JP6695384B2 - パイプの建造 - Google Patents

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本発明は、複合構造を有する細長の中空構造体、特に、管状構造体に関する。
本発明は、特に、パイプの形態にある管状構造体の建造に関して考案されているが、ダクトおよびチューブのような管状要素、シャフト、ビーム、および柱状体のような管状構造要素、および複合構造を有する他の管状要素を含む他の細長の中空要素の建造にも適用可能である。
背景技術の以下の説明は、本発明の理解を容易にすることのみが意図されている。この説明は、参照される資料のいずれかが本願の優先日において共通の一般的な知識の一部であることまたは共通の一般的な知識の一部であったことを承認または容認するものではない。
繊維補強プラスチック複合材を用いてパイプを建造することは、知られている。典型的には、このようなパイプは、(ガラス繊維のような)繊維材料からなるフィラメントのロービングに熱硬化性樹脂または熱可塑性組成物を含浸させ、該ロービングをマンドレル上に前後方向に巻付け、複合構造のパイプ壁構造体を形成するプロセスによって、建造されている。
さらに、引抜成形によって連続パイプを製造する試みがなされてきている。この方法は、湿潤した補強繊維体を加熱された型を通して引抜き、パイプを硬化させ、次いで、このパイプをスプールに巻き付けるようになっている。このようにして建造されたパイプは、典型的には、約1kmの長さおよび約100mmの直径に制限されている。
典型的には、このようなパイプは、フープ応力および軸方向応力の両方に対する耐性を有することが必要とされ、建造は、パイプに必要なフープ応力に対する耐性と軸方向応力に対する耐性との間で妥協してなされている。フープ強度は、補強フィラメントをパイプ軸に対して90°に近い角度で巻き付けることによって、最適化されることになる。軸方向強度は、補強フィラメントをパイプ軸に近い角度で巻き付けることによって、最適化されることになる。
このようにして建造されるパイプの長さは、輸送可能なパイプのマンドレルまたはロールの長さによって決定される。その結果、この建造プロセスは、液体およびガス用の輸送網をなす長いパイプ、すなわち、使用可能なマンドレルよりも著しく長いパイプ、また(数百kmから数千km離れることもある)2つの異なる位置間に連続的に延在するパイプラインを構成する長さを有するパイプを建造するのに適していない。
連続的に建造されるパイプを用いてパイプラインを建造する方法、すなわち、パイプラインの構造的な完全性の弱点をなす領域である接合部において互いに接合される一連のパイプ区域から構成される必要のない、連続的に建造されたパイプを用いてパイプラインを建造する方法があれば、有利である。
本発明が開発されたのは、この背景技術、および関連する問題および困難さを克服するためである。
本発明の第1の態様によれば、半径方向内側部分および半径方向外側部分を備える細長の中空構造体であって、前記2つの部分が一緒に合わさって一体化された管状壁構造体をもたらすようになっている、細長の中空構造体を建造する方法において、
前記半径方向内側部分を準備することと、
前記半径方向内側部分の周りに前記半径方向外側部分を組み立てることと、
前記半径方向内側部分を拡張することと、を含み、
前記半径方向外側部分は、柔軟な外側ケーシングによって取り囲まれ、繊維補強複合構造を有する外側チューブを備え、
前記半径方向内側部分は、前記細長の中空構造体の端部から前記半径方向内側部分内に膨張流体を注入することによって拡張され、
前記細長の中空構造体は、前記膨張流体を注入する端部から離れた位置で圧縮されて、前記端部から離れた前記位置を前記膨張流体が通過できないようにされる。
好ましくは、前記細長の中空構造体は、圧縮装置を通過し、
前記圧縮装置は、前記圧縮装置内で前記細長の中空構造体を圧縮して、前記端部から離れた前記位置を前記膨張流体が通過できないようにする。
好ましくは、前記細長の中空構造体は、圧縮装置を通過し、
前記圧縮装置は、前記細長の中空構造体を建造する速度の制御を行う。
好ましくは、前記圧縮装置は、前記細長の中空構造体に牽引力を加え、前記細長の中空構造体を連続的に建造することを容易にする。
好ましくは、前記繊維補強複合構造を有する前記外側チューブは、補強材とバインダーを備えている。
好ましくは、前記補強材は、補強布の1つまたは複数の層を備えている。
好ましくは、前記1つまたは複数の層の各々は、前記半径方向内側部分の周りに配置された管状層として構成されている。
好ましくは、複数の前記管状層が、前記半径方向内側部分の周りに互いに重なって配置されている。
好ましくは、前記半径方向内側部分は、内側ライナーを備える内側チューブを備えており、前記内側ライナーの片面に繊維層が接合されており、前記補強布に含浸する前記バインダーが、前記繊維層にも含浸し、前記半径方向外側部分を前記半径方向内側部分と一体化させるようになっている。
好ましくは、柔軟な前記外側ケーシングは、前記補強材の半径方向拡張に対抗するように機能し、これによって、前記補強材が半径方向圧縮を受ける。
好ましくは、前記補強材は、拡張する前記半径方向内側部分と柔軟な前記外側ケーシングとの間の前記空間内に閉じ込められており、半径方向に拡張する前記半径方向内側部分は、柔軟な前記外側ケーシングと連動しながら、前記空間の容積を徐々に減少させ、これによって、前記空間内から空気を排除させる。
好ましくは、前記外側ケーシングおよび前記種々の補強布管状層は、前記空気の排除を容易にするように構成されている。
好ましくは、前記柔軟な外側ケーシングは、前記補強布管状層の半径方向拡張に対して従順に対抗するために、いくらかの弾性を有している。
好ましくは、前記柔軟な外側ケーシングは、前記半径方向内側部分よりも弾性が小さくなっている。
好ましくは、前記柔軟な外側ケーシングは、前記バインダーが前記補強材を徐々に湿潤させる速度の制御を高めることを目的として、伸縮弾性を有している。
好ましくは、前記細長の中空構造体は、パイプである。
好ましくは、前記パイプは、連続的に建造され、前記柔軟な壁構造体の硬化の前に、徐々に適所に設置され、これによって、前記柔軟な壁構造体は、いったん前記パイプの設置位置に達したなら、硬化される。
建造中の第1の実施形態によるパイプの概略図である。 図1に示されているパイプの略断面図である。 パイプの一部の略部分側面図である。 パイプの内側部分の略断面図である。 パイプの外側部分の建造に用いられる4軸繊維配向を特徴とする補強繊維を含む補強布の概略図である。 図5に示されている補強布から形成され、パイプの外側部分の建造に用いられる補強布管状層の略断面図であって、管状層が部分的に組み立てられた状態で示されている、略断面図である。 管状層が組み立てられた状態で示されていることを除けば、図6と同様の図である。 第1の実施形態によるパイプを建造するための組み立てられた管状構造体の略断面図であって、管状構造体が半径方向に拡張(膨張)した状態で示されている、略断面図である。 組み立てられた管状構造体内の空間から空気を換気する手段が示されていることを除けば、図8と同様の図である。 管状構造体が収縮(非膨張)状態で示されていることを除けば、図8と同様の図である。 組み立てられた管状構造体の一部をなす内側チューブの略断面図であって、内側チューブが平坦な状態に収縮されて示されている、略断面図である。 第1の実施形態によるパイプを建造するための組み立てられた管状構造体の略断面図であって、管状構造体が異なる折畳みパターンを用いて折畳まれた状態で示されている、略断面図である。 図12に示されている組み立てられた管状構造体の一部をなす内側チューブの略断面図であって、内側チューブが折畳まれた状態で示されている、略断面図である。 内側チューブが部分的に平坦な状態で示されていることを除けば、図13と同様の図である。 内側チューブが完全に平坦な状態で示されていることを除けば、図13と同様の図である。 図7に示されている管状層を組み立てるための組立システムの略斜視図である。 図5に示されているような補強布の帯片を第1の(平坦)状態から第2の(管状)状態に移行させるように徐々に移動させるためのガイドシステムの略斜視図である。 補強布の帯片の互いに重なっている縁を一緒に固定し、帯片を第2の(管状)状態に保持するための接合部をもたらすための接合システムの略斜視図である。 パイプのための組立ラインを図19A,19Bの2つの部分で示す概略図である。 製造中のパイプの一端部の略断面図であって、端金具が端部分に取り付けられている、略断面図である。 製造中のパイプの他端部の略側図であって、端金具が端部分に取り付けられている、略断面図である。 図21に示されている端部分を関連する輪郭形成システムと共に示す略断面図である。 第2の実施形態によるパイプのための組立ラインを図23A,23Bの2つの部分で示す概略図である。 図23の組立ラインの一部の部分図である。 図23Bの線25−25に沿った断面図である。 図23Bの線26−26に沿った断面図である。 図23Bの線27−27に沿った断面図である。 図23Bの図28−28に沿った断面図である。 図23Bの図29−29に沿った断面図である。 図23Bの線30−30に沿った断面図である。 図23Bの線31−31に沿った断面図である。 第3の実施形態によるパイプのための組立ラインの概略図である。 組み立てられた管構造体およびその周りの外側ケーシングを圧迫するための複数組の要素を示す、図32の組立ラインの一部の概略図である。 図32の組立ラインの一部の部分図である。 図34の線35−35に沿った断面図である。 図34の線36−36に沿った断面図である。 図34の線37−37に沿った断面図である。 図34の線38−38に沿った断面図である。 図34の線39−39に沿った断面図である。 図34の線40−40に沿った断面図である。 樹脂バインダーにほぼ十分に浸漬された状態を示す、組み立てられた管構造体およびその周りの外側ケーシングの略断面図である。 樹脂バインダーに十分浸漬された状態を示す、図41と同様の図である。 図39に示されている構成の部分断面図である。 第4の実施形態によるパイプのための組立ラインの一部の概略図である。 第5の実施形態によるパイプのための組立ラインの一部の概略図である。 図45に示されている組立ラインに用いられる装置の略斜視図であって、該装置がパイプの製造に用いられる補強材の比較的急速な湿潤を容易にするために設けられている、略斜視図である。 図46に示されている装置に用いられるローラアレイの立面図である。 図46に示されている装置による蠕動加圧作用と同様の作用を受けている、パイプの製造中の組み立てられた管状構造体を示す、部分概略図である。 第6の実施形態によるパイプの一部を示す部分側面図であって、該部分が直線部分として構成されている、部分側面図である。 第6の実施形態によるパイプのさらなる部分を示す部分側面図であって、該部分が屈曲した部分として構成されている、部分側面図である。 第6の実施形態によるパイプのさらに他の部分を示す部分側面図であって、該部分がさらに屈曲した部分として構成されている、部分側面図である。 図51に示されているパイプのさらに他の部分がさらに屈曲した部分を形成するために曲げられる前の状態を示す、部分側面図である。 第7の実施形態によるパイプのための組立ラインの一部の概略図である。
