側減速部79d3と衝突して、その衝突によって再度進行方向が変更されて出没板79bの上面をカバー部79x側へと転動する。そして、次に、普通電役ユニット79のカバー部79x側に設けられた第2手前外側減速部79d4と衝突して、その衝突によって再度進行方向が変更されて出没板79bの上面を基部79y側へと転動しながら、出没板79bの中央部分に到達する。第2実施形態では、出没板79bの右端から中央部分まで転動するために要する時間は「1.5秒」かかるように構成されている。
そして、出没板79bの中央部分を通過した球は、右側経路75の右側出口から流出した球と同様、普通電役ユニット79の基部79y側に設けられた奥内側減速部79e1と衝突して、その衝突によって進行方向が変更されて出没板79bの上面をカバー部79x側へと転動する。そして、次に、普通電役ユニット79のカバー部79x側に設けられた手前内側減速部79e2と衝突して、その衝突によって再び進行方向が変更されて出没板79bの上面を基部79y側へと転動しながら、出没板79bの左端部から流出する。
即ち、第2実施形態では、出没板79bの右端部から中央部分まで転動するために要する時間は「1.5秒」かかり、出没板79bの中央部分から左端部まで転動するために要する時間は「1秒」かかるように構成されているため、出没板79bの右端部から左端部まで転動するために要する時間は「1.5秒」+「1秒」=「2.5秒」かかるように構成されている。
このように、第2実施形態では、外側減速部79dによって、出没板79bの右端部から中央部分まで転動するために「1.5秒」要するように構成されている。また、内側減速部79eによって、出没板79bの中央部分から左端部まで転動するために「1秒」要するように構成されている。即ち、出没板79bの右端部から中央部分まで転動するために要する時間の方が、出没板79bの中央部分から左端部まで転動するために要する時間より長くなるように構成されている。
また、外側減速部79dの数を内側減速部79eより多く配設し、該外側減速部79dによって出没板79bの右端部から中央部分まで転動する時間が長くなるように構成することで、交互振分ユニット71と普通電役ユニット79とをコンパクト化した場合であっても、出没板79b上を転動する球の転動時間を長くすることができる。よって、右打ちが奨励されていない遊技状態(即ち、「通常遊技状態」及び「潜伏確率変動状態」)において、出没板79bの突出時間より、出没板79b上を転動する時間が長くなるように構成することで、特図2入賞口78への流入を防止することができる。その結果、「通常遊技状態」では特図1入賞口77、「潜伏確率変動状態」では特図1入賞口77及び特図2入賞口78、「確率変動状態」では特図2入賞口78と、3つの遊技状態それぞれで入賞し得る入賞口77、78のバリエーションを異ならせるという遊技性を実現することができ、遊技の興趣を向上することができる。そして、普通電役ユニット79全体を交互振分ユニット71に対して正面視横方向に重複させ、交互振分ユニット71と普通電役ユニット79との設置領域を小さくすることができ、遊技領域における盤面設計の自由度を高めることができる。
さらに、右側経路75の右側出口と特図1第2入賞口75との間の球の流下空間に減速部79d,79eを配置しないことで、右側経路75の右側出口から流出した球の予期せぬ挙動(例えば、特図2入賞口78側への流入)を発生を防止することができる。
また、右側経路75の右側出口の直下に減速部79d,79eを配置しないことで、右側経路75の右側出口から流出した球の流下速度を減速させずに維持することができ、右側経路75内での球の渋滞や、右側出口付近における球詰まり等が発生することを防止することができる。
なお、出没板79bの左端部から流出した球は、交互振分ユニット71の中心線からやや右側に配設された特図2入賞口78に入賞し得るように構成されている。よって、特図2入賞口78まで球を誘導するための釘等の部材を配置する必要性がなくなり、パチンコ機10における部品点数を抑制し、製造コストを削減できる。
図33(a)に戻って説明を続ける。上述したように、第2実施形態の「潜伏確率変動状態」では、出没板79bの中央部分から左端部まで球が転動するために要する時間は「1秒」であり、右側経路75の右側出口から流出した球が出没板79bの中央部分から左端部まで転動しきるまでに該出没板79bの突出状態が維持されている。よって、右側経路75の右側出口から流出した球は、突出状態の出没板79bと衝突し、該出没板79bの上面を左端方向へ転動して、特図2入賞口78へ入賞し得る。
なお、図33(b)で示すように、第2実施形態の「潜伏確率変動状態」において右打ちが行われた場合は、右側普通図柄ゲート76bを通過した球は、「1秒」後に出没板79bの右端部の位置に到達する。また、第2実施形態の「潜伏確率変動状態」における普通図柄の可変表示時間は「0.1秒」行われる。さらに、第2実施形態の「潜伏確率変動状態」における普通図柄の当選確率は「通常遊技状態」より高く設定されている。
これにより、普通図柄の可変表示時間は、右側普通図柄ゲート76bを通過してから出没板79bの右端部の位置に到達するまでの時間より短く、普通図柄の当選確率も高いため、右側普通図柄ゲート76bを通過した球が出没板79bの右端部の位置に到達した場合に、出没板79bが突出状態となっている可能性が高い。
しかしながら、当たりとなって出没板79bが突出状態を維持する時間が「2秒」である一方、出没板79bの上面を右端部から中央部分まで転動するために要する時間は「1.5秒」となるように構成されている。その結果、出没板79bの右端部から中央部分(左端)へ向けて転動した球は、出没板79bが突出状態を維持している間に特図1第2入賞口77b(特図2入賞口78)側まで転動することなく、該出没板79bが没入状態に変位した場合にその転動位置から普通電役ユニット79の下流側(遊技盤13下方側)へと流下する。さらに、「潜伏確率変動状態」において右側普通図柄ゲート76bが球の通過を検知した場合には、警報音を鳴らすように構成されている。その結果、遊技者に、「潜伏確率変動状態」において右打ち遊技を行わせることなく、左打ち遊技を行わせることができる。
このように、第2実施形態の「潜伏確率変動状態」では、左打ちの遊技によって交互振分ユニット71に入球した球は、特図1第1入賞口77aか、特図2入賞口78かのいずれかに交互に入賞するため、第1特別図柄の第1抽選遊技と、第2特別図柄の第2抽選遊技とが交互に実行される遊技が行われるように構成されている。
次いで、図30(c)及び図34を参照して、第2実施形態の「確率変動状態」における遊技性について説明する。
まず、図30(c)で示すように、第2実施形態の「確率変動状態」において右側普通図柄ゲート76bを通過して普通電役ユニット79内に流入した球は、そのまま下流側へと流下し、右側普通図柄ゲート76bを通過してから「1秒」後に出没板79bの右端部の位置へと到達する。
この場合に、図34(b)で示すように、球が右側普通図柄ゲート76bを通過したことによって普通図柄の抽選契機が得られ、普通図柄の可変表示が開始される。そして、第2実施形態の「確率変動状態」における可変表示は、「0.1秒」行われる。右側普通図柄ゲート76bを通過した球は、該右側普通図柄ゲート76bを通過したタイミングから「1秒」後に出没板79bの右端部の位置に到達するように構成されている。よって、球が、右側普通図柄ゲート76bを通過したタイミングから出没板79bの右端部に到達する時間より、普通図柄の可変表示時間の方が短いため、球が出没板79bの右端部の位置に到達するタイミングでは、可変表示の結果が導出されている。
また、第2実施形態の「確率変動状態」では、普通図柄の当選確率が「通常遊技状態」よりも当選し易く構成されている。さらに、第2実施形態の「確率変動状態」における出没板79bの突出時間は「5秒」であり、可変表示が開始されてから出没板79bが突出して没入するまでの合計時間は「5.1秒」となっている。
よって、球が右側普通図柄ゲート76bを通過してから出没板79bの右端部の位置に到達するまでの間に、出没板79bが突出状態となり、その状態を維持している可能性が高い。その結果、出没板79bの右端部の位置に到達した球は、出没板79bの右端部と衝突し、その位置から出没板79bの上面を左端方向へ転動し、特図2入賞口78側へと案内され始める。
さらに、出没板79bの右端部から左端部まで球が転動するために要する時間は「2.5秒」であるが、上述したように、第2実施形態の「確率変動状態」における可変表示の開始から出没板79bが突出して没入するまでの時間は「5.1秒」であるため、右側普通図柄ゲート76bを通過した球は、出没板79bが突出状態を維持している間に該出没板79bの上面を右端部から左端部まで転動しきり、特図2入賞口78側へと案内される。
また、普通図柄の可変表示の実行契機となった球から連続的に普通電役ユニット79内に流入した複数の球は、出没板79bが突出状態を維持している間、特図2入賞口78側へと案内され、特図2入賞口78へ入賞し得るように構成されている。具体的には、第2実施形態では、球の発射間隔が「0.6秒」間隔であって、当該間隔毎に右側普通図柄ゲート76bを通過した場合、2個の球が追加的に特図2入賞口78側へと案内される。
即ち、第2実施形態では、「確率変動状態」における右打ち時に出没板79bが1回突出状態となった場合に、右打ちを継続することによって第2特別図柄の第2抽選遊技の抽選契機を3回得ることができるように構成されている。よって、「確率変動状態」において右打ち遊技を実行することで、第2特別図柄の第2抽選遊技の抽選契機を複数取得し易くしつつ、所定の賞球(即ち、2個/1入賞)を付与して、遊技者の所持球を著しく損わせることなく遊技を行わせることができる。
なお、図34(a)で示すように、第2実施形態の「確率変動状態」において左打ちが行われた場合は、「潜伏確率変動状態」と同様、球が振分装置73により右側経路75に振り分けられたとき、振り分けられたタイミングから「2秒」後に右側経路75の右側出口から流出するように構成されている。また、球が右側経路75に振り分けられてから「1.8秒」後に右側経路75に埋設されたユニット内普通図柄ゲート76aを通過し、該ユニット内普通図柄ゲート76aを通過したことによって普通図柄の抽選契機が得られ、普通図柄の可変表示が開始される。
第2実施形態の「確率変動状態」における可変表示は、「0.1秒」行われる。よって、球がユニット内普通図柄ゲート76aを通過したタイミングから右側経路75の右側出口から流出するまでに要する時間より、普通図柄の可変表示時間の方が短いため、球が出没板79bの配設位置に到達するタイミングでは、可変表示の結果が導出されている。
また、第2実施形態の「確率変動状態」では、普通図柄の当選確率が「通常遊技状態」よりも当選し易く構成されている。さらに、第2実施形態の「確率変動状態」における出没板79bの突出時間は「通常遊技状態」より長く「5秒」突出する。従って、可変表示が開始されてから出没板79bが突出して没入するまでの合計時間は「5.1秒」となっている。
よって、球がユニット内普通図柄ゲート76aを通過してから出没板79bの中央部分と衝突し、該中央部分から出没板79bの左端部の位置に到達するまでの間、出没板79bが突出状態となってその突出状態を維持している可能性が高い。その結果、出没板79bの中央部分の位置に到達した球は、出没板79bの中央部分と衝突し、その位置から出没板79bの上面を左端方向へ転動し、特図2入賞口78側へと案内される。
一方で、上述したように、第2実施形態の「確率変動状態」では、右打ちの遊技によって右側普通図柄ゲート76bから普通電役ユニット79内に入球した球は、出没板79bによる入賞補助によって特図2入賞口78へ入賞し易いように構成されている。よって、左打ち遊技を行った場合でも特図2入賞口78へ入賞し得るように構成されているが、特図2入賞口78への入賞補助が行われ得る右打ち遊技を継続的に行った方が、第2特別図柄の第2抽選遊技が実行され易い遊技が行われるように構成されている。
以上、説明したように、第2実施形態のパチンコ機10によれば、左打ちの遊技においては、「通常遊技状態」において特図1第1入賞口77a又は特図1第2入賞口77bへの入賞に基づく第1特別図柄の第1抽選遊技による遊技を行わせ、「潜伏確率変動状態」において特図1第1入賞口77aへの入賞に基づく第1特別図柄の第1抽選遊技と特図2入賞口78への入賞に基づく第2特別図柄の第2抽選遊技とによる遊技を行わせることができる。また、右打ちの遊技においては、「確率変動状態」において特図2入賞口78への入賞に基づく第2特別図柄の第2抽選遊技による遊技を行わせることができる。よって、3つの遊技状態それぞれで入賞し得る入賞口77,78のバリエーションを異ならせることで、遊技にバリエーションを設け、遊技の興趣を向上することができる。
また、第2実施形態のパチンコ機10によれば、ユニット内普通図柄ゲート76aの埋設位置が、右側経路75の右側出口近傍となっており、球が振分装置73によって振り分けられてから右側経路75を暫く流下していることから安定した挙動となっている蓋然性が高い。よって、ユニット内普通図柄ゲート76aによって安定した挙動となっている球を検知することができ、チャタリングの発生を防止することができる。
さらに、第2実施形態のパチンコ機10によれば、外側減速部79dによって、出没板79bの右端部から中央部分まで転動するために「1.5秒」要するように構成されている。また、内側減速部79eによって、出没板79bの中央部分から左端部まで転動するために「1秒」要するように構成されている。即ち、出没板79bの右端部から中央部分まで転動するために要する時間の方が、出没板79bの中央部分から左端部まで転動するために要する時間より長くなるように構成されている。
このように、外側減速部79dによって出没板79bの右端部から中央部分まで転動する時間が長くなるように構成することで、交互振分ユニット71と普通電役ユニット79とをコンパクト化した場合であっても、出没板79b上を転動する球の転動時間を長くすることができる。よって、右打ちが奨励されていない遊技状態(即ち、「通常遊技状態」及び「潜伏確率変動状態」)において、出没板79bの突出時間より、出没板79b上を転動する時間が長くなるように構成することで、特図2入賞口78への流入を防止することができる。その結果、「通常遊技状態」では特図1入賞口77、「潜伏確率変動状態」では特図1入賞口77及び特図2入賞口78、「確率変動状態」では特図2入賞口78と、3つの遊技状態それぞれで入賞し得る入賞口77、78のバリエーションを異ならせるという遊技性を実現することができ、遊技の興趣を向上することができる。そして、普通電役ユニット79全体を交互振分ユニット71に対して正面視横方向において重複させ、交互振分ユニット71と普通電役ユニット79との設置領域を小さくすることができ、遊技領域における盤面設計の自由度を高めることができる。
また、右側経路75の右側出口と特図1第2入賞口75との間の球の流下空間に減速部79d,79eを配置しないことで、右側経路75の右側出口から流出した球の予期せぬ挙動(例えば、特図2入賞口78側への流入)を発生を防止することができる。
さらに、減速部79d,79eが右側経路75の右側出口下流側の流下空間の両側に配置されていることで、出没板79bが没入状態である場合に、右側経路75の右側出口から流出した球の挙動が乱れ、該球が特図1第2入賞口77bに入流せずに交互振分ユニット71外へ排出されそうになった場合でも、該球が減速部79d,79eと衝突して再び特図1第2入賞口77b側へ流下するように構成することができる。よって、出没板79bが没入状態である場合に、右側経路75を流下する遊技球を確実に特図1第2入賞口77bへ流入させることができる。
その他、第2実施形態におけるパチンコ機10は、第1実施形態と同一の構成によって、同一の効果を奏する。
<第3実施形態>
次いで、図35から図38を参照して、第3実施形態におけるパチンコ機10について説明する。第1実施形態におけるパチンコ機10では、「確率変動状態」における右打ち遊技において、普通図柄の可変表示時間を短くしつつ出没板79bの突出時間を長くすることで、特図2入賞口78に入賞し易く、特図1入賞口77に入賞し難い遊技性を実現している。
これに対し、第3実施形態のパチンコ機10では、「確率変動状態」における出没板79bの突出態様に関し、特図2入賞口78へ入賞し易い第1パターンと、特図1入賞口77(特図1第2入賞口77b)に入賞し得る第2パターンとの複数のパターンを設け、「確率変動状態」においても特図1入賞口77へ入賞する遊技性を付与する。このように構成することで、「確率変動状態」において、不利な特図1入賞口77に入賞させずに有利な特図2入賞口78に継続的に入賞させて大当たりに当選させるか、という遊技性が生まれ、遊技の興趣を向上することができる。
以下、第3実施形態におけるパチンコ機10について、第1実施形態及び第2実施形態におけるパチンコ機10と相違する点を中心に説明する。以下の説明では、第1実施形態及び第2実施形態と同一の要素に同一の符号を付し、その図示と説明を省略する。
まず、図35を参照して、第3実施形態における普通電役制御テーブル202hについて説明する。図35は、第3実施形態のROM202に記憶される普通電役制御テーブル202hの一例を模式的に示した模式図である。普通電役制御テーブル202hは、普通図柄の当たり時に参照され、普通図柄の当たりが発生したタイミングにおける遊技状態と普図種別カウンタC5の値とに基づいて、出没板79bの突出時間が規定されている。
普図種別カウンタC5は、普通図柄の可変表示で当たりとなった場合に、出没板79bの突出時間を決定するためのものであり、所定の範囲(例えば、「0〜9」)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、「9」の値を取り得るカウンタの場合は「9」)に達した後に「0」に戻る構成となっている。普図種別カウンタC5の値は、定期的に(第3実施形態では、タイマ割込処理(図17参照)毎に1回)更新される。そして、球がユニット内普通図柄ゲート76a又は右側普通図柄ゲート76bを通過したタイミングで、RAM203(図13参照)の普図保留球格納エリア203hに設けられた普図保留第1〜第4エリアのうち普図当たりカウンタC4が格納される普図保留エリアと同じ普図保留エリアに普図種別カウンタ格納エリア(図示せず)に格納される。
ここで、例えば、普図保留球格納エリア203h内の1の普図保留エリアに格納された普図当たりカウンタC4の値が当たりとなる乱数でなければ、即ち、ハズレとなる乱数であれば、普通図柄の可変表示の停止図柄はハズレ図柄(例えば、「×」図柄)となる。一方で、普図保留球格納エリア203h内の1の普図保留エリアに格納された普図当たりカウンタC4の値が当たりとなる乱数であれば、普通図柄の可変表示の停止図柄は当たり図柄(例えば、「○」図柄又は「◎」図柄)となる。この場合、その当たりに基づく出没板79bの突出態様(突出時間)は、同じ普図保留エリアに格納された普図種別カウンタC5の値が示す突出態様(突出時間)に対応して決定される。
第3実施形態のパチンコ機10における普図種別カウンタC5の値は、「0〜9」の範囲のループカウンタとして構成されている。この普図種別カウンタC5とROM202に格納された普通電役制御テーブル202hとに基づいて、普通図柄の可変表示の当たりに基づく出没板79bの突出態様(突出時間)が決定される。
第3実施形態の普通電役制御テーブル202hは、普通図柄が抽選された遊技状態に基づいてグループ毎に区分けされている。具体的には、左打ち時の遊技状態である「通常遊技状態」と「潜伏確率変動状態」とで参照される左打ち状態用と、右打ち時の遊技状態である「確率変動状態」で参照される右打ち状態用とで、それぞれ普図種別カウンタC5の値に基づいて出没板79bの突出時間が変更される。
図35で示すように、第3実施形態のパチンコ機10では、左打ち状態の遊技状態、即ち、「通常遊技状態」又は「潜伏確率変動状態」において普通図柄に当選した場合に設定される出没板79bの突出時間は、普図種別カウンタC5の全ての値(即ち、「0〜9」)において「2秒」(例えば、「○」図柄)となるように普通電役制御テーブル202hで規定されている。つまり、「確率変動状態」以外の遊技状態において、普通図柄に当選した場合には、出没板79bの突出時間は、もれなく「2秒」となるように設定されている。
一方で、右打ち状態の遊技状態、即ち、「確率変動状態」において普通図柄に当選した場合に設定される出没板79bの突出時間は、普図種別カウンタC5の値が「0〜8」の場合に「5秒」(例えば、「◎」図柄)となり、普図種別カウンタC5の値が「9」の場合に「2秒」(例えば、「○」図柄)となるように普通電役制御テーブル202hで規定されている。つまり、「確率変動状態」において、普通図柄に当選した場合には、90%の確率で出没板79bの突出時間が「5秒」となり、10%の確率で出没板79bの突出時間が「2秒」となるように設定されている。
従って、第3実施形態のパチンコ機10では、普通図柄の当選確率、普通図柄の可変表示時間および出没板79bの突出時間のバリエーションが各遊技状態に応じてそれぞれ異なるように構成され、特に、「確率変動状態」では、普図種別カウンタC5の値に応じて出没板79bの突出時間が変化するように構成される。
次に、図36を参照して、第3実施形態における主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理(図17参照)の一処理である普通電役制御処理(S104)について説明する。図36は、第3実施形態の普通電役制御処理(S104)を示したフローチャートである。第3実施形態の普通電役制御処理(S104)では、普通図柄の当たりが発生する場合に、遊技状態に応じて出没板79bの突出時間を設定し、特に、「確率変動状態」において普図種別カウンタC5の値に応じて出没板79bの突出時間を異ならせる制御を実行する。
具体的には、第3実施形態の普通電役制御処理(S104)のS704の処理において、「確率変動状態」であると判別された場合(S704:Yes)、次いで、普図種別カウンタC5の値がいずれの値か否かを判別する(S751)。
S751の処理において、普図種別カウンタC5の値が「0〜8」であると判別された場合は(S751:「0〜8」)、普通電役制御テーブル202hの規定内容に基づいて当たり状態における出没板79bの突出時間を「5秒」に設定し(S752)、処理をS707へ移行する。
一方、S751の処理において、普図種別カウンタC5の値が「9」であると判別された場合は(S751:「9」)、処理をS705へ移行し、普通電役制御テーブル202hの規定内容に基づいて当たり状態における出没板79bの突出時間を「2秒」に設定し(S705)、処理をS707へ移行する。
これにより、遊技状態に応じて普通図柄の当たりに基づく出没板79bの突出時間を変更し、特に「確率変動状態」においては、普図種別カウンタC5の値に基づいて出没板79bの突出時間を変更することで、「確率変動状態」において遊技者が右打ちした場合に、球が出没板79bの上面を右端部から左端部まで転動しきるまで出没板79bの突出状態が維持されて特図2入賞口78へ入賞し得るか、球が出没板79bの上面を転動中に突出状態の出没板79bが没入状態に変位し、その転動位置の下方位置に配設された特図1案内部77cに球が流下し、特図1第2入賞口77bに入賞し得るか、の遊技性を生むことができる。
次いで、図37及び図38を参照して、第3実施形態における各遊技状態における遊技性、即ち、球の発射態様に基づく球の挙動と、それに伴う出没板79bの挙動とを説明する。
図37は、第3実施形態の各遊技状態において、左打ち時において交互振分ユニット71の振分入球口72から入球した球の挙動、又は、右打ち時において普通電役ユニット79の右側普通図柄ゲート76bから入球した球の挙動と、出没板79bの挙動とを説明するための模式図である。図37(a)は、第3実施形態の「通常遊技状態」における左打ち時に、交互振分ユニット71の振分入球口72から入球した球の挙動と、出没板79bの挙動とを説明するための図であり、図37(b)は、第3実施形態の「潜伏確率変動状態」における左打ち時に、交互振分ユニット71の振分入球口72から入球した球の挙動と、出没板79bの挙動と、該出没板79bの上面を転動する球の挙動とを説明するための図であり、図37(c)は、第3実施形態の「確率変動状態」における右打ち時に、出没板79bの挙動と、該出没板79bの上面を転動する球の挙動とを説明するための図である。
また、図38(a)は、第3実施形態の「確率変動状態」における左打ち時において、交互振分ユニット71の右側経路75に振り分けられた球の流下タイミングと、普通図柄の可変表示と、出没板79bの突出時間とを示したタイミングチャートであり、図38(b)は、第3実施形態の「確率変動状態」における右打ち時において、普通電役ユニット79内に流入した(右側普通図柄ゲート76bを通過した)球の流下タイミングと、普通図柄の可変表示と、出没板79bの突出時間とを示したタイミングチャートである。
なお、第3実施形態では、「通常遊技状態」および「潜伏確率変動状態」における球の挙動と出没板79bの挙動とが第1実施形態と同様であるため、その説明を省略し、「確率変動状態」における球の挙動と出没板79bの挙動とについて説明する。
まず、図37(c)で示すように、第3実施形態の「確率変動状態」において右側普通図柄ゲート76bを通過して普通電役ユニット79内に流入した球は、そのまま下流側へと流下し、右側普通図柄ゲート76bを通過してから「1秒」後に出没板79bの右端部の位置へと到達する。
この場合に、図38(b)で示すように、球が右側普通図柄ゲート76bを通過したことによって普通図柄の抽選契機が得られ、普通図柄の可変表示が開始される。そして、第3実施形態の「確率変動状態」における可変表示は、「0.5秒」行われる。右側普通図柄ゲート76bを通過した球は、該右側普通図柄ゲート76bを通過したタイミングから「1秒」後に出没板79bの右端部の位置に到達するように構成されている。よって、球が、右側普通図柄ゲート76bを通過したタイミングから出没板79bの右端部に到達する時間より、普通図柄の可変表示時間の方が短いため、球が出没板79bの右端部の位置に到達するタイミングでは、可変表示の結果が導出されている。
また、第3実施形態の「確率変動状態」では、普通図柄の当選確率が「通常遊技状態」よりも当選し易く構成されている。さらに、第3実施形態の「確率変動状態」における出没板79bの突出時間は、第1パターンで「5秒」であり、第2パターンで「2秒」であり、可変表示が開始されてから出没板79bが突出して没入するまでの合計時間は「5.5秒」又は「2.5秒」となっている。
よって、球が右側普通図柄ゲート76bを通過してから出没板79bの右端部の位置に到達するまでの間に、出没板79bが突出状態となり、いずれのパターンであってもその状態を維持している可能性が高い。その結果、出没板79bの右端部の位置に到達した球は、出没板79bの右端部と衝突し、その位置から出没板79bの上面を左端方向へ転動し、特図2入賞口78側へと案内され始める。
ここで、第3実施形態の普通電役ユニット79には、出没板79bの上面を左端方向へ球が転動する場合に、該球が衝突する複数の集約減速部79fが設けられている。この集約減速部79fは、普通電役ユニット79が遊技盤13と接する基部(図示せず)に設けられた複数の奥側集約減速部(図示せず)と、該基部の対面側に位置するカバー部(図示せず)の裏面側(基部側)に設けられた複数の手前側集約減速部(図示せず)とにより構成されている。
この集約減速部79fは、出没板79bの右端側の普通電役ユニット79に交互に均等に集約配置されていると共に、出没板79bの上面を左端方向へ球が転動する際に、球が集約減速部79fと衝突を繰り返して減速しながら転動するように構成されている。これにより、第3実施形態のパチンコ機10では、出没板79bの右端部に到達した球が、該出没板79bの上面を左端方向へ転動し、該出没板79bの左端部まで到達するまでに「2.5秒」の時間を要するように構成されている。
また、出没板79bの右端部に到達した球が、該出没板79bにおける特図1案内部77cの上方位置を転動しきるまでに「2秒」の時間を要するように集約減速部79fが配置されている。さらに、特図1案内部77cは、出没板79bから流下した球を特図1第2入賞口77bへ案内し易いように、特図1第2入賞口77bの入賞口幅より拡幅して(例えば、特図1第2入賞口77bの入賞口幅の2倍の大きさで)構成されている。その結果、出没板79bが突出状態であっても、球が集約減速部79fと衝突している間に、該出没板79bが没入状態に切り替わった場合、出没板79bの上面を転動していた球は特図1案内部77cへ流下し、特図1第2入賞口77bに入賞し得るように構成されている。
つまり、第3実施形態の「確率変動状態」における可変表示の開始から出没板79bが突出して没入するまでの時間は、第1パターンで「5.5秒」である一方、第2パターンでは「2.5秒」である。従って、出没板79bの突出時間が第1パターンの場合は、右側普通図柄ゲート76bを通過した球は、出没板79bが突出状態を維持している間に該出没板79bの上面を右端部から左端部まで転動しきり、特図2入賞口78側へと案内される。一方、出没板79bの突出時間が第2パターンの場合は、右側普通図柄ゲート76bを通過した球は、出没板79bが突出状態を維持している間に該出没板79bの上面を右端部から転動し始めるが、特図1案内部77cの上方位置を転動している途中に出没板79bが突出状態から没入状態へ変化し、その転動位置から下流側に配置された特図1案内部77cへと流下し、特図1第2入賞口77bに入賞し得る。
なお、集約減速部79fは、交互振分ユニット71の右側経路75の右側出口直下、及び、普通電役ユニット79の右側普通図柄ゲート76bの直下には配置されず、右側出口より正面視右側であって、右側普通図柄ゲート76bより正面視左側に位置するように配置される。このように構成することで、右側経路75の右側出口又は右側普通図柄ゲート76bから流下した球が、鉛直方向に流下している際に集約減速部79fと直接的に衝突しないようにすることができ、右側経路75の右側出口又は右側普通図柄ゲート76bから流下した球の予期せぬ挙動(例えば、特図2入賞口78側への流入)を発生を防止することができる。
以上、説明したように、第3実施形態のパチンコ機10によれば、「確率変動状態」における出没板79bの突出態様を、普図種別カウンタC5の値に応じて変化するように構成する。具体的には、「確率変動状態」における出没板79bの突出パターンとして、出没板79bの突出状態を「5秒」間維持して、特図2入賞口78へ入賞し易い第1パターンと、出没板79bの突出状態を「2秒」間として特図1入賞口77(特図1第2入賞口77b)に入賞し得る第2パターンとの複数のパターンを設け、「確率変動状態」においても特図1入賞口77へ入賞する遊技性を付与するように構成する。このように構成することで、「確率変動状態」において、不利な特図1入賞口77に入賞させずに有利な特図2入賞口78に継続的に入賞させて大当たりに当選させるか、という遊技性が生まれ、遊技の興趣を向上することができる。
その他、第3実施形態におけるパチンコ機10は、第1実施形態又は第2実施形態と同一の構成によって、同一の効果を奏する。
<第4実施形態>
次いで、図39から図42を参照して、第4実施形態におけるパチンコ機10について説明する。第1実施形態におけるパチンコ機10では、交互振分ユニット71と普通電役ユニット79とを正面視横方向に並列的に配置し、遊技状態に応じて左打ち遊技と右打ち遊技とを使い分け、各遊技状態毎に入賞し得る(し易い)入賞口77,78のバリエーションを異ならせることで、遊技にバリエーションを設け、遊技の興趣向上を図っている。
しかしながら、パチンコ機10は、パチンコ機10全体の横幅より縦幅の方が大きく、左右の幅にかかる設計上の制約が上下の幅にかかる設計上の制約より大きい構成となっている。従って、交互振分ユニット71と普通電役ユニット79とを横方向に並列的に配置した場合に、遊技盤13の遊技領域における所定の領域を上記交互振分ユニット71と普通電役ユニット79とで占有してしまい、他の遊技部品の設計自由度を低くする要因となるおそれがある。
また、上記遊技性を実現するために、ユニット内普通図柄ゲート76aと右側普通図柄ゲート76bとの複数の普通図柄ゲート76と、いずれかの普通図柄ゲート76への球の通過に起因して駆動される普通電役ユニット79とを設ける必要性があるため、部品点数が増加し、製造コストが上昇してしまうおそれがある。
これに対し、第4実施形態のパチンコ機10では、交互振分ユニット71の左側経路74を短く構成して、該左側経路74の左側出口下方に特図1第1入賞口77aを配設する。また、交互振分ユニット71の右側経路75に右側奥行通路75aを設けて奥行方向に長く構成して、該右側経路75の右側出口下方に特図1第2入賞口77bを配設する。そして、特図1第1入賞口77aと特図1第2入賞口77bとの間に特図2入賞口78を配設する。
また、交互振分ユニット71の左側経路74の左側出口下方位置、即ち、特図1第1入賞口77aの上方位置に左側出没板79b1を設けると共に、右側経路75の右側出口下方位置、即ち、特図1第2入賞口77bの上方位置に右側出没板79b2を設ける。また、交互振分ユニット71の振分入球口72に振分前普通図柄ゲート76cを埋設する。
そして、左側出没板79b1及び右側出没板79b2の駆動状態を常に同期(連動)して可動するように構成しつつ、遊技状態に応じて、普通図柄の可変表示時間と左側出没板79b1及び右側出没板79b2の突出時間とを変更する。このように構成することで、3つの遊技状態それぞれで入賞し得る入賞口77,78のバリエーションを異ならせて、遊技にバリエーションを設ける。
また、交互振分ユニット71に左側出没板79b1と右側出没板79b2とを配設し、交互振分ユニット71の右側に普通電役ユニット79を設ける必要がなくなるため、右側普通図柄ゲート76bも設ける必要がなくなる。このように構成することで、交互振分ユニット71の横方向に並列的に普通電役ユニット79を設けることなく上記遊技性を実現することができ、新たな遊技性を実現しつつパチンコ機10の左右方向(横方向)での交互振分ユニット71及び普通電役ユニット79の占有領域を小さくすることができる。その結果、パチンコ機10の設計自由度の向上に貢献することができる。
また、第1実施形態のように右側普通図柄ゲート76b等の部品を設ける必要がなくなるので、パチンコ機10における部品点数を少なくし、パチンコ機10の製造コストを抑制することができる。
以下、第4実施形態におけるパチンコ機10について、第1実施形態乃至第3実施形態におけるパチンコ機10と相違する点を中心に説明する。以下の説明では、第1実施形態乃至第3実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明を省略する。
ここで、図39から図42を参照して、第4実施形態の各遊技状態における遊技性、即ち、交互振分ユニット71に入球した球の挙動と、交互振分ユニット71の近傍を流下する球の挙動と、それに伴う左側出没板79b1及び右側出没板79b2の挙動とを説明する。
図39は、第4実施形態の各遊技状態において、交互振分ユニット71の振分入球口72から入球した球の挙動と、交互振分ユニット71の近傍を流下する球の挙動と、出没板79bの挙動とを説明するための模式図である。図39(a)は、第4実施形態の「通常遊技状態」における交互振分ユニット71の振分入球口72から入球した球の挙動と、出没板79bの挙動とを説明するための図である。
また、図40(a)は、第4実施形態の「通常遊技状態」において交互振分ユニット71の左側経路74に振り分けられた球の流下タイミングと、普通図柄の可変表示と、左側出没板79b1の突出時間とを示したタイミングチャートであり、図40(b)は、第4実施形態の「通常遊技状態」において交互振分ユニット71の右側経路75に振り分けられた球の流下タイミングと、普通図柄の可変表示と、右側出没板79b2の突出時間とを示したタイミングチャートである。
まず、図39(a)で示すように、第4実施形態の「通常遊技状態」において交互振分ユニット71に入球した球は、振分入球口72に埋設された振分前普通図柄ゲート76cを通過し、その「0.1秒」後に振分装置73に到達する。そして、振分装置73によって左側経路74に振り分けられ、該振分装置73によって振り分けられたタイミングから「1.5秒」後に左側経路74の左側出口から流出する。
この場合に、図40(a)で示すように、球が交互振分ユニット71の振分入球口72に入球した場合に、振分入球口72に埋設された振分前普通図柄ゲート76cを通過し、その「0.1秒」後に振分装置73に到達して、左側経路74へ振り分けられる。そして、球が振分装置73により左側経路74に振り分けられた場合、振り分けられたタイミングから「1.5秒」後に左側経路74の左側出口から流出するように構成されている。また、振分前普通図柄ゲート76cを球が通過したことによって普通図柄の抽選契機が得られ、普通図柄の保留球が存在しないことを条件に普通図柄の可変表示が開始される。
第4実施形態の「通常遊技状態」における可変表示は、「3秒」行われる。よって、球が振分前普通図柄ゲート76cを通過したタイミングから左側経路74の左側出口から流出するまでに要する時間より、普通図柄の可変表示時間の方が長いため、可変表示の結果が導出される前に左側出没板79b1の配設位置を通過して、特図1第1入賞口77aへ入賞する。
ここで、第4実施形態では、振分前普通図柄ゲート76cの埋設位置が、振分装置73に振り分けられる前の振分入球口72となっており、振分入球口72を暫く流下していることから安定した挙動となっている蓋然性が高い。よって、振分前普通図柄ゲート76cによって安定した挙動となっている球を検知することができ、チャタリングの発生を防止することができる。
図39(a)に戻って説明を続ける。図39(a)で示すように、第4実施形態の「通常遊技状態」において左側経路74へ振り分けれらた球の次に交互振分ユニット71に入球した球は、振分入球口72に埋設された振分前普通図柄ゲート76cを通過し、その「0.1秒」後に振分装置73に到達する。そして、振分装置73によって右側経路75に振り分けられ、交互振分ユニット71を正面視した状態で奥へ向かう方向にやや下り坂で傾斜(図面上は省略)する所定長さ(例えば、5センチメートル)の奥方向通路(図示せず)と該奥方向通路から手前方向に折り返してやや下り坂で傾斜(図面上は省略)する所定長さ(例えば、5センチメートル)の手前方向通路(図示せず)とにより構成される右側奥行通路75aを通過し、振分装置73によって振り分けられたタイミングから「5秒」後に右側経路75の右側出口から流出する。
この場合に、図40(b)で示すように、球が交互振分ユニット71の振分入球口72に入球した場合に、振分入球口72に埋設された振分前普通図柄ゲート76cを通過し、その「0.1秒」後に振分装置73に到達して、右側経路75へ振り分けられる。そして、球が振分装置73により右側経路75に振り分けられた場合、振り分けられたタイミングから「5秒」後に右側経路75の左側出口から流出するように構成されている。また、振分前普通図柄ゲート76cを球が通過したことによって普通図柄の抽選契機が得られ、普通図柄の保留球が存在しないことを条件に普通図柄の可変表示が開始される。
第4実施形態の「通常遊技状態」における可変表示は、「3秒」行われる。また、第4実施形態の「通常遊技状態」において、普通図柄の可変表示に当選した場合、左側出没板79b1及び右側出没板79b2は「2秒」間、突出するように構成されている。よって、球が振分前普通図柄ゲート76cを通過したタイミングから右側経路75の右側出口から流出するまでに要する時間より、普通図柄の可変表示時間と右側出没板79b2の突出時間との合計時間の方が短いため、振分装置73によって右側経路75に振り分けられた球は、可変表示の結果が導出されて右側出没板79b2が突出してから没入した後で右側出没板79b2の配設位置を通過して、そのまま特図1第1入賞口77aへ入賞する。
なお、第4実施形態の「通常遊技状態」において、左側出没板79b1及び右側出没板79b2の突出時間を「2秒」に設定しているが、この構成の場合、左側出没板79b1及び右側出没板79b2の突出時間が長いため、交互振分ユニット71の近傍を流下する球が左側出没板79b1又は右側出没板79b2によって特図1入賞口77又は特図2入賞口78へ誘導される可能性が高くなる。よって、「通常遊技状態」において左側出没板79b1又は右側出没板79b2によって特図1入賞口77又は特図2入賞口78に入賞させ難くするために、左側出没板79b1及び右側出没板79b2の突出時間を短時間(例えば、「0.1秒」)に設定するように構成してもよい。このように構成することで、「通常遊技状態」において、交互振分ユニット71に流入した球のみが特図1入賞口77に入賞し得るようにすることができる。
このように、第4実施形態の「通常遊技状態」では、交互振分ユニット71に入球した球は、特図1第1入賞口77aか、特図1第2入賞口77bかのいずれかに交互に入賞するため、第1特別図柄の第1抽選遊技が実行され得る遊技が行われるように構成されている。
なお、第4実施形態の「通常遊技状態」において、普通図柄の可変表示が実行されている間、又は、左側出没板79b1及び右側出没板79b2が突出状態を維持している間に、交互振分ユニット71に球が入球して、振分前普通図柄ゲート76cを通過してしまうと、普通図柄の可変表示時間と左側出没板79b1及び右側出没板79b2の突出時間との遊技バランスが崩れ、球が左側出没板79b1又は右側出没板79b2によって特図2入賞口78側へ案内されるおそれがある。そこで、交互振分ユニット71の振分入球口72の手前側に、一定間隔(例えば、普通図柄の可変表示時間である「3秒」、又は、普通図柄の可変表示時間と左側出没板79b1及び右側出没板79b2の突出時間とを合計した時間である「5秒」)で交互振分ユニット71に球を流入させる流入一定間隔装置(例えば、回転体等)を設けるように構成してもよい。このように構成することで、普通図柄の可変表示の実行時間と左側出没板79b1及び右側出没板79b2の突出時間とのバランスで構成される「通常遊技状態」の遊技性を確実に実現することができる。
次いで、図39(b)及び図41を参照して、第4実施形態の「潜伏確率変動状態」における遊技性について説明する。
図39(b)は、第4実施形態の「潜伏確率変動状態」における交互振分ユニット71の振分入球口72から入球した球の挙動と、交互振分ユニット71の近傍を流下する球の挙動と、左側出没板79b1及び右側出没板79b2の挙動と、該左側出没板79b1又は右側出没板79b2の上面を転動する球の挙動とを説明するための図である。
また、図41(a)は、第4実施形態の「潜伏確率変動状態」において交互振分ユニット71の左側経路74に振り分けられた球の流下タイミングと、普通図柄の可変表示と、左側出没板79b1の突出時間とを示したタイミングチャートであり、図41(b)は、第4実施形態の「潜伏確率変動状態」において交互振分ユニット71の右側経路75に振り分けられた球の流下タイミングと、普通図柄の可変表示と、右側出没板79b2の突出時間とを示したタイミングチャートである。
まず、図39(b)で示すように、第4実施形態の「潜伏確率変動状態」において交互振分ユニット71に入球した球は、振分入球口72に埋設された振分前普通図柄ゲート76cを通過し、その「0.1秒」後に振分装置73に到達する。そして、振分装置73によって左側経路74に振り分けられ、該振分装置73によって振り分けられたタイミングから「1.5秒」後に左側経路74の左側出口から流出する。
この場合に、図41(a)で示すように、球が交互振分ユニット71の振分入球口72に入球した場合に、振分入球口72に埋設された振分前普通図柄ゲート76cを通過し、その「0.1秒」後に振分装置73に到達して、左側経路74へ振り分けられる。そして、球が振分装置73により左側経路74に振り分けられた場合、振り分けられたタイミングから「1.5秒」後に左側経路74の左側出口から流出するように構成されている。また、振分前普通図柄ゲート76cを球が通過したことによって普通図柄の抽選契機が得られ、普通図柄の保留球が存在しないことを条件に普通図柄の可変表示が開始される。
第4実施形態の「潜伏確率変動状態」における可変表示は、「0.5秒」行われる。よって、球が振分前普通図柄ゲート76cを通過したタイミングから左側経路74の左側出口から流出するまでに要する時間より、普通図柄の可変表示時間の方が短いため、球が左側出没板79b1の右側部分の位置に到達するタイミングでは、可変表示の結果が導出されている。
また、第4実施形態の「潜伏確率変動状態」では、普通図柄の当選確率が「通常遊技状態」よりも当選し易く構成されている。さらに、第4実施形態の「潜伏確率変動状態」における左側出没板79b1(及び右側出没板79b2)の突出時間は「通常遊技状態」と同様の「2秒」であるが、可変表示が開始されてから左側出没板79b1(及び右側出没板79b2)が突出して没入するまでの合計時間は「2.5秒」となっている。
よって、球が振分前普通図柄ゲート76cを通過してから左側出没板79b1の右側部分の位置に到達するまでの間に、左側出没板79b1が突出状態となり、その状態を維持している可能性が高い。その結果、左側経路74の左側出口から流出して左側出没板79b1の右側部分の位置に到達した球は、左側出没板79b1の上面を右端方向へ転動し、左側出没板79b1の右端部から特図2入賞口78へと案内される。
ここで、図39(b)で示すように、第4実施形態のパチンコ機10では、左側出没板79b1の右側部分が特図1第1入球口77aの上方位置に配置され、左側出没板79b1の左側部分が交互振分ユニット71の外形より外方(左側)に突出するように配置されている。また、左側出没板79b1の上面を転動する際に球と衝突する左外側減速部79gおよび左内側減速部79hが、左側経路74から特図1第1入賞口77aへの球の流下スペースへは配設されていない。即ち、左側出没板79b1の上面を転動する球と衝突する減速部79g,79hとして、該流下スペースの左側(即ち、交互振分ユニット71外側)に設けられた左外側減速部79gと、上記流下スペースの右側(即ち、交互振分ユニット71内側)に設けられた左内側減速部79hとが構成されている。
第4実施形態において、左側出没板79b1が突出状態である場合に、交互振分ユニット71の左側経路74に流入した球は、突出状態の左側出没板79b1の右側部分と衝突し、該左側出没板79b1の傾斜によって該左側出没板79b1の上面を遊技盤13(図3参照)の正面視右側、即ち、特図2入賞口78側へと転動する。
具体的には、左側出没板79b1の右側部分から該左側出没板79b1の上面を転動する球は、左内側減速部79hと衝突して、その衝突によって進行方向が変更されて左側出没板79b1の上面を転動しながら、該左側出没板79b1の右端部から流出する。第4実施形態では、左側経路74の左側出口から流出した球が左側出没板79b1の右端部まで転動するために要する時間は「1秒」かかるように構成されている。
また、同じく左側出没板79b1が突出状態である場合に、交互振分ユニット71の左外側を流下した球は、突出状態の左側出没板79b1の左側部分と衝突し、該左側出没板79b1の傾斜によって該左側出没板79b1の上面を遊技盤13(図3参照)の正面視右側、即ち、交互振分ユニット71側へと転動する。
具体的には、左側出没板79b1の左側部分から該左側出没板79b1の上面を転動する球は、複数の左外側減速部79gと衝突して進行方向が変更されて左側出没板79b1の上面を転動しながら、左側出没板79b1における上記流下スペースに到達する。第4実施形態では、左側出没板79b1の左側部分から上記流下スペースまで転動するために要する時間は「1.5秒」かかるように構成されている。
即ち、第4実施形態では、左側出没板79b1の上記流下スペースから右端部まで転動するために要する時間は「1秒」かかるように構成されているため、左側出没板79b1の左端部から右端部まで転動するために要する時間は「1.5秒」+「1秒」=「2.5秒」かかるように構成されている。
従って、第4実施形態のパチンコ機10では、「潜伏確率変動状態」において、交互振分ユニット71の左外側を流下する球が左側出没板79b1の左端部から右端部まで転動している間に、該左側出没板79b1の突出状態が没入状態へ変位するように構成されている。よって、「潜伏確率変動状態」において、交互振分ユニット71の左外側を流下する球が特図2入賞口78へ入賞することを防止して、特図1第1入賞口77aへのみ入賞し得る。
図39(b)に戻って説明を続ける。図39(b)で示すように、第4実施形態の「潜伏確率変動状態」において左側経路74へ振り分けれらた球の次に交互振分ユニット71に入球した球は、振分入球口72に埋設された振分前普通図柄ゲート76cを通過し、その「0.1秒」後に振分装置73に到達する。そして、振分装置73によって右側経路75に振り分けられ、交互振分ユニット71の右側奥行通路75aを通過し、振分装置73によって振り分けられたタイミングから「5秒」後に右側経路75の右側出口から流出する。
この場合に、図41(b)で示すように、球が交互振分ユニット71の振分入球口72に入球した場合に、振分入球口72に埋設された振分前普通図柄ゲート76cを通過し、その「0.1秒」後に振分装置73に到達して、右側経路75へ振り分けられる。そして、球が振分装置73により右側経路75に振り分けられた場合、振り分けられたタイミングから「5秒」後に右側経路75の右側出口から流出するように構成されている。また、振分前普通図柄ゲート76cを球が通過したことによって普通図柄の抽選契機が得られ、普通図柄の保留球が存在しないことを条件に普通図柄の可変表示が開始される。
第4実施形態の「潜伏確率変動状態」における可変表示は、「0.5秒」行われる。また、第4実施形態の「潜伏確率変動状態」において、普通図柄の可変表示に当選した場合、左側出没板79b1及び右側出没板79b2は「2秒」間、突出するように構成されている。よって、球が振分前普通図柄ゲート76cを通過したタイミングから右側経路75の右側出口から流出するまでに要する時間より、普通図柄の可変表示時間と右側出没板79b2の突出時間との合計時間の方が短いため、振分装置73によって右側経路75に振り分けられた球は、可変表示の結果が導出されて右側出没板79b2が突出してから没入した後で右側出没板79b2の配設位置を通過して、そのまま特図1第1入賞口77aへ入賞する。
ここで、図39(b)で示すように、第4実施形態のパチンコ機10では、右側出没板79b2の左側部分が特図1第2入球口77bの上方位置に配置され、右側出没板79b2の右側部分が交互振分ユニット71の外形より外方(右側)に突出するように配置されている。また、右側出没板79b2の上面を転動する際に球と衝突する右外側減速部79i及び右内側減速部79jが、右側経路75から特図1第2入賞口77bへの球の流下スペースへは配設されていない。即ち、右側出没板79b2の上面を転動する球と衝突する減速部79i,79jとして、該流下スペースの右側(即ち、交互振分ユニット71外側)に設けられた右外側減速部79iと、上記流下スペースの左側(即ち、交互振分ユニット71内側)に設けられた右内側減速部79jとが構成されている。
第4実施形態において、右側出没板79b2が突出状態である場合に、交互振分ユニット71の右外側を流下した球は、突出状態の右側出没板79b2の右側部分と衝突し、該右側出没板79b2の傾斜によって該右側出没板79b2の上面を遊技盤13(図3参照)の正面視左側、即ち、交互振分ユニット71側へと転動する。
具体的には、右側出没板79b2の右側部分から該右側出没板79b2の上面を転動する球は、複数の右外側減速部79iと衝突して進行方向が変更されて右側出没板79b2の上面を左端方向へ転動しながら、右側出没板79b2における上記流下スペースに到達する。第4実施形態では、右側出没板79b2の右端部から上記流下スペースまで転動するために要する時間は「1.5秒」かかるように構成されている。
即ち、第4実施形態では、右側出没板79b2の上記流下スペースから左端部まで転動するために要する時間は「1秒」かかるように構成されているため、右側出没板79b2の右端部から左端部まで転動するために要する時間は「1.5秒」+「1秒」=「2.5秒」かかるように構成されている。
従って、第4実施形態のパチンコ機10では、「潜伏確率変動状態」において、交互振分ユニット71の右外側を流下する球が右側出没板79b2の右端部から左端部まで転動している間に、該右側出没板79b2の突出状態が没入状態へ変位するように構成されている。よって、「潜伏確率変動状態」において、交互振分ユニット71の右外側を流下する球が特図2入賞口78へ入賞することを防止して、特図1第2入賞口77bへ入賞し得るように構成されている。
このように、第4実施形態の「潜伏確率変動状態」では、交互振分ユニット71に入球した球は、特図1第2入賞口77bか、特図2入賞口78かのいずれかに交互に入賞すると共に、交互振分ユニット71の外側近傍を流下する球が特図1第1入賞口77a又は特図1第2入賞口77bに入賞し得るため、第1特別図柄の第1抽選遊技と、第2特別図柄の第2抽選遊技とが実行される遊技が行われるように構成されている。
次いで、図39(c)及び図42を参照して、第4実施形態の「確率変動状態」における遊技性について説明する。
図39(c)は、第4実施形態の「確率変動状態」における交互振分ユニット71の振分入球口72から入球した球の挙動と、交互振分ユニット71の近傍を流下する球の挙動と、左側出没板79b1及び右側出没板79b2の挙動と、該左側出没板79b1又は右側出没板79b2の上面を転動する球の挙動とを説明するための図である。
また、図42(a)は、第4実施形態の「確率変動状態」において交互振分ユニット71の左側経路74に振り分けられた球の流下タイミングと、普通図柄の可変表示と、左側出没板79b1の突出時間とを示したタイミングチャートであり、図42(b)は、第4実施形態の「確率変動状態」において交互振分ユニット71の右側経路75に振り分けられた球の流下タイミングと、普通図柄の可変表示と、右側出没板79b2の突出時間とを示したタイミングチャートである。
