JP6698464B2 - 評価方法および評価装置 - Google Patents

評価方法および評価装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6698464B2
JP6698464B2 JP2016150833A JP2016150833A JP6698464B2 JP 6698464 B2 JP6698464 B2 JP 6698464B2 JP 2016150833 A JP2016150833 A JP 2016150833A JP 2016150833 A JP2016150833 A JP 2016150833A JP 6698464 B2 JP6698464 B2 JP 6698464B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cutting
evaluation
cut
evaluation value
surgical instrument
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016150833A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018015493A (ja
Inventor
行弘 羽部
行弘 羽部
純彦 前野
純彦 前野
黒島 厚
厚 黒島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyocera Corp filed Critical Kyocera Corp
Priority to JP2016150833A priority Critical patent/JP6698464B2/ja
Publication of JP2018015493A publication Critical patent/JP2018015493A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6698464B2 publication Critical patent/JP6698464B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Surgical Instruments (AREA)

Description

本発明は、回転切削する手術用器具の評価方法および評価装置に関する。
手術の際に使用される手術用器具は、多数の器具が準備される。患者のサイズに合わせるために、サイズ違いの器具を複数個準備する場合もある。たとえば、人工股関節の置換手術を例にとると、臼蓋側のインプラントを埋入するために寛骨臼を回転切削する半球状のカップリーマは、38〜60mmまでのサイズが準備される。
カップリーマは、複数の刃部が半球状体の表面に分散して設けられており、半球状体の回転によって複数の微小な切刃が回転し、切削対象の骨または軟骨の表面を連続的に切削する半球状リーマである。切削された骨または軟骨の部分は、半球状体の表面形状に沿った形状となる。
上記のように整形外科において、手術に用いられる手術用器具は、器具の点数が非常に多く、器具一式で100点以上あるものも少なくない。そのため、一式の値段が非常に高価であり、病院などの医療機関での購入は難しく、インプラント製造メーカが病院に対して手術の度に、器具一式を病院に貸与する方式で運用されており、一般に貸し出し器具と呼ばれている。
この方式では、インプラント製造メーカで、貸し出し前に器具一式を洗浄し、手術の前に貸し出し先の病院へ届け、病院側で貸し出し器具一式の滅菌を行い、手術に使用する。手術終了後、貸し出し器具一式は病院側で洗浄され、製造メーカへと返却される。貸し出し器具が、カップリーマなど回転切削用の手術用器具の場合、返却された貸し出し器具一式のうち、手術で使用されて切れ味が低下した器具については、再度貸し出しするために切刃の研磨(研ぎ)を行い、切れ味を復旧させる。
研磨を行うほど切刃は摩滅し、切削された部分の大きさが変化してしまうので、不必要な研磨を避ける必要がある。不必要な研磨を避けるためには、返却された切削器具の切れ味が低下したかどうかを評価し、低下した器具についてのみ研磨を行うことが好ましい。しかしながら、返却された器具のうち、手術で使用されたのがどの器具であるのかは不明であるので、貸し出し器具一式全てに対して切れ味の評価をしなければならない。