図1−22を参照すると、本発明の第1の実施形態は、パイプ10として構成された管状要素の形態にある細長の中空構造体、および該パイプを連続的に建造する方法を対象としている。
パイプ10は、半径方向内側部分11および半径方向外側部分13を備える複合構造を有している。2つの部分11,13は、一緒に合わさって、一体化された管状壁構造体をもたらしている。図示されている構成では、外側部分13は、保護シース14内に包み込まれている。保護シース14は、ジオテキスタイル布のような任意の適切な材料からなる最外スキン18によって封じ込められたセメントまたはコンクリートのような硬化性組成物16を備えている。保護シース14は、いったん設置状態下に置かれたときに受ける圧縮負荷に対してパイプ10を保護することが意図されている。
内側部分11は、内側ライナー15を備えている。樹脂吸収性材料の層17が、内側ライナー15の片面に接合されている。ライナー15の他の面は、パイプ10の内面19を画定している。典型的には、ライナー15は、その内面19が高光沢面をなしている。内側ライナー15は、例えば、ポリウレタン、ポリエチレン、または好ましくは空気に対して不浸透性でかつパイプ10内に運ばれる流体と相性のよいどのような弾性的に柔軟な材料から構成されていてもよい。樹脂吸収性層17は、例えば、フェルトまたはフロックから構成されているとよい。
図4に最もよく示されているように、内側部分11は、長手方向側縁25を有する長手方向帯片23から形成された内側チューブ21として構成されている。帯片23は、内側チューブ21をもたらすために、長手方向において管形状に巻かれており、長手方向縁25が互いに当接し、突合せ継手26をもたらしている。内側チューブ21の内側には内側接合帯片27が付着され、内側チューブ21の外側には外側接合帯片28が付着され、これらの接合帯片27,28が突合せ継手26を橋掛け、互いに当接する長手方向側縁25間に連続的な液密接続をもたらしている。図4において、接合帯片27,28は、明瞭にするために、突合接合部26から離間して示されているが、実際には、突合せ継手と接触している。
内側チューブ21は、膨張空洞29を有する膨張性袋24を画定している。この目的については、後述する。
外側部分13は、柔軟な外側ケーシング31によって包囲された繊維補強複合構造の外側チューブ30として構成されている。さらに詳細には、外側チューブ30は、樹脂バインダーが含浸された補強材32から構成されている。柔軟な外側ケーシング31は、このあとすぐにさらに詳細に説明するように、樹脂バインダーを含むためにチューブ30の周りに設置されている。柔軟な外側ケーシング31は、どのような適切な材料、例えば、ポリエチレンから形成されていてもよい。外側ケーシング31は、その目的を果たした後に、適所に残されて最終的にパイプ10の一体部分を形成するようになっていてもよいし、または後で取り外されるようになっていてもよい。
外側ケーシング31は、ポリエチレンの外層と、その片面に接合された繊維層とを備えており、繊維層が補強材32と向き合うように配置されている。繊維層は、通気層をもたらし、最終的には、アセンブリを一体化させるために樹脂バインダーによって含浸されるようになっている。
樹脂バインダーをもたらす樹脂材料は、どのような適切な種類のものであってもよく、特に適切な樹脂材料の例として、熱硬化性樹脂、例えば、エポキシビニルエステルまたは他の適切な樹脂、および熱可塑性樹脂系が挙げられる。
補強材32は、(図5に示されているような)補強布34の1つまたは複数の層33を備えている。各層33は、内側チューブ21の周りに配置された(図7に示されているような)管状層35として構成されている。この実施形態では、互いに重なって(かつ前述したように内側チューブ21の周りに)配置されたそれぞれの管状層35として構成された複数の層33が設けられている。互いに隣接する布層33は、どのような適切な方法によって、例えば、ホットメルト溶着、化学接合、および/または縫合またはステープル留めのような機械的な固定によって、互いに接合されてもよい。
補強布34は、図5に示されるような4軸繊維配向を特徴とする補強繊維を含む補強布から構成されている。補強繊維は、(図3においてライン37によって示されているパイプ軸に近い角度の)軸方向繊維36a、(パイプ軸に対して90°に近い角度の)横断繊維36b、および(パイプ軸に対して45°に近い角度の)傾斜繊維36cを含んでいる。補強繊維は、ガラス繊維から構成されているとよい。4軸繊維配向は、パイプに対して必要なフープ応力および軸方向応力に対する耐性をもたらすことになる。
各補強布管状層35は、長手方向縁43を有する補強布材料の帯片41から組み立てられている。長手方向縁43は、継手44で互いに重ねられ、管状層35を形成するようになっている。重なっている縁43は、管形状を維持するために、どのような適切な方法によって互いに固定されてもよい。この実施形態では、重なっている縁43は、ホットメルト接着剤を用いるホットメルト溶着によって、互いに固定されている。図6において、重なっている縁43は、明瞭にするために、互いに離間して示されているが、実際には、図7に示されているように、互いに接触し、継手44をもたらしている。継手44の構造的な一体性は、後になって、補強布34内への樹脂バインダーの含浸によって達成され、これによって、それぞれの管状層35が形成されることになる。具体的には、樹脂バインダーは、重なっている縁43に含浸し、それらを一緒に接合し、ホットメルト接着剤によって得られた最初の接合を補うことになる。
種々の管状層35は、それぞれの継手44が図8に示されているように互いに対して位置ずれするように、配向されている。図示されている構成では、管状層35は、それぞれの継手44が建造時にパイプ10の底面46に向かって配置されるように、配向されている。これは、底面46が建造時に樹脂バインダーの量が多い領域になることから、各継手44において重なっている縁43間の接合が強化されるので、有利である。
補強布34に含浸する樹脂バインダーは、内側ライナー15上のフェルトの層17にも含浸し、外側部分13を内側部分11に一体化させることになる。
補強布管状層35は、これらの管状層が前述したように内側層21の周りに互いに重なって配置された後、樹脂バインダーによって含浸されるようになっている。代替的構成では、補強布管状層35は、各管状層が組み立てられた後、樹脂バインダーによって含浸されてもよい。組込まれた各補強布管状層は、例えば、ホットメルト溶着によって、先に組み込まれた内側の補強布管状層に取り付けられるようになっていてもよい。しかし、各補強布管状管は、隣接する補強布管状層に付着しないようになっていると、好ましい。これによって、各補強布管状層は、他の補強布管状層に対して負荷および応力を伝達するように自在に移動することができ、その結果、各層は、負荷を共有することができる。
典型的には、樹脂バインダーの含浸の前に、空気が補強布管状層35から除去されるようになっている。
補強布管状層35が樹脂バインダーによって含浸された後で、かつ樹脂バインダーが硬化する前に、内側チューブ21によって画定された膨張性袋24が、空気のような膨張流体を膨張空洞29内に導くことによって、膨張されるようになっている。これによって、膨張性袋24は、柔軟な外側ケーシング31に向かって半径方向に拡張し、包囲している外側部分13に形態および形状をもたらすことになる。具体的には、外側部分13は、円断面輪郭を有することになる。
膨張性袋24が圧縮装置125内を移動しながら連続的に拡張すると、補強布管状層35が全方向に伸張し、これによって、パイプ10のフープ応力および軸方向応力に対する耐性が強化される。具体的には、拡張によって、補強布管状層35内の繊維が圧縮され、これによって、フープ応力に対する耐性が強化され、また補強布管状層が軸方向に引っ張られることによって管状層内の繊維が軸方向に圧縮され、これによって、パイプ10の引張負荷に対する耐性が強化されることになる。
柔軟な外側ケーシング31は、補強布管状層35の半径方向膨張に対抗するようになっており、これによって、補強材32は、半径方向圧縮を受けることになる。この構成では、補強材32は、拡張する内側チューブ21と柔軟な外側ケーシング31との間の空間45に閉じ込められている。半径方向に拡張する内側チューブ21は、柔軟な外側ケーシング31と協働し、補強材32を閉じ込めると共に、補強材32が閉じ込められている空間45の容積を徐々に減少させることになる。この力が、補強材32内の樹脂バインダーを補強材32に十分含浸させることになる。すなわち、管状層35として構成された補強布34の層33は、十分に「湿潤(wetted-out)」することになる。具体的には、この力は、補強材32に圧縮力を与え、補強布34の層33内に樹脂層を効果的に送り出し、これによって、空間45内の樹脂バインダーを強制的に制御しながら分配することができる。樹脂バインダーを補強材32に送達するステップと補強材32を樹脂バインダーによって十分に湿潤させるステップとが互いに独立した特異な作用であることが、この実施形態の大きな特徴である。
さらに、補強材32が閉じ込められている空間45の容積を徐々に減少させることによって、空間45内から空気が確実に排除されることになるが、これは、補強材32内への樹脂バインダーの含浸を促進する効果がある。外側ケーシング31および種々の補強布管状層35は、空気の排除を容易にするように構成されているとよい。外側ケーシング31の繊維性内側層によって画定された通気層によって、空気の排除が容易になる。さらに、外側ケーシング31および種々の補強布管状層35は、例えば、図9に示されているように、空気の排除を容易にするために、それぞれの長さに沿って通気穴を間隔を置いて有しているとよい。一実施形態では、通気穴48は、外側ケーシング31および種々の補強布管状層35に形成された穿刺孔のような穿孔から構成されているとよい。このような構成では、穿孔は、最終的に樹脂バインダーによって密封され、これによって、パイプ10の密封された完全体が確実なものになる。他の構成では、通気穴は、外側ケーシング31および種々の補強布管状層35に挿入されたポートから構成されていてもよい。これらのポートは、例えば、樹脂バインダーに晒されたときに溶解するかまたは劣化する材料から形成された管状挿入物から構成されているとよい。このような構成では、ポートが収容される開口が最終的に樹脂バインダーによって密封され、これによって、パイプ10の密封された完全体が確実なものになる。
柔軟な外側ケーシング31は、補強布管状層35の半径方向の拡張に対して少なくともある程度従順に対抗するために、いくらかの弾性を有しているとよい。これによって、柔軟な外側ケーシング31は、補強布管状層35の半径方向拡張の初期段階を和らげることができる。特に、柔軟な外側ケーシング31は、いくらかの伸縮弾性を有していると望ましい。柔軟な外側ケーシング31は、樹脂バインダーの徐々に上昇するプールが補強材32を徐々に湿潤させる速度の制御を高めるために、いくらかの伸縮弾性を有しているとよい。一方において、もし空間45内において樹脂バインダーがあまりにも急速に上昇するなら、補強材32内の繊維の十分な湿潤が達成されないことがある。他方において、もし空間45内において樹脂バインダーがあまりにも緩慢に上昇するなら、補強材32内の繊維の十分な湿潤が達成される前に、樹脂バインダーが硬化を開始することがある。