まず、図39(c)で示すように、第4実施形態の「確率変動状態」において交互振分ユニット71に入球した球は、振分入球口72に埋設された振分前普通図柄ゲート76cを通過し、その「0.1秒」後に振分装置73に到達する。そして、振分装置73によって左側経路74に振り分けられ、該振分装置73によって振り分けられたタイミングから「1.5秒」後に左側経路74の左側出口から流出する。
この場合に、図42(a)で示すように、球が交互振分ユニット71の振分入球口72に入球した場合に、振分入球口72に埋設された振分前普通図柄ゲート76cを通過し、その「0.1秒」後に振分装置73に到達して、左側経路74へ振り分けられる。そして、球が振分装置73により左側経路74に振り分けられた場合、振り分けられたタイミングから「1.5秒」後に左側経路74の左側出口から流出するように構成されている。また、振分前普通図柄ゲート76cを球が通過したことによって普通図柄の抽選契機が得られ、普通図柄の保留球が存在しないことを条件に普通図柄の可変表示が開始される。
第4実施形態の「確率変動状態」における可変表示は、「潜伏確率変動状態」と同様、「0.5秒」行われる。よって、球が振分前普通図柄ゲート76cを通過したタイミングから左側出口から流出するまでに要する時間より、普通図柄の可変表示時間の方が短いため、球が左側出没板79b1の右側部分の位置に到達するタイミングでは、可変表示の結果が導出されている。
また、第4実施形態の「確率変動状態」では、「潜伏確率変動状態」と同様、普通図柄の当選確率が「通常遊技状態」よりも当選し易く構成されている。さらに、第4実施形態の「確率変動状態」における左側出没板79b1(及び右側出没板79b2)の突出時間は「通常遊技状態」より長い「5秒」であり、可変表示が開始されてから左側出没板79b1(及び右側出没板79b2)が突出して没入するまでの合計時間は「5.5秒」となっている。
よって、球が振分前普通図柄ゲート76cを通過してから左側出没板79b1の右側部分の位置に到達するまでの間に、左側出没板79b1が突出状態となり、その状態を維持している可能性が高い。その結果、左側経路74の左側出口から流出して左側出没板79b1の右側部分の位置に到達した球は、左側出没板79b1の上面を右端方向へ転動し、左側出没板79b1の右端部から特図2入賞口78へと案内される。
また、上述したように、左側出没板79b1の右側部分から該左側出没板79b1の上面を右端方向へ転動する球は、左内側減速部79hと衝突して、左側経路74の左側出口から流出した球が左側出没板79b1の右端部まで転動するために要する時間は「1秒」かかるように構成されている。また、左側出没板79b1の左側部分から該左側出没板79b1の上面を右端方向へ転動する球は、複数の左外側減速部79g及び複数の左内側減速部79hと衝突して、左側出没板79b1の左端部から右端部まで転動するために要する時間は「2.5秒」かかるように構成されている。
従って、第4実施形態のパチンコ機10では、「確率変動状態」において、交互振分ユニット71の左外側を流下する球が左側出没板79b1の左端部から右端部まで転動している間に、該左側出没板79b1の突出状態が維持されている。よって、「確率変動状態」において、交互振分ユニット71の左外側を流下する球は、突出状態の左側出没板79b1の上面を右端方向へ転動して特図2入賞口78へ入賞し得る。
図39(c)に戻って説明を続ける。図39(c)で示すように、第4実施形態の「確率変動状態」において左側経路74へ振り分けれらた球の次に交互振分ユニット71に入球した球は、振分入球口72に埋設された振分前普通図柄ゲート76cを通過し、その「0.1秒」後に振分装置73に到達する。そして、振分装置73によって右側経路75に振り分けられ、交互振分ユニット71の右側奥行通路75aを通過し、振分装置73によって振り分けられたタイミングから「5秒」後に右側経路75の右側出口から流出する。
この場合に、図42(b)で示すように、球が交互振分ユニット71の振分入球口72に入球した場合に、振分入球口72に埋設された振分前普通図柄ゲート76cを通過し、その「0.1秒」後に振分装置73に到達して、右側経路75へ振り分けられる。そして、球が振分装置73により右側経路75に振り分けられた場合、振り分けられたタイミングから「5秒」後に右側経路75の右側出口から流出するように構成されている。また、振分前普通図柄ゲート76cを球が通過したことによって普通図柄の抽選契機が得られ、普通図柄の保留球が存在しないことを条件に普通図柄の可変表示が開始される。
第4実施形態の「確率変動状態」における可変表示は、「0.5秒」行われる。よって、球が振分前普通図柄ゲート76cを通過したタイミングから右側経路75の右側出口から流出するまでに要する時間より、普通図柄の可変表示時間の方が短いため、球が右側出没板79b2の左側部分の位置に到達するタイミングでは、可変表示の結果が導出されている。
また、第4実施形態の「確率変動状態」では、普通図柄の当選確率が「通常遊技状態」よりも当選し易く構成されている。さらに、第4実施形態の「確率変動状態」における右側出没板79b2(及び左側出没板79b1)の突出時間は「5秒」であり、可変表示が開始されてから右側出没板79b2(及び左側出没板79b1)が突出して没入するまでの合計時間は「5.5秒」となっている。
よって、球が振分前普通図柄ゲート76cを通過してから右側出没板79b2の左側部分の位置に到達するまでの間に、右側出没板79b2が突出状態となり、その状態を維持している可能性が高い。その結果、右側経路75の右側出口から流出して右側出没板79b2の左側部分の位置に到達した球は、右側出没板79b2の上面を左端方向へ転動し、右側出没板79b2の左端部から特図2入賞口78へと案内される。
また、上述したように、右側出没板79b2の左側部分から該右側出没板79b2の上面を左端方向へ転動する球は、右内側減速部79jと衝突して、右側経路75の右側出口から流出した球が右側出没板79b2の左端まで転動するために要する時間は「1秒」かかるように構成されている。また、右側出没板79b2の右側部分から該右側出没板79b2の上面を左端方向へ転動する球は、複数の右外側減速部79i及び複数の右内側減速部79jと衝突して、右側出没板79b2の右端部から左端部まで転動するために要する時間は「2.5秒」かかるように構成されている。
従って、第4実施形態のパチンコ機10では、「確率変動状態」において、交互振分ユニット71の右外側を流下する球が右側出没板79b2の右端部から左端部まで転動している間に、該右側出没板79b2の突出状態が維持されている。よって、「確率変動状態」において、交互振分ユニット71の右外側を流下する球は、突出状態の右側出没板79b2の上面を左端方向へ転動して特図2入賞口78へ入賞し得る。
このように、第4実施形態の「確率変動状態」では、交互振分ユニット71に入球した球は、特図2入賞口78に入賞すると共に、交互振分ユニット71の外側近傍を流下する球も特図2入賞口78に入賞し得るため、第2特別図柄の第2抽選遊技が実行され易い遊技が行われるように構成されている。
以上、説明したように、第4実施形態のパチンコ機10によれば、単一の発射態様(即ち、左打ち遊技)であっても、「通常遊技状態」において特図1第1入賞口77a又は特図1第2入賞口77bへの入賞に基づく第1特別図柄の第1抽選遊技による遊技を行わせ、「潜伏確率変動状態」において特図1第1入賞口77aへの入賞に基づく第1特別図柄の第1抽選遊技と特図2入賞口78への入賞に基づく第2特別図柄の第2抽選遊技とによる遊技を行わせ、「確率変動状態」において特図2入賞口78への入賞に基づく第2特別図柄の第2抽選遊技による遊技を行わせることができる。よって、複数の発射態様によらず3つの遊技状態それぞれで入賞し得る入賞口77,78のバリエーションを異ならせることで、遊技にバリエーションを設け、遊技の興趣を向上することができる。
また、交互振分ユニット71の左右方向(横方向)に並列的に普通電役ユニット79を設けることなく上記遊技性を実現することができ、新たな遊技性を実現しつつ、パチンコ機10の左右方向(横方向)での交互振分ユニット71(及び普通電役ユニット79)の占有領域を小さくすることができる。その結果、パチンコ機10の設計自由度の向上に貢献することができる。
さらに、右側普通図柄ゲート76b等の部品を設ける必要がなくなるので、パチンコ機10における部品点数を少なくし、パチンコ機10の製造コストを抑制することができる。
その他、第4実施形態におけるパチンコ機10は、第1実施形態乃至第3実施形態と同一の構成によって、同一の効果を奏する。
<第5実施形態>
次いで、図43から図46を参照して、第5実施形態におけるパチンコ機10について説明する。第1実施形態におけるパチンコ機10では、遊技状態に応じて左打ち遊技と右打ち遊技とを使い分け、各遊技状態毎に入賞し得る(し易い)入賞口77,78のバリエーションを異ならせることで、遊技にバリエーションを設け、遊技の興趣向上を図っている。
この遊技性を実現するために、交互振分ユニット71の右側部分に設けられた特図1第2入賞口77bの上方部分を球が通過可能なように出没板79bを配設し、「確率変動状態」において遊技者に右打ち遊技を実行させて、出没板79bを突出状態に維持している間に、特図2入賞口78に球を案内するように構成されている。
しかしながら、出没板79bの突出時間が終了し、出没板79bを突出状態から没入状態に変位させる場合に、特図1第2入賞口77bの上方部分に位置する出没板79bの上面を転動していた球が特図1第2入賞口77bに入賞してしまい、遊技者にとって不利な第1抽選遊技が実行されるおそれがある。
これに対し、第5実施形態のパチンコ機10では、交互振分ユニット71の右外側に外側特図2入賞口78aを配置する。また、右側普通図柄ゲート76bの下方には右側分離出没板79b4を配置すると共に、交互振分ユニット71の特図1第2入賞口77bの上方にはユニット側分離出没板79b3を配置する。
そして、ユニット側分離出没板79b3及び右側分離出没板79b4を常に連動(即ち、ユニット側分離出没板79b3が没入状態である場合は、右側分離出没板79b4も没入状態とし、また、ユニット側分離出没板79b3が突出状態となる場合は、右側分離出没板79b4も突出状態となるように駆動制御)しつつ、遊技状態に応じて、普通図柄の可変表示時間とユニット側分離出没板79b3及び右側分離出没板79b4の突出時間とを変更する。このように構成することで、3つの遊技状態それぞれで入賞し得る入賞口77、78のバリエーションを異ならせて、遊技にバリエーションを設ける。
また、外側特図2入賞口78aを交互振分ユニット71の外側に配置し、右打ちした場合であっても特図1第2入賞口77bの上方を球が通過しないように構成することで、ユニット側分離出没板79b3及び右側分離出没板79b4を突出状態から没入状態に変位させたときに、右側分離出没板79b4の上面を転動している球が特図1第2入賞口77bに入賞してしまうことを防止することができる。よって、「確率変動状態」において、遊技者にとって有利な外側特図2入賞口78aへのみ球を入賞させることができ、上記遊技性を実現することができる。
さらに、特図1第2入賞口77bの上方位置にユニット側分離出没板79b3を配置し、ユニット側分離出没板79b3が突出状態を維持している場合に特図1第2入賞口77bを塞いで該特図1第2入賞口77bへの球の入賞を防止するように構成されている。よって、「確率変動状態」において、右側分離出没板79b4の上面を転動した球が勢いよく流下し、特図1第2入賞口77b側まで転動してしまった場合であっても、ユニット側分離出没板79b3によって特図1第2入賞口77bへの入賞を防ぎ、再び外側特図2入賞口78a側へ球を案内することができる。よって、「確率変動状態」において、遊技者にとって有利な外側特図2入賞口78aへのみ球を入賞させることができ、上記遊技性を確実に実現することができる。
以下、第5実施形態におけるパチンコ機10について、第1実施形態乃至第4実施形態におけるパチンコ機10と相違する点を中心に説明する。以下の説明では、第1実施形態乃至第4実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明を省略する。
まず、図43から図46を参照して、第5実施形態の各遊技状態における遊技性、即ち、球の発射態様に基づく球の挙動と、それに伴うユニット側分離出没板79b3及び右側分離出没板79b4の挙動とを説明する。
図43は、第5実施形態の各遊技状態において、左打ち時において交互振分ユニット71の振分入球口72から入球した球の挙動、又は、右打ち時において普通電役ユニット79の右側普通図柄ゲート76bから入球した球の挙動と、ユニット側分離出没板79b3及び右側分離出没板79b4の挙動とを説明するための模式図である。図43(a)は、第5実施形態の「通常遊技状態」における左打ち時に、交互振分ユニット71の振分入球口72から入球した球の挙動と、ユニット側分離出没板79b3及び右側分離出没板79b4の挙動とを説明するための図であり、図43(b)は、第5実施形態の「潜伏確率変動状態」における左打ち時に、交互振分ユニット71の振分入球口72から入球した球の挙動と、ユニット側分離出没板79b3及び右側分離出没板79b4の挙動と、該ユニット側分離出没板79b3の上面を転動する球の挙動とを説明するための図であり、図43(c)は、第5実施形態の「確率変動状態」における右打ち時に、右側分離出没板79b4の挙動と、該右側分離出没板79b4の上面を転動する球の挙動とを説明するための図である。
また、図44(a)は、第5実施形態の「通常遊技状態」における左打ち時において、交互振分ユニット71の右側経路75に振り分けられた球の流下タイミングと、普通図柄の可変表示と、ユニット側分離出没板79b3の突出時間とを示したタイミングチャートであり、図44(b)は、第5実施形態の「通常遊技状態」における右打ち時において、普通電役ユニット79内に流入した(右側普通図柄ゲート76bを通過した)球の流下タイミングと、普通図柄の可変表示と、右側分離出没板79b4の突出時間とを示したタイミングチャートである。
なお、第5実施形態における交互振分ユニット71および普通電役ユニット79の構成において、第1実施形態と相違する点は、交互振分ユニット71の左側経路74の構成と、ユニット側分離出没板79b3及び右側分離出没板79b4の構成と、外側特図2入賞口78aの配設位置と、普通電役ユニット79における右側減速部79kの配設位置とが異なっている点である。その他の構成については、第1実施形態と同一であるため、その説明を省略する。
まず、図43(a)で示すように、第5実施形態の「通常遊技状態」において振分装置73によって左側経路74に振り分けられた球は、振分装置73から振り分けられてから「1秒」後に左側出口から流出し、該左側出口の下方に配置された特図1第1入賞口77aに入賞する。
一方、第5実施形態の「通常遊技状態」において振分装置73によって右側経路75に振り分けられた球は、まず、振分装置73から振り分けられた「0.1秒」後にユニット内普通図柄ゲート76aを通過し、該ユニット内普通図柄ゲート76aを通過してから「1.9秒」後に右側出口から流出する。
従って、交互振分ユニット71に入球した球は、左側経路74に振り分けられた場合には、振分装置73による振り分けから「1秒」後に特図1第1入賞口77aへ入賞し、右側経路75に振り分けられた場合には、振分装置73による振り分けから「2秒」後に特図1第2入賞口77bへ入賞する。その結果、各入賞口77a,77bへ入賞するタイミングにタイムラグが生じることから、同じ第1特別図柄の第1抽選遊技に関する入賞であっても、入賞した入賞口77a,77bを遊技者が把握することが可能となる。
また、左側経路74を短く(コンパクトに)することで、交互振分ユニット71全体の占有領域を小さくすることができ、パチンコ機10の設計自由度の向上に貢献することができる。
この場合に、図44(a)で示すように、球が振分装置73により右側経路75に振り分けられた場合、振り分けられたタイミングから「2秒」後に右側経路75の右側出口から流出するように構成されている。また、球が右側経路75に振り分けられてから「0.1秒」後に右側経路75に埋設されたユニット内普通図柄ゲート76aを通過し、該ユニット内普通図柄ゲート76aを通過したことによって普通図柄の抽選契機が得られ、普通図柄の保留球が存在しないことを条件に普通図柄の可変表示が開始される。
第5実施形態の「通常遊技状態」における可変表示は、「3秒」行われる。よって、球がユニット内普通図柄ゲート76aを通過したタイミングから右側出口から流出するまでに要する時間より、普通図柄の可変表示時間の方が長いため、可変表示の結果が導出される前にユニット側分離出没板79b3の配設位置を通過して、そのまま特図1第2入賞口77bへ入賞する。
なお、図44(b)で示すように、「通常遊技状態」において右打ちが行われた場合は、右側普通図柄ゲート76bを通過した球は、「1秒」後に右側分離出没板79b4の右端部の位置に到達する。また、「通常遊技状態」における普通図柄の可変表示時間は「3秒」行われるため、右側普通図柄ゲート76bの通過に基づく普通図柄の可変表示が終了する前、即ち、可変表示に基づいて右側分離出没板79b4が突出状態となる前に、普通電役ユニット79の下流側(遊技盤13下方側)へ流出する。
また、球が連続的に入球した場合であっても、「通常遊技状態」では普通図柄の当たりが発生し難く、また、当たりとなって右側分離出没板79b4が突出状態を維持する時間が「2秒」であって、右側減速部79k(図43(a)〜図43(c)参照)により右側分離出没板79b4の上面を右端部から左端部まで転動するために要する時間は「2.5秒」となる。
その結果、右側分離出没板79b4が突出状態を維持している間に外側特図2入賞口78a側まで転動することなく、該右側分離出没板79b4の上面を転動している最中に該右側分離出没板79b4が没入状態に変位した場合に普通電役ユニット79の下流側(遊技盤13下方側)へと流下する。さらに、「通常遊技状態」において右側普通図柄ゲート76bが球の通過を検知した場合には、警報音を鳴らすように構成されている。その結果、遊技者に、「通常遊技状態」において右打ち遊技を行わせることなく、左打ち遊技を行わせることができる。
このように、第5実施形態の「通常遊技状態」では、左打ちの遊技によって交互振分ユニット71に入球した球は、特図1第1入賞口77aか、特図1第2入賞口77bかのいずれかに交互に入賞するため、第1特別図柄の第1抽選遊技が実行され得る遊技が行われるように構成されている。
次いで、図43(b)及び図45を参照して、第5実施形態の「潜伏確率変動状態」における遊技性について説明する。
図43(b)は、第5実施形態の「潜伏確率変動状態」における左打ち時において、交互振分ユニット71の振分入球口72から入球した球の挙動と、ユニット側分離出没板79b3の挙動と、該ユニット側分離出没板79b3の上面を転動する球の挙動とを説明するための模式図である。
また、図45(a)は、第5実施形態の「潜伏確率変動状態」における左打ち時において、交互振分ユニット71の右側経路75に振り分けられた球の流下タイミングと、普通図柄の可変表示と、ユニット側分離出没板79b3の突出時間とを示したタイミングチャートであり、図45(b)は、第5実施形態の「潜伏確率変動状態」における右打ち時において、普通電役ユニット79内に流入した(右側普通図柄ゲート76bを通過した)球の流下タイミングと、普通図柄の可変表示と、右側分離出没板79b4の突出時間とを示したタイミングチャートである。
まず、図43(b)で示すように、第5実施形態の「潜伏確率変動状態」において振分装置73によって左側経路74に振り分けられた球は、「通常遊技状態」と同様、振分装置73から振り分けられてから「1秒」後に左側経路74の左側出口から流出し、該左側出口の下方に配置された特図1第1入賞口77aに入賞する。
一方、第5実施形態の「潜伏確率変動状態」において振分装置73によって右側経路75に振り分けられた球は、まず、振分装置73から振り分けられてから「0.1秒」後にユニット内普通図柄ゲート76aを通過し、該ユニット内普通図柄ゲート76aを通過してから「1.9秒」後に右側経路75の右側出口から流出する。
この場合に、図45(a)で示すように、球が振分装置73により右側経路75に振り分けられた場合、振り分けられたタイミングから「2秒」後に右側経路75の右側出口から流出するように構成されている。また、球が右側経路75に振り分けられてから「0.1秒」後に右側経路75に埋設されたユニット内普通図柄ゲート76aを通過し、該ユニット内普通図柄ゲート76aを通過したことによって普通図柄の抽選契機が得られ、普通図柄の可変表示が開始される。
第5実施形態の「潜伏確率変動状態」における可変表示は、「0.5秒」行われる。よって、球がユニット内普通図柄ゲート76aを通過したタイミングから右側経路75の右側出口から流出するまでに要する時間より、普通図柄の可変表示時間の方が短いため、球がユニット側分離出没板79b3の配設位置に到達するタイミングでは、可変表示の結果が導出されている。
また、第5実施形態の「潜伏確率変動状態」では、普通図柄の当選確率が「通常遊技状態」よりも当選し易く構成されている。さらに、第5実施形態の「潜伏確率変動状態」におけるユニット側分離出没板79b3の突出時間は「通常遊技状態」と同様の「2秒」であるが、可変表示が開始されてからユニット側分離出没板79b3が突出して没入するまでの合計時間は「2.5秒」となっている。
よって、球がユニット内普通図柄ゲート76aを通過してからユニット側分離出没板79b3の左端部の位置に到達するまでの間に、ユニット側分離出没板79b3が突出状態となり、その状態を維持している可能性が高い。その結果、右側経路75の右側出口から流出してユニット側分離出没板79b3の左端部の位置に到達した球は、ユニット側分離出没板79b3と衝突し、該ユニット側分離出没板79b3の上面を右端方向へ転動し、外側特図2入賞口78a側へと案内される。
ここで、第5実施形態のパチンコ機10では、ユニット側分離出没板79b3に対応する減速部が設けられていない。その結果、ユニット側分離出没板79b3の上面を右端部から左端部まで球が転動するために要する時間は「0.5秒」かかるように構成されている。
従って、第5実施形態の「潜伏確率変動状態」では、ユニット側分離出没板79b3の左端部から右端部まで球が転動するために要する時間は「0.5秒」であり、右側経路75の右側出口から流出した球がユニット側分離出没板79b3の左端部から右端部まで転動しきるまでに該ユニット側分離出没板79b3の突出状態が維持されている。よって、右側経路75の右側出口から流出した球は、外側特図2入賞口78aへ入賞し得る。
なお、図45(b)で示すように、「潜伏確率変動状態」において右打ちが行われた場合は、右側普通図柄ゲート76bを通過した球は、「1秒」後に右側分離出没板79b4の右端部の位置に到達する。また、第5実施形態の「潜伏確率変動状態」における普通図柄の可変表示時間は「0.5秒」行われる。さらに、第5実施形態の「潜伏確率変動状態」における普通図柄の当選確率は「通常遊技状態」より高く設定されている。
これにより、普通図柄の可変表示時間は、右側普通図柄ゲート76bを通過してから右側分離出没板79b4の右端部の位置に到達するまでの時間より短く、普通図柄の当選確率も高いため、右側普通図柄ゲート76bを通過した球が右側分離出没板79b4の右端部の位置に到達した場合に、右側分離出没板79b4が突出状態となっている可能性が高い。
しかしながら、当たりとなって右側分離出没板79b4が突出状態を維持する時間が「2秒」である一方、右側分離出没板79b4の上面を右端部から左端部まで転動するために要する時間は「2.5秒」となるように構成されている。その結果、右側分離出没板79b4の右端部から左端部へ向けて転動した球は、右側分離出没板79b4が突出状態を維持している間に外側特図2入賞口78a側まで転動することなく、該右側分離出没板79b4が没入状態に変位した場合にその転動位置から普通電役ユニット79の下流側(遊技盤13下方側)へと流下する。さらに、「潜伏確率変動状態」において右側普通図柄ゲート76bが球の通過を検知した場合には、警報音を鳴らすように構成されている。その結果、遊技者に、「潜伏確率変動状態」において右打ち遊技を行わせることなく、左打ち遊技を行わせることができる。
このように、第5実施形態の「潜伏確率変動状態」では、左打ちの遊技によって交互振分ユニット71に入球した球は、特図1第1入賞口77aか、外側特図2入賞口78aかのいずれかに交互に入賞するため、第1特別図柄の第1抽選遊技と、第2特別図柄の第2抽選遊技とが交互に実行される遊技が行われるように構成されている。
次いで、図43(c)及び図46を参照して、第5実施形態の「確率変動状態」における遊技性について説明する。図43(c)は、第5実施形態の「確率変動状態」における右打ち時において、右側分離出没板79b4の挙動と、該右側分離出没板79b4の上面を転動する球の挙動とを説明するための模式図である。
また、図46(a)は、第5実施形態の「確率変動状態」における左打ち時において、交互振分ユニット71の右側経路75に振り分けられた球の流下タイミングと、普通図柄の可変表示と、ユニット側分離出没板79b3の突出時間とを示したタイミングチャートであり、図46(b)は、第5実施形態の「確率変動状態」における右打ち時において、普通電役ユニット79内に流入した(右側普通図柄ゲート76bを通過した)球の流下タイミングと、普通図柄の可変表示と、右側分離出没板79b4の突出時間とを示したタイミングチャートである。
まず、図43(c)で示すように、第5実施形態の「確率変動状態」において右側普通図柄ゲート76bを通過して普通電役ユニット79内に流入した球は、そのまま下流側へと流下し、右側普通図柄ゲート76bを通過してから「1秒」後に右側分離出没板79b4の右端部の位置へと到達する。
この場合に、図46(b)で示すように、球が右側普通図柄ゲート76bを通過したことによって普通図柄の抽選契機が得られ、普通図柄の可変表示が開始される。そして、第5実施形態の「確率変動状態」における可変表示は、「0.5秒」行われる。右側普通図柄ゲート76bを通過した球は、該右側普通図柄ゲート76bを通過したタイミングから「1秒」後に右側分離出没板79b4の右端部の位置に到達するように構成されている。よって、球が、右側普通図柄ゲート76bを通過したタイミングから右側分離出没板79b4の右端部に到達する時間より、普通図柄の可変表示時間の方が短いため、球が右側分離出没板79b4の右端部の位置に到達するタイミングでは、可変表示の結果が導出されている。
また、第5実施形態の「確率変動状態」では、普通図柄の当選確率が「通常遊技状態」よりも当選し易く構成されている。さらに、第5実施形態の「確率変動状態」における右側分離出没板79b4の突出時間は「5秒」であり、可変表示が開始されてから右側分離出没板79b4が突出して没入するまでの合計時間は「5.5秒」となっている。
よって、球が右側普通図柄ゲート76bを通過してから右側分離出没板79b4の右端の位置に到達するまでの間に、右側分離出没板79b4が突出状態となり、その状態を維持している可能性が高い。その結果、右側分離出没板79b4の右端部の位置に到達した球は、右側分離出没板79b4の右端部と衝突し、その位置から右側分離出没板79b4の上面を左端方向へ転動し、外側特図2入賞口78a側へと案内され始める。
さらに、右側分離出没板79b4の右端部から左端部まで球が転動するために要する時間は「2.5秒」であるが、上述したように、第5実施形態の「確率変動状態」における可変表示の開始から右側分離出没板79b4が突出して没入するまでの時間は「5.5秒」であるため、右側普通図柄ゲート76bを通過した球は、右側分離出没板79b4が突出状態を維持している間に該右側分離出没板79b4の上面を右端部から左端部まで転動しきり、外側特図2入賞口78a側へと案内される。
また、普通図柄の可変表示の実行契機となった球から連続的に普通電役ユニット79内に流入した複数の球は、右側分離出没板79b4が突出状態を維持している間、外側特図2入賞口78a側へと案内され、外側特図2入賞口78aへ入賞し得るように構成されている。具体的には、第5実施形態では、球の発射間隔が「0.6秒」間隔であって、当該間隔毎に右側普通図柄ゲート76bを通過した場合、3個の球が追加的に外側特図2入賞口78a側へと案内される。
即ち、第5実施形態では、右側分離出没板79b4が1回突出状態となった場合に、第2特別図柄の第2抽選遊技の抽選契機を4回得ることができるように構成されている。よって、「確率変動状態」において右打ち遊技を実行することで、第2特別図柄の第2抽選遊技の抽選契機を複数取得し易くしつつ、所定の賞球(即ち、2個/1入賞)を付与して、遊技者の所持球を著しく損わせることなく遊技を行わせることができる。
また、右打ちした場合に特図1第2入賞口77bの上方を球が通過しないように構成することで、ユニット側分離出没板79b3及び右側分離出没板79b4を突出状態から没入状態に変位させたときに、右側分離出没板79b4の上面を転動している球が特図1第2入賞口77bに入賞してしまうことを防止することができる。特図1第2入賞口77bへの入賞に基づく第1抽選遊技は、外側特図2入賞口78aへの入賞に基づく第2抽選遊技より「確率変動状態」への移行確率が低いため、「確率変動状態」では、遊技者にとって不利な第1抽選遊技を実行したくない。よって、本発明によれば、「確率変動状態」において、遊技者にとって有利な外側特図2入賞口78aへ球を入賞させ易くすることができ、上記遊技性を実現することができる。
さらに、特図1第2入賞口77bの上方位置にユニット側分離出没板79b3を配置し、ユニット側分離出没板79b3が突出状態を維持している場合に特図1第2入賞口77bを塞いで該特図1第2入賞口77bへの球の入賞を防止するように構成されている。よって、「確率変動状態」において、右側分離出没板79b4の上面を左端方向へ転動した球が勢いよく流下し、特図1第2入賞口77b側まで転動してしまった場合であっても、ユニット側分離出没板79b3によって特図1第2入賞口77bへの入賞を防ぎ、再び外側特図2入賞口78a側へ球を案内することができる。よって、「確率変動状態」において、遊技者にとって有利な外側特図2入賞口78aのみへ球を入賞させることができ、上記遊技性を確実に実現することができる。
なお、図45(a)で示すように、第5実施形態の「確率変動状態」において左打ちが行われた場合は、「潜伏確率変動状態」と同様、球が振分装置73により右側経路75に振り分けられたとき、振り分けられたタイミングから「2秒」後に右側経路75の右側出口から流出するように構成されている。また、球が右側経路75に振り分けられてから「0.5秒」後に右側経路75に埋設されたユニット内普通図柄ゲート76aを通過し、該ユニット内普通図柄ゲート76aを通過したことによって普通図柄の抽選契機が得られ、普通図柄の可変表示が開始される。
「確率変動状態」における可変表示は、「0.5秒」行われる。よって、球がユニット内普通図柄ゲート76aを通過したタイミングから右側出口から流出するまでに要する時間より、普通図柄の可変表示時間の方が短いため、球がユニット側分離出没板79b3の左端の位置に到達するタイミングでは、可変表示の結果が導出されている。
また、「確率変動状態」では、普通図柄の当選確率が「通常遊技状態」よりも当選し易く構成されている。さらに、「確率変動状態」におけるユニット側分離出没板79b3の突出時間は「通常遊技状態」より長く「5秒」突出する。従って、可変表示が開始されてからユニット側分離出没板79b3が突出して没入するまでの合計時間は「5.5秒」となっている。
よって、球がユニット内普通図柄ゲート76aを通過してからユニット側分離出没板79b3の配設位置に到達するまでの間に、ユニット側分離出没板79b3が突出状態となり、その状態を維持している可能性が高い。その結果、ユニット側分離出没板79b3の配設位置に到達した球は、ユニット側分離出没板79b3の左端部と衝突し、その位置からユニット側分離出没板79b3の上面を右端方向へ転動し、外側特図2入賞口78a側へと案内される。
従って、第5実施形態の「確率変動状態」では、左打ちの遊技によって交互振分ユニット71内に入球した球は、特図1第1入賞口77aと外側特図2入賞口78aとに交互に入賞する一方、右打ちの遊技によって右側普通図柄ゲート76bから普通電役ユニット79内に入球した球は、外側特図2入賞口78aへ入賞し易いように構成されているため、入賞補助がない左打ち遊技を行うより、入賞補助がある右打ち遊技を継続的に行った方が、遊技者にとって有利な第2特別図柄の第2抽選遊技が実行され易い遊技が行われるように構成されている。
以上、説明したように、第5実施形態のパチンコ機10によれば、左打ちの遊技においては、「通常遊技状態」において特図1第1入賞口77a又は特図1第2入賞口77bへの入賞に基づく第1特別図柄の第1抽選遊技による遊技を行わせ、「潜伏確率変動状態」において特図1第1入賞口77aへの入賞に基づく第1特別図柄の第1抽選遊技と外側特図2入賞口78aへの入賞に基づく第2特別図柄の第2抽選遊技とによる遊技を行わせることができる。また、右打ちの遊技においては、「確率変動状態」において外側特図2入賞口78aへの入賞に基づく第2特別図柄の第2抽選遊技による遊技を行わせることができる。よって、3つの遊技状態それぞれで入賞し得る入賞口77,78aのバリエーションを異ならせることで、遊技にバリエーションを設け、遊技の興趣を向上することができる。
また、外側特図2入賞口78aを交互振分ユニット71の外側に配置し、右打ちした場合であっても特図1第2入賞口77bの上方を球が通過しないように構成することで、ユニット側分離出没板79b3及び右側分離出没板79b4を突出状態から没入状態に変位させたときに、右側分離出没板79b4の上面を転動している球が特図1第2入賞口77bに入賞してしまうことを防止することができる。よって、「確率変動状態」において、遊技者にとって有利な外側特図2入賞口78aのみへ球を入賞させることができ、上記遊技性を実現することができる。
さらに、特図1第2入賞口77bの上方位置にユニット側分離出没板79b3を配置し、ユニット側分離出没板79b3が突出状態を維持している場合に特図1第2入賞口77bを塞いで該特図1第2入賞口77bへの球の入賞を防止するように構成されている。よって、「確率変動状態」において、右側分離出没板79b4の上面を左端方向へ転動した球が勢いよく流下し、特図1第2入賞口77b側まで転動してしまった場合であっても、ユニット側分離出没板79b3によって特図1第2入賞口77bへの入賞を防ぎ、再び外側特図2入賞口78a側へ球を案内することができる。よって、「確率変動状態」において、遊技者にとって有利な外側特図2入賞口78aのみへ球を入賞させることができ、上記遊技性を確実に実現することができる。
その他、第5実施形態におけるパチンコ機10は、第1実施形態乃至第4実施形態と同一の構成によって、同一の効果を奏する。
<第6実施形態>
次いで、図47から図50を参照して、第6実施形態におけるパチンコ機10について説明する。第1実施形態におけるパチンコ機10では、交互振分ユニット71の右側経路75内にユニット内普通図柄ゲート76aを埋設すると共に、出没板79bの左端部を特図1第2入賞口77bの上方に配置させるように構成し、「通常遊技状態」と「潜伏確率変動状態」とで普通図柄の可変表示時間を異ならせて、入賞し得る入賞口77,78のバリエーションを異ならせることで、遊技にバリエーションを設け、遊技の興趣向上を図っている。
しかしながら、交互振分ユニット71の右側経路75内にユニット内普通図柄ゲート76aを埋設した場合、右側経路75内で球の動きが安定していない場合に、チャタリングが発生してしまうおそれがある。
また、交互振分ユニット71内にユニット内普通図柄ゲート76aを埋設することで、交互振分ユニット71における部品点数が増加し、製造コストが増加してしまうおそれがある。
さらに、交互振分ユニット71の特図1第2入賞口77bの上方位置に出没板79bの左端部が配置させるように構成しなければいけないので、交互振分ユニット71と普通電役ユニット79との位置調整が困難となるおそれがある。
これに対し、第6実施形態のパチンコ機10では、普通図柄の抽選契機を得る装置として、普通電役ユニット79の右側普通図柄ゲート76bのみを設け、交互振分ユニット71には普通図柄の抽選契機を取得可能な普通図柄ゲート等のスイッチを配設しないように構成する。
また、交互振分ユニット71の右側経路75の右側出口下方であって、出没板79bの左端左側下部の位置に右側特図2入賞口78bを設けると共に、出没板79bの下方であって、交互振分ユニット71の右外側に外側特図1入賞口77dを設けるように構成する。
そして、各遊技状態に応じて普通図柄の可変表示時間と出没板79bの突出時間とをそれぞれ変更することで、「通常遊技状態」においては特図1第1入賞口77aと右側特図2入賞口78bとに交互に入賞し得る遊技を実行させ、「潜伏確率変動状態」においては外側特図1入賞口77dに入賞し得る遊技を実行させ、「確率変動状態」においては右側特図2入賞口78bに入賞し得る遊技を実行させる。
このように構成することで、各遊技状態毎に入賞し得る入賞口77a,77d,78bのバリエーションを異ならせる遊技性を実現しつつ、交互振分ユニット71内での球の検出をしないように構成することで、チャタリングの発生を防止することができる。また、普通電役ユニット79の右側普通図柄ゲート76bのみで上記遊技性を実現することで、交互振分ユニット71内に普通図柄ゲートを配設せずに済むので、交互振分ユニット71における部品点数を少なくし、製造コストを抑制することができる。
以下、第6実施形態におけるパチンコ機10について、第1実施形態乃至第5実施形態におけるパチンコ機10と相違する点を中心に説明する。以下の説明では、第1実施形態乃至第5実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明を省略する。
ここで、図47から図50を参照して、第6実施形態の各遊技状態における遊技性、即ち、球の発射態様に基づく球の挙動と、それに伴う出没板79bの挙動とを説明する。
図47は、第6実施形態の各遊技状態において、左打ち時において交互振分ユニット71の振分入球口72から入球した球の挙動、又は、右打ち時において普通電役ユニット79の右側普通図柄ゲート76bから入球した球の挙動と、出没板79bの挙動とを説明するための模式図である。図47(a)は、第6実施形態の「通常遊技状態」における左打ち時に、交互振分ユニット71の振分入球口72から入球した球の挙動と、出没板79bの挙動とを説明するための図であり、図47(b)は、第6実施形態の「潜伏確率変動状態」における右打ち時に、出没板79bの挙動と、該出没板79bの上面を転動する球の挙動とを説明するための図であり、図47(c)は、第6実施形態の「確率変動状態」における右打ち時に、出没板79bの挙動と、該出没板79bの上面を転動する球の挙動とを説明するための図である。
また、図48(a)は、第6実施形態の「通常遊技状態」における左打ち時において、交互振分ユニット71の右側経路75に振り分けられた球の流下タイミングを示したタイミングチャートであり、図48(b)は、第6実施形態の「通常遊技状態」における右打ち時において、普通電役ユニット79内に流入した(右側普通図柄ゲート76bを通過した)球の流下タイミングと、普通図柄の可変表示と、出没板79bの突出時間とを示したタイミングチャートである。
なお、第6実施形態における交互振分ユニット71および普通電役ユニット79の構成において、第1実施形態と相違する点は、交互振分ユニット71の左側経路74及び右側経路75の構成と、ユニット内普通図柄ゲート76aの配設有無と、右側特図2入賞口78bの配設位置と、外側特図1入賞口77dの配設位置と、右側集約減速部79mの構成と、左側分散減速部79nの構成とが異なっている点である。その他の構成については、第1実施形態と同一であるため、その説明を省略する。
まず、図47(a)で示すように、第6実施形態の「通常遊技状態」において振分装置73によって左側経路74に振り分けられた球は、振分装置73から振り分けられてから「1秒」後に左側経路74の左側出口から流出し、該左側出口の下方に配置された特図1第1入賞口77aに入賞する。
また、第6実施形態の「通常遊技状態」において振分装置73によって右側経路75に振り分けられた球も、振分装置73から振り分けられてから「1秒」後に右側経路75の右側出口から流出し、該右側出口の下方に配置された右側特図2入賞口78bに入賞する。
従って、左側経路74及び右側経路75を短く(コンパクトに)することで、交互振分ユニット71全体の占有領域を小さくすることができ、パチンコ機10の設計自由度の向上に貢献することができる。
この場合に、図48(a)で示すように、右側経路75に普通図柄ゲートが設けられていないため、普通図柄の抽選契機を取得できないことから、普通図柄の可変表示は行われない。その結果、出没板79bも突出状態となり得ないが、出没板79bの配設位置が右側特図2入賞口78bへの入賞を阻害する位置に配設されていないため、右側経路75へ振り分けられた球は、そのまま右側特図2入賞口78bへ入賞する。
ここで、第6実施形態のパチンコ機10では、普通図柄の抽選契機を得る装置として、普通電役ユニット79の右側普通図柄ゲート76bのみを設け、交互振分ユニット71には普通図柄の抽選契機を取得可能な普通図柄ゲート等のスイッチを配設しないように構成する。
このように構成することで、普通電役ユニット79の右側普通図柄ゲート76bのみで上記遊技性を実現することで、交互振分ユニット71内に普通図柄ゲートを配設せずに済むので、交互振分ユニット71における部品点数を少なくし、製造コストを抑制することができる。
また、交互振分ユニット71内での球の検出をしないように構成することで、チャタリングの発生を防止することができる。
普通電役ユニット79の右側集約減速部79mは、普通電役ユニット79が遊技盤13と接する基部(図示せず)に設けられたリブ形状の複数の奥側減速部(図示せず)と、該基部の対面側に位置するカバー部(図示せず)の裏面側(基部側)に設けられたリブ形状の複数の手前側減速部(図示せず)とにより構成されている。
これにより、第6実施形態のパチンコ機10では、出没板79bの右端に到達した球が、該出没板79bの上面を転動し、該出没板79bの中央部分まで到達するまでに「1.5秒」の時間を要するように構成されている。その結果、出没板79bが突出状態であっても、球が右側集約減速部79mと衝突している間に、該出没板79bが没入状態に切り替わった場合、出没板79bの上面を転動していた球は普通電役ユニット79の下方側へ流出するように構成されている。
普通電役ユニット79の左側分散減速部79nは、普通電役ユニット79が遊技盤13と接する基部(図示せず)に設けられたリブ形状の1の奥側減速部(図示せず)と、該基部の対面側に位置するカバー部(図示せず)の裏面側(基部側)に設けられたリブ形状の1の手前側減速部(図示せず)とにより構成されている。
これにより、第6実施形態のパチンコ機10では、出没板79bの中央部分に到達した球が、該出没板79bの上面を転動し、該出没板79bの左端部まで到達するまでに「1秒」の時間を要するように構成されている。
なお、図48(b)で示すように、第6実施形態の「通常遊技状態」において右打ちが行われた場合は、右側普通図柄ゲート76bを通過した球は、「1秒」後に出没板79bの右端の位置に到達する。また、「通常遊技状態」における普通図柄の可変表示時間は「3秒」行われるため、右側普通図柄ゲート76bの通過に基づく普通図柄の可変表示が終了する前、即ち、可変表示に基づいて出没板79bが突出状態となる前に、普通電役ユニット79の下流側(遊技盤13下方側)へ流出する。
また、球が連続的に入球した場合であっても、「通常遊技状態」では普通図柄の当たりが発生し難いように構成されている。さらに、当たりとなって出没板79bが突出状態を維持する時間が「2秒」であって、右側集約減速部79m及び左側分散減速部79nにより出没板79bの上面を右端部から左端部まで転動するために要する時間は「2.5秒」となり、また、右側集約減速部79mにより出没板79bの上面を右端部から外側特図1入賞口77d上方位置まで転動するために要する時間は「1.5秒」となる。
その結果、出没板79bが突出状態を維持している間に右側特図2入賞口78b側まで転動することなく、該出没板79bの上面を転動している最中に該出没板79bが没入状態に変位した場合に普通電役ユニット79の下流側(遊技盤13下方側)へと流下する。一方、出没板79bが突出状態を維持している間に外側特図1入賞口77d上方まで球が転動することが可能に構成されているが、「通常遊技状態」において右側普通図柄ゲート76bが球の通過を検知した場合には、警報音を鳴らすように構成されている。その結果、遊技者に、「通常遊技状態」において右打ち遊技を行わせることなく、左打ち遊技を行わせることができる。
このように、第6実施形態の「通常遊技状態」では、左打ちの遊技によって交互振分ユニット71に入球した球は、特図1第1入賞口77aか、右側特図2入賞口78bかのいずれかに交互に入賞するため、第1特別図柄の第1抽選遊技と、第2特別図柄の第2抽選遊技とが交互に実行される遊技が行われるように構成されている。
次いで、図47(b)及び図49を参照して、第6実施形態の「潜伏確率変動状態」における遊技性について説明する。
図47(b)は、第6実施形態の「潜伏確率変動状態」における右打ち時において、出没板79bの挙動と、該出没板79bの上面を転動する球の挙動とを説明するための模式図である。
また、図49(a)は、第6実施形態の「潜伏確率変動状態」における左打ち時において、交互振分ユニット71の右側経路75に振り分けられた球の流下タイミングを示したタイミングチャートであり、図49(b)は、第6実施形態の「潜伏確率変動状態」における右打ち時において、普通電役ユニット79内に流入した(右側普通図柄ゲート76bを通過した)球の流下タイミングと、普通図柄の可変表示と、出没板79bの突出時間とを示したタイミングチャートである。
まず、図47(b)で示すように、第6実施形態の「潜伏確率変動状態」において右側普通図柄ゲート76bを通過して普通電役ユニット79内に流入した球は、そのまま下流側へと流下し、右側普通図柄ゲート76bを通過してから「1秒」後に出没板79bの右端部の位置へと到達する。
この場合に、図49(b)で示すように、「潜伏確率変動状態」において右打ちが行われた場合は、球が右側普通図柄ゲート76bを通過したことによって普通図柄の抽選契機が得られ、普通図柄の可変表示が開始される。そして、第6実施形態の「潜伏確率変動状態」における可変表示は、「0.5秒」行われる。右側普通図柄ゲート76bを通過した球は、該右側普通図柄ゲート76bを通過したタイミングから「1秒」後に出没板79bの右端部の位置に到達するように構成されている。よって、球が、右側普通図柄ゲート76bを通過したタイミングから出没板79bに到達する時間より、普通図柄の可変表示時間の方が短いため、球が出没板79bの右端部の位置に到達するタイミングでは、可変表示の結果が導出されている。
また、第6実施形態の「潜伏確率変動状態」では、普通図柄の当選確率が「通常遊技状態」よりも当選し易く構成されている。さらに、第6実施形態の「潜伏確率変動状態」における出没板79bの突出時間は「2秒」であり、可変表示が開始されてから出没板79bが突出して没入するまでの合計時間は「2.5秒」となっている。
よって、球が右側普通図柄ゲート76bを通過してから出没板79bの右端部の位置に到達するまでの間に、出没板79bが突出状態となり、その状態を維持している可能性が高い。その結果、出没板79bの右端部の位置に到達した球は、出没板79bの右端部と衝突し、その位置から出没板79bの上面を左端方向へ転動し、交互振分ユニット71側へと案内され始める。
さらに、出没板79bの右端部から左端部まで球が転動するために要する時間は「2.5秒」であり、また、出没板79bの右端部から外側特図1入賞口77dの上方位置まで球が転動するために要する時間は「1.5秒」である。また、上述したように、第6実施形態の「潜伏確率変動状態」における可変表示の開始から出没板79bが突出して没入するまでの時間は「2.5秒」であるため、右側普通図柄ゲート76bを通過した球は、出没板79bが突出状態を維持している間に該出没板79bの上面を右端部から外側特図1入賞口77dの上方位置まで転動し、そのタイミングで出没板79bが突出状態から没入状態に変位する。その結果、出没板79bの上面を転動していた球が下流側へ落下し、外側特図1入賞口77dへ入賞し得る。
よって、「潜伏確率変動状態」において右打ち遊技を実行することで、第1特別図柄の第1抽選遊技の抽選契機を取得し易くしつつ、所定の賞球(即ち、2個/1入賞)を付与して、遊技者の所持球を著しく損わせることなく遊技を行わせることができる。
なお、図49(a)で示すように、第6実施形態の「潜伏確率変動状態」において左打ちの遊技を行い、振分装置73によって左側経路74に振り分けられた球は、振分装置73から振り分けられてから「1秒」後に左側経路74の左側出口から流出し、該左側出口の下方に配置された特図1第1入賞口77aに入賞する。
また、第6実施形態の「潜伏確率変動状態」において振分装置73によって右側経路75に振り分けられた球も、振分装置73から振り分けられてから「1秒」後に右側経路75の右側出口から流出し、該右側出口の下方に配置された右側特図2入賞口78bに入賞する。
なお、第6実施形態の「潜伏確率変動状態」では、左打ち遊技を行った場合には、出没板79b等による入賞補助が行われないため、「通常遊技状態」と同様の有利度合となる。
従って、第6実施形態の「潜伏確率変動状態」では、右打ちの遊技によって右側普通図柄ゲート76bから普通電役ユニット79内に入球した球は、出没板79bによる入賞補助によって外側特図1入賞口77dへ入賞し易いように構成されているため、出没板79bの入賞補助が行われない左打ち遊技を行うより、出没板79bによる入賞補助が行われる右打ち遊技を継続的に行った方が、第1特別図柄の第1抽選遊技が実行され得る遊技が行われるように構成されている。
次いで、図47(c)及び図50を参照して、第6実施形態の「確率変動状態」における遊技性について説明する。図47(c)は、第6実施形態の「確率変動状態」における右打ち時において、出没板79bの挙動と、該出没板79bの上面を転動する球の挙動とを説明するための模式図である。
また、図50(a)は、第6実施形態の「確率変動状態」における左打ち時において、交互振分ユニット71の右側経路75に振り分けられた球の流下タイミングを示したタイミングチャートであり、図50(b)は、第6実施形態の「確率変動状態」における右打ち時において、普通電役ユニット79内に流入した(右側普通図柄ゲート76bを通過した)球の流下タイミングと、普通図柄の可変表示と、出没板79bの突出時間とを示したタイミングチャートである。
まず、図47(c)で示すように、第6実施形態の「確率変動状態」において右側普通図柄ゲート76bを通過して普通電役ユニット79内に流入した球は、そのまま下流側へと流下し、右側普通図柄ゲート76bを通過してから「1秒」後に出没板79bの右端部の位置へと到達する。
この場合に、図50(b)で示すように、球が右側普通図柄ゲート76bを通過したことによって普通図柄の抽選契機が得られ、普通図柄の可変表示が開始される。そして、第6実施形態の「確率変動状態」における可変表示は、「0.5秒」行われる。右側普通図柄ゲート76bを通過した球は、該右側普通図柄ゲート76bを通過したタイミングから「1秒」後に出没板79bの右端部の位置に到達するように構成されている。よって、球が、右側普通図柄ゲート76bを通過したタイミングから出没板79bに到達する時間より、普通図柄の可変表示時間の方が短いため、球が出没板79bの右端部の位置に到達するタイミングでは、可変表示の結果が導出されている。
また、第6実施形態の「確率変動状態」では、普通図柄の当選確率が「通常遊技状態」よりも当選し易く構成されている。さらに、第6実施形態の「確率変動状態」における出没板79bの突出時間は「5秒」であり、可変表示が開始されてから出没板79bが突出して没入するまでの合計時間は「5.5秒」となっている。
よって、球が右側普通図柄ゲート76bを通過してから出没板79bの右端部の位置に到達するまでの間に、出没板79bが突出状態となり、その状態を維持している可能性が高い。その結果、出没板79bの右端部の位置に到達した球は、出没板79bの右端部と衝突し、その位置から出没板79bの上面を左端方向へ転動し、交互振分ユニット71側(右側特図2入賞口78b側)へと案内され始める。
そして、出没板79bの右端部から該出没板79bの上面を左端方向へ転動する球は、まず、普通電役ユニット79における右側に設けられた右側集約減速部79mと衝突しながら、出没板79bの中央部分に到達する。第6実施形態では、出没板79bの右端部から中央部分まで転動するために要する時間は「1.5秒」かかるように構成されている。
また、出没板79bの中央部分から該出没板79bの上面を左端方向へ転動する球は、普通電役ユニット79における左側に設けられた左側分散減速部79nと衝突しながら、出没板79bの左端部に到達する。左側分散減速部79nは、右側集約減速部79mより減速部の数が少なく(例えば、右側集約減速部79mの減速部の数が「4」の場合には、左側分散減速部79nの減速部の数が「2」)構成されているため、第6実施形態では、出没板79bの中央部分から左端部まで転動するために要する時間は「1秒」かかるように構成されている。
即ち、第6実施形態では、出没板79bの右端部から中央部分まで転動するために要する時間は「1.5秒」かかり、出没板79bの中央部分から左端部まで転動するために要する時間は「1秒」かかるように構成されているため、出没板79bの右端部から左端部まで転動するために要する時間は「1.5秒」+「1秒」=「2.5秒」かかるように構成されている。
よって、第6実施形態の「確率変動状態」では、出没板79bの右端部から左端部まで球が転動するために要する時間は「2.5秒」であるが、上述したように、普通図柄の可変表示の開始から出没板79bが突出して没入するまでの時間は「5.5秒」であるため、右側普通図柄ゲート76bを通過した球は、出没板79bが突出状態を維持している間に該出没板79bの上面を右端部から左端部まで転動しきり、右側特図2入賞口78b側へと案内される。