切削器具の評価方法は、たとえば、複数の微小な切刃を拡大鏡で検査者が目視し、刃先の摩耗状態、変形状態などから、切れ味が低下したかどうかを評価している。このような目視による評価を一式の器具全数に対して行う必要があり、評価に要する時間が膨大となる。また、評価方法が目視による限り、定量的な評価は困難であり、検査者による評価結果のばらつきも避けることができない。
特許文献1記載のドリルの耐久性評価方法では、弾性発泡体の穴開け時に変位センサによって弾性発泡体の変位量を検出し、変位量が一定値に達したときに耐用期限と判定している。
特開平6−198548号公報
特許文献1の評価方法では、ドリルによって穴が開けられる被切削物である弾性発泡体の変位を測定しているが、手術用器具の中には、被切削物が骨または軟骨であり、変位が微量のため測定できない切削器具がある。また、骨または軟骨の模擬材料を切削するとしても変位が微量で測定が難しいことがある。被切削物として、変位する弾性発泡体を使用したとして、特許文献1の評価方法を適用したとしても、本来評価すべき切れ味などが評価できるとは限らない。
本発明の目的は、短時間かつ簡単な手順で、回転切削する手術用器具をばらつき無く評価することができる評価方法および評価装置を提供することである。
本発明は、骨または軟骨を回転切削する手術用器具を評価する評価方法であって、
予め下穴が設けられた、骨または軟骨の模擬材料からなる被切削物を準備する準備工程と、
手術用器具によって前記下穴を拡径するように回転切削するとともに、当該回転切削に関する評価値を測定する測定工程と、
予め定められた、評価値に対する評価結果に基づいて、前記測定工程で測定された評価値についての評価結果を決定する決定工程と、を有することを特徴とする評価方法である。
また本発明は、前記評価結果は、手術用器具の耐久性であることを特徴とする。
また本発明は、前記評価値は、予め定める時間継続して回転切削したときに被切削物に形成される切削孔の直径であることを特徴とする。
また本発明は、前記評価値は、予め定める厚みの被切削物を回転切削したときに、該被切削物を貫通するのに要した時間であることを特徴とする。
また本発明は、前記評価値は、予め定める時間継続して回転切削したときに被切削物が切削された体積であることを特徴とする。
また本発明は、前記評価値は、回転切削時のトルクまたは荷重であることを特徴とする。
また本発明は、前記評価結果は、手術用器具の切れ味の度合であることを特徴とする。
また本発明は、前記手術用器具は、半球状リーマであることを特徴とする。
また本発明は、前記評価値と、該評価値に対する評価結果とは、検量線によって予め関連付けられていることを特徴とする。
また本発明は、前記模擬材料は、硬質発泡樹脂であることを特徴とする。
また本発明は、骨または軟骨を回転切削する手術用器具を評価する評価装置であって、
予め下穴が設けられた、骨または軟骨の模擬材料からなる被切削物を載置する載置台と、
手術用器具を回転駆動し、該手術用器具に、前記下穴を拡径するように切削させる駆動部と、
回転切削に関する評価値を測定する測定部と、
予め定められた、評価値に対する評価結果に基づいて、前記測定工程で測定された評価値についての評価結果を決定する決定部と、を有することを特徴とする評価装置である。
本発明によれば、予め下穴が設けられた、骨または軟骨の模擬材料からなる被切削物を準備しておき、測定工程で、手術用器具によって前記下穴を拡径するように回転切削するとともに、当該回転切削に関する評価値を測定する。決定工程では、予め定められた、評価値に対する評価結果に基づいて、前記測定工程で測定された評価値についての評価結果を決定する。
予め準備された模擬材料を実際に回転切削するだけで、そのときに測定された評価値によって評価結果が得られるので、目視による評価に比べて、短時間かつ簡単な手順で手術用器具を評価することができる。また、予め下穴が設けられた被切削物を準備しておき、この下穴を拡径するように回転切削するので、一定条件下で評価値を測定することができ、ばらつきが無く定量的な評価が可能となる。
また本発明によれば、評価結果としては、手術用器具の切れ味の度合、手術用器具の耐久性が得られる。
また本発明によれば、評価値としては、予め定める時間継続して回転切削したときに被切削物に形成される切削孔の直径、予め定める厚みの被切削物を回転切削したときに、該被切削物を貫通するのに要した時間、予め定める時間継続して回転切削したときに被切削物が切削された体積、回転切削時のトルクまたは荷重などを用いることができる。
また本発明によれば、カップリーマなどの半球状リーマを評価対象として評価することができる。