補強材32の周りに設置された柔軟な外側ケーシング311の弾性特性は、樹脂バインダーの上昇するプールに加えられる外力を制御するためのガードルとしていくらか機能する。柔軟な外側ケーシング31の弾性特性は、湿潤の所望の速度を達成するように選択されている。外側ケーシング31に加えられる外力は、内側チューブ21によって画定される膨張袋24によって加えられる張力を相殺する力をもたらすことになる。
膨張性袋24は、樹脂バインダーがパイプの形態および形状を保持するのに十分な程度に硬化されるまで、膨張状態に保持され、その後、膨張流体が膨張空洞29から除去されるようになっている。従って、パイプ10が形成されると、内側ライナー15は、パイプ内に中心流路を画定することになる。
内側チューブ21は、予備成形されていてもよいし、またはパイプ10の建造プロセスの一部として現場で組み立てられるようになっていてもよい。
内側チューブ21が予成形されている場合、内側チューブ21は、収縮状態で現場に送達されるとよい。内側チューブ21は、どのような適切な方法によって収縮されてもよい。典型的には、内側チューブ21は、コンパクトな断面輪郭をもたらす折畳みパターンに折り畳まれることによって、収縮状態を得ることができる。図10,11に示されている構成では、内側チューブ21は、2つの長手方向側部分51およびそれらの間の2つの折畳み部分52を画定する折畳みパターンを用いて、平坦な断面輪郭に収縮されている。この構成では、長手方向側部分51は、コンパクトな形状をもたらすために、互いに当接するようになっている。図12−15に示されている構成では、内側チューブ21は、2つの長手方向側部分53およびそれらの間の再入折畳み部分54を画定する折畳みパターンを用いて、平坦な断面輪郭に収縮されている。この構成では、再入折畳み部分54は、各々、収縮した内側チューブ21の1つの長手方向側面から内方に延在している。図13は、折畳み状態で示されている内側チューブ21の略断面図である。図14では、内側チューブ21は,部分的に平坦な状態で示されている。図15では、内側チューブは、完全に平坦な状態で示されている。内側チューブ21は、パイプ10の製造中の種々の段階において種々の状態を取ることができる。
補強材32は、内側チューブ21の周りに組み立てられることになる。実際には、補強布管状層35が、内側チューブ21の周りに連続的に組み立てられることになる。前述したように、各補強布管状層35は、(管構造体を形成するために継手44において互いに重ねられることになる)長手方向縁43を有する補強布材料の各帯片41から組み立てられることになる。
種々の管状層35は、最内管状層35a、最外管状層35b,および最内管状層35aと最外管状層35bとの間に配置された1つまたは複数の介在管状層35cの組36をなすように配置されることになる。組36をなすように配置される管状層35は、互いに対して良好な嵌合および整合をもたらし、これによって、パイプ10の建造に精度を与えるために、徐々に大きくなる直径を有している。これらの管状層35の徐々に増大する直径に対応するために、補強布材料からなるそれぞれの帯片41は、互いに異なる幅を有している。具体的には、これらの幅は、最内管状層35aから最外管状層35bに向かって徐々に大きくなっている必要がある。各管状層35は、内側チューブ21に対して流体圧をもたらす膨張力によって、その最大直径に膨張、拡張、または展開し、組立体および該組立体内の繊維を十分に拡張させ、作動中のパイプ10の負荷を保持するように、設計されている。
前述したように、組36をなすように配置された種々の管状層35は、それぞれの継手44が図8に最もよく示されているように互いに対して位置ずれするように、配向されている。
各管状層35は、各帯片41から、該帯片を平坦な第1の状態から(縁43が互いに重なる)管状の第2の状態に移行するように徐々に移動させることによって、組み立てられるようになっている。図16において、第1の(平坦)状態にある区域41aおよび第2の(管状)状態にあるさらなる区域41bを有する帯片41が示されている。第1の状態では、帯片41は、図16に示されているように、リール56にロール形状55で貯蔵されている。
各帯片41を第1の(平坦な)状態から第2の(管状)状態に移行するように徐々に移動させ、重なっている縁43を一緒に固定して継手44をもたらし、これによって、管状層35を形成するための組立システム60が、設けられている。帯片41は、第1の(平坦)状態から第2の(管状)状態に移行するように移動するにつれて、内側チューブ21を徐々に包み込むことになる。
組立システム60は、各帯片41を第1の(平坦)状態から第2の(管状)状態に移行するように徐々に移動させるためのガイドシステム61を備えている。図17に最もよく示されているガイドシステム61は、ガイド62を備えている。ガイド62は、入口端64および出口端65を画定する本体63と、入口端と出口端との間に延在する案内経路66とを備えている。本体63は、長手方向余白縁部68を有する管状構造体67として構成されている。長手方向余白縁部68は、互いに離間して重なるように配置されており、それらの間に長手方向間隙69を画定している。管状構造体67は、案内経路66が入口端64から出口端65に向かって内方に徐々に狭くなるように、構成されている。この構成によって、管状構造体67は、各帯片41が案内経路65に沿って入口端64から出口端65に前進するにつれて、該帯片41にテーパ付きガイド面67aをもたらし、帯片41を入口端64における第1の(平坦)状態から出口端における第2の(管状)状態に移行するように徐々に移動させることになる。帯片41がガイド面67aに沿って前進すると、帯片の長手方向余白縁43は、テーパ輪郭によって徐々に内方に回転し、帯片41の長手方向余白縁43の一方が管状構造体67の長手方向間隙69内に部分的に入り、長手方向余白縁43の他方が、内側余白縁68aから張り出すことになる。この構成によって、長手方向縁43は、徐々に互いに重なって、次いで、互いに固定され、これによって、継手44をもたらし、管状層35を形成することになる。
帯片41が管状に組み立てられ、管状層35を形成するにつれて、内側チューブ21も案内経路66に沿って入口端64から出口端65に移動する。これによって、管状層35は、内側チューブ21の周りに該内側チューブを包み込むように組み立てられることになる。
同様に、最内介在管状層35cを管状層35aおよび(管状層35aが周りに形成されている)内側チューブ21の周りに組み立てることができ、次いで任意の他の介在管状層35cおよび最終的に最外管状層35bを、それぞれ、先の管状層35の周りに組み立てることができる。
管状構造体67は、ガイド面67aに対して帯片41を吸引し、かつ保持する手段を含んでいてもよい。このような手段として、ガイド面67aに複数の孔を有する吸引システムが挙げられる。これによって、帯片が案内経路66に沿って移動するとき、吸引力がガイド面67aに加えられ、帯片41をガイド面に接触するように引き付けることが可能である。
組立システム60は、ガイドローラ71をさらに備えている。各帯片41は、帯片41を正確に位置合わせし、管状構造体67に挿入させるために、リール56から管状構造体67の入口端64までの経路において、このガイドローラ71の周りを回転するようになっている。
組立システム60は、接合システム71をさらに備えている。接合システム71は、重なっている縁43を一緒に固定し、継手44をもたらし、これによって、管状層35を形成するためのものである。図18に示されている接合システム71は、重なっている縁43間にホットメルト接着剤を塗布し、これらの縁を一緒にし、継手44をもたらす手段72を備えている。図示されている構成では、このような手段72は、ホットメルト接着剤の1つまたは複数の帯74を重なっている縁43間に送達するための送達ヘッド73を備えている。送達ヘッド73は、ホットメルト接着剤の供給分を接着剤源75から送達ラインを経て受け取るように構成されている。
接合システム71は、重なっている縁43をそれらの間のホットメルト接着剤と一緒にし、継手44をもたらすための手段76をさらに備えている。図示されている構成では、このような手段76は、重なっている縁43を一緒に加圧するためのプレス77を備えている。プレス77は、2つの協働するプレスローラ78を備えており、これらのロール間を重なっている縁43が通過し、一緒に加圧され、ホットメルト接着剤によって、継手44をもたらすようになっている。図示されていないが、組立システム60は、ホットメルト接着剤の迅速な硬化を促進するための手段をさらに備えていてもよい。このような手段は、冷却剤、例えば、冷却空気を継手44の領域およびその近傍に送達する装置から構成されているとよい。
以下、前述の実施形態によるパイプ10の建造プロセスについて、さらに詳細に説明する。この実施形態では、パイプ10は、連続的に建造され、パイプを収容するために掘られた溝79内に徐々に敷設されるようになっている。パイプ10は、補強布34および内側ライナー15のフェルト層17に含浸している樹脂バインダーの硬化の前に、溝79内に敷設されるようになっている。硬化は、溝79内へのパイプ10の敷設の後に行われる。これによって、パイプ10は、柔軟な状態にあり、溝内に案内されて適所に配置されるのが容易であり、いったん適所に配置された後に硬化されることになる。
図1を特に参照すると、パイプ10は、移動据付プラント80内において組み立てられるようになっている。移動据付プラント80は、溝79に沿って移動することができる車両として構成されており、これによって、連続的に形成されたパイプ10は、移動据付プラント80から溝内79内に「蛇行して」進むことができる。パイプ10は、溝79内において、どのような適切な方法によって硬化されてもよい。図示されている構成では、硬化ユニット71が設けられている。硬化ユニット71は、溝79に沿って徐々に移動し、パイプの新たに敷設された部分を硬化作用に晒すようになっている。硬化ユニット81は、例えば、硬化プロセスを促進させるために、(樹脂バインダーの性質に従って)熱または他の放射線、例えば、紫外線または光をパイプ10に加えるようになっているとよい。代替的な構成では、樹脂バインダーは、周囲条件下においてパイプを硬化させる適切な触媒を含んでいてもよい。
移動据付プラント80は、(図19A,19Bの2つの部分によって表されている)図19に示されているように、パイプ組立ライン82を備えている。
図19Aに示されているように、組立ライン82では、ロール85に貯蔵された帯片の形態にある材料83が供給されるようになっている。材料83は、樹脂吸収性材料の層17が接合された内側ライナー15をもたらすものである。材料83は、ロール85から徐々に巻き戻され、帯片23として第1の組立ステーション87に移送され、第1の組立ステーション87において、内側チューブ21に形成されることになる。前述したように、帯片23は、内側チューブ21をもたらすために、長手方向において管形状に巻かれている。帯片23の長手方向縁25は、互いに当接して突合せ継手26をもたらしており、接合帯片27が、突合せ継手26を跨いで内側チューブ21の内側に付着されており、これによって、連続的な液密接続をもたらしている。