また、普通図柄の可変表示の実行契機となった球から連続的に普通電役ユニット79内に流入した複数の球は、出没板79bが突出状態を維持している間、右側特図2入賞口78b側へと案内され、右側特図2入賞口78bへ入賞し得るように構成されている。具体的には、第6実施形態では、球の発射間隔が「0.6秒」間隔であって、当該間隔毎に右側普通図柄ゲート76bを通過した場合、3個の球が追加的に右側特図2入賞口78b側へと案内される。
即ち、第6実施形態では、出没板79bが1回突出状態となった場合に、第2特別図柄の第2抽選遊技の抽選契機を4回得ることができるように構成されている。よって、「確率変動状態」において右打ち遊技を実行することで、第2特別図柄の第2抽選遊技の抽選契機を複数取得し易くしつつ、所定の賞球(即ち、2個/1入賞)を付与して、遊技者の所持球を著しく損わせることなく遊技を行わせることができる。
なお、図50(a)で示すように、第6実施形態の「確率変動状態」において左打ちの遊技を行い、振分装置73によって左側経路74に振り分けられた球は、振分装置73から振り分けられてから「1秒」後に左側経路74の左側出口から流出し、該左側出口の下方に配置された特図1第1入賞口77aに入賞する。
また、第6実施形態の「確率変動状態」において振分装置73によって右側経路75に振り分けられた球も、振分装置73から振り分けられてから「1秒」後に右側経路75の右側出口から流出し、該右側出口の下方に配置された右側特図2入賞口78bに入賞する。
なお、第6実施形態の「確率変動状態」では、左打ち遊技を行った場合には、出没板79b等による入賞補助が行われないため、「潜伏確率変動状態」と同様の有利度合となる。
従って、第6実施形態の「確率変動状態」では、右打ちの遊技によって右側普通図柄ゲート76bから普通電役ユニット79内に入球した球は、右側特図2入賞口78bへ入賞し易いように構成されているため、入賞補助がない左打ち遊技を行うより、入賞補助がある右打ち遊技を継続的に行った方が、第2特別図柄の第2抽選遊技が実行され易い遊技が行われるように構成されている。
以上、説明したように、第6実施形態のパチンコ機10によれば、左打ちの遊技においては、「通常遊技状態」において特図1第1入賞口77aへの入賞に基づく第1特別図柄の第1抽選遊技と右側特図2入賞口78bへの入賞に基づく第2特別図柄の第2抽選遊技による遊技を行わせることができる。また、右打ちの遊技においては、「潜伏確率変動状態」において外側特図1入賞口77dへの入賞に基づく第1特別図柄の第1抽選遊技による遊技を行わせ、「確率変動状態」において右側特図2入賞口78bへの入賞に基づく第2特別図柄の第2抽選遊技による遊技を行わせることができる。よって、3つの遊技状態それぞれで入賞し得る入賞口77a,77d,78bのバリエーションを異ならせることで、遊技にバリエーションを設け、遊技の興趣を向上することができる。
また、交互振分ユニット71内に普通図柄ゲートを配設せずに上記遊技性を実現することができるため、交互振分ユニット71における部品点数を削減し、製造コストの増加を抑制することができる。
さらに、交互振分ユニット71内での球の検出をしないように構成することで、チャタリングの発生を防止することができる。
また、交互振分ユニット71に設けられた入賞口(右側特図2入賞口78b)の上方位置に出没板79bの左端部分を配置せずに済むため、交互振分ユニット71と普通電役ユニット79との位置調整に関して煩雑な作業をする必要がなくなり、パチンコ機10における製造負担を軽減することができる。
その他、第6実施形態におけるパチンコ機10は、第1実施形態乃至第5実施形態と同一の構成によって、同一の効果を奏する。
<第7実施形態>
次いで、図51から図53を参照して、第7実施形態におけるパチンコ機10について説明する。第1実施形態におけるパチンコ機10では、普通図柄の当選確率を、「通常遊技状態」で低確率(即ち、1/10)に設定し、「潜伏確率変動状態」及び「確率変動状態」で高確率(即ち、9/10)に設定する。また、普通図柄の可変表示時間を、「通常遊技状態」で長時間(即ち、「3秒」)に設定し、「潜伏確率変動状態」及び「確率変動状態」で短時間(即ち、「0.5秒」)に設定する。さらに、出没板79bの突出時間を、「通常遊技状態」及び「潜伏確率変動状態」で短時間(即ち、「2秒」)に設定し、「確率変動状態」で長時間(即ち、「5秒」)となるように設定している。
即ち、普通図柄の当選確率と普通図柄の可変表示時間とは、「潜伏確率変動状態」と「確率変動状態」とを同一の設定とし、「通常遊技状態」のみ異なる設定となる一方、出没板79bの突出時間は、「通常遊技状態」と「潜伏確率変動状態」とを同一の設定とし、「確率変動状態」のみ異なる設定となっている。
よって、普通図柄の当選確率、普通図柄の可変表示時間、及び、出没板79bの突出時間に関し、「潜伏確率変動状態」において、普通図柄に関する各種挙動に関し、有利な設定(即ち、当選確率が高確率、可変表示時間が短時間、又は、突出時間が長時間)となるか、不利な設定(即ち、当選確率が低確率、可変表示時間が長時間、又は、突出時間が短時間)となるかがバラバラであり、遊技仕様を遊技者に理解させ難く、上記遊技仕様のパチンコ機10における遊技を敬遠してしまい、該パチンコ機10の稼働が低下してしまうおそれがある。
これに対し、第7実施形態のパチンコ機10では、「通常遊技状態」及び「潜伏確率変動状態」において、普通図柄の当選確率、普通図柄の可変表示時間、及び、出没板79bの突出時間を不利な設定とし、「確率変動状態」のみ普通図柄の当選確率、普通図柄の可変表示時間、及び、出没板79bの突出時間を有利な設定とする。そして、上記設定のもと、各遊技状態毎に入賞し得る入賞口77,78のバリエーションを異ならせる遊技性を実現するように構成する。
このように構成することで、遊技状態毎に入賞し得る入賞口77,78を異ならせつつ、遊技者に理解し易い遊技仕様とすることで、遊技者から敬遠され難いパチンコ機10を提供し、該パチンコ機10の稼働低下を防止することができる。
以下、第7実施形態におけるパチンコ機10について、第1実施形態乃至第6実施形態におけるパチンコ機10と相違する点を中心に説明する。以下の説明では、第1実施形態乃至第6実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明を省略する。
まず、図51を参照して、第7実施形態における各遊技状態毎の普通図柄の当選確率、普通図柄の可変表示時間、及び、出没板79bの突出時間を説明する。図51(a)は、第7実施形態のROM202に記憶される普図当たり乱数テーブル202fの一例を模式的に示した模式図である。また、図51(b)は、第7実施形態のROM202に記憶される普図変動時間テーブル202gの一例を模式的に示した模式図である。さらに、図51(c)は、第7実施形態のROM202に記憶される普通電役制御テーブル202hの一例を模式的に示した模式図である。
図51(a)で示すように、第7実施形態のパチンコ機10では、「通常遊技状態」及び「潜伏確率変動状態」の場合に当たりとなる普図当たり乱数カウンタC4の値の数は50個で、その値「50〜99」が、普図当たり乱数テーブル202fに格納されている。つまり、「通常遊技状態」及び「潜伏確率変動状態」における普通図柄の当たり確率は、50/100=1/2となるように設定されている。
一方で、「確率変動状態」の場合に当たりとなる普図当たり乱数カウンタC4の値の数は90個で、その値「10〜99」が、普図当たり乱数テーブル202fに格納されている。つまり、「確率変動状態」における普通図柄の当たり確率は、90/100=9/10となるように設定されている。
次いで、図51(b)で示すように、第7実施形態のパチンコ機10では、「通常遊技状態」及び「潜伏確率変動状態」の場合に設定される普通図柄の可変表示時間は「3秒」となるように普図変動時間テーブル202gで規定されている。つまり、「通常遊技状態」及び「潜伏確率変動状態」において普通図柄の可変表示が開始されてから停止図柄が導出されるまでの時間は、もれなく「3秒」となるように設定されている。
一方で、「確率変動状態」の場合に設定される普通図柄の可変表示時間は「0.5秒」となるように普図変動時間テーブル202gで規定されている。つまり、「確率変動状態」において普通図柄の可変表示が開始されてから停止図柄が導出されるまでの時間は、もれなく「0.5秒」となるように設定されている。
次いで、図51(c)で示すように、第7実施形態のパチンコ機10では、「通常遊技状態」又は「潜伏確率変動状態」において普通図柄に当選した場合に設定される出没板79bの突出時間は「2秒」となるように普通電役制御テーブル202hで規定されている。つまり、「確率変動状態」以外の遊技状態において、普通図柄に当選した場合には、出没板79bの突出時間は、もれなく「2秒」となるように設定されている。
一方で、「確率変動状態」において普通図柄に当選した場合に設定される出没板79bの突出時間は「5秒」となるように普通電役制御テーブル202hで規定されている。つまり、「確率変動状態」において、普通図柄に当選した場合には、出没板79bの突出時間は、もれなく「5秒」となるように設定されている。
従って、第7実施形態のパチンコ機10では、普通図柄の当否確率、普通図柄の可変表示時間および出没板79bの突出時間のバリエーションが「通常遊技状態」と「潜伏確率変動状態」とで同一設定であり、「確率変動状態」のみ異なるように構成される。具体的には、「通常遊技状態」及び「潜伏確率変動状態」では、普通図柄の当否確率が低確率であって、普通図柄の可変表示時間が長時間であり、出没板79bの突出時間が短時間となるように設定されている。また、「確率変動状態」では、普通図柄の当否確率が高確率であって、普通図柄の可変表示時間が短時間であり、出没板79bの突出時間が長時間となるように設定されている。
そして、第7実施形態では、普通図柄に関する設定が不利な設定である「通常遊技状態」と「潜伏確率変動状態」とにおいて、「通常遊技状態」では、左打ち遊技を行うことで、特図1第1入賞口77a又は特図1第2入賞口77bに入賞し得る遊技状態とし、「潜伏確率変動状態」では、右打ち遊技を行うことで、特図1第2入賞口77bに入賞し易い遊技状態とする。また、普通図柄に関する設定が有利な設定である「確率変動状態」において、右打ち遊技を行うことで、特図2入賞口78に入賞し易い遊技状態とする。よって、遊技状態毎に入賞し得る入賞口77,78を異ならせつつ、遊技者に理解し易い遊技仕様とすることで、遊技者から敬遠され難いパチンコ機10を提供し、該パチンコ機10の稼働低下を防止することができる。
次に、図52を参照して、第7実施形態における主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理(図17参照)の一処理である普図変動処理(S111)について説明する。図52は、第7実施形態の普図変動処理(S111)を示したフローチャートである。第7実施形態の普図変動処理(S111)では、普通図柄の可変表示時間に関し、「通常遊技状態」と「潜伏確率変動状態」では長時間(即ち、「3秒」)となるように設定し、「確率変動状態」では短時間(即ち、「0.5秒」)となるように設定する。
具体的には、第7実施形態の普図変動処理(S111)のS451において、「通常遊技状態」又は「潜伏確率変動状態」であるか否かを判別し(S451)、判別の結果、「通常遊技状態」又は「潜伏確率変動状態」であると判別された場合は(S451:Yes)、普通図柄の可変表示時間を「3秒」に設定して(S408)、処理をS410へ移行する。一方、「通常遊技状態」又は「潜伏確率変動状態」でないと判別された場合(S451:No)、即ち、「確率変動状態」である場合は、普通図柄の可変表示時間を「0.5秒」に設定して(S409)、処理をS410へ移行する。
そして、S410の処理では、遊技状態に応じて普図当たり乱数テーブル202fを参照して普通図柄の可変表示における停止図柄、即ち、普通図柄の可変表示の当否を決定する(S410)。具体的には、「通常遊技状態」又は「潜伏確率変動状態」では、普図当たり乱数テーブル202fにおける「通常遊技状態」及び「潜伏確率変動状態」用のグループを参照して、普図保留球実行エリア203iに格納されている普図当たり乱数カウンタC4の値を判定し、普通図柄の可変表示の停止図柄(即ち、普通図柄の当否)を決定する。また、「確率変動状態」では、普図当たり乱数テーブル202fにおける「確率変動状態」用のグループを参照して、普図保留球実行エリア203iに格納されている普図当たり乱数カウンタC4の値を判定し、普通図柄の可変表示の停止図柄(即ち、普通図柄の当否)を決定する。S410の処理の後は、この普図変動処理(S111)を終了して、タイマ割込処理(図17参照)に戻る。
なお、普通図柄の当選に基づく出没板79bの突出時間は、第1実施形態と同様、普通電役制御処理(S104)において、「通常遊技状態」及び「潜伏確率変動状態」では「2秒」に設定され、「確率変動状態」では「5秒」に設定される(図51(c)参照)。
このように構成することで、遊技状態毎に普通図柄に関する各種抽選や挙動に関して統一的な設定とし、遊技者に理解し易い遊技仕様とすることで、遊技者から敬遠され難いパチンコ機10を提供して、該パチンコ機10の稼働低下を防止することができる。
次に、図53を参照して、第7実施形態の各遊技状態における遊技性、即ち、球の発射態様に基づく球の挙動と、それに伴う出没板79bの挙動とを説明する。
図53は、第7実施形態の各遊技状態において、左打ち時において交互振分ユニット71の振分入球口72から入球した球の挙動、又は、右打ち時において普通電役ユニット79の右側普通図柄ゲート76bから入球した球の挙動と、出没板79bの挙動とを説明するための模式図である。図53(a)は、第7実施形態の「通常遊技状態」における左打ち時に、交互振分ユニット71の振分入球口72から入球した球の挙動を説明するための図であり、図53(b)は、第7実施形態の「潜伏確率変動状態」における右打ち時に、出没板79bの挙動と、該出没板79bの上面を転動する球の挙動とを説明するための図であり、図53(c)は、第7実施形態の「確率変動状態」における右打ち時に、出没板79bの挙動と、該出没板79bの上面を転動する球の挙動とを説明するための図である。
なお、第7実施形態における交互振分ユニット71および普通電役ユニット79の構成において、第1実施形態と相違する点は、ユニット内普通図柄ゲート76aの配設有無と、特図1拡大案内部77eの構成と、交互振分ユニット71に対する普通電役ユニット79(出没板79b)の配設位置と、普通電役ユニット79における減速部79d,79eの配設位置とが異なっている点である。その他の構成については、第1実施形態と同一であるため、その説明を省略する。
まず、図53(a)で示すように、第7実施形態の「通常遊技状態」において振分装置73によって左側経路74に振り分けられた球は、振分装置73から振り分けられてから「2秒」後に左側経路74の左側出口から流出し、該左側出口の下方に配置された特図1第1入賞口77aに入賞する。
また、第7実施形態の「通常遊技状態」において振分装置73によって右側経路75に振り分けられた球も、振分装置73から振り分けられてから「2秒」後に右側経路75の右側出口から流出し、該右側出口の下方に配置された右側特図2入賞口78bに入賞する。
この場合に、右側経路75に普通図柄の抽選契機となる普通図柄ゲートが設けられていないため、球が右側経路75を通過しても普通図柄の抽選契機を取得できないことから、普通図柄の可変表示は行われない。その結果、出没板79bも突出状態となり得ず、右側経路75へ振り分けられた球は、そのまま特図1第2入賞口77bへ入賞する。
ここで、第7実施形態のパチンコ機10では、普通図柄の抽選契機を得る装置として、普通電役ユニット79の右側普通図柄ゲート76bのみを設け、交互振分ユニット71には普通図柄の抽選契機を取得可能な普通図柄ゲート等のスイッチを配設しないように構成する。
このように構成することで、普通電役ユニット79の右側普通図柄ゲート76bのみで上記遊技性を実現することで、交互振分ユニット71内に普通図柄ゲートを配設せずに済むので、交互振分ユニット71における部品点数を少なくし、製造コストを抑制することができる。
また、交互振分ユニット71内での球の検出をしないように構成することで、チャタリングの発生を防止することができる。
なお、第7実施形態の「通常遊技状態」において右打ちが行われた場合は、右側普通図柄ゲート76bを通過した球は、「1秒」後に出没板79bの右端部の位置に到達する。また、「通常遊技状態」における普通図柄の可変表示時間は「3秒」行われるため、右側普通図柄ゲート76bの通過に基づく普通図柄の可変表示が終了する前、即ち、可変表示に基づいて出没板79bが突出状態となる前に、普通電役ユニット79の下流側(遊技盤13下方側)へ流出する。
また、球が連続的に入球した場合であっても、「通常遊技状態」では「確率変動状態」より普通図柄の当たりが発生し難いように構成されている。さらに、当たりとなって出没板79bが突出状態を維持する時間が「2秒」であって、外側減速部79d及び内側減速部79eにより出没板79bの上面を右端部から左端部まで転動するために要する時間は「2.5秒」となると共に、外側減速部79dにより出没板79bの上面を右端部から特図1第2入賞口77b上方位置まで転動するために要する時間は「1.5秒」となる。
その結果、出没板79bが突出状態を維持している間に特図2入賞口78側まで転動することなく、該出没板79bの上面を左端方向へ転動している最中に該出没板79bが没入状態に変位した場合に普通電役ユニット79の下流側(遊技盤13下方側)へと流下する。一方、出没板79bが突出状態を維持している間に特図1第2入賞口77b上方まで球が転動することが可能に構成されているが、「通常遊技状態」において右側普通図柄ゲート76bが球の通過を検知した場合には、警報音を鳴らすように構成されている。その結果、遊技者に、「通常遊技状態」において右打ち遊技を行わせることなく、左打ち遊技を行わせることができる。
このように、第7実施形態の「通常遊技状態」では、左打ちの遊技によって交互振分ユニット71に入球した球は、特図1第1入賞口77aか、特図1第2入賞口77bかのいずれかに交互に入賞するため、第1特別図柄の第1抽選遊技が実行され得る遊技が行われるように構成されている。
次いで、図53(b)で示すように、第7実施形態の「潜伏確率変動状態」において右側普通図柄ゲート76bを通過して普通電役ユニット79内に流入した球は、そのまま下流側へと流下し、右側普通図柄ゲート76bを通過してから「1秒」後に出没板79bの右端の位置へと到達する。この場合に、右側普通図柄ゲート76bを通過した球は、「1秒」後に出没板79bの右端部の位置に到達する。
また、「潜伏確率変動状態」における普通図柄の可変表示時間は「3秒」行われるため、右側普通図柄ゲート76bの通過に基づく普通図柄の可変表示が終了する前、即ち、可変表示に基づいて出没板79bが突出状態となる前に、普通電役ユニット79の下流側(遊技盤13下方側)へ流出する。
また、球が連続的に入球した場合は、「潜伏確率変動状態」では普通図柄の当たりが発生し難いように構成されている。さらに、当たりとなって出没板79bが突出状態を維持する時間が「2秒」であって、外側減速部79d及び内側減速部79eにより出没板79bの上面を右端部から左端部まで転動するために要する時間は「2.5秒」となると共に、外側減速部79dにより出没板79bの上面を右端部から特図1第2入賞口77b上方位置まで転動するために要する時間は「1.5秒」となる。
その結果、出没板79bが突出状態を維持している間に特図2入賞口78側まで転動することなく、該出没板79bの上面を左端方向へ転動している最中に該出没板79bが没入状態に変位した場合に普通電役ユニット79の下流側(遊技盤13下方側)へと流下する。
一方、出没板79bが突出状態を維持している間に、右側普通図柄ゲート76bを連続して通過した球が、特図1第2入賞口77b上方まで転動することが可能に構成されており、また、「潜伏確率変動状態」において右側普通図柄ゲート76bが球の通過を検知した場合には、警報音は鳴らないように構成されている。さらに、上述したように、「潜伏確率変動状態」では、普通図柄の当選確率は「確率変動状態」より低いものの、1/2の確率で当選して出没板79bが突出状態に変位するように構成されている。
よって、「潜伏確率変動状態」において右打ち遊技を実行することで、第1特別図柄の第1抽選遊技の抽選契機を取得し易くしつつ、所定の賞球(即ち、2個/1入賞)を付与して、遊技者の所持球を著しく損わせることなく遊技を行わせることができる。
なお、第7実施形態の「潜伏確率変動状態」において左打ちの遊技を行い、振分装置73によって左側経路74に振り分けられた球は、振分装置73から振り分けられてから「2秒」後に左側経路74の左側出口から流出し、該左側出口の下方に配置された特図1第1入賞口77aに入賞する。
また、第7実施形態の「潜伏確率変動状態」において振分装置73によって右側経路75に振り分けられた球も、振分装置73から振り分けられてから「2秒」後に右側経路75の右側出口から流出し、該右側出口の下方に配置された特図1第2入賞口77bに入賞する。
なお、第7実施形態の「潜伏確率変動状態」では、左打ち遊技を行った場合には、出没板79b等による入賞補助が行われないため、「通常遊技状態」と同様の有利度合となる。
従って、第7実施形態の「潜伏確率変動状態」では、右打ちの遊技によって右側普通図柄ゲート76bから普通電役ユニット79内に入球した球は、出没板79bによる入賞補助によって特図1第2入賞口77bへ入賞し易いように構成されているため、出没板79bによる入賞補助が行われない左打ち遊技を行うより、出没板79bによる入賞補助が行われる右打ち遊技を継続的に行った方が、第1特別図柄の第1抽選遊技が実行され得る遊技が行われるように構成されている。
次いで、図53(c)で示すように、第7実施形態の「確率変動状態」において右側普通図柄ゲート76bを通過して普通電役ユニット79内に流入した球は、そのまま下流側へと流下し、右側普通図柄ゲート76bを通過してから「1秒」後に出没板79bの右端部の位置へと到達する。
この場合に、球が右側普通図柄ゲート76bを通過したことによって普通図柄の抽選契機が得られ、普通図柄の可変表示が開始される。そして、第7実施形態の「確率変動状態」における可変表示は、「0.5秒」行われる。右側普通図柄ゲート76bを通過した球は、該右側普通図柄ゲート76bを通過したタイミングから「1秒」後に出没板79bの右端部の位置に到達するように構成されている。よって、球が、右側普通図柄ゲート76bを通過したタイミングから出没板79bの右端部に到達する時間より、普通図柄の可変表示時間の方が短いため、球が出没板79bの右端部の位置に到達するタイミングでは、可変表示の結果が導出されている。
また、第7実施形態の「確率変動状態」では、普通図柄の当選確率が「通常遊技状態」及び「潜伏確率変動状態」よりも当選し易く構成されている。さらに、第7実施形態の「確率変動状態」における出没板79bの突出時間は「5秒」であり、可変表示が開始されてから出没板79bが突出して没入するまでの合計時間は「5.5秒」となっている。
よって、球が右側普通図柄ゲート76bを通過してから出没板79bの右端部の位置に到達するまでの間に、出没板79bが突出状態となり、その状態を維持している可能性が高い。その結果、出没板79bの右端の位置に到達した球は、出没板79bの右端部と衝突し、その位置から出没板79bの上面を左端方向へ転動し、交互振分ユニット71側(特図2入賞口78側)へと案内され始める。
そして、出没板79bの右端部から該出没板79bの上面を左端方向へ転動する球は、まず、普通電役ユニット79の外側に設けられた外側減速部79dと衝突しながら、出没板79bの中央部分に到達する。第7実施形態では、出没板79bの右端部から中央部分まで転動するために要する時間は「1.5秒」かかるように構成されている。
また、出没板79bの中央部分から該出没板79bの上面を左端方向へ転動する球は、普通電役ユニット79の内側に設けられた内側減速部79eと衝突しながら、出没板79bの左端部に到達する。内側減速部79eは、外側減速部79dより減速部の数が少なく(例えば、外側減速部79dの減速部の数が「4」の場合には、内側減速部79eの減速部の数が「2」)構成されているため、第7実施形態では、出没板79bの中央部分から左端部まで転動するために要する時間は「1秒」かかるように構成されている。
即ち、第7実施形態では、出没板79bの右端部から中央部分まで転動するために要する時間は「1.5秒」かかり、出没板79bの中央部分から左端部まで転動するために要する時間は「1秒」かかるように構成されているため、出没板79bの右端部から左端部まで転動するために要する時間は「1.5秒」+「1秒」=「2.5秒」かかるように構成されている。
よって、第7実施形態の「確率変動状態」では、出没板79bの右端部から左端部まで球が転動するために要する時間は「2.5秒」であるが、上述したように、普通図柄の可変表示の開始から出没板79bが突出して没入するまでの時間は「5.5秒」であるため、右側普通図柄ゲート76bを通過した球は、出没板79bが突出状態を維持している間に該出没板79bの上面を右端部から左端部まで転動しきり、特図2入賞口78側へと案内される。
また、普通図柄の可変表示の実行契機となった球から連続的に普通電役ユニット79内に流入した複数の球は、出没板79bが突出状態を維持している間、特図2入賞口78側へと案内され、特図2入賞口78へ入賞し得るように構成されている。具体的には、第7実施形態では、球の発射間隔が「0.6秒」間隔であって、当該間隔毎に右側普通図柄ゲート76bを通過した場合、3個の球が追加的に特図2入賞口78側へと案内される。
即ち、第7実施形態では、出没板79bが1回突出状態となった場合に、第2特別図柄の第2抽選遊技の抽選契機を4回得ることができるように構成されている。よって、特図2入賞口78への入賞補助が行われる「確率変動状態」において右打ち遊技を実行することで、第2特別図柄の第2抽選遊技の抽選契機を複数取得し易くしつつ、所定の賞球(即ち、2個/1入賞)を付与して、遊技者の所持球を著しく損わせることなく遊技を行わせることができる。
なお、第7実施形態では、最初の球が右側普通図柄ゲート76bを通過してから5個目以降の球は、出没板79bの上面を転動している最中に該出没板79bが突出状態から没入状態に変位するため、特図1第2入賞口77b上方に設けられて該特図1第2入賞口77b上方にある球を該特図1第2入賞口77bへ案内する特図1拡大案内部77eの構成も相俟って、特図1第2入賞口77bに入賞してしまう場合がある。よって、「確率変動状態」において、右打ちの発射球数を常に4個以下で遊技を行わせるという技量が必要な遊技性を生み出し、遊技の興趣を向上することができる。
また、第7実施形態の「確率変動状態」において左打ちの遊技を行い、振分装置73によって左側経路74に振り分けられた球は、振分装置73から振り分けられてから「2秒」後に左側経路74の左側出口から流出し、該左側出口の下方に配置された特図1第1入賞口77aに入賞する。
さらに、第7実施形態の「確率変動状態」において振分装置73によって右側経路75に振り分けられた球も、振分装置73から振り分けられてから「2秒」後に右側経路75の右側出口から流出し、該右側出口の下方に配置された特図1第2入賞口77bに入賞する。
また、第7実施形態の「確率変動状態」では、左打ち遊技を行った場合には、出没板79b等による入賞補助が行われないため、「潜伏確率変動状態」と同様の有利度合となる。
従って、第7実施形態の「確率変動状態」では、右打ちの遊技によって右側普通図柄ゲート76bから普通電役ユニット79内に入球した球は、特図2入賞口78へ入賞し易いように構成されているため、入賞補助が行われない左打ち遊技を行うより、入賞補助が行われる右打ち遊技を継続的に行った方が、第2特別図柄の第2抽選遊技が実行され易い遊技が行われるように構成されている。
以上、説明したように、第7実施形態のパチンコ機10によれば、左打ちの遊技においては、「通常遊技状態」において特図1第1入賞口77a又は特図1第2入賞口77bへの入賞に基づく第1特別図柄の第1抽選遊技による遊技を行わせることができる。また、右打ちの遊技においては、「潜伏確率変動状態」において特図1第2入賞口77bへの入賞に基づく第1特別図柄の第1抽選遊技による遊技を行わせ、「確率変動状態」において特図2入賞口78への入賞に基づく第2特別図柄の第2抽選遊技による遊技を行わせることができる。よって、3つの遊技状態それぞれで入賞し得る入賞口77a,77b,78のバリエーションを異ならせることで、遊技にバリエーションを設け、遊技の興趣を向上することができる。
また、「通常遊技状態」及び「潜伏確率変動状態」において、普通図柄の当選確率、普通図柄の可変表示時間、及び、出没板79bの突出時間を不利な設定とし、「確率変動状態」のみ普通図柄の当選確率、普通図柄の可変表示時間、及び、出没板79bの突出時間を有利な設定とする。このように構成することで、遊技状態毎に入賞し得る入賞口77a,77b,78を異ならせつつ、遊技状態毎に普通図柄に関する各種抽選や挙動に関して統一的な設定とし、遊技者に理解し易い遊技仕様とすることで、遊技者から敬遠され難いパチンコ機10を提供し、該パチンコ機10の稼働低下を防止することができる。
また、交互振分ユニット71内に普通図柄ゲートを配設せずに上記遊技性を実現することができるため、交互振分ユニット71における部品点数を削減し、製造コストの増加を抑制することができる。
さらに、交互振分ユニット71内での球の検出をしないように構成することで、チャタリングの発生を防止することができる。
その他、第7実施形態におけるパチンコ機10は、第1実施形態乃至第6実施形態と同一の構成によって、同一の効果を奏する。
<第8実施形態>
次いで、図54から図58を参照して、第8実施形態のパチンコ機10について説明する。第1実施形態のパチンコ機10では、「通常遊技状態」及び「潜伏確率変動状態」では左打ちの遊技が推奨され、「確率変動状態」では右打ちの遊技が推奨されており、各遊技状態ごとに球の発射態様が固定的であって、各遊技状態ごとに入賞し得る入賞口77,78が違えど発射態様が固定的であることから、遊技が単調となり、上記興趣向上効果を効果的に発揮させることが難しくなり得る。
これに対し、第8実施形態のパチンコ機10によれば、「潜伏確率変動状態」において、左打ち遊技及び右打ち遊技を共に実行可能に構成し、遊技者により発射態様を選択可能に構成しつつ、各遊技状態毎に入賞し得る入賞口63a,77a,77f,78cのバリエーションを異ならせることで、遊技者の意思に応じて入賞し得る入賞口77a,77f,78cを変更できるという新たな遊技性を付与して、遊技の興趣を向上することができる。
以下、第8実施形態におけるパチンコ機10について、第1実施形態乃至第7実施形態におけるパチンコ機10と相違する点を中心に説明する。以下の説明では、第1実施形態乃至第7実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明を省略する。
まず、図54を参照して、第8実施形態における各遊技状態毎の普通図柄の当選確率、普通図柄の可変表示時間、及び、出没板79bの突出時間を説明する。図54(a)は、第8実施形態のROM202に記憶される普図当たり乱数テーブル202fの一例を模式的に示した模式図である。また、図54(b)は、第8実施形態のROM202に記憶される普図変動時間テーブル202gの一例を模式的に示した模式図である。さらに、図54(c)は、第8実施形態のROM202に記憶される普通電役制御テーブル202hの一例を模式的に示した模式図である。
図54(a)で示すように、第8実施形態のパチンコ機10では、全ての遊技状態で当たりとなる普図当たり乱数カウンタC4の値の数は90個で、その値「10〜99」が、普図当たり乱数テーブル202fに格納されている。つまり、いずれの遊技状態においても普通図柄の当たり確率は、90/100=9/10となるように設定されている。
次いで、図54(b)で示すように、第8実施形態のパチンコ機10では、「通常遊技状態」及び「潜伏確率変動状態」の場合に設定される普通図柄の可変表示時間は「3秒」となるように普図変動時間テーブル202gで規定されている。つまり、「通常遊技状態」及び「潜伏確率変動状態」において普通図柄の可変表示が開始されてから停止図柄が導出されるまでの時間は、もれなく「3秒」となるように設定されている。
一方で、「確率変動状態」の場合に設定される普通図柄の可変表示時間は「0.5秒」となるように普図変動時間テーブル202gで規定されている。つまり、「確率変動状態」において普通図柄の可変表示が開始されてから停止図柄が導出されるまでの時間は、もれなく「0.5秒」となるように設定されている。
次いで、図54(c)で示すように、第8実施形態のパチンコ機10では、「通常遊技状態」又は「潜伏確率変動状態」において普通図柄に当選した場合に設定される出没板79bの突出時間は「2秒」となるように普通電役制御テーブル202hで規定されている。つまり、「確率変動状態」以外の遊技状態において、普通図柄に当選した場合には、出没板79bの突出時間は、もれなく「2秒」となるように設定されている。
一方で、「確率変動状態」において普通図柄に当選した場合に設定される出没板79bの突出時間は「3秒」となるように普通電役制御テーブル202hで規定されている。つまり、「確率変動状態」において、普通図柄に当選した場合には、出没板79bの突出時間は、もれなく「3秒」となるように設定されている。
従って、第8実施形態のパチンコ機10では、普通図柄の当否確率、普通図柄の可変表示時間および出没板79bの突出時間のバリエーションが「通常遊技状態」及び「潜伏確率変動状態」と、「確率変動状態」とで異なるように構成され、特に、全ての遊技状態において普通図柄の当選確率が共通であり、また、「確率変動状態」では、「通常遊技状態」及び「潜伏確率変動状態」より出没板79bの突出時間がやや長く(即ち、「2秒」から「3秒」)なるするように構成される。
次いで、図55から図58を参照して、第8実施形態の各遊技状態における遊技性、即ち、球の発射態様に基づく球の挙動と、それに伴う出没板79bの挙動とを説明する。
図55は、第8実施形態の各遊技状態において、左打ち時において交互振分ユニット71の振分入球口72から入球した球の挙動、又は、右打ち時において普通電役ユニット79の右側普通図柄ゲート76bから入球した球の挙動と、出没板79bの挙動とを説明するための模式図である。図55(a)は、第8実施形態の「通常遊技状態」における左打ち時に交互振分ユニット71の振分入球口72から入球した球の挙動と、出没板79bの挙動とを説明するための図であり、図55(b)は、第8実施形態の「潜伏確率変動状態」における左打ち時又は右打ち時に、交互振分ユニット71の振分入球口72から入球した球の挙動と、普通電役ユニット79内に入球した球の挙動と、出没板79bの挙動と、該出没板79bの上面を転動する球の挙動とを説明するための図であり、図55(c)は、第8実施形態の「確率変動状態」における右打ち時に、出没板79bの挙動と、該出没板79bの上面を転動する球の挙動とを説明するための図であり、図55(d)は、図55(a)のB−B線における普通電役ユニット79の模式的断面図である。
また、図56(a)は、第8実施形態の「通常遊技状態」における左打ち時において、交互振分ユニット71の右側経路75に振り分けられた球の流下タイミングと、普通図柄の可変表示と、出没板79bの突出時間とを示したタイミングチャートであり、図56(b)は、第8実施形態の「通常遊技状態」における右打ち時において、普通電役ユニット79内に流入した(右側普通図柄ゲート76bを通過した)球の流下タイミングと、普通図柄の可変表示と、出没板79bの突出時間とを示したタイミングチャートである。
なお、第8実施形態における交互振分ユニット71および普通電役ユニット79の構成において、第1実施形態と相違する点は、交互振分ユニット71の左側経路74の構成と、交互振分ユニット71の右側経路75の右側奥行第2通路75bの構成と、交互振分ユニット71のユニット内一般入賞口63aの構成と、交互振分ユニット71の右側特図2第2入賞口78cの配設位置と、交互振分ユニット71の特図2案内部78dの構成と、外側特図1第2入賞口77fの構成と、普通電役ユニット79における右側集約減速部79m及び左側分散減速部79nの構成とが異なっている点である。その他の構成については、第1実施形態と同一であるため、その説明を省略する。
図55(a)で示すように、第8実施形態の左側経路74は、振分装置73によって交互振分ユニット71内の左側に案内された球が流下する経路である。この左側経路74の左側下方には、該左側経路74を流下する球が流出する左側出口が設けられ、該左側出口の下方位置には、特図1第1入賞口77aが配設されている。よって、左側経路74に案内された球は、左側経路74内を流下した後、特図1第1入賞口77aへ入賞するように構成されている。
また、左側経路74は、球の流下通路として所定の長さを有しており、第8実施形態のパチンコ機10では、振分装置73によって左側経路74に振り分けられた球が、該左側経路74に流入してから左側出口に到達するまで「1秒」の時間を要するように構成されている。即ち、振分装置73によって左側に振り分けられた球は、そのタイミングから「1秒」後に左側出口から流出して、特図1第1入賞口77aに入賞することとなる。
図55(a)で示すように、第8実施形態の右側経路75は、振分装置73によって交互振分ユニット71内の右側に案内された球が流下する経路である。この右側経路75の右側下方には、該右側経路75を流下する球が流出する右側出口が設けられ、該右側出口の下方位置には、右側特図2第2入賞口78cが配設されている。また、この右側出口の下方位置には、普通電役ユニット79の出没板79bの左端部が位置している。
この右側経路75には、ユニット内普通図柄ゲート76aが配設されていると共に、該右側経路75に流入した球が、該右側経路75の右側出口から排出されるまでに要する時間が長くなるように右側奥行第2通路75bが形成されている。この右側奥行第2通路75bにより、右側経路75に振り分けられた球は、ユニット内普通図柄ゲート76aを通過したタイミングから「4.4秒」後に右側経路75の右側出口から流出するように構成されている。
右側特図2第2入賞口78cには、特図2案内部78dが設けられている。この特図2案内部78dは、出没板79bから流下した球を右側特図2第2入賞口78cへ案内し易いように、右側特図2第2入賞口78cの入賞口幅より拡幅して(例えば、右側特図2第2入賞口78cの入賞口幅の1.5倍の大きさで)構成されている。その結果、出没板79bが突出状態であっても、球が左側分散減速部79nと衝突している間に、該出没板79bが没入状態に切り替わった場合、出没板79bの上面を転動していた球は特図2案内部78dへ流下し、右側特図2第2入賞口78cに入賞し得るように構成されている。
右側特図2第2入賞口78cの左側(特図1第1入賞口77aの右側)には、ユニット内一般入賞口63aが配設されている。このユニット内一般入賞口63aに球が入賞した場合には、所定数(例えば、3個)の賞球が払い出されるのみであって、第1抽選遊技及び第2抽選遊技は実行されないように構成されている。このユニット内一般入賞口63aへは、出没板79bの上面を転動し、該出没板79bの左端部分から流下した球が入賞し得るように構成されている。
普通電役ユニット79の右側集約減速部79mは、普通電役ユニット79が遊技盤13と接する基部79yに設けられたリブ形状の複数の奥側減速部79m1,79m3と、該基部79yの対面側に位置するカバー部79xの裏面側(基部79y側)に設けられたリブ形状の複数の手前側減速部79m2,79m4とにより構成されている。
これにより、第8実施形態のパチンコ機10では、出没板79bの右端に到達した球が、該出没板79bの上面を転動し、該出没板79bの中央右側部分(外側特図1第2入賞口77f)まで到達するまでに「1.5秒」の時間を要するように構成されている。その結果、出没板79bが突出状態であっても、球が右側集約減速部79mと衝突している間に、該出没板79bが没入状態に切り替わった場合、出没板79bの上面を転動していた球は外側特図1第2入賞口77fへ入賞するように構成されている。
普通電役ユニット79の左側分散減速部79nは、普通電役ユニット79が遊技盤13と接する基部79yに設けられたリブ形状の1の奥側減速部79n1と、該基部79yの対面側に位置するカバー部79xの裏面側(基部79y側)に設けられたリブ形状の1の手前側減速部79n2とにより構成されている。
これにより、第8実施形態のパチンコ機10では、出没板79bの中央部分に到達した球が、該出没板79bの上面を左端方向へ転動し、該出没板79bの左端部まで到達するまでに「1秒」の時間を要するように構成されている。
図55(a)で示すように、第8実施形態の「通常遊技状態」において振分装置73によって左側経路74に振り分けられた球は、振分装置73から振り分けられてから「1秒」後に左側経路74の左側出口から流出し、該左側出口の下方に配置された特図1第1入賞口77aに入賞する。
一方、第8実施形態の「通常遊技状態」において振分装置73によって右側経路75に振り分けられた球は、まず、振分装置73から振り分けられた「0.1秒」後にユニット内普通図柄ゲート76aを通過し、該ユニット内普通図柄ゲート76aを通過してから交互振分ユニット71を正面視した状態で奥へ向かう方向にやや下り坂で傾斜(図面上は省略)する所定長さ(例えば、4センチメートル)の第2奥方向通路(図示せず)と該第2奥方向通路から手前方向に折り返してやや下り坂で傾斜(図面上は省略)する所定長さ(例えば、4センチメートル)の第2手前方向通路(図示せず)とにより構成される右側奥行第2通路75bを通過し、ユニット内普通図柄ゲート76aを通過したタイミングから「4.4秒」後に右側経路75の右側出口から流出する。即ち、振分装置73から右側経路75に振り分けられたタイミングから「4.5秒」後に右側経路75の右側出口から流出する。
この場合に、図56(a)で示すように、球が振分装置73により右側経路75に振り分けられた場合、振り分けられたタイミングから「4.5秒」後に右側経路75の右側出口から流出するように構成されている。また、球が右側経路75に振り分けられてから「0.1秒」後に右側経路75に埋設されたユニット内普通図柄ゲート76aを通過し、該ユニット内普通図柄ゲート76aを通過したことによって普通図柄の抽選契機が得られ、普通図柄の保留球が存在しないことを条件に普通図柄の可変表示が開始される。
第8実施形態の「通常遊技状態」における可変表示は、「3秒」行われる。よって、球がユニット内普通図柄ゲート76aを通過したタイミングから右側経路75の右側出口から流出するまでに要する時間より、普通図柄の可変表示時間の方が短いため、球がユニット側分離出没板79b3の左端の位置に到達するタイミングでは、可変表示の結果が導出されている。
また、第8実施形態の「通常遊技状態」では、普通図柄の当選確率が他の遊技状態と同様、当選し易く構成されている。さらに、第8実施形態の「通常遊技状態」における出没板79bの突出時間は「2秒」であり、普通図柄の可変表示が開始されてから出没板79bが突出して没入するまでの合計時間は「5秒」となっている。
よって、球がユニット内普通図柄ゲート76aを通過してから出没板79bの配設位置に到達するまでの間に、出没板79bが突出状態となり、その状態を維持している可能性が高い。その結果、右側経路75の右側出口から流出して出没板79bの配設位置に到達した球は、出没板79bの上面を左端方向へ転動し、ユニット内一般入賞口63aへと案内される。
なお、図56(b)で示すように、「通常遊技状態」において右打ちが行われた場合は、右側普通図柄ゲート76bを通過した球は、「1秒」後に出没板79bの右端部の位置に到達する。また、「通常遊技状態」における普通図柄の可変表示時間は「3秒」行われるため、右側普通図柄ゲート76bの通過に基づく普通図柄の可変表示が終了する前、即ち、可変表示に基づいて出没板79bが突出状態となる前に、普通電役ユニット79の下流側(遊技盤13下方側)へ流出する。
また、球が連続的に入球した場合であっても、当たりとなって出没板79bが突出状態を維持する時間が「2秒」であって(図54(c)参照)、出没板79bの上面を右端部から左端まで転動するために要する時間は「2.5秒」となる。
その結果、出没板79bが突出状態を維持している間に右側特図2第2入賞口78c上方まで転動することなく、該出没板79bの上面を転動している最中に該出没板79bが没入状態に変位した場合に普通電役ユニット79の下流側へと流下する。
一方、出没板79bが突出状態を維持している間に、右側普通図柄ゲート76bを連続して通過した球が、外側特図1第2入賞口77f上方まで転動することが可能に構成されているが、「通常遊技状態」において右側普通図柄ゲート76bが球の通過を検知した場合には、警報音を鳴らすように構成されている。その結果、遊技者に、「通常遊技状態」において右打ち遊技を行わせることなく、左打ち遊技を行わせることができる。
このように、第8実施形態の「通常遊技状態」では、交互振分ユニット71に入球した球は、特図1第1入賞口77aか、ユニット内一般入賞口63aかのいずれかに交互に入賞するため、第1特別図柄の第1抽選遊技と所定数の賞球が得られる遊技とが行われるように構成されている。ユニット内一般入賞口63aは、所定数の賞球の払い出しのみが行われ、外側特図1第2入賞口77f又は右側特図2第2入賞口78cのように特別図柄の抽選契機を取得することがない。換言すれば、特別図柄の抽選契機に基づく大当たり等の付与は起こり得ないが、賞球という一定の遊技価値は得られるように構成されている。よって、「通常遊技状態」において、出没板79bが突出状態となることで右側特図2第2入賞口78cへの球の入賞が阻害された場合でも、ユニット内一般入賞口63aに球を入賞させて所定の賞球を遊技者に付与して、右側特図2第2入賞口78cへの球の入賞が阻害されたことに基づく遊技者の不満を抑え、遊技に対して興醒めしないようにすることができる。
次いで、図55(b)及び図57を参照して、第8実施形態の「潜伏確率変動状態」における遊技性について説明する。
図55(b)は、第8実施形態の「潜伏確率変動状態」における左打ち時又は右打ち時に、交互振分ユニット71の振分入球口72から入球した球の挙動と、普通電役ユニット79内に入球した球の挙動と、出没板79bの挙動と、該出没板79bの上面を転動する球の挙動とを説明するための図である。
また、図57(a)は、第8実施形態の「潜伏確率変動状態」における左打ち時において、交互振分ユニット71の右側経路75に振り分けられた球の流下タイミングと、普通図柄の可変表示と、出没板79bの突出時間とを示したタイミングチャートであり、図57(b)は、第8実施形態の「潜伏確率変動状態」における右打ち時において、普通電役ユニット79内に流入した(右側普通図柄ゲート76bを通過した)球の流下タイミングと、普通図柄の可変表示と、出没板79bの突出時間とを示したタイミングチャートである。
まず、図55(b)で示すように、第8実施形態の「潜伏確率変動状態」において振分装置73によって左側経路74に振り分けられた球は、振分装置73から振り分けられてから「1秒」後に左側経路74の左側出口から流出し、該左側出口の下方に配置された特図1第1入賞口77aに入賞する。
一方、第8実施形態の「潜伏確率変動状態」において、左打ち遊技により振分装置73によって右側経路75に振り分けられた球は、「通常遊技状態」と同様、振分装置73から振り分けられた「0.1秒」後にユニット内普通図柄ゲート76aを通過し、右側奥行第2通路75bを経て、ユニット内普通図柄ゲート76aを通過したタイミングから「4.4秒」後に右側経路75の右側出口から流出する。即ち、振分装置73から右側経路75に振り分けられたタイミングから「4.5秒」後に右側経路75の右側出口から流出する。
この場合に、図57(a)で示すように、球が振分装置73により右側経路75に振り分けられた場合、振り分けられたタイミングから「4.5秒」後に右側経路75の右側出口から流出するように構成されている。また、球が右側経路75に振り分けられてから「0.1秒」後に右側経路75に埋設されたユニット内普通図柄ゲート76aを通過し、該ユニット内普通図柄ゲート76aを通過したことによって普通図柄の抽選契機が得られ、普通図柄の保留球が存在しないことを条件に普通図柄の可変表示が開始される。
第8実施形態の「潜伏確率変動状態」における可変表示は、「0.5秒」行われる。また、第8実施形態の「潜伏確率変動状態」において、普通図柄の可変表示に当選した場合、出没板79bは「2秒」間、突出するように構成されている。よって、球がユニット内普通図柄ゲート76aを通過したタイミングから右側経路75の右側出口から流出するまでに要する時間より、普通図柄の可変表示時間と右側出没板79b2の突出時間との合計時間の方が短いため、振分装置73によって右側経路75に振り分けられた球は、可変表示の結果が導出されて出没板79bが突出してから没入した後で出没板79bの配設位置を通過して、そのまま右側特図2第2入賞口78cへ入賞する。
一方、第8実施形態の「潜伏確率変動状態」では、右打ち遊技を行って右側普通図柄ゲート76bを球が通過した場合でも警報音が出力されないように構成されている。即ち、左打ち遊技と右打ち遊技とが共に実行可能に構成されている。
ここで、図57(b)で示すように、「潜伏確率変動状態」において右打ちが行われた場合は、球が右側普通図柄ゲート76bを通過したことによって普通図柄の抽選契機が得られ、普通図柄の可変表示が開始される。そして、第8実施形態の「潜伏確率変動状態」における可変表示は、「0.5秒」行われる。右側普通図柄ゲート76bを通過した球は、該右側普通図柄ゲート76bを通過したタイミングから「1秒」後に出没板79bの右端部の位置に到達するように構成されている。よって、球が、右側普通図柄ゲート76bを通過したタイミングから出没板79bの右端部に到達する時間より、普通図柄の可変表示時間の方が短いため、球が出没板79bの右端部の位置に到達するタイミングでは、可変表示の結果が導出されている。
また、第8実施形態の「潜伏確率変動状態」では、普通図柄の当選確率が他の遊技状態と同様、当選し易く構成されている。さらに、第8実施形態の「潜伏確率変動状態」における出没板79bの突出時間は「2秒」であり、普通図柄の可変表示が開始されてから出没板79bが突出して没入するまでの合計時間は「2.5秒」となっている。
ここで、図55(d)を参照して、第8実施形態の普通電役ユニット79の減速部79m,79nの構成について説明する。図55(d)は、図55(a)のB−B線における普通電役ユニット79の模式的断面図である。
図55(d)で示すように、出没板79bが突出状態である場合に、交互振分ユニット71の右側経路75に流入した球は、突出状態の出没板79bの左側部分と衝突し、該出没板79bの傾斜によって該出没板79bの上面を遊技盤13(図3参照)の正面視左側、即ち、ユニット内一般入賞口63a側へと転動する。
具体的には、出没板79bの左側部分から該出没板79bの上面を転動する球は、減速部等と衝突せずに該出没板79bの上面を転動しながら、該出没板79bの左端部から流出する。第8実施形態では、出没板79bの左側部分から左端部まで転動するために要する時間は「0.5秒」かかるように構成されている。
また、出没板79bが突出状態である場合に、普通電役ユニット79の右側普通図柄ゲート76bを通過した球は、突出状態の出没板79bの右端部と衝突し、該出没板79bの傾斜によって該出没板79bの上面を遊技盤13(図3参照)の正面視左側、即ち、交互振分ユニット71側へと転動する。
具体的には、出没板79bの右端部から該出没板79bの上面を左端方向へ転動する球は、まず、普通電役ユニット79の基部79y側に設けられた第1奥右側集約減速部79m1と衝突して、その衝突によって進行方向が変更されて出没板79bの上面をカバー部79x側へと転動する。そして、次に、普通電役ユニット79のカバー部79x側に設けられた第1手前右側集約減速部79m2と衝突して、その衝突によって再び進行方向が変更されて出没板79bの上面を基部79y側へと転動する。その後、普通電役ユニット79の基部79y側に設けられた第2奥右側集約減速部79m3と衝突して、その衝突によって再度進行方向が変更されて出没板79bの上面をカバー部79x側へと転動する。そして、次に、普通電役ユニット79のカバー部79x側に設けられた第2手前右側集約減速部79m4と衝突して、その衝突によって再度進行方向が変更されて出没板79bの上面を基部79y側へと転動しながら、出没板79bの中央部分に到達する。第8実施形態では、出没板79bの右端から中央部分まで転動するために要する時間は「1.5秒」かかるように構成されている。
そして、出没板79bの中央部分を通過した球は、普通電役ユニット79の基部79y側に設けられた奥左側分散減速部79n1と衝突して、その衝突によって進行方向が変更されて出没板79bの上面をカバー部79x側へと転動する。そして、次に、普通電役ユニット79のカバー部79x側に設けられた手前左側分散減速部79n2と衝突して、その衝突によって再び進行方向が変更されて出没板79bの上面を基部79y側へと転動しながら、出没板79bの左端から流出する。
即ち、第8実施形態では、出没板79bの右端部から中央部分まで転動するために要する時間は「1.5秒」かかり、出没板79bの中央部分から左端部まで転動するために要する時間は「1秒」かかるように構成されているため、出没板79bの右端部から左端部まで転動するために要する時間は「1.5秒」+「1秒」=「2.5秒」かかるように構成されている。
その結果、「潜伏確率変動状態」において、出没板79bが突出状態を維持している間に右側特図2第2入賞口78c側まで転動することなく、該出没板79bの上面を左端方向へ転動している最中に該出没板79bが没入状態に変位した場合に普通電役ユニット79の下流側へと流下する。しかしながら、「潜伏確率変動状態」では、出没板79bが突出状態を維持している間に、右側普通図柄ゲート76bを通過した球が、右側特図2第2入賞口78c上方までは転動しない一方、外側特図1第2入賞口77f上方まで転動することが可能に構成されているため、出没板79bが突出状態から没入状態に変位した場合に、出没板79bの上面を転動していた球が、外側特図1第2入賞口77fに入賞し得る。