また本発明によれば、前記評価値と、該評価値に対する評価結果とは、検量線によって予め関連付けられているので、検量線から速やかに評価結果を得ることができる。
また本発明によれば、骨または軟骨の模擬材料として、硬質発泡樹脂を用いることができる。
また本発明によれば、予め下穴が設けられた、骨または軟骨の模擬材料からなる被切削物を載置台上に載置し、駆動部によって、手術用器具を回転駆動し、該手術用器具に、前記下穴を拡径するように切削させる。測定部が、回転切削に関する評価値を測定すると、決定部が、予め定められた、評価値に対する評価結果に基づいて、測定された評価値についての評価結果を決定する。
載置台上に載置された模擬材料を実際に回転切削するだけで、そのときに測定された評価値によって評価結果が得られるので、目視による評価に比べて、短時間かつ簡単な手順で手術用器具を評価することができる。また、予め下穴が設けられた被切削物を準備しておき、この下穴を拡径するように回転切削するので、一定条件下で評価値を測定することができ、ばらつきが無く定量的な評価が可能となる。
本発明の実施形態である手術用器具の評価方法を示す工程図である。 本発明の実施形態である手術用器具の評価装置1を示す概略図である。 被切削物を切削したときのトルクの変化を示すグラフである。 最大トルクとその時の切削体積とをプロットしたグラフである。 最大トルクと切削体積との検量線の例を示すグラフである。
本発明の評価方法で評価することが可能な回転切削する手術用器具としては、たとえば、寛骨臼を回転切削する半球状のカップリーマ、フレキシブルリーマ、大転子リーマなどが挙げられる。以下では、評価対象の手術用器具としてカップリーマを例として説明する。
図1は、本発明の実施形態である手術用器具の評価方法を示す工程図である。
本実施形態の製造方法は、
(工程A1)準備工程
(工程A2)測定工程
(工程A3)決定工程
の3つの工程からなる。
(工程A1)準備工程
工程A1の準備工程では、予め下穴が設けられた、骨または軟骨の模擬材料からなる被切削物を準備する。被切削物を構成する材料は、回転切削する対象の骨または軟骨の模擬材料としている。本発明の評価方法は、回転切削する手術用器具(以下では、切削用器具という)を手術で使用した場合の変化を評価することが目的であるので、模擬材料を用いて、より実使用に近い条件で評価するのが好ましい。
骨または軟骨の模擬材料としては、たとえば、発泡ポリウレタン樹脂、発泡ポリアクリル樹脂などの硬質発泡樹脂などが挙げられる。なお、本発明において、硬質とは、たとえば、発泡樹脂の硬さがJIS Z2246:2000に準拠したD形試験機によるショア硬さ(Shore D)70以上のものである。
評価対象となる切削用器具の種類に応じて、被切削物の材料を変更してもよく、切削用器具にかかわらず、同じ材料を用いてもよい。被切削物の形状は、例えば直方体形状であって、ブロック状のもの、プレート状のものなどであってもよい。
本発明の評価の対象となる切削用器具は、回転切削を行うものであるので、被切削物に予め下穴を設けておき、後述の測定工程では、この下穴を拡径するように回転切削する。下穴の直径は、評価対象の切削用器具の大きさに応じた大きさとすればよい。評価対象の切削用器具が、カップリーマであれば、カップリーマの直径Dに対して、下穴の直径D1を、たとえばD1=D−d(dは4〜10mm)とすればよい。
下穴は、被切削物を貫通していても、貫通していなくてもよい。後述の測定工程で説明する評価値に応じて貫通した下穴か、貫通いていない下穴か、いずれかを選択すればよい。また、1つの被切削物において設ける下穴の数は、1または複数であって、特に限定されない。複数の下穴を設ける場合は、隣接する下穴同士の間隔は、拡径後の切削孔が、隣接する未切削の下穴から十分に離間するような間隔であればよく、例えば20mm以上とすればよい。
準備する被切削物の厚さについて説明する。詳細については、後述の測定工程および決定工程の説明で述べるが、本発明の評価値には、複数種類の値が採用され、それに応じた複数種類の評価結果を得ることができる。準備する被切削物の厚さは、評価値の内容または得ようとする評価結果に応じて決定される。
採用する評価値の内容が、被切削物を回転切削して貫通するのに要した時間を測定する場合、試験自体によって切削用器具が摩耗してしまうことを抑えるために、比較的薄い被切削物を用いることが好ましい。検量線作成(耐久寿命測定)の場合、測定誤差を小さくするために、一定量の体積が必要であるので、比較的厚い被切削物を用いることが好ましい。このように、測定の内容に応じた厚さの被切削物を準備すればよい。