組立ライン82では、1つまたは複数の材料91が、さらに供給されるようになっている。各材料91は、帯片の形態にあり、それぞれのリール56にロール形状55に巻かれて貯蔵されている。図19Aに示されている構成では、2つのリール56が設けられているが、他の数のリールが設けられていてもよい。材料91は、4軸繊維配向を特徴とする補強繊維を含む補強布34をもたらすものである。材料91は、各リール56から徐々に巻き戻され、帯片41として第2の組立ステーション95に移送され、第2の組立ステーション95において、内側チューブ21を囲む各補強布管状層35に形成されることになる。前述したように、各補強布管状層35は、(互いに重なって、管状層を形成する)長手方向縁43を有する補強布材料の帯片41から組み立てられる。重なっている縁43は、管形状を維持するために、一緒に固定されるようになっている。この実施形態では、重なっている縁43は、ホットメルト溶着によって、互いに固定されるようになっている。それぞれの管状層35は、前述したように、互いに重なって内側チューブ21の周りに配置されることになる。互いに隣接する布層33は、ホットメルト溶着または化学結合プロセスによって、互いに接合されるとよい。これらの層は、該層を互いにより効果的に保持するために、接合材料または賦形材料を含んでいてもよい。この層は、例えば、高強度4軸布の層間の層せん断力を高め、かつ積層体からの空気の排除を容易にするために、例えば、チョップストランドマット、フェルト、またはベールから構成されていてもよい。
補強布管状層35および内側チューブ21によって、管構造体100がもたらされることになる。管構造体100は、第3のステーション103へ移送され、第3のステーション103において、空気を管構造体100から排出し、樹脂バインダーを補強材32および樹脂吸収性材料の隣接層17に強制的に直接接触させるために、管構造体100が圧縮ローラ105間で圧縮されるようになっている。
次いで、管構造体100は、第4のステーション105に移送され、第4のステーション105において、樹脂バインダーによって含浸されるようになっている。図示されている構成では、管構造体100は、樹脂浴107を通過し、ローラ109間を循環し、これによって、樹脂バインダーをフェルト17および補強布34内に浸透させることになる。ローラ109の少なくともいくつかは、管構造体100の移動を助長するために、駆動されるようになっている。
次いで、管構造体100は、第5のステーション111に移送され、第5のステーションにおいて、ドクターローラ113と係合し、過剰な樹脂バインダーを除去し、この過剰なバンダーは、貯留区域115に収集されることになる。
樹脂バインダーによって含浸された管構造体100は、次いで、第6のステーション117に移送され、第6のステーション117において、柔軟な外側ケーシング31が設置され、これによって、管構造体100の組立が完了する。図19Bを参照すると、組み立てられた管構造体100は、次いで、第7のステーション121に移送されるようになっている。第7のステーション121には、管構造体100が通過する通路129を画定する2つのエンドレス駆動体127を備える圧縮装置125が設けられている。組み立てられた管構造体100は、通路129において該管構造体の内部に沿った空気の通路を塞ぐ閉塞区域123を画定するように、圧縮されるようになっている。2つのエンドレス駆動体127は、すべり止め具のような互いに対向する要素131を含んでおり、これらの対向要素131は、協働して、管構造体100を間隔を置いて圧迫し、管構造体内の含浸した樹脂バインダーが閉塞通路129を通過するのを可能にしながら、管構造体100を空気の通路に対して閉鎖することになる。
また、圧縮装置125は、組み立てられた管構造体100に牽引力を加え、その経路に沿って管構造体100を移送させるように機能する。
組み立てられた管構造体100の装置125を超えた区域100aは、膨張空洞29を画定する管構造体の内部に空気のような膨張流体を導入することによって、拡張されるようになっている。これによって、組み立てられた管構造体100は、半径方向および軸方向の両方に拡張し、管構造体に形態および形状をもたらすことになる。組み立てられた管構造体100の拡張によって、補強布管35は、全ての方向に伸張し、その結果、パイプ10のフープ応力および軸方向応力に対する耐性が強化されることになる。具体的には、拡張によって、補強布管状層35内の繊維が圧縮され、これによって、フープ応力に対する耐性が強化され、また補強布管状層が軸方向に引っ張られることによって管状層内の繊維が軸方向に圧縮され、これによって、パイプ10の引張負荷に対する耐性が強化されることになる。
膨張流体は、膨張空洞29から漏出することができない。何故なら、前述したように、組み立てられた管構造体100の閉塞区域123によって、端が閉鎖されているからである。換言すれば、圧縮装置125は、管構造体100の内部を閉鎖し、膨張空洞29からの膨張流体の漏出を防止する弁として機能する。さらに、圧縮装置125は、膨張流体による内側チューブ21の膨張によって加えられた拡張負荷を保持するブレーキとして作用する。さらにまた、圧縮装置125は、膨張が開始する前にプロセスを始動する駆動体として作用する。
前述したように、柔軟な外側ケーシング31は、補強布管状層35の半径方向拡張に対抗するように機能し、これによって、補強材32が半径方向圧縮を受けることになる。補強材32は、拡張する内側チューブ21と柔軟な外側ケーシング31との間の空間45内に閉じ込められている。半径方向に拡張する内側チューブ21は、柔軟な外側ケーシング31と協働し、補強材32が閉じ込められている空間45の容積を徐々に減少することになる。これによって、補強材32内の樹脂バインダーは、空間45内において徐々に空気と置き換わって上昇し、最終的に補強材32に十分に含浸する。すなわち、管状層35として構成された補強布34の層33は、完全に「湿潤」する。このようにして、樹脂バインダーは、補強布34の層33内に押し込まれ、空間45内の樹脂バインダーを強制的に制御しながら分配することになる。
樹脂バインダーを補強材32に送達するステップと補強材32を樹脂バインダーによって十分に湿潤させるステップとが互いに独立した特異な作用であることが、この実施形態の大きな特徴である。具体的には、樹脂バインダーは、管構造体100が圧縮装置125内を通過する前に管構造体100内に導入され、樹脂バインダーは、管構造体100が圧縮装置125を通過した後、膨張空洞29内への膨張流体の導入の結果として補強材32を十分に湿潤させるようになっている。
さらに、補強材32が閉じ込められている空間45の容積が徐々に減少することによって、空間45から空気が確実に排除されることになるが、これは、前述したように、補強材32内への樹脂バインダーの含浸を促進する効果がある。
この段階で、樹脂バインダーは、硬化されておらず、移動据付プラント80内において組み立てられたパイプ10の区域10aは、柔軟な状態にある。パイプ10の未硬化区域10aは、前述したように、移動据付プラント80を出て、溝79内に案内されることになる。パイプ10は、溝79内において、どのような適切な方法によって硬化されてもよい。図示されている構成では、硬化ユニット71が溝79に沿って徐々に移動し、パイプの新たに敷設された区域を硬化作用に晒すようになっている。
組み立てられた管構造体100は、樹脂バインダーがパイプ10の形態および形状を保持するのに十分な程度に硬化されるまで、膨張状態に保持され、その後、膨張流体が膨張空洞29から除去されることになる。これによって、パイプ10が形成され、内側ライナー15がパイプ内の中心流路を画定することになる。
管状構造体100は、前述したように、徐々に組み立てられるので、開端133および末端135を有することになる。典型的には、内側チューブ21に対する空気のような膨張流体は、管状構造体100の開端133を通して導入されることになる。
開端133は、図20に示されている。図示されている構成では、開端133は、端取付具136を備えている。端取付具136は、端フランジ部137および差込部138を備えている。端取付具136は、開端133が圧縮装置125から出た直後に、開端133に設置されるようになっている。設置手順は、差込部138を管状構造体100の端内に挿入し、次いで、典型的には、ストラップまたはクランプリングのようなクランプ手段139によって、開端133を差込部にクランプすることを含んでいる。端取付具136の差込部138を受けるための形態および形状を開端133に与えるために、カラー(図示せず)が開端133に設置されてもよい。
フランジ部137は、膨張流体を内側チューブ21に送達するための流体ライン142と連通するための手段141を有している。図示されている構成では、手段152は、流体ライン142の送達端区域が貫通するポート143を備えている。
末端135は、図21,22に示されている。図示されている構成では、末端135は、該末端を閉鎖する端取付具144を備えている。端取付具144は、クランプ145を備えている。クランプ145は、端末135を密封して閉鎖するために、管状構造体に締付けによって係合するように構成されている。クランプ145は、管状構造体100が組み立てられた後でかつ圧縮装置125を通過する前に、管状構造体100に装着されるように構成されている。クランプ145は、(通路129に沿って管構造体100を間隔を置いて圧迫するように協働する互いに対向する要素131の作動を妨げることなく)、通路129に沿って2つのエンドレス駆動体127間を通るように構成されている。具体的には、クランプ145は、2つのエンドレス駆動体127に対して、以下のタイミング、すなわち、通路に沿ったクランプ145の位置が、どの段階においても、管状構造体100が2つのエンドレス駆動体127の互いに対向する要素131の協働作用によって圧迫される箇所と一致しないようなタイミングで、移動するようになっている。これによって、クランプ145は、管状構造体100に取り付けられた状態で、互いに対向する要素131の作動を妨げることなく、通路129を通ることができる。
場合によっては、端末135に隣接する管状構造体100の端区域が特定の断面輪郭を有することが必要とされることがある。このような場合、図22に示されるように、輪郭形成システム146が用いられるとよい。輪郭形成システム146は、所望の輪郭に対応する外部金型147を備えている。端末135に隣接する管状構造体100の端区域は、圧縮装置125を出た後、金型147を通過するようになっている。端末135に隣接する管状構造体100の端区域を外方に付勢して金型147に接触させ、所望の輪郭を端区域に加えるために、内圧が端区域に加えられるとよい。図示されている構成では、内圧は、膨張アセンブリによって加えられるようになっている。膨張アセンブリは、膨張性袋148と、膨張流体を送達し、袋148を膨張させるための関連する柔軟な流体送達ライン149と、を備えている。膨張性袋148は、クランプ145を端末135に取り付ける前に、端末135に隣接する管状構造体100の端区域内に挿入されるように構成されている。流体送達ライン149は、この目的のために管状構造体100に形成された孔を通って、管状構造体100の外部に延在している。膨張性袋148は、収縮した状態で管状構造体100の端区域内に挿入され、収縮した状態で柔軟な流体送達ライン149と共に圧縮装置125を通過するようになっている。袋148は、いったん端末135が圧縮装置125を出たなら、端末135に隣接する管状構造体100の端区域が金型147と係合する前に、膨張するようになっている。袋148の膨張によって、端末135に隣接する管状構造体100の端区域に内圧が加えられ、これによって、端区域を外方に付勢して金型147に接触させ、その結果、所望の輪郭が端区域に与えられることになる。