よって、第8実施形態の「潜伏確率変動状態」において右打ち遊技を実行することで、第1特別図柄の第1抽選遊技の抽選契機を取得し易くしつつ、所定の賞球(即ち、2個/1入賞)を付与して、遊技者の所持球を著しく損わせることなく遊技を行わせることができる。
このように、「潜伏確率変動状態」において、左打ち遊技と右打ち遊技とを共に実行可能に構成し、遊技者によって発射態様を選択可能に構成しつつ、左打ち遊技と右打ち遊技とで入賞し得る入賞口77a,77f,78cのバリエーションを異ならせることで、遊技者の意思に応じて入賞し得る入賞口77a,77f,78cを変更できるという新たな遊技性を付与して、遊技の興趣を向上することができる。
また、第8実施形態のパチンコ機10では、「潜伏確率変動状態」において、左打ち遊技では出没板79bによる入賞補助がない状態での遊技を実行させる一方、右打ち遊技では出没板79bによって外側特図1第2入賞口77fに入賞し易い遊技を実行させる。このように構成することで、入賞口(特図1第1入賞口77a及び右側特図2第2入賞口78c)に入賞し得る条件が「通常遊技状態」と同等に入賞し難いが、遊技者にとって遊技価値が大きい第2特別図柄の第2抽選遊技の抽選機会を得るか、入賞口(外側特図1第2入賞口77f)に入賞し得る条件が「通常遊技状態」より入賞し易いが、遊技者にとって有利ではない第1特別図柄の第1抽選遊技の抽選機会を得るか、という取得可能な遊技価値を含めた遊技態様を選択可能に構成することができる。よって、「潜伏確率変動状態」において遊技者が求める遊技性(射幸性)を適宜選択することができ、遊技の興趣を向上することができる。
次いで、図55(c)及び図58を参照して、第8実施形態の「確率変動状態」における遊技性について説明する。
図55(c)は、第8実施形態の「確率変動状態」における右打ち時において、出没板79bの挙動と、該出没板79bの上面を転動する球の挙動とを説明するための模式図である。
また、図58(a)は、第8実施形態の「確率変動状態」における左打ち時において、交互振分ユニット71の右側経路75に振り分けられた球の流下タイミングと、普通図柄の可変表示と、出没板79bの突出時間とを示したタイミングチャートであり、図58(b)は、第8実施形態の「確率変動状態」における右打ち時において、普通電役ユニット79内に流入した(右側普通図柄ゲート76bを通過した)球の流下タイミングと、普通図柄の可変表示と、出没板79bの突出時間とを示したタイミングチャートである。
まず、図55(c)で示すように、第8実施形態の「確率変動状態」において右側普通図柄ゲート76bを通過して普通電役ユニット79内に流入した球は、そのまま下流側へと流下し、右側普通図柄ゲート76bを通過してから「1秒」後に出没板79bの右端部の位置へと到達する。
この場合に、図58(b)で示すように、球が右側普通図柄ゲート76bを通過したことによって普通図柄の抽選契機が得られ、普通図柄の可変表示が開始される。そして、第8実施形態の「確率変動状態」における可変表示は、「0.5秒」行われる。右側普通図柄ゲート76bを通過した球は、該右側普通図柄ゲート76bを通過したタイミングから「1秒」後に出没板79bの右端部の位置に到達するように構成されている。よって、球が、右側普通図柄ゲート76bを通過したタイミングから出没板79bの右端部に到達する時間より、普通図柄の可変表示時間の方が短いため、球が出没板79bの右端部の位置に到達するタイミングでは、可変表示の結果が導出されている。
また、第8実施形態の「確率変動状態」では、普通図柄の当選確率が他の遊技状態と同様、当選し易く構成されている。さらに、第8実施形態の「確率変動状態」における出没板79bの突出時間は「3秒」であり、可変表示が開始されてから出没板79bが突出して没入するまでの合計時間は「3.5秒」となっている。
よって、球が右側普通図柄ゲート76bを通過してから出没板79bの右端部の位置に到達するまでの間に、出没板79bが突出状態となり、その状態を維持している可能性が高い。その結果、出没板79bの右端部の位置に到達した球は、出没板79bの右端部と衝突し、その位置から出没板79bの上面を左端方向へ転動し、右側特図2第2入賞口78c側へと案内され始める。
さらに、出没板79bの右端から左端まで球が転動するために要する時間は「2.5秒」であるが、上述したように、第8実施形態の「確率変動状態」における可変表示の開始から出没板79bが突出して没入するまでの時間は「3.5秒」であるため、右側普通図柄ゲート76bを通過した球は、出没板79bが突出状態を維持している間に該出没板79bの上面を右端部から左端部まで転動する。しかしながら、最初に右側普通図柄ゲート76bを通過した球が出没板79bの左端部まで転動する時間が「3.5秒」であるため、該球が出没板79bの左端部に到達するタイミングで該出没板79bが突出状態から没入状態に変位する。従って、突出状態から没入状態に変位したタイミングで出没板79bの上面を転動していた球は、出没板79bの下流側(遊技盤13下方側)へと流下する。
上述したように、第8実施形態の「確率変動状態」における可変表示の開始から出没板79bが突出して没入するまでの時間は、「3.5秒」である。従って、右側普通図柄ゲート76bを通過した球は、出没板79bが突出状態を維持している間に該出没板79bの上面を右端部から転動し始めるが、特図2案内部78dの上方位置(即ち、出没板79bの中央部分の位置から左端部の位置)を転動している途中に出没板79bが突出状態から没入状態へ変化し得るため、その転動位置から下流側に配置された特図2案内部78dへと流下し、右側特図2第2入賞口78cに入賞し得る。
また、普通図柄の可変表示の実行契機となった球から連続的に普通電役ユニット79内に流入した複数の球は、出没板79bが突出状態を維持している間、右側特図2第2入賞口78c側へと案内され、右側特図2第2入賞口78cへ入賞し得るように構成されている。具体的には、第8実施形態では、球の発射間隔が「0.6秒」間隔であって、当該間隔毎に右側普通図柄ゲート76bを通過した場合、1個の球が追加的に特図2案内部78d上方へと案内される。即ち、第8実施形態では、出没板79bが1回突出状態となった場合に、第2特別図柄の第2抽選遊技の抽選契機を2回得ることができるように構成されている。よって、「確率変動状態」において右打ち遊技を実行することで、第2特別図柄の第2抽選遊技の抽選契機を複数取得し易くしつつ、所定の賞球(即ち、2個/1入賞)を付与して、遊技者の所持球を著しく損わせることなく遊技を行わせることができる。
なお、第8実施形態では、最初の球が右側普通図柄ゲート76bを通過してから3個目以降の球は、出没板79bの上面を転動している最中に該出没板79bが突出状態から没入状態に変位するため、外側特図1第2入賞口77f上方部分の出没板79bを転動している球が、該外側特図1第2入賞口77fに入賞してしまう場合がある。よって、「確率変動状態」において、右打ちの発射球数を常に2個以下で遊技を行わせるという技量が必要な遊技性を生み出し、遊技の興趣を向上することができる。
なお、図58(a)で示すように、第8実施形態の「確率変動状態」において左打ちが行われた場合は、球が振分装置73により右側経路75に振り分けられた場合、振り分けられたタイミングから「4.5秒」後に右側経路75の右側出口から流出するように構成されている。また、球が右側経路75に振り分けられてから「0.1秒」後に右側経路75に埋設されたユニット内普通図柄ゲート76aを通過し、該ユニット内普通図柄ゲート76aを通過したことによって普通図柄の抽選契機が得られ、普通図柄の可変表示が開始される。
第8実施形態の「確率変動状態」における可変表示は、「0.5秒」行われる。また、第8実施形態の「確率変動状態」において、普通図柄の可変表示に当選した場合、出没板79bは「3秒」間、突出するように構成されている。よって、球がユニット内普通図柄ゲート76aを通過したタイミングから右側経路75の右側出口から流出するまでに要する時間より、普通図柄の可変表示時間と出没板79bの突出時間との合計時間の方が短いため、振分装置73によって右側経路75に振り分けられた球は、可変表示の結果が導出されて出没板79bが突出してから没入した後で出没板79bの配設位置を通過して、右側特図2第2入賞口78cへ入賞する。
なお、第8実施形態の「確率変動状態」では、左打ち遊技を行った場合には、出没板79b等による入賞補助が行われないため、「潜伏確率変動状態」と同様の有利度合となる。
従って、第8実施形態の「確率変動状態」では、右打ちの遊技によって右側普通図柄ゲート76bから普通電役ユニット79内に入球した球は、右側特図2第2入賞口78cへ入賞し易いように構成されているため、入賞補助がない左打ち遊技を行うより、入賞補助が行われる右打ち遊技を継続的に行った方が、第2特別図柄の第2抽選遊技が実行され易い遊技が行われるように構成されている。
以上、説明したように、第8実施形態のパチンコ機10によれば、「潜伏確率変動状態」において、左打ち遊技と右打ち遊技とを共に実行可能に構成し、遊技者によって発射態様を選択可能に構成しつつ、左打ち遊技と右打ち遊技とで入賞し得る入賞口77a,77f,78cのバリエーションを異ならせることで、遊技者の意思に応じて入賞し得る入賞口77a,77f,78cを変更できるという新たな遊技性を付与して、遊技の興趣を向上することができる。
また、第8実施形態のパチンコ機10では、左打ち遊技において出没板79bによる入賞補助がない状態での遊技を実行させる一方、右打ち遊技において出没板79bによって外側特図1第2入賞口77fに入賞し易い遊技を実行させる。このように構成することで、入賞口(特図1第1入賞口77a及び右側特図2第2入賞口78c)に入賞し得る条件が「通常遊技状態」と同等に入賞し難いが、遊技者にとって遊技価値が大きい第2特別図柄の第2抽選遊技の抽選機会を得るか、入賞口(外側特図1第2入賞口77f)に入賞し得る条件が「通常遊技状態」より入賞し易いが、遊技者にとって有利ではない第1特別図柄の第1抽選遊技の抽選機会を得るか、という取得可能な遊技価値を含めた遊技態様を選択可能に構成することができる。よって、「潜伏確率変動状態」において遊技者が求める遊技性(射幸性)を適宜選択することができ、遊技の興趣を向上することができる。
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。例えば、上記実施形態で挙げた数値は一例であり、他の数値を採用することは当然可能である。
また、以下に示す変形例のいずれかの構成に対して、上記実施形態の各構成を組み合わせて構成することは当然に可能である。さらに、以下に示す変形例のいずれかの構成に対して、他の1又は複数の変形例の各構成を組み合わせて構成することは当然に可能である。これらの場合、各構成を適用したことによるさらなる効果を奏することができる。以下、第1実施形態における説明で使用した部品の符番を基に説明するが、他の実施形態における同種類又は近似した部品の符番に置き換えることは当然に可能である。
<変形例1>
上記各実施形態では、交互振分ユニット71に関し、振分入球口72、振分装置73、左側経路74、右側経路75、ユニット内普通図柄ゲート76a、特図1入賞口77および特図2入賞口78等を1の交互振分ユニット71にユニット化して構成していた。これに対し、上記各部材72〜78をそれぞれ別々の部材で構成したり、或いは、交互振分ユニット71とは異なるように各部材72〜78同士をユニット化して構成してもよい。このように構成することで、部品点数は増加するが、各部材72〜78の故障時における交換が容易となり、パチンコ機10のメンテナンス作業の効率を向上することができる。
<変形例2>
上記各実施形態では、普通電役ユニット79に関し、右側普通図柄ゲート76b、出没板79bおよび減速部79c等を1の普通電役ユニット79にユニット化して構成していた。これに対し、上記各部材76b,79b,79cをそれぞれ別々の部材で構成したり、或いは、普通電役ユニット79とは異なるように各部材76b,79b,79c同士をユニット化して構成してもよい。このように構成することで、部品点数は増加するが、各部材76b,79b,79cの故障時における交換が容易となり、パチンコ機10のメンテナンス作業の効率を向上することができる。
<変形例3>
上記各実施形態では、交互振分ユニット71と普通電役ユニット79とをそれぞれ別々のユニットとして構成していた。これに対し、交互振分ユニット71と普通電役ユニット79とを一体化して構成してもよい。本発明の各遊技状態毎に入賞し得る入賞口77,78のバリエーションを変更させる場合に、交互振分ユニット71の特図1第2入賞口77bの配設位置と、普通電役ユニット79の出没板79bの配設位置との関係性が重要となるが、パチンコ機10の製造工程において、ビス止め作業におけるミス(例えば、設置位置のズレ)等が生じた場合、本発明の遊技性を実現できないおそれがある。そこで、交互振分ユニット71と普通電役ユニット79とをユニット化することで、交互振分ユニット71の特図1第2入賞口77bの配設位置と、普通電役ユニット79の出没板79bの配設位置との調整が不要となり、本発明の遊技性を確実に実現することが可能となる。
<変形例4>
上記各実施形態では、各遊技状態における出没板79bの突出パターン(時間)を1パターン又は2パターンで構成していた。これに対し、各遊技状態における出没板79bの突出パターン(時間)を3パターン以上のパターンの中から抽選によって選択するように構成してもよい。このように構成することで、出没板79bの上面を転動する球の流入先を多様化することができ、遊技状態毎に入賞し得る入賞口77,78のバリエーションを更に豊富にすることで、多様な遊技性を実現することで遊技の興趣向上を図ることができる。
<変形例5>
上記各実施形態では、各遊技状態における普通図柄の可変表示時間をそれぞれ固定的(例えば、「通常遊技状態」では「3秒」、「潜伏確率変動状態」及び「確率変動状態」では「0.5秒」等)に構成していた。これに対し、各遊技状態における普通図柄の可変表示時間に複数のパターンを設け、抽選によって該パターンを選択するように構成してもよい。具体的には、例えば、「潜伏確率変動状態」において、普通図柄の可変表示時間のパターンとして、「0.5秒」、「1秒」、「3秒」等のパターンを設け、抽選により該パターンを選択するように構成する。このように構成することで、各遊技状態において普通図柄の可変表示時間の終了タイミングが異なり、出没板79bの突出状態となるタイミングも変化するため、各遊技状態において入賞し得る入賞口77,78のバリエーションを更に豊富にし、多様な遊技性を実現することで遊技の興趣向上を図ることができる。
<変形例6>
上記各実施形態において、各特別図柄の抽選において、「15R確変大当たり」及び「7R潜伏確変大当たり」のいずれかの大当たりのみが付与されるように構成されていた。これに対し、上記大当たりとは異なる大当たり(例えば、「非確変大当たり」や、所謂「突然確変大当たり(2R確変大当たり)」)や、大当たりとは異なる「小当たり」の抽選を行うように構成してもよい。このように構成することで、大当たりに当選した場合に、遊技者に付与される遊技価値を異ならせることで、遊技にバリエーションを設け、多様な遊技性を実現することで遊技の興趣向上を図ることができる。
特に、特別図柄の抽選において「小当たり」を設けた場合、小当たりに当選したときには、「潜伏確率変動状態」が付与される大当たりと同様又は近似した中央大入賞口65a等の開閉態様(即ち、「7R潜伏確変大当たり」であれば、該「7R潜伏確変大当たり」と同様に7回中央大入賞口65aの開閉動作を実行する「7R小当たり」等)とすることで、遊技者に「通常遊技状態」か「潜伏確率変動状態」かを識別困難とする。このように構成することで、いずれの遊技状態かを推測させる遊技性が生まれ、遊技の興趣向上を図ることができる。
なお、「小当たり」とは、中央大入賞口65a等の開閉が実行されるが、「15R確変大当たり」や「7R潜伏確変大当たり」と異なり、遊技状態の移行が実行されない抽選結果である。
<変形例7>
上記各実施形態において、出没板79bの上面を球が転動可能に構成しつつ、普通電役ユニット79に設けられた減速部79cによって、出没板79bの上面を転動する球の流下速度を減速させて、上記遊技性を実現していた。これに対し、減速部79c等を設けず、出没板79bの上面に球が蛇行して流下する流下溝等を設け、出没板79bの上面を転動する球の流下速度を減速させるように構成してもよい。このように構成することで、普通電役ユニット79に減速部79c等を設ける必要性がなくなるので、普通電役ユニット79の構成を簡易にし、部品用の型を簡易化することができるので、普通電役ユニット79の製造コストを削減することができる。
<変形例8>
上記各実施形態において、突出状態と没入状態とに変位する出没板79bを用い、出没板79bの突出タイミングと突出時間とを各遊技状態で変更することで本発明の遊技性を実現するように構成されていた。これに対し、回動式の羽根部材を用い、羽根部材の作動タイミングと作動時間とを各遊技状態で変更することで、本発明の遊技性を実現するように構成してもよい。具体的には、例えば、右側普通図柄ゲート76bの下流側に羽根部材を配置し、羽根部材が非作動状態(例えば、直立状態)では、右側普通図柄ゲート76bを通過した球が、羽根部材の外側(非転動側)に衝突し、そのまま下流側へ流下するように構成する。一方、羽根部材が回動した作動状態(直立状態から右側へ120度傾倒状態)では、右側普通図柄ゲート76bを通過した球が、羽根部材の内側(転動側)に衝突し、該羽根部材の内側を交互振分ユニット71側に向けて転動するように構成する。このように構成することで、羽根部材の回動態様は、出没板79bの出没による駆動態様より、羽根部材自体が作動する領域が大きく駆動されたか否かを認識し易いため、普通図柄の可変表示で当選したか否かを遊技者に認識し易くすることができる。
<変形例9>
上記各実施形態において、出没板79bの上面を転動する球と衝突する複数の減速部79c等を設け、出没板79bが配置されている右端の位置から左端の位置まで流下(転動)する球と減速部79c等とを衝突させることで、転動する球の流下速度を減速させ、「通常遊技状態」等で出没板79bの上面を球が転動する場合でも、出没板79bの右端の位置から左端の位置まで球を転動しきらないように構成していた。これに対し、出没板79bの上面を転動する球の流下速度を遅延させるその他の構成を用いて、「通常遊技状態」等で出没板79bが配置されている右端の位置から左端の位置まで球が流下(転動)しきらないように構成してもよい。
具体的には、例えば、出没板79bの右端の位置に遊技盤13(図3参照)正面視奥行方向に球が流下可能な奥方向通路と、該奥方向通路の奥側から遊技盤13の手前側に折り返して出没板79bの左端の位置に球を流下させる手前方向通路とを設け、出没板79bの左端の位置に球が流下した場合に、出没板79bが突出しているか否かにより球の流下方向を変更するように構成してもよい。また、例えば、出没板79bの上面を右端部から左端部まで球が転動する時間より長い所定間隔で回転駆動する回転部材を用いて、回転部材の貯留部に球が貯留された状態で回転部材が回動し、所定の放出位置で貯留部に貯留された球が放出されるように構成する。このように構成することで、「通常遊技状態」等において、出没板79bの右端部の位置から左端部の位置まで球が移動する場合に、出没板79bの突出時間以上の時間を要するように構成してもよい。
<変形例10>
上記各実施形態において、出没板79bを突出状態に変位させる場合に、出没板79b全体を一気に突出させ、突出状態から没入状態に変位させる場合にも、出没板79b全体を一気に没入させるように構成していた。これに対し、出没板79bを突出させる場合に、該出没板79bの一部分を先に突出させ、その後、他の部分を突出するように構成し、没入させる場合にも、出没板79bの一部分を先に没入させ、その後、他の部分を没入するように構成してもよい。
具体的には、例えば、出没板79bの右端部分に連結された右端側駆動機構(例えば、ソレノイド)と、出没板79bの左端部分に連結された左端側駆動機構(例えば、ソレノイド)とを設け、普通図柄の可変表示に当選して出没板79bを没入状態から突出状態に変位させる場合に、先に右端側駆動機構が駆動することで、出没板79bの右端側を先に突出状態に変位させる。その後(例えば、「1秒」後)、左端側駆動機構が駆動することで、出没板79bの左端側も突出状態に変位し、出没板79b全体が突出状態となるように構成する。
そして、突出状態の出没板79bを没入状態に変位させる場合に、先に右端側駆動機構が駆動することで、出没板79bの右端側を先に没入状態に変位させる。その後(例えば、「1秒」後)、左端側駆動機構が駆動することで、出没板79bの左端側も没入状態に変位し、出没板79b全体が没入状態となるように構成する。
このように構成することで、出没板79bが没入状態に変位を開始した後は出没板79bの右端の位置から球が転動できなくなるが、そのタイミングで出没板79bの上面を転動している球は、出没板79bの左端側が突出状態を維持していることから、そのまま出没板79bの上面を転動し続け、特図2入賞口78側まで転動することができる。よって、出没板79bが突出状態から没入状態に変位する場合に、出没板79bの上面を転動中の球が該出没板79bの上面を右端方向まで転動しきり、出没板79bの上面を転動中の球が該出没板79bの下流側(遊技盤13下方側)へ流下し難くすることで、出没板79bの上面を転動する球が特図1第2入賞口77bに入賞しないようにできる。従って、各遊技状態で想定されている入賞口77,78に確実に球を入賞させることができる。
<変形例11>
上記各実施形態では、特図1入賞口77又は特図2入賞口78に球が入賞した場合に、その入賞タイミングに基づいて大当たり乱数カウンタC1等の値を取得して大当たり抽選を行うように構成していた。これに対し、各入賞口77,78に代えて、所定の入賞領域を複数設け、球が該入賞領域に流入した場合に、該入賞領域に応じた遊技価値を付与するように構成してもよい。具体的には、例えば、球が流入することで第1の遊技価値(例えば、「7R時短大当たり」)が付与される第1入賞領域と、球が流入することで第1の遊技価値より高い第2の遊技価値(例えば、「15R確変大当たり」)が付与される第2入賞領域とを設ける。そして、遊技状態に応じて出没板79bの駆動態様を変更して、各入賞領域へ球が流下するか否かを異ならせるように構成してもよい。なお、各入賞口77,78と上記入賞領域とをそれぞれ併用して構成してもよい。このように構成することで、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣向上に貢献することができる。
<変形例12>
上記第2実施形態では、普通電役ユニット79の出没板79bの中央部分が、右側経路75の右側出口と特図1第2入賞口77bとの間に位置するように構成し、出没板79bの右端から中央部分(右側経路75からの流下位置)と、中央部分(右側経路75からの流下位置)から左端までの長さが同一の長さとし、外側減速部79dと内側減速部79eとの構成を互いに異ならせて、出没板79bの上面を転動する球の流下速度が変更されるように構成していた。これに対し、出没板79bの配設位置を、右側経路75の流下位置から出没板79bの左端までの長さを、出没板79bの右端から右側経路75の流下位置までの長さより長く(例えば、2倍以上)構成してもよい。このように構成することで、出没板79bの配置位置をより交互振分ユニット71側にすることができ、交互振分ユニット71に対する普通電役ユニット79の横方向の重複部分が多くなり、交互振分ユニット71と普通電役ユニット79との設置領域を更に小さくすることができ、遊技領域における盤面設計の自由度を高めることができる。
<変形例13>
上記各実施形態では、いずれの大当たりに当選した場合でも、該大当たり終了後にもれなく所定回数の「確率変動状態」が付与される所謂STタイプの遊技仕様で構成されていた。これに対し、大当たり終了後に、次回の大当たりが発生するまで「確率変動状態」を維持する所謂ループタイプの遊技仕様で構成してもよい。このように構成することで、ループタイプの遊技仕様のパチンコ機でも、遊戯状態に応じて入賞し得る入賞口の入球パターンを異ならせることで、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣向上に貢献することができる。
<変形例14>
上記各実施形態では、普通図柄ゲート76への球の通過に基づいて普通図柄の可変表示を行い、該可変表示で当たり結果が導出された場合に出没板79bを所定時間突出状態とするように構成されていた。これに対し、所定の入球手段への入球に基づいて出没板79bを突出状態に変位するように構成してもよい。このように構成することで、出没板79bを突出状態とするために如何にして入球手段へ球を入球させるか、という遊技性が生まれ、遊技の興趣を向上することができる。とし、出没板79bが突出状態である場合に上記入球手段へ所定数(例えば、2個)の入球に基づいて出没板79bを没入状態に変位するように構成してもよい。このように構成することで、突出状態の出没板79bを没入状態としないために如何にして入球手段へ球を入球させないか、という遊技性が生まれ、遊技の興趣を向上することができる。
<変形例15>
上記各実施形態において、遊技状態に応じて、普通図柄の可変表示時間、普通図柄の当選確率、及び、出没板79bの突出時間を変更して、各入賞口77,78への球の入球パターンを変更するように構成していた。これに対し、普通図柄の可変表示時間、普通図柄の当選確率、及び、出没板79bの突出時間を変更する条件として、遊技を実行している場合に起こり得る事象であって、事前に設定された1の事象が成立することに基づいて変更するように構成してもよい。例えば、所定の入賞口(入球口)に球が入賞(入球)した場合や、特別図柄の変動演出が所定回数実行された場合、所定の入賞口(入球口)に球が所定数(例えば2個)入賞(入球)した場合等が例示される。
<変形例16>
上記各実施形態では、交互振分ユニット71の通路壁によって球の挙動が一定となるように構成し、ユニット内普通図柄ゲート76aによるチャタリングの発生を防止していた。これに対し、交互振分ユニット71の通路壁をゴムや弾性力を有する樹脂部材で構成して、球の衝撃を吸収して(球の運動エネルギーを減少させて)、球の挙動を安定化させた後にユニット内普通図柄ゲート76aを通過するように構成してもよい。このように構成することで、チャタリングの発生を防止することができる。
<変形例17>
上記各実施形態において、出没板79bの上面を球が転動可能に構成しつつ、普通電役ユニット79に設けられた減速部79cによって、出没板79bの上面の上流側から下流側まで転動する球の流下速度を減速させて、上記遊技性を実現していた。これに対し、減速部79c等を設けず、出没板79bの上面の上流側の所定位置に遊技盤13の奥行方向に延びる奥行通路を設け、該奥行方向から遊技盤13手前側に折り返す折り返し通路の出口を出没板の上面の下流側の特定位置に設け、出没板79b上の所定位置から特定位置まで流下する流下時間を、本発明の遊技仕様を実現するために必要な所定時間(例えば、「2.5秒」)となるように構成してもよい。
このように構成することで、普通電役ユニット79に細かな減速部79c等を設ける必要性がなくなるので、普通電役ユニット79の構成を簡易にすることができる。また、奥行通路及び折り返し通路により、パチンコ機10の奥行方向によって球の移動時間を確保することができるので、該奥行通路および折り返し通路を長くすればするほど、出没板79bの横方向の長さを短くすることができ、出没板79bを横方向に対してコンパクト化することができる。その結果、出没板79bの横方向の占有領域を小さくすることで、横方向に制約が大きいパチンコ機10の設計自由度の向上に貢献することができる。
<変形例18>
上記各実施形態では、出没板79bが突出状態(作動状態)となることで、遊技者にとって有利な入賞口78等に球が入球するように構成されていた。これに対し、出没板79bが没入状態(非作動状態)において、遊技者にとって有利な入賞口78等に球が入球し、出没板79bが突出状態(作動状態)において、遊技者にとって有利な入賞口78等に球が入球しないように構成してもよい。
<変形例19>
上記第4実施形態では、左側出没板79b1及び右側出没板79b2を交互振分ユニット71の外形から外側に突出するように配置していた。これに対し、左側出没板79b1及び右側出没板79b2を交互振分ユニット71の外形から外側に突出しないように構成してもよい。
<変形例20>
上記各実施形態では、普通図柄の可変表示時間や出没板79bの駆動パターンを遊技状態毎に変更することで、各特別図柄の抽選契機又は所定数の賞球を獲得できる入賞口77等への入球パターンを遊技状態に応じて異ならせるように構成されていた。これに対し、普通図柄の可変表示時間や出没板79bの駆動パターンを遊技状態毎に変更して、入賞口以外の図柄ゲートやアウト口への流入パターンを変更するように構成してもよい。このように構成することで、必ずしも賞を獲得することができない図柄ゲートやアウト口への流入パターンと、賞を獲得することができる入賞口への流入パターンとを多岐に組み合わせ、バリエーションのある遊技性を実現することができる。
上記実施形態では、主制御装置110から各コマンドが音声ランプ制御装置113に対して送信され、その音声ランプ制御装置113から表示制御装置114に対して表示の指示がなされるよう構成したが、主制御装置110から表示制御装置114に直接コマンドを送信するものとしてもよい。また、表示制御装置114に音声ランプ制御装置113を接続して、表示制御装置114から各音声の出力とランプの点灯を指示するコマンドを音声ランプ制御装置113に送信するよう構成してもよい。さらに、音声ランプ制御装置113と表示制御装置114とを1の制御装置として構成するものとしてもよい。これらを1つの制御装置とすることで、部品点数が削減でき、パチンコ機のコスト増加を抑制することができる。
上記実施形態では、特図1入賞口77又は特図2入賞口78への入球(始動入賞)を契機として保留され実行される第3図柄(特別図柄)の変動演出中に大当たりとなる変動演出があるか否かを、実行図柄及び保留図柄において「保留変化予告」を行う場合について説明した。これに対し、普通図柄ゲート76を球が通過したこと(始動入賞)を契機として保留され実行される普通図柄の可変表示の中に当たり(「○」の図柄で停止)となるものがあるか否かを、普通図柄保留ランプ84や第3図柄表示装置81等を用いて、第3図柄の変動演出中に大当たりとなる変動演出があるか否かとあわせて、又は、その代わりに、遊技者に報知してもよい。これにより、保留中の普通図柄の可変表示の中に、又は、実行中および保留中の普通図柄の可変表示の中に、当たりとなる可変表示があるか否かを遊技者が把握できる。よって、普通図柄の可変表示の実行前に普通図柄が当たりとなるか否かを推測できる。遊技機の中には、普通図柄の当たりの有無にて遊技性を高めているものがあり、そのような遊技機において特に有効である。
上記実施形態では、デモ演出が「0」から「9」の数字が付されていない主図柄からなる第3図柄を停止表示させるものである場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、数字の付された主図柄または数字の付されていない主図柄からなる第3図柄を、半透明状態で停止表示させるものであってもよい。また、第3図柄を表示させずに背面画像だけを変化させるものであってもよい。また、変動演出で用いられる第3図柄や背面画像とは全く異なるキャラクタや背面画像を表示させるものであってもよい。
上記実施形態では、変動演出が行われる第3図柄表示装置81にて連続予告演出の1形態である「保留変化予告」を実行する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、パチンコ機10に第3図柄表示装置81とは別の第4図柄表示装置を設け、第3図柄表示装置81で実行される変動演出と合わせて、第4図柄表示装置に第4図柄を表示させることによって、「保留変化予告」又は「保留変化予告」とは異なって複数の変動演出に跨って実行される連続予告演出(以下、「保留変化予告」を含めて「連続予告演出」という)を実行してもよい。この場合、第4図柄表示装置の制御を表示制御装置114で行ってもよいし、音声ランプ制御装置113で行ってもよい。また、各種演出に応じて作動する各可動役物とは異なる役物をパチンコ機10に設け、その役物を変動演出と合わせて所定の態様で作動させることによって、連続予告演出を実行してもよい。また、音声ランプ制御装置113の制御により、パチンコ機10の音声出力装置226から連続予告演出用の音声を出力させることによって、連続予告演出を実行してもよいし、パチンコ機10の電飾部29〜33を変動演出と合わせて点灯または点滅させることによって、連続予告演出を実行してもよい。
これにより、第3図柄表示装置81(および特別図柄表示装置37)において変動演出(動的表示)が行われる度に、連続して第4図柄表示装置に図柄が表示されたり、役物が所定の態様で作動したり、音声出力装置226から音声が出力されたり、若しくは、電飾部29〜33が点灯または点滅することによって、遊技者に対して大当たりの期待感を持たせることができる。また、遊技者は、通常、変動演出が行われる第3図柄表示装置81を注視して遊技を継続して行うが、第3図柄表示装置81とは別の第4図柄表示装置による図柄の表示、役物の作動、音声出力装置226からの音声出力、若しくは電飾部29〜33の点灯・点滅によって連続予告演出が行われるので、遊技者に対して、通常とは異なる演出が行われたことを容易に認識させることができる。また、連続予告演出を、第4図柄表示装置による図柄の表示、役物の作動、音声出力装置226からの音声出力、または電飾部29〜33の点灯・点滅といった簡単な制御で容易に連続予告演出を行わせることができる。
また、連続予告演出を音声出力装置226からの音声出力や、電飾部29〜33の点灯または点滅によって行えば、その連続予告演出の制御は音声ランプ制御装置113によって行われるので、始動入賞時における当否判定や変動開始時の抽選処理を主制御装置110に行わせ、連続予告演出を音声ランプ制御装置113に行わせ、変動演出を表示制御装置114に行わせることで、パチンコ機10により連続予告演出を行う場合、それぞれの制御装置に各処理を分担させることができる。よって、1つの制御装置に負荷が集中するのを防ぐことができるので、各制御装置のMPUに求められる性能を低く抑えることができる。
なお、第3図柄表示装置81における連続予告演出用の図柄の表示、第4図柄表示装置における連続予告演出用の図柄の表示、役物の所定の態様での作動、音声出力装置226からの音声出力、及び、電飾部29〜33の点灯または点滅のうち、少なくとも2以上を組み合わせ、それぞれを連動させて制御することにより、連続予告演出を実行してもよい。これにより、より多彩な連続予告演出を実行させることができる。また、連続予告演出の実行方法(第3図柄表示装置81による表示、第4図柄表示装置による表示、役物の作動、音声出力装置226からの音声出力、電飾部29〜33の点灯または点滅、又は、それらの組み合わせ)を変えることで、連続予告演出終了後の遊技状態(「15R確変大当たり」、「7R潜伏確変大当たり」、外れ)に応じて選定される連続予告演出態様を複数用意してもよい。
上記実施形態において、主制御装置110は、特図1入賞口77又は特図2入賞口78への入賞(始動入賞)があった場合に、「1」加算された保留球数を音声ランプ制御装置113へ通知する保留球数コマンドに対して、該始動入賞に伴いカウンタ用バッファ203cより取得された各カウンタC1〜C3,CS1をそのまま含めて、音声ランプ制御装置113へ送信する場合について説明したが、保留球数コマンドに含めるカウンタの種類は、カウンタC1〜C3,CS1の一部であってもよいし、その他のカウンタの値を含めてもよい。また、主制御装置110より音声ランプ制御装置113に対して始動入賞に伴って取得した各カウンタの値を通知する場合に、これらの各カウンタの値を示す情報を保留球数コマンドに含めて通知するのではなく、保留球数コマンドとは別のコマンドに各カウンタの値を示す情報を含めて、これらの値を音声ランプ制御装置113に対して通知してもよい。別のコマンドとしては、始動入賞に伴って取得した各カウンタの値を音声ランプ制御装置113へ通知する専用のコマンドであってもよいし、変動パターンコマンドや停止図柄コマンド等、別の情報を音声ランプ制御装置113へ通知するためのコマンドに、始動入賞に伴って取得した各カウンタの値が加えられたものであってもよい。別のコマンドとして、始動入賞に伴って取得した各カウンタの値を音声ランプ制御装置113へ通知する場合、該コマンドに、その通知する各カウンタの値が、いずれの保留回数に対応する変動演出に係るものであるかを示す情報を含めてもよい。これにより、音声ランプ制御装置113は、該コマンドに含まれる保留回数に関する情報に基づいて、その保留回数に対応する保留情報第1〜第4エリアのいずれかのエリアに、該コマンドに含まれる各カウンタの値を格納することができる。
上記実施形態においては、特図1入賞口77および特図2入賞口78への入賞、並びに、普通図柄ゲート76の通過は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定してもよい。また、特図1入賞口77又は特図2入賞口78への入賞に基づく変動演出の保留球数を、第3図柄表示装置81の一部において、数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしてもよく、特別図柄表示装置37とは別体でランプ等の発光部材を設け、該発光部材によって保留球数を通知するように構成してもよい。
また、上記実施形態に示すように、第3図柄の変動表示である変動演出は、第3図柄表示装置81の表示画面上で識別情報としての図柄を縦方向にスクロールさせるものに限定されず、横方向あるいはL字形等の所定経路に沿って図柄を移動表示して行うものであってもよい。また、図柄の変動表示としては、図柄の変動演出に限られるものではなく、例えば、1又は複数のキャラクタを図柄と共に、若しくは、図柄とは別に多種多様に動作表示または変化表示させて行われる演出表示なども含まれるのである。この場合、1又は複数のキャラクタが、第3図柄として用いられる。
上記各実施形態では、変動演出を実行する場合に、全図柄列Z1〜Z3を遊技者が視認不可な程度に高速にスクロールする高速変動を表示させる場合について説明したが、この高速変動の表示に代えて、全図柄列Z1〜Z3をそれぞれ視認不可な程度に縮小して表示したり、全図柄列Z1〜Z3をそれぞれ多数の白い点がランダムに表示されるスノーノイズ状の画像として表示してもよい。
本発明を上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。さらに、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
<A群:遊技状態ごとに入球パターン変更>
従来より、パチンコ機等の遊技機には、遊技盤に設けられた遊技領域に向けて球等の遊技媒体を発射し、該遊技領域に設けられた複数の入球口のいずれかへ遊技媒体が入球することに基づいて当否抽選を行い、該当否抽選において当たりに当選した場合に、遊技者に所定の遊技価値が付与されるように構成されているものがある(例えば、特許文献1(特開2012−231902号公報))。
しかしながら、上記遊技機では、複数の入球口への入賞は、遊技状況に応じて固定的であり、遊技が単調なものとなってしまい、この点について未だ改良の余地がある。
A群の発明は、上記例示した事情に鑑みてなされたものであり、遊技の興趣向上を図ることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
遊技球を発射する発射手段(例えば、球発射ユニット112a)と、
該発射手段により発射された遊技球が入球可能な第1入球手段(例えば、特図1第1入賞口77a又は特図1第2入賞口77b)と、
該第1入球手段に遊技球が入球したことに基づいて第1情報を取得する第1情報取得手段(例えば、第1保留球格納エリア203d)と、
前記発射手段により発射された遊技球が入球可能であって、前記第1入球手段と異なる第2入球手段(例えば、特図2入賞口78)と、
該第2入球手段に遊技球が入球したことに基づいて第2情報を取得する第2情報取得手段(例えば、第2保留球格納エリア203e)と、
前記第1情報取得手段により取得された前記第1情報、又は、前記第2情報取得手段により取得された前記第2情報を判定する判定手段(例えば、変動開始処理(S310)のS324)と、
該判定手段による判定結果に基づいて、遊技者に所定の遊技価値を付与する遊技価値付与手段(例えば、中央大入賞口65a又は右側大入賞口67a)と、を備えた遊技機において、
前記遊技価値付与手段による遊技価値の付与後の遊技状態を設定可能な遊技状態設定手段(例えば、大当たり処理(S103))と、
前記発射手段から発射された遊技球の流下方向を変更する可動手段(例えば、出没板79b)と、
該可動手段を駆動する駆動手段(例えば、ソレノイド209(出没板用ソレノイド))と、
前記遊技状態設定手段により設定された前記遊技状態に基づいて、前記駆動手段による前記可動手段の駆動態様を変更することで、前記発射手段から発射された遊技球が入球し得る前記第1入球手段又は前記第2入球手段の入球パターンを変更する入球パターン変更手段(例えば、交互振分ユニット71)と、
を備えていることを特徴とする遊技機A0。
遊技機A0によれば、発射手段により遊技球が発射され、この発射手段により発射された遊技球が第1入球手段に入球可能に構成され、この第1入球手段に遊技球が入球したことに基づいて第1情報取得手段により第1情報が取得される。また、発射手段により発射された遊技球が第1入球手段とは異なる第2入球手段に入球可能に構成され、この第2入球手段に遊技球が入球したことに基づいて第2情報取得手段により第2情報が取得される。そして、判定手段により、第1情報取得手段により取得された第1情報、又は、第2情報取得手段により取得された第2情報が判定され、判定手段による判定結果に基づいて、遊技価値付与手段により遊技者に所定の遊技価値が付与される。ここで、遊技状態設定手段により、遊技価値付与手段による遊技価値の付与後の遊技状態が設定可能に構成される。また、発射手段から発射された遊技球の流下方向が可動手段により変更され、駆動手段により可動手段が駆動される。そして、入球パターン変更手段により、遊技状態設定手段により設定された遊技状態に基づいて駆動手段による可動手段の駆動態様を変更することで、発射手段から発射された遊技球が入球し得る第1入球手段又は第2入球手段の入球パターンが変更される。これにより、遊技状態に応じて可動手段の駆動態様を変更して、遊技球が入球し得る第1入球手段又は第2入球手段の入球パターンを異ならせることで、遊技のバリエーションを豊富にして興趣を向上することができる、という効果がある。
なお、「第1情報」と「第2情報」とは、取得される所定部分の情報が同一でありつつ、所定部分以外の部分の情報が異なっているものであったり、取得される情報がそれぞれ全く異なるものであって含まれるものとする。具体的には、例えば、第1情報として、A情報(例えば、大当たり乱数情報)、B情報(例えば、大当たり種別情報)及びC情報(例えば、特図1入賞口入賞情報)を取得する場合に、第2情報として、A情報、B情報及びD情報(例えば、特図2入賞情報)を取得するような場合が含まれる。また、例えば、第1情報として、A情報、B情報及びC情報を取得する場合に、第2情報として、E情報、F情報及びG情報を取得するような場合が含まれる。
また、「遊技球が入球し得る第1入球手段又は第2入球手段の入球パターン」とは、例えば、第1入球手段にのみ入球し得る入球パターンや、第2入球手段にのみ入球し得る入球パターン、第1入球手段および第2入球手段のいずれにも入球し得る入球パターン、或いは、第1入球手段と第2入球手段とに交互に入球し得る入球パターン等が例示される。
遊技機A0において、
前記発射手段により発射された遊技球が入球可能な第3入球手段(例えば、ユニット内普通図柄ゲート76a又は右側普通図柄ゲート76b)と、
該第3入球手段に遊技球が入球したことに基づいて第3情報を取得する第3情報取得手段(例えば、普図保留球格納エリア203h)と、
該第3情報取得手段により取得された前記第3情報を判定する第3判定手段(例えば、普図当たり乱数テーブル202f)と、を備え、
前記駆動手段は、
前記第3判定手段の判定結果に基づいて、前記可動手段を駆動し、
前記可動手段は、
前記駆動手段によって第1駆動態様で駆動されることで、前記第1入球手段への遊技球の入球が可能な第1入球可能状態と、
前記駆動手段によって前記第1駆動態様と異なる第2駆動態様で駆動されることで、前記第1入球手段への遊技球の入球を困難(不可能)にしつつ、前記第2入球手段へ遊技球を案内する第2入球可能状態と、に変位可能であり、
前記入球パターン変更手段は、
前記遊技状態設定手段によって設定された前記遊技状態に基づいて、前記第2入球可能状態の期間を変更する第2入球可能期間変更手段(例えば、普通電役制御処理(S104)のS704)、を備えている
ことを特徴とする遊技機A1。
遊技機A1によれば、遊技機A0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、発射手段により発射された遊技球が第3入球手段に入球可能に構成され、この第3入球手段に遊技球が入球したことに基づいて第3情報取得手段により第3情報が取得される。そして、第3判定手段により、第3情報取得手段により取得された第3情報が判定される。また、この第3判定手段の判定結果に基づいて、駆動手段により可動手段が駆動される。ここで、可動手段が、駆動手段によって第1駆動態様で駆動されることで第1入球手段への遊技球の入球が可能な第1入球可能状態と、駆動手段によって第1駆動態様と異なる第2駆動態様で駆動されることで、第1入球手段への遊技球の入球を困難(不可能)にしつつ、第2入球手段へ遊技球を案内する第2入球可能状態と、に変位可能に構成されている。そして、入球パターン変更手段に設けられた第2入球可能期間変更手段により、遊技状態設定手段によって設定された遊技状態に基づいて、第2入球可能状態の期間が変更される。これにより、遊技状態に応じて可動手段の駆動態様を変更し、例えば、第2入球可能状態の期間を長くすることで第1入球可能状態の期間を短くするか、第2入球可能状態の期間を短くすることで第1入球可能状態の期間を長くして、遊技球が入球し得る第1入球手段又は第2入球手段の入球パターンを異ならせることで、遊技のバリエーションを豊富にして興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機A1において、
前記入球パターン変更手段は、
前記遊技状態設定手段によって設定された前記遊技状態に基づいて、前記第1入球可能状態の期間を変更する第1入球可能期間変更手段、を備えている
ことを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、入球パターン変更手段に設けられた第1入球可能期間変更手段により、遊技状態設定手段によって設定された遊技状態に基づいて、第1入球可能状態の期間が変更される。これにより、遊技状態に応じて可動手段の駆動態様を変更し、例えば、第1入球可能状態の期間を長くすることで第2入球可能状態の期間を短くするか、第1入球可能状態の期間を短くすることで第2入球可能状態の期間を長くして、遊技球が入球し得る第1入球手段又は第2入球手段の入球パターンを異ならせることで、遊技のバリエーションを豊富にして興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機A1又はA2において、
前記第3判定手段の判定結果に基づいて、表示手段(例えば、普通図柄表示装置83)において識別情報の可変表示(例えば、普通図柄の可変表示)を実行する可変表示実行手段(例えば、普図変動処理(S111))と、
前記遊技状態設定手段によって設定された遊技状態に基づいて、前記可変表示実行手段による前記可変表示の実行時間を変更する可変時間変更手段(例えば、普図変動時間テーブル202g)と、を備え、
前記第2入球可能期間変更手段は、
前記可変時間変更手段によって前記可変表示の実行時間を変更することで、前記可動手段が前記第1入球可能状態から前記第2入球可能状態に変位するタイミングを変更するタイミング変更手段(例えば、普図変動処理(S111)のS407)、を備えている
ことを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A1又はA2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第3判定手段による判定結果に基づいて、可変表示実行手段により、表示手段において識別情報の可変表示が実行され、遊技状態設定手段によって設定された遊技状態に基づいて、可変時間変更手段により、可変表示実行手段による可変表示の実行時間が変更される。そして、第2入球可能期間変更手段に設けられたタイミング変更手段により、可変時間変更手段によって可変表示の実行時間を変更することで、可動手段が第1入球可能状態から第2入球可能状態に変位するタイミングが変更される。これにより、遊技状態に応じて可変表示の実行時間を変更して、第2入球可能状態となるタイミングを異ならせ、遊技球が入球し得る第1入球手段又は第2入球手段の入球パターンを異ならせることで、遊技のバリエーションを豊富にして興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機A3において、
前記第1入球可能期間変更手段は、
前記可変時間変更手段によって前記可変表示の実行時間を変更することで、前記可動手段が前記第2入球可能状態から前記第1入球可能状態に変位するタイミングを変更する第2タイミング変更手段、を備えている
ことを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1入球可能期間変更手段に設けられた第2タイミング変更手段により、可変時間変更手段によって可変表示の実行時間を変更することで、可動手段が第2入球可能状態から第1入球可能状態に変位するタイミングが変更される。これにより、遊技状態に応じて可変表示の実行時間を変更して、第1入球可能状態となるタイミングを異ならせ、遊技球が入球し得る第1入球手段又は第2入球手段の入球パターンを異ならせることで、遊技のバリエーションを豊富にして興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機A1からA4のいずれかにおいて、
前記可動手段は、
前記第2入球可能状態となった場合に、前記第1入球手段を該可動手段によって塞ぎつつ、該可動手段の上面を遊技球が転動可能な閉塞時転動手段(例えば、突出状態の出没板79bの上面)、を備え、
該閉塞時転動手段によって前記可動手段の上面を転動した遊技球が流下する下流側に前記第2入球手段を設ける
ことを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A1からA4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、可動手段に設けられた閉塞時転動手段により、可動手段が第2入球可能状態となった場合に、第1入球手段を可動手段によって塞ぎつつ、可動手段の上面を遊技球が転動可能に構成される。そして、閉塞時転動手段によって可動手段の上面を転動した遊技球が流下する下流側に第2入球手段が設けられる。これにより、可動手段が第2入球可能状態となった場合に、可動手段によって第1入球手段を塞いで第1入球手段への遊技球の入球を防ぎつつ、可動手段の上面を遊技球が転動して、その下流側に設けられた第2入球手段に遊技球を入球させる。その結果、遊技球が入球し得る第1入球手段又は第2入球手段の入球パターンを異ならせることで、遊技のバリエーションを豊富にして興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機A5において、
前記第1入球手段は、
所定の所定第1入球手段(例えば、特図1第1入賞口77a)と、
該所定第1入球手段と異なる特定第1入球手段(例えば、特図1第2入賞口77b)と、を備え、
前記入球パターン変更手段は、
前記発射手段により発射された遊技球の流下方向を少なくとも2方向に順番に振り分ける振分手段(例えば、振分装置73)と、
該振分手段により振り分けられた遊技球が通過する第1経路(例えば、左側経路74)と、
該第1経路に振り分けられた遊技球の次に前記振分手段により振り分けられた遊技球が通過する第2経路(例えば、右側経路75)と、を備え、
前記第1経路の下流側に前記所定第1入球手段を設け、
前記第2経路の下流側に前記特定第1入球手段を設け、
前記第2経路の下流側であって、前記特定第1入球手段の上流側に前記可動手段を設ける
ことを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、遊技機A5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、所定の所定第1入球手段と、この所定第1入球手段と異なる特定第1入球手段とが第1入球手段に設けられる。ここで、入球パターン変更手段に設けられた振分手段により、発射手段により発射された遊技球の流下方向が少なくとも2方向に順番に振り分けられ、この振分手段により振り分けられた遊技球が第1経路を通過し、また、第1経路に振り分けられた遊技球の次に振分手段により振り分けられた遊技球が第2経路を通過する。また、第1経路の下流側に所定第1入球手段が設けられ、第2経路の下流側に特定第1入球手段が設けられる。そして、第2経路の下流側であって、特定第1入球手段の上流側に可動手段が設けられる。これにより、特定第1入球手段の上流側に設けられた可動手段により、閉塞時転動手段が機能せずに特定第1入球手段に遊技球が入球し得る状態(即ち、第1入球可能状態)か、閉塞時転動手段が機能して特定第1入球手段への遊技球の入球が困難である一方、第2入球手段に遊技球が入球し得る状態(即ち、第2入球可能状態)かを生成することができる。よって、例えば、所定の遊技状態では、振分手段により所定第1入球手段と特定第1入球手段とに遊技球を順番に振り分ける一方、他の遊技状態では、振分手段により、所定第1入球手段と第2入球手段とに遊技球を順番に振り分けることができる。その結果、遊技球が入球し得る所定第1入球手段、特定第1入球手段又は第2入球手段の入球パターンを異ならせることで、遊技のバリエーションを豊富にして興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機A6において、