(工程A2)測定工程
工程A2の測定工程では、切削用器具によって、被切削物に設けられた下穴を拡径するように回転切削するとともに、この回転切削に関する評価値を測定する。本発明の評価値は、予め定める測定方法によって測定される測定値であり、定量的に得られる値である。以下では、本発明の評価方法で用いられる評価値の例について説明する。
評価値の一例は、予め定める時間継続して回転切削したときに被切削物に形成される切削孔の直径である。本例では、下穴を拡径するように回転切削した結果、被切削物には切削孔が形成される。測定工程では、形成された切削孔の直径を測定する。なお、本例において、下穴は、十分な深さがあれば、被切削物を貫通していてもしていなくてもよい。
切削用器具が手術で使用されると、単位時間当たりに被切削物が切削される体積が小さくなる。そうすると、同じカップリーマであっても切れ味が低下したものは、低下していないものに比べて、被切削物に形成される切削孔の直径が小さくなるという傾向がある。ただし、切れ味が低下していた場合であっても、回転切削を長時間継続すれば、継続した時間に応じて切削孔の直径が大きくなる。したがって、回転切削を継続する時間を予め定めておき、予め定めた継続時間で切削したときの切削孔の直径を測定すれば、測定した直径は、切れ味のみを反映することになるので、これを評価値とすることができる。
また、評価値の他の一例は、予め定める厚さの被切削物を回転切削したときに、被切削物を貫通するのに要した時間である。この例では、下穴を拡径するように回転切削を継続すると、切削用器具が、被切削物を貫通する。測定工程では、切削用器具が、被切削物の一方面の下穴部分に接触した時点から、切削用器具が被切削物を切削し、被切削物を貫通して切削用器具が被切削物の他方面から離れた時点までの時間を測定する。なお、本例において、下穴は、被切削物を貫通しているのが好ましい。
切削用器具が手術で使用されると、切刃の摩耗により切削用器具の切れ味が低下し、単位時間当たりに被切削物が切削される体積が小さくなる。切削用器具は、被切削物の下穴周辺部分を削り取りながら、回転軸の軸線方向に移動する。被切削物が切削される体積が小さくなると、切削用器具の移動が抑制される。その結果、切削用器具が被切削物を貫通するのに要した時間が長くなる。ただし、切れ味が低下していた場合であっても、被切削物の厚さが薄ければ、貫通するのに要した時間は短くなる。したがって、被切削物の厚さを予め定めておき、予め定めた厚さの被切削物を切削したときに、被切削物を貫通するのに要した時間を測定すれば、測定した時間は、切れ味のみを反映することになるので、これを評価値とすることができる。
また、評価値の他の一例は、予め定める時間継続して回転切削したときに被切削物が切削された体積である。この例では、下穴を拡径するように回転切削を継続すると、切刃が、下穴周辺部分の被切削物を削り取り、切り屑が発生する。発生した切り屑は、切削用器具によって被切削物が切削される体積と等しいものと考えられる。測定工程では、被切削物が切削された体積として、切り屑の体積を測定する。なお、本例において、下穴は、十分な深さがあれば、被切削物を貫通していてもしていなくてもよい。
切削用器具が手術で使用されると、切刃の摩耗により切削用器具の切れ味が低下し、単位時間当たりに被切削物が切削される体積が小さくなる。被切削物が切削される体積は、発生した切り屑の体積と等しいので、切削用器具の切れ味が低下すると、発生する切り屑の体積も小さくなる。ただし、切れ味が低下していた場合であっても、回転切削を長時間継続すれば、継続した時間に応じて切り屑の体積が大きくなる。したがって、回転切削を継続する時間を予め定めておき、予め定めた継続時間で切削したときの切り屑の体積を測定すれば、測定した体積は、切れ味のみを反映することになるので、これを評価値とすることができる。
また、評価値の他の一例は、回転切削時のトルクまたは荷重である。この例では、下穴を拡径するように回転切削を行うと、切削用器具が接続された回転駆動軸のシャフトに、トルクが発生する。トルクは、このシャフトのねじれとして表れるので、例えば、歪みゲージなどを用いてねじれを測定することで、トルクを算出する。なお、本例において、下穴は、十分な深さがあれば、被切削物を貫通していてもしていなくてもよい。
切削用器具が手術で使用されると、切刃の摩耗により切削用器具の切れ味が低下し、切刃の表面と被切削物の切削面との間に生じる切削抵抗が高くなり、トルクも大きくなる。したがって、測定したトルクは切れ味のみを反映するので、これを評価値とすることができる。