樹脂バインダーを補強材32に送達するステップと補強材32を樹脂バインダーによって十分に湿潤させるステップとが互いに独立した特異な作用であることが、この実施形態の大きな特徴である。具体的には、樹脂バインダーは、管状構造体100が圧縮装置125を通る前に、補強材に送達されるようになっている。管状構造体100が圧縮装置125を通過した後、内側チューブ21が膨張するようになっている。
(図23A,23Bの2つの部分によって表されている)図23を参照すると、第2の実施形態によるパイプのためのパイプ組立ライン150が示されている。パイプ組立ライン150は、第1の実施形態に用いられたパイプ組立ライン81にいくつかの点で類似しており、対応する部品を表すために、対応する参照番号が用いられている。
第2の実施形態は、管構造体100に樹脂バインダーを含浸させるために、(第1の実施形態におけるような)樹脂浴を用いていない。むしろ、樹脂バインダーは、組み立てられた管構造体100に送達されるようになっている。
図23Aを参照すると、柔軟な外側ケーシング31は、この後すぐにさらに詳細に説明するように、樹脂バインダーを含むために、外側管構造体100の組み立てられた部分の周りに設置されるようになっている。外側ケーシング31は、どのような適切な材料、例えば、ポリエチレンから形成されていてもよい。外側ケーシング151は、その目的を果たした後、適所に残されて最終的にパイプの一体部分を形成するようになっていてもよいし、または後で取り外されるようになっていてもよい。外側ケーシング31を組み立てるための材料153は、帯片の形態にあり、ロール155に巻かれて貯蔵されている。材料153は、ロール155から徐々に巻き戻され、帯片156としてステーション157に移送され、ステーション157において、管159に組み立てられ、この管159が外側ケーシング31をもたらすことになる。管159は、帯片の長手方向縁を互いに重ねて管を形成することによって、帯片156から組み立てられる。重なっている縁は、どのような適切な手段、例えば、縫合、溶着、またはステープル留めによって、管状形態を維持するために互いに固定されることになる。
樹脂バインダーは、その開端161を通って、柔軟な外側ケーシング31内に送達されるようになっている。樹脂バインダーは、送達ライン163に沿って送達されることになる。送達ライン163は、開端161を通って柔軟な外側ケーシング31内に延在しており、開端161の内方に配置された出口端162を有している。送達ライン163は、供給タンクのようなリザーバ165から樹脂を受けるようになっている。リザーバ165から出口端162に向かって送達ライン163に沿って樹脂を送り出すポンプ167が設けられている。柔軟な外側ケーシング31内に送達された樹脂バインダーは、外側ケーシング31をもたらす管159の底にプール171をもたらす傾向にある。
組み立てられた管構造体100は、圧縮され、2つのエンドレス駆動体127を備える圧縮装置125によって閉塞区域123を画定する。2つのエンドレス駆動体127上の(すべり止め具のような)互いに対向する要素131は、協働して、管構造体100を圧迫し、柔軟な外側ケーシング31内に閉じ込められている含浸される樹脂バインダーが閉塞通路129を通過することを可能にしながら、空気の通過に対して管構造体を閉鎖することになる。協働要素131の作用は、外側ケーシング31と一緒になって、組み立てられた管構造体100を間隔を置いて圧迫するように機能する。これによって、外側ケーシング31内に含まれてその底に溜まっている樹脂バインダーが、図24に示されているように、協働要素131の各組間において外側ケーシング31の区域の「溜り(puddle」に集まることになる。
組み立てられた管構造体100が装置125によって画定された圧縮通路129を超えて徐々に移動するにつれて、樹脂バインダーのプール171は、内側ライナー21と包囲している柔軟な外側ケーシング31との間の環状空間45内においてに徐々に上昇することになる。これが生じるのは、拡張している内側チューブ21が環状空間45の断面寸法を徐々に減少させ、これによって、樹脂バインダーのプール171の高さが徐々に上昇するからである。これは、プール171の表面が参照番号177によって示されている図8Bおよび図10−16に概略的に示されている。環状空間45内の樹脂バインダーの上昇するプール171は、環状空間内の空気を徐々に排出することになる。外側ケーシング31は、空気の排出を容易にするように構成されている。これは、パイプからの空気の除去をパイプの長さに沿って容易にするために、空気徐放弁を外側ケーシング31内にその長さに沿って間隔を置いて設けると共に、不織布通気材料を外側ケーシングの一部として設けることによって、達成されることになる。付加的または代替的に、真空部が管状構造体100の長さに沿って設けられてもよい。
徐々に上昇するプール171の表面177は、図23Bにおいて線179によって示されているように、波形輪郭をなしている。
樹脂バインダーの徐々に上昇するプール171は、補強材32および隣接する内側ライナー21の樹脂吸収性層17を徐々に湿潤することになる。
最終的に、組み立てられた管構造体100は、樹脂バインダーによって十分に含浸されていることになる。
以下、図32−43を参照すると、第3の実施形態によるパイプのためのパイプ組立ライン200の一部が示されている。パイプ組立ライン200は、第2の実施形態に用いられたパイプ組立ライン150といくつかの点に関して類似しており、対応する部品を示すために、対応する参照番号が用いられている。
第2の実施形態に用いられるパイプ組立ライン150は、組み立てられた外側管構造体100の周りに設置された柔軟な外側ケーシング31を用いて、樹脂バインダーを内部に含ませ、次いで、樹脂バインダーの徐々に上昇するプール171を生じさせ、これによって、組み立てられた管構造体100を徐々に樹脂バインダーによって湿潤させるようになっている。
第3の実施形態に用いられるパイプ組立ライン200も、樹脂バインダーを組み立てられた外側管構造体100内に含ませ、樹脂バインダーの徐々に上昇するプール171をもたらすために、柔軟な外側ケーシング31を用いている。
この第3の実施形態では、柔軟な外側ケーシング31は、樹脂バインダーの徐々に上昇するプール171が組み立てられた管構造体100を徐々に湿潤させる速度の制御を高めることを目的とし、弾性を有している。もし一方において、樹脂バインダーのプール171が環状空間45内においてあまりにも急速に上昇するなら、組み立てられた管構造体100内の繊維の十分な湿潤が達成されないことがある。もし他方において、樹脂バインダーのプール171が、環状空間45内においてあまりにも緩慢に上昇するなら、樹脂バインダーは、組み立てられた管構造体100内の繊維の十分な湿潤が達せられる前に、硬化を始めることがある。
柔軟な外側ケーシング31の弾性特性は、樹脂バインダーの上昇するプール171に加えられる外圧を制御するためのガードルとして、いくらか機能する。柔軟な外側ケーシング31の弾性特性は、所望の湿潤率を達成するように選択されている。外側ケーシング31によって加えられる弾性力は、膨張する内側チューブ21に加えられる張力を相殺する力をもたらすものである。
この実施形態では、管構造体100は、管構造体の組立を完了するために柔軟な外側ケーシング31が設置される前に、圧縮されるようになっている。
図示の構成では、管構造体100の圧縮は、管構造体100をファンネルとして構成された狭窄部180を通過させることによって、達成されることになる。
以下、図44を参照すると、第4の実施形態によるパイプのためのパイプ組立ライン300の一部が示されている。パイプ組立ライン300は、第1の実施形態に用いられたパイプ組立ライン81といくつかの点において類似しており、対応する部品を示すために、対応する参照番号が用いられている。
第4の実施形態では、樹脂バインダーは、第1の実施形態におけるような樹脂浴を用いずに、管構造体100の組立中に、補強材32を形成する種々の管状層35に送達されるようになっている。管構造体100は、補強布管状層35を内側チューブ21の周りに形成することによって、徐々に組み立てられることになる。図44に示されているように、各管状層35は、該当する組立システム60内の該当する帯片41から形成されるようになっている。各補強布管状層35が組み立てられると、ある量の樹脂バインダーが該管状層の内部に供給される。さらに、樹脂バインダーは、組立後に、各管状層35の外面に噴霧、ロール塗布、または他の方法によって供給されてもよい。図44に示されている構成では、送達システム301が設けられている。送達システム301は、管状層を形成するための各帯片41が第1の(平坦)状態から第2の(管状)状態に移行するように移動するとき、各管状層35の内部に樹脂バインダーの小塊を供給するためのものである。図44に示されている構成では、各管状層35の組立の後でかつ次の管状層35の設置の前に、該管状層35の外面に樹脂バインダーを噴霧するための噴霧ローラまたは他の装置303が設けられている。この構成では、樹脂バインダーが種々の管状層35を通って移動することによって、拡張する内側チューブ21と柔軟な外側ケーシング31との間の空間45の下側領域から後続の通気のための空間の上側領域に空気を排除しながら、樹脂バインダーが補強材32に対してその利用可能な空間の殆どを充填する程度まで加えられることになる。
いくつかの用途では、前述の実施形態において説明したような徐々に上昇する樹脂バインダーのプールにのみ依存することなく、補強材32および隣接する内側ライナー21の樹脂吸収性層17の比較的急速な湿潤を促進することが必要とされる場合がある。このような用途として、例えば、管状構造体100が傾斜区域を有するパイプライン設置が挙げられる。このようなパイプライン設置では、樹脂バインダーは、重力の影響によって下方に移動し、補強材32および隣接する内側ライナー21の樹脂吸収性層17を満足に湿潤させることができないことがある。
図45,46,47を参照すると、第5の実施形態によるパイプのためのパイプ組立ライン400の一部が示されている。パイプ組立ライン400は、第1の実施形態に用いられたパイプ組立ライン81といくつかの点に関して類似しており、対応する部品を示すために、対応する参照番号が用いられている。
図示されている構成では、管状構造体100は、急峻に傾斜した区域401を有している。この区域401は、樹脂バインダーが重力の影響によって下方に移動し、補強材32および隣接する内側ライナー21の樹脂吸収性層17を満足に湿潤させることができない程度に、急峻に傾斜している。
パイプ組立ライン400は、補強材32および隣接する内側ライナー21の樹脂吸収性層17の比較的急速な湿潤を促進する装置403を含んでいる。
装置403は、互いに離間して配置された複数のローラアレイ405を備えている。各ローラアレイ405は、複数のローラ407を備えている。これらのローラ407は、組み立てられた管状構造体100が収縮した状態で通過することができる中心円形空間411を画定する管形状409をもたらすように、配置されている。