前記第2経路の一部分に遊技球が通過可能な前記第3入球手段(例えば、ユニット内普通図柄ゲート76a)を設ける
ことを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、遊技機A6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2経路の一部分に遊技球が通過可能な第3入球手段が設けられる。即ち、第2経路に案内された遊技球は必ず第3入球手段に入球するように構成される。これにより、第2経路に案内された遊技球は、第3入球手段に入球した後、該第3入球手段への遊技球の通過による第3判定手段の判定結果に基づいて駆動される可動手段によって、特定第1入球手段へ入球するか第2入球手段に入球するかが異なるように構成される。よって、例えば、可動手段を駆動させるための条件(当選確率、可変表示時間又は駆動時間)を変化させることで、第2経路を流下する遊技球が入球し得る特定第1入球手段又は第2入球手段の入球パターンを異ならせることができ、遊技のバリエーションを豊富にして興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機A7において、
前記第2経路は、
前記第3入球手段に遊技球が入球してから、該遊技球が前記可動手段の配設位置に到達するまでに所定時間(例えば、「1.9秒」)を要するように構成し、
前記可変表示実行手段は、
前記所定時間より長い第1実行時間(例えば、「3秒」)と、前記所定時間より短い第2実行時間(例えば、「0.5秒」)との、少なくともいずれかの実行時間で前記可変表示を実行可能であり、
前記遊技状態設定手段は、
所定の第1遊技状態(例えば、「通常遊技状態」)と、
該第1遊技状態と異なる第2遊技状態(例えば、「潜伏確率変動状態」)と、
前記第1遊技状態及び前記第2遊技状態と異なる第3遊技状態(例えば、「確率変動状態」)とのいずれか1の遊技状態を設定可能に構成し、
前記入球パターン変更手段は、
前記第1遊技状態において前記第1実行時間で前記可変表示を行う第1入球パターン手段(例えば、「3秒」で可変表示を実行)と、
前記第2遊技状態において前記第2実行時間で前記可変表示を行う第2入球パターン手段(例えば、「0.5秒」で可変表示を実行)と、
前記第3遊技状態において前記第2実行時間で前記可変表示を行う第3入球パターン手段(例えば、「0.5秒」で可変表示を実行)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機A8。
遊技機A8によれば、遊技機A7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第3入球手段に遊技球が入球してから、その遊技球が可動手段の配設位置に到達するまでに所定時間を要するように第2経路が構成される。また、可変表示実行手段に設けられた第1時間実行手段により、所定時間より長い第1実行時間で可変表示が行われ、同じく可変表示実行手段に設けられた第2時間実行手段により、所定時間より短い第2実行時間で可変表示が行われる。ここで、遊技状態設定手段により、所定の第1遊技状態と、該第1遊技状態と異なる第2遊技状態と、第1遊技状態及び第2遊技状態と異なる第3遊技状態とのいずれか1の遊技状態が設定可能に構成される。そして、入球パターン変更手段に設けられた第1入球パターン手段により、第1遊技状態において第1時間実行で可変表示が行われ、同じく入球パターン変更手段に設けられた第2入球パターン手段により、第2遊技状態において第2時間実行で可変表示が行われ、同じく入球パターン変更手段に設けられた第3入球パターン手段により、第3遊技状態において第2時間実行で可変表示が行われる。これにより、遊技状態に応じて可変表示の実行時間を変更して、第2入球可能状態となるタイミングを異ならせ、遊技球が入球し得る第1入球手段又は第2入球手段の入球パターンを異ならせることで、遊技のバリエーションを豊富にして興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機A8において、
前記発射手段は、
所定の第1発射態様で遊技球を発射する第1発射態様手段(例えば、左打ち遊技に関する制御)と、
該第1発射態様手段による前記第1発射態様と異なる第2発射態様で遊技球を発射する第2発射態様手段(例えば、右打ち遊技に関する制御)と、を備え、
前記第1遊技状態及び前記第2遊技状態において、前記第2発射態様による遊技を規制する遊技規制手段(例えば、「通常遊技状態」および「潜伏確率変動状態」では、左打ち遊技では警報音未出力、右打ち遊技では警報音出力)と、
前記第3遊技状態において、前記第2発射態様による遊技を規制しない遊技非規制手段(例えば、「確率変動状態」では、左打ち遊技及び右打ち遊技ともに警報音未出力)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機A9。
遊技機A9によれば、遊技機A8の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、発射手段に設けられた第1発射態様手段により、所定の第1発射態様で遊技球が発射され、同じく発射手段に設けられた第2発射態様手段により、第1発射態様手段の第1発射態様と異なる第2発射態様で遊技球が発射される。そして、遊技規制手段により、第1遊技状態及び第2遊技状態において第2発射態様による遊技が規制され、遊技非規制手段により、第3遊技状態において第2発射態様による遊技が規制されないように構成される。これにより、遊技状態ごとに遊技球の発射態様を設定し、該設定に応じて第1入球手段、第2入球手段および可動手段等を配置して、遊技状態ごとに遊技球が入球し得る第1入球手段又は第2入球手段の入球パターンを異ならせるという遊技性を実現できる、という効果がある。
なお、「遊技を規制する」とは、遊技に関する制御を停止する場合や、警報音等の報知情報を出力する場合、或いは、遊技機に関する一部の機能(例えば、発射制御)のみを停止する場合が例示される。一方、「遊技を規制しない」とは、遊技に関する制御を停止しない場合や、警報音等の報知情報を出力しない場合、或いは、遊技の関する一部の機能(例えば、発射制御)を含む全ての機能を停止しない場合が例示される。
遊技機A9において、
前記第3入球手段は、
前記第1発射態様手段による前記第1発射態様で発射された遊技球が入球可能な所定第3入球手段(例えば、ユニット内普通図柄ゲート76a)と、
前記第2発射態様手段による前記第2発射態様で発射された遊技球が入球可能な特定第3入球手段(例えば、右側普通図柄ゲート76b)と、を備え、
前記特定第3入球手段に遊技球が入球してから、前記可動手段の配設位置に到達するまでに第2所定時間(例えば、「1秒」)を要するように構成し、
前記第1実行時間は、前記第2所定時間より長く、
前記第2実行時間は、前記第2所定時間より短い
ことを特徴とする遊技機A10。
遊技機A10によれば、遊技機A9の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第3入球手段に、第1発射態様手段による第1発射態様によって発射された遊技球が入球可能な所定第3入球手段と、第2発射態様手段による第2発射態様によって発射された遊技球が入球可能な特定第3入球手段とが設けられる。また、遊技球が特定第3入球手段に入球してから可動手段の配設位置に到達するまでに第2所定時間を要するように構成される。そして、可変表示の実行時間として、第1実行時間は第2所定時間より長く設定され、第2実行時間は第2所定時間より短く設定されている。これにより、遊技状態に応じて特定第3入球手段に入球した遊技球が可動手段の配設位置に到達するまでに可変表示を終了しているか否かを異ならせることができ、該可変表示の実行結果に基づいて可動手段を駆動状態にするか否かを変化させることが可能となる。その結果、遊技状態に応じて特定第3入球手段に入球した遊技球を、可動手段によって第2入球手段に入球し得るか否かを異ならせることで、遊技のバリエーションを豊富にして興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機A8からA10のいずれかにおいて、
前記駆動手段は、
所定の第1駆動時間(例えば、「2秒」)の間、前記第2入球可能状態となるように前記可動手段を駆動する第1駆動パターン手段と、
前記第1駆動時間より長い第2駆動時間(例えば、「5秒」)の間、前記第2入球可能状態となるように前記可動手段を駆動する第2駆動パターン手段と、を備え、
前記第1入球パターン手段及び前記第2入球パターン手段は、前記第1駆動パターン手段により前記可動手段を駆動し、
前記第3入球パターン手段は、前記第2駆動パターン手段により前記可動手段を駆動する
ことを特徴とする遊技機A11。
遊技機A11によれば、遊技機A8からA10の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、駆動手段に設けられた第1駆動パターン手段により、所定の第1駆動時間の間、第2入球可能状態となるように可動手段が駆動され、同じく駆動手段に設けられた第2駆動パターン手段により、第1駆動時間より長い第2駆動時間の間、第2入球可能状態となるように可動手段が駆動される。そして、第1入球パターン手段及び第2入球パターン手段により、第1駆動パターン手段で可動手段が駆動され、第3入球パターン手段により、第2駆動パターンで可動手段が駆動される。これにより、第1遊技状態又は第2遊技状態では、第1駆動時間の間、可動手段を駆動して第2入球可能状態となる一方、第3遊技状態では、第1遊技状態又は第2遊技状態における可動手段の第1駆動時間より長い第2駆動時間の間、可動手段を駆動して第2入球可能状態を維持することができる。よって、第3遊技状態において第2入球手段へ遊技球が入球し易い状態を生成し、遊技状態ごとに遊技球が第2入球手段に入球し易いか否かという状態を異ならせて、遊技のバリエーションを豊富にして興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機A11において、
前記第2駆動時間は、前記第2実行時間と前記第2所定時間との合計時間より長い
ことを特徴とする遊技機A12。
遊技機A12によれば、遊技機A11の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2駆動時間が、第2実行時間と第2所定時間との合計時間より長くなるように構成されている。これにより、第3遊技状態では、第2駆動時間の間、可動手段を駆動して第2入球可能状態を維持することができる。よって、第1遊技状態又は第2遊技状態では、第1駆動時間の間、可動手段を駆動して第2入球可能状態となる一方、第3遊技状態において第2入球手段へ遊技球が入球し易い状態を生成し、遊技状態ごとに遊技球が第2入球手段に入球し易いか否かという状態を異ならせて、遊技のバリエーションを豊富にして興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機A11又はA12において、
前記閉塞時転動手段は、
前記可動手段の上流側から下流側まで転動するために第3所定時間(例えば、「2.5秒」)を要するように構成し、
前記遊技機は、
前記特定第3入球手段に入球した遊技球を、前記可動手段の前記上流側に案内する上流側案内手段(例えば、普通電役ユニット79における右側普通図柄ゲート76bと出没板79bの右端との間)、を備え、
前記第1駆動時間は、前記第3所定時間(又は前記第2所定時間と前記第3所定時間との合計時間)より短く、
前記第2駆動時間は、前記第2所定時間と前記第3所定時間との合計時間より長い
ことを特徴とする遊技機A13。
遊技機A13によれば、遊技機A11又はA12の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、閉塞時転動手段により、可動手段の上流側から下流側まで転動するために第3所定時間を要するように構成される。また、遊技機に設けられた上流側案内手段により、特定第3入球手段に入球した遊技球が、可動手段の上流側に案内される。そして、第1駆動時間が第3所定時間(又は第2所定時間と第3所定時間との合計時間)より短く、また、第2駆動時間が第2所定時間と第3所定時間との合計時間より長くなるように設定されている。これにより、可動手段を第1駆動時間で駆動した場合には、可動手段の上流側から下流側まで遊技球が転動しきる前に、可動手段を第2入球可能状態から第1入球可能状態に駆動させる。一方、可動手段を第2駆動手段で駆動した場合には、特定第3入球手段に入球した遊技球が可動手段の上流側に案内されてから、該可動手段の上流側から下流側まで転動する間、可動手段の第2入球可能状態を維持させる。よって、可動手段を第2駆動時間で駆動させた場合に、特定第3入球手段に入球した遊技球を第2入球手段に入球させることができる。その結果、遊技状態に応じて特定第3入球手段に入球した遊技球を、可動手段によって第2入球手段に入球し得るか否かを異ならせることで、遊技のバリエーションを豊富にして興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機A13において、
前記発射手段は、
前記第4所定時間(例えば、「0.6秒」)の間隔で遊技球を発射可能であり、
前記第2駆動時間は、前記第2所定時間と前記第3所定時間と前記第4所定時間との合計時間より長い
ことを特徴とする遊技機A14。
遊技機A14によれば、遊技機A13の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、発射手段により、遊技球が第4所定間隔で発射可能に構成され、第2駆動時間が第2所定時間と第3所定時間と第4所定時間との合計時間より長くなるように設定されている。これにより、遊技状態に応じて特定第3入球手段に連続的に入球した複数の遊技球を、可動手段によって第2入球手段に連続的に入球し得るか否かを異ならせることで、遊技のバリエーションを豊富にして興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機A5からA14のいずれかにおいて、
前記閉塞時転動手段によって転動する遊技球の流下速度を遅延させる遅延手段(例えば、減速部79c)、を備えている
ことを特徴とする遊技機A15。
遊技機A15によれば、遊技機A5からA14の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遅延手段より、閉塞時転動手段によって転動する遊技球の流下速度が遅延される。これにより、遊技球が閉塞時転動手段の上面に滞留する時間を均一化(一定)かつ長時間化することができる。よって、遅延手段がない場合と比べて閉塞時転動手段上での滞留時間を長くすることで、本発明の遊技性を実現する上で、遊技状態毎に可動手段の第2入球可能状態の調整等の遊技仕様を設計し易くすることができる。さらに、遅延手段によって遊技球の流下速度を遅らせれば遅らせるほど、閉塞時転動手段の全長を短くすることができ、可動手段全体をコンパクト化することができる、という効果がある。
遊技機A10からA15のいずれかにおいて、
前記1遊技状態又は前記第2遊技状態において、前記特定第3入球手段に遊技球が入球した場合に、所定の報知を行う報知手段(例えば、警報音)、を備えている
ことを特徴とする遊技機A16。
遊技機A16によれば、遊技機A10からA15の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1遊技状態又は第2遊技状態において、特定第3入球手段に遊技球が入球した場合に、報知手段により所定の報知が行われる。これにより、遊技状態ごとに設定された発射態様と異なる発射態様での遊技を規制して、遊技状態ごとに設定された第1入球手段又は第2入球手段の入球パターンを異ならせるという遊技性を確実に実現できる、という効果がある。
<B群:入賞口の配置関係と球の発射態様により入球パターンを変更>
従来より、パチンコ機等の遊技機には、遊技盤に設けられた遊技領域に向けて球等の遊技媒体を発射し、該遊技領域に設けられた複数の入球口のいずれかへ遊技媒体が入球することに基づいて当否抽選を行い、該当否抽選において当たりに当選した場合に、遊技者に所定の遊技価値が付与されるように構成されているものがある(例えば、特許文献1(特開2012−231902号公報))。
しかしながら、上記遊技機では、複数の入球口への入賞は、遊技状況に応じて固定的であり、遊技が単調なものとなってしまい、この点について未だ改良の余地がある。
B群の発明は、上記例示した事情に鑑みてなされたものであり、遊技の興趣向上を図ることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
少なくとも遊技領域の第1領域(例えば、第3図柄表示装置81の遊技盤13正面視左側)へ向けて遊技球を発射する第1発射態様(例えば、左打ち遊技)と、前記第1領域と異なる第2領域(例えば、第3図柄表示装置81の遊技盤13正面視右側)へ向けて遊技球を発射する第2発射態様(例えば、右打ち遊技)とで遊技球を発射可能な発射手段(例えば、球発射ユニット112a)と、
前記遊技領域の前記第1領域に配置されて、前記発射手段により発射された遊技球が入球可能な第1入球手段(例えば、特図1第1入賞口77a又は特図1第2入賞口77b)と、
前記遊技領域の前記第1領域に配置されて、前記発射手段により発射された遊技球が入球可能な第2入球手段(例えば、特図2入賞口78)と、
前記発射手段から発射された遊技球の流下方向を変更する可動手段(例えば、出没板79b)と、
前記発射手段により発射された遊技球が入球可能な第3入球手段(例えば、ユニット内普通図柄ゲート76a又は右側普通図柄ゲート76b)と、
該第3入球手段への遊技球の入球に基づいて抽選を行う抽選手段(例えば、普図当たり乱数カウンタC4)と、
該抽選手段の抽選結果に基づいて前記可動手段を駆動する駆動手段(例えば、ソレノイド209(出没板用ソレノイド))と、を備え、
前記可動手段は、
前記駆動手段によって駆動された場合に、前記第2領域に発射された遊技球を前記第1領域へ案内する遊技球案内手段(例えば、出没板79bの上面の構成および普通図柄の可変表示に関する制御)、を備えている
ことを特徴とする遊技機B0。
遊技機B0によれば、発射手段により、少なくとも遊技領域の第1領域へ向けて遊技球を発射する第1発射態様と、第1領域と異なる第2態様に向けて遊技球を発射する第2発射態様とで遊技球を発射可能に構成され、遊技領域の第1領域に発射手段により発射された遊技球が入球可能な第1入球手段が配置され、同じく遊技領域の第1領域に発射手段により発射された遊技球が入球可能な第2入球手段が配置される。また、可動手段により、発射手段によって発射された遊技球の流下方向が変更される。ここで、発射手段により発射された遊技球が第3入球手段に入球可能に構成され、その第3入球手段への遊技球の入球に基づいて抽選手段により抽選が行われ、その抽選手段の抽選結果に基づいて駆動手段により可動手段が駆動される。そして、駆動手段によって可動手段が駆動された場合に、その可動手段に設けられた遊技球案内手段により、第2領域に発射された遊技球が第1領域に案内される。これにより、可動手段が駆動されることで、第2領域に向けて発射された遊技球を第1領域へ案内することができ、可動手段が駆動されるか否かによって第1領域に配置された第1入球手段又は第2入球手段に遊技球が入球するか否かを異ならせることができる。よって、各発射態様によって遊技球が入球し得る第1入球手段又は第2入球手段の入球パターンを異ならせることで、遊技のバリエーションを豊富にして興趣を向上することができる、という効果がある。
なお、「遊技球が入球し得る第1入球手段又は第2入球手段の入球パターン」とは、例えば、第1入球手段にのみ入球し得る入球パターンや、第2入球手段にのみ入球し得る入球パターン、第1入球手段および第2入球手段のいずれにも入球し得る入球パターン、或いは、第1入球手段と第2入球手段とに交互に入球し得る入球パターン等が例示される。
遊技機B0において、
前記遊技球案内手段は、
前記第2領域に発射された遊技球を前記第1領域へ案内する場合に、前記第1入球手段への遊技球の入球を困難(不可能)にする第1入球困難手段(例えば、出没板79bにおいて、特図1第2入賞口77bの上方に対応する部位)と、
前記第2入球手段に遊技球を案内する第2入球案内手段(例えば、出没板79bにおいて、特図1第2入賞口77bの上方に対応する部位から左端側の部位)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機B1。
遊技機B1によれば、遊技機B0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技球案内手段に設けられた第1入球困難手段により、第2領域に発射された遊技球を第1領域へ案内する場合に、第1入球手段への遊技球の入球が困難(不可能)とされ、同じく遊技球案内手段に設けられた第2入球案内手段により、第2入球手段に遊技球が案内される。これにより、第2領域に発射された遊技球を第1領域に案内する場合に、第1入球手段へ遊技球を入球させないようにしつつ、第2入球手段へ遊技球を案内することができる。よって、各発射態様によって遊技球が入球し得る第1入球手段又は第2入球手段の入球パターンを異ならせることで、遊技のバリエーションを豊富にして興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機B1において、
前記第1入球手段は、
前記第1領域に配置された所定第1入球手段(例えば、特図1第1入賞口77a)と、
前記第1領域において前記所定第1入球手段より前記第2領域側に配置された特定第1入球手段(例えば、特図1第2入賞口77b)と、を備え、
前記第2入球手段を、前記特定第1入球手段と前記所定第1入球手段との間に配置し、
前記第2入球案内手段を、前記第1入球困難手段より前記第2入球手段側に設ける
ことを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1入球手段に、第1領域配置された所定第1入球手段と、第1領域において所定第1入球手段より第2領域側に配置された特定第1入球手段とが設けられている。ここで、特定第1入球手段と所定第1入球手段との間に第2入球手段が配置され、第1入球困難手段より第2入球手段側に第2入球案内手段が設けられる。これにより、第2領域に発射された遊技球を第1領域へ案内する場合に、第2領域側に設けられた特定第1入球手段へ遊技球を入球させないようにしつつ、第2入球手段へ遊技球を案内することができる。よって、各発射態様によって遊技球が入球し得る第1入球手段又は第2入球手段の入球パターンを異ならせることで、遊技のバリエーションを豊富にして興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機B2において、
前記遊技球案内手段は、
該遊技球案内手段の上流側から前記特定第1入球手段及び前記第2入球手段の配設方向に遊技球を案内する共通案内手段(例えば、出没板79bにおいて、特図1第2入賞口77bの上方に対応する部位から右端側の部位)、を備え、
前記第2入球案内手段は、前記共通案内手段より長い
ことを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B2に奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技球案内手段に設けられた共通案内手段により、遊技球案内手段の上流側から特定第1入球手段及び第2入球手段の配設方向に遊技球が案内される。そして、第2入球案内手段が共通案内手段より長く構成される。即ち、第2領域から第1領域の特定第1入球手段又は第2入球手段に向けて遊技球を案内する場合に、第1領域に配置された特定第1入球手段及び第2入球手段に共通的に遊技球を案内する共通案内手段の長さより、第2入球手段に遊技球を案内する第2入球案内手段の長さを長くする。このように構成することで、第1領域における第2入球案内手段の配設割合が多くなり、第1領域に対する遊技球案内手段の横方向の重複部分が多くなる。その結果、第2入球手段、特定第1入球手段および遊技球案内手段全体の横方向における設置領域を小さくでき、遊技領域における盤面設計の自由度を高めることができる、という効果がある。
遊技機B0からB3のいずれかにおいて、
所定条件の成立(例えば、大当たり終了)に基づいて遊技状態を設定可能な遊技状態設定手段(例えば、大当たり処理(S103))と、
前記遊技球案内手段は、
前記遊技状態設定手段により設定された前記遊技状態に基づいて、前記駆動手段による前記可動手段の駆動態様を変更することで、前記第2領域に発射された遊技球を前記第1領域に案内するか否かを変更する駆動態様変更手段(例えば、例えば、普図電役制御処理(S104))、を備えている
ことを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技機B0からB3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技状態設定手段により、所定条件の成立に基づいて遊技状態が設定可能に構成される。そして、遊技球案内手段に設けられた駆動態様変更手段により、遊技状態設定手段により設定された遊技状態に基づいて、駆動手段による可動手段の駆動態様を変更することで、第2領域に発射された遊技球が第1領域に案内されるか否かが変更される。これにより、遊技状態に基づいて第1領域に設けられた第1入球手段又は第2入球手段に遊技球が案内されて該第1入球手段又は第2入球手段に遊技球が入球し得るか否かを変更して、遊技にバリエーションを設け、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機B4において、
前記駆動態様変更手段は、
前記第2領域に発射された遊技球を前記特定第1入球手段まで案内するために、所定の第1駆動時間(例えば、「2秒」)の間、前記可動手段を駆動する第1パターン手段と、
前記第2領域に発射された遊技球を前記第2入球手段まで案内するために、前記第1駆動時間より長い第2駆動時間(例えば、「5秒」)の間、前記可動手段を駆動する第2パターン手段と、
前記抽選手段による抽選結果に基づいて、前記第1パターン手段又は前記第2パターン手段のいずれかにより前記可動手段を駆動する抽選駆動手段と、を備えている
ことを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、遊技機B4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、駆動態様変更手段に設けられた第1パターン手段により、第2領域に発射された遊技球を特定第1入球手段まで案内するために、所定の第1駆動時間の間、可動手段が駆動される。また、同じく駆動態様変更手段に設けられた第2パターン手段により、第2領域に発射された遊技球を第2入球手段まで案内するために、第1駆動時間より長い第2駆動時間の間、可動手段が駆動される。そして、抽選駆動手段により、抽選手段による抽選結果に基づいて、第1パターン手段又は第2パターン手段のいずれかにより可動手段が駆動される。これにより、特定第1入球手段に遊技球が入球されるか第2入球手段に遊技球が入球されるかという遊技性が生まれ、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機B4又はB5において、
前記抽選手段の抽選結果に基づいて、表示手段(例えば、普通図柄表示装置83)において識別情報の可変表示(例えば、普通図柄の可変表示)を実行する可変表示実行手段(例えば、普図変動処理(S111))、を備え、
前記駆動手段は、
前記可変表示実行手段により実行される前記可変表示において所定の特定識別情報(例えば、「○」図柄)が現出された場合に、前記可動手段を駆動し、
前記遊技球案内手段は、
前記遊技状態設定手段によって設定された前記遊技状態に基づいて、前記可変表示実行手段による前記可変表示の実行時間を変更する可変時間変更手段(例えば、普図変動時間テーブル202g)と、
該可変時間変更手段によって前記可変表示の実行時間を変更することで、前記可動手段が駆動するタイミングを変更するタイミング変更手段(例えば、普図変動処理(S111)のS407)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機B6。
遊技機B6によれば、遊技機B4又はB5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、抽選手段による抽選結果に基づいて、可変表示実行手段により、表示手段において識別情報の可変表示が実行される。この可変表示実行手段により実行される可変表示において所定の識別情報が現出された場合に、駆動手段により可動手段が駆動される。ここで、遊技状態設定手段によって設定された遊技状態に基づいて、遊技球案内手段に設けられた可変時間変更手段により、可変表示実行手段による可変表示の実行時間が変更される。また、同じく遊技球案内手段に設けられたタイミング変更手段により、可変時間変更手段によって可変表示の実行時間を変更することで、可動手段が駆動するタイミングが変更される。これにより、遊技状態に応じて可変表示の実行時間を変更して、可動手段の駆動タイミングを異ならせ、遊技球が入球し得る第1入球手段又は第2入球手段の入球パターンを異ならせることで、遊技のバリエーションを豊富にして興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機B1からB6のいずれかにおいて、
前記発射手段により発射された遊技球の流下方向を少なくとも2方向に順番に振り分ける振分手段(例えば、振分装置73)と、
該振分手段によって振り分けられた遊技球が通過する第1経路(例えば、左側経路74)と、
該第1経路に振り分けられた遊技球の次に前記振分手段により振り分けられた遊技球が通過する第2経路(例えば、右側経路75)と、を備え、
前記第1経路の下流側に前記所定第1入球手段を設け、
前記第2経路の下流側に前記特定第1入球手段を設け、
前記第2経路の下流側であって、前記特定第1入球手段の上流側に前記可動手段を設ける
ことを特徴とする遊技機B7。
遊技機B7によれば、遊技機B1からB6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、振分手段により、発射手段により発射された遊技球の流下方向が少なくとも2方向に順番に振り分けられ、この振分手段により振り分けられた遊技球が第1経路を通過し、また、第1経路に振り分けられた遊技球の次に振分手段により振り分けられた遊技球が第2経路を通過する。また、第1経路の下流側に所定第1入球手段が設けられ、第2経路の下流側に特定第1入球手段が設けられる。そして、第2経路の下流側であって、特定第1入球手段の上流側に可動手段が設けられる。これにより、特定第1入球手段の上流側に設けられた可動手段により、閉塞時転動手段が機能せずに特定第1入球手段に遊技球が入球し得る状態(即ち、第1入球可能状態)か、閉塞時転動手段が機能して特定第1入球手段への遊技球の入球が困難である一方、第2入球手段に遊技球が入球し得る状態(即ち、第2入球可能状態)かを生成することができる。よって、例えば、所定の遊技状態では、振分手段により所定第1入球手段と特定第1入球手段とに遊技球を順番に振り分ける一方、他の遊技状態では、振分手段により、所定第1入球手段と第2入球手段とに遊技球を順番に振り分けることができる。その結果、遊技球が入球し得る所定第1入球手段、特定第1入球手段又は第2入球手段の入球パターンを異ならせることで、遊技のバリエーションを豊富にして興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機B7において、
前記第2経路の一部分に遊技球が通過可能な前記第3入球手段(例えば、ユニット内普通図柄ゲート76a)を設ける
ことを特徴とする遊技機B8。
遊技機B8によれば、遊技機B7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2経路の一部分に遊技球が通過可能な第3入球手段が設けられる。即ち、第2経路に案内された遊技球は必ず第3入球手段に入球するように構成される。これにより、第2経路に案内された遊技球は、第3入球手段に入球した後、該第3入球手段への遊技球の通過による第3判定手段の判定結果に基づいて駆動される可動手段によって、特定第1入球手段へ入球するか第2入球手段に入球するかが異なるように構成される。よって、例えば、可動手段を駆動させるための条件(当選確率、可変表示時間又は駆動時間)を変化させることで、第2経路を流下する遊技球が入球し得る特定第1入球手段又は第2入球手段の入球パターンを異ならせることができ、遊技のバリエーションを豊富にして興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機B8において、
前記第2経路は、
前記第3入球手段に遊技球が入球してから、該遊技球が前記可動手段の配設位置に到達するまでに所定時間(例えば、「1.9秒」)を要するように構成し、
前記可変表示実行手段は、
前記所定時間より長い第1実行時間(例えば、「3秒」)と、前記所定時間よりも短い第2実行時間(例えば、「0.5秒」)との、少なくともいずれかの実行時間で可変表示を実行可能であり、
前記遊技状態設定手段は、
所定の第1遊技状態(例えば、「通常遊技状態」)と、
該第1遊技状態と異なる第2遊技状態(例えば、「潜伏確率変動状態」)と、
前記第1遊技状態及び前記第2遊技状態と異なる第3遊技状態(例えば、「確率変動状態」)とのいずれか1の遊技状態を設定可能に構成し、
前記入球パターン変更手段は、
前記第1遊技状態において前記第1実行時間で前記可変表示を行う第1入球パターン手段(例えば、「3秒」で可変表示を実行)と、
前記第2遊技状態において前記第2実行時間で前記可変表示を行う第2入球パターン手段(例えば、「0.5秒」で可変表示を実行)と、
前記第3遊技状態において前記第2実行時間で前記可変表示を行う第3入球パターン手段(例えば、「0.5秒」で可変表示を実行)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機B9。
遊技機B9によれば、遊技機B8の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第3入球手段に遊技球が入球してから、その遊技球が可動手段の配設位置に到達するまでに所定時間を要するように第2経路が構成される。また、可変表示実行手段に設けられた第1時間実行手段により、所定時間より長い第1実行時間で可変表示が行われ、同じく可変表示実行手段に設けられた第2時間実行手段により、所定時間より短い第2実行時間で可変表示が行われる。ここで、遊技状態設定手段により、所定の第1遊技状態と、該第1遊技状態と異なる第2遊技状態と、第1遊技状態及び第2遊技状態と異なる第3遊技状態とのいずれか1の遊技状態が設定可能に構成される。そして、入球パターン変更手段に設けられた第1入球パターン手段により、第1遊技状態において第1時間実行で可変表示が行われ、同じく入球パターン変更手段に設けられた第2入球パターン手段により、第2遊技状態において第2時間実行で可変表示が行われ、同じく入球パターン変更手段に設けられた第3入球パターン手段により、第3遊技状態において第2時間実行で可変表示が行われる。これにより、遊技状態に応じて可変表示の実行時間を変更して、第2入球可能状態となるタイミングを異ならせ、遊技球が入球し得る第1入球手段又は第2入球手段の入球パターンを異ならせることで、遊技のバリエーションを豊富にして興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機B9において、
前記第3入球手段は、
前記発射手段による前記第1発射態様で発射された遊技球が入球可能な所定第3入球手段(例えば、ユニット内普通図柄ゲート76a)と、
前記発射手段による前記第2発射態様で発射された遊技球が入球可能な特定第3入球手段(例えば、右側普通図柄ゲート76b)と、
前記特定第3入球手段に遊技球が入球してから、前記可動手段の配設位置に到達するまでに第2所定時間(例えば、「1秒」)を要するように構成し、
前記第1実行時間は、前記第2所定時間より長く、
前記第2実行時間は、前記第2所定時間より短い
ことを特徴とする遊技機B10。
遊技機B10によれば、遊技機B9の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第3入球手段に、発射手段による第1発射態様によって発射された遊技球が入球可能な所定第3入球手段と、発射手段による第2発射態様によって発射された遊技球が入球可能な特定第3入球手段とが設けられる。また、遊技球が特定第3入球手段に入球してから可動手段の配設位置に到達するまでに第2所定時間を要するように構成される。そして、可変表示の実行時間として、第1実行時間は第2所定時間より長く設定され、第2実行時間は第2所定時間より短く設定されている。これにより、遊技状態に応じて特定第3入球手段に入球した遊技球が可動手段の配設位置に到達するまでに可変表示を終了しているか否かを異ならせることができ、該可変表示の実行結果に基づいて可動手段を駆動状態にするか否かを変化させることが可能となる。その結果、遊技状態に応じて特定第3入球手段に入球した遊技球を、可動手段によって第2入球手段に入球し得るか否かを異ならせることで、遊技のバリエーションを豊富にして興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機B10において、
前記可動手段は、
該可動手段の上流側から下流側まで転動するために第3所定時間(例えば、「2.5秒」)を要するように構成し、
前記特定第3入球手段に入球した遊技球を、前記可動手段の前記上流側に案内する上流側案内手段(例えば、普通電役ユニット79における右側普通図柄ゲート76bと出没板79bの右端との間)、を備え、
前記第1駆動時間は、前記第3所定時間より短く、
前記第2駆動時間は、前記第2所定時間と前記第3所定時間との合計時間より長い
ことを特徴とする遊技機B11。
遊技機B11によれば、遊技機B10の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、可動手段の上流側から下流側まで転動するために第3所定時間を要するように構成される。また、上流側案内手段により、特定第3入球手段に入球した遊技球が、可動手段の上流側に案内される。そして、第1駆動時間が第3所定時間より短く、また、第2駆動時間が第2所定時間と第3所定時間との合計時間より長くなるように設定されている。これにより、可動手段を第1駆動時間で駆動した場合には、可動手段の上流側から下流側まで遊技球が転動しきる前に、可動手段を第2入球可能状態から第1入球可能状態に駆動させる。一方、可動手段を第2駆動手段で駆動した場合には、特定第3入球手段に入球した遊技球が可動手段の上流側に案内されてから、該可動手段の上流側から下流側まで転動する間、可動手段の第2入球可能状態を維持させる。よって、可動手段を第2駆動時間で駆動させた場合に、特定第3入球手段に入球した遊技球を第2入球手段に入球させることができる。その結果、遊技状態に応じて特定第3入球手段に入球した遊技球を、可動手段によって第2入球手段に入球し得るか否かを異ならせることで、遊技のバリエーションを豊富にして興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機B11において、
前記発射手段は、
前記第4所定時間(例えば、「0.6秒」)の間隔で遊技球を発射可能であり、
前記第2駆動時間は、前記第2所定時間と前記第3所定時間と前記第4所定時間との合計時間より長い
ことを特徴とする遊技機B12。
遊技機B12によれば、遊技機B11の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、発射手段により、遊技球が第4所定間隔で発射可能に構成され、第2駆動時間が第2所定時間と第3所定時間と第4所定時間との合計時間より長くなるように設定されている。これにより、遊技状態に応じて特定第3入球手段に連続的に入球した複数の遊技球を、可動手段によって第2入球手段に連続的に入球し得るか否かを異ならせることで、遊技のバリエーションを豊富にして興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機B0からB12のいずれかにおいて、
前記遊技球案内手段によって案内される遊技球の流下速度を遅延させる遅延手段(例えば、減速部79c)、を備えている
ことを特徴とする遊技機B13。
遊技機B13によれば、遊技機B0からB12の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遅延手段より、遊技球案内手段によって案内される遊技球の流下速度が遅延される。これにより、遊技球が遊技球案内手段によって案内される時間を均一化(一定)かつ長時間化することができる。よって、遅延手段がない場合と比べて遊技球案内手段による案内時間を長くすることで、本発明の遊技性を実現する上で、遊技状態毎に可動手段の第2入球可能状態の調整等の遊技仕様を設計し易くすることができる。さらに、遅延手段によって遊技球の流下速度を遅らせれば遅らせるほど、可動手段の全長を短くすることができ、可動手段全体をコンパクト化することができる、という効果がある。
遊技機B10からB13のいずれかにおいて、
前記1遊技状態又は前記第2遊技状態において、前記特定第3入球手段に遊技球が入球した場合に、所定の報知を行う報知手段(例えば、警報音)、を備えている
ことを特徴とする遊技機B14。
遊技機B14によれば、遊技機B10からB13の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1遊技状態又は第2遊技状態において、特定第3入球手段に遊技球が入球した場合に、報知手段により所定の報知が行われる。これにより、遊技状態ごとに設定された発射態様と異なる発射態様での遊技を規制して、遊技状態ごとに設定された第1入球手段又は第2入球手段の入球パターンを異ならせるという遊技性を確実に実現できる、という効果がある。
<C群:可動手段の駆動態様に応じて得られる遊技価値が異なる>
従来より、パチンコ機等の遊技機では、遊技盤に設けられた遊技領域に向けて球等の遊技媒体を発射し、該遊技領域に設けられた複数の入球口のいずれかへ遊技媒体が入球することに基づいて当否抽選を行い、該当否抽選において当たりに当選した場合に、遊技者に所定の遊技価値が付与されるように構成されている。
また、入球口ごとにそれぞれ異なる特徴を設け、入球する入球口に応じて付与される遊技価値が異なる等、入球した入球口に応じて遊技結果が変化するように設定された遊技機が提案されている。このような遊技機では、所定の経路に流入した遊技媒体を各入球口へ交互に振り分ける振分装置を設け、特定の入球口に偏って入賞することを防止して遊技の興趣向上を図っている(例えば、特許文献1(特開2012−231902号公報))。
しかしながら、上記遊技機では、各入球口への入球は、所定の経路へ流入した球が規則的に交互に振り分けられるため、付与される遊技価値が変化せず、遊技が単調なものとなってしまい、この点について未だ改良の余地がある。
C群の発明は、上記例示した事情に鑑みてなされたものであり、遊技の興趣向上を図ることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
遊技球が入球可能な第1入球手段(例えば、特図1入賞口77)と、
遊技球が入球可能であって、前記第1入球手段と異なる第2入球手段(例えば、特図2入賞口78)と、
前記第1入球手段に遊技球が入球したことに基づいて、所定の第1遊技価値を付与することが可能な第1遊技価値付与手段(例えば、特図1用大当たり種別テーブル202b1)と、
前記第2入球手段に遊技球が入球したことに基づいて、前記第1遊技価値と異なる第2遊技価値を付与することが可能な第2遊技価値付与手段(例えば、特図2用大当たり種別テーブル202b2)と、
遊技球の流下方向を変更する可動手段(例えば、出没板79b)と、
該可動手段を駆動する駆動手段(例えば、ソレノイド209(出没板用ソレノイド))と、
該駆動手段による前記可動手段の駆動態様を変更することで、前記第1遊技価値付与手段による前記第1遊技価値の付与か、前記第2遊技価値付与手段による前記第2遊技価値の付与かを変更する付与変更手段(例えば、交互振分ユニット71)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機C0。
遊技機C0によれば、遊技球が第1入球手段に入球可能に構成され、また、第1入球手段と異なる第2入球手段にも遊技球が入球可能に構成される。そして、第1入球手段に遊技球が入球したことに基づいて、第1遊技価値付与手段により、所定の第1遊技価値が付与可能に構成される。また、第2入球手段に遊技球が入球したことに基づいて、第2遊技価値付与手段により、第1遊技価値と異なる第2遊技価値が付与可能に構成される。ここで、可動手段により、遊技球の流下方向が変更され、駆動手段により、その可動手段が駆動される。そして、付与変更手段により、駆動手段による可動手段の駆動態様を変更することで、第1遊技価値付与手段による遊技価値の付与か、第2遊技価値付与手段による遊技価値の付与かが変更される。これにより、可動手段の駆動態様が変更されることで付与される遊技価値を異ならせ、得られる遊技価値が変化する遊技性を付与し、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
なお、「遊技価値」とは、例えば、遊技者に直接的に付与される賞球数、大当たりラウンドの実行回数若しくは大当たりラウンド実行時間等や、大当たり確率の高さ、遊技状態の移行確率の高さ、実行回数が多い大当たりラウンドの付与確率の高さ等が例示される。
また、「第1遊技価値」と「第2遊技価値」とは、付与される一部の遊技価値が同一でありつつ、該一部以外の他部分の遊技価値が異なっているものであったり、付与される遊技価値がそれぞれ全く異なるものであって含まれるものとする。具体的には、例えば、第1遊技価値として、A遊技価値(例えば、15ラウンド)、B遊技価値(例えば、30秒開放)及びC遊技価値(例えば、「確率変動状態」)を付与する場合に、第2遊技価値として、A遊技価値、B遊技価値及びD遊技価値(例えば、「時間短縮状態」)を付与するような場合が含まれる。また、例えば、第1遊技価値として、A遊技価値、B遊技価値及びC遊技価値を付与する場合に、第2遊技価値として、E遊技価値(例えば、5ラウンド)、F遊技価値(例えば、5秒開放)及びG遊技価値(例えば、「潜伏確率変動状態」)を付与するような場合が含まれる。
遊技機C0において、
前記第2遊技価値は、前記第1遊技価値より遊技者にとって有利となる特典が付与され易いものである
ことを特徴とする遊技機C1。
遊技機C1によれば、遊技機C0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2遊技価値が第1遊技価値より遊技者によって有利となる特典が付与され易く構成されている。これにより、如何にして第2遊技価値が付与される第2入球手段に遊技球を入球させるか否かの遊技性が生まれ、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機C0又はC1において、
前記第1遊技価値付与手段は、
前記第1遊技価値として、所定の第1抽選結果と、該第1抽選結果より遊技者にとって有利な第2抽選結果とを導出可能な第1抽選手段、を備え、
前記第2遊技価値付与手段は、
前記第2遊技価値として、前記第1抽選結果又は(及び)前記第2抽選結果を導出可能な第2抽選手段、を備え、
前記第2抽選手段は、
前記第1抽選手段より、前記第2抽選結果を導出し易い
ことを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機C0又はC1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1遊技価値付与手段に設けられた第1抽選手段により、第1遊技価値として、所定の第1抽選結果と、その第1抽選結果より遊技者にとって有利な第2抽選結果とが導出可能に構成され、第2遊技価値付与手段に設けられた第2抽選手段により、第2遊技価値として、第1抽選結果又は(及び)第2抽選結果が導出可能に構成される。そして、第1抽選手段より第2抽選手段の方が第2抽選結果が導出され易いように構成されている。これにより、如何にして遊技者にとって有利な第2抽選結果が導出され易い第2抽選手段の抽選契機を取得するか否かの遊技性が生まれ、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機C2において、
前記駆動手段は、
前記第1抽選手段による抽選契機を取得し易く(取得し得て)、前記第2抽選手段による抽選契機を取得し難い第1駆動パターンで前記可動手段を駆動する第1駆動パターン手段(例えば、「通常遊技状態」における普通図柄の可変表示と出没板79bとの実行態様)と、
前記第1抽選手段による抽選契機と前記第2抽選手段による抽選契機とを取得し易い(取得し得る)第2駆動パターンで前記可動手段を駆動する第2駆動パターン手段(例えば、「潜伏確率変動状態」における普通図柄の可変表示と出没板79bとの実行態様)と、
前記第1抽選手段による抽選契機を取得し難く、前記第2抽選手段による抽選契機を取得し易い(取得し得る)第3駆動パターンで前記可動手段を駆動する第3駆動パターン手段(例えば、「確率変動状態」における普通図柄の可変表示と出没板79bとの実行態様)と、を備え、
前記付与変更手段は、
所定条件の成立に基づいて、前記第1駆動パターン手段、前記第2駆動パターン手段又は前記第3駆動パターン手段のいずれかによって前記可動手段を駆動する
ことを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、遊技機C2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、駆動手段に設けられた第1駆動パターン手段により、第1抽選手段による抽選契機を取得し易く(取得し得て)、第2抽選手段による抽選契機を取得し難い第1駆動パターンで可動手段が駆動される。また、駆動手段に設けられた第2駆動パターン手段により、第1抽選手段による抽選契機と第2抽選手段による抽選契機とを取得し易い(取得し得る)第2駆動パターンで可動手段が駆動される。さらに、駆動手段に設けられた第3駆動パターン手段により、第1抽選手段による抽選契機を取得し難く、第2抽選手段による抽選契機を取得し易い(取得し得る)第3駆動パターンで可動手段が駆動される。そして、付与変更手段により、所定条件の成立に基づいて、第1駆動パターン手段、第2駆動パターン手段又は第3駆動パターン手段のいずれかによって可動手段が駆動される。これにより、所定条件の成立に基づいて、可動手段の駆動パターンに応じて取得し易い(取得し得る)抽選契機が異なることで、得られる遊技価値が変化する遊技性を付与し、遊技にバリエーションを設けて、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
なお、「所定条件の成立」とは、例えば、いずれかの大当たりや小当たりに当選した場合や、遊技状態が変更された場合、所定の入球口に遊技球が入球した場合、動的表示が所定実行回数実行された場合、特定の入球口に遊技球が所定数入球した場合等、遊技を実行している場合に起こり得る事象であって、事前に設定された1の事象が成立することをいう。
遊技機C0からC3のいずれかにおいて、
遊技球が入球可能な第3入球手段(例えば、ユニット内普通図柄ゲート76a又は右側普通図柄ゲート76b)、を備え、
前記駆動手段は、
前記第3入球手段への遊技球の入球に基づいて前記可動手段を駆動する
ことを特徴とする遊技機C4。
遊技機C4によれば、遊技機C0からC3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第3入球手段に遊技球が入球可能に構成され、その第3入球手段への遊技球の入球に基づいて、駆動手段により可動手段が駆動される。これにより、可動手段を駆動させるために如何にして第3入球手段へ遊技球を入球させるかという遊技性が生まれ、また、第3入球手段に遊技球が入球して可動手段が駆動された場合には、得られる遊技価値が変化する遊技性を付与し、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機C4のいずれかにおいて、
前記第3入球手段に遊技球が入球したことに基づいて第3情報を取得する第3情報取得手段(例えば、普図保留球格納エリア203h)と、
該第3情報取得手段により取得された前記第3情報を判定する第3判定手段(例えば、普図当たり乱数テーブル202f)と、
該第3判定手段の判定結果に基づいて、表示手段(例えば、普通図柄表示装置83)において識別情報の可変表示(例えば、普通図柄の可変表示)を実行する可変表示実行手段(例えば、普図変動処理(S111))と、
前記所定条件の成立に基づいて、前記可変表示実行手段による前記可変表示の実行時間を、第1実行時間(例えば、「3秒」)から該第1実行時間より短い第2実行時間(例えば、「0.5秒」)に変更する可変時間変更手段(例えば、普図変動時間テーブル202g)と、を備え、
前記付与変更手段は、
前記可変時間変更手段によって前記可変表示の実行時間を変更することで、前記可動手段を駆動するタイミングを変更するタイミング変更手段(例えば、普図変動処理(S111)のS407)、を備えている
ことを特徴とする遊技機C5。