(工程A3)決定工程
工程A3の決定工程では、予め定められた、評価値に対する評価結果に基づいて、工程A2の測定工程で測定された評価値についての評価結果を決定する。上記のように、測定工程A2では、切削用器具の切れ味が反映された評価値が測定される。評価値と評価結果との相関性については、予め定められた相関性を使用することにより、測定された評価値から評価結果を容易に決定することができる。
本発明の評価結果としては、例えば、上記のような切削用器具の切れ味の度合である。評価値と評価結果との相関性は、未使用の切削用器具と下穴が設けられた被切削物とを準備し、未使用の切削用器具で被切削物の下穴を拡径するように継続して回転切削を行い、連続的または断続的に評価値を測定する。回転切削を継続しているうちに、回転が停止するまたは切り屑が発生しないなど切削不能となるので、その時点で回転切削を終了する。
切削用器具の切れ味の度合は、切刃の摩耗の度合に対応する。すなわち、摩耗の度合が大きくなるに従い、切れ味の度合は低下する。摩耗の度合は、切削の進行に伴って、増大する。
測定工程で測定される、切れ味が反映された評価値とは、切刃の摩耗の度合が反映された評価値であるということができる。上記のように、未使用の切削用器具で被切削物を連続的に回転切削し、初期から切削不能となるまでの間の評価値を測定しておくことにより、評価値と、摩耗の度合または切れ味の度合との相関性について、検量線を作成することができる。検量線を作成しておけば、測定工程で得られた評価値を検量線に適用して、容易かつ速やかに、評価結果である、摩耗の度合または切れ味の度合を決定することができる。
貸し出し器具であれば、病院など医療機関で使用された返却後に、予め準備しておいた被切削物に対して、返却された切削用器具を用いて回転切削を行い、例えば、切削孔の直径、貫通に要した時間などの評価値を少なくとも1つ測定する。測定結果を、予め作成しておいた検量線に適用し、評価結果を決定することができる。本発明の評価方法によれば、予め定める条件で、骨または軟骨の模擬材料からなる被切削物を回転切削するだけで、短時間かつ簡単な手順で、切削用器具の切れ味の度合または摩耗の度合を決定することができる。
特に評価対象の切削用器具が、カップリーマなどの半球状のリーマである場合、切れ味の度合または摩耗の度合を決定すべきは、半球状体の表面に分散した全ての切刃を対象とする必要がなく、直径の外周部分、いわゆる赤道部分の切刃のみを対象とすればよい。カップリーマは手術中に、徐々に直径の大きなものに交換しながら寛骨臼を切削する。赤道部分の切刃は硬い皮質骨を切削し、極部分の切刃は比較的柔らかい海綿骨を切削する。硬い部分を切削する赤道部分の切刃が、半球状のリーマにおいて最も摩耗しやすい。本発明の評価方法では、被切削物に下穴を設けることで、赤道部分の切刃を選択的に評価することができる。赤道部分の切刃の切れ味の度合または摩耗の度合が低下していなければ残部の切刃も低下していないといえ、赤道部分の切刃の切れ味の度合または摩耗の度合が低下していれば、たとえば、研磨による切れ味の復旧が必要となるといえる。
上記のように、被切削物に下穴を設け、この下穴の大きさを、赤道部分の切刃のみが被切削物に接触するような大きさとすれば、赤道部分の切刃のみを評価の対象とすることができる。赤道部分の切刃のみを評価すればよいので、上記の各評価値を測定する際の測定時間を短くすることができる。
さらに、上記のように作成した検量線は、検量線自体が切削用器具の耐久性を示している。1つのカップリーマについて、検量線を作成し、同じカップリーマであっても、例えば、材質、切刃の形状、切刃の配置などを変更した他のカップリーマについて、検量線を作成する。定常摩耗から急激摩耗へと変化する変曲点、切削不能となる時点などをそれぞれの検量線から読み取ることで、どちらのカップリーマの耐久性が高いかなどの評価を行うこともできる。したがって、未知の切削用器具であっても、検量線の作成を行うことで、既に検量線が作成された他の切削用器具に対して耐久性の高低を相対的に評価することができる。
図2は、本発明の実施形態である手術用器具の評価装置1を示す概略図である。図2(a)は、実際に評価を行う場合の評価装置1を示し、図2(b)は、検量線を作成する場合の評価装置1Aを示す。評価装置1は、下穴が設けられた被切削物10を載置する載置台2と、手術用器具を回転駆動し、手術用器具に、下穴を拡径するように切削させる駆動部3と、回転切削に関する評価値を測定する測定部4と、予め定められた、評価値に対する評価結果に基づいて、測定部4で測定された評価値についての評価結果を決定する決定部5と、を備える。