各ローラアレイ405は、それぞれのローラ407が回転可能に取り付けられたリングとして構成された中心軸413を備えている。ローラ407は、中心軸413がリング形態を有していることによって、互いに角度をなして配置されている。また、ローラ407は、互いに近接して配置されている。ローラ407の角配置および近接配置によって、ローラ407の円筒回転面415は、協働して、環状アレイ405の内側416に回転接触面417をもたらしている。付加的に、環状アレイ405の外側420において、互いに隣接するローラ407間に間隙419が形成されている。
ローラアレイ405は、軸方向において互いに離間しており、間隔421が互いに隣接する2つのローラアレイ間に画定されている。
リング415は、ローラアレイ405を適所に保持するために、互いに接続されている。図示されている構成では、軸413は、接続ロッド423によって、互いに接続されている。環状アレイ405の外側420において間隙419が互いに隣接するローラ407間に設けられていることによって、接続ロッド423を軸413に取り付けるためにアクセスすることができる。
装置403は、いったん内側チューブ21が膨張したなら、組み立てられた管状構造体100に沿って徐々に移動するように構成されている。図45に示されている構成では、装置403は、装置125のすぐ背後に配置されている。
典型的には、装置403は、圧縮装置125のすぐ背後の位置において、組み立てられる管状威構造体100に沿って引っ張られるようになっている。
また、装置403は、樹脂バインダーをかき立て、湿潤プロセスを促進するために、管状構造体100に振動を与えるように構成されていてもよい。
この構成によれば、管状構造体100は、図48に概略的に示されているように、装置403内を通過するとき、蠕動加圧作用に類似する動作を受けることになる。具体的には、管状構造体100は、各中心円空間411を通過するときに圧縮され、次いで、内側チューブ21内の膨張圧の影響によって、介在する空間419内に拡張することになる。この連続的な圧縮および拡張が、組み立てられた管状構造体100に作用し、樹脂バインダーを分配し、補強材32および隣接する内側ライナー21の樹脂吸収性層17の比較的な急速な湿潤を促進することになる。
前述の実施形態は、パイプを受け入れる溝内に徐々に敷設されるパイプ10の建造に関して述べている。
本発明は、図面を参照して前述した種々の実施形態によるパイプを含んでいるが、パイプを受け入れる溝内に徐々に敷設されるパイプに制限されるものではない。
パイプは、パイプの長さに沿って配置された懸垂クレードルのような支持装置によって、地面上に直接的または間接的に敷設されるように構成されていてもよい。また、パイプは、例えば、工業プラントまたは化学プラント内への設置におけるように、垂直状態で支持されるようになっていてもよい。
パイプを建造し、次いで、樹脂バインダーの硬化の前に適所に設置することが、本発明によって建造されるパイプの大きな特徴である。従って、パイプは、設置位置への案内を容易にするために、柔軟な状態にあるとよく、次いで、適所に配置されたなら、樹脂バインダーの硬化によって剛性になるようになっているとよい。この構成によって、柔軟な状態にあるパイプは、意図される位置に搬送または移送され、樹脂バインダーの硬化の前に設置されることが可能になる。
このような構成は、パイプが1つまたは複数の障害物の周りを縫うように進む経路または曲がりくねった経路に追従することが必要とされる場合、特に有利である。これは、工業プラントまたは化学プラントのパイプラインに一般的に見られる状況である。
図49−52を参照すれば、第6の実施形態によるパイプ10の区域が示されている。第6の実施形態によるパイプ10は、1つまたは複数の真直区域を有しており、その1つが図49に示されており、参照番号501が付されている。パイプ10は、1つまたは複数の曲げ区域も有しており、その1つの考えられる形態が図50に示されており、参照番号503が付されており、他の考えられる形態が図51に示されており、参照番号505が付されている。
曲げ区域503は、外側507および内側509を有する穏やかな曲線として構成されている。柔軟な外側ケーシング31は、外側507において伸張し、内側509において収縮し、これによって、湾曲に適応することができる。補強材32内の繊維は、すべることによって、湾曲に適応し、負荷を伝搬することができる。
曲げ区域505は、外側511および内側513を有する急峻な曲線として構成されている。曲げ区域505は、組み立てられた管構造体100を形成するための管状構造体の折り曲げを容易にするために、図52に示されているように、内側513に隣接する組み立てられた管状構造体100の一部を除去し、内側に沿って凹部515をもたらすことによって形成されている。図示されている構成では、除去された部分は、v形状を有している。従って、各凹部515は、2つの互いに向き合った傾斜側縁517を有しており、これらの傾斜側縁517は、図51に示されているように、曲げ区域505の形成時に互いに重なって当接することになる。当接している縁517は、互いに密封して接合されている。
いくつかの用途では、パイプ10またはその長さの少なくとも一部が、パイプの建造および樹脂バインダーの硬化の後も、柔軟であることが必要とされる場合がある。このような用途として、海中位置と水面の施設との間に延在する柔軟なパイプラインをもたらすパイプ10が挙げられる。
図53に示されている第7の実施形態によるパイプ10は、このような用途に用いられるために建造されている。パイプ10は、例えば、海中位置と海洋生産リグとの間に柔軟なライザーをもたらすものである。この実施形態では、パイプ10は、船または艀のような船舶上の据付プラント600において組み立てられ、海域601内に敷設されるようになっている。その海面には、参照番号603が付されている。
据付プラント600は、管状構造体100を前述の実施形態と同様の方法によって組み立てるようになっている。この実施形態では、据付プラント600は、第5の実施形態に関して前述したように、補強材32および隣接する内側ライナー21の樹脂吸収性層17の比較的急速な湿潤を促進する装置403を用いている。加えて、据付プラント600は、組み立てられた管構造体100が水601内に敷設されるときに、組み立てられた管構造体100を支持する支持構造体605を有している。
この実施形態では、パイプ10の建造に用いられる樹脂バインダーは、(典型的には前述の実施形態におけるような剛性な状態に硬化するのとは対照的に)、より柔軟な状態に硬化するものである。具体的には、この樹脂バインダーは、パイプ10に必要な柔軟性をもたらすために、硬化の後も柔軟性を維持するものである。このような目的に適する樹脂バインダーおよび他の結合剤は、複合構造技術においてよく知られており、その例として、ゴム変性ポリエステル、ゴム変性ビニルエステル、ゴム変性エポキシ、およびポリウレタンが挙げられる。この実施形態では、ゴム変性ビニルエステルが、樹脂バインダーとして好ましい。何故なら、ゴム変性ビニルエステルは、高せん断強度および良好な層間接合性を有するのみならず、運動に対応して曲がる能力を構造体にもたらすからである。
組み立てられた管状構造体は、パイプ10が敷設されるときに海中に降下する必要があるので、空気を内側ライナー21のための膨張流体として用いるのは、適切ではない。何故なら、空気は、組み立てられた管状構造体に望ましくない浮力をもたらすからである。この実施形態では、水が膨張流体として用いられるようになっている。膨張流体として作用する水は、周囲の海域601から供給されることになる。図示されている構成では、降下している管状構造体の底(管状構造体の開端133)は、取付具607を有しており、取付具607を通して、水が管状構造体100内に送り込まれ、内側ライナー21を膨張させるようになっている。ライナー21を必要に応じて膨張させるのに十分な程度に水を加圧する圧力ヘッドを得るために、膨張流体は、水面603の上方のある高さに維持されるように導入されることになる。管状構造体100内の水面603からの水の高さは、参照番号611によって示されている。
この実施形態では、圧縮装置125は、先の実施形態におけるように組み立てられた管状構造体100に対して牽引運動を与えるのではなく、組み立てられた管構造体100の降下を制御するブレーキシステムとして機能する。
先の実施形態は、2つの異なる位置間に連続的に延在するパイプラインを構成する長さを有するパイプの建造に関するものである。しかし、本発明は、このような長いパイプの建造に制限される必要がない。実際、本発明は、他のパイプ、例えば、互いに接続されてパイプラインを形成するように構成されたパイプ、例えば、典型的には、個々のユニットとしての取扱および設置に適する短い長さを有するパイプの製造に適用されてもよい。このようなパイプの製造は、工場のような製造施設内において行われるのに適している。
図示されていない次の実施形態は、このようなパイプに向けられている。この実施形態は、先の実施形態といくつかの点において類似しており、対応する用語が、この実施形態の説明に用いられている。
この実施形態では、内側部分は、軸方向および半径方向の膨張を行うように構成された(マンドレルのような)コア上に配置され、外側部分は、内側部分の周りに配置され、これによって、組み立てられた管構造体をもたらすようになっている。外側部分は、コア上への内側部分の配置の前、最中、または後に、内側部分の周りに配置されるとよい。外側部分の補強布に含浸する樹脂バインダーは、先の実施形態におけるように、内側ライナー上のフェルトの層にも含浸し、外側部分を内側部分に一体化させることになる。樹脂バインダーの硬化の前に、コアが拡張され、これによって、組み立てられた管構造体を半径方向および軸方向に拡張し、管構造体に外径および形状をもたらすことになる。組み立てられた管構造体の拡張によって、先の実施形態におけるように、外側部分の補強材が全ての方向に伸張し、パイプ10のフープ応力および軸方向応力に対する耐性を強化することになる。組み立てられた管構造体100は、いったん樹脂バインダーが十分に硬化されたなら、コアから取り外され、これによって、パイプが得られることになる。
この実施形態では、組み立てられた管構造体を半径方向および軸方向に拡張させるために、先の実施形態におけるような膨張流体を用いずに、コアが用いられている。
他の構成では、比較的短いパイプは、第1,第2,または第3の実施形態のいずれか1つによってパイプを製造し、該パイプを多数の区域に切断し、区域の1つを短いパイプとすることによって、製造されてもよい。
先の実施形態のいずれかによるパイプは、その一端または両端に連結具を必要とすることがある。連結具は、パイプをパイプラインにおける他のパイプに連結するために、またはパイプを他の構成部品(例えば、フィルター、ポンプ、および弁)に接続するために、必要とされることがある。さらに、パイプが製造される建造走行部の開始点および終了点において、連結具をパイプに装着することが必要とされることもある。
連結具は、どのような適切な方法によって、パイプ端に装着されてもよい。1つの方法として、係留部分および連結部分を有する連結装置を用いる方法が挙げられる。この場合、係留部分は、パイプに取り付けられるように構成されており、連結部分は、該パイプが連結される他のパイプまたは構成部品の対応する連結部に取り付けられる(連結フランジのような)連結部をなすように構成されている