遊技機C5によれば、遊技機C4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第3入球手段に遊技球が入球したことに基づいて第3情報取得手段により第3情報が取得され、第3判定手段により、第3情報取得手段により取得された第3情報が判定され、第3判定手段による判定結果に基づいて、可変表示実行手段により、表示手段において識別情報の可変表示が実行される。ここで、所定条件の成立に基づいて、可変表示実行手段による可変表示の実行時間が、第1実行時間から該第1実行時間より短い第2実行時間に変更される。そして、付与変更手段に設けられたタイミング変更手段により、可変時間変更手段によって可変表示の実行時間を変更することで、可動手段を駆動するタイミングが変更される。これにより、所定条件の成立に基づいて可変表示の実行時間を変更して、可動手段が駆動されるタイミングを異ならせ、遊技球が入球し得る第1入球手段又は第2入球手段の入球パターンを異ならせることで、遊技のバリエーションを豊富にして興趣を向上することができる、という効果がある。
なお、「遊技球が入球し得る第1入球手段又は第2入球手段の入球パターン」とは、例えば、第1入球手段にのみ入球し得る入球パターンや、第2入球手段にのみ入球し得る入球パターン、第1入球手段および第2入球手段のいずれにも入球し得る入球パターン、或いは、第1入球手段と第2入球手段とに交互に入球し得る入球パターン等が例示される。
遊技機C0からC5のいずれかにおいて、
前記可動手段は、
所定の第1位置と、該第1位置と異なる第2位置とに変位可能に構成され、
前記第2位置となった場合に、前記第1入球手段を該可動手段によって塞ぎつつ、該可動手段の上面を遊技球が転動可能な閉塞時転動手段(例えば、突出状態の出没板79bの上面)、を備え、
該閉塞時転動手段によって前記可動手段の上面を転動した遊技球が流下する下流側に前記第2入球手段を設ける
ことを特徴とする遊技機C6。
遊技機C6によれば、遊技機C0からC5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、可動手段が第1位置と第2位置とに変位可能に構成され、可動手段に設けられた閉塞時転動手段により、可動手段が第2位置となった場合に、第1入球手段を可動手段によって塞ぎつつ、可動手段の上面を遊技球が転動可能に構成される。そして、閉塞時転動手段によって可動手段の上面を転動した遊技球が流下する下流側に第2入球手段が設けられる。これにより、可動手段が第2位置となった場合に、可動手段によって第1入球手段を塞いで第1入球手段への遊技球の入球を防ぎつつ、可動手段の上面を遊技球が転動して、その下流側に設けられた第2入球手段に遊技球を入球させる。その結果、遊技球が入球し得る第1入球手段又は第2入球手段の入球パターンを異ならせることで、遊技のバリエーションを豊富にして興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機C6において、
前記第1入球手段は、
所定の所定第1入球手段(例えば、特図1第1入賞口77a)と、
該所定第1入球手段と異なる特定第1入球手段(例えば、特図1第2入賞口77b)と、を備え、
前記付与変更手段は、
遊技球の流下方向を少なくとも2方向に順番に振り分ける振分手段(例えば、振分装置73)と、
該振分手段により振り分けられた遊技球が通過する第1経路(例えば、左側経路74)と、
該第1経路に振り分けられた遊技球の次に前記振分手段により振り分けられた遊技球が通過する第2経路(例えば、右側経路75)と、を備え、
前記第1経路の下流側に前記所定第1入球手段を設け、
前記第2経路の下流側に前記特定第1入球手段を設け、
前記第2経路の下流側であって、前記特定第1入球手段の上流側に前記可動手段を設ける
ことを特徴とする遊技機C7。
遊技機C7によれば、遊技機C6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、所定の所定第1入球手段と、この所定第1入球手段と異なる特定第1入球手段とが第1入球手段に設けられる。ここで、付与変更手段に設けられた振分手段により、遊技球の流下方向が少なくとも2方向に順番に振り分けられ、この振分手段により振り分けられた遊技球が第1経路を通過し、また、第1経路に振り分けられた遊技球の次に振分手段により振り分けられた遊技球が第2経路を通過する。また、第1経路の下流側に所定第1入球手段が設けられ、第2経路の下流側に特定第1入球手段が設けられる。そして、第2経路の下流側であって、特定第1入球手段の上流側に可動手段が設けられる。これにより、特定第1入球手段の上流側に設けられた可動手段により、閉塞時転動手段が機能せずに特定第1入球手段に遊技球が入球し得る状態か、閉塞時転動手段が機能して特定第1入球手段への遊技球の入球が困難である一方、第2入球手段に遊技球が入球し得る状態かを生成することができる。よって、所定条件の成立に基づいて、振分手段により所定第1入球手段と特定第1入球手段とに遊技球を順番に振り分ける状態か、振分手段により所定第1入球手段と第2入球手段とに遊技球を順番に振り分ける状態を異ならせることができる。その結果、遊技球が入球し得る所定第1入球手段、特定第1入球手段又は第2入球手段の入球パターンを異ならせることで、遊技のバリエーションを豊富にして興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機C7において、
前記第2経路の一部分に遊技球が通過可能な前記第3入球手段(例えば、ユニット内普通図柄ゲート76a)を設ける
ことを特徴とする遊技機C8。
遊技機C8によれば、遊技機C7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2経路の一部分に遊技球が通過可能な第3入球手段が設けられる。即ち、第2経路に案内された遊技球は必ず第3入球手段に入球するように構成される。これにより、第2経路に案内された遊技球は、第3入球手段に入球した後、該第3入球手段への遊技球の通過による第3判定手段の判定結果に基づいて駆動される可動手段によって、特定第1入球手段へ入球するか第2入球手段に入球するかが異なるように構成される。よって、例えば、可動手段を駆動させるための条件(当選確率、可変表示時間又は駆動時間)を変化させることで、第2経路を流下する遊技球が入球し得る特定第1入球手段又は第2入球手段の入球パターンを異ならせることができ、遊技のバリエーションを豊富にして興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機C8において、
前記第2経路は、
前記第3入球手段に遊技球が入球してから、該遊技球が前記可動手段の配設位置に到達するまでに所定時間(例えば、「1.9秒」)を要するように構成し、
前記可変表示実行手段は、
前記所定時間より長い第1実行時間(例えば、「3秒」)と、前記所定時間より短い第2実行時間(例えば、「0.5秒」)との、少なくともいずれかの実行時間で前記可変表示を実行可能であり、
前記第1駆動パターン手段は、前記第1実行時間で前記可変表示を行い、
前記第2駆動パターン手段は、前記第2実行時間で前記可変表示を行い、
前記第3駆動パターン手段は、前記第2実行時間で前記可変表示を行う
ことを特徴とする遊技機C9。
遊技機C9によれば、遊技機C8の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第3入球手段に遊技球が入球してから、その遊技球が可動手段の配設位置に到達するまでに所定時間を要するように第2経路が構成される。また、可変表示実行手段により、所定時間より長い第1実行時間と、所定時間より短い第2実行時間との、少なくともいずれかの実行時間で可変表示が実行される。そして、第1駆動パターン手段により第1時間実行で可変表示が行われ、第2駆動パターン手段により第2時間実行で可変表示が行われ、第3駆動パターン手段により第2時間実行で可変表示が行われる。これにより、所定条件の成立に基づいて可変表示の実行時間を変更して、可動手段が第2位置となるタイミングを異ならせ、遊技球が入球し得る第1入球手段又は第2入球手段の入球パターンを異ならせることで、遊技のバリエーションを豊富にして興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機C4からC9のいずれかにおいて、
遊技球を発射する発射手段(例えば、球発射ユニット112a)、を備え、
前記発射手段は、
所定の第1発射態様で遊技球を発射する第1発射態様手段(例えば、左打ち遊技に関する制御)と、
該第1発射態様手段による前記第1発射態様と異なる第2発射態様で遊技球を発射する第2発射態様手段(例えば、右打ち遊技に関する制御)と、を備え、
前記第3入球手段は、
前記第1発射態様手段による前記第1発射態様によって発射された遊技球が入球可能な所定第3入球手段(例えば、ユニット内普通図柄ゲート76a)と、
前記第2発射態様手段による前記第2発射態様によって発射された遊技球が入球可能な特定第3入球手段(例えば、右側普通図柄ゲート76b)と、を備え、
前記特定第3入球手段に遊技球が入球してから、前記可動手段の配設位置に到達するまでに第2所定時間(例えば、「1秒」)を要するように構成し、
前記第1実行時間は、前記第2所定時間より長く、
前記第2実行時間は、前記第2所定時間より短い
ことを特徴とする遊技機C10。
遊技機C10によれば、遊技機C4からC9の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、発射手段により遊技球が発射され、発射手段に設けられた第1発射態様手段により、所定の第1発射態様で遊技球が発射され、同じく発射手段に設けられた第2発射態様手段により、第1発射態様手段の第1発射態様と異なる第2発射態様で遊技球が発射される。そして、第3入球手段に、第1発射態様手段による第1発射態様によって発射された遊技球が入球可能な所定第3入球手段と、第2発射態様手段による第2発射態様によって発射された遊技球が入球可能な特定第3入球手段とが設けられる。また、遊技球が特定第3入球手段に入球してから可動手段の配設位置に到達するまでに第2所定時間を要するように構成される。そして、可変表示の実行時間として、第1実行時間は第2所定時間より長く設定され、第2実行時間は第2所定時間より短く設定されている。これにより、所定条件の成立に基づいて特定第3入球手段に入球した遊技球が可動手段の配設位置に到達するまでに可変表示を終了しているか否かを異ならせることができ、該可変表示の実行結果に基づいて可動手段を駆動状態にするか否かを変化させることが可能となる。その結果、所定条件の成立に基づいて特定第3入球手段に入球した遊技球を、可動手段によって第2入球手段に入球し得るか否かを異ならせることで、遊技のバリエーションを豊富にして興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機C6からC10のいずれかにおいて、
前記駆動手段は、
所定の第1駆動時間(例えば、「2秒」)の間、前記第2位置となるように前記可動手段を駆動する第1時間駆動手段と、
前記第1駆動時間より長い第2駆動時間(例えば、「5秒」)の間、前記第2位置となるように前記可動手段を駆動する第2時間駆動手段と、を備え、
前記第1駆動パターン手段及び前記第2駆動パターン手段は、前記第1時間駆動手段により前記可動手段を駆動し、
前記第3駆動パターン手段は、前記第2時間駆動手段により前記可動手段を駆動する
ことを特徴とする遊技機C11。
遊技機C11によれば、遊技機C6からC10の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、駆動手段に設けられた第1時間駆動手段により、所定の第1駆動時間の間、第2位置となるように可動手段が駆動され、同じく駆動手段に設けられた第2時間駆動手段により、第1駆動時間より長い第2駆動時間の間、第2位置となるように可動手段が駆動される。そして、第1駆動パターン手段及び第2駆動パターン手段により、第1時間駆動手段で可動手段が駆動され、第3駆動パターン手段により、第2駆動時間で可動手段が駆動される。これにより、第3駆動パターン手段では、第2駆動時間の間、可動手段を駆動して第2位置を維持することができる。よって、第3駆動パターン手段により、第2入球手段へ遊技球が入球し易い状態を生成し、所定条件が成立するか否かで遊技球が第2入球手段に入球し易いか否かという状態を異ならせて、遊技のバリエーションを豊富にして興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機C11において、
前記閉塞時転動手段は、
前記可動手段の上流側から下流側まで転動するために第3所定時間(例えば、「2.5秒」)を要するように構成し、
前記特定第3入球手段に入球した遊技球を、前記可動手段の前記上流側に案内する上流側案内手段(例えば、普通電役ユニット79における右側普通図柄ゲート76bと出没板79bの右端との間)、を備え、
前記第1駆動時間は、前記第3所定時間(又は前記第2所定時間と前記第3所定時間との合計時間)より短く、
前記第2駆動時間は、前記第2所定時間と前記第3所定時間との合計時間より長い
ことを特徴とする遊技機C12。
遊技機C12によれば、遊技機C11の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、閉塞時転動手段により、可動手段の上流側から下流側まで転動するために第3所定時間を要するように構成される。また、上流側案内手段により、特定第3入球手段に入球した遊技球が、可動手段の上流側に案内される。そして、第1駆動時間が第3所定時間(又は第2所定時間と第3所定時間との合計時間)より短く、また、第2駆動時間が第2所定時間と第3所定時間との合計時間より長くなるように設定されている。これにより、可動手段を第1駆動時間で駆動した場合には、可動手段の上流側から下流側まで遊技球が転動しきる前に、可動手段を第2位置から第1位置に変位させる。一方、可動手段を第2駆動手段で駆動した場合には、特定第3入球手段に入球した遊技球が可動手段の上流側に案内されてから、該可動手段の上流側から下流側まで転動する間、可動手段の第2位置を維持させる。よって、可動手段を第2駆動時間で駆動させた場合に、特定第3入球手段に入球した遊技球を第2入球手段に入球させることができる。その結果、所定条件の成立に基づいて特定第3入球手段に入球した遊技球を、可動手段によって第2入球手段に入球し得るか否かを異ならせることで、遊技のバリエーションを豊富にして興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機C12において、
前記発射手段は、
前記第4所定時間(例えば、「0.6秒」)の間隔で遊技球を発射可能であり、
前記第2駆動時間は、前記第2所定時間と前記第3所定時間と前記第4所定時間との合計時間より長い
ことを特徴とする遊技機C13。
遊技機C13によれば、遊技機C12の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、発射手段により、遊技球が第4所定間隔で発射可能に構成され、第2駆動時間が第2所定時間と第3所定時間と第4所定時間との合計時間より長くなるように設定されている。これにより、所定条件の成立に基づいて特定第3入球手段に連続的に入球した複数の遊技球を、可動手段によって第2入球手段に連続的に入球し得るか否かを異ならせることで、遊技のバリエーションを豊富にして興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機C6からC13のいずれかにおいて、
前記閉塞時転動手段によって転動する遊技球の流下速度を遅延させる遅延手段(例えば、減速部79c)、を備えている
ことを特徴とする遊技機C14。
遊技機C14によれば、遊技機C6からC13の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遅延手段より、閉塞時転動手段によって転動する遊技球の流下速度が遅延される。これにより、遊技球が閉塞時転動手段の上面に滞留する時間を均一化(一定)かつ長時間化することができる。よって、遅延手段がない場合と比べて閉塞時転動手段上での滞留時間を長くすることで、本発明の遊技性を実現する上で、遊技状態毎に可動手段の第2入球可能状態の調整等の遊技仕様を設計し易くすることができる。さらに、遅延手段によって遊技球の流下速度を遅らせれば遅らせるほど、閉塞時転動手段の全長を短くすることができ、可動手段全体をコンパクト化することができる、という効果がある。
遊技機C10からC14のいずれかにおいて、
前記所定条件が成立していない場合に、前記特定第3入球手段に遊技球が入球したとき、所定の報知を行う報知手段(例えば、警報音)、を備えている
ことを特徴とする遊技機C15。
遊技機C15によれば、遊技機C10からC14の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、所定条件が成立していない場合に、特定第3入球手段に遊技球が入球したとき、報知手段により所定の報知が行われる。これにより、遊技仕様として想定されている発射態様と異なる発射態様での遊技を規制して、想定された遊技仕様通りの遊技性を確実に実現できる、という効果がある。
<D群:特別図柄と普通図柄のみで遊技性実現>
従来より、パチンコ機等の遊技機には、遊技盤に設けられた遊技領域に向けて球等の遊技媒体を発射し、該遊技領域に設けられた複数の入球口のいずれかへ遊技媒体が入球することに基づいて当否抽選を行い、該当否抽選において当たりに当選した場合に、遊技者に所定の遊技価値が付与されるように構成されているものがある(例えば、特許文献1(特開2012−231902号公報))。
しかしながら、上記遊技機では、複数の入球口への入賞は、遊技状況に応じて固定的であり、遊技が単調なものとなってしまい、この点について未だ改良の余地がある。
D群の発明は、上記例示した事情に鑑みてなされたものであり、遊技の興趣向上を図ることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
遊技球が入球可能な第1入球手段(例えば、ユニット内普通図柄ゲート76a又は右側普通図柄ゲート76b)と、 該第1入球手段へ遊技球が入球したことに基づいて第1情報を取得する第1情報取得手段(例えば、普図保留球格納エリア203h)と、
該第1情報取得手段により取得された前記第1情報を判定する第1判定手段(例えば、普通電役制御処理(S104))と、
該第1判定手段の判定結果に基づいて駆動される可動手段(例えば、出没板79b)と、を備えた遊技機において、
遊技球が入球可能であって、前記可動手段の駆動による影響を受けない第2入球手段(例えば、特図1第1入賞口77a)と、
遊技球が入球可能であって、前記可動手段の駆動による影響を受け得る第3入球手段(例えば、特図1第2入賞口77b又は特図2入賞口78)と、
前記第2入球手段又は前記第3入球手段へ遊技球が入球したことに基づいて第2情報を取得する第2情報取得手段(例えば、第1保留球格納エリア203d又は第2保留球格納エリア203e)と、
前記第2情報取得手段により取得された前記第2情報を判定する第2判定手段(例えば、変動開始処理(S310)のS324)と、
該第2判定手段による判定結果に基づいて、遊技者に所定の遊技価値を付与する遊技価値付与手段(例えば、中央大入賞口65a又は右側大入賞口67a)と、
遊技球の流下方向を少なくとも2方向に順番に振り分ける振分手段(例えば、振分装置73)と、
該振分手段により振り分けられた遊技球が通過する第1経路(例えば、左側経路74)と、
該第1経路に振り分けられた遊技球の次に前記振分手段により振り分けられた遊技球が通過する第2経路(例えば、右側経路75)と、を備え、
前記第1経路の下流側に前記第2入球手段を設け、
前記第2経路の下流側に前記第3入球手段を設け、
前記可動手段は、
前記第2経路を流下する遊技球の流下方向を変更する入球パターン変更手段、を備えている
ことを特徴とする遊技機D0。
遊技機D0によれば、第1入球手段に遊技球が入球可能に構成され、その第1入球手段へ遊技球が入球したことに基づいて第1情報取得手段により第1情報が取得される。そして、その第1情報取得手段により取得された第1情報が第1判定手段により判定され、その第1判定手段の判定結果に基づいて可動手段が駆動される。ここで、可動手段の駆動による影響を受けない第2入球手段に遊技球が入球可能に構成され、また、可動手段の駆動による影響を受け得る第3入球手段に遊技球が入球可能に構成される。そして、第2入球手段又は第3入球手段へ遊技球が入球したことに基づいて第2情報取得手段により第2情報が取得され、その第2情報取得手段による取得された第2情報が第2判定手段により判定される。そして、第2判定手段による判定結果に基づいて、遊技価値付与手段により、遊技者に所定の遊技価値が付与される。ここで、振分手段により、遊技球の流下方向が少なくとも2方向に順番に振り分けられ、この振分手段により振り分けられた遊技球が第1経路を通過し、また、第1経路に振り分けられた遊技球の次に振分手段により振り分けられた遊技球が第2経路を通過する。また、第1経路の下流側に第2入球手段が設けられ、第2経路の下流側に第3入球手段が設けられる。そして、第2経路から流下する遊技球の流下方向が可動手段に設けられた入球パターン変更手段によって変更される。これにより、第2入球手段への遊技球の入球は固定的にしつつ、可動手段により、第3入球手段に向けて流下した遊技球の流下方向を変更して可変的に入賞させることができる。即ち、可動手段の駆動による影響を受けない場合には、振分手段により第2入球手段と所定の第3入球手段とに遊技球を順番に振り分ける一方、可動手段の駆動による影響を受ける場合には、振分手段により第2入球手段と所定の第3入球手段以外の流路に遊技球を順番に振り分けることができる。その結果、可動手段によって遊技球が入球し得る第2入球手段又は第3入球手段の入球パターンを異ならせることで、遊技のバリエーションを豊富にして興趣を向上することができる、という効果がある。
なお、「可動手段の駆動による影響を受け得る」とは、可動手段が駆動することによって流下方向が変更された遊技球が入球する場合や、可動手段が駆動しないことによって流下方向が変更されなかった遊技球が入球する場合、可動手段が駆動することで流路が拡大又は縮小する場合、可動手段が駆動することで流路が開放又は閉鎖する場合、或いは、可動手段が駆動することで視認可能又は困難となる場合等が例示される。一方、「可動手段の駆動による影響を受けない」とは、上記「影響を受け得る」事象が発生しないこと、即ち、可動手段が駆動しても遊技球の流下方向が変更されない場合や、可動手段が駆動して流路が拡大又は縮小しても影響がない場合、可動手段が駆動しても流路幅が変更されない場合、或いは、可動手段が駆動しても視認性に影響がない場合等が例示される。
また、「第1情報」と「第2情報」とは、取得される所定部分の情報が同一でありつつ、所定部分以外の部分の情報が異なっているものであったり、取得される情報がそれぞれ全く異なるものであって含まれるものとする。具体的には、例えば、第1情報として、A情報(例えば、大当たり乱数情報)、B情報(例えば、大当たり種別情報)及びC情報(例えば、特図1入賞口入賞情報)を取得する場合に、第2情報として、A情報、B情報及びD情報(例えば、特図2入賞情報)を取得するような場合が含まれる。また、例えば、第1情報として、A情報、B情報及びC情報を取得する場合に、第2情報として、E情報、F情報及びG情報を取得するような場合が含まれる。
さらに、「遊技球が入球し得る第1入球手段又は第2入球手段の入球パターン」とは、例えば、第1入球手段にのみ入球し得る入球パターンや、第2入球手段にのみ入球し得る入球パターン、第1入球手段および第2入球手段のいずれにも入球し得る入球パターン、或いは、第1入球手段と第2入球手段とに交互に入球し得る入球パターン等が例示される。
遊技機D0において、
前記第1入球手段に遊技球が入球することで、第1識別情報(例えば、普通図柄)の可変表示を実行する可変表示実行手段(例えば、普通図柄表示装置83)と、
前記第2入球手段および前記第3入球手段に遊技球が入球することで、前記第1識別情報と異なる第2識別情報(例えば、特別図柄)の動的表示を実行する動的表示実行手段(例えば、第3図柄表示装置81)と、を備え、
前記第3入球手段は、
所定第3入球手段(例えば、特図1第2入賞口77b)と、
該所定第3入球手段と異なる特定第3入球手段(例えば、特図2入賞口78)と、を備え、
前記第2判定手段は、
前記第2入球手段又は前記所定第3入球手段への遊技球の入球に基づいて第1抽選を行う第1抽選手段(例えば、特図1用大当たり種別テーブル202b1)と、
前記特定第3入球手段への遊技球の入球に基づいて前記第1抽選と異なる第2抽選を行う第2抽選手段(例えば、特図2用大当たり種別テーブル202b2)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機D1。
遊技機D1によれば、遊技機D0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1入球手段に遊技球が入球することで、可変表示実行手段により第1識別情報の可変表示が実行され、第2入球手段又は第3入球手段に遊技球が入球することで、動的表示実行手段により第1識別情報と異なる第2識別情報の動的表示が実行される。また、第3入球手段には、所定第3入球手段と、その所定第3入球手段と異なる特定第3入球手段とが設けられる。そして、第2判定手段に設けられた第1抽選手段により、第2入球手段又は所定第3入球手段への遊技球の入球に基づいて第1抽選が行われ、同じく第2判定手段に設けられた第2抽選手段により、特定第3入球手段への遊技球の入球に基づいて第1抽選と異なる第2抽選が行われる。
従来、遊技球が入球し得る入球手段を明確に異ならせるために、複数の非電動役物(例えば、電気的動力による作動を行う電動役物以外の役物をいう)を活用して、遊技状態ごとに入球し得る(し易い)入球手段を異ならせる遊技機が存在する(例えば、特許文献2(特開2014−100432号公報))。
しかしながら、上記非電動役物を用いた遊技機では、一般的に遊技者に馴染みが薄い非電動役物を用いて遊技性を構築しているため、その遊技仕様を遊技者が理解させることが困難である。その結果、遊技者は、遊技仕様が理解困難な遊技機での遊技を敬遠してしまい、遊技機の稼働が上がらないおそれがある。
また、上述した非電動役物を備えた遊技機において、普通電役の内部において作動部材を設け、該作動部材と非電動役物とを機械的に連動させる特殊な機構によって入球手段への入球態様を変更するように構成されている。このため、作動部材と非電動役物とを機械的に連動させる特殊な機構分、遊技機に使用する部品点数が増加し、製造コストが増加してしまうおそれがある。
さらに、上述した非電動役物を備えた遊技機において、例えば、「通常遊技状態」と「第1確率変動状態」との複数の遊技状態で、第2識別情報に関する第2入球手段へ入球し得る状態か、所定第3入球手段へのみ入球がし易い状態となり、複数の遊技状態において第2識別情報の第1抽選のみが得られる構成であるため、得られる抽選が同一の第2識別情報であることによって、遊技が単調になるおそれがある。
そこで、遊技機D1によれば、従来から遊技者に馴染み深い第1識別情報の可変表示と、第2識別情報の動的表示とを用い、また、第2入球手段と第3入球手段とに遊技球を振り分ける振分手段を用いると共に、第3入球手段として所定第3入球手段と特定第3入球手段とを設け、可動手段によって遊技球の流下方向を変更して、上記所定第3入球手段又は特定第3入球手段に対する遊技球の入球パターンを異ならせるように構成されている。これにより、非電動役物を用いず、遊技者に馴染み深い第1識別情報の可変表示結果に基づく可動手段の駆動により、第2識別情報の動的表示の実行契機となる入球手段への遊技球の入球パターンを異ならせることができ、遊技者に遊技の仕様を理解させ易くすることができる。その結果、遊技仕様が理解困難なことによって遊技が敬遠されて稼働が上がらないという問題を解消することができる、という効果がある。
また、非電動役物等の特殊な機構を用いず上記遊技性を実現していることから、特殊な機構分の部品点数が増加することを未然に防止し、遊技機のコストを増加させずに、上記遊技性を実現することができる。
遊技機D1において、
前記遊技価値付与手段による遊技価値の付与後の遊技状態を設定可能な遊技状態設定手段(例えば、大当たり処理(S103))、を備え、
前記入球パターン変更手段は、
前記遊技状態設定手段によって設定された遊技状態に基づいて、前記可変表示実行手段による前記可変表示の実行時間を、第1実行時間(例えば、「3秒」)から該第1実行時間より短い第2実行時間(例えば、「0.5秒」)に変更する可変時間変更手段(例えば、普図変動時間テーブル202g)と、
該可変時間変更手段によって前記可変表示の実行時間を変更することで、前記可動手段を駆動するタイミングを変更するタイミング変更手段(例えば、普図変動処理(S111)のS407)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機D2。
遊技機D2によれば、遊技機D1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技状態設定手段により、遊技価値付与手段による遊技価値の付与後の遊技状態が設定可能に構成される。また、遊技状態設定手段によって設定された遊技状態に基づいて、入球パターン変更手段に設けられた可変時間変更手段により、可変表示実行手段による可変表示の実行時間が、第1実行時間から該第1実行時間より短い第2実行時間に変更される。そして、入球パターン変更手段に設けられたタイミング変更手段により、可変時間変更手段によって可変表示の実行時間が変更されることで、可動手段を駆動するタイミングが変更される。これにより、遊技状態に基づいて可変表示の実行時間を変更して、可動手段が駆動されるタイミングを異ならせ、遊技球が入球し得る第2入球手段又は第3入球手段の入球パターンを異ならせることで、遊技のバリエーションを豊富にして興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機D1又はD2において、
前記可動手段は、
所定の第1位置と、該第1位置と異なる第2位置とに変位可能に構成され、
前記第2位置となった場合に、前記所定第3入球手段を該可動手段によって塞ぎつつ、該可動手段の上面を遊技球が転動可能な閉塞時転動手段(例えば、突出状態の出没板79bの上面)、を備え、
該閉塞時転動手段によって前記可動手段の上面を転動した遊技球が流下する下流側に前記特定第3入球手段を設ける
ことを特徴とする遊技機D3。
遊技機D3によれば、遊技機D1又はD2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、可動手段が第1位置と第2位置とに変位可能に構成され、可動手段に設けられた閉塞時転動手段により、可動手段が第2位置となった場合に、所定第3入球手段を可動手段によって塞ぎつつ、可動手段の上面を遊技球が転動可能に構成される。そして、閉塞時転動手段によって可動手段の上面を転動した遊技球が流下する下流側に特定第3入球手段が設けられる。これにより、可動手段が第2位置となった場合に、可動手段によって所定第3入球手段を塞いで所定第3入球手段への遊技球の入球を防ぎつつ、可動手段の上面を遊技球が転動して、その下流側に設けられた特定第3入球手段に遊技球を入球させる。その結果、遊技球が入球し得る第3入球手段の入球パターンを異ならせることで、遊技のバリエーションを豊富にして興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機D0からD3のいずれかにおいて、
前記第1入球手段は、
前記第2経路の一部分に遊技球を通過可能に設けられている
ことを特徴とする遊技機D4。
遊技機D4によれば、遊技機D0からD3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1入球手段が第2経路の一部分に遊技球を通過可能に設けられる。即ち、第2経路に案内された遊技球は必ず第1入球手段に入球するように構成される。これにより、第2経路に案内された遊技球は、第1入球手段に入球した後、該第1入球手段への遊技球の通過による第1判定手段の判定結果に基づいて駆動される可動手段によって、所定第3入球手段へ入球するか特定第3入球手段に入球するかが異なるように構成される。よって、例えば、可動手段を駆動させるための条件(当選確率、可変表示時間又は駆動時間)を変化させることで、第2経路を流下する遊技球が入球し得る所定第3入球手段又は特定第3入球手段の入球パターンを異ならせることができ、遊技のバリエーションを豊富にして興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機D4において、
前記第2経路は、
前記第1入球手段に遊技球が入球してから、該遊技球が前記可動手段の配設位置に到達するまでに所定時間(例えば、「1.9秒」)を要するように構成し、
前記遊技状態設定手段は、
所定の第1遊技状態(例えば、「通常遊技状態」)と、
該第1遊技状態と異なる第2遊技状態(例えば、「潜伏確率変動状態」)と、
前記第1遊技状態及び前記第2遊技状態と異なる第3遊技状態(例えば、「確率変動状態」)とのいずれか1の遊技状態を設定可能に構成し、
前記可変表示実行手段は、
前記第1遊技状態において前記第1実行時間で前記可変表示を行う第1可変パターン手段(例えば、「3秒」で可変表示を実行)と、
前記第2遊技状態において前記第2実行時間で前記可変表示を行う第2可変パターン手段(例えば、「0.5秒」で可変表示を実行)と、
前記第3遊技状態において前記第2実行時間で前記可変表示を行う第3可変パターン手段(例えば、「0.5秒」で可変表示を実行)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機D5。
遊技機D5によれば、遊技機D4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、所定第1入球手段に遊技球が入球してから、その遊技球が可動手段の配設位置に到達するまでに所定時間を要するように第2経路が構成される。ここで、遊技状態設定手段により、所定の第1遊技状態と、該第1遊技状態と異なる第2遊技状態と、第1遊技状態及び第2遊技状態と異なる第3遊技状態とのいずれか1の遊技状態が設定可能に構成される。そして、可変表示実行手段に設けられた第1可変パターン手段により、第1遊技状態において第1時間実行で可変表示が行われ、同じく可変表示実行手段に設けられた第2可変パターン手段により、第2遊技状態において第2時間実行で可変表示が行われ、同じく可変表示実行手段に設けられた第3可変パターン手段により、第3遊技状態において第2時間実行で可変表示が行われる。これにより、遊技状態に応じて可変表示の実行時間を変更して、可動手段が駆動開始されるタイミングを異ならせ、遊技球が入球し得る所定第3入球手段又は特定第3入球手段の入球パターンを異ならせることで、遊技のバリエーションを豊富にして興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機D2からD5のいずれかにおいて、
遊技球を発射可能な発射手段(例えば、球発射ユニット112a)、を備え、
該発射手段により、所定の第1態様で遊技球を発射する第1発射態様手段(例えば、左打ち遊技)と、
該第1発射態様手段による前記第1発射態様と異なる第2発射態様で遊技球を発射する第2発射態様手段(例えば、右打ち遊技)と、を備え、
前記第1入球手段は、
前記第1発射態様手段による前記第1発射態様で発射された遊技球が入球可能な所定第1入球手段(例えば、ユニット内普通図柄ゲート76a)と、
前記第2発射態様手段による前記第2発射態様で発射された遊技球が入球可能な特定第1入球手段(例えば、右側普通図柄ゲート76b)と、を備え、
前記特定第3入球手段に遊技球が入球してから、前記可動手段の配設位置に到達するまでに第2所定時間(例えば、「1秒」)を要するように構成し、
前記第1実行時間は、前記第2所定時間より長く、
前記第2実行時間は、前記第2所定時間より短い
ことを特徴とする遊技機D6。
遊技機D6によれば、遊技機D2からD5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、発射手段により遊技球が発射可能に構成され、第1入球手段に、第1発射態様手段による第1発射態様によって発射された遊技球が入球可能な所定第1入球手段と、第2発射態様手段による第2発射態様によって発射された遊技球が入球可能な特定第1入球手段とが設けられる。また、遊技球が特定第1入球手段に入球してから可動手段の配設位置に到達するまでに第2所定時間を要するように構成される。そして、可変表示の実行時間として、第1実行時間は第2所定時間より長く設定され、第2実行時間は第2所定時間より短く設定されている。これにより、遊技状態に応じて特定第1入球手段に入球した遊技球が可動手段の配設位置に到達するまでに可変表示を終了しているか否かを異ならせることができ、該可変表示の実行結果に基づいて可動手段を駆動状態にするか否かを変化させることが可能となる。その結果、遊技状態に応じて特定第1入球手段に入球した遊技球を、可動手段によって第3入球手段に入球し得るか否かを異ならせることで、遊技のバリエーションを豊富にして興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機D5又はD6において、
前記可動手段を前記第1位置から前記第2位置へ駆動する駆動手段(例えば、ソレノイド209(出没板用ソレノイド))、を備え、
前記駆動手段は、
所定の第1駆動時間(例えば、「2秒」)の間、前記第2位置となるように前記可動手段を駆動する第1駆動パターン手段と、
前記第1駆動時間より長い第2駆動時間(例えば、「5秒」)の間、前記第2位置となるように前記可動手段を駆動する第2駆動パターン手段と、を備え、
前記入球パターン変更手段は、
前記第1遊技状態又は前記第2遊技状態において、前記第1駆動パターン手段により前記可動手段を駆動し、
前記第3遊技状態において、前記第2駆動パターン手段により前記可動手段を駆動する
ことを特徴とする遊技機D7。
遊技機D7によれば、遊技機D5又はD6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、駆動手段により、可動手段が第1位置から第2位置へ駆動可能に構成され、その駆動手段に設けられた第1駆動パターン手段により、所定の第1駆動時間の間、第2位置となるように可動手段が駆動され、同じく駆動手段に設けられた第2駆動パターン手段により、第1駆動時間より長い第2駆動時間の間、第2位置となるように可動手段が駆動される。そして、入球パターン変更手段により、第1遊技状態又は第2遊技状態において第1駆動パターン手段で可動手段が駆動され、第3遊技状態において第2駆動パターンで可動手段が駆動される。これにより、第3遊技状態では、第1遊技状態又は第2遊技状態における可動手段の第1駆動時間より長い第2駆動時間の間、可動手段を駆動して第2位置を維持することができる。よって、第3遊技状態において特定第3入球手段へ遊技球が入球し易い状態を生成し、遊技状態ごとに遊技球が特定第3入球手段に入球し易いか否かという状態を異ならせて、遊技のバリエーションを豊富にして興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機D7において、
前記第2駆動時間は、前記第2実行時間と前記第2所定時間との合計時間より長い
ことを特徴とする遊技機D8。
遊技機D8によれば、遊技機D7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2駆動時間が、第2実行時間と第2所定時間との合計時間より長くなるように構成されている。これにより、第3遊技状態では、第2駆動時間の間、可動手段を駆動して第3入球手段へ遊技球が入球され得る状態を維持することができる。よって、第1遊技状態又は第2遊技状態では、第1駆動時間の間、可動手段を駆動して第3入球手段へ遊技球が入球し得る状態となる一方、第3遊技状態において第3入球手段へ遊技球が入球し易い状態を生成し、遊技状態ごとに遊技球が第3入球手段に入球し易いか否かという状態を異ならせて、遊技のバリエーションを豊富にして興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機D7又はD8において、
前記閉塞時転動手段は、
前記可動手段の上流側から下流側まで転動するために第3所定時間(例えば、「2.5秒」)を要するように構成し、
前記特定第1入球手段に入球した遊技球を、前記可動手段の前記上流側に案内する上流側案内手段(例えば、普通電役ユニット79における右側普通図柄ゲート76bと出没板79bの右端との間)、を備え、
前記第1駆動時間は、前記第3所定時間(又は前記第2所定時間と前記第3所定時間との合計時間)より短く、
前記第2駆動時間は、前記第2所定時間と前記第3所定時間との合計時間より長い
ことを特徴とする遊技機D9。
遊技機D9によれば、遊技機D7又はD8の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、閉塞時転動手段により、可動手段の上流側から下流側まで転動するために第3所定時間を要するように構成される。また、上流側案内手段により、特定第1入球手段に入球した遊技球が、可動手段の上流側に案内される。そして、第1駆動時間が第3所定時間(又は前記第2所定時間と前記第3所定時間との合計時間)より短く、また、第2駆動時間が第2所定時間と第3所定時間との合計時間より長くなるように設定されている。これにより、可動手段を第1駆動時間で駆動した場合には、可動手段の上流側から下流側まで遊技球が転動しきる前に、可動手段を第2位置から第1位置に駆動させる。一方、可動手段を第2駆動手段で駆動した場合には、特定第1入球手段に入球した遊技球が可動手段の上流側に案内されてから、該可動手段の上流側から下流側まで転動する間、可動手段の第2位置が維持される。よって、可動手段を第2駆動時間で駆動させた場合に、特定第1入球手段に入球した遊技球を特定第3入球手段に入球させることができる。その結果、遊技状態に応じて特定第1入球手段に入球した遊技球を、可動手段によって特定第3入球手段に入球し得るか否かを異ならせることで、遊技のバリエーションを豊富にして興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機D9において、
前記発射手段は、
前記第4所定時間(例えば、「0.6秒」)の間隔で遊技球を発射可能であり、
前記第2駆動時間は、前記第2所定時間と前記第3所定時間と前記第4所定時間との合計時間より長い
ことを特徴とする遊技機D10。
遊技機D10によれば、遊技機D9の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、発射手段により、遊技球が第4所定間隔で発射可能に構成され、第2駆動時間が第2所定時間と第3所定時間と第4所定時間との合計時間より長くなるように設定されている。これにより、遊技状態に応じて特定第1入球手段に連続的に入球した複数の遊技球を、可動手段によって特定第3入球手段に連続的に入球し得るか否かを異ならせることで、遊技のバリエーションを豊富にして興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機D1からD10のいずれかにおいて、
前記第2抽選手段による前記第2抽選は、前記第1抽選手段による前記第1抽選より遊技者にとって有利となる特典が付与され易いものである
ことを特徴とする遊技機D11。
遊技機D11によれば、遊技機D1からD10の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2抽選手段による第2抽選が第1抽選手段による第1抽選より遊技者によって有利となる特典が付与され易く構成されている。これにより、如何にして第2抽選を受けることができる特定第3入球手段に遊技球を入球させるか否かの遊技性が生まれ、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機D1からD11において、
前記第1抽選手段は、
所定の第1抽選結果と、該第1抽選結果より遊技者にとって有利な第2抽選結果とを導出可能であり、
前記第2抽選手段は、
前記第1抽選手段より、前記第2抽選結果を導出し易い
ことを特徴とする遊技機D12。
遊技機D12によれば、遊技機D1からD11の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1抽選手段により、所定の第1抽選結果と、その第1抽選結果より遊技者にとって有利な第2抽選結果とが導出可能に構成される。そして、第1抽選手段より第2抽選手段の方が第2抽選結果が導出され易いように構成されている。これにより、如何にして遊技者にとって有利な第2抽選結果が導出され易い第2抽選手段の抽選契機を取得するか否かの遊技性が生まれ、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機D4からD12のいずれかにおいて、
前記閉塞時転動手段によって転動する遊技球の流下速度を遅延させる遅延手段(例えば、減速部79c)、を備えている
ことを特徴とする遊技機D13。
遊技機D13によれば、遊技機D4からD12の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遅延手段より、閉塞時転動手段によって転動する遊技球の流下速度が遅延される。これにより、遊技球が閉塞時転動手段の上面に滞留する時間を均一化(一定)かつ長時間化することができる。よって、遅延手段がない場合と比べて閉塞時転動手段上での滞留時間を長くすることで、本発明の遊技性を実現する上で、遊技状態毎に可動手段の駆動時間の調整等の遊技仕様を設計し易くすることができる。さらに、遅延手段によって遊技球の流下速度を遅らせれば遅らせるほど、閉塞時転動手段の全長を短くすることができ、可動手段全体をコンパクト化することができる、という効果がある。
遊技機D5からD13のいずれかにおいて、
前記1遊技状態又は前記第2遊技状態において、前記特定第1入球手段に遊技球が入球した場合に、所定の報知を行う報知手段(例えば、警報音)、を備えている
ことを特徴とする遊技機D14。
遊技機D14によれば、遊技機D5からD13の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1遊技状態又は第2遊技状態において、特定第1入球手段に遊技球が入球した場合に、報知手段により所定の報知が行われる。これにより、遊技状態ごとに設定された発射態様と異なる発射態様での遊技を規制して、遊技状態ごとに設定された第2入球手段又は第3入球手段の入球パターンを異ならせるという遊技性を確実に実現できる、という効果がある。
<E群:第4実施形態のクレーム>
従来より、パチンコ機等の遊技機には、遊技盤に設けられた遊技領域に向けて球等の遊技媒体を発射し、該遊技領域に設けられた複数の入球口のいずれかへ遊技媒体が入球することに基づいて当否抽選を行い、該当否抽選において当たりに当選した場合に、遊技者に所定の遊技価値が付与されるように構成されているものがある(例えば、特許文献1(特開2012−231902号公報))。
しかしながら、上記遊技機では、複数の入球口への入賞は、遊技状況に応じて固定的であり、遊技が単調なものとなってしまい、この点について未だ改良の余地がある。
E群の発明は、上記例示した事情に鑑みてなされたものであり、遊技の興趣向上を図ることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
遊技球が入球可能な第1入球手段(例えば、特図1第1入賞口77a)と、
遊技球が入球可能であって、前記第1入球手段と異なる第2入球手段(例えば、特図1第2入賞口77b)と、
前記第1入球手段又は前記第2入球手段へ遊技球が入球したことに基づいて抽選を行う抽選手段(例えば、特図1用大当たり種別テーブル202b1)と、
該抽選手段の抽選結果に基づいて遊技者に所定の遊技価値を付与する遊技価値付与手段(例えば、中央大入賞口65a)と、
遊技球が通過可能な開口部(例えば、振分入球口72の入り口)を有する通過手段(例えば、振分入球口72)と、
該通過手段を通過した遊技球が流下する第1流路(例えば、左側経路74又は右側経路75(右側奥行通路75a))と、
前記通過手段を通過しなかった遊技球が流下する第2流路(例えば、交互振分ユニット71の外側の流路)と、
前記第1流路を流下する遊技球を、前記第1入球手段と第2入球手段とに順番に振り分ける振分手段(例えば、振分装置73)と、
前記第2流路を流下する遊技球を、前記第1入球手段又は前記第2入球手段へ入球し難くする第1位置(例えば、没入状態)と、前記第1入球手段又は前記第2入球手段へ入球し得る第2位置(例えば、突出状態)とに変位可能な可動手段(例えば、左側出没板79b1及び右側出没板79b2)と、
遊技球が入球可能であって、前記第1入球手段又は前記第2入球手段と異なる第3入球手段(例えば、特図2入賞口78)と、
前記可動手段が前記第2位置に変位されている場合に、前記第1流路(又は前記第2流路)から流下した遊技球が、前記第3入球手段に向けて流下する第3流路(例えば、特図1第1入賞口77aと特図1第2入賞口77bとの間であって、特図2入賞口78上方の流路)と、を備え、
前記抽選手段は、前記第3入球手段へ遊技球が入球したことに基づいて抽選を行う第2抽選手段(例えば、特図2用大当たり種別テーブル202b2)、を備えていることを特徴とする遊技機E0。
遊技機E0によれば、第1入球手段と、その第1入球手段と異なる第2入球手段とに遊技球が入球可能に構成され、第1入球手段又は第2入球手段への遊技球の入球に基づいて、抽選手段により抽選が行われる。そして、抽選手段の抽選結果に基づいて、遊技価値付与手段により、遊技者に所定の遊技価値が付与される。ここで、開口部を有する通過手段を通過した遊技球が第1流路を流下し、通過手段を通過しなかった遊技球が第2流路を流下するように構成される。また、振分手段により、第1流路を流下する遊技球が、第1入球手段と第2入球手段とに順番に振り分けられる。一方、第1位置又は第2位置に変位可能な可動手段が設けられ、可動手段が第2位置である場合に、第2流路を流下する遊技球が、第1入球手段又は第2入球手段へ入球し得る。ここで、第1入球手段又は第2入球手段と異なる第3入球手段が設けられ、第3流路により、可動手段が第2位置に変位されている場合に、第1流路(又は第2流路)から流下した遊技球が、第3入球手段へ向けて流下される。そして、抽選手段に設けられた第2抽選手段により、第3入球手段への遊技球の入球に基づいて抽選が行われる。これにより、可動手段が第1位置である場合には、通過手段を通過して第1流路を流下する遊技球を、第1入球手段と第2入球手段とに順番に入球させることができる。また、可動手段が第2位置である場合には、通過手段を通過せずに第2流路を流下する遊技球を、第1入球手段又は第2入球手段に入球させることができる。さらに、可動手段が第2位置である場合には、通過手段を通過して第1流路を流下する遊技球(又は通過手段を通過せずに第2流路を流下する遊技球)を、第3入球手段に入球させることができる。よって、可動手段の駆動態様に応じて、それぞれの流路を流下する遊技球が入球し得る第1入球手段、第2入球手段又は第3入球手段の入球パターンを異ならせることで、遊技のバリエーションを豊富にして興趣を向上することができる、という効果がある。
なお、「遊技球が入球し得る第1入球手段、第2入球手段又は第3入球手段の入球パターン」とは、例えば、第1入球手段にのみ入球し得る入球パターンや、第2入球手段にのみ入球し得る入球パターン、第3入球手段にのみ入球し得る入球パターン、第1入球手段および第2入球手段に入球し得る入球パターン、第2入球手段および第3入球手段に入球し得る入球パターン、第1入球手段および第3入球手段に入球し得る入球パターン、或いは、第1入球手段と第2入球手段と第3入球手段とに順番に入球し得る入球パターン等が例示される。
遊技機E0において、
前記可動手段は、
前記第2位置となった場合に、前記第1入球手段又は前記第2入球手段を該可動手段によって塞ぎつつ、該可動手段の上面を遊技球が転動可能な閉塞時転動手段(例えば、突出状態の左側出没板79b1及び右側出没板79b2の上面)、を備えている
ことを特徴とする遊技機E1。
遊技機E1によれば、遊技機E0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、可動手段に設けられた閉塞時転動手段により、可動手段が第2位置となった場合に、第1入球手段又は第2入球手段を可動手段によって塞ぎつつ、可動手段の上面を遊技球が転動可能に構成される。これにより、可動手段が第2位置となった場合に、可動手段によって第1入球手段又は第2入球手段を塞いで第1入球手段又は第2入球手段への遊技球の入球を防ぎつつ、可動手段の上面を遊技球が転動して、第3流路の第3入球手段に遊技球を入球させることができる。よって、可動手段の駆動態様によって遊技球が入球し得る第1入球手段、第2入球手段又は第3入球手段の入球パターンを異ならせることで、遊技のバリエーションを豊富にして興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機E0又はE1において、
前記第3入球手段は、
前記第1入球手段と前記第2入球手段との間であって、前記第1入球手段及び前記第2入球手段より下流側に配置されている
ことを特徴とする遊技機E2。
遊技機E2によれば、遊技機E0又はE1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1入球手段と第2入球手段との間であって、第1入球手段及び第2入球手段の下流側に第3入球手段が配置される。これにより、可動手段が第2位置となった場合に、第1入球手段側からも第2入球手段側からも第3入球手段に遊技球を流下させることができ、各入球手段への入球パターンを変更するという遊技性を実現することができる。よって、上記遊技性を実現しつつ、第1入球手段と第2入球手段と第3入球手段とを効率よく配置して、各入球手段の占有領域を小さくすることで、遊技機の設計自由度の向上に貢献することができる、という効果がある。