載置台2は、被切削物10を載置するための支持部を有し、切削時に被切削物10が移動しないように固定する機構を有していればよい。支持部は、中央部に貫通孔または凹所2aが設けられており、被切削物10の下穴10aの直下に貫通孔または凹所2aが位置するように載置する。これにより、被切削物10貫通した切削用器具11が支持部に接触することを防止することができる。
駆動部3は、回転シャフト3aの先端に切削用器具11を取り付け可能に構成され、回転駆動モータを駆動源とする。例えば、Stryker社製 System 5 Handpiecesなどを用いることができる。測定部4は、評価値を測定する測定装置からなり、本例では、駆動部3に取り付けられたトルクセンサである。決定部5は、CPU(中央演算処理装置)および半導体メモリなどの記憶装置などを含んで構成されており、予め作成された検量線データなどを記憶しておき、所定のプログラムに応じて、測定値に基づく評価結果を決定し、出力する。出力先は、ディスプレイなどであってもよい。
検量線を作成する場合は、使用する被切削物が異なる。評価を行う際には、短時間で測定できるように、厚さが薄い板状の被切削物10を使用する。検量線の作成時には、切削不能となるまで切削を継続しなければならないので、厚さが厚い被切削物10Aを使用する。被切削物が異なるので、評価装置1Aの載置台2Aの凹所2Aaの大きさ、形状などは、評価装置1の載置台2の凹所2aの大きさ、形状とは異なる。
(実施例)
以下では、本発明の実施例について説明する。図3は、被切削物を切削したときのトルクの変化を示すグラフである。縦軸がトルク(N・m)であり、横軸が、切削時間(秒)および切削体積(mm)である。厚さ100mm、硬質ポリウレタン材料(Axson社製PROLAB75)からなる被切削物ブロックに、直径45mmの下穴を設け、直径49mmのカップリーマを用いて下穴を拡径するように回転切削を行った。図3に示すように、切削時間が経過し、切削体積が多くなるに従い、切刃の摩耗が進んで、トルクが大きくなっている。なお、切削体積は、切り屑の質量を測定し、被切削物の密度から体積を算出した。
図3からわかるように、切削開始後2秒経過した時点でトルクが安定し、被切削物を貫通する直前から最大トルクとなる。このような測定を複数回行った結果、トルクの変化は、同じ傾向を示すことがわかった。さらに、切削開始から2秒間におけるトルクの最大値に、係数1.5を乗算することで、被切削物を貫通するときの最大トルクに近似することがわかった。
上記の被切削物を貫通する切削試験を、2種類のカップリーマを用いて複数回行い、最大トルクとその時の切削体積とをプロットしたのが、図4に示すグラフである。三角のプロットと、菱形のプロットとは、それぞれ2種類のカップリーマを示している。これらのプロットから最大トルクと切削体積とは比例関係にあることがわかる。図5は、最大トルクと切削体積との検量線の例を示すグラフである。摩耗が進行して切削不能となるトルクが5.8N・m程度であるので、そのトルクの95%にあたる5.5N・mを使用可能限界のトルクと設定する。使用後に返却されたカップリーマを用いて被切削物の切削を2秒間行い、そのときのトルクを測定する。測定したトルクに前記の係数1.5を乗算して最大トルクの近似値を算出し、これを検量線に適用して切削体積を推定する。算出した最大トルクの近似値が5.5N・m未満であれば、切れ味が低下していないとして、測定したカップリーマについては研磨することなく、再度貸し出しを行う。算出したトルクの近似値が5.5N・m以上となる場合は、測定したカップリーマが、実使用が困難な程度にまで切れ味が低下したとして、研磨を行い、切れ味の復旧を行う。研磨後にカップリーマを再度貸し出しすればよい。
使用後のカップリーマを、図5の検量線を用いて評価した例について説明する。使用後、すなわち切れ味の度合が不明なカップリーマを用いて、被切削物ブロックを2秒間回転切削した。切削が進行するに伴い、トルクが上昇した。2秒間の測定における最大のトルクが3.01N・mであったので、これに係数1.5を乗算して近似値4.515N・mが得られた。これを図5の検量線に適用すると、切削体積が39114mmとなる。貸出不可能となる最大トルク5.5N・mとなる切削体積129249mmに対して30%使用したと推定することができる。
1,1A 評価装置
2 載置台
2a 凹所
3 駆動部
3a 回転シャフト
4 測定部
5 決定部
10,10A 被切削物
10a 下穴
11 切削用器具