係留部分は、パイプ10の隣接端に埋設されるように構成されているとよい。係留部分は、パイプとキー結合するように構成されているとよい。キー結合は、どのような適切な方法によって、例えば、パイプ10の外側部分13とキー結合する賦形部を設けることによって、達成されてもよい。賦形部は、補強材32およびそこに含浸された樹脂バインダーとキー結合するピンのような横方向突起から構成されているとよい。代替的または付加的に、賦形部は、孔を備えていてもよい。この孔内に、補強材32およびそこに含浸された樹脂バインダーが配置され、キー作用をもたらすことになる。さらに、補強材32内の繊維が、賦形部に巻き付けられ、挿通され、またはそれ以外の方法によって取り付けられ、係留部の適所への固定を助長するようになっていてもよい。
前述の実施形態は、パイプとして構成された複合管状構造体の建造に関するものである。
本発明は、どのような適切な管状構造体、例えば、種々の管状の物体、要素、部品、または他の形状物の建造に適用されてもよい。管状構造体は、シャフト、ビーム、および柱状体のような構造要素を含んでいる。また、管状構造体は、複合構造の中空構造部分または配管も含んでいる。
このような管状構造体は、どのような適切な方法によって建造されてもよい。このような管状構造体を建造する特に便利な方法は、該管状構造体を構成する組み立てられた管構造体をもたらすために軸方向および半径方向の拡張に適する(マンドレルのような)コアと内側部分の周りに配置された外側部分とを含む、先の実施形態に関して説明したプロセスと同様であればよい。
樹脂バインダーをかき立て、湿潤プロセスを促進するために、組み立てられた管状構造体100に振動を与える特徴は、本発明による細長の中空構造体のいずれの建造に関して用いられてもよい。
前述の説明から、樹脂バインダーを補強材32に送達するステップと補強材32を樹脂バインダーによって十分に湿潤させるステップとが互いに独立した特異な作用であることが、前述した実施形態の大きな特徴であることは、明らかである。具体的には、樹脂バインダーは、管状構造体100が圧縮装置125を通過する前に、管状構造体100内に導入され、樹脂バインダーは、管状構造体100が圧縮装置125を通過した後、膨張空洞29内への膨張流体の導入の結果として補強材32を十分に湿潤させるようになっている。
さらに、前述したように、補強材32が閉じ込められている空間45の容積を徐々に減少させることによって、空間45から空気が確実に排除されることになるが、これは、補強材32内への樹脂バインダーの含浸を促進する効果がある。
本発明の範囲は、前述した実施形態の範囲に制限されるものではないことを理解されたい。
本明細書および請求項を通して、文脈に別段の定めがない限り、「〜を備える(comprise)」という用語または「comprises」または「comprising」のような変形は、記載されている完全体または完全体の群を含むことを意図しているが、任意の他の完全体または完全体の群を排除するものではないことを理解されたい。
なお、本出願の原出願の特許請求の範囲は、以下の通りである。
[請求項1]
半径方向内側部分および半径方向外側部分を備える細長の中空構造体であって、前記2つの部分が一緒に合わさって一体化された管状壁構造体をもたらすようになっている、細長の中空構造体を建造する方法において、
前記半径方向内側部分を準備することと、
前記半径方向内側部分の周りに前記半径方向外側部分を準備することと、
前記半径方向内側部分を拡張することと、を含み、
前記半径方向外側部分は、柔軟な外側ケーシングによって取り囲まれ、繊維補強複合構造を有する外側チューブを備え、
前記半径方向内側部分と前記半径方向外側部分との間には空間が形成され、
前記半径方向内側部分と前記半径方向外側部分の間の気体は、前記半径方向内側部分が拡張されたときに、排除されることを特徴とする方法。
[請求項2]
前記半径方向内側部分と前記半径方向外側部分の間の前記気体は、前記外側ケーシング内の通気手段を介して、排除されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
[請求項3]
前記半径方向内側部分と前記半径方向外側部分の間の前記気体は、流体を排除するための繊維状の前記半径方向外側部分の材料を介して、排除されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
[請求項4]
前記通気手段の通気口は、前記外側ケーシングに形成さている穿刺孔であることを特徴とする請求項2に記載の方法。
[請求項5]
前記繊維補強複合構造を有する前記外側チューブは、補強材とバインダーを備えていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
[請求項6]
前記補強材は、補強布の1つまたは複数の層を備えていることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
[請求項7]
前記補強材は、補強布の1つまたは複数の層を備え、前記1つまたは複数の層の各々は、前記半径方向内側部分の周りに配置された管状層として構成されていることを特徴とする請求項5に記載の方法。
[請求項8]
複数の前記管状層が、前記半径方向内側部分の周りに互いに重なって配置されていることを特徴とする請求項7に記載の方法。
[請求項9]
前記半径方向内側部分は、内側ライナーを備える内側チューブを備えており、
前記内側ライナーの片面に繊維層が接合されており、前記補強布に含浸する前記バインダーが、前記繊維層にも含浸し、前記半径方向外側部分を前記半径方向内側部分と一体化させるようになっていることを特徴とする請求項6に記載の方法。
[請求項10]
柔軟な外側ケーシングは、前記半径方向内側部分の拡張に対抗するように機能し、これによって、前記半径方向内側部分が圧縮を受けることを特徴とする請求項9に記載の方法。
[請求項11]
前記補強材は、拡張する前記半径方向内側部分と前記柔軟な外側ケーシングとの間の前記空間内に閉じ込められており、半径方向に拡張する前記半径方向内側部分は、前記柔軟な外側ケーシングと連動しながら、前記空間の容積を徐々に減少させ、これによって、前記補強材内の前記バインダーを前記補強材に十分含浸させることを特徴とする請求項9に記載の方法。
[請求項12]
前記補強材は、拡張する前記半径方向内側部分と前記柔軟な外側ケーシングとの間の前記空間内に閉じ込められており、半径方向に拡張する前記半径方向内側部分は、前記柔軟な外側ケーシングと連動しながら、前記空間の容積を徐々に減少させ、これによって、これによって、前記空間内から前記気体を排除させることを特徴とする請求項9に記載の方法。
[請求項13]
前記補強材は、拡張する前記半径方向内側部分と前記柔軟な外側ケーシングとの間の前記空間内に閉じ込められており、半径方向に拡張する前記半径方向内側部分は、前記柔軟な外側ケーシングと連動しながら、前記空間の容積を徐々に減少させ、これによって、前記補強材内の前記バインダーを前記補強材に十分含浸させ、前記空間内から空気を排除させることを特徴とする請求項9に記載の方法。
[請求項14]
半径方向内側部分と、半径方向外側部分とを備え、前記2つの部分が一緒に合わさって一体化された管状壁構造体を構成し、
前記半径方向内側部分と前記半径方向外側部分との間には空間を有し、
前記半径方向内側部分と前記半径方向外側部分の間の気体は、前記半径方向内側部分が拡張されたときに、排除されるように構成されていることを特徴とする細長の中空構造体。
なお、上記原出願における原出願の特許請求の範囲は、以下の通りである。
[請求項1]
半径方向内側部分および半径方向外側部分を備える細長の中空構造体であって、前記2つの部分が一緒に合わさって一体化された管状壁構造体をもたらすようになっている、細長の中空構造体を建造する方法であって、
前記半径方向内側部分を準備することと、前記半径方向内側部分の周りに前記半径方向外側部分を組み立てることと、前記内側部分を拡張することと、を含み、
前記外側部分は、柔軟な外側ケーシングによって取り囲まれた繊維補強複合構造を有する外側チューブを備えている、方法。
[請求項2]
繊維補強複合構造を有する前記外側チューブは、補強材およびバインダーを含むようになっている、請求項1に記載の方法。
[請求項3]
前記補強材は、補強布の1つまたは複数の層を備えている、請求項2に記載の方法。
[請求項4]
前記または各層は、前記半径方向内側部分の周りに配置された管状層として構成されている、請求項3に記載の方法。
[請求項5]
複数の管状層が、前記内側チューブの周りに互いに重なって配置されている、請求項4に記載の方法。
[請求項6]
前記内側部分は、内側ライナーを備える内側チューブを備えており、前記内側ライナーの片面に繊維層が接合されており、前記補強布に含浸する前記バインダーが、前記繊維層にも含浸し、前記外側部分を前記内側部分と一体化させるようになっている、請求項3〜5のいずれか1項に記載の方法。
[請求項7]
前記柔軟な外側ケーシングは、前記補強材の半径方向拡張に対抗するように機能し、これによって、前記補強材が半径方向圧縮を受けるようになっている、請求項2〜6のいずれか1項に記載の方法。
[請求項8]
前記補強材は、前記拡張する内側部分と前記柔軟な外側ケーシングとの間の空間内に閉じ込められており、前記半径方向に拡張する内側部分は、前記柔軟な外側ケーシングと関連して作用し、前記空間の容積を徐々に減少させ、これによって、前記補強材内の前記バインダーを前記補強材に十分に含浸させるようになっている、請求項7に記載の方法。
[請求項9]
前記補強材は、前記拡張する内側部分と前記柔軟な外側ケーシングとの間の空間内に閉じ込められており、前記半径方向に拡張する内側部分は、前記柔軟な外側ケーシングと連動しなら、前記空間の容積を徐々に減少させ、これによって、前記空間内から空気を排除させるようになっている、請求項7に記載の方法。
[請求項10]
前記補強材は、前記拡張する内側部分と前記柔軟な外側ケーシングとの間の空間内に閉じ込められており、前記半径方向に拡張する内側部分は、前記柔軟な外側ケーシングと連動しながら、前記空間の容積を徐々に減少させ、これによって、前記補強材内の前記バインダーを前記補強材に十分に含浸させる共に、前記空間内からの空気を排除させるようになっている、請求項7に記載の方法。
[請求項11]
前記外側ケーシングおよび前記種々の補強布管状層は、前記空気の排除を容易にするように構成されている、請求項9または10に記載の方法。
[請求項12]
前記柔軟な外側ケーシングは、前記補強布管状層の半径方向拡張に対して従順に対抗するために、いくらかの弾性を有している、請求項7〜10のいずれか1項に記載の方法。
[請求項13]
前記柔軟な外側ケーシングは、前記内側チューブよりも弾性が小さくなっている、請求項12に記載の方法。
[請求項14]
前記柔軟な外側ケーシングは、前記バインダーが前記補強材を徐々に湿潤させる速度の制御を高めることを目的として、伸縮弾性を有している、請求項12または13に記載の方法。
[請求項15]
前記補強布は、4軸繊維配向を特徴とする補強繊維を含む補強布を含んでいる、請求項3〜14のいずれか1項に記載の方法。
[請求項16]
半径方向内側部分および半径方向外側部分を備える細長の中空構造体であって、前記2つの部分が一緒に合わさって一体化された管状壁構造体をもたらすようになっている、細長の中空構造体を建造する方法であって、