遊技機E0からE2のいずれかにおいて、
前記可動手段は、
前記第1流路と前記第1入球手段との間に配置された第1可動手段(例えば、左側出没板79b1)と、
前記第1流路と前記第2入球手段との間に配置された第2可動手段(例えば、右側出没板79b2)と、
前記第1可動手段及び前記第2可動手段を連動して駆動する連動駆動手段(例えば、ソレノイド209(出没板用ソレノイド))と、を備えている
ことを特徴とする遊技機E3。
遊技機E3によれば、遊技機E0からE2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、可動手段として、第1流路と第1入球手段との間に第1可動手段が設けられ、第1流路と第2入球手段との間に第2可動手段が設けられる。そして、連動駆動手段により、第1可動手段および第2可動手段が連動して駆動される。これにより、第1可動手段と第2可動手段とが連動してそれぞれ駆動されるため、遊技球が第1流路において振り分けられた場合であっても、その遊技球を第3入球手段へ流下させることが可能となる。よって、可動手段の駆動態様によって遊技球が入球し得る第1入球手段、第2入球手段又は第3入球手段の入球パターンを異ならせることで、遊技のバリエーションを豊富にして興趣を向上することができる、という効果がある。
なお、「連動」とは、2の部材がそれぞれ同期して同じ態様(例えば、1の部材が突出であれば他の部材も突出、1の部材が没入であれば他の部材も没入)で駆動する場合や、1の部材が駆動したことに関連して同時又は所定期間後に他の部材が駆動する場合、或いは、2の部材が互い違いに駆動する場合等が例示される。
遊技機E0からE3のいずれかにおいて、
前記通過手段と前記振分手段と前記第1流路とを一体的に構成するユニット(例えば、交互振分ユニット71)、を備え、
前記可動手段は、
前記ユニットの外形より外側の前記第2流路に突出する突出手段(例えば、左側出没板79b1の左側部分、又は、右側出没板79b2の右側部分)、を備え、
該突出手段は、
前記第2流路から前記ユニット側に向けて下方に傾斜する
ことを特徴とする遊技機E4。
遊技機E4によれば、遊技機E0からE3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、ユニットにより、通過手段と振分手段と第1流路とを一体的に構成され、そのユニットの外形より外側の第2流路に対して可動手段の突出手段が設けられる。そして、突出手段が、第2流路からユニット側に向けて下方に傾斜して設けられる。これにより、通過手段を通過せずに第2流路を流下する遊技球が、突出手段によってユニット側に案内され、第1入球手段、第2入球手段又は第3入球手段へ入球し得る。よって、可動手段の駆動態様に応じて、それぞれの流路を流下する遊技球が入球し得る第1入球手段、第2入球手段又は第3入球手段の入球パターンを異ならせることで、遊技のバリエーションを豊富にして興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機E0からE4のいずれかにおいて、
遊技球が入球可能な第4入球手段(例えば、振分前普通図柄ゲート76c)と、
該第4入球手段に遊技球が入球したことに基づいて抽選を行う第3抽選手段(例えば、普図当たり乱数テーブル202f)と、を備え、
前記可動手段は、
前記第3抽選手段の抽選結果に基づいて駆動し、
前記第4入球手段は、
前記開口部と前記振分手段の間に配置する
ことを特徴とする遊技機E5。
遊技機E5によれば、遊技機E0からE4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第4入球手段に遊技球が入球可能に構成され、その第4入球手段に遊技球が入球したことに基づいて第3抽選手段により抽選が行われ、その第3抽選手段の抽選結果に基づいて可動手段が駆動される。そして、通過手段の開口部と振分手段との間に第4入球手段が配置される。これにより、通過手段を通過する遊技球が第4入球手段に入球し、その後、下流側に配置された可動手段によって、第1入球手段へ入球するか第2入球手段に入球するか第3入球手段に入球するかが異なるように構成される。よって、例えば、可動手段を駆動させるための条件(当選確率、可変表示時間又は駆動時間)を変化させることで、第1流路でいずれの方向に遊技球が振り分けられる場合でも、可動手段を駆動させる抽選契機を取得することができ、可動手段が駆動されるか否かに応じて遊技球が入球し得る第1入球手段、第2入球手段又は第3入球手段の入球パターンを異ならせることができ、遊技のバリエーションを豊富にして興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機E0からE5のいずれかにおいて、
前記遊技価値付与手段による遊技価値の付与後の遊技状態を設定可能な遊技状態設定手段(例えば、大当たり処理(S103))と、
該遊技状態設定手段によって設定された前記遊技状態に基づいて、前記可動手段の前記第2位置である期間を変更する第2位置期間変更手段(例えば、普通電役制御処理(S104)のS704)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機E6。
遊技機E6によれば、遊技機E0からE5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技状態設定手段により、遊技価値付与手段による遊技価値の付与後の遊技状態が設定可能に構成される。そして、第2位置期間変更手段により、遊技状態設定手段によって設定された遊技状態に基づいて、可動手段が第2位置である期間が変更される。これにより、遊技状態に応じて可動手段の第2位置である期間を変更し、遊技球が入球し得る第1入球手段、第2入球手段又は第3入球手段の入球パターンを異ならせることで、遊技のバリエーションを豊富にして興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機E6において、
前記第3抽選手段の抽選結果に基づいて、表示手段(例えば、普通図柄表示装置83)において識別情報の可変表示(例えば、普通図柄の可変表示)を実行する可変表示実行手段(例えば、普図変動処理(S111))と、
前記遊技状態設定手段によって設定された遊技状態に基づいて、前記可変表示実行手段による前記可変表示の実行時間を、第1実行時間(例えば、「3秒」)から該第1実行時間より短い第2実行時間(例えば、「0.5秒」)に変更する可変時間変更手段(例えば、普図変動時間テーブル202g)と、を備え、
前記第1流路は、
前記第4入球手段に遊技球が入球してから、該遊技球が前記可動手段の配設位置に到達するまでに第1所定時間(例えば、「1.6秒」)を要する所定第1流路(例えば、第4実施形態の左側経路74)と、
前記第4入球手段に遊技球が入球してから、該遊技球が前記可動手段の配設位置に到達するまでに第2所定時間(例えば、「5.1秒」)を要する特定第1流路(例えば、第4実施形態の右側経路75)と、を備え、
前記第1入球手段は、前記所定第1流路の下流側に配置され、
前記第2入球手段は、前記特定第1流路の下流側に配置され、
前記第1実行時間(3秒)は、前記第1所定時間(1.6秒)より長く、かつ、前記第2所定時間(5.1秒)より短く、
前記第2実行時間(0.5秒)は、前記第1所定時間(1.6秒)および前記第2所定時間(5.1秒)より短い
ことを特徴とする遊技機E7。
遊技機E7によれば、遊技機E6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第3抽選手段による抽選結果に基づいて、可変表示実行手段により、表示手段において識別情報の可変表示が実行される。また、遊技状態設定手段によって設定された遊技状態に基づいて、可変時間変更手段により、可変表示実行手段による可変表示の実行時間を、第1実行時間から第1実行時間より短い第2実行時間に変更される。ここで、第1流路の所定第1流路が、第4入球手段に遊技球が入球してから、その遊技球が可動手段の配設位置に到達するまでに第1所定時間を要するように構成され、同じく第1流路の特定第1流路が、第4入球手段に遊技球が入球してから、その遊技球が可動手段の配設位置に到達するまでに第2所定時間を要するように構成される。そして、所定第1流路の下流側に第1入球手段が配置され、特定第1流路の下流側に第2入球手段が配置される。さらに、第1実行時間が、第1所定時間より長く、かつ、第2所定時間より短く設定され、また、第2実行時間が、第1所定時間および第2所定時間より短く設定される。これにより、遊技状態に応じて第4入球手段に入球した遊技球が可動手段の配設位置に到達するまでに可変表示を終了しているか否かを異ならせることができ、該可変表示の実行結果に基づいて可動手段を駆動状態にするか否かを変化させることが可能となる。その結果、遊技状態に応じて第4入球手段に入球した遊技球を、可動手段によって第1入球手段に入球させるか、第2入球手段に入球させるか、第3入球手段に入球させるかを異ならせることで、遊技のバリエーションを豊富にして興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機E7において、
前記連動駆動手段は、
所定の第1駆動時間(例えば、「2秒」)の間、前記可動手段を前記第2位置に駆動する第1駆動パターン手段と、
前記第1駆動時間より長い第2駆動時間(例えば、「5秒」)の間、前記可動手段を前記第2位置に駆動する第2駆動パターン手段と、を備え、
前記第1所定時間(1.6秒)は、前記第2実行時間(0.5秒)と前記第1駆動時間(2秒)より短く、
前記第2所定時間(5.1秒)は、前記第1実行時間(3秒)と前記第1駆動時間(2秒)との合計時間(5秒)より長く、かつ、前記第2実行時間(0.5秒)と前記第2駆動時間(5秒)との合計時間(5.5秒)より短い
ことを特徴とする遊技機E8。
遊技機E8によれば、遊技機E7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、連動駆動手段に設けられた第1駆動パターン手段により、所定の第1駆動時間の間、可動手段が第2位置に駆動される。また、同じく連動駆動手段に設けられた第2駆動パターン手段により、第1駆動時間より長い第2駆動時間の間、可動手段が第2位置に駆動される。そして、第1所定時間が、第2実行時間と第1駆動時間よりも短く設定される。また、第2所定時間が、第1実行時間と第1駆動時間との合計時間より長く、かつ、第2実行時間と第2駆動時間との合計時間より短く設定される。
これにより、可変表示が第1実行時間で実行され、かつ、可動手段の駆動時間が第1駆動時間で駆動される場合に、所定第1流路に流下した遊技球は、可動手段の配設位置に流下したタイミングでは、可変表示の実行が終了していないことにより、可動手段が変位する契機が到来していないことから、可動手段によって流下方向が変更されずに、そのまま第1入球手段に入球される。また、可変表示が第1実行時間で実行され、かつ、可動手段の駆動手段が第1駆動時間で駆動される場合に、特定第1流路に流下した遊技球は、可動手段の配設位置に流下したタイミングでは、可変表示の実行が終了し、可変表示の実行結果に基づいて可動手段が第1位置から第2位置へ駆動された後、再び第1位置に戻っていることから、可動手段によって流下方向が変更されず、そのまま第2入球手段に入球される。
また、可変表示が第2実行時間で実行され、かつ、可動手段の駆動時間が第1駆動時間で駆動される場合に、所定第1流路に流下した遊技球は、可動手段の配設位置に流下したタイミングでは、可変表示の実行が終了し、可変表示の実行結果に基づいて可動手段が第1位置から第2位置へ駆動され、第2位置の状態が維持されていることから、可動手段によって流下方向が変更され、第3入球手段に入球される。一方、可変表示が第2実行時間で実行され、かつ、可動手段の駆動時間が第1駆動時間で駆動される場合に、特定第1流路に流下した遊技球は、可動手段の配設位置に流下したタイミングでは、可変表示の実行が終了し、可変表示の実行結果に基づいて可動手段が第1位置から第2位置へ駆動された後、再び第1位置に戻っていることから、可動手段によって流下方向が変更されず、そのまま第2入球手段に入球される。
さらに、可変表示が第2実行時間で実行され、かつ、可動手段の駆動時間が第2駆動時間で駆動される場合に、所定第1流路に流下した遊技球は、可動手段の配設位置に流下したタイミングでは、可変表示の実行が終了し、可変表示の実行結果に基づいて可動手段が第1位置から第2位置へ駆動され、第2位置の状態が維持されていることから、可動手段によって流下方向が変更され、第3入球手段に入球される。また、可変表示が第2実行時間で実行され、かつ、可動手段の駆動時間が第2駆動時間で駆動される場合に、特定第1流路に流下した遊技球は、可動手段の配設位置に流下したタイミングでは、可変表示の実行が終了し、可変表示の実行結果に基づいて可動手段が第1位置から第2位置へ駆動され、第2位置の状態が維持されていることから、可動手段によって流下方向が変更され、第3入球手段に入球される。
よって、可変表示の実行時間と可動手段の駆動時間とをそれぞれ変更することで、それぞれの流路を流下する遊技球が入球し得る第1入球手段、第2入球手段又は第3入球手段の入球パターンを異ならせることで、遊技のバリエーションを豊富にして興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機E8において、
前記可動手段は、
前記第2駆動パターン手段により、前記第2駆動時間の間、前記第2位置に駆動されている場合に、前記第2流路を流下する遊技球を前記第3入球手段まで案内可能である
ことを特徴とする遊技機E9。
遊技機E9によれば、遊技機E8の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2駆動パターン手段により、第2駆動時間の間、可動手段が第2位置に駆動されている場合に、第2流路を流下する遊技球が第3入球手段まで案内可能に構成される。これにより、第2流路を流下する遊技球を第3入球手段へ入球させることができるので、いずれの流路からも第1入球手段、第2入球手段又は第3入球手段に遊技球を入球可能に構成することで、遊技のバリエーションを豊富にして興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機E7からE9のいずれかにおいて、
前記特定第1流路は、
正面視奥行き方向に遊技球を流下する奥方向流路と、
該奥方向流路から正面視手前側に折り返して構成されて、正面視手前方向に遊技球を流下する手前方向流路と、を備えている
ことを特徴とする遊技機E10。
遊技機E10によれば、遊技機E7からE9の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定第1流路に設けられた奥方向流路により、正面視奥行方向に遊技球が流下され、その奥方向流路から正面視手前側に折り返して構成された手前方向流路により、正面視手前方向に遊技球が流下される。
ここで、特定第1流路を流下する遊技球が、該特定第1流路を流下する場合に第2所定時間を要するように構成する場合に、該特定第1流路の長さを所定第1流路より長く構成する必要がある。しかしながら、遊技機は、遊技機全体の横幅より縦幅の方が大きく、左右の幅にかかる設計上の制約が上下の幅にかかる設計上の制約より大きい構成となっている。従って、特定第1流路を遊技機の正面視横方向に延設した場合、遊技領域における所定の領域を上記特定第1流路で占有してしまい、他の遊技部品の設計自由度を低くする要因となるおそれがある。
そこで、特定第1流路を、遊技機の正面視横方向ではなく正面視奥行方向に構成することで、遊技領域の正面視横方向における特定第1流路の占有領域を小さくすることができ、遊技機の設計自由度の向上に貢献することができる、という効果がある。
遊技機E1からE10のいずれかにおいて、
前記閉塞時転動手段によって転動する遊技球の流下速度を遅延させる遅延手段(例えば、左外側減速部79g、左内側減速部79h、右外側減速部79i又は右内側減速部79j)、を備えている
ことを特徴とする遊技機E11。
遊技機E11によれば、遊技機E1からE10の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遅延手段より、閉塞時転動手段によって転動する遊技球の流下速度が遅延される。これにより、遊技球が閉塞時転動手段の上面に滞留する時間を均一化(一定)かつ長時間化することができる。よって、遅延手段がない場合と比べて閉塞時転動手段上での滞留時間を長くすることで、本発明の遊技性を実現する上で、遊技状態毎に可動手段の第2位置の期間の調整等の遊技仕様を設計し易くすることができる。さらに、遅延手段によって遊技球の流下速度を遅らせれば遅らせるほど、閉塞時転動手段の全長を短くすることができ、可動手段全体をコンパクト化することができる、という効果がある。
<F群:第8実施形態のクレーム>
従来より、パチンコ機等の遊技機には、遊技盤に設けられた遊技領域に向けて球等の遊技媒体を発射し、該遊技領域に設けられた複数の入球口のいずれかへ遊技媒体が入球することに基づいて当否抽選を行い、該当否抽選において当たりに当選した場合に、遊技者に所定の遊技価値が付与されるように構成されているものがある(例えば、特許文献1(特開2012−231902号公報))。
しかしながら、上記遊技機では、遊技状態において予め設定されている遊技媒体の発射態様が固定的であることから、遊技状態毎に入球し得る入球口も固定的であり、遊技が単調なものとなってしまい、この点について未だ改良の余地がある。
F群の発明は、上記例示した事情に鑑みてなされたものであり、遊技の興趣向上を図ることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
遊技球を発射可能な発射手段(例えば、球発射ユニット112a)と、
該発射手段によって所定の第1発射態様で遊技球を発射する第1発射態様手段(例えば、左打ち遊技)と、
該第1発射態様手段による前記第1発射態様と異なる第2発射態様で遊技球を発射する第2発射態様手段(例えば、右打ち遊技)と、
所定条件の成立に基づいて遊技状態を設定する遊技状態設定手段(例えば、大当たり処理(S103))と、を備えた遊技機において、
前記第1発射態様で発射された遊技球が入球可能な第1入球手段(例えば、特図1第1入賞口77a)と、
前記第1発射態様および前記第2発射態様で発射された遊技球が入球可能な第2入球手段(例えば、右側特図2第2入賞口78d)と、
前記第2発射態様で発射された遊技球が入球可能な第3入球手段(例えば、外側特図1第2入賞口77f)と、
前記遊技状態設定手段によって設定された遊技状態に基づいて、前記第1発射態様手段によって発射された遊技球が入球し得る前記第1入球手段、前記第2入球手段又は前記第3入球手段の入球パターンを変更すると共に、前記第2発射態様手段によって発射された遊技球が入球し得る前記第1入球手段、前記第2入球手段又は前記第3入球手段の入球パターンを変更する入球パターン変更手段(例えば、第8実施形態の「通常遊技状態」において右打ち遊技が禁止され、左打ち遊技による特図1第1入賞口77aへの入球、「潜伏確率変動状態」における左打ち遊技による特図1第1入球口77a及び右側特図2第2入賞口78dへの入球及び右打ち遊技による外側特図1第2入賞口77fへの入球、又は、「確率変動状態」における右打ち遊技による右側特図2第2入賞口78dへの入球)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機F0。
遊技機F0によれば、発射手段により遊技球が発射可能に構成され、第1発射態様手段により、発射手段によって所定の第1発射態様で遊技球が発射され、また、第2発射態様手段により、第1発射態様手段による第1発射態様と異なる第2発射態様で遊技球が発射される。そして、遊技状態設定手段により、所定条件の成立に基づいて遊技状態が設定される。ここで、第1入球手段には第1発射態様で発射された遊技球が入球可能に構成され、第2入球手段には第1発射態様及び第2発射態様で発射された遊技球が入球可能に構成され、第3入球手段には第2発射態様で発射された遊技球が入球可能に構成される。そして、入球パターン変更手段により、遊技状態設定手段によって設定された遊技状態に基づいて、第1発射態様手段によって発射された遊技球が入球し得る第1入球手段、第2入球手段又は第3入球手段の入球パターンが変更されると共に、第2発射態様手段によって発射された遊技球が入球し得る第1入球手段、第2入球手段又は第3入球手段の入球パターンが変更される。これにより、遊技状態と遊技球の発射態様とに基づいて入球し得る入球手段を異ならせることができる。よって、遊技状態ごとに入球し得る入球手段の入球パターンを異ならせることで、遊技のバリエーションを豊富にして興趣を向上することができる、という効果がある。
なお、「所定条件の成立」とは、例えば、いずれかの大当たりや小当たりに当選した場合や、遊技状態が変更された場合、所定の入球口に遊技球が入球した場合、動的表示が所定実行回数実行された場合、特定の入球口に遊技球が所定数入球した場合等、遊技を実行している場合に起こり得る事象であって、事前に設定された1の事象が成立することをいう。
また、「遊技球が入球し得る第1入球手段、第2入球手段又は第3入球手段の入球パターン」とは、例えば、第1入球手段にのみ入球し得る入球パターンや、第2入球手段にのみ入球し得る入球パターン、第3入球手段にのみ入球し得る入球パターン、第1入球手段および第2入球手段に入球し得る入球パターン、第1入球手段と第2入球手段とに交互に入球し得る入球パターン、第2入球手段および第3入球手段に入球し得る入球パターン、第2入球手段と第3入球手段とに交互に入球し得る入球パターン、第1入球手段および第3入球手段に入球し得る入球パターン、第1入球手段と第3入球手段とに交互に入球し得る入球パターン、第1入球手段、第2入球手段および第3入球手段に入球し得る入球パターン、或いは、第1入球手段と第2入球手段と第3入球手段とに順番に入球し得る入球パターン等が例示される。
遊技機F0において、
流下する遊技球の流下方向に影響を与えない第1位置と、該第1位置から変位して流下する遊技流の流下方向に影響を与える第2位置とに変位可能な可動手段(例えば出没板79b)と、
該可動手段の変位態様を、前記遊技状態設定手段によって設定された前記遊技状態に基づいて変更する可動態様変更手段(例えば、普通電役制御処理(S104))と、を備え、
前記遊技状態設定手段は、
前記所定条件の成立に基づいて、所定の第1遊技状態(例えば、「通常遊技状態」)から第2遊技状態(例えば、「潜伏確率変動状態」)、又は、前記第1遊技状態若しくは前記第2遊技状態から第3遊技状態(例えば、「確率変動状態」)に変更可能に構成され、
前記可動態様変更手段は、
前記第1遊技状態において、前記第1発射態様で発射された遊技球を、前記第1入球手段へ入球可能であって、前記第2入球手段へ入球困難(不可能)となるように前記可動手段を駆動する第1駆動パターン手段(例えば、第8実施形態の「通常遊技状態」における入賞パターン)と、
前記第2遊技状態において、前記第1発射態様で発射された遊技球を、前記第1入球手段および前記第2入球手段へ入球可能となると共に、前記第2発射態様で発射された遊技球を、前記第3入球手段へ入球可能となるように前記可動手段を駆動する第2駆動パターン手段(例えば、第8実施形態の「潜伏確率変動状態」における入賞パターン)と、
前記第3遊技状態において、前記第2発射態様で発射された遊技球を、前記第2入球手段へ入球可能となるように前記可動手段を駆動する第3駆動パターン手段(例えば、第8実施形態の「確率変動状態」における入賞パターン)と、を備え、
前記入球パターン変更手段は、
前記第1遊技状態において、前記第2発射態様での遊技球の発射を規制する第2発射規制手段(例えば、第8実施形態での「通常遊技状態」における警報音の出力)と、
前記第2遊技状態および前記第3遊技状態において、前記第2発射態様での遊技球の発射を規制しない第2発射可能手段(例えば、第8実施形態での「潜伏確率変動状態」又は「確率変動状態」における警報音の非出力)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機F1。
遊技機F1によれば、遊技機F0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、流下する遊技球の流下方向に影響を与えない第1位置と、その第1位置から変位して流下する遊技球の流下方向に影響を与える第2位置とに可動手段が変位可能に構成され、遊技状態設定手段によって設定された遊技状態に基づいて、可動態様変更手段により、可動手段の変位態様が変更される。また、遊技状態設定手段により、所定条件の成立に基づいて、所定の第1遊技状態から第2遊技状態、又は、第1遊技状態若しくは第2遊技状態から第3遊技状態へ変更可能に構成される。ここで、可動態様変更手段に設けられた第1駆動パターン手段により、第1遊技状態において、第1発射態様で発射された遊技球が、第1入球手段へ入球可能であって、第2入球手段へ入球困難(不可能)となるように可動手段が駆動される。また、可動態様変更手段に設けられた第2駆動パターン手段により、第2遊技状態において、第1発射態様で発射された遊技球が、第1入球手段および第2入球手段へ入球可能となると共に、第2発射態様で発射された遊技球が第3入球手段へ入球可能となるように可動手段が駆動される。さらに、可動態様変更手段に設けられた第3駆動パターン手段により、第3遊技状態において、第2発射態様で発射された遊技球が第2入球手段へ入球可能となるように可動手段が駆動される。そして、入球パターン変更手段に設けられた第2発射規制手段により、第1遊技状態において、第2発射態様での遊技球の発射が規制される。また、入球パターン変更手段に設けられた第2発射可能手段により、第2遊技状態および第3遊技状態において、第2発射態様での遊技球の発射が規制されない。これにより、遊技状態毎に、可動手段による遊技球の流下方向を変更すると共に、遊技球の発射態様の実行を規制することで、遊技状態ごとに入球し得る入球手段を異ならせることができ、特に、第2入球手段へは第1発射態様において第1入球手段と第2入球手段とで遊技球を入球可能にすると共に、第2発射態様において第3入球手段に遊技球を入球可能に構成することで、遊技者が発射態様を選択して遊技を行うことができる。よって、遊技状態ごとに入球し得る入球手段の入球パターンを異ならせることで、遊技のバリエーションを豊富にして興趣を向上することができる、という効果がある。
なお、「第2発射態様での遊技球の発射を規制する」とは、例えば、第2発射態様で発射された遊技球の流下位置に検知スイッチを設け、該検知スイッチにより遊技球が検知されたときに警報音等を出力するようにスピーカ等を制御して、遊技者に第2発射態様での遊技球の発射を自重させたり、第2発射態様で遊技球自体を発射させないように発射手段の制御を抑制(禁止)したりする場合が例示される。また、「第2発射態様での遊技球の発射を規制しない」とは、例えば、上記警報音を出力しないように制御したり、第2発射態様での遊技球の発射を抑制(禁止)する制御を実行しないこと等が例示される。
遊技機F0又はF1において、
前記第1入球手段又は前記第3入球手段への遊技球の入球に基づいて第1抽選を行う第1抽選手段(例えば、特図1用大当たり種別テーブル202b1)と、
前記第2入球手段への遊技球の入球に基づいて第2抽選を行う第2抽選手段(例えば特図2用大当たり種別テーブル202b2)と、を備え、
前記第2抽選手段による前記第2抽選は、前記第1抽選手段による前記第1抽選より遊技者にとって有利となる特典が付与され易いものである
ことを特徴とする遊技機F2。
遊技機F2によれば、遊技機F0又はF1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1抽選手段により、第1入球手段又は第3入球手段への遊技球の入球に基づいて第1抽選が行われ、第2抽選手段により、第2入球手段への遊技球の入球に基づいて第2抽選が行われる。そして、第2抽選手段による第2抽選が第1抽選手段による第1抽選より遊技者にとって有利となる特典が付与され易く構成されている。これにより、如何にして第2抽選を受けることができる第2入球手段に遊技球を入球させるか否かの遊技性が生まれ、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機F1又はF2において、
前記可動手段は、
前記第2位置となった場合に、前記第2入球手段及び前記第3入球手段を該可動手段によって塞ぎつつ、該可動手段の上面を遊技球が転動可能な閉塞時転動手段(例えば、突出状態の出没板79bの上面)、を備えている
ことを特徴とする遊技機F3。
遊技機F3によれば、遊技機F1又はF2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、可動手段に設けられた閉塞時転動手段により、可動手段が第2位置となった場合に、第2入球手段及び第3入球手段を可動手段によって塞ぎつつ、可動手段の上面を遊技球が転動可能に構成される。これにより、可動手段が第2位置となった場合に、可動手段によって第2入球手段および第3入球手段を塞いで第2入球手段および第3入球手段への遊技球の入球を防ぎつつ、可動手段の上面を遊技球が転動しているときに可動手段が第2位置から第1位置へ変位した場合、その時点で転動している場所から下流側に遊技球が流下するように構成される。その結果、可動手段が第2位置から第1位置へ変位するタイミングに応じて遊技球が入球し得る第2入球手段又は第3入球手段の入球パターンを異ならせることで、遊技のバリエーションを豊富にして興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機F3において、
遊技球が入球可能な第4入球手段(例えば、ユニット内普通図柄ゲート76a又は右側普通図柄ゲート76b)と、
該第4入球手段に遊技球が入球することに基づいて第3抽選を行う第3抽選手段(例えば、普図当たり乱数テーブル202f)と、
前記第3抽選手段の抽選結果に基づいて、表示手段(例えば、普通図柄表示装置83)において識別情報の可変表示(例えば、普通図柄の可変表示)を実行する可変表示実行手段(例えば、普図変動処理(S111))と、
前記遊技状態設定手段によって設定された遊技状態に基づいて、前記可変表示実行手段による前記可変表示の実行時間を、第1実行時間(例えば、「3秒」)から該第1実行時間より短い第2実行時間(例えば、「0.5秒」)に変更する可変時間変更手段(例えば、普図変動時間テーブル202g)と、
前記可変表示実行手段により実行される前記可変表示において所定の特定識別情報(例えば、「○」図柄)が現出された場合に、前記可動手段を所定の第1位置から第1位置と異なる第2位置に駆動する駆動手段(例えば、ソレノイド209(出没板用ソレノイド))と、を備え、
前記第4入球手段は、
前記第1発射態様手段による前記第1発射態様で発射された遊技球が入球可能な所定第4入球手段(例えば、ユニット内普通図柄ゲート76a)と、
前記第2発射態様手段による前記第2発射態様で発射された遊技球が入球可能な特定第4入球手段(例えば、右側普通図柄ゲート76b)と、を備え、
前記駆動手段は、
所定の第1駆動時間(例えば、「2秒」)の間、前記可動手段を前記第2位置に駆動する第1駆動時間手段と、
前記第1駆動時間より長い第2駆動時間(例えば、「3秒」)の間、前記可動手段を前記第2位置に駆動する第2駆動時間手段と、を備え、
前記特定第4入球手段に入球した遊技球を、前記可動手段の上流側へ案内する上流側案内手段(例えば、普通電役ユニット79における右側普通図柄ゲート76bと出没板79bの右端との間)、を備え、
前記閉塞時転動手段は、
前記可動手段の前記上流側から前記第3入球手段の直上まで転動するために第1転動時間(例えば、「1.5秒」)を要するように構成され、
前記可動手段の前記上流側から前記第2入球手段の直上まで転動するために前記第1転動時間より長い第2転動時間(例えば、「1.9秒」〜「2.5秒」)を要するように構成され、
前記遊技機は、
前記所定第4入球手段に遊技球が入球してから、前記可動手段の配設位置に到達するまでに第1所定時間(例えば、「4.5秒」)を要するように構成され、
前記特定第4入球手段に遊技球が入球してから、前記可動手段の配設位置に到達するまでに第2所定時間(例えば、「1秒」)を要するように構成され、
前記第1駆動パターン手段は、
前記可変表示を前記第1実行時間で行うと共に、前記可動手段を前記第1駆動時間で駆動し、
前記第2駆動パターン手段は、
前記可変表示を前記第2実行時間で行うと共に、前記可動手段を前記第1駆動時間で駆動し、
前記第3駆動パターン手段は、
前記可変表示を前記第2実行時間で行うと共に、前記可動手段を前記第2駆動時間で駆動し、
前記第1所定時間(4.5秒)は、
前記第1実行時間(3秒)より長く、前記第1実行時間(3秒)と前記第1駆動時間(2秒)との合計時間(5秒)より短く、前記第2実行時間(0.5秒)と前記第1駆動時間(2秒)との合計時間(2.5秒)より長く、
前記第2所定時間(1秒)は、
前記第1実行手段(3秒)より短く、前記第2実行時間(0.5秒)より長く、
前記第2実行時間(0.5秒)と前記第1駆動時間(2秒)との合計時間(2.5秒)は、
前記第2所定時間(1秒)と前記第1転動時間(1.5秒)との合計時間(2.5秒)以下であり、
前記第2実行時間(0.5秒)と前記第2駆動時間(3秒)との合計時間(3.5秒)は、前記第2所定時間(1秒)と前記第2転動時間(1.9秒〜2.5秒)との合計時間(2.9秒〜3.5秒)以下である
ことを特徴する遊技機F4。
遊技機F4によれば、遊技機F3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第4入球手段に遊技球が入球可能に構成され、その第4入球手段に遊技球が入球することに基づいて第3抽選手段により第3抽選が行われる。そして、第3抽選手段の抽選結果に基づいて、可変表示実行手段により、表示手段において識別表示の可変表示が実行され、遊技状態設定手段によって設定された遊技状態に基づいて、可変時間変更手段により、可変表示実行手段による可変表示の実行時間が、第1実行時間からその第1実行時間より短い第2実行時間に変更される。また、可変表示実行手段により実行される可変表示において所定の特定識別情報が現出された場合に、駆動手段により可動手段が駆動される。ここで、第4入球手段には、第1発射態様手段による第1発射態様で発射された遊技球が入球可能な所定第4入球手段と、第2発射態様手段による第2発射態様で発射された遊技球が入球可能な特定第4入球手段とが設けられる。また、駆動手段の第1駆動時間手段により、所定の第1駆動時間の間、可動手段が第2位置に駆動され、同じく駆動手段の第2駆動手段により、第1駆動時間より長い第2駆動時間の間、可動手段が第2位置に駆動される。そして、上流側案内手段により、特定第4入球手段に入球した遊技球が、可動手段の上流側へ案内される。ここで、閉塞時転動手段により、可動手段の上流側から第3入球手段の直上まで転動するために第1転動時間を要するように構成され、可動手段の上流側から第2入球手段の直上まで転動するために第2転動時間を要するように構成される。また、所定第4入球手段に遊技球が入球してから可動手段の配設位置に到達するまでに第1所定時間を要するように構成され、特定第4入球手段に遊技球が入球してから、可動手段の配設位置に到達するまでに第2所定時間を要するように構成される。ここで、第1駆動パターン手段により、可変表示が第1実行時間で行われると共に、可動手段が第1駆動時間で駆動される。また、第2駆動パターン手段により、可変表示が第2実行時間で行われると共に、可動手段が第1駆動時間で駆動される。さらに、第3駆動パターン手段により、可変表示が第2実行時間で駆動されると共に、可動手段が第2駆動時間で駆動される。そして、第1所定時間が、第1実行時間より長く、第1実行時間と第1駆動時間との合計時間より短く、第2実行時間と第1駆動時間との合計時間より長く設定される。また、第2所定時間が、第1実行時間より短く、第2実行時間より長く設定される。ここで、第2実行時間と第1駆動時間との合計時間が、第2所定時間と第1転動時間との合計時間以下となるように設定される。また、第2実行時間と第2駆動時間との合計時間が、第2所定時間と第2転動時間との合計時間以下となるように設定される。
即ち、第1遊技状態において、所定第4入球手段を遊技球が入球してから可動手段の配設位置に到達するタイミングに、可変表示が終了して可動手段が第2位置に駆動可能に構成されている。また、第1遊技状態において、特定第4入球手段に遊技球が入球してから可動手段の配設位置に到達するタイミングに、可変表示が実行されているように構成されている。さらに、第2遊技状態において、所定第4入球手段を遊技球が入球してから可動手段の配設位置に到達するタイミングに、可変表示が終了すると共に可動手段の第2位置への駆動時間が終了するように構成されている。また、第2遊技状態において、特定第4入球手段に遊技球が入球してから可動手段の配設位置に到達するタイミングに、可変表示が終了して可動手段が第2位置に駆動されていると共に、該遊技球が第3入球手段の直上まで閉塞時転動手段を転動したタイミングにて可動手段が第2位置から第1位置へ変位するように構成されている。さらに、第3遊技状態において、特定第4入球手段に遊技球が入球してから可動手段の配設位置に到達するタイミングに、可変表示が終了して可動手段が第2位置に駆動されていると共に、該遊技球が第2入球手段の直上まで閉塞時転動手段を転動したタイミングにて可動手段が第2位置から第1位置へ変位するように構成されている。
これにより、第1遊技状態では第1入球手段へ遊技球が入球可能な遊技状態とし、第2遊技状態の第1発射態様では、第1入球手段と第2入球手段とへ遊技球が入球可能な遊技状態とすると共に、第2遊技状態の第2発射態様では、第3入球手段へ遊技球が入球可能な遊技状態とし、第3遊技状態では、第2入球手段へ遊技球が入球可能な遊技状態とする。よって、遊技状態毎に、可変表示時間と可動手段の駆動時間とを変更することで、遊技球の流下方向を変更して入球し得る入球手段を変更することで、遊技状態ごとに入球し得る入球手段を異ならせることができ、特に、第2入球手段へは第1発射態様において第1入球手段と第2入球手段とで遊技球を入球可能にすると共に、第2発射態様において第3入球手段に遊技球を入球可能に構成することで、遊技者が発射態様を選択して遊技を行うことができる。よって、遊技状態ごとに入球し得る入球手段の入球パターンを異ならせることで、遊技のバリエーションを豊富にして興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機F4において、
前記第2発射規制手段は、
前記1遊技状態において、前記特定第4入球手段に遊技球が入球した場合に、所定の報知を行う報知手段(例えば、警報音)、を備えている
ことを特徴とする遊技機F5。
遊技機F5によれば、遊技機F4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1遊技状態において、特定第4入球手段に遊技球が入球した場合に、第2発射規制手段に設けられた報知手段により所定の報知が行われる。これにより、遊技状態ごとに設定された発射態様と異なる発射態様での遊技を規制して、遊技状態ごとに設定された第1入球手段、第2入球手段又は第3入球手段の入球パターンを異ならせるという遊技性を確実に実現できる、という効果がある。
遊技機F1からF5のいずれかにおいて、
流下する遊技球の流下方向を少なくとも2方向に順番に振り分ける振分手段と、
該振分手段により振り分けられた遊技球が通過する第1経路と、
該第1経路に振り分けられた遊技球の次に前記振分手段により振り分けられた遊技球が通過する第2経路と、を備え、
前記第1経路の下流側に前記第1入球手段を設け、
前記第2経路の下流側に前記第2入球手段を設け、
前記第2経路の下流側であって、前記第2入球手段の上流側に前記可動手段を設ける
ことを特徴とする遊技機F6。
遊技機F6によれば、遊技機F1からF5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、振分手段により、流下する遊技球の流下方向が少なくとも2方向に順番に振り分けられ、この振分手段により振り分けられた遊技球が第1経路を通過し、また、第1経路に振り分けられた遊技球の次に振分手段により振り分けられた遊技球が第2経路を通過する。また、第1経路の下流側に第1入球手段が設けられ、第2経路の下流側に第2入球手段が設けられる。そして、第2経路の下流側であって、第2入球手段の上流側に可動手段が設けられる。これにより、第2入球手段の上流側に設けられた可動手段により、閉塞時転動手段が機能して第2入球手段に遊技球が困難である状態か、閉塞時転動手段が機能せずに第2入球手段への遊技球の入球が可能である状況かを生成することができる。よって、例えば、所定の遊技状態では、振分手段により第1入球手段に遊技球を順番に振り分ける一方、他の遊技状態では、振分手段により、第1入球手段と第2入球手段とに遊技球を順番に振り分けることができる。その結果、遊技球が入球し得る第1入球手段又は第2入球手段の入球パターンを異ならせることで、遊技のバリエーションを豊富にして興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機F6において、
前記第1遊技状態において、前記可動手段が前記第2位置であることによって、前記振分手段により前記第2経路に振り分けれらた遊技球が前記第2入球手段へ入球しない場合に、該遊技球が入球可能な第5入球手段(例えば、ユニット内一般入賞口63a)、を備えている
ことを特徴とする遊技機F7。
遊技機F7によれば、遊技機F6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、可動手段が第2位置であることによって、振分手段により第2経路に振り分けられた遊技球が第2入球手段へ入球しない場合に、その遊技球が第5入球手段に入球可能に構成される。これにより、第1遊技状態において、第1入球手段と第5入球手段とに遊技球が入球し得るように構成され、第2遊技状態において、第1入球手段と第2入球手段とに遊技球が入球し得るように構成される。よって、遊技状態ごとに入球し得る入球手段の入球パターンを異ならせることで、遊技のバリエーションを豊富にして興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機F7において、
前記第5入球手段は、所定数の遊技球の払い出し(賞球)のみを行うものである
ことを特徴とする遊技機F8。
遊技機F8によれば、遊技機F7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第5入球手段に遊技球が入球することで、所定数の遊技球の払い出しのみが行われる。即ち、第5入球手段へ遊技球が入球した場合、第2入球手段等と異なり、所定の抽選が行われず、遊技球の払い出しのみが行われる。よって、第1遊技状態において、可動手段が第2位置となることで第2入球手段への遊技球の入球が阻害された場合でも、第5入球手段に遊技球を入球させて所定の遊技価値を遊技者に付与して、第2入球手段への遊技球の入球が阻害されたことに基づく遊技者の不満を抑え、遊技に対して興醒めしないようにできる、という効果がある。
遊技機F0からF8のいずれかにおいて、
前記第2入球手段の上流側に、該第2入球手段の開口よりも広く構成された拡幅手段(例えば、特図2案内部78d)、を備え、
該拡幅手段に流下された遊技球は、前記第2入球手段へ入球する
ことを特徴とする遊技機F9。
遊技機F9によれば、遊技機F0からF8の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2入球手段の上流側に、第2入球手段の開口より広く形成された拡幅手段が設けられ、その拡幅手段に流下された遊技球が、第2入球手段へ入球される。これにより、第2入球手段への遊技球の入球数を増加させることができ、例えば、可動手段が第2位置から第1位置へ変位した場合に、可動手段の上面を転動している遊技球を第2入球手段へ入球させ易くすることができる。よって、第2入球手段へ遊技球が入球し易い構成にして、遊技者に遊技価値を付与し易くすることができる、という効果がある。
遊技機F6からF9のいずれかにおいて、
前記第2経路は、
正面視奥行き方向に遊技球を流下する奥方向流路と、
該奥方向流路から正面視手前側に折り返して構成されて、正面視手前方向に遊技球を流下する手前方向流路と、を備えている
ことを特徴とする遊技機F10。
遊技機F10によれば、遊技機F6からF9の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2経路に設けられた奥方向流路により、正面視奥行方向に遊技球が流下され、その奥方向流路から正面視手前側に折り返して構成された手前方向流路により、正面視手前方向に遊技球が流下される。
ここで、第2経路を流下する遊技球が、該第2経路を流下する場合に第1所定時間を要するように構成する場合に、該第2経路の長さを一定の長さで構成する必要がある。しかしながら、遊技機は、遊技機全体の横幅より縦幅の方が大きく、左右の幅にかかる設計上の制約が上下の幅にかかる設計上の制約より大きい構成となっている。従って、第2経路を遊技機の正面視横方向に延設した場合、遊技領域における所定の領域を上記第2経路で占有してしまい、他の遊技部品の設計自由度を低くする要因となるおそれがある。
そこで、第2経路を、遊技機の正面視横方向ではなく正面視奥行方向に構成することで、遊技領域の正面視横方向における第2経路の占有領域を小さくすることができ、遊技機の設計自由度の向上に貢献することができる、という効果がある。
遊技機F3からF10のいずれかにおいて、
前記閉塞時転動手段によって転動する遊技球の流下速度を遅延させる遅延手段(例えば、右側集約減速部79m又は左側分散減速部79n)、を備えている
ことを特徴とする遊技機F11。
遊技機F11によれば、遊技機F3からF10の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遅延手段より、閉塞時転動手段によって転動する遊技球の流下速度が遅延される。これにより、遊技球が閉塞時転動手段の上面に滞留する時間を均一化(一定)かつ長時間化することができる。よって、遅延手段がない場合と比べて閉塞時転動手段上での滞留時間を長くすることで、本発明の遊技性を実現する上で、遊技状態毎に可動手段の第2位置の期間の調整等の遊技仕様を設計し易くすることができる。さらに、遅延手段によって遊技球の流下速度を遅らせれば遅らせるほど、閉塞時転動手段の全長を短くすることができ、可動手段全体をコンパクト化することができる、という効果がある。
<G群:流下方向が切り替えられた球を検知する場合におけるチャタリング防止>
従来より、パチンコ機等の遊技機では、遊技盤に設けられた遊技領域に向けて球等の遊技媒体を発射し、該遊技領域に設けられた複数の入球口のいずれかへ遊技媒体が入球することに基づいて当否抽選を行い、該当否抽選において当たりに当選した場合に、遊技者に所定の遊技価値が付与されるように構成されている。
このような遊技機では、所定の経路に流入した遊技媒体の流路を変更する流下方向変更手段を設け、遊技領域を流下する遊技媒体の流下方向を変更することで、遊技の興趣向上を図っている(例えば、特許文献1(特開2012−231902号公報))。
しかしながら、上記遊技機では、流下方向変更手段によって流下方向が変更された遊技媒体を検知スイッチ等によって検知する場合、流下方向が変更された直後の遊技媒体を検知すると、流下方向変更手段による変更によって遊技媒体が複雑に揺れ動く等、遊技媒体の挙動が安定していないため、検知スイッチによる誤検知が発生してしまうおそれがある。
G群の発明は、上記例示した事情に鑑みてなされたものであり、遊技球の誤検知が発生し難い遊技機を提供することを目的としている。
遊技球を発射可能な発射手段(例えば、球発射ユニット112a)と、
該発射手段により発射された遊技球が入球可能な第1入球手段(例えば、ユニット内普通図柄ゲート76a)と、
該第1入球手段に入球した遊技球を検知する検知手段(例えば、第2入球口スイッチ)と、
該検知手段による遊技球の検知に基づいて、遊技者に所定の遊技価値を付与する遊技価値付与手段(例えば、普通電役制御処理(S104))と、を備えた遊技機において、
前記発射手段によって発射された遊技球が前記第1入球手段に入球する前に、該遊技球の流下方向を変更する流下方向変更手段(例えば、振分装置73)と、
該流下方向変更手段によって流下方向が変更された遊技球の流下態様を整える流下態様安定化手段(例えば、第2実施形態における振分装置73からユニット内普通図柄ゲート76aまでの右側経路75の通路壁)と、を備え、
前記第1入球手段は、
前記流下態様安定化手段の下流側に配置する
ことを特徴とする遊技機G0。
遊技機G0によれば、発射手段により遊技球が発射可能に構成され、その発射手段により発射された遊技球が第1入球手段へ入球可能に構成される。そして、検知手段により、第1入球手段へ入球した遊技球が検知され、その検知手段による遊技球の検知に基づいて、遊技価値付与手段により、遊技者に所定の遊技価値が付与される。ここで、発射手段によって発射された遊技球が第1入球手段に入球する前に、流下方向変更手段により、遊技球の流下方向が変更され、その流下方向変更手段によって流下方向が変更された遊技球の流下態様が、流下態様安定化手段により整えられる。そして、その流下態様安定化手段の下流側に第1入球手段が配置される。これにより、流下方向変更手段によって流下方向が変更されていた場合に、流下態様安定化手段により遊技球の流下態様が整えられた後でその遊技球を第1入球手段へ入球させることができる。よって、第1入球手段へ入球する遊技球の挙動が安定した状態で、検知手段により遊技球の入球を検知することができるので、第1入球手段における遊技球の誤検知を発生し難くすることができる、という効果がある。
なお、「遊技球の流下態様を整える」とは、例えば、遊技球の挙動が一定となるように遊技球を転動させる場合や、遊技球の流下方向が一方向となるように遊技球の通路を構成する場合、遊技球を自由落下させて流下方向を鉛直下向きにする場合、或いは、弾性部材によって遊技球の衝突による衝撃を吸収して遊技球の所定方向への運動エネルギーを減少させる場合等が例示される。
遊技機G0において、
前記流下方向変更手段は、
遊技球の流下方向を直角又は略直角に切り替える切替手段(例えば、回転軸部73aと中央板部73bと右側受板73dの構成)、を備え、
前記流下態様安定化手段は、
前記切替手段と前記第1入球手段との間に所定の距離(例えば、球1個分の距離)を形成する(例えば、振分装置73とユニット内普通図柄ゲート76aとの間の右側経路75の通路壁)
ことを特徴とする遊技機G1。
遊技機G1によれば、遊技機G0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、流下方向変更手段に設けられた切替手段により、遊技球の流下方向が直角又は略直角に切り替えられる。そして、流下態様安定化手段により、切替手段と第1入球手段との間に所定の距離が形成される。これにより、切替手段によって遊技球の流下方向が直角又は略直角に切り替えられた場合であっても、切替手段と第1入球手段との間に所定の距離が形成され、その所定の距離を遊技球が流下する間に該遊技球の挙動を安定させることができる。よって、第1入球手段へ入球する遊技球の挙動が安定した状態で、検知手段により遊技球の入球を検知することができるので、第1入球手段における遊技球の誤検知を発生し難くすることができる、という効果がある。
遊技機G0又はG1において、
前記検知手段は、
鉛直下向き又は略鉛直下向きに流下する遊技球を検知する
ことを特徴とする遊技機G2。
遊技機G2によれば、遊技機G0又はG1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、検知手段により、鉛直下向き又は略鉛直下向きに流下する遊技球が検知される。これにより、鉛直下向き又は略鉛直下向きに自由落下している遊技球を検知手段で検知することができるので、遊技球が壁に当たって跳ね上がる等の事象が発生し難い安定した挙動の遊技球を検出することで、第1入球手段における遊技球の誤検知を発生し難くすることができる、という効果がある。
遊技機G0からG2のいずれかにおいて、
所定の第1位置と、該第1位置と異なり、前記発射手段から発射された遊技球の流下方向を変更する第2位置とに変位可能な可動手段(例えば、出没板79b)と、
前記第1入球手段への遊技球の入球に基づいて、前記可動手段を駆動する駆動手段(例えば、ソレノイド209(出没板用ソレノイド))と、
前記可動手段が前記第1位置である場合に、遊技球が入球可能な第2入球手段(例えば、特図1第2入賞口77b)と、
前記可動手段が前記第2位置である場合に、遊技球が入球可能な第3入球手段(例えば、特図2入賞口78)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機G3。
遊技機G3によれば、遊技機G0からG2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、可動手段により、発射手段から発射された遊技球の流下方向が変更され、第1入球手段への遊技球の入球に基づいて、駆動手段により、可動手段が駆動される。そして、駆動手段によって可動手段を駆動しない場合に、第2入球手段に遊技球が入球可能に構成され、駆動手段によって可動手段を駆動する場合に、第3入球手段に遊技球が入球可能に構成される。これにより、第1入球手段への遊技球の入球に基づいて駆動される可動手段によって、入球し得る入球手段を異ならせることができる。よって、第1入球手段によって誤検知を防止することで、入球し得る入球手段の入球パターンを異ならせることができ、遊技のバリエーションを豊富にして興趣を向上することができる、という効果がある。
なお、「遊技球が入球し得る入球手段の入球パターン」とは、例えば、第2入球手段にのみ入球し得る入球パターンや、第3入球手段にのみ入球し得る入球パターン、第2入球手段および第3入球手段のいずれにも入球し得る入球パターン、或いは、第2入球手段と第3入球手段とに交互に入球し得る入球パターン等が例示される。