Claims (7)

  1. 骨または軟骨を回転切削する手術用器具を評価する評価方法であって、
    予め下穴が設けられた、骨または軟骨の模擬材料からなる被切削物を準備する準備工程と、
    手術用器具によって前記下穴を拡径するように回転切削するとともに、当該回転切削に関する評価値を測定する測定工程と、
    予め定められた、評価値に対する評価結果に基づいて、前記測定工程で測定された評価値についての評価結果を決定する決定工程と、を有し、
    前記評価値は、
    予め定める時間継続して回転切削したときに被切削物に形成される切削孔の直径、
    予め定める時間継続して回転切削したときに被切削物が切削された体積、
    予め定める厚さの被切削物を回転切削したときに、該被切削物を貫通するのに要した時間、
    回転切削時のトルクまたは荷重、
    の、いずれかであることを特徴とする評価方法。
  2. 前記評価結果は、手術用器具の耐久性であることを特徴とする請求項1記載の評価方法。
  3. 前記評価結果は、手術用器具の切れ味の度合であることを特徴とする請求項1または2に記載の評価方法。
  4. 前記手術用器具は、半球状リーマであることを特徴とする請求項1〜のいずれか1つに記載の評価方法。
  5. 前記評価値と、該評価値に対する評価結果とは、検量線によって予め関連付けられていることを特徴とする請求項1〜のいずれか1つに記載の評価方法、
  6. 前記模擬材料は、硬質発泡樹脂であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1つに記載の評価方法。
  7. 骨または軟骨を回転切削する手術用器具を評価する評価装置であって、
    予め下穴が設けられた、骨または軟骨の模擬材料からなる被切削物を載置する載置台と、
    手術用器具を回転駆動し、該手術用器具に、前記下穴を拡径するように切削させる駆動部と、
    回転切削に関する評価値を測定する測定部と、
    予め定められた、評価値に対する評価結果に基づいて、前記測定部で測定された評価値についての評価結果を決定する決定部と、を有し、
    前記評価値は、
    予め定める時間継続して回転切削したときに被切削物に形成される切削孔の直径、
    予め定める時間継続して回転切削したときに被切削物が切削された体積、
    予め定める厚さの被切削物を回転切削したときに、該被切削物を貫通するのに要した時間、
    回転切削時のトルクまたは荷重、
    の、いずれかであることを特徴とする評価装置。
JP2016150833A 2016-07-29 2016-07-29 評価方法および評価装置 Active JP6698464B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016150833A JP6698464B2 (ja) 2016-07-29 2016-07-29 評価方法および評価装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016150833A JP6698464B2 (ja) 2016-07-29 2016-07-29 評価方法および評価装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018015493A JP2018015493A (ja) 2018-02-01
JP6698464B2 true JP6698464B2 (ja) 2020-05-27