繊維層が片面に接合された内側ライナーを備える内側チューブを備える前記半径方向内側部分を準備することと、前記半径方向内側部分の周りに前記半径方向外側部分を組み立てることと、前記内側部分を拡張させることと、を含み、
前記外側部分は、柔軟な外側ケーシングによって取り囲まれた繊維補強複合構造を有する外側チューブを備えており、
前記内側部分は、繊維層が片面に接合された内側ライナーを備える内側チューブを備えており、
前記外側チューブに含浸する樹脂バインダーは、前記繊維層にも含浸し、前記外側部分を前記内側部分と一体化させるようになっている、方法。
[請求項17]
細長の中空構造体を建造する方法であって、柔軟な管状壁構造体を中心部分の周りに形成することと、前記管状壁構造体に所定の断面輪郭をもたらすために、前記中心部分を拡張させることと、前記管状壁構造体を固化、硬化、または凝固させることと、を含む、方法。
[請求項18]
前記中心部分は、前記壁構造体の一部を備えている、請求項17に記載の方法。
[請求項19]
前記柔軟な壁構造体は、繊維補強プラスチック複合材を備えている、請求項17または18に記載の方法。
[請求項20]
前記柔軟な壁構造体は、樹脂バインダーのような硬化可能なプラスチックをさらに含むようになっている、請求項19に記載の方法。
[請求項21]
前記繊維補強プラスチック複合材は、補強繊維を含む布として構成された補強材を含んでいる、請求項19または20に記載の方法。
[請求項22]
前記補強布は、4軸繊維配向を有している、請求項21に記載の方法。
[請求項23]
前記柔軟な管状壁構造体は、前記繊維補強プラスチック複合材を取り囲む柔軟な外側ケーシングをさらに備えている、請求項17〜20のいずれか1項に記載の方法。
[請求項24]
前記拡張可能な中心部分は、内側チューブを備えており、前記内側チューブは、前記柔軟な管状壁構造体の固化、硬化、または凝固の前に前記柔軟な管状壁構造体を拡張させる膨張性袋をもたらすようになっている、請求項3〜14のいずれか1項に記載の方法。
[請求項25]
前記内側チューブは、前記管状壁構造体と一体化され、前記管状壁構造体の一部をなすようになっている、請求項24に記載の方法。
[請求項26]
細長の中空構造体を建造する方法であって、内部を有する柔軟な管状壁構造体を形成することと、前記柔軟な管状壁構造体の前記内部を膨張させ、前記柔軟な管状壁構造体に形態および形状をもたらすことと、前記柔軟な壁構造体を固化、硬化、または凝固させ、前記管状要素をもたらすことと、を含む、方法。
[請求項27]
前記柔軟な壁構造体は、前記管状要素をもたらすように硬化可能な繊維補強プラスチック複合材を備えている、請求項24に記載の方法。
[請求項28]
前記柔軟な壁構造体は、前記繊維補強プラスチック複合材を取り囲む柔軟な外側ケーシングをさらに備えている、請求項27に記載の方法。
[請求項29]
前記繊維補強プラスチック複合材は、剛性な状態に硬化するようになっている、請求項27または28に記載の方法。
[請求項30]
前記繊維補強プラスチック複合材は、柔軟な状態に硬化するようになっている、請求項27または28に記載の方法。
[請求項31]
前記管状壁構造体は、流体不浸透性の内面を有するライナーを備えている、請求項26〜30のいずれか1項に記載の方法。
[請求項32]
パイプを建造する方法であって、繊維補強プラスチック複合材を備える柔軟な管状壁構造体を形成することと、前記柔軟な管状壁構造体の内部を膨張させ、前記柔軟な管状壁構造体に形態および形状をもたらすことと、前記柔軟な壁構造体を固化、硬化、または凝固させ、前記パイプをもたらすことと、を含む、方法。
[請求項33]
前記パイプは、連続的に建造され、前記柔軟な壁構造体の硬化の前に、徐々に適所に設置されるようになっており、前記柔軟な壁構造体は、いったん前記パイプの設置位置に達したなら、硬化されるようになっている、請求項32に記載の方法。
[請求項34]
パイプを連続的に建造する方法であって、繊維補強プラスチック複合材を備える柔軟な管状壁構造体を形成することと、前記柔軟な管状壁構造体の内部を膨張させ、前記柔軟な管状壁構造体に形態および形状をもたらすことと、前記柔軟な壁構造体を硬化させ、前記パイプをもたらすことと、を含む、方法。
[請求項35]
柔軟な状態にあるパイプを建造する方法であって、前記パイプを設置箇所に据え付けることと、前記柔軟なパイプが前記設置箇所において剛性な状態に変換することを可能にすることと、を含む、方法。
[請求項36]
前記パイプは、移動据付プラント内において組み立てられるようになっており、前記移動据付プラントは、前記設置箇所に対して移動可能であり、前記柔軟な状態にある前記パイプを据え付けるようになっている、請求項35に記載の方法。
[請求項37]
請求項35に記載の方法によってパイプを建造するための移動据付プラント。
[請求項38]
請求項1〜31のいずれか1項に記載の細長の中空構造体を建造するための組立ライン。
[請求項39]
請求項35または36の方法によって建造されたパイプ。
[請求項40]
請求項1〜31のいずれか1つに記載の方法によって建造された細長の中空構造体。
[請求項41]
複合構造を有する細長の中空構造体であって、半径方向内側部分および半径方向外側部分を備えており、前記2つの部分が一緒に合わさって一体化された管状壁構造体をもたらすようになっている、細長の中空構造体。
[請求項42]
前記外側部分は、繊維補強複合構造を有する外側チューブとして構成されている、請求項41に記載の細長の中空構造体。
[請求項43]
前記外側部分は、前記外側チューブを取り囲む柔軟な外側ケーシングをさらに備えている、請求項41に記載の細長の中空構造体。
[請求項44]
前記補強材は、補強布の1つまたは複数の層を備えており、前記層の各々は、前記内側部分の周りに配置された管状層として構成されている、請求項42または43に記載の細長の中空構造体。
[請求項45]
前記補強布は、4軸繊維配向を特徴とする補強繊維を含む補強布を含んでいる、請求項44に記載の細長の中空構造体。
[請求項46]
前記内側部分は、繊維層が片面に接合された内側ライナーを備えている、請求項41〜45のいずれか1項に記載の細長の中空構造体。
[請求項47]
前記ライナーの他の面は、前記管状構造体の内面を画定している、請求項46に記載の細長の中空構造体。
[請求項48]
前記補強布に含浸する樹脂バインダーは、前記内側ライナーに接合された前記繊維層にも含浸し、前記外側部分を前記内側部分と一体化させるようになっている、請求項46または47に記載の細長の中空構造体。
[請求項49]
本明細書に実質的に記載されているような細長の中空構造体を建造する方法。
[請求項50]
添付の図面を参照して本明細書に実質的に記載されているような細長の中空構造体を建造するための組立ライン。
[請求項51]
添付の図面を参照して本明細書に実質的に記載されているような細長の中空構造体。

Claims (16)

  1. 半径方向内側部分および半径方向外側部分を備える細長の中空構造体であって、前記2つの部分が一緒に合わさって一体化された管状壁構造体をもたらすようになっている、細長の中空構造体を建造する方法において、
    前記半径方向内側部分を準備することと、
    前記半径方向内側部分の周りに前記半径方向外側部分を組み立てることと、
    前記半径方向内側部分を拡張することと、を含み、
    前記半径方向外側部分は、柔軟な外側ケーシングによって取り囲まれ、繊維補強複合構造を有する外側チューブを備え、
    前記半径方向内側部分は、前記細長の中空構造体の端部から前記半径方向内側部分内に膨張流体を注入することによって拡張され、
    前記細長の中空構造体は、前記膨張流体を注入する端部から離れた位置で圧縮されて、前記端部から離れた前記位置を前記膨張流体が通過できないようにされることを特徴とする方法。
  2. 前記細長の中空構造体は、圧縮装置を通過し、
    前記圧縮装置は、前記圧縮装置内で前記細長の中空構造体を圧縮して、前記端部から離れた前記位置を前記膨張流体が通過できないようにすることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記圧縮装置は、前記細長の中空構造体に牽引力を加え、前記細長の中空構造体を連続的に建造することを容易にすることを特徴とする請求項2に記載の方法。
  4. 前記繊維補強複合構造を有する前記外側チューブは、補強材とバインダーを備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記補強材は、補強布の1つまたは複数の層を備えていることを特徴とする請求項4に記載の方法。
  6. 前記1つまたは複数の層の各々は、前記半径方向内側部分の周りに配置された管状層として構成されていることを特徴とする請求項5に記載の方法。
  7. 複数の前記管状層が、前記半径方向内側部分の周りに互いに重なって配置されていることを特徴とする請求項6に記載の方法。
  8. 前記半径方向内側部分は、内側チューブを備えていることを特徴とする、請求項5〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記内側チューブは、内側ライナーを備えており、前記内側ライナーの片面に繊維層が接合されており、前記補強布に含浸する前記バインダーが、前記繊維層にも含浸し、前記半径方向外側部分を前記半径方向内側部分と一体化させるようになっていることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
  10. 柔軟な前記外側ケーシングは、前記補強材の半径方向拡張に対抗するように機能し、これによって、前記補強材が半径方向圧縮を受けることを特徴とする請求項4〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 前記補強材は、拡張する前記半径方向内側部分と柔軟な前記外側ケーシングとの間の前記空間内に閉じ込められており、半径方向に拡張する前記半径方向内側部分は、柔軟な前記外側ケーシングと連動しながら、前記空間の容積を徐々に減少させ、これによって、前記空間内から空気を排除させることを特徴とする請求項10に記載の方法。
  12. 前記外側ケーシングおよび種々の補強布管状層は、前記空気を排除するように構成されていることを特徴とする、請求項6を引用する請求項11に記載の方法。
  13. 前記柔軟な外側ケーシングは、前記補強布管状層の半径方向拡張に対して対抗するための弾性を有していることを特徴とする、請求項6を引用する請求項10〜12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 前記柔軟な外側ケーシングは、前記内側チューブよりも弾性が小さくなっていることを特徴とする請求項8または請求項9に記載の方法。
  15. 前記細長の中空構造体は、パイプであることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の細長の中空構造体を建造する方法。
  16. 前記パイプは、連続的に建造され、軟な管状壁構造体の硬化の前に、徐々に適所に設置され、これによって、前記柔軟な管状壁構造体は、いったん前記パイプの設置位置に達したなら、硬化されることを特徴とする請求項15に記載の方法。
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