遊技機G3において、
前記遊技価値付与手段は、
前記遊技価値として、前記駆動手段によって前記可動手段を前記第1位置から前記第2位置に駆動する
ことを特徴とする遊技機G4。
遊技機G4によれば、遊技機G3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技価値付与手段により、遊技価値として、駆動手段によって可動手段が第1位置から第2位置に駆動される。これにより、遊技価値の付与態様として、第1入球手段への遊技球の入球に基づいて駆動される可動手段によって、入球し得る入球手段を異ならせることができる。よって、入球し得る入球手段の入球パターンを異ならせることができ、遊技のバリエーションを豊富にして興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機G3又はG4において、
前記第2入球手段への遊技球の入球に基づいて第1抽選を行う第1抽選手段(例えば、特図1用大当たり種別テーブル202b1)と、
前記第3入球手段への遊技球の入球に基づいて前記第1抽選と異なる第2抽選を行う第2抽選手段(例えば、特図2用大当たり種別テーブル202b2)と、を備え、
前記第2抽選手段による前記第2抽選は、前記第1抽選手段による前記第1抽選より遊技者にとって有利となる特典が付与され易いものである
ことを特徴とする遊技機G5。
遊技機G5によれば、遊技機G3又はG4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1抽選手段により、第2入球手段への遊技球の入球に基づいて第1抽選が行われる。また、第2抽選手段により、第3入球手段への遊技球の入球に基づいて第1抽選と異なる第2抽選が行われる。そして、第2抽選手段による第2抽選が第1抽選手段による第1抽選より遊技者によって有利となる特典が付与され易く構成されている。これにより、第1入球手段での遊技球の誤検知を防止することで、如何にして第2抽選を受けることができる第3入球手段に遊技球を入球させるか否かの遊技性を確実に実現することができ、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機G3からG5のいずれかにおいて、
前記第2入球手段および前記第3入球手段と異なって、遊技球が入球可能な第4入球手段(例えば、特図1第1入賞口77a)と、
前記発射手段により発射された遊技球の流下方向を少なくとも2方向に順番に振り分ける振分手段と、
該振分により振り分けられた遊技球が通過する第1経路(例えば、左側経路74)と、
該第1経路に振り分けられた遊技球の次に前記振分手段により振り分けられた遊技球が通過する第2経路(例えば、右側経路75)と、を備え、
前記第1経路の下流側に前記第4入球手段を設け、
前記第2経路の下流側に前記第2入球手段を設け、
前記第2経路の下流側であって、前記第2入球手段の上流側に前記可動手段を設ける
ことを特徴とする遊技機G6。
遊技機G6によれば、遊技機G3からG5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2入球手段および第3入球手段と異なる第4入球手段に遊技球が入球可能に構成され、振分手段により、発射手段により発射された遊技球の流下方向が少なくとも2方向に順番に振り分けられ、この振分手段により振り分けられた遊技球が第1経路を通過し、また、第1経路に振り分けられた遊技球の次に振分手段により振り分けられた遊技球が第2経路を通過する。また、第1経路の下流側に第4入球手段が設けられ、第2経路の下流側に第2入球手段が設けられる。そして、第2経路の下流側であって、第2入球手段の上流側に可動手段が設けられる。これにより、第2入球手段の上流側に設けられた可動手段により、第2入球手段に遊技球が入球し得る状態か否かの異なる状況を生成することができる。よって、遊技球が入球し得る入球手段の入球パターンを異ならせることで、遊技のバリエーションを豊富にして興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機G6において、
前記第2経路の一部分に遊技球を通過可能な前記第1入球手段(例えば、ユニット内普通図柄ゲート76a)を設ける
ことを特徴とする遊技機G7。
遊技機G7によれば、遊技機G6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2経路の一部分に遊技球を通過可能な第1入球手段が設けられる。即ち、第2経路に案内された遊技球は必ず第1入球手段に入球するように構成される。これにより、第2経路に案内された遊技球は、第1入球手段に入球した後、その下流側に配置された可動手段によって、第2入球手段へ入球するか否かが異なるように構成される。よって、例えば、可動手段を駆動させるための条件(当選確率、可変表示時間又は駆動時間)を変化させることで、第2経路を流下する遊技球が第2入球手段へ入球するか否かを異ならせることができ、遊技のバリエーションを豊富にして興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機G3からG7のいずれかにおいて、
前記遊技価値付与手段による遊技価値の付与後の遊技状態を設定可能な遊技状態設定手段(例えば、大当たり処理(S103))と、
前記第1入球手段に遊技球が入球したことに基づいて第1情報を取得する第1情報取得手段(例えば、普図保留球格納エリア203h)と、
該第1情報取得手段により取得された前記第1情報を判定する第1判定手段(例えば、普図当たり乱数テーブル202f)と、
該第1判定手段の判定結果に基づいて、表示手段(例えば、普通図柄表示装置83)において識別情報の可変表示(例えば、普通図柄の可変表示)を実行する可変表示実行手段(例えば、普図変動処理(S111))と、を備え、
前記駆動手段は、
前記可変表示実行手段により実行される前記可変表示において所定の特定識別情報(例えば、「○」図柄)が現出された場合に、前記可動手段を駆動し、
前記遊技状態設定手段により設定された前記遊技状態に基づいて、前記駆動手段による前記可動手段の駆動態様を変更することで、前記発射手段から発射された遊技球が入球可能な前記第2入球手段又は前記第3入球手段を変更する入球パターン変更手段(例えば、交互振分ユニット71)、を備えている
ことを特徴とする遊技機G8。
遊技機G8によれば、遊技機G3からG7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、発射手段により遊技球が発射され、遊技状態設定手段により、遊技価値付与手段による遊技価値の付与後の遊技状態が設定可能に構成される。第1入球手段に遊技球が入球したことに基づいて第1情報取得手段により第1情報が取得される。そして、第1判定手段により、第1情報取得手段により取得された第1情報が判定され、第1判定手段による判定結果に基づいて、可変表示実行手段により、表示手段において識別情報の可変表示が実行される。この可変表示実行手段により実行される可変表示において所定の識別情報が現出された場合に、駆動手段により可動手段が駆動される。そして、入球パターン変更手段により、遊技状態設定手段により設定された遊技状態に基づいて駆動手段による可動手段の駆動態様を変更することで、発射手段から発射された遊技球が入球可能な第2入球手段又は第3入球手段が変更される。これにより、第1入球手段の誤検知を防止して、該第1入球手段への遊技球の入球とその時の遊技状態とに応じて可動手段の駆動態様を変更して、遊技球が入球し得る第2入球手段又は第3入球手段の入球パターンを異ならせることで、設定した遊技仕様を確実に実現しつつ、遊技のバリエーションを豊富にして興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機G8において、
前記入球パターン変更手段は、
前記遊技状態設定手段によって設定された前記遊技状態に基づいて、前記駆動手段による前記可変表示の駆動時間を変更する駆動時間変更手段(例えば、普通電役制御処理(S104)のS704)、を備えている
ことを特徴とする遊技機G9。
遊技機G9によれば、遊技機G8の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、入球パターン変更手段に設けられた駆動時間変更手段により、遊技状態設定手段によって設定された遊技状態に基づいて、可動手段の駆動時間が変更される。これにより、遊技状態に応じて可動手段の駆動態様を変更し、例えば、可動手段の駆動時間を長くすることで第2入球手段へ入球されない期間を短くするか、可動手段の駆動時間を短くすることで第2入球手段へ入球可能な期間を長くして、遊技球が入球し得る第2入球手段又は第3入球手段の入球パターンを異ならせることで、遊技のバリエーションを豊富にして興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機G8又はG9において、
前記遊技状態設定手段によって設定された遊技状態に基づいて、前記可変表示実行手段による前記可変表示の実行時間を変更する可変時間変更手段(例えば、普図変動時間テーブル202g)と、
該可変時間変更手段によって前記可変表示の実行時間を変更することで、前記可動手段が駆動するタイミングを変更するタイミング変更手段(例えば、普図変動処理(S111)のS407)、を備えている
ことを特徴とする遊技機G10。
遊技機G10によれば、遊技機G8又はG9の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技状態設定手段によって設定された遊技状態に基づいて、可変時間変更手段により、可変表示実行手段による可変表示の実行時間が変更される。そして、タイミング変更手段により、可変時間変更手段によって可変表示の実行時間を変更することで、可動手段を駆動するタイミングが変更される。これにより、遊技状態に応じて可変表示の実行時間を変更して、可動手段が駆動するタイミングを異ならせ、遊技球が入球し得る第2入球手段又は第3入球手段の入球パターンを異ならせることで、遊技のバリエーションを豊富にして興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機G3からG10のいずれかにおいて、
前記可動手段は、
前記駆動手段によって駆動された場合に、前記第2入球手段を該可動手段によって塞ぎつつ、該可動手段の上面を遊技球が転動可能な閉塞時転動手段(例えば、突出状態の出没板79bの上面)、を備え、
該閉塞時転動手段によって前記可動手段の上面を転動した遊技球が流下する下流側に前記第3入球手段を設ける
ことを特徴とする遊技機G11。
遊技機G11によれば、遊技機G3からG10の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、可動手段に設けられた閉塞時転動手段により、可動手段が駆動手段によって駆動された場合に、第2入球手段を可動手段によって塞ぎつつ、可動手段の上面を遊技球が転動可能に構成される。そして、閉塞時転動手段によって可動手段の上面を転動した遊技球が流下する下流側に第2入球手段が設けられる。これにより、可動手段が駆動された場合に、可動手段によって第2入球手段を塞いで第2入球手段への遊技球の入球を防ぎつつ、可動手段の上面を遊技球が転動して、その下流側に設けられた第3入球手段に遊技球を入球させる。その結果、遊技球が入球し得る第2入球手段又は第3入球手段の入球パターンを異ならせることで、遊技のバリエーションを豊富にして興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機G8からG11のいずれかにおいて、
前記第2経路は、
前記第1入球手段に遊技球が入球してから、該遊技球が前記可動手段の配設位置に到達するまでに所定時間(例えば、「1.9秒」)を要するように構成し、
前記可変表示実行手段は、
前記所定時間より長い第1実行時間(例えば、「3秒」)と、前記所定時間より短い第2実行時間(例えば、「0.5秒」)との、少なくともいずれかの実行時間で前記可変表示を実行可能であり、
前記遊技状態設定手段は、
所定の第1遊技状態(例えば、「通常遊技状態」)と、
該第1遊技状態と異なる第2遊技状態(例えば、「潜伏確率変動状態」)と、
前記第1遊技状態及び前記第2遊技状態と異なる第3遊技状態(例えば、「確率変動状態」)とのいずれか1の遊技状態を設定可能に構成し、
前記入球パターン変更手段は、
前記第1遊技状態において前記第1実行時間で前記可変表示を行う第1入球パターン手段(例えば、「3秒」で可変表示を実行)と、
前記第2遊技状態において前記第2実行時間で前記可変表示を行う第2入球パターン手段(例えば、「0.5秒」で可変表示を実行)と、
前記第3遊技状態において前記第2実行時間で前記可変表示を行う第3入球パターン手段(例えば、「0.5秒」で可変表示を実行)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機G12。
遊技機G12によれば、遊技機G8からG11の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1入球手段に遊技球が入球してから、その遊技球が可動手段の配設位置に到達するまでに所定時間を要するように第2経路が構成される。また、可変表示実行手段に設けられた第1時間実行手段により、所定時間より長い第1実行時間で可変表示が行われ、同じく可変表示実行手段に設けられた第2時間実行手段により、所定時間より短い第2実行時間で可変表示が行われる。ここで、遊技状態設定手段により、所定の第1遊技状態と、該第1遊技状態と異なる第2遊技状態と、第1遊技状態及び第2遊技状態と異なる第3遊技状態とのいずれか1の遊技状態が設定可能に構成される。そして、入球パターン変更手段に設けられた第1入球パターン手段により、第1遊技状態において第1時間実行で可変表示が行われ、同じく入球パターン変更手段に設けられた第2入球パターン手段により、第2遊技状態において第2時間実行で可変表示が行われ、同じく入球パターン変更手段に設けられた第3入球パターン手段により、第3遊技状態において第2時間実行で可変表示が行われる。これにより、遊技状態に応じて可変表示の実行時間を変更して、可動手段が駆動されるタイミングを異ならせ、遊技球が入球し得る第2入球手段又は第3入球手段の入球パターンを異ならせることで、遊技のバリエーションを豊富にして興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機G12において、
前記発射手段は、
所定の第1発射態様で遊技球を発射する第1発射態様手段(例えば、左打ち遊技)と、
該第1発射態様手段による前記第1発射態様と異なる第2発射態様で遊技球を発射する第2発射態様手段(例えば、右打ち遊技)と、を備え、
前記第1入球手段は、
前記第1発射態様手段による前記第1発射態様で発射された遊技球が入球可能な所定第1入球手段(例えば、ユニット内普通図柄ゲート76a)と、
前記第2発射態様手段による前記第2発射態様で発射された遊技球が入球可能な特定第1入球手段(例えば、右側普通図柄ゲート76b)と、を備え、
前記特定第1入球手段に遊技球が入球してから、前記可動手段の配設位置に到達するまでに第2所定時間(例えば、「1秒」)を要するように構成し、
前記第1実行時間は、前記第2所定時間より長く、
前記第2実行時間は、前記第2所定時間より短い
ことを特徴とする遊技機G13。
遊技機G13によれば、遊技機G12の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、発射手段に設けられた第1発射態様手段により、所定の第1発射態様で遊技球が発射され、同じく発射手段に設けられた第2発射態様手段により、第1発射態様手段の第1発射態様と異なる第2発射態様で遊技球が発射される。そして、第1入球手段に、第1発射態様手段による第1発射態様によって発射された遊技球が入球可能な所定第1入球手段と、第2発射態様手段による第2発射態様によって発射された遊技球が入球可能な特定第1入球手段とが設けられる。また、遊技球が特定第1入球手段に入球してから可動手段の配設位置に到達するまでに第2所定時間を要するように構成される。そして、可変表示の実行時間として、第1実行時間は第2所定時間より長く設定され、第2実行時間は第2所定時間より短く設定されている。これにより、遊技状態に応じて特定第1入球手段に入球した遊技球が可動手段の配設位置に到達するまでに可変表示を終了しているか否かを異ならせることができ、該可変表示の実行結果に基づいて可動手段を駆動状態にするか否かを変化させることが可能となる。その結果、遊技状態に応じて特定第1入球手段に入球した遊技球を、可動手段によって第3入球手段に入球し得るか否かを異ならせることで、遊技のバリエーションを豊富にして興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機G13において、
前記駆動手段は、
所定の第1駆動時間(例えば、「2秒」)の間、前記可動手段を駆動する第1駆動パターン手段と、
前記第1駆動時間より長い第2駆動時間(例えば、「5秒」)の間、前記可動手段を駆動する第2駆動パターン手段と、を備え、
前記閉塞時転動手段は、
前記可動手段の上流側から下流側まで転動するために第3所定時間(例えば、「2.5秒」)を要するように構成し、
前記特定第1入球手段に入球した遊技球を、前記可動手段の前記上流側に案内する上流側案内手段(例えば、普通電役ユニット79における右側普通図柄ゲート76bと出没板79bの右端との間)、を備え、
前記第1駆動時間は、前記第3所定時間(又は前記第2所定時間と前記第3所定時間との合計時間)より短く、
前記第2駆動時間は、前記第2所定時間と前記第3所定時間との合計時間より長い
ことを特徴とする遊技機G14。
遊技機G14によれば、遊技機G13の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、駆動手段に設けられた第1駆動パターン手段により、所定の第1駆動時間の間、可動手段が駆動され、同じく駆動手段に設けられた第2駆動パターン手段により、第1駆動時間より長い第2駆動時間の間、可動手段が駆動される。また、閉塞時転動手段により、可動手段の上流側から下流側まで転動するために第3所定時間を要するように構成される。また、上流側案内手段により、特定第1入球手段に入球した遊技球が、可動手段の上流側に案内される。そして、第1駆動時間が第3所定時間(又は前記第2所定時間と前記第3所定時間との合計時間)より短く、また、第2駆動時間が第2所定時間と第3所定時間との合計時間より長くなるように設定されている。これにより、可動手段を第1駆動時間で駆動した場合には、可動手段の上流側から下流側まで遊技球が転動しきる前に、可動手段を駆動状態を終了させる。一方、可動手段を第2駆動手段で駆動した場合には、特定第1入球手段に入球した遊技球が可動手段の上流側に案内されてから、該可動手段の上流側から下流側まで転動する間、可動手段の駆動状態を維持させる。よって、可動手段を第2駆動時間で駆動させた場合に、特定第1入球手段に入球した遊技球を第3入球手段に入球させることができる。その結果、遊技状態に応じて特定第1入球手段に入球した遊技球を、可動手段によって第3入球手段に入球し得るか否かを異ならせることで、遊技のバリエーションを豊富にして興趣を向上することができる、という効果がある。
<H群:減速部の構成>
従来より、パチンコ機等の遊技機では、遊技盤に設けられた遊技領域に向けて球等の遊技媒体を発射し、該遊技領域に設けられた複数の入球口のいずれかへ遊技媒体が入球することに基づいて当否抽選を行い、該当否抽選において当たりに当選した場合に、遊技者に所定の遊技価値が付与されるように構成されている(例えば、特許文献1(特開2012−231902号公報))。
しかしながら、上記遊技機は、遊技機全体の横幅より縦幅の方が大きく、左右の幅にかかる設計上の制約が上下の幅にかかる設計上の制約より大きい構成となっている。従って、横方向に延設される部品を配置した場合、遊技盤の遊技領域における所定の領域を上記部品で占有してしまい、他の遊技部品の設計自由度が低くなるおそれがある。
H群の発明は、上記例示した事情に鑑みてなされたものであり、遊技機の設計自由度の向上に貢献できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技球を発射する発射手段(例えば、球発射ユニット112a)と、
該発射手段により発射された遊技球が流下する遊技領域と、
該遊技領域に設けられ、遊技球の流下方向を変更する可動手段(例えば、出没板79b)と、
該可動手段を変位可能に駆動する駆動手段(例えば、ソレノイド209(出没板用ソレノイド))と、を備えた遊技機において、
前記可動手段の上面の所定位置(例えば、出没板79bの上流側)から、該所定位置の横方向下流側に設けられた特定位置(例えば、出没板79bの下流側)まで遊技球が移動可能な移動手段(例えば、突出状態の出没板79bの上面)と、
該移動手段によって前記所定位置から前記特定位置まで移動する遊技球の移動時間を遅延させる遅延手段(例えば、減速部79c)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機H0。
遊技機H0によれば、発射手段により遊技球が発射され、その発射手段により発射された遊技球が遊技領域を流下し、その遊技領域に設けられた可動手段により、遊技球の流下方向が変更され、駆動手段により、その可動手段が変位可能に駆動される。ここで、可動手段の上面の所定位置から、その所定位置の横方向下流側に設けられた特定位置まで、移動手段により遊技球が移動可能に構成され、その移動手段によって所定位置から特定位置まで移動する遊技球の移動時間が、遅延手段により遅延される。これにより、遅延手段によって可動手段の所定位置から横方向下流側の特定位置まで遊技球が移動する移動時間を遅延させ、遅延手段がない場合と比べて可動手段上における移動時間を長くすることができる。従って、例えば、遊技球を所定位置から、その横方向下流側に設けられた特定位置まで所定時間をかけて移動させたい場合に、遅延手段によって遊技球の移動時間を遅らせるほど、可動手段の横方向の長さを短くすることができ、可動手段を横方向に対してコンパクト化することができる。その結果、可動手段の横方向の占有領域を小さくすることで、遊技機の設計自由度の向上に貢献することができる、という効果がある。
遊技機H0において、
前記遅延手段は、
遊技球の流下速度を減速する減速手段(例えば、減速部79c)、を備えている
ことを特徴とする遊技機H1。
遊技機H1によれば、遊技機H0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遅延手段に設けられた減速手段により、遊技球の流下速度が減速される。これにより、減速手段によって可動手段の所定位置から横方向下流側の特定位置まで遊技球の流下速度を減速させ、減速手段がない場合と比べて可動手段上での移動時間を長くすることができる。従って、例えば、遊技球を所定位置から、その横方向下流側に設けられた特定位置まで所定時間をかけて移動させたい場合に、減速手段によって遊技球の流下速度を遅らせるほど、可動手段の横方向の長さを短くすることができ、可動手段を横方向に対してコンパクト化することができる。その結果、可動手段の横方向の占有領域を小さくすることで、遊技機の設計自由度の向上に貢献することができる、という効果がある。
遊技機H1において、
前記減速手段は、
前記可動手段の前記所定位置から前記特定位置まで所定方向(例えば、出没板79bの上流側から下流側への方向)に移動する遊技球の流下速度を減速させる一方(例えば、減速部79cの縦リブ形状)、
前記所定方向と異なる特定方向(例えば、右側経路75の右側出口から特図1第2入賞口77bへ流下する鉛直方向)への遊技球の流下速度を減速させない(例えば、減速部79cが縦リブ形状であることによって、鉛直方向からの球と衝突し難い)
ことを特徴とする遊技機H2。
遊技機H2によれば、遊技機H1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、減速手段により、可動手段の所定位置から特定位置まで所定方向に移動する遊技球の流下速度が減速される。一方、減速手段によっては、所定方向と異なる特定方向への遊技球の流下速度が減速されないように構成されている。即ち、所定方向から流入する遊技球の流下速度のみを減速し、所定方向と異なる特定方向から流入する遊技球の流下速度をそのまま維持することができる。従って、所定方向以外から流入する遊技球の流下速度を維持して遊技領域を流下させることができ、遊技領域における遊技球の渋滞や球詰まり等が発生することを防止することができる、という効果がある。
遊技機H2において、
前記可動手段は、
前記駆動手段により、所定の第1位置と、該第1位置と異なる第2位置とに変位可能に構成され、
前記移動手段は、
前記可動手段が前記第2位置となった場合に、該可動手段の上面を遊技球が転動可能な転動手段(例えば、突出状態の出没板79bの上面)、を備え、
前記減速手段は、
前記転動手段によって前記可動手段の上面を転動する遊技球の流下速度を減速させる
ことを特徴とする遊技機H3。
遊技機H3によれば、遊技機H2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、可動手段が駆動手段により所定の第1位置と該第1位置と異なる第2位置とに変位可能に構成され、移動手段に設けられた転動手段により、可動手段が第2位置となった場合に、該可動手段の上面を遊技球が転動可能に構成される。そして、減速手段により、転動手段によって可動手段の上面を転動する遊技球の流下速度が減速される。これにより、減速手段によって可動手段の上面を転動する遊技球の流下速度が減速され、減速手段がない場合と比べて可動手段上を転動する遊技球の流下速度を減速して、可動手段上での移動時間を長くすることができる。従って、例えば、遊技球を所定位置から、その横方向下流側に設けられた特定位置まで所定時間をかけて移動させたい場合に、減速手段によって遊技球の流下速度を減速するほど、可動手段の横方向の長さを短くすることができ、可動手段を横方向に対してコンパクト化することができる。その結果、可動手段の横方向の占有領域を小さくすることで、遊技機の設計自由度の向上に貢献することができる、という効果がある。
遊技機H2又はH3において、
前記減速手段は、
前記所定方向へ流下する遊技球と衝突する突出手段(例えば、奥側減速部79c1)、を備え、
前記突出手段は、
前記特定方向へ流下する遊技球と衝突しないように配置される(例えば、出没板79bが没入状態である場合には、右側経路75の右側出口から流下する球が減速部79cと衝突しないように減速部79cを配置)
ことを特徴とする遊技機H4。
遊技機H4によれば、遊技機H2又はH3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、所定方向へ流下する遊技球が、減速手段に設けられた突出手段に衝突するように構成される一方、特定方向へ流下する遊技球と突出手段とが衝突しないように突出手段が配置される。即ち、所定方向から流下する遊技球は、突出手段と衝突して減速される一方、特定方向から流下する遊技球は、突出手段と衝突せずに減速されないように構成される。これにより、所定方向から流入する遊技球の流下速度を減速することで可動手段をコンパクト化することができると共に、所定方向以外から流入する遊技球の流下速度を維持して遊技領域を流下させることができ、遊技領域における遊技球の渋滞や球詰まり等が発生することを防止することができる、という効果がある。
遊技機H4において、
前記可動手段の正面視奥側に設けられた一側部材(例えば、普通電役ユニット79の基部)と、
該可動手段の正面視手前側に設けられた他側部材(例えば、普通電役ユニット79のカバー部)と、を備え、
前記突出手段は、
前記一側部材から前記他側部材側に向けて突設された複数の一側突部(例えば、奥側減速部79c1)と、
前記他側部材から前記一側部材側に向けて突設された複数の他側突部(例えば、手前側減速部79c2)と、を備え、
前記一側突部及び前記他側突部は、
該一側突部と前記他側突部との間を遊技球が蛇行するように配置される
ことを特徴とする遊技機H5。
遊技機H5によれば、遊技機H4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、可動手段の正面視奥側に一側部材が設けられ、可動手段の正面視手前側に他側部材が設けられる。また、突出手段として、一側部材から他側部材側に向けて突設して一側突部が設けられると共に、他側部材から一側部材側に向けて突設して他側突部が設けられる。そして、一側突部と他側突部との間を遊技球が蛇行するように、一側突部及び他側突部が配置される。これにより、可動手段の上面を流下する遊技球を効率よく減速させることができ、球詰まり等が発生することを抑制できる、という効果がある。
遊技機H5において、
前記遊技領域において鉛直方向下向きに流下する遊技球を前記可動手段の前記所定位置に案内する所定位置案内手段(例えば、右側経路75又は普通電役ユニット79における右側普通図柄ゲート76bの直下の部分)、を備え、
前記一側突部及び前記他側突部は、
前記所定位置案内手段によって案内される前記所定位置と異なる位置に配置される
ことを特徴とする遊技機H6。
遊技機H6によれば、遊技機H5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、所定位置案内手段により、遊技領域において鉛直方向下向きに流下する遊技球を可動手段の所定位置に案内される。そして、所定位置案内手段によって案内される所定位置と異なる位置に、一側突部又は他側突部が配置される。
従来、遊技領域において鉛直方向下向きに遊技球が流下する位置に、一側突部又は他側突部を配置してしまうと、遊技球が一側突部又は他側突部と衝突し、該衝突に基づいて遊技球の挙動が乱れ、可動手段が第2位置でないにもかかわらず、意図しない方向(例えば、可動手段が第2位置である場合に遊技球が案内される方向)へ流出してしまうおそれがある。
そこで、遊技領域において鉛直方向下向きに流下する遊技球が案内される所定位置に一側突部又は他側突部を配置しないように構成して、鉛直方向下向きに流下する遊技球の流下速度が、一側突部又は他側突部によっては減速されないように構成する。このように構成することで、遊技球の予期せぬ挙動が発生することを防止し、意図しない方向へ遊技球が流出して、想定外の入球手段への入球等を未然に防ぐことで、遊技価値が過度に付与されてしまうことを抑制できる、という効果がある。
遊技機H5又はH6において、
前記突出手段は、
前記一側突部及び前記他側突部を集約して配置される集約突出手段と、
前記一側突部及び前記他側突部を前記集約突出手段より分散して配置される分散突出手段と、を備えている
ことを特徴とする遊技機H7。
遊技機H7によれば、遊技機H5又はH6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、突出手段に設けられた集約突出手段により、一側突部及び他側突部が集約して配置され、同じく突出手段に設けられた分散突出手段により、一側突部及び他側突部が、集約突出手段より分散して配置される。即ち、分散突出手段における遊技球の流下速度より、集約突出手段における遊技球の流下速度を遅くすることができる。これにより、例えば、可動手段の上面を転動する遊技球の流下速度を、集約突出手段が設けられている部分では遅くし、分散突出手段が設けられている部分では集約突出手段が設けられている部分より速くすることができるので、可動手段の下流側に入球手段等を配置して、可動手段の駆動態様を変更することで、入球手段へ遊技球を入球させることが可能となる。よって、可動手段に対して集約突出手段および分散突出手段を設けることで、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣向上に貢献することができる、という効果がある。
遊技機H3からH7のいずれかにおいて、
前記転動手段によって前記可動手段の上面を転動した遊技球が流下する下流側に、遊技球が入球可能な入球手段(例えば、特図2入賞口78)を設ける
ことを特徴とする遊技機H8。
遊技機H8によれば、遊技機H3からH7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、転動手段によって可動手段の上面を転動した遊技球が流下する下流側に設けられた入球手段に遊技球が入球可能に構成される。即ち、可動手段が第2位置を維持している状態で遊技球が該可動手段の上面を転動しきれば、該遊技球が入球手段へ入球し、遊技球が可動手段の上面を転動している途中に、該可動手段が第2位置から第1位置へ変位した場合には、該遊技球を入球手段へ入球できない遊技性となる。よって、例えば、所定の遊技状態で入球手段へ遊技球を入球させたい一方、他の遊技状態では入球手段へ遊技球を入球させたくない場合に、他の遊技状態では、可動手段の上面を減速手段によって流下速度を減速しながら遊技球が転動しているときに、可動手段を第2位置から第1位置にすることで、可動手段の上面を転動する遊技球を、その転動位置から下流側へ流下させることができる。その結果、所定の遊技状態以外で意図しない遊技球が入球手段へ入球して、遊技価値が過度に付与されてしまうことを抑制できる、という効果がある。
<I群:振分手段への球の入球を一定間隔にする>
従来より、パチンコ機等の遊技機では、遊技盤に設けられた遊技領域に向けて球等の遊技媒体を発射し、該遊技領域に設けられた複数の入球口のいずれかへ遊技媒体が入球することに基づいて当否抽選を行い、該当否抽選において大当たりに当選した場合に、遊技者に所定の遊技価値が付与されるように構成されている。
このような遊技機では、所定導出間隔で所定の経路に遊技球を入球させることを前提とした遊技性を構築し、遊技の興趣向上を図っている(例えば、特許文献3(特開2016−215050号公報))。
しかしながら、遊技領域における予期せぬ遊技球の挙動により、上記所定導出間隔と異なる間隔で所定の経路に遊技球が入球されてしまい、該所定導出間隔で入球させることを前提とした遊技性が崩壊してしまい、遊技の興趣が低下してしまうおそれがある。
I群の発明は、上記例示した事情に鑑みてなされたものであり、設定した遊技性を適切に実行させて、遊技の興趣向上を図ることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
遊技球を発射する発射手段(例えば、球発射ユニット112a)と、
該発射手段から発射された遊技球が通過可能な開口部(例えば、振分入球口72の入り口)を有する通過手段(例えば、振分入球口72)と、
該通過手段を通過した遊技球が流下する経路(例えば、右側経路75)と、
該経路内に配置されて、遊技球が入球可能な入球手段(例えば、ユニット内普通図柄ゲート76a)と、
該入球手段への遊技球の入球に基づいて、所定情報を取得する情報取得手段(例えば、普図保留球格納エリア203h)と、
該情報取得手段により取得された前記所定情報を判定する判定手段(例えば、普図当たり乱数テーブル202f)と、
該判定手段の判定結果に基づいて、表示手段(例えば、普通図柄表示装置83)において、所定の第1実行時間(例えば、「3秒」)の間、識別情報の可変表示(例えば、普通図柄の可変表示)を実行可能な可変表示実行手段(例えば、普図変動処理(S111))と、
該可変表示実行手段により実行される前記可変表示において、所定の特定識別情報(例えば、「○」図柄)が現出された場合に駆動される可動手段(例えば、出没板79b)と、を備え、
前記経路の下流側に前記可動手段を配置し、
前記第1実行時間(と可動手段の駆動時間との合計時間)より長い所定導出間隔(例えば、「3.5秒」)で、前記開口部へ遊技球を導出する所定間隔導出手段(例えば、回転体)、を備えている
ことを特徴とする遊技機I0。
遊技機I0によれば、発射手段により遊技球が発射可能に構成され、その発射手段から発射された遊技球が、通過手段に設けられた開口部に通過可能に構成される。そして、その通過手段を通過した遊技球が、経路を流下する。また、経路内に、遊技球が入球可能な入球手段が設けられ、その入球手段への遊技球の入球に基づいて、情報取得手段により所定情報が取得される。そして、情報取得手段により取得された所定情報が、判定手段により判定され、その判定手段の判定結果に基づいて、可変表示実行手段により、表示手段において、所定の第1実行時間の間、識別情報の可変表示が実行可能に構成される。また、可変表示実行手段により実行される可変表示において、所定の特定識別情報が現出された場合に可動手段が駆動される。ここで、経路の下流側に可動手段が配置され、所定間隔導出手段により、第1実行時間より長い所定導出間隔で、開口部へ遊技球が導出される。即ち、経路に入球した遊技球に基づいて可変表示の実行契機を取得し、該可変表示が第1実行時間の間、実行されてから、所定間隔導出手段により、上記該第1実行時間(と可動手段の駆動時間との合計時間)より長い所定導出間隔後に次の遊技球が入球手段を有する開口部へ導出される。これにより、可変表示が開始されてから終了するまで、次の遊技球が入球手段を通過することが保留され、可変表示の実行間隔に応じた入球手段の入球が可能となり、所定導出間隔で入球させることを前提とした遊技性を維持することができる。よって、当初設定した遊技性を適切に実行させて、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
<J群:交互振分ユニットと普通電役ユニットとの間にアウト口>
従来より、パチンコ機等の遊技機では、遊技盤に設けられた遊技領域に向けて球等の遊技媒体を発射し、該遊技領域に設けられた複数の入球口のいずれかへ遊技媒体が入球することに基づいて当否抽選を行い、該当否抽選において大当たりに当選した場合に、遊技者に所定の遊技価値が付与されるように構成されている。
このような遊技機では、遊技状態毎に入球可能な入球口を設定し、遊技状態に応じて設定された経路に遊技球を入球させることを前提とした遊技性を構築し、遊技の興趣向上を図っている(例えば、特許文献4(特開2014−100432号公報))。
しかしながら、遊技領域における予期せぬ遊技球の挙動により、予め設定された経路以外の経路に遊技球が入流してしまい、遊技状態に応じた経路に遊技球を入球させることを前提とした遊技性が崩壊してしまい、遊技の興趣が低下してしまうおそれがある。
J群の発明は、上記例示した事業に鑑みてなされたものであり、設定した遊技性を適切に実行させて、遊技の興趣向上を図ることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
遊技領域の第1領域(例えば、第3図柄表示装置81の遊技盤13正面視左側)へ向けて遊技球を発射する第1発射態様(例えば、左打ち遊技)と、前記第1領域と異なる第2領域(例えば、第3図柄表示装置81の遊技盤13正面視右側)へ向けて遊技球を発射する第2発射態様(例えば、右打ち遊技)とで遊技球を発射可能な発射手段(例えば、球発射ユニット112a)と、
前記第1発射態様で発射された遊技球が入球可能な第1入球手段(例えば、特図1第1入賞口77a又は特図1第2入賞口77b)と、
遊技球が入球可能な開口部(例えば、振分入球口72)を有し、前記第1入球手段へ遊技球を案内する経路(例えば、右側経路75)と、
前記第2発射態様で発射された遊技球が入球可能な第2入球手段(例えば、右側普通図柄ゲート76b)と、
前記1発射態様又は前記第2発射態様で発射された遊技球の流下方向を変更する可動手段(例えば、出没板79b)と、
該可動手段を駆動する駆動手段(例えば、ソレノイド209(出没板用ソレノイド))と、を備え、
前記可動手段は、
前記駆動手段によって駆動された場合に、前記第2発射態様で発射された遊技球を前記第1領域へ案内する遊技球案内手段(例えば、出没板79bの上面の構成)、を備え、
前記開口部は、
前記第2入球手段より前記遊技領域において上流側に配置し、
前記開口部と前記第2入球手段との間に、遊技球を前記遊技領域外又は他の領域へ排出する排出手段(例えば、アウト口)、を備えている
ことを特徴とする遊技機J0。
遊技機J0によれば、発射手段により、遊技領域の第1領域へ向けて遊技球を発射する第1発射態様と、第1領域と異なる第2態様に向けて遊技球を発射する第2発射態様とで遊技球を発射可能に構成され、第1発射態様で発射された遊技球が第1入球手段に入球可能に構成され、遊技球が入球可能な開口部を有する経路により、第1入球手段へ遊技球が案内される。そして、第2発射態様で発射された遊技球が第2入球手段に入球可能に構成される。また、可動手段により、第1発射態様又は第2発射態様で発射された遊技球の流下方向が変更され、駆動手段により、可動手段が駆動される。ここで、可動手段に設けられた遊技球案内手段により、駆動手段によって駆動された場合に、第2発射態様で発射された遊技球が第1領域へ案内される。そして、開口部が、第2入球手段より遊技領域において上流側に配置され、開口部と第2入球手段との間に設けられた排出手段により、遊技球が遊技領域外又は他の領域へ排出される。これにより、第1発射態様で発射されて開口部へ流入しなかった遊技球が、第2入球手段へ流入する前に排出手段により遊技領域外又は他の領域へ排出されるので、第1発射態様で発射されて開口部へ流入しなかった遊技球の第2入球手段への入球を防止することができる。よって、例えば、遊技状態に応じて第1発射態様又は第2発射態様に基づいて遊技を行う遊技仕様が設定されていた場合に、遊技状態ごとに事前に設定された遊技性を適切に実行させて、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
<K群:不利口・有利口への振り分け>
従来より、パチンコ機等の遊技機には、遊技盤に設けられた遊技領域に向けて球等の遊技媒体を発射し、該遊技領域に設けられた複数の入球口のいずれかへ遊技媒体が入球することに基づいて当否抽選を行い、該当否抽選において当たりに当選した場合に、遊技者に所定の遊技価値が付与されるように構成されているものがある(例えば、特許文献1(特開2012−231902号公報))。
しかしながら、上記遊技機では、遊技領域を流下する球のパターンが固定的であり、遊技が単調なものとなってしまい、この点について未だ改良の余地がある。
K群の発明は、上記例示した事情に鑑みてなされたものであり、遊技の興趣向上を図ることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
遊技球を発射する発射手段(例えば、球発射ユニット112a)と、
該発射手段により発射された遊技球が入球可能であって、遊技球が入球することに基づいて遊技者に所定の遊技価値を付与する有利入球手段(例えば、特図2入賞口78)と、
前記発射手段により発射された遊技球が入球可能であって、遊技球が入球した場合に、前記有利入球手段より低い遊技価値の付与又は遊技価値を付与しない不利入球手段(例えば、アウト口)と、
遊技状態を設定可能な遊技状態設定手段(例えば、大当たり処理(S103))と、
前記発射手段から発射された遊技球の流下方向を変更する可動手段(例えば、出没板79b)と、
該可動手段を駆動する駆動手段(例えば、ソレノイド209(出没板用ソレノイド))と、
前記遊技状態設定手段により設定された前記遊技状態に基づいて、前記駆動手段による前記可動手段の駆動態様を変更することで、前記発射手段から発射された遊技球が入球し得る前記有利入球手段又は前記不利入球手段の入球パターンを変更する入球パターン変更手段(例えば、出没板79bの駆動パターン)と、
を備えていることを特徴とする遊技機K0。
遊技機K0によれば、発射手段により遊技球が発射され、この発射手段により発射された遊技球が有利入球手段に入球可能であって、その有利入球手段に遊技球が入球することに基づいて遊技者に所定の遊技価値が付与される。また、発射手段により発射された遊技球が不利入球手段に入球可能であって、その不利入球手段に遊技球が入球した場合に、有利入球手段より低い遊技価値の付与又は遊技価値が付与されない。ここで、遊技状態設定手段により、遊技状態が設定可能に構成される。また、発射手段から発射された遊技球の流下方向が可動手段により変更され、駆動手段により可動手段が駆動される。そして、入球パターン変更手段により、遊技状態設定手段により設定された遊技状態に基づいて駆動手段による可動手段の駆動態様を変更することで、発射手段から発射された遊技球が入球し得る有利入球手段又は不利入球手段の入球パターンが変更される。これにより、遊技状態に応じて可動手段の駆動態様を変更して、遊技球が入球し得る有利入球手段又は不利入球手段の入球パターンを異ならせることで、遊技のバリエーションを豊富にして興趣を向上することができる、という効果がある。
なお、「遊技球が入球し得る有利入球手段又は不利入球手段の入球パターン」とは、例えば、有利入球手段にのみ入球し得る入球パターンや、不利入球手段にのみ入球し得る入球パターン、有利入球手段および不利入球手段のいずれにも入球し得る入球パターン、或いは、有利入球手段と不利入球手段とに交互に入球し得る入球パターン等が例示される。
遊技機K0において、
前記入球パターン変更手段は、
前記不利入球手段へ遊技球が入球可能な第1駆動態様と、
前記不利入球手段へ遊技球が入球困難又は不可能な第2駆動態様と、に前記駆動手段により前記可動手段を駆動可能に構成される
ことを特徴とする遊技機K1。
遊技機K1によれば、遊技機K0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、入球パターン変更手段により、駆動手段により可動手段が、不利入球手段へ遊技球が入球可能な第1駆動態様と、不利入球手段へ遊技球が入球困難又は不可能な第2駆動態様とに駆動可能に構成される。これにより、可動手段の駆動パターンが変更されることで不利入球手段へ遊技球が入球するか否かを異ならせることができ、遊技球が入球し得る有利入球手段又は不利入球手段の入球パターンを異ならせることで、遊技のバリエーションを豊富にして興趣を向上することができる、という効果がある。
なお、「第1駆動態様」として、不利入球手段へ遊技球が入球可能な駆動態様であれば如何様な駆動態様でもよく、例えば、可動手段を駆動させて遊技球によって不利入球手段へ遊技球を導出する場合や、可動手段を駆動させないことで遊技球がそのまま不利入球手段へ入球する場合等が例示される。
遊技機K1において、
前記第2駆動態様は、
前記可動手段によって前記不利入球手段を閉塞する
ことを特徴とする遊技機K2。
遊技機K2によれば、遊技機K1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、可動手段が第2駆動態様で駆動されることで、該可動手段により不利入球手段が閉塞される。これにより、可動手段が第2駆動態様で駆動された場合に、不利入球手段への遊技球の入球が不可能となり、可動手段の駆動態様によって不利入球手段へ遊技球が入球するか否かを異ならせることができる。よって、遊技球が入球し得る有利入球手段又は不利入球手段の入球パターンを異ならせることで、遊技のバリエーションを豊富にして興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機K2において、
前記可動手段は、
前記駆動手段によって前記第2駆動態様に駆動された場合に、前記不利入球手段を閉塞しつつ、該可動手段の上面を遊技球が転動可能な閉塞時転動手段(例えば、突出状態の出没板79bの上面)、を備え、
該閉塞時転動手段は、
前記可動手段の上面を転動した遊技球を前記有利入球手段へ案内する
ことを特徴とする遊技機K3。
遊技機K3によれば、遊技機K2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、可動手段に設けられた閉塞時転動手段により、可動手段が駆動手段によって第2駆動態様に駆動された場合に、不利入球手段を可動手段によって閉塞しつつ、可動手段の上面を遊技球が転動可能に構成される。そして、閉塞時転動手段によって、可動手段の上面を転動した遊技球が有利入球手段へ案内される。これにより、可動手段が第2駆動態様となった場合に、可動手段によって不利入球手段を塞いで不利入球手段への遊技球の入球を防ぎつつ、可動手段の上面を遊技球が転動して、遊技球を有利入球手段に案内する。その結果、遊技球が入球し得る有利入球手段又は不利入球手段の入球パターンを異ならせることで、遊技のバリエーションを豊富にして興趣を向上することができる、という効果がある。
なお、上記遊技機A0〜A16のいずれかの構成に対して、上記遊技機B0〜B14,C0〜C15,D0〜D14,E0〜E11,F0〜F11,G0〜G14,H0〜H8,I0,J0,K0〜K3のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。
また、上記遊技機B0〜B14のいずれかの構成に対して、上記遊技機A0〜A16,C0〜C15,D0〜D14,E0〜E11,F0〜F11,G0〜G14,H0〜H8,I0,J0,K0〜K3のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。
また、上記遊技機C0〜C15のいずれかの構成に対して、上記遊技機A0〜A16,B0〜B14,D0〜D14,E0〜E11,F0〜F11,G0〜G14,H0〜H8,I0,J0,K0〜K3のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。
また、上記遊技機D0〜D14のいずれかの構成に対して、上記遊技機A0〜A16,B0〜B14,C0〜C15,E0〜E11,F0〜F11,G0〜G14,H0〜H8,I0,J0,K0〜K3のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。
また、上記遊技機E0〜E11のいずれかの構成に対して、上記遊技機A0〜A16,B0〜B14,C0〜C15,D0〜D14,F0〜F11,G0〜G14,H0〜H8,I0,J0,K0〜K3のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。
また、上記遊技機F0〜F11のいずれかの構成に対して、上記遊技機A0〜A16,B0〜B14,C0〜C15,D0〜D14,E0〜E11,G0〜G14,H0〜H8,I0,J0,K0〜K3のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。
また、上記遊技機G0〜G14のいずれかの構成に対して、上記遊技機A0〜A16,B0〜B14,C0〜C15,D0〜D14,E0〜E11,F0〜F11,H0〜H8,I0,J0,K0〜K3のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。
また、上記遊技機H0〜H8のいずれかの構成に対して、上記遊技機A0〜A16,B0〜B14,C0〜C15,D0〜D14,E0〜E11,F0〜F11,G0〜G14,I0,J0,K0〜K3のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。
また、上記遊技機I0のいずれかの構成に対して、上記遊技機A0〜A16,B0〜B14,C0〜C15,D0〜D14,E0〜E11,F0〜F11,G0〜G14,H0〜H8,J0,K0〜K3のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。
また、上記遊技機J0のいずれかの構成に対して、上記遊技機A0〜A16,B0〜B14,C0〜C15,D0〜D14,E0〜E11,F0〜F11,G0〜G14,H0〜H8,I0,K0〜K3のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。
また、上記遊技機K0〜K3のいずれかの構成に対して、上記遊技機A0〜A16,B0〜B14,C0〜C15,D0〜D14,E0〜E11,F0〜F11,G0〜G14,H0〜H8,I0,J0のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。
これらの場合、各構成を適用したことによるさらなる効果を奏することができる。
遊技機A0からA16,B0からB14,C0からC15、D0からD14、E0からE11、F0からF11、G0からG14、H0からH8、I0、J0、K0からK3のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機K1。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機A0からA16,B0からB14,C0からC15、D0からD14、E0からE11、F0からF11、G0からG14、H0からH8、I0、J0、K0からK3のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機K2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(大入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機A0からA16,B0からB14,C0からC15、D0からD14、E0からE11、F0からF11、G0からG14、H0からH8、I0、J0、K0からK3のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機K3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
なお、上記実施形態に記載の「特図1第1入賞口77a、特図1第2入賞口77b、特図2入賞口78」への「入球」が特許請求の範囲の「所定の始動条件」に対応し、上記実施形態に記載の「カウンタC1〜C3,CS1の値」が特許請求の範囲の「取得手段」により取得される「情報」に対応し、上記実施形態に記載の「第3図柄」が特許請求の範囲に記載の「識別情報」に対応し、上記実施形態に記載の「変動演出」が特許請求の範囲に記載の「識別情報の動的表示」に対応し、上記実施形態に記載の「大当たり図柄」が特許請求の範囲に記載の「所定の識別情報」に対応し、上記実施形態に記載の「大当たり」が特許請求の範囲に記載の「所定の遊技価値」に対応する。