Family

ID=61079020

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016150833A Active JP6698464B2 (ja) 2016-07-29 2016-07-29 評価方法および評価装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6698464B2 (ja)

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS578053A (en) * 1980-06-12 1982-01-16 Toshiba Mach Co Ltd Detecting method for tool breakage
JPS6434639A (en) * 1987-07-31 1989-02-06 Toshiba Corp Control device for tool life
JPH06198548A (ja) * 1992-12-29 1994-07-19 Inoac Corp 弾性発泡体の穴開ドリルの耐久性評価方法及び耐久性評価装置
JPH11300517A (ja) * 1998-04-21 1999-11-02 Toyoda Mach Works Ltd 切削加工方法
US8961520B2 (en) * 2011-11-28 2015-02-24 Christopher G. Sidebotham Medical cutting tool quality control systems and methods
WO2013102900A1 (en) * 2012-01-04 2013-07-11 Mike Goldstein Inspection device for mechanical instruments and uses thereof
AU2013207683B2 (en) * 2012-01-13 2016-07-07 Randall J. Lewis Medical reamers and methods of forming the same
JP5966633B2 (ja) * 2012-06-04 2016-08-10 株式会社ジェイテクト タップの交換時期判定方法
JP2014124724A (ja) * 2012-12-26 2014-07-07 Aisin Aw Co Ltd 加工穴検査装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018015493A (ja) 2018-02-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Abouzgia et al. Measurements of shaft speed while drilling through bone
US9815166B2 (en) Inspection device for mechanical instruments and uses thereof
Peters et al. Determining cutting efficiency of nickel‐titanium coronal flaring instruments used in lateral action
Basiaga et al. Numerical and experimental analyses of drills used in osteosynthesis
EP2832285A1 (en) Surgical machining instrument and method for determining the local mechanical resistance of a bone
JP5677743B2 (ja) 多孔質体の局所的機械抵抗を測定する方法および装置
US20150080747A1 (en) Devices, systems and methods for locally measuring biological conduit and/or lesion compliance, opposition force and inner diameter of a biological conduit
Niederauer et al. Correlation of cartilage stiffness to thickness and level of degeneration using a handheld indentation probe
Pedullà et al. Cyclic fatigue resistance of two nickel–titanium rotary instruments in interrupted rotation
Uddin Wear measurement and assessment of explanted cross-linked PE acetabular cups using a CMM
de Souza Júnior et al. Analysis of Effectiveness of Different Rotational Instruments in Implantoplasty: An: In Vitro: Study
JP6698464B2 (ja) 評価方法および評価装置
US8961520B2 (en) Medical cutting tool quality control systems and methods
Metzner et al. Influence of osteoporosis on the compressive properties of femoral cancellous bone and its dependence on various density parameters
Pedullà et al. Cutting efficiency of heat‐treated nickel–titanium single‐file systems at different incidence angles
Gilmer et al. Dual motor drill continuously measures drilling energy to calculate bone density and screw pull-out force in real time
Bertollo et al. 3-Fluted orthopaedic drills exhibit superior bending stiffness to their 2-fluted rivals: Clinical implications for targeting ability and the incidence of drill-bit failure
Cristofolini et al. Preclinical assessment of the long-term endurance of cemented hip stems. Part 2: in-vitro and ex-vivo fatigue damage of the cement mantle
Horeman et al. In-vitro detection of small isolated cartilage defects: intravascular ultrasound vs. optical coherence tomography
Liang et al. Assessment of arthroscopic shavers: a comparison test of resection performance and quality
US20220412857A1 (en) Three-dimensional hardness distribution measurement method and three-dimensional hardness distribution measurement system
Cook et al. The assessment of fracture healing using dual x-ray absorptiometry: a feasibility study using phantoms
JP2021101162A (ja) 材料の残存寿命を推定する方法および装置
JP7446500B2 (ja) 骨品質を測定する方法及びツール
Farrell et al. In vitro performance testing of two arcuate oscillating saw blades designed for use during tibial plateau leveling osteotomy

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20170509

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190510

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200110

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200121

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200323

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200407

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200428

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6698464

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150